第068回国会 大蔵委員会 第16号
昭和四十七年四月十一日(火曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 齋藤 邦吉君
   理事 宇野 宗佑君 理事 木野 晴夫君
   理事 丹羽 久章君 理事 藤井 勝志君
   理事 山下 元利君 理事 広瀬 秀吉君
   理事 松尾 正吉君 理事 竹本 孫一君
      上村千一郎君    奥田 敬和君
      木村武千代君    倉成  正君
      佐伯 宗義君    地崎宇三郎君
      中川 一郎君    中島源太郎君
      原田  憲君    坊  秀男君
      三池  信君    毛利 松平君
      森  美秀君    山口シヅエ君
      吉田 重延君    吉田  実君
      阿部 助哉君    藤田 高敏君
      堀  昌雄君    山中 吾郎君
      貝沼 次郎君    小林 政子君
 出席政府委員
        内閣法制次長  吉國 一郎君
        内閣法制局第三
        部長      茂串  俊君
        総理府人事局長 宮崎 清文君
        大蔵政務次官  田中 六助君
        大蔵省主計局次
        長       吉瀬 維哉君
        大蔵省主計局次
        長       長岡  實君
        運輸省航空局監
        理部長     住田 正二君
        運輸省航空局技
        術部長     金井  洋君
        労働大臣官房長 藤繩 正勝君
        労働省労働基準
        局長      渡邊 健二君
 委員外の出席者
        警察庁交通局交
        通指導課長   池田 速雄君
        環境庁大気保全
        局自動車公害課
        長       小林 育夫君
        大蔵大臣官房審
        議官      田中啓二郎君
        大蔵大臣官房審
        議官      松川 道哉君
        文部省初等中等
        教育局中学校教
        育課長     別府  哲君
        自治省財政局財
        政課長     近藤 隆之君
        消防庁防災管理
        官       古郡 良秀君
        大蔵委員会調査
        室長      末松 経正君
    ―――――――――――――
四月七日
 登録免許税法改正に関する請願外十二件(塩川
 正十郎君紹介)(第二二五四号)
 恩給、年金の非課税に関する請願外一件(山下
 元利君紹介)(第二二九二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 労働保険特別会計法案(内閣提出第一号)
 空港整備特別会計法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第二一号)
 石炭対策特別会計法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第三九号)
     ――――◇―――――
○齋藤委員長 これより会議を開きます。
 労働保険特別会計法案、空港整備特別会計法の一部を改正する法律案及び石炭対策特別会計法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。堀昌雄君。
○堀委員 最初に、法制局にお伺いをいたします。
 財政法第十条に、国費分担法律主義という項目があります。「国の特定の事務のために要する費用について、国以外の者にその全部又は一部を負担させるには、法律に基かなければならない。」こういうふうに財政法第十条はなっておるわけですね。きょう私が少し問題にしたいと思うのは、特別会計の歳出の問題について少し論議をしておきたいと思っておるわけであります。そこで、財政法第十条による「国の特定の事務のために要する費用について、国以外の者にその全部又は一部を負担させるには、法律に基かなければならない。」という意味は、本来は何をここで規定しようとしておるのかをちょっと伺いたいと思います。
○吉國(一)政府委員 国が一定の事務を処理いたします場合に、国の責任として処理をいたしますにつきましては、いわば国費負担の法律主義と申しますか、国がみずから負担することを原則といたしまして、国の事務を処理するについて国以外の者に負担をさせるについては法律の根拠を要する、国の恣意によって国以外の者に負担を課することはしては相ならないという大原則を宣明したものである、かように考えております。
○堀委員 私もさように理解をするわけです。要するに、本来は国がみずから負担をするのが原則、しかし、それを国民その他に負担をさせる場合には法律によらなければならない、要するに、たてまえとしては国が負担するのが原則だということをここで明らかにしておると、私は考えるわけであります。
 そこでその次に、あっちこっちに飛んでたいへん申しわけないのでありますけれども、健康保険法第七十一条に「保険者ハ健康保険事業ニ要スル費用に充ツル為保険料を徴収ス」と、こう規定がございます。そこでちょっと伺いたいのは、この健康保険事業に要する費用というのは、一体その事業の費用というのはどういうことをここで述べておるというふうに理解すべきでしょうか。――追加して言いますと、「事業」の範囲を含めてちょっとお答えをいただきたいのです。
○吉國(一)政府委員 「健康保険事業」と申しますれば、保険者としてなすべき保険給付その他これに付帯いたしましていろんな給付をいたしますとか、そのような事業を総称するものと考えております。
○堀委員 そこでいう「事業」ということばですね、これを少しはっきりさせたいわけですけれども、一体ここでいう「事業」というのは、厳密にいいますと業務がありますね。業務、要するに健康保険法の業務、いわば保険料を徴収しそれから保険料を支払う、それは給付のあり方によってはいろいろな形がありますが、簡単にいえば保険料を収納して、それから保険料を支払うということが本来の業務だ、こう私は考えておるわけですが、業務以外にも何か「事業」というものは範囲を含むのでしょうか。それをちょっと伺いたい。
○吉國(一)政府委員 これは、保険者として健康保険法に基づきまして行ないます業務をもって構成されております総体的な経営と申しますか、そういうものを総括して「事業」と呼んだものと思います。
○堀委員 ちょっとそこのところがいまはっきりしないのですね。要するに業務の範囲というものが、一体どこまでをいまこの健康保険法の場合に業務の範囲というのか。実態的に申しますと、たとえば健康保険の業務に携わる職員の給与等は業務のうちに入るんだろう、こう思うのですね。ところが、私が本日ここで少し議論をしたいと思っておりますことは、片方に国の財産となるべき官公署というのがありますね。健康保険の場合に申しますと、社会保険出張所というのは国ですね。――地方自治体かな。これは国だと思うけれども、どっちですか。ちょっと答えてください。
○長岡政府委員 県に配置されておりますけれども、地方事務官でございますから、一応国の職員です。
○堀委員 ですから、私は実は厚生保険特別会計というものを少し調べてみたわけですが、厚生保険特別会計の中に健康勘定、日雇健康勘定、年金勘定、児童手当勘定というのが、実は勘定区分になっています。さらにその次に業務勘定という区分が実はあるわけですね。この業務勘定の歳出のほうをずっと調べてみますと、施設費というのがありますね。ところが、この会計で施設費というものはあるけれども、実は歳出の中には保健施設というのと福祉施設というのが出ておって、業務勘定の歳入のほうには健康勘定より受入、その他やはりいまの各勘定からの受入があるわけでありますけれども、これを通算してみると、厚生保険特別会計については実は業務勘定の中に入ってきておる各勘定からの受入、要するに保健施設費あるいは福祉施設費という名目で入ってきております分と、それから歳出を見ると、実は歳出のほうが金額的に多くなっておりますから、そこで業務勘定の歳出の中にある施設費というのは、少なくともこれは健康勘定その他の勘定の中における一般会計からの受け入れ金または雑費その他の収入で施設費がまかなわれておる、こういう形に昭和四十七年度の厚生保険特別会計の仕組みになっておるわけです。
 ですから、これを見ておりますと、いま私が法制局に伺っております、要するに「保険者ハ健康保険事業ニ要スル費用ニ充ツル為」という、この「事業ニ要スル費用」という中には、国の施設あるいは地方自治体の施設に対する費用は入っていない、こういうことに現在、現実になっておるわけですが、そうすると、この事業の範囲というのは、要するに職員の給与、旅費その他、要するに経常勘定に含まれるものについては、この健康保険法の事業の範囲はあるけれども、国の資産となるべきものまでは健康保険法第七十一条は期待をしていない、こういうふうに事業の範囲を限定するのが相当ではないかと思いますが、法制局いかがでしょうか。事業の範囲についての法律解釈です。
○吉國(一)政府委員 私、この昭和四十七年度予算の数字を検討したわけではございませんので、詳しいことはわかりませんが、現に昭和四十七年度予算にそうなっておりますのは、いわば、価と申しますか、政策上さようになっておるものでありまして、七十一条で必ずその範囲に限定しなければならないということはないのではないか。「健康保険事業」と申しますのは、先ほども申し上げましたように、健康保険法に基づきまして保険者が当然法律に基づく保険給付をなすほか、いろいろ付加的な施設を設置したり、費用を支出したりいたしますが、そのためにいろいろ事業の経営として施設を必要とし、あるいは人員を要する、その施設を保持するための費用であるとか、あるいはまた人員を雇い入れるための費用であるとかいうものをすべてこの「健康保険事業ニ要スル費用」ということで、この七十一条の第一項の保険料の徴収の規定に当たると思いますが、ただその範囲内において保険料率を幾らにきめるということによって、その結果として健康保険事業としての保険料の額が保険料率によってきまるわけでございますが、そのきまった保険料収入の総体が、ただいま申し上げましたような健康保険事業に要する費用の全体をまかなうに足りないという場合も、それはあり得てしかるべきだと思います。現在の昭和四十七年度予算がさようであることは堀委員の仰せられるとおりであろうと思いますが、それからひるがえって七十一条の一項はそうなくてはならないという問題ではないのではないか。私、いま承ったばかりでございますので、断定的に申し上げるわけにもまいりませんけれども、必要によっては、健康保険事業に要する費用として考えられる限りは、そういうものも保険料として徴収することは可能ではないかと思います。
○堀委員 私が最初に財政法第十条を伺っておりますのは、要するに、特別会計がいろいろな仕事をしますときに、特別会計に働く職員、その職員に関するもの、これは業務の範囲、要するに事業の範囲として認めていいと私は思っているのです。しかし国の財産として残る施設、ここであとに問題提供したいのですけれども、たとえば労働基準監督署、職業安定所等、はっきりいってこれは国の施設、国の財産ですね。これは決してこれらに関連する保険料を支払った人たちの財産にならないわけです。いかようにあろうともならない。本来国の財産であるものは、私がさっき読み上げた財政法第十条によって、これは本来国が負担するのが当然であって、もし国がその一部を負担させるとするならば、さらに明定した法律によらなければ負担をさせるべきではないというのが、実は私の考え方なんです。
 ですから、事業の範囲というのは、少なくともその業務を運営する経常的費用については、私は特別会計が負担することに何ら異議を感じておるわけではありませんけれども、そこの国の財産となるべき労働基準監督署あるいは職業安定所の新設費、不動産購入費までをこれらの保険料収入によって特別会計で負担させておるということは、これは特別会計の本来のあり方からも適当でないし、財政法第十条は、少なくともそのためには事業の範囲の中には施設費を含むものだという明定がない限り、私はこれは適当でないのじゃないか、こういうのが私のきょうまず第一段階でやりたい論議なのです。
 なるほど金額はいずれもそうたいしたものではありません。そこで、私はこのいわゆる労災特会と失保特会との歴史的な沿革を少し調べてみました。歴史的な沿革を調べてみますと、皆さんちょっと御準備がないから私のほうで申し上げますけれども、公務員宿舎の施設費、それと庁舎等新営費というのが二つ実はあるわけです。この中で厳密にいえば公務員宿舎施設費も問題があろうかと思うのです。公務員宿舎施設費といえども、実はこれは国の施設でありますから問題があろうと思うのですが、ただ、当時の沿革から見れば、この業務を運営するためには、公務員の宿舎がなければ業務の運営が円滑にできないという事情が戦後の一時期にはあったかと思います。だから、そういうような緊急避難的なものがあった時期のことを考えれば、公務員宿舎施設費はまだともかくとして、本来の労働基準監督署、職業安定所等の国の施設に対して庁舎等新営費がつきましたのは、三十四年から実はこの特会では計上しておるわけです。それまでは計上していなかった。この特会ができた最初の二十二年、二十三年、二十四年、二十五年までの四年間については、公務員宿舎施設費も庁舎新営費も特別会計としてはついていなかった。おそらくこの時期が、特会法ができて一番すなおな姿で特会法が運用された時期だと私は考えておるわけです。要するに、こまかいことまで調べていないので、もうちょっと不明確な点がありますが、その後これらの特会に余裕ができてきた。そこでおそらくこれらの特会が、たとえば労働基準法の定める事業の範囲の中における比率か何かを多少勘案して、そうしてここに庁舎費等を割り当てることにしたのではないか。
 だから、本来法律が期待をしたものは、少なくともこのような国の財産部分に当たるものまでを特会法によって、保険料収入によって、これらの関係の事業主あるいは被保険者に負担をさせることが、当初考えられた特会の趣旨ではないと私は考えておる。法律的な解釈として、いま私の申し上げましたことを土台にして、法制局はこれらの特会及び母法であるところの労働基準法あるいは職業安定法ですか、これらの法律にいう――いずれもこれ、さっき私が申し上げましたように、失業保険法の場合には第二十九条、保険料というところに「失業保険事業に要する費用に充てるため、」政府が徴収する保険料については徴収法に定めるところによる、こうありますし、労災保険についても同様な規定が設けられておるわけであります。第二十四条、「労働者災害補償保険事業に要する費用に充てるため、」政府が徴収する保険料については徴収法の定めるところによる、こうなっておるわけでありますから、この特別会計が当初設けられたときにおける考え方、要するに失業保険料に基づいて事業をする場合における事業の範囲というものは、当然私が申し上げた経常的費用の範囲に限られるというのが特別会計法の本来の趣旨ではないか。また政策的に考えてもそうではないかと私は思うのですね。国の財産となるべきものを、その事業を行なう者たちが負担をしなければならぬということは、これはたいへんな拡張解釈になっておるのではないか。だからおそらく健康勘定の場合、厚生保険特別会計の場合には、たまたま赤字が続いておるという関係から、実質的にはこれらの保険料収入によって業務勘定における庁舎の施設の費用は出されておりません。だからそこらを見ても黒字になったらこういうことまでも持たせようなどという考え方は、この厚生保険特別会計、要するに保険特別会計における保険料とそれから歳出における施設費の関係においては正されるべき性格のものである、こう私は考えるのです。ですから、その点の法律的解釈ですね。当初これらの法律はそこまでを予期して事業の範囲を考えてなかったのではないかという私の法律解釈に対する見解について、法制局の見解を承りたい。
 ちょっとつけ加えておきますが、労働者災害補償保険法の第一条をちょっと読んでおきましょう。第一条「労働者災害補償保険は、業務上の事由による労働者の負傷、疾病、廃疾又は死亡に対して迅速且つ公正な保護をするため、災害補償を行い、併せて、労働者の福祉に必要な施設をなすことを目的とする。」非常にはっきり書かれておるわけです。ですから目的がこの範囲であって、第二十四条の保険料の「労働者災害補償保険事業に要する費用」という、この保険事業に要する費用は第一条の目的を受けておることは当然でありますから、この目的からはずれておるものについては当然事業の範囲に含めるべきでない、こう私は考えるわけです。その点を含めて……。
○吉國(一)政府委員 ただいま御指摘の労働者災害補償保険法の第一条でございますが、これは第一条でこのような目的をうたっておることは堀委員の御指摘のとおりでございます。したがって、その目的にはずれるようなものについて保険料を徴収できないこと、これまた当然であろう。したがって、特別会計の支出の対象としても、その目的にかなうものが計上できないこともまた仰せられるとおりでございます。ただ労働者災害補償保険法を一定の特別会計をもって国が運営してまいるようにいたしましたゆえんのものは、これは通常の国の事務とは違いまして、労働者災害補償保険というものを一般会計から分離をいたしまして、そこでいわば独立採算に近い形で、また企業に近いような形態をもって運営をするということによって、その一定の収入をもってその支出をはかっていくということを目途としたものでございまして、その意味で本来ならば、労働者災害補償保険でございまするならば保険料収入をもってまかなえる範囲において事業を行なってまいる、また逆に申せばその必要な事業を執行するために要する費用は保険料収入をもってまかなうというのが本来のたてまえであろうと思うのです。
 そこで、本来の労働者災害補償保険に必要な事業を行なうのに必要な費用の範囲はどういうものかということが当然問題になるわけでありますが、この事業を行なうためには、有機的な経営を行なうためにどうしても人的及び物的な施設が必要になるわけでございますが、人的な施設については、先ほど御指摘のように、経常的な支出ということで処理できますが、物的な施設については、物によっては経常的ということばの範囲内に入らないようなものがあるかもしれない。ただその事務所等について毎年借賃をもって処理するようなことをいたしますれば、これは経常的支出ということに相なるかもしれませんが、かえって一定の庁舎を借り入れるというようなことが不利だということになれば、恒久的な庁舎を建設して、そこで事業のため必要な事務の処理をはかるというようなこと、これもあり得ることだろうと思います。その場合に、庁舎は国の所有に属することはもちろん問題ございませんけれども、これは国の所有と申しましても、いわばその特別会計の主体である国の所有に属するわけでございます。現在は労働基準監督署であるとか職業安定事務所等に、いわば間借りをしたようなかっこうで事務が処理されているのではないかと思います。そのような関係で、庁舎全体がそれぞれの保険の事業に用いられているという場面はないかもしれませんが、かりにそういうようなものがありといたしますれば、これを労働者災害補償保険でありますれば労働者災害補償保険の保険料をもってまかなうということも、法律的には可能ではないかということに相なると思います。その意味で現在の特別会計の支出のところにも庁舎の新営あるいは整備という費目が計上されておるのだと思います。
 また、他面そのようにすべて独立採算を貫いて、保険料の収入をもってそのすべての支出をまかなうということができない場合もあるかと思います。そのようなことに備えて、予算の範囲内において国庫がその事業に要する費用の一部を補助するという規定も用意されておるわけでございます。これはあくまで政策的な意味におきまして、特別会計ではこの全体を処理することができないだろう。そこで一般会計から補てんをいたしまして、この事業の整々たる運営をはかっていこうというのがこの法の補助の規定の趣旨であろうと思います。これを逆に申しますならば、本来庶幾するところは、独立採算的な運営というものを頭に置きまして、保険料収入をもってこの保険事業全体をカバーしようということに基本的には相なっておるのだろうと思います。
○堀委員 法律解釈はその辺でけっこうです。
 大蔵省に伺いますけれども、二十二年、二十三年、二十四年、二十五年には、労災保険特別会計には公務員宿舎施設費も庁舎等新設費も計上されていない。失業保険特別会計も同じです。庁舎費が新設されたのは三十四年からです。それではなぜこれまでこれらの庁舎費が特別会計で負担されていなかったのか、その点をちょっと伺いたいと思います。
○長岡政府委員 三十四年の予算編成の過程において、いかなる経緯を経て予算がこういう計上のしかたになったかということにつきましては、私、ただいま承知いたしておりませんけれども、ただいま法制局の次長からもお話がございましたように、労災保険あるいは失業保険を実施するために必要な経費の中に、庁舎その他の施設も入り得るというような考え方があり得るわけでございまして、そういうような意味で、経費の負担を特別会計において負担させることも可能であるというような議論を経た上で、このような予算計上が行なわれるに至ったのではないかと考えられます。
○堀委員 政務次官、私がいまここで申しておりますこと、実はこれは金額の問題ではないのです。要するに、保険料というものは、その保険の対象になっておる業務のために保険者は金をかけておるわけですね。よろしゅうございますか。国の施設というのは、これはいかような――特別会計だけが使う国の施設なら話は別なんです。労働基準法に基づくところの労災保険というのは、労働基準法の中の業務の一部なんです。同様に失業保険というのは職業安定法の中に占めるごく一部なんです。そこで、あとの部分はそういう保険料対象になっていない。いいですか。だからそういう本来国なり地方自治体の業務でやるものの中に法律的には組み込まれておるものを、保険料収入によって国の資産までも持たせるということは、筋としておかしい。経済問題じゃないのです。筋としておかしい。厚生保険特別会計を調べてみると、ここでは持っていないのです、私がさっき申し上げたように。本来の健康保険施設あるいは保健、福祉施設等のためにだけ用いられていて、施設費にいっておるものは雑費なりあるいは事務の補助なりの費用から、一般会計から来たものでまかなわれておる。労働者災害保険に国庫負担が三十五年の法律改正で行なわれておるのですが、これはちょっと違うのですね。事務の負担をさせるために国庫負担したわけじゃないのです。そのことは失業保険における国庫負担も同様でありまして、これは保険に見合う、あるいは超過負担的なもの、こういうものに対して国が政策的配慮をしようというのが、実はいずれも国庫負担の性格でありますから、事務に充てるための一般会計からの出費ではないわけです。
 ですから、こう考えてきますと、私はやはり保険料というものは、少なくともその業務の経常的運営の範囲に限られるべきであって、そういう国の資産を、不動産を含めて購入するために、たとえ一部であろうともそこまで負担させるのは、私は本来の健康保険法、労働者災害補償保険法あるいは失業保険法等が当初に期待しておる行為ではない、こういうふうに考えておるわけですが、政務次官、この点についていかがでございましょうか。
○田中(六)政府委員 堀委員のおっしゃるとおりに、保険料というものはやはり原則的には保険業務あるいは保険の経常的運営のために使用さるべきものであって、その他の支出は、国のそういう施設というようなもの、あるいは地方公共団体の施設というようなものに運用されるべきものではないというふうに考えられます。
○堀委員 私、いまたいへん明快な政務次官の御答弁をいただいたので、今後の特別会計の運営から見まして、少し大蔵事務当局に検討してもらいたいと思うのです。金額の問題を見れば、いずれも九億とか七億とか、そんなもの大きなものではありません。ですから私は、被保険者が保険料を払うためには、おそらくこんなこまかいこと被保険者は知らないと思いますよ。失業保険料を払っておる人たちが、自分たちの保険料であの職業安定所ができているのだとは理解をしていないと思う。しかし、少なくとも幾らかの配分による部分であろうともそこに入っておるということは、政策的に見ましても問題がある。だから、この点についてはいま政務次官がお答えになったように、やはり事業の範囲というものはもう少し明確にして、これらについては来年度予算から――大蔵省は、私は非常に気に入っているというとおかしいけれども、気に入っているところは、筋が立てば問題を処理するという点はきわめて明確でありますので、ぜひその点は、いま政務次官のたいへん明快な御答弁をいただいたので、善処をしていただきたいということを要望いたしておきます。
 その次に、今度はちょっと伺っておきたいのは、いまの国庫負担ですね。「国の予算」によりますと、「国庫負担については、三十五年の法改正によって長期補償が実施されるに至り、保険給付の内容が労働基準法による災害補償の限度を越えて拡充されたことに伴って、この事業主の補償責任を越える部分について、国がその一部を負担することとなっていたが、四十年の法改正によって「国庫は、予算の範囲内において、労働者災害補償保険事業に要する費用の一部を補助することができる。」こととなった。保険給付の大幅な年金化等に伴い、」「事業主全体の負担を考慮し、いわば政策的配慮として、国庫補助を行なうこととしている。」こういうふうに「国の予算」に書いてあるのです。大蔵省、これは間違いないでしょうね、あなたのほうで出している本から私ここに写したのだから。どうでしょう。
○長岡政府委員 私、読んでおりませんけれども、まず間違いはないと思います。
○堀委員 書いてあることはこのとおりなんですよ。要するに、内容として、この国庫負担というものはこういうものだということをこの「国の予算」で書いてあるから。私が読んだのは引き写したのだから、読み違いがない限り間違いないのですね。だから、この国庫負担の内容というのはこういうことですねということをひとつ確認しておきたいのです。
○長岡政府委員 ただいま堀先生のお読みになりました文章そのままを私、いま正確には記憶しておりませんけれども、本来労災保険という制度が、事業主の損害賠償能力を担保するための保険であるというたてまえでございまして、一部その事業主の責任を越える部分についての国庫負担というふうに書いてあったと私いま聞いたのでありますが、それは、いま具体的には、脊髄損傷患者とかあるいはけい肺でございますとか、そういうような特殊な傷病患者に対しての労災保険の給付の費用の一部を国が負担しておるというふうに私聞いております。これがその後労災保険の全体の仕組みの中に取り入れられまして、その後はそういう特定なものに対する国庫負担ということではなくて、予算補助に変わったというふうに理解いたしております。
○堀委員 労働省に伺いますけれども、いまお話しのように、ここで私も読んでみまして、「長期補償が実施されるに至り、保険給付の内容が労働基準法による災害補償の限度を越えて拡充されたことに伴って、この事業主の補償責任を越える部分」これは、現在越える部分と皆さんが理解をしておる金額というのは一体どのくらいですか。ラウンドナンバーでけっこうです。正確なことは要りません。
○渡邊(健)政府委員 労働基準法では現在でも、災害補償につきましては、けい肺、脊損等を含めまして、業務上の負傷、疾病にかかりますと、それに対しまして療養に必要な療養補償、それからそのために労働できない期間に対します休業補償、こういうものが払われることになっております。それで、三年それによって療養をいたしまして、しかもなお、なおらないときには、三年後には基準法上は打ち切り補償というものを支払って、以後一切の補償を免れる、使用者の責任を免れることができる制度になっておるわけでございます。以前は、けい肺、脊損患者につきましてもこの基準法そのものに基づくと同等の補償が労災保険から行なわれておったわけでございますが、御承知のように、けい肺とか脊損とかいう負傷、疾病は、三年たちましてもなおらない人が非常に多うございまして、その後もなお療養を継続しなければならぬ、就労もできない、こういう状況で、事実、打ち切り補償だけで放置することがそれらの方々のために非常に気の毒でございますために、三十年当時からけい肺特別保護法あるいは臨時措置法というものが時限立法でなされまして、そして基準法に基づく災害補償が行なわれましたあとにつきましてもなお療養を継続させる、あるいはそれに対して休業補償をするといったような措置が行なわれておったわけでございます。したがいまして、これは基準法の補償を越える補償ということになっておるわけでございます。
 しかし、時限立法では結局そういう長期にわたる負傷、疾病に対しましては措置が完全にできませんので、三十五年の労災法の改正の際に、けい肺特別保護法、臨時措置法全部のみ込みまして、労災保険の中でそれらの人に対しましては、それらの疾病がなおるまで長期傷病者補償ということで療養を見てあげる、その間の休業補償は年金として見よう、こういうことになりましたわけでございます。したがいまして、長期傷病者補償で給付されます補償というものは、基準法の災害補償よりも、内容としてはるかに越えておるわけでございますが、そこで、それの分は基準法の使用者責任の災害補償を越えるから、それについては国が見よう、こういうことであったわけでございます。
 当時のけい肺、脊損の方の余命年数などで、当時は私の記憶ではたしか六、七年ぐらいで計算されておったと思いますが、その後医学の進歩とともに、けい肺、脊損の方々の生存される年限が延びてまいりまして、したがいまして、年金あるいは長期傷病者補償による療養というものを受けられる年限がはるかに長くなっております。現在余命がどのくらいになって、したがってそれの基準法を越える補償の部分が金額としてどのくらいになっておりますかということは、ちょっといま計算したものを持っておりませんのですが、そういうことでございます。
○堀委員 こういう沿革が沿革ですね。私はいま確認をしたのは、こういう沿革があった。いまは確かに法律は、四十年の法改正で、その一部を補助することができるということになって、変わっていますけれども、私はやっぱりこういうものは沿革があって立法がされておることだから、これに多少見合ってないと、国庫負担というのは問題があると思っているのです。
 私はなぜこれまたひっかかっているかというと、国庫負担のふえ方が年に五千万円ずつふえるわけだ。過去三年だけ見たわけだけれども、四十五年、六年、七年と五千万円ずつふやしてある。この五千万円ずつふやしたという根拠は、大蔵省、これは一体何ですか。
○長岡政府委員 ただいまの国庫補助につきましては、いま堀先生もおっしゃいましたような経緯を経て、現在予算補助、しかも定額補助的な性格に変わってきておると思います。したがいまして、五千万円増額の積算の根拠は、率直に申し上げまして、ないと思います。
 ただ、労災保険につきましては、先ほど申し上げましたように、この保険の性格が、そもそも事業主の損害賠償能力を担保するための保険である。諸外国の例を見ましても、この保険の運用に対して、国庫がいわゆる一般の財源で負担をするという仕組みをとっていない国のほうが多いように聞いております。そういう点からいきましても、これは十八億を厳密に計算をして、必要に応じて増額していくという性格の国庫補助金ではないのではないか、かように考えております。
○堀委員 きょうは私はここではみな筋の話をするのです。金額の話じゃないのです。要するに沿革がそうなって、もし途中で調べていただいてわかればいいのですけれども、いま基準局長のお話のように、脊損にしろ、けい肺にしろ、やはり医学、医術の進歩に伴って、だんだん長く、皆さんたいへんお気の毒であるけれども、生活できるようになってきたわけですね。これは小田原の向こうに脊損の施設がありますが、私も見てきたことがあるのですけれども、たいへんお気の毒だけれども、だんだん寿命が延びてきておる。寿命が延びるということは、ダブって、だんだんこの費用はふえるということですね。当然その年度の費用はふえる。だから、そういう沿革を通じてなされた国庫補助金であるならば、私は何も全額見ろといっていま議論しているのじゃないのですけれども、その費用のふえ方に応じて何らかやはり――あなたがいまおっしゃったように根拠のない予算のつけ方をするなどということは、私は大蔵省らしくないと思うのだ。予算をつけるということは、国民の費用をつけるわけですから、一般会計における国民の税金をそこへつける以上、根拠はありません、ただ何となく五千万円毎年積んでいるんですなんということでは、国民は納得できないと思うのですよ。五千万円は多いのかもしれないでしょう、少ないのかもしれないでしょう。そうするならば、やはりいまの費用について適当な額――大蔵省わかりますか、いまの範囲をこえる額、わかったら大蔵省答えてください。
○長岡政府委員 大蔵省もただいま資料を持っておりません。
○堀委員 いま資料を持っていないのか、資料がないのか、どっちですか。
○渡邊(健)政府委員 最近のそれらの方々の余命等につきましては、調査をいたしておりませんので、最近のその額についての資料はないわけであります。
○堀委員 私、余命じゃなくて、その年度に支払われておる費用の額を聞いておるのです。一年度にその方たちのための休業補償費、療養費というものが労災保険特別会計から払われているわけでしょう。その額を私は聞いているのです。だから、私がいま聞いていることは、その額もさだかでないのに五十万円ずつつけているとするならば、たいへんずさんな予算の筋だと思っているわけです。私がさっき沿革のところをぴしゃっと聞いているのは、そこにあるのです。これはこういう沿革から来たものですから本来それに基づいて出すということにしなければならぬと私は思っているのです。だから、全額は持つかどうかは別としても、その額はどういう形でふえておりますというのなら、それに見合って一回ベースをここに置いたら、そのふえ方はその伸び方に応じて伸ばしておりますというならば、私は納得します。ただ何となく、昭和四十五年にこれは十七億だったわけです、昭和四十六年十七億五千万、昭和四十七年十八億と、五千万円ずつぽんぽんと乗せればそれで済むという安易な一般会計からの繰り入れば私は納得できない、こう言っておるのです。
○長岡政府委員 先ほどの私のお答えが不十分でございまして申しわけございませんでしたが、なるほど過去数年間五千万という非常に切りのいい数字でふえておりますけれども、積算の基礎といたしましては、ただいま労働省のほうからもお話しがございましたように、けい肺、脊損患者にかかわる療養給付費だけの資料はございませんけれども、この労災保険から支払われます長期給付の伸びに応じた予算の増額をはかってきておるということでございます。
○堀委員 長期給付がこんなにきちんとラウンドになっているはずはないのですね。長期給付の伸びを言ってください。
○渡邊(健)政府委員 長期傷病者補償の給付に要する年度別の費用だけでございましたならば、調べれば出るわけでございます。ただいま至急計算をさせます。
○堀委員 では次へいきますから、いいです。
 その次に、この労働保険特別会計法案の第四条の「労災勘定においては、第七条第一項の規定による徴収勘定からの受入金、労働者災害補償保険法第二十六条の規定に基づく一般会計からの受入金、積立金からの受入金、積立金から生ずる収入、借入金及び附属雑収入をもってその歳入とし、」こうありますね。ところがこの労災保険特別会計は、会計の姿を見てみるとこれは積立金という形になっていないようですね。積立金からの受入金ともなっていない。失業保険特別会計と労災保険特別会計は、要するに剰余金の取り扱いの処置が違っておるわけです。労災保険特別会計のほうは、その年の収入の増加分の残余の部分をたいへん大幅な予備費として実は計上してあるわけです。昭和四十七年についていえば千五百八十五億三千九百六十八万八千円というのが労災勘定における予備費として計上されておる。予備費は前年のほうからいえば、前年の予備費であったものがその次の要するに歳入のほうには支払準備金受入金として立てられているというのが労災保険特別会計の姿です。そうして今度は、それでは失業保険のほうはどういうふうになっているかというと、失業保険のほうは要するに別建てとしてこれが処理をされて、そうして同時に、その運用収入のほうについても運用収入として失業勘定のほうはあげられておるけれども、労災保険のほうは雑費の中に計上されておる、こういう形になっておるわけですね。
 これは、失業保険、労災保険とも長い歴史的なあれから二本建てで来ておると思うのだが、どうも片方の失業保険のほうは積立金及び積立金からの収入という形の経理がされておるようだけれども、なぜこの労災保険勘定のほうは予備費として、次に支払い準備で受け入れるという形にして、同じような性格のものであるのに別途の会計処理をしておるのか、お答えをいただきたい。
○長岡政府委員 労災保険の支払い備金という考え方は、すでに発生した災害による労災保険の受給者、保険金の受給者に対して、かりに決算年度でこの保険がもう事業を継続しないということになった場合に、なおかつ残る翌年度以降に支払われるべき補償額を支払い備金として経理をいたしておるわけでございます。失業保険のほうにつきましては、全体としてその失業者の発生状況というのはなかなか捕捉しがたい面もございますので、一般的にある程度の規模に達するまで積立金を保有しておくというような考え方からこのような経理が行なわれておりまして、この積立金が一定額をこえる場合には保険料のほうを引き下げて修正をするというような仕組みになっているわけでございます。
○堀委員 第四条の労災勘定の積立金というのは今後どうなりますか。この積立金というものはないわけですね。ここのいまの経理の形からいえば、予備費で繰り越しておいて次は支払い準備で受け入れる以上、積立金という勘定のようなものは出てこないことになるのではないかと思うのですが、どうですか。
○長岡政府委員 労災保険につきましても、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余金を生じたときには積立金として積み立てるということでございまして、制度上はその積立金があり得るわけでございますけれども、現在はないということでございます。
○堀委員 それでは、どういうことになったら積立金を積まれるのですか。
○長岡政府委員 現在のところ、支払い備金がまだ所要額にまで達していないという状態でございますので、所要支払い備金をこえてなお決算上剰余が出た場合に、この勘定の穂立金になるわけでございます。
○堀委員 そうすると、いま四十七年度でもしいまの労災勘定を考えてみた場合に、予備費として計上されておるのは千五百八十五億ですが、一体幾らをこえたら、それは積立金に回るということになりますか。
○長岡政府委員 四十七年度の数字で申し上げますと、支払い備金に充当し得る資金量が千五百十三億でございます。それから、いわゆる所要支払い備金と申しますか、計算いたしましたものが千八百六億でございます。この差額が一応まだ不足しておるという数字になるわけでございます。
○堀委員 そうすると、そこから先はふえてくれば積立金に積み立てる、こういうことになるわけですね。――わかりました。言うなれば、健康勘定と同じで、労災保険はそういう意味ではいまだ赤字経理ですね、たてまえ上。――さっき政務次官から、たいへん明快に御答弁をいただいたけれども、健康勘定においてすら、赤字勘定のものについては施設費は持っていないという現状から見るならば、やはりこれらの施設費は剰余金ができて積立金ができたというところならまだそれは――私の論理じゃありませんが、これまでの皆さん方の発想としては多少理由があろうと思うけれども、この点はそういうことで労災勘定はまだ積立金すら持てないという状態であるならば、特にこの点は注意が必要な点ではないか、こういう感じがいたします。
 さっきの伸び率はわかりましたか、まだでしょうか。
○渡邊(健)政府委員 いま計算いたしております。
○堀委員 けっこうです。いまの五千万円がさましたら、それで一応いままでの会計上の議論を終わることにいたします。
 たいへん関係者の皆さんにお待ちをいただいておりましたけれども、週休二日制問題というのをちょっと論議をいたしておきたいと思います。週休二日制の問題を私、取り上げるのは、これまでの週休二日制に対する考え方は労働者に休日を与えるということが、いろいろな雇用の状態あるいは労働者の健康の状態、その他要するに事業の運営その他の限られた範囲内におけるところの効果というものが、特に主たるものとして論議をされてきておるように思うのでありますけれども、今日週休二日制問題というのは、もう少し広い範囲の角度からこれを取り上げる必要のある段階にきているのではないか、私は実はこういう感じがしておるわけであります。
 いま国民の福祉増進の中で、国民が願っております一番大きな問題は、環境保全の問題、これが国民の非常に重大な関心を集めておる問題だ、こう考えるわけであります。環境保全については、いま私ども都会に生活しておりますものは、まず第一に大気汚染、第二には騒音その他による公害、その他もちろん水質なりいろいろな問題がありますけれども、当面感じるものがそういうところにあると思うのであります。私は、最近日曜日に都内を車で走ってみて、日曜日における都内というのは全く車の交通量が減って、閑散そのものであります。
 警察庁からお越しをいただいておると思うのですが、いま日曜日あるいは日曜日と祭日が重なっておるようなときの都内の交通量というのは、こまかい数字はけっこうなんでありますけれども、平日に比べてどの程度全体として減っておるのか、お答えをいただきたいと思います。
○池田説明員 都内の、特に二十三区に限って申し上げますと、正確な数字ではございませんが、平日のおおむね三分の二程度というふうに聞いております。
○堀委員 環境庁からも自動車公害課長がおいでになっておるのですが、公害の問題、もちろん自動車も確かにあるのですけれども、休日になれば事業所は休みますから、冬ならば暖房その他はとめているのではないかと思います。自動車の排気を含めた大気汚染は、正月三日間は大体どこでもそうで、私は兵庫県の尼崎に居住しておりますから、ここも大気汚染のわりあいに強いところでありますが、正月三日間はおそらく全国の都市としても大気汚染が非常に少ない状況だろうと思います。あるいは場合によって年末の一日が入って四日間という長期な休日があるからであります。二日続きの休日で事業所が二日休んでおるというときの大気汚染は平常と比べてどんなものでしょうか。そういう調査をされたデータがあるでしょうか。
○小林説明員 ただいまの先生の二日続きの休みがほかの日と比べてどうかという御質問でございますけれども、それについては詳しいデータは持っておりません。ただ私ども、日常東京都内におきまして国設の大気の測定をやっております。都内の測定点といたしましては霞ケ関、板橋、大原、この三点をやっておりますけれども、昭和四十六年の測定の結果を見ますと、この三点のうち霞ケ関の測定点におきましては、いろいろな汚染物質、たとえば一酸化炭素とか窒素酸化物とかございますけれども、各汚染物質が、日曜日には平日に比べまして相当に減少しております。こうしたことから考えまして、週休二日制が実施された場合に、都内におきましては相当の大気汚染の改善になるというふうに考えております。
○堀委員 いまのように、国民がいま非常に期待をいたしております環境保全の問題については、週休二日制というものが非常に大きな役割りを果たすのではないか、こういう感じが私はいたします。
 文部省にお伺いいたしますが、最近昔と非常に違った現象として私ども感じておりますのは、大学の入学式や入学試験におかあさんがついていく人がふえた。われわれかつて高等学校、大学を受験しましたが、旧制高等学校の試験を受けるのでも、親がついてきておるということは見たことがなかったのでありますが、今日ではそうなっておる。その最大の理由は、現在の父親たちが、業務が非常に忙しいために子供との接触が非常に少ない。結局母親と子供という形が強く結びついておるということも一つの今日の状態ではないか。私たちの子供のころは、父親とわれわれとの接触というものは、おそらく今日の状況よりは著しく違ったのではないかという感じがしておるわけです。ですから、もし学校が全部週休二日制になるとすれば、それは単に学校教育という問題だけではなくて、今日の社会構造の中にある少年、青年たちのそういうものの考え方といいますか、いろいろな問題にかなり影響を与えることになるのではないか。さらに、そのことは社会教育を含め、いろいろな意味で学校教育としては得られない今後日本の将来にとって非常に重要なものを、計量はできませんけれども、もたらす可能性があるのではないか、こう考えるわけでありますが、文部省はどういうふうな考えでありますか。
○別府説明員 先生の御指摘になります点はそのとおりの問題があると思います。ただ、文部省としては考えなければなりませんのは、かりに学校が五日制になるということになりますと、それで学校教育の水準を下げないで十分維持できるかという問題は別にいたしまして、子供に余暇がふえる。その余暇をどういうふうに活用することができるか、またそれに応ずるための施設あるいは社会教育関係における指導者関係、それらをどう整備していくかという問題は十分検討しなければならない問題である。また家庭におきますそういった親子の接触といった問題をどう進めていくべきであるかといったような問題について、おとうさんやおかあさんに対してまたいろいろ教育をしていかなければならない問題も出てくるのではないか、こんなふうに考えております。
○堀委員 大体周辺を少し論議をしてまいったわけでありますけれども、週休二日制という問題は、いま私が問題提起をしておりますように、包括的にこの問題をとらえるということが非常に重要ではないか、私はこう考えておるわけであります。実はこの前、山中総務長官は、私も新聞で見ただけですからその話を聞いていたわけではありませんが、予算委員会で、先憂後楽だから公務員は一番あとでいいんだ、こういう話があるわけです。私は、この問題を先憂後楽という角度からとらえているのは非常におかしいと思うのです。沖繩開発公庫法案がかかるから長官が入るから、そのときに一ぺん長官と論争しようと思うのですが、先憂後楽、先に休む者は得するんだという考え方は、私の理解からすると非常に違っておるわけですね。今日求められておるのは、どうやって日本全体の事業所をできるだけスムーズに週休二日制に動かしていくかということに実は問題があるのであって、それの方法手段の考え方はいろいろだ、私はこう考えておるわけですが、私は私なりに、これはまだ党で論議しているわけではありませんが、私の個人的な考えでありますけれども、いま一つの案を持っております。
 これは、労働省にお伺いをしたいのですけれども、経済審議会でありますか、それから出た答申の資料でも拝見をしておるのですが、大体日本全国の通勤者の平均通勤時間は一体幾らになっておりますか。
○渡邊(健)政府委員 平均いたしますと全国で往復約五十分になっております。
○堀委員 経済審議会の資料によりますと、全国平均は昭和四十五年で六十六分となっていますね。これはNHK放送世論調査所の生活時間調査というのがどうも唯一の資料のようでありますが、これの全国平均で六十六分、関東は八十分、東京周辺八十九分、近畿七十三分、大阪周辺七十四分、こうなっていますね。これを考えますと、往復しますと、関東の場合の八十分、往復百六十分ですね。約三時間弱という時間が実は通勤に使われる。たとえば土曜日半日のところは、出勤をしてきて九時から十二時まで勤務するとすると三時間、言うなれば、この日は、通勤に要した時間とそれから執務に要した時間は同じ時間だということは、私はやはり労働効率の面から見ても非常に問題があることだ、こう考えております。
 そこで、私が提案をしたいのは、民間は強制することはできないわけでありますから、法律による必要のあるもの、あるいは国に関係のあるもの等で、今日土曜日が半日の業務しか行なっていないものというワクを考えて、そのワクについてはひとつ昭和四十八年四月一日から隔週週休二日制というものを実施をしてみたらどうであろうか。そうなると、これは文部省も入るわけです。地方公務員でありますから、学校の先生もいま半日ですから、これは入る。国家公務員、地方公務員、三公社五現業、それから法律を必要とするところの金融機関その他、私はそういうような広範なものを含めて仮称週休二日制に関する法律というものをつくって、昭和四十八年四月一日からこれらの半日勤務の人たちは全部一斉にひとつ隔週正式に土曜日を休日とするという取り扱いをしてみたらどうだろうか。そして一年間の準備期間を置いて昭和四十九年四月一日から全週週休二日制を行なうということにしたらどうかというのが実はいまの私の考えであります。私は本日はこの問題についての皆さんの答弁は伺いません。いきなり問題提起をして答弁を伺うのは困難でありますが、しかし、私は今日週休二日制問題というのはもうそのままにしておいてはならない重要な日本の課題だ、こう考えておるわけです。
 銀行局にちょっとお伺いをいたしますが、いま先進諸国の中で、銀行で週休二日制をやっていないところはどこでしょうか。
○松川説明員 先進諸国の定義もあろうかと思いますけれども、通常先進国といわれておるものの中で週休二日制をとっておらないのは日本だけでございます。
○堀委員 大体GNPが世界で二番目だとか三番目だとかいいながら、ともかく週休二日制をとっていない金融機関というのは先進国では日本だけ。私どもが承知している範囲では、いまや銀行の週休二日制は五十九カ国に及んでおるというふうに聞いておりますから、私どもは考えなければならない非常に重要な問題がここにあるというふうに感じておるわけであります。ですから、私は特にこの点は銀行は銀行法あるいは手形法、小切手法等の改正を必要とするのですが、証券業は実はこういうものの制約を受けない、こうなっておると思うのですね。証券の場合は、やはりいま土曜日立ち会いがわずか午前中だけで、ごく簡単なことになっておることだから、他の金融機関が休業になるとすれば取引所が土曜日を休んでも業務上それほど支障がないのではないだろうか、こういうふうに思います。これはまあ法律ではないわけですが、金融機関が全体として処置をとるときには大体これは右へならえができるのではないかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○田中説明員 ただいま先生おっしゃいましたように、証券業といたしましては、証券先行で週二日へは進まないけれども、他の金融機関がそうなればそっちに進むということは十分考えられると思います。
 それから御指摘のように、証券業のほうは法律の改正は必要ございませんが、たとえば取引所が週休二日にする場合には業務規程の改定を必要といたします。会員制度のことでもございますし、やはり三分の二の理事会の決議が必要だ、かようになっておりまして、現在取引所では、そういう観点からこの問題は慎重に前向きに検討していきたい、こういうふうに思っている次第でございます。
○堀委員 銀行局にちょっと申し上げておきたいのですけれども、いま保険――生命保険、火災保険等は、これも法律は必要がないのだろうと思うのですが、その点はどうなんでしょうか。
○松川説明員 法律上の営業日の規定はございません。
○堀委員 私は、もし金融機関というものを広義に解釈をしますと、いまの証券から保険業務までは少なくとも広義の金融機関と解していいと思うので、きょうは答弁を求めておらないわけですが、金融機関がやるとするときにはいまの広義の金融機関が同一歩調でやられることが望ましい、こう考えておるわけです。まあいまの銀行の問題は、当然郵便局があいていて銀行は休めないと思いますから、そういう意味で私は前段申し上げましたような三公社五現業――郵便業務は別でありますけれども、三公社五現業の今日休日に休んでおる業務は当然これに右へならえすることが望ましい。言うならば、このような週休二日制移行問題というのは、できるだけ最初にやれる広範囲のものが一挙にやるということが、そのあとのものをそれに続かせることになるのであって、可能な範囲、当初には幅の広い範囲で問題の処理をすることが相当ではないか。ですから、この議題は、本来は大蔵委員会というよりも予算委員会等の全体を包括できる場所で議論をするのが適当なんでありますけれども、今日、これが銀行と関係があるものですし、労働保険に関係があるので、ここで取り上げさせていただいたわけです。
 そこで、特に私はここでお願いをしておきたいことは、この問題は、もうするとかしないとかの議論ではないので、特に文部省にお願いをしておきたいのですけれども、週休二日制というものは、もう時代の推移とともに、それが私の言うように四十八年、四十九年で処理できるか、あるいはそれが五十年にずれ込むかは別としても、これは歴史的な経過として私は当然起こることだと思うのです。そこで、どうかひとつ文部省も、文部省は別だということではなしに、やはり国家公務員、地方公務員がそういう形になるという前提のもとに、さっきあなたのお話しになっておった準備を進める必要があると思うのですが、それらの準備は文部省は何かしておられますか。
○別府説明員 文部省といたしましては、初等中等教育局の内部におきましてこの問題については寄り寄り検討はいたしておりますが、まだ全省的にそういった教育内容をどうすべきかといったような問題について検討する段階に至っておりません。この問題につきましては、週休二日制がどういう形で具体化の方向を歩むのであるか、そういうことによりまして、学校でこれをどう受けとめていくかということがたいへん違った形になってくるのではなかろうか。先ほどもちょっと触れましたように、教育内容面、教育水準面というのがたいへん大事でございますので、そういった問題につきましても十分検討いたしたいと思っております。
○堀委員 きょうは初中局の課長さん来ていただいておるのですけれども、どうかやはり帰られて、これはひとつ全省的な検討が必要だと思います。これは初中局だけでなく、大学局もあるでしょうし、社会教育局、いろいろなものがあるでしょうから、そこらをひとつ含めて検討を進めておいていただきたいと思います。いまのような考えでやっていくことが、いまの世界の経済的な諸問題の中で日本がいろいろ非難されておることについても必要であるし、要するに国際的にも必要であるし、国内的にも必要であると思います。
 もう時間がありませんから、ちょっと私のほうから、これはたいへん興味のある資料でありますから読み上げておきます。「週休二日制に関する勤労者意識調査」というのを見ておりますと、「健康に関するものとして」というので、私も医者でありますから関心があるのでありますが、一番、「一週間の仕事(通勤を含む)による疲労の回復が十分できるようになる。」これは週休二日制を行なっておる事業所の勤労者の意識調査でありますが、「疲労の回復が十分できるようになる。」私はこれはたいへん重要なことだと思うのです。疲労の回復があってこそ仕事が効率的に行なわれるという意味ではたいへん重要だと思います。
 二番、「月曜日の疲れ方が少なくなる。」これは、日曜日一日の休みのために少し無理をしてレクリエーションなんかに行くために、いわゆる月曜病といいますか、そういうものがあるということが、二日あれば無理をしないという点ではたいへん有効だと思います。
 三番目に、「精神神経系、消化器系疾患が減少する。」こう書いてあります。これを御調査になった方はお医者さんでないようですから、消化器系の疾患の減少を別個にあげておられるけれども、私どもいま大体都会で患者を診療しておりますときに、訪れる人の胃なり腸なりに対する一般的な障害は、器質的な障害ではなくてストレスから来るところの神経性障害がほとんどなんです。胃が痛い、胃の膨満感を訴える、まあ各種のものがありますけれども、そういうのはほとんどが要するに神経性の胃炎であるとか腸炎であるとかいうようなものが非常に多いので、実はこの点はストレスの減少という点で非常に大きな効果をあらわしていると私は理解をするわけであります。
 四番目に、「健康状態が良好になるとともに、仕事の健康面での悪影響を受けにくくなる。」こういうふうに書かれておるわけであります。
 ですから、今後われわれが求められているのは、あらゆる意味でわれわれが効率的に仕事をすることによって、ある意味では生産性を維持しながら、そこから生み出された余暇をトータルな人間生活の中に使うという、本来の人間のあるべき姿に前進するために非常に大きな意義をこの週休二日制というものは持っておる、私はこう思うわけであります。
 いずれまた関係の諸大臣が御出席のときにこれらについての政府の考え方は承ることにします。きょうは事務当局の皆さんが多いわけでありますので、私は特に見解を求めませんけれども、少なくとも、これまで調査されておりますいろいろな資料を拝見いたしましたこの中では、事業所の皆さん、経営者の皆さんも、おおむね満足をしておられて、週休二日制に反対する方はごくネグリジブルな姿だというふうに理解しておりますし、この間、私、アメリカの「週四日制労働と余暇の革命」リバ・プーアという方の本を読んでみました。今日アメリカではすでに週休二日制から週休三日制への移行の問題がこの中で取り上げられておって、私は読む前からトータルにこの問題を考えたいということで読んでみて、この中で、同じように実はこの週休三日制の問題は、単にそれは週休三日という角度ではなくて、経済の今後の動きの中においてもとらえておる。非常に包括的に週四日制の問題についてこの本は報告をしておりますが、これを見ながら、私は、アメリカにたいへんおくれている日本の現状を考えますと、この間日米議員団会議でアメリカの議員の方と話をしたのですけれども、やはり私どもは、日本でも皆さんのような労働条件、皆さんのような給与の状態というものをすみやかに達成することなくしては、日米間における諸問題の解決にはならないという私の意見については、向こうのアメリカの議員の皆さん、大賛成だ、どうかひとつ日本の政治家もこの点を十分考えてほしいという強い要望もありました。同時にその際に、向こうの議員から、環境保全のためにわれわれはこれからいろいろな法律を準備して企業に大きな負担をかけさせることになる。これについては日本も十分やってもらわないと、アメリカはその環境保全の負担によるコストが高くなるために日本品との競争ができないということになればこれは適当でないので、日本の側もひとつ環境保全についてはきびしい処置をすることによって、たとえコストが上がっても国民の利益を守ってほしいという話が出ておりましたけれども、これらの問題を含めて、私は、これらの週休二日制というものをひとつ各省前向きに検討してもらいたいと思うのであります。
 公務員関係の総理府の人事局長入っていただいておるわけですけれども、さっき私が申し上げましたようなことの中で、確かに業務によってはサービスをはずしてはならないものもあると思います。ですから、そういうサービスをはずしてはならない業務については何らかくふうを講ずるとしても、私は、先憂後楽ではなくて、国民すべてが喜ぶやり方の中に公務員も当然参加をするのが望ましい、こう考えておるわけですが、要するに、いい悪いの話は総務長官に伺いますけれども、準備をこれからする必要があると思いますが、何らかすでにこれについて検討されておるかどうかを承っておきたいと思います。
○宮崎(清)政府委員 総理府の立場といたしましては、これは過日予算委員会で総務長官が御答弁申し上げたとおりであります。御指摘のように、事務当局といたしましては、かりに将来の問題があるにせよ、どういう点に問題点があるか、また方法としてはどういうものがあるかということをいろいろ検討する必要があるかと思います。その点につきましては、私のほうだけでございませんで、公務員につきましてはまず人事院との関係がございます。先ごろから労働省からも非公式に研究会をやろうじゃないかという申し入れもございますので、できるだけ早い機会に労働省、人事院、自治省、文部省等各省庁集まりまして、この問題を検討したいと考えております。
○堀委員 どうかひとついまのお話のように、労働省が世話役になっていただいて――私も本来は労働省の仕事ではないような気がするのです。経済企画庁か、総理府か、包括的に何かものを考えるところが世話役になるのが筋だろうと思うのですが、いまの日本の現状からすれば、労働省の皆さんお骨折りいただいておるし、たいへんけっこうだと思いますので、どうかひとつ私がいまここで申し上げておるように、これは時代の流れで必ずそうなることは間違いありません。要するにその手だてをどうするか、時期がどうなるかという問題だけが残されておる課題だと思うので、そういうことでひとつ皆さんの御協力をいただいておきたい、そして準備を進めていただきたいというふうに考えております。
 そこで、一応週休二日制の政治論についてはあとへ残こしておきますが、さっきの計算ができましたらお答えをいただきたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 たいへんおそくなりましてまことに申しわけありませんが、労災保険におきます長期傷病者給付の伸び率でございますが、四十三年度は対前年一六・五%、四十四年度は対前年一八・一%、四十五年度は対前年一七・五%の伸びに相なっております。四十六年はまだ給付額の総計ができておりませんので……。
○堀委員 この伸び率といまの五千万円とはやや無関係のようでありますからこれ以上私申しませんけれども、いまそういう御答弁があったことでもあるし、こういう予算計上については、何となくそこへ金額を計上したというようなことではなくて、もしそういう見合うものがあるとすれば、その見合うものに多少リンクした何らかの措置を今後は会計上とってもらいたい、こう思いますが、政務次官、いかがでしょうか。そういうことのほうがこういう会計処理としては筋が通ると私は思いますが……。
○田中(六)政府委員 いま正確な御答弁はできませんので、十分検討させるということをお約束したいと思います。
○堀委員 十分検討していただきたいのですけれども、私はふやせとか減らせとかという話をいまここでしているわけじゃないのです、きょうは金額の話をしているわけじゃないのですから。要するに問題はこういう会計の処理をするためには、その制度なりその費用を計上するやり方がとられた以上は、やはりそういうことに基づく筋を通した経理の処理をすることが国民としては納得のできることであって、つかみ金を何となくそこへ積んだからそれで済むというような安易な会計処理は適当でない。
 ですから政務次官、五千万円積んできたというのは適当でないという点だけはっきり答えておいていただければあとはけっこうです。
○田中(六)政府委員 安易な計上をすることは極力避けていきたいというふうに思います。
○堀委員 それじゃ終わります。
○齋藤委員長 関連して広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 労働保険特別会計の問題について、山中委員、また堀委員からいろいろ質問のあった問題ですけれども、労災勘定で十八億、一般会計から繰り入れがある。失保の勘定では一般会計から六百億の繰り入れがある。まあ、これはそれぞれの法体系の基礎的な思想が違うことによる、諸外国の例もそういうことになっておるということで、労災保険の場合は労働者も負担をしていない、そして国もその面では負担しないんだというたてまえ、特に特別脊損障害とかあるいはけい肺とか、こういう問題についてだけ国の補助をしよう、こういう思想的違いはあるけれども、この問題については、労災勘定におきましても基本的に、少なくとも労働力を保全するという経済的な側面、国家全体の立場でのそういう面というものをやはり払拭することはできないであろう。そういう立場で、社会保障の一環という立場からするならばせめて六〇%という給付率を上げるというようなことは、大体国際並みになっている、そういう事情はあるにもせよ日本の絶対的な低賃金、そういう中で六〇%というものがいかに低いものであるかということは皆さんも十分わかっておられるだろうと思う。そういうことを考えれば、せめて労災勘定に対する一般会計の繰り入れというようなものも、先ほどのつかみ金的に五千万円程度ずつふやしてきたというようなことじゃなしに、やはり業務取扱費ぐらいは持つというくらいの思想的な裏づけというものもあってしかるべきだろう、こういうことを考えるわけでありますが、そういう面で国庫負担の導入というものを考えて、本来の保険料は保険給付にその大部分が使われる、一〇〇%使われるというくらいにして、この給付の内容を充実させるというようなところに回すためにはやはり国のそういう面での援助というものが当然あってしかるべきだ、こういうように私ども考えるわけですが、その点前向きに検討をする用意があるかどうか、これをひとつ田中政務次官からお伺いをしておきたいと思います。
○田中(六)政府委員 先ほど堀委員にもお答え申し上げましたように、やはり根本原則といたしましては、保険料は保険の経常費などに使うべきであって、国の施設などに使うということはおかしなことだというふうな考えが成り立ちますので、その点十分配慮して検討していきたいというふうに考えます。
○広瀬(秀)委員 これからはその点はぜひしっかり給付内容の改善のために、国の一部負担というものもいままでの考えのように諸外国もそうだというようなことだけで処理をされないように、前向きに検討をして実行に移していただきたいということを要求するわけです。
 「失業保険金の等級別受給者の状況」という資料をいただいて見たのですが、今回はいままでの三百七十円から四百九十円に最低が百二十円引き上げられておるわけですけれども、これが一等級になるわけで、以下三十九等級までずっとある。これの四十七年四月一日以降の改定された等級表はまだ正式にいただいてない。きょう出していただく予定だったのですが、間に合っておりません。しかし、この四十六年七月の数字でこう見ましても、千円以下四百九十円に至る階層だけを拾ってみますと――全受給者は当時、昨年の七月現在で五十万九千八百四十人だ。そのうちで千円から四百九十円というところだけをとってみても、これは今度の新しい表では若干の差はあるかもしれないけれども、大体三五、六%になっているわけですね。失業保険の受給額、四百九十円から千円未満のものが大体三五、六%あるという数字にそれほどの大きい開きはないだろうと思うわけなんですけれども、ここに三五、六%もいる、こういう状況なんですね、千円以下の保険金の日額で。もちろん扶養家族を持つ場合これに若干上積みはされるわけだけれども、一家の働き手が失業をしたという場合に最高三百日までの期間、これが一体どのような生活になっているかということは想像に余りあるものがあると思うんですね。このように絶対的に、もうどうにもわれわれの考えも及ばぬような生活しかできないのではないか、そういう人たちが三五、六%もあるという現状というものを踏まえて、やはり失業保険の場合に、日本の低賃金構造ともにらみ合ってもう一つ積極的に給付内容の改善ということを考えなければならぬだろうと思う。そういう意味では、諸外国が六〇%ILOの百二十一号条約でも六〇%ということは条約で規定されておるのだ、こう言うけれども、日本の低賃金というのは世界的にも有名なものであるし、しかも経済がここまで発展をしてきている段階、こういう段階においては日本がこれを七〇%にし、あるいは八〇%にするというようなことがあっても、これは決しておかしくはないし、そういうことを世界に先がけてやっていく。たとえば六〇%を七〇%にしたというだけでも、これは非常に世界的にも大きな意義のある、日本のほんとうに生産第一主義から福祉主義への発想の転換を政治の面で、経済の面でやっていくのだ、あるいは財政の面でもやっていくのだ、そういうものを具体化する一つの大きな問題点であろうと私は思うわけでありますが、そういう方向に向けて、これはILO条約ですら六〇%ということをいっているのだから、そんなことはやる必要はないというお考えなのか、先ほどからるる私が申し上げているような状況を踏まえて、そういう面についても改善の努力をする、こういう考えなのか、これをひとつ大蔵省から答えていただきたいと思います。
○長岡政府委員 前回の広瀬委員の御質問にもお答え申し上げましたけれども、わが国の社会保障制度全般が発足がおくれておりました関係もありまして、いまそのいろいろの制度の中身は一応欧米先進国並みにその種類は整いましたけれども、内容においてはまだまだ不十分な面もある、そういうものに対して今後やはり高度福祉国家といったような方向を指向いたします場合には相当の財政負担が伴うという状態であろうかと存じます。そういう中において個々の制度の充実をはかってまいります場合には、やはり私どもはまず内容においても欧米先進国並みに近づいていく、そこまでまだ到達していないものに近づいていくことのほうが急務でございまして、失業保険制度につきましては、その賃金水準自体の高い、低いの問題はあろうかと思いますけれども、一応給付の水準も再々申し上げておりますように、欧米先進国並みの六割という給付になっておりますので、これを引き上げるために新たな国庫負担を追加するのであれば、その金額をもっとほかに振り向けなければならないものがあるのではないかと考えております。
○広瀬(秀)委員 関連質問ですから、いずれまた大蔵大臣にきてもらってやらなければ、主計局次長としてはその答弁しかできないだろうと思うのですが、副大臣はそれではどうなんですか。政治家としていまのような答弁でいいと思われますか。そういうことでほんとうに福祉への転換というようなことが何にもあらわれていない。ことしの予算に福祉への転換ということがことばではあるけれども、実態というものは予算の中に何一つない、こう見ていいと思うのです。そういう中で、こういう問題の審議をしておる中で、これに対して政治家として、このことばだけあって実態がないというような、こういういびつな政策運営というものは私はもう卒業しなければならぬ時点にきているだろうと思うのですが、そういうことを踏まえて政務次官から最後に答弁をいただいて関連質問を終わりたいと思います。
○田中(六)政府委員 先ほど主計局次長が申し上げましたように、大体項目としては社会福祉の方向の項目がそろいましたので、あとは内容の整備であります。したがって、私どももこの内容の整備のためには、広瀬委員御指摘のように、ひとつ魂を入れていきたいというふうに考えます。そのためには広瀬委員御指摘のような方向で十分配慮していくという覚悟でございます。
○齋藤委員長 ただいま議題となっております各案中、労働保険特別会計法案に関する質疑はこれにて終了いたしました。
 本会議散会後直ちに再開することといたし、この際、暫時休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時二十八分開議
○齋藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 空港整備特別会計法の一部を改正する法律案及び石炭対策特別会計法の一部を改正する法律案の両案に対する質疑を続行いたします。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 空港整備特別会計法の一部を改正する法律案について、若干質問をしたいと思います。
 ことしの三月十七日閣議決定をしました空港整備五カ年計画が出ておるわけなんですが、これは一昨年から空港整備特別会計法が始まったわけでありますが、この際の第二次五カ年計画が発足当時の計画とどこがどう変わっているのか、概略説明していただきたいと思います。
○住田政府委員 第二次五カ年計画の規模といたしましては、当初五千六百億ということで計画いたしたわけでございますが、閣議決定を受けました第二次五カ年計画も、規模いたしましては五千六百億で変わりはございません。内訳のほうは、国際空港の整備とかあるいは騒音対策費を若干ふやしているとか、あるいは航空保安施設の関係の経費をふやしておるというような点でございます。
○広瀬(秀)委員 そこで、総額においては変わりはない、五千六百億で五カ年計画を完遂させようというわけでありますが、新国際空港の整備二千六百六十億、一般空港の整備千百八十億、航空保安施設等の整備七百億、騒音対策事業の推進四百十億、調整項目百五十億、小計五千百億、さらに地方単独事業等百五十億、予備費三百五十億、合計五千六百億、この空港整備事業量について、そうしてまたその歳出予定額として五千六百億という数字が出ておるわけであります。この財源の問題ですが、これに見合う財源措置というのはどういう見通しになっておるのか、この点をまず第一点お伺いをいたしておきたい。
○吉瀬政府委員 総額五千六百億の事業でございますが、うち予備費三百五十億円でございます。したがいまして、事業計画でいま中身が確定しておりますのが、五千二百五十億でございます。
 財源の内訳を申し上げますと、空港の使用料等自己財源五百七十六億でございます。それから公団の借り入れ金等、これが二千二百五十一億円、さらに一般国費、これも一千四百六十四億円出ております。一般国費の繰り入れ額は、過去の例にならいまして、年率約一五%程度毎年ふやすということで計算しております。そのほかに地方費が三百六十三億円。これでいきますと約五百九十六億の穴があくわけですが、今回航空機燃料税の創設によりまして五百九十六億円の税収を見込むことができましたので、空港整備五カ年計画の経費五千二百五十億の財源措置ができたものと私どもは考えております。
○広瀬(秀)委員 空港整備にも若干の受益者負担というものを導入せよということで、空港の着陸料であるとかあるいは保安施設等使用に伴う利用料、こういうようなものがあるわけでありますが、この内訳はわかりませんか。着陸料収入がどのくらい、航行援助施設利用料、これがどのくらい見込めるのか。この見通しを内訳として数字を示していただきたいと思います。
○住田政府委員 燃料税が五百九十六億円、通行税が九百六十五億円、それから使用料が千二百十三億円、この中に着陸料と航行援助料とが入っております。
○広瀬(秀)委員 そうしますと、先ほど主計局から言われた数字とかなり差が出てくるわけですね。燃料税は同じ見通しでありますが、使用料、利用料、着陸料、こういうようなものについての見通しがはっきりしないわけですけれども、利用料では五カ年で大体六百七十億ぐらい見込めるのではなかろうかということがいわれておるわけですね。それから燃料税では七百七億ぐらいになるだろうという見通しなども語られたことがあるわけですけれども、さらに着陸料がどのくらいになるのか。こういう数字なんかは大体発着度数によってこんなものはわかるわけなんだけれども、利用料を含めて言われておるわけなんだけれども、それを含めないでその内訳を示してほしいというわけなんですが、正確な数字を言っておいてください。
○住田政府委員 先ほど使用料千二百十三億円と申し上げました内訳でございますが、着陸料は四百二十八億円、航行援助施設料が六百四十二億円、雑収入が百四十三億円、計千二百十三億円という数字になるわけでございます。このうち、維持費がございまして、維持費を五年間で六百三十七億円見込んでおります。これを引いた数字が先ほど主計局のほうから御説明がありました五百七十六億円という数字になるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 それじゃ一つ一つ聞きますから、はっきり言ってください。航行援助施設利用料、これは何億ですか。
○住田政府委員 六百四十二億円でございます。
○広瀬(秀)委員 着陸料、これが四百二十六億ですか。
○住田政府委員 四百二十八億。
○広瀬(秀)委員 一般会計からの繰り入れがどれだけでございますか、燃料税を含むわけですが。
○住田政府委員 一般国費として千四百六十四億円が一般会計から繰り入れられる。このほかに燃料税が五百九十六億円であります。
○広瀬(秀)委員 一般会計は幾らですか。
○住田政府委員 千四百六十四億円です。
○広瀬(秀)委員 そのうち燃料税は。
○住田政府委員 そのほかに燃料税が五百九十六億円であります。
○広瀬(秀)委員 その他の収入、雑収入、土地の売り払いだとか賃貸し料だとかいろいろなものがありますが、そういうものが幾らになりますか。
○住田政府委員 百四十三億円でございます。
○広瀬(秀)委員 そのほかに借り入れ金が二千二百五十六億ある、こういうことですね。
○住田政府委員 借り入れ金等が二千二百五十一億円です。
○広瀬(秀)委員 そういう資料は、この法案を審議するにあたって、せっかく貴重な時間をつぶさないでも、なるほど事業の規模だけは、使い道だけは示しておるけれども、なぜその財源の見通しがこうだということをやらないのか。その分だけよけい時間を食うわけで、財源の見通しがどういうことで見積もられておるのかということを、やはり委員会審議にあたっては、その程度の資料ぐらいは、大蔵省も運輸省も出し惜しみをしたわけではなかろうけれども、要求がなくても、これは当然に特別会計法の審議なんですから、これだけ計画で事業をやるということじゃなしに、その財源の裏づけはどうなんだということぐらいは最初から出しておくように。これは大蔵省も、どうも資料を出し惜しみをする大蔵省ということなんだけれども、その程度のことははっきり出しておいてもらいたい。このことを強く要求をしておきたいと思うわけです。
 将来の航空輸送の問題なんですが、総合交通体系の中で一体、これは陸もあり、陸の中でも国鉄あり自動車あり、陸海空全体を通ずる総合交通体系の中で、航空輸送というものはどういうように位置づけられるものなのか、総合交通体系との関連においてどういうことになっておるのか、このことをはっきり示していただきたい。
○住田政府委員 総合交通体系の中における航空の位置づけでございますが、国土の均衡ある発展を促進するためには、全国的に高速の交通体系網を形成する必要がある。その中で、航空は比較的距離の長い輸送区間を担当するということで位置づけされております。
○広瀬(秀)委員 きわめて常識的な答えであるし、また総合交通体系の中でやはりそういうことが常識的に当然考えられることでありますが、日本の場合に、この国土の状況がきわめて細長い国である、こういうようなことから、どうしても北海道から九州に至る扇状に展開する国土ですから、そういう中で、交通網の体系というものがどうあるべきかということについては、大陸とは若干相違があるだろう。四通発達ということではなしに、国土の形に合った考え方が当然出てくるわけだし、そういう中で国鉄の新幹線網だとか、こういうようなものも、かなり長距離――都市間の中距離輸送というようなことを総合交通体系ではいっているけれども、やはり新幹線網のネットワークをつくろうというような計画も同時に進行している。こういうものとの競合の問題――国鉄も都市間の中距離輸送だといいながら、この新幹線網を九州の端から北海道の端まで新幹線をつくろうというような構想ができ上がっている。こういうものとの競合の関係というものは、どういうように運輸省としては――これは交通体系は運輸省全体が陸海空とも最高の監督官庁になっているわけだけれども、そういう問題点について、競合関係についてどのように整理をされていくつもりなのか、より具体的に詳しくひとつ聞きたいと思う。
○住田政府委員 新幹線と航空との競合関係が起きますのは、中距離の都市間の輸送ではないかと思うのですが、東京から北海道であるとか、あるいは東京から九州、あるいは四国というような長距離の輸送区間におきましては、新幹線と航空との競合関係というものは生じないというように思います。したがいまして、競合関係の起きますのは中距離間、大体五百キロ程度の区間の輸送ではないか。私ども航空サイドといたしましては、中距離間の輸送で国鉄あるいは新幹線と競合関係のあるようなところは、できるだけ鉄道のほうに回したい。航空のほうは、御承知のように、現在でも大阪周辺は、大阪空港はすでに過密の状態にございますし、東京も成田ができまして一時緩和されると思いますけれども、東京もいずれまた過密の状態になるというようなことで、やはり航空の分野は長距離輸送が使命であるのでありまして、できるだけ航空の適性に合ったようなところをやりたい。したがって、新幹線と競争して新幹線のお客さんを取るような形での航空輸送というものは、できるだけ避けていきたいというような感じで考えております。
○広瀬(秀)委員 いま空港でも、特に東京国際空港羽田飛行場、さらに大阪の国際空港、こういうようなものが発着ともにたいへんな混雑を――混雑ということばが適当かどうかわかりませんけれども、これはずば抜けて発着の度数が多い。日本全体で飛行場が、いろいろな資料で五十七くらい数えられる場合もあるしあるいは五十ちょっとしか数えられない場合もあるのですけれども、正確には、さっき空港整備法の施行令を見たのですが、あれですと、たしか四十九しか数えられないわけなんです。皆さんのほうからいただいた資料で、空港の名前があがっておるものを一、二、三、四と数えてみると、五十六くらいになったり七になったりするのですが、正確に民間の用、公共の用に供される飛行場の数というのは、一体幾つございますか。
○住田政府委員 現在、第一種空港が二つございます。近く成田ができれば三つということになります。それから第二種空港が福岡が入って――四月から福岡が第二種空港になりましたので、これを入れまして十八でございます。それから三種空港が三十一港。以上が運輸省の所管しておるといいますか、関係しておるところでございます。そのほかに、自衛隊が管理しておるもので運輸省の使っている空港が三つほどあるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 そうしますと、空港整備事業費の状況という、自治省からいただいたものですが、これは実質的には運輸省からそのまま資料が出たのだということなんですが、これによりますと、五十四カ所になりますかな。そういう数字になるわけです。そうすると、この中には自衛隊との共用、米軍との共用というようなものが入っておる。空港整備法施行令の数字――いま去年の六月段階の施行令しか私、手元にないわけですけれども、いま一つくらいずつ修正されてふえるわけですけれども、それを見ましても五十一ということになるわけですね。四十九の三つふえたから五十二。どうも数がはっきりしないのですが、これは施行令に基づくものが空港整備特別会計法で空港整備の対象になるものですね。これの範囲がやはりどうもはっきりしない。いただく資料によって三通りくらい出てくるわけです。これはどういうことになりますか。
○住田政府委員 先ほど自治省の資料で、おそらくは自衛隊との共用飛行場が入っているのではないかと思います。といいますのは、航空燃料税の譲与税の対象となる空港周辺の市町村の中には、単に空港整備法で指定されておる空港だけではなくて、自衛隊と共用されておる飛行場も含まれておるという意味で、自治省のほうでそういう資料を用意されたのではないかと思います。
 それから、空港特会の対象といたしましては、自衛隊との共用飛行場でありましても、民間航空用に使われている施設につきましては、空港特会のほうで支出をいたしておりますので、特別会計の対象といたしましては、一種、二種、三種空港以外に自衛隊との共用飛行場も含まれるということになるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 それではっきりしました。
 そこで、いま五十幾つ、たぶん五十六くらいあるわけなんですが、そういう共用の場合も特会法でカバーする飛行場だということになるわけですが、飛行場の数は、これからの航空の需要の増大、その他産業再配置の問題などともからむと思うのであります。関西新国際空港ができるということは、もう調査にのぼっておるし、予算もついておるわけであります。新東京国際空港もできるししますが、これらを含めて、この五カ年計画の中で飛行場の数はさらにふえていくのか、どうなのか、この辺のところをはっきりさしてもらいたい。数としては大体もう十分なんだという状況なのか、あるいはまだどんどん新しく飛行場をつくらなければならない状況なのか。航空輸送需要の見通しとあわせてどういう考えに今日あるのか、この点をはっきりさせていただきたい。
○住田政府委員 内地と申しますか、離島以外の空港をこの五カ年間に新たに建設するというような計画はございません。今後の見通しとして、あるいは大規模な工場地帯でも開発されて、その周辺に飛行場があったほうがいいというようなことで飛行場をつくる場合も予想されるかと思いますけれども、現段階では、既設の空港に加えて新たに空港をつくっていくということは、離島を除いて考えておりません。離島につきましては、民生安定その他の面から幾つか取り上げられる場合があろうかと思いますけれども、その程度の新設空港だけを予定いたしております。
○広瀬(秀)委員 そうしますと、離島を除いては空港の数をこれ以上ふやす必要はおおむねない、現在ある空港の整備、保安施設あるいは新しい機材の導入等にふさわしい滑走路の整備だとか、その他保安施設の向上であるとか、あるいは公害防止であるとか、こういうことがこの五カ年計画では大体目標で、新設飛行場というものは離島を除いてまずないんだ、こういうように確認してよろしいのですね。
○住田政府委員 そのとおりでございます。
○広瀬(秀)委員 事態ははっきりしたわけで、それでけっこうでありますが、将来の航空輸送の姿が、日本の場合どういうことになるのだろうかという問題です。VTOLとかSTOLとか――狭い国土でありますから、東京、大阪の国際線は、東京の場合には今度成田に分離をされ、現在までの伊丹空港もさらに新しい関西国際空港ができる。日本の場合細長いですから、どうしても東京、大阪という二つの中心があるという形になる。そこから五十幾つもある飛行場に出ていく、そういうものがもうなかなかできないのが現状だ、こういうようにいわれているわけですね。それがもう満ぱいなのでこれ以上発着させられないということで、地方空港は非常な需要はあるけれども閑散になっているという状態にあるといわれておるわけですから、まずそういうものを整備されることが必要だということはわかるわけです。そういうことで今度は成田ができる、あるいは関西新空港ができるということになると、さらにそこから新しくローカル空港に向かって発着するものは、非常に余裕ができるだろうと思うのです。そういう場合に、一体どういうような機種がそこに新しく登場するのだろうか。いわゆるエアバスというようなもの、その他いろいろ構想があるだろうと思うのですが、そういうローカル輸送に就航する機種というものは、将来どういうものが考えられておるのか、この際構想をお示しいただきたい。
○住田政府委員 今後使用される航空機は、ますます大型化されることになると思います。ただいまお話がございましたように、東京、大阪の空港事情は非常に混雑いたしておりますので、輸送能力をあげるためには大型の航空機を使わざるを得ないということになると思います。現在私ども運輸省のほうで飛行場の整備をやってまいります上の方針でございますが、幹線空港は大体三千メートルグラスということになっております。それから地方空港で非常にお客さんの多い空港は、二千五百メートルという基準で整備いたしております。二千五百メートル以下の滑走路に着きます飛行機は、国際線に使っておりますDC8クラスが現在使われるわけでございますが、将来の問題といたしましても、エアバスとかあるいはジャンボ、そういう大型機も国内線に使う場合には二千五百メートルあれば十分使えるわけでございます。したがいまして、将来の傾向といたしましては、ジャンボとかエアバスというものが、幹線あるいはローカル線のお客さんの多い路線に就航することになると思います。
 将来の問題といたしましては、さらに飛行機も大きくなってくると思いますが、現在の技術的な水準からいたしますと、千人乗りくらいの飛行機を開発するということも不可能ではない。しかし、需要の面からいいまして、千人乗りの飛行機になるかどうかはまだ問題がございまして、昭和五十年代の後半くらいに七百人乗りくらいの飛行機が出てくるのではないかというような見通しを立てております。
○広瀬(秀)委員 次に質問を移します。
 航空安全対策、これは四十一年あるいは四十五年、六年にかけて非常に航空事故が頻発をした経験に照らして非常に重要性が叫ばれておるわけでありますが、現在の第二次五カ年計画での安全対策についての具体的な、重点的な目標ですね。第一種は、ほとんど現在考えられ得る技術水準でもうぎりぎりのところまで来ておるのかどうか、安全施設については、第一種の場合はもうほとんどいいのかどうか、それから第二種の場合、第三種の場合においては、どういう安全対策を重点的に取り上げて整備されようとしておるのか、この点をはっきりさしておいてください。
○住田政府委員 第一種空港は東京、大阪だけでございますが、幹線空港につきましては、現在、老朽化している施設を除きまして、一応整備されておるということが言えると思います。ただ、板付などのように、最近アメリカから返されたというような飛行場の施設は、老朽化いたしておりますので、現在新しいものに更新中でございます。なお、東京のレーダーも、先日ごらんいただいたと思いますが、老朽化いたしておりますので、本年中に更新をいたす計画でございます。それ以外の二種空港でジェット機の入ります空港につきましては、原則として、ILSといっておりますが、計器着陸装置をつけることにいたしております。そのほかにVORとかDME、方向をはかったり距離をはかったりする装置でございますが、そういうものも全部整備するということにいたしております。さらに、離発着回数の多い飛行場につきましては、空港監視レーダーを置きまして、管制官によりますレーダー管制をする。現在東京、大阪、板付等はやっておりますが、二種空港でも離発着回数の多いところは、レーダー管制をやるという計画をいたしております。
○広瀬(秀)委員 せんだって羽田空港の現地調査に参りまして、コントロールタワーを見せてもらったわけでありますが、羽田あたりはまあ今日の技術水準の段階で考えられ得る大体最高のものは備えられておるという感触は得たわけなんです。やはり第二種空港以下が、この安全対策については非常に問題がある。函館空港などのごとき、ああいう事故が起こったのも、やはりどうもそういう点の保安施設が不十分であったというようなことも大きな一つの原因になっているということもいわれておるわけですから、そういうところに重点が置かれることは当然だと思うわけでありますが、大体の構想はそういうところにあるということでありますからけっこうなんでありますが、あの管制官の仕事を見ていまして、この保安関係の技術官あるいは通信官、こういうような管制関係に従事する人たちの養成が一体どうなっているのだろうかということが、われわれ非常に心配になるわけです。
 国際空港、羽田空港あたりは、これはまた世界的にも有名な過密ダイヤで、発着の度数が非常にすば抜けてひんぱんになっている。そういう中であの管制業務に当たっているという状況を見て、大体、完全な一人前の管制官になるのにはどのぐらいかかるのかという質問をどなたかがいたしたときに、現場の責任者の人は、大体十年ぐらいかかります、こういう返事なんです。そうしますと、運輸省から出してもらいました航空保安大学校の養成計画、増員計画、こういうようなもので、二種以下にILSとかVORとかDMEとか、こういうものがどんどん入ってくる、レーダーも入ってくるというようなことになって、それを使いこなす、保安施設をフルに稼働さして保安の万全を期するというような人的配置が、一体はたしてこの五カ年計画における整備に見合ってできるのだろうか、このことがわれわれ非常に心配になるわけですが、これについて、かくかくのごとく心配がないのだという皆さんの考え方というものが計画的にどういうように裏づけられているのかということを、この際はっきりお示しをいただきたいと思うわけです。
○金井政府委員 保安要員の養成のことでございますけれども、たとえば管制官を例にとりますと、御指摘のように、五カ年計画では四十七年から約六百四十名の大量の管制官が必要でございます。この養成につきましては、先生もごらんいただいたと思いますけれども、羽田にあります航空保安大学校、そこの本科、これは高校を出て二年間保安大学校で勉強するという本科コースと、それから短大を卒業して半年勉強して、それから現場で実習するという研修科コース、こういうのがありまして、本科のほうが四十名、それから研修科のほうは、半年ですので年二回募集いたしまして百名から百二十名、年間百四十名から百六十名の養成計画を立てております。それからさらに、つい二月にも採用いたしましたけれども、防衛庁の退職者あるいは防衛庁の現役から運輸省へ来るというものを、大体年間二十名から三十名採っております。こういうもので管制官の増に対処したいというふうに考えております。
 それから、先ほど御指摘がありましたように、一人前の管制官になるには十年もかかるということでございますけれども、いままでの実績ですと、早いもので三年、おそいもので五年――これはもちろん個人の能力等にも関係しますけれども、三年から五年で全部の資格をとっております。したがって、保安大学校の本科コースの年限二年を入れまして、五年から七年というのが、普通いままでの実績でございます。
 それからさらに、現場に出て三年から五年の間、一人前になるまで全然使えないのかということでございますけれども、そうではございませんで、一人前の管制官になるのには、羽田のタワーの場合に、関東の上空の空域を幾つかに分けております。たとえば関東南とか関東北とか、それからさらに関東北、関東南というのも高高度、低高度というふうに各空域を八つくらいの空域に分けておりまして、その八つの空域全部マスターするのに三年から五年ということでございます。したがって、実習に入って半年くらいたちますと、たとえば関東南の低高度あるいは関東南の高高度だけをやるとか、そういうにして実際の業務に半年くらいでつけるわけでございます。したがって、三年から五年たたないと使えないということではなくて、空域が八つくらいに分かれておりますので、その一つの空域あるいは二つの空域というふうに、初めは空域を少しずつあてがって業務につかせております。
 それから、無線要員、通信要員につきましても、保安大学校での養成、それから防衛庁からの割愛、そういうもので埋めていきますので、四十八年度から全部で千二百名くらい必要でございますけれども、一応これは十分まかなえるというふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 四十八年度で千二百名くらい必要だというわけですね。いま最後にお答えになったのは、そういうことですね。
○金井政府委員 いえ、四十七年からですと、約千六百三十名です。四十七年が四百三十名ばかりすでに一応予算上は内示を受けておりますので、それを入れますと、五カ年間に約千六百三十名程度でございます。
○広瀬(秀)委員 先ほど部長から説明がありましたように、VORとかあるいはILS、ASR、あるいはVASIS、REIL、各種の保安施設が各飛行場の計画書の中にずっとこまかく載っているわけですが、もちろんこれは繁閑の差もあるだろうし、難易の問題もあるだろうし、あるいはまた空域の指定で、能力にふさわしい、混雑のない、むずかしくないところに逐次配置しながらならしていく、慣熟さしていくというような、そういう配慮も当然あって何とかしのげるのだというようなことのようでありますから、私は、いまの説明をこうではないかと言って反論するだけの資料は持ち合わせておりません。したがって、ばく然とこれだけの新しい安全技術を取り入れて保安施設を増強する、しかし、それを運用する人を得なかったらやはり問題なので、この人の養成ということについては万全を期して、せっかく新しい施設をやったけれども、その運用に耐える管制官が十分配置されないというようなことであってはならないという点に十分留意をして、これだけの巨額の金をかけて保安の全きを期そうという計画なんですから、これからは悲惨な事故などが起きないような保安施設の整備と同時に、それを運用する管制官あるいは技術官、通信官というような人たちの配置について、やはり万全の措置をとっていただきたい、これは要望いたしておくわけです。
 そこで、管制官の勤務も、それぞれ繁閑や難易の問題等を含めてあると思うのでありますが、羽田等ではいままでの三交代から四交代というようなことだそうでありますが、この管制官の勤務の形態は、大体どういう状況にありますか。
○住田政府委員 管制官につきましては、現在四直五交代という制度をとっております。したがいまして、一回の労働時間は、平均でございますけれども、六時間ということになっております。それ以外の管制通信官であるとか、あるいは電子機器の保守要員の勤務は、三直四交代でやっております。
○広瀬(秀)委員 羽田の場合はそういうことだろうと思うのですが、二種以下の空港あるいは三種、こういうようなところはどういう状況ですか。
○住田政府委員 飛行場の運用時間が八時間の場合もあれば、十三時間半の場合、いろいろな形態があるわけでございまして、一律には申し上げられないわけでございますけれども、原則的には八時間という労働時間の中で勤務をいたしているわけでございます。
○広瀬(秀)委員 四直五交代というようなことになりますと、どう時間を区切ってみましても、全く夜の夜中で、交通機関もタクシーぐらいしかないというような状況の中で出勤をしてくる、あるいは帰る、こういうようなことにならざるを得ないと思うのですね。こういう問題については、特別な何らかの配慮がなされておるのですか。
○住田政府委員 一般的に申し上げまして、こういう航空保安職員の場合には、空港の中あるいはその近くに宿舎が設けられているわけでございます。したがって、夜中でもうちに帰れるという状態になっております。ただ、大阪とか東京とか、あるいはその他例外があると思いますけれども、宿舎が空港から離れているというところもあるわけでございまして、そういう空港につきましては、一応タクシーで送るというような予算をつけてもらっております。
○広瀬(秀)委員 三直四交代にしても四直五交代にしても、飛行場内に付属して職員の宿舎がほとんど準備されているという場合には、それほどたいした問題はないと思いますが、六時間というと、今日の全体的な労働者の就業時間からいえば短いわけですけれども、まさにあの六時間というのは、神経の張り詰めた、緊張の連続ですね。いささかも注意をそらすことのできない、息抜きのできない職場でありますから、勤務時間の問題あるいは処遇、待遇の問題なんかについても、仕事に専心できるだけの処遇というものがあらゆる労働条件の面で与えられなければならないという感を私ども深くするわけなんですが、この給与の問題は、航空保安職員、管制官の人たちは、特殊な扱いになっておるわけですか。一般の職員に比して、給与の問題等についてどのくらいめんどうを見ておるのか。このことをちょっとお聞きいたしたい。
○住田政府委員 管制官につきましては、八%の調整額をつけてもらっております。管制通信官の場合は、調整額が四%でございます。このほかに、特殊勤務手当といたしまして航空管制手当というのがついております。これは全部の管制官ではなくて、航空交通管制部、これは東京、札幌、福岡の三つでございますが、その管制部の管制官と空港の管制官については航空管制手当、最高日額三百円が支給されておりまして、それから二十四時間運用の官署におきましては、夜間特殊業務手当というものがついております。これは日額二百五十円でございます。こういうものを全部含めまして、大体の見当でございますが、管制官の場合には一五%ぐらいの調整額になるということでございます。
○広瀬(秀)委員 具体的にどうこうは申しませんが、これらの航空安全のキーポイントにある職員に対しては、そういう処遇の面での十分な配慮というものは今後とも引き続いてやっていただきたい。こういうように思うわけであります。
 次に、航空公害、騒音対策の問題についてお伺いをいたしたいわけですが、四十七年度でもこれは五十八億ぐらいしか使われないということでありまして、現状はやはり学校とか病院などの防音工事あるいは共同利用施設に対する若干の補助、こういうような段階だということなんです。民家の移転補償、あるいは防音工事を民家にも補助を出してやる、こういうようなところまではいかないようでありますが、今後新しい関西空港もできる、あるいはまた羽田が国際空港でなくなるという時点では、羽田のまわりではそれほど問題がなくなるのかもしれませんけれども、かえって国内航空も非常にひんぱんになってくるだろうし、やはりいまとあまり変わらないという苦情も、羽田からもおそらく出るのじゃないか。その他大都市周辺の空港等において、相当な民家を中心にした補償要求、公害、騒音防止に対する要求というものが住民サイドから出てくることは、今後激増することはあっても減るようなことはまずなかろうと思うわけなんですが、これらの移転補償なりあるいは民家個々についての防音工事の補償というような点についてはどのように考えられておるのか、その考えを明らかにしていただきたい。
○住田政府委員 民家の移転補償につきましては、これまで私どものほうで実施いたしておるわけでございますが、残念ながらあまり進捗していないというのが現状でございます。その理由といたしましては、一つは移転先の代替地が簡単に手に入らないということが一つと、それからもう一つは、その移転補償の場合の土地の評価について、所有者と私どものほうでなかなか意見が合わないということが、その理由になっていると思うのです。この点について、前々から円滑な移転補償を実施するような対策を考えているわけでございますが、今回燃料税の譲与税で地元のほうに十三分の二の金額が行くということになりましたので、そういうものを使いながら代替地の建設を促進するということによって、移転補償が進むのではないかというように見ております。
 それから、民家の防音工事につきましては、四十七年度千六百万円の調査費をとりまして、これからどのような防音工事をやれば最も効率的であるかというようなことも、調査研究をいたしたいというように考えております。その結果に基づきまして、四十八年度以降民家の防音工事を実施したいということを考えております。
 ただ、民家の防音工事につきましても、その実施方法について非常に問題があるのではないか、実施方法を考えませんと、民家の防音工事をやりましても、なかなか進捗しないという結果になるのではないかという危惧を持っております。と言いますのは、対象の民家が非常に多いわけでございまして、そういう一軒一軒調査をして工事費を査定するということになりますので、やり方を考えませんと、民家の防音工事対策を実施する体制を整えてもなかなか進捗しない。この点、今後の課題としていま検討しておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、先ほど御指摘のありましたように、空港周辺におきます民家からの苦情というものはますます強くなってまいりますので、空港とその周辺の住民との共存といいますか、あまり大きな対立はなくて空港が存立していけるように、今後も民家の防音工事あるいは移転補償について、重点的に対策を進めたいというように考えております。
○広瀬(秀)委員 羽田、それから伊丹、福岡、この三飛行場周辺で著しい、少なくとも八十ホン以上になるというような騒音の被害を受けている民家の数、防音工事を施してやらなければ気の毒な実情にあるような世帯数というのは、どのくらいあると見られておるわけですか。
○住田政府委員 東京、大阪、福岡の周辺で、騒音量がWECPNLという騒音の基準ではかった場合に八十五以上の区域にあります民家の数でございますが、東京の場合には一万戸大阪の場合には四万戸福岡の場合には三万戸成田の場合には四千戸計八万四千戸という数字になっております。
○広瀬(秀)委員 そのほかの二種空港等で騒音公害に対する強い苦情が出ておるというのは、同じくどのくらい、いまのような戸数ですね、これをどのように把握されておりますか。
○住田政府委員 いま申し上げましたような空港以外で、騒音について苦情が出ております空港といたしましては、広島であるとか宮崎等があげられると思いますが、現在八十五WECPNL以上の区域にどれくらいの人家があるかということは、現在調査中でございまして、まだ数字を申し上げる段階になっていないわけであります。
○広瀬(秀)委員 学校、病院あるいはその他の公共施設、そういうようなものに対する防音工事、これがいまのところ重点のようですね。それでその移転の補償なりあるいはそれぞれの民家二戸一戸を対象にした防音工事の施行というようなものは、まだあまりやられていない。ところが、成田新空港で千葉県が行なった防音工事の補助というのは、たいへんな額になっている。木造一室で五十五万円から、鉄筋プレハブ二部屋というようなことになると百万円ぐらいかかる、こういうことになるといわれているのですが、大体こういうところで五十五万、あるいは二部屋ならば百万、こういう費用がかかるわけですね。そのことは、大体運輸省としてもそのくらいのところにとらえられておりますか。
○住田政府委員 先ほど申し上げましだように、本年度千六百万円の予算で調査をいたしてまいりますので、最終的な結論は、その調査をまって出したいと思っておりますが、いま先生のお話のありました成田の基準というものが、一つの基準になろうかと思います。
○広瀬(秀)委員 そうしますと、これはおそらく平均をしましても七十万ぐらいは二戸当たり少なくともかかるのではないのかということになりますと、東京、大阪、福岡、これで八万四千戸、現に騒音公害に著しく悩まされている戸数があるとすれば、たとえば成田の例が一つの基準になるでしょうということですから、最低の五十五万にしましても、とうていこれは、五カ年計画の中では四百十億しか組んでいないわけですから、まかなえない。しかし、現実には物価も上昇しておるし、それから木造一部屋なんという家はまずないわけですから、ほとんど二部屋ということになれば百万近くかかるということになると、おそらく四百十億の倍程度のものが必要になるのではないのか。そういうものもやはりやらなければ、これは国がやっておる仕事だからといって公害を押しつけて、国が平然としておるわけにはまいらぬわけですね。そうしますと、この面では、四百十億というものを五カ年計画で騒音対策に使いたい。しかも重点は公共施設、学校、病院というところにやっただけでも大体それが飛んでしまって、民家のそういう防音工事の補助というようなことにはなかなか回らないのではないのか。その辺のところの計画にはかなりズレがあるのではないか、こういうように思うのですが、いかがでございますか。
○住田政府委員 確かに、先生御指摘のように、民家の防音工事をやります場合には、相当の金額が必要になろうかと思います。
 ただ、先ほど申し上げましたように、かりに四十八年度から民家の防音工事対策をやるといたしましても、一ぺんに大量の民家の防音工事をやるというわけにはなかなかまいらないのではないか。といいますのは、民家の防音工事は小さな工事で、したがって、まあ大工さんを集めて家を改造するということは、一年に大量の工事をやるということはなかなかむずかしいんではないか。同時に、かりにやります場合に、私どものほうで直接やるか、あるいは地元の市に委託してやるか、そういう点まだきめておりませんが、一軒一軒の事務でございますので、事務量も相当たいへんになる、そういう点を考えますと、この第二次五カ年計画の中で実際にやりたくてもどの程度できるか、まだ見通しが立っていないわけでございます。かりに、そういう点、その体制が整備されまして、相当の民家の防音工事ができるんだというような場合には、既存の計画の範囲内で、あるいは飛行場のほうの延長、一部を延期するということになるとも思いますが、そういうような費用を騒音対策に回すとか、あるいは場合によっては新たに受益者負担制度を起こして騒音対策費を捻出するということを考えざるを得ないというように思います。
○広瀬(秀)委員 いろいろその財源の問題もあるからということが結論のようでありますが、現にこの航空公害、騒音に悩まされておちおち眠れない、あるいは病人が静養もできない、あるいは受験勉強をしている子供が騒音で勉強ができない、いろんな形でたいへんな被害を及ぼしている。こういうものに対して、まず病院とか学校、こういう共同の施設というものも重要であるけれども、やはり個人がそのいこいの場として、自分の家庭がそういう騒音でどうにもいこいの場にならないというようなものに対しては、やはりきちんとした計画をもって、一日も早くそういうものの被害を最小限度にとどめるだけの防音工事というようなものは急がなければならぬと思うのです。そういう頭でやはりこの問題は考えていただかなければならぬと思うのです。現に、もう広島空港などでも、ジェット機の乗り入れをやる予定で滑走路も整備した。ところが、やはりとても騒音に耐えられないという住民の反対、住民の闘争によって、これが乗り入れられない状況にいまあるわけですね。そういうことも考えたら、これはやはり住民がみずからの生活を守るためにそういうことを要求するのは当然ですし、一日も早くやるんだという立場で、具体的なそういう防音工事の予算というようなものも、財源がないから、これから財源をいろいろ考えなければならぬということであってはならぬと思うのです。
 公害対策として、大蔵省の態度は、こういうものについては、公害防止のためにどういうようにこの財源を調達される気持ちがあるか。もちろん、航空公害でありますから、公害の原則からいえば、その発生企業ということになれば、航空会社そのものがやはりそういう問題についても大部分の負担をしなければならぬというのが、これは原則です。で、そういうような方針を貫徹をしていくのか。あるいは、この面ではまだ航空会社はそこまで全然力のない企業になっている、そういうような状況と把握を――その航空会社が公害のためにそれだけの費用を支出し得る経営状態にあるのかないのか、そういうような問題を含めて、大蔵省のこの問題についての考えをただしておきたいと思うわけです。
○吉瀬政府委員 御承知のとおり、民家に対する航空騒音のいわば公害、これは相当大きな問題になっておりまして、したがいまして、第一次の五カ年計画では百十二億というような量でございましたが、今度の第二次五カ年計画をつくるときには、当初には二百億ということを予定したわけでございます。ただ、これではとてももういまの現状には対処できないということで、今回の最終決定ではこれを大幅に上げまして、四百十億ということにしたわけでございます。しかし、これも先ほど来先生の御指摘のとおり、これをもってはたして非常に騒音多発の空港周辺の防音が徹底できるかということにつきましては、私どももなお相当の危惧の念を持っています。
 ただ、この事業の進め方につきましては、先ほど住田部長からも御説明申し上げましたとおり、騒音の防止基準といいますか公害防止基準、防音工事の実施基準と、いろいろなものを詰めて早急に実施する必要がありますが、この事業の緩急、順序、それから五カ年間の残された期間内にどの程度できるかということにも、この四百十億が足りるか足りないかがかかっている、こう思っているわけであります。先生お尋ねのところは、もしそれをもって足りなかったらいかがするかということかと思いますが、私どもといたしましても、先ほど住田部長がお答え申し上げたとおり、場合によっては既存の事業費の計画変更を行なう。さらに、それによって対処できない場合には、原因者負担というようなことで、新たにそういうような財源を原因者から徴求するというようなことも考えていいのではなかろうか。もちろん、航空機燃料税を新たに徴求したあとに、航空会社の負担状況その他いろいろ実態の困難さはあるいはあるかもしれませんが、私どもはそういう原則で対処いたしたい、こう思っているわけでございます。
○広瀬(秀)委員 現在の日本国内における航空三社、日航、全日空、国内航空、この三社の経営状況が、最近、特に四十六年は経営が少し赤字になるような会社が出てきている、こういう状況だということを運輸省から私ども資料をいただいておるわけなんですが、そういう中で、やはり公害、騒音、この発生源の企業体がそういうものの対策費を負担すべしということになると、航空会社にとってもこれはかなりの経費増、負担増、こういうことにならざるを得ないわけです。そういう中で、公害はもう一日といえどもゆるがせにできない。現に悩んでいる人たちは、われわれが想像もつかないようなやはり悩みがあるんですから、これを一日も早くやらなければならない。さて財源はどうするんだ、こういうことになってきて、新しい受益者負担という原則を貫くという立場をとりましても、着陸料などはもう日本の場合には国際的にもかなり高いところに位置している、こういうようなことも言われて、燃料税見合いに着陸料の引き上げを実は取りやめをしているというような事情もあるわけですね。じゃ財源を一体どういうところに求めるのか、この考えがやはりしっかりしてないと、いつまでもこの防音装置、航空公害に対するそれぞれの被害世帯、被害戸数、民家に対する補償というものは延ばされていく。どこまで延ばされていくのか、全くもうこれは予想がつかない。いつまででも、五年でも十年でも被害を受けっぱなしで泣き寝入りをしていかなければならぬということにならざるを得ないわけなんですね。ですから、その辺のところはどうするんだという、もっと明確な財源に対する方針というものが示されなければ、われわれは非常に遺憾な事態だと思うのですが、いかがでございますか。
○住田政府委員 私どもといたしましては、民家の防音工事を含めまして、騒音対策というものを今後重点的に進めていくということを考えているわけでございますが、先ほど申し上げました八万四千戸というのは、環境庁の長官が昨年の暮れ私どもの運輸大臣に対して出しました勧告の中にきめられている基準でございまして、それが八十五WECPNLということになっているわけでございますが、今後はそれが八十になり、七十五になる可能性もあるわけでございます。したがいまして、騒音対策費というのは、今後非常にふえてくるという感じを持っております。したがいまして、そういうような民家の防音工事を重点的に、しかも広い範囲に行なうという場合には、新たな財源対策を考えざるを得ないというように考えております。私どもは、先ほど申し上げました受益者負担という原則は、もちろん航空会社から取るということにはなるかと思いますけれども、最終的にはやはり利用者であるお客さんに転嫁するという考え方をとっております。
 と同時に、この受益者負担という場合に問題がございますのは、現在の受益者だけに負担さしていいかどうか、やはり将来の受益者にも負担させるべきじゃないかという問題もあるわけでございます。それは言いかえますと、借り入れ金でやっていって、将来入ります燃料税であるとかあるいは航行援助料、着陸料で返していくということになるわけでございますが、そういうような問題を含めて、民家の防音工事をやるというときには、将来の財源対策というものをあわせて検討いたしたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、受益者負担の原則で処理したいという考え方でいるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 将来の受益者にも負担をさせるというために借り入れ金というようなことなんですが、この借り入れ金に対して、運輸省から具体的に借り入れ金という財源手当てが表明されたわけなんですけれども、大蔵省のお考えはいかがですか。
○吉瀬政府委員 まだ空港特会の借り入れ金構想につきましては私ども見解をまとめておりませんが、いまの考え方は一つの考え方かと思います。特に航空機の騒音の排除のための工事費、これは一時的には負担がかかりますが、これが経常的、恒久的に起こるものとも、テンポを早めますれば、思えませんので、そういう財源措置を考えることも、一つの考え方かと思います。まだ私ども結論を得ておりませんが……。
○広瀬(秀)委員 大蔵省のこの航空騒音対策に対する考え方、基本的なかまえ方、これをひとつはっきりさしてもらいたいと思います。
○吉瀬政府委員 先ほど総合交通体系の中の航空に関する位置づけというような御質問がございましたが、今後新幹線網が全国に整備されましても、やはり時間のメリットということを追求する航空というものの需要は、高まる一方じゃないか、こう思っております。特に長距離輸送、ことに大量輸送というような方向に進んでいくのではないか。そういう点、やはり基幹的な空港の整備、拡張というような事業は、行なわれていくんじゃなかろうか。そうすると、それに伴いまして必然的に騒音公害というものが多発してくるというのは避け得ないんじゃなかろうか。これに対しましては、やはり近隣住民の全面的な協力がなければ円滑な空港の運営はできない、こういうぐあいに考えております。したがいまして、私どもといたしましては、公共的な施設を中心としてまず先行いたしまして、防音工事なり騒音防止工事を行なっていきまして、さらに民家の防音につきましても積極的に取り組んでいきたい。積極的な取り組み方につきましてはいろいろなやり方その他あると思いますが、そういう姿勢であることを申し上げておきます。
○広瀬(秀)委員 監理部長、四百十億、この中には個々の民家に対する防音工事の補助と施行というようなものがどのくらい、公共の学校、病院のごとき施設の防音関係の施設がどのくらい、あるいは移転補償がどのくらい、こういうような中身について説明していただきたいと思います。
○住田政府委員 五カ年計画に計上されております四百十億のうち、八十億は成田周辺の騒音対策事業費でございます。したがいまして、成田以外の空港の騒音対策事業費は、三百三十億ということになります。
 その内訳でございますが、学校及び病院、そういう施設の騒音対策費といたしまして百七十億円、それから民家の移転補償費といたしまして約百五十億円、それからテレビの受信障害に対する防止対策費といたしまして十億円、計三百三十億円。したがいまして、民家の防音工事に関する予算は、この中に計上されておりません。民家の防音工事につきましては、本年度の調査結果を待ちまして、四十八年度以降取り組むことになると思いますが、その際には調整費あるいは予備費を使うということになろうかと思います。
○広瀬(秀)委員 第二次五カ年計画では、この民家の防音工事予算は、いまの説明によりますと含まれてないんですね。そこで、四十八年度以降には調整費なりあるいは予備費などを投入する、こういうことでたいへんたよりのない計画になっているわけですが、根本的に、昭和五十年までの計画期間中に少なくとも最大限に防音工事までやるという、どこまでやれるか別として、防音工事は四十八年度からは必ずやる、こういう確約はできるわけですね。
○住田政府委員 先ほど申し上げましたように、本年度の調査結果をまちまして、四十八年度以降実施したいという考え方でいるわけでございます。財源といたしましては、確かに四百十億円の中に計上されておりませんけれども、かりに四十八年以降毎年五十億、あるいは七、八十億の金を計上するといたしましても、それは現在の特別会計の予算の範囲内で十分まかなえるというように見ております。これは毎年二百億になるとか三百億になるというような場合には、あるいは新たに財源措置を講ずる必要があろうかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、四十八年度から取り組むといたしましても、当初はいろいろ実施上の問題がありまして、そう大幅に民家の防音工事もできないのではないか。したがって、第二次五カ年計画といたしましては、せいぜいできましても百億とかいうような程度の金じゃないか。もしそうであれば、現在の五カ年計画のワク内で十分まかなえる。むしろ第三次五カ年計画において実施上の体制が整って、第三次五カ年計画で大幅にやっていくというようなことになろうかと思います。
○広瀬(秀)委員 四十八年から五十年の間に大体百億くらい。そうすると、この三空港周辺だけでも八万四千戸ある。そのうちのせいぜい四分の一ぐらいしか――むしろ五分の一に近いといったほうがいいかもしれないけれども、そういう状況だ。
 大蔵省、運輸省は借り入れ金というようなことも一つの方法だという提案をしている。吉瀬次長もまあそれも一つの方法だと認められておる。こういう問題については、やはり資金運用部からもどんどん出して、早くやるべきものは早くやっていく。この際、受益者負担の原則ということで、将来の受益者にもということも、これはわれわれもある程度は認めていいと思うわけで、そういう問題については、財投の計画の際に、それではもっとこの防音工事等に対する補償に見合うものをできるだけ出してあげましょう、そういう気持ちがあれば、やはりやれるはずだと思うのです。やろうと思えばやれるはずなんですね。そういう点で、財源だって借り入れ金ででもやりましょうというんなら、それでは具体的にあとあと受益者負担の実際の負担のさせ方というようなものは考えるにしても、いずれにしても当面借り入れ金であっても、そういう緊急に必要性のあるところに処置をしていくという対策費が、やはり必要だろうと思うのです。現に困っている人は一日でも早くということなんですから、そういうものについて大蔵省としては、それでは財投のほうから金を回そうではないかということをやればできるんじゃないかということが一つ。
 それから、運輸省のほうも、五カ年計画中にはせいぜい防音工事の面では百億程度しかやれないんじゃないかというのは、一体どういう発想なのか。これはそういう財源が大蔵省から、それでは借り入れ金を三百億にでも五百億にでもしてあげましょうというような態度が出るならば――それは能力がとてもできない。いまの航空局の陣容ではとてもその調査も間に合わないし、準備もできないというようなことでやれないというのか。その辺のところは一体どうなっておるのですか。早ければ早いほどいいにきまっていることなんですからね。それをやはり国民の立場という、そういう被害者の立場というものに立たないで、金の面あるいは自分の航空局の陣容の問題、能力の問題というようなことが障害になるのか。なぜ百億というようなみみっちいことを言うのか。ほんとうに航空公害によって悩んでおる国民サイドに立った議論と思われないんだけれども、その点は一体どうなんだ。
 大蔵省、運輸省両方からお答えいただきます。
○吉瀬政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、財投を動員いたしまして、借り入れ金で騒音対策費を活発にというのが、一つの将来を見通した考え方じゃなかろうか、こう思っております。ただ、大蔵部内で財投を所管する部局等といろいろ議論も進めなければいけませんが、将来の償還計画がいかに立つか、それから財投の規模がどの程度のものになるかというようなものをまず詰めまして、それから実行に移すなら移すというような結果になるかと思います。
 いろいろな意味で、民家防音の工事を行なうにつきましても、やり方によりましては、先ほど住田部長からお答え申し上げましたとおり、重点をしぼってやっていくというような行き方からいきますれば、あるいは百億前後になるかもしれませんし、あるいはその範囲を広げればもっと拡大するかもしれません。私どもといたしましては、本年度の調査の結果をまちまして、それからいま先生から御指摘のありました借り入れ金を含む資金の動員、それから将来における原因者からの償還というようなこと、こういうようなことも早急に検討いたしたいと思います。
 なお、今回航空機燃料税の制定に伴いまして、地方に譲与税といたしまして約百億以上の金が参りますが、これは主として騒音対策等を中心として譲与するというようなことが目的とされておりまして、そういう点をあわせてどういうぐあいに使うかということも、一つの検討課題じゃなかろうか、こう思っております。
○住田政府委員 先ほど申し上げましたように、民家の防音工事というのは、対象が一戸一戸のうちになるわけでございます。したがいまして、一戸一戸見て回って、これが八十五WECPNLの中にあるかどうかということを調べる。調べた上でどういう工事をするかということを検討するというようなことで、非常に事務量が多い仕事ではないかと思います。同時に、直す人も、大きな建設会社がアパートを建てるというような工事じゃなくて、大工さんに頼んで工事をしてもらうということで、そういう関係の人を十分集められるかどうか、こういう点についても、現在まだ十分の確信がないわけでございます。したがいまして、やはり民家の防音工事を大幅に進めていくという場合には、受け入れ体制というものを整備する必要があるのではないか。そういう点を考えますと、この第二次五カ年計画の中におきまして急速に民家の防音工事を進め得るというような確信が、まだ持てないということでございます。決して民家の防音工事をなおざりにしていいという意味ではございませんで、やはり受け入れ体制の整備というものに相当の時間が要るのではないかというような感じを持っておるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 三月十七日の空港整備五カ年計画の閣議決定、「騒音対策事業の推進」ということが四番目に取り上げられておる。「東京、大阪両国際空港等運航回数の多い空港の周辺住民の生活環境の保全を図るため騒音対策事業の推進を図る。」こうなっておるわけですね。住民の生活環境の保全ということを強く出しているわけですね。もちろんこの受け入れ体制の問題がむしろネックになるというお話だったけれども、いまの答弁ではそういうことだったけれども、今度の計画で、やはり騒音対策事業というものが非常に強く取り上げられている。これはもう書くだけ書いて、どうも運輸省ではまだその準備が間に合わない、調査が間に合わない、受け入れ体制もどうかというようなことで、この質疑のやりとりの中で見る限り、非常に消極的な感じをおおえないんですね。これはやはりわれわれ国民サイドから見るならば、この騒音対策事業というのはきわめて緊急のことなんだ、それで一日でも早くやってもらいたい、これを三年も四年もほっておかれる、あるいは五年先になってもまだうまくいかぬというようなことであってはならないわけで、これがやはりきちんとした――ここに東京、大阪等だけれども、こういうことで、少なくとも就航回数の非常に多いところではやるんだということになっているわけなんですから、もっと積極的な姿勢というものがなければ、これはいつまでたっても、ほんとうに国民がむしろ旗でも立てて騒ぎ出さない限りほったらかしにされるという印象をぬぐえないわけなんです。もっと積極的な計画を立て、そういうものを調査する人間が足りないならば人間をふやすなり何なり、こういう計画を立てた以上は、やはりそういうところに重点的に人間も配置をするというようなことでやって――これはやってやれないことではない問題なんですね。大蔵省も、この借り入れ金等についても、財投の資金を入れるというようなことについてはかなり弾力的に考えよう、そういう方法もあるんだと言われておるわけですから、これは実施官庁である運輸省がもっと積極的な姿勢をとらなければ、いつまでたってもこれが解決していかない、こういうことになるだろうと思うのですが、いかがですか。
○住田政府委員 私の答弁が非常に消極的であるというような印象であったことは非常に遺憾でございますけれども、私どもといたしましては、やはり民家の防音工事というのは、相当の工事であるというふうに考えております。本来、こういう民家の防音工事、一軒、一軒対象にするような事業というのは、国の事業になじまない事業ではないか、したがって、やってもらえれば、市町村にやってもらうことが一番いいのではないか、今回譲与税も市町村にまいりますので、そういうような事業は、一応事務のほうは地元市町村にやってもらうのがいいのではないかというふうに考えておるわけであります。もちろん、経費のほうは国のほうで出さざるを得ないかと思いますけれども、実際の事務は市町村のほうでやってもらわないと、なかなか円滑にいかない。そういう点を考えまして、今後、市町村と話し合いを進めたいと思っております。現在の段階でまだ市町村と話し合いをいたしておりませんので、どこまでやれるかということについて自信がないということでございまして、決して消極的であるということではないわけでございます。私どもといたしましては、やはり空港を将来長い期間にわたって使っていくためには、地元の住民の理解が得られないと、円滑な飛行場の運営ができないという認識に立っておるつもりでございまして、そういう意味におきまして、民家の防音工事を含めた騒音対策事業を積極的にやらなければならぬということは考えておるわけでございますが、民家の防音工事につきましては、円滑にやるためには、相当受け入れ態勢を事前に考えなければいけない。そういう点についてまだ準備が十分できておりませんので、先ほどのような答弁になったわけでございまして、今後、近く私どものほうの行政組織の改正で航空騒音の対策をやります課をつくりますのでその課を中心にしまして、民家の防音工事を含めまして積極的な対策を講じていきたい、かように考えております。
○広瀬(秀)委員 確かに、運輸省の航空局がそれぞれの空港所在地に行って、一つ一つどのくらいの騒音があるのかというような状況調査を全部やるというようなこと、あるいはそれに対して今度は、それぞれの個性を持った一戸一戸当たりに対して補償額を幾らにするかというのをやるというのは、これはおそらく事実上はなかなかできないですね。したがって、市町村段階にそういうものの実際のやり方はまかさなければならぬだろう、これはそのとおりだと思うのです。
 それはそれなりにそういう方向でこれはけっこうだし、そうなるでしょう。しかし、その中で、やはり地方自治体がほんとうにこれはやるのには適したところだということはわかるのですけれども、今度地方自治体は金がなければやれないということであって、そういう点について、地方自治体がやれるだけの準備、自信を持ってやれるだけの財源の手当てというようなものは、やはり国が責任を持ってやってやらなければならぬ。そういう面での積極的な考え方というものが、もっと前面に出なければいけない、こういうことなんでありまして、特に地方自治体は、今度燃料税の十三分の二はいくわけだけれども、しかし、実際にそれだけもらって騒音対策をやるといっても、これではとうていまかない切れない。譲与税だから、補助とは言えないけれども、補助裏の支出というものが常に地方自治体では問題になるわけですね。そういう意味で、空港があるがゆえに空港のない市町村以上のたくさんの負担というものをいまでもやっているわけですね。そういうことから見て、市町村に実際の実施はやってもらうにしても、これをもっとそういう意味での受け入れ態勢というものも促進をすべきであるし、財源も国が責任を持ってやはり豊富につけていくということをやらなければいけないと思うのです。
 そこで問題になるのは、やはり地方自治体の財政がこの空港関係について非常に出費が多い。この前の燃料税のときに堀委員が伊丹の例を引いて、非常に小さな市町村段階で巨額の空港整備関連の経費を負担させられておる、この問題について大蔵省としても考えるべきだということを出したわけでありますが、自治省、来ておりますか。――この空港整備にどのくらい地方財政から持ち出しになっておるか、この数字をひとつ示していただきたいと思います。
○近藤説明員 非常に荒っぽい数字しか持ち合わせておりませんが、と申しますのは、どこまで空港関連事業に入るのかというその認定が、それぞれの地方団体によっていろいろ異なるかと思います。一応集計いたしましたところでは、四十二年から四十六年の五年間に総額七十七億ばかりの地方費を持ち出しておるようでございます。
○広瀬(秀)委員 地方財政も、この空港整備と関連する、そういう公害防止の問題等について、全く責任なしとしないわけだけれども、相当な金を持ち出さざるを得ない、こういう問題もあるので、やはりどうしても自治体としては消極的にならざるを得ないというような面があるだろう、こういうことになると思うのです。そういうことから、先ほどの財源問題というのも十分考えてもらわなければならぬと思うわけであります。
 そのほかに、いままでのは公害だけですね、たとえば空港整備法六条、八条ですか、そういうものの中で、国の補助が七五%――二種空港が七五%、三種が五〇%というような補助率でありますから、そういう空港の本体である滑走路だとかあるいは誘導路だとか、そういうものでも七五%、そうすれば、あとの二五%やらなければならない。さらにまた、その地方公共団体が設置者であり責任者であると見られるような場合も、そういうことになっているけれども、それに今度は関連をするいろいろな事業があるわけです。道路をつけるとかあるいは護岸をやるとか、いろいろな事業がある。そういうものでの持ち出し、そういうものでの負担というものが、地方財政にもかなりかかっているだろう。たとえば熊本空港ですか、これが新熊本空港の工事費が三十七億かかった。そのうち、熊本県が負担したのが十億だった。さらに道路整備あるいは関連事業として、空港で農民の土地を取り上げたというようなことから、その農民のために新しい農業開発のための予算、こういうようなものを含めて、総体の工事費が六十八億にもなり、そのうち、熊本県の負担が三十億にもなる、こういう例もあるわけですね。そういう空港整備に関連をするものは、公害部分を除いて、どのくらいの負担を最近しておるか、数字を示していただきたい。
○近藤説明員 ただいま申し上げました七十七億というのが全体を含めての形になっておりまして、法律のいわゆる裏負担と申しますか、空港整備法の裏負担、ただいまのお話の二五%とかという、それの積算では、十億余りでございます。
 それから、騒音公害対策事業で、これも補助がございますが、その裏負担等、若干単独も入っておるかと思いますが、五十一億ということで、空港関連事業というのがどこまで入るか。たとえば空港へ通ずる道路などは、街路事業あるいは道路事業ということでやっておりますと、このほうには入っていないというような関係もございまして、ここは十二億程度しか入ってきておりません。したがいまして、空港周辺の関連事業という概念を、これを地方団体の報告をそのまま集計しましたものでどこまでを含めるか、広く含めれば相当膨大な額になりますし、個別の空港についてどの程度いったかというふうに具体的な問題として調査しないと、ちょっと無理かと思います。
○広瀬(秀)委員 いずれにしても百二十何億というのが出ておるわけですね。そういうようなことを考えると、しかも全体の空港――五十程度の空港関係でこれだけの持ち出しをしているということは、地方財政に対するかなりの圧迫にもなる、こういうことでありますから、これらの問題については、その当該市町村なりあるいは県なりの財政規模から見て、かなり大きい負担を、いまの熊本の例のように――熊本も必ずしも豊かな県の部類ではない、むしろ沖繩類似県というようなことで例に出されるようなところでありますから、そういうような県で三十億もの空港関連の費用を持ち出すということは、これは相当な地方財政に対する圧迫要因にもなっていると思うわけであります。こういう問題について、自治省としては、こういうものについてどういうお考えをお持ちなんですか。この持ち出しがこういうようにだんだん大きくなってくる、こういう問題については、どのようにお考えですか。
○近藤説明員 いまの飛行場関係の建設費に対する国庫負担制度、それが特に第三種空港などになりますと、用地費は全部地方負担、こういうような形になっております。特に第三種空港のあるようなところの地方団体は相当な財政負担になっておりますので、こういったものも法の規定に照らしまして国庫補助の対象にしていただきたいというようなことを、絶えず運輸当局と折衝しておるような次第でございます。そのように、事業費関係につきましては、超過負担がないようにということが第一でございます。
 それから、騒音防止対策というような関係になりますと、これもいま先生御指摘のように、公共施設関係につきましては補助がございます。しかし、最近の成田の例で見られますように、いま問題とされておりました民家の防音対策というようなことも放置できないような状態になっておりまして、やむにやまれず千葉県がとりあえず起債でもって措置をとっておりますけれども、早急にこれも国のほうでどういうふうにするかというルールを確立して、四十七年度から発足させていただきたいということで、大蔵あるいは運輸当局と折衝しておるような状況でございます。
○広瀬(秀)委員 いま近藤課長から、やはり空港関連整備事業について地方の財政が相当大きな負担をしている、こういうことで何とかしてもらいたいという意向も表明されたわけだけれども、大蔵省は、この問題について何らかいまよりも前進をするというか、地方自治体の要請を聞いて、その方向に実現をさせていく、そういう態度がありますか、どうですか、ひとつ端的に……。
○吉瀬政府委員 実は先生とっくに御承知のことかと思いますが、持ち出しという議論の解釈でございますが、関連道路ができますれば、それは当該市町村の資産として残るわけでございます。また、空港が整備されれば、当該地方の開発の誘因にもなるというようなことで、ただ、一時的に相当財源負担があり、関係市町村は財政的にもなかななかむずかしい局面に立ち至る、こう思います。私どもも、やはり地方の実情を考えまして、無理のないところでやっていきたいと思っております。
 ただ、先ほど騒音に対しましてちょっと御答弁申し上げましたとおり、今回航空機燃料税の十三分の二でございますが、地方に譲与されるということになったわけでございます。その使途といたしましては、騒音に対する対策、それと同時に空港整備の事業、それから市町村が設置する空港の維持管理費、あるいは空港に関連いたします上下水道とか、あるいは排水施設とか道路とか、そういう種々のことに、わりに多目的に使えることになっております。まだ、これは金額的には十三分の二でございますが、将来伸びる財源でございまして、そういう点も活用をはかっていっていただきたい。
 なお、市町村負担に関しまして、私どもも実態をよく調べまして、慎重に対処していきたい、こう思っております。
○広瀬(秀)委員 大蔵省の言い分は、空港ができる、それに関連の道路ができる――あるいはそのための護岸工事が必要だとか、あるいは農業開発をまた別個に、既存の農地を空港にとってしまうというようなことで、その見返りの農業開発をやらなければならぬ、いろいろな事例があるわけですが、空港ができることによって道路ができる、その道路は何もいわゆる空港のアクセスとしてだけではなくて、地域住民の用にも供されるだろう、こういうようなことを言うわけだけれども、大体その飛行場所在の市なら市、町なら町、そこへ用があって旅客がおりて、そこで往復がひんぱんになり、そこで、俗なことばで言えば新しい収入、所得がそこの市町村内でふえるというようなことばかりはないと思うのですよ。道路はアクセスであって、近くの何々市――所在地ではないけれども、隣の大きな市のために、ある村と言って具体的な例をあげませんけれども、そういうところがある、そういうようなところがやはり整備のための持ち出しというようなことは、まさにいかにも不合理な問題もあるし、一律にいま吉瀬次長が言ったようなことばかりではないわけで、持ち出しばかりが非常に多くなる。持ち出しということばは必ずしも適切ではないけれども、そういう面についてはかなり前向きな姿勢を私はとる必要があると思うのですが、もう一ぺん答えていただきたい。
○吉瀬政府委員 確かに御指摘のような点はあると思います。当該広い地域の全般的な受益が、ある特定の市町村に一時的にかぶるというような財政の実態は、あるいはあるかもしれません。私どもそれに対しましては、繰り返し申し上げましたとおり、燃料税を中心とする財源措置の補てん、それからその他、これは自治省当局とのいろいろな相談になると思いますが、あるいは関係地域内のいろいろな広域の財政調整ということも問題になるかもしれません。あるいは一時的な財政負担になるが長期にわたってはそれが受益するというような事態がある場合には、起債措置というような措置も考えるかもしれません。したがって、そういうような御指摘を体しまして、私どもといたしましては慎重に検討していきたい、こう思っております。
○広瀬(秀)委員 この問題は、ぜひひとつ地方自治体を預かる自治省側の希望、要求というものを十分前向きに検討していただきたい、このように思うわけであります。
 次に、成田新空港は、予定はことしの六月ごろに供用開始に持っていきたいということでありますが、この見通しはどういうことになっておりますか。まずその点をお伺いします。
○住田政府委員 現在、新東京国際空港公団で、六月末に工事が完了するように鋭意努力をいたしているわけでございます。おそらく主要な施設はそのころまでに完成するという見通しでございますが、ただ、新聞等で御承知のように、あの地域には平和の塔と称せられているものがございますし、さらに民家が一軒残っておるわけでございます。現在その所有者と公団との問で話し合いが進んでおりますが、現在だ解決いたしておりません。そのほかに南側の進入方面の下に最近地元のほうで妨害鉄塔をつくっておりまして、これは航空法違反でございますので、今後法的な措置を講ずることとなると思いますけれども、そういう問題が片づきませんと供用開始ができないということで、施設のほうは大体六月くらいまでに滑走路等は完成するのではないかと見ておりますけれども、実際に供用されるかどうかにつきましては、いま申し上げましたような問題が解決されないと供用開始に至らないということでございます。
○広瀬(秀)委員 端的に言って、いつごろまでに、そういう諸種の困難があるようでありますが、供用開始にこぎつけられる見通しですか。
○住田政府委員 この問題は非常にむずかしい問題でございまして、地元との話し合いがつけば、あるいは早く供用開始ができる。しかし、地元との話し合いが長引けばそれだけ供用開始が長引くということで、いまの段階でおよそいつごろということはちょっと申し上げかねるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 ところで、その問題はいつまでたっても水かけ論ですから、これ以上申し上げませんが、成田と都心までは大体六十五キロあるといわれておるわけです。新国際空港として、いままで羽田が果たしておった役割りをみな向こうに移そうという計画であるけれども、そうなりますと、国際線で羽田に発着しておった人たちがみな成田に移るということになるわけでありますが、そうしますと、かなりの旅客が発着をする、こういうことになるわけですが、国際線の成田発着は、いまの羽田から全面的に向こうに移ったとして、一日どのくらいの――成田を飛び立つ人、成田に到着して都心に入ってくる人、こういうものはどのくらいになるのですか。
○住田政府委員 現在羽田に着いております国際線の年間の離発着回数は約五万回くらいでございますから、一日に直しますと百二、三十回程度ではないかと思います。
○広瀬(秀)委員 旅客の数は……。
○住田政府委員 年間三百万でございます。
○広瀬(秀)委員 一日一万弱ということになるわけですが、六十五キロもあるわけですから、当然アクセスの問題が非常に重要な問題になってくると思うのです。そのために、成田新幹線構想も、二千億の金を投じてやろうとしたわけです。ターミナルと直結して、成田に着く、その成田から出るものを輸送するということで、せっかく高速で飛んできて、都心に六十五キロ入るのにたいへんな時間を要してはならぬということで、新幹線の構想もあった。ところが、国鉄に聞いてみますと、これはいつになったら新幹線が着工できるか。ことしの二月十四日とか十七日、運輸大臣から施行の認可はあった。しかし、これがどうしていいか全然わからぬ。東京都知事も反対しているし、千葉県知事も反対しているし、そして住民がすべて反対をしているというようなこと、これはまず供用開始がいつになるかということは、見通しはいまのところ困難だということだけれども、少なくとも来年になっても、あるいは再来年になっても、その次の年になっても、新幹線がアクセスの役割りを果たすというようなことにはまずならないであろう、こういうことになりますと、おそらく京葉道路が利用されるだろう。あるいはまた京成あるいは国鉄の既存の線が利用される。そうしますと、この間は、国鉄の成田あるいは京成の成田までかなりの距離があるわけですけれども、そういう問題を含めて、京葉道路に発着のたびにたいへんな交通混雑をもたらすことになって、たいへんな事態になるだろうと思うのですが、その問題については、運輸省としてはどのようなお考えを持っておられるわけですか。
○住田政府委員 成田への交通手段といたしましては、京葉道路とそれから京成と国鉄と、三つあるわけでございます。国鉄のほうは直接空港の中に入りませんので、直接空港と結びつきます輸送線といたしましては、京葉道路と東関東自動車道というものと京成電車ということになろうかと思います。京成電車のほうは、大体開港までに成田の空港内まで延長する延長工事が完成する見通しでございます。道路のほうは、現在でも相当こんでおります上に、成田ができますと、大体二割程度自動車がふえるのではないかという見通しでございます。したがいまして、東京と成田との間の自動車輸送につきましては相当混雑するということが予想せられておりますが、現在の段階では、湾岸道路も相当先の話でございますので、当分の間この道路を使用せざるを得ないということで、私どもといたしましては、東京都心と成田との交通が空港完成後どのようになるかということが一番頭痛の種になっておるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 そうしますと、いまいろいろな支障がなくて、たとえばことしの秋ごろに供用開始になったという場合でも、全面的に新空港に国際線を入れるということになって、京葉道路がいまでも混雑しておるのが二割も増しになり、混雑の度合いもふえてくるということになると、これは都心まで来るのにはたいへんな時間を要するということにもなろうと思うのです。世界で一番評判の悪い空港だということになりかねない。そういった場合には、国際航空路線を指定して、この路線は羽田だというように、二本立てで国際線を羽田と新国際空港と、そういうような事態というのも当然予想されておりますが、その点はどうですか。
○住田政府委員 成田ができました場合には、現在の羽田空港に着いております国際線は全部移すということにいたしております。交通事情等は確かに問題があると思いますけれども、一部羽田に国際線を残すということは考えておりません。
○広瀬(秀)委員 これは航空局に聞くのは問題だと思うのですが、そうなりますと、成田新幹線、成田空港ができることによって、この六十五キロの間を高速で空港アクセスとして都心と空港を結ぶのだというこの問題は、いまもう一ぺんその是否から考え直されなければならぬというような深刻な事態になっておる。成田新幹線に対して、国鉄側と新国際空港をつくるにあたってはそういうことで計画をされておった。ところが、はたして成田新幹線はつくるべきなのか、つくるべからざるものなのか、住民がそれほど強い反対をしておる、両知事も反対をしておるというようなことで、そこまでさかのぼって議論をされる段階だ。そういう状態において運輸省は、この成り行きというものに対して今後どういうように対処されていくおつもりなのか。混雑はある程度やむを得ない、とにかく成田空港のそういう鉄塔とかあるいはいろいろな障害が排除されるならば、すぐに成田に羽田の機能を全面移管をする、こういうことで、あと途中の連絡道路がどう混雑してもこれはやむを得ない、こういうことで強行される、そういうおつもりですね。いかがですか。
○住田政府委員 羽田の混雑状態というものはすでに限界に来ておりますので、成田ができました場合には、国際線を全部向こうに移すということになろうかと思います。途中の道路の問題につきましては、確かに御指摘のような問題がございますけれども、できるだけそのランプの入口で自動車の入るのを調整をするということで混雑を減らすような方向で道路公団その他等々と話し合いをするということで、都心と成田との輸送時間があまり多くならないように調整していく、当面そういうようなことをはかる以外にないのではないかというふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 あとまた同僚議員がやる予定ですから、私はこれで終わります。
○齋藤委員長 松尾正吉君。
○松尾(正)委員 最初に伺いますが、空港整備五カ年計画が閣議決定をされておりますけれども、このねらいは何ですか。最初にそれを伺っておきたい。
○住田政府委員 今度の第二次空港五カ年計画の目標というのは、二つあろうかと思います。一つは、非常に航空需要がふえておりますので、それに対応する必要な施設を整備していくということが第一の目的であろうと思います。二番目に、特に今回の第二次計画におきましては、現在問題になっております航空保安施設、それから騒音対策というものに重点を置いて計画を進めていくというのが、二番目の目標ではないかと思います。
○松尾(正)委員 いまお答えがあったように、私は、今度の五カ年計画のねらいというのは空港の整備――整備をするというのは、保安を中心にした整備ですね。それからもう一つは、いま論議されている騒音対策、こういったものが中心ではないかというふうに感ずるのですが、そうじゃないですか。
○住田政府委員 そのとおりでございます。
○松尾(正)委員 そうしますと、現在、東京国際新空港の建設には、もう流血の惨事まで起きて反対があった。それからこれに対する新幹線に対しては、ものすごい地方自治体の反対がある。さらに関西の国際空港に対しても、地方議会等はあげて反対をしておるというような実態でありますけれども、その原因は何だと思いますか。反対をする理由はどこにあると思いますか。
○住田政府委員 私どもといたしましては、航空輸送というものは、時間価値の面からいって、今後高速交通機関としてますます重要な役割りを果たすべき輸送であるというように考えております。特に航空機というものはいろいろな技術を集めてつくったものでございまして、いわば文明の最も新しい産物ということができると思います。こういうものをできるだけ多くの人に利用してもらうということが必要であるということで、私どもの航空行政は進めてきているわけでございます。そういう点からいえば、そういう点を地元の方に十分理解していただければ、航空に対する反対というものは減少されるのではないかと思いますけれども、しかし、現実の問題といたしましては、やはり騒音が非常にうるさいということが一つ、それから飛行機が飛ぶとあぶないのではないかという不安感、そういうものが反対の大きな原因ではないかというように想像いたしております。
○松尾(正)委員 私も、いまお答えがあったように、航空事業そのものの住民の認識、理解、こういう点も一部あると思います。けれども、この反対の理由の根本は、何といっても、もうあれが来てはうるさくてたまらぬという騒音の問題と、もう一つは、いままでに大きな惨事が起きておりますから、そういったことが起こってはかなわぬ、こういう一つは危険、一つは騒音でうるさい、ここにあると思うのです。こういった点を考えてみたときに、この五カ年計画では、成田国際空港、それから関西の国際空港の開設、整備ということが一つの柱でありますし、さらにこれに付帯して、いま論議もありました成田新幹線、六十キロをこえたあの遠距離にあるのですから、これはおそらく世界一、都心と空港とは離れておる。これを結ぶための新幹線というものをどろしてもつくっていかなければならないと思うのですけれども、今後この東京新国際空港――現在でも、もういよいよ開港まぎわでまだ反対の手が上がっている。それから新幹線については、もう東京都知事も千葉の知事も、それから関係の町村全部反対しておる。それから関西の国際空港については、もう絶対につくってはいかぬ、こういう声が起きているのですが、これは予定どおり進められると思うけれども、それについては二度と成田で起こったような、ああいう惨事等は起こさないで進めていくべきであろうと思うのです。そのための対策を持っておられるのかどうか、それを最初に伺っておきたいと思うのです。
○住田政府委員 関西新空港につきましては、現在、航空審議会におきまして、その位置であるとか、あるいは規模につきまして検討をしていただいているわけでございます。私どもといたしましては、関西空港の建設につきまして、地元の反対が非常に強いということは十分承知いたしております。したがいまして、かりに位置決定をする場合には、十分話をした上で、地元の了解を得た上で位置をきめたい、建設の工事を進めたいというように考えております。私どものほうで一方的にきめていくというような考え方は、持っておりません。ただ、騒音の問題、あるいは先ほど申し上げました安全性の問題につきましては、現在一応候補地にあがっております場所はすべて海上でございますので、安全の問題にいたしましても、騒音の問題にいたしましても、従来の陸地の中にある空港とは全然違いまして、その点の問題は非常に少ないというように考えております。
  〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕
われわれといたしましては、その点の安全性の問題あるいは騒音の問題は非常に少ないと考えておりますけれども、これは地元に十分理解されていないということでいま反対の声が非常に強いわけでございますけれども、今後そういう点を地元に十分理解してもらって、地元の了解を得た上で建設方針をきめたいというように考えております。
○松尾(正)委員 私は、新しくつくる場所には、当然いまのような一般空港のような状態があってはならぬと思うのです。けれども、対策としては、新しいところに対処すると同様に、既設空港に対する安全、それから騒音対策というものが十分確立しない限り、この反対というものは解消しない、こういうふうに感ずるのです。また事実そうでしょう。したがって、この対策としては、新しい空港に対する設計図でなくして、現状をどう解決するかということ、これが根本的な対策でなければならぬと思うわけです。そういう順序で広瀬委員も質問が進められたと思うのですけれども、大体そういう方向でこの法案について質問してまいりたいと思うのですが、その前に、一つだけ伺っておきたいのは、今度のこの法案には、五月に返還になる那覇空港の整備費についてはどういうふうになっているのか、入っていないのか、あるいは新しく決定したものを含めていこうとするのか、その点について最初に伺いたいと思います。
○住田政府委員 第二次空港整備五カ年計画の中の沖繩の関係でございますけれども、現在の段階では予備費の中に含めております。
○松尾(正)委員 そうすると、予備費の三百五十億円の中に含まれているのですね。大体このうちのどのくらいが当たるかというのは出ておるのですか。
○住田政府委員 沖繩関係の経費といたしまして航空路関係と空港関係とあるわけでございますが、両方合わせまして二百億円程度ではないかと思っております。
○松尾(正)委員 そうすると、この予備費は沖繩を除けば正味百五十億、こういうことになりますね。
○住田政府委員 まだ最終的にきまっているわけではございませんが、大体そういうような見当かと思います。
○松尾(正)委員 それからもう一つ伺っておきたいのですが、この五カ年計画については、今後の経済情勢及び財政事情等を勘案して弾力的に行なっていく、こういうふうにあるのですが、この弾力的というのは、財政事情がもし低下したような場合にはこの五千六百億円というのは縮小をするのを意味するのか、あるいは予備費、調整費等の使い方を考えるのか、どちらをさすのでしょうか。
○吉瀬政府委員 長期計画すべてに大体そのような条項がついているわけでございますが、御承知のように、本年度は経済社会発展五カ年計画改定期に当たります。そうすると、すべての国の長期施策が、そういうような計画に従って斉合性を保たなければいけない。そういう場合には、経済社会発展五カ年計画の線に沿っていろいろな五カ年計画の間の調整が行なわれることがあるべしというのが第一点でございます。
 第二点といたしましては、先生御指摘のとおり、財政状況の極端な変化がなければ大体五カ年計画はこのように実行するわけでございますが、財政事情の変動に応じまして、場合によって上下に調整する、こういう趣旨でございます。
○松尾(正)委員 それでは具体的に質問に入るのですが、要するに、いま五カ年計画の柱であり、今度の会計法を一元化して促進していこうというねらいは、まず安全という問題が一つあげられるわけです。したがって、安全性ということを考えたときにまず国民の頭に浮かんでくる問題は、昨年来悲惨な事故がありましたね。それともう一つは、最近の新聞報道等をずっと見てみますと、航空機が高性能化しておるのですけれども、技術的に性能が高くなればなるほど、これに対する整備あるいは小さな故障の起きる率というものもふえてくると私は思うのですね。そういう事情はわかるのですけれども、しかし、とにかく危険を伴う航空機の整備のミスとかあるいは小さな故障というものは、おろそかにできない問題だと思うのです。
 そこで、最近の航空機の整備のミスないしは故障といったものが、一月以降どのくらい起きているのか一これは日航、全日空、東亜国内航空と、こういうふうに三つに分けて発生状況を伺いたいと思います。
○金井政府委員 まず日本航空の場合、一月に四件、二月三件、三月十一件、全日空は一月十二件、二月十四件、三月十八件、東亜国内航空は一月九件、二月四件、三月十件、以上でございます。
○松尾(正)委員 これはわが国ばかりでなく世界的な問題であろうと思うのですけれども、ミスや故障というものはないに越したことはないのですが、これは人のやることですから、やむを得ないと思う。
 そこで、いま世界的に先進国で航空機の故障率といいますか、これだけのものはある程度不可抗力だとしてやむを得ないといったような、こういった基準はあるのですか。
○金井政府委員 一応世界的な基準としましては、千出発当たり大体一件くらい、千回出発するうち大体一回くらいは引き返すというのが基準でございます。
○松尾(正)委員 そうすると、いまの一月以来の故障、ミスは、日航の場合、それから全日空の場合、東亜国内航空の場合には、どのくらいの率になるか、お答えいただきたいのです。
○金井政府委員 平均しまして、全日空の場合には千回で一・二、日本航空は〇・九、これは先ほど申し上げました三カ月の平均でございます。それから東亜国内航空がやはり一・二くらい、これは三カ月の平均です。ただしこれは一年間の統計の場合、半年ごと、時期によって若干の違いはありますけれども、大体〇・七から一・二ぐらいの間を上下しておるというのが、いままでの実績でございます。
○松尾(正)委員 ここで少し具体的に伺いたいのですが、全日空の場合が大体一・二で、基準をやや上回っている。いまお話があったように、これは一月から三月の例ですから、年間平均、通してどうということはまだ未知数です。けれども、現状では一・二という、基準を上回っておりますから、ひとつ全日空に例をとって伺いたいのですが、一月のミスあるいは故障の中で、離陸したものが故障を発見して引き返した数というのは何件くらいありますか。これは一月だけでけっこうです。
○金井政府委員 先ほどの十二件でございます。引き返したのが十二件です。
○松尾(正)委員 先ほどの十二件というのは、全部離陸したものが何か発見して引き返した数ですね。
○金井政府委員 さようでございます。
○松尾(正)委員 そうしますと、その中で、故障と整備のミスというのはあとでなければわからないのですけれども、一番心配な故障というのは、どんなものがあげられますか。たとえば脚が開かなかったとかあるいはこれでは着陸が不可能だというような、そういった故障で具体的なものはどんなのがあげられますか。
○金井政府委員 一応航空機の部品系統等は御承知のように二重あるいは三重にできておりますので、一つの部品がだめでもそのまま飛んでいってもいいという、これは一種の運用許容基準というのがございます。先ほどの十二件のものも、運用許容基準内でそのまま飛んでいってももちろんかまわないわけでございますけれども、しかし、できるだけどんな小さな故障でもなるべく引き返せというふうに日ごろから指導しておりますので、引き返したわけでございます。ただ、ただいまの先生の御質問の中でどういう故障が最も心配かということでございますけれども、これはたとえば客室は御承知のように圧力が高くなっておりますので、キャビンプレッシャーということで圧力を非常に高くしてありますので、これが窓ガラスにひびが入って漏れるとか、これらは非常に危険な故障でございます。そのほか、たとえば脚が出ていないというような場合でも、これは二重あるいは三重になって、最終的には手で出すことも可能でございますので、先ほどのキャビンプレッシャーの問題等に比べれば、それほど重要――もちろん比較の問題ですけれども、重要度は低いというふうに考えております。
○松尾(正)委員 一つ一つやっていく時間がありませんから省略しますけれども、いずれにしても離陸したものが乗客の安全を第一にして引き返した、補助設備等を使えば使えるんだということですから、これは純然たる整備のミス、故障という例には当たらないと思うのです。したがって、ぜひそうあらねばいけないと思いますけれども、私はそこで伺いたいのが、整備のミスないしは故障ということは、飛行中は絶対に許されない。したがって、先般羽田の税関の状況を視察に行ったのですけれども、あの際にいろいろ管制勤務等を見まして特に私が感ずるのは、整備ということがいかに重要な問題であるか。機体が一たん離陸して安全に目的地へ到着するためには、これは飛行中はかかって操縦士の腕にある。けれども、その操縦士の腕が、技能がいかにすぐれておっても、もし整備にミスがあった場合には、もうどうにもならない。したがって、整備あるいは整備士というものの条件が、非常に重要だということを感じたわけです。
 そこで伺いたいのですけれども、最近では昭和四十七年三月四日に一斉に新聞で報道されたんですけれども、いまの事故の中に入っていると思いますが、一月二十九日、それから二月一日、二日とこの三日間に全日空の727機が連続して油圧系統に故障を起こした、こういう問題が一つ。ところが、一月二十九日、二月一日、二日にあったその直後の三日にも、また三機の全日空機に整備上のミスがあった、こういう報道があって、これでは非常にたいへんではないか、こういう意味のことを報道しております。この事実があったのかどうかということと、それからもう一つは、これに対して運輸省では監督、指導の立場でどういう手を打たれたのか、まず最初にその点を伺いたいと思います。
○金井政府委員 御指摘の新聞で報道された故障はございました。ただ、最初の一月二十九日、二月一日、二月二日というのは、二月二十九日と三月一日と三月二日の大阪におけるボーイング727の油漏れの故障ではないかと思いますけれども……
○松尾(正)委員 油漏れの故障というのは、整備のミスですね。
○金井政府委員 さようでございます。
 それで、一応特に最初の二月二十九日、三月一日、三月二日、三日連続の油漏れの故障につきましては、これはまず誤った部品をつけて油漏れが出て、二月二十九日に点検してその間違った部品がついておるということを発見できなかったために、一日、二日と連続故障が起きたということでございます。これにつきましては、まず誤った部品をつけたということが第一の問題であり、それから二月二十九日の第一回の故障探求の際にもっと徹底的にしておれば、誤った部品をつけておったということを必ず発見できたはずでございます。もう発見しておれば、二日連続した故障は防げたはずだ。ここで大きなミスを二つおかしておるわけで、最初に誤った部品をつけたことに対しまして、部品の仕分けはもちろん徹底しておったわけでありますけれども、誤った部品が正規の部品のたなの中に入っておったというようなこと、したがって、その区分けをはっきりし、今度間違わないようにするということと、それから二つ目のもっと徹底的に故障探求するということにつきましては、結局結論としまして、整備ということで一番大事なことは、もし故障が起きたときにそれと同じような故障を二度と起こさないような対策を立てるということでございますので、故障探求、それから原因の探求を徹底的にやるということを指示すると同時に、大阪地区には航空機検査官が十数名おりますが、さらに本省から二名検査官を派遣しまして、実情を調査させました。
 それから、いままでの引き返しの率が千回に約一・一回もしくは一・二回くらいでございますけれども、この引き返しの状況をよく見ておりまして、それから先ほど申し上げましたように、現場で本省からも検査官を派遣して立ち入り検査しまして、そしてふぐあい是正対策を強化するよう指導しております。また、御承知のように、整備は運輸大臣が認可するところの整備規定の中にどういうふうに整備するかということが規定してあるわけでございますけれども、この確認の状況につきましては、随時立ち入り検査をしてございます。したがって、今後はこの立ち入り検査を強化すると同時に、今回の事故にかんがみて指示しましたふぐあいの是正対策というものがどういうふうに実施されようとするのか、それを厳重に監視したいというふうに考えております。
○松尾(正)委員 あとの三機を含めると四日間連続したミス、これを本省から技術官を派遣して点検したのは幾日ですか。
○金井政府委員 四日に一人と、それから四日前に、教育それからふぐあい是正対策の実施がどう行なわれているかということで二人と、合計三人です。
○松尾(正)委員 これはいまの答弁の中でも、事故が起きたその原因対策ということがありますから、これがほんとうに履行されておれば、私は四日も連続して、しかも六機も連続してミスが起きるということは、あり得ないと思うのです。したがって、こういうことがあった以上、いままでの航空機事故というものを見ますと、どうしても連続発生的なものが感じられる。ですから、幸いこれは事故を起こさないでミスとして発見できたのですから、その対策には、もう一歩重視して、むしろこういうものを少なくする方向で努力してもらいたいと思うのです。
 それから、ここで一つ問題になりますのは、やはり航空機の整備ということが根本的な問題であろう、先ほどもちょっと触れたのですけれども。そこで伺っておきたいのですけれども、整備基準というのはどういうふうになっているのか、ちょっとこれを伺いたいと思うのです。
○金井政府委員 まず、飛行機が実際に実用に供される前に、型式について設計上安全であるかどうかというためにいろいろな試験をするわけです。たとえば脚にしましても、上げ下げの試験を何万回やるだとか、そういう試験をして初めてこれは安全であるという証明がされ、そして実用に供されるわけです。したがって、整備にあたっては、その型式について安全であるという証明を受けるときに、大体その脚なら脚という部品は何万時間保証されたのかということをまず基本にいたしまして、その何万時間の範囲内で整備するということがまず基本になるわけです。
 それから飛行機がまず使われるようになりますと、エアラインによって使い方が違うわけです。たとえば一千キロメートルの区間を飛ぶ場合に、ノンストップで飛ぶ場合、これは飛行の点非常に楽なわけです。離着陸は出るときと向こうへ着くときだけ、途中は巡航速度といいまして、非常に楽な使い方になるわけです。ところが、一千キロメートルでも、その間五回も六回も離着しますと、それはいつも離着陸に非常に高い出力を要求されますので、飛行機にとっては最も過酷な扱いになるわけです。したがって、そういうエアラインでどのような使われ方をするのか。それから次に、その使うエアラインは、その飛行機についてどういう整備上の経験を持っているかどうか。整備員の人数はどうか、能力はどうかということ。それからさらに使用しておる間にどういう故障なりあるいは使用経験上ふぐあいなりが発生したかどうか。これはしばらく使ってからでないとわかりませんけれども、そういうようなことを、先ほど申し上げました型式が安全であるかどうかということを証明されるときに、おのずから部品ごとに限界時間というものがありますから、その限界時間プラスエアラインの使い方、エアラインの整備上の能力、それから故障発生の状況、そういうものを加味して、各エアラインごとに整備方式というものは違うわけでございます。
 したがって、そういうものを勘案しまして、先ほど申し上げました運輸大臣が認可する整備規定の中に、たとえば同じボーイング727であっても、日本航空はこういう整備、全日本空輸はこういう整備というふうに、各エアラインごとに整備方式というものは違いますし、そしてその使う整備方式について運輸大臣が認可しているわけでございます。
○松尾(正)委員 技術的なことは聞いてもよくわからないのですけれども、いまあなたからのお話しのあった整備能力というのは、人員的なものを含むと思うのです。技術も含むし、もちろん一機当たりの人員も含むと思うのです。したがって、全日空のこういうふうに連続して、ミスが起きた場合の整備能力、いわゆる一機これでよろしいというまでに、727の場合には、人員は何人必要で、どういう技術者がこの中には最終的な結論を出すのだということは、どうなんですか。一機の整備を完成する場合の能力と技術面、これを伺いたいのです。
○金井政府委員 整備の中には、大きく分けて三種類の整備がございます。まず三十時間から五十時間ごとに見る運航整備、それから三百時間から五、六百時間くらいの間に見る定時整備、それから一万時間程度で見るいわゆるオーバーホール、こういうものがございます。そのほか、飛行で折し返し点で見る整備だとか、あるいは大阪から大分へ行って、また引き返して大阪から松山へ行く、こういう場合に、やはり大阪も引き返しの基地になるわけですけれども、そういう整備の場合には、特に国家資格がない者でも、国家資格を要求されておりません。ところが、三十時間とか五十時間以上の運航整備、定時整備、オーバーホール、こういうものは、国家資格を要求された整備士が最終的に確認するということになっております。
○松尾(正)委員 そうしますと、この二十九日から一日、二日に起きた727の整備ミスというのは、そのうちのどれに当たるのですか。Aに当たるのか、Bに当たるのか、Cに当たるのか、それとも引き返すのに当たるのか、どれですか。
○金井政府委員 これはもちろん修理ということも整備の中に入るわけでありますけれども、これはいまの運航整備とか定時整備、オーバーホール以外の整備になります。というのは、油漏れという故障がありましたので、これは当然修理とか分解して検査することになりますので、これは最終的には分解したあと再組み立てをし、修理を探究したあと再組み立てをするということになりますと、国家資格のある整備士が確認しなければならないことになります。
○松尾(正)委員 だから、その場合にこういうミスが生まれたのですね。ですから、この場合にはどれだけの人員がかかって、国家資格を持った者が当たってこうなったのかどうか。何人当たって、そして最終的に国家資格のない者が当たったのか、あるいはある者が当たったのか、こういう点をもうちょっと具体的に伺いたい。
○金井政府委員 これはこのときの数字をはっきり聞いておりませんけれども、通常三名から五名の整備員が当たり、そしてそれに一人有資格整備士がついております。合計四名から六名ということでこの点検をしたはずでございます。
○松尾(正)委員 もう一点問題になるのは、いわゆる整備士の資格であろうと思うのです。この資格はどうなっているのですか。資格にもいろいろあると思うのですね、これをひとつ具体的に知らしてください。
○金井政府委員 整備士の資格には一等、二等、三等というものがございまして、三等というのは主として単発機、それから二等は十人乗りぐらいの双発機、一等というのは六十人乗り以上の大型機というふうにお考えになっていただければよろしいかと思います。そのほかに、ヘリコプターはヘリコプターとしての整備士の資格が要求されます。
○松尾(正)委員 ここでこういう質問をすると、非常に過酷に、ただ整備士だけを責めるようにとられがちなんですけれども、私は先ほどちょっと触れましたように、整備というのが離陸した後の操縦と同じ重要な意味を持つ、こういうふうに感じておるわけでありまして、したがって、この整備に、いま日航並びに全日空、東亜航空等が十分な整備士の能力を持っているのかどうか。したがって、これにも基準があるのじゃないかと思うのです。使用機何機に対して何人、こういう基準があるのではないかと思うのですけれども、その基準、それから現在擁している整備士の数、これを知らしていただきたいのです。
○金井政府委員 各機種ごとに国家資格を持っている確認整備士の数は、大体一二%から一五%、したがって十人、二十人のうち三人とか、そういう程度の確認整備士の数があればよろしいということになっております。ただし、それ以外の国家資格のない整備士であっても、もちろんその機種についての半年あるいは一年なりの訓練を受けて、そしてその確認整備士の手助けができるという能力が確かめられた後でなければ整備させないようになっております。
○松尾(正)委員 いまの各機種ごとに二十人というのは、たとえば大小を問わず、平均して一機に対して二十人の整備士が必要である、こういう意味ですか。
○金井政府委員 いえ、国家の資格のある整備士が――たとえば727の整備要員が三百人おるとした場合に、そのうち一二%から一五%は国家資格がなければいけないというふうな基準を定めてございます。
○松尾(正)委員 それでは日航と全日空、東亜国内航空の機種の数と整備人員を。
○金井政府委員 日本航空はジャンボが十一機、DC8が五十機、ボーイング727が十二機、合計七十三機になっておりまして、二千六百八十名の整備関係者がおります。そのうち国家資格を持っておるのが約六百十名。全日空はボーイング727が二十一、ボーイング737が十三、YS11が三十、フレンドシップが十七、合計八十一機持っておりまして、整備要員は全部で八百三十名で、そのうち三百二十名が国家資格を持っております。東亜国内航空はYS11二十九、デハビランド・ヘロンといって、これは双発の十八人乗りの飛行機ですけれども、これが二機、それで合計三十一機で、四百四十名の整備要員のうち約百三十名が資格を持っております。
○松尾(正)委員 そうしますと、全日空の場合には、八十一機で八百三十人しか総員はいない。日航の場合には七十三機で二千六百人、ずいぶん差があるのですけれども、これは物理的にはこれで十分なのかどうか。この点はどうなんですか。
○金井政府委員 十分でございます。といいますのは、日本航空は、機体のオーバーホールからエンジンのオーバーホール全部自社でやっております。全日空は、御承知のように、機体のオーバーホールは一応ジェットについては自社でやっておりますけれども、YS11とかフレンドシップについては、子会社の全日空整備会社というところに外注しております。それからエンジンは、ジェットエンジンのオーバーホールは石川島播磨重工に、YS11、フレンドシップF27は三菱重工に外注しておりますので、直接のオーバーホールを除いた整備の一機当たりの人員というのは、全日空も日本航空もほぼ同等でございます。
○松尾(正)委員 これは物理的に十分な能力ありということですから、それを信用するのですが、今度はこれらの人の待遇について私は考えなければいけないと思うのです。
 というのは、航空機の操縦士に対しては非常に十分な待遇が与えられているように思うのですけれども、むしろ私は、整備士の場合には非常にきびしい要件を要求されるのですから、したがってこの待遇についても操縦士に次ぐような、そういうものがあっていいんじゃないかと思うのですけれども、操縦士と整備士との待遇の違いは、どのくらいあるのですか。
○金井政府委員 これは会社によって若干差がありますけれども、それほど大きな差はございません。日本航空の場合を例にとって御説明いたしますと、大体四十五、六歳の人で、パイロットの場合には一応月六十万円くらい、整備士の場合には二十二、三万円ということでございます。大体三分の一という金額でございますけれども、ただ、この六十万円のうち、四十万円というのは飛行手当が入っておるわけです。これは一時間飛ぶと大体四千円から七千円という手当がもらえますので、たとえば東京からアメリカまで行きますと、もうそれだけで十数万円という金になってしまいますので、そういう金があるので約三倍になります。ただし、本給とそのほかの手当等は、整備士もパイロットも同じでございます。要するに、飛行手当が非常に多いために三倍ぐらいの月給になってしまうということでございます。ただ、もちろん整備士につきましても、資格をとれば、わずかではございますが、たとえば五千円とか六千円とかの手当はつきますけれども、これはパイロットの場合の飛行手当の一時間分にも相当しないという軽いもので、確かに御指摘のとおり仕事はたいへんだけれども、パイロットほど恵まれていないということは確かでございます。
○松尾(正)委員 そうすると、整備士がかりにミスを起こした場合には、何か規定で罰則等があるのですか。
○金井政府委員 まず、そのミスのために事故が起きて、そして運輸省の事故調査の結果、航空法違反だとか、それから重大な過失があったというような場合には、技能証明の取り消しとかあるいは技能証明の停止とか、そういう行政処分がございます。それは国でそういう行政処分をするわけですけれども、それ以下の軽い場合には、各会社ごとに社内規則で罰則なりあるいは再訓練なりの規則を設けてございます。ただ、明らかに整備士のミスということで、それは航空法違反でもないし、重大な過失でもない、ただミスをおかしたということであっても、一応会社の社内規則によって何らかの処罰は加えられるのが通例でございます。
○松尾(正)委員 そうすると、重大な航空法違反のようなミスでないものを、軽いものを二、三回繰り返したという場合には、どうなんですか。
○金井政府委員 これは会社によって違いますけれども、再訓練とか、それから減俸だとか、そういう処置で処分されております。
○松尾(正)委員 こういう整備というものはいわゆる操縦士と同等にみなさなければならないというのは、いま言ったような点を伺ってみて非常に高度なものを要求されるわけですよ。もうこれでよろしいという結論を出すまでには、それこそ真剣な、一つの部品の交換についても、点検についても、高度なものが要求されるわけです。それに対して、もし誤りがあれば、規則によって減俸をされたり、それから罰則規定が、会社によって違うけれども、設けられている。それだけ重視するのですから、したがってこれは会社まかせにしないで、運輸省当局としても、これらに対しは、それじゃ三回連続ミスをやった場合には罰則で減俸されるなら、三回テストをやってこれがミスがなかった場合には、増俸するとか手当を出すとかそういったことがあってもいいのじゃないかと思うのですけれども、政務次官、どうですか、大蔵省の考え方とそれから政務次官の考え方を――これは人事院自身にも来てもらって聞けばいいと思ったけれども、これはもちろん技術的な面と政治的な面と両方あると思うのです。パイロットに対しては、技術的な給料というのは同じだというのです。ただし、パイロットに対しては飛行手当というものが非常に大きい。ところがこの整備士になると、きまった技術手当というものはパイロットと同じだけれども、あとはたいしたことはないわけですね、一等、二等になっても、確認整備士になっても。しかし、要求されるものは、二回、三回連続してミスを起こすと減俸になったりあるいはしかられるわけですよ。たまったものじゃない。一生懸命やってミスがなければいいけれども、一生懸命やった、真剣にやったということでミスが防げるのならいいけれども、そうでないと思うのです。したがって、連続してミスを起こした場合には処罰されて、そうして連続してミスがなかった場合には何でもない、こういうへんぱなことでは、ほんとうの有能な整備士というものは得られないのじゃないかと思うのですけれども、そういった面に対して、給与面でどう考えるべきか、こういう点について、最初に主計局から伺って、政務次官から伺いたいと思います。
○吉瀬政府委員 どうも事民間航空会社の給与体系に関する問題で、大蔵省として見解を述べる種類の問題でないように私ども理解いたしますけれども、先生のおっしゃったような整備士の職責の重要性にかんがみまして、やはりそういうような体系につきましていろいろ研究を行なうことは必要かと思いますが、私どもといたしましては、立場上ちょっと議論がまとまらぬところで、恐縮でございますが……。
○田中(六)政府委員 飛行機という特殊なものでございますので、もちろん飛行前の整備というものが大きく左右しますので、整備員の責任ということは、やはり責任体制を明確にしておかなければ重大事故を起こすということから、これは当然だと思います。といって、今度は給料の面で飛行士と整備員がかなりの差があるというところに矛盾を感ずるのですが、これまた飛行中の事故ということに相なりますと、命をかけておりますし、ここにプラスアルファがあるのは、これまた当然じゃないかという気がしますし、松尾委員にこの前申しましたように、私も飛行機に三年乗っておりましたが、事前の整備というものは何よりも必要であるし、今度は飛行機に乗っておる飛行士に対する取り扱いというのは、どういう航空隊でも特別の取り扱いをしておりましたし、事故を起こせば直ちに命がなくなるという面から来たものだと思いますが、そういう面で給料の差があるのは何となくしかたのないような気がするわけです。といって、先ほど申しましたように、飛ぶ前に整備がうまくいってなければすぐ事故が起こりますし、いずれにしても給与の段階で差が多少あるのはしようがありませんが、やはりほかの仕事よりも特種な技術、技能でございますので、俸給をたくさんやるようにその会社が努力したらどうかというような気持ちになるわけです。
○松尾(正)委員 差が大体三分の一ですから、それに対して大蔵省として、主計局の立場で、それはふやすべきだということは私はいえないと思うのですよ。けれども、三回連続ミスをやったら処罰を受けて、ミスがなかったらあたりまえ、こういう行き方に、ほんとうに有能な技師を得なられい欠点がありゃせぬか。もう少し賞罰というものをはっきりして、もし罰則をきびしくするなら、それに反しで賞のほうを考えないような片手落ちなことでは、だんだん要求は多くなるけれども有能な人員が得られない、そういう欠陥があるんではないか、そういう点についてはどうかということを聞いたんです。
 それからもう一つは、大蔵省の立場で民間の給与体系に云々することはという前言がありましたけれども、私は、航空事業というものは、民間だからあるいは国でやってるんだからという差はないと思うのですね。民間まかせならば、幾ら安い給料でどんな過酷なことをやっておってもいいのかというと、そうではないと思うのです。特にこういう航空事業というものが国際的にも非常に重要な立場になってきた現在では、やはりこれは国としても、民間まかせでなく、こう考えるというくらいのことはあってしかるべきだと思うわけですが、へんぱなミスに対しては罰則はあるけれども、ミスのない整備については当然だということが是か非か、そういう点を大蔵省に伺いましたし、政務次官に伺ったのは、政務次官がこういう知識を非常に高邁にたくわえているから伺ったわけで、いまの答弁では満足できませんので、もう一回伺いたいと思います。
○吉瀬政府委員 御質問の趣旨、よく理解できました。要するに、メリットシステムとそれからもう一つ逆のデメリットシステムですか、よく組み合わせて働きがいのある処遇に努力せよ、こういう御提言だと思います。それは私、やはり事故を絶滅させる上におきましても、相当有効な説じゃなかろうか、こういうぐあいに考えております。
  〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕
○田中(六)政府委員 要するに、整備員の褒賞といいますか、よくいったら黙っておく、悪くいけば罰則ということ、これはやはりどこか欠陥を直して、よかったらよかったでほめる、もちろんそれに物質的な裏づけをつけることが整備員を募集するのに非常にうまくいくでしょうし、有能な整備員を航空会社が持つということが先決でございまして、その裏づけは給与面だと思いますので、よくいったときはよくいったときの効率的な給与を出したらどうかということ、これは民間会社でありましても行政指導という面でできるわけでございますので、そういう点で政府がリードしていったらいいんじゃないかという気持ちでございますし、全体的な給与面につきましても、行政指導という形で、いろんな点で整備員が各会社に応募できるような、優秀な整備員が残り得るような措置をとっていきたいと思います。
○松尾(正)委員 ぜひひとつそういうふうに運輸省でも指導していただきたいと思うのですが、この指導について、今後どういうふうに当たっていくか、これは局長からでもどなたからでもけっこうです。
○金井政府委員 御指摘のとおり、基本給は同じにしても、飛行手当ということで四十万以上の差が出てしまうということは、勤労意欲にも支障があるかもわかりませんので、そういう点を考慮して、もうちょっと給与改善の面、あるいは厚生の面、それから社内規則の罰則適用の問題等についても、立ち入り検査等によって指導、改善する点があれば、改善するよう指導したいというふうに考えております。
○松尾(正)委員 これはぜひ積極的に指導していただきたいと思うのです。
 それから次に、先般管制塔を視察したときに、レーダーの監視室ですか、あれはまっ暗の中で、私、入ってびっくりしたのですが、終日あの中で勤務して、刻々飛来するものをレーダーでとらえるわけですが、今度羽田に新設するレーダーの監視室というのは、ああいうものでなく、昼間の勤務状態と同じような設備ができるのかどうか、やはりあれと同じまっ暗な中でやる以外にないのか、この点はどうなんですか。
○住田政府委員 現在使っておりますレーダーでは、この前ごらんになっていただいたような暗い部屋でしか映らないというレーダーになっております。しかし最近ブライトディスプレイということで、昼間でも見えるというレーダーの受信、受像機をつくっておりまして、現在すでに東京航空交通管制部におきまして試験的に取り入れております。したがいまして、いずれ将来は明るいところでも見れるというレーダーになると思います。特に今後レーダー管制の自動化を進めていくわけでございますが、その場合には大体明るいところで見れるレーダーになるということでございます。
○松尾(正)委員 そうしますと、あの中で勤務する人は、朝から夕方まで六時間の実働であれば六時間あの中で引き続いてやるのですか、交代制があるのですか。
○住田政府委員 交代はいたしておりません。
○松尾(正)委員 これらについても、あとでまとめて申し上げたいと思います。
 それからもう一つ、管制塔の発着を指令するあそこに勤務する人たちが、私が行ったときに四名勤務しておったと思います。この人たちの勤務状態も終日ですか。
○住田政府委員 管制塔のほうも、レーダー室のほうも、四直五交代という勤務体制になっております。
○松尾(正)委員 したがって、この人たちの給与についても、私は整備士ないしパイロット等と同じものが要求されると思います。寸分の過失も許されない。したがって、給与体系等については、もちろんこれは民間会社の問題ですからとやかく言えないといえば言えないことですけれども、やはりこういう面については……(「民間じゃない、公務員ですよ」と呼ぶ者あり)これについては、運輸省どうですか。当然これは考えてやらなければいけない。あんな暗やみの中で終日やって、しかも私語もできませんよ、見ておりましたら、刻々飛来するのですから。しかも、いま間隔は二分に一機とかいう状況でしょう。こういうところで勤務している者と、十分たばこものみながら、私語もできる、ゆっくり便所にも行ける、こういう状態と同じ扱いというのは、大きな矛盾があると思うのです。この点については、どうですか。これは大蔵省からもはっきり答えていただけると思うのです。
○住田政府委員 管制官の給与につきましては、先ほど広瀬先生の御質問に対しまして御答弁申し上げたわけでございますが、大体一般の行政官の給与と比較いたしまして、一五%ぐらいの調整額がついているということでございます。外国の例を見ますと、アメリカの例でございますが、一般職に対しまして約三〇%ぐらい高い給与を管制官がもらっております。したがいまして、私どもといたしましては人事院と前からいろいろ相談をいたしているわけでございますが、優秀な管制官を募集し、特に管制官の場合には非常に重い責任を負わされているわけでございますので、そういう責任に見合った給与制度を確立してまいりたいということで、いろいろ話し合いを進めております。人事院の考え方といたしましては、一般の職員との均衡という問題もあって、管制官だけということにはなかなか踏み切れないようでございますが、今後管制官の待遇の改善について、最善の努力を払いたいと思っております。
 ただ、管制官の場合は、いま申し上げましたように、一五%ということで一般の行政官よりは優遇されている。したがって、私どもといたしましては、他の通信であるとか、航務であるとか、電子機器の保安職員であるとか、そういう職員については、管制官ほどの待遇は受けていないわけであります。一五%というのは、ほかの職員から見ると非常に高いといいますか、いい待遇になっているわけでございまして、むしろそういう他の職員についての待遇改善もこれから考えなければいけないというふうに思っております。
○松尾(正)委員 一五%で高いと言うのですけれども、私は、技術的に一般の人よりも相当高度だと思うのです。したがって、アメリカに比較すると――アメリカは一般よりも三〇%高い。アメリカの場合には、設備が日本のあの管制設備よりもずっといい設備ですね。そういう中におってなおかつ三〇%高いのですから、したがって、アメリカよりも設備的には非常に劣っている中で、しかもあの暗やみの中でやったり、寸刻の油断もできないような状態で勤務しておる人たちの手当、待遇については、考えなければいけないと思うのです。そういう意味で、人事院に積極的に働きかけているということですけれども、一番あとのあなたのことばに、一般と比べて相当高いということがあることは、あまり積極的にはできませんよという、こういう印象を受ける。したがって、どうかこれらの人が、やはり有能な人がどんどん得られるようなシステムにしていくためには、アメリカと同じ程度のものに持っていく必要があろうと思う。そういう努力を今後してもらいたいし、それから主計局では、そういう要求があり、人事院にも逆に大蔵省のほうから働くぐらいの気持ちで、そういう趣旨に徹すべきではないかと思うのですけれども、主計局のお答えをいただきたいと思います。
○吉瀬政府委員 管制官の勤務が非常に緊張をしいられる職務であり、また職場の勤務環境も決して良好とはいえないという状況にあることは、確かだと思います。私どもそういうような実態に即しまして、また最近の航空事故、特に去年の事故等の経験に照らしまして、管制官の増員、これにつきましては、予算措置で相当努力を払ったつもりでございます。まだまだこれで十分といえるかどうか、問題はございます。特に管制官の定員増加をはかりまして、労働が過重にならないようにつとめることが第一だと思います。昭和四十二年に七百九十名ほどの定員が、四十七年度では千三百五十名というぐあいに、相当程度の増員をはかったりもりでございます。
 御質問が給与のことでございますが、私どもといたしましては、人事院と運輸省といろいろな折衝の経緯を見守りながら、十分理解ある態度で接していきたい、こう思っておる次第でございます。
○松尾(正)委員 これはぜひ、保安ということが中心でありますので――もちろん、保安ということは設備、いわゆる機械を備えればそれで万全だとはいえないと私は思う。こういういった労働関係等まで含めた保安体制が整わない限り、完全に近いところまではいかないという意味から申し上げたわけでありますけれども、そういった点から考えてみると、設備についてもまだまだ要求されるものがありますし、それから給与面等についても考える余地があります。いろいろ問題があるわけです。
 こういった問題がある上に、現在、羽田の国際空港というものは、もうダイヤが過密で、このままに放置しておくというあれはない、そういうところまで来ているわけですが、羽田の発着状況は、国内、国際合わせて、間隔はどのくらいになっているのですか。国際、国内航空の全体の発着の間隔です。
○金井政府委員 離陸、着陸、両方合わせまして、平均二分足らずに一機ということになっております。
○松尾(正)委員 二分足らずに一機という、まさに過密状態ですね。したがって、私らも聞いておりますが、札幌から来て羽田の上空へ来たけれども、指令がないのでおりられない。こういう滞空の一番長い時間は、いままでにどのくらいのものがあったのですか。
○金井政府委員 五十分というのがございます。五十分上空で待たされたという場合がございます。
○松尾(正)委員 私どもは一時間余り待たされたということをしばしば聞くのですけれども、これは乗客のほうはずいぶん待っている時間だから長く感ずるので、正味は五十分ぐらいかもしれません。こういったいろいろな保安上の問題点がある上に、非常に過密である、上空に滞留を余儀なくされるというような、こういう現状でありますけれども、その真下は東京を中心とした首都圏です。それから特に、羽田国際空港に隣接して石油コンビナートがある。この石油コンビナートというのは、非常にたくさんな油をたくわえておるわけですが、一たびあそこに事故が起こったらたいへんだということで、これらについても十分考えておられると思うのですけれども、消防庁に伺いたいのですが、あの羽田空港に隣接している石油コンビナートの一日平均の貯油量は、どのくらいになっておりますか。
○古郡説明員 川崎市の例でございますが、正確な数字ははっきりいたしておりませんが、ただ、消防法上で許可数量がございます。これによりますと、川崎市で全体で六百七十三万四千四百四十三キロリットルでございますが、通常は大体この六割くらいが貯油されておると思います。そうしますと、約四百四万キロリットルでございます。
○松尾(正)委員 四百四万キロリットルという膨大な量の重油、石油その他をこれは含んでいるわけですね。これに対する消防施設といいますか、この基準があると思うのですが、どのくらいの消火剤、中和剤ないし消防自動車等が必要なのか、この基準を教えてもらいたいのです。
○古郡説明員 川崎市に例をとりますと、これも基準というはっきりしたものはございませんが、私たちが指導する立場で算定しておりますのが、化学車二十二台、消防艇四隻、それから消火剤が百キロリットル、中和剤六十二・五キロリットル、オイルフェンス二千メートルでございます。これは算出根拠といたしましては、三万キロリットルのタンクが発火した際に消火する資機材を計算しております。これは現有でございますが、川崎市におきましては、化学車が三十六台、消防艇二隻、消火剤が二百八十八・二キロリットル、中和剤が二十七・九キロリットル、オイルフェンスが五千六百三十メートルでございます。これは川崎市の消防並びに企業の保有するものでございます。
○松尾(正)委員 いまの化学車が二十二台あればこの四百万キロリットルの消火ができるということですか。
○古郡説明員 先ほど申しましたように、この算定根拠は、三万キロリットルのタンクが出火した際に、この三万キロリットルのタンクを消火するに必要な資機材でございます。
○松尾(正)委員 そうすると、もしあの上に航空事故が起きたという場合には、この十倍以上の施設、薬剤等がなければ、間に合わないということですね。一たびあの上空で飛行機の墜落事故等が起きた場合には――いまのは三万キロリットルのタンク一つを想定した場合の能力でしょう。そうですね。したがって、四百万キロリットルというと、この十倍以上の能力がなければ、それには応じられない、こういうことになるのじゃないですか。
○古郡説明員 想定が非常にむずかしいものですから、一応三万キロリットルで計算いたしました。これ以上になりますと、相当多数の化学車なり薬剤が必要かと思います。またこの場合、私たちが指導しておりますのは、単に川崎市だけではなくて、横浜市並びに東京その他広域的な応援協定を結ばせております。こういう関係からの応援もございます。その程度によりましてそれぞれ処置をとるようにしております。
○松尾(正)委員 そういうことはあまり理由にならない。事故の想定というのはあまりしたくはない。けれども、新潟においてあの石油製油所の大事故がありました。あのときには、緊急施設というのはいま言ったような基準をごく欠けるだけしかなかったと思う。あのときの実情はどうだったのですか。何万キロの油があって、これに対して幾日消火の日数を要したか、そんな点について伺いたい。
○古郡説明員 当時、すなわち昭和三十九年六月十六日でありますが、その際昭和石油新潟製油所にありました石油類の推定量は、約十九万八千キロリットルでございます。それで火災を起こしましたのが、昭和石油会社の中の新しい工場の中にありました三万キロリットルの原油タンクから出火いたしまして、これがさらに隣接した三万キロリットル二基と四万五千キロリットル二基、合計五基が出火しております。また別に旧工場にございました一万五千キロリットルの重油タンクから出火いたしまして、これは近くの民家にも延焼し、さらに近くにございましたタンク群に引火しております。これらの新しい工場のほうの火災につきましては、六月十六日の午後一時一分ころ出火いたしまして、完全に消火いたしましたのが七月一日の午前五時でございます。それから別の旧工場の火災につきましては、六月二十日の午後五時に鎮火しております。
○松尾(正)委員 こういう石油貯蔵所の火災想定等の場合にいつも問題になりますのは、たとえばいま日石等では、三万トンクラスのタンクが一つの構内に十基くらいありますね。こういう場合にも、一つのタンクに火が入れば、あとは全部これを防止する設備ができております、こういうことをよく聞くのです。けれども、一たび製油工場の火災となった場合には、そんな、ふだん理想にしておるような状況ではこれは免れない。これは新潟のあの事故がよく物語っておるわけです。したがって、旧石等で三万トンクラスのタンクが十基以上もあるようなところへ航空機の墜落があったというような場合には、当然一つや二つのタンクで火災を防止するなんということは不可能なわけですよ。
 こういった点を考えましたときに、今度の特別会計のねらいが、空港整備五カ年計画に沿って不安を解消する、こういうところにあるのですから――いままで地方に消防関係で譲与しておった額は、ごくわずかだと思うのです。従来、空港隣接地域に対して譲与しておった額は、総体で、消防その他についてどのくらいになりますか。これは主計関係ではわかりませんか。――ここの公団で発行した「新東京国際空港の概要」の中にあるのですけれども、「騒音対策」「その他の対策」として「消防施設」に対して従来は三分の一であるけれども、今後三分の二の補助をやっていく、こういうことがあるのですが……。
○住田政府委員 いま先生のおっしゃいました三分の一が三分の二になっているといいますのは、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律によりまして、補助率のかさ上げをやっているということではないかと思います。
○松尾(正)委員 ですから、これは新東京国際空港に対して三分の二の補助率を適用しようというものなんですが、従来の空港に対してもこの額を適用していくのかどうかということです。新空港にはこうなるけれども、いま問題になっているこういう危険区域では、先ほども広瀬委員の質問にもありましたように、空港をかかえている近接市町村の地方団体の持ち出しは相当多いわけですよ。負担が多いわけですね。したがって、こういう危険な石油貯備施設等を持っているところに対する消防施設補助に対しては、当然三分の二のこの適用をやるべきだ、こういう趣旨で伺っているわけです。
○住田政府委員 空港周辺の消防事業その他騒音、いろいろございますけれども、そういう地元市町村の負担を軽減するために航空燃料税の譲与税を市町村に出しておりますが、これが四十七年から五十年までの四年間で百九億ございます。この範囲内で各市町村が自分の必要とする事業に金を回すということになろうかと思います。
○松尾(正)委員 これについては燃料税の関係はよく心得ておるのですけれども、いままでもいろいろな対策その他で余儀なくされるわけです。ですから、十分な配慮をしてもらいたい。特にこういう危険なもののあるところには、これ以上に気を配っていくことが、いわゆる新空港建設をスムーズに行なうことであると同時に、国民に理解してもらう根本原因になるわけですから、配慮してもらいたい、こういうことを特にお願いしたいと思います。
 それからもう一点は、公害の問題です。先ほど広瀬委員に答えた中で、この四百十億の中で三百三十億が一般の騒音対策費、こういうふうになっておりますが、そのうちいわゆる民間の騒音対策に対しては、私はこの計画の中ではほとんど充てられていないというふうにさっきのやりとりを伺ったのですけれども、その点どうですが。もう一回伺いたいと思います。
○住田政府委員 四百十億円の中には、民家の移転補償は含まれております。しかし、民家の防音工事の費用は含まれておりません。――ちょっと修正いたしますが、いま申し上げましたのは、成田以外の三百三十億についての話でございます。
○松尾(正)委員 この三百三十億というのは、成田の対策費八十億を除いて、一般の空港に対する分が三百三十億ですね。この中に民間の移転補償費が百五十億ということで、この三百三十億というのは、結局移転の補償費に充てられるんで、民間の住宅の防音対策費はこの中には入っていない、こういうふうに伺ったのですけれども、それでいいのですか。
○住田政府委員 そのとおりでございます。
○松尾(正)委員 これはやはり大阪の空港も各空港も全部そうなんですけれども、特に東京国際空港の場合に、前回も伺ってこれに対するはっきりした回答がなかったのですけれども、ジェットエンジンのテスト音の騒音のために夜眠れない、こういうことで川崎市長から運輸大臣に対処するようにという要望が出ておると思うのですけれども、これは御存じですか。
○住田政府委員 川崎の地元のほうからジェットエンジンの音がうるさいという苦情が出ておることは、承知いたしております。
○松尾(正)委員 この要望に添付した資料によりますと、川崎市自体で調査した資料によると、夜十時から翌朝四時ごろまでの間、田島地区では平均六十八ホン、大師地区では七十二ホン以上、それから多摩川べり、いわゆる殿町地域は九十ホンをこしている、こういうものが添付されておると思うのです。この点は御存じですか。
○住田政府委員 いまお話のありましたような苦情がありまして、私どものほうといたしましても調査いたしました結果、大師保健所付近で最高七十ホンくらいの音が数秒間、数回発生しているということがわかっています。
○松尾(正)委員 それからもう一つは、こういう状態であるのでエンジンテストは即座に対処してほしいという要望があったのですけれども、これに対してはどういうふうになっておりますか。
○住田政府委員 現在、川崎のほうの苦情に基づきまして、地元のほうといろいろ御相談を申し上げております。まだ最終的にどのような措置をとるかきめておりませんけれども、今後さらにもう少し調査いたしました上で最終的な方針をきめたいというように考えております。
○松尾(正)委員 そうしますと、環境庁長官から運輸大臣あてに、環境保全上緊急を要する航空騒音対策についての勧告が出ている。これに対して、運輸大臣から環境庁長官にこういう回答が出ているのですよ。東京国際空港については、エンジンテストは午前六時三十分から午後十時までの間行なって、夜間はやらない。しかもこの実施は、四月の一日から実施をする。エンジンテストに対する規制措置は、四十七年四月一日から実施をする。こういう回答が出ているのですけれども、これは回答どおりまだいってないのですか。
○住田政府委員 いま先生の御指摘になりましたのは、おそらく国際空港における制限ではないかと思いますが、東京につきましては一つだけ例外がございまして、羽田のU地区の試運転エリアについては、規制がはずれているわけであります。それ以外の地区においては、午後十時から午前六時までは禁止する。いま川崎で問題になっておりますのは、このU地区の試運転エリアのことが問題になっているということでございます。これは一応海のほうに向いているわけでございますけれども、やはり先ほど申し上げました川崎の大師保健所あたりではかりますと、七十ホンくらいあるということがわかったわけでございます。
○松尾(正)委員 そうしますと、これは地元と話し合って早急解決の方向で努力はしているわけですね。解決の見通しはあるのですか。
○住田政府委員 この地区の騒音は最高七十ホン程度でございまして、しかもその音の時間というのは数秒間、一晩に数回程度ということであるわけです。こういう音がどの程度影響を与えるか、なお現在調査を進めると同時に、地元のほうといろいろ話を進めておるという段階でございます。
○松尾(正)委員 あと具体的な問題を伺いたいのですけれども、少し時間が長くなりましたから省くのですが、これはきょうの新聞報道ですが、大阪地裁では、空港騒音に対して、百二十六人が騒音の禁止と慰藉料の要求を国を相手にして訴えたわけです。これに対して十日の午後、大阪地裁の裁判長は、勝訴の見込みがある、こういうことで報道されているのですが、良心的に訴訟等をやらないところは、結局今度の会計の一元化によって積極的に騒音の対策等を進めるんだといいながら、これに対しては、この五カ年計画の中には民家に対する補償費がない、こういうことでは、このねらい、この空港整備五カ年計画に基づいて柱にうたっていることと内容とは相当大きな開きがあるということ以外にないのですけれども、これは先ほども広瀬委員から指摘がありましたように、もう毎日毎日のことですから、緊急を要するわけです。これに対してこの三百三十億というものを振り向ける、ないしは予備費、調整費等を振り向けて、緊急にこの公害問題というものに取り組んでいくという姿勢をもっとはっきりすべきだと思うわけです。先ほどのやりとりで、私は非常にここらに問題があるというふうに感じたのですけれども、この点どうですか。
○住田政府委員 先ほども申し上げましたとおり、私どもといたしましては騒音対策というものは最重点に実施したいというように考えているわけでございます。確かに民家の防音工事は先ほどの三百三十億に入っておりませんけれども、これは現在調査中であるということと、先ほど申し上げましたように、受け入れ体制ができないとなかなか金が使えないという性格のものでございますので、したがって、調査が済み、受け入れ体制が十分整備されて相当な金が要るというような場合には、既定の計画を変更するなり、調整項目を使うなり、予備費を使うなり、場合によっては新たな受益者負担、先ほど借り入れ金の話も出ましたが、そういうものを含めまして新たな受益者負担制度を設けても、騒音対策というものは最重点で実施したいというのが、私どもの考え方でございます。
○松尾(正)委員 非常にいま積極的に伺ったのですけれども、そうすると、この中には入っていないけれども、いわゆる調査、受け入れ体制が整えば、借り入れ等の措置を講じてもこれと取り組んで解決していきたい、こういうことですね。これに対して大蔵省主計局ではいかがですか。
○吉瀬政府委員 いま運輸省側から答えましたとおり、私どももその線に沿いまして検討いたしたいと思います。
○齋藤委員長 関連して、貝沼次郎君。
○貝沼委員 運輸省にお伺いいたします。
 第一点は、管制体制の問題ですけれども、現在ACCは日本列島全体で何カ所くらいありますか。
○金井政府委員 札幌、東京、福岡の三カ所です。
○貝沼委員 それで、東京ACCそれから福岡ACC、それから札幌ACCですね、これは全部フルに活動しておるわけですか。
○金井政府委員 いずれも二十四時間勤務しております。フルに運用しておるというのは勤務時間のことだと理解しておりますので、その点からいえば、二十四時間勤務しております。
○貝沼委員 それじゃ、日本列島の上を飛ぶ飛行機は、すべてが現在レーダーでキャッチできますか。
○金井説明員 すべてレーダーでキャッチできません。
○貝沼委員 私もそうだと思うのです。全部管制塔のところに行きましてレーダーを見まして、大体見たところ富士山までは映っておりますね、羽田のところでは。それから北のほうに行きますとかなり狭まっておりまして、ということは岩手県であるとかあるいは裏日本のほうであるとか、一番問題のあるところが、山が高かったり雲が多かったりして、私はレーダーに映ることがむずかしいのではないかと思います。それからレーダー波の性質の上からもやはりその辺がむずかしいと思うのですけれども、そういうレーダーに見えない地域ですね、これに対しては、どういうふうに現在管制をされておりますか。
○金井政府委員 前後、高度、要するに高度を分けて飛行許可をするとか、それから同一高度であれば、間隔を十分とか十五分とか非常によけいにとって安全をはかっております。
○貝沼委員 私は、率直に申し上げまして、あのとき感じたことは、たとえば以前事故が起こりました岩手県の問題にいたしましても、やはりあれはレーダーに映らなかったところではないかと思うのですが、この点はいかがですか。
○金井政府委員 現在、ああいう航空路を監視するレーダーは、福岡の三郡山と箱根の二カ所しかございません。したがって、岩手県の場合に、箱根のレーダーは西のほうは、飛行機が飛んでおる高度によりますけれども、飛行機が高いところを飛んでおればレーダーはキャッチしやすいわけですけれども、大体伊勢湾の近くから東はせいぜい銚子から宇都宮あたりまでが箱根のレーダーのカバーする範囲でございますので、岩手県の上空はもちろん箱根のレーダーでは映りません。
○貝沼委員 私は、レーダーに映るような体制というものが少なくも日本列島全体について必要だと思うのでありますが、これは必要ないでしょうか。
○金井政府委員 御指摘のとおりでございまして、事故後、航空路をレーダーでカバーするという計画も、従来の五年計画を三カ年で早めようということで、四十九年度までに北海道、東北、大阪、南九州、それから沖繩、ここに航空路監視のためのレーダーを追加するよう鋭意計画中でございます。
○貝沼委員 そうすると、将来はその体制を整えるということですね、いまの答弁ですと。
○金井政府委員 さようでございます。
○貝沼委員 そういう体制というものは当然必要であったことは、私がいまここで言わなくとも、当然わかっていたことだと思うのですね。なぜこれがおくれていたのか、ここに問題があると思うのです。いろいろな話を聞きますと、実際管制をやるためには通信技術あるいは無線技術の職員が必要になってくるわけでありますけれども、通信のほうはある程度集まっても、無線技術、こちらのほうの人員というものは案外そろわないという難点があるようでありますけれども、この点は間違いありませんか。
○金井政府委員 御指摘のとおりでございまして、一応無線関係の技術者については、第二級無線技術者の免状を持っておる者をとるということを原則にしておりますので、そういう人はもっと給与のいい民間に流れるとかいうことで、なかなか集まりにくいのが実情でございます。そこで現在、羽田にあります航空保安大学校というところで高校卒の人を採用しまして、そして二年間教育して二級資格をとらせるというふうに研修中でございます。それから、あるいは防衛庁からの手伝いだとかそういうものも含めて、集まりにくいことは事実でございますけれども、何とかそれを集めて教育して、そして保安体制の強化につとめたいというふうに計画しております。
○貝沼委員 先ほど管制官の待遇の話が出ておりましたけれども、私は、給料だけでなくて、やはりああいう神経を使う職業でありますから、六時間そのままつとめなければならないということが、実は大きな問題であろうと思うのですね。しかし、なぜいま六時間になっておるかというところを考えてみますと、やはり人が足りないんじゃないかと思うのです。したがって、政府としては、給料そのものもあるいは問題かもしれませんが、それよりもむしろいまお答えがありましたように、そういう技術者の養成というものをもっと積極的にやるべきではないか、こう思います。五カ年計画というふうに言っておりますけれども、具体的にたとえば東北方面それから裏日本、この辺のところがレーダーに映るようになるには、何年ぐらいかかればできますか。
○金井政府委員 いまの計画ですと四十九年度、したがって昭和五十年三月までには映るようにしたいと計画しております。
○貝沼委員 それからもう一点。飛行場は一たんつくりますと、すぐに今度はそれをばっと拡大するとか、設備をあっちへ動かしたりこっちへ動かしたりということは、なかなかむずかしいと思うのです。したがって、飛行機のほうはどんどん大型になっていきますけれども、飛行場自体がそれに伴って大きくなるということは、ちょっと考えられません。まあ滑走路が長くなるとか、そういうことはあると思います。そういうような場合に、たとえばジャンボ、大型機、こういうものが今後どんどん入ってくるようになりますと、その飛行機のうしろに起こる渦ですね、あるいは排気による風ですけれども、こういった問題がかなり激しくなってくる。そうすると、そのわきに置いてある設備、さらにまたその飛行機のわきから発着する小型機、こういうものについてかなりの影響が今後考えられると思いますけれども、こういう問題については、現在対策は着々と進めておりましょうか。
○金井政府委員 御指摘のとおりでございまして、現在でもたとえばDC8クラスの飛行機で、そのすぐあとに離陸しようと思うためには、少なくとも一分間の間隔が必要でございます。したがって、管制官は、ジェット機が離陸したら一分たってから次の飛行機に離陸の許可を出すというふうにしております。それからジャンボですと、これが大体二分近くなる。うしろから出る渦は、飛行機の重量が大きくなればなるほど大きくなるわけでございますので、もちろん離陸の場合、それから地上でエンジンをふかすような場合でも、そういうことを考慮して、諸般の対策を講じながら空港整備をするよう計画しております。
○貝沼委員 それからもう一点お願いします。それは公害の問題でありますけれども、現在石油系の燃料がほとんどであると思うのですけれども、この石油系の燃料は、各工場において使われておる場合は、煙突から出るその煙に対しまして、あるいはガスに対しまして規制がなされております。しかし、煙突は走るわけではありませんので、立っておるだけなんですね。ただ、風向きが変わることによって、その測定器のある場所が薄くなったりあるいは濃くなったりして、その数字というものが公害があるとかないとかということを意味するわけでありますけれども、私は根本的に言えば、これ自体実はおかしいのでありまして、そんな風向きによって公害の状態が変わるわけではないのであって、やはり一たん出たもの、ガスあるいは毒物いろいろありますけれども、これが空気中に放出されること自体は間違いないわけですから、これはやはり全体として考えなければならない問題だろうと思います。ところが、飛行機の場合はそれを出しながら飛んでいくわけでありますから、飛行場自体に直接排気ガスが残らなくても、たとえば東京の上空を旋回するとかあるいは千葉県の上を旋回するという場合には、や、はりそれだけのものが出ておるわけであります。したがって、これに対する公害規制というものは、今後どういうふうに考えられておるのか、その点をお伺いいたします。
○金井政府委員 航空機の公害につきましては、まず第一に騒音、音ですね。それからその次に、エンジンから出る黒い煙、これは音に比べたらそれほど大きな社会問題ではございませんけれども、その二つでございまして、音につきましては、先ほどからいろいろ騒音対策だとか防音工事だとか、これは別な面でやっております。それから黒い煙が出ないようなエンジン、これにつきましては、昨年から煙の出ないエンジンにつけかえつつあります。したがって、四十八年度までには一応煙が出ないようなエンジンに全部つけかえが終わる予定でございます。
○貝沼委員 その煙というのは、何を意味するわけですか。
○金井説明員 ジェットエンジンから出る排気ガスの黒い煙です。これが要するに目で見ても見えないような排気ガスになるということでございます。
○貝沼委員 そうすると、運輸省のほうで考えている公害というのは、目に見えなければよろしいということですか。見えるとか見えないとかということよりも、何が含まれているかというのが問題なんでしょう。その点はどうなんです。
○金井政府委員 目に見えなければということではなくて、航空機による公害というのは、社会的にはまず音、その次に黒煙ということで、そのほかのものにつきましては、現在までのところ、自動車の排気ガスその他に比べて問題にならないくらいの量であるということになっておりますので、まだ大きな社会問題ということで取り上げられてはおりません。
○貝沼委員 そうすると、運輸省のほうでは、社会問題にならなければ取り上げないということですね。それは現在排気ガスの問題が少ない、少ないというけれども、そんな少ないことはありませんよ。だから、やはり飛行機自体にそういう有害なものが出ないような設備というものは、必要だと思うのです。どうですか。それは初めから、いままだ考えてないわけですね。
○金井政府委員 もちろん、まだ十分検討はしておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、音と黒煙以外のものは、現在までのところ、まだ問題になるようなものではないというふうに判断しております。これは外国でもそうであります。
○貝沼委員 いまは問題にならないけれども、問題になる可能性があるわけですよね。飛行機はだんだんふえてくるのでしょう。だから、やはりそれだけの、だからといって設備をたくさんくっつけたら今度飛行機は重くてしようがないですから、やはり研究ぐらいは進めてもいいんじゃないかと思いますが、これはどうなんでしょう。
○金井政府委員 御指摘のとおりで、現在はまだ世界的にも問題になっておりませんけれども、将来機数がどんどんふえてそういう必要があれば、当然前向きで検討しなければならないというふうに考えております。ところが、まだ現在までのところ、国際民間航空機関というのがありますけれども、これはICAOというのがありますけれども、ICAOではまだ社会問題として取り上げるほどの問題になっていないので、現在までのところまだ手を打っておりませんけれども、当然わが国としましても、一応ICAOの会議の場その他を通じて、もしそういう顕著な傾向が出れば、当然前向きで検討するよう提案したいというぐらいには考えております。
○貝沼委員 どうも私は納得いきませんね。よそで問題にならないから日本の場合も問題でありませんということじゃないと思うのですよ、排気ガスに一酸化炭素をはじめとしていろいろなものが含まれていることはわかり切っているのですから。したがって、自動車だって、一台だけ走っておったら問題にならないのですよ。たくさん走っておるから問題になるのですよ。そういうところから、やはり飛行機の排気ガスについて研究ぐらいはしても私はいいと思う。これから何か問題が起これば研究するというのは、ちょっと手おくれだと思います。
 それからさらに、たとえば飛行場内において、飛行場は非常に広いところですからあるいは問題にならぬというかもしれませんけれども、たくさんの自動車とかその他の機械が走っておるわけですね。この機械からまた排気ガスがたくさん出ておる。風が全部海のほうに向いておればまだしも、風の方向は朝晩違うのですから、それが町のほうにぱっと来ることだってあるのですから、したがって、少なくともあの辺においては自動車のスピードが特別に早くなければならぬとか、そういうふうなことは要求されないわけですから、何もみすみす公害の出るような燃料だけを使わなくて、あるいは電気エンジンでもって間に合うようなものはそれにかえていくとか、そういうような方向の検討というものは、運輸省ではされないわけですか。
○金井政府委員 研究いたします。
○貝沼委員 それからもう一点、これで終わりますが、たとえば札幌から東京に飛行機で参ります、それから東京から大阪へ参ります、そして大阪から福岡へ、こういうようなコースを一応考えます。その場合、飛行機に乗るときのチェックインはかなり時間厳守を求められておりますけれども、しかし飛行機が時刻表どおりに着くとか、あるいは飛び立つとかということは、まれにしかありません。ほとんど時間は狂っております。こういう場合、たとえば札幌から東京に来て、そして今度はBという飛行機に乗って大阪へ行くような場合、この間隔というものは、ダイヤをつくるときに最低何分間必要なんでしょうか。それからさらに今度は大阪から福岡へ行くような場合には、何分間必要であるということを見込んでおりますか。
○住田政府委員 現在、東京−大阪の間には、三十分ごとに飛行機が飛んでおります。それから、大阪から福岡の間には、一時間ぐらいの間隔で飛んでおります。東京と札幌の間のほうは、一時間よりもうちょっと短い間隔ではないかと思います。札幌から東京、東京から大阪、大阪から福岡、特にこの便は、この便に連絡するというようなことでは計画はいたしておりません。いま申し上げましたように、わりと間隔が狭い時間で飛行機が飛んでおりますので、いま幹線につきましてはそういう調整はいたしておりません。ただローカル線につきましては、間隔も長いので、東京、大阪で連絡便の調整を各会社単位でいろいろ考えてやっております。
○貝沼委員 実際に切符を買うときは、やはり連続して買うわけです。時刻表を見ながら買うのですけれども、途中で飛行機の時間が狂ってくるために、結局乗れなかったり、あるいは乗るための乗客が非常に多い場合は飛行機がさらに出発がおくれるとか、こういうことになります。たとえば先ほど話がありましたように三十分とすると、二十分とか三十分おくれてきますと、次のところで乗りかえをするときは今度はぐっと狭まってしまって、人間だけならまだ幾らか乗る時間があっても、荷物の積みかえなどをやりますと、これはとうてい間に合わないというようなところから、現在飛行機のダイヤが非常に信用できないというふうになっておりますね。したがって、このダイヤはなぜそんなに過密に組まなければならないかということになりますけれども、これは非常に飛行機が高くて、それをもとをとるためには一生懸命フルに活動させなければならないということがあるようでありますけれども、しかし、だからといって飛行機を利用する人たちが不便を感じてはならないと思うのでありますが、こういうダイヤの組み方について、運輸省はどういう指導をされておるわけですか。
○住田政府委員 幹線につきましては、いま申し上げましたように、比較的便数も多いので、かりに連絡予定の便におくれた場合には次の便を利用するということでやっておると思います。問題はローカル線の場合で、たとえば東京から大村へ行く、その場合に、通常東京から大阪乗りかえで大村へ行く場合には、大阪からの便も指定されている場合が大半だと思います。この場合に、かりに東京から大阪へ行く便がおくれたというときには、現地の会社のほうで、おくれる時間にもよるわけでございますが、次の便があいているというような場合には大阪から大村へ行く便は予定どおり出てしまう。次の便が一ぱいでその便が若干まだあいているというような場合には、二十分か三十分程度まで待たした上で連絡して出ていくということになろうかと思います。ここらはサービスの問題でございますので、各民間航空会社のほうでお客さまに迷惑をかけないような方法を講じていると思います。
○貝沼委員 それは民間航空のほうでやっていることは、私はわかるのです。やっている結果が、現在、申し上げましたように、そういうふうになっているということです。したがって、ただ民間にまかせればいいというのではなくて、運輸省はやはり何らかのアドバイスというものを私はしてもいいだろうと思うのですね。ことに一番よく感ずることは、たとえば飛行機に乗って外国へ行きます。そういう場合に、飛行機の中のサービスは非常にいいわけですね。ところが、飛行場で飛行機を待つときのサービスはあまりないのですね。初めて飛行機に乗る人などは、おそらく飛行場に着いてうろうろするくらい、あまりサービスはうまくいっていない。先ほどサービスの話がありましたから話を申し上げたのでありますけれども、やはりこういう利用する人たちの立場に立って、もっと気分よく、しかも非常に便利に使えるような方向に運輸省はもっと指導すべきだと思いますが、この点いかがでしょうか。
○住田政府委員 航空会社といたしましてはお客さんにサービスすることが使命でございますので、私どもといたしましては当然最善の努力を尽くしているというように考えていますけれども、もし先生の御指摘のようなお客さんに非常に不便をかけているというようなことがありますれば、そういうことのないように十分指導いたしたいと思います。
○齋藤委員長 次回は、明十二日水曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後五時二十八分散会