第071回国会 本会議 第56号
昭和四十八年八月二十三日(木曜日)
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 議事日程 第五十一号
  昭和四十八年八月二十三日
   午後二時開議
 第一 覚せい剤取締法の一部を改正する法律案
    (社会労働委員長提出)
 第二 動物の保護及び管理に関する法律案(内
    閣委員長提出)
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○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 日程第一 覚せい剤取締法の一部を改正する法
  律案(社会労働委員長提出)
 日程第二 動物の保護及び管理に関する法律案
  (内閣委員長提出)
   午後二時三分開議
○議長(前尾繁三郎君) これより会議を開きます。
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○議長(前尾繁三郎君) 御報告いたすことがあります。
 元本院議長益谷秀次君は、去る八月十八日逝去せられました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。
 つきましては、議院運営委員会の議を経て特別の弔詞を贈呈することといたしました。これを朗読いたします。
  〔総員起立〕
 衆議院は多年憲政のために尽力し特に院議をもってその功労を表彰されさきに本院議長の要職につきまたしばしば国務大臣の重任にあたられ議会政治の発展に多大の貢献をいたされました従二位勲一等益谷秀次君の長逝を哀悼しつつしんで弔詞をささげます
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 議員請暇の件
○議長(前尾繁三郎君) 議員請暇の件につきおはかりいたします。
 永末英一君から、海外旅行のため、八月二十七日から九月八日まで十三日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
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 日程第一 覚せい剤取締法の一部を改正する法律案(社会労働委員長提出)
○議長(前尾繁三郎君) 日程第一は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。
 日程第一、覚せい剤取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○議長(前尾繁三郎君) 委員長の趣旨弁明を許します。社会労働委員長田川誠一君。
  〔田川誠一君登壇〕
○田川誠一君 ただいま議題となりました覚せい剤取締法の一部を改正する法律案の趣旨弁明を申し上げます。
 本案は、最近における覚せい剤事犯の増加及び悪質化が、保健衛生上及び治安上きわめて憂慮すべき問題を提起している現状にかんがみ、覚せい剤原料に関する指定、制限、取り扱い等に関する規定を整備するとともに、覚せい剤犯罪に対する罰則を麻薬取締法並みに引き上げることとし、もって覚せい剤犯罪の取り締まりを強力に推進し、その根絶をはかろうとするものであります。
 そのおもな内容を申し上げますと、
 第一は、覚せい剤原料の取り扱い及び監督の強化に関する事項であります。
 すなわち、覚せい剤原料の輸入業者及び輸出業者の指定に関する制度を新設し、覚せい剤原料の輸入または輸出は、指定を受けた者でなければこれを行なうことができないことといたしました。
 また、覚せい剤原料の製造、譲渡等につきましては、薬事法による許可を受けている者についても、原則的に覚せい剤原料製造業者または取り扱い者の指定を必要とするように改めることといたしました。
 さらに、覚せい剤原料の不正使用を防止するため、その譲渡、譲り受け、保管及び廃棄等の手続について、覚せい剤そのものと同様の規制を行なうことといたしております。
 第二は、覚せい剤犯罪に対する罰則を強化することであります。
 すなわち、現行の覚せい剤取締法違反の罪に対する最高刑である「一年以上十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金」を「無期又は三年以上の懲役及び五百万円以下の罰金」に引き上げるほか、以下それぞれの違反行為の段階に応じ、罰則を強化することとし、また、覚せい剤及び覚せい剤原料の密輸出入及び密造について、その予備を罰するとともに、これに要する資金、建物等の提供及び不正取引の周旋を独立罪として罰することとするものであります。
 何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
○議長(前尾繁三郎君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
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 日程第二 動物の保護及び管理に関する法律案(内閣委員長提出)
○議長(前尾繁三郎君) 日程第二は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。
 日程第二、動物の保護及び管理に関する法律案を議題といたします。
○議長(前尾繁三郎君) 委員長の趣旨弁明を許します。内閣委員長三原朝雄君。
  〔三原朝雄君登壇〕
○三原朝雄君 ただいま議題となりました動物の保護及び管理に関する法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容の概要を御説明申し上げます。
 動物は古くから人類の生存、福祉及び発展に貢献してきましたことは御承知のとおりであります。しかるに、わが国では、これら動物に対する取り扱いに適正を欠くため、動物による人身被害等、人が迷惑をこうむる事件も多く生じているのであります。
 従来、これら動物に対する立法措置といたしましては、文化財保護法、軽犯罪法、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律、狂犬病予防法等があり、さらに地方公共団体が各地の実情に応じて制定した飼い犬等取締条例等があります。
 これらの法令は、それぞれの制定目的等を異にしており、動物の保護及び管理について総合的、統一的な措置を講ずることは困難な実情であります。したがいまして、動物保護の見地から、また、動物による人の生命等の被害防止の見地から、動物の保護及び管理についての総合的な措置が必要と存ずるのであります。
 欧米等諸外国におきましては、数十年前から動物の保護に関する法律の制定を見ているのであります。文化国家であるわが国といたしまして、また、わが国における動物の保護に対する国際的評価を改善する上からも、動物の保護のための法律の制定が急務であると考え、ここに本法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。
 第一に、動物の保護に関する基本原則を明らかにして、動物の保護に関する国民の心がまえについての指標を与えることとしております。
 第二に、動物愛護週間を設けることとしております。
 第三に、動物の所有者等は、動物の保護及び動物による人の生命等の被害防止につとめなければならないものとするとともに、地方公共団体は、条例で、動物の飼養及び保管に関し必要な措置を講ずることができることとしております。
 第四に、都道府県等は、犬またはねこの引き取りを求められたときは、これを引き取らなければならないものとし、国は、引き取りに関する費用の一部を補助することができることとしております。
 第五に、内閣総理大臣は、動物の適正な飼養及び保管等についての基準並びに必要事項を定めることができることとしております。
 第六に、総理府に動物保護審議会を置き、動物の保護及び管理に関する重要事項を調査審議することとしております。
 第七に、保護動物を虐待し、または遺棄した者を処罰する規定を設けております。
 以上が、本法律案の提案の趣旨及びその内容の概要であります。
 本法律案は、七月十九日の内閣委員会において全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決定したものであり、その際、内閣の意見も聴取いたしました。
 何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
○議長(前尾繁三郎君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
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○議長(前尾繁三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時十四分散会
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 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 齋藤 邦吉君
        国 務 大 臣 坪川 信三君
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