第068回国会 内閣委員会 第23号
昭和四十七年五月十九日(金曜日)
    午前十時十一分開議
 出席委員
   委員長 伊能繁次郎君
   理事 加藤 陽三君 理事 佐藤 文生君
   理事 坂村 吉正君 理事 塩谷 一夫君
   理事 山口 敏夫君 理事 大出  俊君
   理事 伊藤惣助丸君
      阿部 文男君    辻  寛一君
      中山 利生君    葉梨 信行君
      湊  徹郎君    木原  実君
      鈴切 康雄君    東中 光雄君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 丹羽喬四郎君
 出席政府委員
        経済企画庁国民
        生活局長    宮崎  仁君
        経済企画庁総合
        計画局長    矢野 智雄君
        運輸大臣官房長 高林 康一君
        運輸大臣官房審
        議官      見坊 力男君
        運輸省港湾局長 栗栖 義明君
        運輸省鉄道監督
        局長      山口 真弘君
        運輸省自動車局
        長       野村 一彦君
        運輸省航空局長 内村 信行君
        運輸省航空局技
        術部長     金井  洋君
        労働省職業安定
        局長      道正 邦彦君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        給与局次長   渡辺 哲利君
        防衛庁長官官房
        防衛審議官   大西誠一郎君
        運輸省港湾局参
        事官      田中 光次君
        内閣委員会調査
        室長      本田 敬信君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十九日
 辞任         補欠選任
  土井たか子君     畑   和君
同日
 辞任         補欠選任
  畑   和君     土井たか子君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 運輸省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第二五号)
     ――――◇―――――
○伊能委員長 これより会議を開きます。
 運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤陽三君。
○加藤(陽)委員 運輸省設置法の一部改正法案と航空事故調査委員会設置法案について御質問いたします。
 私は、航空輸送の飛躍的な発展ということを大臣おっしゃっていますが、こういうふうな法案が出てきましたことはたいへん賛成なんです。ただ、思いますことは、こういうふうな航空輸送の飛躍的な増強発展に、いまの行政機構――これは装備や要員の点も含めまして――というものがこれで対応するんだろうかということなんでございますが、一時航空庁の設置というふうな構想が伝えられておりましたけれども、今度は形を変えて出てきたわけですが、私はやはり、この段階では、航空庁のようなものをつくって、長官に大きな権限をまかしてやることが必要ではなかろうかと思うんですが、その点は大臣どういうふうにお考えになりますか。
○丹羽国務大臣 ただいま御質問がございましたように、私も、ぜひとも航空庁をつくりまして、そして長官に強大な権限を与えますとともに、航空安全の見地からいたしまして、どうしてもこの際におきましては民間航空の飛躍的発展に対応するだけの組織の整備をはかってまいらなくちゃいかぬ、こういうふうに強く思っている次第でございますが、諸般の都合によりまして、それだけを取り上げていくわけにまいりませんので、一応見送った次第でございますが、決してその志を捨てているわけではございません。できるだけ近い機会に、先生方の御協力をいただきまして、そういうふうにやりたいと思っている次第でございます。今回は、それにいく前提といたしまして、最小限度の組織の拡充をいたしまして、そして国民の負託にこたえる、こういうつもりで提案いたした次第でございますので、将来とも一そうの御指導と御理解をお願いする次第でございます。
○加藤(陽)委員 いま大臣の御答弁聞きまして、私どもも、微力ですけれども協力をいたしますから、ぜひそういうふうな方向に持っていっていただきたいとお願いする次第でございます。
 その次に、最近、航空事故がたいへん多いということでもないんでしょうけれども、目に立つような現象があるわけです。ついこの間も羽田で離陸の際に事故を起こしておりますが、いままで起こりました航空事故を原因別に述べていただきますと、大体どういうことが一番大きな原因なんでしょうか。概略でよろしゅうございます。
○内村(信)政府委員 最近における航空事故でございますけれども、初め件数から申し上げますと、昭和四十六年の四月から昭和四十七年の五月十八日現在までの間に、航空事故の発生件数は大体三十七件でございまして、その内訳といたしましては、飛行機のものが二十三件、それから回転翼によるもの、ヘリコプターが十四件でございます。飛行機事故二十三件、このうちの十二件が定期航空運送事業によるものでございます。それから他の十一件は、航空機使用事業と申します小型の飛行機によるものでございます。回転翼、ヘリコプターの事故は、主として、農薬散布であるとか、あるいは物資輸送、取材飛行等の場合に起こっております。特に農薬散布の場合に、送電線に引っかかって落ちるというふうなことが、比較的多いようなありさまであります。
 以上申し上げました中で、死亡を含む事故、これを申し上げますと、小型飛行機の場合は三件七名、それから回転翼、ヘリコプターの場合には四件で五名、それから定期航空輸送事業は二件で二百三十名でございます。この二件と申しますのは、御承知のとおりの「ばんだい号」事件と全日空の衝突事件、この件でございます。そのほかに一件、定期航空運送事業による死亡事故がございますが、これは地上で整備中に整備作業員がフラップにはさまれたというような事故でございます。事故の原因は、定期のものについては現在調査中でございますのではっきり申し上げられませんが、大体、種類別に申し上げますとそんなようになっております。
○加藤(陽)委員 原因別のことがお聞きしたかったのですが、またおいおい尋ねていきたいと思います。
 私はゆうべ帰って夕刊を読んでおりましてびっくりしたのですが、羽田の空港で空港監視レーダー、ASRと補助監視レーダー、SSRですね、これが両方一ぺんに作動がとまっちゃったというんですね。これは機能的に、ASRがだめになったらSSRでやるというふうにセットしてあるんじゃないかと思ったんですが、これはどういうふうになったんでしょうか。
○内村(信)政府委員 きのうの事故の発生でございますが、これは新聞にもありましたとおりに、朝の八時五分から九時二十二分まで、約一時間と十七分ぐらいの間運用を停止いたしました。そこで、たいへん皆さまにも御迷惑をかけて、まことに申しわけないと存じております。
 その原因でございますけれども、障害発生の原因は、レーダーの送受信機に電源を送ります場合に、電源の電圧調整器というものがございます。これは、大体レーダーへ電気を送ります場合に二百ボルト、それにプラスマイナス三ボルト、これが許容範囲でございまして、その許容範囲を出ますとこれが焼けるとかいうふうなことになってまいります。
  〔委員長退席、山口(敏)委員長代理着席〕
ところがこの場合には、その電源の電圧調整器というものが作動不良でございまして、したがいまして異常高圧が出まして、そのために機械のある部分が焼け切れたというふうなことでございます。したがいまして、これは一次、二次共通に送っているものでございますから、この際代替するということが不可能でございまして、そこで、その後そのリレーを調整いたしまして、それで修復したような次第でございます。こういう事故は従来はあまりなかった事故でございますが、今回の事故にもかんがみまして、今後はそういうものを未然に防止するために、全国的に異常電圧警報装置といったようなものをつけまして、それによって早く事故を自動的に知るという方法によってこれを未然に防ぎたいというふうに考えております。なお、羽田のレーダーでございますが、これは相当古くなっておりますので、この七月中に新機材に取りかえまして、八月中にはフライトチェックを済ませて実際の使用に入るというふうに考えております。たいへん申しわけないことをしたと思っております。
○加藤(陽)委員 その点はわかりましたが、航空保安施設、いろいろな種類があるようですけれども、たとえばARSR、これはいま東京とどこにあるのですか。航空路監視レーダーですね。東京と福岡ですか、これで北海道のほうまでカバーできるものですか。
○内村(信)政府委員 ただいま航空路監視レーダーは、箱根と福岡の三郡山、この二カ所でございます。したがいまして、おっしゃるとおり北海道までというふうなことはカバーできません。そこで、私どもといたしましては、早急に航空路監視レーダーを全国に整備いたしまして、日本全土の航空路網を監視レーダーによってカバーいたしたい、こう思っております。そこで、長期計画を立てまして、五カ年計画の中でやろうと思っておりますが、その中でも、特にこの長距離監視レーダーにつきましては、前半の三カ年のうちにやり遂げるということにして、ぜひ四十九年度中には、北海道から東北、それから大阪、九州の南部、沖繩というふうなところを新たに設置いたしまして、それで全土をカバーいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○加藤(陽)委員 これはたいへんお金のかかることですから、すぐにということは無理だと思うのですが、四十七年度では航空路監視レーダーですね。それから、空港のGCA、ILS、こういうふうなものがない空港がいま幾つありますか。このうちの幾つを四十七年にやろうとしていらっしゃるか、それをちょっと伺いたい。
○内村(信)政府委員 いまの空港全体で、ILSがあるところ、ないところがちょっと手元にございませんけれども、後ほど資料がございましたらお届けいたしますが、とりあえず五カ年計画の中で特に四十七年度にやろうと思っておりますのは、函館、松山、新潟、釧路、奈良、福岡といったようなところを整備いたしたいというふうに考えております。
○加藤(陽)委員 その函館ですが、この前事故がありましたときに、NDB、これの設置位置がふさわしくないのだということが一部新聞に出ておりましたが、今度おやりになる場合には、そういう地域的な選択といいますか、適地におやりになるということは十分お考えだろうと思うのですが、あれは実際どうだったのでしょう、函館事故の場合。
○内村(信)政府委員 技術部長から御説明申し上げます。
○金井政府委員 NDBあるいは航空保安施設等を設置する場合には、もちろん地上でチェックすると同時に、最終的には飛行検査で空中から、その地点がいいかどうか、それから設置した保安施設が正常な電波を出しているかどうかということをチェックした後に、この保安施設は使用可能であるというNOTAMによって、関係者に全部周知徹底しておるわけでございます。
 問題の函館のNDBにつきましては、設置した当初、三十七年ごろだったと思いますけれども、札幌と函館を結ぶ山の上に来るとNDBの受信がちょっと正常ではない場所があるということがわかりまして、その旨を航空情報、すなわちNOTAM等の航空情報によりまして、航空路誌にも載せまして、この地点ではNDBが正常な作動をしないことがあるという旨を周知してございました。それからそのNDBを回収しまして、その後にチェックしましたところ、そういう異常は全然ございませんでしたので、航空情報あるいは航空路誌から、すでに記載してあった、そういう異常であるという旨の情報を削除しまして、したがって、「ばんだい号」の事故の時点では、あらゆる地点において、すべての方向に、すべての航路について正常に電波を出しておったということをフライトチェックでも確認してございます。
○加藤(陽)委員 その次に、航空交通管制のことについてちょっとお伺いしたいと思いますが、いまでも自衛隊の航空管制というものがありますね。米軍もまだやっているところがありますか。自衛隊や米軍がやるところについては、航空局でどういうふうな指導というか、調整をしているのですか、ちょっとお聞きしたい。
○内村(信)政府委員 御存じのように、わが国の航空管制業務につきましては、運輸大臣が一元的にこれを実施しておるところでございますが、防衛庁の管理飛行場につきましては、防衛庁のほうに委任することができることになっております。そこで、それによりまして、運輸大臣から委任をして自衛隊のほうにやっていただいておるということでございますが、ただいま先生から御指摘ございましたように、これにつきましては、委任申し上げると同時に、それに対しては統制を行なう。統制というとことばがちょっと悪うございますけれども、きちっとやっていただくというふうなことになっております。その方法につきましては、たとえば資格試験とかそういうふうなものをやる場合には、こちらと同じような基準でもって資格を取得していただくというふうなことをやっておりますし、さらにその後、実際の管制の運用状況、それから運用方式、そういったものにつきましても、自後、現場に参りまして実際の状況を監査さしていただきまして、それによって必要な勧告を申し上げるとか、それによって直していただくというふうなことをやっておるわけでございます。
 なお、さらに、これは今回の設置法の改正の一部でもございますけれども、安全監察官という制度を正式に設けまして、首席安全監察官以下何名かの安全監察官をもって、航空局が自分でやっておるいわゆる航空保安業務等につきましての自分自身での監察というふうなことをやると同時に、自衛隊等におきます業務につきましても、同様の措置でもって一元的にしっかり見てまいるというふうな方法をとっております。現在、防衛庁のほうに委任しておる飛行場が大体三十一カ所ぐらいあるかと思います。
 それから米軍につきましても、現在、横田、岩国、それから今度沖繩が返ってまいりますと、嘉手納、普天間、こういった空域につきましては、米軍が誘導管制、進入管制等をやることになっております。これにつきましては十分に合議をいたしまして、ICAOの基準に従ってきっちりやっていただくというふうなことになっております。
○加藤(陽)委員 それで、防衛庁との間には、いま言ったような資格の問題とかなんとかお話ができると思いますね。米軍との間にはそういうことができるのですか。たとえばICAOの規則を守れというだけですか。もう一つは、米軍の飛行場については着陸誘導管制だけですか。進入管制もやっておりますか。
○内村(信)政府委員 着陸誘導管制及び進入管制もやっておるわけでございます。
○加藤(陽)委員 いまの点、どうですか。
○内村(信)政府委員 これはいろいろ先方との従来の話し合いによりまして、はっきりICAOの基準を守るということになっております。さらに、それについて不服が出た場合には当然申し上げるということになっておりますけれども、特に防衛庁の安全監察をするというふうなことまでの法的な保障はございません。
○加藤(陽)委員 やむを得ないことだと思うのですが、そこで、航空交通管制の要員、これはいまどれくらいおられるのですか。いまあなたのほうで必要とされる人数は確保しておられますか、足りないのかどうかという点……。
○内村(信)政府委員 航空交通管制官の要員でございますけれども、これにつきましては、四十七年度の定員が八百三十七名というふうになっております。そこで、この充足計画といたしましては、航空保安大学校というのがございまして、そこで管制官の養成をいたしておりますので、大体現在たしか五十名程度の欠かと存じますけれども、それにつきましては、その養成が終わり次第入れてまいるということになっております。
 それから将来の計画でございますけれども、なお航空保安要員につきましては、管制官等の保安要員、さらに若干そのほかの保安要員がございますが、大体、四十八年度以降五十年度まで、約千二百名ぐらいの要員が要るというふうに考えております。したがって、そういうふうな要員につきましても、航空保安大学校で養成いたしますか、あるいは技術者を新規採用いたしますかということをして、何とか充足をいたしたいというふうに考えております。
○加藤(陽)委員 千二百名の要員の計画ということはたいへん大きな事業のように思うのですが、簡単にできるものですかね。何カ年計画でやっておるのですか。
○内村(信)政府委員 管制官の養成でございますが、これは実は二通りやっております。航空保安大学校の本科でやる場合、この本科生と申しますのは高校出の者を入れまして、それを二カ年の養成をしております。それから、そのほかに専修科というものがございまして、それにつきましては、短大出の者を入れまして、これは一カ年で養成をするというふうなことをやっております。それで、本科の人数が一学年定員四十名、それから専修科のほうが、今度拡張いたしまして百名というふうになっております。
○加藤(陽)委員 これはやはり大事な仕事ですから、大いに力を入れてやっていただきたいと思います。
 その次に、これは民間のパイロットですが、パイロットはいまどれぐらいおり、いま航空局では年々どれぐらいの教育を計画しておられるのですか。
○内村(信)政府委員 操縦士及び航空乗員の教育は、現在二千八十名でございます。
 そこで、このパイロットの養成でございますけれども、大体、私どもといたしましては、年間六百名程度を養成してまいらなければいけないというように考えております。その養成内容といたしましては、航空大学校というのがございますが、そこで年間百三十五名。それから防衛庁への委託によって六十名。それからさらに防衛庁からの割愛六十名くらい。そのほかに、定期三社がそれぞれの自社におきまして養成する数が約三百五十名。合わせて六百名ぐらい養成する。
 この養成するしかたでございますけれども、実はいろいろ考え方がございまして、航空大学一本にしたらいいじゃないかという説もあります。そこで、私どもといたしましては、航空審議会に乗員部会というものを設けまして、いろいろ御検討願いまして御議論が出たわけでございますけれども、結論といたしましては、必ずしも一校に限定することがいいかどうか疑問である。さらに、大量養成をするためには、国内には飛行場が不足でございます。それから教官もそう十分ではない。そういったことをかね合わせますと、やはりできるところで方々でやる。ただしカリキュラムと申しますか、シラバス、そういうものを統一いたしまして、ある程度同じような教育をやるというようなシステムをつくる、そういった考えに基づいて、それぞれに、防衛庁にもお願いするし、各社もあるいは海外等において教育することもございます。そういったことをあわせまして、大体六百名ぐらいを養成するのが、この際現実的であり妥当なものであるということで、そういう方法に落ちついたのであります。
○加藤(陽)委員 その次に、これは大臣にお伺いしたいのですが、航空事故調査委員会、これはけっこうだと思うのですが、私理解できなかったのは、海難の場合は海難審判庁という役所をつくってやっていらっしゃるわけです。海難審判庁はどういう趣旨でできているのか読んでみましたら、第一条に「審判によって海難の原因を明らかにし、以てその発生の防止に寄与することを目的とする」、これが海難審判庁の設置の目的になっておるわけですね。今度の航空事故の調査委員会も同じような目的だろうと思うのですが、どうして片方は委員会制度をとられ、片方は海難審判庁というような役所の制度をとられたのか、どうも理解できないわけですが、この辺を教えてもらいたい。
○内村(信)政府委員 先に一応事務的な御答弁を申し上げます。
 いま先生御指摘のように、海の場合には海難審判庁というのがございまして、これはいわゆる準司法的な手続をもちまして審決までいたします。それから懲戒処分権というようなこともございます。そこによって最終的に行政処分まで行なうということでございます。航空の場合には、ただいま御指摘のように、一応委員会によって事故原因の究明のみ、そこでどういう結論が出ましても、懲戒やそういう行政処分はいたしません。審決もいたしません。
 その差でございますけれども、一長一短あるのではないかと思います。しかし、一面におきまして、審判制度というものを用いますと、やはり人の身分にも関係いたしますので、これは相当慎重に考え、また懲戒ということになりますと、審判手続なりをやるのに相当長い間かかるというようなことが一つの現状でございます。それに比べまして、航空の場合と申しますのは、むしろ懲戒とかそういうふうなものに結びつくよりも、やはり航空事故調査の目的というのは、いかにしたら同種の事故の再発を防止することができるかということに最大の目的があるわけでございます。そういう点から申しますと、むしろ懲戒処分等の決定ということよりも、事故原因の究明に徹底的に当たっていただくという意味で、懲戒権とかそういうことを設けませんで、事実関係の究明、原因究明というところに専心していただく、そういう意味で委員会制度をつくったというわけでございます。
○丹羽国務大臣 ただいま局長から御答弁申し上げましたとおりでございまして、御承知のとおり、海難防止、航空事故防止、目的は同じでございます。事故原因を早急に厳正に究明をいたします。そして将来の防止対策をするということは同じでございます。海難審判庁のほうは司法的権限も与えているが、そこまで与えることが、いまの航空行政に適当であるかどうか。むしろそれよりも事故調査を早急にやる。それから、常時設置をいたしまして、行政的にも事故の調査事務を平生からやらしておくということが必要じゃないかということによりまして、私どももその点、御指摘のことを考えた次第でございますが、彼我の利害得失を勘案をいたしまして、常設の委員会を置くほうがそういう調査を活発に行なえるのではないかということで、こういう御提案を申し上げたわけでございます。
○加藤(陽)委員 そこのお考えはわかりました。
 ちょっとこまかい点を二、三お尋ねしてみたいのですが、第一は、秘密を守る義務というのが委員にあると書いてありますね。これは海難の場合はないわけですね。これは公務員として秘密を守る義務ということがあるのですか。規定を両方比べて読んでみてわからなかったのですが、なぜそういう規定を置いたのですか。
○内村(信)政府委員 この委員会でございますけれども、委員の方々は特別公務員になりますので、公務員法の適用がございません。したがいまして、ほかのスタッフの者あるいは専門委員の方々、こういった方々は公務員法の適用を受けますので、その意味で秘密を守る義務があります。しかし、委員の方々についてはその制度がないという意味において、特にここに秘密保持の条項を設けたということでございます。
○加藤(陽)委員 それから委員長及び委員の人選ですが、なかなか大事な人事だと思うのですが、この法律では、「科学的かつ公正な判断を行なうことができると認められる者」、こういうふうに書いてありますが、やはりおのずから限定されるわけだと思いますが、大体どういうふうな人を、大臣、頭に置いておられますか。
○内村(信)政府委員 事務的に……。
 「科学的かつ公正」というふうに書いてありますけれども、やはり実際問題としては航空関係の機体とか発動機とかいろいろな専門的なことがございます。そういった航空関係の知識、あるいはそういった事故調査の知識ということについてのたんのうな方々というふうに、抽象的に申し上げますとそういうことになるかと存じます。
○丹羽国務大臣 いま局長から御答弁をいたさせましたとおりでございまして、やはりそういったような専門的知識も有しておる人、世間から見まして、この人なら公正妥当に、いろいろの条件というか、いろいろの干渉その他を排除することができまして、そうして本来の目的を厳正中正でやってくれるということが客観的に認められる人にぜひともお願いしたいと思っております。
○加藤(陽)委員 過去の航空事故の調査委員会の経過を見ておりましても、やはり学者というものは片寄った意見の方があるのですね。科学的ではあるけれども、公正なという要件を兼ね備える人を選ぶということはなかなかむずかしいのではないかと私は思います。
 その次にお伺いしたいことは、十二条に「委員会は、委員長、委員又は専門委員が航空事故の原因に関係があるおそれのある者と密接な関係を有すると認めるときは、航空事故調査に従事させてはならない」と書いてありますが、どういう場合を想定をしておられますか。
○内村(信)政府委員 この趣旨と申しますのは、あくまでも第三者機関として公正かつ妥当な調査をするということが必要であるから、したがって、その航空事故の発生について何らかの因果関係を持っておるような者はこの審議から除いていただくということが趣旨でございます。したがいまして、具体的に申し上げますと、こういう例があるかどうか存じませんが、たまたま委員が自家用機の所有者である場合に、自分の持っておる自家用機が事故を起こしたとか、あるいは事故機のパイロットが委員長の近親者である、あるいは委員長と事故を起こした会社と何か密接な関係がある、こういったようなときにはそれに該当するのではないかというように考えております。
○加藤(陽)委員 それから最後に、これは防衛庁にお聞きしたいのですが、自衛隊法の改正が附則で出ておりまして、その七項として、自衛隊法の一部改正で、「航空事故調査委員会設置法第三条の規定は、自衛隊の使用する航空機について発生した航空事故については、適用しない」とあるのですが、三条の規定を適用しないということは、航空事故調査委員会設置法そのものは、航空事故全般、したがって自衛隊の飛行機にも適用になるんだ、こういう考えなんですか。どうなんですか。
○大西説明員 お答えいたします。
 ただいまの三条だけについて適用しないという問題につきましては、立案のときに運輸省ともいろいろ相談をいたしまして、これは、自衛隊機と民間機との衝突事故以外の事故についてはこの設置法のすべてが適用にならない、そういうことと同じ効果を持つというふうに理解しております。
○加藤(陽)委員 ちょっと私はそういう解釈が同意できないのだけれども、これは運輸省のほうもそれでいいんですか。いまの防衛庁の考えで運輸省もいいんですか。
○内村(信)政府委員 私どももそういうふうに解釈しております。
○加藤(陽)委員 それならけっこうです。
 そこで、自衛隊の航空機の航空事故については適用しないということになりますと、これは自衛隊のほうでお調べになるのでしょうね。私の問いたいことは、民間航空機の事故についてはこの航空事故調査委員会という相当大きなりっぱな組織ができると思いますが、これに匹敵するだけの調査が自衛隊でできるかどうか、どういうふうな構想で調査をなされるのかということをお聞きしたい。
○大西説明員 現在の航空法では、百三十二条で運輸大臣が航空事故の調査をいたすことになっておりますが、その条文は従来自衛隊法の百七条で適用除外になっております。今回、航空事故調査委員会の設置に関連をいたしまして、自衛隊機の事故の扱いをどうするかということを私どもも検討いたしましたが、各国の例を見ましても、軍用機の事故については軍がやるという原則が確立しております。それからアメリカにおきましても、軍用機と民間機の競合の事故については民間航空安全委員会が行なうというようなたてまえになっております。
 そこで、自衛隊はどういうような仕組みで航空事故の調査をやっておるかということでございますが、航空事故の調査は、事故の原因の調査と安全対策とこの二つに分かれるというふうに考えております。そこで、現在、常時自衛隊の幕僚監部に監察官という制度を置きまして、事故の防止あるいは飛行安全というものを絶えず研究をするという仕組みにまずなっております。それから具体的な事故の発生に対しましては、長官の訓令をもちまして、航空事故調査委員会というものを各幕僚長がそれぞれ設置するということになっております。その設置のうち、組織については長官が承認をするというたてまえでございます。
 その組織の構成を航空自衛隊の場合について申し上げますと、委員長は監察官でございまして、委員は幕僚監部の計画、運用、教育、装備、技術というような各課長を加えまして、部隊の側では総隊あるいは航空方面隊の幕僚長クラスを加える。そのほかに専門分野といたしまして、気象の代表として保安管制気象団、医学の関係では航空医学実験隊から責任者を加えるということで、委員会をつくりまして事故の調査に当たる。事故の調査におきまして結果をまとめたものを長官に報告いたしますが、その報告書については、内局の関係部局で検討して、場合によっては差し戻すというようなこともございます。それから大きな事故、たとえば金沢事故のような場合におきましては、その訓令にかかわらず、たとえば次官を長とする委員会をつくりまして、別の委員の構成をいたしまして、事故原因の徹底的な究明、安全対策ということもやっております。その場合に、必要に応じては、専門的な分野については部外の方の意見を聞くというようなこともやっておりまして、従来、全部ではございませんが、その調査のプロセスというもの、あるいは報告書の内容を見たところでは、十分掘り下げてやっているというふうに判断いたしております。
○加藤(陽)委員 いまやっていらっしゃることはそれでわかりましたが、私、言いたいことは、今度、運輸省の中に航空事故調査委員会というものができてパーマネントなスタッフを持ってやっていらっしゃるわけですよね。防衛庁ではそういうところまでいっているんですか、いないんですか。いま話を聞いていると、何かいろいろな職務の方をそのつど集めるように聞いたけれども……。
○大西説明員 最初に申し上げましたとおり、監察官という組織がございまして、その下に数名のスタッフをつけております。そこで常時、航空安全につきまして、危険の実例とか過去の事故例等の分析をやり、必要に応じては、気象とかあるいは衛生等の専門家の意見も聞きながら、絶えずそういう問題について勉強いたしております。そのような仕組みによって、航空事故の調査、あるいは安全対策についての知識とか経験の蓄積を行なっております。
○加藤(陽)委員 それでいいんですけれども、自衛隊の航空事故調査が一般民間航空機の航空事故調査におくれないように、段落がつかないようにしっかりやっていただきたいということを希望して、私の質問を終わります。
○山口(敏)委員長代理 伊能繁次郎君。
○伊能委員 私は、運輸省の交通全般についてお伺いをいたしたいと存じます。
 と申しますことは、沿革的に日本の戦後の交通をつらつら振り返ってみますと、海、陸、空、この三つのうちで、海上交通は壊滅的な打撃を戦争によって受けた。内航、外航ともであります。それが海運、造船合理化の政府の基本方針によって今日の隆昌を見るに至った。一方、航空については、御承知のとおり、占領中ああいう強硬な抑止政策を受けて、独立後、日本航空を中心にして、国際、国内の航空の面で、これまた世界の目が日本をみはるような回復、発展を遂げた。ひとり陸上交通は、戦後、唯一の交通機関として日本の経済の復興、発展に寄与して今日に至りましたが、その間、政府の適切な助成、指導というものが十分でなかったために、日本国有鉄道は現在の窮境に立たされておる。一方、陸上の他の自動車交通について考えてみますと、日本経済の発展とともに非常な進歩、発展を遂げてまいりましたが、道路の整備その他の関係から、最近においては自動車交通が行き詰まりの状態にある。一方、海運についても、急速な発展とその機能を完全に果たさせる港湾その他の機能が、はたしてこれに十分マッチしているかどうかということを見ましたときに、必ずしも万全とは言えない。
 そこで、ここ数年の間に、日本の交通全般について、総合交通体系の確立、整備の問題が非常に大きな国論の一つとして、いかにすべきかということが問題になっております。運輸省はその主管官庁としてこの問題にたいへん御苦労をされておる。一方、政府はこの問題については、あるいは新全総あるいは新経済社会発展計画というような長期な計画を立てながら、総合交通体系というものについて、経済企画庁を中心に、私の聞くところでは、経済企画庁が取りまとめ官庁、こういうようなことで今日に至っておりまするが、実態が一体どうなっておるのか。このままで一体、総合交通体系ということを口では言いながら、どこではっきりしためどをつけ、どこで陸、海、空全体の交通の調整をはかっていくのかという問題が、依然として何らはっきりした目標が出ていないということなので、私は、きょう総合交通体系の取りまとめ官庁の責任者である木村経済企画庁長官においでを願って、この問題についてとくと政府のお考えを伺いたいということをお願いしたのでありますが、OECDの会議に出席するためにたいへん多忙であるということでなかなか御出席がない。しからば、きょうの昼のお休みの時間でも、内閣委員会は会議を開いておるから、その間でもいいからぜひ出席をしてもらいたいということをお願いいたしましたが、ついに列席をしていただくことができませんでした。そこで、経済企画庁の総合計画局長に、それらの問題について経済企画庁はどうお考えになっておるかということをまずお尋ねをしたいと思います。
○矢野政府委員 総合交通体系につきましては、御承知のように、昨年十二月に臨時総合交通問題閣僚協議会で取りまとめをいたしました。その際、経済企画庁は総合調整官庁でありますので、各関係省庁と協議し、一体となって総合交通体系の基本的な方向につきまして取りまとめをいたし、政府の方針として決定をしたわけであります。あとそれに基づきましての実施は、それぞれの官庁がこの総合交通体系の趣旨に基づいて実施してまいるわけであります。だから、その過程におきましても、必要に応じて関係省庁で絶えず緊密な連携をとってまいる予定であります。またこの問題につきましては、現在、新全総も新たな観点でいろいろ見直し、総点検をやっております。その過程でもいろいろまた問題が明らかになってくるかと思いますが、また、特に私自身の所管であります長期経済計画の現在見直しをやっておりますが、ことしじゅうに新しい計画をつくり上げる予定で、いま経済審議会の御審議もいただきながら計画立案の準備を進めております。
 その中におきましても、従来からもちろんこの交通問題は、経済全体との関連において重要な問題でありますが、特に先生御指摘のように、ますます重要な位置づけを持ってまいりますので、その長期経済計画においても、交通体系、特にこの交通問題はまた国土全体の利用との関連も非常に重要な課題になりますので、そうした面からも十分検討して、適正な位置づけをもって政策推進の基本的な方向を明らかにしてまいりたい、かように考えております。
○伊能委員 ただいまのような抽象的な一般的な御議論は毎回毎回伺っておるわけです。そこで、どういうめどを立てておられるのかということを伺いたい。いまのような話は、これはしろうとでもどなたでもお話しのできる筋のもので、交通の実態については、現在もう私が三つの例をあげて今日に至っておることを申し上げ、しかもその間に、非常な混乱ということではありませんが、非常に恣意的な形で進められておって、総合的な調整がなされておらない。しかし、いますぐやるということは非常に困難であることは私もわかります。わかりますが、めどはどういう方向に立てていくのかということが総合交通体系の確立であり、整備であろうと思うのですが、そういう面についてのめどをどう立てておられるのかということを伺いたい。
○矢野政府委員 総合交通体系におきましても、それぞれの交通機関の分担関係、あるいは大都市、あるいは中小都市、都市間交通、それぞれにおいて個々のそれぞれの交通機関がどういう役割りを果たすか、その基本的な方向を描いておりますが、問題はそれを具体的にどう実施していくかということでありますが、先ほど申しましたように、この実施はそれぞれの分担に応じて各省庁がやってまいりますが、必要に応じて、私どものほうでもおぜん立てしてその調整はやってまいりたい。その調整の過程で具体的なそれぞれの実施の問題を、全体がばらばらにならないようにやってまいりたいと思っております。
 なお、先ほど申しましたように、交通問題は、経済全体あるいは国土利用、こういう面と非常に関連がありますので、先ほどは非常に抽象的に申し上げましたが、現在、長期経済計画で交通がどういう位置づけを持つか、これも抽象論の域はもうすでに脱しておりますので、あくまで方針でありますが、その基本的な方針も、抽象論だけでなくて具体的な位置づけを持つように、この点はこれから詰めてまいる予定でおります。
○伊能委員 たいへんさびしいお話を伺っちゃって残念なんですが、そうすると、昨年、関係閣僚協議会でどういうことがきまったのか、具体的にお話を願いたいと思います。
○矢野政府委員 まず、臨時総合交通問題閣僚協議会できめましたものはすでに発表して御存じのとおりだと思いますが、要点を申し上げますと、抽象的に申せば、効率的しかも安全で便利な交通体系をつくるということに始まるわけでありますが、そのために、たとえばそれぞれの交通機関の役割り、これも、大都市においてはなるべく大量輸送機関を中心にしていくとか、あるいは業務交通については自動車を中心にしていくとか、あるいは地方都市においてはやはり自動車をなるべく活用していくとか、あるいは都市間交通におきましては利用者の選択にまかせていくとか、こうした基本的な方針が示されております。個々の中身は、それに基づきまして、これは具体的にシェアをどうということは結果において出てまいりますので、これはきめておりませんが、実施の段階においては、そういう考え方に基づいて各省が行ない、必要ならばその調整をしていく、こういうことであります。
○伊能委員 そうすると、その問題についていつまで伺っても、いわゆる総合交通体系を何年を目標にどうしていくのかというようなことまではおきめになっておらぬのですから、その点はやめにして、しからば新全総もしくは新経済社会発展計画等においては、かなり具体的な輸送量その他のものがそれぞれの分野において計画をされておるように私は伺っているわけです。そうすると、それへ至る各交通機関が現状ではなかなかその目標に達成しない。そこで、それをかりに新全総なら新全総でけっこうですが、新全総が目標としておる地点に各交通機関が到達し得るような、現在からの各交通機関もしくは運輸省を中心とした整備計画、それに対応した施策というものについての指示は、当然、総合交通体系という観点から一応皆さんの経済企画庁で検討をされて、それに対してこうしていくべきだという方向、もしくは関係各省、運輸省、建設省、あるいはその他の警察等もあるかもしれませんが、そういったものが、その計画に対応した、新全総なら新全総に対応した交通の整備をやる、そういう目標について新全総を基準にした指示は経済企画庁として与えておられるのかどうか。あるいはその目標を立てるにあたっての基礎はどう考えておられるのかという点について伺いたい。
○矢野政府委員 今度の総合交通体系では、全体の施設計画につきましては、特に新しくここで検討するといいますより、新全総をとりあえずもとにしてできております。しかし、先ほども申し上げましたように、新全総もその実施という観点でいま総点検をしております。と同時に、並行いたしまして、先ほど申し上げましたように、長期経済計画、いろいろ情勢がかなり変わってきておりますので、現行計画、これは御承知のように新経済社会発展計画と称しておりますが、昭和四十五年度を初年度に五十年度までの六カ年計画でつくっております。これを現在見直しておりますが、その見直しの過程におきまして、昨年来、経済審議会で研究委員会をつくっていろいろ検討を進めております。その一つに立地・交通研究委員会というのをつくりまして、その正式の報告はすでに今月の初めに出ております。ここでも、交通問題についてのかなり具体的な検討や政策の方向をいろいろ言っておりますが、しかし、今日の交通問題それだけを特に取り出して、それだけでは、具体的な目標とか政策の基本方針をすぐ出していくわけになかなかまいりませんので、現在、ほかのいろいろな諸問題、環境問題、都市形成のあり方、そうしたこととあわせて、この問題の具体的な位置づけを詰めることにしております。
 今度の長期経済計画は、何年を目標にする何年の計画かは、まだいまのところきめておりませんが、おそらく五年計画か、あるいは、五十五年を目標といいますと結果においては八年、いずれにしても四十八年度が初年度でございます。五年か八年かまだきまっておりませんけれども、いずれにしてもそういう期間において、それぞれの具体的な整備の目標、当然その場合に交通の整備の目標、これはほかの経済の全体の発展のパターン、スピード、そのほかの関連事項とあわせまして、従来以上にできるだけ具体的な目標をそこで立ててまいりたいと思います。それに応じて、たとえば社会資本の投下はどのくらいかということもあわせまして、その検討の過程におきましては幾つかの問題に分けておりますが、交通問題については、交通問題についての関係省庁といま緊密に連絡をとりながら、その作業を現在進めておる段階であります。
○伊能委員 やや具体的な問題に入ってきましたから、それでは私のほうから具体的な問題を提起して、経済企画庁の総合性、企画性についてお尋ねをしたい。
 たとえばいま法案で論議になっております国鉄再建整備十カ年計画。目下運賃の問題を中心に法案として論議をされております。一方、港湾五カ年計画。道路は十カ年計画ですか、五カ年計画ですか。航空その他についてもそれぞれの長期計画があると思いますが、経済企画庁は、それらについて、財政の面あるいは施設の面等について、そういう中心のものをどう総合調整しているか。現実にこれに関与してどう調整しておられるのか、伺いたいと思います。
○矢野政府委員 現在、御指摘のように、それぞれ各省庁で五カ年計画をつくっておられます。これは現在の段階では、現行長期計画、新経済社会発展計画におきまして、五十年度までの公共投資の大体の基準を示してあります。公共投資の全額及びその中におけるそれぞれの部門ごとの金額も示しておりまして、各省庁の計画も、大体それにのっとってそれぞれ五カ年計画ができております。ほぼ出そろっております。しかし、先ほどから申しておりますように、情勢の急速な変化を受けまして現在見直しをしておりますが、その段階でまた、公共投資全体のワク組み及びそれぞれの部門につきましての目標の設定、及びそれに必要な公共投資の金額を描くことになると思います。問題は非常にむずかしいのでありますが、それぞれの目標をどう設定していくのか。経済問題ですと、経済の効率ということで自然の市場の動きの中できまってまいりますが、公共投資の場合には、そうした市場メカニズムで自然にきまるというわけにもまいりませんので、それぞれの部門についてどうその目標をつくるか。従来その目標の間の十分な調整が必ずしも十分できているとも思われませんでしたので、今度はその点が一つ計画作成の非常に重要な問題点だと思います。
 これは中心は、抽象的に申し上げますと、国民がどういうことを望んでいるのか。交通につきましてもどういうことを選択しているのか、これがもとになるわけでありますが、しかし、それも抽象的にはわかるとしましても、具体的にそれがどう結びついていくのか。いずれにしましても、その目標間の調和といいますか、あるいは優先順位と申しますか、これを関係省庁とも寄り寄り協議しながら、いまいろいろなデータをそろえております。具体的にどういう順序でというのはこれから詰めてまいりたいと思います。いずれにしても、そうした何かのそれぞれの関連を明らかにしてまいる努力をこれからしてまいりたいというように思っております。そういうものができますれば、それに基づいて一応全体のワク組みをつくり、またそれに基づいて各省庁がそれぞれの五カ年計画をおつくりいただく、必要があれば改定をしていただく、こういう段取りになると思います。
○伊能委員 お気持ちはたいへんよくわかるわけですが、それだと、国鉄あるいは船舶、港湾、道路、それぞれの長期計画、金額的にはあるいは一応新全総を基準にして指示がされておる、大体目標がきめられておる、それに基づいて各省庁で計画を立てておるというんですが、どうも私は、その間に総合性があって、それぞれの長期計画が調和がとれているとは思えないような感じがする。たとえば港湾を一つとってみても、海運の増勢、海運のこれからの貿易を中心とした発展に現在の港湾の整備計画が対応できるかどうかということだけを考えてみても、どうも港湾のほうがおくれがちではないか。この辺のところは、これは運輸省を中心にお考えを願うところだと思うのですが、問題は、いまお説のような御意見が正しいと思うのですけれども、具体的な計画になると財政当局から制約を受けるということで、港湾の整備は非常におくれる。国鉄については、これはいまの十カ年計画によって、政府が二兆八千億円というようなものを助成をする、同時に国鉄自体も合理化をはかる、国民にも協力を求める、こういうことでどうやらめどがつきかけておると思いますが、道路と港湾と比べてみたときに、私は、どうも港湾のほうが著しくおくれておる。しかも貿易を考えてみたときに非常に心配になる。こういう点についての総合調整というものをぜひ経済企画庁でやっていただきたい。将来の問題について、日本の経済の発展と対応していく、経済発展の基礎である交通、これは目には立ちません。空気か水のように、事態が急迫しないと交通というものに対する認識はとかく薄いわけです。ですから、そういった問題についての経済企画庁の総合調整力というものを十二分に発揮をしていただきたいということが私の強いお願いでございます。
 総合交通についてはおおむね抽象論になりますので、私は具体的な問題も申し上げたいのですが、同僚の質問時間の問題もありますから、これでやめますが、その次に国民生活局長にお伺いしたいことは具体的な問題でございますが、いま国鉄が運賃問題でたいへんな国民的な論議を呼んでおります。そこで、国鉄の運賃法がかりに参議院で上がったといたしますと、それに対応して、航空関係では航空燃料税の賦課に伴って相当の運賃値上げが申請をされておる。これは、国鉄の運賃の値上げを見て、それと調和のとれた、さいぜん総合計画局長が、国民の望む選択による利用ということを言われましたが、そういうことで調整をとろうということであろうと思いますが、一方、民間鉄道の運賃の問題ですが、これは現に国鉄との間に非常な開きができております。私は、前回、経済企画庁長官に、世界じゅうに、国有の鉄道と民間の鉄道を比較して、国有のほうが高くて民間のほうが安いところがあるか、私は二十数年勉強をしてきたがそういう事例に接しないのだけれども、あったらお示しを願いたいということを聞いたら、どうもさような例はないようだという回答がありました。これは常識だろうと思います。そういう例があるということのほうがおかしい。ところが日本においては現実にそういう例がある。しかも著しく運賃に格差がある。その上にまた今度国鉄運賃が引き上げられようとしておる。そうすると、さいぜん計画局長がおっしゃった、大都市交通、特にコミュータートラフィックについてこの問題をどう考えたらいいのかということをひとつ国民生活局長にお伺いしたい。
○宮崎(仁)政府委員 非常にむずかしい問題でありますが、わが国の場合、現時点においてすでに私鉄と国鉄の間で相当の運賃格差があるということは、御指摘のとおりでございます。この原因についてくだくだしいことを申し上げることは省略いたしますが、いずれにいたしましても、現在の国鉄は総合原価主義による基本的な運賃計算。私鉄の場合には、言ってみれば、鉄道部門のみならずその他の関連部門において相当の利益が得られるというようなことから比較的安く押えられているというような形が現在の事態を招いておるということは、わかり切ったことと言っていいと思うのです。このままの状況でさらに進んでいけば非常な矛盾を生ずるということは、確かにわれわれも考えておるわけでございまして、一体どうしたらいいのかということになると、なかなかこれから先はむずかしいわけであります。
 先般、私のほうの物価安定政策会議第三調査部会というところで、公共料金についての提言が出されましたが、この中におきまして特にこの点は指摘をされておるところであります。
 提言として出されておる一つの考え方を申し上げておきますと、大体、大都市周辺における私鉄と国鉄の関係で私鉄が安いという事態を生じておるわけであります。大都市交通において何か一つの新しい方式が考えられないかということが提言の中に示されております。それはたとえばハンブルグ方式というようなことが出されておりますが、要するに、各種の経営体が全部一つの公社に委託いたしまして、一種の運賃プールをする。お客さんのほうから見ると、一地点からある地点まで行くのに、どの交通機関を通ってもそれは同じであるというふうに直していく、こういうようなことがとれないかどうか。あるいはロンドン。これは戦後、御承知のように、交通機関を一つの経営主体に統合いたしまして、そういうような方法が考えられておるというようなことも議論いたされております。しなかしながら、これがなかなかいままでの経緯もございますし、そう一朝一夕にできることとわれわれ考えておりません。そうなりますと、やはり現在の経営主体というものを一応土台にして何らかの方法を考えていくということが必要になってまいるわけであります。そういう意味で、財政というような面での調整機能というものもやはりある程度考えざるを得ない、こういうふうに考えられます。これとてもなかなか簡単にまいるわけじゃありません。いま解決の方向として考えられるのは、大体その二つの道じゃないかと思います。
 今回の国鉄運賃法の改正によって生ずる私鉄との格差という問題は、確かに東京―小田原間等で相当大きいといわれておりますけれども、私どもそれを詳細調べましたが、並行路線のところは問題がございますけれども、それ以外ではそれほど大きな混乱を生ずることはないのではないか。確かにそれは、安い私鉄にお客さんが移りますから、資源配分という意味で必ずしも適当でないという声は出ますけれども、今回の運賃値上げ程度ではまずそう大きな影響はないであろうと見ております。しかし今回の再建計画は、御承知のとおり五十六年までの計画が組まれるわけでございますから、当然その点についていろいろ問題が生じてくるであろうということは考えられます。これは、私どもといたしましても、いろいろいま申しましたように検討いたしておりますが、さらに運輸省の官房にも優秀な方々が企画部門にはたくさん集まっておりまして、いろいろ御検討されておるのは御承知のとおりであります。イコールフッティング論から始まりましていろいろあります。われわれも、そういうお考えも十分聞かしていただきまして、これは全体の計画をおきめになるときまでに、何らかのそういう点についてのめどもつけてもらいたいと考えております。
○伊能委員 どうもたいへん苦しい御答弁をいただいて、私にはちょっと納得しかねる。ことに、官民の交通機関についての調整の解決方法として二つの提案をされ、よくわかりました。しかし、もう一つ、故意におあげにならなかったのだろうと思います。ということは、およそ交通機関というものは、同種の交通機関、鉄道と飛行機のように異種の交通機関であっても、おおむね運賃については調整をするということで、航空揮発油税の問題がありましたが、今回、航空各社は運賃値上げを申請しておる。したがって、同種の交通機関である官民の鉄道、いわんや大都市の国民が毎日利用をしておるコミュータートラフィック、この問題については、運賃の基本原理、そんなやかましいことを言わなくても、常識的に、同じ距離を運ぶ場合には、運賃の基本の理論は、同一サービス同一運賃であるのが世界じゅうの交通学の第一歩、第一ページです。初歩です。それが、いま局長はたいした影響はないとおっしゃいましたが、五割以上、倍近くも民間のほうが安いというような事態を、たいしたことはないということで解決されるということは、国民にとっても、交通機関にとっても、私は納得される事態ではない。
 いま、たまたま例を小田原−東京間、小田原と新宿、小田原と東京駅にとられましたが、総武本線と五号線の地下鉄との関係、あるいは東武線の問題、京成の問題、各般の問題をとらえても、あるいは関西においても、阪急、阪神、京阪、名古屋においても名鉄、これらの問題をとらえたときに、付帯事業をやっておるからというだけでそういうお考えであると、今度は民間のほうの鉄道が、国鉄と同じように、施設の整備改善ができない問題がここへ起こってきます。したがって、先般、運賃値上げをしたときにもそうですが、これこれの施設整備をしろということを、歴代運輸大臣が運賃認可の際に必ず具体的な指示をしております。ところがそれができない。なぜできないか。問題は財政上の問題です。したがって第三の方途である交通政策として、調整のとれた、均衡のある運賃を各交通機関に設定するということは国の責任ではないか。もちろんこれには国民からいろいろ批判もありましょう。ありましょうが、大きな目で考えれば、交通の安全、設備の増強、整備改善ということは、これまた交通機関の国民に対する責任なんです。これを果たせないような形にしておいて、たいしたことはない、第三の方途の均衡ある運賃調整ということがあなたの御意見から漏れておるということはたいへん心外です。そうすると、航空については航空揮発油税の問題があるから、やむを得ないから引き上げるということになって、私鉄は、依然として半分以下であろうが何であろうがほったらかしにしておくということは、地方ローカル線等においてならいざ知らず、それぞれ大都市の毎日利用する通勤者の立場に立っても、非常な混乱を起こす。先般の国鉄運賃の値上げのあとにおいても、かなり混乱が見られ、民間へ移って民間の輸送力に大きな影響を与えておる。こういう事態を放置されるおつもりなのかどうか。総合交通という観点から、経済企画庁の総合交通の取りまとめという立場からいっても、この問題については問題があると思うのですが、もう一度御回答願います。
○宮崎(仁)政府委員 確かに御指摘の点は、私どもも非常に大きな問題であると考えております。今回の国鉄の十カ年計画のように、かなり長期にわたっての見通しを立てるということになりますと、全般において何回かの運賃値上げが必要だという計画も出てまいるわけでありますが、私鉄の場合は一昨年改定をいたしましたけれども、この運賃算定の方式は、御承知のように、大体算定する時点の翌年度を平年度としていくというやり方でございますので、過去の事例から見ましても、二年か三年しますとまた改定という問題が起こってまいります。これは今後の経済の推移がどういうふうになるかということが問題でございますけれども、少なくともいままでのように相当のスピードで賃金が上がっていくというような経済の形でございますと、鉄道のような交通機関におきましては、なかなかこれは長い間採算がとれるような形でやっていくということは困難であります。運賃の改定ということについても不可避である、こういうふうに見ざるを得ません。そのようなことから、今回の政策会議の提言でも、運賃改定の手続についてのルールを何か一つつくったらどうかというような提言も実は出ております。
 私が先ほど申しましたことで、国鉄の十カ年計画ということについて、私鉄とのバランスを議論することは相当困難だということを申し上げましたけれども、五十六年までということで計画がつくられるはずでありますから、私鉄について個別、詳細に見通しを立てることは困難だと思いますけれども、しかし大筋としては、国鉄のほうの輸送量なり原価なり、あるいは各種要素の変化というようなことと同じベースに立って、競合する私鉄の見通しはどうだろうかというようなことについての検討はある程度できると思います。その検討の結果、あるいは私鉄についてもある程度のインターバルで運賃の改定は必要であるということが出てくるかもしれません。その辺は今後の検討にまつわけでありまして、私鉄についてこれから先何回か値上げが必要であるというようなことを、これは経済企画庁が約束をするはずは絶対ございませんけれども、検討は十分してみる必要がある。しかし、そういう検討をいたしましても、私は、なかなか困難な事態は改善できないという面が相当あると思います。
 これは、いま民営と国鉄だけのバランスを申し上げましたが、バスなんかについても、御承知のように公営の問題があります。地下鉄も公営の問題があります。公営交通になりますともっと問題はむずかしゅうございます。これは破れかぶれみたいなところもございますので、その辺のバランスもあわせましてひとつお考え願わなければならぬ。われわれ国民生活局の物価を担当している部面だけでそういった問題についての基本的な原則を出すという、そんなおこがましいことはできませんけれども、総合交通体系というほうでの御検討をまたなければなりませんし、運輸省でのお考え方ということも、十分そういう点を御検討していただけることと考えておりますから、そういうお考えはあわせて今後検討さしていただきまして、全体としては何とか矛盾のないものをつくられるよう、これから一生懸命になって勉強したいと考えます。
○伊能委員 もうあまり議論はいたしませんが、非常に残念なお答えです。
 さいぜん二つの提案をされましたが、そのうちの後者の財政的な問題、これは急速にはいかないと思います。前者の方式、これについては、戦後、ニューヨークについてはBMP、IRT等の地下鉄、それらのものを統合して一体としてやる。ロンドンも同様です。東京についても、その問題が一部地下鉄等についてはあります。しかし、地下鉄だけでは解決をしない問題で、したがって総合運用方式、共通運賃制、この問題は私はやろうと思えばできると思う。しかしいまの現状でやることは無理だ。ある程度の運賃調整をした上でなければ、共通運賃、共通切符、この制度をとることは困難なので、当面、あなたの提案された第一の方式をやる前提として、急速に一ぺん運賃調整をやる必要がある。その上で初めて将来に対して明確な制度を打ち立てることが私は一番望ましい。この点を急速にぜひお考えを願いたい。それでなくては私鉄はまいってしまいます。率直に申し上げます。
 ですから、私はここで議論を申し上げようとは思いませんし、私自身がつべこべ言っても、お気持ちはもうよくわかっておりますが、このまま放置するということは、大都市の毎日の通勤者にとっても決して幸福な事態ではないと思います。万一事故が起こったような場合、たとえば、これはコミュータートラフィックの問題とは関係ありませんが、新幹線が発足以来八年。八年たつと一応再点検をしなければならぬ事態に立ち至る。現に、電気関係、架線関係をめぐって、ことしに入って、こまかい事故や一昨日の大きな事故、ああいう問題が起こるわけです。これはあれだけ完備したと思われても、八年ぐらいたつと整備の実態についての総点検をやらなければならない時期に来ております。いわんや私鉄のように、全体から見て国鉄に比較しては安全整備の問題は不十分です。不十分でもそろばんの上から整備ができないというような状態に放置することは、これは国民のためにも許されないことだと思いますので、いまの第一の提案を早急に実施する前提としては、ある程度――私はパラレルにまで上げろとは言いません。これは、こういうように、日本が世界に類例のないような事態に一応押しつけておるのですから、これを一ぺんにパラレルなものにしようといっても困難ですが、ある程度やはり調整した上で、あなたが提案された方向へ強力に実施することが私は可能だろうと思いますので、ぜひその点について、官民の鉄道、飛行機あるいは自動車等についてお考えを願いたい。
 ことに、いまあなたからバスのお話が出ましたから申し上げますが、バスについては比較的原価計算その他が楽であるという見地からか、いろいろ御検討願った結果、二年間のローテーション運賃改定システム、こういうものも経済企画庁ではおとりになる決意をされました。それと同じように、私鉄についても、国鉄との調整の上において運賃基準というものは当然できるわけです。私鉄には困難だとは私ども自分の経験では感じません。したがって、そういう問題を今後十分取り上げた上で、総合交通体系の整備という点からも、ひとつこの問題も、計画局長、生活局長、御両所においてぜひ急速に御検討いただきたいということをお願いしておきます。
 最後に一点、山口鉄道監督局長にお願いいたしますが、今回の国会でニュータウン等に対する鉄道建設の飛躍的な助成措置が政府でとられた。これは非常に国民一般から高い評価を受けておると思います。したがって、その問題について、今後、たとえば多摩ニュータウンあるいは北千葉ニュータウン等でいろいろと新線建設の問題が起こっておりまするが、たまたま政府がそういった助成をやるということに便乗して、短距離の鉄道等をやろうというようなことがあっては、これは当然大きな赤字をしょう原因にもなりますので、こういう問題の路線の決定、認可等については、ぜひ慎重に実態を十分究明して、ことに北千葉ニュータウンのごとき、いま考えられておるところでは、京成が高砂から南下する、十号線の地下鉄が本八幡付近からニュータウンへ入る、あるいは新幹線が予定されておる、さらに五号線が西千葉から延長をする、その上にまた県営鉄道が新たに鉄道を敷設しようとかいう、あの北千葉ニュータウンを中心として交通関係がいろいろな角度から検討されておりまするが、私は、交通の効率化、施設の面での合理化等から考えて、あまり鉄道が乱設されるということは決して望ましいことではなくして、いかに合理的な運用をやるか。さらに、私は一つ忘れましたが、既設線としては東武鉄道が柏へ通っている。新京成が津田沼から松戸へ抜けておる。しかも国鉄も西船橋−北小金線が、西船橋から、松戸のほうから北部環状線へ通っていく。こういうように、一つの場所を六本も七本も鉄道が通ろうというときに、その間の総合的な交通系絡というものはよほど慎重に考えていただかなければならぬので、この点は十分御検討を願いたいということを質問かたがたお願いしますが、局長の御意見をお伺いします。
○山口政府委員 ただいま先生御指摘のように、ニュータウン等につきましての新線建設につきまして、今回国会で御審議いただいておりまする日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案で一歩前進をさせようということでございますが、この新線の建設につきましては、先生御指摘のように、・その建設が合理的であり、また効率的でなければならぬ、また既設線との関係、既設線の利用というものも十分に考慮に入れなければならないという点につきましては、何と申しましても鉄道の建設が非常に巨額な資金を必要といたしますし、しかもそれの建設による懐妊期間というものが非常に長いことから考えましても、御説のとおりであろうと考えまして、そのような方向で今後慎重に検討してまいりたいと思います。
○伊能委員 質問を終わります。
  〔山口(敏)委員長代理退席、委員長着席〕
○伊能委員長 大出俊君。
○大出委員 運輸省設置法そのものにつきましてもたくさん問題があるわけでありまして、特に航空関係の中のメンテナンスなどという問題は、これは物理的に不可能な人集めの形になっておりますから、一つ間違うと大きな事故に発展しかねないという問題がありまして、特に少し突っ込んだ議論をしたいのでありますが、たいへんどうも時間の関係で、本会議があるようでありますから限られてまいりましたので、残れば、委員長、これは次回に続けさせていただきたいと思います。
 そこで、タクシー料金の値上げも先般行なわれまして、この基礎になる東京陸運局の実態調査その他の中身からしまして、本来なら、経営者が経営意欲を失わない程度の値上げ、ハンドルを持つ諸君がどんどんやめていかないような値上げ、かつ交通事情を見合わせまして、たとえば一人一車の平均走行キロをどのぐらいにするとかいろいろあったわけでありますが、これも近い将来のためにどうしても聞いておかなければならぬ面があります。ただ、いま申しました時間の関係があります。
 当面、方々から、港湾ストがこう長期にわたり、かつ将来に向かってどこで収拾が行なわれるかという見通しがない、これでは困るのではないかといういろんな意見、連絡が参りました。特に私がおりますのは横浜でございますから、港をかかえております。隣接地は東京港をかかえておるわけであります。いま全日本海員組合の諸君がストライキをやっておりますから、そこで船を押えておりますので、その意味では港湾組合の皆さんなり日港労連関係の方々なりのストライキが、直接的な大きなトラブルには発展をしておりません。おりませんが、この全日海のほうは賃金中心でありますから、片がつきストライキあけということになると、ストライキがあけた、さあ港に入っていったらコンテナ埠頭はみな押えられていたということになると、相当な混乱が予測されるわけであります。だとすると、いまのうちに何とか港湾のストライキの問題は一つのめどがほしい、こういう気がいたします。しかもその中身が、賃金を幾ら幾らにしろということが中心ならば、私はあえて丹羽運輸大臣に質問をするという気にはなりませんが、そうではなくて、これはたいへん歴史的な問題を踏まえて、かつまた将来の展望、ILOの総会なども来月ございますし、国際的な関係という上で何とかここで決着をということを港に働く皆さんが求めている。だとすると、これは単なる労使間の問題ということだけに限定できない、そう思いますので、そういう意味で、ぜひこれは大臣に私どもの意見も聞いていただきながら、かつ御見解を賜わり、特に御経験の深い栗栖港湾局長もお見えでありますから、そこらでひとついい知恵を出していただけないかという気持ちなんでございます。
 そこで、おそらく皆さん御存じだと思うのでありますが、いまの港湾ストの中心になっております要求というものをどう見ておられるかという点、ここをまず承りたいのであります。
○栗栖政府委員 先生御指摘のように、現在、全国の港湾関係労組連絡会議というところで六項目の要求が出てございます。これは各港ごとにいろいろと話し合いが進んでいるといいますか、議論があるというふうに私ども理解しておるのでございますけれども、確かに先生御指摘のように、港の荷役そのものの構造的な変化というものが根底にあって、港で働いておる方々の生活の不安、職域の確保という点が背景にあって、根深いものだという御指摘があったんだろうと思いますし、私も全く同感でございます。
 ではこれをどうするかという点になるわけでございますけれども、現在私のほうでは運輸政策審議会の中に港湾運送特別委員会というものを設置していただきまして、この中で、労働者の代表の方々、船主の方々、荷主の代表の方々、それから港湾管理者の代表の方々、その他学識経験者というふうな方々に御苦労願いまして、非常に熱心に検討していただいておるわけでございます。先生も御指摘のように、将来どう向かうかという問題もございますし、当面起こっている問題もございます。それをどういうふうに取り上げてどういうふうに処理していくかということも大きな議題になろうかと思っておりますが、いろいろと中央でもそういう検討をしていただいております。
 それからもう一つは、昨年の暮れにラッシュ船騒ぎがございまして、大出先生に非常に御尽力賜わったわけでありますけれども、あれを契機といたしまして各港の関係者で、これは私どもの出先も入りまして、港湾管理者その他入りまして、労使だけではなくて、特に個々の港ごとのローカルな問題を取り上げて議論されるという場もできたわけでございます。基本的には私どもは、そういう全般的な問題は中央のそういう場でひとつ方向づけをお願いする。それに合わせまして各港ごとに、やはり東京と横浜では、これはもう先生のほうが十分御承知でありますけれども、港のおい立ちが違うという特異性がございます。そういうものは、特異的なおのおのの港の実態に合わせました各港の関係者の団体の集まりで御検討いただくという方向がいいんじゃなかろうかと考える次第でございます。
○大出委員 これは大臣に承っておきたいのでありますが、たいへん移り変わりが激しい港湾運送の態様の中で、世界各国の中の未開発あるいは開発途上国を対象にしても、これはいたし方ないと思うのでありますが、コンテナの発祥はアメリカでありますけれども、つまりコンテナというものが出てきた出発はまずどこにあったかという点なんですね。いまの産業の製品の製造コストの中に占める運送費の比率というものがだんだん高くなってくる。つまり原料の輸送にしても、製品の輸送にしても、たいへんどうも輸送費が高くなってきました。距離が遠くなるというせいもある。だから、ときによっては製品コストの六割を占める、あるいは七割近くのものもある、こういう段階にきた。そうすると、労働者の賃金というのは、ILOがありまして、国際労働基準というものが存在をする限りはそう低くはできない。いまの日本の円切り上げなんかをめぐりましても、結論を言ってしまえば事は簡単で、何だかんだといったって日本の労働者の賃金が欧州、アメリカ、特にアメリカに比べて低い。いいところでも四分の一だとか、悪いところで六分の一、七分の一ということですから、そうなると、その賃金をこれ以上下げる、押えるというわけにいかないという事情がある。そうすると、資本が利潤を追求しようとすれば、輸送コストをいかにして下げるかというところに重点がいくのは当然でありまして、そういう資本の側の発想からコンテナが出てきたわけですね。ラッシュ船というものもそういう角度から見ていいと思います。そうすると、それをとらえた国の側のものの考え方、港湾経営なり港湾労働なりというものに対する考え方。日本のように、中間の業者というものが歴史的に存在する理由があるのでありますけれども、存在をしているという場合、そうなると、その労使間、つまり港というものを前提にした労使間というものを制度的にどう位置づけるかということは、私はこの輸送革命の中で国がいち早く政策を行政的に前に出さなければならなかったのだと思う。ところが、それがどうも行なわれていなかったという悔いが残るわけでありますが、そこのところを国の責任という意味でまずどういうふうにお考えになるか。
 実は比田さんが港湾局長をやっておられた時代がある。そのときに、日本の港湾荷役というものが料金にしてカルカッタの四分の一なんですね。そんなばかなことが許されるか。これは労使間の問題じゃないぞ、国の問題じゃないか。だから港湾の問題は、労使間の問題を含めて国がまずどう考えるかということを前に出すべきだということを私は言ったことがあるんですが、これが佐藤さんの時代になり、栗栖さんの時代になっているわけであります。その間、運政審に小委員会をつくるとか、ずいぶんいろいろなことができてきたわけでありますから、決して後退はしていないと思う。が、しかし、それにもかかわらず、この輸送革命の早いテンポに日本政府は追いついていない。というよりは、ほとんどあとを追っかけっぱなしというのでは困ると思うのですよ。ここのところを大臣一体どうお考えになるか承りたい。
○丹羽国務大臣 ただいまの御質問、ごもっともと思う次第でございます。実はラッシュ船の入港を契機といたしまして、いろいろのスト、海上ピケが起こった次第でございましたが、ラッシュ船というのは、いまのところたいしたあれではございません。やはりコンテナ船化によりまして、非常に港湾労働の形態が変わってまいっております。それにいかにして対応するかということが非常に大きな問題だと思います。いま大出先生がお尋ねになりました、むしろ賃金だけの問題ではなく、構造の変化などにどう対応するかということが一番の問題だと私は思っておる次第でございます。それに、前任者の当時から運輸政策審議会に港湾運送の委員会を設けております。つまり労使の関係でございますから、実は労働省、労働委員会のほうの問題であろうかと思います。それが事業形態にも関係しておることでございますので、私としては、真剣に考えておかなくちゃならぬというふうに考えておる次第でございます。要するに輸送革命に対する影響、その波をどの程度で受けとめるか、それに対してわれわれの努力をするべき範囲をどういうふうにするかということが、これからの一番大きな問題になろうかと思います。ただいま私は港湾局長から御答弁いたさせましたが、その方向に沿って早急になるべく早く対策を樹立するということを命じておる次第でございます。
 先生御承知のとおり、中央の港湾運送委員会の審議もやっておるようでございますが、なかなか結論にまでいかず、私も先般、港湾局長に、少しゆっくり過ぎるんじゃないかという催促もした次第でございます。また各地におきましても、やはり横浜、神戸その他におきましても、漸次そういった地方別の委員会が持たれるような傾向でございます。これは非常に喜ばしい傾向と思っておる次第でございます。そういうところを勘案いたしまして、政府としてとるべき措置は、私も勇敢にとってまいりたいと思っておる次第であります。
○大出委員 ところで問題は、近促協などというものができて、ここで議論している。一番最初草稿ができて、時間がありませんから資料をあげてものを言いませんけれども、中身を読んで私はびっくりしたんですね。海上運送というものがある。陸上運送というものがある。まん中を港湾がつなぐ。海上運送が機械化をされる。陸上運送もコンテナ輸送で戸前から戸前ということで始まる。まん中に港湾がある。この港湾を徹底的に機械化すべきだという発想ですね。人力は要らない。真ん中の港湾を機械化する。海上が機械化されてくる。陸上が機械化されてくる。まん中が機械化されれば人が要らなくなる。つまり輸送コストは思い切ってダウンする、こういう発想です。経済性が強調されている。個々の企業のことを近促協なら近促協が論議するなら、それに対して労働者を含めて、あるいは港に現にある業を含めて、これは船内なんかにしても、横浜の港をながめても、どれもこれもたいした資本ではない。みんな小資本なんです。船舶六グループ、三光汽船あたりとけんかしておるようなたいへんな資本じゃない。ジャパンラインの株を他人名義でどんどん河本さんが買って、株主総会は大荒れだ。幾らもうかるだろう、七十億くらいもうかるんじゃないかというようなこととけたが違う。
 だから、そういうところを考えた場合に、当然国がかくあるべしと言わなければならないんですね。私は港のあるところから出てきまして九年になるんです。子供のときから港をながめて育っているんですから、ずっとその質問を続けているんだけれども、幾ら言ったって国はやろうとしない。これじゃ、港に働く諸君はまことにみじめですよ。政治なんてあるのかないのかということになる。そういう角度から考えますと、もうおそ過ぎるんですね。ほんとうは、コンテナというものができ始めたころに、一体どうするかということを考えるべきであって、労働組合の対応だっておそい。ラッシュ船騒ぎになって初めて、回漕協会あたりが、断じて入れない、追い払えと、いみじくも労使一緒になった。だから、横浜の港にトーマス・カフ号が入ってきた、検疫錨地にとめておく。そうすると、はしけがそれを取り巻いてぐるぐる回っているから動けない。結果的に帰らざるを得なくなって帰った。このときからラッシュ船騒ぎが始まったけれども、実はコンテナからやらなければいけないということに気がついた。気がつかなかったんじゃない。ぼくが言ってきたんだけれども、皆さんのほうが対応してくれないということです。逆に言うと組合のほうもそうです。私はよく組合の会合でその話をしたことがあるけれども、人間というのは、どだいせっぱ詰まらなければ本来やらない性格がある。しょうがないといえばしょうがないけれども、せっかく機運ができつつあるのですから、実はきょうここで私が質問する気になったのは、ようやくそういう雰囲気になりつつある。
 来月はILOの総会も開かれる。ILOに聞かれて、ぽんと形式的な答えを、これは労働省ですけれども、道正さんがおいでになるが、出しておいたという程度では困るのです。日本の場合はこれだけの海運国なんですから。何も開発途上国、アフリカじゃないのですから。延々と川をさかのぼらなければ港がないという国じゃないのですから。そうだとすると、もうここで時間的なズレは許されない。やはりはっきりしたものをかかえてILOに行ってもらわなければならぬし、運輸省は運輸省で港湾対策というものを真剣に立てなければならぬときに来ている。そして全国の自治体に号令をかけて、各海運局を使って積極的に港をまとめていくという姿勢にならぬとえらいことになる、こういう心配を実は日本の産業のためにもするのです。そういう意味で承りたいと思っているのであります。
 そこで、先ほど申し上げたストライキの現状なんですが、先月の二十四日から始まっていまだに何の目安もつかない。賃金については、横浜の浜港連という組織は一発回答で終わっているのですが、これはそれなりの理由がある。いつもいつも横浜の船内関係の組合の方々が港湾のストライキの中心的役割りを果たしてきた長い歴史が存在する。つまり中小の業ですから、この業者に働く皆さんの立場からすると、あまりやり過ぎると自分のところの業をつぶす、他の港に比較して不利になるという企業意識が働く。だから、戦力のある組織なんだけれども、そこを心配してぽんとおりたという現実が一つある。ところがさて、東京のほうは船内の方々が中心になってがっちり大井のコンテナ埠頭を押えたということになっている。横浜のほうは組合が違う。一番強い船内がおりて、港湾組合の方々がコンテナ埠頭を押えている、そういう状況です。関西のほうもありますけれども。これが異常に長期にわたりかねない実情にある。
 その中心は何かというと、賃金じゃない。もちろん、生活につながりますから、賃金も必要ではありますけれども、それより以上に、一口に言えば職場確保につながる。確かに、一つは港湾合理化反対、こういうのでありますが、それが陳情書の中に、あるいは請願書の中に出てきている、もちろん保障給の問題だとかたくさんありますが。
 そこでトーマス・カフ号が入ってまいりました。ラッシュ船のときに横浜が三者協議会というものを提唱した。これはアメリカの西海岸でマトソンがコンテナを始めたときに、メカニカルファンドなる機械化基金をつくった先例があります。もちろんそれだけじゃありません。その他の諸制度は、アメリカの場合には比較的進んでおりますから。そういう中で横浜が、もちろん自治体ですから、予算があるわけじゃない。ないが、港横浜で通っている町だから、おれのところでささやかな先べんをつけてみたらという気になって、港湾管理者の横浜市がものを提案した。そして海運局のおたくの皆さんにも乗っていただき、神奈川県にも乗っていただくということで、まず官庁の三者ベースをつくった。そしてこれを回漕協会に話した。ラッシュ船ですから、これは関係ははしけです。もちろんコンテナも多少ありますけれども。そこに話をし、組合に話をするという形で、今度そういう意味の三者協議会なるものをつくった。回を重ねてやってまいりまして、この三者協議会ができ上がったということでほこをおさめて、しかもその中で共同荷受けというものを提案した。という意味は、資本系列あるいは船会社の系列がありますから、ラッシュ船を扱うところ、そこへ入ってくるものが、その系列の業を通じて仕事が流れてくると、数ある他の業については仕事がなくなるということになる。だから、それを一緒に引き受けて全体に仕事が及ぶようにしようというのが考え方の中心なんですが、そういうものを提案をした、組合側から。しかし、運輸省の政策もあるし、自治体だけでこれは左右できない。特に労働省の立場があるから、そう簡単にいかない。だがしかし、これができて、とりあえず、はしけ回漕をやっておる方々の中の一つの団体、この中で首切られたりなんかしている方々がいるんだけれども、ここらにある諸君を使うということで、三者協議会の中でそういう方向が出たから、あとはその協定を一カ月更新という形で延ばしてきておりますけれども、一応ラッシュ船騒ぎは、軌道に乗せておさまっているということなんですね。これは栗栖さんにずいぶんお骨折りをおかけいたしましたけれども。
 そこで、いまこの三者協議の場を開けということをやかましく組合側は言う。ところが、その中にはいろいろな感情その他もあったりしまして、なかなかうまくいかない面もある。だが今回の場合は、そこから一歩先に出て、どうしても必要なことは船社の側を前に出させるという形にして、四者協議の場に持っていきたいというものの考え方があるわけですね。東京あたりのお話を陰ながら聞いてみると、船社も前に出たいという気持ちはある。だが、日港協あたりがどうもいろいろな理由をつけているということで、なかなかものが前に進まない。しかし、出なければおさまるまいという雰囲気にあるわけですね。これは太平洋船主協会なんというものがアメリカにはありまして、アメリカの場合には、こちらのほうとドックワーカースとが契約を結んでいて、中間の業はないのですから、こういうところは話が早い。ところが、日本の場合はそうでないだけに、日港協が介在するからなかなか話がむずかしいけれども、しかし、事の規模からいって、どうしてもこのうしろにおる船主なりが出てこなければ相すまない段階に来ている。だから横浜なども、市の港湾局長が県の労働部長に話して、おたくの流れの海運局長さんに話して、三者で協議をして、きょう回漕協会その他に話をすることになっている。そこから先何をやろうかということになっているのです。つまり、ここまで来れば、船社、荷主の側を前に出させなければおさまらぬだろうということを言ってみようというところにいま来ているのですね。そうすると、これがなかなか出そうで出ないかっこうでずるずるといきますと、どうしても引っぱり出そう、ここまで闘争をやったんだからということになると、どんどんこの戦いは延びてしまって、出てこい、出てくるまでやるぞと、こうなるんですね。それまではコンテナとめちまえ、こういうことになる。そこで、海員組合のストライキが終わるとたんに船込みとなる。トラブルが起こる。目に見えているのですね。だから、いまのうちに、そこのところでうしろにおる諸君を何とかもっと前に出させる。そして四者協議の場をつくらせる。ここまでの芸当は、これは単に労使間の問題じゃない、こう実は私は思う。端的に申し上げているのです、時間がありませんから。だから、そういうふうに、少し運輸省の皆さん方が相談をいただいて、そういう努力がほしい。これは労使の紛争に介入するんじゃないのですよ。
 そこで、これは念のために申し上げたいんでありますが、ここに「港湾労働者の雇用と生活保障に関する請願書」というのが出ている。もう一つここに、これはどっちが大臣のところに行っているのかわかりませんけれども、五月十七日付で「港湾労働者の就労保障に関する陳情書」。委員長、よろしゅうございますか、これをちょっと上げておきたいのですが。おそらく行っているんだろうと思うんですけれども。いま差し上げましたほうは、要点を非常に簡単にしぼってここに書いてあるのでありまして、これはもう一つのねらいは、ILOの来月の会議もございますから、そこらに関する労働省の立場との関係などにも触れた考え方なんですけれども、これは短い文章でございますから、お読みいただければわかると思うんでありますが。もう一通、これは一つしかございませんから差し上げられぬわけでございますけれども、ここに署名をするようにしまして、「港湾労働者の雇用と生活保障に関する請願書」というのが出ておりますね。これはちょうど先般六万名ぐらいの署名が集まっておりまして、これは国会に運び込みまして、私が紹介議員になりましたが、請願手続をとっているわけでありますが、この中身のほうが実は詳しいので申し上げます。
 まず、この請願事項は、「合理化については、すべて事前に当該組合と協議し、組合の同意なくして実施してはならない」。これはいつの場合でも労使間で出てくる問題なんですが、これが一つ。
 それから「港運業者、利用者、国及び港湾管理者の共同の責任において、港湾労働者の就労と生活の保障をすること」。ここらの労働に関する問題は、きょう道正安定局長さんに労働省からお見えをいただきましたが、あらためて来週労働大臣塚原さんが御出席いただける委員会がございますので、労働省の分野のものはそちらにあらためて申し上げますが、からみますから取り上げて申し上げるわけであります。
 それから三番目が「各港ごとの港湾労働者定数策定は、次の基準にもとづいておこない、完全登録をさせること」。「一日の労働時間は拘束八時間(休憩一時間以上を含む)とし、一週の労働日は五日とする」。これはあとからの論議の中で出てくると思いますけれども、機械化、コンテナ化が進んでくる、ユニットシステムが導入されるというような中で、諸外国に例があるのですね。年寄りの七十歳という定年制を六十五歳に引き下げる運動などを内部的にやりまして、機械化が進む、余剰人員が出る。だからというので、そしてまた保障賃金もきめて、そういう順序でやめるという国がある。そういう場合に、労働時間、労働日というものを短くしよう。英国なんかそうですけれども、そういう動きが出てきているところもある。だから、これは一口で言うと、何かいまの港湾にそぐわぬような気におなりになるかもしれぬけれども、先例が外国にあります。そういう意味でお聞きをいただきたいのでありますが。それから「日曜日、国民祝日、年次有給休暇、労働協約に定めた特別休日を完全に消化すること」。これも、日曜、祭日完全休日闘争と称して、船内の方々が中心になって、一昨年あたりはたいへん長い闘争を組んだことがある。私も、朝五時に起きて、いつも横浜の港だの東京の港に、タグボートに乗っかって浮いておったこともあるんですけれども、これもずいぶん前に進んできております。しかし、実はこれからがほんとうの意味のこの完全休日の権利要求が表へ出る時期だと思います。それから「職業訓練及び交替に必要な要員を確保すること」。これを一つ入れて、この請願書のほうの三番目の要求になっています。
 四番目が、「港湾労働者の「最低保障賃金」を月額一〇万円とすること」。これは実は、賃金は片づくめどがついてきたけれども、ここにいう最低保障賃金月額十万円、これは結果的に十万円になるか幾らになるかわかりませんけれども、現場の労働者の皆さんに聞いてみると、これをどうしても保障しろという要求が非常に根強い。なぜかと言いますと、これまた時間がありませんからかけ足で申し上げるのですが、港の就労日というものがなかなか完全確保ができない。波浪性が強いのみならず、別な意味もありますが、確保できない。そうすると、どうしてもここで賃金の保障というものをさせておかないと就労できない。日を含めてさせておかないと、近代化、合理化が激しくなる、機械化が激しくなる港ですから、そうなるとますます仕事が漸減をするという場面だってある。船内の場合でも、いまインランドデポなんていいまして、内陸の通過貨物の、そのインランドデポにおけるトン当たり幾らというのを取りたいという動きもある。これは外国にも、そういう争いになっているところは幾つもあります。つまり職場確保、賃金の保障、こういう意味なんですが、これはラッシュ船その他が盛んになってまいりますとはしけ回漕の部門にも起こる、こういうわけであります。これはそういう意味の要求なんでありまして、先ほど申し上げましたように、この十万円保障という問題は、単に労使だけの問題ではなく、国の責任あるいは自治体の責任というものを含めて、機械化のテンポが進み、港湾の労働条件の中でこの方々の賃金というものをどういう角度から保障し確保するかという、国の政策にからむそういう要求だと思うのであります。この月額十万円の保障というのはそういう背景を持っておりますので、これは非常に根強い制度化の要求であるというふうに御理解いただきたいのであります。
 それから「「港湾労働者生活保障基金制度」を設立し」、これは、ある意味ではメカニカルファンドといっているもののたぐいでありまして、実は横浜市の場合には、予算の中で何がしかをつけて基金にするという発想をすでに持って、そういう計画も立ててあります。これに神奈川県に多少の上積みをしてもらおうという考え方でございます。神奈川も、どの程度にするかは別として、賛成をしております。ところが、自治体、県というのは、つまり市民、県民の税金でございますから、その税金で港の労働者のためにということになるとすると、これは県民、市民全体の立場からするならば、そうよけいな金を出すわけにはいかなくなる。そうするとこのメカニカルファンドに類する、つまり港湾労働者生活保障基金制度というものは、もう少し国の角度から、さて船主はどう考えるのか、荷主はどう考えるのかという角度から基金制度に入っていかないと満足なものにならない。そういうことになると、ここにも、さっき私が申し上げたように、船主の団体なり荷主の団体なり前に出てこいという当然な要求が出てくるわけでありまして、そこらあたりが基金の問題にからんでくる、こういうわけでございます。
 あとたくさんあるのでありますが、いま私がここで申し上げましたのは、一体なぜ四者の会議を開けと言っているかという理由を少し申し上げておきたいと思って申し上げたわけでありますが、そこらをまず皆さんのほうでどう考えるか。いままでここ一、二年の港湾のラッシュ船なりコンテナなりというものをめぐる動きの中で起こっている数々のトラブルがありますが、その上に立って、運輸省という立場で一体これをどう考えていったらいいか。もうぼつぼつそういう方向があってしかるべきではないかと思うものですから、まずそこのところを承りたいと思います。
○栗栖政府委員 先生の御指摘は、私どもも同感でございます。先ほどもちょっと私、申し上げたと思いますけれども、現在の特別委員会で、ただいま御指摘がございましたような基本的な問題も御審議いただくということで、いまお願いしているわけでございます。
 ただ、これは余分かもしれませんけれども、ラッシュ船の問題から始まりまして、まずはしけの問題が起こってまいりまして、はしけに対しましても一応思想統一をしていただきまして、国のほうも一枚加わりまして進めたいということで、一応の方向づけがついたという段階でございます。
 次に起こりますのは、いま先生御指摘のような問題が多々出てまいろうと思いますが、これは今後の見通しとの関連も当然起こってまいると思いますけれども、そういう趣旨で、現在私ども中央で行なっておりますのも、船主も当然入っていただきますし、それから荷主の代表等も入っておられますし、特に管理者なんかも非常に関心を持っておりますので、その席で一緒にやっていきたいと思っております。
○大出委員 ですから、いま東京なんかで船主、荷主のほうも、聞いてみると何とかもう少し前に出たいという気はあるのですね。ただ、どうも日港協や何かの関係もあって、なかなか出るに出られずという。これは日本港湾協会、つまり港湾業者の団体でございます。そこが直接的に労働者を雇っているというかっこうです。ですから、横浜・で言うならば、いままでの三者協議会の形のものを四者協議会に広げたい。四者というのは、いまおっしゃる船主なり荷主なりということでありますが、そういう形に早く持ち込んでその中で議論をして、一体ここでいう港湾労働者生活保障基金制度という名前が適当かどうかは別にして、移り変わる港湾の今日の事情を踏まえたときに、そういう輸送革命というものは、さっきから申し上げておるように、発想が輸送コストを下げようという発想なんですね。だから輸送革命なんです。そうすると、この与える影響というものは社会各般に及ぶが、一番直接的な影響を受けるのは港湾労働者の方々である。この方々が、合理化、機械化が進んで一人も必要がなくなったという場合がかりにあるとすれば、それじゃ一体これはどうするのだ。たとえば早い話が、エネルギー革命があって、従来国策で一生懸命掘らした石炭が石油にかわるという段階に、国の政策でこれをどういうふうに考えていったらいいかということで、数々の施策をつくったわけであります。これに私ども参画をしたこともあります。そういう意味で、いま起こりつつある現象をとらえたときに、国として一体何をなすべきかということになると、そこにやはり何がしかの基金制度をつくらなければならぬ。これはアメリカの例のみならず、各国ともそういう動きがいま出てきておるわけであります。
 そうすると、そこらのところについてまず手始めに話し合いの場所をつくる。それには船主、荷主のほうも出てこなければいかぬのじゃないか。横浜の港湾局長も言っておりますけれども、ここまで来るとうしろの諸君が出てこなければおさまらぬ、私はそう思うと言っておりますけれども、もうそこまで来ておると思うのですね。だから、横浜も働きかけをぼつぼつ始めようという動きなんです。
 したがって、やはり国の立場で、いま港湾局長おっしゃるように、審議会をおつくりになっていろんな団体を入れて話し合っているのはいいのですけれども、いまこういうトラブルのある時期に、それが賃金ではないとすると、将来の制度を展望してものを言っているわけですから、一ぺんに何もかも落着はしません。時間がかかる。しかし実際において時間をかけて論議する場所がない。いまてっぺんと言うけれども、一つまり労使の関係があってストライキが続いていて、直接的に港湾合理化の被害を受ける、波をかぶる、こういうような諸君の生活の不安があるから要求が出るのですから、当面はこの要求にあわせて金を出せというのじゃないのです。つまり、そこで一つの制度に乗せるように話し合う。そして、一自治体が提案したことではあるけれども、国際的な流れもあるわけですから、そういう方向づけなら方向づけをここで見出す努力をお互いがする、そういう段階が近いのじゃないかというように私は思う。
 だからその意味では、運輸省も、やっているなといって腕を組んで見ているのではなくて、前に出てそういういまの動きというものを助成する形をおとりいただかぬと、せっかく出たいというのが出られないでいる。だから早い話が、船主、荷主の場合にすれば、船内なら船内を取り上げて言えば、中間の業に金をやるならやってもいい、そのやった金の効率があるならば。ところが、いまの中間の業の場合は、金をやってみたからといってどうにもならぬところもたくさんある。そういうことで問題がこじれる場合が多い。そうだとすると、やはり国がそこのところは分析をされておるわけですから、どういうことにすればこの機械化に沿って能率的に港湾労働が進んでいくか。職場確保の問題。それがし切れなければどういう保障をするかという問題。これは船主や荷主の側からすればたいした金じゃない。そういうものの考え方を皆さん方がおとりになる必要がある。そこを私は申し上げたいのですが、大臣いかがでございますか。
○栗栖政府委員 先生御指摘のとおり、確かに基本的な問題は早急に進めなければいかぬというふうに、私たち自身もそう思っておる次第でございます。
 ただ、ちょっと先生の御指摘で私自身が少し整理して考えておる事柄は、御承知のように、船主、荷主と申しましても、各港でばらばらでございまして、まとめる団体は中央しかないという実態が一つあるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、先ほどから申し上げておりますけれども、とにかく中央で、そういう代表的団体の方と、労働組合を代表する方々、そういう方々が話し合って、私どもも実は数回やっておりますけれども、やはり両極端から始まるわけでございまして、基本的な問題意識は皆さん持っておりますけれども、立場の違いや、おのずからものの言い方も違うという点を一生懸命詰め合っているというふうな努力を繰り返しておるわけでございます。先生もおっしゃいましたように、たとえば基金制度の問題一つとりましても、広く言えば全国に通ずる一つの基準になるわけでございます。これはやはり中央の場で私どもは何とか方向づけをしたい。それを受けて各港ごとにそれを砕いて実施する場合、各港でどうするかというふうに相なろうと思います。
 ただ、先生御指摘のように、いま非常に逼迫した中でそういう手ぬるいことじゃ間に合わぬという御指摘があろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、できるだけ早くそういう事態は避けるように進めてまいりたい。全部とは申しませんけれども、早く審議会の特別委員会の場で方向づけができましたものからは、四十八年度の予算の場で何とか国のほうもお手伝いできるものは極力やりたいという方向で、実は六月あるいは七月を目標にいろいろなことをお願いしている部分もございます。そういう趣旨で進めておりますので、御理解願いたいと思います。
○大出委員 それならば大臣に申し上げたいのですが、かつて炭鉱合理化の場合に、エネルギー転換の場合に、時の労働大臣は石田博英さんでしょう。私も実はあの時代に、総評本部の副議長、太田、岩井のまん中で筆頭副議長を長くやっておった。くしくもいまの全港湾の委員長の金田さんが同じ副議長で一緒にやっておったのですが、この時代に、あのときむしろ、運輸省なら運輸省という官庁よりも、これは通産省その他みんなからむのですけれども、労働省のほうが出やすい状況にあった、そういうこともあります。それから、これは妙な言い方ですけれども、大臣をやっておられる方の性格の相違もある。石田博英さんがばあっと前に出て、いまで言えば船主、荷主の団体に乗り込んで、自分で端から話をしていった。そして全部まとめてきた。ばあんと集まる機会をつくっちゃった。つくって、これだけ大きな日本全体に及ぶエネルギー転換、エネルギー革命、この時代が来た。さあ掘れといって、黒いダイヤだといって掘らした時代から変わってきた。国の責任もある。だとすると、ここでどうしてもおれはやりたいんだというわけです。それが結果的に実を結んで、雇用促進奨励金だの、就職促進手当だの、いま全駐労関係の方々にも及んでおりますが、あの中に私どもの議員立法も一つありますけれども、そういうものになっていった。だから、ここまで来ると、やはり同じ意味でどこかの官庁、どこかの大臣が責任を負っていただいて、せっかく四十八年度の予算に何がしかの――大蔵省があるんだから、やってみなければわかりません。だけれども、時代の流れ、時の趨勢には予算当局だってそうさからえるものじゃない。だからやはり、そこまでのお考えが潜在的におありになるのなら、やはり船主、荷主の側を、中央でもけっこうです、ともかく集まる場所というものをそのために開いて、そのかわり、いまのストライキというものの収拾も含めて、労使の、賃金なんかじゃなくて、制度的に将来どうあるべきかということを話し合おうじゃないか。運輸省も、来年度予算に何がしかの金を大蔵当局に要求をしようと思っている。そしてこの話を軌道に乗せようじゃないか。外国に例もある。コンテナ埠頭だって、エリザベス埠頭みたいな先例もあるのです。横浜だって公団埠頭をつくって、大井だってそうでありますけれども、どうなってくるかというのは、もうみんなが経験していることですから。そうすると、そこの労働者の置かれている状態がどうなっているかということだって、これはわかっていることでありますから、その上に立ってそういう場をつくって、こういう話し合いをして最大の努力をする。結果的に、それは限度がありましょう。ありましょうが、そういう方向づけをする、軌道に乗せる。そういうことで、あわせてそのかわり、ひとついまの港湾のその意味のトラブルというものは、賃金を上げるからやめてくれ、これは両方に言えばいい。これは賃金の争いじゃないのですから。そういう形に乗せていきませんと……。
 その中から何が生まれるか。ここにいう港湾労働者生活補償金ということになるのか。あるいは、はしけ回漕でいうならば、回漕協会の言う余剰はしけを買い上げるのをどうするか。近促協が決議の中に、余剰はしけ買い上げについて触れて言っていますけれども、これは率直に言って、回漕協会がだらしがないのですね、中身は。その主体性のなさにも原因があるのですが、しかしそれを、おまえたちがいいかげんだからと言っていたんじゃ、これは国の責任が負えないですから、国が一つの軌道を出してやって、主体性を持ってもらう。そうしないと、今度は労使間がまとまらない。船内のように相手がしっかりしていないのですから。そこまで考えてやらなければ、私は、政治でもなければ行政でもないと考える。だから、そんな争いが、全日海のストライキ明けにぱあっと入ってくる。トラブルが起こる。目に見えているのに、このあたりで軌道に乗せていく努力をするのが、私は、運輸省の責任でもあり、かつ、労働者の立場からいえば労働省の責任でもあろう、こう思うのです。ですから、実はその中身をくどくど申し上げないで、中心となるべきところを簡単に申し上げているのですから、端的にそういう努力をいただけないかということなんです。
○丹羽国務大臣 いまのお話、私も当然のことだろうと思う次第でございます。先ほどからの、地元においてそういった点で船主その他といろいろあるということも、私も聞いてみたわけでありますが、どうもやはり支店長その他のほうで当事者能力がないんじゃないか、こういうお話。そうじゃなくて、早くやろうということも、私も前から言っている次第であります。そういう意味では、微力ではございますが、私のほうといたしましても、労働大臣と十分協議いたしまして、できるだけのことをやってみたい、こう思っている次第でございます。
○大出委員 これはたいへん前向きにお答えをいただいてありがたいわけでありますが、私も長く港をながめてきている一人でございますから、移り変わりも知っているつもりでございますし、たくさんの港で働く方々のつき合いもありまして、個々の働いている方々の生活不安を含めて、港湾の将来にとっての家族ぐるみの心配も知っておりまして、それだけに、何かここで形あるものにし、制度的に乗せるところへ乗せて、模索の段階かもしれませんけれども、それを固めていく。そして最終的に出てくる目標というものをはっきりさせる努力をする。これはもうおそ過ぎると言っても早くない時期に来ていると思いますので、これ以上ラッシュ船が入ってくるたびに騒ぎが起こってくるといったって、おそらくラッシュ船というのは、港をはるかにさかのぼる、あるいは開発途上国の港に必要なんだと思っていましたが、どうも近代化される港に入ってきて、とんでもない古い争いが起こるということを見て見ぬわけにはまいらない。
 そういう意味で、ぜひひとつ、いまの大臣の御発言を前向きに栗栖さん進めていただきまして、あわせて、その中から出てくる労働者の関係の問題もありますが、その労働行政の関係の分野は道正さんがおいでになる労働省でございますから、そこらのところを御相談も願う。これは急を要するわけでございますから。末端の横浜市などをめぐる状況は、はしけの船主、荷主の団体なんかも非常に心配しているので、このままで年じゅうこういう争いじゃ、うまくないということ。だからそういう意味で、考えがないんじゃないですから、したがって、その自治体の関係の方と、運輸省の末端機関である関東海運局長さんと県の労働部長さんとで、はしけの関係の回漕協会の方々と話をして、そこから、うしろにあるものを引き出す、そういうことまで持ち込みたいということで私どもは話をしようということでありますから。ですから、これは全く手だてがないんじゃない。
 この間、私は東京の港に寄ってみまして、日港労連の委員長さん等にもいろいろお目にかかったりしまして、そうして聞いてみると、やはり東京の場合でも、船主、荷主の側というのが出なければおさまらないという気持ちになっている、裏の話を聞いてみると。ところが、なかなか、さっきお話が出ました日交協の反対その他ごたごたがあり、その他港のいろいろの問題があって、早い話が船主、荷主の心配は、中間の業に、船内なら船内の業の方々にいたずらに金を取られることを好まないわけですから、そういう側面が一面いつも出てくる。だから、そこらがいろいろとひっかかりがあるのですから、そこをたとえば運輸省ペースでものを言っていただければ、乗りやすいわけであります。
 そういうところにやはりいまの混乱を解きほぐすポイントがある。だから、そういう意味では、いま海員組合のストライキが続いておりますから、そのストライキ解除のときの船込みなどの予測をすれば、潮どきに来ている、こういう気がするので、運輸大臣がものをおっしゃったって一つもふしぎでないわけでありまして、世の中なかなか疎外感の強い時期ですから、海員組合がストライキをやっている、港湾協会あるいは日港労連がストライキをやっている、あるいは検数がストライキを一緒にやっていると言っても、ぴんとこない人がたくさんあるのですけれども、実際には国民生活の中に影響するところはたくさんあるのです。そういう意味で、つまり国の行政長官である運輸省を担当する大臣がものをおっしゃっても、時期的には決してふしぎな時期ではない、こう私は思います。かって松浦さんが運輸大臣のときに、ずいぶん苦労されて、前に立ってものを言われてまとめられたこともあります。したがいまして、ぜひそういうところあたりを、労働省とも御相談の上で、早急に軌道に乗せる努力を、先ほどの御発言に従ってお願いをしたい、こう思っておるわけでございます。
 そこで、次にいまの問題に関連をして承っておきたいのでありますが、さきに港湾労働法をつくった時期がございました。私も何べんか、港湾労働法をつくるときには質問をさせていただいた経験もあります。ここにもたしか書いてあったと思いますけれども、一九四九年のILOの内陸運輸委員会の決議なるものが実は港湾労働法をつくるきっかけになった。これは安定局長がおいでになるからおわかりだと思いますけれども、一九四九年のILO内陸運輸委員会の決議、この決議が実は日本に港湾労働法をつくらしたのです。それから時すでに久しくなるわけでありますが、今年六月、来月でありますが、第五十七回ILO総会が開かれる。ここで「新しい荷役取扱い方法の社会的影響」なる国際的な文書の採択をめぐっての論議が行なわれる。これが第五議題にある「新しい荷役取扱い方法の社会的影響」という、これは第一次討議の中身でありますが、これが来月控えている。これに対して労働省は、ILOからの諮問に対する答えをお書きになっているはずであります。ここらの問題をめぐって、つまり運輸省の側としては、いまの港湾近代化ということに対応する対応のしかたというものを、これは単に労働省がやればいいという筋合いのものじゃない。ここらあたりは、一体運輸省の側はどういうふうに受け取っておられるかという点を、もし何かおありになれば承りたいのであります。
○栗栖政府委員 ILOの問題につきましては、労働省が中心になって御相談いただいてやっておるわけでございますけれども、やはり何と申しましても、根底にあるものは、先ほどから先生御指摘のようなものが根っこにあるわけでございまして、私どものほうとしても、そういうふうな港湾運送の実態の変革というものをやはり踏まえて取り組まなければいかぬだろうというふうに考えておるわけでございまして、労働省とは緊密にしょっちゅう連絡をとっておりますけれども、運輸省は運輸省の立場でそれに即応する体制をつくりたいということでやっております。
○大出委員 ですから、さっき私、請願書の中身を、少し長くなりましたが、ここで読み上げて申し上げたのであります。これは労働省がお訳しになった文章ですが、「労働省大臣官房国際労働課仮訳」、こうなっておりますが、この一番終わりのほうに、表題は「第三章 ユニット荷扱い方式の導入に伴う社会的影響」というのがある。もちろんこれは港湾ですよ。港湾のつまりカーゴーの扱い。「荷扱い方式における主な変化」のほうは運輸省の分野なんです。それから、この変化に対応する労働力の削減と過剰という問題があるのですが、こっちのほうは労働省の分野なんです。それで実は前段の荷扱い方式の変化、これに対して各国の政府ともにおのおの施策を持っている。その上で労使の問題があるわけです。それがここに書かれているのです。
 これはほとんど未開発国まで含めて書いてありますが、オーストラリアなんかの例からいきまして、つまり貨物が減少する、だから余剰労働人口が出てくるが、首になる人はない。保障しているのですね。どうなっているかというと、つまり勤務年限に基づいた妥当な期間の通告か、通告のかわりの全額給与のいずれか、つまり金で片づけるか、あるいはつとめているか。やめたいということになれば、これは金を払いましょうという対応のしかた。
 金といったって中身はいろいろありますが、多く申し上げる時間がありませんが、そういうところがあったり、カナダの例があったり、西ドイツの例もありますし、あるいは英国の方式もある。英国というのは、港湾労働者の賃金というものはべらぼうに高い国です。私はちょうど英国の港湾のストライキを幾つか歩いたことがありますけれども、非常に高い。フランスなんかも高いですね。フランスのボルドーの港湾ストライキの二十八日目に行ったことがありますけれども、ここなんかでも非常に賃金が高い。しかも日本と違って、日本の場合のようにけちくさくない。日雇い式に技術者を雇って、フランスのボルドーの港湾で見ていると、上屋の上に鈴なりに人が集まって手をたたいているのです。ストライキでも旗一本立っていない。フランス総同盟の職員と行ってみたところが、クレーンが動いている。しきりにこっちへ行ったり横へ行ったりしている。船の上から上がるのですよ。こういうふうに動いている。貨物は積んでいない。だからだれもおろしていない。からのやつが行ったり来たりしている。一人で運転している。みんな手をたたいて笑っているから、何だといって聞いてみたら、いや、あの男はあれで賃金をもらえるのだ。何でだと言ったら、クレーンを運転する運転者をストライキが始まる前に三カ月契約で雇った、そうしたらストライキが始まってしまったから、港のほうはとまってしまった。ところが、クレーンの運転手のほうは契約が三カ月あるから、運転していれば金をもらえるから、からで運転している、それが毎日続いている、あいつはもう二十八日やっているのだという。それくらいものごとというものは割り切っているのです。今度のコンテナ問題にしてもラッシュ船問題にしても、そういう対応のしかたをしている国もちゃんとある。
 だから、一番進んできているアメリカなんかの場合でも、これはいまの賃金保障という問題が中心になっている。これも労働省で訳していただいている。この中に非常に簡単に書いてありますけれども、私はほかの文章で読んでおりますから、わからなくはありませんけれども、このアメリカのシステムの中にもある種の賃金の保障という問題が出てきている。ここで言っている、つまり十万円の月額の保障。機械化される、あるいはコンテナ化される、あるいはパレット方式へ進む、いろいろありますが、そういう中で就労日数が減る、減ってもこれは最小限度これだけの賃金は払うという、そういう保障をさせている。職場確保の一環です。制度的にそういうものをきめている。
 そういう対応のしかたが全部ここにあるわけでありますが、もちろんこれは数々の国でありますから、輸送革命が始まったアメリカから、西ドイツあたりから、フランスから、カナダから、つまり進んでいる国というところにしかまだ制度的な機運というものは出ていませんけれども、これは当然なんです。
 じゃ、一体日本はどういう範疇に入るかといえば、GNP世界第二位だというのですから、オーストラリア並みということはないので、もう少しいいところへ行ったってふしぎはないのでありますから、そういう意味で、私は、やはり官庁の側の対応のしかたが、労働省が主役でございますという御答弁は心外で、ここに言っている最初のほうは、変化は運輸省の分野なんですから、やはりそちらのほうが先行していなければ実は労働省の分野が出てこないわけでありますから、ここらあたりはもう少し近代化されていいんじゃないかという気がするのですが、いかがですか。
○栗栖政府委員 先生御指摘のように、やはり港湾の荷役の形態の変化にフォローする業態のあり方とか、そういう問題が先行いたしませんと、労働省のほうも手当てがつかないと思います。そういう意味で、先ほども大臣からも答弁がございましたけれども、特別委員会でも、労使双方でこういうテーマをやろうじゃないかという話も内々進めてございますから、なるべく早い機会に取り組みたいというふうに考えております。
○大出委員 そこで、先ほどの大臣の御答弁を中心にしていただいて、そのことを進めるにあたりまして、いまの栗栖港湾局長さんのお答えのように、せっかく来月国際的な会議の場があるのでありますから、そうして国際文書の採択の問題が出てきているわけでありますから、この「荷扱い方式における主な変化」、これを一体主務官庁の側でどうとらえて、つまりフォローのしかたをどういうふうに方向づけていくかということとあわせて、それに基づいて労働省の側で港湾労働というものをどういうふうにとらえて対応していくか、こういう筋道を何としても早急にお立てをいただきたい。そうしないと混乱が長引く、また混乱が重なる、こういうふうに思いますから、いま簡単な御答弁でございましたが、ここのところをぜひそういう意味で受け取っていただいてお進めをいただきたいと思うのであります。
 本会議の関係もありますから、こまかく実は一つずつ承ろうと思ってはいたのですけれども、それをやめまして、一括してまとめてものを申し上げておるわけなんでありますが、それにもかかわらず、幾つか聞いておかなければならぬ問題がございます。
 ここで実は、労働省の道正さんにお見えいただいておりますので、まずひとつ。運輸省にも関係がございますが、このお手元に差し上げました請願書の中で、登録日雇い港湾労働者が、当初約三万人だったのが今日では約五千名に減少をされた、こうなっておりますね。これは一体どういうことかというのがまず大きな問題だと私は思うのでありますが、ここらあたりは一体労働省側はどう考えるか。昨年私が質問を申し上げたときに、資料をあなたからお出しをいただきました。つまり日雇いというものがどういう推移をしているかというようなことを含めて、きょう私、部屋に置いてあって持ってきておりませんけれども、漸次減っているんだという方向づけをしたものをお出しになった。はたしてそうかという大きな問題も実はある。皆さんは港々に行って実態をながめておられぬわけでありますが、はたして一体それはどういうことなんだ、大きな問題なんでありますが、きょうは実はお答えをいただくだけにしておきます、時間がありませんので。やがてまた労働大臣のおられるときに質問する場所もありますので。
 したがって、まず承りたいのは、中山伊知郎さんが港労法をおつくりになって審議会でものを言われた最初のころは三万、それがいまは五千、昨年がたしか五千五百だったと思いますけれども、これは一体どういうことなのかという点 どういうふうに分析されておりますか。
○道正政府委員 四十一年七月に港湾労働法が施行されましたときには、御指摘のとおり約三万の定数並びに登録があったわけでございます。これが四十七年三月におきましては五千六百八十名というふうに減っております。その理由としてはいろいろあろうかと思いますが、何と申しましても、先ほど来議論がございましたように、荷役の機械化であるとか、あるいはコンテナ化等、港湾労働をめぐりまする労働情勢の変化が基礎にあろうかと思います。それから常用化がかなり進んでおります。必要な労働力を日雇いに依存することとあわせまして、常用化していくという形で減少するという面もあったかと思います。それから、最近のいろいろ経済情勢の変動もございます。つまり荷動きが停滞ぎみであるというようなこともあろうかと思います。いずれにいたしましても、その辺の理由が相重なりまして五千六百八十名というふうに数年間で激減をしたというふうなことでございます。
○大出委員 もう一つ。四十五年の三月十七日に港湾調整審議会の石井照久会長が、当時は野原正勝さんが労働大臣でございましたが、自分でこの文書を持って労働大臣に会って直接渡しているいきさつがある。称して「「昭和四十五年度港湾雇用調整計画に関し、貴会の意見を求める。」に対し、別紙のとおり答申する」、こういうわけであります。この答申の中身に「登録日雇港湾労働者の数は約五千五百人(三六%)をこえる減少となっている」、こういうふうにうたって、「この数からみれば、港湾労働者の常用化が、最近において著しく進んだともいえるが、港湾労働者の雇用の安定には」解決すべきたいへん多くの問題を含んでいる、こういう言い方をしていますね「この石井さんの書きっぷりというのは、日雇いの方々が常用化されたから減ったんだというふうに数字の上でそう労働省は説明するんだけれども、実はそうではないんだという点が暗に含まれている。これは港を知っている限りはそうとれない、実際には。いつか私は、この前のときですか、上カタ問題を取り上げて、季節労働者が山のほうに入っちゃって、長年港湾でめしを食ってきた登録日雇いの方々が月のうちに四日しかないとか、極端なのは二日しかないとか、こういうことになっちまう。この季節労働者というのは一体労働省はどうするのだと言ったことがありましたがね。
 この石井さんが、あわせて四十五年十一月三十日にもう一つ答申をしているのですね。「登録日雇港湾労働者の雇用のあり方に関しては、昭和四十五年度港湾雇用調整計画に関する答申において」云々と。これはつまりさっき私が申し上げました、こっちです。先ほど申し上げた。「抜本的に対策を検討すべき段階にあることを指摘したが、その後の審議により同問題に関し当面措置すべき対策につき結論をえたので、意見として提出する」、こちらにもう一つ意見がありますね。ここですね。「登録日雇港湾労働者をめぐる問題の解決への途は、労使関係の近代化があってはじめてひらかれる」――「労使関係の近代化があってはじめてひらかれる」、こういうのですね。これは港湾の近代化じゃないですよ。労使関係の近代化なんです。そうすると、労使関係の近代化とは一体何だ、これは説明がなされていない。まあ意地が悪いのか、石井さん、ほんとうのことを知らないのか知りませんが、まあ知っているんだろうと思う。知っているんだとすれば、これは重大な問題ですね。「労使関係の近代化があってはじめてひらかれる」、でなければ、登録日雇い港湾労働者の問題は解決しないと言っているのですから。そうでしょう。そうすると、石井さんの発想をもってすれば、今日の労使関係というのはきわめて非近代的であって、これを近代化しなければ解決をしない、こう言うのですね。そうすると、ここでいう「労使関係の近代化」とは何であって、今日、この文面からすれば近代化されていないことになるのだが、じゃ今日的労使関係というのはどういうものなんだ、この説明が答申を受けられた労働省からあってしかるべきと私は思うのですが、いかがでございますか。
○道正政府委員 御指摘のとおり、四十五年十一月三十日にいただきました答申の中には、冒頭に先生御指摘のことが書いてございます。私どもも、率直に申し上げまして、港湾労働関係の労使関係が、現在の日本の一般的な労使関係に比べまして同じように近代化されているかといえば、そうではないのではないかというふうに考えます。
 その理由としてはいろいろあろうかと思いますが、端的に言って、港湾労働の労使関係がほかの産業と比べてやや特殊事情にある。登録日雇い労働問題をめぐりまして紛争が間々生ずるわけでございますけれども、その場合、労使関係がほかの産業ほど、当事者能力と申しますか、そういう形がはっきりしておりません。したがいまして、いや、それはおれに関係ないんだ、ただ日雇いで雇っているだけだというようなことで、業界側ではお逃げになるといったようなこともございます。いずれにいたしましてもむずかしい問題がございますが、近代的な労使関係が確立しているというのにはいまだしの感がいたします。
 これをどういう形で改善していくかということ、またこれがなければ港湾労働の近代化がないという御指摘でございますが、非常に基本的な問題になるわけでございまして、これはやはり労使の信頼関係を確立していただくということが根っこであろうと思います。制度的に考えます場合には、「共同雇用の理念」ということがこの答申にも意見書にもうたわれておりますが、そういう点について認識をはっきりさせていただきまして、その点につきましては、私どもも及ばずながら、運輸省当局と連携をとりまして、助言等にはつとめていきたいというふうに考えます。
○大出委員 これは、先ほど冒頭に私が申し上げた、いまのストライキが続いている問題に返っていく一つの側面でございますから、それで実はこの問題を取り上げているんです。そこで、時間がありませんから要点だけ申し上げて、これはあまり議論をいたしません。あらためていたします。
 この石井さんの、つまり答申の中身からいきますと、まず労働省職業安定局長の道正さんもおっしゃるように、労使関係の近代化が行なわれていない、非近代的である、だから片づかない、こう言っている。ではこの中身はどういうものかといいますと、こっちに実は説明してあるのですよ。お手元にお持ちのようだから申し上げるのですが、別紙の三ページの(イ)のところに、「登録制度を尊重し、育成しようとする姿勢が労使に徹底していないこと」。これは徹底していないんじゃないのです。全くないのですよ。労使というけれども、労使の使の側には全くその気はない。使用者の側に全くその気がない。徹底してないどころの騒ぎじゃない。それが問題の一つ。
 それから次に、さっき私、申し上げたように、減ったように見えるけれども、実はそうじゃないと申し上げたのですが、ここにひとつ問題があるのは季節労働者の問題ですね。これは時期がまいりますとばらばら入ってきて、時期が来るとばらばらいなくなる。この季節労働者というものについては、ここで石井会長は、「圧迫している」ということで、季節労働者の就労禁止に類することを言っている。ここら辺は一体どうとらえるかという問題、これを聞いておきたいのであります。
 そこで、使用者の側に全くその気がないということについて、繰り返すけれども、国の責任は一体どうなのかという問題。それからもう一つ、極端なことを言ってしまえば事は簡単なんですが、早い話が門前雇用に類することがやれる十六条のただし書きをやめちゃって、港湾労働者に関する限りは、すべて職安の窓口を通さなければ雇えないのだという原則をどうしても明確にしなければならない。この大きな抜け道がなぜできたかというと、運輸省の責任なんですね。労働省が、さっき申し上げたILOの決議に基づいて港湾労働法の原案をつくって運輸省と協議した。運輸省はとにかく港湾労働法をつくることにも反対なんだから、当時しょうがないのだ。やっとこさっとこ、このただし書きをつくって法律はできましたが、これはけつ抜けですよということを前提にした法律なんです。だから私はそのときから、運輸省の皆さんはあまり業とべったりじゃ困るじゃないか、こう言ってきたのですけれども、月末月頭の集中配船がありますから、だから波状性の強い港湾の仕事だから、このくらいのけつは抜いておかなければ業は持たないのだという気持ちの、業の皆さんの言い分を運輸省の方々がおとりになって、十六条にただし書きをつけた。それじゃもうどうにもならないということで、今日こんな港湾労働法なんていうものはあったってしょうがない、みんなそんな気持ちでしょう。ところで、そこへもってきて労働省は、今回ILOに答えをお出しになっているのだけれども、この中には港湾労働法といういい法律がありましてと書いているのだが、けつ抜けを承知で、いい法律がありましてと書くばかはないと思っている。ここらあたりに非近代的な運輸省、労働省の姿勢があるから、だから港湾は近代化されない。労使関係は、石井さんのおっしゃるとおり前近代的である。ここに私は国の責任がこれまたあると申し上げたいわけなんですね。ここまで言うつもりはなかったんだが、口に出たんですけれども、そういうところをこの際もう一ぺん考え直さなければいかぬ。どんどん近代化するテンポの中で労使関係が置き忘れられている、そこを直さなければものごとは前に進まない。
 そこで、「求人の未充足について」と端的な指摘をしてありますが、人を集めようとしても足りない。おかしな話でありまして、日雇いがどんどん常用化されていっているという労働省の言い分ならば、こういうことは起こらない。そうではないから未充足が出てくる。何と説明しているかというと、石井さんは、「登録日雇港湾労働者の就労の機会が十分に確保されない状況のもとで」、つまり登録している日雇い労働者が就労してない、仕事がない、そうなると余っていることになる。そういう状況の中で、つまり登録した日雇い労働者が使われないで余っている、仕事がないという状況のもとで、「部分的には日雇求人の未充足」、つまりこれこれの日雇いの人員がほしいと業者が言っても集まらないという現象が顕著である、これは一体何だということを石井さんはここで指摘しているんですね。解決の方途は一体どこにあるかという問題をここに指摘しているのです。それは、いまのこの法律はしり抜けでは困る、職安なら職安というものを通さなければ港湾労働者は雇えないということにしなければ、つまり片っ方は余っている形があり、片っ方は求人が充足されないという妙なことが起こる。この間に、あとから石井さんがつけ加えられたように、この日雇い登録の方々の中で、実は出づらの問題であるとか、金が幾らだと聞いたら少ない、そんなところに行くのはいやだと言ったとか、就労状況が著しく悪いとか、いろいろある。だがしかし、行かなければ出づら手当しかもらえないことだけはわかっているのだから、ここらあたりも、国のしかるべき行政指導方針が明らかであれば解決するんです、実際聞いてみると。ところが、ここにやはり法律の抜け道が作用して、だらだらだらとこういう現象が起こってしまった。片やどんどん近代化されていく反面、きわめて前近代的な港湾労働法に基づく十六条ただし書き等々の悪用に基づく問題を放置されている。このアンバランスを一体どうするか。これはいろいろな面で常用に常に響くのです。私はこまかくことし調べましたが、いま申し上げると長くなりますからやめておきますけれども、ここらあたりはまたあらためて質問いたしますので、ぜひお調べおきをいただきたいと思うわけであります。ここにも、これは一体どうしたらいいかという大きな課題が存在をする、こう思うわけでありまして、たまたまこの陳情書の中に五千名というふうに書いてあるのは、五千名ということを言っているのは一体どういうわけだというのが、ここにまずうたってありますから、その問題とからんでこの点について申し上げておきたかったということなんであります。
 それから、先ほど私が途中でやめました請願書の中に、港湾労働者年金という問題がある。港湾労働者年金、これについては何かお考えがございますか。
○道正政府委員 実は、先ほど御指摘もございました、この六月から開かれます港湾労働関係のILOの文書の中に、退職に関して、年齢の問題あるいは年金の問題等がございます。そういうこともございますので、今後の課題としては検討させていただきたいと思っておりますが、炭鉱に次いで重激労働であろうかと思います。そういう意味からしますならば、年金について特殊事情があるというふうに一般論としては言えようかと思いますが、保険制度をとるといたしますると、保険財政その他いろいろございまするし、ほかの制度との関連も出てくるかと思いますので、若干時間をいただきまして検討いたしたいと思います。
○大出委員 外国の例だけ申し上げますと、終身雇用という制度をとっておる英国の例もある。港湾労働者というのは、英国なんか社会的に非常に高い地位にある。おやじさんが港湾労働者であったり、兄弟が港湾労働者でないと採用されないんですね。しかも最近は、英国、西ドイツ、フランスなどもそうでございますが、学校を出て港湾に行きたい、そういう希望を持って勉強をして、出てきて港湾に行く。そういう労働者がたくさんいるのです。全くおい立ちが日本の場合とは違うわけですね。だから、そういう点からしますと、近代化されていく港湾に対応して港湾労働というものをどう考えるか、そういうところまで、日本の港湾で働く方々が高くなっていくような背景をつくらなきゃいかぬと私は思っておる。そういう意味では、これは何も日本だけがそういう要求をしておるんじゃなくて、先例があるから言っておるんですから、したがって、そういう意味で、港湾労働者の年金制度、これはどうしてもお考えいただかなければならぬ筋合いのものです。先ほどの港湾労働者生活保障基金というようなものも、この陳情書、請願書の中に財源がございますけれども、港運業者に取り扱いトン数に応じて定めた一定の額というものの負担を求めるとか、あるいは利用者、港を利用して輸送された全貨物量に応じて定めた一定の額とか、あるいは国及び港湾管理者――さっき運輸省も、何がしかの財源措置を考えて、これをどう使うということに触れておりませんけれども、つまりある種の基金のようなものを考えたいというお気持ちがあることを伺いましたが、そのことも見えている。
 そこで私は、ハイヤー、タクシーなんかも、野村さんお見えになりますが、同じことが言えるんですが、ハイヤー産業ということでながめる限りは、そこに労働者が定着をしない限り産業として成り立たないわけです。港湾産業としてながめる限りは、そこに労働者が定着しなければ、これは成り立たないわけです。石井照久さんの答申の中には、このくらい移動、変動のはげしい職場はないということを言っておる。なぜしないか。安定しないからだ。つまり、きわめて不安定な状況にあると調整審議会の会長の答申は言っておる。つまり安定するに足る諸制度、背景がつくり上げられていないからですね。つまり、終身年金制があるわけでもなし、あるいは限定的年金制度があるわけでもなし、ハイヤー、タクシーにしたってまるっきり話にならぬ。年金なんかとんでもない話であります。そこに移動性の強い職場ができてしまう、こういうわけです。
 だから、どうしても私は、近代化される港湾の中に、何もハイヤー、タクシー、みんなやめて箱根八里をかごで行けというんじゃなくて、港湾合理化によってかかっていく労働者の過重労働を減らしていけということ。あるいは、土建業界に並んで一、二を争う港湾労働者のけが、死亡なんていう問題がありますが、そういうふうな危険度を取り除いていくという必要は確かにある。だがその反面、職場が確保され、安定した職場になり、かつ、賃金、労働条件、終身年金等を含めましてそういう職場にしなければならぬという責任が国にある。そういう意味で、業というようなものを育てなければならぬ。そういう意味で業の集約ということも前に出てきたわけでありますから、そういう角度でものを考えなければならぬ。であるから、そこらまで含めてものを考えるべきであろうということなんです。
 私は年じゅう職場の方と話しておりますから、後ほどあらためてひとつこまかい職場の実態に即して、具体的な事項について質問をしたいと思っております。昨年はたいへんこまかいことまで実は申し上げた経験がありますけれども、新しい角度で、こまかい問題についてもあとでまた触れたいと思っております。
 そこで一点だけ最後に聞いておきたいのでありますが、近代化基金なるものをつくるのでいろいろなことがありました。栗栖さんに私は失礼な質問をしたことがあるのでありますが、近代化基金というものはその後どのくらいのものになり、かつ、どのくらいのところにどう使っているのか概略お話しいただきまして、あと一つ資料をいただきたいのですが、近代化基金というものはどのくらいのものになり、しかもそれはどの程度使われているか。これは機械化、近代化のために使うことになっておるわけでありますが、これは六大港などがないところに一つの中心がありましたが、私はあのときに、その港から吸い上げたものは、本来その港に返せということを言ったのですけれども、それが結果的に今日どのようになっているかという点。たとえばトン幾らで吸い上げても、それは、そこで働いた労働者の労働に応じたある意味の対価なんですから、それをどう使われたかということに関してたいへんな関心がある。だから、どのくらいのものになり、どのくらいをどういうふうに使われているかということについて承っておきたい。
○田中説明員 あいにく手元に資料を持ち合わせておりませんので、正確ではございませんけれども、概略申し上げますと、大体一年間に十五億程度入っております。それから荷役機械の整備につきましては、船舶整備公団と共有方式でやっておりますが、大体十五億のうち七、八億程度をその方面にやっております。それから横浜で、先生も御存じだろうと思いますけれども、乙仲が本牧埠頭に上屋をつくっております。そういうような上屋の整備の件につきましても若干やっておるというようなことでございまして、ただし、今度、毎年荷役機械に出す金は三年後に戻ってまいりますから、現在正確なところどのくらいあるかは、ちょっとこの場ではお答えいたしかねます。あとで資料を提出いたします。
○大出委員 それはあとでひとつ資料をいただきたいのでありますが、実は近代化基金の問題については、労働界にも、使い方に対してもいろいろな意見がありまして、設立のときのいろいろないきさつを踏まえた上でこれまたひとつ御検討いただきたいという意見を申し上げたいと思っているのです。そういう意味でぜひ資料を御提出いただきたいのですが、よろしゅうございますか。――それでは最初に戻ります。
 時間の関係でかけ足で申し上げましたが、真意は、先月二十四日から続けられております港湾をめぐるストライキというものについて、もちろん賃金もございますけれども、のみならず、そこから先の将来の展望に立っての、つまり制度論も含めての、通称労働用語でいえば合理化反対という面がある。しかも四者協議の場所を何としてもつくれ、そこで話し合いたい中身がある。そこには、生活保障賃金の問題だとか、あるいは転業に基づく訓練であるとか、転業資金の問題であるとか、あるいは最低保障賃金の問題であるとか、就労日数に応じて食っていけなくなるわけですから、だから最低これこれはその場合であっても保障すべきであるという意味の保障賃金の問題がある。あるいは、この中にはありませんけれども、前から問題になっている、協会側には余剰はしけをどうするのかという問題があるのかもしれません。それらの問題をやはり総合的に円卓について話し合う。そして、近代化されていく港湾の将来にとって、中間の業はどうなり、そこで働く労働者はどうなり、国は一体これをとらえてどういうふうに方向づけをして進めていこうとするかというものを出し合って、あすの港湾のために、あすの国の行政と労働者という関係において一つの位置づけをしていく。そうして近代化される港湾の中で労働者の生活も近代化をされ、賃金、生活保障のシステムが確立されていく、こうでなければならぬと私は思いますから、そういう意味の口火を、先ほど御答弁いただきましたように、ぜひひとつ大臣に先べんをつけ、前に出ていただきたい。これを実はお願いしたがったのが趣旨でございますので、最後に重ねて大臣から何か所感をいただいておきたいと思います。
○丹羽国務大臣 輸送方法の近代化によりまして、そしてそれの影響を一番受ける港湾労働者の将来の諸種の待遇の問題、これはやはり何らかの解決策を求めなければならぬことは当然でございます。これはいままでおくれていたという御叱責でございますが、できるだけ早い機会にそれをやっていく。その第一の問題といたしまして、船社を含めましてみな一堂に会しまして、いろいろ知恵を出すという場をつくる、これは当然のことと思います。先ほども申しましたけれども、私どもできるだけのことをしたい、こういうふうに思っている次第でございまして、一そう御鞭撻をお願い申し上げたい、こう思う次第でございます。
○大出委員 たいへんはっきりさせていただきましてお礼を申し上げるわけでありますが、ぜひひとつ、たいへん皆さんが、中間業の方を含めて不安でございまして、日々一体どうなっちゃうんだろうかというので、数々申し上げませんでしたが、検数あたりに携わる方なんかも、私は神戸の摩耶埠頭ができたときに行ってきたことがあるのでありますが、専用バースみたいな形になっていく。ですから、そこに機械を一つガントリークレーンみたいなものを置きますと、野積みしておいたり横持ちする必要がない。ぴたっとそこへ来るわけですから。そうすると、コンベアシステムで上屋に上がっていく。エプロンの大きな上屋でして、選別されて向こう側へおりていくと、日通のトラックが待っていて載せて走っていく。検数、検量、鑑定というものはその途中でチェックしていくというシステム。そうなってくると、検数部門なんかも非常にたくさん変化が出てくるわけでありまして、運輸大臣許可に基づく法人でございますから、検数なんというものはだれかかってに来てやるわけにいかないわけでありますから、その意味ではまあ確保されている職場ではありますけれども、しかし、たいへんな不安がやはりあるわけでありますから、どうかひとつそういう点で、いまの御発言の趣旨を具体的に前にお進め賜わりたいとお願い申し上げる次第であります。
 港湾関係の方は、たいへんどうもありがとうございました。
 あと一つ、ハイヤー、タクシー問題について御趣旨を承っておきたいのでありますが、これは野村さんお見えになっておりますが、今回のタクシー料金値上げをめぐりましていろいろ問題がありましたが、今回の値上げ、その前の値上げがございまして、比率で申しますと、この二回にわたる値上げというのは何%ぐらいずつになったのでございましたか。私、きょう資料を持ってきておりませんので、そちらからとりあえず答えていただいて、少し承りたいと思うのでありますが……。
○野村政府委員 先生の御質問は、六大都市におけるタクシー料金の改定の率であろうと思いますが、名目で申し上げますと、四十五年三月、前回のときには、東京の例で申し上げますと二二・五%、それから今回、四十七年の二月五日からやりましたのは四三・七%、この名目の改定の率でございます。六大都市、各市少しずつ違っております。
○大出委員 四十五年三月の二二・五%値上げというのは、基礎になった資料が、どうも四十三年の東京都の四十社の実態調査を東京陸運局がおやりになって、その結果出てきた資料が裏づけになっているように見えるのであります。そのときにおけるいろんな係数のとり方がありますが、まず一つは一日一社の平均走行キロ数、これを四十五年三月、二二・五%お上げになったのですが、この基礎は四十三年の実態調査でございますが、そのときの係数は、一体一日一社の平均走行キロで何キロでございましたかという点が一つ。それから実車率において平均どのくらいに見ておられたかという点。それがおわかりにくければ、こういうふうに言っていただけばけっこうです。四十三年の資料、つまり東京陸運局が都内四十社の実態調査をやりました。そのときの一日一社の平均走行キロ数と実車率と実働率、この辺をおっしゃっていただければわかると思いますが……。
○野村政府委員 東京都内におけるタクシーの輸送状況でございますが、実働一日一車当たり、四十三年度の法人の平均でございます、それを申し上げますと、走行キロは三百五十七・七キロ、それから実働率は九三・九%、実車率は六二・五%、それから一日当たりの輸送人員でございますが、東京都の法人のみで約百八十万五千人、こういうことになっております。
○大出委員 それで結局、値上げをされたのは四十五年の三月なんですね。そうすると、念のために、四十五年三月のこの追跡調査の結果は、この一日一車平均走行キロ数三百五十七・七キロ、それから実働率が九三・九%、実車率が六二・五%というのが四十五年の数字であるはずでありますが、どういう変化を示しているか。
○野村政府委員 四十五年は、同じく法人についての実働一日一車当たりでございますが、走行キロが三百四十・六キロ、それから実働率が八六・七%、実車率が六三・一%。それから輸送人員は、同じく法人のみの一日当たりですが、約百四十七万人、こういうことであります。
○大出委員 これで明らかなことでございますが、つまり四十五年値上げのときの基礎になった資料に基づくと、一日一社の走行平均キロ数が三百五十七・七キロであった。で、前々回の四十五年三月の値上げ、つまり四十五年、この時期における同じ一日一社の走行平均キロ数が三百四十・六に落ちていることになる。たいへん走れなくなった。三百五十七・七が三百四十・六に減っているわけでありますから、十七・七キロ落ちたということですね。それから実車率の面が逆に高くなっている。そしてまん中の実働率、つまり休車現象と俗にいう、百車あって何車休んでいるか。九三・九、まあ九四ですね。百台のところで六台がほこりをかぶって休んでいる。運転者がいない。それが四十五年になると、何と九三・九%実働率があったものが八六・七に落ちるわけですね。百台のうちで何と十三台ぐらい遊んでいる勘定になるのですね。だから結果的に、実車率が六三二とふえたけれども、走行キロは落ちる。遊んでいる車両はふえる。つまり運転者がいないのですね。ほかへ逃げてしまったことになる。だから百八十万五千人が百四十七万人に減った、こういうわけですね。
 そうなると、ここを踏まえて私は、二二・五%と見通したのがよかったか悪かったかなんて触れませんけれども、それは別として、四十七年の二月五日に値上げをした四三・七%という六大都市平均ですね、この値上げというのはこの二つのデータに基づいて見て妥当な値上げだったということなんだと思うのでありますが、つまりこういう実態調査の結果に基づく数字からして、これでは運転者が逃げっぱなしに逃げてしまう。つまり四十三年の資料、これは四十五年度の値上げの基礎でございますが、九三・九%という実働率から、百台あったところで六台くらいしか休んでいるのはなかったわけでありますが、それが十三台も休むようになってしまって、倍以上になってしまった。それは何が原因かというと、運転者が、ハンドル持つ方々が、これでは食っていけない、やっていけない、おもしろくないというのでやめてしまったということになるのです。端的に言えば。そうすると、ここで出てくるのは、何とかハンドルを持つ諸君が逃げない賃金を払えることにしなければならない。これが一つですね。逃げなくなれば車はよけい動くわけでありますから、休車現象が減るのでありますから。もう一つは、あわせて経営者側が、もうやめたといって経営意欲を失う。そういうことでなくて、何とか経営意欲を持って経営ができる、こういうところに持ち込まなければならぬという二つの面がここにある、この二つの数字から見ると。
 そこで、四十七年の二月五日に値上げした四三・七%というのは、そこらのところを踏まえて値上げをしたことになるのだろうと私は思う。つまりハンドル持つ諸君がこれ以上逃げない。どんどん休車現象がふえる、つまり実働率が減る、このことは庶民の足に響くのですから、それは防がなければならぬ。つまりハンドル持つ諸君が逃げない程度の賃金を、他産業と比較して確保できるようにする。もう一つは、経営者が経営を投げちゃって、こんな赤字経営どうにもならないということにならないようにして、何とかその経営意欲を持って企業経営ができるようにというところがねらいだったと思うのですね。もちろんそのほかには、会社の休憩施設だ何だという労働条件の改善ということもありましょう。が、大きくいえば二つだったと思うのです。それがこの四三・七%の値上げになったのだと思うのでありますが、ここのところはそう受け取ってよろしゅうございますか。
○野村政府委員 ただいま先生のお話にございましたように、東京でいいますと今回四三・七%の運賃改定をいたしましたその要因ということは、もろもろのコストアップの要因、あるいは大都市における交通混雑の要因を考えておりますが、それに対処するためのコストアップということもございますが、その中の一つの大きな要素として、いわゆる運転に従事する人たちの労働条件の改善ということについても、かなりの改善をするべきであるという要素が原価計算の基礎に入っておるということは当然でございます。そのパーセンテージについては、もちろん各企業の実態に応じて違うと思いますけれども、先生御承知のように、労働集約産業でございますタクシーの中における人件費のウエートというのは非常に高い。おのずからそういう性質のものでございます。これについては、相当労働条件も改善され、それがコストアップになる、それをカバーするというような観点から、原価計算の要素に取り入れておるということは当然でございます。
○大出委員 念のために承っておきますが、この四三・七%を上げたのですが、この基礎になっている一日一車の平均走行キロというものは、私は当時三百キロくらいに押えるべきだと思っておったのですけれども、何か三百十五かそこらくらいになっているような気がするのでありますが、そこは一体どのくらいかということと、それからもう一つ実車率。つまり大臣、実車率と申しますのは、これは、お客の乗っている時間と乗ってない時間、逆に言えば、からで走っている時間と乗っている時間、この比率ですが、これを私は五〇%ぐらいに押えていいんじゃないかと思っておった。一日一車の走行平均キロ数は三百キロ、そうして実車率は五〇、半分からで半分人が乗っている、そうすれば、手をあげようと思ったって、人ばかり乗っておって用をなさないというのじゃない程度になる。料金が上がっているから、その意味でこれは、実車率が落ちても営収という形の収入においては上がっている。経済の状況もありますけれども、その五〇%が徐々にふえてくる、こういう形になっていく。そうすれば、運輸省が言っているように三年ということもあるかもしれぬ、こう私は実は当時思っていたのでありますが、この走行キロと実車率の関係、それはどのくらいに押えておられますか。
○野村政府委員 確かに先生のおっしゃるように、都市の交通の混雑の実態等を勘案しまして、走行キロをかなり低目に押える、同時に実車率も低目に押えるということは、この改定の一つの大きな条件であったわけでございますが、私ども過去の統計から見まして、また、たとえば交通混雑緩和のためのいろいろな措置をやりまして、駅前のタクシーベーとか、あるいは乗降場の指定とか、あるいは街頭指導員の増強というようなことを考えましても、なかなかむずかしいという要素から、実現可能な範囲でできるだけこれを低くするという意味でやりまして、東京におきましては、いま、四三・七%を算定する基礎としては一日の走行キロは三百七十キロが考えられておりますし、実車率は六二%ということでございます。横浜では三百十五キロが走行キロ、実車率が五九%、こういう数値の上にそれぞれの計算がなされております。
○大出委員 私、横浜におるものですから、つい横浜のことが頭にあって、いま三百キロぐらいと思っていたから三百十五ぐらいになっておるようだと申し上げたのですが、横浜は三百十五だそうでございますから、まあそんなことかもしらぬと思うのでありますけれども、さてここで問題は、お話に出ましたように、労働条件を改善する。この中にはもちろん賃金も入ると思うのですよ。とにかく安過ぎれば逃げちゃうわけですからね。だからそこで私は、料金値上げ後のハイヤー・タクシー労働者の賃金がどうきまるかということに非常に大きな関心を持っていた。先々の問題に大きな影響があると思っていた。ところがなかなかこの賃金がきまらない。東旅協などの経営者の団体が、料金値上げ後のハイヤー・タクシー労働者賃金のあり方なんてものをサンプル的に出したことがありますが、こんなことをきめられたんではタクシー労働者いなくなるんじゃないかと思ったことがあったのでありますが、そこらも一つのモデルになって、だいぶ押え込もうという空気が強い。これはよし悪しなんですね。
 これから先が運輸省に申し上げたいことなんですけれども、料金値上げ後のつまりハンドル持つ諸君の賃金をあまり低く押えようとし過ぎますと、また逃げてしまって、出てくるのはどこへ出てくるかというと、実働率が減るということですね。集まらないということですよ。だから、いま、私の出身の組織の郵便局なんかも、郵便配達をする人はなかなかないのでありますが、これは同じ意味で危険をいつも感ずる。車が走っている中を赤い自動車で走るのですから、あぶないのです。年じゅうけが人もできる、死人もできる。またタクシー労働者だって、年じゅう頭に水揚げがあって走っていますから、一つ間違えばあぶない。にもかかわらず、人が寝ているときまで走らせてこんな賃金じゃということになるわけですから、そういう意味で、これは大臣、運輸省がながめてみて、幾つかきまってきておりますが、横浜でも何社かもうきまっておりますけれども、一体これだけ値上げしたあとのハイヤー・タクシー労働者の労働分配率、営収に対する分配率という面で見て、いままでと比べてどの程度どう改善されたと見るかという点、ここのところを皆さんのほうの見方はどうか。料金が値上げされた、その意味で実車率は多少落ちても営収はふえてきている。間違いない。だが、ふえてきている営収に見合う配分をハンドル持つ諸君にしているかという点、こうなってきますと、なかなかそう簡単にまいらない、私はこう見ているのです。したがいまして、そこのところをどう見ているか、この点をどういうふうに分析しているかという点を承りたいのです。
○野村政府委員 先ほど申し上げましたように、今回の六大都市のタクシー運賃改定をいたします場合の一つの大きな条件と申しますか、要素の中に、政府の閣僚協におきまして決定されましたタクシー運転者の労働条件の改善ということがあるわけでございます。その閣僚協の決定に基づきまして、私ども各所管の陸運局長にこれを文書で通達いたしますと同時に、各陸運局長は関係の法人、個人のタクシー団体の責任者を呼びましてこの内容を通達して、こういうサービスの改善と労働条件の改善ということを含む閣僚協の決定を伝えたわけでございます。それに基づきまして、労使間におきまして具体的な折衝がいろいろなされておるわけでございますが、先生も御案内のように、タクシー事業というのは、昨年ぐらいから非常に経営が悪化いたしまして、いままで相当の借り入れ金、緊急融資等を受けたりいたしましたために、必ずしも運賃改定前のタクシーの労働者の賃金改定がなされていなかったということがありまして、そういうことも一つの原因だったと思いますが、ことしの春闘におきましては、私どもの調査でも、実はいろいろまだ未解決の企業がかなり多いということでございます。
 ただ、解決をいたしております例を一つ申し上げますと、おそらくこれはタクシー事業としては一番成績のいい企業だと思いますが、東京の場合で言いますと、これは大手の平均でございますが、たとえば四十六年の十一月、十二月に月平均の給与として九万四千六百七十三円というものでありましたのが、ことしの三月、四月の平均は十万六千百二十四円ということで、一万一千四百五十一円、約一二%のアップとなっておる例がございます。これは比較的業績のいい部類であろうと思います。しかし、まだ決定をしていないところもあるかと思いますが、そういう実情でございます。横浜について申し上げますと、これも全部ではございませんが、四十六年の平均が約七万六千円ほどでありましたのが、四十七年で妥結した十九社、これも企業格差はいろいろあるわけでございますが、それについて言いますと、約九万一千円ということで、約一万五千円のアップというもので妥結をしております。まだ折衝中のものもございます。
 したがいまして、私どもの改定作業中の想定といたしましては、一〇%を上回る程度の改定要因というようなことを考慮に入れたリンク計算をいたしております。そういういまの実情でございます。
○大出委員 恐縮ですが、いまお話しになった資料、妥結して皆さんのお手元にある資料でけっこうなんですが、後ほどいただきたいのと、それから、閣僚協決定通達が出ておりますが、その写しを一ついただきたい。
 横浜で十九社といまおっしゃいましたように、大半がまだ妥結をしておりませんで、難航に難航を重ねております。それが、極端に低い回答が出ているところがたいへん多い。もちろんこれは、タクシーというものは、よく御存じのとおりに、中途はんぱな台数で経営しているところというのは逆に悪いのですね。小さくまとまっているところは、それなりに何とかなっている。都市交通さんみたいに一千台に近いところは、それなりにまだ何とかなっている。病院と一緒で、中間の病院はだめなんですね。そういう意味では、経営の状態も確かにあります。資本系統の相違もまたあります。私鉄の系統は、本来自分の私鉄の駅からおりる客を運ぼうということで始まったのですから、もうけなくともいいわけです。石油資本だって、そこで石油を売っているのですから、これももうけなくともやっていける。ところが、そうでないとんでもない資本があるものですから、にっちもさっちもいかないところがあるわけです。ばかみたいな話で、明確な賃下げだという回答が出てきているところがたくさんあるために、いまだににっちもさっちもいかないで、どろ沼に入ってしまっているところがたくさんあるということを私は心配しているのです。したがって、その資料をいただければ、東京、横浜は大体見当がつきますので、ぜひそれをいただきたい。
 将来また値上げという時期だってないわけではない。経営者団体のほうは、三年と言うけれども、つなぎがあるから二年だとか、いろいろ言っているわけでありますから、そこらのところを考えまして、きょうは時間がありませんから、これはあらためて質問をしたいと思うのでありますが、そういう意味で、とりあえず資料をいただきたいということを申し上げておきたいと思うのです。
 委員長、恐縮ですが、あともう三、四十分ほしいのです。本題の運輸省設置法に基づく、航空その他を含むメンテナンスの問題を実は非常に心配しておりまして、この一点だけ聞かしていただいて、あと本会議が始まりますから、大臣に食事をさせないわけにもまいりませんので、すみませんがそれだけ聞かしていただいて、あとは次回に譲りたいと思いますので、ひとつお願いしたいと思います。
 それは、航空関係の無線通信の関係が、どうもだいぶ穴になった感じがするのです。そこで、昨年人事院給与局長の尾崎さんにだいぶお骨折りをかけましたが、何とか管制官などのほうは手当てをしていただいた。ところがメンテナンスの関係は、いわば航空事故を防ぐ意味では縁の下の力持ちに類する感じがするところであります。ところが、ここがさっぱり改善をされない。これではどうも私は心配なんですが、そこらを航空局長さんのほうで一体どういうふうにお考えになっているかという点を、まず承りたいのです。
○内村(信)政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、管制官につきましては、満足とはいかないまでも相当なめんどうを見ていただいております。しかし同時に、管制官の業務も航空保安業務の一環でございまして、やはり航空保安業務というものは、全体として機能を発揮してまいらないと航空の安全は確保できないというのが実情でございます。
 そこで、航空保安業務とは一体何があるかと申しますと、照明とか無線とかございますけれども、やはり一番大きなウエートを占めるのは無線であり、VOR、BME、ILS、GCAにしましても、ほとんどあらゆる航空保安施設というものは電波の助けをかりなければいけないというのが実情でございます。
 そこで、航空保安につきましても、五カ年計画をつくりましてその実現を目ざしておるわけでございますが、幸いにしてまず金の面は、特別会計制度の充実によってある程度めどがついております。その金ができますと、施設もある程度はできるだろうと思います。
 それから定員につきましても、必ずしも十分ではございませんが、ある程度めんどうを見ていただいております。ところが問題はやはり実員でございます。そこで、いま先生の御指摘がございました無線関係の要員でございますけれども、これはどうしても無線従事者の資格がなければいけない。一技、二技、三通とございますが、なるべくなら二技までの資格を持っていただきたいということでございます。しかし、残念ながら私どもいろいろ努力いたしましても、その有資格者の採用というものはなかなか困難でございます。そこで、航空保安大学というものがありまして、ここで航空保安についての研修をやっております。そこの要員も、定員を拡張いたしましてその充足をはかっておりますが、なおこれをもっては不十分でございまして、さらに一般の方々から無線の有技者というものを採用してまいらなければいけないというのが現実の問題でございます。
 しからばどのくらいの数があるかと申しますと、現在、無線要員といたしましては、四十七年度で七百五十五名程度の定員でございますが、今後五カ年計画を遂行いたしますために、昭和五十年度までの三カ年には、さらに四百名程度の無線要員を充足しなければならぬというのが実情でございます。そこで、その四百名余りでございますけれども、これにつきまして、保安大学の研修もございますけれども、やはり一般から三百名ないしそれ以上というものは充足しなければいけないということでございます。そこで、充足したいと思いますけれども、実際にはなかなか人が来ていただけないというのが実情でございます。これはなぜかと申しますと、やはりこのごろの社会におきましては、電気関係、電子関係の技術者というものは引っぱりだこでございまして、役所のような安い給料のところにはなかなか来てくれないというのが実情でございます。その辺、私どもといたしましても、何とか解決をしていきたいというふうに考えてはおるわけでございます。
○大出委員 ここにある資料によりますと、無線技術士の第一級というのが百十五名、それから第二級が三百二十名ですね。これは四十五年度の無線従事者国家試験の合格者で、郵政省が試験をやりますね。そうすると、本来、一級で百十五名、二級で三百二十名しかないのですね。ところで、運輸省の航空交通管制技術要員の内訳を見ていきますと、四十六年度末の無線資格別人員表がございますが、一技百八、二技二百四十一と、こう分かれておりまして、無資格まで入れると六百五十三名ですね。
 そうなると、おたくのいまの話の五カ年計画で必要な人員というのは五百か六百くらいですね。そうすると、これは何としても採りようがないですね。採りようがない中に問題があるのは、いま保安大学とおっしゃったけれども、卒業した人はこれはほとんど受からないのですね、郵政省の試験を。これを見ると、研修所卒業生、二十名入所して十四名卒業していますね。全員無資格だということになると、なかなか受からないということになるのですね。ところが、今度待遇のほうになりますと、航空保安研修所を出ておいでになった方は八の五になるのですね、格づけは。ところが、資格者を採った場合の格づけのほうは八の一ですね。低いのですね。そうすると、部内の研修をやってきた人がどうも八の五になっていて、資格がない。無資格。資格をわざわざ取ってきた、国家試験を受かってきた人を採用して八の一に持っていったんじゃ、これは居つかぬですよ、大体。だからやはりここらあたりは改善をしていただく。
 そして私は特にこういうことがあるのですね。事故にからむのですけれども、どうも無資格者がいじるということは本来できないのですね。やみでやっているのでしょうけれども。あまりここのところを言ってもしようがありませんが、全くやらぬで済むかというと、そういうわけにはいかぬだろうと私は思うのですけれども、ここに一つ例があります。
 東京管制部におきまして、箱根の位置通報所があります。ここの位置通報所で管制官とパイロットの対話をする無線、これは自動化されているのですね。メンテナンスの方々は、無線通信土の方々は箱根山の下に待機している。それで故障になった。そうすると、補助装置その他、代替装置が働くからそれでいいということで、翌日行って直すというわけですね。ところが、きのうかけさの新聞だかに出ておりますように、補助装置も一緒に故障しちゃった例がありますね。つまり、いまの機器というのは必ずしも完全に信用がおけるのかというと、たいへん問題がある。それで、箱根山の下の方が夜中に、しょうがない、山へ上がって三時間もかかって直したという去年の四、五月ごろの例がここにございます。こういうことが年に四、五回はある。そうすると、管制官の方の勤務体系を変えて、ばらまいてみて、夜間、自動機器にたよってなくしてしまっていいかという問題が出てくる。おたくの計画の中には、苦しまぎれなんでありますけれども、そういう計画もなくはないと私はお見受けするわけでありますが、したがって、何よりもこの際申し上げたいのは、時間がありませんからこれ以上言いませんが、この次の機会に申し上げますが、待遇改善という面で、この方々に調整額をつけるなり、何とか手当を増額するなり、何かひとつやりまして、部内のいま私が指摘した矛盾なんかも、せめて無資格者の方と同額の八の五くらいのところまでは持っていけるようなことをお考えいただいて、少ない有資格者ではありますけれども、何とか航空事情も勘案して来てもらう。そういう方をふやすようなそういう措置を私はとっていただきたい、こう思うのです。
 ついては、人事院にきょうお見えいただいたのは、昨年はYS11に乗っかって尾崎さんが八丈島等まで行っていただいたりしたことを私もちょっとお聞きしまして、この席で口に出したら尾崎さんえらい弱っておられましたですね。そこまで御苦労されて、管制官その他については曲がりなりにも、もちろん満足ではありませんけれども、何とか前に出て人事院がやっていただいた。残ったいまのメンテナンスの問題は、いわば縁の下の力持ちなんですから、しかも航空保安には欠くことのできないたいへん重要過ぎる仕事をしておられるわけですから、どうかそこのところをことしの課題にしていただいて、少し前に進めていただくということに願えないかということで、実はおいでいただいたわけですが、御意見をいただきたい。
○渡辺説明員 いまお話がございましたように、航空管制業務に従事する職員について、管制官あるいは通信官等は、人事院としても毎年力を注いできたのでございます。ただ、いまお話のございましたメンテナンスあるいは通信士、そういう関係の方々につきましては、ほかといろいろな均衡問題がからむものでございますから、現在まで手をつけていなかったというような状況でございますけれども、これは、今後そういう航空業務が非常にたいへんになる、変化も早い時代でございますので、今後私どもとしては十分力を入れて検討をしてみたいというふうに考えております。いまお話のございました初任給等につきましても、ことしは特に力を入れまして、民間等もチェックをしてみたいというふうに考えておりますので、ことし十分いろいろ検討させていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○大出委員 内村さん、いま渡辺次長がおっしゃっておりますが、これは他との関係があるからいたし方がないのだと言っていると、人がいなくなっちゃうですね。来手がなくなっちゃう。私にもむすこがありまして、ことし早稲田の理工学科応用科学の四年ですけれども、来年四月卒業ですから、いま就職求人が一ぱい来て、早稲田の理工科の応用科学の来年の四月の卒業生何名というワクで一ぱい来ているわけですね。ところが、せがれどものやっているのを見ていると、企業というものを非常に緻密に調べるのですね。石油化学なんてところへことしはあまり行き手がないのですね。早稲田の理工科応用科学では、石油化学なんて一ぱいやって来ていながら、公害企業であり先がとまっているという見方でね。そうして王子製紙や本州製紙なんかも求人がたくさん来ているのですね。これもほとんど行かないのです。聞いてみると、紙というのは設備過剰でもう飽和状態である、幾ら世帯が大きくたって、行ったっておもしろくない。さて官庁はというので、専売公社だとかいろいろ来ているのですね。実にこまかく調べるのですよ。妙なものでね、いまの若い連中というのは。だから、運輸省なら運輸省を調べてみて、何だこれ、部内の保安大学なんて出てきたのは八の五なんだけれども、おれたちは出たら資格を取っているのに八の一か、ばかばかしいやということになっちゃうのですね。これは捨てておけないのですよ、こまかいですから。だからそういう意味で、いま人事院からも話がありましたが、他との均衡ということはもちろんありましょう。ありましょうが、ひとつ運輸省の側も積極的になっていただきまして、何としても間口を広げる。できるだけ確保する。せっかく五年を三年というようにしているのですから、そういうことで、運輸省として、大臣、これは人事院にも資料を提出をして、かくてこうしてくれ、こう言っていただかぬと私は困ると思うのですね。そこらはいかがでございますか。
○丹羽国務大臣 いまの問題は、私が先般就任以来いろいろ事故が起こりまして、国民に非常に御迷惑をかけた次第でございますが、それ以来、保安対策ということを一番指導して、事実上やらしているつもりでございます。先ほどもお話がございましたが、保安施設につきましては、五年計画のやつを三年に短縮してやれということでやらしている次第でございます。いまお話のございましたように、一番心配なのはやはり要員確保の問題が一番問題でございます。ただいま局長あるいは人事院から御答弁がございましたけれども、管制官のほうはやや不満足ながらと申しますか、私は決して満足しておるわけではございません。これはやはり諸外国と比べますと非常に低給でございます。これらの人の給与の問題を十分考えなくちゃならぬと思っております。通信官をはじめといたしまして、メンテナンスに従事する方々の給与もよほど考えていきませんと、せっかく施設ができましても、その実際の安全運航ができないということになりまして、私はこれが一番の問題だと思いまして、率直に申しまして、いまの公務員制度でできるかどうかというまでも、私、いま真剣に考えておるところでございます。たとえば英国のごときは、管制官のために公社をつくりましてやっておる、こういうふうなこともあります。私、事あるたびに、これは航空局長と監理部長に、その問題を早急に解決しろということを言っておる次第であります。私も総務長官あるいは人事院総裁に会うたびに言っている次第でございます。非常に御激励を受けた次第でございます。さらに私は一そうその点について努力をしてまいりたいと考える次第でございます。
○大出委員 それじゃ、きょうはこの点だけ申し上げまして、あと機構問題で三、四点承りたいことがございますので、短時間でございますから、この次に譲らせていただきたいと思います。たいへんありがとうございました。
○伊能委員長 次回は、二十三日火曜日、午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとして、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十一分散会