第075回国会 内閣委員会 第17号
昭和五十年五月二十二日(木曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 藤尾 正行君
   理事 越智 伊平君 理事 奥田 敬和君
   理事 加藤 陽三君 理事 木野 晴夫君
   理事 箕輪  登君 理事 上原 康助君
   理事 大出  俊君 理事 中路 雅弘君
      有田 喜一君    大石 千八君
      竹中 修一君    中馬 辰猪君
      旗野 進一君    三塚  博君
      吉永 治市君    木原  実君
      和田 貞夫君    鬼木 勝利君
      鈴切 康雄君    受田 新吉君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      松澤 雄藏君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 坂田 道太君
 出席政府委員
        内閣法制局第一
        部長      角田礼次郎君
        行政管理庁長官
        官房審議官   川島 鉄男君
        行政管理庁行政
        管理局長    小田村四郎君
        行政管理庁行政
        監察局長    大田 宗利君
        防衛政務次官  棚辺 四郎君
        防衛庁長官官房
        長       斎藤 一郎君
        防衛庁防衛局長 丸山  昂君
        法務省入国管理
        局長      影井 梅夫君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 大永 勇作君
        特許庁総務部長 三枝 英夫君
 委員外の出席者
        総理府内閣総理
        大臣官房参事官 加山 文男君
        警察庁刑事局保
        安部防犯少年課
        長       鈴木 善晴君
        警察庁警備局外
        事課長     大高 時男君
        行政管理庁行政
        監察局行政相談
        課長      林  伸樹君
        国土庁長官官房
        災害対策室長  杉岡  浩君
        法務省刑事局参
        事官      亀山 継夫君
        法務省入国管理
        局登録課長   中市 二一君
        厚生省環境衛生
        局指導課長   河内 莊治君
        厚生省薬務局企
        画課長     吉村  仁君
        資源エネルギー
        庁石油部臨時石
        油価格対策室長 宇田川治宣君
        資源エネルギー
        庁公益事業部ガ
        ス事業課長   川崎  弘君
        運輸省鉄道監督
        局民営鉄道部財
        務課長     中村  徹君
        運輸省自動車局
        業務部長    真島  健君
        建設省計画局宅
        地開発課長   沢本 守幸君
        建設省計画局建
        設業課長    大森 敬介君
        建設省都市局都
        市政策課長   豊蔵  一君
        国土地理院地殻
        調査部長    田島  稔君
        内閣委員会調査
        室長      本田 敬信君
    ―――――――――――――
五月二十一日
 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第一〇号)
同月十六日
 靖国神社の国家護持に関する請願(水野清君紹
 介)(第二八六八号)
 国家公務員の賃金・労働条件改善等に関する請
 願(石母田達君紹介)(第二八六九号)
 台湾残置私有財産の補償に関する請願(瀬野栄
 次郎君紹介)(第二九一〇号)
 金鵄勲章制度の復活に関する請願(加藤陽三君
 紹介)(第二九一五号)
 傷病恩給の改善に関する請願(伊能繁次郎君紹
 介)(第二九五九号)
 同外一件(小此木彦三郎君紹介)(第二九六〇
 号)
 同(粟山ひで君紹介)(第二九六一号)
同月十九日
 台湾残置私有財産の補償に関する請願(井原岸
 高君紹介)(第二九八二号)
 同外八件(木村武千代君紹介)(第二九八三
 号)
 同(鯨岡兵輔君紹介)(第二九八四号)
 傷病恩給の改善に関する請願(宇野宗佑君紹
 介)(第二九八五号)
 同(中馬辰猪君紹介)(第二九八六号)
 同(菅野和太郎君紹介)(第三〇三二号)
 同(熊谷義雄君紹介)(第三〇三三号)
 同(橋本龍太郎君紹介)(第三〇三四号)
 同(原健三郎君紹介)(第三〇三五号)
 同(加藤常太郎君紹介)(第三〇七四号)
 同(關谷勝利君紹介)(第三〇七五号)
 同(坪川信三君紹介)(第三〇七六号)
 靖国神社の国家管理反対に関する請願(安宅常
 彦君紹介)(第二九八七号)
 同(阿部昭吾君紹介)(第二九八八号)
 同(阿部助哉君紹介)(第二九八九号)
 同(阿部未喜男君紹介)(第二九九〇号)
 同(赤松勇君紹介)(第二九九一号)
 同(井岡大治君紹介)(第二九九二号)
 同(井上普方君紹介)(第二九九三号)
 同(石野久男君紹介)(第二九九四号)
 同(板川正吾君紹介)(第二九九五号)
 同(安井吉典君紹介)(第二九九六号)
 同(山口鶴男君紹介)(第二九九七号)
 同(山崎始男君紹介)(第二九九八号)
 同(山田芳治君紹介)(第二九九九号)
 同(山田耻目君紹介)(第三〇〇〇号)
 同(和田貞夫君紹介)(第三〇〇一号)
 同(山本幸一君紹介)(第三〇〇二号)
 同(山本政弘君紹介)(第三〇〇三号)
 同(山本弥之助君紹介)(第三〇〇四号)
 同(湯山勇君紹介)(第三〇〇五号)
 同(米田東吾君紹介)(第三〇〇六号)
 同(横路孝弘君紹介)(第三〇〇七号)
 同(横山利秋君紹介)(第三〇〇八号)
 同(吉田法晴君紹介)(第三〇〇九号)
 同(渡辺三郎君紹介)(第三〇一〇号)
 同(渡辺惣蔵君紹介)(第三〇一一号)
 同(細谷治嘉君紹介)(第三〇二九号)
 同(堀昌雄君紹介)(第三〇三〇号)
 同(山中吾郎君紹介)(第三〇三一号)
同月二十日
 傷病恩給の改善に関する請願(坂本三十次君紹
 介)(第三〇九二号)
 同(椎名悦三郎君紹介)(第三〇九三号)
 同(上村千一郎君紹介)(第三〇九四号)
 同(伊藤宗一郎君紹介)(第三一六三号)
 同(西村英一君紹介)(第三一六四号)
 同(松澤雄藏君紹介)(第三一六五号)
 同(山下徳夫君紹介)(第三一六六号)
 同(足立篤郎君紹介)(第三二六八号)
 同(大西正男君紹介)(第三二六九号)
 同(島田安夫君紹介)(第三三六三号)
 同(谷垣專一君紹介)(第三三六四号)
 同(松野頼三君紹介)(第三三六五号)
 同(渡辺栄一君紹介)(第三三六六号)
 同(藤本孝雄君紹介)(第三四一五号)
 台湾残置私有財産の補償に関する請願外三件
 (受田新吉君紹介)(第三〇九五号)
 同外二件(小澤太郎君紹介)(第三〇九六号)
 同(瀬野栄次郎君紹介)(第三一六二号)
 同外四件(藤本孝雄君紹介)(第三三六七号)
 靖国神社の国家管理反対に関する請願(稲葉誠
 一君紹介)(第三一五七号)
 同(岩垂寿喜男君紹介)(第三一五八号)
 同(上原康助君紹介)(第三一五九号)
 同(江田三郎君紹介)(第三一六〇号)
 同(枝村要作君紹介)(第三一六一号)
 台湾残置私有財産補償に関する請願(三池信君
 紹介)(第三一六七号)
 同(村山喜一君紹介)(第三二七一号)
 同外五件(松野頼三君紹介)(第三三六八号)
 青野ケ原ホーク部隊設置反対に関する請願(岡
 本富夫君紹介)(第三二七〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
五月二十日
 旧陸軍戦時臨時外地要員に対する恩給適用等に
 関する陳情書(広島市西蟹屋三の一二の一四中
 川等外五十三名)(第三一四号)
 同和対策審議会答申の完全実施等に関する陳情
 書外四件(大阪府南河内郡狭山町議会議長西尾
 邦夫外四名)(第三一五号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第一〇号)
 許可、認可等の整理に関する法律案(内閣提出
 第四九号)
     ――――◇―――――
○藤尾委員長 これより会議を開きます。
 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、趣旨の説明を求めます。坂田防衛庁長官。
 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案
    〔第二十一号末尾に掲載〕
○坂田国務大臣 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案の提案の理由及び内容の概要について御説明いたします。
 まず、防衛庁設置法の一部改正について御説明いたします。
 これは、自衛官の定数を、海上自衛隊五百十七人、航空自衛隊三百三十六人、計八百五十三人増加するための改正でありまして、海上自衛官の増員は、艦艇、航空機の就役等に伴うものであり、航空自衛官の増員は、航空機の就役等に伴うものであります。
 次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。
 これは、航空自衛隊第三航空団の司令部の所在地を愛知県の小牧市から青森県の三沢市へ移転するものでありまして、当該部隊の任務遂行の円滑を図るためであります。
 以上、法律案の提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。
○藤尾委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。手
○藤尾委員長 次に、許可、認可等の整理に関する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
○大出委員 冒頭に、確かめておきたいのでありますが、私の手元に、許可、認可等の整理に関する法律案に対する修正案、こういうのがございまして、「許可、認可等の整理に関する法律案の一部を次のように修正する。第五条を削り、第六条を第五条とし、第七条から第十二条までを一条ずつ繰り上げる。」あと附則第一項にございますものの施行期日等の変更。これが実は外国人登録法にかかわる一切の条項をこの法律案から削る、こういう趣旨でございますか。
○藤尾委員長 さようでございます。
○大出委員 したがいまして、議事の進め方としては、後刻この修正案の採択をいただくという、そういう前提でという質問をさせていただきたいわけであります。したがいまして、許可、認可にかかわる、あるいは行政管理庁そのものにかかわるたくさんの問題がございますから、質問をすれば切りがないわけでありまして、ここまで参りまして会期の関係もございましょうから、できるだけ要点をしぼりました形で片をつけたいと思っておりますが、まず第一に、行政管理庁というのは一体どういうことをやる官署でございますか。大臣、いかがでございますか。
○松澤国務大臣 行政管理庁は、今後も住民の負担の軽減及び行政事務の簡素化を図るために、真に住民の立場に立って許認可等の整理を推進するよう努める所存でありますが、いずれにいたしましても、重点的な項目につきまして、御説明を申し上げるまでもなく真剣になって御用命に沿うように全力を尽くしていきたい、かように考えております。
○大出委員 いまのお話によりますと、行政の簡素化と、こういうことなんでありますが、そういうことですか。
○川島(鉄)政府委員 行政管理庁の任務といたしましては、設置法に明らかにされておりますが、それによりますと、設置法の第二条におきまして、「行政制度一般に関する基本的事項を企画すること。」さらには「行政機関の機構、定員及び運営の総合調整を行うこと。」「行政機関の機構、定員及び運営に関する調査、企画、立案及び勧告を行うこと。」「各行政機関の機構の新設、改正及び廃止並びに定員の設置、増減及び廃止に関する審査を行うこと。」さらに「法律により直接に設立される法人」いわゆる特殊法人でございますが、この「法人の新設、目的の変更その他当該法律の定める制度の改正及び廃止に関する審査を行なうこと。」さらに統計関係がございます。「統計及び統計制度の改善発達に関する基本的事項を企画すること。」「統計調査の審査、基準の設定及び総合調整を行うこと。」「統計報告の徴集について調整を行うこと。」「統計機関の機構、定員及び運営に関し、地方公共団体の長又は教育委員会に対し、連絡及び勧奨を行うこと。」「統計職員の養成の企画及び検定を行うこと。」「アジア統計研修所の設立及び運営のための援助に関する日本国政府と国際連合開発計画との間の協定に基づき、アジア統計研修所において行なわれる研修の実施に関する協力を行なうこと。」「統計知識の普及及び宣伝並びに国際統計事務の統轄その他統計の改善発達に関する事務を行うこと。」……
○大出委員 もうその辺で結構です。
 それで設置法の二条、私もここにあけてあるんですけれども、たとえば監察に関連をしてたくさんの政府関係機関の「業務の実施状況に関し必要な調査を行うこと。」こういうふうなことがございますね。あるいは日韓問題などをとらえましても、国際協力事業団にかかわるたくさんの問題がある。また、かつてこの委員会を通しております八郎潟の建設事業団なんという問題もありまして、これなんかも、この間調べてみましたらいろいろ問題がございました。それから原子力船開発事業団一つつかまえましても、これまた、いろんな問題が実はある。だから私は、もう少し行政管理庁は行政管理庁らしいことをやっていただきたいという気がする。ところが、勧告をたまたまなさるけれども、その勧告もどうも自後それが一体どうなるのか……。
 三十二年あたりに郵政省に対して勧告も出ておりますけれども、この間、逓信委員会に参りまして質問いたしましたら、お聞きになっておられたと思うんですけれども、せっかくいいところをついておられるんだけれども、郵政省がみんな適当にごまかしたものがそのまま過ぎてしまっている。一体、行管は何を所管する役所かという反論をしたくなるような現象がたくさんある。つまり各省が強過ぎて、行管が何かやろうと思ってもできないという側面のあることは知っていますけれども、それにしてもどうも。
 実は松澤さんおいでになるから言うんですけれども、川島正次郎さんが行政管理庁長官をおやりになったときくらいなんですな。あのときには大幅な、アメリカのフーバー委員会式な、時の総評の議長をやっておった太田薫なんかまでほうり込んで、組合側にも文句を言わせぬというような調子の思い切ったものをお出しになりましたが、あれが今日まで尾を引いているわけですね。つまり行管らしいことをやったのはあのときぐらいのものでね。佐藤総理が一省一局削減なんと言い出したら逆に行管があわてましたが、実は私、非常に不満足なんですね。
 それから、設置法の第二条の十三、「各行政機関の業務及び前号に規定する業務に関する苦情の申出につき必要なあっせんを行なうこと。」などというのがありましたり、十三の二の行政相談委員法の施行に関するいろんな問題がございますが、大変に大事な所掌業務を実はお持ちなわけですが、これなんかも、どうも顕著な機能をいたさないという感じがいたしましたり、行政相談をいろいろ皆さんの末端の機関が受けているんだけれども、言うならば、その問題はどこへいらっしゃいというようなことぐらいしかやらぬのが多いものですから、とかくどうも私どものところへ、相談に行ったんだがこういうわけなんでというようなことで逆に問題を持ち込まれて、私どもが、実は行管が末端でやらなければならぬものを逆に代行してやっているようなことになってしまうんですね。まことにこれは困ったことだという気がするわけであります。
 そこで、具体的に承りたいのでありますが、今回の許認可等に関する改善方策についての答申というのは、整理項目としてどのくらいの数がございますか。
○大田政府委員 全部で二百十九事項でございます。
○大出委員 大変たくさん出ておりますが、実はこの中でここに整理したというのは、つまり大臣の提案理由の説明の「答申事項のうち、」ということで、本年度分ということでお出しになったのは何項になるのですか、このうちのどのくらいの部分なんですか。
○大田政府委員 その中で十二法律、二十三事項でございます。
○大出委員 そうすると、法律の数で言うとこの答申は幾つあるのですか。
○大田政府委員 八十法律でございます。
○大出委員 八十法律について許認可等に関する改善方策ということで監理委員会が出している、それを法律の数にして十二、一つ外国人登録法がなくなりますから、そうしますとこれは十一。そうすると、なぜ一体、八十法律出てきているのに今年分十一しか出せないか。私は、外国人登録法は許認可の整理ではない、こう申し上げているわけですから、その限りでは八十のうちの十一になるんですが、ほかの方に国民生活に大変近いものがたくさんあるんですけれども、どうも国民生活そのものにずばりかかわり合いのあるものが少ない。十一しかない。なぜこういう結果にしかならぬのですか。その根本原因はどこにあるんですか。
○大田政府委員 答申をいただきました二百十九事項につきまして、各省と折衝いたしまして、今国会で成案を得て出したいというものが十二法律ということになったわけでございまして、次の来年度あるいはその三年目あるいは現在まだいつ成案を得るかということで折衝中のものもございます。そういう状況でございまして、とりあえず十二法律で成案を得たということで出した次第でございます。
○大出委員 そうすると、あとは各省がそんなことを言われたって出したくない、こういうわけですか。いやだというわけですか。
○大田政府委員 現在まだ詰まっておりませんものが三十事項ぐらいあろうかと思います。これにつきましては、目下鋭意関係省庁と折衝中でございまして、なるべく早く計画的に推進したいというふうに考えているわけでございます。
○大出委員 通産省にかかわるものは、この整理法の中にございますか。
○大田政府委員 整理法の中には、現在のあれはございません。
○大出委員 ちょっと通産省に承りたいのですが、高圧ガス製造の許可だとか届け出だとかここにございますね。「許可を要する設備のうち、フロン系ガス冷媒使用のユニット型空調機であって、一日の冷凍能力二〇トン以上五〇トン未満で、特に安全なものについては、届出制とする。」とか幾つかございますね。いまのやつは一四三、一四四、この二つを挙げましたが、このほかに一四五、一四六、これはみんな通産省にかかわる問題でありまして、一八六、それから二一七、一四八、「高圧ガス容器証明書の交付」などなどまでここにございますけれども、ここらは通産省はどう考えているのですか。
○大永政府委員 本日は、高圧ガス担当の者が参っておりませんので、私からはちょっとお答えしにくいわけでございます。
○大出委員 あなたのところは資源エネルギー庁でしたかね。そうですか。
○大永政府委員 そのとおりでございます。
○大出委員 行管にもう一遍聞きますが、こんなにたくさんございまして、実は直下型地震その他と絡んで前に私、高圧ガス問題をこの国会で大分質問してきているんですけれども、ここらのところ、行管は一体どう考えておるのですか。こんなにたくさんあって、一つも出てこぬというのはどういうわけですか。
○大田政府委員 通産省関係では全体で二十五事項ございます。その中で高圧ガス関係は八事項ございまして、その他エネルギー関係が十事項、それから計量関係が二事項、それから中小企業関係が二事項というふうな状態になっております。
 これらにつきましては、通産省との間で、どういうふうな取り扱いをするか、来年度にするか、その次にするかということがまだ決まってないとという状況でございましたので、今年度としては、法案としては提出できないという状況でございます。しかし、これらにつきましても、行政管理庁といたしましては推進する責任がございますので、今後、通産省と積極的に接触いたしまして、なるべく早く成案を得たいというふうに考えております。
○大出委員 あなたは資源エネルギー庁だそうですから、そのかかわり合いを承りたいのでありますが、ガス事業法は皆さんの所管でしょうね。――この二十七条の四の第一項、ガス工作物関係の問題あるいは三十七条の二の簡易ガス事業の許可の問題、三十九条の三のガス用品の検定の問題、これは通産省はどうお考えでございますか。
○川崎説明員 まず第一点の使用前検査でございますが、これを民間のしかるべき機関に委任してやらすべきじゃないかという問題でございまして、私どもも、実はその点について目下検討を進めております。
 それから第二点の、簡易ガス事業を都道府県におろすべきじゃないか、これにつきましては、一方におきまして都市ガス事業というのは、かなり広域的な運営をやっておるというふうな問題もございまして、その間の調整を図るという意味において、果たして都道府県で許可するのがいいのか、あるいは通産局でやるのがいいのか、なお検討を続けたいと考えております。
 最後の点は、都市ガスの用品につきまして型式承認制度を設けてございますが、それを活用しろということでございますが、現在のところ、都市ガスの用品につきましては、中小企業製品が相当多うございます。これは日本ガス機器検査協会というところで検定をしておりますが、なおまだ不合格率も相当ございますので、型式承認をして後、個別の品目の検定をやらないということは、消費者の安全の見地からなお問題が残っているんじゃないかということで、これについては、制度はございますけれども、いまのところは個別検定という方法をとっております。
 以上でございます。
○大出委員 たくさんございますのに、せっかく出ている答申を、皆さん方どうもえらいのんびりしておられる、これからというようなことをおっしゃっているわけですから。八十法律ございますから、本来ならば所管の大臣にお一人お一人出ていただいて、一つ一つ八十法律全部実は質問をしたい。六十日も会期延長するのならば、これは非常にいい機会ですから、八十法律、所管の大臣全部出ていただいて、端から承りたいと実は思っている。
 そこで、まずきょうは、ここにございますから、通産省の方に承ってみますが、いまあなたが真ん中でお答えになりました簡易ガス事業の許可の問題、都市ガスの話をあなたは説明して、大変広域的にどんどんふえていると言う。その許可は皆さんがなさる。権限は皆さんにある。つまり、その許可権限にかかわる問題で、全国至るところに大変大きな問題が起こっている。国会にむしろ旗を立てて集まろうというような騒ぎまで実はいま起こっている。すべてこれ都市ガスに対する許可を皆さんがなさればプロパン業者とぶつかりますから、至るところで問題が起こる。県なんかも請願採択をいたしまして、これは何とかしてやらなければならぬというので、調整機関もつくって、あなた方に出てきてくれと言ったって出てこない、実はいまこういう状況であります。
 したがいまして、これもガス事業法そのものに絡む問題でございますが、許認可の物の考え方でございます。一言で言ってしまえば、それらの問題が解決をしなければ、都市ガスを安易に許可すべきでないという、つまり許可条件というものをここで抜本的に考え直す必要がある。つまり、この面まで行きますと、行政管理庁の仕事でございまして、一体どういう調整が必要かということを真剣にお考えいただかぬと困る。せっかくここに出ているわけですから。プロパンなんというものは地域にあるのだから、したがって県段階へおろせと、こう言う。ところが、都市ガスは広域なんだからそう簡単にいかないと、こういうお考えが出てきている。そうすると、行政管理庁というのは、いま現実に起こっている大変な紛争を――プロパン業者の死活の問題、命にかかわる、食えなくなる、取り締まり法規その他で大変厳重でございますから。相当な資本投下をしてプロパンガス業者の方々はやっておられるのだが、都市ガスを片っ方でどんどん、しかもプロパン業者に通告もしないで、私に言わせればひどいことをやりながら広げていくということのために、実は大変な騒ぎが起こる。
 残ガスなんという形の、ガスボンベにガスがたまったままで放置されているという、こういう問題がたくさんある。事故発生例を見ますと、この残ガス問題に対する事故というのが大変に多い。ほっとけない。団地がどんどんできるところなんというのは、当初はプロパン業者の方々が工事をして配置をしてやる。都市ガスが入ってくると一遍こなくなる。しかし資本受入しているわけでありますから、それを撤去するなんということになれば赤字の累積になりますからほっておく。手が出ない、出ないままに、残ガスが入っているままでほっぽらかされている。爆発事故その他が幾つも例として出ている。
 こういうふうなことを、行政管理というたてまえで、だから、さっき設置法の第二条をお読みいただいたのだけれども、あなた方が考えなければならぬ。いろいろなこれは絡みがございますけれども、そこらは行政管理庁というのは、起こっている現象、これをとらえてどうするかということを実は真剣に考えるべき筋合いだと私は思っている。
 かつて静岡の焼津、清水、あの辺のマグロの一般買いなんかの問題で、珍しく行政管理庁が物価問題を取り上げて調査、監査を命じた。私は、あれを読んでさすがに感心しましたが、実に克明にとっておられる。上げてきた。上げてきたが、皆さんは、ほかの農林省その他の関係がございまして、せっかくりっぱなものを上げているのだけれども、表に出そうとしない。去年のことであります。私は、全部その内容を持っておりますが、あなた方は再三再四、表へ出さぬでくれと私のところにおいでになっておっしゃる。そういう引っ込み思案では国の行政というものはよくはならない。
 そういう意味で、せっかくここにガス事業法にかかわる答申が出ているわけでありますから、いま現実に起こっている問題などを、あなたの方で耳にしたり、あるいは行政相談という形あるいは苦情という形――行政上の苦情というものはあなた方の責任でございますから、私があなた方に苦情を申し上げて、あなた方に御処理をいただく国民的権利もあるわけであります。明確にこの第二条の十三で「各行政機関の業務及び前号に規定する業務に関する苦情の申出につき必要なあっせん」を、ここに明確にしなければならぬようになっている。あなた方の業務であります。これだけたくさんの苦情が、自治体から始まりまして国会にまで、この国会でも何回も実はこの問題の質問が出ている。行政管理庁、一体ここらはどうお考えでございますか。
○大田政府委員 行政上の苦情につきまして、申し出があればあっせんするということは、行政管理庁の務めでございます。
 したがいまして、本件につきましても、現地の行政監察局あるいは横浜には大体四十五名くらいの行政相談委員がいらっしゃいますので、そういう方に申し出ていただいても、この問題につきましては、すぐそれなりの対応、あるいは調査なり、あるいはあっせんなりということをやる行政管理庁としての務めがあろうと私は考えております。
○大出委員 それでは来期になるか、さらに先に延びるかわからぬ、ガス事業法第三十七条にかかわる問題でこういうお答えがございましたが、私、少し通産省の方々に承りますので、お聞きをいただいて、一体この問題をどういうふうに処理をしたらいいかという点を、これはぜひ行政管理庁の立場でお考え願いたい。私も国民の一人でございますので。
 そこで通産省に承りたいのですが、皆さんが所管をなさるガス事業法、この許認可事務にかかわる問題といたしまして、東京瓦斯が最近大変な計画を立てておるわけです。幾つもここに私、資料を持っておりますが、一月十七日付の日本経済新聞が大変細かく紹介をいたしております。ここに当時の新聞の写し、その他ございますけれども、それによりますと、東京瓦斯の天然ガス転換計画、簡単に言えばそういう中身であります。これは昭和四十八年度に埼玉県の浦和−草加−保木間、千葉県の白井−袖ケ浦工場まで、これはここに工場がございますから。それから昭和四十九年度が南浦和と牛久と竜ケ崎。昭和五十年度が国分寺−神奈川県の下麻生。昭和五十一年度が朝霞−和光。昭和五十二年度は白井から竜ケ崎。昭和五十四年度が根岸工場と大森工場、これは東京湾の海底で接続をする、これで完成、こういうわけです。
 ということになりますと、都市ガスの普及率からいきまして、昭和五十三年までということになりますと、つまり消費者サイドから見た場合に、どのくらい戸数でふえることになるのかという点、これはその都度、そこに今日まで粒々辛苦、中小零細企業ですから、やってきたプロパン業者の方々がみずからの職業を失うということになる、大変深刻な問題でありますから、どのくらいふえるかという点、それをまず承りたい。
○川崎説明員 都市ガスにつきましては、これはガス事業法に基づきまして、供給計画というのを三年ないし五年の計画で立てさせることにいたしております。
 東京瓦斯に関しまして、本年四月に提出がございました供給計画に基づきますと、供給区域内のガスメーターの取りつけ数は、四十九年末で五百六万戸でございますが、それが五十四年末に一応六百三十七万七千戸、約百三十七万戸が取りつけメーター数で増加するというふうな形になっております。
○大出委員 つまり取りつけメーター数で、メーターをつけるというのは、プロパンの方は資源エネルギー庁のメーター売りしろという通達でございますから、だから、メーター数でいくのが一番確実かもしれませんが、百三十七万ですか、そうでしたな。
○川崎説明員 はい、間違いございません。
○大出委員 つまり大変なふえ方をすることになる。
 そこで念のために伺っておきますが、現在の都市ガスの使用戸数、メーター数で結構ですが、プロパンの使用戸数、どのくらいの比率になっておりますか。
○川崎説明員 都市ガスにつきましては四十九年度末で千三百二十六万戸それからLPの関係につきましては千六百五十七万五千戸というのが四十九年十月末の数字となっております。
○大出委員 ちょっとこの数字確かめたいのですが、おたくの増田さんという方が答えていますが、四十九年の十月現在でプロパンガスの利用世帯数、二人以上ということで千六百五十七万五千軒、それから都市ガスの需要の家数につきましては四十八年十二月末現在、つまりとった時点が一致しておりませんが、四十八年十二月末現在で千二百五十万三千軒、いまの数字に合わぬですけれどもね。
○川崎説明員 先般、増田長官がお答えいたしましたのは、四十八年十二月末の数字でございます。その数字は千二百五十万三千軒でございます。
 それで、ただいま私がお答え申し上げましたのは四十九年、つまり一年後の十二月末の数字でございまして、これが千三百二十六万六千戸となっております。
○大出委員 つまり都市ガスの方が千三百二十六万といいますと、百万までいきませんけれども、相当な伸びだということですね。千三百二十六万ですか。
○川崎説明員 はい。
○大出委員 相当な伸びになる。前回が千二百五十三万というお答えですから、したがって家数七十三万軒の伸び、したがって都市ガスの伸び方というのは大変なことになる、こういうわけであります。
 そこで、プロパンの方の国民全体に対する普及割合と申しますか、比率でいいますと、どのくらいになりますか。
○宇田川説明員 お答えいたします。
 現在、具体的な細かい数字を持ち合わせておりませんので、後ほど資料はお調べいたしますが、おおむね六割程度というふうに聞いております。
○大出委員 六七%くらい、六割を大分超えておりますがね、ここにある数字からいたしますと。まあいいでしょう。
 そこでこの際、もう一つここで重ねて承っておきたいのでありますが、この都市ガスの関係で安全問題と絡みますけれども、読売新聞の一月十九日付のものに書いてありますけれども、原爆の父テーラーという博士がLNG、これは液化天然ガスですね、この液化天然ガスのタンカーがもし事故を起こせば、その被害は広島原爆よりむしろ大きいだろう、こう述べたという。これは読売新聞です。
 これはどういうことを意味しているかといいますと、三万トン、四万トン、さらに十万トン、こういうLNGのタンクが三基、計十七万トン、これが実は横浜の私の足元にあるのであります。十日に一回の割合で四万トンのLNG、液化天然ガスのタンカーが横浜港に着いている。ところで、これの保安監督権というのは制度上市にも県にもない、物は言えますけれどもね。そうなりますと、これは一体どこが監督するのかと言えば、おたくなんですね。通産省の資源エネルギー庁、ここが監督官庁なんでしょうね。県や市ではない。ところが一体、どういう監督をどういうふうにやっているのかということが公開をされない。私もやっていないのだろうと思うんです。
 したがいまして、いまこの地域は、私が何回かここで質問をしたり、予算の分科で質問をいたしておりますが、川崎、横浜の直下型地震の問題で、私の足元の横浜市なんというのは、町内会別に全部この看板を出しています。地震があったらまず火をとめましょうから始まって、避難道路はどこですよ、避難場所はどこですよ、それでほとんど町内会別に避難訓練をやっているんです。
 そういうところだけに、これは大変な騒ぎなんですね、もしこの液化天然ガスが爆発をしたら一体どういうことになるかと。あなた方は一体、これはどういう監督をやっておられるわけですか。
○大永政府委員 タンカーといいますか、船の方につきましては、私ども直接監督いたしておらないわけでございますが、陸揚げ施設、それから貯蔵タンク等につきましては、ガス事業法の規定に基づきまして、厳重な監督をいたしておるわけでございます。
○大出委員 その厳重な監督というのを具体的に言ってください。何がどう厳重なんですか。
○大永政府委員 たとえばLNGの貯蔵タンクでございますが、これは普通の石油タンクと違いまして、鉄のパイルを打ち込みまして、その上に、たしか一メートルぐらいの厚さだったと思いますが、コンクリートの厚さ一メートルぐらいの台を据えまして、その上に二重構造になっておりますLNGタンクを乗っける、それから周りには、全量が流れ出しましても大丈夫な防液堤をつくりまして、かつその防液堤の壁の上には、数十カ所にわたって消火装置を取りつけるということでございます。
○大出委員 震度六あるいはそれ以上の直下型の地震がもしこの地域で起こったら、明治初年の横浜地震と言われるようなものが起こりましたら、このタンクはもちますか。
○大永政府委員 ただいま申し上げましたように、鉄のパイルを打ち込みまして、その上にコンクリートの台を乗っけてやっておりますし、その耐震性につきましても、いまおっしゃいましたような直下地震が起こりましても大丈夫なような耐震構造になっておると承知しております。
○大出委員 これは実は後で調査に行こうと思っておりますから、横道にそれますので、この辺にいたしておきます。
 そこで、都市ガスをどんどん広げていくということになると、この種の貯蔵施設であるとか、たくさんの問題が実は絡んでくる。決して安全だと言えない側面を持っている。
 これは消防庁の所管でございますが、実はここに数字がございますけれども、念のために承っておきたいのですが、都市ガスとLPの事故の発生件数、数字をちょっと挙げておいていただきたい。普及率からいきますと、比率は都市ガスの方が大きい、プロパンの方が少ないわけでありますけれども、念のために挙げておいていただきたい。
○大永政府委員 ガスの製造、供給に関する事故といたしましては、これはちょっと数字があれで四十八年の数字でございますが、百二十件でございます。
 それから消費機器の使用に伴います人身事故でございますが、これは四十九年の数字でございますけれども、人身障害のございましたものが二百五十三件というふうなことになっております。
○宇田川説明員 LPガスの保安の問題につきましては、通産省の保安関係局の方で所管しておりまして、現在担当が参っておりませんので、正確な数字をお答えできませんので、後ほどお答えするようにいたしたいと思います。
○大出委員 ここに消防庁が出しております数字がございますが、後ほどお答えになるというのでありますから、後ほど一応承りましょう。
 そこで、都市ガスの許可の要件というのは、ガス事業法の第五条に「許可の基準」というのがございますが、この中に細かく「一般の需要に適合すること」だとか「供給区域又は供給地点におけるガスの需要に応ずることができるものであること」だとか「ガス事業の開始によってその供給区域の全部若しくは一部において又はその供給地点についてガス工作物が著しく過剰とならないこと」この許可条件からいきますと、二重配管なんというようなことはお考えいただかなければならぬことになる。つまり、ここにある団地なら団地にプロパンガスが入っている。そこへプロパン業者に何にも言わずに都市ガスを始める。
 具体的な例がたくさんございますから、たくさん挙げますけれども、これはまさに二重配管です。それでも何でもあなたの方はぼんぼんと許可してしまうのじゃ、私は、ただ単に許認可事務の整理だけを行政管理庁にやってもらいたくない。いいかげんな、しかもむだな、あるいは危険な配管などについても、許可の要件なんですから、そういうことはさせない。このあたり、やはり許認可をただ単に整理する、整理すると言っているだけが行政管理庁の役目じゃないと実は私は思っておる。後から具体的に申し上げますが、住民の間から、両サイドから実は大変な非難が出ておるわけであります。
 私がいまここで挙げましたように、「一般ガス事業の開始が公益上必要であり、かつ、適切であること」などという条件もある。だから、この許認可の権限の上からすれば、都市ガスをやたらむしょうに広げていくことによって、かつまた、そのためには、さっき例に挙げた貯蔵施設、タンクなどというものがふえなければなりません、液化天然ガスを運んでくれば。だから、そうなりますと非常に広範にわたるわけでありますから、その地域でいろいろなトラブル、紛争が起こっているのに構わずどんどん許可をしていくなんということはあるべきではない、実は私はこう考えておるわけであります。私は、そこには厳重な規制が必要であろうという気がするのであります。
 それにかかわります幾つかの問題を申し上げたいのですが、この法律上、地域にたくさんの紛争が起こった場合に、それを協議する、調整をする、そういう法律的な条項というのはございますか。
○大永政府委員 簡易ガスに関係いたしますが、簡易ガスを設置いたします場所が都市ガス事業の供給区域内でございます場合に、その間の調整が必要だというふうなことを主たる理由といたしまして、地方ガス協議会というのが通産局ごとに設けられておりまして、そこでやるようになっております。
○大出委員 法律的にはどうなっておりますか。
○大永政府委員 四十条の四という規定がございまして、「通商産業局に、地方ガス事業調整協議会を置く。」「地方ガス事業調整協議会は、この法律によりその権限に属させられた事項を調査審議するほか、通商産業局長の諮問に応じてガス事業の開始に係る紛争の処理その他のガス事業者の事業活動の調整に関する重要事項を調査審議し、及びこれに関し必要と認める事項を通商産業局長に建議する。」というふうにございます。
○大出委員 この増田政府委員の答弁によりますと、四十条の四で、いまのプロパンとの競合問題等で大きな紛争が地域に起こっている、この問題を法律的にはここでやることができる、だがしかし、いままでやっておりませんという答弁だった。私は、これはずいぶん怠慢だと思うんですよ。法律上やれるのだがやっていませんという答弁だった。そうして早急に検討させてくれ、答弁はこういうことになっている。検討の結果どうなりましたか。
○大永政府委員 これは別の委員会でもお答え申し上げたわけでございますが、法律上は、ただいま御指摘になりましたように、また法律の規定にございますように、ガスの供給に関する紛争については、およそすべてのことについてできることになっておるわけでございますが、ただ、ガス事業者がガスの導管を引きます際に、プロパン業者との間に起こります紛争につきましては、われわといたしましては、あくまでもガス事業者とプロパン業者との当事者同士の話し合いによって解決することが望ましいというふうに考えておるわけでございます。
 それで解決の仕方につきましても、いろいろ千差万別でございまして、そのプロパン業者からガス事業者が石油を買うことにする場合もございますれば、それから保安の立ち会い料というふうなことで、若干の金銭をプロパン業者にガス事業者が渡すというふうな場合とか、いろいろなケースがございますけれども、いずれにいたしましても、非常に個別の営業活動に関する調整になるわけでございまして、先ほど申し上げましたような地方ガス事業調整協議会というふうな公的機関が、そういった具体的な営業活動の問題にまで入っていくということは、必ずしも適当ではないのではないかというふうなことでございます。
○大出委員 ただ問題は、大変に公益性の強いものじゃないんですか。六割以上も国民が使っているプロパン、また都市ガスの普及率も相当なところへ来ている。このガス事業法というのは、非常に公益性の高いものということでここに法律が存在をする。まだプロパンについては、おたくの大臣、河本さんですかが、都市ガスと同様に大変に公益性の高いもの、こういうことを冒頭にお答えになっている。だとすると、その公益という名において、そういう紛争が至るところに起こっているという現実、それを営業活動だからというのでほっておくのなら、東京瓦斯なんていうのは公益性もヘチマもない。大阪瓦斯だって東京瓦斯だって、ちょっとやそっとの企業じゃない。さっき、すでに転換計画を申し上げましたように、大変な計画を持っておられるわけです。だとすると、あなたはぐあいが悪ければ腕を組んで見ている、こういう筋合いですか。とんでもないことを言っては困りますよ。あなたの方は本当にふざけている。
 神奈川県議会が非常に苦心をして請願を採択をした。これは満場一致で請願を採択した。各党みんな代表を出してやった。そして調整協議会というものを神奈川県庁がおつくりになった。そして本年一月に、おたくの方に対して、調整協議会の委員の委嘱だとか、また出てきていただきたいということで、神奈川県から皆さんの方にお願いをしている。ところが、これは本年一月でございますけれども、おたくの方はぐあいが悪いと言って出席しない、そういうことであってはならぬと私は実は思っているわけであります。そこらは、あなたの方は検討する、そのときのやりとりはこうなっておりますが、検討の結果どうなりましたですか。
○大永政府委員 委員会への出席につきましては、県でそういうものをおつくりになったわけでございますけれども、やはりこれは、中央の本省からそういう委員会が開かれるたびに出ていくということは、事実上なかなか大変なことでございますので、メンバーになることにつきましては御辞退申し上げまして、ただ、何か参考意見その他を言うために出席してくれというふうな要請がございますれば、そのときどきのケース・バイ・ケースに応じまして出席を検討するということでまいりたいと考えておるわけでございます。
○大出委員 あなた、これは増田政府委員の答弁と違うんですがね。
 増田さんというのは、いま何をやっておりますか。念のために聞いておきましょう。
○大永政府委員 私どもの属しております資源エネルギー庁の長官でございます。
○大出委員 だから、きょうは長官に出てきてくれと言ったら、石油の会議があってぐあいが悪いとか、外国人に会うのだから困るとか、ふざけたことを言っているんですけれども、これは改めてひとつ出てきていただきましょう。そういういいかげんな答弁では困る。増田長官自身が、ここに議事録がございますけれども、この問題の取り扱い方といたしましては、「LPガスの販売業者と都市ガス業者との間にいろいろ紛争、トラブルが起こりましたときには、その円満な解決をはかるように、当事者間の話し合いができるような場をつくったり、また、そのあっせんをするという労をとっていきたい」と言っておられる。あっせんしたり場所をつくったりする労をおとりになるというのに、参考意見を言うぐらいのことならば出るけれども、あと出ないと言うんじゃ、長官は、場所をつくってあっせんの労をとってあげると言っているのに、あなたの方は、参考意見ぐらい言うならば出ていくけれどもと言うんじゃ、これは一体どうなるのですか、この答弁との関係は。あなたはこの答弁を否定なさるのですか。
○大永政府委員 その意見はそのとおりでございまして、われわれとしては、先ほど申し上げましたように、ガス事業者とプロパン業者とが具体的によく話し合いまして解決することが望ましいと考えておるわけでございますが、仮にプロパン業者がガス事業者に申し込みましても、ガス事業者が言を左右にして話し合いに応じないような場合には、そういった話し合いの場をあっせんするというふうなことは、われわれとしてはやることにやぶさかではない。ただ、その話し合いの中身そのものに入っていくことは、先ほど申し上げましたように、金銭の絡みます具体的な営業活動の問題でございますので、これはこういうふうにするのがよかろう、代理店にするのがよかろうとか、あるいは幾らぐらいがよかろうというようなことを、われわれが直接介入してやるということは適当ではないということでございまして、話し合いの場を設けることを、われわれといたしまして努力したり、あるいはあっせんするということは、長官の答弁どおりやっていきたいと思っておるわけでございます。
○大出委員 あっせんをするということは、話し合いがつくようにとお考えだからあなた方はあっせんするわけでしょう。そうでしょう。つまり、話し合いがつかなければ、両方とも公共性の高いものですから市民が困る、だから話し合いを何とかつけさせたいという意思であなた方はあっせんする。けんか別れしてくれと言ってあっせんするわけじゃないんでしょう。だということになれば、これは話し合いがつくようなところまであっせんしなければ――何も金銭に絡まぬでいいですよ。あっせんしたことにならぬじゃないですか。あなた方は大変に消極的。県庁などというところが一生懸命になってやったり、自治体自身が、横浜市なら横浜市というところも一生懸命になってやったりしている。おたくの出先の通産局だって腕を組んだきり。片方で都市ガスの許可をあなた方がやる。そういうふざけた話はない。許可基準の中で、あなた方が許可しないことだってできるようになっている。しかもこの法律には、四十条の四と、ちゃんと明確な協議の法律上の条文だってある。それでやれるとあなた方は答えている。やれるけれども、いままでやったことがないと答えている。法律上やれるということを答えておいて、やれるんだがやったことがない、そういう通産省の態度というのは、私は見過ごせぬと思っているんですよ。これだけ国民にかかわる――資源エネルギー庁なんという庁をつくってくれなんてあなた方はここへ法案をお出しになった。途端にこれは汚職ばかり起こってろくなことはしない。それで事は済みはしませんよ。法律上やれることになっていて、なぜやらないのですか。
 あなた方がそういう答弁をなさるなら、もう一遍聞くけれども、法律上やれることになっていて、やれると言っていて、やれるのになぜやらないのか。法律上の義務を怠ることになるんじゃないですか。いかがですか。
○大永政府委員 都会におきます熱エネルギーといいますのは、非常に代替性の強いものでございまして、都市ガスもございますればプロパンもございます。それから電気を、電気温水器その他というようなことで使います場合もございますし、いろいろあるわけでございますが、結局何を使うかという点につきましては、われわれとしては、やはりこれは消費者が最終的に選択をしてきめるものというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、いままでプロパンを使っていたところが都市ガスに切りかえる場合もございますれば、あるいは都市ガスを使っているところが、プロパンの方が安いからということでプロパンに切りかえる場合もあるわけでございまして、そうういうことは結局は消費者選択で決めざるを得ないと思うわけでございます。ただ、われわれといたしましては、その間なるべく円満にスムーズに事が運ぶことが望ましいわけでございますので、両当事者間の話し合いを促進していくということは非常に結構なことであろうというふうに考えておるわけでございますが、法律に基づきましてその間の調整を図るというふうなことは、必ずしも適当でないんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○大出委員 七十一国会のガス事業と液化石油ガス販売事業との間の調整に関する請願、これは採択されています。そうしてこの請願の政府の処理要領というのがございますが、この処理要領の中でもいろいろなことが書かれている。まず第一に、消費者が決めると言うんだけれども、許可はあなた方がする。さっき私が五条を読み上げたとおりです。消費者が決めると言ったって、あなた方が許可しなければ決まらない。プロパンガスは六割以上も使っている、そこへ都市ガスが入ってくる、二重配管だ何だという大きな問題まで起こっている。これだって厳密に言えば法律に触れる。それでもあなた方は許可してきている。
 それで一体、どういうことをやっているかと言うと、これは過度の宣伝なんですね。情報手数料なんというものを払っている。この辺は大体自治会でまとまりそうだから、ここのところはひとつ東京瓦斯さん、都市ガスを持ってくればいまなら引けますよ、そういう情報を住民から出してくれと言って金を払っている。(「大阪じゃ酒まで飲ましている」と呼ぶ者あり)この都市ガスというのは公共事業でしょう。ひどいものです。このパンフレットを見たって、プロパンガスはなくなってしまうかもしれぬと書いてある。ここに宣伝文もございますけれども、中身はひどいものですよ。こういう宣伝までさせている。
 あなた方は、いま消費者の選択だと言うけれども、一体こういう悪宣伝を何でほっておくのですか。ここにありますよ。都市ガスは安全で清潔できれいだという。きれいもきたないもありゃしません。プロパンガスは非常に危険だ、都市ガスは安全だ、いつも安定供給ができる、説明会を開いて、その説明会の席上でも懸命にその話を都市ガス側はする。ここに東京瓦斯の説明会の記録もございますけれども。こういうやり方、過度の宣伝、しかも情報手数料などというのを、会社がその地域にこっそり出している。しかもこの説明会で言っていることは、公共性のあるガスなんだから、住民の半数ぐらいの方が引きたいと言ったら反対するなんてもってのほかだ、そういうやり方で都市ガスをどんどん入れてくる。こういう行き方というのは私は賛成いたしがたい。この点はあなた方の許可権限で規制をはっきりできる。なぜあなた方は明確なものをガス事業者に出さないのか。処理要領の後ろの方に何かくっついているけれども、そこらはどうなっているんですか。
○大永政府委員 ただいま御指摘になりましたような不当な宣伝あるいは勧誘といったようなことにつきましては、従来から注意しているつもりでございますが、先生御指摘のようなケースがあるとすれば、はなはだ残念でございまして、今後とも厳重に監督をしてまいりたいというふうに考えております。
○大出委員 ところで、いまの請願の処理要領で「消費者に対する宣伝、勧誘行為及びガス設備の設置工事等において、行き過ぎた行為のないよう、それぞれの監督官庁を通じて今後更に指導を強めていきたい。」こういうふうになっていますが、具体的にどういう指導を強めたのですか。強めたものございますか。これは国会でお決めになったのですから、具体的にどういうふうに指導を強めたのですか。
○大永政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、ガス事業者に対しまして、ちょっといま手元にございませんが、そういう行為を厳に慎しむように通達を出して指導しております。
○大出委員 いつごろ出しましたか。
○大永政府委員 最近でございます。ちょっと日付は明確でございません。
○大出委員 それじゃその日付入りの通達を下さい。よろしゅうございますね。
○大永政府委員 提出さしていただきます。
○大出委員 たとえば事故件数なんか見ましても、どっちが安全だとか安全でないとか言えないですよ、実際に。あなたは件数をおっしゃらぬから、この際関連するから言いますが、火災年報というのがございますね、この火災年報を見ますと、都市ガスによる火災発生件数、プロパンによるもの、年度別に分けますと、昭和四十五年が、都市ガスによる火災三千五百四十八件、プロパンによるものが三千六十八件。これは使用比率からいきますと、都市ガスよりもプロパンの方がはるかに高いわけでしょう。それでも件数は都市ガスの方が多い。ということになりますと、それなら一体どっちが危ないんだ。明確にこれは都市ガスの方がよけい火災事故が起こっている。冷厳な事実です。それから四十六年、これは三千六百八十二件というのが都市ガス、プロパンは三千六百なんてない、三千四百五十一件。この年も実はプロパンの方が火災件数が少ない。四十七年、都市ガスの火災件数が三千八百十六件、プロパンが三千七百一件。四十八年は都市ガスが四千百三十六件、プロパンが四千三百二十四件。この年になってようやくプロパンが少し多いんですけれども、使用比率がこんなに違うんですから、使用比率からいきますと、はるかにプロパンの方が火災発生件数は少ない。
 こんなことは問題にしたくはないが、東京瓦斯なら東京瓦斯というガス業者が、これは大阪瓦斯でもそうですけれども、しきりに都市ガスが安全だ安全だと言って、プロパンというのはまさに手を触れてもこわいぐらいのことを言っているわけですから、そういう非科学的な悪宣伝などを勝手にさしておくというふざけた話はない。そして都市ガスは安いんだというようなことを言う。安いんだと言ったって、設備工事その他考えてごらんなさいよ。大変な金を払わなければできやしないですよ。ボンベを持ってきて置くんじゃないんだから。そこらをみんな入れないで、プロパンは高い、エネルギー危機以来高くなった、特にプロパンはこれ以来うんと高いんだ、都市ガスは安いですよと言う。やることが非常にえげつない。
 こういうふうなことまでして何で公益性の高い都市ガス、天下の東京瓦斯や大阪瓦斯などというものを――しかも金まで払って情報提供までさせて、それで陰で自治会長さんに一生懸命まとめさせたりして、まとめてくれたら手数料を差し上げますから、そういうやり方をほっぽっておく手はない。こういうことについては罰則適用できませんか。
○大永政府委員 先ほど申し上げましたように、不当な勧誘あるいは過当なる宣伝につきましては、厳に慎むように指示をしてまいりたいというふうに考えておりますが、特に具体的に非常にまずい点がありますれば、業務方法の改善命令というものを出す場合がございまして、この業務方法の改善命令に従わない場合には罰則ということもあり得ます。
○大出委員 具体的に一つずつ聞いていきますが、都市ガス業者の側から、この地域に都市ガスを引くということについて何ら通知をしないでやるというようなばかなことが現に行われていますが、これは一体どうしたのですか。
○大永政府委員 都市ガス事業者には、大体三年先までの都市ガスの供給計画というものを定めて公示することを義務づけておりますので、大体この地域にはいつごろ導管が敷設される予定であるということは、三年以内の期間であれば大体わかっているものというふうに考えております。
○大出委員 それならば、ガス事業法の四十条の四に基づいて、協議条項があるわけですから、当然あなた方が、この許可条件の第五条に書いてあるように――つまり過剰な設備というものをやってはいかぬことになっている。二重配管なんというのはもってのほかだということになる。これはガス事業法の第五条、許認可の許可条件なんです。つまり、あなた方がガスについての二重配管、過剰設備が行われてはいけないという条件を掲げているんですから、それならば、そこに三年先の計画が出てきてあなた方が許認可を検討なさるなら、その時点で当然それ以前に家庭用燃料でプロパンを使っていることははっきりしている。横浜などは電気なんか使っていませんよ。みんなプロパンですよ。そうすると、プロパン業者をあなた方が呼んで、過剰設備にならぬように、二重配管にならぬように、この法律の四十条の四に基づいて事業調整協議会をなぜ一体おやりにならぬのか。法律上やれますと言っておいて、やったことはございませんという、なぜこんなことにしておくのですか。法律違反じゃありませんか。
○大永政府委員 ガス事業法に基づきます許可の問題でございますが、一軒一軒の需要家に配管をいたしますことは、許可の対象にはなっていないわけでございまして、それは消費者がガス業者に申し込みまして、ガス業者との契約によりまして行われるということになっておるわけでございます。したがいまして、個々の需要家にガスを引くかどうか、その家は従来プロパンを使っていて、その管をどうするかというふうなことにつきましては、われわれとしては許可権限をもってそこまで介入しているということではないわけでございます。
○大出委員 そんなことを言っているんじゃない。そんなことはこの法律を読んでみればわかっている。そうじゃなくて、現にそこにプロパンが引かれている。配管が行われている。プロパン業者というのは、設計もやって、団地ガスなんかちゃんとやっているわけです。そこに今度は都市ガスが入っていくという計画が出ているわけでしょう。一軒一軒じゃない、これは地域ごとにやっていくことになっているじゃないですか、あなた方の法律は。それなら当然四十条の四がそれを受けるわけですよ。だから、念のためにあなた方にこの間来ていただいたが、地域ごとにとちゃんと書いてある。法律上もそうです。だから私は、それをとらえて言っているので、一軒一軒なんて非常識なことを言っちゃいけませんよ。そんなことできやしないじゃないですか。
 プロパン業者に頼んで地域全体の工事計画を立てて、大きなボンベを持ってきて配管をするわけですよ。そういう地域に都市ガスが入っていくわけですから、二重配管という問題が起こるわけなんで地域の問題です。この地域に都市ガスを引きたいということで、消費者がまとまって工事費をおのおの借りてきて、後でそれを返しながら入れていくわけですから地域の問題でしょう。それならば、なぜ一体、既設の配管をしているプロパン業者とあなた方が話し合いをする場所をつくって調整協議をやらないか。一遍もやったことがないとは何事ですか。
○大永政府委員 繰り返しになってはなはだ恐縮でございますけれども、先ほど申し上げましたように、都市ガスにするかプロパンにするかというのは、最終的にはやはり消費者がどちらを選ぶかということで決めるべき問題であるというふうに考えておるわけでございます。ただその間、非常に不当な宣伝あるいは行き過ぎた勧誘というふうなことは厳に慎むべきでございますし、また、その間の話し合いがスムーズにいくように両当事者が話し合うということも必要なことであろうかと考えておりますけれども、われわれといたしましては、やはりたてまえとしては、消費者が選択すべきものであるというふうに考えておりまして、法的な意味でわれわれがその両者の間に入りまして調整を要するものというふうには考えていないわけでございます。
○大出委員 それでは、ここで言っている調整協議というのは何ですか。もしそうならば、これは法律を改正しなければならない。しかも、この間の国会で請願が採択をされている。あなた方は処理要領をつくっておられる。ここまで国会でも問題になっているものを、何であなた方はそう逃げるのですか。もし末端で、大きな地域の問題ですから、行政管理庁に苦情を申し出たら、行管の側は一体どうなりますか、こういう問題は。いまここで都市ガスが入ってくることを許可すれば、既設のプロパン業者との間にビラ合戦から始まり、大変なプロパンの悪宣伝をしているわけですから、向こうだって宣伝しようとするのは当然ですから、けんかになってしまう。しかもプロパンを扱っている方は零細企業なんですから、死活の問題なんだから、資本がないんだから、末端の都市ガスが入っていない地域に逃げるといったって、ガスというのは大変取り締まり規則が厳重でございますから、設備投資がかかる、置き場一つにしたって。そっちに大変な設備投資をしているものを簡単にぶん投げて、こっちに移るだけの金がない。だから、住民を巻き込んだ大変な騒ぎが現に起こっている。将来も起こる、転換計画が出ているんですから。
 そうだとすると、これを起こさないようにするにはどうするか。それは消費者が勝手にどっちか選択するのだからお構いない、こういうことを言うなら行政というものはなくてもいい。必要ない。行政管理庁、この問題についてお聞きになっていてわかるはずだけれども、大変な争いが至るところで起こっている。幾ら零細企業だといったって、死活の問題だから、やむにやまれずいろいろな行動を起こしているでしょう。新聞にも幾つも出ている。営業危機突破決起集会、横浜地区都市ガス対策協議会、これはプロパン業者の皆さんの集まりですよ。横浜市議会において採択された請願内容は、「東京瓦斯の悪質な宣伝や燃料選択の自由を故意に誤まらせるが如き勧誘方法の是正を市当局より勧告して欲しい」これが第一。各党全部集まって議論をいたしましたが、満場一致採択している。現に悪宣伝を認めている。あなた方は横浜市に連絡したら一遍でわかるじゃないですか。資料をみんな横浜市が持っています。「二、ガス事業法第四十四条に「ガス事業者の配管・容器・メーター等を撤去し配管する場合は、安全確保の為にLPガス事業者と事前に充分話し合い、連絡をとらなくてはならない」を加え、第四十五条には「ガス事業者は前条に基きLPガス事業者の配管・容器・メーター等を撤去する場合は、LPガス事業者の資産とみなし、営業権も含めて適正な補償をしなくてはならない」を加えるよう国に対して意見書を提出されたい」など三項、これを採択しているのです。
 これは現に、業者の皆さんが出してくる資料を、市の相談室の相談員がみんな行って調べてみて、歴然たる事実が至るところにある、だから、市議会は党派を超えて満場一致でこれを決めた。これは立ち会いなど求めるといったって立ち会い料は二千円だ、高いところで三千円、これは話にも何もなりはせぬ。だから、ここまで来ているわけでしょう。それで四日に横浜の開港記念会館で業者の方々全部集まって決起大会まで開いている。なぜか、生活の問題だからですよ。生活できなくなってしまうからですよ。だから、地域におけるいろいろなそういうトラブルが起こっても、それは消費者の選択なんだからわしは知らぬ、これで私は済む筋合いではないと思っているのです。それでは行政というものは存在をしない、こういうことになってしまう。私は、そう思っているのでございますけれども、行政管理庁いかがでございますか。
○大田政府委員 お聞きいたしますと、大体三点の問題があるのじゃなかろうかというふうに思います。
 第一点は、競合する許認可のあり方というものはどうあるべきかという問題。それから第二点は、しばしば出ました第五条の認可に当たっての問題。第三点は、行政管理庁の権利であります、また責任であります行政苦情相談に該当するかどうかという問題かと思います。
 第一点の問題、第二点の問題というのは、これは行政相談とは直接関係がないようでございますけれども、実は行政相談からもそういう問題に発展して、現実的に調査することもございます。そういうことで関係ございますけれども、行政相談の問題で申し上げますと、行政相談は事業者間というもののあっせんよりも、むしろ行政の苦情というものを対象といたしておりますので、苦情を申し出られた場合には、その申し出られた業者の方とそしてそれの認可権がある通産省当局との間に立ちましてあっせんするということが務めになろうかと思います。
○大出委員 ガス事業法という法律の性格が、つまり東京瓦斯なり大阪瓦斯なりというものを保護する、守る、そういう発想だけで物を考えられているんじゃ、市民はたまったものじゃない。同じようにいままで国民生活に長い間貢献してきている零細なプロパン業者が山のようにいるんですから、そこに都市ガスというものを、どんどん転換計画が出てきて拡大をしていくというならば、おのずからいままでやってきたたくさんあるこの零細なプロパン業者、町にいっぱいあるわけですから、こういう方々との競合する問題をどうするか。資源エネルギー庁は通達を出して、プロパンガスについてはメーター売りをしなさいよ、そうしなければいけませんよ、こう言うわけです、保安施設はこうしなさいと言うわけです。ボンベというのは十キロボンベならこういうふうにしなさい、そのかわり貸し料金を取ってもいいからというようなことで細かく通達を出してやっている。だからメーター売りで、消費者にみんなメーターを買ってくれと言えば、消費者はいやだと言いますから、しようがないから零細業者がメーターを買ってきて、わずかの金を使用料で取って、高く取れば消費者は断りますから、だから、その使用料は取ってもいいと通達を出して、それで営業してきているわけでしょう。
 そうするとメーターも業者負担、容器も業者負担、配管も業者負担、みんなこうなっている、それをやめてくれ、都市ガスが入るからとなるとすれば、長年設備投資をしてきているそれらのものは一切使えなくなってしまう、そうすると、その業者は一体国の行政の面でどう考えたらいいんだという、いままで消費者の方もその業者のために生活が成り立っていたんだが、都市ガスが入ってくることによって、いままで成り立たせてもらっていた業者がつぶれていくという、黙って見てられやしないという、地域の皆さんだって余り気の毒じゃないかという意見が出てきて、地域の皆さんと一緒になって市に陳情に来る、県に陳情に行く、こうだ。だから、神奈川県は請願を採択している。
 先ほど申し上げましたように、国の法律四十条にあるんだけれども、いまの答弁と同じで調整協議をおやりになろうとしない、そういうことではというので、神奈川県が独自で県議会で議論して協議機関をこしらえて、一生懸命中に入って、住民サイドの問題も大きく絡んでいるからというのでやっているんだが、そこに出てきてくれと言われてもそれに行かない、そういう通産行政のあり方というものを、これも国の行政なんですから、行政管理庁というのは許認可事務の整理だけをやっているのが行政管理庁じゃないんだということは、設置法二条ではっきりしているんだから、冒頭に承ったんだが、これを放任できるか。幾ら争いが起こっても、これからどんどん都市ガスが伸びていく転換計画なんですから、百万世帯もこれから都市ガスになっていくんですから、この争いというものはずっと続く。一体それを行政上どう考えるのか、何かやはりプロパン業者に対する緊急措置が必要ではないのか、そこらにどうしてもこれはぶつかる。
 そこのところを、行政管理という立場にある行管がたまたま許認可の問題の提起をなさり、しかもこの答申の中にそこらと絡む許認可事項も入っているので、だから一体、国の行政サイドでこれをどう取り上げるのか、どう扱うのか、行管が通産省にそう引っ込み思案では困るじゃないか、四十条の四というのがあるのだから、三年先の計画がわかっているのなら、何で二重配管だ何だという、これは国民的な意味の資本のロスですよ。そうでしょう、要らなくなっちゃうんですから。そこらのところを一体どう考えるのかという、そこまで突っ込んで物をお考えになるようにしなければ、これは国の行政が存在するとは言えぬのですから、そこのところを一体どう考えるか。大臣、これは一言答えてください。
○松澤国務大臣 結論的に申し上げますと、全国的に監査をしてその結果に基づいて、いまの御趣旨に沿うような方面に対して処置をしていきたい、かように考えております。
○大出委員 これは緊急な当面の問題がございますけれども、それのみならず、これから転換計画等に基づいて、東京瓦斯にしても大阪瓦斯にしても、大都市のガスというものは都市ガスを伸ばしていこうという政策なんですから、そうだとすれば、その限り、伸びていくところところで常にこの問題は起こるわけです。そうすると、現在の法律上不備だというなら、これは直さなければなりません。だから、国会でも緊急な提案がなされて、液化天然ガスその他の緊急措置についての議論もしてきているわけでしょう。
 ですから、やはり行政管理の立場に立たれる行管のサイドでも、きょうあすの問題、それもありますが、これは相談事項になるかならぬかの問題で、市民から具体的な相談が出れば――あなたはさっき、通産との間に立ってあっせんをするとおっしゃったから、具体的にはそういうことが出てくるでょう、通産局が地方にあるんですから。せっかく県がつくった協議の場に、そこからも人が出ていかないんですから、そういうばかなことはないじゃないかということにしてもらわなければ困るのだが、せっかく地方自治体が県議会で請願を各党全部が議論をして超党派で採択する、横浜市議会も採択する、これは保守も革新もない、津田知事がおやりになったのだから。神奈川県は非常に前に出ている。そうすると、そういうものに合わせて――そこに通産省の下部機関の通産局があっても、都市ガスを所管をしていながら、あるいはプロパンガスの所管官庁でありながら、そこからも人が出ない。そういう不親切な行政というものはこの世にあってはいけないと私は思っている。だからそういう点は、行政管理庁の方で一体どう考えるかという点はぜひ御検討いただき、いま長官お答えになっておりますように、先の問題についてはどういうサイドからとらえて、どう考えたらいいかという、国民的な生活にかかわる問題ですから、これをお考えいただきたいのでありますが、よろしゅうございますね、それは。
○大田政府委員 御趣旨はよくわかりましたので、当面の問題、それから今後の基本的な問題という二つにつきまして検討いたしたいというふうに思っております。
○大出委員 神奈川県の場合に、このプロパン業者の立ち会い料というのは三千円なんですよ、一回だけ三千円払う。これは実際には三千円もらったってしようがない。それでボンベも要らなくなる、メーターも要らなくなる、配管も要らなくなる、こういうわけですね。だから不要ボンベが、これはわずかの期間でありますが、二百四十二本、それからメーターが百二十一個なんという数字がここにございますけれども、地域のプロパン業者の集団の方々に聞いてみると、全く目の色を変えている。実は大変な生活の恐怖を感じながら、いま商売をぶん投げて陳情請願に駆け回ったりしているわけですから、これは何とかしてやらなければならぬ、そういうふうに思いますが、片っ方の都市ガスはプロパン業者の悪口を言って、さっきも何回も申し上げましたが、いろいろな悪宣伝をしている。不当な宣伝ですよ、これは。だから、不当な宣伝だということを認めた請願を、県議会だって市議会だって採択している。こういう状況というものはほっておけないと私は思っておるわけであります。
 それから、この不要になっていく配管であるとかあるいはボンベであるとかメーターであるとかあるいは貯蔵施設であるとかいうふうなもの――これはかつて、はしけなんかだって、はしけが横浜港でどんどん要らなくなる。一船買いというかっこうで運輸省がはしけを買い上げる。それから上肩といって、九十キロもあるやつをかつぐ、つまり船内荷役をやる方々、上肩の手帳を持っているんですけれども、ガントリークレーンだとかなんとかいうものがどんどん発達いたしますので、そういう大変な重量をかつぐ特殊な肩を持つ諸君が要らなくなった。神奈川県はその手帳を買い上げている。皆金で買った。私は当時、労働省と話しまして、労働省、いろいろな意見がありましたが、まあいたし方ないということで神奈川県が補償をしてそういう方々を救っている。相当な金を払いました。つまりそういう現実がある、所管が違いますけれども。
 私は、行政というのはそういうところまでいくものだと思っている。アメリカだってコンテナが始まったのは資本の側からですけれども、西海岸でメカニカルファンドなどという基金をこしらえて、そうして事業転換を図ろうという人たちに対する金の問題なんかまで全部手当てをしている。理詰めでいきますと同じことなんですよ。だから、つまりそういう補償の措置、ここらのところは、あなた方は非常にやりにくい問題だと思うけれども、前に松澤さんは検討すると答えている。大臣も答えている。補償なんという問題も含めてむずかしい問題だという前提を立てていますが、しかし将来ともに起こるのだということで、通産大臣にしても、また資源エネルギー庁長官にしても検討すると答えている。そうすると、そこらの問題を含めて、その検討の状況というのは大体どういうふうなことになっているのかという点、あわせて承っておきたいのです。
○宇田川説明員 お答えいたします。
 先ほど公益事業部長からもお話がございましたように、本件は、それぞれの事業の方々の経営の内容という問題に密接に絡む問題でございまして、先生御指摘のように非常にむずかしい問題を含んでおります。私どもも、そういう両業界の接点というような問題につきまして、できるだけの心配りをしていきたいというふうに考えておりまして、たとえば先ほど先生のおっしゃいましたメーター制の問題につきましても、先ほど公益事業部長から話がございましたように、将来この区域は導管供給区域になるというようなものが明らかになっており、したがってLP業者の方々が新たにメーターを取りつけるということが意味がないというような地域については、そういうメーターの設置は必要ないというふうな措置を講じまして、きわめて短期間に償却未済のままで放置されるような投資というものをできるだけ避けるような配慮をしてきた次第でございます。
 先生御指摘の補償の問題という点につきましては、御指摘のように非常にむずかしい問題がございまして、たとえばガス事業者に補償させるというふうなことになりますと、それがガス事業者の全体の経営、したがってガス料金というふうなものにはね返ってくるという問題がございますし、たとえば国が買い上げるということになりますと、国民の税金の負担というふうなことにもなってくるかと思います。それから具体的にたとえばガスのボンベがどのくらいで償却して、新しく買い入れた物あるいは償却済みの物というふうなものがどういう状態になっているかというふうなことにも関係してくるかと思いますけれども、長官あるいは大臣等がすでに御答弁申し上げましたように、そういういろいろむずかしい問題を抱えながら、しかし私どもとしては、できるだけ国民的な立場から、あるいはその地域の住民の立場から考えて何らか妥当な措置が講じられるかどうかという点を引き続き検討してまいりたいと思っておりますし、できるだけ早くある程度の考え方を得たいというふうに考えております。
○大出委員 これでおしまいにいたしますけれども、ここにございますのは、昭和五十年の四月四日、横浜開港記念会館講堂において行われました「神奈川県LPガス業者の営業危機突破決起集会における基調報告」こういうものです。これを見ますと、簡単に要点だけを申し上げておきますが、LPG新法ができたり、それからさっき私が申し上げましたメーター法、メーターをつけなければならないという規制がございまして、一般家庭、病院、学校、中小企業などに対して一々それをやらなければならぬ、こういうふうになったというふうなことで、多額の投資をわれわれとしては行ってきたというわけですね。相当な金をかけている。これを一生の事業として、LPガスの安定供給とその消費設備の保安管理、そういう意味では隠れた公益事業だという認識で、そういう役割りを認識して一生懸命配達をし、一生の仕事だとして営業してきたというわけです。ところが、この人たちの乏しい資金と借金と家族労働、ほとんど家族労働なんですね。私のところに持ってきてくれる方なんかも子供さんが運んでくる。私のところは高い階段ですが、一生懸命運んできて幾らの料金でもない。こっちが気の毒になるようなことをやっているわけですね。したがって、献身的な家内労働で、家族労働で細々と生活をしてきている。
 ところが、こういう地域社会に対する大変なLPガス業者の家族を含めての貢献というものを全く顧みないで、都市ガス事業を通産省が転換計画を含めて次々に認可していくという方向にある。そして東京瓦斯は石油パニックによるLPガス価格の引き上げをとらえて、大変な事実に反する宣伝をやっている。しかもこれは巨大資本であって、われわれのように零細企業ではない。そして宣伝の中身というのは、LPガスは危険で、値段は都市ガスより高い、LPガスは石油パニックが来ればなくなってしまう存在だ。あるいはもっとひどいのがあるんですね、いま都市ガスを引かなければ後では引いてあげませんよとはっきり言い切る。いまお引きなさい、引いてくれなければ後ではもう引いてあげませんよ、こう言う。悪質な虚偽宣伝を行い、果ては引かないと言えば、その人に村八分的いやがらせまでやる。
 さっき後ろの方から声がありましたが、大阪では酒まで飲ましていると言うが、確かにそういうケースもあるようであります。そして県や市がやかましゅう言うものですから、十円のはがき一枚で一方的通告を、東京瓦斯はその地域のLP業者にぽんと都市ガスを引きますよというのを言ってくる。だから撤去しろ、そんなことを言われたって、いままでの生活権があるので簡単に撤去できますかと言う、この方々がここに書いているのは。ところが、それで言うことを聞かなければどんどん二重配管で入れてしまう。一方的通告を、はがき一枚を出しておいて、後は二重配管、勝手に引いていってしまう。これは明らかなガス事業法の違法行為だとちゃんと書いてある。このように第七十一国会の決議と通産省の処理意見を無視してあえて平然と東京瓦斯が行っている状況の説明をしている。
 そしていま東北の六県、東京でも大変争いがふえてきている。東北の六県、東京、千葉、埼玉、山梨、新潟、大阪、兵庫、奈良、愛媛、京都、岡山、福岡、熊本、これがいま非常に大きな紛争の起こっている地域。都市化現象の波が伝わってきているところはほとんど全部。これは大変な状況です。そこで、さっき申し上げたような転換計画が出てきた。これができると同時に、二百九十八万軒に天然ガスを供給してくる。そうすると、この地域のLP業者というのはみんな手を上げてしまう。こういう実情をここに訴えられている。
 そこで、やはりさっき私が申し上げましたように、何かの緊急措置、緊急立法が必要だろうと言う。ここにはLPガス業者の経営安定緊急措置法案要綱というものがございますが、公益性というものをお互いが認識して、営業補償と生活保障、これを何とかひとつ考えてもらいたいという趣旨の法律。しかし「一般ガス事業者は供給事業を開始するにあたってはガス使用者の供給要請とLPガス業者の意見をきき、両者間の合意があったときのみ、供給事業を開始しなくてはならない。」強過ぎるという意見が出てくるかもしれませんが、許可条件ということで、やろうと思えばこの立法をしなくたってできる。それから「前条にもとづいて、一般ガス事業者の転換供給工事は、保安上、LPガスの配管、ボンベ、器具等の撤去後におこなわなくてはならない。この場合、LP業者の立会いがなくてはならず、二重配管をおこなってはならない。」二重配管の問題は現行ガス事業法にもある。いま私が読み上げましたのが二条、三条、四条というところです。五条で「一般ガス事業者がLPガス業者の供給区域内に都市ガスの転換供給をおこなう場合は、LPガス業者の消費設備に対して、損害補償をしなくてはならない。」これはさっきあなたが問題にいたしました、ガス会社に補償させれば料金にはね返るというあなた方の問題。だがしかし、生活の保障を何らか考えなければならない、これはやはり生活それ自体の問題ですから。
 つまり、こういうふうな趣旨の、国の責任でLP業者の経営安定協議会などというものをつくってくれとか、たくさんございますが、こういうものを付して県、市会等が議論をして採択をいたしているわけでありますから、したがって私は、この際時間の関係もございますからこの辺で打ち切りますけれども、許認可という問題一つつかまえましても、よほどこれは真剣に考えないと、国の行政それ自体の問題になってまいりますから、そういう意味で、実は冒頭に申し上げましたように、八十の各省に関係のある問題を掲げているわけでありますから、本当ならば、いま私は、この中の三十七条その他にかかわるガス事業法の許認可問題を、ここに答申が出ておりますから、絡む問題として取り上げたわけでありますが、これのみならず、建設省の都市計画法等につきましても、実は住民の権利という問題にかかわる大きな問題がありますし、あるいは登記所、登記法などの問題につきましても、法人登記あるいはその他の登記を含めまして財産にかかわる問題もございますから、本来ならば、それを一つずつ実は議論をしていきたい、そういう問題ばかりであります。しかし、先ほど理事会でも申し上げましたように、この席で同僚委員から質問を提起していただいて、そしてその結果を、ひとつ皆さんの御答弁を承らしていただいて、その上でこの法律に対処したいというのが私どもの党の方針でございますので、ぜひひとつ満足のいく答弁をしていただきますようにお願いいたしたいわけであります。
 どうかひとつ行政管理庁並びに通産省の皆さんの側で、複雑な、かつ負担の重いいろいろな問題を提起をいたしましたが、しかし、これが実際に起こっているいまの世の中の国民生活全般にかかわる問題でありますから、後ろに下がらないで、前に出て問題を解決していくという姿勢をおとりいただきたい。行政管理庁長官しか大臣はおいでになりませんので、最後にもう一言大臣から、これは前向きで取り組んでいただきたいと思うんですけれども、御答弁をいただいておきたいのであります。
○松澤国務大臣 率直に申し上げまして、審議を通じまして本委員会で提起されました御意見は、まことに貴重な示唆である、かように存じます。したがいまして、これらの問題等の整理を進めるに当たりまして十分な配慮をいたしたい、かように考えます。
○藤尾委員長 中路雅弘君。
○中路委員 短時間で御質問したいと思いますが、この許可、認可等の整理に関する法律は、提案の理由に「行政の簡素化及び合理化を図るため、許可、認可等の整理を行う必要がある。」と書かれてあるわけです。この種の法案は、いままで、たしか六十四年の臨時行政調査会の許認可の改善に関する意見書が出てから、すでに何回か出されているわけですが、今回も、とりあえず成案を得た事項について提案をするということで、先ほど大出委員がすでに御質問のように、答申では八十余りの法律に関して答申が出されているわけですが、その中で今度は登録を入れまして十二の法律の一部改正が盛り込まれているわけです。私も、行政を簡素化して国民、住民の負担を軽くするというのは強い要望でもありますし、ぜひ必要なことだと思うのですが、この法案の中でも、たとえばパチンコの風俗営業の許可は更新期間を三カ月から六カ月に延長する、あるいは中身を見ましても、ほとんど無意味になっている許認可の項を廃止するというような改善の問題もありますから、しかも外人登録法の改正の問題以外は大体一条、二条くらいの条文ですし、おおむね賛成なわけです。主としてこの外人登録法の改正の部分について御質問をしたいというように考えていたわけですが、この問題については、委員会で削除の修正をするというお話が進んでいますから、この部分の質問については、全部除かせていただきたいと思いますが、外人登録法の改正で出されている中身が、許認可の趣旨から言っても、この趣旨とはまた別の登録法そのものの大幅な改正でありますから、許認可の整理の中にこれを入れてくるというのは、提起の仕方も非常に間違っているんではないかと私たちも意見を持っています。
 先ほど大出委員も述べておられましたが、手元に修正案の案がありますが、第五条を削り、第六条を第五条として、第七条から第十二条までを一条ずつ繰り上げるというのは、委員長にもう一回お確かめいたしますけれども、この中の外人登録法の改正の部分は全文削徐するということでございますね。
○藤尾委員長 さようでございます。
○中路委員 外人登録法の部分は全部削除ということなので、この部分の質問は取りやめますけれども、これと関連して、現法の外人登録法の問題について、法務省の方に二、三御質問をしておきたいと思います。それからいまの問題と関連して、行政管理庁にも一、二御質問したいと思います。
 今度の提案理由の中で、先ほどお話ししましたように、昨年の十一月六日に提出された行政監理委員会の許認可等に関する改善方策についての答申事項のうち、法律改正を要するもので今年度分として成案を得たものを取りまとめたということでとりあえず法律案を提出するということが述べられているわけですが、この十一月六日の行政監理委員会の答申の中には、外国人登録法に関する問題も二、三項目の提起をされているわけです。その中には今度のこの法案の中に入れられている問題もあります。入国者の登録申請期間の緩和の問題等もその一つだと思いますが、しかし答申は、たとえば登録原票記載事項のうち、居住地、氏名、国籍、この三点以外の変更の申請期間の緩和というのが出ていますけれども、提出されました法案の中には、職業、勤務先の所在地、名称、これが特別に取り入れられているという点で答申とも全く異なる問題が提起されているということで、私たちは、この点では許認可の趣旨とも全く反するというふうに考えていたわけですが、今度これが全文削除になりますと、この答申に出ていた問題は、引き続いて検討をして、今後その部分については、許認可の問題として、全般的な外人登録法の答申にもない問題も盛り込んだ形で出されるのではなくて、答申の中に盛られている趣旨の点は改めてこの次の機会か何かに提起をされるつもりなのか。それとも、委員会でこの部分が全部削除になりますと、今度は外国人登録法の改正として提起された問題を改めて提起をされるつもりなのか。そのあたりを行政管理庁あるいは法務省にもお聞きしておきたいと思います。
○大田政府委員 この修正されます部分につきまして、単独法でするかどうかという点につきましては、行政管理庁の問題ではなくて、むしろ法務省の問題だと思います。
 それから、今後この部分を許認可整理法ということで出すかどうかという点につきましては、このたびのいろいろな御意見もございますし、その辺を踏まえまして、今後どういうふうに対処することがいいか、その辺をまず決定いたしましてから考えたいというふうに思います。
    〔委員長退席、木野委員長代理着席〕
○中市説明員 ただいま御指摘の点でございますが、法務省といたしましては、本委員会を通じまして、この法案に盛られている事項が制度の基本に触れるおそれがあるというような御指摘もございますし、私どもとしましては、答申事項につきましては、今後外国人登録法自体の改正問題として検討するか否か、十分に慎重に検討したいというふうに考えております。
○中路委員 もう一度お尋ねしますけれども、この問題の扱いの討議を通じて私どもからいろいろ意見を出したわけですけれども、そういうものを踏まえてこれから検討するというお話で、削除されたらその部分を外国人登録法の改正として改めて提起するというふうに決めているわけではない、そういうふうに理解していいですか。
○大田政府委員 行政管理庁といたしましては、一括整理法案ということになりますので、その辺につきましては、このたびのいろいろな御意見を踏まえまして検討いたしたいということで、むしろ内容その他をもう少し詰めていかないといかぬのじゃないかというふうに考えておるところでございます。
○中路委員 ちょっともう一度法務省から。
○中市説明員 行政監理委員会の答申にもございますし、この改正につきましては、登録法自体でやるのかどうかということにつきましては、行政管理庁とも十分協議いたしまして検討を進めてまいりたい、このように考えております。
○中路委員 私は、今度の問題で、皆さんの方は許認可といいますか、合理化、簡素化として問題を提起されたわけですが、それが非常に大きな問題になって、委員会としてはこの部分は削除をするということになると思うのですが、そのもとは、やはり現行の外国人登録法そのものに非常に問題点がたくさんある。だから、この登録法をそのままにしておいて、もし簡素化が――事実、一部簡素化になる、部分であったにしても。その運用によってはさらに危険な面も出てくる、取り締まりが一層規制されるという面も出てくるという、現行法との関係で一つは心配が多く出されたのじゃないかと私は思うわけです。
 だから、今度削除された場合に、直ちにそれを登録法の部分で改正で出すとか、検討する前に、そのもとになっている外国人登録法そのものの検討がまず土台にあって、その上で簡素化の問題、そういった問題があわせて検討される必要があるんじゃないかということを、今度の論議を通じても非常に痛感しておるわけなんで、この点は強く要請も意見も述べておきたいと思うのです。
 時間もありませんから、一例だけその問題でお聞きしておきたいと思うのですが、この登録法が制定されてから今日まで、皆さんの方から理事会に資料が出ていますけれども、二十七年間、在日朝鮮人が登録法違反のかどで、いろいろ取り調べを受けたり、あるいは逮捕、家宅捜索その他に処せられた件数、これは資料が出ていますけれども、合計しますと人員はどれくらいになりますか。
○大高説明員 先生のお尋ねの点でございますけれども、手元に四十五年から四十九年までの数字を持っております。まず、四十九年中の外国人登録法違反によって送致しました総数を申し上げますと、一万五千二百十一件、一万四千五百三十九人になっております。これを年別に見ますと、大きな差異はございませんが、たとえば四十五年の場合でございますと件数が一万二千六百二十三、人員が一万一千八百六十三人。四十六年につきましては、件数が一万五千二百十三、人員が一万四千六百三人。あと四十七年、四十八年とございますが、おおむね件数、人員とも一万五千件、一万四千人前後というところで推移をいたしております。
○中路委員 いまお話しのように、在日朝鮮人が登録法違反のかどで司法官憲に取り調べを受けたり、家宅捜索、罰金刑まで含めて、いろいろそういう処分の対象になったのが、毎年平均して大体一万四、五千件あるということですから、これはこの登録法が制定されて以来合計しますと、大変な数字になると思うのです。恐らく五十万前後になるんじゃないですか、ちょっと計算していませんけれども。総数はわかりますか。
○大高説明員 いま外国人登録法制定以来の数字を持っておりませんので、確定的に申し上げられませんが、おおむね年間一万五千件、人数が一万四千人というところで御推察いただけるかと思います。
○中路委員 これは警察統計年表で見ますと、一九四七年から一九七三年までの総計で四十一万八千五百四十四名という数字が出ています。これで見ましても、平均して毎年大体一万五千五百名に達する人が検挙されておるわけでありますから、いまお話しになった四十五年、六年、九年あたりの数字とも、平均では合うわけですね。
 この検挙された者の理由ですね。たとえば、登録交付の不申請であるとか、あるいは不携帯、登録証を持っていなかったというような幾つかの別はあると思うのですが、このパーセントなり人員、どちらでもいいんですが、おわかりになりましたら、その数字をちょっと教えてください。
○大高説明員 お答えいたします。
 昭和四十九年中についていま先生お尋ねの点を見てみますと、まず第十一条関係でございますけれども、これは証明書の切りかえ、これの確認不申請が最も多くございまして、六千七百七十七件、人数にいたしまして六千七百三十三人で、全体の四五%ということになっております。次いで第十三条関係でございますが、主として証明書の不携帯等でございますが、これが三千四十二件、二千八百六十人で約全体の二〇%。次に第三条関係、これは証明書交付の不申請でございますが、千六百四十四件、千四百七十四人ということで約一一%。次に第九条関係、これは居住地以外の記載の書きかえの不申請でございますが、千三百四十三件、千二百七十六人でございまして、全体の約八・五%。次に第八条関係、これは居住地の記載書きかえの不申請でございますけれども、八百四十三件、七百四十七人ということで約五・五%。その他、登録証明書の返還の不申請でございますとか、あるいは証明書の不受領、証明書の譲渡または貸与といったような関係の違反で千五百四十二件、千四百四十九名で約一〇%といったような順になっております。
○中路委員 いま四十九年度についてお話しになりましたが、聞いていても、登録証明書を携帯していなかったのが二〇%ですからね。たまたま置き忘れて登録証明書を携帯していなかったというような問題であるとか、あるいは法定期間を若干超えて申請したとか、いわゆる単純な過失に基づく形式犯的な違反が相当な部分を占めているというふうに私は思うわけです。しかし現在の外国人登録法では違反事件として逮捕され、あるいは捜索等の対象になってきたというのが実際の実情ではないかというふうに思うわけですが、いまお話しになった登録法違反事件の中で起訴されたのはどのぐらいのパーセントかわかりますか。いまの四十九年度なら、それをとっていただいてもいいです。
○大高説明員 起訴件数につきましては、いま手元に数字を持っておりませんので、後ほどまた御報告申し上げます。
○中路委員 これは少し古い資料ですが、参議院の法務委員会の会議録を見ますと、一九五五年から六一年までの間の登録法違反の在日朝鮮人の検挙人員のパーセントがやはり出ています。いまお話しのと変わりませんけれども、たとえば不携帯というのが二三・六%ですね。先ほど四十九年度が二〇%というお話でしたけれども。それから登録切りかえの不申請、いわゆる法定期間を超えたのが三九・五%とかパーセントが出ていますが、そういう中で同じ期間の表で見ますと、登録法違反事件の中で起訴されたのが平均三二%という数字があります。そしてこの期間、五年間に検察庁が扱った全体の被疑事件の起訴率というのが、検察統計年報によりますと、平均五一%でありますから、これに対する起訴率が非常に著しく低いという数字が出ているわけですね。
 私は、この起訴率が非常に低い理由は、検察庁が好意的に在日朝鮮人の登録法違反の問題について起訴を差し控えたということではなくて、いわゆる不起訴の理由の欄を見ますと、犯罪の嫌疑なしと認定された事件が非常に多いわけですから、登録法違反を口実にして不当な捜査権の発動が頻繁に行われているという実情が、この中でうかがえるのじゃないか。本来、起訴するに足りないような非常に軽微な手続の違反、こういったのが犯罪として捜査されているということが大体推論できるのじゃないかというふうに私は考えるわけです。
 その中で一例をきょうお話ししたいのですが、証明書の常時携帯の義務という問題がありますが、この問題では、しばしば新聞でも社会面でも出たり、あるいは訴えも多いわけですが、たとえばこの登録法で見ますと、十四歳以上の者、いわゆる中学校の初級に対しても、成人と同じような各種の申請義務や携帯、提示の義務を課しているという問題があります。同じ国内の民事法の戸籍法や住民登録法は、未成年者に義務を課していないという点から見ても、この点で非常な違いがあるわけです。しかも、このような不携帯違反で懲役一年からという罰金あるいは重刑を科せられるというのが実情だと思うのです。
 幾つかの非常にひどい実例の訴えも出ていますが、時間がないので実例は省略しますけれども、普通国内の民事法ですと、二十歳未満の未成年者は民法や少年法で保護されて特別扱いを受けているわけですが、在日朝鮮人の子弟に関しては、そういう配慮も全くないという形で、中学生の初級であっても、街頭でたまたま登録証を持っていなかったらすぐ引っ張られて捜査を受け、嫌疑をかけられるというのがこの中にあるわけですね。だから、先ほど言いましたように、年間でこういうものを含めて一万四、五千件からの違反の事件があるということで、この点、在日朝鮮人は一時的な旅行者じゃないわけですから、長い間半世紀以上も日本で居住をしている永住者である、またその子弟であるわけですから、短期旅行者にするような規制というのが非常に不当であるというのは、こういう実態によってもよくわかると思うのですが、登録原票があるわけですから、そのことによって居住関係や身分の確認は十分できるわけです。さらにその上に旅行者と同じように登録証明書の常時携帯あるいは提示の義務を課して、たまたま持っていなかったということによって、十四歳からの少年に対しても重い罰則を規定する。登録法の問題でこういう点をまずいま検討し直す必要があるのではないかというふうに私は思うわけです。義務規定や罰則の問題ですね。
 そうしないと、こういう外国人登録法をそのままにしておいて、今度のように簡素化だということでいろいろ問題を提起される。その中には一面、確かに簡素化の面もあるわけですけれども、しかしもと法が非常に厳しい。いまお話ししたように案なものですから、簡素化されて、それが拡大解釈されると、さらにもっと危険な面、運用をされるという心配が当然当事者には出てくるんじゃないか。そして今度のように、もう絶対この改正には反対だという意見が対象者から強く出てくるのは当然だと思うのですが、最初お話ししましたように、許認可事務の整理が本当に必要だとすれば、この登録法の関係では、もと法の問題について最小限のいろいろ是正処置が必要ではないか。
 いま歴史的に見て、こういう戦前からの居住者、その子弟、それに準じて長年日本で居住、生活している在日朝鮮人についての検討が改めて必要になってくる。その上で、この許認可の事務の整理の中身に必要なものがあれば、その後で問題を提起するのも決して遅くないのじゃないかということを強く感じるわけですけれども、最初御質問したように、今度この部分の問題が全部削除されたという中で、先ほど法務省も、改めてこれをすぐ登録法の改正の問題として出すとかいうことは考えていないというお話なので、私は、この機会にまず、もと法であるこの登録法そのもののいろいろ是正の問題について検討をしていただく必要があるのではないかという意見なわけです。担当の法務大臣はお見えになっていませんので、私は、できましたらひとつ長官からも、閣僚の一員として御意見をお聞きしたいし、法務省の方からも、この在日朝鮮人の資格の問題について、いま言いましたのは一例でありましたけれども、たとえば携帯の問題について、いま質問で挙げましたような数字も出ているようですが、これはだれが見ても再検討しなければいけない、是正をしなければいけない問題を含んでいるのじゃないかと私は思うので、御意見をお聞きしておきたいと思います。
○大田政府委員 ただいまのいろいろな御意見につきましては、今後行政管理庁といたしましても許認可整理に当たって十分参考にしたい、そのように考えております。
○大高説明員 先ほどの中路先生の御質問に対するお答えについて、私は起訴の件数について御返事申し上げたわけでございますが、起訴件数につきましては、法務省の方で所管いたしておりますので、私の方から御返事申し上げるのは差し控えたいと思いますので、御了解いただきたいと思います。
○中市説明員 ただいま先生御指摘の事項は、外国人登録制度の基本に触れる重要な問題でございますので、行政監理委員会から答申された事項も含めまして、今後慎重に検討を進めてまいりたい、このように考えます。
○中路委員 もう一度念を押しておきますが、たとえば答申の中にあった問題で、先ほど言いました登録原票の記載事項のうち居住地、氏名、国籍以外の変更申請の期間を緩和するとありますね。それが今度出されました中では、職業や勤務先の名称及び所在地というのがつけ加わっております。しかし、このことが一番問題なんですね。たとえば男女の差だとか生年月日だとか、こういうのは変更がほとんどないわけですから。問題なのは職業が転々と変わる。それを変わるたびに十四日以内に申請しなければ違反に問われる。先ほど数字で挙げられましたけれども、これの違反ですね。わずか申請の期間がおくれたとか、そういうことで検挙の対象になったという件数が圧倒的に多いわけです。しかも居住地も皆あるわけですから、確認されているわけですから、そのことで職業の変わるたびに十四日以内に申請をするという義務を課するのは大変なことだと思うわけです。だから、これは答申の中では外してあるわけですね、国籍と氏名と居住地の変更以外は定期の申請のたびにしてよろしいと。
 しかし、答申にはそうなっているのにかかわらず、出してきた法案の中には、この一番問題のところを抜き出して持ち出してくるということで、大きな問題になっているわけですから、私はその点で、このもと法の問題を、先ほど言いましたように、これは皆関係があるわけなので、その点の是正の検討をまずやって、そしてその後でこの外人登録法については許認可の問題の中で何を取り上げていくかという検討がもしあればやっても遅くはない。まず、この登録法の問題そのものを、もう一度実情に合ったような検討を重ねてお願いしておきたいと思いますし、今度外された部分も、そういう意味では、先ほどお尋ねしましたけれども、じゃすぐ今度は登録法の改正でやるのだというようなことでないということも、もう一回念を押しておきたいと思います。いいですか。
○中市説明員 先ほど来繰り返して申し上げておりますように、ただいま先生御指摘の点につきましては、制度の根本に触れる重要な問題も相当含まれておりますので、よほど慎重に検討していかなければならないというふうに考えております。
○中路委員 あとちょっと短時間で一、二問聞きたいのです。この許認可の法案の中に、都市計画法や住宅地区改良法等も出ていますので、これにちょっと関連がある問題ですからお尋ねをしておきたいのですが、地震の問題なんです。国土庁、建設省、気象庁も皆この法案に関連してお見えになっていますので、五月六日だったですか、地震予知連絡会が去年の十二月から問題になっております直下型地震の観測の中間的な結果について発表されていますが、この席上で、この六日の地震予知連絡会の発表の中身、それを簡潔に最初にお聞きしておきたい。
○田島説明員 お答えいたします。
 五月六日の地震予知連絡会で討議されました統一見解を御説明いたします。
 多摩川下流域の隆起現象につきましては、昨年来、微小地震の活動、地殻変動、地下水の水位、それから水の地球科学的な調査を進めてきたわけでございますが、四カ月間のデータを総合いたしまして、まず最初に第一点といたしまして、最近二年間の東横線以東に起きました地下水位の急激な上昇、この現象は同地域の地下水の揚水量と明らかな相関関係があるということが判明いたしました。つまり同地域の地下水の揚水量の減少、非常に急激に減っておったこととの相関が非常に強い。
 第二点は、地下水の科学的な分析でございますが、若干専門的になりますが、そういう科学分析を行いました結果、地盤隆起の生じている多摩川の古い河道の上流部では、これはどうも多摩川からしみ込んできた水、つまり新しい水というような結果でございますが、下流部につきましては一万年ぐらい古い、あるいは深さにしますと数百メートルぐらい深いところから来ている水というような結果が出てまいっております。
 第三点としましては、地盤隆起地域で土地の水平方向の距離の伸び縮み、そういう観測を行ったわけでございますが、その結果、同地域では、水平方向の土地のひずみでは、地震エネルギーの蓄積が最近ふえたということは認められなかったわけでございます。
 第四点といたしまして、この地域では、過去も数十年間そうでございますが、最近でも特に顕著な浅い地震、浅発地震の発生、活動というものが観測されておりません。
 以上の四点でございます。
○中路委員 いま幾つか観測結果をまとめて報告されたのですが、専門的にいまの事情を踏まえて、一般の市民の皆さんは、いわゆる地震があるのかないのか、そういった不安が中心になっているわけですから、地下水の問題にしましても、この発表がどういうことを意味するのかということを聞かないとわからない点もあるわけですね。
 そういう点で、いまの中間の観測の結果、去年の十二月に、川崎の中心部に地盤の異常隆起があって直下型地震の可能性があるという発表をされたわけですが、この発表の後の観測の中間報告では、いまお話にありましたこういう幾つかの項目から見て、この十二月の発表にありました直下型地震の可能性という問題について、どういう中間的な見解が地震について言えるわけですか。
○田島説明員 お答えいたします。
 十二月の段階では、以上申しましたようなことが全くわかっておらなかったわけでございます。現在の段階で申し上げますと、少なくとも東横線以東の局地的な隆起、昭和四十五年から現在まで四センチぐらい隆起しておるわけでございますが、そういうような局所的な隆起現象というのは、どうも自然の地震発生の前兆現象ではなくて、いわゆる工業用水の揚水量の減少とか、そういう人為的な現象に付随してきた現象というふうなことが非常に強いわけでございます。でございますので、そういった意味では、局所的な地盤の隆起の現象というのは地震に結びつかないのではないか、そういう見解が強くなってきておると申し上げてよいのではないかと思っております。
○中路委員 地震の危険が増したというような徴候というのはなかったということですが、たとえば先ほどお話しになりました、約一万年前の古い水が出ているという話がありますね。こういった点は原因を究明しなければいけないと思うのですが、やはり今後観測していかなければいけない新しい一つの材料ではないか。全く地震がもうないんだということじゃなくて、引き続いていろいろの観測も警戒もしていかなければいけないということが私は問題になっている点だと思うのです。この上に立って引き続いて今後観測を続けていかれると思うのですが、どういう点が今後解明をしなければいけない問題なのか。それからもう一つは、先ほどおっしゃった一万年前の古い水が出ている、これはどういうふうにとらえておられますか。
○田島説明員 地震予知連絡会では今後とも引き続いて観測を行うということを申し上げてきたわけでございます。そのことは、先ほど先生がおっしゃいましたように、まだはっきりしない、つまり完全にシロと言い切れない現象がございますので、そういった点を特に精密に調査していく必要があるということでございます。
 それで、たとえば私どもの国土地理院で申し上げますと、現在も土地の隆起というのは継続して生じておるわけでございますので、今年の六月には、約百五十キロメーターくらいの長さにわたりまして精密な水準測量を行いまして、土地の隆起現象の実態をより詳細に把握する調査を行う計画でおります。さらに、今年度の下半期には、三月に行いました土地の水平方向の伸び縮みの一部をさらに繰り返す、そしてそういう現象が引き続いて起きているかどうか、そういうふうなことを調査したいと思っております。
 さらに、これは私どもの機関以外の機関でございますが、私どもが聞いておる限りでは、現在までに行っております調査、観測を引き続いて行う。たとえば大学等で申し上げますと、地下水の化学分析、たとえばラドンの濃度がふえるということは危険でございますが、現在ふえておらない、それが今後どうなるか、そういうふうな調査、あるいは古い水というものの実態、そういうふうなものの調査、さらに浅い地震の活動が今後どうなっていくか、そういうふうな調査等、引き続いて行うというふうに聞いております。
○中路委員 引き続いて観測、調査を強化してやられるというお話ですが、これから調査をさらにやられて、その調査結果の発表はいつごろをめどにやられるわけですか。
○田島説明員 次回の地震予知連絡会は八月上旬に開かれる予定になっております。八月七日の予定でございます。そのときに四月以降の調査結果をまた中間的に報告するという予定でございます。
○中路委員 いま予知連絡会の調査の中間的な報告もありましたように、引き続いて観測は強化をしていく必要があるわけですが、地元の関係の町内会なんかの調査を見ますと、八二%の人が何らかの不安を表明しているわけですし、その中で、一つは直下型地震が起こるのだろうか、それとも起こらずに済むのだろうかという問題も前提にありますが、この不安の一番の根源は、項目をずっと見ましても防災対策が非常におくれている。その起因とも関係してやはり万全の防災対策がなされる必要がある。それとの関係の不安、これが強くあるのが調査の中でもはっきり出てきているわけですから、私は、観測を引き続いて強化するとともに、関係の省庁で地元の行政機関とも提携をして、防災対策についてさらに取り組みを強める必要があると思うのです。
 一件だけ、特に大事な問題なのでお聞きしておきますけれども、例の防災遮断帯の問題です。いわゆる臨海の膨大な石油コンビナート地域を持っている、しかも居住地との間に川崎については防災遮断帯がない、ほとんど住居と混在している、それが他のコンビナート地域と違うわけですね。都市計画法上、公害防止計画でも、防災遮断帯の問題が古いコンビナート地域ですからない。大きな二次災害が予想されるということでの不安が非常に強いわけです。
 そこで、相当膨大なものですが、私も読んでみましたが、四十七年、四十八年度に建設省が調査をやりまして、その結果を建設省の都市局が「防災遮断帯整備効果の分析及び整備基本方針の検討」ということでまとめておられますが、これは一つの研究に終わっているのか。皆さんの調査をされたのに基づいて、いま基本的な構想を地元の市等も含めて策定を急いでおられると思うのですが、この事業の推進について、いまどのようなところまで話が進んでいるのですか、まずそれをお聞きしたい。それともこれは報告書だけにとどまっているのか。これに基づいてこの事業の構想がどの辺まで進んでいるのか、まずそこをお聞きしたい。
○豊蔵説明員 ただいま御質問がありました調査につきましては、御指摘のように、建設省が、昭和四十七年、四十八年度の両年度にわたりまして、京浜臨海部をモデルといたしまして調査をいたしたものでございます。これは都市の防災、安全化とあわせまして都市環境の改善といった都市構造自体の根本的、恒久的なモデルとして検討いたしたものでございます。この成果を踏まえまして、具体的にはやはり現地に即しましてさらに実効のある事業計画の立案が必要であると私ども考えておりまして、かねてから地域防災計画の中で緊急事業計画として位置づけるように関係公共団体とも御相談をいたしております。この中で緊急に事業化できるものについて、各公共団体の立案を待ちまして、私どもそれに対しまして積極的な助成をしていきたい、かように考えておりまして、現在、関係方面と御相談中でございます。
○中路委員 実際は緊急を要しておるわけですけれども、具体的な事業の推進というのは、率直に言ってまだ検討中の段階じゃないかと思いますね。この辺でも地元の不安が強いわけです。
 国土庁の方にお聞きした方がいいかもしれませんが、現在の法令のもとで防災事業を実施する場合に、都市計画の関連の諸法がありますし、それからここに出ております住宅地区改良法だとか道路法だとか、個別的な法令が適用されるわけですね。総合的な都市防災事業をやっていく場合に非常に複雑になっているんですが、これを進めていく上での事業手法といいますか、これでやっていくんだという意味じゃなくて、いまの都市計画法や公害防止のいろいろな計画の中でどういう方法が考えられるのか。その点で一般的なあれでいいと思うのですが、私たちが関係の公共団体とも検討していく上で、いまの法令のもとにおいてはどういう事業手法が考えられるのかということを具体的にお聞きしたいと思います。
○杉岡説明員 お答えいたします。
 現在、防災関係の都市計画上、道路だとか再開発、公園その他いろいろあるわけでございますが、たとえばそういったものをまとめて一つの計画としてやる場合、一つの例といたしまして、現在、江東地区の防災計画がございます。これは再開発事業あるいは公園事業、道路産業といったものを一つの計画にまとめまして、それぞれの手法を使うということにいたしておるわけでございます。
 ただいま御質問の緩衝緑地等につきましても、公園あるいは再開発といったものを一つの計画にまとめまして、事業官庁である気象庁と地元といろいろ計画を立てまして、それをそれぞれの手法として使っていく。それからたとえば公害防止事業、こういった事業も絡めまして一つの計画を立てまして、それに基づいて計画的にその地域に事業を実施していくというような手法があるわけでございますが、そういったようなことで今後ああいった緩衝緑地を指導するということになろうかと思います。
○中路委員 いま、公園だとか再開発、公害防止事業、いろいろ総合的にやっていくとお話しになりましたけれども、もう少し突っ込んで、それぞれの適用を受ける場合に、費用の負担の率、そういったものがおわかりになったらあわせてお聞きしたい。
○豊蔵説明員 いま申しましたように、いろいろな事業の組み合わせを考えたらどうかというふうに思っておりますが、たとえば公園事業につきましては、一般的な制度といたしましては、用地につきまして三分の一の補助率、それから施設につきまして二分の一の補助率というのが一般的な負担のあり方でございます。ただ、公害防止事業として位置づけられますものにつきましては、用地費の補助率が二分の一まで上げられることになっておりますし、また一方、関係する企業にも一定の率によりまして費用負担をしていただくことになっております。また地方公共団体の財政負担に対しましても、起債であるとか、あるいはまた交付税の方でいろいろ手当てをするというような仕組みもできております。それからなお、用地の先行取得ということも必要になってまいる場合がありますが、現在私どもの方で行っております都市開発資金の貸し付けといったようなこととか、あるいはまた公共用地の先行取得債の活用といったようなものもあろうかと思います。したがいまして、それぞれの事業法の内容、それから事業計画、そういったようなものの進展の度合いによりまして、最もふさわしい財政的な援助の組み合わせを考えていったらいかがかというふうに思っております。
○中路委員 もう一、二問お聞きしたいのですが、いまおっしゃったような問題は、十分関係の公共団体等の意見も聞いて進めていかなければいけないのですが、しかし、総合的な都市防災の事業を促進していくという点では、いろいろの法案が適用されますからね。それをやっていかなければいけないので、その点では困難な問題もあるわけですね。特に川崎の場合には、すでに市街化されている地域なわけですから、防災遮断帯地区にも地域の住民の同意が得られる必要がありますし、膨大な用地費を要するということで、その点では他のところと違って非常に困難な問題があるということで、市としては要望書がすでに二月に出ておるわけであります。できればこの防災事業地域を、緊急を要する地域ですから、防災上の重要な整備地域に指定をして、緊急に整備されるようにもっと手続を一本にして、一本にした事業手法を中心にしてやれるような、できれば特別立法も検討してほしいというような要請も地元から出されていると思うのですが、この問題については関係の省庁で検討はされているわけですか。要請が来ているのは御存じだと思いますが……。
○豊蔵説明員 川崎市の方から、この直下型地震の危険性ということに関連いたしまして、各種の御要望をちょうだいいたしております。その中の一つに、先生の御指摘のような御要望のあったことも存じております。ただ、私どもといたしましては、当初の調査といいますのは、ある程度モデルプランとして勉強させていただいたものでございますので、いま申しましたように、非常に長期的、恒久的な対策と緊急的な対策とが合わさって一つの構想として出ているように思います。したがいまして、一面では、川崎市につきまして言いますならば、川崎の都市全体の改造といいますか、そういう面から全地域を対象として考える面もありましょうし、また一方、コンビナートの危険性ということに着目いたしまして、その周辺の特別対策というものも考えなければいかぬと思いますが、コンビナート地域につきましては、先ごろ通産省の方でコンビナートの保安規則の省令等の制定をなされましたし、また消防庁の方でも、近く政令の改正を行い、規制を強化するというふうに伺っておりますので、これらのコンビナート地域内の対策、その安全性を確実にしていただくということとあわせまして、都市サイドの方として、果たして緊急にどの程度の事業が必要であるかという具体の事業計画に結びつける実体的な作業がまず第一であろうかと思います。そういう中で、いろいろな現行の手法を組み合わせて事業を進めていく段階でいろいろの問題がまた出てくるかと思います。それが一つは予算の面でありましょうし、あるいはまた制度にかかわりのある面もあるかと思いますが、そういう積み重ねの中で具体に問題が出ましたところで、いろいろな解決を図るための検討をしたらいかがかというふうに現在考えておる次第でございます。
○中路委員 いまおっしゃったように、いろいろ具体的に進めながら検討をしなければいけないのですが、特にあれだけ都市化された地域で、これは皆さんの方は御存じのように、防災遮断帯一つ考えるにしても、用地費自身だって大変な仕事ですから、それで地元から要請が出ている。もう少し事業を一本化した特別の対策、しかも緊急のところですし、これは地震だけではなくて公害対策としても必要な地域なんですね。これをぜひ検討してほしいという強い要望が出ているので、私は、この検討の中で立法措置を含めた問題についてもぜひ具体的な検討もひとつやっていただきたい。
 建設省や国土庁にお願いしておきたいと思うのですが、とりあえず私が考えるのに、そういう検討をやりながら、いまきれいな形で防災遮断帯をすぐつくるというわけにはいきませんけれども、たとえばあの周辺の工場が移転をする、京浜製鉄所が移転をするその跡地だとか、あるいは新日本鍛工だとかいう移転計画もありますから、こういう工場跡地に暫時適用しながら、これを進めながらだんだん広げていって、その遮断帯を事実上つくり上げていくとかいう現実的な方法も一つ考えられるのではないか。こういう点では、ひとつ積極的に地元の公共団体とも、あるいは関係の企業とも相談をしていただく。どこから進めていくかということは、非常にああいう地域では大事な問題だと思いますので。
 先日、地方行政委員会で関係の参考人の皆さんに御質問いたしましたら、一番現実的なのは、この工場跡地を利用してそこから広げていく、適用していくという手法がいいのではないかという御意見も専門の先生方からも出ているわけです。この点につきまして、最後に皆さんの方の御意見もお聞かせ願って、ひとつ地元の公共団体とももう少し具体的にこの仕事が進むように促進をお願いしたいと思うのです。
○豊蔵説明員 事業を進めてまいります場合に、先生御指摘のように、移転をいたします工場跡地の積極的な取得、それのまた活用ということが実際上として非常に有効であろうかと考えられます。私どもの調査の中におきましても、横浜市さんのほうの御計画では、やはりそういったようなことにウエートをかけての長期的なビジョンをお考えになっておられるようでございます。したがいまして、そういうような観点に立ちまして、いまお話がありました川崎地区におきます新日本鍛工株式会社が、このほど移転をするというようなお話もありますので、川崎市がその土地を取得いたしますのに、建設省といたしましても、都市開発資金を五十年度にお貸しいたしまして、積極的な買収の進捗を図りたいというふうに考えております。
○中路委員 どうも時間が限られていますので、一応これで終わりたいと思いますけれども、先ほど大出委員も言っておりましたけれども、許認可の問題になりますと、相当広い範囲に省庁がまたがっているわけですけれども、この法案は外人登録法の関係は削除されていますし、その他についてはおおむね私たちも賛成なわけなので、できれば早い時期にこの法案を成立させたいというふうにも考えていますので、一応質問を終わりたいと思います。
○木野委員長代理 午後二時より委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
    午後一時十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三分開議
○木野委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員長が所用のため出席がおくれますので、指名により私が委員長の職務を行います。
 許可、認可等の整理に関する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。鬼木勝利君。
○鬼木委員 この許認可の問題について、もっぱらその面について私御質問いたしたいと思います。
 いろいろお尋ねしたいことはありますが、まず行政相談についてお尋ねをしたいと思います。
 おたくの方からいただいた資料によりますと、先般もいろいろお話し合いをしたのですが、どうも私その点がはっきりしないのでお尋ねしたいのです。
 件数の資料をいただいているのでまずお尋ねしたいのですが、先般もよくお話し合いをしたのですけれども、どうも私、納得しないのだが、相談を受けられた件数が年間を通じて十三万四千九百九十五件ある。この数字は間違いないでしょうね。十三万四千九百九十五件ありますが、全国の管区が八つと、それから沖繩に一カ所と地方に四十一カ所、計五十カ所。そうしますと、各局、事務所にこれを平均しますと、一日に七件ないし八件、こういうことになるわけであります。行政相談を一人でやっているならば、一日に七件か八件ということも考えられる。しかし、たくさんの人がおって、全国で五十カ所あるのに一事務所で七件か八件なんて、そういうことでどうして行政相談ができるか、まずその点を局長にお尋ねしたい。どのようにあなた方はお考えになっておるのか、これで一般国民の要望にこたえ得るのか、また、こたえておるとあなた方は考えておられるのか。
○大田政府委員 年間の総件数につきましては、いま先生から御指摘のあったとおりでございます。四十八年度につきましては、十三万四千九百九十五件でございます。これを局の数で割りますと大体二千五百件、一日当たりで直しますと大体九件、大体そういう数字になると思います。
 実は件数につきましては、経年的に見ますと毎年非常に累増しておったわけでございます。ところが、その後出先機関にもいろいろ窓口ができまして、まず、そちらの方に行く件数も相当ふえてきたことは事実でございます。行政管理庁の方に持ってまいります苦情の中身そのものは、中には非常に軽いものもございますけれども、現在、中身を分析してみますと、各省庁にまたがるもの、あるいは一度他の出先機関に参りましてその後なかなか解決ができませんというもので局の方に参りますもの、そういう種類のものがだんだんふえまして、件数としては確かに少ないものでございますけれども、内容的には非常にむずかしいものがふえております。したがいまして、私たちとしましては、行政管理庁の一つの機能としまして、やはり各省でできないというものを行政管理庁で取り上げるということが非常に必要じゃないかというふうに考えておるわけでございます。件数の問題から見ますと、先生の御指摘のとおりでございますけれども、内容につきましては、だんだんとむずかしいものがふえてきておるという状況でございます。
○鬼木委員 各省にわたるとか、内容のむずかしい点があるとか、そういうことは私も承知しておりますよ。そんなことを言っているんじゃないんですからね。それは行政相談ということになれば、ずいぶんめんどうな問題もあるでしょう。問題もあるでしょうが、いやしくも係の者が五名も六名もおり、あるいは十名もおって、一日に七件、八件、九件ぐらいのことなら、われわれでも毎日やっていますよ。全国に五十カ所のそういう行政相談を受ける機関がありながら――それはめんどうなことあります。それはあることは当然でしょう。簡単なことばかりあるわけはない。簡単なものがあるなら、これはまだ数はもっとふえるはずだ。いやしくも行政相談の看板を上げておきながら、一日に一人平均一件もないようなことでは、これは話にならぬですよ。非常に不徹底なんです。ということは、私らのところへどんどん持ってくるんです。これは行政監察局に相談に行ったけれども話にならぬから、われわれのところに持ってくるんです。ずいぶんむずかしい問題があるとおっしゃっておるけれども、それは、むずかしかろうがむずかしくなかろうが、平易、安易であろうがなかろうが、それをおやりになるのがあなた方の職責なんですからね。仕事がむずかしいからどうだとか、むずかしくないからどうだ、そんなことは言うべきではない。めんどうな問題であればあるほど喜んであなた方はやらなければならぬ。一般大衆、国民は頼っておるんですからね。少なくとも一日に七件、八件ぐらいのことで、それも一人でやっているというならまた別ですよ。数人あるいは十人とおって、あるいは直接相談に関係なくても、監察局におるところの職員は全部相談に応ずべきである。おれはそういうことには関係ないというのはとんでもない話だ。いかにもあなたの説明では、これは十分にやっているような御説明だったけれども、十分でない。
 けさほども理事会で同僚議員がそういう話をしておられた。大臣も見えておるけれども、長官も見えておるけれども、もう行政管理庁なんか要らぬと言っておる。極言をしておる。これでは大衆の要望にこたえておらぬ。だから、これはどうもこうもしようがないからと言って私らのところに持ってくる。そうすると今度は私の方は、皆さんのところからお呼びして、これはどうなっているんだ、こうこうだ、こうこうだと言うと、それからにわかに一生懸命になってやって、どうやら解決するという状態ですよ、局長。今日の行政相談、あなた方は、これで十分やっております。――やっておられるかもしれないけれども、実績は上がっていない。そういう点、もう一度局長の御答弁を願いたい。
○大田政府委員 先ほど内容の点について申し上げましたですが、件数の点につきましては、先ほど申しましたとおり、一日当たり九件でございますので、われわれといたしましては、まだまだ消化できるということで、先生の御指摘もありますので、最大限の努力をしたいということでございます。出先の末端には四千五百六十七名の相談委員さんもいらっしゃいます。そういうところからももちろん上がってまいりますし、また局自体でも積極的に巡回相談その他をやりまして、件数につきましても今後格段の努力をいたしたい、そういうふうに考えておりまます。
○鬼木委員 まだまだこれから努力を一生懸命やります、努力をしてもらわなければ困るが、先ほどからあなた、えらく内容、内容とおっしゃるけれども、その内容に対しても私はどうも納得がいかない。いいですか、その内容についても、「あっせんの結果解決したもの」というのが二七%、三割に満ちていない。「あっせんの結果解決したもの」だから、これは解決してしまったのだ。次は「あっせんに至らない事案であるが、監察局又は行政相談委員の説明教示により申出人に納得を与えたもの」この「納得を与えたもの」というのは、これは理論的に納得をさせたのであって、事実の問題の処理、解決ということにはなっていないんだ。いわゆる追跡調査もできていない。それは言葉は大変いいですよ、長官、これで。しかし、ようございますか。「申出人に納得を与えたもの」というのだ。非常に抽象的であって、本人は納得したであろうけれども、事実、本人の力でそれが処理できたかできないか、追跡調査はやっていないんだ。「あっせんの結果解決したもの」は二七%だ。ようございますか。すこぶるあいまいもこたるものだ。「または要望意見として現地の関係各機関に取り次いだもの」行政相談というものは、そんな取り次ぎ機関じゃないですよ。「取り次いだもの」取り次ぐぐらいのことだったら、行政相談まで相談に行かなくたってだれでも取り次ぎますよ。行政機構なんかの方面に少したけておる人だったら、ああ、それはどこですよ、陸運局ですよ、あそこへいらっしゃいよ。そんな「取り次いだもの」取り次いだ結果、先方にこちらから合い議して、そうして本人を出頭させて解決したものというなら理屈はわかる。その解決をしたものというのは二七%だ。しかも、本人に納得させて帰りなさい。それはもう長いものには巻かれろで、あるいは納得をしておらぬでも、ああ、わかりましたと言って、実はわからぬでも、わかりましたと言って帰ったかもしれない。その結果の追跡調査もしてない。それで今度はどこどこへ行きなさい。「取り次いだもの」それが何と七四%。
 これは私、大変失礼なことを言って、言葉が過ぎれば取り消しますが、一般の方はおわかりになりませんよ。一般の方が国会に来られても迷いますよ。どこに何があるのやら、何がどうなっているのやら。世間ではよく廊下トンビと言う。田舎の人が行政相談に来て取り次いだもの、いやどこですか、どこへいらっしゃい、そういう不親切な、そういう不徹底な、何が行政相談だ。それが七〇%以上ある。これは長官よほどお考え願いたい。こういうことで全国に八管区あるが、まさにこれは役人根性というか、官僚的というか、いささかも民主的ではない。この点、局長何とお考えですか。
○林説明員 統計について先にちょっと説明だけさしていただきたいと思います。
 この表の意味でございますけれども、実は行政苦情相談の申し出がございますと、私の方では全部事実の確認をいたします。いろいろ現地に行ってみたり、関係者から意見を聞いたり、あるいは関係の役所に参りまして帳簿を調べたりいたします。そしてその結果、申出人の言い分が確かにそのとおりだというようなことを判断いたしまして、そして関係機関にその上でこうすべきじゃないかということで、あっせんをして解決をしたものが二七・六%でございます。
 ところが、私のほうへたとえば生活保護がもらえなかった、あるいは恩給がもらえなかったということで不満を言ってこられて、私の方が関係の役所でいろいろ調査をいたしましたところが、確かにその申出人の誤解であった、あるいは事実、法令を知らないために、制度を知らないために、そういう苦情が出てきたのだというようなことで、申出人の方が無理であるというような判断を最終的にしまして、その結果、これはせっかくこう申し出があったけれども、行政管理庁が第三者機関として調査したら、やはり行政機関の処分は間違いではございませんでした、あなたの方がこういうことでひとつ了解してくださいというようなことで、説明して納得を与えたものというのが、ここで言う納得を得たもの、こういうことでございます。
 なお、それ以外にどうしたらいいのか手続がわからない、どこへ行ったらいいのだろうかというようなことで来られまして、私の方でいろいろ制度なり手続をお教えし、あるいは必要に応じて照会したものももちろんございますし、それからもう一つは、要望、意見として関係機関に取り次いだ、これは個別の処理が非常にむずかしい、現在の制度なり予算の中ではなかなかむずかしいけれども、確かに申出人の言われることももっともだ、だから、今後予算面でいろいろ努力する、あるいは制度の改正について今後いろいろ検討していく必要がある、確かに申出人の言われるのももっともだ、現行制度では無理だけれども、もっともだというようなものは、関係機関に参考として取り次ぐ、こういうことでございます。
 したがいまして、この七一%が全部ただ取り次いだとか、あるいは法令がこうなっておるからだめだ、こういうことでございませんでして、私の方は、この大部分のものは、やはり多数の関係者から話を聞いたり、何日もかけ何回も関係機関に調査に行ったものもございますが、その結果、行管としてやはりこれは申出人がだめだということを判断して、説明をして納得を得たもの、こういうものがたくさんあるわけでございますので、統計の説明でございますけれども、ひとつ御了承いただきたいと思います。
○大田政府委員 ただいま相談課長の方から統計の説明がございましたけれども、この内容につきましては、あるいは先生の御指摘のように単なる取り次ぎで、その後の照会その他はやっていないものもあるかもしれません。それから、その他簡単に教示いたしまして、それで終わるというものもあるいはあるかもしれませんが、いずれにいたしましても、行政相談といいますのは、相手方の身になりまして、そして本当に親切にやるというのが基本でございます。単に法令を説明したからそれで済むものでもございません。また、できるだけあっせん解決、こういう方法をやればまだよく解決ができる、あらゆるいろいろな法令あるいはその他のものを参考にしまして、できるだけ本人の希望に向くようにもう最大限の努力をするというのが、行政相談の基本姿勢でなけらねばいかぬというふうに考えております。
 先生からも御指摘がございましたので、この点につきましては、もう一度、全国的にどういうことになっているか、内部的にもやはり監査的なものもやってみたいと思いますので、一応御了承願いたいというふうに思います。
○鬼木委員 いまの局長の御説明は、私が申し上げたとおりのことをおっしゃった。私と考えは全く同意見です。ですから、いまの局長の御答弁だったら、私は納得できるんですよ。それが単なる取り次ぎだけで、その後の解決がどうなったかということもわからぬなりに済んだのもあるいはあったかもしれぬ、あるいはただ単に言葉だけで納得させて帰したのもあるかもしれぬ、そうおっしゃってもらえば、私は、何もここでやかましく言うことはない。いま相談課長はえらいうまいことばかり言ったが、もし相談課長の話のようだったら、これはおかしいんだよ、この書類のつくり方が。行政相談委員の「説明教示により申出人に納得を与えたもの」納得を与えて、そうして最終的にはきれいにこれが解決しておるというのだったら、前の二七%の解決の方に入らなければならぬ。最終的に解決しておるのだったら入らなければならない。そこの追跡調査ができていないのだから、やりっ放しだ。
 それから、いまの後の問題でも「関係機関に取り次いだもの」取り次いだもので、その後の結果どうなったか、これじゃわからない。取り次いで、向こうにも照会もして、そうして本人も処理ができました、解決をしたものというのだったら、それは結果的においては解決しているのだから、前の二七%にプラスしなければならぬ。前の解決したものと解決していないものと分けてあるから、これはおかしいじゃないですか。そうでしょう。
 だから、いま局長が言われたことは妥当なんだね。あるいは取り次いだだけでその後はどうなったかということがわからないような事件もあるやもしれませんと、大変局長は正直でいいな。どうですか。
○林説明員 ちょっと補足説明させていただきますが、「あっせんの結果解決したもの」というのは、あっせんをいたしまして、その方向で措置されたもの、こういう意味でございまして、申出人が来られて、調べてやはり申出人の言われることが無理だということで話しまして、申出人も確かにそうでした、よくわかりましたというものは、その下の方に入っております。
○鬼木委員 わかった。そうすると、あなたの言うことと局長の答弁とは話が違うぞ。あなたは、取り次いだものあるいは納得させて解決したもの、こう言っている。ところが局長は、取り次いだだけで最後の締めくくりはしておらぬのもあるいはあるやもしれぬ、あるいはただ理屈だけで納得させてそのまま帰して、その後どうなったかわからないようなのもあるやもしれない、まことに率直に答弁している。ところがあなたの話では、全部これは完璧だというような話だ。話が違うじゃないか、完璧じゃないもの。
 先ほど言ったように、過去におけるそういう事例もあるから、行政相談委員に尋ねたってわからない、何をやったってわからない。だから、ぼくのところに持ってきておる。それで、みんなを呼んだらうるさいと言われた。それはあなたの、課長の前かどうか知らぬけれども、あなたじゃなかったと思うけれども。えらいあなた自信のあることを言うが、じゃ何ぼでもぼくは材料を持ってくるぞ、そんなこと言うんなら。どうだ、その点は。全部完璧に行なわれたというのがあなたの説明だ。局長はすこぶる正直に実態を、それもあるとは言っていない、あるいはあるやもしれません、だから将来は大いに努力いたします、まことに穏当な答弁だ、さすがに局長だ。どうだ、その点は。ただじゃおかぬぞ、そんないいかげんなことを言ったら。
○林説明員 私申し上げたのは、いま局長が言われたようなのは七一%に入っておりまして、二七%の説明を申し上げたつもりだったのでございますが、二七%の説明は、これはあっせんをして申出人の言う方向で措置がされたものだけの数字でございますという表の説明を申し上げたつもりでございましたので、言葉が足りませんでしたら訂正させていただきます。
○鬼木委員 言葉も足らぬが考えも足らぬよ。何もかも足らぬよ、そういうことじゃ。
 長官どうですか、いまのやりとりをお聞きになったと思いますが、長官ひとつここで一言。
○松澤国務大臣 ただいまの御質問に対しましていろいろと答弁があったようでございますが、御発言の点はごもっともだというふうに考えますので、さように今後とも了承させて進めていきたいと思います。
○鬼木委員 この問題はそれではそういうことにいたしますが、次に、先ほど局長からもお話があっておりましたが、地方に行政相談委員というのがいらっしゃる。これは私が聞いた範囲内のことですから、間違っておったら御容赦願いたいと思うのですが、六千九百円、年間にですよ。いいですか長官、四十九年度が年間に六千九百円であった。ところが本年度はこれを九千円に増額する。年額ですからね。年に九千円。年間の旅費が一万一千八百七十円。これは研修費だとかあるいはその他役場なんかで月に一回とか二月に一回といって会議があるそうです、そのときの旅費も含まれておるんだ、しかも一回の旅費が三百円だ、こういうんですね。長官よく考えてくださいよ。一回の旅費が三百円ということで、これは大体どこにどうして行くんですかね。いま三百円もってどこか動けますかね。これは自動車の基本料金は二百八十円ですか、だったら、途中まで行っておりて帰りは歩いてこなければいかぬ。行きもほんの途中までですよね、基本料金は二百八十円だから、それで三百円なんですな、一回。要するに年間旅費が一万一千八百七十円だから、仮に一万二千円として月にどうなるんですか、千円ですか。これは一体どういうところからこうなっているのか。これは私、人道上の問題だと思う。人権無視もはなはだしい。どういうところから行政管理庁なんかは計算しておるのか。年間に九千円というと、月に七百何十円です、七百五十円ですか。
 行政相談委員と私はよく話し合いしたのですが、行政相談にどんどん見えるんですよね。そうすると今日お茶一ぱい、お茶菓子の一つぐらい出さぬわけにはいきませんよ。行政相談委員などというような方は、地方においても相当の顔のきく方なんです。お茶も出しましょうし、茶菓の接待もなさるでしょう。その場において、じゃちょっとお待ちなさい、あるいは市外電話をかけられることもあるでしょう、あるいは時と場合によれば、じゃわかった、じゃすぐ私が行ってやりましょう、タクシーを使ってばっと飛ばれることもあるでしょう。数え上げれば際限がない。それを月に八百円足らずで、七百五十円、一体これは何のため、何に使うのですか。三百円という旅費、一回のあれが三百円。とにかく三百円毎日毎日使ったって――年に一万一千何ぼしかないんだから、月に千円足らずだから、それでどうするというんですか、これは。この辺のところをひとつもう少し私らにわかるように、先ほどの話のように納得させてもらいたいね。どうだ、管理庁は。
○大田政府委員 実費弁償金のことにつきましては、昨年度も先生からいろいろおしかりを受けまして、ようやく五十年度は六千九百円から九千円、三〇%上がったわけでございます。これはいわゆる報酬的なものではなくて、苦情を受け付けました場合に、紙だとかあるいは鉛筆だとかあるいはそのほか経費が要るものでございますので、そういう経費を一応一人当たり九千円ということで出しているわけでございます。
 それから、旅費の方の一人当たり金額一万一千八百七十一円につきましては、これは研修あるいは地方監察局、管区監察局に出向きます場合の旅費でございます。この旅費につきましては、通常の日当というものが実は出るわけでございますけれども、ただいま先生の御指摘の三百円というのは、本来相談委員というのは、自宅で受け付けるということになっていたわけでございますけれども、昨年度から定例相談と申しまして、町の役場だとかあるいは公民館だとか、そういうところに週一回あるいは一カ月に二回とかいうふうに決めまして、実は二時間だとかあるいは三時間だとかということで定例日に受け付けておるわけでございます。この定例相談に差し上げる日当といいますのは、実は四十九年度からついたわけでございますけれども、何を基準にしてこれを出すかということでいろいろ議論はありましたが、結局のところは、公務員の日当に準じまして三百円という数字が出たわけでございます。国家公務員等の旅費に関する法律の第二十七条に「在勤地内旅行の旅費」というのがございます。これは八キロ以上出た場合に支払う旅費の日当額でございます。それから、この国家公務員等の旅費に関する法律を受けまして、内閣及び総理府所管旅費取扱規則というのがございます。これの第四条に「旅行が行程八キロメートル以上十六キロメートル未満の場合又は引き続き五時間以上八時間未満の場合には、日当の定額の三分の一に相当する額」ということがございまして、これを準用いたしまして、たとえば日当が九百円の場合にはその三分の一、あるいは七百五十円の人に対しては二分の一とかいうふうに出ておるわけでございます。相談委員の日当につきましても、三百円ということになっておりますけれども、実行額につきましては、七百五十円の二分の一の方をとりまして三百七十五円で支給しております。これは先ほど申しましたように、国家公務員の旅費規程を準用したということでこういうふうになっておるということでございます。
○鬼木委員 それは国家公務員等の旅費に関する法律の第二十七条ですね。それはわかりますよ。それはわかりますけれども、私が言っておるのは、この旅費を一万一千八百七十円ということで限定したということは、そうじゃなくて、私の言うのは実費旅費で、実費弁償で――あなたは報酬じゃないと言われた。私は報酬を上げろと言っているのじゃない。これは報酬とは見ていませんよ。月に八百五十円とか七百五十円なんという報酬があるわけはない。そうじゃないんですよ。行政相談委員というものは、家庭においてやるべきものだとあなたはおっしゃっているけれども、それは行政相談委員というものが何もかも全部知っておるわけはないから、家庭だけにじっとすわっておってできるわけはありません。それは行監の事務所の方に行くこともありましょう、あるいは町役場に行くこともありましょう。通信費だとか筆墨代だとかそういうことをあなたはおっしゃっているけれども、通信費とか筆墨代とか電話代が月に七百円か八百円ぐらいでどうしてできますか。
 どうですか長官、あんなことを言っているけれども、行政相談委員は報酬じゃない、筆墨代だとか通信費だとか電話料とかそういうものをみんな含んでいる、そうしてそれが月に七百五十円。国家公務員の旅費規程によれば、八キロ以上ということになっている、八キロというと二里だな。いいですか長官、田舎に参りますと市だとか町だとかいっても、三里も四里も五里も山奥というのは今日何ぼでもありますよ。あなた方は東京のど真ん中におられるから御存じないかもしれないが、九キロ、十キロくらいなところはもうどこでも今日、それは市でありながら町でありながら、そういうのに毎日行きますよ、相談委員なんというものは。
 だから実費支給ならば、国家公務員の旅費規程によっての実費支給で結構だと思いますけれども、これは実費弁償じゃないもの。旅費の枠は年間一万一千円に限られているもの。それから手当というか、何かそういう諸雑費の費用に充てる分は年間九千円だ、月に七百五十円だ、余りふざけたことを言ったら困りますよ。筆墨代と言うけれども、今日筆一本買ったって三百円、四百円取られますよ。そういうあなたの説明では納得いきませんね。そういう調子で相談をやられたのじゃ行政相談はできませんね。十分話しましたから鬼木先生もわかってもらったはずです、納得済み、こう帰ってしまう。何が納得ですか。納得できないね、これは。もう少し納得のできることを、本当のことをあなたたちは言いなさいよ。これで十分だと思っていますか。あなた御自分で考えてくださいよ。それならおたくだって月に電話料は七百五十円でいいですか。通信費、電話料、筆墨代、茶菓代、何でもそれでいいですか。おれは局長、だからそうはいかぬ、ふざけたことを言うんじゃないですよ。どうですか局長。
○大田政府委員 九千円の金額で決して十分だということもありませんし、むしろ不足だという考え方を持っております。毎年これの増額につきましては折衝いたしておりますし、昨年度から比べれば六千九百円から三〇%伸びたということで、従来よりはやや伸びた。しかし物価はそれより以上に進んでいますので、私たちとしましては、これで十分だとは決して思っておりません。今後も最大限の努力をしないといかぬと思っておりますし、また旅費につきましても、いまの金額で決して十分だとは思っておりません。むしろ旅費につきましても、研修その他は活発にやらないといろいろな処理に影響がございます。そういうことで、実費弁償金につきましても、旅費につきましても、なお今後最大限の努力をする必要があるというふうに考えております。
○鬼木委員 これで十分でありませんということは当然ですよ。去年よりも三〇%上がりました、ふざけたことを言うんじゃないですよ。三〇%上げたなんて、去年は六千九百円じゃないですか。月に五百円じゃないですか。今日五百円なんというのは子供にもやれませんよ。五百円やったって子供は使いようがありませんよ。それを三〇%上げて九千円にしましたからなんて、そんなことであなた方は上げた上げたなんて、上がってはいませんよ。諸物価から、時代の流れ、経済の情勢から考えたならば、これは決して上がっていません。
 だから私が言うのは、あなたのおっしゃるようにこれは報酬じゃございませんから、実費弁償をしなさい、こう言っている。行政相談委員は非常に迷惑していますよ。それでいて先ほどから、行政相談委員もおりますから一生懸命やらしておりますなんて、そんな、人をただ使うばかりでそれに対しては何にも報いない。全国に四千五百七十六人ですか。
○大田政府委員 そのとおりでございます。
○鬼木委員 そうでしょう。そういうたくさんの人に迷惑をかけている。それでいてそれに対しては何にも報いない。そういうことは私は許されないと思う。行政相談委員なんという方は、それは生活にお困りのような方はいらっしゃらない。地方の有力者でりっぱな方ばかりですけれども、やはり行政相談委員の中から非常にそういうお声が上がっておる。気の毒ですよ。
 そういう点において、ぜひこの際実費弁償をしてもらいたい、このように私は考えるのです。これならば一番妥当だと思う、報酬ではないとおっしゃっているのだから。その点についての長官の御高見を承りたいと思います。
○松澤国務大臣 いまのお話は本当にごもっともだと思います。私自体も着任早々に、このような問題に頭を使いまして、正直に申し上げまして聞き取ったのでありますが、現実の問題としては、現段階においてはいかんともなしがたいという状態でございますので、万やむを得ず認めてきましたものの、いまの御趣旨はよく理解をいたしますので、局長なりその他の方々とよく相談の上、できるだけお話のような方向に進めていきたい、かように考えております。
○鬼木委員 大臣の御答弁で、大体私の考えのとおりにお答えいただいたようでございますので、一応この点はこれで終わりにしますが、なおまたあとで、随所でいろいろなことをお尋ねするかもしれません。
 次に、許認可の改善策についてでございますが、運輸省の自動車局長に対してお尋ねをしたい。
 行政管理庁の機関である行政監理委員会に対して、四十八年の十一月一日に、当時の福田行管庁長官が許認可等の改善方策について諮問をされておる。ことにタクシー行政及び自動車整備事業に関する監督行政監察、こういうことについて諮問をされておる。ここに私は持ってきているのです。そこで、その諮問に対して監理委員会から勧告が出ております。「タクシーの運行及び自動車整備事業に関する監督行政監察結果に基づく勧告」これによりまして、今日の全国の陸運局においてどのように個人タクシーの許認可に対して事務的に簡素化されておるか、どのように事務的に推進されておるか、まずざっと概略でいいから自動車局長にちょっとお尋ねしたい。その結果、私、項を追ってお尋ねしたいと思います。大体今日の運輸行政、なかんずく個人タクシーの許認可に対してどのように運んでおるのか、全国的に各陸運局の模様をお話し願いたい。
    〔木野委員長代理退席、委員長着席〕
○真島説明員 お答えいたします。私、業務部長でございます。
 行政管理庁の方から簡素化についてのいろいろな御勧告をいただきました。私ども主として考えましたことは、従来からも言われておりましたが、申請書をお出しになる方々が非常にわかりにくいという問題、これを解決するのが一つのあれではないかということで、各陸運局におきます個人タクシーの免許に関する公示事項、こういうようなものを逐次改めてまいりまして、四十八年には新潟陸運局、福岡陸運局、東京、名古屋、大阪、広島におきましては、つい最近に公示免許基準等を改めてまいっております。そのほか処理の短縮化、これについても、鋭意努力をしておるというのが概略の説明でございます。
○鬼木委員 私が概略申していただきたいと申し上げましたので、概略おっしゃったようですが、実態はいまあなたのおっしゃったように、事務的に煩雑、非常に一般の方々にわかりにくい。これは当委員会でたびたび問題になったことで、行管の勧告もあるのでこれを簡素化する、新潟あるいは福岡あたりはもうすでにやったのだ、いま東京あるいは大阪、名古屋、広島ですか、そういうところにも事務の簡素化を図るように言っておるということがいまの御答弁のうちの一つ。それからいま一つは、期間を短縮するようにということを言っておる。概略申し上げればそういうことでございますという御答弁。
 それでは、少し今度は各論にわたって――いまのは総論といたしまして。それでは新潟あるいは福岡、名古屋、大阪、広島、東京、こういうところでどのように事務の簡素化がされたか。いままでこうであったのをこうしたという、実績はこのとおりこうなっておりますということと、それから期間を短縮するように申しておりますが、事実はこのように短縮してこうなっておりますという実態、それを今度は具体的に御答弁を承りたい。
○真島説明員 簡素化のやり方でございますが、これはたとえば、実は行政管理庁の方からはそれはかえって繁雑になるじゃないかというおしかりも受けておるのでございますが、申請に対しまして予備審査という形で、申請書は非常に簡単なものを出していただきまして、本審査、つまり聴聞直前に何月何日には聴聞をいたしますからおいでくださいというようなことで事務の簡素化を図っておるわけでございます。そのほかの陸運局では、特に件数が東京ほど多くございませんので、そういう制度をとっておりませんけれども、考え方といたしまして、従来いろいろ問題がございました。やはり処分まで期間がある程度かかるものでございますので、車庫その他の確保ということについて、申請のときに確保していないといけないというふうな感じの処理を四十五年以前はやっておりましたけれども、それでは処分のときにもし却下になれば、その間家賃その他も大変であるし、家の問題その他いろいろな問題がございますので、そういうような問題は、聴聞から処分までは大体三カ月程度で処分ができますので、聴聞時に確保できるように聴聞の御通知を申し上げるというような形での簡素化を図っておるわけでございます。
 それから、処理期間の問題でございますが、これはもう四十五年当時、先生から委員会で御指摘をいただきまして、さらに何回かの御指摘をいただいておるところでございまして、最初の御指摘のときに、当時の橋本運輸大臣から六カ月以内に何とか申請から処分までやるように各陸運局に督励をするのだというふうにお答えをしたと記憶をいたしております。
 私も実は、四十五年から四十七年まで福岡の陸運局におりました。そのときも先生からいろいろおしかりを受けた覚えがございますけれども、そういうようなことで、当時二年あるいは二年以上もたまっておったという事態がございました。まことに遺憾なことでございまして、私、福岡の局長の時代に、こういうことについて非常に努力をいたしたつもりでございました。四十七年に私こっちに帰ってまいりましたけれども、そのときには約八カ月ぐらいまで期間を短縮いたして、四十七年、四十八年とある程度その状況が順調に参っておりましたが、御承知の、これは弁解になるようで申し上げるのもはばかられますけれども、石油ショックが起こりました。このために、新規輸送力の投入ということは、油の事情がはっきりするまではとめるべきではないか、こういうような事態が起こりました。これも全国的な問題でございます。
 たとえば東京では十一月から五月まで、これは個人タクシーに限らないのでございますけれども、処分を凍結いたしました。ただその間も申請の方は相変わらず出てまいっておりまして、そういう意味で当初の六カ月計画というもの、これは全国的に見れば四十八年の石油ショック以前に到達をしてはおりませんでしたけれども、さらにそれに追い打ちをかけて六カ月分がたまってくるというような事態が生じてまいりました。四十九年、努力いたしましたけれども、現在のところ六カ月の目標には各陸運局とも達しておりません。東京につきましては、これは先ほど申し上げたような予備申請と本申請というスタイルをとっておりますので、本申請の御通知を申し上げて聴聞をいたしますと、聴聞後三カ月で処分はなされておりますけれども、申請時からの時間というものは、やはり現在でも一年を超しております。
 この状況を、私どもことしに入りまして、石油ショックのおくれを取り返し、かつ橋本大臣がお約束しました六カ月という期間の目標を達成いたしますために、本年当初から各陸運局に対しまして処理計画、今後の見通し、本年末における状況というものを、計画を立てさせまして、大体各陸運局とも平均六カ月で申請から処分ができるように現在督励を始めておる段階でございます。
○鬼木委員 いまのあなたのお話を承りますと、事務の簡素化ということは、実績は余り上がっていないように私には思われる。それから期間の短縮ということについては、いまのあなたの御答弁はほとんど全部当たっていない。実態はそうじゃない。しかもあなた方のおやりになることが、私はどうも、これこそまたさっきの話じゃないけれども納得がいかないんだ。行管の方からは、現在においても事業免許の処理に特に長期を要している、そういう陸運局があり、また輸送サービスを改善させるための措置が徹底していないものが見受けられる、こういうことを勧告しておる。ところが、いまあなたのおっしゃったように、六十三国会で橋本登美三郎先生が運輸大臣のときに、途中は省きまして、個人タクシーの許認可の問題で「これは私は就任早々にやかましく言っていますが、最近私は、六カ月以内に片づけろ、だめなものはだめ、いいものはいい、それでいいのです。いま申されたように、だめか何かわからぬのに二年も延ばされたら――できないものは、当分の間許可する見込みはないと早く言ってやれば、その人はまた別な方法を考える。ですから私は、今後は六カ月以内に、許可不許可どちらでもいい、そういう方針でやれと言っている。」このように運輸大臣の発言が載っているのだ。
 ところがいま局長は、油のショックによって四十八年の十一月から四十九年の五月まで凍結しました、しばらく許認可をとめろということでとめました、その間はそれで結構でしょう。その前後の問題を私は言っておるんですよ。そのときになぜとめたのか、そんなことを私は言っているのじゃない。その後は油もスムーズになっているのに、しかも私どうもおかしいと思うんだが、橋本登美三郎元大臣は、出願から許可まで六カ月で処理しろ、こう言っているのに、ところが自動車局長は、これをおおむね三カ月以内に処理することを全国に通達している、全陸運局に三カ月でこれを処理しろ、こういうことを言っておられる。つまり橋本大臣が六カ月と言ったのを、自動車局長は三カ月でやれ、非常な前進であって、これは額面どおりとればまことに結構なことでありますが、いささかも実績が上がっていない。これは単なるゼスチュアにすぎない。これは個人タクシーの許認可がえらいやかましく言われるから、ここらでひとつ三カ月ぐらいで処理しろと言ってばんと打ち出しておけ、こういうゼスチュアにすぎない。今度はまた次官は、一年間でこれを処理しろという通知を出している。
 ここらが行管も責任があると私は思うが、あなた方が速やかにやれと言って勧告したことは結構だけれども、勧告された方は、大臣は六カ月と言う、局長は三カ月でやれと言う、次官は一年でやれと言う、一体これはどうしたのだというんですね。これじゃ受けた方の陸運局は一体どうやればいいのか。その結果、今日の実態は三カ月はおろか、六カ月はおろか、一年はおろか、一年半、二年かかっている、それが今日の実態です。これは局長が何と言ったって、実態はそうなんです。これは行管がはっきり勧告している。その間に出願をした人は大変ですよ。
 いいですか。物事はよく考えてくださいよ。車庫なんかは自分で持たないから借りなければならぬ。車庫もちゃんとつくっております。貯金も用意しておかなければならぬ。自分の将来の生活の設計もちゃんと立てておかなければならぬ。それに、先ほど大臣が言ったように、いつまでもいつまでもじつとつなぎ船のように待たせられて、二年もたって許可になれば、これはほっとする方かもしれない、ほっと愁眉を開くかもしれぬけれども、車庫をつくった、しかも借り賃は毎月出さなければならぬ、使わないのに。営々と貯金もして、いつでもいいように待っている。それを二年も待たせられて、そして結果はおまえはだめだ。とんでもない。これは人権無視もはなはだしい。人道無視だ。
 こういう点、行管ももう少し的確に私は勧告してもらいたいと思う。抽象的なことではなく、実態をつかんでやってもらいたいと思う。これは内閣委員会では毎回問題になっている。
 ようございますか。先ほど申しましたように、六十三国会で橋本登美三郎元大臣と私ははっきりここでお約束した。議事録に歴然と載っておる。それからまた、今度は六十五国会で自動車局長に来てもらって、その後の実態はどうなっているかという後の締めくくり、追跡調査をやったわけなんですよ。行管は余り追跡調査はやらぬようだが、ぴしゃっとやりましたよ。しかし、いまだにそういうことが行われない。自動車局長の通達もここにある。自動車局長の通達は三カ月です。これはどういうふうに局長はお考えですか。その点ひとつお伺いしたい。
○真島説明員 橋本運輸大臣が当時お答えしました六カ月、これは議事録に載っておるとおりでございまして、その後自動車局長が三カ月という数字を使っております。これは役人らしい言いわけとおしかりを受けるかもしれませんけれども、当時といえども当然三カ月では処理はできておらなかったわけでございます。理想的には三カ月を努力目標とする、目途とするという表現で努力目標を掲げたという感じでございます。
 それから、次官の一年というものは、これはハイヤー、タクシー、個人、法人全部含めての処理の標準の期間ということで、自動車局長の三カ月を努力目標という通達も次の第三項に、つまりこの努力目標基準の考え方は個人タクシーの処理からまず考えていけ、こういうふうに言っておるわけでございまして、三つの関係はそのような関係になっております。
○鬼木委員 まことに苦しい御答弁のようですが、私は福岡時代からあなたとは格別のごじっこんの間柄だから、個人的にあなたをどうこうと言うわけではないけれども、立場上あなたは責任者だから、これは困った問題だと思うんですよ。大臣は六カ月で処理せよ、しかもこの委員会ではっきりお約束なさっておる。聴聞から許可まで六カ月で処理しろ、いいものはいい、悪いものは悪いで的確にやれ、長く待たせるということは最もよろしくない、非常に理解のある大臣の答弁でした。そうすると今度は、自動車局長は三カ月でやれ、全国の陸運局長にそういう通達を出しておられる。ところが、その三カ月は目標だ、どうでもいいぞ、これは目標だから。そんな不徹底なあいまいもこな通牒なら出さない方がいい、私が言うのはね。だから、これはゼスチュアじゃないか。個人タクシーの許認可に対して非常に批判の声が大きいから、ここらでひとつゼスチュアでと、そういう考え方は逆ですよね。
 運輸行政のばらばら。大臣、次官、局長が全部ばらばら。不統一です。次官は一年間でやれ、これを悪く解釈しますれば、大臣は六カ月と言っているけれども、そんな無理なことができるわけがないじゃないか、一年でよろしいぞ、そろそろやれ。今度局長は、大臣は六カ月と言っているけれども、ここらで三カ月ぐらい、これをもうちょっと上げておくと大層調子がいいぞ、かっこうがいいぞ、これは悪く解釈した場合です。私は、これでは何のことやらさっぱりわからぬ。だから実態はどうか、二年も二年半もかかっている。
 今日、個人タクシーの申請をしておきながら――またある人いわく、名前は差し控えましょう。これは道路運送法によって、車両が多いというとちょっとぐあいが悪いからとめることがある。それは所によってはそういうところもあるかもしれない。じゃ、そういうことを考えないで、大臣は六カ月と言い、自動車局長は三カ月と言い、次官は一年と、そういう特殊な事情を考えぬで言ったのか。そういうことは理由になりませんよ。それは、一陸運局にしますれば、大都会を持っているところもありましょう。しかし非常に過疎なところもあります。じゃ、道路運送法によって少し徐々にやらなければならぬというところは特別で、あとのところは早くできるはずです。北海道なんというのは、陸運局はたった一つですよ。九州にも一つですよ、県は七つも八つもありますが。それがちゃんと道路運送法によって――たとえば自動車が多過ぎて困るというところはありませんよ。そういうことは理屈に合わない。一部分は道路運送法によってとめる、しばらくはゆっくりやらなければならぬ、許可認可はゆっくりやらなければならぬというようなところもあるかもしらぬ。しかし他はどんどんやっていいのだ。それを一律に次官通牒あるいは自動車局長の通牒で出している。専門家の皆さんはそういうことは考えぬで出したのか。これは私、ここでやかましく言いたくないのだけれども、出願している人は皆さん非常に困っている。先の見通しがつかない、生活の設計が立たない、長いのは二年も二年以上もじっと待たされたんじゃ。
 少し例が違うかもしれませんけれども、学校の入学願書を受け付けて、一年も二年も入学をちょっと待てと言われるのと同じで、これでは話になりませんよ。公示するのでも、いまおっしゃるように、油のショックによってしばらく出願はやめますならやめますとか、書類受け付けはやめますとかね。よろしゅうございますと受け付けて、そして黙って二年も三年もほったらかす。もう少し親切に、いま受け付けても油の状態でこれは日にちが一年も二年もかかりますよ、当分凍結しますから、それでもお出しになりますか、いいですかと、それこそさっきの話じゃないけれども、納得させて、はあ、それはもう二年でも三年でもそれが解除になるまでよろしゅうございますと言うならば別ですよ。そんなことはやらない。どんどんどんどん無制限に受け付けている。そして事務の簡素化、いささかも事務の簡素化じゃない。どうですか、局長、その点。
○真島説明員 先生のおっしゃること、まことにごもっともでございます。ただ、先ほどちょっと先生おっしゃいましたように、道路運送法の需給の関係で、あるところでは、免許と申しますか処分をゆっくりやる、そういうことはございませんので、これはもしそういう事態が起これば、新規輸送力が投入にならないように却下処分をしていけば、そういうことはないわけでございますので、そういう理由で特にある地区で遅くするというようなことはないかと思います。
 ただ非常に特殊な、これは先生もう御承知のとおりでございますが、佐世保地区のようなアメリカの艦隊が入らなくなったということによる需要の非常な激減、これで法人、個人ともに実車率が四〇を割るというような状態になりましたところについて、これは個人とか法人とかを問わず一時凍結するというような措置を、ある非常に特殊なところではとっておりますけれども、原則といたしましては、いま申し上げましたようなことで、それによって処分を早くしたり遅くしたりというような操作をすべきものではないと考えております。
 それから、全体の問題でございますが、これはいま先生御指摘になりましたように、正直に申し上げまして、いま全国で平均の処理期間が二年になっている陸運局もございます。また一年ぐらいのところもございます。これはまた言いわけになるとおしかりを受けますけれども、確かに申請行為自体をとめるということがなかなかむずかしいというようなことで、石油ショックで凍結しておりました半年間の申請というものが押せ押せにたまってきてしまった。そこで、いまも申し上げましたように、いまだに二年、一年というようなところが残っておるわけでございます。
 それで、先ほどもちょっと申し上げましたが、私ども局長にも御相談いたしておりますが、今年中にこういう事態を一掃するということで、各陸運局に処理計画を出させ、毎月の処理状況を、これからも本省で厳重にチェックして、おくれたならおくれた理由を問うていくというような強い姿勢で改善を進めてまいりたい、このように思います。
○鬼木委員 いまあなたの御答弁によると、車が多いから許認可をとめたというような事実はない、だから私は、そういうこともあらんかと思って、きょうは、ある人いわくとこう言ったのです。その人のお名前は差し控えた。ところがある人いわく、私にそういう答弁をした人がおる。これは、そういうことがなければなおさらなんです。何ら許認可の事務が渋滞するわけはないわけです。事実あなたもいまお認めになったように、二年あるいは二年以上もかかっておるものが現在あると、もうはっきりおっしゃっておる。ところがあなた方は、六カ月でやれ、三カ月でやれ、一年でやれとおっしゃる。相隔たること遠し。運輸行政というものは、皆さんのおっしゃることは、その威令は行われないということなんです。運輸省頼むに足らず、極論すれば、運輸省は何をやっているんだ、こう私は申し上げたいのです。
 きょうは大臣に来てもらわなければいかなかったな、実際の話。本当に大臣に来てもらわぬと、実際これは解決はできぬですね。委員長は後からお見えになったからよくおわかりにならぬかもしれぬけれども、運輸行政はばらばらですね。大臣は六カ月で処理しろ、自動車局長は三カ月でやれと言う、次官は一年でやれと言う。そして実態は二年も過ぎて認可ができない。ほったらかし。これはまことに言語道断。こういう実態を把握して、これに対して行管はまた厳しく勧告すべきだと私は思うのです。今度の許認可の問題でも、答申が出ていないものまで出して、大事なことはやらない。まあ大臣は、御就任早々だから余り責めるわけにもいかぬけれども、これはもう少ししっかりしてもらわぬと困るんですよ。
 だから私は、本当に申し上げにくいことを申し上げるようですけれども、いらぬ腹を探られるような、陸運局なんかは何かなければしてくれぬのか、こういうことさえ私らは耳にするのです。そういう場合には私らは、そんなばかなことはあるか、絶対そういうことはありはしない、そういうぐあいには皆さんに味方して大いに打ち消しますけれども、一体どういうわけでこんなことになるのか。
 しかも、こうして委員会でたびたび、これは先ほど申しましたように、六十五国会の場合もあるいは六十三国会の場合でも、ここの内閣委員会で超党派でそのとおりだ、鬼木が言うとおりだ、全会一致でこの点は応援していただいた。今日一番事務が渋滞しておるのは陸運局の問題だ、こういう声ですよ。それがいつまでたっても改まらないということは、私はまことに遺憾に思うのです。
 今後どれが本当か。大臣が六カ月で、出願から許可まで六カ月で処理しろと言ったのが正しいか、自動車局長が三カ月でやれと言ったのが正しいか、次官が一年間でこれを処理しろと通達を出したのが正しいか、その点をはっきりひとつ御回答いただいて、今度のあなたの御回答いかんによって、今後それに沿わないのはことごとく私は摘発しますよ。どうですか、ひとつ御答弁を。
○真島説明員 先ほどもちょっと触れたわけでございますけれども、事務次官通達、これはハイヤー、タクシー全般のものでございます。したがいまして、個人タクシーの処理期間だけではなくて、法人その他の処理期間も全部含んだものでございます。それでさらに自動車局長の方は、これはまあ一応書き方としては法人、個人含んでおりますけれども、実際問題として三カ月を目途とするという処理基準については、個人タクシーの処理からこの目標にできるだけ近づくようにしなさい、こういう形になっております。したがいまして、私ども橋本大臣が六カ月と言われたものを当面の目標として今後の処理を進めたい、このように考えます。
○鬼木委員 そうしますと、自動車局長が出した三カ月というのは、もう私が言ったようになるべくそれでやるようにという、これは軽い、いわゆるゼスチュアと考えていいな。そうしますと、橋本元大臣が六カ月で処理しろと言われたのが、これがあなた方のお考えでは一番妥当だ。ただしそうしますと、今後出願から許可まで、理由のいかんにかかわらず六カ月以上になったものがあったならば、全国各陸運局の事例を私は全部調査しますから。もうただじゃおきませんよ。いやしくも国会で論議して、国会で話がまとまったことを、しかも大臣の結論が出ているのを、余りに全国陸運局というか、運輸省は考え方が間違っておる。だから私は、今日を起点としますから……。
 それから、いまあなたのお話では、一年、二年とまだ処理のできていないものは本年中に、十二月までに全部処理しますというお答えでした。それを確認しますが、いいですか。
○真島説明員 先ほど申し上げましたのは、各陸運局からとりました処理計画に基づいて私、申し上げたわけでございまして、現在のたまっておる案件を処理いたしまして六カ月という平均処理期間、これに到達する時点は五十一年三月末、五十年度中ということでございます。
○鬼木委員 それじゃ本年度中というわけですな。未処理のものは三月三十一日までに全部処理する、そのように解釈しますよ。理解しましたよ。
 そうすると、現在出願中のものは来年の三月三十一日までには全部処理ができる。むろんきょう、あすに出願しましても、六、七、八、九、十、十一、十二、一、二、三と約九カ月か十カ月あるわけだから、当然いままでの分は言わずもがな三月三十一日までに処理ができるわけですね。はっきり私はそれを見せていただきます。
 そこで最後に私、申し上げたいのは、これは行政監察局の方から出ておる、こういう自動車や個人タクシーあるいはハイヤーの行政監察の報告ですが、最後に非常にいいことが書いてあるのです。
 私がなぜこういうことを申し上げるかというと、先ほどから申し上げておりますように、個人の生活権を確保しなければならぬ、こんな二年もとめられておったのでは個人の生活が困る、将来の生活設計が立たない、これは行政監察局も監理委員会も非常にいいことを言っているんですね。それから個人タクシーの免許申請者は、使用していない車庫を長期に賃借するため非常に負担が大きい。先ほど私が言ったとおり、多大の経済的負担をこうむっておる。それから開業資金等を確保しなければならぬ、こういう個人の生活権を脅かすようなことを長期にわたってやっておる、これが個人タクシーの許認可に対する大きな問題だ、これを絶対解決しなければいけない、こういうことがはっきり書いてある。
 そこで、先ほど申し上げたように、事務の簡素化ということも勧告されておるし、あなたの方もそれに対してやっておるとおっしゃっている。こういう点も長い間車庫を借りて借り賃を出している、二年も三年もじっと使わぬのに借り賃を出さなければならぬ、自己資金を蓄積しなければならぬ、そういう点についてももう少し簡素化する。それから出願の場合に、もっと民主的にやってもらいたいと私は思う。官僚的でなくして民主的に。ただ無制限にどんどん受け付けるということが民主的じゃない。出願を受け付けるときに、書類をぱっと見て判を押して、はい、よろしい、受け取りを出す。そういうことでなくして、窓口でその人の納得のいくようによく事情を話して聞かせて、もう少し民主的に、大体あなたは聴聞はいつごろになりますよ、そうですね、あなたは何月ごろに聴聞になりますよ、そうすると許可は大体いつごろになりますよ、そういうことで心組みしておってくださいよと言う。そうすると出した者は安心する。
 これは先ほども例に出しましたように、いささか例が違うかもしれぬけれども、学校の入学願書を受け付けるのもそうですよ。何月何日の何時から試験でございますよ、手続の入学料は幾らですよ、何時までに来てくださいよ。ただぱっと入学願書を受け付けて、黙って、はい、試験は何時でしょうか、見ればわかるよ、そんなことはやりませんよ。もう少し陸運局なんかは民主的に、役人根性じゃなくして、本当に住民サイドに立って、業者のサイドに立ってやるべきだと思う。もう少し民主化してもらわぬと、陸運局だなんというのはいばり散らかすから、皆おそるおそる行っておる。その点どうですか、最後の私のお尋ねです。
○真島説明員 先生のおっしゃること一々ごもっともでございます。車庫など借りたい、あるいは土地を確保するために、申請時に多額の経費が要る、あるいは処分がおりるまでに経常的に金が要るという問題は、確かに大問題でございまして、これについては一部車庫その他でもめどがついておればよろしい。ただ聴聞のときにははっきりしていただきたいというふうな簡便措置は現在すでにとっておりまして、聴聞いたしますと、現在の体制でも三カ月ぐらいで処分ができるわけでございます。最低三カ月間のそういう負担をお願いするようにしてございます。
 さらに窓口事務の民主化と申しますか、懇切丁寧な指導ということについては、私どもも同感でございまして、これは聴聞の日にちなど正確に何月何日ということは言えないにしても、いつごろになるだろうというようなことは、できる限り申請者に対して申し上げるようなことで指導いたしたいと思います。
○鬼木委員 先ほどから申しますように、個人タクシーの許認可という問題につきましては、毎度この内閣委員会で非常に論議されておるところでございますので、おおむね結論は出たようでございます。六カ月で処理する、現在の未処理の分は来年の三月三十一日までに全部処理してしまう、今後は一切事務の渋滞はないようにするという結論の御回答でございましたので、それで私は了承します。
 最後に一つ、これはちょっとお聞きするだけですが、行管の方にお尋ねしたいのですが、先般、最高裁の判例で、距離制限は違憲の判決が出ておる。距離制限ですね。これは御承知と思いますが、薬局ですか、薬屋さん、県条例では百五十メートル離れておらなければいけない。ところが、この事例は五十メートルぐらいな近いところにあった。そこで、それはまかりならぬということで差しとめられた。そこで告訴して、最高裁で、これは個人の営業の自由を侵すものであるということで違憲だという判例が出ております。
 こういう点につきまして、厚生省の方では薬事法に関係するからでございましょうが、これは検討しなければならぬ問題だ。厚生省はたくさんございますから、あるいは理髪屋さんとか美容業者とかホテルとかクリーニング業とかいろいろ厚生省の管轄にもたくさんあると思うので、距離制限ということに対しては、これは果たして是か非か大いに検討する必要があるというので、検討を始めておるようでございます。営業の自由ということは、なるほどこれは社会的あるいは経済的な性格の上から、普通の個人の表現の自由というようなものとは、ちょっと性質が違うとは思いますが、しかし営業の自由ということはあくまで尊重しなければならぬ。ところが、百五十メートル以内はいけない、こう県の条例で決めておった。そこで個人の営業の自由を妨害するものだというので告訴したのだと思います。これはお互い共同生活をしておる以上、個人の営業の自由とまた他人の自由と衝突する場合もなるほどあるとは思う。世間でよく言う商売がたきということもあると思う。しかし業界保護ということの方にのみ立つことも私はどうかと思う。個人営業を保護するというためには、他人の営業自由ということも私は認めなければならぬと思う。ですから、判例においてはこれは違憲だ、こう出ておる。
 厚生省の方では、これに対して早速検討すべきだということで研究に取りかかっておる、こういうことでございますが、行管としては、この距離制限ということに対してはどのようにお考えになっておるのか、また、これに対しては手をつけられるお考えがあるのか、御検討なさっておるのか、その点だけちょっとお伺いして、将来その点において皆さんの方から何らかあれば、またお話し申し上げたいと思います。
○松澤国務大臣 今回の判決は、この点については一つの重要な指針を与えたものである、かように考えております。行政管理庁としましては、今回の判決を契機として、行政機関の許認可の見直しを行うことをやかましく私自体も言っておりますし、事務当局自体も同じように考えておりますので、さような方向に取り計らっていきたい、かように考えておりますが、詳細は政府委員をして答弁させたいと思います。
○大田政府委員 ただいま長官から基本的なことの御説明がございましたけれども、薬事法に関して違憲という一つの方向が出たと思います。ただ、これに類します距離制限の問題につきましては、たとえばふろ屋だとか、あるいは酒屋だとか、たばこ屋、距離だけに着目いたしますとそういうものがございます。こういうものにつきましても、従来いろいろ言われておりましたが、ただこれから許可、認可を監察いたします場合には、一つの考え方、見方としてわれわれはこの指針を尊重すべきじゃないかというふうには考えております。具体的にこれをどうするかということは、行政管理庁自体ではまだ検討の段階だということです。
○鬼木委員 これは、いま長官がおっしゃったように非常に微妙な問題で、最高裁から出たあの判例に対しても、いろいろ論のあるところだと思いますけれども、距離制限ということは、あるいはまた必要な場合もあるかもしれぬ。ことにたばことか酒とかいうようなのは、これはまた私、個人の営業は個人の営業かもしれないけれども、国税の対象になっていますから、そういう関係も考慮しなければならぬ、そこにはいろいろな関係もあると思うのです。しかし最高裁の違憲だという判例も、私はもっともな点があると思う。そういう点につきまして、いま直ちに行管の方ではどうということを発表する段階でないというお話ですから、その点御研究を願って、将来また適当な対策を立てていただきたい、かように思うわけです。
 時間が超過しまして恐縮でございましたけれども、大体これで質問を終わります。ありがとうございました。
○藤尾委員長 受田新吉君。
○受田委員 これは法律論争の基本に触れる問題でありますが、今回提出された法案に関連して「許可、認可等」の許可とは何か、認可とは何か、等とは何かを御説明願いたいと思うのです。これは実定法上の用語もあるし、いわゆる行政法上の一般論もあるわけでございまするが、国民にわかりやすく説明するために、許可とは何か、認可とは何か、そしてその等という中には、きょう私がいまからお尋ねしようとする登録、確認その他いろいろな問題があるのですが、行管が用意された許可、認可及び等の御説明を願いたいのです。
○大田政府委員 臨時行政調査会では許可、認可等の改革について審議するに当たりまして、特許、免許、許可、認可以外に登記、登録、検査、検定、届出、報告等、許可、認可に類似し、または関連して行う規制を含めているほか、行政機関相互間の協議、同意、諮問、意見の徴取等もその対象にしております。行政改革計画の許可、認可等の整理計画及び許可、認可等の整理に関する法律案が対象としております許可、認可等の範囲も、おおむねこれによっております。行政管理庁におきます作業の基準としている許可、認可等の範囲も同様でございます。
○受田委員 そしてその中で許可とはどういうものか、認可とはどういうものか。許可の場合は、不作為義務を解除するとか、いろいろそのものについては法律的効果がどうなるのか。その行政行為というものはどういう影響力を与えるのか。許可されたものが、何か悪いことをしてそれを取り消されるというようなときにどういう処罰を受けるかというような基準があるのか。認可は補充行為と言われておるが、その補充行為を含めて、認可されたものがやった行為と、認可されないものがやった行為と、その法律的制裁がどうなっておるか。それから特許とは許可の独特のものであるのかどうか。登録とは、許可されたものが記録されることを登録というのか、あるいは単に登録のための申請というものがあって、それは許可でも認可でもない法律的効果があるのか。これは許認可関係法規としては基本の法律解釈に関する大事な問題でありまするから、許可とはどういう性質のものか、許可と認可はどこが違うのか、特許と許可と認可と登録とはどういう法律上の差異があるのか。それらはもう差異はない、ただ用語としては非常に不統一だが、従来、慣例として使ったので、それをそのまま踏襲しているというのか、そういう問題を基本問題としてちょっとお尋ねしておかなければ、質問に入るときにちょっと前提が明確になりませんので、いま申し上げた各種別による相違を御説明願いたいのです。
○川島(鉄)政府委員 先生の御質問は、許可、認可等の言葉の概念を明らかにせよというふうな御趣旨かと存じますが、これは講学上、まあ学問的な言葉としての定義はあるようでございます。たとえば許可というものは、先生、いま言っておられたとおり、一般的に禁止されている行為を許可によって解除する、あるいは認可というものは、個人間の行為があって、それを認可ということを経て法的にその地位が固まる、いわば形成的な権利であるとかそういうような定義があるかと存じますが、現実の法律の中では、必ずしもこの許可、認可というものが、いま申し上げたような意味での峻別された概念で使われてはいないのではないかと見られます。
    〔委員長退席、加藤(陽)委員長代理着席〕
 いまのような概念規定でいけば、認可という言葉が使われるべきではないかというのが実定法上、許可となっている、許可と書いてあるものが認可という言葉が使われておったりということがあろうかと思います。具体的には個別の実体法に規定されていることによってその内容が決まるのだと思います。それによっての処罰とかいうようなことなども、それぞれの法律に定められていることによって理解するということが現実的な取り扱いかと存じます。
 以上、そういうようなことでございますが……。
○受田委員 どうも理解に苦しむのです。これは明確に法律用語として実体を明らかにしておくべきだと思うのです。許可事項とは何か、認可事項とは何か、許可は出願によってやる、認可は申請によってやるとかいうような種別があるのか、いや、それは用語上は、いま実定法上、用語は混乱をしておって、何が何だかわからぬが、従来認可としてこれを用いたから認可としたのか、実際は許可に当たるものであるが認可としたのか、特許ということがあるが、特許はある特定の権力を付与する、その権力の付与は排他的権力の付与であるということであるならば、許可とはどこが違うのか。それから登録とは何か。登録というものは、許可を認可の当然の要素としてこれを記録にとどめるという意味の登録か、登録だけの行政行為があるのか、これははっきりしておかぬと、許可、認可等でごまかして、何が何やらわからぬ、混乱した形で、用語の統一もしないで行政管理庁が行政機関の業務の簡素化を図るなどと言うても、これはやはり法律を大事にする役所のことでございますから、お役所そのものが許可は何、認可は何、特許は何、登録は何、確認は何、届け出は何と、こういうことを明確にしておかないと
 それで私、行政監理委員会が出しているこの資料を拝見してみますと、この中にいま登録とか認可とか許可とか承認とかあらゆるものが混在しておるんですよ。そしてその混在したものを今回整理した法律として出されると、これはやはり法律を基礎にした立法国家の行政機関として用語の不統一ということは、国民に何が何かわからないようにさせる危険があるのです。特許とは何か、許可とは何か、認可とは何か、登録とは何か、確認とは何か、届出とは何か、そういうことを明確に説明できないようなかっこうであれば、実定法上の混乱を来たす危険があると思うのです。行監はそこをいままでやったか、また臨時行政調査会は法律用語の定義について概念的な一応の答えを出しているのかどうか。そういう用語についてのそれぞれの分類した解釈というものは出さないままで渾然といままで行監そのものがやったとするならば、行政監理委員会そのものは、根っこを忘れて末端を走った行政監理委員会ということになると思うのです。どうでしょう。
○角田(礼)政府委員 御質問の中心は、講学上の観念として、それぞれ許可とか認可とかあるいは免許とか登録というものがどういう概念を持つかというお尋ねが第一点であろうと思います。それから第二点は、講学上の観念と実定法上の観念との間には混乱があるではないか、おかしいじゃないかということが第二点だろうと思います。
 後の方からお答えをいたしますが、御指摘のとおり非常な混乱がございます。実定法の上で、法律的には認可の部類に属すべきものが許可というような言葉が使われておりましたり、その逆の場合などがございます。これらは確かに御指摘のように統一をする方が、法秩序の統一という面から、あるいは法律規定の整備という面から見てそのとおりだろうと思います。私どもとしても、若干の責任を感ぜざるを得ないわけでございますけれども、なかなかそういう状態になっていないことは、率直に認めざるを得ないと思います。
 それから第一の方の問題は、先ほど許可と認可については、行政管理庁の方から御説明がありましたけれども、大体そのとおりだと思います。特許というのは、これは受田委員御指摘のとおりでありますが、設権行為と申しますか、特別の地位、権利というものを設定する、排他的な地位を与えるという意味だと思います。それから登録というのは、これはいわゆる公証行為と言われるわけでございまして、ある法律関係なり事実というものが公に存在することを証明する、こういうことでございます。
 ただ、先ほどの第二の質問に入る前にちょっと申し上げますが、許可の場合は、許可を受けないでした行為の効力は、行為の効力自体は関係なくて、罰則その他の制裁を受ける。認可につきましては、その認可を受けないでした行為の効力は、一般的には無効であるというふうに考えられます。特許についても同じでございます。登録については、実はそういう公証をすることによって一定の事実の存在というものの確認という効果が発生するわけでございます。大体そういうような法律効果の違いがあると思います。
 そこで、第二の御指摘に返りますが、いま申し上げたように、実定法上非常に混乱しておりまして、たとえば登録につきましても、本来はある一定の事実の存在を確認するだけでございますけれども、登録に付随的に法律の規定で一定の法律効果を与えまして、登録がなければ登録を受けなければいけないのに、登録を受けない場合に罰則の制裁を受けるというような規定もございます。ただ、その場合には、一般的になぜ許可と認可と違うかといいますと、許可や認可の場合ある程度裁量的なことが入るわけでございますが、登録の場合にはかなり画一的な、裁量的な余地のないものについて登録を受けさせ、登録を受けない場合には一定の制裁を科する、そういうような実定法上の多少の違いはございますが、実際には最初に御指摘になりましたように、非常に混乱があることは認めざるを得ないと思います。
○受田委員 そうしますと、一つの効果論になるのですが、認可の場合は無効である、そして無効であれば当然取り消しになりますね。その行為は取り消し。それから許可の場合は、行為そのものは有効である、だから許可を受け、許可によってされた行為については、その取り消しはできないということですね。つまり処罰される対象になる。
 そこで無効の場合は取り消される、そうしたら、認可で無効になり、取り消しになったそのものの行為に対する責任はどういうことになるわけですか。
○角田(礼)政府委員 これがまた実定法上非常に混乱しておりますので、非常にお答えしにくいのでございますが、先ほど行政管理庁の政府委員から御説明申し上げましたとおり、許可は、一般的には禁止されている行為をある特定の場合に解除する、その解除ということを受けないで、言いかえれば許可を受けないである行為をするといえば、それに対する制裁はあるわけです。しかし許可を受けないである種の行為をしても、その行為の効力というものは否定できないということになるわけです。認可の場合には、たとえばある契約について認可をするというような場合に、その契約を認可を受けないでやった場合には、一般的には、認可を受けないでしたわけですから、その契約の効力は発生しないということでございます。
 ただ実定法の上で、言葉の上でも混乱がございますし、また実定法のいろいろな趣旨で判断をしなければならないと思いますから、一般的にはそういうことを申し上げていいと思いますが、個々具体的な法律になりますと、その辺のところにつきまして一つ一つ検討を要すると思います。
○受田委員 いまの許可及び認可に対する出願及び申請という手続ですが、出願と申請の手続の相違はどこにあるわけですか。
○角田(礼)政府委員 ちょっと御質問の趣旨がわかりませんが出願も申請も、国民あるいは人民の方からある一定の行為を促すという意味で別に法律的には違わないと思います。手続きの上でも別に違いはないと思います。
○受田委員 そうしますと、許可は通常出願をもってされる、それから認可は申請をもってされる、こういう分類が一般的にはなされておりますね。
○角田(礼)政府委員 私の理解では、そういうような区別はないように思います。許可の場合も、申請という言葉が実際の上で多く使われていると思います。
○受田委員 一般的には、許可は出願方式がとられる。特許ももちろんその方式。それから認可は一般的に申請の手続をとる。実際の運用面の形式はそうなっておる。行管、どうですか、実際は。いま法制局は、許可の場合は出願方式、認可の場合には申請方式という分類はないということでございましたが。
○角田(礼)政府委員 ちょっと補足して申し上げますが、最近は出願というような言葉はむしろ法律の上では使わないと思います。特許出願というのは、古い特許法などにございますけれども、出願といいますと何か願い出るというようなことで、どっちかと言えば古い考え方を思わすようなニュアンスがあるのじゃないかと思います。最近は大体申請じゃないかと私は思いますが……。
○受田委員 行管の所管している中に許可の出願の用語が使ってある事例を挙げていただきたい、特許の場合、それぞれ。
○川島(鉄)政府委員 法律を全部ひっくり返してみれば、確かにそういうのがございましょうかと思いますが、今回私どもがこの許認可整理法で御答申いただいた関係の法律の中、たとえば八十法律ばかりになるかと思いますが、その中ではそういう事例は見当たりません。出願という言葉は見当たりませずに、いずれも申請という言葉であるということでございます。
○受田委員 そうしたら、実際に運用は申請で一括統一してある、こういうことですね。
○川島(鉄)政府委員 はい。
○受田委員 そこで、いまの許可と認可とが、いま法務局でも、まことに実定法上は混乱しておる、何とかしなければならぬと思っておるということです。許可とすべきものを認可としたり、認可とすべきものを許可としたりしておる、こういうことでありますが、行管としては、そうした用語の統一というものは――これは行政法上の問題という意味でなくして、行政庁としての立場から、あいまいもことしたものが混在しておるという形は改めるべきじゃないか。許可なら許可に統一すればいいし、認可なら認可に統一すればいい。ウサギかカメかがわからぬようなかっこうで適当に従来の用語がそのまま混在しておるというようなことは、用語の統一から言っても――国民だって、これは許可か、これは認可か、それを申請する場合に、どういう形で許可と認可が違うのかなという疑問が出るわけですね。国民の生活にどこかで簡便さを与えるという意味にもなるわけでございますからね。せっかくあなたの方でこうして許認可の改善方策を答申していただいて、これに対する今度の法案を出されているのです。国民のそういう頭を使う負担、金を使う負担、いろいろな点で国民負担の軽減を図りたいという答えがせっかく出ておるわけです。行政事務の簡素化の立場からとせっかくうたってある。国民の側から見た許可申請、認可申請と一体どういうふうになっておるのかという問題が起こる。そこにまた特許というような問題も飛び出してくる。登録という言葉も出てくる。似通うたようなものが整理統合できないものでございましょうか。
○川島(鉄)政府委員 ある概念でくくった場合には、その言葉がいずれも適用されておるという姿に法令用語が統一されることが望ましいということにつきましては、私も全く同感でございます。ただ、各実定法の言葉それのみを取り上げて改正を図っていくというのも相当至難な事業になるのではないかと存じますが、原則的にはそういうことが大事ではないかと思います。
○受田委員 結構です。
 それでは長官、いま法制局もまた局長も、同様にこの実定法上の用語の統一の必要性を力説されておるわけです。長官として、この用語の整理統合を、統一を図る配慮をこの次の法律改正の時点から明確にしておかれたい、要望しておきます。
○松澤国務大臣 確かにごもっともな御意見でございますので、真剣に検討さして御趣旨に沿うようにしたい、かように存じますが、現実の問題といたしますると、ただいまお話がございましたように、実際的な立場からいたしまして非常に困難性がある問題であろうと思います。したがいまして、極力いまおっしゃったような方向に進めるといたしましても、あるいはときによっては抜けるというようなこともなきにしもあらざるの結果になるかと思いますが、とにかくいずれにしても勉強だけはさして、皆さん方の御要望が達成できまするような方向に全力を尽くすように指示したいと思います。
○受田委員 行政管理庁設置法の第二条に所掌事務及び権限が明確にうたってある。そしてこれは非常に具体的に十四項目に分かれて列記してあるが、この中に「各行政機関の業務の実施状況を監察し、」というのと、それからさっきから質問が出ている「必要な勧告を行うこと」というのがあるわけでございますが、この「各行政機関の業務の実施状況を監察し、」というところにいまから質問を移します。
 田中総理大臣が就任された直後です。七月七日に総理に任命されて、それから十四日に早速閣議でツルの一声をお出しになった。それは各官庁とも申請された案件について、主管課長が直接受理するとともに、内容を速やかに局長に報告する、さらに少なくとも一カ月以内に処理することを原則として、処理できないものは、理由を事務次官から大臣に報告するとともに申請者に通告する、こう書いてある。これは行管庁設置法第二条第十一項の規定に該当する問題です、業務の実施状況を監察するんですから。この総理大臣のツルの一声は、課長を窓口にするところの行政一元化の問題は、その後どのように進んでおるか、お答えを願いたい。
○大田政府委員 四十七年の七月十四日の閣議決定によりまして、内閣総理大臣から、ただいま先生御指摘のように各省庁に申請された案件については、主管課長が直接受理する、そしてその内容については速やかに局長に報告する、申請された案件については、少なくとも一カ月以内に処理する、こういう指示が出まして、行政管理庁といたしましては、早速各省庁の分掌規程につきまして実は調査をいたしました。
 まず、事務の改善につきましては、各省にあります分掌規程にその旨を明記する必要があろうということで、各省庁のそれぞれの所管課から分掌規程をとりまして、ない省庁に対しては、それぞれ行政管理庁からそういう内容の規定を入れるよう指示したところでございます。それから窓口につきましては、それぞれ監察を実施いたしまして、四十七年の十二月にそれぞれ勧告をいたしたところでございます。
 その結果につきましては、分掌規程の整備につきましては、大体各省ともできておることになっております。また行政管理庁でもチェックしておりますので、大体できておりますけれども、ただ課長の窓口に問題と、それから一カ月以内の処理、これは各省庁で標準処理期間を定めまして、それぞれそれで実施させることにしておりますけれども、この二点につきましては、標準処理期間だけはできましたが、実行は余り進んでいない。それから窓口に座る点につきましても、余り奥行していないというのが現状ではなかろうかというふうに思っております。ただ現実の問題といたしまして、現在の状況につきましては、さらに推進監察その他を実施してつかむ必要があろうかと思っております。
○受田委員 大変あいまいもことしておる。総理がせっかく指示された、行管には大変味方になるツルの一声が出た、にもかかわらず、いま御説明を承るとしどろもどろで、さっき鬼木先生が指示されたようなツルの一声で言えば、片づけなければいかぬ問題ですね。ツルの一声を聞かぬ役所があるのです。役所が聞かぬのです。総理大臣の命令を聞かぬような役人はやめてもらった方がいいです。(越智(伊)委員「そのとおり」と呼ぶ)越智先生、そうだね。行管長官、あなたは私が一番敬愛する友人です。あなたのような良心的な政治家が閣僚になられたことを心から祝福しますが、それがゆえに、いまお話を承っても、鬼木先生の質疑を承っても、ツルの一声が聞かれておらぬ、総理大臣が何を言うかとなめてかかるようなお役人が各省に蟠踞しておるということは、国の行政事務を渋滞させ、そこから規律を守る役所の本則を乱すことになると私は思うのですが、いかがでしょう。
○松澤国務大臣 ただいまの御意見、ごもっともだと思います。実際問題といたしまして、いまのお話等からいたしましても、各大臣なりあるいはまた局長方面からの指示がありましたならば、それに従ってやっていくのが現実の姿ではないかと思っております。ところが、それに相反するような行為、行動があるとするならば、私自体も、これから一生懸命勉強するし、同時にまた、検討を加えまして、指示に従わせるような方向に努力していきたい、かように存じます。
○受田委員 行管長官として使命の重さを御自覚の上、敢然と取り組んでいただきたい。長官を激励しておきます。
 私、行政事務の簡素化ということに関係して、さらに一つ具体的な問題を取り上げます。出願者――あえて私、出願ということを言うわけですが、特許法上には出願という言葉が全部出ておるわけです。今回、商工委員会にかかっている特許法改正の中には特許の出願というのがある。
 それで、特許庁から来ておられる方、特許は申請ですか、出願ですか。
○三枝政府委員 出願でございます。
○受田委員 行管はよく勉強されなければいけないです。出願というのが特許に使ってある。許可、特許を二つ私、挙げましたが、法律の文章に出願というのが出ている。行管がそれを御存じないようなことでは局長としても怠慢です。法制局もその点同様に、許可とか特許とかいう中には、特に特許には出願という言葉が使われている。申請ではない。これは法律にうたってある。そういう意味で、この用語が、何もかも皆申請でまとめてあるとおっしゃった言葉が、出願という言葉で明記してあるのです。
 そういうことから、たとえば消防機器、火を消す機器を発明した、特許出願をする、そのときに一方では、その消防機器は同時に自治省へ出されて、自治省では今度は、消防機器として実用に供せるかどうかを審査するわけです。一人の出願者が特許庁と自治省の二つの役所へまたがって審査を受けなければならぬという問題があるわけです。また、これが厚生省所管、農林省所管ということで食品とか薬品とかいうようなものは二省三省にまたがってその出願をし、あるいは申請をしなければならぬというような問題にぶつかってくるわけです。そのときに、どこかで窓口を一つ、たとえば特許庁が窓口になって、それで今度自治省にこういう出願が出ておる、この出願の審査に当たって、消防の実態からこれが実用に供せるかどうかあなたの方と一緒に審査しましょうと、申請者、出願者は一つの窓口で、引き受けた方は関係省庁と連絡して審査して答えを出す、こういう形にしなければならないのです。それが国民に対する親切である。同じ書類を両方へ出すというようなことをするよりも、二省三省に共願せなければいかぬようなときには、一つの窓口で片づけてあげるようにしたらいいのじゃないか。忙しいのに二つも三つも役所を歩いて、最後には実用に供せない、せっかく特許出願はお認めいただいたが、一方ではお認めいただけないというようなことになるのならば、一つの窓口で答えを出してあげればいいわけです。これは行管いかがでしょう、全体の問題として。
○川島(鉄)政府委員 一般的に窓口が二本になるということは、業務の簡素化でないだけではなくて、申請する者に対してきわめて不便だと思います。そういうことで行政管理庁におきましても、従来二、三改善した例がございますが、今後もまたそういう窓口の一本化ということにつきましては、推進する必要があると思っております。
    〔加藤(陽)委員長代理退席、委員長着席〕
○受田委員 これは非常に大事なことで、そういうものを整理統合していく必要がある。特に工業所有権を担当する特許庁は、そこへ幾つかの問題を抱えておられるわけです。特許または実用新案の登録の出願、これは全部出願。その出願の書類に対しての審査に当たって、いま申し上げたような点を、何とかひとつ窓口を簡素化して一本でお世話してあげるような研究ができないものか。これは特許庁でやるのがなかなかむずかしいとすれば、やはり行管が各行政機関の業務の実施状況を監察する過程において、一つの申請が二重、三重の手続を必要とする場合、窓口を一つにしてあげるという配慮は、ひとつ行管が勧告をしていただくということが私は筋が通る、これは特許庁へお願いしてもちょっと無理と思うのです。
 そこで、特許に関する問題にちょっと触れてまいりますが、これは許可の中で、権力を付与する特別の許可というものになるものとして、その個人に与えられた特許権というものが非常に権威の高いものであって、排他的権威を持っておる。その出願によって特許された件については、他の者にこれを使わすわけにいかない。そうすると、自分がそれを握って、せっかくりっぱな発明をした、特許をもらった、それを未使用のままでおいたのではいけない。他の社会にそれを使用さしていただくならば、はるかに大きな社会への貢献ができるものを、未使用のままで寝かしておるような特許というものをそのまま余りたくさん残しちゃいけない。未使用について、後から出願したもので類似のものがあれば、それを最終的には特許庁が審判して裁決するそうでございますが、この問題については、未使用の特許を広く公共に活用させるための道を開く方法はないか。
 実際いま特許を与えた中に未使用の件数はどのぐらいあるか、数字がおわかりじゃないかと思うが。
○三枝政府委員 先生御指摘の、工業所有権全般に関しまして、権利の設定を受けた後、その権利を現実に実施しないのがたくさんあるのではないか、その点は事実そのとおりでございます。たとえば特許とか実用新案になりますと、これは大分前に特許庁といたしましてもアンケート調査等でやったことはございますが、なかなか明確な全般にわたっての数値というのを、行政上、統計上、把握する手段がございませんので、正確なところは申し上げかねますが、世界的に見ましても、現実に権利になったもので実施されておるというのは、数%という程度だろうかと存じます。
 ただ先生御承知のとおり、特許権者は、これを専用権あるいは通常実施権として他人に実施許諾をする、そういう形の権利をも含んでおりますので、その辺のものを含めてで見ますと、もう少しパーセントは上がると存じます。
 いずれにしましても、その場合におきまして、工業所有権制度の本来の目的、意義、この辺との関連がございまして、たとえば特許権につきましては、発明というものがその権利設定の対象になるわけでございますが、発明は特許法にも定義がございますとおり、自然法則を利用いたしました技術思想の創作物で高度のものということになっておりまして、しかもそれが産業上利用できる可能性を持つ、これが判断基準になってございます。そこで必ずしもそれがすべて実施されなければいかぬということにはなってございません。また産業上の利用性につきましても、これはその可能性ということで判断すればよろしいということで、それが実際上の、他の法規との関係で規制を受けるということがございましても、それは特許権としては成立するというような世界的なシステムになってございます。
 それはなぜかと申しますと、やはり発明の保護とそういう創作活動、これは人間の進歩発展の一つの大きな原動力でございますが、それがたまたまその段階では直ちに実施し得ない、経済的、社会的ないろいろな制約、効果等の問題がございまして実施できない、しかしそれが根となって、実際上利用してより大きな効果を上げ得る段階になってくるという、大きな改善なり技術発展の基礎ということで、やはり人知の創作物といたしましてこれは保護さるべきであるという観点に立って権利設定が行われてございます。しかし先生御指摘のように、それが非常に貴重なものであればあるほど、未実施のまま放置されておるということは、社会的にもきわめて望ましくないことでございます。
 そこで、そういう権利を与える反面、これは早く公開させるということで世間一般にこれを知らせる。重複した研究開発とかいうことが行われないで、新しいそういう一段高くなった技術水準、これは公知のものになるわけでございますから、その上にのっとってまた新しく技術開発が行われるということの意義を持ってございますので、それだけでも一つの社会的効用を、公開ということによって発揮しておるというふうに解釈できるかと思います。
 それからさらに特許法上、実施促進という観点に立ちましての制度といたしましては、三年間これが実施されない場合には、不使用による裁定を請求するということができるようになってございます。もちろん、その前段階といたしまして、その実施権者に、おまえさんのところは余り実施されておらぬ、したがいまして、自分のところはぜひこの権利を実施したいという協議をまず請求いたします。そして協議が行われましたが、権利者は、おまえさんのところは気に食わぬということで権利設定をしないということがございますと、特許庁長官に、そこは話し合いがつかないから裁定を請求するという請求制度が開かれてございます。そこで、そこら辺につきまして、裁定請求制度の趣旨に沿いまして判断をいたしまして、なるほどそれは強制的に実施権を相手方に設定させてやるべきであるという判断がつけば、特許庁長官がその相手方に対して、権利者の意向にかかわらず権利の実施権を設定させる、こういうような仕組みは一応できてございます。そういうようなことによりまして、実施促進ということは制度的にも一応担保されておるわけでございます。
○受田委員 いま全国にある企業の総数の中で大企業と称せられるのは約三%。ところが、大企業が持っている特許権というのは八〇%。ほとんど大企業が特許権を握っておる。中小企業の中には、それを生かしてもらうならば、もっともっと国家国民に貢献できるものが、大企業に握られて未使用のままである分もある。そのように中小企業は、企業数から言うならば全体の九七%も占めている、それがわずかに二〇%しか特許権を持っていないで、どうして中小企業の振興ができるか。独禁法でもそうした特許の独占というものを排除する内容があるはずだ。特許権は独占禁止法でどういう考え方でいくべきであるとお思いになりますか。
○三枝政府委員 先生御指摘のように、やはり大企業の方が研究開発能力が非常に高いという事実からいたしまして、現実に件数といたしまして比較した場合には、御指摘のような傾向にあることはやむを得ない事実であろうかと存じます。ただ、特許権の存在意義と申しますのは、先ほども御答弁申し上げましたようなことでございますので、これが権利として排他的な、独占的にその発明を実施する権利を持つ、これは特許法上の権利として確立されてございます。一方、それが非常に乱用されまして、私的独占なりあるいは不当な取引制限あるいは不公正な競争方法の手段に使われるというようなことがございますと、これは独禁法との関係でございますが、独禁法の二十三条におきまして、工業所有権に基づく権利の行使、これは独禁法の適用除外になっておりますけれども、その権利の行使と申しますのは、あくまでも正当なる権利の行使でございまして、直接工業所有権の本来の権利機能に関係のない、それをバックとした行き過ぎた独占的な市場支配等が行われるような事態になりますれば、これは独禁法上明確に規制されるということになってございます。
 そういうような形で、たとえば違反事件があったといたしますと、特許に関しましては影響するところも大きいわけでございますので、裁判等で取り消しということの宣告を受けた場合には、当然取り消されるということにもなっておるわけでございます。
○受田委員 最近、欧米間においては、特許権の独占排除という傾向が多分にある。例のゼロックス事件などもその一つの例ですね。世界の趨勢はいまそういう方向に行きよるわけです。だから日本の場合、やはり世界の趨勢を十分見ていくようにして、特許権の乱用を抑える方向へ持っていかなければならぬと思う。必要があれば、独占禁止法を改正してでもそれに乗り出していくべきだと思うのです。特許権というものは、それほど排他的な、強大な権利を持っているわけでございますから、それができるだけ広く――特にブラジルを中心とした開発途上国のこれに対する要望に対して、国連総会がすでにこれを取り上げておるという事件もあるわけです。国際的な趨勢ですよ。この中で特許庁が握っておられる特許、登録の出願、それに対応する政策として、これは特許庁だけでは片づかない問題でございましょうけれども、中小企業の育成強化、開発途上国などに対する貢献というような意味から、もっとこの知的財産というものは広く人類の開発に用いるような方向をとるべきじゃないかと思います。
 また、具体的に特許権の乱用と思われるようなケースは、国内にどのようなものがあるか、例示していただければなお幸いでございます。
○三枝政府委員 先生御指摘のように、技術に関しまして後進国等から国際的ないろいろな会議の場におきまして、後進国向けに先進国の貴重なる技術が円滑に移転されるように、そのためには特許制度についてひとつ再検討すべきではないかというような声も強く出てございまして、UNCTAD、それから特許権関係のいわゆる知的所有権機構、WIPOというのがございますが、この両方におきまして、今後いかにそれに対して適応すべきかという議論が現在行われ始めておる段階でございます。
 ただし、特許権そのものの存在を完全に否定するということになりますと、だれしも好んで発明したものを公開することはいたさないということにも当然なります。そうなりますと、産業界におきましても、お互いどういうものをやっておるかさっぱりわからぬということにもなります。特許権は、一つの独占的な権利を付与するということではございますが、それだけが目的ではございませんで、その反面、先ほど申し上げましたように公開してしまう、世界共通の財産にするということで、その間ある一定期間独占的に使用する権利を専用させてやろうという形に一応なってございますので、その辺は現在の世界の大勢あるいは国内でのいろいろの公共関係との調整というものは確かに問題がございますが、それとの調整をいかにやるべきか。
 これは確かに先生御指摘のように、今後の一つの課題でございますが、先ほども申し上げましたように、現行特許法におきましても、公益目的のためにそれを使うという必要があり、かつそれを使わせてほしいという請求者がございまして、権利者との間に話し合いがつかない場合には、通産大臣のところに持ってくれば、公益上の理由によりまして強制実施権を設定させるということもできるようになっております。国際的な条約あるいは諸外国の法制におきましても、そういう面が、いろいろ違った形ではございますが、大なり小なりできてございます。したがいまして、そういう面での改善あるいはより強化していくということは、今後の一つの課題であろうかと存じます。
○受田委員 大臣、あなた閣僚としてひとつ閣内で大いに提唱してもらいたいのですが、不動産の賃借契約、家を借りたいというときに、賃借権者というものは相当生活の困窮者ですが、それを保護する政策がとられているんです。土地とか建物の所有権に対しては弱者保護政策を日本はとっている。
 ところが特許権、これは許可、認可に直接関係してくる許可の一種と見ればいいわけですが、出願をして特許された、あるいは出願して登録された実用新案、商標、意匠、そうした工業所有権に関するものの中で、特許については権利者が非常に強い立場に立っておりまして、この実施をしたい、実施権をいただきたいと申し出をする人に対して、権利者の一方的な諾否でこれが決まるということに原則論はなっておりますね。権利を持った者が非常に強大なんです。権利を持った者が実施する申し出に対してイエスかノーか言う。最終的にはいま御説明のような線があるとしても、原則はそうなんです。特許権を持っている人は非常に強大なんです。土地や建物、そういう所有権を持っている人に対しては、弱者救済の政策がとられている。その方式をこの特許権にも波及して、特許権を持っている人の特許を使わせてもらいたいと実施申し入れをしたら、双方の合意でこれがいけるようにする。一方の諾否でなくして、権力を持った者だけがイエスかノーかと言うことでなくして、それを本当に国家が調整をとって、それを生かして使いたい人にその知的財産を使わせてもらうんです。使用させてもらうという立場を政策としてとるべきですよ。
 もう一度言いますよ。日本では企業の数の中で三%しか大企業がない。ところが、特許権は大企業が八〇%を握っている。そこにいまの中小企業の発育がおくれている理由もあるわけなんです。そうした特許権を中小企業の人も生かして、本当に日本を挙げてその知的財産をみんなが使っていくというような国の政策をとる時期が来ておると思うのです。その意味で、独占禁止法で特許権というものの存在に対して、これは独占禁止の対象にしていく原則を確立すべきであり、世界の趨勢はそこへいっているというところもひとつ考えて閣内で御主唱願いたい。これはお役人さんの方では政策的なものはなかなか言えませんので、大臣としてひとつ閣内でこれを御提唱願いたい。日本の企業の発展のために知的財産を公開して、できるだけ権利を持っている人には優遇して、何かお金を上げてもいいですから、処遇をよくしてあげて、そして未使用の特許権をみんなが使って国内の開発を図っていく。せっかくいい知恵を一人がポケットにしまわないで、みんなにこれを生かすようにしましょうという政策へ転換をする時期が来たと思いますので、これをひとつ要望して、特許の許可、認可に関係する大事な問題として、国策をそういう方向へお導きを願いたい。
 私、もう一つ、きょうは法制局が御苦労いただいておるので……。
 特許裁判というのがあります。これは十年裁判と言われて、特許庁の審判官で審判をして、そこでそれに対して文句があるやつはこれを訴えていく。訴えていくというときに、高等裁判所と最高裁がこれを処理するわけです。ところが、高等裁判所や最高裁のお役人には、特許の技術的知識を持った人がおらぬわけです。そこでつい大づかみに審判する。十年裁判と言われ、ずいぶん時間がかかるのです。
 そこで、これは憲法を改めなくて済む方法として、憲法改正を私たちは願わない形の中で、特許裁判所というようなものでも、何かの形で専門の裁判官によって高度の裁判ができるような制度を創設できないものか。
○三枝政府委員 特許と申しますかを代表いたします工業所有権関係、これにつきまして、当事者間ある特許庁の行いました行政処分をめぐりまして、いろいろ紛争が出ることは事実でございまして、それに対します措置といたしまして、審査後の問題、権利になった後の問題、これに関しましては、第一次的に、特許庁の中に置かれております審判部におきまして、準司法的な措置で審判が行われるのでございます。
 確かに先生御指摘のように、非常に長い審判の期間を要しておることは事実でございます。大体、現状におきまして四、五年の長期にわたる、なかなか結論が出ないということでございます。ただ、これは準司法的なこともございまして、やはり機械化とかなんとかというのは非常になじみにくい仕事でございますので、われわれといたしましては、審判官の増員あるいは審判の技術の定型化とか口頭審問の回数を極力減らすとかいうような形によりまして、過去におきましてはもっと長かったものを、そこまでに一応短縮してきたわけでございますが、この審判というものが一応現在専門技術者におきます紛争解決の一つの手段として機能しておるわけでございます。
 さらに、その審決結果に対して不服があれば、先生御指摘のように、高等裁判所、さらに最高裁判所というふうに道も開けているところであるわけでございますが、先生御指摘のように、特別の行政裁判所、これを特許に関してできないかどうかということでございますが、遺憾ながら、現在の新憲法のもとにおきましては、最終審としての行政裁判所ということは設けることはできないということになっておりまして、準司法的な機能として特許庁で行われております審判部における審決を経た後は、高裁ないし最高裁ということになっております。
 そこで、先生御指摘の高裁なり最高裁の方におきます技術的知識に関して十分能力があるのかどうかということでございますが、この点につきましては、われわれの方から現在時点で東京高裁及び地裁関係で東京と大阪の地裁に十三名の熟達した能力を持った者を裁判所調査官ということで出向させてございます。したがいまして、東京高裁への年間の出訴案件は大体百件程度でございまして、それから累積している案件が五百件程度ございますが、十数名の地裁及び高裁への派遣によりまして、民事上の問題の処理には、現在段階におきましては支障なく処理されておるというふうに認識しておる次第でございます。
○受田委員 委員長、やはり憲法を改正しないと特許審判最高審というものはできないようでございますから、憲法を改正しない立場に立っているわれわれとしては、いまの質問はこれで終わります。しかし、何かもっといい知恵がないか、御研究を願いたい問題です。
 いま一つ、せっかくの機会でございますから、法制局も御苦労願っておりますので、許可に関係する具体的な裁判事例を挙げたいと思うのです。いまちょっと鬼木さんが触れたのでございますが、私これを掘り下げてお尋ねします。
 薬事法第六条による薬店舗の開設に対する距離制限、これに対して四月末に最高裁の判決が出た。この最高裁の判決というものは、薬局の距離制限は違憲である、そして広島の業者が結局、職業の自由という憲法の規定に基づいて勝訴したというこの事件です。
 そこで、ちょっと厚生省の課長さんにまず伺うのですが、この最高裁の判決を至上命令とする行政措置はどうとられましたか、お答えをいただきたいのです。
○吉村説明員 四月の三十日に、私どもの薬事法で定めております薬局等の適正配置規制に関しまして、違憲の判決が出たわけでございますが、私どもは、この判決の趣旨を種々検討をいたしまして、当面の措置といたしまして、薬局の許可申請があった場合に、この適正配置条例の適用をしばらくストップするようにというような、行政の方針といたしまして、そういう指示を都道府県にしたわけでございます。
○受田委員 この判決は、薬事法の適正配置基準規定による不許可処分の取り消しを命じておるんですよ。つまり、広島が条例でやったそれはけしからぬことであるから、不許可処分を取り消せという命令を下したわけです。これはどうですか、許可、認可を担当される役所として、最高裁の判決で命令を受けたものを、いま鬼木さんの御質問に対して十分大臣も検討すると言われ、局長もそういう御意見のようでございますが、最高裁が不許可処分の取り消しを命じたことに対しては、これは素直に聞かなければいけないんじゃないですか。最高裁の命令などへのかっぱで、これは聞くか聞かぬか、研究しようじゃないかというような問題じゃないと思うのです。いまのお話を聞いておると、いまから研究してみましょうというのですが、研究の段階ではない。命令を素直に受けるのが筋ではないですか。
○吉村説明員 私の答弁がまずかったかと思いますが、広島の当該事件に関しましては、直ちに行政処分そのものを取り消すように広島の県知事に指示をいたしました。同時にあわせて、他の許可の申請がいろいろ出てくるわけでございますが、それに対しまして、当面の措置として適正配置条例の適用をストップせよ、こういう指示をしたわけでございます。
○受田委員 この問題は、最高裁の判決というものは、至上命令として受けなければいけないんじゃありませんか。これを批判することができるかどうかです。最高裁です。高裁ではないのです。政府はどうですか。
○角田(礼)政府委員 政府は従来、最高裁の判決については、常にその趣旨に従うということを、いろいろな場合に言明しておりますので、今回もそのとおりだと思います。
 ただ、若干法律的な説明をつけ加えさせていただきますと、すでに最高裁から内閣及び国会に対しまして、裁判所の正本が送付されているわけでございます。これは御承知かと思いますが、最高裁裁判事務処理規則第十四条という規定がございまして、違憲の判決がございましたときには、そういう手続をとることになっておるわけでございます。したがいまして、今回の場合は、法律の改廃措置が当然必要になってくるわけでございますが、最高裁の判決の趣旨に従いまして、国会あるいは内閣においてしかるべき措置をとることが期待されているものと考えます。
○受田委員 すでに最高裁の違憲判決は、四十八年四月にも尊属殺に対する違憲判決があった。この方はどうなっておるのですか。
○角田(礼)政府委員 私がお答えするのは、必ずしも適当じゃないと思いますが、ペンディングになっていることは事実でございます。
○受田委員 そうすると、最高裁の言うことを聞いていないわけですか。法制局第一部長としてはどうですか。
○角田(礼)政府委員 これは大変申し上げにくいのでありますが、国会と内閣と両方でそれぞれ責任を果たすべきことだろうと思いますが、内閣につきましても、いろいろな措置をとろうとしたようでございますが、いろいろな御意見がまたありまして、必ずしもそのとおりにならなかったようでございます。
 ただ、一言だけ申し上げさせていただきますが、尊属殺のあの違憲判決というものは、今回の判決と若干性格が違う点がございます。今回の判決は、薬事法の六条二項等の規定が完全に違憲であるということを明言しているわけでございます。ところが、尊属殺のあの違憲判決というのは、刑法二百条の規定について、何と申しますか、部分的に違憲であるというような、まあ言葉は不正確でございますが、そういう判決でございますので、それのとり方についていろいろな御意見が分かれたのだろうと思います。
○受田委員 ケース・バイ・ケースというような見方もあるでしょうが、最高裁の判決に対する忠実な実行というものは、これは当然行わなければならぬ。特に今回の場合は、そうした具体的な問題に触れてきておるわけでございますから、現に不許可処分の取り消しを命じておるかどうか。広島はどうなっておりますか。
○吉村説明員 広島県におきまして、そういうすでに行われました行政処分の取り消しをするような措置をとっております。
○受田委員 すでに薬店設置の準備ができるようにしてあるわけですね。
○吉村説明員 行政処分を取り消したわけでございまして、直ちにそれが許可をするということに結びついておるわけではございません。事実、この事件の原告でございましたスーパーマーケットは、いま薬局を経営する意思がないようでございます。したがって、すでに行いました広島県知事の行政処分そのものは取り消しをいたしましたが、その結果、直ちに原告の薬局を許可する、こういうことにはなっておりません。
○受田委員 不許可処分の取り消しということになると、部長さん、その時点において許可されたという形になるのじゃないですか。許可申請をした、あるいは特許出願をした、それが今度取り消しをされた。その取り消しが不許可を取り消したというのなら、許可ということになるのじゃないですか。内閣法制局としてはそれでよろしいのですか。
○角田(礼)政府委員 判決の中身にもよりますが、また法律によって、直ちにそれが同時に許可になるということにはならないと思います。ただ当然、許可申請をすれば許可になるということは間違いないと思います。
○受田委員 私、この機会に企画課長さんにちょっとお尋ねしておきたいのですが、薬店の適正配置、これは医薬分業が完成していない時点の問題でありますけれども、薬屋さんがそばにおらぬで、ちょっとした腹痛などで薬が欲しいという恩恵に浴し得ない山間僻地、島嶼部、こういうところに薬店の適正配置をする。置き薬を置いてやるというような制度だけでなくして、置き薬以外にも、一般販売業の店、薬種商というようなものが適当に配置されるという薬店の適正配置というようなものはどうですか。今度の判決を基礎にして私、質問してみたいのですが、それは厚生省どう考えておられるのですか。
○吉村説明員 薬事法の六条の規定、今度違憲の判決をいただいた規定は、一方におきまして薬局の過当競争を排除すると同時に、無薬局地区等に薬局の普及を図る、こういうような目的もございましてでき上がった法律なのでありますが、今回違憲だということで、この法律の規定を削除することになりますと、改めまして行政指導等で、そういう無薬局地域に対しまして、いま先生のおっしゃられましたような、薬局の設置あるいは薬種商の設置、あるいは配置販売業によります配置薬の配布、こういうようないろいろの措置を講じて、山間僻地の住民が医薬品の支給を受けることができないというような状態を解消する努力をやはりしなければならぬと思います。
 また、薬の供給というのは、必ずしも薬局だけではございません。医療用の医薬品につきましては、診療所あるいは病院を通じまして行われる面もございます。したがいまして、仮に薬局がないところ、あるいは薬種商がないところにおきましても、医療機関から診療を受けて投薬をしてもらえば、さしあたっては医療に支障はないというように考えております。
○受田委員 どこにもある農協、そういうところでは、薬剤師のいない一般販売あるいは配置販売というようなことを認めて、どこへ行っても、三十戸、五十戸あるところには、農協とか漁協とかいうところへ行けば薬が置いてある、こういう制度をつくられたらどうですか。
 それからもう一つ、それにあわせて、薬剤師というものは、一体適正配置上どのくらい必要なのか。医師の適正配置はわれわれは心得ておりますが、薬剤師はどのくらい必要なのか。そしてそれに対応する薬剤師を養成する大学に対して、どのくらいの教育要員、学生を厚生省は文部省に要望しているのか。国公、私立を通じての薬剤師養成機関に対する厚生省の要望、これはこの機会に大事な問題として御質問をさしていただきます。
○吉村説明員 全国に対します薬局あるいは一般販売業、薬種商販売業、それから配置販売業、また、もう一つのものといたしまして、特例販売業というものがございますが、こういう現在の医薬品の販売に関する業種というものは、大体、私どもとしては、全国に何らかの形で配置がされていると思います。
 ただ、薬の配置ということになりますと、人口との関係あるいは疾病の量との関係というようないろいろな要素と関連いたしますから、そういう観点から、必ずしも適正に配置されておるかどうかというのは疑問がありますが、大体全国何らかの形で販売業というものがあるというように私どもは考えております。
 それからまた、薬剤師の数の問題でございますが、現在、薬剤師の届け出をしておりますのが八万七千人ぐらい。端数は省略させていただきますが、八万七千人ぐらいおります。それから現在、薬科大学というのが、全国に公私立あるいは国立を含めまして三十九ございまして、大学の定員が六千百五人でございます。現在、医薬分業を五〇%ぐらい達成するためには、四万六千人ぐらいの薬剤師が必要だというように私ども考えております。そこで、一〇〇%の医薬分業になりました場合には、形式的に言いますとその倍でございますが、現在の薬科大学の定員がそのまま維持されたといたしまして、大体昭和六十年に十五万人ぐらいの薬剤師の数になる予定でございます。したがいまして、いまの大学の定員だけで進んでも薬剤師の数が不足するというようなことはないのではないか。少なくともこの十年ぐらいの間はないのではないかというように考えております。
○受田委員 質問を終わりますが、山間僻地等に、ちょっとした腹痛などに対応するお薬が用意されるような置き薬、配置販売ができるような制度をもっと拡大強化して、いつでも身近なところにお薬屋があるというかっこうにしておけば、最高裁の判決があって不許可処分の取り消しをされて、都市に集中的に薬剤師が集まるということも救われるわけですから、そういうことをひとつ同時に厚生省やってもらいたい。
 最後に大臣、私さっき申し上げました、申請して何カ月も許可、認可の処理がされないような行政の怠慢は、判こを押す責任者が、局長のところにいつまでも置いておいたり、課長のところに置いておいたり、受付の窓口に置くというようなことから起こってくるので、受理してから何カ月後という総理のあの指示は、これは忠実にひとつ各省へ指示してください。同時に、大臣の部下は全部あなたの指揮監督を受けるのです。言うことを聞かない課長がおれば首にすればいい。総理大臣は、言うことを聞かない閣僚がおれば、これを罷免することができるわけです。そういうふうにして、行政の能率を上げるために秩序がきちっといくような、指揮監督権の行使がぴしっといくような制度をこの際実行に移してもらいたいと思うのです。
 だから、こうした国民に対する負担を軽減し、行政の簡素化を図るというこの法案の趣旨を生かすために、そうした期限を切る規定が私はどこかに本当は要るのじゃないかと思うのです。たとえば、みやすいものは一カ月以内、むずかしいのは三カ月、いまのような公聴会とか聴聞会とかある分は、その分を含めて半年とか、それを法律にうたう。許可、認可の処理を受理してから何カ月以内にしなければならぬというような大臣の指示だけでなくて、そういうものが必要じゃないか。軽いものは一カ月以内に処理しなければならぬと法律にうたう必要があるのじゃないかと思いますが、これはいかがでしょう。
○松澤国務大臣 ただいまの御意見ごもっともでございますので、できる限りいま受田先生がおっしゃられるような方向に向かって邁進するように全力を尽くしていきたい、かように存じます。
○受田委員 御誠意がある答弁で、これで終わります。
○藤尾委員長 和田貞夫君。
○和田(貞)委員 私は、まず行政監理委員会にお尋ねしたいんですが、あなたの方から出されている「許認可に関する改善方策についての答申」は、実にしぼってしぼって、二百十九項に及ぶ改善方向を推進すべきであるという結論を出されておられる。しかもその中で、法律の改正を要するものが八十件、政令が二十一件、省令が三十三件、通達、告示が八十五件。法律の改正を要する八十件があるということを結論づけられておきながら、八事項にわたっては外人登録法の問題もございますが、含めて二十三事項についてのみ今度の許認可事項の方の法案の中に出てきておるわけですが、しかもその中で、あなたの方の資料に基づきますと、行政分野ごとに整理されておる内容を見てみますと、国民の生活に関係のあるものもかなりあるわけですが、今回出されておる法の改正というのは、国民の生活にかかわる問題よりも、行政のサイドから簡素化し、むしろ行政のサイドで便利だというような観点でこの法案が出てきたのじゃないか、こういうように見るわけなんです。
 そこらあたり、八十件の法改正を要するものがあるということを認められ、しかも国民生活にかかわる問題がかなり含まれておるにもかかわらず、なぜ今回提案されておる二十三事項に限定して出されてきたか、これらの点についてまずお考えをお示しいただきたいと思います。
○大田政府委員 答申の八十法律の中で、十二法律、二十三事項をこのたび提案いたしましたのは、この法律を提案する時期までに一応各省と折衝いたしまして成案を得たものでございます。今後、昭和五十年度、五十一年度で一応ある程度の協議は整っております。昭和五十年度で見ますと、大体事項数では六十八ぐらいをやりたい。それから近く措置が検討されて決定を予定しておるものというのが、大体七十五事項ぐらいございます。そのほか三十三、四事項ぐらいはまだ各省と折衝中でございますけれども、行政管理庁といたしましては、この答申を推進する責任もございますし、今後この未措置の問題についても各省と強力に協議いたしたい、このように思っています。
 また内容につきまして、いわゆる役所側の簡素、能率ということが非常にウエートが高いじゃないかというお尋ねでございますけれども、たとえばパチンコにつきましても、これは相当の方々の実は簡素化になる問題でございます。また登記の問題にいたしましても、あるいは権限委譲の問題にいたしましても、結局はそれを申請する人が非常に早く処理していただけるという効果の面が相当あるんじゃないだろうかというふうにわれわれは考えておる次第でございまして、特に役所側だけの簡素合理化というものを考えたものではございません。
○和田(貞)委員 行政サイドからのみで考えたのじゃない、国民の利便のことを第一義的に考えたというその中には、国民の権利を侵してはならないというようなことも考慮に入れて簡素化ということを考えられたのですか。
○大田政府委員 許認可一括整理法で出しますのは、住民の負担の軽減と業務の簡素化ということがねらいでございますので、特にそれ以外をどうするというようなことではございません。ですから、一括整理法で出しますのは、住民の負担の軽減になるかどうか、それから行政機関の簡素合理化になるかどうかということをまず検討いたしまして出すということでございます。
○和田(貞)委員 そういうことでありますと、その中で国民の権利が侵されるというようなことがあっても、行政の簡素化ということを優位に考えるのだということなんですか。
○大田政府委員 国民の権利が侵されるというようなことは特に考えてはおりません。あくまでも住民の負担の軽減になるということが中心でございます。
○和田(貞)委員 国民の権利が侵されても便利な方がいいという考え方が優先されるのかどうかということです。
○大田政府委員 そういうことは絶対にございません。あくまでも国民の権利というものは考えないといけません。ですから、国民の権利よりも簡素合理化が優先するということは絶対ございません。
○和田(貞)委員 国民の権利を保障して便利を考えていく、こういうことですね。
○大田政府委員 そのとおりでございます。
○和田(貞)委員 後で、その問題につきましては具体的に質問していきたいと思いますが、まず風俗営業法の改正についてですが、国民の一人であるパチンコ営業主あるいはマージャンの営業主は、確かに便利になってくることは疑いの余地もないわけなんですが、ここ二、三日前から、朝日新聞、毎日、サンケイ、読売の全紙に、最近の女子高校生のモーテル遊びの点について非常に大きく取り上げられておるわけなんですが、警察の方はきょう来られていますか。――警察庁の方で、この甲府市における女子高校生のモーテル遊びの把握されておる概要、それにつけ加えて、この種の出来事といいますか、事犯ですね、あなたの方で把握されておる問題について、できる限り詳しくこの機会にまず御報告いただきたいと思う。
○鈴木説明員 お答え申し上げます。
 先生ただいま御質問の件につきましては、甲府警察署が、四月の初めごろに甲府市内の女子高校生が売春を行っているという風評を聞き込みまして、内偵したところ、女子高校生等の不純異性交遊事案が判明したというものでございます。
 事案の概要は、甲府市内の二つの高校の女子生徒が、市内のスナックなどで知り合った若い会社員とか男子の高校生たちと不純異性交遊を重ねていたというものでございまして、関係者のうち警察が把握している者は、現在私どもが県警から報告を受けているところでは、少年が男子も含めまして九十七名というふうに報告を受けております。
 今回の事案は、性経験を持った一部の女子高校生が学校などでセックスの話をしたことから、ほかの生徒もセックスに興味を持って、その結果、多数の者が不純異性交遊を行ったというふうに報告を受けております。今回の事案の関係者は大部分が高校生であるところから、警察としては、関係の学校と連絡をとりながら、いろいろな措置を講じているところでございます。
 なお、多数の高校生がなぜこういう行為を行うに至ったかということにつきまして、その背景などについても、学校側と協力しながら今後調査していきたいというふうに考えております。
 それから、この種の事案がほかにも幾つかあるかというお話でございますが、最近、私どもが報告を受けている事案としましては、新潟で女子高校生十名が暴走族集団の構成員である青少年ら十八名と不純異性交遊をしていたというような事案、あるいは北海道で男女の高校生十二名が、高校のホールで酒を飲んだ上ダンスなどに興じて、さらにアパートなどで不純異性交遊をしていたというような事案とか、徳島で女子高校生八名が、小遣い銭欲しさから、成人の金融ブローカー等から勧められるままに売春を行っていたというような事案の報告を受けております。
○和田(貞)委員 この甲府の場合は、売春行為というものは含まれておらなかったですか。
○鈴木説明員 県警から報告を受けているところでは、売春をしていたという事実はないということでございます。
○和田(貞)委員 いま報告をされた中で、徳島の場合は売春行為の報告があったわけです。
 あなたの方で捜査された中で、覚せい剤の使用ということは出てこなかったですか。
○鈴木説明員 ただいま手元に具体的な資料を持っておりませんので、具体的な事案について御報告いたしかねますが、不純異性交遊に絡んで覚せい剤が使われていたという事案も最近あったように記憶しております。
○和田(貞)委員 覚せい剤の使用というのは売春につながるということは、あなたの方では把握しておられますね。
○鈴木説明員 覚せい剤の使用が即売春につながるかどうかということについては、必ずしもそうなるかどうかお答えいたしかねますけれども、売春婦が覚せい剤を使っていたという事案は、相当多数各県から報告を受けております。
○和田(貞)委員 売春婦だけじゃなくて、そういう女子高校生を含め、家庭婦人を誘惑の手に乗せるために、もう目的は売春行為を強いる、あるいは売春行為を誘引さすという手として覚せい剤が使われるというように把握はされておるでしょう。
○鈴木説明員 暴力団が若い女性を誘惑する手として、まず覚せい剤を打って、そして抗拒不能の状態に陥れた上でセックスの関係を持って、その弱みにつけ込んで売春をさせていたというような事案は、最近何件か報告を受けたことがございます。
○和田(貞)委員 そこで、そうなってまいりますと、今度の甲府の場合もモーテルが使用されているわけですが、このモーテルというのは、厚生省はホテル、旅館の一部だというように許可を与えておるわけです。風俗営業等取締法で新たに四条の六を起こして、わざわざトルコぶろの際と同じように、地域的な制限あるいは距離的な制限、これを都道府県の条例によって定めるというようなことで、この地域規制をされたわけなんです。むしろそのことによって、トルコぶろと同じようにモーテルが最近ではかたまりつつある。あるいはモーテル以外の、俗に言う連れ込みホテル、いかがわしいホテル、一般の善良な市民が宿泊を求めるための施設でない、時によれば売春行為を助長する施設に使われる、そういう疑いのあるホテルなりモーテルというのは、地域を規制することによってかえって集娼化している、こういう現象がトルコぶろと同じようにあらわれておるということを、警察当局としてはどのようにお考えですか。
○鈴木説明員 風俗営業等取締法の一部改正を行って、モーテルの地域的な規制を行いましたのは、現に清浄な風俗環境である場所が、モーテルが設置されることによって害されるということを防止するためにやった措置でございまして、現在すでに、バー、キャバレーとか、トルコぶろとかモーテルとか、そういうものが存在しておるいわゆる都市の中心の盛り場のようなところについては、新たにモーテルが設けられても、それ自体によって特に清浄な風俗環境がさらに害されるというようなこともないのじゃないかということで、そういう地域についてはモーテルの存続を認めたわけでございますけれども、それによって一部の地域にモーテルが集中して集娼化しているというような事態には至っていないのじゃないかというふうに考えております。
○和田(貞)委員 集娼化されておらないという認識ですか。モーテルにしても、いかがわしいホテルにしても、ホテル街というようになってきておるじゃないですか。たとえば新宿かいわいを見てみても同じことです。そういうような認識であなたの方は、売春防止法による取り締まり、あるいは風俗営業法によって取り締まるということができるとお思いですか。
○鈴木説明員 先生御指摘のモーテル自体は、もともとむしろ国道沿いの必ずしも盛り場でないようなところに設置されまして、それが周辺の生活環境といいますか、風俗環境を害するということで地域の規制をしたわけでございまして、それはそれなりに大変効果があったのではないかというふうに考えております。
 それから、先生御指摘のような、新宿の歌舞伎町とかそういったところに、モーテルでなくて、いわゆる逆さクラゲと申しますか、連れ込み旅館というものが多数集まっておって、それが大変風俗上問題があるということについては、私どももよく承知しております。ただ、そういう盛り場の一部の地域に連れ込み旅館などが集まっていていろいろ弊害があるということは事実なんですけれども、問題は、こういうものをその他の普通のホテルと法律上なり行政上なりどう区別していくかということについて、いろいろむずかしい問題がありますので、警察としては、そういうところで売春その他の違法行為が行われることを一生懸命取り締まっているということで、現在まで対処しておるわけでございます。
○和田(貞)委員 いろいろむずかしい点があるのでと言うけれども、具体的にどうなんですか。
○鈴木説明員 いわゆる連れ込み旅館という言葉は、定着しているわけですけれども、そういう連れ込み旅館と、ほかの普通の善良な市民が家族連れなどで行って泊まる旅館と、どう区別するかという定義の問題がなかなかむずかしくて、連れ込み旅館とその他の旅館を区別するという法律技術上いろいろむずかしい問題があるということを申し上げたわけでございます。
○和田(貞)委員 厚生省にお尋ねいたしますが、ホテル、旅館というのはどういう定義ですか。
○河内説明員 お答え申し上げます。
 旅館業法の定義としまして「「旅館業」とは、ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業及び下宿営業をいう。」ということになっております。
○和田(貞)委員 それは旅館業であって、ホテル、旅館というのはその次に書いておるでしょう。
○河内説明員 本来、旅館業法の目的は「旅館業に対して、公衆衛生の見地から必要な取締を行う」ということがうたってあります。そしてただいま申し上げました定義でこの旅館業は四つに分類されておりますが、これはまたそれぞれの構造、設備等が示されております。これに対する営業の許可というものが次の問題として条文化されておるのが現状でございます。
○和田(貞)委員 ホテル、旅館業とは「施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」ですから、「宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」をホテル業、旅館業と言うんでしょう。
○河内説明員 そのとおりでございます。
○和田(貞)委員 ところが、風俗営業等取締法の四条の六に「当該施設を異性を同伴する客の宿泊」ここまではいいわけですが、なぜわざわざ「(休憩を含む。)」というようなことをつけ加えてまでも、この風俗営業等取締法が今日までなお、怪しげなホテル、あるいはいかがわしい行為が行われることが予測されるモーテルを、先ほど警察庁の方で認識されておるにもかかわらず、旅館、ホテル業は宿泊の施設であるにもかかわらず、休憩までも拡大解釈をして入れておるのですか。これを改めるというような考え方は警察庁はないのですか。
○鈴木説明員 旅館業法そのものが厚生省の所管の法律でございますので、その点については厚生省の方からお答えいただいた方がよろしいのではないかと思います。
○河内説明員 お答え申し上げます。
 解釈といたしまして、昭和三十三年に部長通知でもって施行してございます。寝具を使用して旅館業の施設を利用することを言うものである。休憩と言われるものでありましても、現にそういうようなものを使う場合はやはり旅館業の対象となり得る、というふうな意味合いの通知を施行いたしております。
○和田(貞)委員 こじつけて解釈するのじゃなくて、旅館とかホテルというのは宿泊施設なんでしょう。先ほど言ったじゃないですか。宿泊施設にいまこじつけて、わざわざ寝具等を使用して休憩させる、そのようなところまでホテル業だとか旅館業だというような解釈をするのは、余りにも無責任きわまる解釈の仕方じゃないですか。
○河内説明員 ただいま御指摘のありました点にお答え申し上げますが、私どもの方でこの旅館業法といいますのは、公衆衛生上の見地から必要な規制を行っておるところでございます。したがいまして、先生御指摘のように「人を宿泊させる営業」であるというふうにそれぞれうたってございます。ということは、やはり寝具を利用するということでございまして、暫時休憩というようなことでも、やはり寝具を利用する場合があり得るものでございます。そういった観点からやはり対象とせざるを得ないということでございます。
○和田(貞)委員 あなたのような解釈をしておったら、改めることができないですよ。原因をつくり出す施設であるにもかかわらず、それを助長するような解釈をしておって、一体だれが責任を持ってこの問題の解決をすることになるのですか。警察庁の方が言っておるように、警察庁の方は、すでに許可をされたホテル、許可をされたモーテルであるがために、具体的に売春行為が行われて、売春防止法の違反行為がなければ摘発するということができない。ましてや風俗営業であっても、風俗営業等取締法に基づくところの業者じゃないわけです。不十分であっても風俗営業等取締法に四条の六を入れて、できるだけ地域の風俗を乱さないように地域の規制をしているにすぎない。根本的にあなたの方が、モーテルにしてもホテルにしても、許可をしておるんじゃないですか。許可をしておいて、こういうことが起こっておるということを十分認識しておりながら、しかも警察庁が先ほど言われたように、集娼化しつつある、こういう認識をしておるにもかかわらず、許可をする側のあなたの方が、何とか前向きになってこのような問題を解決しようというような姿勢がない限り、一体だれがするのです。
○河内説明員 ただいま御指摘の点でございますが、風営法の関係につきましては警察庁の方の所管かと思いますが、旅館業法を私どもの方で所管いたしておりますゆえんと申しますのは、あくまでも公衆衛生の観点からいたしますところの問題でございますけれども、やはり善良な風俗の維持という観点から、従来、いろいろな面で利用基準を定めるとか、あるいはこれに違反したような場合は営業の許可の取り消しをするとか、さらに営業者が売春防止法に規定する罪を犯したというようなときとか、こういったような問題は、その行政処分をすることができるなどの措置がとられておるわけでございます。今後もやはりモーテルないしこれに類するようなものに対しての措置は、現行法を十分活用いたしまして指導をいたしたい。と同時に、また関係業界に対しましても、自粛を促すようにいたしたいというように考えております。
○和田(貞)委員 指導をしても同じことじゃないですか。私は、この前に文部省のときにあなたに質問した。具体的に私は言った。そのいわゆるいかがわしいホテル、あるいはモーテルも同じことでありますが、本来宿泊するのがたてまえの施設でありながら、休憩二時間幾ら、一時間増すごとに幾ら、朝の六時でも七時でも客をとっておるじゃないですか。しかも、けばけばしい、風致を阻害するような、美観を損なうような、そういう看板を掲げておるのがいまだにたくさんあるじゃないですか。どんな行政指導をしておるんですか。
○河内説明員 旅館業法におきましても、公衆衛生の面、さらにはやはり善良な風俗を維持するということからいたしまして、現行法の旅館業法の施行令におきまして、利用基準というものを定めております。これを申し上げますと「善良の風俗が害されるような文書、図画その他の物件を営業の施設に掲示し、又は備え付けないこと。」それから二番目に「善良の風俗が害されるような広告物を掲示しないこと。」こういうふうに営業者に対しての利用基準も定めて指導いたしておる次第でございます。
○和田(貞)委員 それはあなたが文章を読んでいるだけの話です。文章に固執しているだけの話だ。一向解消しないじゃないですか。許可を与えるあなたの方が、許可の申請が出てくれば現地調査もするんでしょう。最初からネオンもついておるし、だれがこれを見ても、これはいかがわしいホテルである、いかがわしい施設であるということが一目瞭然にわかるそういう施設であっても、あなたの方は、都道府県の知事を通じましてこれは指導しなければいかぬけれども、具体的に毎日のように、今日なおそのようないかがわしいホテルが許可されていっているじゃないですか。
○河内説明員 旅館業法におきまして許可する内容といたしまして、旅館業法の施行令ということで施設の構造、設備等羅列してございます。したがいまして、そういう衛生面からするところの施設、設備、あるいはその他部屋の内容等につきまして、あくまでも衛生面からする施設、構造という許可を行っている次第でございます。御指摘をいろいろいただきました点については、やはり私ども関係官庁とも連絡をいたしながら検討を進めたいというふうには考えております。
○和田(貞)委員 あなたのようなことを言っておったらいつまでたっても切りはつかぬ。なぜ前向きになってこの問題を解決しようという考え方に立たないのですか、そういうことを言うておるから、トルコぶろは依然として解決しないじゃないですか。トルコぶろについても、やはりいまの旅館業法と同じように、公衆浴場の方を盾にとって、衛生上の見地からしかトルコぶろのことを考えておらぬのでしょう。今日トルコぶろは、これは公娼制度の復活だというのが世の常識じゃないですか。それでもなお、トルコぶろについてもいまと同じような考え方に立って、この問題を処理しようという考え方に立っておられないのですか。
○河内説明員 御指摘でございますが、やはりトルコぶろにつきましても、公衆浴場法という衛生立法面からいたしますところの取り扱いとしての許可を行っている次第でございますが、こういったような社会情勢下におきまして、やはりこれは公衆浴場のみでは実効が上がらない問題でもございますし、同時にまた、公衆浴場法によりますところの衛生監視を行っております環境衛生監視員、これは医師、獣医師、薬剤師等々の面々が衛生面に対する監視を行っておる次第でございまして、今日いろいろ情勢が変化していることにつきましては、関係官庁とも協議の上検討を進めなければならないと考えておる次第でございます。
○和田(貞)委員 あなた、ばかなことを言いなさんな。あなた、女の子は持っておらぬのか。男の子ばかりか。あなたの親戚、あなたの兄弟、女の子を持っておる方はおられないのですか。いま申し上げた新聞の記事を見たり、あるいはちまたにあふれている週刊誌のおもしろおかしく書いておる、そういうことを見られたことがありますか。見られて親としてどういうように感じておられますか。
○藤尾委員長 あなた、しっかり答えなさいよ。
○河内説明員 内容といたしまして、私自身として個人的にはいろいろと検討すべきものと考えております。
○和田(貞)委員 個人的に検討したらいかぬのですよ。あなたは行政を担当する課長じゃないですか。行政に対して私は質問しておる。個人的にそういう考え方があるのであれば、なぜあなたはその立場にある権限を生かしてこの問題を解決しようとしないのか。具体的には風俗営業法の改正は、これは警察の側にありますが、あなたの担当する浴場法なりあるいは旅館業法なりを一言改正することによって、この問題が解決できるじゃないですか。なぜやらないのですか。
○河内説明員 この問題は、もとはと申しますとやはり売春の問題であろうかと存じます。この売春の問題につきましては、やはり公衆浴場法のみで改正するということについては、いろいろと問題があろうかと思います。この点については、警察庁と、あるいは関係の機関とも、十分検討を進めていかなければいけないと思っております。
○和田(貞)委員 あなたに言うと、警察庁にとすぐ言う。警察庁どうですか。あなたの方の力で変えられますか。改正できますか。
○鈴木説明員 トルコぶろが、先生御指摘のように、売春の場所になっておって風俗上大変問題があることは、警察としても常日ごろ考えておりまして、これを何とかしなければならないということで、これまでも、トルコぶろにおける売春事犯の取り締まりについては、一生懸命努力してきたわけでございます。警察としても、ああいう営業形態の中で行われている売春行為については、取り締まりが大変困難で、大変困難な状況の中で取り締まりを一生懸命やっておるわけでございますので、トルコぶろにおける売春事犯を根絶するというところまではなかなか至っておりません。その点につきましては、今後も一生懸命努力していくつもりでございます。
 警察の立場としては、ああいう営業形態がなくなることが大変望ましいわけですが、現にああいう営業が公衆浴場法で許可されているという事実があるわけですから、できれば公衆浴場法で何らかの手当てをして、ああいう営業がなくなる、あるいはだんだんに減っていくということが望ましいというふうに考えております。
○和田(貞)委員 警察の方が言うとおりじゃないですか。そういう営業形態がなくなることが好ましい。風俗営業じゃないのだから、警察の方が許可しているのじゃない。モーテルにしても、トルコぶろにしても、あなたの方が許可しておる。許可をしないように法の改正をしたら一挙に済むじゃないですか。あなたもあなたなら、あなたの方の長の環境衛生局長もなっておらぬ。あなたの方の主務大臣は、トルコぶろのことについては問題があると言うておるんですよ。そうでしょうが。俗に言う公衆浴場とみなすところに問題があると大臣は言うておるでしょうが。大臣がそこまで言っておるのを、局長にしても、あなたにしても、なぜそういう考え方に立って法の改正をしようというような前向きの姿勢にならぬのですか。
○河内説明員 現在行われておりますところのトルコ、あるいはそういったそれに類する業態についていろいろ問題があろうかと思います。たとえばこれを、先生のおっしゃるように、規制ということのようでございますが、それを一つ一つひもといて検討してみなければならないと思うのでございます。これにつきましては、やはり現在営業が行われておるものについての規制を行うわけでございますから、慎重に検討いたしたいと考えております。
 以上でございます。
○和田(貞)委員 いま営業を行っておる者について何とかせねばいかぬから、慎重を期していかねばいかぬと言うが、もちろんその営業権を擁護するというような、彼らは彼らなりの立場に立つと思うのです。法を改めなければ、既存の業者だけじゃなくて、これからなおふえていくじゃないですか。ふえていっておらぬですか。トルコぶろはどうですか。ホテル業はどうですか。ふえていっておらぬですか。ふえていっておるでしょう。
○河内説明員 トルコぶろにつきましては、四十七年末で千七十でございます。それから四十八年末で千百五十二でございます。四十九年のデータはまだ出ておりません。それからホテル営業は四十七年は六百でございます。四十八年は八百でございます。それから旅館営業につきましては、四十七年は八万、四十八年は八万二千。それからあとの簡宿、下宿等は省略させていただきますが、漸増というような傾向にあります。
○和田(貞)委員 ふえていっておるじゃないですか。既存の業者の対策じゃないです。法を改めない限りはふえていくじゃないですか。だからあなたは、むずかしい、むずかしいと言うけれども、事は簡単ですよ。風俗営業等取締法の四条の四「個室付浴場業の規制」ここにうたわれておる「個室において異性の客に接触する役務を提供する営業」については許可をしないと、浴場法に一項入れたらいいじゃないですか。モーテルについては、やはり風俗営業法の第四条の六「モーテル営業の規制」の項に掲げられておる「当該施設を異性を同伴する客の宿泊(休憩を含む。)に利用させる営業」その前段に「車庫が個々に」という前文がありますが、この場合については許可をしない、こういうように入れればいとも簡単じゃないですか。あなたのような知恵者が、なぜそのような考え方に立たないのですか。
○河内説明員 ただいま御指摘の点につきましては、慎重に検討を進めたいと思っております。
○和田(貞)委員 慎重に進めるんですね。検討するんですね。
 さらに、つけ加えて言うならば、厚生省の窓口は非常に幅が広いのです。旅館モーテルあるいはトルコぶろ、これを許可する任に当たっているあなたの方と別に、これは社会局の諮問機関であったと思いますが、売春対策推進委員が厚生大臣あてに、齋藤厚生大臣のときでありますが、四十九年の十月二十八日「売春防止法の施行により集娼地区形態としての売春は消滅した。しかしながら、近時、都市を中心として売春行為が跡を絶たず、その売春の形態は、トルコ風呂・暴力団等と密接なかかわりあいをもって複雑、巧妙化の傾向にあり、売春防止の観点から、売春行為が行われるおそれのある異性の立ち入る個室付公衆浴場の営業について、必要な規制を行うよう強く要望する。」ということを、あなたの親分の厚生大臣に言っているじゃないですか。同じ厚生省の所管です。社会局の方ではこういう考え方を持っておる。そのことを無視してあなたの方がどんどんと許可をしていく、これじゃたまったものじゃない。
 だから、いま言われたように、前向きになって公衆浴場法並びに旅館業法を改正するようにひとつやってもらいたい、こういうように思いますか、さらに私は、念押しのために、この機会に売対審の方に一つお尋ねしたいのですが、売対審は、いままでこの問題についてどういうように取り組んで、どういうように処理されてきたのか、この機会にひとつ明らかにしてほしいと思います。
○加山説明員 お答えいたします。
 私どもの総理府に売春対策審議会というのが置かれております。トルコぶろの問題をメインテーマとして討論してきましたのは昭和四十八年からでございまして、それ以前にも、もちろん風俗環境を阻害する問題といたしまして、特に売春問題から考えましてこれは看過できない問題であるという見地から、継続的に審議は進めてきたわけでございますが、四十八年七月四日の売春対策審議会の席上におきまして、やはり従来営業許可を認めた業態であるから一気に廃止というわけにはいかない、したがって、やはり業者の自粛を強く要望すべきである、こういう見地から、関係行政機関、すなわち厚生省が当然指導しておりますから、それが主になりまして、それから警察庁の取り締まり機関、それから労働省の労働基準局の監督上の問題、それから労働省の婦人関係の所管事務を所掌しているところ等々が一丸になって、この際、トルコぶろ問題について、いわゆる健全営業になるような形に自粛勧告と行政指導を強めていくべきであるという要望を出したわけでございます。しかしその際に、この問題は自粛勧告が受け入れられない場合につきましては法律改正をして対処せざるを得ないから、そのように了解することという付帯的な内容がつけられておったわけでございます。
 一年間、この行政指導並びに業者の自粛状況を視察しておりましたけれども、先ほど指導課長から御説明がありましたように、業者の数は年々ふえるばかりでございますし、風俗営業法の地域指定と相まちまして、あたかも集娼地区の再現を思わすような状況が見られる。特に、先生御承知かどうか知りませんが、滋賀県の雄琴地区のごときは、これはまさに旧赤線が復活したような状況が見られる、こういう状況でございましたので、四十九年の七月四日の売春対策審議会におきまして、この問題は法的改正をしなければ解決できない、その問題点は、個室において婦女の役務を提供しているような営業を許可しているところに問題があるのだ、したがって速やかに法的改正を関係機関協議して早く処置をいたしなさい、こういう勧告というか、強い要望を席上決議されまして、総理大臣あてに具申をされたわけでございます。
 それからなお、本年に入りまして、四月三日にまた売春対策審議会がございましたが、その席上におきまして、この問題につきまして早く関係機関が処置をしろという再び強い要望を受けたわけでございますが、その席上において、いま先生のお尋ねがあったように、一体昭和四十八年から四十九年にどのくらい業者がふえておるのかというお尋ねがございまして、四十七年度中には百九十五軒ふえておる、四十八年には百三十九軒の増である、それから四十九年には五十二軒増で、現在四十九年末で千二百軒ある、こういうような状態で、許可しておること自体にやはり問題があるという指摘を受けたわけでございます。
 それからさらに、しからば許可したままで取り締まりなり行政指導の徹底をしてこの問題の解決がつくかということの問題につきましては、これ以上限界がある、捜査当局にも行政指導当局にも限界があって、この問題を解決する場合には、やはり法的改正をするより他に方法がない、したがって公衆浴場法を所管している厚生省を中心として速やかに関係機関協議して早く処置しなさい、こういう附帯決議がついた形での強い要望がなされたということでございまして、売春対策審議会といたしましては、このトルコぶろ問題をどうするかということとは別に、この売春問題については世上いろいろ意見があると思いますが、しかしトルコぶろについてなぜ早く規制しなければならないかという一つの理念的な考え方を申し上げますと、やはり売春防止法ができた、それは婦女の人権というものを売春防止法によって要するに解放した、ここに大きな意味がある、だから、公娼制度をなくしたというところに大きな意味が一つあると思います。それからやはり一定の特定地域に売笑婦がいる、そこへ行けば売春ができるという、いわば集娼地区を廃止した、ここに大きな意味があると思います。
 したがって、この二つの意味合いからして、売春対策審議会としましては、現在、いろいろ問題がありましたけれども、ざる法等々の問題は言われながらもありましたけれども、国際的にも相当評価された売春防止法でございまして、少なくともいま言った二点のことについては、監視、監督を十分していかなければいけない、そういう意味で売春対策審議会が審議されておるわけでございまして、現在のトルコぶろを考えた場合に、少なくとも許可営業である、風営法で地域の指定がある、この二つの事実からして半ば公娼制度を集中的に、地域的に認めたような、そういう形態になっておる、これはまさに売春防止法にもとる一つの営業形態であるから、売春そのものについての考え方につきましてはいろいろあると思いますけれども、少なくともこの業態については何らかの法的規制によって現状を打開しなければいけない、こういうように考えておるわけでございます。
○和田(貞)委員 厚生省、いま売対審の方から説明があったように、その考え方は厚生省を中心にしかこの問題を解決することがないわけです。それは具体的に法の改正しかない。先ほどあなたが法の改正について前向きに検討するということを言われたから、それでいいわけなんです。しかし私は、もう一度あなたの方に念を押しておきたいのは、あなたは確かにこの席上でそういうふうに言われた。しかし、あなたの上司の環境衛生局長は、いまの売対審の決定に対して文句をつけておる。すなわち、売対審会長あての書簡中に「売対審の要望書中には「爾後は厚生省が中心となって迅速かつ適切な処理を行うべきである」とありますが、これはトルコぶろにおける売春問題について単なる公衆浴場規制としてのみ対処されようとする御意見であり、御賛同いたしかねるところであります」と述べているのであります。売対審というのは総理府の付属機関ですよ。総理府の付属機関が決めたことについて、厚生省の一局長が賛同いたしかねるということはどういうことだ。
 私はきょうは、環境衛生局長をここの席上に来てほしいということを通告しておったのでありますが、常任委員会で出られない。やむを得ないと思うが、けしからぬ話です。このことも、あなたの方から局長にひとつそう伝えてほしいと思う。ばかなことを言うな。ばかなことをやるな。肩書きは使っておりますが、わざわざ石丸の私信をもって売対審の委員長あてにこういうような文書を出すということは何事だ、総理府の付属機関に対して何たることをするのだということを言っておいてほしい。
 さらに私は、つけ加えて言うならば、あなたの方の所管ではありませんが、性病予防法という法律がある。性病患者がいま全国にどの程度蔓延しておると思いますか。
○河内説明員 性病の関係は公衆衛生局の所管でございまして、ちょっと私どもではわかりません。
○和田(貞)委員 わからなければまた改めて私はやりますが、四百万ないし五百万、性病患者が蔓延しておる。しかし性病予防法で規定されておる医師の義務がなされておらないんですよ、一件たりとも都道府県知事に対して。性病患者を診察したにもかかわらず、その病源を媒介した相手を突きとめるということもしておらないのです。突きとめた、突きとめなかった、あるいは診察をしたというようなことを、性病予防法によって規定されて医師に対して義務づけられておるにもかかわらず、いまだに一件たりともその報告の義務が全うされておらない。そこらあたりにもやはりこの問題を解消するという姿勢が厚生省にない。こういうことでありますから、このこともひとつあなたの方から伝えてもらいたい。
 さらに私は、法務省にお尋ねしたいと思いますが、いま売対審の報告をお聞きになって、売春防止法という法律が、あの公娼制度を廃止するに当たってつくった法律でありますから、警察当局としても十分おわかりのことだと思いますが、今日の社会情勢にマッチしておらない法律になっておる。死文化しておる。法務省は、ことしはまた国際婦人年のことでもあるわけですから、この機会に現行の売春防止法を売春禁止法にまで発展さすための抜本的な改正案というものを考える必要があると思っておられるのか、ないと思っておられのか、この機会にお聞かせ願いたいと思います。
○亀山説明員 お答えいたします。
 ただいまの先生の御質問のうちの、禁止法とおっしゃいました点がちょっとわかりかねますので、まず一般的に、ただいま私どもで考えております売春防止法改正に関する考え方というのを御説明申し上げます。
 売春防止法は、ただいま御指摘のとおり、いまからほぼ二十年ぐらい前に当時の情勢に合わせてつくられた法律でございます。ただ、その理念といたしますところは、売春を利用して婦女を搾取する、売春を助長して自分のふところを肥やす、そういういわゆる助長事犯をまず主たる対象として罰則などもつくってある、そういうことで、悪質事犯については現在でも相当以上に効果を発揮しておるということが言えると思います。したがいまして、いますぐにここをこういうふうに改正しようということは、現在のところ考えておりません。
 ただ、売春というような問題は、そのときどきの風俗あるいは国民の意識、性に対する考え方、社会情勢、そういうものに常にマッチしていなければならないというものでございますので、売春防止法施行当時と、それからほぼ二十年を経ました現在とでは、相当程度にそういう基盤が変わってきているのではないかということを考えております。
 そこで、法務省といたしましては、現在、売春事犯の実態、それから現在において特徴的な捜査処理上の問題点、それからさらにそれが法律にどのようにはね返ってくるか、新しい立法措置が要るかどうかというふうなことを含めまして、本年度におきまして売春事犯の実態調査をやろうというわけで、すでに一部着手をいたしております。そのような実態をある程度正確につかみましてから、立法をも含めた問題点を積極的に検討していきたい、そういうふうに考えているわけでございます。
○和田(貞)委員 現行の売防法は、現下の社会情勢にそぐわない法律になっておるという認識はおありですね。
○亀山説明員 お答えいたします。
 現在の情勢に現行の売春防止法がそぐわなくなっているというふうに断言できるところまでは、実は資料を持ち合わせておりません。ただ、実態が売春防止法制定当時とは大分違ってきている、そのためにこの法律、ことに罰則関係の法律等がちぐはぐと申しますか、何かそぐわないものが出てきているのではないかという疑いを持っていることは事実でございます。したがいまして、先ほど申しましたように、まず実態を把握して、立法問題も含めて問題点を洗い直したい、かように考えているわけでございます。
○和田(貞)委員 私たち法律の素人が見てみましても、売防法がその後手を入れられておらないのですから、一条からずっと見ていきましても、何か古くさい感じしか受けないいまそぐうかそぐわないかは別といたしまして、そぐわない面もあるということを感づかれておられるということでありますから、この点については、あなたの方でもひとつ検討をさらに強く進めていただきたい、こういうふうな意見を申し添えておきたいと思います。
 さらに、警察庁の方、厚生省の方がまじめに前向きになって、浴場法なりあるいは旅館業法を変えるということになりましたならば、風俗営業等取締法の第四条の四、さらに第四条の六、これはそれぞれ地域の規制規定でありますが、これを禁止規定にしていくという考え方に立たれますね。
○鈴木説明員 厚生省の方で、旅館業法なり公衆浴場法なりでいわゆる連れ込み旅館とかトルコぶろ営業を禁止するという方向で法改正を検討してくださるというお話でございますが、それにつきましては、警察としても十分協力してやっていきたいというふうに考えております。
○和田(貞)委員 売防法につきましては、この程度で終わらしていただきますが、この点については、厚生省の方、先ほどお答えになったように、二度と同じことを繰り返さないように、先ほど申し上げた意見を付して十分ひとつ対処していただきたいことをお願い申し上げますが、行政管理庁の方も、行政機関の運営についてやはり御調査をされ、いま論議をいたしましたような実態でありますから、しかも厚生省の内部は不統一の面もあるわけですから、勧告する権限もあるのですから、十二分に売対審の結論に沿って、いまのトルコぶろなりあるいはモーテルについて国民的な強い関心と要望があるわけですから、厚生省を督励するようにやってもらえるかどうか、ひとつ大臣の方からお答え願いたい。
○松澤国務大臣 ただいまのお話等をずっと聞いておりましたが、実際問題といたしまして、私たちからすると、まことに残念きわまりないような気がしてなりません。したがいまして、ただいまの御要望は、言われるまでもないというふうに言いたいところでございますが、言われた以上は、なお一層注意して、そして御要望にこたえるように全力を尽くしてみたい、かように思いますので、さよう御了承をしていただきたいと思います。
○和田(貞)委員 風俗営業はこれで終わります。どうぞお引き取りになってください。
 次に、都市計画法の一部改正についてでありますが、先ほど行管の方から、この法の改正というものは、行政のサイドではなくて国民の利便ということを第一に考えていきたい、しかもその国民の利便という観点に立っても、なお国民の権利を失わす、権利を縮小していくというようなことがないということをお答えになったわけです。
 しかし、この都市計画法の一部改正というものを見てまいりますと、確かに行政サイドから見るならば、ただし書きをつけ加えたことによりまして、便利かもわからない、簡素化されたかもわからない。しかし、この八十一条の二項というのは、一項では行政側が処分をする、措置をする、こういう規定でありますが、わざわざ二項を入れて、でもなお国民の権利を保障しようという、国民の権利の保障規定であると私は思う。ところが、ただし書きをつけ加えることによりまして、その国民的な権利というものが剥奪された、民主政治から言うならば逆行である、こういうように私は解釈をするわけなんですが、ここに至った経緯について御説明願いたい。
○大田政府委員 許認可業務といいますのは、最も基本的な問題として公共的な福祉というものが必要だと思います。
    〔委員長退席、奥田委員長代理着席〕
ここにただし書きを入れましたのは、違法な開発者、そういうものの災害その他から善良な住民を保護するということでございまして、「正当な理由がなくて聴聞に応じないとき、」ということは、一応聴聞の権利というものは持っておるわけでございまして、ただ、「正当な理由がなくて聴聞に応じないとき、」でございますから、やはり聴聞の権利というものを開発者自体が放棄しているというふうにも考えられるわけです。それから基本的には、そういう違法な開発から災害が発生し、あるいはそういうこともございますので、そういう地域の住民というものを保護する必要があるじゃないかということが基本的な考え方じゃないかと思います。
○和田(貞)委員 「正当な理由がなくて」「緊急やむを得ないとき」これは一体だれがどういう尺度で規定するのですか。
○大田政府委員 運用といたしましては、建設省の方で法律の運用をされますので、建設省の方でお答えになるのが、あるいはよろしいかとも思いますけれども、正当な理由がないということは、社会通念上からしても聴聞に応じることができるのに、その本人自体が恣意的に聴聞に応じないということによって処分をおくらせるということではないかと思います。それから緊急な場合といいますのは、開発許可を受けないで、開発区域等にがけくずれの危険がある、あるいはがけくずれのおそれがある、そういういわゆる危険が逼迫した状況という場合でございまして、これを認定いたしますのは、知事と建設大臣というふうに考えております。
○和田(貞)委員 いままで都市計画法の八十一条によるところの処分あるいは必要な措置、これを命じた例があるのですか。
○沢本説明員 お答えいたします。
 都市計画法の第二十九条によります開発行為に関しまして、無許可で工事をやった、そういうような違反に対しまして、四十八年度中に監督処分をやりました件数は、これから申し上げるような次第でございます。
 まず工事停止命令でございますが、これは市街化区域内だけで二十九件、それから市街化調整区域で四十件、合わせまして工事停止命令は六十九件でございます。それから違反の是正命令でございますが、本件に関しましては、市街化区域内で三十件、市街化調整区域で三十四件、合わせまして六十四件。この工事停止命令と違反是正命令を合計いたしますと、市街化区域五十九件、市街化調整区域七十四件、両者総計しまして百三十三件というのが四十八年度中の処分でございます。
○和田(貞)委員 その処分に際して聴聞を拒んだという例がありますか。
○沢本説明員 私どもでこういう処分をやります場合には、再三にわたりまして聴聞をいたしております。一つ具体的に申し上げますと、まず内容証明によりまして聴聞をかける、それに対して何ら返事がない、こういうようなことでございまして、それから一カ月ほどたちましてから、さらに呼び出しのはがきを出してみる、ところが、なおおいでにならない、それからさらにまた二十日たちましてから、内容証明をもちまして再度聴聞をいたします。それでもなお何ら返事がございませんので、その一週間後にはさらに電話をかけて、そして相手方の奥様は、出てこられる、そういうように電話には応答をされながら、聴聞には応じない、こういうようなケースがございますので、このような場合には、私どもからは聴聞の招集はいたしておりますが、相手方が応じなかったということで聴聞できなかったというケースはございます。
○和田(貞)委員 聴聞できなくて現行法でどうされたのですか。
○沢本説明員 そこで私どもは、違反の是正命令を出したわけでございます。いまのように電話でやりまして、奥さんが出てから一カ月ほどお待ちした、それでなおかつ出てこない、こういうことでございますので、違反の是正命令を出したわけであります。さらに違反の是正命令を出しただけでなくて、その後二十日後、それからさらには十日後、さらには三カ月後になお三度にわたりましてはがきによります通知をする、こういう手だてをとっておる事例がございます。
○和田(貞)委員 それは個人ですか。いわゆる俗に言う宅造業者ですか。
○沢本説明員 個人でございます。
○和田(貞)委員 いま言われたようなことでも処理ができるわけですね、やろうと思えば。これはやはり一つ法律ができますと、あなたはいま担当者であるから無理はなさらないでしょう。しかし、法律があるというのは続いていくわけですから、担当者がかわるわけですから、かわったときには法文に明記されたことだけに――先ほどの厚生省の課長のように、後生大事に法を守ろう、法文を解釈しよう、専門的に何とか解釈しようという考え方しか立たないわけです。非常に危険千万だ。極端に言うならば、はがき一本出す、やってこない、その理由はやはり今日の私たちの生活の中ではございます。過って郵政の職員が違ったところへ配達したという場合もある。あるいはおくれたという場合もある。あるいはあなたの方が出したはずのものがまだ役所の中でとまっておったという場合もなきにしもあらず。あるいはその文書を受け取ったところが、文書が読めない家人が文書を受け取ったという場合もある。にもかかわらず、一片の文書を出したために事が済む。それがやってこないということによって「正当な理由がなく」こういうふうに解釈しようと思ってもできるのです。非常に危険千万な条文になるということを私は危惧するわけなんです。だから、あなたの方に質問いたしましてお答え願っても、そういうことは絶対ありませんということを確かにあなたは言われる。将来にわたってそのようなことが保証できるものじゃない。保証できると思いますか。
○沢本説明員 私どもは、この種の行政をやっておりますときに、法律ができた後に、先生の御指摘のように、当時の立法者のいろいろ苦心にもかかわらず、一部においてそういうような事態が起こらないとは言い切れない、そこで、それを防止するために、私どもはそういう危険の可能性の多い場合につきましては、特に法律の施行に当たってのいろいろな説明会その他では、その旨を十分留意するよう、そういうような乱用のないよう十分なる指導をいたしますし、また事柄によりましては、指導の通達を別途出して、そういうようなことが将来にわたって起こらないように、私どもはいろいろと手だてを考えておる次第でございます。
○和田(貞)委員 その通達なり省令の改正なりは、確かにこの法律が通過するであろうということを予測して準備されておると思うのですが、そういう出されようとする通達の内容、あるいは省令を改正しようと用意されておる内容、私がいま危惧するようなことが完璧であるというように私たちが理解できないと、ああそうかと言うわけにはいかない。そういう資料があったらひとつ出してください。
○沢本説明員 私ども詳細な成文はまだできておりませんが、一応の資料はつくっておりますので、後刻別途提出したいと思います。
    〔奥田委員長代理退席、委員長着席〕
○和田(貞)委員 いま委員長かわられたところですが、この法律ができると危惧することを私は伝えたわけです。そのことについては、その危惧のされないように、省令の改正なりあるいは都道府県に通達を出す、その通達の内容、あるいは省令を改正しようという内容、完全でなくても、ある程度私たちは見ないと安心できませんからいまお尋ねしたのですが、出されるというわけです。それが出されてからこの結論をつけるように、私たちの態度を決めることができますように、ひとつ委員長の方で取り計らっていただきたいと思います。
 なお私は、そういうような一片の通達、一片の省令ということよりも、たとえば極端な例を言うならば、人を殺した、人を傷つけた、こういう極悪な犯人であっても弁護というのが裁判所であるんですよ。自分が弁護士を指定するというような能力がなくても、国選弁護人制度というのがあって、国の方で弁護人をちゃんとつけるというような制度があるでしょう。これが人権を尊重する、国民の権利を何とか守るというたてまえなんです。
 土地収用法という法律がありますね。この土地収用法という法律で、土地の調書あるいは物件の調書を作成するについて規定されているのです。土地の所有者あるいは関係人を必ず立ち合わせる、そして土地の調書や物件調書に署名押印をさせなさい、ところが、本人がこれを拒んだ場合に、これは正当な理由なしに拒んだのだからということで――これは土地の買収を受ける側であり、個人的に言うならば、自分の私有財産が自分の意に反して公共機関に取られようとしておる、そういう場合ですが、これは正当な理由がなくということで、そこで一刀両断断ち切るというような措置をしておらぬですよ。必ず第三者の市町村長がかわりに立ち会いしなさい、そして市町村長が本人にかわって調書に押印しなさい、こういうように書いておるじゃないですか。そこで初めて、正当な理由であったか、あるいは緊急やむを得ないことであったかというようなことを第三者が入って認める。行政サイドから、正当な理由だとか、あるいは緊急やむを得ないというようなことを一方的に限定するというようなことのないように、ここで一応保護しておるわけです。しかもなお、市町村長が拒んだという場合には、さらに知事が自分の指定する職員をして立会人にならせる、あるいは署名さすというような手続が土地収用法という法律にちゃんと明記されておるじゃないですか。
 この問題につきましては、少なくとも行政の主観で、行政サイドで、正当な理由がなかったとか、あるいは緊急やむを得なかったというような判断を行うというのじゃなくて、この土地収用法の保護規定のように、やはり第三者が立ち会って、なるほど行政が考えたように緊急やむを得なかった、あるいは正当な行為だということができるような措置をこの条文にさらにつけ加えるというようなことがあってしかるべきじゃないかと私は思うわけなんですが、行政管理庁どうですか。
○大田政府委員 いま御指摘になった点までは行政管理庁は考えなかったわけでございますが、ただ、これが違法な開発である場合、たとえばがけ崩れが起きるとか、そういうことによって周辺の住民が非常に危険だという場合に、やはり緊急的な措置というものが必要じゃなかろうかということが基本的なあれであったわけでございます。行政管理庁といたしましても、一方においては国民の権利もございますし、また大多数の住民の権利もある、その辺のところの関係もございますので、この規定を規定の整備という点で入れたわけでございます。
○沢本説明員 先生御指摘の土地収用法の一時使用の件でございますが、一時使用の方は、起業者、たとえば電気事業者、そういう起業者が緊急に土地を一時使用したい、そういう場合であって、起業者が一時使用するから市町村長の許可を得る、こういうことで個人の財産権の侵犯について慎重な手続をとっておるという考え方でございます。
 それに対して、私どもの開発許可の場合に、たとえばがけの上で無許可で宅地造成をやった、ところが、そのがけの下には全然関係のない第三者の方が家をつくっておる、そしていまや梅雨季が近づいてきておる、そうするとがけ崩れが起こることがもう目の前に迫っておる、しかも第三者に被害が加わることが迫っておる、こういうようなことでございますので、そういう場合に行政庁自身が処分をいたすのでございますから、土地収用法におきます場合とは、財産権の問題というのと、こちらでやっております場合とは違うことと、それから行政庁によります処分だということで差がございますので、私どもは、ただいまこのように考えておる次第でございます。
○和田(貞)委員 もちろん異質のものですが、やはりそういう手続をとって、一方的に行政サイドで、これは正当だ、あるいは緊急やむを得ないというような判断をしないで、乱用されるという心配も常にあるわけですから、当該の地元の市町村長に立ち会わせるとかいうような手だてをした方が、客観的にこれは緊急やむを得なかった、正当な理由なく本人が聴聞に応じなかったということを立証することができるでしょう。それを私は言うたまでで、そういうような措置を考えられなかったかということを行政管理庁にお尋ねしたわけです。
○大田政府委員 行政管理庁といたしましては、いま建設省から答弁がありましたように、むしろこういう違法な開発者から善良な住民を保護する必要もあるじゃないか、しかもそれは緊急性がある、あるいは正当な理由がなくて聴聞に応じないということでございますので、そこまでは考えてはいなかったわけでございます。ただ、やはり運用面におきましては慎重は期すべきものだと思います。それをどういう方法でやるかという問題もございますけれども、ただ余り恣意的にならないようにというような方法というものは、あるいは具体性に欠けるのじゃなかろうかというような気がいたしております。
○和田(貞)委員 あなたの方も認められておるように、今回は都市計画法の一部改正でありますが、都市公園法であるとか、道路法であるとか、宅地造成等規制法であるとか、建築基準法であるとか、それぞれ同じような要素があるということを指摘されておるのです。その中で今回都市計画法の一部改正だけがされようとしている。ここでそういう私が危惧するようなことが起こったとするならば、全体にそれが波及していく問題です。ましてや宅地造成等規制法という法律があります。宅地造成等規制法の十三条の四項は、全く都市計画法の八十一条の二項と同じ条文なんです。何ら変わらない。またここでも国民の権利が剥奪されるという法改正が予測されるわけなんです。ことごとく将来にわたって危惧されるというにもかかわらず、せっかく保障規定が入っておるにもかかわらず、国民の権利が剥奪されていくということになりますと大問題になります。国民の権利を守るために私は大問題だと思います。にもかかわらず、なお建設省は、いま言いましたように、危惧を防止するために、第三者のたとえば市町村長が立ち会う、これは時間的にどうでもこうでもできるのですが、そういうようなところを、さらにここに条文につけ加えるというような考え方に立つかどうか。今後なおこの計画法を含めて、指摘されておるような多数の法律の改正をしたり、あなたの方は整備していかなくちゃならぬというように認めておられるのですが、そういう考え方にお立ちになる考えはないのですか。
○大田政府委員 行政管理庁としましては、再三申し上げますように、むしろ建設省でこれの運用に当たっての歯どめという方法を考えられて、この上に何かつけ加えるということは必要ではないんじゃないかというふうに考えております。
○和田(貞)委員 この法律が、私が危惧したような結果が仮に生まれたとするならば、後であなたの方が整備をしようと思いましても、それが不可能になりますよ。そういう自信はお持ちですか。
○大田政府委員 そういう場合もございますし、またこういう規定がなかったために逆の場合もあろうかと思います。ですから、どういうふうにするかということは、建設省でお考えいただこうと思いますけれども、少なくとも運用面においては慎重を期せられる必要がある。その方法としては、具体的にどういう方法をやるかということについて、やはり恣意的にならないような方法というものを具体的に建設省自体で御検討いただきたいというふうに考えております。
○和田(貞)委員 法案の提案はあなたの方ですよ。後は知らぬ、建設省の方で運用面は危惧のないように考えてもらったらいいのだ、これでは無責任過ぎるじゃないですか。いまいろいろと私は話しましたが、あなたの方も入って、建設省に任せきりじゃなくて、そういう危惧の念を起こさないように、善良な国民の権利までも将来にわたって剥奪されていくことのないように、責任をもって対処するという考え方はないのですか。
○大田政府委員 運用されますのは建設省でございますので、もちろん建設省で検討していただこうと思いますけれども、行政管理庁としましても、法律を提案しておりますので、建設省に対しまして今後いろいろ協力していこうというふうに考えております。
○和田(貞)委員 私は、ひとつ行政管理庁長官の方も長官としてお答えをいただきたいと思いますし、さらに後ほど資料が出るわけでありますが、やはり建設省の責任者に出てもらって、国会でありますから、これはこの結論を出すまでに、責任者として明確な答弁をしてもらうというように私は処理してもらいたいと思いますが、大臣どうですか。
○松澤国務大臣 いままでいろいろ聞いておりましたが、実際問題として、聴聞という点に対しまして、非常にむずかしいというふうに感じられる点もあります。しかし、せっかく御発言でございますので、よく研究をいたしまして、あるいはまた建設省当局とも話し合ってみたりいたしまして、善処するような方向に努力してみたい、かように思います。
○和田(貞)委員 委員長、ひとつこの問題について、建設省の、できるならば主務大臣ですね、次の機会にひとつこの場で私の危惧している面を解きほぐしてもらうために、責任ある答弁を願うという御処理をしていただきたい。
○藤尾委員長 委員長において処理いたします。
○和田(貞)委員 そういうことで、都市計画法の一部改正については終わりたいと思いますが、時間も余りございませんので、もう一点簡単に私は質問したいと思います。
 建設業法の一部改正ですが、この建設業法の一部改正がなされますと、当然一カ月延ばされるわけでありますから、「工事経歴書」なり、あるいは「使用人数並びに営業用機械器具の名称、種類、能力及び数量を記載した書面」とか「直前三年の各営業年度における工事施工金額を記載した書面」とかいうのが、公共性のある施設または工作物に関する建設工事をするために入札参加しようと思いましたら、それなりの手続が要るわけです。ところが、その手続は毎年二月末までということになっているわけです。決算時期によって異なりますが、一カ月延ばすということになりますと、いま申し上げましたような公共性のある施設の工事に参加しようという建設業者が経営事項の審査請求をしなくちゃなりませんが、その審査請求の提出期限もあわせて一カ月延ばすという必要がないですか。
○大森説明員 先生御指摘の問題は、確かに今回の商法改正に伴う建設業法改正ということで関連があるわけでございますが、実は経営審査事項の請求期日は、何ゆえにこの経営審査事項の措置が必要かというところから発してまいろうかと思います。と申しますのは、経営審査そのものは、ただいま先生から御指摘がございましたように、公共工事の発注を受けるに当たりまして、その業者の資格を審査してもらう、そのためにそれぞれの監督官庁に書類を提出するわけでありますけれども、この経営審査事項の結果が、ひいては翌年度の公共工事発注の一つの基礎資料ということになってまいろうかと思います。そういたしますと、これはやはり四月一日から新年度が始まるという問題がございますので、その点、審査のための所要期間が非常に必要であるということで、これはかなりいろいろ問題がございましたけれども、結果的にはやはり最小限の一カ月間の審査期間ということで従来も運用してまいったわけであります。仮にこの期間を、いま御指摘のように三月末というふうにいたしますと、それから審査を始めるということになりますので、新年度に入りましてかなり食い込んでまいるという問題が出てまいろうかと思います。
 もちろん審査を受ける建設業者といたしましては、やはり少しでも新しい資料で審査をしてもらいたいという御要望があることは当然でありますから、私どもといたしましても、少しでも早くこの審査を終えて、翌年度の発注の準備をするということは当然でありますが、やはり全国にわたりまして数万の建設業者が経営審査事項を申し出ますので、このための所要期間としては、やはり最低限一カ月はどうしても必要ではなかろうかというふうに考えております。ただしかしながら、発注機関の側におきましても、場合によっては新年度に食い込んでもいいというふうな意見も一部あろうかと思います。そういう点を含めまして、やはり発注側の見解も含めながら、さらに検討はいたしたいと思っております。
○和田(貞)委員 現実は、国家予算にいたしましても、それを受けて編成する地方の自治体の予算にいたしましても、四月一日から発注するということは、これは物理的にないわけなんです。やろうと思ったってできないわけなんですよ。だから、早くても五月に入ってから、大方の自治体では第一・四半期を済んで第二・四半期から大体発注していくというのが現実の姿ですね。だから、いま申されたように、確かにこの四月から発注するという面もあると思うけれども、大方はそうなんですから、これも先ほど申し上げましたように、やはり業者の保護という立場、利益を守っていくという立場に立つならば、せっかく前年度にいい条件ができておるにもかかわらず、二月末で締め切られることによって自分の利益がそこで阻止されてしまうということになるわけですから、やはり三月末まで延ばしてやるということが別に支障がないのであれば延ばしてやる、早いところは二月で一回やっても、なお三月にさらに更新してあげるという手続もできるわけですから、そういう業者の保護という立場に立って、二月末を三月末に延長するという考え方をこの機会に立てていただきたいと思うのですが、どうですか。
○大森説明員 ただいま先生御指摘がありましたように、確かに新年度四月早々からすぐに発注するということは、従来とかくおくれがちということがあったわけでありますが、景気の変動状況に応じまして、最近は早期発注というふうな問題もかなり出てまいっております。こういたしますと、四月早々から発注をするというふうな事例も、従来よりはかなりふえてまいろうかと思います。そういったような一つの動き、それと、確かに先生おっしゃるような業者の保護という問題がございますから、そこらの両方の権衡をさらに検討いたしながら十分詰めてみたいと思っております。
 私どもとしましては、そういう意味では、やはりこの問題は、発注機関がどう考えるかという問題が当然出てまいりますので、全国の各都道府県なりあるいは各関係の発注機関なりというものと、さらにもう少し相談をさせていただきたいと思います。
○和田(貞)委員 それで結構ですが、私が言いたいのは、大きいところはいいんですよ。大きいところは頭を打っておるわけですから、幾らになったところで同じことだけれども、小さな業者ですね。小さな業者になればなるほど、やはり自分の利害関係というものが伴ってくるわけですからね。小さな業者を少しでも助長してやる、育成してやるという立場に立つならば、私が申し上げているような意見をぜひともひとつこの機会に入れていただきたいということをさらに申し添えておきたいと思います。
 さらに、建設業法の改正に伴いまして、下請業者の保護の問題についてこの機会にただしておきたいと思うのです。
 土建業というのは非常に大小がありますし、それから幅の広い業種でありますし、しかも、大は大手の土建業者から、小は個人の大工さん、左官屋さん、電気屋さん、水道屋さん、そういうところにも至っているわけです。そこで最近は、非常に大手の業者の事業実態というものを見てみましたら、土建業者というよりも商社のたぐいと見るべきだというような、こういう大手土建業者の業務の実態にあるのじゃないか、私はそういう気がするわけです。確かに下請保護のためにいろいろと法の措置がございます。しかし、それらと比べましたならば、たとえば港湾運送事業というのがあります。港湾運送事業法によって、港湾運送事業者は一般港湾運送事業と船内荷役事業に分かれておりますが、船内荷役事業の場合に下請はしてはいけない。一般港湾運送事業の場合は、それらの船内荷役事業者に対して、省令で決めておるわけですが、下請をする場合には一回だけ、二次下請、三次下請というのは絶対してはいかぬ、こういうふうになっているわけです。しかも下請する場合には、省令によって、七〇%までは自己で処理せねばいかぬ、三〇%については一回に限って下請をしてもいい、こういうふうにがんじがらめになってしまっておるわけです。
 そういうようなところから下請企業を保護しておるわけなんですが、これに比較いたしますと、建設業の場合は、確かに法律では一括下請はいけないとかいうことにはなっておりますが、しかしながら、この法の内容をずうっと見てまいりますと、全部もしくは一部という言葉がやはり出てくるわけなんです。しかも全部もしくは一部を下請ける業を下請負業というというふうな定義まであるわけでしょう。ここらあたりもう少し整理をして、下請業者を保護するというような考え方に立って法改正をしていくというようなお考え方はないですか。
○大森説明員 確かに御指摘のように、建設業は非常に下請関係が錯綜しておりまして、それに伴ういろいろな問題が発生しておることは事実であります。
 ただ、先ほど御指摘がありました港湾運送事業との関係でございますが、港湾運送事業の場合には、かなりその業種の内容が均質と申しますか、たとえば貨物量というような形で相当端的に表現ができようかと思います。ところが建設業の場合には、先生も御承知のように、非常に複雑な各業種が重層的に組み合わさりまして、一種の総合的な組み立て産業的な業種内容を持っております。そういうことから見ますと、やはり定量的に下請の比率なりをきちっと押さえるということはかなりむずかしい問題であろうと思います。
 だからといって、もちろん下請が野方図に許されるということは決してございません。建設業法上も一括下請というものは厳重に禁止しております。そういった意味で、この下請問題については、私どもとしても、従来からそういう一括下請というふうな問題は、特定の例外を除いては絶対認めないということでまいっております。特定の例外と申しますのは、法文にもございますように、発注者がいいと言った場合は構わないだろうというたてまえがございますので、そういう場合を除きましては、やはり原則として一括下請ということは一切できない。ただその場合に、その下請の度合いの問題につきましては、先ほど申し上げましたように、非常に重層的に組み合わさり、あるいは一つの家を建てるにしましても、大工、左官、電気、管、いろいろな業種が組み合わさってできるという関係もございますので、やはりそういう意味での下請なり複合的な組み合わせというものは、産業の特殊性として不可避的にあろうかと思います。
 したがって、そういうふうな本質的にやむを得ざる部分と、それから不必要と申しますか、二重、三重、四重というような非常に不必要な形で行われておる下請を排除するという問題と、やや二面的な面があろうかと思いますが、私どもとしては、やはりそういう点について、規制面からの問題と同時に、この下請そのものがやはり体質的に強化されなければならないだろう。非常に弱小であるがために大手の元請のもとに従属せざるを得ないというふうな実態もあろうかと思いますので、そういった意味合いで、中小建設業の強化という問題をいま非常に重点的に取り上げております。
 たとえばその一つの方策といたしまして、昭和五十年度には建設業振興基金というふうなものもつくりまして、これは中小建設業者を対象に考えておりますが、資金面からのいろいろなてこ入れをするというふうなことも考えております。また、労働面につきましても、労働省と共同いたしまして、賃金不払いでありますとか、労働災害でありますとか、こういったものを相互通報によって規制をする。いろいろ各面から一つ一つ解きほぐすというふうな対策を持っておるわけであります。
 そういう意味で基本的には、先生のおっしゃる重層下請からくる弊害というものは、どうしても排除しなければいけないということについては、全くお説のとおりであります。ただ、その具体的な方法論としまして、直ちに港湾運送事業法的な考え方を取り入れることについては、やや技術的には問題があるのじゃなかろうかというふうな感じがいたします。
○和田(貞)委員 一番問題は、やはり大手を中心とした総合請負業ですよ。これは現実には電気から左官からとび職から建具屋に至るまで抱えておるということは、まあまあないんですよ。一〇〇%ないと言ってもいいくらいです。しかし看板は総合請負ということですね。そこで手の込みようとして、なるほど一括下請ということはいけないというように規定されておりましても、掘り方についてはどこどこ、建築についてはどこどこ、電気工事についてはどこどこ、建具、左官、大工に至るまでどこどこということで一括下請ということが可能じゃないですか。そこを私は言うんです。
○大森説明員 先ほどもちょっと申し上げましたが、やはり総合組み立て産業という立場から見ますと、その総合業者そのものが、みずからの常用している労働者なりあるいは技術者なりを使いましてあらゆる工事をすべてやるということは、やはり不可能に近いことじゃないかと思います。また、これはもう一つには、建設業というものが、受注というものがあって初めて産業が成り立っていくという関係があるものですから、多分にその受注の波によって事業量そのものが消長するという面もあろうかと思います。そういったものから、一つの産業の特殊性といたしまして、組み立て的な形が出てまいっておろうかと思います。
 ただ最近、そういう点については、建設業界自身におきましても、やはり非常に指弾される面が多いわけでありますから、総合組み立て産業といたしましても、特にゼネコンと言われる総合業者は、労働者の常用化でありますとか、あるいはみずからができるだけ直用する部分をふやす、それから技術面でのノーハウなり特殊なパテントをさらに開発するとか、いろいろな面で総合的な産業としての脱皮を図ろうとしておる状況であろうかと思います。確かに産業の体質として古い、あるいは非近代的だという御指摘が、かねてからいろいろな面からございます。そういうものに伴う弊害も随時あろうかと思いますが、そういった意味合いで、やはり建設業の本来的に持っておる宿命的な一つの側面と、それだけにすべて藉口してあらゆるものを免除されようとする考え方とは峻別しながら、指導をやっていかなければいけないというように考えております。
○和田(貞)委員 これはくどくど言いませんが、現実はよく知っておられると思うんですよ。これもやはり弱小の中小土建業者の保護という立場に立つならば、投げ、投げという言葉が使われておりますが、みんな投げをやっておるのです。これは脱法行為をしているだけのこと、カムフラージュをしているだけのこと。ヘルメットをかぶらしてその元請業者の天幕を張っておるというような形で法の裏をくぐっておる。そのために土建業者のような場合は、三次請負、四次請負、五次下請というような、これはもう孫から孫の孫まで出てきておる。これが実態なんですよ。あなた、実態はよく知っておるはずなんです。それを私は言うておるわけですから、少なくとも形だけの法の規制ということじゃなくて、具体的に弱小業者や中小の土建業者というのはいま困っておるわけですから、これはやはり保護するというたてまえに立つならば、大手の横暴を禁止していく、食いとめていくというために、業種は別でありますが、港湾運送業のように、少なくとも元請は何%までは必ず直でやらなければいかぬぞというように義務づける、あるいは二次下請も何%はやらなければいかぬぞというようにすることによって、簡単に投げていくというような姿がなくなってくる、こういうように思うわけなんです。
 きょうは時間もありませんので、長く言えなかったわけでありますが、また機会をつくって私は話したいと思います。いま私が言っておりますように、ただ法でこうなっておるんだから、これで完全に保護されておるんだというようなことじゃなくて、具体的にあなた自身が一番よく知っておるわけですから、弱小業者や中小企業を何とか保護するために、近い機会に建設業法を抜本的に改正するという考え方に立っていただきたいということを私は言っておるわけなんですが、どうですか。
○大森説明員 いま私がここで直ちに建設業法改正問題について答弁を申し上げるということは、大変失礼でありますが、差し控えさせていただきたいと思いますけれども、先生の御指摘の点は私どもも十分に存じておりますので、具体的な手段につきましてはいろいろあろうかと思いますが、よく検討させていただきたいと思います。
○和田(貞)委員 まあ行管の方も、いま私が具体的に申し上げましたようなことが現実にあるわけですから、ひとつ建設省を督励してもらって、中小零細企業を守るという見地に立って建設業法を洗い直してもらうという考え方に立っていただきたいと思いますが、最後にひとつ大臣の方から……。
○松澤国務大臣 ただいまおっしゃるような御意見は、よく耳にする問題でありますだけに、建設大臣に対して私からもよく要請をしておきたい、かように思います。
○和田(貞)委員 終わります。
○藤尾委員長 次回は、明二十三日金曜日、午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後七時二十分散会