第071回国会 農林水産委員会 第37号
昭和四十八年六月二十七日(水曜日)
    午前十時五分開議
 出席委員
   委員長 佐々木義武君
   理事 仮谷 忠男君 理事 坂村 吉正君
   理事 藤本 孝雄君 理事 山崎平八郎君
   理事 渡辺美智雄君 理事 柴田 健治君
   理事 美濃 政市君 理事 津川 武一君
      笠岡  喬君    金子 岩三君
      吉川 久衛君    熊谷 義雄君
      小山 長規君    佐々木秀世君
      島田 安夫君    正示啓次郎君
      菅波  茂君    丹羽 兵助君
      長谷川 峻君   三ツ林弥太郎君
      湊  徹郎君    森下 元晴君
      安田 貴六君    角屋堅次郎君
      島田 琢郎君    竹内  猛君
      芳賀  貢君    馬場  昇君
      湯山  勇君    諫山  博君
      瀬野栄次郎君    林  孝矩君
      稲富 稜人君    神田 大作君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 櫻内 義雄君
 出席政府委員
        農林政務次官  中尾 栄一君
        農林大臣官房長 三善 信二君
        農林省農林経済
        局長      内村 良英君
        農林省構造改善
        局長      小沼  勇君
        農林省農蚕園芸
        局長      伊藤 俊三君
       農林省畜産局長 大河原太一郎君
        農林省食品流通
        局長      池田 正範君
        農林水産技術会
        議事務局長   中澤 三郎君
        通商産業省企業
        局参事官    三枝 英夫君
 委員外の出席者
        沖繩開発庁総務
        局企画課長   亀谷 礼次君
        沖繩開発庁振興
        局振興第二課長 星野 省松君
        農林省農林経済
        局統計情報部長 大山 一生君
        農林水産委員会
        調査室長    尾崎  毅君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二十七日
 辞任         補欠選任
  井上  泉君     芳賀  貢君
同日
 辞任         補欠選任
  芳賀  貢君     井上  泉君
    ―――――――――――――
六月二十六日
 林業振興に関する決議の具体的実施に関する請
 願(堂森芳夫君紹介)(第七七六〇号)
 同(八百板正君紹介)(第七八六一号)
 同(中村重光君紹介)(第七八六二号)
 造林政策確立に関する請願(石井一君紹介)(第
 七七六一号)
 同外十一件(志賀節君紹介)(第七七六二号)
 同外五件(戸井田三郎君紹介)(第七七六三号)
 同外二件(中川一郎君紹介)(第七七六四号)
 同(森下元晴君紹介)(第七七六五号)
 同外四件(田中六助君紹介)(第七八一九号)
 同外六件(松浦周太郎君紹介)(第七八二〇号)
 同外二件(原健三郎君紹介)(第七八六〇号)
 同外七件(田中正巳君紹介)(第七九二五号)
 同外四件(渡海元三郎君紹介)(第七九二六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置
 法案(内閣提出第一一六号)
     ――――◇―――――
○佐々木委員長 これより会議を開きます。
 畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案について農林省当局に質問いたします。
 北海道は昭和二十八年、二十九年に連続冷害を受けまして、これを契機に三十年から北海道庁が冷害恒久対策の一環として畑作物共済制度調査委員会を設置し、検討に着手してまいったわけでありますが、まず最初に、北海道における畑作物実験共済事業は、道が定めた畑作物実験共済実施基準と農共連の定めた畑作物の実験共済実施要領によりまして、昭和四十一年から四十三年の三年間実施してこられたわけですけれども、この試験実施の結果について当局はどのように評価しておられるか、経過はいいとして結論的なものをひとつ最初にお答えいただきたい。
○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘がございましたように、北海道におきましては、昭和四十一年から四十三年までの三年間、バレイショ、てん菜、大豆、アズキ、インゲンの五品目を対象にいたしまして、五支庁で百戸について金銭の受け渡しを伴う実験を行ないました。その結果は、実験初年度に冷害に見舞われた経緯もございまして、三年間で年間掛け金総額の約一・五倍に当たります三百八十八万五千円の不足金を出したわけでございます。これは主としてアズキ、インゲンの赤字によるものでございまして、バレイショ、てん菜は剰余を生じております。こういった北海道の経験に基づきまして、さらに今後より本格的な再保険のついた実験をする必要があるのではないかということで、ただいま提案している畑作物共済の実験に関する法案の御審議をわずらわしているわけでございます。
○瀬野委員 三百八十万円は赤字ということだと思うのですが、赤字が出たということについて、今後の見通しとしてはどういうように分析しておられますか。
○内村(良)政府委員 この赤字が出たというような経験にかんがみまして、北海道の畑作物につきまして北海道だけで危険分散することばやはり問題があるのではないかということで、国の再保険のついた保険を仕組む必要があるのではないかというふうに考えたわけでございます。
○瀬野委員 もう一つ、鹿児島県の南西諸島でもサトウキビに対して地域特産物の保険調査をやっておられるわけで、その一環として昭和四十五年から主として被害率の調査が行なわれたということで報告を聞いておりますけれども、この鹿児島県の南西諸島の調査結果についても最初に明らかにしていただきたいと思います。
○内村(良)政府委員 鹿児島県のサトウキビにつきましては、昭和四十五年から被害調査をやっておりますけれども、北海道の畑作共済の実験のごとく、金銭の受け渡しを伴うというような実験はやっておりません。
○瀬野委員 資料としてはどの程度いままとまっておりますか。
○内村(良)政府委員 ただいまのところ資料といたしましては、四十五、四十六年あたりの資料があるということでございます。
○瀬野委員 きのうからサトウキビの問題がいろいろ問題になったので、おそらくある程度まとまっているのではないかと思いますが、お答えがないですけれども、四十五、四十六年の分でもけっこうですから、後ほどまた資料としてお出しいただきたいと思います。現在まとまっている範囲でけっこうでございます。
 そこで、最初にお尋ねしてまいりますが、これまでかなり、先ほどから申し上げましたように、この畑作共済については長期間にわたって各種の調査検討がすでに行なわれてきたわけです。しかも試験実施が行なわれた作物もあるわけでございまして、私は、本格実施が可能な作物もあるわけであるから、一部の手直しは別として、本格実施すべきじゃないか、このような意見を持っておるのですけれども、その点についてはどういうふうに当局は検討されておられるのですか。
○内村(良)政府委員 共済制度を実施するにつきましては、まず料率ができなければならないわけでございます。それから損害評価のやり方がどうなるか、基準収量の設定がどうなるか、そういったいろいろな技術的な面につきまして、あるものについては資料を集積し、あるものにつきましては実験的あるいは試験研究等を行ないまして実施にかかる、こういうわけでございます。したがいまして、現在、ただいま先生から御指摘がございましたように、各種の調査がいろいろ過去においてございます。しかし、それをもって直ちに本格実施に移ることができるというところまで整備されておりませんので、今般さらに畑作共済につきまして実験をするという法律案を提案申し上げている次第でございます。
○瀬野委員 今回の試験実施が、さきの果樹共済の場合とは異なりまして、試験期間が法案に明記されていない、いわゆる明らかにされてございませんが、どの時点で本格実施をするというふうにお考えであるのか。昨日の北海道の長畑参考人はできるだけ早い機会に本格実施をしていただきたい、また、五年といわず、三年くらいで本格実施に踏み切るべきである、こういったことも参考人の陳述にありましたが、それでは、政府はそのめどをどういうふうに考えておられますか。
○内村(良)政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたように、今回の畑作共済の実験の法案では、実験の期間を明示しておりません。そこで、それでは一体いつから本格実施に移るのかということでございますが、果樹の場合には五年間はっきり実験をやりまして、それから本格実施に移したわけでございます。そこで、今後実験を行なっていきます過程におきまして、ただいま申し上げましたような料率の問題あるいは損害評価のやり方の問題等につきまして、本格実施に移ることができるかどうか、移る場合にはどういうことが問題になるかというような点を実験の過程を通じまして明らかにするわけでございますが、私どもといたしましても、共済制度の農業政策における重要性にかんがみまして、特に畑作物の場合、なるべく早く本格実施に移せるものは移したいという願望は強く持っておるわけでございます。しかし、繰り返して申し上げますが、共済保険制度の場合には、やはりいろいろ技術的な問題もございますので、そういった点の究明を十分にして本格実施に移したいということで、過去の蓄積がものによって違います。先生から御指摘がございましたように、北海道の畑作物につきましては相当な蓄積がございます。さらに沖繩のサトウキビにつきましても、日本に復帰する以前からかなりの調査ができている。ところが、施設園芸につきましてはあまり十分な蓄積がないということもございますので、そういった各種目の実情を十分に勘案しながら弾力的に対処したい。したがいまして、できるものはなるべく早く実施に移したいというふうに考えているわけでございます。
○瀬野委員 そうしますと、今回は六種目が指定の対象品目になっておりますけれども、弾力的に考えたいということでございますが、また、なるべく早くやりたいということもおっしゃっておりますが、この作物の中で、はっきりしたものから逐次やる、こういうふうに理解すればいいのですか。
○内村(良)政府委員 今般の実験は、北海道の畑作物、沖繩、鹿児島のサトウキビ、内地の施設園芸と、この三つの部類に分類できるのではないかと思うわけでございます。そこで、試験実施から本格実施に移ります場合にも、たとえば北海道の畑作物の中でアズキとバレイショは先にやるとか、ほかのものはあとにするとかいうことは考えておりません。本格実施に移す場合には、北海道の畑作物は一括して本格実施に移す、サトウキビはまたサトウキビとしてということでございます。それから、保険のプールの関係等もございますので、その辺のところは、本格実施に移すときにさらに検討すべき技術的な問題もいろいろあるかと思います。
○瀬野委員 そこで、畑作共済の対象品目は、御承知のように、バレイショ、てん菜、大豆、アズキ、インゲン、サトウキビ、この六種目となっておりますけれども、最近十カ年間の粗生産額においては、三倍強の伸びを示しておるというふうに報告されております。昭和四十五年には、農業粗生産額全体の一五・四%、七千百四十六億円に達している野菜類等がございまして、地域特産物としても重要な地位を占めておるわけですが、南九州におけるカンショ、または、専売品ではありますけれども葉たばこ、これはもう降ひょうなんか見ると相当問題になっておりますから、これらの問題、茶とか落花生、北海道のホップ、こういったものを今後対象として拡大すべきだという意見が強いわけですけれども、この点についてはどういうふうにお考えであるか。御承知のように、すでに兵庫県では、大根、ゴボウ等の根菜類も共済の対象としてやっている。また、トマトなんかの果菜についてもすでに共済を実施しているという実例が現にございます。葉菜についてもやってやれぬことはない、かように私は思うわけです。
 そこで、こういったものさしを、一本でなくて、もう一つものさしを考えるべきである、対象品目の選定の拡大をすべきじゃないか、こういったことも考えておるわけですけれども、この機会に政府の検討されてきた内容を御説明いただきたい。
○内村(良)政府委員 今回の畑作物共済の対象といたしましては、提案理由でも申し上げておりますように、バレイショ、てん菜、大豆、アズキ、インゲンの北海道の五品目と、さらに沖繩、鹿児島のサトウキビということに畑作物の中から選定しているわけでございます。われわれといたしましても、この畑作物共済の実験の原案をつくる際に、いろいろ検討は加えたわけでございます。
 最初に、先生からお話がございました南九州のカンショでございます。これは農林統計等で調べましてもかなりの面積を持っている。そこで、カンショもできれば対象にすべきではないかということで、いろいろ検討を加えたわけでございます。その場合に、まず問題になりましたのは、カンショにつきまして掛け金率を組み立てるような十分な被害率がはたしてあるかどうかという問題でございます。それから、現地の共済組合連合会の人々、県庁の人々に、一体保険需要というのはあるだろうかということを聞いたわけでございます。これにつきましては、まああまり農家も期待してないし、要らないのではないでしょうかというような関係者の話もあったわけでございます。というようなこともございまして、いろいろ検討を加えたわけでございますが、この際カンショははずそうじゃないかということになったわけでございます。
 それから、さらに御指摘のございましたお茶とかホップとかいう地域特産物でございます。これにつきましては、昭和四十五年から地域特産物の被害調査をやっております。現在こういったものを共済制度に仕組むほどまだデータが固まっておりません。さらに、お茶の場合は、損害評価というものが非常にむずかしいわけでございます。というのは、お茶は、御承知のとおり、数回にわたって摘採をやるわけでございますから、どの段階でどういうふうに見るかという共済金額の見方の問題その他技術的な問題もいろいろございます。そういった点も十分究明いたしたあとで、この実験の法案に加えるなら加えるというふうにしたいという段取りで考えている次第でございます。
○瀬野委員 南九州のカンショについては、それは鹿児島県庁の考えなんですか、一部の人の考えですか。私の聞いている範囲ではそうではないのですけれども、おそらく局長はだれとはおっしゃりにくいだろうと思いますが、県庁からそういうふうに正式に、あまり希望がないというようなことの意見だったのですか。
○内村(良)政府委員 文書で農林省から宮崎県、鹿児島県庁に照会したわけではございません。そういった公式なものではございませんけれども、私どもの農業共済を担当している担当官から県の担当官等に照会したということでございます。したがって、鹿児島県としての公式な意見を別に聴取したわけではございません。ただ、担当している関係者の人たちの意見は一応聴取いたしました。
○瀬野委員 こういう共済制度ですから、任意加入というようなことになりますと、有利なものは入る、有利でないものは入らないというようないろいろなことがあります。御承知のように、ことしは台風が一つも来ないのですけれども、台風等が来ますと、相当な被害も起こるし、干ばつの被害も過去にありましたけれども、特に北海道のバレイショとともに、でん粉資源として南九州の鹿児島県、宮崎県等のカライモはシラス地帯で特産物になっております。こういったものがそういうふうな受けとめ方でいいのかどうか、ちょっと私けげんでなりませんけれども、いまおっしゃった議事録を検討しましてまた現地のほうによく問い合わせをしますが、私の聞いている範囲ではそんなことではないのです。いま関係者から聞いたという範囲で、実際に県庁に正式に問い合わせるべきものでもないからやらなかったということでございますが、そういうところは農林省としてもよく関係者等県庁から正式な回答を得て返事をもらうなり、もう少し血の通った検討をしていただきたい。その辺がずいぶん欠けているのじゃないかというふうに思うわけですけれども、十分ひとつそういった点はさらに検討してもらいたいと思うのです。ここでそれだけ論議しておってもどうしようもないのですけれども、当然南九州のカライモなんかは根菜類として入れるべきである。落とすのはおかしいのじゃないかと思うのです。北海道のバレイショは入っているのに、どうして南九州のカライモ、いわゆるサツマイモが入っていないのか。これはどうも私は納得いかないのです。そういった点で十分ひとつ対象として検討してもらいたいと思うのです。
 政務次官、このことに対して私ちょっと納得いかないけれども、いま聞いておられて政務次官はどう思いますか。
○中尾政府委員 十分検討いたします。
○瀬野委員 少したよりないけれども、しっかりひとつ検討していただいて、ぜひ南九州のカンショについては早急に対象の中に入れていただきたいと思います。
 そこで、きのう私は橘参考人にいろいろ質問した際に、橘参考人の個人の考えではありましたけれども、ものさしとしてこういったいわゆる果菜、根菜類また葉菜類に対しても、点数制で換算するようにすれば野菜などもできる糸口ができるのではないか、こういった発言がありました。もちろん個人の見解でありましたけれども、かつて座長をつとめた橘参考人でありますので、私は傾聴に値すると思って聞いたわけですが、当局は検討の段階で種々検討なさったと思いますけれども、いま申し上げたような対象品目の拡大について、別なものさしをまた考えるということで、橘参考人が言われたようなこと等も検討されたか、きのう新しく聞かれて、今後、なるほどということで、検討するつもりでおられるのか、いま初めて聞かれて、こういったことも傾聴に値するというふうにお考えであるか、その点ひとつこの機会に承っておきたいと思うのです。
○内村(良)政府委員 ただいまの御質問は、新しい共済制度を考える場合に価格要素というものを織り込んだらどうかということに関連しての点数制のお話ではないかと思います。従来、関係者からも、共済制度の中に価格変動の補償というものを織り込むべきではないか、織り込んでほしいという要望がございました。現にございます。私どもといたしましても、それについては検討はいたしております。
 しかし、これは非常にむずかしい問題でございます。なぜかと申しますと、農産物の場合の価格下落というのは、天候が非常に影響がある場合が多いわけであります。その場合にはいわゆる豊作貧乏ということで、全国一律に価格が下がってしまうということで、いわゆる危険分散――保険というものはあくまで危険分散で保険するというのが保険の根本的なたてまえでございますから、そういった価格下落というものがはたして保険という制度になじむであろうかどうかという問題が一つございます。それから、保険金額あるいは共済金額の決定の際に価格を見るということになりますと、どの時点で見るかという問題がございます。たとえば収穫保険でいきますと、収穫時に損害評価をいたしまして、それによってこれだけの損害があったからこれだけ共済金を払うというやり方になるわけでございますが、特に農産物の場合には出回り期には価格が下がる、しかしだんだん価格が上がってくるというような関係がございます。そこで、どういった共済金額を設定するかという、技術的に非常にむずかしい問題がございます。
 ということで、われわれといたしましても、これは農家にとっても非常に大きな問題でございます。豊作貧乏というのは農業の上からは非常に重要な問題でございますので、そういった面に共済制度というものがある程度政策として仕組まれて、農家経済の困窮をそういった場合に救うということができれば、これは望ましいということは私ども非常に強く考えております。しかし、一方、共済保険というものは、そういう制度の技術的な制約というものもございますので、その辺の調整をどう考えるかという問題ではないかと思います。なお今後検討を続けてまいらなければならぬと思っておりますが、現段階では、これはなかなか保険制度には仕組みにくい問題であるという印象を持っております。
○瀬野委員 局長、いまの答弁を聞いていて感ずるはだざわりですけれども、かなり検討しておられる、なかなかむずかしいということで、相当突っ込んだ検討をなさったような感じを率直に受けました。御存じのように、野菜等のいろいろな問題がしばしば物価問題で取り上げられておるときでもありますが、ことしは台風がないということで、いまのところ異常天候の前兆ではないかとたいへん心配しております。まともな年でないような感じがしてなりません。いずれにしても、また天災地変でも起こりますと野菜がたいへんな問題になります。そういったことで、永久に国民の食生活に関係のある問題でありますので、こういったいわゆる対象品目の拡大ということについては、できるものから逐次、根菜、葉菜または果菜についても検討して、範囲を広げる方向で進めていただきたいということを強くお願いをしておく次第であります。
 そこで次に、園芸施設共済の加入資格のことで若干お尋ねいたしますけれども、今回の法案によりますと、五アール以上は加入資格があるということでございますけれども、政府から提出された資料等をいろいろ見ますと、園芸施設の場合は材質とか構造、こういったものが木とか竹などに集中しておるために、五アール以上というのは少なくて、五アール以下がとても多い。特に四アール程度にたくさん、表から見ますと集中しております。おおむね四アール以下が六〇%もウエートを占めております。保険掛け金率を設定してもはいれぬという人が約六〇%ということになるわけでございまして、そういうことから、材質、構造等検討をしなければならぬじゃないか、こういうふうに思うわけです。いわゆる鉄骨の場合などはまず問題にはならないと一応は思いますけれども、木とか竹とか、こういった場合は、規格が小さいために、半分以上はいれないというふうに私たちは見ているのですが、そういったものこそ共済の対象にしてやらなければかわいそうじゃないかと思うのですが、その辺はどういうふうに検討されたか、お答えいただきたい。
○内村(良)政府委員 ただいま先生から御指摘のございました問題につきましても、私ども内部でいろいろ検討してみたわけでございます。昭和四十六年の調査によりますと、園芸施設の一戸当たりの平均設置面積は、プラスチックハウスの場合には約九アール、それからガラス室の場合には約四アールという数字が出ております。そこで、加入資格を五アールにした場合のカバー率の問題でございますが、面積では約八割から九割カバーされることになります。戸数につきましては、確かに先生御指摘のように、カバー率が六割ないし七割になりまして、若干の人がはずれるという問題はございますが、保険制度であることと、それから今般やはり実験でございますので、まずこういった規模のもの、すなわち五アール以上の規模のもので実験をいたしまして、その実験の過程でやはりもう少し小さい農家も入れるべきではないかというようなことになってくれば、その辺のところは考えてみたい。要するに、共済制度で、しかも実験といえども国庫負担をやり、さらに再保険をつけるというような制度でございますので、保険利益といいますか、ということを考えれば、大体五アール以上の園芸施設をカバーできればそれでいいのではないかというふうに判断した次第でございます。
○瀬野委員 局長が何と答えるかと思ったら、やはり実験の段階ということで言われましたけれども、実験の段階であっても、四アール以下が一番ウエートが多い。それは一アール、二アールとまでいわなくても、四アール、三アールくらいまでは入れてしかるべきではなかったか、かように思って質問したわけです。面積の上では八、九割、戸数にしては六、七割とおっしゃるけれども、私の記憶では、六〇%くらいが四アール以下、こういうふうに表を見て検討したわけですけれども、少し食い違いがあるようですが、ほとんど半分以上の方が該当しない。これではせっかくの試験実施といえども問題ではないか、こういうふうに思って質問したわけです。十分そういったことを対処していただきたいと思うのです。
 もう一つは、今回の本法によりますと、三万円以上を引き受けるということになっておりますが、木とか竹とか、必ずしも安いということでもないわけでございまして、また鉄骨必ずしも高い、こういうわけでもないわけでございます。そういう場合もあるわけです。この点、施設の場合がどういうふうに評価されるか。場所によっては鉄骨よりもかえって木とか竹が高い場合もあるわけです。そういう点はどういうふうに理解すればいいか、お答えいただきたい。
○内村(良)政府委員 まず最初に、五アール以下でも相当加入規模があるのじゃないかという先生のお話でございますが、私どももそれはわかります。しかし、特に木や竹の園芸施設の場合は、まずある程度の小さい規模から始めてみて、それで大きくなっていくというようなケースが一般的ではないかということで、そういった人たちがずっと施設園芸を続けるのかどうかという問題もございますので、五アール以上くらいの規模になっていれば大体ずっとやるのではないかというようなことも、一つの考慮の背景にはございます。しかし、そのことが絶対的にそうだ、正しいというわけでは必ずしもないかと思いますけれども、そういったことも配慮したわけでございます。
 その関係で、やはり三万円以下、要するに、農家の投資が三万円以下程度のものであれば、その人が今後継続してやるかどうか、試みにやってみようというようなケースも多いのではないかというようなことで、三万円以下はこの際はずしたらどうかという考え方をしたわけでございまして、竹、木あるいは鉄骨というようなことで、竹の場合どう、鉄骨の場合どうというところまで検討したわけではございません。まあ、三万円以下程度ならばはずしてもそう問題ないのではないかというふうに考えたわけでございます。
○瀬野委員 たとえば小さい規模でやっても、換気扇なんかというものがございますね。換気扇は一万円とか二万円以上するわけでございますが、こういったものが数個あれば当然該当するというふうに理解するのか。一、二個、これにしても換気扇はかなりの額でございますので相当影響を受けるわけでございますが、そういったものはどういうふうに判断されるわけですか。
○内村(良)政府委員 一アール当たりの建設費を参考までに申し上げますと、木の場合は約五万四千円、それからパイプの場合が六万六千円というようなことになっているわけでございます。したがいまして、三万円であれば大体カバーできるのではないかというふうに考えております。
○瀬野委員 そういった付属施設といいますか、そういったものはいろいろくるめて三万円以上になればいい、こういうことですね。
○内村(良)政府委員 その付属施設でございますが、普通のハウスの付属施設として含まるべきものは当然入る、こういうことでございます。
○瀬野委員 そこで、この施設の引き受けの内容でございますけれども、施設の棟が一つずつあります。この棟は新しいけれども、中身そのものは農作物の場合あまり高くない、安いところの農作物、こういった場合は施設が新しいから高い補てんになる。今度は施設が古いけれども、中身であるところの農作物が高いものであれば補てんが高くなるのか。こういう場合が当然起きてくるわけですが、その点はどういうふうに検討されたのですか。
○内村(良)政府委員 その点はまさに先生の御指摘のとおりの問題があるわけでございます。そこで、私どもの検討の経過をいろいろお話し申し上げまして御理解いただきたいわけでございますが、この施設の共済につきましては、従来関係の団体あるいは農家の方々からも非常に要望があったわけでございますが、その場合考えられていたことは、外側だけと申しますか、施設そのものの損害だけが対象に考えられてきたわけでございます。と申しますのは、中身と申しますか、そこへ栽培されている野菜、花等考えました場合に、非常に種類が多い。それから、外と違いまして、中の場合には同じものについて生育段階が違うという問題、それからいろいろな技術的な問題がそこにございますので、とても施設の中身の野菜だとか花等について共済をやることは、これはなかなかむずかしいのではないかというような考え方が従来支配的だったわけでございます。ところが、私どもといたしましては、こういった園芸施設についての共済制度をやる以上はやはり中身も考えなければならない。たとえば風が吹いてビニールが全部すっ飛んでしまった。その場合ビニール自体の被害はたいしたことはなくても、そこで野菜が全部やられてしまったというようなケースもあるのではないか。それを全然見ないというのはやはり問題があるのではないかというふうに考えまして、何とか内容物もひとつ共済の対象にしたいということで、いろいろ検討したわけでございます。ところが、これはもう非常に技術的に複雑な問題がございまして、いわゆるそれ自体、中身そのものとして考えれば、これはもうとても不可能だというような感じになったわけでございます。いずれにしても、しかし、これは中もやりたいというところから、共済金額については施設の〇・二五、これは若干の係数的な整理をいたしまして生産費等から見て大体こんな線にいくのではないか、計算の基礎はもちろんあるわけでございますけれども。ということで、〇・二五という数字を出したわけでございます。
 そこで、ただいま先生からお話がございましたように、外のが新しい。したがって、共済金額が高い、〇・二五になりますから。そして内容のものは非常に安いものをつくっておる。ところが、施設は非常に古くなっておる、そこで、施設そのものの共済金額は安い。しかし、内容は非常に高価なものをつくっておるという場合には、〇・二五では保険が不足するのではないかという危険は起こり得ると思います。そういうこともいろいろ考えまして、そういった矛盾は何とかないようにしたいということでいろいろ考えたわけでございますが、現在のところ、共済という手法を使う限りにおいては、今般提案をしておるような程度のことしか内容についてはできないということで、実験法案としてただいま御提案申し上げておるような方式を出しておるわけでございますが、なお実験の過程を通じまして、いまわれわれは非常にむずかしいと思っている問題につきましても、十分真剣に取り組みまして、よりいい方法ができれば、それを探求していきたい。しかし、現在のところは、まあその辺からスタートをして、いろいろやってみて、いろいろの問題が出てくると思います。そういった問題に取り組みながら、なお改善できるものについては改善したいということで、今般の法律案を御提案申し上げた次第でございまして、その点につきましては、今回の法律案をつくりますときに、われわれが一番苦心し、悩んだ点でございます。
○瀬野委員 いまのに関連してついでにお聞きしておきますが、そうすると、いまの点は確かに苦労されたことはよくわかりました。そうすると、むねごとに考える。こういうふうに大体考えておられますか。
○内村(良)政府委員 引き受けは一棟一棟でやるつもりでございます。
○瀬野委員 そういうように明快に答えていただくと、こちらもすかっとしてけっこうでございます。
 それで、あと若干はしょって聞きますが、共済責任期間が、今回の法案によっては原則として一年間となっておりますけれども、すなわち、発芽期から収穫期まで、こういうふうに明示されておりますが、昨日長畑参考人にいろいろ私、質問した際に、陳述がございまして、長畑参考人からは、ビート、バレイショは問題ないが――これはたしか昨年、おととしとわれわれも冷害調査に行って現地をいろいろ見てきました。非常に実感として冷害にも相当強いということを見てきまして、うなずけるわけですが、発芽期前の風害というものがたいへん問題である。これが相当被害を受ける。こういった問題についてどうとらえるか、これが一つの問題になっておるが、あくまでも本法案によると、発芽期から収穫期となっておる、しかも一年となっておるから、これはどういうふうに扱われるのか、ぜひ発芽期以前の風害等についてもこの対象に入れてもらいたいという参考人からの強い陳述がございましたが、この点についての御見解を承りたい。
○内村(良)政府委員 この問題につきましては、先般島田先生からも御質問がございまして、私どもも、北海道の一部の地域において、種をまいてからすぐ風で飛ばされてしまう、相当ひどい風害があるという事実は承知しております。
 そこで、この点どう解決するかということも非常にむずかしい問題でございます。と申しますのは、なぜ発芽期からということにしているかと申しますと、種をまいてから風で飛ばされたという場合には、また種をまき直すことができるわけでございます。そこで、現在の共済制度は、収穫期に収穫物によって損害評価をするということになっておりまして、そこで被保険利益をカバーしていこうという考え方をとっておるわけでございます。そこで、一ぺん種をまいたものが風で飛ばされる、まき直すという場合には、多少収量が減るかもしれない。あるいは、場合によっては平年作並みの収穫がある。しかし、種をまき直したというコストは現実にかかって、農家の負担になっておるという現実は確かにあるわけでございます。
 そこで、これをいまの共済制度の中でどう解決していくかということは、これまた非常にむずかしい問題でございます。そこで、現在の共済制度は、種をまき直すというものについては、経費はかかるけれども、まあある程度農家の負担し得る範囲内の金額じゃないかという考え方に立ってできているわけでございますが、非常に大規模に、全部種を吹き飛ばされてしまうという場合には、農家も相当な損失になるということもあると思います。そこで、そういった問題を共済という方式の中でどういうふうに解決するかということは、今後われわれが検討しなければならぬ問題でございまして、現在のところ、こういうふうにするということは、技術的になかなかむずかしい問題があるわけでございます。
○瀬野委員 昨日の参考人の話では、これが一番問題である、発芽以後よりもむしろ発芽期以前の問題がたいへんだということで、強い要請があったわけですが、まあ試験実施のときでもあるからといえばそれまでですけれども、十分検討され、認識しておられるようでございますので、引き続き、せっかくの共済制度の発足にあたるわけでございますので、北海道の要望にもこたえて、ひとつ十分検討をしていただきたい、こう思います。
 もう一つは、北と南の果てになりますが、沖繩のほうでも一つ問題がございますので、この機会にお聞きしておきます。
 サトウキビを永年作物として見得るかどうかという問題ですね。結論は、私は、これはぜひ格差をつけてもらいたいということが私の要求ですけれども、御存じのように、サトウキビは三月ないし四月が春植え、また七月ないし八月が夏植えといって、これは沖繩では新値といっているわけですね。それで翌年十二月に刈り取る。新稿の場合、株出しといいまして、これらはいずれも耕作の費用はあまり変わらないわけですが、株出しをして植えつける、こういう作付の方法をやっているわけです。沖繩ではこういったことが長年行なわれて、すでに植えたものが、二年も三年も永年作物としていわゆる収穫をしているものもたくさんあるわけです。そういった現状を見まして、おそらく局長も見ておられると思いますが、こういったものが、一年ということになれば、制限を受けることになるという感じを受けるのですが、こういった株分け、こういったことについてどういうふうに対象に入るのかどうか、どういうふうにお考えだろうか、この点を明らかにしていただきたいと思うのです。
○内村(良)政府委員 サトウキビの引き受けにつきましては、ただいま先生から御指摘がございました春植え、夏植え、株出し、この三つについては、それぞれ引き受けを三つに分けてやりたいと思っております。
 それから、基準収量の設定等についても、そういった点を十分考慮して合理的な基準収量が設定できるようにしたいということで、目下鋭意検討している段階でございます。その場合、農家単位一本で引き受けることになるわけでございます。――ただいまの点、ちょっと修正申し上げます。基準収量につきまして、三つ別々にいたしまして、引き受けは農家単位で引き受けるわけでございますから、一本にして引き受ける、こういうことになるわけでございます。したがいまして、基準収量が別々になっていれば、ちゃんとそれぞれの実態に応じて補償を受けられるわけでございますから、引き受けということばを申し上げましたけれども、それは間違いでございまして、基準収量は別々であって、引き受けは農家単位で引き受ける、こういう形でございます。訂正いたします。
○瀬野委員 その点は了解しました。
 次は、加入資格の問題です。本法四条の加入資格については、昨日北海道のこれまた長畑参考人は、当然加入にしていただきたい、規格が小さいものは、現在は任意加入とするも、将来は当然加入にしていったらどうだろうか、こういうような意見がありまして、なるほど現地の団体、また生産者はそういうふうなお考えかなと思って、私もこの問題についてはかねがね、共済の制度から危険負担をして分散をしていくということを考えますと、当然加入ということで考えられるべきである、かように思っておったわけですけれども、政府は生産地における団体との意見調整その他いろいろやってこられたと思いますけれども、参考人はそういうふうにおっしゃいました。私もそういうふうな考えを持っておったのですが、きのう参考人の話で明確になってきたんだけれども、政府の見解はどうですか。
○内村(良)政府委員 この制度の原案をつくります際には、いろいろ関係団体とも話したわけでございます。その場合に、畑作共済については当然加入制度をとったらどうかという意見が確かにございました。しかしながら、私どもは、現在の段階でこういった畑作共済の実験を進める場合に、当然加入ということになりますと、特別議決があった場合に、そこに住んでいる農家は反対であっても加入しなければならぬ、こういうことになるわけでございます。そこまでやって実験をやる必要があるかどうかという点をいろいろ判断いたしまして、任意加入で実験をしてみたい。と申しますのは、こういった実験をいたします以上、有効な保険需要はどれくらいあるかということの測定も一つの実験の目的の中に入るわけでございます。そういったこともございまして、任意加入でこれを実験したいというふうにきめたわけでございます。
○瀬野委員 なるほど実験の段階では一応任意加入でいかなければということはうなずけます。
 そこで、将来のこともあわせてお伺いするのですが、そうしますと、えてしていやな者は入らない、また入りたい者は喜んで入るというふうな結果になりかねない。すなわち、農家の逆選択方式ということになるわけでございますね。そういう点はどういうふうに見通されておりますか。
○内村(良)政府委員 御承知のとおり、農作物、蚕繭は強制加入になっているわけでございます。そこで、任意加入の作物保険というものを考えた場合に、常襲災害地というようなものがあるのではないか、そういうところはみんな入ってしまう、それからほとんど災害のないところがある、そういうところは入らないということで、逆選択が起こって保険の経理が崩壊するおそれがあるというようなことがよくいわれたわけでございます。ところが、確かに常襲被害というようなものが全然ないわけではございませんけれども、何といいましても、農作物の場合には自然を相手の仕事でございますから、ある程度の災害というものは、たとえほとんど被害がないというようなところでもあるということはあるわけでございます。さらに料率を仕組みます場合には、過去の被害率というものを基礎にしてやるわけでございますから、いろいろ考えてみた場合には、それほど逆選択の心配はないんじゃないかというふうに考えたわけでございます。現に果樹につきましては、任意加入の果樹保険というものが本格実施に入っているわけでございます。そこで、当初任意加入制度の作物保険というものを考えた場合に、相当な逆選択が起こるのではないかというような心配があったわけでございますが、過去の果樹の実験の結果、それから最近のような動向を考えてみますと、それほど逆選択の心配はないのじゃないかというふうに考えられるわけでございます。
 それから、今般の畑作物共済につきましては、北海道のものについては、その農家が加入する以上、五作物は全部一括加入してもらうというたてまえにしておりますし、まず逆選択の心配というものはあまりないのじゃないかというふうに考えております。
○瀬野委員 その点は了解しました。
 次に、加入条件の問題を若干お聞きしておきますけれども、法人と個人の場合、いろいろ競合するというような問題が起きてくるわけですけれども、法人の場合、契約したいというようなものはどういうふうにお考えでございますか。
○内村(良)政府委員 今般の畑作共済の実験は、いわゆる組合員関係というものを前提にしておりませんから、法人でも加入できるわけでございます。ただ、法人で非常に大きな施設園芸をやっておるというようなものが入ってきた場合に、それに全部掛け金の国庫負担をするということはちょっと問題があると思いますので、国庫負担の限度につきましては、ある程度の限界を設けたいということを考えておりますけれども、法人も加入できるわけでございます。
○瀬野委員 法人は加入できるとなれば、個々の農家ですね、同じ農地で働きながら、片や法人、片や個々の農家、同じところで働きながら片っ方は共済の対象、片っ方はならないというようなことが起きてくるわけだと思うのですが、その点はどうですか。どういうふうに理解すればいいですか。
○内村(良)政府委員 その点は、先ほど御質問ございましたいわゆる加入資格の問題に基づくものだと思いますが、私どもといたしましては、先ほど申しましたカバー率、それから現実の必要性から見て、五アールという線で施設園芸農家としてやっていこうという人は大体カバーできるのではないかというように考えておりまして、確かに現象的には、先生の御指摘になったような事態が起こると思いますけれども、それではそういった加入外になった農家が非常に不満を持つかという点につきましては、なお私どもとしても十分検討しなければならぬ問題があるとは思いますが、とりあえずは、五アールで実験をしてスタートしていきたいと考えておるわけでございます。
○瀬野委員 もう一つ、これに関連して、作付基準のことで私ども理解できない問題なんですけれども、こういう機会にお尋ねしておきたいと思うのです。
 政府は、作付条件を基準として加入条件をつくるように法案では考えておられるようでありますが、こまかいことは政令その他で検討していかれるというように理解しておりますけれども、豆類等については五〇%以上つくれば高い率でもらえる。ところが、政府は、いま減反政策によっていわゆる輪作体系というようなことから、牧草等をやった場合はこれは引き受けの対象にならぬ、いわゆる政府の方針によってやったことが実際は引き受けの対象にならぬ、こういう矛盾が起きてくるようなことになりやしないかというようにも思うのですが、私の質問がおわかりかどうかわかりませんが、その辺のところをおわかりであれば、お答えをいただきたいと思うのです。
    〔委員長退席、藤本委員長代理着席〕
○内村(良)政府委員 ただいまの先生の御指摘の点、非常によく理解できるわけであります。なぜある程度の輪作体系をとっている農家の加入のときにそういう条件をつけるかと申しますと、御承知のとおり、畑作の場合には輪作が非常に大事でございます。合理的な輪作体系を組んでいけば安定した経営ができる。それを現金がほしいといいますか、特に高収益をねらって豆類、アズキを非常にふやすというようなことになりますと、非常に冷害の影響を受ける。その場合に合理的な輪作体系をつくっていけば、そういった冷害の場合にも安定した経営が維持できるというような点があることは申し上げるまでもないことでございます。したがいまして、こういった制度を運用するにあたりまして、合理的な輪作体系を農家にやってもらうということが必要だということで、ある程度加入の条件としてそういった基準を示したいというふうに考えておるわけでございます。これにつきましては、地域により、また土壌等によって条件も違いますので、そういう点はこまかく検討して、合理的な基準をつくりたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、牧草をなぜ入れないのかということでございます。これは今後北海道における酪農の発展等を考えた場合に、牧草は非常に重要な問題でございます。この点についても輪作の中に入ってきている場合もございますので、私どもいろいろ検討したわけでございますが、損害評価ができるかどうかという技術的な問題がございます。そこで、そういう点を十分詰めて、今後必要があれば加えていきたいというふうに考えておりますが、現在では、損害評価については十分なる見通しの立てるところまで検討が進んでおらない状況でございます。
○瀬野委員 昨年北海道に参りましたときには、冷害のときに、牧草の一番草と三番草はおのずから収量が違うことは当然でありますけれども、損害額については十アール当たり幾らといって、現地では明示していろいろわれわれに陳情がございましたが、その辺はむずかしいかなと思うのですけれども、ここで詳しく論議する資料も持ち合わせませんが、その点十分配慮していただかないと、北海道なんかではたいへん広大な面積に冷害またはいろいろな災害で害を受けまして、相当影響が大きい。累積負債がかなりたくさんかさんでおりますので、十分こういったことを検討していただかなければ、真のこの共済の立法精神にもとると思うのです。そういった点、十分なる検討をお願いしたい、かように思うのです。
 そこで、十条の共済金額の問題ですが、農林省は十年というひとつの年数をとって上限、下限を削って中庸の何年かをとるというような考え方のようでございますが、私は平均値をとる場合は、災害のあった年は当然これは除くべきである、こういうふうに思うわけです。また基準収穫量、そういった点から十分検討しなければ十分な共済の割り当てができないのじゃないか、こう私は思ってこの法案を検討してみたんですが、少なくとも七年ないし五年、その中から三年ないし五年ぐらいは見るとか、災害の年を除く、こういうようなことで基準収穫量をとるべきではないか、こういうふうに私は考えておるんですけれども、その点はどういうふうに検討されたか、お答えをいただきたいと思います。
○内村(良)政府委員 第十条の共済金額の点でございますが、指定畑作物にかかわる収穫物の単位当たり価格でございます。このとり方でございますが、てん菜、サトウキビ、大豆等行政価格のあるものは行政価格をとりたい。そこで、アズキ、インゲンは行政価格がないわけでございます。そこで、この行政価格のないものにつきましては、農家の庭先価格の五年間の中庸三年をとりたいというふうに考えておりまして、その統計は何でとるのかと申しますと、農林省の統計情報部の物財統計によってこれをとりたいというふうに考えております。そこで、行政価格の場合には、大体パリティとかあるいは生産費というものを基礎にしてきめられますので、年々上がっていくというようなことに現実がなっているわけでございます。そこで、最近時の行政価格をとる、それからないものは、特にアズキの場合には非常に価格の変動があるわけでございます。そこで、これについてはやはり五年間の中庸三カ年というようなことで一応価格をとりたいというふうに考えております。これは、基準収量を乗じたもの、さらにそれに政令で定める率を乗じたものが共済金額になるわけでございます。
 まず基準収穫量でございますが、これは過去七年中の五年間、すなわち最高、最低を除いた五年平均の数字によりたいと思っておりますが、てん菜、バレイショ等につきましては、最近非常に収量が伸びておりますので、そういったもので基準収穫量をきめると非常に現実離れがする。すなわち農家の被保険利益が減ってしまうということでございますので、これにつきましては、最近の生産の伸びというものを、反収の伸びというものの趨勢値等から判断いたしまして、修正したいというふうに考えておるわけでございます。
 そこで、この収穫物の単位当たり価格に基準収量を乗じ、さらに政令で定める率六割を乗じて得た金額が共済金額となりまして、さらにその中で共済契約で六割と四割の範囲内で農家が選択する、こういうことになるわけでございます。
    〔藤本委員長代理退席、委員長着席〕
○瀬野委員 最後に、畑作物の共済及び園芸施設共済の責任分担の問題で二、三点お聞きしたいと思います。
 まず今回の畑作共済の場合は、組合側が一割、連合会が三〇%、政府が七〇%で、連合会と政府で約九割、通常部分が組合側が一割で連合会が九割、こういうようになっております。異常部分は、先ほど申しましたように、組合が一割で連合会が三割、政府が七割、また園芸施設共済のほうは、通常部分が組合側が一割で連合会が九割、異常部分が組合側が一割で連合会が三〇%、政府が七〇%、したがって連合会と政府で九割、こういうふうになっておるようでありますが、このような仕組みで当局はだいじょうぶと思っておられるか。赤字が出たならば、どういうふうにするのか、この点をお答えいただきたい。
○内村(良)政府委員 ただいま先生から御指摘がありましたようなやり方で実験を進めたいと思っておるわけでございます。
 そこで、これは共済保険制度でございますから、もちろん赤字が出るということは考えられるわけでございます。あるいは逆に黒字が出ることももちろんあり得るわけでございます。今後実験を進めていく過程において、本格実施に移そうという段階で、赤字が出ていくか黒字が出ていくかということについては、現在予測ができないわけでございます。そこで、赤字が出ました場合におきましては、その際、本格実施に移る際にどのように措置するか具体的に検討したい、こういうふうに考えております。
○瀬野委員 黒字が出る場合もあるわけですが、その場合も同じことでしょうか。黒字が相当大きく出ると思うのですが。
○内村(良)政府委員 その場合も、具体的にどうするかということはその時点で考えるわけでございますが、非常に黒字が出たという場合には、無事戻しと申しますか、その黒字部分の相当部分を農家に返す、組合員に返すことも考えるべきではないかというふうに考えております。
○瀬野委員 全国的に危険分散するという考え方からいけば、いま申しました通常部分、畑作物共済もそれから園芸施設共済の場合も、通常部分については政府は再保険を考えるべきではないか、このように思うのですが、そういったこともあわせ検討しておられますか。
○内村(良)政府委員 保険のやり方といたしまして、通常危険分散ができる範囲のものは連合会の責任ということで、連合会の責任になっております。それから、園芸共済の場合には、保険責任を五対五で分けているわけでございまして、その場合には通常という考え方は入ってないやり方になっております。
○瀬野委員 そこで、その通常部分は組合が一割、連合会が九割となっています。当然これは政府が再保険を行なうということにしないと相当無理がくるんじゃないか、こういうふうに思うのですが、その辺もっとあたたかい手当てをしていただきたいと思うのですが、そういうお考えはないのですか。
○内村(良)政府委員 全体の被害を、まず被害率を基礎にして掛け金率を出しまして、そこで保険にそれを仕組む場合に、通常大体この程度のものは、長期均衡で考えれば、連合会としてそう無理なく責任を果たせるというものは通常部分で連合会の責任とし、さらに、これはとても大きな災害その他があって、連合会の責任ではできないというものを、異常部分を国が再保険するという仕組みになっております。大体いまの仕組み自体が先生のお話のようになっているのではないかと思います。
○瀬野委員 局長のおっしゃることはわかりますが、私の言うことは深くわかっていただけないようですが、それはもう時間があとわずかしかございませんので、別途お聞きすることにします。
 それでは関連してお聞きしておきますが、果樹共済の場合、いまだにはっきりしていないのではないかと思うのですが、赤字が出たならばどうするかという決着をつけていないように私は思うのです。この点はどういうふうになっておりますか参考にお聞かせいただきたい。
○内村(良)政府委員 果樹共済につきましては、ただいま先生から御指摘がございましたように、黒字が出ている県と赤字が出ている県がございます。そこで、赤字が出ている県についてこれをどうするかという問題でございますが、これは果樹共済が最終的に実験が終了した段階で検討しなければならぬ問題でございまして、ただいまのところこうするのだということの明確な結論はいまだ出しておりません。
○瀬野委員 いつごろ出すようになりますか。
○内村(良)政府委員 時期といたしましては、四十八年産が終わった段階で検討する、こういうことになるわけでございます。たとえばミカンはことしの秋が収穫期でございますから、それが終わった段階で最終的に収支をまとめてどうするかということを検討することになると思います。
○瀬野委員 果樹共済の場合は、いま御答弁がありましたように、赤字県と黒字県と出ているわけですね。常襲災害地帯とそうでないところといろいろあるわけですから当然うなづけますけれども、今度の畑作物共済の場合も同じようなことが言えるのじゃないかと思って心配しております。きのう北海道の長畑参考人にいろいろ質問した際に陳述がございましたが、先ほど申しました畑作物共済、園芸施設共済についても、継続して長い目で保険収支の中でいろいろと考えていただきたいというようなことを言っておられましたが、その点はどうですか。
○内村(良)政府委員 共済保険制度は、一応長期均衡ということを前提にして制度が仕組まれておりますので、長期均衡の中でその措置を考えるということは、もちろん一つの考え方として当然あるわけでございます。
○瀬野委員 畑作物共済、園芸施設共済、これに対して事務費の問題が一つあるのですけれども、必要とする事務費については、これは連合会に迷惑をかけずに当然国でこれを負担する、こういうふうに理解しておるのですが、そういうふうに考えておられますか。
○内村(良)政府委員 この実験は、国会の御審議をいただいて法律となりました場合は、私どもは四十九年から実験を始めたいと思っておるわけでございます。
 そこで、その場合の事務費補助をどうするかというのは、四十九年の予算から問題になるわけでございますけれども、私どもいたしましては、この実験に要する標準事務費につきましては、果樹共済の場合と同様大蔵省に要求し、それを予算としてつけてもらわなければならないというふうに考えております。
○瀬野委員 中尾政務次官に最後にひとつお聞きします。
 いままでいろいろ論議をしてまいりましたが、税金の問題でございます。今度の制度では農業共済全体として税金がかかってくるのはおかしい、こういうふうにかねがね思っているわけですけれども、たとえば家畜とか樹体、こういったものにしても、これはいわば事業資材といいますか事業資産というような解釈ができるのじゃないかと思うのですけれども、自分でかけて、たなおろし資産に課税される、こういうようなことになりますと、保険の意味がないじゃないかという総体的な論議があるわけでございます。対大蔵折衝は農林省はしっかりやっていただいておると思いますが、との税金の問題について大蔵省とどういうふうに折衝しておられるか。共済金と税金のかかわり合い、こういったことについて全体的にも大きな問題だと思うのですが、どういうふうに交渉しておられるか、説明をお伺いしたい。また農林省の対策はどういうふうに今後お考えであるか。
 最後に、政務次官から、農民のために、ぜひ農民の要望を聞いてやるためにどうしていったらよいか、お答えいただきたいと思います。
○中尾政府委員 共済問題は非常に複雑な問題の要素がございまして、担当官でありまする内村経済局長から明快に答えさせます。
○内村(良)政府委員 まず最初に、農災法に基づく共済金の所得税法上の扱いの現状がどうなっているかということを申し上げたいと思います。
 家畜共済、果樹のうちの樹体共済、建物などの任意共済の共済金は非課税ということになっております。それに対しまして、農作物共済、蚕繭共済、果樹共済のうちの収穫共済にかかるものは課税対象となっておりまして、同じ農災法に基づく共済金であっても、その取り扱いが違っているわけでございます。これは前者のすなわち家畜共済、果樹共済のうちの樹体共済、任意共済の共済金、すなわちこれは建物でございますが、事業用の資産の減損による損失の補てんをするものもあるので、事業所得には算入されずに非課税とされているわけでございます。これに対しまして、いわゆる作物保険の共済金は、事業所得にかかわるたなおろし資産の損失について支払われるべきもので、所得にかかる性格を有するものというふうに税法上解釈されておりまして、課税対象になっているわけでございます。
 こういった問題がございますので、われわれといたしましては、いろいろ毎年、翌年の税制について大蔵省と話し合います場合に、こういった点も指摘はしているわけでございますけれども、税理論上の考え方は大体申し上げたような考え方になっておりますので、他とのバランスもいろいろあるということで、なかなかこの問題の解決は容易でない、すなわち困難であるということで、まあ税金の話でございますから、やはり税法の体系の問題がございまして、これだけというわけにはなかなかいかないという問題でございます。
○瀬野委員 以上で質問を終わりますが、政務次官、先ほどから論議してきましたが、締めくくりとして、今回の六品目以外の葉菜、果菜、根菜、こういう野菜類等について、さらには今後新種保険等も肉豚あるいは鶏の新種共済等もだいぶ考えられておりますが、こういったことはぜひひとつ今後のために早く共済対象になるように努力してもらいたい、こう思うのですが、政務次官から農林大臣にかわって今後の決意をお伺いして、質問を終わりと思います。
○中尾政府委員 瀬野先生の御指摘のとおり、この問題には鋭意努力をして取り組んでいきたい、こういう考えを持っております。
○瀬野委員 以上で終わります。
○佐々木委員長 稲富稜人君。
○稲富委員 私は実は農林大臣にきょうは質問したいと思っておったのでございますが、大臣が御出席できないそうでございますので、あるいはかわって次官から答弁願うかと思いますが、失礼ですけれども、不十分だった場合は、それは大臣に伝えていただいて、いつか時期を見て大臣からまた御答弁を願うことといたしまして、それに対してまた私は質問することにして、いささか私の持ち時間を留保しておきたいと思いますので、さようひとつ御了承願いたいと思います。
 最初に、実はこれも大臣にお尋ねしたい問題でございましたが、私たちの委員会において常に附帯決議というのがつけられます。この附帯決議というものに対して常に大臣は、附帯決議の御意思は十分尊重いたしますということは言われるのでございますが、はたしてどのくらい尊重されるという御意思があるのか。これいかんによっては、私は何も質問いたしません。なぜこういうことを申し上げるかというと、かつての果樹保険の臨時措置法ができました当時に附帯決議をいたしまして、その附帯決議は自民、社会、民社、公明四党共同提案で、その中に、第一に「試験実施対象果樹として、かきその他果樹農業振興特別措置法適用対象果樹を追加することを検討すること。」ということになっております。これがどういう検討をされたのであるか。さらに、農業共済基金法の一部を改正する法案に対する附帯決議、その場合に、やはり第一に「果樹共済の対象果樹については、かき、くりその他の果樹農業振興特別措置法の適用対象果樹についてもその実態に応じて所要の調査等を行ない、可及的すみやかに対象に加えること。」となっております。ところが、カキというものはまだ加わっておりません。こういうような附帯決議をもう二回もされておるにもかかわらず、どういうような検討をされて、また、なぜカキがこの対象に今日までやられていないのか、その点を承ると同時に、いま申しましたように、この附帯決議をどれほど尊重する御意思があるかということを承りたい。
○中尾政府委員 稲富先生の御質問にお答えいたします。
 いまからの御質問に対しまして、この共済問題、まことに専門的な問題になってまいりました場合、これはまたひとつ局長にも答えていただくという立場があろうかと思いますが、大臣におきましても、この附帯決議の問題につきましても、おそらくこの意思は十分尊重するという、言い方はいささかもう慣用語的で、先生方におかれましても食傷ぎみであろうかと感ずるのでございます。しかし、何と申しますか、国会の附帯決議につきましては、あくまでも政府といたしましては十分尊重してその実現につとめてまいっているところである、こうお答えする以外にはないわけでございます。
 先ほどのカキの問題でございますけれども、カキを果樹共済の対象にすることにつきましては、保険設計上必要な資料が十分でなかったこともございまして、しばらく見合わせることにしておったわけでございます。しかし、当委員会の御決議の趣旨もございますので、関係県とも連絡をとりまして必要な資料の整備につとめているところでございます。共済事業の動向を見ながら、損害の評価の方法等もあわせて検討いたしまして、できるだけ早急に結論を得るようにしていきたい、このように考えておる次第でございます。この点、また大臣も答弁をおそらくなさるかと思いますけれども、そのような御趣旨に御解釈を願えればありがたいと思う次第でございます。
○稲富委員 実は、カキの対象の問題でございますが、もうすでに昨年もひょうの被害をこうむりまして非常に困ったという事実があります。これに対しては、ただいま次官からも御答弁があったのでございますが、事務的段階で可及的すみやかに実行するよう進められているということでございますが、これは局長からでけっこうでございますから、できるだけ早く実施して、そして対象としてこれを取り扱う、こういうことで、もう収穫期も来るのでございますから、その点ひとつ事務的な問題が済みさえすれば、いまの次官の答弁でも大体実施に移そうというような実情のようでございますので、その点をいかに処置されるか、事務的段階においてひとつ御答弁をお願いしたいと思うのでございます。
○内村(良)政府委員 ただいま政務次官から御答弁もございましたけれども、共済制度でございますから、共済を仕組むのに必要なまず被害率の調査をして、掛け金率をつくらないと共済制度はできないわけでございます。そこで、被害率の調査につきましては、農林省が四十二年から新潟県、岐阜県、愛知県、奈良県、福岡県、この五県につきまして被害率の調査をしております。この被害率の調査、四十七年までの調査がまだまとまっておりません。そこで、こういった被害率調査がまとまり、それから損害評価のやり方等について関係者の意見等も十分聞き、検討した結果、これが可能であるということになれば、すみやかに加えるようにいたしたいというふうに考えている次第でございます。
○稲富委員 次にお尋ねしたいと思いますのは、今回の試験実施にあたりまして、これは、私が見落としておるかもしれませんが、私の見落としだったらひとつお教え願いたいと思いますが、元来この試験実施の期間というものは五カ年間という年限を切ってやっておるのでございますが、今回はどう見ましても年限をきめてないように私は思います。昨日参考人の御意見等を聞きますと、実施は三カ年にして、早くしてもらいたいという希望もあります。あるいはまた、後ほどお尋ねいたしますが、園芸施設共済等の問題はなかなか複雑な問題で、これは相当の試験期間が要りはせぬかと思いますが、そういう両面があるから、あるいは年限をきめないで、早いものは早くやるという御意思ではないかとも、善意に解釈すれば、そういうふうに考えられます。また、考え方によっては、この試験実施によっていつまでも持っていくのではないかということも考えられる。この点いかなるお考えで年限をきめられていないのか。きまっておりましたら、私が見落としたのでありますから、お許し願いたいと思いますが、この点お答え願いたいと思います。
○内村(良)政府委員 先生の御指摘のとおり、法律上試験期間は明示しておりません。それは、畑作物共済と園芸施設共済が一本になっておるとか、いろいろ保険技術上解明しなければならぬ問題があるからでございます。畑作物共済につきましても、北海道の場合にはすでに道庁が中心になりまして四十三年から四十五年まで現実にお金の引き渡しを伴う実験――これは戸数が非常に少ないわけでございますが、そういうケースもございますし、それから昭和三十年代の初めごろからいろいろ問題になって、被害額等の蓄積されたデータもございます。さらに、沖繩のサトウキビにつきましては、これは昭和三十八年ごろからの調査もございます。施設園芸につきましては、これまでは施設園芸の外側だけを補償するいわば任意共済の建物に近いような形での施設共済も若干ございます。そういうことで、いろいろ違いはございます。さらに保険技術上も解明しなければならぬ問題がございますので、試験期間を法律上明示しなかったわけでございますが、早くできるものにつきましては、できるだけ早く実施に移すということで、弾力的な取り扱いをしたいというふうに考えているわけでございます。一応のめどといたしましては、果樹は五年程度は必要ではないかと思っておりますけれども、実験の推移を見ながら弾力的に考えるべきではないかという考え方から、法律上は期間を明示しなかった次第でございます。
○稲富委員 それでは、すでに今日まで試験研究をやられた北海道の畑作あるいは沖繩の問題等に対しましては、現地におきましてもこれが実施は早めてもらいたいという希望があります。またこの点は十分いろいろな研究の結果も出ておると思いますから、そういう意思で、この実施期間についてはきめてなかったとするならば、こういう地方においては五年を待たずしてあるいは三年ぐらいでも早く実施する、こういうことを取り計らわれることが非常にいいのではないかと私は思うのでございますが、これに対してのお考えを承りたいと思うのであります。
○中尾政府委員 先生の御趣旨に沿いまして、十分検討を続けたいと思っております。
○稲富委員 次に、園芸施設共済の問題についてお尋ねしたいと思うのでございますが、この問題では先刻瀬野委員もるる御質問しておられたので、私は詳細にわたってはお尋ねいたしませんが、ただ、園芸施設共済に対して考えますことは、施設に対して、この材料等が、あるいは竹であるとか、あるいは同じ材木を使っても古い材木とか、いろいろありましょうから、やはり何か規格というものを指導するとか、きめる必要があるのではないか、こういうことも一応考えられるわけでございますが、この点は、ただ野放しにして、ただできたものが三万円の場合は、入り用ならば共済の対象にするのだ、こういうことでなしに、何か規格をきめる必要があるのではないかと思うのでございますが、いかがでございますか。
○内村(良)政府委員 その点につきましては、先生の御指摘のとおり、規格については十分これを研究してやらなければならぬと思いますし、法律上も関係業者からの報告に従ってそれによって定めるというような措置をとっておるわけでございます。
○稲富委員 さらにここで問題になりますのは、その園芸施設の場合、内容農作物を含めてあるということなんです。これは非常にむずかしい問題だと思うのです。なぜならば、先刻もこれは局長からも御答弁があったのでございますが、内容農作物は非常に雑多な種類があるということ、それから収穫期というものが一定してないということ、それから植えつけてそれがまだ収穫期にならないまでに被害をこうむった、あるいは収穫期直前に被害をこうむった、こういう問題があって、非常に損害の評価等にも問題があると私は思うのです。さらにこれは非常に急を要する問題である。そうすると、この損害評価に対する人件費というものが非常に要るんじゃないかということも考えられます。これは非常に複雑多岐のものであると思うのでございますが、これに対する見通しというものはどういうふうにお考えになっているか、伺いたいと思います。
○内村(良)政府委員 その点も御指摘のとおりでございまして、そういった園芸施設の共済の実験をやるという場合には、損害評価等の面について十分なる熟練なり経験を有する専門家が必要になってくるわけでございます。その点につきましては、共済団体には、先生御承知のとおり、いわゆる任意共済がございまして、建物についての共済は長い間の経験を持っておるわけでございます。そういった人たちの知識、それからさらに新しい問題につきましては講習会等を十分開きまして、そういった面についての人材の養成等には遺憾ないように処置しなければ、この事業はなかなかうまくいかないのではないか、そういった人たちが育ってこないと本格実施もできないということもございますので、実験の過程でそういった人材の養成ということには十分配意してやりたいと思いますが、すでに任意共済を長い間やっておりますので、ある程度の基礎的なものはそこにあると考えておるわけでございます。
○稲富委員 それから次にお尋ねしたいのは、これは先刻瀬野委員から申し上げたのでありますが、果樹共済に対して昨年度の試験実施中の損害の問題、赤字の問題でございます。これは先刻から、本年度の収穫期になってそれを決定するのだということでございましたが、今回また試験に入るわけでございますが、各県連に持たせる損害というものに対しても何とか示しておいていただかぬと、実施にあたって非常に試験中における赤字等の処分の問題には困ると思うのであります。これは現に、私はかつて福岡県の共済の会長をしておりました時分に、なたね共済の問題があって、何年も悩み続けたことがございます。そういう私の苦い経験を持っておりますために、この問題に対して特に私は配慮してもらう必要があると思うのでございますが、これに対してはどういう配慮をされておるか、承りたいと思うのであります。
○内村(良)政府委員 果樹共済の実験の結果の赤字、これは先ほども御答弁申し上げましたけれども、黒字の出た県、赤字の県があるわけでございます。その赤字の処理につきましては、農林省といたしましては、実験が最終的に全部済んで、収支とも固まってから措置をしたいというふうに考えておるわけでございます。
 そこで、ただいま先生から御指摘がございました福岡県のなたね、あのときは赤字の処理についてえらく苦しんだというお話がございます。私もその事実は、当時農業保険課に勤務しておったものでございますからよく知っております。そういった問題があるだけに、共済団体としては赤字問題というものに対して非常に神経質になっておることもよくわかっております。ただ、あの福岡の時代には、たしか私の記憶では、任意共済として県が独自で行なったものについては、農業共済基金から金が出せなかったということがございまして、農協その他市中からお借りになったということがあるわけでございます。ところが、今日では、果樹共済の実験の場合におきましても、そういった不足金につきましては農業共済基金から融資が行なわれておりますので、昔、なたねで関係者が苦しんだような状態とは若干事情が違っておりまして、よくなっておると考えてよいのではないかと考えております。
 それから、先ほども申し上げましたけれども、やはり共済保険制度というものは長期均衡ということが基礎的な考え方の中にございまして、その点からも、福岡のなたねの場合にはかなりいろいろな問題があったのではないか、いまから反省をいたしますと、そういった感じがするわけでございます。
 そこで、われわれといたしましては、共済保険制度のときに、そういった長期均衡とかあるいは各連合会の置かれている連合会の経理状況とか、そういうことも十分考えまして、まあ遺憾のないということばでいいかどうかわかりませんけれども、遺憾のない措置をしなければならぬというふうには考えておるわけでございます。
○稲富委員 この問題に対しては、特に各地方の連合会を運営する者が大きな悩みを持つものでございますが、その当時と変わっておると思いますけれども、やはりいささかなりとも赤字をしょわされるということ、こういう問題については会の運営にも非常に影響をするわけでございます。そういう点からひとつ万全を期して、この試験に連合会等が安心して取り組めるような姿勢といいますか、指示をしていただきたい。こういうことがまたこの試験というものを完全に実施させる上からも必要なことではないかと思いますので、私はかつての苦い経験から、特にこういう問題についてはそういう意味で取り組んでいただきたいということを申し上げておきます。
 次にお尋ねいたしたいと思いますことは、沖繩の農業に対する問題であります。
 沖繩農業の現状というものは、ほんとうに全くもう危険な状態に直面していると言いましても言い過ぎではないと思うのであります。そういう状態に置かれているということは、もう長い間沖繩農業というものがほとんど顧みられていなかった、放任されておったということが過去何十年来の沖繩の農業の実態であったと思うのでございます。それで、沖繩県民の各位は、今回沖繩というものが本土に復帰することになって、いわゆる本土並みの沖繩になれるのだというような非常な期待があったと思うのでございます。しかしながら、復帰後の今日の現状を見ましても、長い間放任されておりましただけに、なかなかその実態が改まっておりません。
 そこで、私がここで申し上げたいことは、そういうような困難な沖繩の農業の中において、これはきのうも参考人の意見にあったのでございますが、沖繩の農業の中において最も基幹作物というものはもちろんサトウキビでございます。このことは沖繩の農業の四十五年ごろの統計を見ましても、このサトウキビの生産というものは全農産物の生産量の六三・三%を占めております。水稲というものは八・五%、パイナップルが一〇・一%、カンショが七・八%、野菜が六・八%という状態で、ほとんど半分以上はサトウキビでございます。そのサトウキビが今日非常に困難な状態に置かれておるのでございます。沖繩の農業をほんとうに振興しようとするならば、まずサトウキビをどうするかという問題を考えなければできないという状態でございます。そのサトウキビに対して今回共済の対象にしようという、この点は私は非常にけっこうなことであるし、もう喜ばしいことであると思うのでございます。ただ、ここで考えなければいけないことは、沖繩農業というものが、今日この重大なサトウキビを共済の対象にしたことによって非常に希望を持てる農業になるという状態には置かれていないということでございます。この点を私たちはまず根本的に考えて、いかにして沖繩農業を今日やるかということを考えなくてはいけないと私は思うのでございます。
 そこで、私は、これは共済の問題とはいささか離れた問題になるかもわかりませんけれども、今回共済対象にこのサトウキビをなされたということは、沖繩農業というものをひとつ盛り立てよう、こういう構想の一端としてなされたものだと私はかように考えますし、またそうでなければいけないと思うのであります。そういう意味から、沖繩農業の基本的な問題に対して、これはひとつ大臣に聞きたいと思っておったのでございますが、政務次官から十分な御答弁を願いたいと思います。
 そこで、まず沖繩の農業で今日、これはサトウキビも含めてでございますが、考えなければいけないことは、あの土壌の改良をどうするかということでございます。いわゆるサンゴ礁における沖繩の土壌というものは非常に浅い。これはやはり土壌改良と同時に、基盤整備をやるということが一つの問題でございます。ところが、これに対しましても、いままでのように地元負担金等でやっておったのでは、沖繩の今日の経済状態からいってはなかなか私は進まないと思う。これに対してはもちろん、沖繩というものに対する土壌改良に対して、基盤整備等に対しても本土並み以上にいろいろ考えてやるということは十分承知しております。しかし、そのくらいのことでは、今日私は沖繩の農業を早く本土並みに持ってくるような農業の状態にはなされないと思いますので、これは思い切って、この沖繩の基盤整備にあたりましては国がひとつ財政投資をする、全額国庫負担においてもこの沖繩の土壌改良、これに伴う基盤整備をやる、こういう決意がなければ、私はまず沖繩農業というものは振興できない、こう思うのでございますが、これに対してどういうお考えを持っておられるか、承りたいと思います。
○中尾政府委員 先生の御指摘に対しましてお答えを申し上げたいと思うのでございますが、御指摘のとおり、沖繩も本土に比べまして必ずしも満足のいくような基盤整備が行なわれているわけでもございませんし、著しく立ちおくれているということだけは事実でございます。先ほど先生の御見聞を通じまして御指摘したそのとおりでございますが、今後農業の計画的な振興、開発をはかるためには、その前提といたしまして基盤整備事業を強力に推進する必要があるということは私ども率直に認めておるものでございます。
 このためには、今回策定いたしました新土地改良長期計画の基本的方向に即しまして、水源の開発整備、畑地かんがい、農道の整備等に重点を置きまして積極的に推進する考えなのでございます。
 なお、水源開発にあたりましては、沖繩におきまして一般に表流水に乏しく、ダムによる水資源の確保が困難なところがありますので、地下水利用による開発もあわせて推進すべく所要の調査を実施している段階でございます。
 また、有機燐酸が欠乏している酸性土壌等の不良土壌の改良をはかるために、昭和四十七年度より、これらの不良土壌につきましては、土壌改良等の方法を明らかにすることを内容とする地力保全対策調査及び地力保全対策診断事業を補助事業として実施しておりまして、今後はこれらの調査、診断結果に基づきまして、的確な土壌改良の実施につき引き続き指導してまいりたい所存でございます。
 なお、具体的、詳細にわたりましては担当局長から答弁があろうかと思います。
○小沼政府委員 ただいま政務次官からお答え申し上げましたとおりでございますが、四十八年度には基盤整備につきまして沖繩では三十億五千二百万円の予算を計上して強力に進めてまいりたい、かように考えております。
 なお、御指摘の補助率等の問題がございまするが、採択基準あるいは融資の条件、またこの補助率等につきましても従来から格段に内地よりも有利な条件にして進めてまいっておりますが、今後も沖繩の実態に合わせながらくふうをしてまいりたいというふうに考えております。
○稲富委員 ただいまの基盤整備の問題に対していろいろおやりになっていることは私も承知しております。ところが、いま申しますように、これはもちろん本土よりも融資その他の国としての財政投資なんかも実はいいということは知っておりますけれども、沖繩が長い間放任されておったというこの事実、日本政府といたしましても過去何十年間沖繩に対して手を染めてないんだから、その償いの意味からいっても、私はこの際思い切った、地元に負担をさせないような、国の責任においてこういうような土壌改良、基盤整備等もやらなければ本土並みの水準まではなかなか来れない、こういうことを特にひとつ考えていただきたいと思うのでございます。
 さらに、ただいま次官から、当然この基盤整備をやりますと同時に、次に起こってくる問題はかんがい水の問題。かんがい水の問題は、御承知のとおり、いまも次官の御答弁の中にもあったのでございますが、沖繩は非常に雨が多い。雨が多いけれども、ほとんどこれは海に流しております。しかも貯水なんかの設備もいままで少なかったということでございます。ところが、地下水等の問題になりますと、沖繩の北部のほうに地下水が出ますので、北部から南部のほうまでかんがい水を引いてくるのは必要じゃないかと思うのでございます。こういう点から見ますと、ばく大な費用も要ると思うのでございます。これは私は沖繩全体の農業、さらに水の問題を解決するというならば、やはり相当遠くても北部から地下水を南部のほうにまでも引いてくる、こういうようなこともあえてやらなくちゃいけない。これに対しても相当な私は費用が要ると思います。こういう点も私は考えなければいけないと思うのでございます。
 特にこの問題の必要であるということは、いま問題になっておりますサトウキビにおきましても、去年のごときは非常に干ばつのために生産が鈍った、こういう事情もありますので、それはやはり沖繩のサトウキビというものをほんとうに発展させようとするならば、水を引いてきて、スプリンクラーくらい回して、そうして潤沢な土壌と水を与えることによって生産量を増すという、こういうような方法をとらなければ、私は沖繩のサトウキビといえども安心して生産に従事することはできないような状態になるだろうと思うのです。
 これに対しましても、かんがい水の問題もあわせて、いまの土壌改良、基盤整備をやられると同時に、国が積極的にもっと国の負担を多くして、これはもうこの際沖繩に対して全額国庫負担してやるのだ、このくらいの考えで政府がやられましても、私は無理じゃないと思うのです。それはなぜかというと、三十年間ほとんど沖繩の農業に対しては日本政府は手をつけていなかったのだから、過去の二十年間の罪滅ぼしの意味でも、沖繩に対して積極的に政府は取り組むべきだ、こう私は考えております。そういう点も実は大臣の決意を承って、そういう対策をやってもらいたいというのが私の考えでございますが、この点につきましても、ひとつ次官から十分お考えを述べていただきたいと思います。
○中尾政府委員 もう先生御指摘のとおりでございまして、同時に非常に深く理解できるのでございます。
 沖繩が約三十年間というもの日本本土から離れての放置された状況における沖繩の産業、特に農業の問題等は逐一先生の御指摘のとおりでございまして、それだけに農業基盤整備というものが急速に、迅速に、なおかつある意味においては愛情を深く持って考えていかなければならぬ。大臣の答弁でもそうでございましょうが、これにはひとつ全力をあげて私ども取り組む、先ほどの先生のお心がまえのように、全額負担でやっていけというほどの心がまえで私どもは取り組んでいこうという決意はともども分かち合いたいと思っておるのでございます。
 また、御指摘のサトウキビの問題につきましては、労働力の流出や経営規模の零細性等によるほか、ここ数年台風、干ばつ等の被害を受けて粗放化する傾向にありますが、なお地域農業の基幹作物の位置を占めておりまして、国全体の甘味資源政策はもちろんのこと、地域産業振興の見地からも、その育成強化をはかっていくことが必要であることを率直に認めておるわけでございます。このために政府といたしましては、サトウキビ生産の合理化のために土地基盤整備、省力化のための機械化、作業体系の開発等諸般の施策を講じていいるほか、甘蔗糖の糖価安定事業団による買い入れ措置によりましてその振興をはかってきたところでございます。
 今後ともこれらの施策を一そう強化するとともに、サトウキビの価格の決定にあたりましても、このような実情を十分に参酌して、サトウキビの再生産を確保することを旨として適正に定めることといたしていきたいと考えておる所存でございます。
○稲富委員 ただいま次官の御答弁の中にもありましたように、最近のサトウキビの問題にかわるわけでありますが、サトウキビの生産状態というものは非常に粗放化しております。それがために生産というものは伸びておりません。この実情は、一つは人手が非常に不足しているということにある。人手が不足した原因はどこにあるかというと、サトウキビをつくってももうからぬということなんです。もうからぬからよそに出ていくということになる。
 それで、私たちは、やはりサトウキビを生産してももうかるというような状態に持ってくることがまず必要じゃないか。こうなりますと、サトウキビの買い上げの価格の問題になるわけでございます。この問題につきましては、昨日も諫山委員から、どうも生産費とそれから買い上げ価格というものが違うじゃないか、生産費よりも安い値段で買い上げておるじゃないかという事実をあげての質問があっておりましたが、そのとおりでございます。何と申しましても、私たちは農業生産物を奨励する、振興するというならば、その生産費を補償する価格というものを当然農産物の価格としてきめなくてはいけないと思う。生産費にも足らないようなこういうような価格で買い上げて、だれが生産するかという問題になってくるのであります。これに対しては、いまも次官の御答弁のありましたように、サトウキビの価格に対しては十分私は考えなくてはいけないと思う。幸いに、御承知のとおり、砂糖価格安定法もある。沖繩の実情を見まして、砂糖の価格安定等に関する法律というものは大体何のためにできているだろうかという感じさえ私は受けるのであります。これは私が読まなくても、御承知のとおり砂糖価格安定法の第一条にはいろいろ述べて「国内産糖及び国内産ぶどう糖に係る関連産業の健全な発展を促進し、もつて甘味資源作物及び国内産でん粉の原料作物に係る農業所得の確保と国民生活の安定に寄与することを目的とする。」と、砂糖の価格安定等に関する法律の第一条にちゃんとうたってあるのだ。しかも第二十一条には、「最低生産者価格は、政令で定めるところにより、農業パリティ指数に基づき算出される価格を基準とし、物価その他の経済事情を参酌し、甘味資源作物の再生産を確保することを旨として定めるものとする。」、こういうことが書いてあります。やはりその作物の再生産を確保することが最も必要なことなんです。ところが、ただいま申しましたような沖繩の状態というものは、もう再生産の確保をするどころか、いま生産しておるものさえも、収穫しても引き合わない。収穫すると工賃が高いから収穫しない。ここまで行き詰まった状態に置かれているということは、これは私は政治をやる者がよほど考えなくてはいけない問題であると思うのでございます。
 それで、これに対しては、今後砂糖の価格に対しては、この糖価安定の精神にものっとって、思い切った価格で買い上げてやることをきめるということが、沖繩における農業を発展させ、砂糖を振興するに必要なことだと思うのでございます。私はそういう点から、今回この畑作共済の対象としてサトウキビを取り入れたということは、沖繩のサトウキビを発展させる一助にはなるけれども、この根本の問題を解決していかなければ、だんだんサトウキビの生産は減ってくるだろう、この点を考えるわけなんです。
 それで、私は、こういうような共済対象に考えると同時に、基本の問題を発展するために、先刻言いましたように、土壌の改良であるとかかんがい水の改良であるとか、さらに、これに対する人手がだんだん足らなくなりますから、機械化をするための融資の問題であるとかあるいは価格を上げるとか、こういう各般の事情がそろわなければ、私は共済の対象にしたばかりでは魂を入れないことになるのじゃないか、かように考えます。こういう意味から、これに対しては特別この機会に配慮をしていただいて、そして思い切った価格対策をやっていただきたいということを私は強く要望いたしますので、これはひとつ次官から承ると同時に、次官からも大臣にお伝え願いたい。大臣から責任のあるこれに対する答弁を何かの機会にひとつやっていただきたいということをお願いしたいと思うのでございます。次官としての心がまえを聞きたいと思います。
○中尾政府委員 ほんとうに沖繩に対する思いやりとまた農民に対する非常に深い愛情ある御理解に対しまして、私自身も非常に深く打たれているものでございます。私自身はもちろん、私と同様に大臣もそう考えてしかるべきだと思いますし、またそのように考える大臣であろうと思いますが、私自身もそのような決意で、先生の御意思を十分そんたくいたしましてこの問題に取り組みたい、こう思っております。
○稲富委員 それから次に、沖繩のサトウキビの発展をはかると同時に、沖繩農業を健全なものに育てるためにやらなければいけないことは、あの沖繩の特殊の土地、気候、こういう中でどういう農業に取り組ませるかということが一番必要であると私は思うのでございます。そうすると、一番に考えるものは、やはりあの沖繩の特殊の亜熱帯地帯、これを利用してやる農業というものは、いま申しましたサトウキビが必要であることは当然でございます。
 それと同時に起こってくる問題は、サトウキビを利用することによって飼料化すること。そしてこれはやはり肉牛を中心とした畜産の振興をはかるということが私は最も必要であると思うのであります。幸いに今日研究をされておりますが、サトウキビ、いわゆるバガスの飼料化、この問題に対していろいろやられておるようでありますけれども、真剣に取り組むことが沖繩におけるこのサトウキビの発展と同時に、沖繩の農業を振興する一翼としての畜産振興につながるものであると私は思うのでございます。
    〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕
このバガスの飼料化につきましては私ここに見本を持っておるのでございますが、これはいま経済連でやっておりますバガスを糖みつ化した飼料でございます。こちらは発酵化した飼料でございます。このいずれがいいかということはいま研究中であるということも聞いておりますが、このバガスの飼料化に対してどういうような取り組み方を考えていらっしゃるか。これは大いに取り組んでやらなければいけないと思うのでございますが、もしもこういうことに対して何かお考えがありましたら、どなたからでもようございますから、政府としての考え方を承りたいと思うのでございます。
○大河原(太)政府委員 お話しのとおり、約五十万トンに及びますサトウキビの副産物のバガスにつきましては、その飼料化については最も大きな課題として関係方面で進められておるわけでございます。
 先生御指摘のような発酵法とそれから糖みつ添加法、二つの方法がございますが、これについては科学技術庁その他沖繩の農連あるいは畜産試験場等で現在試験を進め、一段階での実用化も進められております。
 事こまかく申し上げますと、発酵法につきましては、家畜の嗜好性とかあるいは消化率、これが必ずしもまだ十分ではないという問題が残っております。それから使っている酵母の安全性という問題も、えさの安全性がいろいろ問題になっておりますので、検討を要するのではないかというふうに思っておりますが、なおこれらの問題を進めていかなくちゃならないというふうに考えております。
 さらに可能性の強いものとして、先生御指摘のような糖みつ添加法であります。これは家畜の嗜好性も非常に強い、それから成形圧縮も可能だというようなことで、これらについても実用化が進んでおるわけでございます。現に、内地の農業団体も、沖繩の農業団体と提携して、本土への移入と申しますか、これを検討しております。これらについての解決すべき問題について、国も相応の援助をして解決いたしまして、早急に、五十万トンに及びますバガスの飼料化についてつとめてまいりたいというふうに考えております。
○稲富委員 畜産局長の御答弁によりますと、バガスの問題につきましても非常に伸びておるような話でございますが、実はこれは経済連がやっております。ところが、実際は、御承知だろうと思うのでございますが、これは非常に経営困難なんですよ。それで、経済連におきましても、これを生産するかどうかということが総会で問題になっておるくらいで、やめたらどうかという意見さえある。それに対しまして経済連は、三億ばかりつぎ込んでこの設備をやっております。ところが、どうもあんまりもうからない、こういうことから、やめろというような問題が起こっておるのでございます。こういう問題に対しては、国がもっと指導的な強い姿勢で取り組んで取り組ませる。それから、これに対する融資の問題等も、今日御承知のとおり、農林中金だって金はずいぶん余っているんで、どうして貸そうかと苦労しておるんだから、こういうところに思い切って融資して、そしてこれを飼料化する。そうすることによって、沖繩のサトウキビに対する発展策を講ずる。これと同時に、沖繩の畜産対策、ひいてはわが国の飼料対策をやる。こういう点からすれば、人がやっているんだというだけでじっと見ているんじゃなくて――実際経済連もこれをやっていて困っておりますよ。経済連の総会で、やめてしまえという意見があったくらいです。どうするかという問題に対しては、国としてもっと取り組んでやる。これが牛の消化にどう影響するかとか、乳が出るようになるかとか、肉にいいかとか、こういう問題を明細に――聞くところによりますと、消化があまりよくないというような話を聞くのですが、こういう点の研究調査の発表をすると同時に、研究に対しても積極的に取り組む、こういうようなことをやってやる。地元で何かやっているなと、ただこちらでながめておるばかりでは私はいけないと思うのでございます。これに対して、ひとつ十分政府として取り組んでもらいたいと思うのでございますが、この点、いかがでございますか。
○中尾政府委員 先ほど局長も指摘したとおりに、バガスの飼料化試験は行なわれておるわけでございまして、私はバガスの問題というのはよく存じませんけれども、政府も十分研究をいたしまして、ともかく経済連等であまり問題を惹起しないような方向にいけるまでやはり積み上げる必要があるんじゃなかろうか。そうでなければ、このバガスにいたしましても飼料たり得ないということになってしまうことは、まことに憂慮にたえないことでございますから、その方向に向かって十分検討を続けて、同時に検討だけでなくて、これがイフェクティブに、効用、価値があり得るような形に持っていくことをお約束申し上げたい、こう思うのでございます。
○稲富委員 この問題は、次官もひとつ考えていただきたいと思いますが、沖繩経済連というのは内容はあまりよくないと思うのです。本土の農協とずいぶん違うので、その中から三億の金をつぎ込んでこのバガスをやっているのですから、私はこういうような問題に対しては、国は助成してもいいんじゃないか、そして、助成することによってほんとうにこれを実現化するということが必要じゃないかと思うのです。これはいま沖繩でも特許申請中だと聞くのでございます。さらに、発酵の問題については、何かやっておったけれども、もうやめておるらしいのでございますが、これはアメリカではすでに特許をとっておるというのです。この点は二つあるんだが、どちらがいいのであるか、こういう点は国としてももっと――ただ業者にやらすのじゃなくしてこういう重大な問題は、あとの産業発展につながることだから、ひとつ十分検討してもらいたい。
 私も工場は見なかったのですが、このバガスの発酵、飼料化というものはどういうふうになっておるか、畜産局長、もしわかっておるなら、その点を聞かしていただきたい。
○大河原(太)政府委員 こまかい飼料成分の比較等については省略させていただきまして、後刻資料で差し上げますが、大体粗繊維の供給飼料というふうに、われわれは専門的な立場の検討の結果考えておりまして、稲わらと飼料成分がほぼ同じであるというふうに考えております。粗繊維を要する大動物についての給与源ということでございますが、先生のお話にもございましたように、その中に含まれております、おがくずなどと同じようなリグニンとたん白質の消化は、酵母の作用でどう消化するかという点につきましてなお解決すべき問題があるというふうにわれわれは考えております。それから、家畜の嗜好性が弱いという問題もありまして、この点については検討を要するというふうに考えておるわけでございます。発酵法についてはそのように考えておるわけでございます。
 それから、廃みつ等を二割ないし三割添加いたしまして、これで家畜の嗜好性を高める一方、いわゆるヘイキューブのごとく成形圧縮して運搬、輸送を容易にする、輸送コストも下げる、こういう方法が最も有力であろうというようなことで、現地の、先生御指摘の経済連もこの企業化をはかっておるわけでございます。われわれ承知しておる限りでは、内地の全農連も四十七年から一定数量を内地に持ってくるというような計画を立てておりまして、その内地側の農業団体のバックアップということも、この飼料化促進にとっては一つの有力な手段ではないかというように考えておりますが、先生御指摘のとおり、それぞれ輸送とか圧縮成形等の企業化用の機械その他についてなお開発すべき問題もあるようでございますので、そのような点についてはわれわれとしても十分問題点を究明し、国として援助すべき点については検討していきたいというふうに考えております。
○稲富委員 この飼料化の問題は、くどいようでございますけれども、ただいま畜産局長が申し述べられましたような立場で畜産局あたりが積極的に取り組んで、そしてこの飼料化をはかっていただきますならば、これがひいては沖繩のサトウキビの生産を発展させることの一翼にもつながると思うのでございます。その点を特に私、この機会に希望として述べておきたいと思うのでございます。
 さらに、これは先刻ちょっと質問したんですけれども、答弁がなかったのでございますが、最近、いま次官も言われましたように、非常に人手が足らない。それがために、沖繩のサトウキビ生産にとってなくてならないものは機械化の問題でございます。ところが、機械化というのは奨励しなければできないと思いますので、これに対しては特殊の融資等を考えて機械化をはかるとか、あるいは個人個人が機械を持つことができないとするならば、この際特に、ひとつ思い切って機械センターでもつくって、サトウキビの収穫期には機械を貸与するとか、何かそういうような特殊の方法を考えてやらなければいかぬのじゃないか。ただ機械が必要であるといっても、あの経済力ではなかなか機械を買うということは困難だろうと私は思うのです。それで、いま申しますように、融資というものは無理だろうと思うが、何か機械化のための特別の方途を講じてやることが必要じゃないか、こう思うのでございますが、これに対して何か考えがありましたら、そういう方向でやっていただきたいということをこの機会に申し上げたいと思うのであります。
○伊藤(俊)政府委員 沖繩のサトウキビの振興のために機械化が必要である、ことに収穫期の段階が一番問題であろうと思うのでありますが、私どももまことにそのように考えておる次第でございます。
 そういうようなことで、これは従来機械化研究所というのがございますが、機械化研究所に委託をいたしまして、機械化、中型の機械の作製、開発といいますか、そういうようなことをやってまいりまして、ようやくいいものが出てまいっております。こういったものを沖繩に早急に導入をしていくということがどうしても必要だろうと私ども思っております。
 それで、いま六割の補助でこの機械の導入ということをやっております。もちろん、ただ機械を導入したからすぐそれが動くというわけではございません。やはり機械を動かす人間も必要でございますし、また機械を利用するしかたというようなこともあるだろうと思います。そういったことも全部含めて、やはり機械化を促進していく。また同時に、沖繩のほうで機械を受け入れる組織というようなものもやはりつくっていかなければならないと思いますが、そういうことも全部あわせて機械化を早急に進めていきたいというように考えている次第でございます。
○稲富委員 私も持ち時間がありませんので、最後に結論として一つ申し上げたいと思うのでございます。
 沖繩農業は、さっきも言いましたように、特殊な、わが国唯一の亜熱帯地方でございます。この特殊事情を生かした沖繩農業というものを私は考えていかなければならないと思うのでございます。それがためには、先刻言いましたように、国としてもひとつ特別の手を差し伸ばすという、この考え方に向かってやっていかなければいけないと思うのでございます。ところが、その点が非常に欠けている点があると思う。
 たとえば、今日沖繩から研修生が本土にやってくる。その研修生を、何か農林省かどこか知りませんが、本土で一緒に研修をさせておるらしい。あの亜熱帯地方の研修生が本土へ来て、本土の試験場で同じ研修をしても私は効果はないと思う。やはり亜熱帯地方の研修生は亜熱帯地方の農業に対する研修を積ませることが必要であると思うのでございますが、こういうことも本土と同じようにやられている。
 こういう点を考えても、私は、沖繩というものが特殊のそういう状態に置かれているということをどれほど認識されているかということさえ疑わざるを得ないと思うのでございますが、こういうことに対しても、沖繩の青年の研修等に対しても、特別の取り計らいがあって、やはり亜熱帯地方の農作物に関係のある特殊の研さんをやらせる、こういうことに政府も取り組まなければいけないと私は思うのでございますが、この点、いかがでございますか。
○中尾政府委員 先生の御指摘のとおりでございまして、沖繩の方々は実際特殊の地帯におりますので、本土で修練を受けましてもいささか趣の違ったところもあろうかと思います。沖繩農業の振興をはかる上での試験研究の重要性にかんがみまして、国におきましては、沖繩県における試験研究の早期の充実をはかるために、昭和四十七年度から沖繩県の試験研究機関に対しまして、特別の補助率をもってこの施設の整備を進めるとともに、種々の助成措置を講じているところでございます。また、この沖繩の、先ほどの農業の問題におきましても、亜熱帯地域にある沖繩農業の特殊性に十分配慮をいたしまして、そのための試験研究の充実をはかっていかなければ相ならぬ、こう感ずるわけでございます。
 全般的に申し上げまして、先生の沖繩に対する情熱は私も非常に感じ取りました。特に、確かに御指摘のとおり、この三十年間というもの、沖繩は特殊地域にありながら、また特殊的な環境状況にあった、これはやはり把握しなければいかぬという感じがいたします。私個人にとりましては、山梨県という全く遠方の地におりますだけに、そこまで情熱を持ってお考えになっております九州御出身の先生の御情熱というものもとくと感じ取りましたので、この点はひとつ沖繩の問題を本土並みにといいながらも、とかく私も忘れがちでございましたけれども、この問題は特に私自身も、特殊事情にある、しかも特殊事情の環境における特殊な農業地帯であるということを考えまして、十分に研究をして、農林省を督励したいと思っております。ありがとうございました。
○稲富委員 それでは、時間がありませんので終わりますが、最後に参考までに申し上げておきます。
 沖繩の農業というものは、いま言ったような立場でひとつ政府として取り組んでいただきたい、そういう心がまえで取り組んでいただきたい。
 私、先日沖繩に行ったのでございますが、沖繩の農業として復帰後一番喜ばれておるものはたばこだけだといっております。それはなぜかというと、従来たばこをやっておりましたけれども、会社が経営しておったので、たばこに対する支払い等がなかなかおくれて困っておった。今度復帰後は専売局がやっておりますので金払いがいいということ、それから専売局といたしましては、沖繩のたばこは今日一般に好まれるような、非常にニコチンの少ないいわゆる軽いたばこが生産されるそうであります。そこで専売局としても非常に力を入れている。それで支払いもいい。それで従来――今日でも、沖繩では、たばこの生産というものが、専売局がどれだけたばこをつくってくれというならば、われわれは受け入れるだけの準備があるんだということを言っておるぐらいに、たばこには希望を持っております。今後たばこのみならず、すべての農業、ことにサトウキビ等におきましても、これはもう沖繩農業の基幹作物でございますから、そういうような、これは復帰になってよかったという希望を持てるような農業として育てていただきたいということを特に私は希望を申し上げまして、ひとつそういうことで取り組んでいただきたいということを申し上げて、私の質問を終わることにいたします。
○山崎(平)委員長代理 次に竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は今度の共済制度の問題に関して特に沖繩の問題について、それを中心に質問をしたいと思います。
 本来、私どもの党からは安井沖繩対策特別委員長並びに沖繩出身の上原康助議員がそれぞれ中心に質問するはずでありましたが、いろいろな事情から私が中心としてこの問題を質問いたします。
 そこで、時間の関係でありますけれども、時間が前段と後段に分かれますから、最初に前段で若干時間を過ぎて、また後刻残った部分について後段の質問をするという、非常に時間の切れの悪い状態でありまして、これはたいへん申しわけないと思います。
 まず最初に、先ほど稲富委員からもお話がありましたが、長い間この沖繩が本土から切り離されて他国の支配のもとにあって、それが復帰した今日の段階で沖繩におけるところのこの政治的、経済的、社会的な最大の問題について、どのようにとらえておるのかということを、まず最初にお伺いします。これは政務次官のほうに答弁を求めます。
○中尾政府委員 基本的な問題では何かという御質問かと思いますが、沖繩の農業は端的にいえば、先ほども討議の対象になっておったのでございますが、まず第一に水不足と土地基盤整備のおくれというものを感じております。第二番目といたしましては、経営規模の零細性、さらに三番目といたしましては、農業技術の低水準というような種々の問題がございまして、今後これらの問題の解決に努力をしていかなければ相ならぬ、こう考えております。
○竹内(猛)委員 ただいま御答弁がありましたけれども、私はその上に問題はまだあると思うのですね。その一つは、沖繩には、これはあとでまた答弁をしていただきますが、まだ、アメリカの膨大な基地がある。この基地というものは、沖繩の総面積あるいはまた農耕地の面積の何%になっているのか、まずこれを確かめたいと思うのです。それから物価にしても、本土とはたいへん違いがある。生活状態も違っておると思います。そういう、まだアメリカの支配が依然として残っていて、物価も非常に違っておるという状態の中で、そこに、いまも言うように、農業の面からいうならば、いま政務次官が言われたような問題があります。しかも、この生活の形態を見ると、第一次産業、第二次産業、第三次産業という中で、第三次産業に依拠する面が非常に多いという状態、これがやはり問題だと思うのですが、前段の、沖繩におけるところの、アメリカの基地が持っているところの面積、それは全沖繩面積の何%になるのか、農耕地の何%になるのかということについて、これは沖繩開発庁でもいいですから、それを知らしてもらいたいと思います。
○亀谷説明員 お答え申し上げます。
 先生の御指摘になりました沖繩の基地の面積は、御案内のように、本土に比較しまして非常に濃密かつ広大でございます。
 復帰後基地の返還等もございまして、現時点で沖繩の基地は約二万八千ヘクタールとなっております。御案内のように、沖繩の全面積に対するこの基地の割合は一二%をこえております。
 なお、沖繩の農業用の耕地面積との対比でございますが、最近の資料によりますところの沖繩の耕地面積、約五万三、四千ヘクタールであると思いますが、これに対しましては、いま申し上げましたような耕地面積の割合でございますが、正確な数字ではちょっといまはじいておりませんが、総数の面で御理解を賜わりたいと思います。
○竹内(猛)委員 そうしますと、アメリカの基地が二万八千ヘクタール、それに対して農耕地が五万三千ということになると、その五〇%がアメリカの基地と理解していいですか。
○亀谷説明員 お答え申し上げます。
 先生も御案内のように、現在、沖繩の基地が配備されておりますのは、沖繩の本島、これも、いわゆる中部から北部にかけましての広大な演習場としての基地、及び中南部の都市区域に散らばっておりますところの基地、これがその態様であろうかと思います。もちろん、市街地を中心にしました中南部基地につきましては、いわば農耕地といいますよりも市街地としての用地を占めておるわけでございまして、全体の農耕地との対比でどうこうと必ずしも言えないかと思うわけでございますが、先ほど御報告しましたような数値から申しますと、単純の面積でいけばやはり六割近い、こういうふうに言えるかと思います。
○竹内(猛)委員 そういうような狭いところに膨大な軍用地がある。もちろん、軍用地だから、山もあれば原野もあるし、市街地もあると思うけれども、やはり多くのところは農業に適するところにあるということについては、これはそう否定をすることはできないだろうと思う。したがって、耕地の零細性ということが問題になるわけでありますから、われわれは、こういう問題はやはり早く解決しなければならない、こういうことでいままでやってまいりましたが、なお、これは将来の問題であり、本委員会の主たる目的ではありませんが、ともかくこの点については、沖繩の農業発展におけるきわめて重要な問題として位置づけをしなければならないことだと私は思います。
 ついで、近く沖繩に海洋博覧会が開かれるということを聞いておりますし、また現地でも問題になっておりますが、この計画については、いつ、どこで、だれが、どういう規模でやり、どの程度の予算をもってやられるのかということについて、担当省からお答えを願います。
○三枝政府委員 お答え申し上げます。
 沖繩海洋博の開催の経緯につきましてでございますが、昭和四十五年の一月ごろ、これは通産省が中心でございましたが、もちろん海洋開発グループ等の民間企業にも、国際海洋博というものを万博のあとの事業として日本でやったらどうかという案が内部で検討されていたことは事実でございます。それが新聞に漏れまして、それから当時、沖繩の復帰問題というものの、いろいろ情勢がございまして、沖繩現地におきましても、四十五年の三月二十日に、本土側の経済界代表、主として商工会議所でございますが、それから沖繩側の商工会議所の代表等で構成されます、第五回の沖繩経済振興懇談会で、日本で国際海洋博というものをやるのであればぜひ沖繩でやるべきであるという推進決議がなされました。
 それからまた四十五年の八月十四日には、それを受けまして、当時の琉球政府から屋良主席の名前によりまして正式に、通商産業大臣あてに、沖繩で国際海洋博の開催をお願いしたいという陳情がございました。
 それから一年飛びまして四十六年三月三十日に、第六回の沖繩経済振興懇談会で、条約に基づきます正式の国際博覧会として昭和五十年に実施することが決議されてございます。同時に、日本政府あるいは当時の琉球政府に陳情がなされてございます。
 それを受けまして、四十六年の八月二十四日、琉球立法院与野党一致して、海洋博の一九七五年沖繩開催の実現方を決議してございます。同二十六日に、屋良主席が本土政府に陳情団を派遣し、みずから政府に陳情をされたという事実がございます。
 それからそれを受けまして、四十六年の十月二十二日に、政府として、昭和五十年に沖繩で海洋をテーマとする国際特別博覧会を開催するために国際手続を進めるという旨の閣議了解を行なってございます。
 またさらに半年後、四十七年の二月二十日になりまして、琉球政府から海洋博の会場用地としまして本部半島周辺が最も望ましい旨、要請がございまして、それが通産大臣に出され、二月二十九日、その旨閣議で了解されたという経緯をたどってございます。
 もちろん、この間、四十五年の春以来、国会筋におきましてもこの件をめぐりましていろいろ御論議があったわけでございますが、御承知のような推移を見ましたとおり、決定までには相当の期間がかかって、慎重審議が行なわれたということでございます。
 それからまた、御質問の中の事業規模等の問題でございますが、以上のような決定を見まして国際的にも手続を終了してございますので、四十七年度予算に準備予算をある程度計上し、四十八年度に正式に予算が決定されたということでございます。
 まず、会場そのものの建設及び政府の出展物等に関します政府予算は、三年間にわたりまして三百六十億ということで決定してございます。
 それからまた、昨年十月に海洋博に関します閣僚協議会によりまして、海洋博の関連公共事業といたしまして、約千二百億にのぼる内容の事業を実施すべきであるということが決定してございまして、四十七、四十八、四十九にわたりまして各省庁別にその予算が計上され、現在実施に移されておるということでございます。
○竹内(猛)委員 そこで、さらにお伺いします。
 まず、海洋博覧会によって沖繩が長い間のおくれを取り戻して、そしてそれが非常に沖繩県民の生産意欲を増し、所得をふやし、そして特に私は農業の問題から考えてみて、農村を振興するに足り得る内容と方向を持ったものであるのかないのか、そのメリットがあるのか、そういうものに何かまた逆なものはないのか、そういう点について見通しはどうですか。
○亀谷説明員 お答えいたします。
 先生も御承知のように、昨年の十二月に県のほうからの原案の要請がございました沖繩振興開発計画が策定されたわけでございますが、御案内のように、沖繩の振興開発計画の基本は、二十七年間の空白に基づきます本土との社会資本を中心にした格差の是正、それからもう一点は、沖繩の地理的あるいは風土的な特性に基づきましたいわゆる豊かな沖繩の経済社会をつくるという産業振興の面があるわけであります。そういったことをもとにいたしまして、私どもは鋭意沖繩の持つ一次、二次、三次の産業のバランスのとれた振興をはかることを考えておるわけでありますが、計画の内容といたしましては、その中に、御案内のように、昭和五十年に開催されます海洋博覧会というものを一つの契機にいたしまして、従来の基地依存経済からの脱却の一つの手段とも申しますか、何といいましても沖繩の持つ特性を中心とした観光開発をはかっていく、観光の振興をはかりたい。これは非常に県においても強い要望があるわけであります。こういった前提で、計画の中にも特に今回開催予定されております本部半島を中心にした北部の観光開発拠点を中心に、これらの観光資源の開発及び観光振興をはかるわけでありますが、これと含めまして沖繩の本島、北部の現状からいたしまして、この北部一体の広域的な生活圏が、これらの観光の基盤整備と相まちまして産業基盤整備も進められていくであろう、こういうふうな計画になっているわけであります。
 なお、関連いたします今回の事業として、先ほど通産省からお答えがありましたような関連公共事業が行なわれるわけでありますが、これらも、私どもの見ますところでは、先ほど触れました沖繩のおくれております基本的な社会資本の整備のためのいわば基本となりますところの、たとえば道路でありますとか港湾あるいは空港等、いわば産業基盤であると同時に最も重要な社会基盤の整備のキーポイントになっておる施設が含まれておるわけであります。そういった意味で、これら全体を含めまして海洋博の推進及びその事業の実施が、とりもなおさず振興開発計画の中の大きな一環、いわば柱である、こういうふうに考えております。
 なお、農業との関係でございますが、当然こういった観光の開発振興との関連におきましても、いわば農業の部門におけるいろいろなこれとのコンビネーションあるいは農民のいわゆる生活上余暇の活用といいますか、あるいは就業パターン等も含めまして、これらの問題はいわばメリットの面としまして積極的に活用をはかるべきであろう、こういうふうに考えておるわけであります。
○竹内(猛)委員 いまそういうようなお話がありましたが、現実の沖繩におきましては、たとえば昭和四十八年の二月十一日の現地の新聞などによると、沖繩におけるこの四億六千六百五十万平方メートルの農地の中で一千百六十四万平方メートルの農地が本土の観光業者やレジャー産業、不動産業者等に買い占められている。これは三十九市町村の調査でありますから、なおその買い占められている率はさらに高くなる、こういうことがいわれております。これは事実かどうか。どういうところがそれを買っているのか。これが一点。
 それから、現在沖繩においての労賃の値上がりというものは、いまの博覧会の仕事が始まっているかどうかまだ現在わかりませんが、そういうことのために労賃が非常に高くなっている、これはあとで農産物価格のときにその労賃との関係でまたいろいろ質問したいと思いますけれども、労賃が高くなっている、こういう実情、そして夜となく昼となく本土のほうから土地買いが出入りをして、沖繩は、まさにあるところなどは、島はあるけれども、その所有というものがほとんど本土の土地の買い占め人によって占められたといわれるぐらいに土地が買われておる、こういわれておるけれども、その辺のことについて承知をしておるかどうか、この辺はどうですか。
○亀谷説明員 お答え申し上げます。
 沖繩の現地におきます土地の買い占めと申しますか、本土資本を中心にしました大規模な土地の買収が進行しているということにつきましては、開発庁としても、沖繩の各種産業に与える影響につきまして深く憂慮しておるところでございます。私どもが昨年後半、現地事務局を通じまして、なかなかこの調査も諸般の事情がありまして正確にはつかみにくいのでございますけれども、先般国会にも御報告いたしましたように、現在買収が行なわれたと考えられるもの及び何らかの形で買収が進んでおる、こう見られるものを調べました限りでは、大体約八千万平方メートル、沖繩の全面積の四%に当たる用地が買収ないしは進行中であるというふうに理解をしております。ただ、その後なおこの売買の進行状況等も調査中でございますけれども、私どもの聞いております限りでは、今年に至りましてほぼそういったものは峠を越したといいますか、大体大方のこういった買収の見通しも昨年ほど活発にはなっていないというふうには聞いております。
 ただ、この中における農地の面積がどの程度かというのは、必ずしも詳細には申し上げかねますけれども、主としていわゆる荒蕪地、山林、原野というものが売買の対象になっているようでございますが、中にはやはり相当程度現在農地と考えられるものの転用といいますか、潰廃が相当進んでおるというふうに理解をしております。
 これらの買収の対象となりましたいわゆる買収の資本系列あるいはその買収の目的、これはいろいろと内容がございまして、必ずしも一般的には申し上げかねるのでございますが、本土資本系列で各地の買収が進んでおる内容の調査をいたしました限りでは、おおむね主として観光用といいますか、リゾートゾーンとしてのホテルあるいはゴルフ場ないしはその他関連の施設等の造成のための買収であるというふうな目的が非常に多いように記憶しております。
 なお、沖繩におきます農業労働の賃金の問題でございますが、これは御専門の農林当局のほうで詳しく調査しておられると思いますけれども、私どもが承知しております内容によりますれば、昭和四十八年の一月以降の資料で推量いたしますと、おおむねたとえばサトウキビ作業等でいいますと三千円前後、あるいはパイン作作業につきましてもその程度で推移しておるというふうな理解を持っております。
○竹内(猛)委員 いま説明がありましたけれども、そのような傾向ですね、本土の業者が乗り込んでいって、農地だけではなくて山林、原野、観光資源というものを買い占めるというような傾向というものに対して、行政として好ましいと思うかどうか、その辺の判断を伺いたい。
○中尾政府委員 沖繩におきましては、本土復帰前には農地の売買が自由でございましたので、復帰を前にして不動産業者が農地を取得したようでございまして、これについては、沖繩総合事務局による土地売買の実態調査が目下行なわれているわけでございます。
 このような土地取得は農業の振興にもきわめて悪影響を及ぼしておりまして、農業振興地域制度による地域指定及び整備計画の樹立を推進するとともに、本土復帰とともに適用されました農地法の適切な運用によりまして、不動産業者による投機的な農地取得をきびしく規制していきたいという考え方でございます。
○竹内(猛)委員 この点は厳重に規制をしてもらいたいということを重ねて要求をしておきます。
 次いで、農地法に基づく小作地の買い上げについて、現在農地法によって小作地が買い上げられているわけですが、この進行状況、価格、対価はどれくらいで買い上げて、いつごろ買い上げが終わるかということについての見通しはどういうふうになっているのか、その点を説明をしていただきたいと思います。
○小沼政府委員 沖繩が復帰いたしましたので、農地法を適用することになったわけでございますが、小作地は約一万ヘクタールほどございまして、そのうちには、会社、法人の所有地が約九百ヘクタール、市町村、部落有地が約千七百ヘクタール、国、県の所有地が約七百ヘクタールでございます。
 御承知のとおり、小作人の耕作権が一般に弱い状態で、土地所有の状態も、零細地片を分散的に持っているというふうな状態であります。そういうことでございますので、復帰後、この小作地の買収につきまして農地法に基づいて進めているわけでございますが、初年度でございますので、昭和四十七年度は五十ヘクタールの買収計画を持ちましたが、これにつきまして、実績といたしましては、それを上回りまして、社有地を百七十四筆、七十ヘクタール買収いたしております。なお、四十八年度は、現在進行中でございますが、大体八百ヘクタールを計画いたしております。
 今後大体五年くらいで買収を終わらせたいというふうに考えておりまして、その買収にかかるであろうという面積は、おおよそ三千ヘクタールくらいではないかというふうに推定をいたしております。
 買収の価格でございますが、百七十四筆、七十万平方メートルでございますが、これの買収対価は七千二十九万千八百七十四円でございました。
○竹内(猛)委員 それは反当に直して、坪三百二十四円、そういうふうになっていますか。
○小沼政府委員 大体十アール十万円程度ということになります。
○竹内(猛)委員 じゃ大体合っていますね。
 そこで、沖繩の農業協同組合に本土と比べて問題はないかどうか、その点はどうですか。
○内村(良)政府委員 沖繩の協同組合につきましては、内地と同様な協同組合法が適用されまして事業活動をしているわけでございますが、やはり経済的な基盤は、内地の協同組合に比べてはやや弱いのではないかというふうに判断しております。
○竹内(猛)委員 その内地と比べて弱いということについて、これを高めていく、引き上げるための努力はどのような方法でしておられるか。
○内村(良)政府委員 この点につきましては、やはり第一には経営内容をよくしなければならぬという問題がございますと同時に、経営の合理化もはからなければならないという問題があるわけでございます。
 そこで、御承知のとおり、農業協同組合につきましては、検査等を通じまして内容を把握して、指導を加えていくというやり方をするわけでございますが、特に沖繩の場合には、復帰後間もないわけでございますから、検査をなるべくやりまして、必要な改善命令等を発し、十分指導いたしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 こういう問題はないかどうか、ひとつ確かめてみたいと思います。
 本土の農協というのは、この前農協法のときに議論したわけですが、米を中心に金融、飼料、それから倉庫代という三本の柱を中心として今日まで成立をしてきた。ところが、沖繩の場合においては、米にかわるべきものがサトウキビであるわけでしょう。米というものはほとんど中心になり得ない。それからパイン、畜産物という形になるというと、やはりサトウキビですね。砂糖の問題が農協の発展あるいは内容を左右する中心になると思うけれども、その点について、そうでないということが言えますか、やはりそうだということになりますか、その辺はどうですか。
○内村(良)政府委員 内地の場合、特に米が多いところでは、農協の経営が米に依存しているということは、先生の御指摘のとおりでございます。米の場合には、食糧庁から保管料あるいは集荷手数料等が払われまして、農協の経営自体がそういう面でかなり安定度が高いということは言えると思います。
 それに比べまして沖繩の場合には、やはり米が少のうございますから、そういった米による経営の安定という観点から見れば、確かに内地の経営に比べて苦しいという問題はあるかと思います。その反面、サトウキビあるいはパインの場合には、会社と申しますか加工工場の影響が大きいということもございまして、内地に比べてその面から経営上苦しいということはあり得るというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 そういう問題といまこれから審議する問題とが深く関係をしてくると思うので、そのときにまた問題を追及しますが、沖繩における農業災害の問題について、常襲的な台風の通路である、病虫害が非常に多いところである、干ばつが多い。沖繩においては特にそういうことがずっと長い間常にあったことなんです。北海道が冷害あるいは寒害というように、北海道にもそういった寒地における農業の被害がかなり季節的にあるわけですけれども、沖繩においてはそのような地形的な状況から、あるいは台風の通路であるというところからそういう問題がある。そのような被害というものは今日農林省としてはどのようにとらえられていて、そのような被害を現在の保険制度でほんとうにカバーすることができると思うのか思わないのか、現在は保険制度しかないから、保険以外の方法はだめだという答弁であれば、それはそれだけのものだけれども、私の基本的な気持ちからすれば、これは不慮のものではない、ほとんど自然的な現象としてとらえなければならないほどのものなんですね。そういうものについては、本来ならば補償という気持ちで、掛け金は掛けなくても、これに対しては国が補償していくべきだという気持ちが私は基本的にある。だがしかし、現在そういう制度がないから、保険という方向でいま一歩前進しようとしているのだけれども、非常に不満なわけだ。したがって、ここで問うのは、過去における災害の実情というものがやはり今日の討議の基礎になりますから、どういうような状態が続けられてきたかということについて御報告をいただきたいと思います。
○内村(良)政府委員 沖繩につきましては、昭和三十八年から昭和四十六年までの九年間の被害率の調査がございます。それによりますと、被害率の平均は八%になっておりまして、年次別には昭和三十八年、昭和四十六年、いずれも大干ばつの年でございまして、このときの被害率が非常に高くなっております。すなわち昭和三十八年のごときは三六・五%という非常に高い被害率を示しておりますし、四十六年も二七・四%という高い率を示しております。地域別に見ますと、宮古、八重山の離島での被害率が高いということになっておりまして、次に被害の種類別でどういう被害が最も大きいか、先ほど台風等の御指摘がございましたが、被害率の調査では干ばつが一番多く、その次は野鼠の被害になっているわけでございます。台風による被害は確かにございまして、八重山、宮古に比較的多く見られる、こういう形になっております。
 そこで、私どもがこういった被害率を見ました場合に、これは保険にのり得るというふうに見ております。と申しますのは、昭和三十八年、四十六年は三六・五%、二七・四%というような被害がございましたけれども、たとえば三十九年は一・八%、四十二年は〇・七%、四十五年はほとんど被害がないというような年もありまして、こういった被害の態様から見て、これは危険分散ができるということで保険にのり得るものというふうに考えて、今般試験的な実施を行なうことといたした次第でございます。
○竹内(猛)委員 もう時間で、前段のことはこれでおしまいですが、沖繩の二つの柱の作物であるパイン、これは果樹という形になっている。けれども、果樹共済のときになぜそれを対象から落としたか、その理由、そして今後どうしようとするのか、その点について。
○内村(良)政府委員 先ほどから御答弁申し上げておりますけれども、共済保険制度という場合には、料率、掛け金率ができないと制度そのものが仕組めないわけでございます。そして沖繩のパイナップルにつきましては、本土復帰前の一九七一年から琉球政府が調査に着手し、現在国の委託調査として沖繩県が被害率の調査を行なっております。したがいまして、私どもといたしましては、この被害率の調査ができてから、これを果樹共済の対象にするかどうかという点について検討してみたい。
 と申しますのは、単に被害率以外に、はたして保険にのるかどうかという保険設計の問題がございます。私もパイナップルの専門家ではございませんので、必ずしも十分な知識があるわけではございませんけれども、パイナップルというものは共済保険制度にのせようとした場合に、特に損害評価等についていろいろな技術的な問題があるということを聞いております。しかしながら、パイナップルの沖繩農業における重要性等も考えまして、なるべく共済の対象にするような線で検討は進めてみたいと思っておりますけれども、他の果樹等に比べてやや技術的な困難は多いというふうに聞いております。
○竹内(猛)委員 前段の質問はこれで終わります。
○山崎(平)委員長代理 この際、午後二時再開することとし、暫時休憩いたします。
    午後零時五十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時九分開議
○佐々木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。芳賀貢君。
○芳賀委員 この際、農林大臣に質問をいたします。
 第一は、昨年の七月、田中内閣が出現した際に、田中総理並びに就任直後の足立農林大臣が、北海道の稲作農業並びに畑作転換との関連で畑作共済制度についてそれぞれ発言をしておるわけです。その発言の要旨は、まず田中総理大臣の発言としては、北海道で米作が行なわれているのは、一面では農災制度があるからだと考えられるので、畜産など望ましい姿の新しい農業に脱皮した場合に、いまの農災制度よりも北海道農民が有利になるような制度を考えて誘導しなければならない。次に足立農林大臣の発言としまして、水田地帯は、農災法で、規模が大きいから共済金が一軒二百万円、三百万円ともらえる、だから食うには困らない、その共済制度を当てにして稲作をやっている、他方、畑作農家にはこのような制度がない、そんな片手落ちのことはあるかというのです、だから、私は、就任早々、農林経済局に、畑作についての共済制度を確立せよと指示した、特に北海道は、品目別では救済されないので、農家単位の各種目の包括共済制度を考えろと宿題を与えている。
 この両者の発言は、当時、四十七年度の生産者米価決定の時期でもありましたので、田中総理並びに足立農林大臣は、特に北海道の農業団体、あるいは国会においてもこの発言を追及されまして、特に足立農林大臣が、北海道の水田農家は農災制度を当てにしてのうのうと暮らしておるというようなまことに不当な発言については、これは遺憾であったということで取り消しをしておる経過もありますけれども、これは、戦後二十数年に及ぶわが国の農業災害補償制度の上から見ても、まことに政治的な意図をもって畑作共済制度というものを取り上げておると言わなければならぬわけです。しかもこれは、北海道を中心とした水田農業、稲作農業の畑作転換への誘導政策として畑作共済制度というものを実現させるというところに政治的の発想があるわけでありますからして、この点を不問に付して、今回の、実験共済でありますけれども、畑作共済あるいは施設園芸等の共済制度について内容の審議を進めることはできがたいので、この点について、立案、提案された政府を代表して、櫻内農林大臣から政府としての明確な見解を示してもらいたい。
○櫻内国務大臣 共済制度は共済制度として純粋に考えていかなければならないと私は思います。
 そこで、今回のこの臨時措置法案の提案理由の冒頭に、「農業災害補償制度につきましては、制度創設以来、農業経営の安定のため多大の寄与をしてまいったことは、御承知のとおりでありますが、最近における農業事情の変化に対応して、本制度の対象範囲を拡大し、新しい部門にもこれを適用することが関係各方面から強く要請されるに至っております。」こういう情勢判断の上に立って、そして果樹共済をいたしました。それから、今回は、畑作農業についての適切な災害補償制度の確立をしよう、こういうことでこの臨時措置法案をお願いする、とりあえず実験をしょう、こういうことでございます。
○芳賀委員 では、いまの農林大臣の発言をそのまま受けとめて、法案の審議に入りたいと思います。
 そこで、畑作共済制度の歴史的な国会における論議の経過としては、昭和三十二年の国会において農業共済制度の根本的な改正が行なわれまして、この改正が現在の農災制度の基礎を確立したと言っても過言でないと思うわけであります。そのときの委員会成立の際に、附帯決議を付しまして、ちょうど私が附帯決議の提出者になったわけでありますが、その決議の項目の中で、一つは、畑作共済制度については、国の再保険を前提とした、畑作物の農災制度への対象としての実現が必要であるという点と、それから農作共済全体についてでありますが、大事な基準単収の設定にあたっては、災害なかりせば反収というものを基礎にして基準単収というものを設定すべきである。他にも幾つかの項目がありましたが、いまだに記憶に残っておるのは、この二点であります。
 まあ、ようやく、その後幾たびの変遷を経て、十数度の農災法の改正が行なわれましたが、そのつど、畑作共済実験の委員会における論議あるいは附帯決議等がなされてきたわけでありますからして、われわれとしては、田中内閣が突然現出したからそこで初めて政治課題として畑作共済制度というものを取り上げたというふうには考えておらぬわけです。むしろ、歴史を知らない者が思い上がって、あるいは米の減反政策を進める手段として、畑作共済制度等を誘導政策として取り扱うということについては、これは不謹慎のそしりを免れることはできないと思うわけであります。
 そういう経過を踏まえまして主要な点をお尋ねしますが、今回の畑作共済並びに施設園芸共済は、もちろんこれは一定期間試験的に実施する、しかもそれは政府の再保険事業として、これを前提とした試験であるということが前段でうたわれておるわけでありますが、ただ、実施期間について法案の上に明定がないわけであります。したがって、試験段階を経て本格的な実施に移るわけでありますけれども、政府としては、この両共済制度に対して、はたして具体的に何カ年を目途にした試験期間というものを考えておるか、その点を明確にしてもらいたい。
○櫻内国務大臣 今回のこの試験実施は、一応五年を目途にはしておりまするが、早急に準備が整いますれば、繰り上げて実施しようという意図もございまするので、はっきり五年ということをしなかったという経緯がございます。
 なお、局長のほうから補足させます。
○内村(良)政府委員 ただいま大臣から御答弁申し上げたとおりでございまして、今般の畑作共済め実験につきましては、北海道の畑作物、鹿児島及び沖繩のサトウキビ、それから内地の園芸施設、これが対象になったわけでございます。北海道の畑作共済につきましては、被害率等の調査について過去に幾多の蓄積がございます。その点につきましては、もう先生に御説明申し上げるまでもないと思いますけれども、蓄積がございます。沖繩、鹿児島のサトウキビにつきましても、昭和三十八年以降被害調査等は、もちろん北海道に比べれば、精度は劣るわけでございますが、被害調査もございます。園芸施設になりますと、これは被害調査等もあまりないということでございまして、それぞれ背景の違う三つが一緒に一つの法律の中で試験実施の対象になっているわけでございます。したがいまして、そういった関係もございまして、何年間という実験期間を果樹共済の場合のように明定をしなかったわけでございます。
 ただいま大臣から御答弁がございましたように、できるような状況になったものが出てくれば、なるべく早く実施に移すということで対処したいというふうに考えているわけでございます。
○芳賀委員 従来も、近くは果樹共済の場合も、これは実験共済を法律をもって実施をしておるわけですね。あるいはまた以前は水稲の農単共済、これを実験する場合においても、これは法律を用いて実施をしているわけです。それらの新しい共済制度の実験期間というものは、その臨時措置法の中で、期限というものは明確にされておるわけです。いま局長から期限が明確にできない理由を述べられましたが、これは政府として無責任な態度だと思うのです。畑作共済と園芸施設共済の内容あるいは調査検討の経過が違うということであっても、大別して、畑作共済については何年間の試験期間を経た場合には本格共済に移す、園芸施設については少なくとも何カ年間でこれを終了して本格的な制度に移行させるというような目標というものがなければ、これは実験期間中、特定の共済組合あるいは連合会を指定して実験をしてもらうわけですが、めどがつかぬと思うのですよ。ですから、明らかに畑作共済についてはこうする、園芸施設についてはこうする、その実施期限についての政府の方針はこうであるということを、この際明らかにしておいてもらいたい。
○内村(良)政府委員 ただいま申し上げましたような背景がございまして、法律上実験期間を明定しなかったわけでございますが、一応私どもといたしましては五年くらいをめどとしてやりたい。しかし、法律で五年ということにかたく書きますと、五年やるということになるわけでございまして、いろいろ背景が違うものが一つの法律になっているということがございますので、その辺は弾力的に処置できる道を残しておくべきであるというふうに考えまして、実験期間を明定しなかったわけでございます。
○芳賀委員 それじゃ答弁にならぬですよ。
 大臣に尋ねますが、これは一本の法律で出ているわけですからして、期限を異にするということは奇異な感を受けるかもしれないが、昨日の参考人の意見を聞いた内容によりましても、たとえば北海道における畑作共済については、九年間の試験あるいは委託試験等の実施をしておるわけです。特に四十一年、四十二年、四十三年については、これは委託試験という形で北海道がその衝に当たって実験をしておるわけです。おそらく今回の畑作共済のこの法案の内容についても、それらの貴重な試験の結果というものを基礎にして立案されておるというふうにわれわれは考えておるわけです。だから、本来であれば、すみやかに実施する気があれば、場合によっては、特に試験期間というものを持たなくても、直ちに本格的な実施を農災法の本法の改正の中でこれはやればできるわけです。しかし、せっかく法案が提案されたわけでありますから、われわれとしては少なくとも三年間ぐらいの試験期間は必要であるというふうに認めておるわけでありますが、それさえも明らかにできないということになれば、はたしてどれだけの熱意をもって取り組むかということについても信用できかねるので、この際大臣からこの点については責任ある答弁をしてもらいたいと思います。
○櫻内国務大臣 果樹共済の場合が試験実施が五カ年間であったと思うのであります。そこで、冒頭お答えをいたしたように、私どもの考えとしては、五年後にしようかそれともできるだけ早くしようか、いま御指摘のように、北海道の畑作物について以前に三年の試験をやっておる実績もございます。それによって問題点も大体見当がついておるわけでございます。ですから、むしろその御質問のお気持ちに沿っておる措置というふうにお考え願っていいのじゃないか。五年と限らずに、むしろ早くなれば早くなるようにしたい。しかし、しいてどの程度の見当かと言われれば、それは五年と申し上げてもいいのでありますが、そうでなく、果樹共済のときは五年だったがそれよりも早くやれるものはやろう、こういう気持ちを持ったので、期間を明定しなかった、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○芳賀委員 それでは、政府側が確信持てぬということになれば、これは委員会で修正もできるわけですからね。期限については提出者である内閣としてはその自信がないということであれば、これは法案の附則等を修正して、三カ年間で試験期間を終了さしてそして本格実施に移行させるということ、これは法案の修正でできるわけですからね。そうでなければ、今回の場合にも、これは質疑が終了すれば、成立する場合には当然附帯決議等が付されると思うわけです。そういう場合にも、国会の意思として、この試験共済期間というものは三年間を目途としてすみやかに本格実施に移行すべきであるということをつける。これは国会の意思として、法案の修正、あるいは政府案を成立させる場合にも、これは附帯決議を付して国会の意思を明らかにして、それを行政府に尊重させるということはできると思うのです。
 わざわざそういうことを避けるためにも、この際二つの新種共済というものを試験するわけでありますから、内容、性格が違うということであれば、たとえば畑作共済については三年を目途として本格実施をするとか、園芸共済についても、何も五年かけなければならぬというわけではないわけですから、これも畑作共済に次いですみやかに本格実施の努力をするというぐらいの答弁は、これはできるじゃないですか。
 しかも、去年、田中内閣総理大臣が誘導政策として直ちに実行する、いままである共済制度よりも非常に有利な、農民に喜ばれる畑作共済を実現するということをあなたの総理大臣が言っているわけですからね。それぐらいの答弁はできそうなものですよ。
○櫻内国務大臣 大体お答え申し上げておるつもりなのですが、果樹共済の場合、五年の試験を実施した。今回の場合には、畑作物は、北海道の場合、過去に三年の試験もやっておるし、かたがた園芸施設共済のほうについては、これは少し事情も違うが、本来五年と言いたいが、できれば早目にしたい、こういうことで期間をはっきり明定しなかった、こう申し上げておるのでありますから、御趣旨のことはわれわれとしても十分配慮しながら、早く本格的な共済制度にいたしたい、このように考えております。
○芳賀委員 それでは、この実施の問題は一応保留して、次に、大事なこの法案の第十条の共済金額の第一項について、いずれもこれは政令事項になっておるわけでありますけれども、この第十条でいうところの共済金額の設定の方法、あるいはまた、政令できめる率等については明らかにしてもらうことになるわけでありますが、特に指定畑作物の収穫物の単位当たりの価格と、これに乗ずる基準収穫量等については、共済制度の上から見て非常に重大な基礎的な要件になっておるわけでありますからして、この点を、これは大臣がおわかりにならぬければ、担当局長からでもいいです。時間の関係があるので、中身だけ明快にしてもらいたい。
○内村(良)政府委員 第十条の共済金額でございますが、指定畑作物の収穫物の単位当たり価格に基準収量を乗じて得た金額に政令で定める率を乗じた金額と、こういうことになっております。
 そこで、収穫物の単位当たりの価格でございますが、これにつきましては、行政価格があるものは行政価格、すなわち、てん菜、サトウキビ、バレイショ、大豆につきましては行政価格をとりまて、行政価格のないもの、すなわち、アズキ、インゲンにつきましては、五年間の中庸三カ年間の農家の庭先価格をとろうと思っております。その統計は、統計情報部でつくっております物財統計によってそれを調べて、収穫物の単位当たり価格を定めたいと思っております。
 それから次に、基準収量は第二項になっておりますので、その次にお話しすることにいたしまして、第十条第一項の政令で定める率でございますが、これは六割、六〇%を考えております。
 次に、第二項の基準収量でございます。これにつきましては、「過去一定年間における当該被共済者の当該収穫物の収穫量等を基礎として」と、こう響いてございますが、これは七年中の最高、最低を除きました五年平均できめようと考えておりますが、御承知のとおり、てん菜、バレイショ等につきましては、最近非常に技術の進歩等で収量が伸びておりますので、そういった収量が伸びておるものについては、反収増加の趨勢値等を参酌いたしまして、現実に合うような基準収量をきめたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、第三項の「園芸施設共済の共済金額は、共済価額に政令で定める率」ということが書いてございますが、この「政令で定める率」は、八割を考えておるわけでございます。
○芳賀委員 いまのような算定を用いて実験に入るということになれば、おそらくその共済組合の中で指定組合にしてもらいたいという申請は全然出ないと思うんですよ。たとえば共済金額の基準になる指定農作物の価格にしても、行政価格、てん菜の価格あるいはサトウキビの価格、バレイショの価格あるいは大豆の価格等、それぞれ根拠法は違うが、毎年農林大臣が生産者価格あるいは基準価格をきめて告示するということになっているわけですから、これは決定の時期があるいは四月あるいは十月と異なっておりますけれども、いずれも当該年度において生産された販売作物に対する政府の価格支持ということになるわけです。今年度あるいは来年度、それらの価格が適正にきめられるかどうかということは別として、この行政価格がない、制度的な価格補償がないというのがいま局長の言ったアズキ並びにインゲンであります。行政価格のあるものについては、当該年における農林大臣がきめた価格、行政価格がない自由価格の場合においては、過去五年のうちの中庸三年の平均価格ということになれば、これは全く実態に合わぬということになる。アズキにしてもインゲンにしても、過去五年の実勢価格というものは、どういうような経過をたどっているということは明らかになるわけですから、たまたま行政価格がついておらぬ自由価格であるという場合においても、それでは共済制度と価格補償との関係というものを考えた場合、自由価格に置かれておるアズキとかインゲン等については、これをまず価格補償のワク組みの中に入れるという前段の措置を行なうか、あるいは実験期間中にこれらのものについても価格補償を行なうことにしなければ、せっかく特定作物の対象にアズキ、インゲンを入れても、これは実態に合致しないというような結果に終わるわけですから、この際、やはりアズキ、インゲンにしても、たとえば前年度の価格であるとかあるいは適正な他の行政価格のあるものに見合った価格設定を行なって、そうして共済金額を計算するということにしなければならぬと思うのです。どうですか。
○内村(良)政府委員 先生からただいま御指摘があったような問題が確かにあるかと思います。行政価格のあるものにつきましては、御承知のとおり、価格変動がほとんどないということで、安定的に推移しているのに対しまして、行政価格のないものについては非常に価格変動がございます。そこで、私どもいろいろ考えたのでございますが、行政価格のないものについて前の年の価格をとるということにいたしますと、たとえばアズキの場合、前年が非常に豊作であったということになりますと、えらく値段が下がるわけでございます。そういった価格を基礎にとって共済金額をきめるということはやはり問題があるのではないかということから、五年間の中庸三カ年でいいか、あるいはむしろ七年間の五年平均にすべきであるとか、いろいろ議論はあると思いますが、私どもといたしましては、果樹共済の場合に、四年の中庸二カ年になっているということもございまして、いろいろなアズキあるいはインゲンの価格の動きというものを考えて、五年の中庸三カ年ならば、大体妥当な共済金額ができるのではなかろうかと考えて、そのような方針で取り進めたいと考えているところでございます。
○芳賀委員 基準単収をとる場合は、たとえば五年のうちの中庸三カ年とか、七年のうちの五カ年というようなそういう方法はあるが、基準にする価格をきめる場合、過去五年間の中庸三カ年なんというやり方は、これはないでしょう。過去三年であれば三年間の平均的な、たとえば販売価格であるとか実績価格、それが常識的な方法であって、基準単収と同じ手法でやるというのは問題があるじゃないですか。とにかくいまの自民党内閣のもとにおける物価の上昇に対して、行政価格の場合には、毎年毎年据え置きでやってきておるから、異常に押えられておるわけでしょう。自由農産物の場合には、経済の変動やインフレに押されて、そして自然な経済的な市場価格というものが形成されておるわけですから、最近一年が無理だとすれば、二年とか三カ年の平均価格ということでなければ、五年とか七年の中庸何年なんというのは、これは全く非常識な考えですよ。そう思わぬですか。
○内村(良)政府委員 先生御案内のように、アズキにつきましては年によって非常に価格変動があるわけでございます。そこで、そういった点を考えまして、基準単収と同じようなやり方を価格についてとるのはおかしいじゃないかという御議論もよくわかりますけれども、私どもといたしましては、アズキのような農産物の場合には、五年間の中庸三カ年というのは、共済金額を決定する基礎としては妥当なものではないか。念のため申し上げておきますと、果樹につきましては四年間の中庸二カ年ということでやっております。
○芳賀委員 あわせて農林大臣から、自由価格であるところのアズキ、インゲン等については、大豆と同じように、当然国の責任で価格補償、行政価格を設定するということが至当だと思うが、どうですか。
○櫻内国務大臣 これはアズキやインゲンの場合を考えてみまするに、一般的な、普遍的な作物とは見られないのじゃないかと思うのです。そういうことからいうと、ただいまの御質問には沿いかねない、こういうふうに私は思います。
○芳賀委員 とにかく自由価格の農産物を共済制度のワクに入れるということ自身が無理なんですよ。こんなのは共済制度のイロハですから、よく考えてください。
 それから、基準単収のとり方にしても、たとえば水稲の場合には、現状においては全国的に水稲の単位当たりの生産性というものは足踏み状態ですから、たとえば過去五年間の中庸三カ年間を平均的にとった基準単収を設定しても、その面では実態との大きな狂いはないわけです。
    〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕
しかし、たとえばバレイショにしてもてん菜にしても、ここ五年間ぐらいの推移を見ても、単位当たりの生産性というものは非常に上昇しておるわけです。結局、行政価格で毎年毎年据え置きで押えるわけですから、農家としては、専業的な農業でいくためには、自分の努力で農業労働の生産性あるいは土地生産性をあげなければ生きていけないという、そういう追い込まれた状態もあって、相当生産性は伸びておるわけです。昨年の四十七年度においても、てん菜の場合には、北海道全体の十アール収量が四千八百キロ平均ということになっておるわけですから、これを見ても、過去五カ年間の単位収量の推移というものは、豊凶にかかわらず、上昇傾向をたどっておるということは明確になっておるわけです。そういう実態というものを基準単収に反映させなければ、過去五年間の中庸三年とか、過去七年間の中庸五年なんということは、これは実態に合わないわけでしょう。しかもそれに足切りを使うわけですから、畑作物全体では三割足切りとか、区分すればバレイショ、てん菜は足切り二割、豆類は四割というようなことになるわけですし、あるいは共済金額の計算にしても六〇%ということになるわけですからして、そういうことでは畑作共済制度というものを実施してみても、豊凶にかかわらず共済金を受ける機会というものはないということになるわけです。よほど例外的な農家あるいは極度に生産性の低い条件の局地的な場所しか対象にならぬということ、これは当然なんですよ。実験だからやりながら直すといえばそれまでですが、皆さんにしても戦後二十数年間農業災害補償制度に専門的に取り組んでおるわけだから、そういう過去の実態というものを踏まえて、少なくとも現存する共済制度よりも確かに災害補償制度としては前進しておる内容である、実験期間においてもそういう内容であるということにしなければいけないと思うのですよ。その点はどうですか。
○内村(良)政府委員 まず第一に基準収量の問題でございます。そこで、過去の七年間の中庸五年平均ということでは現実に合わないじゃないかというお話でございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、たとえば、申し上げるまでもなく、てん菜につきましては最近ポット栽培が導入されまして、非常に収量が上がっておることは先生の御指摘のとおりでございます。しだがいまして、てん菜については、なお七カ年の中庸五カ年であれば、確かに不合理が生ずるということもございますので、そういったものにつきましては、最近の反収増加の趨勢値等を十分勘案いたしまして、極力現実に合うような基準単収にしたいというふうに考えておるわけでございます。
 そこで基準単収一般の考え方でございますが、私どもといたしましては、現在の共済保険制度というものは一種の政策保険でございますから、その場合の被保険利益としては客観的に期待し得るものを補償すべきではないか、すなわち相当なる国庫負担を伴ってこの事業をやっておるわけでございますから、そのようなものが被保険利益として適正ではないかというふうに考えて、現在のような基準収量の設定をやっておるわけでございますが、その場合におきましても、収量が非常に急速に技術の発展によって上がっているというようなものにつきましては、それが客観的に期待し得る収益につながるわけでございますから、そこのところは修正したいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、足切りの問題につきましては、御案内のように、現在の農業災害補償制度は、昭和二十一年か二年にできまして以来、ずっと三割足切りということでほかの制度は全部やっております。と申しますのは、やはり損害評価に伴ういろいろなリスクの問題、それから農家の自家保険能力の問題、その他いろいろあらゆることを考えまして、三割足切りということがずっと行なわれてきておるわけでございますが、北海道の畑作の場合には原則は三割足切り、しかし、被害の態様を見ますと、てん菜、バレイショと豆類との間には被害の態様にだいぶ違いがございまして、被害率等もだいぶ違いがございますので、組合の選択によって、組合が選択をした場合には、バレイショ、てん菜は二割、豆類は四割という足切りで、農業災害補償制度ができて以来とってきました足切り三割という原則は、この際くずすべきではないという考え方で仕組んであるわけでございます。
○芳賀委員 それでは、基準単収、いま局長の説明では過去七年間の中庸五年ですね。それではその方式、特定の作物、各作物の基準単収、これはあらかじめ計算しての上で言っていると思いますからして、その基準単収をここで示してもらいたい。
○内村(良)政府委員 四十六年までの数字でございますから、これは実際にやりますときには、四十七年が入りまして数字は多少変わります。
 そこで、具体的な数字を申し上げますと、バレイショは二千五百五十二キロでございます。これは反当収量でございます。てん菜が三千五百六十八キロ、大豆が百三十八キロ、アズキが百二十二キロ、インゲンが百五十六キロ、こういう数字になっております。
○芳賀委員 サトウキビは。
○内村(良)政府委員 サトウキビは六千四百十七キロでございます。これは沖繩でございます。それから鹿児島が六千百二十九キロになります。ただし、最近の技術の発展が著しいものにつきましては趨勢値をとりまして、この収量を趨勢値で修正することになるわけでございます。
○芳賀委員 そこで、この七年のうちの五年、俗に七中五というわけでしょう、この基準反収に足切りを使った場合どうなるんですか。
○内村(良)政府委員 ただいま申し上げましたのは七カ年の中庸五カ年の数字をなまで申し上げたわけでございます。そこで、そういうものを基準にいたしまして県の反収を、北海道なら道の反収を組合ごとに割り振って、それから個人別に――そのときに一割前後のアローアンスを認めておりますから、そこで多少さらに弾力的に基準単収がきまってくるわけでございます。そこでその基準反収を基礎にして損害を見るわけでございますから、足切り三割というのは、基準反収がございまして、その被害が三割以上の被害という場合に共済金の支払い対象になる、こういうことになってくるわけでございます。
○芳賀委員 問題は、実際に共済金をもらわなければ災害補償制度というものは意味がないわけです。共済金が被害農家に手渡るまでの経過というものでこれは議論しなければいかぬでしょう。その場合には、基礎になる基準単収をどうするあるいは基準価格についてはどうするとか、それから政府のてん補率をどうするとか、それから足切りをどうするということになるわけだから、結局、一定の共済金額をこえる被害部分について共済金を払うわけでしょう。その計算上、結局、足切りも使ってみなければ、一体各作物についてどれだけの金額をこえる部面が共済の対象になるか、その場合には、結局、三割とか四割という足切りというものが先にあって、それからそれをこえるものということになるわけだ。
 時間があればゆっくり議論をしてもいいですよ。限られた時間内で質問をするわけだから。昨日、どういう問題をおもに質問するかということを聞きに来ておるわけでしょう。これは審議の能率上、こういう点を中心に質問することになるのでその点は大臣、局長によく説明しておいてもらいたい、大臣については政策的な点だけでいい、局長については、主管局長だから、わからぬということはないはずだから、粗漏のないようによく言っておいてくれということは言ってあるわけだ。一年生があなたに聞いておるのじゃないですよ。だから、足切りを使った場合にどうなるかということを言っておるのです。
○内村(良)政府委員 私の説明が不十分であればまことに申しわけないと思っております。基準収量がきまりまして、その収穫期に損害評価をする、その基準収量に比べてどれくらいの被害があったかということは、基準収量との比較で被害が出るわけであります。
 そこで、三割以上の被害があるということになれば、その三割以上の被害の度合いに応じてそれを共済金額にかけて共済金がきまってくる、こういうことに制度がなっているわけでございます。したがいまして、基準収量の損害評価の場合の一つのめどとして使われまして、それによって何割の損害があったということを見て、それが共済金額にかかって共済金がきまる、こういうことになってくるわけでございます。したがいまして、基準収量掛ける七〇%以下の収量であった場合には、それは共済金の対象になるということでございます。
○芳賀委員 だから、基準収量の七〇%という場合は三割足切りでしょう。三割足切りを使った場合の収量は一体幾らになるか、作物別に説明しなさいと言っている。あなたが変なことを言い出したから、こんがらかっちゃったのです。
○内村(良)政府委員 ただいま計算してすぐ御報告申し上げます。
○芳賀委員 そんなものは短時間の質問の場合にはあらかじめ計算しておかなければ――法案ができないじゃないですか。そういう試算をしないで、足切りを二割にするとか四割にするとか、どこからそういうものが出てくるんだ。基本は従来ある農作共済を基礎にしてやっておるわけでしょう。だから、いまさら研究して計算機を回さなければわからぬというようなものじゃないでしょう。だから、問題は、基準収量というものは過去七カ年のうちの中庸五カ年を平均的にとるということはわかったわけだから、それに足切りを使った場合には、一体どうなるんだということを聞いておるのです。
○内村(良)政府委員 その基準収量は、ただいま申し上げたような数字を基礎にして、それに趨勢値等を勘案してきめて、それは組合ごとにきまってくるということで基準収量がきまる。それからさらに三割以上の被害があった場合に共済金の支払い対象になるということで、それじゃ、共済金額をどうするかということにつきましては、私どもは、さっき申し上げました行政価格とかその他の自由価格のものについては、大体こういうことで共済金額をやれば生産費をどの辺ぐらいまで補償できるだろうか、そういう計算は全部して制度の仕組みを考えたわけでございます。
○芳賀委員 だから、基準収量に対して三割以内の被害の場合は共済金の対象にならぬわけでしょう。だから、限界の収量は幾らだということを聞いているのです。それに足切りをかけてみなければわからぬじゃないですか。
○内村(良)政府委員 数字を申し上げます。バレイショが千七百八十六キロ、てん菜が二千四百九十七キロ、大豆が九十七キロ、小豆が八十五キロ、インゲンが百九キロ、サトウキビが四千四百九十二キロでございます。
○芳賀委員 バレイショは昨年の場合には十アール当たり三千五百キロとれているわけですからね。だから、三割足切りの限界収量からいえば千七百八十六キロということになれば、現在の五分作以下にならなければ、それからまだ以下にならぬければ、これは共済金の対象にならぬということになる。それからてん菜の場合は、去年は四千八百キロ、これは北海道全部の平均が実収として収穫されておるわけだから、てん菜の場合も、昨年の平均収穫高の五割以下にならぬければ、これは共済金の対象にならぬ。それから大豆の十アール九十七キロとか小笠の八十五キロ、インゲンの百九キロ、こういう収量というのは、相当の冷害年においても、大体この数量は確保されておるわけですからね。せっかくこれ、実現しても、何も対象にならぬということになるじゃないですか。だから、畑作の実態とこの基準収量と足切りを使ったこの限界収量を比較して、これは制度に乗るか乗らぬかぐらいのことは、皆さん優秀な役人ですから、そのぐらいの判断はつかないですか。これは政策にも何もならぬじゃないか。大臣、これどう思っているのですか。
 これは、提出する場合には、この内容でけっこう、だから閣議にかけて内閣提出にしようということで、これは大臣が決裁しているわけでしょう。大臣、こんな中身の説明を聞いて、これはいままでよりりっぱだ、これは水田の転換政策として有効である、ということにはならぬじゃないですか。こんなものを使用したら北海道の農民に笑われるですよ。それは沖繩や鹿児島のサトウキビ農家だって、こんなもの、ばかにするようなことになる。
 これはいずれ政令できめるわけでしょう。あるいは必要なものは農林大臣が準則をきめ、それによって各共済みんなやっているわけですからね。こういう点は、政令の公布とか省令の策定とかあるいは準則決定までには、まだ時間があるでしょう、法律が通るかどうかわからぬわけだから。それはあとで実態に合うようにすると言えばそれまでですが、これはまことにお粗末じゃないですか。これは優等生の内村経済局長としてはまことにお粗末じゃないですか。どう思っているのですか。
○内村(良)政府委員 ただいま申し上げました七年中の中庸五カ年の平均の数字は、なまの数字を申し上げたわけでございます。先ほども御答弁申し上げておりますように、バイレショ、てん菜につきましては、確かに先生の御指摘のようなことがもう数字的にはっきり出ております。反収がぐんぐん上がっております。したがいまして、四十七年も非常に高かったということは、そのとおりでございます。したがいまして、先ほど御答弁申し上げましたように、そういったものにつきましては、最近の年間の反収増の趨勢値をとりましてそれを修正するつもりでございます。したがいまして、さっき申し上げましたなまの数字に七掛けした数字よりは、そこへ趨勢値による修正が加わってくるということが一つございます。
 それから、おことばを返すわけではございませんけれども、昨年の場合には相当とれたという事情がございます。共済制度はやはり不作の場合の補償措置でございますので、昨年のなまの数字とそれを比較してあれすれば確かにそのとおりでございますけれども、私どもといたしましては、そういった修正等を加えて、適正な補償ができるようにしたいというふうに考えておりまして、決して意味のない制度をつくるというような考え方は全くございません。現に、先生が御指摘のとおり、そういった点は政令なりあるいは要綱できめるというような点もございますので、今後運用の面におきまして非常に不都合があれば、もちろん修正すべき点は実験の過程においても修正しなければならぬというふうに考えております。
○芳賀委員 だから、災害のあった年の反収とか価格を基礎にするのだ、これは間違いですよ。完全に災害なかりせばというところまでいかぬとしても、できるだけ無災害の年における収量とか価格というものを基礎にしなければ、それに対してこれだけの災害が生じたから、災害を補償するために損失を補てんするための共済制度ということですから、それが目的なわけです。
 それからもう一つ、アズキの自由価格、局長の言われた過去五年間の中庸三年の平均価格というのは幾らになるのですか。
○内村(良)政府委員 アズキの価格は、物財統計によりますと、北海道の場合十キロ当たり千六百二十三円になります。
○芳賀委員 これは過去五カ年の中庸三カ年の平均ですか。
○内村(良)政府委員 これは四十一年から四十五年まで、というのは、まだこれをつくりました段階では数字が必ずしも明確でございませんでしたので、四十一年から四十五年までの物財統計によって五年中の中庸三年をとりますと千六百二十三円になるわけでございます。これを実際に四十九年から実行に移します場合には、それまでの一番近い時点のデータをとって修正することになりますので、もちろんこの千六百二十三円で実施するわけではございません。
○芳賀委員 どうして六十キロで説明しないのですか。一俵は六十キロです。いままでは六十キロ一俵だったのですが、今度は十キロにしているのですが。
○内村(良)政府委員 この数字をつくります場合には、バレイショ、てん菜、大豆、小豆、インゲン、サトウキビにつきまして統一的な統計をつくったものでございますから、平均する意味で十キロにしてございますが、もちろん一俵の計算もできるわけでございまして、すぐ計算して御説明申し上げます。
○芳賀委員 その計算するまでにお尋ねしますが、アズキ、インゲンの場合、豊作年の場合には、自由価格であるから、需要供給の関係で安定的な価格でいくわけですね。ところが、冷害等によって、主産地の北海道がアズキ、インゲンが全面的に減収ということになれば、価格面では高騰する、そういうことがいままで繰り返されてきておるわけです。
 そこで、今後決定する基準価格についていま論及するわけじゃないのです。それが高いとか安いということは、これは未定の問題です。ですから、たまたま収量は五分作とか六分作で当然共済金の対象になるという場合であっても、金額的にアズキの価格というものが平年よりも五割あるいは二倍に上昇することはあるわけだから、そういう場合、収量のない農家の場合にはどうしようもないが、五分作、六分作の場合は、過去の実例からいうと、収量は減収したが、販売金額――アズキの価格やインゲンの価格が値上がりしたことによって、結果的には五分作であったけれども、収益面では八分作とか九分作とか、平年に比べればそういう結果になったということも、これはままあるわけですから、これは家畜共済とは違いますが、あくまでも収量を基礎にした災害による減収に対する損害の補てんだから、値段が上がったからその分を相殺するなんということはやりようもないと思うが、そういう点を勘案して共済金額等をきめるということならば問題があると思うのです。おそらくそういうものを配慮した足切り四割というものを政令で用意しているのじゃないかと思うのですけれども、これは純粋な考え方ではないと思うのですね。その点をこの際明確にしていただきたいと思います。
○内村(良)政府委員 アズキにつきましては、確かに先生の御指摘になりましたような、いわゆる保険の分野だけで考えれば超過保険になってしまうのではないかという問題もないわけではないと思いますが、私どもが考えました自由価格についての共済金額の決定という場合には、五年のうちの非常に異常に高いもの、低いものを除くということで、そこまで考えてやったわけではございません。しかし、保険の分野におきましては、これは超過保険になるのではないかという議論があったことは事実でございますが、価格のとり方についてはそういうことは考えておりませんし、さらに、先ほどの政令の、価格掛ける基準収量に六割を掛けるという点がかかっておりますので、現実問題としては超過保険になるということはないのではないかと考えております。
○芳賀委員 それは局長、間違わないでくださいよ。超過保険になるのではないかということを言っているのじゃないですよ。そういう面を勘案して足切りの問題とか六割を掛けるとか、そういう政令を用意しておるじゃないかということを言っているわけです。それじゃ、純粋な保険設定にならぬですからね。そういうことを考えておるとすれば、金額面においても勘案した保険設定をやる、これを打ち出してもらわないと、ごまかされて、あとでこういうふうな制度のたてまえがおかしいのではないかという場合に、実はあなた方は超過保険でよけい収入があるじゃないかということで逃げられるとまずいですから、いいですか、この点は慎重にやってもらいたいと思うのですよ。
 なお、いま超過保険という話が局長から出ましたが、これは現実の問題についても、家畜共済の場合に、たとえば廃用になる場合ですよ、けがをしたり何かして廃用処分をするという場合に、結局個体のいわゆる残存価格というのは、これは評価しなければならないですからね。これは十分肉食として利用価値があるという場合には、それを評価して、そうしてその残存価格というものを共済金額からその分だけを控除するということに当然なるわけです。そして共済金を払うということになるが、最近は、廃用の処分が場合によって共済金額に接近するとか同様になる、あるいは上回るというような事例も、これは全国的に出ておると思うのですよ。そうなると、結局家畜の共済に対する共済金額の設定とか、共済金額の支払いの基準の設定等に根本的な検討を加える必要があるのではないかと思うのですよ。この点は研究しておるのですか。していなければ、これはこれから研究に値すると思います。
○内村(良)政府委員 第一点の、二割ないし四割、てん菜、バレイショ二割、豆類四割というような選択制をつくったことについて、アズキの価格変動が非常に激しくて、不作の年に非常に価格が上がる、そういうようなことも考えてやったのではないかという御質問でございますが、その点につきましては、被害率の、被害の態様からやったわけでございまして、そういった経済的な要素は全く考えておりません。したがいまして、今後この畑作共済の運営につきまして、ある場合にアズキの価格が非常に上がったから作物保険としての共済金に何らかの修正を加えるというようなことをやることは全く考えておりません。これは作物保険としてやるべきことでございまして、価格変動の問題は全く別問題であるということで考えておるわけでございます。
 それから、家畜共済の点につきましては、確かに一部にそういった現象が起こっているのは事実でございます。そこで、これは農家の選択する共済金額の問題、その他いろいろな問題がございまして、なお慎重に検討したいと思っておるわけでございます。
○芳賀委員 最後に一点だけお尋ねしますが、法案の第二十七条、国の助成、第一項の事務費の補助、これは農災法の本法の十二条にもあると思うわけでありますが、第二十七条二項の「毎会計年度、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、畑作物共済及び園芸施設共済の共済契約者に対し、交付金を交付することができる。」、これは農災法の本法からいえば、この本法の十二条というのは、これは共済掛け金の国庫負担が法律で明定されておるわけですね。これは試験共済ですから、その掛け金に対する国庫負担というものはどこにも出ていないが、この二十七条の二項というものは、掛け金国庫負担にかわるべきものとしてこの交付金を交付するというような趣旨ではないかと思うのですよ。そうであれば、これは一体その掛け金の国庫負担にこれを置きかえた場合に、何割掛け金負担に相当する政令を用意しておるか、この点を明らかにしてもらいたいわけです。いままでの各種共済の掛け金国庫負担は、原則は二分の一負担を基礎にして、水稲にしてもそれ以外のものにしても、いずれも全体をくるめると五割以上の掛け金国庫負担ということにこれはなっておるわけですからして、これが本格実施ということになれば、当然掛け金についてはこれは二分の一以上の国庫負担になると思うわけですよ。しかし、実験中といえども、この再保険を基礎にした実験共済をやるということに法案が仕組まれておるわけですから、当然この掛け金についても、本来であれば、掛け金の国庫負担を土台にするということを法文で明らかにしておくべきものと思いますが、この点について内容はどうなっていますか。
○内村(良)政府委員 二十七条二項の規定の性格につきましては、ただいま先生から御指摘のあったとおりでございます。そこで、この「政令で定めるところにより、」ということでどう書くのかということでございますが、畑作共済につきましては純共済掛け金率三割、園芸共済につきましては一割ということで政令を書く用意をしております。
○芳賀委員 結局、国庫負担と書けば五割以上にしなければならぬから、それではうまくないというので、これは政令にまかして、三割ないし一割ということにしたわけですね。こういう偽装したやり方というのはおかしいですよ。法案の第一章の目的の中に、政府が再保険事業を行なう、共済組合の共済事業、それから連合会の保険事業と政府の再保険事業、これを試験的に実施するためにこの法案を制定するということになるわけですからね。そうなれば、当然この掛け金に対して一体どうするんだということを法文の中に正直にうたうのが至当だと思うのです。そうじゃないですか。ですから、こういう点についても問題があることを指摘しておきます。
    〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕
 まだ幾つか問題がありますけれども、指示されておる時間を若干こえておりますからして、あとの問題点については、いろいろな機会に、政令、省令をきめて公布するまでに十分この委員会のわれわれの考えというものについても、大臣または経済局長に対して率直にこちらからも注文をつけて、できるだけ、実験共済といえども将来にわたって農業災害補償制度全体がこれによって前進できるような、そういう実験制度を進めてもらいたいと思いますが、これに対する農林大臣のお考えを聞かしてもらいたいと思います。
○櫻内国務大臣 種々御意見をちょうだいいたしまして、これからこれを本格的に実施する上に、私どもとしても参考になった点が多々ございました。いずれ政令等の具体的な場合に、お考えなど勘案してやりたいと思います。
○佐々木委員長 津川武一君。
○津川委員 本法案が試験的な実施なので、とりあえず私たちこれに賛成してやってみる。途中において変更が必要であるならば、いつでも改正などということを農林省に要求してみたいと思っております。
 そこで、非常に雑な質問ですが、大臣、前にいまの果樹共済を皆さんが提案したときには、果樹保険、試験研究。今度は初めから畑作共済、試験実施。果樹保険をやってみて、今度は果樹共済と直した。ここいらのことばの使い方が統一されておるのかどうか。こういう点でちぐはぐなことばを使っていたり、また農林中金みたいにかたかなの法律があったり、いろいろなことがあるので、ここらあたりすっきりさしたほうがいいと思うのですが、これは大臣でもいいし、局長でもいい。
○内村(良)政府委員 果樹共済の実験の場合には確かに保険ということばを使ったわけでございます。それは連合会の元受け保険ということで実験をやったわけでございます。ところが、実験をやった過程におきまして、これはやはり実際に組合にいろいろ頼まなければならぬとか、いろいろな実験の経過にかんがみまして、畑作共済は、いわゆる共済、保険、再保険という三段階で実施しようということになりましたので、そこは果樹とは制度の仕組み方に違いがございます。それで、果樹の場合には保険、それから畑作の場合には共済、こういうことばを使っておるわけでございます。
○津川委員 農林大臣、私、説明聞いたけれどもわからないの。何が共済か、何が保険か、農林省としてそこいらの用語を統一したほうがいいのじゃないかと思うのです。調査室にも資料を出してもらって、比較検討してもらっているのですが、なかなか差が出てこない。果樹保険と果樹共済と、そこいらあたりはどうなんですか。大臣、もう一度用語の問題に対して。――時間を食うから、あした私、もう一度伺いますので、大臣に統一的な見解を明らかにしていただきます。
 次に、いろいろな災害に対して共済する、これは必要でありますが、私も、その点は、この法案をやってみたいという気持ちから、賛成ですが、これと並んでもっと忘れることのできないのは、そういう災害が起こらないように予防する施策が必要かと思うのですが、この点は大臣はいかがでございますか。
○櫻内国務大臣 それは言うまでもなく、予防措置のほうが大事だと思いまするが、しかし、何といっても自然の気象条件を非常に加味してやらなければならない農作業のことでございますから、そうなってまいりますと、いま保険、共済の違いを明確に答えろということでありますが、そこに保険とか共済とかの必要性が起きてくると思うのであります。
○津川委員 大臣、それを質問したんじゃなかったのです。共済は必要だ、だから賛成する。やってみて、悪いところがあれば、われわれは直すように農林省に意見を言う。ところが、これと並んで予防も同じくらいに必要もしくはそれ以上に必要なんじゃないか。この予防に対する態度を聞いているわけなんです。
○櫻内国務大臣 取り違えてたいへん恐縮でございます。
 もちろん、自然災害に対して万全のくふうをしていく必要があると思います。それには、寒冷に対処するとかあるいは高温に対処するとかいうようなことで、諸種の技術研究などもございましょう。あるいは土地基盤整備などで対応することもございましょう。各種の施策を講じて対応していく、やむなく災害を受ければ、それはまたそれで共済等で応じていく、こういうことだと思います。
○津川委員 全くそのとおりで、そういう立場からひとつ質問してみたいのは、いま岩手県の北部、それから青森県の全域にわたってリンゴの腐乱病が非常に出ている。これが今度共済の対象に入った。だが、政府は一体何をしているのか。いま農林大臣も言われたように、予防することは非常に大事なことなんだけれども、国のほうでは試験研究をほとんどしてないんじゃないかという疑念が農民の中から出ているのです。これができたから共済するというのじゃなくして、それに対する具体的な対策が必要かと思うのですが、どの程度しているのか、いま私に指摘されて何かやらなければならぬと考えているのか、この点をひとつ答えていただきます。
○伊藤(俊)政府委員 腐乱病につきましては、リンゴに対する被害というのが非常に大きいものでございますから、私どもといたしましては防除暦、いわゆる防除基準の中に組み入れまして、防除につとめておるような次第でございます。
○津川委員 防除暦に組み入れているけれども、それは農民の負担であれば、国として法を成立せしめても何にもならない。こういうことなので、これもあしたまたもう一回伺います。国がどれくらいお金を出しているか、具体的な数字で出していただきたい。
 そこで、大臣、この間も資料の問題で私、大臣とだいぶやり合ったんですが、きょうも資料が届いていない。それは、果樹保険をやったときにどのくらい人員をふやしたのか、どのくらい仕事の量がふえたのか、役所の機構でどんな変化が起きたのか、これから畑作共済をやる場合にそういう関係はどうなるのか、この資料が届いていないために、私、質問が展開できない、こういう状態にあります。あした、残った時間が三十何分ありますので、ぜひやれるようにきょうのうちに私のところに届けてほしい。こういう資料の問題でございます。いかがでございますか。
○内村(良)政府委員 実は私、先生がそういう資料要求をお出しになったことを初めて伺ったのでございますが、いつでございますでしょうか。
○津川委員 二日か三日前です。
○内村(良)政府委員 さっそくできる資料はお届けするようにいたします。
○津川委員 そこで、大臣、だんだん法案にも入っていきますが、法案の基礎をなしておるのが畑作物なので、日本の農業において、果樹と牧草を除いて畑作物というものを農林省としては育成する必要があるし、また育成していると思うのですが、この畑作物に対する対策を伺わしていただきます。
○櫻内国務大臣 畑作物の振興につきましては、これはもう言うまでもないことだと思うのでございます。
    〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕
そのためには、具体的にはまたお答え申し上げてよろしいと思いますが、土地基盤整備にしても構造改善事業にしてもこれをやっておるのでございまして、非常に大まかな御質問をちょうだいしたので、ちょっとお答えしにくいところがございますが、畑作振興にはつとめて力を入れてまいりたいと思います。
○津川委員 稲作からの転換として畜産を打ち出しました。稲作からの転換として果樹を打ち出しました。耕作面積でいくと畜産のための牧草地がかなりふえました。この点は十七万ヘクタールから三十数万ヘクタールにふえております。ところが、この畑作は、昭和四十一年の八月一日現在農林省の統計で百九十万ヘクタール、四十六年八月一日で百四十一万ヘクタール、五年間のうちに四十九万ヘクタール減っております。日本の耕地面積が、総面積でいくと四十一年八月一日は五百九十九万ヘクタール、四十六年八月一日は五百七十四万ヘクタール。二十五万ヘクタール減っております。全体で二十五万ヘクタール減っておるのに、畑作で四十九万ヘクタール。だから、他のふえておる部分がある。ふえておる部分が果樹と飼料作物畑です。力を入れているところはふえた。大臣が畑作は力を入れる、振興すると言ったが、減ってきた。私たち振興については、土地基盤整備、機械化、省力などというものをみんな考えております。だが、基本的に言うと、ここのところに稲作からの転換の問題が出てきておる。耕作面積が非常に大きな基準だと思うのです。現実にじり貧にではなくて、激烈に減っておる。この畑作耕地の面積について何と考えているか。耕作面積をもっとふやすことが基本的でないか、こう考えます。いかがでございますか。
○櫻内国務大臣 畑作物の一つ一つを考えてみなければいけませんけれども、しかし、総括的に考えまするならば、奨励策はあっても、畑作物よりも採算のいいものがあったのではないかと認めざるを得ないと思うのです。その中にはいわゆる出かせぎ問題などもありました。他産業のほうがそろばんがいいというような影響も受けておると思いますが、一つ一つの作物から考えてまいりますれば、これもしばしば問題になりました大豆のように、食品用の大豆はでき得る限り国内でつくるが好ましいと思っていながらも、これが自由化以降どんどん減産をして、われわれの考えている方向とは違ったほうへ行っておる。そういうことから、最近は稲作の転換に際しまして極力大豆などの畑作の奨励をしておるというのが実情でございまして、御指摘のように、耕地面積が著しく減っておる。これはそういう事実があらわれておるのでありますから、従来の施策の上にわれわれがなお考えなければならない点が多々あるものと思います。
○津川委員 この四十九万ヘクタール、五十万ヘクタールという激減、こういう状態に対して、野菜でもそうだし、大豆でもそうだし、いろいろな畑作物が必要なときに、もう一回これは考え直さなければならぬ。ほかの作物がいいから、畜産にいったから畑作が減ってもいい、こういうふうに受け取られるような返事なんですが、大臣はそのつもりじゃないと思いますが、もっとふやすべきでありませんか。この点、端的にどうでございますか。減り方を減らしてもっとふやしていくべきだ、こう思いませんか。いかがです。
○櫻内国務大臣 最近のように、食糧問題が非常に関心を集めておる、国際的な異常天候のようなことも頭に置きましたときには、より一そうの畑作物の振興の必要があると思います。
    〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕
○津川委員 畑作振興の必要があるというから、あとで大豆でもう少しこの点は詰めて質問いたします。
 そこで、今度の畑作物共済の対象にしようとしている六品目のうち五品目を北海道にだけ限った、この意味は、どうしてこういうことをなされたのです。その理由を話していただきたい。
○内村(良)政府委員 畑作物共済の実験をやります場合に、どういうふうな形で進めるかということを私どもは検討したわけでございます。そこで、実験を始めるにいたしましても、これは共済保険制度でございますから、掛け金率ができなければ実験そのものができないわけでございます。そこで、今日までのいろいろな共済制度の歴史の中におきまして、一番そういった面の必要性があり、基礎的な調査が進んでおりますのは北海道の畑作物でございます。それから沖繩のサトウキビにつきましても、昭和三十八年以降、当時の琉球政府が中心となりまして被害率の調査をやっている。それから園芸施設につきましても、これは任意共済として温室等の共済をやってほしいという要望もかねてございまして、いろいろな形で被害率の調査があるというような状況でございましたので、そういったことを考え、かつ畑作物としての重要性を考えたわけでございます。その場合、先ほども午前中の審議で出ましたけれども、南九州のカンショはどうするかというようなこともいろいろあったわけでございますが、カンショについては確かに畑作物の生産量という点から見ますとかなりのウエートを占めておりますけれども、保険に仕組む場合の被害率がはっきりしない。それからさらに損害評価に若干の問題がある。さらに現地のほうに問い合わせましたところ、比較的作が安定していて、あまり保険需要がないというようなこともございましたので、これは見送ったというようなことから、今回提案理由で申し上げました品目に畑作共済のとりあえずの実験の対象の品目がきまったわけでございます。
○津川委員 大臣、北海道の農業をどうするかという問題です。この点からいくと、いまこれから共済の対象にしようと思っておるバレイショは、北海道で全国の五九%、私はこれは北海道でやるのは意味があると思います。てん菜は一〇〇%、アズキが五一%、大豆が一〇%。ここで大豆の中に問題があると思いますが、私はこういう点で北海道が主産地であるバレイショ、てん菜、アズキもしくは力を入れておる大豆などを畑作共済の対象とすることは非常によかったと思っているのです。北海道の農業というものをどうしても育成するとすれば、畑作のことが非常に大事になってくるので、先ほど大臣に畑作のことをお伺いしたわけでございます。
 そこで、この基礎となるべきもう一つの重大な農業の米、稲作、これは大臣、北海道の稲作は減らしたりつぶしたり、そういうことをしないで育てていくつもりなんでしょうね。これはいかがです、大臣。
○櫻内国務大臣 北海道も広うございまして、稲作に適しておる場所とそうでない場所があると私は認識をしておるわけでございまするから、したがいまして、畑作に適しているところは畑作を奨励すべきであるし、稲作を奨励する範囲というものは私は畑作に比較しては少ないのではないか、こういうふうに認識しております。
○津川委員 大臣、北海道でことしの生産調整率は二二〇%――千四百万トンに対して二百五万トン、大体一割の減反をやっているところへ二二〇%の減反率になってくると二割、そんなふうな強い減反率が北海道で行なわれているわけであります。総理はこの減反を来年からやめるという。そうすると、ここに二割という水田がどうなるのか、こういう配慮が必要なわけです。それに対して大臣が、北海道も広うござんして、畑作に適当なところもあるし、水田にも適当なところがある、こう言っている。とにかく北海道であれだけ稲作がふえたのは、適地であったからふえたんです。農民がやる気になったからふえたんです。稲作というものに対して非常に情熱があるときに、先の予想がいろいろな問題があるときに、この状態を大臣が是認するのか。いけないから、もう一回水田にするのか、それとも水田がいけないから他に転作させるのか、ここいらあたりを大臣、明らかにしていただきたいんです。
○櫻内国務大臣 これは四十七年度における実施面積などから申し上げるほうがいいと思うのですが、この生産調整の場合、十一万七千ヘクタール実施面積がございますが、その中で七万七千が転作、四万が休耕と、転作が六五・八%になっておるわけでございます。もとより政府としては現在転作のほうを奨励し、また転作を定着させたい、こういうことでまいっておるのでございまして、北海道のこの転作面積の実際を見まするに、飼料作物に四二・二%、豆類が三二・七%というような傾向を持っておるのでございまして、いわゆる農林省のいっております適地適作の考え方というものが、先ほどからお答えをしたように、北海道の場合畑作が向いておる、こういうふうに思われる場所につきましては、生産調整によっていまのような傾向が出ておるのではないか、こういう考えがするのでございまして、御質問の、稲作を奨励するのか、畑作を奨励するのか、これは適地適作でいくという農林省の基本方針で北海道の場合見ていきたいと思うのであります。
○津川委員 大臣、あなたたちが適作として稲作からの転作の戦略目標としてあげておる大豆、昭和四十一年十六万八千ヘクタール、四十七年八万九千ヘクタール。こんなに減っている。そこで畑作、適地適作でいく。四十七年現在で八万九千ヘクタールですよ、大豆は。いま単純休耕している北海道の耕地面積が五万ヘクタールなんです。こんなにあるのですよ。ところが、大豆にするのに対しては、十六万ヘクタールから九万ヘクタールに減ってきている。そこで、どうなるかということは、農民にとって非常に大きな関心です。あなたはここでもいま表明した、適地適作でいく。
 そこで、端的に伺います。総理が青森の記者会見で言ったように、減反を来年度から打ち切るのか。この減反を打ち切るということはどういうことかというと、米をつくっておって、それを休耕した者に補助金を出しておった。今度四十八年から補助金を出さなくなるんだ。これは大臣、ここで答弁している。そこで減反を打ち切った。そこで減反している北海道の五万町歩の水田に稲作をつけて、これを買い上げなければたいへんなことになる。減反が始まったときには生産調整という形でやってきたわけです。買い入れを制限して自主流通米を導入する。そこで、そういう買わなければならない米がないようにしてきたのがいままでの生産調整。今度減反を打ち切るというと、五万ヘクタールの中についた米を買うならばよろしい。この点、総理はまだ国会で答弁してない。大臣も答弁してないですから、一つは減反はやめるのか、その場合、北海道では五万ヘクタールの水田、ここから上がる米を買うのかどうか、この二つ、これを明確に答えていただきます。
○櫻内国務大臣 これは必ずしもお答えをしなかったのではありません。私としてはすでにこの種の問題については明白にお答えをしておるつもりです。昭和四十六年に生産調整についての五カ年計画が示されて、四十九年、五十年についてはどうするのか、これは転作だけ、こういうことになっておるわけであります。したがって、明年からは休耕奨励金はない。転作奨励金が出るのでございますから、かりにいま休耕しておる、それをあなたは買い上げなければならぬというような御所見でありますが、そこは転作をして何かつくってもらうということであれば、それはそれでものごとが片づいていくと思うのです。しかし、これはあくまでも少し理屈めいたことを申し上げたのでありまして、ことしの収穫も終わりまして、一体来年の転作奨励はどの程度するのかということは、やはりこれは考えなければならないことだと思うのです。ただ、当てずっぽうに転作奨励するのだということにはなりませんから、そうすると、おのずからそこで転作奨励はどの程度。それから皆さん方から何回かここでいろいろ御質問をちょうだいしました休耕中に土地改良の通年施行をしたじゃないか、そういうことはどうするか、それは通年施行のできるように考えたいということも申し上げておりまするから、その通年施行をする範囲がどの程度ということになります。それらから考えていくと、やはり明年度以降においても各県別の生産目標というようなものは必要性が出てくると思うのですね。その場合に、従来繰り返し申し上げておるように、適地適作の考え方も入れて、それから従来の実績も勘案しながら、無理のないところで、この程度の生産目標である、それから転作はこの程度である、できれば通年施行も、比較して面積がわずかでありましても、それもこの程度は通年施行だというふうに、考え方は明らかにする必要があると思うのです。
 しかし、誤解のないようにしておきたいのでありまするが、それは現在一応私が考えておる見当でございまして、明年度どうするか、それについてのはっきりしたことは、休耕奨励金は出さない、転作奨励金は出します。そしてその計画についてはことしの実績等を勘案して、これから考えます、こういうことで、まだある程度の時間的余裕がございますから、最終的な案については今後にお示しをしたい、こういうことであります。
○津川委員 大臣、私はわかりますよ。来年から単純休耕にお金を出さない、そして転作するのを奨励する。だが、現実に転作の主要作物になっておる、戦略作物になっておる大豆がだんだん減っているのです。すぐ畑作に転換できるといっても、転換できない人々、しない人々が出てくる。北海道では二二〇%の減反、それから青森県がいま一七〇%の減反ですよ。
 こうなってくると、黙って荒らしておくわけにいかないから、そこへ今度は米をつけますね。このつけた米を買い入れ制限しないで買うのか、また、買い入れ制限して、この米を余り米としてやみの流通過程にぶち込むのか、この点を端的に伺っているわけであります。
 端的に答えてくださらないと農民が迷う。なかなか大臣は、ああ言ってこう言って、どうでもとれるような、ずるずるべったりに言っているが、どうしても休耕しておったり転作できないで米をつくった、このつくった米を食管法どおり買うのか、買わないのか、これを答えてもらえば、あなたの答えが、この間からあいまいなものがきりっとするわけなんです。
○櫻内国務大臣 休耕中のものというものは、そもそもがいままでの政策の上における生産調整中のものである、これは当然考えられますね。したがって、それに今度はまた米をつくれというようなそういう回答は私はしないということも、御想像がつくと思うのですね。
 しかしながら、日本全国をずっと見て、適地適作ということで、もっと米をつくりたいというところもある、それから米をつくらないところもある、そういうようなところはことしはひとつ弾力を持って考えよう、こういうことで臨んで、現にそのような調整はとったわけです。さらに、出来秋においてもそれはする。一方において米は目標よりもよけいとれておる、一方においてはへこんでおる、それは勘案しましょう、その上に万一余り米――余り米というものはなかなか考えられないけれども、しかし、通常に作業をしておりながらも、非常に天候に恵まれて余り米が出るという場合もあるだろう。それはすでに宮脇全中会長と倉石農林大臣との話し合いもあって、それは正規のルートに乗せる。ただし、価格の面については明白でなかったが、それはそのときに考えましょう。しかし、これも突っ込まれて私は言っているのですよ。そういう恵まれてできたというのであれば、普通の労働力のもとに、普通の努力の上にプラスアルファができたものであったならば、それはいわゆる余得として、価格の面にある程度の差別がつく場合も出るかもしれぬが、しかし、それは、現在までに余り米というものが出たことがないので、そのときにあらためて検討したい、これは正規のルートに乗せます、持ってこられれば、それは引き取る考えに立って、その農協が預かっておくとか、何しろ正規のルートに乗せる、こういうことは明白に申し上げておるわけであります。
 そこで、来年以降のことにつきましては、先ほど申し上げましたように、本年の実情を踏まえて、そして大体はすでに申し上げたその構想の見当で具体的な案を立てたい、こういうことであります。
○津川委員 もう少し畑作共済のことを質問しようと思っていたんだけれども、あした時間があるから……。
 大臣、私いままであなたを信用し過ぎていました。こんな答弁を聞くと思っていませんでした。こんな認識の大臣と思っていませんでした。
 青森県で、単純休耕した田にこれから米をつけさせるために奨励金を出していますよ。いいですか、北海道では単純休耕した水田をまた水田に復活させるようにやっていますよ。山口県の農業関係者の会議では、米を増産する決議をしていますよ。けさの栃木県の知事のテレビ対談を見ていましたか。間違っていました、私はあの政策をやめて米をつけさせますと言っている。
 あなたはこれを転作で事を済まそうとされる。宮脇会長と相談したときに倉石農林大臣が、余り米が出るのは余得であって、ハプニングであって、アクシデントだ。そうではなくて、いまほうはいとして米に返りつつあるこの現状を、あなたは私よりもよく知っている。知っていていまの発言なんだよ。そこで私はあぜんとしたわけだ。もう少し虚心たんかいに返って、日本の稲作の現状を見て、そうして皆さんが生産調整でやってきたあの数量、自主流通米、政府買い上げ米――政府買い上げを制限してきている。それで間に合わなくなる。そうすると、今度は、どうしてもここで余り米が出る。この出るのを余得だから、少しだからそのあとで考えてもいいと思っている――現在山口県の、栃木県の、青森県の、北海道の、そして新潟、覚えていますか。山形、覚えていますか。宮城を覚えていますか。米の生産奨励をやっていますよ。この現実を踏まえて、もう一回答えていただきたい。私は、いまのあなたの認識にあぜんとしたですよ。
○櫻内国務大臣 私のほうが津川委員の御質問にあぜんとしておるのです。それははっきり言いますよ。
 それは青森、北海道は実際上の生産調整の倍近くも生産調整しておるのでしょう。したがって、青森が独自の考えに立って、それは行き過ぎておるからといって、一部米をつくる考え方を示されても、私は大いに理解を示しておるのです。
 それから、余り米のことをいろいろ言われますけれども、私は、余り米というような扱いがないように、ことしは二回も、作付の際にも弾力性を持とう、それからできたときにも考えよう、それをはっきり言っておるのでしょう。だから、あなたも私のことを相当理解してもらわなければ困るのですよ。
 それから、きょうの質問の基調としては、国際的な食糧需給の関係を非常に考慮しながら、また日本の稲作の実情というものについて非常に配慮しながら、私は、足立農林大臣がいろいろ言われておったけれども、私の一つの考えに立って、就任以来、非常に言いにくいことではあるけれども、稲作はなかなかたいへんであるという現状から、学識経験者の非常に高い角度からの御意見は出ておっても、いま稲作に動揺を来たしてはいけない、農民が生産意欲を出し安んじてやるということがいい、それには現に行なわれておる食管のあり方でなかなか妙味があるから、これを軌道に乗せながら考えようということで、食管制度の改革とか検討とかということが盛んにいわれておったけれども、それはいずれ必要のあるものは取り上げるときもあるといたしましても、一応あまり動揺のないようなことでいきたい、しかも米をどんどんつくろうという意欲がある場所で高能率でいけるというものであれば、それは大いにつくっていただきたいということで、ずっと一貫しておるわけであります。そして明年以降の問題については、それらの実績を踏まえた上において最も妥当な考えをいたしたい。
 だから、ここでいろいろ申し上げることはいかがかと思うが、あなたから、特に休耕と転作の御質問があったから、休耕については、これは方針がはっきりしておるから、転作の奨励金しか出しませんよと、その方針を申し上げておるのであって、それで、一体減反はどうだこうだとおっしゃるから、それは、減反というほうからは、数におのずから転作がどうとか通年施行がどうとかということによって生産目標が与えられてくる、したがって、いま減反がどうということではないのじゃないか。しかし、いずれにしても、ことしの前半の情勢を見てよく考えよう、こう申しているわけです。
○津川委員 私は大臣の認識に依然としてあきれているのです。
 そうすると、端的に質問しましょう。青森県の三沢市、水田千八百ヘクタール、現在の休耕千二百ヘクタール。知事はこれを水田に直すように奨励している。農民が千八百ヘクタールの水田でつくった米があがった、これを全部買い上げますか。これに端的に答えていただければ、私この質問を終わってあしたにいたします。
○櫻内国務大臣 先ほども申したとおり、青森県の生産調整が目標よりはるかに上回っておることは事実でございます。したがって、青森県知事が県内において一部米をつくらせて生産調整が目標に合うようにつとめておるというのであれば、それはけっこうなことであると思います。
○津川委員 大臣、端的に答えていただきたい。三沢市で千八百ヘクタールのうち現在千二百ヘクタール休耕、これを減反をやめるとすれば、農民は水田をつくらざるを得ないだろう。あなたはそれを転作させる。転作するためにがんばる人もあるだろう。竹内知事が、単純休耕で荒廃した水田をもとの稲がつくれるような水田に直しなさいと言ったら、直すでしょう。そのときに直った分だけ買い上げてくれればそれでよろしい。買い上げるのかどうか、この一点。イエスかノーでけっこうです。
○櫻内国務大臣 それは私の答えるべきことではないと思うのです。私は国全体の政治を見ておるのであって、私の申し上げておることの中にその問題がおさまるかおさまらないか、これはあなたも常識のある方ですからおのずから判断ができると思うのですよ。それを、特定の地域はどうのこうのと言うようなことは、私はやはりいまの農林省を預かっておる立場から、ある特定の問題だけを云々するということは自重しなければならないと思うのですね。しかし、私ども申し上げておることで、青森県は生産調整が非常に進んでおって、これではぐあいが悪いと知事も考え、われわれもそういうためにいろいろ対策をとっておる。それは別に国としてもとやかく言うべきものではないという見解をとっており、その中において行なわれるという問題について一々いい、悪いと言う必要はないと私は思うのです。
○津川委員 約束の時間だからこれでやめますが、大臣、あしたまたこの続きをしなければならなくなりました。
 そこで、私が答えるべき場所でないというあなたの発言、了承しました。そこで、だれが答えればいい。総理だろう。だから、きょうのうちに総理とよく相談して、あした答えるべき人のことを聞いておいてこの疑念を明らかにしていただくことを要求して、私の質問はきょうはこれで終わります。
○櫻内国務大臣 どうも私とあなたと歯車が合いませんな。私が申し上げていることは、そういうことを言っておるんではないのですよ。国会というものはやはりある程度は常識の場だと思うのですね。だから、津川委員には遺憾ながら御理解が得られないのかもしれませんが、大体のことは私の申し上げていることで御了承いただけるものと思います。
○津川委員 現実に水田を休耕して出かせぎに出ているのですよ。その出かせぎ者が来年どうするのか、この田を捨てればいいのか、来年耕せるように手当てをすればいいのか、買うのか買わないのかというのが現実の問題になっているのです。そこで、あしたこの質問を――この法案についてするつもりでおったけれども、ここまで来たのでしかたがなくなってしまったのです。私は、きょうはこれで終わります。
○佐々木委員長 諫山博君。
○諫山委員 きのう私は沖繩のサトウキビの価格のことについて質問しましたが、この点もう少し触れさせてもらいます。
 ことしの三月二十八日付で沖繩県議会議長が昨年のサトウキビの最低生産者価格について意見書を出し、これは農林省にも届いていると思いますが、いかがでしょうか。
○池田政府委員 農林省にも参っております。
○諫山委員 この意見書は、前文で「今期さとうきび価格は、ついに生産費を下回る重大なる事態に立ち至り、さとうきび作農家を危機に陥れている」、こう書きまして、そういう前提に立って県議会議長が次の三つのことを政府に要望しています。
 第一は、きのう触れた最低生産者価格のきめ方の問題です。生産費及び所得補償方式できめてもらいたい、これが第一の要望になっています。これはきのう触れましたから、きょうは省略します。
 第二は、「さとうきび最低生産者価格設定にあたっては、事前に農民代表の意見が反映される機関を設置すること。」となっています。私はきのう来の経過から見ましても、農民代表の意見が反映されることが非常に大事だと思いますが、この要望について農林省としてはどうお考えなのか、お聞きしたいと思います。
○池田政府委員 各方面並びに農業団体等の意見につきましては、甘味資源振興審議会を開催いたしまして、そこの意見を聞きまして、あるいはサトウキビ価格を決定いたします前に農業団体等にも来ていただきまして、それぞれ個別によく意見を聞いた上で作業をして決定をいたしておるという手続を踏んでおります。
○諫山委員 県議会議長の意見というのは、農民の意見を聞いてくれというだけではなくて、農民の代表の意見が反映されるような機関をつくってくれということになっているのですが、この点どうですか。
○池田政府委員 甘味資源振興審議会の委員の中には、沖繩の農協中央会長もお入りをいただいておりますし、また全農からも人が出ておりますので、これらの方々が委員会でそれぞれ御発言をいただきまして、それらを十分そしゃくいたしまして、実行の段階で検討の材料にするという形で現在実行いたしております。
○諫山委員 大臣にお聞き願いたいのですが、そういうことはもちろんわかった上で、新たに農民代表の意見が反映される機関をつくってもらいたいと県議会の議長が要望しているわけです。この点は、いますでにあるからというようなことではなくて、それでは不十分だから何らかの機関をつくってくれという要望が出ているのだということを真剣に検討してもらいたいと思います。
 そこで、第三の要望として出ているのは、「現在苦境にある農民の窮状を救済するため、生産奨励費あるいは特別交付金等の予算措置を早急に講ずること。」という内容になっています。沖繩、鹿児島のサトウキビ農民がたいへんな苦境にあるということは、農林省もお認めだと思います。そして、その一番大きな原因が生産費さえ下回ったようなキビ価格にあったということも明らかです。だとすると、現在の窮状を救うために生産奨励費あるいは特別交付金などの予算措置を講じてくれというのは、きわめて当然の要求のように思われますが、農林大臣、いかがでしょうか。
○櫻内国務大臣 ただいま沖繩県の生産者代表の意見を聞く新しい機関の御質問、先にございました。これは局長よりお答えをさせましたように、代表の方々の意見が述べられる甘味資源振興審議会が設置されておるのでございまして、おそらくその御要望についてこの審議会を通じてでも私は十分反映できるし、また議長もその御説明を申し上げれば十分御理解のつくものではないか、こう思うのであります。
 それから、いまちょっと私十分聞き取れなかったのでございますが、サトウキビのこれからの生産者価格につきましては、昨日もたびたびお答えを申し上げましたように、新しい現に起きております諸現象の反映したそれぞれの要素というものは、現在行なっております農業パリティ指数に基づいて算定される価格を基準とし、サトウキビの生産費、物価その他の経済事情を参酌してサトウキビの再生産を確保することを旨として定めるというこの方式で十分現地の御意向も反映できるものと思うのであります。たまたま昨年度の価格について非常な御不満を起こすようなそういう結果に相なったのでありますが、いままでにおきましてはそういう問題がなかった。昨年度の場合だけがそういう問題であったというふうに認識をしておるわけでございます。
○諫山委員 いまの問題で特に私が聞きたかったのは、キビ作農民の現在の窮状を救済するために、生産奨励費あるいは特別交付金等の予算措置を講ずるつもりはないのかという点はいかがでしょう。
○櫻内国務大臣 もし間違っておったら訂正をいたしますが、現在でも八億円の金を用意いたしまして、サトウキビ農家に対して御質問のような特別交付金のようなものを出して一応おこたえを申し上げておる、かように存じておるわけであります。
○諫山委員 いまの問題は、ことしの春の予算委員会の質疑の中で、瀬長委員に対する答弁の中でも出てきているようですが、しかし、キビ作農民の窮状というのはそれから後ますます深刻になっているわけで、この点は県議会議長の要望書でもありますし、ぜひ再検討願いたいと思います。
 なぜ私がこういうことを強調するかといいますと、現在沖繩のサトウキビの状況というのは非常に危機的な状態で、農民がキビの栽培そのものを放棄するのではないかということが心配されています。昨年サトウキビをつくって大損をした。政府はこれに対してほとんど手当てらしい手当てをしなかった。こういうことになると、キビ作農民がキビ栽培自体に意欲をなくするのは避けられません。一方では沖繩の海洋博の計画などで人手が不足する。これが農民が農業を離れる一つの要因になって、働いています。他方では大企業、大商社の土地買い占めがどんどん進んで、沖繩全島の五%近くがすでに買い占められたといわれています。
 そこで、私がお聞きしたいのですが、沖繩の農耕地についてはすでに何%ぐらい買い占められているのか、掌握されておられましょうか。
○小沼政府委員 午前中にも開発庁のほうからのお答えがございましたですが、本土復帰前一年からの四十七年十一月までの土地の売買は一応八千五ヘクタールというふうになっております。この中では農地面積は集計がなされておりませんので、農地としてどれだけ買われているかということについては掌握いたしておりません。
○諫山委員 私は土地全体の買い占めについては聞いていたのですが、農地の買い占めが掌握されてないというのは非常に残念です。しかし、私がおそれるのは、一方では海洋博計画などで人手不足が進行している。そして一方では農地の買い占めがどんどん進んでいる。こういう状態の中で沖繩のサトウキビを振興しようとするなら、キビの価格を相当高くしなければこれはむずかしいというふうに考えるからです。
 そこで、共済の問題に入りますが、沖繩もあるいは南西諸島も台風が非常に激しいところです。しかも干ばつも多い。こういうところでありますから、サトウキビに対する救済制度への要求が非常に強いということは共通に指摘できます。しかし、問題は、この共済制度をつくり上げることによって農民がどれぐらいの負担をしなければならないかということです。
 局長にお聞きしますが、もし農林省の計画どおりの共済が実施されるとすれば、サトウキビ農民について、たとえばキビ一トン当たり幾らぐらいの掛け金をかけることになるのか、御説明願いたいと思います。
○内村(良)政府委員 サトウキビの共済を私どもが考えておりますとおりの方式で実行いたします場合の農家の負担する純共済掛け金は、現段階での調査によりますと、沖繩県の場合は十アール当たり千六百円程度になるものかと思われます。そこで、一戸当たりの負担がどれぐらいになるかということは、沖繩のサトウキビの経営面積によってきまってくるわけでございますが、かりにその規模を五十アールとしてみますと、一戸当たりでは八千円程度の掛け金負担が必要になるわけでございます。
○諫山委員 この掛け金の額というのは沖繩の地域によって差が出ましょうか。
○内村(良)政府委員 これは掛け金率設定の問題になるわけでございます。
 そこで、共済掛け金の設定につきましては、まず第一に、県段階の被害率で基準共済掛け金率の算定を行ないます。この場合、過去の被害率をそのまま掛け金率としたのでは、将来予想される支払いを十分カバーできない場合もございますので、これは保険の通常のやり方でございますが、過去の被害率の変動状況から統計的に算定いたしました安全割り増しを被害率の平均に加えまして基準共済掛け金率を出すわけでございます。
 そこで、このような県ごとに一本の率ということを適用することは県内の被害の発生態様によって問題がございますので、さらにこの県一本の基準共済掛け金率を危険発生の態様に応じまして地域別に配分いたしまして、地域別の基準共済掛け金率を定め、その範囲内で組合が共済掛け金率を定めるということになるわけでございまして、被害の態様に応じて指定組合ごとに――沖繩は四つ組合があるわけでございますが、掛け金率が異なってくるということになると思いますけれども、まだそこまでのこまかい計算はこれから実施の段階でやっていくということになるわけでございます。
○諫山委員 私の計算によりますと、たとえば被害率の高いと思われる沖繩の宮古島とか石垣島あたりでは、一トン当たり五百円から六百円ぐらいの掛け金になるのではないかと思われるのですが、ああいう地域が掛け金が非常に高くなるということは予想しておられますか。
○内村(良)政府委員 沖繩の被害の態様を見ますと、そのような傾向になると思います。そこで、その掛け金につきましては、国が三割の交付金を交付するわけでございますが、掛け金率が高いところにつきましては国の補助額も高くなる、こういうことになるわけでございます。
○諫山委員 この法案を見ますと、たとえば農民の負担が幾らになるのか、農民の受け取る金額が幾らになるのか、こういう重要な問題がほとんど法律自体できめられずに政令で定めるということになっています。そこで、もし将来、たとえば来年、再来年実施してみていろいろ支障が生じたとすれば、その手直しは農林省だけでやることになりましょうか。あるいは再びこういう委員会で論議するというような手続を経ましょうか。どうなっていきましょうか。
○内村(良)政府委員 私どもといたしましても、実験実施の過程において著しく不合理なことが起ってきた場合、その他の修正を要する場合には、これは修正することを考えております。その場合は政令事項でございますから、政府でこれをやるということになります。
○諫山委員 私はこの制度自体に反対ではありません。これは津川委員が言っているとおりです。ただ問題は、農民の負担が非常に高くなるということをおそれております。その点は十分これから検討してもらいたいと思います。
 さらに、きのう来の議論は、政府の提示した一つの案をもとにして議論が進んでいるわけですが、いまの最後の答弁を聞いていますと、これから実際にどういうふうに進めていくかというのは、法律ではなくて、政府自身がやっていくというのでありますから、実際に共済をどうつくり上げていくのかということは政府に白紙委任という形で出てこざるを得ないように思います。制度のつくり方としてこれでいいのかという疑問を感ずるわけですが、この点いかがでしょうか。これは大臣、御説明願えませんでしょうか。
○内村(良)政府委員 大臣の御答弁の前に事務的なことについて申し上げますと、実験でございますから、かなり機動的にやらなければならぬ面があるわけでございます。これで一つの制度としてそこに設立された制度の場合には、確かに先生の御指摘のように、制度の大きな骨格については法令できめるべきだと思います。しかし、この実験の場合には機動的に修正して、よりよい実験をするということが必要かと思いますので、ある部分は政令に委任されたという形になっておるわけでございます。
○櫻内国務大臣 したがいまして、この農林委員会で、衆参で御論議をちょうだいしていることは、私はきわめて重要だと思うのであります。また私どもが全然白紙委任ではなく、この場を通じまして、法第十条第一項の「政令で定める率」はどうだ、あるいは法第十条第三項の「政令で定める率」はどうだというようなことは全部一応御説明申し上げ、これが具体的に実施される内容というものはこの委員会を通じて明らかにはするわけであります。
 しかしお尋ねのように、農民に対する負担も非常に重い。こういうような場合、あるいは試験実施でございまするから、その間に不測のいろいろな問題が起きてくる場合に、機動的に処理をしなければならない。そういうような問題については皆さんのほうから御指摘もございましょうし、農林省自体がこれはぐあいが悪いという場合もございましょうが、それは政令でやるので、その点については機動性を持ってやるために今回のようなお願いをしておる、こういうわけでございます。
○諫山委員 趣旨はわかりました。ただ、とにかく法律案を見ただけでは何のことかよくわからないわけです。農民の負担がどうなるのか、また農民がどれだけ利益を受けるのかということは法案自体ではわかりません。その意味で農林省に白紙委任してくれという申し出のように理解できるわけです。
 私が最後に希望したいのは、実際の運用の場合に、将来たとえば何らかの手直しをするというときに、農林省だけできめるのではなくて、やはり委員会で十分議論してわれわれの意見も聞いていただきたいということを申し上げて、終わります。
○佐々木委員長 竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は午前中に沖繩の農業というものについて、発展をさせるための幾つかの前提になることについて質問をいたしました。これからは災害の補償問題、共済の問題も含めてやや午前中の問題に関連して質問をしてまいります。
 まず第一に、沖繩の農業と海洋博覧会との関係の中で、先ほどからも若干の報告があったように、きのうもまた農林水産部長がはっきり申したように、最近トウキビの耕作を放棄する面積がふえてきた。四百四十二町歩と聞いていますが、そういうようなことは、海洋博覧会などのことによって労働賃金が上がった。大体三千円から五千円というように賃金が上がってきた。農業をやるよりもはるかにそのほうが収入が多い。したがって耕作を放棄し、そこで働く、こういうかっこうになる。このようなことがずっと続くとすれば、これは沖繩の農業のためにたいへんよくないことである、私はこう考える。
 そこで、これは大臣に聞きますけれども、海洋博覧会というものは、はたして沖繩の農業の立場から見てプラスになっているのかいないのかということについて、率直にお答えを願いたいと思うのです。
○櫻内国務大臣 これはちょっと所管も違いますが、一応国務大臣として申し上げますならば、沖繩海洋博が復帰後の沖繩の全体の振興の上にいろいろな角度から寄与しよう、こういうことで進められてまいったのでありまするが、非常に短い期間にこの海洋博を完成させるわけでございまするから、その間にある程度の影響があちこちに起こる要素がある。そして農業にも何らかの影響があるんではないかというようなことを考えてまいりまするときに、一番問題になりますのが、沖繩の狭小な場所で各種の工事が進むのでありまするから、そのために労働力が多少不均衡になる、労賃が上がるということはいなめないことであると思います。これは過去に万国博でも経験したところでございまするが、しかし、それが沖繩の全般の振興の上から、また沖繩の長い将来の上から耐えていかなければならない点もあるかと思います。したがって、ある期間的な現象で沖繩農業がこれによって基本的な影響を受けるのかというようなことについては私は考えておらないのでございまして、沖繩農業の振興のためには、本来の振興計画あるいは沖繩の実情に即した生産基盤を強化する上の構造改善事業のようなことや、いろいろとくふうをしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 そういうことのために農業の発展が阻害されないように十分に注意をし、関心を払い、指導してもらいたいということをまず要望をしておきます。
 続いて問題は、きょうも午前中の報告の中にあったわけですが、農業を発展させるためには土地が一番大事であります。その土地の中で、特に沖繩の場合においては、農地だけではありませんが、農地が中心でありますけれども、農地を含めた市街地も合わせて約五割強のものがアメリカの基地に占有されているというこの事実、こういうような状態の中で零細農家というものが今後本土並みに発展をしていくためにはたいへんきびしいものがある。そこで特に、本土から土地を買いに行く土地ブローカーなりあるいは観光業者がおりますが、こういうものを押えるような努力をひとつしてもらいたい。そして沖繩の土地を守るために政府として格段の努力をしてほしいという要求をしますけれども、これに対して農林大臣、ひとつ的確なお答えを願いたい。
○櫻内国務大臣 沖繩における米軍基地が本土の平均よりもはるかに高いことは、もう御指摘を待つまでもなく、従来しばしば問題になっておるところでございます。したがいまして、沖繩振興という上からは基地の縮小が望まれるわけで、その点につきましては、当該官庁において鋭意努力をしてもらっておるところでもあり、また最近におきましても一部返還を見ておるような次第でございまするが、それとともに、復帰前に、農地法の適用がない間に、ある程度の沖繩の農地の買いあさりがあったということはまことに遺憾なことでございまするが、今後におきましては農地法の適用を受けるようになっておりまするので、土地買い占めのおそれのある行為あるいは農地法の知識を十分持たずして売買契約に捺印をするというような場合、いろいろな場合がございましょうが、それらにつきましては沖繩県当局とも密接に連絡をとりまして、そのようなおそれのないように、またかりにそういう場合が起きましても、農地法の厳正な適用をしてまいりたいと思います。
○竹内(猛)委員 それはぜひ厳重に、土地を守るための努力を執拗に続けてほしいと思います。なお、その後もそういうことをゆるめるようなことがあるとすれば、また別の場所でこれは注意をしなければならなくなると思うわけですが、とにかく沖繩における土地買いというものは激しいものがあるわけですから、重ねて要望しておきます。
 次いで問題は、沖繩の農業を発展させるためには、その土地の基盤整備が非常に重大なことだということは、先ほどから指摘をされておるところでありますが、この問題について、きのうも県の農林水産部長の話の中にも、土地改良、基盤整備がやられているという話がありましたが、非常にテンポがおそい。特に国の補助率が少ないような感じがします。北海道の場合においては九割の国の補助をやった。沖繩は現在八割である。おくれている。長い間他国の支配のもとにあって、しかもほったらかされておった沖繩が返ってきたときに、一番生産の基礎である土地の基盤整備についてなぜもっと国があたたかい手を伸べないのか、全額国の負担ぐらいでやれないのか。北海道が九割であり、沖繩が八割であるというその基準はどこにあるのか、その点を明らかにしてもらいたい。
○小沼政府委員 沖繩におきます基盤の整備が本土に比べましてかなり立ちおくれておりますことは御指摘のとおりでございます。したがいまして、今後計画的な振興開発をはかるためには、今回策定いたしました土地改良長期計画に基づきまして、それに即して強力に進めてまいらなければならないということで、四十八年度におきましても三十億五千二百万円の国費を計上しているわけでございます。
 その中で北海道との比較が出ましたけれども、御承知のとおり、補助率及び採択基準につきまして、また融資もございますが、それぞれの作業工事項目によりましてきめこまかく補助率、採択基準等をきめておりまして、一がいに北海道と比較するわけにはまいらぬと思いますが、たとえば農免道路のごときは九〇%の補助率になっておりますし、かんがい排水の県営事業では八〇%、団体営でも八〇%ということで、内地の五〇%、四五%というのに対してほとんど倍に近いところまで出しているという状況でございまして、決して北海道と比較して劣ることはないというふうに見ておるわけでございまして、いずれにしましても強力にこの基盤整備を進めていかなければならないというふうに考えている次第でございます。
○竹内(猛)委員 国が去年策定をしたのは十カ年計画で、沖繩を十カ年間そういうような状態でやるということでは、これははなはだおそい。沖繩に関しては沖繩開発庁というものもあるわけだから、開発庁は一体これに満足しているのですか。開発庁のほうはもっと沖繩についてスピードを上げてもらいたいという要望はないのですか。開発庁、どうですか。
○亀谷説明員 お答え申し上げます。
 沖繩農業のネックになっております土地基盤整備事業につきましては、振興計画におきましても大きな問題点として取り上げられておるところでございまして、先ほど来農林当局から御説明がありましたように、開発庁としましても、一括計上する関連事業の中でも重点項目として取り上げているところでございます。御案内のことかと思いますけれども、沖繩県が復帰前の琉球政府時代に土地改良事業を私ども担当しておりましたけれども、この数年の事業の進捗では一億ないし二億程度の事業しか行なわれておりません。そういったことで、農林当局も非常に御苦労されているわけでございますが、これを実施するための実施の主体、組織及び消化、そういう面でいろいろ隘路があったわけであります。こういう面につきましても政府は鋭意努力をしているところでございまして、先生の御指摘のように、十年の計画ではございますが、基盤整備の重要性にかんがみ、なるべく早い時期にこれらの事業が達成するよう、農林省ともせっかく努力中でございますので、その辺をおくみ取りいただきたい、こういうことでございます。
○竹内(猛)委員 これは北海道に対して九割という補助を出した、そして農免道路とかいろいろな問題については本土とかなり違った形での援助をしているという構造改善局長の報告もあったけれども、やはり沖繩の問題を考える場合に、特別な取り扱いというものをぜひして、もっとスピードをあげて沖繩を本土並みの方向に引っぱり上げていくというような熱意をもって努力をしてほしいということをまず要望します。
 続いて水の問題です。かんがい排水、飲料水、こういう水というものが農業発展のためにはきわめて重大であるにもかかわらず、沖繩の水の状態というのは必ずしも芳しくない。その水をどのように確保し、どういうようにあんばいをするか、これについての計画なり方針について説明を願いたいと思います。
○小沼政府委員 沖繩におきます特殊な気象条件がサトウキビの場合の干ばつ等いろいろの影響を及ぼしていることは御承知のとおりでございますが、その意味では農業にとっても水源の開発が非常に重要であるというふうに考えております。これにつきましては、対策といたしまして、畑地のかんがい事業を積極的に推進しているところでございますが、これにはダムによります水源開発、湛水湖を建設すること、それから地下水の高度利用を総合的に推進するということが必要でございます。これらにつきましては、予算措置といたしまして、湛水湖計画の調査、河川開発の調査、地下水の調査、農業水利実態調査、それから八重山地域でございますが、広域の農業開発基本調査という五つの大きな調査を計画して、四十七年度からその調査に入っている状況でございます。今後、水問題については、こういう調査を通じまして具体的な計画が定まり次第この事業の実施をしてまいりたい、かように考えております。
 なお、かんがい排水事業等についてすでに事業に入っているものもございまして、新しく四十八年度には県営の畑地総合土地改良事業等の採択をさらにふやして進めている状況でございます。そのほか団体営の畑地かんがい事業等も含めて進めることにいたしておりますが、水問題については特に重要でございますので、道路整備、畑かん事業とあわせまして水源開発を進めてまいりたい、かように考えております。
○竹内(猛)委員 農家所得を確実にし、農業生産を高めるためには、土地を早く確保して基盤整備をがっちりやって、かんがい排水をうまくやり、その上に機械を入れて近代化していくというのがあたりまえの論理なんです。そういうものを、先ほどのお話では、十年かかるとかなんとかいうことで、これはとてもどうしようもないので、いま言うような形で、もっとスピードをあげて、一貫してこれをやる、そういうことがなければ、やはり沖繩の農家の人たちがほんとうに農業というものに魅力を持って定着することができない、こういうことを重ねて要望して、なおまた別な機会でもこれは申し上げなければならないと思います。
 続いて、沖繩には非常に病虫害が多い、そういうことで病害虫の駆除の問題、あるいは機械を使う機械化の問題、こういう問題について何か努力をされているかどうか。もちろんされていると思うけれども、格別にこういうところに力を入れるということがあるかどうか、この点はどうですか。
○伊藤(俊)政府委員 御案内のとおり、沖繩は非常にあたたかいところでございます。非常に虫も多い病気も多いというようなことであるわけでございます。そういったことにつきまして、私どもといたしましては、従来から復帰後病害虫発生予察職員、それから病害虫の防除所、防除員の設置、異常発生防除用機械器具設置事業、共同防除組織育成事業及び病害虫防除基準作成事業等を行ないまして、防除作業を適切かつ円滑に推進するようつとめておるところでございます。
○竹内(猛)委員 農家の中でキビがやはりいまのところ主要作物になっている。そこで、農林省としては、あるいはまた開発庁を含めてですが、沖繩のサトウキビというものを年間にどれだけ生産をし確保して、そしてそれを流通に乗せるか。これはちょうど本土において米を中心として農協がいままでやられてきたと同じように、沖繩の場合においてはキビを中心としておるわけだから、それが生産を放棄したりあるいはだめになったりしたら、農協も運営が困難になる。そしてあり得べき形の農家所得というものと同時に、サトウキビというもの、砂糖というものをどれだけ確保し、そのためにどういう努力をするか、この点についての目標、そのための努力、その点はどういうことになりますか。
○櫻内国務大臣 本土のほうで昭和五十七年を目標にして昨年十月の試案があることはしばしば申し上げておるところでありますが、沖繩県の場合のサトウキビも五十七年の目標がございまして、収穫面積は二万三千ヘクタール、ヘクタール当たりの収量は百トン、したがいまして、生産量は二百三十万トンに目標を置こう、こういうことで、昨年の十月の試案の中に織り込んでおるわけであります。この目標に向かいまして、サトウキビ生産対策の各種の関係予算を計上いたしておるわけでございまして、沖繩県の関係で四十八年度の予算を見ますると、七千五百二十八万円、またそのほかに土地基盤整備事業として十二億円が計上されておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 沖繩の中心のサトウキビの昨年の価格がトン七千円、その七千円の中で六千九百五十円というものに対して県の方から五十円支出した、そして七千円になった、こういうことでありますけれども、きのう農林水産部長の話では、その五十円は会社が出したとかあるいは運賃も会社が出したということが言われておるけれども、それは一体事実ですか。
○池田政府委員 六千九百五十円に上積みをいたしました五十円は、これは実質的に会社が負担しておるものと考えております。
○竹内(猛)委員 サトウキビの買い入れ価格というのは法律できまっておるわけですね。そういうものに対して会社から金をもらってそれを加えるということは一体どういうことですか。
○池田政府委員 これは御案内のように、糖価安定法に基づきまして一定の最終製品である砂糖の価格を安定させますために仕組みを考えてもとにさかのぼった最低生産者価格をきめておるわけでございまして、したがって、製糖会社がサトウキビを買いまして、きめられた告示の最低生産者価格よりも下回る価格で農民からサトウキビを買うということになりますと、そういう会社のつくった砂糖は事業団が買い上げないという形になって、保障がはずれるわけでございます。そういう意味で、それより高く買うという形で出た会社の砂糖はこれはレールに乗るということで、五十円高く買うことについては別に制度上の問題はございません。
○竹内(猛)委員 去年農家のほうから要求した価格は、たしかトン八千四十九円だと思うのですね。農家の要求は八千四十九円、それから告示価格が六千九百五十円、それから会社とかいろいろなところから補助をもらって七千円で買ったという、そういうことで一体農家は満足しますか。
○池田政府委員 先ほど来いろいろ沖繩の実態の御説明がございましたように、現状から見て、なかなか満足できるという価格水準というのは容易なことではないと私どもも考えておる次第でございますが、実はこの価格をきめましたときの現在におきましては、対前年比でこれまでで最高の価格幅であるトン当たり約二百円の引き上げを実施いたしまして、そのほかにさらに圃場からトラックまでの積み込み費、これが従来は全部生産者の負担でございましたのを、これを全部会社側に負担をさせるというふうな手段もとったわけでございます。したがいまして、ただいまの五十円の自主的な交渉による積み増しを含めまして、実質的には五百円近い対前年積み上げで、特に離島等におきましては、生産条件が悪いために、ウエートをかけて高く払っておるはずでございますから、したがって、あの当時の現在としては、かなりのいわば奮発した値上げであったと考えておったわけでございます。
 しかしながら、これがパリティ価格の方式をとっておりますので、やはり先に向かって、労賃等が予定いたしましたものを越えて上がってまいりますというと、当然その段階において、たとえば収穫時期に非常に労賃が上がるというような問題が出てきますというと、多少前は満足をしておっても、その時点においては満足できない、とても引き合わないという問題が常に出てまいるわけでございます。しかしながら、これは生産者の引き続きつくりますところの次年度のサトウキビは、当然その段階ではいまのパリティの価格の算定の基礎の中に入ってまいりますので、したがって、いまの段階から考えますと、ただいま先生が御指摘のように、必ずしも満足していない面もあろうかとも思いますけれども、次期のサトウキビの価格の決定期におきましては、いまのその後のかなり急激な上げ調というものが当然パリティ価格の中に反映してくるというふうな形になろうかと考えております。
○竹内(猛)委員 それでは、本年度ですね、昨年の十月からことしの九月までの間に買い入れるわけでしょうが、ことしの価格について先ほど諫山委員からもいろいろな質問がありましたが、われわれのところにももうすでに要求がまいっておりますけれども、大体農林省としてはどれくらいに、この一般の物価が上がり、どういうような農家の、どれくらいの反収を基準にして、ことしの価格はどの程度になるのか、昨年の価格よりもどれくらい上がるのか、その点の見通しはどうですか。
○池田政府委員 御指摘の点につきましては、今年度もパリティ価格を基準とし、生産費その他の経済事情を参酌してきめることになりますので、実質的に利用のできます新しい生産費はことしの十一月にできるわけでございます。したがいまして、その時期におけるそれまでのいわゆる経済事情の足取り、パリティ指数の値上げ、それから集計されました生産費といったようなものを十分頭に置いて決定するということになろうかと考えております。
○竹内(猛)委員 糖安法の二十一条の一項と三項、特に一項についていままでどういう調査をされてこられたのですか。詳しく言えば、二十条から二十一条に関する調査ですね。そしてその二十一条の第三項によるところの改定をしたというようなこともありますか。この法律がこの趣旨によって運営されたことがありますか。
○池田政府委員 二十一条の御指定の点につきましては、「物価その他の経済事情に著しい変動が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、特に必要があるときは」ということになっておるわけでございます。したがいまして、どういうふうな形の実態が出てくればこれに適合するのかということになろうかと思いますが、最近の実情を見てみますというと、特に沖繩におきましては、四十六年度におきますところの推定生産費の中で一応想定されます労賃の水準というものを頭に置きまして、現在のパリティ価格の中に自現されました労賃の水準というものを比べてみますというと、主として非常に大きな食い違いを見せてまいりましたのは、この十二月の半ば以降、特に十一月、十二月それから一月、二月、三月、この辺が非常な急ピッチの上げ調で農業労賃が上がってきておるわけでございます。一般的にその他の費目をとってみますとそれほどでもないのでございますが、特にこの農業労賃の上げ調がひどいのは、この四カ月程度がひどいわけでございます。その後五月ごろから大体二千四百円程度のところで足踏みをいたしておりますが、私どもといたしましては、これらはかなり従来のペースからいたしますというと、上げ調としては変化の大きいほうであるというふうに考えておるわけでございます。
 しかしながら、サトウキビの価格の変更という問題になりますというと、これは法律の趣旨といたしまして、これを適用いたします価格の地域は沖繩だけでございませんで、奄美を含めて全部同一条件で現在は実施をいたしておるわけでございます。したがって、この告示価格を変えるということのためには、これら全般に通じての適応性について著しい条件の変動ということから変えなければならないという認識が出てまいった際に、初めてそのような手続がとられるということで考えられるわけでございますが、御案内のように、パリティ価格というものは一定の条件の幅の中で一応比較されますところの周期がございます。その周期をこえてその後のことにつきましては、これは次の年度のパリティの中に譲っていく、いわばあと送りをしていくという形になっておりますので、その間それではとても対応できないといったような非常に大きな変化があるということを前提にして法律ができておるということから、今回はこれをこの二十一条というものによって告示価格を改定するということはいたしませんが、その後の価格の動向等を十分考えて、次期のパリティ価格の算出にあたっては十分対応してまいりたいと考えておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 私のところに届いているのはトン一万一千三百円以上という要求が出ておることは申し上げておきます。同時に、そういうあと追いをするようなパリティ方式ではなくて、やはり当然必要なものがかかった方式として生産費・所得補償方式というものをぜひとるようにしていただかなければならない。しかし、現実の法律はそういうことになっておらないから、これは別な機会で議論しなければならないと思いますが、この点についてはもう時間がありませんので、次の段階にいきます。
 この法案の問題でございますけれども、五年間の試験実施期間というものはなかなか長いような感じがします。その理由としては、五年とすれば、法律整備の期間などを考えると、結局七年ぐらいになる、こういう心配があります。そこで、実際五年もやるとすれば試験期間というものを三年くらいでできないものか、これは前の委員からもそういう話があったのですけれども、それはできないものか、そしてその三年で結果を把握して、五年には本格的に進めるというような方向にはできないかどうか、これは前にも質問があったけれども、もう一度確かめたいと思います。
○内村(良)政府委員 試験実施の期間につきましては、るる御答弁申し上げましたように、法定していないわけでございます。したがいまして、実施の準備ができているというような段階のものにつきましては、なるべく早く試験実施から本格実施に移したいというふうに考えているわけでございます。
 それで、五年目から実施するのには三年目ぐらいで打ち切ったらどうかというような御質問かと思いますが、果樹の場合は、五年実験いたしまして、六年目から本格実施になっております。したがいまして、そこはあまり時間をあけずに試験から本格実施に移し得るというふうに考えておりますので、かりに五年間ということになれば、六年目から本格実施をすることは技術的に可能でございます。
○竹内(猛)委員 次いで畑作共済の中で、てん菜、バレイショ、大豆、小豆、インゲン等、すでに四十二年から五年間も試験を実施して、その間に問題は洗い出されているわけです。ですから、これはこれとして進めて、サトウキビについては分離をして本格的に、もう調査ができているのですから、実施はできないかどうか。分離することはこれは法律上あるいはむずかしいと言われればそれまでのものだけれども、そういうことができないかどうか、この点を確かめたいと思います。
○内村(良)政府委員 サトウキビにつきましては、今日まで現金の授受が伴うような実験もやっておりませんし、北海道の畑作物よりも準備がおくれているというのが正直なところ現状だと思います。
 そこで、御質問の、法律論として切り離すことができるかどうかという点でございますが、本格実施に移します場合に、北海道の畑作物と沖繩のサトウキビを切り離してやるということは法律的に不可能なことではございません。
○竹内(猛)委員 不可能でないとすれば、何とかひとつそれをスピードを上げて研究して、もっと早くできるようにはなりませんか。
○内村(良)政府委員 先生の御質問の意味あるいは沖繩の農民の期待というものは私どもは非常によくわかるわけでございます。しかし、これは共済保険制度の場合にはかなり制度自体が厳密性を持っておりますので、その準備が整い次第本格的な実施に移すということでございます。
○竹内(猛)委員 なお、これは肉豚あるいは養鶏、そういうような経営が発展をしておる中で、そういうものに対して共済制度というものを実施していく、こういうような調査あるいはそういう心がまえ、こういうものはありますか。
○内村(良)政府委員 肉豚、鶏につきましては、前々から共済制度をつくってほしいという要望がございます。したがいまして、政府におきましてもその可能性についていろいろ現在調査をしております。したがいまして、その調査結果がまとまり次第やるかどうかということをきめることになると思います。
 そこで、いつから調査しているかということでございますが、肉豚につきましては昭和四十四年から調査をやっております。鶏につきましては昭和四十五年から、それぞれ十県につきまして現在研究を続けているところでございます。
○竹内(猛)委員 それはどういう形の研究機関ができて、それで、くどいようだけれども、大体いつごろ手をつけるかということについて、もう一度確かめてみたいと思います。
○内村(良)政府委員 試験調査を委託しているところは県でございます。それから、問題は、損害評価をどうするかというような問題でございます。たとえば鶏の場合、鶏の顔の判別がつくかとか、いろいろ技術的な問題がございますし、それから保険需要がどれくらいあるかというようなことも一つの問題でございます。それから、事故の範囲をどうするかというような問題もございまして、そういった点、県に委託しております調査結果を見ながら、専門家等にも集まってもらって研究を続けたい、こういうふうに思っております。
○竹内(猛)委員 最後にもう一点お尋ねしますが、沖繩の場合も、本土もそうですが、農地法によって土地の売り渡しは五十アール以上の者に土地を売り渡しをする、そこで、サトウキビをつくっている者は五十アール以下の者でも農民として認められる。そういう形からいって、加入の任意性、あるいは無事戻しというようなことについての法律上の解釈、見解、これはどうですか。
○内村(良)政府委員 沖繩におきますサトウキビの共済の実験の場合の加入資格は二十アールにしたいと思っております。
 それから無事戻しをするかどうかということでございますが、これは試験期間中は、剰余が出ました場合に、それは不足金の補てん準備金として積み立て、最後に実験が終わりまして、黒字が出ているという場合には無事戻しという形で組合員に返すということを考えておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 二十アールというのは強制的に入るのか、それとも任意なのか、その辺どうですか。
○内村(良)政府委員 今般の実験は任意でございます。
○竹内(猛)委員 以上、私は沖繩の現状と問題の中から、農業の発展の方向について若干の意見を述べた質問をいたしました。これは共済問題等に関してはあるいは技術的に内容にまだ突っ込みが足りないかもしれません。問題は、長い間他国の支配のもとにあった沖繩が復帰して以来、今日まで一番おくれている状態が農業の中にあると思う。そういう農村の問題について本土と同じような形で漫々として手当てをするということじゃなくて、これについてはもっとスピードを上げて、そして土地の確保、基盤整備、水、それから病害虫の駆除衛生、それから機械化、価格の補償、そしてその上に、現在の災害補償制度がすみやかに実施をされて、農家の所得が農業によって明らかになるという段階にならなければ、沖繩の農業というものは発展をしないと思う。
 こういう意味において、これは最後に農林大臣に聞きますが、沖繩の農業を発展させるための農林大臣の決意いかんをお伺いして、私は終わりたいと思います。大臣の御答弁を求めます。
○櫻内国務大臣 竹内委員の御指摘はそのとおり受けとめてまいりたいと思います。お答えを申し上げておるかと思いますが、沖繩県の農林漁業及び農山漁村の新生建設に資するための緊急対策として、昭和四十七年度以降五年間に改善計画を樹立して、沖繩農林漁業構造改善緊急対策事業を実施するというようなのは一つの例でございますが、御趣旨のように、沖繩県における農業、ことにサトウキビ生産は重要なことでございまして、今後も熱意を持って対処をしてまいりたいと思います。
○竹内(猛)委員 終わります。
○佐々木委員長 美濃政市君。
○美濃委員 私は、いま審議中の法案に対しまして、問題点をしぼって見解をお尋ねしたいと思います。今までの質問と若干重複にわたる点があろうかと思いますが、これは同じ問題を審議するのでありますから、一応問題点を詰めたいという考え方で質問をしたいと思います。
    〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕
 まず第一に、畑作共済、この共済は、対象農民は非常に期待をしておった制度でありますが、あとから申し上げる問題点については、まことに不十分な内容でありまして、はたしてこの制度ができて実験に入る段階で、実験に指定された共済組合等が加入をすすめるのに非常に困るのではないかというふうに、一面中身については危惧をしておるものでありますが、しかし、それらの点は、実験期間中あるいは本格実施のときに真に役立つ制度として改善するという期待を持ってこれに当たらなければならぬと思うのであります。
 そこで、ただいま申し上げたような段階を経て、本格実施をまず第一番に期待するものでありますが、今回の法律には実験期間の年限が明記されておりません。何年という時限もないわけですが、私はやはり、前の質問にもあったと思いますが、三年間実施すれば、大体そういう実験は詰めてありますし、過去においても、していないものもありますけれども、北海道地域では、長畑参考人からも話がありましたが、共済金を払って試験的なものを三年もやっておるわけでありますから、それらのものも経験として含めてやれば、三年ぐらいで本格実施に移せるのではないか、こう思うのです。ここで三年間とかっちり申し上げるのではないのですが、そういう過程で、できるだけ早く不十分な点は整備して本格実施に移す、このことが必要だと思うのです。これに対する大臣の見解をまず承っておきたい。
○櫻内国務大臣 北海道において四十一年から四十三年ですか、三年間の一応の試験などもしておりまして、そのためになるべく早くという気持ちがおありだと思うのであります。しばしばお答えを申し上げておりますように、一応この法案をお願いしておる段階におきましては、五年をめどにいたしております。しかし、五年ということを明記いたさなかったのは、でき得る限り五年以内で早期にやれればやりたい、そういう弾力的な考えも頭に置きまして、はっきり五年とせずにおいたわけでございまするから、この点をおくみ取りいただきまして、五年以内でなるべく早く実施をするというふうに御理解いただきたいと思います。
○美濃委員 次に、対象品目であります。今回は六品目にしぼっておるわけでありますが、このほかに畑作物としては露地野菜とか、特に牧草の場合、こういう災害補償制度をとっておる国として、畜産農業に対する先進国である欧州諸国あたりでも、牧草は穀物より先に入れておるわけですね。日本の場合、特に牧草等についても、いまだ牧草の経済的な位置づけしかできてない。たとえば加工原料乳保証乳価の中で分類されておる、いわゆる牛乳一キロ生産する粗飼料は十円ちょっとですね。そしてたとえば北海道地域の現在の牛乳の生産量に一キロ当たり十円をかけますと二百億という金額になる。乾燥牧草は大体五千円で計算される。農林政策の中では乾燥牧草の経済価値五千円というのは、加工原料乳保証乳価の上では一応計算されておるわけです。それに対して被害もあるわけです。牧草の被害というのは主として収穫被害であります。生育被害はほとんどありません、牧草ですから。かなりの収穫被害がある、雨による雨害ですね。どちらかというと、私どもからいえば、社会地域の、全国的にも言えますが、てん菜、バレイショよりも、牧草を入れるほうが先決だというふうに考えておるわけです。そういうことがありますから、今後早急に、今回入れた六品目よりもまだ大切なものがあるわけですから、そういうものを対象にするためにさらに前進をして努力しなければならぬと思います。それに対する見解を承っておきたい。
○櫻内国務大臣 美濃委員のように御専門の方にお答えしにくいのでありますが、これは慎重に検討さしていただきたいと思うのであります。牧草が北海道において非常に重要な作目であるということはよく承知しておりますが、なかなか保険設計の前提となる資料が未整備であるし、損害評価上むずかしい問題もあるのではないか、このように想像いたすわけでございます。
○美濃委員 もう一回聞きますが、そういう問題点はあろうかと思いますけれども、やはり畑作物共済として出発する以上、いま入ったものよりも、全国的にあるいは金額的に対象作目として大きいものがあるわけです。先進国でこういう制度を持っておる国は全部牧草あたりでも入れておるわけですね。ですから、そういうものを実験するなら実験して、次の段階で入れなければならぬと思う。ただめんどうだという一点ばりの答弁じゃちょっと困るのです。今後検討して入れるという意欲を持ってもらいたい、こう思うわけです。
○櫻内国務大臣 私どもは研究し、検討するということに別段異論はございません。ただ、いろいろ考えてみて、なかなかこれはむずかしい問題ではないかというので、慎重ということばをつけ加えて、慎重に検討さしていただきたいということを申しておるわけでございます。
○美濃委員 次に、基準収量の問題について、これもかなり論議がかわされておりますが、少し具体的に突っ込んでお聞きしたいと思いますが、私は基準収量の中で、今回の作目の中で、まあ質疑の中にも出ておりますけれども、特にてん菜、バレイショ等の収量が近年増加しておる、農林省から配付されたこの資料でも、過去四十五、四十六、四十七をとれば、大体バレイショはヘクタール三十トンですね。てん菜は三年平均で四十三トン、こういう収量を示しておる。これはもう大体固定してきておるわけです。防除の問題、いわゆるバレイショ、てん菜とも病害防除の問題にも農家が力を入れ、先ほども芳賀委員からお話がありましたように、価格が据え置き状態ですから、収量でかせいで生き延びようというものすごい努力が重なって、定着化してきておるわけです。これを五年、七年ととったのじゃ困るから、大体この三年間の少なくとも平均収量、これを下回ってはならぬと思うわけです。以下他の作物についても、基準収穫量はこの制度の柱でありますから、これが後退したものであれば、基準収量から算出される共済金額、それにかける被害率となって――掛け金が安いだけが能ではないのです。適正な基準収量ができ、それに被害率をかけますから、掛け金は安くても、役に立たないものであれば、かけ捨てになってしまいますから、私は掛け金を安く安くという意識はないわけです、こういう制度を論ずる上においては。いたずらに掛け金の安いだけが制度じゃないんだ。適正なものをつくれば、やはりそれに制度上合うだけの掛け金が伴うことは当然である、こう思うのですね。もちろん安いことを望みますけれども、ただ、その掛け金の安いことだけが、保険として、保険需要なり加入者の保険魅力なりあるいはその保険を通じて農業を安定するということにはならない、こう思うわけです。掛け金の安いことだけがいい制度だということにはならない、こう思うわけですが、この考え方をきちっと整理しておいてもらいたい、特にてん菜、バレイショについて。ただ勘案するというのじゃなくて、私は特にてん菜、バレイショについては三年の平均反収を採用すべきである。その前の反収を持ってくるということは全然実情に合わない、こう思います。
○内村(良)政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたように、バレイショ、てん菜につきましては、最近非常に生産量が伸びております。そこで過去三年をとったらどうかということでございますが、私どもといたしましては、むしろ趨勢値をとったほうが伸びが反映するのではないかということで、趨勢値をとることを考えております。したがいまして、基準収量についての先生のお考え方は私ども非常によくわかります。単に基準収量を低くして被害を低くして掛け金が安い、それだけでは補償制度として意味がないんじゃないか、むしろ適正な基準収量を設定すべきである、私どもも同感でございます。ただ、その適正な基準収量が何であるかという問題でございますが、先ほども芳賀先生の御質問に御答弁申し上げましたけれども、私どもといたしましては、現在の農業共済制度が一つの政策保険的な色彩を持っておるわけでございますから、やはりその客観的に期待される収益を補償するというような形で基準収量をきめるべきではないかというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、あまりにも実態から遊離した基準収量の設定はこの制度の運用上好ましいことではございませんので、特に生産力の伸びているようなものにつきましては、適正な基準収量を設定するようにつとめたいと思っております。
○美濃委員 次に、この共済金支払い割合、いわゆる足切りについてお尋ねしたいと思います。
 私はこの足切りについては全く了解できないものがあるわけです。それは過般農林省からいただいたこの資料ですけれども、この資料を見ると、米麦の統計上の被害率が四十一年から四十七年を通算しまして大体一〇%ですね。被害率が一〇%、水稲はちょっとこえるでしょうかね。麦についても、統計上の被害率は平均すると一〇%こえております。これに対して足切りが三〇でしょう。てん菜について申し上げますと、てん菜は昭和四十二年が〇・四ですね、統計上の被害率。四十三年は〇・一、四十四年は〇・二、四十五年は〇・二、四十六年がちょっと高くて四・九です。これを五年平均すると〇・二です。ちょっと麦に戻りますが、大体統計上の被害率の約三倍の足切りをつけても、一〇%以上の被害率があれば三〇の足切りをつけても、これは資料だから時間の関係で読みませんけれども、農業共済制度のいわゆる共済金支払い対象となる被害率が出てくるわけですね。ですから、統計上の被害率と共済金支払い対象被害率とはこういうふうに変わって出てくるということも私は十分承知しております。だから、大体統計上の被害率の三倍の範囲の足切りであれば、同じ制度でいくのですから了解できるのだけれども、てん菜について五年、六年平均して二%しかない被害率に対して、選択によっては三〇%の足切りをつける。これはもう全然共済金支払い対象被害率は出てこないと思います。麦についてどうですか。さらに倍の足切りをつけたらどうなるか。てん菜はとにかく被害率のない作物ですから、そういう面から考えたら、率直に申し上げたら、保険需要はないと申し上げてよいわけですね。ですから、統計上の被害率のまず三倍程度の足切りであれば、他も大体統計上の被害率の三倍程度で保険金支払い対象被害も出ておるわけでありますから、その程度であれば理解できるけれども、極端に多いのは十倍以上。てん菜について、たとえば三〇の足切りを選択したということになれば、統計上の被害率の十五倍、バレイショはちょっと高いわけです。バレイショが大体平均被害率が〇・五ですね。これも三倍にして一・五割。
 ここに私は大きな問題を感ずるわけです。この足切りというものが全く実情を無視してしまっておる。基準単収については制度上の問題ですから、いろいろ最初につくる政令が不十分であれば直せますけれども、最初の出発の根本がおかしいのではないか、てん菜、バレイショの足切りというのは。他の作物にこういう統計上の被害率に対して五倍とかあるいは十倍という足切りをつけた場合にどうなりますか。たとえば米の統計上の被害率に十倍の足切りをつけたら足切りが一〇〇になりますよ。統計上の被害率に十倍の足切りをつけたら足切りが一〇〇となって、共済需要もなければ掛け金も徴収することもできない。予想される被害率は足切りに全部吸収されてしまいます。掛け金も要らなければ、設計上それをなぜ無理してこんな設計をしてきておるのか、この点だけは私にはわからぬわけです。何としても理解できない、このてん菜、バレイショの足切りというやつ。根拠があるのですから、統計上の被害率の三倍程度であれば私はこういうことを言いません。その上にある程度共済金支払いの対象被害率も出るであろうと想像されるけれども、とにかく統計上の被害率の十倍の足切りなどというのは、これは常識では判断できない足切りなわけです。これをどうするのか。
 そうすると、無事戻しの問題はあとにしますが、まず、設計上それをどう考えておるか。私はほんとうに農林省の皆さん方、保険課の皆さんに良識があるのならば、この足切りをつけた料率は出ないと思うのですね。料率の出る被害率を捏造してつくってきたら、私どもは承知できません。これはもう料率が出ないと思うのですよ、これだけの強い足切り、統計上の被害率の十倍もの足切りをつけたら。たとえば、こじつけて水害かなんかで、この対象面積がてん菜で四十六年度で五万四千三百ヘクタールですから、この中に、この年は水害はなかったんですが、もう治水事業が完成しておりますから、そう大きな被害率が出るような水害もないわけですが、ただ、大雨でも降ってかなりの水害になると、てん菜というのは若干の痛みが出ますね。そういう問題をほじくり回してみても、何ぼも被害率は出ないと思う。そういう問題を故意につくった、そこでデータで打ち合わせしているけれども、それはもう出ないものを無理して出るように捏造しておる。保険設計というのはでっちあげだと思うのですね。私はこう思うのですが、どうですか。
    〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕
○内村(良)政府委員 バレイショ、てん菜の足切りの問題でございますが、先生の御指摘のように、非常に安定していて被害が少ないということは事実でございます。これは過去の北海道庁が行ないました実験の結果を見ましても、非常に被害率が少ない。ただ、北海道の実験は三割足切りでたしかやったと思うのでございますが、ゼロということはないわけでございます。
 そこで、確かに足切りをどうするかという点につきましては、被害率からこれを見るということも一つの要素でございますが、さらに保険でございますから、損害評価上どういう問題があるかとか、その他の面からいろいろ検討しなければならぬ問題もあるわけでございます。さらに、わが国の農業災害補償制度の場合は、制度ができましてから三割足切りということを原則としてやってきておるという歴史がございます。
 そこで、一割足切りということも考えられないわけではないわけでございますが、損害評価の技術的な問題から考えますと、これはどうかなという問題があるわけでございます。専門家の人々も一割足切りというのはちょっと無理ではないかというような意見を述べております。
 そこで、今般の場合には、豆類のほうはかなり被害率も高いということもございますので、組合が選択する場合には、バレイショ、てん菜は二割足切り、豆類は四割足切りという選択制を設けることにしたわけでございます。いずれにいたしましても、このようにバレイショ、てん菜は被害が少ないわけでございますから、掛け金率はどうしても低くなっていくわけでございます。
 そこで、先生が御指摘になりますように、ほとんどゼロじゃないかというようなことになるかどうかはわかりませんけれども、共済掛け金率につきましては、試験期間中必要に応じ随時調整してまいりまして、実態に合ったような料率にして、なるべくバレイショ、てん菜の農家によけいな負担をかけるというようなことは極力避けるような運用をしたいというふうに考えておるわけでございます。
○美濃委員 そこで、政策として大臣にお尋ねしますが、いま申し上げているような問題が一つあるわけであります。
 そこで、これは政府も再保険をつけるわけですが、私は、共済金のこのいまの足切りをこのまま大臣がきめるようになりますから、政省令で二割ないし三割の選択制足切りにした場合、共済金支払いというのはほとんど起きてこない。掛け金ゼロであれば文句は言いません。これだけの足切りならば、私は掛け金はゼロでなければならぬと思います。
 いま局長の答弁を聞いておって、私はどうもちょっと変に感ずるのは、過去の作物の中に一割などという足切りはないのだと言う。しかし、被害率が違うでしょう。いまの過去の作物というのは何をさすのですか。統計上の被害率が違う。統計上の被害率は、確かに被害率の基礎であることには私は間違いないと思う。私も統計上の被害率をもって、それだけで保険設計をせよと言っているわけではない。局長の言うような、保険上の支払いやなにかを加味して、麦は統計上の被害率の三倍でしょう。私が言っているのは農林省のよこした資料ですが、三倍でしょう。その範囲で設計すべきであろうと思う。統計上の被害率の三倍を掛けると、てん菜は被害率は一〇を割って大体六です、良心的に計算すれば。三倍を掛けてバレイショが一五となる、二〇にはならないのです。そういう一つの根拠があるわけです。そういうはっきり統計上の被害率の違うものを、過去の農作物のあれの中においては、足切り三〇というのは通則であるから、てん菜、バレイショといえども足切り三〇というのは通念上あたりまえなんだという解釈ですね。どうしてそういう発想が出てきて、保険設計上どうしてそういうことを考えなければならぬのか。全く統計上の被害率というものを無視してしまう。通念上の観念はこうなんだといって押しつける、これはちょっと私は理解できないわけです。
 そこで、政策として大臣にお尋ねしたいのですが、そういう実際にあり得ない過去の通念上の被害率をでっち上げて、掛け金を掛けて、そして政府が再保険の中ではそれを不安定作物とする。北海道は寒冷地であるから、てん菜をよけいつくりなさい、バレイショをつくりなさいといって寒地安定作物として進めてきた、豆類は冷害にも弱いし、あまり多くつくるな、これが農林省の指導でしょう。今後は豆をうんとつくって、ビートやイモをつくるなというのですか、これからの指導は。北海道はできるだけビートやバレイショは少なくしなさい、こう言うのですか。そうでないとするならば、政府の再保険にそれを吸い込んでどんぶり勘定で――はっきり申し上げますが、豆類は危険率が三〇の足切りをつけてもいわゆる被害率はまだ上に出る。その年によってはかなりの保険金支払いの対象になると私は申し上げておきますが、もうビートやバレイショはそういうことにはならないのだ。そうすると、ビート、バレイショを包括共済へ入れて、それにそういう観念的な被害率を掛けて料率を算定して、そして不安定作物の支払いにそれをどんぶり勘定でやるということは、これはどういうことですか。政策としてまことに私はでたらめな政策ではないか。安定作物だといって指導しなければならぬものに、そういう観念的な被害率で算定した料率を掛けて金を集めて、それを政府の再保険でどんぶり勘定で払っていくということになれば、危険率の高い、そして代表的作物だから一定反別以上はあまりつくりなさんなよと道庁も改良普及員も農林政策では指導しているものに、安定作物からむしり取っていく、こんなばかげた制度はあり得ないと私は思うのです。大臣、どうですか、おかしく思いませんか。
○内村(良)政府委員 大臣の御答弁の前に、私のことばが足りなくて誤解があるといけませんので、答弁させていただきますけれども、被害率だけから足切りをきめるというわけにはまいらない面もあるわけでございます。もちろん被害率も足切りをきめる大きな要素でございますが、それ以外に損害評価の技術的な問題等もあるという意味で、そういった点を考えて過去の農作物共済その他の共済については三割足切りをやってきたということを申し上げたわけでございまして、被害率だけから三割云々ということではございません。損害評価の技術的な問題もあるということを申し上げたわけでございます。
 それから、これも前の答弁の最後のほうで申し上げたわけでございますが、どんぶり勘定になるのじゃないか、すなわち再保険では、末端では別別になっていても、その段階では一緒にして経理をするということになればどんぶり勘定になって、冷害等を考えた場合に、あまり奨励しない豆類をてん菜、バレイショが助けることになる、政策矛盾である、こういう御質問かと思います。確かにそういうことになってはいけませんので、そういった面を調整するためには、共済掛け金率が常に適正でなければならないわけでございます。たとえば、ほんとうに被害がなくてゼロなんだという場合は、これはそうなれば制度とならないじゃないかということになってくるかもしれませんが、それを無理してデータをでっち上げるなどということは私どもは決していたしておりませんし、今後においてもいたすつもりはございません。そこで、最後に申し上げましたように、試験期間中、そういった先生御心配のことが起こらないように、必要に応じ共済掛け金率を実態に合わせて調整していくという措置をとろうと思っております。そういたしますと、先生御心配のどんぶり勘定の問題というのはかなり防げるのではないかというふうに考えております。
○櫻内国務大臣 ただいま局長のほうから、結論的には、共済掛け金率も個々の作物の被害率に応じて定めることにいたしたい、こう申し上げておるので御了承いただけたものと思うのでありますが、また、私は私なりに手元にある資料を見ておりまして、一律三割、あるいはバレイショ、てん菜二割、豆類四割の選択制、他の共済事業における足切りの場合は御承知の農作物共済三割、蚕繭共済三割、果樹共済三割というようなことであります。この統計が間違っておるのかどうか私よくわかりませんが、バレイショやてん菜の過去何年間かの被害農家の係数とか無被害農家の係数が出ております。バレイショの場合、これは四十一年から四十三年の実験の場合ですが、被害農家の係数が三七・三、無被害農家の係数が六二・七。てん菜が二三・七、無被害が七六・三。それから被害率がバレイショ二・九の変動係数一一%、てん菜が一・一の変動係数九というふうにいろいろ数字が出ております。これをながめておって、いまの局長の最後に申し上げたことを勘案いたしましたときに、三割の、あるいは組み合わせの二割、四割の足切りということについては御了承いただけるものではないか、かように思う次第でございます。
○美濃委員 これ以上は水かけ論になるから申し上げませんが、それはおそらく了解つきません、私の言っていることは間違いないと思いますから。
 そこで、この問題を加入推進するにあたって、政府の再保険まで収支分類して、無事戻しの対象にできますか、どうですか。それはせめて無事戻しでもはっきりさせておかなければ、とても――この足切りは常識を逸脱しておる。これは何べん言ったって水かけ論になって、あなた方はあれだし、大臣は三〇を了解してと言いますけれども、大臣、あとで結果によって恥をかくようになりますよ。ですから、間違っておれば戻すとでも言うのが――私は豆類等については三〇の足切りというのは、それは被害率から見て当然だと思いますから、そうやかましく言いません。それからサトウキビも沖繩の被害率その他調べておりますから、サトウキビについても三〇の足切りについては、通例米麦で行なっておるものと統計上の被害率から見て常識的にこういうものだろうと思っております。とにかくてん菜、バレイショは違うのです。それを通例三〇だから三〇にします、損害評価上の技術的な問題もありますなどという答弁はもうでたらめだと思うのですね。水かけ論になりますから、この程度にしますけれども、これはここで終わったということになりませんから、最後に、政府の再保険まで分類計算ができて、支払いをしなかった場合には、一応戻すというたてまえでもとっておかなければ、農民に入れということを言えないですよ。恥ずかしくて、われわれこんな法律をつくって、こんな制度ができたんですよと報告のしようもないわけです。選択によって低いほうを選択しても二〇、高いほうを選択すれば三〇の足切りでつくってきたという報告はとてもできないんだな。おこられる。そういうものでないということなんです。だから、せめて政府の再保険まで収支分類して――こういう農作災害ですから、いままでなくても今後起きるかもしれませんから、ビートの分はビートの分に払われて、共済ですから、払った地域と払わぬ地域とあるのは、それは当然なことなんですから、農民の出す掛け金は相互共済でかけるわけですから、それはいいのです。しかし、全く豆や何かのほうに吸収されちゃって、被害のない作物に掛け金を払わす。不安定作物だからあまり奨励しない作物の災害に安定作物の掛け金が結果は払われてしまって、こっちは収奪されるということになることは、寒地農業安定のための政策上の見地からいっても、そういう結果が起きるとしたら、許せないと思う。ですから、起きる起きぬという論争をしておっても、私がこう言っても農作災害ですから、あるいはいままでなくても、そういう結果が出た場合には一年一年戻せとは言いませんけれども、戻すということをはっきりしてくれませんか。せめてその点が明確になっておれば、加入推進の説明のしようもありますからね。農家に、そうおこるな、これは新しい設計で、設計も不十分だし、またやってみて被害率が少なければ料率も下げると言っておるんだからと、速記録を持っていって見せますから、こういういきさつになっておるのだから、いよいよ余った場合には、利子までつけられぬかもしれぬが、大体返すんだ、まあひとつ貯金したつもりでつき合ってくれ、こう言って実験共済を推進して実験を高めることはできる。そこを政府の再保険は七〇%だ、政府に払ったら余っても返しませんよ、本格共済になったときに余っておったら、それは準備金として本格共済に引き継いで、余ってもとった以上は返しませんよ、こう言うんじゃ、ちょっと困るんだな。私はサトウキビや豆類はそういうことは言いません。統計上被害率から見て、この程度の足切りをつけて設計しても、大体そういうことにならないと思いますから、そう言わないが、ビート、バレイショについては私はなるとはっきり断定しておるわけです。あなた方はならないとこう言うわけです。ここで水かけ論をするには時間がないから、水かけ論を抜きにして、せめて戻すというくらいのことを言ってくれませんか。
○内村(良)政府委員 組合ではそれぞれの作物について区分経理をしているわけでございますから、実験が終わった段階で剰余が出た場合には、できるだけ作物ごとの収支状況で無事戻しをするということになりますから、ある程度先生の御要望にはこたえられることになると思います。
○美濃委員 政府の再保険はどうですか。
○内村(良)政府委員 政府の再保険につきましては、現在考えておりますやり方でこの実験はやりたいと思っております。ただ、今後本格実施をする場合におきましては、非常に加入者もふえますし、保険のプールも大きくなりますので、それはそのときにまたいろいろ検討すべき問題があると思いますが、実験は現在の実験規模も政府が考えているような方針でやらしていただきたいと思っております。
○美濃委員 どうですか大臣、その点は。私は政策矛盾を感じるのです。足切りの結果、大きな政策矛盾が発生する。それはやはり政策で調整してもらわなければ、局長までは制度に縛られるからあれですが、大臣は政策を判断してもらわなければならぬ。政策矛盾が発生した場合にそれに対応する措置を考え、講じておいてもらわなければいかぬと思うのです。それで、矛盾が起きるか起きぬかの論争はこれ以上いたしません。起きぬかもしれない。起きなかった場合には言いませんが、やはり大きな政策矛盾がこういう制度を通じて起きた場合には、それはやはり政策的に判断して調整するくらいのことは大臣は言ってもらわなければ困ると思う。
○櫻内国務大臣 足切り問題は、先ほどひとまずの私の見解を申し上げたわけでございまするし、おそらく運用によっていま御指摘のようなことには私はならないという見方をしております。
○美濃委員 なった場合にどうするかと聞いておるのです。なった場合には調整する、大臣はやはり政策的な判断に立たなければならない。もしそういう政策矛盾が起きた場合には調整する、無事戻しなりその他の方法で調整するということを一言言っておいてくれませんか、起きなければいいのですから。
○櫻内国務大臣 これはやはり先ほどまとめてお答えいたしましたように、そういう場合には共済掛け金率を調整すると、そういうことを申し上げたわけでございます。
○美濃委員 時間がありませんので、次の問題は沖繩の問題でありますが、これはもう先ほど竹内委員その他の委員も言っておりますが、やはりいままで放置された沖繩の状態から見て、この実験段階から国の負担割合は特別割合にしばらくの間すべきである。とにかく沖繩では専業にサトウキビをつくっておる農家の所得が千五百ドルですから、いままことにみじめなものです。ですから、やはりある程度大幅にする。被害率は、台風がある、干ばつがあるということでかなり出ておりますから、そういう被害の、たとえば返還時の前に行ったときには、奄美大島、本島よりも先島の干ばつがすごかったのです。サトウキビや何かの多年性作物が枯れてしまって、サトウキビはあの干ばつで枯れると、多年性作物ですから二年間の被害になるわけですね。翌年も収穫できませんから、植え直す。そういう性質のものですから、こういう制度を適用することは全く適切であり、しばらくの間やはり沖繩の特殊事情から高率負担をしてやる必要がある、こう思うのです。これは予算上の問題ですから、実施までに十分検討してもらいたい。沖繩の特殊事情ということ、どうですか。
○櫻内国務大臣 沖繩の農業振興の上におきましては、先ほどからいろいろお答えを申し上げておりますが、本土と違った補助率で高率の補助をいたしておる、沖繩農業生産振興のためにはいろいろと方途を講じておるわけでございます。
 そこで、この畑作共済について掛け金の助成を内地とは別途にということでございまするが、本土の農家の中にも沖繩の農家と同様に相当差のある場合もあるのではないかということでございまして、そのおっしゃっておるお気持ちは十分わかるのでございまするが、共済の掛け金についての国庫助成を沖繩農民に対して特に高率にするということについては、いまこの際は考えておりません。
○美濃委員 どうしてそれは考えられぬのですか。どういう理由ですか。
○櫻内国務大臣 いま申し上げたように、農家にも全体を見て非常に差があるという事実は、これはお認めいただけると思うのであります。そうすると、全体の中で考えていった場合に、現在沖繩県が復帰直後であるからというだけでそういう差別をするというよりも、沖繩農業には別途振興対策を講じておるということを申し上げたわけであります。
○美濃委員 以上で終わります。
○佐々木委員長 次回は明二十八日木曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後五時五十六分散会