第071回国会 商工委員会 第57号
昭和四十八年十一月二十一日(水曜日)
    午前十時四十三分開議
 出席委員
   委員長 浦野 幸男君
  理事 稻村左近四郎君 理事 左藤  恵君
   理事 田中 六助君 理事 羽田野忠文君
   理事 山田 久就君 理事 板川 正吾君
   理事 中村 重光君 理事 神崎 敏雄君
      稲村 利幸君    越智 伊平君
      木部 佳昭君    小山 省二君
      笹山茂太郎君    八田 貞義君
      松永  光君    加藤 清政君
      加藤 清二君    上坂  昇君
      佐野  進君    竹村 幸雄君
      藤田 高敏君    渡辺 三郎君
      野間 友一君    近江巳記夫君
      松尾 信人君    宮田 早苗君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  中曽根康弘君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        委員長     高橋 俊英君
        公正取引委員会
        事務局審査部第
        一審査長    妹尾  明君
        防衛庁装備局武
        器需品課長   友藤 一隆君
        経済企画政務次
        官       橋口  隆君
        経済企画庁調整
        局長      青木 慎三君
        経済企画庁調査
        局長      宮崎  勇君
        外務政務次官  水野  清君
        外務省中近東ア
        フリカ局外務参
        事官      中村 輝彦君
        外務省国際連合
        局外務参事官  野田英二郎君
        大蔵省主計局主
        計官      藤仲 貞一君
        通商産業省基礎
        産業局長    飯塚 史郎君
        資源エネルギー
        庁長官     山形 栄治君
        資源エネルギー
        庁石油部長   熊谷 善二君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 岸田 文武君
        中小企業庁長官 外山  弘君
        運輸省海運局次
        長       山上 孝史君
        運輸省海運局定
        期船課長    深川  弘君
        労働省労政局長 道正 邦彦君
        労働省職業安定
        局失業保険課長 関  英夫君
        商工委員会調査
        室長      藤沼 六郎君
本日の会議に付した案件
 通商産業の基本施策、経済総合計画並びに私的
 独占の禁止及び公正取引に関する件(原油供給
 削減に伴う諸問題)
     ――――◇―――――
○浦野委員長 これより会議を開きます。
 通商産業の基本施策に関する件、経済総合計画に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中六助君。
○田中(六)委員 最近の石油問題をめぐる諸情勢は、非常にわが国に深刻な打撃を与えております。御承知のように、原油の九九・七%を日本は輸入しなければなりませんし、そうなりますと、家庭の灯油から大きくは工業用の生産まで響くわけで、まさしく文字どおり経済危機あるいは民生の不安定、そういうようなものにまで波及しているのが現状でございます。
 こういうものをバックグラウンドにいたしまして、二、三点大臣にお聞きしたいと思いますが、大臣は数ヵ月前、私が現在の経済情勢をどう見ておるか、つまり田中総理大臣はインフレではないということをいまだに固執しているわけでございますが、大臣にその質問をしたら、大臣は、インフレといえばインフレ、インフレでないといえばインフレでないというような御見解でございましたが、現在すでに消費者物価指数を見ますと、本年八月は、これは昭和四十五年を一〇〇とした場合でございますが、八月が一二五、九月が一二八・六、十月が一二八、前年同月比にしますと、八月が一二・〇、九月が一四・六、十月が一三五、これは途中の指数でございます。それから、卸売り物価指数を見ますと、これも同じく昭和四十五年を一〇〇とした場合、本年の八月が一一七・二、九月一一九・三、十月一二一・七で、前年同月比を見ますと、一七・四、一八・七、二〇・三とそれぞれこれはアップでございます。
 そういうような情勢で、もちろん物価その他あらゆる諸指数を見ましても、常識的にはインフレだ、世界もそうでしょうし、日本もそういうふうに思いますが、大臣の現在のこれらの諸問題に対する、インフレということからの御見解をお聞きしたいと思います。
○中曽根国務大臣 この前も申し上げましたように、インフレということばの定義、概念の取り方によっていろいろ考え方が変わるのだろうと思います。しかし、もしインフレということばの心理的要素を非常に重要視して、物資不足あるいは先行きの見通し等からして心理的に物価が上がるというような観念が横行してきて、そして物の買いだめとか買い占めという現象が起こる、それがスパイラルに拡大していくという現象があるとすれば、それはそういう意味におけるインフレ的現象であると言っていいと私は思います。
 現在の状況はどうであるかというと、そういうような情勢に入りつつあるような、そういう段階であるように思います。
○田中(六)委員 私がこの問題を固執するのは、やはり認識の度合いによって諸政策が違ってきますし、国民の非常に痛切な心配、つまり痛いところを政府がどの程度感ずるかということで違ってくるのじゃないかという気がするわけで、私はその見解より実態はもう少し深刻じゃないかというような気がするわけでございます。
 民生の安定という見地からまた次の問題をお聞きしたいわけでございますが、政府が今回OPEC諸国の生産削減及びメジャーの供給削減の通告、そういうような二つの要素から石油というものを見たときに、いろんな諸政策、公共事業の繰り延べとか、海洋博をやめるとか、四国と本土との橋三本を引き延ばす、あるいは新幹線の問題そういうようなことがございましても、まだまだいろんな手というものが手ぬるい。政府は将来、石油の規制と民生の安定の関係の二つの法案というものを考えておられるようですが、外国の例を外務省あたり――通産省ももちろん把握しているようでございますが、そういう外国が石油に対してどうしておるかという例を引けるということは、つまり逆を言えば、外国のほうが先手を打っているのであって日本のほうがおそいということになるわけで、特にアメリカその他どっちかというと石油の備蓄量も日本より多い、それなのにそういう手を打っておる。日本は、いまから本格的な手というようなことになりかねないのですが、こういう点で非常に世間的に政府は手ぬるいということをいわれておるわけでございますが、大臣は、この点どういうふうにお思いでしょう。
○中曽根国務大臣 総需要の抑制ということは至上命令でありまして、その点については政府は懸命な努力を払う予定で、いま御指摘になりましたような本四架橋も着工式を延期するという思い切った措置もやり、そのほか諸般の大型公共事業等については繰り延べる、計画はもちろんそのまま保有しておりますけれども、事業年というものを長期に延ばすとか、そういう措置によって有効需要を減らしていく、そういう措置を思い切ってとるつもりでございます。
 なお、石油規制に関する諸施策につきましては、やはり立法を必要といたします。現在エネルギー規制ができますのは電気事業法による規制が一つあるだけでありまして、あと石油でも、そのほかの諸般の物資というものは、政府がこれを行なう権限を持っておりません。したがって、行政指導によってある程度業界の協力のもとにやらざるを得ぬという情勢であります。そういうことも頭に置きまして、一体法律がいつつくれるであろうか、臨時議会ありやなしや、通常議会がいつから始まるかという情勢を私見きわめておりまして、そして通常議会が十二月一日から始まるということがわかりました時点において、私は政策を発動することを指示いたしました。それは行政指導をかりにやるにしても、法律の根拠なくしてやるということは永続性がないし、途中で崩壊する危険性もあるからであります。したがいまして、それが続き得る期間というものばせいぜい一週間か二週間であろう、そういうような考えから、十二月一日から通常議会があるとすれば、そこで法律案を提出して国会で御審議願う、できるだけ早期にその法律を成立せしめて権限、根拠を得て、そして有効な調整作用を実行していこう、それで逆算してみますと、やはり石油のカットを行なうという場合には十日ぐらいの見当である、十一月二十日ごろから産業等に対する大口カットをやる、その前に官庁自体がみずからやらなければなりませんし、また、国民の皆さまにも節約の運動もお願いしなくちゃならぬ、そういうところから、通産省は、十一月の上旬に、その省内としての大綱をきめ、そして各業界等に大体方向を内示いたしまして準備してもらって、そして石油がある程度カットされてまいるということになりますと、結局工場の工程変換が出てくるわけです。生産が縮少してまいりますればパートタイムも要らないということにもなりますし、工場の工程を変えなければならぬ。そうなると中小企業にまたかなりの影響が出てまいります。したがって、ある程度予告して、こういうことが出てきますから中小企業や工程管理にも御準備くださいということをこの十一月の上旬に内々知らせて準備してもらったわけであります。そしてこの二十日から大口に対して一〇%のカートをいよいよ実行するという段取りで、できるだけ摩擦を少なく、いわゆるソフトランディングでやろうという考えに立って実行したものなのであります。
 日本のような場合には社会心理が非常に複雑微妙でありまして、ちょっとしたことがショックを与えて、この間のトイレットペーパーみたいなことを起こします。ですから、ある程度事前にそういうアレルギーを解消する工作をやって、こういうものが出てきますよ、こういう考えを持っていますよ、政府はこういう方向に動きますよということを過去二ヵ月ぐらい私本委員会におきましても大体の方向を申し上げたり、新聞記者会見でも申し上げたりして心の用意を実はしてもらってきたわけなのであります。そうしていよいよ発動という段階に入りまして、この十二月の国会の冒頭に法律を提出いたしまして御審議願いたい、こう考えておるわけであります。
○田中(六)委員 いま大臣の説明で非常によくわかりました。特に生産、つまり産業面のカットということはまだまだ世界各国があまり手をつけてないことで、そういう面では非常に早く新しいことではないかと思いますし、それから中小企業に対しましても配慮をかなりしておるようでございますので、私どもまさしく総需要抑制ということはわかるわけで、政策的に不況対策をとる、そういう面で潜在的にはわが国の成長率はあるわけですが、これを不況対策をとっていくということで、中小企業にかなりの影響を及ぼすんじゃないかと心配をしておりますが、この点も、大臣は非常にテレビやあるいはラジオを通じて私どもも毎日のように見ておりますし、御努力は買いますが、ただここでやはり問題になるのは、総需要抑制ということ、つまり不況対策を政策的に実行していくということで問題が解決するかということです。つまり物価を安定させるというようなことから不況対策をとる。普通だったら、学問的にいえば、これはケインズ体制でしょうが、総需要を喚起するためには生産を興してそれから供給、つまり供給が常にあるということが前提だったわけでございますが、これから先は供給のほうがないわけです。つまり供給不足ということから考えますと、逆にインフレーションがそのまま残る。一方では不況対策をとっておきながら、ノーマルでいけばインフレも終息するというのがいままでのパターンだったと思うのです。それが物価のための不況対策をとるんですが、インフレーションはそのまま残る。つまりインフレーションと不況というものが共在する、これをスタグフレーションと言っているわけでございますが、そういうことが考えられますと、倒産、それからひいては失業ということが延長線で考えられるんですが、それほどものごとを深刻に考えなくていいのか、あるいはそこまで考えていろいろな手を政府は打とうとしておるのか。私がこういう質問をするのは、民生の安定、つまり幾ら政府が二兆円減税だと言っても、いまこれを信じたりあるいは喜んだりする人は少ないんです。というのは、麦は三五%上げる、米は何%上げる、矛盾したことばかりを平気でやっておるような考えがありますので、不信感を強く持っているというのは強過ぎるかわりませんが、何かちぐはぐだということから、私はこういう諸政策を進めるベースには信頼感、つまり信頼の度合いだと思うのです。それが欠けておったら、幾ら政府やいろいろなところでPRしようが、なかなか信じがたい。したがって、私の懸念するのは、そういうスタグフレーション、不況対策をとって物価に焦点を合わしても、インフレーションだけ残っていくということの違った経済のパターンが出てきておるということについての対策がどの程度政府におありなのか、この点、ちょっと大臣の御見解を聞きたいと思います。
○中曽根国務大臣 そのようないわゆるスタグフレーションの危険性は十分あると思います。それがまたわれわれの一番対策の重点でなければならぬと思います。つまり不景気の物価高という現象であります。なぜかと言いますれば、大体卸売り物価は八月を中心にずっと騰勢が弱まってまいりまして、私らもそれをできるだけ定着させるために、石油に対する緊急対策はできるだけ延ばそう、できるだけ延ばして、卸売物価の騰勢を定着させてぎりぎりのラインまで延ばして、そうしてやむを得ぬ段階にきて石油対策を出す、出せば必ずまた物価騰貴の思惑が出てくる、そういう気持ちで、物価対策の面からも、その緊急対策をやる時期を延ばすように実は心がけてきたのでございます。しかし、緊急対策が出まして、石油が削減されるということが明らかになりますれば、当然これは経済行為にはね返ってまいりまして、諸般の物価に対する思惑、国民生活に対する心配、不安というものが起こるのは当然であります。
 それで、日本に対する石油の供給の見通し等を考えてみますと、いままでメジャーズに通告を受けた分を総計してみますと、大体この十一月末ごろから着荷が次第に減少してきて、十二月からは二〇%程度は削減されるという見通しが確実につきました。そこで、それを前提にして政策をやる、そのために、とりあえずいわゆるソフトランディングという形で、入りぐあいは、なるたけ反動を少なく、摩擦を少なくしようという考えに立って、一〇%カットということから始まったわけであります。業界のほうからは、特に石油業界のほうからは、そんなことではなまぬるいという非常に強い要請がございますけれども、しかし入りぐあいはできるだけ摩擦を少なく、ソフトランディングでやろうという方針で一〇%カットということにして、十二月の成り行きをよく見ながら、また外交的努力も積極的に進めつつ、一月以降の対策もそのときに考えていく、これはどうせ試行錯誤で、いろいろでこぼこが出てきますから、社会的弱者を守るためにわれわれとしては懸命な努力をし、是正、調整もしなければならぬところであると覚悟しております。
 そういうわけで始めたわけでありますが、こういうふうに産業に対するカットというのは、世界の国でやっている国はありません。日本のいままでの産業構造が、油の七〇%は産業に使われ、三〇%が一般民生に使われている。外国はせいぜい五〇%、五〇%であります。ですから、石油の節減ということをやるにはどうしても産業に手をかけなければ節減の効果はあがらないというわけで、産業に手をかけて大口について始めたわけです。当然これは生産減が出てくる。生産減が出てきて、それが中小企業等にもはね返っていく。もし需要をそのままにしておけば物価は暴騰いたします。ですから、生産減に見合う、物量に合う需要に削減しなければ計数は合わぬわけであります。
 それで、各方面方面ごとの需要の削減をいま考えて、予算的にもあるいは金融的にもその他でもいろいろやっておるところでございます。それがうまく符合していけばいいのですけれども、時間的ズレがございますし、それからまた万般の物資があるわけでございますから、必ず吹きだまりとか、しわが寄ってまいります。そういう面から、これは神さまじゃありませんから完全な予見はむずかしいわけでございますから、必ず摩擦、フリクションが起こります。そういう面から心理的動揺を来たしたりして、そして混乱が起こってはいけない、そういうような面から見てその一部の物価が騰貴するという危険性は十分あるわけであります。であるから、やはり生産は減少する。したがって、ある企業は苦しい経営状態になる、不景気の様相が企業側には出てくる、だがしかし、物価は高い、そういう危険性がここで出てくるわけであります。
 特に今度は、春闘その他の賃金問題がここへからんでまいりますと、この十二月だけでも相当なボーナスが出るわけであります。この相当なボーナスがデパートその他に殺到いたしましたら、これはまた相当な物価騰貴の動因になる危険性があります。したがいまして、日本経済の前途を見ておりますと、これは非常に心配しなければならぬファクターが実はあるわけであります。ありますけれども、これはしかし戦時封鎖経済とは違うわけです。われわれが頭に来るのは、すぐあの戦争中の苦しみでありますけれども、あのときは潜水艦で包囲されて輸送船も来なかったという戦時封鎖経済でありますから飢餓状態が出ましたけれども、いまの日本の場合は石油が入ってこない。しかし、それは一部分である。日本の石油は、御存じのように、イランとそれからインドネシアから五一%入っております。それでいま影響を受けておるOAPECからは四〇%入っております。四〇%入っておるOAPECの二〇%が削減されるというわけでありますから、入ってくる量はかなりあるわけです。昨年二億五千七百万トン入りました。ことしは減らされても二億七千九百万トンぐらい入る見込みです。多少減るかもしれませんが、いまの計数はそうです。三億トン入る予定が、約二億八千万トンぐらいに減るという情勢なので、したがって戦時経済とはまるきっきり別で、ものは入る。また、いざというときは大量の輸入も可能である。輸入の手当てもいまいろいろさせております。
 そういうわけでありますから、一定限度の水準は維持できるのですけれども、それをトイレットペーパーを半年分買っておこうというのでみんなが集まれば、これは足りなくなるのはあたりまえです。塩が足りないとかいうデマが出るとまた殺到して、これが三カ月分買うとなれば、足りなくなるのはあたりまえであります。ですから、この際は物資が公平に行き渡ればあるのですから、しかも、これは石油危機の間だけのことであって、これが外交的にうまくいけば一ヵ月で解消するかもわかりませんし、あるいは二カ月かかるかもしれませんし、あるいは半年かかるかもしれません。そういうような情勢で、この中東戦争が続いている暫定的なしばらくのがまんをみんなで公平にお願いいたしたい、こういう考えに立って総需要の抑制、そうして生産される量に見合う需要でお互いしばらく切り抜けてがまんしましょうということで、国民の皆さま方も御協力願いたい、こう思っておるわけであります。
○田中(六)委員 非常にスペキュレーションで、つまり投機的な心理で、いろいろなものが上がっていく。トイレットペーパーなどはいい例だとやはり大臣もおっしゃっておりますし、私もそう思いますが、ただ買い占めるほうが悪いというようなことになると、これはまた問題が非常に複雑になりますが、私は、やはり政府に対する信頼感、それから政府の施策、そういうものが大切だと思うのです。
 そういう見解に立ちますと、ちょうど思い起こすのは、一九二九年から三二、三年にかけてのアメリカのフーバーからルーズベルトにかけてのニューディール政策でございますが、あれば自由経済のマーケットを侵すことなく、一つの大きなスペキュレーションに対する強い政策をとって、それがいまだにアメリカを通じて流れておる経済政策のバックボーンになっておるのですが、日本の政府もへっぴり腰にならずに、やはり信頼感を増すということは、ある程度強い政策に弾力性がなければいけませんが、これだと思うときは強い政策をとっていくということが大切じゃないかと思いますので、その点の配慮も十分お願いしたいと思います。
 それから、きのう大臣はメジャーの連中とお会いしたようでございますが、新聞にはいろいろなことを書いておりますが、大臣はこういう連中にどういうことをお話しになったのか。外交的な問題も含まれておりますので、微に入り細に入りということはいろいろ難点もございましょうが、できるだけ詳しくお話しいただければと思います。
○中曽根国務大臣 日本の入れている油の約七〇%は八大メジャーズ並びに独立系の外資から入っておるわけでございます。したがいましてこ日本の石油の大宗はメジャーズや外国資本に依存しておるわけでございますから、これらの代表を呼びまして、いままでどおり日本に対して安定的供給をやってくれるように、特にイランやインドネシアの油というものはOAPECの影響を受けていないものでありますから、その分は依然としていままでどおり日本に十分入れてくれるように、そういう要請、それから日本の価格対策に対しても協力してほしい、特に灯油問題等についてよく話をいたしまして、メジャーの諸君は出先でありますが、本社に伝えてくれるように、そういうことを強く要請した次第でございます。
○田中(六)委員 以上で終わります。時間の制約がございますので、これで質疑を終わります。
○浦野委員長 左藤恵君。
○左藤委員 いまの田中委員のお話で、私のお伺いしたいことは大体尽きておるわけでありますが、一、二点関連してお伺いいたしたいと思います。
 まず、大臣は、先日アメリカのキッシンジャー国務長官が来られたときにお会いになって、大臣としての立場でどういうふうなことを御要請になったか。問題は、この石油の需給につきまして、たとえばいまの日本の外交政策が、アラブ諸国に対する態度が非常に軽かったとか、あるいは国際協力の面で十分でないとかいうふうないろいろな問題がいま反省されておるときであります。そういう点に関連して大臣のお考えを、そしてまた、たとえば総理とかあるいは外務大臣がそういった諸国を訪問するとかというようなことで、積極的な姿勢が必要と大臣はお考えになっておられるか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
○中曽根国務大臣 キッシンジャー氏に対しましては、中東紛争解決のためにアメリカが努力していること、特にキッシンジャー国務長官が非常に努力をして各国を歴訪しておられるその労苦を多といたしまして、今後ともその労苦をさらに倍加して、一日もすみやかにこの紛争を解決して世界平和を実現するように強く要望いたしましたし、それから、あなたの見込みではどの程度この紛争は続くであろうかとか、それから日本のいまの経済的数量をあげまして、石油事情をよく説明いたしまして、いま日本はこれだけの経済的影響を受けておる、将来はこういう見込みである、そういうことを話しまして、アメリカ並びにキッシンジャー氏のすみやかなるアクションを期待しておったわけであります。そういうような諸般の問題について懇談をいたしました。
○左藤委員 今後ともこういった点で外交的な問題につきましてもひとつ政府として十分その配慮をして、一日も早くこういった石油が削減されるという事態の解消に努力していただきたいと思います。
 それからもう一点は、いまの質問の中にも関連する問題でありますが、そういった油の値上げとかいうふうな問題が物価にいろんな影響を及ぼしておる。大臣のお話では、そういった緊急立法というふうなものも十分用意しておられるわけでありますけれども、行政指導というもので強力にやらなければならない。それが立ちおくれますと、たとえば業界のかけ込み値上げと申しますか、そういうふうな問題も生じてまいります。最近、価格安定カルテルやあるいはまたメーカー、問屋、それから小売り店という縦のカルテル、こういうふうなものをつくってやろうということについて、これは独占禁止法との関係もいろいろあります。私は非常にむずかしい問題だと思いますが、大臣はこういった問題についてどういうふうにお考えになっておられるか、この点をお伺いさせていただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 一部の物資の需給が不足してまいりまして、これを調整しようという場合に、われわれとしては戦時中行なわれましたような官僚統制は絶対行なわない方針でありますし、回避しようと思っておるのであります。それから割り当てとか、そういうものも末端的にやるということは適当でない。戦時中の経験から見ましても、そういう切符とか割り当てとか官僚統制というような形が出ると、結局これはいわゆる係長統制というような形になったり、やみが出て追っかけっこしたり、社会が非常に暗くなります。その戦時中の封鎖経済とは現在違っておるわけでありまして、市場機能は十分まだ動いておるわけであります。そういうような情勢から、できるだけ大もとをぴっちりと指導して、そうしてあとは業界総ぐるみで、あげて協力してもらうという体制が賢明ではないかという形の指導方式をいま検討しているわけであります。
 その一つとして、独禁法の中の一つの形態を認めてもらって、いわゆる価格安定カルテルと呼ばれておりますけれども――大体メーカーのほうは蔵出しの値段まである程度協力してもらえる可能性があるのですけれども、卸売り、小売りの末端の段階にいくと、ある場合には売り惜しみ、買いだめ、あるいは値上げという現象が起こるわけでありますから、その段階においてできるだけ価格安定カルテルという形で網を打って、そして業者の自主的努力によってその価格を維持してもらう、そういう体系でできるだけ自主性を尊重した形の物価の安定方策をいま検討しているわけであります。
○左藤委員 時間でありますので、私はもうこれ以上申し上げませんが、ただ、国民の不安感と申しますか、不信感というものを取り除くためにも、ひとつあらゆる努力をしていただきたい。正直者がばかを見るようなことのないように、それが私は一番根幹だと思いますので、そういった点について御努力をいただくことを強く御要望申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○浦野委員長 板川正吾君。
○板川委員 私も当面する石油問題について伺いたいと思います。
 実はきょうは大平外務大臣に出席を要請したのでありますが、どうしても出席ができないということでありますので、大平外務大臣に対する質問は、国務大臣でもある中曽根通産大臣にひとつ同じ立場で質問申し上げたいと思います。
 まず第一に、今回の中東紛争で、アラブ諸国が石油を武器として、敵対国をアメリカ、オランダ、あるいは友好国をイギリス、フランス、非友好国として日本や西独やイタリア、こういうような区分をして、石油の禁輸あるいは削減によってアラブ支持を迫っておるという状況でありますが、この石油削減の見通しについて大臣の見解を伺いたいと思うのであります。
 けさのニュースによりますと、キッシンジャー国務長官は、アメリカの上院において、石油削減は当分続くだろう、そして十六日における大統領のいわば緩和されるだろうという発言は希望的な発言である、こういうことを発言しておると伝えられております。アラブ側としては、武力で失地の回復がむずかしいということになれば、石油を武器にしていわば戦局の転換をはかるほかはない、アラブ側の立場としては、私はこの政策は当然今後も続くであろうと思うのであります。したがって、この石油削減の見通し、そういう点について政府としてわかるだけの情報を知らせてもらいたいと思います。
○中曽根国務大臣 今度の中東戦争は経済戦争にあらずして、ある意味における政治戦争であり、宗教戦争であります。アラブの大義ということを頭に置いてアラブ側の国々は行動を起こしておるわけであります。したがいまして、これらの政治原則が貫徹され、アラブ側の主張が実現するまではかなり強固な意思を持って戦争を継続するというふうに、私はこの勃発の当初から考えておりました。その後の情勢を見ましてもやはりその一線をくずすことはないように思いますし、アラブ諸国の団結はかなり結束強固であります。したがいまして、このイスラエルとの間の紛争は、アラブの主張するような線において平和の形でまとまるまで、おそらくアラブ側はそのかまえを捨てないであろう、そう私予想いたしまして、だいぶ前から、予想を聞かれたときに、これは長期化する、和平のテーブルについてからでもかなり長引くであろう、ベトナム戦争ですらもテーブルについてから二年もかかっておるわけでありますから、そういうようなことを頭に置いて、この紛争について対処しないと間違う、第一は、政治原則の問題である、政治戦争である、経済の問題ではない、第二は、かなり長期化する、そしてかなり強い姿勢で結束を強化して立ち向かっている、この二つを認識することが必要である、こう考えておるわけであります。
○板川委員 そういう姿勢で長期に石油の禁油なり削減が続けば、これは日本経済あるいは日本の国民生活に重大な影響をもたらしてくるだろう、こう思います。
 そこで私は、このアラブ側がなぜ日本を非友好国にランクしているのか、実はわれわれ理解に苦しんでいるところであります。これは私は、ある意味では日本外交の失敗であったと思うのです。アラブ側としては、イスラエルとそれほど政治的な対立を持っておるならば、本来ならば、イスラエルの建国を認めたイギリスにほこ先が向かっていいのに、イギリスとフランスは友好国であるとランクされ、そして日本は非友好国の中に入っており、最近のサウジアラビアのヤマニ石油相の声明等によりますと、一歩誤まれば日本もアメリカ、オランダと同じような非友好国にランクされる可能性もないではない、来たる二十四日にOPECの外相会議を持ち、二十六日には首脳会議を持って今後の対策を一そう強化するであろう、こういうことも報道されておるのでありますが、なぜ日本が非友好国にランクされざるを得ないのか。これは私は、先ほども言いましたように日本外交の失敗であろう。どうも外務省の見方というのは、たとえば戦争勃発の当初ヨルダンはおそらく立ち上がるまい、こういうようなことを言っており、その数時間後にはヨルダンが参戦する、あるいは親米派のサウジアラビアは参戦なんかはおそらくしないであろう、とんでもない、こういうような見解を表明しておったら、二日後には参戦し、しかもいまやアラビ諸国の中で、OAPECの中で最強の行動をとっているわけであります。
 さらに、日本の石油はペルシャ湾沿岸から輸入されておって、シナイ半島が戦場になっても心配ないであろう、こういうような楽観的な空気を外務省筋は持っておった。こういうところに、外務省としてはこのアラビ外交というものを従来軽視してきた。この軽視してきたことが日本が非友好国にランクをされ、さらに一歩誤まれば敵国的な規定さえ受けようとしておるのではないかと思うのでありますが、このアラブ外交あるいは一面資源外交ということになりましょうが、これに対して大臣の見解を伺っておきたい。
○中曽根国務大臣 日本が友好国の取り扱いを受けないことば非常に残念でありますが、アラブ側の情報によりますと、なぜイギリスが友好国であるかという質問に対しては、イギリスはエジプト空軍のジェットパイロットを訓練してくれておる、戦争に対して協力してくれておる、フランスは、ミラージュ戦闘機を供給してくれておる、戦争に対して味方として協力してくれておるが、日本は何にもしていないというのがアラブ側の考え方で、したがって日本は友好国ではないという見解のようであります。しかし、日本は平和憲法を持っておりまして、武器供与とか、そういうことはやらない国是を持っておりますから、その点はよく理解してもらうようにつとめておるところであります。
○板川委員 産油国はこういう感じを持っておるといわれているのですね。日本は石油によって繁栄した国ではないか、産油国としては、毎年原油の価格がこの十年間ずっと値下げをされてきた、そして手持ちのドルはインフレによって減価されてきておって、いわば損をしておる、この産油国が輸入する工業製品は年々値上がりをしておる、しかも自国の領土から産出される石油資源に対して主権が十分に及んでない、独立国といわれても実はまさに植民地的な待遇を受けておったのだ、どうしてもこういうような不満がある。そういう産油国の立場を理解しないで、日本はいたずらに経済大国を誇って、いわば油上の楼閣を築いておった、日本不信の原因がこういうところにあるのではないかと思います。私は、この際、この日本外交の立場から、従来アラブに理解を示さなかったことに対する遺憾の意を表明すべきではないかと思いますが、大臣の見解、心境はいかがですか。
○中曽根国務大臣 今度の中東紛争の一つのポイントは、やはりイスラエル及びエルサレムの聖地の問題が基本にあるわけであります。それとパレスチナ人民の正当な権利回復という問題があるわけであります。これがやはり戦争目的であって、アラブの大義でありまして、それ以外のものは、中心的な核心の問題ではないのであります。それを貫くためにアラブは戦争を起こし、かつイギリスやフランスがそれに応援してくれているというので友好国扱いをされておる。だから、日本がこの場合に経済援助をするとかなんとかという、周辺をぐるぐる回ったことをしたところで、それが融和されるという性格のものではない。もっと直心に入った考え方を鮮明にするという必要が今日の時点にはあるのだ、私はそんなことを前から明確に認識して、そのことも申し上げておるところであります。
○板川委員 私も、今度の問題は政治問題であって、経済問題ではない、経済問題として扱う時期では、もう今日ではないと思います。しかし、日本が経済問題で援助をするという必要なときに、実は日本は非常に冷たい態度をとっておったのです。たとえば中東難民救済拠出金ですね。中東難民に対して日本はどの程度に援助をしておったか。たとえば日本は空軍を訓練してやるとか、あるいはタンクを送るとか、イギリスやフランスのような態度はとれなかった。それは日本の憲法からいってとれないでしょう。しかし、日本が経済的に繁栄した以上は、経済的にある程度の日本の誠意を示す時期が過去にあったと思うのですね。ところが、私の調査によりますと、一九六七年、例の六日戦争のあった当時に、難民救済のためにどの程度日本は拠出をしておったかというと、これはわずかに四万ドルということで千四百四十万円、翌年六八年が同じく千四百四十万円、六九年が千八百万円という程度でありまして、ことしに至っても三十五万ドルですか、こういう程度なんですね。だから日本は武器弾薬を送ったり空軍やタンクを送るわけにいかないけれども、過去において難民救済に対して、もっと日本の誠意、理解というものを示す必要があったのではないだろうか。わずか三十五万ドル程度のことをやって、アメリカに追随して、アメリカ外交におぶさっていればいい、こういう態度をとって、同じアジア人であり、しかも非白人国であり、友好的な感じを日本に持っておる国に対して、冷たい態度をとってきた、これが私は今日非友好国にランクされる一つの原因であろう。こういう点から見ますと、私は日本外交は確かにこれは失敗であった、こういわざるを得ないのでありますが、いかがですか。
 それから最近の新聞によりますと、これは大臣も反対のようでありますが、今日になってあわてて五千万ドルか一億ドルかの難民救済のカンパをしよう、そういう報道がありますが、この段階においては金で問題が解決することではない、これは私は大臣の見解と同じです。しかし、過去において日本が示し得る誠意というものをそういう段階でやらなかったということが日本外交の大きな失敗であったのじゃないかと私は思いますが、いかがですか。
○中曽根国務大臣 私は、こういう紛争の核心から離れて、政治的な問題については政治的に回答を与え、誠意を示さなければならぬというものを金で始末つけようという考えは国の品位をそこなうものであると思っているわけです。だから、今日の時点においては今日の時点にふさわしい解決方法を考えなければならぬ、そういう考えを一貫して言ってきておるところであります。
 二、三日前にサウジアラビアの大使に会いまして、いろいろ懇談をいたしましたが、そのときに、なぜ日本を友好国にしないのかと聞きましたら、ヨーロッパの国は白人の国で、アジア人の国ではない、しかし、白人の国でアジア人でない国々が、アジアの問題のために戦争の武器を供給したりいろいろしてわれわれを助けてくれておる、しかし、アジア人である日本は、白人の西欧の国々に比べてみて助け方が足りないじゃないか、そういうことを言って、アジアのリーダーとして日本の人は考えてくださいということを私に言っておりました。このサウジアラビア大使の発言というものは、われわれはよく考えなければならぬところであると思います。
○板川委員 その点全く同感です。いまさら金を出して解決しようなんというさもしい考え方を持てば、これは世界のもの笑いになると私も思います。
 そこで、いずれにしましても、中東紛争によるこの問題について、わが国としては何らかの打開策を考えていかなくちゃならぬ。それは、中東紛争に関する安保理事会の決議二四二号、この解釈をめぐって、解決するかいなかのポイントになってきていると思うのです。二四二号は一九六七年十一月二十二日に採択されましたが、この二四二号をすなおに読めば、イスラエルは占領した領土から軍隊を撤退するというのが当然なんですね。ちょっと早口に読み上げてみますと、「1、憲章の諸原則の履行のためには、次の両原則の適用を含むべき中東の公正かつ永続的平和の確立を必要とすることを確認する。T最近の紛争において占領された領土からのイスラエル軍隊の撤退 Uあらゆる交戦の主張ないし交戦状態の終結ならびに同地域のすべての国の主権、領土保全および政治的独立および武力による威嚇又は武力の行使を受けることなく、安全な、かつ承認された境界の中で平和に生存する権利の尊重と確認」とありますが、この決議の内容からいいまして、Tは、イスラエル軍隊の撤退を明らかに言っております。Uは、イスラエルをめぐる周辺の国々の相互のいわば安全、平和という問題を規定しておると思うのですね。イスラエル側は、この解釈について、「安全な、かつ承認された境界の中で」という点に異論を唱えておって、この協定を守ろうとしない。守ろうとしないから、今度の中東戦争の勃発した原因は、二四二号をイスラエルに守らせよう、履行させよう、こういうことでこの戦争が起こったことは御承知のとおりでありまして、私は、この問題が解決しない限り、一時戦争はおさまるかもしれませんが、やがてまた第五次、第六次の中東紛争というものが継続されていくと思うのです。それにはやはり二四二号をわれわれはすなおに解釈して、イスラエルが軍隊を撤退すべきである、シナイ半島、ゴラン高原、この地域から撤退すべきである、その上に立って相互の国の安全を保障するというこの二四二号を忠実に守らせることが、国際正義の上からいって私は妥当だと思うのです。ところが、日本はイスラエルあるいはアメリカ、そういうような国々の解釈のほうに従って、従来あいまいな態度をとっておった。これが今度の日本が非友好国にランクされる最大の原因であろうと思うのでありまして、二四二号について、近いうちにアラブ外交の政策の転換をはかるという政府の動きがあると報道されておりますが、大臣は、この安保理事会の決定をどういうふうに理解されますか。
○中曽根国務大臣 私は、イスラエルは武力によって占領したアラブの領土に駐とんし、占領を続ける権利はないものだと思います。したがって、イスラエルは武力によって占領したアラブの全領土からすみやかに撤退すべきものであると考えます。そしてその前提の上に立って、イスラエルとそれからアラブの諸国との安全保障というものの取りきめが行なわれるべきである、前提はやはり全領土から撤退するということが前提でなければならぬ、そういうように思いますし、それからもう一つ大事な点は、パレスチナ人民の正当な権利が回復されなければならない、彼らの民族自決主義は貫かれなければならない、日本はそれを支持すべきである、そういうように思います。
○板川委員 これはもう国連憲章を読めばわかりますように、とにかく武力で領土を拡張するということは、国連憲章が絶対的に否定する条件なんですね。だから、私はその大臣の見解を支持いたします。いまお話がありましたように、そういう明快な態度をなぜいままで早く打ち出さなかったかという点に私は問題があろうと思います。
 そこで、そういう趣旨に従ってわが国の外交政策、アラブ外交というのを私は転換すべきだと思いますが、この二四二号が忠実に実行されるように、同時に産油国が要求している経済自立――産油国としては、いまのままで石油をどんどん売って、そしてもらった金も、ドルは減価する、何十年かたったらまたもとのもくあみになってしまう、砂漠の国になってしまう、こういう危機を感じておるわけでありまして、われわれは石油の供給を受け、また産油国が将来ともに経済が自立できるような相互の協力体制というのを今後はかっていかなければならないと思います。そういう考え方に立ちます。
 そこで、これまた恐縮ですが、最近の報道によりますと、「アラブ特使急ぎ派遣、政府決定」ときのうの新聞にあります。どこかの新聞には、岸元総理などを派遣しようなどという動きがありますが、私は、日本の政策というものがはっきりきまらないで、金を一億ドル難民救済にあわてて出すとか、特使を何か出せばいい、そんなことでは、この問題は解決しない、こう思います。大臣に、これに対する見解があるやに新聞に報道されておりますが、念のために見解を伺いたい。
○中曽根国務大臣 私は、あなたと同じ見解を持っております。
○板川委員 わかりました。
 それでは今度は、対内的な問題について伺いたいと思うのですが、石油削減の率、それによる産業界、国民生活に及ぼす影響、それに対する対策、この点について大まかな政策をお聞きしたい。これは長官でよろしい。
○中曽根国務大臣 その前提としてひとつ申し上げたいと思いますことは、いままで、いわゆる日本の石油専門家とか石油評論家あるいは財界人の一部に、日本がアラブ寄りの行動をとったり、アラブを支持するというと、メジャーから報復を受けやしないか、そういうような不安や見解がありましたが、これは間違いであると私はかねがね思っており、これは自分が五月に中近東へ行ってきてから、そういう確信をもって言ってきておることなのでありまして、この機会を通じて申し上げてみたいと思うのであります。
 私は、アメリカ政府の立場と、それからいわゆる石油を供給しているメジャーズの立場は少しニュアンスが違うのではないかという気がその当時からしておりました。なぜならば、メジャーズたちは、アラブの国力から利権を取って、油を出して、それを世界に転売して生きておる会社でありまして、石油の根元を締められてしまったら商売ができなくなるわけであります。量が減らされれば、それだけ商売の量が減るわけであります。したがって、アラブの国々を大事にし、友好関係を維持し、石油が削減されないように戦々恐々として努力しているということはあたりまえのことであります。しかし、アメリカ政府の場合になると、世界政策がございまして、商売を離れた立場が別個にございます。また、アメリカ国内における支持勢力、新聞界とかあるいは金融界における勢力、背景、それがホワイトハウスに及ぼす影響等を見まして、政治判断として別個の考え方がアメリカ政府にはあるのではないかと思うのです。ですから、メジャーズたちの考えとアメリカ政府の考えが同じであると考えておったら間違いであって、そのことは最近の情報を見ると歴然と出てきております。メジャーたちは、一日も早くこの不幸な事態を終息させて、油の供給をふやしてもらって商売の量を多くしたい、そして安定させたいという非常な熱意に燃えておって、そのために解決を急いでおるというのが私の得た感触であります。そのためには、アラブ側の考えをある程度理解し、同情し、支持する必要があるという考えを私らのところに言ってくるメジャーもあります。これはもう当然われわれとしても考えられるところであって、石油の根元を握っているものが一番強いわけであります。そういう認識をあまり深くしないで、政治的の上層部面だけを考えて見ているというと判断に間違いが出てくる。私が中近東へ参りまして帰ってきてから、産油国と対決を意味するような消費国同盟には入らないということを言ったことが非常に波紋を呼んで、一部から非難されましたけれども、私は、その非難は間違っておるということをそのころからも考えておるし、いまも考えております。しかし、そのことは今日歴然として出てきたと思うのであります。アラブ側と対決とか、あるいはアラブ側に挑発するような姿勢を示すということが、今日のような不幸な事態を示してきていると私は思っておるのです。だから、そういう意味において、メジャーズに締められやしないか、削減されやしないかという心配で日本の政策が著しく影響を受けるという必要はない、そういうふうに私は考えております。
 それで、これからの政策の大綱につきましては、何といっても一番大事なことは世界的に石油の削減は出てきておって、イギリスにおいても非常事態宣言をやって、イギリスですらもいろいろな削減対策を講じておる。アメリカにおいては大統領声明を発しまして、これまたかなりきびしい政策もやり、懸案のアラスカ・パイプラインも署名して実行することになって、自然環境をある程度犠牲にするというところまで踏み切る、あるいは公害に対する基準すらも、アメリカにおいてはこれを緩和する、こういう非常手段をとってきておる。あれだけ油を持っておるアメリカにおいても、そういう措置をとっております。オランダにおいても、日曜のドライブは禁止であって、体罰を加えられます。ドイツにおいても同じように、日曜のドライブは禁止するか、自粛するという方向に動いてきております。九九%外国に石油を依存しなければならぬ日本が、かなりの影響を受けることは火を見るよりも明らかであって、そのためには公平な犠牲の負担、公平原則というものが一番大事であります。みんなで一緒に平等にがまんしよう、日本人は、みんなで一緒にがまんするという政治が貫かれればがまんしてくれる民族である、理由はわかってくれていると私は思います。ですから、これからの大事なことは、政府がそういうような公平にみんなでしばらくがまんしましょう、してください、そういうことを実現することにあるんではないか、そういうように思います。具体的なことは係から御答弁申し上げます。
○板川委員 最初の質問については、あとで長官から数字をあげて若干答えてもらいたいと思いますが、いま大臣の答弁に関連してですが、二四二号をすなおに読み、先ほど大臣が答弁されたような解釈をとると、メジャー側を刺激してメジャー側からの供給を受けられない危険性がある、こう言われる人があります。実は私も聞きたいと思っておったのでありますが、万一そういう場合に、メジャーが一体はたして今度は逆に供給削減にくるのか。日本は御承知のように、メジャー側から六三%、三分の二近い原油の供給を仰いでおるわけです。そのメジャーのほうが、今度はその供給を削減するぞということになるはずはないと私も思っておるのでありますが、そういうことに対して、いわば逆に日本がアラブ寄りになると、メジャーのほうから供給削減を受けざるを得なくなるんじゃないか、こういう不安を持っておる層が相当多いわけでありますが、私も大臣のいま言った見解には同感であります。そうあるはずはないだろうと思います。
 ただし、きょうの新聞等によりますと、メジャー側といいますか、イスラエルを支持する層からは日本商品のボイコット運動を起こそう、こういうような動きがあると伝えられておりますが、私は、いわば日本産業の血液であり食糧である石油というものを日本としては確保することが絶対条件であるということで、そういう態度をとったとしても、良識あるアメリカ人ならばやむを得ない、こういうふうにとるだろう、こう思います。私もその点では同感であります。
 それでは、エネルギー長官から、問題は十二月以降――ここまて来たら十二月以降ですか、どういう削減が行なわれ、それがわが国の産業界あるいは国民生活にどのような影響を及ぼすだろう、それに対してこういう対策をとっていく、こういう点についてひとつ大綱を説明していただきたい。
○山形説明員 お答え申し上げます。
 いまお話が出ましたように、現在、メジャーズその他から日本側に供給量の削減の通告が参っておりますが、若干推定も入りますけれども、われわれの現時点で持っております情報によりまして、十一月十日現在でわれわれが計算いたしましたところ、大まかに言いまして、下期通期で一六%程度の原油のカットが生ずるという計算に相なっております。しかし、この数字は今後の推移によりまして若干カット率が増加になる可能性があるわけでございます。
 なお、こまかく申し上げますと、カット率の通告につきましては、現在十二月分だけの通告でございまして、一月以降のものにつきましては、各メジャーにおきましても非常に情報が不確かな点もございまして、通告が正式には出ておりません。われわれといたしましては、しかし全体の動きといたしまして、若干このカット率が高まるということも想定して、十二月から三月までのカット率、それを計算いたしておるわけでございます。
 この結果どういう効果が出るかということでございますが、通産省内部で計算いたしましたところ、ほほ原油のカットに見合う生産減がそれぞれの業界において発生するということが試算されております。一例を申し上げますと、鉄鋼の高炉部門におきましては、原油供給が一〇%減りますと、一一・七%の生産減にこれがつながる。同じようにセメントにおきましては一〇・二%、 エチレンにおきましては二二%、アルミにつきましては一〇%という試算ができております。これはおもな業種のことでございますが、全体の鉱工業生産におきましても、これにほほ見合い、またはこれ以上でございますけれども、生産の減少にこれがつながるということでございます。
 これらの動きを前提にいたしまして、先般十六日に閣議決定を行ないまして、供給が減少することに見合って需要のカットをはかるべきであるという見解から、大口の産業に対しまして一〇%の需要カット、これは相当行政的にフォローするという形でございますが、その他の一般の産業、企業に対しましても、同じように一〇%の需要カットを呼びかけたわけでございますが、これと並行いたしまして、一般の官庁、事務所、それから一般国民等に対しましても、この際節約の要請を強力に行なったわけでございます。われわれといたしましては、対外的な方面からのカットの通告が来ておりますので、極力需要面をカットすることによりましてこれに対応する以外にない。しかし、先ほど大臣からもお話がございましたように、一番最初のすべり出しにおきましては、ショックの緩和という要素も入れまして、十二月は一〇%のカットということですべり出したわけでございますが、これからの原油のカット状況等も見合わして、一月以降の行政の方向を考えてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○板川委員 下期の通期でいまの数字が出ているわけでありますが、下期の通期平均二八%ということになりますと、十二月は二〇%ということになるだろうと思います。それで、これに対して実は石油連盟あたりから、見通しが甘い、こういう説があるわけでございます。こういう説が出ることは、いわば大臣の言う流言飛語につながっていくかもしれませんから、この石油連盟の非常に見通しが甘いという説に対して、通産省としては、この数字がいかに妥当であるかということについてひとつ説明をしてもらいたい、こう思います。
 もう一点ありますが、これは十一月十七日の新聞に載っておることでありますが、石油連盟が、通産省の言うように灯油と軽油を十分まかなっていくということになれば、A重油が四九・一%不足するだろう、そして灯油確保が優先するのか、A重油を使う農林漁業、つまり生鮮食料品を優先とするのか、そういうことで書き出されて、灯油を確保することはA重油の不足を来たして食生活に影響を与えるぞ、こういうことを新聞で石連が流しておるわけですが、これに対する通産省の見解を承りたい。
○山形説明員 まず第一点の石油連盟の想定とわれわれの想定との違いの点でございますが、われわれのほうのカット率の想定は、十一月十日現在で各メジャーズその他からの通告をベースにいたしまして、そのそれぞれのメジャーズの日本全体に占めるウエートを加重計算いたしまして、いわゆる積み上げ方式によって日本全体の原油輸入量のカットをはじいたわけでございます。
 具体的に申し上げますと、カルテックスという会社は、日本全体の四十八年度下期の原油の輸入量の一六・九%のウエートを持っておる会社でございますが、その会社は二割の通告を非公式でございますが、いたしておるわけでございます。同じようにエクソンにつきまして、これはやはりカート率二割でございますが、ウェートが一三・三%でございます。このようにしまして、それぞれを加重平均して全体のカット率をはじき出したわけでございますが、石油連盟のほうのカット率は、一応地域別に営業の専門家が推算をいたした数字でございます。たとえばインドネシアについてはこのくらい、イランについてはこのくらいという地域別の相当推定を入れたはじき方でございまして、積み上げ方式との開きがそこに出てま
 いっておるわけでございます。
 先ほども申し上げましたように、われわれの積み上げ方式でやりましたのは十一月十日でございますので、その後若干これがカット率が高まる可能性は否定しがたいものであるわけでございますが、石連との関係に関して申し上げますと、その推定の方式の違いである。われわれといたしましては、一応積み上げ方式を今後も原則としまして、各メジャーズ等からの通告は即日われわれのほうに通告がくるような仕組みになっておりますので、今後とも積み上げ方式でやってまいりたい、こう考えておるわけでございます。
 それから、二点目の灯油とA重油の関係でございますが、御指摘のとおり、灯油と軽油とA重油というのは、いわゆる留分におきましてきょうだい分の形に相なっております。最近時の集計によりますと、この三つでもって全石油得率の合計が二二・九%に相なっておるわけでございます。したがいまして、灯油をうんと得率をふやしますとA重油が減るというこの相互関係は必然的なものでございます。われわれといたしましては、灯油の確保、特に民生用灯油の確保をはかるというのが大前提でございますので、今後の方向といたしましては、灯油の中の産業用の自粛、それに伴うA重油につながる農漁業用の確保ということが政策の方向であろうと考えるわけでございます。ちなみに、A重油というのは、名前は重油といういうあれが入っておりますけれども、比率で申し上げますと、八、九割が軽油分でございまして、残りの一、二割分が重油である、非常に軽いかっこうの重油でございます。われわれとしましては、今後灯油との、特に産業用灯油の取り扱いを前提にいたしまして、A重油の確保をはかってまいりたい、こう考えるわけでございます。
○板川委員 この新聞では、石油連盟が数字をあげて政府に反発、こういうふうに書かれておるものですから、そして、A重油が五〇%近く不足するだろう、こうも書かれておるわけですが、それほど心配しなくてもいい、こういうふうに考えていいわけですね。次に移りますが、通産大臣は、ここの委員会でも、この冬の灯油の需要量は十分確保してある、こういうことをしばしば言明されてきたと思いますが、今日の段階で灯油の在庫あるいは生産の見通し、そういう点からいって、従来約束されておった灯油の需要の総量といいますか、これはもう十分まかない得る計画である、こういう状況と考えてよろしいかどうか。
○中曽根国務大臣 前回御報告申し上げましたときよりも三十万キロリットル、またよけいストックができまして、十一月の初めの数量では五百八十万キロリットルに上がりまして、昨年の同期よりも百十三万キロリットル、よけいストックができました。したがいまして、量的には何ら心配はない状態で、これにつきましては業界が非常に協力していただいたことを感謝しておるわけであります。やはり灯油の問題は、家庭生活に一番密接な問題でありますから、われわれとしては、ここはガダルカナルである、そう思って死守しようという気持ちで、実はわれわれのほうの部局に私、申しておるところであります。
 それで、問題ば値段の問題であります。原油の値がどんどん高くなってきたり、それから賃金が上がってきておる、諸般のいろいろなコストアップがそれに関連して出てきておるものでありますから、業者のほうからはもう値を上げてくれと、毎日のように実はせっついてきております。おりますけれども、九月の平均価格はたしか一万二千八百何十円でありました。その平均価格を上回らないように厳守せよと、私、資源エネルギー庁長官に指示いたしまして、いま同庁においては、業者を説得して、毎晩徹夜のような騒ぎで努力してやっておるところであります。
 しかし、全般的なこの間のモニターの調査を見ますと、六〇%程度はまだ三百円台でありましたが、四〇%程度は四百円台に入ってきておる。それで四百円台に入ったものでも、四百十円程度というのはわりあい少なくなって、四十円とか五十円というのがかなり出てきておる。それが最近のモニターの調査でございました。これは運搬費その他がよけいかかってきた。だから店頭でかんを持ってきて買ってくれるというならば四百円以下でできるだけ協力できるという体系なんですけれども、小僧さんを使ったり自動車を使ったりしてかんまで持っていくということになると、とてもそれでは耐えきれませんというのが最近の業者の痛切な陳情であります。あの人たちも、できるだけ灯油については、通産省の施策をよく知っておりますから協力申し上げたいといって誠意を見せてきておりますけれども、いまその点でわれわれはわれわれの既定の線を守るように全力をふるっておるというのが現状でございます。
○板川委員 この灯油の総量ですが、昨年よりも百十三万多い、われわれの計算でも、灯油の得率を一二%にし、しかも石油の削減が三分の一近くあっても、これは来年四月現在で百万キロリットルほど在庫が残る、こういうような数字が出ております。数量については私は心配ないと思うのでありまして、価格の面に一そうの指導を願いたい、こう思います。
 ところで、私は実は、灯油もそうでありますが、いま国民生活に意外と大きい影響を与えるのがLPGじゃないだろうかと思うのであります。LPGは国内生産が二分の一、輸入が二分の一、こういう比率になっておりますが、その消費の半分は民生用、半分は産業用で、民生用はボンベに詰められて一千六百万世帯に使用されており、産業用のうちに、都市ガス関係を含めて、一千万世帯に供給されておる。
 実はこの間陳情を受けたのでありますが、都市ガスは、その供給がとだえた場合にたいへん危険である。それはどういうことかといいますと、供給をしておったが、都市ガスがもとがなくなって自然に消えてしまった、消えてしまったから、勘違いして、それはだれかがスイッチを切ったんだろう、管を締めたんだろう、こういうふうに思って注意をしない、あとから燃料が入ったから今度送ると、バルブがあいておって、そこへ点火したらば爆発が起こる、こういうように都市ガスの場合に供給が絶えると非常に危険がある、こういわれております。確かにそういう点はあると思います。都市ガス関係者は、実は十二月の供給が前年の四割から五割に供給を減らされておる、こういうことさえ実は話を受けておるのでありますが、都市ガス用のLPGの確保というものについて、大臣はどういうような見解をお持ちでありますか。
○山形説明員 現在、地方ガス事業者に対しますLPGの供給は、年間約三十万トンでございます。これはわが国のLPG需要、いまお話が出ましたように、一千万トンの約三%を占めておるわけでございます。一部のガス事業者に対しまして、供給削減の通告があったということは聞いておりますけれども、これはまだ実施に入っておらないわけでございます。いまお話しのとおり、ガス事業者への供給につきましては、これは危険性も伴うものでございまして、保安上の問題があるわけでございますので、この辺の問題も見ながら至急に対策を講じたいと考えておるわけでございます。
○板川委員 そういう点を考慮して民生用優先という原則で対処していただきたい、こう思います。
 そこで、先ほどちょっと話も出ましたが、石油製品の値上がり状況ですね。つい三年前バーレル当たり原油の値段は一ドル三十セント台でありました。十月十六日以降、新しいOPECの公示価格制度の発表によって、三ドル六十五セントということになりました。事情を聞いてみますと、一応それで出しておいてそれ以上プラスになるかもしらぬ、こういう情勢だといわれておりまして、したがって、一時から見ると約二ドル五十セントくらい、ニドル以上高くなっておるわけであります。この原油の値段がニドル上がった場合に、石油製品に対して、特に、たとえばガソリンであるとか、灯油であるとか、軽油であるとか、こういうものに対してどのくらいのリットル当たりの値上げになるのか御存じでしょうか。これは長官でよろしゅうございます。
○山形説明員 非常にむずかしい御質問でございます。メジャー各社から、いまお話しのとおり値上げにつきましても刻々に通告が入っておるわけでございますが、ことしの一月から八月ごろまでに約三割の上昇通告ということに相なっておりますが、御存じのとおり、十月十六日にいわゆる新しい公示価格の改定、七割アップの改定が行なわれまして、実勢相場も非常なる値上がりを見たわけでございます。その後、各社からまた次々と通告が出ておりまして、われわれのほうでは六月を基準にいたしますと約七割のアップということに相なっております。これはちょっとわかりにくいのでございますが、この六月へ来るまでに相当上がっておりますので、相当原油段階では上がっておるわけでございます。これが製品価格にどういうふうにはね返るかということは、油の質、得率の差等々によって相当の違いが出ておるわけでございますが、平均いたしまして大体四五%くらいが原油価格ではないかとわれわれのほうは、これは非常にマクロの大まかな数字でございますが、考えておるわけでございます。もちろんこれは今後、いま申し上げましたように油の質なり得率等、相当詳細に計算しなければいかぬと思うわけでございますが、大体四五%くらいが原油比率ではないかと考えております。
 ただ、ここでちょっと申し上げておきたいと思いますのは、メジャーの通告分、これはドルベースで通告に相なっておりますけれども、その後におきます日本の円の相場の下落といいますか、その辺の円ベース換算でございますと、この比率は個々の精製におきましては約七、八%アップするという計算にも相なるわけでございます。それから、原油段階はそういうことでございますが、製品価格上昇の要因として別に稼働率が各精製でダウンいたしますので、稼働率のダウンに伴う製品価格上昇要因というのは非常に大きなウエートを占めております。それから船舶が非常に非効率化しておりまして、滞船等が非常にふえておりますので、それに関連するCIF価格の現実の上昇というのは相当に相なっておりまして、あれこれ、こういう全部の要素を推定いたしませんと、原油から製品への推移といいますか、その辺の計算が非常にむずかしいということも若干申し上げておきたいと思います。
○板川委員 こういうことになるんじゃないでしょうか。一ドル原油の価格が上がる、そうしますと、これはバーレル当たりの計算ですから、百五十九リットルで割ればいいわけであります。リットル当たり一円七十銭程度上がるという計算になるはずであります。数字が真理である限りそういう計算になるだろうと思うのです。ですから、この原油価格が二ドル上がったといっても、三円五十銭程度値上がりすれば、原油の値上がり分は補償されるという計算になるわけであります。もちろん最近の状況は、船を持っていっても積み込みができない、あるいは満タンで帰れない、こういうロスもありますし、アラビアに行ってくるのに四十日で行けたのが五十日たっても満タンで帰れないという計算もありますから、さらに若干かかるにいたしましても、最近の石油製品の値上がりというのは、私はやや便乗値上げにつながっておるだろうという感じがいたします。
 そこで、大臣は先ほど法的規制については、石油も含めてだろうと思いますが、石油については石油業法十五条で、著しく値段が上がるとき、あるいは著しく下がるおそれがあるとき、こういうようなときには標準価格制度を設けろということがございます。すでにこれは一回発動したことがあります。ですから私は、石油製品については石油業法十五条を発動して、とりあえず標準価格制度を設定したらどうだろう、こう思いますが、大臣の見解いかん。
○山形説明員 御指摘のとおり、現在の石油業法によりまして標準価格に設定することができるわけでございます。先ほど大臣がお話しいたしました灯油の元売り段階における価格の、俗なことばで言うと凍結というのも、根源はそういうところにあるかと思うわけでございます。われわれといたしましては、灯油及び民生用の石油製品につきましては、量の問題、価格の問題、民生の確保について絶対に守るべきであるという基本方針でございます。その他の製品につきましては現時点の動きが非常に流動的でございまして、ある一時点での標準価格の設定ということは非常にむずかしい問題だとわれわれは考えておるわけでございます。むしろ民生用の――これから供給そのものがカットされてくる石油製品の製造、かつこれは得率できまっておりますので、灯油は先ほどお話が出ましたけれども、われわれのほうの専門的な見解では幾ら得率を上げても一〇前後であろうといわれておるわけでございます。そういう全体の供給カットの中でいかに民生を確保するか、そこに政策の重点を置きまして、いま鋭意やっておるわけでございまして、全体の動きが非常に動いておる段階で直ちにすべての石油製品に標準価格を設定するということは、私は不可能であろうと考えておるわけでございます。
○板川委員 前に、著しく値下がりをする、同時にそれは石炭政策に重要な影響を及ぼすということで、標準価格制度を、十五条を発動したことがあるのです。あれは元売りの出る口をキロリットル当たり一万三千二百円というので押えたわけですが、十五条の精神からいえば、各種の石油製品に値段をつけることもできるわけでありまして、もとで押えずに、灯油は幾ら、軽油は幾らという製品ごとに私は十五条を発動してやったらいかがなものだろうか、こう思います。
 もちろんこれは将来ますます石油規制が強化される感じがするために、いま政府がとっておる対策、たとえば統制、規制というのは避けたい、国民の自粛にまつ、あるいはもうけ過ぎたら税金を取る、賢い占め売り惜しみ法を強化する、課徴金を取る、いろいろの対策を講じようとしておりますが、石油の削減というのがもうちょっと深刻化した場合に、そういった政策だけではとても対策を講ずることはできない。そういう場合にまず一番響くのは価格の高騰であります。そういう点で、石油製品について、私は、標準価格制度、石油業法十五条を発動されるように要望したいと思います。
 そこで大臣、これは物価の問題がこういうふうに深刻化した場合に、われわれの考え方としては全工業製品に物価統制令を発動したらどうだろう、こういう考え方であります。物価というものは戦時中は――基本は別として、確かに末端は自由経済にあったほうがいいと思いますが、これが間に合わなくなった場合に物価がどんどん上がり始める、坂道を石がころがり落ちるような状態になってから物価凍結の手段というのはなかなか講ずることができないじゃないだろうか。物価を押えるというなら、石が山をころがり落ちる、動き出す前に物価を凍結するような方式をとらなくてはならぬじゃないだろうかというように考えますが、この全工業製品に物価統制令を適用していくという考え方は閣議の中にはございませんか。
○中曽根国務大臣 この間、各党首を歴訪いたしましてごあいさついたしましたときに、成田委員長からも強くそのお話がございました。それから堀さんからも補足して、物統令を適用せよというお話がございました。私はそれを持って帰りまして、党並びに閣僚の会議にも御披露申し上げたのであります。党のほうでも、また閣議におきましても種々検討しておりますが、何しろ物統令というものは戦争直後のあの異常経済時代に対応すべき法律であるように条文に書いてある、そういうようなところから、今日それを、いままであるものをそのまま存続させることは別として、新しく適用することはいかがであるかといって法制当局はいま消極的な見解を持っておりまして、別に何かいい方法はないものであるかということを考えておるのであります。
○板川委員 物統令の第一条の目的には、戦後の経済の混乱からと、こういう規定がございます。ただし、昭和二十一年ですか、制定されたと思いますが、その後これを法律として扱うことになっておるわけでありまして、政府は、経済安定法を出すとかいろいろな構想もあるようでありますが、しかし、場合によってはこれで一時凍結をしておいて、次の法律に乗りかえるという手があってもいいだろう、こう思います。
 時間があと五分しかありませんから、詰めますが、最近独禁法を改正して価格安定カルテルを導入をしたらどうか、こういう議論が出ております。これはもうたびたび通産側から前からも出された考え方でありますが、私はこの考え方に反対であります。
    〔委員長退席、山田(久)委員長代理着席〕
それはなぜかというと、今日のような緊急な、いわば臨時的な、非常的なものに対する措置は臨時法でやるべきでありまして、経済取引の基本的な方針をきめておる独禁法、この独禁法を改正すべきではない、こう思います。対処するならば、それは臨時法をもって時限的に対処するのが妥当であるだろうと思います。
 それから最後になりますが、大臣に伺います。――大臣に最後の一問かあるわけですか、何かちょっとあれですから、いまの問題について、せっかく公取委員長が来ておりますから、公取委員長から見解を承りたい。
 私が先ほど言いましたように、これは臨時法で扱うべきでありまして、独禁法を、この際、価格安定カルテルを入れるべきじゃないと思います。一言答弁してください。
○高橋説明員 結論として、おっしゃることに対して私は全面的に同感でございます。
○板川委員 大臣に最後に伺いますが、石油削減に対するいろいろな対策をどんなに十分とっても問題の解決にはならないのですね。そしてこれはわが国の経済に大きな混乱を日増しに与えてくるだろう。日本国民の生活に大きな影響を与えてくるだろう。やはりここで政府としては、何といってもこの石油問題の解決に全面的に当たらなければならぬと思います。この石油問題を解決するのには、私は、どうも大平外務大臣では適当でない感じがするのです。大平外務大臣は、池田内閣の外務大臣当時に、クウェートの石油大臣が来たときに、まことに冷たい態度をとった。そして、わずか三十分か四十分の会見時間に時計を見ること数回、もうおしまいだ、おしまいだといって時計を見て帰らしたということがあって、その後、そのクウェートの石油大臣は、アラブの会議で、こういう無礼な日本の閣僚、われわれ産油国をなめておる日本に対しては石油を禁輸すべきだ、こういう発言さえ当時しておるのですね。当時、いろいろ中へ入る人もあり、日本のほうで謝罪をしてその点は禁輸という問題に発展しなかったと思いますが、こういういわば経歴がある外務大臣というのでは、どうもアラブ側との話というのがうまくつかない感じがする。同じアジア人でありながらわれわれをあまり評価してない。理解してない。ですから、アラブに特派大使を派遣するならば、やはり総理大臣がアジアを回ることだし、足を伸ばしてアラブを訪問されるなり、あるいは外務大臣が交代して特使として行くなり、とにかく政府として重大な転換をするために決意を持つべきではないだろうか。そうでなければこの石油問題は解決しないし、いつになっても、どんなにうまい対策を講じたところで国民生活や経済がよくなるはずはないのですから、ぜひひとつこの中東問題石油問題の解決のために国務大臣として全力を尽くしてもらいたい、こういうことを要望いたします。
○中曽根国務大臣 日本の外交の相手と申しますか、重点を置いたのは、対米、対ソ、対中国、対ヨーロッパ、それから対発展途上国というような区分けがいろいろあったと思いますけれども、私は日本の国家の存立の基礎を考えてみまして、対米、対ソ、対中国、対ヨーロッパに劣らずに対アラブという問題があると前から確信しておったところであります。それは、資源的な問題もございますし、また、アラブに集まる膨大なオイルダラーの処理の問題が必ず登場してまいりますし、また、アジア人として発展途上にあるアラブと友好提携してお互いに相互補完の道をたどっていくということは、日本のある意味における使命でもあるとも考えておるわけであります。したがいまして、中東外交の比重を思い切って上げて、アメリカやソ連やヨーロッパ並みに格上げもするし、外務省の機構や人員の配置も変えるし、そういう必要性があると私、考えております。そしていずれ将来適当なときに、なるたけ早い時期に総理大臣に歴訪してもらう必要があると思いまして、私は推進してみたいと思います。
    〔山田(久)委員長代理退席、委員長着席〕
○板川委員 以上で終わります。
○浦野委員長 佐野進君。
○佐野(進)委員 私も板川委員に引き続きまして、石油問題を中心にして大臣に質問をしてみたいと思います。
 いままで石油問題についていろいろ質疑応答か行なわれたわけでありますが、私は通産大臣に、基本的な、原則的な意味において一、二点伺ってみたいと思うのです。
 この石油問題は、わが国が高度成長を続ける基本的な立場においてエネルギー源として石油を採用し、ここに多く依存して今日の高度経済成長が進められてきておるわけでありまするが、この政策を進める、いわゆる通産行政の基本である、言うなれば、わが国の経済政策の根本的な問題である石油問題が、アラブの諸国の供給削減という事態の中で周章ろうばいをして、そのなすところを知らないと言ってもいいような今日の現状、その現状を生みながら、なおかつ政府部内においては的確なる意思統一が行なわれ得ないで、今日外国の動向、いわゆる日本の国の総理大臣、外務大臣が、外国の大臣の意見を聞きながらその政策を立てていかなければならない、その外国の大臣と称する者は、アラブ諸国が最も対立した形の中に置いているその国の大臣の意見を聞かなければ政策が立たない、こういうようなことは全くもって不見識もはなはだしいし、そういうような状況の中で進めてきた今日のこの石油政策が根本的に失敗しておるという事実認識を大臣はしておられるかどうか、質問をするに先立ちまして根本的な御質問をしてみたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 日本の閣僚が自分の国の国策を決定するのに外国の閣僚の意見を聞いて、その意見に従って行なうというような不見識なことはしておりません。日本の閣僚は、日本の国益を考えて、日本独自の道を探索しながら最善と思う判断をしておるのでありまして、ある方向に政策が打ち出たとしても、それは日本の国益を考えて総合的判断のもとに出てきた結果であります。
 私は、先般キッシンジャー国務長官に会いましたときにも、日本の経済の実情を説明して、将来の展望も説明して、もし日本民族が将来生きていくためにこれはどうしても必要であるという場合には、日本はそのときにおいては、もちろんあなた方に通報はするけれども、独自の道をとるであろう、もちろんそんなことは当然のことである、そういう話をしたのであります。これは単に私のみならず、日本の閣僚全般が考えている態度であります。
○佐野(進)委員 大臣のいまの答弁は、おそらく大臣の気持としては本心だと思うのでありますが、国民全体の素朴なる目から見た場合、相変わらず日本政府はアメリカ一辺倒の政策の中で、身動きができないような状況の中にあるのではないか、きわめてへっぴり腰の形の中でこの石油問題に取り組んでおる、こういう印象しか受けていないと思うのであります。したがって、今日の起きつつある事態の深刻性が、わが国経済にとって、国民生活にとってきわめて重大な段階であるにもかかわらず、諸外国がいち早く打ち出しつつある対策に対してわが国政府は打ち出すことができ得ない、業界全体としても産業界全体としても、それに対応するにはあまりにもスローモーな形をとっている。このスローモーな形をとっている原因は、情報源がきわめて甘い。先ほど大臣が御答弁になっておられた、その中でも情報分析としては非常に甘いような見通しを流布されておる。もちろんこれは政策的にそう言わなければならないのでございましょうけれども、われわれとしてはそれほど甘い情勢分析でなくして、いま少しく諸外国がとりつつある情勢に対応した対策を立てたほうがいいのではないか、こう思うような点が幾つかあるわけでございまするが、大臣は、さっき自民党の質問に対して答えられたように、この事態をきわめて甘く見ておられるのか。これから質問する関係上必要でございますので、この点、先ほどの答弁が、板川委員に対してはきびしい答弁をしておる。向こうの質問に対しては、きわめてゆるやかな答弁をしておる。自民党向け、社会党向け、二つ違っておりますので、この点について原則的にどう理解しておられるか一ひとつ聞いておきたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 通産省の物資等に関する行政をソフトランディングでやりて、そして国民に対する当初のショックをできるだけ防いでいきたいという意味において、やわらかい答弁を自民党の人には申し上げた。それはソフトランディングでいきますという意味において申し上げた。しかし、事態の認識については、私は渋い認識を一貫してやっております。それはどの党に対しても、同じようなことを申し上げるものであります。
○佐野(進)委員 それでは、事態の認識にはきわめて渋い認識を持っておる。しかし、対策としては、先ほど大臣答弁の中にあられたように、非常にゆるやかな対策はいまなお持ち続けている。いわゆる産業界に対して、行政指導の形の中で現状についての協力を求める。こういうような形の中で、先ほどの大臣答弁の意味においても、諸外国に比較いたしますと、きわめてゆるやかな認識を私は感ずるわけであります。
 そこで、私は、いま大臣がきわめて渋い感覚に基づいてこの問題に対処しておると言われるならば、渋いという範囲がどの程度か、決意を示していただく意味において質問をしてみたいと思うのであります。
 仄聞するに、この問題の発生は、いわゆるOPECあるいはOAPEC等におけるところの結論に基づいて重大な時局を迎えるか、あるいは緩和を期待することができるか、そういうような岐路に立たされておると思うのであります。それらの岐路に立たされた段階を明確に位置づけるものは、このアラブ外相会議が二十四日に開催されるということであります。この二十四日に開催されるアラブの外相会議におけるところの結論が、石油問題に対する将来を決する重大な会議になるであろうということは、だれしも否定しないと思うのであります。
 そこで、この外相会議において討議される内容としては石油を武器としてという表現が適切かどうかはわかりませんが、いわゆる石油産出国としての立場に立って、一つにはイスラエルに対する対策、一つには石油輸入国、いわゆる日本等輸入国に対する圧力、これらの問題を中心にして討議が行なわれる、こういうように私は聞いておるわけでありまするが、二十四日以前に日本政府としては重大な決意を持って、この外相会議に対して意思表示を行なうべき必要があるのではないか。この意思表示のいかんによって、二十四日の外相会議における動向がはっきりと示され、その結果によって石油問題に対する根本的な対策が決定される、そういうような状態を招くと思うのでありまするが、この事態に対して通産大臣としてどのような意思表示を行なう意思であるのか、この点をひとつお聞かせ願いたいと思うのであります。
○中曽根国務大臣 二十四日の外相会議は、非常に大事な会議であると認識しております。しかし、その二十四日がデッドラインであるかどうかという点については、いろいろ情報がまた交錯しております。でありまするから、それほどバイタルなデッドラインであるかどうかという点についてば、さらに検討を要する点があると思いますが、しかしいずれにせよ、早晩立場を鮮明にしなければならない立場にあるなら、早いほうにこしたことはない、私はそう思います。しかし、いつどういうふうにやるかということは、それは外務大臣の領域でありますから、私が言うことは僭越でございますので、外務大臣にはあなたさまの御要望をお伝えいたします。
○佐野(進)委員 私がいまこの質問をするために、先ほど来大臣の決意――大臣といいながら日本政府の閣僚であり、いわゆる閣議を構成する、しかも実力大臣でしょう。実力大臣という名前が出てくると、いつもあなたの名前が出てくるわけだ。それほど重要な決定権ないし日本の政治に対して大きな指導力を持っている中曽根通産大臣が、この問題に対して、先ほど来質問に対して答えられ、私がこの質問をするために、先ほど来申し上げたことに対して答えてこられながら、いまこの段階になって外務大臣の所管だから言えませんということはないでしょう。私としてはこう思うということは言えるでしょう。いかがですか。
○中曽根国務大臣 早いことにこしたことはないと申し上げている次第です。
○佐野(進)委員 だから早いことにこしたことばないということは、二十四日に行なわれるんだから、きょうは二十一日でしょう。あしたかあさってかということでしょう、問題は。あしたかあさってに行なわれることが非常に重要な意味を持っているのですよ。あなた、石油問題で、国民に協力をしてくれ協力してくれと言ったって、政府はなすべきことをなさないで、協力してくれ協力してくれって、そんなばかなことはないでしょう。問題は、石油がどんどん日本の国に入ってくることによって本問題の解決が行なわれるわけでしょう。入ってくる道は、この外相会議によって、いままで積み重ねてきたいろいろな会議の結果としての外相会議におけるところのこの結論が、しかもいわゆるイスラエル対策、石油輸入国への問題として明らかになっているとき、これに対して早いほうがいい早いほうがいいと言ったって、これは国民は納得しませんよ。だからもう当然きょうかあしたのうちに発表しなければならないと思うのであります。幾らスピーディに情報網が世界的に発達したって、外相会議が二十四日に開かれたとき、一日や二日前にこの問題が討議されないで、そうしておいて向こうへ通達をしないでおいて、おれは何にも考えていない、おまえのほうはただ石油をよこせ、これでは少しひどいのではないかとだれしも思うでしょう。だから通産大臣、先ほど来明快なる答弁をたびたびしているんだから、ここのところで明快なる答弁をしていただいてもけっこうじゃないかと私は思うのですが、いま一度ひとつお願いをしたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 佐野委員のお持ちになっている情報と、私の持っている情報は少し違う点もあるんです。ですから早いことにこしたことはないというのは同じことだと思います。しかし、二十四日の外相会議がデッドラインであるかどうかという点については、新聞にあらわれている情報と、われわれがもう少し確かめたものとは多少ニュアンスも違うんです。その客観的事実を私はここで申し上げておるわけであります。しかし同じゃるなら早いことがいい、この点については同感であります。
○佐野(進)委員 どうもわからないんだか、わかったんだか、わからないような答弁で私も混乱するわけですが、ではこういうように理解していいですか。なかなか答えにくい問題らしいですね。私は答えにくい問題じゃないと思うんだけれども、そうらしいですから。いわゆる国連の決議二四二号の日本政府再確認のため閣議決定をして、それを通報する、いわゆる通達する、そうしてそのことに関して全世界に対して、日本政府はこれこれこういうぐあいに考えておる、こういうようなものだ、われわれはおそらくそうなるだろうと確信をしておるわけでございますが、大臣、それに近いものかどうか。いやそうだと言うなら一番いいのですが、言ににくいなら、それに近いものかどうか、そのくらいの答弁はできると思うのでお願いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 これは外務大臣にぜひお聞き願いたいと思います。
○佐野(進)委員 外務大臣はきょう板川委員が呼んで答弁をしてもらいたいと思ったところが、どうしても来れない。板川さん、さっきからその問題について聞こうと思っても聞けなかったので、あなたに聞いておるのですが、おれは日本政府の一員だ、私も閣議の席に連なっているとさっきから何かの答弁のとき言っていらっしゃったじゃないですか。それでいて外務大臣に聞いてくれ聞いてくれということだから、だから私は、はっきり言わなくてもいい、おおむね近いところだと思ってもいいかということを聞いているんだから、それはいいよとか悪いよとか、そのくらいは言えるでしょう、どうですか。
○中曽根国務大臣 やはり外務大臣にお聞き願いたいと思います。
○佐野(進)委員 答弁拒否とあればいたし方ございませんが、しかし少なくとも通産省を中心とする商工委員会の席上ですから、大臣、問題の解決をはかるときは、少なくとも国会の商工委員会の人たちに腹を割ってお話をして、協力をしてくれという心がまえ、腹がまえでなければ、全国民に対して、これから石油情勢がこれほど悪くなるから、こういうぐあいに協力してくださいよというようなわけにはいかないと思うのであります。政治的な発言が非常にむずかしいということは、私はよく知っておりますが、これは私の質問が終わるまでの間によくお考えになって、ひとつ色よい返事を最後のところでもいいからお聞かせ願いたいと思うのであります。
 そこで私、一般的な質問に入りたいと思うのでありますが、まず第一に、大臣がいまのようなお考えでものごとを処理されておるということになりますると、たいへんむずかしい情勢がますます積み重なっていくであろう、こういうことが考えられるわけであります。特に政府は、この事態に対処して十六日に石油に対するところの緊急対策要綱を決定せられ、その中でいろいろな協力を国民にも求め、産業界その他にも求めておられるわけでございまするが、この問題は結果的に申し上げますならば、結局政府の無策の策の中で起きた失敗を国民に協力を求めるという形の中ですりかえておる。いさぎよくこの際、私どもの政策の展開はまずかった、これを変えなければいけない、われわれもいさぎよくそれらの政策については転換をしていくけれども、国民の皆さんよ、われわれとともに協力し、苦難に耐えてがんばっていこうではございませんか、これこそ真の緊急対策要綱の精神でなければならぬ。われわれは努力をしたけれどもうまくいかなかった、うまくいかないのはアラブの人たちが油を売ってくれなかった、アラブの人たちは失礼だとは言い切れないけれども、何としても石油を売ってくれないのだから、この際これこれこういうことをやるからという程度の説明では説得力がないのではないかと思うわけです。私は、そういう意味におきまして、今日のこの事態を招いた最大の原因は、多量なる石油を輸入し続け、その輸入し続ける中において毎年量を増加し、高度成長を続けてきた結果、石油を削減されるということによって混乱が想定されることになったと思うのです。しかも、その原因が高度成長をささえ、高度成長を続けてきたことによって起きたとするならば、この際まず国民の前に明らかにすべきことは、高度経済成長政策を転換し、福祉優先の政策を行なうのだということを前提にして、これからの経済政策を行ないますということでなければならぬと思うのでありますが、大臣、この点についてはいかがでございましょうか。
○中曽根国務大臣 そのことはもう前から申し上げておるのでありまして、日本の高度成長政策は是正して福祉国家に転換する、通産行政もそういうふうにいって省資源型の産業構造に転換いたします、そう申し上げている次第であります。
○佐野(進)委員 申し上げておることはよくわかるのですが、申し上げていることが実施されたかどうかというところに問題があると思うのです。ことしもまた石油ショックがない場合においては、日本の経済成長はやはり十数%の成長率を見越す状態の中にあったと思うのであります。しかし、石油ショックによってそれがダウンするということでございまするが、その場合も四十八年度の上半期の原油輸入量は一億六千万キロリットルを計画しておったのが、先ほどの御説明で一六%減になる、こういうような形の御説明によって、いわゆる経済成長もダウンせざるを得ない、こういうことに必然的になってきているわけでございますけれども、このことは経済成長を抑制しようという形の中でこういう政策を打ち出したのでなくして、石油を多量に輸入し続ける形の中で経済成長を抑制しよう、福祉優先にしようということでございまするから、結果的には福祉優先政策というものが単に絵にかいたもちになり、インフレ、物価高が続いていったと思うのであります。したがって、私の申し上げたいことは、この際勇断をもって、いわゆる石油の輸入が削減されたとしても、高度経済成長を転換する中で、今後のこういった政策を行なっていくという基本的なお考えがなければならぬと思うのでございますが、その点についてどうかということを御質問申し上げたわけです。
○中曽根国務大臣 その点は私、日本の高度経済成長を安定成長型にどういうふうに順次転換していくか、そして省資源あるいは知識集約型の産業に転換していくかという課題を考えておりまして、今回の石油の情勢等も見まして、やはり資源の総輸入量というものをあらかじめはじいて、その限度内で日本の産業活動というものを調整したらどうか、金額、予算を先行させないで、その基礎資材というものを想定して、その範囲内でほかのものをアジャストさせる、そしてさらに高度なものに発展させていくモメントと刺激剤をつくっていく、そういう政策を検討すべきときにきた、私はそれを検討していきたいと思っております。
○佐野(進)委員 大臣、去年、ことしずっとあなたと委員会の中でそういう議論を何回もやってきたわけですけれども、結局そのことがあなたの口で言うことと行なわれることは違っていたわけですよ。だからいま結局石油が入ってこないということを前提にして、そうなったときこれこれこうやるのだということで政策の転換がいまはかられようとしているということですよ。私はそれは必然的にやむを得ない状況として何も否定しているのじゃないのですよ。ただ、それを政策の原則としてあなたが口に出されておるならば、なぜそれをやらなかったか、やってもらわなければならぬじゃないかということを申し上げておるわけです。
 たとえば、そういうことを言われながら、おっしゃっていながら、いわゆる新幹線網の建設計画については閣議で決定する、あるいは四国架橋についてもそれを決定する、あるいは公共投資にしても、いろいろな部面をどんどんやってきているわけですよ。だからいまそういう事態を続けてきていながら、この事態になったから、石油か入らないからそれをやめるんだということは、いままで政策としてこれこれ述べられ、あるいはこの席上で述べられたことが、全く口先だけだったといわざるを得ないと思うのです。そうでないとするならば、もう少し閣議の席上でも、あるいは実力者大臣なんですから、政策の展開の中において、自民党内部その他に対しても、もっと積極的なるその御意見を反映して、真に福祉優先の経済政策を展開するようにしてもらいたい、しなければならなかったんじゃないか、こう思いますが、そういう意味におきまして、それぞれの緊急対策の中における経済政策の転換について、いま二、三の問題を申し上げましたが、ひとつ具体的な決意をお述べ願いたいと思います。
○中曽根国務大臣 私は、この春以来そういうような考えをだんだん表へ出してきまして、新自由主義経済ということを申し上げたときに、物調経済ということばを言ったことがあります。つまり物資調整経済と。いままでは金のフローによって物のフローを従えてきた。これからは物のフローに金が付随してくるという形でないといかぬ。さもなければ資源節約型にならない。そういうような発想の転換をやる必要を訴えて、そういう方向で予算編成も考えていきます、そういうことを言っておったわけであります。たまたまこういう問題も起きまして、私らが言っていることが間違っていなかったと思います。そういう意味において、将来予算編成等をやる場合にはいまのような新自由主義という考え方を基本にして私はやっていきたい、こう思うわけであります。
○佐野(進)委員 総理大臣は非常にインフレが好きらしくて、物価を押し上げるような政策をどんどん出してきている。通産大臣は、それに対して、私どもから見て通産大臣でありながらやや抑制するような方向に努力しているということについては否定するものじゃない。努力しておられるように少なくともことばの上ではわれわれは論議を通じて感じておるわけです。したがって、この問題がどのような結末をつけるかは予測でき得ない問題でございまするが、日本経済を高度成長の中でもならされた災害の中からいわゆる福祉優先の状況の中へ引き戻して運営していくというその転換をするには、この事態は絶好の機会だと思うのです。先ほどの答弁ができないで外務大臣の所管だ、所管だと言われるようなことでなくして、・勇断をもってひとつ大いに経済政策の転換をこの機会にはかっていただきたいということを強く要望しておきたいと思うのです。
 そこで、次に私は具体的な問題をさらに続けたいと思うのでありまするが、現在の事態は結局売り惜しみ、買い占め、こういうような形になるわけです。だれでも物が不足したということになればあのつらい戦争時代のことを思い出して、トイレットペーパーの話もございましたけれども、だれでも買いだめしたくなる。わが家の家庭の中においても同様です。おそらく大臣の御家庭においてもそうだろうと思うのです。このような状況は、心理的に人間にそのような行動を起こさせる、そういう形の中で発生していると思うのです。したがって、その発生したことによってだれが一番苦痛を受けるか。物を持っている人、力のある人でなくして、物を持たない人、力のない人であります。この原因、この状況が続く限り、明確に一つの指針として示さざる限り、いわゆる油不足はますます増加していく、そういう状況はますます進んでいく、こういうことが考えられるわけであります。特に私は、価格の面でこれが上昇するような形の中で国民生活に悪い影響を与えてはならないと思うのです。
 原油価格は、御承知のとおり一九七一年のテヘラン協定、一九七二年のジュネーブ協定、一九七三年の新ジュネーブ協定、あるいは去る十月の大幅な原油公示価格の引き上げ、それに伴うメジャーの実勢価格の引き上げ等急速な上昇をいま見せておるわけでございますけれども、こういうような状況の中で政府が発表いたしました石油緊急対策要綱を見ますると、一般的な値上げ防止については言及しておりますが、石油価格の上昇の問題については全然触れていないのであります。あるいは供給の確保で手一ぱいで価格問題を顧みる余裕がないということであるかもしれませんけれども、しかし価格問題を度外視してこの問題の処理をはかろうとすることはたいへんな片手落ちになる可能性があるわけであります。私どもは、そういう意味において、この要綱に対して非常に大きな疑問を持っておるわけでございますが、特に原油価格の上昇の状況に大幅に上のせをして石油化学製品を売り出しているというような状況がもう具体的にあらわれてきている、こういうような情勢下であると思うのであります。原油価格がこれだけ高くなったから、まだ現に高くなっていないにもかかわらず、その原油価格を基礎にして、つくり上げた品物が、石油が足りないから物が高くなるのですよということによって高くなっている、こういうような情勢が散見されるわけでございますが、以上、価格を押えるためにどのような措置をとっているか、関連産業の製品価格に対してどのような措置をとらんとしているか、このことについて政府の具体的な見通しとその影響について、簡単でよろしゅうございますが、御答弁をお願いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 いわゆるマル公あるいは統制価格というような思想は、いまのところ私ら持っておりません。しかし、便乗値上げは厳に規制し、これを行なわせないようにやっていかなければならぬと思っております。しかし、原油の値段が上がってきつつあるわけでありますから、ある一定の時点になって、その上がった原油を使うという場合にはある程度のリーズナブルな値上げというものを認めてやらないと、製品が店頭からすべて姿を消してしまうという危険性も出てまいります。そういう点、合理的な問題については考慮せざるを得ないというのが将来の問題であるだろうと思っております。
○佐野(進)委員 どうも答弁が抽象的になる。ぼくのほうは具体的に質問しておるのです。大臣の答弁ですから抽象的にならざるを得ないと思うのですが、こういうように物価か急上昇――インフレ論議をするつもりはございませんからやめますけれども、物が不足してくれば値段が上がる。値段を上げるときに、上がってくるという情勢が予見されながら行政指導としてそれを行ない得る限界、それについてはさっき物統令の話もございましたけれども、何らかの行政指導の形の中において具体的に指導し、それを抑止する、そういうことは不可能でないと思うのですよ。いま政府が持つ権力――権力というのはことばは適切でないかもわかりませんが、力を背景にいたしまして、いま少しく真に価格の安定を通じて国民生活を向上させるのだという気魄があれば、大臣がその気魄に基づいて積極的に行動をとれば、私はできないことではないと確信するわけであります。しかし、いまのようなあれもやる気もない、これもやる気もないという答弁であってはどうにもなりません。いま少しくその点について熱の入った答弁をしてもらいたいと思うのです。
 それに関連いたしまして、石油の数量、価格両面から、いわゆる産業、経済あるいは国民生活に対する影響というものは非常にきびしいものになってくる。国民生活に対する影響がきびしくなってくるということは、物があっても不足感――去年のいまごろは物があり余るから使え、使えと言った。一年たってそのときからそんなに生産が落ちているわけじゃない。特に石油問題はここ一、ニカ月の問題です。しかし、いまや国民は飢餓感、物に対して飢えている国民と同じような状況になりつつある。トイレットペーパーを売り出すということになればぱあっと集まってくる塩までそうなってくる。こういうような影響がこのままの状況の中で進むならば、幾ら物があったってこれは足りなくなります。どんどん買い占めが行なわれるわけですからね。したがって、そういうような問題を発生させないために、政府が具体的、積極的にこれらの数量、価格両面にわたって国民に対して安心感を持たせるような勇断ある措置を講ずる、それ以外にないと思うのであります。そういう点についてどのような対策を立てられておるか、この際お伺いしておきたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 石油の輸入削限を機に、ある程度産業の生産。カットが出てきますから、それに対してはまず需要の削限をできるだけ早く的確にやりまして、需給関係をバランスさせる、それと同時に生活必需物資、特に中小企業や農漁業や、あるいは医療、大衆交通手段、そういうような問題については、国民に迷惑をかけないように、政府が責任を持って確保する、そういう基本原則に基づきまして物資の調整を行なおう、そう考えております。
○佐野(進)委員 私ども事態を深刻に少し考えているのかもわかりませんけれども、いまのままの状況でいけば、この年末から来春にかけて相当物価高を招き、国民生活はきびしい情勢を迎えるであろうということを予測いたしますので、大臣は、いま少しく積極的な意味においての御努力をお願いしたいと思うのであります。
 そこで私は、そういう形の中において政府は石油緊急対策要綱を発表し、それらを土台にいたしまして通常国会冒頭、緊急立法を提案することにいたしておる、こういうことを聞いておるわけであります。この緊急立法の内容は、いわゆる量の節約に対しては消費規制法、物価統制については安定法、こういうような形においてやろう、こういうようにいわれておるのでありまするが、もう民間におけるところの石油、電力の使用減というような形の中における行政指導が定められ、現在いろいろな形の中において立法準備が進められておるといわれておるのでございますけれども、いま私の申し上げましたようないわゆる石油に関係する緊急立法はこの二本立てをもって行ない、その行なう形の中において当面の対策としているんだ、こういうように理解してよろしいかどうか、この際お伺いしておきたいと思うのです。
○山形説明員 いま私、政府全部を代表できるわけではございませんけれども、石油の量の問題につきまして、その規制を行ない、段階的に事態に応じまして規制の強さを措定する、これはそういう場合があってはならぬと思いますけれども、異常なる石油供給のカットが出ることも想定しまして、最終的には割り当て制等も必要であろうかというような観点で、石油の量に関する法案を一つ考えておるわけでございます。
 それからもう一つのほうは、私のほうから答えるのは若干どうかと思いますけれども、今回の石油のカットを契機に、いま大臣からもお話がありましたように、生産のカットということが各方面で行なわれざるを得ない、それに関連する物価問題及び物資の確保の問題、その辺を公正に確保いたしませんと非常に問題が起こりますので、国民生活の安定をいかにはかるかという観点での緊急立法を考えておるわけでございます。
○佐野(進)委員 大臣、ちょっと用があるそうだから、五分ぐらいいいということで……。
 そこで私、経済企画庁長官にこの問題に関連して質問をしたいということで大臣の出席を求めておったわけですが、政務次官がおいでになっておられますので、若干の時間、政務次官にお伺いしたいと思うのです。
 先ほど来私質問申し上げ続けておりますように、結果的に石油供給減という形の中で今日の事態が非常に大きくゆれ動いてきた状態を迎えておるのですが、経済企画庁は、この問題に関して一体どのような見通しを持たれておったのか。そして、この問題が発生することについて、経済企画庁は物価の安定をはかるという意味において非常に大きな役割りを果たさなければならぬ。ところが、これらについて、経済企画庁長官はこの前お米の値段を上げるときゴルフをやっておったというので、だいぶ楽しそうな顔つきでやっておられたわけでございますけれども、今日の状況の中におかれましても、経済企画庁長官が具体的に積極的に本問題を処理されたというようなことは、通産大臣に比較してあまり聞かないわけでございますけれども、この点について、企画庁としてはどのような態度をもって接しておられるか、簡単でけっこうでございますから、基本的な問題でございますからちょっとお伺いしておきたいと思います。
○橋口説明員 石油の問題は、この物価高の際、十月の初めにこの石油の削減問題が取り上げられましたときから非常にわれわれ懸念をいたしまして、そして通産省とも内々打ち合わせをしまして、一応の準備はしてきたのでございます。現在その問題にまつ正面から取り組んでおる最中でございます。
○佐野(進)委員 まあ経済企画庁は、この問題に関して、いわゆる経済成長の見通し並びに成長率がダウンする、その後におけるところの情勢に対してどういうような経済政策を展開していくべきか、これらについては責任ある庁だと思うのです。しかし、それらについて、今日起きつつある石油供給削減という事態の中において、早急にその見通しを明らかにし、その見通しに基づいて政府がその対策を出していく、こういうことでなければならぬと思うのでありますが、私の見たところ、通産当局に比較すると、経済企画庁は、この問題が及ぼす国民生活に対してどういう対策を立てるべきかということについてはきわめて消極的である、いやむしろ手をこまねいて見ている、こういうぐあいに感ずるわけです。一体この暮れから正月にかけて物価の上昇は、この石油供給削減ということを前提として、どの程度に及ぼうとしているか、その点について、具体的な資料もないでしょうけれどもあればけっこうですから、若干の時間、ひとつ御説明願いたいと思います。
○橋口説明員 この問題は非常に重大な問題でございますので、われわれは決して消極的な態度で臨んでいるわけではございません。全力をあげましていま検討中でございますが、一番の問題は石油の削減量が一体どのくらいになるかというその見通しがはっきりしなければ、経済成長率がどれくらいになるかという算定もできません。そういう意味で、いま通産当局とも相談しまして、この数日間懸命にその作業を進めておる最中でございます。したがって、経済成長率の見通しがつき、その上に立ちまして物価の見通しはどうなるかということもいま検討中でございまして、四十八年度の見通しにつきましては、近いうちにその結論が出るかと思います。明年度につきましては、またあらためて通産省、大蔵省とも打ち合わせをする予定にしております。
○佐野(進)委員 では経企庁当局に最後に質問します。
 そうすると、そういうような見通しのもとに緊急立法がいま行なわれようとしておるわけですが、先ほど通産当局に質問いたしましたように、量節約には消費規制法、物価統制は安定法、これらについては大蔵、通産、経企でそれぞれ検討を進めておる、こういうことでございまするが、そういうぐあいに理解してよろしいかどうか。
○橋口説明員 そういうふうに御了解していただいてけっこうであると思います。
○佐野(進)委員 それでは、次に、これに関連いたしまして御質問を続けてまいりたいと思います。中小企業庁長官来ていますね。
 政府は、十六日の閣議において石油緊急対策要綱を取りきめました。その際、中小企業に対しては早急に所要の措置を検討するといたしておりまするけれども、中小企業向け石油の確保が行なわれるよう石油販売業者に対してどのような指導をされ、それがどのような効果があらわれているか。これはあなたよりも資源エネルギー庁長官かな。その効果がどのようにあらわれているか、中小企業問題の一環としてひとつ御答弁を願いたいと思うのです。
○山形説明員 十六日に行なわれました閣議決定におきまして、われわれのほうの行政指導の基本的な考え方は、まず大企業部門に、その一〇%の需要減を強く要請し、これは行政面におきましても、個別に大臣からそれぞれの会社あてに通知をいたしまして、その自後の効果につきましても具体的にフォローをいたしておるわけでございます。
 大企業以外の中小企業につきましては、同じような考え方で節減を呼びかけてはおりますけれども、これはおのずから中小企業の実情もございますので、いま申し上げましたような大企業に対するような強い規制のフォローということは今回はいたしておらないわけでございます。
 それから、もう一つの面といたしまして、大企業側で生産のカットが行なわれますときに、その大企業につながる中小企業、下請等との関係は、これは非常に重大な問題でございますので、大企業のカットに見合って、それとの関係の中小企業の関連につきましては、各通産局といたしまして、そこに急激に大きなショックが出ないようにそれぞれの大企業部門に要請をいたしておるわけでございます。
 それから、もう一つの問題といたしまして、これからの事態の推移に応じて、やはり中小企業というのは非常に分野が広く、数も多いわけでございますので、具体的な個別の問題といたしましては、原油または石油製品の入手難ということが起こることが想定されますので、各地方通産局等の機能も活用し、また、あっせん所を創設することによりまして、個別、具体的にそれらの油の入手に関する面につきましては、役所側も指導するとともに、石油精製側にもそのような方向で指導を続けておるわけでございます。
○佐野(進)委員 いまお話があったように、あっせん所等を利用して云々ということでございますが、それは単に石油の問題だけでなく、いろいろいままで努力されてきておるわけですが、私は、この石油の供給制限等によりまして各業界は結果的に生産を縮小しなければならない、こういうことになってくると思うのです。したがって、その結果、中小企業についての原材料は不足し、価格の上昇が当然予測されることは、先ほど来私も質問しておるわけでございますが、その原材料がどのように不足してどのように中小企業が影響を受けるというような見通しであるのか、この際、簡単でよろしゅうございますから、その点をお伺いしたいと思うのです。
 それからもう一つ、閣議決定においても、「中小企業向け物資の需給に与える影響を最小限にとどめるよう早急に所要の措置を検討する。」こういうようなことになっておるわけでございまするけれども、それがいまお話がございましたように、石油及び原材料、資材のあっせん所を設けるというようなことが必要である、そうしたい、こういうことでございまするけれども、特に中小企業に必要な灯油、軽油、A重油の優先確保が必要であると思うのでありますが、それらの優先確保の手段というものをどのように考えておられるか。単に確保しますという抽象的なことでなくして、原材料を優先確保する具体的な措置、あっせん所を設けるという話でございまするが、そのあっせん所の機能、権限、こういうものを一体どのようにお考えになっておられるか、この際御答弁を願いたいと思うのです。
○山形説明員 私のほうからは、灯油、軽油、A重油の中小企業向けの確保の問題について御答弁申し上げますけれども、これは先ほども申し上げましたように、この三つの油種はそれぞれ相関関係にございます。一つをふやしますれば一つが減るという関係に相なっておるわけでございます。われわれのほうとしましては、全般的に、中小企業だけでなく、まず家庭民生用の確保ということが非常に重大な問題でございます。これは特に灯油についてでございますが、まず第一に一番大事だと思いますのは民生用灯油の確保であろうかと私は考えております。(佐野(進)委員「あっせん所を設けてどう具体的にやるかということ、あっせん所をつくるわけですね」と呼ぶ)いや、あっせん所の設置につきましては、これから検討するわけでございますけれども、その方向で早急に検討するということでございますが、これにつきましては、各地の実情がいろいろとございますので、通産局とそれから供給者側の各石連及び全石商等の各支部、そこの間の連絡を密にして、それでできましたら業者間で一定の保留分を保有いたしまして、現実に応じた、各地の実情に応じてこれを配分するということに相なろうかと思います。
○佐野(進)委員 大臣がちょっと留守の間に、いま質問しておるのは、供給が減ってきて、結局中小企業や一般消費者が迷惑するので、このあっせん所を設ける、前に緊急物資対策の際つくりました、そういうようなものをつくって灯油、A重油等々、その三品についてはこれを処理する考えがあるかということを聞いたときに、いまのような答弁があったわけです。したがって、これは大臣の答弁としてあっせん所をつくるべきだと私は思うのです。これからの情勢はどうなるかわかりませんけれども、そういう点について、つくって処理をするというようなお気持ちがあるかどうか、この際お考えを聞いておきたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 方向としては私も同感でありますが、これは丸棒や七メントのあっせん所と性格が違いまして、丸棒や七メントの場合には業者が困っていて、そうして卸やそのほかとの間の流通をあっせんするということでありますが、灯油になると、末端消費者の場合であって業者の問題ではないわけですね。したがって、そういうような大きな差のあることを円滑にどういうふうにしてやるか、これはもう少ししさいに検討してみないとわからぬわけです。業者だけでも十三万軒以上あるといわれておるのですから、消費者に至っては何百万、何千万あるわけですから、そういうわけで、いままでのような考えでこれを平行移動させて簡単にできるというものではないので、しかしまた一面において、そういう人たちのめんどうを見なければならぬことは非常に重要な政治の責任でございますから、何とか合理的な体系を打ち立てて、そういう苦情処理と申しますか、あっせん行為を有効に行なえるように方法を研究してみたいと思います。
○佐野(進)委員 これは私は、中小企業者向けのものでもぜひひとつつくっていただきたい、こういうことをまたあとでお伺いしたいと思いますが、だんだん時間が少なくなってまいりましたので、質問をできるだけ簡単に行ないたいと思います。
 そこで、このような情勢から、それでなくてもこの年末は企業倒産というものが非常にふえてきている。いわゆるインフレ倒産と言ってもいいような状況の中で倒産がふえているとき、いまの石油ショックによってますます倒産がふえるであろうということが予測されるわけです。特に今後いま申しました原材料等の条件によって倒産がふえるわけでございます。さらにこれに加えて、親企業の生産縮小等により下請中小企業の手形サイトの長期化、支払いの悪化、こういうような条件からも倒産が考えられてくるわけであります。こういうようなことに対して政府はどのように処理しようとしているか、これは中小企業庁長官でけっこうであります。
 なお、この倒産に関係いたしまして、過日この対策要綱を発表されましたとき、労働省のほうから発表がございまして、この事態が進むならば中小企業の倒産、そのことによって失業者が二十七万人ふえるであろう、こういうことが労働省から試算として発表されておるわけです。倒産だけでなくして、そのことによって失業者が発生する、人手不足という状況の中におきながら、そういう状態も予見されるということでございまするが、私は、特にこの失業者が中小企業にしわ寄せされる、そういう可能性も非常に強いと思うのでありまするが、この場合、長期にわたるか短期にわたるか予測はつきませんけれども、そういうようなこの問題に関連して発生する失業者に対する、特に中小企業関係失業者に対する救済策を当然立てておかなければならない。その救済策というものは、このショックによって、この影響によって発生する失業者に対しては、現行六〇%を八〇%にして応急の措置を講ずる、こういうようなことも当然考えなければならない、労務対策の一環として考えなければならぬ措置だ、こう思うのでありますが、労働省の方がお見えになっておられますならば、答弁をいただきたいと思うのであります。
○外山説明員 普通のときでも金融引き締めでたいへんな影響を受けているときに、さらに石油を中心といたしました物資の不足という点が中小企業に多大の影響を与える見通しがあるという点は、御指摘のとおりだと思います。
 先般、年末金融対策といたしまして三千四百二十億円、例年になく大幅な金額を追加財投として実行いたしました。かつ、早目にその手当てをしたわけでございます。この辺の追加資金がどのようにその影響緩和に役立つかという点は、今後注視してまいらなければいけないと思います。同時に、新たに加わりました物資不足問題が中小企業者にどのような影響を与えるかということを、状況をよく見まして、そうして適切な措置を場合によっては考えなければならない、こういうことも予想はしておりますが、もう少し様子を見たい、全体の石油対策が各方面にわたりまして中小企業に対する配慮ということを十分うたっておりますし、また、そういうことが実行もされております。したがいまして、そういう点も勘案いたしまして、今後の様子をよく見たいと思っております。
 もう一つは、下請関係につきましては、先ほど山形長官も答えられておりましたが、私どもとしましては、たくさんの親事業団体に対しまして、下請代金支払遅延等防止法の適切な運用をするべく十分その法の運用をはかっていきたい。その点について指導に遺憾のないようにしてほしいということを通達するとともに、もう一つは、物不足に関連しまして新たに起こる問題が、やはり下請の振興基準ということに照らして起こりがちであります。その辺も含めまして、私どもとしては下請に対する問題の把握と、それから適切な指導については十分考えてまいりたい、こんな措置をいま考えているところでございます。
○関説明員 石油消費の規制が長期化いたしますと、雇用面にもいろいろな影響があらわれるかと思いますが、御承知のように、現在求人倍率は二倍をこえておりまして、そういった面から影響を緩和することも考えられますし、あるいは週休二日等労働時間の短縮といったようなことも影響緩和に役立つかと思います。まだ成長率の見込みがはっきりしない現在、具体的に失業者がどの程度の人数が出てくるかということを労働省としてまだ計算はいたしておりませんが、いずれにいたしましても、雇用の安定に配慮した経済産業政策が望まれるところでございます。
 なお、お話しの失業保険金の給付率の問題でございますが、この十月に失業保険金の最高日額の二五%引き上げとか、最低のところば三三%引き上げをやっておりまして、現状でも、国際的に見ましても遜色のないものだと考えております。給付率の問題につきましては、いま失業保険制度全体の抜本検討をいたしておりますので、その中でさらに検討を続けていきたいと考えております。
○佐野(進)委員 それでは私の時間はあと五分しかありませんので、これから質問を全部申し上げまして、あと関係者から答弁をお願いしたいと思います。
 まず第一に、いまの中小企業金融の問題につきましては、中小企業庁長官から年末金融として三千四百二十億円の財投追加を決定されている。しかし、これが当面石油問題を離れた状況の中で考えられておるわけでございますから、これらについてはさらに追加融資が必要ではないか、こう考えます。これについてのお考えをお伺いしたい。
 また一方、歩積み両建てがいまこの金融問題についての最大のネックになりつつあることは、量とともに皆さん方も御承知のとおりであります。大臣も御承知のとおりだと思うのでございますが、これについて中小企業対策の立場から、中小企業に対する金融について、一般金融を含めて歩積み両建てを廃止すべきではないかと考えるわけでございますが、この点の御見解もお伺いしておきたいと思います。
 さらに、石油供給制限に伴って事業活動がきわめて困難になっている中小企業に対しては、金融に対する措置として新規緊急融資の実施、これはいま申し上げました。既存融資分の返済期間の延長、設備近代化資金、高度化資金の返済猶予、市中金融機関に対する協力要請、こういうようなことを行なっていただきたいし、税制措置については、欠損金の繰り越し還付の特例、地方税における欠損金の繰り越し期間の特例等をしていただきたいと思うわけであります。
 さらに、これらの事業を行なうとともに、油の影響に基づくあるいはPCB影響等に基づくところの、いわゆる一般魚屋の小売り業者に対するところの、この年末きわめてきびしい条件を迎えようとしているのでありますが、特別の措置を講じてもらいたいし、特に魚小売り業に対しましては、特別のこの年末におけるところの措置を講じてもらいたい。これは水産関係者がおいでになっていると思いますので要望をしておきたいと思います。
 さらに、こういうような状況が出ているとき、われわれは大臣に次の点をお伺いしておきたいと思うのであります。それは、こういうような状況下において必然的に大企業が中小企業の分野へますます積極的に入り込んでくることが予想されるわけでございますけれども、この事業分野を確保する、あるいは調整をするための立法措置が必要ではないか、いわゆる中小企業分野確保の法律が必要ではないかと考えるわけですが、このお考えをお伺いしておきたいと思うのであります。
 最後に、たびたび言い古されておるわけでございますが、中小企業省設置の問題は、現段階において大臣はどのようにお考えになっておられるか、特に中小企業省設置の問題に関連しては、いま中小企業庁長官は、長官でありながら次官会議等にも出席することができない。したがって、各省の次官の段階の中にすら入り得ない一長官としての立場にある。かつては次官会議へ出席することができたかに聞いておるわけでございますが、各省のそれぞれの段階の中で、それぞれの発言する場所を中小企業関係者、特に長官が出席するということは、現下の情勢の中においてきわめて必要ではないかと考えるわけでございますが、大臣の見解をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○中曽根国務大臣 中小企業省の問題については、ここでも御答弁申し上げましたが、要するに、ほんとうに中小企業のためになる機構がどうしてできるか、単に看板をかけただけでは意味がない。やはり足腰を強くして、経営指導員なり税務なり、そのほかの問題で、ほんとうにたよりになる下部機構を強化するということがまず主眼であり、金融体系を整備するということが主眼なのであって、看板をかけることのみが主ではない。したがって、そういう実態の伴わないものならやっても意味がないし、実態を伴うものをやり切るならばやったほうがいい、そういうことで、いま大蔵省、各省の出方を見ておるというのが実情であります。
 それから、大企業が中小企業へ進出してくるのを法的に規制せよというお話でございますが、これは先般の大規模小売り店の企業規制に関する法律、つまり百貨店法、あの場合ああいうような性格で出てきているわけでございますが、もう少しこの実態、様子を見まして、たとえば商社やそのほかの大企業が先般来洗たく業まで始めるというような問題がございましたけれども、こういう問題については、私も経済団体に対して警告を発しまして、よほど自粛してもらわなければいかぬ、われわれは自由経済を奉ずるがゆえに、できるだけ規制は少なくしたいと思っておるけれども、われわれはそれを監視しておる、そういうことを先般申し渡したところでありまして、そういうことの起こらないように今後とも行政指導を強めていきたいと思っております。
○佐野(進)委員 中小企業庁長官の次官会議出席はどうか。
○中曽根国務大臣 これは内閣の機構の問題でありますから、そういうエネルギー庁長官とかあるいは中小企業庁長官とか、わりあいに各産業、他の諸官庁と密接に影響しているポジションの長官は出席したほうがいいと思います。そういう点で、私も官房長官等に進言してみたいと思います。
○外山説明員 初めに御指摘の三つの点についてお答えしたいと思います。
 まず第一点の追加融資の問題でございます。これは先ほども申し上げましたように、年末財投を追加したばかりでございまして、確かにそのときには石油ショックの問題を前提にした時点ではなかったわけでございますが、やはり今回の見通しがなかなかきびしい、昨年の金融緩和の時期に比較しても非常にきびしいということの判断に立ちまして、いつもになく大型の、かつ早目の実行をしたわけでございますが、その辺の状況をよく見て、またさらに、その後追加融資の必要性があるような事態になるかどうか、この点につきましては慎重に今後の推移を見守りまして、私どもとしては適時適切な措置をとってまいりたい、こう考える次第でございます。
 それから第二点の歩積み両建ての問題でございますが、これは私どもとしても御要望の趣旨に沿って、年来これが中小企業者に影響を与えないように、金融上の配慮がこういったことでマイナスにならぬように私どもとしても努力をしてまいったわけでございます。今後とも引き続きまして大蔵省あるいは公正取引委員会と相談をいたしまして、まず実態をよく見きわめまして、その上で、不当な措置があれば私どもとしても善処をしてまいりたい、こう考える次第でございます。
 第三点の原材料不足に伴います中小企業への影響につきましては、すでにこの問題がことしの七月ごろからあったわけでございます。ものによりまして、そのものを使う中小企業の特殊の分野につきましては非常に大きな影響があったわけでございまして、そういうことについて運転資金の増加とか、そういった点が非常に必要であろう、これを金融機関は特に配慮するようにということを当時通達し、その実行を促進したことがございます。今後もそういった点は引き続き重要なことだと思っております。ただ、先ほど御指摘のように、税制上あるいは金融の債務の償還上いろいろな法的な措置を考えたらどうだという点は、先般のドル対策法のような法律を考えたらどうかということになるのかと思いますが、その辺につきましてはもう少し、現在石油並びに石油不足に伴ういろいろな物資のあっせんの問題につきまして中小企業に対する配慮を十分やっていこうという時期でございます。その辺の様子も見きわめまして、かつ今後の中小企業の倒産状況等についても十分な配慮を払いながら、その点につきましては今後検討をしてみたい、こう考える次第でございます。
 さらに、PCBの特別措置でございますが、これは御承知のように行政上の措置並びに立法措置によりまして逐次現在行なわれているわけでございます。御要望の趣旨が十分生かされていると思いますが、なお実態を見きわめまして、御趣旨の点に遺憾のないように配慮してまいりたい、こう考える次第でございます。
○浦野委員長 午後二時十分から再開することとし、暫時休憩いたします。
    午後一時三十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時十七分開議
○田中(六)委員長代理 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑を続行いたします。中村重光君。
○中村(重)委員 大臣にお尋ねをしてみたいのですが、先般石油問題が非常に緊迫をしてきたということから中近東諸国に行ってきたわけですが、アメリカに対する不信感というよりもむしろ対立感ですね、対決感、それから日本に対してもアメリカの政策に追随する姿勢、またイスラエルとアラブとの関係については、中立であるとか等距離であるとかというようなことに対して感情として私どもが受け取ったのは、日本の今日の高度経済成長、そのことは安い油を使って、そのことが日本の経済発展に大きくつながっている、にもかかわらず、アラブに対する理解を示さない日本の態度というのは、納得できないというよりも、むしろけしからぬといったような感じ方を私どもは受け取ってきたわけであります。
 ちょうど参りました際に数名の大臣に会ったわけですが、非常な激しさにむしろ驚きの感じを私どもは受けたわけですが、アラブを立ちましたあと三日後に中東戦争が始まった。それで私どもは、特にあの激しさというものが非常に緊迫をしておるということから特にそうであったのだということをあとで感じ取ったわけでした。それらのことについていろいろ大臣にお尋ねをしたいこともありますけれども、限られた六十五分間の時間でございますから、いずれ十分時間をとって石油政策全般についてお尋ねをしてみたいと思います。
 大臣にお尋ねをしたい第一点は、けさ同僚板川委員の質問に対しまして、武力による占領地域からの撤退、これを基本にして、パレスチナ人民の権利の回復ということが当然であるというふうにお答えになっておられる。その後、佐野委員の質問に対しまして、手段、方法であるからあのようなお答えになったんだろうと思うのでありますが、これは外務大臣に聞いてもらいたいというようなお答えであったと思うのです。
 そこで大臣、武力による占領地域からの撤退ということ、それからパレスチナ人民の権利の回復ということは当然であるわけであります。しかし、このことば、やはり中東和平に対する国連二四二決議、この線に沿った大臣のお答えということになっておるわけですが、これは大臣の個人的見解なのか、政府の見解と申しますか方針となっているのかどうか、その点をひとつ明確にお答えをいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 これは私の見解であります。政府の見解はいずれ早晩のうちに表明されるのではないかと想像されます。
○中村(重)委員 当然でありながら、これはきわめて重大な見解であるわけです。大臣としても、特に石油関係の担当大臣であるわけです。大臣の見解は一これは政府の見解というものか日ならずして出るであろうということが期待できるわけです。しかし、佐野委員からお尋ねがありましたように、アラブの外相会議というのが二十四日に行なわれる。その中身について、佐野委員が持っておるところの情報、政府が持っておる情報というものについてニュアンスの違いがある。そのことを私は問おうとは思いません。しかし、石油が今日たいへん重大な危機に直面しておる。そしてヨーロッパに対しまして友好国という、いわゆるEC諸国に対する友好国というような方向に進んでおります今日、日本に対してはさらに二五%が五%削減量が上回って三〇%ともいわれている、あるいはそれ以上という形にもなるのではないかと思いますだけに、きわめて重大な問題である。したがって大臣が、そのことば外務大臣に聞いてもらいたいというような簡単なことで突っぱねたというわけではないでしょうけれども、これは手段、方法であるからというので、外務大臣に聞いてもらいたいということではあったんでしょうが、重大な問題であります。
 また大臣は、重大な問題を個人見解としてお述べになったわけでありますから、もう少しどうあるべきかということに対して、早いにこしたことはないというようなゆとりがあるというのか、そのようなことではなくて、ほんとうに国民が必死になっているということから考えるならば、もっと説得力のある、迫力のある答弁というものが当然なされなければならないというような、大臣と佐野委員との質疑応答を聞いておりまして、私はそうした感触を実は受けたわけであります。その点に対していま少しく、大臣は重大な個人見解をお述べになったわけでありますから、早急にそうした政府の見解を打ち出す、それに対しては、アラブ諸国に対して田中総理大臣が行くことが一番いい、それを自分は極力推進するんだという迫力ある答弁もあったわけでありますから、まず佐野委員の質問に対してお答えになった態度、あれ以上のお答えというものはできないのかどうか、国民があれで納得するとお考えになっていらっしゃるのかどうか。それから二十四日のアラブ外相会議というものの中身をどのように大臣は把握をしていらっしゃるのか、それらを含めてひとつお答えをいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 日本はこれだけ経済成長をいたしましたが、それは一九六〇年代に非常に安い石油が大量に供給されまして、その石油をうまく使って、しかも臨海工業地帯をこの列島を利用して各所につくって、コンビナートもつくり、あるいは鉄鋼、製鉄所もつくり、石油化学施設もつくり、その安い石油と日本の地形を巧みに利用した工業政策のコンバインによってこれだけの大きな工業成長をなし遂げた。しかし、そのときの思慮の不足が二つの面で反応してきたと思います。一つは、公害であります。もう一つは、今度の石油問題であるだろうと思います。公害については、いままでいろいろ論ぜられ、対策も立てられてまいりましたが、いまここで日本の石油問題について深刻に厳正に反省するときが来ているのではないかと思います。
 その一つは、やはり日本のいままでの外交政策のあり方でありまして、これを反省してみますと、それだけ膨大な石油があったために、日本がこれだけ経済的に成長し得た。その石油の恩恵のありがたさ、あるいは石油を獲得することの重要性というものの認識が少なかったと思うのです。メジャーズに依存しておりさえすれば何とかなる、そういうふうに他力依存の考えに徹して、安い石油がいつでも入るという思想があったがゆえに、今日こういう事態になって、一番影響を受けているという事態にもなってきたのではないか。アラブの国の身になってみれば、ほかには産物はそうないし、国民を養っていく手段を持たない国でありますから、石油というものは、考えようによっては、これは領土の延長でもあると考えていいと思うのです。われわれはこれを商品と考えておりますけれども、座して石油のみにたよって生きている民族で、しかもこれは将来は枯渇してなくなってしまう資源であるということを考える場合に、アラブの政治家の身になってこれを考えなければならぬのであります。そうすれば、これは商品にあらずして、それは領土の延長であるとすら考えると、われわれは同情せざるを得ないのであります。それを単に商品であるというような程度に考えて、そしてそういう石油の深い属性を考えなかったという点において、われわれの外交について反省すべき点はなかったかどうか。
 私は、五月に中近東に参りましてその実態を見て、これは大きなゆり返しがくるぞ、こういうようなことが近代民主主義の世界においていつまでも続くであろうかという疑問を持ったわけです。そしてメジャーズというものの立場について、いままで日本の石油評論家やあるいは一部の石油通の人たちが考えている常識はもはや通用しなくなる、そういう時代に来た、だから日本はこのアラブの立場に心から同情を持ち、理解を持ち、そして一緒に生きていくという姿勢をとらなければ、日本の将来はない、これだけ大きな重化学工業群を発達させておるけれども、これはいわば石油がなくなったら、終戦直前の戦艦大和にひとしい、これは前にも申し上げたとおりです。油がなければ片道で沖繩特攻をやる、そして途中で撃沈されてしまった。日本のこれだけの重化学工業群というものは石油がなければ、これは砂の上の重化学工業群にすぎない。そういう認識を持つべきであった、そういうような考えに立って、この石油というものを単に工業資源のみに考えないで、もっと外交的な、深い世界的なスケールで考えて、いろいろな戦略的な手を打っておくべきである、いまそういう反省をしておるわけであります。私ら多少そういうことに気づきまして、若干の言動もし、努力もしてきましたけれども、いまになってみれば、ますますそうである。
 そういう面から、一面において外交政策の基本認識を改めるということと同時に、一面において日本の産業構造や日本の産業政策について転換がなされなければならぬ。そういう意味において、日本の外交や日本の産業政策について、石油の問題というものは大きな整形手術の材料を与えた問題ではないか、そういうように反省しているものであります。そういう深い反省に立ってこれからの外交や産業政策を組み立てていこう、そういうように肝に銘じておるわけであります。
○中村(重)委員 大臣の決意はわかるのですよ。そのとおりであると思うのです。しかし、具体的な問題、また当面している非常に緊迫した問題なんですから、やはりそれに対する政府の姿勢というものだけは明らかにしてもらわなければならない。
 先般、新聞の報道によりますと、政府は中東和平に関する国連の二四二決議、これの全面支持を打ち出しておるようです。これは閣議決定をされたのであろうと思うのですが、であるとすれば、今後具体的にこれをどう進めていこうとしておられるのか、その点いかがですか。
○中曽根国務大臣 その後の事態の進展によりまして、政府の態度をより鮮明に、より明確にする必要が出てきたように私は思います。そういう面から寄り寄り協議をしておりまして、そういう面における日本の明らかな態度をおそかれ早かれ示さなければならぬ、そう思っております。
○中村(重)委員 そういうゆうちょうなことでよろしいのですか。おそかれ早かれ示さなければならない、中東和平に対する国連の二四二決議を全面支持する、ならば具体的にどういう外交政策を進めていくんだ、あるいはすべての政策を具体的にはどう進めていくのだということが明らかにされなければならないと私は思うのです。
 そこで、いまアラブ諸国は日本を非友好国扱いにしておるのですが、このアラブ諸国の日本に対する非友好国扱いというものを友好国扱いに転換させるという見通しについては、大臣はどうお考えになっていらっしゃいますか。どうしたならばその転換がなされるであろうか。転換をしてもらいたいという気持ちは、これは間違いないのであろうと思うのでありますから、転換させなければならぬ。ならば、それに対する具体的な方策というものがなければいけないと私は思うのです。その点いかがですか。
○中曽根国務大臣 友好国に変えてもらう非常な強い願望と熱意を持っております。それには先方のOAPECの諸国が要望している線をある程度達成してやるように日本が積極的に努力しなければだめであります。もちろん国際関係のことでありますから、諸般の情勢を勘案し、外交的な諸般の手続も必要ではございましょう。しかし、それらの国々がかねがね世界に宣明している諸原則等を支持して、そうして日本の意思を世界に明らかにするということも一つの方法ではないかと思いますし、また、そういう行為が行なわれたあとに経済的な協力その他の問題について日本の善意を示すことも意味のあることではないかと思います。
○中村(重)委員 新聞その他によって、アラブ諸国が日本に対して望んでいることというようなものは私どもも承知をいたしておりますが、まず政府は直接外交交渉を持っているわけでありますから、いろいろとアラブ諸国からの要望といったものを受けておられるであろう、どのような要望をアラブ諸国は日本に対して求めているわけですか。
○中曽根国務大臣 これは外交当局が一番正確に認識していることでありますから、私の考えは多少間違っているかもしれませんが、もし認識不足の点があったらお許し願いたいと思いますが、要するに、イスラエルが武力によって占領したアラブの固有の領土をこのまま占領を継続していることは不法行為であって、イスラエルがそこに駐屯し占領を続ける権利はない、したがって、イスラエルが武力によって占領している全アラブの地域からすみやかに直ちに撤退すべきものである、そしてそのラインは一九六七年のラインに復帰さるべきである、それからパレスチナ人民の正当な権利は回復されて、彼らの民族自決の措置が達成されなければならない、この二つがやはり一番大きなものではないかと思います。
 それから、いま戦争しているという現段階になりますと、そういういわゆるアラブの大義を実現するために、戦争しているアラブに積極的に協力してくれ、ひより見や中立はよくない、そういう態度が今日の時点においてはまたつけ加えられてきているのではないかと思います。
○中村(重)委員 アラブ諸国が日本に要望している問題に日本がこたえていくということでなければ、もう石油問題について非友好国扱いにされている、それを友好国に変えさせる道はないと、大臣はそのように判断をしておられますか。
○中曽根国務大臣 現在の諸情報並びに国際環境から見て、そういう方法を行なうことが必要であると感じます。
○中村(重)委員 それでは大臣としては、先ほど個人見解をお述べになりました、また、いまアラブ諸国が要望していることについてその内容を明らかにされたわけですが、その要望を受け入れるために、また、きょう個人見解としてお述べになりましたことはその中身でありますけれども、そのために全力を傾けて大臣はこれを推進していくという決意であるのかどうか。
○中曽根国務大臣 私は自民党党員として、また閣僚の一員として日夜その目的のために全力をふるっておるところであります。
○中村(重)委員 自民党の党員として全力をふるっていると言うが、もう少し的確に大臣は答えられないのですか。あなたは個人見解として先ほど同僚委員の質問に対して答えているわけですよ。少なくともこれほど重大な見解をお述べになったわけでありますから、いままで一自民党の党員として、あるいは政府の閣僚として努力を日夜やっているのだということでありますが、しかし問題は非常に緊急といいますか、切迫した重大な問題なんです。国民が生きるか死ぬかというような問題にまできていると申し上げても言い過ぎではないと私は思っている。特に石油の担当大臣である。これらのことを考えるならば、先ほど早いにこしたことはないといったような、まあ取り方によってはゆうちょうな態度であるというようにも受け取られるわけですけれども、大臣としては、この点に対して、もっと、先ほど申されたように迫力のある、自分は閣内において必ずこういう方向に進むように努力をするといったようなことが言えないのですか。
○中曽根国務大臣 私は、日本の経済の情勢や石油の将来、日本の国民の民生の将来等も考えまして、責任を負う政治家の一人として、自分の信念に基づいて、いま申し上げましたような見解を内閣の統一見解にすみやかにこれを持ち上げる、そしてそれをすみやかに形成して天下に明らかにする、一日も早くそれをやるようにいままで全力を尽くしてきましたし、今後もやるつもりでおります。
○中村(重)委員 じゃ時間の関係がありますから具体的な問題でお尋ねをいたします。
 現在の二五%の削減プラス五%、三〇%削減というのはすでに決定をされているんですか、この点いかがですか。
○山形説明員 OAPEC側の意向というのは会議を通じましてそのようにきまっておるわけでございますけれども、これが現実に日本国内にどういうカット率でくるかといいますのは、先ほどもお話ししましたように、メジャーズの経路を通じて参るわけでございます。現時点におきましては、各メジャーごとにカット率が違っておりますが、ほほ二割程度のカットが通告されておりますが、これは十二月までの分でございまして、一月以降は若干これに上のせが来るんではないかと推定されるわけでございます。
○中村(重)委員 ECに対する友好国扱いという形になってまいりますと、またその見返りみたいなものが日本に五%、いわゆる追加削減というような形になってくる見通しがあるんじゃありませんか。
○山形説明員 OAPECのカットといいますのは、船積み段階でこれを実行するように努力しておるわけでございますけれども、御存じだと思いますが、OAPEC諸国とメジャーズとの関係といいますのは、実質的なる油の所有権を持っておりますのはメジャーズでございまして、このメジャーズがどういうふうに各国に配分するか、この辺はメジャーズの自主的な判断と行動にかかっておるわけでございます。
 理論的に申し上げますと、いま先生のおっしゃいますとおり、ヨーロッパ諸国への十二月のカット上積みが解除されますことが、完全にメジャーズの経路を通じまして実行されますれば、これは日本に対するカット率の増加にはね返るわけでございますけれども、一方、メジャーズといたしましては、自分の所有しております油の配分につきましては、できる限り公平に各ユーザーにこれを配分いたしたいという意向も表明しておりますので、方向としてはそういうことが考えられますが、現実にどういうかっこうでどのぐらいの程度にそれがあらわれるかは、今後の推移を見ませんと明瞭にわからないわけでございます。
○中村(重)委員 私は、日本にはね返る危険性、可能性というものがあるというように思っているわけですが、それは別といたしまして、大臣、こうした石油の問題等々から考えてみましても、石炭政策というものを見直す時期にあるのではないかと私は思っていますが、大臣の見解はいかがですか。
○中曽根国務大臣 先ほど御答弁申し上げましたことに補足さしていただきますが、そういうような声明を政府がやったからといって、友好国にすぐ変えられる可能性があるという保証があるわけではありません。私はそう思っております。先方がきめることでありますから、こうやったら、すぐこうしてくれるというような簡単なものではないかもしれません。この点は答弁に申し上げておりませんので、もう一回確認して申し上げますが、しかし、少なくともこれ以上悪くなることを防ぐ、削減率がさらにふえていって、日本の立場がさらに悪くなることを防ぐ、そういう意味の効果は最小限あるだろう、それはまたわが民族に対する政治家の大きな責任である、そういうように考えております。
 それから、石炭の問題は同感でございまして、アメリカにおいても、大統領教書によって、石炭を見直して、石炭を開発すべしという方向に積極的に動いてきておりますけれども、これで石油の値段がずいぶん最近暴騰しております。そういう採算点の面から、それからまた、資源エネルギーのセキュリティーという問題から、これは私が中近東へ行って帰ってきてからここでも御報告申し上げましたが、石炭を見直す時点に達する可能性があるということを御報告申し上げました。真剣に石炭問題について見直すべきであると思います。
○中村(重)委員 おっしゃるように、アメリカも石炭を見直す、また先般、私どもスペインにも参りましたが、スペインも石炭は大切にしなければならない、いわゆる経済ベースだけで石炭の問題を律することは間違いであるということを言っていた。日本も従来の石炭政策を転換しなければならない。大臣は強い決意をもってお臨みになる必要があるであろう。私は原則として、もうその石炭の山は閉山をしない、これは掘ってしまって終掘することはいかんともいたし方ありません。いままでのような閉山方針でありますと、その鉱業権者というものは、そろばん勘定で、閉山したほうが得になるということで閉山をする、スクラップ・アンド・ビルドということで、ビルドではなくてスクラップを政府は推進をしてきた。そのことが今日石炭の山というものはもう姿を消してしまってきている。見直すということは、従来のこの閉山方針ということを改めなければならないということになっていくわけでありますから、もう原則として閉山をしない、そういう方針を政府は打ち出す必要がある、そのように思うわけですが、その点、大臣の見解はいかがです。
○中曽根国務大臣 原則として閉山しないように努力すべきである、そういうように思います。
○中村(重)委員 そのことは将来展望ということではなくて、現在進めている四十八年度の閉山方針ということもあるわけです。四十九年度の予算編成というものも行なわれているわけであります。そうした現在すでに具体的に進めておる石炭政策、それから見直していくという態度をとるべきであると私は考えますが、将来展望ではなく、現実問題としてこれを処理していくという大臣の考え方がありますか。
○中曽根国務大臣 第五次答申の線を基盤にして、その上に立って現在の新しい状況を踏まえて検討すべきである、こう思います。
○中村(重)委員 これに伴って電力の問題が関連してくるわけですが、産炭地に石炭専焼の火力発電所をつくるべきであるという要求が非常に多いわけです。先般私ども商工委員会で長崎県の視察に行ってきたわけです。ぜひその石炭専焼の火力発電所をつくってもらいたいと、知事を先頭に強い要望があったわけでありますが、その点に対しては、大臣はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○中曽根国務大臣 石炭専焼火力発電所を増設するということは、私、中東から帰ってまいりましてここでも中村委員にお答え申し上げた記憶がございます。ほかの委員の皆さまにもそういう方針は賛成ですと申し上げた記憶がございます。その線に沿って北海道電力の社長や知事さんや、あるいは電発の総裁も呼んで、早くサイトをきめ、着手に入ろうじゃないかということを積極的に慫慂してきたところです。最近また九州におきましてもそういう御要望がございまして、その点につきましても検討して前向きに進めてみたいと考えておるところであります。
○中村(重)委員 田中団長以下一行十一名、私ども商工委員会は視察に行きましていろいろな陳情等を受けてきたわけです。それに対してお答えをするという約束も実はしてあるわけですが、具体的な問題として、長崎県の石炭専焼火力発電所の設置については、どこまで検討が進んでおりましょうか。
○山形説明員 全体的な方向といたしましては、ただいま大臣の御答弁のとおりでございます。石炭専焼は、現在、混焼も含めまして七百八十万トン相当の炭をたいておるわけでございますけれども、こういう情勢でございますので、現在の既存の火力の増強、それから新設の、いまお話が出ましたこれからつくるべき専焼火力の建設につきましては、国内炭の増強のテンポとも合わせまして、来年度予算等を通じてこれを前向きに検討するつもりでございます。
○中村(重)委員 具体的な問題をお尋ねしたのだから、具体的な問題に対しては質問にお答えをいただきたい。
○山形説明員 長崎県の石炭専焼の問題につきましては、まことに恐縮でございますが、現在手元に資料を持っておりません。後刻これを早急に御答弁申し上げたいと思います。
○中村(重)委員 それでは、その石炭の専焼火力発電所を設置するという方針については、大臣からもお答えがありましたし、従来もそのとおり伺っているわけです。そうすると、長崎県における石炭専焼火力発電所の設置の問題、そのことも設置の方向で検討しておると受け取ってよろしゅうございますか。
○中曽根国務大臣 そのとおりでございます。長崎県においても、もし可能であるならばこれを増設する方向に持っていこう、そういう前向きの姿勢で検討しておる次第であります。
○中村(重)委員 いま大臣のお答えになりました、もし可能とあればというのは、現地の事情でございましょうか。
○中曽根国務大臣 現地の事情はもちろんございます。サイトの問題住民の反応、公害問題、それから採算点、そういうようないろんな問題がありますが、何といっても現地の協力の問題が大きなファクターであると思います。
○中村(重)委員 石油の規制の問題についてお尋ねをするんですが、この一〇%はカットをする、ところが民生用は優先的に確保するということですが、民生用と業務用との区別というものは、どうしてこれをおやりになるのか。なかなか区別しにくいという面があるのだろうと思いますけれども、この点はいかがでありますか。
○山形説明員 全体をマクロ的に申し上げますと、先ほど大臣の御答弁にもありましたように、ほほ七割が産業用でございまして、約三割が民生用でございます。これは全油種の問題でございますが、それぞれの油種につきまして、たとえば灯油につきましては、民生用と産業用ということはわれわれのほうでこれを把握いたしておるわけでございます。その具体的な油種別の民生用の確保ということの対策をこれから立てる、そして民生用は確保するというのがわれわれの基本的な精神でございます。
○中村(重)委員 民生用というものが業務用、産業用に流れるということだってあり得るわけなんですね。だから民生用はカットしないと言いながら、現実にはカットされておるという事実等から考えてまいりましても、これはよほどその点の監視というんですか、基準というんですか、それをはっきりしなければ、これは民生用を確保したことにならないと私は思う。プロパンなんかの場合におきましても、家庭用は削減をしないんだ、ところが業務用のほうはこれをカットしていこうとする考え方の上に立っている。それでは、業務用と家庭用というのはどういうふうに区別してくるんだということになると、これはなかなかむずかしいのじゃないでしょうか。そこらの検討は煮詰まっているんですか。
○山形説明員 LPガスを例に申し上げますと、現在LPガスの民生用と産業用はほぼ半々でございます。かつ、LPガスというのは、結局プロパンとブタンと両方のガスの混在したものでございまして、現在家庭用LPGのプロパン比率は八五%でございます。産業用のLPGと申しますのは、これは工業段階で使っておりますものと、もう一つはタクシー等で使っておるものでございますが、このブタンとプロパンの比率をあれしますと、民生用とほとんど逆転的なかっこうでブタン比率が非常に高いものが産業用に使われておるわけでございまして、この点、現時点におきましてLPGに即して言いますと、民生用と産業用というのは一応分かれておるわけでございます。ただ、おのずから混合比の問題がございますので、若干との辺の融通が今後も行なわれると思いますけれども、われわれといたしましては、民生用の家庭用LPGは数量を絶対確保する、かつ、産業用との調整はその点ではかっていく、こういう方向でございます。
○中村(重)委員 家庭用の電灯の規制はしないのであろう、こう思うのですが、その点はいかがですか。
○山形説明員 現在われわれのほうで進めております政策は、電灯は当然はずしておりまして、産業用電力の需要面のカットを前提に進めておるわけでございます。御承知のとおり、電灯は一応全然対象外にいたしております。
○中村(重)委員 離島の火力発電所に対しては、三割削減がすでになされている。そして六時から電気は停電されておるという事実があるのであります。私は調査をして帰ってまいっております。あなた方のきょうの同僚諸君の質問に対して答えているそのたてまえはりっぱなんだが、実態はそのとおりにいっていないじゃないですか。いかにお役所仕事というものがでたらめかということを申し上げても私は差しつかえないと思う。それは離島全体ではありません。小さい島というのは自家発電をやっている、それに対しては三割削減しているのですよ。申し上げたように六時から停電です。これは明らかに家庭用の電灯に対する規制がなされているということになるではありませんか。具体的な問題としてあとで灯油の値段の問題その他お尋ねをしてまいりますけれども、たてまえだけなんです。こういうことをどう措置しますか。
○山形説明員 離島の電灯は、いま先生の御指摘のとおり、自家発でやっておるのだと思いますが、まことに恐縮でございますけれども、電灯について削減しないことはわれわれの方針でございまして、そういうこまかいところに目が届かなくて、もしそういうことがあるとしますれば、これは大問題でございます。これは緊急に措置をいたしたいと存ずる次第でございます。
○中村(重)委員 私は、昨夜石油の販売業者と会いまして、具体的な事実としてつかんで帰ってお尋ねをしているわけなんです。さっそく調査をされて、これはあなたが言われたように大問題なんだから、これを是正する、確実に家庭用の電力のための原油の確保をやるということにしてもらいたいと思います。
 それから離島の定期航路をどうなさいますか。
○深川説明員 お答え申し上げます。
 離島航路が島と本土あるいは島相互間を結ぶ唯一の足として、民生安定上不可欠のものであることにつきましては、いまさら申し上げるまでもございませんが、こういった航路につきまして、私ども今回の石油危機に関しまして一番心配いたしておりますことは、そういったところで運航しております事業者の場合は、非常に中小企業と申しますか、零細な企業が多いために、石油不足のしわ寄せというものがそういったところに及び、したがって運航を継続することが困難になるといったようなこと等の事象が生じ、それがために島の方々の足が奪われるといったようなことが生ずることでございます。
 そのため、私ども運輸省といたしましては、こういった航路を民生安定上ぜひとも確保しなければならないということで、さきに通産省のほうに対しまして、そういった離島航路用の油の確保というものにつきまして申し入れをいたしてございますし、さらに省内でこういった公共交通機関というものの油の確保につきましていろいろ検討いたしておりまして、この点は、さきに閣議決定をなされました石油緊急対策要綱の中におきましても、鉄道等の公共輸送機関の油はぜひとも確保するということになってございますので、個々の具体的な問題につきまして、私ども現地の海運局等を通じ、また、あるいは旅客船協会等を通じまして、現実に離島航路等を運営いたしております旅客船業者の油確保に支障を来たすといったような状態等の実態を把握し、もしもそういう事態がございますれば、これにつきましては、すみやかに現地海運局におきまして、地方の通産局等と折衝させ、石油の販売業者に対してそういった離島航路事業者等に対しまして油の供給を行なうよう指導をさせたいということを考えておる次第でございます。
○中村(重)委員 一〇%カットの問題に対しましても、産業用それから家庭用、民生用というものを区別するといった行政指導というものは、全般のそうしたすべての面にわたって行政指導というものがなされなければならないと思うのです。ところが、行政指導というものは、私が具体的な事実をあげましたように、そのとおりにいっていないということが明らかになっているわけであります。それから行政指導の問題は、価格の問題等を含めて行政指導されるのだろうと思うのでありますが、その点はいかがでございましょうか。
 それから灯油は、大臣から先ほどお答えがありましたが、そのとおりいっているかどうかということについてもお答えをいただきましょう。
 それからA重油等に対してもこれの価格を引き上げさせないという方針で行政指導されるのかどうか。
 それからプロパンに対しましても、先般政府の方針として価格を押えるという方針が打ち出されておりましたが、これをどの程度の価格に押えようとお考えになっていらっしゃるのか、それらを含めてひとつお答えをいただきます。
○山形説明員 価格問題につきましては、今回の石油の数量制限が単純なる数量制限だけでございませんで、御存じのとおり、大幅なOAPEC及びOPEC諸国からの値上げが行なわれておるわけでございます。われわれといたしましては、価格はそれらの通告に応じまして、リーズナブルなものは若干やむを得ないのじゃないかと思っておるわけでございますが、いやしくも便乗値上げをするようなことは厳にこれを許すべきでないという基本的な考え方でございます。
 それからもう一つの原則と申しますのは、民生用のものにつきましては、いま非常なる物価高の状況でもございますし、数量もカットされてくる状況でございますので、民生用の灯油等につきましては、ほかのもの以上に特別の配慮を払いたい、こう考えておるわけでございます。
 プロパンにつきましては、LPGにつきましては若干灯油と事情を異にいたしておりまして、日本の産出量というものが得率で大体二%くらいしか出ないわけでございます。したがいまして、ほとんど半分が輸入品でございまして、全世界的にLPGの不足状況を前提にいたしまして、さきに大幅な通告が外国側からなされておりますが、これは来年の一月一日から実施ということでございますので、現時点におきましては、われわれとしては、それらとも折衝を続けておるわけでございます。いずれにしましても、できるだけ民生用のものにつきましては低位なる価格水準の維持について努力したいと考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 テレビでも大臣が灯油の問題について自信をもって話をしておられる、きょうもお答えを聞いておりますと、三百円で売っているところが非常に多いというようなことで、六割は三百円だ、四割が四百円だ、どうも大臣はどこから調査をしてそうお答えになるのか知りませんが、私どもの調査しているところによりますと、四百円ではなくて、もうすでに五百円になっている。あるいはそれをオーバーして売っている。それで買わなければ売らない、そういう小売り店の態度でしょう。大体考えてみられたらどうですか。一リットル当たり十七円五十銭でしょう。十八リットルということになってまいりますと、三百十五円になりますね。八十五円の利益ということになってまいりますと、配達経費はどこから出てくるのかということになる。長崎の例で申しますが、長崎なんかのように坂道になってくると、配達経費と利益ということになってくると、百八十円は一かんからもらわなければ全然採算がとれない、こう言っている。そのことが、先ほど買いに来てくれている者には値段は守られるのだけれども配達が困るのだと言って、大臣も最近はどうもそういう民情をだいぶん調査して、実態をつかみつつあるので、きょうの答弁は、非常に現実遊離であったというようなことをお気づきになってのお答えだというように私は受け取っておったわけですが、百八十円の利益と配達経費ということになってまいりますと、幾らですか、三百十五円でございますから、四百九十五円でございますか、守られませんね。だからあなたのほうで守れ守れとやかましく言うと、それではしかたがありませんから、通産省の指導だからそういたしますが、灯油にしても、業務用は押えられていないのですから、今度は業務用に――最近業務用に八円の値上げの通告が来ている。そうすると、家庭用に四円、業務用に四円ということで値上げですよ。大体もとを上げてくる。あなたのほうばもう盛んにアピールばかりねらうのですよ。直接店に買いに行くのは消費者なんだから、消費者にこうやっているのだということを宣伝するために盛んにそういうことにばかり音を立てていらっしゃるのですね。零細な中小企業は、もとをがっちり押えられないと、これはどうにもしょうがないですよ。中小企業も生きていかなければなりませんからね。便乗値上げというものは徹底的にこれを押えてもらわなければならないが、同時に、中小零細企業の方々が生きていく道だけは考えなければならない、そのことは、やはりもとを押えることなんだということですよ。もとを押えずして中小企業のそれのみを締め立てるということになりましても、これは抜け道ばかり考える。先ほど具体的なこととして申し上げましたが、業務用はとめられていないんだからといって、業務用を上げる、そして、業務用と家庭用の区別がつかないから、半々と見て、平均してこれを四円ずつ、こういう形に値上げを通告をしている。これは具体的な問題ですよ。
 それから、いま長官は民生用のものは灯油に限らずすべてのものを押えていくのだ、こういうことですが、たとえば船舶用のA重油にしても、四円より十二円五十銭、九月より十三円五十銭、十一月より二十一円の通告がすでに来ております。こういうことで、もとを押えていないのです。これでは話になりません。だからして、その点をひとつはっきりして、もとを押えていくということにしてもらいたいと思うのであります。
 時間がありませんから、資料要求をいたしますが、一九七〇年以降の年度別FOBの輸入価格と運賃及び関税、メーカー価格、卸価格、末端小売り価格、この資料を提出をしていただきたいと思います。そうすると、大体その全部をつかむことができると思います。あなた方もそれをつかんで――もうつかんでおられて、知らぬふりをしておられるのかどうか知りませんけれども、そういうことを押えていかなければいけないと私は思いますから、申し上げて、資料を要求いたしておきます。
 それから最後に、三菱の長崎製鋼所の合理化の問題について、一点お尋ねをいたしておきますが、通産省が行政指導をやって、そしてこの鋳鍛鋼に八千トンのプレスを据える、こういう指導をしておられる。ところが、通産省のこの指導が成功していない、うまくいかなかったということから、会社は赤字になった。そこで、第一次合理化でもって五百余名の配転をした、その際、千三百九十名の存置を会社は労働組合と約束をした。にもかかわらず、この約束を破って第二次合理化では二百五十八名を配転する。ところが配転ということになって、なかなか遠いところに行かなければなりませんから、行けないというので退職をするというような者がふえてきた。二千名おりました労働者がすでに九百名になっておる。今回さらに会社は圧延の工場を閉鎖してしまうというようなことの計画を立てて労働組合に話しましたが、労働組合はこれに反対をする。ところが、従来第一次合理化、第二次合理化とも組合と話し合いをして最終的には意見一致をしてきたわけですけれども、今回は一方的に会社が圧延工場を閉鎖しようとしている。こんなけしからぬことは、私は許されないと思う。ましてや通産省が行政指導をやってきたそうした設備が失敗をしておるという事実等から考えましても、もっと通産省は関心を持って適切な行政指導をしなければならないと思います。
 聞くところによりますと、会社は十一月末に抜き打ち的に閉鎖をしてしまうという考え方を持っているやにも伝えられているわけであります。そのようなでたらめなことを許してはならない。あくまで労使話し合いをやって、一次、二次合理化と同じように今回もまた円満に解決をしなければならないと思います。それらの点に対して、通産省並びに労働省の方針を伺っておきたいと思います。
 先ほどの灯油の問題、その他の価格の問題等に対しましてもお答えがございますればお答えをいたしていただきましょうし、いまの点についてお答えをいただきまして、私の質問を終わります。
○飯塚説明員 ただいまの三菱製鋼の長崎製鋼所の圧延工場の閉鎖の問題につきまして、私からお答え申し上げます。
 長崎製鋼所の合理化につきましては、会社当局がいろいろ検討しておったわけでございますが、十月末におきまして、この圧延工場を閉鎖するという方針をきめて組合側のほうにこれを通告したという事実を私ども承知いたしております。会社側のほうの事情を聞いてみますと、何ぶん圧延機が戦前に設置したものでありまして非常に老朽化しておるために、この圧延工場の経営状態が思わしくない、そのために赤字経営を続けておるので、これを閉鎖したいということのようでありますが、しかし、ただいま先生御指摘のように、第一次、第二次の合理化におきましては組合側と十分な連絡をとりながら配置転換等の問題を相互に打ち合わせをしながら進めておった経緯もございますし、今回十月末の方針を発表いたしまして、それがかりに会社側が一方的にそういうことをやるといたしますと、組合との間の話し合いも円滑に行なわれないことはもちろんでございまして、会社運営にも支障を来たすと私どもは考えておりますが、会社当局に対しましては、御指摘のように、今回の工場閉鎖並びに配置転換については組合と十分な話し合いをして、その話し合いの上に立って計画を進めるようにということで私どもは強く指導をいたすつもりでございます。
○道正説明員 お答えいたします。
 ただいま先生御指摘のように、現在長崎製鋼所に就労しておられる職員の数は九百余名と承知いたしております。会社といたしましては極力解雇という措置は避けまして、配置転換で処理をしたいということでございますが、九百名の職員の中には必ずしも移転の容易でない方々もおられるようでございます。
 いずれにいたしましても、現在労使の話し合いは決裂という事態には立ち至っておりませんで、労使の話し合いが続行中でございます。私どもといたしましては、勤労者の生活に支障を来たさないように、現地の労政当局とも緊密な連絡をとりまして、今後事態の早急かつ円満な解決に努力をしたいと思います。
○中村(重)委員 大臣から、メーカーあるいは元売り価格を押えるということについての方針を明らかにしておいてください。
○中曽根国務大臣 石油危機にからみまして価格を抑制するということは、いま政府の取り組まなければならぬ大問題であります。連日各省を動員して協議しているのもそのためでありまして、そのもとはやはりメーカー、卸売り価格から始めて小売りに至るまでこれを抑制し、あるいは情勢によっては行政指導でこれを指導していく、そういう形が必要であると考えまして、御趣旨に沿って実行いたすつもりであります。
○田中(六)委員長代理 神崎敏雄君。
○神崎委員 委員長に一言申しておきたいのですが、いまわが国の未来と国民の命と暮らしに重大な影響のあり、危機だといわれているようなこの重大な委員会に、常に口では責任政党という自民党の議員が、二十数名も定員があるのに出席者が非常に少ないということは一体どういうことなのか。こういうことを国民が実際に見たら、ほんとうに心の底から怒りをもってきびしく糾弾するであろう。このような状態は一体どういうことかということについて、きびしく私は初めに警告を発して、自後こういうことのないようにしてもらいたい。約束できますか、委員長。あまりにも悪政をやっておるから、恥ずかしくて出てこられないのかどうか、その点はっきりしてもらいたい。
○田中(六)委員長代理 きびしく厳重に通告を発します。
○神崎委員 このようなことは実際国民を侮辱したものであって、責任のとり方に対して私は今後もこれを追及するということを保留して、時間をきめられておりますので、各関係者に申しますが、問題が非常に重要な段階であるし、山積しておりますので、私の聞く項目もある程度数があります。しかし、時間は限定されていますので、私のほうも簡潔に申しますが、答弁もできるだけ簡潔に、丁寧に、明確に答えていただきたい。
 そこで、まず第一に、中東戦争、OAPECの石油供給削減を直接的契機として一斉に石油危機が叫ばれ、石油、石油製品はもとより、あらゆる工業製品にわたる物不足と価格の暴騰を来たしているので、政府も十六日に石油危機緊急対策要綱を閣議決定された。この要綱の検討を中心に石油危機、物不足がなぜ起きたのか、この真の原因は何か、国民の立場に立って解決するにはどうしなければならないのか、この点を明らかにしていきたい。したがって、ここ数日来の新聞論調を見ましても、OAPECの原油供給削減がきわめて強烈なこと及びわが国が自民党政治のもとで石油を燃料、原料とする重化学工業中心の産業構造にされている現実から、この物不足、インフレ問題などまですべてを石油危機問題の中に解消する傾向が見られる。石油危機問題は、物不足やインフレ同様、政府が一貫してとってきたところのいわゆる日米安保条約を柱とした対米従属の政治、経済、外交、なかんずく高度経済成長政策の結果であって、物不足、インフレの原因ではない。この点が真の原因である。ところが、物不足だが、これは石油危機とは関係なく、すでに昨年の秋ごろから大豆、木材、モチ米などなど、買い占め、投機などがあらわれていたのです。これはもう周知のとおりであります。政府は、この重大な問題について、現在の政策や、やっておられる行政上に対しての反省を確認をされるかどうか、これをまず第一に伺いたいと思う。
○中曽根国務大臣 今日の物資の事態が昨年の秋以来のいろいろな物資の状況の上に積み重なって招来されているということは事実でありまして、経済現象は社会現象の一つでありますから、いるいろ相共鳴し、あるいは影響し合って出てきていることも事実であります。しかし、今日当面の問題として起きているものは、やはりOAPECの石油の削減という事態からきておる。それはイギリスにおいて非常事態宣言が行なわれ、アメリカにおいて大統領の声明も行なわれ、あるいはドイツその他において緊急立法が行なわれているということ自体が証明しておるのでありまして、日本においても同様であります。しかし、資源多消費型の日本の場合はほかの国と反応や影響がまた違う趣があるのでありまして、その点についてはわれわれも深く検討をする必要があると思っております。
○神崎委員 先ほどからの答弁でも反省をするということは聞いているのですが、今日こういう事態にきたことについては、いわゆる政府としてやられてきた政治姿勢、行政上、そういうものに対して反省した立場でいま処しておられるのかどうか、これを重ねて伺います。
○中曽根国務大臣 反省を込めて対策を練っておるところであります。
○神崎委員 それでは第二に移ります。
 ドルの導入によるいわゆる過剰流動性と超金融緩和が原因だということは、経済企画庁も九月に出したいわゆる新全総中間報告の中で、土地投機に関してこれを認めておられますね。このことは投機に走った大商社などが横暴をきわめた。さることながら、これは商社の横暴だけではなく、これを行政指導される政府も共同の責任を負うべきだと思いますが、経企庁の次官、確認されますか。
○橋口説明員 ただいま申されましたような事態が進行していることにつきましては、政府としても非常に反省をしているところでございまして、いまその対策を練っているところでございます。
○神崎委員 政府も商社とともにその失政と横暴性を確認された上で対処されていることを認められた、こういうふうに理解します。
 さらに塩ビ、紙不足ですが、これは一体何から起こったと思われますか。
○青木説明員 あるいは通産省から答えるほうが筋かと思いますが、塩ビ及び紙の不足につきましては、塩ビにつきましては、公害問題あるいは事故等によりまして生産が落ちているのにもかかわりませず、需要のほうは設備投資公共投資等非常に強い影響にありましたために、需給のバランスを失しまして価格の高騰を招いたものと考えております。
 それから紙につきましては、一般的には原料不足あるいは生産の伸び悩みに対しまして、やはり需要が非常に強かったということであろうかと存じます。ただ、一部のトイレットペーパーのような商品につきましては、供給が十分あるにもかかわらず、一部の買い急ぎ等が原因であったというふうに聞いております。
○神崎委員 従来は、この種の問題の指摘に対しては、塩ビではエチレンの不足、事故、公害、紙には公害と異常渇水、建築資材には全般的な景気の回復だとか需要の伸びだ、こういうふうに答弁されていたのですが、いまの答弁では少しずれておりますけれども、こういうことを含めて認めておられるのですね。――そこでおじぎだけだったら速記録に残りませんよ。
○青木説明員 私の申しましたこと、若干の違いがあると思いますが、大筋ではそういうことだと思います。
○神崎委員 第三は、いま申しました塩ビ、鋼材、これなどは――ここをよく聞いてもらいたいのですが、これなどは、昨年末までは不況カルテルで政府の保護を受けていた。つくり過ぎて値段が暴落するおそれがあるとして、不況カルテルで昨年末まで保護されていたものです。これが突如として不足してきた。それを政府は、いまも言われたのですが、急激な需要の増大ということで説明をしている。これらに関しては多くの国民は、買い占め、売り惜しみじゃないか、生産調整をしているのではないか、こういう疑惑を持っている。不況カルテルで価格をつり上げ、その上、人為的に物不足をつくり出して不当な高利潤を得ようとしているという、この国民の疑惑をどのように説得される内容をお持ちなのか、これも聞きたい。しかも、これについては経済白書でもいっておりますが、「予想をこえる経済拡大と物価上昇」は、一体何を原因としてそのように経済白書にお書きになっておるのか、これもあわせて聞きたい。
○宮崎説明員 御指摘がございましたように、ことしの経済白書で、急速な経済の拡大のもとで過剰流動性などを背景にいたしまして企業家の先行き価格上昇期待があって、一部に売り惜しみ、買い占め等の行為が見られるということを指摘してございます。これに対しましては、過剰流動性あるいは急速な需要の拡大を鈍化させるために総需要管理政策をとっております。なお、生活関連物資についての買い急ぎ、売り惜しみの法案を用意したわけでございます。
○神崎委員 あんまり歯切れのいい答弁ではないのですが、続いてそれに関連がありますから言いますが、第四に聞きたいのは、この経済白書によりますと、「需要の拡大が公共投資と住宅建設によって主導された」、こういうふうにして「経済急拡大を決定づけたのは、なんといっても民間設備投資が本格的に増加しばじめたことである。」、こういっている。これによると、公共投資は、経済急拡大の要因ではなくて、いかにも適切に行なわれたようでありますけれども、そうではないのです。
 そこで、公共事業関係費ですが、昭和四十五年以降の公共事業関係費の総額、それから予算総額に占める割合、対前年比の伸び率、当初予算べースから見て何%になっておるのか、この三点について大蔵当局から伺いたい。
○藤仲説明員 お答え申し上げます。
 四十五年度以降というお話でございますが、総額につきましては、御案内のように、四十八年度の一般会計公共事業費は約二兆八千億円でございます。四十五年度以降の各年度の当初予算ベースの伸び率を申し上げますと、四十五年度が総額におきまして一六・九%、四十六年度が一八・一%、四十七年度が二九%、四十八年度が三二・二%、かような推移を経ておるわけでございます。
○神崎委員 私がいただいた資料では、四十五年の公共事業費は一兆四千九十九億、予算総額に占める割合は一七・七%、前年比の伸び率は一七・三%、これは四十五年です。四十七年は公共事業費が二兆一千四百八十五億、予算に占める割合が一八・九%、前年比の伸び率二九%。ところが、四十八年になりますと、この事業費が二兆八千四百八億、総予算に占める割合は一九・九%、前年度の対比は三二・二%になっておる。これをお認めになりますか。
○藤仲説明員 そのとおりでございます。
○神崎委員 これを認められたら、いま申しますように四十七年度が二九%増、四十八年度が三二・二%の増、これらは、わが党がそのつど指摘をいたしましたように、これが社会的生産とのバランスを無視した、いわゆる無理やりに需要を急速に拡大させるものであったこと、これが物不足、インフレという国民生活を不安におとしいれるきわめて不幸な形で表面化したのであります。しかも、四十九年度の予算も、高度経済成長政策を一そう促進する十七兆円という大型予算を予定し、さらに二兆六千億の公債発行もしようとしている。これはもう石油危機がなくても、物は不足する、インフレは促進するといわざるを得ない。まして石油危機に直面した現在、政府が長年にわたって続けてきた高度経済成長政策を先ほども反省されたのですが、では日本列島改造などの一連の公共事業計画はどうされるのか、これについてまずお答えを願いたい。
○藤仲説明員 お答えいたします。
 現在四十九年度の予算につきましては鋭意検討中の段階でございまして、その詳細について申し上げることができない段階でございますが、私ども現下の経済情勢、これは御指摘のとおり資材の不足であるとか物価の高騰であるとか、これにまた最近は石油問題というものが加わってまいったわけでございますが、かような情勢を踏まえまして、公共事業関係費につきましては相当の規模の圧縮を行ないたい、かように考えております。
 そこで、いまお尋ねの列島改造関係云々という御質問でございましたが、端的に申し上げまして、私どもといたしましては、公共事業費は、御案内のとおり、ほとんどが五カ年計画というものが組まれておりまして、それに基づいて毎年度の事業費を計上しておるわけでございますが、四十九年度は、先ほど申し上げましたような方針をもちまして予算の編成に当たりますといたしますれば、各五カ年計画について相当進度の調整を行なわなければいけない、それからまた大規模な事業につきましても工程の再調整を行なう必要があるのではなかろうか、かように考えておる段階でございます。
○神崎委員 中曽根大臣、ちょっと聞いておいてください、あなたにあとで聞きますから。日本列島改造は、第一に驚くべき資源の人為的浪費を伴うものである。たとえば一九八五年まであと十年と少しで、七百キロの新幹線を九千キロに、一千キロ余りの高速自動車道路を一万キロにするといいます。物価上昇がないとしても、新幹線は十五兆円、高速自動車道路は九兆円の工事費になると推定される。東名高速自動車道路建設の実積からするならば、あと九千キロ高速自動車道路を建設するためには、セメントが四千五十万トン、鋼材千四百四十万トンが必要となる。これはセメントや形鋼、棒鋼の年産額の半分以上になる。しかも、一九八五年までの自動車道路建設計画の総額は九十九兆円である。高速自動車道路の十倍以上の規模ですから、もし道路、鉄道、港湾、工業地帯、通信、石油パイプライン等々、列島改造事業全体にどんなにばく大な鋼材やその他の資材をぶち込むか、想像を絶する。
 ここで大臣に聞きたいのは、私、最近、毎晩のように大臣のテレビを見させていただいているのですが、始末をしなければいけない、しかも公共事業は、三年で計画しているものを五年に延ばさなければならない、五年計画はあるいは七年にしなければならぬ、こういうお話をいわゆるテレビ画面を通じて国民に言われておる。そうすると、石油危機やいわゆる今日の一般的経済情勢から見て、このような計画は再検討すべきであると私は思うし、あなたがテレビを通じて言われていることは矛盾するとも思う。これについて、三年のところを五年にしなければいけない、五年のところを七年にしなければならない、あるいは本四のいわゆるかけ橋の起工式を延期するとかという現段階ですが、いま読み上げましたような政府の計画についてどういう御意見をお持ちか、閣議などでどのような主張をされようとするか、明確に、テレビだけじゃなしに、ここではっきりとひとつ御見解を示していただきたい。
○中曽根国務大臣 列島改造は田中首相が一つの経綸、ビジョンを示したものであると思って、長期的な一つの遠大な計画として私たちも非常に評価しておるし、日本の将来の進むべき構図についてなかなか卓見が多いと私たち考えております。ただしかし、これを行なうについては一定の前提が要るのであって、経済的与件が現状であるならばと、そういうものがあるのだろうと私は思います。ものごとには事情変更の原則というのが常に随伴しておりますから、今回のような石油危機が世界的に勃発したということは、どちらかといえば不可抗力的な一つの新しい与件であると思って、そういう与件によって現在のいろいろなプランが影響を受け、これが修正されたり弾力性を持たせられて延長されたり、いろいろ調整されるということは当然のことで、政治家というのはそれが仕事であるだろうと思うのです。何も硬直したことを一貫して、その時代の推移や客観情勢の変化にアジャストしないでやるということは、政治家としていささかどうかと思います。したがって、いわゆる「日本列島改造論」というものに書かれたものの内容につきましても、本四架橋というようなものは、いまのような緊迫した経済情勢のもとでは起工式も延期される、あるいは公共事業等についても、下水とか非常に緊要なものについては継続するでしょうけれども、それ以外のものについては、この石油量の削減に伴って総需要をカットしなければならぬというところからしばらくがまんしなければならぬ、そういうアジャストメントは当然行なわれるものであると考えております。
○神崎委員 評論的じゃなしに、いま言った、あなたがテレビでおっしゃっていることに準じて、閣議で、あるいは関係大臣との、特に田中総理に、いわゆる本四架橋も見送るような状態だから、いまこういうような計画は再検討すべきだとか、あるいは時期をもっとずらすべきだとか、こういう意見を発表されたり、言われたりされますか。
○中曽根国務大臣 私がそんなことを言わぬでも、田中首相が事業を繰り延べるとか、三年を五年にしようとか、そういうことを言って、総需要カットをやろうとしておるのであります。
○神崎委員 田中首相が総需要カットをしようともう言っているのですね。
○中曽根国務大臣 閣僚の懇談会でも、党との懇談会においても、事業を引き延ばし、そして総需要カットをやろうと言っております。
○神崎委員 それでは、日本列島改造に関連する課題は、いま言われた総需要をカットされるということを確認いたします。
 そこで問題は、もう一つ角度を変えて伺いますが、先ほどからの質問の中で、大臣も、いまの石油の危機的な状態、世界的な石油の資源が枯渇しているという問題については、そうではないという資料がたくさんあるので、時間があったら反証いたしますけれども、いま当面石油危機だ、これが当面の緊急課題だと言うておられるが、その当面の十一月十三日、石油審議会が開かれているのですね。そこで山口県日本石油精製に十五万八千バーレルの建設を申請している。さらに、新潟の昭和石油の場合でも十万バーレルの増設を認めるように申請をしておる。これらは審議会をもう通過して、答申が通産当局に来ているのかどうか、まだ来ておらないのか、もし来たらこれをどうするのか。十一月十三日です。この時期に十五万八千バーレルやら十万バーレルの増設や新設を審議会にかけ、審議会が開かれ、そこで審議されている、あるいはもう答申されているかもわからない。これについてどうですか。
○山形説明員 石油の精製設備に着きましては、石油業法に基づきまして石油審議会にこれをはかりまして決定することになっておるわけでございますが、今般、いま御指摘のとおり、十一月十三日に法律に基づきまして各社から申請を受けて、それを十三日の石油審議会にかけて一応答申をいただいておるわけでございます。(神崎委員「もう答申したのですか」と呼ぶ)はい。全般的に申し上げまして、こういう石油事情のもとでございますけれども、わが国におきます石油需要をまかなうための必要なる精製設備は今後ともこれを充足するのがたてまえでございます。もちろん時代の進展に応じまして産油国または中間地におきまして精製所をつくっておくという方針は今後とも進むと思いますけれども、現時点におきまして、われわれの判断といたしましては、五十一年及び五十二年度のわが国の精製所の能力を審議会に御決定いただいたわけでございます。先ほど申し上げました産油国における精製所の建設等の動きも、いろいろと構想はございますけれども、少なくとも五十二年度までに完成する計画は現時点ではございませんので、今後における正常なるわが国の成長に即応する精製設備というのは、当然にわが国のところでこれをまかなうように設置しておかなければいかぬじゃないかと思うわけでございます。しかしながら、これをきめますにあたりましては、当然のことながら地元との関係、公害問題等々、いろいろとあるわけでございますが、その辺を十分今後勘案いたしまして処理いたしたい、こう考えるわけでございます。
○神崎委員 もう五十一年、五十二年にこれが稼働するように許可を与えられたのですか。いまの答弁では与えられたのですね。
○山形説明員 明確に申し上げますと、審議会の答申を得て許可はまだおろしてありません。
○神崎委員 おろしてない。
○山形説明員 はい。
○神崎委員 これは通産大臣、通産大臣が事こまかくいわゆる一般にけちけち運動と言われるようなぐらいに言われているときに、原油がこういう現状の中で、将来そういうものの入れものというものはつくらなければならないと思うだろうが、こういう時点にこういうものが、せめて五十一年、五十二年であろうが、一応それを認める、あるいはこういうものの申請をするという、そういう姿勢の問題ですが、これは国民感情としてはいただけない話ですね。したがって、当分こういうものは、いわゆる油の見通しが過去のような状態に復元する、そういう時期までは、許可だとかそういうものは一切私は認めるべきでない。いまあるのだって削減しなければならない。抑制しなければならない。そうでしょう。どうです。
○山形説明員 先ほども申し上げましたように、石油業法におきましては四カ年間の需給計画をつくることに相なっておりまして、それに基づいて必要最小限度の設備につきましてはこれを許可するたてまえになっております。こういうときでございますけれども、一応先の計画をやはり着々と進めておくことば必要だと思うわけでございまして、われわれのほうとしてはそういう方向で進みたいと思いますが、いま、現時点の問題につきましては、先ほど来出ておりましたように総需要抑制の必要も非常に強いわけでございます。民間の設備投資の抑制ということも当然でございますので、これらの着工等につきましては、当然のことながら、いま直ちに着工するようなことはさせないつもりでございます。
○神崎委員 一般論を聞いているのじゃないのです。そういうものが、たとえば一般家庭には石油こんろでも二十度以上にはしなさんなとか、テレビのソケットは入れっぱなしにしなさんなとか、冷蔵庫はあまりあけたり締めたりするなとか、いろいろなことを言ってPRしておって、そして片っ方では十五万八千バーレルあるいは十万バーレル、こういうバーレルの大きないわゆる石油精製のものを、これはあくまでもいまそんなことをやる時期ではないと言い切ってしまうのが当然じゃないかと思うのですが、大臣、どうですか。さいぜんからの続きですからわかっているでしょう。あなたのテレビを見ておったら、あなたは国民が全部協力してくれたらどうだこうだと言って、政治責任を国民全般に総ざんげ的、戦争中の勝つまでは買いませんという式のPRをしているでしょう。そういう段階に十五万八千バーレルだとか、十万バーレルのいわゆる石油精製会社が申請をして、そうして許可をもし与える、あるいは二年先でも、そういうことをやってよろしいというような姿勢を通産当局がいま出せば、国民が受け取る感情はどうなのか。いまこそこういうものは凍結して、従来のように回復するまでは待ってろ、こういう姿勢を通産当局は出すのが常識だと思うのですがね。そうでなかったら、あなた毎晩テレビで言われていることをこれから聞かぬようになりますし、見ぬようになりますよ。
○中曽根国務大臣 昨年は、その石油の増設の問題はやらなかったわけです。一年待たした。それで、ことしは五十一年、五十二年分について、いまのような許可の諮問をしたわけです。それで、大体需要がどの程度あったかというと、申し込みがたしか二百六十万バーレルぐらいあったのです。しかし、それを半分にぶった切りまして、その中でもかなり大きな三万バーレルぐらいは成田空港開設に伴うジェット燃料の鹿島石油の問題もあったわけです。そういう情勢もありまして、日本のいまの灯油の需要にいたしましても、いまのように国民の皆さんからは非常に強い要望があって、ある程度のリザーブは持っていないというと人心に不安も来る。ガソリンにしても同様であります。それで、これからの需要増、それから世界経済の成長、それから日本の製品に対する外国からの非常な需要、ナフサをよこせとかなんとか、東南アジアその他からいまでもきゅうきゅうとしてきております。そういうような様子を考えてみると、その程度のものはいまから手当てをしておいてちょうどしかるべきだ、そういう判断に基づいたものであります。
○神崎委員 それは平常な場合は、それで私は大臣の話はよくわかる。政治をやっていく責任のある立場としては、そういう形の見通しで。しかし、ときあたかもこういうときの十一月十三日に、石油審議会がこういうものを爼上にのせているということなんですよ。いまは、石油審議会などを開いて、こういうものを許可したり、認可したり、あるいは答申したりするような、そういう時期なのか。国民にはあんかの温度まで下げいと言われているのでしょう。二十度以上にはしなさんなと。そういうときにこういうことは許されない。だから当分、これは五十二年でしょうが、現在のいわゆる油の状態が回復するまでは見送る、凍結する、こういう姿勢でいっていただきたい、強く申しておきたい。
 次に、先ほどからも聞いておられたのですが、なぜアラブ諸国が日本に対して石油の輸出規制をやってきたのか、その原因は一体どこにあるのか、これについてお聞きしたい。
○中曽根国務大臣 これはもう先ほど長時間にわたって申し上げた理由で。ございまして、お聞きいただきましたとおりで、きょうはもう十二寿人の方にお答えするので、何回も同じ答弁をすることはできるだけ御容赦願いたいと思うわけでございます。
○神崎委員 各党はそれぞれ党を代表しての質問ですから、そういう右へならえで省略しないで、あなたにとっては答える義務があるのです。私のほうは聞いておるのですからよくわかっておりますよ。だから断わっているのですから、それについてやはりまじめに答えていただきたい。
○中曽根国務大臣 よくおわかりのことでございましょうから、簡略に結論めいたことを申し上げますと、要するに、この前の戦争でアラブが領土を失い、聖地パレスチナを失った、そういう問題から、いわゆるアラブの大義という面から、宗教的な重要性あるいは政治的な重要性というものから、その失地をどうしても回復しなければならぬとアラブ全体が団結して必死の念願で行動を起こしておるのが今日の状態でありまして、それに協力する国と協力しない国と判別して、軍事的に十分でないアラブが石油を武器に使ってきたということは考えられるところであります。
○神崎委員 次に、外務省に聞きますが、中東問題について国連安保理の二四二号、それから三三八、こういう決議がございましたが、これに対して日本政府はどのような態度をとってきたのか、これを聞かしてください。
○中村説明員 安保理決議二四二は、御案内のとおり一九六七年の戦争のあとで採択されたわけでございますが、このときは、日本はたまたま安保理の議長国でもございまして、この決議の成立そのものにたいへんな努力をいたしまして、もちろんこれをサポートいたしたわけでございます。三三八のほうは、二四二に掲げてございますとおりのこの内容をすみやかに全部にわたって履行しろということを中心にいたしまして、同時に両当事者で公正かつ継続的平和樹立のために交渉しろということをうたっておりますわけで、われわれの主張しておりましたところと全く同じでございまして、これを支持しておりますことはあらためて申すまでもないぐらいでございます。
○神崎委員 結局、積極的に支持したということですね。
○中村説明員 そのとおりでございます。
○神崎委員 そこで、政府は対米従属外交によって、アメリカの軍事援助を含むイスラエルヘのてこ入れに同調し、事実上真の中東平和への道を妨害し、アラブ諸国の強い不信を受け、石油の輸入を困難にしている。このような対米追随外交を改めて、中東問題解決の基本的方向として、イスラエル軍がアラブ占領地域から全面撤退すること及びパレスチナ住民の問題を彼らの意思と民族的利益に即して解決することを明確に打ち出すべきであり、その立場から、政府は、直ちにイスラエルに対してアラブ占領地域から即時撤退をするよう要求すべきであると思いますが、どうですか。
○中村説明員 日本の中東問題に対する態度はアメリカとはかなり違っておりまして、たとえば国連総会におきましても中東問題に関する審議が毎年行なわれておりますが、それに対する投票態度自体明白に違っております。わが国は、先ほどのお話のございました安保理決議二四二の内容を盛り込みました国連総会の決議に対しては去年も賛成しておりますが、アメリカはそれに対して棄権しております。また、パレスチナ人の民族自決権を認めるという国連総会の決議が、ことしでもって四回目でございますけれども、国連総会で採択されております。これもわが国は七一年に積極的に支持をいたして、現在まで支持の態度を続けておりますけれども、アメリカはたとえばいまの決議に対しては反対しているというようなことでございまして、日本の態度は決してアメリカ追従ではないわけでございます。
 それから、これからの態度でございますけれども、ただいま申し上げましたように、安保理決議二四二をわが国は支持いたしまして、イスラエルの占領地からの撤退――イスラエルか武力によってアラブの領土を占領していることは絶対反対である、これは撤退すべきであるということは従来から言っているとおりでございまして、その手順については当事国の間で多少の意見の対立もございますけれども、われわれは基本的にはそういう、ただいま申し上げましたような占領地からの撤退を従来からうたっておるとおりでございまして、今後も当然そういう態度を続けて、すみやかにそれが実現するように努力したいと考えているわけでございます。
○神崎委員 別にアメリカには追従してないけれども、たまたまアメリカと同一であると言いたいというふうに言われておると思いますが、先ほど中曽根大臣が、先の質問者に答えられて、アラブ占領地域から即時撤退するように要求すべきだというようなときに、問題はすみやかに要求することであるというようにわれわれも思い、横からそういうことを言ったんですが、この点は、田中内閣の今日の外交政策が転換をされたのか、あるいは中曽根大臣個人のお考えなのか、この点ひとつ明らかにしていただきたい。
○中曽根国務大臣 先ほど言明したことは、中村委員の御質問にも御答弁申し上げているとおり、個人的見解で申し上げたわけです。
○神崎委員 そうすると、田中内閣の外交路線は依然として現在のままで、中曽根通産大臣個人としてアラブ占領地域から即時撤退を要求すべきものであるという考えをここで表明されたということですね。
 次に、石油問題ですが、米軍関係と自衛隊関係についての石油供給量を具体的に数量をあげてひとつ答えてほしい。
 さらに、今回の問題から見て、今日以後の石油供給は、両者にどのように扱っていかれるのか、これも具体的にひとつ発表していただきたい。
○友藤説明員 お答えいたします。
 防衛庁におきます年間の石油購入量及び消費量は、昭和四十七年度の実績で申し上げますと、いずれも六十四万キロリットルでございます。それから米軍からの購入でございますが、昭和四十七年度の実績で約二万九千キロリットルでございます。
○神崎委員 防衛庁は四十七年、そして米軍は四十年の資料しかないんですか。
○友藤説明員 米軍からの購入は四十七年度の資料でございます。
○神崎委員 もう一回伺いますが、米軍にも自衛隊にもこの石油というものは日本政府から供給しているんですね。
○友藤説明員 米軍の購入につきましては、私どもは直接関知いたしておりません。
○神崎委員 自衛隊は。
○友藤説明員 自衛隊は国内から調達をいたしております。
○神崎委員 そこで中曽根大臣に伺いますが、大臣は、いま国民の公平性、こういうことを言われるんですが、抑制するとか始末せいとか言われることのこの範疇、カテゴリーからは、米軍だとか自衛隊は除外するんですか。やはり同じように始末をさすとか供給面を抑制するとか、こういうことを考えておられますか。
○中曽根国務大臣 防衛庁や自衛隊は、ほかと同じ並みにやってもらおうと思っております。一般並みに、つまり削減してもらおう。それから米軍の問題は、これは安保条約との関係がありますから、外務省は折衝しているだろうと思います。たぶん外務省のほうも、米軍は米軍のほうでできるだけ供給してもらいたい、日本はこういうふうに非常に困っているんだという実情を説明しているのではないがと想像いたします。
○神崎委員 これは大臣、別な話ですが、この間ぼくがたまたま沖繩へ行ったときに、いわゆる747のジャンボ機に乗ったんですが、あのジャンボ機の中でアナウンスが――ジャンボ機が満タンにすると、一般のドラムかんの九百三十本を積んであの飛行機が飛ぶんですね。それで、石油のことばっかり頭にあったから、堂々とアナウンスしたものだから、しかもこれは満タンで四万六千七百七十ガロン、これはドラムかんにして九百三十本分です、それは一秒間に十一リットル、一升びんでは約六本です、こう言ってアナウンスをやっておったので、油のことが気になるものだから、ちょうど回ってきたときに、さいぜんあなたがアナウンスした印刷物があったらくれないかと言ったら、印刷物はありませんが、もう暗記しておりますから書きますと言って、沖繩に着くまでに書いてくれた。こまかく書いてサインまでいただいたのですが、あの飛行機が飛ぶのにドラムかん九百三十本詰めるのだ。こんな飛行機を一日一ぺん飛ぶのをとめたらわれわれの家庭で温度二十度以上にしたらいかぬとか、そんなことを言わなくても済むと思うのですが、航空関係はどうしますか。
○中曽根国務大臣 離島便を削減するなという声もいま中村委員からお話がありましたが、沖繩も離れたところでありますが、しかし、これは運輸省のほうがいろいろ飛行便の削減等についても御努力願っておるところであると思います。運輸省のほうにお聞き願いたいと思います。
○神崎委員 運輸省は帰ったかね。
○田中(六)委員長代理 さっき来ておりましたが、帰りました。
○神崎委員 企画庁の次官からそのことを運輸省に言ってくれますか。
○橋口説明員 はい、言っておきます。
○田中(六)委員長代理 いま企画庁の次官が約束しましたから……。
○神崎委員 時間がだいぶ切迫してきたので、通産省から出ておる「石油産業の現状」、少し資料としては古いのですが、この通産省の資料によりますと、日本の石油会社がアメリカ系を中心とした国際石油資本に従属している実態を明らかにしておりますが、第一に、日本の石油会社の資本金総額に対する外国系及び外資提携会社の資本金の割合は四七・八%。第二に、資金的に見ても、日本の石油会社はアメリカを中心とした金融機関、石油資本から膨大な借り入れをしておる。これが二番。第三に、精製能力を見ると、外資系会社は五二・二%、販売シェアは五六・二%。第四に、資金的従属の関係から、原油購入契約によって大幅なひもつき原油を引き受けなければならない実情にあり、たとえば産油国の直販原油を購入したいと考えても、これが障害になっておる。これが第四。第五に、購入価格については、原油購入基本契約によって一方的にきめられる仕組みになっておる。したがって、OPECの値上げ分も自動的に日本に転嫁されてもしかたのないような状態になっておる。第六番に、石油精製をはじめとした技術面でも、情報面でも大きく国際石油資本に依存しています。
 先ほど断わったように、これは四十五年の資料ですけれども、数字は幾らか変わっても、基本的には変わらない。
 このような国際石油資本に従属した状況では、石油を安定的に、安価に供給することはできない。これを改めるつもりがあるのかどうか。特に、石油購入基本契約は公表すべきだ。また、公表する必要がある。そうすると、国民は納得をすることの一つのいわゆる材料にもなる、こう思うのですが、これを公表される用意があるかどうか。
○山形説明員 メジャーズ、特に米系メジャーズが資本力その他、いろいろな点で優位にありますことはいま御指摘のとおりでございます。われわれといたしましては、非常に長い時間かかりまして、いわゆる民族系のウエートを高めるように努力してきたわけでございますが、今後ともその方向は努力したいと思います。
 いま御指摘のメジャーズと日本の企業との間の基本契約の問題でございますが、これは私、努力してみますけれども、公表は非常にむずかしいのではないかと思うわけでございます。この基本契約は、相当こまかい内容が盛られておると思われますが、一方、長期契約的な様相、短期契約的な様相、この辺の利害得失もわれわれいま考えられるわけでございますが、基本的にはこの契約の内容を全部公開するということは企業間の問題でございますので、私は無理ではないかと考えるわけでございます。
○神崎委員 無理だと考えるとかなんとかじゃなしに、こういう非常時的な現状ですから、従来の観念で、あるいは官僚的な、教条的なそういう問題じゃなしに、ひとつ思い切った処置をとって、すべてを明るみにして、現状はこうだから国民これを知ってくれ、こういうことを私はやったほうがいい。したがって、なかなか公表はむずかしいですじゃなしに、公表しなさい。それが国民サイドに立った行政のあり方である。こういうことを申しておいて、最後の質問に入ります。
 これも先ほどおっしゃっていたんですが、石炭問題を考える場合、これと切り離して考えられないのは石炭です。わが国の石炭産業は、石油を中心としたいわゆる対米従属的なエネルギー政策によって、二百億トン近く埋蔵されておるといわれておる石炭を現在放置している。現在の技術によってもなお二百億トンのうち、八十億トンは採炭可能である。かつての年間最大出炭量が五千万トンです。したがって、八十億トンいわゆる採炭可能で、潜在二百億トンといっているのですから、この八十億トンを見ても、数十年間掘り続けられることになる。したがって、石炭第五次対策のワクをはずして、火力発電所燃料、コークス化して、そして原料炭として使う、またガス化するなど、有効利用のために抜本的な対策を急速に実施すべきであると思う。
 さらに、良質で価格の安い北ベトナムのホンゲー炭、これを輸入したらどうか。非常に国民に役立つと思うが、これについては、大臣どうですか。
○中曽根国務大臣 石炭政策をここで見直す必要があるということは、先ほど申し上げましたとおりであります。
 ホンゲー炭を輸入することは歓迎いたします。
○神崎委員 時間が来ましたので、終わります。
○田中(六)委員長代理 近江巳記夫君。
○近江委員 各委員のほうから石油問題につきましていろいろな質問があったわけですが、去る十八日にOPECのウイーン会議で、十二月の五%加重石油供給削減措置をきめたわけですが、まあ日本はその免除措置から除外されることになったわけです。わが国としては、いままで中東政策につきましてフリーハンドという立場で来られたわけですが、結果的にはアラブの産油国のほうから非友好国並みの扱いをされることになったわけであります。
    〔田中(六)委員長代理退席、山田(久)委員長代理着席〕
大臣として、その理由並びにこういう事態をどのように受けとめておられるかについてお伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 まことに遺憾な事態でありまして、世界各国が同じようなことで影響を受けておることでありますが、日本が特に大きな痛手を受けておることにつきましては、深く国民の皆さま方に遺憾の意を表せざるを得ないものでございます。
 しかし、この時点においての最善を尽くして、できるだけ早期に回復していくように、そしてこの不幸な事態がすみやかに終結するように、あらゆる努力を国際的にも国内的にも傾倒してまいりたいと思います。
○近江委員 いま大臣は遺憾ということをおっしゃったわけですが、アラブの言っておることを聞きますと、日本は金も技術もありながら、いままであまり積極的に援助もしてくれなかったとか、根本的な中東に対するそういう理解というものも非常になかったのじゃないか、こういうようなことをしばしば聞くわけでありますが、そういう中身に入っての大臣の御感想をひとつお伺いしたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 先ほど来申し上げましたように、日本がいかに石油に負うて経済成長したか、今後も日本の国の情勢を考えてみると、たとえ省資源に持っていくにせよ、石油というものが非常に重大な要素になってきておる。あるいはさらに発展途上国との経済協力についてもアラブの国々は大事な対象でなければならぬし、いわんやオイルダラーが数百億ドルと蓄積されてきて、これが世界経済を動かしてくるという時点まで考えてみれば、いかにアラブ政策というものがいままで充実していなかったか、われわれのほうの、外交当局やあるいはわれわれ通産当局のやり方について十分でなかったか、そういう反省をしなければならぬと思います。
○近江委員 それで、政府の今後の態度でありますけれども、この十二月の五%の石油供給削減を産油国側が決意したその翌日、EC側ではコペンハーゲンでEC外相会議を開いて、イスラエルの占領地からの撤退を求めておるわけです。これはECの共同宣言を打ち出したわけですが、非常にすばやいそういう政治的な反応を示しておるわけです。こういうことを見ますと、わが国の中東問題に限っては、特にこの国際政治の展開から非常に締め出されて孤立無援の苦境に立たされておるように思うわけですが、今後どのように対処なさっていかれるわけですか。
○中曽根国務大臣 そういう失敗の過程を再び繰り返さないように、迅速果敢な行動を断を下してやらなければならぬと思います。
○近江委員 その断を下すということは、親アラブ政策の発表をされておるわけですけれども、これはいろいろな影響ということも考えられるわけであります。
 それで、この間、通産大臣はキッシンジャー国務長官と会談されたわけですが、大臣は、わが国のそういう主体性の確保のため、独自のそういう対アラブ政策あるいは日米間の調整について意見交換をされたと思うわけですが、そのときの意見交換で、大臣として中東情勢に関しての見通しについてどういうような感触を得られたか。また、このキッシンジャー国務長官として、石油危機で苦しんでおるわが国に対して援助すべき態度を示されたのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 キッシンジャー氏も見通しは持っておるようには見受けられませんでした。しかし、最善の努力はすると言っておりました。
 それからもう一つは何でございましたか……。
○近江委員 いろいろ新聞でも若干のことは報道されておりますが、対中東の問題につきまして、そのほか公表されていない点につきまして大臣からひとつお伺いしたいと思うわけです。
○中曽根国務大臣 公表していないところは言ってはならぬところで公表していないので、ここで申し上げるのはいささかちゅうちょせざるを得ないのであります。ただ、私は資源担当大臣といたしまして、また、日本の産業政策に責任を持つ者といたしまして、計数的に石油の削減が日本の経済にどういう影響を与えておるか、また、時日の経過とともにどういう様相を呈してくるであろうかということを精細に説明して、よく認識をしてもらったと思います。
 それから、日本としても最善の努力をして、しかも、これ以上はかくしなければ生き延びられないという民族的にも重大な段階がくれば、われわれは独自の見解に基づいて自分の、日本の国益を守るために独自の行動をせざるを得ない、そういうことは言っておきました。
○近江委員 それから、政府はたしか二十二日の繰り上げ閣議で政府声明を発表するということを決定したということを聞いておるわけで、米国には通告済みということを言っておるわけですが、いろいろ状況を見てみますと、このアラブ寄りの決定ということにつきましても、極端な点からいけばイスラエルとの断交というような、そういうこともあるわけですが、それはしないと政府は言っておるわけですけれども、日米間の問題等も考えていきますと、この資本というものがやはり非常に米国に根を張っておる、そういう点の影響ということも懸念される。いろんな問題が浮かび上がってくるわけですが、政府はこのアラブ諸国に特使を派遣するということを決定されておるということを聞いておりますが、米国に対してはどういうようになさるわけですか。
○中曽根国務大臣 私は外交当局ではありませんから、そういう対外交渉に関することは関知しておりません。外務省でいろいろ考えておられることだろうと思います。
○近江委員 じゃ、外務省……。
○中村説明員 お話のございましたような新しい政策についてはまだ決定されたものとは伺っておりませんし、常に検討はしているところではございますけれども、決定しているとは承知いたしておりません。もちろん検討するにあたりましては、御指摘のように、アラブ産油国に対すると同様に、アメリカその他に対する面も十分考慮して、なすべきごとは当然であると考えております。
○近江委員 それで、政府はパレスチナ難民救済基金に一億ドルの拠出を決定したということがいわれておるわけですが、いままで、たしか四十八年度は三十五万ドルぐらいじゃなかったかと思うのですけれども、そういう額からしますと、やはり破格の拠出になるわけですね。そうしますと、これがどういう感じを与えるか。日本は困れば金で解決してくるんだ、そうすると何かあれば、日本を困らせれば金を出すんだ、そういうような印象を与えないか、また、どういうお気持ちでされておるのか。もちろんこの救済基金を出すことについては反対でも何でもないのですけれども、そういうような影響についてどういうように把握をなさっているか。また、今後引き続いてこの救済基金を一億ドル、あるいはそれを上回るどの程度の規模で出していかれようとなさっておるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 一億ドル出すという話は、通産省は聞いておりません。
○近江委員 それでは外務省……。
○中村説明員 外務省といたしましても、一億下ル云々の話は承知しておりません。
○近江委員 おっしゃってないことが新聞報道でもされておるわけですが、両省が知らないということであれば、これ以上聞いてもしかたがないと思うわけですが、要するに、一つ一つのそういう打つ手につきましても、やはりあらゆる――そういうことばよく判断をもちろんなさっておるとは思いますけれども、何か日本の外交、特に資源外交ということが問題になってきておるわけですが、やはり非常に不安なものがあるように思うわけです。そういう点、ひとつ国民の目から見て、やはり安心できる、そういう全体の外交を進めていただきたい、このように思うわけであります。
 それで、今回のこの石油問題というものは国民生活に非常に甚大な影響を与えてくるわけであります。それで、特に問題は、国民生活へのそういう影響の問題でありますが、政府としてもそういう対策は発表されておられるわけでありますけれども、しかし中身を見ましても、私はまだまだ具体的に乏しいように思うわけです。そういう点、さらに煮詰めていただくことが非常に大事である、このように思うわけです。
 それで、特に中小企業の問題についてお聞きしたいと思いますが、いろいろな要因が重なりまして、かってないそういうような混乱期にいま入っておるわけであります。中小企業が非常にあおられているわけですが、きょうは経企庁も来られておりますし、景気の見通しについて経企庁とそれから通産大臣に、どういう見通しを立てておられるか、簡潔にお伺いしたいと思います。
○橋口説明員 原油の削減に伴いまして、いま、今年度の成長率はどういうふうになるか、そういうことについて検討を重ねておりますが、いまの見通しではかなりきびしいものになると考えております。また、明年度予算につきましては、石油の供給がどういうふうになるか、もう少しその見通しを通産省と詰めまして、それから考えていきたいと思いますが、いずれにいたしましても、これから需給は非常に逼迫するし、またそれにつれて物価も高騰するのではないかということを懸念いたしまして、万全の対策を講じようとしていま努力を続けておる最中でございます。
○中曽根国務大臣 石油の供給量がどういうふうに変化するか、その予見が非常にまだ不安定でございまして、いまこの四半期後及び来年度にかけての確たる計数を持った御説明を申し上げることができないのをはなはだ残念に存じます。
○近江委員 この要綱を見ましても「中小企業向け物資の需給に与える影響を最小限にとどめるよう早急に所要の措置を検討する。」ということを書いてあるわけですけれども、これはほんとうに抽象論なんですね。具体的に検討する、それじゃ具体的の中身は何かということなんです。
 それで中小企業への影響はどういうように見ておられるか、きょうは長官も来られておりますし、簡潔にひとつポイントをお伺いしたいと思います。
○外山説明員 今般の石油需給の逼迫につきましては、わが国の国民経済にいろいろな大きな影響が及ぶであろうということは予想されます。特に中小企業に対する深刻な影響ということが私どもの立場から見ますと懸念されるわけでございます。そのためにも先般来の閣議決定、次官会議申し合わせといったものにつきましても、中小企業に対する不当なしわ寄せを生じないよう特に配慮するというふうにされでおるわけでございまして、私どもとしましては、これらの線に沿いまして、今後の推移をよく見きわめまして、そしてその配慮の状況をよく見きわめました所要の措置を講じてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○近江委員 それで、影響としていろいろな点が考えられると思うのですが、いまでもそうですけれども、われわれが地方へ帰りますと、とにかく原材料の不足と価格の高騰ということは異常なものがあるわけですね。そういうことで資金力のない中小、零細というものがもう手当てができない、こういうような状態になってきておるわけです。そういう点で、材料の確保あるいは価格の安定という点におきまして、もちろん石油は当然として、たとえば原材料あっせん相談所といったようなものをつくるとか、何らかのやはり――これから考えるというような段階じゃないと私は思うのですよ。その点、具体的に考えておられますか。
○外山説明員 石油につきましても、現在すでに資源エネルギー庁におきましては、場合によりましてはあっせん所の設置を考えるというふうな線は基本的に出しておりまして、そしてそれをどのようなかっこうでやろうかということが今後の検討課題になっておるわけでございます。そのほかの物資につきましても同様の問題があり得るわけでございまして、これは御承知のように、すでに七月ごろからいろいろな物資についてのそういう問題があったわけでございます。その辺のあっせん状況等も見まして、今後も必要があればそういった措置を継続してまいり、そして原材料の入手等につきまして不当なしわが寄らないように私どもとしてはできるだけの措置を講じてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○近江委員 まだ答弁は非常に抽象的であると思います。私いま申し上げたように、もう緊急の状態にいま入っているわけですから、今後考えますというようなことではおそいと思うのですよ。その点すばやくそういう具体策を設けていただかなければならぬと思うのです。
 それから親企業の生産等の縮小による関連下請企業への影響の問題ですけれども、これについてはどう考えておりますか。
○外山説明員 毎年金融の逼迫時におきましては下請企業へのしわ寄せということがいつも懸念されるわけでございまして、今般も公正取引委員会と共同いたしまして通達を出しまして、親事業者にそういった面での下請代金支払遅延等防止法上の指導ということを私どもとしてはしたいということで通達を用意しているところでございます。
 なお、今回の石油の問題等に関連いたしまして、物資の不足問題がいま御指摘のように下請に対するしわ寄せということをもっとよけいに起こしがちであるという認識に立ちまして、御承知の下請振興基準といったことの指導につきましても一そう的確な指導ができますように実情もつかみ、かつ適切な指導ができますように関係の向きに通達を出しましてそういった指導を強めてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○近江委員 この下請代金支払遅延等防止法がざる法であることは、もういままで何回も委員会でも明らかになってきておるわけです。実際親企業にぶら下がっておる中小企業が訴えていくことは少ないわけですね。あとカットされてしまう。そういったような点において、ただ通達というような、そんなことでこれはいけますか。そういう点において真剣にこの中小、零細を守るという点におきまして、法律もあるわけですから、それに基づいて、全国に通産局もあるわけですから、そういうように調査に抜き打ち的に入るとか、そういうようなことを考えておりますか。そうでないと、こんな法律は動きませんよ。実態調査をやりますか。
○外山説明員 現在公正取引委員会と共同で出す親事業者団体あての通達におきましても、下請代金支払遅延等防止法の強力な運用によりまして、下請代金の支払いの適正化等につとめていくこととしまして、この違反の親事業者に対しては、勧告とか公表といった等の所要の措置を積極的に講じていくということを親事業者にも伝えてあります。
○近江委員 それで、それを具体的にやるために待ちかまえておるようなことではだめだと私は言うんですよ。そういう強制調査のような形でこれは入っていきますか。そういうような発動をしないとできませんよ。これをやりますか。
○外山説明員 公正取引委員会とも相談をいたしまして、御要望の趣旨に沿った運用をいたしたい、こう考える次第でございます。
○近江委員 それで、倒産の状況を見ましても、非常にウナギ登りできておるわけです。年末あるいは来年の三月、こういう点が非常に私、山だと思うのですが、こういう点におきまして、金融、税制、労務上の特別措置等が当然考えられるわけでありますけれども、たとえば年末金融として三千四百二十億円の財投の追加がされたわけでありますが、昨年は千九百五十億、そういう点からいけば上積みであるということはわかるわけですけれども、それじゃ、そういう現在の倒産状況から見てそういう算定の根拠というものは一体何であるかということなんです。また私は、かつて中曽根通産大臣が中小企業の全国大会でも四千五百億は確保する――確かにむずかしいこともわかるわけですけれども、そういうことも、いま非常に金融の逼迫という点から考えてまた強烈に思い返されるわけでありますけれども、何もこれは三千四百二十億きめたから、これでいかなければならぬということはないわけです。現状というものはさらに逼迫しておるわけです。ですから、最近の政府系の金融機関を見ましても申し込みが殺到ですよ。ところが、全然足らないというような状況になっておるわけです。そういう点で、上積みという点については強力に私は考えるべきであると思うのです。この点についてはどのように長官お考えですか。
○外山説明員 ただいまもお話がございましたように、ことしは年末金融につきましていつもより大幅の、かつ早期に決定をいたしまして、すでに三機関に対して通達をしているわけでございます。もちろんただいま御指摘のような算定の根拠といったものが正確にあるわけではございませんが、やはり申し込みの状況といったものを十分勘案いたしまして、いつもよりは大幅な増加をしたわけでございますが、同時に、運用にあたりましても緊急の需要というものをよく見きわめまして、そうして短期の運転資金といったものが中心になりがちでございますが、そういったことに重点を置いた配慮ということを運用上もしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
 いま申しましたような状況で、例年になく大幅な増加はいたしましたものの、その後に加わりましたいろいろな情勢の変化もございます。今後の状況をよく見きわめたいと思いますが、同時に中小企業への配慮ということを今後もいろいろな物資不足に対してもやることになっております。その辺の状況も見まして、必要があればさらに金融上の配慮もしなければならない。そういう時期もあるいは来るかもしれませんが、もう少しいまの年末追加のワクの使用状況あるいは情勢の変化、こういったことを十分に見きわめまして、今後も適時適切な手が打てるように私どもも不断の注意をしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○近江委員 それで、この金融事情が悪化してきますと歩積み両建ての問題がまた出てくるわけです。これは何回も民間の金融機関等にも通達は出されておるわけですが、現状はやはりそれが非常に顕著になってきておるわけです。ですから、これは、政府が実際に通達をやっておったって聞かないわけですよ。そういう現状をどのようにするかということなんです。それについてひとつお聞きしたいということです。
 それから特に政府系の金融機関ですが、貸し付け限度の引き上げをはかるということと、金利の引き下げですね。それからさらに、現在借りておる分につきまして、それは繰り延べる。だからこういう状況になってきますと、なかなか返済がたいへんなんですね。もちろんそれは返すのがあたりまえのことですけれども、新規に貸してもらうことよりもしばらく猶予をしてもらえないかという声も非常に強いわけです。そういう点についてどう考えておられるか。
 それから信用補完制度、これの拡充をしてもらいたいという声が非常に強いわけです。この点についてはどう考えておられるか、まとめてお伺いしたいと思うのです。
○外山説明員 まず第一点の歩積み両建ての問題でございますが、最近の状況は、十一月の状況が近く出ることになっております。その辺の状況をよく見きわめまして、先ほど御答弁申し上げましたように、歩積み両建ての問題が中小企業金融の上で著しい事態になっているとすればたいへんなことでございますので、この辺は大蔵省あるいは公正取引委員会とも相談をいたしまして、この是正のための努力を払ってまいりたい、こう思います。状況のいかんをもう少し最近の情勢を調べまして、その上で手を打ちたい、こう考える次第でございます。
 それから貸し付け限度の引き上げにつきましては、状況に応じましていままでも逐次上げてまいりました。来年度の要求におきましても必要な向きについてはその辺の要求をしているところでございます。
 それから金利の引き下げでございますが、これは最近は貸し出し資金コストが非常に上がってまいりまして、政府系三機関といえども、たとえば商工中金につきましては債券の金利が上がっているということから、あるいは政府系機関につきましても財投のコストが上がっているというふうなことから、最近引き上げがはかられたばかりでございます。しかし、私どもといたしましては、機会を見てまた引き下げへの努力を払いたい、こう考える次第でございます。
 それから債務の繰り延べの問題でございますが、これはやはりケース・バイ・ケースに応じまして、三機関は具体的な事情ごとにそういう配慮をするようにということを、特に最近のように原材料問題にからんで特別の資金問題が起こっているというふうな事態もございますので、これは先般八月ごろからそういった趣旨の指導を三機関についてはしているところでございます。
○近江委員 特に物価の問題ですけれども、OECDの発表によりますと、物価上昇で世界一ということが出ておるわけです。ほんとうに異常なことだと私は思うのです。
 それで、たとえばこの前に大阪でトイレットペーパーのあの事件があったわけですね。政府としても緊急輸送ということで、若干おさまったように思うわけですが、これは全国にまた飛び火してきているわけです。そういうことを考えていきますと、最近は、洗剤、石けん、それから塩、砂糖、もう日用品のなくてはならぬもの全部にこれが浸透してきておるわけです。もうほんとうにパニック状態がどんどん起きておるわけです。皆さんもそういうことについてはお聞きであろうかと思いますが、要するに、あるといっても現実にもうないじゃないか。いまそういう政府の情報というものを信用していないわけですよ。要するに、店頭に積まなければ信用しないような空気にいまなってきておる。こういう異常な状態に対して、政府は一体どうなさるのですか。それについて経企庁の橋口政務次官と通産大臣にお伺いしたいと思うのです。
○橋口説明員 ただいまおっしゃいましたように、いろいろな物資が各地域ごとにあがっております。これは政府がたびたび言っておりますように、需給は一応見合っていると思うのですが、地域ごとに買いあさりがある。いろいろとロコミとか、あるいはその他で流言飛語が飛ぶと主婦らはすぐ飛びついて買いに回る、そういう傾向が見られるのでございまして、そのたびに政府としてもできるだけ情報を提供するし、また、必要なものは緊急輸送するようにして事態の解決をはかっておるのでございますが、いまのような状況を見ておりますと、今後もたびたびそういうような状態が出るのではないかということを非常に心配をいたしております。
 それで、できますならば、生活必需物資につきましては絶えず情報をもう少し政府が的確に流す。現在でも経済企画庁あるいは通産省、農林省共同いたしまして、そういう情報は提供しておりますけれども、末端まではなかなか行き届いていない。また、いま仰せのように、政府の見通しがなかなか思うとおりいきませんので、民衆がそれを信用しないという点もございます。そういう点では、今回のこの原油の削減に伴ってどうしても需給がいよいよ逼迫してまいりますから、これにつきましては、今度の石油緊急対策要綱にもございますように、総需要対策、それから物価対策をひとつこれから練り直してみよう、そういうことでいま取り組んでおる最中でございまして、政府みずからも、先ほどから話がございましたように、長期の公共投資については見直しをするとか、繰り延べをする、あるいは金融引き締めをさらに堅持していくとか、あるいは民間の設備投資あるいは民間の不要の建築等につきましては、これをできるだけ押えていく、こういうような総合的対策も講じますが、同時に、民衆の皆さん方も、どうしてもやはりこういうような買い急ぎ、買いだめをしないように切に協力をお願いしたい。そういうことで政府も民間も企業体も一緒になってこの物価戦争に取り組んでいかなくてはならない。そういうことで、この石油緊急対策要綱と同時に新しい物価対策をいま練っておる最中でございまして、何とかしてひとつこの危機を突破しなくてはならない。そういうことで全力をあげておる最中でございます。
○中曽根国務大臣 橋口政務次官が申したとおりでございまして、ともかく事態は非常に重要な段階で、大企業に対するカットがさまざまな形で中小企業に乱反射してまいりまして、一カ所に起こる渋滞が、ちょうど高速道路の自動車の渋滞みたいにいろいろな方面に響いていくという、そういうことを予想いたしまして、ともかく機動的に対処できる体系をつくっておきたいと思っております。
○近江委員 今日のこの異常な状態は、もうほんとに戦後の混乱期を除きまして最高のものであると私は思うのです。これはもう完全なインフレであると思うのです。その辺の認識につきまして、政務次官と大臣はどのようにお考えですか。
○橋口説明員 インフレという定義にはいろいろと問題もございますが、海外でいうインフレと日本でいういわゆるインフレとは、多少感触が違うように思います。物価高騰ということばを英語に直せばインフレーションでございますが、日本ではインフレといえば悪性インフレをやや意味するような感じがいたしますので、政府としても、労働生産性が賃金を上回っている、そういうような状況のもとでは、まだ悪性インフレとは言い得ないという判断のもとに、あまりインフレということばを使っていないのでございます。しかし、ことばの使い方は別にいたしましても、実態を見れば明らかに、この物価全体が持続的に、しかも加速度的に上昇しつつあるわけでございますから、これは非常に警戒をしなければならない現象であるかと考えておる次第でございまして、政府はこの現実を認識いたしまして、特に今度のように原油の削減によって今後基幹産業から末端の生活必需物資に至るまで需給が逼迫するおそれがある場合には、特にそういう点に認識を新たにいたしまして、そして真剣にこの対策に取り組まなければならない。こう考えておる次第でございます。
○中曽根国務大臣 先ほど申し上げましたように、インフレの定義によると思いますが、いまの状況を見ますと、やはり人心の状況等も見まして、物資不足の予測からくる一種のインフレの過程に入りつつある、そういうように認識しております。
○近江委員 最近のこういう新聞を見ておりましてもテレビを見ておりましても、ほんとうに背筋が寒くなるようなことばかりなんですね。民営バスの値上げ、都内の九社平均二五%申請であるとか、郵便値上げの答申、牛乳が一本四十円であるとか、あるいは建材が暴騰して経営者が自殺しておるとか、砂糖の暴騰であるとか、もうこれはまさしく異常としか言いようがないわけであります。ここで政府としても思い切った対策をとる必要が私はあると思うのです。もう抽象論では済まぬと思うのですね。たとえば郵便料金であるとか、こういうような公共料金につきましては一定期間凍結をする、もう絶対に上げない、まず政府がそれだけの決意を固めて対処していく、そういう姿勢がないと私はだめだと思うのです。この点についてはどうお考えですか。
○橋口説明員 公共料金を凍結するということは、これは皆さん方の切実な御希望であろうかと思いますが、これにも幾種類もございまして、御承知のように、国鉄とかあるいは郵便料金というように政府が財政負担によってその値上げを防止することができるものと、それから電力やガスあるいは航空運賃のように政府が財政援助がたてまえ上できない、そういうようなものとございます。そういうものについてこれを凍結してしまって、しかもそれは政府が何も援助ができないということになれば、その企業体自体がどうしても赤字経営になって、そうしてサービスは低下する、経営施設は荒廃するという懸念がございますので、いままでのところでは、最低限度審査いたしまして、限度のぎりぎりまでは押え込む、そういう方針でおります。
 また、政府の財政負担ができるものにつきましては、今回きめました消費者米価でも見られますように、できるだけ政府はめんどうを見ようということでございますが、財政力にも限度がございますので、米の場合には、当初の要求は一九・五ぐらいでございましたのを今回は九・八%くらいまで押え込むといような努力を続けておるのでございますが、今後予想されますそういうような公共料金につきましては、今後さらに一そうきびしい態度で臨みたい、こう考えておる次第でございます。
○近江委員 物統令が適用されるということはまだ政府は決定しておらないわけですが、こういううわさが流れた。あるいは国民経済生活安定法案、これは仮称ということになっておるわけですが、提出される。こういうことで、かけ込みの値上げがもう続いておるわけです。これも何%という単位じゃなくして何十%という上昇なんですね。こういうばかげたことが行なわれておる。原材料が上がっておるからしかたがないじゃないかと何らかの口実を設けてそういう値上げをやってきておるわけです。こういうようなかけ込みの値上げをこのまま放置していいのですか。政府としては、こういうことをそのままじっと見ておられるわけですか。これはどうなさるのですか。お聞かせいただきたい。
○橋口説明員 確かに近江先生がお話しになりますように物統令が発動されるのではないか、そのためにかけ込みの値上げが行なわれているように聞いておりますが、これははなはだ政府としては不本意なことでございまして、物価統制令を適用するということは、あれば御承知のように戦後の異常事態に対処してできた法律で、しかも物資統制と並行して行なうのがたてまえになっておりますから、これを発動するということは政府としてはいまのところ控えておるわけでございまして、そのかわり今回の石油対策の緊急要綱でもきめられましたように、新しい経済安定法というようなものを制定いたしまして、その中でひとつこれを規制できるようにしよう、こういうたてまえで臨んでおります。非常に緊急の事態で、しかも事は迅速を要するのに時間がかかるのはほんとうに申しわけないと思いますけれども、しかしあまりにも法的な発動をすることは、いまのこの経済体制のもとではどうかと考えておりまして、その範囲においてできる限りの努力をしたい、こう考えておる次第でございます。
○近江委員 こういう新法をつくるといっても、今度の通常国会に出るといったって、審議を衆参でやって期間がかかるわけですよ。いまどんどんこういう便乗値上げが続いているわけですよ。これについて、政府としては、法案ができるまでば指をくわえて見ておられるわけですか。それに対して政府としてどういうように対処なさるのですか。そういういいかげんな態度では許せませんよ。
○橋口説明員 決して指をくわえて見ておるわけではございません。ただ、やたらに法的な規制をするということに問題があると考えまして、できるならば現在のまず供給力をふやす、また総需要も抑制していく、そして一般の消費者の方々にもできるだけ現状を認識していただいて、そして買いだめや買い急ぎをしていただかないように、こういう行政指導でしばらく乗り切っていって、できますならば、この次は皆さま方の御努力を得ましてその法案がなるべく早目に成立するように、それをお願い申し上げる次第でございます。
○近江委員 行政指導で乗り切るなら、ではどういう行政指導をなさるのですか。政府として国民に責任を持っておられるなら、それは少々の強権であっても、行き過ぎのようなことであっても、国民はみなこれに拍手かっさいしますよ。それじゃいま便乗値上げをどんどんやっておるところについて、どういう行政指導をしておられるのですか。公取委員長もお見えになっておりますし、通産大臣にもひとつお伺いしたいと思います。どうなさいますか。
○中曽根国務大臣 これは灯油やその他についてはいま業界の団体と話し合いをしまして、当方の要望を受け入れて行政が介入して価格を維持するような方向で協力を願っておるわけで、こういうものを広げていきたいと思っておるわけです。とりあえず法律ができるまではそういう権限がございませんから、行政官庁の介入という形で進めていきたいと思っております。
○高橋説明員 公正取引委員会の権限から申しますと、残念ながらそのいわゆる便乗値上げでありましても、それが協定に基づくのだという証拠が把握できないと、それを打ち破ることができない。しかし、私どもとしては、何かこう非常に明らかに便乗値上げのようなものが石油関係の中間製品などについて見られるということについて、たいへんまあ露骨であり、かつそれは本来何らかの手段で反省を求めて、急激な値上げにならないように指導があってもしかるべきだし、それは法的根拠はないでしょうけれども、あまり国民から明白にそういう便乗と認められるものについては――現在は法律はございませんから、その点では物統令もそう簡単に発動できない性質のものであるようであります。これは法制当局の見解でありますので、法的な措置としては非常にむずかしい問題だと思いますが、まあ強い行政指導が加えられるならばけっこうです。しかし、私ども残念ながらそういう業者を呼びつけて下げろという指示は、ちょっといたしかねるという立場にございます。
○近江委員 それじゃ、この行政指導の問題につきまして、中心は経企庁がとられるわけでありますので、これはひとつ閣議にもあげてもらうとか、緊急に強力な行政指導をしていただくようにはかっていただけますね、橋口政務次官にお伺いします。
○橋口説明員 御期待に沿うように努力をいたします。
○近江委員 それから、この投機防止法ですけれども、現実にいまでも買い占めはあるわけですよ。この買い占めの段階というものは、これはインフレマインドというものが浸透しまして、あらゆる段階で行なわれてきておる。したがって、この投機防止法というものをもっと強化しなければいかぬと思うのです。ですから、それを単なる勧告であるとか公表であるとか、そういう段階では私はないと思う。ですから、この点、この投機防止法の改正について、どのようにお考えになっておられるかということが一点であります。
 それから、時間の関係で続けて申し上げますが、この独禁法のこういう問題につきまして、実際いまも公取委員長は、こういう便乗かけ込み、便乗問題についても何ら独禁法上からはできないというようなお話もあったわけです。この独禁法の強化につきましては、こういう状況になってきますと、当然やみカルテルの横行であるとか、いろいろなことがあるわけですが、これだって、はっきりとした証拠がないとだめだ、いつもそういう状態なんです。ですから、状況証拠主義の採用であるとか、あるいはそのカルテルの排除命令を出したとしても、値段がつり上がったらそのままである、じゃ、もとのところまで戻せという命令権もない、こういうことではどうしようもないと思うのです。あるいは企業にしても、非常に巨大化してきて寡占価格を維持しておる、こういうことについては企業の分割ということも考えていかなければならぬ、いろんな問題点が浮かび上がってきておるわけです。この辺につきまして、独禁法の強化、改正につきまして、公取委員長は研究会等も発足させるということも聞いておりますけれども、公取委員長として、具体的にどういう方向の中身を持った改正ということを希望なさっておるのか、その点についてお伺いしたいと思うのです。これは橋口政務次官と、それから公取委員長に伺います。
○橋口説明員 買い占め売り惜しみ等の防止法につきましては、最初十四品目を一応指定しておりましたが、その後の状況によりまして、灯油、紙類、こういうのを追加いたしまして、きのうの閣議でさらに石油製品関係、大体五種類を追加いたしました。合計二十四品目でございますが、必要によりましては、今後さらにこれを追加指定していきたい、こう考えております。
 ただ、問題は、いまおっしゃいましたように、この法律は強い罰則がございません。それで、迫力に乏しい法律のように思われておりますが、この法律ができましてから、その法律の存在すること自体によっても非常に効果があるのではないかと考えております。しかし、どうしてもこういうような事態になってまいりますと、必要があれば罰則もつけ加えることが必要ではないか、こう考えておりますが、それを今度の投機防止法の改正案として出したほうがいいのであるか、それとも今回出します仮称の国民経済及び国民生活安定法でございますが、その中に織り込んだほうがいいのか、そういうような立法技術につきましては、いま検討中でございまして、できるだけこの取り締まりが効果を発揮するように努力をするつもりでございます。
○高橋説明員 独占禁止法の欠陥といいますか、そういうことに対する御指摘は、私はその点、同感でございます。したがいまして、前からその点は考えておるのですが、たとえば、寡占対策として企業分割をも考えるという点になりますと、それから状況証拠で処断する、これは行政処分でありますが、排除命令というのは行政処分でありますけれども、その裏には、それに応じなかった場合とかその他に、刑罰をもするということになっている点に、これが非常に問題があるわけです。ですから、排除処分だけでございまして行政処分の段階にとどまるのであれば、これは状況証拠をかなり大幅に活用することによって、早く、しかも見ただけで外観的にはカルテルと思われるというふうなものは早く排除するということが大切であって、時期おくれになって、しかも証拠もつかめないということでは役に立たない場合がある。そういう点につきまして、いろいろ専門的な、法律的な見解を煮詰めることがたいへん大切なことでございますので、専門家を十名、あるいはちょっとふえますが、その程度呼びまして、人選を終わり次第、来月からでもその研究をしていただく。できるだけ早く結論を出していただいて「法律改正を要するということであればそちらのほうへ私どもは持っていきたい。そのほかにも独禁法上問題がございますが、いまおっしゃられた三点等につきましては、特に私どもは力を注いで、なるべくそういう方向に持っていきたい。しかし専門家の御意見を承りませんと、われわれが独善的に法律をひん曲げることになりますから、その点は十分注意してまいりたいと考えております。
○近江委員 もう時間がありませんから終わりますが、最後に一言だけ申し上げておきたいと思うのですが、ほんとうに政府が運用の点におきましてそれに力を入れてやらないと、幾ら指定品目をふやしてもだめであるということを特に申し上げておきます。ですから、いままで何項目について政府としてはほんとうにそれだけの調査、そういうことを具体的に発動したかという問題になってきますと、これは時間があればもっとやりたいところですけれども、これでやめますけれども、その点、指定品目をふやしただけであってはだめだということだけを特に申し上げておきます。運用を強化していただきたい。
 以上を申し上げて、私の質問を終わります。
○山田(久)委員長代理 渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 時間の関係もありますから、私は灯油の問題にしぼって御質問をしたいと思います。
 最初に大臣にお伺いをしますけれども、十月の二十三日、先月のこの商工委員会におきまして、大臣は、灯油については十八リットル、いわゆる一かん当たり四百円以上にはさせない、これで押える、もしそれ以上になるようなことであれば強力な措置をとりたい、こういうふうにきわめて明確な態度を表明されたわけであります。この大臣の考え方というものは今日も変わっておらないかどうか、この点をまず最初にお伺いをしたいと思います。
○中曽根国務大臣 変わっておりません。全力を尽くしてやっていきたいと思います。
○渡辺(三)委員 大臣は先ほど午前中の御答弁の中で、現在通産省が調査をしておられる実態といいますか、その把握として、大体三百円台が六〇%ぐらい、それから四百円台が四〇%ぐらいになっておると思われる、こういうふうな答弁があったわけであります。
 これはあとで申し上げたいと思いますが、若干必ずしもいまの実態をあらわしていないのではないかというふうに私は思うのでありますけれども、これは通産省の調査によるものか、どういうお調べをなさったのか、お伺いしたいと思います。
○山形説明員 若干数字が違うかもしれませんですけれども、私のほうの五百五十人、千五百軒の調査というモニター調査によりますと、これは十月の半ばでございますので、その後猛烈に情勢が違っておると思いますが、全国平均で十八リットルかんで四百十円ということに相なっております。
 この資料に即して申し上げますと、三百円台が一つでございます。ただし、四百円または四百一円というふうに四百円台といいますか、三百円に非常に近いほうのものも入れますと、その比率は相当上がるわけでございまして、中には四百六十五円というのも入っておるわけでございまして、大臣の答弁もその辺を踏まえて御発言なさったんではないかと考えるわけでございます。
○渡辺(三)委員 いまちょっと自信のないような答弁をされたわけですけれども、これは私どもも必ずしも全国を正確に全部調べたわけではございません。しかし、この間きわめて大きな不安と不満が消費者の中から出ておりますから、私もできる限り内容を調べております。それによりますと、先ほど大臣が言われたような、あるいはいま長官が言われたような実態にはなっておらないと思うのですよ。三百円台というのは、わずかに農協関係、それから生協の一部、ほとんどこれだけです。しかも、生協の場合には、大体六月に手当てをして、そこでもう価格をおそくとも八月ないしは九月までにきめておるというのが例年の実情なんです。ところが、今回の場合には、いまでも価格がきまらないまま、いかにして量を確保するか、これだけでもう精一ぱいの折衝が続けられておるというのが現状であります。ですから、市販の小売りに行きますと、大体四百五十円というのがおよそのいま相場になっておる、こういうふうに私どもは見ておるわけであります。
 それから、通産省自身が発表をしておりますというか、新聞でも書かれておりますが、私がいまここに持っておるのは大阪の状況一覧ですけれども、これで見ますと、四百五十円、六十円、これが大部分です。わずかに三百八十九円というのが徳島の場合、これは新聞記事でありますけれども、そう出ておりますが、あとは大阪の通産局で調べた分では、全部四百円以上、こういうふうになっておるわけです。これは通産局の発表でそういうふうになっているんですよ。私どもの先ほど来言っておりますようなこの調査の内容によれば、ほとんど四百円をこしておる、あるいはほとんどの生協なんかではまだ価格の契約ができないで、業者の話によれば、大体四百二、三十円から、場合によっては五百円になるかもしれないというような、そういう話の中で量の契約だけをしなければならないという、きわめて深刻な状態になっておるわけです。そういった点から考えますと、大臣はせっかく明確な答弁をこの前もなさったし、いまもされておるわけでありますから、四百円以上になる、あるいはなっておる、こういうふうな実態を踏まえての強力な行政措置を直ちにやっていただかないと、たいへんな不安が残るのではないか、こういうふうに考えます。その点再度、ひとつ決意といいますか、考え方をお述べいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 私が申し上げた数字は少し前の数字で、私が教えられたところでは三百円台が六〇%、四百円台が四〇%で、しかも四百円台の中で四百円から四百十円までは非常に少ない。四百円台になったものは五十円前後が非常に多い、そういうふうな報告を受けました。おそらく少し前の数字であったのかもしれません。
 もう一つは、運賃の問題がばらばらになっておるわけです。店頭で売って容器を持ってくる場合には三百円台がまだ非常に多いんです。しかし、運賃まで含めて山の中まで届けるという形になると四百五十円というものもかなり多いわけです。運賃が一体どれくらいしているかというのを調べさしてみると、平均五十円くらいみているのではないかと思われる。そういう点で見ると、運賃を入れるというと、運賃込みの場合は、一応いま業者から調べたのでは四百十円から四百二十円くらいになる可能性があるのではないか。そういうわけで、裸で売るか、店頭で売るか、運賃込みか、そういう点で統計がかなりまちまちのものがあるようなので、いろいろな間違った、あるいは錯誤されたと思われるような数字も出てきておるわけです。いずれにせよ、三百円台を維持しておくということは非常に苦しい状態になっておることはよく知っております。
○渡辺(三)委員 数字の出し方は、いま確かに大臣のおっしゃるような点はあると思うのです。あると思いますけれども、灯油の場合に、例年、たとえば去年まで、あるいはことしの春まで契約をされておった価格、その形態、たとえば運搬も含めて、それを基準にして四百円以上になるのか、あるいは三百円台で押えられるのか、こういうふうな問題が私は肝心だと思うのです。ですから、いま大臣がおっしゃったように、いろいろなケースはあると思いますけれども、去年ないしはことしの春を基準にして価格が四百円以上になる、こういうふうな場合には、やはり通産省として、大臣の決意にもありましたように、これは明確な行政措置をとっていただきたい、こういうふうに思うのであります。ですから、そういう点でひとつ大臣の御答弁をいただきたい、こう申し上げているわけです。
○中曽根国務大臣 いまも資源エネルギー庁におきまして、全石商連その他メーカー等も含めまして、懸命な話し合いをやらしておりまして、四百円台にならないように、三百円台を維持するように努力しておるところであります。
○渡辺(三)委員 資源エネルギー庁を中心にして、いろいろ業界との話し合いということはわかりますけれども、しかし私ども、あるいはまた一般の国民の皆さんが非常に期待をしておりますのは、その具体的な措置、そしてまたその措置によって効果があらわれる、価格の点も安定して国民に供給される、このことを一番具体的に望んでいるわけでありますから、そういう意味で、もしいま行政措置について考慮をされている最中であるとするならば、その基本的な考え方なり、そういうものを明らかにしていただきながら、効果のあるような措置をぜひともお願いしたい。これは強力にそういう措置をしていただきたい、このように思っているわけです。
 そこで、関連をして経企庁にもお聞きをしたいと思うのですけれども、きょうは物価局長がお見えになっておりませんから次官にお伺いするわけですが、この値段の推移というものをどのように把握をされ、そしてこれに対して経企庁としてどういう手を打とうとしておられるのか、この点があれば具体的にお示しをいただきたいと思うのです。
○橋口説明員 灯油につきましては、ただいま通産省から詳しく御説明がありましたように、三百円台から最近は四百円台に上がっているようであります。私もことしの冬初めて灯油をきのう一かん買い求めてみましたところが、四百五十円いたします。これは都内の杉並でございますが、それくらい上がっているようでは、これは非常に困った現象である、そういうことを痛感しておるところでございます。全国的に言いましても、われわれのほうの調査によりますと、高いところは、運送賃が地方に行くほどかかりますから、地方のほうではかえって五百円ぐらいするところがあるようでございます。そういうことで、どうしてもこれは値段を下げる必要がある、そういうことで、通産省が物資の担当省でございますから、通産省と緊密に連携をとって、そしていま大臣からもお話がありましたような措置をとっていただくようにお願いをしておるところでございます。私どものところは特に消費者の利益を擁護することを任務としておりますので、強く通産省にも今後ともお願いをするつもりでございます。
○渡辺(三)委員 いまいみじくも次官は、自分でお買いになった値段を非常に正確に言われたわけであります。大体市価は、若干の上がり下がりはあっても四百五十円なんですよ。ですから大臣が御答弁になった、これは私はこまかいことばじりをとらえて言うわけではございませんが、六〇%、四〇%というふうなおよそのつかみ方はやはり若干古いと思うのです。これは大臣も認めておられるとおりであります。ですから、もうすでに四百円をこしておるのが大勢だ、こういうふうな状態でありますから、これは政府が、どの機関になるかわかりませんけれども、立ち入り調査をするなり、強力な行政上の措置というものをとっていただく決意がおありかどうか。ぜひそこまでやっていただかぬと、せっかくいろいろな措置をとりながら裏目に出てしまう、こういうふうな結果になると思いますから、ぜひその点の明快な御答弁をいただきたいと思います。
○橋口説明員 灯油は投機防止法に指定をされておりますから、あの要件は大体充足するような事態に、非常に残念なことでございますが、著しく値段が高騰し、また買い占め、売り惜しみのそういうような傾向が見られるようでもございますので、これからひとつ通産省と相談いたしまして、必要があれば一般的な報告のほかに立ち入り検査をする、あるいはほんとうにそこにものがあれば厳重に放出を勧告するように進めてまいる決意でございます。
○渡辺(三)委員 いま経企庁のほうから御答弁をいただきました。通産省としてはどうなされますか。
○中曽根国務大臣 ゆうべも三多摩のほうで六百円前後で売っておるという話を聞きまして、直ちに立ち入り調査をしろと指示したところであります。
○渡辺(三)委員 先ほど御答弁がございましたが、十月の初めに元売り関係については、これは午前中の長官の答弁にもありましたけれども、いわゆる価格の卸値の凍結といいますか、こういう措置をとられた。問題はやはり末端なんですよ。末端がすごく上がっているわけです。やはりこれをどうするかというふうな問題が、私はむずかしさはあろうけれども、きわめて国民生活にとっては重大だ、こういうふうに考えておるわけであります。しかも、末端の小売り業、これがいわゆる価格を協定して、そして一定額以上につり上げる、これはもう独禁法にかかわるわけでありますけれども、こういうふうな措置がそっちこっちでとられておるのではないか、こういう疑いを私どもは持ちます。そういうふうな点で、公取の委員長が来ておられるわけでありますので、この十月以降、各地におけるそういうふうな状況について立ち入り調査をされたことがあると思うのでありますけれども、これは何件くらいあって、いまその調査がどのように進行しておるのか、お伺いをしたいと思います。
○妹尾説明員 石油関係の立ち入り調査をしました件数でございますが、十月以降六件ございます。
○渡辺(三)委員 いまのお話で六件あった。それで、その調査の経過あるいは結果がどうなっておりますか。簡潔でけっこうです。
○妹尾説明員 ただいまいずれも審査中でございまして、鋭意結論を急いでおる、こういうところでございます。
○中曽根国務大臣 売り惜しみ買いだめ規制法によるものはなかなか要件の認定がむずかしゅうございまして、そういうかげんで、これは苦肉の策でありますけれども、消防法関係で、ドラムかんを消防法に違反してどこかへ、倉庫の中へ置いておくとか、揮発油を置いておくとか、そういうものは買いだめや売り惜しみの副産物として出てくる可能性があります。そういうことで、自治省に頼みまして、そして消防法関係で倉庫やあき地を点検してもらいまして、ドラムかんをそこへ放置しているとか、倉庫の中に違反して入れるというものを摘発してもらっているわけです。それがいままで百十件以上に及んでいると思います。目下のところはそっちのほうが簡単に入りやすいものですから、全国的に督励してやってもらっておるところであります。
○高橋説明員 先ほどの審査長の発言に対して私が補足いたします。実は現にまだ審査を行なっておりますが、結論の出ないものにつきましては途中で公表はできないことになっておるわけでございます。そういう点で、実はけさの新聞あたりにはある程度公取が発表したかのようになっているのですが、そのうちで、価格の点については確かに触れているようであります。ほぼ四百五十円にそろっているものが多いということを述べたという点、それから元売りと関係があるかという点につきまして関係があるというふうに書いてありますけれども、それはいま調査中でありまして、元売りのところを実は二カ所立ち入り調査をしたものですから、その疑いがあるというように見られてもしかたがありません。疑いがなければやらないわけですから。しかし、ほんとうに元売りと関係があったかどうか、元売りが、そういうカルテルを結ばしたかという点については述べておらないわけでございます。この点は、ある程度新聞に書かれる場合にはその辺は関係があるというふうな表現にならざるを得ないのでございますが、公取としてはせいぜいその程度のことしか述べておりませんので、御容赦願いたいと思います。
○渡辺(三)委員 いまの高橋委員長の御答弁に関連をして、それならば少しお聞きしたいと思うのですが、これは石商の鶴岡支部の場合、公取では十月十六日から二十一日まで調査に入っておられます。その後さらに石商の鶴岡支部に加盟をしておる個々の燃料販売店に対しても十一月の初旬にさらに公取は調査に入っておられる、こういうふうに私どもは聞いておるわけであります。そしてまた、その際いろいろな証拠も提出を求められ、調査もなさったと思うのですけれども、私どもも、そういう点については生協を通じ、あるいはまた消費者を通じ、あるいは小売り店の一部に入って調査をしておるわけでありますけれども、いま具体的に鶴岡支部の場合を私は例にとりましたから申し上げますと、灯油安定供給推進規約、こういうものを支部が九月の四日につくり上げております。これによりますと、この八月から九月までの一般価格についてはどう、十月以降はどう、それからさらに営業用、工業用はどう、こういうふうに価格を明確にきめて、しかもその価格は四百五十円あるいは五百円、こういうふうに価格協定を現にやっておるわけです。
 そしてこれに対しては、いま委員長がお話しになりましたが、元売りとの関係についても、この文書からだけでも十分に推定をされる。もちろんこれは公取が結論を出される場合にはあらゆる角度から綿密な調査もなされると思いますけれども、私どもは、そういうふうな点をずっと調べてみますと、さらに四月に出されております健全経営推進規約というのもございますけれども、こういうふうなものから見ますと、明らかに価格の協定をやって、つり上げをはかっておるというふうにわれわれの感覚では推定されるわけであります。現に公取が十月に、さっき言ったように、中に入って調べられておりますから、これに対する地域住民あるいは県民の非常に大きな価格安定の期待、公取のき然たる一つの方針といいますか、それを首を長くして待っておるというのが地域の実情であります。
 そういうふうな点からいいますと、もちろんこれは厳正に綿密に調査をしなければならないとは思いますけれども、こういう時期でありますだけに、きわめて敏速な公取の結論というものを期待をしておるというのが実情であります。私は、いま石商の鶴岡支部の問題を例に出しましたけれども、こういう問題について基本的に公取委としては敏速にそれらの結論を出されるおつもりがあるのかどうか、ぜひそうしてもらいたいと思うのですけれども、その点はどうですか。
○高橋説明員 できるだけ迅速に、特別迅速にこの問題は処理いたしまして、御期待に沿うように努力したいと思います。
○渡辺(三)委員 それでは、末端の価格との関係あるいは量の関係でもう少し詰めてお伺いをしたいと思いますけれども、通産省ではいろいろな手だてをこの面に対して加えておられることはわかるのですが、各都道府県の段階に対する指導、これは通産局を通じておやりになっておると思うのですが、私の知る範囲では、この問題について必ずしも都道府県では明確な通産省の方針というものを受けた業者に対する指導が行なわれていない向きがあります。したがって、その態度が非常にあいまいである。だから、一般の灯油を使う住民の側に立って考えますと、先行き一体どうなるのだろうかという不安が絶えずあるわけです。これが価格にも大きくはね返っているわけであります。そういう点について各局に対する指導をどのように具体的になさっておるのか。これは一般論じゃなくて具体的にお伺いをしたいと思います。
○山形説明員 灯油の安定供給及び価格の維持につきまして、これは最大の問題でございますので、各通産局ごとにこの対策本部を設けまして、また苦情処理の窓口を各都道府県全部につくったわけでございます。各通産局別に通産局と県の連絡体制は完備しておるとわれわれは思っておるのでございますが一各県に対しましては、便乗値上げと思われるような動きにつきましては敏速にこれをキャッチして通産局にあげ、通産局を通じ、また公取当局等との連絡をとるということで、常時各現場の意見なり実情なりが吸い上げられ、それが地方及び中央を通じて処理できるような体制をつくっておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 それならば、いままで長官の手元に全国的にどれぐらいの報告件数が来ておりましょうか。いま言ったような苦情あるいは不満、不安、こういうふうなものが局を通じてあがってきているとすれば、何件ぐらい来ていますか。
    〔山田(久)委員長代理退席、稻村(左)委員長代理着席〕
○熊谷説明員 ただいま長官が申し上げました地方の通産局と県の体制でございますが、各県でつくりました窓口、たとえばある県によりましては灯油相談所というのを県の窓口につくりまして、そこで持ってきた苦情につきまして県の窓口で処理できるものはその段階で処理が行なわれるわけでございます。
 それから、そこで処理できないものにつきましては通産局に連絡がございまして、通産局が地元の石商等を指導いたしまして、そういった苦情処理の実現をはかる、こういうことで処理できるものはそれで済むわけでございますが、地元の通産局で処理できないものは本省のほうにあがってまいりまして、本省で、たとえば元売りを指導するというようなことを通じまして苦情の処理をやっておるわけでございます。私どものほうに現在参ってきておりますのは、そういった地方では処理できなかった案件等につきまして連絡がございまして、こういったものにつきましては直ちに実施をするということで指示をいたしておるわけでございます。本省にあがってきております件数は一日平均五件くらいございますが、各通産局ではそれぞれの地方の県と連絡をとりまして、実質的にはそれ以上の案件を処理しているというふうになっております。
○渡辺(三)委員 次に、午前中に板川委員のほうから質問がありまして、それに対して長官のほうから答弁があった問題で、どうもすっきりしない、もう少しはっきりしておきたいという非常に重要な点がありますから、ひとつその点をお聞きしたいと思います。
 通産省では、原油を輸入して、それが国内の精製過程を経てそれぞれ分類されるわけでありますけれども、この中で一般家庭暖房用の灯油、それからトラック、バス、こうした燃料用になっている軽油だけは需要量どおり確保したい、こういう方針だということを繰り返して述べてこられたわけであります。きょうもそういうふうな基本的な考え方の上に立って答弁をされておるわけであります。
 ところで、石油連盟の見方はこれとちょっと違うと思うのです。その点に対する長官の答弁は、数字の出し方の違いを言われたようでありました。しかし私は、この問題については、技術的な数字のはじき方ではないと思うのですよ。これは数字のはじき方が少し方法論として違うというふうな意味のことを長官は答弁になっておるわけでありますけれども、私は違うと思うのです。具体的に言いますならば、石油精製の計画、それから遂行で通産省と石油連盟、すなわち連盟に加盟をしておる各社の製造方針でありますけれども、これに一体食い違いがないのかどうか、この点をひとつ山形長官のほうからはっきりお聞きしておきたいと思います。
○山形説明員 先ほど御答弁申し上げましたとおり、これからの原油のカットにつきまして、石連側とわれわれのほうで数字が若干食い違っておりますのは、われわれのほうは各メジャーの現時点におきますカット率をキャッチし、これに各メジャーのウェートをかけまして加重平均いたしまして算出したものでございますが、石連側のカット率につきましては、各地域の営業サイドの、若干ことばが過ぎるかもしれませんが、大まかな推定も入れまして合計してはじき出した数字でございます。この間若干食い違いがありますことは確かでございます。
 なお、ちょっと御質問の趣旨もわかりにくかったのでございますが、灯油、軽油、A重油というのは得率上一つの相関関係がございますので、石連で一時ちょっと資料を出しました灯油にカットを全然かけないという場合のA重油のカット率の増加等につきましては、理論的にそれは計算できるわけでございます。
○渡辺(三)委員 つまり石油連盟の見通しとしては、こういうことを非常に心配して態度を出しておるようですけれども、たとえば輸入原油にいま国内にある備蓄原油、これをある程度取りくずして、そして精製をしても十二月から来年の三月までの期間は燃料全体で需要に対して大体一八%程度不足になる、こういうふうな見方を石油連盟では明らかにしておるようですね。通産省の方針で燃料対策を進めますと、勢いいわゆるA重油に負担がかかるといいますか、しわ寄せが来て、そして農業用あるいは漁業用の必要不可欠なA重油というものが極端な不足を来たす、こういう不安があるんじゃないか、このような言い方をしておるわけです。この点について、通産省としてはその点の心配はないんだ、こういうふうに明確に答弁をされますか。
○山形説明員 先ほど来出ておりましたように、われわれの現在の最大の関心は、民生用の灯油を量的、それから価格的に安定させるということが最大のねらいでございます。もし灯油を留分におきまして最高の得率まで持っていきますれば、これもいま申し上げましたように、A重油に影響があることは当然でございます。しかし、われわれといたしましては、このA重油は農林漁業用等にその使用のウエートが非常に高いわけでございますので、最終的には産業用灯油の運用を通じましてA重油の確保をはかるのが政策の方向ではないかということで、これは先ほども御答弁を申し上げたわけでございますが、そういう方向が一つのわれわれの基本的な感じでございます。
 産業用の灯油の問題につきましては、はっきり申し上げまして公害対策がからんでおるわけでございます。しかも、これを公害対策で使っておりますのは中小企業が非常に多いわけでございます。しかしながら問題は、民生用の灯油の安定、それから農林漁業等の食物に関係するものの確保という政策重点のもとに、排煙脱硫なり、そういう公害対策も前提にいたしまして、最終的には産業用の灯油を若干カットするような方向で全体のバランスをとる方向で考えざるを得ないのじゃないかと思っております。
○渡辺(三)委員 これは経企庁とも当然関連をするわけでありますけれども、A重油の不足に伴って農産物や魚介類、海産物、こういうふうな価格が、ある場合には便乗も含めて非常に値上げをされる、こういうふうな趨勢になってまいりますと、やはり灯油の価格上昇とそれにも劣らないほどの深刻な影響あるいは不安を国民は持つわけでありますから、そういうふうな点についても十分に事前に通産側と打ち合わせをしながら対策をやってもらわなければならぬのじゃないか、こういうふうに私は思います。この点については、経企庁のほうでも事前の打ち合わせといいますか、対策を進めておられるかどうか、その点だけお伺いをしておきたいと思います。
○橋口説明員 通産省とも十分打ち合わせを進めております。
○渡辺(三)委員 時間がほとんど残っておらないようでありますから、最後にお伺いをし、私の見解も申し述べたいと思います。
 これはぜひ大臣にお伺いをしたいわけであります。このことは先ほど来何人かの方々が質問をされ、大臣の態度もある程度は明らかにされておるわけであります。いわゆる政府のすでにきめております経済基本計画は、今度の石油問題などをきっかけにしながら相当の手直しといいますか、修正をしなければならぬだろう、こういうふうに受け取られる大臣の御答弁が先ほどございました。私は、もう現下の状況あるいは今後のわが国の経済問題を考える際には、当然そうするだろうというふうに思うのであります。ことしの五月八日に、発電用施設周辺の整備法案に関連をして代表質問をしたわけでありますけれども、その際は、もちろん今回のような急激なアラブ問題などをわれわれは予想したわけではありませんし、そういう立場を前提としての質問はもちろんしなかったわけでありますが、ただ将来のエネルギー資源というものを考えた場合に、政府が言うところの経済基本計画はやはり相当修正をしなければならぬのじゃないか、手直しをしてみなければならぬのじゃないか、こういう趣旨のことを申し上げました。残念ながら、これに対しては当日は御答弁がございませんでした。そこであらためて、こういう深刻な状況を前にして、大臣からも、それから経済企画庁からも、この点について再度ひとつ明確な考え方を述べていただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 この問題は経済企画庁の所管事項でございますので、経済企画庁において当然いろいろ検討しておると思いますが、政務次官からお聞き願いたいと思います。
○橋口説明員 経済社会基本計画は、御承知のように、ことしの初めに策定をしたものでございますが、もうその初年度から非常に大きな狂いが出てきております。残念ながら、そういうような食い違いが出ておりますが、今回特にこういう原油の供給を削減しなくてはならないという異常事態に直面をいたしまして、どうしてもこれは見直しをしなければならない、こういうふうに考えております。事実、石油をかなり削減いたしますとほかの基幹産業にも全部影響を及ぼしますし、また総需要対策の見地から公共投資あるいは民間設備投資の見直しをすることになりますと、当然これは五ヵ年計画全体に響いてくるわけでございます。いまそのフォローアップを準備を進めておりまして、なるべく早目にこの見通しを改定したい、こう考えております。
○稻村(左)委員長代理 宮田早苗君。
○宮田委員 最初にお断わりしておきますが、私も、いままでの質問者と同じように、一連のエネルギー問題を中心に質問をするわけでございます。したがいまして、多分に重複する面もあるかと思います。しかし、今日の問題の焦点が全部これに当てられておるということでございますので、当然取り上げざるを得ない、その点はひとつ御了解を先にしておいていただきたいと思います。
 まず今回の石油危機に対する政府の政治姿勢について大臣にお伺いいたします。
 政府は、十六日に石油緊急対策要綱を閣議決定されたわけでありますが、事石油に関しましては、わが国の生命線であるにもかかわらず、その取り組み方が実におそかったということをまず指摘をするわけであります。すなわち、OAPECの原油生産削減措置に対しまして、アメリカ、イタリア、西ドイツ等は、いち早く緊急の諸政策を打ち出したのでありますが、日本はおくれること一週間程度じゃなかったかと思います。もちろん中東情勢の把握が困難でございます。しかも事態が流動的であること、さらにキッシンジャー国務長官の来日が日程にあがっていたことなど、さまざまな要因があったとはいえ、政府の態度がはっきりしないことによる混乱はたいへんなものであったのじゃないかというふうに思います。
 緊急対策要綱を閣議決定して以降、大臣はNHKはじめテレビに出演をされまして、石油政策の転換を力説しておられました。その中で政府の政治姿勢に非常な失望を感じた一人であります。大臣は、政府は事態を見守ってきた、法律なくして行政指導の効果を発揮させるのはせいぜい十日か十五日ぐらいじゃないか、臨時国会があればそこに法律を出す用意をしていたが、それがなくなったので通常国会に出すことにした、およそこのような趣旨のことを国民の前でお話しになられたのでございます。おそらくNHKの夜の番組と記憶しております。
 重ねて申し上げますが、エネルギーをどうするかはわが国の存亡を左右する重大問題であります。通産大臣が、臨時国会があればなどと言っていられる時期ではなかったというふうに思います。田中総理に石油に関する臨時国会の召集を進言してしかるべきではなかったかというふうに私は思うのであります。これまでこの種の問題についていろいろ質問がされました。重複いたしますけれども、あらためて石油を中心にした緊急課題とどう取り組む決意なのか、まず再度お伺いをいたす次第であります。
○中曽根国務大臣 第一には、卸売り物価の騰勢が九月以来弱まってきましたので、早目にそれを打ち出しますと、せっかく鎮静しかけたのがまた暴騰、騰貴するという危険性がありました。だから定着するまでできるだけ引き延ばそうというのが一つの考え方です。
 それからもう一つは、ただいま申し上げた法案との関係で、イギリスとかアメリカとか、戦勝国はみんな戦時法規がありまして、すぐ非常大権とか非常事態宣言でそれにかえれるわけです。しかし、日本のような場合には、そういうものは戦争で全部終わってなくなってしまいました。したがって、新しい法律をつくらなければならぬという事態にあって、すぐ発動はできない、そういう面からタイミングを見ておりまして、国会というものは非常に大きなファクターであったわけであります。
 それからもう一つは、石油の需給関係の見通しがある程度正確な話が出てこないというと、これはうっかり発動できない。その点については、OAPECの情勢、メジャーズから日本の需給者のところへ来る通知の正確な把握につとめておりまして、そうして約二〇%程度削減、十二月以降期待されたものの二〇%削減というものがはっきり出てきた時点において、これからの行なうべきいろいろな段取りを決断しまして、そしてかかったわけであります。
○宮田委員 そこで、石油、電力の節減行政指導要領によりますと、石油については十一業種となっております。また電力については、契約最大電力三千キロワット以上の需要家が対象になっておりますが、石油、電力がカットされることによって、この十一業種の減産はどの程度になるかということが一つであります。
 また、各業種全部ではなくてけっこうでございますが、需給見通し及びこれが中小あるいは零細企業に与える影響など、数字をもしはじいておいでになりますならば、一緒にお答え願いたい。
 さらに、政府は、石油、電力不足のしわ寄せは中小企業にはしない、さらに原料不足は心配いらない、こういう旨申されておりますが、大企業の生産量は確実にダウンをすると思うのであります。電気と石油が潤沢にございましても、加工する原材料が手に入らなくなる事態が容易に想像されるのであります。たとえば、石油化学工場の一つのプラントが事故を起こしただけで、電線の被覆材料が不足をいたしまして、零細なプラスチックのおもちゃ工場が倒産をした、こういう事実もあるわけであります。中小企業は、今日の状態から判断いたしますと、安心をしておられないのじゃないかというふうに思いますが、その点どういうふうにお考えになっておりますか、お聞きしたいと思います。
○山形説明員 今回の石油供給削減の影響でございますが、これは私のほうの通産省全体としていろいろと全省をあげてチェックいたしました一応の試算でございますが、これは先ほども申し上げましたように、原油供給が一〇%カットされます場合を想定いたしますと、主要業種でございますが、鉄鋼の高炉六社分の計算では二・七%生産が落ちることに相なる計算になっております。セメントにおきましては一〇・二%、エチレンについては一三%、アルミニウムについては一〇%でございます。エチレンが若干比率が多いのは、エチレンの分解装置のところの保安用の原油の所要量がほかの業種に比較いたしまして多いためであるわけでございます。
 こういう大企業のカットは当然に中小企業に連動いたすわけでございまして、この比率につきましては、正確にわれわれのほうでは把握いたしておりませんですけれども、一応大企業と非常に縁の深い中小企業、そこには相当の、やはり同等程度の影響が出るかとも思いますが、われわれといたしましては、供給側の油が減るわけでございますので、この際そういう需要面のカットをしませんと、異常なる物価騰貴にもつながるということで、まず十二月中にさしあたり一〇%の産業用のカットをお願いしておるわけでございます。ただし、この大企業は、個別に大臣の指示でフォローいたすわけでございますが、中小企業につきましては、運用を弾力的に行ない、かつ、先ほど来出ておりましたように、中小企業向けの油等につきましては、各府県ごとにあっせん所を設けまして、一定比率の油のあっせんを行なう体制をいま進めております。大体十二月一日から発足できるのではないかと思っておりますが、いま鋭意石連の各支部を督促いたまして、そういう計画を進めておるわけでございます。
○宮田委員 次に、電力の供給削減に関連をいたしまして、電気事業法の内容をお尋ねいたします。
 電気事業法第十八条一項の「供給義務」では、「一般電気事業者は、正当な理由がなければ、その供給区域における一般の需要に応ずる電気の供給を拒んではならない。」というふうにうたってあります。今回三千キロワット以上の需要家に対する行政指導をきめるにあたって、この条項との関連を考慮されたのかどうか、特にエネルギー庁長官にお伺いいたします。
 さらに引き続いて言いますと、条文にいいます「正当な理由」という解釈でございますが、今回の石油危機も当然「正当な理由」になるかどうか、これは初めてのことというふうに思いますので、念のためにお聞きをしておきます。
 また、現在各地で公害問題から発電所の建設が立ち往生しているケースがございますが、発電所が建設できないために供給力が限界になった場合の供給義務の解釈の問題も出てくるわけでありますが、あわせてこの点も御答弁をお願いします。
 私が電力会社の供給義務について伺いましたのは、こういうふうな状態になりまして、一億総がまんというような中でありまして、どうしてもこういう状態でございましても工場を増設したいという企業も出てくるのじゃないかと思います。こういう問題から、今回の事態の場合、工場の新増設に対する電力供給を拒むことができますかどうか、このいままでの条文の関係の解釈について一応お尋ねをしておきます。
 さらに引き続いて申し上げますが、電気事業法二十七条の「電気の使用制限等」を適用できるものかどうか、これは工場の新増設の場合ということでございます。特に工場建設などの場合、契約電力五千キロワット以上について大臣の認可事項ということになっておりますだけに、今回の措置はいろいろ問題があるのじゃないかというふうに思いますので、そういう一連の問題についてお答えを願いたいと思います。
○岸田説明員 最初に御質問いただきました今回の措置と供給義務との関係でございますが、御承知のとおり、今回の措置は、電気の需要家に対しましてその使用を極力抑制をしてほしいという趣旨でございまして、供給サイドの義務を定めました供給義務とは今回の措置は直接関係はないと理解しております。
 それに関連をして正当な理由の解釈のお尋ねがございました。私どもこの条文の解釈につきましては、たとえば受電設備に保安上の問題がある場合とか、あるいは天災だとか事故によりまして故障を生じた場合、さらには正常な企業努力にもかかわらず供給力の不足が生じた場合、これらの場合が代表的な事例ではないかというふうに解釈をいたしております。
 第三に、使用制限の問題に関連をいたしまして、工場の新増設等について抑制を考える必要があるのかないのかという点のお尋ねでございますが、私ども従来は極力供給力の増加をはかりまして、需要家に対応するということを基本姿勢にしてまいりましたし、幸い今日まではある程度の余力を持って申請に応ずることができたわけでございます。ただ、今回のように石油の面から電力の供給量自体が非常に問題になってくるというときに、従来やっておりました受電認可制度というものをどう運用するかということは、この際いろいろ考えてみるべき要素があろうかというふうに思っております。少なくとも従来から継続をして使用してきた人たちに対して、一方で抑制するということとの均衡上、これから新規に申し込むという需要家に対してどういう対応策で臨むべきであるかということにつきましては、私ども部内でいろいろ方針を検討しておる過程でございます。
 さらにお尋ねの中に、今後の電源立地の見通しに関連をして電気需給の逼迫が予想されるのではないか、それと供給分量あるいは各種の法律に基づく措置との関係という点のお尋ねにつきましては、私ども率直に申しまして、長期的な見通しに立った場合に、電力の需要に応ずるだけの供給が確保できるかどうかという点については、いろいろ問題点があるというふうに考えております。したがいまして、長期的対策として、電源地帯の整備等を中心とした電源立地対策というものを研究もし、また推進もしておる過程でございます。ただ、今回の措置は、いま申し上げましたような長期的な問題と違いまして、当面石油という問題に関連をした各種の措置でございます。したがいまして、これは事態の推移に応じながら対応していくということが必要でございます。当面は行政指導ということに全力を注ぎまして、極力これが円滑に適用されるようにということに最大の努力を払ってまいりたいと思っておるところでございます。
 以上であります。
○宮田委員 ただいまの答弁で大体理解ができますが、特に行政指導という考え方に対しまして、一番最初需要家に対しては極力というような考え方を出されたわけでございますけれども、やはり今日のこの石油によりますところの消費製品、さっきも答弁がございましたときに感じたわけでございますが、需要家段階あるいは消費者という段階での規制指導ということについては、ある程度その効力というものが出てくるとは思いますけれども、もういまの段階ではその段階を過ぎて、消費者個人個人のところに来てしまった。電気も、石油がなくなる、だから電気ストーブにしよう、こういうふうな方向になりかねない。幸いなことに、いま電気はそこまでいっておりませんが、いまのうちに、行政指導というような考え方でなしに、もう少し強い形の中の指導あるいは規制というものでこれをとらえる考え方はないものかどうか、もう一ぺんひとつお聞きします。
○山形説明員 今回の石油の供給カットは非常に急激に行なわれたものでございまして、先ほど来大臣の御答弁にもありましたように、日本は規制すべき根拠法規に欠ける点もあるわけでございます。われわれとしましては、早急に行政指導の線に入りまして、特に各国でやっておりません産業面へのカット、需要カットを打ち出したわけでございますが、いずれにしましても、最初のアクションでございますので、異常なるショックが起こることを避けることもまた配慮しなければいかぬということで、さしあたり一〇%の大口カットで始まったわけでございます。今後事情の推移に応じまして、この行政指導の強化等は当然考えられるわけでございます。
 なお、立法の動き等もあわせながら、より厳密なる姿の規制も必要になるかとも思いますけれども、事態の推移に応じて弾力的にこれから対応してまいりたいと考えておるわけでございます。
○宮田委員 次に、わが国唯一の国産エネルギーともいわれます石炭の問題について質問をいたします。
 政府はエネルギー情勢の激変に伴って石炭政策の見直しを石炭鉱業審議会にはかる方針のようでございますが、ここに来て石炭鉱業のあり方を再検討することに踏み切った背景について、通産大臣の御所見をまず承りたいと思います。
○中曽根国務大臣 先ほど申し上げましたように、石油の暴騰、それから量の不足、そういう新しい現象が起こりまして、石炭の採算性という問題も検討する必要も出てまいりましたし、それから量の不足に伴う国内炭の活用という問題も出てまいりました。そういう意味において、第五次対策の基本の上に立ってひとつ再検討してみよう、そういうように思うわけであります。
○宮田委員 石炭鉱業の見直しの作業は、国内炭の恒久供給余力の有無、既設混焼火力発電所の利用率の引き上げ、石炭火力発電所の建設などと聞いておりますが、個々の問題について当局の答弁をお願いをいたします。
 それはまず供給余力があるのかないのかであります。現在の石炭政策の柱となっております第五次対策は、五十年度の出炭量は二千万トンを下回らないとしておりますが、中小炭鉱の閉山が相次ぎ、四十八年度が二千万トンぎりぎりのところだと思うのでございます。供給余力の見通しはどうなっておるかということをお聞きします。
 次に、石炭に関する第二の質問になるわけでございますが、石炭火力発電所の問題でございます。通産省は既設発電所の利用率の引き上げを検討しているということでございますが、どの程度可能なのか、現状と利用率引き上げ後の石炭消費量の数字もございましたら一緒にお願いをするわけであります。さらに利用率引き上げによって数百万トンはふえるということでございますが、石炭の使用量が増加することによって起こる粉じんや亜硫酸ガス、公害の心配はないのかどうか、各電力会社や電源開発会社の公害対策をお聞かせ願いたい。
 さらに、石炭をエネルギー源として活用する姿勢には賛成でございますが、国や電力会社が、この石油危機を機会に真剣に考え始めたとはいえ、はたして長期的な資源対策として石炭の活用を考えておられるかどうか。来年度北海道で産炭地火力発電所の建設が始まるということでございます。電源開発会社によります新しい発電所建設は考えられますかどうか、国策会社の問題でもありますので、通産省、特に通産大臣のお考えがありましたらお聞きをしたいということであります。
○山形説明員 最初に国内炭の供給余力の問題でございますけれども、御存じのとおり、石炭はかって五千万トンを産出したわけでございます。当時の労働者は三十万人でございます。その後閉山が相次ぎまして、現在は三万人の労働者で生産をいたしておるわけでございます。一人当たりの出炭能力はほとんど世界一の高水準に達しておりますけれども、現在三万人の労働力でございますので、これからの国内炭の供給余力ということにつきましては、この労働力問題が最大の問題ではないかと考えておるわけでございます。
 先ほど御質問にありましたように、現在、石炭鉱業審議会の総合部会で年内にこの供給余力につきましても結論を出していただくように検討に入ったわけでございますので、私のほうから、いまこの数字を申し上げることはできないわけでございます。検討にまつわけでございますが、私の私見でございますけれども、その労働力の問題、それから日本の炭層の事情等から見まして、いま直ちに増産供給ということになりますと、思いのほか少ない数字になるのではないか。しかしこれは、長期の問題としてどうとらえるかというのが一つの問題であろうかと思います。
 それから二番目の混焼火力の利用率の引き上げでございますが、これにつきましても、現在全国に七百八十万トンぐらいの石炭火力があるわけでございますが、若干余裕がございます。これはその各地の事情、それから石炭と石油のコストの違い等の関係もございまして、若干余裕がございますので、こういう緊急事態に応じまして至急にこの利用率の引き上げをはかるべきではないかと思います。これも私の私見でございますが、百五十万から二百万トン程度の石炭消費に見合う利用率の引き上げが可能ではないかと思いますが、この辺も審議会のこまかい御検討にまちたいと思います。
 それから三番目の、こういうことをやりますときの公害問題でございますが、当然のことながら公害を出してはいけないわけでございまして、現在の国の基準、これは完全に守るような公害施設を設置いたしまして、その前提でこの利用率の引き上げ等も行なうべきだと考えておるわけでございます。
 それから大手の鉄鋼、電力等の需要業界の感じでございますが、これは、去る十九日に石炭鉱業審議会を開きましたときにおきましても、鉄鋼側、電力側も石炭のナショナルセキュリティーとしての重要性を非常に強く表明いたしておりまして、引き取り量及び炭価交渉等につきましても非常に前向きの姿勢を打ち出しておったわけでございます。これとの関連におきまして、北海道地区におきます産炭地火力につきましては、われわれとしては四十九年度予算にこれを計上いたすように要求いたしておりまして、これが電発になるか、その他どうなるかということは未決定でございますけれども、いずれにしましても、北海道地区に大きな産炭地火力をぜひつくりたいという方向でございます。
○宮田委員 次に、すでに新聞紙上等で話題になっております一般炭の輸入問題についてであります。
 とにかく年間一千億円以上の資金を国内の石炭対策につぎ込んでいるわけですから、一般炭の輸入が国内の石炭産業界に与える影響も大きいわけであります。原油価格上昇の見通しなどから一般炭の輸入が現実の問題となり得るのかどうか、これをお伺いいたします。
○山形説明員 いま申し上げましたように、国内炭の増産というのはいろんな条件のために緊急に大幅にこれを行なうことがなかなかむずかしい情勢にあるわけであります。したがいまして、石油との関係で輸入炭の問題が当然に私は起こると思うわけでございます。しかしながら、これは石炭政策の基本問題でございますので、輸入炭を行ないます場合でも国内炭に対する悪影響は絶対排除すべきでございますので、その辺の調整をはかりつつ、必要な最小限度の輸入炭の輸入ということが考えられるべきではないかと思うわけでございます。
○宮田委員 最後に、今後のエネルギー資源確保の柱になっております原子力発電の開発についてちょっとお伺いします。
 電力の長期需要見通しも当然今後見直し作業が必要かと思われるわけです。原子力長期計画にあります六十年六千万キロワットの規模拡大をすることになっておると聞いておりますが、その点についてひとつお聞かせを願いたいということであります。
 時間の関係がございますので、最後に私の要望、希望を申し述べておきます。
 政府にいま要望したいと思いますのは、今回の石油問題は中東戦争という外的要因であるかの政府側の発言が非常に多いわけでございまして、戦争の犠牲をしいられているということだけで逃げられておるような観すら見受けられるわけであります。こういう点ではちょっと私ども納得できないところであります。いま国民はちり紙やあるいは砂糖、はては塩の買いあさりが結局は自分たちの首をじわじわ締めていることを知りながら、生活防衛ということに懸命になっておりますので今日の状態が起きておるというふうにも考えられるわけでありまして、遠い中東の地域での戦争という波紋が、太平洋を渡りわれわれの日常生活にまで多大な影響を及ぼしている現実を直視されまして、今後誤りなき施策を軌道に乗せていただきたいということを特に要望をして、私の質問を終わります。
○山形説明員 原子力発電につきましては、いま御指摘のとおり、たしか二年ぐらい前の原子力委員会の決定でございますけれども、昭和六十年で六千万キロワットを一応開発目標とするということに相なっております。これはそのときの想定でございますと、全発電量の約二五%に当たる数字でございます。その後の進行状態を見ますと、若干テンポがおくれておることは確かでございますが、われわれの基本的な感じといたしましては、原子力につきましては安全性を絶対確保することを前提に、発電周辺地帯の整備をはかり、地元との完全な了解のもとにぜひこういう原子力発電の促進に取り組んでまいりたいと考えておるわけでございます。
○稻村(左)委員長代理 野間友一君。
○野間委員 幾つか聞きただしたいことがございますので、簡潔にお答えを願いたいと思います。
 最初にお聞きするのは、石油緊急対策要綱についてであります。
 今回のエネルギー危機に対処するためには、私が考えますのは、一つは、基本的にどんな姿勢で、あるいはどんな方向で今後打開していくのかという一般的な基本姿勢の問題であります。これは、長期、中期の展望をどうとらえていくのかということにもなろうかと思います。二つ目は、さしあたり、このエネルギー、石油不足をどう乗り越えていくのかという問題。それから三つ目は、今日までの姿勢に対する反省あるいは責任の所在、これを明らかにするということであろうかと私は考えております。
 ところで、今回の対策が出たわけでありますけれども、この対策要綱のどこを読んでも責任の所在あるいは原因、これについてはほおかぶりしておる、こう考えざるを得ないと思うのです。しかも、ある日突然降ってわいたような災害であるという認識しかないんじゃないか、こういうふうに私は、この要綱を読んで率直に感じたわけであります。
 そういう中で、最初にお聞きしたいのは、先ほど申し上げた、エネルギーについての、特に石油危機についての長期あるいは中期の見通し、これについての具体的な対策あるいは見通し、こういうものをまずお伺いしたいと思うのです。特に、あとでも触れますけれども、きのうから十二月末までは一〇%削減、一般企業ですね、こういうことがなされております。ものの本によりますと、来年になればさらに削減の率が一五ないしは二〇こういうようなことを憂う論評なども私たち目にするわけです。来年の一月ないしは三月、このあたりが一つ大きな山場を迎えるんじゃないかということも私たちは考えるわけでありますので、この点について、ひとつ明確な大臣の御答弁をまずお願いしたい。
○中曽根国務大臣 石油のこの困難な事態は、ある程度永続するという覚悟で当たらなければならぬと思っております。なぜなれば、アラブとイスラエルとの紛争はそう容易に解決する因子を急に見出せない。おそらく交渉のテーブルに着いてから時間がかかるであろう、アラブ側はやはり要求を貫徹するまでは今回はなかなか妥協しない、そういうふうに見られて、その間やはり石油を武器に使うという可能性が十分にある、そう思いますから、そういうかまえでいったほうが安全であると私は思っております。
 そこで、対策につきましては、先般来いろいろ御説明申し上げましたように、大体需要カットの見通しを立てまして、そしてその後の情勢を見ながら、試行錯誤をしつつ調整をしていく、そういう考えに立って十二月からスタートしようと思っておるわけであります。一月以降の情勢は、十二月ぐらいの情勢を見ないとだれもこれは判定できません。世界じゅう判定できる人はいないだろうと私は思います。なぜなれば、戦術、戦略が毎日のように変わるからであります。しかし、最悪の場合といえども、国民生活の最低を確保して、経済的混乱を起こさないような措置は政府は責任をもってやらなければならぬ、そういう考えに立って諸般の計画を推進してまいりたいと思っております。
 なお、こういう事態ができたということにつきましては、これはアラブ側の、またイスラエルとの関係における国際的事変がこういう影響を及ぼしたことでありますけれども、しかし日本の当局といたしまして、国民にともかくこういう大きな影響を与えるようなことになった、諸般の政策が十分打ってなかったという点については、反省し一なければならぬと思います。
○野間委員 特に私がここで御指摘申し上げたいのは、今日までのエネルギー政策、これは先ほどから言われておりますように対米従属、しかも、重化学偏重のエネルギー浪費型の、こういうものを軸にして今日まで高度経済成長が続けられた、こういうところに大きな問題があろうかと思うのです。全エネルギーの七四%が石油に依存しておるというのが現状であります。しかも、石油輸入の七八%がいわゆるアメリカ系の石油資本に依存しておる。こういう中で私たち考えますときに、エネルギー基盤についての日本の自主性、あるいは独自性というものが全く失われておるということが言えるのじゃないか、こういうふうに思うわけです。
 昭和三十五年の池田内閣の所得倍増政策から、佐藤内閣の高度経済成長、それからさらに日本列島改造論、現在進められております新幹線あるいは高速道路、本四架橋、あるいは東京湾の横断橋等々、これらすべて、今日までのいま申し上げた
 エネルギー浪費型、重化学偏重の高度経済成長、新全総なりあるいは日本列島改造論、これに乗っかったものであるわけですね。しかも、この日本列島改造論によりますと、一九八五年には石油の需要が七億五千万キロリットル、五十万トンタンカーの入れる工業港の建設とか、あるいは石油基地、それから石油パイプラインの建設、これが最重要のプロジェクトとして組み込まれて、こういう路線が強硬に進められようとしておる。私ども、この石油危機の前から、このような重化学偏重の、大企業本位の超高度経済成長ではこれはたいへんなことになるということを常に指摘してきたわけでありますけれども、如実に今日このような大きな危機を迎えるに至った、こういうように私は思うわけです。このことは、今日までとり続けてまいられた政府のこういう政策そのものについての破綻がやはり今日の情勢である、こういわざるを得ないと思うのです。したがって私は、こういう中ではつり合いのとれた経済の発展、あるいは生活優先の経済政策に根本的に変えなければ、長期あるいは中期の展望の上に立ってなかなかこの危機を打開することはできないのじゃないか、こういうふうに思うわけです。
 大臣は、事情変更の原則があるとか、あるいはアジャストは当然やるのだとか、見直し等々について午前中に発言がありましたけれども、いま申し上げたような対米従属、特にエネルギーについてはこれはもうひどい状態だと思うのですけれども、こういう状態と、大企業本位の政治政策、こういうものを根本的にやはり転換する、こういうことをひとつこの場で明言していただきたい。私ども国民が期待しているのはこのことじゃないかというふうに考えるわけですけれども、ひとつ御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○中曽根国務大臣 大企業本位も何もない、原因は資源が日本にはないのでありますから。特に油のごときは九九%外国から輸入しなければならぬという日本の地政治学的な、地理学的な特性からきておるので、企業形態の問題ではないわけです。そして、しかも戦争という、あの大東亜戦争の悲劇で完全にB29でたたきつぶされて、油の補給はアメリカにたよらなければいけなかった、そういう宿命の上にいまの日本は築き上げられてきているところで、別の道があればまた別の方法があったかもしれませんけれども、ともかくマッカーサー司令部によって占領されて、ゼロからスタートして今日まで築き上げてきたということを見れば、こういう結果になるのは多かれ少なかれやむを得ないという事態もあったといわざるを得ないと思うのです。ただし、その間に多少政策的に考えなければならぬことがあるとすれば、現在の日本の繁栄というものは切り花の繁栄であって、根のついた自然の樹木の繁栄ではない、そういう点についてもっと自己のセキュリティーというものを考えた政策を資源的にも強化しておくべきであった、そういうように思います。
○野間委員 見解の相違と言われればそれまでだと思いますけれども、しかし、たとえば日本の石炭政策、これが石油にとってかわられて、そして豊富な埋蔵量、これは八十億トンとか現実の可採量があるといわれておりますけれども、こういうものまで捨てて、しかもメジャーズ、特に米系のこういう石油資本にたよっておる。しかもアラブ諸国、この産出国に依存しておった。しかも、その日本がアメリカに追随していわばアラブに対する敵視と申しますかどうか、これはアラブが日本に対するいまの見方、これは確かにそうだろうと思うのです。こういうようなところに原因があるのであって、中東戦争は直接の契機ではあります。しかし、問題の本質をやはりそこまで掘り下げて考えなければならないのではないか。しかも、日本のエネルギー資源の九九・何%、ほとんど一〇〇%に近いものは輸入を確かにしております。しかし、社会主義国との互恵平等の貿易やあるいはアラブ諸国以外、米系資本以外に、こういうエネルギーを求めるということがもっと強力に進められてしかるべきであったというふうに私は考えておるわけです。そういう意味からいたしまして、直接の契機はなるほどこの中東戦争ではありますけれども、しかしつぶさに考えますと、やはりそこに原因がある、こういうふうに私は考えざるを得ないと思うのです。
 そこで、日本の特に中東外交の問題について、外務次官がお見えになっているのでちょっとお聞きしたいと思うのですけれども、国連の、よく出されております二四二号のあの決議、これには要するに領土不拡大の原則とか、あるいは占領継続禁止の原則とか、そういう趣旨のものが確かに盛り込まれておると思うのです。聞くところによりますと、あすの閣議を経て、そして外相が対イスラエルあるいはアラブ諸国に向かってこの占領地域からのイスラエル軍の全面的な撤退というようなことの声明を出される、こういうことも聞いておるわけです。そのあすの声明の中に盛り込まれる内容については、そのことだけなのか、ほかにまだあるのかどうか、この点についてひとつお答えを願いたいと思うのです。
○水野説明員 あすの声明の内容につきましてはまだ政府部内で協議中でございまして、最終的な内容が確定しておりません。そこで、ここでお答え申し上げるのは、たいへん恐縮でございますが控えさしていただきたいと思います。
○野間委員 いや、もうすでにマスコミの報道ではそういう趣旨のことが発表されておりますし、これはいなめない事実だと思うのです。ですから、ここで発表できる限度においてひとつお答え願いたいと思います。
○水野説明員 国連の二四二決議の内容を深く掘り下げて、日本政府の態度を明確にするということでございます。しかし、そのこまかい内容につきましては、まだ最終的な結論を得てない点がございますので、ここで申し上げることは、たいへん恐縮でございますが、差し控えさせていただきたいと思います。
○野間委員 それに関連してお聞きするわけですけれども、一九七〇年の七月に、実は私、世界の民主法律家協会の第九回大会にヘルシンキに参ったわけですけれども、そこで問題になりましたのは、民族主権、自決権の問題と、それからとりわけ発展途上にある諸国の、まあアラブの方々がたくさん見えておったのですけれども、要するに天然資源の恒久主権の原則ということ、これらが盛んに強調されたわけですね。ですから、これはこの大会の二つの目玉、ベトナムと中東の問題が目玉になったわけですけれども、この点について一九六三年あるいは六五年、これは新興独立国によって国連総会に天然資源の恒久主権の原則、こういうのが提起されたわけでありますけれども、このときにはアメリカも日本もこれは棄権しておるわけですね。こういう態度を根本的に改めなければならないというふうに私は思うわけです。これは国際法上の原則ですから、この点について外務省の見解をひとつお聞かせ願いたい、こういうふうに思います。
○野田説明員 お答え申し上げます。
 天然資源の恒久主権の問題に関しましては、最近におきましてメキシコのエチェベリア大統領が、経済権利義務憲章というものを成文化したい、法典化したいということで努力しておられまして、この問題につきましてはすでにジュネーブにおきまして作業部会というようなものが行なわれております。すでに行なわれましたものにつきましてわれわれも参加いたしましたし、来年もこれにつきまして二度の作業部会が行なわれる。この次の国連総会にあげるということで進んでおりまして、私どももこの天然資源の恒久主権という問題も含めまして、この経済権利義務憲章というものにつきまして真剣に検討してまいりたいという考えております。
○野間委員 真剣に検討するのはけっこうだと思いますけれども、いまの中東外交がエネルギーの危機をめぐって大きな問題になっているときに、しかもあす閣議にかけて中東外交の問題について発表される、これは急ぐと思うのですね。その時点においてイスラエル軍の占領地域からの全面撤退、これとは別個にいまの恒久主権の問題についてこれを是認されるのかどうか、これはやはりアラブの諸国は非常に関心を持って見ていると思うのです。これを是認される、これはいまあなたのお話によると、たしかそういう方向でいま検討中というような発言のように私は受け取ったわけですけれども、これはよろしいですね、どうですか。
○野田説明員 メキシコの大統領が提起しておられますこの経済権利義務憲章と申しますものは、先ほどお答え申し上げましたような天然資源の恒久主権でありますとか、あるいは沿岸国の主権というようないろいろな問題を含んでおります。これはそれ以外の、たとえば沿岸国の主権の問題で申しますと、海洋法の会議というようなものもございますし、その他のいろいろな会議の場におきまして法律的な検討は加えられているという問題もございますので、これらを全部ひっくるめまして真剣に検討しておるという場に、日本も真剣な態度で参加しているということでございます。メキシコの大統領の提案にかかりますこの経済権利義務憲章と申しますものは以前からの問題でございまして、これが現在の問題とどういうふうにかかわり合いがくるかということはもちろんあると存じますけれども、特にそれについてどうということは考えていないわけでございます。もちろん関連があるということは存じておりますけれども……。
○野間委員 真剣に討議されるのはけっこうなことで、ふまじめに討議されては困るわけですけれども、あすの声明の中にこういうものを盛り込まれるのかどうかということを聞いておるわけです。これを盛り込まれるということになりますと、今日までとってきた日本の態度を変えることになるわけですね。この点についてアラブの諸国は非常に関心を持っておるということを申し上げているわけですけれども、こういう点について、外務省は十分論議されて、そしてあすの声明の中にこれに関連したものを入れられるかどうか、次官ひとつお答え願いたいと思うのです。
○水野説明員 先生の御指摘のように、発展途上国やさらに後発国の主権の中にある資源あるいはその領海の資源、こういうものにつきまして、日本政府がいままでのような考え方でいくことは非常にむずかしいということはよく存じております。そのために先ほど申し上げましたように、メキシコ大統領の経済権利義務憲章の問題につきましても、日本政府は非常な深い配慮を持ってこの会議に出席をしております。しかし、明日の発表につきましては、そういう天然資源の問題ということではない。御承知のように、二四二決議の内容にはそういうことは盛り込まれていないわけであります。先ほど申し上げましたように、二四二決議の中にある諸問題を日本政府としては深く考えて、態度を表明するということはあるかと思いますが、そこまでは言及していないだろうというふうに考えております。
○野間委員 これをぜひ前向きに、しかも早急にお願いしたいと思うのです。この上に立って、米系のメジャーでなくてやはり互恵平等の原則に立って、このOAPECとの間で資源の貿易を行なう、こういう前提がなければ、エネルギー危機、石油危機が叫ばれた、こういう事態の中で、単に取ってつけたように、こういう中東外交についての説明なり、報告をされるということでは、今日までのわが国がとってきた外交政策からして、なかなかアラブ諸国がそのまま直ちにその態度を是認するというところまでいかないと思うのですね。ですから、ほんとうにこの点について、くどいようですけれども、外務当局として早急に、前向きに、しかもこれを認める、これをぜひ早期に実現させてほしいということを強く要望して、次に質問を進めたいと思うのです。
 緊急要綱に戻るわけでありますけれども、大臣はどこかへ行ったのですか。――では、エネルギー庁長官にお伺いしましょうか。緊急対策の要綱がつくられる経過、こういうものをマスコミ等を通じて私ども注意深く見ておったわけです。ところが、私がふしぎに思うのは、当初は何よりもまず大口の需要家、これの需要を節約していかなければならぬ、こういうことが非常に強調されたわけてす。――途中ですけれども、外務省は、これでけっこうです。――大口の需要家の節約、これか非常に強調されたわけですね。特に具体的な企業として、鉄鋼、セメント、電力あるいは石油化学、アルミ精製それから紙パルプですね。これらについて一〇%を削減する、こういうことが今回のエネルギーの消費の抑制、これの中心的な目玉であったわけです。ところが、その後の経過を見てみますと、経団連の主張によりますと、国全体の節約運動、こういうふうにすべてのしわ寄せを国やあるいは国民全体――今度の要綱によりましても、これは個人、企業、官庁と同列に置いて、すべての国民全体にこれらの削減の被害を及ぼす、押しつける、こういうふうに変わってきたと思うのです。
    〔稻村(左)委員長代理退席、委員長着席〕
ある新聞による通産大臣の座談会、これなどによりましても、石油削減の打撃あるいは犠牲、こういうものの負担は公平に、被害の負担は公平の原則だ、こういう趣旨の発言が座談会で出ておるわけです。このことは当初の特定のこのようなエネルギー浪費型企業からの一〇%の削減からずっと後退したと思うのです。しかも消費規制法案、これは草案の段段でまだ煮詰まってないようですけれども、これなどによりましても特定の大口使用、これに規制が限定されていない。全産業用それから民生用、これを一律とするなどといわれておる。国民は米穀通帳まがいのもので切符制あるいは配給制、割り当て制、こういうことすらしいられるということまでこの法案の中身が報道されておるわけですね。こういう一連の経過からいたしますと、どうも私たちは企業サイド、大企業サイド、最初の意図がずっと後退して変わってきた、こういわざるを得ないと思うのです。特にこの対策要綱、これを見ましても、先ほど指摘を申し上げた鉄鋼やセメントあるいは電力、石油化学、紙パルプ、アルミ精製、こういう特定の企業の名前が全く出ていない。そして一般企業の節減率はさしあたりこういうことにすりかえられておる、こういうように思うのです。こういう経過について、私の指摘が誤りであれば、ひとつどの点がどう誤っておるのか、お答え願いたいと思うのです。
○山形説明員 先般十六日に閣議決定いたしたわけでございますが、経緯といいますか、最初の意図という点につきましては、ただいまの御質問と若干意見を異にいたしておるわけでございます。われわれといたしましては、諸外国の規制のやり方等もいろいろと調査をいたしまして、一番効率的なかっこうをまずねらわなければいかぬというのが一点でございますが、あわせて今回の原油カットというのが非常に大幅になる可能性もございますので、全国民的な形でこれを乗り切る以外にないという発想に立ったわけでございます。御存じだと思いますが、諸外国の規制のしかたは、むしろ民生に対しましてその消費をカットまたはカットの呼びかけを行なっておる現段階でございます。しかしながら、これは先ほど来大臣も累次にわたって答弁いたしましたように、日本の石油製品のウエートから見まして、産業用のウエートが高いものでございますので、われわれといたしましては、特に産業面のカットは他国に先んじましてこれを実施し、かつ大口の石油及び電力の消費者につきましては、個別に大臣からそれぞれ要請をして、その結果をフォローするようなことにいたしておるわけでございます。決してそこの当初の意図をすりかえて民間または一般国民に対して過重なる負担をかけるような意図はございません。当初からの予定どおりの方向でございます。
 それから、まだ成案を得ておりません規制法案の内容につきましては、まだ検討中でございますけれども、先ほども御答弁いたしましたように、最終的な段階では割り当てもやむを得ないのじゃないかと思いますが、割り当てということはなかなか弊害も多いわけでございますので、われわれといたしましては、できる限りこれを発動しないような形で今後の行政に当たりたいと考えておるわけでございます。
○野間委員 しかし、この要綱を見た、私だけじゃなしに一般国民は、やはり言っておるわけですよ。官庁と企業とそれから個人、国民、これらを同列に置いて、そしてすべてがこれらの被害をそれぞれ公平に分担しなければならぬ、こういうたてまえは、やはり依然として大企業サイドの緊急対策にしかすぎない。しかも、これがはたして実効性があるのかどうかということについて非常に疑問なり疑惑を国民は持っておるわけです。中小企業とかあるいは一般家庭用あるいは公共性の高い輸送機関あるいは施設、これらについて「適正な必要量の確保に努める。」とか、あるいは中小企業については「石油の確保を行うよう石油販売業者に対する指導を行う。」とか、あるいは農林漁業用とか医療用等々については「早急に所要の措置を検討する。」ということで、非常に抽象的な表現、しかも、これは「努める」とか「指導する」とか「措置を検討する」ということで、具体的にこの中身に書かれておるような、要するに消費をするものについての確保がはたしてはかられるのかどうかということについては、この文言から見る限り、これは何ら実効性を担保するものはないじゃないか。結局、こう言っておるけれども、つとめたけれどもだめであったとか、あるいは指導をしたけれどもだめであったということにすぎないのじゃないか。これは一般国民の声なんですね。具体的にこのような見通し、確実な見通し、確信をもって言えるのかどうか、これをひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 要綱とか大綱というものは大体そういうふうに書くものでありまして、法律になるというと何々をする、そういうふうにはっきり断言して書くものであります。要綱というのは政策のプリンシプルでありますから、そういうふうに書いてあるのはやむを得ない。しかしわれわれは、そういう精神に従ってそれを実行していこうとするものであります。
○野間委員 それはあとで時間があれば聞きますけれども、緊急立法の提案については、立法の提案という項で提案の要綱が書かれておるわけですね。私が聞いておるのは、その前の行政指導の問題なんですね。これについていま申し上げたような表現、文言が書かれておる。ですから、これでは「努める」とか「指導する」とかあるいは「措置を検討する」ということだけでは、実効性が担保できない。たとえばその前の――これは新聞ですから前の段と言ってもあれですけれども、一般企業の一〇%の節減率については、この「指導の実効性を確保するため」云々「特段の指導を行う」、こういう具体的な表現まで要綱に書いてあるわけですよ。ところが、一般家庭用とかあるいは中小企業用等々については、いま申し上げたような表現しか出てないわけですね。この点を私は指摘しておるわけです。大臣、いかがですか。
○山形説明員 この要綱につきましては、いま大臣の答弁のように大きな考え方を述べておるものでございますが、われわれといたしましては、優先確保を電力、石油についてもどういう部門で行なうか、それから中小企業につきまして先ほど来出ておりますように、十二月一日を期しまして一定の保留分を前提に各府県別に石油製品のあっせん所を中小企業のために設置するというような具体的な政策については、現在各省全員あげまして詰めておる段階で、近くそういうことが逐次きまってくる段階でございます。
○野間委員 時間がありませんので、それを見た上でさらにまた質問を続けたいと思いますので次に続けますけれども、便乗値上げあるいは不当利得の発生についての措置、これなんです。これについて厳重に取り締まるというような趣旨のことが書かれておりますけれども、便乗値上げそのものはすでに相次いで行なわれておるということは御承知のとおりだと思うのです。特に私がここで指摘したいのは、日本の元売りと申しますかメーカー、これらが十月末から今月の初めにかけて大幅な値上げをしておるわけです。しかも、これに対する政府の断固とした姿勢というものは、私たちは聞いたことがない。わが党は独自に調査をしたわけでありますけれども、それによりますと、たとえばメジャーからの油種別の原油の値上げ額はいろいろございますが、大体原油の輸入総量に占める構成比率からいたしまして、一番多い二四%を占めるイラニアン・ヘビーですね、これなどについては一リットル当たりの値上げ幅が円に換算しますと一円九十四銭。ところが、国内の石油会社の卸売り価格、精製しての卸の価格をこれでとりますと、ガソリンが五円から七円、ナフサが二円、灯油が五円、軽油が二円、それから重油が一円五十銭から二円、ですからいま申し上げたように一番シェアの多い二四%を占めるイラニアン・ヘビーが一円九十四銭の値上げをすると、国内の石油会社が、たとえば灯油について言いますと五円の値上げ、これは共同石油、三菱あるいは
 エッソ・スタンダード、これが明らかにした価格なんですけれども、こういうようなことが発表されているわけですね。これはまさに便乗値上げそのものであるといわざるを得ないと思うのです。先ほどの論議の上で、元売りの凍結とかあるいは特約店あるいは小売り店の段階での価格をどうするかということ、これは大臣も小売り価格では四百円云々という話もありますけれども、そもそもメジャーが一円九十四銭上げたものをなぜこんなに上げなければならぬのか。しかも、そのほかの条件は全く変わってないわけですから。それはたとえばタンカーで行っても満タンにできなかったとか、日数がかかったとか、いろいろそういう事情もあるかもわかりませんけれども、しかしそれにしてもべらぼうな値上げじゃないか。このような便乗値上げの実態を知っておるのかどうか、ひとつお答え願いたいと思うのです。またこれに対する効果的な措置がなされたかどうか、ここでやはり行政指導をしなければこれはだめだということを私は強く指摘したいと思うのです。
○山形説明員 先ほども御答弁申し上げましたけれども、メジャーからは非常に大幅な通告が出ておるわけでございますが、製品価格中の原油の比率というのはおしなべて四五%程度でございます。これは全体の平均でございますので、いま先生のお出しになりましたイラニアン・ヘビー、それの硫黄分の問題等々で油種別にも相当違うわけでございますが、一応おしなべてそういうことが言えるわけでございます。各社は、この原油比率に応じて精製段階の価格形成を行なうわけでございますが、いまお話にも出ましたように、最近船舶が非常に滞船が多いわけでございます。これはペルシャ湾で滞船が出ておるだけでございませんで、行きました船がほとんど半腹で帰ってくるというのが多いわけでございます。
 それから稼働率が御存じのとおりダウンしておりますので、これから非常に大きなコストアップ要因が出る。それからナフサとか重油については輸入を従来から行なっておりますが、これはほかの地域から輸入をせざるを得ないわけでございますけれども、製品輸入の価格は異常なる高騰をいたしております。
 それからもう一つ大きな要因といたしましてはメジャーズが原油段階での利幅が少なくなりましたのでユーザンスを従来百二十日日本の精製に与えておりましたのを六十日にカットしてきております。この辺の金利負担等が非常に大きな要因と相なっておるわけでございます。それ以外に円相場の変動に伴う円建ての価格のアップ等もございまして、いろいろとこの計算が油種別、それからいま言いました要因等で非常にむずかしいわけでございますが、われわれといたしましては便乗値上げさせないという方針でございます。
 それから各社が、新聞等に出ておる値上げにつきましては現時点で大幅値上げは実際は行なっておりませんで、一応新聞に散見しておりますものが全部実現しておるわけではございません。念のために申し上げます。
○野間委員 私は、値上げを発表しておる、こういうふうに申し上げたはずです。条件は同じでも、原油のメジャーからの売り渡し価格がこれだけ上がればなぜこんなにべらぼうに二倍半も三倍も国内のメーカーが上げるのか。これはやはり便乗値上げ以外の何ものでもないと思うのです。これは実際、あなたはいろいろ弁解しますけれども、具体的に調べたことがあるのですか、どうですか。これらを調べてやはりここで価格の凍結をしなければこれはだめです。これらについて一体調査をされておるのかどうか、あるいはしてないとすればこれは怠慢だと思いますが、これらを実際に調査して、具体的な緊急要綱もつくり、これを実施されるわけですから、これらを早急に調査して、これらの実態について便乗値上げであるかどうか、これをひとつ報告してほしい、こういうふうに求めますけれども、どうですか。
○山形説明員 御趣旨の方向で努力いたしたいと思いますけれども、これは従来から非常に自由に形成されておる。大口の改定、小口の改定、流通段階も非常に複雑でございます。また、元売りからの一次特約店、二次特約店、その間のマージン、非常に複雑な形態をとっておりますので、御趣旨の線に沿って努力はしてみますけれども、われわれといたしまして最終的には法規に基づく強力な権限でもありませんとなかなかこの中には入れない、限界がありますことを御了承願いたいと思います。
○野間委員 だからぜひこれは実現してほしいと思うのです。これがなければ、通産大臣が価格安定カルテル、これは公取委員長は反対しておりますが、こういう価格安定カルテルを考える場合でも、このような原価計算、積算の基礎、こういうものが明らかでなければこういうものができないわけでしょう。これはやろうと思えばできるわけですよ。これをぜひつくった上で当委員会に出してもらうように重ねて強く要求して、次に進みます。
 次に、公取委員長にお伺いしたいわけですけれども、きょうの日経等に出ておりますけれども、合成樹脂のメーカーが価格の一斉値上げ、「塩ビ、キロ二十円以上」、これは日経に出ておりますね。「合成樹脂五〇%値上げ」、これは実は私は十九日の段階で調査によってこのような事実が判明したわけです。私が調査したところによりますと、日経新聞に書いてある中身がほほ妥当だと思います。しかも、電話とかあるいは口頭で十九日に一斉に各メーカーがやっておるわけですね。メーカーの名前をあげますと、三菱モンサントそれから油化ですね、それから三井石油化学、三井東圧旭化成、旭ダウ、住友化学、日経には電気化学もありますけれども、私のほうでは、これは情報はキャッチしておりません。こういういまあげた合成樹脂のメーカーが一斉に四〇%前後の値上げを商社とかあるいは卸商にやっておるわけですよ。しかもそれを受けて、今度は商社や卸商は、それを原料を使う中小企業メーカーに対してさらに七〇%前後のアップをやっておるわけです。ですから、いま卸商あるいは商社あたり、これはまさにパニックですよ。ここではクレージーとかパニックとかいうことばがはんらんしまして、もう電話がひっきりなし、おそらく通産省あるいは公取のほうでもこういう事実はもう察知されておるかと思いますけれども、私はやはりこれはこの消費の規制法案あるいは安定法案、これらが新聞ざたになって、今度の通常国会が開かれれば、法案を上げる、価格は凍結されるということが前提になって、しかも逆算して十一月の十五日にさかのぼってその価格の値上げを強要する、それを拒否すれば今度は供給しない、こういう方向でどんどんどんどんいま進んでおるわけです。これは十九日、二十日です。きのうまでです。こういう実態を把握しておられるのかどうか、しておられないとすれば、早急にこれはやみカルテルとして調査をしてやはり排除するべきだ、こう思うのです。
 これに関連して、これは大臣にもお伺いするわけですけれども、かりに価格を凍結するような法案ができたとしても、これは遡及してこの価格の凍結、これに効果を及ぼさなければ、いま申し上げたように、遡及して結局値上げをやっておるということについてはこれは取り締まることができないと思うのです。これらについていまどのような方針を立てておられるのか。ひとつお伺いしたいと思うのです。これは公取委員長、それから大臣にお伺いしたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 以上のような諸問題は、目下関係各省間において鋭意検討中でありまして、まだそういう検討の過程でありますので、ここで明らかにすることは差し控えたいと思います。
○高橋説明員 私どものほうでは、塩ビのさらにもとになるエチレン、プロピレン等、そういうものについては実情を把握しております。塩ビの点については把握がまだ十分ではありません。ありませんが、早急に実態の把握につとめます。どう処理するかという問題はこれは一般論でございますが、私どもはかりに独禁法違反の疑いで立ち入り調査をするといたしますと、それは立ち入り調査を現実に行なった日に初めてそれを公表するということにしておりまして、あらかじめこれをどうするかということを言いますと、実はその調査の上で大きなそごを来たしますので、その点につきましては、できるだけ私どもはそういう問題でこれが違法なカルテルであるということがほぼわかれば対処しますけれども、具体的にやる、やらぬということを申し上げることは控えておいたほうがいいのではないかと思っております。
○野間委員 大臣、いま私が申し上げたことについていま検討中だからここでは答弁を差し控えるという話がありましたけれども、この要綱にも「行政指導などに伴う便乗値上げを防止し、不当利得を排除するため強力な施策を講ずるとともに、」ということで、便乗値上げの防止、不当利得の排除ということが要綱の中で大きな目玉としてあがっておるわけですね。ところがいま申し上げたように、どんどんどんどんいまのメジャーズの値上がりによってそれの二倍、三倍の値上げでメーカーがおろしておるとか、あるいは値上げを発表しておるわけです。しかも、、いま申し上げたような合成樹脂のメーカーが、私はこれはやみカルテルだと思いますが、これは公取の調査にまつわけですけれども、こういう方向でどんどん値上げをしておる。しかも、いま塩ビとかあるいは成形加工、これらの業者はほとんどが中小企業なんですね。これらがいま四苦八苦しておるのです。うろたえてしまって私のところにどんどん来るわけです、こういう電話があったということで。こういうことを許したままでかりに価格を凍結するとしても、これはちょうど九月時点で灯油の価格を平均価格で凍結しましたけれども、そのときにはすでに上がったその時点での凍結になったわけですね。ですから、いまからやっても、遡及してこの効果を及ぼさなければこれは全く効果がない、こう言っても過言でないと思うのです。この点も考慮して、私が申し上げたことが事実であるとすれば、これに対する有効な強力な手だてを打つべきだと考えますけれども、この点についてひとつ御答弁を願いたいと思います。
○中曽根国務大臣 御意見はよく承っておきます。ここでいろいろちょっとしたことを申し上げるとすぐ店頭から品物が消えてしまったり、あるいは売り惜しみ、買いだめ的行為が起こるという危険性が十分あるわけです。いまあなた、遡及の議論が出ましたけれども、これもいま法制局等においてもいろいろ議論しておるところでもあります。そういう諸般のいろいろな検討はしておる段階でありますから、ここで発言することは差し控えたいと思います。
○野間委員 時間がなくなりましたので、ひとつ年末金融の問題についてお伺いしたいと思います。
 いま申し上げたように、中小企業、しかもこういうプラスチック関係、これのメーカーが特に、そうでなくても年末に向かって金がないという中で、やはりたいへんな状態が起こっておるわけです。私はほんとうに一種のパニックが年末に向かって出てくるのじゃないかと思うわけです。その中で、特に私がここで要望したいのは、やはりドル対法のような特別立法、特に無担保、無保証だけではなしに無利息、こういう融資、これは税制上の措置も含めて特に緊急に考える必要があると思うわけです。これは将来の問題ではなしに、いま当面緊急差し迫った問題だと思うのです。ですから、そういう事情を十分調査した上で、早急にこれは通常国会に出すべきじゃないかと思うのですけれども、こういう用意があるのかないのか。私はぜひこれをやらなければならぬし、やるべきだと思いますけれども、大臣いかがですか。
○外山説明員 年末金融の問題につきましては、先般、今後の情勢のきびしさをとらえましていつもよりも多目にかつ早目に手当てをしたわけでございます。その後物資の問題が加わりましで、私どもとしては情勢のきびしさを予想するわけでございますが、いつもよりも大型に配慮したわけでございますので、この辺の状況をよく見きわめてまいりたい。さらに、運用にあたりましても、ただいま御指摘のような物資の不足に伴いまする運転資金需要の増加といったことには窓口で特に配慮するようにということを先般も言っておりますが、今後もそういった点については政府系三機関の指導を十分やってまいりたい、短期の運転資金というものの需要には十分こたえるようにしたい、こう考えておる次第でございます。
 ただいま御指摘のドル対法のような措置につきましては、現在の情勢の見きわめをもう少しいたしまして、さらに適時適切な手を打たなければいけないという判断の上に立って検討してみたい、こう考えておる次第でございます。
○野間委員 これで終わりますけれども、大臣、やはりこの要綱によりますと、一般企業の節減率一〇%、これは私は具体的にいろいろ論議をしたかったわけですけれども、時間がありませんので省きます。そしてこの実効性を確保するために云々と、石油と電力についていろいろ書いてありますけれども、しかしこれは単なる行政指導であるわけですね。しかも一般企業全般ということで一〇%が節減されるということになっておるわけですね。そうではなくて、やはりいま破綻を示しておる日本列島改造論、この新幹線とか道路、これらを具体的に凍結ないしは縮小するということにおいて初めてこの緊急対策が成り立つのであって、そうでなくて一般的にこのような一〇%削減、これはまた物不足を生んで、とれがさらに物価の高騰にはね返る。しかも、来年になると、さらにこのままの状態が続けば、これは不況が来ることは必至だと私は思うのです。ですから、この点について、私は、いま申し上げたように、改造論の見直し、凍結あるいは縮小、こういうものをぜひやるべきだということを強く要望して、質問を終わりたいと思います。
○浦野委員長 松尾信人君。
○松尾委員 きょうは延々八時間の長い審議でありました。私が最後になったわけでありますけれども、私は、これでも時間は非常に足らなかったんだろう、各委員ともに質疑をうんと重ねたかったんであろうと思うのです。しかし、問題はほとんど出尽くしたように思います。
 そこで、私は三つの点につきましてお尋ねしたい。一つは、外航船舶に対する燃料、油の補給の問題 一つは備蓄に関連しての問題最後の問題は、この石油危機、現在のこのような情勢というものをどのようにして解決、乗り切るべきであるかという点に関してであります。
 最初に、運輸省関係でまいりたいと思います。いろいろニュース等でわかるわけでありますけれども、いま外航船舶がシンガポール等で油の補給ができないでとまっておる。それから外国での港における補給が非常に困難になっておる。そしてこの海運界に対する供給の削減で、今後の外航船舶の運航が非常に制限されていくであろう、ひいては内航船のほうもこの削減によって運航が非常に不円滑になっていくであろう、このようなことを聞くわけでありますけれども、現状がどうかということと、どのように影響が起こっておるかということ、そのためにはあなたたちはこの問題をどのようにして乗り切っていこうとしているのかということをお尋ねしたいと思うのです。
○山上説明員 現在日本の外航船舶の燃料油は、日本国内において調達をしておりますのが、これは四十七年度の実績でありますが、年間約千二百万キロリットルであります。さらに、この外航船は外国の港におきましてほぼ同量補油いたしております。すなわち、両方足しますと、四十七年度の実績では二千四百万キロリットルであります。さらに、このほか外国船が日本の港で油を補給しているのがあります。これも同じく四十七年度の実績でありますが、約八百万キロリットルあります。したがいまして、日本船と外国船を含めまして、しかも日本船の外国における補油をも含めまして、外航船の全体では約三千七百万キロリットル、これが必要とされております。
 そこで、最近の日本の外航船の外国の港における補油の状況でありますが、ただいま手元に入っております情報によりますと、十一月の初めからこの十一月の十九日までの実情でありますが、具体的に申し上げます。
 まず、ペルシャ湾につきましては、現地出港船、これはタンカーでありますが、これは四十三隻ありましたが、この中で往復分補油できたものが十四隻あります。それで片道分しか補油できなかったものが二十九隻であります。なお、通常はペルシャ湾地区におきましては、タンカーは往復分とも積み込むという実情でありますが、このいま申し上げました期間中におきましては、このような実情にあります。
 それから、その他の地域について申し上げますと、シンガポールにつきましては日本船、これは貨物船でありますが、これが四隻目下停船中であります。このうち三隻は補油の予約をあらかじめ取り消されておった、しかし入港したというものであります。それでこの四隻は目下停船中であります。
 それからパナマでありますが、ニューヨーク航路のコンテナ船二隻が、これもパナマにつく前、ニューヨーク港を出港する前に予約を取り消されました。したがって、この船はニューヨークにおきましてあらかじめ肩がわり補油をしたということであります。
 それから南アフリカ、ケープタウンでありますが、貨物船が二隻、補油を五〇%削減をされました。
 それからインドネシアでありますが、この十一月の二十日以降、外国船に対しては補油が停止されるのではないかというような情報も入っております。このような情報が現在私どもが入手したところでございます。
 これに対しまして私ども運輸省といたしましては、緊急の閣議決定に基づきまして運輸省にこの十一月十六日に運輸エネルギー対策会議を急遽設置をいたしまして、この対策会議におきまして現下のエネルギー危機に対処するための運輸行政関係の施策を審議することにいたしております。この対策会議の結論によりまして、十一月の十七日に私ども運輸省海運局長から通産省の資源エネルギー庁長官あてに以下申し上げますような要旨のお願いをいたしております。
 まず外航船舶でありますが、これにつきましては、わが国は重要資源はすべて海外に依存しておるという重要資源海外依存国であり、また貿易立国でありますので、この外航船舶がかりにも運航が停滞するようなことになりますと、エネルギー資源の確保、国民生活の安定上まことに憂慮すべきものであるということであります。
 それから外船につきましても、冒頭申し上げましたように、わが国の邦船も海外の港において補油をいたしておりますので、日本における外船に対しましてもその油の確保方につきましてお願いをしております。
 あわせまして、先生の御指摘もありましたが、内航海運につきましても国民経済、民生の安定上必要不可欠のものであるということで、この燃料油の確保につきまして特段の御配慮をお願いしているところでございます。
○松尾委員 長官も――大臣は半分くらい聞かれたと思うのですけれども、やはり貿易立国のわが国としまして、この外航船の運航というものを十分はかるというのは基本的に大事なことであろうと思います。また物資の輸送、これは内航船でありますけれども、沿岸航路でありますけれども、これもやはり重大なるものであります。いまいろいろ対策を立てて通産省のほうに要望しておるということでありますけれども、これを受けて立つ大臣とされましては、どのようなお考えでこれをやっていこうとお考えですか。
○中曽根国務大臣 貿易は日本の国是としても非常に重要な部面でございますから、外航船舶に対する給油等については十分配慮してやらなければならぬと思っております。
○松尾委員 では、そういうことで基本的に了解して次に飛んでまいりましょう。
 この備蓄の問題でありますけれども、現在これは長官どのような備蓄の状態ですか。それと、国としましても、この備蓄に対してはいろいろ助成をしておると思うのでありますけれども、現在そのような助成、それから備蓄のことについて、大体でけっこうです。ほんとうは時間があれば各社別にどのくらい、この前、方針を立てて、そして七十九日分あるとかいろいろおっしゃいましたが、そのような内容も知りたいのでありますけれども、それはあとで資料をもらうことにしておいて、とりあえず備蓄ということが叫ばれてからどのくらいふえてきたか、それは大体どのようなことでふえているのか、精製会社の責任においてふえたのか、国の助成によってふえておるのかという点を明らかにしてもらいたいと思うのです。
 それから備蓄の油というものは、国が助成しておるとするならば、あまりかってに自分が備蓄しているのだからといってその備蓄会社が使っていくということもどうかと思うのでありますけれども、いまなかなかそこまでは備蓄というものをどうするということはできないんじゃないか。そうしますと、何のためにいままで備蓄してきたのか。やはり日本全体のためになるようにということで、うんと力を入れて備蓄した石油会社がいまうまくいって、あまり力を入れなかったところがまあ備蓄が足らぬということになるのでありましょうけれども、そういう点はどうなのか。あわせて総括的にこの備蓄の現状等についてまず説明していただきたい。いいですか長官。
○山形説明員 備蓄につきましては、九月末現在で原油で二十八日分、製品で三十一日分、計五十九日分あるわけでございます。
 先般、通産省といたしましては、四十七年度から備蓄の増強の対策を立てまして、四十九年度末で六十日の備蓄を持つようにということで指導したわけでございます。その水準はその後各社の努力、それから後ほど申し上げます政府側の助成の効果等もありまして、現時点で相当早くに達成されたわけでございます。
 その対策の内容でございますが、詳細は省略いたしますけれども、現在備蓄タンクの増設につきまして開銀融資を出しております。それから備蓄を余分にいたします分につきまして割り増し償却制度を引いております。それから備蓄をうんと持つにあたります運転資金に関します融資に関しまして、石油開発公団の保証を与えておるわけでございます。
 以上の三点の政策によりまして各社の備蓄は増強されてきておるわけでございますが、御指摘のとおり各社別には、なかなかこれは全部均一ということでございません。若干のでこぼこがあるわけでございます。将来もっと大きなかっこうでの中間地備蓄とかいう構想もあるわけでございますが、今回の石油危機にもかんがみまして、将来は国家的な見地でできる限り備蓄を増強する方向に進むべきではないかと考えておるわけでございます。
○松尾委員 現在のような油の削減の状態でいけば来年三月末でこの備蓄が三十五日分になるであろう、このようにいわれておるわけであります。ランニングストックとすれば約四十日分。ですから、そういうものを切るということになりますと、これはまた非常に重大な問題を引き起こすわけでありますから、現在のところは各社にそのような助成もしておる。また備蓄も各社がまちまちでありまして、うんと力を入れたところとそうでないところとある。また備蓄するタンク等をつくることのできるような余力のある場所等もいろいろ制約も受けておったでありましょう。しかし、はからずも、このような石油危機を迎えた場合には、備蓄をうんとやっておったところが油を持っているというような、非常にこれは大なる恩恵というものを受けていくであろうと思うのです。ですから、そこには国の助成もある、いろいろ税制上の措置もあるというようなことでありますると、いまのような備蓄のあり方は深く反省しなければいかぬじゃないか、こう思うのですよ。ですから、精製会社というものにまかせても、備蓄ができるところとできないところとある。余力のあるところ、そうでないところとある。いろいろまちまちでありますれば思ったとおりの政策も進まぬでありましょうから、やはりこの備蓄政策というものは大きなウエートを占めるわけでありますから、何か抜本的にここで考えていかなくちゃできぬのじゃないか、また、ランニングストックを切るような場合の備蓄の使い方というものも、もう少し国の全体的な方針で使っていくように考えなくちゃいかぬのじゃないかというような気もするわけです。そういう点についてお考えがありますか。
○山形説明員 備蓄立地の問題、その限界等のこともございまして、各社別には若干でこぼこがあることは確かでございます。しかし、われわれといたしましては、先ほど申し上げましたように、四十九年度末六十日分というのは、あくまで企業の自主的な努力でこれを推進すべきだということでやってきたわけでございますが、今後より一そうこの備蓄日数をふやすという考え方は当然あるわけでございまして、いま原油がカットされている段階でございますけれども、いずれかの姿におきましては、この六十日を九十日にするとか、もっとふやすとかいうことが当然考えられなければいかぬと思うわけでございます。そういう観点につきましては、先ほど言いましたように、国家的な見地でこの問題には取り組むべきであると考えておるわけでございます。
 それから、当面のランニングストックを切ったときの緊急問題がございますので、いまわれわれといたしましては、各社間の融通、これは当然のことだと思いますので、寄り寄り関係業界とその玉の融通につきましても話し合いを進めておる段階でございます。
○松尾委員 寄り寄り各社間の融通の話が出ましたけれども、これは寄り寄りぐらいではできぬのじゃないですか。やはり何かきちっとしたものがないとお互いに苦しくなっていくわけでありますから、それで、自分は一生懸命いろいろ国の助成は受けながらもやはり苦労しながら備蓄してきたのだというわけで、彼此融通というものはどうでしょうかね。非常に私はいいことだと思いますが、現実の問題は、それがいけるかどうかということが一つ。
 それからもう一つは、これは大臣にお尋ねするわけでありますけれども、やはりこういう問題は国が大きく責任をもっていかなくちゃできないというので、備蓄の公団の設立の問題等もいわれておりますけれども、お考えはいかがですか。
○中曽根国務大臣 この点につきましては、前にも申し上げましたように、その必要を感じまして、何らかの形において実現していきたいと思っております。
○松尾委員 これはやはり必ずいまはランニングストックの四十日分ですね、こういうものに触れてまいりますると大きく備蓄が騒がれてくるでありましょう。ですから、そのときにいろいろ彼此融通の問題を大臣がまん中になって話をつけようとされてもうまくいかぬと思うのですよ。やはりそこには一つのびしっとした命令のできる、そういうふうな備蓄というものがなされなければいかぬのじゃないかと思いますので、ひとつ速急にこれは具体化されるように強く要望したいと思うのであります。速急に実現されるように私は強く要望したいのでありますが、いかがでしょう。
○中曽根国務大臣 できるだけ早期にそのような備蓄の機関を設けるように努力いたします。
○松尾委員 これで最後にしたいのでありますけれども、現在のこのいろいろの石油カットから問題が出ております。まあ騒がれているわけでありますけれども、これをやはり何としてもわれわれは乗り切っていかなくちゃなりません。それには政府のやはり基本的な姿勢といいますか、認識、それから今後このようにしていくんだから国民の皆さんもひとつ十分理解してほしいという政府の基本的なそのような姿勢ですね。それから産業界というものが、やはり政府のそのような呼びかけ、行政指導、また法を設けての、この一つの危機を乗り越えるということに対するこれも深い認識と理解、そうして賛成というものがなくちゃいかぬと思うのですね。それからやはり国民の深い理解を前提にした皆さまの国民の皆さまに対する深い理解というものがないと、現在のような混乱は防ぐことができないと思うのです。ですから、朝からいままでいろいろこのような問題で論議されてきたわけでありますけれども、どうしても私は、政府の基本的な姿勢といいますか、その点につきまして基本的に納得ができない、それだったらついていこう、いまの通産省の考え方はもっともだ、ですから、これはいいなというふうにいけないといいまするのは、いろいろ同僚議員等からも質問が出ましたけれども、やはり目先の緊急な対策と、それから中期的な展望に立った対策と、長期的な展望に立った対策というようなものがやはりきちっとなされなくちゃいかぬのじゃないか。目先的な緊急対策はいまお考えのとおりでけっこうだと思うのです。中期的には、やがてそれがどうしてもだめで、ランゴングストックも食ってきた、いよいよというときにはどうするか。そしてほんとうにわが国としましては、このエネルギー資源、特にこの石油にたより過ぎておる。ちょっと石油がとまればこれだけ騒がなくちゃできないという基本的な日本のいまの産業構造のありかたですね。三年前からもおっしゃっているではありませんか。この産構審の答申、そうして一九七〇年代における日本の行くべき方向、これはこのようにしていくんだとおっしゃって、きちっともうできておるわけでありますけれども、知識の集約化の問題燃料多消費のこの産業というものをどのように変えていくかという、そこにやはり的をおしぼりになっていらっしゃらない。ですから、短期的にはこのようにしていくんだが、総需要を抑制していくんだとおっしゃいますけれども、その中でやはり重点があるんじゃないか。中期的にやって、もうこういうふうにしてもどうしてもだめなら、中期的にこうするんだ、そうして基本的にはいままでのすべてのことを反省しまして、そうして通産行政としてはこのようにやっていく、それで日本の産業構造というものをこのように変えていく、これもいまからきちっとやっていくというようなものがないと、これはすべてが納得のできないままに、うやむやのままに、またいろいろの施策、対策というものが動き出して、混乱を来たすんじゃないかと私は心配するわけであります。
 その中に便乗値上げの問題、たくさん出ました。これは現実にあります。そして物不足も、たくさんいままで話も出ました。私も自分の郷里に帰りまして、そしてふっと見たのでありますけれども、全部がやはりトイレットペーパーを買っておりました。ほんとうになくなるのでしょうかという質問も受けました。そんなことはない、通産省は、前年度に比べてもう一〇何%もこの紙の問題については供給を増しておるんだ、そこまでいくことはありませんと言いますけれども、たくさんの人が買っておりました。それはやはり物の値段が上がる、そしてなくなっていくであろうという不安、そういうものをやはり国民に、日本の当面の対策はこうである、こうしていくんだ、中期的にはそうやるのだ、そして日本の産業構造をどうしても変えていかないと、いま石油の問題でわれわれがこのように大騒ぎしなければならぬのだ、こうなってくると思うのです。
 そうしますと、やはり論議のもとになりました日本列島改造論の中のいろいろの問題、新幹線の問題があります。本四架橋の問題が出ました。そして総需要の抑制の中からどこを押えて、そして総需要の中からどこに回さなくてはいかぬのか、そういうものを、国民生活の必需品、日常生活必需品については絶対にもう御心配をかけません、皆さまの生活を守るのがわれわれのほんとうの心からの願いであり、それが通産行政の使命だ、このようなことをひとつきちっと、きょうの論議のすべてを私は訴えて国民にアピールすべきであろうと思う。一つの宣言をなされたらいいんじゃないか、このように思うのです。そこまでされましたらきょうのいろいろの問題も解決していくであろう。ただ、便乗値上げについてはやはりきちっとされた態度をおとりになる、これは短期的な政策であり、中期的に及ぶでありましょう。ですから、やはり目先の緊急対策と中期的な展望に立った対策と、そして日本の長期的な展望に立ったエネルギー資源対策からきた日本の産業構造の変革というものについてきちっとお答えが出なければ、これはりっぱな解決にならぬのじゃないか。また、今回はどうなりこうなりおさまったにしても、やがて形を変えてこのような問題が出てくるであろう。公害でまた必ず大きな問題が起こりましょう。環境破壊の問題でまた必ず国民と政府の間に大きなそごが起こるでありましょう。そういうことをなくして、そして日本は日本なりに生活のできる本来の日本に戻るべきであろう、戻すべきである。私はこのように強くそれを念願いたします。
 そしてその基本は、やはり通産行政における資源エネルギー政策、この政策というものをいまの大臣のときに確立されるべきであろうと私は思うのです。そういう意味におきまして、この石油の危機、非常に苦しい時期をわれわれも乗り越えていかなくてはいかぬでありましょうけれども、世間でいう禍を転じて福となす、日本をほんとうの日本らしい方向に持っていく、このようなところへ持っていかれる。また、国民が安心して、それだったらよかろう、産業界もそれだったらいく、このようなものをきちっとそれぞれに納得するようなアピールをお出しなさったらどうか。国民をすべて納得させる、そういうものをお出しなさったらどうか、このように私は訴えるわけです。それで、お答えによってこれで私の質問は終わるわけでありますが、いかがでしょう。
○中曽根国務大臣 松尾先生のおっしゃる各点、全く同感であり、また、いろいろ教えられる点があったと思います。国民に対するアピール、それから日本の産業構造政策の転換を実際にこれを機に推進していくというようなこと、便乗値上げ、そのほか物資の需給関係、価格関係の調整、国民を一番大事にしてやっていくというような諸点等については全く同感であります。私もそういう趣旨に沿って全力を尽くすつもりであります。
 国民に訴えるということは、あの緊急政策を出しましたときに内閣官房長官談で実は出ておりまして、その後私みずからテレビに頼みまして、できるだけチャンスをつくってもらって、ほとんどテレビにいま出て、直接家庭の主婦に訴え、お願いをしておるところでありますが、いずれ総理みずからがこのことをテレビを通してお訴え申し上げる機会が近くあると思っております。総理大臣にやってもらおうと思っております。私も全力を尽くして今後ともやるつもりであります。
○松尾委員 以上で終わります。
○浦野委員長 本日はこれにて散会いたします。
    午後七時四十六分散会