第071回国会 内閣委員会 第12号
昭和四十八年四月五日(木曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 三原 朝雄君
   理事 奥田 敬和君 理事 加藤 陽三君
   理事 笠岡  喬君 理事 中山 正暉君
   理事 藤尾 正行君 理事 大出  俊君
   理事 中路 雅弘君
      伊能繁次郎君    上田 茂行君
      越智 伊平君    大石 千八君
      近藤 鉄雄君    丹羽喬四郎君
      旗野 進一君    三塚  博君
      村岡 兼造君    吉永 治市君
      坂本 恭一君    山崎 始男君
      和田 貞夫君    木下 元二君
      東中 光雄君    鈴切 康雄君
      受田 新吉君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  中曽根康弘君
        建 設 大 臣 金丸  信君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        事務局長    吉田 文剛君
        公正取引委員会
       事務局経済部長 三代川敏三郎君
        警察庁刑事局保
        安部長     斎藤 一郎君
        環境庁大気保全
        局長      山形 操六君
        通商産業大臣官
        房長      和田 敏信君
        通商産業省企業
        局長      山下 英明君
        通商産業省重工
        業局長     山形 栄治君
        通商産業省繊維
        雑貨局長    齋藤 英雄君
        通商産業省鉱山
        石炭局長    外山  弘君
        通商産業省公益
        事業局長    井上  保君
        中小企業庁次長 森口 八郎君
        建設大臣官房長 大津留 温君
        建設省計画局長 高橋 弘篤君
        建設省都市局長 吉田 泰夫君
        建設省河川局長 松村 賢吉君
        建設省住宅局長 沢田 光英君
 委員外の出席者
        経済企画庁長官
        官房参事官   斎藤 誠三君
        国税庁直税部所
        得税課長    系  光家君
        林野庁林政部長 平松甲子雄君
        参  考  人
        (日本住宅公団
        理事)     川口 京村君
        参  考  人
        (日本住宅公団
         理事)    東  貞三君
        内閣委員会調査
        室長      本田 敬信君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月四日
 辞任         補欠選任
  吉永 治市君     金子 一平君
  東中 光雄君     松本 善明君
同日
 辞任         補欠選任
  金子 一平君     吉永 治市君
  松本 善明君     東中 光雄君
同月五日
 辞任         補欠選任
  赤城 宗徳君     伊能繁次郎君
  竹中 修一君     村岡 兼造君
  林  大幹君     上田 茂行君
同日
 辞任         補欠選任
  伊能繁次郎君     赤城 宗徳君
  上田 茂行君     林  大幹君
  村岡 兼造君     竹中 修一君
    ―――――――――――――
四月四日
 国防会議の構成等に関する法律の改正反対に関
 する請願(大柴滋夫君紹介)(第二〇三六号)
 教職員の恩給、年金のスライド制実施に関する
 請願(八木一男君紹介)(第二〇八一号)
 同(山本弥之助君紹介)(第二〇八二号)
 同(土井たか子君紹介)(第二一二九号)
 同(中山利生君紹介)(第二一三〇号)
 非核三原則の立法化等に関する請願(田中美智
 子君紹介)(第二一四二号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二一四三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する付
 建設省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一二号)
 通商産業省設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第二二号)
     ――――◇―――――
○三原委員長 これより会議を開きます。
 建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 本案について、本日の委員会に参考人として日本住宅公団理事川口京村君及び日本住宅公団理事東貞三君に出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。和田貞夫君。
○和田(貞)委員 筑波研究学園都市に新設される筑波大学のことにつきましては、本会議でも明らかにされましたように、中教審答申を目ざすモデル大学の創設であり、国家の管理と統制強化をねらおうとする新大学構想であるということは周知のとおりでありますが、同時に、筑波研究学園都市の建設事業については、大手の土建業者の大もうけをする場に供せられるものだともいわれておるのであります。とすれば、今回改正案に盛られております筑波研究学園都市営繕建設本部の役割りというものは、大手建設業者を太らすための各種工事の発注をするものの元締めになるのではないか、こういう推測も成り立つわけでありますが、まず、この点につきましての建設大臣の所見をこの際お伺いしたいと思います。
○金丸国務大臣 私は、今度の筑波研究学園都市の建築の問題につきましては、先生の御指摘されるようなことがあってもならないし、しかしまた、大手だけでやらなければならないところの仕事もあると思います。
 実は私は、大臣就任早々に、全国の地建の局長会議がありまして、そのおり、いわゆる建設省の建設の伸びというものが毎年二八%とか三〇%とか伸びる、その伸びと並行して大手はずんと伸びるけれども、いわゆる中小企業はそれに並行して伸びないということがあってはならない。当然、大手が伸びるときは、大手と同じような比率での伸びが中小企業もあってしかるべきだ、こういう考え方を私は強く地建の局長会議に述べたのでございますけれども、大手業者だけの独壇場にするということを私は毛頭考えてはおりません。
○和田(貞)委員 まあ、これからいろいろと工事の発注がなされると思うのでありますが、いま建設省のほうでは、それぞれの工事の発注額によって、この建設業者の指名にあたりましての格づけというのがなされておると思うわけなんですが、どのような格づけの業者を発注金額はどの程度で押えておるとか、どの程度を基準にしておるとか、そういう点をこの際ひとつ明らかにしてほしいと思います。
○高橋(弘)政府委員 お尋ねのように、建設省としましては、中小建設業の振興対策といたしまして、中小企業建設業の受注機会の確保という見地から、建設工事のランクづけというものをきめておるわけでございます。これは二十五年から、中建審の勧告によりましてこういうふうにきまっております。第四回目の改定として、現行のものは四十六年五月三十一日にございます。
 これは、総合建設業者としてAからEまでございますが、Aは二億円以上、Bが七千万以上から二億円未満、Cは二千万以上七千万未満、Dが五百万以上二千万未満、Eが五百万円未満ということになっておるわけでございます。職別建設業者はAからDまでございますが、Aが千二百万円以上、Bは五百万円以上千二百万円未満、Cが三百万円以上五百万円未満、Dが三百万円未満というふうになっている次第でございます。
○和田(貞)委員 それでは、たとえば筑波研究学園都市にそれぞれ建設省自体が受け持っておられる工事の予想なんですが、一件二億以下という工事、あるいは一件七千万以下という工事、そういう工事の発注ということが今後予想されますか。
○大津留政府委員 筑波地区におきます全体の事業費は、いまのところおおよそ六千四百億程度になろうかと推算しております。これは、公団が実施しますもの、あるいは建設省が行ないますもの、あるいは県が行ないますもの等々を含めた総額でございますが、このうち、建設省が建設を受け持ちます分の工事費は、およそ二千億ないし二千五百億程度になろうかと思います。その中には相当大規模な工事もございますが、それに関連してもちろん小さな工事もたくさんございます。いま二億円以上の工事件数が何件、七千万円以上二億までが幾らという、そこまでのこまかいものは出ておりませんけれども、しかし、二千数百億に及ぶ工事の中には何十億という建設工事もございますが、何百万円とか、あるいは何千万円という工事もたくさんございますので、先ほど大臣が申しましたように、大手の業者ももちろんやっていただかなければなりませんが、中小業者の活躍していただく分野というものも相当ございます。
○和田(貞)委員 角度を変えて質問したいと思いますが、中小の建設業者の振興策として、たしか昭和三十七年だったと思いますが、建設共同企業体の制度を認める、こういうことで行政指導されておったかに見受けられるわけなんですけれども、その後、中小建設業者間の共同企業体じゃなくて、中小建設業者と大企業間の共同企業体、あるいは大企業間のみの共同企業体、こういうものも四十一年以降認めるというような行政指導に変わってきておるわけなんですが、申し上げましたように、もともと建設共同企業体という制度は、中小の業者の振興、育成のためにつくられておるのでありますが、その後、大企業が共同企業体に参加するということによって、当初の計画、当初の構想というものがくずれておるかに見受けられるわけなんです。この間、建設省直接の発注工事だけではなくて、各省にわたる工事、あるいは関係の日本住宅公団、あるいは道路公団、さらには地方公共団体、こういうところにまで、大企業間の共同企業体、あるいは中企業と大企業における共同企業体が、むしろ中企業間の共同企業体よりもより大手を振って濶歩しておる。町を見渡しましても、どこへ行きましても、とにかく大手の企業体というのはあちらこちらにのさばっておる。こういう点が見受けられるわけなんですが、この点について、出発した当初の建設共同企業体の発想がくずれておるように思うのです。中小建設業者の育成、振興という観点から、この点についていかように受け取っておられるか、ひとつお答え願いたい。
○高橋(弘)政府委員 ジョイントベンチャー、共同企業体につきましては、先生御承知のように、三十七年から、中小振興対策といたしましてこういうものを私どもが奨励してまいったわけでございます。その点については、私ども現在も変わっておるわけではございませんが、このジョイントベンチャーというのは、元来がアメリカにおきましてこういう形式が発足いたしまして、戦後まだ建設業の基盤がかたまらない時期におきまして、昭和二十六年に日本におけるジョイントベンチャーが初めて発足したわけです。これは共同請負という方法で行なったのでございます。そういうことによりまして、融資力の増大だとか、技術の拡充だとか、また施工の確実性を確保してまいったわけでございます。その後、先ほどから申し上げておりますように、三十七年になりまして、中小振興対策といたしましてこれを大いに活用しようということで指導してまいったのでございます。またさらに、その後四十一年におきましては、大規模な工事だとか、新技術の開発等におきまして、中小業者だけではなしに、大企業が中小と組んでジョイントベンチャーをつくって仕事をするということについても指導をしてまいったわけでございます。
 そういうことで、趣旨は先生のおっしゃるとおりでございますけれども、特定のプロジェクトで非常に大きなもの、また高度の技術が必要である、新技術の開発を必要とするというものにつきましては、アメリカで最初に利用され、また日本におきまして戦後利用されましたようなジョイントベンチャーの活用の方法もあるわけでございますから、そういう意味で、大企業と大企業のジョイントベンチャーというものも場合によっては必要ではないかというふうに考えておる次第でございますけれども、現在の共同企業体の結成の内容につきましては、中小と中小が大部分でございます。それから、大手と中小が、さっき申し上げましたように、四十一年からございます。大手と大手も、先ほどの趣旨からいって、多少ございますけれども、ごく一部のものに限られておる次第でございます。
○和田(貞)委員 ほとんどであるとか一部であるとかいうことじゃなくて、大手の企業体に発注する工事の金額というのは、同じ一件であっても、これは比較にならぬわけです。地建あたりでは、本来一般競争入札にかける必要のない、随意契約でもいいという二百万、三百万あたりの発注工事を中小の企業体が請け負っておるという例もあるので、単に件数が少ないから多いからというようなことで考えられると困る。私が言いましたように、もともとこの共同企業体というのは、中小企業の振興策ということになっておったにもかかわらず、その線がくずれておるということを指摘しているわけなんです。そういう観点に立って、中企業と大企業、あるいは大企業間の建設企業体というものが、当初発想した中小企業の振興策という線からくずれておるというように思っておるか、くずれておらないと思っておるか、その点を私はひとつ聞きたい。
○大津留政府委員 中小業者のジョイントは、中小業者の育成振興策の一つとして私どもとっておりますので、たとえばD業者が三社集まりますと、その総合的な力を評定しまして、そのジョイントはC業者並みにランクするというようなことで、先ほど計画局長から申し上げましたように、それぞれの力あるいは特技を生かして総合的な力を発揮させようというのがねらいでございます。したがって、いまのD業者が数社集まってC工事も受注できる機会を与えよう、こういう趣旨で行なっておるわけでございます。
 また、大企業と中小が組みますのは、地方におきまして、地元業者の活用、あるいは地元業者にそういう大工事の経験を積ませようということで、通常ならば下請という形でその仕事を受け持つことになろうかと思いますが、それを大と中小がジョイントして責任を持たせるということがございます。また、先ほど説明いたしましたように、非常に大きな工事、長大ダムというようなものにつきましては、やはり大企業といえども一社では心もとないという面がありますから、大企業が二社ジョイントを組むというようなケースが出てまいります。したがいまして、大と大のジョイントというのは非常に大きな工事ということでございますから、先生御指摘のように、件数はわずかでも金額は非常に大きな金額の工事をそれらが扱っているというケースはもちろんあるわけでございますが、中小の振興策としていま申し上げましたようなことをとっております関係で、ジョイントの件数としては中小が圧倒的に多い。また、いま申しました、本来一社なら受け持つそれより上位のランクの仕事を受け持つチャンスを与える、こういう運用をしておるわけでございます。
○和田(貞)委員 ちょっと伺いたいのですけれども、大規模の工事というのは、大体幾らぐらいから上の工事額をいっておるのですか。
○大津留政府委員 たとえば、五十億以上のダム工事、あるいは三十億以上の河口ぜき工事というようなもので、技術的にも困難なもの、こういうような基準で考えております。
○和田(貞)委員 それでは、関東地建の四十七年度の資料によりますと、四億九千九百四十万円でAランクの清水建設とBランクの株木建設の共同企業体に発注しておるという、そういう企業体に対する発注の工事があるわけなんですが、これはどうなんですか。
○大津留政府委員 これは、先生いま御指摘のように、大業者と比較的大きな中業者といいますか、AB両社のジョイントでございますが、これも約五億の仕事ですから、やはり相当な工事といえると思いますが、これは、この工事のためにジョイントしたというよりは、年度当初から、この地域においてはこの両社が組んで仕事をしたいという指名の申請が出ておりましたので、豊田ぜきの工事につきましては、これを指名に加えたという関係でございます。
○和田(貞)委員 年度当初に指名が出ておらぬです。あなたのほうから受け取りましたこの年度当初の資格業者名、これを見ましても、個々の業者としての名簿には載っておりますが、清水、株木の共同企業体としての名簿はないですよ。
○大津留政府委員 御提出した資料が代表的なものを選んだのじゃないかと思いますが、それじゃ実態を至急調べまして御返事いたします。私どもはこれは当初から願いが出ておったというふうに聞いております。
○和田(貞)委員 A等級の業者をずっと書いて以上二十社、B等級の業者と書いて以上七十二社、こういうように書いてあるのですがね。この名簿から漏れるはずはないでしょう。
 それじゃ、それはひとつ調べてもらいますが、さらに、たとえば近畿地建の過去三年来の工事を見てみますと、これも四十五年の近畿地建発注の大津合同庁舎の建設工事、これも金額にいたしまして一億一千百八十七万円、これが伊藤・笹川建設共同企業体に落札しているのですが、これについても、いまと同じように、近畿地建のほうに指名業者としての名簿には登載されておらないのであります。また、伊藤という個人の業者、それから笹川という個人の業者、これについても、AランクにもBランクにも登載されておらない。いまの答弁からいいますと、これもふしぎなこと。工事額から言うならば、当然Bランクに該当する工事額です。
○大津留政府委員 この状況は実はよく調べてまいりませんでしたが、おそらく、この工事はB工事に該当いたしますので、C業者が二社組んだ場合には、先ほど申しました一ランク上位の工事を受注できる機会を与えるということで、C業者同士が組んで工事を請け負ったというケースではなかろうと思いますが、これもさっそく事実を調べます。
○和田(貞)委員 同じく近畿地建の四十六年度のフクイ建設共同企業体。これはフクイ建設共同企業体としてBランクに登載されておる。そこで一億三百五十万というBランクの工事を発注したということならうなずくことができるのですが、同じフクイ建設共同企業体に、ランクの低いCのランクの金額になる三千八十万、こういう工事を発注しておる。これもまた、先ほどあげたのと逆に、せっかく共同企業体を構成させておって、上位のランクの金額を発注するというのだったらいいけれども、下のランクの金額を発注しているという例もあるのです。それはどうなんです。
○大津留政府委員 工事を発注いたします場合に、たとえば同じ建物を建築する場合にも、それが全部一括して一つの工事として発注するとは限りません。幾つかの工事に分けて発注するということがむしろ通常といえるかと思います。したがって、下の工事を受け持ちました業者が、それに関連した工事をあわせてとるということ、これは効率的にいいましてもそのほうがいい。あるいは競争しましても、それが有利な足場を持っておりますから、それがとるというのが実情かと思います。そういうわけで、おそらく主たる工事に関連したそういったC工事あるいはD工事というようなものを、上位のランクの業者に発注するということが実際問題としてございます。この場合もそういったケースではなかろうかと私は推測いたします。
○和田(貞)委員 いまの御答弁では建築を例にとっていましたが、いま私が言っておりますのは、四十六年度その一の工事、四十七年度にはその二の工事ということで、片川樋門改良工事ということです。土木の工事です。だから、いま答弁があったような内容じゃないのです。
○大津留政府委員 この片川樋門改良工事につきましては、工事の全体が二億をこす、あるいは一億をこすという工事でございまして、それの発注は幾つかに分けて発注するというケースが、土木の場合もむしろ通例といいますか、多うございます。したがって、区切りました工事がかりに何千万円で小さくても、全体として見れば何億になる工事という場合には、やはりそれは大きな工事ですから、それだけの困難さあるいは責任が重いというふうに見るべきだと思います。そういうことで、全体の計画が基準をこえておれば、それをA工事と見まして、それの分割した第一回をやる場合にはA業者の中から指名をする、こういうやり方をやっておりますので、その関係で、三千万円という工事であっても、今後次々に出てくる全体を見れば上位の工事であるということで、そういう扱いをしたというふうに思います。
○和田(貞)委員 私は先ほども申し上げましたように、共同企業体というのは、中小の育成、中小の振興ということでしょう。むしろこのことによって中小の業者が排除されるということになったらいけないのでしょう。いまのことでは、建設共同企業体に対して、上位のランクづけで上位の発注額の工事をやらすというのだったら話はわかるけれども、せっかく共同企業体を構成させて、それよりも低いランクの発注額の工事をやらすというようなことでは、その金額に該当する工事をやるという単独の中小の業者が締め出されることになるのではないですか。これはどうですか。
○大津留政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、工事全体として見まして、その全体の工事の規模がA工事に当たるかB工事に当たるか、それを第一回はここまで区切って一応発注する、続いてここまでということを実際問題としてやっております。そこで、A工事と見るか、B工事と見るかは、そういった全体の工事量でもって見ておるわけでありますから、この場合もおそらく、A工事あるいはB工事と見られる全体の工事があって、したがってA業者あるいはB業者の中から業者を選ぶということでこの共同企業体が指名に入ってしまうということでございまして、わざわざ企業体をランクの低い工事に指名するということはやっておりません。
○和田(貞)委員 現実にやっておるじゃないですか。いまのあなたのような考え方だったら、俗に業界でいうところのひもでしょう。これは一つの大きな建築物件だったら別として、道路とか河川だとか、全体計画がこれだけの金額だ、これをこま切れにやっていったらいいんだということであれば、俗に業界でいわれているひも工事ということに協力をしておるような、しめし合わせたようなものの考え方ではないですか。わざわざCランクの発注額にBランクの業者を指名しなくても、Cランクの業者はたくさんおるでしょう。何ということを言うのですか、あなたは。
○大津留政府委員 この具体的に実例をお示しの工事は、片川というところの樋門の改良工事でございます。樋門でございますから、これは一体とした構造物です。これを改築しますから、こちら側をやって、あとでこちら側をやるというような段取りで仕事が進められるわけでございまして、したがって、発注の区分はそういう工事の単位ごとに発注いたしますけれども、工事全体としては一体不可分のもので、別の業者にやるとか、あるいはその分けたものが小さいからC業者でいいというわけにはまいらない工事でございます。したがって、先ほど申し上げたように、この樋門という一体となる構造物の全体の工事費を見まして、それがA工事かB工事かということで、それに見合う業者を選んだ、こういうわけでございます。
○和田(貞)委員 それはそれであとで私はもう一度繰り返したいと思いますが、別の、関東地建で昭和四十六年のやはり村道の補修工事、これはわずか八十七万円、随意契約の金額ですよ。これにわざわざ、いかに中小の育成とはいえ、奥鬼怒建設共同企業体というのですか、この共同企業体に発注しているというのは、これはどういうことですか。
○大津留政府委員 村道は普通、村が主体で工事するわけでございますが、関東地建がこの工事を行ないましたのは、直轄工事に関連いたしまして村道をつけかえるとか、あるいは改修するという、いわゆる付帯工事でございます。したがって、付帯工事としてはいろいろ小さい工事もたくさんあるということは、先ほど申し上げたとおりでございますが、そういうものの一つとして、まあわずかな金額でございますが、この企業体にやってもらったということで、これが単独で独立した工事で、わざわざ企業体をつくらしたものをそれに使ったというものではございません。
○和田(貞)委員 先ほど申し上げた近畿地建の昭和四十五年度の大津合同庁舎の建設工事、伊藤・笹川の建設共同企業体ですが、これは先ほどの答弁で、それぞれCランク以下の業者であろうと思うので、共同企業体によってその上位のBランクに格づけしたというのですが、共同企業体としてのこの指名業者の一覧表に、BランクにもAランクにも載っていない。これはどういうことですか。
○大津留政府委員 これはただいま調べさしておりますが、おそらくC業者がこの工事のために企業体をつくってやりたいという申し入れがあったので、それを指名に加えたというケースであろうと思いますが、いまさっそく調べます。
○和田(貞)委員 私が言いたいのは、せっかくA、B、C、D、Eのランクづけをつくって、先ほども答弁の中に、ランクづけをつくるということは中小の企業の受注確保のためだと、こういうように言われているのですね。本来そうでなくてはいかぬ。そうでなくてはならないにもかかわらず、かえってランクづけで中小の企業を排除されておる。そして逆に大企業や大手の企業がその機会を多くつくられるようにしておる。結果的にはそうなっておる。企業体の運用についても同じようなことがいえるわけです。現実を見きわめて、そのようなことをどう思っておられますか、大臣。
○金丸国務大臣 先生のおっしゃっておられる御指摘の点も、私にはわからぬわけじゃないような気がいたします。そこで、先ほど私がお話しいたしましたように、地建の局長会議でも、いわゆる大手が伸びる率と同じような率で中小企業も伸ばすべきである。そこで、御案内のように、三十万という業者がおる、その九九%は中小企業者である、大部分は善良な業者であるけれども、まことにはしにも棒にもつかぬという業者も中におるということもあるわけであります。そういう意味で、お役所仕事というか、非常に手がたく、間違いのないように、間違いのないようにという考え方がかく進めておるのではないか。私も政治家の一人として考えさせられる。
 特に私の選挙区は山梨県ですが、山梨県の中を中央道が通る。山梨県にも建設業者がいる。その建設業者が、世紀の道路をつくるのに、一つの業者も関係ができないなんというばかなことがあるか、私はだれにやらせろということを言っているのじゃない、おのおのその所を得せしめてやらせるべきじゃないかと、こういうことを道路公団にも申し入れたのですが、私は、このような状況は随所かしこにあろうと思いますし、また、あるいはもっと平たいことばで申し上げますと、いわゆる大手にはOBが入っている。そのOBがいわゆる昔の義理人情というつながりもある。私はこういうようなこともあるのじゃないかという感じが、いままで政治家として、建設省なりあるいは関係の省といろいろ折衝した場合、あることを感じたものですから、中小企業も大手業者と伸びは同じような伸び方をさせることがいわゆる業界のあり方だし、建設省の指導のあり方だと私は考える。そういうような指導をやっていくことが建設省の在り方だと私は考えておるわけでございます。
○和田(貞)委員 大臣のそういう考え方はわかるといたしましても、現実にはそうじゃない。特に日本住宅公団の工事を見てみたら、先ほど私が二、三言ったようなことが典型的にあらわれている。別段特殊な技術を必要としない住宅が、大手同士の企業体になってみたり、中と大が一緒になって企業体になってみたり、公団でいままで発注した企業体の中で、少なくとも建設省でいわれておるCランク以下の業者間で企業体を組まして高層の住宅を発注したというようなことがあるのですか。ないでしょうが。どうですか、公団。
○東参考人 公団といたしましても、建設省の御指導によりまして、共同企業体、それから中小企業の育成、こういうことを非常に心がけておるわけでございます。そして公団のような発注の住宅でございますと、一団地をわりに小さく分けて発注できるわけでございまして、この点につきましては、なるべく中小の企業も受けられるように、工事単位を小さい部分もつくり、あるいは大きなのもございますが、小さいのもつくって、そういうものにむしろ中小企業の方を入れてやる。ところが、最近非常に土地の入手難でございまして、大体、高層を建てないと土地の利用ができないというようなことがございまして、こういうのになりますと、だんだん高層になりまして、金額も張りますし、背の高い十四階となりますと、なかなか小さい業者だけではそういう経験もございません。そういうことでございますので、大きいところと中小程度のところが一緒になって共同企業体を組んでやるというようなことを考えておりますし、また地方のそういうものにつきましては、地方業者とある程度大きい業者が組んでやるというようなことをやっております。また、高層を迅速に安く建てるために、技術的に量産といいますか、プレハブをやっておりまして、プレハブになりますと、おのおの技術がございまして、小さな五階建てぐらいのプレハブですとやったことがある、ところが背の高いプレハブはやったことがないというようなものもございますので、そういうものはプレハブの経験のある中小企業と大きな高層をやった企業とのジョイントベンチャーということでやらしておるわけでございます。
○和田(貞)委員 努力しておるとか、やらしておるとかいうけれども、中小企業の企業体に発注した分と大企業の企業体に発注した分と、どっちが多いですか。
○東参考人 ほんとうに大企業だけというのはほんのわずかでございます。大手だけでやったという例はほんのわずかでございまして、大体、中企業と大企業というのが組んだ例、それから地方に行きますと小企業同士が組んでやっているというのがずいぶんございます。
○和田(貞)委員 企業体でやらなくても、大企業単独で発注できる工事でさえも、わざわざ他の大手業者とセットして発注しておるという例があるのです。多くは申しませんが、ひとつ、昨年度中でもいいし四十六年度中でもいいしが、あなたのほうで、共同企業体として発注した工事名と工事額を一覧表にして一回出してください。一目りょう然の資料を求めます。
 建設大臣、先ほど言われたことについて、ひとつさらにお尋ねしたいのですが、大臣、そのように言われておりますが、現実的にそのようにはなっておらない。
 そこで、一つはランクのきめ方ですが、五ランクにしても四ランクにしても、それは同じことですが、問題は、金額の設定と、それからそのランク以上の請負を発注するということであれば話がわかるのですが、それ以下の工事額にも発注していくということになるも、現実的には大臣の言っておられることにはならない。
 そこで一つは、Aランクについては二億以上ということですが、二億以上というと、きょうび、かりに警察署を建設するとすれば、これは二億かかってしまう。警察の派出所を建設するということになれば、これは二千万、三千万です。そんなことでありますから、大手のAランクに該当する業者に二億以上というところに問題がある。少なくとも、先ほど言われておったように、大規模の工事について大手の企業体を組まして技術水準を高めるのだ、こういうことを言われた。それじゃ、大規模な工事というのは一体どの程度の工事額を大規模というかというと、三十億とか五十億とか言うておる。片一方では三十億、五十億というように言っておりますが、大手の業者に二億以上ということになると、地方におきましては、中小というよりも地方業者、小業者、これでも地域の小学校の体育館や講堂の建設、増築はすでに一億をこえる額をやっている。最近では工事額がもっと大幅に上回っておると思う。そうすると、大手の業者にいつまでたっても二億という額にこだわることによって、中小の業者の受注というものを非常に狭めておる、こういう結果になっておるのではないかと思うのですが、このランクづけの金額、発注の金額、これを大幅に改めるというようなお考え方がないか。
○金丸国務大臣 この問題につきましては、全く矛盾だらけだと私も思います。そういう意味で、中小企業を育成するという立場から考えてみましても、また、いまの金の価値から考えてみましても、この問題はすみやかに考え直すべきだという考え方を持っています。中建審の答申によってきまったものでありますが、ひとついま一回洗い直して検討して、中小企業がほんとうにこれでよかろうというような案をつくってみたいと考えております。
○和田(貞)委員 もう一つは、ランクづけの業者に下のランクの発注額の工事は発注しない、こういうように考え方を統一すべきだと思いますが、その点はどうですか。
○大津留政府委員 原則としてそれぞれの対応したランクの業者を指名するということでございますが、たとえばA工事といいましても、二億をわずかに上回った程度の仕事もございます。そういうのはB業者もある程度まぜてやったらいいじゃないかというふうに思います。また逆に、二億を若干下回った一億九千万円というような仕事は、やはりA業者の下のほうのものを若干まぜたらいいじゃないかということで、例外として一定の割合のものをまぜることを許しております。しかし、原則はそれぞれに対応する業者ということでございますから、そのきめられたワクの中で、上に近いか下に近いかというようなものに限って、そういった上の業者あるいは下の業者をまぜて、それぞれ実質的に対応した能力のあるものにやらせるということで運用しておるわけでございます。先生おっしゃるように、有能な業者を上の工事に引き上げることは大いに奨励したいと思うのですが、上位の業者が下の工事に入り込むということは、できるだけ抑制するように運用してまいりたいと思います。
○和田(貞)委員 いまのその二点が確実に実施されれば、当初言われたように、中小企業の受注確保ということになる。それが守れないと受注確保にならない。かえって狭める結果になる。いま大臣言われた第一点のランクの金額の大幅な是正、これは手続として中央建設業審議会の議を経なければならないということになっておるのですが、この中央建設業審議会の建設業者を代表する委員を任命するしかたにこれはまた問題がある。大臣がいかに言われておっても、先ほど例をあげましたように、ここの建設省でいうところのCランク、Dランク、この程度の地方の業者が、一億五千万、二億という小学校の体育館、講堂というような工事をやっているという実績がある。それにもかかわらず、この二億というものを、これは三億とか四億というのじゃなくて、少なくとも十億以上という工事でなければ大手業者には指名しない、発注しない、この程度に大幅に引き上げないと、私の言っているところは意味がない。それに伴ってBランク、Cランクというのを漸次つり上げていってもらいたいのですが、そういうようにしようと思いましたならば、中央建設業審議会の建設業者を代表する委員というのが現在九名、大臣が任命しておりますが、これはことごとく大手の建設業者の代表者ばかりじゃないですか。これをまず改めるということにしないと、私がいま申し上げているようなことが、現実的に発注金額の変更ということにまで大きく踏み切るということができないというように思うのですが、その点はどうですか。
○金丸国務大臣 先生、審議会の委員が大手ばかりというお話でございますが、大手の建築業協会の理事長も入っておりますが、中小企業も入っておりますし、あるいは電設工業協会の会長も入っておられます。そういうことですから、この中建審の構成というものは答申に悪影響を及ぼしてくるようなことはないという常識的考えを持っておりますし、また答申が常識的なものを逸脱した答申になるとすれば、これはまたわれわれ自体も考えなければならない問題だと思っております。そんな常識を逸脱した答申はあるとは私は考えておりません。
○和田(貞)委員 そのことはひとつ諮問をしてもらうと同時に、私はやはり、この委員の任命についても、もう少し中小の業者の意見というものが反映できる、こういう観点に立って、これは希望として申し上げますが、委員の任命について配慮してもらいたい、考え直してもらいたい、こういう点を強く要望しておきたいと思うのです。
 それから、先ほど資料を言われておったこともありますので、まだ私、住宅公団がせっかく来ておられるのだから、住宅公団の家賃と公営住宅の家賃の関連性について質問したいと思っておったのですが、何か理事会で時間がきめられておるらしいですから、先ほど質問したのがわかりましたらひとつ……。
○大津留政府委員 四十五年度に近畿地建で大津合同庁舎を請け負いました伊藤・笹川ジョイントベンチャー、これは四十五年の指名申請に出ておりまして、四十五年の指名の登録に載っております。それで伊藤・笹川ジョイントベンチャーというのはC業者になっております。
○和田(貞)委員 両方ともですか。
○大津留政府委員 両方ともC業者です。企業体としてC業者になっております。
 それからもう一つ、清水・株木ジョイントベンチャー、これは関東地建で豊田ぜきを請け負っておりますが、四十七年の六月にこの豊田ぜきを請け負うという目的でジョイントを組んで指名の申請が出てきたものでございます。
○和田(貞)委員 私は、いま最後に言われた当初に企業体として指名の資格申請をやるということじゃ話はわかるけれども、その工事を受注をしたいために、その工事ごとに企業体が編成されて申請するというこの点が、どうも発注に対して公正を欠く点があると思う。この点については私はあらためて指摘したいと思う。
 時間がありませんので、理事の要請によって、きょうは私の持ち時間が済んだらしいので、質問を中断をしておきたい。
○三原委員長 東中光雄君。
○東中委員 建設省設置法改正に関連をして、いわゆる団地住宅地域への幹線道路なり高速道路なりの建設についてお聞きしたいのですが、昭和四十六年の五月十一日に、厚生省の生活環境審議会が建設、運輸の両省に対して、騒音公害をこれ以上拡大させないために、団地住宅地域を貫通する幹線道路の建設を今後一切禁止し、やむを得ないときは迂回道路か地下道路をつくるべきだ、こういった趣旨の申し入れをしたようでございますが、建設省としていまも、騒音公害その他、高速道路、幹線道路による公害を拡大させぬために、団地住宅地域にそういうものを貫通させないという方向を当然とっておられることと思うのですけれども、大臣、そういう方向で建設行政をやられておるわけですか。
○吉田(泰)政府委員 御指摘のように、住宅の団地あるいは住宅の街区をなすような住区の中におきまして大きな通過幹線道路を通すということは、住居環境上望ましくありませんので、できるだけこれを避ける方針で今後まいろうということでやっておりますが、個々においてはそのような事例も事実上ありますので、漸次新しい方向に切りかえつつあるわけでございます。結局、都市計画を出し、土地利用計画を設定する場合に、できるだけ住区の外側に幹線道路を回すというふうに、住区の中は通過交通のあまりないような地区内交通というものを主眼としたような道路網によってこれを組織するというふうな方針で今後はいきたい、こう思っております。
○東中委員 環境庁からも来てもらっているのですが、そういう方向は、これは環境庁としてやはり当然だと思うのですが、そうでしょうね。
○山形(操)政府委員 先生御承知のとおり、環境庁ができましてから、都市計画法の市街化区域、この都市計画決定にあたって環境庁長官に協議するということになっておりまして、環境庁としては、この段階で十分な調査を行なって公害の未然防止に努力しようという方針でやっております。ただ御承知のとおり、環境基準もつくり、それを維持達成すべく努力しておるのでありますが、現実問題として全国各地からいろいろな陳情その他ございまして、これの事情を聞きまして、建設省、道路公団等と連絡をし、その対策方、あるいは地域住民の話し合い等、理解を求めるよう努力しておる最中でございます。
○東中委員 もう一つお聞きしておきたいのですが、公害、自然破壊が非常にひどくなっておりまして、自然環境の保護ということが非常に重要になってきておるわけですが、大都市における公園、緑地の確保、特に都市公園なり河川公園なり、こういったものを確保していく方向をとられておると思うのですけれども、大阪府では「自然に恵まれた良好な環境を享受することは府民の基本的な権利である」、こういうことを条例の中にうたっておりますが、そういうものだと思うのですけれども、建設行政の上で、特に住宅と公園、自然の環境保存という点でこういう方向を貫いていらっしゃると思うのですが、そうでございますか。
○金丸国務大臣 それが一番の理想だと私も考えております。それが一部にいろいろトラブルのあるということも承知いたしております。
○東中委員 大阪のことでお伺いしたいのですが、大阪市都市計画街路淀川南岸線というもの、それから阪神高速道路大阪−高槻線というもの、それから大阪第二環状線、この三者が北大阪の淀川沿いのところで交錯しておるわけですが、この三線はそれぞれ別個で、しかもどういう関係にあるのか。いままだ計画決定の済んでいないのもありますけれども、その相互関係についてお聞きしておきたいのです。
○吉田(泰)政府委員 お尋ねの都市計画街路の決定はすでになされておりまして、もう一つの都市高速の大阪−高槻線というものは、この上に高架で走るべく現在調査及び地元と折衝中のものでありまして、都市計画決定はまだこれからという段階のものでございます。
○東中委員 大阪−高槻線といわゆる第二環状線、この関係はどうなんですか。
○吉田(泰)政府委員 この大阪−高槻線は、現在計画をしようとしている部分はその一部区間でございますが、さらに北のほうあるいは西のほうに延ばしまして、それを大阪第二環状線にしたいというビジョンを持っているということを承知しております。
○東中委員 計画決定はされていないのですけれども、大阪第二環状線は、阪神高速道路公団では昭和四十五年から毎年予算を組んでいるようなんですね。三億くらい入れている。計画決定はされていない。計画決定についてずいぶん紛争があるわけですが、決定がされていない状態でもう三年も前から予算を組んでいる。毎年その予算がほかへ変わっていっているわけですが、こういうことは普通にやることなんですか。
○吉田(泰)政府委員 この大阪−高槻線の全路線につきましては、一部の地域を除きましては工場地帯その他が多い。あるいは片側が河川に面するというところでありまして、まあ事業にかかれるのではないかという見通しを持って、もちろん都市計画決定前ではありますけれども、都市計画決定されること、及びその後の公団としての事業施行体制が整備されることを前提といたしまして、過年度にその予算をつけたということでありまして、すべての成規の手続を経た上で予算をつければ、これが一番間違いないわけでございますが、予算は毎年一回のことでもありますので、その年度内の都市計画決定の見込みというものを含みとして事業費をつけるということは間々あることでございます。
○東中委員 大阪府の公害審査会に調停申し立てがやられて、阪神高速道路公団は当事者でないといって、一方ではその紛争について当事者資格がないというかっこうでいっているわけです。しかも一方では、今度いま局長がいわれたように、予算を組んでおる。これではほんとうに市民の要求――いま言われておる住宅団地地域と高速道路との関係というのは、一つの大きな問題であるわけです。こういう形でのやり方というのは、住民の意見を十分聞くという姿勢に立っていないという点で問題があると思うのですけれども、一方では当事者でないといいながら、一方では予算を組んでいるというような態度はやめるべきだと思うのですけれども、どうでしょうか。
○吉田(泰)政府委員 当事者能力がないと申し上げているのは、大阪府の公害審査会に調停事件となっておりますのが法律に基づく正規のものでありますので、そういうものにおきましては、都市計画決定以前に公団が事業をすることはできないわけでございますから、そういう意味で当事者能力なしと申し上げているわけでございまして、決してその話そのものを回避しているというようなことではないわけでございます。もちろん、この計画決定になれば、事業をやりますのは阪神高速道路公団でございますから、いま当事者能力がないといいましても、将来は直接の当事者になるわけでございますので、そういう意味で、反対の方々との話し合いやその他につきましては、この公害審査会の場というわけにはいきませんが、別途、事実上の相方として当然折衝してしかるべきであると考えております。
○東中委員 調停ですからね。裁判と違うのですから。計画決定してしまってからでは話にならぬわけですから、計画決定することについての問題を論議しているわけですから、一方では予算を組んでいるという立場におりながら、一方ではもう軌道に乗って走ってしまうまでは正式には話もしない、これはおかしいんですね。これは大阪市という形で大坂市が応答していますけれども、阪神高速道路公団が責任をもってやるべきじゃないか。もしそれをやらないのだったら、予算なんか組むべきじゃないのです、計画決定してないのだから。まだどうなるかわからないのだというたてまえでおるなら、予算なんか組むべきじゃない。こういうことになると思うのですが、実際に一方で予算を組んでおきながら知らぬ顔しているのはおかしいじゃないか、こう思うのですけれども、そういうふうに指導されませんですか。
○吉田(泰)政府委員 繰り返し申し上げますが、裁判ではないと申しましても、公害紛争処理法に基づく手続でございますので、そういう意味では、都市計画決定をするものはあくまでも大阪市であって、公団がどうしようもないわけでございますから、都市計画決定そのものが対象になっている事案につきまして公団が正面に出られないということは、御理解いただきたいと存じます。しかし、この場ということのほかに、いろいろの話し合いの場は持ち得るわけでございますので、そういう点についてまで、将来事業主体となることが事実上予定されているこの公団において、これをいたずらに回避するということのないようには、今後とも十分指導したいと考えております。
○東中委員 近く公有水面埋立法の改正の要綱がつくられて出されるというふうに報道されているわけですが、いま大阪市大淀区中津コーポ周辺の、この第二環状線をつくろうとしておる地域というのは、昭和四十五年の一月二十六日付で条件づきの免許を得て、水資源開発公団が四十六年の二月九日に完成したいわゆる工業用水の導水施設が約六十三億をかけてつくられた、こういう経過になっておるわけですが、この公有水面の埋め立てのときの許可条件は、正蓮寺川水利事業工業用水導水路用地及び大阪市都市計画街路淀川南岸線造成のため、というふうになっているわけであります。いま言われましたように、淀川南岸線の造成のためということですけれども、これはすでに計画決定しているわけですね。そして工業用水の導水路用地はすでに六十三億かけて施設がつくられておるわけです。その上へ今度この第二環状線、六車線の高速道路をつくるということになってきているわけですが、いま改正されようとしている、この公有水面埋立法の改正の目ざしておられる趣旨から言うと、こういう道路、そして水路の施設が埋没されている上へ高速道路をつくるということは、法案要綱では十年間ということになっておりますけれども、そういうことはすべきでないという方向で動いておると思うのですが、そういう方向を建設省としてはとっておられるのかどうか、これをお聞きしたい。
○松村政府委員 ただいまの御質問の内容でございますけれども、ただいまの正蓮寺川の埋め立てでございますけれども、これは、いまの水資源開発公団の工業用導水路を造成するためと、大阪市の都市計画街路、先ほど申されました淀川南岸線、これの二つの目的のために免許されたということで、これの免許に際しましての条件で、目的変更という場合には大阪府の知事の許可が必要だということになっているのは御承知のとおりであります。それで、これの現行法でございましても、この新しい阪神高速道路ですね、これが都市計画路線として定まってこれを着手するというような場合には、当然この変更許可を受けなければならぬというふうに考えておるわけでございまして、今度の法律の改正といたしましても、今度は条件ではなくて、こういうような目的を変更するような場合には自動的に許可を受けなければならないようになっておりますので、この点につきましては、今度の法律改正されましても同じように取り扱われることになります。
○東中委員 法律が改正されなくても同じ方向にやられるということですが、むしろ私は逆に言っておるんで、法律改正の趣旨は、大きな方向を建設省が目ざしている、それに即して旧法によってもこの場合は知事の許可が要るというふうに解釈できるということですね。
○松村政府委員 今度の法律の改正の趣旨のこの部分の変更の問題でございますが、この問題につきましては、現在、法規におきましても、運営におきまして、こういうような変更のときのような場合には条件をつけるように指導しまして、その運営でやっておるわけであります。それを今度の改正においてははっきり法文化しようということでございます。
○東中委員 どっちにしても知事の許可が要るということですね。
○松村政府委員 そのとおりでございます。
○東中委員 それで、もう一点聞きたいのですが、いま公害審査会で出されておる公団側といいますか、公団と言わないで公団側と言っておきますけれども、この計画では、ここに計画絵図が出ているわけですけれども、この建て方をすると、下の工業用水のあるところ、工業用水の施設に食い込んでいくことになる。だから、すでに施設を変えなければいかぬような、そういう絵図が出てきているわけです。そういうふうには言わないのですけれども。これだけ見ると、防音壁をつくって木を植えるということになっておるのですけれども、工業用水の施設の下に打ってあるコンクリートの地がためのようなものがありますね。そこへ食い込んでいくようなかっこうになる。こういう非常に強引な計画が、計画案ですけれども、いま出されてきているわけです。そういう点については、建設省としては指導されるのか、されないのか。どういうふうになっておりますか。
○吉田(泰)政府委員 ただいま申されましたことは、最近その調停の中で、騒音を防ぐために騒音をすべて河川側に逃がしてしまうというために、建物側に防音壁を高くつくり、さらにそれから防音壁の屋根を道路をおおう形で河川寄りに張り出して、騒音が建物のほうにいかないような設計として考えたものであります。この設計を実際に施工するにあたりましては、地下に埋設されている下水道や工業用水道に支障のないような設計をするとともに、その管理者と十分の協議を行なわなければならないことは当然でありますが、出しました計画そのものでありましても、その工業水道等に重力がかからないように避けてピアを置くというような設計になっておりまして、その他詳細な設計工法を用うれば、その地下埋設物に全く荷重がかからないような、影響の出ないような設計ということは可能であると考えております。
○東中委員 これは水資源公団と相談してやったのですか。
○吉田(泰)政府委員 この設計そのものを、水資源公団と打ち合わせて了解を得ているというものではありませんけれども、そういった手続は、もちろん今後これをやるとなれば、直接折衝し了解をとらなければなりませんが、いまの段階で、技術者としてだいじょうぶだということを技術的に判断してということで、あらかじめ上下水道等も、ある程度将来予定の路盤面から下げるようなことなどもありますので、それによって十分対処できるものと考えております。
○東中委員 工水問題にしましても、下水にしましても、水資源公団とは相談もしない、そしていわば一方的にそういう案を今度は地域の住民のところへ出してくる。実際の距離をはかってみれば、工水の施設の下へ高速道路の足の一番下の部分が入っていくというふうなかっこうになってきます。
  〔委員長退席、藤尾委員長代理着席〕
これは全く公害審での押しつけです。一方的にやってきておる。水資源公団のほうは、そんなものは知らない、こんなものは迷惑だ、こういっている。こういう状態になっているわけですから、大臣、結局これは一番もとになるのは、二十階建てのいわゆる中津コーポといわれる、しかも大宣伝された大阪市住宅供給公社の住宅の横へ、わずか十メートルか十三メートルくらいのところへ六車線の高速道路をつくる、しかもその下は四車線の街路をつくる。一日の自動車走行と予定されるのが八万台、上は十三万台といわれている。たいへんなことですよ。しかもすぐそばです。それを少しずらすためにこんな工業用水の施設を破っていく、あるいは下水その他に漏水なりその他の問題が起こりかねないというような案がいま出されてきているわけですね。
 こういう住宅団地と高速道路との関係、特に全部通過道路なんですが、これは最初に申し上げましたように、やはり迂回するか、あるいはいまこの計画を決定する前の段階ですから、ここへやるのだということを前提としてのやり方じゃなくて、トンネルで地下へ出るか、そういうことが前にもいわれておるわけですから、そういう再検討といいますか、そこへ置くことを前提にした検討じゃなくて、根本的な検討を加えていくというふうにやられるべきだと思うのですが、大臣どうでしょう。
○金丸国務大臣 道路という問題については、昔のような考え方でいかないということは当然であります。しかしまた、八万台あるいは七万台、こういう自動車が通るというその必要性ということも考えなくちゃならない。非常にその辺にむずかしさがあるわけです。しかし、地域の住民との話し合いがなしにどんどん進められていくということについては、好ましくない姿であるということは当然でありますし、環境保全という立場からいいましても、これは十分に配慮しなくちゃならない。ただ、私が技術者でないものですから技術的なことはわからぬわけですが、下水道にくい打ちをやる場合に穴をあけては困る。これは私もしろうとですからまさにそのように思うのですが、まあ技術屋は技術屋なりに、穴をあけないような方法でくい打ちもやっていくであろうという感じもいたすわけでございまして、この問題については十分に調査、検討して、また私も現地を見せていただきたい、こんなようにも考えております。
○東中委員 この住宅というのは、大阪市が総合計画局で計画をしてずいぶん宣伝をした住宅であります。空と水と緑に恵まれた静かな住宅環境、こういうキャッチフレーズで、ここに「中津リバーサイド分譲住宅のごあんない」という、こういうみごとなものがあるのです。「中津リバーサイド住宅大阪駅・梅田に十分新淀川と四千坪の緑地があなたの庭です」と、こう書いてある。
  〔中山(正)委員「革新市長はけしからぬ」と呼ぶ〕
こういうのが入っているのです。同じ選挙区ですから、中山君もけしからぬと言っているのですが、公団がその二十階建ての住宅の真横へつくっていく。しかもそれは大体七階か八階ぐらいの高さになる。上になるほど騒音がひどくなるわけです。下は四車線が走る。これじゃ悪徳不動産業者の誇大宣伝です。建設省、するのはいかぬというふうに言っているわけですけれども、こういうことになってしまう。しかもこれが出されたころには、もうすでに阪神高速道路公団は高速道路の予算を三億組んでいるわけですね。全くひどい状態です。これは分譲住宅ですから、みんな買っているわけです。「新淀川と四千坪の緑地があなたの庭です」ということで買ってきたら、目の前十数メートルのところに六車線の道路があり、排気ガスと振動でどうにもならない。しかも騒音は非常にひどい、川は見えなくなる、こういう状態になるわけですから、住宅行政としても、道路の建設行政という点から見ても、これはほんとうに根本的に検討し直さなければいかぬじゃないか、こう思うのです。大臣、ひとつ現場を見てもらって検討してもらえますか。いかがでしょうか。
○金丸国務大臣 私も技術者ではありませんものですから、技術的なことはわからぬわけでございますが、大局的に見まして、百聞一見にしかずということですから、ひとつ見せていただいて、その上で判断いたしたい、こう考えております。
○東中委員 この淀川については、「水と緑の楽園 淀川河川公園」というのを建設省が近畿地建から出しているわけですが、この地域も、すぐそばの淀川河川敷が緑地河川公園になる地域なんです。いまこの地域の人たちが、大阪府のつくっておる自然環境保全条例に基づいて、この地域はハギ、ススキなどが群生し、水べには淡水魚、カニなどもいるほか、野鳥の楽園としても四季を問わず市民のいこいのオアシスとして難波津の面影をとどめた景勝の地だから、ひとつぜひ環境保全地域に指定してほしいということをいっておるわけです。
  〔藤尾委員長代理退席、委員長着席〕
これは建設省が淀川河川公園をつくられたその延長線上であるわけなんですが、こういう方向を特に進めてほしいと思うのですけれども、建設省のお考えはどうでしょうか。
○吉田(泰)政府委員 淀川河川公園は非常に大規模なものでありまして、河川費あるいは公園費をつぎ込んでこれをつくり上げていこうという計画でございまして、都市部における緑地が非常に貴重であることにかんがみ、この種の計画は今後も強化して推進いたしたいと思います。
 先ほど来御指摘のありました問題の件につきましては、大きな住宅団地のまん中を貫通するというものではなく、河川との間を通るということで、少なくも街路の決定は早くからあったわけでありますし、さらに将来の交通体系を考えて高速交通網が必要だということで計画中のものでありまして、今後、調停の場あるいはその他におきましていろいろとお話し合いにつとめ、御理解をいただいて計画を進めたいと考えております。
○東中委員 河川との間と言うけれども、いま言ったように十メートルか十数メートルのところへ来るわけでしょう。住宅のまん中を貫通するんじゃないのですと言うが、なるほどまん中じゃないけれども、住宅に沿って走っていくわけじゃないですか。だから一方でそういう公園をつくるといっておるところで、しかもいま言ったようなキャッチフレーズでつくられ、分譲住宅とはいえ地方公共団体がやった住宅がある。その間を突っ走っていくという問題でありますから、これは道路、特に大都市における高速道路の建設のやり方として、住宅との関係でこれは慎重に考え直さなきゃいかぬ性質のものだと私は思うわけですが、いま建設大臣、現場も見てということでございますから、近いうちにぜひ現場を見ていただいて、そして地域の人たちの意見も聞いていただいて、あらためて検討をやっていただきたい。建設大臣、よろしゅうございますね。
○金丸国務大臣 一応見せていただいて、その上で検討いたしたいと思います。
○東中委員 では質問を終わります。
○三原委員長 午後三時より委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
   午後零時十九分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時二十九分開議
○三原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
○大出委員 今回の通産省の機構改正でございますが、たいへんこれはまた大規模な改正でございまして、実は私どもの党内でもいろいろ議論がございます。
  〔委員長退席、藤尾委員長代理着席〕
したがいまして、まだ検討の結論が出ていないものが幾つもございますので、これは範囲が非常に広いわけでございますから、時間のかかることもこれはやむを得なかったと思うのでありますので、きょうあと皆さんの時間の関係もありますので、つまらない点につきましては、ひとつあとへ残さしていただきまして、私どものほうの検討の結論が出ていないということもございますから、そのことは昨日申し上げて、実はきょうの日程に合わせる努力をしたわけでございます。そういう手続にしていただきたい。これは委員長にお願いをしておきたいわけであります。
○藤尾委員長代理 けっこうであります。
○大出委員 そこで、提案理由の説明によりますと、通産省という行政官庁はいままで行政の重点を産業の発展と輸出の振興に置いてきた。ところで、今日内外における社会情勢の変化に適応するという意味では、単純に産業の発展、輸出の振興、これだけを考えていくわけにはまいらない。国民福祉と国際協調という点を特に重視をして、これからの通商産業行政を進めていかなければならない。したがって、機構の改革をいたしたい、こういうことですね。
 そこで、国民福祉と国際協調ということに相当なウエートを置くということになるわけでありますが、そのことは具体的にこの機構改革の中でいかなる点に実はあらわれているかが、どうもいただいた資料の限りではよくわからない。端から克明に御説明いただきたいのであります。
○中曽根国務大臣 内容につきましては官房長から具体的に御説明申し上げますが、提案趣旨でも申し上げましたように、通商産業省の体質と申しますか、いままでの因縁を見ますと、明治以来、日本の経済成長、まあ昔の時代は富国強兵、殖産興業に役立つという体質で育てられ、戦争が終わってからは、敗戦の焦土の中から日本を経済的にまた蘇生させるために成長を目ざしてつくられまして、特に通商ということばが今度は戦後入ってまいりまして、これもドルを蓄積するということを目標にやったわけでございますが、六〇年代、重化学工業が発展いたしまして、そのために公害問題やさまざまな複雑な社会問題が起きまして、その反省の上に立って日本の行く道を福祉と国際協調という方向に見出しまして、高度の福祉国家建設のための成長政策ということを考えて、新しいスタートをやろうとしておるわけでございます。
 それで、いままでは、たとえば企業局というのがございましたが、これを産業政策局というようにいたしまして、単に企業という商売的なイメージから、もう少し大きな、広い範囲の政策という感じを持ってまいりましたし、そういうような基本的な政策部面というものを中心にいたしまして、現業監督という性格もわりあいに前よりは薄れさせてきておるわけでございます。資源エネルギー庁という一つのまとまったものをつくりましたのも、総合的な資源エネルギー政策という意味を考えてきておるわけでございます。具体的には官房長から御説明申し上げます。
○大出委員 大臣のお話を聞いていると、そういう趣旨でとおっしゃるのですが、これが飾り文句ならそれでいいのですけれども、国民福祉と国際協調ということを重視して機構を改革する、そういう趣旨だ。ところが趣旨だけあって中身がないのですね。どうもこれは中身を見て見てもさっぱりわからない、国際協調、特に国民福祉なんということについて、ではそういう趣旨で具体的に何をどう変えるのかということが。だから、官房長からのお話でございますけれども、けっこうでございますから、この趣旨ははっきりしているんですから、国民福祉、国際協調、この趣旨がこの機構改革のどことどこにどう具体的にあらわれているのか、御説明いただきたい。
○和田(敏)政府委員 御説明申し上げましたように、二点、国際協調、国際的フリクションからの解放及び国民福祉の充実ということが今回の機構改革の大きな二本の柱となっております。どの点にそれが反映しているかというお尋ねに関しましては、国際協調の点に関しましては、現在の機構におきましては、通商局及び貿振局で国際経済関係を担当いたしておりますが、今回それを通商政策局及び貿易局というふうに名称を変更いたしております。名称を変更いたしましたゆえんは、まさに国際的フリクションからの離脱を求めておるものでございまして、機構的には、従来の通商局及び貿易振興局は、何と申しましてもそれぞれ輸出の振興というのを基本的な理念といたしておりまして、今回、わが国がこのような国際的に大きな影響力を持つに至りました経済大国にもなりましたので、今後の通商政策というのは、世界各国との連携、世界経済秩序への積極的協力ということで、日本が新しい時代に対してイニシアチブの一翼をになうべき時期に来たのではないかと考えられる次第であります。
 従来通商局におきます二国間協定、国際間協定及び経済協力、こういうものを通商政策局において一元的に今後は処理するということに機構上措置いたしましたのは、まさに輸入の拡大あるいは発展途上国への経済協力というようなものと輸出の振興というものを一体的にとらまえようとする姿勢のあらわれではなかろうかと思っております。また、貿易局におきましては、これは通商政策局において樹立されました政策を、効率的かつ計画的に遂行していこうとするものであります。
 国際的な摩擦の解消という点におきましては、以上申し上げたところでございますが、次に福祉型の行政の展開にあたりましての機構上への反映といたしましては、現在、重工業局、化学工業局、繊維雑貨局、鉱山石炭局、公益事業局等が、それぞれ物の生産のプロセスあるいは商品の類似性という形でこれをくくり、一局を構成しておりまして、その結果、国際競争力におきましては、かなり力がついて現状に至りました点は御承知のとおりでございますが、反面、国際的にはただいま申し上げたようなフリクションを生じ、国内的にもまた公害問題、過密問題等、国民の日常生活と産業との間の種々フリクションが生ずるような事態になってまいりました。そのような事態にかんがみまして、今後は物の生産、輸出競争力の強化というような観点を離れまして、国民が産業政策に関しまして要求をいたしております行政へのニーズに対応いたしまして、新しく三局に縦割り現局を再編成をいたしたわけであります。すなわち、基礎産業局、機械情報産業局及び生活産業局の三局でございます。
 基礎産業局におきまして主たる行政のニーズは、省資源、省エネルギー、立地公害等の問題に当面をいたしております産業群をくくりまして、この基礎産業局において行政を実施していこうとするものであります。具体的に業種名を申せば、鉄鋼関係、化学関係等がこの分野に属するものでございます。また機械情報産業局でございますが、これは、先ほど申し上げました国際的なフリクションの解消、国民生活福祉の充実という政策を遂行していく前に、やはり何と申しましても必要なのはわが国産業の力強い発展でございます。その発展の方向が、従来型の重工業局的なものから離れまして、今後は知識集約型あるいは省資源型、省エネルギー型のものへの追求を行なおうとするものでございまして、この機械情報産業局におきまして主力をなしますものは、機械工業一般、電子機械関係、ソフト関係等がその大宗をなすものでございます。それから三つ目でございますが、生活産業局におきましては、国民生活の日常と密接に関連をいたします事項をこの局におきまして担当をいたしております。国民生活と申せば衣食住ということになろうかと思いますが、食に関しましては農林省においてこれを担当しておられますので、残りの衣と住でございます。住に関しましては、建設省と協力をしてその発展、推進を期するのでございますが、国民生活と密接に関連のあるこれらの業種を一本の局に相まとめまして、国民の生活内容の充実を期さんとするものでございます。
 以上が縦割り原局に関しましての御説明でございますが、これらの三原局に通じましての問題といたしまして、立地公害問題、これが横割り的に、国土の有効利用開発、公害の防止、公害に関する企業指導というような問題を立地公害局におきましてとり行なおうとするものでございます。従来、公害保安局で所掌しておりました業務がその主たる業務でございますが、立地問題に関しましても、もちろん立地は公害だけの観点から見られるべきものではなく、その立地の持つ効率性ということが重要な一面ではございますが、現下の諸情勢を見守りますと、公害の防止の的確な推進のためには、立地関係が最大不可欠の要素であるという事態にかんがみまして、立地、公害を一本にいたしまして、立地公害局におきまして公害から国民を守るという立場におきまして立地公害局を設置いたし、もって国民の福祉に資せんとするものであります。
 さらに、より基本的な問題でございますが、われわれの国民生活福祉というのは、公害からの解除という点はもとより直接的、第一義的に必要とされるものでございますが、さらに、これらの国民生活を形成していくための必要な資源、エネルギーにおいて、その安定的な入手の確保に遺憾があった場合には、われわれは産業政策官庁としてその責務を全うし得ないということに相なります。石油、電力、石炭等に関しまして、それぞれ安定した供給を得るということ。それぞれの分野におきましての推進もさることながら、他方、これらの間の相関関係、選択関係を、この資源エネルギー庁におきまして、石油、石炭、電力、原子力等を一体的に取り扱おうとするものでございます。
 以上、国際社会における摩擦の解除、国民の福祉の推進という観点から機構的に今回の改革において志向しております諸点を御説明申し上げます。
○大出委員 ところで、機構をどういうふうにいじる、いじらぬという問題よりも、本来、通産行政そのものの姿勢の問題が私は一番中心なのだろうと思うのですね。たいへんおそきに失した感はございますけれども、このたび、商社等の問題をめぐりまして、各般の分野にわたっての調査結果の発表、あるいは買い急ぎをするなという呼びかけに類するようなことをおやりになる。ここにも一つの姿勢の問題が出てきているわけでありまして、私は、機構いじりをしてみたところでどうにもならぬ。むしろ基本になる姿勢をはっきりさせる必要がまずある。つまり、生産第一主義、輸出第一主義ということになってきていたわけでありますから、そこに大きなひずみが生ずるということになった結果としてこういう騒ぎになっているわけでありますので、だから、旧来の姿勢をそういう意味で抜本的に改めるのだ、つまり姿勢が改まるのか、改まらないのかというところに実は問題の焦点がある、こういうふうに考えるわけでありますが、いまこの説明をいただきましたのを端からやっていきますと何時間かかるかわかりません。したがって、あらためてひとつこの問題は集約的に申し上げたいと思うのでありますが、まず、通産行政そのものについての姿勢という意味で、幾つかここで承っておきたいのであります。
 一つは、最近国際的にも非常に大きな問題になっております資源エネルギー庁に関する問題でございますが、この基本的な姿勢という意味で、例の中東のアブダビにおいて、日本の海外石油開発会社がたいへんな金を払って現地産油会社のアブダビ・マリン・エリアーズというのですか、この株式を買い取るというふうな事件がありまして、ジ・ラインの問題については、これは大臣は、関係者をお呼びになっていろいろ誓約をさせるとか云々というふうな新聞がございましたけれども、まず一つ承りたいのは、今日石油危機といわれる国際的な状況の中で、基本的な石油危機に対する通産行政のあり方、これをどう見通して、どういうふうに対処していこうとしているのかという点。ここにあらわれている数字を見ますと、アブダビ・マリン・エリアーズの株式のうち、BPの持ち株の三〇%、この株を総額七億八千万ドルで買っているのですね。ところがこれは、社長の今里さんがいろいろなことをものに書いたり言ったりしておりますけれども、どうもいろいろ調べてみると、たいへんに高いものを買ったということに結果的にはなるかと思うのでありますが、具体的にはここらの問題に触れて、どういうふうに石油行政をこれからやっていくつもりなのか。将来の展望、見通しを含めてまずお答えをいただきたいわけであります。
○中曽根国務大臣 エネルギー問題は一九七〇年代、八〇年代にかけての日本の大問題の一つであると思います。産業構造審議会が数年前につくりました予測によりますと、昭和六十年には約七億トン程度の石油が要るであろうという予測を立てました。最近、経済企画庁が立てた経済社会基本計画によると、それより多少減っておるようでございますが、通産省に関する産構審の答申はそういう線で出ております。いずれにせよ相当のものが要るということである上に、アメリカが同じころおそらく五〇%以上は輸入しなければならぬという情勢に変わってくる見込みでございます。そうなると、アメリカのある専門家が私に試算した数字を示してくれましたが、そのころアメリカの石油の購入資金、外貨払いが約二百億ドルから二百五十億ドルぐらいになるだろう、日本が百五十億ドルぐらいから二百億ドルくらいになるだろう、ECが二百億ドルくらいになるだろう、これらが中近東そのほかに出ると思われると、そういうことを実は試算として言っておりました。
 そういうようなことになってまいりますと、これは相当油の値が上がってくるという危険性、可能性もございますし、また日本とアメリカが主となって世界じゅうの油を買いあさるという競争が出てこないとも限りません。そのころのアメリカの需要量が約十三億トンとかいう話です。まあその数字が正確でないにせよ、かなりのものが出てくるということはいわれます。その上に世界の石油戦線に変化が起こってまいりまして、いわゆるパーティシペーションオイルというものがここに出てきたわけでございます。油の原産国がその出てきている油の半分は自分がまず持ち分として取得する、そういう政策を決定いたしまして、それがいまだんだん二五%から五〇%にまで伸びているということになります。そうすると、いままでいわゆる英米国際石油資本が握っておった油の量は減ってきて、その原産国が支配する油の量がふえてくる。これをだれが買うかという勝負になってきます。そこで、日本にとってはそういう油を確保する必要がある、それで六十年ごろには、日本の必要とする油の大体三割ぐらいは日本が自分で手当てした油を確保したい、そういう一応の目標を立てておるわけでございます。そういうスケジュールを考えてみまして、現在はたしか一二、三%程度でございますが、かなりの努力をする必要があります。そういう需給がきちきちになってくるということと同時に、いまのように、パーティシペーションオイルで産出国の発言力が強まる。その上に産出国は、あまり一ぺんに掘ってしまうと長続きしませんから、掘り出しを制限して、長期間にわたって少量ずつ出していくという方向にいく可能性もございます。現にそういう徴候もございます。そうなると供給量も減ってくるという形にもなりかねない。
 そういうさまざまな変化を考えてみますと、いわゆるメージャーといわれる世界石油資本が持っておる油についても日本が進出するし、また産油国が持っているいわゆるパーティシペーションオイルについても日本は進出するし、また新しい油田を開発輸入という形で国と協力して新しく開発してもよし、そういうあらゆる方法を講じて油を手当てしようとしておるわけです。それを主として、国際協調と多面的に世界じゅうからこれを獲得して、安全保障的な要素も考慮しておく。産業安全保障と申しますか、そういう考慮もとっておく、そういう考えで出ておるわけでございます。で、いま中近東に八割以上かぶっておりますけれども、この比率をもっと拡散する必要もあります。でありますから、シベリアであろうが、アラスカであろうが、南米であろうが、あるいは極地に近いところであろうが、そういう可能性を目ざして日本は採算に合う範囲内において国際協調を主にして出ていくこと、そういう政策にしたわけです。
 そこで、その一つとして、アブダビ石油について、アメリカ、フランス、イギリス等が持っていた株の中から三〇%を日本が取得をして、主としてイギリスのBPから譲渡を受けまして、イギリスは北海に油を発見いたしまして、そうしてそちらの開発に力を入れる。そうすると、イングランドに近い場所でありますから、アブダビのような遠いところの株を放して、そして近いところから入手する、そういう政策転換も多少あったのでしょう。それで、日本側はその三〇%を手に入れまして、いわばメージャークラブの片すみに入ったようなわけでございます。このことは、将来メージャーズたちが国際的にいろいろ相談をする場合にも仲間にも多少入るという形にもなって、情報とかコミュニケーションの上にも非常に便宜が出てまいります。それと同時に、また一面において、今度ジャパンラインがアブダビの原産国のパーティシペーションオイルを取得したわけです。しかし、この取得については、多少国際的秩序の上からどうかと思うようなことがありましたが、とにかく取得いたしまして、日本がいま渇望している低硫黄の油が入りましたから、ある程度秩序を規制してそれも入手するということにいたしました。そういうふうな形で、そのほか、インドネシアからも、あるいは将来オーストラリアからも、あるいはシベリアからも、できるだけ多面的にいまから油を手当てしておこう、しかも低硫黄の公害のない油を確保しよう、そういう考えに立っていま申し上げた三〇%を目標にやっているというのが現状でございます。
 いまのエネルギーの需給関係から見ますと、どうも世界的に見ると油の値は高くなっていく可能性があると思うのです。ですから、いまわりあい採算がとれると思われるものでも、アラビア太郎がアラビア石油をやったときには、あんな悪い条件でよくも割り込んでやった。しかし、外国からは多少非難されたようですが、いまとなると、あれが普通の基準になってしまう。おそらくああいうようなことがいま行なわれているのではないかという気もいたします。したがって、国際秩序を乱さない範囲内において、日本の油資源を確保するという意味において、私たちは積極的に、あまりむだを起こさないような考えに立って、今後とも努力していきたいと思っておるわけであります。
○大出委員 これは、いまずいぶんいろいろなものに書かれておりますから、多く申し上げませんけれども、この事件は、さっきお話しの国際協調という面についてたいへん大きな混乱を起こし、たいへん大きな反感を、メージャー側からも、あるいは産油国側からも買った結果になったのじゃないか。本来ならば、石油というのは、第二次大戦じゃありませんけれども、ABCDラインじゃないが、まさに安全保障にかかわる、戦争となる背景さえあるたいへんなことですから、それを強引に日本の金にものを言わせてふんだくる。ここまでのことをやるとなると、私はやはり、日本に対する風当たりというのは強まるばかりで、国際協調という面はなくなってくる、そういう見方をしなければならぬと思う。アブダビ政府の高官のことばというのでここに載っております。楽園に札束を持って狂犬がやってきたというのですね。かんかんになっておこっている。エコノミック・アニマルどころの騒ぎじゃない。エコノミック・アニマルならアニマルなりの生きていく秩序があるだろう、日本人のやり方についてはその秩序さえない、こういう批判をしておるのですね、アブダビ政府自身が。ここまでくると、これは私はたいへんな行き過ぎではないかという気がする。
 いまお話がございましたが、総額七億八千万ドルでBPの持ち株の三〇%を買った。ところが、これにアブダビ政府自身も、かげでそれまで交渉をやってきた。そのときの交渉の中身というのは、ここに計算がございますが、原油一バーレル当たり二・七七セント、二五%ということを目標に経営参加をやろうとしておる。この中身というのは、日本の取得価格七億八千万ドルから割り出すと、一バーレル当たり二六・九セントだから、アブダビ政府の取得値段よりも的十倍の高値になっているのですね。だからメージャー側からすれば、こういう形の強引な割り込み方をされるとすれば、石油価格の国際的な値上げという意味で、やがてこれははね返る。原油価格をつり上げてしまう結果になる。確かにこれは、いまそこで行なわれていた交渉の十倍という価格で買ったのだとすれば、これはうそを書いてないと思います、「エコノミスト」だから。これは確かに、まさに楽園に札束を持った狂犬がやってきて、アニマルだったらアニマルらしい秩序があるはずだが、それもないという、たいへんな国際的な石油価格の値上げの引き金を引いてしまうことになる。つまり、国際協調ということを口にし、提案理由の説明にうたって機構改革をなさるというのだが、一体、まず通産行政そのものについての姿勢というものはどうなんだ。それが国際的に大きな騒ぎになってしまうというようなことを平気でやらしておいて、いまの大臣の発言からすれば、何があっても、なくなるのだから、そこらじゅうからふんだくってこなければいけないことになる、アラビア太郎の例なんか出てくることになると。それがいま黄禍、黄色い災いなんということでしきりに反発を食う理由だろうと私は思う。
 それからジラインの問題なんかにしてもやはりそうでございまして、ここにこまかい価格その他がございますけれども、確かに含有硫黄量の非常に少ない良質の石油には違いない。違いないけれども、三井物産が交渉をやっていた。この三井物産の交渉の中身というのは、三井のメンツにかけて、世界的な常識を破らない程度の額でいこうということで時間をかけて交渉していた。そこへジャパンラインが飛び込んで、一億ドルということで交渉していたところに一億五千万ドルを払うというので、強引にジャパンラインがふんだくった。したがってこれにも非常に大きな批判がある。
 だから、日本という国は、ひとつ間違うと燃料、石油に関する限り――いまの日本の文明あるいは世界の文明はあるいは石油文明かもしれない。そういう中で、産油国の側からも、メージャーの側からも、両方から袋だたきになるのだとすれば、これはまさに南北両方を敵にすることになる。私はそういう国際協調というものはないだろうと思う。したがって、やはりそういう点について姿勢をはっきりさせないと、将来、昭和六十年ごろを考えたらたいへん心配になるから、どんなに国際的な批判を食ったってかまわない、ふんだくってこいということになるのなら、私はここに国際協調をうたって機構改革などをするということはやめてもらいたい、こう思うわけであります。一体そこらはどう考えておられますか。
○中曽根国務大臣 最近の二つのケースの中で、BPの株を取得したというあのケースは、私はそれほど非難はないのではないかと思います。これはイギリスと話をして非常に協調してやったことで、イギリスとしては非常に喜んでおる話であります。私も初め、少し割り高だなという気がいたしましたが、しかし、将来の可能性やら、あるいは日本がいわゆるメージャーの中に入って得るこれからのいろいろな便宜等を考えてみますと、まあこの程度はやむを得ぬだろう、そういう気がしておるのであります。この点はメージャーとの話ですらすらといった話でありますから、私はそれほど大きなリアクションはないと思います。私のところに来ている情報でもそうでございます。
 ただ、ジャパンラインの問題は多少変わっておりまして、ジャパンラインという石油に関係のない船会社が横から出ていって、そしていろいろなコネを利用して、そしてかなりの高額なと思われるものを取った。初め二ドル三十セント程度であると思われておったものが二ドル六十セントぐらいになったのでしょうか。ともかく、あの当時では少し高いと思われる値段をつけた、それで入手した。それで、いままで、石油のそういうコンセッションというような問題は、大体、石油の経験のある、そして日本の製油関係と話のついている、流通の辺まで話がついている部面でやってきたのが、石油に関係のないタンカー会社がぱっと出てきた。こういうことが今後もかってに行なわれるようになると、百鬼夜行みたいな形になってますます国際秩序を乱してくる、そういうこともありましたから、この問題は相当きびしく規制しなければいかぬと思いまして、一応向こうの政府と約束したことでありますから、それは認めましたけれども、受けざらは別個につくって、そして値段も国際価格を上回らざる値段にして日本に引き取る、そういう形にいたしまして、だれでもかってにうまく飛び込んでいってもやれないぞ、やってももうからぬぞ、そういう前例をここでぴしっと見せておく必要がある。それを機に、今後、開銀資金とかいろいろなそういうようなものをやるというふうな場合には、ちゃんと通産省及び石油開発公団の指示を受けて、そしてその了承のもとにやるということでなければならぬ。そういうこともきちっとした次第でございます。
 いまいろいろ石油情勢の変動期でございますから、そういう変動に乗じていろいろな態様が出てくると思いますが、またその態様に応じて機敏に活動するということも、国家間が現状のようなことではやむを得ないところもあると私は思いますが、しかし、国際常識を逸脱しないということが大事であると思いまして、今後はそういう点については、さらにきびしく政策を追及していく考え方でございます。
○大出委員 どういう情報が入っているか知りませんが、私も二、三のものを調べてみますと、まず最初の、この海外石油開発会社のいまBPから買ったといわれる三〇%の株取得をめぐる問題。BPは、ここにも詳しく書いてありますけれども、北海の新規開発をやろうとしているところですから金が要る。だから、買ってくれるのだから売ったということで、日本に高値で売りつけたというので鼻高々になっている。なぜかというと、これはその前に、西独の国策石油会社のデミネックス、ここと交渉していた。そのときの価格が二億ドル、株取得は一〇%ですよ。だから日本の三分の一。したがって、三〇%ということで計算をしてみても、一億八千万ドル高いですね。だからBPは、それで金が入ってきて北海の新開発をやれるのですからそれでいい。話はつくでしょう。ところが他のメージャーは、ここに書いてありますが、「日本が資金力にまかせて高値で資源獲得に出てくることで、今後の世界相場は非常に高くなり、それがすべて原油価格にはね返ってくる」、これはたいへんなことだという言い方をしている。これも海外に記者を置いて集めている情報なんですから、皆さんのほうに何と入っているか知りませんが、やはり相当の反発が起こっている。まあ例のジラインの問題などというのは話のほかです、これは。足らなくなるからということで、むしろこれは生産第一主義、輸出第一主義というものを少し形を変えていかなければならない方向にあるときに、大臣が、足らなくなるのだから、これからは多角的にどこからでも持ってくるのだということになると、これは商社が先頭に立っていろいろやっておりますけれども、最近、商社なんというものは競馬馬までどんどん買うのですから。競馬馬の買い占めです。あなたは農林大臣じゃありませんから、これは別のところでやりますけれども。そうかと思えば、松本の歯科大学あたりまで、とんでもないところまで商社が金を出す。それを見せ金に使われている。そういう時期ですから、これはむしろその行政官庁である通産省がそこらのところはきちっとしていただかぬとえらいことになる。わが国憲法のたてまえその他がありますから。
 大臣もぼくも兵隊経験者ですけれども、第二次大戦のときにアメリカを戦争に引っぱり込んじゃった元凶というのは、ダナン近辺を含めまして、インドシナ半島に日本軍が入っていったことがやはり直接原因だと思う、いま振り返ってみても。言うならば、ある意味では石油戦争みたいなものです。それほどのものですから、一九七〇年ですか、一九七一年ですか、リビアが例のメージャーに対して挑戦状を突きつけて、産油国が団結して、安くふんだくられていたんではうまくない、メージャーに対して一戦やって、上げなければならぬということでやったいきさつがありました。そういう空気が尾を引いて今日に至っているわけであります。これは、日本の将来を考えると、逆にこういうことがさらに重ねて起こるようなことになるとすると、えらいことになる。そういう心配を私はする。だから、そこらのところは、アラビア太郎流に、あるいはそういうことかもしれぬなんということを言われたんでは、私はたいへんに危惧の念を抱かざるを得ないわけであります。たまたま、いま、あとのほうの件はどうもよくないというお話のようでございますが、やはりさきの二つの問題のうちの一つの、財界のこしらえた会社といわれる海外石油開発株式会社のやりましたことについても、将来こういうことがあってはまずい、こう私は思うのですが、大臣は、やむを得ないと、こういうことですか。
○中曽根国務大臣 いろいろ諸般の情勢を考えてみまして、やむを得ない、そういうふうに私は思いました。具体的なこまかいことは鉱山局長が知っておりますから、鉱山局長に答弁させます。
○外山政府委員 御指摘のアブダビに関するBPの株式取得の問題のほうは、ケースとしては油田の評価でございます。油田の評価ということが、日本が開発する場合に初めてあったことでございましたものですから、非常に議論を呼んだわけでございます。政府の判断といたしましては、各方面で十分、技術的な点、それから規格の点、いろいろな点から判断したわけでございますが、なかなかむずかしい要素が多分にございます。しかし、技術的に見て、現在二つの油田がすでに開発されており、さらに今後の掘さく可能性というものにかなり大きな依存をしなければいけない、その点をどの程度見るかということ、あるいは今後の原油の値上がりをどういうふうにとらえるかということ、あるいはさらに、その品位についての判断を総体的にどういうふうに見るかということ、いろいろなことがございまして、技術者の判断でも意見の分かれる部分もございましたし、いろいろ議論があったわけでございます。しかし、政府の判断といたしましては、この際ああしたことでこの利権に介入する、そしてこの油田の評価をあの金額で妥当なものと判断して進めたわけでございます。
○大出委員 今回、中曽根さんが、買いだめ売り惜しみ云々という件で、一昨日でございましたか、発表なさいましたが、新聞の書き方も、旧来どうも企業側にべったり癒着の状態であった通産省にしては珍しい画期的なことだというふうに書いてある。どうもそれじゃ困るので、それがほうとうなんであって、新聞の書き方からいっても旧来のほうが間違っている。これは、神奈川県の川崎における亜硫酸ガスの着地濃度問題なんかをめぐりましても、さきの国会では私こまかい質問をいたしましたが、どうもやはり結果的に企業の側の言うことによって動かされていることになる。あのときは長い論議をいたしましたが、そういうことでやむを得ない、やむを得ないと言っていたんでは、日本に対する国際的な風当たりは強まるばかりだ。だから、ほんとうに国際協調ということを考え、国民福祉を考えるならば、そこに視点を置いた基本的な変更がなされなければならない、単なる機構いじりでは意味がない、こう私は考えているわけであります。
 もう一つ、例をあげて承りたいのでありますが、百貨店法の改正という問題がいま議論をされているわけであります。時間がありませんから端的に聞きますが、そのねらいは一体どこにあるのですか。
○山下(英)政府委員 四点の項目を主として検討して、そのバランスを慎重に考慮したわけでございます。第一点は、すでに現行百貨店法は十五年以上たちまして、現在の流通秩序に合わない。これをどうしたらいいか。第二点は、全国百五十万軒といわれている小売り商店の近代化を急がなければならない。第三点は、特に実際問題としてはこれが大きかったわけでございますが、現行百貨店法の規制のしかたが不十分なものですから、それをくぐるがごとくにして大規模小売り店が、ここ三、四年、全国の都市に非常に急激に進出してまいりました。スーパーであったりチェーンストアであったりいたしますが、これをやはり規制しなければならぬ。最後の点は、これは昔からそうでありましたけれども、社会の発展とともに消費者のビヘービアというものが急速に変わってまいりましたので、消費者の要求にもこたえる、こういう要請がございます。この四点について、一年有余、審議会の専門家の方にも御審議いただきましたが、そのバランスを考えながら政府原案をつくった次第でございます。
○大出委員 どこまで進んだんですか。その原案はいつごろ国会に提出することになりますか。もう出ておりますか。
○山下(英)政府委員 政府原案をすでに国会に提出してございます。
○大出委員 いま四つほどおっしゃったけれども、二番目にあげられた全国百五十万の小売り店の近代化ということ、これは具体的に言うと、どういう近代化をお考えになっておるのですか。
○山下(英)政府委員 実は中小商業の振興に関する法律も同時に提出してございますが、一つは、やはり小売り商の性質というものに合わせて指導行政を徹底していきたい。
 どういう点が非常に大事かといいますと、どんなに発展した社会でも、ヨーロッパでもアメリカでも、必ず中小商店というものがある。そして消費者のほうの需要も複雑多岐になってきますので、一言でいえばコンサルタントとしての要素を兼ねまして、たとえば、めがねを買いに行くときには、百貨店で買えばそれなりのことだけれども、小売り店に行けば、もう十年間その人の目に親しんでいるし、最近は、老眼のけも少しふえたというようなことまで、あれこれコンサルタントとしての仕事を持つ。この要素が非常に大きいんじゃないか。
 それからもう一つは、都市開発に関連しまして現在の区画整理、これは具体的には高層化につながりますが、高層化とともに寄り合い百貨店のようなものに入ってもらって、周辺のあき地に駐車場を置く。これはあるいは先生も御案内かと思いますが、幾つかの都市で成功もしております。
 それからもう一つは、共同仕入れ、あるいはその他の技術交流という意味も兼ねまして、チェーンを全国に張りめぐらす、この要素も大きいと思います。
 ただ、こういうことを真剣にやるわけですが、いま一つ底辺といいますか、実態から申しますと、実は過疎農村に近いような現象がございまして、昔並みの、小さな土間に文房具を並べ、障子一つで住まいとつながって、ともに五十歳以上の老夫婦がそこを余生の家業として採算はかまわずにとにかく守っておる、子供たちはそこに居つかないというような、私どもの間ではパパ・ママ生業の小売り店と呼んでおりますが、そういう層が相当にございます。こういう面につきましては、また格別の指導行政をしていかなければならないと思っております。
○大出委員 本会議あとの委員会でございますから、系統を追って質問をいたしていきますと、相当な時間になりますので、より具体的に承りたいわけでありますが、いまのお話にからんで、かつて三木さんが通産大臣をおやりのときに、ボランタリーチェーンをつくれということを相当大きくアピールをした時代があります。当時、私もずいぶん三木さんに質問をいたしまして、このボランタリーチェーン構想というものを研究した時代がある。そこで私は、これはひとつつくってみようという気になりまして、横浜にお菓子の小売り屋さんのボランタリーチェーンをつくった、国から一千万からの金を借りまして。これもひどい話でございまして、一年据え置き七年の返済で、大体一年は据え置きで無利子でやるのだ、あとは三分くらいでやる。ところが、最終的には六分をこしちゃって、利子の面ではあとでずいぶん困った結果になりました。しかし、七百軒横浜にはお菓子の店舗がございます。ようやくここにボランタリーチェーンをつくって、全国で小売り屋さんの、特にお菓子の小売り屋さんのボランタリーチェーンはいまだにこれしかない。しかも、それには卸問屋を一切入れてない。全部小売り。初ケースでございまして、いまだに初ケースでございます。ちょうどことしで七年。七年やってまいりまして、あとから申し上げますが、仕入れ価格はたいへん下がってきておりまして、一般仕入れよりは二割二分から二割五分ぐらい低く入っております。だから昨今、商社の買い占め云々が騒がれておるモチ米その他の問題がございますが、このチェーンはそういう意味で、他の一般の小売り店に比べれば、まだたいへん耐久力がある、こういう状況にいまあります。
 ただ、私ここで承りたいのは、あのときに、特に問屋というもの、あるいはメーカーというもの、ここらあたりに対する通産省の行政指導が相当緻密に行なわれないと、せっかくそのことを全国に宣伝しておつくりくださいと言った通産行政そのものの責任を問われることになる、この点を私は強調しておいたわけです。神奈川県にも一千万ばかりの金を出させて、しかも埋め立て地域に五百坪ばかりの土地まで確保して、そこで加工のための工場をつくろうというところまでいっているわけであります。
 そこで、具体的に承りたいのでありますけれども、この生産工場などが持てるところまで、チェーンをつくれと言うた限りは、行政的な手当て、つまり資金その他まで含めてそこまで考えないと、実はせっかくつくったチェーン組織というものが伸びない。ボランタリーチェーンという方式を通産省がおとりになったからやることができたのだが、そのまま火が消えたようになってしまってそれっきりというのでは、一体通産行政の姿勢というものはどうなんだということになる。その後通産大臣は歴代おかわりになったけれども、ボランタリーチェーンをさらに推進するとかなんとかいう話はさっぱり出てこない。あの時代だけでそれきりになっている。やっているほうは一生懸命やっている。いまお話の一番最後にあったおじいちゃん、おばあちゃんでやっているお菓子屋さんもたくさんある。だから、一体その後政策的に、これをさらに成功させる、つまり、一番最初にお話になった百五十万からある商店を近代化するという、それはあなた方は理屈の上でそう言ったって、おのおの町かどにある小さなお菓子屋さんが、いまは乳児食といったら薬局で売っている、ふろに行ったって袋もので菓子を売っている、酒屋へ行けばまたそういうものを売っている、そこへ先ほど言った大小のスーパーがたくさんできている、あるいは寄り合い百貨店がある、そういう中で、専業のお菓子の小売り店のシェアというものはどのくらいあるか。いま六割ぐらいしかない。四割が向こうにいってしまっている。六割はもっと欠ける状況にある。そうすれば個々の店舗の収入が減るのはあたりまえです。そこのところをこれから先一体どう指導なさろうとするのか。順次承りたいのでありますが、お答えいただきたい。
○山下(英)政府委員 具体的にはあるいは先生の御質問に十分答えられない点もあるかもしれませんが、中小企業政策のわりあい末端の大事なこまかい点でございますので、あまり抽象的なお答えでは用をなさないと思いますが、あとで補わしていただくことにしまして、ボランタリーチェーンは、御指摘のとおり、通産省が非常に熱を入れてスタートしまして、その後も続けております。ボランタリーチェーンの協会もありますし、商工中金、中小公庫からの特別融資もやっておりますし、熱意については変わりがないと存じます。
 いま御指摘の菓子店の場合には、先ほど私があげました、めがねとか、あるいは高級といいますか、技術的日用製品の場合はまだいいのですけれども、菓子店の場合は、御指摘のとおり、野菜、くだもの、食料品を主としたスーパーの進出で、一番被害を受けやすい部面でございまして、ボランタリーチェーンとしてはむずかしい分野だと思います。私どもがやる施策の一番は、金融面でお手助けすることかと存じます。
○大出委員 たいへん抽象的な話ですから、もう少し詳しく中身に入ります。
 たとえばチョコレートという商品を取り上げた場合に、断わっておきますが、チョコレートメーカーというのは、全国で六十くらいあります。だが、森永、明治、不二屋、グリコ、これが四大メーカーで、五番目が長崎屋、これはまあ中小です。あとはそれこそ裏長屋みたいなところで、型に入れて、チョコレートパウダーを入れて、銀紙に包んで出すようなところですよ。その五大メーカー、長崎屋を抜けば四大メーカー、これは相互に建て値制度をとっている。ちょうど皆さんが一生懸命ボランタリーチェーンを宣伝されたころは、子供さんに二十円のお金をやってチョコレートを買ってこいというこのチョコレートは、ボール箱に六十個入っていまして九百円だ。そこから逆算をしますと、一個の原価は十六円五十銭です。利益率はしたがって一割七分二厘です。ところが、一割七分二厘なんだが、税務署は一体幾ら税金を取るかというと、二割三分から二割五分かけてくる。二割二分くらいで納税申告をしたらとたんに調べられる。なぜか。メーカーからのリベートがあるからです。リベートは三分から一割二分。こういうシステムになっている。だから、お菓子屋さんの御主人が二十円のチョコレートを子供に売れば、一割七分二厘しか利益はない、原価は十六円五十銭ですから。利益は三円五十銭。利益率一割七分二厘です。それに税金を二割三分から二割五分も取られたんでは、売るたんびに損することになる。そういう実際の計算で申告をしたら通らないのですから。私は現地の税務署とも話しています。
 そうすると、おやじさんは売り上げをごまかす以外に手がないのです、これは。いいですか、一軒のお菓子の小売り屋さんがいま申し上げた二十円売りのチョコレートを、六十個入っている一ボールだけ買ったのなら、リベートがゼロでもしかたがない。しかし、ボランタリーチェーンができた、チェーン本部がまとめて百箱買った、二百箱買った、五百箱買ったというたら、最高リベートで一割二分を出したっていいんだ。これは当然そうでしょう。それが皆さんの趣旨でしょう。ところが、四大メーカー、森永にしろ、明治にしろ、不二家にしろ、グリコにしろ、中間問屋にはリベートを出すけれども、ボランタリーチェーン本部が一括買ったってリベートは出さない、値引きはしない。そこのところは明らかに指導した通産省の責任ですよ。しかも税務署はなぜ二割三分、二割五分といってみなし課税でやってくるかといえば、リベートがあるということを知っているからです。しかしそれは末端に行っていない。それは、行っていないと言ったって、中間問屋さんは、御主人、熱海に設営をしましたからいらっしゃい、交通費だけでけっこうですからと言う。おやじさん、女房に、ごちそうになってくるよと言ってでかけていく。だけれど、ごちそうになるけれども、ごちそうになったのは自分の金なんだ、これは。中間問屋が自分のリベートを吸い上げているんだから。一カ月に一ぺんということでそういうことやる。ごちそうといってもごちそうではないんだ、これは。ほんとうをいえば自分の金だ。そういうことにしておいて、百五十万の小売り店を何とかするためにというようなことをおっしゃったって、そんなことはできやしません。これは現実ですよ。そこをあなた方がきちっと押えてかからなければ、これは生きやしません。菓子屋だけではない。どこの業界だってそうだ、小売り店というのは。そこをどうお考えになりますか。
○山下(英)政府委員 まことに、私どもも業種別に現地の実態をもっともっと把握する必要があると思っておりますが、いま御指摘の点は、流通問題のある大事な点で、確かに一次問屋、二次問屋それから小売りと、これがわりあいと慣行に硬直化したといいますか、慣行を重んじる一つの系列がありまして、いま御指摘の場合は、せっかく共同仕入れという特典のためにボランタリーをつくって、数百箱というオーダーをしたにもかかわらず、一次問屋か二次問屋、そういう人たちが、それはわれわれ問屋の仲間に入れては困るという種類の妨害もあるのではないか。そうするとメーカーのほうはリベートが出せない。そういうようなせっかくの流通近代化の政策意図にもかかわらず、それが浸透しないという問題じゃないかと思います。
 私のいまの見解を申し上げれば、一日も早く実態を把握するとともに、そういう従来の硬直化した点を打破していくことが流通近代化政策だと思っておりますので、それとあわせて、そういう小売り店の実際上の利益を擁護してまいりたいと考えております。
○大出委員 これは話はじみなんですけれども、たいへん大事なことなんですよ。せっかく皆さんが百貨店法を改正しようとなさる。実は百貨店法改正で私の聞きたいのは、焦点は一つしかない。一体、消費者の側に立ってあなた方はお考えになるのか、百貨店の側に立つのか、スーパーの側に立つのか、小売り店の側に立つのか、どこをどうするのかという焦点がはっきりしなければ、それはスーパーというものは安く供給しているんだから、消費者にとっては安いにこしたことはないのですよ。しかし、スーパーが安く売るには売るだけの理由がある。そこをきちっとつかまえなければ、くその役にも立たぬものができ上がる。この百貨店法改正の中身を私調べてみていますけれども、これでは何にもならない。大型の小売り店というお話をいまなさった。スーパーのことでしょう。いまからスーパーを取り締まる、しかもこれは、許可制というのはうまくないから、届け出制で事前審査制度だなんて言っている、あなた方は。現場の通産局ですよ、相手は。そうでしょう。いまからそんなことをしてみたりて、ごらんなさい、大体のところはもう大スーパーはできてしまっている。立地しちゃっている。私はダイエーの皆さんとは仲よくしているけれども、ダイエーの商法をお調べになれば一ぺんでわかる。そうでしょう、立地しちゃっている。なぜ安く売れるかという問題です。ここに問題が一つある。
 その前に、順番ですから承りたいのですが、公正取引委員会の皆さんにまずこのリベートという問題、これを解明していただきたい。
 私は、ちょうど、こういう席ですから正式名称を申し上げておかぬといかぬかもしれませんが、不当景品類及び不当表示防止法、昭和三十七年法、このときにこれは論議をしたんです。ちょうど再販指定などをキャラメルなんかについてやっておったときに、再販指定は解除すべきではないかという質問を私はしたことがある。そのときに、たしか規則だったと思いますが、これ御説明いただきたいのですが、取引委員会は三分から一割二分のリベートを認めて公示されていた。それは今日どうなっておりますか。
○三代川政府委員 私は経済部長で、いま御質問の取引部の関係は、ピンチヒッターで十分お答えできるかどうかわかりませんが、わかる限りでお答えしたいと思います。
 リベートにつきましては、これは正常な商慣習の範囲ですと、値引きと考えて差しつかえないのじゃないかと思います。しかし、それを越えまして、たとえば非常に高額な累進のリベートでありますとかいうものになりますと、これは必ずしも値引きと考えられないで、景品の一種というように考えなくちゃならない、場合によっては取り締らなくちゃならないという場合があるのではないか、そのように考えております。
○大出委員 そんないいかげんな答弁じゃだめですよ。もっとも、あなた担当者じゃないとおっしゃるから、そういう前置きをされたからいいですけれどもね。
 本来これは三分くらいにとめたかったんだ、公正取引委員会は。後藤さんがお見えになっているかもしれぬけれども、当時、取引課長さんその他に私は聞いたことがある、この席で。ところが、いろんなことがギャーギャーあって、原案をやめて一割二分まで認めた。いまの御答弁からすれば、それはいまそのままになっているはずだ。そうすると、一割二分現にあるならば、さっき私が例に申し上げたように、せっかく通産省の指導でボランタリーチェーンをつくった、小売り店の再生をはかった、そして共同仕入れ機構もつくった。つくって共同仕入れしようとしたら、四大メーカーはそこには売らない。売るとしても還元リベートは出さない。それじゃ何のために一体共同仕入れ機構をつくったんだということになる。そのときに、問屋を入れるべきなのか入れるべきでないのか、指導の方向はどっちなんだと聞いたら、でき得れば入れたくないとあなた方はおっしゃった。入れたくない方向に従って、入れないで小売り店だけでつくった。そのときに、だから、メーカーその他が途中で、せっかくの共同仕入れ機構だから共同仕入れをしようとしたら、百箱買って八分なら八分のリベートがくるはずなのに、値引きもしなければリベートもよこさぬということになる、あるいは売らないということになった場合にはどういうふうにお考えになるか。あれは、通産省が小売り商に指導する限りは責任をもってやっていきますと、あなた方は言った。現実にちっとも責任をもってやっていない。
 これは皆さんどう思っているか知らぬけれども、一軒の商店というものは、つまりお菓子屋さんというものは、お客さんが来る範囲は半径五百メーターしかないのですよ。半径五百メーターの円を書いたら、その範囲しかお客がいない。なぜならば、奥さんの足はそれしか歩けないから。だからマーケットリサーチみたいなことをおっしゃったけれども、そんなことは簡単にできる。商品の飾り塔をこしらえて、お店の前に一本立てておく。その中にはてっぺんからしまいまでありとあらゆるチョコレートがぶら下がっている。たくさん子供の手を引いて通るんだから、子供は珍しがって通るでしょう。チョコレートがどれくらい売れた、売れたら、三日置いたらその飾り塔はない。十軒先の店に突っ立っている。そのあとにくるのはあらゆるキャラメル。そのあとにくるのはガムだ何だという製品というふうになる。ぐるぐる回っていくと、売り上げ伝票を調べてみると、この地域は、五百メートル範囲のこの商店の周辺の人たちの好みというのは何にあるのかということはいやでもわかる。そうでしょう。そこから先は、どういうふうに仕入れてどう飾ったらいいかという指導ですよ。共同仕入れなんだから、共同仕入れをしたときに送り状をくっつけて品物を送る、受け取った者は売り上げ伝票をボランタリーチェーンの本部に返す。本部に返せばだまって計算はできる。納税だってバランスがとれるのですから、やりようが出てくる。つまり、いままでは小売り店の御主人というのは、株式会社の社長と一緒で、仕入れからマーケットリサーチから販売から札入れから運搬から納税から、一人でやらなければならない。それが要らなくなるからボランタリーチェーンというものの効用がある。そうでしょう。そうだとすれば、通産省はそういう指導をしたんだから、それが効率的に成り立つように、そしてあなたは国民福祉とさっきおっしゃったんだが、仕入れ価格が下がるというのは、販売価格が下がるということなんですよ。国民は安く物が買えるということなんですよ。そうでしょう。それなら一貫して定着をして広がっていくようにしなければならぬ筋合い。それはそうだとすれば、うしろを向いてメーカーにものを言わなければならぬ筋合い。建て値というのは、私に言わせればやみの協定ですよ、何年たったって変わりはしないんだから。そうでしょう。ココアパウダーというチョコレートの原料がいかに安くなったって。だからそうだとすれば、やはりそこまで突っ込んで、リベートというものは、共同仕入れ機構をつくったならば、そこに行くように当然指導すべきものでしょう。いかがでございますか。
○山下(英)政府委員 私どもはメーカーに対して、そういう流通問題、特に小売りの正当な要求は承諾すべきであるという話をする用意がございます。四大チョコレートメーカーはもちろん農林省関係ではございますけれども、これまた、農林省と相談してこういう指導もしていきたいと思います。
○大出委員 チョコレートはおっしゃるとおり農林省の所管です。ココアパウダーが原料ですから。そこで、ココアパウダーなるものも大カンの自由化をしたのですけれども、大カンを持ってきてパックし直して小カンで売ったものだから、三田食品以下十五、六あったココアパウダー販売問屋というのは、いまはみんなつぶれてしまってないのですよ。そのときに、キログラム当たり七百円ばかりしていたものが三百四、五十円ぐらいに下がった。だから日本じゅうの大メーカーというのは一生懸命チョコレートをつくった。七十円売りのハイクラウンだエリートだはそのときにたくさんつくった。やたら宣伝したものだから、日本人は戦前の二十倍もチョコレートを食べてしまった。だけれども、飽和状態にきて在庫が一ぱいになってしまって、ダンピングする。そのときでもボランタリーチェーンや小売り店にはメリットないのですよ。なぜならば、過当競争の中で在庫が一ぱいになって、森永、明治、不二屋、グリコなんというメーカーは、中間問屋に、おまえさんのところ一括持っていってくれ、そのかわり三分から一割二分以上にプラスアルファの特別リベートを出す。特別リベートだけふところに入れ、一割未満のリベートでディスカウントしてぽんと出すから、ハイクラウンとかエリート、ちっともエリートじゃない、東光ストアに行くと五十五円で売っている。隣の菓子屋は仕入れ値段が五十六円五十銭。仕入れ値段で売ってそれより安い。リベートがなせるわざですよ。だから私は、リベートなんかなくなっちゃって、卸値を下げさしたほうがいい、はっきり言って。そう割り切るべきだ。公正取引委員会はそう思った時点があった。そうすれば、リベートがなければメーカーはどこへ売ったって同じなんだ。そのかわり問屋は困るでしょうが。そうでしょう。だからそういう政治的な情勢で、公正取引委員会はせめて三分くらいにリベートは押えたかったんだな。一割にまでまたいつの間にか原案が改正されて上がっていった、一割二分になって表に出た、こういう事情があるのです。それならば、そこは皆さん方責任を持ってくれなければ困る、こういうことです。
 いま用意があるとおっしゃるから、それは進めていただきたいと思うのでありますが、いま、チョコレートなどは、一ボール百円のものが十二個入っておりまして、建て値が千八円です。これが問屋、チェーンを通じてどう流れていくか御存じですか。
○山下(英)政府委員 浅学にして存じませんで、詳しくございません。
○大出委員 ガムというのはどうなっているか御存じですか。あなた方食べておられるでしょう。
○山下(英)政府委員 ガムの流通経路もよく存じません。
○大出委員 あられはどうですか。これはいま問題になっていまして、中曽根さんが一生懸命おやりになって、売り惜しみなんといっていろいろ調べられたでしょう。甘納豆というのはどうですか。甘納豆というのは原料は豆なんですよ。これはどんなふうになっているか御存じですか。
○山下(英)政府委員 次々おあげいただきましたのが農林物資なものですから、流通行政としては、私どもも本来関心を持つべきところであることは間違いございませんが、主務官庁としては農林省でございますので、あるいは後ほどまた、農林省から情報をとりまして申し上げてもよろしゅうございますが、十分の説明ができないで恐縮でございます。
○大出委員 十分の説明も何も、全く説明ないじゃないか。ボランタリーチェーンを一生懸命推進して、いまでも熱意を持っておりますという人が、一つの系統についてできているのに、七年もたつのに、それは全く知っている必要はありませんけれども、多少は知っていなければ、そっちは農林省の所管だ、かってにしろじゃ、これはあなた指導にも何にもならぬじゃないですか。そうでしょう。
 たくさんございますから一例だけあげておきますが、せんべいなんというのは、実はせんべいなどでないと、もうからないんですよ。メーカーもののチョコレートなんというものは、さっき説明したとおり、皆さんにやっていただかなければもうからない。リベートというものがくっついていくようにしてくれなければ収入にならない。なければお客さんが逃げるから、しかたがないから置いておくのです。あそこの家へ行ったら森永のチョコレートがないやといったら、その菓子屋はつぶれちゃうのですから、わかっていて置いておく。だから何でもうけるかといえば、一袋十四枚なら十四枚入っているモチ米等を原料にした袋もの、せんべいならせんべいというものでやっているわけです、利幅が大きいから。ところがこのモチ米騒ぎで、一袋百円で売っていたら、いきなり百五十円に上がっちゃった。お菓子屋さんの御主人は知らないから、一生懸命売ったんですよ。二割から二割五分の利益でみんなよく売れたといりて喜んで、さて仕入れに行った。行ったら問屋のほうは、いや百五十円だ。利益を全部吐き出しても、もとの仕入れだけ仕入れられない。じゃ、利益を吐き出したら何で食っていくんだ。利益で食っていくのですから。そうでしょう。こういう状態にはね返っているわけです。いまの買い占めだ云々というのでモチ米が上がったなんということは、あなた方が一生懸命指導して、いま、百五十万の小売り店なんということを口では言うけれども、そういうところが成り立つようにしようというならば、そこのところに手を当ててものを考えなければ、成り立ちはしませんよ、そんなことしたって。そうでしょう。あなたがわからぬというものを、それはしようがないけれども。
 そこで、農林大臣の場所もございますから、そちらのほうから私は言いますが、先ほど申し上げた、問題の焦点であるメーカーと問屋と小売り店の関係、これは何も菓子業界に限らず、ここのところはきちっとしていただきたい。そうしないと、あなた方が幾らここで言ったって、小売り店はちっとも再生もしなければよくもならない。だんだん狭くなっていくだけですよ。寄り合い百貨店をつくるといったって、金がなければできないのですよ。ただ単に入れと言ったって、金がなければ入れないのです。ボランタリーチェーンをつくるのに、一店舗五万円の自己資金が要る。それがないから入れない小売り店が山のようにある。だから、ボランタリーチェーンのほうを伸ばして、その共同仕入れをして、資金がなくて入れない小売り店にも仕入れたものを流してやろう、そう動いているわけでしょう。だからあなた方のほうも、そこのところは指導されたんだから。
 この袋物なんというのは、中は真空になっているのですよ。これのパックが、長く置いておくとゆるくなって、しける。しけたのをお客さんが買ったら、その店にはもう二度と買いに来ないわけだ。だから、一定の期間をおいたら、工場をこしらえてあって、そこに持って帰って乾燥室に入れて乾燥さして出し直さなければ、商品にならないのですよ。この形になった色のついてないものを在庫さしておいて、色づけといって、機械で色をつけてパックをして出す、それをチェーン組織でやれば販売価格はまだ下がるのですよ。利幅がふえるのです。国民は安いものを買えるのですよ。だとすると、チェーン組織は、そういうところまでの手当てをあなた方がしなければ、ほんとうの意味で共同仕入れ機構というものも能率を発揮しないし、あなた方がこの百五十万の商店を何とかしてやろうという気持ちも、通じやしない。そこらを御研究願いたい。よろしゅうございますか。
○山下(英)政府委員 たいへん啓発されましたし、大事な点ですので、研究さしていただきます。今度の新機構でも、特に中曽根大臣からの御指示もあって、流通消費部門を強化することになっておりますので、当然そういう面は研究さしていただきます。
○大出委員 これは大臣に一言だけ念を押しておきたいのですけれども、森永、明治、不二屋、グリコのような大きなメーカーになりますと、せっかく担当官庁が身を入れて指導してつくらした共同仕入れ機構であっても、それとタイアップして、そこへ流してやるというところまで踏み切れない。そういう点はやはり政治力を発揮して、大臣のところで踏み切らしていただくようにしていただかぬと、せっかく通産省の振った旗に従って進んでいる方々が、それこそ女房、子供をかかえて苦労するわけですから、問屋はできるだけ入れるな、入れないでくれと、こう言ってきたわけですから、そこらはひとつ……。しかし、大メーカーとの関係のない一般の中間問屋というのは、ボランタリーチェーンが力を持つに従って、最初は向こうを向いたのが、こっちを向いてくるようになりつつある。そこはいい。いいが、その一つ先の大メーカーとの関係というのは、これは行政官庁がやはり政治的に手を打っていただかぬと、なかなかそっちのほうを向かない。そこらのところはぜひ御配慮をいただきたいのですが、いかがですか。
○中曽根国務大臣 大メーカーとボランタリーチェーンとの関係というのは、いま初めてしさいに承りましたが、その線に沿って努力をいたします。
○大出委員 これは私が自分でいろいろやってみて、この小売り店舗の方々などというのは、行政官庁はそうでございますが、お世話を始めたらしまいまで見てあげなければ、かえってマイナスだけ残るのですよ。千葉の共同仕入れ機構がそうでしょう。たいへんな負債を残してつぶれました。ボランタリーチェーンの問題を皆さんが取り上げる少し前です。なかなか成功しない、共同仕入れ機構だけでは。だから、どうかひとつ、最後まで手をゆるめずに、やはり検討すべきものはして、いま進んでいる方向にプラス要因を重ねていくという形にしていただかぬと困る。
 そこで、さっきの百貨店法なんですけれども、つまりこういうふうに苦労している。これは一例でございます。まだほかの業種をあげてもいいのですけれども、こういう苦労をしている小売り店舗というものをひとつ考えて、百五十万と、こうおっしゃって財政再建をお考えになるならば、じゃ一体、百貨店法の改正というものの置かれなければならぬ焦点はどこになければいかぬのか。第一にそれは消費者でしょう。第二に、共存できるようにしてやらなければいかぬでしょう。そうだとすれば、何を一体あなた方はすればいいのかという、そこがはっきりしない。この百貨店法改正というのはどっちを向く改正なんだ。消費者側を向くのか、小売り店舗を助けるのか。あなたは四つあげたが、百五十万の小売り店舗は助けるという。そうかといって、スーパーをつぶすのじゃないでしょう。消費者のほうには高いものが行っていいというわけじゃないでしょう。スーパーを規制したしかたに問題がある。
 いまスーパーのやっているのは、資金が豊富でございますから、さっき中間問屋の話をしたけれども、エリートであるはずのチョコレートなんというものを、エリートはどこかへ行っちゃって、ディスカウントして五十五円で売っているんだから。建て値でいけば五十六円五十銭が仕入れ値段ですよ。スーパーではそれ以下で実際に売れているのです。それはなぜかというと、リベートのなせるわざでしょう。リベート、プラスアルファのやみリベートまである。そういう場合には背に腹はかえられぬ。過当競争の結果です。だから、これは何を押えていくべきなのか、そこがないと困る。まあ、それはおそらくはかの委員会で論議するでしょうけれども、関連をいたしますから聞くのですが、一体、百貨店法改正というのは、そういう意味ではどっちを向いていくのか。せめてそのくらいのところをはっきりしてくださいよ。通産局に行って、事前審査方式なんだ、届け出なんだ、許可制じゃないんだ、そんなことを言ったって、大スーパーなんというものはほとんどでき上がっちゃっている。でき上がったからいいや、改正しようというのかもしれないと私は思うけれども、そうならば提案理由はうそになる。いかがです。
○山下(英)政府委員 流通をめぐる事情が非常に複雑でむずかしいという御事情は私どもよりもよく御存じなわけですが、先ほど御説明した四者の利害のバランスをとりながら近代化した流通の法律をつくるということで、そこのところがたいへんむずかしいことでございました。そして、どっちを向いているんだという御指摘には、実はなかなか全体として簡単に答えられないのですが、一例を申し上げますと、いままでの法律は、これは御存じと思いますが、十大都市の場合は、三千平米以上の売り場面積を持っているものは百貨店と称する。その称された企業が、かりにホテルの一階に十坪の売店をつくるのでも許可が要る、一坪増加するのも許可が要る、こういう形で、百貨店は強く規制を受けております。かたがたスーパーのほうは、二万平米の十階建ての高層ビルを建てて、百貨店と同じ形であっても、一階ごとに会社を分けてやれば建てられる。店員はみんな同じサービス洋服、ラッピングペーパーは同じ、しかし企業だけが違う。これはやはり均衡を失しておる。小売り店から見ますと、脱法ではありませんが、法律は何をしているのか、こんなに法律がありながら、かってにスーパーが出ていくということはがまんのできない点だったと思います。
 そこでまず、スーパーも法の対象にしてもらう、これが第一点。ただ、いままでのようなことでは企業単位の規制ができませんので、どうしても建物規制になります。そこで、建物を規制をしていくということでございますので、三千平米とか、地方都市なら千五百平米ですが、それ以下の増設とか、あるいは小売り店が集まって千五百平米の大規模小売り店になろうなんという場合には、むしろ今度は自由にしよう。これがいま御指摘の届け出主義の一つのポイントでございまして、自由にはするが、それ以上のものが出てきたら、これは届け出をしたからすぐ建てられるというものでなくて、届け出をすれば通産大臣は必ず審査する。そしてその審査は、その地域の小売り店舗との利害の調整ということを法律でもきちっとうたっておりまして、従来どおりの商業調整協議会の活躍にもまちますが、夜の営業時間を何時までにするかとか、月の休日は何ぼにするかということもあわせまして審査をしていきます。それですから、この法律によってだれがどの方向に向かって一番あれしたかということを――どのと言われますとあれでございますが、四者ひっくるめて近代化の方向に持っていく。その中でも格別中小小売り店につきましては別の振興法案を用意いたしまして、この近代化の過程で摩擦あるいは落後者、そういうものがないように、むしろ、金融、税制とか、あるいは通産省の実際の行政の重点は、先ほど御指摘のあったような、ああいう実際面に沿った中小小売り店の助成、指導策が大事なんじゃないかと思っております。
○大出委員 そう言っておると、せっかく改正をしたって、これまた何の役にも立たぬで悪いところだけ出てきてしまう。なぜかといいますと、一番ポイントは消費者に対してなるべく物を安く売るということですよ。そうでしょう。そこで、売るところは専業店がある、スーパーがある、あるいはデパートがある、百貨店がある、こうなっているわけですね。あるいは菓子でいえば、専業店でない薬屋で売っているいわゆる乳児食、お酒屋で売っているつまみ式なもの、ふろ屋で売っている袋物、いろいろある。だが、その中で一番弱いのはどこかといったら、一つのささやかな店舗です。専業店ですよ。税金にしても何にしてもみんなそうです。そうすると、現にあるんだから共存をはからなければならぬ。それはあたりまえのことだ。だが、一番弱いところに最も大きく手当てをしなければ共存できないでしょう。共存できないから小売り店舗のシェアはどんどん減っていくんでしょう。そうすると共存をはからなければいかぬのだが、方法は幾つもあります。どういう手を打ったら共存ができるのかという点がなければ、こういうきわめて抽象的な改正をしようといったって一つもありがたくない。スーパーだって喜ばない。百貨店だって喜ばない。百貨店があり、スーパーがすぐうしろにあるとすれば、スーパーは営業時間を二時間延ばしている。百貨店に間に合うと思って行ったら締まっていた、そこでスーパーに行く。小売り店舗というのは、実際にもっとおそくまでやっているのですよ。そうすると、その時間帯一つ考えたって、一番弱いところを救う方法が出てくるわけですね。そうでしょう。
 それからダンピング規制措置みたいな形が百貨店法にあります。百貨店はスーパー式にハイクラウン五十五円じゃ売れない。正価で売らなければいかぬ。片っ方のスーパーというのは正価で売っていない。横浜で卵なら卵を一円下げると、これはとんでもないところまで影響するんです。そうだとすると、その流通機構をながめてみてどうすれば仕入れ価格を下げたものが小売り店舗にいくか、それで共存をするということにしなきゃいけない。じゃそのためにはどうするんだという、そこまで突っ込んでいかなければ、これは救えないのです。共存しない百貨店法の改正は意味がない。だから私が冒頭に言うように、工場ぐらいのところは持てるくらいまで資金の助成措置を考える。その場合いまの利子じゃ高過ぎますよ。いまの零細商店というのはそれではやっていけないです。だからそれをどう補給するかということを考えなければだめだ。それは六分以上も取られたんじゃやっていけないですわ。
 そこらのところが、あなたの口から出てこない。さあ、どっちを向いているのか私にもわからないなんてことを言っていたんじゃ、しょうがないじゃないですか。あなたがわからぬと同じように、この法律読んでみても私にもわからぬ。じゃそんなものを何で出すのかというんだ。意味がない。通してみたって三文の価値もない。それじゃ困るじゃないですかと言っているんです。だから焦点をはっきりさしてくれと言っているわけです。もう一ぺん答えてください。
○山下(英)政府委員 今度の百貨店法の趣旨は、流通近代化の立法をいたしまして、特にスーパーを法の規制の対象にしまして小売り店の利害も十分守ったつもりでございますが、先生の御指摘の点につきましては、中小企業庁の次長が参られましたので、特にその点について御説明をいたします。
○森口政府委員 先生御指摘のとおり百貨店法は、単に大規模小売り業者と一般中小小売り業者との関係の調整をはかるのみであります。だから、基本的には中小小売り業者の体質を強くするということは、先生の御説のとおりでございます。したがいまして、私のほうは、現在、国会に中小小売商業振興法案を提出いたしております。
 中小小売り商業をどうするかという問題は、小売り商の大きさ、あるいは販売商品、あるいは販売態様が非常に種々でございますので、どうすれば中小小売り商業の体質を強化することができるかという点は非常にむずかしい問題でございます。特に、中にはいわゆる生業店と称せられますいわば経済政策の対象にならないような階層まで含んでおりますので、これをいかにして消費者の要求にミートしたような小売り店にすることができるかどうかという点につきましては、通常の法律をもってしては不可能であるというように私のほうは考えております。
 最近、小売り商の指導者の中には、大規模店舗の進出、それから外資の自由化というような機運が高まってくるにつれまして、中小小売り商業の体質を強化しなければいけないという意識が急速に高まってきておりまして、それが私どもがこの法案を出した趣旨でございます。
 私どもがこの法案の中で考えておりますのは、中小小売り業者の体質を強化する方法は、一つは中小小売り業者が集まってできるだけ消費者を吸引することができるようなものをつくりたいということが第一でございます。こういうような方向としまして、現在各地に商店街がございますが、この商店街の買いもの環境をできるだけよくして消費者を引きつけたいということを考えております。第二の消費者の吸引策は、小売り商業者が集まって共同店舗をつくったり、あるいは既設の共同店舗の中に小売り商業者自体が入って、いわば小売りの集積の利益を生かすという便法であります。こういうふうにして消費者を引きつける方法を第一に考えたいというふうに考えております。
 それから第二に、先生が先ほどから御指摘になっております小売り商業の連鎖化の問題でございまして、小売り商業を連鎖化して、できるだけ商品を安価に仕入れて加盟の小売り店に売る。かたがた、本部が小売り商業者の経営指導を行なうことという点、この三つの点を私どもは基本的に考えなければいけないというように考えております。
 欧米等におきましても、やはりこういう組織化された小売りの形態というものが、小売り商業の売り上げの中でだんだん大きな比重を占めておりますので、私のほうはこういう自主的な努力をする小売り商業者の組織体につきまして、この法律を出します一方、他方で、振興事業団の融資、中小企業、国民金融公庫の融資で格段の改善措置を講じてこの動きを援助いたしたいというように考えております。
 なお、こういう組織化に加わることができない小売り商の一群がございます。地理的に、たとえば村落の中の一般小売り商でありますとか、どうしても商店街に入れないような小売り商というものがございます。こういう小売り商ももちろん連鎖化運動には加わることはできるわけでございますが、その商店は、そういうような商店としてやはり合理化をしなければいけません。たとえば合理化の手段としては、セルフサービス方式をできるだけ導入するという手段がございます。これにつきましては、現在中小公庫等を通じて援助をいたしておりますが、さらにこの援助を続けたいというように考えておりますし、それからさらに、小売り商のいろいろな販売のための機械等につきましては、従来どおり私のほうの設備貸与制度を通じまして必要な機器を導入いたしております。
 いずれにいたしましても、私どもは、百貨店法の改正というだけの問題ではなしに、小売り商業者の体質改善ということを重点にして中小小売商業振興法案の提出を考えたわけでございますけれども、これには相当な日時と努力を要しますので、先生が先ほど仰せになりましたとおり、単にそういうものをつくれというだけではなしに、そういうもののアフターケアを含めまして体質強化をはかっていきたいというように考えております。
○大出委員 いまのそのアフターケアなんですよ、問題は。つくるのにもたいへんにそれは骨が折れます。折れますが、何とか軌道に乗せてやってきた。そこから先がさて問題。だから、チェーン組織なりあるいは共同仕入れ機構なりというものは、いままで何べんか国の指導もあり、やっている。うまくいってないでしょう、ほとんど。協同組合だってそうですよ。近代化資金を出すからといって協同組合をどんどんつくらせるんだけれども、その施設が共同施設であることすら認識しない。埋め立ての土地だって、一緒に買った中で、おれは幾ら幾ら払い込んだんだから、黙ってほっぽっておけばそのうちにもうけて売れるから、という調子になっちゃう。満足に動いているのはなくはありません。ありませんが、つくったはつくったでそれっきりというのは、山ほどあるのですね。そういうことは、中小企業庁なり通産省なりが一つの理想を打ち上げたが、大臣がおかわりになる、担当の課長さんがかわる、するうちに、いつの間にか、形だけはそうなっているんだけれども、消えてしまう。それじゃ中小零細企業はたまったものじゃないですよ、これは。ほんとうにそれは、初めからしまいまでめんどうを見る気でやらなければ……。とにかく体質を強くしようというのですから。そうでしょう。
 だからそういう意味で、さっき幾つか申しましたけれども、これは具体的な、直接的な、そうしてお客を引きつけるというならば、そういうことでやっていくところについては、それなりの宣伝方式を考えてあげなければ……。私は神奈川県にやかましくいって、県の商業部が認めてやらしている推薦の店なんだといって、こんな看板かけるようなことまでして進めていた時期もある。神奈川県が個々に調査をして、今度こんな写真にして企業診断をして。ただ国は何もしない。それじゃ、生み落としたはいいけれども、どっちを向いてよちよち歩いているんだかさっぱりわからぬし、私は知らぬというんじゃ、あなたが次長をやっているうちはこうしゃべっていて、いなくなれば、おれは知らないということになってしまうので、それじゃ私は、つまり機構改革以前の問題で、どういう姿勢を堅持していくのかという、そこがはっきりしないと、構構いじりなんか何べんやったって意味はない、そう思うのですよ。だから、これはこういう時間のあれですから、私はまた農林省相手に、この中身についてはさっぱり話は出てこぬわけですから、これはしかたがありませんからあらためて質問いたしますが、ぜひひとつそこのところは、口でおっしゃるだけでなしに、実際に育ててみなければ、口で言ったってわからぬですよ。それは私もずいぶん長い間苦労してきたんだから。だから、初めからしまいまでお世話する腹をきめなければ強くはなりません。これはひとつお願いをしておきたいわけであります。
 この辺でひとつ、大蔵省の方にお見えをいただいたのですが、こういうところの税金の問題ですね。どういうふうに考えておられますか。さっき私はすでに例をあげて申しましたが、実際にリベートなど入っていない、だからこうなるということで申告をすると、とたんに差益率をあげてものを言ってくる。ずいぶんみなし課税の方式が今日税務署の権限でありますから。だから、ほんとうに弱いところというのは、それこそりっぱな経理士をおかかえでやっているのじゃないのですから、これはひどいことになっちゃう。ここらのところは、リベート問題とからんでどう考えますか。
 それから、どうも公取の皆さんのほうも、このリベートという問題はいいと考えておられるのか。商慣行で許せるものだというのだけれども、今日やはり三分から一割二分でございますか、それはしかたがない、それはいいということですか。それによる弊害というものはございませんか。あわせて承っておきたい。
○三代川政府委員 リベートにつきましては、金額的な制限はないのではないかと思いますが、むしろそういう問屋に対して、たとえば百箱を出す場合にどれだけリベートを出した、ところが、同じように百箱チェーンストアのほうが買った場合に、チェーンストアには出さないということになりますと、そういったリベートの出し方が差別対価ということで不公正取引にあたって独禁法上の問題になるのではないか。だから、むしろリベートを出すのを規制するというよりも、差別的に出すのを規制する。出すのだったらチェーンのほうにも同じように出さなければいかぬ、そういうようなことではないかと私は思います。
○大出委員 どうも確信のない答弁ですな、ないかと思うとは。ないかと思うたって、ほんとうにそう思うのですか。そうなっているのですか。制限ないですか。制限ないなんということになったら、えらいことになりますよ。公正取引がそんなことじゃいけませんな。リベートというものは特に制限がない――冗談おっしゃい。
○三代川政府委員 何かリベートにつきまして特に制限があると私は聞いておりません。
○大出委員 それでは、あした農林省に質問いたしますから、それまでにお調べになってください。
○三代川政府委員 はい、承知しました。
○大出委員 あなたのお立場もございましょうから、それならば私も資料を持ってきます。あなたのほうでお出しになっているのですから。
 税務署の方はおいでにならぬですか。
○系説明員 リベートの問題に関連しまして、小売り屋さんたちに対する課税をどうしているかといったような御趣旨の御質問でありますけれども、税におきましては、実際に入った収入、これと実際に支払った支出、この実額によって課税するということになっておりまして、入ってない収入に課税するということにはなっていないわけでございます。したがいまして、記帳していただいて青色申告とかといったようなことで課税するということはたてまえでございますけれども、非常に零細な規模などの場合におきまして、記帳もないといったような場合には、やむを得ず推定をするというようなこともありますけれども、そういう場合にも、先生、先ほど何か一定の率でほかのほうにリベートが出ているからここにも出ているはずだといったようなことで、一定の率で課税しているといったようなお話がありましたけれども、そういうふうにはしていないわけでございまして、一応のものさしは持っておりますけれども、実際の収支をできるだけ正確に調べる。調べがつかない場合におきましても、その実情をよく見て適用していくということになっているわけでございます。
○大出委員 この税務署の見方が、菓子の小売り屋さんに対する一般的な差益率、これを大体二割五分と見ているのですね。場所で違いましょう。だから実際に計算をしていって、リベートが入っているわけじゃないのですから、それで提出をいたしますと、これはもうすぐ再調査なんですね。いまあなたがお話しになったことは議事録に残ったわけですから、私は今度この議事録を持っていってかけ合ったらいいので、そこがほしかったわけですから、しかと間違いなければ、それでけっこうです。
○系説明員 私が申し上げているのは、先生いま一定の率をお示しになりましたけれども、そういう機械的な率で最終的に課税していくということではないわけでございまして、一つの調査をする場合、あるいは申告を審議する場合の目安として使っている。あとは実際の実情、実際の収支をできるだけ把握するということにつとめて課税していく、こういうことでございます。
○大出委員 そこだけはっきりしておけば、それでけっこうでございます。
 次に、もう一点承りたいのですが、この三月期における消費者物価の上昇が、東京都において前年対比で九%。これは総理府統計局の数字のようでございますが、これに対して暴騰物価を総点検する、こういう方針をおきめになったわけですね。これは二日の日に大蔵、通産、農林、経済企画庁、各省庁の事務次官連絡会議を開かれて、最近の異常な高物価を協議した結果、値上がりの激しい生活関連物資を中心に物価の総点検を実施することをきめた、こういうわけですね。これはきめてどういうふうにしようというわけですか。どこからでもけっこうですよ。経済企画庁もおいでになるわけですから。
○斎藤説明員 お答えいたします。
 さきの関係次官会議において、約六十品目でございますが、これは前年三月対比の東京都の物価上昇率の非常に高いものでございます。それぞれ要因がございまして、たとえば野菜につきましても、前年三月には非常に安かった、そういうために二割、三割上昇したというようなものもございまして、そういったものをふるい分けまして、行政指導としまして何ができるか、そういう点について、たとえば輸入を増大するとか、あるいは畜産振興事業団でバターをどうするとか、それぞれ個々の対策につきまして各省で検討いただきまして、さらに物価担当官会議等で検討いたしまして、関係機関あるいは物価閣僚協等においても、適時そういう対策を推進するよう措置いたしたいと考えておりまして、現在各省で検討中でございます。
○大出委員 これはのんきなことを言っておられたのでは困るので、九%上がったことは現実の問題なんで、それだけ国民生活に大きな影響を与えているわけですね。そうだとすると、どうも皆さんのやっているのを見ると、買い占め騒ぎをめぐったって、とっくの昔にはっきりさせなければいかぬ問題がたくさんあった。資料をなかなかお出しにならぬから、われわれのほうでいろいろ調べてみてある程度のものはわかる。そうだとすると、皆さんのほうはもっととっくにわかっていなければならぬ、担当官庁だから。だから、今回のこの問題だって、いまのお話を聞いていると、いつまでということでもない。それじゃこれは一体何のために総点検するのだかわからぬ。どのくらいの間にどういうふうにしようというのですか。
○斎藤説明員 物価担当官会議等はひんぱんに開いておりまして、われわれといたしましては、そういう個別の物価対策のみならず、全体的な過剰流動性問題、あるいはいまいわれております商社問題等につきましての、そういう大きな視点からの対策も含めまして、四月の中ごろまでにはすっきりした検討をまとめたいと思っております。
○大出委員 四月の中ごろですね。そこで大臣に承りたいのですけれども、この買い占め、売り惜しみというふうなものを相当幅広くお調べになって御発表いただいておるわけでありまして、おそきに失したという気はいたしますけれども、やはり大きな効果はあるだろうと私は思っておりますけれども、ただこの中に、どうも買い占めがあったようであるという非常に抽象的なものの言い方になっているものもたくさんある。そこで、お調べになった品目等について、これは商社の買い占めだ、額でこのくらいあったと、もう少しきちんとしたやつはございませんですか。
○中曽根国務大臣 あの調査は、通産省は明確な権限がないものですから、商社の協力のもとにやったものでございまして、その現場をつかまえたというような、そういうなまなましいものはあり得ないわけであります。それで個々の商社の内容についても公表しない。公表すると言うと正直なことを言ってくれませんから、それで、公表しないということで、できるだけ事実に近いような報告を聞かしてもらおうということでやったわけであります。したがって、具体的にしっぽをつかむというようなことは初めからむずかしいと思ってやりましたが、大体の概数というか、状況証拠というような感じのものがある程度感じられまして、それでああいう結論を出したわけであります。具体的には企業局長から御答弁申し上げます。
○山下(英)政府委員 三月の十三日から三日間にわたりまして、大手六社から事情を聴取したわけでございます。対象は、やはり最初の実態把握でございますから、全体状況を把握しようという趣旨で、商社ごとの金繰り状況、固定質産、商品用土地、証券の取引、証券の売買、それから過当騰貴があると目される品目としまして、羊毛、毛糸、綿花、綿糸、大豆、木材、生糸、これだけの品目を選んで、各品目営業部ごとに責任者に来てもらい、事情を聞いたわけでございます。書類も出してもらいましたが、一回のヒヤリングだけではなかなかわかりませんので、調査に三日間、終わりましたあとも追加資料等を取り寄せて全体の実態把握につとめた次第でございます。
○大出委員 そこで、少し立ち入って承りたいのですが、まず商社の金ですが、これはどういうふうにお調べになったわけですか。新聞に載っておりまして、さっき、質問に入るちょっと前に通産省の方がお見えになってこの資料をお持ちになったのですけれども、読んでいるひまがないのですよ。前からお願いしておいた商社の資金の問題、私の調べた限り、実はたいへんな資金になっている。六千六百億円どころじゃない。しかもそれがおたくの出しておられる資料で推計ができる。そこで、通産省がお出しになっている本でございますから、ほかにない。もっとも本郷の古本屋へ行けば売っているかもわからぬ。「貿易業態統計表」、これによってみると、たいへんな資金量なんですね。これもさっきお持ちになった。だからまだこまかく計算ができない。あしたにでもお持ちになるようなことを一週間前におっしゃっておいて、私の質問する直前になって持ってこられたんじゃ……。
 証拠はここに歴然とあるんで、実はおたくのほうで出しているのです。実はある経済誌がこれに基づいてちゃんと数字をはじいている。そのはじいた数字のほうを私は見たものだから、もとは何だと思ったらこれなんだ。なるほどそうなる。なるほどそうなるというこまかい計算書きを突きつけて、なぜ一体通産省はその辺のことは事前にお調べにならなかったのかと言いたかった。実は計算しているひまがない。だから数字だけ先に言います。
 おたくの「貿易業態統計表」に基づくと、大手商社の負債比率は、昭和四十一年、一六六四・九、昭和四十六年二三五九・四。これは何かといいますと、負債比率は商社の資本金一円に対して商社が借りた金で、昭和四十一年には千六百六十四円になる。資本金一円に対して千六百六十四円、昭和四十六年には資本金一円に対して二千三百五十九円四十銭。一円の資本金に対して二千三百五十九・四円という数字が出る。どなたが一体これを引き合いに出しているかといいますと、大阪外国語大学の教授の貿易論を専攻されておる梅津和郎さん、この方が「日本経済の活力を奪う“雑食集団”」、インスタントラーメンからミサイルまで、経済的なアミーバーと称されてみたり、庶民の血を吸うドラキュラのうちはまだいいけれども、「雑食集団」。この「雑食集団」なる文章の中に、これは数字があがって明確に出てくる。それで見たら、何とこれは商社の資金の動きを計算しておられる。
 そうすると、いまになって、こんなことをおっしゃる前に、各商社の資本金ははっきりわかっているのですから、そうすると、どのくらいの金が動いたなんということは、商社へ行ってべらべら聞かなくても、あなたのほうでちゃんとこんなりっぱなものをお出しになっている。なるほど教授の言っているとおりなんだ。詳細な計算をしておりませんけれども、さっきあけてみたらやっぱり似たようなことになりそうだ。
  〔藤尾委員長代理退席、加藤(陽)委員長代理着席〕
いま、どういうことでお調べになりましたかと言ったら、何となく聞いたようなことをおっしゃるけれども、はっきりできないですか。そこのところは数字はあるのじゃないですか。
○山下(英)政府委員 今回、資金繰りを調べました焦点は、昨今問題になって、俗に称しております過剰流動性。商社にしてみれば、手元流動性の増加がどのくらいあったかということに焦点を合わせたわけでございます。
 ただいま先生の御披瀝になりました数字は、各商社の借り入れ金額負債、これはやはり貿易をやっておりますから非常に多額になりますし、また、プラントその他長期ものも扱いますので、輸入資金等は、数年にわたって、また政府側も輸出入銀行とか貸しておりますから相当多額になりまして、いまお示しになった数字は、決して私どもの調査と矛盾するとは思いません。
 主として二つに焦点をしぼりまして、第一点は、昭和四十六年八月以降、いわゆるニクソン・ショックが八月十五日にありまして間もなく、日本の為替は変動制に入って、十二月スミソニアンで円平価を切り上げたわけでございますが、その時点からいわゆるリーズ資金、ドルを政府に売る、その方法として輸出前受け金を取り立てる、これで相当の円資金が商社にプラスの過剰流動性として入ったんではないだろうかという点を追及しました結果、六社合計で四千三百億円が集計されたわけでございます。それから、ちょうど並行しまして、政府としても、金利の引き下げ、景気刺激、金融緩慢化の施策をとりまして、一九七二年の七月一日、長期金利の引き下げに至るまで漸次金利を下げていったわけでございますが、その緩慢化の過程で、企業間信用の短縮によってどれだけ流動性がふえたか、これが第二の焦点でございまして、その結果五千二百億円という集計ができて、その二つを合わせました九千五百億円というのが手元流動性の増加ではないか。そしてその間一年半に及んで取引量の増大その他によって、あるいは昨今よくはやりで申しております、外資の侵入に備えて安定株を持ちたい、また商社は下請の株を安定的に持ちたいという傾向も確かにございましたから、それのよしあしはまた別としまして、そういう安定的な投資を除きまして、結論的に推算いたしましたのが六千六百億円、こういうものが過剰の流動性としてあった。それは銀行に返せばよかったんですが、これまた銀行と商社との関係で返さなかった。返さない以上、どこにそれを運用、ころがしたかというこういう追跡をしたわけでございます。
○大出委員 それは商社個々に、株式の取得でありあるいは土地である、こういうふうなものをおのおの的確に数字をつかんでおられますか。
○山下(英)政府委員 これは社長会で協力要請をしまして、それに基づいて出頭して事情聴取という手段でやったわけでございまして、先ほど大臣も言われましたように、私どものほうは、企業の秘密を守るから真実を述べてほしい、先方は言えないことは言えないが、できるだけ協力して真実を申し上げますという前提で集めた情報でございます。
○大出委員 じゃ、こういう聞き方をいたしましょう。七二年の九月期の決算によると、大手十商社、この株は二千五百七十八億円。これは簡単にいえば一年間で買ったものですよ。二千五百七十八億円になります。二千五百七十八億円ですからね、ちょいとしたものです。これは一年間なんですからね。そこで、運用利益は幾らあるかといいますと、これだけで百二億五千万円あるんですよ。昨年の九月期決算です。そこで上位四社をあげますと、丸紅飯田が利益計上は二十七億円。ことしの三月期決算の予想を見ると、どうもあまり世の中うるさいから株式利益を少し圧縮しよう、そう書いてあります。これは「東洋経済」二月二十一日号に書いてある。三月期決算みんなある。丸紅飯田なんというのは、どうも株でもうけたなんてやかましくいわれるんで、注目の株式運用益もたいへん大きいんだが、これは極力圧縮して二十億程度におさめる。前期三十七億と書いてある。これはそうなれば粉飾ですよ。
 そこで、九月期決算が二十七億、丸紅。伊藤忠、株式利益は二十一億七千万円。安宅産業が十四億円。トーメンが十二億三千万円。これは決算に明らかなんだから、こうなっておる。そうすると、あなたのほうが過剰流動性としてつかまえたもの、それがこのくらいあるという数字が出てくれば、不当な株式利益というものは明確になる。基礎があるのだから。三月期決算で、丸紅の場合に二十億に押えるのだとすれば、昨年九月期決算で三十七億円。この三月期決算で二十億円となると、あなたのほうでつかまえたのと合わせてみれば、何が不当であったということはちゃんと出るじゃないですか。数字というのは正直なんです。何も社長に遠慮する必要はない。通産省というのは、やはり物価を押えようということをお考えになっている。提案理由にもちゃんとある。そこらのところをあなたのほうは中身だってわかっているのです。
 丸紅の取得した株の中身は、スカイアルミニウム、昭和設備工業、緑屋、大阪機工、津上、函館ドック、旭硝子、日本カーリット、川岸工業、これが株式取得の大きなものです。いずれも百万株をこえている。これははっきりしている。世の中に形のあるものを買っているのだから。
 皆さんに資料を出せ出せといってもさっぱり出さない。さっき質問に入る前に、二、三日前に発表されたものと動態統計を持ってこられただけです。だけれども、調べてみればわかる。そういう点を通産省は、せっかくここまでのことを新聞にお出しになるならば、なぜおやりにならぬか。いかがですか、株について。
○山下(英)政府委員 有価証券売買に関しましては、有価証券報告書で私どもも正確に情報はわかります。したがいまして、先日発表いたしました文章の二枚目にもございますように、四十六年の三月末から四十七年九月末に至る有価証券投資の推移、うち株式保有額の推移、これを指摘いたしまして、いかにも株式売買による売却益が多かったではないかという点を指摘いたしました。
○大出委員 丸紅なんというのは、表街道の利益は三十億で、株式利益が三十七億あったのでは、労働組合のナショナルセンターの総評の方針じゃございませんけれども、暴動でも起こしたくなりますよ。丸紅だの伊藤忠だのにみんな押しかけて、取り巻いて大騒ぎしようじゃないか、がまんできない、これは大木事務局長が北海道で新聞発表しているでしょう。これは、米騒動じゃございませんが、起こりますよ。事前にあなた方のほうで、こうなんだということをむしろお出しにならなければ、いまの世の中は、一つ火がついたら何が起るかわからぬ。ばかばかしくて、官庁なんかにつとめてまじめに仕事する気になれない。去年の春闘で、労働者が一生懸命旗を振って賃金を上げた。上げた分が幾らあるかと計算してみたら五兆円です。全国の春闘で上がった分がわずか五兆円。四百万の全国の農民が汗水たらして働いて、農業総収益は二兆三千億円。ところが株で二十兆もうけて、土地で三十兆もうけた。だからGNP百兆の半分でしょう。ばかばかしくて働く気になれない。だからそういうところは、あなた方のほうがなぜそれをはっきりさせないか。いまもらったばかりでありますから、何を書いてあるか見ていませんが、新聞で見た限りでははっきりしない。土地にしても、これは決算があるのですから、どこがどのくらい持っているかということははっきりしている。それをなぜあなた方のほうがお出しにならぬか聞きたい。こういう妙なもの――皆さん努力されたんでしょうけれども、なぜこういう形の発表しかしないのか。
 例をあげて土地を申し上げましょう。有価証券報告書のことをあなたおっしゃっているから。そうすると、日本列島はどのくらいの広さがありますか。どなたか御存じですか。
○中曽根国務大臣 三千七百万平方キロでございます。
○大出委員 三千七百万平方キロですか。
○中曽根国務大臣 いや、三十七万平方キロです。
○大出委員 約三十七万平方キロです。三千七百万だとえらいことになる。アメリカの四%が、アメリカの四〇%になる。
 三十七万平方キロですが、このうちで、それこそ有価証券報告書に基づいて調べてみると、東京の証券市場に上場されている会社というのは千二百九十三しかない。その千二百九十三社が買って持っている土地の面積が四千八百九十七平方キロ。日本の市街地の総面積はどれだけありますか。市街地の総面積は三十七万平方キロの一・二%ですよ。そうすると、いま私の申し上げたこの数字は一・二六%に当たるのです。日本じゅうの市街地の総面積よりも広いものを買ってしまってはおさまらぬですよ。日本という国はアメリカの四%しかないんだから。おまけに一番よけい買っているのは東急系の東急土地開発です。それから、丸紅飯田、伊藤忠の順番がひっくり返って、伊藤忠、丸紅飯田、四番目は大和ハウスです。神奈川県の面積を調べてみたら二十五万ヘクタール欠けるのです。ところがその四社で持っている土地の総面積が二十五万ヘクタールをこえている。四つの会社が買った土地の面積が神奈川県の面積をこえてしまったのではおさまりついたものじゃない。しかもこの千二百九十三社、東京証券市場に上場されている上場会社が買って持っている土地が四千八百九十七平方キロ、メートルでいえば四億八千九百七十万平方メートル。このうち、私鉄関係が決算のあれがございますけれども、私鉄関係を見ると、私鉄全部で持っているのが、メートルでいえば一億三千百十万平方メートル、キロでいえば千三百十一平方キロ、四分の一です。十大商社が持っているのが一億六十万平方メートル、キロでいえば千六平方キロ、これが四分の一ちょっと欠ける。だから私鉄と商社で半分持っている。
 そうだとすると、これは吐き出させることをみんなで考えなければ、それこそ土地暴動が起こりかねない。事態はそこまで来ているのではないですか。だから私は、この報告はたいへん前向きにお出しになったことは認めるけれども、何でもっとはっきりしたものの言い方をなさらぬかと聞きたい。過剰流動性だというので計算なさったのなら、有価証券報告書があるんだから、あなたのほうでその点ははっきりさせて、どうもこれは常態ではない、よろしくないと言わなければいかぬ。言えませんですか。
○山下(英)政府委員 今回の調査で株式の売却の数字及び売却益を特に公表いたしましたほかに、土地につきましては、従来、有価証券報告書では、御案内のとおりに、有形固定資産として自分の資産しか公表されておりませんが、自分の倉庫あるいは営業用の土地、そういうもののほかに、商品として売買しておる土地を事情聴取いたしまして、それの購入及び期末残高も公表いたしました。念のために申し上げますと、四十七年の下期現在で六社の保有面積は三千七十万平米でございます。
○大出委員 私はこの結論を求めたいのでございますが、木材なんかもお出しになって、大豆も出しておられますが、これはおそらく皆さんのほうは、所管は農林省だ、こうおっしゃるのだと思いますが、結論から先に言えば、なぜ一体私的独占禁止法を使えないか。たとえば木材だって、シェアを調べてみると、昭和四十五年ですでに大手十社が輸入総量の七〇%をかっちり握っている。それがずっとふえてきていた。そこに例の過剰流動性なんというものが出てくる。そうすると外材の九割近くのものになっちゃった。国内材が四五%、輸入材が五五%なんですからね。それは、アメリカにしろ、ソビエトにしろ、カナダにしろ、インドネシアにしろ、ニュージランドにしろ、かっちり押えられているわけでしょう。しかも東カリマンタン森林開発株式会社なんというものをこしらえて、七億も投資をして、合弁会社でしょう、これはみな。日商岩井なんというのは、南方材のトップ。商社だけれども、安宅産業だってそうですよ。東カリマンタン森林開発会社。
 私は、林野庁の皆さんにこの間電話を入れて、昨年末の衆議院選挙のちょっと前、一体何でこんなに材木が上がるんだ、大工さんなんというのはみんな首をつってしまうじゃないか、請負い仕事なんだから、金がなければ請負えないじゃないか、何で上がるのだ、聞かしてくれ、商社が買い占めたんじゃないかと言ったら、先生、そう言ったって、木材なんて大きなもの、倉庫に入れておくわけにはまいりませんから、そんなことはありません。ありませんと言ったって、森林ごと買っちまって置いてあれば倉庫以上ですよ。そうでしょう。東カリマンタン森林開発株式会社、何たって山を、森林を買っちゃった。現地会社をこしらえて、伐採をして運ばしている。大阪港に一ぱい着いている。指摘されれば、これはいま揚げるのですという。その間の時期が少しずれれば値上がりをする。かってに森林から切って持ってくるやつをずらせば値が上がる。あたりまえじゃないですか、ここまでのシェアを持っていれば。これは林野庁の方、どうお考えになりますか。
○平松説明員 昨年の後半における木材価格の高騰は、私どもは、四十七年の後半に起こりました景気調整に基づく景気回復によりまして、住宅需要が非常に強まったということに対応いたしまして、供給のほうが、国産材は、自然保護なり、あるいは資源の制約なり労働力の不足というようなことで、ほとんど横ばい程度でございますし、輸入のほうは四十七年通年で約一割五分ほどふえておりますけれども、なおかつ需要の急増に追いつかなかったというところに原因があるというように勘案をいたしておるわけでございます。
○大出委員 どうもそこに書いてあるやつをべらべら読んだって、これは議論にも討論にもならぬじゃないですか。おたくのほうは、木材の大手商社以下どのくらいシェアがあるのか、輸入総量をここ三年ばかり出してくれと言ったら、何だかんだと言って、やっと持ってきたのをながめてみたら、A、B、C、D、Eなんて書いてある。商社の名前をあげなければ何にもならない。私たちが調べても、これは苦労すればわかるので、責任官庁の林野庁でそういうことじゃ……。だってあなた、これは木材について、はたして国民生活にこれだけ影響があるのに、一体どう考えているんだということにならざるを得ぬじゃないですか。
 念のために聞いておきますが、木材について、過剰流動性その他を含めてどのくらいになりますか、通産省の皆さん。
○山下(英)政府委員 私どもの事情聴取の結果によりますと、商社の木材の取引は長期契約にいたしますが、港に持ってきまして、そこで、市場価格、日本の国内の価格に合わせて売り値をきめ引き渡しますが、全般的に言って、着くと売る、売って引き渡す。貯木場にランニングストックももちろんございますが、貯木場に異常にふえておるという状態には、私どものヒアリングではありません。林野庁のほうではまたこまかくあるかと思いますが。したがって私どもの判定は、木材の取引高は、四期を通じて大きく言ってほぼ横ばい、それからランニングストックも通常、ただし益だけが三倍に上がっておる、こういう状況でございます。
○大出委員 何も通常で益だけが三倍になることはないでしょう。じゃ、そんなにもうかるはずはないじゃないですか、おたくの言っていることならば。木材の価格というものは、輸入してきたらそこできめるというのでしょう。国内市場価格に合わせてきめるのだ。そうでしょう。いま言っていることからすれば、商社がもうかってないように聞くのだけれども、益だけが三倍だということになると、どこからその益が出てくるのですか。
○平松説明員 木材需給の関係については、先ほど御説明申し上げたわけでございますが、木材の輸入の実態につきましては、先ほど山下局長からお話がございましたように、外材につきましては、外国で買い入れをいたしまして、日本の港頭に入って問屋に売られるというまでに、短いもので三カ月、長いもので半年くらいかかる、このような状況でございますから、昨年の十月中から十二月までに売られたものにつきましては、おそらく昨年の春から夏にかけて現地で購入したものということになると思います。日本の商社が、アメリカあるいは東南アジアというところで、日本の需要増あるいは高価格ということで産地で買い付けをいたしましたので、漸次産地価格も上がっておりますけれども、四十七年の春から夏にかけての現地価格というものはそれほど高くはございませんで、日本の内地のほうで、先ほど申し上げましたように、需給関係がアンバランスであるということから、内地の価格が需要主導型で上がってきたというように私ども勘案しておりますので、その関係で商社の利益が相当大きなものになった、このように私どもも考えております。
○大出委員 林野庁長官おいでにならぬところであなたに言ってもしようがない気もするんだけれども、林野庁というのは、国内の材木の需給関係にある意味の責任を負わなければならぬ官庁じゃないですか。そうでしょう。そうだとすると、あなたのんきなことをおっしゃるけれども、現地ではいつ買った、だが現地価格はそう上がってなかった、国内消費価格が異常に上がった、需給関係でとおっしゃる。需給関係というのは、品物がないということでしょう。あるいは少ないということです。需給関係のバランスがとれるようにやるのが林野行政じゃないですか。他人みたいなことをおっしゃっちゃだめですよ。
○平松説明員 確かに私ども木材需給関係には責任を負っておりますので、その点について鋭意努力をいたしておるところでございますが、実は昨年の後半の木材の需要の増加というのは、まあ四十六年には、御存じのとおり木材の価格は下がっておったわけでございます。価格の低落期という時期におきましては、流通関係の人々は自分の手持ちを減らすというのが通常でございます。で、昨年の二月ごろから景気調整に伴い景気が回復いたしますと同時に先ほどの過剰流動性の問題もあろうと思いますし、また金融緩和の問題もあろうと思いますが、住宅ローンが非常にふえたということもございまして、住宅着工面積が、建設省の統計で見ますと、四十七年通計で二三%くらいふえているということになったわけでございますが、結果的にそういう数字になりましたけれども、私どもがその関係について気づくのがおそかったという点については、不明をおわびする以外にないわけでございますが、昨年の秋以降供給をふやすという意味において、国有林材の早期搬出、あるいは民有林材についても都道府県知事を通じて早期搬出、それから外材についても供給の増大、輸入の増大ということを商社に懇請をするということで、先ほど申し上げましたように、四十七年の通年では、供給量が前年に比べて一四%ふえるという状況であります。
○大出委員 先ほど中曽根大臣のお話を聞いても、商社に権限がないから、聞かせてくれといって資料を出してもらったんだという。あなたはいま、商社に懇請するという。商社に懇請しちゃったりお願いしちゃったりするというばかりじゃ、商社取り締まりがないじゃありませんか。そうすると、日本の政府の上に商社ありということになっちゃう。
 アメリカだって、四月二日に上院外交委員会で大きな問題になったITTは国際企業ですよ。これが、チリのアジェンデ社会主義政権の転覆のために百万ドルニクソン政権にやるからと言った、CIAまで使って。さすがにニクソンさんけった。これをけったが、有名な例の弁護士さんが表へ出した。アメリカの国内世論がわいてしまった。だから、上院の外交委員会が特殊な委員会をこしらえて調査をして、とうとうその百万ドル云々の事実を認めたでしょう、ITT、国際電話電信会社は。日本の商社もいまやまさにそうなんですよ。インドネシアもそうです。あらゆるところに商社にみんな食い込んでしまっている。英国の商品をアフリカに持っていっているのですから、日本に関係なしに。そうでしょう。至るところに会社をつくっているのですから。そういうことになって、圧倒的に市場占有率は高い。にっちもさっちもいかぬですよ。
 あなたは、不明をおわびしなければならぬと言うけれども、あなたのほうが知っていて手を打たなかったのなら、何か意図がほかになければならぬ。知らないんだということなら、全く林野庁の価値はない。林野庁長官なんていたっていなくたって一緒だ。林政部長なんていたっていなくたって一緒だ。そうでしょう。需給がアンバランスになることがわかっていたにもかかわらず手を打たなかった。とにかく普通なら半年くらいかかるんだから。昨年の十一月ごろでしょう、あなた方がこれはたいへんだということになったのは。だから、これはこまかく調べておりますから、あしたあたりものを言わせていただきますが、悪くとれば、木材価格が高くないと林野庁の収入が悪い。そうでしょう。あなたのところは、屋久杉なんか切っちゃって、えらい安く売っちゃったりするんだから。林野財政が欠乏状態だから、木材が非常に上がってくればあなた方は楽になる。勘ぐれば、林野庁は、少し木材の価格を上げてやろう、あわせて商社はもうかるなんて考えているのじゃないか。商社は三倍ももうかっているのだから。そうでしょう。ただ単なる不明じゃないのです。もしそうなら、林野庁なんかないほうがいい。あなた、そんないいかげんな答弁ないでしょう。いかがですか。わからぬはずはない。
○平松説明員 私ども、結果的に建築需要が数字の上で非常に高まっておったということを確認できますのは、建設省の住宅建築着工の統計が出てからでございますから、その点について統計のおくれということも、私どもが手の打ち方といいますか、情報のとり方という点について今後反省を要する点があろうというような形で考えておりまして、その問題につきましては、一月の末から木材の価格安定研究会というのを置きまして、そこで今後の木材の価格安定対策についてどうしたらいいかということを、そういう情報の問題あるいは備蓄の問題等含めて検討いたしておるわけでございます。
 先ほど、国有林材が上がるほうがいいからおまえたちは木材の云々というお話でございましたが、その点に関して申し上げますと、国有林の会計は、四十七年、御承知のとおり非常な赤字が見込まれるというようなことでございましたので、価格を上げるという形でなしに、むしろ資金繰りが苦しいものでございますから、国有林材の四分の三程度は十月までに売っちゃっていたということでございますから、もしそういうようなことでございますなら、むしろ品物をためておいて売らなかったということでございまして、むしろ残りの四分の一で操作するということで市場をふやすということに懸命になったということだけ申し上げておきます。
○大出委員 結論ですがね。時間も時間ですからこの辺にいたしますが、この間、国会の本会議で政府提出をなさっております騰貴防止法と一般にいわれる、生活関連物資不当買い占め及び売り惜しみ防止緊急法案、これですけれども、私は、これでいまの雑食集団といわれる商社が押えられる筋合いのものじゃない、こう思う。なぜならば、まず一体何を基準にするか。何が不当買い占めであり何が不当売り惜しみであるかという基準が明確でない。関係各省庁に調査官を置いて立ち入り調査をする。立ち入り調査をするというところは確かに前進です。食管法に基づいて調査権があればこそ農林省は調査をされたわけですから。まだ食管法があるから。その意味では調査ができるという前進はある。しかし、まず、売り惜しみなのか、あるいはまた買い占めなのか、その認定は一体どういう基準でやるかというところから、さて適正な価格で売り渡し勧告をする。何が一体適正な価格なのか。売り渡し勧告をした、それではたして問題は片づくかという問題がある。
 だから私は、そうではなくて、商社そのものの実態を調べてみるとたいへんなことになっている。農林省に関係のあるところはあらためて別のところで申し上げますけれども、ざっといま結論的数字だけを申し上げてみて、木材というのは七割ぐらいからどんどんシェアを拡大していって、十大商社がおおむね九割近いものを握っている。そこしかないのですから、完全に握っている。それから大豆なんかにいたしましても、国際的な大豆生産量というものは減っていない。ふえている。明確な数字がございます。アメリカにおいても、確かに昨年の予想から見て多少減ってはおりますけれども、昨年の生産量よりはふえている。国際的な大豆生産の総量というのを調べてみましたが、昨年よりだいぶふえている。減っていない。それは、ソビエトが大量に買い付けようと、中国産大豆に多少の天候異変で落ち込みが見られようと、ふえている。そうだとすると、何かがそこになければ、こういう状態が出てくることはない。末端の菓子屋さんまであっぷあっぷするようなことになるはずはない。そこにつまり、商社が押えている範囲というものが、たとえば三菱商事の大豆に関するシェアというのは二一・四%、三井物産が一二二%、これ二つだけで三三・五%を占めている。九割以上、輸入大豆であるはずなのに。おまけに三菱なら三菱というようなところは、持ってきた販売先は横浜油脂だとかリノール油脂だとか日清製油だとか、そこまで全部系列企業です。これは完全な市場占有です。それからえさ、飼料、コーンとかマイロとかいうもの。これも私のところにたくさん電報が来ておりますよ、方々からえさがなくて困るといって。ところが、これも三井と三菱だけ拾ってみて、コーンについては、この三井、三菱で二九・一%。マイロというのはコウリャンの一種ですが、マイロについては三井、三菱だけで三五%。ほかの商社を入れてごらんなさい。どういうことになるか、たいへんなことです。小麦がやはり、三井と三菱のこの二社のシェアは何と二一%、丸紅と伊藤忠で一五・六%。そうなると上位四社で三六・六%握っているでしょう。ブロイラーという例の鶏の肉、三井は四十五年からずっと数字がありますけれども。四十五年で年間生産羽数六千万羽です。六千万羽は全国出荷数の二一%に当たるんですよ。これは、全部大手商社だけ、いまあげているんですけれども。酒米という酒の米、これは三菱商事だけで酒米取り扱いの一割を握ってしまう。例の都米穀だとか新潟米穀というのは三井物産の系統というふうに、ずっとこうなってきている。
 とすると、これはやはり独占禁止法を持ち出さなければ……。この種の、完全に市場を握られている状態の中で、価格操作はどうにでもなってしまう。あとはそれよりない。そうなれば、そこらのところは、公正取引委員会もおいでになると思うのですけれども、皆さんの側は、こういう現実は単に資金のチェックだけで済む筋合いのものじゃない。ザンビアの銅山に手をつけるときにユーロダラーを借りてきたいきさつもある。都市銀行を押えたってどうにもならない。そうだとすると、市場占有を何とかしなければ常に価格操作の余地は残っている。ちょっと手を振れば価格が動く、こういう状況なんですね。皆さんはそこらのところは一体どうお考えになりますか。
○山下(英)政府委員 今回提出いたしましたいわゆる投機法案、経企庁主管で出したわけでありますが、その際にも、買い占め、売り惜しみの規制をやるか、あるいは商社というものを対象にした業者規制をやるかという両論がまずございまして、私どももそれなりの検討はしたわけでございます。しかし結論として、商社規制はとらない、投機をやる、こういうことでございます。そして、もとより今回の異常な騰貴自体に対して、共同謀議その他独禁法の関係があれば、後ほど公取から御説明いただきますが、当然やることはやる。それから私どもも、個別法でやれるものはやる、こういうたてまえできました。個別法というのは食管法とか為替管理法でございますが、また関税法も大蔵省はやっております。
 そういうものでやりますが、全体として、いま御指摘のような、寡占でも管理価格でもないが非常に大きな影響力を持っているのをどうするかということにつきましては、私どものいまの方針は、先ほども大臣から申し上げましたが、今回命によりまして忠告、自粛を要請しましたあのことばを繰り返えさせていただきますが、非常に優秀な人材を多数に持ち、膨大な資金力を持ち、世界に張りめぐらした情報網を利用して営業活動をする大手商社の場合には、その社会的、経済的影響力が甚大であるということをしかと認識してほしい。かつ、政府の価格引き下げ政策には、それだけの力を持っているんだから、供給責任ということも考えて協力してほしい。まして生活に直接関連する衣食住の物資については、経営者として当然十分な注意を払うべきである、この三点を申し渡したわけでございまして、指導行政で行けるところまでやっていきたい、こう思っております。
○吉田(文)政府委員 商社等の買い占め、売り惜しみの問題でございますが、独禁法の趣旨、目的からしまして、従来、公取が委員会等で表明しております考え方は、商社等がそれぞれ各自めいめいがかってに行なう投機的な行為は、直ちに競争制限的な行為には当たらないのじゃないか。ただし、そこに共同行為があれば、これは独禁法違反である。しかし、こういう場合はまれではなかろうかという考えでございます。しかし、現在数品目について違反があるかないかについて法第四十条に基づいて調査中でございますので、違反が見つかりますれば法に従って措置をとりたい、こういうふうに考えております。
○大出委員 私が持っておりますこの資料に、四十五年以来商社は共同行動をとり得るようになった。共同行動をとってきていることが明確になっている。公正取引委員会は、人の頭の数に限りがあるからという逃げ方はできない。共同行動は明確になっている。ただしものによっては、確かに商社間の激しい競争が行なわれている。繊維の関係なんというのは、財閥系三商社は旧来不得手だったわけです。これが四十五年から六年にかけて、こういうところで急激にシェアを伸ばし始めた。これはたいへん激しい商社間競争です。だが、この商社間競争というのは、逆に現地価格をつり上げる作用を非常に大きくしている。はたして公正な競争だと言い得るかどうかという疑問を持つところまである。
 だから、これはあなたのほうで、そういうことはほとんどないというようなこと言われてみても、それは建て値一つ例にとっても、さっきあなたはおいでになったかどうか知らぬけれども、建て値というのは、あなた方がどういう見方をするか姿勢の問題です。何年間も変わらぬで、たとえば二十円のチョコレートだって何年も九百円。ココアパウダーという原料が半分に減ったって同じ。キロ当たり七百円ですけれども、三百五十円くらいに落としても、原料が半分に落ちているのに変わらない。そうでしょう。あなた方がそこのところをつかめない。あるいはつかもうとしない。私がいつか質問したときに、相手が何しろ大きいものだからとおっしゃった。大きいものだからなかなかつかめないというふうに、ぼくは善意に受け取っていますけれども、相手がたいへん大きなマンモス企業だから公取は入れないということなら公取は要らない。そうでしょう。そうではないはずだ。そうだとすれば、共同行動というのは各所に指摘してあるのだから、なぜあなた方は押えないのですか。
○吉田(文)政府委員 いわゆる三条違反になる共同行為と申しますのは、相互に企業活動を拘束する、つまり相互拘束協定という事実を証拠で立証しなければならないわけでございますが、まだ現在、先ほど申し上げましたように、数品目を調査中でございますが、近く結論が出ると思いますけれども、その証拠でつかめるものは法によって処理できる。ただ、いわゆる寡占状態にございますと、ある一社が価格をきめますと、プライスリーダーでそれがそろってしまう。いわゆる管理価格の問題がございます。これについても、いままで数品目について実態を調べてまいりましたけれども、なかなか共同行為として――違反でやったものもございます。そこでは証拠がつかめないものについては、現在の独禁法ではいかんともしがたいという面もございます。そういう問題がございまして、価格がそろったからすぐに、これは共同行為、三条違反であるという認定にむずかしいものもあります。
○大出委員 時間がおそくなりましたからこの辺にいたしますが、私は、現在独禁法は存在するのだから、公正取引委員会の能力の問題だというならば、人をふやすなり、それこそ機構を変えなければいかぬことになる。これは例の新日鉄の合併の問題のときだってそうですよ。公取の事務局のほうから逆に私が陳情を受けるようなことになる。そんなばかなことはない。そこに現実の問題として公取の姿勢を疑われることもある。だから私は、機構をただ単にいじるのではなしに、問題は姿勢の問題なんです。これは綿花あるいは羊毛なんという問題だって、兼松江商が二・一%減になったり、日綿実業が四%減ったり、なぜ減ったかといえば、いままでそっちのほうにシェアを持っていなかった三井、三菱、住友がどんどん入ってきてたいへんなことをやるから、こうなっておる。この間にだっていろいろ問題があるのですよ。ただ、どこまであなた方がやる姿勢でやるかということに尽きる。私は、この問題は、そう思っている。
 昔、カメラの問題でだって、ほめよう会という会があって、各社の新製品ができると、そこへ行って説明する。いや、おたくの製品は、これはなかなかりっぱじゃないですか、おそらく価格はこれ以下に下げないでしょうな、なんということになって価格がきまる。さすがにこれは、あなた方は手をつけたことがある。解散させた。そうでしょう。明確なこれは共同行動、共同行為ですよ。その種のことは商社間にもある。また、先ほど私が取り上げたメーカーにもある。だが、あなた方がそれをどこまで証拠立ててやる気になるかという姿勢です。そういう意味で、今回のこの通産省にかかわる機構改革の問題というのは、私はやはりそこのところは、その姿勢がまずはっきりしなければならぬ、こう思うのです。
 最後に、大臣、これは政府が提案をされた法律がありますけれども、現行の独禁法というものを、一体どういうふうに前向きにとらえて、これだけ国民的な大きな問題ですから、生活にかかるのですから、どういうふうに手を打っていくかというやはり姿勢にあると思うのですが、いかがですか。
○中曽根国務大臣 お説のとおり、行政官庁の姿勢が一番大事であると思います。法規というものを運用するのは行政官庁が第一義的な責任を持っておるわけでございますから、時代の要請に応じて最大限これを活用するという態度が必要であるだろうと思います。物価の問題等については、通産省あるいは企画庁及び公取の責任は非常に大事であると思いまして、通産省に関する限りは、私も御期待に沿うように戒めてやっていきたいと思っております。
○加藤(陽)委員長代理 中路君。
○中路委員 だいぶ時間がおそくなっていますから、間口を広げないでやりたいのですが、あとでこの機構改革に伴った通産省の行政の基本的な姿勢については幾つかお聞きしたいと思うのです。
 最初に、通産省の扱うことで具体的な問題で一つお聞きしたいのですが、四十六年の三月の衆議院の地方行政委員会で問題になった問題です。当時、幸世物産という会社が韓国から空気散弾銃を大量に輸入していたということが問題になりまして、鋭和B3という空気散弾銃ですね。この議会で問題になった当時は、すでに二千五百丁輸入されていまして、さらに一万五千丁輸入の申請が出ていたという問題ですが、この問題では、この委員会の中で、当時の後藤田警察庁長官も、この銃は好ましくない、狩猟用としても、また競技用としても認められないということで、その後輸入が禁止されたという事実があるわけですが、この点については、その後この鋭和B3という空気散弾銃は輸入されていないということで間違いありませんか。
○山形(栄)政府委員 お答え申し上げます。
 御指摘の鋭和B3という空気散弾銃につきましては、いまお話しのとおり、昭和四十三年二月に幸世物産株式会社という会社が二千五百丁入れたわけでございますが、その後、この空気散弾銃が猟銃、猟具といたしまして非常に不適切であるということで、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の施行規則第三条によりまして、昭和四十五年六月から猟具としての所持が認められなくなりましたので、その当時申請がございましたものは、所持が禁止されたものを輸入するのは非常に不適当でございますので、これを輸入の不許可にいたしたわけでございます。
○中路委員 統一産業株式会社というのがあるわけですが、これは渋谷区神宮前、やはり銃の輸入を取り扱っているわけですが、この株式会社と、先ほど御質問しました幸世物産とは、どういう関係があるか御存じでしょうか。
○山形(栄)政府委員 私のほうの調べでございますと、統一産業といいますのは、幸世物産を名称変更した輸入商でございます。
○中路委員 いまお話しのように、この統一産業株式会社というのが幸世物産の社名を変更したものであるというお答えがありましたが、この統一産業が、さっきの鋭和B3というのを若干変えまして、鋭和3Bという単発銃ですが、これを再度輸入を始めているということを聞いているのですが、これは事実でしょうか。
○山形(栄)政府委員 事実でございます。若干補足的に説明申し上げますと、鋭和B3といいまして、前に輸入いたしましたものが散弾銃でございまして、一ぺんに何発もたまが出まして、わりあいに速力は弱いものですから、鳥獣にこれが当たりましたときに、なま殺しみたいなかっこうになって非常に残酷なる猟具であるという趣旨でこれは禁止されたわけでございます。今回、いま御指摘のとおり、統一産業で輸入をしておりますものは、鋭和3Bといいまして、B3が3Bになったわけでございますけれども、これは散弾銃でございませんで単発銃でございます。一般の空気銃と同じ性能でございますので、現在、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律におきましても、その所持が認められるべき銃でございますので、われわれといたしましては、申請がございますれば、その輸入をするのは適法であるということで許可をいたしたわけでございます。
○中路委員 この銃の性能についてはあとで詳しく御質問したいと思うのですが、この鋭和3Bというのは、いま猟銃とおっしゃいましたけれども、輸入の申請はどういう名目になっておりますか。
○山形(栄)政府委員 輸入申請におきましては、ちょっと私、猟銃と言っのはまずいのでございますが、空気銃でございます。射撃用空気銃ということで輸入申請がされたものでございます。
○中路委員 私どもにいただいた資料では競技用になっておりますが、間違いありませんか。
○山形(栄)政府委員 申請書におきましては、空気銃でございまして、用途につきましては、説明の際、これが競技用という説明がなされたと聞いております。
○中路委員 いまお話しのように、これが用途は競技用ということで輸入されているということですね。これがいままでどのぐらい輸入されているかお尋ねしたいのです。
○山形(栄)政府委員 鋭和3Bの輸入量でございますが、昭和四十五年に三千丁、四十六年九千丁、四十七年八千丁でございます。
○中路委員 もう一回確かめますが、四十五年が三千丁、四十六年が九千丁ですね。四十七年が八千丁といいますと、合計して約二万丁輸入されているということで間違いありませんか。
○山形(栄)政府委員 若干説明が不十分でございましたけれども、承認はいま私申し上げましたような数量でございますけれども、これが現実に輸入されましたものが一万五千七百丁でございます。
○中路委員 そうしますと、申請が出ているのが合計が二万丁で、そのうち一万五千七百丁が輸入されているのですか。輸入は一万五千七百丁というのはわかりましたけれども、申請はどのくらい出ていますか。
○山形(栄)政府委員 私の申し上げましたのは、輸入承認がすでに済んでおりますのが、先生、先ほど言われました二万丁程度でございますが、そのうちまだ現実に輸入されてないものがございます。これは承認をもう受けておりますので、いつでも輸入できるわけでございますけれども、国内の需要等の関係だと思いますが、まだ輸入されてないもの、それが五千丁程度あるわけでございまして、現実に輸入の済んだものが一万五千七百丁と相なるわけでございます。
○中路委員 この一万五千七百丁輸入されているといわれている鋭和の3Bの性能についてお伺いしたいのですが、先ほど、普通の空気銃と変わらないというお話がちょっとありましたけれども、もう少しその点をお伺いしたいと思います。
○斎藤(一)政府委員 ただいまお尋ねの鋭和3Bの性能は、銃に備えられたポンプを反復操作しまして、あらかじめ空気をためておくわけです。貯気するわけです。それで、前のB3の場合は散弾だったのですが、今度の改造したのは口径四・五ミリメートルの単弾を発射するポンプ式の空気銃でございます。カタログに示されている諸元によりますと、銃身の長さは五百七十八ミリメートル、全体の長さが九百九十五ミリメートル、重量が三・四から四キログラムということになっております。その空気をためる貯気室の内容の積が大きいため、あらかじめ行なうポンプ操作の回数のいかんによって発射可能の弾数も変わってまいります。それから射撃競技用である射弾距離は十メートルでございます。銃の威力を求める基準となる弾丸の最初の初速は、百八十メートル毎秒ということになっております。この数値は、一般の国産の狩猟用または射撃競技用の空気銃に比べて、大体似たもの、もしくはそれよりちょっと下で、一般に百八十から二百十メートル毎秒でございます。この3Bも、この前一ぺん輸入されましたB3と同じ原理によってやるのでございますが、違うところは、先ほど申し上げたように、散弾が出るのではなくて単弾が出るということになっております。
○中路委員 散弾ではないのですけれども、空気でやるわけですね。空気を一番圧力をかけてやった場合にどのぐらい連続してたまが入れられるか、おわかりですか。
○斎藤(一)政府委員 このカタログによりますと、四、五十発ということになっております。
○中路委員 カタログでお話をされているのですけれども、輸入される前に、二万丁近く入っているわけですから、これはどういう安全性があるかということについて、カタログではなくて実際に検討されたことありますか。
○斎藤(一)政府委員 実際にやったことはございません。
○中路委員 銃砲店で実際にやられた幾つかの話を聞きましても、たとえばこれは栃木県の足利市にあります佐藤銃砲店の水戸営業所のあれですが、十メートル離れたところで厚さ二センチの板で試射をやった場合に、この鋭和3Bというのは完全に板を貫通します。普通の空気銃ですと板に入るわけですね。また銃砲店の話ですと、普通の空気銃の約三倍以上の威力のある銃だということをいっているわけですけれども、こういった二万丁近く輸入されているこの銃について、全く宣伝物だけで実験もされない、どういう安全性があるかためされてもおらないということですが、この銃について日本ライフル射撃協会がどういう判定をしているかということを御存じですか。
○斎藤(一)政府委員 いまの御質問、ちょっと正確になにいたしませんでしたが、わがほうでいままで調査しておるところでは、先ほども申し上げたように、弾速の点とこれの持っている総エネルギー、あるいは一粒当たりのエネルギー、そういうものが大体、現在国産で流通しておるものよりも程度が低いのだというふうに私ども了解しております。
○中路委員 昨年の二月に日本ライフル射撃協会が、この協会の中で、この銃が非常に危険であるという会員からの訴えが多いために、理事会を開いて、この銃の扱いについて日本ライフル協会として取りきめをしているわけですが、それは御存じですか。
○斎藤(一)政府委員 日本ライフル射撃協会でもってこの銃を公認の射撃場において使用することを禁止しておるということを承知しております。
○中路委員 いまお答えのように、日本ライフル射撃協会では、この鋭和3Bというのについて、これは欠陥銃だ、安全性においてもそれが保証できない。先ほどお話しのように、四、五十発連発できるわけですけれども、実験した結果でも、減圧になってくると実際に銃身からたまが詰まって出ない、装てん中に暴発するという危険もあるということや、単発ですけれども、いまの単発の空気銃ですと十五発撃つのに二十分から三十分かかるが、これは一ぺん空気を入れて四、五十発連発で出るわけですから、全く空気銃としての性能も違うということで、日本ライフル射撃協会ではこの銃の使用禁止の文書を出しているわけですね。先ほどお話のように、一般の空気銃と変わらない、しかもその会社が出している宣伝文書だけ信用されて、すでに一万五千七百丁輸入されているわけですけれども、もう一度、この銃の性能について、先ほどお話のように、全く宣伝物だけで輸入をされているわけですか。
○斎藤(一)政府委員 ただいまの輸入の点はちょっと私どものほうの所管ではございませんが、日本ライフル射撃協会においてこの銃の使用を禁止しておる理由は、私ども日本ライフル射撃協会の書面も見て承知しておるところでは、危害予防上非常にぐあいが悪い。先ほど申し述べましたように、あらかじめポンプを操作して空気をためるという動作も必要でございまして、そういうことを数十回繰り返さなければならぬ。射撃場においてそういうことをやることによって、どうもほかの国産の空気銃の取り扱いとのつり合いが期しがたい、そういう意味で射撃場において扱うことが適当でない。あるいはまた銃口というのは、銃を扱う人の常識として、なるたけ目標物以外に向けないようにするのが常識でございますが、先ほど申し上げたようなポンプの初期動作をやるために、銃口を別な方向に向けて空気を詰めなければならぬ。そういうことを射撃場のような大ぜいがいるところでやるのは適当でない。危害予防上不適当であるということが理由になっているように承知しております。
○中路委員 先ほどちょっと資料になかったのですが、これも補足しておきますと、空気を最高に詰めたときは一・六ミリの鉄板を撃ち抜いているわけですね。その点では非常に殺傷能力を持った銃ですが、いま日本ライフル射撃協会が射撃場で使用するのは適当でないと決定をしてライフル協会では使っていないのですが、それとは別に、この鋭和3Bの射撃場が今度はつくられてきているわけですが、どのくらいいまこの射撃場がつくられているか。
○斎藤(一)政府委員 私どものほうで承知しておるところでは、全国で八カ所この銃のための射撃場があるということになっております。
○中路委員 その八カ所で大体どのくらい鋭和3Bが使われていますか。
○斎藤(一)政府委員 私のほうで所持を認めました3B空気銃は全部で七千七百四丁ということになっております。そのうちの何名が射撃場に行って現実に射撃をするかはちょっと把握しておりません。
○中路委員 いずれにしてもそう大きくない射撃場ですね。仙台の話を聞きますと、一回やれるのは大体十人くらいです。それがいま八カ所できていて、すでに七千七百四丁の銃の所持許可が出ている。もう一度お伺いしますが、それではあとは在庫になっているかどうか。どういう状態ですか。
○斎藤(一)政府委員 警察では、銃刀法によりまして、所持許可の願い出のあったものについて許可しておりますので、あとはどういうふうになっておるか承知しておりません。
○中路委員 七千七百四丁が実際に許可が出ているわけですね。3Bの射撃場というのは小さいのが八カ所しかないということですと、銃を持っているのがそれ以外に相当たくさんいるということは、はっきりするわけですけれども。
 もう一つ私はお伺いしたいのです。この銃が輸入されてからの販売方法ですけれども、この3Bの販売店というのはどれくらいありますか。
○山形(栄)政府委員 3Bの販売のやり方でございますけれども、これは一般の空気銃の輸入の場合と同じでございますが、銃砲取り扱い店が結局売るわけでございますが、その場合には、警察庁のほうの所持の認可、許可といいますか、それがございませんとこれは売れないわけでございまして、差額は当然在庫に相なっておる次第でございます。
○中路委員 これも一、二の例しかあげませんけれども、こういう販売方法がとられているということが、私は報告で調べたところあるのですが、二つばかり例をあげますと、たとえば立川の駅の近くに3Bを販売している小さい猟銃店があるのですが、ここで駅前で、銃に興味がありませんかということで通行中の青年を誘って、店にいらっしゃいということで店に呼ぶ。その店でから撃ちをやらせて、いろいろ威力も宣伝するということがやられているという報告があるのですが、事実だとすれば、から撃ちというのは所持許可を持っていないとできないのじゃないかと思うのですが、これはどうですか。
○斎藤(一)政府委員 お尋ねのような場合、たとえば手にとって見るだけなのか、どの程度のから撃ちするのかといったような具体的な状況によりますが、お尋ねのような一般的な形態であれば銃刀法違反になると思います。
○中路委員 もう一つお尋ねしますが、これは仙台での話ですけれども、見本ということで現物を個別に持って家庭を訪問しながら銃を見せて宣伝する。それからある場合にはコンクリートブロックを路地に立ててそれに撃ってみる、それで威力を宣伝するという例も報告されているのですが、こういった点で、そういう販売方法でこの銃が幾つか販売されている例も報告されているわけですが、この点については事実も調べていただきたいわけです。こういった場合、これが事実だとすれば、これは銃の扱いからいっても、市民生活の安全からいっても全く危険なものであると思うのですが、この点についてもお調べいただくとともに、見解ももう一度お伺いしたいと思います。
○斎藤(一)政府委員 いまお尋ねのような場合も、よく事実を調査いたしまして、一体どういう場所でどういう具体的なやり方でもってやっておるかということを明らかにした上で、違反に問うべきものは違反に問わなければならないと思います。
○中路委員 そこで、もう一つお伺いしたいのですが、先ほど幸世物産というのが、統一産業ですか、社名を変えたというようにお話になりましたが、この前の衆議院の委員会でこの問題が問題になったときに、山形さんは、この幸世物産は勝共連合と資金的につながりがあるということで、そういう判断をとっておる次第でございます、という答弁をされておられるわけですね。この点で、統一産業というのもやはり幸世物産が社名を変更したということになれば、その点では当然資金的につながりがあると思うのですが、この点はどうですか。
○山形(栄)政府委員 当時、私は重工業局の次長をやっておりまして、幸世物産と勝共連合の関係につきましては、むしろ警察庁のほうのお力もかりまして、その両者の関係を調べたわけでございます。当局といたしましては、関係があるということでございまして、そういう答弁をいたしたわけでございます。現時点で統一産業と勝共連合とがどういう関係になっておるのか、私ちょっと現在つまびらかにいたしておりませんので、まことに申しわけありません。
○中路委員 統一協会というのと勝共連合はどういう関係にあるのですか。
○山形(栄)政府委員 私ちょっとその点わかりませんので……。
○中路委員 前回、これは同じ山形さんもお話をされておりますし、この点について、「幸世物産と勝共連合というのはきわめて密接な関係がございます」というのが後藤田長官がお話しされているところです。いま、この統一産業は幸世物産の社名を変更したものであるというお話がありますから、当然これはお調べ願いたいのですが、つながりがあることは明らかだと思いますし、統一協会の事業部であるわけで、このときの御答弁で、勝共連合というのはこの統一協会を基礎にしてできている、統一協会というのが勝共連合の基礎になっておるのでございますというのは、長谷川という政府委員の方が御答弁されているところですから、さらにこの点も明確にしておいていただきたいと思うのです。
 それで私はお伺いしたいのですが、この前のこの委員会の説明でも、これは後藤田警察庁長官が、御存じのように、勝共連合については説明をされているわけですね。要するに反共を団体の主義主張とする右翼の団体だということは御答弁されているのですが、この団体と直接資金的なつながりがある統一産業というのが、韓国から、いまお話しのように、すでに一万五千七百丁の鋭和3Bという銃を輸入している。その名目は競技用ということで輸入されているわけですね。しかし日本ライフル射撃協会は、これは競技用として使用するには欠陥銃だということで、先ほどお話しのように、使用を禁止している。だから3Bの独自の射撃場をつくっているわけですけれども、それは全国で、いまお話しのように八カ所しかない。しかし現に銃は、所持を許可しているのは七千七百四丁ある。こういった状態で、許可したのは七千丁、そしてすでに一万五千七百丁も輸入されているということは、この点では治安、安全その他にとっても、また輸入の方法にとっても、競技用ということでこれだけの大量のものを競技場もないという中で輸入されるということは非常に不当だと思いますが、この点について御意見をお伺いしたいと思います。
○斎藤(一)政府委員 先ほどお尋ねの中で、勝共連合と統一産業との関係は、警察のほうで承知しておりますところによると、勝共連合の会長が統一産業の役員になっておるということがあるので、関係があるというぐあいに私どもは思っております。
 それから、いまの銃が七千丁も入っておって射撃場は八つしかないじゃないかという御指摘でございますが、これは統一産業の関係者がこしらえた射撃場は八つでございますが、日本ライフル射撃協会が公認をしておらない別な射撃場も若干ありますから、この八つだけというわけではないと思います。
 それから、これだけの空気銃が入っておって危険ではないかというお話でございますが、先ほども申し上げたように、一般にある国産空気銃と比べて性能においてたいした違いはない、むしろ状況によってはそれ以下であるということでございますので、現行の銃刀法のたてまえから言うと、その所持について許可をせざるを得ないという状況になっております。
○中路委員 それは非常な暴言じゃないですか。先ほど、この銃がどういう威力があるかということは全然調べてないとおっしゃったでしょう。それは、この統一産業の宣伝物をあなたが読まれただけでしょう、どういう銃の性能かということを。私たちは実際にそれを調査した。この銃の威力について、どのくらいの性能かということを調査した結果でお話をしているわけです。ここへ現物を持ってくるわけにいかないから、それでお話ししているのです。あなた方は、だいじょうぶなんだという向こうの宣伝物だけをもとにして、すでに一万五千丁からの輸入も許可を与えておるということですから、この点について、通産省がこの銃の輸入を扱うわけですけれども、許可されていれば、通産省として業務上扱うのはやむを得ないというお考えかもしれませんけれども、やはり実際に市民の安全や治安――現に鋭和3Bというのは、この前の浅間山荘の事件で使われた銃だということは御存じですね。名前は少し変わっていますけれども、それと変わらないライフル空気銃がこれだけ大量に輸入されているということですから、私は、行政の面でも、実際の治安の面でも、こういう危険な銃の輸入についてもう一度再検討していただくということは当然だと思うのですが、実際に銃の性能についても調べないでおっしゃっているわけですから、この点についてもう一度検討するという御意思はありませんか。
○斎藤(一)政府委員 先ほどお答え申し上げたとおり、現行の法律では、空気銃ということでその性能について規定がございませんので、空気銃という性能であれば、私どもは法律上も同じに取り扱うよりしかたがないということでございます。
 それから、浅間山荘に鋭和3Bが使われたということは、私、当時そっちの仕事をしておりましたが、聞いたことはございません。
○中路委員 いま法的には、空気銃ということで申請があれば、どういう性能であっても取り締まるあれはないのだというお話ですけれども、やはり治安やあるいは犯罪の防止といった点からいいましても、行政の面でこの問題を検討していただく必要があると思うのですが、私はその点で、この輸入の業務を扱う通産省の責任者である通産大臣にも、いまお話しした経過は聞いていただいていると思いますので、もう一度この問題について検討していただくことを要請したいわけですが、お考えをお聞きしたいと思います。
○中曽根国務大臣 警察庁とよく連絡を緊密にとりまして善処いたします。
○斎藤(一)政府委員 先ほどお答えしました中で、私のことばが足りなくて誤解を招くかと思って補足したいと思うのですが、現行法の中で空気銃についてきめた要件がございます。その要件にかなっておればあとは許さざるを得ないということを申し上げたので、ノーズロで空気銃であればいいということにはなっておりません。一定の基準がございます。
○中路委員 いま大臣から、もう一度検討もしてみるというお話なんで、法的なこともありますし、私はこの点で十分さらに、申請が大量に出てきているわけですから……。
 先ほど、ライフル射撃協会以外の射撃場もあるとおっしゃいましたけれども、実際にはそんなに多くないはずです。これは競技用ということで入っているわけですから、実際に競技に使う場所というのはそんなに多くないと思う。しかし万単位の銃が入る、私はここに大きな問題があると思うのです。その点について、その銃自身がいまの規定で取締まれないという点にも問題があると思いますけれども、しかし、その銃が実際に競技用ということで入るわけですから、競技用ということで入って、実際に競技をやる場所がわずかしかない。しかし万の単位で銃が入ってくる。この点、私は十分検討をしてみる必要があると思うので、先ほどもお話がございましたけれども、十分関係当局の間で検討していただきたい。
 うしろから声が出ているから補足さしていただきますと、御存じのように、国際勝共連合の顧問というのは、増原防衛庁長官も、箕輪政務次官も、みんな顧問になっておられるわけですね。私はその点で、それだけの銃を輸入するというところに――これは社会に出してごらんなさい、みんなおかしく思うわけですよ。それだけの競技場しかない、しかも二万からの申請がある、毎年大量の銃が輸入されるということは、これはどういうふうに使われるのかということについては、当然疑問を持つわけです。また、いまおっしゃいましたように、許可するほうも、その威力もためしてみないで宣伝物だけで、一般の空気銃と変わらないのだということで承知をされている。私はその点については、実際にもう一度検討していただきたいということを重ねてお願いしておきたいと思います。
 それから、設置法ですから、通産行政についても基本点だけお伺いしておきたいと思うのです。
 先ほど大出委員からありましたが、三日の閣議で、通産省から六大商社の活動の実態調査、投機、買い占め等の結果を報告されたわけです。そして、買い占め、投機の疑いが濃厚だという報告が出されています。これを見ましても、大商社が、総計約一兆円もの資金にものを言わして買い占め、投機に走って、売却益を激増さしている、物価高にこれが大きな役割りを果たしているということを裏づけているわけですが、私は、先ほど大臣もお話しになっていますけれども、この調査が、いわゆる商社の担当者から事情を聴取するという形、いわば商社からの自主申告で調査をされた結果なわけですけれども、ここでも買い占め、投機の疑いが濃厚だと書かれていますが、これほど国民生活に大きな影響を持つ行為、問題というのは明らかに反社会的な行為だ。これが一そう明確になれば、大商社の買い占め、投機、また不当な利益――先ほどもいろいろお話になりましたけれども、そういう点で、単にこういった行為が自主申告で調査されるというところに、やはり私は重要な問題があると思いますし、しかもこの調査は、大手商社のうちの六社だけをやられているわけです。それ以外の系列会社には全く触れられておらないわけですけれども、こういうような調査は、これからも引き続いてやっていかれるというお考えでしょうか。
○中曽根国務大臣 必要に応じて行なっていきたいと思っております。
○中路委員 調査の期間も、発表された数字を見ますと、一月までですね。その後も、大豆や羊毛、または綿糸などの買い占めは続いているわけですし、まあ通産省の管轄外だからということで米などは発表されておりませんけれども、通産省の調査対象からはずされているわけです。私は、実際にこの系列の会社やそういったものを全部含めれば、あるいは通産省の調査対象からはずされているものを含めれば、今回の発表の買い占めや投機による利益は、さらに大きく上回るのは確実じゃないかというふうに思うわけですけれども、これが、先ほど言いましたように、自主申告という形でなくて、事実こういうことがやられているとすれば明らかに反社会的な行為ですから、いわば公害問題と変わらない。まあ性質は違いますけれどもね。この調査が、行政の面で企業の秘密ということが問題になるということをおっしゃいましたけれども、明らかに大きな反社会的な行為の取り締まりについて、やはり営業やその企業の中身に至ってまで調査をするということがないと、ほんとうに国民が納得する現状報告がなされないのではないか。この点について大臣のお考えをもう一度お伺いをしたいと思います。
○中曽根国務大臣 売り惜しみや買いだめのような反社会的な行為が簡単に行なわれるということはよくないことであります。しかし、通産省は権限がないから、いまの状態ではなかなかやりにくいのでありまして、今度法案を提出いたしましたので、あれを至急成立さしていただきまして、いざというときにはやれる権限を持っておりたいと思うわけであります。
○中路委員 いま出されている法案については対案も出ていますし、この法案の論議の中で一そう私たちもはっきりさしていきたいと思うのですが、いずれにしても先日のあの調査が、先ほど答弁でたまたま出ましたけれども、商社に対する懇請やお願いということではなくて、行政の面でも、いまおっしゃった限界というのがあるかもしれませんけれども、もっと強い姿勢で、こういう国民生活全般に大きな影響を与える行為については実態を国民に明らかにするという、行政の中でも明確に基本的な態度で臨んでいただきたい。また大手六社だけではなくて、先ほど御質問にありましたように、もう少し系列会社を含めて全体として実態をはっきりさせるように、引き続いた調査をお願いしたいと思います。
  〔加藤(陽)委員長代理退席、委員長着席〕
 それからもう一つお伺いしたいのです。これも基本的な点でありますけれども、先日アメリカのシュルツ財務長官が、新聞の記事によりますと、六月の日米合同閣僚会議までに貿易の自由化についてしかるべき措置がとられることを期待するというような談話も出されていますし、通産大臣が、つい先日来日したピーターソン・アメリカ大統領特使に対して、電算機やICの自由化について、こういうところはもはや聖域ではないというような、これも新聞記事ですけれども、そういうようなことも十三日の記者会見でされたということがある新聞の記事で出ています。この六月の日米合同閣僚会議までに自由化の問題で相当思い切った決定が行なわれる可能性というのが、いろいろの新聞で総合的な対策といいますか、示唆されているのですが、この対策というのは、どの程度まで具体的にいま考えておられるのかということをお聞きしたいわけです。
○中曽根国務大臣 まだ、いろいろな方途を研究し、また財界方面に対してわれわれの考えを述べて協力を求めておる段階でありまして、いつどういうことをやるかというまで申し上げることはできない情勢です。
○中路委員 私は、特に問題になっています農産物の自由化やこういった問題については、国民生活に非常にまた大きな影響を与えるわけですから、機会を改めてまた御質問したいと思いますけれども、まだ具体化について検討中だということですから、何か具体的な考えが出されましたら御質問したいと思ったのですが、その時点でまたこの問題については意見を述べさせていただくことにして、たいへんきょうおそくなっていますし、五時か六時を過ぎて夜はやらないという言い出しの本人ですから、次回また改めての機会にして、終わらせていただきます。
○三原委員長 次回は、明六日金曜日、午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後七時十一分散会