第072回国会 決算委員会 第7号
昭和四十九年四月四日(木曜日)
    午後三時四十二分開議
 出席委員
   委員長 臼井 莊一君
   理事 唐沢俊二郎君 理事 田村  元君
   理事 橋口  隆君 理事 松岡 松平君
   理事 綿貫 民輔君 理事 久保田鶴松君
   理事 原   茂君 理事 庄司 幸助君
      愛野興一郎君    宇都宮徳馬君
      片岡 清一君    菅野和太郎君
      中尾  宏君    中村 弘海君
      楢橋  進君    吉永 治市君
      稲葉 誠一君    坂井 弘一君
      和田 耕作君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
 出席政府委員
        防衛施設庁長官 田代 一正君
        防衛施設庁総務
        部長      安斉 正邦君
        法務大臣官房会
        計課長     住吉 君彦君
        大蔵大臣官房審
        議官      岩瀬 義郎君
        大蔵省主計局次
        長       田中  敬君
        大蔵省理財局次
        長       後藤 達太君
        大蔵省理財局次
        長       井上 幸夫君
        食糧庁次長   森  重弘君
        運輸省船員局長 住田 俊一君
        建設省住宅局参
        事官      山岡 一男君
 委員外の出席者
        農林大臣官房企
        画室長     森実 孝郎君
        建設省河川局防
        災課長     田原  隆君
        会計検査院事務
        総局
        第 一 局 長 高橋 保司君
        会計検査院事務
        総局
        第 四 局 長 田中  稔君
        決算委員会調査
        室長      東   哲君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月四日
 辞任         補欠選任
  赤澤 正道君     片岡 清一君
  石田 博英君     愛野興一郎君
  大石 武一君     楢橋  進君
  渡海元三郎君     中村 弘海君
  塚本 三郎君     和田 耕作君
同日
 辞任         補欠選任
  愛野興一郎君     石田 博英君
  片岡 清一君     赤澤 正道君
  楢橋  進君     大石 武一君
  和田 耕作君     塚本 三郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十七年度一般会計予備費使用
 総調書及び各省各庁所管使用調書
 (その2)
 昭和四十七年度特別会計予備費使用
 総調書及び各省各庁所管使用調書
 (その2)
 昭和四十七年度特別会計予算総則第
 九条に基づく経費増額総調書及び経
 費増額調書
 昭和四十七年度特別会計予算総則第 (承諾を
 十条に基づく経費増額総調書及び各 求めるの
 省各庁所管経費増額調書(その2) 件)
 昭和四十八年度一般会計予備費使用
 総調書及び各省各庁所管使用調書
 (その1)
 昭和四十八年度特別会計予備費使用
 総調書及び各省各庁所管使用調書
 (その1)
 昭和四十八年度特別会計予算総則第 (承諾を
 十条に基づく経費増額総調書及び各 求めるの
 省各庁所管経費増額調書(その1) 件)
 昭和四十七年度一般会計国庫債務負担行為総調
 書
     ――――◇―――――
○臼井委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の承諾を求めるの件、及び昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)外二件の承諾を求めるの件、並びに昭和四十七年度一般会計国庫債務負担行為総調書を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。唐沢俊二郎君。
○唐沢委員 まず、大蔵大臣にお伺いいたしたいわけでありますが、一般会計の予備費として、昭和四十七年度千八百億円、四十八年度二千三百億円をそれぞれ予算に計上をしてあります。しかし、補正予算では、四十七年度千百億円、四十八年度六百五十億円となっております。したがいまして、当初予算額は、四十八年度は前年度よりも五百億円多いわけでありますが、逆に補正予算では、四十八年度は前年度よりも四百五十億円減少をいたしております。財政法第二十四条による「予備費として相当と認める金額を、歳入歳出予算に計上することができる。」とあるわけでありますが、これはちょっとばく然といたしているように思われます。大蔵省は毎年度、予算編成の場合、どのような基準で予備費を予算に計上しておられるのか、また「相当と認める金額」というのはどのようなものなのか、その点につきまして大臣からお伺いいたしたいと思います。
○福田国務大臣 予備費は、申し上げるまでもなく、これは予見し得ざる経費の支出に充てる、そういう性格を持つわけであります。予見し得ざる経費の支出に充てる、こういうことでございまするから、これはもともと、その積算は非常にむずかしいんです。そこで、勢いこれは、過去の実績がどうなっているだろうかという傾向的な数値を求める、こういうほかはないのじゃないか、そういうふうに判断されるわけであります。それが機軸となりまして、あと、来たるべき年の年度間において経済がどういうふうに推移をするだろうか、それらを勘案いたしまして決定する、こういうことでございます。
 四十九年度となりますと経済が非常な激変が予想される、それに伴いましていろいろ需要も多かろうというようなことでかなり大幅にふやしておりますが、まあとにかく、見積もりの単価があるわけじゃなし、基準があるわけじゃなし、過去の歩みをよく見まして、そして次の年度のいかなる国政の需要にも間に合い得るという額を見積もるわけであります。
○唐沢委員 次は、運輸省に伺いたいわけでありますが、四十七年七月一日現在、アメリカ合衆国軍隊にLST乗り組み員として八百四十六名が雇用されていました。四十七年七月から四十八年七月上旬までに四百三十三名が毎月漸次解雇をされてきて、四十八年七月三十一日に四百十三名が同時に解雇をされました。この解雇をされた八百四十六名に対して、一人当たり二十万円、計一億六千九百万円が、四十八年度一般会計予備費使用で、運輸省所管の米海軍雇用LST乗り組み員離職一時給付金から支給をされております。
 そこで、二点について伺いたいわけでありますが、昭和四十八年六月十五日の閣議決定で支給要綱が決定されたわけでありますが、その経過と理由について伺いたいのがまず第一点。
 その次は、支給対象数八百四十六名に対し、支給者数八百四名となっておりますが、その残りの四十二名はどうなっておるのか、また経費は翌年度に繰り越すのか、不用額にするのか、この点について伺いたいと思います。
○住田(俊)政府委員 お答え申し上げます。
 LSTと申しますのは、先生御承知のように、ランディング・シップ・タンク、いわめる上陸用舟艇船団と申しますか、そういうふうに訳されております。これはアメリカ合衆国海軍極東軍事海上輸送部隊にLST乗り組み員として雇用されていたものでございますが、それが、御承知のようにこの部隊の業務の縮小化によりまして、四十七年の七月一日から段階的に解雇され、そうして四十八年の七月三十一日をもって全員が解雇されたということは、先生御承知のとおりでございます。そこで、これらのLST乗り組み員が一時に全員が解雇を余儀なくされる、そこで多年の生活の基盤を失うことに相なります。ところが、これらの船員は船員保険法等の適用がございません。したがいまして、失業保険等の支給がないということ、あるいはまた再就職の道が容易でないというような、こういう事情がございました。そこで、こういった事情にかんがみまして、何とかこのような乗り組み員に対しまして保護措置をとるべきではないかということが関係各方面から指摘されたのでございます。
 そういうことで、いろいろと関係各省その他と協議いたしました結果、昭和四十八年の六月十五日の閣議決定に基づきまして、これらのものに対しまして、先生がいまお話しございました一時の給付金を支給する、すなわち一律二十万円を支給する、こういうことに相なった次第でございます。それが第一点。
 それから、第二点につきまして、先生がただいま支給対象者数が八百四十六名、それから支給者数八百四名、この差がどうかという御質問でございますが、この八百四十六名はあくまでも推計でございました。したがいまして、八百四名というものが実際に支給したそういう数でございます。そういうことで御了承願いたいと思います。
 以上でございます。
○唐沢委員 LST乗り組み員の場合は、同じ駐留軍に雇われている人でも、間接雇用の人に比べて気の毒じゃないか、また全日海からもその救済措置について強い要望があったということで、とられた措置は適当だと私は思うのですが、一般論として、日本人で外国の船や飛行機に乗り組んでいる人というのは、所得税や何かは居住地で納付する義務がある。一方、失業保険というものは、これは保険料を払っていなければ給付されないわけでございます。こういう問題は今後もいろいろな形で出てくると思うわけであります。もちろん、これはもう外務から、運輸から、労働、各省にまたがる問題でございますが、一応、実力大臣もおられますので、念頭に置いておいていただきたいと思うわけであります。
 最後に、食糧庁にお伺いしたいわけであります。
 食糧管理特別会計の昭和四十八年度予備費使用で、国内米買入費一千億円、輸入食糧買入費五百億円、輸入飼料買入費二百五十億円、特別会計予算総則第十条に基づく輸入食糧買入費百八十四億円が使用されております。そのうち予備費のほうは、買い入れ価格が予算において予定した価格を大幅に上回っているからだというふうにいわれております。特別会計予算総則第十条によるものについては、国内産の麦が買い入れ数量が非常に減った、そういうことで輸入の外大麦とか外小麦にこれがリプレースされたというふうに聞いておるわけでありますが、その間の事情につきまして一応明確にしておいていただきたいと思います。
○森(重)政府委員 お答えいたします。
 四十八会計年度におきまして、先生お話しのように、国内米は一千億、輸入食糧におきまして五百億、輸入飼料において二百五十億、それから弾力で百八十億、こういうふうになっております。
 国内米におきましては、先生もお話しございましたように、八月に四十八年産米は大幅な値上がりをいたしたわけでございます。すなわち、当初私どもが予算に計上しておりました単価は一俵当たり八千九百四十五円でありまして、これをトン当たりに直しますと十四万九千二百二十七円ということで計上いたしておりました。御案内のように一五%程度の増になりましたので、これが一俵当たり一万三百一円、トン当たり十七万一千六百八十三円となります。したがいまして、この結果といたしまして一千億の赤字と申しますか、そういうものが出てきた、こういうことであります。なお、ついででございますけれども、これについては買い入れ費の不足も来たしましたので、補正のときに三百十一億は、これは追加をしてもらったといういきさつもございます。
 それから、輸入食糧及び輸入飼料でございますけれども、御案内のように、最近非常に高騰してまいりました。四十七年の七月までは、過去十数年の間、北アメリカ等を中心とする小麦の市場価格というものは、FOB一ブッシェル、一ドル六十セントから七十セントあたりでずっと来ておりました。ところが、いわゆるソ連なり中共なりの大量買い付けというものがありましてから、需給状態がタイトになってまいりました。予算編成時になりまして、四十八年の予算を組む場合に一体どういうふうな見通しを立てるかということも非常に困難な予想がございました。そのときも若干、たとえば四十七年の七月でございますと、一ドル六十九セントという計算にいたしますと一トン当たり二万七千百五十円くらいの程度になろうかと思いますが、八月の、いわゆる予備費を使う段階になりますと六万二千円になる、こういうことでございます、これは四十八年ですけれども。四十七年の予算を組むときにはもうすでに値上がりしておりましたので、これはトン当たり三万二千六百八十円、こういうことで計上いたしたわけでありますけれども、やはり依然として海外の市場がタイトでございまして値上がりを来たしておりましたから、四万三千五百二十二円ということで計上してまいった。そうしました結果、たとえば外小麦でございますけれども、三百九十四万トン程度のいわゆる当初の予算の買い入れ数量でございました。なお、弾力条項等の問題があとで出てまいりますけれども、これはもちろん国内麦の不足という問題を振りかえられた三十万五千トンがございました。それを振りかえて四百五十五万トンの外国からの買い入れになりました。それを計算いたしますと、これは六百八十五億ということになりますので、五百億は予備費を使わせていただいた、そして緊急に買い付けをする要のあるものにつきまして百八十五億というものを弾力でととのえました。こういうことであります。
 なお、輸入飼料も同じように、飼料小麦なり大麦なりが上がってまいりました。たとえば小麦も三万一千七百四円で組んでおりましたものが四万四千円程度になりましたから、これの二百三十三万四千トン分を計算いたしますと、これはちょうど二百五十億になるということで、予備費を使わせていただくことになったわけであります。
○唐沢委員 以上で終わります。
○臼井委員長 次は、庄司幸助君。
○庄司委員 前の質問者の御質問にもあったわけですが、今度の予備費が非常にふえた、しかも弾力条項の適用でそれぞれ八十億あるいは百八十五億ぐらいですか、これぐらいふえているわけです。これはいまの御答弁にもありましたが、やはり政府の食糧政策の反映があらわれているのじゃないかと思うわけです。これはあとでも述べますが、農業白書でも、今年度の白書ではこういって食糧政策の根本に触れるような問題が指摘されておりますが、そういう点で、やはり外国食糧に依存するこれまでのような政府の農業政策の基本、こういったものが国際相場の変動によって予備費を急速に増大する要因になっているんじゃないか。そういう点で、もっとやはり日本の農業を自立させる、こういう観点で政策立案がなされてくれば、こういう予備費の使用は避けられたんじゃないか、こういうふうに考えているわけです。そういう点で、農業政策面の一つの破綻ですね、これが予備費をプッシュアップした、こういうふうに見られてもしかたがないんじゃないかな、こう思うのですが、その辺、きょう、これは農林大臣もいらしておりませんが、政府閣僚の中のナンバーツーである大蔵大臣からでもひとつお答え願いたいと思うわけです。
○福田国務大臣 食糧政策は、特に戦後三十年間、国際環境が非常に落ちついて、金さえあればどこからでも好むところの食糧が買えるという環境のもとに、海外依存度というものにあまりたより過ぎてきたんじゃないか、そういうような感じがします。
 しかし、ローマクラブが指摘するように、長期的に見ますと、食糧問題というのは世界的に非常に大問題である。また、食糧ではありませんけれども、資源の問題、これもまた大きな問題となってきておる。そういう世界情勢の今後を考えますときに、海外に依存し過ぎる食糧需要というものにつきましては考え直す必要があるんじゃないか、そういうふうに思うのです。いままではどうにかやってきましたけれども、これからの農政というものをもう少し自給度の向上というものにウエートを置いた対策にならなければならぬじゃないか、そういうふうに思われますので、政府もそういう考えのもとに、昭和四十九年度は、いままでは全然やらなかったことでございまするけれども、たとえば麦生産振興対策費というのを百三億円も計上いたしますとか、それから大豆生産振興対策費、これも四億余りを計上する、また飼料作物生産振興対策費、これを十七億余りを計上する、そういうふうに、かじのとり方を自給度の向上という方向へ変えていくわけであります。もちろん、この自給度の向上といいましても、そう短期に成果をあげるわけにはいきませんけれども、こういうふうな努力を積み重ねていきますれば、やがてはまた効果をあげ得るであろう。世界情勢の今後ということを展望しますと、どうしてもそういう方向をとったほうが妥当な行き方である、そういうふうに考えておるわけです。
○庄司委員 自給度の問題になりますけれども、実はこれは決算から少しはずれますが、今度の四十九年度の当初予算の食糧関係の予備費、今度は一千億円組んでありますね。そうすると、これは依然として、やはり食糧を海外に依存する度合いをもっと強めるという性格の予備費になるんじゃないかと私は思うのです。そうすると、この農業白書でいっている自給度の向上というのは、これは農林省だけが農業白書で心配しているのであって、天下の大勢は依然として変わらないという認識ですね、これがあるように見受けられるわけです。ですから、そういう点、やはり若干矛盾した組み方がなされている。国際情勢を見ますと、やはりソ連や中国の買い付けが依然として旺盛なわけです。そうしますと、これはもっといわゆる海外の小麦なりその他の飼料なりが高騰する可能性もあると見て、こういう四十九年度予備費が組まれているんじゃないかと思うわけです。その辺、私は、実際政府が本気になって国産食糧の自給度を高めるという姿勢が、どうも疑わしいような感じがするんです。その辺、大臣どういうふうにお考えか、ちょっとお漏らし願いたいと思うのです。
○福田国務大臣 政府の姿勢を変える、方向を変えるという方針につきましては、ただいま申し上げたとおりなんですが、さあこの自給度を向上しますといって四十九年度にその方向を踏み出したといたしましても、これはすぐ効果があがるのだというわけじゃないのです。したがいまして、四十九年度の問題だといたしますると、かなりの食糧の輸入をしなければならぬ。その上さらに飼料の輸入をしなければならぬ、量的にも、従来買っておったそういう程度のものは確保しなければなりませんけれども、四十八年度、つまり四十九年度の前の年、これに食糧、飼料、そういうものの輸入価格が非常に上がっているわけなんです。したがいまして、四十八年度の予算に比べますと四十九年度は膨大な支払いを要する、こういうようなことになります結果、これは予算面でもそうでありまするが、国際収支面、 つまり国の対外払い、こういう面におきましても、かなり多額のものを食糧、飼料、そういうものにいま充当しなければならない、こういうことになっているのです。決して矛盾しているわけじゃございません。
○庄司委員 自給度を高めていくという姿勢が、さっき大臣の御答弁では、たとえば大豆について若干価格補償の面につけた、あるいは麦についてもつけたと言われておりますが、この程度の手当てでもって自給度が向上する見通しがはたしてありやいなやという点になると、私は非常に疑問に感ずるわけですね。もっと大幅な措置をとらないと、大豆にしても自給度が向上しないのじゃないか。特に物価が相当上がっておりますから、そういう点は今度の措置というものが自給度の向上を実効あるものにするかどうか、この辺の御判断どうでしょうか。
○福田国務大臣 今度の予算では、たとえば小麦につきましては一俵当たり千八百円ないし二千円の補給金を出そう、こういうことで価格差を国が受け持つわけです。そういうことになりますと、これはかなり小麦をつくろうという人も出てくるわけです。ちょうど、ときたまたま転作、休耕、こういうものを奨励しておったわけでありまするが、そういう休耕補助はもうなくなる、そういうような時期でもあります。北海道あたりではかなりの麦作希望農家なんかも出てきておるわけでありまして、急に目に見えたように多額の生産が上がるというふうには思いませんけれども、そういう傾向がありますのでこの傾向を国の助成手段をもって援助してまいりますれば、これは少し長い目で見まするとかなりの自給度の向上ができる、かようににらんでおります。
○庄司委員 実は、これは前の決算のときにも田中総理と少しやりとりがあったわけですが、総理は八〇%まで自給率を高める、現在実質二〇%ぐらいですから、これを高めていくのは容易ならないわざだろうと思うんですね。たとえば総理が強弁しておられるように八〇%まで高めるとすれば、やはりその総理の目標にしている年次までの年次計画、これがなければ私は高まらないのじゃないかと思うんですよ。今度の大豆にしろ麦にしろ、若干の補助金をつけられた、これで一体何%ぐらい高まるのか、こういう年次計画はお持ちなんですか。
○福田国務大臣 ちょっと農林省のほうから……。
○森実説明員 お答え申し上げます。
 農林省が一昨年の秋に長期の需要の見通しと長期の生産目標、これは五十七年を目標年次とするものでございますが、これを発表いたしまして、現在農政審議会で各般の見地から御議論をいただいているところでございます。
 私どもといたしましては、自給率と申しましても、これは結局、個々の品目ごとにどれだけ自給をしていくかという問題ではなかろうか、その場合、重要な問題は、米等はもちろん国内で自給するし、畜産物、野菜、果実あるいは牛乳、乳製品等は一〇〇%ないしは八〇%以上国内でまかなっていくけれども、しかし、何と申しましても需要も増大しているし、一方では土地資源の制約が決定的にある、そういう事情から、やはり飼料穀物とかあるいは大豆等については、かなりの部分は輸入に依存せざるを得ないという問題ではないか、こう理解しております。
 いま御質問ございました、いわば麦とか大豆とか飼料作物について、四十九年度予算から予定いたしました奨励措置というのは、これから少し息が長くなりますが、五十七年までのそういった生産目標を品目別に段階的に達成していくための一つの里程として講じた措置である、直ちにこれで何%上がるという性格のものではない、長期的なスケジュールの一環として考えている施策である、かように御理解いただきたいと存じます。
○庄司委員 そうしますと、もう一ぺん伺いますが、五十七年までに、作目によっていろいろ違いはあるだろうと思いますが、平均すれば、田中総理が言うとおり八〇%の自給率の達成、これが可能だという計画なのか、あるいは八〇%は念頭になくて、別な数字なのか、その辺どうなんですか。
○森実説明員 お答え申し上げます。
 総理から御答弁がございました八〇%という、これはラウンドの数字でございますが、先ほど申し上げました五十七年を目標年次とする生産目標では、七三から七七%の総合自給率を、これは価格計算でございますが、達成したい、かようなことでスケジュールを組んでいるわけでございます。したがって、それと結びついて考えている、かように御理解いただいて差しつかえないと思います。
○庄司委員 ちょっとくどいようですが、もう一回その点で……。そうしますと初年度は何年度になるのか。その五十七年まで、いまから約八年ほどありますが、八年間の中間時点で何ぼとか、そういった計画はあるのかどうかです。
○森実説明員 私どもの考えといたしましては、各種の政策誘導を通じて、農家の自発的企業努力を通じてこの目標をナショナルベースで実現していく、こういう考え方でございまして、直接管理していくとか、国が直接介入していくとか、あるいは年次別に具体的にステップをきめていく、こういう形ではなくて、いわば息の長い指針として考える、かような意味でございます。
○庄司委員 そうしますと、これは当てにならないということですね。私はそういう点で、実際五十七年度までおやりになるというならば、やはり有効な手を打っていかないと、これはならないと思うのです。ところが、たとえば今年度については、麦とそれから大豆について若干の手当てをした、あるいは別な手当てもあるだろうとは思いますけれども、しかし一方では、この三十万ヘクタールの土地を削るというような計画まで発表されるわけですね、これは計画か、単なる発言かわかりませんけれども。そういう矛盾した状況の中で、自給率を五十七年まで七〇か何かその辺までやるというのは、私は至難なわざだろうと思うのです。そういう点では、やはりもっと有効な、責任の持てるような年次計画、それに見合った予算措置、これは当然計上しなければ、私は、これは絵にかいたもちになるのじゃないかと思うのです。その点、大臣、私はここでこれ以上論争しませんから、これは十分御要請申し上げておくわけです。
 それから、若干こまい問題になりますが、今度の予備費の中で、タイからのモチ米あるいは中国からのモチ米、アメリカからのモチ米、これが予備費増加の要因の一端になっていると私は思うんですがね。このモチ米の値段が、どうも前と比べると急速にぐっと上がった数字ですね。これはモチ米については、一体、国際相場があるのかないのか私はよくわかりませんが、たぶんないだろうと思うのですが、なぜこういうふうにぐんと上がったのか、その辺ひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
○森(重)政府委員 モチ米のいわゆる需給趨勢と申しますか、価格動向等についてのお尋ねでございます。
 最近、非常に高騰してまいったのは事実でございまして、私どもが昨年の七月、中国と契約いたしました際には、トン当たり十万円の見当でございました。ことしの一月契約いたしたものが十七万一千円となっております。平均いたしますと十五万二千円ぐらいになります。米国から若干、一万トン弱、七千トンぐらい買っておりますが、これが十八万五千円、こういうことであります。
 やはり小麦と同様とは、なかなかむずかしいとは思いますけれども、やはり米も、ある種の国際相場みたいなものがあるようなないようなというお話がございますが、いわゆる麦と違いまして、市場性は非常に小さいと思います。したがいまして、需給状況によってはフラクチュエーションと申しますか、高低の差が非常に激しい品物であることは事実でございます。御承知のように国内のモチ米は、ただいま自主流通で相場が立っておりますけれども、一俵一万五千円程度のいわゆる仕切りでございます。これはトン当たりにいたしますと大体二十四、五万円になろうかと思いますが、これに比べれば、外国のほうはまだ若干安い、こういうことだろうと思っております。
 なお、タイのモチ米等につきましては、日本のいわゆる短粒種といいますか円粒種と違いまして、これは若干安いということでございますけれども、最近、またタィ国におきましても米の輸出制限といいますか、等もございまして、なお将来にわたってタイが米を輸出するについての、その総量的にもなかなか見通し困難ということもございまして、今後の価格の推移はわりあい高くなるのではないか、こういうふうに考えられると思います。
○庄司委員 いただいた資料を見ますと、四十八年の二月は四千百トン輸入した。その当時はトン当たり四万二千円だったわけですね。それが四月になって六万三千七百円。それからことしの一月は一万トン輸入して、十四万六千百円。ですから、こういう高騰ですね。確かにモチ米の市場性は非常に狭いと思うのです。狭いわけで、この日本の輸入がふえたためにこの値段を持ち上げたのかどうか、その辺はどうなんですか。
○森(重)政府委員 日本がモチ米という特殊な米を買うために上がったかどうかというのは、非常にむずかしい問題でございます。タイから買いました価格、昨年の二月はなるほど四万二千円でございます。ことしの一月は十四万六千円ということでございますから、四倍近い価格になっております。
 御承知と思いますけれども、タイのモチ米は、ラオス国境近くの山岳地帯といいますか、あの辺で栽培されておりまして、バンコクのほうへずっと流れてくる品物でございます。この数量の把握もなかなかむずかしい。と申しますのは、ラオスあたりの一般住民の方で、モチ米を常食とする方方が多いわけでございます。したがいまして、向こうの地域におけるところの需要とそれから輸出価格とのかね合いで物が流れたりとまったりするというのが、いままでの通例でございます。最近になりまして米が非常に高くなり、アメリカ等におきましても十何万という値段が出ました。したがいまして、それに引っぱられたということも若干あるようには感じ取られておりますが、さて、日本が買い付けるから高くなるということに起因するかどうかは、この辺はなかなかむずかしいところだろう、このように考えております。
○庄司委員 ですから、その辺がわからないとすると、とにかく四万二千円から十四万六千百円に、約一年間で約三倍以上に上がっている。私は、これは何か政府間交渉でこの値段がきまっているやに聞いておりますが、いわゆる経済的な要因じゃなくて政治的な要因の加算が、加算といいますか、そういった要因があるような感じがするのです。たとえば、タイの財政のことは私はわかりませんが、このタイの業者から買い上げるタイの政府の値段と、それからタイ政府が日本と契約する値段、この間に差があるのじゃないかと思うのですね。それがタイの財政を若干のプラスにしているような感じがしないわけではないのです。そうすると、これは実勢相場とかいわゆる相場の問題じゃなくて政治的な加算だ、こういう疑いを持つわけですが、そういうことはございませんか。
○森(重)政府委員 ただいまのモチ米の話でございますけれども、ウルチもやはり五倍ぐらい上がっておるのです。ですから、一般的に米それ自体も上がっておることは事実でございますが、お尋ねのタイにおける米の買い付けはGGベース、いわゆる政府間交渉できまるわけであります。これも、きめるに際しましては、どちらかといいますと、私どもはいわゆるタイトな条件の中で買う側でございます。したがいまして、大体アメリカあたりの相場がある程度この要因になろうかと思いますが、アメリカもその場合には非常に上がっておりまして、PL四八〇号の輸出価格が五百七十ドルぐらいになっておりますから、やはりそういう点も影響があるというような感じがいたしております
○庄司委員 これは国内産のモチ米と比べれば確かに安いわけです。安いわけですが、この数字を見ますと、四十六年の国内産米が五十九万六千トン、それから四十七年が五十七万トンで、四十八年が五十七万トン。国内の需要は大体六十万トンちょっとぐらいだと思うのですよ。これは差額にすれば三万トンぐらいですね。確かに値段は国内産米は高いんだけれども、いまの食糧事情の関係その他も含めますと、やはりこういったものは、国内産米を一割も増産させる必要はないんですね、三万トンぐらいですから。だから、米の一割増産運動というのがだいぶやられまして、成果も見たわけですが、モチ米の一割増産ぐらい、やればわけのない問題だろうと思うのですよ。若干、外国相場と比べれば値段は高いですがね。モチ米ぐらい国産で十分間に合わせるという姿勢があっていいんじゃないかと思うのですが、これは農林省の企画室になりますか、その辺どうお考えになっていますか。
○森実説明員 従来、モチ米は、大体ウルチ米の一割高くらいの価格で取引されて、農民もそれに対応してつくってきた。ただ、どちらかと申しますとモチ米につきましては、若干野菜と同じような価格変動がありまして、つくり過ぎの年と不足の年が相前後して起こるというパターンがあったわけでございます。ところが最近、稲作の経営構造がだいぶ変わってきた。そういう意味ではモチ米は、なかなか機械栽培に適しない、手間がかかるという問題がある。それから、品種の混淆等がウルチで起きますと価値が非常に下がるものでございますからつくりたがらないということで、全般的に農民のモチ米に対する生産の取り組み方が消極的になってきたことは、ある程度否定できないと思います。
 かような視点から、実は四十八年産から、自主流通米で消化する場合についても積極的に契約栽培を奨励して、自主流通米で消化できない場合については全量政府が買い入れを保障する。また政府が買い入れを行なう場合につきましても、従来はどちらかというと減額してまいりましたモチ米加算、つまりウルチ米に対する加算額を増額するというふうな手を打って、てこ入れ措置を講じたわけでございます。四十九年産米についても集団的なモチ米の栽培を奨励し、契約栽培をすすめ、できるだけ農協と農家の間で契約栽培体制を強化させて、これは何といっても大体実需者もきまっておりますから、実需者との間にもリンクさせて、合理的な、農民が魅力を持つ価格をきめさせるという形で、できるだけそういう契約栽培体制をさらに進めたいと思っております。早晩、モチ米については輸入する必要がなくなる事態に持っていきたい、こう考えております。
○庄司委員 それからタイ、アメリカ、まあ中国はおそらく別だろうと思うのですが、この二つの国から輸入されたモチ米、これについては入札はやられているのですか。
○森(重)政府委員 タイから買います場合の契約のお話でございましょうか。こちらに到着しましてから売る場合の契約の話でございましょうか。(庄司委員「商社から買っているでしょう、だから商社間の入札をやっていますかということです」と呼ぶ)これは先ほどもお話しいたしましたように、FOBプライスというのがGG間で決定いたしておりまして、これについて、いわゆる向こうのシップサイドから、FOBからこちらの蔵入れまでの間の契約といいますか、これは随意契約といいますか、これは競争条件になる、こういうことでございます。
○庄司委員 今度のモチ米の輸入の商社別のシェアを見ますと、三菱商事、三井物産、住友商事、兼松江商、それから金商又一というのですか、こういった順序で十数社出ておりますが、このモチ米の輸入数量ですね、それぞれ商社ごとの。こういったシェアですね、これはあらかじめきめて、そうして入札さしたものかどうか、それを伺いたいのです。
○森(重)政府委員 タイ米の買い付けにつきましては、これは輸入商社がそれぞれ輸入組合をつくっておりまして、その中でおのずからきまるというようなしかけになっておりまして、それはタイのほうのシッパーのほうから――、いわゆる向こうの政府がきめてくれるシェアの、いわゆる向こうのグレーントレーダーと申しますか、米のシッパーがいるわけです。それと契約のある日本の商社群の中で調整が行なわれてこういう数量になっている、こういう状態でございます。
○庄司委員 それで、実は輸入食糧の入札の問題で少し伺いたいと思うのですが、これは四十七年の七月の新聞ですが、「輸入小麦 疑惑の入札」という見出しで新聞に出ておったのですが、その中で輸入食糧協議会が、食糧庁長官の通達によってあらかじめ十トン単位、これまでこまかくシェアをきめて入札さしておるという新聞の記事なんです。これはあらかじめシェアをきめて入札させるとなれば、いわゆる競争入札の原則から相当はずれてくるわけです。何かこの点では会計検査院も調査に乗り出したというような記事も出ているわけですが、まず会計検査院から、私、伺いたいのですが、この調査、おやりになったのかどうか、おやりになったとすればどういう結果が出たのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○田中会計検査院説明員 お答えいたします。
 先ほど先生がお読みになりました新聞の記事につきましては、私ども、検査いたしました。その結果、食糧庁のほうの説明といたしましては、ある程度のシニアをきめておくことが輸入商社の過当競争を防止するという観点から必要であって、そのために予決令の百二条の四第三号によって随契を結んでおるんだという説明を聞いたわけでございます。したがいまして、現状におきましてそういう過当競争を防止するという意図のもとに、食糧庁が一定のシェアをきめて随契でおやりになることは、これは私どもといたしましては不当とは見る必要はなかろうというふうに判断した次第でございます。
○庄司委員 ちょっと、その予決令の百二条の四の何号というのを読んでもらえますか。
○田中会計検査院説明員 「契約の性質若しくは目的が競争を許さない場合又は緊急の必要により競争に付することができない場合において、随意契約によろうとするとき。」という条文がございまして、この場合には大蔵大臣に協議をしなくて随意によることができるという条文でございます。
○庄司委員 これは確かに、そう言われるとそういう感じもしますけれども、商社三十一社かなんか、これがどっとアメリカの市場へ買いに回るとそれだけ値段をつり上げる、こういう事情だろうと思うのです。そこを顧慮されてこういう手段によった、これはそれなりで若干わかるような気もするのですが、ただ、往々にしてこの商社の場合、いわゆる在庫の問題がやはり問題になるわけですよ。たとえば飼料については、昨年発覚した事件で、ないないと言いながら、実は横浜の埠頭に、はしけの中に、相当隠されていた、こういう実態もあったわけです。それから、商社のことですから、全世界的な支店も持っていますから、商社が、たとえばアメリカで買い付けておいて日本へ持ってこない場合だってあり得ると思うのですよ。そういうものは前の安い値段で買っておいて、いわゆる実勢価格でもって、今度は農林省の見込んだ値段で売って相当のぼろもうけをやる可能性もあるわけですね。だから、予決令の百二条の四の三号、これはこれでわかりますけれども、そういう奥深い問題までお調べになって予決令の対象にされているのかどうか、その辺どうですか。
○田中会計検査院説明員 私どといたしましては、先ほど言いましたとおり、シニアの問題はこれはやむを得なかろう、しかも食糧庁におきましては、商社の申し出る価格によってそのシェアを実績として組み入れる、つまり安く納めてくれた商社のほうにはシェアを多くするということによって競争原理も組み入れているということでございますので、シェアの点につきましては私どもは一応了承いたしまして、私どもはもっぱら、価格が妥当であるかどうか、その積算が妥当であるかどうかという点を検討したわけでございますが、ただいま先生のおっしゃいました、商社が現実に幾ら幾らの値段で買い入れたかというところまでは、私どもの検査では手が届きませんので、農林省で資料を収集されまして、その時点における相場を基礎にして予定価格を立てておられるわけでございますので、私どもといたしましても、その農林省が採用された資料を、側面的な資料で書面上検討いたしますけれども、さらにそれから先、業者について、はたして幾ばくの値段で仕入れたものであるかどうかというところまでは、実は検査が行き届いておりません。
○庄司委員 ですから、形式的には予決令の百何号、この適用を妥当であると認められたにしても、そのもっと奥のほうを調べてみられると、必ずしもこの予決令の対象にしないほうがいいという場合もあり得ると思うのです、実情がわかれば。私もこれは、実情はわかりません。いまから調べますが。だから、その点、やはり予決令の対象にする場合でも安易にしてはならないと私は思うのです。これはいまの段階では、決して農林省を疑ったりあるいは会計検査院を疑っているわけではありません。だから、その辺もやはりよく調べないと、最近の商社の動向を見ていますと、これは商社ではないにしても、千載一遇のチャンスだなんという業者が平気でいるわけですから、外貨も相当持っている、あるいは為替差益でもってごっそりもうける場合もあり得るわけですから、その辺も深く検討された上でこの発動を厳正にやってもらいたい、こう思うのです。これはこれ以上やりませんから、大臣もおられますから、厳重に要望しておきます。
 それで、もう一つそれに関連して、この新聞の記事を見ますと、食糧庁長官が各社別の実績からあれして、シェアをこまかくきめて割り当てた、しかもそれが輸入食糧協議会という外郭団体といいますか、そういうものを通じてコピーが各商社に渡されておるんだ、新聞ではこういっておるわけです。そうして、この米審の委員もつんぼさじきにされて、中村さんという米審の委員も非常に憤慨されている談話を発表されているわけです。だから、政府の通達ですね、これを外郭団体を通じてコピーで渡す、これは本来三十一社なら三十一社の商社に対して個々に渡すならまだ話はわかりますよ、その当否は別にしても。通達を渡す形式上の問題ですね、この点私は非常にふしぎでならないわけですが、その辺どうなんですか。
○森(重)政府委員 ただいま先生のお話の輸入食糧協議会というのは、私どもの食糧庁へ登録しておるところの商社二十九社ありますけれども、その商社が任意に集まってつくっておる協議会でございまして、私どもは、もちろん、その各商社に対してはそういう連絡はいたしますが、一括してやるということもあり得るので、その基準はあまり正確ではない。各品社に通告しないでそこにだけ知らせる、こういうことにはなっていないわけでございます。任意団体でございます。
○庄司委員 これは新聞の記事の間違いだとおっしゃるわけですね。これによると、長官通達がこの輸入食糧協議会に一たん通知されて、同会がコピーした上登録の商社に流される奇妙なシステムをとっている、こういっているんです。
○森(重)政府委員 会員商社で構成している輸入食糧協議会でございます。したがいまして、一社一社全部にいっても同じことでございますけれども、そういうところで向こうがここを窓口にしてやってくれ、こういうこともございまして、向こうの――いわゆる商社の任意団体でございます。窓口にしてということで私どもはやっておるわけであります。別に、そこを通したから手数料がどうのこうのという、そういうことがあるわけではございません。
○庄司委員 確かにこれは会員の協会だろうと思いますが、しかし、ここの事務長クラスですね、事務長さんとかあるいは事務局の部長さん、参事クラス、これは全部元食糧庁の課長さんないしはそれに類する方々がポストを握っている。ですから、確かに業者の会員組織の会であっても、食糧庁から天下ったお歴々がやはりトップクラスを握っているわけですよね。そういうトップクラスを握っている協会に通達を流して伝達させるというのは、少しおかしいんじゃないですか。
○森(重)政府委員 商社側が任意に窓口として協会を使ってまいりたいということでつくっておりまして、なるほど食糧庁を卒業した先輩が入っております。天下りというほどの名に値するかどうかは知りませんけれども、輸入業務といいますか、そういう問題のことに関しまして、会員商社のいわゆる了解を得てそういう職にあるわけでありまして、別にそれが云々ということにはならない、こういうふうに考えております。
○庄司委員 それじゃ、別の例でもあるんですね。この協議会が、政府が商社に支払う小麦代金の中から扱い量一トンについて賦課金三十六円、会費六円――会費はいいんですよ。計四十二円の上納金を自動的に徴収している。それから今度、小麦の販売の面になると、やはりいろいろなこういう団体があって、これが食糧庁からの指図で、上納金を納めない業者には実際売ってはならないというような趣旨の通達か何か私はわかりませんが、そういう圧力までされているという記事もあるんです。
 これじゃ、天下りという表現がどうかは別として、何か寄ってたかってこういう機関を利用して上納金を召し上げて、それで自分たちの月給の種にしている、こういうことになると思うのですが、その点どう思われますか。
○森(重)政府委員 食糧庁を卒業した先輩が、いわゆる外郭団体と称せられるところへ行っている事実はあります。しかしながら、先生が御指摘あるように、上納金を納めないと云々ということにはなってないと思っております。
 そのただいまお話しの協議会にいたしましても、これは会員のいわゆる会費でございまして、その他の団体にも先輩は行っておりますが、過去に経験したいわゆる自分の技量というものを、まだ五十五歳前後で卒業していくわけでありますから、その第二の人生で社会的な貢献をするということには、私、別に疑念があるとは思っておりません。
○庄司委員 これは六月三十日の新聞ですが、「しかも食糧庁は業者に対して長官通達でこれらの上納を指示、「業者が指示に従わないときは政府の小麦を売り渡すな」と全国の食糧事務所長に命令を出しているケースもあるほど。」こうはっきり書いています。こんなことがあってはたまらないと私は思うのですよ。これも新聞記事の間違いですか。
○森(重)政府委員 そのような事実はございません。
○庄司委員 それでは、きょうはこれくらいにしますけれども、あなたははっきり、そういう事実はございませんと否定されたわけですから、これは覚えておいていただきたいと思うのです。
 時間もありませんから、私は最後に結論に移りますが、こういった予備費が、一つは政府の食糧政策によってかさんでいった。これはぜひ食糧政策は方向転換してもらって、やはり自給度を高めて、日本の農家が安心して作物をつくれるようにしてもらわなくちゃならないのです。これは強く要望しておきます。
 それから、やはり火のないところには煙が立たないといわれるわけですから、こういう状況が疑われるような状態があるとすれば、これは非常に大事な問題ですから、この点はひとつ厳重に、なければなかったでいいですけれども、今後こういうことは絶対ないように、ひとつ厳重に監督してもらいたい、このことを要望して、私、終わります。
○臼井委員長 次は、坂井弘一君。
○坂井委員 防衛施設庁の長官に来ていただいておりますので、最初に一般論としてお尋ねしたいのでありますが、通常、民有の財産を、必要のために米軍に対して提供施設として提供する場合、防衛施設庁は当該財産の所有権者と賃貸借契約を結ばれると思うのですが、そのような手続をおとりになるのでしょうか。
○田代政府委員 お答えいたします。
 ただいま御質問でございました案件は、特に沖繩に多いのでございますが、おっしゃいましたように、所有者と賃貸借契約を締結いたしまして、それで提供する、こういう形になるのが通常でございます。
○坂井委員 では、お尋ねしますが、武蔵野市に所在いたします財団法人日本文化住宅協会、これにつきましては、長い間国と裁判でもって争われまして、結果的には昨年の十月に国が二十二億円の和解金――これは補償費ということになっておりますが、これにも問題があると思います。あとで明らかにしてまいりたいと思いますが、いずれにせよこれを予備費から支出いたしまして、一応解決ということになったわけでありますが、この裁判の結果は、この土地建物、この財産は協会の所有権に帰したわけであります。そういたしますと、その間に米軍にすでに提供してあったわけですけれども、当然日本文化住宅協会と防衛施設庁の間において賃貸借契約が結ばれなければなりませんが、これは賃貸借契約をお結びになっておられますか。
○田代政府委員 本件につきましては昭和二十八年に米軍に提供いたしまして、ずっと提供してまいったわけでございます。その後、四十四年に至りまして、最高裁の判決によりまして国のものではないということに相なったわけでございますが、その後相手方といろいろ借料その他の問題について話し合いをしてまいったわけでございますが、それがなかなか話がつかなかったということもございまして、私の記憶している範囲では、そういった措置はとってなかったというぐあいに記憶しております。
○坂井委員 賃貸借契約を結ばないまま借料を予算計上して、これはまたあとで明らかにいたしますけれども、不用としあるいは繰り越しとしてきた。その借料が最終的には補償金という形に化けてしまった。しかもこの支出は予備費からなされた、額は二十二億でありますが。
 賃貸借契約を結ばないという事情につきましては、裁判で争ったということ、協会と国との間において合意できなかった、いろいろむずかしい問題、複雑な事情があったようでございますが、いずれにもせよ賃貸借契約がなされないで、第三者の物件を米軍に提供したということに相なりますと、これは安保条約に触れるということになりませんか。
○田代政府委員 お答えします。
 安保条約並びに地位協定というのがございますが、これはあくまで日本政府とアメリカ政府との関係でございます。触れるとおっしゃいましたけれども、もし通常の場合でございますと、賃貸借契約もしないにもかかわらずその財産を米軍の施設区域に提供いたしますならば、これは国内法上の問題になるわけでございます。決して安保条約とか地位協定の問題ではない、こういうように考えます。
○坂井委員 国内法上の問題ということになりますと、どういうことに該当いたしますか。
○田代政府委員 結果といたしまして契約の締結なしで国がその期間米軍に提供していた、結果としてですね、ということになるのじゃないかと思います。
○坂井委員 そうしますと、つまり無断占有といいますか、不法に国は米軍に他人の物件を提供した、こういうことになるわけですか。
○田代政府委員 形式論理的には、結果的には、たしかそういうことに相なったと思いますが、これには先生も御承知のとおり非常に深いいきさつがございまして、四十四年に最高裁でもってそういう所有権に関連する裁判判決がございましたけれども、それ以前にこの問題に関連いたしまして、昭和二十八年に米軍に提供いたしました際に相当の有益費を国が払っているということで、その有益費との関係を一体どうするかということが、久しくまたその後争われたという経緯もございましたので、そういった経緯を踏まえてこの事案を見ないといけないのじゃないか、こういうように考えます。
○坂井委員 いずれにしましても非常にややこしいと言ったらいいのでしょうか、何と言うのですかね、奇々怪々と言ったほうがいいかもわかりません。実はここに私の手元にあるのは、日本文化住宅協会理事会の議事録であります。
 この議事録の中を見ますと、「賃貸借契約をしていたことを認めてくれと、そうしないと安保条約に違反するから、覚書でも交換して借りることにして賃貸借契約を締結しなければならない問題であって、何の措置もしていない。これが政府の一大失敗である。」云々となりまして、ちょっと大臣、お聞きいただきたいと思いますが、「福田大蔵大臣のときに引渡条件を国から出している。協会に対し二十三億の有益費を支払することを請求して留置権を行っている。協会は支払はない。反対に損害賠償を請求していると国会で答弁している。」つまり損害賠償を請求しておるのですね、国はむしろ協会に対して。「この答弁をどうしてうまく処理するか。引渡することになると留置権がなくなる。留置権がなくなると云うことは、随つて有益費の問題が解決したことになる。その本をなす有益費をどうするかという問題が出てくる。公明正大な判断によって、協会が有益費を支払うことになって金額が決定の場合は支払するという覚書を出してもらわねばならない。でないと、国会に対して答弁できないと云う大蔵省の話しである。」これはちょっと大蔵省に、いまのいきさつにつきましてあとでお聞きしたいと思いますが、さらに続きまして、「損害賠償に相当する使用料については、損害賠償については大蔵省の方で支払い、使用料は防衛施設庁で支払うことになるので、大蔵省は損害賠償を支払すると云うことは、どういう損害を与えたかと云われるので困る。使用料とすれば知らないで使っていたと云うことである。大蔵省は家賃に相当する使用料とすることを強く主張している。」
 大蔵省にお尋ねいたしますが、大体このような経緯であったというように理解してよろしゅうございましょうか。
○井上政府委員 御指摘の財産につきましては、最高裁で国の所有でないということが確定いたしましてから、国は有益費の償還を主張して留置権を行使して提供を続けたということは事実であります。しかし、その後の借料相当額、当時見ますと、文化住宅協会側から百五十数億の賠償要求がございましたけれども、それについていかなる支払い方法をとるかということにつきましては、当時当方としては未決定でございまして、防衛施設庁から、あるいは大蔵省からというような議論は、途中ではしたはずはないはずでございます。
○坂井委員 いま私が示しましたのが、これは四十八年、昨年の一月の十八日の協会の理事会の議事録なんです。大蔵省は盛んに、損害賠償じゃ困るんだ。損害賠償まで出したということになると、これは国会で問題だということを主張なさったようなんです。だから、家賃相当の借料、使用料ということでもって協会納得してもらいたい。有益費というのは、確かにあそこの建物を修理いたしまして、二十三億相当の金をかけて修理、改修いたしまして米軍に提供した、この有益費は払ってもらわぬと困るということは国の協会に対する言い分でありますけれども、協会からすればそんなものは認めるわけにいかぬ、そういうところで押し合った経緯がありますので、いまのような御答弁になるのだろうと思うのですけれども、これがどういうことになるかといいますと、次の段階で二月の十九日、「今引渡しすれば後に残るのは損害賠償だけである。大蔵省は損害賠償とすれば、国会で問題になる。和解で使用料としてくれと云つている。過去の使用料としてくれれば防衛施設庁が払う。引渡が終れば使用料だけの問題が残る。使用料の問題にからんで有益費をどういう処置をするかである。使用料が原形のままであれば有益費がない。有益費を含んだ形で使用料をくれれば有益費を考えなければならないが、協会の判決どおり原形のままで使用料を計算すれば、有益費はない。今有益費が幾ら残つているか、協会があの建物を取り殺すのであるから調べて残つているものは取り去つてくれ、有益費があれば取り毀しの補償料を支払つてくれと、補償料として請求するのは、これからの折衝で行うのである。」
 大体こういう経緯をたどって、最終は補償料二十二億、これを予備費から昨年の十月に支出いたしまして、この問題の幕を閉じた、こういうことになると思うのですが、いまここに言っていることは全然当たっていませんか。いかがでしょう。
○井上政府委員 先ほど申し上げましたように、最高裁判決以後の文化住宅協会側と国側との争点は、まず、文化住宅協会側から申し上げますと、百五十三億という要求でございますけれども、この計算の内容自体が借料相当額及び遅延利息それに若干の弁護士謝金その他というものが、向こうの文化住宅協会側の要求の内容でございます。国側がそれに対しまして主張いたしましたのは、先ほど来申し上げております有益費償還でございます。
 したがいまして、、支出科目の名前が何であるかというような話は、後ほどになりまして、いわゆる職権和解に国が応じましてからあとの話でありまして、それ以前どのような科目で支出するかというようなことにつきましては、私どもと申しますか、国側と文化住宅協会側との間には具体的な詰めは行なわれておりません。
○坂井委員 では、繰り返すようですけれども、昨年の十月に和解が成立をした。和解金は二十二億、昨年の十月九日予備費十七億二千九百十万円、この使用の決定をした。そして防衛施設庁の施設運営等関連補償費からこれを支払った。二十二億に対する不足分につきましては、四十七年度から四十八年度へ繰り越しをいたしました四億七千七百九万円、これは提供施設等借料分でありますね。借料です。これを充当した。そうして二十二億といたしまして、これを補償費という形で出した。
 では、具体的に伺いますが、防衛施設庁の借料の算定基準と補償基準は一緒ですか。
○井上政府委員 和解をいたしましたときに、東京高等裁判所のいわば職権和解に応じたものでございまして、二十二億という金額が裁判長から示され、国がそれに応じた、文化住宅協会側もこれに応じたという形式でございます。
 したがいまして、二十二億円という金額を裁判所がいかなる判断をして示したかということにつきましては、その積算の根拠は示されておりませんけれども、従来のいきさつから考えまして、文化住宅協会側も、要求金額の大部分は借料相当額及び遅延利息でございます。私どもは私どもなりに計算をいたしまして、有益費を控除する金額を計算いたしますと二十二億余ということになりまして、ほぼ符合いたします。それで、和解条件といたしまして裁判所から示されたのが、国の有益費償還要求をも考慮しという文句が入っておりまして、私どもの有益費償還請求につきましての立場を裁判所が理解された、こういうふうに私どもは考えます。
 したがいまして、その二十二億円という金額は、実質的には借料相当額及び遅延利息分マイナス有益費分という計算になるかと思いますので、実際に支出いたしました金額は、実質的には借料相当分及びその遅延利息分と考えてしかるべきかと考えております。
○坂井委員 実質的には借料相当分とおっしゃいますけれども、これはそもそもおかしいですね。これは補償ですよ。しかもこれは、私から言わせれば賠償ですよ。国が出した弁償金ですよ。実質ということばを使うならば、むしろそのほうが当たっておる。大蔵省の予算事務提要によると、土地建物借料は、土地及び建物の借上げ料ですね。補償金(費)というのは、国が「国以外のものに損害を与えた場合に、その被害者に対して行なう金銭上の給付」です。これが補償費。
 したがって、四億七千七百九万円、これは借料だったですね。借料で計上した分です。それを補償料に充てたわけですから、一体その根拠と理由というものは、これはやっぱり明確にしてもらわなければ、こういう予算の執行というものは私ははなはだ困ると思う。裁判所からそういうふうに二十二億ですすめられた。これは有益費の分も含んであるのですというので、これは認めてもらっているし、実質的には借料相当額だからまあよろしかろう。しかし、支出の方法においてはこういう形の予算計上ないし予備費の支出というものは、これは許されますかね。根拠と理由、むしろ根拠をひとつはっきりしてもらいたい。
○井上政府委員 和解金額の支払いは予備費から約十七億強出ておりますけれども、これは(項)施設運営等関連諸費、(目)施設運営等関連補償費ということで出ております。それで、防衛庁側におきます四億八千万円もこのとき同一の目に流用されまして、したがいまして、支出いたしました目は施設運営等関連補償費ということで支出されているはずでございます。
○坂井委員 それじゃ、もう一つ、もとへ戻りましょう。四億七千七百九万円というのは、これは防衛施設庁の借料で計上されてあったのですね。賃貸借契約を結ばんで借料で計上した、それをそのまま今回の二十二億に充当した、そういうことになりますね。
○田代政府委員 お答えします。
 防衛施設庁といたしましては、四十六年度、四十七年度、両年度とも借料を計上いたしておるわけでございます。四十六年度分につきましては、四十七年度に繰り越しましたけれども、これの使用に至らぬで不用になってしまった。四十七年度分につきましては、これが翌年度四十八年度に若干の金額がふえて繰り越しになったわけでございます。
 そこで、賃貸借契約も結ばぬのになぜ借料かというお話でございますけれども、予算というものは、年度の最初はあくまでも見積もりでございます。施設庁といたしましては、当時、話がついて賃貸借契約が結ばれるかもしれないということに備えてそういった予算措置をやってきたということに相なるわけでございます。
 それから、その金額を差し引いたという問題は、先ほど大蔵省からもいろいろお話がございましたけれども、四億八千万という金額は、なるほど(目)提供施設等借料ということでございますが、和解金の内容が二十二億、この大宗をなすものが実質的には一種の未払い借料ではなかろうかということで実態判断をいたしまして、その金額二十二億から四億八千万ばかりを差し引いたところで、残額を予備費でお願いするということにいたしたわけでございますが、最終的に支出いたしました目は、御案内のとおり施設運営等関連補償費でございました。目間の流用に相なりますので、大蔵大臣に御承認をお願いいたしまして、御承認を得たところでそういった目間の流用を当時いたしたわけでございます。
○坂井委員 もともと借料そのものが私はおかしいということを言っているわけですね。賃貸借契約を結ばないで借料として計上したこと自体も、もともとおかしい。それを言っておるわけですがね。
 どうも非常に微妙な、複雑な内容もおありのようです。内容を申し上げていきますとずいぶんいろいろあります。たとえば「無断占拠であるから覚書の標題から返還という文字を削除した。そうして財産の処理に関する覚書とした。また不法占拠していたので引渡しを明渡とした。」もう一方に全部、協会の言いなりになっていますね。
 また、この経緯を追ってみますと、ならざるを得ないような事態に追い込められたということですね。それぐらい、協会に対するこの払い下げそのものがまず最初からおかしかったわけですね、協会と国との売買がですね。さらに、昨年、この二十二億という金まで出してこの問題の解決をはからなければならなかった。全くどろぼうに追い銭だと私は思うのです。
 しかも、その予算の執行にしましても、ずいぶん無理な計上のしかたをしている。特に予備費からこの種のようなものを支出することの当否、これはぼくは大蔵大臣にぜひお伺いしたいのですが、何もあわてて予備費から出さなければならないこともなかったと思うのですね。もちろん、その間、裁判のあれもありますよ。和解の成立する一つの条件として、早く払えということですから。しかし、これは少なくとも、これほど長い間にわたって国と協会との間でもめてきた問題でありますし、やむなく二十二億の金を支出することになったとしても、このものを当然予算に計上して、そして国会の審議の場に内容を明らかにしてから支出すべきであった、少なくともこれは予備費から出すべき性格のものではない、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○福田国務大臣 予備費は、予見しがたい経費の不足に充てる、こういうことでございます。まさにこの件はそういう事項に該当する、こういうふうな見解でございますが、多年の係争事件がいよいよ大詰めに来て、高等裁判所の裁判長から職権和解が申し出られた、これに応ずることが妥当である、こういう判断をしたわけです。裁判所のほうからは早急にその金額を支払うべしというので、これは、この支払いのためにわざわざ特別に臨時国会というわけにもいきません。そういう際に備えて予備費というものがある、こういうので、私は本件の支払い、これが時間的余裕さえありますれば予算に計上して一向差しつかえないし、またそうすべきものである、こういうふうに思いますが、しかし、当時のそういう情勢であり、多年の懸案が一挙に解決だ、しかもその解決のために早期の支払いを迫られておる、こういう立場の政府とすると、まあ予備費を使用するほかはなかった、こういう事情かと思います。
○坂井委員 私は、従来の経過からしまして、これは、全く予見しがたいというその範疇には入らないのではないかという判断をするわけですね。少なくとも経緯があるわけです。それから同時に、和解したからといって、すぐにこれを支払わなければならぬということじゃなくて、やはり次年度の予算に正式に計上して、そして支払うべきは支払うという、やはり筋を踏んだほうが、予算の支出としてはより妥当性があったのではないかという点を申し上げているわけなんです。
 この問題につきましては、きょうは予算の執行についてのみ触れたわけでありますが、あらためて建設省関係で、この内容、それから具体的なこの文化住宅協会の今後の方針等につきまして触れていきたいと思います。
 次の問題でありますが、日本住宅公団が借り入れておりますところの政府資金及び民間資金についてであります。
 まず最初に政府資金関係ですが、これは資金運用部資金と簡易生命保険及び郵便年金積立金、この借り入れ計画額と、それに対する借り入れ実行額といいますか借り入れ額、及び翌年度への繰り越し額、これをちょっと示していただきたいと思います。
○山岡政府委員 申し上げます。
 年度の当初計画額といたしまして政府資金を予定いたしましたのが三千億円でございます。それの内訳といたしましては、資金運用部資金二千八百億、簡易保険等二百億。それから民間資金が二千百四十億でございます。その内訳といたしまして、生命保険が千二百五十億、信託銀行が八百九十億でございます。
 実際の借り入れ実績は、年度の終わりで政府資金が二千億、それから民間資金が千五百三十億でございます。
 翌年度へ繰り延べましたものは政府資金の千四百七十億でございまして、民間資金は八百六十億の不用を出しておりますが、繰り延べはいたしておりません。
○坂井委員 四十七年度についてはいかがでしょうか。
○山岡政府委員 ただいま申し上げましたのが四、十七年度分でございます。
○坂井委員 四十七年度でありますと、計画が、資金運用部資金が三千二百十億、それから借り入れ額が千九百四十億、翌年度への繰り越しが千二百七十億ということになるのじゃないでしょうか。
○山岡政府委員 最初に申し上げましたのが当初計画額でございます。そのほかに前年度からの繰り越し額、それから変更増減額等を加えました最終の借り入れ総額で申しますと、いま先生のおっしゃいましたとおり、政府資金が、予定が三千四百七十億、民間資金が千五百三十億、それに対する借り入れ実績がそれぞれ二千億円と千五百三十億円ということに相なります。
○坂井委員 そういたしますと、前年度からの繰り越しを含めまして、いまのようにトータルで申しますと、簡易生命保険及び郵便年金積立金につきましては、計画額が二百六十億、それから借り入れが六十億、翌年度への繰り越しが二百億、それから民間資金につきましては、生命保険が九百五十五億、これに対しまして借り入れが総額九百五十五億、したがって繰り越しはゼロ、信託銀行につきましては五百七十五億、これも実績が五百七十五億でありますから、繰り越しがゼロ、こうでございましょうか。
○山岡政府委員 先ほど申し上げました借り入れ額の最終でいいますと、そのとおりでございます。
○坂井委員 そうしますと、政府資金については翌年度へ繰り越しをしておりますね、いま申し上げたとおりでありますが、民間資金については繰り越しがゼロになりますが、これはどういうことでしょうか。
○山岡政府委員 一番最初に申し上げました政府資金三千億という予定のときには、賃貸住宅、分譲住宅含めまして八万八千戸をやる計画でございました。ところが、年度の途中のいろんな実績等から見まして、年度の終わりにこの計画を七万戸に改めております。その七万戸に改めます際に、政府資金のほうで百四十億、それから民間資金のほうで八百六十億不用に立てております。それらのものを差し引きまして、賃貸住宅等の資金となります政府資金が、主として着工がおくれましたために、四月以降に繰り延べられたものの財源のワクといたしまして千四百七十億、政府資金のほうを繰り越させていただいたということでございます。
○坂井委員 それぞれの利子は幾らになりますか。資金運用部資金、それから簡易生命保険及び郵便年金積立金、それから民間では生命保険と信託銀行……。
○山岡政府委員 四十七年度におきましては、政府資金のうち資金運用部資金は、八月三十一日までは六分五厘でございました。それから九月一日以降は六分二厘に下がっております。それから簡易保険等は七%でございます。それから生命保険は、やはり七月の終わりまで七分五厘、八月一日以後七分二厘、それから信託銀行も同様に七月の終わりまでは七分五厘、八月以降は七分二厘というふうな借り入れ金利でございます。
○坂井委員 政府資金は利子が安いし、民間資金は利子が高い、これはもっともだと思いますけれども、利子の高い民間資金を全額使って、利子の安い政府資金は残した。もちろん、住宅建設の最初の計画がくずれたということが大もとにはありますよ。しかし、この政府資金と民間資金のバランスを見ますと、民間資金は全部消化している。利子が高い。安い政府資金は置いておく。これはどういうことになるんですか。
○山岡政府委員 現在、住宅公団の行なっております事業のうちで分譲住宅、四十七年ごろの一般分譲住宅でございますと、資金の回収コストを七分五厘ということにいたしております。それから年度の途中から七分二厘に変わっておりますが、こういうものが大体金利の高い生命保険、信託銀行等とリンクをしております。さらに団地施設とか宅地とかそういうようなものにつきましては、大体そういうようなもののコストと連動いたしております。一番問題なのは、回収コストを五分、七十年償却でやっております賃貸住宅に関してでございます。その賃貸住宅に関しましていまの政府低利資金が非常に要求されるということでございまして、昭和四十七年度の事業のうち、四十八年度まで繰り延べました事業は大半が賃貸住宅ということでございましたので、そういうもののための財源ワクを繰り越させていただいたということでございます。
○坂井委員 これは必ずしもそういう理由ばかりじゃないんじゃないですか。日本住宅公団の管理委員会がありますね。公団の業務運営の最高意思決定機関として管理委員会が置かれておる。建設大臣が任命する五名の委員及び日本住宅公団総裁をもって構成し、予算、事業計画及び資金計画並びに決算についての議決を行なう、これが管理委員会の任務でありますが、管理委員会には、つまり五名の方とおっしゃいますと、委員長は岩佐凱実さんですね、富士銀行の会長さん。それからこの五人の委員の中には、住友生命保険の社長さんの新井正明さん、こういう方が入って、そしていま言ったように、この管理委員会が資金計画並びに決算について、及び事業計画、予算、この議決をする。ここは、必ずこういう民間資金というものがもう一〇〇%消化できるように、利子の高い、そういうものにこの管理委員会の意思が非常に働いたというようなことはありませんか。
○山岡政府委員 管理運営委員会はそういう重要事項を確かに審議いたしますが、実際にこういうふうな資金計画等につきまして、最終に認可をいたし、協議いたしますのは本省でございます。したがいまして、管理運営委員会の意向等につきましても十分反映はいたしますけれども、そういうふうな民間の意思が入って、そういうふうなものを完全に使うというふうなことではございません。
 なお、先ほどから申し上げておりますけれども、年度の終わりになりまして一万八千戸分の資金を取りくずしたわけでございますけれども、その際にも、先生おっしゃいますように、金利の高い民間資金のほうを八百六十億不用にいたしております。そして政府資金のほうは百四十億の不用にとどめておるということでございまして、どちらかといいますと、公団といたしましては、金利の低い政府資金のほうにウエートを置いた計画を持ち込んで大蔵にも協議をいたしたという次第でございます。
○坂井委員 四十七年度で見る限りにおきましては、生命保険それから信託銀行、これはきれいに全部消化した。一方、政府資金におきましては、資金運用部資金が千二百七十億も余してありますね。それで生命保険、信託両方合わせましても、ざっと幾らになりますか、千三百億そこそこ、これは利子が一%も違うわけですね。かりに資金運用部資金を使えば、これだけでもざっと十三億、利子が助かるわけですね。もちろん、この資金のそれぞれの需要分野というものはあるわけですから、手っとり早くそう簡単にいくものか、こうおっしゃると思うのですがね。わかります、それは。わかりますけれども、その辺のところも少しこれから検討の余地はあるんじゃないか。少なくとも政府資金を置いておくという法はなかろう、そういうことは言えませんか。
○福田国務大臣 坂井さんのお尋ね、どうも根っこから食い違いがあるようですから、ちょっと申し上げますが、いま政府委員が申し上げているように、なるべく住宅資金は安い金を使ったほうがいいというので、政府資金の使用に重点を置いているんです。先ほど説明がありましたように、四十七年度の最終的の借入金の実績は政府資金が二千億、それから民間資金が千五百三十億となる。これは見込みに対しまして非常に減るわけなんです。これはいま御説明いたしましたとおり、土地の入手難とかそういうことで計画を変えなければならぬと、計画を縮小したわけです。そこで、当初の見込みにおきましてもそうでありまするが、実績におきましても非常にはっきりしておりますのは、二千億円という政府資金を使いましたが、これは民間資金との比率、構成比を見ますと五六・七%、それから民間資金のほうは四三・三%になる。そこで見込みよりは金が余っちゃうわけですね。その余った金をどうするかということにつきましては、民間資金のほうは金利が高い金だ、こういうことで全部これは翌年度には繰り越さぬ、そういう措置をとったわけです。それから、それでもまだ予算が余る。その余る額を政府資金のほうから百四十億円ばかり不用にするということに対しまして、大事な、金利の安い金である政府資金は千四百七十億円を繰り越した、こういうので、非常に政府資金のほうを大事にし、政府資金のほうによりよけい依存をするという運営をしておる。
 何かお話を伺っておりますと、民間資金のほうを先に使って政府資金のほうはあと回しだというような印象でありますが、それは逆で、民間資金はなるべく使わないように、また余りがあればこれは不用処分をしちゃう、こういうふうにし、政府資金のほうはなるべく使うようにし、それでもなお余りがあるというならば翌年度に大事にしまっておいて繰り越して使おう、こういう措置をしておる、こういうことを申し上げておるわけです。
○坂井委員 大臣、おっしゃることわかるんですけれども、現実に翌年度に繰り越したのは千二百七十億あるいは二百億という政府資金がある、これをもっと効率的に使ったらどうですかということを言っておるわけです。つまり、四十八年度へ資金運用部資金が千二百七十億、それから簡易生命保険、郵便年金積立金のほうは二百億、これだけ繰り越した。こういう金はもっと効率的に使ったほうがいいんじゃないですか。これは利子が安いんですよ、大臣がおっしゃる方向と一緒なんですよ。政府資金のほうを、利子の安いのを使う。どんどん使うならどんどん使って、こういうものを繰り越しとしておかなくてもいいんじゃないですか。前々からの繰り越しの経緯はありますよ。推移はありますけれども、少なくとも四十七年度において民間資金をこれほど千三百億からのものを全額消化する、一方において政府資金のほうをいま言っている千四百七十億、それだけ繰り越した、そんな必要はないんじゃないですか。もっと効率的に使ったらいいじゃないですか、利子が安いんですからと、こう言っているわけです。
○福田国務大臣 政府資金のほうはなるべく使う、こういうたてまえであります。しかし民間資金のほうをどうするか、こういうと、これは何か全額これを消化しちゃったというような御見解のようでありますが、そうじゃなくて、逆でありまして、民間資金のほうはこれは計画を縮小いたしたものですから、これはもうどうしても資金全体として余りが出てくるんです。その余りが出てくるものは、まず民間資金のほうから落としちゃう、こういうふうにする。そうしてそれでもなお余りが出ますので、その分は政府資金から落とす、こういうことにする。そして大事な政府資金のほうは繰り越し措置をするわけでありますが、これはなぜ繰り越しをするかというと、これは計画変更してもうつくりませんというんじゃないんです。計画はちゃんとあるんです。あるんでありまするけれども、工事の進捗状況等から見まして、それでこれは不用にするわけにいかぬ、そこで繰り越し処置をする、こういうので、私は先ほど政府委員の説明を聞いたんですが、なかなかこれはちゃんと政府資金のほうを、つまり安い金のほうを住宅政策に使っているな、こういう判断をしておるわけでありまして、決して、民間資金のほうは全額これを消化しちゃって政府資金のほうは繰り越した、こういう関係にはなっておらないのです。全くそれはとらえ方としては逆の何か御感想を持っているような、そういうような感触をいま抱きながら御所見を承っておったわけであります。
○坂井委員 どうも納得しかねますが、時間が参りましたので終わります。
○臼井委員長 次は、稲葉誠一君。
○稲葉(誠)委員 最初に、予備費のことについて二、三触れて、といいますか、質問をしていきたいと思うのですが、この中にありますたとえばLSTの乗務員ですか、これに対して一億幾ら、これが予備費から出ておるわけですね。
  〔委員長退席、綿貫委員長代理着席〕
これについては、本来は日本の政府が支払うべきものなんでしょうか、この辺はどうでしょうか。
○田中(敬)政府委員 お答えいたします。
 法律的には日本政府で支払うべき義務はございませんが、先ほど来政府委員から説明のありましたような、一年間に大量解雇される、かつまた国内法で保護されておらない、すなわち失業保険その他の恩典に浴しない、あるいは再就職も不可能である、非常に困難である、そういう事情に着目いたしまして、政府といたしまして閣議決定をもって、特別給付金という形での補償をした次第でございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、日本の政府として本来法律的には負担すべきものでないとしても、こういうふうな事態が起こり得るということはある程度考えられておったというのでしょうか、あるいは日本の政府としては当然これはアメリカが持ってくれるものだ、こういうふうに思っていたのだ、だからこそ本予算に組まなかったのだということになるのでしょうか。これは予算に組まなかったというのは、アメリカが当然持ってくれるものだ、こういうふうに思っておったから予算に組まなかったのか、あるいはこういうふうな事態というものは、解雇とかなんとかということは起こり得ないというふうに考えておったから本予算に組まなかったというのか、どっちなんでしょうか。
○田中(敬)政府委員 一時にかような大量解雇があって、八百数名の船員が再就職に困難をする、あるいは生活に困難を覚えるという事態が予算編成時において予見されなかったという事由に基づきまして予備費から支出したわけでございまして、予算編成時におきましては、そういう事態の発生を予想しておりませんでした。
○稲葉(誠)委員 この海員組合からの何か要請書みたいなものがあるのですが、それを見てみますと、船員保険の失業給付に見合うものを特別立法によって支給してほしいということが出ておるわけですね。
 そこで、こういうふうなものの支給については、当時のというか、現行の日本の法律の制度の中では、どの法律かによって支給するということは困難だったんだということでございましょうか。とすれば、当然一つの何らかの立法措置を必要として出すべきものではなかったのでしょうか。そこら辺はどういうふうなものでしょうか。
○住田(俊)政府委員 船員局長の住田でございます。お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘の問題に関しまして、全日本海員組合組合長の名前で、LST乗り組み員に対します緊急救済措置の実施についてという陳情があったことは事実でございます。この中で組合といたしまして、船員保険の失業給付に見合いまするところの特別立法を措置していただきたい、こういう陳情が出たことも事実でございます。
 これにつきまして、運輸省といたしましては、関係各省の間におきまして慎重に協議いたしました結果、次のような理由で特別措置を講じなかったということでございます。
 その第一点は、今回のLSTの乗り組み員の対象人員が非常に限定されておるということでございます。しかも非常に少人数であるということが第一点でございます。
 次に第二点といたしまして、このLST乗り組み員につきましては今回限りの措置であるということ、今回限りのテンポラリーなものであるということが第二点。
  〔綿貫委員長代理退席、委員長着席〕
 それから第三点といたしまして、ただいま主計局次長からも御説明ございましたように、そういった失業保険その他の救済措置がないということ、そういうようなことで何らかの措置を講じなくてはいけない、こういうことで閣議決定によりまして支給したということが第三点。
 それから、それらに関連いたしまして、従来この種の問題で前例がある。たとえば昭和三十三年の三月二十五日におきまして退職した駐留軍労務者に対する特別給付金の支給、こういう前例もございます。
 そういうようなことを考えまして、関係各省と慎重協議の結果、ただいま申しましたように、特別立法による救済の措置を講じませんで、そうして閣議の決定に基づいて措置した、こういうことでございます。
 以上でございます。
○稲葉(誠)委員 これは立法をしなかったという理由は、いま言ったことが表面的な理由でしょうけれども、結局は、立法ということになってくると、このLSTの乗り組み員がベトナム戦争に事実上加担をしていた、しかもベトナムが安保条約との関係で極東の範囲外であるというようなこと、いろいろな問題が起きてくるということがあって立法をしなかったのではないか、こういうふうに考えられるのですが、いずれにいたしましても、それは過去の、前のことですし、いまここで蒸し返しをしてもあれだ、こう思うのですが、どうもそういうふうなことが感じられてなりません。
 この支出については一億幾らですけれども、アメリカ軍に対してはその支払いをしてほしいということの折衝は全然しなかったわけですか。アメリカはなぜ払わないというのですかな。――では、いまの質問はあとで答えてください。答えは簡単じゃないですか、ぼくから言うとおかしいから言いませんけれども。
 それじゃもう一つ別なことですが、これは四十七年度の予備費の調書(その2)の一五ページに出ておるのです。これは建設省の所管になるのですが、「河川等災害復旧事業に必要な経費」の中で約百億、これが「昭和四十七年に発生した六月六日から七月十三日までの断続した豪雨等によって災害を受けた河川等施設について、地方公共団体が施行する復旧事業費の一部を補助する経費を支出するため」というので、昭和四十八年の二月二十日に閣議決定になっておるわけですね。
 ちょっとこれは私も、率直に言うと、きょうせっかく福田さんがおいでになるのですから、福田さんにいろいろな重要ないまの問題をお聞きするのが筋だと思ったのですが、この予備費や何かのことについてあまり触れないと困るというような話が出てきたものですから、急にそれじゃこれをやろうということになったものですから、建設省のほうに十分連絡をとっていないわけですね。これはぼくが悪いのですが、それはそれとして、これは、よくわかりませんが、四十七年の六月から七月に出た豪雨の災害を、どうして年度末の四十八年二月二十日に閣議決定して金を出すのですか。それまではどういうふうにしてやっていたわけですか。現実にこれには「地方公共団体が施行する」と書いてあるんだけれども、これはもう施行してしまった金じゃないの。地方公共団体は、この金が出るまでにはどういうふうにして金を出してやっていたわけですか。
○田中(敬)政府委員 予備費の最終の実行は、御指摘のように六月から七月の災害にかかわらずおくれておりますけれども、本件災害に対します措置につきましては、当年災と称します災害対策費が当年度予算の当初予算に組んでございますが、これを九十一億円まず充当いたしまして、次に同年、四十七年の十月二十四日に予備費を百二億使用いたしまして、そしてさらに十一月に補正予算に六百六十二億を計上いたしまして、先生のおっしゃいます最終の予備費支出までには、これらの経費をもって事業を遂行してきたわけでございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、そういうふうに予備費なり何なりがずっとふえてきた、そして二月の二十日になってからこれだけのものが必要になってきたということは、一つはやはり物価が上がったということ、資材の値上がり、工賃の値上がり、いろいろあると思うのですが、そういうふうなことも原因になってきておるわけですか。これが一つですね。
 それから、私どもの調査をした範囲では、これは四十七年度から四十八年度に六十九億九千九百幾ら、約七十億円の河川の災害復旧の繰り越しがあるわけなんですよね。そうすると、四十七年から八年へこれだけのものが繰り越されたという中で、なおかつここで百億の金が予備費に出てくる、この関係は一体どういうふうになってくるのですかね。また、なぜ繰り越しが出たんでしょうか。繰り越しが出るならこんなに予備費を組まなくてもよかったんじゃないかということですね。これは非常に素朴な疑問でしてね。どういうわけでしょうかね。
○田中(敬)政府委員 第一点でございますが、なぜこういうふうに分割して出ていったかということにつきましては、地方公共団体等からの手続の問題で歳出がおくれたものと存じます。
 それから第二点につきましては、私どもいまつまびらかにしておりませんので、建設省を呼んでおりますので、調査した上でお答えさせていただきたいと思います。
○稲葉(誠)委員 そうすると、こういうふうな予算の場合、物価が上がることによってもちろん予備費なり何なりがふえていかなければならないということは、もう当然考えられるわけですね。こういうふうな災害復旧の場合にも当然そういうことはあり得るわけですね。これはもうだれが見てもそうだけれども、本件の場合もそういう点が一つの要因になっておりますか。全部の要因だとは言いませんけれども。
○田中(敬)政府委員 主たる要因は手続問題だろうと存じますが、本年度、四十八年度の執行にも見られますとおりに、単価アップというような点も若干あろうと存じます。
○稲葉(誠)委員 そうした四十七年度、四十八年度の予算が、私どもに言わせれば大型な予算が組まれた、補正も組まれた、そこに予備費が出てくる、こういうふうに考えておるわけです。
 そこで、せっかく福田さんがおいでになっておるので、またあとで予備費の問題に戻るのですが、私は経済のことはしろうとでよくわかりませんから、そこで経済学部の福田教授にでもひとつお教えを願うような形でいろいろ聞きたいと思うのです。
 田中さんは、ぼくはこの前本会議で聞いたけれども、あまり答えなかったのですけれども、福田さんなら答えてくれるだろう、こう思っておるわけですが、四十七年、四十八年は、予算全体を見て、経済の成長について、高度経済成長だとかそれから安定成長だとか、よくいいますね。一体、具体的に高度経済成長というのはどういうことをいうのかとか、安定成長というのはどういうことをいうのかとか、わかっているようなことですけれども、話の糸口で、そこから聞いていきたい。専門家の福田さんにたいへん失礼なんだけれども、その辺からひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
○福田国務大臣 高度成長、安定成長といいますと、一つは、この成長の高さの問題があると思うのです。つまり成長のスピードといってもいいと思います。わが日本の経済は、四十七年度までは十五カ年も続けて一〇%以上の成長をしてきたわけです。その成長の高さの問題、それから、それとも関連をいたしますが、その成長の内容の問題、この二つだと思います。
 そこで、成長の高さの問題でございますが、これが非常に高いということになりますと、どうしても物価問題、それから国際収支の問題、特にこの二つの問題で重大な影響をはらむ、こういうことになるわけです。それだけ高い、また速い成長をするということになれば、どうしても物の需給の面で逼迫をしてくる、こういう問題が出てくる。それから、どうしても労賃が上がります。労務の需給、こういうことも逼迫してくる、そういうようなことで物価を引き上げる、そういうことになるのです。
 それからもう一つは、それだけの高い成長をしますと、これは国際収支、そういう問題が起こってくるのです。これのほうが物価問題よりより深刻な問題です。物価問題は国内でいろいろなアンバランスができるとか、そういうような問題でございますけれども、国際収支となると今度は国全体がその壁にぶち当たるかどうか、こういう問題になってきます。
 そこで、高い成長政策をやりますと、過去、戦後の経済史をずっとごらんになってもはっきりしますように、二、三年は非常に高い成長になる。一三%、一四%というような成長になる。そこで、物価が上がりそうだ、あるいは国際収支が壁に突き当たりそうだというので、引き締め政策をとります。そこで今度は一、二年の不況ということになるのです。不況政策をとりますと物価も落ちつく。また特に国際収支のほうが改善される。そういうことになって、またひとつ勇ましくやろうかというので高成長ということになってくる。そこでまた十数%の成長というようなことになる。そういうことで、高度成長ということは長続きをしません。そして経済が山あり、谷あり、そういうような状態になって、その間における国民経済のロス、また社会に及ぼす影響、そういうものは非常に好ましからざるものになってくる、こういうふうに思いますが、成長の高さ、速さの面からそういう問題があるのです。
 それからもう一つは、この内容の問題です。高成長ということは、結局工業力中心の経済成長になってくる。工業、特に主力工業というものは躍進をいたします。しかし、農村はどうだ、中小企業はどうだ、こういうことになりますと、こっちのほうはとても及びがつかない。その間に過密過疎の問題だとか、あるいはいろいろな生活環境の立ちおくれの問題とか、工業力だけが進んで、社会に必要なる他の諸施設というものが非常なおくれをとる、こういう問題があるわけです。そういう社会内容の不均衡をもたらす、こういう問題がある。
 そこで、安定成長というのはどういうのかというと、そんなに急いだ成長はどんなものだろうか。まあ、ウサギとカメというようなものであります。ウサギのほうは猛烈な勢いで突っ走りますけれども、ときどき休む。カメの速度でいいじゃないか、山の頂に到達するのはそっちのほうが早いぞというようなたとえでもいいかと思いますけれども、成長のスピードをゆるめる。同時に、その成長のスピードの中で工業というか経済成長中心主義でなくて、経済は成長発展します、その発展の成果をわれわれの社会環境の整備だとかあるいは社会福祉諸施設の整備だとかそういう方面に充当し、社会に太い社会公正という一本の筋を涌しながらひとつ伸びていこう、こういう考え方になるのです。
 いろいろありますけれども、おもな点を申し上げますと、高度成長と安定成長というのは量的並びに質的にそういう違いのある問題である、こういうことであります。
○稲葉(誠)委員 抽象的に高度経済成長がいいとか安定経済成長がいいとかいったって、ぼくはちょっと議論にならないように思うわけですね。そのときのたとえば日本なら日本の経済情勢なり、あるいは全体の国際情勢といいますか、そういうふうなものとの対比というか、勘案というか、そういうものの中で問題を判断していくべきではなかろうかとも思うのですが、そうすると日本の場合は、ある時期においては高度経済成長というものがベターだった、それからある時期においては安定成長がベターなりあるいはベストだ、こういう見方が出てくるのではないかと思うわけですね。そうすると、少なくとも現在の状態は、現在、四十七年、四十八年、四十九年というか、ここら辺の状態は、どういう経済の進め方が日本の経済にとってベターであるというふうに考えられるのでしょうか。現在はどういうふうなほうがいいというふうにお考えなんでしょうか。
○福田国務大臣 これからの国の歩みといたしますと、いろいろな面で制約が出てきておるのです。ですから、勢い、すばらしい成長発展ということはできない。のみならず、それは適正ではない、こういうふうに感じます。つまり、また前の、混乱以前のような状態で経済を発展させるということになると、それが積もり積もってまた再び狂乱物価というような事態になる。それからもう一つは、この資源の制約という問題が出てきておる。ローマクラブが指摘しておる――これは少しオーバーな言い方をしておりますが、あんな状態はないと思いまするけれども、資源問題というものに世界の諸国が目を向け始めておる。そういう際に、資源をほとんど国内に持っておらぬというわが日本とすると、資源をいかに調達するかというところに頭を向けなければならぬ。その資源の調達の可能な範囲の成長発展ということを考えねばならぬ。また、国際収支という問題があるのです。幾ら資源が手に入りましても、たとえば石油はことし二億七千万キロリットル使うということだが、かりに三億キロリットル入るといたしましても、それだけ買える対外支払い能力があるかという問題も十分考えていかなければならぬ。そうすると、これからは、成長の高さというものはどうしてもかなり制約される。
 私は、国際水準が一番いいと思うのです。世界並みにやっておる、こういうことを目途にするかじとりが一番いいと思います。そういう中において、成長の成果というものを次の経済発展に使う、設備投資だ、経済中心だというのでなくて、そっちのほうにも使わなければなりませんけれども、主たる重点を社会の整えというか、われわれの生活環境だとか、あるいは社会福祉諸施設だとか、そういう方向に重点を置いた所得配分、そういう配慮が必要であろう、こういうふうに思います。
 いまどういう時局かという稲葉さんのお尋ねでございますが、これはちょうど高度成長からそういう次の新しい国の歩みへの過渡期です。どっちでもないのです。いま混乱を収拾するという最中、そういう時期に相応する。しかし、混乱収拾の時期でありまするけれども、やはり次の日本の歩みというものをどういうふうにするかということを展望しながらその収拾に当たらなければならぬ、そういう時期だろうと思っております。
○稲葉(誠)委員 よくわかります。いまは過渡期で、まず混乱や何かを収拾する時期だ、そうして次の日本の歩みを展望する時期だ、私もそう思うのですが、そうなってくると、次の日本の歩みを展望する人がまた高度成長論者が出てきたのでは、これはまた混乱が起きてきてしまうということになるんじゃないですか、どうでしょうかね。別に答えにくくないでしょう。
○福田国務大臣 田中総理も最近は、安定成長だ安定成長だと言っています。ですから、安定成長というか、混乱前のような状態ではなくて、新しい角度に立って、この混乱がどういうふうにおさまるか、おさまりぐあいの上に立って、物価の面から見ましても、国際収支の面から見ましても、資源の問題から見ましても、社会公正という国内政治の面から見ましても、これでだいじょうぶだという路線を敷く、これはだれがどういう立場に立ちましても、それ以外にわが日本の歩む道はあるまい、こういうふうに私は思っております。
○稲葉(誠)委員 そうすれば日本列島改造とか、これは論かどうか知りませんが、こういうふうなことをやって予算を大きくして金をばらまくというか、ことばは悪いですけれども、そういう形をやっていくということになれば、またもとのほうへ戻ってしまうじゃないでしょうか。河野謙三さんの書いたものを読みますと、いま日本は総退却のときだというようなことを言っている。きょうはここへ持ってこなかったんですけれども、これは私は、ちょっと考え方がオーバーだと思いますが、総退却のときだ、だから国総法とか列島改造もみんなやめてしまえというような意味のことを言っているんです。
 そこで、きょうの新聞を見ますと三つあるのです。共同では、いま大臣が狂乱物価のことをちょっと言われましたが、大蔵省の公式判断で狂乱物価がほほ鎮静したというふうに出ているんですね。電気料金値上げも楽観といって、これは共同の記事だと思うのですが、出ている。毎日新聞を見ると、物価に深刻な波紋「電力値上げ、二社が申請」「東電が六八・一六、中電が七七・七四%」、「七社も追随へ」。私鉄も時間の問題だというようなことが出ているのです。もう一つの新聞を見ると、任務の大半は完了、福田蔵相が微妙な発言、とか出ているのだけれども、これはまあいいです。それは別にしておいて、私はこの前本会議で物価について質問したのですが、田中さん答えなかったんですが、参議院選挙前の物価の値上がり方の問題と参議院選挙後における物価の上がり方の問題とは私は違うというふうに見ているのです。それはあとでまた出てくると思うのですが、大蔵省としては、狂乱物価がほほ鎮静したというふうに見ておるのでしょうか。公式判断で狂乱物価の鎮静が八割方達成されたというようなことをいっているというふうにもとれるのですが、あるいはほかの新聞だとそうじゃない、電力値上げとその他私鉄の値上げで物価に深刻な波紋云々とあって、物価が今後ますます上がっていくのだという見方があるのですが、一体、参議院選挙の前とあとでは、参議院選挙ということばを入れるのが都合が悪ければ、六、七月ごろと九月ごろと分けてもいいですが、物価の上がり方はどういうふうになっていくのか、これは国民が一番心配しているところだと思うのです。そんなことを言っては悪いけれども、率直な話、予備費の問題どころの話じゃないんですよ。そういうことについて、私もわからないので、遠慮しないで率直にお聞かせ願いたいと思います。
○福田国務大臣 いまわが日本の物価がいかにしてかくも混乱状態になったか、こういうことにつきましてはいろいろ議論のあるところでございます。しかし、結果としてはああいう異常な事態になった。その現象面は昨年の下半期、特に石油問題が起きてから、人心は、これは先は品物は価格は高くなるぞ、この際みんな買っておいたらどうだ、こういうことになって、そこで家庭におきましてもあるいは企業におきましても買いだめあるいはさらに進んで買い占め、土地はじめ諸商品につきましてそういう傾向が起こっておる。つまりそこで混乱になるのですが、物価というものはコストプラス適正利潤、これが基準でありまして、その基準が需給の関係によって若干の振れが出てくる。これが正常な価格体系です。ところが、そういう先高だからこの際買っておけというような思惑によって需要が起こる、これを仮需要といわれておりますけれども、これはまさに投機行為でありまして、それによって生まれてくる価格というものは、これは物価じゃなくて相場であります。投機によってつくり出された相場である。これが昨年の下半期からことしの正月ごろまでにつくり出された、土地はじめ商品の価格でございます。つまり、コスト要因というよりはむしろ需給要因、特に需要の中に仮需要という投機的な思惑が入り込んだというところが物価の混乱した現象である、こういうふうに、これはどなたもそういうふうに見ておると思いますが、これを一体どういうふうに克服するかということが問題なんです。
 そこで、私は三つの段階になってくると思うのですが、一つは仮需要の起こらないような、つまり投機的心理、そういうものを国民全体、家庭からも企業からも取り除くという時期が一つ必要である。そういう状態を現出するためにはどうするかというと、需給のバランスで供給がやや過剰な状態をつくり出すほかはない。そうしますれば、幾ら物をためましても、あるいは下げましても、これは物はある、したがって先に高くなるはずはない、これはまあみんなそういうふうに考えるだろう、そういうふうな状態をつくり出す必要がある。
 そこで使った手が、総需要抑制政策です。つまりその需給を供給過剰の状態に一度持っていく必要を考える。そういう状態を実現するためには、供給をうんとふやすという手もあるわけです。ところが、供給をふやすこと自体がまたインフレを刺激するということになりますから、その手はあるけれども、使えない。そこで需要を押えるほかはない。こういうので、まず政府が率先して需要を喚起しない政策をとるというので、予算を思い切って引き締める。また地方公共団体にも協力を求める。また同時に民間に対しても、設備投資はじめ民間の需要を押える、こういうので、金融を抑制するという政策をとるわけなんです。
 そういう総需要抑制政策をとりだして、いま三カ月半になりますけれども、やっと二月中ごろからそのきき目が顕著にあらわれてきております。二月は高い油の入ってくる月でありますが、この油が、統計の数字からいいますと、横浜に着きますと、まだ国内の経済には何らの影響はない。その横浜に着いたという段階で卸売物価には取り入れられるシステムになっているのです。そういう結果、卸売物価の指数とすると三%何がしか上がっておりますけれども、実質的にはこれは横ばいの状態を現出しておる。三月になりましてからも、そういう状態が続いておる。
 まあいろんな角度から人の見方というものを聞いておるのですが、先高である、この際買っておかなければ損だ、買っておけば得になる、こういうような見方をする人は大かたなくなってきておる。私は、いまの総需要抑制政策がもう一月も続けば、これは土地を持っている人、せっかく買いだめた、高く、何倍にも売れそうだというので土地を持っている人も、これははき出す、こういう状態になってくると思うのです。金利を払って、先高くなる見通しもないのにそれを保有するそういう方、これはもう私は、そうあるまい、こういうふうに思う。あるいは鉄にいたしましても、昨年の十一月ごろはトン十一万円もした。いま七万円を割る、こういう状態だ。木材にいたしましても下がってきた。セメントは頑強に粘っておりましたけれども、これも下がってきた。あるいは繊維のごときは、三割あるいは三割五分下がってきた。そういうふうに、主要資材はずっと下がってきておるのです。いま大体、新聞にも書いてあるようですが、八割方、狂乱物価討伐戦は成功しておる。あと二割、もう一月、こういう期間をおきますれば、これは固めができるであろう、こういうふうに見ておるのです。なおその後といえども総需要抑制政策を進めれば、諸物価は下落の傾向をずっとたどってくる。
 ところが、そういう傾向をたどるべきである日本経済の中で、物価を引き上げる要因というものが起きてきておるのです。それが需給面じゃない、コスト面においてであります。まず電力の問題が起きてくる。その次に私鉄の問題がある。次には国鉄の問題がある。そういうふうなコスト引き上げ要因というものが出てきておるわけであります。ですから、私はこの狂乱物価討伐戦は大体今月ぐらいでけじめがつく、こういうふうに見ておりますけれども、その後に続く時期、これは第二段階になる。つまり、ただいま申し上げましたようなコスト引き上げ要因をいかに克服するかという問題なんです。
 その場合におきましてもまた、総需要抑制政策というのが非常にものをいうのです。この抑制政策がないままにコストが上がりますと、コストが上がっただけ物価が上がってくる、あるいははそうじゃない、それ以上に輪をかけて上がる、こういうことになりかねない。そこで総需要抑制政策を緊持して、経済の鎮静をさらに一段と強化する。そういう中におきまして公共料金の改定諸問題を処理する、こういうプログラムを考えておるわけなんです。
 つまり、需給要因から物価は下がる傾向にある、コスト要因からは上がる傾向、その交差するところ、それがこれからの物価の安定点というか、新価格体系というものになってくる、こういうふうに見ておるわけです。
 大体、私も総理も、夏ごろまでには物価は安定するというふうに申し上げておりますが、それは狂乱討伐戦は、春ごろまでには済む、当面四月、そういう時点においては済みそうだ。その後には、第二段階としてそういう公共料金、コストプッシュの要因をさばいていく、そういう時期になる。これをさばき切ったところで新価格体系というものができる。それで、その後第三段階におきましてどういうふうになるか、こういうと、これはやはり物価政策あるいは国際収支対策、また資源の状態、そういうものを十分見て、かなり引き締めた体制の経済を続けなければなりませんが、その引き締まった経済体制、経済政策の中で新しい日本のこれからの行く手をきめていかなければならぬ、こういう時期になるだろう。そういう新しい展望の芽を出すのが昭和五十年度予算、こういうことになってくるであろう、こういうふうに見ておるのであります。
 これからもいろいろ変化はありましょうが、そういう時期になりましても、国内要因ではもうインフレは再び起こさない。ただ、国際要因あるいは為替レートがどうのこうのという問題もあります。これはないことを欲しますけれども、いま国際為替市場が非常に荒れておる、そういう状況の影響もわが日本には避けられないし、また国際社会が――私は、ことしの国際社会というものは、去年と違ってかなり引き締まった状況で推移すると思うのですが、もし各国が、わが国がとっているような厳正なインフレ抑制対策をとらないというようなことになると、先進諸国の中に物価高の国が起こるかもしれない。また、物価高の国がないといたしましても、あるいは天気のかげん、そういうようなことで穀物の値段がどうなるか、こういうような問題もある。あるいは資源を非常に重視するような時期になってきておりますので、資源保有国がその資源の値段をどういうふうに操作していくかというような問題もあるいはあるかもしらぬ。そういうことで、海外からの輸入価格がわが日本に作用する、これはなかなか避けることはできないと私は思うのです。下がってくれればいい作用をするわけでありますが、この上がった場合の悪い作用、これを拒絶する、こういうわけにいきませんけれども、何とかして、国内要因で再び経済をインフレのように混乱させるということは避けていく、これはもう政治のかじのとり方次第でできる問題である、こういうふうに考えて、いまいろいろ具体的な施策を練っておる、こういうことであります。
○稲葉(誠)委員 お話を聞いておりますと、田中さんでもそうだったのですが、物価が上がったということについて、その現象面の話はわかるわけですね。その原因について、たとえば外国の状態がどうだとか、アメリカのドルがどうだとか、ソ連や中国の食糧が二年間どうだったとか、あるいは石油の問題だとか、いまお話を聞いていると、外国の要因と、そして日本の国民がインフレマインドに走って、投機心理に走ったということがまるで物価が上がった責任であって、政府の施策が全くそれに無関係だというふうにぼくには聞こえるわけです。
 そこでお聞きをしたいのは、物価が上がってあれだということは、一〇〇%外国の状況によるも
 のであるのか、あるいはまた、それにプラスして国民の投機に走ったという原因もあるでしょうけれども、その二つが一〇〇%の要因であるということですか。そういうふうにお聞きしてよろしいんでしょうか。
○福田国務大臣 そんな前のことには一言も触れていないのです。いろいろ、事ここに至ったいきさつについては議論のあるところである。これには触れません。しかし、現象はこうで、これからはこうだという将来の展望を申し上げたわけなんで、まあいま、ああいう物価狂乱というような、あるいは先高、インフレ見通しだというようなことで人々が投機に走る、そういう状態を現出したのは、まあ遠因と近因とあると思うのです。
 遠因は、やはり拡大政策、これの行き過ぎ、こういうことがあると思うのです。その拡大政策をなぜとったかということについては、田中総理が、これは国際的なこういう事情があったというふうに説明しておるのですが、拡大政策、それが財政においてあるいは金融政策においてそういう政策がとられたということがこれは遠因であり、この一年間ぐらい続いてずっと卸売物価が上がり続け、石油危機以前におきましても卸売物価が二〇%をこえるというような事態にまでなってきておる。そこへさらに火を点じたのが、これが石油危機である。これは近因と言ってもいいかもしれません。まさにそういう時点において狂乱状態へまで突入した、こういうことだと思います。
 私は、先ほどから言っておりますのは、その前のことはもう触れません。これはいろいろ議論がありましょう。ありましょうが、現象面をとらえると仮需要、これの暴発だ、それがああいう混乱をかもし出したんだということを申し上げているわけであります。
○稲葉(誠)委員 前のことはいろいろ議論があるけれどもというけれども、これは予算委員会じゃないので、決算委員会だから前のことを聞いているわけなんで、そうでないとおかしくなってくるんです。
 たとえば四十七年十二月に選挙があって、たいへん愛知さんにはお気の毒ですが、愛知さんが予算を組まれたときに、私どもの党の堀政審会長が誌上対談みたいなかっこうで、すでにインフレマインドは起きているじゃないか、だからそこで公定歩合の引き上げを〇・五%ぐらいやれということを要求しているわけなんです。ところが、やったのは次の年の四月二日ですか、まあ〇・七五やりましたけれども、そういうような形。それから四十七年、四十八年、非常に大型の予算を組んでおる。あなたが大臣になられてから、それは伸び率をずっと減らして二〇%以下に押えた。押えたといたしましても、たとえば公共事業の繰り延べなりあるいは財政投融資の繰り延べ等があれば、それを四十九年度に入れて計算をすれば、四十八年度から引いて実際のあれを計算すれば二割六分以上の伸びだから、あなた、計算は出てきますけれども、それは別として、だから政府の打つ手が非常におそかったんではないかということが一つ。
 それから過剰流動性というものを、どういう理由かは別として、放置されておったのではないか。そのことのために六兆五千億あったとか、六兆一千億あったとかという、そういうようなものが各商社に渡って、土地や株やその他いろいろなものの買い占めに動いてきた、その点で政府の手の打ち方がおそかったのではないかというのが、これが率直に言って私どもの考え方なんですね。
 それは経済は生きものだし、あとから振り返ってみれば、あのときはああやればよかったじゃないかといったって、そんなに簡単にいくものじゃないということはわかりますけれども、だから、そういう点であれがおそかったんじゃないかということが一つと、それから、やはり円の再切り上げの回避のために調整インフレの政策を意識的にとったのではないか、外貨を減らすためにとったのではないかというようなことがいわれているのですね。そういうふうなことの一つの――これはなかなかぼくはむずかしいことだと思うのですよ、そのときになってみれば。と思いますが、いずれにしても、結果から見ると、そういうふうなことが一つの大きな原因となって、一つのいわば政策ミス的なものがそこに加わってきたのではないかということが言えるんではないか。これはまあ一つの意見ですね。
 これに対する一つのお考えと、それからもう一つは、いま私が話しましたように、たとえば電力にしろ私鉄にしろ国鉄にしろ、それから今度は米の問題とか、いろいろありますね。それが九月なら九月、十月なら十月、そういう段階のときに、日本のこのままの状態で総需要を抑制していったとしても、一体物価にどういうような影響を与えていくのか、このことが私はやはり一つのポイントだろうというふうに思うわけです。これが二点です。
 三番目は、狂乱物価が約八割もうおさまった、そうすると今月ぐらいでその点についてはもう大体完了するんだ、こういうふうなことになると、狂乱物価というふうなものをおさめるために特に請われて大蔵大臣になられた福田さんの使命というものも、ほぼ達したんじゃないか。すなわち、それは福田さんの成功裏に達したということですよ。じゃないかというような議論も出てくるので、そこら辺のところはどういうふうなのかということですね。それをお尋ねしたい、こう思うわけです。
○福田国務大臣 まあ、ああいう暮れから正月にかけての状態がどうして出てきたかということですね、私、先ほど、違因と近因がある――稲葉さん、いま遠因のほうだけに触れられたわけでありますが、私は、遠因としては、稲葉さんがいまおっしゃるとおりだろうと思うのです。大体そういうことから政府としてもむずかしい立場にあったが、結果とすると、やはりああいう政策をとったことが経済を非常に過熱化させ、狂乱の下地をつくった、こういうことになるんじゃないか、それはもう率直に私、そう思います。
 それから、これからのことで、電力、国鉄、そういうものが非常に心配だというお話ですが、私も非常にこれは深刻に考えております。しかしながら、総需要抑制政策をとっていく、そういう限りにおきましては、かりにコストが多少上がりましても、それで経済が動揺し混乱するというような事態には発展しない、これはもうほんとうにかたく、そういうふうに考えております。
 電力につきましては、これは理論的には全産業に及ぼす影響、そういうものから見まして、いまの卸売物価の作成方法、あれによりまして卸売物価に対する影響は幾ばくかというと、一ポント台なんです――そうじゃないか、0ポイント……(稲葉(誠)委員「計算の方法なんかいいんだよ」と呼ぶ)まあ、ちょっと、その点についてだけはやめておきます。
 その影響、卸売物価に対する影響は、これはもうほんとうにたいしたことはないんです。したがって、電力料金の引き上げがありましても、こういう鎮静した経済下におきましては心配する必要はない、こういうふうに思います。国鉄料金が上がりましても、これはまたそう大きな影響にはならない、こういうふうに見ておるわけでありまして、そういうものを含めまして新価格体系というものが形成される。その後におきましては、この経済運営よろしきを得ますれば、海外要因はこれは別といたしまして、国内的要因のゆえにこのインフレが激化するというようなことは、これはもうあり得ない、かようにかたく考えております。
 第三の、任務が終了したというようなお話でございますが、この狂乱物価という状態はまあ八割方達成できた。つまり、国民のこれからの経済の先々に対する見通し、これにつきましては、もう物価が先上がるんだから買いだめをしなければならぬ、あるいは買い急ぎをしたほうが得だというような心理は、もうこれは大体八割方解消し去った、こういうふうに思います。
 自余の点につきましては、御答弁は差し控えます。
○稲葉(誠)委員 それでは、話は予備費に戻りますが、さっきの運輸省と建設省、概略ちょっと説明してください。
○田原説明員 お答えいたします。
 予備費が例年二月中下旬に使用されることはすでに御説明済みと思いますが、これらにつきましては、施行中、契約済みのものに持っていきまして、繰り越しの予定のものには入れておりません。
 本年も、二月になりまして予備費を配付しておりますが、同様に施行中、契約済みのものに充てておりまして、繰り越し予定のものには入れてないわけでございます。その後、二月末から三月にかけまして、全く予期しない資材、労務等の不足がやってまいりまして、結果的には六十四億繰り越すような事態になっておりますけれども、予備費をきめております二月中旬ごろまでの間には、そのようなことは全く考えておらなかったわけでございまして、現在繰り越しというものを行なっておりますけれども、すでに契約したもの、施行中のものをやり上げるために努力しておる次第でございます。
○住田(俊)政府委員 先ほど先生から、LSTの乗り組み員に対します一時給付金について御質問がございましたが、それについて、補足的にさらに御説明をさしていただきます。
 先ほどお話しいたしましたように、この一時給付金と申しますのは、こういった船員が解雇されることに伴いまして生活の基盤を失うというようなこと、あるいは船員保険法等の適用がない、こういうようなことから非常にお気の毒であるという事情にかんがみまして、関係各省と協議の上、去る昭和四十八年六月十五日の閣議決定に基づきまして、政府の判断によりましてこの一時給付金を決定したということでございます。
 そういうことでございまして、さらに先生の御質問の、米国との分担の問題につきましては、もともと運輸省は支給に関する業務だけを担当いたしております。したがいまして、この間の事情につきましては、担当でございまする外務省の方から後ほど御説明をさしていただきたいと思います。かように御了承願いたいと思います。
 以上でございます。
○臼井委員長 これにて質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○臼井委員長 これより昭和四十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の承諾を求めるの件、及び昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の承諾を求めるの件について討論に入ります。
 討論の申し出がございますので、これを許します。唐沢俊二郎君。
○唐沢委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書等の承諾を求めるの件について、賛成の意を表したいと存じます。
 昭和四十七年度(その2)の予備費使用額は、一般会計四百八十二億六万八千円、特別会計百八十一億一千十万円、特別会計予算総則第九条に基づくもの六十八億六千四百九十五万八千円、同第十条に基づくもの八百十三億七千五百一万四千円となっております。また、昭和四十八年度(その1)の予備使用額は一般会計百八十一億六千三百十二万五千円、特別会計一千七百五十一億九千八百三十八万一千円、特別会計予算総則第十条に基づくもの二百七十三億八千百七十九万三千円となっております。
 これらはいずれも「豫見し難い豫算の不足に充てるため」の支出であり、憲法、財政法上適正であると認められます。
 なお、一般会計の予備費として、昭和四十七年度は当初予算額千八百億円に対し、補正予算額は一千百億円、四十八年度は当初予算額二千三百億円に対し、補正予算額は六百五十億円となっております。
 このように当初予算額と補正予算額との差が相当多額になっておりますので、今後予備費を歳出予算に計上する場合は一そう適切な配慮を望みます。
 以上、一言希望を申し添え、賛成討論を終わります。(拍手)
○臼井委員長 次は、稲葉誠一君。
○稲葉委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になりました予備費の使用等の承諾を求める件につきまして、承諾に対して反対、すなわち不承諾の意を表明いたしたいと思います。
 その理由は、四十七年度、四十八年度予算、これは四十七年度は十一兆四千七百億、それに補正が六千五百億ですか、四十八年度は十四兆二千八百四十億の大型予算、対前年度比二四・六%増というようなインフレを増進する本予算でございまして、それとの関連において反対をいたすわけですが、本予算に対する関係からいっても予備費の支出について反対、承諾をいたしかねるわけでございます。
 その二は、具体的な予備費の支出についていろいろ改善をされておることは認めるにやぶさかではございませんが、手続、支出の内容等についていろいろ承諾しがたい点がございます。
 国の財政を処理するための基本方針は、憲法、財政法に明示をされておるのでございますが、「國の財政を處理する權限は、國會の議決に基いて、これを行使しなければならない。」ときめました憲法第八十三条、「國費を支出し、又は國が債務を負擔するには、國會の議決に基くことを必要とする。」と定めてあります憲法第八十五条、予算は国会に提出してその審議を経なければならないときめておる憲法第八十六条の規定が、その基本でございます。これらの諸規定は、要するに国費の支出は事前に国会における審議と議決を必要としているものだと思います。こうした基本に対しまして、やむを得ない予算執行上の運用措置として認められておるのが予備費の制度でございます。したがいまして、予備費の支出にあたりましては、厳格に憲法に定められた「豫見し難い豫算の不足」に限定をされるべきだと思います。予備費の支出は事後において国会の承認を求めるのだからよいではないかという解釈のもとに運用の幅を拡大していくことは、行政権の行き過ぎでありまして、場合によっては国会の審議権を侵すことになると思います。
 こういう考え方から、提案をされております問題を見ますと、いろいろ問題がございます。したがって、国会におきましても、この予備費と決算につきましては明らかに異なった扱いをしております。国会において政策論議が十分に行なわれて、その結論としての予算の執行経過を審議する決算と、国会において全く審議を経ない、単なる行政府の判断のみによって支出された予備費とは、おのずから審議のやり方も、憲法上においても国会法上においても、明らかに異なる区別がされております。すなわち予備費の審議は、両院それぞれに提出される決算と異なりまして、予算と同様国会の議決が必要とされている案件であり、かつ予算と同様に衆議院の先議案件として取り扱いをされているわけであります。国会における審議の場所がたまたま決算委員会という場所でありまして、そのときの決算と同時に取り扱われていることから、とかく予備費の使用についても安易に扱われることは、単に政府に自戒を求めるだけでなしに、議決機関の院としても今後再考を要する問題ではなかろうかと思います。
 私ども社会党は、こうした理解のもとに立ってただいま上程された予備費の使用等を検討すると、内容、手続において承諾しがたい点がございますが、簡単に一、二触れますと、ただいま私も質問をいたしました、四十七年七月一日に、アメリカ合衆国軍隊にLST乗務員として八百四十四名が雇用されていてそれが解雇された。これに対して一人当たりに二十万円、計一億六千九百二十万円ですか、これが支出をされておるわけですが、これは元来日本の政府が支出すべきものではないのじゃないか。当然アメリカが支出さるべきものである。それを特別な立法もなしにこういうふうに支出をし、しかも予備費で支出をしておる。これについてはどうも私どもは理解がいたしかねるのでございます。また、いま建設省関係で河川等災害復旧事業に必要な経費、これの予備費、四十八年二月二十日の閣議決定、これが約百億ございまするが、これは四十七年に発生した六月六日から七月十三日までの断続した豪雨等によって災害を受けた河川等の施設に対して地方公共団体が施行する復旧事業費の一部を補助する経費でございまするけれども、こういうふうに予備費を計上しておりながら一面において約七十億近い繰り越しがある。こういうことはどうも理解がしがたいのであります。これは私の理解が不十分のところかもわかりませんが、どうも理解しがたい。
 その他諸点ございまするけれども、時間の関係で省略をいたしまして、結論的に、ただいまの予備費について承諾を求める件については賛成しがたい、反対だということを申し上げて、簡単ですが、討論を終わります。
○臼井委員長 庄司幸助君。
○庄司委員 私は、日本共産党・革新共同を代表いたしまして、予備費等の承諾を求める件のうち、四十七年度一般会計予備費並びに四十八年度一般会計予備費外二件につきまして、不承諾の意を表明するものであります。
 以下、おもな問題点を指摘し、その理由を述べたいと思います。
 第一の理由は、アメリカの侵略的政策に追随協力する経費が使用されている点であります。
 たとえば、田中首相の訪米は、日米軍事同盟の質的な拡大を約束してまいったものであり、対米従属を一そう深めたものであります。また、国際赤十字への特別拠出金は、人道的かつ中立の立場を口実にしておりますが、南ベトナム臨時革命政府側への救援は形ばかりであり、南ベトナムかいらい政権などへの援助に片寄ったものであります。このような経費の使用は認めるわけにはまいりません。
 第二の理由は、大企業を優先し国民生活を危機におとしいれた政策経費、あるいは、議会制民主主義破壊の暴挙による経費が使用されていることであります。
 国鉄運賃値上げ等を強行し、田中総理の通年国会構想の実現をはかった国会の会期延長の経費、あるいは日本列島改造論に基づいてむつ小川原や苫小牧の巨大開発、縦貫自動車道路網建設等、大企業本位の国土総合開発を進める経費などがそれであります。
 また、政府は、わが党の以前からの指摘にもかかわらず、外国農産物依存政策をとり続けて日本農業を破壊してまいりましたが、食管会計の予備費使用も、まさにその結果にほかなりません。このような経費の使用は容認し得ないものであります。
 これらの案件の中には当然の予備費使用も含まれておりますが、こういった基本的問題がある以上、全体として承諾することはできないのであります。
 以上、おもな理由を述べてまいりましたが、この際、予備費制度の運用について一言触れておきたいと思います。
 申すまでもなく予備費は必要最小限にとどめ、その使用は厳に予見しがたいものに限定さるべきものであります。しかるに、政府は、年々予備費を拡大し、その中で、その内容からも、また予備費の性格からも容認し得ない政策経費を使用しているのであります。これは財政民主主義を破壊し、国会の審議権を不当に狭めるものであります。こうした予備費の不当な運用をやめるべきであります。
 なお、その他の案件につきましては、具体的な支出のしかたにおける問題や不十分さなどはありますが、その使用目的はおおむね妥当なものであり、承諾いたします。
 以上で私の討論を終わります。
○臼井委員長 坂井弘一君。
○坂井委員 私は、公明党を代表いたしまして、予備費等の承諾を求める件につきまして、不承諾の意を表明したいと思います。
 理由として、まず最初に、総理府所管の防衛庁予備費使用についてであります。
 財団法人日本文化住宅協会に対する借料で、昭和四十六年度分土地一億二千九百七十八万二千円、建物二億一千三十八万六千円、計三億四千十六万八千円を四十七年度へ繰り越し、不用額としています。また、四十七年度分土地一億四千五百三十一万九千円、建物二億一千三十八万六千円、その他の分一億二千三百三十八万五千円、計四億七千九百九万円を四十八年度へ繰り越しています。
 昭和四十八年十月和解が成立し、和解金二十二億円を支出するため、四十八年十月九日予備費十七億二千九百十万円の使用を決定し、防衛施設庁の施設運営等関連補償費から支払っているのであります。この不足分は四十七年度から四十八年度へ繰り越した四億七千七百九万円の提供施設等借料分を充当しています。
 大蔵省の予算事務提要によると、土地建物借料は土地及び建物の借り上げ料で、補償費は国が国以外のものに損害を与えた場合にその被害者に対して行なう金銭上の給付でありまして、四億七千七百九万円は借料の算定基準によって算出されたものであり、これをそのまま補償費として支出することは妥当とはいえません。
 また、昭和四十六年八月日米間で返還が合意され、四十八年二月返還されたので、和解が成立するまで四十八年度以降の予算措置は財政法上大蔵省所管の必要経費として処理すべきと思われるのであります。
 このような結果から見て、予見しがたい性質のものとは思われず、また緊急性もないように思われるので、予備費を使用することは適当でないと考えます。
 さらに、先ほど指摘いたしました日本住宅公団の問題についてであります。
 たとえば、日本住宅公団が市街化調整区域や上水が確保できない用地を買収したり、また、住宅を建設しても入居者がなかったり、その他工事中止の事例が多く見受けられるのであります。
 これらのことについて会計検査院も、四十六年度、四十七年度決算検査に指摘しております。
 御承知のとおり日本住宅公団は、政府資金、民間資金の借入金及び債券の発行等によって住宅建設、宅地造成をしているのでありますが、このような、ずさんな住宅建設のため、四十七年度決算におきまして生じた借入金等の資金の運用による利息収入相当額と当該借入金等に係る支払い利息との収支差損を補てんする経費を支出するため、百五億六千四百七十一万三千円も補給金を予備費から使用しているのであります。しかも日本住宅公団は、民間資金の借り入れ先である生命保険、信託銀行などの高い借入金利息の資金を優先使用しています。予算の執行については計画どおり資金を使用するのがむろんでありますが、たとえやむを得ず繰り越すとしても、本来安い利息の政府資金を繰り越すのではなく、高い利息の民間資金こそ繰り越すようにすべきであります。
 諸般の事情があるとはいえ、財政運営上適正を欠くものであります。
 以上をもって、予備費使用の不承諾の意を表明いたします。
○臼井委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、昭和四十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)について採決いたします。
 本件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○臼井委員長 起立多数。よって、本件は承諾を与えるべきものと決しました。
 次に、昭和四十七年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十七年度特別会計予算総則第九条に基づく経費増額総調書及び経費増額調書、昭和四十七年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上三件について採決いたします。
 三件はそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○臼井委員長 起立多数。よって、三件は承諾を与えるべきものと決しました。
 次に、昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和四十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和四十八年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その一)、以上三件について採決いたします。
 各件はそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○臼井委員長 起立多数。よって、各件は承諾を与えるべきものと決しました。
     ――――◇―――――
○臼井委員長 次に、昭和四十七年度一般会計国庫債務負担行為総調書について討論に入るのでございますが、別に討論の申し出もございませんので、直ちに採決いたします。
 本件は異議ないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○臼井委員長 起立総員。よって、本件は異議がないと決しました。
 なお、ただいま議決いたしました各件についての委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○臼井委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○臼井委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時五十二分散会