第071回国会 逓信委員会 第21号
昭和四十八年六月十三日(水曜日)
    午前十時十一分開議
 出席委員
   委員長 久保田円次君
   理事 宇田 國榮君 理事 小澤 太郎君
   理事 梶山 静六君 理事 金子 岩三君
   理事 羽田  孜君 理事 阿部未喜男君
   理事 古川 喜一君 理事 土橋 一吉君
      亀岡 高夫君    草野一郎平君
      志賀  節君    高橋 千寿君
      渡海元三郎君    楢橋  渡君
      長谷川四郎君    本名  武君
      村上  勇君    大柴 滋夫君
      金丸 徳重君    久保  等君
      下平 正一君    平田 藤吉君
      田中 昭二君    小沢 貞孝君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 久野 忠治君
 出席政府委員
        郵政大臣官房長 廣瀬  弘君
        郵政大臣官房電
        気通信監理官  舘野  繁君
        郵政大臣官房電
        気通信監理官  牧野 康夫君
        郵政省電波監理
        局       齋藤 義郎君
 委員外の出席者
        外務省経済協力
        局外務参事官  菊地 清明君
        通商産業省貿易
        振興経済協力部
        技術協力課長  奥田 義一君
        日本電信電話公
        社総務理事   遠藤 正介君
        参  考  人
        (国際電信電話
        株式会社取締役
        社長)     菅野 義丸君
        参  考  人
        (国際電信電話
        株式会社取締役
        副社長)    板野  學君
        参  考  人
        (国際電信電話
        株式会社常務取
        締役)     新川  浩君
        参  考  人
        (国際電信電話
        株式会社常務取
        締役)     増田 元一君
        参  考  人
        (国際電信電話
        株式会社常務取
        締役)     有竹 秀一君
        参  考  人
        (国際電信電話
        株式会社常務取
        締役)     米田 輝雄君
        参  考  人
        (国際電信電話
        株式会社取締
        役)      大島信太郎君
        参  考  人
        (国際電信電話
        株式会社取締
        役)      古橋 好夫君
        参  考  人
        (国際電信電話
        株式会社取締
        役)      小池 五雄君
        参  考  人
        (国際電信電話
        株式会社取締
        役)      鶴岡  寛君
        参  考  人
        (国際電信電話
        株式会社取締
        後)      宮  憲一君
        逓信委員会調査
        室長      佐々木久雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月七日
 辞任         補欠選任
  渡海元三郎君     宮崎 茂一君
  平田 藤吉君     青柳 盛雄君
同日
 辞任         補欠選任
  宮崎 茂一君     渡海元三郎君
  青柳 盛雄君     平田 藤吉君
同月八日
 辞任         補欠選任
  志賀  節君     床次 徳二君
  渡海元三郎君     高見 三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  高見 三郎君     渡海元三郎君
  床次 徳二君     志賀  節君
同月十三日
 辞任         補欠選任
  内海 英男君     高橋 千寿君
同日
 辞任         補欠選任
  高橋 千寿君     内海 英男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 逓信行政に関する件(国際電信電話株式会社事
 業概況)
     ――――◇―――――
○久保田委員長 これより会議を開きます。
 逓信行政に関する件について調査を進めます。
 本日は、国際電信電話株式会社から、お手元に配付いたしました名簿のとおり参考人の方々が出席されております。
 この際、同社の事業概況について説明を聴取することといたします。菅野参考人。
○菅野参考人 国際電信電話株式会社社長の菅野義丸でございます。
 当委員会の委員長及び委員の諸先生方には、会社として平素格別の御指導、御高配をいただいておりまして、われわれ常に感謝しておるところでございますが、本日はまことに貴重な時間をいただきまして、会社事業の概要につき御説明申し上げる機会を得ましたことにつきまして、心から厚くお礼を申し上げます。
 当国際電信電話株式会社は、本年四月一日をもちまして創業二十周年を迎えることができましたが、おかげをもちまして社業は順調に伸展し、わが国の国際通信サービスは世界最高の水準にまで引き上げられ、国民の皆さまに安心して御利用いただけるようになりました。
 御承知のとおり、世界の国際電気通信は、衛星通信、海底同軸ケーブル、あるいはまた散乱波通信等、通信技術の急速な進歩発展に伴い、在来の短波無線通信時代から広帯域通信時代へと移行し、創業当初には想像もできなかった豊富で良質な回線の設定が可能となりまして、現在では電報、電話、テレックスはもちろんのこと、テレビジョン伝送、データ通信等、多種多様なサービスを提供できることに相なりました。
 当社は、今後とも世界各国との国際通信網の拡充整備につとめますとともに、日進月歩の技術革新と情報化社会の進展に対応するため、なお一そう、たゆまざる研究と真剣な企業努力を重ね、創業二十年は創業ゼロ年なりの決意のもとに、国民の皆さま方に信頼できる、便利で、身近な国際通信サービスを提供いたしたいと念じておる次第でございます。
 つきましては、ここにまず、最近一カ年間の事業概況について御報告申し上げます。
 昭和四十七年度における設備の拡張改良計画のうち、おもなものといたしましては、衛星通信の関係、国際通信センター及び那覇国際電報電話局の建設、中央局設備の拡充等がございます。
 第一は、衛星通信の関係でございます。
 昨年九月、田中総理大臣が中国を訪問されましたが、この歴史的実況をテレビでなま中継するためと、日中間通信の拡充強化をはかるため、北京に可搬型の小型地球局を設置いたしまして、太平洋上の衛星を経由する通信回線を設定しました。これによってテレビジョン伝送業務のほか、衛星による電報、電話の取り扱いを開始いたしました。同地球局は、首相訪中後も引き続き運用されており、日中間の国際通信サービスは格段の向上を見るに至りました。
 また、長年の懸案でありましたインテルサット、国際電気通信衛星機構でございますが、その恒久化協定が本年二月十二日を期して発効の運びとなり、名実ともに世界組織として、その実体にふさわしい活動ができるようになりました。
 第二は、国際通信センターの建設等でございます。当社は、かねてより新宿新都心地区に地上三十二階、地下三階、延べ十二万六千五百平方メートルの建物を建設中でありますが、建設工事はきわめて順調に進捗し、本年七月中に上棟式を行なう予定であり、明年六月末には完成の運びとなっております。また、昨年五月の沖繩復帰に伴い、当社は、沖繩の国際通信関係の業務と要員を引き継ぎましたが、これに対応して、那覇国際電報電話局の局舎を建設するため、本年一月工事に着手いたしました。その規模は、地上六階、地下一階、延べ四千八百平方メートルで、明年一月末に完工の予定であります。
 第三は、中央局設備の拡充であります。国際通信需要の伸びに対処するため、かねてより運用の自動化につとめてまいりましたが、昨年度は国際加入電信の全自動化設備を大幅に増設いたしますとともに、新たに、国際電話発信自動化のための諸設備を設置いたしました。
 国際電話の全自動化につきましては、日本電信電話公社の御協力を得て、長年にわたり諸準備を進めてまいりましたが、いよいよ、本年三月から運用を開始いたしました。現在のところ東京、大阪、名古屋の一部の加入者の方々を対象としまして、米本土、ハワイ、西ドイツ及びスイスあての通話を取り扱っておりますが、逐次、国内の利用地域と外国側対地を拡張していく予定でございます。
 なお、全自動化に伴いまして一分一分制料金を採用し、御利用者の便をはかっております。
 以上のほか、通信非常障害対策関係の設備等、昭和四十七年度の当社事業計画に計上いたしました諸設備の拡張改良計画は、おおむね順調に実施を見ております。
 続いて、昭和四十七年度の営業概況について申し上げます。
 取り扱い業務量の実績でございますが、昨年度は円の変動相場制への移行、米ドルの切り下げ等通貨制度に大きな変化がありましたが、日本経済の発展を背景に、各業務ともおおむね順調な伸びを示しております。すなわち、主要業務別に概数で申し上げますと、国際電報は五百六十四万通、国際加入電信は七百八十三万度、国際電話四百二十万度でありまして、特に、国際加入電信及び国際電話につきましては、前年度に比べましてそれぞれ三五%、五三%と著しい増加を見ております。
 次に、経理の概況について申し上げます。昭和四十七年度上期の収支状況は、営業収益二百二十七億円、営業費用百七十一億円となり、これらに営業外収益、営業外費用及び特別損益を加減しまして、この期の利益は三十四億円となっております。また、四十七年度の下期につきましては、営業収益は二百五十六億円、営業費用は百七十九億円となり、これらに営業外収益、営業外費用及び特別損益を加減しましたこの期の利益は、三十九億九千万円となっております。資産の状況につきましては、四十八年三月末現在におきまして、資産の総額は七百七十億円で、そのうち、流動資産は二百七十九億円、固定資産は四百九十一億円となります。一方、負債総額は二百六十三億円で、そのうち、流動負債は百六十一億円、固定負債は二十六億円、引き当て金は七十六億円となり、したがいまして差し引き純資産額は五百七億円と相なります。
 なお、昨年九月三十日払い込み完了で、倍額増資を行ないましたので、現在の新資本金は百三十二億円となりました。
 続いて、昭和四十八年度事業計画のおもな事項について御説明申し上げます。
 四十八年度の国際通信需要は、通貨調整等による対外貿易への影響もあろうかと存じますが、わが国経済の発展、国際交流の活発化等を反映しまして、総体的には依然として増加の傾向を示すものと思料いたしております。したがいまして、このような需要に対処するために、本年度も前年度に引き続き各種国際通信設備の拡充整備につとめ、通信サービスの一そうの改善をはかる所存であります。
 すなわち、当社の四十八年度の設備計画といたしましては、国際通信センターの建設工事を引き続き推進するほか、電話交換設備やデータ伝送設備、加入電信交換装置、その他国際航空データ業務等の新規サービスのための諸施設及び中央局通信設備の拡充につとめ、また、通信回線の新増設、衛星通信、海底ケーブル施設の拡充、営業関係通信設備の整備、通信非常障害対策、新技術の研究開発、訓練設備の拡充等を推進することとしまして、これらに要する経費といたしましては約二百三十三億円を予定しております。
 このうち、対外通信回線につきましては、さらに大幅な拡張をはかることとして、加入電信回線百二十四回線、電話回線百六十二回線をはじめといたしまして、電報回線、専用回線等総計三百六十八回線を新増設する計画であります。これが実現いたしますと、当社の対外回線数は全体で約二千回線となり、国際通信サービスは、一そう改善向上を見ることになります。
 次は、営業所設備等の拡充でありますが、お客様方の御利用の便をはかるため、このたび東京に国際電信電話案内所を、また京都に国際電報電話局を新設いたしましたが、さらに、新東京国際空港内及び東京シティ・エア・ターミナル内にも営業所をそれぞれ新設する予定でございます。
 衛星通信、海底ケーブル施設の拡充整備につきましては、インド洋上のインテルサットIV号型衛星の本格的運用開始に備え、山口衛星通信所設備を改修するほか、新太平洋ケーブル計画に所要の投資を行なうことにしております。
 なお、日中海底ケーブルの建設につきましては、さきに来日された中国海底ケーブル技術視察団と話し合いを行ない、さらに、去る五月四日北京において郵政大臣と鍾夫翔電信総局局長との間で、本ケーブル建設に関する取りきめが締結されましたが、今後は、政府御当局の御指導のもとに、これが実現に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、懸案の東南アジア海底ケーブルの建設につきましても、早期に実現するよう努力いたしたいと考えております。
 通信非常障害対策につきましては、東京関門局の被災時における通信の途絶を防ぐとともに、機能の一部を分散して回線網の信頼度を高めるために、昭和五十年度使用開始を目途に新大阪国際電話局の建設工事に着手することといたしております。
 また、新技術の研究開発につきましては、広帯域海底ケーブル中継方式、画像通信方式、ミリ波通信方式等に重点を置いて行なってまいります一方、また、新技術の円滑な導入をはかるため、各種訓練設備を拡充し、職員の能力開発及び資質向上訓練を行ないたいと存じておる次第でございます。
 最後に、昭和四十八年度の収支の見込みについて申し上げます。主要業務の需要量を国際電報五百十一万通、国際加入電信九百二十八万度、国際電話五百三十二万度と見込みまして、この予測のもとに収入については約五百四十四億円、支出につきましては一そう経費の効率的使用につとめることとしまして、約四百七十三億円を予定いたしました。
 以上簡単でございますが、事業概況の御報告といたします。
 何とぞ、今後とも一そうの御指導、御鞭撻を賜わりますよう、この際会社を代表いたしましてお願いを申し上げる次第でございます。ありがとうございました。
○久保田委員長 これにて説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○久保田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。久保等君。
○久保(等)委員 本日は、国際電電の事業についてお尋ねをするにあたりまして、社長はじめ御出席をいただきましてありがとう存じます。
 KDDに対する質問に入るにあたりまして、最初に郵政大臣に一、二お尋ねをいたしたいと思います。
 だいぶ前でありますが、当委員会で郵政大臣に、例の電波法、放送法の改正問題についてお尋ねをいたしました。当時郵政大臣、今国会に法改正の提案をする気持ちも十分におありになるようなお答えがございました。今日、国会のほうも延長国会に入っておるわけでありますが、重要法案であります懸案の電波法、放送法の改正問題について、ただいま郵政大臣はどんなふうにお考えになっておるのか、お尋ねいたしたいと思います。
○久野国務大臣 先般の当委員会におきまして、久保委員からも電波法、放送法の改正等につきまして御質疑がございました。その際、私といたしましては、今国会でできるだけ改正案がまとめられるように作業を進めております旨申し上げたわけでございます。省内におきまして小委員会を設けまして、いろいろ検討を続けてまいったのでございますが、今日会期末近くになりまして、この段階では今国会中に電波法、放送法の改正案を提出することはたいへんむずかしい情勢になってきたのではないか、かように存ずるような次第でございます。
○久保(等)委員 たいへんむずかしい情勢になってきたのではないかと思われるという大臣の御答弁なんですが、率直に言って、私は今国会で提案することは無理だと思います。客観的に判断してそう思うのですが、しかし大臣、よほど検討に検討を加えて相当成案を得る段階にまで来ておるのかどうか、これは沓としてわれわれにはうかがい知ることができないわけなんです。特に私がお尋ねしたのは、過ぐる三月二十六日の委員会でお尋ねしたのですが、三月の二十六日も当時もうすでに会期末までそうなかったのでありますが、大臣、きわめて意欲的な答弁をせられたので、むしろ私自体若干意外に思ったくらいです。しかし大臣が非常に熱意を持ってやっておられること、けっこうなんです。しかしこの法改正が非常に長い間の懸案でありますし、また中身はきわめて広範多岐にわたります。したがって、この国会に提出するためにそう拙速をもって扱うべき問題ではございません。さればといって、今日までじんぜん十数年にわたって検討に検討を加えられながら放送法あるいは電波法の改正が日の目を見ない、こういうことはこれまた歴代内閣の問題になりますが、私は政府の怠慢だといわざるを得ないと思うのですが、大臣もまた一年か前後でかわられるというようなことで、こういった問題が予期以上にきわめて長期を要して今日に至っておるわけなんですが、問題点はそうたくさんないのではないか。というのは、要するに煮詰めてまいっておる段階で、今日やはり大臣あたりのところで最終的な決断を下されて整理をされるということをやってまいりませんと、事務当局で検討を加えておれば、私はこれは永遠にまた常に検討事項が出てまいると思います。したがって、やはり適当なところで区切りといいますか、見通しを立てて国会に法改正を提案されるということが必要だと思うのです。
 私、このことであまり時間をとりたくありませんが、大臣、国会の会期末を控えて、この問題について、法改正の中身については焦点はどのあたりに来ておるのか。この前、三月二十六日にお尋ねした当時は、とにかく極力煮詰めて成案を得るようにということで指示をしているというお話だったのですが、その煮詰めた成案がさらに煮詰まってまいったと思うのですけれども、一体どういったところが予想以上に大臣の立場からいえばおくれた原因なのか、そういったことについて簡潔にひとつお答え願いたいと思うのです。
○久野国務大臣 放送法、電波法の内容というのは非常に複雑であり、多岐にわたっておることは御指摘のとおりでございます。特に情報化社会に対処いたしまして、重要な言論と申しますか、情報を担当しておる部門であるだけに、この内容につきまして各方面の意見を参酌をいたしまして検討いたしませんと、なかなか問題が多岐にわたってくることであろうと私は存じます。そういう意味から、この小委員会を中心にいたしまして検討を進めるように私から指示をいたしておる次第でございます。
 詳細な内容にわたりましては政府委員からお答えをいたしますが、問題点となっておりますのは、免許基準の整備、それから新しい放送分野に関する規律のあり方、こういう点などにつきまして慎重に検討すべき事項が多々ございまして、そのために今日まで成案を得ないというのが実情でございます。しかしこれはただ放任しておるというのではないのでございまして、何らかの形で成案を得まして、できる限り早い機会に国会の御審議を仰ぎたい、かように考えておるような次第でございますが、しかし今国会にこれを提出をするのは見合わせざるを得ないような状況に来ておる、私はかように判断をいたしておるような次第でございます。
○久保(等)委員 いま最後の結論で、今国会にこの改正案を提案するかどうか、大臣のいまの御説明ではっきりしたと思うのです。しかし今後早期に結論が出され、したがって国会の場でこの法改正が実現をするような方向で一そう努力を願いたいと思います。
 電波法、放送法の問題については以上にいたしまして、KDD関係の問題に入ってまいりたいと思います。
 KDD関係の問題については先ほど社長のほうから事業の概況についていろいろと御説明がありました。たまたま本年四月でKDD発足満二十周年を迎えたわけですが、先ほどの御説明にもありましたように、二十年を振り返ってみますと、今昔の感にたえないほどきわめて異常な発展を遂げてまいっておると存じます。一例を対外通信回線にとってみましても、発足当時の資料で見ますと昭和二十八年当時七十一回線だったのが、本年度では、先ほどお話がありましたように約二千回線に達しようというこの一例をもっていたしましても、まことにたいへん目ざましい進歩発展を遂げてまいっておると存じます。しかし今後ますます、無限といってもいいほど通信の需要というものは伸びてまいると存じます。今日こうした盛況を見ておりますこと、一に社長はじめ全従業員のたいへんな御苦労があったと存じますし、心から深く敬意を表したいと存じます。しかし日進月歩、非常に目まぐるしく、今後一そう需要が高まってまいります通信、特に情報化社会に入りました今日では、従来より以上のスピードで通信に対する需要というものが一そう高まってまいると思うのですが、そういう中で、先般来特に問題になっておりました日中間の海底ケーブルの問題にいたしましても、郵政大臣も非常に積極的な御努力をなされて、現在日中間における話し合いがいろいろ具体的に進んでおると存じます。ごく最近もいよい上実務協定締結の段階にぼつぼつ入ってまいっておると思うのですが、KDDのほうから係の方々が中国へ行ったという話を漏れ承っておるわけなんですが、この日中海底ケーブルの建設につきまして、先般も当委員会で郵政大臣のほうから御説明がありました。特に海底ケーブルをどこに敷設するか、この問題についていろいろ調査をし結論を出してまいりたいというお話だったと思うのです。中国側のほうでは上海に陸揚げ地を設けようというお話ですが、日本の場合には、先般のお話では、目下のところいずれにするか、すなわち九州あるいは沖繩、そういったようなところで調査をしてみなければならぬというお話だったのですが、その後この面に対する調査研究というものは一体どういった程度に進んでおるのか、ひとつ郵政大臣のほうからお答え願いたいと思うのです。
○久野国務大臣 日中海底ケーブルの敷設に関する取りきめにつきましては、当委員会の委員の各位の非常な御協力、御支援によりまして、五月四日無事に署名を完了いたしたような次第でございます。しかしこの取りきめの内容の中には、御存じのとおり、今後細目にわたっての実務協定を結ばなければならないわけでございます。その建設当事者並びにこの実務的な協定を結ぶ当事者は、日本側はKDDであり、中国側は上海市の電信局であることは御承知のとおりでございます。そこで、一日も早くこの実務協定を結ぶための作業を進めるために、一昨日から、KDDの代表者が上海へ到着いたしまして、そして話し合いが進められておるのでございます。その話し合いの内容等につきましては、今後いろいろの過程を経なければわかりませんが、何といたしましても、調査をする時期をいつにするか、それから調査の方法、それから建設のためいろいろな作業に必要な機材の整備、こういうような事柄などが話し合いの重点になろうかと思うのでございます。
 そこで、ただいま最後に御指摘になりました日本側の陸揚げ地につきましては、これも当然上海において話し合いが進められるものと私は想定をいたしておるのでございます。中国側も最終的に取りきめの文書の中には上海市付近ということは書いてないのでございます。当初、鍾夫翔電信総局長が日本をたずねられまして、私たちとの間に話し合いをいたしました際には、中国側は上海市付近を陸揚げ地にしたいという意向が漏らされたのでございますが、この取りきめの文案の中にはこれは書いてはないのでございます。でありますから、中国側の陸揚げ地をどこにするか、日本側の陸揚げ地をどこにするか、これも重要なポイントであろうと思うのでございまして、当然、上海におけるただいまの話し合いにおいてこれはある程度前進するものと存じております。しかしこの日本側の陸揚げ地につきましては、御承知のとおり、先般来るる私が申し上げましたように、陸揚げ地点における海底の事情並びにケーブルを敷設いたします地域の海底の事情、こういうものを十分調査検討いたしませんと、敷設に障害を来たす、将来の保守に非常な障害を来たすことになるわけでございます。そのために、この陸揚げ地につきましては相当話し合いは時間がかかるのではないか、かように存ずるような次第でございます。しかし、出発を前にいたしまして関係者が私のところへごあいさつに見えましたので、ぜひ上海における会談においては、両国の陸揚げ地等の問題についてでき得る限り話し合いを煮詰めるようにということを私は指示をいたしておいたような次第でございます。
 以上が現況でございます。
○久保(等)委員 陸揚げ地をどこにするかという問題は、交渉によってもちろん具体的に、最終的には両者の間できめられる問題だと思うのですが、しかしいま大臣の御説明にもありましたように、問題は海底の地形その他の事情、こういったようなことがやはり非常に大きなファクターになると思うのです。一体、日本の近海の海底状況がどういうようになっておるのか、これは、一KDDの問題ではなくて、また郵政省の問題でもなくて、しかしさればといって一体これが所管がどこになるか、海上保安庁あるいは運輸省、海上保安庁は運輸省に入りますが、あるいは科学技術庁、こういったようなところの所管になるのだろうと思うのですが、一体日本の海底の模様さえはたして実態がつかめておるのかどうか、非常に実は危惧をいたしておるのです。大臣のいまのお話で、これは上海のほうへ派遣せられたKDDの係の皆さん、そういった皆さんの判断でどうこうできる問題じゃないので、一体日本の近海における海底の地形はどうなっているのだということは、これはむしろ調査を待つまでもなく、本来ならば私はわかっていなければならぬ話だと思うのです。いつか私は、東海大学だったと思うのですが、海洋関係の視察に参ったときに、日本の近海の海底の模様からすべての模様をソ連においては実にこまかく調査をして、何千あるいは何万になるのか知りませんが、そういう地点について事こまかく調査をしておるデータをちょっと見たことがあるのですが、一体日本が、自分の国の周辺がどういう状態にあるのか、海底の模様が一体どうなっておるのか、たとえば海底ケーブルを敷くについて、基本的にはそういったことから調査しなければならぬというようなことだと、実は非常に情けない話だと思うのです。したがって、いま郵政大臣がたまたま海底の状況等についての調査、これは当然のことだと私は思うのです。ひとり郵政大臣を責めようとは思っておらないのですけれども、一体今日の日本の近海における海底の状況、いま問題になっております九州のあのかいわい、こういったことはこれから調査をしてみなければわからないという状況なんでしょうか、お尋ねをいたします。
○菅野参考人 お答え申し上げます。
 日本近海の様子は東大にも海洋研究所がございますし、あるいは海上保安庁の海図等によりましても大体のことはわかるのであります。ただケーブルを敷く段になりますと、非常に精細な、高低あるいは海底の土質、あるいは岩石の性質等を、実際のものをとってみないといけませんので、そういう意味の海洋調査がぜひ必要になってくるわけでございます。私どものほうでも概略の深さであるとか、あるいはどういうような地形になっているということは大体承知しておりまして、それはもちろん大いに参考になるのでございますが、わずかあの一本の線を敷くために、具体的に詳細にその状況を把握するためには、どうしても特別の調査をする必要があるようでございます。
 そこで今回その調査をまずやろうということが大きな話し合いの目的になるわけでございますが、先方の中国側が何と言うかわかりませんけれども、一応私どものほうでは、台風の去ったあと、十月ぐらいにはぜひこの具体的な精密な調査をやろう。この調査もいろいろなやり方がございまして、たとえば公海は両方でやる、それぞれの領海は一方的でやりますけれども、できれば相手のほうの人もだれか参考に乗るというようなことにして調査をやるわけでございます。
 そういうふうにその詳細な調査をしませんと、肝心の陸揚げ地ばかりではなく、ケーブルそのものの構造を、単純な外装でいいかどうか、特別な外装をつくらなければならぬじゃないかというようなことまでもわかりませんので、そうしますと経費がずいぶん違うというようなことで、とにかく一番初めにやらなければならぬのは海洋調査のようでございます。それらのことにつきまして、今回専門家が行って上海市電信局と打ち合わせをしておるような次第でございます。
○久保(等)委員 その調査はKDDのケーブルシップでやられるのですか。要するに日本側の場合はKDDだけの手でそういった調査がやられる見通しなんですか、どういう方法でやられようとしておるのか。
○菅野参考人 これも先方とよく打ち合わせをしたいと思いますが、公海並びに日本の領海につきましては、KDD丸ももちろん使いますが、海上保安庁にもお願いいたしたいと考えております。海上保安庁には特別のそういう海洋調査の船があるようでございます。いつもそこにお願いしております。それから中国側の領海につきましては、これは先方側がどう言いますか、自国の船でやるかあるいはこちらの船を貸してくれと言いますか、これは話し合いできまると思います。
○久保(等)委員 そういう調査の段階を経て、いよいよ具体的な結論が出て着工ということになるわけですから、その事前に当然実務協定の締結という手続も国際間のことでございますから行なわれると思いますが、その実務協定の締結の時期は、おおよそのメドをどのあたりに置いておられるのですか。
○菅野参考人 私どもの希望といたしましては、年内に海洋調査を終えまして、双方の陸揚げ地もはっきりきめまして、それから所有権の問題であるとか、あるいは設計その他のいろいろな打ち合わせがございますが、そういうこまかい打ち合わせば今後二、三回の会合で全部取りきめまして、でき得れば年内、おそくとも来年早々には実務協定を結びたい、こういうふうに希望しております。
 しかし、これは先方の御都合もありますから、あくまで十分な話し合いのもとにいたしたいと考えておりますが、当方の希望はそういうことを予定しておる次第でございます。
○久保(等)委員 日中海底ケーブル建設の問題については、極力早期に実現をするようにということでたいへんな御努力をせられておるわけでありますが、ぜひ一そうの御精進を願いたいと存じます。
 次に、朝鮮民主主義人民共和国いわゆる北鮮、あるいは北ベトナム、この方面との直通回線の建設についても、いろいろ話し合いをなされておるやに当委員会でもお聞きいたしましたが、この方面に対する問題については、これまた具体的にはどういった程度に進行しておるのか、ひとつKDDのほうからお尋ねをいたしたいと思うのです。
○菅野参考人 北ベトナムの国との間の直通回線はいま現在ございませんで、主として香港経由で行っておりますが、疎通が非常によくございませんので、私どもとしましては何とかして直通回線を持ちたいと思っております。
 また朝鮮人民共和国のほうは、これも直通回線がございませんで、北京を経由いたしまして、わずかに電報と電話のサービスをやっております。これまた中継でございますのでテレックスはできませんし、何かと不便でございますので、これまた直通回線を持ちたいと早くから当方としては希望しておるのでございます。
 いまのところ、久保先生は話し合いをしておると仰せになりましたけれども、まだその段階ではなく、私どもが一方的に熱心に希望を述べて、いかなるときでも、そちらさまさえ御希望ならばこちらから行ってもいいし、またそちらからおいでになってもいいし、話し合いをしたいということを申し上げておりますが、まだその時期でないらしく、確たる返事が参っておりません。私どものほうではいつでもそれをやる用意をしておりまして、専門家を派遣してもよろしゅうございますし、また機械等も、もしなんでしたらこちらでもって用意してもいいというふうに考えておるわけでございます。
 また北ベトナムのほうにつきましても、これは外務省を通じてわれわれの希望を述べておりまして、もし行く機会がありますれば、できるだけ早い機会に先方にも伺って先方の事情を伺い、機械その他技術等でもって協力ができるものならば協力もいたしまして、直通回線の開設をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○久保(等)委員 現在正式に国交がなされておりませんから、そういう点でKDDがいまの段階で直接話し合いをしようと思っても、なかなか話し合いをするチャンスというもの自体がないことは、これは当然だと思います。先般郵政大臣は、もう少し何か現に話が進行しておるようなお話をこの委員会でなさったのですが、特に国交未回復のところ、こういった方面については政府自体が積極的に取り組んでまいるべき問題でありますし、また久野郵政大臣、きわめてこの方面に対する御熱意は私ども非常に高く評価しておるわけなんですが、本問題に対して何か積極的にかつ具体的に手を打っておられるのかどうか。これはまあ郵政大臣も外交面は直接担当しておられるわけじゃありませんけれども、しかし電気通信という非常に重要な――今日情報化社会、特に世界各国、非常に熾烈な競争といえば競争、一面からいえば、お互いに連絡をしながら通信回線の増大をはかっておるたいへんな段階で、いまのこの懸案問題を早期に実現をいたしまするように御努力になっておられると思うのですが、郵政大臣のほうの立場から御説明を承りたいと思うのです。
○久野国務大臣 先般来、当委員会において委員の各位から御熱心な御質疑がございまして、そのつど私がお答え申し上げておりますとおり、政治制度の違いを越えて、お互いに国交未回復国であったといたしましても、通信網につきましてはお互いにこれが改善をはかりたい、かような考え方に立ちまして、KDDを通じて朝鮮民主主義人民共和国いわゆる北朝鮮、並びに北ベトナムとの間に直通回線を持つことができ得るように交渉を進めなさいということを、私は指示をいたしておる次第でございます。この指示に基づきまして、KDDは両国に対しまして、何らかの形で直通回線を設置いたしたいという申し入れをいたしておられるようでございます。ところがそれについての具体的な回答もまだ来ていないようであります。交渉も実際に進んでいないようでございます。
 しかしながら、これは外務省の所管事項でございますが、先般外務省の三宅課長が北ベトナムを訪問せられました際に、ぜひ北ベトナムとの間に直通回線を設けたいというような意向が申し述べられたやに私は聞いております。これに対して外務省から当方にも連絡がございましたので、郵政省といたしましてもこれを希望する旨申し上げておきました。そうして、KDDを通じて折衝をするようにということを指示しておいた次第でございます。
 北朝鮮につきましては、いろいろの接触があるわけでございます。私自身は政府の関係者でございますから直接接触をいたしてはおりませんが、政治家の皆さん、あるいは財界の関係者、あるいは技術者あるいは文化人、報道関係者、いろいろの関係の方たちの人事の交流が行なわれておりまして、話し合いがこの通信回線の設置につきましてあるようでございます。そのつど私はそれらの方々から意見を求められておるのでございますが、私は積極的にひとつこれは進めたいと考えておりますということを皆さんに申し上げておる次第でございます。何らかの形において反応があるものと私は期待をしておるような次第でございます。
○久保(等)委員 この問題については非常に郵政大臣も積極的に熱意を持っておられるわけですが、ぜひひとつ近々実現するように心から祈ってやみません。
 次に移りますが、本年の二月に例のインテルサット恒久協定が発効して、インテルサット自体が、非常に長い間の懸案でございましたが、多数の国々の参加を得て新しい段階を迎えたと思うのです。すでに理事会も二回にわたって開かれたやに聞くのですが、この協定の内容あるいは最近における運営の状況を、郵政当局のほうからひとつできるだけ簡潔に承りたいと思うのです。
○舘野政府委員 お答えいたします。
 御案内のとおり、インテルサットのいわゆる恒久協定といいますものは、一昨年四十六年八月に署名されまして、昨年四十七年の六月に国会承認をいただいておるわけでございます。その後の手続といたしましては、本年二月九日公示及び外務省告示をもって国内的に施行されているわけでございますが、協定の定めるところによりまして、国際的には本年二月十二日発効ということになっております。これは御承知のとおり、一九六四年に結ばれましたいわゆる暫定協定ということで国際商業通信機構がつくられまして、人工衛星が上げられ、国際的な商業通信の、宇宙通信の用に供されてきました組織を、非常にはっきりした国際条約の形において恒久化したものでございます。前の暫定協定によりまするこのインテルサットと申しまするものが国際法上非常に特殊な性格を持ちまして、言ってみまするならば一種の各国の通信事業体の協同組合といったような、あるいは匿名組合といったような性格を持ちまして、インテルサット自体が法人格は持っていない。したがいまして、その資産の所有関係等につきましても、一般の国際組織から見ますると非常に特異の形を持っていた実態から見ますると、それのマネージャーをつとめておりましたところのアメリカ国内法人でありまするコムサットというものがこの運営の主体になりまして仕事が進められてきた関係で、国際法上あるいはまた各国との利害の調整ということについていろいろの問題が包含されていたような次第でございますが、今回の発効いたしました恒久協定によりまして、インテルサットというものが、各国の主権国同士が締約いたしました条約上の国際機関、法人格を有し国際機関としての必要な組織を有し、権利義務関係が非常に明確化されまして、これからますます発展するであろう人工衛星を通じましての国際商業通信というものを運営いたしますものに、非常に確固たる基礎を与えたということがいえるのではなかろうかと思います。
 それから、ただいまお話しのように、事業者同士の実際の運営をいたします上での決定機関、審議機関でありますところの理事会がすでに二回開かれておりまして、これはわが国の条約上の署名当事者、事業体として指定されておりますKDDから理事が出席いたしまして、その審議に、理事会運営に参加いたしておりますので、KDDのほうから御報告するようにしてもらいたいと思います。
○増田参考人 お答え申し上げます。
 インテルサットの第一回理事会は三月十四日から二十八日まで開かれました。それから第二回理事会は五月九日から十八日までワシントンにおいて開かれております。どちらの会合も、この新しい恒久協定のもとにおけるインテルサットの活動を軌道に乗せるということに重点を置いて審議が進められております。
 両会合におきまして審議されましたおもな事項を申し上げますと、まず理事会の議長及び副議長を選任したということが一つであります。それから次に、理事会を運営いたします内部議事規則を決定したということでございます。ただしこれは暫定的に数回の会合に適用される暫定手続を決定いたしております。それから、この理事会を補佐する委員会を設けております。それは財政に関する事項、それから技術に関する事項、それから契約に関する事項、それから長期計画に関する事項等につきまして、理事会を補佐するために委員会を設置いたしました。そしてその委員会の議長及び副議長を選任いたしました。それからもう一つ、暫定事務局長の選任の方法あるいはその待遇について議論をいたしました。これはどういうことかと申し上げますと、今度新しい制度のもとにおきましては、インテルサットの組織の中に事務局をつくります。暫定制度のもとにおきましては、アメリカの通信会社でありますコムサットがマネージャーとしてやっておったわけでございますが、そのコムサットを組織の外に出しまして、事務局を新しく組織の中につくって、その事務局長を選任するという問題がございまして、ただいま立候補者がチリ、それからイタリア、カナダ、インド、それからヨルダン、この五カ国から出ておりまして、それの選任をどういうふうにしてやっていくかというようなこと、あるいは待遇をどういうふうにするかというようなことを議論いたしまして、両会合におきましては、待遇の問題、そういうものはきめましたけれども、まだだれにするかということは、次回の会合において決定される予定でございます。
 それから先ほど申し上げましたように、暫定下におきましてはコムサットが事務局としての機能を遂行しておったわけでございますが、今後はコムサットとインテルサットの間に契約ベースで技術、運営についてのサービスを提供するということになっておりますので、そのコムサットと新しいインテルサットとの間の管理業務契約についてどういうふうにして交渉を進めるかということについての議論をいたしております。
 それから暫定協定から恒久協定へ移るにつきまして、署名当事者の出資率が変更いたしました。それは出資率を算出するやり方が暫定制度と恒久制度のもとにおきまして変わったわけでございまして、恒久制度のもとにおきましてはインテルサットの衛星を使用する比率に応じまして出資率を定める、こういうことになったわけでございます。その結果、このインテルサットの署名当事者間の出資比率が変わりますので、それの財務調整についていろいろな議論をしたということでございますが、わが国は暫定制度下におきましては一・七%の出資率を持っておりましたが、新制度のもとにおきましては四・四%という出資率に変更されております。この出資率というのはそのまま発言権に通ずるものでございまして、その結果、わが国のインテルサットの理事会における地位は非常に強化されまして、米、英に次ぐ第三位の国になったということでございます。
 それから、第一回が以上の問題を議論したわけでございますが、第二回理事会におきましても、この暫定事務局長の選任問題等につきましていろいろ議論が行なわれました。しかし、結論は出ませんで、次回行なわれるということでございます。
 それからもう一つ、この衛星が故障を起こしました場合にどういうふうに障害対策を講ずるかという問題がいつも議論されるわけでございまして、当面太平洋におきましてはIV号衛生が一個上がっておるだけでございまして、予備がございません。それでこのIV号衛星に障害が起こった場合に太平洋をどうするかということが議論されまして、幸いインド洋上にIV号衛星と、それからIV号衛星の前に使っておりましたIII号衛星という衛星がありまして、それがスペアで遊んでおりますので、そのIII号衛星を太平洋へ移すことを決定いたしまして、数日前の七日に、インド洋から太平洋上にそのIII号衛星が移ってまいりました。したがいまして、太平洋上はIV号衛星がかりに故障いたしましてもIII号衛星でバックアップをすることができる、こういうような状態になっております。
 こういうような問題を第一回、第二回を通じまして議論いたしております。
 以上でございます。
○久保(等)委員 このインテルサット本協定実施に伴って日本の国内における国内的な法律制定、そういったような問題等も今後の問題としては出てくるのじゃないかと思うのですが、国内的にはそういった問題について何かございますか。あるいはまたそういった問題について検討せられておりますか。
○舘野政府委員 お答え申し上げます。
 国内的にはさしあたって法制上の手当てをする必要事項はただいまのところございません。本協定が国会の承認を受けます際に、新しいインテルサット組織そのものが日本の国において活動するとき、これは具体的にはいまのところほとんど想定されませんけれども、あり得るということで、その際にこの国際機関であるインテルサットの活動について関税定率法の関係の修正が行なわれましたけれども、それ以外にはただいまのところ国内的法制の手直しということは必要なかろうと存じます。
○久保(等)委員 現状はあるいはそうかもしれませんが、しかし将来日本自身の手でロケットの打ち上げ、あるいはまた衛星等を打ち上げた後における問題がいろいろ出てくるかと思いますが、インテルサットの問題については時間の関係で以上で打ち切りまして、次に移りたいと思います。
 最近、日本の広告会社の電通とアメリカのGEでもって昨年の年末にデータ通信をやることになり、これが認可になったようですが、この経緯についてこれまた簡単にひとつお答え願いたいと思うのです。
○牧野政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘の電通とGEとの間におきまするところのいわゆるマーク1、マーク2のコンピューターによりますところの情報処理を遠隔で行なういわゆるデータ通信につきまして、まずGEで持っておりますコンピューターに日本からアクセスいたしまして、そしてそのコンピューターによる計算によって対価を支払うということによる、いわゆる技術導入に基づくところの外貨支払いのための外資法による認可の申請がございました。これによりますところの申請を通産省と郵政省とで、通信の面あるいは情報産業という面、そういう面から検討いたしたところでございます。
 検討いたしましたおもなる点は、要するに国内におきます同種の産業との関連の問題と、もう一つは秘密保護の問題、この二つの問題を中心に検討いたしました結果、それに重大な支障を与えることはない、こういう判断に立ちましてこれを認可することにいたしました。そうして国際通信回線を通してこの両者を結ぶわけでございますが、日本とアメリカとの間の回線の専用許可も、つまり特定通信回線の認可も過日郵政大臣からKDDを通して利用者に認可された、こういう経過になっております。
○久保(等)委員 結局利用する立場からまいりますると、企業上のいろいろの秘密なんかもGEのコンピューターに記憶させるということになってまいるわけですが、まあ従来からよく企業秘密の保持といったような問題がデータ通信の問題等では常に議論になるわけです。そういう点から考えて、いま牧野監理官のお話で、いろいろ検討を加えた結果そういったことについても心配はない、そういう判断のもとに認可をしたということですが、この秘密保護の面から問題はないと判断せられたその根拠になるべき技術的な措置、あるいはまた組織的と申しますか機構的というか、そういったような面を具体的に、たとえばアメリカの通信法あるいはFCCの規則であるとか、そういった法制的な問題についても検討を加えられただろうと思うのですが、技術的な面、それからいま申し上げた法制的な面、この両面から見た企業秘密の保持について心配はないという根拠の点を具体的に御説明願いたいと思うのです。まあこれは若干資料みたいなものをちょうだいしたほうがいいのかもしれませんから、そういった資料等はまた別途いただくとして、具体的に簡単に御説明願いたいと思うのです。
○牧野政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまの秘密保護の問題についての先生御指摘の二つの面、一つは技術的な面でございますが、その技術的な面については、これは技術的には確実にこの保護ができるような形になっております。具体的に申しますと、IDコードであるとか、いわゆる認識カード、識別カードでございますが、それからあるいはSAコードと申しまして、自分の使っている端末機器がどういう許された端末機器かどうかということを認識するコードを入れまして、それがコンピューターにあるものと照合しませんと回線がつながらない。回線がつながらないと申しますよりも、コンピューターが使用できないようになっておる。こういう技術的な措置が講じてございます。それからまた、実際必要なデータが格納されておりますところのいわゆるファイルから簡単にだれでも引き出されては一これは人の企業のデータがそこに入っているわけですから、それを引き出されることは非常に危険であります。そこで、そのために自分のデータの入っているファイルを引き出すためには、パスワードというものをその中に入れまして、それを自分が持っていまして、それを暗号みたいに送ってやらないとその中から出てこないという仕組み、それらを多重に組み合わせまして、非常にかたく錠がかけられて、これは確実に行なわれると考えられていいかと思うのでございます。また実際にこれによりまして、世界十数カ国がアメリカのGEのシステムを利用して科学技術計算その他を実行しておりますので、現在までそういうような技術的な問題についての事故が起きたという実例はございません。それから米国の通信法においてはかなりきびしく、日本の国における先生御案内のような各種の秘密に関する重要な規定がございますが、それと同様に通信に関する連邦通信法の中に規定がございますので、それに照らしましても、そういう心配はないということで判断いたした次第でございます。
 資料の点につきましては、ただいま申し上げましたことを、条文あるいは技術的な内容その他書きましたパンフレットがございますから、後刻御報告に参上つかまつりたいと存じます。
○久保(等)委員 それではその点は資料で後ほどまたいただくことにいたしまして、この問題は終わります。
 次に、KDDの事業もだんだんと自動化せられてまいり、むしろ非常なスピードで自動化をせられてまいっておるようでありますが、その問題に関連して、経営上非常に重大な問題でありますが、料金の収納の問題。営業をやっておって、売り掛け代金の徴収は当然やらなければならぬのですが、ここ最近のことでありますが料金がなかなか完全に徴収できない。すなわち未収金の問題が非常に大きな問題になっておるように承るわけでありますが、一年以上滞納しております未収金というものがどのくらいございますか。さらにまた、昭和四十七年度、もうすでに四十八年度に入っておるわけですが、四十七年度だけの未収金、一体どのくらいありますか、御説明願いたいと思います。
○菅野参考人 詳しい数字はあとから米田重役からお答え申し上げたいと思いますけれども、まずこの問題について当委員会が特別な御関心をお持ちになって御質問いただいたことについて厚くお礼を申し上げたいと思います。
 私ども会社を預かる者として、いま一番頭を痛めておりますのは、料金の滞納の問題でございます。これは最近の傾向といたしまして、電話電報の、ことに電話でございますが、利用者が非常に一般大衆化しまして、現在個人の利用者が実に三分の一、三四%になっております。電話の利用者でございますが、個人の利用者の方々の料金というものは非常に一つ一つは少ないものでございますけれども、多方にわたっておりますので、この徴収に困難を来たしておるわけでございます。ことに加入者と実際利用された方が違う場合、私どものほうでは必ず電話係が加入者の承諾を得てやるように、あらかじめこちらから呼び返して承諾を得てからつなぐようにしておりますけれども、それでも自分はそういうものをかけた覚えがないとか、あるいはまた急にどこかへ転勤してしまっていないとか、いろいろなことでもって国際電話料金の徴収に非常に苦慮しております。大体において一年以内に取れるのでございますけれども、それでも現在一年以上たったものが七億五千万円くらいにのぼっております。これは相当の金額でございまして、そのうちの一部分はやっぱり損金に繰り入れなければならないのでございますけれども、非常に残念に思っている次第でございます。
 そこで私どもの会社は、昨年来徴収方法について画期的な強化をいたしまして、人数もふやしますし、また従来料金センターという一カ所でもってやっておりましたものを各現場に分属いたしまして、そして直接きめのこまかい督促をしてとにかく料金をいただく。また銀行払い込みができるようにすべての都市銀行と全部取引を始めて、簡単に銀行払い込みができるようにしようというようにいろいろなことをいま考えております。この問題について私どもはいまあらゆる努力をいたしておりますが、ただいまの御質問に対しては私ども非常に感謝しておる次第でございまして、この上とも社をあげてこの滞納問題については一そうの努力をするつもりでございます。
 なお、数字のこまかい点につきましては米田君からお答えいたします。
○米田参考人 お答え申し上げます。
 ただいま社長から申し上げましたように、一年以上たって回収できないものが七億五千万円ございます。なお、四十七年のものでございますが、一年未満のものが十一億八千余万円ございます。以上でございます。
○久保(等)委員 これはおそらくここのところ急激にふえてまいっておる傾向にあるのだろうと思うのですが、一年以上の未収金額だけでも七億五千万円余、さらに四十七年度、これは前年度でありますから相当部分収納できるのだろうと思うのですが、しかしこれもまた相当な部分が残っていく可能性がやはりあると思うのです。そうしますと、年々歳々きわめて大きくなっていく可能性があるように見受けられるわけですが、KDDの場合には電電公社の場合と法律そのものも別個でありますし、また扱いも違ってきておりますから、同一にこれを解決することは非常に困難だと思うのですが、現行の法制のもとにおいては、KDDの場合には社長の言われたようにできるだけお客さんに対して督促をする、あるいはまた事前に滞納しておるかどうかをチェックをする、そういったようなことで回収につとめられておるようであります。これはひとりKDD当局だけでよく問題の解決ができるわけでございませんで、やはり国内の電信電話と同じような形でKDDの場合についてもいわば法制的にきちっと統一をし、その代金収納が完全を期することができるような仕組みにしていかなければならぬじゃないか、こんなふうにも考えるわけなんですが、当面の現行制度のもとにおいての措置としては、KDDでいま御説明があったようにやっておられると思うのですが、しかしこれもはたして十分に効果をあげ得るかどうか疑問だと思うのです。したがって法制そのものの面から検討を加えられておるかどうか、郵政大臣、郵政当局のほうからひとつお答え願いたいと思うのです。
○久野国務大臣 ただいま御指摘のとおり、国際電電からの請求方法並びに収納の方法等について改善すべき点はないかどうかということを検討を指示をいたしておる次第でございます。ただいまその方策につきましても一部触れられたわけでございますが、郵政省といたしましても何らかの措置を講ずべき段階に来ておるのではないかというので検討を命じておるような次第でございまして、これを法制化することが適切かどうか、そういうことにつきましてはまだ考えてはおりませんが、しかし、具体的な改善策についての検討をいたしておる段階でございます。
○久保(等)委員 これは通信というものの性格から考えて、国内通信あるいは国際通信、これそのものは観念的には分離ができるだろうと思います。この技術面が進んでまいりますと、そういった問題がだんだんと非常に密着といいますか、一体不可分のものになってくる。これはひとり電気通信に限らないと思うのですが、最近、問題は全く違いますけれども、公害の問題にしろ何の問題にしろ、これも観念的にはいろいろ企業別に分けられると思うのですが、現実の問題とすると、これはもうあらゆる方面に関係しておる、こういったようなことが最近の特徴としていえると思うのですが、通信の場合にはもう少し――もともとわれわれは通信の一体化ということで、実は国際電電の発足にあたっても、国内通信と国際通信を分離することには実は当時反対をしたわけです。今日の自民党の諸君の中でも、当時の改進党はやはり分離に反対をせられたのです。そういう経緯があるのですが、私は、そういったことが一つの矛盾としてこういう形で出てきておると思うのです。ましてや、今日のように、電話のダイヤルを回したら、そのダイヤルはロンドンにかけておるのか、日本のこの東京都内の相手にかけておるのか、少なくとも外で見ておったのではわからないのですが、それほど電信にしろ電話にしろ、通信というものそのものが世界一体となってきたという感じがますます強くするのですが、そういうところに制度的に本態と何か違った形になっておるところに本質的には矛盾があると思うのです。したがって、さかのぼっていえば、そういった企業体そのものを分離しておるところにも本質的な矛盾があると私は思うのですが、これはここで言ってみても始まらない問題ですが、そこで何とか一体的な制度に持っていく必要があるのではないか、こういうふうに考えます。したがいまして、名前は株式会社でありましても、通信の本質というものは変わらないわけですから、そういう意味から、何とか国内的に扱っておるような扱い方、少なくとも国際的な通信の場合についてもこれを同じように扱っていくというふうにしてまいらないと、これはやはり問題の根本的な解決にはならぬと思うのです。督促をするとかなんとかいうようなことはこれは当然のことですが、そういったことでは解決できない本質的な問題が、私はここに実は存在しておると思います。したがいまして、郵政大臣のほうでいろいろ検討をしておられる、また検討せよということを事務当局なりKDDのほうにもお話しになっておるようでありますが、早急に問題の解決をはかっていくべきだ、こういうふうに私、考えます。したがって、ぜひKDD、非常に業績をあげてまいっておるのでありますが、通信、しかも長距離の通信ですから、これはほんのわずかの時間といえども相当ばく大な金額になると思います。それからまた加入者の方も、電話といえば国内の通信ばかりを考えておられるわけですが、国際通信がこういう形できわめて安易にといいますか、きわめて簡単に、また便利に利用できるという電話だということも認識を深めていってもらわないと、いろいろ問題を起こすと思うのであります。ここで要望したいのは、郵政当局、特に法制的な問題でぜひ具体的に検討願いたいと思います。
 それからKDDのほうには、何か現場に課を設けて料金収納の事務を行なうようなことを当面の問題として最近やられておるようですが、これも何か暫定的におつくりになっておるようにも聞くのですけれども、やはりそうではなくて、もう少し長期的な展望の上に立って対策をお立てになってまいる必要があるのではないか、このように考えます。時間がございませんからお答えをいただく必要はございませんが、ぜひひとつ、この問題はたいへんな問題ですから、具体的な措置をお考えいただきたいと思います。
 次に、先ほどお話がございました社長のお話の中に、新しい大阪の電話局を建設をせられることが御説明にありました。この大阪の新電話局建設の問題に関連して、これはまた国際電電の事業運営の基本的な問題にも関連すると思うのです。と申しますことは、これまた前々から逓信委員会等で指摘をし、また強く要望もしてまいっておるのでありますが、通信の重要性はいまさら申し上げるまでもございませんが、同時に四六時中、いついかなる時間にもこの通信というものは途絶が許されないことは申し上げるまでもございません。そういう立場から、非常災害時の対策として、あるいはまた特に日本の東京というところについてはいろいろ非常災害等の問題が云々されております。地震の問題もいわれておりますが、とにかく通信の完ぺきを期する、いついかなるときといえども通信というものは確保されてまいるという体制をつくってまいらなければならぬ、こういうようなことで、大阪の電話局の問題につきまして、前々から西における一つの関門局として十分に対策を考えていかなければならぬじゃないかということを申し上げてまいっておるわけであります。そういう立場から考えまして、大阪のほうの新局舎建設のための用地を確保するために、これまたいろいろ努力をしておられるようですが、その局舎の用地確保の問題について、予定どおりに進行しておるのかどうか、これをひとつ承りたいと思うのです。
○菅野参考人 お答え申し上げます。
 大阪に新しい電話局を設置いたしまして、一つには災害、障害のために備え、また常時電話のある部分につきましては関門局の仕事をするという計画で、いま土地の手配をしておることはただいま仰せのとおりでございます。現在一番有力な候補地になっておりますのは、大阪市の谷町というところにある約一千坪ばかりの土地でございますが、これはもうすでにだいぶ前から交渉をしておりまして、大阪市のほうでも非常に好意をもってわれわれの希望に沿うべくいろいろやっていただいておるのでございますが、ようやく地元の人たちとの話し合いも済んだようでございまして、近く契約の運びになると考えております。ただしかし、この点につきましてまことに残念でございましたけれども、われわれはでき得れば三月の終わりあるいは四月の初めごろということを予定しておったのでございますが、約二カ月ぐらいおくれております。しかし、これによってその上に建てるビルの工期をおくらさないように、現在並行いたしまして設計その他、新しい局にどういうような機械を入れて、どういうような作業をするかというような準備は進めております。したがいまして、先ほど御説明申し上げましたような予定でもってこの大阪の電話局は完成すると私どもは考えております。
 なお、電報につきましては、現在でも同じような仕事を大阪の国際電報局でもってやっておりまして、これは東京に対する災害のための準備と、それから常時電報の関門局となっておるようなわけでございます。
○久保(等)委員 その大阪の新局舎の建設ですが、これは当然十分に土地を効率的に利用するという立場から、その用地に対する最大限の局舎建設を考えておられると思うのですが、その用地の確保については、いま社長から初めて、どうやら話がついたというお話を承ったのですが、それは非常にけっこうだと思うのです。予定よりはおくれておるという状況にあるだけに、早急にあと準備を進められて、ぜひひとつ完成に向かって努力をしていただきたいと思うのですが、その敷地の広さ、それから建物を建てる一応の構想、要するに延べ面積等の建物の大きさ、さらにこの新局舎には遠からずテレックスの電子交換機等の導入も考えておられるのかどうか、そういったようなこともあわせてひとつまとめてお答え願いたいと思います。と同時に、当面電話のコール数なんかも、全体から見てどの程度のコール数を予定しておるのか、まとめてお答え願いたいと思います。
○有竹参考人 お答え申し上げます。
 先ほど社長からお答えいたしましたように、当面手当てをしております用地はその面積約千坪、すなわち三千三百平方メートルでございます。この地域は土地の八倍までの床面積を持つ建物が最大のものとして許されておりますので、終局的には坪数で申しますれば八千坪、平米で申しますと二万五千平米くらいの建物が建てられるわけでございますけれども、こういった建物を一度に建てますと、工期がどうしても二年半くらいかかります。それで大阪の電話局の場合は、先ほど御説明いたしましたように、非常災害時対策を第一の目的としております関係上、なるべく早期に電話局が開局できる、すなわち運用に入れることが緊急な課題でございますので、初め、すなわち第一期といたしましては、その電話局の交換設備あるいはそれに付帯いたしますいろいろな電源、空調、その他の設備に必要な建物をまず建てまして、それで電話局が開局いたしましてからさらに増築したいという計画になっておる次第でございます。したがって、当初の建物の面積は約一万二千平米から一万五千平米くらいになると考えております。建物を建てますのになるべく早く完成するような設計をいたしましても、大体二十二カ月くらいかかります。それから中の機械設備その他の工事をやりまして、試験を終わって運用に入りますまでにさらに数カ月を必要といたしますので、建築の工事に着工してから開局まではまず二年半と予定しております。
 それからお尋ねの大阪の電話局の設備の規模、また運用、サービスのやり方でございますけれども、非常災害時対策として全国から発信されます電話のコール数、これの約四分の一を大阪で処理するのが妥当ではないかというふうに考えております。すなわち災害によりまして東京あるいは関東以北等の国際通信設備に大きな被害が出ましたときの電話の利用がどうなるかということから、その四分の一というような規模を一応考えたわけでございます。したがって昭和五十年度末近くになりますと、大体国際電話回線の総回線数が八百に近くなると思うのでございますけれども、大阪でそのころ運用する回線数が約二百というふうに考えております。ただ、東西に電話局を分けますとどうしても分割損がございます。これは人の面も、設備の面も、回線の面も分割損があるわけでありますが、特に回線につきましては相手国の事情もありますので、非常に回線数が少ないような対地に対しては東京で交換をやる、回線数の非常に大きな重要な対地については、東京と大阪両方に国際回線を収容して、東京と大阪で運用していく、こういうような考え方になっております。
 テレックスの電子交換につきましては、現在は大手町で、いわゆる電子交換でございません、クロスバー交換機を使ってサービスを提供しておりますほか、大阪でも一部の回線を運用しているわけでございます。電子交換につきましては今度できます新宿の国際通信センターに現在設計中のものが設備されまして、これが運用を開始するのが五十一年七月ごろと考えております。これに引き続いて先ほど申しました大阪の第二期増築工事を行ないまして、その局舎の増築を待って、テレックスの電子交換が必要であれば収容したいというふうに考えておる次第でございます。以上でございます。
○久保(等)委員 まだいろいろお尋ねしたいと思うのですが、時間がないようですから、特に東京の国際通信センター、これはきわめて画期的な新局舎の建設に取りかかっておるわけですが、これに現在あります大手町の国際通信をどういう計画で移行させていくか、これは非常にたいへんな問題だと思いますし、いろいろ御苦労のあるところでありますが、こういったこともお尋ねしたいと思うのですが、時間がありませんから、これの総合的な移転計画、こういったものを一々年度別に、これまた資料で別途いただきたいと思います。もちろん細部にわたって必ずしもあるいはまだ決定にまで至っていないかもしれませんが、決定されておらないところは別として、決定をいたしております範囲内において別途資料でお伺いをすることにいたします。
 それから技術協力の問題についてひとつお尋ねしたいと思うのですが、KDDの海外技術協力の面、これは特に政府のやられる技術協力あるいは民間でおやりになる、大きく分けて二種類くらいになると思うのですが、KDDのやっておられます技術協力の面で、これも時間がありませんから、できるだけひとつ簡潔にお答えを願いたいと思うのです。
○新川参考人 お答え申し上げます。
 国際通信を円滑に実施いたします場合に、相手国とわが国との技術及び業務の水準が同じになるということが非常に望ましいことでございますので、そういう点もございまして、KDDといたしまして、海外、特に開発途上国に対する技術援助につとめてきているわけでございますが、簡単にその内容について御報告さしていただきますと、一番大きな問題としてやっておりますことが海外からの研修生の受け入れでございまして、これはコロンボ計画とか、中近東、中南米地方に対する援助計画等の政府のベースによります協力計画、これによりまして集団研修生をお引き受けいたしまして研修しております。また、同じく政府ベースのコロンボ計画あるいはITUの計画等に応じまして、個別の研修生の受け入れを実施しております。また、KDDといたしましては、それらの政府ベースの研修と並行いたしまして、通信主管庁との間に技術協力の協定を結びまして、現在、韓国、タイ、インドネシアの三国と協約を結んでおりますが、それらの協約に基づきましての研修生の受け入れを実施しております。四十七年度の実績を申し上げますと受け入れ数百名。会社が三十二年、この種の協力を開始いたしましてからの研修生の受け入れ総数は一千九名に達しております。
 次の大きな問題といたしまして、わが国から開発途上国に対して通信専門家を派遣して指導するという問題がございます。これにおきましても、政府計画のものと、それからKDD独自の計画によるものとございますが、合計いたしまして、四十七年度におきましては四十七名の専門家を派遣しております。開始以来の合計は三百八名に達しております。特にパキスタン、クウェート、ヨルダン、イラン、ベトナム、タイ等の六カ国に対しましては、長期間にわたりまして滞在する専門家を派遣している次第でございます。
 第三番目といたしまして、以上申し上げましたような人的な協力に加えまして、当該国が不足しておりますような通信機器を直接供与または貸与いたしまして、両国間の通信の改善をはかる目的で、通信機器供与または貸与ということをやっております。この件につきましては、昨年度は三件、協力事業開始以来の件数は四十六件になっております。
 なお、最近開始いたしました協力事業といたしまして、国際通信技術に関するコンサルティング業務がございます。これは開発途上国におきます国際通信の増強、改善に資しますために、当該国におきます通信設備の建設に対する技術的なコンサルティングを引き受けるわけでございまして、現在、南米のパラグアイ国との間に、同国の衛生通信用地球局の建設に関するコンサルティングについて交渉中でございます。そのほか、政府で行なわれます各種のゼミナール等につきましても、講師の派遣その他の専門家を派遣いたしまして協力をしている次第でございます。
○久保(等)委員 この際、本年度の予算の中で、いまお尋ねいたしております、特に通信機に関する協力云々の問題は別として、研修生の受け入れあるいはこちらからの技術者の派遣、こういった関係の主として人件費的なものですが、大体予算では、年額どの程度のものになりますか。四十七年度、四十八年度あたりの金額を御説明願いたいと思うのです。
○新川参考人 お答え申し上げます。
 海外協力に関します経費につきましては、ただいまお話のございましたとおり、研修生の受け入れ、または専門家の派遣に要します人件費、旅費等がおもでございますが、昨年度の実績について申し上げますと、KDDがこの目的に支出いたしました金額は約四千万円でございます。そのうち三千万円が、いわゆるKDD独自の計画に基づきますところの研修生の受け入れ、海外派遣員の経費及び機器供与の経費でございまして、残りの一千万円が、先ほど申し上げました政府計画に御協力する上で――何ぶんこの海外協力と申しますことはKDDの通信事業の運営に直接利益をもたらすものでございますので、当社といたしましては、政府御計画の研修に加えまして、さらにきめこまかい、追加した項目等を実施いたします。その分について当社が負担いたします分が約一千万円ございます。その内訳を申し上げますと、約五百万円が、いま申しました研修をきめこまかくやるための経費でございます。残りの五百万円が当該国に対して機器を供与するというような経費でございます。
 なお、今年度の予算につきましても、最近高額の機器の供与というような計画が比較的少なくなってまいりました関係上、急激な変化がございませんで、大体昨年と同じ程度の経費を見込んでおる次第でございます。
○久保(等)委員 私、この際、外務省、通産省にもひとつお尋ねしたいのですが、外務省所管で、海外技術協力事業団、昭和三十七年に設立をいたしまして、いまお尋ねをいたしております研修生の受け入れをやっておられるわけですが、この設立当時、すなわち昭和三十七年あるいは三十八年――まあ三十八年ころがいいかもしれませんが、この当時の一年間の研修生の受け入れの人員、それからこれに要した経費、もちろんこれは政府ベースでの受け入れの問題ですが、さらに一昨々年、昭和四十五年すなわち一九七〇年のものについても、あわせてお答えを願いたいと思うのです。
○菊地説明員 ただいま御質問の昭和三十八年度、三十九年度にさかのぼりました技術協力の予算、それから一九七〇年の予算、ただいま手元に持っておりませんので、いま電話で取り寄せまして、この会議の終わる前に御報告いたしたいと思います。
○久保(等)委員 それでは本年度の予定、これもひとつついでに調べてもらいたいのですが……。
○菊地説明員 四十八年度は持っておりますので、お答えいたします。
 四十八年度の政府予算原案におきましては、研修員の受け入れ二十二億七千三百九十六万円、それから専門家の派遣は十九億九千六十一万五千円
 でございます。
 その他、技術協力関係の予算全体といたしましては、特にこれは海外技術協力事業団の予算が大半を占めておりますが、海外技術協力事業団だけをとりますと、全体で百三十七億円ぐらいになっております。
○久保(等)委員 人員は……。
○菊地説明員 人員は、これはまた資料で差し上げます。
○久保(等)委員 それでは、通産のほうにお尋ねしたいのですが、海外技術者研修協会というものが、これは民間ベースでつくられて、やはり研修生の受け入れ等が行なわれているわけですが、この中に開発途上国からの研修生が派遣される場合に審査委員会で一応審査をされるというようなことの仕組みになっておるようですが、この審査委員会というのはどういう構成になっておるのか、それからその性格、そういったものをお答え願いたいと思います。
 それから、昭和四十七年度の派遣受け入れば千六十人、実績でそうなっておるようですが、これはどういった国々からの人たちなのか。
 それからまた、これが日本で受け入れる場合に会社でもって推薦をするという推薦制度になっておるようですが、これはどういう会社が推薦をしたものか。
 それから、さらにこういった人たちが帰国をせられて一体どういうところでお働きになっておるのか。これは細部にわたりますと相当な数になるとするならば、また資料で後ほどちょうだいしたいと思うのです。すなわち推薦される会社等が非常に多数に及ぶようでしたら、ここで答弁を願うのも時間の関係で省略をして、後ほどひとつ書類でいただきたいと思います。
 それから、昭和四十五年、四十六年、こういったものもこれは資料でけっこうですからひとつ出していただきたいと思います。通産関係にこの点でお尋ねしたいと思います。
○奥田説明員 お答え申し上げます。
 民間ベースの研修生受け入れというのを主体にいたしまして、海外技術者研修協会のほうに補助金制度で、これは補助率は四分の三でございますが、四十八年度は約十億円の補助金を出す予定にしております。人数は千百名をことしは予定しております。
 国別のお尋ねがございましたが、現在東南アジアのみならず、中近東、アフリカ、中南米、世界各国にわたっておりますが、四十七年度の実績で申し上げますと、千六十名のうち、アジアが九百五名、中近東、アフリカが六十五名、中南米七十八名、その他地域、これはニューギニアとかオーストラリア、それから東欧圏も一部含みますが、そういった国が十二名というのが内訳でございます。国別で大きいところは韓国の二百九十四名、インドネシアの百四十名、タイの百十三名といったところでございます。
 それから研修生の審査制度でございますが、これは研修協会の中に通産省が入りまして、主要な協力をいただいている会社から理事を出していただいているわけですけれども、その方たちに加わっていただいて審査をしております。特に審査の面で留意しておりますことは、これは一応大学卒の方で技術者という格の高い方を相当の国費を使いまして呼ぶわけでありますので、そういう選別をいたしております。
 それから研修後の実態調査も、毎年チームを派遣いたしまして具体的な面接調査その他をやっております。現在大部分の方が、帰られたあと日本との合弁会社その他で働かれておるケースが多いようでございます。
 あと四十五、六年の資料につきましては別途お届けいたしたいと思います。
○久保(等)委員 民間ベースでやっておられる海外技術者研修協会の関係なんですが、この事業の内容を見ますと、いま御説明もあったように、受け入れば原則として会社からの申し込みに基づいて審査委員会の審査によって決定する、こういうことになっておるようです。しかもいま説明でもありましたように、帰国後は日本との合弁会社等に働いておられる方がほとんどないしは多数だというようなお話もあるわけです。私は、技術協力、これは大いに進めて、研修生の受け入れ等も積極的に、さらにまたもう少し規模を大きくしてやるべきだと思うのです。ただしかし、最近特に東南アジア方面において日本に対する批判がきわめてきびしいものがあるわけです。これはひとり東南アジアのみに限らず、世界的に日本の経済進出、こういったことについて非常に非難を受けておるわけなんですが、そういったことの一翼をこの研修生なりあるいは技術協力の面でやるとするならば、また私は何らかの意味においてこれは関連があると思うのです。こういったことについてよほど考えてやってまいらなければならぬ問題があるんじゃないか。一例を言えば、いまお尋ねしておりますように、会社からの推薦に基づいて日本で研修生を受け入れる、これは要するに会社で考えるとすれば企業ベースで、またその当該会社の企業ベースで考えて推薦をすることは当然だと私は思うのですが、しかしそういうことではたして日本が開発途上国の技術者を研修する方法として適当であるのかどうなのか。これはやはり十分に考える問題があると思うのです。すなわちその当該局における公募というか一般的に優秀な人を募集するというような方法もやはり考えていくべきじゃないか。こちらのほうで必要とするというか希望するような人たちを推薦をする、こういうことでは、国家から相当な補助金、いまお話があったように四分の三は国から補助金という形でこの研修費用というものはまかなっておる、そういう実情からしても問題があると思うのです。この協会そのものの関係者の方々はたいへん御苦労されておられるようですし、非常に何か積極的に意欲的に、しかも私心を去って努力をされておるように承っておりますし、その御努力には敬意を表するのですが、しかし、たまたまそういう関係者の方々の努力なりあるいは意思とは別に、私はやはりこの民間企業の研修生受け入れの問題については再検討を要する問題があるんじゃないか、こういう気がいたします。
 そこで、きょうは課長においで願っておるので最高方針云々をお尋ねいたすことも不適当かと思いますが、通産当局のほうでこういう問題についてどうお考えになっておるのか、ひとつお答えを願いたいと思うのです。
○奥田説明員 お答え申し上げます。
 御指摘の懸念はごもっともなことだと思いますが、現在何ぶんにも補助率四分の三ということで、実際一年間一人の研修生を受け入れるということによって大体百万ぐらいの民間負担がございます。そういった点もございまして、千人をこすような研修生を全部無関係という形ではなかなか実態はいきかねる点かございます。しかし、御指摘の点、われわれも重々考えておりまして、現在わずかではございますけれども、過去の研修生はすでに八千人近くなっておりますが、その方々が帰国されたあとに各国別に同窓会と称するものをつくっております。その同窓会の推薦者というものを会社と全く無関係な形で受け入れるように努力しております。そういう形、まだ人数は限られておりますけれども、そういう分野を拡大しまして、あるいはことしあたりも奨学金制度みたいなものをつくって、会社とは無関係な形で、ひもつきでない形の研修生の数を拡大したいというふうに考えております。
○久保(等)委員 時間がございませんから、その問題は非常に大事な重要な問題だと思いますが、私の言わんとするところは御理解願えると思うのですが、通産あるいは外務等でもこういった問題について格別にひとつ御留意を願いたいと思います。
 政府ベースで受け入れております研修生、これは日本の受け入れの実態を見てみますると、必ずしも世界で一、二ということではなくて、西独、アメリカ、フランス、イギリス、その次が日本、大体そういう順序になっておるようですが、世界の、特にいま申し上げた四カ国あたりは日本よりもはるかに大ぜいの研修生を受け入れ、積極的に技術協力をやっておられるようですが、どうも日本はいろいろな意味で今日強い批判等を受けておるわけなんですが、だから研修制度の問題なんかについても、一体諸外国ではどういう方法でどういう実態にあるのか、この実態を私はつまびらかにいたしませんが、時間でもあれば私はお伺いしたいところですが、こういったようなところを十分にひとつ研究せられて、せっかく日本に長期に滞在し、日本の国情等も見ながら、しかも技術的な面で、技術者としての優秀な、しかも将来性のある若い青年あるいはまた中堅幹部、こういった方々を研修しておるわけなんですが、どうもそのことが逆にあまり評判がよくない。あるいは日本の経済政策の一端をになって経済的に動物だとか――エコノミックアニマルだとか、あるいはまた極端に言えば経済的な寄生虫、こういったようなことも言われかねないような現状というものについては、十分に反省をする必要があるのではないかというふうに思っております。そういった点で、通産省なり外務省当局でそういったことについて今後十分に検討してもらいたいと思います。
 時間がありませんから、この際ひとつ資料を要求しておきたいと思うのですが、外務省、通産省、それぞれの方面にお願いをしたいと思います。
 海外技術協力事業団、ここで発行しておられますプリントを見まして、私はちょっと項目的に申し上げておきますから、後ほどひとつ資料をいただきたいと思うのですが、研修員の受け入れ事業あるいは専門家派遣事業、海外技術協力センター事業、開発調査事業、医療協力事業、それから機材供与事業、これらの項目について後ほどこまかく私また別途申し上げますから、ひとつ資料を出していただきたいと思うのです。これは通産省あるいは外務省、どちらになりますか、ぜひひとつ、中の具体的な項目は私またこの委員会が終わったあとで申し上げますから、資料を出していただきたいと思うのです。これはひとつ委員長のほうからもお願いしてもらいたいと思うのです。時間がございませんから全部まとめて申し上げます。
 それで、最後になりますが、KDD、一番最初に申し上げましたようにたいへんな御努力で非常な成績をあげておられるわけです。社長も、二十周年の記念日を迎えるにあたって、また初心に帰った気持ちで非常な決意でやられるようなお話もございました。
 ところで、従業員に対する待遇の問題、これもいろいろと御苦心され、御努力をされておると思います。ただしかし、昨年の年末非常な長期にわたって紛争があったように私見受けるわけですが、こういったところを考えてみますると、やはり給与問題その他の待遇の問題についても、十分に今後一そうの御配慮を願わなければならぬのではないかと思います。特に国際通信の場合は、直接同じような質のサービスを国民に提供するのみならず、世界の人たちに提供する。そういう点では文字どおりアメリカといわず日本といわず同じ仕事に携わっておる労働者であり、従業員であると思うのです。社長は何か参議院の逓信委員会でのお話の中で、待遇問題については同種産業と十分に見合った形の給与その他の待遇を考えていきたい、こういうお話があったように私速記録でちょっと拝見したのです。しかし、同種産業と申しまするのは、社長どういうところに基準を置いておられるか知りませんが、私がいま申し上げたように、国際的に全く一体不可分の関係で仕事に携わっておるKDDの皆さんからするならば、それこそ同種産業を国内的な視野で見るということは非常に私は一面的過ぎると思うのです。そういう点で、ひとつインターナショナル的な立場でこの給与問題等考えてまいるのには最もふさわしい事業ではないかと思うのです。したがって、発足二十周年を迎えた今日、新しい御決意のもとに、またいま申し上げたような立場から、従業員の今後の問題についてお考えをいただきたいと思うのです。事業は人なりといわれますが、まさにそのとおりだと思います。それだけに、社長は人道的な立場とかいろいろ仰せになっておるようでありますが、人道的立場というより以上に、人間尊重という立場より以上に、もう少し具体的に、しかも積極的に今後の施策の中でお考えをいただきたいと思うのです。その点をひとつ社長から最後にお尋ねいたして、私の質問を終わりたいと思います。
○菅野参考人 ただいまの久保先生のお話、全く同感でございまして、国際通信事業は日進月歩の技術の進歩がございまして、これにおくれをとるようなことがあっては完全なサービスはできないのでございまして、技術あるいは施設というものは常に新しいものにしなければならないのでございますけれども、それを動かすのは現在の五千二百の職員でございます。私は外部に対しましても、KDDの財産というのは決して最新式のコンピューターであるとか機器ではない、五千二百の職員こそがKDDの宝であるというふうに申しておるのでございます。したがいまして、その待遇等につきましては、私は会社経理の許す限りできるだけの努力をして、職員の立場に立って考えておるつもりでございます。もちろん国内の同種企業などは十分に尊重いたしますし、また外国の同じような仕事をしておる者に対する待遇等も十分に参考にいたしておるのでございますが、やはり何といってもKDD職員は日本の家屋に住み、日本の物資を使っておる日本の在住者でございますから、やはり日本の生活費等を考えまして、同じような仕事、ことに国際的な仕事をしておる他の職員とも比較をとって、決して劣らないようにいたしたい、こういうふうに考えておりまして、ただいまの久保先生のおことば肝に銘じてこれから守ってまいりたいと思う次第でございます。
 ありがとうございました。
○久保(等)委員 終わります。
○久保田委員長 次に、阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 国際電電の皆さんはお忙しいところたいへん恐縮に存じます。
 先ほど来お話もございましたように、国際電電も本年四月一日で創業二十周年を迎えられて社業が順調に伸展をし、国際通信サービスが世界最高の水準に達した、そういう社長さんのお話でございまして、まことに御同慶にたえないところでございます。特にまた、昨年の日中国交回復の問題にからんでは、久野郵政大臣は日中間の国際通信の拡充強化について格段の御努力をされまして、私ども敬意を表しておるところでございます。何しろKDDの仕事の内容というのは全く専門的な知識を要するものでございますから、われわれなかなか仕事の内容がわかりにくいのでございます。そこで、勉強さしていただくというつもりで、本日時間を与えられましたので質問をさしてもらいますので、なるべくわかりよく御説明をお願いしたいと思います。
 最初にお伺いしたいのですけれども、KDDのほうでは先般「国際電気通信の長期展望」こういうものをお出しになっておるようでございます。これで国際通信の長期的な展望については大体理解をすることができるところでございますけれども、当然、この長期展望に伴って長期的な拡充計画というものが策定されなければならないと思うのでございますが、KDDのいわゆる長期拡充計画、また端的に言うならば、向こう五カ年間の、たとえば電電公社の五カ年計画のようなものが策定をされておるのかどうか、もしあるならばお知らせを願いたいと思います。
○菅野参考人 当社も実は長期の計画は立てております。長期と申しましても大体五年くらいをめどに、大体の施設の拡充であるとか新しいサービスであるとか、いろいろ計画はいたしております。それをもとにいたしまして一年間の計画を立てておるのでございますけれども、この長期計画、五カ年計画といいますのはほんとうのめどでございまして、しかもこれは相手のあることでございますし、国際通信界の情勢というのはしょっちゅう変わるのでございます。そこで、これを確定したものにしておりましても全く無意味なことになるのでございまして、この五カ年計画というのは毎年変えなければならぬような状況になるわけでございます。そこで、私どもはこれはもう社内のほんとうの仕事のめどくらいにいたしておりまして、外部には出しておらないのでございます。出しますと、かえって世の中を誤らせるようなことになるのではないかと思うのでございます。実際において、やろうと思ったことが相手側の都合でもってできなかったこともございますし、また突発的に向こうのほうから新しい申し入れを受けてやらなければならぬということもございまして、確実にわかりますのは一年間の予想くらいでございますので、毎年年間計画をきめて実施しておるようなわけでございます。
○阿部(未)委員 社長さんのお話は理解ができないわけではございませんけれども、やはりこういう新しい業務でございますから、その内容がせめて五カ年くらいの大筋、こういうもので進めたいというものがおありになるということですから、おありになるのならば私どももそれを見せていただいて、それが金科玉条で決して変更できないものだなどとは思いませんが、同じように審議をさしてもらっております電電公社の場合には、大体七カ年計画あるいは五カ年計画というものがあって、これからの電電公社の進む道というもの、業務の内容というものが大筋つかめるわけでございます。もちろん相手国もあるわけですから、お話の趣旨がわからないではございませんけれども、せっかくそういうものが策定をされておるのならば、資料として私どもにも見せていただきたい、そういう気がいたしますが、そういう点は今回はもうよろしゅうございますが、今後の審議にあたってそういうお手配が願えるものかどうか、承っておきたいと思います。
○菅野参考人 阿部先生のおっしゃることよくわかります。私どもも五カ年くらいの展望というものを出しておりますが、それに対する若干の肉づけくらいなものならばできないことはないと思いますけれども、先ほども申しましたとおり、非常に変わるのでございます。しかも、私どもの年間事業計画というのは法律によりまして郵政省の御認可を得なければならぬようなわけでございまして、その認可も受けないものをあらかじめ長期計画として出すということは、私どもとしてははばかりますところでございますけれども、何か御参考になるようなものができないかということにつきましては、私どもさらに検討いたしてお答えいたしたいと思います。
○阿部(未)委員 郵政省にちょっとお伺いしますが、いま社長さんからもお話がありまして、確かに年次計画については郵政大臣の認可が要ることになっております。しかしその場合、郵政省は各年次ごとの認可をするにあたって、少なくともKDDの将来あるべき姿について五カ年計画なり展望というものを踏まえながら年次の認可を与えるのか、それとも年次に出てきたものだけをぽっと見てそれだけで認可を与えるのか、どちらになっておりますか。
○牧野政府委員 お答え申し上げます。
 国際電信電話株式会社法によりまして、毎年度の事業計画を郵政大臣が認可することになっております。この認可にあたって、どういう見地から認可するのかという御質問には、これは当然世界における電気通信の趨勢、国際電気通信の需要の動向、その技術的手段の発展動向というものを一応見通しまして、その上に立って当該年度における具体的な事実としての計画をどういうふうに策定しているかということをきめていくのは当然でございます。
 そこで、本年度において四十八年度の計画を事業計画として認可したわけでございますが、その中におきましては新しい技術的手段としてのいろいろな方法がございます。そういうものについての施設の拡充計画が確実にできるかどうか、それからそれに要しますところの資金計画は裏づけが十分であるかどうか、こういうようなことを損益計算の見積もりの上から、あるいはその予定バランスシートの上からよく検討いたしまして、そういうものが十全に全うされるように、その計画を検討いたしまして認可する次第でございます。もちろんこの中には、相手国のあることでございますので、こちらだけがんばってみましても相手がそれに応じなければできないものも含まれております。そういうものにつきましても一応の見通しをつけた上で、これをよく検討してこの計画を認可する、こういうことでやっておる次第でございます。
○阿部(未)委員 もう少し端的にお伺いしますが、それでは、おたくのほうで認可をするにあたっては、KDDの五カ年計画というようなものをごらんになって検討されておるのかどうか。
○牧野政府委員 お答え申し上げます。
 先ほどKDDの社長のほうからお答えがございましたように、KDDでは長期の展望に立って、それなりに五カ年先を見通したものをつくっておる、そしてそれを世界の動き、流動性に伴って毎年修正しながら行なっておるというお話がございましたが、われわれも毎年、五年先を見通しておる一応のKDDの事業経営上の腹づもりと申しますか、そういうものを見せてもらって、それを参考にしてその当該年度を決定しておる次第でございます。
○阿部(未)委員 KDDのほうで御心配されておるのは、郵政省の認可が要る内容のもので、認可は年次ごとにしかおりない、そういう五カ年計画を一般の外部に出すことについてどうだろうかという御懸念のようでございますが、一般的に出す出さぬは別として、国会の資料としてそういうものを出していただきたいという私の要望に対して郵政当局はどうお考えになりますか。
○牧野政府委員 法律上当該年度の計画を郵政大臣が認可することは、確かに先生先ほどもお話しのとおりでございます。電電公社におきましても、法律的には当該年度の予算を国会で審議していただいて決定するわけでございますが、企業として、企業経営の立場から一応の目標を立てるのは当然だろうと存じますので、KDDの社長は先ほど遠慮がちに、また内輪におっしゃられましたが、私どもといたしましては、五カ年先のことを経営の目標として腹づもり、心づもりを御発表になることは差しつかえないのではないかと考えるのでございますが、いずれにいたしましてもこれは企業そのものの問題でございまして、政府としてはこれについては関係ないと申すと少し言い過ぎかもしれませんが、そういう次第でございます。
○阿部(未)委員 だいぶKDDのほうで遠慮されておるのですけれども、通信の役務を提供するという限りにおいては、これは電電公社であろうとKDDであろうと変わりがないわけでございますから、これはひとつ希望として申し上げておきますので、今後の国会のいろいろな質問の際にはそのような資料についてはひとつKDDのほうで御配慮を願いたいと思います。
 次の質問に移りますが、先ほどの社長さんのお話では、第二太平洋ケーブルといいますか新太平洋ケーブルといいますか、さらに東南アジアケーブルなど、たくさんの建設計画があるようでございまして、多額の建設資金が要ることになってくる。いまのところ四十八年度については郵政大臣の承認をいただいて進めておるようでございますけれども、こういうような膨大な資金計画について認可をするにあたっての郵政大臣のお考え、それから資金計画全体についてのKDDのお考えもちょっと承っておきたいと思います。
○舘野政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、これから国際通信の業務は増大、多様化の一途をたどることでございましょう。その物的基礎といたしまして通信回線の設定ということが大幅に急テンポで進められなければならないであろうということも当然でございます。ただ、先ほど御説明申し上げましたように国際回線の設定並びにそれに伴います投資計画と申しますものは、非常に相手方あるいは国際情勢によって流動的でございます。したがいまして非常に明確な財務的な、財政的な予定というものは立てにくいわけでございますけれども、いずれにいたしましても万人が認めると申しますか、当然であると思われる一つの方向というものはあると存じます。たとえば、回線の設定に際しましてインテルサット機構を通じますところの宇宙通信、それから非常に進歩しております広帯域の海底線の利用というようなことについて、一定の想定のもとにどういう回線をどういうふうに使っていくことが最も能率的であり安全であり、また経済的であるかというようなことにつきまして、詳細なあるいは非常に具体的な財政的、財務的計画が立ちませんにいたしましても、一定の姿を想定し、それに対する準備と申しますか、心がまえをつくっておかなければならないことは当然であろうと存じます。そういう観点からいたしまして、郵政省といたしましては、相当膨大な投資が必要になってくることは非常に明らかであるということから、これは法律的な手続といたしましてはこの事業計画の認可及び決算の承認ということを通じてでございますけれども、できるだけ資金の内部留保ということを一つの指導方針の非常に大きなポイントとして従来監督の要素にいたしております。具体的には、たとえば利益の配分、株式の配当政策等につきましても、単にこれが公益事業であるということだけではなくて、当然将来膨大なものが必要になるであろう投資の原資として留保をすべきであるということで従来指導し、またそれに沿った計画を承認してきているわけでございます。会社自体といたしましても、いろいろな状態を想定いたしまして試算しあるいは方針を立てているところでございますが、政府といたしましては、先生御指摘の投資の資金の確保ということにつきまして、まず第一に社内の自己資金による投資、それの前提になりますところの社内留保の確保ということを中心にしてまいってきておるわけでございます。なお、この計画のいかんによりましては、国際的な情勢の進展によりましては、内部留保の自己資金をもってしては当該年度あるいは全体として資金不足という事態も生ずることもあるかもわかりませんが、そのときは、その計画の遂行上必要な手当てについて政府としても手段を考えるべきであろうと存じますが、ただいまのところは内部資金の留保ということに着目をいたしまして監督をしているような次第でございます。
○阿部(未)委員 KDDの場合、資金計画は非常にりっぱなようでございますけれども、こういう膨大な計画が出てくると、いまお話がございましたようにかなり先行投資的なものが要るのではないか。不勉強で申しわけないのですが、財投のほうからKDDに融資はされておりますか。
○舘野政府委員 お答え申し上げます。
 制度的に、財投と申しまして直接資金運用部資金の融資の対象にはなっておりません。いわゆる広い意味の財政投融資というものを利用します際には、開発銀行を通じましての融資ということはあり得るかと思います。ただいままでのところはまだ現実には財投の投資はございません。
○阿部(未)委員 杞憂に終わればいいのですけれども、先ほど申し上げましたように非常に膨大な計画があり、これに要する投資は相当なものになるだろうと思いますので、これは郵政当局のほうでもいろいろ検討してみていただきたい課題として提起をしておきたいと思います。
 それからついでですからお伺いしておきますが、第二太平洋ケーブル、いわゆる新太平洋ケーブルの陸揚げ地、ちょっと聞き落としましたが、沖繩が決定したのでございますか。
○板野参考人 お答え申し上げます。
 第二太平洋ケーブルの陸揚げ地点でございますが、これは二年前にアメリカあるいはオーストラリア等の関係諸国と協議をいたしました際に、この第二太平洋ケーブルのグアムからの陸揚げ地点は一応沖繩ということに話を進めておる次第でございますが、ただいまのところアメリカ国内の手続が済んでおりませんので、正式にこの地点につきまして郵政省の認可を得るというような手続に進んでおらない次第でございます。
○阿部(未)委員 これは新聞報道が間違っておるかもわかりませんが、六月十二日の電波タイムスで、第二太平洋ケーブル陸揚げ用地を買収されたというふうに報道をされておりますが、これは間違いですか。
○板野参考人 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように正式に認可をいただいておりませんけれども、沖繩が第二太平洋ケーブルの陸揚げ地点としての内諾を得ておりまするので、いまだアメリカのほうの手続は終了いたしませんけれども、私どもは、これはおそかれ早かれ近いうちにアメリカ側の手続が済む、こういう考え方のもとに沖繩におきまする土地買収の手続を進めておる次第でございます。まだ買収は完了しておりません。
○阿部(未)委員 どうも話が前後するようでわかりにくいのですが、認可がないから話しにくいが、内諾は得ておる、そういうお話のようでございますけれども、この新聞記事に誤りがなければ、すでに取得された用地は「那覇の南西、知念崎−喜屋武崎の中間、港川地区の一角約一万五千平方米、価格約二千三百万円である。」こういうふうに発表されておりますが、ただ、まだ買収を進めておるという程度ですか。これはもう決定したものですか。お伺いしたいのは、あと沖繩から本土の間のケーブルの関係等もございますからお伺いしたいのでございますけれども、少しわかりにくい説明のようですが、確定したなら確定したでいいじゃないですか。大体ここに予定してつくる、調査等も必要と思いますけれども、土地を買ってから調査をするというけれども、調査をやってから土地を買うというのが私どもの常識ですから、ひとつすっきりと知らしてもらいたいと思います。
○板野参考人 どうも明確を欠きまして申しわけございません。
 会社といたしましては、そこを買収することを決定をいたしまして、ただいまは買収の交渉をいたしておるわけでございまして、これはきまりましたということに至ってはおらない、こういうことでございますから、御了承いただきたいと思います。
○阿部(未)委員 では次の問題に移ります。
 私どもしろうとの考えでは、ドルが切り下げられた、変動相場制に移行した、当然国際間で決済をするKDDの料金については、KDDがかなり有利なといいますか、もうかる立場にあったのではないか、そういう気がするのですが、このドルの切り下げなり円の変動相場制に伴って、KDDの経理内容は一体どういう変化を来たすのか、教えていただきたいと思います。
○菅野参考人 円が上がりドルが下がりますと何か私どものほうで非常に利益になるようにお考えになる、これはもう普通だろうと思います。ところが実際は、私どもがやっておる仕事はちょうど輸人と輸出の両方をやっておるのと同じでございまして、国際通信の料金というものは相互に精算をすることになっております。それが、もしこちらからの支払いが多ければ、円が切り上げになりますとそれだけ非常に得になりますし、向こうからの受け取り勘定になりますと、ドルが下がっておりますから損をするわけなんです。ところがこれは非常によくしたものでございまして、通信というものは発信があれば返信がある、大体とんとんになるわけでございます。したがいまして、通信の料金に関する限りにおきましては、円が上がろうがドルが下がろうがほとんど影響はございません。
 そういうわけで、私どものほうで好影響を受けたというのは、外貨の金を借りてその利息と元金を支払っておりますが、その分だけは得になっております。これはあと四、五年でもって済んでしまいますけれども、かつてケーブルを敷くときにアメリカで社債を発行しまして、外貨で借りた金をいま毎年返しております。それから利息もドルで払っておりますが、これはその分だけ利益を得ておりますけれども、通信の料金に関する限りにおきましては、ちょうど輸入と輸出を一緒にやっているような関係でございまして、差し引きほとんど影響はないような状態でございます。なおなんでしたら、詳しい数字を増田重役のほうからお答えいたします。
○阿部(未)委員 いまの社長さんのお話なら私どもしろうとにも非常にわかりいいのです。輸出と輸入の関係で大体とんとんだというのはわかりいいのですが、参議院での質問の際と、それから私がお願いをした資料の中に、決済は金フランで行なわれるから影響がないのだというあれがあるわけです。金フランの決済というのは一体どんなふうになっておるのか、ついでですのでひとつ教えてもらいたい思います。
○増田参考人 お答え申し上げます。
 初めに金フランとは何であるかということを御説明申し上げたいと思いますが、国際電気通信連合は世界の各国を包含いたしておりまして、国際間のサービスの料金を表示いたしましたり、あるいは国際計算をいたします場合に、基準になる通貨が存在することが非常に望ましいわけでございますし、また必要でもあるわけでございます。で、各国の通貨が変動した場合に、国際間のサービスの料金が直接的な影響をこうむるというようなことも避ける意味におきまして、基準になる通貨、貨幣単位が必要である、そういう立場から、一九二五年、大正十四年でございますが、万国電信連合パリ会議におきまして、金フランを基準通貨として採用しようということが決定されたわけでございます。その基準となりますゴールドフランは、量目でいいますと三十一分の十グラム、純分でいいますと一千分の九百でございます。これを簡単に申し上げますと、一ゴールドフランは純金の〇・二九〇三グラムということになります。しかしこれは実在しない貨幣単位でございます。
 で、この貨幣単位を使いまして、おわかりいただくために実例で申し上げます。たとえば、日本とある外国との間に電話料金を設定いたします。その場合は三十六ゴールドフランということで協定をいたしております。ところが三十六ゴールドフランでは、日本の円にして幾らになるのかわからないわけですから、円に換算しなくちゃいけない。外国はまた外国の通貨に、あるいはドルとかポンドに換算しなくちゃならぬわけでございますが、わが国におきましては、郵政大臣の御認可を得まして、換算率と称しておりますが、この一ゴールドフランを一定の割合で円に換算するということがございます。それによりまして一定の換算割合をかけまして、三十六ゴールドフランは円で幾らという計算を出して料金をきめておるわけでございます。
 したがいまして、国際間力決済はどうなるかといいますと、これも具体的な例で申し上げますと、日本とある外国との間の電話で、日本発信が百コールあった、そうしますと三十六ゴールドフランに百をかけまして、三千六百ゴールドフランが日本で徴収した金になるわけです。計算上。それから、アメリカならアメリカ、イギリスならイギリスで同じ百コールを出しますと、三十六ゴールドフランに百でございますから、やはり同じ三千六百ゴールドフランです。先ほど社長が申しましたように、発着同数の場合は、そこでは外貨による受け払いの関係は起きてこないという関係に相なるわけでございます。ところが現実には発信が多い場合がございます。たとえば、日本中心にいいまして、日本発信が多い場合には、多い分だけは、たとえば百十コールあったとしますと、十コールの三十六ゴールドフラン分だけは向こうに送らなくちゃいかぬわけです。相手がドルならドルに、ポンドならポンドにかえまして送金するわけです。その過程において、たとえば円のドルに対する価値が三百六十円であったものが現在二百六十五円であるとすれば、そこに利益が起きるわけです。ところが逆に、アメリカのほうの日本に対する発信が多い場合には、日本が今度はドルで受け取ることに相なります。その場合は日本は損をするわけです。KDDといたしましては損をするわけでございます。そこで、その差はときによって違いますが、日本の発信が多い、要するに払いが多い場合もございますし、あるいは逆に受けが多くて損をする場合もあるというのが現状でございます。ただし最近は日本発信が多うございますので、為替変動によります決済の面におきまして、送金の面におきまして若干の利益が出ているというのが現状でございます。
○阿部(未)委員 つづめて言いますと、金フランで決済をするから損得がないのではなくて、発信が大体似たようなものだから損得がないのであって、やはり円の切り上げなりドルの切り下げは影響があるということになるわけでございますね。――もうよろしゅうございます。大体わかりましたから次に進みましょう。
 次に、国際電話の自動化がだんだん進んでまいりまして、日本でも東京、大阪、名古屋ですか、向こうの対地局でアメリカその他ハワイ等あるようですが、この国際電話の自動化の進捗の状況と、料金その他提供の条件はどういうことになっておりましょうか。
○米田参考人 お答え申し上げます。
 去る三月三十日より東京、大阪、名古屋の一部の地域の加入者から、米本土、ハワイ、西独、スイスあての国際電話の全自動化をやったわけでございます。これは電電公社の電信交換局の加入者からの発信に限られますので、最近の利用は一日約二十三コールということで非常に微々たるものでございますが、全体で国際発信通話は一日約八千コール取り扱っておりますので、全体に対する割合は約〇・三%か〇・四%程度でございます。
 この料金でございますが、一分計算でございまして、一分ごとに千八十円ということに相なっております。ただし、米本土とハワイにつきましては、日曜日に割引通話がございまして、一分間八百十円というふうになっております。以上でございます。ほかに特別な条件はございません。
○阿部(未)委員 特にそれをお伺いしたのは、後ほどまた質問させてもらいたいと思っておりますが、テレビでよく宣伝をなさっておるようですが、直通でダイヤル電話ができますということ、ニューヨークならば一と何とかを回せばすぐ出てくる、こういうことになっておるようですが、これがずっと普及していくと、先ほど来問題になっております料金収納の未収が非常にふえてくるのじゃないかと懸念するのですが、この自動化と未収の関係はどんなふうに分析されておりますか。
○菅野参考人 私ども非常にそれは心配しておるところでございますが、ただ滞納をして、ことに長期滞納をしておるところには、私どもとしましては法制上その電話をとめることはできませんけれども、国際通信の取り扱いを拒否することはできることになっております。そこで、コンピューターに約十万くらいのそういう人たちの番号を入れておきまして、そこからかかったときには、おたくでは滞納がございますから残念ですけれども取り扱いはできませんと断わることになっておるような次第でございます。
○阿部(未)委員 はい、そこはわかりました。
 次の質問に移りますが、成田空港に電電公社とKDDのほうで委託によって無線サービスを提供する新会社を設立するということになっておったようです。特にこの新会社の関係ですけれども、これは新会社という以上委託になるわけですから、KDDなり電電公社の手を離れての新会社になると思うのですね。最近、日本の企業でこういう下請というのが非常にはやってきておるようでございますけれども、この成田空港の新しいサービスの提供について、別の会社をつくらなければならないという理由はどういうところにあるわけでしょうか。
○舘野政府委員 お答え申し上げます。
 先生御案内のように、空港、航空関係の無線通信の制度及び現実の通信状況というのは、制度的にも実際的にも非常に錯雑しております。実態的に申しますると、国際通信はKDD、国内通信は電電公社のこれは日本の法制上独占取り扱いでございますが、空港におきましてはその国際と国内通信というものが非常に複雑にからみ合ってございます。したがいまして実際の運営は、ただいま羽田でやっております状況によりましても、法律に基づきまして国内通信であるものをKDDに委託する、あるいはまた性質上国際通信であるものをその取り扱い所のある電電公社の取り扱い局所に委託するとかというようなこと、それからまた無線の使用に関しまして、各個人と申しまするか一般の航空会社その他に電波が割り当てられまして、いわば私設無線局の運用というものとの間にも非常に実態的にこん然一体となった運用をするために、法律上のいろいろの擬制と申しますか、フィクション、委託受託関係といったようなことで現実にこの仕事が進められているわけでございます。
 成田新空港ができますると、その通信関係の量及び種類というものが羽田以上にサービスの内容といたしましても複雑化するということが予想されまするので、この際それぞれ法律に基づきまして、電電公社法あるいは国際電電会社法等で許されている範囲内におきまして一つの新会社をつくりまして、その会社に電電公社及びKDDから業務を委託することによって、一元的に空港におきまする無線の使用、通信の取り扱いをさせるほうが、電波の効率的な使い方、それからまたサービスの万全を期する上に非常に能率的、すっきりした形においてサービスが提供できるのではないかということから、この計画を郵政省がむしろ中心になりまして公社、KDD等と相談をいたしまして取り進めてきているというのが実情でございます。
○阿部(未)委員 これは、地対空通信は国際間の問題があるところだと思いますけれども、それ以外は大体そうたいした問題はないようで、成田の空港につくれば大阪のほうに予定される新空港にもつくらねばならぬ、そういう性質のもののように内容が見受けられますが、郵政省としては、将来ずっと各飛行場基地に対してこういうふうな形の新しい会社をつくっていくお考えですか。成田空港に限ってこういうものをやるのですか。特に電電公社とKDDの関係を考えてみますと、大体委託し委託されるという関係で、そう判然と区別のない回線の使用等も行なわれておるわけですから、これを国際電電なりあるいは電電公社のほうでおやりになっても、ことさらに支障はないような気がするわけですけれども、たいへん意地悪く考えますと、こういうところをたくさんつくって、天下りをしていくところをつくっておくと郵政省にとっては都合がよろしいのではないか、そういうような気もするのですが、ひとつ誤解のないように明快に話をしておいてもらいたいと思います。
○舘野政府委員 ただいまのところは国際空港、特に成田が非常にいままでの日本の国際空港と規模的に、それから空港運営上のいろいろの方式と違った新しい空港運営をするということで考えたわけでありまして、お話のように、この空港においてはそういうやり方を今後進めていくんだ、あるいはそれが必要なんだ、あるいはまた望ましいんだというところまでは郵政省としては考えてございません。実態的に公社と会社が、両社が一つの第三の会社にともに委託をしまして運営をするということで一番効率的な面は電波の使用でございます。電波の使用上、航空関係の周波数というのは御案内のように非常に不足と申しますか、緊迫を告げてございます。この電波の使用上の効率性を考えますると、委託方式というのが非常に有効な一つの仕事の進め方であろうと思っております。
○阿部(未)委員 その事情はわかりますけれども、やはり電電公社にしてもKDDにしても独占ですから、独占事業をあまりこういう子会社をつくって委託をしていくという形式はとるべきではないのではないか、そういう気がします。ここの場合に事情がわからないわけではありませんけれども、そうなってくると、これからいろいろな子会社をつくって、法で許される範囲内だからということで、たくさんのこういう電電公社なりKDDの委託を受けた会社が出てくるおそれもあると思いますので、これは大臣ひとつ十分に注意をしていただいて、いまここで言えとは言いませんけれども、少なくとも天下りをする先をつくっておるのだというふうな、国鉄にはたいへん多いということで問題になっておりますが、郵政にはそういうような批判が出ないような配慮をお願いしておきたいと思います。
 次の質問に移ります。いまの国際電電の通信の手段としては、大体衛星通信、海底同軸ケーブル、それから対流圏の散乱波通信ですかOH、そういうのがあるようでございますけれども、それぞれ長所短所はあると思いますが、投資との関係で――、通信の質もありましょうが、最も効率的なのはこの手段のうちのどの手段が一番効率的になるわけでございますか。
○新川参考人 お答え申し上げます。
 ただいまお話しございましたとおり、衛星通信、海底ケーブルともにその提供できます通信の品質または信頼性等につきましては、現在の国際通信の手段といたしまして十分満足すべきものを持っております。ただし、これらの二つの方式を取り上げましても、実際にこれを適用するに適した場面あるいはその建設の手法等にかなりの違いがございますので、直接これを経済比較と申しますか、投資効果の比較というようなことをいたしますことはたいへんに困難でございます。と申しますのは、たとえば海底ケーブル方式と申しますのは、現在海底ケーブルによってつながれます二点間に多量の通信需要が予想されますような場合に、いわゆる通信回線として使うのに適しているというふうに思われます。それに対しまして衛星通信のほうは、一つの地点から同時に多数の地点に対しまして直接連絡できます回線を同時に設定することができるわけでございます。そこに大きな違いがございます。それからまたテレビジョンの中継等は衛星でやらないと、現在のところケーブルではできておりません。それから建設のやり方と申しますのは、海底ケーブルの場合におきましては相当長期間の需要を見込みまして、一定の容量のありますケーブルを敷設してしまいます。ところが衛星のほうは、当初見込まれます需要に応ずる設備をつくりまして、その後需要の増高に応じまして適宜増設していくということも可能でございます。そういうような点がございますので、投資に対する効果とか、経済比較と申しますと、いろいろな考えるべき要素があるわけでございます。
 衛星回線と海底ケーブルのコストとして比較いたしますと、いま申し上げましたとおり空間の距離とかあるいはそれに収容する回線の数、その他非常に多くの問題を総合的に考えるわけでございますけれども、単純に申し上げますと、初期の投資及び建設費の点で申し上げますと、一般的に申し上げましてケーブルのほうが割り高になり、衛星通信のほうが比較的安くつくというケースが多いわけでございます。ただし、これを今度運営いたします年経費の点から見ますと、ケーブルは一たん建設いたしますとそれは財産として無料で使えるわけでございます。衛星のほうは、先ほど来お話の出ておりますインテルサットに対してこの衛星の使用料金を年々支払う必要がございます。それらを勘案いたしますと、非常に大まかな言い方でございますけれども、年経費の点で申しますと、比較的距離の近い点ならばケーブルのほうが割り安になり、距離の遠い点ならば衛星のほうが割り安になる。こういう程度に申し上げる以外、総合的に具体的にどちらがどうであるということを申し上げることはたいへんに困難な事情でございます。
○阿部(未)委員 どうもしろうと考えでは、通信衛星を利用して世界の各地との交信ができる、それからケーブルを利用してもこれはできる、どちらでもやれるのだ、そうなりますと、ことさらに海底ケーブルを敷かなくても、無制限の容量で衛星を利用すればそれだけでいけるのではないか、なぜ衛星があるのに海底ケーブルが要るのだろうか、逆に海底ケーブルがあるのになぜ衛星が要るのだろうか、これはテレビジョンの関係があるから一がいに言えませんが、そういうような気がするわけです。どうして二つの方法をとるのだろうか、一つだけではなぜいけないのだろうか、そういう気がしたのでお伺いしたので、大体わかりましたけれども、まだその点で、なぜ二つの方法をとらなければならないのか、衛星なら衛星だけではなぜいけないのか、そこのところをちょっと教えてもらえませんか。
○新川参考人 お答え申し上げます。
 衛星とケーブルと両方持たなければならないという考え方でございますが、これは先ほど来のお話にもございましたとおり、国際電話の自動ダイヤル化その他の新しいサービスがどんどんできてまいりますと、回線の安定性と申しますか継続性と申しますか、片方の回線が故障したために通信路がとだえてしまうというようなことは絶対に避けなければならないわけでございます。その場合に衛星のほうは空高く飛んでおりまして、ケーブルのほうは海の底におります。その関係でその両者が故障を起こしますと考えられる原因が非常に違うわけでございまして、両方を持っておりますとどちらか一つは必ず生き延びるというような可能性が非常に多いわけでございまして、通信の安定と申しますか継続性とかいうことをねらいまして、重要な回線にはどうしても二つの方法を併用するということが望ましいと考えておりまして、KDDは現在でき得る限り、全般といたしましてその両者に半々の負担をかけて運用するという目的で計画を進めているわけでございます。
○阿部(未)委員 わかりました。
 先ほど久保先生からも質問があったのですが、いわゆる国際通話料の滞納の問題ですけれども、膨大な額にのぼっておるようで、一年以上のものは七億円をこえておるとか、今年の分について十一億とか十二億とかの膨大な数字のようでございますが、これは先ほどもお話がありましたように、私もちょっと公衆電気通信法を見せてもらったのですが、四十二条、電電公社に対する滞納の分については、六カ月以内の期間を定めて通話停止ができる、国際電電のほうは四十三条で、取り扱わないことができる、こういうように分かれておるのですが、この基本的な考え方として、同じようにこの役務を提供しておるのに、片方は通話の停止ができ、片方は通話停止ができなくて、取り扱わないことができるとわざわざ分けて定めてある理由はどこにあるのでしょうか。
○舘野政府委員 お答え申し上げます。
 現在の公衆通信法の御指摘の四十二条、四十三条の立法趣旨、当時の政府及び国会の考え方というものを確かめておりませんけれども、政策的には国際通話料の未払いに対しましても相当強い規制をしなければならぬという考えがあったかと思いまするけれども、たまたまこの端末施設と申しまするか、電話で申しますると、電話機というのが国内通信用、国際通信用、これは区別されておらないわけでございます。しかもまたその運営の主体が二つに分かれている。国際通話料の未納によってその通話を停止するということは、全然原因のない事情によって国内通話も停止するということになる、それは法制上許されないという考えから、取り扱いが違って定められたのではなかろうかと思います。したがいまして、端末が明確に物理的、技術的に分かれているのが通常でありますならば、同様の立法ができたのではなかろうかと思います。
○阿部(未)委員 きわめて皮肉な例ですけれども、今度は、逆に国際通信のほうの通話料を納めておったが、国内通信のほうを納めていなかったということになりますと、国内のいわゆる電電公社のほうから六カ月間の通話停止をやられる。ところが国際通話のほうはちゃんと電話料金を納めておったのに、この人は国際通話はできなくなる。国際通話については、ちゃんと料金を納めておったのだがということになる。同じ電話機を使っておると逆の場合だって出てくるのじゃないですか。これはどうなりますか。
○舘野政府委員 お答え申し上げます。
 御指摘のようなケースの場合、確かにそういうことになるだろうと思います。現在の公衆通信法が当時の通信の実態からいたしまして、まずその加入者の端末施設、電話機というものは国内通信用の端末であるという面からとらえて、そういう規定にしたのであろうと存じます。
○阿部(未)委員 そこで大臣、先ほど法改正というのはなかなかむずかしい問題だという意味の御答弁をなさっておったようでございますけれども、通信の役務を提供して、しかもそれが独占であるという限りにおいては、国際通話も国内通話も同じ意義を持つわけでございます。したがって、いまのような十一億や十二億、二十億だなんて膨大な滞納が出てきて、これが蔓延していくと、国際通話はもう払わぬでもいいのだというような風潮さえ出てきかねないと私は思うのです。それに対応するためには、やはりまじめに通話料を払っておる人たちの便宜を考えて、まさか国際電電をつぶしてしまっていいという理屈にはならぬでしょうから、当然それだけのサービスを受けておるわけですから料金を支払うのは当然の行為だと思います。そういう観点に立って考えると、私は、電電公社の滞納も、それから国際電電の滞納も同じ性質のものとして取り扱われるべきではないか、そこで何か法改正についていいお知恵があるのではないか、そういう気がしますので、事務当局のほう、どうですか、そういう観点で何かお考えはありませんか。
○舘野政府委員 お答えいたします。
 先ほど大臣から答弁申し上げましたように、事務的に研究中でございまするが、御披露申し上げるようないい知恵はまだ浮かんでございません。
○阿部(未)委員 郵政省はやはり認可をしたり監督をするだけの権限を強化して、こういう点についてはもう少し思いやりのある措置を早目にとってあげないと私は気の毒だという気がするのです。
 そこで、いま実際やっておる手続としては、これはこまかい点に入って恐縮ですが、国際電電は国際電電で、たしか大きい市内は、単独に電話料金の通知を出して、それをそれぞれの金融機関やあるいは電話局に払い込めばいい。地方のほうでは、たしか電電公社のほうが委託を受けておやりになっている部分があるのじゃないかと私は思うのですが、この国際電話料金を電電公社のほうに通報をする、電話機は同じですから、その電話機で国内の通話料も国際通話料も合算されたものがそこで請求をされていく、そしてそのいずれかでも納めない場合には通話を停止をする、こういうふうに若干の法改正をすれば、あとは手続はできるのではないか。その場合、当然相当の手数料を電電公社に納めることになるだろうと思うのですが、電電公社のほうでは、そんなことはされては困るという御意見がありますか。
○遠藤説明員 お答えいたします。
 いまのお話は、実は突然でございますので十分研究はいたしておりませんが、現在、公社の場合の滞納は総収入に対しまして、不納欠損にいたしますのは一万分の二ぐらいでございます。しかしながら、先生御存じのようにこれは最近の状況でございまして、二十年の間には私どもずいぶん努力をいたしましてやってまいりました。法四十二条がございますけれども、できるだけ通話停止というものをしませんで、御納得のいく形で説得をいたしまして、応対をいたして、こういう数字になっているわけでございます。
 そこで、いまのお話は、法律的にはあるいはそういうことは可能かと思いますが、しかし私どものところの料金につきましては、その過程におきまして、御存じのように、窓口に、いろいろ国内通信におきましても、たとえば手動の場合、こういうものはかけたことはないというような苦情が参ります。これについては、私どものほうにはレコードがございますから、それでそういう応対をいたしまして、ここまでこぎつけてきておるわけですが、その応対の資料をよそさまからいただいて、私どものほうの従業員にこれをさせるということは、別の観点から私は相当の問題があろうかと思うのでございます。簡単に、法律論としてそういうぐあいには、私はこの場ではお答えできない問題があろうかと思います。しかしなお十分郵政当局とも、御指示がございますれば研究さしていただきます。
○阿部(未)委員 これは電電公社からもだいぶきらわれたようでございまして、収納はたいへんなことになるようでございますけれども、私が申し上げたのは、実は手続はそういうこともできるのではないかと言ったのであって、基本的には、義務を履行しない者に対して何らかの制裁規定を設けなければならぬのではないか。いま遠藤総務理事がおっしゃったけれども、電電公社の収納率がいいというのも、片方に通話停止ができるというたてまえがあるから、やはりそこが一つの柱になって収納率がいいのだ、そういうことも考えられます。もちろん職員の皆さんの努力もたいへんなものだと思います。その両方がある。したがって、そういう規制の措置と申しますか、義務を履行しない者に対する規制の措置が行なわれるから収納率がよくなってくる。これもまた一つの考えじゃないかという気がいたします。
 電電公社できらわれたようでございますから、あと郵政当局でどういう措置を講ずれば、この膨大な滞納がスムーズに入ってくるようになるのか。これは監督の官庁として、ひとつ十分な検討をお願いしたいと思います。よろしゅうございましょうか。
○久野国務大臣 御趣旨の点はよく理解できるところでございます。具体的な事例を示して詳細にわたっての御意見の開陳でございます。御趣旨に沿えるかどうか今後十分ひとつ検討いたしてみたいと存じます。
○阿部(未)委員 時間がきたようですから終わります。
○久保田委員長 土橋一吉君。
○土橋委員 私は、国際電電の幹部の皆さんに昼食も食べさせないで質問をするというような事態に立ち至りましたことをまことに残念に思うのでございます。この事態は、だれがそういうことをさせたかは大体御推察ができると思いますのでこれ以上は申し上げませんが、こういうふうにある政党は非常にわがままな態度で本委員会を運営しておることをまことに私は残念に思うのであります。
 社長にお尋ねをいたしますが、国際電信電話事業概況図というのと、茶色っぽい表紙で同じくこういうものをお出しになっておるようですが、これは大体資料の点について間違いがないのかどうか、ちょっと初めお聞きをしておきたいわけです。この資料については責任をもって、要するに会社内あるいは大衆あるいは国会その他に御提出になっておりますが、間違いないかどうかということをお尋ねしておきたいと存じます。簡単でよろしいです。
○菅野参考人 お答えを申し上げます。
 資料はそれぞれつくったときが違いますからあるいは数字に食い違いがあるかもしれませんけれども、そのときの正しい数字を出しているつもりでございます。
○土橋委員 そうしますと、茶色いほうの資料、皆さんみんな持っておられますので、これから始めていきたいと思います。
 四行目のパラグラフを読んでみますと「国民の対外活動の基調となる国際通信事業を、国内通信事業から切り離し、機動的、能率的な民営にするのが最も適当とされたため」こういうふうになったということが最初述べられております。そうしますと、これは郵政大臣もよく聞いていただきたいのですが、こういう基本的な国民の対外活動、これを中心にして国際電電というものはいろいろな都合がありまして株式会社として設立をして二十年、現在は総資産が七百七十億円という膨大なものになっているわけです。
 そこで、第二番目の白っぽいほうのこれから私はお尋ねをしたいのですが、これをごらんくださると、二ページ目に「国際電報取扱地域図」というのがございます。これは大臣もごらんください。ここで赤いのが日本でございます。そして、ふしぎなことに北朝鮮とラオスとベトナム民主共和国は緑になっております。この地域は中継対地国となっておりまして、こういう国は、ブータンとかネパールとか、あるいはニューギニア地域、パプア地域、こういうようなところと同じような状態になっておるわけです。在日朝鮮人の方々は、いわゆる居留民団の方々、あるいはいわゆる朝鮮総連の方々含めて大体六十万とか七十万おるといわれております。したがって北の朝鮮民主主義人民共和国とも非常に関係が深いわけです。また、ラオスはさておきましても、北ベトナムは御承知のようにわが国とは非常に関係が深いわけです。それがインドの国境のブータンとかパプア地域と同じような状態に置かれているというのは一体どういうわけか。これは日本の自民党政府の政策に基づくものが多いと思いますが、そういう点について郵政大臣から明確にひとつ答えていただきたい。
 その次は三ページの「国際加入電信取扱地域図」というのがございます。これも御承知のように朝鮮民主主義人民共和国は白になっております。それからカンボジアと北ベトナム、ベトナム民主共和国も白になっております。白になっておる国は御承知のようにアフガニスタンとかあるいはソマリアとかリビアというような国だけでございます。ということは、一体日本の外交方針はこれらの国に対しては通信――ここには白は全然取り扱いをしていない地域と書いてある、加入電信取り扱いを全然しないわけであります。先ほど申し上げた事情があるにかかわらず、やらないということをこの第三図ではっきりと世界じゅうに知らしておるわけですね。
 次の第四図でございます。これは特に最近必要とされておる「国際電話取扱地域図」というのがございます。ここを見ますと、また奇態なことに、通話のできない地域はアジア地域においてはベトナム民主共和国だけが通話取り扱いをしないということになっております。それで、一番近いといわれる朝鮮民主主義人民共和国は緑で、これは中継通話可能地域というふうになっておるわけです。
 三つの地図を参考にしていただいて、ここのところだけ一体どういうわけでこういうことになってきておるのか、私は郵政大臣の確たる答弁を願いたいと思うのであります。また外務省関係の諸君も確たる答弁をきちっとしていただきたい。つまり善隣友好の精神を持ってわが国は世界のどこの国とも仲よくしましょう、そうしてKDDの基本的な精神というのは日本国民が諸外国の皆さんときちっと通話通信業務をやるということを書いていながら、日本と一番近いところでこういう状態をつくり上げておるのは一体どういう関係なのか、簡単でいいですから明確に答えていただきたい。
○久野国務大臣 対外的な通信事業というのはこれは相対的なものでございまして、相手国との間に合意がなされまして話し合いができなければでき得ないものだと私は存じます。さような意味から、ただいま御指摘の近隣諸国、特に朝鮮民主主義人民共和国並びにベトナム民主共和国、これらの国々との間の電気通信事業が今日まだ途絶状態にあるのはどうかというような御意見のように私は拝察をいたしますが、そのようには国際電電、KDDは考えてはおられないと思います。先ほどの答弁で私が申し上げましたように、やはりあらゆる国々との間の友好関係を進めていくためには通信関係を一日も早く樹立することが必要である、かような観点に立ってKDDは各国との間の通信回線を設けるための作業をいま進めておるのでございます。それが実態でございまして、これは相対的なものでございまして、最初に申し上げましたように相手国との間に合意が成立しなければ実現でき得ないものでございますから、努力しておるということで御理解をいただきたいと存じます。
○土橋委員 私は久野郵政大臣にお尋ねをするのですけれども、相手方との合意ができない、そして国際電電のほうでは盛んに朝鮮民主主義人民共和国にも要請をする、ベトナムのほうについては発言がございませんけれども、こういう事態。たとえば電話回線一つを見ましても、世界で日本と電話回線の通じない国は三つしかないわけです。こんなぶざまな状態を残しておるということは、これは自由民主党の対外政策に大きな問題があるのであって、私はいままで重役から、また社長からお話のございましたこういうものを見ると、国際電電はやる気でおると推定できるわけです。しかし、やる気でない者は一体だれか。これは現在の、佐藤政府を継いだ田中政府の外交政策にあるんじゃないかという懸念がしてならないわけです。あなたは、他国のほうでそういうことをやらないために二国間のそういう協定ができないという答弁でございますけれども、しかしわが国の基本的な方針からいくならば、当然それは押し切ってもやらなければいけない問題であって、要するにここの規定にございますように日本国民、あるいは朝鮮の方々、あるいはベトナムその他の留学生などもこれからだんだん来るわけでございます。そうなってくれば、これは当然政府が率先して――世界に三つしかない部類にベトナム民主共和国を入れるなんということは、これはすでにこの春以来協定が成立をいたしまして、そうしてアメリカ合衆国との間に――キッシンジャーなどがいまパリに行っておられる状態、なぜ日本は一体積極的にやらないのか。しかも、回線はほとんど通話ができませんから、どういういいことがあってもどういう悪いことがあっても音信不通という状態、他国からの通信を待たなければ事情がわからない、こういう事態におとしいれておる現在の田中政府の外交政策といいましょうか、これはどういうことになっておるのですか。問題は、向こうの国が話し合いに応じないからということだけでは済まされない問題ではないか。たとえばベトナムと関係の深い外国人も日本におるでしょう。またその家族もおるでしょう。あるいは朝鮮との関係においても、当然韓国籍の人だって北におじじいさんがいるとかいろいろな関係がございましょう。なぜ一体こういうことを解決しないのか。あなたの御努力はわかっておりますけれども、田中政府は一体なぜこういう点きちんと手を打たないのか、私は明確な御答弁をひとついただきたいと思います。
○久野国務大臣 政府といたしましては、差別をしようなどという考えは毛頭ございません。これは国交未回復国に対しましても通信回線を設けるということはできるのでございます。現に、隣国であります中華人民共和国との間には二十数年の長きにわたって国交は未回復でございました。であるにかかわらず、通信回線につきましては直通回線が設けられまして、そうして電信電話が自由に通話あるいは通信ができ得るようになっておったわけでございます。でございますから、国交が未回復であるからこれを差別するなどというような考えは政府としては毛頭持っていないのでございます。でありまして、このKDDができ得る限り、特に近隣諸国との間に通信回線の直通回線を設けたいという考え方に立ちまして交渉を進めておることは事実でございます。具体的に成果はまだあがってはおりませんけれども、努力をいたしておるわけでございますが、これは二国間の、ただいま御指摘のありましたように協定が成立いたしませんとできないのでございます。でありますために、相対的なものでございますから、相手国の十分な理解と協力が得られるようにただいま努力中でございまして、その成果が一日も早くあがりますことを私は期待しておるような次第でございます。
○土橋委員 たとえばニューギニアのパプアは、御承知のように通話関係において中継通話可能な地域になっておるわけですね。あるいはどの程度関係あるのか知らぬが、アフリカのチャドという国あるいはスーダンあるいはマリというふうな国は、アフリカのまん中でいま飢饉で大騒ぎしておる国ですが、これらの国とも通話は可能であります。だのにベトナム民主共和国とは通話できないというこういういびつな状態にあるということは反省しなければならぬと思うのであります。今後とも国際電電の社長及び幹部の皆さんが一そうの努力をされまして、大いにこういう面における――特に世界で三つしかないのです、電話の通話ができないという国は。これはあなた方の資料です。こういう状態をつくり上げておることは断じてこれは許すことができません。これは通商関係だけではございません。文化あるいはスポーツあるいは政治の面においても非常に必要でありますので、即刻ベトナム民主共和国との間における通話問題、あるいは朝鮮民主主義人民共和国との間における中継通話可能地域を一そう拡大する必要がある。また加入電信取り扱いについてもそうです。白いところは世界でもほとんど砂漠地帯かそういうところ以外にないわけであります。こういう点考えてまいりますならば、現政府が国際電電とともに全力をあげてこういう国々との間におけるいわゆる通話あるいは加入電信あるいは電報取り扱いについて最善の努力をするよう私は郵政大臣に特に希望して、この部分の発言を終わりたいと思うわけでございます。
 次の問題、これは資料を私みんな古いのを見ております。かつて戦前から戦後、ベトナム民主共和国や朝鮮民主主義人民共和国との通話状態あるいはその量、いろいろなもの見ておりますけれども、非常に残念なことにはいまだこれは行なわれていない。ここに問題の中心がありますので、私の言わんとすること、あるいはこの要求を切に郵政大臣はとらえられるよう私は念願をするわけでございます。答弁はよろしいです。
 その次でございますが、先ほどもちょっと質問がございましたのですが、中国には、いま取締役の何という方ですかを団長として数名の諸君が上海のほうに行っておられるわけです。先ほどの郵政大臣のお話でございますと、向こうの上海の話し合いによって日本の陸揚げ地がきまるのだ、こういう御説明をされました。私の耳に狂いがなければ、たしかそういう発言をされました。向こうの中国の代表の電信総局長さんのお話だと、うちは上海に揚げますよと初めからきちんときまっておる。日本は向こうに話し合いに行って初めて日本の陸揚げ地点がきまるなんて、そんなものの考え方で二国間の重要な協定――あなたが五月四日に結んでおられるこの協定について、向こうに行って話して初めてきまるなんていうきわめてあいまいな、きわめて弱腰といいましょうか、信念のない態度で一体このKDDの幹部を派遣したのですか。少きくともわが国が海底ケーブルの敷設について、どことも言いませんけれども、長崎県とか熊本県とか鹿児島県、この三県のうちでわれわれはきめましょうときちっとした態度をとらなければ、交渉に行った諸君だって話ができないじゃないですか。向こうに行って話をきめてからやりましょう、こういうような大臣の答弁のように聞いたわけですけれども、これは非常に心得違いであって、当然上海との間におけるケーブルは、最短距離で経費が少なくて障害がないところを選んでやらなければいかぬので、そういう分別もなくて一体中国に派遣して何をするのですか。社長どうですか。あなたはそういう分別がなくて、話し合いできまるだろうなんてなまぬるいことで一体話し合いができるのですか。確たる答弁願いましょう。
○久野国務大臣 取りきめの文書をごらんいただくとわかりますが、陸揚げ地につきましては、両国の実務担当者間、当事者間においてこれを調査検討の上きめるということになっておるのでございます。先ほども私は答弁申し上げましたが、鍾電信総局長さんが私の招待で日本にお見えになりました際にいろいろ話し合いました。その話し合いの中で、中国側の意向として、中国側は陸揚げ地を上海市付近を予定いたしておりますという発言があったことは事実でございます。でございますが、実際に取りきめの文書に署名をいたします際には、この中国側の陸揚げ点につきましては明記されていないのでございます。そうして両建設当事者間において「平等互恵の原則にもとづいて具体的に協議・決定するものとする。」と書いてあるのでございます。特に陸揚げ地につきましては、「両建設当事者が相互に協力して技術的調査を行なったうえ、早急に協議・決定するものとする。」これは第四条で規定をされておるのでございます。先ほど最初に申し上げましたのは第三条の末尾のところでございます。でありまして、そのためにいま両建設当事者の間で今後この陸揚げ地点等を含めました事項等につきまして、どういう形で話し合いを進めていったほうがよろしいか、そういうような点、あるいはそのための調査はどうしてやったらよろしいか、こういうような問題点、今後の進め方等について話し合うために実は実務担当者が上海へ行かれたのでございまして、ただ単に上海へ行って何でもきめるんだということで行かれたわけではないのでございます。相互に往来をいたしまして、国交は正常化されておるのでございますから、相互にいろいろな形で話し合いが進められて、最終的には、この問題等については早期に協定が結ばれることを私は期待をいたしておるような次第でございます。
○土橋委員 これは技術的な問題なんですが、御承知のように揚子江という大きな川が流れていて、舟山列島のはるか沖合いまで黄土層を流しておることは御承知のとおりであります。それで舟山列島は御承知のように非常に多島でございまして、ここを北に回って入るか、それとも南に回って上海地区あるいは杭州地区に入るかというのはよほど研究しなければならない。もしこのままでしたならば、上海地区へ揚げるならば必ず黄土層によってぐんぐん流されて、今度補修をするとか中を調べる場合に非常に困難な事態が起こります。そしてまた、かつては御承知のように李承晩ラインというものがございまして、いわゆる朝鮮の済州島を中心とする地域におけるかの国の海上軍隊ですか、そういうようないろいろな関係もございますので、いまはないとは思いますけれども、こういう地域における地理的な条件の検査、揚子江の川が流れてくること、あるいは銭塘江の川が流れてくるという問題、土砂を流すという問題についても、相当研究してかからなければならないということがあります。すみやかに、今週から行なわれておる会談が友好、互恵、平等の立場でやりませんと、向こうさまの、あなたまかせのようなことではいけませんので、日本としてもそういうことを調べた上で、どこまでも対等、平等、互恵、友好の立場でこの会議が成功するよう私は願っておるわけです。先ほどあなたのお話だと、上海へ行って話はきまる、こういうことでしたから、私はとんでもない心得違いをしていらっしやると感じたので、この点を御質問しておるわけです。
 資金は折半をすると思いますが、大体資金はどの程度かかって、大体完成はいつごろの予定でこれを進める考えでおりますか。資金と完成時期。
○板野参考人 お答え申し上げます。
 大体陸上の施設も含めまして六十億見当だというふうに考えております。
 完成の時期でございますが、これから協定が結ばれまして、三年前後ということになりますので、大体昭和五十一年の中ごろかその辺ということを目標にしながらやるということになると思います。
○土橋委員 早くこれが成功をおさめますように、そしてこれはヒンターランドである朝鮮民主主義人民共和国とかモンゴルとの間において電報、電話などの取り扱いがまだ十分ではありませんし、またベトナムとの関係あるいはラオス、ひいてはブータンもございましょうし、シッキムもありましょう、あるいはネパール等の関係もございます。いずれにしても、そういうヒンターランドの国々との圏内を広げて通話する、あるいは取り扱い通信をやられるというような点について相当御配慮をもってやられる考えでございますね。特に朝鮮民主主義人民共和国との関係は……。
○板野参考人 お答え申し上げます。
 ただいま郵政大臣から御答弁がありましたように、朝鮮民主主義人民共和国につきましては、私どものほうも郵政大臣の御指示によりまして、すでに過去二回先方に対しまして早く直通回線を、電信ばかりでなく電話も開きましょうということを申し込んでありますし、先方とも事務的な接触もいろいろな機会を通じて私どもやっておる次第でございます。できるだけ早い機会にこれは実現したいというふうに思っております。
 それからベトナム民主共和国の件でございますが、これも電信につきましては香港からやっておりますけれども、電話につきましては実は中国のほうに現在お願いをいたしまして、電話で何とか中継をやってもらえないだろうかということも話しております。しかしこれはまだ現在実現をしておりませんが、これもできるだけ早い機会に直通回線を持ちたいというので、ただいま外務省その他を通じまして私のほうから調査団、交渉といいますか、その団員を派遣する手続をしようということでやっております。また先方からも、直接関係ございませんけれども、放送関係の技術者も来ておりますので、それとも接触をいたしておる次第でございます。
 それからそのほかのブータンあるいはアフガニスタン等、まだ電話も行けない、またテレックスもできないというような地帯につきましては、ただいま郵政大臣がお答え申し上げましたように、これは先方がなかなか応ずるような体制にまだなっていないということでございますので、私どもといたしましては、これもあらゆる手段、あらゆる機会を通じまして先方との接触をはかりまして、そして相互の了解のもとにこれが早くできるように、先生のおっしゃいましたようにひとつ最善の努力を傾けたい、かように考えておる次第でございます。
○土橋委員 これは私のほうで調べた資料ですが、ベトナム民主共和国に対しては、たとえば電信は香港から、ボンベイから、ビエンチャンから、フランスのパリから、そして東ドイツのベルリンから入っておるわけです。電話の通話はモスクワを経由しなければならぬわけです。これがベトナムの実際の状況です。それから朝鮮民主主義人民共和国は、ビルマのラングーンから一つ電信が入っております。東ドイツのベルリンから入っております。それからウラジオストックから入っておって、モスクワから入っておりますが、電話はモスクワ経由しか通じないわけです。これでは、先ほどから申し上げておるように在日朝鮮人の皆さん、あるいは業界の皆さん、あるいは文化人の皆さんその他の皆さんに非常に困難が多いわけです。ですから、私が先ほどこれを読み上げましたように、日本に居住する者は、われわれ日本人ばかりでなくてどこの外国人も、いずこの国とも通信できるような体制を強化することが必要でございますので、この点をあらためて私は強調しておきたいと思います。
 次の質問、時間がございませんので簡単に答えてください。お出しになった黄色いほうの一二ページを見ると、KDDは近く第二太平洋ケーブルの建設計画を進めておられるわけです。これも先ほどちょっとお話がございましたように、八百四十五回線の容量を持つところの海底同軸ケーブルを敷設する計画でございます。これには豪州、ニュージーランドも関係がありますから入っているわけです。そこで、先ほど言われましたように五十一年ごろまでには完成が期待されておる。そしてこの取得用地は、先ほどお話があった知念村からホワイトビーチの間のあの地域において一万五千平方メートル、約五千坪、そして金額が二千三百万円、一平米大体一千数百円ほどで買い上げておるわけです。こんな広大な土地が必要なんですか。沖繩県は、今日知念にしても、糸満にしても、あるいはその他の地域にしても、土地が非常に大切なところです。漁業その他の関係もございますが、海岸の地域でこれだけの広大な土地を買わなければ海底同軸ケーブルの陸揚げが困難というのでしょうか。いままで私どもが見た直江津とか、あるいはOH広帯域通信の浜田の地域なんかを見ましても、そんな五千坪だ六千坪だ――これが浜田のようですが、浜田の要するにOH通信のこれだって、ごらんなさい、五千坪なんかございませんよ。私はよく知っておりますけれども、なぜ沖繩県に一体そんな土地を必要とするのか、その必要とする理由を説明してください。
○板野参考人 お答え申し上げます。
 沖繩は、現在の国際通信の観点からいたしますと通信上の非常に重要な地位を占めております。この地域、私どもがただいま購入の手続をいたしております場所は、単に第二太平洋ケーブルのみならず、東南アジアケーブルその他のケーブル計画を実行するために必要である、こういう観点からいたしましてそれだけの面積を購入の計画をいたしたわけでございまして、今後想定されるような東南アジアケーブル、あるいはこれから、これはまだ海のものとも山のものともわかりませんけれども、香港に行くようなケーブル、こういうようないろいろな点を考えましてそういうような土地を手当てをしよう、こういうような計画をいたした次第でございます。
○土橋委員 そうすると、ここにも書いてありますように、東南アジア、これはフィリピンから大体タイに入ってくる要するに東南アジア海底ケーブルの敷設の問題だと思います。そしていま一つは第二次的な太平洋海底ケーブルの敷設の問題でございますけれども、いずれにいたしましても陸揚げ地点が五千坪、六千坪というような広大な土地を――特に沖繩県の場合には御承知のように非常に問題があるわけです。あなた方は海洋博その他の問題で土地が上がってくるだろうということで先取りをしたというふうには私は思いませんけれども、しかしこんな広大な土地をやはり土地の少ない沖繩県の方々から買い上げるということについてはさらに研究をしてみる必要があるというふうに思っております。
 このアメリカの海底ケーブルは大体いつごろ敷設をする考えですか、完成する時期あるいはその他については大体いつごろ目安がつくのですか。
○板野参考人 お答え申し上げます。
 大体昭和五十一年ごろには完成する、こういう予定でおります。
○土橋委員 こういうケーブルがそれぞれの国との間に多く開設をされることは非常にけっこうでございますが、先ほども申し上げましたように、それに比較して朝鮮民主主義人民共和国あるいはベトナムあるいはラオスあるいは南ベトナムの臨時革命政府といわれる政府諸君との間における通信問題等、相当研究してみなければならぬ問題があると思っております。これはぜひ研究もしていただくし、将来さような地域との間における少なくとも電報と電話くらいは、やはりきちっとした方法で通話ができる、打電ができる方法を切に私は期待をいたします。
 韓国との間においてさらに海底ケーブルを敷設をする考えがあるのかないのか、なければないでけっこうです。あればあるで、ちょっと答えていただきたいのですが……。
○板野参考人 韓国との通話はいま世界でも一番たくさんKDDとの間で扱っておりますが、いまのOHシステムだけでは不足をいたしております。拡充計画がありますが不足いたしておりますので、将来におきましてはケーブルを敷設して通信の安定をはかりたい、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
○土橋委員 この事業をやるためには海底ケーブル敷設船が必要でございますが、最近はKDD丸という非常にりっぱな敷設船を持っておられるようですが、かつての津軽丸とかあるいは千代田丸なんか、いま電電公社のほうで使用しておりますか。その辺ちょっとわかりにくいのですが……。
○牧野政府委員 お答え申し上げます。
 私の公社から報告を受けておる範囲では、千代田丸は廃船になったのではないかと思います。それから津軽丸がそれにかわって新設された国内通信用の海底線を敷設する船である、こういうふうに承知いたしております。
○土橋委員 この業者、つまり海底同軸ケーブルをつくる会社は何という会社がつくって、どういう方法でKDDに納めて、それをKDDが先ほどの契約あるいは協定に従って敷設をするわけですが、その納める会社は何という会社ですか。
○板野参考人 お答え申し上げます。
 太平洋電線株式会社……。
○土橋委員 横浜にありますか。
○板野参考人 そうでございます。
○土橋委員 太平洋電線株式会社のようでございますが、先ほど申し上げた揚子江あるいは銭塘江などの関係では相当研究されて――もちろんわれわれしろうとですけれども、海底同軸ケーブルが破損とかあるいは貝類がついてしまうとか、いろいろそういうことがあると思いますが、そういうことについては万全の措置を講じて、その会社は責任を持って納めることができると考えていますかどうか。
○板野参考人 お答え申し上げます。
 先ほど太平洋と申し上げましたが、大洋電線株式会社でございます。訂正を申し上げます。
 それからこの大洋電線株式会社は世界でも有数なりっぱな施設を持っておる会社でございまして、製品も第一級の製品をつくっておる会社でございます。私どもはこれを信頼いたしまして製品を買うことができる、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
○土橋委員 板野さんがおっしゃるのですから大体間違いないと思いますけれども、何しろやはりたくさんの金が張る問題だし、海底ケーブル敷設でありますから相当慎重にやっていかなければならぬと思っております。
 次は、在日米軍の軍人が軍司令部としてあるいは軍の行動として、たとえばアメリカとか中国とか台湾とか韓国とか、いろいろなところへ電話をする、しかしごく一部の軍属の家族あるいは将校、兵士の家族なんかがやる場合に、通話料はちゃんといただいておりますか。アメリカ軍の軍人軍属の家族が日本に来て、アメリカ本国へかけるとか、あるいはもと住んでおった韓国とかフィリピンの方に国際電話をかけるとか電報を打つという場合にはあなたのほうを利用するでしょうね、アメリカ軍は使わないでしょうが。その料金はちゃんといただいておりますか。
○板野参考人 お答え申し上げます。
 国際の通話その他の料金につきましては、アメリカの軍人であろうと何であろうと差別なくちゃんときちんと徴収をいたしております。
○土橋委員 この資料をいろいろ拝見しておりますと、将来テレックスが非常に必要であるということがまざまざとわかるように書いてあるわけですね。したがって、電報取り扱いは非常に減ってくる傾向が一昨年ころから起こっているわけです。国際電話とテレックスだけはここ三年この方、非常な伸び率を持っているわけで、これは外国の商社が日本に入ってくるとかあるいは商業上の関係その他がございますが、テレックスとそれから電話の整備という問題は非常に大きな問題でございますので、これはぜひやっていただきたいと思うのです。
 その次は人工衛星の問題ですが、この資料の白っぽいほうの一三ページのところを見てちょっと教えていただきたいのです。この一三ページのところを見ますと、KDDが茨城県と山口県のところだけしるしをしておるのですが、北海道、東北のところにもう一つまるを置いておるのです。これは一体何なのでしょうか。これは、私はよくわからないのですけれども、韓国の場合でございますと現在の地球局、それから将来もう一つ予定をする地球局に赤いまるをつけておるわけです。ところが日本の場合に三つまるいのがあって、茨城と山口以外にもう一つまるがあるが、これは一体どこの何をさしておるのですか。
○板野参考人 お答え申し上げます。
 まことにどうも不手ぎわで、ちょっとまるが離れておりますが、実は茨城に二つアンテナがある。茨城でございます。どうも申しわけございません。
○土橋委員 あなたのほうは国際的な水準を持って国際的に大いに活動しておる。けっこうでございます。しかしながら、この一二ページの表を見ていただくとわかりますが、わが国の要するに国際電報の取り扱い数で、ここに九位と書いてあります。それから加入電信は十二位と書いてあります。それから、残念なことでこれはどういう関係でこうなっておるか知りませんが、国際電話をかけるのは二十五位で、お隣のフィンランドとユーゴスラビアの間にはさまれておるわけです。これは地理的な条件からさようなことになっておると思いますが、こういう通信の状態では電話の問題はまだまだほど遠いといわなければなりません。もちろん西ドイツとか、あるいはカナダとかベルギー、オランダ等はそれぞれの国が隣接をしておりますから、国内電話をかけると同じように商業の関係、家族の関係でなっておるが、日本は二十五位で非常にさびしい状態です。お隣から下は世界的な電話のあれから見ても、ほとんどおさびしい一群に入っておるわけであります。でありますから、こういう点については、特に電話回線あるいは同軸ケーブルあるいは人工衛星などについては画期的な努力をしないというと、世界でもザンビアと隣合わしておるということでは、とてもじゃないが国際的な水準の電話を使っておるとはいえないわけです。こういうことについて社長は一体どう思いますか。
○菅野参考人 仰せのとおりそれぞれ各国に比べますと、需要といいますかトラフィックの数は相当低いようでございますけれども、これは一九七一年の統計でございまして、現在はだいぶん順位も上がっております。やはり根本的には外国にかける度数とか、あるいは電報の数が少ないのでございまして、私どもは、その数を増すということも大事でございますけれども、その質をよくするために良好なサービスをするように、こういうような方向に会社の行き方を定めてやっておるわけでございます。むしろこのトラフィックの数というのは非常に外界の情勢に左右されまして、たとえば貿易が盛んになればそれに応じて盛んになる、あるいは国際交流が盛んになればそれに応じてそのトラフィックが多くなるというように、外界の事情が相当大きな影響を与えるのでございます。私どもは法律によって独占しておりますので、サービスの質をよくする、どこの国にも負けないサービスをしていこう、こういうようなつもりでもって日常仕事をやっておるような次第でございます。
○土橋委員 もう時間があまりございませんが、あなたのほうは、この資料によると五千百名、先ほどの社長のお話だと五千二百名ということになっておりますが、この従業員の給与関係あるいは労働条件その他について少しお尋ねをしたいと思います。
 私はここに四十六年十月現在の電電公社の年齢別あるいは勤務別賃金表を持っております。これによりますと、十八歳で初任給が三万七千九百九円でございます。それで二十歳で四万三千四百六十二円でございます。三十歳で六万九百二十一円でございます。三十五歳、働き盛りで七万四千十円でございます。四十歳で八万七千九百二十二円でございます。大体四十五歳から五十歳で九万九千五百八円、こういう状況でございます。国際電電は一体、いま申し上げたような年齢別の給与は電電公社とどの程度違うのでしょうか。
○小池参考人 お答え申し上げます。
 十八歳の者は、私の記憶では、四十八年度新採用の初任給ですが、五万八千円くらいになっておると思います。あと年齢別で申しますと、二十歳で六万五千四百円、二十五歳で七万七千二百円、三十歳で八万九千六百円、三十五歳で十万二千二百円、四十歳で十一万六千円、四十五歳で十二万七千八百五十円、かようになっております。基準内で申しますと、独身の場合はこれに一〇%、世帯持ちの場合は二〇%が加算されます。
○土橋委員 これは四十六年十月でございますのでちょっと古うございますけれども、そうすると、かなり給与の関係は改善されておるように思います。これは非常にけっこうだと思います。
 しかし、昨年の暮れからこの春の賃金闘争などに見られますように、労働条件の基本である大幅賃上げの問題、あるいは期末手当の問題、特に住宅問題、医療問題、こういうような点について整備をしなければならぬと思うのであります。この点について、たとえば寮その他の設備を持っておられるのかどうか、あるいは病院の関係はどこが指定されておるのか、また退職をした場合にどういう体制をとっておるのか、簡単でいいですから、寄宿舎、病院、それから退職の場合の給与その他について答えていただきたい。
○菅野参考人 私は、当社の職員が、会社の財政の許す限り、いい給与で、いい生活状態を保つようにということは、年じゅう心がけておるつもりでございます。ただ、何ぶんにも五千二百人というわずかな数でございますので、大企業のようなりっぱな施設はできませんけれども、幸いにして医療のごときは、電電公社あるいは郵政省の非常なお力添えによりまして、逓信病院等を十分に使わせていただいております。また寮あるいはその他の保養施設というものにつきましては、これは他の会社に比べて決して遜色のないものを持っているつもりでございます。
 先般、昨年の暮れにはやや長い労働争議がございましたが、これは期末手当の協定の問題でございまして、本年の春闘におきましては、両者お互いに胸襟を開いて話し合いまして、非常に円満裏に話し合いがついたような次第でございます。
○土橋委員 社長にお尋ねをいたしますが、あなたのほうは、憲法の規定などに基づいて、思想、信条のいかんによって職員を区別したり、昇給あるいは配転などの差別をされるようなことはないと存じますが、そういう点はいかがでしょうか。
○菅野参考人 お答えいたします。
 当社に関する限り、思想、信条によって昇給あるいは昇格その他の区別をするということは絶対にございません。その点ははっきり申し上げておきます。
○土橋委員 あなたも新聞その他でよく御承知と思いますが、郵政関係においてはいわゆるマル生運動というので、いろいろな方法で従業員を痛めつけ、苦しめ、つい最近も郵便の二百万通以上の滞貨ができるというような事態を引き起こしているわけであります。また、電電公社でも同じようにマル生運動あるいはそれに匹敵するようなことをやって、思想、信条によって差別をするようなことが歴然と行なわれているわけであります。これは各地方局を見ればきわめて明瞭であります。こういうことがいわゆる公共企業体の中で行なわれておるのでありますので、私は非常に遺憾で、この委員会で常にそういうことについては大臣とかあるいは関係の皆さんにも要請をしておるのでありますが、いま社長が仰せになりましたように、さようなことがなければまことにけっこうでございます。また、第二組合をつくるような策動もないとは思いますけれども、そういう点はいかがでございますか。
○菅野参考人 先ほど申し上げましたとおり、当社の組合は非常に会社のために――会社といいますか、国際通信という非常に重大な使命の事業のために協力をいたしてくださいまして、私どもは常に相手の立場に立っていろいろ忌憚ない意見の交換をしておるのでございますが、私どもは第二組合なんということは夢にも考えておりません。
○土橋委員 さすがは菅野社長で、まことにけっこうだと思います。今後さようなことがあってはなりませんし、またさようなまねをしないように努力をしていただきたいと思うのであります。
 そこで、これは営別を追求する民間のいわゆる株式会社法人でございます。したがって、ここにはいわゆる組合員の団体交渉権あるいは組織確立の権利あるいはストライキ権、同盟罷業を行なう権利を持っておるのでありますが、これはやはり社長としては労働者にきちっと保障いたしておりましょうかどうか、簡単に答えていただきたい。
○菅野参考人 もう法律にきめてありますとおり十分に尊重いたしております。
○土橋委員 さらに一歩進めて、労働協約等の事項があろうと存じますが、たとえば年休の問題につきまして、三月二日に村上朝一さんですか、現在最高裁の長官になられましたこの方が、年次休暇の支給については、えてかってに変えてはならないというような判決を出しておりますし、大阪地裁の判決等もございます。それから退職金、超過勤務手当、こういうものについては労働協約その他によってきちっと保障されておるでしょうね。
○菅野参考人 仰せのとおり、きちっと労働協約等によって保障されております。
○土橋委員 さらに百尺竿頭一歩を進めて、こういう業務に携わっておる諸君は、急に頭が痛くなって手がしびれるというような、いわゆるよくいわれておる頸腕症候群の傾向が多いと思いますが、これはすでに三日ほど前のテレビでも、仙台においては保母さんが保育所の関係で腰痛症を訴えて、岩手県の労働基準局ではこれを職業病に認定をしておるわけです。あなたのところではこういう方が非常に多いと思います。腰痛とかあるいは頸腕症候群に該当する方も非常に多い。また、いろいろなものを見る関係で近眼になるというような者も多いと思いますが、こういうのを職業病として認定されておりますか、今後やる考えですか、どうですか。
○菅野参考人 数年前のことでございますが、大阪で軽肩腕症候群の徴候がございまして、その後組合及び私どものほうでもその認定の結果を待っておりましたが、先般これが職業病であるという認定を受けましたので、それぞれその関係法規に基づいた処置をいたしておるような次第でございます。
 そのほかには例はございません。
○土橋委員 非常にけっこうだと思います。
 電電公社、いまのお話を聞いていますか。電電公社は、こういうものについては今日までやらなかったわけだ。多くの各電報電話局においてこの問題を出しても、ほとんど彼らは、東京大学病院であるとか、あるいは目黒の電電の病院であるとか、そういうところの医者とあらゆる方法においてこれを阻止する、これを認めない体制をとってきておるというのが実情でございます。これを一体電電公社はどう考えておるのか。また郵政大臣はこういう問題についてどういうふうにお考えでございましょうか。国際電電、KDDはもう認めておるわけです。また、これが職業病であるということはすでにそれぞれの地域において、特に軽肩腕症候群については認められておるのですが、郵政大臣はどう考えられておるのですか。
○牧野政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまの先生の御注意、大臣を補佐して監督しておる私といたしまして十分その点について注意を怠らず、公社に対しまして厳重に検討させるようにいたしたいと存じます。
○土橋委員 牧野監理官、間違いございませんですね。それは郵政省が電電公社に対して、いまお話しになったように腰痛症とか近眼とか軽肩腕症候群については職業病に認定するように、あなた責任を持ってくださるわけですか。
○牧野政府委員 ただいま先生の御趣旨を十分公社に伝えるようにいたしたいと思います。
○土橋委員 伝えただけじゃだめでしょう、しょっちゅう言っているのだから。これは認めてくださいよ。ほかの各機関、事業所、それぞれみなこれを認めておるのですよ。電電公社だけはがんとして、また郵政大臣もこの問題についてはかなり積極性を欠いた御答弁をいただいておりますので、私は重ねてこれを職業病に認定するよう強く要求するし、あくまでもこの問題については今後も質問を展開する所存でおります。
 時間が参りましたので最後に、私はこの営業報告をずっと拝見しておって非常に異なことを一つ見ましたので、これを教えていただきたいのです。それは八ページ、九ページの欄にございますが、これはどちらもそうです。四十期でもけっこう、三十九期でもけっこうです。これを見ますと、(注)のところに「子会社に対する短期金銭債権」それから「子会社に対する長期金銭債権」「取締役および監査役に対する金銭債権」「子会社に対する短期金銭債務」この子会社というのは、まあ会社ですからたくさんございましょうが、一体どういうものをさしておるのか、私よくわからないから教えていただきたい。子会社とは何のことをいっておるのか、どういう性質のもので、どういう仕事をやっておるのを子会社というか。
○鶴岡参考人 私のほうの会社が全額出資をいたしまして、ケーブルの建設あるいは保守を委託しておりますケーブルシップ、KCSと申しますが、その会社のことでございます。
○土橋委員 相済みませんが、どういう仕事をやって、何という名前の会社かということを教えていただけばいいのです。
○鶴岡参考人 失礼いたしました。
 たとえば、先般の日本海ケーブルの敷設にあたりましてその敷設に当たりましたり、あるいは今後もまた海底ケーブルの敷設のことがありましたら当然当たることに相なりますし、また現在敷設しております日本海ケーブルあるいは太平洋ケーブル、そういうもののいわゆる保守と申しますか、万が一ケーブルの断線等がありました場合には、早急に現場におもむきましてその接続補修をするというようなことを任務といたしております。その使用します船はKDD丸でございます。
○土橋委員 そうしますと、KDD丸は子会社の船ですか。国際電電が持ってないのですか。
○鶴岡参考人 名称は国際ケーブルシップと申しますが、そのKDD丸は当社の所有ではございませんで、その国際ケーブルシップの所有になっております。
○土橋委員 なかなかおじょうずな巧みな経営方法だと思います。けっこうだと思います。
 次、同じく四ページのところにこういう個所があって、これは私はよくわかりませんが、第五号議案というので、これは株主総会におかけになった内容です。現在は御承知のように二千六百四十万の株を持って、資本金百三十二億というふうになっていますが、この五号のところに、「退任取締役に慰労金贈呈の件は、従来の慣例にしたがい、相当の範囲内の金額」ここが私はひっかかるわけだ。「相当の範囲内の金額を贈呈する」というのは一体どういう意味なのか。それ相応な意味のことをいっておるのか、それともまた、けた違いに多いということをいっておるのか。私はこれを読んだときに非常に異様な感じがしたわけですが、「相当の範囲内の金額を贈呈することとし、その金額、時期、方法等は取締役会に一任されました。」これは私は、郵政大臣がこの国際電電株式会社に対するいろいろな規定をもって、たとえば債券を募集する場合でもあるいは借り入れをする場合でもいろいろ注意をされておる。ところが、この株主総会では、「相当」ということばが私にはよくわからない。「相当の範囲内の」これは聞き方によってはばく大な退職金や慰労金をもらうということにも聞こえるし、まあ身分相応な金をもらうのだというふうにも聞こえるし、どういう意味であるのか、明確な答弁を願いたい。
○菅野参考人 株主総会のときの決議も、「相当」ということばは、いま先生のおっしゃった身分相応とか世間普通の相場というような意味に使われておるのでございまして、相当と普通常識的にいう、格段のばく大な額というような意味ではございませんです。実際、取締役会に委任されましても、これはもう普通通常の習慣的に出しておるものというふうに解釈して適当にきめておるわけでございます。
○土橋委員 さようであってほしいと思いますし、そうでなければならないと私も考えておるのであります。これは要するに、この会社の設立、株の所有、その他をずっと拝見しますと、たとえば外国人、外国法人はこの株を取得してはならないという規定がちゃんとこの規定の中にもあるし、またこの中にもうたわれておるわけです。さて、どういう諸君が株を持っているのか、これは地方公共団体あるいは個人あるいは法人が持ってよろしいということを規定しておるわけであります。株主、出資関係をずっと見てみますと、私にはまだ理解のできない点がございますが、いずれにいたしましても、銭をむだにしてもらいたくないわけです。これは、通信といいましても、政府が非常にこの法律の規制によってやっておる関係上、たとえば、菅野さんが新しく社長になられた場合にも、おそらくこれは関係方面と十分な打ち合わせその他の根回しをやっておやりになったことだと存じておりますけれども、そういうわけで非常に公的色彩が多いのでございます。
 しかも、先ほどお話しのように、国際通信センターはどえらいものを建てました。三十何階だそうでございます。電電公社はまだ借家に入っております。国際電電は三十何階のものを建てて、それで世界の諸国民を相手にして通信をやっていらっしゃるというようなことになってまいりますと、とかく間違いが出がちなものであります。でありますから、この給与、下のほうで働く者が、さっきお話がございましたように十万円取るのは非常にたいへんです。ところが上のほうになって、推薦されて社長におさまった人はばく大な報酬をもらったり、ここに書いてあるのは身分相応というようなことですけれども、それでも「相当の範囲内」なんというのを書いておるわけです。こういうことがあっては、従業員に対しても、また郵政大臣が監督をする株式会社としては相当研究しなければならぬものがあると考えております。でありますから私は、菅野義丸社長をはじめ佐伯勇さんに至るまでの幹部職員の皆さんが、そういう点については十分研究をされ、そしてさような間違いがないように努力をしていただきたい。電電公社はそこで借家住まいをしているわけですからね。郵政省だって、ここから旗が見えますように十二階ぐらいの建物でございますから、まだまだささやかな仕事をしておる、つまり事業の内容はささやかであります。ところが国際電電はプラザホテルと肩を並べて、住友さんと同じような大きなものを建てている。一体こういうものが必要であったのかどうか、この資金は一体どれぐらい使っておりますか、簡単に聞かせていただきたい。
○菅野参考人 新宿副都心の国際通信センターは三十二階で、仰せのごとくプラザと大体同じ高さでございますが、これは土地が非常に高いところでございますので、狭い土地を利用するためにはどうしても高層建築にならざるを得ないのでございまして、しかも最近のような趨勢で国際通信がどんどん増してまいりますと、施設の増加分としましてはあれでもおそらく十年ぐらいしかもたないだろうと思います。非常に速いスピードでもって施設の増強をしなければならないような状況でございまして、ほとんどあのビルは自分のところの機械設備あるいは通信設備で一ぱいになる予定でございます。
○土橋委員 たいへんな失礼なことを申し上げたように存じておりますので、おわびを申し上げますが、いずれにいたしましても、この法律の規定によって株式会社を設立し、郵政大臣の、資金あるいは事業面その他について監督あるいは指示を受けなければならないような立場に立っておりますので、こういう点を申し上げた次第でございます。
 そこで私は最後に、先ほど御説明いただきました、私もよく覚えませんので、賃金の具体的な支給の状態、つまり基本給は何ぼであるか、そしてその他の手当はどうであるかというようなことについての明細な資料をいただきたい。
 それから特に、多くの方は外国に出られるわけです。また、たとえば浜田に行くとかあるいは茨城に行くとかいろいろ出張が多いと存じます。あるいは人事の交流があると存じます。そういうときに、かなりの物価高でございますので、しゃくし定木に金をやったんでは、いわゆる汽車賃が足りないとか引っ越し料も足りないということが出てくるわけでございますので、さようなことで従業員の自腹を切らせないように、自己負担ではなくて、むしろ転勤があって非常によかったというような体制をとっていただきたい。これは外国へ行く場合も同様です。それでもまだまだ賃金は低いわけでございます。こんなものでよけい金をやったような考えになっては間違いですよ。現在の物価は、キャベツ一個二百何十円しているんですよ。皆さんきのうのテレビをごらんになったでしょう。こんな小さい魚が一匹百円ですよ。しかも大資本が買い占めをする、売り惜しみをする、あらゆる方法で勤労者の生活をこよなく圧迫をしておるのであります。こういう事態において、いま申し上げるように自前で、要するに自腹を切って出張をしなければならぬとか、自腹を切って外国へ行かなければならぬとかいうことがあってはならぬのであります。この公的な資料によっても年間何十億円という収益をあげておるじゃありませんか。今年度のいろいろなものを見ましても六〇%近い営業支出、これはセンターも入っておるわけでございますけれども、今後とも、先ほどお話しの大阪、さらに山口、茨城あるいは浜田でこれから拡張しようというようなことを言っておるじゃありませんか。将来金が幾らあっても足りるものではございませんよ。しかもその設備を投資をすれば、御承知のように減価償却をしなければなりません。こういう観点から言うならば、十分そういう金を節約をして、従業員諸君の待遇是正、大幅ベースアップ、そして老後の保障ができる体制をやはりとることが必要だと私は考えておるのであります。
 これは国務大臣の久野郵政大臣にお願いをしたいのですが、田中政府がこんなことをやっておれは――国鉄運賃はきのう上がりました。二三・二%の旅客運賃を上げておる。これは物価を上げるものだ。こういうことが相次いで、健康保険法の改悪にも見られようとしておるわけです。ですから私は、郵政大臣が現に物価を上げないように厳重な、国民生活のために努力されるよう、また国際電電においても、いま申し上げたように自腹を切って職員が海外へ行くとか、仕事をしなければならぬという事態がないように、心から私は願って質問を終わりますが、最後に郵政大臣と社長の明確な答えをいただいて終わります。
○久野国務大臣 御意見につきましては十分配慮いたしまして、指導いたしてまいりたい、かように存じます。
○菅野参考人 ただいまの土橋先生の仰せのことは、十分肝に銘じてこれから仕事をやっていきたいと思います。ことに職員の旅費その他につきましては、四囲の情勢、同じような会社に決して劣らないような支給をいたすつもりでおります。ありがとうございました。
○久保田委員長 本日の国際電信電話株式会社に対する質疑はこの程度にとどめ、次回は明十四日午前十一時から委員会を開会し、本日出席願いました各参考人の出席をお願いして、残余の質疑を続行いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時三十一分散会