第072回国会 内閣委員会 第8号
昭和四十九年二月二十六日(火曜日)
    午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長 徳安 實藏君
  理事 小宮山重四郎君 理事 野呂 恭一君
   理事 服部 安司君 理事 上原 康助君
   理事 大出  俊君 理事 中路 雅弘君
      越智 伊平君    大石 千八君
      笠岡  喬君    近藤 鉄雄君
      羽田  孜君    旗野 進一君
      林  大幹君    箕輪  登君
      吉永 治市君    横路 孝弘君
      吉田 法晴君    和田 貞夫君
      東中 光雄君    鬼木 勝利君
      鈴切 康雄君    受田 新吉君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      小坂徳三郎君
 出席政府委員
        内閣官房内閣審
        議室長兼内閣総
        理大臣官房審議
        室長      亘理  彰君
        内閣総理大臣官
        房総務審議官  佐々 成美君
        日本学術会議事
        務局長     高富味津雄君
        宮内庁次長   瓜生 順良君
        皇室経済主管  野本 松彦君
        科学技術庁原子
        力局次長    伊原 義徳君
        文部省社会教育
        局長      今村 武俊君
        労働省職業安定
        局長      遠藤 政夫君
        建設省住宅局長 沢田 光英君
 委員外の出席者
        内閣総理大臣官
        房参事官    小林 功典君
        科学技術庁計画
        局計画課長   安藤  寛君
        科学技術庁原子
        力局放射能課長 吉村 晴光君
        外務大臣官房儀
        典官      野村 忠策君
        文部省初等中等
        教育局小学校教
        育課長     島田  治君
        文部省大学学術
        局大学課長   大崎  仁君
        文部省管理局教
        育施設部長   菅野  誠君
        文部省管理局教
        育施設部助成課
        長       西崎 清久君
        厚生省社会局生
        活課長     田川  明君
        労働省職業安定
        局業務指導課長 加藤  孝君
        建設大臣官房官
        庁営繕部営繕計
        画課長     大屋登美男君
        自治大臣官房参
        事官      栗田 幸雄君
        自治省行政局振
        興課長     田中 和夫君
        内閣委員会調査
        室長      本田 敬信君
委員の異動
二月二十三日
 辞任         補欠選任
  東中 光雄君     瀬長亀次郎君
  鈴切 康雄君     岡本 富夫君
同月二十五日
 辞任         補欠選任
  藤尾 正行君     松浦周太郎君
  岡本 富夫君     鈴切 康雄君
同日
 辞任         補欠選任
  松浦周太郎君     藤尾 正行君
同月二十六日
 辞任         補欠選任
  竹中 修一君     箕輪  登君
  地崎宇三郎君     羽田  孜君
  丹羽喬四郎君     林  大幹君
  三塚  博君     越智 伊平君
  瀬長亀次郎君     東中 光雄君
  折小野良一君     受田 新吉君
同日
 辞任         補欠選任
  越智 伊平君     三塚  博君
  羽田  孜君     地崎宇三郎君
  林  大幹君     丹羽喬四郎君
  箕輪  登君     竹中 修一君
  東中 光雄君     瀬長亀次郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件.
 皇室経済法施行法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一二号)
 総理府設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一六号)
     ――――◇―――――
○徳安委員長 これより会議を開きます。
 皇室経済法施行法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、去る二十一日までに質疑を終了いたしております。
 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
○大出委員 皇室経済法施行法に関しまして、わが党の態度を明確にさしていただきたいと思います。
 何よりもこの委員会は、憲法に定められました、今日の新憲法下の皇室の置かれているお立場ということから、これが客観的にも、あるいは主体的にも、政治的に利用される、あるいはそう受け取られるということがあってはならない、こういう立場で進めてまいりました。
 すでに何回か、この委員会で、さきの増原問題にしても、あるいは昨年二月前後に起こりました訪米問題をめぐりましても、再三議論をいたしてまいりました。
 ところが、今回、そういう上に立って、なおかつアメリカにおきましての大平・キッシンジャー会談等をめぐりまして、また、旧来の、せっかくこの委員会で詰めました方向があるにもかかわらず、客観的には、政治的な面に大きな影響を与えるという意味での心配をせざるを得ない事象が起こりました。
 したがいまして、そういう観点から、まず第一に、今回は、皇室にかかわるこの種の問題について、賛成の態度をとりがたいということになりました。
 もう一つは、何回も、これは皇室経済法にかかわる案件の審議をしてまいりましたが、宮廷費にしても、あるいは内廷費にしても、内廷費支弁職員のたとえば給与の単価あるいは個別単価等につきましても、きわめて不明確でありまして、確かにインフレが高進した二カ年間のアップをしていないという空白があることは、わからぬわけではありませんが、一〇%の予備費というものが、一体どう使われているのか、これも明確ではない。また、答弁の中では、足らなければ預金からというお話まで出てくる。何人かの同僚委員から、単価を明らかにせよということも何べんか申し上げましたが、依然として明らかにならない。英国内における議論等もございまして、王室あるいはその経費が、はたして妥当かどうかという海の向こうの議論がございます。国民の税金であり、国費でございますだけに、そこらのところの判断も明確でないままに、にわかに賛成をすべきではないのでございます。
 したがって第二点は、そうした意味で賛成をし得ないという結果になりました。いまから来年に向かいまして、そこらの点についても、さらに詳細な検討を必要とする、こういう態度で進めていくことになりました。
 大きな理由といたしましては、以上二点の理由をあげまして、今回は反対をいたします。態度を明確にいたしまして、討論を終わります。
○徳安委員長 中路雅弘君。
○中路委員 今回の皇室経済法施行法の改正の理由の、最近の経済情勢にかんがみて必要と認めたとされておりますその根拠が、昭和四十三年十二月二十六日の皇室経済に関する懇談会で確認された物価事情、公務員給与の改定状況等に基づいて算出する増加額の見込み額が、定額の一〇%をこえる場合に改定を実施するという方針によるものとされています。
 天皇家の日常の費用をまかなう内廷費は、憲法に定める国事行為を行なう象徴天皇としてふさわしい品位を保持するに必要な範囲で考慮されなければならないと考えますが、この点から、今回の増額が妥当なものであるかどうか、当委員会の質疑を通じても、十分な根拠や資料が示されていません。
 これまでの内廷費及び皇族費定額変更の推移を見ますと、年々大幅に増額されており、この十年間で二倍以上になっています。いままでの皇室経済費は、いわば象徴天皇としての特別公務員とも言える職に必要な経費としては高いと考えますし、物価が上がったからといって、直ちに上げるのは妥当でないと考えます。
 天皇の政治的利用や、あるいは天皇元首化というもくろみも進められようという意図が執拗に画策されていますし、また、今日、わが国の経済のいわゆる狂乱状態によって、国民は悪性インフレと物不足のため、終戦時にも匹敵する深刻な事態に置かれています。その政治責任をきびしく問われている政府が、根拠も十分明確にせず、大幅に増額することに同調するわけにいきません。
 以上の理由から本法案に反対するものであります。
○徳安委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 皇室経済法施行法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○徳安委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと任じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○徳安委員長 御異議なきものと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○徳安委員長 次に、総理府設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴切康雄君。
○鈴切委員 今度の総理府設置法の一部改正は、四月十日に落成式を迎えようとする迎賓館を、総理府の付属機関として設直するということと、もう一つは、総理府の付属機関中、同和対策協議会の設置期限を昭和五十四年三月三十一日まで五年間延長をするということであります。
 そこで、まず迎賓館がいよいよ落成式に至った経緯について、今日、赤坂離宮を改修されて迎賓館にされたわけでありますけれども、その理由と、それに伴う建設工事等の予算について、どのようであったかということについて、詳細な御説明を願いたいと思います。
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。
 この迎賓館につきましては、昭和三十八年五月と昭和四七二年七月の閣議決定に基づきまして、国賓とそれに準ずる賓客を接遇するために、赤坂離宮を改修して、国の施設として迎賓館を建設するということが定められたわけでございます。
 四十二年八月にその基本方針がきまりまして、そして四十三年から着工いたしまして、本年の三月末に完成する予定になっております。
 この赤坂離宮を改修して迎賓館にするということは、諸外国でも同じでございますが、歴史的また文化的な価値の商い建造物を、迎賓館として利用しているところが非常に多いわけでございます。
 また同時に、当時決定の基本的な考えの中に、この赤坂離宮は、明治時代のあらゆる科学技術の粋を集めて建設したという歴史的にも由緒のある、技術的にも由緒のあるものであるということから、赤坂離宮を迎賓館として活用するという方針が定められたと聞いております。
 なお、今日まで九十六億円の建設費が投入されております。
○鈴切委員 三十八年の五月七日に迎賓館建設についての閣議決定がなされ、四十年度に調査の工事が行なわれ、その後、四十三年度から工事の着工がなされたわけでありますけれども、四十三年から四十九年にわたると思いますけれども、大体年度別に、どれぐらいの営繕費がかかったか、それについて……。
○佐々政府委員 四十年度に調査工事費として千四百九十万円、四十三年度に工事費として四億一千万円、四十四年度が三億九千七十万円、四十五年度が五億円、四十六年度が十四億円、四十七年度が三十二億円、四十八年度が三十六億四千百八十六万円、それが現在までの工事費でございますが、現在、御審議をいただいております予算の中で、四十九年度分といたしまして一億五千万円を計上しております。それをトータルいたしますと、九十七億七百四十六万円でございます。
○鈴切委員 四十三年度から工事が着工されたわけでありますが、四十三年度の工事着工と同時に、それから毎年予算が計上されております。私は、なぜ、四十三年度の、工事が着工される前に、今度の総理府設置法の一部改正の法案を提出しなかったかという問題で、非常に承服しがたいものがあるわけです。当然、法案を出されて、その内容を、担当委員会において検討をして、それが適当であるかどうかということを、その場所で検討した上において、これから何年後に総理府の付属機関となるということを明確にした上において、法案を出すべき筋合いのものではなかったかというふうに私は思うわけですけれども、その点については、どういうふうにお考えですか。
○小坂国務大臣 鈴切委員の、そうした御意見は、私もよくわかります。しかし、残念ながら今日まで、そうした手続なしに、建物としての迎賓館だけが、予算の御審議をいただいて、どんどん進んでしまってきて、そして建物ができるその時点になって、これを機構として、行政的にどう位置づけるかということが議題になって、そして今回、御審議をいただくことになっていると思います。
 私は、そのようなことは、あるいは御指摘のように、もっと前から、当然、総理府の一機構としてやるならやるということをすべきであったとは考えますが、今日に至ったというのが、私は真相だと思います。
○鈴切委員 迎賓館の問題でありますから、これに対する法案として、内容的にどうのこうのという問題は起こらないというふうに私は思っております。しかし、もし万が一、この法案が通らなかった場合、どういうふうになりますか。
○小坂国務大臣 これは、ぜひお願いをして、通させていただきたいと思いますから、よろしくお願いします。
○鈴切委員 いや、通してくれということは、これは国会の意思でありまして、たとえて言うならば、かつて農業大学校というのが、やはり同じようなケースで審議をされたことがあります。そのときに、国会の意思として、農業大学校については、これができて法案が出たわけでありますけれども、この農業大学校については、たしか継続審議か何かになりまして、法案が通らなかったことがあります。そのときに、農林省のほうにおいては、たいへんに困って、たしか、それを農業研究施設等で運営をした、そういう例があるわけです。
 となりますと、迎賓館はできた、いよいよ国賓、公賓を迎える段階において、付属機関もきまらないというような、もし、いま総理府がやっておられるような法案の出し方をされますと、万が一に、そういうふうな状態になった場合、これは、どういうふうな形になりましょうか。結局どこの官庁とも関係のない、そういうような状態になってしまう、そういうことも考えられるわけですが、その点について、私は、先ほど申し上げたように、すでに四十三年度の予算がついた時点において、総理府設置法の一部改正という段階でこの法案を出されて、そしてやるべき筋合いのものであったと思うのですが、今後、こういうような問題等が起きた場合に、総理府としては、やはりこういうような状態で法案の提出をされるのかどうか、それについて……。
○小坂国務大臣 鈴切委員の御指摘の点は、非常に重要なことであることはよく理解いたします。また、今後は、このような建物が先に進むようなやり方はいいことではないと考えておりますから、総理府に関する限り、今後は、このようなことをしないようにしてまいりたいと考えております。
○鈴切委員 四十三年から予算を組んでおるわけでありますけれども、政府の答弁は、そのつど、予算審議を仰いでおるから、法案はあとでよいというような答弁を繰り返してきておるわけであります。しかし、予算審議でやっていることは、言うならば、これは国政全般にわたっての国政審議の場所であって、個々の問題については、非常に問題点があるにもかかわらず、迎賓館というようなこういう問題について、審議の的がそこへいくということは、ほとんどないといっても過言でないわけであります。
 そこで、結局でき上がってしまったものに対して、付属機関として総理府の所属にするというようないき方は、本来の姿ではない。現在は、たとえば野党が反対をしても、与党である自民党が多数をとっておりますから、強引に通そうということになれば、それはできないことではないかもわかりません。しかし、それは、やはり国民の考え方、意思というものを踏みにじってしまうという結果になるのではないか、それを非常に心配するわけです。そこで、私は、法案というものは、やはりそういうふうな性質で出してくるべき筋合いのものであると思うわけであります。
 具体的なお話をお聞きするわけでありますけれども、この間、私ども迎賓館を視察さしていただきました。行ってみまして、私ども、たいへん参考になったわけでありますけれども、洋館のほうと、もう一つ純和室を中心とした建物と二つあったわけであります。私、気がついた点でございますけれども、和室の、池のちょうど正面に向かうところの、言うならば最も大切な部分の鏡天井が、つぎはぎになっているような印象を受けたわけでありますが、建設省の営繕課の方が来ておられると思うのですが、どうしてああいうやり方をしたかということをお聞きしたいのです。
○佐々政府委員 建設省が来ておりませんので、責任ある答弁にはならないと思いますけれども、私がその場で聞いた営繕のほうの話では、非常に長い板でございまして、そのような長い板を、一枚の板で用意するのは非常に困難であるから、それを途中で継いで二枚の板にした、つまり、材料の関係でやむを得ないものであるというふうな話を、たしか聞いております。
○鈴切委員 私も、やはりそういうほうの商売人であったわけですが、通常、たとえばああいうところに使う鏡天井には、あれぐらいの長さの場所において継ぎはぎをするなんということは、おそらく普通いい建築の中においては考えられないことなんですね。それが、ちょうどまん中において、一番見える天井の上において、鏡天井とそれから化粧たるき、それが両方とも継ぎはぎになって、一つの線がずっと出ておるわけです。あのようなことは常識では考えられない。
 少なくとも迎賓館であるというのならば、各国の国賓あるいは公賓がおいでになる。しかも、日本の木の味わいというものを十分に生かしたところをお見せしようという場所において、実際に長さが長いからといって、それができないというのは、いま現在の建築の問題で解決できないということじゃないのです。言うならば、あれは張り板でありますから、一枚でそれをとったというならばいざ知らず、ベニヤみたいなかっこうで張り板になっておるわけでありますから、当然、ああいうものは、一枚でやるべき筋合いのものであった。それを継ぎはぎにして、非常に見苦しい状態になっている。
 そういう問題等は、そのとき法案が出されてくれば、当然、設計書等から見て、これは、おかしいんじゃないかということが言えるんですよ、実際において。いま、できてから、それじゃ取りかえようといったって、なかなか取りかえることはできないんですよ。建設省の営繕課の方来ておられますか。――それじゃ、ちょっと説明願いたい。
○大屋説明員 営繕計画課長でございます。
 いま、先生のおっしゃいましたことは、私ども十分まだ検討しておりませんでございました。これは、御存じかと思いますけれども、谷口吉郎先生という建築の大家に設計をお願いしておりますけれども、その施工の状況につきましては、当然、私どもが管理しておりますけれども、その設計と管理とのかね合いの問題もございまして、これから設計を十分検討して、この設計では、当然そういう結果になるのかどうかといったことまでは、調べが行き届いておりませんでございましたので、この際、その辺も含めまして、十分検討したいと考えております。
○鈴切委員 普通の民間のいい建築であれば、当然、あそこの正面の池の前の、最も目につく場所における鏡板というものは、決してああいうふうな継ぎはぎはしないものなんです。ところが、われわれが一目見て、はっきりと継ぎはぎができているというような状態の設計をされるほうもどうかと思うし、それをのんびりと、それでいいということでもしやったとするならば、日本建築に対して――非常に多くの方々か来られて、当然あの場所に来られてくつろがれるときに、天井を見られない方はおそらくないでしょう。また、一番目立つところに、そういうような状態のものがあるわけであります。
 九十七億円という膨大な予算をかけて、そしてタイル一つつくるにしても、フランスのタイルと違うということで、たいへんに御苦労されて、それでも、まだ外国のタイルとはたいへんに質が違うという状態であっても、それはよく見えないところにあるから問題はないのです。ところが、和室の一番いいところにつくられる鏡天井に、それが、長いから絶対にできないというようならば、それは私ももっともだと思うのですが、しかし、あれぐらいの長さであるならば、いまの製材技術、いわゆる合板技術において、絶対にそんな継ぎはぎをつくるようなことはしなくても十分済む、私は、そのように思うのです。
 ですから、もう一度よく現場をあなたはごらんになって、私が言ったことが正しいか正しくないか――おそらく、あの場所へ来て、あのような継ぎはぎを見たときに、ほんとうに、ああ、こんなにりっぱに九十七億円も金をかけた中において、こういう欠陥かあるのだということを――私は、見出したから、きょう申し上げるのであって、そういうことを考えたときに、総務長官、私は、こういうところで、こういう設計のもとに、今度は迎賓館ができますということを、昭和四十三年度に、もしもそういうことがなされておったならば、こういう委員会において検討されておったならば、あるいは未然に、おかしいじゃないかということが言えたのではないかと思うのです。
 だから、私は、こういうふうな問題については、やはり総理府設置法を早く出されて、そして予算を組まれるときに、すでに付属機関として総理府が責任をもって監督をすべきではないか、そういうふうに思うのですが、もう一度、それではお聞きしましょう。
○小坂国務大臣 鈴切委員に、まず最初にお礼を申し上げなくちゃいけないのでありますが、先般、理事の皆さん方が現場を見てくださった、これは、私、非常にありがたく存じております。
 また、ただいまのような御指摘も、全くそのとおりでございまして、こうした国家的な仕事をする場合に、やはり事前に、いろいろと有識者の方々の御意見も伺ったり、国会の御意向もよく伺ってやるのが、ほんとうだと思います。
 今後は、またこのようなことを繰り返さないように、先ほど御答弁申し上げましたとおり、総理府に関する限りは、十分配慮してまいりたいと思います。
○鈴切委員 それでは、先に進みたいと思います。
 いよいよ四月十日に落成式を迎えるわけでありますけれども、四月十日にオープンできるかどうかという見通しですね。当然、四月十日にオープンできるだろうということで皆さん方おやりになっているのですが、その見通しはいかがでしょうか。
○佐々政府委員 オープンできる見通しでございます。
○鈴切委員 今度の迎賓館については、この設置法の内容を見ますと、国賓及びこれに準ずる賓客の宿泊等を含めての接遇というふうにありますけれども、この国賓とか公賓とかいう方々の基準というものを、どのように置いておられましょうか。
○野村説明員 外務省の官房儀典官の野村でございます。御答弁申し上げます。
 国賓とは、一応このように私ども定義をしておるのでございます。「政府が儀礼をつくして公式に接遇し、皇室の接遇にもあずかる外国の賓客をいい、元首、首相その他これらに準ずる者であってこの待遇を適当とする」、そしてこれが閣議で決定されたものが国賓でございます。
 それから公賓とは、「国際礼儀に照らし相当の接遇を供する外国の賓客をいい、皇族、閣僚その他の者であってこの待遇を適当とする」、そしてこれは、閣議で了解されたものということになっております。
○鈴切委員 それでは、国賓というのは、いわゆる閣僚決定をする、それから公賓というものについては、一応閣議了解というふうに了解してよろしゅうございましょうか。
○野村説明員 そのとおりでございます。
○鈴切委員 いま御説明がありました中で、元首、首相、これは、わかるわけであります。しかし、「その他これらに準ずる者であってこの待遇を適当とするものにつき、」の「その他これらに準ずる者」というのは、どのように判断をしておられるのでしょうか。
○野村説明員 たとえば大統領制をとっておる国につきましては、副大統領というものが、これに該当するかと思います。
○鈴切委員 大統領制をとっているのは副大統領だ。それでは、首相の場合には、副首相というのがありますが、そういう場合には、どうなんですか。
○野村説明員 従来の慣例から申し上げますと、副首相は国賓ではなくて、公賓のほうに入れている事例が多いようでございます。
○鈴切委員 副首相の場合は、公賓であるということでありますけれども、その副首相自体の来られる目的、これにたいへん関係があるのじゃないか。やはり来られる目的自体においても、十分配慮をされてしかるべきではないかというふうに思うのですけれども、ただ単に副首相は公賓だと、そのようにきめつけていいのですか。
○野村説明員 もちろん、ケース・バイ・ケースの配慮があってしかるべきと存じますが、一応いままでの事例を申し上げますと、副首相というのは、公賓のカテゴリーに入っていた、こういうことでございます。
○鈴切委員 いよいよ四月十日からオープンをされるということになりますと、本年度においても、すでにポンピドー大統領あるいはニクソン大統領等を含めて、多くの国賓が来日を予定されているわけであります。外務省は、本年度来日を予定されている国賓、公賓は、大体どういう方々がおられますか、その点についてちょっと伺いたい。
○野村説明員 本年度につきましては、大体、来日が予定されております方といたしましては、先ほど先生がおっしゃいましたフランスのポンピドー大統領でございます。
○鈴切委員 ニクソン大統領はどうですか。
○野村説明員 ニクソン大統領につきましては、たしか日米共同声明で触れられておりますけれども、まだ、その日程については、外交チャネルで詰められておりません。
○鈴切委員 来られるということが決定をするということは、外交の関係で最終的には詰めなくちゃならないわけですけれども、大体、来られるであろうというふうにうわさをされている方は、どういう方がおられるでしょうか。
○野村説明員 そのほかには、まだございません。
○鈴切委員 この迎賓館というのは、先ほど総務長官のお話がありましたように、文化的、歴史的に非常に重要な役割りを持った建物であります。言うならば非常に希少価値の高いものである、私どもは、そのように判断をいたしております。ゆえに、日本の国民の中にも、一度迎賓館というものを見たい、見さしてもらいたい、そういう要望は、必ずあるのではないかというふうに思うのですけれども、これにつきまして、公開をされる御予定はおありかどうか、お伺いします。
○小坂国務大臣 たいへんにいい御提案だと私は思います。このような、文化的にも技術的にも価値の高い歴史的な建物でございますので、もちろん四六時中使っておるわけではないと思いますから、こうした賓客の来ない時期には、なるべく多くの方々に自由に参観をしていただきたい。私は、一般公開がいいんじゃないかと考えておりましたが、ただいま、そのような御意見を承って、はっきりと一般公開をしたいという気持ちになっております。
○鈴切委員 一般公開をするについて、御存じのように、国賓とか公賓とかいう方々が来られるということは、あらかじめわかるわけでありますから、当然、ある期間はオープンすることができないということもあるでしょう。しかし、公開をするについては、もっと具体的にいえば、どういうふうな方法で公開をされるお考えであるか、それについて伺います。
○小坂国務大臣 公開をするということは、ことばの意味が少し広過ぎたかと思いますが、いわゆる参観を自由にさしていただくというふうに考えます。なお、その点につきましては、さらに私どものほうで具体的に詰めてみたいと思っております。
○鈴切委員 参観を自由にといいますと、国会見学と同じようなかっこうになるのでしょうか。そういうような状態のオープンになるのでしょうか。それとも、もう少し限定をされた公開というふうになるのでしょうか。
○佐々政府委員 いまから検討したいと思ってはおりますけれども、文化的価値のある建物でもありますし、それから全体の大きさもございますから、そのようなことを勘案いたしまして、それと、参観をされるほうの日時等を、あらかじめきめて差し上げませんと、また、参観をされる方の便宜もございましょうから、そこら辺を勘案して、最もいい方法でたくさんの人に見ていただく、それからいい状態で見ていただく、そういうことで、参観者の便宜を考えたような方法等を総合勘案して、今後、参観の要綱について検討していきたいというふうに思っております。
○鈴切委員 私は、これについて、やはり国民に公開をするということは、たいへんに前向きであるというふうに判断をいたしております。すなわち、建築家にしても、また美術家にしても、たいへんに希少価値の高い建物でありますし、また日本に来られる外国の方々等で、迎賓館を一度見たいという方々もおられるでありましょうから、そういう点について、前向きに検討されるということを私は歓迎するものであります。
 しかし、それにはおのずと節度というものがなくてはならないのではないかということも含めて、この問題をやはり真剣に総理府のほうで考えていただきたい。そして結論を早く出していただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○小坂国務大臣 そのように取り計らいたいと考えます。
○鈴切委員 そうなりますと、迎賓館等に対します、いわゆる管理運営というものについては、今後、どのようにされていくおつもりなんでしょうか。
○小坂国務大臣 これは、いわゆる迎賓館として、また総理府といたしまして、運営については十分責任を持って当たっていきたいというふうに考えます。
 しかし、大衆が、この迎賓館というものに非常に関心を持ったり興味を持ったり、いろいろな動きが今後出てくるんじゃないか、そうしたときには、やはり行政官庁で対応できない場合もあるかもしれませんが、そんなような事態が出たときには、やはり一種のコミッティーといいますか、そうしたようなものもつくって、そして総理府及び迎賓館そのものの運営の、いろいろとアドバイスを受けるということもひとつ考えたらいいんじゃないか。しかし、さしあたりは、ともかく総理府の一機関として運営をしてまいりたいというふうに考えます。
○鈴切委員 私は、やはり国賓あるいは公賓をお迎えするにあたって、失礼があってはならないと思うのです。そういう意味において、ただ官庁にまかしておけばいいのだというのでなくして、少なくとも国賓とか公賓になりますと、外国の方々ばかりでございますから、それに伴う、たとえば宮内庁とかあるいは外務省とか、そういうふうな諸官庁等が、やはりある程度関係をしてくるわけでありますから、そうなった場合に、いますぐというふうな考え方でなくてもけっこうなんですが、各官庁等も含めて管理運営委員会というものをつくって、そしてある程度、合議的な考え方でよりよく運営をしていくというふうな方法が好ましいのじゃないか、そのように私は思うのですけれども、その点について伺っておきたい。
○小坂国務大臣 ただいまの管理運営委員会というものは、さしあたりは考えておらないで、むしろ迎賓館の組織内部、それからまた、総理府と外務省、宮内庁というような、いろいろな関係の中で万全を期してまいりたいと考えております。
 また、そのような必要があるときには、運営委員会設置ということも考えが全くないというわけではございません。
○鈴切委員 国賓が来られるわけでありますが、ポンピドー大統領は、大体いつ来られることになるのでしょうか。
○野村説明員 詳細につきましては、目下フランス政府と詰めておりまして、まだ最終的な発表の段階に至っておりません。
○鈴切委員 何月ごろおいでになりますか。
○野村説明員 おそらく四月だろうと思います。
○鈴切委員 四月ということになりますと、もう四月十日のオープンでございますから、すぐにということになりましょう。そうした場合、その国賓をお迎えをしての接遇のしかたなんですが、どういうふうな接遇のしかたをされるのでしょうか。
○佐々政府委員 外国の賓客の接遇につきましては、これは外務省の主官でございますけれども、迎賓館でお泊りになる、それからそこでいろいろレセプション等も行なわれるという迎賓館の中における宿泊等につきましては、迎賓館で万全を期して接遇をいたしたい、それ以外の、つまり全体の接遇は、外務省が責任を持って接遇するというふうな分野になっております。
○鈴切委員 この間、私が説明をお伺いをいたしましたときに、国賓あるいは公賓がお泊りになると、それは言うならば、宿泊等を含めて非常にブランクな気持ちでお泊りを願ったらどうかというような、そういうような説明等もお伺いをいたしました。
 しかし、御存じのように、寝食をそこでやられるわけでありますから、それに対しての食事とかあるいは接遇のしかたというものに、おのずと考えていかなくちゃならない点もあろうかというふうに思うのですけれども、そういう点について、食事とかそういうものについては、どういうふうなことになりましょうか。
○佐々政府委員 外国の賓客にも、それぞれ御要望なりあるいは御要求なりというものがあろうと思いますが、そこら辺の問題を全部踏まえまして、あの場所で居ごこちよくお泊りいただくということに万全を期したいというふうに思っております。
○鈴切委員 たとえば食事等の一切のまかないを、ホテルとかそういうところの外注にまかせるというような考え方もあるのでしょうか。
○佐々政府委員 食事等につきましては、いま先生からお話がありましたように、外部の業者にこれを委託したいというふうに思っております。
○鈴切委員 外部のホテル業者とかあるいはそういうところにやるわけですけれども、それに対してもうすでに選考が終わったでしょうか。それともどういうふうな選考基準をもっておきめになるのでしょうか。
○佐々政府委員 まだ選考は終わっておりません。選考基準といたしましては、外国のお客を、従来まではホテルが扱っておるわけですが、ホテルの中で外国人客を十分に扱える、いわばそのような内容を持ったホテルを選びたいというふうに思っております。
○鈴切委員 四月の十日にオープンということになりますと、いよいよその迎賓館の館長の選考ということになってくるわけでありますけれども、館長の選考について、いまどういうふうな状態になっておるか、また、その選考基準というものは、どのようにお考えになっておるか、また、その身分というものは、どのような処遇を受けるかということについてお伺いいたします。
○小坂国務大臣 この接遇ということが、きわめて重要なことでございますので、館長の人選は慎重を期さなければならないということであります。そしてまた、国際的な感覚及び体験のある方、また人格が高潔でなければならぬということ、それから識見も十分に備えた方というような面から、現在数人の候補者があがっております。目下、それらの方々の中から選考を、この法案の御審議が済みましたら、はっきりきめていこうということを、われわれ内部的に話をいたしております。
○鈴切委員 法案が通った時点においておきめになるのですか。それとも、やはり四月十日のオープンということになれば、少なくとも一月ぐらい前には、それをきめなくてはならない時期になっているのじゃないかと私は思うのですけれども、その点についていかがでしょうか。
○小坂国務大臣 私も、四月オープンということなので、あるいはそうしたことを考えなければならぬかとは思うのでございますが、しかし、館長の人選は、この法案とはきわめて密接な関係があると思いますので、いまのところは、法案の審議が終了した時点で人選を完了したいという気持ちを持っております。
○鈴切委員 迎賓館のことにつきましては、大要お聞きをいたしましたので、同和対策の基本的な考え方だけについて、お伺いをしておきたいと思います。
 御存じのように、同和対策事業特別措置法が、昭和四十四年に施行されまして、そのとき十年間の時限立法で行なわれるようになりました。それに伴って、同和対策協議会も、関係行政機関と相互に密接な連絡をとりながら今日まできましたが、言うならば、ちょうどその十年の半分である五年のいまの時点にあって、それぞれ各関係省庁密接な連携をとりながらやってこられたわけでありますが、基本的に、同和対策事業特別措置法がきめた内容について、今日までどれくらいの事業が進んできているか、その点についてちょっとお伺いしたいと思います。
○小坂国務大臣 現時点で、いよいよ後半の五カ年に入るわけでございまして、今日までの実績といいましても、この問題は、非常に広い範囲でございますし、特に人権問題等を含んでおりますので、その効果と申しますものも、簡単には測定できないわけでございます。
 しかし、概括的に申し上げれば、予算措置あるいはこうした同和対策事業の推進ということについては、大体計画どおり進んできたように考えます。そしてまた、問題は、今後の問題を展望するときに大事なことは、やはり精神面の問題に大いに力を入れていかなければならない。物的な投資と申しますか、そうしたことは、大体計画どおり進んでおるし――もっとも、これは十分とはいえないという見方からするならば、不十分であるかもしれませんが、しかし、一般の予算との比較や内容的な問題を検討いたしますと、わりに正確に措置法の精神をくみ、あるいはまた、基本法の精神をくんでやってきたと考えます。
○鈴切委員 時限立法の特別措置法が制定されたときに、同和対策事業としての一つの方向性というものが打ち出されてきたわけであります。各省庁それに向かって、いま現在やっているわけでありますけれども、特別、同和対策において、いま現在まだおくれをとっているという点があるかどうか。それからまた、新規事業として、その当時、考えていなかった問題が、いま現在行なわれているかどうかという問題についての具体的な内容。それからまた、おそらく私は、こういう問題を取り上げていきますと、かなり予算的にも大きくふくれ上がってきていると思いますけれども、当初お考えになっておられた状態から、いま現在どういうふうな予算の措置がなされているか。
 いずれにしても、こういう同和対策事業については、先ほど総務長官が言われたように、やはり精神的な面に、十分に満足できるような方向に、政府としては真剣に取り組まなければならないと私は思うわけでありますが、先ほど申し上げましたように、具体的な内容についてちょっとお聞きしたい。
○亘理政府委員 お答えいたします。
 同和対策事業の具体的な内容につきましては、特別措置法並びに四十四年に閣議了解されました同和対策の長期計画の線に沿って、政府、関係各省が協力いたしまして鋭意努力しているわけでございます。
 御承知のとおり、長期計画におきましては、広範な問題にわたりまして基本的な施策の方針を掲げておるわけでございまして、それに従って年々必要な施策が進んでおるわけでございますが、もちろん時代の推移に伴いまして、個々具体的には、いろいろ新しい問題を実情に即して取り上げ、必要な措置を講じておるわけでございます。
 予算的な措置の推移につきましては、年々予算額も非常な勢いで伸びております。それから国庫補助対象事業として取り上げられます事業の範囲も年々広がってきておるわけでございますが、御参考までに予算の伸びを申し上げますと、四十四年に同和対策事業の国の予算は、わずかに二十七億円であったわけでございますが、これが本年、四十八年度におきましては、百五十九億円ということになっております。これは、そのほかに、いわゆるわれわれ一般ワクと申しておりますが、公共事業系統の同和対策費もあるわけでございますけれども、いわゆる特別ワクと申します同和対策事業、特別に予算編成の段階で確定しております事業の予算だけで、そういうふうに伸びております。
 この伸び方は、年率にしまして約五五%ぐらいの平均になっているわけでございます。一般会計の予算の全体の伸びが、約二〇%ぐらいでございますから、この伸び方は、全体の予算の伸びに比べてたいへんに大きい、もとよりまだ十分ではございませんけれども、こういうことで年々努力しておるということは、御理解いただけると思います。
 なお、この同和対策関係予算につきまして、この特別ワクのほかのいわゆる一般ワク、公共事業等で実施されております公営住宅とか街路とか農業基盤整備等の事業もございますので、これらを含めました過去五カ年の予算の総額は、約千二百億円というふうなことになっておるわけでございます。
 そういうことで、金額的にも個々の内容的にも、時代の推移に即しまして、実情に即した必要な措置を取り上げて努力をしてきておるわけでございますが、なお、今後とも、一そうこの後期五カ年の間に、当初の目的が達成されるように努力を重ねてまいりたいというふうに思っております。
○鈴切委員 いよいよ前期の五カ年計画が終わる時点において、先ほども御報告があったわけでありますけれども、やはりもう一度、ここで同和対策事業というものに対して総点検をしてみて、そして、その中に次の、後期というものを迎えるというきめのこまかい施策が必要じゃないかと私は思うのですが、その点はどうなんでございましょうか。
○亘理政府委員 まことに先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもも、その必要性を痛感しておるわけでございます。
 そこで、四十九年度の予算におきまして、全般にわたっての調査ということも必要でございますが、特定のモデル地区につきまして、具体的に精密な調査を実施いたしまして、これまでの施策の成果がどうであったか、なお、残っておる問題がどこにあるのか、これから施策の重点をどこに置いて進めるべきかというふうな点について、行政の基礎資料、後期五カ年に向かっての基礎的な資料を得たいということで、四十九年度予算において、精密調査を実施するように予算措置をお願いしておるところでございます。
○鈴切委員 あと後期の五カ年を、今度の法案で協議会等の延長ということになりますけれども、この後期のほうの関係の同和対策事業の施策と事業というのは、どういうものが予定されておるか。そして、その見通しというのは、どういうふうな状態になっておりましょうか。
○小坂国務大臣 きめのこまかい総点検と申しますか、そうしたことは、もちろん前提に考えております。
 それからもう一つは、やはりこの同和問題の持つ非常に長い歴史的な意義というものも十分に踏まえて、そこには物的な施設も、もちろん重要でございますから、従来のような予算の投下率は、落とすことのないようにしたいし、同時にまた、精神的な面についても、先ほど申し上げたとおり、なお一そう、国民の協力と理解を得るというような方向も拡充したいと考えます。
 そのために、今度は、総理府内部にも、同和対策室を置きまして、この室を中心にして、同和対策協議会の活動とうまくコンビネーションを組んでもらって、今後努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○鈴切委員 最後に、お伺いいたしますけれども、いわゆる同和対策というものの特別措置法が制定されたのは、個人の尊厳を保障し、人権を尊重するという、そういう精神に立ったときに、わが国の社会制度の基本である考え方から、いわゆる身分解放令が公布されて百年を迎えるのに、いまなお差別があるという、そういう問題からこういうことが起こったわけでありますから、当然、事業は事業として進めるのはあたりまえでありますが、精神面においても、その苦痛というものを取り除いてあげるという施策が必要ではないかというふうに私は思うわけであります。
 そこで、最後に、その担当長官である総務長官にお伺いするわけでありますけれども、同和対策事業に対して、長官としては、今後、どのような御姿勢でこれに取り組んでいかれるか、お伺いをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○小坂国務大臣 ただいま鈴切委員が仰せられた、そうした精神を中心に全力をあげて問題の解決に進みたいというふうに考えます。
○徳安委員長 受田新吉君。
○受田委員 総理府設置法に関連して、宮内庁、外務省等と一緒にお尋ね申し上げます。
 今度の設置法の改正のポイントは、迎賓館の設置でございますが、この迎賓館のある赤坂離宮は、戦後、皇室財産から一般国有財産に移管された。ところが、そのお隣にある旧大宮御所は、皇室用財産というかっこうで残されておるのですか。名称は赤坂御用地というのですか。つまり、あそこの財産の形態及び名称をお教え願いたいと思います。
○瓜生政府委員 お尋ねのところは、全体赤坂御用地と言っております。赤坂御用地の中に東宮御所があり、それから秩父宮邸、三笠官邸があり、それから園遊会などが行なわれます赤坂御苑というものがございまして、これは国有財産である皇室用財産であります。
○受田委員 そうすると、赤坂離宮と赤坂御用地の間は、続いておりますが、自由に通行ができるようになっておるのか、どうなっておるのですか。
○瓜生政府委員 その境には、かきがございます。
○受田委員 国賓が来られて、赤坂御用地を見たいと申し出があったときは、そのままかきをあけて行けるのですか。
○瓜生政府委員 いまのところは、赤坂御用地については、一般の公開というのは、いたしておらないわけであります。
○受田委員 国賓といえども、厚い壁があると理解してよろしゅうございますか。
○瓜生政府委員 いま一般と申し上げましたが、国賓の場合においては、特に考慮すべきかと思います。
○受田委員 この法律にうたってある「国賓及びこれに準ずる賓客」ということばの対象になる地位を、それぞれもう一ぺん明確にさせてもらいます。
 国賓ということは、いま鈴切さんもお尋ねになっておられましたが、元首ということに限る、元首のいないところは首相、またもう一つは、首相も元首も一緒に国賓とする、こういう範囲についての明確な御答弁を願いたいのです。
○佐々政府委員 外国の賓客を国賓にするか、あるいは公賓というのがございますが、公賓にするかということにつきましては、外務省のほうが閣議に請議をいたしまして、閣議決定をすれば、その方は国賓、それから公賓の場合には、閣議了解で公賓ということになるわけでございますが、迎賓館のほうは、それを受けまして、国賓とされた方につきましては、この法律案にございますようにお泊めするということ。それからこの法律案で「及びこれに準ずる賓客」というのがございますが、「これに準ずる賓客」の中には、きめられた公賓を含むというふうにわれわれは考えております。
○受田委員 先般、トンガ王国の王様がおいでになったわけです。この王様は、国賓ではなくて私的な旅行であったというが、一国の国王が、初めて日本を訪れるのに、私的なお客さんなどという迎え方をすることが間違っているのであって当然、私的な御要望があっても、これを公的な来訪と受けとめて国賓とすべきではなかったか。
 また、かつて、ナウル鳥、南太平洋の人口六千、村に相当する程度の小さな国でありますが、日本と国交が樹立されておりますので、たとえ小さな、六千の人口の南太平洋の小島の大統領といえども、日本を訪れるときは、これを一国の大統領として迎えるべきではなかったか。大国をおそれ、小国を侮ってきた日本外交の欠陥が、国賓として迎える迎え方にも、大きな問題を起こしておると私思うが、儀典官、御答弁を願いたいのです。
○野村説明員 お答え申し上げます。
 私の記憶する限りでは、トンガの王さまは、私的な旅行としたい、こういうようなことで、そういう資格でおいでになったわけでございます。
 普通、国賓ないしは公賓でお迎えする場合には、先方の政府の要請を受けまして、国賓として扱ってくれ、こういうような申し出がありまして、私どもも、それを受けまして、それでは、ぜひ国賓としておいでいただく、こういうようなやり方が、いままでの例でございまして、トンガの王さま、それからおそらくナウルの大統領も、そうだったと思うのでございますけれども、今回は、私的な旅行にしたい、こういうようなことで、あえて日本側としても、国賓等の扱いはしなかったんじゃないかと思う次第でございます。
○受田委員 宮内庁は、外務省が国賓の扱いをしない小国の――小国というのは失礼ですが、規模が小さい国の元首がおいでになったとき、これをどうお迎えになっておりますか。
 公式の賓客で、国賓でないから知りませんよというわけにいかない。トンガの王さまも、皇居へ入って陛下にお会いになったと私は記憶しておるのですが、この問題を御答弁願いたい。
○瓜生政府委員 公式でない外国の元首がお見えになって、天皇陛下にお会いしたいというお話がある場合には、御都合のつく限りはお会いになっております。元首が公式においでになった場合ですと、単にお会いになるだけでなくて、歓迎の晩さん会であるとかいうようなことがございます。非公式の場合ですと、そういう晩さん会はないが、先方の御希望によって、御都合つけば、お会いになってお話になっております。
○受田委員 御希望があればであって、希望がなければ会わないということでございますか。
○瓜生政府委員 先方のほうで御希望のない場合は、それはもちろんお会いになりません。
○受田委員 一国の元首が、日本と国交が樹立されている元首が、日本の国を、たとえ私的な旅行といえども、訪れる場合に、これを、日本の国の責任者である総理も、また国民統合の象徴である陛下も知らぬよということ。特に、初めて日本を訪れる外国の元首、これは、たとえ向こうさまが、非公式にと願っておっても、迎える側は、初めて日本へ元首として旅行する方に対しては、礼を尽くすのが本筋ではないかと思うのです。
 向こうさまとしては、規模の小さい国だからという遠慮があって、国賓としての入国を遠慮しておる。そこを、これ幸いと冷遇しておるという行き方が、大国主義の日本外交の欠陥として国賓の迎え方にも出ておると思うのです。国務大臣たる小坂先生の御答弁を願いたいのです。
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。
 私は、いま受田委員の申されたようなことがあってはならないと考えます。それは、やはり外務省あるいは国務大臣であるわれわれが、そうした情報を得た場合には、むしろ積極的に天皇に会ってもらったほうがいい人はすすめてみたいし、また、総理に会ったほうがいいと思う人は――私は、やっておりますけれども、やはり大国に対してのへっぴり腰な外交がよくないということは、よくわれわれは踏まえて行動したほうがいいと思います。
○受田委員 小さな国にも、りっぱな国家主権かあり、そして尊重される国家の人格はあるのです。そこに外務省は、小さな国といえども、専任の大使を置き、専任の参事官、外交官を置いて、そして両国の親善につとめるという意味、それが、さらに日本へお客さんとしておいでになるときには、この迎賓館には、たとえ小さな国といえども、大統領がおいでになるということであり、王さまがおいでになるということであれば、今後も問題が起こるわけです。
 トンガの王さまは、非常にずうたいが大きいお方である。どこかのホテルへお入りになるのに、たいへん御苦労をされたと承っておる。乗る自動車もたいへんであった。そういうときには、特別仕立ての自動車を用意してあげたり、あるいはホテルで特別の配慮をするというようなことをされたのかどうか。これは、この法律に直接関係する問題であるから、外務省の御答弁を願いたいのです。
○野村説明員 お答え申し上げます。
 トンガ王国の王さまの御来日につきましては、実は私ども儀典のほうの管轄ではなかったのでございますけれども、それは別にいたしまして、外務省の中の欧亜局というところが、これは国賓ではなかったのでございますけれども、ほとんどつきっきりでお世話をいたしたように承っております。
 それから、これも私の記憶でございますけれども、トンガ王国のほうからは、特に天皇陛下にお会いしたいという希望は、最初なかったのですけれども、しかし、やはり一国の元首であるからということで、宮内庁とも御相談いたしまして、これはお会いいただいたほうがいいだろうということで、お世話いたしたようなこともあったのではないか。あるいは私の記憶違いかもしれませんけれども、そういう経緯もございまして、決して小国だからとかそういったことで私どもは扱っているのではございませんので、もし、先方から国賓にとかいうお話がありますれば、もちろん当然のことながら、これは国賓としてお迎えしたであろう、こういうふうに考えております。
 なお、さっき御指摘のトンガにも、ナウルにも、わが国の大使館の実際の建物は、まだ建っておらないわけで、一応ニュージーランドにおります日本の大使が兼任をいたしておるような状況でございます。
○受田委員 そこへ建物も建ってない、ときどき遊びにいくという程度の、そういうことに問題があるので、トンガの王様が日本に来られるのに、専任の大使もそこにおらぬので、自然に、そういう扱い方、日本へ来るのに気がねがあったと私は思うのです。王さまとして初めて日本を訪れるときに、こそこそと非公式でおいでるようなかっこうに、なぜ外務省も日本政府もしておるのですか。
 初めて日本においでになる王さま、大統領、たとえ小さい国といえども、一国を形成し、友好親善をはからなければならぬ立場の一国の元首が来訪するにあたって、この扱いを、欧亜局の職員が厚くもてなしたなどというようなことで、一国の元首を扱うのははなはだ失礼です。私は、当時、あの記事を読んで、ユーモアたっぷりの王さまであることはわかるのですけれども、われわれこうして内閣委員会に長くおりまして、日本の、元首を迎えるやり方は、これはおかしいなと感じました。
 しかも、一方では、英王室の王女さまであるアン王女が日本に来られるときは、たいへんな歓迎のしぶりである。老大国です。つまり、非常に大きな占い歴史の国であれば、王女さまに対しても非常に厚くもてなす。一国の元首が来た。けれども、こそこそっとホテルでわびしい暮らしをされる。宮内庁として、何かあれば御答弁願います。
○瓜生政府委員 宮内庁のほうは、いつも外務省のほうとよくお打ち合わせしながら事を運ぶようにいたしております。外国の方で、元首の方でも、非公式に来られている方が、相当の国の方でもあるようでございます。けれども、何か御用でおいでになって、別にお会いになるというお気持ちがない場合には、お会いになっていないようであります。
 そういうわけでありますから、特に、大国と小国との区別ということは、外務省もつけておられないと思いますし、宮内庁のほうでは、陛下が接遇されれば、全然差別はつけておりません。
○受田委員 それは、王政であろうと共和制であろうと、その分類はあるべきではないわけですから、トンガの王政国家、それからナウルの共和制国家、それぞれ元首が日本にやっておいでになったが、今後、総理府設置法で迎賓館ができると、国賓及びこれに準ずる賓客――準賓客、準国賓までが入るのに、一方では私的旅行であるといって、初めて日本を訪れるような、次に興るであろう国家の元首がおいでになったときは、どこかのホテルに押し込めておく。元首でない者が来ても、厚くもてなし、元首である者が来たら、冷遇するという国賓と準国賓の仕分け方で、その国に対する敬意というものの払い方がたいへん相違してくると思うのです。
 今後は、迎賓館ができておるのだから、日本の迎賓館に泊まりたくないという元首、私は非公式にしてもらいたいという場合は、別でございますか、――やはりこういうところに泊まったら、ほんとうに国家の元首としての権威も出るわけです。できるだけ元首は国賓として、たとえ本人の御希望があろうと、外交交渉で国賓としてお迎えするという方針をとるかどうか。小さい国の元首は、とかく私用で、商売などをなさりに来る場合もあるから、そうなると問題だと御判断になれば別でございますが、どうでしょう、この判断の基準をどこに置くか。これは国務大臣として御答弁を願う以外には道がありませんね。
○小坂国務大臣 国賓とこれに準ずる賓客というのは、閣議の決定並びに了解事項でございますが、これを発議するのは、外務省ということになっております。外務省が、そうしたことに今後十分気を使ってもらうように私も期待をいたしますが、同時にまた、漏れているような場合がありましたら、閣議の席上等において発言をしてまいりたいと考えております。
○受田委員 迎賓館へお迎えするんですからね。迎賓館は、総務長官の担当でございますから、今度のお客さんは迎賓館へお迎えしたいというふうにあなたが発議させる、こういうことで外務省と交渉して、話はつくと思うんですがね。あの迎賓館は、やはり権威を持たなければならぬと同時に、一国の元首の権威は尊重してあげる、あるいは総理の権威は尊重してあげる。小坂さんも総理の夢をお持ちだろうと思いますが、外国へ行かれても、一国の総理となったら、やはり厚くもてなしてもらいたいと思われるでしょう。
 そういう意味で、賓客、国賓、この扱い方は、礼を失しないように、せっかくこれができても、厚い壁が日本にはあるんだということで、小国が気がねをして、おいでになっても、こそこそっとお帰りになるようなことをしないように、日本外交の根幹に触れる迎賓館になるわけでございますから、御要望を申し上げておきます。
 次に、私も、この間、あそこを拝見してちょっと感じたんですが、ここで国賓がお泊りになる、また、日本側が御招待し、向こうの国賓側が今度返礼の会をしたいというときに、元首であるならば陛下に御苦労願わなければならぬ場合が起こる。そうすると、天皇陛下が迎賓館へおいでになってお客の元首と懇談をされる会が行なわれる、こういうことがしばしば起こるわけですね。
○佐々政府委員 そのとおりでございます。
○受田委員 そうなりますと、天皇陛下があそこへ行かれてお休みになる部屋は、ここが陛下のお休み場所というのを、私は聞かなかったのですが、どこにあるわけですか。
○佐々政府委員 一室を用意してございます。
○受田委員 この迎賓館で、両国の親善がさらにかわされるわけでございますので、国賓及び準国賓は、できるだけチャンスを多くして、あそこが利用できるようにすべきで、まれにあそこを利用するというために、あの膨大な地域が利用され、そして――館長以下職員は何人でしたかね。
○佐々政府委員 四十三人でございます。
○受田委員 それだけの職員をかかえて、しかも館長は、国家公務員の指定職でしょう。どうですか。
○佐々政府委員 現在付属機関としての迎賓館を御審議いただいておるわけでございますけれども、付属機関の迎賓館として設置されました場合には、他の付属機関の長との均衡を考慮いたしまして、処遇を決定してまいりたいというふうに思っております。
○受田委員 そうすれば指定職ですね。
○佐々政府委員 まあ、そのようになろうかと思いますけれども……。
○受田委員 そのようになろうかと思うじゃなくて――他の機関の、国立の古文書の館長もそうですよ。前の賞勲局長が行っておられるわけです。したがって、思うじゃなく、そうなんです。それを、きちっと全部準備されないまま法案を出されているというのがおかしいので、ここにおられる館長の地位、行政の(一)、行政の(二)という他の館員の地位、四十数名の配置が、それぞれ一応想定されていなければならぬですがね。それさえもできておらぬような話じゃ、これは困ったもんですよ。法案を出すときには、そういうものをあわせて要求すれば、ここへちゃんと説明資料が出にゃいかぬです。
○佐々政府委員 四十三人の職員の配置については、きちんとした案を持っております。
○受田委員 四十三人の職員の中の各級別配置は、どうなっておるのですか。
○佐々政府委員 級別の配置について、いま詳しいことは手元にございませんけれども、一応の想定された級別定数というものはございます。具体的に、職員がそれに配置される場合におけるその者の等級というものは、また別途、今度は、実行上の問題として手続されるというふうに思います。
○受田委員 こうした行政機関の設置に関する法律には、それが設置された場合には、どういう配置をするのかという、職員の級別定数などもきめたものがちゃんと用意されてなければならぬ。それができて初めて――うしろに持ってきておられるその資料をちょっと私にも……。もう、これは法案の審査には、必ずつきものですから、私は安心しておったのですが、これには、やはり館長は指定職と書いてあるんですね。次長が一。これは非常にいいですよ。これを言ってください。きわめて明細なる――と思うじゃなくして、ということになっておりますということで、明確に御答弁いただきたいと思うんです。
 これは権威ある迎賓館ですよ。だから、ちょっとお客さんを見るホテルのマネージャーと違いますよね。したがって、国家機関としてのりっぱな迎賓館になって、しかも各自の次官クラスの指定職の館長がおる、こういうことになってくれば、これを、もっと権威ある利用をさしていただくために、外国との親善関係で、迎賓館で親善が一そうわかなければならぬ、外交交歓も一そう考えなければいかぬ、こういう意味で、できるだけ――きわめて厳格な意味の国賓、準国賓ということでなくして、もっと元首及び総理、こういうものを厚くもてなし、また、さらに、もっと範囲を広げてもいい。
 いままで外務省が考えておられるのは、国賓、公賓、賓客ですか。国のお客さんとしてこの三つくらいですか。まだほかに……。国賓と公賓だけですか。
○佐々政府委員 国賓と公賓だけでございます。
○受田委員 それで、国賓と公賓にあらざる次の賓客というのは、考えてないのですか。
○佐々政府委員 考えております。迎賓館へ泊める範囲は国賓、公賓のほかに、それに準ずるものとして両院の議長、または最高裁の長官が、これと同等の地位にある外国の賓客を呼ぶ場合にも、これを想定しております。
○受田委員 そうすると、総理は公賓――大統領のおる国あるいは王のおる国で、総理は国賓のほうに入るのですか、どうですか。
○野村説明員 一応国賓のほうに入ります。
○受田委員 そうすると、議長と最高裁長官が首相と同格であるという国は、首相を国賓にしたのなら、同時に議長も最高裁長官も国賓ですね。
○佐々政府委員 閣議で決定する国賓にはならないということを申し上げたわけでございまして、迎賓館に宿泊をいただく場合には、国賓にならなくても、議長がお呼びする外国の議長は、これを迎賓館にお泊めしたいというふうに申し上げておるわけでございます。
○受田委員 その場合に、議員が同行してきた場合ですね、議長と同行する議員が十人、二十人とやってきた場合は、議長だけをあそこの迎賓館に泊めて、その他大ぜいの議員は、赤坂プリンスとかそういうことですか。
○佐々政府委員 おのずから、あの迎賓館の中に泊まれる人数がきまっておりますけれども、その泊まれる部屋の許す限りにおいては、同行者の方々もお入りいただいてけっこうかというふうに思っております。
○受田委員 その部屋の数を、つまびらかにしてもらいたいんだけれども……。
○佐々政府委員 泊まれる数は、全部で十七人でございます。
○受田委員 十七人、では、そういうことで、これをできるだけ多く利用さして、この迎賓館の権威を高めていただきたいと思います。
 これに、ちょっと関連するのですけれども、お隣に迎賓館ができて、陛下が、従来ホテルなどをおたずねするよりも、よほど条件がよくなってきたわけですが、これに関連するけれども、問題は別になるのですが、お尋ねしたい。これは宮内庁次長でも、けっこうです。
 天皇陛下が、国賓がおいでだといって羽田へお出迎えに行かれることがありますね。その範囲は、こういう――国賓だけでございますか。
○瓜生政府委員 国賓のうち、外国の元首の場合でございます。総理の場合は、おいでになりません。
○受田委員 そのときに、羽田で儀式が行なわれるが、そのお迎えする儀式は、国家の儀式かどうかということです、国賓ですから。これは、外務省でもいいです。
○野村説明員 そのように了解いたしております。
○受田委員 国家の儀式の中に陛下がおいでになると、国歌奏楽というのが行なわれますね。儀仗隊と陸上自衛隊の音楽隊とで編成されている隊が、国歌「君が代」を奏楽する、相手の国とこっちの国の国歌と両方の国のをやる、こういうことになってくるわけですね。
○野村説明員 国際慣行によりまして、そのようになっております。
○受田委員 国際慣行で国家行事をやる場合の「君が代」の奏楽の法的根拠は、どこにあるかでございますが、――私はそれを否定しているわけじゃなくて、「君が代を」奏楽するのは当然なんです。当然であると思うのですけれども、しかし、それは何が法律的根拠でやっておるのか。外務省の規則があると思うんですが、国家の公的行事に「君が代」を奏楽する法的根拠。
○野村説明員 そのような規則がありますかどうか、私、まだ存じ上げませんので、後刻調べまして、御答弁いたします。
○受田委員 国家行事に外国の元首、国賓を迎えたというようなときに、双方の国の国歌を奏楽するわけですが、そのときに、日本の国歌は「君が代」であるということが――これは、もう国際的な立場でやらざるを得ない。オリンピックでもそうですが、これを国家行事として一応認めてある。いまの御説明を聞くと、国賓を迎えるのは、国家行事。国家行事に国歌として「君が代」を決定して、奏楽するということについての法的根拠というもの、これは国家行事であるがゆえに、一応要ると思うのです。
 私、このことについて、何かの規定がなければならぬと思う。それでなければ「君が代」を国歌として奏楽するという理由に乏しくなるわけでございまして、私たちのお国の国歌は、「君が代」であるというのは、国際的にはもう完全に承知している。外国にも日本の国歌は「君が代」ですよということを宣言しておるのが、この国賓を迎えるときの行事なんです。そのほかでは、公式に「君が代」を国歌として決定して、これを公にしている場がないと私思うのですが、総理府、どうでしょうかね。事務官でもけっこうです。
○小坂国務大臣 法律上の根拠はないのでございますけれども、これは国歌として長い間使用されてきておるし、まあ、そうした慣習といいますか習律というか、そうした習律を尊重していくということでございます。
○受田委員 そうした習慣を尊重しておる、こう言いかえてもいいわけですね。
 私、このあたりで、そうしたことをきちっと法的根拠を設けて、あるいは規則を設けていく時期がきておると思うのです。すでに戦い破れ、三十年になんなんとする日月がけみせられている今日の時点において……。
 そうしてもう一つは、皇室には菊の御紋章があるが、この御紋章の権威というものは、宮内庁はどういうふうに尊重されておられますか。
○瓜生政府委員 菊の御紋章は、皇室の伝統的な御紋章として尊重いたしております。
○受田委員 この御紋章を侵害して、民間で皇室尊奉者が、菊の御紋章のまんじゅうを焼いて売り出したというときに、紋章侵害という扱いはどこからやられますか。
○瓜生政府委員 この紋章につきましては、法律的にそれを侵害した場合に、どうこうというようなそういう根拠はありません。この皇室の御紋章については、戦前ですと、そういう規則がございましたけれども、戦後はございません。乱用されてどうも困るという場合には、われわれのほうから、それをやめてほしいという希望を述べて、相手方の良識にまって自重していただくというふうにしております。
○受田委員 これは、やはり象徴天皇の御紋章でございますから、まだ何らかの権威が温存されていいと私は思っておる。
 あわせて、陛下がおなくなりになったときには、皇室では、これを崩御という名称をお使いになるのかどうか。天皇崩じたるときということで崩御。しかし、この崩御ということばは、皇室典範にも書いてない。この崩御ということばを使うのかどうかです。
○瓜生政府委員 皇室典範二十五条には、崩じたもうとき、となっておりまして、その崩じたもうというのが、皇室の文章でございますが、それを崩御というふうにいうかどうか、いまのところ、われわれとしては、別に確定いたしておりません。
○受田委員 貞明皇后がおなくなりになられたときには、どういう発表をされましたか、宮内庁は。
○瓜生政府委員 これは、正確なことはちょっといまわかりかねます。私なんかの入る前だった関係もありまして、たぶん崩御と申し上げたのじゃないだろうかというようなことで、これは正確じゃございませんですけれども……。
○受田委員 これは、貞明皇后崩じたもうということで、宮内庁が新聞の発表などへは、新聞の用語としては、また自然に落ちつくものがあると思うのですが、これは、やはり一国の象徴天皇の崇高な人生の行事というか、大事な陛下のお立場に関する問題であるだけに、一応用語等も統一しておく必要がある。――いま、たねか出たのじゃありませんか。たねを見せてください。
○瓜生政府委員 いま係のほうから教えていただきましたら、この貞明皇后さんの場合は、崩御という用語を使っております。
○受田委員 わかりました。そうしますと、やはり天皇、皇后、皇太后の場合は、崩御という従来の用語が踏襲されておる。そうすれば、天皇陛下の場合は、もちろん崩御ということになるわけです。
 それで、貞明皇后――それまでは昭憲皇太后となっており、英照皇太后であったのが、貞明皇太后のときだけ、貞明皇后と名称をつけられた理由はどうでしょうか。ちょっといまこれを思い出したので……。
○瓜生政府委員 その御生前の一番おもなお位が皇后でございましたので、貞明皇后、こういうのが正確だというので、貞明皇后とつけられたのです。
 その前の、昭憲皇太后というその名称がいいかどうか、それについては、ある程度議論があります。やはり昭憲皇后というべきではなかったかというような議論もあることを承知しております。
○受田委員 私、もう一つ最後に、これも陛下に関係するのですが、この前も、私、この委員会で指摘したのですが、陛下の御陵について、国土がこういうふうになっておる際でございますから、この前は、一つの試案として申し上げたのですけれども、多摩の陵は、非常に広大な地域でもあるし、国民にも神聖な地域とされておるので、しばらくの間は、これより歴代の天皇、あとに続かれる皇子の、あと継ぎの、天皇になられる方々も含めて、多摩の一帯を皇室の御陵として一応きめておかれていいんじゃないか。
 これは、たいへんおそれ多いことですけれども、陛下が急におなくなりになられたというようなときに、さあどうするか、閣議で御陵地をどうするかということで騒ぎ立てるようなことは、むしろあさましいことであり、そして用地の問題などで、いろいろと国民の中で紛争が起こって、赤旗が立って、陵地、御陵反対などというところで、一国の象徴天皇のお墓の行くえがわからないようになるということになると、ほんとうに申しわけないと思うのです。
 このあたりで、もうしばらく、皇室の御陵を多摩御陵の一帯に適当につくられて、お父さん、お母さんのところへお子さまもおられる、お孫さんもおられる、こういうようなかっこうで、もう御陵の予定地というものも政府としておきめになっておかなければいかぬわけです。総務長官、これは、われわれ陛下の御長命を心よりお祈りしておる立場から、いさというときに、お互いの――お互い、もういつどういうことが起こるかもしれないのです。
 いつか、私、池田総理に、当委員会で質問しました。あなたがお元気でも、いつおなくなりになるかわからぬ場合には、内閣総理大臣の代理の副総理は、一体だれかをおきめになったらどうかと、ここでずいぶん追及したのです。そうしたら、それから三月か四月後に急になくなられたのですよ。池田総理に申し上げたのです。皆さん、当時委員をしておられた方は、覚えていると思うが、私が池田総理に、内閣法に基づく内閣総理大臣の代理副総理を置くことを要求した。いや、私も健康であるから、だいじょうぶとおっしゃっておられましたが、事実、その年の昭和三十九年、私が質問したのが六月か七月でしたが、その年に総理をおやめになって、間もなくおなくなりになるということになったわけです。
 私は、そういうことを思うと、お互いは長命を願い、そうしてわれわれも、国をあげて陛下の御健康と御長寿を祈っておりながら、ちゃんとした規則だけはきちっとやっておかなければならぬ。万一のときのことを考えて、御陵地の選定で紛争が起こることのないような、ぴちっとした用意だけはしておかなければいかぬ。永遠に眠りたもう地域はどこであるかということを、きちんと政治の上でやっておくのが、私は、総務長官の任務であり、宮内庁の仕事だと思うのです。総務長官、私の申し上げることに間違いがありますか。
○小坂国務大臣 受田委員の非常に配慮の深いお話は、よく理解いたしました。
○受田委員 理解をしていただくだけではいけないのです。理解に基づく行動が要るわけです。それをできるだけ早く――この問題は、陛下に失礼になりません。失礼じゃないんです。もうすでに、現にお互いの中にも、おれが死んだらどこへ墓をつくれというようなことを言うておる人もたくさんあるわけで、別にそんなにとらわれる必要はないわけです。だから、その意味では、事、天皇家に関する問題だけに、象徴天皇制を護持しておる日本の現状において、陛下のお墓がどこになるかはちゃんと予定されていいわけです。
 宮内庁次長さん、大正天皇のときには、多摩の陵は、陛下がおなくなりになって、急に陵がきまったのじゃないですか。
○瓜生政府委員 きまったのは、おなくなりになってからきまったのだと思います。しかし、あのあたりの土地は、いろいろ準備をしておったのじゃないかと思います。私も、これは正確ではございませんので……。
○受田委員 それから、明治天皇の桃山の陵は、これはどうだったでしょうか。陛下があそこを希望されたのですか、明治天皇が。
○瓜生政府委員 その点も、私は正確にちょっと覚えておりませんけれども、やはりいろいろ準備をして、きまったのは、やはりおなくなりになってからだと思います。
○受田委員 どっちもみなすでに準備してあったわけです。それは、もちろんなくなられてからきまるのでしょうが、一応予定地というものはあるわけです。それは民間でも、墓地予定地というものがなければいかぬと同じように、決して陛下に失礼でなくして――英霊になられた戦死者の方々の墓地などでも、もう子孫に伝わるように、家族がああしてりっぱな墓をつくってあげておるわけなんです。
 いわんや象徴天皇のお墓、御墓所、陵というものがどうであるかは、そういうことは、もうちゃんと用意しておいていかなければいかぬ。事態が起こってからの、にわか仕立てであってはならない。
 率直にお聞きしますが、宮内庁では、それはまだ全然考えていないのですか。私がいま指摘した多摩の陵というようなものなとを、全然――この間も御答弁がなかったのです。もし何なら、あの地域を拡大するとかいろいろ手があるのですが、そういうことも予測しないのでございますか。
○瓜生政府委員 現在、これもきまっておりませんけれども、戦前、これは多摩御陵をおつくりする、そういうときに、内規的なものとして、あの一帯を武蔵陵墓地、広いその中に多摩御陵があるのですけれども、まあ、含みとしては、余裕がとってあるわけであります。
 先ほど申しましたように、その当時としては、将来、必要な場合には、その武蔵陵墓地をまず考えるということであったわけでありますが、われわれも一応それを聞いておりますから、そういう調査もいたしておりますが、全然無準備というわけではございません。
○受田委員 大体、あのあたりということが、やはり想定の中にはあるんですね、いまでも。当時と同じような、いや、当時よりもっと深刻な現実の問題になってきたわけです、土地問題が。国土総合開発の問題からも、墓地であまり広い地域をとられることは、これは問題なんですから、やはり、総務長官として、あまり墓地の範囲が広がることは問題でしょう。できるだけ墓地は謙虚に、できるだけ国土が広く国民に利用されるという意味からは、新しいところに広大な墓地ができる、御陵ができるということは、総務長官としては心苦しいと思うのですが、総務長官の御見解をひとつ。
○小坂国務大臣 私は、これは、よく知らないで言うので、間違ったら訂正しますが、前は宮内省があって、皇室のこと全般を、政府とは全く独立にやっておったから、やはり宮内省内部では、そうした皇室のいろいろな問題に対しては、事前にもちろん考えておったと思うのです。しかし、現在は、そうした機構がなくて、総理府の組織体に入る宮内庁があるわけでございます。
 いま御指摘のような点は、御指摘を受ければ受けるほど、やはりいろいろな準備をしておくべきだというふうに私も思います。先ほど御答弁申し上げたとおり、非常によく理解をいたしておりまして、ただ、こうしたことは、どんな形でどのように発動していくかということをよく検討いたしませんといけないと考えておりますが、そういう意味でよく理解を申し上げているというふうにお答えいたしました。
○受田委員 これで質問を終わりますが、宮内庁長官は、総務長官の指揮監督を受ける立場であられても、同時に宮内庁長官は認証官なんです。認証官たる外局の長になっておるのだから、あなたと同じように認証官同士です。その辺では仲間です。
 しかし、宮内庁が古いワクの中から新しいものへ出るためには、やはりこうした御陵の問題なども、古い慣習から――現在の土地が非常に不足しているこの事態に、陛下御自身も、新しい土地を求めるということよりも、できるだけ占い御陵の地域を生かしていくというようなおぼしめしに私はきっとなられると思う。
 そういう意味からは、土地が狭隘な国家、国土の少ない国家が、陵墓地域として特定の地域を広く用いるということでなくて、国民とともにある陛下であるから、やはり土地の問題でも、国民とともにある陛下としてのお考えが――私は、きっと御協力願えると思う。政治的な措置として、あなたのほうで、ひとつ十分そこを宮内庁と相談をして、いま理解されたことを、できるだけ早い機会に、国旗の問題、国歌の問題、これらとあわせて、すみやかなる措置を要求いたしまして、質問を終わります。
○徳安委員長 午後一時三十分より委員会を再開することとし、この際暫時休憩いたします。
   午後零時三十七分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時四十五分開議
○徳安委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 総理府設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中路雅弘君。
○中路委員 きょうは、迎賓館の問題で一、二点最初お伺いして、あと総理府の機関であります日本学術会議の問題について、放射能問題と関連して御質問したいと思います。
 先日、二十一日に迎賓館を、工事の途中ですけれども、見せていただきましたが、だいぶ工事が残されているわけですけれども、でき上がりの予定、それからいつから使用されるのか。三月末までには完成ということになっていますが、これは、いまの工事の進捗で予定どおり完成するわけですか。
○小坂国務大臣 中路委員にお答え申し上げます。
  〔委員長退席、小宮山委員長代理着席〕
 その前に、先日、わざわざ現場を見ていただきましたことを、ありがたくお礼を申し上げます6
 なお、完成期日は三月末という予定でございまして、いま全力をふるって完成期日に間に合わせるよう努力いたしております。
○中路委員 先日、見せていただいた中で一、二点ちょっと御質問しておきたいのですが、一つは、いただいた「迎賓館の建設のあらまし」という中にも、正面に写っているのですが、迎賓館の正面中央階段を上がったところに菊の紋章がついておりますけれども、皇室財産でなくて、今度は国の施設として、迎賓館として使われるわけですね。
 それで、天皇家の紋章が正面に二カ所ですか、たしかありまして、このいまお持ちのパンフレットの中でも、正面にあるわけですけれども、やはりけじめをきちんとしておかなければいけないという点で、今度迎賓館として、国の施設として使われるわけですから、この点は、いままでの東宮御所の赤坂離宮、そういったのと性質が違うわけですから、その点は、区別を、区切りをきちっとされる必要があるのじゃないかと視察をして感じたのですが、お答えを願いたい。
○小坂国務大臣 旧赤坂離宮を迎賓館に使うという決定は、四十二年の七月以来、また八月の基本方針の中であれを使おうということが閣議決定になって、四十三年から着工いたしておるわけでございますが、迎賓館として赤坂離宮を利用しよう、活用しようという考え方の基礎には、この赤坂離宮が、日本の明治時代の最も技術の粋を集めたものであるし、同時に、また、その他のいろいろな点についても、歴史的に見て非常に価値の高い、技術的また芸術的な価値を持っている、したがって、それを、そっくりそのまま復元しようという基本方針の中で行なわれておりまして、ただいま仰せられるような菊の御紋章というものは、その歴史的な所産の一つとしての、マークとして装飾として考えておるわけでございます。
 もちろん、この迎賓館は、国のものでございますが、そうした歴史的な意味をこの迎賓館の中に盛り込む、外国でも迎賓館は、大体そうしたことでやっておりますから、われわれは、そうした意味を持って装飾品として、それを見ておるわけでございます。
○中路委員 ベルサイユ宮殿をまねた建築だとかいろいろ説明がありまして、壁画その他の点で、復元されるのに、できるだけ原形を保持するということは必要だと思いますけれども、改造もずいぶんやっておられるわけですね。たとえば、迎賓館として使うために、いままで便所はほとんどないということで、便所もあちこち部屋を区切って、相当改造されているわけです。それで、復元といっても、壁画やその他の文化財保存に必要なもの、こういったものを復元されて保存されるというのは、私も当然のことだと思いますけれども、迎賓館として使用するための改造というのは、見た中でもずいぶんやっておられるわけですね。
 そういう中で、中央階段入口の正面にあるわけですから、装飾という以上の意味も――入ってすぐ、私たちも、他の議員の皆さんも気がついて、向こうで話が出ましたけれども、それがあるわけですから、きょう、この問題で詰めてお話しするというつもりはありませんが、装飾としてあの正面に置かれているというのでは、国の施設として、戦後は、裁判所も菊の紋章はとっているわけですから、そういう点で、もう一度検討されてもいいのではないか、これは、意見としてひとつ述べておきたいと思うのです。
 それから、もう一つお聞きしておきますけれども、木を、全部前のをはずして、庭も石畳にかえられましたね。そして向こうの、説明される方に聞きましたら、儀仗兵の閲兵もやるのだというお話も聞いたのですけれども、空港と同じように、自衛隊の儀仗兵が出て、向こうでそういう儀式が行なわれるのかどうか。そのために石畳にしたという説明をちょっと聞いたのですが、その真偽のほどを……。それから、実際どのように活用されるお考えなのか、一言お聞きしておきたい。
○小坂国務大臣 石畳があるというのは、儀仗兵の閲兵に使う広場としての足場を強固にするためだという説明を私も受けましたが、それは、そうした場合のことだけであって、本質的には、前を広くして、多くの方々があそこへ集まっていくために、足場をきちんとしたほうがいいという発想でスタートしたものだそうであります。それ以上、あそこで恒例的に儀仗兵の閲兵をやるということは、まだ私も聞いておりません。
○中路委員 国賓を迎えるについてのいろいろな儀式のやり方は、慣例等もあると思いますけれども、自衛隊そのものについてのいろいろ論議があることですし、長沼の判決もありますし、その点で、石畳にして、向こうで自衛隊の儀仗兵の閲兵をやるということ、いまのお話ですと、必ずしも迎えるたびに、儀式としてそこでやるということでもないそうですから、この点についても、ひとつ慎重に検討もしていただいたほうがいいのではないか。これも視察をしたときの感想的な意見ですから、二つばかり述べておきます。
 そこで、きょうは、総理府設置法の中できめられている日本学術会議の問題について、少し時間をとっていろいろ御質問したいと思いますが、総理府設置法の第十六条の三に「内閣総理大臣の所轄の下に、日本学術会議を置く。」というのがありまして、この中で「日本学術会議は、わが国の科学者の内外に対する代表機関」であるということが明記されております。これを受けて、日本学術会議法の中におきましても、その第二条で「日本学術会議は、わが国の科学者の内外に対する代表機関」だということが明記されているわけですけれども、学術会議が行政的にどこかの省に所属するということではなくて、総理府の機関として内閣総理大臣のもとに設置されたということについて、この書かれてあります「わが国の科学者の内外に対する代表機関」という、文字どおりこういう趣旨から設けられたと私は考えるのですが、この点について、最初に長官のお考えを一言お聞きしておきたいと思います。
○小坂国務大臣 御指摘のように、日本学術会議は、学術会議法に基づいて設置されているものでございまして、それのお世話役といっては、あれでございますが、総理府が現在予算あるいは事務等をお手伝いしているわけであります。
 しかし、本来、この学術会議は、それ自体、そこにございますように、代表する科学者が集まって内外に意見を発表する等、きわめて重要な任務であるという認識は、われわれも持っております。
 同時に、この運営につきましては、いわゆる行政的な予算の措置とかあるいは事務的なお手伝いは申し上げておりますが、学術会議そのものは、独立した機関として十分に自由に行動していける権限を持っていると私は了解しております。
○中路委員 いま大臣がおっしゃったように、文字どおり、これは、わが国の科学者の内外に対する代表機関であって、いわば総理府の付属機関といいますか、一つの省の部局のようなものではない。独立した機関として、総理府がその点についていろいろお手伝いをし、お世話をするという意味のことをおっしゃいましたけれども、私は、この点は非常に大事な点だと思いますし、最初に学術会議ができるときに、我妻先生をはじめ皆さんが苦労されたところです。科学技術庁にも文部省にも属さない、そういう独立したものとしてつくられたと考えるわけですが、いま大臣からもその点お話しになりました。
 したがって、日本学術会議法の第二章の第三条で「日本学術会議は、独立して左の職務を行う。」ということで、「独立して」ということが明記されていますけれども、この「独立して」という点ですね。これは行政に左右されない、公平な意見を述べる、より高い立場で学術あるいは科学技術の問題について意見を述べる、あるいは政府の諮問に答えるという趣旨で、特にこの「独立して」ということも明記されていると思うのですが、この点についても、長官のお考えをお伺いしておきたいと思います。
○小坂国務大臣 独立して職務を行なう、これは第三条でございますが、私は、そのとおり考えておりますし、また、現実に、われわれは、学術会議の行動そのものについては、いまだかつて一回も干渉したことはございません。
○中路委員 したがって、四条に、政府は日本学術会議に諮問する、それから第五条では、学術会議が政府に勧告するという問題が出ているわけですが、政府の諮問すべき問題あるいは勧告についても、一般的に学者の意見を尊重するということじゃなくて、この法律の中で、組織的にこのように学術会議がつくられたわけですね。独立して、より高い立場で政府の施策について、政府がまた諮問するし、学術会議も意見を述べる、勧告をするということだと思うのです。
 その点では、いろいろ学者のグループはありますけれども、日本学術会議の場合に、このように内外に対する代表機関として、また諮問や勧告について組織的にこのような形でつくられたんだというふうに私は理解するわけですが、この点についても間違いはありませんか。
○小坂国務大臣 私もそのように心得ております。
○中路委員 それでは、いまの長官のお答えをひとつ前提にしまして、具体的な問題で幾つかお聞きしたいんですが、原子力潜水艦の日本の寄港について、最初、昭和三十八年の三月十一日に池田内閣総理大臣あてに勧告が出ています。この中では、原子力潜水艦の日本港湾寄港、入港、これは一時的な原子炉設置と同様に考えられる、移動する原子炉と同じように考えられる、それに対処する措置が必要だということが、この勧告の中でいわれています。
 さらに、同じ三十八年の四月二十六日に、日本学術会議の第三十九回総会で「原子力潜水艦の日本港湾寄港問題についての声明」が出されております。そして、この声明の中では、「この勧告にのべた条件がいまだ満されていない現状では日本国民の安全がおびやかされるおそれがあるので、われわれは、原子力潜水艦の日本寄港はのぞましくないと考える。」という声明が出ています。
 きょう新聞を持ってこなかったんですが、この日本学術会議が、原子力潜水艦の寄港を望ましくないと考えるという声明を出したことについて、当時は与党の皆さんから、学術会議が行政について、このような反対の意見を述べるというのはけしからぬということも新聞に出ましたし、もっと強いのは、会長を呼びつけろというような意見まで出たことがあります。
 先ほど日本学術会議が、どういう性格の機関であるかという学術会議法その他についてもお尋ねしましたが、独立して公平な立場で政府に勧告をし、協力をし、ある場合には批判もする、意見も述べるという立場にある機関ですから、日本学術会議が、こういった重要な問題について意見を述べる、勧告をする、これは自主的な立場からは当然のことだと思うわけですが、この点について、長官のお考えはどうですか。
○小坂国務大臣 私は、学術会議そのものの性格からいって、このような声明あるいは勧告がなされることは当然だと思います。
○中路委員 それでは、これから具体的な問題でお尋ねしますけれども、その後、この勧告あるいは声明、寄港が望ましくないという声明のあと、佐世保で異常放射能の検出があり、政府も原子力潜水艦の寄港を一時中止せざるを得なくなりましたけれども、この佐世保の異常放射能が起きた際に、学術会議が申し入れをしております。
 これは、四十三年の七月九日です。そして、この佐藤内閣総理大臣あての申し入れで、科学技術庁長官にも、写しが朝永会長の名前で送付されております。それは「佐世保港の異常放射能の検出について」という申し入れですが、この申し入れの中で、先ほど私がお話ししました経過にも触れておられます。「原子力潜水艦の寄港は一時的な原子炉設置と同様に考えらるべきであって、その安全保証について、政府が十全の措置をとるべきであると指摘し、」、そうして「その条件が満たされていない段階で、日本国民の安全がおびやかされるおそれがあるので、原子力潜水艦の日本寄港はのぞましくないと考えるとの声明を行った。」、しかし佐世保でこういう問題が起きたので、「これは、さきの日本学術会議の憂慮が、単なる杞憂でなかったことを示している。」ということを述べ、「日本学術会議の上記の勧告をとり上げ、正しく措置されるとともに、諸声明の趣旨についても検討を行ない善処されることを要望する。」という申し入れがなされております。
 そして、この申し入れと関連しまして、きょう私がお尋ねしたい点ですけれども、同じ四十三年十一月に、「放射線影響研究の推進について」という勧告が出されています。これは佐藤内閣総理大臣あてで、写しが科学技術庁長官とか文部大臣その他各大臣にも送付されている勧告です。日本学術会議第五十一回総会の議に基づき勧告しますということで、「原子力放射能の発生源の周囲から影響の及ぶ末端に至るまでの、放射線影響や、放射能物質の環境への移動、拡張の原理を明らかにし、放射線影響の正しい評価と、その防護に関する基礎的な研究を速やかに進めることが緊急な社会的な要請となりつつある。」ということを述べまして、その中で環境放射能研究所と放射線障害基礎研究所の二つの研究所を設立することが必要であるという勧告が、これは四十三年ですから、六年前に出されているわけです。
 そこで、この放射能についての基礎的な研究を重視した学術会議の勧告について、出されてから六年たっていますが、その後どのように扱われてきたのか。この勧告は、科学技術会議ですか、科学技術庁の計画局ですか、こういうところにまず出されて、いろいろ関係のほうと相談されるのだと思いますけれども、環境放射能研究所設立のこの勧告について、この六年間どのような検討なり、また対策が立てられてきたのか、少し詳しく関係の人たちから御説明を願いたいと思います。
○安藤説明員 一般的に申し上げまして、日本学術会議から内閣総理大臣あての勧告が出されますと、そのつど、科学技術庁の計画局でございますが、これらの勧告を受けまして、関係各省庁の連絡会議を開催しております。そして、その処理省庁を決定するとともに、その旨を内閣総理大臣をはじめ関係各省庁に連絡をしているわけでございます。
 先生から御指摘がございました放射線影響研究の推進につきましては、いま申し上げましたような処理手続を踏みまして、処理省庁を、文部省、厚生省、科学技術庁というふうに決定したわけでございます。
 特に、その中の科学技術庁でございますが、科学技術庁につきましては、この放射線に関連する所管を行なっております原子力局に、その処理をお願いしたわけであります。
○伊原政府委員 原子力潜水艦の寄港問題及び放射線影響研究推進につきまして御説明申し上げます。
 最初、御指摘のございました昭和三十八年三月十一日及び四月二十六日の勧告及び声明につきまして、米国政府から原子力潜水艦の本邦寄港要請がありましたのに対して、日本学術会議から、潜水艦の安全性を審査して、結論を国民の前に明らかにすること、あるいはこの条件が満たされていない状況では、日本寄港は望ましくないという声明がございましたが、政府といたしましては、原子力に対する国民の特殊な感情を考慮いたしまして、安全性の問題について、再三米国政府に照会を行ないました。また、原子力委員会の見解も聴しまして、慎重に検討を進めました結果、その安全性について確信を得ましたので、昭和三十八年八月二十八日に寄港に同意をいたしました。こういう経過でございます。
 さらに、昭和四十三年五月六日に、佐世保港におきまして異常放射能の検出がございまして、このため政府といたしましては、専門家による検討会あるいは現地調査団の派遣あるいは米側専門家からの事情聴取など、慎重に原因究明を行なったわけでございます。その原因が、当時、入港しておりましたソードフィッシュ号によるものであるらしいという疑いはございましたが、科学的にこれが確認されるまでには至らなかった、こういう経緯がございます。
 原子力委員会といたしましては、国民の不安を解消するために、同年五月、内閣総理大臣に対しまして、原子力軍艦の寄港は、原子炉の一次冷却水が放出されないこと、さらにわが国の放射能調査体制の整備強化を政府としてもはかる、こういう点について善処するという見解を出しております。
 外務省といたしましては、原子力委員会の意見に基づきまして、米国と折衝を重ねまして、通常の場合、一次冷却水は放出しないというふうな条件を確認いたしました。
 さらに、科学技術庁としては、原子力軍艦の本邦寄港に際しての放射能体制の強化をはかったわけでございます。この間、学術会議から、先ほど御指摘のように勧告、声明が出されたということでございます。
 第三番目の問題の放射線影響研究に関係いたしまして、環境放射能研究所と放射線障害基礎研究所を設立する、この勧告につきましては、この問題は、先生御承知のように、文部省、厚生省、科学技術庁三省庁が関係するわけでございます。この三省庁の間でいろいろ意見の交換をいたしてまいったわけでございますが、科学技術庁といたしましては、この種の研究が非常に重要であることを認識いたしておりまして、傘下の放射線医学総合研究所におきまして、この関係の研究を強化するということで、低レベル放射線の影響研究という名のもとに、過去数年間にわたりまして、この面の研究を強力に実施してきたわけでございます。
 以上でございます。
○中路委員 学術会議が勧告していますね。「放射線影響研究の推進について」、これが出されたのは、いま私もお話ししましたように、日本学術会議が勧告あるいは声明等を、原子力潜水艦の寄港の問題についてたびたび出している、それにもかかわらず、安全性が確認されたということで入港を同意されたわけですが、その後に、佐世保港の異常放射能の検出が起きたということと関連して出されている問題ですし、放射能についての基礎的な研究が必要だということから、この中で環境放射能研究所の設立の必要について言われているわけです。
 私がお聞きしているのは、この環境放射能研究所の設立そのものについて、経過が六年間あるわけですから、どのように検討されてきたのか。いまのお話ですと、事実上、この勧告については、結果としては認められていない現状にあるわけですが、この勧告について、結果として認められてないとすれば、どの点が問題なのか、障害があるのか、まだ検討中なのか、そういった点について、もう少し詳しくお聞かせ願いたい。
○伊原政府委員 科学技術庁といたしましては、この問題は、非常に重要であるという認識を持っております。ただ、科学技術庁だけできめられる問題でございませんので、関係省庁、先ほど申し上げました文部省、厚生省と十分連絡をとって従来検討してきたわけでございます。
 なお、実質的にこの面の研究を充実するということは、先ほど御説明申し上げましたように、過去数年間にわたって努力をいたしておるところでございます。
○中路委員 昨日、日本学術会議の会長が、六本木の同会議で記者会見を行ないまして、原潜放射能測定捏造事件について、日本学術会議としては初めてですが、会長の談話が発表されています。
 この談話の中で、一部引用しますと、今度の日本分析化学研究所の原潜放射能測定値の捏造事件ですが、「この種の事件をひき起こした当事者は、きびしく糾弾すべきである。しかしながら、本事件の重大性は、そのようなことにのみあるのではなくて、科学技術行政のあり方にこそあるといいたい。科学技術行政なり、公害行政なりの根源におけるゆがみこそが、その根本原因であるということである。そうであれば、本事件に関係した研究機関やその責任者、あるいはその監督官庁の担当者等を処分したり、また測定業務を他の研究機関にふりかえるようなことで、事件が解決するものではなかろう。むしろ、そのような安易な対策が講ぜられることこそ今回の事件の意味する重大性や、その根源が認識されるにいたっていないことを物語っているとともに、本事件のごときものを必然的に生み出す科学技術行政のゆがみがあらわれていると見るべきであろう。」というふうに述べています。
 また、この談話の中で、「この点について日本学術会議の意見を隔意なくきいてもらいたい。直言すれば、科学者の意見を土台として、真の科学行政を実施してもらいたい。先に日本学術会議は「放射線影響研究の推進について」の勧告をおこない、環境放射能研究所、放射線障害基礎研究所の設置を求めたが、不幸にしていまだ政府の実施するところとなっていない。」という、この問題についての相当強い不満、怒りを、きのう談話で述べられているわけです。
 この日本学術会議の会長の談話は、昨日、記者会見の前に開かれた日本学術会議の運営審議会でも、この談話が了承されて、出されているわけですから、いわば今度の分析研の摸造事件に対する日本学術会議の最初の見解でもあるわけです。この談話の中でも、いま私がお尋ねしました、六年前から勧告されている環境放射能研究所の設立の必要性、この問題が「不幸にしていまだ政府の実施するところとなっていない。」というふうに述べられているわけです。
 いままでも、日本学術会議が勧告した中で、たとえば昭和三十四年の勧告にありました核融合の基礎研究である名古屋大学のプラズマ研究所の設立、これが、この中からりっぱな研究者を育て、国際的にも高い評価を受けてきたのは、皆さんもよく御存じだと思います。
 こういう点で、日本学術会議が、文字どおり日本の科学者を代表する機関として政府に責任ある勧告をしてきた、しかし非常におくれております放射能基礎研究についての重要なこの勧告が、いま答弁されたような扱いになっているということについて、きのうの談話でも、あらためて日本学術会議を代表する会長から、このような談話が出されております。
 また、このあとで、私は、総理はじめ関係大臣、各政党の首脳並びに関係国会議員などと会談し、直接このことを訴えたい、また、要請があれば、いつでも国会に参考人として出席して見解を述べたいということも述べておられます。
 きょう、できれば出席したいというお話だったのですけれども、所属の麻布獣医科大学の行事でこちらへお見えになっておりませんけれども、きのうの談話でも取り上げられておりますこの研究所の設立について、いまのままで、事実上この点については認めない、具体化できない、しないという状態にまだあるわけですが、政府の代表として、ひとつ大臣のこの問題についての御見解をまずお聞きしたいと思います。
○小坂国務大臣 学術会議が、昭和三十三年あるいは三十七年、八年、さらに四十三年十一月等に、いろいろと勧告ないしは申し入れをしておられた事実は確かであります。こうした問題に対して、そのときどきに、やはり政府としては対応をしてきたと考えますが、先般のような事態が起こって、はしなくも、原子力問題についての、放射能についての政府対策で非常な反省をしなければならぬということの事態になったことは、非常に遺憾だと思います。
 現在、政府におきましても、閣議のたびに、こうした問題についての真剣な討議がときどき行なわれておりまして、むしろこの際、こうした核の問題についてのトレースというようなことについては、国及び政府がもっと責任の負える組織を持って対応していくべきだ、研究所も、むしろ民間委託というようなことは思い切ってやめて、政府自身の、政府機関の中でこうしたものをやるべきではないかというような意見が開陳されておるわけでございます。
 現在は、科学技術庁におきまして、具体的にそうした基本的な対策のできるまでの措置として、先般、非常な醜態をさらしたような、ああした事態の及ぼした国民の信頼感の喪失というものを取り返すための努力とともに、いま申し上げたような長期的な放射能の問題についての研究体制を整備する努力を続けておるわけでございます。
 また、学術会議の会長が、そのような問題について言及されたことは、私も新聞紙上で知ったわけでございますが、私自身もお世話をしている組織体でございますので、おりがありますれば、私自身もお目にかかって、十分に御意見を承っておく必要があるんじゃないかというふうにも考えております。
○中路委員 六年前の勧告です。しかも、この研究所の設置の必要についての勧告に、相当詳しい、具体的な提案も資料でついています。その中に一つの例として、放射能の観測用自動車の設置あるいはその管理運営の問題についても提案がなされています。
 先般、私も原子力潜水艦の問題について、現地の監視体制ですが、今月の九日と十五日、二回出かけて見ましたけれども、その際にも、横須賀の場合、四カ所のモニタリングポストがありますが、その四カ所が、調べてみますと、原子力潜水艦の最近の入港する個所から比べますと、非常に遠くに設置されている。というだけではなくて、逆に、説明をされた科学技術庁の方の話を聞きますと、最近は、意識的かどうかわからないけれども、その監視ポストから一番遠くへ入ってしまうという話です。最近入る六号ドッグは、三百メートルからドッグの長さがありまして、その奥に入る。そしてポストは、それから、さらに入り口から六十メートルも離れたところにある。これが一番近くにあるポストです。一番近くにあるのでも数百メートル離れている。だから、説明を聞きましても、相当大きな事故でもなければ、なかなかここで問題がはっきりすることはないというお話も聞きました。
 その場合に、たとえば一つの方法として、観測用の自動車、こういったのが潜水艦の岸壁の近くに置ければ、監視体制としてはより有効だという話も聞きましたけれども、これも一つの方法だろうと思います。
 こういった観測用の自動車の設置の問題というものも含めて、この勧告の中には、いろいろ問題の提起もされていますけれども、私は、こういう点で、いまお話しになりましたように、はっきりといままでの――原子力潜水艦の試料の観測値の捏造事件ではっきりしましたように、いままでのこの点での科学技術行政、特に放射能についての基礎的な研究体制、こういったものが全く不備だということは明らかになったわけです。
 いまのままで、たとえば放医研なり原研にこの仕事を振りかえって頼もうとしても、そう簡単でない。金もない、たいして出さない。研究者も少ない、人も少ない。たとえば、私が横須賀に行ったときに、案内してもらった方は、科学技術庁の方でなくて放医研の方じゃないですか。科学技術庁になかなかそういう専門的な研究者が少ないのだということで、放医研の所属の方に案内をしていただいたのです。
 こういった点での研究者の養成も必要でしょうし、日本学術会議の会長が、ここまで具体的に問題をあげて、いままでの行政について、一つの例として、たとえばこの研究所の設置についていままで求めてきたけれども、不幸にしてまだ政府が実施しないでいるというような強い怒りもこの談話で出されているので、この点については、六年間たっているわけですから、あらためてこういう問題が起きているときですから、政府のほうで、この日本学術会議の勧告について、あらためてもう一度検討していただき、重要な勧告でもありますから、具体的な、やはりこの要請にできるだけこたえていただけるような処置が必要だと思いますけれども、もう一度この点について長官……。
○小坂国務大臣 いまの御指摘は、そのとおりだと思います。私らは、内閣といたしまして、この問題の国民の信頼を受ける、また信頼を回復するということに全力をあげるというたてまえは、少しもくずしておりませんし、また、たまたま学術会議のほうから、そのような具体的な御指摘もいただいておりますので、よく検討して、さらに議論を進めてまいりたいと思っています。
 しかし、ただ一つだけ申し上げなければならぬことは、このような事態がありましても、本来、原子力潜水艦というものについての安全性は、アメリカ側において立証する義務があるわけでございますから、その点が、私、個人的な見解でございますけれども、さらにそれを追求して――国内のいろいろな措置が多少手間取っておる、その間におきまして、寄港するようなことは避けてもらいたいということは、十分申しておるようでありますけれども、それに関連して、米側における原子力潜水艦の安全性の立証を、さらに確実にそれをしてもらうこと、そしてまた、そうした問題について、学術会議の方々とそうしたデータが信頼できるものかどうかということもあわせて御検討いただければいいのではないかと思います。
 ただ、これは私が総務長官としての発言でございまして、実務的には技術庁長官が担当することになると考えますが、閣僚の一人として、そのような感想を持っておるし、また、そうしたことをすべきだというふうに個人的に考えておることを申し上げます。
○中路委員 きょうは、総務長官ですから、あまり直接、外務省、科学技術庁に関する問題にまで広げて御質問しようと思いませんけれども、たとえば今度の分析研の問題にしても、日本学術会議が推薦をする科学者にチェックをさせるというような、これは一つの例ですけれども、公正に判断できるこういう制度があるわけですから、その学者がチェックするようなことがあれば、もっと問題が早期に明確になったかもしれないと私は思うのです。
 その点で、やはり内外を代表する科学者、独立して、先ほど一番最初お尋ねしましたように、法でも明確にされている日本学術会議の意見を尊重していくという点について、再度要請しておきたいと思うのです。
 いま勧告の問題を取り上げましたけれども、もう一つお尋ねしておきたいのですが、諮問というのがありますね。これについて調べてみますと、最初のころは、いろいろ諮問を学術会議に政府のほうもやっておられましたが、最近といいますか、この十数年、学術会議は、いま九期ですが、三期以降は、文部省の中の科学研究上の大綱、この諮問を除いては、全く政府の方から学術会議に諮問がないという状態です。
 この点について、先ほど一番最初に、長官もお答えになった、学術会議の立場からすれば、科学行政の問題についてもっと学術会議に、いろいろ重要な施策については、政府のほうから、勧告や申し入れだけでなくて、また諮問もするということが必要だと思うのですが、この点についても、もっと改善が必要ではないかと思いますが、一言御意見を伺いたいと思います。
○小坂国務大臣 学術会議は、その持っている力は、日本で最高のものではないかと私は思います。そうした有力な科学者、技術者、そうした方々に、いま日本が当面しているいろいろな問題は、非常に複雑多岐でございますし、諮問をして、いろいろと御検討いただくということは、当然のことではないかと思いますが、学術会議と政府の間あるいは各官庁との間に、コミュニケートが少し欠けていたのではないかというふうに考えます。
 同時に、学術会議は、独立性あるがゆえに、独立独歩の形ばかりとるということも、むしろ政府サイドから諮問をしたり、いろいろなことをしてコミュニケートをとらなかったためもあるかとも私考えておりまして、総務長官に就任いたしましてから、学術会議は何をやっているんだというような質問を受けることが、私、しばしばございますが、もう少し、政府というよりも、国の全体のいろいろな問題についてのりっぱな方々の御意見を承る、そうした機会をふやしていくべきだというふうに考えております。
○中路委員 これは、ぜひ具体的に、ひとつそういう方向で改善をしていただきたいと思いますが、この点で、いままでの経過を見ますと、最高の学者の集まり、内外を代表する機関だといいながら、実際にはいろいろな面で無視をされ、あるいは骨抜きにされていくような傾向が事実上見られるわけです。
  〔小宮山委員長代理退席、委員長着席〕
 私は、その点で、予算の問題ですが、先ほどは独立したもので、総理府の一つの付属機関じゃないんだということをおっしゃっていますけれども、この学術会議の四十九年度の予算を見ますと、事実上総理府の一部局の予算のような扱いにされているのじゃないかと考えるわけです。
 昨年ですか、参議員の予算の第一分科会で、学術会議の高富事務局長さんがお答えになって、学術会議は支障なく運営できているのだ、うまくいっているのだというようなお話もありましたけれども、実際に学術会議の先生方の御意見を聞くと、たいへんな状態なんですね。その点で、具体的な問題で、私は二、三お尋ねしていきたいと思うのです。
 まず最初に、この予算を見まして、感じるのは、前年に比べて少し伸びている。どこで伸びているのかと見ますと、ことしは三年に一回の選挙があります。この選挙管理費が伸び率の非常に大きな部分を占めています。また、第十期の第一回総会費も、この中に含まれています。それから当然のこととして人件費が二千五百万ぐらい上がる、それから国際的な分担金もアップになるということで見ますと、こういう選挙管理費や人件費のアップ、国際分担金の当然のアップ、これを除きますと、実質的な活動の面では、日本学術会議には全く微々たる費用しかないということです。
 実際に学術会議の皆さんの話を聞きますと、年二回の総会に出るのもたいへんだ。第一から第七の部会がありますが、各部会を開くのが、その点でたいへんで、北海道なんかの遠い先生は、なかなか参加するのもむずかしい、手弁当の場合も非常に多いというような話も聞いています。
 たとえば予算の中で重要な学術文献費なんか見ますと、前年に比べて全然ふえていない、全くゼロですね。こういう状態ですが、きょうは、予算全般の問題について日本学術会議にお尋ねするのではなくて、二、三の具体的な問題でひとつ要請をしたいと思うのです。
 一つは、七五年に開くということで、日本学術会議が準備をしてまいりました国際環境保全科学会議というのがあります。いま、この国際環境保全科学会議は、国連あるいは国際的な学術団体でも非常に期待している、国際的にも高く評価されている会議ですが、お話を聞きますと、昨年の四月ごろですか、個別に会長と会われた際に、前の坪川長官もいいだろうというようなお話もあったそうですし、三木環境長庁長官も、ほぼ内諾しているようなお話も聞いていたのですが、今度の中では新規だということでこの予算は全く認められていない。ことし準備金がつかないと、七五年に開けなくなるわけですが、この問題について対策がどうなっているのか、具体的にひとつお聞きしたいのです。
○高富政府委員 お答え申し上ます。
 学術会議の毎年開催する国際会議は、だんだん多くなってまいりまして、来年度は本予算が四つ、再来年度の準備予算が二つと、六つほど予定されておりますものですから、御指摘の国際環境保全科学会議は、その国際会議の全体のワクから見まして予算計上が行なわれなかったわけでございます。
○中路委員 私がちょっとお話しましたけれども、会長なんかのお話でも、この件については、前の坪川長官も個別的ですけれども、お話もしてあるし、聞くところによりますと、環境庁長官もほぼ内諾されているというお話も聞いていたのですけれども、国際的にも非常に期待をされている会議ですが、この点について、今度予算が削られているわけですけれども、もう一度検討されて、非常に重要な会議ですし、国際学術関係の団体からも非常に期待されていますから、もう一度閣議の了解をつけるか、あるいは聞きますと準備資金百万ぐらいだそうですから、総理府の準備金からでも出そうと思えば、そうむずかしいことではないと思うのですが、長官、この点もう一度検討していただけないですか。
○小坂国務大臣 これは、私、国際環境保全科学会議なるものの開催を、学術会議がそれほど全体として主張されていることは、実は聞いておらなかったわけでありますが、同時にまた、学術会議自体としても、国際会議の主催を、他に六つぐらい用意しておって、それが競合してきておる、したがって、予算の編成のときに、今年度御承知のように、一般の予算は大幅に切るという基本方針があって、それらの中でこの国際環境保全科学会議なるものが生き残れなかったというふうに、きまってから聞いたわけでございますが、環境庁長官が、現在もなお、学術会議との関連の中で、こうしたことを強く要望されているかどうか、まだ伺っておりませんが、中路委員の御発言、十分記憶してまいるつもりでございます。
○中路委員 もう少し率直に言いますと、実はこのことで、会長が小坂長官にぜひ会いたいというお話もあったそうです。小坂長官は、御存じでないかもしれませんけれども、学術会議の話では、いま小坂長官は、国会が忙しいので、まだ会えないというような返答だったということで、たいへん不満なんですね。長官自身は、まだ御存じないかもしれませんけれども、そういうことで学術会議のほうからは、ぜひとも長官にこのことで会いたいという要請もあるわけです。
 だから、私は、直接やはり学術会議の関係の人たちと、機会を見て会っていただいて、この会議についても、この前の坪川さんは、そのことで会長と個別には話をされているわけですから、引き続く問題ですし、当然、今度は準備金がつくというお考えだったそうですが――つかないと七五年に開催ができないわけです。
 その点で、学術会議の会長なり代表と長官がお会いしていただいて、この問題について、もう一度検討していただくという方向はとれないでしょうか。
○小坂国務大臣 一回、たしかちょこっとお目にかかりました。そのときは、よろしくということで、こちらもよろしくと言っただけで別れて、こういう会議のあることすら――坪川前長官の話とか環境庁長官の話は、一向に出なかったものですから、私は全く知らずにおりました。
○中路委員 それでは、もう一度この経過をゆっくり聞いていただいて、検討していただくようお願いしたいのです。
 もう一、二点お伺いしたいですが、これは国会の中でも何回か、参議院その他でも取り上げられている問題ですが、学術会議の重要な仕事として、これは学術会議法の最初にも、「世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命とし、」ということが書かれていますが、学術関係の国際会議に対する代表派遣。一九七四年度開催の学術関係の国際会議一覧表というのがここにあります。ことしの四月から来年の三月まで、これを見ても、非常に重要な会議がたくさんあるわけですが、この中でどれぐらい、七四年に学術会議関係の皆さんが国際会議に参加ができるのか。
 実際要望があるのかというのも、少し関係の人たちに聞いてみましたが、大体、行きたい人の十分の一くらいしか行けないというお話ですね。予算で見ますと、代表派遣が五千万円ぐらいです。一人どれくらいかかりますか、たとえば六十万としても、百人も行けないという状態ですし、実際に旅費がアップしているわけですから、わずか数百万円くらい予算が上がっても、事実上いままでよりも苦しくなると思うのです。あるいは一つの会議に何人か行きたいといっても、実際は一人しか行けない。国公立の先生方は、手当もつきませんから、ほとんど自弁でくめんしなければ行けないというようなことで、これは、たしか昨年も、参議院で社会党の小林議員がお尋ねした際に、政府のほうは善処するということで答弁をされています。
 いま、こちらに議事録持っていませんけれども、そういう経過もあるわけです。国会の中では、こういう関係の問題を質問されると、よく善処したいという御答弁が返ってきますけれども、実際にことしのこの予算を見ても、学術会議の重要な使命である国際的な学術交流、学術協力のために必要な仕事を、事実上ほとんど行なえないという状態にあるわけですが、この点も、もう少し具体的に、善処をするという内容を検討していただく必要があるのではないかと考えるのですが、この点についても、長官の御意見をひとつお伺いしたいと思います。
○小坂国務大臣 今年度は、一応ここにございます数字だと、四十八年度の予算は、派遣する経費が五千二百八十五万円でございますが、四十九年度には五千六百三十五万八千円になっております。その程度で、全体の予算総額として四億五千九百万円、その中で一般事務処理のための費用が二億一千四百万円でございまして、これが従来も五千二百万円程度、今年もまた五千六百万円程度でとどまっておるという点の御指摘だと考えますが、やはり問題は、科学技術が重要であることは、だれでも観念的にわかるのでありますが、同時に、率直にいえば、この学術会議というものの活動そのものが、もっと具体的に、実際に国民生活の中で評価されるような、いろんな諸点を政府の側としてももっと引き出す必要がある、そういう努力がないために、予算があまりふえないということの結果じゃないかというふうにも考えまして、ただいまの御指摘につきましては、学術会議の重要性を十分認識して、もっと今年度は国民にわかるような活動、そうしてまた、政府施策の基礎になるようなデータ、政策、アイデア、そうしたようなものを、もっといままでよりも、いろいろな形で提出をしていただく、勧告をしていただく、そうした活動を広げてまいりたいと考えております。
○中路委員 第三期の日本学術会議が、「科学研究の日本の将来計画」というのを検討して、出したのがありますね。これも勧告ですが、これを見ますと、日本の国家予算の中で、科学研究費は一〇%程度ぐらい必要じゃないか、その一〇%のさらに一〇%を、科学研究基金としていろいろ使用するというようなことも出ておりまして、勧告当時の、一九六五年の物価でこれが約三千億ぐらいになるということも出ていますが、こういった「科学研究の日本の将来計画」というような勧告が出ていますが、これから比べると、もう比較にならないような、いま、おそらく科学技術庁、文部省含めても、科学技術の関係についての予算は、そういう現状にあるのではないかというふうに思うのです。
 こういった点も、勧告も含めて、日本のやはり非常に立ちおくれている科学技術の行政――特に先ほど言いました放射能の基礎の研究という問題は、住民の安全にとっても最も重要な問題ですし、地震の問題だってそうですが、非常にいま要請されているにかかわらず、こういう点の基礎的な研究もおくれていると私は思うのです。
 科学技術全体についての予算についても、特にその中で日本学術会議の占めている位置、そういった点からいいまして、総理府の付属機関という考えを――最初に長官も言いましたけれども、そういう考えじゃなくて、総理府の予算が幾ら削られたら日本学術会議の予算も削っちゃう、新規のやつも全部やめちゃう、重要な国際会議の開催もやめちゃう、そういうことがないように、もう一度検討をしていただきたいと思います。
 最後にもう一つ、予算のことでお聞きしておきたいのですが、これも日本学術会議法の「独立して左の職務を行う。」、この中の二番目の重要な問題ですが、「科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させる」、これが日本学術会議の使命の重要な問題にあげられています。
 それで、研究連絡委員会というのがありますが、この学会、研究者の意見を集約するための研究連絡委員会、これを拡充する必要があるということで、昨年の四月の六十三回総会で、日本学術会議が申し合わせをしております。研究連絡委員会の整備についての措置ですが、申し合わせをしています。これは読むのを省略しますが、この申し合わせに基づいて、日本学術会議から予算の要求も出されて、四十九年度四千六百八十三万幾らの要請が出ていますけれども、今度の予算書を見ますと、二千八百七十四万幾らというような状態です。
 日本学術会議の二つの使命の中の中心的な仕事の一つが、このように大幅に減額をされているということ一つを見ても、一番最初に長官からお話しになった、日本学術会議の持っている使命からいっても、十分それを果たしていくことができないというふうに考えますので、あわせて、この研究連絡委員会の問題、いまお話ししましたこの点についても、もう一度検討をしていただきたいし、学術会議の関係者から御意見も聞いていただいて、相談もしていただきたいと思うのですが、この点について、もう一度長官の御意見を伺いたい。
○小坂国務大臣 ただいまの御意見でございますが、全くそのとおりだと思うのです。少し独立性ということにこだわり過ぎて、両方が一歩ずつうしろへ下がっていってしまったような感じを、私は率直に持っているわけでございます。
 ところが、やはり現在の社会情勢から見ると、ここのパンフレットにもあるように、科学を産業、国民生活に反映、浸透させるという本来の任務をあらためて樹立するということを言っておられるので、これならば大いにやはり行政面とも接触をしていただきたいし、また率直な意見も、われわれに聞かせていただきたいというふうに考えるわけで、今後は、学術会議と私及び総理府のスタッフは、できるだけ接触を密にしながら、政府との窓口、また一方においては、国会の御要望等についても十分に伝えて、本来の意義をもっと大きく発展させたいというふうに考えております。その面で、また中路委員の御協力をいただければ、非常にありがたいと思います。
○中路委員 これで終わりますが、きょうは、できれば、直接学術会議の会長さんにも出席していただいて、その面からの御意見もお聞きしたいと思ったのですが、それは別の機会にしまして、いずれにしましても、一番最初に私がお話ししましたように、日本学術会議が設立された趣旨に沿って、政府のほうも、重要な施策については――十数年来、いまお話ししたように、全く諮問もないというような状態、あるいは重要な勧告についても六年間検討中、検討中ということで、ついに昨日の学術会議の会長の、研究所について名前をあげての、政府が不幸にして、この放射能研究の重要な勧告について具体化されていないというような不満もぶつけざるを得ないような状態にあるわけですから、ひとつ学術会議の皆さんとも、もう少し連携を密にしていただいて、文字どおり日本の科学者の内外を代表する機関として、科学行政において重要な役割りが果たせるように協力体制を強めていただきたい、このことを最後に要望しまして、質問を終わります。
○徳安委員長 東中光雄君。
○東中委員 同和対策事業特別措置法が制定されて五年になるわけですが、ちょうど特別措置期間の半分になるわけですけれども、申すまでもないことでありますが、特別措置法の四条は、国及び地方公共団体の責務を規定して、「国及び地方公共団体は、同和対策事業を迅速かつ計画的に推進するように努めなければならない。」、こういっております。また第六条は、「次の各号に掲げる事項について」という特定はございますけれども、その政策全般にわたり、必要な施策を総合的に講じなければならない、しかも、それは国が講じなければならない、こういっておるわけであります。
 そういう点で、同和対策事業遂行についての国の責務は、非常に大きいと思うわけでありますが、この五年間どのような同和対策事業をやってこられたか。五年間の、半分過ぎての実績と問題点といいますか、そういったものを総務長官からお聞きしたいと思います。
○小坂国務大臣 同和対策事業は、私は、やはり国民的な非常に重要な問題だと認識しております。同時に、またこの解決のためには、国民的な理解というものが基盤にならなければならない。同時に、またその国民的理解に立って、政府は施策を推進しなければならぬ。御承知のように、この特別措置法ができまして、同時に、また長期計画も策定されたわけでございますが、政府の、こうした措置法の精神や、また長期計画そのものを忠実に履行するという基本的な方針は、変わっておりません。
 そうした五年間の歩みの中で、予算措置等につきましては、一応私は、物の面については、計画を大体順調に進めておると考えております。同時に、対象事業等につきましても、ある程度の拡大もはかって、進歩を示しておるように考えております。同時に、また調査をいたしておりまして、それにだいぶ漏れた県もございますが、いま、その補完的な調査をやっておりますし、四十九年度におきましても、これをさらに精密にやっていく。
 それで、この五カ年間に、一応物的なある程度の把握はできて、四千七百億程度の物的な投資をするという基本的な考えは、現在持っておりますが、もちろん、これは、これからの精密な調査によって、さらに投資額はふえるであろうというふうにも考えますが、同時に、また、この同和対策そのものは、各地方の自治体の社会生活の中においての解決が、非常に重要なことでございまして、そうした面に対しての国の予算措置、たとえば調査等につきましても、私は、一応五カ年の実績は、そんなにひどいものではなかったというふうにも考えております。
 問題は、これからでございまして、もっと早く解決をして――解決といっても、なかなかむずかしい面がたくさんございますが、もっと十分な措置をとっていかなければいけないその一番基本的なものは、物的な問題もさることながら、やはり精神面における、心の問題としての同和対策というものを、もっときめこまかく、国民の良識の中で展開していかなければならぬというふうにも考えるわけであります。
 そうした意味から、五カ年の反省といたしまして、委員会の御了承を得て、対策協議会のさらに延長とか、あるいはまた、総理府内部における同和対策室の設置とか、さらに四十九年度に行なう精密調査というようなものを踏まえて、前進をはかってまいりたいと考えております。
○東中委員 長期計画が、措置法ができる二日前に、閣議了解を得てつくられているわけでありますけれども、その計画によりますと、計画の基本方針では、「計画期間を前期と後期に分け、前期を五年間、後期を五年間とする。」、「前期計画においては、施策全般について社会的経済的諸事情を考慮し、必要な調整をはかりつつ、遅れた部門の施策の促進に努める。」、こうなっておるんですけれども、前期計画というのはあるんですか。
○亘理政府委員 お答えいたします。
 先生御承知のとおり、四十四年に閣議了解をされました「同和対策長期計画」は、基本的な方針としまして、計画期間を前期、後期に分け、前期計画においては、ただいまおっしゃったような文言の施策の目標が書いてあるわけでございますが、御承知のとおり、この計画は、各省の行政にわたります全体的な同和対策の進め方についての基本方針をまとめたものでございまして、その中で、特に具体的に、前期計画がかくかく、後期計画がかくかく、というふうに確定しているわけではございません。
 ここに書いてありますのは、前期計画のねらいと申しますか、そういうことを書いてあるということでございまして、具体的に前期計画というものがあるわけではございません。
○東中委員 この長期計画には、はっきりと、前期計画と後期計画に分ける、前期と後期に分けて、前期の五カ年はこういう目標で計画をつくる、後期は「前期計画の実施状況に検討を加え、総合的効果的な同和対策の推進をはかる。」、「計画の実施状況」と書いてあるのですから、前期計画がつくられることが前提になっておるんでしょう。五年間に、前期計画に従ってやってみて、その前期計画の実施状況に検討を加えて、あらためて後期計画をつくる、こういうふうになっている。これは、そういう日本語ですね。しかし前期計画はつくっていない、こういうことですか。
○亘理政府委員 この計画は、御承知のとおり、十年間の計画になっているわけでございます。十年間における各般の同和対策の進め方についての基本方針を述べておるわけでございますが、計画期間を前期と後期に分けまして、「前期計画においては、施策全般について社会的、経済的事情を考慮し、必要な調整をはかりつつ、遅れた部門の施策の促進に努める。」ということでございまして、ことばが適当であるかどうか存じませんが、要するに計画期間を前期、後期に分け、前期の重点的なねらいはこうである、それから後期五カ年におきましては、この前期五カ年の実施状況に検討を加えまして、さらに効果的な、総合的な対策の推進をはかるという趣旨が書いてあると理解しております。
 その意味におきまして、ここで前期五カ年を終わるわけでございますが、私ども、四十九年度の予算におきまして、精密調査を実施いたしまして、そしてこの前期の実施状況について検討を加え、その効果がどうであったか、どこに問題があるか、どこに今後重点を置いて進めるべきかということを的確につかんで、後期の施策を進めたいというふうに考えておるわけでございます。
○東中委員 これは、あなた、自分のところでつくったんじゃないか。閣議了解になっておる長期計画は、あなたのいま言っているようにはなってないでしょう。あなたのいま言っているのだったら、「計画期間を前期と後期に分け、前期を五年間、後期を五年間とする。」、その次は、「前期計画においては、」云々と、こうなるはずであります。「前期計画においては、」とわざわざ書いてあるんですよ。そして、その前期計画の実施状況を検討して、それで後期計画をつくるとあるじゃないですか。
 じゃ、これは、わざわざ「計画」という字を入れたのは、見せかけだけでやっておるということですか。
○亘理政府委員 これは、四十四年に閣議了解をされておるわけでございますが、おっしゃるような意味での、十カ年の計画を、前期に分けてどうであり、後期にはどうでありというふうな計画のつくり方をしておらないわけでございます。
 この計画全体が十カ年の方針でございまして、その中の前期五年の考え方の重点はこうだ、後期の重点はこうだということを指示しておるというふうに理解しております。
  〔委員長退席、野呂委員長代理着席〕
○東中委員 理解するのは、かってですけれども、それだったら、この「計画」という文字は、要らぬでしょう。前期計画においてはこうこう、後期計画においてはこうこうと、わざわざ「計画」ということばを入れてあるじゃないですか。
 それから、前期の実施状況ではなくて、「前期計画の実施状況に検討を加え、」、わざわざそういうふうに分けてあります。
 それと同時に、この長期計画は出されているけれども、同和対策事業の計画、この具体的な事業計画というものは、結局つくられずじまい、こういうことになっているわけですね。
○亘理政府委員 事業計画とおっしゃるところの意味が、計数的なこの十カ年の計画ということでありますれば、そういう意味の計画は、つくられていないわけでございます。
 この全体が長期計画ということになっておるわけでございます。そして基本的な考え方、方針について、各省所管別に重点を置いて推進すべき事項を述べておるということでございまして、計数的な事業計画というふうな形にはなっていないわけでございます。
 これは、いろいろ御意見もあるわけでございますけれども、一つには、社会経済情勢の変化が非常に流動的でございまして、特に同和対策事業には、そういう情勢の変化に機動的に対応して、実情に即した必要な施策を進めていかなければならない。したがって、たとえば五年、十年というふうな計画を、固定的に策定することは必ずしも適当でない。のみならず、同和対策は、単に物的な施設の整備の問題だけではございませんで、人権擁護の問題でありますとか、同和教育の問題でありますとか、あるいは産業振興の問題でありますとか、就職促進の問題でありますとか、いろいろ総合的な、大臣からもお話がございましたように、物的と同時に精神的な面も含めました対策を進めなければならない。その中には、必ずしも数量化の容易でないものが少なくないわけでございます。こういうことで、十年間を通じて重点を置いて施策の進むべき方向を計画として示しておるわけでございますが、数量的なものにすることは、必ずしも適当でないということでございます。
 ただ、同和対策事業のうちで、物的施設にかかる部分につきましては、四十六年に全国同和地区調査を行ないまして、四十七年度から五十三年度までの事業計画を、地方団体の要望を集計いたしまして、これを四十七年度の補助方式で算出いたしました結果、その総事業費は四千七百三十三億ということが、調査の結果出ておるわけでございますが、これまで、これを重要な行政の基礎資料として施策の積極的な推進につとめとおるところでございますし、かつ、この四千七百三十三億の総事業費の内容のその後の進捗につきましては、実際の年々の事業の進展度合いは、かなり進んでおるというふうに思っておるわけでございます。
○東中委員 あなたは、いま前半の答弁と後半の答弁で違ったことを言っておるわけです。前半では、情勢が非常に流動するので、物的な問題についても計画は立てられない、そういう趣旨の発言をされた。そして物的なものについては、四十六年の調査によって、いわゆる四千七百三十三億の一応の計画を組んだのだ、こういうふうに言われた。四千七百三十三億のこの計画というのは、あなたの先ほどの発言でいけば、流動的な状態で立てられないものでしょう。
 五年先さえ立てられないと言うているあなたが、七年、八年の計画を立てている、こういうことになるのであって、それはきわめて矛盾している。少なくとも事業の計画は立てられるでしょう。なるほど金はどんどん見直していかなければいかぬということもあるだろう、しかし事業の計画は、立てられるのじゃないですか。ところが、そういうものは全然立てていない……。
 ついでに聞いておきますが、四千七百三十三億の予算の内訳ですけれども、どういうふうになっておるのか、明らかにしていただきたい。
○亘理政府委員 四十六年度の全国調査に基づく四千七百三十三億の事業の見通しというのは、いわゆる国が確定した計画というわけではございません。これは四十六年の調査の際に、各地方団体から、同和対策として必要な事業ということで要望がございましたものを集計いたしまして、そしてこれを四十七年度の補助方式で算定した場合に、四千七百三十三億という事業費が一応算定されたということでございます。
 したがいまして、これを重要な基礎資料、参考資料として、施策の積極的な推進に資するように使っておるわけでございますが、国の計画として、これに沿ってやっていけば、それで十分だというわけではございませんで、実際の事業の進展度合い、それは金額的に見ましても、この四千七百三十三億よりもさらに進んでおるというふうに思います。全国調査は、従来、大体四年ごとにやっておりまして、四十二年にもやっております。それからいまお話し申し上げました四十六年でございます。
 そういたしますと、五十年度に、また全国調査をいたすという順番になりますが、本年度は、そういうこともございますので、単に地方ごとの要望事項を集計するだけでは十分でないと思いまして、特定の地区を幾つかとらえまして、精密に実態調査、これまでの施策の効果なり問題なり今後の重点なりをとらえ得るような、そういう調査をいたして、五十年度の全国調査に備えたいというふうに事務的には考えておるわけでございます。
 御承知のとおり、この四十六年調査にも、未調査地区、未報告地区等の問題がございまして、これが万全なものではないわけでございます。したがって、これを参考として、重要な資料として使っておりますけれども、必ずしもこれだけによって行政を進めておるというわけではございません。
 なお、この四千七百三十三億の中身ということでございますが、ごく大まかに申し上げますと、社会教育施設が十四億円、それから隣保館とか地区道路とか社会福祉施設等の生活環境施設関係で千五百六十億円、それから基盤整備その他の農林漁業関係が六百九十三億円、それから住宅地区改良、公営住宅、公営事業等の住宅及び土地関係が二千四百六十六億円、そのような内訳になっております。
○東中委員 私の聞いてないことを、ずいぶん長い間答えられて、時間がかかって、予定時間をオーバーせざるを得ぬようになってしまう。調査のことなんか聞いてやせぬのです。これは、また聞きたいときに聞きます。そういうことではなく、問題をそらさないで、端的に答えてもらいたいと思うのです。
 では、こういうふうに聞きましょう。物的な問題についてだけいま言っておるのですが、国独自として計画をされた事業はあるかないか。あるとすれば、どういう計画に基づいてどういうふうに実施したか。地方公共団体等の補助だけでなくて、国独自としてやったのがあるかないか。まず、そこから聞きましょう。
○亘理政府委員 同和対策は、御承知のとおり、地元の実態、実情に即して、その要望をくみ上げてやっていくということが必要でございまして、国独自で、地元の要望を離れて計画するわけにまいらないことは当然でございまして、年々各省におきまして、地元の要望をくみ上げ、そして必要な予算措置を講じて、施策を進めておるということでございます。
○東中委員 国独自としてはない。自治体がやるのに対して、補助するというだけではなくて、地元の要求をよく聞いて、そして国独自としてやるということは、一つもおかしくはないわけであって、自治体でなければいかぬ、同和行政は補助行政であり、主力者は自治体だというものではないわけです。
 しかし、実際に要求をよく聞いてやるということと、国が同和事業についての責務を負っておるというこの法の積極的な面、そういう点について、全部地方に還元してしまう、こういう姿勢をとつておるじゃないですか。
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。
 長期計画という名前で呼んでおるところに問題があると思いますが、この長期計画と称するものの基本的な考え方は、各省別にたとえば考え方というものをまず立てております。それと同時に、それをフォローした各省別の計画の原案ができておるわけでございます。そうしたものを逐次実行していくという中で、十カ年の間に問題の解決を進めたいというふうにわれわれは理解しておりまして、いま御指摘のような具体的に政府が何をやったのだ、たとえば法務省とかあるいは文部省、厚生省、それぞれ各省庁におきまして、こまかい考え方と同時に、こういうことをしようという計画はございます。それに従って予算を配分し、推進をしていくという態勢で進んでおるわけでございます。
○東中委員 長官、非常に抽象的に、間違いのないことだけを言われるのですけれども、具体的にいえば、たとえばこの五年間の執行された予算を見ても、いわゆる同和対策事業としての国の支出は千百八十三億六千万円、きわめて微々たるものであります。一年間の防衛費が一兆円をこえているというときに、五年間で、しかも国の責務であり、国民的課題であるというふうに言っておきながら、物的な面においても、きわめて不十分なものである。しかも国自体としての事業計画、同和事業でどこへ道路をつくるか、あるいはどこへ住宅をつくるか、そういうことについて、国が積極的にやられてこなかったということを、私は指摘をしておるわけであります。
 それで、具体的な問題に入ってまいりますけれども、たとえば四十六年の全国同和地区調査で、不良住宅が十万九千四百四十二戸ある、こういうのが出ております。そして実際に、四十六年、四十七年でつくられたのは、この「同和対策の現況」という総理府が出された書籍によっても、いわゆる同和向け公営住宅が、四十六年が三千四百九十六戸、四十七年が四千二百九十九戸、合計七千七百九十五戸であります。それから住宅地区改良事業のものが、四十六年が四千二百五十一戸、四十七年が五千六十二戸、合計九千三百十三戸、また住宅改修貸し付けについても、四十六年は四千二百六十五戸、四十七年が七千八百二十戸、合わせて一万二千八十五戸、こういう数字になっております。
 こういうふうに、国の責務であり、そしてまた、国の責務でやるだけでなくて、国民的課題だというふうに、何ものをおいても取っ組まなければいけない問題なんだというふうに言っておりながら、実際には、この二年間で、住宅改修貸し付けの戸数も含めて三万戸弱であります。約十一万戸不足しているという調査があって、なぜ、こういう物的な問題について――予算なんかたいしたことないわけですから、ほんとうにやる気があるならば、もっと事業量をふやすことができるわけです。
 それを、こういうスローテンポでやられる。こういう中で、順位争いがあり、いわゆる窓口一本化というような問題が起こってくる。非常に熾烈な、同じ未解放部落でのああいう争いにもなってくる。国の責務として特別措置法をつくってやれること、それは、こういう物的なものというのはすぐやれるわけです。そういうものを、普通に十年計画だから、十年に見合うように算術で割り当てていくというふうなやり方をやっておられるのじゃないか、こう思うわけです。
 そういう点について、同和対策事業を進める物的な条件、そういうもの自体についても、もっと積極的にやらなければいかぬじゃないかというふうに思うのですが、長官、いかがでございましょうか。
○小坂国務大臣 御指摘でございますが、国家予算の全体の動向や何かと比較いたしますと、同和対策事業に対する投資額というものの伸び率は、はるかに大きいわけでございまして、やはりこうした問題に対して、政府としては一日も早く、いろいろな条件の整備をしなければならぬという考えで努力をしておるわけでございます。
 同時に、また同和対策事業というものに対する補助は、非常に高率な補助を、地方債の問題並びに補助率等においても具体的にやっておりますし、また、対象事業につきましても、毎年毎年ふやしてきております。
 そうしたことを、もっと物的に進めることが可能ではないかという御指摘はよくわかりますが、同時に、また、やはり国家予算の全体の中でとらえる場合には、そうした強い熱望に対して不満足であるということも、またやむを得ないのではないかと思います。
 しかし、御指摘の点につきましても、この問題に対する非常に深い御関心のある東中委員の御発言でございますし、私も、また非常に深い理解を持ちたいと考えておるものでございますので、今後は、そうした方向の中で努力をいたして、物的な問題の多少のおくれという点も、四十九年度には全部ひとつ洗い出して、それに対して五十年度には十分手配をしていくという準備と行動を起こしておるところでございますので、御了承いただきたいと思います。
○東中委員 長官は、いま伸び率が非常に高いのだとおっしゃったですけれども、わざわざこの特別措置法がつくられたその初年度の予算は、何と六十二億ですよ。これは伸び率が高いのじゃなくて、出発点がものすごく低かったということにしかすぎない。しかも、ことしの予算、いま審議されているわけでありますけれども、昨年度のアップ率と比べて、アップ率は一五・七%もダウンしています。
 だから、そういう点でいうと、政府がほんとうに同和対策事業にできること――非常にむずかしい問題があります。先ほど精神的な面とおっしゃったですけれども、これは精神的な面というよりも、むしろ上部構造的な面が非常にむずかしい、長期間かかるということであります。私たちは、十年の時限立法じゃだめだということを、制定当時主張しておったわけです。そういう性質のものです。しかし物的なものというのは、これは、すぐできるわけですから、それをやって、そして、さらに施策をあわせて、まさに総合的に進めなければいかぬということだと思うのです。
 そういう点で、昭和五十年度からそういう点は考えるということでございますから、これ以上しつこく申しませんけれども、いずれにしましても、いま長官の言われたのは、そのままちょうだいするわけにはいかない。もとがあまりにも少な過ぎたのだという点を、指摘しておきたいと思うわけであります。
 そこで、この同和対策事業についての実情でありますが、自治省からも来ていただいていると思うのですが、大阪関係のやつで見てみますと、市段階で地方公共団体の歳出総額の二〇%、三〇%、普通建設事業費との割合でいえば、同和対策事業費が七〇%も八〇%にも達するというふうな事態に現在なっております。
 大阪府下の八尾市の例で申しますと、同和対策事業費は三十一億四千六百三十万、この市の歳出総額は百四十億三千九百二十万、歳出総額との対比でいえば二二・四%になっています。普通建設事業費は、この市の場合は五十億三千二百十万円、同和対策事業費との対比は六二・五%であります。一々数字は申し上げませんけれども、松原市の場合でいえば、同和対策事業費が二十四億五千三百九十万円、普通建設事業費との対比でいえば七六・三%になっています。大東市の場合は、同和対策事業費が十三億二千百三十万、普通建設事業費との対比でいけば七五・五%です。羽曳野市の場合は、十九億二千七百六十万円の同和対策事業費で、普通建設事業費との対比では七五%。貝塚市の場合は七〇・九%。泉南市の場合は七二・八%。高い部分を拾ってみたわけですけれども、実に考えられぬような高率になっているわけですね。
 こういう事態になっていることについて、国は当然御承知だと思いますが、どういうふうに考えていらっしゃるのかという点をお聞きしたいわけであります。
○栗田説明員 お答えいたします。
 いま御指摘がありました同和対策事業費の歳出予算に占める割合あるいは普通建設事業費に占める割合が、具体的な話で数字をあげて御指摘になったわけでございますが、そういう数字になっているかどうか、実態的には把握しておりませんが、たとえば大阪府下の市町村においては、特にそういった、かなりの比重を占めている、そういう団体があるということは承知しております。このように同和対策事業を積極的に進めているわけでございますが、このような措置は、地方団体が自主的な判断に基づいて、それぞれの実情に即してやっているものだ、このように理解をいたしております。
○東中委員 同和対策事業は国の責務である、地方公共団体もまた責務であります。そういうように法律ではなっておるわけです。国が直接やっている分、関与している分、あるいは関与していないけれども、地方公共団体がやっている分、こういうものについて、どの程度に支出しているのかということを調べて――そういうことを調べることさえもしていないということでありますか。
 全国的に、国並びに地方公共団体を含めて、どの程度の同和対策事業がやられておるのかということについて、地方自治体がやっておるんだからということだけで済む問題ではないと思うのです。かなりの率になっておることは、知っていますというのが自治省の答弁ですけれども、かなりというのはどういうことですか。
 それから、そういうことについて調べない。調べなくても、同和対策事業というのはかってに進むんだ、こういう姿勢をとっておられるんですか、いかがですか。
○栗田説明員 ただいま申し上げましたのは、それぞれの公共団体で行なっております同和対策事業の歳出予算なり、あるいは建設事業に占める割合の問題でございまして、先生御指摘の問題は、その同和対策事業が、国の補助あるいは各地方団体の負担ということに分かれるわけでございますが、それぞれの事業の中で、国の補助の部分が少ないというのが問題ではないかという御指摘ではなかろうかと思っております。
 同対法では、国の責務で行なうということで、原則として三分の二の補助で行なうということになっているわけでございます。それで、三分の二が国の負担でございますから、三分の一が地方の負担になるわけでございますが、現実問題として三分の一よりも地方の負担が多くなっているということは承知をしているわけでございます。したがいまして、今後、従来もそうでございますが、国庫補助の拡充といった意味で各省に働きかけをするということで、できるだけ地方の負担を少なくするということで従来からやっておりますし、今後も続けていくつもりでございます。
○東中委員 そんなことを聞いているのじゃないんですよ。書いてきてある答弁書を読んでいるような答弁はやめてください。
 私がいま聞いたのは、地方自治体がどういう程度に同和事業をやっておるのかということについて、国は、それは調べもしていないのか、こう聞いているんですよ。この措置法の第四条は、「国及び地方公共団体は、同和対策事業を迅速かつ計画的に推進するように努めなければならない。」、国及び地方公共団体は、別々のものじゃないわけですよ。それから、「国及び地方公共団体が協力して行なう同和対策事業の目標を明らかにする」というのが、この法律一条の目的の中にも出ている。
 言いかえるならば、地方公共団体がやっておる同和対策事業がどの程度で、どういう実態であるかということを知りもしないで、どうして国及び地方公共団体が迅速かつ計画的に推進するようにつとめなければならないという、この責務を果たすことができますか。協力してやろうというのだったら、やらなければいけないということになっているのだから、それならば、地方自治体がどの程度やっているのかということについて、その支出の状況、事業の状況、そういうものは地方自治体がやっているのだから、国は知りませんということで済む性質のものではないと思うんですが、長官、いかがでございましょう。あるいは国の関知していないことだというふうなものじゃないと思うのですが……。
○小坂国務大臣 お答えします。
 この同和対策の基本的な考え方は、国及び地方公共団体が一体になって三百年来のこの問題解決に努力しなければならぬという、この精神規定でありまして、私は、それはまことに当然のことだと思います。しかし、実際の仕事の面になりますと、やはり地域それぞれのいろいろな事情もあるし、また、こまかく問題を掘り下げていかなければ、実際に生活している人たちの問題でございますから、そうそう国がそこに手を出すわけにもいかぬと思います。
 これは、本質的には、精神的には国はこの問題について、基本法に述べてあるとおりであると思いますが、実際の実施面になりますと、やはりこれは現場のいろいろな問題に取っ組んで解決するしかない。そうなりますると、やはり国といたしましては、地方公共団体がそういう仕事をやりやすくするための措置をとるということが第一義的になると思います。
 同時に、そのために、先ほどから申しておりますように、三分の二の補助をやる、あるいはまた、その他の助成措置あるいは国庫負担によるところの事業等々のものを大きく網を打って、その同和対策事業及び同和対策の諸施策が、円滑に、スムーズにいくように環境を整備していくということが第一義的ではなかろうかと考えております。
 だからといって、地方自治体のほうを全く知らないでいいという問題では、もちろんございませんで、国としては、そうしたことを、各省別に実際的な問題の中で地方自治体を応援していくという仕組みになるのではないかと考えております。
○東中委員 先ほど言いました大阪府下の八尾市の場合でいいますと、八尾市の同和事業費に対する国庫支出金、法律では三分の二になっておるわけでありますが、この国庫支出金の実際の割合は一四・七%になっています。松原市のごときは実に一・七%であります。大東市で一〇・二%、羽曳野市で七・九%、貝塚市で五・五%、泉南市で九・五%、これは、先ほどあげた市について申し上げたわけでありますが、本来、同和事業の内容について、国と自治体とが同じ考えであるならば、三分の二の補助ですから、六六・六%になるはずなんですね。三分の二は補助をするわけですから、六六・六%にならなければいかぬ。ところが、現実には、いま申し上げたように、一・七%というような事態が起こってきている。大阪市のような大都市で十二・六%になっています。
  〔野呂委員長代理退席、委員長着席〕
 こういう実態、これは、それぞれの自治体が同和対策事業としてやっていて、それに出した経費と、それから、そのうちで国が同和対策事業として認めた分とにうんと開きがあるということですね。それが完全に一致しておるべきなんです。地方自治体が必要だと思ったら、そのことを国も必要だと認める、同和対策事業として協力して推進するという観点からいったら、同じでなきゃいかぬわけですね。だとすれば、六六・六%にならなきゃいけないのに、一・七%というような事態が起こっている。こういう事態について、一体国はどう思っていらっしゃるのか、お聞きしたいのです。
○小坂国務大臣 同和対策事業は、原則として先ほどから申し述べているとおり、三分の二の補助でございますが、実際、地方債を発行したりなんかするような場合においては、これらの利子の問題とかいろいろなことに対して、さらに手厚い援助をするわけで、私の聞いておりますところでは、全国的な平均として、同和対策事業としてのはっきりとした費目につきましては、各地方自治体の負担は、予算額といいますか、それは投資額の六%程度負担していただけばいいようになっているというふうに聞いておるわけでございます。
 ですから、そういうものについては、ほとんど国がいろいろな形で援助をして、そして事業の遂行をはかっているというふうに私は理解しておるわけでございます。
○東中委員 長官が、そうあるべきだと理解をしておられるということはわかりました。しかし、現実には、いま申し上げましたように、先ほどの松原市の場合で言えば、市の歳出総額が七十三億二千九百十万円、それに対して同和対策事業費は二十四億五千三百九十万円、三三・五%になっています。六%どころか三分の一に達しているわけであります。六%でいけるはずだということでありながら、実際には三三%にもなる。人件費をのけて、普通建設事業費との対比でいけば七〇%、から八〇%近くもなるという事態が起こっていることについて、国の同和対策事業の責任官庁として総理府は、長官の思われる事態とはまるっきり違う方向にいっているということについて、どうお考えになりますか。
○小坂国務大臣 やはりそういったアンバランスがある。私は、一がいにどこも同じパーセントでなければならぬというものではないのではないかと思うのです。やはり同和対策事業そのものが、その地域の問題であるから、その地域の自治体の運営の中に持つウエートが、いろいろな意味で非常に違うのではないかと私は思うわけでございます。そこに、やはり予算支出の面におきましても、アンバランスが生ずるということがあってもしかたがないのではないかと思いますが、まあ、そうしたアンバランスというものを、ただ放置しておいていいかどうかということは、これはまた別個の角度から、地方財政のあり方そのものについての検討の部類ではなかろうかと考えております。
 私は、原則的に言うならば、同和対策事業というものは、各都道府県の自治体の負担というものを、ずいぶん大きく国がいろいろな形で援助し、そして、その推進をはかっている態勢は、私は御理解いただけると思っております。
○東中委員 自治体によって若干の違いがある。六%でいけるはずだと思っているのが、七%になりあるいは七・五%になっている、そういう程度の動きがあるというなら、これはわかるのです。あるいは特殊例外的に一〇%にもなっている、しかし、それはあまり長期ではない、その年だけだというふうなことならわかります。ところが、総歳出額の三分の一ぐらいのがずっと続いているという事態が起こっている。
 私が先ほどあげておるのは、四十七年度の決算額について言っておるわけでありますけれども、これは、もうけたが違うわけです。六%というのが三三%になっているということでは、五倍、六倍になっておるわけであります。
 だから、一般の生活が圧迫されるということになると言わざるを得ぬわけでありますが、昭和四十七年の十二月十三日に、同和対策協議会が内閣総理大臣、それから関係各省大臣あてに「同和行政推進にあたっての諸問題と昭和四十八年度同和対策事業関係予算の編成について」という意見具申をしています。それによりますと、「同和対策事業遂行上の諸問題について」という項目の中で、ちょっと読んでみますと、「同和対策事業の推進にあたっては、地方公共団体において総合的計画を策定し、計画によって事業を実施することが肝要であり、」、ここから先でありますが、「また、計画の遂行は当該地方公共団体の全住民の理解を求める姿勢の中で行なわれなければならず、行政一般の施策の中に正しく位置づけて行なわれる必要がある。」、こういう意見具申を、わざわざ「同和対策事業遂行上の諸問題について」という項目の第一項目にあげているわけでございます。
 これは、たとえば先ほど申し上げた松原市の例で言えば、いわゆる同和対象地区数は一カ所です。総人口は十一万六千六百人、同和地区内の人口は二千三百八十九人、二%です。そうして同和対策事業費に二十四億五千三百九十万出されておる。歳出総額の三三・五%になっている。普通建設事業費との割合でいえば七六・三%になっているわけです。いわば十一万人の中の二%の地域のために使われている金が、十一万人の人口に対して使われる普通建設事業費の七六%、つまり三倍になっているという状態、これは数字上はっきり出ている。そういうことについて、同対協は「行政一般の施策の中に正しく位置づけて行なわれる必要がある。」、こういうふうに言っているわけであります。
 そういう同対協の意見に対して、国は、そういう意見具申があったけれども、実態も調べていない、自治省は先ほどそう言いました。実際、どういうふうになっているのか、調べていない。若干の違いがあってもいいと長官は言われますけれども、これは若干の違いだけじゃなく、大きな数の違いになっているわけですから、そういう点で、これは、ほんとうに考えなければいかぬというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○小坂国務大臣 協議会の、いま東中委員がお読みになりました「諸問題について」というところを、私も拝見はしておりますが、やはりこういう形が最もいいとは思います。しかし、また同時に、先ほどから御指摘の、その自治体における支出予算、それが一体どういう性質のものであるかということによっても、その事業に対する国家の補助が、またずいぶん違ってくるわけでございます。でありますから、予算の中に占める支出割合が非常に大きいということ、それが直接その自治体における負担だということにもならないのじゃないかと思うのであります。
 その点について、おそらく先ほどの政府委員からの答弁は、そこまでは調べておらないということだったのじゃないかと思いますが、私は、そうしたことは、ともかくといたしましても、やはり正当な位置づけであるのがふさわしいのではなかろうかというふうに思います。また同時に、その地域における同和対策の必要性というものも、私は、非常に大きなファクターだというふうにも考えております。
○東中委員 この問題は、昨年の予算委員会の分科会でも議論されているわけです、数字、年度は違っていますけれども。自治省は、そのときも知らぬという、よく調べていませんということだったのですが、今度もまた同じ姿勢でおる。これは同対協の意見具申からいっても、それに目をおおっておくのがあたりまえだというふうな姿勢では、何のための同対協かということになるわけです。
 ここで意見が出てきているわけですから、そういう状態について、これから調査もし、そして、なぜそういうことになっているかということについての検討もしていくというふうに当然やられるべきだと思うのですが、長官、いかがでございましょうか。
○小坂国務大臣 同対協のほうのこういう意見具申につきましても、よく了解をいたしますから、協議会のほうの会長とも、このところしげしげ会っておりますので、そのときに、私としまして、いま東中先生から、そのようなアンバランスについてのお話があったが、どういうものかということなども話し合ってみたいと思います。
 いま、ここで、そうしたことがあるので、すぐそれを政府の施策の中でどうこうするということは、もう少し実態をわれわれが把握しませんと、非常にむずかしいのではないかというふうに考えております。
○東中委員 ですから、その実態を、これは自治省が当然調べるべきだというふうに思うんですよ、自治体のことでありますから。
 そういう点について、去年とことしと同じ態度をとっておりますが、同和対策事業を推進していく、適正に有効に進めていくという点から言うならば、もし、そこまで地方公共団体の財政を圧迫しておるということになれば、当然、国がもっと補助を出すというふうに措置をしなければならぬこともあり得るだろうし、これは同和対策事業でないものが同和対策事業というふうになっておるということであれば、そういう点については、同和対策事業そのもののいわば責任官庁である総理府としてしかるべき措置をとられなければいかぬだろう、こう思うわけであります。
 そういう点で、自治省がそういう調査をすべきだが、これはされるか、されないか。ほうっておいてもよろしいということでいかれるのか、その点を長官にお聞きしておきたいわけです。
○小坂国務大臣 自治省のほうとも、よく打ち合わせをしてみたいと思います。
 実は、私、この問題につきましては、いま初めて具体的な数字を伺ったわけでございまして、十分知識を持っておらなかったところでございますが、しかし私としましては、先ほどから繰り返して申し上げておるように、地方自治体の、同和対策を進めるために起こる財政負担というものは、いろいろな面から大いにこれを削減して、この同和対策そのものの持つきわめて重要な意義を達成するような援助をやっていくという基本的な考え方には、少しも変わりがないわけでございまして、そうしたことが公平に、また平等に受益者のもとに返るような、そうした施策が全般として推進されることを強く願っておるものでございます。
 また、自治省ともよく打ち合わせをいたさせますから、その後のことについては、それから結論を出したいと考えております。
○東中委員 自治省に聞いておきますが、昭和四十七年十二月二十三日に、自治省振興課長通達というのが出されておる。これは、先ほど申し上げた同対協の意見具申を受けての各自治体あての通達であります。ところが、ここで、いわゆる窓口一本化についてはよろしくない、そういうことまでは書いてございませんが、そういう趣旨の通達。これは、もちろん必要でありますけれども、いま申し上げた点について、同じ同対協の意見書に書いてあるその部分は、わざわざ落としてあるんですね。
 だから、自治省というのは、地方自治体の関係について、こういう面での、同対協から出てきておる問題について、ことさら落としておる、そういう姿勢が私にはどうしても了解できぬので、自治省のほうは、これからちゃんと調べて、そうして、いま申し上げたような「行政一般の施策の中に正しく位置づけて行なわれる必要がある。」という同対協の意見具申を、実際に点検するというと語弊がありますが、少なくとも調査をするという姿勢をとられるべきであると思うのですが、自治省どうですか。
○田中説明員 先生、御承知のように、同和対策の行政は、総理府を中心とする各省広範にわたりますので、各省が力を合わしてこれを推進しておるというのが、現在の体制でございます。
 総理府に同対協がありまして、意見が出されたわけでありますが、同和行政の推進は、総理府を中心とする各省が協議し合ってやる。で、この振興課長通知で出しましたのは、その中で自治省所管の同和行政の分野について、同和行政の公平性を確保するということに関して留意してほしいという内容の通達を出したわけでございます。
 その内容は、その後、昭和四十八年、昨年の五月の十七日付で、総理府総務副長官はじめ関係八省の事務次官の連名通知で、公平性の確保についての通達が出されましたので、その中に包含されてしまったというのが、振興課長の通知の中身でございます。
○東中委員 これは、「計画の遂行は当該地方公共団体の全住民の理解を求める姿勢の中で行なわれなければならず、行政一般の施策の中に正しく位置づけて行なわれる必要がある。」と、同対協の意見は、明白に地方公共団体のことについて書いているわけでしょう。それが、自治省の振興課長通達といわれているもの――通知か通達か知りませんけれども、ここには、自治体に関係することは書いてない。ここに書いてあること自体は、それはそれでわかっているんだから、そんなことはいいんです。そんなことを、いま聞いているわけじゃない。そんなこと聞いても、時間がかかるだけだからね。
 私の言うのは、この分が書いてないけれども、この点について、先ほどの答弁では、調査もしてないという話だから、当然、調査をしなければ、この意見が出てきていることについて対処のしようもないし、指導のしようもないということになるじゃないか。だから、調査をされるか、こう聞いているのです。
○田中説明員 先ほども申し上げましたように、同和対策事業の推進をはかるのは、総理府を中心とする各省で、したがって、もし同和対策事業の推進に関してどうあるべきかということについて通知なり、通達を出すとすれば、総理府が出すべきものだというふうに考えております。
 したがって、この同和対策事業の政府全般にわたる推進のあり方、その内容その他について調査し、取りまとめるのは、総理府でおやりになればおやりになる――これは、おやりになるかどうかわかりませんが、そういうことであろうかと思います。
○東中委員 自治省としては、そういうことは調べぬということですか。地方自治体が三分の二の補助を受けているはずになっているけれども、実際は一・七%というような状態になっておるところがあるという指摘を、われわれはしているわけです。それが、どういう事態になっておろうと、自治省はもう調べる必要もない、こういう考えですか。
○田中説明員 先ほど参事官からもお答え申し上げましたように、お話のような相当大きな負担を、市町村が同和対策事業についてしておるという状況は、大体わかっておるわけでございます。
 あと具体のと申しますか、内容的に詳細な、同和対策事業の推進がどう行なわれておるかということの実態につきましては、これは関係各省にわたる問題でございますので、そういう点で把握していくべきではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
○東中委員 時間ばかりとりますので、一つ、具体的な例で申しますが、文部省から来ていただいていると思いますけれども、大阪市の浪速地区で栄小学校というのが、いま同和対策事業として建設されようとしています。
 それで、この予算が、一つの小学校で四十六億六千万円であります。これは同和校であるからということで、そうなっておるわけであります。あるいは大阪市の東住吉区に矢田小学校というのがある。生徒数は千五十二人、この小学校の建設費用が三十六億円であります。大阪市内で建てておる普通の学校、最近四年間の十三の小学校に比べますと、用地面積で三倍、建物延べ面積で大体六倍から三倍、児童一人当たりの面積で三倍、全館鉄筋、とにかくプールが二つある、講堂がある、体育館がある。そうして一方では、大阪府下でいえば、プールのない学校もあれば、プレハブ教室も五十二教室ある。
 こういうことで、同和事業として計画されていく。これが同和事業だというふうに考えていらっしゃるのかどうか。なぜ、こういう事態になるのかということについて、文部省はどう考えていらっしゃいますか。
○菅野説明員 ただいま御指摘の学校は、公立学校でございます。それで、公立学校につきましての内容、規模につきましては、御案内のように、教育的必要性その他の事情を勘案しまして、文部省としては、一応基準を持っておるわけでございます。その基準に従いまして、補助をいたすわけでございますが、その実施そのものは、やはり設置者でありますところの公共団体が、適切に判断して、補助に対する申請を出す、こういうたてまえになっております。
 したがいまして、文部省といたしましては、御案内のとおり、義務教育諸学校施設費国庫負担法の定めるところによりまして、教育を行なうのに必要な最低限度の面積を補助するということになっております。いわゆる補助基準面積でございまして、これについても、いろいろ御意見のあったところでございますが、これは昨年、基準面積を引き上げた事情があるわけでございまして、その基準面積まで補助を行なっている、こういう事情でございます。
○東中委員 補助を行なっているのはそれだけで、プレハブ教室が一方では相当あるという状態で、こういう超デラックスの学校が建てられるという事態が起こっているわけです。しかも、それは差別を解消していく、いわゆる同和事業としてやられておるわけであります。
 総務長官に、お考えをお聞きしたいのでありますけれども、こういう超デラックス施設をつくることが、いわゆる部落差別、社会的身分による差別というものを解消していく上に意義があると思っていらっしゃるかどうか、意義があるということであれば、どういう意義があるのか、所見をお伺いしたいわけであります。
○小坂国務大臣 いま御指摘の栄小学校ですか、私は、全然まだ見ておりませんし、その建設がどのような状態であるか承知しておりませんので、これは、まことに申しわけないと思いますが、しかし観念的に申し上げれば、各関係省それぞれ、ただいまも文部省からお答え申し上げたとおり、一定の基準を定めて、国庫の助成を行なっておるわけでございますから、そうした基準に適合するという各省庁の判断があれば、それでよろしいのではないかと私は思います。
 なお、いま東中委員は、超デラックスとおっしゃいましたが、そうしたデラックスであるかどうかという批判はできないと私は思うのです。やはり同和事業というものは、地域の方々のきわめて自主的ないろいろな判断、また自治体のそれぞれの自主的な判断というものの中で解決されるのが一番いい方法ではないかと私は基本的に考えておるので、そのようなお答えを申し上げました。
○東中委員 四十六億円の小学校、中学校、義務教育諸学校、大阪の場合、全部この規模で整備をしようとすれば一兆七千八百億円かかる。現在の教育予算、諸条件整備のための予算でいけば、九十九年かかるという計算になるわけですが、そういうものは、いま国が考えている同和対策事業として、措置法でいっておる同和対策事業として必要だ、地域住民の要求があれば、そういうものも必要なんだというふうに考えていらっしゃるのかどうかということなんです。その点をお聞きしておるわけであります。
○小坂国務大臣 東中委員には、まことに申しわけないのですが、いまお答えしたように、個人的な考えは別でございますが、いわゆる国としての一つのこの事業に対する対応のしかたは、各省庁別に基準というものを持っておりまして、その基準に照らして各省庁が適当であるかないかを判断する、そしてその前には、やはり地方自治体において判断をなさってのことだというふうに考えるわけでございます。
○東中委員 四十六億の学校について、三分の二を補助しているというふうに思っていらっしゃるのじゃないか、私、いまふとそういう疑問を持ったのですけれども、そうではないわけです。そういうものは、国の補助は非常に少ないわけです。だからこそ、大阪市のような大都市で、同和事業に対する補助率が一二%前後になっちゃうわけです。
 だから、国としては、同和校としてこういう規模のものをつくるということを補助対象として認めるという姿勢は、とっておられないわけです。文部省、そうじゃございませんか。
○菅野説明員 この点につきましては、やはりその地域によりまして、先ほど長官からお話がありましたように、デラックスであるかないかという基準までつくっておるわけではございませんで、それぞれの公立学校設置者が、地域の実情によって、教育的必要性の判断等でやっておるということでございまして、実際、いまおっしゃるように、国の補助基準をこえて学校施設をつくっている、それがいいか悪いかという御指摘のようでございますが、これを、補助年度とも関連しまして、実は昨年、基準を引き上げたという事情もありますので、その間の問題もあるわけでありますが、基準以上に、補助単価以上に、あるいは基準の面積以上にやるのを禁止するということは、やっておらないわけでございます。
 これはやはり最低限を国が保障しておるわけでございまして、それ以上に設置者がやりたいというのを禁止しておるわけではありませんので、単独事業としてそういうことがあり得るということは承知しております。
○東中委員 国は、これらの学校に対して、どれくらいの補助をするのですか。
○菅野説明員 最初に申されました資料が、ちょっと手元にないのですけれども、二番目におっしゃいました矢田南中学校につきまして申し上げますと、これは補助年度が四十五年でございます。
 したがいまして、占い基準のようでございますが、補助面積が三千平米になっております。なお、現基準で申し上げますと三千二百十六と引き上がっておるわけでございますが、実施したものは、確かにおっしゃるように相当に基準以上で、一万二千平米程度であったように思います。
○東中委員 金額は。
○菅野説明員 金額は、ただいま持っておりませんですが、平米としての問題を申し上げました。
○東中委員 いま建てかえつつある、先ほど申し上げた浪速地区の栄小学校でありますが、夏休み期間中のサマースクールの入学資格、これは部落解放同盟大阪府連の浪速支部関係の組織に入ってなかったら、サマースクールに入学することができない。あるいはこの学校のプールの使用についてですが、正午過ぎから二時までは、特定の組織に入っていなければ、同じ部落の児童であっても泳ぐことが許されない。正午から二時までは、暑くても外で待っておって、それが済んでから入る。特定の団体に入っているといないとで、そういう学校施設の使用方法でさえ差異が生じてきておるわけですけれども、こういう問題について、文部省はどう考えておられますか。
○島田説明員 お答え申し上げます。
 いまの栄小学校の、全体的にいえば学習指導ということの例でございますけれども、私ども文部省の各学校における指導のあり方、これにつきましては、各学校が地域の実態というものを十分踏まえ、地域の実態を考えて一番適切な指導をする、こういうのが全体のたてまえでございますけれども、いまおっしゃいました特別のグループ、特別の団体に入っておる子弟だけが優先的に行なわれておる、これについては、栄小学校の具体的事実は、私どものほうはまだ存じておりません。
 もし特段の理由がなくてそういうことがあれば、これは学習指導が公平でないという意味で問題かと思いますけれども、なお、この地域の実情というものをだれが把握するか、これは、ある意味で学校長が最も把握しておりますので、おそらくそういう地域の実情というものを考えて、一番適切な措置ということでとっておるのではないかという推測もされるわけですけれども、その点については、ここで断言をするわけにはいきません。
 そういうことで、各学校の実情については、各学校がまず適切な措置をとってほしいということで指導いたしたいと思います。
○東中委員 特定の団体に入ってない人たちの子弟は、同じ地域に住んでおり、同級生、同じ学校の児童であっても、特別にプールに入る時間が差別される、ほかの要素はなしに、そのことが基準になってそういう差別がされるという場合、文部省としてはいいという考えなのか、あるいはそういうことがあってはいけないという考えなのか、どっちなんでしょう。
○島田説明員 いまの先生のお話でございますけれども、栄小学校の具体的実情というものに即して考えてみて、合理的な理由があったのかどうか、こういうことを、私、承知いたしておりませんので、学校で特定の団体、グループに入っているということだけで、そういうことはあり得ないのではないか、こう思うわけでございます。
○東中委員 あり得ないということじゃなくて、そういう事実がある。だから、あなたのほうは、確認していないなら確認していないでよろしいでしょう。私のほうは、あるからあると言っているんだから。
 それで、もしあるとすれば、それはいいことか悪いことか、これを聞いているのであって、事実について推測したって、あなた、わからなかったらわからないんだから。ぼくらのほうはあると言っている。だから、それについて、そういう事実があったら、文部省としてはいいという考えなのか、それはよくないという考えなのかということを聞いているのです。
○島田説明員 かりに、ほかの条件が全くなくて、特定の団体だけの問題として行なわれておって、それに合理的な理由がない場合には、適切でないと思います。
○東中委員 言わんとしている趣旨は、わかるけれども、要するに、それは適切じゃない、ほかのことがないということで、ぼくは聞いているんだから。
 それから解放会館とかあるいは老人福祉センターとか、いわゆる隣保館の大型なものが、やはり同じようにずいぶん建てられておるわけであります。先ほど申し上げた浪速区の同和地区では、二十二億八千万円の解放会館の建築計画が進められておる。あるいは十四億の老人福祉センターの建築計画が進められておる。また堺市では、同和関係の十二億三千万円の七階建ての福祉センターがつくられておる。
 ところが、こういうものの使用についても、特定の団体、部落解放同盟大阪府連あるいはそれの支持している、それに関連する団体に入っていなければ、使用できないということがやられておるわけであります。窓口一本化を認め、それを支持する人でなければ、この使用は認められぬという態度をとっておるのですが、厚生省は、これについてどうお考えになっているのか。
○田川説明員 いわゆる隣保館につきましては、先生御案内かと存じますが、昭和二十八年から、その施設整備につきましては厚生省で手がけてまいりました。
 それで、同和対策事業特別措置法ができましたその直後、同じ四十四年に「同和地区における隣保館運営要綱」というものを定めたわけでございます。その中で、運営に関しますいろいろの基本的事項を示しておりますが、その基本方針の一つといたしまして、「広く地域住民が利用できるよう運営しなければならない」という一項を特にうたっておるわけでございます。
 この趣旨につきましては、機会あるごとに、おもに市町村が設置者でございますが、府県を通じまして、その趣旨の周知徹底するように指導いたしておる状況でございます。
○東中委員 結局、広く住民にということですから、特定団体に入っている人あるいはその考え方を支持している人だけに限定をするというようなことは、許されないということでありますね。
○田川説明員 地域の住民の方であれば、広くひとしく利用できるようにという運営要綱の方針でございます。
○東中委員 時間がありませんので、次の問題に移りたいと思うのです。
 これは、文部省関係でありますが、大阪市で一昨年の夏から問題が起こっておるわけでありますけれども、やはり同じ浪速区の大国小学校というのがあります。ここの講堂の改築について、大阪市教委の文書によりますと、地元PTA、学校などの強い要望に基づいて、本年度、すなわち昭和四十七年度中にこれを完成させる約束で、その実施計画を進めてまいりました。そういう関係にあった学校であります。非常に講堂が老朽しておって、改築するということになっておった。
 ところが、同じ年の九月十九日に、大阪市長は、この学校の校下の一地域でありますが、大国町一丁目、二丁目、三丁目を新たに同和対策事業対象地域に指定した。ところが、この指定の経過については、その地域に住んでおる人たちは全然知らないわけです。知らされていなかった。
 十二月十六日付のPTA会長と校長の名前による保護者あての、同和行政対象地区と本校の関係についての経過報告という文書、これを見ますと、浪速地区同和事業促進協議会より大阪市同和地区促進協議会に申し入れられて、地区指定をすべきであると大阪府の同促協で決定し、これを受けた大阪市が、十分考えられた結果、去る九月十九日に市長の決裁で地区指定をしたものでありますが、それが十二月十六日段階になって、そういう文書をわざわざ保護者に送らなければいかぬというような状態であります。
 ところが、ここでこの学校が、いわゆる同和推進校になるかならぬか、地区指定があれば当然そうなるわけでありますけれども、それをめぐって同和推進校になるということになれば、学校の建て方が変わってくるんだということで、この老朽化した講堂の改築工事の着手はとめられたのです。そして今日に至ってもまだ建たない、こういう事態になっておるわけでありますが、こういう同和行政というのは、一体あり得るのかどうか。
 これは、大阪市教委がやっていることですので、文部省に直接関係の出てくることでありますが、同時に、総理府としても、これは非常に奇妙というか、全く常識で考えられぬような事態が起こっているわけですけれども、こういうことが、同和対策事業ということで、地域の一部の人たちの圧力で起こってくるという事態について、どう考えられるか、所見をお伺いしたいと思います。
○小坂国務大臣 東中委員の、ただいまの具体的ないろいろのお話でございますが、私、そうしたいろいろな事態が起こっておるという実態を、まだよく存じておりません。マスコミ等の中から、ときどき目に入る程度でございます。
 私、繰り返して申し上げますが、やはりそうした問題に対処して、政府がどう動くかということよりも、むしろ問題は、あくまで地域社会の問題が中心なんでございますから、地域の自治体、これがやはり地域住民との関係の中で、そうした問題の平和的な了解の中で行動してもらうことが一番いいのではないかというふうに考えております。
○東中委員 大阪市教委は、十二月六日付の文書で、「教育委員会は、校下の同和行政対象地域変更にともない、よりよい学校環境をつくるべきであると考え、それらの計画を再検討してまいりました。そのため、講堂改築の着工がおくれたのであります。」、やろうということで、予算まで組んでやってきたのが、同和地区に指定されたから、よりよいものをつくるんだということで、実はやりかけておったやつを、もうまる一年以上になるのですが、ほうってある。こういうのが同和対策事業なのか。
 これは、当然、国が補助する同和対策事業ということになれば、三分の二補助を出されることになるわけです。そういう性質のものだと思うのですが、なぜ、その工事がとまっちゃうのか。国が金を出さないから、同和地区に指定されたからとまってしまうのか。これは非常に異常な事態であります。地域の人たちが、全く了解できぬということになっておるわけです。市教委自身が「改築の着工がおくれたのであります。」、むしろ早く促進せなければいかぬことになるわけですが、それが逆におくれる、これは一体どういうことなんだ。それについてのお考えを聞いているのです。
○菅野説明員 お話の点は、地域指定等に関しまして、建築以前の問題が相当あると思うのですが、建築に関しましては、申請があれば、それについて検討いたすわけでして、現在のところ、まだ着工もしてない、それから、まだその計画としても、十分練れてないということであるようでありまして、こちらのほうに、申請はまだない状態じゃないかと思います。
 したがいまして、この問題は、設置者でありますところの自治体の問題じゃないかと思いますが、私どもは、申請を受けて、それを検討して出す形になりますので、まだ申請前の状態のように考えられます。
○東中委員 講堂の改築は、申請があったんじゃないですか。四十七年度の予算にも組んでおったのですか。
○菅野説明員 これは、県の段階において、一応予算その他を検討して出してきまして、決定までにはやはり相当の期間がありますので、その見込みがなければ、県の段階においてそれを出さないことがあり得ると思いますが、まだ調べてみなければわかりません。
○東中委員 問題は、大阪市ですよ。指定都市ですよ。県の段階とかなんとかいうことの問題じゃ全然ないじゃないですか。あなた、何を言っているんですか。大阪市が県の段階を越さなければ来れないのですか。いいかげんな答弁をするのはやめなさい。
○西崎説明員 補足しまして、私からお答え申し上げますが、現在、公立学校の助成の仕組みでございますけれども、都道府県の役割りとしましては、指定都市も含めまして、一応調整的な機能を果たしてもらうというような考え方をとっております。
 そういう意味で、いま先生御指摘の学校について申請が現在あったかどうかについては、ただいま手元に資料がございませんので、はっきりお答えできませんという点は、たいへん申しわけないと思うわけでございますが、基本的には、いま部長がお答えいたしましたように、改築を行なうかどうかについては、やはり地域でのいろいろな御判断で、当初計画しておったものが、また別の観点から、もう少しいいものにしようとかいろいろな要素で計画変更が行なわれておるというふうな段階であるといたしますと、私どものところまでなかなかあがってこないのではないかというふうな感じをもってお答えをしたと思うわけでございます。しかし、当初のものがあがっておるかもしれませんが、その点は手元の資料がございませんので、ただいまたいへん失礼いたしました。
○東中委員 長官、私の言いたいのは、改築に、十月四日でしたか着工して、四十七年度中に完成するということを、PTA、学校側にも通知をし、そういう事態になっておった。それが、同和地域に指定されたから、それが進まなくなってしまった。そうして、四十八年度も終わりそうになっておる、こういう事態というのは、非常におかしいでしょう。だれが見たっておかしいですよ。
 それについて、同和行政がそういう形で行なわれておるとすれば、同和対策事業というのがそういうふうに作用していくとすれば、これは差別をなくしていくというような問題じゃなくて、むしろ一そうゆがんだ形で新しい差別を再生産していくようなことになりかねないと私は思うのです。
 指定されたら、やられようとしておったことがやられなくなった。それも一月か二月おくれたのじゃなくて、年度が四十七年度中に完成と言っておったのが――教育委員会自身がそういう文書で言っていたのです。私は、文書を持ってきております。四十八年度になっても全然進まない。こういうことで、一体同和対策事業というのはいいのかどうかという、その姿勢を聞いているわけです。長官、その点はどうお考えになりますか。
○小坂国務大臣 同和対策そのものが、日本の歴史的ないろいろな問題から派生していることであって、こうした問題を解決することが、近代化、また日本の近代社会の大きな責務だと私は考えております。
 そうした意味で、国民がひとしくこの問題に関心を持ち、また同時に、国民がひとしくそうした問題に、前向きに取り組んでいくということは、当然のことだと私は思っております。
 いま東中委員からお話しのような事態というものは、私は全く了承しておらない点もございますが、もしも、そうした事実があるといたしますと、やはりこれはせっかく国会でも法律をつくり、また政府内部にも組織を持ち、さらに審議会も置き、いろいろな点で配慮している、そうしたわれわれの善意とは、いささか食い違う面もあるようにも感じられます。しかし実態を、さらによくつまびらかにしなければならぬとも思いますが、何せ一地区の問題でございますので、やはりこれは第一義的には、大阪府のいろいろな見解を十分聞いてみるということで対処してまいりたいというふうに私は思います。
○東中委員 私の言っているのは、私がまとめて言っているのじゃなくて、大阪市教育委員会が、同和対策の推進のために、大国小学校の講堂改築について文書を出しておる、その文書から引用して先ほど来読んでいるわけです。だから、一方的にこっちの認定で押しつけをやっているわけじゃないのです。客観的に、いま建ってない、建てるということになっておったのが建たないというのも、これも明白な事実ですから、そういう事態が起こっておるのを、政府はいわば言を左右にしたような形で容認する。それが同和対策事業だというふうなことだとすれば、これは非常な批判を受けますよ。
 私は、大阪市教委が、あるいは大阪市当局が、そういう態度をとっていることを、これも、もちろん大きな批判をされていますけれども、国もそういう点についての同和対策事業というものを、どう見ているのかということについて――いま長官のお話を聞いておれば、法の趣旨から言っても非常によくないことだという趣旨のことを言われたわけでありますけれども、せっかく大阪にも聞いてみてというお話でございますから、こういう同和対策事業のあり方、進め方、これの基本的な姿勢を正してもらうように強く要請をしておきたいと思います。
 時間がなくなってきたのでありますが、さっきは、物的施設云々のことがずいぶん出ておったわけでありますけれども、いわゆる同和地区内の就業者の調査結果として、就業者の実情、府県別、従業上の地位別、十五歳以上の就業者数というのが、この「同和対策の現況」の中に、四十六年の一斉調査の結果として出されております。
 これについて、若干政府の考え方をお聞きしたいのでありますが、たとえば全国平均で見まして、雇用者中の臨時または日雇いをやっている同和地区内の人たちの数でございますが、全国で七十万七千二百六十二人の総数に対して臨時、日雇い雇用者は十万九千三百七十人。全雇用者の中での臨時、日雇いの関係で見ますと、全雇用者が四十三万七千百三十三人でありますので、二五・二%。それから同和地区内の就業者について調べれば、三重県の場合は、全雇用者の中で臨時または日雇いに従事している人は三七%、滋賀県は四三%をこしています。大阪で二八・七九%、兵庫県で二二・九一%、奈良県で三九・〇一%、愛媛で三三・一六%、高知は四三・四四%、この表で計算をしてみますと、そういうことになります。
 労働省から来ていただいておるのでありますが、一般的な、同和地区に限らない労働者の中で、臨時または日雇い労働者の割合はどれぐらいになっておるのか、お聞きしたいのです。
○遠藤(政)政府委員 全国の雇用労働者の中で占めております臨時、日雇いの割合は、七・三%になっております。
○東中委員 それはいつの調べですか。
○遠藤(政)政府委員 ただいま先生御指摘の、四十六年の同じ調査でございます。
○東中委員 これは七・四%、同じ調査じゃなくて、総理府の昭和四十六年就業構造基本調査ではないですか。
 物的な問題じゃなくて、要するに建物とかいうふうなものじゃなくて、いわゆる同和地域の中での労働者の就業状態というのは、一般に比べて非常に差があるわけですね。率でいって数倍になっている。これに対して、これをなくしていくための処置というのは、一体どういう具体的な処置をされているのか、お聞きしたいのです。
○遠藤(政)政府委員 私ども雇用政策といたしましては、こういった臨時、日雇いというような不安定な雇用状態を改善するために、いわばこういう人たちを常用化をするために、いろいろな施策を講じてまいっておりますが、ただいま御指摘のように、同和地区、同和対策の対象になる方々で、不当な差別が原因となりまして、一般の場合よりもこういう不安定な状態に置かれている人たちが三倍以上に及んでおるということは、私ども、きわめて遺憾な状態だと思っています。
 したがいまして、私どもは、同和対策といたしましても、さらに一般的な雇用対策といたしましても、こういう臨時、日雇いの人たちを常用化いたしますために、積極的な雇用政策を進めているわけでございますが、同和対策といたしましては、特別に求職者に対する常用化のための職業指導、そういった点で重点的に実施いたしておるわけでございます。
 まず、新たに就職戦線に参加しようとする新規学校卒業者につきましては、中学校、高校ともに、特別職業指導校の指定を行ないまして、四十八年度に、中学校につきましては千二百校、高校につきましては、四十九年度に新たに三百四十校余りを指定いたしまして、こういった学校卒業者の就職に際しましては、特別の巡回指導相談等を行ないまして、できるだけ一般の人と同じように近代産業に就職できるように対策を講じてまいっておるわけでございます。
 と同時に、こういった同和地区の方々につきましては、雇用奨励措置あるいは職業訓練によりまして、技能化をはかることによって常用化を促進するというようなことで、奨励金あるいは訓練を受けるための支度金、こういった制度も、特別の措置としてとってまいっておるわけであります。
○東中委員 労働省では、昭和四十七年十二月に、やり方は違うにしても、やはり同じ調査をやっておられますね。その結果は、どうだったですか。――この「同和対策の現況」の中に書いてあるんだから、そんなことを知らぬようでは困るのですけれども、これを見ると臨時雇いが九・八%、日雇いが二五・三%、合計三五・一%、こうなっているわけです。いま三倍ぐらいと言われたけれども、四十七年の十二月になると、五倍にふえているわけです。
 だから、いろいろな施策をやっておるというけれども、実は日雇い、臨時雇いというのは、いわば半失業の状態ですね。それがまさに部落問題の一番中心問題ですよ。隣保館を建てたからといって、そういう物的なものでけりがついていくわけじゃないのです。
 ところが、四十七年になると、この調査方法が違うから、必ずしもそのままイコールとは言えぬけれども、調査方法が変わったにしても、むしろふえている。今度は五倍にふえている。すると、この特別措置法がつくられて施策をやっておって、むしろふえているという結果が出てきている。しかも、この五年間のトータルの成果というものは順調に進んでおると、一番当初に総理府お答えになったのですけれども、むしろ逆になっていますね。この点はどうお考えですか。
○加藤説明員 その前に、ちょっとお答えしたいのでございますが、いま御指摘のございました、労働省で実施をいたしました四十七年の調査は、特別に八地区をサンプリングいたしました調査……(東中委員「調査方法が違うと言っているじゃないですか」と呼ぶ)片方は、四十六年の調査は全国調査でございます。さらに、やりましたのは、こまかい部分にわたります精密調査的なやり方をいたしまして、そのために八地区のサンプリング調査でございますけれども、そういう意味で、これを比較いたしまして、必ずしも時系列的にどうなったという比較にはならないものでございます。
○東中委員 総務長官にお聞きしておきたいのですが、四十六年の一斉調査のときには、データが全国的にやられて、そして一つの数字が出てきている。四十七年の十二月になって、一年半ほどたって、そしてサンプリング調査をやったら、むしろ日雇い、臨時雇い、いわゆる半失業の人の割合がふえている。この一五三ページを見ても、「同和地域では五倍近い三五・一%になっている。」と、わざわざそういう指摘をしているわけです。そうすると、特別措置でそういう事態をなくそうというふうにやっておるはずのこの同和対策事業の結果が、やり方が違ったにしても、結果にすれば、むしろ悪くなっているという結果が出ているわけであります。
 そういうことについて、この一番根本の問題について、調査も四十六年にだけやって、あと四年たたなければやらない。これでは成果も何も――そこから教訓を引き出して次の計画を立てる、後期計画を立てる、検討するというふうに書いてあるが、先ほど冒頭に指摘した問題からいっても、処置ができないじゃないかというふうに思うのですが、こういう施策について、どういうふうにお考えになりますか。
○小坂国務大臣 私は臨時工問題というものは、単に同和関係の問題だけではございませんで、やはり日本の経済構造そのものからくる臨時工問題というのは、これは非常に重要な社会的な問題だと考えております。
 私は、同和対策が非常に順調に進んだと申し上げたけれども、雇用の問題については、日本全体の傾向そのものから逃げられなかった、また、それを乗り越すだけの努力が足りなかったということは、率直に認めなければならぬと思いますが、臨時工の問題が、同和対策だけで解決するものではないと思います。私は、何もこれは東中委員に強弁しているわけではないので、こうした問題を解決することが、今日の日本にとっても、きわめて重要な問題であると同時に、社会的なわれわれの大きな目標でなければならぬと考えておるわけでございます。
 いまのように、同和対策に関連した臨時工の数がふえたということは、これはへ理屈におとりになるかもしれませんけれども、何と申しましても、日本の経済の非常に大きな成長というものが、同時に臨時雇用をふやしていることも事実でございます。そうした意味から見ても、臨時工の比率が単にふえたということだけで、同和対策が全く効果がなかったじゃないかという御指摘も、少し酷に過ぎるように考えるものでございます。
 いずれにいたしましても、御指摘の趣旨は、よくわかりますので、ただいまも労働省の答弁等を聞いておりましたが、なお、この問題については、もう一歩進んだ同和対策のために、地域に工業化を進めるということ、また工業化のできるような基盤をつくるということ、これは同時に、また社会的に見て、非常に平和な状態の地域社会ができるということではないかと私は考えまして、そうしたことを踏まえまして、同和対策は、そうした方向をもさらに追及していくという努力を今後続けてまいりたいと思います。
○東中委員 臨時工の問題というのは、いろいろ問題があります。労働法上の問題だって問題ですし、社会的にも問題です。これは企業の安全弁で労働者に犠牲をしいているということで、私たち重大な問題があるということ、これは当然わかっています。だから、景気の状況によって変わってくるということもわかっておる。そんなことを、いまここで――それ自体は、重要な問題ですけれども、それを、いまここで言っているのじゃなくて、部落も、ふえるんだったら同じようにふえるわけでしょう。経済状況とかなんとかいら変動だったら、同じようにふえてくる、それだったらわかる。率が上がっていくわけでしょう。三倍だったのが五倍になっている、率が。そういうことなんですから、だから、企業の犠牲がよけいここへしわ寄せさせられているというところに問題があるわけです。
 そういう施策について、これは、ほんとうに長期の施策をとらなければいかぬし、そういうことについての調査を、四年ずつやっているということを先ほど言われましたが、特別措置法ができて、国民的課題だといって、国の責務だとまでいって、そうしてやっておって、まだやっぱり四年ごとだ。これは非常に奇妙なんですね。前期五カ年の計画を見てみて、その実施の状況を見てみて、そこから次のやつを立てるというておって、五年たったときに何の調査もしない、これもずいぶんおかしなものですね。四年先になったら、もう十年の期間があと二年しか残らなかった、こういう姿勢というのは、ほんとうに同和対策事業をやっているということがいえるのかどうか、そのことを言っているわけです。
○小坂国務大臣 いまの御指摘のことは、よくわかりますが、四十九年度には、さらにいま御指摘のようなことだけではなしに、もっと実態に触れた調査をいたしたい。精密調査とわれわれ言っておりますが、それを実施して、過去五カ年間にやってきたことを反省し、またさらに、その中から、いま東中委員の御指摘のような諸点についても、政策を展開するに足るようなそうした調査をやってまいりたいと考えております。
 同時に、その受けざらとしての同和対策室というものもつくり、同時に、また協議会をさらに延ばして、いろいろな方の御意見も伺い、御協力を賜わるという姿勢で進みたいと思います。
○東中委員 時間がなくなってきましたので、建設省から来ていただいたので、簡単にお聞きしたいと思うのですが、同和向け公営住宅の入居者の決定権を持っているのは、どこかということです。
○沢田政府委員 同和向けに限らず、公営住宅の入居者の決定権を持ちますのは、その事業主体の長でございます。
○東中委員 公募受付事務をやるわけでありますが、これをやるのは、どこですか。
○沢田政府委員 事業主体でございます。
○東中委員 事業主体が民間に委託をして、それでまかし切りというふうなことは適法ですか、違法ですか。
○沢田政府委員 いまのまかし切りという意味は、非常にむずかしゅうございますけれども、ある事務の一部を、たとえば公益的な関係で委嘱するといいますか委託する、こういうことはあり得ると思いますが、やはり原則は事業主体の責任で全部行なうということでございます。
○東中委員 大阪の羽曳野市で、この一月七日に、市民会館で同和向け公営住宅の入居申し込み用紙の交付並びに受付事務を行なったんでありますけれども、それは、いまのお話からいけば当然のことだと思うのですが、事業主体である市、市長の責任でそういうようになっていく、当然のことですね。
○沢田政府委員 ただいまの受付の機械的事務あるいはそのほかの機械的事務、すなわち判断業務の入らないものにつきましては、繁閑の状態によりまして、他にお願いするということで、本質的には責任はもちろん市にあるわけでございます。
○東中委員 市自身が、市の吏員が行ってやるというのが本来の姿であって、それが非難されるべきものでないということは、当然のことだと思うのですけれども、そうじゃございませんか。
○沢田政府委員 ちょっと質問の意味がわかりませんでしたが、市の吏員が行って当然やるべきだということでございますか。
○東中委員 そうです。市民会館へ市の吏員が行って、そして用紙を渡して公募を受け付ける、そういう事務を進めていくというのは、これは本来の当然のやり方ですねということを……。
○沢田政府委員 そのとおりでございます。ただし、私が先ほど申し上げましたのは、本来の事務は本来のところがやらなければいけませんけれども、機械的な事務の一部をやるという場合はあり得るということを申し上げたわけでございます。
○東中委員 機械的な事務をほかの人に手伝ってもらう。アルバイトを雇う場合もあるでしょうし、特定の団体を雇うという場合もある。それは、もちろん不適法であるというようなものではないということですね。これは、もうあたりまえのことだと思うのです。
 ところで、部落解放同盟が指導し、援助する住宅要求者組合に入っていなければ入居資格を失うというふうなことは、同和向け公営住宅入居者の決定をするについて、そういう基準を、特定の団体に入っていなければ入居資格がないというようなことを決定することは違法か適法か、どうお考えになっておりますか。
○沢田政府委員 その組合の何たるかは、ちょっと私、存じませんけれども、公営住宅法によりますれば、入居できます資格というものはきまってございます。入居の資格を持っておる者は、すべて入居のチャンスといいますか、機会が与えられなければいけないということで、結果において、そういうものが阻害されるということは、これは法律に照らしてぐあいが悪いと思います。
○東中委員 特定団体の動員ですね、団体の集会への参加とかそれからどこかへ動員するとか、あるいは学習会への出席、そういう出席率が低かったら、たとえば三分の一以下だったら入居資格がなくなるとか、あるいは五分の四以上ならば優先順位になるとかいうふうな、要するに特定団体の運営に参加する度合いによって公営住宅の入居順位が左右されるというふうなことは、公営住宅法から見て適法な行為ですか、どうお考えですか。
○沢田政府委員 先ほど言いました公営住宅の入居資格というものは幾つかございます。基本的な筋がございます。これは、まず世帯であること、住宅に困窮しておること、それからさらに、一定以下の所得であること、かようなことが基本になってございます。
 こういう中で、これは、もちろん骨格でございますから、住宅というものは、地域の実情に、ほかの行政よりも非常に密着しておりますので、地域の事情を市長が入れて判断する余地というのは、そのワクの中にあるわけでございます。したがいまして、いまの三要素のほかに、やはり同和なら同和地域の意見を十分入れるということは、私、必要なことだと思います。
 ただし、いま先生がおっしゃったようなこと、これが、いま私の申した問題の中に入るか入らぬか、これは、その市長さんが判断をするということでございますが、おおむね私はあまり関係がないというふうに感じております。
○東中委員 関係がないと言われた趣旨は、どう関係がないのですか。
○沢田政府委員 判断をするときに、要するに地域の実情を加味することができるわけでございます。その加味する中の要素として、市長さんがそれをほんとうにおとりになるのかどうか、そういう要素になり得るかどうか、その地域の実情を知りませんとわかりませんので、そういう苦心味で、私はよくわからないということでございます。
○東中委員 だから、一つの基準として、特定団体の事業への参加の度合いによって入居資格があったりなかったりというふうなことは、明らかにおかしい。ただ、全体の市長が判断する意見の中へ、そういう一つのファクターとして入れてくるというのはいい、その条件によってあり得る。しかし基準として三分の一以下の出席状況、そういう場合はもうだめなんだというふうなものを基準として設定してしまうというふうなことになると、これは公営住宅法に違反してくる、こういうことじゃないですか。
○沢田政府委員 市長さんが、そういう地域の実情を判断の上、ほんとうにそういう者を入れるのが地域の実情だとお考えになって入れられれば、入る人が、結果として法律に適法な人であれば、これは問題がないと思います。
○東中委員 同和向け公営住宅の入居者は、同和地域の居住者、だから、地域外の人で、地域内で住宅困窮者がおって申し込みをしているのに、それに優先して入ってくるというふうな基準を設けるとすれば、それは同和向け公営住宅の入居基準としては、特定目的公営住宅の趣旨からいって明らかに反してくる、こう思うのですが、そうじゃございませんか。
○沢田政府委員 先生のいまの意味は、同和事業の対象とならない人が、特定目的のこの同和住宅に入った場合、こういうふうに私は解しますが、その場合には、公営住宅法上はけっこうでございますけれども、ただ特定目的のこの同和向け住宅というものに関しては、私は不適当であると考えます。
○東中委員 特定目的、この場合、いわゆる同和向けの場合をいうわけですが、同和地域内に住んでいない、要するに、だから地域外におる人で、しかも部落の土着民という概念がつくられているのがあるのですけれども、そういう判断をする場合に、同和地域というのは、地域指定の問題であって、その地域外に住んでいる土着民というような概念というのは考えられますか。
 その点、同和対策事業の、あるいは特別措置法の考え方からいって、同和地域外に住んでおる人で土着民という概念で中へ入ってくる、地域内の公営住宅に入ってくるというふうなことが――地域内で希望者があるのにですよ。ない場合は別ですが、あるのに、そういう先位順位でやってくるというようなことが考えられるかどうか、その点いかがですか。
○沢田政府委員 その地域の境界というものは、なかなかむずかしいと思うのでございますが、しかし、この同和対策事業の対象となる方、これが、いま先生言われた、中にある人と外におる人がある、そして、その外におる人が中へ入ってきて優先度を高くする、こういうのはどうかというふうなお問いだと思いますが、優先度の判断は、先ほど私の言いました三つの要素、これの中で、むしろ市長さんが判断をする、あるいは地域の意見を聞いて判断をする、参考にしながらきめるという問題でございまして、たとえば帰ってきてまだわずかしかたたない、あるいは長くたった、こういう期間の問題もあろうかと思います。
 そういうことで、公共団体におきましては、そこに何年いなきゃいけないというふうな、条例に基準を入れるというところもございます。ただ、大阪あたりの辺では、ないところが多いようでございますが、そのようなことで、優先度の話というのは、とにかく市長がこれを判断してきめる。ただし、それは、私が申しますように、優先度の判断でございまして、入れるか入れないかという話では、先ほど言った世帯であって、住宅に困窮して、一定の所得以下である、こういう人が入っておれば、これは違法ではないということでございます。
○東中委員 私が言っておるのは、地域外におった人が、地域内に入ってきて、そこでまた住宅へ入るんじゃなくて――現に地域外におる人は、同和向け公営住宅の場合は、住宅困窮度が著しい人というふうに解釈されるわけであって、地域外の人が、地域内で困窮を訴えておる人がおるのに、ある団体の運動に積極的であるからというので、その人たちを配慮して、先に入れるということになれば、特定目的の住宅、公営住宅として特定目的が無視されていくことになるわけですね。そういう点では、違法の問題が起こってくるんじゃないか、こう思うのですけれども、いかがでしょうか。
○沢田政府委員 同和地区という考え方はございますが、公共団体の公営住宅につきましては、やはりそこの住民がまず、一般公営住宅では全部の対象になろうかと思います。
 同和向けの特目の公営住宅は、やっぱり同和関係者が入るということでございまして、その中で、要するに住宅困窮の要素を持っておる者は法上は入れる、私はこう思います。
 それが、外からの人が優先するのか、中からがいいのかという優先度は、その地域の実情に応じて市長さんが判断をする、かように私は考えます。
○東中委員 ちょっと総理府に聞いておきたいのですけれども、同和地区というのを指定されますね。同和向け公営住宅などというのは、その地区の環境整備というか、あるいは地区住民――その地の区外に住んでおる人、昔、そこに住んでおったかもしらぬけれども、外に住んでおる人たちというのは、直接の対象にならぬのじゃないですか。その点はどうなんですか。
○亘理政府委員 先生のおっしゃる地域という意味が、よくわかりませんのですが、あらゆる同和対策事業について、対象地区はこの範囲であるというふうに、一律的にこの範囲だと確定したものを、国が指定をしておるということはないのではないかと思います。
 事業によりまして、各省の補助基準等によって、あるいはそういう地域の指定があるのは、あるかもわかりませんけれども、全体の事業につきまして、この地区が同和対策事業の対象地区であるということで、国が具体的に指定をしておるという事実はないのではないかと思っておりますが、なお、間違いましたら訂正いたしますけれども、どうもよくわかりかねます。
○東中委員 同和地区というか、対象地区ということが法律の条文の中にありますが、それは、ある日突然、この地域は同和対策対象地域だというて、自治体の長が指定をするようなものではないですね。その点はどうですか。いま言われた趣旨は、そういう趣旨ですね。
○小林説明員 先生御指摘のように、同和対策事業特別措置法の第一条には、対象地域という概念がございます。ただ、この対象地域という概念は、規定されてございますが、具体的に行政行為として対象地区の指定という行為は、法文上明定されておりません。
 ただ、実際事業を行ないます場合に、たとえば隣保館をつくるとか集会所をつくるとか、具体的な事業を行ないます場合に、どこの地区に建てるのかということをきめます必要上、実際には同和地区の調査の際にどこが地区かというのを市町村が調べて、県を経由して国に出てくる、これが、いわゆる先生がおっしゃる同和地区指定という概念ではなかろうか、かように考えます。
○東中委員 そうすると、ちょっといまの問題に関連して聞いておきたいのですけれども、地区指定というのがあるといま言われましたね。その地区指定は、実際はどういうふうにされるのですか。
○小林説明員 地区指定があると申しましたのは、事実上ということで、地区の指定という概念は法律上出てまいりませんという前提で申し上げたわけでございます。
 それで、事実上事業を行ないます場合に、事業実施上の必要性からどこの地区を定めるかという、その場合には、実際には市町村が調査をいたしまして、それが県を経由して国のほうに出てくる、各省は、事業を実施する場合に、それを基礎にしまして、補助金の交付とか事業の実施について国から地方に連絡をする、かような仕組みでございます。
○東中委員 そうすると、それは実態を調査して、地域住民の意見を聞いて、そうして歴史的、社会的にいわゆる対象地域はこのあたりだという形で、対策事業を進めていく上での対象はこの辺だということをやるわけですね。そういうことですね。
○小林説明員 さようでございます。
○東中委員 地域の住民の人たちが知らぬ間に、何月何日、何町と何町は、いわゆる同和対象地域に指定されたというふうなことはあり得るわけですか。あり得るかどうか、その点をちょっと聞いておきたい。
○小林説明員 個々のケースが違いますので、一律にお答え申し上げにくいと思いますけれども、実際に地区の調査をいたします場合には、当然市町村の当局は、その地区の住民といろいろお話し合いをいただいて、それから出てくるのが普通の姿ではなかろうか、かように考えております。
○東中委員 その地域の指定というのは、先ほど、市町村できめ、府県できめ、国へ言ってくるということを言われましたが、国へ言ってきて初めてその対象地域ということになるわけですか。最終的には、対象地域はどこそこである、たとえばどの市町村には何カ所あるとかいろいろ言っていますが、その地域はどこがきめるのですか。対象地域だというのを決定するというか、確定するのはどこになるのですか。
○小林説明員 質問の御趣旨をちょっと取り違えているかもしれませんが、先ほど申しましたように、地区の概念は、事業を実施する場合の必要性からきめるものでございます。したがって、各事業の中身によりまして、市町村が調査をいたしまして、それが県を通じて国にあがってくる。そこで、実際の、現実の問題として考えます場合には、各省から補助金が流れるというところで実際にはきまるわけであります。
 ただ、それは外部に――地区の指定という先生のことばは、私は使っておりませんので、それは厳密にはリンクしないかもしれませんが、現実にはそういうかっこうで申し上げております。
○東中委員 法律上、地区の指定というものはない、歴史的、社会的理由により、生活環境等の安定向上が阻害されている地域を、実態を調べ、そこの住民に聞き、そして住民も知っておる状態、納得しておる状態でこれが対象地域になる、こういう性質のものだと思うのですけれども、そう理解してよろしいですか。
○小林説明員 繰り返しになりますけれども、あくまで事業実施上の必要性からきめますので、具体的な線引きというかっこうにはならぬ場合が多いわけです。
○東中委員 非常にデリケートで、すれ違いみたいになっておるように感じるのです。この特別措置法の第一条では、「歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域(以下「対象地域」という。)」、こういっておるんでありますから、いわゆる線引きみたいな形にはならない。
 それにしても、その地域は対象地域だということを、その住民の人たちがまるきり知らない、自覚してないという状態で、市から何も調査にも来なければ、住民と話も何もしないという状態で、ある日突然そこが指定地域に、ここは、いわゆる対象地域だというふうに市側が見解を発表するというふうなことしか、これは考えられぬわけですね。考えられないというふうに私は思うのです。そういうふうに理解しておっていいかどうかということです。
○亘理政府委員 参事官から申し上げているとおりでございますが、たとえば四十六年の同和地区調査によりますと、全国千十四の市町村から同和地区として三千九百七十二という報告がございます。国は、その対象地区について、これが同和対策事業の必要な地区であるということで、市町村長の判断があります場合には、それに従って国としての措置を講じておるということでございまして、先ほど来申し上げておりますとおり、国としての指定という行為はございませんが、おおむねここでいう対象地域の範囲については、市町村長の判断に従っておるということでございます。
○東中委員 市町村長が判断するというのは、その実態を見てそういう地域だという判断をするので、その地域をそういうものだと要するに意思できめていく、いわば発見するというか確認してくるというか、そういう性質のものだと思うんですね。ところが、それを逆に、特定の意思で市町村長がぽっときめちゃうというふうな性質のものじゃないでしょう。そこのところを聞いておきたいのです。
○亘理政府委員 言うまでもございませんが、市町村長は、地区住民の選挙によって選ばれた代表でございまして、その地区の実情に最も精通しているわけでございますから、その市町村長が、歴史的、社会的理由によって生活環境等の安定向上が阻害されている地域だというふうに認定いたしておりますれば、国としても、その判断を尊重せざるを得ないということだと思います。
○東中委員 たとえば、この地域、われわれがいまここにおるところ、ここが指定地域だとは、歴史的にも社会的にもないわけですね。そこに住んでいる人もそうは思うていない。しかし東京都知事が、ここは対象地域だという指定をしたら、対象地域になりますか。そういうものじゃないでしょう。
○亘理政府委員 すべて行政は、市町村長が公正、適正な判断をなさるという前提で動かざるを得ないわけでございまして、全然見当違いの御判断を市町村長がなさるということは、あり得ないことだというふうに考えます。
○東中委員 それは法律上そういうことは予想していない。しかし予想していないことが実際にあるというのも、これまた当然のことであって、汚職なんというものは、公務員が汚職するなんということは予想してないわけでしょう。全体の奉仕者であるべきだということになっている。これは当然なんです。しかし汚職することだってあるわけです。公務員が汚職することだってあるのだということを予想しているかと言えば、予想してないですよ。
 だから、やはりその指定行為というような形のものはないということだけを、それじゃ確認しておいてもらいましょうか。
○亘理政府委員 繰り返しになりますけれども、国が地域を、線引きのような形で指定しておるということはございませんし、そういう制度もございません。ただ、地域の実情に最も精通しておる市町村長の判断に従って国としての行政を進めておる、判断を尊重して進めておるということでございます。
○東中委員 地域の住民や歴史的、社会的条件を無視して、あるいはその地域の住民の意思を聞かないで市町村長がかってにきめるというふうなことは、たてまえとしてはあり得ない、そういうふうに聞いてよろしいですか。
○亘理政府委員 特別措置法の上で、その市町村長の判断の公正を担保する特別の措置、制度があるわけではございません。市町村長の判断が公正を欠く場合には、住民の批判、選挙という形で批判を受けるということはあろうかと思いますが、特別措置法の上で市町村長の公正を特に担保する制度はないわけでございますが、選挙によって住民を代表しておる理事者の判断というものを、国が尊重するのは当然であるというふうに考えます。
○東中委員 時間が過ぎてまことに恐縮なんで、質問をはしょります。
  〔委員長退席、小宮山委員長代理着席〕
 もう一点だけ、文部省に聞いておきたいのですけれども、特定の団体が、その団体の目的に沿って、定員のワク外で大学に入学をさせる、そういう措置をとることは、教育基本法の三条から見てあり得ることかどうかお聞きしておきたい。
○大崎説明員 大学入学者の選抜につきましては、それぞれの大学の御方針によって行なわれるわけでございますが、大学入学者の選抜は、事柄の性格上、それぞれの大学の教育の方針あるいは目的というものに最も適した学生を、能力、適性というものを公正妥当に判断してきめるべき性格のものでございますので、そのような方向で選抜が行なわれるということが最も適当であろうというふうに考えております。
○東中委員 私が聞いておるのは、すでにいま関西大学で、ことしの二月六日に入学試験が実施される、その合格発表が二月の十五日、十六日の予定になっているのに、二月九日に、その受験生が特定の団体に入っているから、その団体の目的を遂行していく上で、すでに定員は発表されているので、ひとつ定員のワク外で入れろとか、あるいは何かの形で、試験の結果いかんにかかわらず入れてくれというふうなことを、大学当局に申し入れているというふうなこと、これは、あり得ることかどうかということです。あっていいものかどうかということなんですが、いかがでしょう。
○大崎説明員 一般的に申しますれば、その大学の教育方針、目的と受験生の能力、適性というものを基本にして選抜が行なわれるのが原則でございますので、その他の要素を、何らかの理由で選抜の際に判断基準として取り入れるということについては、きわめて慎重でなければならない性格のものだというふうに存じております。
○東中委員 だから、基準が示されて、試験があって、その発表までの間に、六日に試験で、九日の日に、大阪市教委の森田長一郎同和教育指導室長ほか三名の同和関係者が、部落解放同盟大阪府連の矢田支部関係者の入学ができるような処置をとられたいということで、市教委の室長が、受験生の受験番号まで持っていくというふうなことは、教育基本法のたてまえからいって、もう全く異常なことだと思うのですけれども、そういう市教委、これは、指定都市の市教委ですから、市教委のそういう行動について文部省はどうお考えになるかということをお聞かせ願いたいと思います。
○大崎説明員 ただいまの件につきましては、私どもも仄聞をいたしまして、大学の事務当局には様子をお聞きしたわけでございますが、大学の事務当局からのお返事としましては、市の職員の方が、一般的に進学についての協力をいただけないだろうかというような御要請に見えて、その具体的な方法等については委託学生、その他というような例示もあったそうでございますが、大学としては、特定の具体的な要請を受けたというふうには受け取らなかった、しかし、いずれにせよ、四十九年度の入試については、従来の方針どおり特段の措置は講じなかったというように承っております。
○東中委員 そういう特段の――これは、もう端的にいえば裏口入学ですね。入試基準がすでに発表されておって、それと違った方法で入学できぬかということを、こともあろうに教育委員会の室長がついていって言う。これは、もう大学当局は拒否した、当然のことだと思うのですけれども、文部省としても、そういうふうになるのは、むしろ当然だということではないのですか。そこで話し合いをして、そしてワクを一つつくって入れるというようなことがあっても、文部省としては、そういうこともあり得るのだというふうにのん気にお考えになっているのか、はっきり聞いておきましょう。
○大崎説明員 ただいまお示しの事実関係については、私、先ほど申し上げましたように、大学から連絡を受けました範囲でしか存じておりませんので、その件についての論評は、差し控えさせていただきますが、入学試験の基本的なあり方ということにつきましては、先ほど来申し上げておりますとおりでございます。
○東中委員 基本的あり方――ちょっと、もう一回言ってください。
○大崎説明員 その大学の教育目的、方針、さらに先ほど申し落としましたが、教育内容というようなものから見まして、受験生の能力、適性というものを公正妥当な方法で判断をする、その結果によって合否の決定をするということでございます。
○東中委員 能力、適性ですね。だから、特定の団体に入っているから、その団体の目的遂行のためというような、そこから出発するのではないということ、これは確認願えますね。
○大崎説明員 基本的には、そのように考えます。
○東中委員 では、終わります。
○小宮山委員長代理 次回は、明二十七日、水曜日、午後一時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三十六分散会