第071回国会 地方行政委員会 第44号
昭和四十八年七月十三日(金曜日)
    午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 上村千一郎君
   理事 小山 省二君 理事 中村 弘海君
  理事 中山 利生君 理事 三ツ林弥太郎君
   理事 山本弥之助君 理事 吉田 法晴君
   理事 林  百郎君
      愛野興一郎君    今井  勇君
      片岡 清一君    亀山 孝一君
      島田 安夫君    谷垣 專一君
      永山 忠則君    古屋  亨君
      前田治一郎君    保岡 興治君
      渡辺 紘三君    岩垂寿喜男君
      小山 省吾君    佐藤 敬治君
      多田 光雄君    三谷 秀治君
      小川新一郎君    小濱 新次君
      折小野良一君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  田中 角榮君
        自 治 大 臣 江崎 真澄君
 出席政府委員
        建設省都市局参
        事官      大塩洋一郎君
        建設省河川局次
        長       川田 陽吉君
        自治政務次官  武藤 嘉文君
        自治大臣官房審
        議官      森岡  敞君
       自治省税務局長 佐々木喜久治君
 委員外の出席者
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月十二日
 辞任         補欠選任
  古屋  亨君     菅野和太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  菅野和太郎君     古屋  亨君
同月十三日
 辞任         補欠選任
  多田 光雄君     米原  昶君
同日
 辞任         補欠選任
  米原  昶君     多田 光雄君
    ―――――――――――――
七月十二日
 自治体病院の財政援助に関する請願(久保田円
 次君紹介)(第八三七六号)
 固定資産税等の減免に関する請願(林百郎君紹
 介)(第八三七七号)
 同(折小野良一君紹介)(第八五六八号)
 地方公営交通事業再建に関する請願外一件(渡
 辺三郎君紹介)(第八三七八号)
 同外一件(井上普方君紹介)(第八五七〇号)
 固定資産税の減免等に関する請願(林百郎君紹
 介)(第八四六〇号)
 同(林百郎君紹介)(第八五〇五号)
 同(山本弥之助君紹介)(第八五〇六号)
 同(折小野良一君紹介)(第八五六六号)
 同(林百郎君紹介)(第八五六七号)
 地方公営企業法改正による水道事業の整備に関
 する請願(島田琢郎君紹介)(第八五〇四号)
 地方自治法の一部を改正する法律案反対に関す
 る請願外一件(神門至馬夫君紹介)(第八五六
 九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正
 化に伴う宅地に促進臨時措置法案(内閣提出第
 一一八号)
     ――――◇―――――
○上村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出にかかる特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。島田安夫君。
○島田(安)委員 きょうは大臣がおいでになるようでございますが、時間が若干ございますので、前回の質問に留保いたしました件につきまして大臣に質問いたしたいと思うわけでございますが、今回の法律案は、それはそれなりに意義があるといたしまして、御承知のように、列島改造は国土の均衡ある発展ということで、今国会におきましても、全国総合開発法が提出されておるわけでございますが、これに関連いたしまして、都市の住宅問題の件について、大臣がどのように考えておられるのか、また今回の法律案はそうした目的に十分こたえていない、このように私は思いますので、以下二、三点について質問いたします。
 首都圏に人口が集中する。そこで、いろいろな都市環境の悪化が起こり、交通あるいは公害対策、さらには住宅需要が増大する。これの対策として今回法案が出されておるわけでございますけれども、現在の国総法、これによって国土の均衡ある発展をはかり、都市の人口を少し薄くして地方に人口を分散する、こうしたことがねらいだと思うのですけれども、現在の国総法のみで、今日の都市に集中する人口というものがはたして薄くなるのかどうか、私ははなはだ疑問を持っております。また、これのみでは、都市に集中せざるを得ない日本の産業形態というものから考えますと、なかなか困難じゃないか。そうしますと、都市の人口の流入を何とか防ぐような対策というものもあわせて考えていかなければ、わずかばかりの農地を宅地化いたしましても、都市の住宅問題というものは、その需要が増高するのあまり、なかなか解決できぬのじゃないか。また、一つには、政策的に考えましても、国土の均衡ある発展ということを言いながら、建設省等におきましては、今後新しく宅地開発をし、農地等にまで拡大して、都市周辺の再開発ということを考えられているわけなんですが、これは、ただ住宅問題というものを対象にして、一方的に考えられていく。国総法がありとはいえ、これのみでは、都市化の現象というものは、だんだん周辺まで巻き込んで、ますます過大都市になるというふうに思うわけなんですが、そうした点について、大臣は、何か、都市の人口の流入を避けるような具体的な対策を考えるべきだと思われるのか、あるいはまた、国総法ができれば、これで十分なのか、その辺についてお考えになっていることがあればお聞かせいただきたい。
○江崎国務大臣 きわめて重要な点を御指摘になっておると思います。現在のままでほっておけば、やはり都市に人口は集中する、過密過疎の現象は依然として継続する、こういう形にならざるを得ません。そこで考えられたのが、いわゆる日本列島改造構想というものであるわけですが、端的に言いまして、通信、交通等のネットワークを全国的に整備する、そして、地方の中核都市というものを設けまして、これに総合されたあらゆる施設を設け、魅力のある都市づくりをする、これが非常に大切なことだというふうに考えます。
 それから、イギリスなどで行なわれておりまするような職住一体のニュータウンづくり、これなども、モデル地区を指定して、相当活発につくり上げていく必要があるというふうに私は思います。それには、何をおいても、国総法そのものを早く通していただいて、その線に沿った、県当局を中心とする土地の利用計画、開発計画といったものを策定する、そして、一方、規制するものは思い切って規制をする、こういうような形で、総合的に国の発展をはかり、調整をまたそこにはかっていく、これが何よりも大切なことであるというふうに考えております。
 今度のA農地、B農地につきましては、もとより、農家に、いわゆる家作によって、従来の農業にかわる収入を得ていただこうという便宜措置に出たものでありまして、これが住宅に用いられることはもとより望ましいことでありまするが、これだけによって住宅不足を解消しようというわけではありません。当然、大規模な住宅団地造成等が行なわれ、これがC農地の場合でも、大規模であれば、また、優良な計画であれば認められるわけでありますし、あるいは山林、原野というところにまで及んで住宅建設が展開されることは望ましいことであるというふうに考えております。
○島田(安)委員 よくわかるのですけれども、私が申し上げたいのは、国総法を実施しましても、それのみでは、地方の交通等をはじめとする地域開発は促進されるといたしましても、たとえば、東京都なら東京都の人口がこれで分散されていくということはなかなか容易に実現できがたいと私は思います。そこで、少なくとも、新しく入ってくる人口、流入人口というものを抑制するような対策を併用して、具体的に打ち出されていかなければ、その実があがらぬではないかという私の質問なんですが、大臣のほうでも、抑制措置は必要だというような話がありましたので、そうした問題について真剣に考えてほしいと思います。
 私、考えますのに、これはだれが考えても同一だと思いますけれども、首都圏の住宅対策あるいは土地対策を、どういう方法で何に求めるかということになりますと、二、三のことに限られてくるのじゃないかと思います。まず、一つには、未利用地の開発、今回のA、B農地等が宅地に振り向けられること、さらには、大企業の持つ遊休土地というものが宅地化されていくこと、さらには、遊んでおる国有地の総点検による転用の問題、こうした未利用地の利用ということが一つにはあると思いますが、いま一つ、いわゆる宅地需要の分散といいますか、これは、さいぜん申しましたように、いわゆる人口をできるだけ押えていくということと相まって行なわなければならないと思いますが、これも大きな一つの柱になると思います。いま一つ、都市の高層化、いわゆる立体化ということが住宅問題には欠かせぬ重要な柱と思うわけなんですが、そうした点から考えて、今回出されております法案は、せっかく農民から農地を吐き出させておきながら、そうした高層化等に適応するような内容が具体的に一つもございません。極端に言いますと、今回の法案は、せっかく農地を吐き出させましても、五ベクタール以上の団地については、農民が希望すれば都市計画をやってやる、希望しなければばらばらで、東を向いたり、西を向いたり、どこを向いても、かってに住宅を建ててもいい、これもまた、一階でもよし、二階でもよし、あるいは四階以上の高層住宅でもよし、アパートでもよし、賃貸借のいわゆる貸し家でもよし、てんでんばらばらで、何ら具体的な計画がない、いわゆる規制措置がない。せっかくの、周辺の農地を新しい都市圏というもので市街化しようとする目的がこの内容では農民も救われない気持ちがするのじゃないかと私は思うわけなんですが、大臣はどう思いますか。いかがですか。
○江崎国務大臣 法律そのものは、農村に対して中高層住宅程度のものを考えて、それに対する裏づけ融資をしようということにとどまっておりますが、土地の所有者が建物等を建てようというときには、地方公共団体は積極的にこれの相談に乗らなければならぬということが規定づけられております。したがいまして、もしそれが事務所等に適当であるということになれば、政府機関からの融資というものは、それが住宅の使用に供されない限りちょっと不可能でありましょうが、そういう特殊な大ビルを建てる、あるいは大住宅団地をつくるというような場合には、それぞれの用途に応じて融資等のあっせんも可能である、住宅団地ならば、法律できめるところの四階建て以上にはなっても、当然、これは、積極的に関係機関が相談に乗って、その目的達成に協力をする、また協力しなければならぬ、ということになっております。したがって、さまざまの構想に応じて、それが期待にこたえられるという形でぜひ進められたいものだと私ども思っておりますし、また、そういうふうに関係各機関を指導してまいりたいというふうに考えております。
○島田(安)委員 私の申し上げますのは、なるほどおっしゃるとおりなんですが、何ら規制がないから、たとえば個人が個人の意思で、私は南のほうに向いて二階建ての住宅を建てる、隣地の乙は、私はいやだから東に向いて三階のアパートを建てる、あるいはその隣の丙は、私は高層建築を建てたい、こうしたことで、全然規制がないから、所有者の意思、あるいは税制の優遇措置がありますから、他に転売する。また、それを求めた新しい所有者の意思によって、てんでんばらばらになる。いわゆる理想的な都市計画といいますか、あるいは住宅用地としての計画というものが何らかの規制によって併用されていかなければ、これでは無計画、無差別で、せっかくの農地が新しい都市高層住宅地に適応しないのではないのですか。農民も、せっかくここまで農地を吐き出すということになれば、理想的な、計画的な、新しい市街地が建設されることを喜ぶのではないかというふうに私は思うわけなんです。
 いま一つ、今回の法律案は、御承知のように、あめ法だ、農民が喜ぶのだということで御提案になっておるわけでございますけれども、しかしながら、内容を読めば読むほど、どこにあめの効果があるのか、疑問を持つ。ただ、おっしゃるように、物質的には地方自治体が援助する、あるいは税金をまけてやるということがありますけれども、すべてがそうした物質で解決できるとは私は思わない。たとえば、区画整理の問題一つ取り上げましても、五ヘクタール以下の土地の所有者は、希望しましても、全然対象にならない、また、五ヘクタール以上の土地を所有するといたしましても、三分の二以上の同意が得られ三自発的に区画整理をやる場合は地方公共団体等が援助してやる、これだけでございます。ところが、今日対象とされておりますA農地は、御承知のように、価格が坪当たり五万円以上、あるいは道路に沿っており、住宅地としての転用はきわめて容易であり、便利であります。こうした恵まれた農地を減歩をしてまで、自発的に区画整理をすることがはたしてできるのか、できないのか。せっかくこうした法律をおつくりになっても、自発的な区画整理を要望する農民というのはほとんどないのではないか。というのは、高く売れる、道路がついている――これはA、B農地では条件です。こういうことでは、せっかくのこのあめ法も、形をつくって魂を入れないというか、行政目的あるいは法案の趣旨にも合わないと思うわけなんですが、大臣はどのように考えますか。
○江崎国務大臣 前段の土地所有者が、それぞれの希望で、西向きにつくったり、北向きにつくったり――この間ごらんになりまして、顕著な例を承りましたね。そういうことは、やはり、地方公共団体の責任者が、よくよく行政指導の上で考慮を払ってくれなければならぬと思います。いま、法律的には、確かに御指摘のように不備であります。したがいまして、そういう場合には隣地の希望等も積極的に聞いたり、あっせんをしたり、公共団体の関係者が骨を折ってくれるように――そして、大きい意味での区画整理という形ではなくて、土地の交換分合ができて、両方うまくいくようなすべはないものか。そういうあたり、何とかひとつきめこまかに対処されるように行政指導の面で努力をしてまいりたいと思います。
 それから、後段の、A農地は道路についておる、それを、右から左へ売れるものを、何も減歩までして区画整理事業をやるばかはないじゃないかということは、一つの御意見だと思います。私どもも、長い間政治家をやっておりますといろいろな場面に突き当たっておりますから、あなたの御質問の趣旨はよくわかる。ただ、問題なのは、裏側はC農地であったり、A、B農地以外の地域であることも想像されるわけです。そうすると、それもひっくるめてこの機会に区画整理をやる、これはやはり現実の問題としてはあることですし、また、そうあることが望ましいと思うのです。そうすれば、相当広い地域が同時に区画整理ができて、また、将来の地目変更や、C農地の対策等が樹立される場合を含んで、いろいろな構想が立つという意味で、裏側も含めてというふうにお考えいただいたほうが区画整理の場合はよろしいように考えます。
○島田(安)委員 私は、大臣のいまの答弁はどうもおかしいと思うのですよ。私が申し上げますのは、A、B農地については、道路に面しておる、あるいは地価も坪当たり五万円以上、これではなかなか区画整理事業は容易に進捗できぬじゃないかということで、しかも、義務づけは全くなし、農民が三分の二以上希望すればやって差し上げましょう、こういうことなんですね。そこで、大臣のおっしゃるのは、C農地とか周辺を含めて区画整理事業をやったほうが新しい市街地としてのりっぱなものができる。そこで、私は、あなたの意見よりかもつと積極的に、これを義務づけたらどうだ、せっかく農地を取り上げ、はき出させるならば、区画整理をして、理想的な都市としての状態をつくって、新しい市街地を設けたらどうかということなんでして、C農地をもちろん考えております。そういうことを義務づけたほうが理想的な市街化ができるのじゃないかということでございます。
○大塩政府委員 A、B農地は、道路の近くに存在するものもございますけれども、いま大臣から申されましたように、道路から相当離れたところのA、B農地がかなり存在するのでございまして、特に、大都市圏の周辺の近郊整備区域などの例を見ましても、かなりございます。私、ここに東大和の例を持ってきておりますけれども、大体、こういうようなところは、将来の市街化を考えまして、市街区域が広いものでございますから、既成の宅地の平均価格の二分の一以上で――それで、平均価格以下というB農地が相当ございます。この緑で書いたところがB農地になっておりまして、A農地が赤でございますが、むしろ、A農地より多いわけでございます。そういうわけで、こういうところでは、もし、五ヘクタール以上の農地の所有者等が宅地として売ろうという場合には、やはり、区画整理をまず考えるのでございますけれども、従来はなかなか援助が少なかった。坪当たり大体六千円ぐらいかかるのが区画整理の標準でございますけれども、一平米二千円ぐらいかかりますが、五ヘクタールとなりますと、約一億円かかるとかりにいたします。今回は、これを、大体千七百万円相当分を公共がやるということになりますれば、大体一億円かかる区画整理費用が千五百万円程度で済む、こういう恩典も与えることにもなります。もちろん、先生のおっしゃいますように、数のある権利者の中でございますから、PRをこれから十分しなければいけないと思っておりますが、これを自分で経営したい、あるいは分譲したい、こういう希望は相当出てくるように私どもは考えております。
○島田(安)委員 私は、反対に、現在の三首都圏の今回の法律の対象になっておりますA、B農地が、積極的に区画整理ができるとは思わない。私も引き続いて議員には出てこようと思いますし、あなたもまだ若いようですから、どちらの言うことが正しいか、事実をもって、またいつかの機会にどうだと論議したいと思います。
 そこで、今回の法案の一番の目玉とも言えますところの、いわゆるあめの中身ですが、このように考えられるわけなんです。土地所有者が直接住宅建設をすることができるというふうになっておりますし、また、融資その他いろいろな条件があるようでございますけれども、私は、最近の建築費の高騰等から、いまの制度では、積極的に農民が中高層の賃貸住宅を建てるとか、あるいはアパートを経営するとかというわけになかなかいかぬのではないかと思います。たとえば、現在の住宅金融公庫の融資限度というのは坪当たり十三万二千円までだが、今日、東京の周辺において、耐火の中高層の建築物が十三万二千円ではたして建つのか建たぬのか、おそらく、大臣もよく御理解できると思います。私は、半分ぐらいではないかと思う。あとは個人がかってに金融の道をつけて家を建てなさい、百姓はできませんぞということだが、農業をしても税金が高い。しかしながら、家も建てられない。税金も高い。百姓をするにも、ひどいのになると、反当十万も十五万も二十万も税金がかかる。これでは何をしていいのか、せっかくのあめということですけれども、農民の一部にはとまどう者も出てくる。そうしたことに加えて、せっかくの新しい構想に基づく未利用地の宅地化でございますから、今回のA、B農地は、公共団体あるいは開発公社等が一括吸収して、理想的な新しい市街地をつくっていく。昭和五十一年以降、C農地というものが大きく対象になります。また、建設省では、来年度からC農地も加えて、新しい構想の宅地開発をやりたいというような計画もあります。農業資金ですから、少なくとも今回のA、B農地は――私は憲法違反ではないかとまで言ったのですけれども、きびしい規制をして高率課税をやる。農業ができないようにする。それなら、公共団体等がこれを購入して、あるいは開発公社等が求めて、理想的な、一般庶民の手に入るような公営住宅等を建設する意思はありませんかどうか、お尋ねします。
○江崎国務大臣 御指摘の点はきわめて重要な点です。ただ、各地方公共団体において、都市計画の線に沿って利用目的がきまる。それに応じて、土地を所有したい、購入したいという場合には、できるだけその財源措置をしていく。これは何べんもお答えしたとおりであります。したがって、いま強制的に全部買い上げたらどうだということは、これはちょっと行き過ぎのように思えるのです。ですから、これで国総法とからみ合わせにして、地方公共団体がこういった土地を容易に入手することができる。その財源は、これはもう積極的に政府がめんどうを見るという形で処理してまいりたいと考えております。
○島田(安)委員 総理がお見えになりましたので私はやめますけれども、たとえば、東京都の住宅建設が、都営住宅が計画の一割にも満たない。繰り越しを入れますと、三万戸の建設が迫られておる。さらに、公営住宅にいたしましても、計画の三分の一、半分も建たない。なぜか。土地がない。そうすれば、この際、特に東京都と首都圏においては、容易に土地を求め得るA、B農地は公共団体が先行的に買う。そうすれば、東京都のいわゆる都営住宅等の問題は、美濃部さんがおっしゃるような、土地がないから建たないという問題が一挙に解消できるんじゃないですか。
 やめます。
○上村委員長 ただいま、内閣総理大臣が出席になりました。
 出席時間に限りがありますので、理事会協議のとおり、内閣総理大臣に対する質疑を行ないます。山本弥之助君。
○山本(弥)委員 国会の会期末の多忙な総理の御出席をわずらわしまして、まことに恐縮に存じます。しかし、先般の地方税法の一部改正案に対する修正案、これは自民党の提案になっておりますが、それに関連いたしましての宅地化促進法案、これは、当時の時期におきましては、私どもといたしましても、できるだけ年度内に地方税法の審議を促進したいというときであったわけであります。そういう時期に総理みずから陣頭指揮をされて立案せられ、年度末に御提案になったという経緯もございますので、御多忙とは存じながら、総理の所信をお伺いしたいと思います。
 もともと、地方税法におきまして農地の宅地並み課税を採用いたしましたのは昭和四十六年であります。私どもは、この法案に対しましては、課税の適正化を期するよりも、むしろ、擬制課税によりまして農民を農地から追い出すという法案である、いわば土地政策の一環であるということで、このことは、いわゆる仮需要を押えて土地の適正利用をはかることが肝心であって、生産のきかない土地を供給面から推進することは誤りであるという考え方もありましたので、都市政策から言いましても、また、擬制課税から言いましても、反対をしたわけであります。これは総理も御承知のとおり、自民党も含めまして、四十七年には実施ができなくて、われわれは議員立法で暫定法案もつくったわけです。しかも、その経緯を踏まえまして、四十八年度は、われわれは当然あとの処理を考えなければならない時期にあったわけであります。総理も御承知のとおり、内閣は提案をしないのですね。提案をしないで、われわれ議員立法に一任されたわけでありますので、われわれは熱心にこれを討議しておったわけであります。まあ、自民党は総理の力が巨大なものと見えまして、総理の一言で、われわれの審議過程は、審議が中断するというような異例な措置になったわけであります。それはともかくといたしまして、あとの選挙法の改正問題につきましては総理も譲歩されたわけでありますが、宅地並み課税につきましては、多忙な総理をわずらわさぬで、むしろわれわれにおまかせになったほうがよかったんじゃないかと、いまから考えると、かように私は思うのであります。
 それはともかくといたしまして、総理のお考えも、事実は、この問題について、宅地並み課税を強行することは無理であるというお考えに立っておると思います。その点は、とりあえず大都市のA農地、B農地に限定をして、そして、法の中では、C農地も当然宅地並み課税をするわけでありますが、このC農地につきましては、五十年度末において再検討するということになっております。このことは、総理としても深い考えがあってのことだと思います。
 時間がございませんので、先のことではありますが、緊急措置としてのA、B農地等の対策について伺いたいが、これは、一万六千八百ヘクタールくらいのわずかな面積ではございません。大都市のC農地、その他中都市の市街化区域内の農地を含めまして、二十六万ヘクタールという非常に大きな面積になるわけであります。これらの農地に対しまして総理はどういうふうにお考えになっておるか、それをお伺いしたいと思います。
 この機会にあわせて申し上げますが、私は、市街化区域の農地とその他の調整区域あるいはそのほかの農地、いわゆる農地法の網のかかっておる農地は、これは当然区別すべきものであると思います。しかし、農地が一気に市街化になることは、これは容易ならぬことでありまして、国の計画におきまして、十年計画で市街化を整備するという方針のようでありますけれども、これは最低期間であって、理想的な町づくりというものは長年月をかけなければいけない。当然、その中で、農地というものは逐次宅地化するということであろうかと思うのであります。したがって、その農地のあるべき姿、これは営農とも結びつくわけでありますが、そのあるべき姿は、当然、農地の市街化の推進に関連して、その農地の実態を把握しながら適正な課税をする。農地という名目でありましても、現況は農地の意味をなさぬ、いわば営農者として保護すべき農地ではないというところもあるわけであります。これは市町村にまかすべきである。実質的な市町村の民主的な方法による判断によって課税の適正を期する。実質的に農地でないものは、当然宅地並み課税をすればいいのでありまして、一律に宅地並み課税という擬制方法を設けることは不適当である、かように考えるわけであります。その地方公共団体の町づくりに関連しての自主性を尊重していくという考え方、この点をあわせて所信を承りたいと思います。
○田中内閣総理大臣 非常に重要な御発言でございますから、この際考え方を端的に明らかにいたしておきたいと存じます。
 いままで、都市の宅地及び住宅というものに対しては、抜本的なものの考え方ということをしないで、現象面に対応することを主点に置いたわけでございます。現在、宅地の需要者が多い、これに対してこたえるためにはどうするか、しかも、当然宅地となるべきA、B農地というようなところが、実際農地としても不適格であるというようなところでも、宅地として転用されないで、値上がりを待っておるということが現実あることを、だれでもわかっておりながらも、税の不均衡があるということになれば、国民的な感情にもやはり政策は対応していかなければならないということで宅地並み課税というものが国会の議決できまつたわけでございます。でありますから、これがきまっておる。しかし、あの法律がきまったということ自体に対してもいろいろな見方があります。どうも現象にとらわれ過ぎたという見方もありますし、こんなことをしておると、細分化されて、スプロール化が促進されるという一面も持っているので、抜本的に考え直さざるを得ないのだというようなお気持ちで、いろいろな観点から審議をされたことは私も理解しております。しかし、去年の状態で、四十七年度そのままにしておって、四十八年度もなすがままにしておくということになると、国会の意思が一応きまっておるものでありますから、国民の期待にこたえられないということが政治的責任として考えられたわけであります。しかし、これからC農地に対して五十年まで長期的展望に立ってやろうということは、いままでよりも、この一、二年間、都市に対する考え方が国民的な課題になってきたということであります。これは、社会主義国におきましても、特に、中国で、一千万人をこすという上海が年間五十万ずつ強制疎開をしなければならないということを現に行なっておるわけでございます。こういう状態が一つございます。世界的傾向として都市化現象が進むということは、これは避けがたいことであります。国民の意識調査から申し上げますと、昭和六十年、一億一千七百万人と推定されるものの八五%が都市生活を希望しておるという事実であります。そういうことを考えますと、やはり、現状は現状として、将来あるべき国土の総合開発、いわゆる国土のあるべき姿ということを考えざるを得ない、これは避けがたい事実でございます。これは六十年になると、いまの水の使用量のちょうど倍になるわけでありまして、関東、中京、近畿は水をもってこれないわけであります。四海海である。これだけの自然環境に恵まれ、地形、地勢上の有利な日本においても、生活用水の給水さえも完全にできないという状態でございます。そういう意味から言いますと、関東平野における人口をどうするか、近畿、中京における人口をどうするかということを考えて、そこでもってあるべき生活環境ということが計算をされて一いまのようなスプロール化をしまして、百坪が七十五坪、五十坪、三十坪、二十五坪でもいいんだ、十坪でもいいんだというような、そういうものの考え方から全く脱却して、新しい都市、とにかくオープンスぺースを六〇%とるのか、五〇%にするのか、四〇%にするのかということは、これは百年、千年の計でありますから、そういうことを考えてしかるべきだと私は考え、今度の国土総合開発法案を提案したわけでございます。
 これには、水や、土地や、生活環境ということも全部一つずつ計算をしていただこうということでお願いをしたわけでございますが、いまの状態においては、もう法律が現行法として施行されておるということで、A、B農地に対しては課税をせざるを得ないということになっております。課税するということは、課税をしても線引きが行なわれておりますから、この線引きを排除すれば別でありますが、供給をとめておっての区域内のものでありますので、必ずしもこれが宅地に供給されるかどうかわからないということで、俗にあめとむちと言われておるような――とにかく、こういう課税をする限りにおいては、これが目的は懲罰的な意味ではなく、住宅困窮者に住宅を提供しようということが目的でありますので、今度法律の御審議をいただいておるわけです。しかし、あなたが指摘されるC農地まで――これは、政府はいま現行法の方針に向かって説明をしなければなりませんし、C農地に対しては、下水とか、環境整備を行ないまして、できるだけ早くA、B農地と同じようにやりたいと思いますと答弁しておりますが、これは、やはり、お互いの審議の過程におきまして、一体そんなに平面都市をつくっていいのかどうか、そんなに平面都市をつくって、一体下水の処理は可能なのか、水の供給はできるのか、災害の場合は、人命、財産の保護ができるのかという問題がこれからほんとうに検討さるべきだと私は思っておるわけです。ですから、これは、政府として、現行法制がある限り、A、B農地にはこういう処置をとっておりますし、C農地につきましては、環境整備を行ないまして宅地化ができるように努力をいたします、こうお答えいたしますが、しかし、C農地には、今度は、都市計画全体としまして、緑地をどのようにして必要とするかということは真剣に考えなければいかぬ問題です。これは緑地だけではなく、今度は、災害が起こった場合の避難場所としてどうするのかという問題は何にも検討されておらぬわけです。そういう問題で、これらは国会の御審議を通じまして、――政府は、無理押しをするという考えはありません。これは国民的な合意を見ながら、このC農地という問題に対しては、都市計画全体の面から考えなければならない問題だということ、この後段の問題は私の考え方をすなおに述べておるわけでございまして、前段は、政府が現行法制上当然述べなければならない方向を述べておるということで御理解を賜わりたい。
○山本(弥)委員 総理から含みのある御答弁をいただいたわけでありますが、そういたしますと、結論的にこう理解しておいていいかということの再答弁をお願いしたいと思いますが、A、B農地におきましても、当然宅地並み課税をしなければならぬ実態を持っておる土地もある、しかし、中には、あるいは永年作物のように、直ちには宅地化できないで、農地課税をすべき土地もあるが、これは大都市の性格から言って、英断的な措置をとった、しかし、C農地は、将来長期にわたる町づくりのために、あるいは快適な生活境境を整備するために、緑地帯等も十分都市計画の中に入れて考えなければならぬという考え方に立って、C農地の宅地並み課税については、十分私どもの意見も尊重しながら慎重な取り扱いをしたい、こういう御意見だと思いますが、そう了解していいかどうか。
 もう一つ、これはA、B農地の場合に私は申し上げたのでありますが、農地の実態を把握して、宅地並み課税ではなくて、これは当然宅地なんだということで、擬制課税ではなくて、宅地課税というあり方が当然なんだ――C農地も、その地域の公共団体の立場が、市街化を推進していく場合に、これは農地としての実態を持っていないんだ、だからこれは宅地課税をする。そうじゃないところはあくまで農地としての適正な課税で済ませるということは地方の自主性にまかすべきである。この二点について総理の御答弁を得たいと思います。
○田中内閣総理大臣 第一点のC農地というのは、これは、ただ、需要が多いから、現象に対する対応策として、A農地と同じように公共事業が整備すれば、いわゆる下水が整備すればどんどんとやっていくということは考えないでけっこうだと思います。それまでには、ほんとうに東京都はどうあるべきかを考えるべきでしょう。ですから、A、B農地も、東京、大阪、名古屋という宅地需要の非常に多いところに限っているわけですから、これは国民の期待にこたえられないという現象に対して、どうしても政治的責任を果たさなければいかぬ。国民はもうすでに法律を通しておるということでありますから、その発効を押えている限りにおいては、期限を付して宅地と住宅は提供いたしますという案がない限りにおいては、法律どおりやらなければならないということで、ごく限度を限ってやったわけであります。ですから、C農地に関しては、早急に都市のあり方というものを十分検討して、農業ということよりも、人が住む大都市には緑地がどうしても必要なのであります。空気を清浄にするためにも、避難のためにも、どうしても必要であります。それから、立体化を行なわなければならないという特定街区をきめる場合でも、仮に収容する住宅を一時建てなければならぬという緑地も必要なわけでありますから、そういう意味で、C農地に関しては、これは十分国民が納得をするという状態――これは迎合的意味ではなく、何でもかんでも、広場をみんなつぶして、バラックを建ててしまったために大災害が起こるということは絶対避けなければいかぬということで、いま建設省でもって職住の近接をやる場合に、三地点における立体地区はどうするということを全部きめてからやろう、こう思っておりますから、これはそういうことで理解をしていただきたい。十分御検討いただきたい。そのためには、国土総合開発法を通していただければこの問題は全部片づくわけでございますから、それをどうぞお願いいたします。
○山本(弥)委員 地方公共団体の自主性を尊重するということはいかがでございますか。
○田中内閣総理大臣 地方公共団体の自主性を尊重するというのは、これはあたりまえのことでございまして、これはもう国総法に十分書いてございますから、どうぞ御理解いただきたい。
○山本(弥)委員 横浜の視察をいたしたわけでございまして、私は、横浜は、非常な人口の急増と、これに対応する公共施設の整備に非常に苦労しているという姿を、短期間ではありますが、見てまいったわけであります。これは、おそらく、総理の組閣一周年に当たる新聞記者会見の記事はきわめて簡単に書いてあると思うのでありますが、この中に、政府はちゃんとやっておるというあとに、市街化区域内の農地を開放して四階建ての住宅をつくれば住宅難も片づくと、二行で片づいておる。これは、私は、こんな短絡的なものじゃないと思うのですけれども、今度のあめ法案は、総理のお話しのとおり、四階建て以上に限定しているわけですね。横浜の場合は、人口の急増に対して、全体の都市施設がうまくいくようにという努力を払っているわけです。どこでも、四階建てを建てれば、それに伴って、学校だとか、保育所だとか、幼稚園だとか、あるいはその他の施設が困るわけなのです。ですから、高層制限というようなことを、あらゆる点におきまして、きめのこまかい配慮をしているのです。ですから、これらのことは、地方公共団体の町づくりにいかに苦心しておるかということに総理は十分御配慮願いたい、かように考えます。
 それから、もう一つ。いま、農民の農地を荒廃させ、農民の心を荒廃せしめているのは土地の投機なのです。これは、私どもの県でも、いわゆる二流、三流と言うと語弊がありますけれども、そういうブローカーのために詐欺にあったもの、あるいは売却したものがあと始末をつけないで放任してしまってあるもの等があり、純朴な岩手県の農民は、そういったことでだまされて賢くなるというような事態があるわけです。私が先ほど申し上げましたように、土地問題というのは、仮需要を押える、いわゆる投機的な需要を押える、供給面よりもそういうものを押えなければいかぬ。あるいは、将来の資産としての需要を押える。ですから、企業の買い占めた土地というものは、いわゆる供給側の農民よりより以上の、これに対する宅地化、あるいは住宅の建設、しかも庶民的な階層の住み得るアパートの建設、こういうことを政府は積極的におやりにならぬといかぬのじゃないか。それらはまあまあというような状態で、農民の供給側にばかりいままでの土地対策が強化されてくる、これが中心になってくるという政策では土地対策はきまらない、私はこう思いますので、時間がありませんので、総理のかたい決意を、一言でけっこうですから、お聞かせ願いたいと思います。
○田中内閣総理大臣 御指摘のような面は十分承知をいたしております。ですから、きのうもこの席で、沖繩の北部地区を相当買い占められておるということがありましたので、この分でいくとどうなりますかということでありますが、現行法のままですと、時価で買い上げなければならぬことになっています。国総法が通れば、知事が、それを特定地域に指定をすれば、これは移動も禁止をしますし、一切開発も禁止になりますし、そして、買った値段に適正な価格でこれを公共団体に売り渡さなければならないというふうになっておりまして、これはうらはらの問題として取り上げておるということであります。
 それから、いまの四階建てというのは、これは、ただ、三百万戸の需要に対して、一万七、八千ヘクタールに四階建てをつくるとして算術的に計算をすれば、百六十万戸ないし二百七十万戸できるのでありますから、そんなに住宅問題はむずかしい問題ではないのです。ですから、これは、一ぺんにつくる金もあります。資金運用部に金があるのですから。ところが、それをやれば物価が上がりますから、やはり、若いときは職住近接だ、アパート生活だ、マンション生活だということで、そして、二十年働いたら宅地つきの家ができるというふうに区別をして、年次計画でやらないと、一面においては物価が上がるじゃないですか、こういうことを述べたわけでございまして、それは二行だけではございませんから、そういうことで御理解いただきたい。
 それから、公営住宅法は、二十年前に議員立法として、もうすでに私が代表者で提案をし、現に公営住宅法が行なわれておるわけでありますから、そういうものとの区別は、過去と現在とあしたというものを十分一つのテーブルの上にあげて、そして御検討をわずらわしたい、こう考えます。
○山本(弥)委員 買い占められた土地の宅地化、あるいは住宅の建設につきましては、総理は積極的におやりになるということで、私どもは、今後の総理の施策を見守ってまいりたいと思います。これはむしろ積極的におやりになりまして、いわゆる不均衡といいますか、一般庶民層の恨みを、そういう買占めのほうからほかのほうに、いろいろな施策をやることによってそらすことのないように、積極的にお願いいたしたいと思います。
 それから、次に、私は、今後区画整理を実施いたしますにつきましても、今回の法案のB農地に関連いたしまして、A農地はあまりできないと思うのでありますが、新しいC農地を町づくりの前提として、積極的に区画整理を実施していかなければならぬ。それが前提だ。住宅は建てればいいということではなく、いい生活環境をつくることが前提でございますので、その上に住宅を建てる、多少おくれてもそれが先行しなければならぬ、私はかように思います。したがって、どうか区画整理事業を推進願いたい。現状から言いますと市街化区域は、公有地拡大でも先行投資になっているわけです。しかし、場合によっては、区画整理を実施する地域、あるいはその他市街化区域におきましては、売買許可制まで実施をいたしまして、そして、不当な土地の買い占めを防止することを、手数がかかりましても、思い切ってやっていいんじゃないか、かように私は考えるわけであります。この点につきまして総理のお考えを承りたいと思います。
○田中内閣総理大臣 御指摘のとおりでございます。これは、市街地再開発法をきめて、線引きをして、A、B、C農地ときめた以上は、その法律は相当私権を制限するわけですから、できれば、政府は、同時に、そのときに、都市計画を、A農地は何年まで、B農地は何年まで、C農地は何年までやりますということを、両建てで出すべきだったのです。法律が通過しておるにもかかわらず、今日都市計画法が全然きまっておらないというのは政府の怠慢であります。これは、私は認めます。これはそのとおりなんです。私権の制限をしておって、そして今度の法律を二つやりますと、確かに、あなたが指摘するように量的には拡大しますよ。需要にはちゃんと供給力が伴う。私がさっき言ったように、四階建てにすれば、算術的には三百万戸近くできるじゃないかということになる。しかし、それはスプロール化しまして、都市計画をやる場合の将来のガンになるおそれもあるのです。ですから、少なくとも、町が、中心線から二メートル下がったところが建築線になるという四メートルの道路構造令では、車のないときの構造令ですから、そういうもので都市計画をやって、さあ家を建てなさいということでC農地まで広げることがいかに危険であるか、私も十分理解しております。ですから、いま政府を督励しまして、この国会で出せれば出したいと思っておりましたが、とにかく、特定街区の規格をどうするということも、車を重点にして、いわゆる交差点の半径もみな直そう、建築線はどこまで後退できるかというところから、オープンスペースをどうとるかという問題もみな検討を進めておりまして、最後には、どうしても、ここはどう考えてみても住宅にしなければならないという判断のつく地域に間しては、いま御指摘になったように制限を付すつもりです。何月何日まで、何年の間に住宅にしなければならない、そのためには税制上の優遇をいたします、金融上の措置をいたします、それがもし行なわれなかった場合は、地方公共団体もしくは公的機関が代執行を行ないます、こういう法律を用意しておりますから、これが国土総合開発法と一緒に出れば文句のないところだったのですが、幾らかおくれたということで御理解を賜わりたい。
○山本(弥)委員 意見があります。時間の関係で再質問はいたしませんが、この機会に、こまかい問題だと思いますが、私は申し上げておきたい。
 第一点は、今回の法案、いわゆるあめ法案の中にも、農地を売却いたしました際に、取得税等の、いわゆる長期譲渡所得に対する分離課税、それに加えまして、税率を緩和するという優遇措置をとっておるわけであります。これは、四十五年からの政策は、実需者の手に入らぬで、いわゆる法人の手にその土地が買い占められたという、しかも、一方では土地成金を輩出したという、実効のあがらないことになっておりますね。今回も、私は、これは限定すべきだと思います。公共団体その他住宅公団、それらにかわるべきものに譲渡した場合に限り分離課税の優遇措置を与える。そして、一般の会社、法人に対する売却にはこの必要がないと思うのですね。そういうふうにはっきり割り切らなければ、過去のあやまちを繰り返すと私は思います。したがって、この点は、租税特別措置法の改正その他につきまして十分配慮願いたい。
 それから、もう一つ、特別控除の場合も、公共団体その他住宅公団等に売却した際は、いわゆる最高限度の――これは今回改正で二千万になっていますが、最高限度の特別控除をいたしまして、公共団体側の使用の目的によって特別控除を区別するということは、売却するほうの側から見ると、これはおかしいと思いますね。ですから、その配慮をぜひ早急におやり願いたい。
 最後に、総理に、特に、地方公共団体の立場から私どもお願いしたいのは、総理は、来年は、一兆二千億のいわゆる個人所得に対する大減税を実行する、いまの経済状況下においてこれを思い切ってやるんだ、インフレ下においてもこれはやるんだ、法人の課税をこれによって一方は強化する、こういうことを発表しておられますが、私は賛成であります。私どもの政策と同じように、四人家族で百五十万の課税最低限ということは、全く私どもの年来の主張でございますから、けっこうであります。ただ、この際、私がお願いしたいのは、いろいろな意味で複雑になりました今日の地方公共団体において、総理が本気になって福祉政策に転換されるととすれば、その仕事のほとんど九割以上は地方公共団体がやらなければならぬ。しかも、住宅を建てるにしても、それに見合う公共施設と関連しながら、人口の急増にどう対応するか、過疎にはどう対応するかということを地域の住民と密着して考えておりますのは地方公共団体になると私は思います。その際に、減税の場合も、住民税の減税ということは当然これに伴うと思います。あるいは、総理は、固定資産税等を、有力な市町村の財源を政策に強化したり、あるいは減税したり、地方公共団体の意向にかかわりなく、よく政策減税に活用せられておりますが、これなんかも、地方財源としては有力な財源です。
 もう一つ、宅地問題を解決づける基本は、私は、やはり、大都市の過密解消だと思います。中枢機能としての事務所がどんどんビルでふえてまいることによって、これはすべての公害なりあるいは交通事故につながっておるわけですね。そうすると、そういう一般地域住民を犠牲にして企業が潤っておるものに対する地方公共団体の独自の財源の強化、あるいは、おそらく交付税も問題になりましょうが、そういったものを含めまして、事務所の集中を排除するという政策もどうしても必要でしょう。それに対する税制、あるいは地方の一般の財源の、過疎地帯には交付税の強化、大都市には独自の財源というふうに、仕事の重点が地方公共団体に置かれるとするならば、当然、税制が大きく転換する機会に、ぜひ地方財政の財源の充実に全力で、と言うとちょっと大げさになりますけれども、全力投球というような気持ちで取り組んでいただきたいということを私は強く要請申し上げます。
○田中内閣総理大臣 地方財源、地方財政の問題に対しては、十分考慮いたしております。ただ、いま御指摘がございましたように、私も事務所税ということを一つ考えておるわけでございますが、これは、まあ、考えようによっては追い出し税になるわけであります。追い出し税をつくる場合には、先ほどのA、B農地をきめたと同じように、やはり、受けざらという、両方の政策をやっていかなければならぬわけです。ちゃんと出ていけますよと。だから、東京において、地下水のくみ上げを禁止して、禁止すれば工場が移転できるというような優遇政策が、受けざらがなければいかぬわけです。いままでは、ただ法律で締めることばかり考えておりましたから、今度の国総法では、受けざらをまずつくろうということを考えておるわけです。ですから、今度そういうことで御審議を願っておるのでございまして、今度の政策を行なうための地方財政が負担増になる場合どうするのか。これは一々立法でもってやっておりますが、これは、できれば、公共事業に対する地方財源の補てんという面で、考え方によっては、第二交付税とか、いろいろな制度もあるでしょう。交付税率を変えるとか、いろいろなものがありますが、私は、交付税率は現在のままで据え置きまして――これは、私のときに上げたのです。十年前に。そういう意味ですから、政策的じゃなく、これがいろいろなものに使われるということはまた問題があるのです。人件費だけに使われてしまうということでは何にもならないのでして、ですから、そういう意味で、どうしても国と地方公共団体が一体になって片づけなければならないというようなものに対しては限定をしますけれども、何かの制度をつくって、地方と国がほんとうに共同して事業が行なえるようにしたい、このようにいま具体的に検討を進めております。
○山本(弥)委員 どうもありがとうございました。
○上村委員長 林百郎君。
○林(百)委員 私は、総理に、この際、すでに猶予することのできない状態で、根本的な解決が迫られている土地問題の基本的な構想をお聞きしたいと思うのです。宅地化促進の法案については、担当の江崎自治大臣からいろいろ聞いておりますので、総理に対しては、土地問題の根本的な考え方を聞きたいと思うのです。
 私たちの考えを申しますと、土地問題の根本的解決としては、何よりも、いま買い占められている土地、ことに、大企業によって買い占められている土地をどう開放するかということが非常に重要なかぎだと思うのです。一例を申しますと、全国での買い占めの土地は四十七万ヘクタールと言われております。これは、東京都の面積の二倍、大阪府の面積の二・五倍の面積で、一戸建ての住宅が約二千五百八十四万戸建てられるという面積が、全国的に大企業によって買い占められている。最近共同通信の調査で発表されたところによりますと、土地を買い占めている資本グループの第一位が西武グループで、一万一千九百ヘクタール、これは、宅地並み課税をされる首都圏の市街化区域内のA、B農地に大体匹敵するような土地が西武グループによって買い占められている。二位が東急グループで、九千八百ヘクタール、三位が三菱グループで、八千九百ヘクタール、四位が三井グループで、八千六百ヘクタール、五位が名鉄グループで、五千八百ヘクタール、こういうことが共同通信の発表として出ているわけですね。首都圏だけでも、いますぐ住宅用地として使える土地の買い占めが約二万ヘクタール、これは、一戸建て住宅が約百万戸と見ていいと思いますが、これくらいの土地が買い占められている。近畿圏を見ますと、京都、大阪、奈良、兵庫で約一万二千ヘクタール、住宅三十万戸分の土地が買い占められている。しかも、問題は、これらの土地の価格が、四月発表の公示価格によりましても、過去一年間で、全国平均三〇・九%、首都圏で三四・〇%、これはかって例のない高騰を示しているわけなんですね。これは総理は十分御承知だと思うのです。これは、昭和三十年を一〇〇とすれば、この価格の値上がりは、今年度は二千四百倍だなっておるという、歴史上かつてない大暴騰を続けているわけです。しかも、東京証券取引所の千三百一社の所有地が、七一年度末の簿価で二兆九千億円、これは和光証券の調査です。これは、時価にすると六十一兆七千億円、約五十八兆八千億円にのぼる含み資産があるということが、これも和光証券の調査で発表されているわけなんですが、このような膨大な土地が買い占められている。そして、しかも、地価は歴史上かつてない暴騰を示しておる。こういうときに、この土地問題について、総理は基本的にどういう対策を講じようとしているか、これをまずお聞きしておきたいと思います。
○田中内閣総理大臣 私は、基本的には、国土総合開発法を一日も早く成立をさせていただいて、日本の全国的な視野に立った土地の利用計画というものを定めて国が行なえば、これは安い土地を十分供給できるという考え方をとっておるのであります。いま検討を進めておりまして、できれば四十九年度から発足をさせたいということでございますが、とにかく、国、地方公共団体で一千万戸分の土地を供給することもむずかしいことではないわけでございます。ですから、そういう意味で、私は、ほんとうに国土総合開発法の一日も早い成立をこいねがっております。土地の問題は、これなくして、一つの角度から、現象論から見たものでは解決をしない。それは、ある意味においては、過密の弊害をますます助長することであって、スプロール化を行なって、一大災害が起こったときの責任は一体だれが果たすのかということを考えますと、先ほども山本さんにお答えしましたが、現象論ではなくて、やはり、高い視野、広い視野に立って考えなければならないというふうに考えております。
 あなた方は、大資本が買ったものをということを言われておりますが、これは、政府もその事実を認めて、二〇%の高率課税を来年度から行なうわけです。今年度は、今年度に早く売れば税は来年度からですよという、両方の、それもあめとむちをやっておるわけでございます。しかし、これは、ただ単に地方公共団体が全部収用するということは、憲法上いかに拡大をしてもむずかしい問題があります。現在、公共用地とか、道路とか、指定された法律で認められたものであっても、これを収用するには、特定の目的を国民に明らかにしておりますし、しかも、時価で買い上げなければならないと、憲法の許容する限度を明らかにしておりますので、これは、やはり、税やいま持っておるような考え方――しかも、私もよく調べてみますと、線引きの外に持っておるのが非常に多いのです。これは、ゴルフ場をつくるとか、いろいろな目的もあるのでしょうが、線引き外はいま禁止をしておるということで、供給はとめられておる。そのために、線引き内はますます地価が値上がりをしておるという実態もあるわけであります。そういう根本的な問題にメスを入れないで、あなたがいま御指摘したような政策はなかなかすぐとりがたいということでございます。
 とりがたいということは、何もないのかということでなく、それには農地課税をやっておりますし、それから、都市の再開発、立体化、そういうものをこれから区をきめてやってまいりたい、こういう考え方でございまして、宅地は、五十キロのところからいまの交通事情で通っておれば相当な時間がかかるのですから、九十キロから百二十キロの標準の電車を走らせれば、楽に通勤圏になる。それは公共で提供する。これは五年間で提供するといっても、十分できる。それは、知事と地方公共団体が、国総法に基づいて、特定地域に指定して、これは新市街地にするんだ、中核都市にするんだという法制的な裏づけのない限りだめなんです。それがあれば、移転は五年間禁止をする、開発は許可でなければだめだ、そうでなければ売り渡しは禁止する、こういうのですから、そうすれば住宅用地は確実に提供できるような法律案の御審議をいただいておるわけであります。
○林(百)委員 総理は、何かというと国総法を持ち出しますが、それは総理は政府として立法されたのだから、それを大いに誇張されるのはけっこうですけれども、しかし、国総法で見ましても、たとえば市街化区域内の二千平方メートル以上の土地については、土地の売買の届け出をする、これに対して中止の勧告をする、それに応じなければ公表するということが第一の柱になっておりますね。第二の柱は、特別規制地域内では土地の売買の許可制をとっておる。これは、どこの地域を特別規制地域にするかということは今後問題があると思います。第三の柱は、特定総合開発地域、これは、届け出をして中止勧告をする、中止した場合、売り人のほうは買い取りの協議権を持つ。あなたは国総法、国総法と言いますが、ここでは、いま緊迫している土地問題は解決できないのじゃないか。やはり、もっと強力な権限を持つ必要があるのじゃないか。先ほど総理は、あなたの政策のようにいかないと言ったが、私のほうはまだ政策を言っていません。これから言うわけですからどうぞお聞きください。
 憲法も、私権については、公共の利益のためには制限することができるということはあるわけです。そこで、わが党としては、ここで第二次土地改革という思い切った措置をとる必要があるだろうと考えている。もちろん、言うまでもなく、第一次土地改革というのは、終戦当時、あの封建的な土地所有制度から小作人が解放されたということですが、第二次土地改革制度として、私たちの党の考えを述べますから、総理はこれをどうお考えになるか、やる意思があるかどうか、ひとつ念のために申します。
 第一には、まず、これらの買い占められている土地の価格を、三年か五年さかのぼった時点の地価を参考に定めた標準価格で、地価をとにかく凍結する。こういうようにものすごく騰貴していったのではたいへんなことになりますから、一定のところで地価を凍結するということが第一。第二は、向こう三年間は、大企業あるいはさっき私の申しましたような独占グループが土地を買い入れることを禁止する。第一が土地価格の凍結、第二は、向こう三年間、場合によってはこれを若干延期することはできますが、大企業や独占グループの土地の買い入れを原則として禁止する。第三は、土地の大口の売買は地方自治体の許可制として、それが民主的に行なわれるように、民主的な土地委員会というようなものをつくって、その審議を経て、自治体の許可制にする。第四は、国と地方自治体が必要な土地を有償で――有償というのは、買い取った値段にいままで維持してきた維持費を加えた程度の価格で、大企業が持っている土地を収用する権限を与える。第五としては、地方自治体、市町村にはやはり先買い権を――いまは協議権ですね。形成的に意思表示をして、所有権が自治体に移るということになっておりませんから、これをさらに強化して、買い取り権をもっと強力にする。そういう場合は地方自治体に財源が要りますから、これはインフレを避けるために交付公債でこれに充てる。大きく言えばこういう五つの柱をわれわれは考えているわけです。これで第二次土地改革をやる。
 このくらい思い切った措置をしなければ、今日急迫している土地問題は解決しない。総理も総理なりにお考えになっていると思いますけれども、しかし、まだまだ総理の考え方では不十分ですし、大企業が買い占めている土地をどう開放するか、そこが――総理は横を向いてしまいますけれども、その点が重要なんで、そこを解決しなければ、第二次土地改革は根本的に解決できないと思うのです。その点についての見解を……。
○田中内閣総理大臣 そこは、共産党と自民党と全く違うところなんです。あなた方はすべて国有にしようという考え方ですし、私たちは、現憲法を守っていこうという考え方なんです。(林(百)委員「いや、個人に分配するのですよ」と呼ぶ)分配しても、旧憲法時代であっても、憲法に優先する占領軍が存在したときには、第一次農地解放令によって解放が行なわれたことは事実でございます。しかし、昭和二十二年新憲法施行後は、占領軍が考えておった第二次、第三次農地解放、いわゆる山林解放は憲法の趣旨に背反するといってできなかったじゃありませんか。憲法を守っておる限り……(林(百)委員「土地は解放されましたよ」と呼ぶ)農地解放はやったのです。それは、新しい憲法ができなかったからやったのですよ。憲法公布後はできないというメモによって、みずから提示をした第二次、第三次の山林解放を取り下げたじゃありませんか。これは、あなたもそんなことはよく知っているはずなんで、適当に解釈してはいけませんよ。それで、農地の第一次解放というのは、新憲法にならない過程における占領軍令によって解放をされたものであるということは、これはもうちゃんと区別しなければだめですよ。憲法を守るか守らぬかの境の問題ですから、そういうことはやはりちゃんとやらなければならぬ。凍結問題と言いますけれども……(発言する者あり)いや、それは、憲法論というのは適当に解釈してはだめなんですよ。これは不変のもので、不磨の大典である、こういうことでなければだめだ。ですから、地価の凍結という問題は、これは考えられるのです。これは、アメリカのように大統領権限が行なえるようになっておれば、賃金、物価の凍結、地価の凍結というものができます。しかし、現在の状態で、ただ国民的に都市周辺の宅地の需要が非常に多いからといって、地価の凍結ということをやるには、非常に現実的にむずかしいのです。これは、同じ番地の土地でも、隣の土地は倍するんだということでありまして、これは非常にむずかしいということで、地価の凍結ということは、現時点においての法制上は非常に困難な問題であるということだけは申し上げられると思います。しかも、いま、土地の取引は年間二百万件をこしておるわけでありまして、これをすべてのものにするということになれば、何省かつくらなければいかぬということになって、逆に、地方の出費はいまの何倍かになるということにもなりまして、これは、事実は非常にむずかしいということだけは明確に申し上げておきます。
 それから、許可制にしたらどうかというような問題等、前の地価の凍結という問題は、現実的にいまの憲法下で、法制の中でやれるといっておるのが、いまの土地収用法の規定を準用しながら、それで憲法のワク内でやるというのがちゃんとあの国土総合開発法に書いてあるのです。それは、知事が特定地域に指定をする。特定地域というものは、いわゆる収用法によって道路ができるということと同じことなんです。しかも、現行収用法は時価で買わなければならぬというところに問題があるわけです。今度は、それより一歩進めまして、相当法制局は苦労したと思いますが、いまの土地収用法よりもうんと拡大をして、特定地域に指定されたところは、開発も売り渡しもできないし、適正な金利を――買った価格というのはわかっているわけですから、ですから、裏金か何かで買っておれば、表に出ている金は小さいのですから、それが基準になって損するわけです。そういうことを承知しながら、それに金利をかけたような価格で県や市町村に売らなければならぬという法律ですから、これは普通なら共産主義政策だと言われるぐらいなものをいま出しておるわけですよ。それは、あなた、よくわかるじゃないですか。十年前には共産党もこんな法律を出せなかったということでしょう。ですから……(林(百)委員「あなたの言っていることはわかりますから」と呼ぶ)だから、地域を指定していなければ、法律でそのような拡大した法律解釈をすることはできないという憲法上の制約なんだから、そういう意味で地域を指定してやろうということでありまして、あなたがいま言っておる許可制にちゃんとしておるし、しかも、二千平米以上のものに対してはどうするかといったら、ある一定期間あめとむちでもっておやりなさい、やらなかったらどうしますか、それを今度地方公共団体や公社、公団が代執行いたします、こういうことをちゃんと言っておるのであって、来年は土地供給公社の立法をお願いしょうと、ちゃんとあらゆる目張りを考えておるのでして、あなたの質問に対しては、完ぺきに近いことを考えておる。
 ただ、あなたが大企業、大企業と言いますけれども、これは差別をしてはならないということでしょう。憲法の大精神はそうですよ。ただ、個人と法人を差別せざるを得なかったのは、これも自民党政府の出す政策としては、私は、たいへんなことだと思うのですよ。とにかく、法人が四十四年一月一日以降取得したものを四十八年中に売った場合はいいが、四十九年以降二〇%重課をするという差別の法律をちゃんとつくっているのですよ。それは、何年か前には野党さんでも考えられなかったぐらいのものを、国民の要請にこたえなければいかぬということでやっているのであって、大企業の持っているということ――大企業という観念そのものが法律上定義できないときに、大企業が持っておる土地というがゆえをもって、特定目的も明示せず、これを凍結したり、取り上げたりすることができるかどうか。大企業には、国民も、総評の諸君もみんな働いているわけですから、これはそういうわけにいかないのですよ。だから、憲法を簡単には解決できない。
 交付公債の問題は、これは現行でもやっております。ただ、大企業に土地を手放させる場合は交付公債で、それはなかなかいい話ですけれども、交付公債でやる場合には、相手方が拒否をすればできないので、相手方の了解を得なければならない。だから、鹿島は、一万円、五万円、十万円、五十万円の四種類の交付公債で払ったわけですが、その条件は年利八%、一年据え置き、四年償還でありました。しかし、これは相手方の承諾が必要である。だから、一坪地主などがおれば、一坪地主が承諾をしないと交付公債で払えない。こういうことでございますから、そこは理解してください。
○林(百)委員 私も、あなたから憲法の講義を聞くとは思いませんでしたけれども、それほど憲法を尊重なさるなら、小選挙区制というようなものは、これはまたあなたもよくお考えになったらいいと思います。それから、大企業という観念がわからないと言うのですが、大企業と個人との、勤労者との区別がわからないという、これも通らない話だと思います。
 それで、時間がありませんから最後にお聞きしますけれども、最近、建設省で、大手不動産会社の幹部を個別的に呼んで、抱え込んだ土地の放出を要請しておるということが大きく新聞に出ておりますが、これはどういう経過で、現在どうなっておるかということが一つと、それから、もう一つ、総理が、最近、来年の予算編成の目玉にしようということで、勤労者に対する住宅債券あるいは持ち株政策を推進しようと考えておると言われておりますので、これを御説明願いたいと思います。
 いずれにしましても、私たちの考えとしては、いま国民をこのように苦しめておる大手不動産会社が買い占めておる土地を規制するということなくしては、第二次土地改革はできない。これは憲法でも、私有の財産については、公共の利益に反しない限りこれを制限することができると思いますから、土地というようなものは、もうけの手段にすべきものではないし、本来公共的な性格を持っておるものですから、これに対して一定の私権を制限することは、あなたの言うように憲法違反には決してならないと私は思います。憲法論争をすれば限りがありませんから、ここでのあなたの答弁としては、建設省の、いまの、不動産各社の幹部を呼んでの交渉の経過と、そして、それがいまどういう状態になっておるかということ。それから、総理の言う住宅債券、持ち株政策というのはどういうものなのかということ、この説明を聞いて私の質問を終わります。
○田中内閣総理大臣 第一点の、建設省が、大手企業が所有しておるという土地に対して、住宅公団、その他にできるだけ売却をするように依頼をしておるということは事実でございます。依頼をしておりますが、確たる返事はいただけません。(林(百)委員「まだいただいていないのですか」と呼ぶ)まだいただいておりません。これは、土地所有者も言い分はあると思うのですよ。これが市街化区域外にあるものなら、基準に適合するものなら県ができるのだから、県と同じように、民間デベロッパーにも、ある基準以上のものは開発を早く許可すれば、それだけ提供することになるのですから、というような要求もあるでしょう。いろいろな問題がありまして、いまのところは、県、地方公共団体以外は一切住宅供給はできないような状態にしておりますから、そういう意味で、一つの方法としては、住宅公団が幾ら予算を持っておってもつくれない、東京都がいま一割もこなせないという事実ですから、これはできるだけ供出をしてもらう、協力を願いたいという努力を続けておるということは事実でございます。
 それから第二の問題の、財産形成の問題ですが、これは所得政策という面ではなく――ことしは、五十兆円以上の給与、賃金の総額が払われるわけであります。そういう中において、反面物価は上がっておる。また、宅地や住宅というものの要求が非常に多いという事実に徴して、やはり、十年働いたら土地は取得できる、十五年働けば家もできるのだ、二十年働いたらセカンドハウスもできるのだというような数字を提供する必要があるということで、いま、大体十一億坪ぐらい、百坪、百五十坪、二百坪、二百五十坪、三百坪限度で、とにかく、地方と国が主体になってこれを造成する。人間は六十になっても八十になっても、ふえても減らないのですから、そういう民間でもってできる百五尺百二十五万戸というものは別にしまして、土地はとにかく供給して、そしてそれに対しては、環境整備がちゃんと行なわれたものを提供して、そしてそれに、一年間に二〇%上がるとすれば、その一〇%を無税国債か何かで交付できるようにする。交付しなくても、これはあなたの言う、大企業からだと言うなら、交付すればいいのですが、そうじゃなく、これはやはり勤労者の賃金ですから、やはり私が無税債券を持ちましょうということでなければ、法律で値上がり分の給与の二分の一は無税債券で交付すべしだ、幾ら物価問題でも、そこまではまだ踏み切りがついていないのです。ただ受ける人がちゃんと十年たてば、優先してその土地はちゃんと手に入ります。しかもそれが四十八年価格、四十七年価格、四十五年価格、まあ、四十七、八年は上がっていますから、四十五年価格に金利、コストをずっと加えた価格とか、それから、資金運用部の資金コストというものをずっと加えた価格でもって売り出します、こういうことになれば、これは協力が得られるわけです。しかし、これは一つのアイデアであって、ほかの国でもやっていることですから、そういうことはこれから皆さんの御意見も聞いて、そして、各府県知事が六十年展望でどの程度の宅地を必要とし、どの程度企業や学校を誘致するのか。大学だけでも、とにかく、いまの計算では、拡充、増設も含めて約二百校つくらなければいかぬ。三十校にすれば、二万人ずつ収容の大大学になってしまうということでありますから、こういうものはどういうものをつくるのかという問題もありますから、そういうものを四十九年度の予算編成までには早急に詰めまして、そしてこれをテーブルにのせて、国民的な理解を得ながら、勤労者財産形成ということで、これに対しては、頭金があれば、何年間でもって必ず土地つきの自分のうちができるというようなものを世に問いたい。世に問いたいというよりも、国会の審議を求めたい、こういう考えでございます。
○林(百)委員 それでは、私の質問を終わります。ただ、第二の問題については私は意見もありますし、また、インフレが勤労者の賃金の消費にあるんだというようなことが根本的な思想にあると思います。この点は、また、いずれ機会を見てあなたと論議をかわしたいと思います。私、これで終わります。
○上村委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 土地問題の前提となる市街化区域、調整区域の線引きの問題について、御存じのとおり、これは五年ずつの見直しが行なわれるわけですが、来年はまた再線引きの検討期に入るということで、国土総合開発計画も出ることなんですが、いま埼玉県がかかえている問題として一例をあげたいのですが、国総法、上位計画がおりてきますと、調整区域の開発の中に織り込んでくるのですね。これは、国総法を厳格に調べるとそうなる。そこで、埼玉県のような人口抑制地域においては、知事がもうこれ以上調整区域を市街化にする能力はいまない。そこで、凍結を出したわけです。五月の二十七日だったかと思いますが、埼玉県知事が線引きに対する手直しの凍結を出しました。これは上位計画の国総法が関係してくるのです。国総法でいきますと、開発の区域が、都市計画区域の中の調整区域の中の開発も含まれてくるのです。そうなってきたときに、線引きは、非常に人口抑制地域である埼玉県では、水の問題だとか資源の問題等々を考えて、これはできないということで抑制を打ち出したんでございますが、線引きの問題については、総理、どうお考えになっておりますか。
○田中内閣総理大臣 私は一現在は法律がちゃんとできておりますから、この線引きというものに対しては、法律どおり施行するということを原則的に申し上げておきます。これは、知事、市町村長等、地方公共団体が地方公共用の施設をつくる場合とか、住宅をつくる場合でも、地方公共団体がやれば幾らでもできるわけです。ですから、これだけ住宅が不足だというなら、ほんとうは地方公共団体が県債を発行いたします、地方債を発行いたします。資金運用部が引き受けてくださいといって、これはいまでも宅地造成ができるようになっておるのですが、これはやる意思の問題であります。ですから、これは全国的にはそうでありますが、あなたの言う千葉県とか、埼玉県とか、神奈川県というところはまた逆な面があるわけです。だから、そういう意味で、現実問題は、国総法ができても知事がやるわけでございまして、知事、市町村長が主体であるが、そうではなく、大きな面から考えまして、どうしても勧告をしなければならないという場合に、内閣総理大臣の勧告権が発動されるというだけであって、これは、勧告などというものはあくまでも非常的な手段でありまして、こんなことが行なわれるはずはないのです。これは制度上完備をしておくということであって、あとはもう地方自治体が主体でありますので、そのおそれはありません。これは明確にしておきます。
 ただ、線引きそのものが地価の高騰に拍車をかけている事実は、これは、私は、どうしても否定できないのです。これはなぜかというと、線引きをして、線の外は許さぬ、線の中にある農地だけをやる、それで税金をかけてみても、税金の分ぐらい上がるだろう、こういう気持ちがありますとどうにもならぬから、今度はあめ法を出しているわけです。それでもだめだから、第三段階に、今度は一定規模以上のものは代執行してこっちでつくるよ、こういう、まあ、ニュータウン法と同じ制度を導入することを考えているわけですが、線引きというのは――需要に対して供給を抑制しているというところに地価の高騰があるわけですから、線引きというのは、こんな現状を考えながら線引きをしたんじゃないと思うのです。私は、何かやっぱりあの当時の考え方で線引きを行なったということだと思うのでして、線引き論というものは、あの線引きは、これでもうどうにもならないということになれば、ほんとうなら、線引きを廃止するということになると私は思うのですよ。そのかわりに、ある地域は非常に厳密な規制によって、こういう条件をそろえれば、地方公共団体でも、民間デベロッパーでも、だれでもやってもよろしい、しかも、売ることは、利益はこれで押えますよ、こういう条件をつけて線引きをとることが望ましいという考え方が、学説的にも、一般的にもあります。しかし、いまは、線引きを出して、この法律を出した政府でありますから、皆さんの御協力がなくては、とても、線引きをどうするというわけにいかない。ですから、五年間の見直しということで、五年前よりも事情は変わっていますから、変わったところでもって、あるところはもっと拡大するとか、いろいろな問題を考えないと、これは実情に合わない問題だと思うのです。原則論と、それから、現行法制上政府が守らなければならない立場と区別して御答弁申し上げます。
○小川(新)委員 現実に起きた、埼玉県のような凍結を出されたところ――まあ、勧告なんかしないということでございましたけれども、そうなってきますと、国総法を遂行するのに、これはちょっとまずくなりますよ。この人口急増地帯、三大都市圏の問題は、住宅問題にしても、地価の問題にしても、これは集中しておりますよ。総理、ですから、私が言うのは、凍結を出しても、その地方自治体の主体性にまかせるという御答弁をいただければけっこうなんです。
○田中内閣総理大臣 これは、そのために地方自治体があるわけでございまして、自治体がきめたものをひっくり返すなんという気持ちは全くありません。ただ、住宅公団がちゃんと買っているのだから、千葉県知事に、ここだけは建てさせてくださいよ、水も下水もちゃんとやりますからと、こういうことは、これはまあ、いまの筑波学園都市のように、茨城県と十分交渉しながらやっているものはありますが、知事が出した一つのワク、これを国総法でもって拡大する、廃止をするなどとは全然考えておりません。これはもう尊重いたします。
○小川(新)委員 これを聞いて埼玉県知事は非常に喜ぶと思うのですけれども、そこで、二番目に、わが党の都市政策はありますが、そのことは私はきょうは議論しません。政府のいま出されている問題で議論したいと思うのですが、地価公示価格ですね。この地価公示価格が、毎年三八%もこの市街化で上がってきます。その地価公示価格について強制権がない。ただ、これは示すだけだ。これじゃ土地の価格抑制にはつながらないし、まずいと私は思う。で、地価公示価格を上回った差益分については一〇〇%課徴金を取るとか、税金で取るとか、いろいろな議論がありますが、地価公示価格はこのままでいいというふうには思っていないのですが……。
○田中内閣総理大臣 地価公示価格というのは、これは制度上非常にむずかしいのです。むずかしいのですが、ないよりもあるほうがいいということで、地価公示制度をとっているわけです。これは国民の税金を使ってやっているわけですから、メリットのないことをやるわけはありません。これは、やはり、地価公示価格というものは、相当の実情を調査して、この地域に対してはおおむねこの程度であるというめどです。そのめどの上を越したものは懲罰的な税金を取るというものさしには絶対なりません。これは恩恵を与える場合には、ある一定の限度から上なら、これはかまわないのですが、いささかでも、国民の権利や、そういうものを制約する場合には法律によらなければいかぬ、こういうことでやりますから、これは憲法の趣旨から言っても非常にむずかしい。というのは、先ほど申し上げましたように、土地は同番地でも違うのです。それは、まあ、こんなことは釈迦に説法ですが、とにかく、隣のうちとの境界線がもう一メートル分食い込めば四階が建つ、現状では三階しか建たぬということになれば、あとの一メートル分は二倍や三倍じゃないわけですよ。だから、隣の土地は倍でも買いなさいというのが千年来の土地の原則でございます。ですから、官僚機構などでも、土地取引の実態が必ずしも把握されていないのだ――把握されていないと言っては多少言い過ぎだけれども、実際は、公団でも入らなければ、みんな買えないでしょう。そこなんですよ。土地は同じ番地でみんな違うのだから、公示価格で法律的強制力を持たせるということは非常にむずかしい。そういう意味で、増価税が学問的には論じられても実行できないというのはそこなんです。線が引けないというところに問題があるわけでございます。
○小川(新)委員 そうすると、地価公示はこのままでしようがない一言でいいですが、このままですか。
○田中内閣総理大臣 国民の英知を集めてよりよいものができるならば――前向きに取り組んでおりますが、いまの状態においては、地価公示価格はあることが望ましい、こういうことであります。
○小川(新)委員 何だかごまかされたような感じがするのですが、時間がないですから、その次にいきますが、農住都市構想というのを、総理、新全総の中では公園住宅方式と言うのです。農住都市構想で、総理は一番よく知っていると思うのですが、都市を開発する場合には、あなたのお得意の区画整理方式では三分の一助成する。三分の二助成する――それから、農村を農業を主体としてよくする場合には土地改良法、これも金を国家が入れますね。農村を改良する場合には土地改良、市街地を開発するには区画整理方式、これがいま問題になっているのですが、私はきのうも聞いて、どうもはっきりしないのは、農住都市構想というのは一体どこへ建てるのだ、市街化区域内に建てるのか、調整区域に立てるのか、それともC農地地帯に建てるのか、こう三つあるのです。
○田中内閣総理大臣 それは、A、B、Cというものは現行法では規定しておりますが、新しい視野と角度と立場から考えれば、これはまた御破算にしてもいいわけであります。ですから、あまりそう局限された議論をされないで、農住、いわゆる農村と都市との有機的なつながりをどうするか、理想的な姿をどうするか、こういうことを考えますと、私が考えたものは、圏域人口百万に対して二次産業、三次産業のいわゆる結晶の核とするようなものをつくろうということを考えてみまして、各府県や歴史をずっとデーダをとったり、外国の例をとってみましたら、圏域人口百万では少し多過ぎる。日本においては八十五万とか七十五万とかというものができるだろうということなんです。それでもって、一番いい例は山梨県なんです。山梨県は、農住は、全くこれは理想的なものなんです。甲府という結晶の核に全部家から通えるというところなんです。東京や大阪、名古屋というようなものは、これは核になっていないのです。とにかく、全国から集まってきて、土地から、学校から、何から、すべてをこの東京の過密の中につくって、老人ホームから、とにかく難病奇病対策まで都市の中でやろうとするから、なかなか地価が問題になって、どうにもならないわけです。地価だけじゃなくて、車が通れなくなりますからね。そうではなく、農業をやる人たちはちゃんと農村に住んでもおれるし、その中の二、三男はちゃんとその中核都市に通える。そして、自分のブドウ畑の中なら、三百坪でも、五百坪でも、家は提供できるじゃありませんか。現にいままではそうだったのだ。農産物集散都市は全部そうだったのです。そういうものを新しい立場で考えるというと、二十五万都市構想が浮かぶのです。二十五万というのは、二十万でもよし、十五万でもよし、五万都市という――学園都市は五万なんです。そういうことを考えてみますと、いまから考えると、鳥取県が一つ考えられるのですが、あれはもっと基礎が小さくなりまして、鳥取中心、米子、松江中心ということで切ってこなきやならぬわけです。そういう意味で考えると、圏域人口七十五万から百万程度ですべてがその中心部に通える、こういうことを考えておるわけです。
○小川(新)委員 総理、私が言っているのは、いまA、B農地の問題で課税されている。だから、農住とは、農家の方が一つの都市をつくろう、ニュータウンをつくろうというときに、――たとえば、川口市の安行というところがあるのですが、これは永年作物の植木がある。そこのところを開発するのに、これは市街化区域なんです。市街化区域の中の開発は、きのうも議論したのですが、どうしても区画整理方式以外はだめだというのですよ。それは農村サイドから見たものではなくて、都市サイドから見ているから区画整理だ。それだったら、改良法でやっていくのだったら、調整区域に二十ヘクタール以上は許可されているのですから、二十ヘクタール以上の――五万から三万ぐらいの、大体百ヘクタールくらいの一つの都市とするには、農住構想という構想の中から、土地区画整理でなく、改良法でやれないんだろうか。
○田中内閣総理大臣 やれます。
○小川(新)委員 やれる。そうですか。
○田中内閣総理大臣 それは、都市機能の問題がありますので、いままでのものは自然発生でもってつくられたものですし、それで、大阪などの例を見ると、非常に非能率的になっておりますのは、これは市街戦用に道路がつくられたわけです。ですから、四十五メートル間隔でもって道路ができていると思えば自動シグナルでやれるわけですが、これは全部目測を誤らせるために五十メートル、三十五メートル、十五メートルとつくっているわけです。市街戦をやるなら、それはそうでしょう。向こうから来て、四十五メートルだと思って突貫してくれば、あと五メートルあれば、そこで全滅すると、こういうことです。これは、私、調べたんですが、みんな大閤時代の遺産です。しかも、三差路は全部鋭角になっているんです。そういうようなものですから、そのままなら将来非常に中心部は困るから、ですから、やっぱり区画整理を行なってやることが望ましいことです。望ましいことですが、いまの、あなたの言う安行の問題などで言うなら、安行のまわりにだけ大きな道路をつくっておいて、まん中は現状のままにしておって、それでその周辺は半径幾らという面を、区画整理を行なわなくても、これは県が行ない、市町村が行なうということで、名前を市町村にすればできるんです。今度の法律では農協にやらせるということを言っているわけですから、農協は十分できるんです。自分のたんぼを持っているんですから。農協がやるということは、農協加入の個人が区画整理組合をつくってやれることになっているんですよ。これは十分できます。
○小川(新)委員 安行の場合には、市街化区域の中なんですが、そうすると、区画整理方式を農協が主体でやることができるんですね。
○田中内閣総理大臣 さっき言ったような形で、できます。
○小川(新)委員 できる。これはいまだかつてないことですよ。それはだいじょうぶですね。これは新しいことですよ。
○田中内閣総理大臣 国総法が通れば、できるんです。ほんとなんですよ。これはちゃんと書いてあるんだから、ほんとうですよ。
○小川(新)委員 総理、すぐ国総法が通ればできるじゃ困るんで、だから、国総法の……。
○田中内閣総理大臣 国総法が通らなくても、やる意思があれば、市町村が代行すればできます。
○小川(新)委員 ありがとうございます。そういった農村地帯の農協が主体となる区画整理方式というのは、いままで全然認めてくれなかった。認めてくれなかったことを、きょう総理は認めると、これはたいへんなことですね。ありがとうございました。
 それでは、時間がありませんから、東京湾の問題をひとつ。東京湾横断橋はつくりますか。
○田中内閣総理大臣 東京湾というのは、どうしてもあの横断橋は必要であることは事実なんです。必要なんです。そうでないと、いまのあの過密の中にどうしても全部の車が入ってくるということで、これはどうしても必要なんですが、しかし、巨大な事業である。事業費だけでも一兆円以上という、非常に巨大な事業であるということと、これをかけることによってより過密にならないような前提、背後地の計画ということが全部必要であるということで、これはやっぱり目の前の計画だけでもってやれる問題じゃないと思いますよ。ですから、相当厳密な、湾岸道路やいろいろなものと同時にあわせて調査を行なっているわけです。ただ、このごろ東京都がこれから脱退するということは、はなはだ遺憾なことでございまして、結論が出るまでは中に入っていてもらわなければだめですよ。やるにしても、やらないにしても。大株主が抜けてしまったんじゃ話にならない。東京のまん中の人口を外へ回すということを何で解決するのかという具体的案を持たないで脱退をされてしまっては、実際は困るんです。これは地方自治を尊重するためにも、住民の声を吸い上げるためにもはなはだ遺憾であると思いますが、必要であるということだけは、これは関門の第二架橋と同じことで、これはもう必要であります。四国に対して三本も橋が必要だというんですから、東京湾に一本必要でないなんということは、これは算術的に考えても、もうわかる話だと思います。
○小川(新)委員 大株主というのは美濃部さんのことだと思うのですが……。
○田中内閣総理大臣 東京都。
○小川(新)委員 東京都が、大株主が脱退したのですね。だから、いまほかは動揺しているんですが、いけない――いけないじゃなくて、何とかやらなくちゃいかぬと思うのですが、では、やるということですね。それが一点。
 それから、あなたのほうの「東京ふるさと計画」。「東京ふるさと計画」で、自民党は都議選で善戦した。これは私も非常に研究さしていただきました。ふるさとというのは大事です。「田中角榮著」の「日本列島改造論」の序文には詩が載っていますな。「ウサギを追う山もなく、小ブナを釣る川もない」ということが冒頭に載っておる。東京にそれを取り戻したいというのはけっこうなことです。ただ、その中で、固定資産税の問題をいま検討しておりますが、これは農家の方で、今度はほんとうに住宅に困窮していらっしゃる都市住民の住宅の固定資産税が、負担調整措置がはずれるのですね。これは地方税法一部改正法律案でも、あめ法案の中でも出てきておる。ところで、その住宅敷地三百三十平方メートル、これは百坪ですが、それから住宅百平方メートル、三十坪、この固定資産税を二分の一減免、これは、野党側は非常に強烈なパンチを受けたと私は思っているのです。この一点で自民党に票が相当なだれ込んだと私は想像しているのですが、なだれ込んだということは、選挙でだますことじゃないことでありまして、これは実行しなければいかぬのであって、こういった問題で、総理が、小坂徳三郎代議士と「東京ふるさと計画」をやった。総裁の立場で言ったのですから、この百坪の減免、そして三十坪ですか、百平米、この問題については来国会で――今国会はもうだめですが、次の国会にどういうふうに現実にしてくださるのか、ほんとうにやるのかどうか、これだけ聞いて終わります。
○田中内閣総理大臣 いま、二百平米にするか、三百三十平米にするかという案があるわけです。これはあまり小さくすると過密が行なわれるということで、道路の幅員、いわゆる建築線の問題がありまして、とにかく通り抜けということが原則になりますから、その場合に、どうしても車ということになると、いまの中心線から二メートルというものは、最低三メートルにならなければならないのです。そういう問題とあわせて検討しておりますと、私道部分があるということになれば、どうしても二百平米では小さいかなということで、これは厳密に検討しております。検討しておりますが、固定資産税を二分の一にするということは、庶民住宅を優遇する、持ち家を優遇するということで、これは、低所得者や身体障害者には、やはり公共の施設を提供すべきだと思うのです。しかし、月給が上がっても、子供が学校へ行っているから、どうも法律には背反するけれども、公営住宅から出られないんだということはわかりますから、その人たちにははっきりと譲り渡しましょうと言っているのです。どうせもう動けないのですからね。そうして、もう子供も学校を出てしまった、どこにでも移れるのだという人には、小市民の住宅を与えるべきだということ、誘導政策としてもこれは当然やるべきであるということでありまして、これはまじめに考えております。考えておるだけではなく、これはほんとうに来年からでも実行したいという考え方を持っております。これは、規模は三百三十平米という案を提案したわけですが、これは少し大き過ぎる、実際に合わないから二百平米にしたらどうかとか、いろいろな案が出ております。しかし、視野は長期的展望に立ってということであります。ここらが、やはり政治には詩が必要である、こういうことですから、理解をひとつ……。
○上村委員長 折小野良一君。
○折小野委員 今日、内政の問題として、一番大きな問題の一つに、土地問題というものがございます。政府としても、その土地問題の解決のためにいろいろやっておられる。また、これからやろうとしておられます。この土地対策につきましての一番基本的な問題は、やはり、この土地というものをどういうふうに認識していくかということで、そういうところに立って具体的ないろいろな土地対策というものが出てくるのだろうと考えております。そういうような点から、まず、簡潔に、総理がお考えになっておられる土地というものに対する認識を、どういうふうにお考えになっておられるか、それをひとつおっしゃっていただきたい。
○田中内閣総理大臣 土地は限られたものでございまして、増産がきかないものでございます。しかし、人類が生存する限り不可欠な問題でございます。その意味で、これからの土地に対する観念は、商品としてはならないという考えが一つあります。それから、もう一つは、商品としてはならないという理由、考え方は、国民的に考えてもらわなければならないことだと思うのです。なぜかというと、長い旧幕時代から、日本だけではなく、財産というものは土地が財産であるということで、財産権の中の一番大宗をなしたものは土地であります。国と国との争いは領土の争いであったということを考えてみても、これは現実なんです。そういう意味で、財産の大宗である土地を商品としてはならないというのは社会的要請でございますから、そういう意味で、商品として物を売るというような対象として土地を考えるべきではないということと、もう一つは、その前提に、財産としての土地がありますので、その調和を考えてまいらなければいかぬ、こういう考えです。
○折小野委員 財産としての土地というお話しがございましたが、多少ニュアンスが違いますが、私たちは、生活の基盤としての土地というものを考えてまいりたいと思っております。人間の生活の三要素を衣食住というふうに申しますが、そのうちの住が建つ基盤というのが、これが土地なんです。そういうような意味におきまして、土地対策というものは非常に重要な問題である。したがって、これにつきましては、国民の生活を基本的に守るという立場からの土地対策というものが最も必要なことじゃなかろうか。ところで、その土地対策の中で、現在、現象的に一番問題になっておりますものの一つは、地価の騰貴ということなのであります。特に、大都市におきましては、非常な勢いで地価が上がってきております。したがって、現在のところ、庶民にとっては、土地を求めるということは高ねの花だということでございます。もしそういうことになってまいりますと、国民という立場に立って、衣食住という、この三つの生活の要素の一つが永久に欠けてしまうということになってまいります。そういう点からいたしましても、今日、地価を押えるということ、地価の鎮静ということは非常に大切なことだと思います。もちろん、地価だけでなくて、今日では、多くの商品の値上がりがあり、中でも、生活必需品の値上がりというものが国民の生活を圧迫をいたしておる。したがって、これに対する対策というものは政府の一つの大きな対策でございましょうし、また、国民が政府に期待しておりますものの一番大きなものは、これはやはり物価の抑制ということだと思います。こういう面につきましては、総理もすでに従来いろいろとお考えになっておられ、最近のいろいろな総理の談話等から拝見いたしますと、物価を抑制する、物価は抑制できる、しかも、近い将来にその抑制ができるという決意を表明しておられるようでございます。もちろん、その中には地価というものもあるいは入っておるかというふうに考えるのですが、この土地問題に限って、地価の抑制に対する総理としての見通し、あるいはこれに対する決意、それをひとつお示しいただきたいと思います。
○田中内閣総理大臣 土地は商品ではない、しかし、財産権は保障されておるということを先ほど申し上げましたが、しかし、社会公共のため、多数のためには、土地の利用制限は憲法上行なえるということでございます。そういうことだけは原則にして考えております。
 それから、私は常にそういうことを申し上げておるのですが、土地は、ほんとうに現憲法下でも国有にできないことはない。これは財産税の徴収ということを端的に考えますが、そうでなく、土地に対する相続税率をうんと上げれば、二代か三代でもって全部国有になるわけでございますから、これはもう、理論的にも学問的にも簡単でございます。しかし、それをやったら、惰民政策につながってしまう。財産権に対する執着というものがなくなる場合に民族は崩壊するおそれがあるということで、憲法の私有権はどうしても最後の段階まで守らなければいかぬのだという考え方が国民のコンセンサスだと思うのです。ですから、やはり、少なくとも、不労所得はいかぬけれども、相続をする人たちの最低限、住んでおるものは非課税にしろという議論が税調でも行なわれておるということは、私はそういうことだと思うのです。ですから、現段階においては、物価は抑制しなければならぬ、これは当然のことでありますが、ただ、物価の抑制というのは、アメリカ式と同じものであるならば、アメリカがやっているのと同じ政策をとらなければならぬわけです。また、ヨーロッパと同じ状態でもって、スタグフレーションであり、インフレーションの傾向があるなら、ヨーロッパと同じものをとらなければならぬわけです。それは賃金、物価の凍結であり、輸出の禁止であり、円の切り下げにつながるわけでございますが、そういう状態じゃないということの、そういう認識のもとに、しかし、どうしても物価は抑制しなければいかぬ――この物価というのは、ドル・ショックによる中小企業の倒産をどうしても防がなければいかぬ、こういう状態と、中小企業を可及的すみやかに国際競争力に対応するようにというためにとった政策の一つの波及的効果というか、いわゆるマイナスの面が物価に出ているということを認識しているわけです。ですから、ものはたての両面を見ないで、賃金が二〇%上がった事実は全然考えないで、そして、中小企業は倒産しなかった、三五%も依然として対米輸出はふえているという現実に対しては何も評価しないで、物価を上げたものだけということでは物価問題解決できないと思うのです。ですから、物価はもちろん、地価を含めましてこれは解決をしなければいかぬ。そういう意味で、まず、とにかく、土地に対する新しい融資は禁止する。新しい融資はほとんど抑制をしておる。それから、これは、ことし中に売れば税金は現行法でもってやりますよ、来年になると法人税は四〇%上がりますよ、その上になお二〇%分離重課が行なわれますよということをやっているわけです。それだけでもだめだと思うから、今度の宅地並み課税も行ない、今度あめの法律も出しており、それだけではなく、C農地に対しても、これからの都市計画の年次計画を出します。それだけでもだめだから、それでもなお絶対的なものであるというなら、これだけ人が来るんだから、需要と供給のバランスなんだからというなら、今度は都市に集まらないように、都市から排除しますよということで、追い出し税も考える、事務所税も考える、地下水のくみ上げも禁止をすることが当然考えなければならないのですが、それをやるには、受け皿をつくらなければいかぬというので、国総法を御審議いただいておる。それだけでもなおだめであるならば、これから百坪、百五十坪、二百坪、二百五十坪、三百坪の五段階において、政府及び地方公共団体が宅地の造成をいたします、こういう法律を出します、こう言っているのですから、ですから、そういうようなものがそろってくれば、これは五年間――これは一年間で全部やれば、これはほんとうに、さっき林さんも言われたように、法律をつくって、十年間凍結の交付公債で実質的に強制収用をする。これは第二の財産税であるという思想に踏み切らざる限り、それだけのものを一ぺんに造成すれば、物価はいまの倍も三倍もなる。ですから、物価も押えながら土地を供給しなければならぬというところに、年次計画を立てて、五年たったらこうなります、十年たったら十億坪出します、こういうものを今度表に明確に県別に出しますから、そうすれば持ちこたえてもいられませんし、そして、今度は、銀行で、窓口で、四十六年、四十七年に換物をしたそういうものをまだ売らないで持っている限り、つなぎ融資も行なわないという窓口規制をやっているわけです。ですから、私は、これだけの締め方をやっておって、土地というものがやはり安定傾向をたどっていくということは、これは望んで間違いのないことだと考えておるのです。
○折小野委員 いろいろな対策を講じて、その対策が効果をあげていくならば、地価は安定するであろうということでございましょう。しかし、今日までの政府の施策をいろいろ見てまいりますと、なかなかことばはいいのですけれども、実際の効果というものがそうあがっていないのですよ。たとえば、このあめ法案の対象になっておりますA、B農地の現実を見てまいりましても、今日まで都市計画が進んでこなかった、その結果としてスプロール化されてしまってきた、そういうところなんですよ。ですから、個々の農地を宅地並みに課税するとかなんとかいうような問題でなくて、いま直ちにこういうところのスプロールを何とかしなければならない。そういう問題が現実の問題でありますのに、この法律では、とりあえずA、B農地についてこういう対策を講じた、C農地は五十年度について考えよう、こういうことなんです。考えてやっていくのはいいのですが、しかしながら、いま世の中の動き、特に土地に対する動きというものは非常に早い。五十年を考える時期には、いまのC農地が現在のA、B農地と同じような状態になっていってしまいます。計画はできるだけ早く立てて、そして、それに対応する姿勢をとっておくということが、今後の都市計画を進めていく上に、また、住宅を確保する上に、あるいは公園緑地をちゃんと整備するために、あるいは災害対策のために必要なことだと思います。したがって、今回せっかく取り上げるならば、A、B農地だけでなしに、C農地まで計画の中に入れて、そして、より大きな計画を進めていくべきである。そうすることがいままでのあと追いの行政から脱却する道であるということで、すでに御承知のとおり、いままで私どもは主張をしてきておるわけです。そして、A、B農地の現実を見てまいりますと、いろいろとおっしゃり、また、いろいろな政策も行なわれておるが、しかし、現実にはああいうようなことになって、あと追い行政が非常に苦労しながら、しかも効果があがらないというような形になっておるわけなんです。ですからおそらく――これはおそらくですが、いまC農地が残されておるが、そうすると、いろいろな思惑というものがC農地に集中をするでしょう。そうしますと、その思惑が原因になって地価の騰貴をさそう、あるいはそれがさらに今後の乱開発につながっていく、あとでやろうとすれば、また非常な苦労をしなければならぬということになってまいるわけであります。私は、いろいろとおっしゃることはわかりますが、やるべきことは、基本的なことはできるだけ早く計画を立てて、その線に沿って動かないということ、これが一番大切なことだ。ぴしゃっときまっておれば、そこに思惑は出てこないわけなんです。その思惑が現在一番問題だと私は思うのですが、その点に対する総理のお考えをひとつ伺いたい。
○田中内閣総理大臣 考え方は大体同じであって、理解ができます。これは、やはり、先ほども申し上げました現象に対する対症療法としまして、とにかく、都民が、また名古屋市民が、大阪市民がこれだけ住宅を必要としておるのだから、まず周辺にワクをきめて、A、B、Cとして、A農地から先にやろう、こういうことに踏み切ったわけです。いままでのやり方は大体そうなんです。ところが、先ほど申し上げたように、東京都は、水から考えてみましても、もうこれだけで抑制しなければならないのだということを考え、しかも、フランスが、パリが、あれだけ守ってきた一定三十一メートル制限というものをはずしまして、特定街区だけは超高層にしようということを言っておるわけですから、職住の近接でもって、若いうちは、とにかく職場と近いところだから、これはやはり公営住宅とか借家なんだ、そして、だんだんだんだんと自分の持ち家を持てるようになるのだという区分を明らかにしまして、とにかく、江東という、災害に対しては人命の保護が保障できないという土地があるのですから、白鬚橋にはもうすでにそういう街区整理をやっているわけですから、そういうところをやって、何年間では、借家でもって、賃貸住宅を何十万戸ちゃんとつくります、年次計画はこうです。そして、あとは、A、B、C農地がありますが、そこには、こういうふうな地図の上でありますが、一応四〇%緑地――道路、緑地で三〇%にするか、三五%、四〇%の新しい線引きを行なう、そしてそれはこういう年次でやってまいりたいと思います、と、そして、そういうことになって、今度工場団地も別に――私は、東京湾の埋め立てで非常に慎重なのは、とにかくあれをやるときには、少なくとも住宅地域内における工場を追い出せる工場アパートか、とにかく街区整理をやる場合の公営住宅に使う以外に、不特定多数に入居を許したなら、東京は爆発的なものになってしまうということで慎重なんです。そういう計画を全部一緒にすべきでありましたが、それはあなたの御指摘のとおりで、おそまきながらでも、今度はできるだけ早い機会に――私はもう十月までつくりなさいといって建設省とも詰めたのですが、都市計画審議会に諮問したり、いろいろなことを考えると相当時間がかかるということでございますが、これはできるだけ詰めてもらって、今度この法律をお願いしている限り、これでできないじゃないかという問題が指摘をされないように――逃げるためにやるのじゃありません。抜本的に解決をしなければならないもの、本来ならば、この宅地並み課税とか線引きの前に出しておかなければならなかったものをおそまきながらも間に合わしたい、こういうことを考えておりますので、そこらをひとつ御理解を賜わりたいと思います。
○折小野委員 終わります。
○上村委員長 ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
○上村委員長 速記を始めてください。
 以上で、本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○上村委員長 これより討論を行ないます。
 討論の申し出がありますので、これを許します。島田安夫君。
○島田(安)委員 私は、自由民主党を代表して、政府提案の特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法案に対する賛成の討論を行なおうとするものであります。
 わが党は、従来から土地対策について真剣に取り組み、各種の施策を実施してまいりましたが、先般、地方税法の一部を改正する法律において、市街化区域内の農地に対する固定資産税及び都市計画税について、周辺の宅地との税負担の不均衡が著しく、かつ、土地対策の必要性が特に強いと考えられる首都圏等三大都市圏の都市に所在する農地のうち、いわゆるA農地及びB農地について、昭和四十八年度ないし昭和四十九年度から、評価額を基礎として段階的に税負担の均衡化を進めることといたしました。
 この措置により、税負担の著しい不均衡は段階的に是正されることとなりますが、一方、三大都市圏内の特定都市におけるA、B農地の所有者等にとっては、これまでに比べて営農の継続ができなるなることも事実でありますので、これらの方々が、当該農地を宅地化し、地価の実情に合った有効利用を行ないやすいよう、各般の優遇措置を講ずることは、宅地並み課税の実施と並行してとられなければならない不可欠の施策であり、そのような施策がとられて、初めて、当該農地の所有者等の所得向上と、住宅不足に悩む都市勤労者の切実な要望が双方とも実現するものと考えるのであります。
 今回のいわゆる宅地化促進臨時措置法案を検討いたしますと、市街化区域農地の宅地化を促進し、住宅建設を奨励するため、土地の所有者等に対して数多くの優遇措置を講じており、市に対する土地区画整理事業の要請、住宅金融公庫の貸し付け利率の引き下げ、農地所有者等賃貸住宅建設利子補給措置にかかる水田要件の撤廃など、農地の所有者等が賃貸住宅等の建設に踏み切りやすいように配慮されていることが認められます。
 さらに、みずから住宅建設を行なうのではなく、地方公共団体等への処分を通じて宅地化に協力する者のためには、国税において、長期譲渡所得にかかる分離軽課の税率を通常の場合よりも五%軽減するほか、地方公共団体等へ譲り渡した場合における所得控除を認める条件である面積要件を撤廃することとしております。また、地方税につきましては、所有者等がみずからその土地の上に中高層貸し家住宅等を建設した場合には、不動産取得税と固定資産税を軽減するものとし、所有者等の所得向上とあわせて、できるだけ低廉な家賃の賃貸住宅が大量供給されるよう配慮されており、一石二鳥の効果が期持されるものであります。
 さらに、国及び地方公共団体は、住宅建設等に関し、財政上、金融上及び技術上の援助につとめるとともに、国は、地方公共団体に対し、宅地化の促進に伴い必要となる公共施設の整備について財政上の援助等を与えるようつとめるものとされており、固定資産税の課税が強化される農地の所有者等がより多くの安定した収入を得られるよう誘導するとともに、三大都市圏内の住宅事情の改善と快適な生活環境の確保にも寄与するよう配慮されており、きわめて時宜を得た適切なものであると考えます。
 なお、勤労者の所得の実情から見て、低家賃の住宅供給をさらに推進するため、今後、住宅金融公庫の融資金利の一そうの引き下げや、融資基準単価の実情に即した引き上げにつとめるほか、住宅建設に伴う生活環境施設の整備について、地方公共団体に対する財政援助を具体的により一そう強化するよう、この際特に政府に要望いたしておきます。
 以上申し述べましたとおり、今回の特定市街化区域農地の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法案は、農地の所有者等にとっても、また、住宅事情の改善を切望する勤労者にとっても歓迎される施策であり、その趣旨を了とし、さらにその一そうの充実強化を強く要望して、同法案に対し、自由民主党は賛成の意を表するものであります。以上。(拍手)
○上村委員長 小山省吾君。
○小山(省)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、本宅地化促進臨時措置法案に対して、反対の立場で討論を行ないます。
 期間は非常に短かったわけでありますが、十日、十二日、十三日と三日間にわたって、各党から、慎重な集中的な論議が行なわれたわけでございますけれども、この法律案が、国民の住宅事情や、あるいは土地問題に対するところの大きな不満、あるいは要望、あるいはまた、明るい都市づくりをしていきたいという国民の願いにこたえるものではないということが、自治省やあるいは建設省の答弁の中からはっきりいたしてまいったと思うのであります。馬を水ぎわに連れていくことはできるわけでありますけれども、馬の意思が水を飲みたくなければ水を飲ませることはできないわけでございまして、いわゆる宅地並み課税という形で、むちを与えてあめを出したところで、しゃぶる意思がなければ、これはしゃぶるあめにはならぬわけであります。私は、この法律案が、あめの効用を果たすものではないというふうに考えるわけであります。先ほど来、総理の出席を求めて、総理からは、国総法が通ればすべて解決をするような話がありましたけれども、田中総理イコール法律ではないと思うのであります。そういう意味で、私は、この宅地化促進臨時措置法は、真の意味での現状の中における期待にこたえてはいない、このように考えるわけであります。
 要約いたしまして、五つの点から私は討論を行なってまいりたいと思います。
 まず、第一は、土地政策と住宅政策に関してであります。論議の中で集中的にかわされましたように、現在における土地問題は、まさに緊急な深刻な課題であります。この問題を解決していかない限り、私ども庶民からはマイホームの夢は遠のき、さらにまた、非常に遠距離通勤を余儀なくされている多数の勤労者がおるわけでありますが、現在の中で、何としても土地を沈静させて、庶民が土地を得やすくなるような、そしてまた、住宅問題が解決するような手だてを政府は講じてまいらなければならぬと思うのであります。特に、土地騰貴の主要な要因というのは、何と言っても、大企業の土地の買い占め、いわゆる土地を投機対象にしたということだと思うのでありますが、特に、首都圏の中だけでも、大手二十社が所有しておる土地が二万ヘクタールにも及んでいるという現実は、何としてもこれを解決をしていかなければならぬというふうに思うところであります。そういう意味で、私は、何としても、この大企業が買い占めておる、占有しておる土地を、この取得価格プラス管理価格というふうな形で放出をさせて、土地問題に対する解決をはかるべきだというふうに考えています。
 この法律案の審議に先立って、私どもは、公有地の拡大の法律案を審議いたしたわけでございますけれども、少なくとも、土地問題の解決については、何と言っても、地方公共団体が土地問題に対する権限を強めていかなければならぬわけでありまして、この法律案の中でも、さらに公有地拡大法案を強化するような観点から、地方自治体に権限を与えるというふうな形をとってまいらなければならぬというふうに思っております。
 さらに、また、住宅問題でありますけれども、住宅の困窮者が非常に多い。そういう中で、この法律案で約四十六万戸の住宅が供給できるだろうという答弁を住宅局のほうではいたしておるわけでありますが、私は、そういう形にはならぬというふうに考えています。何としても、大量の低家賃の公営住宅を建設するという方向が、いま国民の期待にこたえるところの唯一の方法でありますし、そして、また、この法律によって、いわゆる四階以上の中高層の住宅を建てても、家賃が三万一千円以上というふうな形になっては、これは住宅を求めている国民の要望に沿うものではありません。そういう意味で、私は、何としても、現在住宅公団がかかえておる八千七百ヘクタール、二十四万戸分も持っておるというふうな状態、こういう状態を促進をすることがむしろ先決であろうというふうに考えるわけであります。
 特に、そういう意味では、A、B農地ではなくして、むしろC農地等に対する住宅政策の観点からの計画を進めて、そこのところに公共施設等を集中的に投資をする、こういうような形で進めてまいらなければならぬというふうに私は考えるわけであります。
 第二点としては、いわゆる都市計画といいますか、町づくりの観点からでございますが、都市計画や町づくりには、先ほど詩の話が出ましたけれども、都市計画というのは哲学がなければならぬというふうに私は思うのであります。しかしながら、このような形で市街化区域内におけるところの農地を宅地化していくという形は、町づくりにとってはマイナスであるばかりであって、プラスにはならぬと思うわけであります。そういう意味で、いわゆる哲学を持った町、いわゆるほんとうの意味での住みつきたくなるような都市計画を進めていかなければならぬというふうに思っております。そういうふうな要請にこたえる意味でもありましょうけれども、都市計画法の改正で生産緑地をつくっていくという方向が出されておるやさきだけに、私は、このような法律案を進めることはいかがかと思うわけであります。
 当然、都市、市街化区域の中における緑地や空間というものがあってこそ、息のつける、住みつきたいような町づくりができるわけでございますので、このような状態で行なっていくならば、むしろ新しいスプロール化をつくってまいって、そして、最後の、再開発という点が出てくる。このように考えるわけでありまして、都市計画上からも、町づくりの上からも、この法案には賛意を表することができないわけであります。
 あと一つは、税の問題であります。このあめ法案が、いわゆる固定資産税の引き上げ、宅地並み課税、こういうような形の中から出てきたわけでありますけれども、衣川のたては、年を経て、糸の古さでほころびたわけでありますが、私は、宅地並み課税というものはほころびたと思うのであります。これは時を得ず、人の心をくまなかったがゆえに、宅地並み課税はすでにほころび始めたというふうに私は考えております。
 まず、一つは、やはり、生産緑地制度というものを都市計画法の中でやっていくという観点が一つでありますし、当然、そういう形でいかなければならぬし、そうなった場合には、市街化区域内の農地というものを当然宅地並み課税からはずしていくべきであるし、まず、その点からほころびておりますし、すでに、自民党の党内においても、この間うち指摘をいたしましたように、固定資産税の引き下げであるとか、あるいは宅地並み課税は失敗であったというような論が言われておるわけでありますし、そういう点が第二点。
 第三点としては、これらの宅地並み課税の適用を受ける団体のうち九団体が、少なくとも、緑地保全というふうな名目で補助金等を交付をいたしておるわけであります。このことは、少なくとも自治体の場で、あるいは国民の場で、宅地並み課税というものが批准を受けなかったということになるわけでありますから、そういう観点からしても、固定資産税の引き上げあるいは宅地並み課税というものがいかに悪法であり、いかに間違っているかということ、現実に住民の声を吸い上げている自治体の場ではそのような感じ方で受けとめられている。こういうような観点から、本臨時措置法案には私は反対であります。むしろ、宅地並み課税というものは、次の国会では廃止をしていくべきだというように私は考えるわけであります。
 あと一点は、都市計画農業、都市近郊農業の観点からでありますが、これは質疑の段階を通じても明らかなように、いわゆる市街化区域内の農地は、動物性たん白質の供給源であるとか、あるいは新鮮な野菜の供給源であるというふうな役割りを大きく持っておるわけでございまして、そういう意味で、都市近郊農業という観点からも、現在ある生産緑地をつぶしていくようなこの法律案については、私は反対であります。
 第五番目は、地方自治体の財政の面からでありますが、特に、この法律の中では、質問等を通じても、自治体に財源上の迷惑はかけないで区画整理事業等を実施するというように言われておりますけれども、現在すでに大都市近郊の自治体では、住宅公団が住宅をつくっては困る、これ以上の人口の流入をやめてもらわなければ困るというふうな状態が出ておるわけであります。人口増に伴うところの公共施設の整備であるとか、関連公共施設等に対しての非常に多額の金が自治体を苦しめておるわけであります。そういう状態でありますだけに、このような形で、開発といいますか、宅地化を促進をしていくことが、むしろ、自治体に対する手だてはやるのだと言うけれども、超過支出や、自治体に対するところのいわゆる財源面からの圧迫がより強化をされてまいるわけでございまして、自治体をほんとうに尊重するならば、このような形で進めていくのは誤りだというふうに私は考えておるわけであります。
 総じて、この法のねらいと目的とするところについて、与党、野党を通ずる質問の中で、期待のできるような答弁が自治省あるいは建設省を通じて少しもなされなかったというふうに本法案の審議を通じて私は感じておるわけであります。ですから、そういう意味で、この法律案が成立をいたしましても、通過をいたしても、この法のねらった期待というものにこたえ得るものにはならない、このような観点から、私は、むしろ、この法律案は撤回をすべきものであると、このように考えるわけであります。
 以上、簡単でありますけれども、五点にわたっての反対の立場を表明しての討論を終わります。(拍手)
○上村委員長 林百郎君。
○林(百)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法案に反対の討論を行ないます。
 第一に、いわゆる宅地並み課税に伴って提出された本法案は、農地の宅地化促進の名のもとに、都市近郊農業を破壊するものであります。都市近郊農地は、都市住民の食糧源として、大都市地域の生産緑地として果たす重要な役割りからして、むしろ保護されるべきものであります。このことは論をまつまでもありません。しかるに、本法案の意図する宅地化促進は、列島改造のために必要とする工業、道路、住宅地など用地の拡大を、農業用地の破壊によって進めようとする政策の一環であります。このような政策が国民生活にとっていかに重大な結果をもたらすものであるかは、今日、農産物の自給率の極度な低落とともに、独占資本による米、大豆、飼料などの買い占めが行なわれ、食料品価格の急騰が引き起こされていること一つを見ても明らかであります。国民生活の安定にとって、日本農業の総合的発展こそが欠かすことのできないものであります。高度成長政策の強行のために、これ以上農地を取りつぶし、国民に、食糧の供給に危惧を抱かせ、それの価格を一そう騰貴させるような本法案については、賛成することができません。
 第二に、本法案は、都市近郊の無秩序な宅地化を促進して、地方自治体に深刻な財政負担をしいようとするものであります。かりに、本法案の意図するとおり、市街化区域内農地がすべて宅地化され、そこに中高層マンションなどが無秩序に建築された場合、その都市問題の矛盾と、地方自治体の財政負担の深刻化は想像にかたくありません。緑地、日照の欠乏、公共施設整備のおくれ、交通問題の激化など、今日、多くの地方自治体が、その解決に真剣に努力しているもろもろの問題に対して一そうの悪化をさせることは明らかであります。しかも、本法案の対象となる地域の大多数の地方自治体は、人口急増地域として、深刻な財政難に悩んでいる都市であります。これに対して、本法案は、国によって具体的にどのような援助の保障をするかということは規定されておりません。これが反対の第二の理由であります。
 第三は、本法案によって、都市勤労者の住宅難が決して解決されるものでないということであります。本法案によって中高層住宅が対象地域に建てられたとしても、その家賃を見ますと、低く見ても三万数千円、あるいは五万円というものであります。一般勤労者の住宅に要す費用がその四分の一であるということを見るならば、本法案によって建てられる中高層住宅に入居することのできる勤労者なるものが、いかに幅の狭いものであって、一般勤労者にとっては、安い家賃の住宅としての条件からかけ離れているものであるかということは、本法案に対する質疑を通じて明確になったところであります。また、高い税負担に追い立てられて、譲渡所得の特例の強化に誘導されて農民が土地を手放した場合、その高い地価の土地を入手できるのは、大企業、大手のデベロッパー等にほとんど限られて、勤労者の手にはとうてい入手できない。また、そこに建てられる住宅は、それら民間デベロッパー等の大資本の利益を保障する高い家賃の住宅にしかなり得ないということも、本法案の審議中に明らかになった次第でございます。
 結局本法案にいう宅地化促進は、勤労者が望んでおる安い家賃の公営住宅を提供するというものではなくして、大資本の土地投機の場と、大資本の民間建設住宅の供給、しかも、これが、一戸一千五百万から二千万円で提供されるというようなものになり得るという可能性は十分考えられるわけであります。
 国民の命と暮らしを守るために最低限必要な用地の確保を不可能にしている今日の土地問題の原因を、この法案によって何ら解決しておりません。今日、土地問題をこのように困難な状態におとしいれておる真の原因は、長年にわたる自民党政府のもとで、一部の大企業がばく大な土地を買い占めて、しかも、それを投機の対象として、想像に余る地価の騰貴を来たしているという、ここにあるわけでございます。この事実は、いまや国民が広く知るところであります。
 今日のこの深刻な土地問題に対する事態にあたって、真にこれを解決し、国民生活に必要な用地を確保するためには、わが党が先ほどの総理に対する質問でも提起いたしましたように、第二次土地改革を断行して、そして、地方自治体あるいは国が確保した土地を勤労者に低廉に再配分するということよりほかに道はないと考えております。
 すなわち、第一には、大資本、大土地所有者の独占的、寄生的な所有地、あるいは米軍、自衛隊等の基地、あるいは国公有地の一定部分を対象に、全国的に土地の民主的な再配分を行なう。そのためには、民主的に構成された土地配分の委員会の検討を経ること、そして、それは、都道府県議会によってその土地再配分計画が討議決定されること。それに基づいて、国と地方自治体が必要な土地を交付公債をもって収用し、地域住民に分配するということが必要だと思います。
 第二には、土地投機の禁止、これはさかのぼった時点での地価を基準とする地価の凍結の政策をとることであります。生活用地の確保のための地方自治体による先買い権の強化もあわせてとる必要があると思います。
 第三に、土地利用の民主的な制度を確立するためには、各地方自治体に民主的な土地委員会を設けて、これが土地利用計画を設定し、下からの民主的な土地利用計画を打ち立てることが必要だと思います。
 以上の土地改革によって必要な生活用地を確保するとともに、民間建設に依存する今日の国の住宅政策を根本的に改めて、勤労者が真に望んでおる安い家賃の住宅の建設を、国の責任において、また、地方自治体の責任において実行すべきであり、また、以上申し上げましたわが党の政策によって、それが保障されると思います。
 資本力にものを言わせた少数の大企業あるいは大デベロッパーのほしいままの国土の買い占め、そして、それを許しておる行政は、国民の生活と権利に対する重大な侵害となっております。国民はこれに断固反対をいたします。そして、この土地を、憲法で規定されているように、適正な対価によって収用し、国民にこれを公平に分配することが必要だと思います。
 私は、以上のわが党の提案する第二次土地改革の政策を緊急に断行することを要求するとともに、本法案に対しては反対をするものであります。
 以上で、討論を終わります。(拍手)
○上村委員長 小濱新次君。
○小濱委員 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法案に対する反対討論を行なうものであります。
 以下、そのおもな理由を申し述べます。
 まず、本法案提出の経緯についてでありますが、本法案は、市街化区域内の農地の宅地並み課税について審議している際、農家並びに諸般の情勢を勘案して、与野党が話し合いのもとに一応の合意点に達せんとしたとき、突如、総理の一声によって、自民党はいままでの態度を一変し、別途修正案を提出したのであります。今回の法案は、こうした経緯の中で、むち法である宅地並み課税を促進するため、関係各省と調整がつかないまま提出されたものであります。
 このように短兵急に、むち、あめ法案だけで安易に問題解決をはかろうとする田中内閣の政治姿勢こそ糾弾されなければなりません。これが反対理由の第一であります。
 次に、今回の法案は、その趣旨に、固定資産税の課税の適正化と、あわせて宅地化を促進することを目的としております。従来から、政府の住宅政策は、民間依存の姿勢をとり続けておりますが、これは、本来国民が望む住宅政策と大きくかけ離れたものであります。公明党は、大都市及びその周辺の住宅問題は、勤労者を中心とした低家賃の公共住宅の大量建設の推進を主張してまいりましたが、この法案では、住宅不足の解消を、公共住宅によるのでなく、従来からの民間依存の姿勢をますます強化するとともに、中高層の、いわゆるマンションなどの高級住宅の建設をはかろうとしているのであり、大衆が住宅を手に入れることはますます困難になっております。これでは、国民のための住宅政策と全く逆行する以外の何ものでもありません。政府は、住宅対策を真剣に進めるならば、公共住宅の大量建設を推進すべきであります。これが反対理由の第二であります。
 次に、譲渡所得にかかる所得税の軽減措置についてでありますが、本法案によると、「譲渡所得に係る所得税が軽減される特定市街化区域農地を譲り受けた者は、」できるだけすみやかにその土地の上に「住宅その他の建物を建設しなければならない。」ことになっておりますが、本規定は単なる訓示規定であり、建設時期の明示や、住宅を建てなかった場合の罰則などは設けられておりません。これでは、深刻化している住宅対策に真剣に取り組んでいるという姿勢がうかがわれないばかりか、本法案の本来の目的を達成することは困難であると言わざるを得ません。これが反対理由の第三であります。
 次に、区画整理についてでありますが、本法案では、農地所有者などの要請を受けて市が土地区画整理を行なうことになっておりますが、組合施行の場合は、補助率が二分の一しかつかないのに比べて、市が行なうことによって補助率が三分の二になることになっております。区画整理に対しては、従来から、減歩などの根本的な問題が解消されておりません。こうした問題をかかえたまま、本法案にそれをそのまま盛り込むことは問題であります。これが反対理由の第四であります。
 次に、農地の所有者などが中高層住宅を建設する場合の住宅金融公庫の貸し付けに対する利息の引き下げについてでありますが、この法案によりますと、賃貸住宅にかかわるものにあっては年四・五%、分譲住宅にかかわるものにあっては年六・八%とすることになっており、一般の住宅建設の場合よりも、それぞれわずか〇・七%引き下げられているにすぎません。これでは、大衆が手に入れることのできる低家賃の建設は困難であります。これが反対理由の第五であります。
 次に、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の特例についてでありますが、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法に基づく特定市街化区域農地の所有者などによる特定賃貸住宅の建設については、水田要件を適用しないという特例が設けられることになっております。しかし、農地所有者などが市街化区域内で農住構想を実現することに対しては、明確な制度上の裏づけがないため、農住都市建設自体が進んでいないことを考えてみると、せっかく利子補給制度があっても、現実には利用できないことになることであります。これが反対理由の第六であります。
 以上、基本的な課題がたくさんございまするけれども、おもなものを取り上げました。
 以上をもって、私の反対討論といたします。(拍手)
○上村委員長 折小野良一君。
○折小野委員 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま討論に付されております特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法案について、反対の立場から討論をいたします。
 この法案は、さきに決定を見ました地方税法の一部改正によりまして、特定市街化区域内農地のいわゆる宅地並み課税に対応するものでございます。この問題につきましては、すでに、わが党は、大都市並びにその周辺の地域におきましては、市街化区域内農地は、A、B、C農地にかかわらず、いわゆるその宅地並み課税を推進をすべきである、あわせて、それらの地域のいわゆる線引きの変更を含めまして、区画整理、公園、緑地、下水道の整備等の都市計画を促進すべきである、このような主張をしてまいりました。
 こういう立場から、今回、この法案を見てみます場合に、今日、大都市がかかえております多くの都市問題の解決、あるいは大都市住民が期待をいたしております住宅問題の解決に対しまして、これらの施策はまことに不十分であり、かつ不徹底である、こういうふうに考えるわけでございます。こういうような立場から、たいへん残念ではございますが、この法案に賛意を表するわけにまいりません。
 私どもは、今後の都市問題の解決あるいは住宅問題の解決のためには、より一そうの強力な施策を必要とする、こういうことでございまして、今後一そうの土地問題解決に対する御努力を強く要請をいたしまして、民社党を代表しての反対の討論にさせていただきます。(拍手)
○上村委員長 これにて、討論は終局いたしました。
 これより、採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○上村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 ただいま議決いたしました法律案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上村委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
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  〔報告書は附録に掲載〕
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○上村委員長 次回は、来たる十七日火曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後一時十五分散会