第071回国会 予算委員会第三分科会 第4号
昭和四十八年三月六日(火曜日)
    午前十時開議
 出席分科員
   主査 倉成  正君
      大野 市郎君    小平 久雄君
     三ツ林弥太郎君    森山 欽司君
      大柴 滋夫君    大原  亨君
      中村  茂君    細谷 治嘉君
      武藤 山治君    吉田 法晴君
      浦井  洋君    三浦  久君
   兼務 佐藤 敬治君 兼務 八木 一男君
   兼務 渡部 一郎君 兼務 小沢 貞孝君
   兼務 塚本 三郎君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 齋藤 邦吉君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  山本 幸雄君
        厚生政務次官  山口 敏夫君
        厚生大臣官房長 曽根田郁夫君
        厚生大臣官房会
        計課長     木暮 保成君
        厚生省公衆衛生
        局長      加倉井駿一君
        厚生省環境衛生
        局長      浦田 純一君
        厚生省医務局長 滝沢  正君
        厚生省社会局長 加藤 威二君
        厚生省児童家庭
        局長      穴山 徳夫君
        厚生省保険局長 北川 力夫君
        厚生省年金局長 横田 陽吉君
        社会保険庁医療
        保険部長    江間 時彦君
        水産庁次長   安福 数夫君
 分科員外の出席者
        環境庁水質保全
        局水質規制課長 太田 耕二君
        大蔵省主計局主
        計官      渡部 周治君
        通商産業省公害
        保安局鉱山課長 蓼沼 美夫君
    ―――――――――――――
分科員の異動
三月六日
 辞任         補欠選任
  野田 卯一君     江藤 隆美君
  細谷 治嘉君     吉田 法晴君
  浦井  洋君     三浦  久君
同日
 辞任         補欠選任
  江藤 隆美君     野田 卯一君
  吉田 法晴君     武藤 山治君
  三浦  久君     浦井  洋君
同日
 辞任         補欠選任
  武藤 山治君     中村  茂君
同日
 辞任         補欠選任
  中村  茂君     大柴 滋夫君
同日
 辞任         補欠選任
  大柴 滋夫君     細谷 治嘉君
同日
 第一分科員佐藤敬治君、渡部一郎君、第二分科
 員塚本三郎君、第四分科員八木一男君及び小沢
 貞孝君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十八年度一般会計予算中厚生省所管
 昭和四十八年度特別会計予算中厚生省所管
     ――――◇―――――
○倉成主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。
 昭和四十八年度一般会計予算及び昭和四十八年度特別会計予算中、厚生省所管を議題とし、前回に引き続き質疑を続行いたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉田法晴君。
  〔主査退席、三ツ林主査代理着席〕
○吉田分科員 小さいことから先にお尋ねをいたしますが、福祉施設でそれぞれ苦労をいたしておりますが、養護施設は子供を育て学校にやり、そして就職し、出てまいります。盆と正月には帰ってまいります。これは帰るのが喜ばしいことで、帰らないのがむしろ悲しまなければなりませんが、いい施設ほどたくさんのいわば卒園児といいますか、育てた子供が帰ってまいります。ところが、帰ってまいります子供にやる食費代はございません。盆と正月に帰ってくるのですから、園長さんをはじめ、心を込めてごちそうをしてやるんですが、その予算がない、こういう実態でございますが、これについてどういうように厚生省としてしていただけますか、お尋ねをいたしたいと思います。
○穴山政府委員 先生おっしゃいますように、こういう施設の子供の事後指導というのは非常に大切なことでございまして、いま御指摘のように、施設を出て、また施設になつかしがって帰ってくるということは非常にいいことでございます。ただ、いまお話しになりましたような盆と正月に帰ってきたときの費用と申しますのは、退所後の問題でございますので、措置が解除された後の問題として措置費の対象にはならないというような問題があるわけでございまして、したがって、現在ではこういったことについての措置ということ、費用的な面のめんどうというのは見ておりません。しかし、退所後の子供の問題、事後指導の問題というのも大切なことでございますので、これから検討していきたい問題であると考えております。
○吉田分科員 ただ考えるだけでなくて、予算措置をひとつお願いをしたいと思います。
 それから次は、保育所の保母の給与の改善、特に公私立の保母の給与の格差については御存じでしょうが、その格差是正について若干の努力がなされておることも承知しております。しかし、なお東京都ほか府県でその格差是正のために努力をしております部分が相当ございます。したがって、全国的にはまだ公私立の保母の給与の格差が残っておることは事実、それを都道府県で幾らかずつ穴埋めしている。東京都の保育所の関係者に聞きますと、東京では言うことはございませんという話ですけれども、全国的にはなお多くのものが残っておる。それから、あとでもちょっと触れますけれども、恩給や共済制度についてはなおさらでありますが、まず、保母の民間給与の格差是正についてはどういうぐあいに考えておられますか。その格差是正の措置、今後の見通しについてお尋ねいたしたいと思います。
○穴山政府委員 御承知のように、施設の職員の給与につきましては、四十七年度に大幅な改善をいたしまして、国家公務員並みの給与水準が確保できるように措置をいたしたわけでございますが、なお四十七年度におきましては、いま御指摘の公私立の格差是正のために人件費の四・四%相当の額の民間施設給与改善費というものを計上して格差是正につとめたわけでございまして、四十八年度につきましても、引き続いて格差是正のための給与財源を上積みして公私立の格差の是正につとめたわけでございます。
○吉田分科員 それでは、今後なお格差がなくなるように努力をするということだと思いますが、先ほど触れました月々の給与のほか、なお付言いたしますが、実際に民間施設に参りますと、新しく入る人の初任給については、これは民間と公立との格差があまりありますと人が参りませんから、まずそこから始めております。したがって、あるいは園長、主任保母だとか、古い人についてはまだ回ってきていないというのが実情のようであります。その辺はよくお調べいただいて、なお格差がなくなるように御努力願いたいと思うのです。
 特に退職後の恩給、年金、あるいは共済制度等については国家公務員、地方公務員に比べて著しくこれが劣っております。これらの点についてはどういうぐあいに解消されるつもりなのか、承りたい。
○穴山政府委員 退職制度の問題につきまして、ちょっと私の所管でございませんで、社会局の所管になりますけれども、四十八年度におきましては、こういった人たちの退職制度につきまして、従来たしか四段階でございましたのを、今度は十段階に改善いたしまして、相当大幅な改善をはかったということでございます。
○吉田分科員 これも国の制度として確認をされておりませんから、地方自治体があるいは府県単位等で不十分な共済制度を主宰しております。国家公務員あるいは地方公務員の国やあるいは地方公共団体からの共済制度に対する手厚い保護を考えますと、たいへんな差が残っておりますので、それらの点についてはなお一そう解消するように努力を願いたいと思います。
 それから、これは局長なりあるいは大臣にお尋ねしたいところですが、先般来二、三年前から給与改善のために年に十億も出していただきました。ところが、それが年々続きましても、なお予算の範囲内でということに実際になっておりますのは、施設につきましては法律があります。児童福祉法その他法律があります。しかし、保母さんなり、社会事業に従事します者については、これは法律がございません。したがって、身分保障の問題、いろいろ問題がそこから波及してくると思うのですが、私は法律が必要だと思いますが、厚生省でどうお考えになりますか、承りたい。
○穴山政府委員 これはやはり社会局に中央社会福祉審議会という審議会がございまして、そこでこういった施設の職員の身分制度の問題について現在検討しておりまして、まだ結論は出ておりませんようでございますけれども、現在検討中でございます。
○吉田分科員 知っております。それからまた案も知っております。
 もし社会福祉審議会関係者等で意見がまとまれば、法律をつくることについて厚生省としては異議がない、こういうぐあいに承知してよろしゅうございましょうか。
○齋藤国務大臣 施設職員の身分に関する法律をつくったらどうかという各方面からの要望のあることは十分承知もいたしております。目下中央社会福祉審議会においていろいろ御検討願っておりますので、一つの案が固まりまして、各方面もそういうふうな方向でどうだろうというふうなコンセンサスを得られましたならば、私どもとしては立法化について十分考究していいのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○吉田分科員 ありがとうございました。
 次は、カネミの油症患者の対策について承りたいと思います。
 先般来、全国の会長等も含めまして上京してまいり、厚生大臣にも、公衆衛生局長さんにもお目にかかったりいたしましたが、今度は認定なりあるいは研究費増額なり、前向きに御回答いただいたということで、喜んで帰ったところでございますが、なお残っておる問題もございます。先般来の上京陳情をいたしました成果を集約する意味でお尋ねをいたしたいと思います。
 第一に、認定の制度について、大臣からこの具体的な方法について検討せよということで局長から承ったのでありますが、従来、認定について不満があり、あるいは認定制度についても不満がございましたから、長崎等においては検診の拒否がございましたが、それも解消したりしております。
 先般来の御意向と、それからこれは西日本新聞だと思いますけれども、認定問題で前進があったという記事と、そのあと二人で検診をする、認定をするのはいかがであろうかという、むしろチェックがなされたやに新聞紙上伺うのであります。関連をしまして、これらの点については、局長からでけっこうですが、御回答をいただきたいと思います。
○浦田政府委員 油症患者の認定制度のあり方について具体的な考え方を聞かれていると思いますが、御案内のように、昨年の十月、従来の診断基準を改定いたしまして、これに基づいて現在検診を実施中でございます。この検診が終了次第すみやかに各県の実情等も把握いたしまして、これを勘案しながら、今後の認定方法につきましては、たとえば検査設備が整備されております医療機関、たとえば国公立等の病院がこれに当たると思いますが、こういったところでカネミ油症の治療に造詣の深い先生方の御意見をも反映させるといったようなことで、そのあり方について十分検討いたしたいと思います。つまり診断基準をさらに末端まで徹底させて、患者の把握、救済の幅を広げたい。もう一つは、実際に検診を行なう窓口も広げてまいりたいということでございます。
○吉田分科員 診断基準をここで承るあるいは問題にするということはないと思いますけれども、従来、皮膚と血液等で診断をされておりましたのを、あるいは内臓についても、あるいは耳や目や、全身的な機能障害を来たしておりますが、診断基準を別途いただきたいと思いますけれども、そういう配慮が十分なされて、一万数千の患者と一応考えられるものが救えるような基準になっておるかどうか。
 もう一つは、検診の窓口を広げたいということでございますが、長崎では現に問題があった、それから二人で認定をするのがどうであろうかということで、いわば公的な機関を関連させようとされたのですが、この間も申し上げましたけれども、民間の開業医と、あるいは九大なら九大の教授と同列においてというのですか。自分たちでとにかく相談せい云々ということになりますと、ほんとうに診療に従事をしておる民間の医師の意見が十分に反映しにくいでしょうから、あるいは医師会なら医師会から、診断に従事している人たちを参加させるという考慮が必要だと思います。あるいはイタイイタイ病の萩野さんの研究なりあるいは知識経験というものがやはりイタイイタイ病の検診についてオーソライズされないと――対馬なら対馬に行っても、イタイイタイ病があるということが公に出てまいります。ですから、その窓口を広げるということについても具体的に、あるいは救えるような、実際に認定が拡大されるような配慮を願わなければならぬと思いますから、それらの点について具体的に承りたいと思います。
○浦田政府委員 おっしゃるように、ただ単に従来、たとえば福岡県でございますと、九大のみといったようなかっこうで運営されておりましたが、これをさらに、先ほど申しましたように、検査機関設備等の関係もございますが、たとえば公的医療機関までも広げたい。それから御指摘のように、民間の専門家の方の御意見、これも反映させるように運営していくように指導したいと思っております。
○吉田分科員 長崎の認定方式について、これは日にちはちょっとわかりませんが、油症の認定問題で、検診拒否をやめるという、これは地元医師の検診を含めて、審査機関を設置をするということで、認定問題について大きな前進があったと一時報道をされた。そのあと、長崎方式は疑問だということで、油症の認定方法を統一をする方向に厚生省が動いておられるという記事がございます。これはごく最近だと思います。そうしますと、長崎においても認定方法を統一するということで、民間の開業医あるいは実際に治療に当たっている先生たちの意見が十分に反映されるかどうかわからぬという印象を受けます。これらの問題を含んで、そういう心配はないと明言ができますか。それとも全国的ないまの点について、努力をしますというお答えでしたけれども、具体的に考慮をし、それを民間の診断が反映できるように措置をいただけますか。その辺をひとつ明確にしていただきたい。
○浦田政府委員 長崎県の油症認定方式、これはまだ正式には私どものほうに通知がございません。したがいまして、どのような趣旨、真意か、私どもはまだ申し上げる段階ではございませんが、長崎県は五島というところが中心でございまして、いささか事情が違うという点はあろうかと思います。しかしながら、福岡県におきまして、いま九大のみでやっておるという方法は至急に改めなくてはならない。それから、先ほども申し上げましたように、民間の患者さん方の日常のことをよく承知のお医者さん、そういった方の中で、さらにこういった油症の問題で非常に造詣の深い方もあるはずでございますから、そういったお医者さん方の御意見を反映できるように、それはいろいろと方策があると思いますが、御意見が反映できるように改めるように、まず福岡県当局とも十分に話し合ってみたいと思います。その上で、各県でやっております検診の結果も出てまいると思いますので、私どもとしてはできるだけ統一的な認定方式というものを考えてまいりたい。その段階でも、いま申しましたように、民間の専門家の方の御意見を十分反映できるように取り上げる方式というものを考えてまいりたいと考えておるわけでございます。
○吉田分科員 長崎は、厚生省におられた方が衛生部長で行かれて向こうで努力しておるその結果が、こういう認定問題についても前進があった原因だと私は思うのです。全国的に公的な医療機関と患者の間に大きなコンセンサスがまだない、あるいは多少の疎隔があるというのが一番大きないまの欠陥だと思う。したがって、せっかく局長が、この間、民間の診断も交えて認定をしたい、その具体的な方法を検討したいということで、大きな前進があったとして喜んでおりますだけに、それらの認定方法を全国的な統一方法として引き戻すような感じを、正直申し上げて、この新聞記事では受けます。そういうことのないようにひとつお願いしたいと思います。
○浦田政府委員 時間的な前後の関係はよくわかりませんけれども、おそらくはその記事のあとに、この前厚生省で患者さんの代表の方々とお会いしたと思います。したがいまして、あの席でも申し上げましたが、長崎県のほうはそのままということについては、まだ詳細を承知しておりませんから、ここでは明言できませんけれども、一つのたいへん貴重な参考方式といたしまして、民間の専門家の御意見を反映できる方式、ほかの地域においても反映できる方式を考えてまいりたいと思います。
○吉田分科員 次は、研究費の増額、私は湯ノ児病院も拝見をいたしました、あるいはイタイイタイ病の萩野病院も視察する機会を持つことができましたが、特殊病院なりああいう特殊な研究施設が必要だ。全部特殊病院をつくれとは申しませんけれども、しかし、従来のような九大あるいは長崎医大の中でもけっこうですが、研究施設を特に十分予算をかけて整備する必要があると私は思うのですが、いかがでしょう。この点は大臣にも承りたいと思います。
○齋藤国務大臣 油症の治療方法の研究開発につきましては、私どもも今日までできるだけ増額するように積極的に推進してまいりましたが、今後とも専門家の御協力をいただきながら治療方法を一日も早く確立できますように努力をいたしてまいりたいと考えておりますので、治療研究費につきましても増額をはかってまいるように努力をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○吉田分科員 カネミの油症がカネミの工場のいわば加熱媒介体でありますカネクロールの漏洩によって起こったであろうという論証といいますか鑑定は、九大をあげての努力の結果ですから、カネミ油症というもののある程度の実態あるいは因果関係等の証明に九大が尽くされた功績は大きなものがあると思います。しかし、研究費が足りなかった結果だと思いますが、加害者のカネミから一千万円九大がもらわれたという点は、これはPCBについての一般的な研究費に使われたということでありますけれども、大きな不信の原因にもなっておりますだけに、研究費の増額あるいは研究施設の整備につきましては、カネミにつきましてもその他につきましても、ぜひ特段の御配慮を願いたいと要望申し上げます。
 時間がございませんから次に移りますが、三代、四代にわたりまして厚生大臣から、カミネの油症患者に対してはできるだけのことをしたいあるいは公害に準じて取り扱いたいという意向を伺っております。ところが、具体的になりますと、先ほど申し上げましたように、なかなかまだ十分ではございません。その公害に準じて取り扱うという具体的な内容をあらためて厚生大臣からひとつ承りたいと思います。
○齋藤国務大臣 カネミの油症患者の救済につきましては、因果関係とかなんとかいう法律的なことは別といたしまして、加害者がはっきりしていると私は思います。したがって、まず第一前提としては、油症患者の医療費なり交通費なり通信費なり、それからまたそうした人々が入院した場合の生活費とかそういう問題は、当然これはカネミ倉庫株式会社が負担する、これは私は当然だと思います。現在でも負担をしておると私も聞いておりますが、しかし、そうしたカネミ会社の措置と相まちまして、私どもは、所得の低い方につきましては、現在のところ更生資金貸し付け制度というものを活用いたしております。先般もお目にかかりましたとき、この運用について御意見をお聞かせいただいたわけでございますので、そうした方々の御意見も承ってこの更生資金貸し付け制度というものを活用していく、こういうふうに考えておる次第でございます。
 さようなわけでございまして、いまのところ、公害病という取り扱いをすることは、加害者がはっきりしているこういう事案につきましてはちょっと無理ではないかな、こういうふうに考えておるような次第でございます。
○吉田分科員 公害に準じて取り扱いたい、したがって治療費もあるいは交通費も、通信費まで言われましたけれども、生活費も、これは国が代位して支払って、加害者もあるのだからあとで求償をする等のことはもちろんありますけれども、できるだけのことをしたいという具体的な内容は、生活費も含むというお話であります。
 ところが、実際にはそうなっておりません。先ほどお話しのように、それは貸し付けであります。治療費についても十分ではございません。これは国民健康保険の本人負担分をカネミが見ておるだけ、それも必ずしも十分ではございません。会員にとってはなおさら、特定の千名足らずの人たちにとってはなおさらです。これは厚生大臣は労働省にもおられましたからよく御承知のところだと思いますが、工場の中で災害が起こりますと、治療費もそれから傷病手当金ということで、――基準法ができて休業補償というのはあとからできた考えです。傷病手当金としてその治療を受けられるように、生活安定のためにも平均賃金の六〇%が出ております。三人も四人も現職の大臣がそのときには公害に準じて取り扱うと言明をされて、実態から見るとまことにお粗末。これは患者ならずとも、あるいは同情の目をもって見ておる国民もこの点は納得のいかぬところであります。産業災害のように求償をする、しないは別問題、どうして取り扱えないのですか。
○浦田政府委員 カネミの油症患者に対する医療費といわゆる補償という問題でございますが、これはたびたび歴代大臣も言明しておられますように、公害に準じてということで、その金額をあるいは項目をカネミ倉庫株式会社に対して強く指示、要請しているところでございます。現に、いままで金額といたしましては、昭和四十七年の十二月末現在までに一億六千九百五万円が患者の治療費、見舞い金、雑費等として支払われております。その中身は、大体公害の救済法による救済措置とほぼ同レベルというふうに考えられます。
 生活援助についてでございますが、これは主たる生計維持者が入院した場合に生活保護基準を基礎にいたしまして生計の援助をいたしておるということでございまして、このほか、先ほど大臣が答弁いたしましたように、世帯更生資金あるいは生活資金等の貸し付けを行なっておるということで、この金額といたしましては、いろいろの項目がございますが、福岡県、長崎県、国と締めまして約六千百六十五万円ということでございます。
 したがいまして、これから先カネミ倉庫株式会社に対しましては、さらにこの厳重な履行ということを強く指導しますとともに、先ほど申しましたように、未確認患者の認定とか、あるいは診断基準の改定による医療として取り上げる対象範囲の拡大といったようなことで、その充実につとめさせるようにいたしたいと考えております。
○吉田分科員 厚生大臣、せっかく御出席をいただいておりますから、最後に要望に近いものになると思いますけれども、福祉国家あるいは福祉重点、あるいはいままでは福祉政策についてあるいは社会保障の基準についてきわめて低かったことは、これはお認めいただけると思います。特に憲法に基づいて仕事を保障している実態、あるいは生活保護基準も低くて、その改定のために努力しておられますが、国際的に日本の国民生活の水準、賃金、給与あるいは社会保障の水準がきわめて低い、これが私は円の強くなる一番大きな原因、実際の黒字の一番大きな原因だと思います。そして、それらの点について根本的に立て直す推進力になっていただくべき厚生大臣が、これだけ大臣が歴代、公害に準じて取り扱いたい、何とかしたいと言われるものの、具体的な案になりますと、局長になってきます。しかし、局長の考えはいままであまり変わりません。正直申しまして、してやるという、個人的にいいますと、浦田局長たいへん努力願っていることは認めます。認めますけれども、その基準というものはきわめて低い。いままでのしてやるというやり方、あるいは私はスズメの涙ほどと言いますけれども、慈恵的な社会政策、これではほんとうに国際的な社会政策あるいは社会保障水準が他国に負けないということになるには、これはとうていその方法ではありません。抜本的にひとつお考えいただきたい。
 私はここで申し上げますけれども、カネミの患者に対して公害に準じて取り扱う、その治療もあるいは治療をするための生活の問題についても不安なからしめるというのが私は厚生大臣の言明された趣旨だろうと思うのです。そうすると、ここでひとつ転換を願わなければならぬと思うのは、従来の慈恵的な社会政策、スズメの涙ほどの社会政策、してやるというこの社会政策の一つを転換をして、一人一人の命が地球よりも重い、その一人一人の一人ずつについて十分なことをしてやりたい、こういうようなことにひとつかえていただきたいと思います。
 あの四日市判決は、私は大きな公害問題についての転換を示しておると思います。あの中に、ことばを正確に覚えておりませんけれども、従来、会社、工場の存立の範囲内あるいは支払いの能力の範囲内と考えられておったものを、かけがえのない命と健康を守るためには国際的な水準の最善の方法をとりなさい、そういう義務がある、そういうことを期待されると書いてあります。これは私は公害問題についてのあるいは公害に準じて取り扱いたいという厚生大臣の精神、また厚生省の中に残っております従来の考え方を転換する大きな要素があると思います。精神があると思いますだけに、いま言われました……
○三ツ林主査代理 時間が参っておりますので、結論を急いでください。
○吉田分科員 いま治療費なりあるいは研究費なりあるいは施設なりあるいは傷病手当金に準ずる治療の間の生活の保障については、後顧の憂いがないように、十分のことがしてあげられるように具体案を立て直していただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。
○齋藤国務大臣 御要望でございますからお答えするのもどうかと思いますが、私の気持ちを申し上げておきたいと思います。
 わが国の社会保障は、体系的には、本年度を中心として西欧先進国並みに進んでいく第一年であると思います。そういうふうな大局的なこともさることながら、やはりきめのこまかい具体的な措置を講じて、全国民が福祉国家に向かっているんだということを意識していただけるようにすることが厚生省としては当然な仕事だ、私はかように考えております。
 油症患者につきましては、私もお目にかかりましたが、ほんとうにお気の毒な方々ばかりでございます。そこで、私どもも、まだ認定になっていない方々もたくさんおられると思うのですが、そういう方々の認定を急ぐとともに、救済の内容につきましても、さしあたりまず会社において全責任を負って、公害に準じた内容の救済措置をとるように強力に指導をいたしてまいりたい考えでございます。
 なお、未認定患者がどの程度になるか、そういうふうな状況等も考えまして、見通しました段階においてこれだけで十分かどうか、そのときの段階において、私も何かもう少しあたたかいきめのこまかい措置をとるべきであるという覚悟はいたしておるような次第でございます。まだ未認定患者の数字、状況等も把握できない状況でございますので、その点についてはもうしばらく時をかしていただきたいと思いますが、さしあたりの問題としては、加害者であるこの会社が全責任を持ってやるべきであるという態度で強く指導してまいりたいかように考えておる次第でございます。
○三ツ林主査代理 大原亨君。
○大原分科員 いまカネミライスオイルの油症問題について質疑応答があったわけですが、大臣の御答弁をお聞きいたしますと、第一は、企業側が責任を持って処理する、これを督励する。それから第二は、認定の範囲の拡大、その他を見計らいながらさらにその被害者の実態等も考えて、政府としてもひとつ対策に手落ちがないようにやっていく、これを急いで結論をつけて実行していきたい、こういう御答弁でございます。
 そこで問題は、私も現地を弁護団その他と行って見たわけですが、因果関係はカネミライスのときに使ったPCBであることは間違いない。油症とそれからPCBとの因果関係ははっきりいたしておる。その点は明確であるかどうか。これは大臣がしばしばいま言っておられるとおりなんです。
 それからもう一つは、会社側の措置は、認定の範囲と施策において、やはりいま言われたように一億数千万円では、治療費を含めておるわけですから、こんなたくさんの人にはなかなか及ばない。これは病気の中で分類するならば、難病奇病の中で原因はわかっておる、PCBであるということはわかっておる。PCBはこんなに大きな公害の問題になっているわけですが、わかっておるけれども、その治療方法はわからない。わからないとするならば――あの企業はそうたいした大きな企業ではないわけですよ、だからぶっつぶれる可能性もあるわけです。ですから、これは保健所その他そういう食品についての厚生行政の責任があるわけですから、監督上の責任があるわけですから、国がやはり、治療方法がむずかしい、治療方法不明な病気として医療と治療の研究を一緒にやる、こういう責任がある。そのためには必要な医療手当等も出していくというふうな心がまえで、いま大臣の御答弁になりましたことを早急に結論づけていくようにしてもらいたい。この点について政府委員から答弁して、大臣から願います。
○浦田政府委員 大臣からのお答えもございましたように、私どもは大臣の御指示に従いまして、誠心誠意できるだけ問題の解決を早い時期にいたすように努力したいと思います。
 また、御指摘の治療方法がわからないのはほんとうに一番問題でございます。これにつきまして従来とも九大の先生方を中心に治療研究費といたしまして一億三千七百八十五万円余を支出してまいりましたが、決してそれで十分というわけじゃございませんが、とにかくある程度の油症の本体はわかってきたわけでございます。しかしながら、まだいわゆるそのものずばりの治療方法がわかっていないということはまことに私どもとしても残念なきわみでございます。いま先生の御示唆もございましたように、私どもは治療研究費という形でもってさらに、省内いろいろと支出する項目、場所等もあろうと思いますから、大臣の御指示を仰ぎながら、省内広くこの問題につきましては問題を投げかけまして、全省をあげましてこの問題の解決に取り組むように努力いたしたいと思います。
○大原分科員 本院においても、公害特別委員会と科学技術特別委員会の双方が提案いたしまして、本会議でPCBのそういう実態とそれに対する対策、治療の問題をやれ、こういう本会議決議があるわけです。これは言うなれば、カネミ油症の問題はPCBの人体実験みたいなものですから、これは政府としてもう少し大きなかまえで取り上げるべきなんです。これは政府が関係ない、企業があるというわけではない。政府もあるんです。しかもPCBの問題は、有機水銀、カドミウムその他重金属と一緒に非常に大きな問題ですから、大問題ですから、その問題に対処できないで、この事実の究明と被害者の対策と、そうして事後の対策等についてできないで、私は日本のPCB対策は進まぬと思うのだ。だから、その点について大臣は早急にそういうことをやるというふうに前向きの答弁でしたが、これはいつごろまでに大体結論を出すのか、そのめどを含めてひとつ決意のほどを御答弁いただきたい。
○齋藤国務大臣 先ほども申し上げましたように、油症患者につきましては、まだ未認定の方々も相当あるわけでございますから、その認定の作業をできるだけ急ぎまして、その実態を把握するということがまず第一だと思います。それまでの間は――それまでの間というか、当面は加害者である会社が責任を持つ、これは私は当然のことだと思っております。
 そこで、今後未認定患者の実態を把握したその段階で、加害者の救済措置だけで十分であるかないかを判断し、十分でないとなれば、国がどうすればいいかということを前向きに検討していかなければならないということを私は申し上げておるわけでございまして、いつまでとこう日限を切ってのお尋ねでもないと思いますが、もう少し実態……(大原分科員「期限を切っておるのです」と呼ぶ)期限を切られますとこれはなかなか容易でございませんので、実態把握が前提でありますから、まずその実態把握の上に立って思い切った強力な措置を講じたいと考えておる熱意を持っておることをどうか御理解いただきたいと思います。大原委員は十分私の腹の中もお読みになってのお尋ねだと思いますから、日にちを切ってなどと言われましても、実態がつかまらぬうちは何ともこれは返事のしようがございませんから、その辺は十分御理解をお願い申し上げたいと思う次第でございます。
○大原分科員 厚生大臣はやや前向きの答弁をしておられるわけですが、しかし、これは三分の一ぐらいしか前向きになっておらぬわけです。いままで大臣は三回もそういうことを言うては去ったわけです。田中内閣だってもう風前のともしびじゃないですか。だから、これはPCB対策としても、あれは加害者のライスオイルの会社の責任だということを言っているんだが、その因果関係について厚生省の見解はきちっとしておるのか。そうだったら、裁判だって、こんなもの、ばあんといってしまうだろう。あなたたち厚生省の見解は、専門家の意見を含めてきちっとそういう態度がきまっておるんだったら、損害賠償の裁判はばあんと進むわけだ。これはいま膨大な費用をかけて、弁護団をやって、裁判に金をかけておるのですよ。実態は進まないというのが実情なんです。さてその際には、やはり厚生省も責任があるのです。保健所の措置、こういう問題は手が足りないから――そういう手が回らぬという実情はわかるけれども、保健所の行政についてはこれは食品衛生なんだから。ですから、ライスオイルの中にPCBが入っておったということなんですから、この問題とさらにPCBの問題は、公害の問題としては非常に大きな問題です。
 ですから、この問題については口先だけでなしに、ほんとうの意味で対策を立てて、そうしてこれは難病奇病の中の、治療方法がわからぬ、原因はわかっておるけれども治療方法がわからぬという問題に属する問題でもあるわけだから、準公害病ということを何回も言ってきたけれども、たとえば原爆症の放射能の被害に対する救済措置というものが公害救済の措置に移って、この公害の救済措置が法体系では難病奇病対策に移って、医療手当の問題等にもなっておるわけですし、それとバランスのとれた措置をするということは政府としても当然やるべきであって、そして会社側のほうは会社側として、たくさんの人を失わせたんだし、措置をとるということは当然なんですから、それと並行して一たん国が払っておいたものを企業に要求してもいいわけだから、とにかく当面の措置をとるべきだ、それを急ぐべきである、そして会社の責任を追及すべきである、こういうふうに、患者側、国民のサイドに立った対策をやる、それが企業責任の追及であって、そうではないというのがいままでであって、常に、森永の問題だってそうですけれども、どうも患者側に立っておるのか企業のほうを代表しておるのかわからぬ、こういう措置をとってきたわけだ。だから、それはいけない、せっかく前向きの答弁ですから、この際これはけじめをつけてもらわぬといけない。厚生大臣のほうでひとつもう一回御答弁願いたい。
○齋藤国務大臣 この問題につきましては、私は先ほど吉田先生にもお答えいたしましたが、裁判上の法律的な因果関係とかなんとかいうことを私は議論するのではないんだ、そうはっきり申し上げてありますが、しかし、加害者であることは私は常識的にそうだと思いますから、法律的なことは別として、常識的には加害者だと思いますから、当面の間は加害者がその責任を負っていくべきものであるというふうに私は申し上げております。そして未認定患者がはっきりしておりませんから、できるだけ早く認定を急ぎまして、その実態の全貌を見きわめた上で、はたしてこれだけで十分であるかないか、そういう問題を踏まえて私は思い切った措置を講ずべきであるということを申し上げておりまして、何とか政府として措置すべきものを考えてみたいと考えておる次第でございます。それをいつどういうふうにと言われましても、実態をつかまえることがまず先でございますから、その実態把握の上に立って、できるだけ早く措置を考えてまいりたい、かように考えておる次第でございます。非常に私は前向きに申し上げておるつもりでございます。
○大原分科員 まだ若干の意見のズレがあるのですが、因果関係を政府は認めるのですか。
○浦田政府委員 裁判は現在係争中でございますが、いままでの私どもの承知しておる範囲では、油症がカネミライスオイルによるものである、それが脱臭装置のピンホールが原因であるということについての争いはないのでございます。つまり、カネミ油症の原因はカネミライスオイルということは明らかなのであります。ただ、いわゆる管理責任と申しますか、こういったものが会社にあるということでございますけれども、この辺のいろいろな責任、管理責任とかそういった問題についていろいろと争いがあるものというふうに考えております。
○大原分科員 それは法律では過失があるかないかの議論だと思うのですよ。しかし、因果関係が、そういうふうな立場で加害者だということが明確であるならば、加害者に対して出させる、これは政府の責任の分野においてもどうするかということを考えながら、加害者の支払い能力等も考えながら――財産を散逸させるかもしれないからね。あの経営者というのは、私も実際行ってみたけれども、全く前近代的な経営者だ。そこで、そういうこともあるし、またそういうことについてはスモン病のキノホルムの例もあるわけです。原因がわかっているのです。キノホルムであるということはもう一〇〇%近くわかっている。それであっても難病奇病の中に入れておるわけですから、政府がまず、政府の責任もあるのだから、当面の措置をとりながら、患者をできるだけ、疑わしいものを含めて安心できるような措置をとりながら、そして、政府としても企業の責任を明らかにしていくようなそういう措置をとってください、こういうことでありますから、私は、厚生大臣はおそらくこのことはいま三分の一くらいな理解を二分の一くらい以上にはしたいと思いますけれども、ひとつもう一回簡単に――私の趣旨はわかりますね、私の主張を含めて早急に措置するということでよろしいか。
○齋藤国務大臣 専門家である大原議員の御質問の趣旨は私は十分理解しておるつもりでございます。そういう御質問の趣旨を理解して、実態把握の上に立って、そういう必要な措置を講じたい、こう申し上げておるのですから、私の胸のうちも十分御理解いただけると思います。
○大原分科員 それで、実態把握のことばに少しこだわるわけだけれども、それは申しません。
 第二の問題は、広島カキに高濃度のカドミウムが出たという問題です。きょうは早急に水産庁と通産省のほうからも出席いただいております。これは食品に関係することなのですが、新聞にも報道されましたように、最高四・九五PPMのカドミウムが広島カキの中に出た。その出たところは、豊田郡の安芸津、安浦両町と、それから福山市松永沖の海域。この水準というのはまことに驚くべき水準であるということで、通産省が鉱山保安の基準としては排出基準を〇・一PPMとしているのですが、四・九五PPMも出ておるわけであります。通産省の調査によると、〇・〇一PPMだったのですが、この調査の結果というのは、広島県の衛生研究所が他の官庁と一緒にやっておる拠点調査の結果出たわけであります。
 そこで、大きな被害を及ぼしているわけですが、これは輸出にも関係ありますし、それから国内生産にも、瀬戸内海のカキのシェアは、カキの中では七割をこえているというふうにいわれているわけです。業者にも非常にショックを与えているし、それから消費者にも大きなショックを与えておる。なぜ前回の調査を上回ってこういうべらぼうは汚染の濃度が出てきたのか。これをかなり継続して食べるならばどういう被害があるのか、いままでの経過として、被害がなかったかどうか、蓄積がどうか、濃縮がどうか、こういう問題について大きなショックを与えておるわけですが、水産庁、大体広島における県の衛生研究所のこういう調査結果というものは、瀬戸内海十一県全部に関係があると私は思うのです。全体のカドミウム汚染――カドミウムだけではないと思うのだ、PCBその他があると思うのですが、カドミウム汚染についての全体の状況をどのように水産庁は把握しているのか。
○安福政府委員 お答えいたします。
 水産庁といたしまして瀬戸内海全域についてのカドミウム、PCBそういったものの悉皆調査ということは現在のところやっておりません。ただ、PCBにおきましては、かなり広範に、水産庁だけではなくて、環境庁を中心にいたしまして、全国的に疑わしい地域については昨年の九月から十二月にかけましてかなりの調査をいたしております。PCBの問題では、全体で百十一地域だったかと思いますけれども、そのうち五十九種類の対象に対しまして五百九十九検体の抽出検査をやったわけでございます。その中で、約三%の二十検体については、現在PCBについては厚生省のほうで暫定的な規制値が出されておりますが、その規制値をこえております。それが関係いたします地域は十一地域でございます。その暫定的な規制値をこえている検体が発見されました十一地域については、さらに詳細な調査を現在やっているわけでございます。そういう結果が現在出ております。
○大原分科員 そのカドミウムを排出いたしました排出源ですね。どこから出たのか、これはいかがですか。
○安福政府委員 ただいま申し上げました調査は、PCBの調査でございます。
○大原分科員 カドミウムは。
○安福政府委員 私のほうでは必ずしもこの工場から出ているというような形のものは現在持ち合わせておりません。
○大原分科員 あなたはPCBのことを言ったの。
○安福政府委員 そうでございます。両方おっしゃったものですから。一方のほうは、悉皆的な調査は瀬戸内海一般については私のほうではまだ持ち合わせておりません。
○大原分科員 水産庁は、漁業組合、漁業者の立場に立つんだよ。そのことはわかりますか。私もそのことの立場を考えながら言っているんだよ。ほんとうのことを隠しておくと、いざほんとうのことが出た場合には致命的な結果を与えるということがこの例なんだ。水産庁は魚を売ってもうけることばかり考えているのか、消費者のことを考えていないのですか。消費者のことを考えなかったら売れないよ。水産庁は研究所を持っているのだから、カドミウムは何回も出ている問題だから、もう三回くらい調査しているはずだから、公害源はどこかというくらいは追跡しなければいかぬじゃないですか。あなたのほうが追跡して初めてほんとうの漁民の立場とか国民の立場に立つということになる。だから、水産庁の行政というものは、そういうことで環境行政では見直されているわけだから、水産庁の研究所が魚をきれいにするということは、健康を守ることだということになっておるわけだ。あなたみたいな答弁なんかありはせぬ。一体このカドミウムはどこから出ておるのだ。こんなべらぼうな、カドミウムを四・九五という、アメリカのFDAなんかではかなりきびしくやるわけだ。アメリカは、ほかのところではルーズででたらめなところがあるが、この人体、個人の人権に関係する問題はシビアだ。FDAの警告レベルは二PPM、それを倍以上もこえているところが広島県だけでも三カ所ある。私はこのことを発表した広島県はえらいと思う。私が広島県の出身だから言うわけじゃないが。しかし、その対策を立てるということになれば、これはたいへんだということになる。一体このカドミウムはどこから出たのか。通産省、答弁してください。
○蓼沼説明員 お答えいたします。
 今回のカキの問題につきましては、現在関連のあると思われる、あるいは可能性のあると思われるところについて県が主体になって調査をいたしております。その調査の対象の中に通産省の鉱山保安監督部の所管でございます三井金属の竹原製錬所、東邦亜鉛の契島製錬所がございます。
○大原分科員 それで、そこのそういう汚染物質の排出についてはあなたのほうが監督しているんじゃないの。
○蓼沼説明員 現在まで、四十七年におきまして排出調査を竹原、契島両製錬所につきましておのおの四回ずつ行なっております。その排出数値は基準に合格しております。
○大原分科員 その基準に合格して――〇・一PPMが排出基準なんですね。それであるのに四・九五PPMも出ているわけだ。そういうものを含んでいるカキを売っていたわけだ。それは、今度は厚生省の分野に入るけれども。だから、カドミウムは鉱山だけではないということだね。そういう意味なの。
 それとも水産庁、カドミウムは〇・一PPMのカドミウムが排出されておって、それがずっと継続してカキの体内に蓄積すると四・九五PPMにも濃縮される。それが継続して人体に入ってくる場合は、いままで裁判でもあったそういうカドミウムの被害が出てくる。こういうメカニズムではないの。通産省が答弁している関係はどうなの、私の言っている関係で。
○安福政府委員 農林省といたしましては、水産動植物に対しまして汚染物質がどのように生態系の中で循環するかという基本的な、基礎的な研究を継続的におっておるわけでございますが、必ずしもそれはこういうメカニズムで体内に蓄積される、あるいは水産動植物に蓄積されるという最終的なことは出ておりませんけれども、おそらく予測される一つの考え方としましては、継続的にカドミウムあるいはPCB、そういったものがプランクトンを通じましてあるいは体内に入ってくるだろうと思いますから、そういったものが体内に蓄積される、こういう予測はある程度つくのじゃないだろうか、このように思います。
○大原分科員 ある程度じゃわからぬ。
 環境庁はいま私が言ったことについてどう考えているの。
○太田説明員 ただいまの大原先生の御意見についてお答えいたします。
 私ども、四十五年から四十七年にかけまして一帯の海域の環境基準に合致しているか――環境基準と申しますのは、排出基準のさらに一けた精度の高いものでございます。で、これは水質汚濁防止法のたてまえから申し上げまして、県に測定計画を出させまして、定期的に測定させておるわけでございます。それにつきましても、先ほど通産省のほうから御答弁があったようでございますが、関連水域環境基準に合致しているわけでございます。したがいまして、私、ここで意見を申し上げるのはどうかと思いますけれども、そういった環境基準に合致していて、なおかつカキに出るということは、生物の濃縮のことを一応考える必要があるのじゃなかろうかという気がいたします。
○大原分科員 今度食べることになれば、食品衛生法で厚生省の管轄だけれども、厚生省は、これは事実があったわけだけれども、この現実をどうとらえてどういうふうに対処しているのか。
○浦田政府委員 厚生省は、この現実は県の衛生部のほうからすぐ通知がありましたので、これは重大な問題といたしまして、さらに現在精密に調査を実施しろということを指示しております。
 それから、こういったものが市場に出回ることについても大問題でございますので、高い濃度のカドミウムが含まれておりますカキ、これに関連する場所から出るものにつきましては、自主的に出荷を停止させて、消費者の皆さま方の不安の解消につとめるように指示しております。
○大原分科員 こういう事態が起きて出荷停止をすれば、これは出荷停止をした地域だけでなしに、全部の地域のカキの売れ行きに関係し、ぴたりととまっているわけだ。輸出もとまるわけです。通産省、一年間に幾らカキが出ているの。これは七〇%だというんだけれども、金額にしてどのくらいあるの。――まあよろしい、時間がないから。おそらく七、八十億円も出ておると思うのです。
 いまPCBの御答弁もありましたけれども、これはカドミウムだけではない。PCB、有機水銀、シアン、そういうものはすべて瀬戸内海のそういう汚染の中において魚に濃縮されるという可能性を持っているわけです。そしてこれは魚粉やあるいはハマチのえさになっているわけです。カキでなしにですよ。イカナゴとかコイワシという、油ぎっていて味が落ちているものですから、みんながそういう悪食の低級魚は食べない、おいしくないから。昔はおいしかったんだけれども、いまは食べなくなった。そこでそれを結局えさにするわけです。ハマチのえさにする、あるいは魚粉にして、そして配合飼料にすれば鶏や豚にもいく、こういうことになるわけです。ですから、こういう問題については、プランクトンやあるいは魚を通じて濃縮されてからだの中に集中するということになれば、これは被害が起きることがはっきりしている。しかし、いま各省庁とも全然連絡がとれてないわけだ。
 厚生大臣、あなたは国務大臣としてこの問題についてもう一回各省庁を集めて、そしてその原因と実態をさらに徹底的に究明する、それから対策をどうする、こういうことについて農林省、通産省、環境庁、食品については厚生省、えさについては農林省、そういうところとやらなければいかぬ。こういう被害の実態があらわれると漁業者に大きなショックを与えるから、農林省はできるだけ隠しておく。鉱山保安局は自分の監督上の責任があるから、この範囲だ、こういうことになっている。しかし、事実は――このメカニズムは私みたいな科学知識のない者でももうかなり常識的に知っているわけです。ですから、これを隠すわけにはいかないわけです。せっかく広島県の衛生研究所や県知事が一つの結論を持って、これは公表すべきである、隠しておいてはいけない、こういうことで公表したことが大きなショックを与えていますけれども、しかし、このことは、事実を明らかにすることは当然のことであるから、その上に立って対策を立てるべきである。
 私の質疑応答を通じて、時間が参りましたから十分でないのですが、しかし、齋藤厚生大臣もお聞きになったと思いますから、この実態の究明と対策の樹立について各省ばらばらにならぬように、物価でも、こういう問題もそうですが、環境問題もそうですけれども、総合行政ですから、縦割りの助長行政だけでは行き詰まるわけです。ですから、国民の立場においてはこういう点が要請されているわけですから、この問題について早急に究明していただきたいと思います。大臣の御見解を最後にお聞きいたします。
○齋藤国務大臣 御意見のとおり、関係各省ばらばらであってはなりません。したがいまして、この問題については従来とも環境庁で中心になりまして連絡協議会を開いてやっておるわけでございますので、さらに一そう環境庁にも申し上げまして、できるだけ早い機会に総合的に研究をし、その対策を練るように申し入れたいと思います。
○大原分科員 これで終わります。あとは、残ったやつは関係委員会でやります。
○三ツ林主査代理 佐藤敬治君。
○佐藤(敬)分科員 私は、時間が非常に少ないので、最近医師の不足が非常に叫ばれておりますので、この問題にしぼって質問したいと思います。
 医者が不足だというような話が出ましてからずいぶん長いことになります。いろいろ対策が講じられたように聞いておりますけれども、一向事態が改善されないで、私の考えではむしろますます悪くなっていっているのじゃないか、こういうふうな感じがするのですけれども、政府は一体この医師を充足するためにとういうふうな実効ある手段をいままでやってきたか、これを聞かしていただきたいと思います。
○滝沢政府委員 医師の不足問題につきましては、率直に申しまして、昭和四十年の前半までは、どちらかというと、それは偏在が主体であって不足ではないというような見解もあり、やはり不足もあるのだ、問題なんだということで、行政当局としても必ずしも積極的な医師の養成計画の増を立案するまでに至らなかったのが実態でございます。
 昭和四十二年、四十五年の二回にわたりまして、厚生省医務局長から文部省の局長あてに申し入れをいたしまして、やはりこのままでは医師の不足が問題であるということを初めて明らかにし、その申し入れに応じまして文部省も審議会等で積極的な医師の養成並びに既存の医科大学、医学部に対する定員の増をはかってまいりました。
 この数字を申し上げますと、定員の増という形で昭和四十年、公私立、国立合せまして三百二十、四十一年二百六十、四十二年四十、四十三年百二十、四十四年六十、これが定員の増による国公私立における入学定員の増でございます。四十年の三千五百六十名という医師の入学定員が、四十四年で四千四十という数字に増したわけでございます。その後国立で四十五年に秋田大学の医学部が生まれ、また私立で杏林、北里、川崎等の医学部の設置が行なわれて、合わせて三百四十の増が行なわれた。また、その年には定員の増はゼロでございまして、三百四十がふえたわけでございます。四十六年に至りまして、東洋医科大学、帝京医科大学等のそれぞれ八十の百六十の増がございます。また再び国公立、私立等の定員の増が行なわれまして、合わせて三百四十という増が行なわれた。四十七年に至りまして、自治医科大学、金沢、兵庫、愛知、名古屋保健衛生、福岡、埼玉医大等六百八十という私立の医科大学の増が行なわれ、合わせて国公立の定員増も行なわれまして、八百八十という定員増が一気になされまして、五千六百という入学定員に相なったわけでございます。四十八年を迎えまして、御存じの旭川の医科大学、山形医学部、愛媛医学部、栃木県にできます独協、これは合わせて四百、それに文部省関係国公立、私立の定員増合わせて二百がございますので、四百、二百で六百と四十八年は入学定員六千二百ということで、急速に四十年前半並びに後半に至りましての国公並びに私立等の医大、医学部の設置によりますものでかなりの定員の増が見込まれてまいっておるわけでございます。
○佐藤(敬)分科員 いまかなりな新しい医者の卵がどんどんできていっている、こういうことですけれども、しかし、現実にはこの人たちが一体職場につくようになるには何年ぐらいかかるか、ちょっとお伺いします。
○滝沢政府委員 医学部の学制上の定めからいきますと二年の教養課程と四年の専門課程合わせて六年でございます それから医師法に基づきましてインターンにかわりまして二年の研修制度というものが、これは義務ではございませんけれども、努力規定として医師になったあと二年間研修を求められております。これを合わせますと八年。なおその上、実質的な医師としての活動能力を確保するにはなお二、三年を必要とするというのが一般医学界の常識になっております。したがいまして、約十年というものが医師としての活動を期待できる年限でございます。
○佐藤(敬)分科員 大体約十年かかる。現在のわれわれとして、医師の不足解消は、これからいきますれば、まず約十年ぐらい待っていなければいかぬ、こういうことなんですが、実際問題として最近の状態を見ますと、とても十年なんか待っておられない、こういう状態であると思います。
 一つお伺いしたいのは、この卒業してくる医者、こういう人たちが、いま非常に不足しているのは特に勤務医だと思いますけれども、はたして勤務することになるかどうか、私は非常に疑問に思っているのですが、卒業しても勤務医にならなければ相変わらず同じような医者飢饉になる、こう考えるのですけれども、その点はどういうふうにお考えになりますか。
○滝沢政府委員 おっしゃるとおり、先ほどちょっと触れました医師の偏在と申しますか、その問題がございまして、医師の活動する形態には開業それから病院につとめるという一般的な形あるいは大学その他で研修しておるといいますか研究しておるという姿、大まかに言いますと大きくは三つに分かれます。そのほかには公衆衛生、保健所勤務等あるいは行政に関係する医師もございますけれども、この中でやはり開業というものに向かっていく、あるいは病院の経営者になっていくというのが一般的にいままで非常に多いわけでございますから、先生御指摘のやはり勤務医に多くなっていくということが官公立等の病院の医師の確保という問題、これがきわめて重要でございます。
 この中でやはり給与の問題が非常に重要でございまして、私のほうの直轄に持っております国立病院、療養所の給与は、人事院の勧告に基づきまして毎年定めておるわけでございますが、ここ数年来人事院が初任給の調整ということをやっていただきまして、医療職(一)表の医師の給与表はかなりの改善がもたらされております。一例を申しますと、たとえば県で採用しておりますところの行政官あるいは保健所の職員も、医療職を適用しますというと、行政職である厚生省の医師である技官などに比べますと、各府県によって若干の差はございますが、医療職適用がだんだん初任給調整で高くなってまいりまして、現在三倍ぐらいの差があるという、もちろん医師手当等も加えられた数字でございますが、そのような実態でございまして、かなりの勤務医の改善が行なわれております。ところが、やはり民間との格差は、人事院の調査によりましても、依然として四〇%前後の格差がございます。これはやはり官主導型という形よりも民主導型のかっこうでいっておるというようにもとれますし、また、民間から言わせますと官で上げるならば、やはり民間でも医師を確保するには上げていかなければならぬ、こういう形をとっております。したがいまして、われわれといたしましても、やはり勤務医の確保は、給与という問題を、改善はされましてもこれで十分とは思われないのでございまして、やはり医師の処遇の問題を、開業医というような形よりもむしろ積極的に勤務医としてやっていただくように持っていくためには、相当画期的な給与の改善を必要とするというふうに思っておる次第でございます。
○佐藤(敬)分科員 いま大学へ入る人がどんどん多くなっている。しかし、実態を見ますと、必ずしも勤務医になるために行っているんじゃなくて、入っている人の大部分というのは、医者の子弟だとかそういう人が非常に多いと思うのですよ。そういう人は、まあ、ある年限は勤務医になるかもしれないけれども、ほとんどすぐに自分のうちへ帰って開業に従事する、こういうふうな人が非常に多いので、なかなかこれが、そのまますぐ勤務医になっていく、こういうふうな方向にはいかない、こう私どもは考えております。これは絶対量が不足だ、絶対量が不足だ、こういわれておりますが、私どもは必ずしも絶対量が不足ではなくて、いま局長が指摘されたように、医者の偏在あるいはまた開業医が多くて勤務医が少ない、こういう状態で、実際以上に私どもが医者が不足だということを実感として感じておるのじゃないかと思いますが、外国の医師の状態はどういうふうになっているのか、人口当たりの医師、どういう状態でもいいですから、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○滝沢政府委員 主要各国の人口十万人当たりの医師の数というのを、若干年次に差がございまして、わが国が、一九七二年の数字では百二十八。アメリカが百五十三、フランスが百二十八、これはいずれも一九六八年の数字でございます。西ドイツが百六十七、イギリスが百十六、スウェーデンが百二十四、ソ連、これはちょっと教育制度、医師の資格に若干の相違がございまして、同じ一九六八年でございますが、二百二十四という数字でございます。こういう数字を見ましても、若干年次に差はございますけれども、やはり日本の医師の数は、イギリス、スウェーデン等とは並んでおりますけれども、西ドイツ、アメリカ等と比べますというと、まだ不足の状態があるというふうに言えると思います。
○佐藤(敬)分科員 確かに絶対量の不足なことは、これはそのとおりだと思いますけれども、いまこう数字を並べてもわかりますように、必ずしもそんなにいま私どもが感じているほど非常に大きな不足ではないと思うのです。私はやはり先ほどから申し上げておりますように、この医師の偏在、特に勤務医が少なくて開業医が非常に多い、どんどんやめて開業していく、こういうことがこの医師不足ということの非常に大きな状態だ、こういうふうに考えるのです。
 そこで、私はこの医師不足を解消するために、確かに絶対量をふやしていくことは、これは基本条件ですから必要ですけれども、それが大学を出てから実際に使えるようになるまで十何年もかかるというのではとても待てませんので、現在でもそれほど少なくない医者全体を、どういうふうに医療というものに役立てていくか、こういうことをもっと考えなければいけないと思います。そういう点で、私はこれは開業医の問題、この開業医というものをもっともっと有効に使うべきだ、こういうふうに考えますけれども、どうでしょう。
○滝沢政府委員 全く先生の御指摘のとおりでございまして、わが国の医療の供給体制というものは、確かに絶対量の不足も若干ございましょうけれども、やはり供給全体が、非常にアンバランスが地域的にもある、あるいは内容的にもあるということであろうと思います。この点につきましては、確かに高度の医療を必要とするような患者まで僻地で治療できるようにすることは、理想ではございましょうけれども、これはきわめて困難でございます。したがって、病院等における専門化と申しますか、専門的な病院をつくっていくということが一つの課題でございます。したがいまして、一般的な意味の標準的な医療を確保するために、僻地医療あるいはそれに関連する親元病院、こういうものの機能を高めていくことも重要でございますが、どこでもここでもやはりよい医療が受けられるようにするという一つの現実的な考え方がございますけれども、やはりガンのような特殊な治療を要するような設備、機能というものは、やはり計画的に持っていかなければならない。
 そこで、わが国のガン対策は一つのいい例になるわけでございますが、まず国立のがんセンターを築地につくりまして、北海道から九州までブロック的にガンの中心施設、北海道は国立札幌病院、あるいは名古屋の愛知がんセンターというように、県によっては県立、国立等を踏まえて中心施設をつくります。それから各県ごとに、少なくともガンであることを早期に発見できたらその手術ができるようにし、またそのあとの放射線治療ができるようにするという意味で、各県立病院おもな市町村立病院等に国庫補助を出しましてガンの治療設備をする。そういうふうにわが国の医療の特にガン対策を一つの系統立った医療網の中にはめる、こういうことがまあ一つの例として、ようやくわが国でもいままでになかった例としてガン対策がややその系統立った体制がしけたと思うのでございます。このように系統立った体制をしくということが、先生の御質問の、今後、開業の先生と病院というものとの機能を結びつけ、開業の先生で手に負えないと思われるような、まあ率直に申しまして、病院で治療を要するものを病院へ送れるようにする。この仕組みを――開業の先生方だけを、送りなさいと責めるんじゃなくて、やはり公的な機関その他を、地域医療計画の中で開業医が安心して送れる、むしろ送らないとおかしいというぐらいないい機能を国公立等でつくっていくのがこれからの大きな課題だと思います。そのようにすることによって開業の先生が患者をただ長く持っているというような形を是正していく。そのためには、むしろ一般的に見ておれたちとあまり変わらないじゃないかというような病院をつくっておっては、やはりこの問題の解決にはならない、こういうふうに考えます。
○佐藤(敬)分科員 いま非常に局長はいいことを言われました。私も全くそのとおりだと思うのです。しかし、実態はそうなっていないのです。私はあとからそれを言おうと思いましたけれども、いまそれが出てきましたので言いますけれども、そんなにすばらしい考え方を持っていて、医者が不足だと騒いでいるときに、なぜそれをやらないのか、ひとつそれをお聞きしたいのです。
○滝沢政府委員 やっていない、やらないという問題よりも、これからもちろん――がんセンターの例を一つ引きました。それから人工じん臓等についても私はそのような例が言えると思います。やはり地域計画的に県が特定な病院に人工じん臓を使った、じん患者の透析ができるようにするということは、やはり非常に計画的にやる必要がございます。そういうふうなことは確かに目に見えた対策としてまだ充実しておりません。全くこれからの課題であると言ってもよかろうと思います。
○佐藤(敬)分科員 簡単に答えてください。時間がないから。
 いま、これから福祉元年だとかいって盛んに福祉的なことをやる、こう言っております。それをまともに受けてくるのは、やはり病院の問題だと思うのですが、これからの病院は、単になおすだけではなくて、予防医学なり地域住民の健康管理なり、こういうことでいわば第三の医療といわれているこの仕事が非常に多くなってくると思うのです。これを担当するのは、日本の医者の大部分を占めている開業医じゃなくて、やはりこの公的医療機関だと思うのです。特に地域におきましては市町村、県、こういうものの自治体病院が地域のそういう問題に関連して非常に重要な役割りを果たしている、こう思います。
 しかしながら、この自治体病院の実態というものを見ますれば、もう赤字赤字に追われて、とにかく赤字を出すのが最も悪いことだ、こういういわば公営企業という形に追われて、赤字対策だけでもう朝から晩までにっちもさっちもいかない、こういう状態です。その結果、自治体病院がやっていることは何かというと、とにかく外来患者をたくさん集めて、そうして赤字を少しでも少なくしよう、こういうことです。そうすると、どういう結果になるかというと、開業医としょっちゅうけんかばかりしているのです。だから、何ぼやっても、開業医とその地域の基幹病院である自治体病院というものが、チームを組んで地域のために全体にフルに力を発揮することができない、私はこういうふうに考えておりますが、どうです。
○滝沢政府委員 全く先生の御指摘の実態は、わが国の医療制度の中のきわめて重要な問題点でございます。
 病院が外来というものをどう考えるかということでございますが、これは非常に病院側からかってに言わせていただくならば、入院患者を外来から取るのだ、こういう感覚では本来の医療につながらないわけでございまして、やはり開業医の先生方も、病院を紹介するという意味と、自分が今後患者をどういうふうにケアしていくか、あるいは退院後も病院から開業医に患者を渡す、こういうような仕組みというものを生むことがぜひ必要でございます。そういう意味で、自治体病院の外来問題というのは、国立も同様でございますが、私は、入院患者と外来の比率というものは、やはり一対一と申しますか、たとえば六百床の病院であれば六百人くらい。それがやはり六百床の病院で千二、三百人というような外来を見ているという例もございます。一般的にはわが国の実態は一・二三というあたりが、また医療関係者の活動のあれからいっても一・一くらいがよかろうというのが、一つの研究理論でもございます。こういうことを踏まえますと、おっしゃるように全然外来をなくすということは、地域医療そのものからいって私はなかなか困難な問題だと思いますけれども、やはり病院の機能と開業医の機能とを結びつけるということを踏まえていくためには、やはり病院と開業医の医師会とが十分話し合いましてこの機能を十分分けていく、そうしますと、やはり一対一くらいのところが当面の一つの考えじゃなかろうか、こういう考え方でございます。
○佐藤(敬)分科員 あなたが何ぼそういうことを、自治体病院と開業医とうまくチームをとってやろうと、こういうことを言いましても、病院側にそれができない事情があるのです。というのは、赤字を出しちゃいかぬのです。赤字を出しちゃいかぬのだから、幾らそういういいことを言っても、できないのです。私はいろいろ自治体病院を二十年近くやってきましたが、どんなことをやっても最後に行き着くのは、公営企業というワクなり鎖などを断ち切ってしまわなければ、公的医療機関としての使命を果たせない。一例を申し上げますと、いまは外来をやめるということはできないけれども、私は、市の上の段階の病院では外来をやめることはできると思うのです。ただし町村の段階では、小さい段階ではやはり外来をやめることはできないと思う。しかし、市の上のかなりの規模の段階では外来を全部やめることはできると私は思います。そうすれば、初めて開業医と自治体病院というものが協調してチームをつくって地域全般の医療に当たることができると思うのです。医者が足りない医者が足りないと言いながら、外来を一生懸命とる。特に足りないのは勤務医でしょう。その勤務医を抱えている自治体病院が外来患者を一生懸命引っぱってくれば、ますます医者が足りなくなるでしょう。
 私、調べてみてわかりましたが、こういう状態になっているのです。全体の病院の患者数に対する外来患者の比率ですけれども、県立の病院では、北海道では、特殊なところを除きますと、全体の病院の患者に対する外来患者の比率が六五・九五、それから宮城県では四九・四二、それから福島県では六三・七七、こういう状態です。かなり高いのです。市立の病院を見ますと、青森県では六三%、秋田県では六九・四四、山形県では七六・四、熊本県では五二・七六、愛媛県では六三・四三、こういう状態なんです。だから、もし外来患者をやるのを、ほんとうに救急患者であるとか、そういうものだけしかとらないで、外来患者をやめるということであれば、半分以上医師のひまが出てくる。
  〔三ツ林主査代理退席、主査着席〕
そうすると医者が倍ふえたと同じ結果になる。しかも、開業医の方がフルに働いているかといいますと、ある開業医は非常に忙しい、しかし、ある開業医は非常にひまだ。しかし、それだからといって医療の腕が低いわけではないのです。そういう野にいる開業医というものを全部動員して、地域的にチームを組んで活動すれば、私は、必ずしも現在ほど医者が不足だといって騒ぐ必要はないと思うのです。なぜこれができないか。その根本の原因は、地域の基幹病院である自治体病院が公営企業というワクによって縛られているから、できないのだ。最後に私はそれしかないと思うのです。これを取ってしまえば、自治体病院の最も目標とするところの高度医療であるとか特殊医療であるとか、あるいは不採算医療であるとか、こういうものができるのです。自治体病院はなぜそれができないか。単に、赤字を出してはいかぬということで縛られているからで、根本的な理由はそれしかないと思う。これはもっと自治体病院というものは自治体の根源、原点に返って考えれば、こんなに開業医とけんかして医者が足らないと騒ぐことは、私はおかしな態度だと思う。あなたがさっき言われましたことは、私はそのとおりだと思いますよ。幾ら医者をふやしても私は勤務医の不足は必ずしも解決されないと思う。勤務医の不足を解消するためには、やはり基幹病院を公営企業のワクをはずしてそうしてほんとうに地域の開業医とチームを組んでやれるような体制をつくらない以上は、私は現在の日本の医師不足の状態は救われないと思うのです。外国でやっているのです。オープンシステム、オープン方式、みんなやっているのです。日本でなぜそれができないか。できないはずはない。少ない医者を有効に動かさないで医者が不足だ不足だといっていることは、非常におかしいのです。あなたはもうそれに気がついておる。なぜそれをやらないのですか。――これはもうあなたよりも大臣の御所見をお聞きしたいのです。
○齋藤国務大臣 医療の供給体制を整備するということは、私、率直に申し上げますが、今日まで厚生省は非常におくれておったわけであります。そこで、この問題を本格的にやはり根本的に取り上げなければならぬというふうに私は考えておるわけでございまして、御承知の先般の経済企画庁の新しい五カ年計画ができたわけで、それに基づいて厚生省は、年金、医療、社会福祉施設、三部面に分けて年次別の各論的な計画を立てることにいたしておりますが、その最重点は、この医療の供給体制をどうやって確立するかということにあると考えております。この医療供給体制を確立するためには、いまお述べになりましたような国公立病院と診療所、開業医というものの責任の分担を明確にする、これが私は何といっても基本だと思います。そして国公立病院を中核としてそれに必要な特殊専門体系というものを併設しながら、地域における医療の中核になる、それから開業医はその第一線の医療を担当する、こういうふうな責任分担を明確にした上に立っての医療体制、これをつくらなければなりません。それをするためには、いまお述べになりましたようなもろもろの問題があるわけでございます。公営企業体ということで赤字赤字に追われて苦しい、こういう問題も私はあると思います。したがって、そういう問題も全部ひっくるめて、今後五カ年間に何とかひとつ医師の全力を活用できるような医療体制をつくっていかなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。
 私、率直に申し上げますが、今日までの厚生省は、年々、そう言ってはあれですが、健康保険といったような問題にばかりとらわれて、そしてその法律を出すと国会でもめる、そういうふうなことで、私どもいい法律を出したと思っても、去年の法律と同じじゃないかというようなことばかり言われるわけであります。そこで、内容については今度はすっかり変えて、給付改善に重点を置いている法律を出した。ところが、去年と同じ法律を出しているじゃないかといって、悪法の見本みたいなことばかり言われる。したがって、厚生省はこの健保健保にばかり精力をとられて、私、率直に申し上げますけれども、そしてどうしても本格的な根本的な医療供給体制の確立ということについて十分勉強する時間がなかったということが原因であると思います。幸いに今度の国会で健保法も通していただけると私は期待しておりますから、そうなりますと、先ほど申し上げたような長期計画と本格的に取り組んで、いまお述べになりましたような方向で医師の力を活用できるような体制をつくっていく、こういう手順にいたしたいと考えておる次第でございます。
○佐藤(敬)分科員 いま私が述べたようなこと、そして局長や大臣が述べられたようなこと、こんなことはいまに始まったことじゃないのです。私がしゃべることは釈迦に説法なんです。もう百も承知なんです。みんな承知のことです。なぜこのわかり切ったことをやらないかというところに私は非常に義憤を感じるのです。この問題に踏み切る意思がありますか。
○齋藤国務大臣 先ほど来申し上げておりまするように、厚生大臣は体は一つでございまして、ほんとうに今日まで十年間健保健保で追いまくられてまいりました。したがって、この問題を解決していただきまするならば、今後は医療供給体制に全力を尽くす、こういう考え方でございます。
○佐藤(敬)分科員 私は、実はこの問題は自治体病院にかかわるので、地方行政委員会で自治大臣にも強く話したのです。問題は、自治体病院はおたくのほうと自治省に関係がありますから両方で協議して、ぜひこれを一日も早く――開業医は開業医でかってにやる。自治体病院は自治体病院で開業医とけんかしてかってにやっている。住民はまことに迷惑しごくなんだ。こういうことを解消して、全部の医療力を総動員して住民の健康保持に当たれるように、特にこれから第三の医学といわれる予防医学というものは非常に大切なんです。こうなってくると、とても一人や二人の開業医でやれるものじゃないのです。それを指導していく公的医療機関が弱体では何もできない。大至急医療体制を整えてもらうように、これは国民の立場から強く要望いたしたいと思います。
 終わります。
○倉成主査 次は、三浦久君。
○三浦分科員 私は、カネミ油症患者に対する国の救済措置についてお尋ねをいたしたいと思います。
 大臣、もうカネミ油症事件が発生をいたしましてから四年半たちました。この間の国の施策を見ておりますと、何にもしていないというのにひとしいのじゃないか、カネミ油症患者をほんとうに見放しているのではないかという義憤を私は感ぜざるを得ないわけであります。
 御承知のとおりに、カネミ油症事件は、昭和四十三年の十月三日に大牟田市の一被害者が同市の保健所に奇病だという届け出をして、それが新聞に発表された、それから大きな問題になったわけであります。そして同じような症状を訴える人たちがその後たくさん続出をしてまいりまして、その被害者は一様にカネミ倉庫株式会社製造のカネミライスオイルを使用していたということから、大きな食品公害事件として社会問題に発展をいたしてまいりました。その被害の規模というのはたいへん大きなものであります。たとえば地元の福岡、長崎、山口、広島県、その他広範な地域にまたがっておりまして、届け出被害者の数というのは一万三千四百二十名にものぼりました。昭和四十五年の三月十四日の厚生省発表の確症患者だけでも千百十八人に及んでおります。この被害というのは、原因はカネミ倉庫株式会社が熱媒体として塩化ビフェニールを使用しておった、これが油の中に入った、この油を食べた結果油症が発生したという、史上かつて経験したことのない被害であります。
 被害者は、当初は原因が判明しないで、全身の吹き出ものや皮膚の変色とか、また脱毛等のいろいろな症状が出てまいりました。社会からは奇病として白眼視をされてまいりました。言うに言われない精神的な苦痛を味わってきたということは、もう大臣も御承知のとおりだと思うのです。原因が判明した後にも、塩化ビフェニールというのが体内の脂肪組織と親和性があるために、被害者の体内の諸器官組織に沈着をいたしまして、内臓諸器官の障害誘発しております。しかも、この塩化ビフェニールというのはほとんど体外に排出をされない、そのために体内をあちこち移行する。そして病状は一進一退を繰り返しております。そして、いまでは動脈硬化、高血圧、狭心症、神経痛、手足のしびれ、こういった症状も強く訴えられ、また骨の変形という事態も生じてきているわけであります。油症発生以来五年もたっていますけれども、被害者の現状というのは当初とほとんど変わっていないのであります。そして治療方法というのも確実なものは何一つ発見されていない、こう言っても過言ではないと思います。こういう状態の中で、被害者は毎日入院をし、通院を余儀なくされ、そのために生活は破壊されて、きわめて不安な生活を送っているということは、大臣も一週間ほど前に患者とお会いになりましたので御承知のとおりだと思うわけであります。
 こういう被害者の重大な被害に比べて、国の対策というものは私はきわめて不十分だというふうに感じておるわけであります。
 そこでお尋ねしたいわけでありますけれども、カネミ油症や森永ミルク中毒事件等の食品公害について、政府は、公害対策基本法を改正して、これを公害と認定して救済の方法を講ずべきだと思いますけれども、その点については大臣はいかがお考えでしょうか。
○齋藤国務大臣 カネミ油症の被害者の方々に私も直接お目にかかりましたが、ほんとうにお気の毒な状況にあることを私も十分認識いたしておるわけでございます。
 そこで、こういうふうな食品による事故は――今度の事故は、法律的な裁判上のいろいろな因果関係とかなんとかいうようなことを私は議論するわけではありませんが、常識的に加害者がはっきりしておると私は思います。法律的な裁判上の問題は別として、私はさように考えております。こういうふうに加害者がはっきりしている場合においては、やはり加害者が責任を負ってその救済に当たる、これが私は基本じゃないかと考えておりますので、公害基本法に基づくような、その法律の中で公害病認定というような形で救済するということは適当ではないと考えております。しかしながら、一般的に申し上げますと、やはり食品による事故というものは何とか国の制度としても考えなければならない問題でございますので、私の腹づもりといたしましては、昭和四十八年度の予算が成立いたしましたならば、それらの研究調査費も組んでおりますので、一年の間に、食品事故による救済制度、それを公害基本法とは別に新しい一つの制度をつくる必要があるのじゃないか、私はこういうふうに考えておりまして、昭和四十八年度において食品事故による被害者救済に関する特別立法を検討をしてまいりたい、かように考えておるような次第でございます。
○三浦分科員 いま大臣は、加害者がはっきりしているから、公害としてこれを国の救済措置にのせるのはどうかと思う、特別立法を考えたいということですが、特別立法を考えてもらうのはけっこうなんです。しかし、加害者がはっきりしているから、これは加害者が本来救済に当たるべきだ、こういう考え方は私はおかしいと思うのです。というのは、たとえばイタイイタイ病の問題でも、四日市の大気汚染の問題でも、水俣病でも、加害者ははっきりしているのです。それでもちゃんと公害病に認定をされて、それぞれまた公害と認定をされ、公害被害者救済法の適用を受けておる、こういう実情ですね。ですから、これを食品公害に限って、たとえば森永の中毒事件にしても、カネミ油症事件にしても、加害者がはっきりしているから、第一義的な責任は加害者にあるのだ、こういう考え方は、それだけ国の救済措置に対して消極的な姿勢を示しているのじゃないか。こういう考え方が、いままで四年半にわたって被害者を放置してきた大きな原因になっておるのではないか。このことを私は指摘しておきたいと思うのです。
 それで、この食品公害の問題ですけれども、他の公害と一つも違ったところがないというふうに私は考えるのです。たとえば、企業活動から発生したものであり、その被害が非常に広範であり、そして被害者は深刻な被害を受けておるということ、またその被害が非常に長く続いていくということ、そしてこれはひとりカネミ倉庫株式会社だけを責める問題ではなくて、国の食品衛生行政の欠陥からもこれが大きく出てきておるということははっきりしておるわけであって、他の公害とこの食品公害とを区別する理由は全くない。したがって、私は、この食品公害についても公害と認定して救済措置を講ずべきだということを強く要求をしておきたいと思います。
 次に、特別な救済措置をとりたい、特別立法をやりたいということでございますけれども、これはいままで政府は、この食品公害については公害に準じて扱いたいんだということを繰り返し言っております。これはもう四十四年九月の社会労働委員会、ここにおいても、時の齋藤厚生大臣、あなたじゃありませんが、前の齋藤厚生大臣がそのことを述べておられるわけですね。それから何年たっておりますか。もう三年半もたっておる。いまだにこの特別立法というものがなされていないということ、これは私は国の大きな責任ではないかというふうに考えるわけなんですが、食品公害についての特別立法をつくるにあたっては、やはり公害に準じて政府はそういう救済措置の内容を考えたい、こういう意味なのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○齋藤国務大臣 この食品事故による立法をつくるにあたりましては、その内容においては公害病の救済に準じた内容のものとして考えたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○三浦分科員 具体的にはどういう内容になるのか、御答弁いただきたいと思います。
○浦田政府委員 たとえば患者の認定の取り扱い方法あるいは医療費の支出の方法、あるいは医療費以外に、たとえば付き添いの費用とか、あるいは交通費とか、場合によりましては生活困窮者に対する生活上の救済措置、そういったものを、いま公害の健康被害にかかる救済法に準じまして、それよりも落ちないように考えていくというわけでございます。
○三浦分科員 いま公害被害者救済措置法の内容についてお話があったと思うのですが、場合によっては生活上の救済措置も講ずるということですね。場合によってはというのが私はちょっとふに落ちないですね。たとえば、この公害被害者救済措置法を見てみますと、医療手当ということで、十五日以上の入院の場合には六千円出るというようなことになっておりますけれども、これは非常に微々たるもので、救済という名に値しないんじゃないかと私は思っておるわけなんです。これをもっと高額にする、増額ということを強く要求すると同時に、いま局長のほうからお話しになりました、場合によっては生活上の救済をしていくんだ、この考え方は、私は改めてほしいと思うのです。必ず生活上の救済措置もこの特別立法の内容として考える、こういうふうに私は御答弁いただきたいと思いますが、いかがですか。
○浦田政府委員 ただいま、たしか、公害によります健康被害者の救済制度におきましては、いわゆる医療費あるいはそれに準じました介護手当とかいったようなものが主体で、要は、補償、賠償とかいったような問題の解決には時間を要しますが、健康上の被害というものは緊急にやる必要があるということでもって、医療費あるいはそれにまつわる諸経費を見るということが主体になっているように承知いたしております。したがいまして、食品事故にかかる健康被害者の救済制度ということを考えます場合に、公害に準じてということになりますと、そういったようなことも、あるいはそういった考え方はおのずから健康の被害を早急に救済するというところに重点が置かれるべきじゃなかろうかと考えております。
 ただ、現実の問題といたしまして、ただいま御指摘のありますカネミ油症に関する限り、現在すでに生活援助ということも行なわれているわけでございますので……
○三浦分科員 どこからですか。
○浦田政府委員 これはカネミ倉庫株式会社のほうからです。主たる生活維持者が入院した場合には、生活保護基準を基礎として援助しておるということでございますので、そういったことがさらに落ち込むということがないように措置いたしたいという意味で申し上げたのでございます。
○三浦分科員 いまあなたは、主たる働き手が入院した場合にはカネミが金を出しているという話ですね。幾ら出しているのですか、何人に。あなたからそんな答弁を聞こうとは思わなかったですね。時間がかかってしようがない。
○浦田政府委員 年別に申し上げますと、生活援助費といたしまして、先ほど申しましたような場合、四十三、四十四年、これは一括でございますが、二十五万二千五百円、四十五年が五百十万六千八百二十円、四十六年が二百八十三万五千三百三十円、四十七年が百八十五万四千七百円というふうに、ただいま申し上げました生活援助費としてカネミ倉庫株式会社のほうから患者の中の方々に支払われているというふうに承知いたしております。
○三浦分科員 それはだれから聞いたのですか。
○浦田政府委員 カネミ倉庫株式会社のほうからです。
○三浦分科員 額としてきわめて微々たる額ですね。これがほんとうだとしても。一世帯当たり一月何万円ぐらい出しているのですか。
○浦田政府委員 確かに額として決して十分であるとは考えておりませんが、基準額といたしましては、北九州市は二万円、福岡が一万円といったふうに承知しております。
○三浦分科員 いま局長のほうから言われたのは実情と違うのですよ。これは、この前被害者が大臣にお会いになったときにも、大臣のほうから、生活保障をカネミがしているじゃないかと言われて、患者さんが猛烈に反発をしたと思うのです。これは、ある一部の特定の人間に対して、たとえば訴訟を脱落させようとか、またいろいろ患者同士の間にいがみ合いを生じさせようとか、そういう一定の政策的な配慮のもとに、特定な人間に対して一つのそういう金を出しているということは私も聞いていますよ。しかし、入院患者さんに対して全部こういう生活保障の金を出しているということは全く事実と違うわけですから、あなたはカネミ倉庫株式会社からの言い分をうのみにしておられるようですけれども、患者さんに当たって聞いてみたことがありますか。患者さんにそういうことを言ったら、一様にたいへんな憤慨をなさいますよ。これは厚生省のほうでもよく事実を調査していただきたいと思います。
 それから、大臣のほうから、四十八年度にそういう食品公害の救済措置に関する特別立法を出す、こういうお話しでございましたけれども、ではそれまでの生活保障はどうしていただけるのか、御答弁いただきたいと思います。
○齋藤国務大臣 先ほども局長から御答弁申し上げましたように、カネミ倉庫株式会社のほうで生活のできるだけの援助をしようということになっておると私も承知しておりますから、それが中心であると考えております。
 なお、私どもも、世帯更生資金というものの貸し付け制度を、これが直接これに該当するかどうか疑問の点もあるようでございましたが、生活に困っておられる方々もあるということを聞いておりましたので、世帯更生資金の貸し付けの活用ということをいたしておる次第でございます。
○三浦分科員 この世帯更生資金の問題ですけれども、これは昨年度は貸し付けてないでしょう。本年度も貸し付ける予定にはなっていないと思いますよ。これは県のことを言われているんでしょう。その貸し付けた金に対しても返済を要求するというような事態が福岡県では起こっているわけなんです。そういう貸し付けというようなことではなくて、現在このカネミ油症患者の方たちはたいへん生活に困っていらっしゃるわけですから、わずかな金なんですから、貸し付けではなくて、生活保障の金として政府が月に二万円程度の金は支払うべきだと私は思いますが、そういう予算措置を四十八年度にとる意思があるのかないのか、お伺いいたしたいと思います。
○齋藤国務大臣 そういうふうな援助の金を政府としていま出す考えは持っておりません。世帯更生資金につきましては、先般も患者の方にお目にかかりまして、返還についてさらに期間の延長をしてもらいたいんだというふうな申し入れがありました。それを見ますと、やはり世帯更生資金の貸し付けはあったものと思いますが、この延長につきましては、社会局長のほうから直接会いまして、できるだけ御希望に沿うように善処いたしましょう、こういう回答をいたしておるわけでございます。
○三浦分科員 そうすると、世帯更生資金の貸し出しは、四十七年度も四十八年度も行なうというふうに伺ってよろしいわけですか。
○齋藤国務大臣 社会局長はいまおりませんので詳細はわかりませんが、四十七年度は間違いなくお貸しをいたしております。そういうわけで延長方の申し入れがあるのですから、四十八年度につきましては、そのときの話し合いでどういうふうになっておるかわかりませんが、患者さん方の御希望に即すように善処いたしたいと思います。
○三浦分科員 次に、治療方法、研究体制の問題についてお尋ねしたいと思います。
 患者の中には、政府は、カネミ油症はもう過去のものだ、これからの油症研究班というのはPCBの環境汚染一般の研究に重点を移したのではないか、こういう危惧を持っておられる人々もたくさんおられるわけであります。PCBによる環境汚染とその対策というのは、母乳からもPCBが出るという事態でありますから、非常に緊急を要する問題だと思います。しかし、PCB被害の最大のものは、何といってもカネミ油症だと思います。そういう意味で、カネミ油症の研究なくしてPCB一般の研究というものは全く意味をなさないのではないかと私どもは考えておるわけでございます。特に先ほども申し述べましたように、PCBの経口摂取による被害という、世界にも初めてというような被害がこの日本に発生しておるわけですから、これの治療方法の発見というのは日本の国の特別の責任ではないかというふうに考えるわけです。
 それでお尋ねしたいわけですが、油症研究体制の現状と油症研究の成果、さらに今後の研究課題と研究方法についてお尋ねをいたしたいと思います。
○浦田政府委員 カネミ油症の研究についてでございますが、昭和四十三年に事件が発生いたしまして以来、科学技術庁の特別研究促進調整費及び厚生省の特別研究費、あるいはまた食品衛生調査研究費などによりまして、九大の医学部を中心とした研究班によって進められてきております。御指摘のように、油症はかつて経験のなかった疾病であります上に、PCBの慢性毒性など人体に及ぼす影響等についても未知のものが多かったわけでございまして、率直に申しまして、その研究はきわめて困難なものであったと考えております。しかしながら、研究班の方々の非常な御努力によりまして、ある程度は注目すべき研究成果もあげられておるのでございまして、確かに私どもといたしましてその原因を明らかにしなくちゃならない責務があると思いますが、ある程度は欧米におきましてもその研究の成果が評価されているといったようなものも出てきているわけでございます。
 そのおもな研究の成果でございますが、まず、油症の臨床症状など全貌が大体明らかになってきたということで、これは御案内のように、その成果を踏まえまして昨年の十月には新しい診断基準を作成いたしております。
 それから第二点といたしましては、油症の原因物質、PCBでございますが、この人体内での代謝作用、たとえば酵素誘導現象等が明らかになっておりまして、今後の問題といたしましては、PCBの排せつ促進方法に活用ができるのじゃないかというふうに考えております。これがひいては根本的な治療法につながりはしないかということを期待いたしております。
 また第三点といたしまして、PCBの吸収、排せつ、蓄積等についての研究も進みまして、患者さんの予後についても次第に明らかになってきているといったようなことでございますが、もともと、このような疾病そのものが起こったこと自体が非常に問題でございまして、私どもは、そういった意味からも、世界に対して原因の解明の責任があるというふうに考えておりますので、さらに、その研究は今後は最も患者さんの多い九州地区が中心になると思いますが、西日本にもかなりの患者さんがおられます。したがいまして、ただいままでのところは九大あるいは長崎大学等が中心でございましたが、関係都道府県の大学、研究機関あるいはその方面の治療設備が整っております一般の医療機関などの御参加も得まして、研究体制を一そう拡充強化してまいりたい。
 それから治療研究費でございますが、PCBの全般的な治療研究費のほうからの移しかえも受けておるのでございますけれども、できるだけ研究費は関係の方面からくめんいたしまして、治療研究費の額の面からも増額をはかるように努力してまいりたいと考えております。
○三浦分科員 研究費の問題ですが、昨年厚生省が難病対策要綱を発表されましたね。この難病の中にはカネミ油症は入っていないと思うのです。公害でもない、難病でもないということでカネミ油症の研究が放置されたのじゃかなわないと思うのですね。難病対策のほうを見てみますと、最高でプロジェクトチーム一班に対して四千万円という研究費が四十七年度計上されていますけれども、カネミ油症はそれに比較するときわめて少額だと思います。これはもっと増額する必要があるのじゃないか。難病対策も不十分ですけれども、せめて難病対策ぐらいの意気込みで取り組んでいただきたいということを申し上げたいと思うのです。
 それから一斉検診についてちょっとお尋ねしますが、九大の例をとりますと、一斉検診の結果、受診対象者は非常にふえているのですけれども、受診者がたいへんに減っているわけですね。毎年毎年減ってきています。被害者の中には、この一斉検診について、診断基準に基づいて油症を打ち切るのじゃないかというような不安を持っている方がたくさんあるのです。この一斉検診の目的についてお伺いいたしたいと思います。
○浦田政府委員 現在実施しておりますのは、従来と少し事情が――昨年十月に診断基準が改定されまして、それに従って、いままでとは違いまして、さらにいわゆる未把握の患者さんの把握につとめ、それからいままで把握しておりました患者さん方につきましてもその対象としておる症状等を広げるという措置をとってまいりましたので、現在行なっております一斉検診はそういった患者さん方の把握、さらには対象の拡張というようなことが目的でございます。確かに御指摘のように、だんだん対象人員の数につれましていわゆる受診人員、受診率が落ちてきております。これらにつきましては、私どもは、やはりこの検診機関の数をふやす等、実際の患者さん方の受診に便利なように考えてまいりたい、かように考えております。
○三浦分科員 もう一点だけ……。
 ちょっと大臣この写真を見てください。
 これは油症患者の写真であります。これもそうです。見ましたか。これらの中に未認定患者もおるのです。これだけひどい症状があって、まだ油症というふうに認定されない患者があるのです。最初の診断基準というのは皮膚の症状に重点を置いたというために、一万数千人の人たちが受診したけれども、わずかに千人ちょっとの人しか確症として認定されなかった。そうすると、あとまだ一万二千人ぐらいの人たちがおるわけですね、おれはカネミの油症じゃないかと考えている人が。こういう人たちに対してやはり政府としては追跡調査、いわゆる再検診、こういうものを積極的にやっていく必要があると思うのです。この点を私は最後に要求して、時間がありませんので、質問を終わりたいと思います。
○倉成主査 塚本三郎君。
○塚本分科員 厚生大臣にきょうは、看護婦さんが不足しておって医師会がたいへん困っておりますので、そのことについてお聞きしたいと思います。
 全国的にはそうでないところもあるようでございますけれども、わが愛知県及び名古屋市は、たいへん看護婦さん不足でお医者さんたちが困っております。政府はこの際社会福祉の政策に重点を置くと、本予算委員会におきましてあらためて田中総理から御発言をいただいております。そのとき実際医療給付をしようとする立場に立つ大臣として、肝心な看護婦さんがなくて十分な手当てができないということについて、今後これを充足させるための具体策について御意見を賜わりたいと思います。
○齋藤国務大臣 最近における医療の実態から申しまして、看護婦が非常に不足をしておる、お述べになりましたとおりだと考えて、私も心配をいたしておるような次第でございます。そこで今日まで私どもは、養成所の増設とか、あるいは養成所に対する補助金とか、いろいろなことをやってまいりました。しかし、なかなか思うようにできない。そこで私の考えとしては、長期的に五カ年計画でこの問題の解決に当たるべきであろう、こういうふうに私は考えておりまして、先般の経済企画庁の新しい長期計画の策定ということになりまして、ことしから四十八年度から五十二年度までの五カ年間における年次別な計画を厚生省が立てるわけでございまして、昭和四十九年度の予算概算要求をするまでの、ことしの七月、八月ごろまでの間に、五カ年間の看護婦確保のための長期計画をつくりたい、かように考えておる次第でございます。しかし、これがためには、養成所の問題とか、いろいろ問題はありますが、やはりそういう数ということにこだわったものだけではいけないのでありまして、やはり給与問題その他夜間保育の問題とか、あるいは夜間手当の問題とか、全般的な問題を考えながら長期的な計画で五カ年計画を立ててこの充足のために努力をしてまいりたい、こんなふうにいま考えておる次第でございます。
○塚本分科員 長期的な対策はぜひ具体的に進めていただきたいと思いますが、五年先にならなければ、理想的な、あるいはまた、どうにかの医療が行なわれないということでは、当面にとって困る立場になりますので、この際、制度としては、問題を解きほぐす意味で、滝沢局長にお尋ねいたしますが、高校を卒業したお嬢さん方を対象にしなければ――いま養成の中心が、中卒を対象にした制度が中心になっておるようでございます。しかし、御承知のとおり、どんないなかに行きましても、もう高校が普通になってきております。だから、やはり高校卒業のお嬢さんを対象にするということになるならば、それからなお二年、さらに三年というふうな養成制度では、大学卒業生よりもさらに長い期間がかかってしまって、出たお嬢さんはもうすぐ結婚だ、こういうことでまたいなかに帰ってしまう。これでは大都会の看護婦さんは永久に姿を消してしまうという形になってしまいます。したがって、この際お医者さん方が一番希望しております制度は、高校を卒業してそしてすぐ働きながら学んでいただくということで、定時制の養成所を設けて、そのかわり、三年といわずに四年にして、そしてこの学院卒業生の看護婦の資格がいただける、こういう新しい制度を採用することに踏み切られたらいかがかと思いますが、どうでしょうか。
○滝沢政府委員 最後に先生のおまとめが、高卒定時制四年という、いまの昼間の高卒三年制を四年制ということ、これは私も、医師会方面、特に中京地区が、――実は看護婦さんの人的資源の供給――ということばを使ってははなはだ乱暴なことばになりますけれども、東北、九州が従来非常に多いのです。したがって中京がちょうど日本列島の中間になりまして、中京地区というのは看護婦不足の一番の中心地であるということがよくいわれております。実態もそうでございます。で、特に愛知県あるいは名古屋市等の医師会のその方面に関する御関心が高いということを承っております。
 で、結論的に申しますと、実は高卒一年という准看養成制度を過去に国会に提案いたしました。これはやはり各方面の十分なお話し合いなりあるいは御意見等がございまして成立しなかったわけでございます。先生の御提案は、高校卒であって――いま中卒以上二年というのが准看の法制上の定めでございますので、中卒以上の学力となると高卒でもいいわけでございます。そして現行二年ということで、医師会も准看の高卒二年制度にはある程度あまり反対をなさらないでしょうし、また実態も法制上もそれで違法ではないというふうに考えますので、准看制度の将来のあり方については基本的に議論があるところですけれども、当面やはり労働の確保その他考えますと、准看制度もにわかに廃止するというわけにはいかない。しかし、やはり准看の方が正規の看護婦になる、このコースを進学過程ということで二年勉強していただけば国家試験を受けられる、こういういろいろのコースがございまして、もう一つ先生の最後に御提案の、高卒の三年がいまの正規の看護婦のコースですが、これに四年制度という定時制のものを設けられないか、この御提案でございます。これにつきましては、実は看護協会その他看護関係者が、文部省のいわゆる教育法に基づく学校教育制度で看護婦の養成をむしろ望むという傾向がございまして、これはこれなりに文部省も逐次その増設をはかっていただいておりますけれども、基本的に高等学校卒三年というのを最低の看護婦の資格と考えるということでございますから、三年を四年にするということで定時制的であれば、カリキュラム、いわゆる教科内容全体からいけば、低下することはないと思います。ただ、形式的には、やはり高卒三年で、昼間の正規の学校教育的、しかもやむを得ない病院付属の養成所で高卒三年、これもよかろう、高卒四年ということになりますと、これは私は十分検討には値すると思いますけれども、いまのところこの問題に対する各方面の御意見、御見解というものは正規には出ておりません。しかしながら、私は十分検討に値する問題であるとは思っております。しかしながら、いま申し上げた背景には、やはり教育程度を高めていけというような背景がございまして、夜間コースで四年をかけてやるということに対するやや反対論というものも、いままでの経緯からいきますと、予想されます。しかしながら、この問題については、やはり看護婦の養成全体を考えますと、特に地方都市などにおける進学課程の将来を考えますと、やはりある程度の、公立以外の私的なあるいは医師会の看護婦養成が将来高等学校卒正規の看護婦養成に向かっていくときに、いまの昼間だけの三年制度というのは、社会の実情に合わないじゃないか、そういう意味で四年制度というものが考えられないかという御提案には、私は十分検討しなければならぬと思っております。
○塚本分科員 来年度といっても、四十九年度には実施できるようにもっと話を詰めていただきたい。局長はなかなか実情をよく把握しておいでになって、共感を呼ぶと思うのです。いままでの看護婦さんの制度は、中卒を基盤にしておるという形でなっておりますが、もうどこに行っても高校卒なんです。そうかといって、全日制のといっても、そこまではまだどこの家庭も、いわば大学と同じことになりますから、お嬢さん方をそこまで出せるものではない。しかも、実際にもう二十になってしまって、それから看護婦さんとして働くということ、お医者さんのように生涯をかける仕事ならば別ですけれども、やはり女性はほとんど結婚をするということになると、実際看護婦さんとして働ける期間はないじゃございませんか。だから、お医者さんたちの立場からいいますと、なぜ定時制を希望するのだと、こうただしてみると、いや、実はお嬢さん方の働いていただける期間というものは、夜勉強していただくその四年間、それが即昼間働いていただけるのです、それがいまわが名古屋市において、愛知県において唯一のたよりでございますと。これは厚生省としても責任を感じていただかなければならぬ。しかもこれから福祉政策を進めんとする政府の立場からするならば、もうどんなにお金をつけても、どんなに拡充してみたって、これを満たしてくださるお医者さんや看護婦さんがいなければどうしようもないのです。だから自分たちで医師会立の養成所を設けて一生懸命努力しておるとき、まずこの制度が四十九年度に実施できるように、ひとつ局長の立場から具体的に作業を進めていただきたいというふうに思います。再度お答えいただきたいと思います。
○滝沢政府委員 先ほど大臣からお答え申しましたように、たいへんな看護婦不足の状態でございます。というのは、一番原因は、医療内容も高まってまいりました。したがって、術後の患者管理なども、夜間を含めていわゆる非常に濃厚な看護が必要であるということで、いままでの医療法の基準の四人に一人という看護婦の標準を突き破った実態が出てきておるわけです。そうすると、夜間二人勤務をする。そして月に八日だけ夜勤務するような人事院の一つの判定がございます。これをいわゆる二・八体制と申しますが、これを実施するという傾向がだんだん濃厚になってまいりますと、それだけでたいへんな看護婦不足の状態が生まれてきておるわけです。
 医療法の四人に一人でいきますと、大体いまの看護婦の状態は、わが国の病院、診療所の数から割り返しますとほぼ足りておるというふうに、数字上はなります。したがって、今後の五カ年計画を立てますときに、この養成の計画自体をどういうふうに立てるかということが、たいへん重要な課題なんでございます。したがって先生の、高卒四年制度というものについて四十九年度実施できるようにということでございますが、この点については、五カ年計画の中身の一つとして、四十九年から五十三年までの看護養成計画の中身として検討いたしたい、私はこういうふうに思います。
○塚本分科員 なぜこれを申し上げるかといいますと、全国的にはまだそんなに急がなくてもいいという大臣の五カ年計画はわかるのです。しかし、先ほどから申し上げておりますように、お嬢さん方なんです。東北や九州から大都市に出てこられる。ここで養成の年限を終えて資格をお取りになってから、結婚してまたふるさとに帰ってしまう。結婚しながらもふるさとでは仕事ができます。しかし、来ていただいて、そして養成だけして、みんな戻っていく。だからこそ大都会では全然足りないという形になる。それはけっこうだ。大都会で養成してもいいが、養成の期間四年間だけは手伝っていただきたいと、こういうけなげな叫びになっておりますから、全国的なその五カ年計画の中の一つとして、いま局長は四十九年度実施をひとつ検討していただくことはたいへんありがたいことだと思いますが、そういうことですから、いわゆる九州や東北においては、結婚して戻られたお嬢さん方が奥さまになって、そして子供さんの子守をしてくれさえすれば、また近くの病院や医院につとめることが可能なんです。しかし、そこに住まっていない、いわゆるわが名古屋市をはじめとする大都会においてはもうこれは不可能な状態になっておりまするから、せめて定時制で昼間働いてくれるお嬢さん方に、この四年だけは一切責任持つから働いていただきたい、こういう状態に立っておること、この実態を十分把握していただきまして、ぜひ強力に進んでいただきたい。カリキュラムの心配等は、これはもう高校でも全日制三年の場合、定時制四年でりっぱにこれをこなしておりますから、今度の学院の制度にしましても、私は、中身は心配がないという御発言がありましたから、これ以上申し上げるつもりはありません。制度の点をまず前進をしていただきたい。そして今日的実態に合うように進めていただきたい。このことが第一。
 次は、公立養成の機関に比べて、医師会が行なっております養成所は、財政的にきわめて不遇な立場に立たされております。これはやはり、普通の私立を卒業してそして自分の将来社会に対する資格というふうな、普通の専門学校やあるいは大学の私立と同じような目で見てもらっては困ると思うのですね。やはり国家が目ざしておる福祉国家のその中身を、いわゆる満たすものでございまするから、公立でやってくださればそれにこしたことはないけれども、全国的に見て六割から医師会が負担をして行なっておるという数字を見たときに、これはやはり国の補助をもっと考えていただかなければいけないと思いますが、この点は大臣いかがでしょう。
○滝沢政府委員 若干予算の内容に触れますので、私からお答えいたしますが、実はこの医師会立の養成施設にも、法人でございますので、補助金を出しておるわけでございます。それで、運営費の補助といたしまして、四十七年度までは、所要経費、すなわち教材費あるいは教員の手当、こういう主要な養成所の基本になります費用の百分の三十五を四十七年度は補助対象にいたしておりました。それを四十八年度は百分の五十に高めまして、まず所要経費の百分の五十、半分は補助対象にしましょう、こういうことで、愛知県の場合、二十三カ所に約二千万の補助金が出ております。そのほか、もちろん、建物を整備する、それから修学する資金、いわゆるお金を借りて、そして三年間県内で勤務すれば返さなくてもよろしいという制度がございます。この制度の修学資金についても、愛知県に対して八百万程度の補助がいっております。
○塚本分科員 それはあれですか、医師会立でもやっていますか。
○滝沢政府委員 はい。医師会立でも、そういう希望者があればこれに対して修学資金の貸与ができます。以上で約九千万程度の予算がいっております。
○塚本分科員 運営費に対して五〇%医師会立でも出せるような形に新年度では予算ができているのですか。
○滝沢政府委員 そのとおりでございます。
○塚本分科員 これはいま教材だけじゃございませんか。運営費全体に対する五〇%ということで見て間違いないのですか。
○滝沢政府委員 運営費全体というものには、それぞれの養成施設による違いがございます。たとえば極端な――極端と申しますか、国立もそうでございますが、養成期間中宿泊を無料にし、食事まで給している、こういうものは補助対象にはいたしておりません。基本的と申しましたのは、要するに教師の手当であるとか、そういうような、いわゆる養成所共通にどこでも必要な基本的なものの経費の百分の五十、こういうことでございます。
○塚本分科員 わかりました。私聞いておったところは、県とそれから国からほんのわずかしか出てないということのように伺っておりましたので、運営費はたいへん不足しておるというようなことで困っておるということを聞いておりましたが、過去はともかく、基本的な運営費が五〇%になったということで、私はけっこうなことだと申し上げておきましょう。
 それから、施設に対する助成の点はどうでしょうか。
○滝沢政府委員 この点につきましては、まず看護婦の養成所をつくる――保健婦、助産婦も対象にいたしておりますが、その場合も補助金を出しまして、四十七年度、愛知県に対しては三カ所。それから建物を建てて、初度整備と申しますか、中の設備をする必要があります。これに対しては五カ所出ております。先ほどの修学資金、運営費を合わせまして、先ほど申し上げましたように愛知県に対しては九千二百万。これは国の補助に対して、県がこの補助を受けましてこれに同額を上のせいたしますから、したがって国としては、たとえば先ほどの運営費のような場合には、一カ所定額でたとえば二百万、三百万というような定額補助の形になっております。県はこれに対して同額の三百万をのせたり、あるいは県によってはそれにさらにプラスして運営費の補助をいたしておるところもございます。
○塚本分科員 それは公立ばかりの話で、いわゆる医師会立の、いわば私立ですね。これにはそうなってないということじゃないでしょうか。
○滝沢政府委員 これにつきましては、私も地方行政の経験がございますけれども、むしろこの制度が生まれる前には、各県ともほとんどこの医師会立の養成所に、多少なりとも、二十万、三十万程度の――これは過去の話でございますが、定額のものを出しておりました。これについて、今回こういう制度が生まれまして国と県がやるということで、これは医師会にも県を通じましていっているはずでございます。
○塚本分科員 もしいってなかったらどういう形なんですか。厚生省のほうへ直接に言えばいいのですか。来てないということで医師会立が困っておるようですけれども……。
○滝沢政府委員 全く私立のものが全国に若干ございますが、そういう特例を除きますと、いわゆる社団法人である日本医師会という、あるいは名古屋市医師会という形ではこれはいっておるはずでございます。
○塚本分科員 それはどのくらいの割合ですか。
○滝沢政府委員 運営費については二分の一でございます。
○塚本分科員 施設整備費に対してはどうですか。
○滝沢政府委員 二分の一でございます。
○塚本分科員 これは公的でなくても、これから拡充したり、そういうことに対する医師会立に対して二分の一の助成がなされるということに理解していいのですか。
○滝沢政府委員 先ほど申しましたのは運営費でございますが、建物の整備については、国からの補助は、公的なもの以外はただいま出しておりません。したがって、これは医療金融公庫からの低利融資、あるいは場所によりましては競輪その他の社会的な益金を活用しておられる向きが非常に多くなってきております。これにはわれわれとしては御協力申し上げる、こういうことであります。
○塚本分科員 わかりました。それを施設に対しても同じような形に助成をすることは考えられないか。足りないから、しかたなしにお医者さんたちが自分たちでやっているのですから。しかも卒業生の相当部分は公立の医院へ行ってしまうのですよ。だから自分たちで養成しながら、実際は向こうへ行ってしまう。どういう理由か、幾つかの理由があるでしょうけれども。しかも普通の私立の大学や、そういうものと違うのですから、やはり医師会立の養成所に対しても同じように、あるいは若干率は下げたとしても、いわゆる施設に対しても助成をすることが必要だと考えますが、どうでしょう。
○滝沢政府委員 結論を率直に申しますと、非常にむずかしいと私は思います。ということは、これは社団法人という形で法人格ではございますけれども、四年間の養成制度の根本にも、先ほど来先生御指摘のように、また私もそれは十分理解できることでございますが、看護婦の勤務をその間確保したい、こういうような性格も若干ございますが、しかし、総体的に考えれば、看護婦の養成は公的にすべきだという議論もございます。したがいまして、この問題は一〇〇%不可能とは申し上げませんけれども、この問題については、私立的な傾向が若干ともあるというような性格も含めまして、私は、医師会の養成所の従来出していないものもにわかに四十九年度からこれを出すように検討すること自体は非常にむずかしい問題ではなかろうか、これは率直に申し上げておきます。
○塚本分科員 あなたの理屈は合わぬじゃないですか。若干私的なものがあるからゼロのままだというようなこと。若干私的なものがあるから、同率にはできないけれども、差はできることは認めていただかなければならぬけれども、助成することは当然である、そう答えるのがあなたの立場じゃないですか。若干の違いがあるだけでゼロですから、これからもゼロでございます、これは理届に合わぬじゃないですか。どうです。
○滝沢政府委員 従来、長年の間看護婦養成の問題と取り組んでまいりまして、どうやら運営費の補助まではわれわれも踏み切ることができました。しかしながら、建物を設置する場合には、かなり地元の医師会その他が発案し、計画しておられる。いわゆる公的な形の場合の設置の実態と若干食い違いがございます。そういう意味で、補助というのは奨励的になります形もございますから、そこでかりにそういうものを考えましても、その実施内容あるいは実習施設、こういうものを総体的に考えまして補助対象にすることができるかどうか、こういうことも含めて考えますと、非常にむずかしい問題ではなかろうか、こういうふうに考えます。
○塚本分科員 局長、考え方としては、たとえば国立大学に対する私学というのは、国の方針とはまた別に学風を持って、独自の教育がしたいということでやっているから、だから、君たち自由にやりなさい、そのかわり金は出せませんぞというならばわかるのです。しかし、国がこれほどまでに福祉政策を立てておるにもかかわらず、金も相当に出そうというときに、出していただいても、実際に地域によっては、先ほどから申し上げておりまするように不足して、どうにもならない、だから、いたし方なく自分たちが金を出して養成機関をやっておるということで、全く政府の足りないところを医師会がみずからの金を、身銭を切って協力をしているという立場である。それ以外の何ものでもない。国の医療行政におれたちは政策が違うし考え方が違うから、別個のものをつくったというのじゃないのですよ。足りないところをしかたなしに補わさしていただこうと言っている。そういう私立のあれだから、普通の国立大学に対する私立の大学と全く性格は違うのです。だから、これは全部同じようにするというわけにいきませんけれども、だから助成に対する差ができることはいたし方ないとしても、やるのが当然でございます、私はやりたいと思います、しかしながら大蔵省がなかなか協力してくれませんから、先生方の御協力をいただきたい、君はそう言うのが、局長としての立場じゃないですか。どうでしょう。
○滝沢政府委員 おっしゃるとおり、看護婦養成全体を考えますと、確かに、従来の数字的に見ましても、医師会立の看護婦養成所の果たしていただいた役割りというのは非常に大きいわけであります。しかしながら、過去にこういう実績があり、こういう運営をしていただいているというそのことが、また新たな助成制度を生む上に――私は非常に率直に言わしていただくならば、それだけの運営なり何なりができてきたという問題に対して、これを積極的に、かりにそういう医療法人立等の大きな病院等に養成所を付置してもらう、こちらがむしろ計画的に県と相談してそこに設置してもらわぬと県の需給計画も立たないし、しかも実習その他は、もう二百床以上ある病院だ、これはけっこうだ、こういうようないまの看護制度の実習病院等の関係も踏まえながら、先生の御指摘のように医師会というものを含めた形で助成を踏み切れというのを、一歩先生の御趣旨を組み入れて考えれば、医師会立に近い医療法人等の個人の病院で、なおかつ看護婦養成所を設置する資格も十分ある、しかし資金面その他でできないというようなことがあれば、私は、その具体的な部分に対してはむしろ検討に値するのじゃないか、こういうことまでは申し上げられると思います。
○塚本分科員 わかった。あなたのおっしゃるように、医師会立なんかにあまり力を入れると、公的なものを軽視されたら、逆に、しかたなしにやっているだけだから、これを小さくして公的なものを多くするという意味では、あまりこれに力を入れるとこれは逆に後退するという局長の意思も私はわかります。しかし、いまはいたし方なくやっておるんだから、これに対しては助成する方向で見て、しかし、将来これを中心にしたり大きくすれば、日本の医療行政の要請に対して私は逆になると思うのです。だから、むしろこれは小さくして、公的なものが全面的におおうようにするような形にすべきだ、こういう意味で、私は基本的には局長の考え方に賛成なんです。だけれども、いまいたし方なくやっているものに対してこれを補うということは、これは検討していただかなければいけない。
 この問題を議論していて時間がなくなってしまいましたが、私は最後に、保険局長に……。
 実はこういう声明文が愛知県から出されております。
  愛知県下自治体が四月一日より実施しようとする乳児医療費助成制度に就いては、その趣旨は理解出来るが、実施する医療機関側の事務量の増大は目に余るものがあり、ひいては診療そのものの荒廃すら考えられる。元来福祉医療の実施にあたって、一切の事務手続きは実施責任者にあり、医療機関は医療のみに全力を尽すべきものであるが、現在の施策は全て医療機関にしわよせされている事実は見逃す事が出来ない。
  依って愛知県下医師会長、分科医会会長合同協議会は次の如く声明する。乳児医療費請求事務実施に際しては、国保は実質十割給付とし、健保は保険者が自治体へ請求するようにすべきだ。
こういうふうにいっておるわけです。
 中身はもうすでにおわかりだと思いますけれども、国が七割、自治体が三割と別個にとると、もう事務がややこしくなってしまう。だから、十割給付にしておいて、そうして保険者は自治体に三割を請求していただければ、お医者さんのほうも患者のほうも、ややこしい出し入れしたりする事務の手続が必要ないじゃないか。こういうような、同じいわゆる公的でも国とそれから地方自治体違っているだけだから、こういう問題、これから御承知のとおり難病対策であるとか老人医療であるとか、幾つか、国がまだそこに至らない場合に、地方自治体が進んでそれを補ってくれる、これらがありますと、出すところは違っておるから事務がたいへんだというわけです。だからこの際、基金法を改正して一本化させることをお考えいただきたい。これに対する回答だけいただきまして、私の質問を終わります。
○北川(力)政府委員 ただいまお話がございましたように、保険医療機関あるいは国保の療養取り扱い機関等におきまして請求事務が非常に複雑になっていることは事実であります。特に、いまお話にありました保険とそれから公費負担医療とが重なり合っております場合には、御指摘のような問題点があるわけでございます。ことしの一月からスタートいたしました老人医療の場合にもそういった問題がございまして、このほうは医療機関に御迷惑をおかけしないような手順になっております。それから今回の健康保険法の改正案で考えております、いわゆる自己負担を伴う医療の中で高額医療の償還払いという場合にも、医療機関側にはお手数をかけない、こういうことを考えております。また、いまお話しになりました乳児医療の問題あるいは国保全般の問題でございますが、乳児医療の問題はこれからの問題でございますし、どう取り扱うかの問題はございますけれども、いずれにいたしましても保険医療と公費医療という関係、あるいは保険医療の中の一部負担の問題、そういう問題はできるだけ請求事務を簡素化する、こういう方向で今後考えてまいりたいと思います。そうすることがよりよい医療を国民の方々に提供することでございますから、できるだけ今後そういう問題を考えていきたいと思います。
 ただ、いまおっしゃいました支払基金法の改正につきましては、これは実はいろいろな問題がございますので、いますぐというわけにもまいりませんけれども、いまお話がありましたような趣旨を十分に考えました上で、今後どういうふうに処理していくか、慎重に検討させていただきたい、このように考えております。
○塚本分科員 ぜひひとつ、またあらためて追ってお尋ねいたしますから、進めていただきたいと思います。
 終わります。
○倉成主査 午後二時に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
   午後零時四十六分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時開議
○倉成主査 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 厚生省所管に関する質疑を続行いたします。小沢貞孝君。
○小沢(貞)分科員 最初に、保育所の問題について二、三お尋ねしたいわけです。
 御案内のように、措置すべき児童は急増していくようですし、また地域においては、たいへん県や何か熱心じゃないところもあるでしょうが、そういうアンバランスもあったり、あるいは保育をどうするかという、保育の形態の多様化の問題や、無認可の保育所の問題等、白書でいわれているとおり、たくさんの問題があろうと思いますけれども、まず第一には、保育所の整備――増築、改築、創設、との整備の予算がたいへん足りないように地方自治体等からわれわれは承っているわけです。それで、ことしの予算が、社会福祉施設整備費として百八十六億の予算が計上されておって、昨年から見ると五割増みたいな状態になっているようです。だが、これは一体保育所にはどういうように回るのか。大体これを出した積算基礎というのですか、最初にそこを承りたいわけです。
○穴山政府委員 この四十八年度の整備費につきましては、これは保育所ももちろん含めまして、社会局、児童局関係の施設の整備費を一括して計上しているわけでございます。したがって、百三十八億につきまして、どう具体的にやっていくかということについては、これは実行計画をつくります段階でもって、いろいろな施設の緩急の度合いその他を考慮しながら、きめていくということになるわけでございます。
○小沢(貞)分科員 百三十八億ですか、百八十六億……
○穴山政府委員 失礼しました。いまおっしゃいましたように、百八十六億でございます。
○小沢(貞)分科員 去年は百二十億と聞いていますが、それがどこの施設にどれぐらいずつという、実績としてちょっと数字をあげていただきたいわけです。これは去年というか、本年度ですな。
○穴山政府委員 いまちょっと具体的な全部の資料を、これは社会局でまとめておりますのでありませんけれども、保育所につきましては約三十五億ぐらいが四十七年度の実行計画できまったというように記憶してございます。
○小沢(貞)分科員 四十七年度のときには、要望が大体一千カ所もあったと聞いているわけです。これが大体要望を満たすようなぐあいにできたかどうか、こういうことなんですがね。
○穴山政府委員 おっしゃいますように、例年、約一千カ所ぐらいの要望がいままで出ていたわけでございますけれども、昨年度は、補正を含めまして約六百六十カ所ほどの保育所の分の予算の配分がきまったわけでございます。そのほかには、年金融資その他でもってつくったものもございますけれども、国庫負担の伴いますものは、いまお話ししましたように、約六百六十カ所でございます。
○小沢(貞)分科員 それがことしはどういうような状況で――要望の推移ですね。去年は最初一千カ所、それが最終的には六百六十カ所。ことしはどういうような推移になってきているでしょうかね。
○穴山政府委員 四十八年度の要望は、いま県から出ておりますけれども、全部締めて幾つということはまだ出ておりません。しかし、いままでの例から見ますと、やはり四十六年あるいはその前の年も大体一千カ所ぐらい出てまいりましたので、そのくらいの個所数、それくらいはいくのではないかと思われます。この中で、いわゆる国庫補助の対象を幾つにするかということにつきましては、これから実行計画の段階で検討してきめてまいりたいというように考えているわけでございます。
○小沢(貞)分科員 この白書のここにも出ているが、「四十七年三月一日現在では、施設数一万四千八百四十九か所、定員百二十八万四千九十一人」、ところが、この白書の中にも、共かせぎ妻は四百七十九万、約五百万、働く婦人の四三・二%と増加して、昭和三十五年における百六十九万人に比べると、この十一年間に約三倍増になってきた、こういう数字がうたわれて、さらにこの白書の中で「四十二年に行なった調査によれば要保育児童は百四十八万人となっており、今後の婦人労働の増加傾向等から推計すると、五十年には保育所へ入所させる必要のある児童は百六十二万五千人」というんだから、四十七年の百二十八万四千人から比べると、四割ぐらいかな、そういう傾向にあるわけです。だからこういう傾向があらかじめわかっておって、これに対する保育所の整備の需要がわかっているということになれば、ことしあたりは相当な整備について予算をきちっと盛らないと対応できないのじゃないか、こう思うのです。その辺のところはどうでしょう。
○穴山政府委員 保育所は現在、四十七年の九月現在の数字でございますけれども、一万五千四百二十三カ所ございまして、定員が約百三十五万六千人でございます。それで、現在、いまの数字をおあげになりましたように、昭和五十年度末におきましては百六十二万五千人の要保育児童を収容する必要があるというように推定しておりますので、四十六年度から始まりました五カ年計画で逐年この整備をはかっているわけでございまして、四十八年度は三年目になるわけでございます。私どもは、この五カ年計画によりまして、五十年度末百六十二万五千人を収容できる保育所を整備するということを目標にしまして、現在、計画段階は大体順調に進んでおるわけでございます。したがって、四十八年度もこの線に沿って整備をしてまいりたいというように考えているわけでございます。
○小沢(貞)分科員 その五カ年計画で五十年度に百六十二万五千人が収容できるようにするためには、ことしの百八十六億の予算の中で――去年は百二十億のうち三十五億、そうすると、ことしは百八十六億のうちいかほど必要とするか、児童局としてはどういうような予定を立てておるか。
○穴山政府委員 三年目といたしまして、どのくらいの定員のものをつくっていくかといいますことは、この百八十六億の中をこれから――まあ保育所のほかにも重度障害者の問題でございますとか、あるいは寝たきり老人の施設でございますとか、いろいろ緊急かつ重要な施設がございますので、そういったようなものを総合的に勘案いたしまして、どういうふうにきめていくか、これがいわゆる実行計画の段階になるわけで、そこできめていくわけでございまして、したがって、従来と同じようなペースでこの五年計画が達成できるように、私どもとしてはこの百八十三億の中に盛り込んでまいりたいというように考えております。
○小沢(貞)分科員 こういうのがあるわけです。補助はどうしてもつかなかった、年金融資でもってやろう、単独でやろうというのもあるわけです。ちょっと年金のほう……。
○横田政府委員 年金の融資は、補助金がついた場合の補助裏と、それからいま先生御指摘の単独事業に対する融資と両方ございます。
○小沢(貞)分科員 去年の実績でいいから、補助裏のほうは何カ所、単独の場合は何カ所、簡単でいいです。
○横田政府委員 四十七年度の実績でございますが、全体件数で申しますと六百六十二件、金額にいたしまして六十億三千万円でございます。そのうち先ほど申しました単独分が二百五十九カ所、金額にいたしまして二十三億九千万円でございます。
○小沢(貞)分科員 補助単価の問題ですが、私こっちに出てくるとき、ちょっと私の松本市のこれから改築しようとする桐というところの保育所のことしの予算を見せてもらったわけです。これは定員百二十名といったかな、市の予算の総額が三千四百万です。
  〔主査退席、三ツ林主査代理着席〕
そのうち国庫補助が六百七十万、それから県が三百三十五万でその半分、それから市債、これは国民年金の特別融資だと思いますが、予定をしているのが八百五十万、それであと市の一般財源が千五百万、だから三千四百万の建設予算の中で、国の補助が六百七十万、県が三百三十五万、市債が八百五十万、それで一般財源千五百万、こういうことになると、あれだけの保育所を建てるのに市の持ち出しは約四割、千五百万、こういうことになるわけです。だからこの単価の基準ですね、これだけ建築材料が暴騰をしていくという中において、単価の基準を引き上げること、あるいはまた融資はその補助に比例してとか、何か限界があってとか、そういうワクがあるわけですか、両方ちょっと両局長から伺いたいと思います。
○穴山政府委員 最初のいわゆる国庫補助の額の問題でございますけれども、これは従来からもいろいろ問題が起きて、いわゆる超過負担の問題としていろいろな御意見をいただいているわけでございますが、従来は、先ほど一番最初におっしゃいましたように非常に保育所の要望が多かったものでございますので、定員によりまして一つの補助額の定型のようなものをつくりまして、それで補助をしております。これは現在のことでございますけれども、それが非常に低いということでいろいろ問題がございまして、そこで四十七年度からこの補助額については大幅に引き上げをいたしました。たとえば九十人の規模のブロックにつきまして、従来はその補助が一カ所当たり二百五十万であったものを四十七年度からはブロックの場合は五百四十万に引き上げたわけでございます。確かにこういった国庫補助額の問題はいろいろございますので、四十八年度におきましても、引き続きこの国庫補助額の改善ということには大いに努力をしていきたいと思っておるわけでございますが、従来はいま申しましたようないきさつがございますので、非常に薄く、広くという形になっておりますけれども、これはやはり私どもとしても引き上げていかなければならないということで、四十七年度から大幅な引き上げを開始したわけでございます。
○横田政府委員 年金の融資につきましては、単価はただいま児童家庭局長から申されました補助単価に合わしてございます。ただ年金の場合は融資の事業全体に対する充当率の問題がもう一つあるわけでございまして、実は昭和四十七年までは対象事業費の七割相当額といった充当率でございましたが、四十八年度は御承知のように還元融資の総ワクも相当ふえておりますので、市町村分につきましては八割、都道府県、指定都市の分につきましては七五%まで充当率を高める予定にしております。
○小沢(貞)分科員 最後にそこのところは大臣にしっかりお尋ねしておきたいんだが、先ほど申し上げたように保育をしなければならない者が再来年は百六十二万五千人、そういう状態になっていくわけです。児童局においてはせっかく五カ年計画で整備をしていこう、こういうわけですが、改築、増築、創設をする場合に、最近建築費はものすごく上がっていく。そこへもってきて個所数を伸ばそうとすれば単価を低くしなければならぬ。個所数は伸ばしていかなければいけないし、個所数の要望はたくさんある。単価を上げ、また融資のワクも拡大して――いま松本の例を申し上げたように、三千四百万の建設の中で一千五百万円は市が持ち出さなければいけない、こういうような実態になってくれば、これはなかなか十分なりっぱなものはできていかない、こういうことになってくるんだが、もとは何せ補助の総ワクが少ないこと、融資の総ワクが少ないこと、こういうことが急増する保育所整備の上で一番のネックになるのじゃなかろうかと思います。せっかく大臣に力を入れてもらうよう、大臣の御決意をお伺いいたしておきたいわけです。
○齋藤国務大臣 保育所につきましては、各市町村とも非常に希望が多いのでございまして、実は私どもの立てております五カ年計画から申しますと、保育所が進捗率が一番よろしいのです。ほんとうを言うと、進み過ぎるぐらい進捗率がいい。むしろ私どものほうに言わせますと、全体計画から言うと、重度心身障害児とか、寝たきり老人、この狂うに熱と力を入れなければならぬというところなのでございます。そういうことで、来年度はもちろん保育所にも力を入れますが、そういう方面に力を入れなければならぬ年ではございます。しかし、何と申しましても地方からたくさん要望が来るわけでございますし、補助額のほうは一応額としてはさまっておるわけでございますから、これはちょっと動かすわけにはまいりません。できるなら融資のワクをできるだけ広げるということ以外に問題解決の道はないのじゃないか、こういうふうに考えております。したがって、地方の要望も全部が全部充足するわけにはまいらぬでしょうが、融資の面で、年金局は幸いにことしはふえておりますから、そちらのほうのワクの拡大によってできるだけ処理することにいたしたい、かように考えております。
○小沢(貞)分科員 それで大臣けっこうだと思いますが、率直に言ってきのうかおととい県の社会部長が、老人のことをないがしろにするとしかられちゃうんだが、老人のこと、あれもこれもだんだんありがとうございます。ただ老人だけじゃなくて、今度は保育所、乳幼児のことにもしっかりと力を入れてもらわなければ県も困っちゃいますという、簡単に言うとそういう一言が来るわけです。確かに県や市町村においては、老人の年金から何からふえてきたから、徐々に与えていけば――与えてというのはことばはおかしいですが、対策をだんだん充実してやってもらうので、いいほうが老人である。今度要望したいのは乳幼児、保育所だ。これが社会部長の一言なんですが、そういうことにせっかく力を入れていただきたい。
 時間がないからはしょって申し上げますが、小規模保育所の基準が最低の三十人で間に合わなくなっちゃった。それより二十人くらいに小規模保育所の基準を落としてもらいたい、こういう要望があるわけです。それは過密地帯において建設する予定地がないので、小規模でも認可してもらいたいという、これはどういう関係か、このように過疎も過密も要望が合致しているんじゃなかろうか、こう思います。だから従来の定員三十名の最低を二十名ぐらいに落としてもらえるか、このことをひとつ局長から……。
○穴山政府委員 従来からも過疎過密地域におきます保育対策の強化のために、小規模保育所という制度をつくっておりまして、現在は原則として六十人以上の規模につきまして三十人という規模を認めているわけでございます。四十八年度におきましては、特にやむを得ないような事情がある場合には、特例的にその三十人という定員規模につきましても引き下げについて検討いたしたいというように考えているわけでございます。
○小沢(貞)分科員 ちょっと聞きそこなったが、二十名におろしてくれるわけですね。
○穴山政府委員 二十名というように、はっきり何人のところまでということは、まだいまのところ相談をし、検討しているところでございますが、ともかく従来の三十人という規模がいままで小規模としてあったわけですが、これを緩和する、すなわちある程度引き下げるということについては、四十八年度については特例的に考えたい、そうしたいというように考えているわけでございます。
○小沢(貞)分科員 実は私は県と打ち合わせたら、そろそろそういうことで内部的な連絡は県のほうに来ているというんだから、国会のほうでも三十人を二十人にまでおろす、こう言っていいのじゃないですかね。何かそういう指導が行っているというから、ここで念を押して聞いているのです。
○穴山政府委員 県のほう、どういうふうに御説明があったかわかりませんけれども、そういうような線に沿って私どものほうとしても検討したいと思います。
○小沢(貞)分科員 その場合に、要望だけしておきます。だんだん人数が少なくなってくると、保育コストというかそれは高くなってくると思いますが、措置費が小規模になっても十分まかなえるような、これはもう私が言わなくてもわかっていると思いますが、十分措置をしていただきたい、こういうお願いをしておきます。
 それから、引き続いて、きのう玉置先生から何か御質問があったと思いますが、最近の労働力の不足から既婚の婦人がだんだん企業内につとめるようになった。保育所を企業内に設けるという問題がだんだん話題になってくるわけです。これは企業の中に設けることについては何かネックはありましょうか。同じ市町村の者が出てこない、つとめないというところで、市町村長が措置することについて不便があるとか何かネックがあるか。ある会社なら会社の中に婦人の勤務者で既婚の者がいて、五百人、六百人いると、そこに六十名、九十名の保育所をつくってほしい、こういう要望が当然出てくるわけであります。それを認可保育所とするためには何かネックがあるかどうか、こういうことです。
○穴山政府委員 第一に企業内の保育施設というものがどうして生まれてきたかと申しますと、いまお話がございましたように、一種の企業の労働力確保対策と申しますか、あるいは福利厚生施設というような形で生まれてきているわけでございます。したがって、私どもが保育に欠ける児童を措置するというのは、地域における保育に欠ける児童というものを市町村長が保育所に措置をするということになりますので、そこでちょっと性格が違うわけでございまして、したがって、企業内の保育施設というものをそのまま認可保育所にするということは、ちょっとできないということでございます。
○小沢(貞)分科員 これは、私営の保育園があるわけですね。私営の保育園があって、それは市町村長が措置したものが収容する、これでいいわけです。ところが企業内のものはその基準がちゃんと合致しておって、保母が適切であって、運営する人が適切であってということになると、そこに収容する児童が、A市の児童もあればB村の児童もある、こういうことになると思います。だから、A市やB村の市町村長が措置すれば全く同じようにできるはずだと思うが、どうでしょう。
○穴山政府委員 したがって、その企業内の保育施設というものが、企業の保育施設という性格を改めまして、その一定地域における地域の保育に欠ける児童を収容するという、いわゆる地域の保育所としての性格を持つと申しますか、そう変わってくれば、またそのときは話が違うと思います。
○小沢(貞)分科員 大臣、私のいまの質問でわかっていただけると思うが、企業の中にはA市の者もB村の者もいるが、A市の者にはA市の市長が措置すれば、B村の者にはB村の村長が措置すれば、そこの運営がきちっとしてさえいれば企業内の保育所を認可保育所にしても差しつかえないと思うのですが、どうでしょう大臣、それを研究してもらえますか。
○齋藤国務大臣 これはいろいろ労働省、厚生省のなわ張り争いみたいな話で始まっているわけでございます。保育ということは、市町村が責任を持ってやったがいいかという問題もありましょう。それから会社、工場においてはやはり労務者の福祉対策というふうな面から、近ごろ非常に労働力不足ということでこれもやらねばならぬ、こういうことで始まったわけでございます。しかし、子供にとってみれば、労働省所管の保育所であろうが、厚生省所管の保育所であろうが、そうたいした違いはないわけでありますから、何かこの連携については私は将来考えるべきだと思うのです。まだ企業内の保育所の数もそうたくさんありませんから、こんなときに相互にどういうふうな連携をとってやったらいいか、もう少し研究すべきだと思います。これは大蔵省としても十分考えていると思いますが、私のほうでも十分ひとつ研究しまして検討いたします。
○小沢(貞)分科員 さようにお願いします。
 子供というのは、文部省へ引っぱっていったり、厚生省、労働省へ引っぱっていったり、同じ子供にたいへん迷惑がかかりますし、企業内の保育園は将来大きくなっていくと思いますから、いまからひとつ研究していただくように要望しておきます。
 次に、乳幼児の医療公費負担という問題がだんだん住民運動みたいなことで強くなってきて、現在では、地方公共団体がだいぶ乳幼児の医療無料ということを実施しているわけです。これの全国の状況を、時間もないので簡単にひとつ説明をしていただきたいと思います。
○穴山政府委員 ただいま無料化につきまして実施をしている県が八つ、実施を計画している県が十九ございます。それから実施している市町村の数にいたしますと七百五十七くらいでございます。
○小沢(貞)分科員 これは時間がないので、直接大臣についての質問になるのだが、最近婦人の力がだんだん大きくなってきた、いわゆる住民パワーというものもだんだん大きくなってきた、こういうようなことが地方自治体を動かして、県段階及び市町村段階において乳幼児の医療を無料にしよう、こういう動きになってきたと思います。これはたしか大臣の当時かどうか覚えがありませんが、児童手当を出そうというときも地方公共団体が児童手当というものをだいぶ先にやりました。そしてだんだんそういう動きが高まってきて、国でも児童手当を創設して、たしか去年の一月一日から踏み切った、こういう様相と全く同じではなかろうか、私はこういうように考えるわけです。
 そこで、国としても乳幼児を対象とした公費負担事業についていま実施しろとは決して言わないが、これだけ県負担、いま八県と十九県、合計二十七県ということになると、日本の過半数以上であります。そういうところで実施してきた段階においては、国でもこれに対する対策を立てるために具体的には乳幼児の医療無料といいますか、乳幼児の医療公費負担研究会だとか、研究所とか、研究室だとか、セクションを設けて、これの対策を立てなければいけない時期にきているのではなかろうか、こういうように考えるわけです。これは大臣から直接御答弁をいただきたいわけです。
○齋藤国務大臣 私ども、将来の児童に対する医療費の問題でございますが、私どもは今日まで特殊な疾病について、養育医療とか、あるいは育成医療とか、小児ガンとか、こういったふうな特殊な疾病を対象にして無料化の方策を考えております。
 そこで、乳児の健康を守るためにはどうすればいいのかということが一番の基本になると私は思うのですが、これは人によっていろいろな言い方があると思います。赤ん坊の医療費をただにすることが子供の発育のためにいいというお考えもありましょう。しかしまた一面、乳児というものの健康を守るには、医療費をただにすることによって受診率を高め、お医者にかかるというか、お医者さんの診療を受けて薬をもらう。手っとり早く、私、端的に申し上げますと、乳児についてお医者さんにかかって薬をもらうというやり方がいいのか、乳児というものは母親の愛情を中心として育てるのが筋じゃないか、こういったような意見も実はあるのです。ただ無料化、無料化、けっこうでございますが、無料にすることによってお医者さんにかかり、薬をもらう――もらわぬでもいいのですが、薬をもらうというやり方で乳児の健康を守るのがいいのか、この辺、医療上問題があると思うのです。
 そこで、一番大事なことは健康診断、これはやらなければいかぬと思うのです。これが一番大事なことだと思います。健康診断と母親の愛情、これが乳児育成の基本だと私は考えておりまして、健康診断につきましては、昨年までは所得の低い人にだけは無料の健康診断をやっておったのですが、四十八年度は全階層にやろうということにしたわけなんです。それはどういうことかというと、母親の愛情と健康診断、これを基本にした医療体制が筋ではないか、こういう考え方に立脚しておるわけでございます。そういう考え方から申しますと、医療費を無料にするということが、子供の健康を守る上からいってはたしていいんだろうかという意見が実はあるのです。ですから、私も、これは銭金の問題で解決してはならぬと思うのです。子供の健康を守る、これは民族の将来にとって大事なことですから、私はこの医療の面からもう少し研究する必要があるんじゃないかということを考えております。しかし、その方向として無料化というのはいいんだということであれば、私もその方向に従いますが、いまのところ、まだ私のほうでは結論も出ていませんし、専門のお医者さんたちにもその辺が意見の分かれているところでございます。ですから、それは慎重に処理すべきじゃないか、こういうふうにいま考えておるところでございます。
○小沢(貞)分科員 時間だが、もう一言だけ。
 率直に言って私自身もいいかどうかわからないが、ただほどいいことはないから、なるべくただの方向に持っていってもらいたい。これは率直に言ってそうなんです。ただ、これだけの自治体が始めてくれば、八県プラス十九県で二十七県、そのほかに市町村がやっているということになってくると、無料になってきたから病院がたくさん要るが、間に合うかな、看護婦はどうなのかな、乳児専門の医師はどうなるのかな、こういうようないろいろの問題が自然に出てくるのではなかろうか、こういうように考えます。そのときに、この是非を含めて検討する場というものが厚生省になくてはとてもじゃないが対応しきれないし、厚生省手おくれじゃないか、こういうようにいわれるのが関の山であろう。そういう意味においては、この是非を含めての調査、研究、実態調査、医師はどうだ、病院はどうだ、看護婦の状況はどうだ、収容しきれるかどうか、こういうようなことも含めて、調査室だか、研究室だか、調査委員会だか知らないが、何らかの措置を講じなければならない段階にすでに来ているのではなかろうか、私はこう思います。厚生省の白書にも、いま言われた診断は大いにやるというようなことで、三歳児の時期が一番大事だといろいろ書いてありますから、こういうことも含めて――これだけ自治体から要望が上がってくる問題です。どうですか。委員会、調査室、研究室、あるいは何か対応策のセクションというものをつくったらどうだろうか。最後にこれだけ質問いたします。
○齋藤国務大臣 この問題は、幼児の医療の基本に触れた問題だと実は私は考えておるわけです。しかし、現実に地方自治体でやっておる例もあり、やろうとするものも相当ふえておるという実情も知っておりますから、そういう県の実態を十分把握いたしますと同時に、小児医療の医学的な研究もやってもらうということ、それから、無料化によって、ただいたずらに薬ばかりくれるといったようなことになるのかならぬのか、この実態がやはり一番大事なんです。そういうことで、私どもは特に審議会とかなんとかをつくるという必要はありませんが、厚生省にはいままでも小児医療についての審議会等もございますから、十分そういう方面について御検討を願い、同時に役所側においてもそういう実態を踏まえて研究をいたしまして、誤りなきようにいたしたいと考えております。
○小沢(貞)分科員 それでは終わります。
○三ツ林主査代理 武藤山治君。
○武藤(山)分科員 二点ばかり大臣にお尋ねをいたします。
 その一つは老人医療の無料化を本年の一月一日から実施したわけでありますが、患者の負担部分を一時立てかえて医者に払っておいて、それから市役所にもらいに行く、あるいは保険に請求をする、こういう姿で、実は各県ばらばらで行なわれていたのが、ことしの一月一日から国の施策として七十歳以上の無料化が実現したわけであります。しかし、やはり前の惰性で、県によっては相変わらず、老人に一時負担させておいて、あとからもらいに行くという立てかえ払いの制度がまだ行なわれている県があるのでありますが、大臣、御存じでございましょうか。
○齋藤国務大臣 そういう例のあることを承知いたしております。
○武藤(山)分科員 そういたしますと、全国でそういう状態にある県というのは、いまどことどこでございましょうか。
○加藤(威)政府委員 国が全面的に始めましたことしの一月一日までにはいろいろあったわけでございますが、国が全国的に始めました四十八年の一月一日以降におきましては、現物給付をやっておりませんのは栃木県の歯科医療だけでございます。
○武藤(山)分科員 大臣、いまお聞き取りのように、栃木県の歯科医師会と栃木県当局との話し合いがまとまらないで迷惑を受けているのは七十歳以上の患者である。こういう姿は好ましくないと思いますので、こういう場合にやはり厚生省が適切な行政指導を行なって、老人が期待をしていたことが一〇〇%実現するような配慮を厚生省としてとるべきではないか。なぜ栃木県だけ老人がみずから一時立てかえ負担をしなければならぬのか、その辺の原因は何なのか、また見通しとして、近い将来に何とか解決できる見通しがあるのか、その辺の、厚生省の把握している情勢はいかがでございますか。
○加藤(威)政府委員 この老人医療の支払いの方法でございますが、先ほど申し上げましたように、ほとんどすべての県が現物給付、要するに老人はお金を持たないで医療機関にかかれる、こういうことになっておるわけでございます。栃木県の歯科医療だけが例外であるということでございますが、法律のたてまえは、これはどちらでもいいという立て方になっております。これはほかの公費負担の制度も大体そういう立て方になっております。したがって、法律的にはどちらでもいいということになっておりますけれども、私どもといたしましては、この老人医療無料化の趣旨から考えまして、現物給付でやってもらいたいということが、日本医師会、日本歯科医師会等とも接触いたしまして、その現物給付を前提としたいろいろな支払いの手続について協議をし、大体意見の一致を見たわけでございます。
 ところが、栃木県の歯科医療だけにつきましては、栃木県の歯科医師会がいろいろ条件を出されまして、県がそれをのまなければ現物給付には応ぜられない、こういうことだったわけでございます。その条件というのは二つございまして、一つは、老人の歯科医療というのはいろいろ不可避的な事故が起きる。その事故の発生率が非常に高い。したがって、万一そういう医療事故が発生した場合には、その補償を県がやってくれというのが第一の条件でございます。それから第二の条件といたしましては、非常に手続が煩瑣であるので、老人医療の請求については、健保並びに国保の上に乗っかるわけでございますから、それぞれ請求書があるが、その請求書一枚だけで、ほかの請求書を出すのは絶対困る、そういうことで、とにかく請求書は一枚しか出さない。それ以上のことを要求するのであれば絶対困る。こういう二つの条件を出されたわけでございます。
 それで、栃木県のほうからも厚生部長が厚生省のほうに見えていろいろ御相談になったわけでございます。
 私のほうといたしましては、第一の問題についてはこれは簡単に県としても応ぜられないでありましょうし、これは社会局が云々する問題ではないわけであります。これは医療一般の問題と関連いたしますから、これは私のほうの関連する問題でないので、県のほうでどうするかということでございます。なかなかむずかしい条件だと思います。
 それから第二の問題につきましては、これは私のほうも極力老人医療の実施については、事務を簡素化するということでいろいろ栃木県のほうからも御相談がありましたので、少なくとも国民健康保険につきましては――これは老人医療も、それから国保の七割分も市町村に請求する、会計が違いますからほんとうのことをいえば二枚の請求書を出していただきたいわけでございますが、それは一枚にしましょうということで、そういう点では栃木県からのいろいろな要望については、少なくともやり得る範囲では簡素化する。ただ、被用者保険につきましては、これは請求する場所が違うわけです。それで被用者保険の健康保険は、共済組合あるいは健保組合等それぞれ保険者に一方は請求する、それで老人医療費の分は市町村に請求する。金を請求する場所が二つございますから、これは少なくとも二枚にしてもらいたい。そのかわり老人医療費の請求書はできるだけ簡素化する、こういうことで日本医師会とも、歯科医師会とも一応妥結している線でございますので、これはしようがない。しかし、国保はそういう栃木県の要望がございますので、一本化するということで説得してもらいたいということで厚生部長とも相談したわけでございます。そういう線で栃木県のほうは一生懸命歯科医師会とやったようでございます。とうとう最後まで妥結に至らない。そして現状のまま、いま先生御指摘のような、お金を持っていかなければかかれない、こういう事態になったわけでございます。
 今後の見通しといたしましては、私どもといたしましては、少なくともこういうことをやっておる県は栃木県だけでございます。しかも、歯科医師会だけでございますので、われわれもさらに日本歯科医師会とも接触を保ち、あるいは県のほうとも十分連絡をとりながら、少なくともこういう事態を解消するように努力をしたいと思います。
○武藤(山)分科員 そういう場合のほかの県の例というのは、やはり栃木県歯科医師会が要求しているような、万が一の事故の際の補償の問題、ほかの県は一応行政府と医師会との間でどういう取りきめをしているのですか。ほかの県の大体の例は、そこまでシビアなうるさい約束を県当局と結ぶというケースが多いのですか少ないのですか。
○加藤(威)政府委員 少なくとも私ども聞いております限りでは、いまの第一の条件である医療事故が発生した場合に県で補償せよとか、そういう条件を出しているというのは私どもまだ聞いたことがございません。ただ、そういう危惧を持っている、非常に老人医療無料化になってけっこうだけれども、ただ老人の歯科の治療というのは、ちょっと事故が発生するあれが多いんで心配だということは、私ども日本歯科医師会の役員たちと折衝しましたときは雑談的には出ましたけれども、事故が起こった場合、それを県で補償せよということで少なくとも条件に出しているということは、栃木県以外には聞いておりません。
○武藤(山)分科員 そうしますと、歯科医師会のほうが無理難題を申し立てておる、こう受けとめると責任は歯科医師会にある、こう私感じますが、厚生省としては、早急に解決できるようなあっせんをしてやらぬと、被害を受けるのは県でもなければ、一番気の毒な年寄りでありますから、これは見通しは全く立ちませんか。県と歯科医師会の中に入って厚生省がひとつ妥結をさせよう、そういう努力をする目安というのは厚生省全然まだお持ちになっていないのですか。
○加藤(威)政府委員 少なくとも医療事故の問題につきましては、これは医療一般の問題でございますので、確かに医療事故というのは最近いろいろ問題になっておりますので、それをどうするかというのは、これは簡単に県が補償するとかなんとかいうことじゃなくて、何か別途の方法でやはり検討し、あるいは将来解決すべき問題だと思いますけれども、早急に簡単にはいかない問題だと思います。したがって、栃木の歯科医師会が、この第一に固執します限りは、なかなか老人医療の無料化というのは実現はむずかしい、現物給付に持っていくのは非常にむずかしいと思います。しかし、これはやはり老人医療の無料化の問題にひっかけるというのは私はおかしいと思うので、別の問題として解決すべき問題であるという感じがいたします。
 それから第二の問題につきましては、これは先ほど申し上げましたように私どもとしては極力簡素化するように、栃木県の言い分も考えまして簡素化いたしましたし、ほかの県はいろいろ不満はありますけれども、一応いまはそれをのんでいるというかっこうでございます。そういうことでまだいつまでに解決するという見通しは、いまここで申し上げることは非常にむずかしいと思いますけれども、できるだけ早い機会にこういう事態のなくなるように努力をしてみたいと思います。
○武藤(山)分科員 大臣いまお聞き及びのとおりでありますが、ひとつ歯科医師会の中央の幹部あるいは知事に大臣が上京を依頼して、事情をつまびらかに把握して、ひとつ高所からながめた処理方針を、大臣の努力で解決をしてもらうように私強く期待をいたしますが、いかがですか、あなたの心境は。
○齋藤国務大臣 せっかく老人の方々に喜ばれている老人医療無料化というものをやったわけでございますから、できるだけ手続を簡素にして医師、歯科医師のほうにあまり御迷惑をかけないようにするとともに、関係者の御理解をいただいて、一日も早く現物給付にする、私はそれが一番望ましいと考えております。したがって、栃木県の具体的な例でございますが、できるだけ早い機会に何とかこの問題の解決のために歯科医師会のほうにも呼びかけて、何とか全面的に協力していただくように努力をいたす覚悟でございます。
○武藤(山)分科員 大臣のお約束を期待してお待ちをいたしておりますから、早急にひとつお年寄りが喜べるような結論が出ますようにお願いをしておきたいと思います。
 時間がほんのわずかしかありませんから、もう一問、重症心身障害児の状況について少しお尋ねをしてみたいと思います。
 いま、重症心身障害児、数はそう多くなくともこの家庭はたいへん破壊的な状況におちいってしまうわけであります。私の知っている方でも、二人の重症心身者をかかえて奥さんは何もできぬ、この二人の子供を日夜めんどうを見るだけでせい一ぱいで、うちの中はまっ暗だというまことに気の毒な家庭を私も知っておるのでありますが、ことしの予算で六十八億一千三十七万円ですか、昨年度が四十三億円でありますから二十五億円の増、土台の少ないわりには伸びていると見ていいような気がするのでありますが、ことしはこの予算で何カ所くらいこの重症心身障害児の施設あるいは障害者の施設はふえる見込みですか。
○滝沢政府委員 重症心身障害児の国立関係の受け持っておる面につきまして、四十八年度の予算が千四十床の増床計画になっております。これは一単位を四十床ということで設定いたしておりますので、二十六カ所くらい――一ぺんに八十床つけるところも場合によってはありますけれども、栃木なども足利療養所は最初八十床いきなりつけたという例もございます。四十を単位にしますと二十六カ所。
○武藤(山)分科員 一千四十床一年でふえますと、処置しなければならぬこの入所希望者の何%ぐらいが施設に入れることになりますか。
○滝沢政府委員 建物の整備が来年の三月までで、四十八年度内で順調にできますと四月から受け入れられるわけでございます。一般的に申しますと、この四月から受け入れる場合、完全にこの四十床の子供を受け入れる看護婦その他の確保を事前にできますれば、非常に理想的に運びまして、おそらく秋のころまでには四十のうち少なくとも三十五人くらいは入るというような成果を生むことができますけれども、職員の確保が非常に困難な情勢においてこれがうまくいきませんと、建物ができましてもだんだん傾斜的にしか埋めることができないというような実態は、これはかなりあるわけでございます。したがいまして、われわれとしては理想的には少なくとも一年たった四十九年の末――四十八年に建てて、それから四十九年に入れ始めて、四十九年末にはそれの八〇なり九〇%が利用されているということにしたいのですけれども、必ずしもそういかない場面もございます。
○武藤(山)分科員 現在厚生省の「統計要覧」によりますと、古い数字ですが、四十六年の数字が出ておりますが、施設の数が二十、在籍数が千四百三十二、現在はこの千四百三十二はどのくらいになっておるのですか。現在の入所しておる数は……。
○滝沢政府委員 先生のその資料の千四百というのは筋ジストロフィーではないかと思うのですが。筋ジストロフィーの患者のほうのベッドの数字じゃないのですか。重症心身障害児のほうは、すでに五千二百八十という数字になっております。四十六年であっても四千台のはずでございます。
○武藤(山)分科員 その項目はこの統計書にはないのですな。これは重度身体障害者更生援護施設、それから重症心身障害者の授産施設、こういう数字しか出てなかったものですから、これがあるいはそれに該当するかと思って尋ねてみたのでありますが、そういたしますと処置を必要とする総人員というのは全国でどのくらいおるのですか。
○滝沢政府委員 これは児童家庭局というのが調べました実態調査によりますと、約一万六千という数字が出ております。
○武藤(山)分科員 厚生省の計画では、この一万六千の重症心身障害児というものは、やはりでき得るなら全員が収容できるような体制にしたい、それとも家庭で暗い生活をしているのが何割かはやむを得ないという程度の考え方で計画を進めているのか。できればこれは全員が国のそういう施設に収容できるようなことが望ましい。どのような程度の青写真を持っているのですか、将来の展望は。
○滝沢政府委員 この点につきましては、一応総理の国会等における御答弁の中にもございますように、全員を収容するという計画で進めたいという考え方でございます。
○武藤(山)分科員 全員を収容するためには、おおよそ何年くらいかかりますか、この予算のペースでいった場合。
○滝沢政府委員 この点につきましては、国立以外の法人等の民間施設にも期待いたし、また現実にもふえているわけでございます。両々相まちまして、五年計画であと七千くらいが残った数字ではなかろうか。必ずしも正確ではございませんが、いま約九千、残り七千が今後の対策というふうに考えております。
○武藤(山)分科員 そういたしますと、一年間に約千四十床くらい、本年ペースぐらいでふえていけば、大体六年くらいで全員が収容できる施設があるいはできるかもしらぬ。しかし、それは民間のがありますから、民間は千四十床もふえないでしょうが、五、六年で完全に収容できる体制が整うと、こう見てよろしゅうございますね。五、六年で重症心身障害者は希望すれば大体全部国か民間の施設に収容できるだろう、こう理解してよろしいですね。
○齋藤国務大臣 御承知のように、なかなかこれはやっかいなむずかしい仕事ではありますが、五十年度末には希望する方々は全部入れるという目算で計画を進めておる次第でございます。
○武藤(山)分科員 もう時間がありませんからこれでやめますが、先ほど局長から足利の話がちらっと出ましたが、これは国立療養所の、結核療養所のところへ併設をして、かつて私も国会で強く厚生省に希望し、要望運動を続けた結果の話で、たいへん地元は喜んでおるわけでありますが、非常に環境もいいし、土地条件に恵まれています。非常に広い土地があるわけです。そこで、将来足利をさらにふやしていくというような計画はどんなぐあいになっていますか。厚生省で考えている今後の足利の拡充、整備の方針について伺っておきたい。
○滝沢政府委員 足利の療養所の重障施設はたいへん運営をよくやっていただいておりまして、百二十床にただいま三月一日現在で百十九名の重症児が入っております。その出身県別に見ますと、栃木県が六十四名、群馬県が四十五名、茨城県が六名、埼玉県が三名、東京都が一名、こういう実態でございます。
 ところが、われわれが今年度四十八年度の重障施設を考えますときに、群馬県に大日向荘という大きな敷地を持った療養所が、伊香保のそばにございますが、これに対して、群馬県として重障施設が国立でございませんので、この問題を、――いま足利のほうに四十五名お預かりしているということを考えますと、やはり群馬の大日向荘に群馬県の立場も考え地域性も考えると設置したい。したがいまして、足利につきましては、この運営の状況を見ますと、四十五名の群馬の方を大日向荘ができればそちらへ移すと余裕ができる。そうすると足利の子供が入れられる。こういうような経過を見ながら、たいへんよくやっていただいておりますし、確かに敷地の条件もいいと思います。百六十床までの例がございますから、あと四十床ということが、足利が必要性があればこれは検討いたしたい、こういうふうに思っております。
○武藤(山)分科員 最後に大臣、いまの足利の話が出て、個別問題で恐縮でございますが、広大な国立療養所の敷地の中に、厚生省所有の土地と、社会保険庁所有の土地がございまして、同じ厚生省でも、片方は社会保険庁だからなかなか、どんどんそれを使わせることには難色を示す。同じ厚生省管轄ですから、何か安く厚生省管轄に切りかえたらどうかということを、十年ほど前に私が国会で取り上げたことがあるのですが、その後ちゃんと処理したかどうか。いまでも相変わらず社会保険庁の土地になっているのかどうか。もしなっていなかったら、これらはひとつ厚生省管轄に移すような配慮をぜひ期待をしたいのでありますが、いかがでありますか。
○齋藤国務大臣 まことにごもっともでございまして、いま医務局長に聞きますと、保険庁の土地も近く厚生省のほうに移管するということに話がついて、いま話を進めておるそうでございます。
○武藤(山)分科員 ありがとうございました。
○三ツ林主査代理 以上で武藤山治君の質疑は終了いたしました。
 八木一男君。
○八木(一)分科員 厚生大臣はじめ各政府委員に主として同和問題、部落解放行政についてお伺いをいたしたいと考えております。
 先般、予算委員会の一般質問で、厚生大臣がおられるところで、田中内閣に対し、部落解放行政に対する基本的な問題について提起をし、その答弁を求めたわけであります。そのことを、厚生大臣は全部席におられましたので、その質疑応答の中で、この重大な問題について決意を固められたと思いますが、その御決意についてひとつ承っておきたいと思うのであります。
○齋藤国務大臣 先般八木委員が、予算委員会でいろいろ関係大臣に質疑応答されました内容は十分承知いたしておりまして、この同和問題という非常に重要な国民的課題でございますから、私も真剣にこの問題の解決のために努力をいたす考えでございます。
○八木(一)分科員 この同和問題について閣僚協議会というものがあるわけでございますが、私の知っているところでは昨年の六月に前佐藤内閣の最後のときに開かれただけで、その前にもその後にも開かれたことを伺っておらないわけでございます。その後開かれておりますかどうか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
○齋藤国務大臣 私は、昨年の暮れ就任したばかりございますが、この二カ月の間にはまだ一度も開かれてございません。
○八木(一)分科員 この閣僚協議会を提起する実際的な国務大臣は、おそらく総務長官に当たると思いますが、招集の手続は官房長官というふうに伺っております。ところが歴代の官房長官も総務長官もそのことをあまり御存じないような状態で、政府のこの問題についての非常な怠慢な態度がそこにあらわれているわけであります。
 ところで、これは総務長官にも御質問を申し上げたいわけでございますが、まだその時間と機会がございません。同和問題の、総理府で取り扱われる前にこの問題の窓口官庁でございました厚生省、その厚生省の責任を持っておられる斎藤さんが非常な積極性をもって少なくとも閣僚懇談会を開かれる。そこでほんとうに熱意をもって問題が審議をされて推進をされるというふうにやっていただきたいと思いますが、ぜひそれについての御決意をお伺いしておきたいと思います。
○齋藤国務大臣 八木委員のお述べになりましたように、この問題につきましては真剣に取り組んでまいりたいと思います。
○八木(一)分科員 先日の質問の中で、実は同和対策事業特別措置法の積極的な運営の問題について申し上げました。その後、お忙しいのはわかっておりますが、この問題について御理解を深められたかどうか伺っておきたいと思います。
○齋藤国務大臣 十分理解を深めたつもりでございます。
○八木(一)分科員 あそこで申し上げました床次総務長官の総括的な確認事項、佐藤総理大臣のそれをさらにもっと積極的にした確認事項を申し上げましたけれども、御記憶であろうと思いますが、ことばどおりじゃなしに、内容をひとつ御記憶を新たにしておいていただきたいと思います。その問題についてひとつお答えをいただきたいと思います。
○加藤(威)政府委員 予算委員会の席では、八木先生、まず予算的に非常に不十分であるということ、それから長期計画が、一応四十七年に政府全体で四千七百三十三億という数字が出ているけれども、この調査自体が必ずしも津々浦々まで完全に行なわれていない。相当漏れている地域もある。したがって四千七百三十三億というような数字ではとても満足できない。これよりもはるかに大きな数字でなければ、同和対策の法律の趣旨を全うする意味からいっても予算的にも不十分であるというようなお話を中心に、何と申しますか、予算的に非常に不十分であるという点を非常に強調されたというぐあいに私どもは受け取っておりますものでございます。
○八木(一)分科員 いまの社会局長の御答弁はたいへん不十分であります。こんなものでは不十分であるというのじゃなしに、こんなものでは問題にならぬということを申し上げたわけです。その内容についての調査、あらゆる角度で四千七百三十三億の集計――金額的集計ですが、その前の事業量の集計がありますが、これは問題にならない。というのは、報告していない府県もあるし、また報告をしている府県の中にも地区数を減らして報告しているところもあるし、そうではない比較的まじめなほうの府県であっても、熱意をもって事業量を策定して報告しているところと、そうでないところがある。熱意をもって策定しているところでも、事業別にして、その事業については熱意をもっているけれども、ほかの事業については全く不熱意であるという問題がある。それを一番熱意をもって取っ組んでいる府県なり市町村の一番熱意をもって取り組んでいる事業、これが同じような、たとえば都市部落なら都市部落、農漁村部落なら農漁村部落に、同じような事業が必要であるという観点でこれを増幅修正しなければならないという問題と、それからもう一つは、この集計全体が、いささかの農漁村対策費はありますけれども、それ以外は住宅を含めた環境改善だけである。問題を解決するのは、就職の機会均等を実現しなければならない。そのことに関連の深い就学の機会均等を実現をしなければならない。また雇用労働者になることが一番大きな道であるけれども、自営業者もたくさんいるので、産業の振興を行なわなければならない。その大切な問題がほとんど抜けた集計である。したがって、そういう問題については政府みずからが、ことに雇用の問題などは労働省等が積極的に国自体の施策、国自体の事業を設定をして、大きくこれにつけ加えなければならないというような問題を指摘したわけでございまして、抽象的にちょっと不十分であるというような問題ではない。とんでもない不十分な問題である。徹底的にこの規定を増幅修正をして、それで問題を考えなければならないということを申し上げたわけであります。
 大蔵政務次官ですか。こっちにすわってください。
 そういうことを申し上げたわけでございまして、いまのような不十分なことではいけません。厚生大臣も、それから社会局長も、忙しいのはわかっていますけれども、非常に勉強が足らない。急速にしっかり勉強していただきたいと思います。
 それから、そのほかに厚生大臣なり社会局長覚えておられたらあれですが、同和対策事業特別措置法は、内閣は積極的にこれを活用するということを言っているわけであります。佐藤内閣総理大臣は、この特別措置法の制定、そのときは法案でございましたが、によってやっと緒についただけである、大いに政府を鞭撻督励をしてもらいたいということを言っておられる点が非常に大事な点である。ところが政府が特別措置法を狭義に狭義に、消極的に消極的に解釈をしてやっていることによって、比較的熱心に取っ組んでいる地方自治体に財政的なしわ寄せが寄せられて、そのために熱心に取っ組もうとしている自治体の政策が進まない。同和問題の解決がそれだけおくれるという問題を解決するために、特別措置法を積極的にどんどんと活用していかなければならないということを申し上げたわけでございます。それについて厚生大臣か社会局長、その点は御記憶があるはずでございますが、どちらでもけっこうですので御答弁をいただきたい。
○加藤(威)政府委員 確かにいま先生のお述べになりましたようなことを、予算委員会で主張されましたことを記憶いたしております。
○八木(一)分科員 その問題に関連して、厚生省と――政務次官聞いていてください、わかるように言いますから。大蔵省に伺いたいと思うわけです。
 厚生省の同和対策事業の中で、たとえば隣保館というようなものがあります。隣保館を建設をするときに、その建物に対しては三分の二の補助ができ、それで残りの補助残については起債ができる。そしてまた十条適用、いわゆる起債の元利償還について十分の八を一般交付税、または特別交付税でこれを交付をするというような条件に当てはまっていると思うわけでございますが、土地についてはその条件が残念ながらいまのところ当てはまっておらないように伺っておりますが、これは社会局長でも生活課長、どちらでもけっこうですが、ひとつ御答弁願います。
○加藤(威)政府委員 確かに土地の確保というものにつきましては補助の対象になっておりません。
○八木(一)分科員 それでは起債の対象になって、その起債は十条適用になっているかどうか、伺っておきたいと思います。
○加藤(威)政府委員 十条の起債は、要するに国の補助の対象になったものについてということで実施をやっておりますので、したがって、十条の起債の対象にもなっていないということであります。
○八木(一)分科員 斎藤さんと大蔵政務次官によく聞いていただきたいのです。こういうところに、特別措置法を内閣は積極的に活用すると言いながら、内閣も各役所も最も消極的にこれにブレーキをかけているわけであります。同和対策事業特別措置法の確認事項があるということは御承知のとおりであります。そこで、「土地買収費について」という確認事項があります。「「同和」対策の推進にあたって、重要な問題は、補助対象に土地買収費――これは先行取得を含む、それと整地費を加えることである。たとえば、建物の建築費だけの補助では実際はできあがらないのであり、「同和」対策事業の重要性を十分認識されて、ぜひ補助対象に先行取得を含めた土地買収費と整地費を含められたい。」という私の質問です。それに対して当時の福田大蔵大臣から――字句をはっきり申し上げますから、大臣も政務次官もちょっと聞いておいてください。「福田大蔵大臣 先行取得を含め土地買収費、整地費等の財源措置が必要であることはお説のとおりである。これらの土地買収費、整地費等で国庫補助の対象とすることが適当でないというものについては、「同和」対策事業の重要性にかんがみまして、起債の措置を講じ、事業の推進に支障のないように善処いたしたい。」というのが答弁であります。ここで精密に解釈をしていただきたいのですが、これが「必要であることはお説のとおりである。これらの土地買収費、整地費等で国庫補助の対象とすることが適当でないというものについては、」ということになっておる。このことは国庫補助が原則であって、国庫補助が適当でないものについては起債の措置を講ずるという確認事項であります。
 ところが、あらゆる役所が消極的に解釈をして、国庫補助の対象にはしないのが原則であるように考えているわけです。こういうことはもってのほかのことであって、先日の予算委員会の質問はこういうことをさしているわけであります。ところが時間の関係上十分な時間がとれませんでした。聡明な厚生大臣もまだ理解をしておられなかった。それから熱心なはずの社会局長もまだ理解をしておられないくらいだ。したがって、ここで再度御質問をしなければならないということになっておるわけです。
 国庫補助にするのが原則であるということにならなければならない。ことに隣保館の土地というものについては、巷間このようなへんてこりんな議論がある。地方自治体のものになってしまうから国庫補助をするのは適当でないというまことにけしからぬ俗説が底流としてあってこの問題にブレーキをかけているわけです。大蔵政務次官よく聞いておいてください。国庫補助にすることが原則であれば――これは国が所有をするとか国が買収するとか言っていないのです。国庫補助ですから、補助をする相手は地方自治体か、あるいは民間の何か、そういうものしか補助はできない。国自体が買うのじゃないから、国庫補助が原則であれば、補助をする対象がなければならない。あるとすれば、補助する対象としては、地方自治体ほど補助の対象として適当なものはないはずです。民間の機関や個人の家に補助するということはできにくいでしょう。それなるがゆえに地方自治体がこの大切な同和行政のために建てる隣保館について、それに対して補助ができない、補助をしていないということであれば、この確認事項を完全にじゅうりんしていることになります。しかも、早々の間に大事の問題を申しましたから、確認事項自体も全部完全とは言えませんけれども、その最後の総合的な確認事項、この法律を積極的に活用するというのが総合的な一番の筋の総務長官の確認事項であります。さらに政府を鞭撻督励してもらいたいというのが佐藤内閣総理大臣の最後の再度の確認事項であります。この隣保館の土地などについても国庫補助をするのがあたりまえだ、それができていないのはとんでもないことだと考えるわけであります。これは大蔵政務次官、ひとつこのようなあやまちを直ちに反省せられて、土地に対する補助を直ちに実施するという御答弁をいただきたい。これは御答弁がそのとおりでなければ、予算委員会で答弁をされ、そして前から答弁された問題について違背をする答弁になりますから、大蔵政務次官としては、いまのお説のとおりやるのだという答弁をなさる必要がある。その意味で御説明申し上げたわけでございまして、どうか大蔵政務次官のきっちりとした御答弁を願いたいと思う。――そばでごしゃごしゃ言わないでください。こちらでちゃんと説明をしているのに、あなた方がほかの消極的な判断で入れ知恵するようなことはとんでもないことだ。大蔵政務次官、明確な御答弁を願いたい。
○山本(幸)政府委員 ただいま急に呼び出されてこちらにお伺いしたわけですけれども、いまここのところだけでお伺いしたわけなんです。いま隣保館についての土地買収費を国庫補助の対象にということで、すでに大蔵大臣から、国庫補助の対象にすることが適当でないものについては起債の措置を講じて事業の推進に支障のないように善処するという御答弁があったようであります。
 そこで、土地買収費を国庫補助の対象にするというのがそのとおり原則的になっておったのかどうか、それは私もちょっとわからないのでありますが、こういう予算をつくる場合に、一つの隣保館なら隣保館、いろいろな建物のつくりをし、もちろん敷地が要るわけですが、そういうものについてのいろいろなやり方も予算をつくる場合にあるのであろうと思うのです。いまお話しの点につきましては、私もいま唐突にここに参りましたので、もう少しくお話をよく承りまして、十二分にこのすでにあった答弁の趣意に沿えるような方法でひとつ検討さしていただきたいと思います。
○八木(一)分科員 答弁の趣旨と言いますけれども、質問の趣旨です。政務次官突然来られたから、その点では判断をされるのにたいへん困難な状況にあるのはわかっている。しかし、私の説明したことはすっかり御了解になったと思う。お互いに日本人ですから、憲法でも法律でも日本語で書かれている。日本語で解釈しなければならない。そうなれば国庫補助については、この文言であれば――この文言は、その前に四党協議会専門家会議できめてかっちり書いて、そのときに大蔵大臣が失言してぽっと言ったとかいうものではない。こういう質問をし、こういう答弁をするということが確認されてきっちりとなっている、法律と一体のものです。ですからこの文言を読んでいただけば、国庫補助が原則であって、国庫補助の対象とすることが適当でないものについてはこのように起債の措置を講ずるということです。国庫補助をするということは、国が持つということじゃありません。国が持つなら、自分のところに自分が補助をするということはない。国が持っておるということではないから土地に対する国庫補助がないということになれば、地方自治体が持つのに国庫補助をするのが一番適切であります。民間の個人の家に国庫補助をするということをしろうとが言っても、あなた方うんと言えないでしょう。してもらってもけっこうですよ。自治体はだめだけれども個人の家には国庫補助をするというのでしたら、私もこれ以上追及しなくてもいい。しかし、それはなかなかうんと言われないでしょう。そうなれば地方自治体の持つ土地に補助すること以外に適当な手はないわけです。そういう公の施設の地方自治体の土地への補助を断わるような大蔵省はとんでもない。主計官いるようですが、そういうことを把握して、こんなものは直ちにやめてもらわないと――内閣の方針を大蔵省や主計局がぶった切るのは、政府に対して忠実でない。極端に言えば国民に対する反逆であるということが言えるわけであります。そういうことを直してもらいたい。大蔵政務次官は政務次官の職にかけて土地に対する国庫補助を実現をする、このような気持ちで努力される気持ちを表明していただきたいと思います。
○山本(幸)政府委員 先ほども答弁申し上げたのでありますが、国庫補助の対象にするということになれば、それは地方公共団体がおやりになる場合があっていいと思うのです。ところで、その土地の買収費を国庫補助の対象とすることが――私がいまここに拝見しているのは、対象とすることが適当でないものについて起債の措置を講じてやりたい、こういうふうなことをいっておるのであります。なお、いま八木先生のお話では、それは原則としてすでに答弁があったものだ、こういうお話でございます。そういう、かりに大蔵大臣が、すでに国庫補助の対象にするのが原則だというお答えがあったとしますならば、その線に沿ってひとつ私どもも努力をさしていただきたいと思いますが、ここでは、国庫補助の対象になじまないような、適当でないものについては、起債でやりたい、こういうふうに書いてありますので、あるいはそういう方向もまた一つの方途であるかもしれない、こう思うわけであります。いずれにしても、同和対策事業は非常に重要な事業でございますが、ひとつ前向きに検討さしていただきたい、こう思います。
○八木(一)分科員 ごじゃごじゃおっしゃいますけれども、前に質問をして、そのことが必要なことはお説のとおりであると言っているわけです。財源措置ということばで、お説のとおりである、国庫補助の対象にするのが適当でないものについては――国庫補助が原則であって、適当でないものについては起債にする。これは日本語を解釈できる人であれば当然そうなります。日本語を解釈できないような日本人は、こんなものは日本の衆議院議員や参議院議員の資格もないし、国務大臣や政務次官の資格もありません。日本語のわからない人間は日本人の資格がないのです。そういうごじゃごじゃしたことをおっしゃらないで、全力をあげて、職を賭して実現するというふうにしていただきたいと思います。答弁は一番最後にまた、退場される前に求めますが、そういう問題を厚生大臣は、ぜひこのことを理解をしていただいて、そういうことが実現をするように、強力に主張をしていただきたい。
 次に、この起債の部分について、十条適用がないのを社会局長から答弁があって、国庫負担の対象になったものについては十条適用をすると言っておりますけれども、そんなことが、確認事項や法律のどこにありますか。第十条は、「同和対策事業につき地方公共団体が必要とする経費の財源に充てるため起こした地方債で自治大臣が指定したものに係る元利償還に要する経費は、地方交付税法の定めるところにより、当該地方公共団体に交付すべき地方交付税の額の算定に用いる基準財政需要額に算入するものとする。」これは、土地の問題について第十条を適用しないなんというのはどこにも書いてない。どこにも書いてないのに、かってに政府のほうが、自治省であるか大蔵省であるかわからないけれども、そういうことをしていない。そして厚生省も、すべきであるという主張も強力にしておらないということになる。かってに、補助の対象になったものについては十条対象にするというように、あなた方が都合でやっている。こんなものは許されるものではない。
 だから、最初に申し上げたように、この法律は積極的に活用するという精神、そして時の佐藤総理大臣が言われたように、鞭撻督励をしてもらいたいという精神に従って、鞭撻督励を親切にしているのですから、言っているように十条を適用する、国庫補助の対象にする、もし国庫補助の対象になっておらない場合でも十条適用はする、そのようにしなければならない。そのことを厚生大臣は確認をされて、たとえば閣僚協議会では強力に主張をしていただく。こんなものができないような大蔵省は、そんなものは不信任だというぐらい国務大臣として主張をしていただく、絶対にそれを通していただく。このような決意を厚生大臣から伺っておきたいと思う。――厚生大臣に答弁を求めているのです。私の質問したのは厚生大臣。
○齋藤国務大臣 お述べになりましたもろもろの問題について、この法律の活用のために全力を尽くさなければならぬということは当然でございますから、御趣旨を十分に承りまして、その趣旨に沿うて努力をいたします。
○八木(一)分科員 もう時間がほとんどないので、社会局長の説明はあとで伺います。
 その次に、今度厚生省の中で、同和対策事業について予算を要求をして、新規事業で予算査定で受け入れられなかったものは何と何か、簡単にお答えを願いたい。
○加藤(威)政府委員 一応予算要求をしまして、最終的に予算が入ってこなかったものは、一つは診療所の施設整備費、項目だけ申し上げます。二つ目が幼児遊園地の整備費、それから児童館運営費、それから世帯更生資金の同和分、以上の四つでございます。
○八木(一)分科員 大蔵省に伺います。なぜこの新規事業を受け入れられなかったか、理由を説明してください。
○渡部説明員 ただいま社会局長のほうからお話しがございました同和関係予算でございますが、同和関係予算の全体につきましては、最終的に厚生省当局と話し合いをいたしまして決定をしたものでございますが、新規の御要求の中には、たとえば保育所の特別事業というように認めたものもございます。なおお認めをしなかったといいましても、たとえば世帯更生資金等につきましては、もちろん同和の方にいろいろ措置できるものでございます。また児童館の運営費等につきましても、これは従来から一般的な補助を行なっておるわけでございます。その中でいろいろ実行上、同和地区につきまして重点的な配慮をお願いすることができるというような趣旨のものもございました。そういう意味で、事項としては新規に計上いたしておりませんけれども、いろいろ実行上の運用で同和対策事業の実施は可能であるというような判断等を加えまして、最終的な決定を見たものでございます。
○八木(一)分科員 政務次官よく聞いてください。そういうような態度なんだ。たとえば診療所施設整備費、長年の差別のために、同和地区の住民が健康上非常に悪い状態にあるということはおわかりでしょう。それからまた狭い地域に住んでいて幼児が遊ぶところがないこともおわかりでしょう。一般のワクにあるからといっても、そのことでは配分が少なくなるわけです。政府がけしからぬ抑圧をし、長年苦しんでいた人たちの問題について、それをいささかでも早く回復をするために――いささかでもというちょっと語弊がありますが、その問題を解決するために同和対策事業特別措置法ができたわけです。それを一般の行政中にあるからこういうことは排除するという考え方は大蔵省的な考え方であって、特別中の特別のことをしなければならぬということのために特別措置法ができたわけです。そうして厚生省がこの同和問題の最初の窓口官庁であった。官庁の中では比較的この問題に熱心であった官庁が必要なものとして要求をしているわけです。それを査定をして切るということは許されないことだ。きのうもこの予算委員会の分科会で愛知大蔵大臣に、びた一文も削減することは許さぬということを申し上げました。愛知君は、前段の私の主張に全面的に賛成をされて、そのような大蔵省の態度は全面的にこれは反省をして、直さなければならないということを言われたわけであります。政務次官も、主計官あるいは主計局の人たちも、そのことをほんとうにかみしめていただいて、今後は一切、厚生省の要求はじめ、各実施官庁の要求したものはびた一文削減をしない、要求が少なければ、なぜ政府の大方針であるものについて実施官庁がこんなに不熱心なのか、もっとなぜ要求を出してこないかということをやる、これは大蔵大臣が確約をされたことであります。このことについて当然大蔵政務次官も、大蔵省の主計局の国家公務員も、そのおつもりで大臣の趣旨に沿うてやらなければならないと思いますが、大蔵省の次の責任者である政務次官から、大臣と協力をして、大蔵事務次官以下、主計局長等、あらゆる者にそれを完全に浸透させ、来年度ではびた一文も削らない、このような質問をしなければならない状態をつくらないということの御決意のほどを伺っておきたいと思います。その決意はきのう愛知大蔵大臣がされました。大蔵大臣としてされましたから、ほんとうは必要ないわけでございますが、大蔵大臣はいろいろ忙しい。全力を尽くしてやるという考え方だけれども、大蔵政務次官もその趣旨に従って、主計局長や主計局の次長以下主計官全体に、あるいはその他の大蔵省の職員全体に、びた一文これは削減をすることは許されないのだということを浸透させる努力をする責任があると思う。その責任を果たせるかいなか。果たされないのなら、直ちにあなたは辞表を出してください。果たされる決意をひとつはっきりと明確にしていただきたいと思います。
○山本(幸)政府委員 同和事業が非常に重要であることは、先ほど来私もよくわかるわけでございます。また、私は大蔵大臣がどういう御答弁をされたか存じませんけれども、お話によれば、大蔵大臣はそういう努力をするということをお約束されたそうでありますから、私どもとしては大蔵大臣の指揮下にある者でありますから、大蔵大臣がそうおっしゃれば、大蔵大臣は、事の重要性にかんがみて、私どもにもそういうお指図が当然にあるであろう、こう思います。私どもは、そのお指図があれば、その指図どおりにやらなければならない、当然のことだと思います。
○八木(一)分科員 そういう御答弁だからいかぬのです。問題の理解を深めてください。ほんとうは、大蔵大臣がどんなになまけても、私はやりますということを言わなければいけない。きのうのきょうだけれども、大蔵大臣と大蔵政務次官の間の連絡不十分については、今後徹底的に追及をします。あなたも積極的に、大臣の答弁については、前の日にどうやられたか理解しなければならない。大臣もそれを連絡しなければならないし、大臣を補佐する者もあなたに連絡しておかなければならない。大事な大蔵省をあずかっている連中がそんなことでは、怠慢であります。怠慢を直すと同時に、そのようなことではなしに、大蔵大臣がもし間違った考え方を起こしても、それを直す、その問題については全力をあげて推進をする、そういう決意になってもらわなければならない。大蔵大臣は間違っておりません。非常に熱意をもってやられます。厚生大臣は、愛知揆一君が言われたと同じように、それ以上に熱意をもって当たられる明確な決意を表明していただきたいと思います。表明があればここで質問を終わります。表明が非常にいいかげんであれば、また追及さしてもらいます。
○齋藤国務大臣 同和事業の重要な問題であることにつきましては、厚生省も大蔵省もその認識においてごうまつも差はないわけでございますから、今後はさらに一そう緊密な連絡をとって、私どもが出した予算は一銭一厘削られないように、大蔵省も削るとおっしゃっていませんから、どうかそういう意味で御理解いただきたいと思います。
○八木(一)分科員 では質問を終わります。
○三ツ林主査代理 中村茂君。
  〔三ツ林主査代理退席、大原主査代理着席〕
○中村(茂)分科員 私からは難病対策、特に多発性硬化症の対策について若干の質問をいたします。
 特に多発性硬化症は、御存じのように、原因がまず不明であるということ、それから急に視力、脳、脊髄がおかされてくるために、視力が低下して運動神経が麻痺されてくるために、次々とめまいのような現象が起きてくる、そして俗に、よくなったり悪くなったりする病気だ、こういうふうにいわれています。そういう病気のために、いまだに完全治療の方法がない。ですから、この病気の特色は、いえば原因が不明であるということ、それから完全治療の方法がないということ、最近では全国に五千名の患者がある、こういうふうにいわれています。特に特徴的なのは、発生の年齢が、十五歳から四十五歳に一番多く発生して、十歳未満または五十歳以上の者についてはほとんどこの病気は発生していない。しかも、最近いわれているのは、発生後平均寿命が、前は大体二十歳くらいだったけれども、三十五歳くらいになってきた、いえば発病後平均三十五歳がせいぜい生存の範囲だ、こういうふうにいわれています。非常に難病中の難病でありますから、徹底的な対策を立てていかなければならないというふうに思うわけであります。
 そこで、まず医療関係について、特定疾患に指定して治療費を全額公費で負担できないものか、それから治療研究費を大幅に支出して、原因の究明、治療方法の解明を早急に確立すべきではないか、それから、こういう病気でありますから、生活保護についてその対策を考えていかなければならないというふうに思うわけであります。特に最近はこの患者さんがそれぞれ手を結んで、多発性硬化症友の会を昨年からつくっておりますけれども、この病気は、特にアメリカの北部、ヨーロッパ、それからカナダ、この地域からこの患者が多く発見されてきて、最近では、以前はなかったわけでありますけれども、昭和三十年ころから日本にも多く見つけられるようになってきた。こういう経過の中で、世界的には、MS協会という患者さんの友の会を、ウイーンに本部を置いて、いろいろ同じ仲間を励ましたり、またはいろいろな対策を要求している運動を進めているようであります。友の会はできましたけれども、まだ日本には日本のMS協会はできていません。患者の人たちは、一日も早く国際連携の中でそういう会をつくっていきたい、こういうふうに言っております。
 そういう意味で、政府ももっとこの患者の適切なる指導と、また財政的にも何とか援助を行なって、特にこの病気は、お互いに励まし合うことによって相当気分的に健全になっていく要素がある病気でありますから、その点についても十分留意をしなければならない、こういうふうに思うわけであります。
 以上数点申し上げましたが、当局の考え方をまずお聞きいたします。
○加倉井政府委員 御指摘の多発性硬化症につきましては、御説明のとおりでございます。ただ、私どもといたしましては、昭和四十七年度におきまして多発性硬化症を特定疾患として取り上げまして、その原因究明、治療方法等の確立のために調査研究を実施しております。引き続き四十八年度におきましても同様の研究を続けていくことになっております。
 なお、治療費につきましては、四十八年度におきましては、入院、外来ともその治療費の全額を公費をもって負担をするという予定にいたしております。
 ただ、この疾患にかかられた方の生活保障の面につきましては、他の疾患等とも勘案いたしまして、特別に制度を設け、その生活保障をするということは、現在の段階におきましては困難でございます。他の所得保障制度を活用していただきましてその面の補完をいたさなければならない、かように考えております。
 それから、多発性硬化症にかかられた患者さんたちが友の会をおつくりいただくことは非常にけっこうなことでございまして、御指摘のように、同じ疾患にかかられた患者さんが連絡をとりながらその治療に励まれることは、やはり一面におきまして治療効果をあげるということの期待もされるわけでございます。ただ、現在の国庫補助の性格上、そういう方々の民間団体に対しまして補助を差し上げるということはちょっと困難でございますので、ほかの方法がとれるかどうかということにつきましては、私どもといたしましていろいろ御相談に応じ、あるいは別な方法の御援助をできるようなこともいたしたい、かように考えております。
○中村(茂)分科員 特にこの治療費の全額負担の問題ですけれども、もう一度確認しますが、入院、外来ともに国の全額負担に四十八年度からなる、こういうふうに理解していいのですか。
○加倉井政府委員 健康保険の本人につきましては、私どものほうの費用ではございませんで、健保の支払いによります医療費の制度を活用する、こういうことになっておりまして、自己負担のある方、すなわち健保の家族の方及び国保の三割の自己負担のある方の自己負担分につきまして、公費をもって負担をする、こういうことでございます。
○中村(茂)分科員 公費ということになると、国とそのほか地方公共団体、そういうところの補助の比率というか、負担の比率はどういうふうになりますか。
○加倉井政府委員 ただいま申し上げました自己負担分を、国が半分、それから都道府県が半分ずつ負担をして支払いをするということになります。
○中村(茂)分科員 そうすると、四十八年度の予算というか計画の中で、該当者というか、大体何名くらい予定しているか。
○加倉井政府委員 私どもの一応予想といたしましては、約二千名を予定いたしております。しかしながら、先ほど申し上げましたような、四十七年度からすでに実態調査に入っておりまして、いずれ確実なる患者さんの数が把握できる予定でございます。
○中村(茂)分科員 私がいろいろ調査しお聞きするところによると、大体四千名から五千名ぐらいあるのじゃないか、しかも最近、神経系統の内科の患者さんの一%から二%がこういう多発性硬化症の患者の傾向が出てきている、こういうふうにいわれているわけでありますから、おそらくいま言われる二千名以上の患者さんがおられるのではないか、こういうふうに考えるわけであります。したがって予算上の措置は二千名ということでありますけれども、調査をしていることでありますから、これ以上あるというような場合については、全国の患者さん全員が該当になる、こういうふうに理解していいんですか。
○加倉井政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○中村(茂)分科員 それから、生活保護の問題ですけれども、確かに厚生省の行政の中には、そういう患者さんを生活保護するという制度と予算のないことは私も知っていますけれども、生活保護法に基づく生活援助、この活用の道を開かなければ、そのほかのところをどうだ、または厚生省の中の行政でどうだと、こういうふうに言ってみても、なかなか該当の道がないわけであります。そこで、生活保護法に基づく保護の受けられる道を開く考えがあるかどうか、その点について厚生省の考え方をちょっとお聞きしたい。
○加倉井政府委員 生活保護法の適用につきましては、御承知のように、とにかく最低生活の保障をするという一応の線がございます。したがいまして、この多発性硬化症にかかったがゆえに生活保護法の基準に該当する場合には、当然これは生活保護法の対象者ということになろうかと思いますけれども、それにはいろいろの要件がございまして、やはりそれ以上の生活レベルでございました場合には、これは生活保護法の対象にならないという場合が多いと思います。したがって、そういう場合に生活の救済をせよというお話だろうと思いますけれども、その問題につきましては、やはりこの多発性硬化症のほかにいろいろの疾患がございます。したがって、そういう疾患とのかね合いもございまして、現在の段階におきましては、そういう救済制度を設けるということにつきまして非常に困難性がございますので、現在の段階では考えておらない次第でございます。
○中村(茂)分科員 先ほど申し上げましたように、特に十五歳から四十五歳、この年齢の層に一番多く発生するという病気で、しかも、私の承知している患者で、実は三十八歳まで何もなかったのですけれども、三十八歳といえば、御存じのように一番の働き盛りで、子供さん二人あるわけですけれども、しかもこの症状として、外から見ているといかにも健康そうに見えるけれども、入院して三カ月ぐらいしていると、なかなかよくなったような感じを受けて退院する、一月もするとまたどうにもいらいらして、どうにもならなくなってくる、こういうことで、いえばよくなったり悪くなったり、こういうきわめて特徴的な病気であります。しかもそういう年齢の層にこういう病気が多発するということになると、もう自分のみならず、一家をささえての生活問題が発生してくるわけであります。ですから、他の難病の方もいろいろ範囲が広くあるわけでありますけれども、この生活保護の対策については抜本的な対策を立てるよう強く、これはいまの段階でありますから、要求をしておきます。
 それから、友の会等の、特に国際連携の中におけるMS協会との関連、そういう指導の強化で特に助成等の問題、私も、厚生省の全体的な予算の中で、筋立ってこの予算をこういうところへ支出すればいいというような科目の設定のないことは承知していますけれども、特に最近の病気であり、国際的にもそういう対策が進んできている中でありますから、患者の国際的な提携をより深めるという意味で、先ほど御答弁がありましたとおり、十分相談に乗っていただいて何らかの措置を見出していただきたいということを強く要求をしておきます。
 それでは、この多発性の問題については以上にいたしまして、次にもう一件、国立病院または療養所等における行政(二)の職員、いえば現場職員の労働条件の問題について簡単に申し上げて、善処をお願いしたいというふうに思うわけであります。
 私の承知している国立の病院は、上山田にある長野病院と、上田にあります東信病院と、小諸にあります小諸療養所、どの病院どの療養所を見ても、先ほど申し上げました特に行政(二)の現場職員、その中における洗たく夫、それから汽かん士の勤務条件というものが全く劣悪であり、話にならない。
 例をあげて申し上げますと、長野病院の汽かん士の場合に、公務員の一律に定員を削減するという対処の中で、事務職員よりもそういう現場職員の人たちの定員削減が行なわれて、そのしわ寄せが汽かん士の勤務条件に非常に出ているわけでありますけれども、長野の病院の場合には、汽かん士三名で、一人七時二十分から七時二十分までの二十四時間勤務を行なっている。三人で二十四時間勤務でありますから、どういうかっこうになるかといえば、きょう朝出てきて、明日の二十四時間勤務の朝帰っていって、その日は、どういう名前になりますか、宿明けというふうになるのかどうか、そうしてその次の日も非番日で、今度はその次の日に出てきて翌日の朝までつとめる、そういう三人の循環勤務を行なっていて、週休日がいつになるのか、全然わからない。それから、年次有給休暇がほしい場合はその差し繰りでやっているだけで、全然他からの補充もない。
 こういう労働条件のあり方というのは、私は、基準法違反であるし、人事院規則のどこを見ても、こういうどんぶり勘定の勤務状態というものはあり得ないというふうに思うわけです。その実態と善処について明らかにしていただきたい。
○滝沢政府委員 国立長野病院の行政(二)の職員の定員につきましては、おっしゃるとおり、汽かん士が、定員は二名でございますが、実は洗たく夫の方でボイラーマンの資格を取った方がございまして、この方を汽かん士のほうにお願いいたしまして、先生のおっしゃるとおりの交代制で月十日間勤務して、三人でやっておる、こういう実態でございます。
 したがいまして、労働時間の問題、今後週休二日制の問題等もからみまして、われわれは、こういう現場の職員の方々の勤務条件というものについては、特に病院という状態は必ずボイラーマンかだれか管理していなければならないという、三百六十五日動かざるを得ない状態でございますので、この点につきましては十分、今後週休二日制等の問題もからみ、労働の問題あるいは有給休暇等の問題、こまかい点について配慮しなければならぬと思っておりますが、現実には、ボイラーの仕事も、石炭だきから重油あるいは自動管理装置、こういうものがついてまいりまして、場合によっては電気士等もこれに従事することが可能でございますので、まあ家庭的な事情等で休暇の必要のある場合等は、病院の運営に支障のない限りにおいて運営はできると思いますが、しかし、おっしゃるとおり、形の上では全く二十四時間勤務の形態になっておりますので、この点の改善につきましては、今後一そう研究いたしまして努力いたしたい、こういうふうに考えております。
○中村(茂)分科員 研究いたして努力と言うけれども、ボイラーは、二十四時間たいて、三百六十五日稼働させなければならぬ。三名にそこへ勤務させておいて、あと週休とかまたは年休の場合に、よそからそこのところへ勤務する要員を確保しておかなければ、三名で、しかも週休、年休、こういうものを確保しながら二十四時間稼働させ、三百六十五日稼働させるボイラーマンについて、これは研究も何もしないし、それからいま言われるように、週一日の週休も、どんぶり勘定で余分勤務して、他の者がそれだけ余分勤務しなければ週休がとれない、他の者がそれだけ余分勤務しなければ年休もとれない、こういう定員配置、要員配置で、週休二日制なんということを――現在一日もとれていないわけですからね、実際の中身は。基準法違反をやって、人事院規則の違反をやってやっとそういうものがとれている状態なわけです。だから、週休二日制なんということを考えるその前に、もっときちっとした要員措置をしなければ確保できないというその実態について十分理解してもらわないと、これはいつまでたったって解決できぬじゃないか、こういうふうに思うのです。
○滝沢政府委員 いまの長野病院の例でいきますと、二十四時間で週の労働時間が四十八時間ということになります。この点も、週の労働時間ということを考えますと、当面の労働時間としてはほぼ妥当と思いますが、週休二日等の問題を触れましたのは、これらの労働時間の問題ともからみますので、この問題は、人員の増、管理の方法等について相当検討しなければならぬという気持ちで、若干先回りの答えになりまして恐縮でございますけれども、そういうような観点から申し上げたわけでございます。
○中村(茂)分科員 一人の人間に二十四時間ぶっ続けでやらせて、それで順繰りにやって、それで一週間または一月を割っていけばちょうど勤務の状態に割り振られるからいいと言ったって、人間を使っているわけですからね。そこのところを私は言っているわけです。二十四時間、二十四時間で勤務させて、そんな勤務の状態は明らかに基準法違反であるし、それから人事院規則のどこを見ても、二十四時間の勤務というものはないわけですよ。そういう勤務をあわせてやって、それで割ってその時間に当てはまるが、それは計算ではそういうふうになりますよ。ですから、その問題点は、いま言った二十四時間なんという長時間の労働をやらせて、そういうことはだめじゃないかということが一つ。
 もう一つは、きちっと割ってやっていけば、この三人では、週休をとる日にその要員のあとを補充する人、年次有給休暇をとるときに、そのあとを補充する人がないはずなんですよ、もっと人員を配置しなければ。ところが、三名でどうしてもどんぶり勘定でやらしておくから、二十四時間も勤務しなければ、年休もとれない、または週休一日もとれない、こういう状態が出てきてしまう。こんな労働条件の劣悪なところはどこへ行ったってないのですよ。だからその根本をまず考えてもらって、十分現場と話し合って一日も早く解消に努力してもらいたい。
○滝沢政府委員 確かにおっしゃるように、ちょうど一般の家庭が日曜のときに親と子供が一緒にいろいろのレクリエーションをするというような組み合わせに、この労働の組み合わせではならない。しかしながら、一日働いて二日のお休みで三人で交代しているという実態は、週単位の労働時間として見た場合には、お休みになっておる時間というものも設けられておる、こういう形になりますので、現状の労働条件としては、確かに先生おっしゃるような観点からの見方からすれば、労働八時間の三交代制にするとか、あるいは、したがって人並みのいわゆる日曜に休暇がとれるというような仕組みというものが望ましい姿であることは、私決して否定するものではございませんけれども、現実には週労働時間四十八時間で、しかも三日に一日の勤務でいいということであれば、いままでの一般的な社会通念としては、そう過酷な状態ではない。ただ二十四時間引き続き労働が続くというこの問題について、決して私はそれでいいというふうに認識しているわけではございません。この点については、最初に申し上げたように、これらの問題は、だんだんやはり社会問題としても労働時間の問題ということが相当むずかしくなる段階でございますから、十分検討させていただきたい、こういうふうに申し上げたわけでございます。
○中村(茂)分科員 これは公務員ですからね、基準法適用になりませんから、皆さんそういうことを言っていますけれどもね。基準法が適用になる職場なら、これは完全に労働基準法違反です。主務官庁に届け出て許可してもらわなければならないわけですよね。ところが、その許可をもらわれる職場じゃないわけですよね。だからこれは明らかに基準法違反なんです。計算上は成り立ちますよ。公務員だから基準法適用になっていないから、これは基準法違反というふうにきめつけるわけにいきませんけれども、公務員の勤務時間というものはやはり基準法に該当する、基準法のワク内の勤務条件を確保するように努力してもらわなければこれはどうにもなりません。
 最後にお願いしておきますけれども、これを直していただきたいと思いますが、その際私はこの一日の日に、この分科会でこの問題をお願いしたい、こういうことを申したところ、皆さんのほうの係の人が来て、どういう内容かというから、長野病院の特に汽かん士の問題だ、こういうふうに言ったら、皆さんのほうから現場を調べるのはいいでしょう、その夜、汽かん士を事務長と院長が呼んで、こんな問題を国会へ持っていってやるというふうになったのはおまえたちの責任だ、そのほかの問題が出たりしておれが首になったら、おまえたちも一緒に首になってもらうからと、こう言う。そこがやはり問題なんですよ。だから私がいま十分話して、そのことを直してもらいたいと言っても、皆さんのほうが、それを言っていった場合に、どういうふうになるか。そこら辺のところを十分――自分のところの職員の指導じゃないのですよ、そういうことは。そこら辺のところか十分頭の中に入れておいて、きちっとりっぱな労働条件を確保するように要求して、終わります。
○大原主査代理 次は、大柴滋夫君。
○大柴分科員 いまこの日本に失明者が大体二十五万七千人いるといわれているのでありますが、そのうち十八歳未満の親がかりの人、あるいはまた、六十歳以上で働けない人を除いて、どうしても働かなければいけないというような人は大体何%ぐらいいるのでありますか。
○加藤(威)政府委員 わが国の盲人の数、先生御指摘のように二十五万でございますが、そのうち、十八歳以上六十五歳未満、いわゆる一般にいう労働人口というものに該当する数が十二万五千人、大体半分ぐらいでございます。
○大柴分科員 小さいときから失明した人にはいろいろの職業があるとしても、中途で失明したこういう人に向かって、国は福祉政策上どういうような職業を与えるように指導しているのでありますか。
○加藤(威)政府委員 中途失明の方々に対しましては、現在失明者の厚生施設、国でつくっているもの、それから地方公共団体あるいは私立等々ございますが、国のそういった視力障害者の厚生施設が五カ所、それからその他のものが七カ所、現在十二カ所あるわけでございますが、主体はやはりあんま、はり、きゅう関係で、あんま、はり、きゅうを中心といたしましてその職業指導をやっているというのが実態でございます。ただ、諸外国の例を見ましても、相当盲人に対していろいろな研究をして新たな職業を開発し、盲人が生きていけるようないろいろな対策を講じておりますが、そういう点も勘案いたしまして、最近におきましては、盲人の新職業といたしましてたとえば電話交換手あるいはかなタイプ、それからこれは本年度新しい試みでございますが、コンピューターのプログラマー、そういったものにも進出していただくということで、数としては非常にわずかでございますけれども、いま申し上げましたような職業についての指導、こういうことを行なっているのが実情でございます。
○大柴分科員 国で五カ所、その他の機関で七カ所、全部合わせて現在在学中の学生というか、その施設に入っている人はどのくらいいるか。わからなければ大体でけっこうです。
 それから、その学校を卒業してあんま、はり、きゅう、そういうものに従事している人は大体どのくらいいるのでありますか。
○加藤(威)政府委員 いま申し上げました十二カ所で定員は約千五百でございます。
 それから失明者であんま、はり、きゅうに従事しておるのが三万五千九百五十、約三万六千ということでございます。
○大柴分科員 問題は学校なんですが、私は学校について深い知識を持つものではないのですが、普通の目が見える人の学校も一クラス三十人である。そういう目が見える人であんま、はり、きゅうの学校へ行っている人のクラスがですね。目が見えない人の学校も一クラス三十人である。こういうことに対して、失明者のほうから、これでは世間的におかしいではないか、一クラス十五名ぐらいにしてもう少し手をとり足をとりよく教えてもらわないと、なかなかその資格をとるのにたいへん苦しい、こういうような声があるのでありますが、そういうことを御存じでありますか。
○滝沢政府委員 あんま、マッサージの養成で、先生の三十名、十五名問題というのは、私ども聞くのは――私、初めて意見としては聞きました。
○大柴分科員 どうか実情を調査されて、いずれにしても、こういうことばが適当であるかどうかわかりませんが、気の毒な人でありますから、できるだけ所定の期間に資格がとれるように、三十名のクラスは十五名にしてめんどうを見ていけるように、ひとつ善処をお願いしておきます。
○加藤(威)政府委員 私どものほうに国立でつくっております視力障害センターが五カ所ございますが、これの一クラスの定員は二十四人ないし二十八人というのが実態でございます。そういう点は、先生御指摘の点は確かにあるわけでございます。ただ実技指導の場合には、一クラスを二つに分けまして、そして大体十五人以下で実技の場合にはやっているということでございますが…。
○大柴分科員 何の場合ですか。
○加藤(威)政府委員 実技です。実際の技、あんま、マッサージ、はり、きゅう、そういう実技を指導いたします際には、一応クラスを二つに分けて、教官が二人つきましてやっているというのが実情でございますが、先生の御指摘の趣旨に従いまして今後も努力したいと思います。
○大柴分科員 今度あんま、はり、きゅう以外、プログラマーを何か新しい職種として選んでやるというが、規模はどのくらいでありますか。
○加藤(威)政府委員 ことし新しい試みでございますが、大阪に社会福祉法人日本ライトハウスというのがございまして、この団体が非常に熱心に従来からもコンピューターの要員の養成というのを自分の力でやっておるわけでございます。それに対して今度新しく補助金をつけようということでございますが、現在四十八年度の養成予定は、プログラマー二名、キーパンチャー五名、試験的なものでございますが、そういう規模でございます。
○大柴分科員 返事としてはいいのですが、何か日本海をソビエトへ向かって泳いでいけといったような議論ですよ。それはできぬことではないけれども、そういうことでは、まことにどうも規模としては国会の答弁にならぬようなことじゃないですか。二名や三名を試験的にやるなどという――もう少し大々的にできないんですか。
○加藤(威)政府委員 これは確かに、私どももこの予算を組みますときに、はたして盲人にそういうコンピューターの要員ということが向くのかどうかということでいろいろ検討いたしましたけれども、現実にライトハウスでそういうすでに実施をいたしておりまして、ある程度の見通しがついておる。それから、中途失明者の中には相当学歴の高い方もおられまして、あんま、マッサージとか、あるいは電話交換手というようなことでは満足されない、もっと高度の仕事をやりたいというような要望も出ておるということで、試験的にコンピューターの要員の養成ということで四十八年度から新たに試みたわけでございます。御指摘のとおり、いまのところは非常に規模が少ないわけでございますけれども、試験的にやってみまして――しかし、これはやりましても、そう数はうんと拡大はできないと思います。しかし、やはり要望もあるということでございますので、一応四十八年度の実績を見まして、さらにどの程度拡大していくかということを検討してみたいと思います。
○大柴分科員 先ほど言ったように、失明者で生産年齢が十二万五千人、それから、はり、きゅうに従事しているのが三万五千人というと、約十七、八万人のその他に従事している失明者がある計算になりますが、そういうふうに思ってよろしいのですか。
○加藤(威)政府委員 数字は、先ほど申しましたように、あんま、マッサージが三万五千、それからはりが一万九千、きゅう師が一万九千ということでございまして、それ以外の方々は、非常に数は少ないと思いますけれども、若干ほかの仕事に従事されているということでございます。
○大柴分科員 これは大臣にちょっと見解をお聞きしたいのですが、生産年齢が十二万五千人あって、そのうち、あんま、はり、きゅう、マッサージというのが合わして大体七万人くらいあるわけです。あとの七万人というものはどうすればいいというのですか。
○加藤(威)政府委員 一応、その他の方々につきましては、農林漁業に従事しているという方が二万五千人、それから製造業に従事しているという方がそのほか一万二千人というような一応の数字が出ておるわけでございます。
○大柴分科員 これは大臣、国家の保護というものは、これだけ金持ちな国になったのでありますから、そういうところに及ぶ方法というものは何か考えられませんか。まあとにかく五、六万人の人が農林漁業に従事しているか、商売に従事しているか、それは知りませんが、いずれにしても、これは自分の力で、あるいはまわりの人の力でやっているわけで、福祉国家における政治の力で何か職業を得ている、こういうものではないだろうと思うのです。よく昔は検校とか瞽女とか、小説を読めばいろいろな職業があったのですが、そのころよりもむしろ退化をしている、こういうふうに言えるだろうと思いますが、何か大臣お考えないですか。
○加藤(威)政府委員 確かに先生御指摘のとおりだと思うのでございますが、まあささやかでございますけれども、現在、愛知県のやはり名古屋ライトハウスという社会福祉法人でございますが、これが三十七名、その他晴眼者もおりますけれども、三十七名の盲人を使いまして、金属加工の仕事をやっている。それから福井県の光道園ライトセンター、これは入所者百三十九名のほとんどが盲人でございますが、これは紙器の組み立て、陶器製作、プレス加工等をやっております。
 で、私どもやはり盲人の職業というものを考えます場合に、やはり盲人が晴眼者に伍して、目のあいている人と一緒に働くというのは、なかなか問題が多い点がございますので、やはりそういった方々を集めまして、いろいろな工場設備や何かでも盲人向きにつくりまして、そうして国が援助して、盲人の工場――もちろん晴眼者がそれのかなめのところは手伝うということで、盲人を主体にした工場みたいなものをどんどんつくっていく必要があるのではないか。私ども、ここ二、三年前から、重度の身体障害者の福祉工場というのをやっております。いまは主として、手足のない、車いすに乗った方々、これが中心でございまするけれども、いま申し上げましたように、二カ所ばかり盲人のそういった施設もございますので、今後は、福祉工場というものは、そういう肢体不自由者ばかりでなくて、盲人の福祉工場というものをつくっていく、そういう方向で盲人の職業を開拓していく必要があるのではないかというぐあいに考えております。
○大柴分科員 篤志な人がそういうことを始められて、厚生省が若干の援助をする、県が援助をするのであって、政府として、これだけの金持ちの国になったのですが、そういう工場を考える、あるいは、一足飛びにできないわけですが、何か盲人工場を諸外国並みに考えるというような考えは、いまの自民党内閣の中ではあるのかないのか、それを私は大臣に聞きたいのです。
○齋藤国務大臣 お話を承りまして、私どもも、この視覚障害者の問題につきましては、もう少し真剣に取り組んでいかなければならぬであろうということを痛感いたしました。数字で見ましても、視力障害者が、あんま、はり、きゅうその他に従事しておりますのが大体七万幾ら、晴眼者がけっこう多いのでございまして、六万ぐらいになっております。
  〔大原主査代理退席、三ツ林主査代理着席〕
こういうふうな盲人の最も適した職種に晴眼者が食い込むことは、できるだけ避けるように努力していかなければなりませんでしょう。しかし、それと同時に、これだけ近代化された社会において、こういうふうな視覚障害者に対する職場をもっと開発するということが必要ではないかということを考えておるわけでございまして、そうした新しい職業の開拓に今後努力をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。
 実は、いつも予算のときに、何かもっと盲人の方々の職場就業ということを頭に描いての対策というものはないであろうかということを私ども考えておるわけでございますが、いままでのところまだ十分な成案を得るような段階までには至っていないことは、まことに残念だと思いますが、今後もう少し私どもも真剣になって、新しい職場就業ということを頭に描いてのこうした方々の働いていただけるような場をどうやって確保するか、もう少し真剣に考えてみたいと考えております。
○大柴分科員 ここでの返答だけでなくて、盲人工場を、諸外国の例にならって、あるいは先ほどせっかく言いました二、三のライトハウスですか、そういうところの教訓に学んで、来年度はぜひひとつあなたの手で何らかの意味の予算が計上されることを期待をいたします。
 もう一つは、いま私どもが疲れてマッサージを呼べば、東京で大体千二百円ぐらいだろうと思います。ところが、これ、ふしぎなことに、病院なんかで健康保険で、まあ非常にからだがしびれているからマッサージを呼んで治療をしよう、こういって、治療代が片足五十円、全身もんで百五十円なんです。盲人といわずマッサージ師は、健康保険で呼ばれることを、一部の人を除いては、非常に迷惑に思っているのです。一部の人というのは、病院のかかりつけで、十分ももんで、そら次、そら次という人はいいのですが、ひとつマッサージを呼んでくれといえば、なるほど往診料みたいなものを三百円もらえるそうでありますが、治療代は百五十円なんですよ。これは健康保険の点数制が悪いのでありましょうが、これは何とかならないものですか。
○北川(力)政府委員 マッサージの場合の健康保険上の取り扱いにつきましては、ただいま先生御指摘のとおりの点数でございます。ただ、従来からこの問題につきましては、必ずしも十分でないというふうな御批判もありまして、実はこのマッサージの療養費の支払いの根拠は、健康保険本来の診療報酬の点数にリンクをしているものでございますので、昨年の二月に診療報酬の点数の全般的な改正をいたしました際に、従来の三点という点数を五点、つまり三十円を五十円に改正をいたしまして、それなりにこの改善をいたしたつもりでございます。それを全身に行ないますと、一局所について五十円でございますから、いまのお話のように、全部をやりますと二百五十円ということになるわけでございまして、それなりに改善はしたつもりでございます。ただ、いまお話にございますように、これでもなお十分でないというふうなお話もございますので、今後も十分に検討いたしたいと思います。
 なお、この問題は、いま申し上げたとおり、健康保険本来の診療報酬の問題にリンクしておりますから、本来の診療報酬と申しますのは、御承知のとおり、中央社会保険医療協議会で、その全体の適正化とかあるいは引き上げとか、そういう問題が審議をされるわけでございます。現にまた審議をされている状態でございますので、そういう中でこの問題も十分に検討さしていただきたい、このように考えております。
○大柴分科員 お返事はよくわかりますが、片方でとにかく行って千二百円とれるところを、片方で、あなたは二百五十円と言いますけれども、百五十円じゃないですか。まずそれは百五十円であっても二百五十円であっても、昔、昭和二十三年ごろのやみ価格と公定価格みたいなもので、世間的に見てそういうことはおかしいですよ。
 大臣、どうですか。あんま、はり、きゅうなどというのは、別にこれを直してもだれも文句を言う人はいないでしょう。何か直すことがおかしいのですか。どうなっているのですか。
○北川(力)政府委員 いま申し上げましたとおり、この料金の基本が健康保険の診療報酬の点数にあるわけであります。その点数表の中で、マッサージでございますから、いわゆる理学療法に属する点数でございます。その理学療法の中でのマッサージということで、一局所について五十円、全体やりますと二百五十円、いま申し上げたとおりでありますが、この問題も実はいろいろ問題がございまして、理学療法とか、こういった問題については、この問題に限らず、全般的に必ずしも十分じゃないというふうな御批判もあるわけであります。
 いまの先生のお話はマッサージ師ということでございますけれども、これも健康保険の面でとらえますと、いま申し上げたような理学療法全般の問題でございますので、この点は、いま申し上げたとおり、昨年の二月の診療報酬改定というものについてもいろいろ御批判もあるときでございますから、そういう問題の一環としてこの問題を処理をして、そのときに、いま御指摘にありましたマッサージ師の問題につきましてもあわせて考えたい、このようなことを申し上げたつもりでございます。
○大柴分科員 あなたのおっしゃることはよくわかりますよ。しかし、別に理学療法で世間は動いているわけでもないし、あなたの理屈でもってマッサージ師は食えるわけでもないのです。だからこういう矛盾というのは、あなたにこれを期待するということは無理でしょうが、大臣にしかるべく善処してもらわぬと――矛盾を善処するのが、これが政治の役目でしょう。どうですか、大臣。
○齋藤国務大臣 先ほど来お述べになりましたことは私もまことに同感でございますから、次の機会に必ず適正なる価格にいたしまするように善処いたします。
○大柴分科員 それから、これはちょっとはずれた問題ですが、このごろいろいろなマッサージがはやっている。たとえば、われわれがサウナへ行くとサウナマッサージというのがはやっているし、熱海とか湯河原へ行くと、どうですかマッサージは、というようなことで、どうも怪しげな者が来て、二十分ももんだら、これで終わりですというようなマッサージがちまたにはんらんしているわけです。これはおよそあんま、マッサージとしての資格がない者だろうと思うのですが、こういうものの取り締まりというものは一体どうなっておるのですか。
○滝沢政府委員 これにつきましては、過去に各県に通牒を出しまして――現状は、県の施設でございます保健所の業務の一つになっております、無資格者のそういう問題に対するものは。ところが、事実問題として、先生が例に引かれたようなケースにつきましては、免許を持っておるかどうかということの確認その他は、現在の保健所の機能では具体的にはきわめて困難でございます。それから、何か特定な事件等にからんで警察等の問題になって、それが無資格者であるとか、いろいろの問題としての提起がなされてくる場合はありますけれども、一般的に日常的な無資格者の取り締まりという行政については、現状においては具体的な成果というものをあげることは非常にむずかしい状態であります。
○大柴分科員 何か、あんま、はり、きゅうの法律自体に、そういうことを幾らでも許すような、そういう根本的な欠陥があるんじゃないですか。
○滝沢政府委員 いま先生の例に引かれた面だけでお答えいたしましたが、いわゆる資格を持った方の施術所の取り締まり等につきましては、これは具体的に登録された施術所等がございますので、これに無資格者等が採用されて業務に従事しておるというような実態については、かなり業者自身のお互いの監視的な、いわゆる業界として保健所とのつながりにおいてそれぞれの情報を得てこれを取り締まるというようなことが具体的にはございます。いま先生のおっしゃったように、法律的な問題上これが非常に困難であるというようなことでございますが、一般的に、医師その他のように、十二月三十一日をもって自分の就業の状況を届け出てもらうというようなことが法律的に定められたものであるかないかというような点によってもこのようなことがあると思います。こういう点は、法律上確かにはっきりとした就業場所その他が定期的に届けられるということが義務づけられるというようなこととの関連で、一面申すならば、やはり法律的な面でどうするかということは確かにあろうと思います。しかしながら、一般的にこのような身分法については、医師、看護婦等についてはございますけれども、こういう問題については、法律改正までして、登録なり年次的な、定期的な報告を求めるというようなことについては、業界自身もあるいは関係者自身も必ずしも賛成しない面もありましょうし、研究する必要があろうと思います。ただ、無免許等については当然罰則が設けられておりますけれども、いま申し上げたような実態を把握することが非常に困難でございます。法律上は罰金制度というものはございますけれども、そして整備はされた形にはなっておりますけれども、事実の把握が非常にむずかしい、こういうことでございます。
○大柴分科員 これからいろいろ中国等からはり、きゅうというようなものが来て、この分野の中に入るか、あるいは医者の分野の中に入るのか知りませんけれども、ある程度この分野の中にも入ってくるだろうと思います。だから、研究をなされて、法律そのものを――こういういかがわしい、何か淫売と間違うような、そういうものが来ないような、それはそれで別な面で取り締まりの対象にすればいいのだろうと私は思いますが、とにかく羊頭を掲げて狗肉を売るような業者のないように、ひとつ根本的な法律の検討をお願いして、時間がないから終わります。
○三ツ林主査代理 渡部一郎君。
○渡部(一)分科員 私は、じん炎、ネフローゼ児の問題をこれで足かけ四年にわたって政府に御要望申し上げてきたわけでございますが、まず、現在のじん炎、ネフローゼ児に対する厚生省の今予算における措置というものをお伺いしたいと思っております。
○穴山政府委員 じん炎、ネフローゼの子供に対する予算でございますけれども、四十七年度におきましては五千万の予算を計上いたしまして、この子供たちの医療についての公費負担というものをやってきたわけでございます。これはいわゆる施設、病院、そういった医療機関に養護学校あるいは養護学級が併設されているところにおきまして医療を受けている子供たち、すなわち、学齢期の子供を対象にしていたわけでございますけれども、四十八年度の予算におきましては、学齢期の子供というような制限を取り払いまして、十八歳未満の子供全体にこの措置を及ぼすことにいたしました。したがって、子供についての適用範囲の拡大をはかりましたと同時に、いま申し上げましたように、いわゆる養護学校、養護学級の併設された医療機関に限定されていたものを、その他の医療機関にも広げるというようなことの措置を四十八年度は計上いたしたわけでございます。
○渡部(一)分科員 それじゃお答えがばく然としておりますから、一つずつ伺いますが、じん炎、ネフローゼ児の治療に関して最も問題になっておりますのは、早期発見がおくれることであります。そこで、尿検査をすることの重要性は、私がここで言うまでもない。ところが、尿検査については、いままでの間――昨年ようやくにして二年がかりで厚生省は重いおしりを上げて、検査をすることが望ましいという通告をお出しになった。それは、望ましいのであって、やれという指導ではない。これに対して一体今期は予算をつけるのか、つけないのか。それとも完全に検査を実施するのかどうか。特に私の言っているのは、いま三歳検診についてでありますけれども、三歳検診を実施するようにできるのかどうか、そのことをまずお聞きします。
○穴山政府委員 四十七年度におきましては、行政指導をもって、実施するようにということの指導をしていたわけでございますが、四十八年度の予算につきましては、三歳児健康診査におきまして尿検査が行なえるように予算上の措置をいたしました。
○渡部(一)分科員 これは三歳検診において全員を検診できるのですか。
○穴山政府委員 受診の子供全員に対して尿検査を行なえるような予算措置を講じたわけでございます。
○渡部(一)分科員 私は押し問答するようですけれども、保健所には日本の国民の何%がその三歳児検診のときにやって来るのですか。
○穴山政府委員 七〇ないし八〇%でございます。
○渡部(一)分科員 あとの二〇%はどうするのですか。
○穴山政府委員 あとの二〇%は、従来実績的にはいまのようなパーセントの子供が来たわけでございますけれども、できるだけ三歳児検診の必要性というものをPRいたしまして、できるだけ多くの子供が一人でもよけい保健所に来て受診するようにということで努力をしているわけでございます。
○渡部(一)分科員 どういう努力をするのですか、
○穴山政府委員 いろいろな機会あるいはいろいろな場所を通しまして、いわゆるこういった児童福祉の上からいいましても、あるいは子供の健全な発達の上からいいましても、三歳児検診は必要である、ぜひ受診するようにということを周知徹底したい、させたいということでございます。
○渡部(一)分科員 そのための予算は幾ら組んだのですか。
  〔三ツ林主査代理退席、主査着席〕
○穴山政府委員 たとえば母子保健事業推進費の中に、いわゆる母子保健推進員の費用でございますとか、そういったような費用が入っておりますので、そういう費用を活用いたしまして、母子保健事業の推進の一環として三歳児検診をぜひ受診するようにということをやっていきたいと思います。
○渡部(一)分科員 そんなことを聞いているのじゃない。幾らだということを聞いているのです。
○穴山政府委員 市町村母子保健事業育成費としまして約三千五百万入っております。
○渡部(一)分科員 三千五百万円であと二〇%の来ない人を保健所に連れてくることができると思っているのですか、あなたは。ふざけていますよ。厚生省のやることはみんな間が抜けているが、ここの中でも、特に私言っておきたいのは、その三千五百万円ほどで一体何ぼのものができるか、ちょっと考えたことがありますか、あなた。三千五百万円なんというのは、テレビのスポットにしたら、三秒スポットを一月、一日一回ずつやったら三千万円飛ぶんですよ。ビラでまいたとしたら、せいぜい百万枚かそこらでなくるのですよ。それでいいのですか。本気で考えてないから、そんなことを言って平気ですましておられる。さあ、言ってください、あなたの決意を。
○穴山政府委員 金額の問題は少ないかもしれませんけれども、私どもとしても、とにかく児童福祉の問題の基礎には母子保健の推進というものがあり、子供を健全に育てるということについては最大限の努力をしなければいけないと思いますので、今後ともこういったような問題については充実をはかってまいりたいと思います。
○渡部(一)分科員 では、三歳児の八〇%の検診を見込むとして、何人分の費用を組んでいるのですか。何%分の費用を組んであるのですか、今期予算で。言ってください。
○穴山政府委員 約百三十万でございます。
○渡部(一)分科員 それは何%なんですか。
○穴山政府委員 大体、全体が百九十万ぐらいでございますから、約七〇%であります。
○渡部(一)分科員 さっきのあなたの言うことと違うじゃないですか。あなたはさっき八〇%と言われた。これは六八%ぐらいじゃないですか。そこでまた一〇%ごまかしたじゃないですか。予算は六十何%しか組んでない。検診を本気でやる気がないじゃないですか。あなたがそうやってぼんやりとした、いいかげんな号令を出している間に、子供は、じん炎、ネフローゼ一つだけとって言いますよ、それでばたばた死んでいくじゃないですか。子供の命を預かるお役所だったら、もう少し本気になったらどうですか。そして本気であなたが三歳検診が大事だと思ったら、なぜ保健所にもっといらっしゃいというための特別予算を組まないのですか。どっちみち本気じゃないじゃないですか。最大限来て六八%の子供しかめんどうを見ない。あとの三二%の子供はどうでもよい。あらわれているじゃないですか。予算の中にあなたの行政的態度があるのですよ。どうするのですか。
○穴山政府委員 私のほうでは決してこの問題について重要性を軽く見ているわけでもございませんし、三歳児検診の重要性、あるいはそこにおける尿検査の必要性というものは、前から先生の御指摘もございますし、私どもも十分に配慮するつもりがあるわけでございまして、今回実績をもとにしたような形で予算を組んでいるわけでございますが、将来ともこの充実にはさらに努力をしてまいりたいと思います。
○渡部(一)分科員 そんな答弁では話にならないのは、大臣お聞きになっておわかりいただけると思います。大臣、これはどうお考えでしょうか。私は大臣の見解を伺いたい。この尿検査の問題は、これで足かけ四年になりました。同じことをこんなに何回も言ったためしはありませんけれども、ようやくやっとこさっとこ今期予算では尿検査を全国的に号令してやらせようという姿勢になりました。それは私は厚生省の態度はたいへんけっこうだと思う。四年かからなければ動かない行政組織、それに大体問題がある。やっとやれるというので私は安心して、質問を今度やめようかと思った。ところが、やってみたら、必要な金額の六八%しかない。あとの残りの人をかき集めるための熱意ある行政的態度が見えない。これは私はとんでもない失態ではないか、こう思うわけですね。三歳検診は尿だけではありませんし、子供の病気を早期に発見するために非常に大事です。三歳検診どころか、三カ月検診、そういうのも含めて早期に、子供を大事にするという方針は、政府が本気になって取り組まなければならない問題だと私は思うわけでありまして、そういうものに対する大臣の、今後こうしたい、あるいはその決意、そういったものを伺いたい。
○齋藤国務大臣 いまの質疑応答を通じまして、私も渡部議員の意見と同意見でございます。これはもうほんとうに真剣に取り組まなければならぬ重要な問題だと私は思います。せっかくここまで来年度予算において入れることにしたわけでございまして、その点は私も前進であったと思いますが、いまいろいろ質疑応答の中でありましたように、残りのものをどうするか、四千万円で足りるか足りないかというような御質疑等もあったわけでございますが、私もこの問題については責任をもって全面的にやれるように努力いたします。したがって、予算で足りないようなものが出てくれば、どこか既定の予算の中でやりくりでもするとか、何とかしなければおさまらぬだろうと私も思いますから、渡部君の意見につきましては全面的に賛意を表し、全面的に努力いたします。
○渡部(一)分科員 ただいまの御答弁を了としまして、次にいきたいと思います。
 では今度は、小児慢性じん炎、ネフローゼ治療費として、四十八年度から三億八千万円の予算が計上されているという御説明でありましたが、私が厚生省所管予算の概要についての御説明の数字の中を拝見いたしますと、昭和四十七年度予算で五千万、昭和四十八年度予算で三億八千万、差し引き三億三千万のプラスであり、二分の一の補助を行なう対象は六百三十八人から三千二百八十六人にふえたというふうにここに書いてあるわけでございますが、そのとおりでありますか。
○穴山政府委員 そのとおりでございます。
○渡部(一)分科員 じん炎、ネフローゼの子供の総数はどれぐらいになると思いますか。
○穴山政府委員 従来学者の意見では、大体五千人ぐらいいるというような説がございます。
○渡部(一)分科員 昨年度の厚生省の資料では七千人と書いてありますが、どうしてそんなに減らすのですか。
○穴山政府委員 従来の学者の説は五千人という説がありまして、それから東京都で実態調査をして推定をしたのは、大体七千人ぐらいではないかという数字があとから出たそうでございます。
○渡部(一)分科員 そのお話を詰めるあれがありませんけれども、そういう数字はいいかげんです。ひとつ参考に申し上げておくと、神戸市で発見されたじん炎、ネフローゼの多少ともの障害児は、約三万人ぐらいいるであろうと推定されております。これは三百人に一人という高率であります。これほどの人数でいきますとどういうことになるかというと、三十万や四十万というきわめて大きなランクになるのではないかと思います。もちろんそれは非常に軽い者も含んでいると思います。私、こういう統計に乗っかってこの数字をきめてしまうという危険性を感じているわけなのですが、そのことを言っているひまがありませんから次のことを言いますが、この数で一体足りるのかということなのですね。要するに、いままでの厚生省の見方でもこういうことになるわけですが、たいへんたくさんなじん炎、ネフローゼの方々がいらっしゃるが、それを一体そんな数で、たとえば五千人といたしましょうか、五千人といたしましても、もし三千二百八十六人だけ対象にしていて、これで足りるかということです。
○穴山政府委員 いまの先生のおっしゃった数字は軽いのも入っているというお話でございますけれども、私どものほうでこれの対象にしておりますのは、六カ月以上入院の長期の子供ということで推定をいたしまして数字を出したわけでございます。
○渡部(一)分科員 これは大臣に申し上げておきたいのですが、私のおります兵庫県において、病棟が一ぱいで政府のこういう補助金というものがもらえないから、君は六カ月で帰りたまえというので追い出されて帰る、そういう人たちがすでに起こっております。今回まあふえたわけでありますが、そういうふうに追い帰されることのないように、先ほど尿検査で大臣がおっしゃっておりましたように、特別会計やあるいは補充の予算からこういう人々に対しては予算を支出をするという、そんなことができるかどうか、それをお伺いしたいと思います。
○齋藤国務大臣 このネフローゼの問題は、非常に医療費もかさむというようなことで非常にやかましい問題であることは、私も十分承知いたしておりますが、軽微のものまで全部やるというわけにはこれはいかない。率直に言って、なかなかできないと思います。ですから、そういう意味において、そういう入院六カ月ということでしぼりをかけてやっているわけでございます。いまのところ、昨年に比べますと、六百三十八人から三千二百というふうに飛躍的に拡大をしたわけでございますから、もう少し実施の状況を見ましてひとつ善処をいたしたいと思います。
○渡部(一)分科員 それから、じん臓病にはいい医者の不足というのが決定的なようでありますが、難病というわけにもいきませんし、そうかといって、専門的なお医者さんが非常に少なくて誤診が非常に多いといったことが現実的な問題であろうと思います。そこで、腎炎、ネフローゼ児を守る会等の主要な要求の一つとして、じんセンターのような教育研究機関を設けていただきたいという強い要望があるわけであります。これについてひとつ御検討いただきたいと思いますが、いかがでございましょう。たとえて言いますならば、大阪の星ケ岡厚生年金病院などでは、じん炎の患者のために設けてありますベッドが五十もあいておる。患者がいないのでそうなっているのではなくて、お医者さんがいないという状況でそんなことが生まれておるのであります。これをぜひお考えいただけないでしょうか。
○滝沢政府委員 先生のじん炎に対する御理解からいきますと、おっしゃっている意味は、かなり広い、言うならば、たん白が出るから、おまえじん臓が悪いぞという程度ではなくて、かなり専門的な診断が的確に下せる医師の養成ということであろうと思います。そういう意味でございますと、かなり専門的な施設が必要でございます。国立の循環器センターを大阪に四十八年度から着手することになりました。これは当然じん炎の問題も取り扱いますけれども、もちろん、従来ございます国立の小児病院等、全国に普及しつつございます小児専門病院は、子供のじんの問題についてはやはり最終的な的確な判断を下す場所でなければならないと思います。先生の御提案のじんセンターというものは、おとなと子供と両方含めたいわゆるじんの専門センターだと思います。これにつきましては、私のほうは、国立の大阪病院と、それから東京都にございます国立王子病院、これにそのセンター的な機能を持たすように逐次整備していきたい。そういういわゆる国立病院一般機能の中に特殊にじんの問題について取り扱う――ただ、この中にやや人工透析等を中心にしたニュアンスがございます。しかし、人工透析もやれる、そしてまたそこで医師の訓練もやれる施設というのは、やはり先生のおっしゃるじんセンター的判断と機能がなければ人工透析もできないわけでございますから、大阪病院あるいは王子病院のじんセンター的な機能というものでは不十分かもしれませんが、これによってわが国のじん問題についてはかなり医師の研修の場にはなり得る、こういうふうに思っております。
○渡部(一)分科員 研修の場になる程度のものでなくて、いまの場合は非常に誤診率が高い。明らかに誤診のために死亡した相当数の人がいる。またそれに対して判断が的確でない。ぐるぐる回されて変な治療を受けてしまったという場合も非常に多い。基礎的な的確な治療が必要であるという立場から、研究の質のレベルを急速に引き上げることが必要であるという観点から、いままでのものを補強するというような意味でなくて、じんセンターとして特別の研究機関を一つつくったとしても、たいした費用じゃないのですから、そういう方向を前向きにひとつ検討されたらいかがかと私は申し上げておるわけです。お伺いいたします。
○滝沢政府委員 先生のおっしゃるようなずばりのものは、いまのところ具体的な計画はございませんけれども、やはりそこで研修という問題に結びつきますが、そういう特定なものを全国に何カ所つくったら、全国の患者さんがほんとうにじんの問題でたよれる場所になり得るかとなりますと、それは専門的にじんだけを診断できる場所をつくらなければいかぬかどうか、この問題も含めまして検討させていただきます。
○渡部(一)分科員 大臣の御答弁を求めます。
○齋藤国務大臣 お尋ねの点は、じんに対する医療水準を高めるという意味においてこのセンターを考えたらどうか、こういうようなお尋ねのように理解をいたすわけでありますが、十分私も検討をいたしたいと思います。
○渡部(一)分科員 それでは、はなはだ不満足ではありますが、一年前に前大臣にお約束をしたことについて確認をいたしておきたい点がございます。
 それは、国公立の病院において、その病院の中で養護学校あるいは養護学級をつくろうとする場合、学校を建設するほうの市町村あるいは文部省の側で、厚生省に対して土地の提供を――病院が終局的には厚生省に求めておるというケースがあるわけであります。ところが、この学校の費用を――押し問答している時間がありませんから、私がどんどん申し上げますけれども、実際的に学校をつくる敷地を求めるにあたりまして、時価でなきゃ売らぬという強烈かつ残忍なる方針が厚生省のほうにおありのようでありまして、学校を建てる側が建てられないという状況があります。名前をあげてみますと、愛知県の大府養護学校、熊本県の黒石原養護学校、兵庫県の上野原養護学校、静岡県の天竜養護学校等でありますが、これは建てることができない。というのは、時価で現在――三分の二の補助が行なわれているわけでありますけれども、それにしても高過ぎるというので、たいへん閉口しているわけであります。ところが、この問題について私は当時の大臣にお願いいたしましたところ、正確に言いますと、「いまおっしゃいますような養護学校を急速に増設をしなければならないということについては、私もその必要性を感じております。ただいまお話を伺いまして思いますことは、そういう場合に、国が地方に対して、あるいは敷地の獲得においてどれだけ援助をするか、これは結局国の姿勢を示すわけでございますから、国立療養所の土地は安くやれとかなんとかいうのではなくて、どこの土地であろうと、国の援助というものを大きくするということが先決であろうと思います。そういう意味で、私のほうと文部省と話し合い、大蔵省等に話をいたしまして、今後、養護学校がいままでよりももっと関係公共団体が協力をしてくれるのにふさわしい体制をつくるように努力をいたしたい、かように思います。」そういう御答弁であります。その後一年たちました。それで、この御努力は行なわれておりません。前の大臣のやったことであずかり知らぬとか、全くこれはおれは知らぬ、前の大臣は悪いやつだったとかなんとか言うのなら、また話は別でありますが、これを大臣は、こういう学校が建ちにくいといって地元が騒いでいる問題についてどういうふうに責任をおとりになるか、お伺いいたします。
○滝沢政府委員 この問題につきましては、先生御指摘の例示された中には国立以外の問題もございますが、私たちがいま文部省その他の関係と現地で話し合いが進んでおります事例を端的に申し上げますと、すでに敷地の確保が話し合いできまったものが五カ所ございます。それから、売り払い等について国立の施設と県の間で話し合いが進められておるものがやはり五カ所程度ございます。全体として計画の中で考えられるものが、私の手元の資料では二十二ございますが、その中には公立関係の病院等が四カ所含まれておりますので、私の直轄の国立療養所の関係では、十八カ所が一つの養護学校を設定する予定の国立の療養所ということで、手元にいま資料があるわけでございます。
 で、先ほど御指摘の前大臣の御答弁以来のことでございますが、具体的に、われわれとしては、先生の御例示になった四例が困難であるという点と、この手持ちの資料との間の突き合わせがまだできないので、的確にお答えできませんが、この中で若干の減額措置について御希望になっておるものが二、三ございますので、この点についてはその必要性を十分検討いたしまして具体的に対処いたしたい、こういうふうに考えております。
○渡部(一)分科員 「減額譲渡又は貸付」については、そうすると、国有財産特別措置法に「普通財産は、左の各号に掲げる場合においては、当該各号の地方公共団体又は法人に対し、時価からその五割以内を減額した対価で譲渡し、又は貸し付けることができる。」、こうございまして、その中に「ハ 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条又は第九十八条に規定する学校(以下「学校」という。)の施設」という規定でありまして、五割まで下げられることになっているわけですね。これまでは厚生省は下げられたことはなかった。いま局長の御答弁を聞いていると、これからは相当まけると、こういう意味でございますか。
○滝沢政府委員 この点につきましてはかなり、先ほど申しましたすでに五カ所がある程度契約的な段階まで来ている、それから話し合いが進められているものが五カ所、この中で減額措置を具体的に御希望になっているものが二カ所ほどございますので、こういう問題については、減額の理由を明らかにしまして、それが十分考慮すべきものならば、この法律に基づいて減額をしたい、こういう気持ちでおります。
○渡部(一)分科員 いま局長はああいうように言われましたけれども、これは大臣、時間がなくなりましたから私は最後に申し上げておきますが、これは文部省所管の分科会でもやりたいと思うので、そっちのほうにもついでに出てきていただきたい。ということは、いままではまけた例がない、まける気もなさそうなんです。それは、おたくの省からいろいろ伺ったけれども、ない。その後一年たったけれども、局長の言ったことがそれがもしほんとうなら、それでいい。養護学校は全国で、文部省特殊教育課のつくりました作成計画によると、養護学校設置七カ年計画によれば、昭和五十三年までの間に約二百五十校をつくる計画になっている。ところが、その二百五十校のうち、できたのは、四十七年度において四つである。こんなものでは、あともできないのがあたりまえで、毎年四十校ぐらいずつつくらなければならないのですからね。そういう計算が全くできていない。だから厚生省と文部省の間で、養護学校については押し合い、へし合いしている。ところが実際問題としては、養護学校というのは、子供の治療の場合には、勉強させるというだけではなくて、子供の病気をなおすときには、学校というものをつくることが非常に大きな治療効果を持っておる。これは大事な問題なんですね。ところが、両省の間で、いつも谷間のようにして、まま子みたいにしてこの問題を扱っておるのは、許されぬことだ。これは、大臣、この養護学校の設置七カ年計画を、こんなものは文部省だけでつくるわけにはいかぬのだから、ひとつ積極的に取り組んでいただいて、もっと確たるものを厚生、文部両省の間でつくっていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○齋藤国務大臣 養護学校の設置の必要なことにつきましては十分理解をいたしておるわけでございまして、それが土地の処分価格の問題からそういう設置が妨げられているということであれば、これは何とか解決の道を探さなければならぬ、私はかように考えておるものでございますので、今後文部省とも十分相談をいたしまして、具体的にひとつ処理してまいるようにいたしたいと思います。
○渡部(一)分科員 では終わります。
○倉成主査 以上をもちまして、昭和四十八年度一般会計予算及び昭和四十八年度特別会計予算中厚生省所管に対する質疑は終了いたしました。
 明七日は、午前十時より開会し、労働省所管及び自治省所管について審査を行ないます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後五時九分散会