第075回国会 地方行政委員会 第17号
昭和五十年四月二十三日(水曜日)
    午前十時九分開議
 出席委員
   委員長 大西 正男君
   理事 愛野興一郎君 理事 片岡 清一君
   理事 島田 安夫君 理事 中山 利生君
   理事 山本弥之助君
      伊能繁次郎君    亀山 孝一君
      小山 省二君    住  栄作君
      渡海元三郎君    古屋  亨君
      山田 芳治君    多田 光雄君
      小川新一郎君    折小野良一君
 出席政府委員
        自治省財政局長 松浦  功君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (全国市長会堺
        市長)     我堂 武夫君
        参  考  人
        (全国町村会長
        野県木島平村
        長)      湯本 安正君
        参  考  人
        (東大阪市長) 伏見格之助君
        参  考  人
        (京都府丹後町
        長)      蒲田  保君
        参  考  人
        (全日本自治団
        体労働組合書記
        長)      丸山 康雄君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第四二号)
     ――――◇―――――
○大西委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出に係る地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人から意見を聴取することにいたしておりますが、まず午前中は、全国市長会堺市長我堂武夫君及び全国町村会長野県木島平村長湯本安正君の御出席を願っております。
 この際、両参考人の方に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多用中のところ、当委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。本案につきまして、忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。
 なお、議事の順序は、初めに参考人の方から御意見を約二十分程度お述べいただき、次に、委員諸君からの質疑に対し御答弁をお願いいたしたいと存じます。
 それでは、まず我堂参考人にお願いいたします。我堂参考人。
○我堂参考人 堺市長の我堂でございます。
 本日は、全国市長会を代表いたしまして都市財政をめぐる問題点について意見を述べる機会をいただき、厚く御礼を申し上げますとともに、地方行政委員会の先生方には、日ごろ地方財政の各般にわたる問題について格別の御尽力を賜り、深く感謝申し上げる次第でございます。
 昭和五十年度の地方財政につきましては、大都市を中心とする事業所税の創設、地方財政計画における職員数の大幅な規模是正、都市的財政需要に対する地方交付税の算定の強化等、まことに画期的な諸措置を講じていただきましたが、特に人口急増地域に対する財政措置として、学校用地取得費に対する交付率、単価の引き上げ、小中学校屋内運動場の補助基準面積の引き上げ等格別の御配慮を賜り、私ども深く感謝申し上げているところでございます。
 本日は、過密地域における問題点について意見を申し述べろということでございまするので、特に人口急増都市における財政上の問題点を中心に本市の実情を申し上げ、若干の意見を申し述べたいと存じます。
 先生方にはすでに御案内のことと存じまするが、人口急増市町村におきましては、人口の急激な増加に伴いまして、小中学校、保育所、生活環境施設等の公共施設、公益施設の緊急な整備を図るため、膨大な行政需要に対して財政が全く対応できない実情でありまして、本市の実態を申し上げますと、まず人口でございますが、本市の人口は社会増を中心として戦後一貫して増加してまいりました。昭和三十年には二十五万人でありました人口が、現在では七十三万人を超え、この問の増加数は四十八万人で、昭和三十年の一・九倍の増加となっております。特に昭和四十年代に入りましてからは大規模団地の造成に伴う人口増加が著しく、最近数カ年は大阪府の手になります泉北ニュータウンの増加が大部分を占めております。今後の見込みとしましては、泉北ニュータウンだけをとってみましても、あと約十万人の入居を残しておりまするので、ここ当分はなおこの増勢が続くものと言わなければなりません。このように引き続き大量に増加する人口に対応するための財政需要は、施設分野の財政負担だけにとどまらず、広く非施設分野にまで及び、増加人口による増加施設にかかる維持運営費、あるいは公債費負担など、義務的、経常的経費の増高が急速に財政構造を悪化させ、このため、残念ながら昭和四十六年度には財政収支の均衡を失い、以来財政は窮迫の度を深めております。このまま推移いたしますならば、住民に対し新たな公共、公益施設サービスを提供することはおぼつかなく、ひいては行政サービスに偏りが生じることを憂慮するものでございます。
 以上のような実情を背景として、当面早急に措置すべき若干の点について申し述べますると、まず第一に、超過負担の解消の問題であります。この問題につきましては、人口急増市町村のみならず、地方団体すべての重要な問題でありますが、国庫補助負担金に係る地方超過負担の解消につきましては政府、国会においてもこの問題に積極的に取り組んでいただいており、昭和四十九年度補正予算並びに昭和五十年度予算において、施設費系統の補助金のうち、小中学校、保育所、公営住宅につきましては、地域要素も含め大幅な単価の是正措置を講じていただきましたが、対象差、数量差等については未解決であり、さらに保育所措置費、国保、国民年金事務費等、運営費系統の補助金については依然として多額の超過負担を生じ、地方財政を圧迫する大きな要因となっておりまするので、これが完全解消を図るとともに、昭和五十年度において政府は社会的要請の強い一般廃棄物処理施設等について実態調査を実施し、引き続き地方超過負担の解消に努めていただきたいと存じます。
 第二に、人口急増市町村等における公共施設、公益的施設の整備等のための特別措置法の早期制定を図られるよう、お願い申し上げます。
 先ほど本市の実情について申し上げましたとおり、人口急増市町村においては急激な人口の増加により関連公共、公益施設の緊急な整備を必要とし、そのための膨大な財政需要に対し、財政が全く対応できない現状でありまして、かねてより人口急増市町村等が行う公共施設及び公益的施設の整備事業に係る国庫負担率の引き上げについて強く要請してきたところでございます。幸い、小中学校校舎、幼稚園、消防施設につきましてはかさ上げの予算措置をしていただいておりますが、それ以外の施設につきましてはまだ実現を見ておりません。したがいまして、人口急増市町村等が行う公共、公益的施設の整備事業の国の補助割合の特例、地方債の拡充、宅地開発事業者等による費用の負担、関連公共施設等の立てかえ施行の義務づけ等を主要内容とする特別措置について法制化を図るよう、お願い申し上げます。
 第三に、小中学校の用地取得費に対する国庫補助金の問題について申し述べますると、本制度は昭和四十六年に創設され、小中学校の整備促進と関係市町村の財政の運営に大きな役割りを果たしているものでありますが、用地費補助制度については適用期限が五年間とされており、昭和五十年度において期限切れとなりますが、人口急増市町村における小中学校の整備状況より見て、また本市の場合でも児童生徒の増加状況を勘案いたしまして、今後の義務教育施設の整備計画を立てておりますが、これによれば昭和五十五年度までに、泉北ニュータウンを別にいたしまして、小学校二十一校、中学校十三校、合計三十四校の新設が必要であります。この三十四校のうち、十五校につきましては本年二月に都市計画学校として計画決定済みであり、残り十九校につきましては今後計画学校の追加あるいは任意買収によって用地を取得しなければならないのでありまして、もしこの用地補助制度がなければその財政負担ははかり知れないものがありまするので、昭和五十一年度以降も存続するよう強く要請いたします。また、本制度は足切りと称しまして補助金の交付率が一定率で抑えられており、昭和五十年度予算においては幸い先生方の御尽力により交付率が六五%に引き上げられましたが、都市における用地の確保難、地価の実態等を考慮し、引き続き交付率の大幅引き上げをお願いする次第であります。なお、都市部における公共用地の確保がきわめて困難となっている実情にかんがみ、公共用地の取得に対しましては政府資金による地方債の大幅な拡充も図るほか、当面緊急を要するものとして、土地開発公社等に対する用地取得資金の確保についても十分配慮を賜りたいと存じます。
 第四に、過密対策といたしましての地方交付税上の措置でありますが、人口急増団体等過密地域の市町村に対しては、道路費、公園費、清掃費、小中学校費の投資的経費のほか、人口急増補正等を通じて大変御配慮をいただいておりますが、人口急増市町村の財政需要の実態からして、これら関係費目の拡大と人口急増補正、投資的経費に係る数値急増補正等の拡充により基準財政需要額の算定の強化を図られるようお願い申し上げます。
 最後に、最近の地方財政をめぐる問題点について若干の意見を申し述べさせていただきます。御承知のとおりわが国の経済情勢は、これまでの高度成長経済型から安定成長へと経済の体質の転換が進められており、そのため従来のような税等の大幅な自然増が多くを期待できない反面、社会福祉施策の充実、人件費の増大等義務的経費が増高し、財政の硬直化について早急な打開策が求められております。本市におきましても、昭和五十年度の予算編成に当たっては既定経費の見直しによる節減はもちろんのこと、あらゆる角度から財政の効率的運用を図るための検討をいたしましても、住民の要請にこたえるに足る施策を実施できない実情でございます。すなわち、事業費は前年度からの継続事業のみに限定し、新たな福祉施策は一切見送り、また福祉施策の上積みもしないという、遺憾ながらまさに超緊縮予算を組まざるを得なかったのでございます。昨今、本市でも公害、交通、消費者行政、環境整備、社会福祉、幼児教育、住宅、保育等々爆発的な市民の行政需要がありますが、これに全くこたえ得ないということは、市民の負託を得て市政をあずかる市長にとりまして、まことに遺憾この上もないことでございますが、現下の財政状況から考え、あえて市民に理解と協力を呼びかけ、耐乏を要請せざるを得ない状態でありまして、都市財政を取り巻く環境はきわめて厳しいものとなっております。私どもは財政の運営に当たっては常に節度ある態度で臨まなければなりませんが、今日地方行政は生活優先、福祉重視の質的充実の要請が強く、特に基礎的地方公共団体として住民に直結する行政を行っている市町村の果たすべき役割りの重大さを御認識いただきまして、都市の財政硬直化の打開策として都市税源の充実、地方交付税の拡充等、画期的な措置をお願いいたす次第でございます。
 以上簡単でありますが、人口急増地域における問題点について申し上げまして、御参考に供したいと存じます。大変ありがとうございました。(拍手)
○大西委員長 次に湯本参考人にお願いいたします。
○湯本参考人 長野県木島平村長の湯本でございます。衆議院地方行政委員会の諸先生方には日ごろ地方自治伸張について一方ならぬ御高配を賜っておりまして、この席をおかりいたしまして厚く御礼を申し上げる次第でございます。本日本委員会において昭和五十年度交付税法改正案について意見を申し述べる機会を与えられましたことは、これまたまことに感謝にたえない次第でございます。厚く御礼を申し上げます。
 地方財政は、いまや転機にある経済、財政環境のもとにあって、自主財源の伸び悩み、人件費を初めとする義務的経費の増高、超過負担の増大等によってその硬直化が進み、本年度予算編成に当たっても少なからぬ影響を受けたわけであります。今後の財政運営は容易ならざるものを感ずる次第であります。私どもといたしましては、財政硬直化打開のため、一層の既定経費の節減、行政の簡素化、合理化に努め、行財政の効率的運営に創意工夫をこらして鋭意努力を重ねてまいりますことはもちろんでありますが、政府、国会におかれましても、地方財政の確立に特段の御配慮を賜りたくお願いを申し上げる次第でございます。
 本委員会において御審議されます地方交付税法の改正問題について町村の立場から二、三意見を申し述べたいと存じます。
 まず交付税法の改正案について申し上げたいと存じます。御承知のとおり町村は自主財源に乏しく、町村の歳入中に占める税収入の比重は逐年低下の傾向にありますので、交付税の所要額の確保いかんは町村財政の死活にかかる重要な問題であります。したがって全国町村会は、五十年度交付税の総額については交付税率の引き上げを含めて重大な関心を払ったところであります。幸い本年度は、国税の減税が小幅にとどまったことや酒税の増加等もありまして、交付税率の変更や総額の特例措置等は行われませんでしたが、国税の伸びに対応して総額において四兆一千六百三十八億円、対前年度比一兆百五十二億円、二九%の伸びを確保することができ、一応愁眉を開いたところでございます。
 本年度交付税法改正案の内容を見ますと、社会福祉水準の向上、教育関係経費の充実、市町村道、清掃施設等の生活関連施設の整備促進、過密過疎対策、広域市町村圏対策の推進等を主なねらいとして、それぞれ単位費用の引き上げを図ることが主要な改正内容となっております。町村が当面する財政需要に対して配慮をされたものとして非常に喜んでおる次第でございます。また、昨年の補正予算の編成時に交付税特例法中に創設されました臨時土地対策費が、本年度限りの措置ではありますが、引き続き行政経費として設けられましたことは、市町村の公共用地確保のための財源措置に対する要請の強い折柄、まことに時宜に即した措置であると存ずるのであります。このように改正法案の内容について基本的には賛意を表するものでありまして、速やかに本法律案の可決、成立を図られますようお願いを申し上げる次第であります。
 次に、交付税の配分について意見を申し述べたいと存じます。町村の大部分は、先ほど来申し上げておりますように農山漁村でありまして、行財政の基盤が非常に脆弱で、税源は至って貧弱であり、他面、社会資本の立ちおくれから財政需要は増高の一途をたどっており、特に学校、保育所、道路等生活関連施設の整備、農林漁業等地域産業の振興、各種福祉行政の充実等の行政需要が山積をいたしておるのであります。これらの行政需要に応ずる財源は非常に乏しく、町村の行政水準は全般的に立ちおくれが目立っているのであります。このような現況から国土の均衡のある発展を期するためにも、町村、なかんずく過疎地域、辺地山村、豪雪地域、離島、低開発地域などの後進地域に属する町村に対する交付税の傾斜配分を強化されることを強く望んでいるのであります。
 次に、過疎対策について申し上げたいと存じます。特に過疎地域の交付税の充実につきましては、従来ともいろいろと御配慮をいただいておりますが、過疎町村は本来税収入が期待できない地域でありまして、同じような準過疎地域町村ともども交付税に頼らざるを得ない状況でありますので、交付税の傾斜配分については一層の御配慮をいただきたいと存ずるのであります。特に過疎対策は本年度より後期五カ年計画に入るわけでありますが、過疎地域振興の基礎となる産業の基盤の強化について、測定単位の改善、補正の強化等、交付税による財源措置の充実について特段の御高配をお願い申し上げる次第であります。
 なお、最近の過疎町村の悩みは、地元住民の交通、すなわち足の確保であります。この問題につきましては、ここ一両年、関係予算は大幅に増額されておりますが、各地の悩みを完全に解消するに至っておらないのであります。民営バス会社は、当然ながら赤字経営の中で長く路線維持をするということは困難であり、結局町村が肩がわりして代替バスの運行をするか、あるいは会社に対する補助金を出して足を確保することになるのであります。この点につきましては、従来の民営バス会社中心の運輸行政とは別に、地域交通確保のための抜本的施策を樹立することが望ましいと存ずるのであります。当面、交付税措置により町村の財政需要を補てんしていただきたいということを切望いたす次第でございます。
 以上、当面私の考えておりますことを簡単に申し述べた次第でありますが、厳しい財政の中にある自治体、特に町村の現況に対し、十分な御高配を賜りますことをお願いを申し上げまして私の意見といたします。(拍手)
○大西委員長 これにて両参考人からの意見の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
○大西委員長 質疑の申し出がありますので順次これを許します。愛野興一郎君。
○愛野委員 両参考人にお伺いをいたしますが、いま切実な訴えをお聞きいたしまして、まことに委員として同情と責任を痛感をいたしております。特に人口急増地域、過疎地域に対する交付税の傾斜配分をすべきであるという御意見、まことによくわかるわけであります。
 そこで、財政硬直化の問題について若干お伺いをいたしておきたいと思うわけでありますけれども、最近、老人対策あるいは重度身障者対策、こういったものが都道府県なり市町村なりで個々にやられておるわけでありますが、それをやはりどうしても無理してやらなければならぬということから、かえって財政的に無理をする、こういうところもあるようであるわけでありますが、こういった福祉行政というものは、それぞれの地方公共団体で先取り競争のようにやるべきものであるのか、あるいは当然これはある基準を決めて、全国がレベルを合わせて、そういう老人の対策なり、あるいは重度身障者福祉対策をやるべきであるのか。これは全国的にずっと平均してよくしていこうということでありますと、どこかの一地方団体だけがよくなるのよりも、日本的には全般的にずっとレベルアップをしていくわけでありますから、この辺を両参考人からお伺いをしておきたいと思います。
 時間がございませんからまとめて質問をいたします。
 それからもう一つは、国や県からの機関委任事務でありますけれども、これがもう余り必要でないものであってみたり、あるいはまた機能の分担、責任の所在等が明確じゃなかったり、適正を欠いたり、こういったものの、言うなれば検討をして、廃すべきは廃止すべきであるし、そういった合理的な事務の再配分と財源の再配分を国、県、市町村ともに検討の段階に来ておるのかどうか。
 それからもう一つは、公共事業等、国に関係する事務手続、あるいは県の単独事業に対する市町村からの事務手続、これが余りにも複雑であり過ぎるために、かえって市や町村の事務が複雑になり、かつまた人員もふくれていく、こういった傾向が最近だんだんふえてはいないか。そのためにこの事務量あるいは人件費増につながっていく傾向が見えておるのではないか、こういったことをお伺いをいたしておきたいと思います。
 それからもう一つは、湯本参考人にお伺いをいたしておきたいと思いますが、結局は、過疎地域における交通確保対策というものは、当面交付税だけを充実していけばいいのか、あるいは根本的に、これは民営もだめであり、あるいは町営もだめであるというような場合においては一体どうしたらいいのか、こういったことをもう少し具体的に御意見があればお伺いをいたしておきたいと思います。
 それからもう一つは、最近国家公務員と地方公務員の給与の問題があるわけでありますけれども、これは市町村の場合におきましても、言うなれば相当高齢の方を抱えておられたりすることはないかどうか。そしてもしそういった方にやめていただきたいという場合においては、自治労の組合の皆さん方が市長さんなり町長さんに集団交渉等々でやめさせないようにする、いわゆる勧奨に対する交渉というものがあるわけであります。と申しますのは、たとえばこれは東京都の場合でありますけれども、六十歳以上八十一歳まで全部合わせますと、五千七百四十人の職員がおられるというわけであります。そういうわけでありますから、やはりこういうように財政が非常に困っておられる場合においては、これも考えるべきであると思うわけであります。その辺に関する御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○我堂参考人 お答えいたします。
 お尋ねの第一点の福祉の、何と申しますか個々ばらばらにやられているという点についての御意見でございます。私は、今日の福祉行政、必ずしも過保護だとは申しませんけれども、おっしゃるように各団体によりましてそれぞれ、極端に申しますると相争って先取りをしがちであるということはよくわかります。またさようであろうかと思いますが、これにつきまして一つの基準で何か、国となれば余り大きいかもしれませんけれども、おっしゃるように府県単位でも可能ならば私は賛成申し上げたいと思いますし、また例を国民健康保険にとってみましても、これもおっしゃるように、事情は違うかもしれませんけれども、各市町村個別にやっております。したがいまして、同じ府内、県内にありましても、団体によって料率が違ってくる。同じ府内におりながら保険料が違う。しかも保険の事業から見まして、被保険者の一つのかたまりが相当のものであって初めて低廉になってくる。真の保険の精神から見れば、少なくとも安定した一つの規模というものは考えられるんじゃなかろうか、いわゆる経済運営と申しますか、さようなものがあろうかと思います。これも私は持論として、少なくとも府県単位でやってもらいたいというふうに考えておるものでございますので、さような考え方と先生のいまの考え方と一致するものでなかろうか、私、かように考えております。
 それから事務の再配分に関する御質問あるいは国、府の事務の関係でございますが、堺市の実例から見まして、府との関係になりますけれども、府の業務が市の方に相当流れておりまするし、また過去においてそういう要請もございました。また港湾の関係では、これは国の機関になりまするけれども、海運局が国の方針として規模を縮小していかなければならぬ。従来、堺港に派遣しておりました職員、これは船員の手続関係の仕事でございましたが、これが大阪港に引き揚げられました。船員の利便から申しますと、堺港に従来どおりあるということが好ましいのでございますけれども、国の都合で引き揚げた。その事務を堺市の方が肩がわりいたしまして、私どもの港湾事務所でやっている。これは大した人件費の負担になりませんけれども、〇・八人ぐらいの仕事になっておるかと思いますけれども、さようなことで相当の分量を市の方で肩がわりしておるということは、国、府を問わず私はあると思います。それが人口の増加と絡み合いまして、ますますそういう仕事の量がふえてまいる。勢いそれに相当して人件費がかさんでくる、こういうことは事実でございます。
 それから最後の給与に関する御質問でございますが、率直に申しまして高齢者を相当多く抱えております。私どもの堺市では約二百五、六十名、六十歳以上の職員がおります。その最高はお話のように八十歳というのも二名ございます。従来、整理退職ということになりますと、労働組合からの反発がございましたけれども、管理職に限りまして五十八歳でお互いにやめていこうじゃないか、これは申し合わせによりまして数年前から実行いたしております。しかし一般の職員につきましてはさような手はございません。また組合との間に労働協約を結ぶという気持ちがこちらにあっても、先方にはそれは聞き入れられない。毎年これに対する勧奨退職の措置はしておりますけれども、一般職員につきましては、自発的な申し出のない限りそういう優遇措置は及びません。本年ようやく組合の方も協力的になりまして、二百数十名のうち約半数が三月三十一日付で退職することになりました。恐らく百名余り管理職以外から出ております。その中には仰せの八十歳という方も入っておりまするし、まあ半分は整理ができた。しかしながら反面、財政が非常に窮屈でございます。昭和四十七年度まではこれに対する起債措置を仰いでおったのでございますけれども、本年のように大量になってまいりますと、相当大きな退職金の支出が必要となりますので、それが昭和四十八年度から総需要抑制のあの線にひっかかりまして、起債の詮議まかりならぬということになりまして、これが四十八年度の赤字の大きな原因にもなっておりますが、本年も状況は同じでございましたので、組合側ともよく話し合いをいたしまして、三年間の年賦払いというようなことでようやく措置をとって、第一号発令をすることができたということでございます。
 なおその他、大阪周辺の都市といたしまして、経済状態は大阪とちっとも変わりませんし、国の公務員と比較いたしまして高いきらいはございますが、地域的な事情を勘案いたしまして、それ以上著しくはみ出るという面につきましては将来とも是正するという方針で考えてまいりたい、かようにも考えております。
 答弁になっておりますかおりませんか別といたしまして、以上御答弁にかえたいと思います。
○湯本参考人 私の考え方をお答えを申し上げたいと思います。
 福祉行政につきましては、確かにお話のありましたように、われわれ一応ある程度のガイドラインをつくりましても、新しく選挙に立候補するというような場合には、それ以上のことを公約して当選するというようなこともありまして、統一的なものに持っていくことはなかなかむずかしいのが現況でございますけれども、われわれの進め方といたしましては、たとえば老人の医療の無料化、乳幼児の医療の無料化というような問題につきましては、うちの県では老人の場合には七十歳以上、国のルールに乗ったもので進める、乳幼児については三歳児未満というようなことで市長会と町村会が申し合わせをいたしまして、さらに県にも加わっていただきまして、県も負担をするような方法をとるというようにいたしまして、できるだけ財政力の乏しい町村でもそれに対応できるような形を中心にいたしまして、全県がレベルアップできるような方向をとるべきであるという考えに立ちまして、いまのところ進めているわけであります。これはほぼうまくいっております。
 次に委任事務の問題でありますけれども、たとえば農業委任事務なんというのは非常に重要な時代もございましたが、最近、農地の移動等が減ってまいりまして、そういう事務は仕事が非常に減ってまいりました。かえって農村振興というような面で仕事がふえてまいりましたが、当初来ましたような補助金の率では来なくて、いまでは非常に少なくなった。そういうことから委任事務の洗い直しということはぜひやってもらいたいと思うわけであります。そういう点からも十分に御配慮をいただきたいと思います。
 県単事業の関係で特に町村の事務がふえるというようなことはいまのところございません。ただ、県がやっております乳幼児の医療の無料化、さっき申し上げましたように、市町村いずれもやっておりますけれども、このために医師会から領収書一枚について幾らであるというような要求がございまして、こういうような支払いをする経費がそのほかにふえてくるという面も出てきておりますが、事務的には大変なふえ方ではないわけでございます。
 次に給与の問題でありますが、長野県の場合にはほぼ退職勧奨制度を取り入れておりまして、年齢は統一されておりませんけれども、うちの郡内あるいはうちの村等では、労使の慣行によりまして課長は五十六歳、係長は五十七歳、一般は五十八歳、それから単純労務職員は六十歳ということにいたしまして、それでほぼ年々退職されていきます。しかし退職勧奨でありますので、五条を適用いたしまして優遇措置は講じておるわけであります。県内では、そういうことに対するトラブルはいまのところほとんど起こっていないように聞いております。
 それから、最後に私にお尋ねのございましたバス対策でございますが、これは、先生さっきお話しいただきましたように非常にむずかしい問題でありまして、われわれも全国過疎対策調査会等でもこれに対しまして何とか特別ないい方法はないものかということで検討をいたしておりますけれども、まだりっぱな処方せんはでき上がっておりません。そこで、先ほどの抜本的な施策の樹立ということはわれわれもぜひお願いしたいことではありますけれども、いまのところそういうこともすぐには期待できませんので、特交等で、いわゆる交付税で措置をしていただく以外に道はなかろうと考えておるわけでありますが、うちの県でも白バス等の運行を図りまして、町村独自でこれを進めている町村等もございます。具体的には、そういう方向をとらなかったら地域の住民の足の確保はできないというふうに思っております。私も、実はいま、白バスを運行いたしたいということで計画を進めているところでございますけれども、財政的には、非常に乗る人の少ないバスを運行するわけでありますので、これは全部赤字になってしまうという危険性がございますから、ぜひ特別な配慮をしてほしいというように思うわけでありますが、いまのところ具体的に、こうすることが一番の道であるというようなことは検討中でございまして、まだ結論を出しておりませんので、御了承いただきたいと思います。
○愛野委員 終わります。
○大西委員長 山本弥之助君。
○山本(弥)委員 参考人は末端地方自治体の長としていろいろ御苦心をなさっておられることと思いまして、まことに御苦労だと存じております。本日はまたわざわざおいでをいただきましてありがとうございます。
 堺の市長さんにお伺いしたいと思いますが、先ほど来のお話で、五十年度の予算編成は非常に苦労をして、極力歳出の削減を図り、従来の継続事業を遂行するにとどめるような状況であったということを承ったわけであります。そこで私はお伺いしたいと思いますが、今日の激動期の経済情勢下におきましては、五十年度の予算編成につきましては非常に御苦労をなさったと思うのでありますが、歳出の削減に苦心を払うと同時に、歳入につきまして何か特殊の御配慮をなさったかどうか。たとえば本年度から事業所税が創設されたわけでありますが、三大都市圏を中心としていわば地域が限定されております。近畿圏で、堺市は七十三万ということで該当するのかどうかわかりませんが、仮に堺市が該当しないとするならば、法定外の税として事業所税というようなことをお考えになったのかどうか。あるいは歳入について超過課税といいますか、そういったことで歳入の充実も図りながら地域の福祉施設の充実でその点をカバーする、これは負担の増高にはなりますが、一方では地域の要望に即応して、そういった取れるところから税を取ってバランスをとるというような配慮をなさったかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。
 第二の点は超過負担の問題でありますが、私ども、この解消につきましては、ただ単に単価差のみならず、対象差あるいは数量差につきましても強く関係各省にも要請をし、また年度途中におきましてもこれを是正するということに努力をいたしたい、かように考えております。単価差だけでも不十分だと私ども思っておりますが、ことに大阪周辺は建築資材が非常に高くつくように聞いておるわけであります。本年度予算におきましては、中学校を例にとりましても八万一千四百円、これは補正予算に対して一〇%から八、九%の増ということになっておるわけでございますが、これで単価差だけでも超過負担が出ないのかどうなのか、その辺のお見通しをお聞かせ願いたいと思います。
 それからもう一点は、堺市のは公表されておりますので私調べてまいりませんでしたが、いわば給与水準でございますが、ラスパイレスでどういうふうなことになっておるのか。これはまあ結構でございますが、あるいは国家公務員より高いということであれば、これに対して市長さんは、地方自治体の長としてどういうふうにお考えになっておるか。それから、本年度の財政計画で約十三万八千人ほどの実定員と財政計画の定員との是正が行われたわけであります。まだ四、五万は実定員との問に乖離があるのではないか、私はこう思うのであります。それは主として国家公務員の合理化に関連したのを国では見なかった、財政計画では見なかったということであります。国と同じように過去何カ年間五%の削減というようなことが、今日の複雑な事務を処理をしておられる、非常に人口もふえておるという堺市あたりでは、必要性はあるにしても、人員の合理化で削減をしていくというようなことは、仮に管理部門におきましても、いろいろ困難な事情があるのじゃないかと思います。これに対しましてどういうふうにお考えになっておるか、この点につきまして、御意見をお聞かせ願いたいと思います。
 それから、湯本村長さん、町村会を代表しておいでを願ったと思うのでありますが、町村の場合、ことに過疎地帯に対しましては、お話がございましたとおり、五年前に過疎対策の議員立法をいたしたわけです。当時、私どももこれでは不十分だという感じ、たとえば過疎債を起こしまして元利償還七〇%というようなのも、むしろ辺地債と同じように八〇%ぐらいに高くすべきだというふうな修正といいますか、そういうふうな配慮をした立法をいたしたいと考えておったわけでありますが、そのままで今日に至っておるわけであります。ある程度まで過疎地域の対策としては効果があったのではないか、かように考えるわけでありますが、むしろこの過疎法に該当しないボーダーラインといいますか、ちょうど境目にある町村が、五年間に非常に格差が出、さらに将来五年間経過いたしますと、さらに格差が拡大するような感じがするのであります。当然、後の五年間といえども、何らかの御方策を講じまして、過疎債を拡大して、そういうボーダーラインにある町村に対しましても交付税で元利償還を見るというようなあり方をやるべきではないか、私はかように考えておるわけでありますが、それらに対する御意見。
 それからもう一つ、これは私ども努力が足らぬと思いますが、今日町村で一番大きな問題はやはり医療問題だと思います。僻地病院の建設ももとよりでありますが、それと関連いたしまして、地域住民の負担の増高を来しておりますのが保険税あるいは保険料の問題だと思います。大蔵省あたりは、現在のように保険税がふえてまいっておるにもかかわらず、これらに対してまだ低過ぎるというような意見を述べる、大蔵省の諮問機関である財政審議会ではそういう意見を述べる人もあったやに聞いております。私ども早くから、ある程度まで受診率とかあるいはその地域の財政状況等を勘案いたしまして、これは当然変更はしなければいかぬと思いますが、一応の保険料の基準を設けまして、そしてそれ以上は国の助成をすべきであるという考え方、これは市長会に私ども関係しておりましたときからそういう考え方を持っておるのですが、いまでもそういうふうな動きを町村会等でしておられるのかどうか、あるいはその考え方はどうであるか、お聞かせ願いたいと考えております。
 それから、先ほど愛野さんから御質問いたしました地域住民の足を守る問題ですね。これは非常に重要な問題で、今日営利会社は、もう営利会社の立場からいくと、本来やめたい、採算がとれない、他の付帯事業をやらない限りは会社としての存立が困難な立場にあるわけでありますが、逐次これは変わっていかなければならぬのじゃないか。そのためには、どうしても法的に知事に権限を与えるとか、そういうことによりまして、知事の権限によりましてある程度までこの足の問題を市町村と一体となって手を打つ。従来から公営バス等もあるわけでありますが、公営バスのないところは、国と地方との責任におきましてこれを解決つけるというようなことにならなければならぬのじゃないかと思うのです。これは町村会あたりでも相当積極的に運動をする必要があるのじゃなかろうか、かように私は思いますが、その辺の御意見をお聞かせ願いたいと思います。
 以上でございます。
○我堂参考人 お答えいたします。
 歳入の点でどういう配慮をしておるか、こういうお尋ねでございますが、事業所税につきましては、自治省の御検討の時代から、われわれのところは大阪市とちっとも変わらない地域であるので、これに漏れないようにしていただきたい、かようなことで、実を申しますると大いに期待をいたしております。また昭和四十九年度におきましては、法人市民税につきまして法定外の課税をすることに議決を賜りまして、歳入面につきましても十分に考慮いたしておりますが、なお考えておりますことは、使用料という問題につきましても、真に支出に見合った使用料をちょうだいしよう、こういうことでただいま鋭意検討中でございます。これの増収によりましても、昭和五十年度の当初予算は一部すでに赤字含みでございます。それとにらみ合わせまして、昭和五十年度当初予算として計上し足らなんだものに対する配慮もしてまいりたい、かように考えております。
 学校の単価差の御質問でございましたが、今日、建物に対する単価差につきましては、私はまずまずのところまでお考えをいただいた、かように理解をいたしております。その間におきましてお願い申し上げたいのは、対象差と申しますか、面積差と申しますか、さような点でなお要請をしてまいりたい、またお聞き届けいただきたい、かように考えております。問題は、われわれのところは、先ほど申しましたように、これからつくっていかなければならない学校の数というものは大変なものでございます。今日、小学校を一校新設すると申しましても、二十億は優にはみ出るのじゃないか。その大宗を占めるものは土地であります。土地に対する国の御配慮につきまして、また人口急増がやみました後におきましても、先ほど申しましたようにお考えをいただきたい、かように考えております。
 それから給与水準のお話が出ましたが、確かに大阪府内おしなべて高うございますし、本市におきましては、ラス指数が一三三・五ということになっておるようでございますが、これは府内大体似たり寄ったりでございます。一つのところが高うて、一つの町で安い、これはもう成り立ちませんので、端的に申しまして、勢い結果として、国との比較において約三割高い、かようなのが実態であります。大阪府におきましては、国と比べて一割五、六分高い、こういうところから見まして、大阪周辺の地域といたしまして、全国平均の国家公務員ということから見まして、何がしか高いということはわかりますけれども、まず私は、せめて大阪府程度の、似たり寄ったりのところまでいかぬかと考えますけれども、給与そのものは歴史的な経過をたどって出ておるのが今日の姿であります。一挙にもまいりませんけれども、これは将来、組合ともよく話をしながら、これ以上格差が出ないように努力を続けてまいりたい、かような考え方でおります。
 最後の定数の問題でございますが、国と同じように、年によって四分減、五分減という措置はできぬかどうか。これはもう今日の人口の急増から見まして、過去にさようなこともいたしませんし、むしろ逆に大幅に定数をふやしておる。これはちょっと至難なことに考えております。ただし、本市の現状は人口一万につきまして八十ないし百、最高百というのが大体の常識のようになっておりますが、もう限度ぎりぎりのところまで来ておりますので、職員の数としては、今日の人口に見合ったものであろう。したがいまして、その間の、職種とか構成間のバランスを十分にこれから考えていくべきであろうというふうに考えております。
 以上であります。
○湯本参考人 山本先生の御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 最初の、過疎債で過疎地域の振興に相当な成果を上げたが、準過疎町村についてはどうかというようなお話でございますが、全国町村会で調査をいたしました数によりますと、大体人口が七・五%から一割程度の減少の町村が約四百ございまして、これの取り扱いにつきましては、何とかしていかなければいかぬということでいろいろ取り組みをいたしておりますが、県等によっては、準過疎地域の指定を行いまして、県単である程度措置を進めているというのが相当ふえてきております。また、国にお願いをいたしまして、特交等で措置をしていただくようなことも進めております。しかし準過疎の地域にも実は非常にお気の毒な面があるわけでありまして、今後、準過疎地域に対して元利補給のつくような、過疎債に準じたものの設定というものが考えられればさらにありがたいというふうに思うわけであります。いまのところ、町村会としては、これに対してこうしようというような結論を実はまだ出しておらないのが実情でございます。
 次に、医療の問題でありますが、僻地の医療というものは、御指摘がありましたように非常に困っているのが現実でございまして、韓国からお医者さんをお願いするとかあるいは台湾の先生をお願いするというようなのが最近ずいぶんふえてきておりまして、私の県でも、すでに数人に達しております。そこで、われわれがいままでお医者さんの不足なことに対しまして自治医大をぜひつくってほしいというような運動を強力に推進をいたしまして、先生方の御理解を得て自治医科大学もできたわけでございますが、実際はその医者の数というものはまだまだ実は足りないわけでありまして、これには苦慮をいたしておる次第でございます。お医者さんも、都市の周辺で、研究機関のあるようなところで勉強しながらというようなことであると、少しぐらい月給が安くも集まられるというようなことが現実のようでありまして、できるならば県にお医者さんを頼んでいただいて、それを僻地に派遣をするというような制度が確立されることが一番僻地医療には好ましいじゃないかというようなことを、われわれ町村会としては一応検討をいたしましてお願いをしているようなわけでありまして、いまのところ、大体僻地へ来てくれるお医者さんは、五、六十万円ぐらい月給を出さないと来てもらえない、しかも、税金はその村で負担をしなさいというようなことになりますと、大体村長の月給の倍くらい払わなければどうにもならぬというようなのが現実でございまして、しかも収入がそう期待できませんので、経営をいたしましても診療所等は大きな赤字になるというようなのが現実でございますので、これを救済するためには、先ほど申し上げましたように、県にお医者さんを頼んでもらって、その県から派遣をする、県には研修施設というようなものを持っておって、そこで研修をして、お医者さんが交代で僻地へ出ていくというような制度が確立されればありがたいというふうにわれわれは思っております。今後も、そういうことで先生方の御協力をちょうだいいたしまして、政府にも強くお願いをしてまいりたいというようなことも考えておるわけであります。
 それから次に、国保税の問題でありますが、最近老人の医療の無料化等が進みましたことで、なおさらこの医療費の支払いがふえてまいりまして、各町村、国保税の問題が一番頭の痛いところであります。多い町村になりますと、一戸当たり平均十万ぐらいな保険税になるとか、あるいは七、八万だというのがふえてまいりまして、今年度あたり四〇%、五〇%税金を上げないと実際の国保の運営ができないというような実情でございまして、全国町村会といたしましては標準保険税制度をぜひ創設をしてほしい。それでいま定率四〇%の国庫補助を交付税の方式で、基準財政収入というものを保険税と見るならば、その残りは何とかめんどうを見てもらうような方法でも打ち立ててもらわないとなかなか進まないということで、いま標準保険税制度の創設をぜひお願いしたいということを町村会ではお願いしているわけであります。
 次に、足の確保の公的措置の問題でありますが、先ほど申し上げましたように、県単等でそれぞれ措置を進めていただいておりますけれども、なかなかうまくいかないのが実情でございまして、知事の権限で地域内の交通というような問題をある程度律せられるような方法というものが確立されればさらにありがたいというふうに実は思うわけであります。民営バス中心の運輸行政の物の考え方では、過疎地の足の確保というのは非常にむずかしい面を迎えるであろうというふうにわれわれは思っているわけであります。一応考えを申し上げます。
○大西委員長 多田光雄君。
○多田委員 どうも御苦労さまでございます。
 二、三ちょっとお伺いしますが、これはお二人に共通にお伺いしたいことですが、地方財政の危機であるとか硬直化とかいろいろ言われているわけですけれども、どういう点で危機なのか。財政の問題もありますしいろいろありますけれども、地方自治体、それから住民サイドから見て、何が一体危機なのか、それをひとつ御説明願いたいことと、いま一つは、その原因が何なのかという問題なんです。これはいろいろあると思います。いろいろ個々にあると思いますけれども、特に私の伺いたいことは、これは一朝一夕にできたものでなくて、やはりここ五年、十年の長い政府の施策その他があると思うのです。特に政府の施策との関係において御説明願いたいと思いますが、その二点、お二人にお伺いしたいと思います。
○我堂参考人 地方財政の危機ということが叫ばれておりますが、私もさように申しております。と申しますのは、現下の制度から見まして、また市中の住民福祉に要する費用、その間のたてまえがつじつまが合わないということが地方財政の危機、これ以上運営を継続していくと赤字がふえてどうにもこうにもならないという状態だと私は考えております。よって来るところは何か。私は制度の点までここで申し上げるという資格もございませんしいたしますが、今日の制度下にありまして、堺市の実情から申しますと、人口の異常な増加であります。いっときに財政需要が要求せられる、必要になってきた、こういう状況が今日の堺市における危機というふうに理解いたしております。
○湯本参考人 われわれ地方財政の危機という表現をし、またそういうとらえ方をしておりますのは、私先ほどもちょっと申し上げましたように、弱小町村は税収というものが非常に少ない。そこで、生活の都市化といいますか、近代化といいますか、そういう面から、いままで考えてもみなかったごみの処理であるとか、山村においてもごみの処理、屎尿処理というようなことをしなければならない。それから一方では、義務的な経費が増大をしてくる。ところが税収は少ない。これをやはり住民要求を受けて処理していく上において、どうしても財政というものが硬直化し弾力性を失う、何とかこれは道を打開しなければならぬということを、危機という表現で実は申し上げているというのが現実であります。
○多田委員 それから、いまその原因といいますか、その辺をちょっとお気づきのことがありましたら……。
○湯本参考人 原因は、やはり義務的経費の増大というものが相当大きなウエートを占めている原因であるというふうに思います。
○多田委員 次にちょっとお伺いしておきたいのですが、これから政府も経済の安定成長というようなことも言っておりますし、先ほど我堂参考人もおっしゃったように、これからの税収の問題その他余り大きな期待を持てないという面もあるという中で、住民の要求が爆発的に起きていくという言葉を使われたわけです。私は全く賛成なんですが、その要求の中身というのは、学校の増設であるとか住宅であるとか保育所であるとか、言えばぜいたくというよりは住民の生きる、あるいはまた子供の教育とか、欠くことのできない内容のものだと思うのです。そういうものに地方自治体が目いっぱい追われているという状況じゃないかと思うので、その中でよく地方自治体の方が節約、節度あるというふうに言われるのですが、具体的に考えられる節約とか節度ある行政というのはどういうことなんでしょうか。これから考えられるもの、それをひとつお伺いしたいと思います。これもお二人にお願いしたいと思います。
○我堂参考人 節度あるという意味は、秩序ある財政支出というふうに理解をいたしております。と申しますのは、どれもこれもというわけに――限られた財源の中でございますので、住民の皆さん方の御要望には沿い得ない。これはいつの時代が来てもさような状況が残ろうかと思います。その中にありまして、真に住民エゴでない限り、何とかこれを認めてあげなければならない。これはわれわれそれだけの責務はあると考えております。したがいまして、そういう住民の意向から見て真に必要であるかどうか、こういう判断の上に立ってなされるのが財政上好ましい姿ではなかろうかというふうな理解の上に立っての予算の切り盛りというふうに理解をいたしております。
○湯本参考人 いま市長さんからお話ございましたように、自治体にとりましてはやはり緊急の度合いを十分に選択をして、秩序ある運営を図るという以外にはないと私は思うのであります。
○多田委員 そこでもうちょっとお伺いしたいのですが、これから皆さんが具体的には施策をとられるのに一番困る、また御苦心なさるところなんですが、部分的にたとえば職員の退職金でちょっと常識を逸したというもの、これは私は否定しないのです。そういうものはあると思います。それから、常識から見て非常にデラックス過ぎるというもの、これも部分的にないわけじゃないと思いますけれども、全体として地方自治体が取り組んでおられるものというものは、それほど住民エゴとか豪華過ぎるというものは余りないようには思うのですけれども、どうなんでしょう。これから節約とかというようなことはちょっとできかねる。つまり地方自治体がこれからふえていく住民の要求にこたえていく、その要求は先ほど言ったように、いまの文化的な水準、社会的な水準からいって、学校に子供たちを入れるのはあたりまえのことだし、高校増設もごく普通のことだ。これにこたえていく上で節約はなかなかむずかしい。しかし節約もしなくちゃならないということなんですが、その辺もう少し具体的に御説明願えませんでしょうか。
○我堂参考人 具体的にと言われても困りますが、おっしゃるようにこれは非常にむずかしいことであります。しかし地域エゴということは私はあると思います。住民諸君から見れば、さようなつもりでおっしゃってないことにいたしましても、今日、堺の現状から見まして、周辺地区に非常に力が入ったような感じを与えます。したがいましてプロパーの堺から見れば、新しく編入した土地、市内でしかも従来キツネ、タヌキの跳梁しておった地域が、非常に格段に様相を変えまして、しかもそこにできるものは、学校一つ例にとりましても、非常にりっぱなものができる。従来の堺から見れば及びもつかないような施設に見えてくる、これはやはり市民から見ればあれは地域エゴじゃないか、また市に対しましては、新しいところばかり力を入れて、こういうような批判も間々出ます。その間の調整をとりながらやっていかなければならぬ、そこに先生のお考えになるような疑問がわいてくるのではないかしらと思います。現に第一線で携わっておる者から見れば、こちらはさようでなくても、そういうふうに見える部分があるというふうなことも、一つの例としては申し上げられるのじゃなかろうか、かように考えます。
○湯本参考人 小さい町村にとりましては、節約ということは相当期待できると思います。
 財政規模自体は、私のところはいま年間一般会計予算が十億足らずでございますが、その中でやはり用紙の節約から電灯の節約からある程度切り詰めることをすることによって、相当の住民福祉に回す財源は出るというようなふうに思いまして、今年度も初めから予算をそういうつもりで実は編成をいたしまして、今年一年やってみるつもりでおりますけれども、先生おっしゃったように、それで目に見えたものが浮かぶような、いままでぜいたくもしておりませんので、なかなかむずかしい面もありますけれども、やはり資源を大切にするという考え方を生かすことによって、ある程度の成果を私はすべての面に期待できるというつもりで、いま実は取り組んでおります。
 しかし結果は、物価の値上がり等が一部にありますので、果たして大きな期待ができるかどうか申し上げることはできないと思いますけれども、そんなような取り組みをいたしております。
○多田委員 もうちょっと伺いたいのですが、財政硬直化、財政困難ということ、硬直化という表現がちょっと私違うように思うのですが、私の立場から言えば、いまの地方自治体の困難というのは、超過負担に見られる膨大な出費がある。あるいはここ十年、十五年見ていますと、かなり開発政策に振り回されて、それで財政出費を地方自治体が多くされていく、それはいろいろな施策の上でそうさせられている。たとえば産業基盤関係では超過負担が出ない、あるいはそこの生活関連関係で超過負担が出ていくという一つの事実を見てもそうだし、あるいはまた、企業に対する減免措置ということで収入減もある。それから行財政の配分の問題、これはさっきもお話がございましたけれども、こういう問題が五年、十年という蓄積の中で、しかもいまのインフレ、それから不況、これのあおりを食っているということでもあるのですけれども、財政硬直化という言葉はどうでしょう、これは適切でしょうか。私は財政硬直化という一番大きなのは、たとえば政府が上から官僚的な統制をやってきて、国の機関委任事務が非常に多くなっていく。それから、たとえばこれもちょっと調べたのですけれども、国庫補助金制度ですね。申請、交付事務にしても、四十七年十二月の全国知事会の報告によりますと、一工事一億円の国道改良事業の場合ヒヤリングに始まって申請、交付、精算まで職員延べ七回上京、それから延べ五百二十七人がこれに従事したというような知事会の報告が出ているのですが、こういったことが硬直化の非常に大きな原因、先ほど言った財政的な背景、それには硬直化がある。ところが、いまどうも政府や与党の皆さんが言っている硬直化というのは福祉をやり過ぎるからだ、人件費が高いから硬直化だという、かなり私にとってみれば作為的なあれがあるように見えるのですけれども、硬直化ということはどうでしょうか。そういう意味でしょうか、それとも一般的に財政が困難だということを硬直化にお使いになっておられるのでしょうか。これはまた大変抽象的な質問で申しわけございませんけれども。
○我堂参考人 硬直化、これは各人各様の理解があろうかと思いますが、私は義務的経費と申しますか、経常的経費ですね、それを賄えるか、賄い得ないかという断崖にいま立たされて、投資的経費、事業的な経費までに及ばなくなって、いわゆる財政そのものの繰り回しがつかないようになっておる。これが硬直化というふうに言われておる。そういうことから見ますると、堺市の財政まさに硬直化であります、そういうふうに理解いたしております。
○湯本参考人 私は硬直化という受けとめ方は非常に融通性が乏しくなる、もうぎりぎりに組んである、含み財源というようなものを持ってないという厳しい状況を硬直化という表現にして自分ではいるわけです。
○多田委員 これは我堂さんにお伺いしたいのですが、都市財源の拡大について今後どういうふうな御見解をお持ちでございましょうか。事務所税の創設が皆さんのいろいろな長い間の要求で特に大都市ではやられるようになってきているのですけれども、特別な計画あるいはお考えがあればひとつお聞かせ願いたい。
 それから、これは湯本さんにお伺いしたいのですが、過疎地帯における産業振興ですね、これはいろいろ産業立地したけれども、大体中小零細な企業が多くて、それがいまの不況その他のあおりでまた倒産していく、かえってまた地方自治体に大きな負担をかけていくということもずいぶん出ているのですが、この産業振興の見通し、それからそれに対する町村会なり、あるいはまた僻地過疎地帯の要望というものですね、これをひとつお伺いしたいと思いますが、我堂さんの方から先にひとつ。
○我堂参考人 先ほど山本先生の御質問にもお答えいたしましたとおり、とりあえず考えていますことは、事業所税の創設に期待を持ちながら、保育所に例をとってみますると、収容児一人当たり、いまわれわれの方では収支の差が四十五、六万の出費であります。幼稚園では大体九万円足らずとなっていると記憶いたしておりますが、そのよって来るところは、もちろん保母の数はやや多うございますが、多いという中にも土曜保育までやっているという人に対する必要度がありますから、いろいろなことが重なって現状になっておりますが、一方、歳入面では国の基準どおりちょうだいいたしておらないということもございます。私は、収入はせめて国の基準どおりまで利用者にちょうだいをすべきではないか、こういう考え方でいま鋭意、保育所に限らず、一番大きなのは保育所でございますが、そういう面での収入を考えていかなければならぬじゃないか。また、堺市ではごみの収集は無料でございますが、屎尿の収集についてはちょうだいいたしております。これも、市の支出が二百二、三十円になると思いますが、これに対しまして住民からちょうだいいたしておりますのは、四十五円でございます。余りにもその金の開きが、だんだん大きくなり過ぎておりますから、この際、全額何していただくという考え方は持っておりませんにしましても、若干の市民の御負担を得たい。これに対する理解を十分に進めてまいって御協力を得たい、かように考えております。
○湯本参考人 過疎地域の産業振興でありますが、実はこれは非常にむずかしい問題でありまして、いまお話しございましたように、工場が進出いたしましたけれども、その工場というものは大体下請企業のような工場で、真っ先に倒産や操短をしてしまうというような現実でございます。そこで、御承知のように、前期の過疎地域振興計画の中心は、やはり道路を初めとする公共施設の整備に重点を置いたわけでありますが、後期五カ年の振興計画には地域の産業振興ということを大きく取り上げようじゃないかということで、基本的に方針を全国過疎連盟等でもそういうような考えを持ちまして、各県も実はそういう指導をいたしておるわけであります。
 私は、やはり過疎地域の町村でございまして、この過疎地域振興のためには、まず基盤整備を全般的に進めまして、農業の近代化の基礎をつくるということ。その次には、当地は非常な豪雪地帯でございますので、エノキダケというキノコの栽培を普及をいたしまして、これを進めております。これと、冬季の観光という三つを組みまして、地方政治の振興計画を進めているわけであります。下請企業で倒産をいたしました従業員の吸収等も観光でいたしまして、どうにか処理をいたしたというのが現実でございます。
 しかし、こういう形がどこにも当てはまるというわけにはまいりませんので、過疎問題調査会等でも、この産業振興ということを重点に今年も検討を続けるということに実はなっております。おっしゃられる点、非常にむずかしい問題でございまして、これならばという処方せんは実は持っておりません。
○多田委員 私の経験でこの超過負担の問題ですね。一度何人か集まった住民の皆さんにお話ししたところが、皆さん初めて超過負担の中身がわかって大変びっくりして、むしろ政府のやり口に怒ったということがあるのですよ。なかなかわからないですね。国のいろいろな予算よりも、地方自治体の超過負担、交付税がよくわからないのですけれども、どうでしょうか。たとえば交付税の三二%を四〇%という年来の要望を、皆さんから出ておるのですけれども、私は本当に住民運動にしていく必要があるんじゃないか。いろいろな、知事会、市町村会というだけでなくて、せめて、どうでしょうか。これは私は、特に過疎地帯はもう交付税以外に本当に当面めんどうを見てもらうものはない。産業の振興もそのとおりということですね。もちろん、そのほかのいろいろな経済上の施策もございましょうけれども、自治体としてはない。そうした場合三二%から四〇%、これは国会でもずいぶんやっておりますけれども、本当にこれを実現する手だてとしては、皆さんが、住民にもぜひ納得をしていただいて住民の声も強くしていただきたいと私は思うのですが、こういう点の御協力はいかがでしょうか。これは最後にお伺いいたします。
○我堂参考人 住民の力をかりてというお言葉だと思いまするけれども、私は市町村から府県というような線でたどって、国が相当理解をしていただいて、超過負担につきましても相当努力をしていただいておりまするし、また努力のし足りない部分もございますから、これはおいおいとお話しをしぼっていけば、いまの国の考え方、姿勢からいけば私は何とかこなしていただけるんじゃないか。したがいまして、地方交付税の問題につきましても同様な考え方でありますし、さようなことが実りまして今回法案の提案ということになっておるのだと解釈いたします。ただ、四〇%がいいのか、五〇%がいいのか、そういうことにつきましては、国は国の財政の繰り回しの関係で恐らく率は決まると思いますが、われわれサイドから申しますると、超過負担につきましては、超過負担はゼロが一番よろしいのでございまするし、地方交付税につきましては、必要なものはやはり必要なだけお認めをいただきたいという考え方でおりまするし、いまのままで、国に対しましての考え方と申しますか、地方の実情を理解していただく。国もまたそれにおこたえになって改正法案も出ておるというふうに考えております。
 なお、それに足りない、まだ及ばない、必要度が充足されないというようなことであればまたそれだけの順序を通して陳情に努めてまいりたい。特にこの際に申し上げたいのは、われわれの側から申しますると、人口急増に対する特別な配慮ですね。これは過疎という一連のまだ相反する団体もございますけれども、非常に著しい人口急増である。この間については何らかの特別な配意をお願い申し上げたい。これ以外には、交付税につきましては何も申し上げることはない、さように考えております。
○湯本参考人 各町村財政の形態も非常に違っておりまして、直ちにここで住民運動でこれを進めるというようなことは、あるいは意思の統一はなかなかむずかしいと思います。われわれは各町村の意見というものを十分にくみ上げて、できるだけの努力をしてまいりたい。そういう意味で先生方の力強い御支援をお願い申し上げたい、こう思うわけであります。特に過疎地域では、先ほど来申し上げましたように、産業基盤の強化をするというような問題を進めまするためにはどうしても、測定単位というものの中に今後配慮いただくことで、いわゆる耕地面積がどのくらいあるかというのを測定単位にしてもらって、そこに土地改良事業を進めるというような場合に非常に役立つような、いわゆる財源要素を含めてもらうとか、いろいろ今後の改定にまつべきものもあるわけでありまして、過疎地域を本当に振興していくという問題になりますといろいろな問題が伏在をいたしております。先ほど申し上げたような意見をぜひおくみ取りいただいてお力添えをいただきたいと思います。
○多田委員 終わります。
○大西委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 両参考人には、遠路お忙しいところありがとうございます。
 私は、まず第一点目に、基準財政収入額の問題についてちょっとお尋ねして御意見をお聞きしたいと思います。
 法人住民税の徴収に当たってはいろいろと御苦労もございましょう。これは、特に人口急増地帯などというところは、その一つの急増する基盤が産業の誘致、当然工場、法人の増加によって人口はふえてくるわけでございますが、この法人住民税の欠損法人の課税のあり方についてはまずどのようにお考えになるかという点が一つなんです。これはなぜかと申しますと、われわれ一般の庶民が住民税を納める場合には、家計が赤字になっても住民税はちゃんと納めるわけですが、法人住民税においては、欠損法人という理由によって基礎料金しか納めていない。こういうのは、まず御市においてはどれくらいそういった欠損法人数が全体の法人住民税を納めている中においておありなのか、その中に占めている基礎料金しか納めていない会社。こういう問題は、自動車公害をまき散らし、また煙突公害、いろいろな問題を出しながら、ただ法人が赤字であるということによって法人住民税の徴収が思うとおりいかないということになって、非常にこれは財政硬直につながってくる一つの問題でございますので、この基準財政収入の問題について、ひとつそういった法人住民税のあり方についてまずお二人から御意見をお伺いいたしたいと思います。
 次に、地方財政計画による職員定数の問題でございますが、二点目は定年制の問題、地方公務員、国家公務員を問わず、公務員の定年制についてはどのようなお考えをお持ちでございましょうか。現在は肩たたき勧奨、それに伴うところの財政、人件費の問題等がいま世論になっておりますが、御意見がもしおありでございましたらひとつ定年制についてお聞かせいただきたいと思います。これは地方の人件費の超過負担という問題が当然出てくるのでございますが、ただ職員数がふえるということだけで合理化――いろいろな問題ももちろん考えなければなりませんが、地方財政計画でも地方財政の決算規模がいつも大きくなるということの原因の一つに職員の増大がありますが、五十年度で定数を十三万八千人ふやしたと言いますが、これは一体十分なのかどうか。こういった世論が人件費の問題で出ているときに、まだまだふやさなければならない、しかしふやせばそういった財政に影響してくる。特に過密の方の問題としては、当然住民行政サービスの人件費がどうなるか、これが二点目。
 三点目は、国庫補助負担金の交付申請手続や行政事務等について、これは簡素化、合理化という問題が言われますが、市長さん、町長さんの立場に立って、国に対するこういった国庫補助負担金の交付申請手続や行政事務等についてはどうお考えになられますか。
 まず、とりあえず三点を伺います。
○我堂参考人 法人住民税の御質問は、私も余りこれはつまびらかではないんでございますが、また資料も持っておりませんし、いたしまするので、何社どのくらいということは答弁いたしかねます。しかし、公害をまき散らして云々というお言葉でございますが、その程度の会社、工場では余り欠損会社があるようには聞いておりません。中小企業の中には欠損会社はもう相当あると思います。ないということは断言もできませんけれども、大規模の会社、工場で本市内に存在しますのは、余り欠損でどうにもこうにもならないというようなことは聞いておりません。十分にお答えできませんことをはなはだ残念に思います。
 第二点の定年制の問題でございますが、これはもうかねてから市長会を通しまして、定年制を創設できるようにお取り計らいを願いたい。これはわれわれから申しますると、年来の懸案事項になっております。ただ、人口急増都市にありましては節約するという努力はいたしておりまするけれども、住民サービスの向上というところまでいかなくても、住民増自体が定数の増を行わしてまいる。したがいまして、市民サービスを低下させないためには、どうしても減るということよりもふえるという要素が今日の社会では多うございます。したがいまして、年々定数は増加いたしておりまして、先ほど申しましたように、今日の全国的な状況から見て、ほとんど定数は最高限にあるのではなかろうか。ただ、その間に職種間のバランスが行き届いていない部分がある。だから、私は、数においては本市の人口の状態から見て充足をされた、今後はその質なりまた職種間のバランスを整備していくという考えの上で努力をしてまいりたい、かように考えております。
○湯本参考人 ただいまの御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 法人住民税の問題につきましては、実は私のところは直接余り関係ございませんでしたので検討をいたしておらなかったわけでありますが、この問題につきましては一応外形標準によるということになっているようであります。さらに調査をしてみないとここで申し上げることは実はできないわけでありますが、どういうふうにいたしておりますか。考え方としては、課税することによってその会社をさらに追いやってしまうような方向が出る場合もあり得るし、また一方、その従業員との関連等もございましてむずかしい問題になろうかと思いますけれども、町村会として特に取り上げたことはございませんので、これはお答えを御遠慮申し上げたい、こう思います。
 次に公務員の定年制の問題でありますが、実質的には、先ほど申し上げましたように、勧奨退職等によって進めておりますけれども、町村会としての考え方としては、地方公務員の定年制を導入する、そのための制度の総合整備を進めるということを一応方針にいたしておりまして、総合条件整備というのは、いまの退職金制度であるとか、それから年金制度というものを十分に配慮を加えた上で定年制を確立をしてほしいといういうのが町村会の考え方であります。
○小川(新)委員 過密の御苦労は我堂市長、大変お世話になりますが、さっき小中学校用地の取得の五十年で打ち切りということがございましたね、用地の人口急増の。私もこの問題については政府に十分その延期方を要請しておるのでございますが、側面からバックアップさせていただきますが、市長さんのお考えでは、この期限というものは一応五年くらいがめど、もっと長い方がいいのかまたその点についてのお考えがございましたら、この際ここでその学校用地取得の人口急増地域の期限切れ、五十年で切れるという特別措置、この問題についての御意見をもう少しお聞かせいただきたいと思います。
 それから、今回、基準財政需要額の算定方法及び収入額の算定方法の改正が行われるわけでございます。昭和五十年度の基準財政需要額の算定方法の改正を行って幾らかでも地方交付税の算定基準を高めよう、そして皆さん方の行政需要に応じようという政府の考え方については、先ほど市長さんも非常に賛意の御発言でございましたから全く私もそのとおりだと思います。ただいつも毎年毎年こういう問題が繰り返されてまいりますが、膨大な人件費とか事業費の拡大だとか、またはその建設費用単価に占める割合とか、物価インフレという問題が高度経済成長政策から安定成長政策に切りかえて、幾分なりとも鎮静の方向をたどりつつあるんでしょうけれども、これはどの程度に第一線でお働きの市長さん方は、いまの算定基準というものは満たされているのかいないのか、その辺の御意見をもう少しお聞かせをいただきますと、私どもはこの法案を審議するのに非常に参考になるんでございます。この点を過密過疎の両面からひとつお願いしたいと思います。
○我堂参考人 打ち切りはどのくらい継続したらいいかというお尋ねでございますが、われわれの方の泉北ニュータウンに例をとりますと、どの団地も一緒でございますが、零歳から四歳までの人口でございます。これが通常の地域と比べまして、約二倍足らずになっております。二倍と申し上げてもよいくらいになっております、構成比が。そうしますると、今日十万の人口を持った団地ということは、将来の学校需要から申しますると、二十万人の人口を持った地域に相当、匹敵するわけであります。したがいまして、おっしゃるように五年ということでは私は解決しないんじゃないかしらというふうな考え方をいたします。しかしむやみやたらに長くして、国の打ち切りに手をかしていただいても困りまするので、おっしゃるようにさらに五年ぐらい延ばして、そのときの状況をまた見ていただくというようなことが一番無難ではないか。あえて意見を求められましたので、率直にいまお答えをいたしたいと思います。
 第二点の問題でございますが、地方交付税の各項目についてこれはいい、これは低いじゃないかという材料を私いま持っておりませんけれども、申し上げたいのは、その問題が解決されなくても、今日最もわれわれ切実にお願い申し上げたいのは、その算定に当たりまして、従来の一律な考え方以外に、人口急増に対する何らかの配慮を一つつけ加えていただけぬかというふうに考えておりますことと、もう一つは堺の立地上、大阪市と大和川を隔てて川一つであります。私は民度が低いとも何とも考えておりません。経済状態、生活状態まさに高下はないのでございまして、しかも沿革的に申しますると、堺から派生したのが大阪市であります。維新前、むしろ堺の方が裕福であったというようなことから見まして、私は住民の生活状況がちっとも変わっておるとも思いませんし、また住民からの行政需要から見ましてもちっとも変わってはおりません。したがいまして、交付税の算定上の種地という考え方を大阪市と同様にお考えをいただけぬか、これは国に対しましても折に触れてお願いを申し上げておるところでございます。余り堺のことに固執し過ぎまして、はなはだ恐縮でございますが、御勘考いただきたいと思います。
○湯本参考人 交付税の単位費用その他につきましては、今回、われわれはかねて政府にお願いをしてまいりました社会福祉の水準の向上であるとかあるいは市町村道の整備、清掃施設等の生活関連施設の整備というような係数を一時改めてほしいという点をお願いをしておったわけでございますが、それらがほぼお認めをいただいておりますので、われわれの年来お願いをしてまいりました事項が認められたものというふうに受けとめをいたしております。しかし先ほど申し上げましたように過疎地の特別の事情等を御配慮いただいて、傾斜配分だけはひとつ十分にお考えをいただかぬと困るというのが私の考え方であります。御了承いただきます。
○小川(新)委員 その傾斜配分については現行交付率を改正しないで、その範囲内において過疎の方へ傾斜配分を行い、そして財源のある過密地帯の人口がふえていくところについては起債などを充てて、要するに、過疎地域は起債の借金政策というものは、これは年々返還する人が減っていくのだから、平たく言えばとても元利償還がおぼつかない。であるから、それは交付税の傾斜配分方式によって財政需要を満たしてもらいたいという御要望だと思うんですね。今回の地方交付税法の改正によって、費用単価のそういったものの改正が行われるから、まだ満足ではないけれども、満足したとは言えないけれども、いま言ったような問題を踏まえての御希望だと思います。一体、どのくらいのパーセントで配分をお望みでございましょうか、この際率直に数字を明かしておいていただければ、われわれの方としても審議しやすいのでございます。
○湯本参考人 配分につきましてはどのくらいということは、これはその実態実態によって非常に違いますのでむずかしいと思います。そこでわれわれが特に十分なる御配慮という言葉で表現しておりますのは、やはり政府で基本的な、理論的なものをおつくりいただいた上でお願いする以外に方法はなかろう、こう思うのでございます。
○小川(新)委員 その細かいことをやるのはわれわれの役目ですから、それ以上のことを市長さんにここで深くお聞きをするわけにまいりませんが、いま過疎の代表として言われた問題については、私どもも十分頭の中に入れて意に沿うように政府執行部に対して申し上げたいと思います。
 そこで、これで終わりでございますが、国から来る零細補助金等は整理統合して、これを地方税、地方交付税等の一般財源に切りかえて、国庫支出金から一般財源への切りかえを促進すべきである、私はこういう考えを持っておりますが、現場の首長さんとしてどういうふうにお考えでございましょうか。これは御両者からお伺いいたしまして、もうお疲れのようでございますから、これで終わらせていただきます。
○我堂参考人 その点は私は賛成でございます。特に、事務の簡素化から見ましても歓迎すべきことだと考えます。
○湯本参考人 町村会といたしましても、零細補助金は整理してもらってもこれはやむを得ない、できるだけ全体の財源確保というものに重点を置きたいという考え方であります。
○小川(新)委員 以上で終わらしていただきます。
○大西委員長 折小野良一君。
○折小野委員 まず我堂参考人からお尋ねをいたします。
 一応お尋ねいたします問題を申し上げますので、まとめてひとつお答えをいただきたいと思います。
 一番は、堺市における人件費の総予算の中に占める比率、ほぼどの程度か。これは一般会計予算で結構でございます。最近の傾向としてどういう状況なのか。数字的にわかっておりましたら、四十八年度、四十九年度あたりとことし五十年度予算との比率の差、非常に高くなっておるであろうと予測をいたしておるのですが、その辺お尋ねいたします。
 それから、五十年度の予算はすでに編成をされて執行に入っておるわけでございますが、政府におきましても歳入欠陥というのが非常に憂慮されております。最近不況がさらに深刻になってきつつある状況、そういう中におきまして、やはり今後の歳入の確保についてはいろいろと御心配になっておられるであろうというふうに考えます。そういう点から、先ほど市長さんのお話の中にも五十年度予算は赤字含みである、こういうふうなお話がございました。五十年度のその歳入確保の見通しですね。現在の状態で十分おわかりかどうかはまだわかりませんが、見込みとして大体どういうふうにお考えになっておるのか。
 それから第三は、都市が膨張していくにつれて、特に小学校、中学校、これの新設に非常に苦慮されておるということでございます。そのうちの十四ほどは都市計画で用地の手配が何とかできるというお話でございました。学校だけでなくて、いわゆる公共施設をつくるのにまず土地をというのが先決問題でございますし、政府の方でもその面につきましては最近いろいろと配慮がなされておるようでございます。そういう中におきまして、最近地価の鎮静その他がありまして、ある程度土地の取得がまあまあ容易になってきたんじゃなかろうかということが考えられるわけでございますが、堺市の実態といたしまして、そのような公共用地の取得の状況、あるいは当面の見通しと申しますか、そういう面から、従来からすると資金的な手配もついたとか、あるいは多少なりとも見通しが明るくなったとか、取得が容易になったとか、そういう面がいろいろあろうかと思います。これもお感じということであろうと思いますが、その点のお感じをひとつお知らせいただきたいと思います。
 それから湯本参考人にお尋ねいたしたいのは、総予算の中に占める人件費率、それと同時に、おたくの村の場合、税収と人件費と比較いたしましてどちらが高いか。最近は税収よりか人件費が上回るというようなところが大分あちこちに出てきておると聞いておりますが、その辺がどういうような状況であるのか。
 それから一般的に財政の危機ということが言われておりますが、この財政の危機、それぞれの市町村によりましてまたいろいろと事情もあろうかと思っております。その中におきまして、特におたくの村といたしまして、もうどうにもならない、本年度も一生懸命やるが赤字やむを得ないというふうなお感じなのか。まあまあいまのところでどうにかがんばってやっていける、とにかく相当の努力が必要であろうとは思いますが、その辺の財政危機の実感と申しますか、そういう点を率直にひとつお尋ねをいたしたいと思っております。
 それから過疎対策の面でございますが、前期五カ年計画を終わりまして後期に入ったわけでございます。前期の過疎対策の内容を見てみますと、道路を整備するとかあるいは学校の統合を図るとか、あるいはコミュニティーセンターをつくるとか、とにかく過疎地域における環境整備、これが前期五カ年計画の事業の中核であったと私ども判断をいたしております。後期の計画の中で何が一番重点でなければならないのか。そしてまた現実にどういう問題を一番重点にしてやろうとしておいでになるのか。その点ひとつお伺いをいたしておきたいと考えます。どうぞよろしくお願いいたします。
○我堂参考人 総予算のうち人件費の占める割合でありますが、昭和四十八年度におきましては約二四%、昭和四十九年度はつまびらかでございませんが、大幅な人事院勧告が行われましたので、これよりかやや上回っておるのじゃないか、かように考えております。
 それから五十年度の見通しにつきまして、年度初めからちょっと予断は許しませんけれども、四十八年、四十九年で大体赤字のピークであろうかと思います。その後、思い切って四十九年度を先ほど申し上げましたような緊縮予算でいたしておりまするし、これに対する事業所税だとかあるいは法人住民税の法定外の御負担だとか、あるいはまた再三申しておりまするように、住民に御迷惑をかける使用料その他の面につきましては、国に基準のあるものは大体国の基準に準拠した徴収をすることを理解願うとかいろいろと措置をいたしまして、とりあえず五十年度におきましてはこの赤字含みを抑えるとともに、当初予算で盛り足らなんだ部分について、たとえわずかでも改善をしながら進めたい、かように考えまして赤字を極力抑制をしてまいりたい、かように考えております。ただいまの時点でそれではどのくらいのことになって推移するかという見通しにつきましては、ちょっと困難な状況にございます。
 最後の土地の取得でございますが、学校に関しましては十五校につきましては計画決定をいたしました。これにつきましては、あるものは部落有財産の転用だとか、またある部分につきましてはほぼ買収の話が成り立ち得るという見込みのついたもの、とりあえず十五校決定をいたしたわけでございますが、後に残るのはこれに対する用地買収費の措置でございますので、この点につきましては将来とも国に十分に御説明をいたしまして、御援助を仰ぎながら急いでやってまいりたい、かように考えております。
○湯本参考人 お答えを申し上げたいと思います。
 最初の人件費率でありますが、大体二四%程度でございます。これは、今年度特に第二次構造改善事業とかその他を取り入れまして予算が膨張したということで去年より比率が下がったということになるわけでありますが、実質的には額はふえております。去年の率、ちょっと資料を持っておりませんので申し上げられませんが、税収はわずか七千八百八十万円ということであり、全部で人件費が二億三千余万円ございますので、大体三分の一くらいしか税金で間に合わないというような実情でございまして、財政運営は非常に厳しいというわけであります。なお、仕事をするためにいままで積み立ててまいりました財政調整基金というようなものも一部繰り入れて予算を編成している。非常に厳しい実感がここにあるわけでございます。
 それから次の過疎対策の重点でございますが、お話ございましたように、前期におきましては道路の整備を中心にいたしまして、コミュニティーセンターの建設あるいは保育所の建設等を進めてまいったわけであります。後期におきましては、まだ道路の整備が完全というわけにはまいりませんし、豪雪地帯でございますから冬季に完全に道路を除雪をするということになりますと、道路の幅員を広めないとできないという地帯でございますので、道路の整備、それにあわせまして産業振興に重点を置くということで、今年度の予算を見ましても、十億足らずの予算でも約三億ばかりの産業振興費を計上してこれを重点に施行している実情でございます。
 それからもう一つ問題となっておりますのは、普通のお医者さんは二人おりますけれども、歯医者さんが一人、非常に老齢になっておりましてほとんど治療ができなくて、半日がかり、一日がかりで歯科治療に行くというのが現実でございますので、歯科診療所をぜひ建設いたしたいということを重点にいたしまして準備をいたしております。
 農業の基盤整備、それから産業、総体的な立場から、さっき申し上げましたように裏作的な考え方で観光をやっておりまして、昨年観光人口十五、六万になりましたので、このための体育施設の整備等もあわせてこの中に考えていきたい。
 これが後期の五カ年計画の概要でございます。
○折小野委員 いまの御答弁の中で人件費の率が二四%、お二方ともそういうふうにおっしゃいました。これは実は非常に低いんじゃなかろうかというふうに考えております。あるいは実態は、人件費のとり方等もいろいろございますので、もっともっと高いんじゃなかろうかと私は実は考えておるわけでございます。
 それから我堂参考人にもう一つお伺いをいたします。先ほどの御答弁の中で管理職は五十八歳になったら申し合わせで退職をすることになっているとおっしゃいましたが、その場合の退職金は、勧奨退職の割り増し退職金ということでございますかどうか。
 それから湯本参考人にお伺いをいたしますが、特に木島平の村は温泉がございますので、いまおっしゃったような観光が一つの産業ということで重要視されておると思いますが、これにつきましてはことしの税法改正で入湯税が改正になりました。四十円が百円ということになったわけでございますが、その観光人口が残していきます行政需要、それをこの入湯税で賄うことができるのかどうか。たとえば、それによってごみ処理が特別必要である、その面の特別なごみ処理費は観光税を財源として賄えるのか、そういうような面で十分な財源になり得るかどうか、その点をひとつお答えいただきたいと思います。
○我堂参考人 管理職の申し合わせ、五十八歳でございますが、これにつきましては五十五ないし五十八の間において、役所の方で勧告と申しますか整理退職を措置いたしましたときにこれに応ずるという申し合わせでございます。したがいまして割り増しの退職金は支出いたしております。
○湯本参考人 さっき折小野先生御質問になりました入湯税の問題でありますが、うちの方の観光は冬季のスキー観光でありまして、入湯税は実は関係ないわけであります。村は一つの過疎対策の一環として進めてまいったわけでありますが、村の企業でリフトを五本かけまして、それの運用によっていまの関連施設の整備ということを実は進めているわけであります。全部これは縁故起債が財源でありまして、十年目になりますが、大体償還はしつついけるというような状況でございます。それでただ問題は、それをやりましてよかったというふうに私受けとめておるのは、リフトに関連する従業員が大体五、六十名要りますので、観光関係なので、二、三百人、冬全部出かせぎというのがなくなって定着をしてくれたということに、私は一つの大きな意味を実は見出しているわけであります。
 入湯税の関係はございませんので……。
○折小野委員 ありがとうございました。
○大西委員長 両参考人には、貴重な御意見をいただきまことにありがとうございました。委員会を代表して、厚く御礼を申し上げます。
 午後一時三十分から再開することとし、この際休憩いたします。
    午後零時三十分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十六分開議
○大西委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 内閣提出に係る地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、午前に引き続き参考人から意見を聴取いたします。
 ただいま御出席の参考人は、東大阪市長伏見格之助君、京都府丹後町長蒲田保君及び全日本自治団体労働組合書記長丸山康雄君、以上の方々でございます。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。
 参考人の皆様には、御多用中のところ、当委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。
 なお、議事の順序は、初めに参考人の方々から御意見を約二十分程度お述べいただき、次に、委員諸君からの質疑に対し御答弁をお願いいたしたいと存じます。
 それでは、まず伏見参考人からお願いいたします。
○伏見参考人 まず、東大阪市を御紹介申し上げておきたいと思います。
 本市は大阪市に隣接いたします人口約五十一万、面積六十一平方キロの衛星都市でありまして、去る昭和四十二年二月に旧布施市、河内市、枚岡市の三市の合併により誕生したものであります。従来、非常に低湿地でありました関係から、立地企業は中小零細企業で占められておりまして、文化住宅、アパートといった狭隘な住宅が多く、かつ密集をしておるところであります。したがって、市民の担税力は他市に比較いたしましてきわめて低いと言えると思います。
 本市は大阪市に隣接し、かつ陸上交通の便に恵まれていますから、昭和三十年代以降の経済の伸展に伴いまして、大阪市から産業、人口の流入現象をもろに受けまして、産業、人口とも急増をいたしたのであります。これらの現象は、都市基盤としての道路、下水、ごみ、屎尿、学校等の諸施設の整備が遅延しておる状態の中へ休む間もなく多量に、しかも無秩序に行われた結果、過密、スプロール現象をもたらしましたとともに、公害、浸水、不法投棄、交通麻痺、マンモス校、プレハブ校舎等の現象が各所に発生するようになったのであります。
 市としましては、この新しい行政需要に対処するため、さらには大阪府の計画になる副都心計画の受け入れを行いますために、さきに申し上げましたように三市の合併をいたしたものであります。旧三市ともに財政基盤が脆弱でありまして、たとえば昭和四十一年度の経常収支比率は、大阪府下平均で七九・四%に対しまして、本市では九四・七%、昭和四十二年度では、大阪府下七八%に対しまして、本市は九三・八%で、いずれも平均より一五%程度も高く、財政の硬直化を来していたのであります。当時から一般財源が不足していたのがいわば実態でございますが、言うまでもなく、本市の伸展が大阪市からの産業、人口の投入によるものでありますところから、これらの市民の諸要求は大阪市並みの行政水準を求め続けておるのであります。
 また他方におきまして、財政の乏しい状況から主要プロジェクトの充当財源のほとんどが国あるいは府の支出金、起債等の特定財源に依存をし、一般財源の不足をカバーをしてきたのであります。その間、市税徴収率の向上はもとより、超過課税の実施等、収入の増大を積極的に図ります一方、歳出におきましても、事務の委託その他適切な方法により事務の簡素化、合理化を推進し、維持管理経費につきましても極力節減する等、常に厳しい態度で財政運営に当たってきたところであります。
 しかしながら、増大する行政需要に財政的に対処することができませんから、昭和四十二年度の合併当初の赤字額約七億が昭和四十八年度末に至っては十八億三千五百万円にまで増大し、また昭和四十九年度にはオイルショック等の影響あるいは諸物価の著しい高騰に伴う物件費、扶助費、人件費等の経常経費の増大によりまして、単年度で約七億円の赤字が見込まれる次第であります。このように赤字の要因が経常的な経費にあることは、昭和五十年度以降につきましても同様のことが言えるわけでありまして、さらに厳しい財政運営を行ったといたしましても、単年度収支の均衡保持はほとんど不可能であると考えられるのであります。
 以上のように、多額の赤字が発生したとしても、都市における行政需要を充足しておれば問題はありませんが、行政全般にわたってその不十分さが指摘されるところであります。その主な事項につきまして、御説明申し上げたいと思います。
 まず教育関係についてでありますが、合併以来、児童生徒の急激な増加に伴いまして、小学校十五、中学校五校の新設を行ってまいりましたが、一校につきまして三十五学級を超えるいわゆる過大校が現在なお二十四校存在しておりまして、新設分離に要する事業費は一校二十五億円、したがって約六百億円の経費が必要であります。また屋内運動場につきましても、六十五校中五十六校にその設置を行いましたが、なお九校が未設置の状態であり、プールについては二十二校に設置を見ておるのみであります。最近、弱者対策の一環として障害児教育の重要性が指摘されております。小学校六十三クラス、中学校二十八クラスの開設を行っておりますが、なお二十五クラスの不足を来しております。一方幼稚園につきましても、一小学校区について、公立、私立、いずれか一園を設置することを方針といたしておりまして、合併以来十四園を建設いたしましたが、なお十四園不足いたしておりまして、これらを設置するには約四十二億円が必要であります。
 次に衛生行政についてでありますが、まずごみの収集焼却処分については、現在一般廃棄物のみ取り扱っておりますが、家庭ごみ排出量が年々増大いたしまして、週一回収集では道路の随所にごみがあふれるなど、十分に対応し切れない状態でありますので、去る昭和四十六年から週二回収集を実施し、さらに大型ごみの不法投棄が顕著になってきましたので、昭和四十九年度から定期的に粗大ごみの収集を行っております。市内にはごみの収集車が入り切らないような路地も数多くありますし、そこでは作業員が軒先から車まで一軒ずつごみ箱を持ち運んでおります等、作業時間が長くかかりますし、しかも交通渋滞が拍車をかけまして、収集効率は大変低いと言えると思います。また、ごみの焼却は、排出量の増大と焼却時における大気汚染、水質汚濁、騒音防止等の公害防止対策の必要によりまして建設費の増高をもたらしておりまして、本年三月に完成いたしました六百トン炉の建設費は約三十億円を要しております。また、人件費、公債費等を含む維持管理経費は年間約十二億円程度必要とされます。
 次に、焼却残土や不燃焼物の処分地につきましては、買収価額に近いほど借地料を支払いましてもなお確保できない等、その確保がきわめて困難な状況であります。
 次に、屎尿につきましては、その収集は業者委託方式をとっておりますが、公共下水道処理区域におきましても、その三〇%に当たる約八千世帯が、いまだくみ取り式便所として点在をしておりますために、作業効率を低下させておるのが実情であります。なお、昭和四十九年度における収集委託料の一般財源負担額は七億四千万円でありましたが、対前年比で五〇%の増加を示しておるのであります。また、処理につきましては、日量五百六十キロリットルを七百十キロリットルに能力アップいたしますとともに、水質汚濁防止対策事業をあわせ約十四億円で改良事業を行っておりますが、これも、ごみ処理と同様、人件費、公債費に加えて、施設の大型化と希釈水の増大等によりまして、維持管理経費が増大しつつあるのであります。
 次に、公害対策についてでありますが、経済の高度成長のいわば落とし子として顕著となりました公害問題につきまして、本市もその例に漏れず、臨海工業地帯からのいわゆる広域汚染と、市内各工場等を発生源といたします局地汚染との混合状態を招きまして、日々深刻化しておるのであります。本市は、中小零細企業の町でありますだけに、公害問題の解決はきわめて困難で、一時は住民からの苦情件数が年間千二百を超えたこともございます。そこで、技術職員を中心として四年間に四十名を採用し、徹底的に技術指導に当たらせますとともに、工場立地を許可制度として、その未然防止に努めました結果、苦情件数はやや減少し、最高時に比較して四三・七%減少を見るに至りました。
 なお個々の問題を多く抱えておりますけれども、時間の関係もございますし、あるいは他の市町村との重複する問題も多かろうと思いますので、あえて割愛をいたしたいと思います。
 そこで、本委員会が主として御討議をいただいております厚生関係の問題にしぼってまいりたいと思うのであります。
 最近、行政のニードとしましては、道路整備等の産業基盤整備事業から、過大校舎分離を初めとする教育施設整備事業あるいはごみ、屎尿、下水、公害対策等の環境改善事業、老人、身体障害者等の社会福祉事業にその高まりが見られますところから、財政支出がますます増大することはいわば必至であります。一方、収入面におきまして、経済成長率の鈍化に伴いまして、税等の一般財源収入の伸びが従来ほど多くを期待できないとするならば、すでに著しく硬直化していた昭和四十八年度における経常収支比率一〇一・四%、大阪府における各都市の平均は九二・三%でありますが、その比率がさらに悪化し、住民福祉のための事業をすべてストップするなど、都市行政の行き詰まりを来すことにも相なろうかと思うのであります。
 このような状態を改善し、今後の社会経済事情の変化に対応して都市行政を推進いたしますためには、超過負担の問題あるいは人件費等の問題等、解決をすべき幾つかの重要な問題がありましょうが、根本的には市税、地方交付税等の一般財源収入が、物価の高騰、行政需要の増高に対応し切れないところに、その本質があると考える次第であります。
 特に交付税は、その総額を国税三税の三二%と押さえられておりますが、さらには、国家予算上国債発行のウエートが高くなれば交付税総額が相対的に減少するなど、地方の行政需要と交付税総額とは必ずしも一致をしないあるいは相似しないところに問題点が存在しております。すなわち交付税総額の弾力的な運用が望まれるところでありますが、実質的にはその総額が不足いたしますため年々財政の硬直化が進行し、今回のように著しい物価の高騰が続きましたときには、いわば全くお手上げの状態に追い込まれざるを得ないのであります。したがって、この際、交付税率を三二%から四〇%に引き上げていただきますとともに、その需要額の算定に当たりましては、行政需要の実態に即応した算定を行うなど、動態的な措置をとられるようお願いをしたいと考える次第であります。また、最近、国税三税につきまして歳入欠陥がありますとのことで、交付税額を減額するような記事が新聞紙上にも報道されておりましたが、私どもの立場から言えば、減額というふうなことがとても考えられるような事情ではございません。あわせて御配慮を賜りたいと思うのであります。
 なお、この際、幾つかの具体的な事項につきましてお願いを申し上げたいと存じます。
 まず、事業所税の基準財政収入額への算入に伴いまして、基準財政需要額の算定に当たっては、少なくともその全額相当額を算入していただきたいと思うのであります。
 第二番目に、本市と大阪市との境界は全くふくそうしておりまして、かつ市民意識も大阪市との一体性がきわめて強く、全く同じような行政水準が要請されておりますが、交付税の算定に当たりましては、甲八種地と乙八種地との格差が余りにも大きく見受けられますので、態容補正係数の大幅な引き上げを図り、格差の縮小に努めていただきたいと思うのであります。ちなみに、昭和四十九年度の本市の需要額を乙八で算定いたしますと、百六十九億であります。これを大阪市並みの甲八で算定しますと、当然同じ事業量でありますが、実に二百五十九億ということで、その補正係数の違いが実に九十億円の差額を生み出しておるのであります。
 第三番目に、学校用地取得費に係る需要額算入につきましては、算入単価を実際の取得単価を算入していただきたいこと。さらには、既設校の拡張用地につきましても、その対象とせられたいと存ずるのであります。
 第四番目に、同和対策事業債につきましては、同和対策事業債として許可されましたすべての市債につきまして、法第十条に基づく指定をされて、その元利償還金を全額交付税に算入していただきたいと思うのであります。
 五番目に、義務教育施設整備事業債、義務教育施設用地取得事業債、清掃施設整備事業債、公害防止事業債に係る元利償還金につきましては、縁故資金に係る分をもその対象にするとともに、算入率の引き上げを図っていただきたいと思うのであります。
 第六番目、保育所建設事業、都市公園設置事業につきましても、事業費補正の対象としていただきたい。
 第七番目、清掃、下水、公園等の維持管理経費につきまして、その算入の強化を図っていただきたい。
 第八番目、直接交付税法上の問題ではありませんが、義務教育施設用地取得費に係る国庫補助制度が昭和五十年度で打ち切られるように承っておりますが、用地価格の著しい高騰によりまして、その取得費の財政に与える影響はきわめて大きいものがありますので、昭和五十一年度以降も補助率を拡大の上、引き続き補助されるようお願いを申し上げたいと思います。
 以上のほか、その増額、拡充強化を図らなければならない事項は数多くございますが、いずれにいたしましても、現行の交付税率の引き上げを行いません限り抜本的な対策を樹立することは不可能であると考えられますので、実態を十分に御理解をいただきまして、速やかに交付税率の引き上げをされますようお願いを申し上げまして、私の意見を終わりたいと思います。(拍手)
○大西委員長 次に、蒲田参考人にお願いをいたします。
○蒲田参考人 本日の委員会におきまして意見を発表させていただくことができましたことにつきましては、まことにありがたいと感謝を申し上げる次第でございます。なぜなれば、世論政治というものは、あるいは物量的に、人数的に、また声の大きいほど通るのが現実でございまして、ともすれば片すみでひっそりと言っておる小さな声は抹殺されやすいからでございます。このことは地方自治体にも当てはまると思っております。太平洋ベルトラインが表徴するような、発展途上の平均的な市町村におきましては、これは一つの標準でよろしいけれども、極悪なる立地条件で消滅的な過疎現象を呈しておりまする農漁村、過疎町村におきましては声がなかなか通らないということがありますので、きょう私がそれを代表して参って、皆さん方にこの声を聞いていただけるということについて、私は非常にいい機会を持った、かように感謝をしておるわけでございます。
 したがいまして、私は、自治省の方々が頭脳明晰にいいものをばずっとつくった原案を見せていただきました。しかし、総論的には、根本的には弱小町村の実態と格差を、私は出世もせぬで七期町村長をさせてもらっておりますが、この実際の体験に基づいて、過疎地の町民要望あるいは過疎地の発展、幸福、こういうものをば、毎年町の財政を組む上において悪戦苦闘を続けておりますこの窮乏と実態を、委員の皆さん方に、話題は違いますけれども、少々きょうはお聞き願いたい。諸先生方にこれをぶち明けまして、そうしてその計数の論議というものは他に譲りまして、私がこのことを申し上げたいというのは、はるかに根本的な問題に触れていきたい、こういうふうに考えておるからでございます。
 私ども全国町村会におきましては、たびたび地方財政の危機を訴えて、国会あるいは各省に陳情をしてまいったわけでございますが、高度経済成長で収入が若干ふえていく過程において、だんだんと予算がふえるのはあたりまえだというような気持ちになってまいったわけでございます。ところが、飛行機が急に空中において失速状態になりまして、ふえるどころか、本年度の予算はどう考えても組めないという状態になってまいった。常に苦労しておりますが、ことしほど予算を組む上において財源がないという体験をした覚えがないわけでございます。特に交付税の一部改正につきまして、過疎の対策のあるところはまだ過疎対策で元利償還その他を救ってもらえます。ところが、私どものような町、あるいは周辺にたくさんありまするこの過疎対策に入らなかったボーダーラインの町が非常に苦しんでおるということをば諸先生方に御認識を願いたい。と申し上げますのは、生活保護でもそうでございます。生活保護世帯に入ると、大体やれやれということになってまいりますが、これに入らずして何とかひとつ歯を食いしばって自分の生活を守っていきたい、こういう人が本当に困っておる。それと同じ現象をばわれわれの町村では呈しておるというのが実情でございます。
 私は京都府の最北端、京都府の北海道と言われまする丹後半島、そこの先端にある丹後町の町長を二十何年間やらせてもらっておるのですが、毎年いわゆる財政の危機を体験してきた、身をもって困ってきた町長でございます。汽車もありません。国道もありません。荒海と積雪はあります。京都には海はないじゃろと言う方がおられますが、どっこい丹後半島には大きな荒海が待っております。雪は降らぬじゃろと言うが、北陸並みに降るのです。京都では河原町にちょっと降って歌になるくらいでございますが、われわれの方にはどっさり降ってくる。いわゆる悪条件にある町でございますが、町は半農半漁、このごろわずかに丹後ちりめんあるいは西陣の賃機、こういうもので、いわゆる産業らしきものでもありませんけれども、どうにか町民が食いつないでおるというのが実情でございます。
 国の過疎対策の基準が、もう先生方とくに御承知のように、昭和三十五年から四十年の五年間に一〇%いわゆる減少したところを入れてしまった。ところが、私がいま申し上げたボーダーライン、私の町を例にとりますと、後五年間、昭和四十五年で一三%以上の減りが出たわけなんです。そういう意味で、ことに合併しました旧村の中には二七%以上の減りが出ておるのです。こういう例がありまして、本当に合併時一万二千ありました人口がきょうは一万を割っております。人が減るということはさみしいことでございます。その原因は、結局、若者が残らない。残っても、する仕事がない。大半は大学を出、あるいは高等学校を出し、親は、自分が勉強せなんだから子供を出世さそうというので、気張って何十万かたんぼを売って学費をつくって、皆東京や大阪のいわゆる事業所にどんどん送り込んできておる。これが実情です。人口が減ってくるから、結局、老化現象が目立つ。嫁も来ない。嫁も来ぬようなところに若い者は住まない。税金は伸びない。農村工業導入なんか政府でやってもらいましたが、これもなかなかむずかしい。企業がないから固定資産税も入らない。こういう非常に悪い立地条件にあるわけでございます。
 そこで、ちなみに、一般財源で私のところのことしの予算を簡単に申し上げてみますと、町民税一億円です、これはたばこを吸う税金も全部入れまして。そして約十億円に近い九億八千八百万円の一般予算を組んでおる。これはどんな芸当をしたってこんな予算が組めるはずがないのです。交付税は三億七千万円、国、府の支出金が二億三千万円、町の町債、借金が一億円。結局、現在たまりたまって五億円の借金があります。そして財政指数が一七%。四〇%でも余りよくないのですが、私の方は一七%。自主的財源が二一%。そして月給は、いわゆるラスパイレスで自治省が発表されておりますが、人勧並みに出しまして、いわゆる職員百名と百五十五人の特別職というものを入れまして、やはり三億ほど要るのです。税金一万円もらって三億の給料を払って、税金一万円もらって十億の一般予算を組む。これは学校を建てておりますから十億になるのですが、こんなことが果たして自治体かと私は言いたい。自治体というものは法律の上だけでなしに、多少とも自分の方で金の払いができてこそ自治体である。これは自治体じゃないと私は言いたいのです。そこで国の方でちょいちょい通達がありまして、みんな節約せよと言うて通達が参ります、われわれ町村まで。けれども、私どもの町村で一体何を節約するのか。商社のでっちはグリーン車に乗って飛び回っておる。町長は普通車に乗って飛び回っておるのです。何を節約するところがあるか。結局、金がもともと足りないのだ。
 それから、町村が赤字は出していないから、集計するとことしは赤字町村がわりあい少ないな、何とかうまいこといったか、こういうことに考えられるのですが、町村が赤字を出さぬということは皆まじめで封建性が強いですから、町村長が赤字出したと言うたら首の問題になる、借金したと。だから、やりたい仕事をやらず一年延ばし二年延ばし、赤字を出さぬようにつじつまを合わしておる。だから、これは赤字が出ぬから町村の財政がどうにかいっておるんだなんて思われたら大変だということが本当なんです。
 私は簡易水道の副会長もさせてもらっておりますが、これもまだ千五百万人水道のないところがあるのです。いまどき文明開化のこの日本でまだ水道がないというのが千五百万人ある。ちょうど過疎と同じ現象なんです、これも。したがって私が言いたいことは、この交付税の標準によりましても、人口十万の市というものを標準にしております。老人福祉施設にしても、十万が一カ所、私のところの町でも一カ所あります。保育所は、十万が九つ、私のところは四つある。伝染病、これが十万の市は一カ所、私のところも一カ所ある。火葬場は、十万が一カ所、私のところも一カ所。ごみ処理場は、十万が一カ所、私のところが一カ所。屎尿処理場も、十万が一カ所、私のところは一カ所。十万の都市と同じことをやっていかなければならぬのです。何ぼ過疎だというても、弱小な町村だというても、きょうはやっていかなければならぬ。そうして、職員はいま百名私のところは使っておりますが、それなら十万なら千人要るかというと、千人要らぬわけなんです。恐らく四、五百人で済むと思うのです。また、法で決められた各種委員会があります。教育委員会、何とか委員会、たくさんありますが、これも同じことを私どもはやっていかなければならぬ。私はこういうことを考えまして、よう二十何年間この財政をやってきたなとわれながら感心しております。
 そこで私は、田園まさに荒れんとするということを言うておりましたが、過疎農村地帯はまさに滅亡せんとすると言いかえたい。過疎地こそ、国家の緊急時には洪水のときの遊水地帯の役目をするのです。過疎地こそが最後の日本そのままの土地である、もっと大事にしてもらわなければ困るというのが私の主張なんです。したがって、狂乱物価がまだ石油だったからよかったのです。あれが米だったら、東京もどこもつぶれてしまいます。その米は農村が皆握っておるわけなんです。大事にしてもらわなければ困るのです。
 そこで最後にこの本題に返りまして、交付税の改正につきましては、一部改正というようなことでは私の方はおさまらぬ。抜本的な改正をお願い申し上げたい。
 第一番に、過疎対策の基準の見直しをしてもらいたい。三十五年から四十年の五年間でずばっとやってしまって、これだけの間だというたら、もうその間の大きな誤差ができておる。これの見直しをしてもらいたい。これは昭和五十年、ちょうどことしは国勢調査、いい時期でございます。ぜひ見直しをやってもらいたい。
 それから、準過疎地帯、最前から言うておりますいわゆるボーダーライン、これの格差対策を講じてもらいたい。たとえば私の方にしますと、近所の方に駅がある。うちには入らぬ。あるいは基地がある。これも入らぬ。大工場がある。固定資産税は入らぬ。このごろは原子力の基地におきましても、ギャンブルの基地でも、近所の町村に分けようかという話も出ておりますが、まだ分けてもらった覚えがない。ちょっとも入りません。だから、こういうものはもっと国の方で吸い上げて、近隣町村にも分けてもらう、そういうふうににやってもらわぬと不公平きわまると思っております。
 それから、零細自治体金融公社をこしらえてもらいたい。これは金融公庫でもよろしいんです。零細自治体金融公社をこしらえてもらう。そうして短期低利の金をばそこで借りる。われわれ、いまずいぶん、八分五厘、はなはだしいときには九分五厘から一割出して金を借りてやっております。どうぞひとつこれをこういうもので救済してもらいたい。それから長期には、元利の大半を償還減少させるように、国が交付税に算入してもらう、こういう方式のもとに零細自治体に金融公社をこしらえてもらいたい。この願望が一つです。
 それから、財政指数の零細町村に年一億円ずつ振興資金を下さい。補助を下さい。こんなもの五百か六百ぐらいしかないと思うのです、本当に困った町村は。五、六百億。年一億ずつくれたら、町村が発展しますよ。これは発展資金に使うのです。
 交付税における種地の制度の改善、これは最前東大阪市長さんも申されましたが、私どもの隣でも、同じ地続きで種地が違うのです。交付税にぱあんと大きくはね返ってきます。これはぜひひとつもう一遍見直してもらいたい。
 それから、臨時土地対策もことしひとつやってやろうということで、これはありがたいのですが、けれども、学校の敷地とかなんとかいうことには買い入れ、造成に非常に膨大な金が要る、これが交付税の裏づけがない、これは何とかしてもらわないといかぬということ。
 それから、現在の交付税制度は人口に基準を置いたものが非常に多い、だから大きい人口を持ったところはやはり有利になってくる、細かい人口のところほどやはり総額は少ない。その人口比率ということを、もう少しよい知恵を出して改善を願いたい。
 以上、格差が非常にある過疎農村地帯を代表しまして、先生方に特にお願いを申し上げて、抜本的な改正をお願いしたい、かように思う次第でございます。ありがとうございました。(拍手)
○大西委員長 次に、丸山参考人にお願いいたします。
○丸山参考人 御紹介いただきました自治労の書記長をやっております丸山でございます。ただいま審議中の地方交付税法の一部改正の法案について、地方自治体に働く労働者の意見を自治労を代表して申し上げます。
 最初に、日ごろ、地方自治確立と住民福祉の向上のために国政の立場から御尽力されておる皆さん方に深い敬意を表するとともに、あわせて第一線の労働者の意見を聞かれることに感謝申し上げ、率直な意見を申し上げたいと思います。
 最初に、現在審議中の法案の内容について見ますと、政府の提案説明によりますと、社会福祉水準の向上、教育の充実等に要する財源の充実を図るため、地方交付税の額の算定に関する単位費用を改定する等の必要があります、と言われております。
 本来、地方交付税制度は、一つは、国と地方並びに地方相互間の財政調整の役割りと、もう一つは、住民のための最低水準の行政を保障することによって、地方自治の強化とそのための財政自主化を促進する側面があると言われております。新憲法制定から約三十年を経過し、ようやく住民の自治意識が高まり、地方自治の確立に向かって大きく国民の動向が動きつつあるときに、財政自主化の側面が特に強調され、充実される必要があると考えています。この立場から、地方財政全般についての根本的改革が必要なときに来ていると考えます。ところが、現在地方財政はかつてない危機を迎えていると言われ、統一自治体選挙においても大きな政治問題となっております。
 この状況のもとで特徴的なことは、政府自治省で、昨年以来、地方財政の危機の原因が地方公務員の人件費並びに先取りの福祉政策にあるのだという一方的な宣伝が行われていることでありますが、これは問題の本当の原因を隠し、人件費などに責任を転嫁するものだというふうに考えられ、大きな見当違いではないかというふうに私どもは考えております。私たち自治体に働く者にとってみれば、今回の地方財政の真の危機は、大きく次の三点にあると考えられます。
 まず第一に、よく三割自治と言われるように、行政の七割を受け持つ自治体の自主財源が約三割にしか達しない、このような中央集権的な財政構造に基本的な原因があります。
 第二番目には、昭和三十年代から産業優先の高度成長政策の促進のために地方財政が動員をされ、一方で大企業に対する非課税、減免措置がとられ、四十年代に入りましてからは、ただいまお話がございました過疎あるいは過密問題や、公害を初め社会的費用が非常に増大したことであります。
 さらに第三には、インフレ、物価高と総需要抑制による税収減と、地方債の大幅なカット、諸経費の高騰から来る財政破綻が、その原因の主要なものであろうかと考えています。
 この中で、自治体は機関委任事務あるいは財政統制のために、また一方では膨大な超過負担のために身動きができない状態にあります。財政の自主性は損われ、住民福祉が大きな危機に逢着していると言うことができると思います。したがって、この危機打開のためには地方の財源を強化し、地方自治の強化のため、地方財政確立のため、抜本的な改革を図る必要があると考えます。
 次に、地方交付税の現状は、交付税制度が本来の根本理念から外れ、制度とその運用の実態が国の政策、一方的な意思のもとに置かれていることであろうと思います。交付税が起債とともに各省庁の補助金行政に組み込まれ、自治体の統制手段となってきていることにあります。このことは交付税法第一条に「地方団体の独立性を強化することを目的とする。」ということがうたってありますが、この法の趣旨にももとることにもなろうかと思いますし、地方自治の強化とそのための財政自主化を促進する側面が全く危機に追い込まれていると指摘しなければなりません。
 最近、世論の動向は大きく生産第一主義から福祉重点の方向に入られ、政府の政策重点もこの方向を指向していることになっておりますが、現在の地方財政、交付税の制度と運用の実態は、これとかけ離れた実態をたどっているということを申し上げたいと思います。
 交付税制度についての基本的改善策として、私どもは次の幾つかの問題を考えております。
 第一に、地方財政計画の算定方法を改善し、交付税総額算定の自主性を回復することであります。また、政府各省庁の縦割り行政による圧力を制限し、基準財政需要額の算定に当たっては自治体側の要望に基づいて積算し、交付税における超過負担を解消する、その単価、対象を逆に各省に申し入れるというような態度にすべきではなかろうかと思います。
 第二に、大企業に地方税の減免をしたり、国の補助金がつくと交付税が増加する事業費補正や、自治を狭める広域市町村圏による種地区分と補正をやめることではないかと考えております。これらの算定方式は各省庁の政策を自治体に押しつける結果になるわけであるからであります。
 第三に、零細補助金はその額を交付税に振りかえる必要があろうかと思います。
 次に、交付税総額の算定について申し上げます。
 第一に、交付税総額を証拠づける地方財政計画の見積もり方法であります。これまでの財政計画と決算を対比しますと、毎年二〇%以上も決算が伸びておりますが、この中で地方税、交付税、国庫補助金は決算でもほとんど変化を見せておりませんのに比較をし、歳入の伸びに伴う財源については、そのしわ寄せが借入金、使用料、手数料、雑収入の増収で賄わなければならないという実態にあります。これは交付税や自治体への財源移譲を抑えることによって、住民の税外負担や借金をしているというやり方であります。決算実績をベースとして見積もるべきでありますし、予算、決算の様式についても、もっと国民がわかりやすくなるように、様式の統一を図ることが必要ではないかというふうに考えております。
 第二番目に、交付税総額の算出と配分については、地方財政審議会の役割り、機能が明確にわかりません。自治体から市長会、知事会、町村会の代表が入っておりますが、さらに自治体の意見が具体的に反映されるような方法をとっていただきたいと思います。
 第三に、交付税全体の配分基準に関しても、人口、面積、開発度など、できる限り簡素に、国民がよくわかるように毎年度の交付税で達成されるであろうナショナルミニマムを数量的に明示していただくことが大事ではないかというふうに考えております。基準財政需要額の算定方法についても積み上げ方式を尊重し、需要額の原価が明確にされることが大事ではないかというふうに思います。したがって、当面人件費初め各行政サービス施設の単価、対象、行政水準などの原価計算と補正係数の公表を具体的にしていただかなければならないと思います。特に人件費については一方的に決めるのではなく、自治体あるいは関係労働者の意見も十分聞きながら民主的に決める手続を確立してもらいたいものだというふうに考えます。
 第二に特別財政需要額の問題であります。現行の特別交付税制度は交付税総額の六%ということで運用されておりますが、五十年度の計画に見ましてもその額は二千六百億を超えるという膨大な額になっております。その交付税の決定額の算定方法は、例年二月末に自治省令で公布されることになっておりますが、それはマル秘であり、決定額を算定する基準が全く不明で、表現が余りよくありませんが、国民の税金が自治省のポケットマネーのように扱われている。この中で自治省が自治体に対していわゆるにらみをきかせるという大きな手段になっているというように私どもの方からは見えるわけであります。すでに国会の審議の中で特別交付税の枠の縮小の方向が出されておりますけれども、少なくとも道路分については普通交付税に移し、可能な限り縮小の方向によるべきではないかというふうに考えます。また、いわゆる期末手当などのプラスアルファを削る問題については、自治体が自主的判断に基づいて実施することに対して、競輪収入などと同じようにカットの対象とすることもやはりやめるべきであろうと私どもは主張いたします。
 基準財政収入額の算定に当たっても、先ほど来お話がございましたように自治体が激動する地域の財政需要、住民の多様化する要求に対応して行政を進めるためには、一層財政自主性を、弾力性を持つ必要があろうかと思います。この立場から、現行の基準税率についても弾力性を持たせ、また競輪などの収入、事業収入についても団体間の不当な格差を解消するために基準財政需要額の算定に振りかえることが必要ではなかろうかと思います。
 さらに目的財源である道路譲与税などを基準税額の算出に算入しないことでありますし、道路目的税がふえますと一般財源が減少するというのは交付税の一般財源保障の趣旨に反することになるのではないかというふうに考えられます。
 以上、きわめて大ざっぱに交付税法に関し若干の問題点とそれに対する見解を述べてまいりましたが、私ども自治体労働者は、昨年末来、総評あるいは革新自治体とともに、多くの民主団体と一緒に地方財政危機突破国民共闘会議というものを結成しながら全国民的な請願行動を進めております。すでにその署名も幾通かは御紹介をいただきながら国会に提出いたしておりますが、ここで請願事項の主要なものについて改めて申し上げたいと思います。
 請願の具体的な事項は六項目ありますが、最初には何といってもインフレと総需要抑制による地方財政の圧迫を緩和する財源措置をとられたいこと、二つ目には、保育所、幼稚園、学校、住宅を初め超過負担の解消のために具体的に早急に改善の措置をしていただきたいこと、第三番目には、自治体の自主財源確立のために税制の改革を図り、当面交付税率を三二から四〇に引き上げ、東京都に対する府県、大都市合算方式を廃止していただきたいこと、四番目には、国庫補助負担金制度の改革と大都市財源の拡充を図り、都など不交付団体に対する不当な財源調整措置を廃止していただきたいこと、さらに第五番目には、交通、上下水道、病院、その他地方公営企業の独立採算制、地方債の許可制の廃止と改善をやっていただきたいことなどであります。
 以上、自治体労働者としての立場から意見を申し上げてまいりましたが、私ども自治労は、結成以来、労働条件の改善とともに地方自治の民主的な確立のためにいろいろ運動をやってまいりましたし、これからもその立場を忘れないで進めていきたいというふうに考えております。
 最後に、特にお願い申し上げたいことは、政府、自治省はいま地方財政危機の問題に関連をし、人件費と自治体の福祉先取りの問題に攻撃を集中されておりますが、働く労働者の実態なり自治体の実態というものを十分お察しいただきまして、国会におかれては自治省の誤りを正され、住民の福祉と自治の確立に向かって正しい政策方向を打ち出していただくことを最後に心からお願い申し上げまして、私の意見発表を終わらせていただきたいと思います。
 大変ありがとうございました。(拍手)
○大西委員長 以上で参考人からの御意見の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
○大西委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島田安夫君。
○島田(安)委員 きょうは参考人各位、どうも御苦労さんでございました。
 地方財政の危機といいますか、このことにつきましては、われわれといたしましても十分認識をしているところでありますけれども、やはりその原因の究明ということが今後地方財政の危機を打開する一つの道ではないかと思うわけなんですけれども、いろいろ参考人各位の意見を要約するまでもなく、この原因としましては、最近、地方財政義務的経費の爆発的増高といいますか、そうしたものが非常に増高してきた。いま一つは、住民のいわゆる意識の多様化といいますか、こうしたことによって地方団体の行うべき事業というものがどんどん増高してきた。要約しますと、大体この二つに入るのではないかと思うわけです。
 そこで、私は長い間地方議会におりました。地方財政の現況につきましては、ある意味で現状のままではどうにもならぬじゃないかという一つの意見を持っております。したがって、そうした観点から二、三お尋ねをしたいと思いますので、そのように御理解をいただいて参考意見等を聞かせていただけましたら幸いだと思います。
 まずそこで考えますのは、歳入財源の定着化といいますか、これが今後の地方団体の運営にとって非常に大きな問題になってくるわけなんですけれども、税制の問題、これを再配分しろというような意見もあります。見直しをすべきである。そこで、これをやるということになりますと、今後にまつわけですけれども、この当面しておる財政危機を何とか乗り切るということになりますと、一番手っ取り早く考えられますのは、ただいまも意見がありましたように、地方交付税率を四〇%にしたらどうか、こうしたことが安易に考えられますと同時に、また一番手っ取り早い措置ではないかというふうに私どもも思います。しかしながら、国におきましてはやはりある程度節度ある地方団体の運営といいますか、こうしたものをまたねばならない、そういうことを期待すれば、いまほど財政運用は苦しくはならない、こうしたことを言っておると思います。その原因、たとえばいま人件費の問題もありました。また私どもも地方等へ出かけますとよく意識するわけですけれども、まず過疎地域等に行きましても、あるいは新しい団地が造成された過密地域等に行きましても、一番りっぱな施設は、こうした市町村等で行う建物等が一番りっぱだなという認識を持つわけでございますが、これも住民要求また将来のその地域のもろもろのものを展望しますと、やむを得ないというような見方もあろうかと思います。
 そこでお尋ねするわけでございますけれども、いま水かけ論みたいになっております国と地方の意見の相違、義務的経費を節減しろ、もっと方法があるのじゃないかという国の意見、地方団体にとりましては、いわゆる行政の多様化といいますか、最前も話がありましたように、たとえば開発の基盤、開発のためのいろいろな施策だとか公害だとか、あるいはまた一連の福祉行政、こうしたもの等を推進するために、またいまも意見がありましたように、これ以上節減しても知れたものじゃないか、何を節減するんだ、こういう意見もあります。
 そこで、人件費の問題はまた後でちょっとお尋ねいたしますけれども、いま皆さんの方で一番切実に国にとにかく求めたい、こう考えておられますことは何でしょうか。たとえば交付税の問題もありますし、超過負担、これを完全に国がめんどうを見ろ、こういう問題もあろうかと思います。また、大きく言いますと、地方制度調査会等の意見にもありますように、行政事務を再配分しろ、国が行うべきこと、あるいは地方が自主的に地方団体として行うべきこと、これを再配分して明確化しろ、過去の惰性の上で若干の手直しをしても、もういまの段階ではそんなことでは決してよくならない、こうしたこと等いろいろあると思うのですが、一番切実にこれだけはやるべきだというようなことがありましたら、まずそれをお伺いします。三人ちょっとずつで簡単で結構ですから……。
○伏見参考人 お示しがございましたように、いろいろ人件費あるいは超過負担等の問題がありますが、さっきも申し上げましたように、やはり基本的には市税とかあるいは地方交付税を含めた一般財源収入の問題に尽きると思います。
 しかし、私どもは、いま何がという場合には、都市周辺の需要を正確に見きわめてほしい。いま何が国民にとって必要なのか。これは必ずしも各市町村が選挙目当ての悪意でやっておるのではないと私どもは思っていますし、そのことの実態をもう少し政府の各省が見きわめていただかなければならぬ。その場合には、超過負担の問題もおのずから解消してまいるのでありましょうし、事業の指定等についても御理解がいただける、こう思います。
○蒲田参考人 私は、先生の御質問に対しまして、よくわれわれの意見を御聴取願った御質問だと思って敬意を表するわけでございます。
 われわれの方では、私が主張しましたように、要するに同じ交付税の中にも非常に格差がある、これは税金と同じように、多い少ないでなしに、等しからざるを憂うるということがありますが、この不満を過疎地帯ではみんな持っているわけなんです。まず第一にこういう格差をやはり目で見てもらう、はだで感じてもらってこれを訂正願う。貧しければ貧しいようにわれわれもやっていきます。しかしながら、原爆なんかの基地が私どのも近所にもありますが、学校はただで建つわ、大きな橋はどんどんできるわ、早い話が実に大きな格差ができてきておる。何にもないところは何にもないのです。わらぶきの屋根でやはり住民は暮らしておるのです。これを第一番に私は主張申し上げます。
○丸山参考人 先ほど申し上げましたけれども、財政の危機の実態なり解決を考える際に、自治体の現状を自治体の側に立ってぜひ考えていただきたいということなんです。
 いろいろ申し上げましたが、たとえば機関委任事務の問題にしても、国会でたくさんの法律が決定されますが、たとえば一昨年インフレの中で生活関係二法案というのが新しくできましたけれども、名前は省略しますが、A市においては、この仕事をやるために三省から委託費が出ているわけでありますが、支出の総額七千五百万に対して委託費が三千七百万で、実際仕事をやっていきますと三千八百万、大体同額、結果的には五〇%の超過負担が出てくるということなんです。一つの法律を国が決めて自治体がやる際にも、こういう形が最近の事例として出ているという実態をどう解決されるか、この方向をやはりいま先生がおっしゃったように、交付税の税率の引き上げとか自主財源の問題もあろうかと思いますが、ぜひ自治体の側に立って、やっている仕事に見合って財政がどうなのかという点をお考えいただきたいと思います。
○島田(安)委員 最近の住民の一つの風潮といいますか、いわゆる一連の社会福祉施策、これは当然国とか地方団体がその責任において果たすべきものというような考え方がだんだん経済の成長とともに徹底してきたと思うわけなんです。そこで、一つには高負担、高福祉というような考え方があると思うのですけれども、しかし私は、行政区域が違うために社会福祉の住民の受ける恩恵というものに格差がある、こうしたことはぜひ改めなければならない基本的な問題だというような考え方をしておるわけなんです。そこでどうしても地方団体が地域住民の福祉のためにやらなければならない施設、午前中も委員の方から意見がありましたけれども、たとえば住民医療、無医村で診療所がない、診療所をやれば村長の給料が二十五万、医師を一人頼んでくれば五十万も六十万も要る、赤字になる、しかしながら、この赤字については国の財政措置というものはとれない、困るのじゃないか、じゃその地域は、その団体の財政事情が悪いからそうした医療施設がなくていいのかどうかということになりますと、私は行政というものあるいは行政区域というものを超えて、そうした医療体制というものはどの地域に生活しようと平等でなければならない、こういう考え方に立つわけです。
 そこで、これは私の一つの意見ですけれども、地方団体がどうしてもやらなければならないこれらの生活を守るといいますか、地域住民の福祉増進のためにやる事業については、これは特定財源その他どういう方法を講じるといたしましても、考え方はいろいろありますけれども、国が財源補てんをしなければいかぬじゃないか、こういう考え方を持っているわけなんです。しかし現行の制度では、そうした赤字について若干の考慮はありますけれども、全面的にはめんどうを見る、こういうことになっておらぬわけなんです。ここに弱小地域とあるいは開発先進地域との格差というものがいまもおっしゃるように非常についておる。したがって、これを解消するためには、いまいろいろ意見がありましたように、交付税率のあるいは基準の見直しを全面的にするとか、過疎過密についても言えると思うのですけれども、こうしたことをぜひやるべきだ。
 そこで、皆さんの方にお尋ねしたいのですけれども、当然やらなければならないそういう行政、福祉等を含めた生活関連事業、これが昭和五十年度になって急に財政的な問題で、継続事業については消化できても、なかなかできない。これが地方団体の財政危機と今回言われている最大のものじゃないか、こう私は思うのですが、これについて一つの考えですけれども、どうしてもやらなければいけないそれらのものは、従来市町村団体に任されておったこれらの事業を完全に国が行ったらどうなのかというような気持ちがする。特に福祉の問題につきましては、いま医療の問題一つを取り上げましたけれども、全体の福祉施設、これは完全に国が一〇〇%財源補てんをしながら国の責任において一億一千万の国民がどこに住もうと均衡あるそういう恩恵を受ける。私は社会主義者ではなくて自民党ですけれども、非常にそうした感を強くするわけですが、私がいま言いました元来地方団体に課せられておりました、任せられておりましたこれらのものを、国が責任を持って均衡ある整備ができるように切りかえる、こう思うんですが、これについて特に意見がありましたらお聞かせいただきたい。
○伏見参考人 私どもは特に福祉の問題等につきましては、一人の市民が、あるいは個人的に解決できない問題について、あるいは国なり府県なり市町村がどういうふうにそれを支えていくかということに尽きる、こう考えておりますけれども、ただ実は国の福祉に対する考え方と私どもの考え方の間にはずれがあります。その著しい例が私は保育所だと思います。保育所について最近国会の中でも非常にお取り上げをいただいておるのでありますが、数年前までは保育所というのはまだ市民権を持っていなかったと思うんです。こういう意味でいま国民的な一つの必要な要求として御理解をいただいておるんですが、年度で言いますとやはり相当な時期的なずれがあるのではないか。そういう意味で、特に福祉問題等については国においていわばナショナルミニマムのようなものを早急につくり上げていただきたいと思いますけれども、しかしいま私どもが期待をいたしておりますのは、仮におつくりになっても、私どもは住民からじかに聞かされておる考え方との間に断層が起こるのではないかということを憂えております。
○蒲田参考人 先生の御質問に対しまして、私どもは行政官的な立場も持っておりますので、軍備を縮小してこっちへ回せなんというようなことは、こんな席では申し上げません。ただ私が考えておりますことは、いま先生がおっしゃったように福祉について均衡的な、各府県あるいは町村において非常に違うというようなことは余り国民的によくないということは同感でございます。もう日本国じゅうだれでも同じところで同じ福祉を受ける、これは同感でございます。そこで全部やれということになるとかなり莫大な金が要るわけでございます。私はもうごく重点的にやはり何歳以上の人、あるいは幼児にしましても何歳以下、と言うてもやはり相当いまも区別あるんですけれども、財政力の余裕のある方あるいはそういうような方になおプラスアルファを出す必要はない、やはり本当にもっとしぼって全く困った人、たとえばこの間もたびたび出ておりますように、ひとり暮らしの老人あるいは寝た切り老人が死んでから十日も一カ月も二カ月も先まで何ら知らなんだというような事態が起きぬために、われわれは電話を国よりも先につけまして、毎日おじいさんどうしておりますかという相談をしておるわけなんです。そういういわゆるほうって置けぬものをば重点的にこれはやっていく必要がある、そういう点では国が全面的に、自治体の方が先にやらずに、国の方でもっと早く手を打ってもらってやっていただきたい、こういうふうに私は思っております。
○丸山参考人 最初に先生がお話しになったナショナルミニマルに見合う完全な財源措置を国の責任でやられるという点については全く同感でございますが、ただお話の中にそのことと同時に仕事、行政事務担当全部を国が直轄してはどうかという点については、一般的な傾向としては健保あるいは自治法のたてまえから住民に近い、特に福祉関係の行政については、自治体に任せるといいますか、その方が本当に心の通った行政が地域においてできるのではないだろうか、そういうように私どもは考えておりますし、傾向としてはそういう形が、われわれもいままで主張しておりますし、そういうふうに考えております。
○島田(安)委員 ちょっと私の表現がまずかったと思うのですけれども、私はそうした施設等を結局国が全部やれという意味ではないのですけれども、ただ地域あるいは町村の行政区画において、そこに格差ができる、これは問題じゃないか。だからたとえば国がいまのような制度でなくして、十年、二十年先の将来を展望しながら一つの基準を決めて、これは絶対に住民福祉を推進するという意味から必要だから、これについては地方公共団体に対して一〇〇%財源のめんどうを見る、こういうことが必要ではないか。これは一つには、国が積極的にそうしたものを行うべきじゃないかという表現をしましたから、行政事務の再配分についてまたそういう縮小をするのかというような意見が出たかと思うのですが、そうした意味ではありません。
 最後に、問題になっております人件費等の問題に関連しまして、実は私この間国会で代表質問しました。その中で人件費の問題に若干触れたんですけれども、私も長い間地方団体におりました。そこで感じるんですけれども、たとえば鳥取県の例ですが、鳥取県は、いま話に出ておりますラスパイレスの比較によりますと、全国で東京都に次いで給与水準が第五位、一一三・六%、大阪が一一六・七ですから、大阪と並んで全国で第五位、京都よりか上なんです。また俗に言われております大都市を中心とする衛星都市、最前も話がありましたが一三三%というような数字が出ておる。高いとか安いとか、これはきょうは触れません。しかしある意味で、いまの国、地方を問わず、公務員の給料その他についてあるいは勤務条件等について、見直しをする時期ではないかという一つの強い意見を私は持っております。というのは、たとえば地方公務員の定年制の問題、きょうはそのことだけを申し上げたいと思いますけれども、私の県でも六十七歳の高等学校の教員がおられる。一方におきましては五十八、六十歳で御勇退を願っておる。勧告はしますけれども、私は勤めたいんだという一つのみずからの信念に基づいてお勤めになっておる。これもそれなりにある意味の評価はできると思います。しかし私は六十歳がいいとかあるいは六十三歳でもいいじゃないかという問題はおいて、すべての社会といいますか、一つの区切りといいますか、こうしたルールは必要じゃないか。それでは勤めたいと言えば八十でも九十でもどうにか八時間なら八時間勤務ができるという状態の中で勤めさせ得るのかどうか。そのことが住民福祉、元来目的とする地方公共団体の効率的な運営に即するのかどうか、限界があるのではないかというような考えを持つのですが、そこで定年制の実施を六十三歳とか六十五歳とか、それはその種別によって適当に定めることでいいと思うわけですが、一つの区切りをつける定年制というものを設けたらいいじゃないかというふうに思うのですけれども、これについて特に御意見等をお持ちでしたらお聞かせいただきたいと思います。
○伏見参考人 特に人件費の一般的な問題については必ずしも御質問でなかったのかもしれませんけれども、実は私は大阪府下、衛星都市の一員でございまして、ラスパイレス指数は名だたる高位にあります。ただこういうことは言えると思います。二、三日前にも例のニチボー貝塚のバレーチームの主将と話をしておった。かつて彼は就任をしたときに――当時は自治省が全国的な資料は発表なさいませんでしたけれども、しかし大阪府下において一位であった。これでは財政事情からいって無理だということで、在任五年になると思いますけれども、過日発表になったのではたしか二十一位だったと思います。そういう長い間における水ぶくれ的な要因については厳しい是正をしていくという考え方は私どもも一様に持っております。
 定年制にお触れになりました。定年制の問題につきましては私どもはこう思っております。私は六月の市会に、六十歳を切りにして、それ以上で職にとどまる者については退職金その他の優遇措置を停止するのだ、こういう意味の具体的な提案をいたすつもりであります。したがって、制度として、法令としてそういうふうにやるのがいいのか、あるいはそういう現実の取り扱いの中でやるのがいいのかということは別にして、ただいま委員さんが御指摘になりました決まりをつける。切りをつけるということは市民奉仕の上からもきわめて必要なことだ、こう思います。
○蒲田参考人 いま先生がおっしゃいましたことは原則的に私どもも賛成でございます。これは野放図ではいけませんので、何とかこれをやっていかなければならぬ。いま鳥取県の例を出されましたが、都会地では仮にテレビなんか見ておりましてもなかなか適当な就職口が見つからぬ場合が多いでありましょうが、まして田舎に来たら全くの失業でございまして、どうにももうその先がない。そういうようなことでやはり高年齢層がかなりあると思います。ただ、われわれの方としましても、だんだんとそういう面のけりを慣行的につけつつあります。だけれども、これは小さいところの町長だけではなかなかやり切れぬ問題もありますので、やはり国の方でも一つの標準というようなものも必要かと思うわけでございます。ただ後始末としまして、失業してほうっておくわけにいきませんので、私は民生保護、いわゆる生活保護の場合でもそう思うのですが、金をもらって仕事をしたら引かれるからというので皆遊んでおるのです。余り過保護にやって遊ばしておくというのは非常に効率がロスになります。失業者でもそうです。だから、これはどうも国がというわけにもいかぬかもわからぬけれども、やはり国とか府県とか、そういう大きい手で失業者だけ集めて仕事をさせたら、私はただで金をやるよりまだいいのじゃないかと思うのです、生産ができるのですから。何かそういう方法をお考えくださればありがたい、こう思っております。
○丸山参考人 賃金の問題につきましては、先生もいまお話がありますように、私も自治省と何回か交渉しまして、この指数そのものにも両者で相当見解の開きがございます。それから一般に人件費総額が地方財政に影響する分野についての議論も実は相当あるわけです。そういう点から、いまの制度から言っても民間の賃金とかそのときの生活の実態ととてつもなくかけ離れて賃金が高くなる仕組みにはなっておりませんし、そういう点で十分私どもも考えていきたいと思っております。
 二番目の定年制の問題については、私ども地方公務員の実態についてぜひお考えいただきたいと思うのです。
 一つは、よく退職金が非常に高い、それから高齢者が多いというお話なんですが、私ども、これはどうしても全国的な立場ですから全国的な統計になるのですけれども、一般職の対比でも国家公務員と地方公務員と対比しましても、六十歳以上の全体に対する比率というのは約半分になっているわけです。ですから、そういう実態と定年制そのものの制度について私どもは幾つかの意見を持っているのですが、たとえば民間にもあるから公務員の場合も必要じゃないか、それから死ぬまで働けと言うのか、労働者の仲間でも動けなくなったらいいかげんにやめたらどうだ、こういうことを率直に話し合う場がございます。私どももいまの生活が老後そうぜいたくをしなくても生きていかれるような条件が整備されればそういうことを考えてもいいと思いますし、それからもう一つは、民間との対比で、民間の場合には労働者と経営者の側はやはり労働協約の条項の一番重要な問題として協議が行われるわけです。ところがこのことが公務員制度の上では、一面では国家公務員、地方公務員で身分が保障されるという中のわれわれの側から言えば、ただ一つの守られている分限条項だと思うのです。このことがはがれてしまうと、いろいろ言われますけれども、結局低い年齢で条例で定年を決めるということに結果的にはなるというおそれが非常に多いのです。もう一つは、実態の面で私どもの調査によりますと、これは自治省の統計数字を使っているのですが、いま六十歳以上の高齢者のうちの約半数は現業関係なんです。この人方は戦後地方自治体の需要が急激にふえた形で採用された人なんです。ですから四十歳以上で入った人というのが非常に多いわけなんです。御承知のようにいまの共済年金制度が三十七年から発足ですから、最近も当委員会でも審議されておりますが、共済組合のいわゆる十五年たったら年金のつく特例を何とか考えていただきたいということを自治省にも言っておりますし、先生方の方にも陳情しているわけなんですが、そのことを考えないと、年金がつかないうちにやめなければならないという実態があるわけなんです。
 それからもう一つは、やはりこれも労働者の中でも言っていることなんですが、年金が本俸の六〇%ぐらいついたらいいじゃないか。私どももいま二十年で六〇%ぐらいつくのであれば、相当後の生活というものは救われていくと思うのです。ところがいまの状態では約三十五年勤めませんと、そういう状況にはありません。ですから戦前から働いている人でないとそういう状況にならないわけです。そういうような退職後の生活の実態とかを考えますと、なかなかいま法律ができていきますと、条例の年齢とかなんとかは、先生のお話ではそう厳しくなくてもいいじゃないかという印象ですけれども、一たん法律ができますと、五十五歳が原則になって、例外的に幾つという形になるおそれがありまして、実はこの十年来国会に何度か出されましたが、私どもも法律で決めることはどうも勘弁していただきたい、こういう主張をし続けているわけなんです。その辺の事情をぜひひとつお考えいただきたいと思います。
○島田(安)委員 どうもいろいろありがとうございました。
 最後に丸山さんだけにちょっと申し上げておきたいのですけれども、県の給与水準が高いというのは、私が十何年か前に最初に議長になりましたときにずいぶん変えたのです。私はある意味では、今日その原因は私がつくったのではないかというような一つの考え方を持っているのですけれども、定年制等の問題に触れて、この間私は一般質問を本会議でしましたら、その晩から明くる日にかけて、特に皆さんの団体から公務員の基本的人権を侵害するような発言に強く抗議する、こういうおしかりの電報その他怪電話をずいぶんいただきまして、私ほど理解者はないと思っているのに、えらいことだというような気がしたのですが、そういうことがありましたから、今後は私に限らず、やはり国会の中での発言そのものは、国民とかあるいは地方団体が将来どうあるべきなのか、真剣な気持ちで私ども取り組んでおるつもりでございますので、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
○大西委員長 山田芳治君。
○山田(芳)委員 個別的に質問をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
 まず伏見市長さんにお願いをしたいと思いますが、いま島田さんから話がありましたけれども、私はたとえば社会福祉等の自治体における仕事というものはそれぞれの地域によって違うので、ナショナルミニマムについては確かに国が統一すべきであるけれども、各自治体においては社会福祉の問題はそれぞれ自主的にいろいろと単独事業としてやっていくべきが、本当に住民の暮らしを守るゆえんである、そういうためにはむしろ国が全部やるというような形ではなくて、地方財源をふやすということが必要である、そして地方が市長なり議会と相談をしながら、実態に即した社会福祉というものをその地域ごとに進めていくというのが至当ではないかというふうに思うのですが、その点について伺いたいというのが一つ。
 それから先ほどの話で交付税を引き上げるべきであるという御意見でありました。まことにそのとおりであろうと思いますが、東大阪市のような人口急増の地帯におきましては、むしろ地方税源をふやすべきであって、交付税は後からも申しますが過疎なりそういう点にウエートを置いてやるべきではないであろうかというふうに思うのです。もちろん両方上がれば結構でありますが、限られた銭をどう配分するかという問題になるならば、私は丸山参考人が言われたように零細補助金というようなものを整理をして、そういうものは交付税財源に入れていくべきであって、それが自治体の自主性をより高めるゆえんではないかと思いますが、この点はどうか。
 それからその次は、昭和四十九年で相当政府は超過負担を解消をしたいというふうに言われております。たとえば公立文教施設は各府県ごとに教育委員会と相談をしながら、たとえば大阪ならば九万円単価近くなっているというふうに思いますが、実態として感覚として、超過負担の解消がなされたという主張に対して市長さんのお考えは一体どうであるかという点。
 それからその次に、私は先ほども聞いておりまして、文教施設の問題は人口急増市町村の非常に大きな問題ですが、そろそろ用地を取得したところの元利――元金は別としても利子が非常にかさんできている。人口急増地域におきましては、交付税でいま補助金差っ引きの三〇%算入ということがなされているわけですが、少なくとも全額の利子などを補給していくべき、あるいは全額算入していくべき時期が来ているのではないかと私は考えるのです。そういう点についての主張が聞かれなかったのですが、いかがなものであるか。
 それからその次は、人口急増補正について、現状について何かお考えがあったらどうかということ。
 最後に、政府においては人件費攻撃をしておるわけでありますが、具体的にそういうことをはだに感じておられるか、どういう具体的なことがあるのか。あるいは、非常に高いと言われるときに定昇などストップするというようなことがもしあった場合に、職員組合としていろいろこれに対して対抗策を当然とると思いますが、そういう実態についてはどういうふうにお考えになっておられるか、一遍そこらあたりの事情をお伺いしたいと思います。
○伏見参考人 最初の社会福祉等については、福祉という事業の性格からして単独事業になることが望ましい、私もそう思います。ただ、しかし単独事業であってもすべて財源を市町村が分担するのは大変でありますから、そういう意味で各市町村間の格差について国が一定の基準を示してその分は分担をすべきである、こういう意味でお答えを先ほどは申し上げたつもりであります。
 第二の問題については、私どもも全く同意見であります。本来の税制から言いますと、地方交付税はバランスをとるための平衡交付金から出発したものでありますから、したがってそれはそれなりの地方税源を強化するというよりは、地方税源の著しいアンバランスを補うという性格を初めから持っているわけでありますから、税源強化につきましては、おのずから自主財源、税源を強化するということに尽きると思います。
 三番目につきましては、超過負担の解消につきましては率直に申し上げまして解消にはなっていません。なっていませんが、このことはあるいはぶしつけになるのかもしれません、国会でいろいろ御論議をいただいてある程度の是正措置はとっていただきました。このことは大変ありがたい思いますが、急騰する建設資材等から見ますとようやくそれを補っていただいた、こういうことでございますので、本来の超過負担是正ということにはほど遠い、こう思います。
 文教施設につきましては、私どもも用地の取得に頭を痛めておりますし、ある市長は、市長とは学校の用地を買い取るための不動産屋かという述懐をいたしておりましたけれども、大変な負担であります。財政的に大変な大きな負担にもなりますので、ぜひこの点につきましては全面的な利子補給を初め、何らかの国としての措置が要るのではないか、こう思います。
 人口急増補正につきましては、先ほど私も触れたのでありますが、やはり特に大都市周辺の自治体という条件、したがってこれは言いかえれば人口急増ということになるわけでありますが、その自治体に地方税源は余りにも配慮が払われていな過ぎる、こう思います。
 人件費攻撃につきましては、私はいわば反発をする立場にあるわけであります。むやみやたらに人件費攻撃というのはつまらないことだと思います。だからといってしかし人件費というものが市民の貴重な税、市の収入から支払われている限りは、先ほど委員の方がおっしゃったように、まことに節度のある運営というものは今後とも厳しく対処していかなければならない問題だと思います。
 以上でございます。
○山田(芳)委員 次に蒲田参考人にお伺いをいたしますが、おっしゃるとおり過疎のボーダーラインについては、私どもの党も近く交付税法の修正案で、ボーダーラインを救っていくという法案を提案しているわけでありますが、非常な格差があり過ぎる。数戸しかない過疎地域に対して、過疎債を利用して何キロにもわたって舗装をするというような対策がとられる。あるいは集会所一つとるにしても、コミュニティーセンターというようなもので補助金もやられて集会所ができる。人口が一〇%切れたというだけで非常な格差があるという点は、これは何とかしていかなければいかぬというのはわれわれも同感であるわけであります。
 さてそこで過疎対策としての大きな問題としては、一つは道路。それから第二番目は学校の問題。学校をどうしても統合していかなければならない、通学が非常に困る通学バス、いわゆる過疎バスの問題。それから医療の問題。これは先ほども話が出ておりましたが、お医者さんを雇うのに何十万という給与を払っていかなければならないし、なかなか来てくれないという問題であります。それから四番目には文化的な施設。先ほどコミュニティーセンターということも言いましたけれども、そういう施設を建てようにも財源がないというわけであります。こういう点について、私は四つの問題を挙げたわけでありますが、丹後町のそういった道路、学校、医療、文化の問題について若干触れていただければ幸いだと思うので、この点について実態を簡単にひとつ御説明いただきたいというのが一点。
 第二番目は、先ほどもお話がありましたように、非常に財源が厳しいということではあるけれども、若い人たちを定着さしていくためには、地方の地場産業というものに対する対策が必要であるというふうに思うわけであります。たとえば丹後においては、丹後ちりめんというような伝統的な地場産業があるのでわずかに人口を維持している。これもなければもっとひどい状態であるということは、これは当然であるわけですが、それが交付税その他に十分見られていない。もう少しそういう地場産業というものに対しても単独事業の対策が必要であり、それに対する財源が必要だというふうに思うわけでありますが、そういう地場産業に対する対策等があったらひとつ具体的に説明をしていただければ幸いだというふうに思います。先ほど金融公社というようなことを触れられたわけでありますが、そういう地場産業に対して金融公社等で低利の利子ででも貸すような方途というようなものを含めてひとつ御説明を願いたいというふうに思います。
 それから、丹後町はラスパイレス指数が昭和四十八年で一〇二・九、全国平均からいうと九六・六、四十九年で一〇七・〇、全国平均一〇〇%というので、大体国公並みになっておるところでありますが、人件費の占める比率は、先ほど話がありましたように十億程度のうちの三億円であるということで非常に大きなウエートを占めている。人件費としては決して高いというところではない。町村全体そうでありますが、それでもやはり財政的には苦しいという実態を先ほど言われたわけであります。人件費の問題について、国家公務員より高いとか安いとかの議論は別として、人件費と財政の苦しいということが関係があるのかないのか、そういう点も含めてひとつ御説明をいただければ幸いである、こういうふうに思います。
○蒲田参考人 山田先生の御質問に対しまして、過疎のボーダーラインの格差を何とか直したいと言っていただきましたことにつきましては非常にわれわれはありがたい、かように考えるわけでございます。ただ、御指摘のとおりに大体交付税に盛られるものがもう決まっておるわけなんです、裏づけが。それを外れると起債も補助金もありませんので、そういう点では非常にやってみようがない。町単費ではとてもできないといううらみがございます。特に、私が暴言ではございましたが、そういう過疎町に一億円ずつ出しても五百億か六百億で済むじゃないかと申し上げましたのは、実は、次に若い人たちを定着させる地場産業――私のところの町は幸い、山田先生副知事さん時分に御承知のとおり、海がありますので、夏は海水浴で、これを一つの町の産業にしまして、七億、八億の収入を得ておるわけなんです。だから、これはもう町民の収益に定着をしまして、やはり人が来ればトイレはもちろんのこと、すべての施設をやっていかなければならぬ。こういう点に関しましては、交付税その他には全然関係なし。恐らく全部町単費でやるか、府の方にお願いをするか、これ以外にはないわけなんです。そういうような意味からいきまして、私が一億円よこせと言うのは、そういうことによって、決められたいわゆるひもつき以外の町の発展策にこれをば講じていきたい、こういうことをわれわれとしては主張したいわけなんです。
 それから、人件費問題に関しましては、人件費が要るのでこれに対する考え方はということでございますが、これはおっしゃるとおりにもう人勧で決められたものは当然今日払っていかなければならぬわけでございますが、しかしこれの裏づけになる税金が一億しかないわけなんです。そして三億の人件費を払う、ここにもう根本的に大きな矛盾がありまして、町ではどうにもならない。これがいわゆる財源再配分というか、格差是正といいますか、こういう点は国の方で目をあけてもらわぬと、とても町のやりくりではやっていける問題ではない、こういうふうに考えております。
 以上でございます。
○山田(芳)委員 次に、丸山参考人にお尋ねをいたします。
 交付税の配分についての自主性の回復ということを言われましたが、もう少し具体的にその内容について、自治労としてはどうお考えになっているか聞かせていただきたいと思います。
 それから、事業費補正はやめることということであります。確かに、事業費補正は本来的には交付税になじむ制度ではないというふうに思いますけれども、すぐにやめるということになれば、やはり現実的にそれを財源として、さなきだにない財源の中でやられているのに対する考え方として適当かどうか。私は、あるものについてはやはり一定の期間なり一定の額は保証していくべきであるというふうに考えるのですが、特に過疎や公共事業の非常におくれている地域については、これによって若干でもやはり公共事業が進むのではないかというふうに思うので、この点についてお考えを伺いたいと思います。
 それから、地方自治体の意見を具体的に反映する方法ということを言われたわけでありますが、それの具体的な策はどういうことであるのか。交付税その他について審議会の委員に出るというのかどうか、そういう点を含めてひとつ御説明をいただきたいと思います。
 その次には、プラスアルファを削るなというふうに言われましたけれども、これに対する反論として、プラスアルファを出すのは自由だけれども、それだけ財源が余っているならそれは削られてもしようがないじゃないかという議論があるが、これに対する有効なる反論があればひとつお聞かせをいただきたいというふうに思います。
 それから、交付税の単価の改定を行うべきであるというふうに言われたわけでありますが、交付税だけの単価ということは現在なかなかむずかしいというのは、国の補助金なりあるいは国の査定との関係があるわけですが、そういう点は、交付税は独自に単価を別にせよという主張であるのか、あるいはその他の各省における補助単価その他との関連というものをどういうふうにお考えになっておられるか。思い切って、自主性の回復という趣旨の中からは、建設省が出そうと厚生省が出そうと、その補助金の単価とは別に交付税で計算をしろという主張か。そうすれば、逆に言うと超過負担というものもそこであるということを交付税上は示すという趣旨なのか。そこらあたりの関連がちょっとわからなかったので、御説明をいただきたいというふうに思います。
 それから定年制については、制度としてわれわれは賛成をいたさないわけであります。とりわけ、国が行っていないというのに地方だけやるということでありますが、もう少し実態的な面の説明があれば、ひとつこの際聞かしていただきたい。
 以上であります。
○丸山参考人 最初の、交付税の配分に当たっての自主性の回復ということなんですが、これは私どもとしては、特に交付税が一般財源の中で自主税源とあわせて地方自治体の弾力的、自主的な運営の大事な財政源になっているわけですが、最近の傾向が、各省の補助金とか事業計画に伴ってそれを受け入れるものとの関連から、起債等においても優先的に配分されるというような全体的な傾向は、本来交付税の成立の趣旨に照らして、だんだんと自主的な、弾力的な運営の幅というものが狭められてきているのじゃないか、こういうことを先ほど申し上げたわけです。
 それから事業費補正の問題については、これはいま急に穴があく場合には当然埋めなければならないわけですけれども、基本的には、やはり全体として自主的に運営できる範囲内で一定の算定基礎を置いた交付税の中で考えられるべきではないだろうかという、その方向を私どもとしては考えているわけです。
 二番目に、配分についての民主的な仕方というのは、国会の場でも具体的な単価が審議されて決定されるわけですが、この点も、国会の審議の場があるのはいいのですけれども、そのほかの、たとえば特交の配分だとかほかの自治省がやられるという点について、私は地方財政審議会がどういう関係にあるのかつまびらかに知りませんけれども、やはり知事会、市長会、自治体の側が積極的に意見の反映できるような仕組みをぜひ貫いていただきたい。
 このことは、実は四番目の単価の改定、国の補助金の単価と交付税の単価とどう照応するのか、この問題とも関連しますが、特に最近のように超過負担が現実非常に大きな問題となっている時代ですから、現実の単価の積み上げ方式といいますか、もちろん一〇〇%一遍にいかないかもしれませんが、国が一定の基準で頭から決めるのでなく、やはり積み上げ方式に基づいて、交付税の単価だとかあるいは補助金の単価も、少なくとも国が地方に対して交付をする、あるいは補助金をつけて仕事を任せるわけですから、相互の関係については同じような単価でなければ困りますし、一番問題は実態に見合った額でなければならない、そういう意味で私どもも先ほど来主張しているわけです。
 それから三番目の、プラスアルファはよけいなものを出したんだから引かれてもしようがないじゃないかというお話なんですが……(山田(芳)委員「という意見があるので、私がそう言っているんじゃないですよ」と呼ぶ)そういうお話はぼくらもずいぶん言われるのですけれども、一つは、特交の枠がことしでも二千六百億超えるということになりますと、本来一般交付税の中で分ければ賃金の問題にしても、大筋は先ほど来議論がありますように、国家公務員とか民間の賃金とそんなに度外れた賃金になるわけがありませんけれども、そういう点に基づいて、ただ、自治省のラスパイレス指数でも出ておりますが、千五百町村はいまだに国家公務員の基準よりも少ないという現状があるのです。もちろんプラスアルファが、基本賃金のラスが低いところだけに限ったわけではありませんけれども、日常の基本賃金の低位なところを物価だとかあるいは民間の賃金だとかと合わせるためにやむなく――これは基本賃金の場合もそうですが、四、五年前までは、とにかく賃金の安いのは役人だ、地方公務員だ、その典型だと言われるような現状の中では、基本給も多少配慮をする、あるいは期末手当で基本給で償いのつかないところはもうやらざるを得ない、そういう実情もあったわけです。しかし、これは一ころから見ればずっと少なくなってきていると思うのです。ですから、このくらいの幅は、厳しく全部差っ引いてしまうという形じゃなく、十分、もちろん一定の指導はあるのでしょうけれども、全部引く、ギャンブル収入と同じようにばさっと引くというのはちょっと酷なやり方じゃないだろうか、そういう点を私どもは主張しているのです。
 それから定年制の問題については、さっき幾つか申し上げました。私どもとしても、公務員と民間との対比では、基本的に、公務員と民間の労働者の権利――民間には労働基本権があります。ですからそういう背景で、労働協約で各企業と協議をしながら決めているわけです。ところが、わが方にはこの団体交渉、労働協約締結権がないままにやられるということは、結果としてはどうしても労働者の権利が奪われることになるわけです。
 それから置かれている条件が民間よりも非常に優遇され過ぎているんじゃないか。ですから、世間並みに定年制をしくことはあたりまえじゃないかという常識論があるのですが、その際に、先ほどもちょっと申し上げましたように、民間と対比をして、少なくとも一般職員の場合はそんなに高い状況にはない、むしろ年金がつかないあるいは退職金も少ない、そういう状況が地方公務員の場合、やや年齢が高い層の現業職員で多いんです。この点を特に強調したいわけです。
 それから、よく地方公務員法の母法が国家公務員法だと言われているのですが、国家公務員につくらないで地方公務員だけ先にやれというのは、どう考えてみても私どもとしても了解できないわけです。国家公務員と一緒にやれという主張じゃありませんけれども、その辺のことは制度を新しくつくる際にひとつ十分お考えいただきたい。
 ですから、一つには制度の関係、権利の関係と置かれている労働者の実態というものを、私ども非常に残念なんですが、新聞でも、たとえば退職金が四千万出るとか、月給が大変高いという面だけが宣伝されているものですから、民間の労働者と話し合うと、おまえ退職金四千万円もらうのか、こういうとてつもない話になるわけですが、現実には大変低い状況であります。これも資料を差し上げたいと思いますが、その辺の実態もぜひおくみ取りいただきたいと思います。
○山田(芳)委員 一応個別の質問を終わりましたが、お三方とも言われておった問題でひとつお伺いしたいのは、種地の問題ですね。交付税算定の種地について、非常に格差があるというお話でありました。蒲田参考人が言われたように、原子力発電所の周辺地域において交付金が出て、それが当該町村の予算にも匹敵するような額を交付金としてやるなどということは、財政秩序を無視しているので吸い上げていくべきだと私は考える。これはまさに等しからざるを憂うるんでありますから、その点は賛成でありますけれども、種地についても、非常に格差があるというか実態に即していないという点を挙げられたわけでありまして、種地についての算定が問題を起こしているということでありますが、それでは、もし具体的に考えをお持ちであればそれぞれお聞かせをいただきたい。種地はどうもおかしい、やり直しせい、それはおまえらに任せるという意味なのか、もしおありならば具体的にそれぞれお知らせをいただきたいと思います。
○伏見参考人 先ほど申し上げたのでありますが、全く同じ状態の中で年間事業費の算定が九十億違うというふうなことはやはりうまくない。これはやり直すといいますか、そういう点は再査定の必要があるのではないかと思います(山田(芳)委員「具体的には」と呼ぶ)種地の制度そのものを私は理論的によく理解をしていないので、どこをどう是正したらいいかわかりませんが、当面、矛盾が多過ぎるのではないかと思います。
○蒲田参考人 いまの先生の種地についての御意見ですが、私は全廃論者なんです。もう要らない。東京でも何でも、種地が高いから、同じように来ても、月給も高くなってくる、生活もいいというようなことで集まってくるのです。現在、都会地その他では、主婦がスーパーなんかあさって安いものを買ってきて、うまく生活しております。われわれの方は運賃だけでも高い。それに、うまく大量に売れないから、なおさら高いのです。日常生活品からパンツ一丁まで、ずいぶん都会より高いものをばわれわれは余儀なく買っておる。そういう段階で種地について、隣がどうだからどうだというようなことはおかしい。種地は全廃すべきだ、私はかように思っております。
○大西委員長 丸山参考人、ありませんか。
○丸山参考人 はい。
○山田(芳)委員 では終わります。
○大西委員長 多田光雄君。
○多田委員 三人の参考人の皆さん、どうも御苦労さまでした。
 最初に御三人に伺いたいのですが、これは午前中も伺ったことですけれども、今日、地方財政の危機ということが与野党を問わずいろいろな角度から言われているわけです。地方財政の危機というのは、裏返しにして言えば地方自治の危機ということにもなろうかと思うのです。そこで、皆さんはどういう点で危機をお感じになっているのか。それは端的に財政に出るわけでしょうけれども、地方自治体、地方住民のサイドから見て、地方自治あるいは財政の危機をどういうところにお感じになっているのか、それをひとつ伺いたい。
 もう一つはその原因ですね。これは先ほど丸山参考人が何点か述べられましたけれども、なおそれに補足があれば、国の施策との関連でもっと御説明願えればと思います。
 以上、三人の方々にお伺いしたいと思います。
○伏見参考人 地方財政の危機というのはまさにそのとおりなんですが、ただどこにどうあらわれているかということにつきましては、御理解いただいていますように、国民生活に最も関連の深い仕事を私どもは大部分やっているわけであります。やりながら、それに対して財政の裏づけが十分なされてないところに財政危機の発生源があると思っております。
○蒲田参考人 いま市長さんの方からお答えがあったわけでございますが、もう一つ具体的に申し上げたいと思うのです。
 これは最前山田先生の方からの御質問にありましたように、一億の税金をもらって三億の人件費を払わなければならぬ。ところが法で決められておるのですから、うちは百人絶対に要るのです。しかも全部兼職をさせております、おまえは社会福祉とこれをやれと言って。大きい都市のように何千人もおるならば、一つのことでも大ぜいでかかれます。うちらの職員は全部兼職なんです。ことに給食婦というのは、昔は育友会のお母さん方がどんどん、大根を持ってきたり芋を持ってきたりしてやったものなんです。ところが、それがいつのころやら全部町にかぶさって、町の職員なんです。あるいは警備員なんかでも、先生どころじゃない、役場の職員が、きょうはもう本務ではないと言うて警備しません。だからわれわれは警備員を置かなければならぬ。
 とにかくそういうふうに、社会福祉にしても何にしても、どんどん人数がふえざるを得ない。そこへもってきてそれに対する財源が、まあ給与ぐらいは税金があればいけるものが、全然問題にならない、そこにもうはっきり危機がますます深刻化してきている、こういう状態です。全国の市町村の税収が全部で三兆五千億ですか、それがわれわれ一万分の一ですから、三億円ぐらいは税金がなければならぬのです。それが一億よりないところに欠陥があるわけであります。危機があるわけであります。
○丸山参考人 地方財政の危機の原因について先ほど三つの点を申し上げましたが、私どもとしては、一つには、この十年来高度成長から、最近、インフレと総需要抑制という政策の谷間に地方自治体が財政的に追い込まれてきた。一方では収入は減るし、一方では超過負担などの支出が増大をする。それにあわせて、先ほども申し上げましたが、戦後地方自治が憲法に保障されて、住民サイドからも、住民自治の観点からもみずから自治体を突き上げていこう、そのための要求というものがどんどん片方で出てくるわけですから、そういうもろもろの状況が政府の政策と真正面からぶつかり合って、五十年度予算編成をきっかけに表面に出てきたものだ、そういうふうに考えています。
 その原因については、さっき三つ申し上げましたが、特に自治省は人件費とか過剰福祉だと言っていますけれども、人件費の実態というのは、その相当の部分が自治体の場合には事業費的な性格を含むものでありますし、過剰福祉の問題についても、老人医療無料化の問題に見られるように、むしろ自治体の動きの中からナショナルミニマムというか、そういう動きが出ている現状でありますから、その点はちょうど裏返しに原因を考えることもできるのではないか、私どもはそういうように考えております。
○多田委員 その原因について、伏見さんとそれから蒲田さんにお伺いしたいのです。
○伏見参考人 必要な事業でありながらその裏づけを国がしてない、こういうふうに申し上げたのですが、それは一つ一つの補助事業にかかわらず、さきに山田委員さんからもお話がございましたように、それをもっと根本的に、そうういう必要な事業を担わしているのだから、これは委任事務であろうと単独事業であろうとやらざるを得ないし、やることが当然の事業について、どのような方法であれ国の負担をもう少し明確にすべきだ、こういう考えであります。
○蒲田参考人 同じ意見です。
○多田委員 それから、これもまたいまのに関連するのですが、いま政府も、交付税にしても税法にしてもいろいろ手直しはやっております。それから過疎の緊急対策にしてもそれなりにやっているわけですが、いまの政治経済情勢全体、それからいまの地方自治の実態から見て、よくなるというお気持ちをお持ちですか。それともまあまあなのか、あるいはもっと悪くなるというふうにお考えになるのか。大変感覚的な質問で恐縮ですけれども、率直な御意見を伺わせていただきたいと思います。これも三人の方にお願いします。
○伏見参考人 危機という言葉がよく使われるのですが、これは本当は絶対的な問題だと思うのです。そういう言葉にとらわれず、私は地方財政がこのままでは一両年の間にまさに破綻をせざるを得ないだろう、こう思います。
○蒲田参考人 いまの問題につきましては、非常に危機を迎えておりますから危機感は持っておりますが、国の方で安定経済成長で、落ちついたベースでいってもらうなれば、そう悲観しておりません。
○丸山参考人 私、自治省が言うように、原因が人件費と過剰福祉だということがまかり通るようであれば大変なことになると思いますし、これは先ほど来原因と対策について私どもの考え方を述べましたが、相当部分において自治体の側でも主張しておる点、共通面が多いわけです。ですから、このことが抜本的に解決されれば、地方自治も新しい展開ができるのではないかというふうに考えます。
○多田委員 それでは伏見参考人に何点かお伺いします。
 交付税の算定基準の実情について、算定基準が実際に実情に沿っているのかどうなのか、それからこの実態と大きく違っている費目は現場で何なのか、それをひとつお話し願いたい。これが一点です。
 二点目は、事務所税が創設されましたけれども、これが果たして言われるようなメリットがあるのかどうなのか。それからまたあるとすればどういうものなのか、あるいはデメリットがあればどうなのか、この辺をひとつお伺いしたいと思います。
 それからもう一つ伏見参考人にお伺いしたいのは、これも午前中聞いたのですが、都市財源の拡充に当たって自主的にこれからどういうお考えを持っていかれるのか、その三点をお伺いしたいと思います。
 それから蒲田参考人にお伺いしたいのですが、先ほど過疎の問題でボーダーラインというお話がございました。実は私ども、四月初めに過疎法の改正の要綱を発表しまして、そこでいま人口の減少率一〇%、これを七・五%に改める。そうすると約三百市町村ぐらいが対象になるのですけれども、おたくの場合どれくらいの人口減少率なのか。実は私の選挙区にもあるのです。かなり大きい都市で漸次人口は減っているけれども、しかし過疎にはならない。もちろん財政は大変だ。陥没しているわけですね。そういう点でどの程度の人口の減少率か、伺いたいと思います。
 それから、これは先ほどもお話がありましたけれども、過疎地における産業振興の問題なんです。これは先ほど山田委員も聞いておりましたけれども、たとえば丹後地方で実際に地元の地場産業を発展させる上でそういう余地があるのかどうなのか。たとえば農村、漁村あるいはまたその他の加工業でも結構でございます。そしてそれをやる上でどういう国の施策が必要なのか、これをひとつお伺いしたいと思います。
 それからもう一つ、交付税についてですけれども、基準を人口に置いているために人口の少ないところは非常に苦しいわけですが、この点はどのような改善をやったらよろしいのか、その三点をひとつ蒲田参考人にお伺いしたいと思います。
 それから丸山参考人にお伺いしたいことは、機関委任事務ですね。これは現場からごらんになっていてどんな現状で、それがたとえば職員その他にどういう比重がかかるのか、あるいは財政的にどうなのか、あるいは改正すべきとすれば緊急にどういう面から改正していったらよろしいのか、この辺ひとつお伺いをしたいと思います。
 以上です。
○伏見参考人 最初に交付税の算定基準の問題でありますが、先ほど私は種地につきまして、これはいわば補正係数の問題になろうかと思いますが、申し上げたのですが、必ずしも補正係数の問題にかかわらず、本来基準財政需要額を算定するに当たって、その計算の方法が、一般の補助金等を算定する際の超過負担をすっかりのみ込んでいるわけであります。超過負担に基づいて――超過負担に基づいてというのは変な言葉でありますが、超過負担分を全く除外してしまって計画をしておりますから、実際的な基準財政需要額になっていない、こういう点にやはり根本的な欠陥があろうと思います。
 それから事務所事業所税につきましては、私どもは全くペテンにかかった、こう思っているわけであります。これは都市財源を強化するということで、大都市周辺の、特に一つの基準として五十万以上の都市ということも加えられてやっと自主財源の強化につながった、こう思って歓迎をいたしましたのもつかの間、これは交付税の収入の方に加えられるということでありますと、私どもは大体年間八億ほど予定をしておるのですが、そのうちの四分の三の六億は基準財政収入額の方に加えられますと、せっかく名前は事業所税、事務所税というふうに徴収ができても、実際の市の収入は逆の方から六億減るわけでありますから、しかもこれは徴収事務だって費用がかかりますから、これだけは全く何とも話のしようのないペテンにかかったと言わざるを得ないと思います。これはメリットなしのデメリットばかりであります。
 都市税源の拡充につきましては、私どもも法人市民税の超過課税等も行っておりますけれども、御承知のように私ども自身が自主財源を見出すことは税制上もきわめて困難でありますし、これはやはり法律に基づいてその処置がとられなければいかんともしがたい、こういうふうに考えております。
○蒲田参考人 ただいま先生の御質問の第一点、過疎のいわゆる交付税における人口比率でございますが、私の方は昭和三十五年から四十年、政府がきちっと五年間を決められた段階で七・三%でございます。それが五年過ぎた昭和四十五年には一三・二%減りました。そしてその中で、特に主体的な役場のあるところはそう減りませんが、合併しました周辺は二七、八%、三〇%近い集団離村があったわけでございます。こういう点をひとつお考えいただきたい、かように思います。
 それから第二点目の産業振興でございますが、これは各町、海を持っておるところ、山を持っておるところ、いろいろその特徴がございます。一概には言えませんが、丹後としましてはやはり丹後のちりめん、あるいは西陣がもうどんどん丹後に来ましたので、西陣織物、こういうものを京都府が実はきめ細かく対策を立ててくれております。国の方でやられたのはこれはもう大ざっぱで、むしろ零細な賃機業者は皆商売をやめてしまわなければならぬようないわゆる合理化政策であったわけなんですが、このいわゆる賃機業者、細かいやつを生かす方法で国の方もよくお考えを願えれば、これを中心にもう一つ丹後の方は生きてくるのじゃないかということを考えております。それで京都府の方式がいまずいぶん生きてはおるのですが、なお国におかれましても後押しを願いたいと思う次第でございます。
 それから交付税の人口に対することにつきましては、私は、一定の標準を置いてもらって傾斜配分をしてもらう、もうこれより方法がなかろうかと思います。傾斜配分をしていただく、こういうことでございます。
 以上でございます。
○丸山参考人 私どもの機関委任事務の点については、いま全部についていろいろ調査いたしておりますが、その一つ、二つ申し上げますと、たとえば外国人の登録事務の場合に、A市においては所要の経費が二百十一万に対しまして、国並びに道府県の補助が二十五万七千円、差っ引き百八十五万の超過負担があるという実態。それからどこの自治体にも共通ですが、戸籍事務に至っては所要経費がA市の場合に八千七百六十二万円に対して、手数料収入だけが七百三十六万円、差っ引き八千二十五万、大体九〇%を超える額が自治体の持ち出しになっている、こういう実情がありますし、それから保育所の建設費、運営費等についても相当部分の超過負担が、四十九年度国会の審議の中で補正されたとは言いながら、まだまだ大きな超過負担というのは残されております。
 それから労働条件との関係について申し上げますと、実は私どもは社会福祉職場の充実ということで三年ぐらい前から運動を起こしておりますが、これは当面最低限労働基準法違反の状態をなくしてもらいたい、こういうことで昨年から運動を起こしまして、厚生省の方では約二万人解消する、それが査定の結果五十年度予算には約一万五千名を二年間で解消しよう、こういう計画補正が行われたわけなんですが、こういう実態にもあらわれておりますように、いま非常に福祉関係の施設の強化が望まれておるわけですが、現実にそこで働く労働者の状況というのは、二年計画で全国で一万五千名ふやしてもどうやら基準法違反の状態が少し解消されるという、そういう状況にあるわけです。
 非常に大ざっぱな話ですけれども、以上。
○多田委員 先ほど聞きました、委任事務でさしあたり直していかなくてはならないものがもしあったら述べていただけませんか。
○丸山参考人 これは委任事務に伴う人件費もひっくるめた超過負担の全貌を明確にしていただいて、それで具体的な解消策をとっていただきたい、このことは、法律ができるたびにそういう状況が起きますから、この点は、こういう言い方は少し乱暴かもしれませんが、その完全な手当てができないうちは仕事ができないわけですから、今後はそういう点をあらかじめ法案と関連をしながら十分に措置をいただきたいと思います。
○多田委員 終わります。
○大西委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 私は住民税の問題と法人住民税の問題の基本的な問題についてちょっとお尋ねします。これはお三方にお願いします。
 一つは個人住民税の課税最低限を引き上げると地方税が減少するという矛盾が出てまいりますね。課税最低限は、五十年度、夫婦子供二人で百二十一万と定められてますが、課税最低限の決め方、水準はどのように決めるのがよいと考えているか。要するに所得税の問題と絡めて、ひとつお考えをお聞かせいただければありがたいと思います。
 その次は法人住民税でございますが、先ほども質問したのですが、法人事業税の赤字になった分、その分について住民税は基本料金しか納めない、こういうことになりますと、やはり東大阪のような工場地帯、工業を持っていると――これは過疎の方はちょっとあれでございますが、そういう法人住民税の徴収のあり方、この点、個人住民税と法人住民税との徴収のあり方について御意見があればお聞きしておきたいと思います。
 次に、これは自治労の方にちょっとお尋ねいたしますが、定年制の問題でございます。地方公務員の定年制に関しては自治労は従来から一貫して反対の立場をとってきたことはよく承知しております。最近、政府・自民党、自治省の考え方とそちらの考え方との違いも、私たちもいろいろな意見を持っておりますが、ただ問題なのは、これを絶対反対していくのか、先ほどもちょっとお話がありましたような諸条件がつけば、やはり住民の側に立って、定年制の問題は公務員の問題として取り上げざるを得ないのではないか。それは年金の問題とかいろいろお聞きいたしましたが、ただ一言で結構でございますが、それが絶対でなくてそういった諸条件、周りの地方公務員なり国家公務員なりの生活問題が解消されるような諸案件が解決されたときには、自治労といたしてもこの問題については協力していくのだということはいただけるのかどうか、この点でございます。
 また地方公務員給与の決定について地方公共団体の住民が直接請求によって給与に関する条例の改廃を議会に請求した例がございますが、議会がこれに従って行動することに対する自治労の見解をお聞きしたいのです。地方公務員も労働者である以上、その労働条件は組合による団体交渉を通じて決定されるのが原則である、この場合の団体交渉の相手方は使用者たる地方自治体当局であって、議会でもなければ住民全体でもないという立場をとっているようでございますが、地方公務員の団体交渉する権利と住民の直接請求権との関係というものは非常に大きな問題にいまなってきておりますが、結局住民というものはそういう点がよく理解されていないだろうと思うし、また自治労側の働く者の権利という問題が、ともすると、そういった相手方を間違えたような問題になってくると、論争が非常に不明快になっていくおそれがございますので、この点についてお尋ねいたします。
 その次に、人事委員会制度を設けず給与勧告権のない公平委員会制度を設けている市町村に対しては、都道府県人事委員会が地域の民間給与の実態に関する資料を積極的に提供し、市町村はこれを参考にして適正な給与を決定するようにすることを提言するが、これに対する御見解がもしもいただけたら、この問題はいただけたらで結構でございます。人事委員会のないところの地方公共団体の場合、こういう問題を聞きたいのです。
 もう一つあわせてお尋ねしますと、地方公務員法によると、給与決定の第三者機関として、原則として都道府県には人事委員会制度が設けられておりますが、現在の人事委員会を充実し、地域の実情を反映した給与が決定できるように改革すべきであると私は思います。この点について……。
 四つまとめていまお尋ねいたしましたので、よろしくお願いいたします。
○伏見参考人 法人住民税、私どもの場合は法人市民税でございますが、これは法律が上限を決めておりますので、私どもはその上限いっぱいを実施をいたしておるのであります。ただし実施をいたしました時期が昨年度で、ようやくこの不況に突入しようという時期でございましたので、一定の配慮をいたしまして、漸増的にその額にまで到達するような配慮と、同時に、資本金一億以上という制限をつけましたのは、そのような考え方に基づくものであります。
 ただ率がいま問題になっておるのは、多分法人事業税の府県税であります。法人事業税の方は、たとえば大阪府知事は二%を上げて、上げた三百五十億の税源の中で三分の一は市町村にやろうというので、非常に首を長くして期待はいたしておるのでありますけれども、ただしこれは、そういう市町村の財政を助成していくという考え方については賛成でありますが、恐らく、いまの時期に法人事業税の率を上げるということについては、いろいろ問題があるように承っております。
○小川(新)委員 ちょっとそれに補足してお願いしたいのですが、法人都道府県民税は標準税率が五・二%ですね、それに対して制限税率が六・二%。それから法人市町村民税が一二・一%に対して一四・五%、これは市長さんの方に御関係があると思いますが、こういうものをいま目いっぱいお取りになっているのですか。
 それともう一つ私が聞きたいのは、収益課税方式ですから、結局法人が年間決算によって赤字になっておる場合には、法人住民税を、いま言ったこの二つを、結局その基本料金しか納めないということに対するお考えもあわせてお答えいただけたら、お願いしたいと思います。
○伏見参考人 私どもはいまは一四・五日いっぱいと、こういうふうにいたしておるわけであります。ただ先ほど申し上げましたように、現在はまだその過程で、ちょうど足して二で割った分で徴収をいたしておると思います。さらに次の段階で制限税率いっぱい、こういうふうに考えております。
 で、資本金についての除外につきましては、先ほど御答弁を申し上げたのでありますが、ただこれは所得に応じて支払われるべきものでありますから、所得がない場合には、当然その税は減額されるものだと私どもは理解しております。
○小川(新)委員 その是非についてお考えを聞きたいと思ったのですが。
○伏見参考人 法人市民税の場合は、私はそれでいいと思います。ただ、法人事業税の場合等に、何か巨大な企業がたまたまそのときに帳簿の操作上利益を上げ得なかったということで、非常に最低の税しか納めないというのは、これは私は不合理だと思います。
○蒲田参考人 私の場合は個人税の最低限なんでございますが、これは私どもの零細町村から言うと、ほかに大きい企業もなし、建築物もなし、税金というものは六〇%までいわゆる勤労者がすべて納めてくれるのが町税の主体でございます。そういう意味からいきまして、国の方でそれを引き上げていただくのはありがたいけれども、直ちにもう落ちてくるのが出まして、まあ何年たっても町村民税の所得税が伸びないという現象が出ております。そういう点では、まことにわれわれ町村としては財源上非常に困る。ただし私の個人的な見解でございますが、やはり保育所に子供を一人預けたら十万円要るのです。これを町が出しているのですから。小学校に出しても五万円要るのです。それを二百円でさようならが多いのです。これでは何ぼ不況でえらいと言っても、やはり町村と同じ連帯責任を持った仲ですから、私はもっと納めてもらいたい、個人住民税というものは別個にでも納めてもらいたい。これが六〇%の税源ですから、私の方の町にとりましては大きな問題でございます。
○丸山参考人 最初に定年制の問題ですが、いろいろな条件が満たされた場合にも反対するかというお話でありますが、私どもは、各条件が満たされた場合には、民間におけると同じように労使が協議するという、労働条件の重大な変更でありますから、そういう立場に立ちたいと思います。ただ、何といっても、いまの一般の労働者と公務員労働者の法律の規制の仕方が違っております。違っている中で、公務員法という形で、言うならばただ一つ守られている分限条項なんですね。いまの地公法がある限りはそういうのはできないという、いわゆる保護規定になっているわけですから、これを外す場合には民間のように労働者の基本権というものと十分兼ね合いで考えていただかないといけない。それからもう一つ、一般的には老後の生活設計なり、それから大きく言えば高齢者時代を迎えるわけですから、それに対する、公務員だけよくなるという意味ではなくて、国民全体として一定の保障が得られる条件というのはぜひ追求していきたい、こういうような条件が満たされることが私は大事だと思います。
 私どももよく端的に聞かれるわけでありますが、この第一番目の条件が聞かれるような調子で、現実にはなかなか、片方がずっと継続審議の形でかなえられないという状況で、法制化の方は先にやってくるという経験をたくさん持っておるものですから、この際条件が満たされたら何とか考えましょうという心境にはなかなかなれないわけでありまして、その辺のこともぜひおくみ取りいただきたいと思うのであります。
 二番目の賃金決定の問題について、住民の直接請求権を私どもは否定しておりませんし、議会の審議権も当然尊重さるべきだと思うのです。ただ、ILOの当局も指摘しておりますように、日本の場合の公務員のいわゆる労使関係について、政府並びに自治体当局が使用者としての立場を明確にして、労使の自由な交渉によって労働条件を決めることが大事だということを何回か指摘しておるのです。今度のILOのいわゆる技術者会議の中でもそういう方向が議論されまして、いずれ来年か再来年に、ILO八十七号条約に匹敵するような、公務員のいわゆる基本権問題についての条約化が進められようとしている状況だけに、私どもは、その議会とか直接請求という権限が一方であります、それから労使が話し合えば無条件にどこまでも賃金が上がるというものでもありませんし、それだけに市長なり町長なりに当事者能力を与えていただいて、その中で私どもが労働団体として交渉して決めていくというルールだけは決めていただかないと、最近の経験にも見られますように、そうなると賃上げを、請願運動のように各戸の署名でもとって歩かぬ限りは賃金が変えられないということになったのでは、これは市側も大変だと思いますし、住民も迷惑だと思いますし、われわれも大変だ、そういうことですから、議会では予算審議の過程で当然にそういう権限に基づく規制措置というものが行われるわけでありますから、私どもはぜひこの賃金決定のあり方としては労使の自由な交渉、協約をもとにして、いまの地公法に基づいても、条例で決めるという原則だけは貫き通していただきたいと考えております。
 それから、人事委員会と公平委員会の問題ですが、お話がありましたように、人事委員会のいまの権限を強化したいということだけでは私どもは限度があると思うのです。かつてILOのドライヤー委員会が指摘しましたように、もう国際的に見ても、日本の公務員制度自身が、かつて昭和二十三年の占領下にできた事情があるだけに、大改定をすべきだというのが一般的な世論の方向だと私どもは受け取っているのです。ですから、ぜひ少なくとも、たとえば中労委、公労委などのように、労使の交渉をもとにして話がまとまらぬ場合のあっせんあるいはその他の措置を行う政府、公益側、労使代表が入った調整機能といいますか、そういう形、いま民間とかあるいは公労協も不十分ですが行われているようなそういう方向にこの制度というものを改革していただきたい、そういうのが私どもの考え方でございます。
○小川(新)委員 国債発行額が二兆円にも上る五十年度予算において、国と地方の財政秩序を回復し、地方財政の安定を図るために国債発行額のうちの国税三税に相当する額の裏負担分の交付税率を乗じた額を地方交付税として交付するという特例の措置を講ずるという考え方を私たちはいつも持っているのでございますが、これはお二方にひとつ過疎、過密の立場から御意見をお尋ねしたいと思います。
○伏見参考人 国の収入を赤字国債に求める場合に、そのあおりを受けるのは地方交付税を支給されている自治体であります。したがって、当然その措置によって補いをつけていただくということはきわめて適切な、私どもとしては期待を申し上げたい措置であります。
○蒲田参考人 賛意を表します。
○小川(新)委員 まだいろいろとございますが、時間の関係で、私これで失礼させていただきます。
 きょうは大変貴重なる御意見をありがとうございました。
○大西委員長 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時二分散会