第067回国会 本会議 第25号
昭和四十六年十二月二十一日(火曜日)
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 昭和四十六年十二月二十一日
  午後二時 本会議
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○本日の会議に付した案件
 水田大蔵大臣の国際通貨調整に関する報告及び
  質疑
   午後二時四分開議
○議長(船田中君) これより会議を開きます。
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 水田大蔵大臣の国際通貨調整に関する報告
○議長(船田中君) 大蔵大臣から、国際通貨調整に関する報告のため、発言を求められております。これを許します。大蔵大臣水田三喜男君。
  〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
○国務大臣(水田三喜男君) 去る十二月十七、十八日の両日、ワシントンで開催されました十カ国蔵相会議を終え、昨日帰国いたしました。とりあえずその結果を御報告いたしたいと存じます。
 政府声明によりすでに御存じのとおり、今回、多国間の通貨調整につき合意が成立しましたが、ドルは金に対し、現行一オンス三十五ドルを三十八ドルにすることにより切り下げを行ない、円は金に対し七・六六%切り上げることといたしました。その結果、円の対米ドル基準レートを、従来の一ドル三百六十円から三百八円に改定することといたしました。これにより、円はドルに対し、自国通貨建て方式で一四・四四%、IMF方式で一六・八八%の切り上げと相なります。
 国際通貨危機が生じて以来四カ月余を経過いたしましたが、この間、各位から寄せられました御理解と御協力に対し、心から感謝いたします。
 去る八月十五日に、米国がドル防衛のために輸入課徴金の賦課、ドルの金への兌換の一時停止の措置を講じて以来、これによって生じた国際通貨危機を打開するため、世界の主要国は、数次にわたる十カ国蔵相会議を開催し、局面の打開に努力を続けてまいりました。各国とも、国際通貨情勢の不安と動揺が長引けば、世界経済に大きな影響を与えることを深く憂慮し、一日も早く解決すべきであると、共通の認識を深めてまいりましたものの、いずれの国も、国益を背景にした交渉でありますだけに、合意に達することがきわめて困難でありました。
 しかるに、去る十一月三十日、十二月一日の両日、ローマにおいて開催されました十カ国蔵相会議において、米国がドルの金価格に対する切り下げを示唆したことから、事態は急速に進展を見せ、今回のワシントン会議においては、最初から問題の核心に入り、米国の提案をめぐって論議が進められました。
 論議は、米国がドルを金に対して九%も切り下げ、輸入課徴金を即時撤廃することを前提に、その他の主要国に対し応分の負担を求めることから始まりました。その結果、ドルの切り下げ幅と各国通貨の調整幅のバランスをめぐって種々交渉が行なわれましだが、最終的には、円については今次の切り上げが決定されたのであります。
 このような決定に基づき、わが国は、昨日から基準外国為替相場を改定するとともに、円の中心為替相場を一米ドルにつき三百八円とし、為替相場の変動幅を二・二五%とすることを国際通貨基金に通報いたしました。また、昨日は、新しい為替レートに対する適応を円滑にするために、外国為替市場を一日閉鎖する措置をとりましたが、本日から市場は再開いたしました。
 今回のワシントン会議に基づき、当面の主要国通貨間の為替レートの調整の問題は一応解決を見たわけでありますが、国際通貨制度の長期的な視野に立った改革についての検討が今後の課題として残されております。わが国としましては、今後の国際通貨体制の安定のために、これらの問題の解決のために一そうの努力を続けてまいる所存であります。(拍手)
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 国際通貨調整に関する報告に対する質疑
○議長(船田中君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。堀昌雄君。
  〔堀昌雄君登壇〕
○堀昌雄君 私は、ただいま報告のありました円平価の切り上げについて、日本社会党を代表して、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 最初に、十九日に発表をされました政府声明及び総理の記者会見の談話についてお伺いをいたしたいと思うのであります。
 そもそも、今度の円の切り上げ問題というのは、確かに、アメリカの経済に対処をするあり方に問題があったことに原因を求めることができるのでありますけれども、しかし、それだけではなくて、日本経済の運営のあり方にこれまで誤りがなかったかどうかという点をここで明らかにしておかなければ、またこのような重大な事件を繰り返すことになるおそれがあると考えるわけであります。
 そこで、私は、まずこの問題について、国内的な問題と対外的な問題とに分けて、この政府演説及び総理の談話の中の問題点を少し明らかにしてまいりたいと思うのであります。
 まず第一に、この問題の中で流れております、日本は敗戦の中であったけれども、その努力によって自由世界で第二番目の経済大国になったということばが使われておるわけでありますけれども、一体経済大国ということがはたして日本に当てはまるのかどうかということを、私は正しく認識をしておく必要があると思うのであります。経済というのは、単に生産が大きければそれだけが経済とは、私どもは考えておりません。われわれが言う経済というのは、一番大事なのは、国民生活がどのように発展し、そこで豊かになっていくかというのが経済の主要な課題であって、会社や企業の生産量がふえることが経済の一番主要な眼目でないことは、私が申し上げるまでもないと思うのであります。(拍手)
 私は、ここで、一九六〇年から一九七〇年に至る十年間にわれわれがやってきた道、そうしてアメリカや西ドイツが通ってきた道を、具体的な計数の上で振り返ってみたいと思うのであります。
 一九六〇年に、わが国の国民総生産は三百五十九億ドルでございました。これが、確かにこの十年間に四・六倍にふえました。このようにふえたのは、世界で日本だけであります。アメリカはこの間一・九倍、イギリスは一・六倍、西ドイツは二・六倍、フランスは二・三倍、言うなれば、大体二倍程度というのが世界の先進国の正常な状態であります。
 にもかかわらず、日本がこの十年間に先進諸国の倍の国民総生産を伸ばした中には、一体何があるか。これを具体的に考えてみますと、私たち国民が働いてつくり出す財貨サービスの総量を、私たちは国民総生産と貨幣価値で判断をしておるわけであります。そのわれわれ国民がつくり出したものをどういう形で使っておるかというところに、実は経済なり政治の重要な課題があるわけです。一九六〇年に日本は、この全体のつくり出したものの中で、国民が使いました個人消費というのは五九・七%ありました。それが一九七〇年には五一・二%に、実に八・五%も、国民生活に使われるものが使われなくなっているのであります。それは一体どこへ行ったのか。これは皆さんも御承知のように、会社や工場の設備の拡大のための民間設備のほうに用いられたわけであります。一九六〇年に民間設備投資は、構成比で一九・二でありました。それが十年後には二六・九と、この間に七・七%ふえました。言うなれば、国民が営々としてつくり出した財貨は、国民の使う方向には行かないで、会社や工場を拡大することだけに使われてこの十年間が過ぎたのであります。
 その結果あらわれてきておるのは、鉄鋼の生産量は、この十年間に四・二倍、自動車の生産量は、驚くなかれ七倍に達しておるのであります。先進諸国のその他の国は、いずれも、鉄鋼においては一・三倍程度、自動車においても大体一・八倍というのが西ドイツで一番高い程度でありまして、アメリカにおいてはほぼ一・三倍という程度にしかすぎないのであります。
 このような姿を見るときに、アメリカにおきましても、西ドイツにおきましても、この十年間に国民生活のための個人消費というのは、わずか一%程度は減っておりますけれども、ほぼ横ばいであります。アメリカは、一九七〇年には、国民のつくり出した中で国民が使いましたものは六二%、イギリスは六二・七%、西ドイツが最も少なくても五五・三%、フランス六〇・四%、イタリア六三・四%。言うなれば、欧州の先進諸国は国民のつくり出したものは国民が使うというのが原則でありますけれども、日本の十年間は、国民のつくり出したものを会社、企業が使って今日の大をなすことになったわけであります。
 なるほど、その結果、生産量はふえました。しかし皆さん、私たちの周囲を考えてみるならば、この十年間に、日本では、住宅は千六百五十万戸でありましたものが二千百十万戸にと、四百六十万戸ふえました。しかし、同じような状態の西ドイツでは、九百四十万戸でありましたものが千八百四十五戸にと、十年間に九百万戸住宅がふえているのであります。日本の場合は人口が約一億、西ドイツは五千八百万でありますから、ほぼ二分の一近い数であります。二分の一の国民が同じ時期に倍の住宅が建てられたということは、その国の政策が住民の、国民のつくり出したものをまず国民に与えておる具体的な証拠ではないのでしょうか。(拍手)
 さらに、道路の舗装率一つをとってみましても、日本は今日かなり舗装をいたしましたけれども、まだ一二・六%というのが日本の道路の舗装率であります。アメリカがわりに低いほうでありますけれども四一%、イギリスにおいては、すでに一九六〇年に一〇〇%、舗装がされているのであります。西ドイツが現在七六・三%、フランスがわりあい低くても三五%、こういうことでありまして、道路の舗装率一つをとってみても非常な違いがあるわけであります。
 さらに、私たちはもっと重要な問題が一つあると思います。それは何かといえば、年金の問題であります。西ドイツにおきましては、一九六五年に社会保障の費用に使われましたものは国民総生産の一四%、年金として年寄りに支給された額は六・五%に達しておりますけれども、日本の場合には、一九六五年には社会保障費は国民総生産のわずか一・六五%、年金に至っては〇・四九%と、全く年金がないにひとしい状態にあるのであります。
 皆さん、このような内容で日本が西ドイツよりも上の経済大国だと認識ができましょうか。われわれは、このような誤った考えで今日まで経済運営をしてきた佐藤総理の重大な責任があると思うのであります。(拍手)その結果が今回のような、日本の分不相応な大幅な引き上げを求められる結果となったのでありまして、まず国内政策の重要な誤りをここで認識をしていただかなければ、再びこのようなことが繰り返されるならば、再度の円切り上げに追い込まれる可能性は明らかであると私は考えるのであります。
 二点目は対外問題でありますけれども、日本はアメリカに追従をして、金は日本はかえないということで、今日まで六億ドルしか金を持っておりません。金の価格が今回引き上げられたことは、金を多量に持っております西欧先進諸国にはきわめて有利な状態でありますけれども、日本の場合には対米追従をした結果、実は金の値上がりは何ら意味がないという結果になっておるのであります。
 同じことは、対米輸出の状態でも明らかであります。三〇%を一つの国に貿易をしておるということがいかにその国の自主性をそこなうかということが、今度の問題できわめて明らかになったと思います。西ドイツにおいては、現在対米の貿易量は九%程度であります。イギリスのような、アメリカときわめて密着をした国でも一一・七%、われわれは、このような日本の貿易構造を今日まで放置してきた経済政策の中にも大きな誤りがあったということを、総理に認識をしていただかなければならないと思います。(拍手)
 そこで、私は、総理にお伺いをいたします。
 これらのことが誤りであったという認識を持たない限り、私どもは、今後の日本経済を正しく運営していくことはできないと思いますが、総理は、この点、政府声明においても、談話の中においても、自分たちのあやまちを少しも認めておられません。私は、いさぎよくここであやまちを認め、新しい出発をするために国民の協力を求めるのでなければ、みずからの責任を回避して問題を処理しようというのでは、国民は納得をいたさないと思うのであります。きわめて重大な責任が総理にあると思いますので、この点についての総理のお考えを承りたいと思うのであります。(拍手)
 次は、今後のいろいろな引き続き起こる問題でありますが、ただいま申し上げたように、日本の民間設備投資は異常な伸びを示しましたけれども、ここに来て完全に停滞をしております。そうすれば、今後国民総生産を、それでは伸ばさなくていいかといえば、ある程度の伸びがなければたいへんなことになります。そのある程度の伸びを何でささえるかといえば、これはまさに、個人消費が大きくならない限りささえるものはないと思います。
 公共投資というのは、現在一六%しかGNPの中における構成比はありません。幾ら伸ばしても知れておりますけれども、五〇%のウエートを持っておる個人消費を伸ばすことが今後の日本経済を運営する重要なかなめだと思います。
 そこで、お伺いをしておきたいことは、すでに水田大蔵大臣は、私の大蔵委員会における質問に答えて、四十七年度においては所得税の減税をやらないと答弁をしておられるわけでありますが、このような異常な大幅切り上げに対処して、総理は、はたしてあなた御自身として、四十七年度に所得税減税をやる意思がないのかどうか。きわめて重大な問題でありますので、総理からお答えをいただきたいと思います。
 今後不況は長期に継続をすると思います。これまで輸出入がかなり行なわれておりましたのは、これまでの成約分でありまして、この大幅な切り上げを受けて、大手の商品等はともかくも、中小企業その他のものはたいへんな困難におちいることは明らかであります。特に繊維においては重大な問題をはらんでおると考えるのでありますが、これらの問題について、中小企業の引き続き起こる倒産、それに伴う失業等の国民が受ける不測の被害について、総理はどのように具体的に対処されようとするのか、お考えを承りたいのであります。
 アメリカの側では、国際収支が十億ドル改善をされれば雇用数は六万から七万ふえるということで、今回の調整によって五十万から七十五万の新しい雇用がふえるといっております。この調整によってアメリカの労働者は雇用され、日本の労働者が首を切られるのでは、これは重大な問題でありますので、特にこれらの問題を含めてお伺いをしておきたいと思います。
 さらに、もう一つの重要な問題は物価問題であります。
 この前からすでに、変動相場制の中で、灯油その他は少しも値下がりしないどころか、値上がりの傾向であります。このような大幅な円の切り上げがあるならば、当然灯油のようなものは引き下げられると思うのでありますけれども、一体それは可能なのかどうか、この問題については通産大臣から明確なお答えをいただいておきたいと思います。
 さらに、沖繩の問題について伺っておかなければなりません。
 このような大幅切り上げを、沖繩県民だれ一人予想した者はないと思います。この大幅切り上げの中で今後ともいまのような形で引き続き経済が運営されていくならば、沖繩県民の困窮は目に余るものがあると思うのであります。この問題については、すみやかに勇断をふるって円の交換を行なうべきであるし、その問題を一月のサンクレメンテの日米会談において総理は取り上げていただかなければならないと思うのでありますけれども、この点についての総理の御見解と、山中総務長官の具体的な御答弁を承っておきたいと思うのであります。
 四十七年度予算については、このようないろいろな問題がありますから、私は、慎重な検討を進めなければならないところに来ておると思うのであります。急いでここで予算をきめてしまうならば、今後の日本経済の運営というものはきわめて困難に逢着をするのではないかと考えるのでありまして、その面から、私は、この四十七年度予算の中における個人消費の問題、公共投資の問題、国債の発行、諸般の問題については、いま一度この大幅切り上げを前提として再検討を必要とするのではないかと思いますが、そのかまえ方について総理から、具体的には大蔵大臣から御答弁をいただきたいと思います。
 最後に、今後の貿易対策の問題でありますけれども、すみやかに、私は、社会主義圏との貿易を拡大することなくしては、対米三〇%の比重を下げることはできないと思います。そのために必要なのは、何と申しましても、日中国交回復の問題ではないかと思います。現在、われわれが提案をしております日中決議については、自由民主党は依然としてこれについて抵抗しておられるようでありますけれども、少なくとも、この際は、この国会全会一致してすみやかに決議を行なうとともに、日中国交回復に踏み切ることが、この経済の混乱から脱却するきわめて重大な道だと考えますので、この問題についての総理のお考えを承りたいと思うのであります。(拍手)
 さらに、電算機、農産物の自由化等の問題についてさらにアメリカが強く迫ってくることは明らかであります。これらについては所管大臣から、日本の国益がここまで追い込まれた以上は、これ以上妥協することはないと私は考えておりますけれども、正しい姿勢をここで明らかにしていただきたいと思います。
 要するに、この問題は私はこう考えます。私どもは、大蔵委員会の中で、前の福田大蔵大臣に何回かこの通貨問題を尋ねました。福田大蔵大臣は、頭のかけら、すみにもない、こういう答弁を何回かされました。このような考えが、今日のこの重大なところに追い込まれる結果となったと思うのであります。政府が通貨管理に自信があるというために、あぐらをかいて今日に来たことが、結果としてここに追い込まれた責任は、今日外務大臣でありますけれども、福田大蔵大臣にも重大な責任があると私は考えるわけであります。
 以上のような点と、さらにもう一つだけ大蔵大臣に伺っておきますが、金利の引き下げをやろうということがいまいわれております。現在、一年間にわたって公定歩合は一%引き下げられました。しかし、全国の銀行の貸し出し約定平均金利は、わずか〇・二%、五分の一しか下がっていないのであります。いまここで〇・五%の公定歩合の引き下げをすることは、何ら私は意味がないと思います。そのことによって、もし預金金利を引き下げるようなことが起こるならば、物価高の今日、きわめて重大な問題だと考えますので、これについて大蔵大臣から明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 堀君にお答えをいたします。
 堀君からは、御意見を交じえて、多岐わたってお尋ねがありましたが、私は、そのうち、基本的な問題についてお答えをいたしたいと思います。不十分な点につきましては、所管大臣からお答えすることといたしたいと思いますので、前もって御了承をお願いいたします。
 まず、今回の円の為替レートの引き上げは、主要国が公平かつ妥当な為替レートの設定に協力し合うならば、わが国としても応分の協力を惜しまないとのかねての方針によりまして行なったものであります。
 切り上げ幅についていろいろと議論のあることは承知しておりますが、私は、先ほど大蔵大臣から御報告のあったとおり、これ以上世界経済を混迷させないという見地から、正しい措置であったと確信しております。
 政府声明でも申し上げたとおり、円の為替レートの引き上げは、国民の努力によって日本の経済力が充実したがゆえに、その実力にふさわしい行動をとるということなのであります。二十数年間維持されてきた一ドル三百六十円の為替レートが変更されたのでありますから、いろいろの摩擦のあることが予想されますが、私は、わが国民のすぐれた適応能力により、これに伴う困難は必ず克服されるものと確信するものであります。政府といたしましては、国民各位と手を携えて問題の解決に当たる決意であります。
 また、堀君は、今回の円切り上げは経済政策の失敗のあらわれであるとの御意見のようでありますが、私はそのようには考えておりません。これまでの国民各位の御努力と適切な経済政策が相まって、わが国産業の競争力は格段に強まり、所得水準も西欧先進国にほぼ匹敵するまでに向上してきたのであります。今回の通貨調整の結果、円の価値が格段に高くなったのも、これまでの国民の努力によって日本の経済力が充実したことの反映にほかならないのであります。
 政府といたしましては、現在こうしたわが国経済力の充実を基礎に、国際経済への協調と貢献を行なうとともに、内にあっては国民福祉の思い切った充実を行なうことが、今後の基本的課題であると考えております。
 なお、政府としては、新事態に対する適応策を強力に推進しようとしているところであり、円の再切り上げなどについては考えておりません。
 次に、国内経済への影響でありますが、もちろん、景気停滞のもとで通貨調整を迎えるということは、わが国経済にとってもつらいところであります。通貨調整の妥結によって通貨不安が取り除かれ、経済環境に明るさが増したとはいえ、今後輸出の伸び悩みや設備投資の低迷によって、経済は当面なお停滞を続けるおそれも大きいと思います。
 政府は、すでに四十六年度補正予算等一連の景気拡大策を実施してまいりましたが、今後も景気振興を緊急政策課題として、早期回復に全力をあげる方針であります。
 このように適切な対策を講じていけば、私は、おそくとも四十七年度後半には、経済を再び安定成長の軌道に乗せることができると期待しております。
 同時にまた、長期的に見て、通貨調整の行なわれたこの機会に、わが国としては、対外均衡と国民福祉の充実を軸とする経済政策をさらに強力に展開していく必要があると考えております。これが、わが国の長期にわたる国益増大に合致するだけでなく、国際経済社会の新秩序の形成と繁栄に寄与することになるのであります。
 政府は、このような考えに立って、内にあっては社会資本の充実、社会保障の拡充をはかり、また、国内産業の構造改善、転換等、国内条件の整備を促進し、外に向かっては自由化、関税引き下げ等の対外経済政策を一そう積極化して、わが国経済の長期発展の基礎をつくってまいる方針であります。この点では堀君と所説を全く同じくしておるように思います。
 そこで、所得税の減税をさらにやるか、こういうお尋ねであります。いろいろ国民負担の軽減につきましては、所得税の減税あるいは住民税の軽減等の問題がありますが、すでに今年、年度途中において大幅減税を実施いたしましたのも、景気対策上やったのでありますので、さらにこの上減税と取り組むことは、なかなか財源から見ましてもむずかしい点がございます。私は、こういう際こそ、財政の健全化にも留意しなければならないと考えますので、いずれ税制調査会におきまして十分の答申を得られることと思いますから、その際に、これらの点についても意見をはっきりいたしたいと、かように考えておる次第であります。
 次に、これはお尋ねはございませんでしたが、造船会社やその他長期外貨建て債権の企業と……(発言する者あり)これは十分経済の実情を知っていただきたいと思いますから、つけ加えておきたいと思います。プラント輸出等につきまして巨額な外貨建て債権があり、そのために大きな為替差損を計上する事業につきましては、会計処理上の便法を認めるとともに、税法上も、会社の計算上は利益を計上しつつ、税法上は損失を出して、法人税を納付しないで済むような方法を現在検討しているところであります。
 次に、今回の通貨調整によって、ドル圏に置かれた沖繩県民の受ける影響はきわめて大なるものがあります。政府としてはできる限りの措置を講じて、県民の不安をなくしたいと考えておりますが、まず、さきに決定をした緊急措置は、復帰後すみやかにその決定どおり実施することをお約束いたします。また、沖繩における諸物資は、その八割を本土にたよっている実情からして、これまで政府がとってきた措置を引き続き実施いたします。また、本土留学生の学資の問題等については、琉球政府と緊密に連絡し、きめこまかく措置してまいります。
 なお、この点について、来春早々サンクレメンテのニクソン大統領との会談においても、これらの事情について十分話し合え、かような御注文でございますが、ただいまのところ、復帰前に円・ドルの交換を実施することはまことに困難なことだとは思いますけれども、ただいまのような御要請もありますので、十分その点では意向を伝えて協議するつもりであります。
 次に、四十七年度予算につきましては、当面する経済の停滞をすみやかに克服するとともに、各般にわたる国民福祉の向上のための施策の充実をはかることを目途として編成作業を進めているところであります。今回の通貨調整によっても、この基本的な考え方を根本的に見直さなければならないとは思いませんので、政府としては、予定どおり年内に編成を行ないたいと考えております。
 さらに、貿易の幅を広く、一国に多量に依存するというような貿易の偏重はこれを避けろ、さらにまた、社会主義国との貿易についても注意しろ、格段の留意を払え、特にその際に日中国交回復についていかに考えるか、かようなお話がございました。私は、隣の国、日中国交回復については、ぜひとも正常化をはかりたい、かように考えておりますので、各党一致した決議がすみやかに取りつけられるよう、話し合いをこの上とも進められるよう心から願って、政府への御鞭撻を賜わるようお願いをいたします。
 また、その他の問題につきましては、それぞれ担当大臣からお答えすることにいたします。(拍手)
  〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
○国務大臣(水田三喜男君) 四十七年度の予算編成については、いろいろ問題がたくさんあるので、急がないで慎重にしたらいいという御質問でございましたが、通貨の調整問題は、私どもは、各国の情勢から見て、おくれても来年の正月には解決するという見込みを持っておりましたので、したがって、その予想のもとにこの予算の編成作業に取りかかっておるという関係から、今回の決着によって、予算編成の根本的な、基本的な考え方を見直さなければならぬということはないものと思っております。
 ただ、そこで御質問の中には所得税の問題がございましたが、これは前に申しましたように、昭和四十七年度分に予定した所得税減税を年内減税に繰り上げたという関係から、この所得税を大きく直す考えはいまのところ持っておりません。むしろ、減税の焦点は地方税にあるのではないかと思いますので、それらの点について、いま政府ではいろいろ考えておるところでございます。
  一面また、先ほど国民消費の問題が出ましたが、減税によって消費もふえますが、同時に、一部は貯蓄になっていくという部分がございますが、そうでなくて、たとえば、生活保護者のような人たちは、これが増額された分はそのまま消費になってしまうというような効果もございますので、減税と社会保障部分との関連をやはり今回の予算では相当勘案しなければならぬということを考えまして、そこらを総合的にいま検討の上、あと二、三日でこの大綱が大体きまるのではないかというところまでいま進行中でございますので、その点御了承を願いたいと思います。
 それから、金利の問題でございますが、当然これから、通貨調整のあとでは、低金利政策、金融緩和政策が各国ともとられると思います。したがって、金融政策として、私どもも低金利政策の促進をしなければなりません。その場合に、金融機関の資金コストとしての預金金利の問題も当然日程にのぼってくることと存じますが、これは御承知のとおり、非常にむずかしい問題をはらんでおりますので、慎重に検討する必要があろうかと思います。
 同時に、通貨調整によって、円の切り上げによって、日本の物価への影響というものは、そのとおりにいくのなら、日本の物価を押し上げない方向へ働くいい作用を持ちますので、そういう問題、政策とからみ合わせて、やはり低金利政策を円滑に行なえるような総合施策がこの際必要だと思いますので、そういう問題と関連させて慎重にこの問題は検討したいと思います。(拍手)
  〔国務大臣田中角榮君登壇〕
○国務大臣(田中角榮君) まず、自由化対策について申し上げます。
 今回の通貨調整によって、日米間の大きな懸案事項はおおむね解決したものと考えておるわけでございますが、今後の通商問題の基本といたしましては、対外経済政策に関する八項目の線に沿って進めてまいるべきだと考えます。その意味で、八項目に沿いました農林、通産物資等の自由化政策につきましては、できる限り進めてまいらなければならないと存じます。
 なお、第二の、電算機の自由化につきましては、このスケジュールについては、従来決定しておりますとおりであり、より以上の自由化を考えておりません。
 第三点、ドル切り下げで灯油価格は下げられるかという御質問でございますが、ドル建てで海外から輸入する原油は、ドル切り下げで有利となっておりますことは御指摘のとおりでございます。OPECの原油価格引き上げ等の圧力もあるわけでございますが、これらを吸収いたしまして、消費者価格が据え置きまたは引き下げられる方向で努力を続けてまいりたいと存じます。
 なお、円平価の調整によって影響を受ける中小、零細企業対策に対しては万全を期してまいります。(拍手)
  〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
○国務大臣(福田赳夫君) 私が大蔵大臣のとき、堀さんやその他の多くの人々から、円の切り上げはどう考えるか、こういう質問を受けたわけです。その際、私は、もうきまったように、さような問題は頭の片すみにもありません、そういうふうにお答えしたこともまた事実であります。
 ところが、ほんとうはそうじゃないんです。片すみどころじゃない。この問題は、私の頭のまん中にあった問題です。本席をおかりいたしまして、率直に告白をいたす次第でございます。
 さらばこそ、決して円の価値の切り下げはしないという前提で、あぐらをかいておったわけじゃないんです。いわゆる八項目という問題につきましても、大蔵大臣であった私から、これを内閣の政策として提案をするというような措置までとった次第でございます。
 この重大な通貨措置につきまして聞かれた場合におきまして、大蔵大臣が真実を語れない、これは、私は国際的に認められておる、こういうふうに考えている次第でございます。私はわりあいに率直のほうで、堀さんあたりからお尋ねがあれば、ずけずけと答弁をするのでありまするけれども、この重大な問題につきまして、ああいう時点におきまして尋ねられまして、はい、私は円の切り上げを考えておりますと言ったら、一体どういうような影響が起こりますか、これは堀さんもようく御了知しておるところだと思います。(拍手)ほんとうに真実を語っていないという苦しい大蔵大臣の胸のうち、これをよくお察し願いたい。そうして、真実を語らなかったことにつきまして、お許しをこの席で得たい、かように存ずる次第でございます。(拍手)
  〔国務大臣山中貞則君登壇〕
○国務大臣(山中貞則君) 総理から大体答弁をしていただきましたので、残された問題について御答弁いたします。
 総理の申された措置のほかに、長期の本土療養者の問題がございますので、これも、先般、琉球政府と相談の上、一千二百万の差損補てんをする措置を決定をいたしました。これも復帰まで続けていくつもりでございます。
 さらに、本朝の閣議において、沖繩のドル圏の中の円物資というような立場に置かれた特殊な事情を勘案し、沖繩の中小企業を中心とする緊急融資措置を講じたいということを発言をいたしまして、さらにこの問題について、具体的な策を至急検討をいたしておるところでございます。
 円の復帰前の切りかえの問題については、総理が申されたとおりでありますが、それについて検討すべきことが、布令第十四号の、アメリカ合衆国ドルのみをもって唯一の通貨とするという定めの問題と、施政権の問題と、さらに、沖繩に為替管理が行なわれていないという問題と、投機ドルの問題、これらをこまかに技術的に詰めて、その後において、できることならば、ただいまの総理の言われた方向に沿うように努力をしたいと考えます。
 さらに、農林大臣代理として御答弁を申し上げます。
 すでにきまっております八項目については、これは国際信義上そのまま実施いたしますが、残りの、いま伝えられておるような農産物等については、われわれの総合農政の掲げる旗じるしである果樹、畜産、園芸、そのような基幹作目に関する問題については、絶対に自由化に応ずる意思はございません。(拍手)
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○議長(船田中君) 二見伸明君。
  〔二見伸明君登壇〕
○二見伸明君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま報告のありました今回の大幅な円切り上げに関して、総理並びに大蔵大臣の所見を伺いたいと思います。
 ことしは、中国の国連復帰、今回の大幅な円切り上げと、まことに多難な一年でありました。そして、これらの事件は、これまで政府がとり続けてきた政策の基本路線、すなわち自分の目で見、自分の頭で判断するのではなく、常にアメリカの目で見、アメリカの頭で考えてきたことの必然的な帰結であると思うのであります。
 さて、今回の円切り上げに関してまず第一に伺いたいことは、大幅な円切り上げに追い込まれたことに対する政府の責任と反省についてであります。
 政府は、十九日の政府声明の中で、円の為替レートの切り上げは、われわれが過去において怠惰であったために生じたものではないと、大みえを切りました。しかしながら、事実はむしろ政府の怠惰、いな政策の誤りにこそ最大の原因があることを、総理は認識しなければならないと思うのであります。
 すなわち、労働者、中小企業者には低賃金、長時間労働を押しつけ、生活関連の社会資本や社会保障等の充実を軽視し、大企業の公害たれ流しを認めて、しゃにむに外貨の獲得と高成長に狂奔してきた政策の誤りであります。もし政府が怠惰でないというならば、経済政策の軌道修正はすでに行なわれていたはずであり、したがって、これほど大幅な円切り上げは回避されたはずであります。にもかかわらず、総理大臣は記者会見あるいは政府声明に、こうしたきびしい自己反省の見られないことは全く心外であります。この反省なくして福祉型経済への転換は不可能であります。総理大臣はこの点についてどうお考えになっているのか、はっきりと承りたいわけであります。
 第二点は、新しい国際通貨体制確立への考え方であります。
 大蔵大臣は、主要国の通貨は固定相場に復帰し、世界の通商活動、経済活動に再び秩序がもたらされたと述べておられます。しかし、固定相場ということばは同じであっても、いままでのIMF体制下の固定相場とは質的に異なるものであり、したがって、秩序も、いつ崩壊するかわからない一時的なものであります。それだけに新しい国際通貨体制の確立は、日本にとって最重要課題であります。もちろん、これはイバラの道ではありましょうけれども、総理大臣は、この問題に対して、国際間で主導的な役割りを果たす意思があるのかどうか、また、その構想をお示しいただきたいと思います。
 さらに、今回の通貨調整が一時的なものであるならば、円の再切り上げのおそれはあるのかどうか、この点は大蔵大臣に御見解を承りたいのであります。
 さらに、これに関連してお尋ねをいたしたいと思います。
 従来、政府は、適正な外貨保有高について明確な基準を示そうとはしてまいりませんでした。このことについては学者の見解も多岐にわたっていることは、私も承知はしております。しかしながら、適正な外貨保有高の基準というものを設定しなかったところに、円問題に早期に対処し得なかった一因があると私は思うのであります。大蔵大臣は、今後この基準を設定する必要があると考えているのか、必要だとするならば、どの程度が妥当と考えているのか、この点も明らかにしていただきたいと思います。
 第三点は、国内政策であります。
 経済政策を福祉重点に軌道修正することについては、総理大臣は今国会でも再三再四にわたって表明され、また、政府声明の中でも、住宅、生活環境、公害、老人問題などの諸政策に格段の努力を払うことを言明されております。このことは、とりもなおさず、いままでの財政の仕組みが福祉型でなかったことを示しているのであります。したがって、政府予算が各省、局、課相互のバランスを重んじ、過去の実績を踏襲した上で若干の色づけをしたのでは、政策転換は全く期待できないわけでありますけれども、この点について総理はどういうお考えを持っているのか、お示しをいただきたいと思います。
 また、総理大臣の軌道修正論が真実であるならば、たとえば社会保障、社会福祉の水準を、西欧並み水準にいつまでに引き上げるのか。
 政府声明の中では老人問題を取り上げておりますので、老人問題について伺いますけれども、現行二千三百円の老齢福祉年金を大幅に引き上げるなどの積極策を打ち出すのかどうか。
 さらに、生活関連の社会資本の充実にいたしましても、住宅建設五カ年計画、下水道整備計画などを抜本的に改定するのかどうか、明らかにしなければならないと私は思うのであります。また、これらの点は、当然、四十七年度予算に計画の一環として盛り込まれるべきだと考えておりますが、総理の御見解を承りたいと思います。
 福祉重点の政策ということばは、すでに国内ではコンセンサスができ上がっております。あとは中身の問題であります。この中身が明らかにならない限り、総理大臣の言う福祉重点の政策は、いままでの政策に対する、言うなれば看板の塗りかえにすぎないと私は断じたいわけであります。
 ところで、円切り上げは、日本の産業構造に深刻な影響を与えました。過日、ドル・ショック対策の法案が衆議院を通過いたしましたけれども、しかし、事態はその当時よりもより一そう深刻になっております。産業構造の変化というものは個々の業種にとっては大問題でありますけれども、政府はこの問題についてどういう見通しを持っているのか。また、摩擦を生じないためにはどのような対応策を用意しているのか。具体的内容を明らかにしていただきたいと思います。
 と同時に、当面大打撃を受ける繊維、中小企業にどんな具体策を講ずるのか。政府は、金融、税制の両面でもって対策を講ずるとおっしゃっておりますけれども、では、どういう内容を現在考えているのか、この点も明らかにしていただきたいと思います。
 第四点は、四十七年度予算編成に関することであります。
 総理大臣は記者会見で、対策のよろしきを得れば不景気にはならないとお述べになりました。しかし、すでに十六日に発表されております四十七年度経済見通しの経済企画庁原案では、GNPの伸び率は実質七・三%であります。総理大臣が不景気にならないと言うのであれば、経済成長をどの程度と見込んでのことなのか、まずこの点を明らかにしていただきたい。
 また、よろしきを得る対策というのは、大型の国債を発行することだけなのか。それから、先ほどは所得税の減税はやらないということを言っておりましたけれども、私は、むしろ来年度には大幅な所得税の減税こそ景気浮揚策の大きな柱としてやるべきだと考えておりますけれども、この点についても、総理大臣は発想の転換をなさるお気持ちが全くないのかどうか、お考えをお尋ねしたいと思います。
 さらに、予算編成についてであります。
 大蔵大臣は、もう見直す必要がないのだというような御答弁でございますけれども、現在進められております予算編成の基礎というのは、八月に各省から提出された概算要求であります。現在とは全く異なった経済環境のもとでつくられたものを基礎にして、現在予算編成は進められているわけであります。したがって、これでは新しい事態に対処した予算編成は不可能であります。大蔵大臣も、予算編成では、国民福祉向上を志向した新構想の第一歩としたいという抱負を述べているじゃありませんか。この決意を実行するためには、いまこそ四十七年度予算を本気になって再検討すべきである。私は、もし大蔵大臣が本気になって内容の検討をするのであれば、年内編成は無理になってくるのではなかろうかと思います。あえて年内編成にこだわって中身をお粗末にするのは、大蔵大臣としては、非常に軽率のそしりというよりも、たいへんな政治責任を招くものではないかと思いますが、この点についてはいかがお考えになるのか、承りたいと思います。
 さて、四十七年度予算編成の一つの問題は、国債発行であります。発行額は約二兆円といわれておりますけれども、これは財政法四条の範囲内の建設国債なのか、それともいわゆる赤字国債をも考えているのか、これも明らかにしていただきたいと思います。
 ところで、公債による公共投資が有効に行なわれるための前提は、土地対策、地価対策であります。総理大臣も、所信表明の中では、強力な土地対策を講ずるとお述べになっておりましたけれども、したがって、四十七年度予算審議までに土地対策を提示すべきであると思うのでありますけれども、総理大臣の決意と御見解を明らかにしていただきたいと思います。
 予算編成上の問題点のもう一つは、四次防計画であります。
 国際緊張が緩和しつつあるという国際情勢、そして国内では二兆円にも及ぶ国債を発行しなければならない経済事情、財政状態、さらに国民福祉への政策転換が急務となっている現在、四次防計画は行なうべきではないと考えますけれども、総理大臣の御見解をあらためて伺いたいと思います。
 第五点は、物価対策であります。
 国民にとって円切り上げのメリットは、輸入価格の低下が消費者価格に反映することであります。木村経済企画庁長官は、この点について、九月一日の大蔵委員会では、追跡調査や独禁法の適用を考えると答弁しております。にもかかわらず、この四カ月間、消費者価格への反映は全く見られませんでした。現状では、今後も安くなるという期待を抱くことはできないのであります。
 政府は、一体いままでどんな追跡調査をしてきたのか、その結果、どこにどんな手を打てば下がるのか。また、独禁法の適用はどういう場合に行なうのか、はっきり示していただきたいと思います。
 また、総理大臣は、ストーブ用の灯油が高くなってはならないと、いとも第三者的な、傍観者的な発言を記者会見でされておりますけれども、高くしないためにはどうするのか、これも具体的に対策をお示しいただきたいと思います。
 さらに、円問題とは直接の関係はございませんけれども、メジロ押しの公共料金値上げについて、総理大臣は値上げ抑制の原則を貫くのかどうか、この点についても御見解を承りたいと思います。
 最後に、日米関係及び沖繩のドルについてお尋ねをしたいと思います。
 新聞報道によりますと、十カ国蔵相会議と並行して開かれた日米貿易交渉では、アメリカは農産物に加え、新たに電算機、IC、カラーフィルムなど約二十品目の大幅関税引き下げ、ICの輸入自由化、非自由化品目の自由化時期を示すことを要求したそうであります。そしてアメリカは、金価格引き上げ法案とからめて、日本に譲歩を迫るとのことでございます。
 こうしたことを考えますと、日米間の諸問題は円切り上げで解決したのではなく、円切り上げで日本に大きな譲歩をさせた勢いで、アメリカは貿易面でも強硬な態度に出てくることは想像するにかたくないわけでありますが、政府はこの点をどう認識しているのか、お示しをいただきたい。また、これらアメリカの提案に対してはどういう態度で臨むのか、さらにサンクレメンテでのニクソン大統領との会談では、この点についての話し合いはするのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
 私は、円切り上げで最大の被害を受けるのは沖繩の県民であろうと思います。本土からの輸入物資は間違いなく高くなります。復帰時には労働者の賃金は円換算される結果、大幅にダウンいたします。五十二円の為替差損を含めて、これらの諸問題に対して政府はどういう具体策を講ずるのか、沖繩の県民が安心して復帰を喜べるような具体的な対策をお示しになるのかどうか、その内容とあわせてお示しいただきたいと思います。
 以上、多岐にわたって質問いたしましたけれども、どうか明快な御答弁をお願いをいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 二見君にお答えをいたします。
 御指摘のように、今回の通貨調整は、通貨体制の改革の長い道程の第一歩であります。十カ国蔵相会議におきましても、長期的な通貨体制の検討に直ちに着手することが合意されたことは、御承知のとおりのことと思います。こうした検討の中で、わが国はその経済的地位にふさわしい大きな役割りを果たすことが世界から期待されており、わが国としてもこうした期待にこたえていかなければならないことは言うまでもありません。
 なお、将来の国際通貨体制についてのわが国の基本的な態度は、わが国の国益を十分に反映し、かつ、世界の利益と調和がとれたものでなければならないということであります。
 二見君は、今回の円の大幅切り上げは従来の政府の経済政策の失敗であるという御意見でありますが、私はそのようには考えておりません。戦後四半世紀の間、わが国経済は国民所得水準の向上を第一の目標として高度成長を続けてまいりました。その結果、わが国産業の国際競争力は格段に強まり、所得水準も西欧先進国に匹敵するまでに向上したのであります。今回の国際的通貨調整により円の価値が大幅に上昇したのも、これまでの国民の努力によってわが国の経済力が充実したことの反映にほかなりません。政府といたしましては、今後このような充実した経済力を基礎として対外均衡をはかりつつ、真に豊かな福祉社会の建設を目ざして政策の運営を進めてまいる決意であります。
 次に、国民福祉のための政策姿勢についてのお尋ねがありましたが、政府声明でも明らかにいたしましたように、政府としてはこの機会に国民福祉の充実のための諸施策を一そう強力に進めていく方針であります。このため、政府はすでに新しい事態に即応した新しい長期経済計画を作成することが必要であると考え、経済審議会と密接な連絡をとりつつ、そのための準備作業を進めているところであります。
 なお、社会保障、社会福祉の分野におきましては、二見君の言われるように、あらゆる面で直ちに西欧諸国並みの水準にしたり、老齢福祉年金の向上につきまして、これを一挙に大幅に引き上げるというわけにはまいりませんが、その向上に一そう努力を払い、西欧諸国並みの水準に一日も早く近づけてまいりたいと考えております。
 また、国民の生活環境の改善のための公共投資については、特に重点を置いて整備を急ぐ方針であります。
 御指摘の住宅及び下水道の五カ年計画については、本年度から着手されたばかりで、さしあたりその改定は考えておりません。
 さらに、これらについて四十七年度予算でどう対処するかとのお尋ねでありましたが、政府は、生活環境施設整備に重点を置きつつ社会資本の整備を一段と進めるほか、財源の重点的かつ効率的な配分をはかりつつ、各般にわたり国民福祉の向上のための施策を進めてまいる所存であります。
 次に、今後の景気の見通しにつきましては、今回の通貨調整により米国の課徴金が撤廃されるとともに、為替取引が安定し、見通し難に基づく企業の気迷いが解消して経済環境は明るさを取り戻すものと考えられます。また、政府としては、思い切った大型予算を編成するなど、積極的な景気浮揚策を講ずることとしておりますので、おそくとも来年度後半には景気を安定成長の軌道に乗せ、来年度の経済成長率を七%をこえる程度に持っていくことができると考えております。
 また、四十七年度予算編成の進め方についてお尋ねがありましたが、かねてから申し上げているとおり、当面する経済の停滞をすみやかに克服するとともに、各般にわたる国民福祉の向上のための施策の充実をはかることを目途として、現在予算編成作業を進めているところであります。
 今回の通貨調整に伴い、この基本的な考え方を根本的に見直さなければならないというようなことはありません。予算編成作業は既定方針どおり進めたいと考えております。
 公債発行等につきましては、これは大蔵大臣からお答えすることにいたしまして、土地対策を強力に推進せよとの御意見がありました。公共投資の充実強化により、景気の浮揚と国民の生活環境の整備をはかるために強力な土地対策の実施が必要となることは言うまでもありません。政府は、これまでに土地対策として公共用地の取得制度の改善、土地税制の適正化、地価形成の合理化、宅地の大量計画的供給等につとめてまいりましたが、今後さらに地方公共団体による土地の先行取得制度の拡充強化、公的機関による宅地開発の推進及び用地取得制度の改善をはかっていく方針であります。
 四次防計画についてのお尋ねがありましたが、ただいま四次防計画は作成中でございます。これは本年度内、申し上げますならば、三月末までには四次防計画を取りまとめる、かようなことでただいま作業中でございます。
 次に、物価への影響でありますが、二見君御指摘のように、レモン、グレープフルーツなど一部商品につきましては、輸入価格の低下に伴い国内販売価格も値下がりしているものもありますが、総じて見れば、輸入価格低下の末端価格への浸透は必ずしも十分であるとはいえません。このため政府といたしましては、目下関係各省庁に消費生活に関連のある主要輸入物資についての価格動向を調査させているところであります。現在までのところ、輸入品の価格がなかなか下がらない理由としては、一般的にいって輸入から流通、加工段階を経て消費者に至るまでに時間的なズレがあること、輸入品は高級品であるというイメージが強過ぎること等が考えられますが、いずれにせよ、円切り上げのメリットを消費者に還元することが必要であり、政府としては、当面輸入品の価格動向の監視体制を強化するとともに、かりに独禁法に違反するような行為があるとすれば、厳正な措置を講ずる方針であります。
 ちょうど消費の時期に向かっております灯油の件につきましては、先ほど田中通産大臣からお答えいたしましたので、その堀君に対する答弁、これでひとつ御了承願いたいと思います。
 なお、公共料金の値上げにつきましては、政府は従来から抑制的態度をとっており、今後もこの方針に変わりはありません。四十七年度の予算編成にあたっても、公共料金の値上げについては、消費者価格に与える影響も考慮し、慎重な態度で臨む方針であります。
 最後に、通貨調整問題は、これで解決を見たわけでありますが、日米間には通商問題などなお調整を要する若干の問題が残されております。これらの円満な解決は世界経済の長期的安定に資するところ大なるものがあり、わが国としてもこの観点に立って一そうの努力をする考えであります。
 また、両国の事務レベルによる貿易交渉につきましては、現在交渉中でありますから、いまの段階における御説明は差し控えさせていただきます。
 サンクレメンテにおけるニクソン大統領との会談の議題については、目下米側と協議している段階でありますが、国際的な通貨調整が落着した直後でもあり、当然経済問題にも触れることになると思います。しかし、これをどのような形で取り上げるかについては、今後事態の進展に応じ、両国で話し合ってきめたいと考えております。
 最後に、ドル通貨圏に置かれた沖繩県民が、今回の円の切り上げ措置から受ける影響はまことに深刻であり、本土におけるそれとは全く異なるものがあります。先ほど社会党の堀君にお答えしたとおり、政府といたしましては、預貯金に関する緊急措置、本土からの輸入物資に対する措置等、可能な限りの対策を講ずることとしております。
 なお、賃金の問題は、一般には労使間において決定される問題でありますが、公務員につきましては、本土と比べて不利にならないよう措置する方針であります。
 以上、私からのお答えといたしまして、その他は大蔵大臣からお答えいたします。(拍手)
  〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
○国務大臣(水田三喜男君) まず最初に、再切り上げに追い込まれることはないかという御質問でございましたが、これは非常にむずかしい問題でございまして、私ども苦労いたした一番大きい問題でございます。
 御承知のように、もし円の切り上げが実勢と離れ過ぎて低過ぎたという場合には、これは為替相場は安定いたしませんし、再び円の切り上げに追い込まれる可能性というのは十分あると私どもは考えております。もし実勢にそう離れないことでいくならば、これは落ちついて、これによっていままでの先行き不安とか、あるいは先行き不安に対する経済活動の足踏みというようなものがここで一切解消する。これがまた日本の不況の原因の一つになっておりますので、この不安が解消することによって、日本の経済の上向きへのこれが非常に大きいいい転機になる。ここにまた通貨調整の目的の一つはございますので、いかにしてこの実勢というものを判断するかということでございますが、これは神様でないとなかなかできない問題でございまして、日本のいまの変動相場制のもとにおける一二%というものが実勢であるかどうか、また、はっきりと、いま課徴金というものが日本に課せられておるのですから、この課徴金というものが円レートに対してどれくらいの影響を持っておるかという計算もなかなかむずかしいものでございますが、いろいろ私どもは諸方面の意見も聞き、知恵をしぼって考えました結果、結局今度のワイダーバンドの二・二五%を入れますと、三百八円を中心にして、三百一円から三百十五円までの幅になりますが、三百十五円から三百一円まで、まあ三百円といってもいいのですが、この幅の中に為替相場がおさまるのなら、私は、日本の経済が安定して、これがやや実勢に近いものだ、大きいショックのない現実を追認した形の、これが決着のいいところではないかという判断のもとに、中心点の三百八円を承知した次第でございますが、もしこれによって大きい経済ショックというものが見られないということでございましたら、これを転機として、いままでいわれておった経済政策を間違いなく今度は行なうということによれば、円の切り上げは避けられると思いますが、また再びいままでのように成長中心の政策をもしとるというようなことになりましたら、これはそういうことにもなりかねないと思いますので、今度は私どもは今後の政策執行にほんとうに気をつけて、再び円の切り上げをやらなくて済むように、国内、国外調整が、均衡が十分に行なわれるようにということに心がけていきたいと考えております。(拍手)
 その次は、外貨準備をどのくらい持ったら適正であるか、その基準がなかったことがいけないのではないかということでございましたが、これはもう御承知のとおり、国際間に外貨保有の基準というものはございません。よく、対外債務の何割を持っておれば安全であるとか、あるいは一年の輸入量の三、四カ月分を保有すればいいのだとか、いろいろいわれておりますが、基準というものはございません。もし、いままでよくいわれておった通説が大体いいとするならば、日本の四、五カ月分の輸入量に匹敵する額ということでしたら六、七十億ドルということになろうと思いますが、これはどれだけ持てばいいというものはございませんので、基準はございません。したがって、基準はございませんが、これがどんどん増していくということは、対外均衡の破れた、経済にどこか異常があるということを物語るものですから、これはやはり現実に政策運営のいい指針になるということは間違いございませんので、減ってもいけませんが、これを異常にふやさない経済運営をする必要があると思います。しかし、幾らでなければならないということは、各国間にその定説はございません。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(船田中君) 竹本孫一君。
  〔竹本孫一君登壇〕
○竹本孫一君 私は、民社党を代表して、ただいま御報告のありました国際通貨調整の問題について質問をいたしたいと思います。(拍手)
 以下、論点を三つに整理して申し上げます。
 第一点は、佐藤内閣の無計画、無反省の政治責任についてであります。
 池田内閣の姿勢を批判しつつ、人間尊重を掲げて登場された佐藤内閣は、最近まで、池田内閣以上の高度成長で、年々、GNPは大体一三%、予算は二〇%、貿易は二、三〇%、通貨でも毎年二〇%ずつ膨張してまいりました。この設備投資主導型の高度成長というのは、すなわち、財界指導型の無計画な、分裂的、過熱的成長でありまして、消費者物価の上昇とインフレの進行、及び輸出ドライブがかかるということは避けることのできない点であります。アメリカのサミュエルソン教授は、それだけの生産物を一体日本はどこへはかすつもりで大きな生産をやっておるんだろうか、日本は夢を見ているのではないかという批判をいたしました。こういう点について、政府はどういう反省をしておられますか。
 次に、政府は、八月にニクソンのドル防衛が声明されましたときに、これをドル・ショックと申されました。ニクソン訪中がきまりましたときには、これはニクソン・ショックと呼ばれたのであります。しかしながら、事態の発展を一々ショック、ショックと片づけて受けとめておるということ自体に、政府が世界の政治や経済の動きに何らの洞察と見通しを持っていないことを証明しておるのではないでしょうか。(拍手)
 政治に最も必要なものは先見性であり、指導性であります。いまや佐藤内閣にそれがなくなったと言うも過言ではないでありましょう。
 大蔵大臣、あなたが変動相場制を実施されたのは八月の二十八日であります。それまでは為替市場、株式市場を開いたままで、大臣も日銀総裁も、何回となく、一ドル三百六十円を死守すると声明されました。これまた世界の常識に反します。しかも、三百六十円は一体何日間死守することができましたか。できもしないことを死守するとは何事であろう。
 さらに、二十二年前の一ドル三百六十円を、いわゆる経済大国といわれる今日的状況において維持すること自体が矛盾であります。それは、実質的には、たとえば三百十円台の相場を三百六十円に為替の切り下げを実行いたしておるようなものでありまして、わが国の資源と資本をむだ使いすることであり、わが国の労働賃金をそれだけ不当に押えることになり、それだけ米国その他に割り安で過剰サービスを行なうということでありまして、政府が先見性を持たずに、円レートの調整を今日まで怠ったということは、外には諸外国の強い反撃を招いたのみならず、内ではそれだけの国益と勤労者の福祉を大きくそこなったものであるといわなければなりません。(拍手)
 佐藤総理は、国民長年の努力で円は最も強くなったために一番大幅に切り上げられたのだから、これは自慢してよろしいんだと言っておられるようでありますけれども、今回、米国のドルの切り下げについての見通しを政府は誤っている。結果としては、米国の、ある意味において謀略に乗せられたような形で大幅な切り上げをやらされたわけでありまして、その見通しの悪さについてはきびしく糾弾されなければなりません。(拍手)
 政府の見通しの悪さはこれだけにとどまりません。大蔵大臣は、通貨調整は年内に不可能である、むずかしいとたびたび語られました。私は必ず年内解決であると考えまして、そのためにも、日本は黒字国の責任としても、みずからの具体的解決案を早く積極的に提示すべきことを、去る九月二十五日、官房長官にも申し入れたのであります。円レートの切り上げは一月おくれるごとに条件が一%ずつくらい悪くなる、八月ならば八%、九月ならば九%だろうという意見もありました。いまこれが三百八円と決定したのでありますが、これは日本経済の発展にとってはあまりにもきびしいレートであります。沖繩のことについても先ほど御発言がございました。国内について申し上げましても、一七%の日本品の値上がりをかりに輸入原料の低下で五%カバーいたしたとしましても、なお一二%の値上がりになります。値を上げてものが売れなくなれば、日本の企業がこれを負担しなければなりません。しかし、日本の中小企業の困窮ははなはだしいものがありまして、現在一〇%、一二%のマージンをあげている中小企業が日本に幾らあるとお考えでありましょうか。
 そうしたきびしい条件を押しつけられましたのは、十カ国蔵相会議が、初めはアメリカ対九カ国の大勢であったにもかかわらず、いつの間にか日本対アメリカ及びECなどの九カ国となって、円の切り上げは高いほどよろしい、こういう結論になったからであります。日本が自主提案を積極的に行なう勇断と誠意を欠き、いたずらに官僚的糊塗政策に終始して、ついには孤立無援のアニマル日本というような深刻なる事態を招来したことについて、佐藤総理は重大なる政治責任を感ずべきであろうと思うのであります。(拍手)
 第二は、日本経済の現状の認識についてであります。
 政府はさきに四十六年度の経済成長は一〇・一%から半分の五・五%に修正されました。経済企画庁の二十五系列による十月の景気動向指数は、総合系列で二二・九%、五〇%以下であって、三十三年二月以来の低水準であります。これに今度の新円レートによる不況の追い打ちがかかってまいります。わが国の景気後退の深さ、長さというものが大問題でありますが、経企長官は、本年度の第三・四半期の成長率は何%と考えておられるか、あるいは政府は何%と見ておられるか。四十六年度の成長率はこのままでは四%台になると思いますが、その心配はありませんか。
 補正予算と千六百五十億円の減税ではたしてどれだけ景気を押し上げることができますか。予想以上の円レートの引き上げで、経済成長は何%ぐらいの打撃を受けますか。さらに、来年度の大型予算ではたしてどれだけ景気を浮揚させることができますか。いわゆるなべ底不況が長く続く心配があることを指摘したいのであります。
 結論として、四十七年度のわが国経済の成長率は、先ほどお話しのようにはたして七%になるか、あるいは再び四%台にとどまるか、これが大問題であります。来年の下期は相当の経済成長を見込んでおられるようでありますけれども、国民待望の景気回復は、はたして何月からであるか、四月か、七月か、九月か、お見通しを承りたいと思います。
 なお、これに関連して、総理並びに大蔵大臣に伺いますが、景気回復いかんによっては来年度さらに大型の補正予算を組むということも考えられるのでありますか。また、かかる経済困難の中においても、大蔵省は、通貨調整一段落のあとはデノミだといったような事務的観点から、来年度にはデノミに手をつけられる予定がおありかどうかも承っておきたいと思います。
 また、大型予算はもっぱら公債の発行に依存する方針のようでありますが、これは下手をすればいわゆる公債インフレへの危険な道であります。政府は詭弁を弄することなく、この際の公債発行には必ず新しい特別立法措置によるべきであると思いますが、御見解を承りたい。
 また、ニクソンの訪中、中国の国連加盟という新しいアジアの情勢の中で、いまこそ日本は、アジアの中の日本としてこの福祉と平和に立ち上がってまいらなければなりません。冷戦構造の中で構想されました四次防はこれを再検討しながら、その間に国民福祉に直結する生活関連社会資本、社会保障の充実に力を尽くすべきであろうと思います。公債発行もその間の時限立法としてその期間を三年に限るとともに、その目的をあくまでも以上の目的に制限すべきであると思うが、お考えを承りたいと思います。
 最後に、将来の展望について伺います。
 一、将来の新国際通貨秩序は一体どうなるか。金・ドル本位制に返るのか、ドル本位制に完全に移行するのか、一体IMFの新体制はいかがに構想されるのでありますか。また、今回の通貨調整で、米国の国際収支の赤字は何十億ドル解決するというお見通しでありますか。
 二、通貨新秩序の前提条件としては、世界経済の新秩序が考えられなければなりません。それには、いままでのガット原則、自由、無差別というガット原則だけでは不十分でありまして、より高度の新理念の確立が必要であると思いますが、政府はいかが考えておられますか。また、米国のインフレを抑制するということがすべての問題解決のかぎでありますが、かけに勝ったというようなことで喜色満面の米国の今日の態度には、ごうもこの問題に対する反省の色が見られないのであります。これで明日の世界新秩序を語る資格が米国にありと政府はお考えになるか、お伺いをいたしたいと思います。
 三、今回の不況は四十年不況よりも深刻だとする意見が多い。これにレートの引き上げが加われば、不況はさらに深刻になります。企業の蓄積は確かに四十年不況よりも多くなっておりましょうけれども、損益分岐点は非常に高く、また、景気回復の主導力たるべき設備投資は、どう見ても横ばいであります。ほかに新しい、目ぼしい成長産業もありません。その結果、いよいよ輸入が減って、輸出のドライブが強くなる、そして、大蔵大臣も御心配なさっておるようでございますけれども、大幅の黒字がまた出てきてまいりまして、あるいは五十年を待たずして再び円の切り上げが強要せられる結末になりはしないかと心配をいたしますが、もう一度具体的に大蔵大臣のお考えを伺いたいと思います。
 四、政府の不況対策は、公債の増発による予算の大型化で景気の量的な回復を主眼としておるようでございますが、それは当面の財界救済には役立つかもしれませんけれども、真の解決ではありません。この際は公害対策、住宅政策、老人福祉などに重点を置きまして、いままで持っておられる政府のこれらの政策を再検討して、真の福祉国家建設のために邁進すべきであろうと思いますが、政府のお考えを承りたいと思います。特に、先ほども御質問がありましたけれども、日本の社会福祉は一体何年ぐらいで西欧的水準に追いつく御所存であるかも承りたいのであります。
 五、政府に発想の大転換ができない限り、今日のスタグフレーションはいよいよ矛盾を拡大すると思われます。この際、輸入品値下がりを直ちに国民生活に反映させるための流通秩序の再編成、特にまた、生鮮食料品の値下げ等の対策を通じまして、大幅減税とともに、物価の値上がりを押えるべきだと思いますけれども、もう一度物価対策についての御決意を承りたいと思います。
 六、防衛費の分担問題や兵器の購入の強制の問題に対する政府の方針はいかがでありますか。これらの問題について、政府は、来年のサンクレメンテの日米首脳会談で再びニクソンに押し切られるのではないかという心配を国民は持っておると思いますが、総理の御決意を伺いたいと思います。
 七、二重構造の底辺にあるところの中小企業と農業の近代化は、この際大急ぎでやらなければ、自由化に対応することはできません。ドイツ社民党の成功は、その思い切った中小企業政策にあるし、また、スウェーデンでは、食糧の自給はお金のかかるものなりということをいっておりますが、政府は、中小企業、農業の問題解決のために何年計画で何兆円の予算で一体取り組もうとしておられるか、伺っておきたいと思います。
 八、佐藤総理は、当面の経済難局を乗り切るために、労使関係の近代化を訴えられましたが、何よりも大切なことは経営倫理の確立であります。政府は、経営参加を前提とした労使協議制の確立、基幹産業部門における週休二日制の実現についてはいかなるお考えでありますか。
 最後に、われわれは、この通貨調整を受けとめて、新たなる国際土俵において再び力強い前進を始めなければなりません。日本国民のたくましいバイタリティーと高い生産性は、これに十分にたえていくだけの力を持つでありましょう。しかし、その場合に最も必要なものは、政治の先見性であり、指導性であり、特に今日国民の団結をはかるためには、民族独立への力強い気魄と根性が必要であります。円レートの切り上げ幅についても、一ドル三百六十円は、だんだん追い詰められて、三百八円となってしまいました。政府は、二〇%ないし一八・五%の米国の要求を退けたのは成功であったと喜んでおられるようでありますけれども、国民の目から見れば、これはまるでいわゆるバナナのたたき売りみたいなもので、何よりも自主性のないドル防衛追随、対米屈従のふがいなき態度であったような感じを持つものであります。(拍手)
 また、総理は、当初やらないと言っておったドルが七・八九四%も切り下げられたのは、米国の大きな譲歩であると言われました。確かに譲歩であります。しかし、ベトナムで千二百億ドル、四十三兆円、戦後の海外軍事援助で千三百十五億ドル、四十七兆円、世界企業の海外投資で七百八億ドル、二十五兆円、こんな乱暴な放漫経営をやっておりました米国政治の矛盾は、すでにドルの破産を招来しておりまして、ドルは実質一〇%ぐらいは下がっていたものでありまして、これを今回の措置で追認したものであって、譲歩ではありません。しかもまた、その譲歩は、フランスの強い姿勢に対して、米仏なれ合いの形で行なわれたものでありまして、断じて日本に対する譲歩ではないことをはっきりとさしたいと思うのであります。(拍手)
 およそ、民族独立の力強い気がまえがなくしては、全国民の団結と協調は期待できません。日本は、いまこそ、アジアの中の日本として、強引なアメリカに対しても一定の距離を置き、ソ連、中国に対しては逆に一定の距離に近づいて、真にアジアの福祉と平和の建設のために立ち上がるべきであります。そのためには、日本の政治の姿勢と構想の大転換が絶対に必要であることを特に強調いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 竹本君にお答えをいたします。
 生産第一主義に対する反省は、すでに六〇年代後半から各方面に生じ、国会でもしばしば指摘されてきたところであります。政府の政策理念において、生産第一主義は、考え方から、福祉なくして成長なしと大きく転換してきていることは、竹本君も御承知のとおりであります。しかしながら、その過程で、われわれは国際競争力を身につけ、完全雇用を達成し、ヨーロッパ並みの賃金水準にまで到達し、さらに国際収支の面でもゆとりを持つに至ったのでありますから、問題は、今後の政策目標をどこに指向すべきかというところにあるものと考える次第であります。
 過日の政府声明で申し述べたとおり、それは、第一に国民福祉の充実であると思います。われわれは、これを契機に、経済資源の配分を再検討し、住宅、公害、生活環境、老人問題などの解決に全力を注いでいくべきであると信じます。
 その他、今後進むべき方向については、すでに明らかにしたとおりでありますから、私は、先人の経験したことのない幾多の問題は、必ず克服できると確信しております。そして、これを通じて、平和国家としての日本の新しいイメージを確立すべきだと考えるものであります。
 今回の通貨調整は、多数国間の協議を重ねて生み出されたものであります。切り上げ幅が予想より大きかったのではないか、こうなる前に独自の行動をとったらよかったのではないかなど、議論の存することは私も十分承知しております。また、経済の国際化ということについての国民的認識が必ずしも十分に行き渡っていなかった点について、政府は、その責任を痛感しております。しかし、国家利益を追求するあまり、国際協調という面についての努力が十分になされないと、多極化時代に対応することができないことも明らかであります。その意味で、今回の措置はやむを得ないものであったことと御理解をいただきたいと思います。
 なお、竹本君は、官僚的事なかれ主義が通貨問題の解決をおくらせ、わが国経済を混迷におとしいれたとの御意見のようでありますが、国際間の通貨調整の問題は、各国の利害が複雑にからみ、一挙に解決することが困難であった事情を御理解いただきたいと思います。
 なお、今回の円の切り上げ幅は、米国がドルを切り下げ、他の諸国が切り上げを行なうという国際的協調の一環として出てきたものであり、各国それぞれが応分の負担を分かち合ったものであります。
 去る八月以来、わが国の景気は、卸売り物価の下落、生産、出荷の低下、企業、投資意欲の減退など、景気の停滞を示す動きが表面化しております。しかし、変動相場制移行以来三カ月以上経過し企業の適応が進んでいることも、また、今回の通貨調整によって米国の輸入課徴金が撤廃され、国際経済環境に明るさが増すことから、今後の景気見通しについては大幅に景気が落ち込むことはないと考えております。本年度下期の成長率はかなり鈍化いたしますが、年間成長率は、おおむね四%台になるものと見ております。また、今後積極的な景気浮揚策を講ずることによって、おそくとも来年度後半には経済を安定成長の軌道に乗せ、来年度の経済成長率は七%をこえる程度に持っていきたいと考えております。御協力をお願いいたします。
 次に、四十七年度においては、当面する経済情勢などにかんがみ、公債政策の積極的な活用をはかってまいりたいと考えておりますが、具体的な発行額はまだきめておりません。なお、その場合にも、建設公債、市中消化の原則は守っていく所存であります。
 次に、四次防をたな上げして社会保障中心の緊急計画をつくれとの御意見でありますが、四次防は現在検討中であります。国の防衛にとって重要な計画でありますから、慎重に、かつ、すみやかにその方針をきめたいと考えております。また、社会保障につきましては優先的に配慮し、長期的、計画的充実をはかってまいる所存であります。
 今後の新しい通貨体制をどうするかにつきましては、IMFのような国際機関の場におきまして今後詰められる問題であります。各国の利害が複雑にからみ合っている中で、国際社会全体の利益を確保していくことが必要であると考えております。ただ、具体的には非常にむずかしい問題であり、今後慎重に検討を進めていくことが必要であります。
 いずれにしても、政府といたしましては、自由世界全体の経済発展の中で、わが国の国力にふさわしい発言権が確保されるような、望ましい国際通貨体制の確立に努力してまいる考えであります。
 次に、ガットの問題についてお答えをいたします。
 政府としては、今後ともガット体制を維持、発展させることが、わが国の国益に沿うばかりではなく、世界経済の発展に資することになると考えております。確かに、一般特恵関税、地域統合の発展など、ガット体制に新しい潮流が押し寄せていることも事実でありますが、わが国としては、このような世界貿易環境の変化の中で貿易政策を展開するにあたっても、基本的には、自由、無差別のガットの原則を維持、強化する方向で行なうことが肝要であると考えております。
 今回の会議におきまして、あるいはアメリカが勝った、日本は負けた、どこそこが勝った、かように申しますが、私はその批判は当たらないと思っております。およそ、この場合においての国際通貨体制をきめたこと、これは相互の公正な負担によって国際的にその国際協調、そのもとにおいてそのことがきまったのであります。
 また、サンクレメンテの会議において、いろいろの問題を提案しろ、こういう御注文がございましたが、私は、サンクレメンテに出発する前に各野党党首との会談を予定しておりますので、そういう際にまとめてお話を伺って、そうしてサンクレメンテに出かける、かような決意でございます。
 次に、円切り上げによる輸入品価格低下の効果を国内物資の安定に反映さしていくことが、国民経済的観点から見てきわめて重要な課題であることは、竹本君御指摘のとおりであります。政府は、主要輸入品の輸入価格、卸売り価格、小売り価格を調査し、問題があると見られる品目等については、精密な追跡調査を実施することとしておりますが、今後、円の為替レートの切り上げに伴う輸入品価格の低下が消費者価格に反映されるよう、流通機構の改善、合理化に一そうの努力を払ってまいりたいと考えております。
 また、竹本君から、円の再切り上げの可能性についてのお尋ねがありましたが、政府は今回の通貨調整に伴う対応策を強力に推進しようとしているところであり、ただいま再切り上げなどは考えておりません。
 次に、中小企業、農業など、低生産性部門の近代化には、今後特に力を入れてまいる方針であります。
 中小企業については、経済環境の変化に即応して、近代化計画及び構造改善計画の抜本的見通しを行なうとともに、価格競争を越えた、製品全体としての競争力の強化をはかり、環境適応力のある中小企業の発展を支援してまいりたいと考えております。特に、輸出を中心にしての中小企業に対しては、その状態について絶えざる注意を払う必要があると思っております。
 農業につきましては、特に米の生産調整と転作の推進を通じて、地域の特性と需要の動向に即応した農業生産の再編成をはかるとともに、農業団地の形成をはじめとする生産構造、流通、価格等の施策を推進して、農業の体質改善をはかってまいる所存であります。
 最後に、労使協議制は、わが国にとりましても、労働協約等により相当数設けられておりますが、これは労使の相互理解と労使関係の安定のために有意義であると思います。
 また、週休二日制についても、世界的な趨勢でもあり、勤労者の福祉の向上の見地から望ましいことでありますから、政府としても、これらが労使の自主的な話し合いによって、その実情に応じ普及されることを期待しております。政府としてもできる限りお手伝いするつもりでおります。
 ただいまのこれらの点が、この不況下において、労使双方において円満に解決されることを心から望んでやまない次第であります。
 最後に、竹本君からいろいろ御高見を述べられました。私どもも大いに勉強になったと思っておりますので、この点については謹聴した点、これを率直に御披露いたしまして、お礼を申し上げておきます。ありがとうございました。(拍手)
  〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
○国務大臣(水田三喜男君) 先ほど答弁漏れが二見さんの質問にございましたそうで、追加させていただきますが、国債は建設公債であるのか赤字公債を考えるかというお尋ねでございましたが、いまのところ赤字公債は考えておりませんので、御了承を願います。
 そこで、竹本さんの御質問は、予算の補正を考えておるか、公債について特別の立法を考慮しておるか、考慮しないかという問題、それから、円の再切り上げの問題がもう起こらないかという、一連の不況の見方に関連した御質問でございましたので、一緒にお答え申し上げたいと存じます。
 日本の不況は、昨年から始まっておりました不況については、いろいろの対策をしましたので、御承知のように、ことしの六月、七月ごろに大体回復の徴候を示しておったということは事実でございますが、これにさらに追い打ちをかけたのがいわゆるニクソン政策でございまして、この政策は、はっきりと日本の経済にとってデフレ要因となったことは間違いございません。そのために、このニクソン政策からきたデフレ要因に対して、今日まで政府はいろいろな対策を考えてきておったところでございます。
 そこで、この不況を克服するために今回の通貨調整がどういう意味を持つか、もし、これが妥当な線で決着することができたら、これが転機となって、これ以上日本経済の先行きの不安というものが解消されて、これが上向きへの転機になるだろう、そこにこの通貨調整というものを利用しなければならないという問題がございましたので、したがって、そういう意味から申しますと、私どもは、やはり円の実勢をどうつかむかということが重要であると思いました。九カ国の意見は、ここで申し上げますが、日本の実勢を、一八・五%引き上げろというととで、各国一致した意見でございましたが、私どもはそうは見ません、落ちついた日本の妥当な切り上げ幅は、さっき申しました三百一円から三百十五円の間が私どもは妥当であると、とうとう私どものこの主張を貫くことができましたが、これがはたして妥当であるかどうかは、今後皆さんに判断していただかなければならない問題と思います。
 もし、これが妥当なものであったとしますと、これによって、これからいわゆる対外均衡というものが実際に実現されていくものと私は思います。これが実現されないようでしたらたいへんですが、いまの政府が考えておるいろいろな施策をとり、予算の編成方針を貫くことができますなら、これは日本の対外、対内経済均衡というものは必ず回復する、そうすれば、いたずらに黒字が累積してドルがたまっていくという事態は避けられる、そうすれば、再び日本が円の切り上げに追い込まれることはなくて済むというふうに考えて、この通貨調整の問題を私どもは非常に重視したのでございますが、これは、これからの日本の経済の行き方をもう少し見ないと、何とも言えない問題ではないかと私は考えております。
 そこで、したがって、私どもは、一応落ちつかせるところを中心にして、それから新しい予算を組みたいという考えで新予算の編成を考えておりましたので、したがって、補正予算はできるだけ組まなくても済む予算にしたいという考えでいま臨んでおります。そうしますと国債の発行も相当多額になります。国債の機能を十分活用しなければ、この経済の浮揚はできないと思いますので、国債も大幅に発行したいと思いますし、政府の財政投融資資金も思い切ってこれを拡大して活用する、地方の公共債の発行についても考える、あらゆる資金の動員をもってこの経済の浮揚をはかるということを考えておりますが、ただ、その場合に私どもが避けたいと思いますことは、やはり財政の節度の問題でございまして、せっかくできている日本の財政法には、それを心配した節度の問題、歯どめの問題がございますので、金を有効に使うことは他の方法で幾らでもくふうできますが、しかし、公債というものを発行するという限りにおいては、私は、建設公債の範囲にとどめる、赤字公債は避けるということをやはりここですべきであるというふうに考えますので、この問題だけは、私は、いわゆる健全財政の線というものを貫く範囲内における不況対策というものに万全を期したいという考えでございます。(拍手)
○議長(船田中君) これにて質疑は終了いたしました。
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○議長(船田中君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時五十六分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        外 務 大 臣 福田 赳夫君
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        通商産業大臣  田中 角榮君
        国 務 大 臣 山中 貞則君
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