第075回国会 地方行政委員会 第20号
昭和五十年五月二十二日(木曜日)
    午前十時四十三分開議
 出席委員
   委員長 大西 正男君
   理事 片岡 清一君 理事 高鳥  修君
   理事 中山 利生君 理事 佐藤 敬治君
   理事 山本弥之助君 理事 三谷 秀治君
      住  栄作君    古屋  亨君
      渡辺 紘三君    井岡 大治君
      小川 省吾君    細谷 治嘉君
      山田 芳治君    多田 光雄君
      小川新一郎君    折小野良一君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 福田  一君
 出席政府委員
        警察庁警備局長 三井  脩君
        自治政務次官  左藤  恵君
        自治大臣官房長 山本  悟君
        自治大臣官房審
        議官      山本 成美君
        自治省行政局長 林  忠雄君
        自治省行政局公
        務員部長    植弘 親民君
        自治省財政局長 松浦  功君
 委員外の出席者
        議     員 井岡 大治君
        総理府恩給局恩
        給問題審議室長 手塚 康夫君
        大蔵省主計局共
        済課長     岡田 愛己君
        大蔵省主計局主
        計官      名本 公洲君
        厚生省環境衛生
        局水道環境部水
        道整備課長   国川 建二君
        厚生省医務局管
        理課長     木戸  脩君
        社会保険庁長官
        官房総務課長  金田 一郎君
        通商産業省立地
        公害局工業用水
        課長      岩崎 八男君
        通商産業省基礎
        産業局化学製品
        課長      太田 耕二君
        運輸省鉄道監督
        局民営鉄道部長 高橋 英雄君
        運輸省自動車局
        業務部旅客課長 山下 文利君
        建設省都市局下
        水道部公共下水
        道課長     井前 勝人君
        自治省行政局公
        務員部公務員第
        一課長     宮尾  盤君
        自治省行政局公
        務員部福利課長 大嶋  孝君
        自治省財政局財
        政課長     石原 信雄君
        自治省税務局市
        町村税課長   栗田 幸雄君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十四日
 辞任         補欠選任
  小川 省吾君     中澤 茂一君
同日
 辞任         補欠選任
  中澤 茂一君     小川 省吾君
    ―――――――――――――
五月十六日
 地方財政の充実に関する請願外一件(太田一夫
 君紹介)(第二八八一号)
 同外一件(山田耻目君紹介)(第二八八二号)
 事業税に事業主報酬制度創設に関する請願(木
 村武千代君紹介)(第二九六二号)
同月十九日
 地方財政の充実に関する請願(稲葉誠一君紹
 介)(第三〇一二号)
 同(岩垂寿喜男君紹介)(第三〇一三号)
 同(江田三郎君紹介)(第三〇一四号)
 同(岡田哲児君紹介)(第三〇三六号)
同月二十日
 地方財政の充実に関する請願(受田新吉君紹
 介)(第三〇九七号)
 同(多田光雄君紹介)(第三二七二号)
 筑波研究学園都市建設に伴う地方公共団体の財
 政負担軽減に関する請願(赤城宗徳君紹介)(
 第三〇九八号)
 地方自治の確立に関する請願(林百郎君紹介)
 (第三一六八号)
 同(受田新吉君紹介)(第三一六九号)
 同(古川喜一君紹介)(第三一七〇号)
 同(八木昇君紹介)(第三一七一号)
 同(山崎始男君紹介)(第三一七二号)
 同(山田耻目君紹介)(第三一七三号)
 同外一件(沖本泰幸君紹介)(第三二七三号)
 同(瀬崎博義君紹介)(第三二七四号)
 同外二件(田邊誠君紹介)(第三二七五号)
 同(多田光雄君紹介)(第三二七六号)
 同(山口鶴男君紹介)(第三二七七号)
 同外三件(山田太郎君紹介)(第三二七八号)
 同(柴田健治君紹介)(第三三六九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
五月二十日
 地方財政の確立に関する陳情書外三十二件(春
 日部市議会議長佐久間実外五十三名)(第三一
 六号)
 人口急増過密都市対策の改善に関する陳情書外
 一件(大津市議会議長山岡孝隨外一名)(第三
 一七号)
 地方事務官制度の廃止等に関する陳情書外一件
 (島根県議会議長絲原義隆外一名)(第三一八
 号)
 地方公営水道事業に対する助成等に関する陳情
 書外二件(三重県議会議長長岡栄太郎外二名)
 (第三一九号)
 地方公務員の定年制実現に関する陳情書(長崎
 県議会議長桑原信一)(第三二〇号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済
 組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出第五七号)
 地方公営企業法及び地方公営交通事業の経営の
 健全化の促進に関する法律の一部を改正する法
 律案(井岡大治君外六名提出、衆法第二七号)
 警察に関する件(連続爆破事件の捜査状況)
 地方財政に関する件(昭和五十年度地方財政の
 運営)
 地方自治及び地方財政に関する件
     ――――◇―――――
○大西委員長 これより会議を開きます。
 警察に関する件について調査を進めます。
 この際、警察庁当局から、連続爆破事件のその後の捜査状況について説明を求めます。三井警備局長。
○三井政府委員 爆破事件の被疑者の検挙等、捜査について御報告申し上げます。
 本年四月十九日、東京都内中央区銀座七丁目、トキワビル内で発生いたしました韓国産業経済研究所爆破事件を捜査中の警視庁では、五月十九日、この事件の被疑者として佐々木規夫ら八人を爆発物取締罰則第一条違反で通常逮捕し、被疑者の自宅等十七カ所を捜索いたしました。証拠資料等約三千五百点を押収し、目下捜査を続けておる段階でございます。
 以下、これについて御説明を申し上げます。
 まず、被疑者逮捕の日時、場所でございますが、五月十九日午前七時三十五分から午前八時四十分ごろまでの間におきまして、都内において通勤途上にあった者を五名逮捕し、マンションの居室内にいた者二名、さらに同日午後四時、仙台市内のアパートにおいて一名、合計八名を逮捕いたしました。
 なお、逮捕した被疑者の一人であります斉藤和は、警視庁において取り調べ中、体調に異常が認められましたので警察病院に収容いたしましたが、同日午後二時十五分、死亡いたしました。死因は、解剖の結果、青酸化合物による中毒死と判明をいたしました。当日、この斉藤及び同人の内妻であります浴田の両名につきましては自宅で逮捕したのでありますが、捜査員が同人宅に入る直前に毒物を嚥下し、自殺をはかったものと認められる次第であります。
 二番目に、被疑者の氏名等でありますが、これら八人の被疑者について申し上げますと、まず、佐々木規夫、二十六歳。これは北海道小樽市が本籍で、住所は東京都足立区梅島のアパートことぶき荘であります。
 二番目の黒川芳正、二十七歳。本籍は宮城県仙台市、住所は東京都中野区鷺宮、これもアパートに住んでおります。これは元会社員、現在は無職でありますが、都立大中退であります。
 申し落としましたが、佐々木規夫は現在も会社員でございます。
 三番目に斉藤和、二十七歳。本籍、北海道室蘭市、現住所は東京都江東区亀戸のマンション。職業は喫茶店のウェーター、元都立大生でございます。
 四番目に片岡利明、年齢二十六歳。本籍、東京都板橋区、現住所は練馬区東大泉。会社員で、元法政大生であります。
 五番目は大道寺将司、二十六歳。本籍、東京都荒川区南千住、現住所は同じ南千住でありますが、アパートに住んでおります。会社員でありまして、元法政大生でございます。
 大道寺将司の妻、大道寺あや子は二十六歳で、現に会社員で、星薬科大学の卒業であります。
 七番目は浴田由紀子。本籍、山口県長門市、現住所は江戸川区亀戸。職業は臨床検査技師、二十四歳で、北里大学衛生技術学科卒業でありまして、これは自殺をいたしました斉藤和の内妻であります。
 八番目は荒井まり子。宮城県古川市が本籍で、住所は宮城県仙台市であります。現に短大生でありまして、年齢二十四歳であります。
 三番目に、この八名の逮捕罪名と犯罪事実でありますが、今回、これらの被疑者を逮捕いたしました罪名は、爆発物取締罰則第一条違反、つまり爆発物使用であります。
 その犯罪事実は、被疑者八名全員で共謀の上、治安を妨げ、かつ人の身体、財産を害する目的をもって昭和五十年四月十八日夜、銀座トキワビル五階の韓国産業経済研究所入り口ドアに手製の時限式爆弾一個をセットし、翌十九日午前一時ごろこれを爆発させ、この研究所のドアやエレベーター、窓ガラスなどを破損させました。被害金額は時価約百万円ということであります。
 四番目に、捜索差し押さえの実施状況でありますが、被疑者の逮捕にあわせて被疑者の自宅など十七カ所の捜索を行い、証拠資料約三千五百点を押収いたしましたが、その主なものといたしましては、爆弾製造の材料や工具類といたしまして、爆薬の原料となる除草剤クサトール等百四十六キログラム、薬品類、これは黄血塩、塩素酸カリウム等、また配線済みのトラベルウォッチ、乾電池、さらにペンチ、ドライバー、ハンダごて、やすり、ビニール被覆線、針金、空きかん等多数であります。
 以上のほかに、モデルガン数丁、それから小型の邦文タイプライター一つ、それから例の爆弾教本であります「腹腹時計」の第二号の原稿などでありました。
 なお、被疑者佐々木規夫のアパートの居室を捜索いたしましたところ、一階でありますけれども、その地下に押し入れから通じる秘密の地下室がつくられておりまして、この地下室は一・六メートル四方で、深さ約一・四メートルの大きさであります。ここには種々の工作器具が置かれてありました。
 五番目に、捜査の経過概要でありますが、今回逮捕した被疑者は、昨年八月三十日以来の一連の爆破事件で犯行声明を出しておりました東アジア反日武装戦線の構成員と認められます。これら犯人グループに到達するに至った捜査概要を申し述べますと、昨年八月三十日の三菱重工爆破事件発生後の九月二十三日付で東アジア反日武装戦線名の犯行声明が出て、それより先に、昨年三月初旬、「腹腹時計」爆弾教本でありますが、これを出版したグループがこの事件の犯人グループでもあるという疑いが濃くなったわけであります。そして「腹腹時計」と三菱事件を照合、分析いたしますと、犯人像といたしましては、アナーキーな傾向を持ついわば一匹オオカミ的な存在である、二番目にはアイヌ問題に関心が深い、三番目には韓国事情に通じておる、四番目には行動力、調査力にすぐれておる、こういった人物が犯人像として浮び上がりました。
 そこで、この犯人像に合う人物、グループを洗いながら次第に重点をしぼっていった結果、今回検挙いたしました犯人グループが容疑適格グループの一つとして他の幾つかのグループとともに浮かび上がりましたが、本年に入って次第にこのグループに焦点をしぼっていったのであります。
 そしてさらに綿密慎重な捜査を続けた結果、本年四月十九日の韓国産業経済研究所爆破事件後、この事件がこのグループの犯行である疑いが強くなり、さらに裏づけ捜査を積み重ねて、今回の一斉逮捕に至ったものであります。
 六番目に今後の捜査の見通しでありますが、東京におけるこれまでの爆破事件、多数ありますが、これはもとより、埼玉県、兵庫県、千葉県、こういったところにも爆破事件が発生しておりますが、警視庁初め各府県警察の緊密な連絡共助によりまして今後強力に捜査を進め、その解明に努めてまいる所存であります。
 また、今回逮捕した被疑者らは、前述しましたように、東アジア反日武装戦線の構成員と認められますが、この組織の全貌はまだ全部解明されておらず、したがって他にも共犯がおったり、また別のグループの存在も考えられます。さらには新しい爆弾グループがこれをまねをいたしまして新たに登場するということも予想されますので、引き続き警戒、警備、取り締まりを強化いたしておるところであります。
 ただいまの一斉検挙はいわば捜査における第一関門でありまして、ここに到達いたしましたにつきましては、国民各位の陰に陽に絶大な協力があったわけであります。もとより捜査員はこれを感銘いたしまして、これからいよいよ正念場ということで、他の多くの事件の解明につきましても、これを突破口として努力をしてまいりたいと考えておる次第であります。
 以上であります。
○大西委員長 以上で説明は終わりました。
 この際、委員長から一言申し上げます。
 連続爆破事件の発生に伴い、多数の犠牲者を生じ、社会に大きな不安を与えていることはまことに憂慮にたえないところであります。このたび事件解明の端緒を得たことにつき、その労を多とするとともに、事件の全面解決及び同種事件の再発防止について今後一層の努力を期待するものであります。
     ――――◇―――――
○大西委員長 内閣提出に係る昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。福田自治大臣。
    ―――――――――――――
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○福田(一)国務大臣 ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 政府は、恩給年額の増額を図るため、恩給法等の一部を改正する法律案を今国会に提出し、御審議を願っておりますが、これに伴い、地方公務員の退職年金制度についても、恩給法等の改正内容に準じて所要の措置を講ずるほか、廃疾年金の受給資格の消滅時期の延長、給料年額の算定方法の改正に伴う退職年金等の年金額の是正等の措置を講ずるとともに、地方議会議員に係る退職年金等の増額改定措置及び地方団体関係団体の職員に係る退職年金制度について地方公務員共済組合制度の改正に準ずる措置を講ずる必要があります。
 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、地方公務員共済組合制度の改正に関する事項のうち恩給制度の改正に伴うものについてであります。
 その一は、恩給年額の増額の措置に準じ、地方公務員共済組合が支給する退職年金等の額について増額することとしております。すなわち、その額を、昭和四十八年度以前の退職に係るものについては昭和五十年八月分から二九・三%増額するものとし、加えて、昭和四十四年度以前の退職に係るものについては昭和五十一年一月分から退職時期の区分に応じ、さらに三・七%を限度として増額する措置を講ずることとしております。
 その二は、恩給における最低保障額の引き上げに伴い、退職年金、廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げる措置を講ずることとしております。
 その三は、恩給における八十歳以上の老齢者に支給する普通恩給等の加算措置が改善されたことに伴い、年金条例職員期間等を有する八十歳以上の老齢者に支給する退職年金、廃疾年金及び遺族年金について、その額に十年を限度として最短年金年限を超える年数一年について給料年額の三百分の一に相当する額を加える措置を講ずることとしております。
 その四は、恩給における増加恩給の額が増額されたことに伴い、公務による廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げる措置を講ずることとしております。
 その五は、以上の措置のほか、旧軍人等の加算年の年額計算への算入要件の緩和等の措置を講ずることとしております。
 第二は、その他の地方公務員共済組合制度の改正に関する事項であります。
 その一は、廃疾年金を受ける権利は、廃疾の状態に該当しなくなった日から廃疾の状態に該当することなく三年を経過したときに消滅することとし、廃疾の状態に該当しなくなったときは、その間、廃疾年金の支給を停止することとしております。
 その二は、掛金及び給付額の算定の基礎となる給料の最高限度額を三十一万円に引き上げることとしております。
 その三は、旧沖繩県町村吏員恩給組合の恩給条例の規定により退隠料等の受給権を有することとなる者及び旧樺太にあった市町村の退職年金条例の規定による退隠料等の受給権を有していた者について、それぞれ当該退隠料等に相当する給付を支給する措置を講ずることとしております。
 その四は、昨年度において長期給付の給付額の算定の基準となるべき給料の算定方法が退職前三年間における掛金の標準となった給料から退職前一年間における掛金の標準となった給料に改正されたことに伴い、昭和四十四年度以前に退職した者のうち、退職年金等の年金額の是正が必要なものについては、その年金額の是正措置を講ずることとしております。
 その五は、更新組合員またはこれに準ずる者の地方公共団体における特異な雇用状況にあった期間を退職年金の受給資格を得るための期間として取り扱う措置を講ずることとしております。
 第三は、その他の制度の改正に関する事項であります。すなわち、地方議会議員共済会が支給する退職年金等について、増額改定をするとともに、地方団体関係団体の職員の年金制度について、地方公務員共済組合制度における措置に準じて所要の措置を講ずることとしております。
 以上が、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○大西委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
○大西委員長 次に、地方財政に関する件について調査を進めます。
 この際、昭和五十年度地方財政の運営について、自治省当局から説明を求めます。松浦財政局長。
○松浦政府委員 お手元にお配りしてございます自治事務次官の通達、これがいろいろ新聞紙上等にも載っておりますので、御説明を申し上げたいと存じます。
 この通達は、五十年の五月十六日、地方課長・財政課長会議におきましてこれを配りまして、本年度の地方財政の運営についてこういう点を留意していただいたらどうだろうかという趣旨でお配りをいたしたものでございます。例年出しておりますものでございますが、一、二例年にないような書き方の部分もございますので、そこらの点にアクセントを置きながら一通りずっと御説明を申し上げてみたいと思います。
 通達では、地方財政計画、地方債計画、そういったものを前提に置きながら、二ページになりますが、現在の経済情勢下において重点的かつ効率的な予算執行あるいは財政の弾力性の回復というようなことについて十分検討しながら運営をしてほしいという前置きを置きまして、三ページ以下にそれぞれ全般的事項、歳入、歳出というふうに分けて個別の事項を記載してございます。
 第一に全般的な事項といたしまして、その一といたしまして、三ページには今年度の地方財政措置、これは先生方御承知のとおりでございますが、それをずらっと並べて書いてございます。そして五ページに財政の健全化を維持してほしいということと、非常に限られた財源のもとにおける地方財政の運営になるので、事業の重点的かつ効率的な実施をやってほしいというたてまえ、基本的な考え方、これを五ページ以下に掲げてございます。
 なお、そういった限られた財源のもとにおける重点的な実施という段階において、社会福祉あるいは生活関連施設の立ちおくれの回復、そういった面に重点を注ぐようにということを書いてございます。
 七ページの三番目には財政秩序の確立ということで、超過負担についてどのように解消したか、またそれ以降の問題についてどうするかというようなことを掲げ、国と市町村間における負担区分の問題も慎重にやってほしい。
 それから八ページの一番おしまいになりますが、税外負担の解消についてもなお検討の余地があるということを触れて総括的な事項といたしております。
 九ページからでございますが、これが歳入に関する事項、歳出に関する事項、さらに公営企業に関する事項に分かれておりますが、この中に具体的にこれまで書いておらないような問題が二、三書かれておるということでございます。
 まず地方税につきましては、別途自治事務次官通達で地方税の運営についてという通達が出ております、それを前提に置いて考えてほしい、ことしはこういうことに地方財政計画上の地方税はなっておりますということを書いております。今回特に御注意を願いたいと思っておりますことは、十ページの中段にございますが、超過課税及び法定外普通税については、税務局長が何回も御答弁申し上げておりますとおり、地方団体の自主性をもって決めていただいて結構だ、また納得できるものについては法定外普通税については承認する、こういう態度で参っておりますことは何ら変わりございません。
 ただ、そこで注意をしなければならないということを四行目のところに書いてありますが、その必要とする特別の財政需要の緊急度を明確にしてもらいたい。この点を特に強調すると同時に、単に収支じりを埋めるために行うようなことは厳に慎むべきでございますということを書いてございます。これは税法の精神から言って当然のことでございますが、そういった表現がございますことを御注意をいただきたいと思います。
 それから地方交付税につきましては、これは非常に技術的なことで、毎年のことでございますので、ここでの説明は省略をさせていただきますが、十二ページの四番目に、地方公務員の給与改定、今後予想されるもの、これはあらかじめ九%、総額五千三百三十八億円が算入されています。だからこれは交付税として配られても、留保しておかないと、ベース改定のときに困りますよという趣旨をここで念のために言っております。その辺が地方交付税についての問題でございまして、個々については特に御説明申し上げる必要はないかと思います。
 それから地方債につきましては、別に地方債の許可方針というものを出しております。それらに従ってなおこれらのことに注意をしろと書いてございますが、これもお読みをいただければ、例年のことでございまして、目新しいことは書いてございません。
 使用料、手数料の問題でございますが、「使用料及び手数料については、その額を定めて以来相当の期間を経過し、現在の経済情勢からみて適正を欠くこととなつているものもあると考えられるので、人件費の増嵩、物価の上昇等に伴うコストの上昇に見合つた単価の見直しを行い受益者負担の適正化を図るとともに」と、受益者負担の適正化を図ってほしい。使用料、手数料、何かえらい引き上げろというふうにマスコミ等で書いておられる一部のものもございましたけれども、そういうことではございませんで、適正化を図ってほしいということを書いてございます。
 三番目に歳出に関する事項でございますが、十七ページ以下に歳出それぞれについて書いてございます。
 まず第一に給与関係経費でございますが、給与関係経費の増加の抑制に努力を傾注されたいということを基本に置きまして、職員の増加をできるだけ抑制してほしいということ、それから毎年のことでございますが、定員外職員について固定化するような事態を避けてほしいということ、それから十八ページ以降には、一斉昇給短縮、高い初任給の決定、標準職務に適合しない等級への格づけ、プラスアルファ、そういったようなものがまだ見受けられる、それらの点について十分注意をしてほしい。このことはそれ自体は例年と変わりはございません。
 十九ページ以降にそれぞれ具体的なことが書いてございますが、給与水準が高いところは国家公務員の水準との均衡を回復するように努められたい。それから二番目としては、プラスアルファは完全に廃止してほしい。それから三番目としては超勤または旅費の一律支給を行っている地方団体、これは若干の団体で問題になっておりますので、違法支出があるので、その支給を適正化してほしい。たとえば超過勤務手当を一律に出すということになりますと、女性等につきましては労働基準法とぶつかってくるというような問題が地方で一、二事例が出て問題となっております。そういうことのないように。
 さらに地方事務官については報償費等の一律支給を行っている地方団体がある。それは給料の一部とみなされるとこれは所得税法違反、そういった問題、あるいは地方公務員法上の問題も起こり得るので、そういう支給はやめてもらいたいというようなことがずっと書いてございます。
 それから二十ページに参りまして「退職手当の支給に関し、実質的には年度末に退職していながら、四月一日に退職発令を行つている事例が数多く見受けられるが、このことは制度の運用上適当でないので改められたい」ということを書いてございます。「なお、この運用を改めるため本年度二ケ年度分の退職手当の支給を要することとなる地方団体については、当該地方団体の財政状況に応じ退職手当債の発行を認めることもあり得る」これは、実際には二年分退職手当を出しますとそれだけ住民サービスが落ちる形になりますから、その部分は暫定的にカバーしてあげようという趣旨で私ども書いたつもりでございます。
 それから二十一ページに参りまして、これは前に行政局の方から通達が出ておりますことを念のために言っておりますが、上から四行目「人材確保法に基づく教員の給与改善の実施に当たつては、既に運用上の措置により実質上の給与の引上げが行われている地方団体にあつては、既措置分の調整」を行ってほしいというようなことが書いてございます。
 次に「社会福祉施策と公共投資」ということでございますが、これはいろいろと国の措置について書きまして、特に、社会福祉あるいは生活関連施設というものに重点的に公共事業が含まれておる、それに対するそれぞれ措置をするからということを書きながら、二十三ページの中段のところで「なお、公共事業については、国民経済に適合するよう所要の事業費を国の予算に計上し、地方財政計画においても、これに対応してその所要額を計上しているところであり、地方団体においては、事業の完全消化」に努めてほしい、こういうことを書いてございます。
 それから過疎につきましては、本年度における財政措置に触れ、ことしは、二十四ページの(2)の真ん中のところにありますように、「辺地対策事業債の対象事業に農林漁業経営近代化施設及び観光レクリエーション施設」こういったものを追加していく。また、辺地度点数の算定要素として、特定山村振興を対象の町村、これを加えております。これはまあ制度改正でございます。枠を広げました制度改正について触れておりますことが目新しい問題でございます。
 それから二十五ページに参りまして「公有地の確保」でございますが、地価がいろいろとこういう状況になっておりますので、十分将来の見通しをつけながら慎重にやってほしいということを規定しておりまして、これは例年のことでございます。
 それから二十七ページに参りまして「地方公営企業等に関する事項」ということで幾つかの問題を掲げておりますが、これも例年のことでございまして「人件費等諸経費の節減」に努力してほしい、「適正な料金水準の確保」をお願いしたい、「負担区分の適正な運用」をお願いしたい、「交通、病院、水道事業の経営健全化」、これはたな上げ債等もございますし、国の措置もございます、そういった一連のものに触れております。
 さらに「企業環境の整備」の問題、それから、建設の問題については地方債枠を十分活用いたしましてこれを進めたいということ。最後に、国民健康保険の財政、これは例年の問題でございますが触れておる。
 以上が次官通達の内容でございます。
 一つ説明を落としました問題で、申しわけございませんが六ページをごらんいただきたいと思います。真ん中より少し下のところでございますが、「なお、人件費等義務的経費の増大により財政構造が硬直化している地方団体は、財政健全化のための計画を策定し、当該計画に基づき財政構造の健全化を図られたい。この場合には、地方債の弾力的運用等の財政措置を講ずることを検討している。」まだはっきり決めたわけではございませんが、なるべくこの方向でやっていきたい。具体的には、私ども、地方債計画で大蔵省との間に確保しました資金の配分につきましては、これはどういう団体であろうと当然公平に行うということが前提でございます。ここで言っておりますのは、こういう計画をお立てになりました団体が、二年なら二年でこの計画を実行いたそうといたしますと、初年度分の合理化、効率化の効果は起きますけれども、二年目の効果は二年目にならないと起こらないわけでございます。そういたしますと、つくりました計画が完成した形における住民サービスができないということになってまいります。二年目の合理化、本年度できないような部分に見合う地方債を地方債計画の外で、別に大蔵省と折衝をいたしましてお認めすることによって、合理化計画ができ上がった形の行政水準で仕事ができるようにして差し上げられたら非常にいいんじゃないかな、これが基本的な考え方でございます。したがって、この健全化計画につきましては、赤字である団体ももちろん結構でございます。それから赤字になりそうな団体であっても考えておりますし、黒字の団体についてもこういった運用を私どもとしては何ら妨げるものではないというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、計画的に財政の弾力性を回復しようという措置をおとりになった場合に、その計画が立てられた年度において、計画が全部実行されたと同じような行政水準が確保できるようにお手助けをしたらどうだろうかというのが基本的な考え方でございます。私どもといたしましては、地方団体自体の問題でございますから、健全化計画を立てなかったからどうだというようなことは全然考えておりません。私どもが、すべて赤字の団体にこれについて強制するというような態度ではなくて、地方団体自身の自発的な意思でこういうことについて御相談をいただいた場合には、いま申し上げたような趣旨の行政水準が確保できるように御協力を申し上げたい、こういう趣旨のものでございます。
 以上、例年と若干変わっております部分を中心にお話を申し上げたわけでございますが、体系的には例年の体系とほとんど変わりがないということを、お読みいただければおわかりをいただけるのではないかと存じております。よろしくお願いをいたします。
○大西委員長 以上で説明は終わりました。
     ――――◇―――――
○大西委員長 次に、内閣提出に係る昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。住栄作君。
○住委員 先ほど提案理由の説明のありました地方公務員等共済組合法による退職年金の一部改正に関して質問を申し上げたいと思います。
 地方公務員の退職年金、これは国家公務員の退職年金とは、言ってみればきょうだいのような関係にございます。それからまた恩給との関係が非常に深い。現に提案理由説明に、恩給法等の改正に準じて年金額を改正したというような説明もございます。それと同時に、厚生年金とか国民年金というような他の公的年金制度との関係も非常に深い。私、承っておるのでございますが、厚生年金、国民年金につきましては、それぞれ社会保険審議会とかあるいは国民年金審議会において、財政再計算期の関係もございますけれども、非常に根本的な見直し作業が行われている。私はその成果というものを大いに期待しておるのでございますが、そうなりますと、どうしてもやはり共済組合関係の年金制度についても見直しの必要が出てくる。従来の議論を聞いておりますと、ともすれば恩給の関係をにらむとか、あるいはまた国家公務員の関係はどうなっておるとか、そういうようなことで必ずしもはっきりした議論でなくなる、議論の焦点がぼやけていってしまう、こういうようなきらいがあると私は考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても、この公務員関係の年金の問題についてやはり統一的に物を見ていく必要があると思うのです。そういう意味で、総理府に年金制度の連絡調整会議があるということを聞いておるのでございますが、一体その活動状況がどうなっておるのか、またそういう大事な時期に当たりまして、これからそういう連絡調整会議をどのように持っていこうとされておるのか、これは総理府の方からだと思うのでございますが、御説明を願いたいと思います。
○手塚説明員 ただいまの件、総理府、きょう私しか参っておりませんが、実はこれは恩給局の審議室ではございませんで、総理府の審議室の方で所管して行っておるのでございます。したがって最近の動き等、私つまびらかにいたしませんが、近く連絡協議会も開かれるということも実はほのかには承っております。詳細御必要であれば、また改めて担当部局から御報告させたいと思います。
○住委員 審議室の方からおいでになっておられぬそうでございますので、植弘さん、ひとつそこらあたり、メンバーでございましょうからお伺いしたいと思うのです。
○植弘政府委員 この問題につきましては、実は昨年の本法案の改正のときにつきましてもいろいろと御指摘いただきまして、関係閣僚会議でも設けてやらないことには進まないのじゃないかという御指摘がございまして、私どもといたしましても早速関係の審議室なり、大蔵省なり、厚生省なりというものとおいおい話しているのでございますが、やはり基本的に言いますと、先生もよく御承知のように、それぞれ公的年金には生い立ちなりその後の成長なりといったものがいろいろな経緯がございまして、なかなか複雑にそれぞれ個性を持っておりますために、簡単には合わせて検討できない。いま、先生本当によく御存じと思いますが、社会保障関係で厚生年金等につきましての抜本的改正をしなければならぬということで、その分野で、社会保険審議会ですかでやっておられますし、それから社会保障制度審議会でも全般的なことをやっておられます。それから国家公務員共済につきましても、実は国家公務員共済組合審議会がございまして、ここでもそういった抜本検討のための小委員会を設けるとか、私どもの地方公務員共済の審議会におきましてもそういった動きもあるということで、まずそれぞれの分野において問題点を洗っていくというかっこうでございますが、いずれにいたしましても、もう明年あたりは本当に全般的な検討をしなければならぬじゃないかという空気がそれぞれの分野で起こっておるわけでございます。したがいまして、いま御指摘の審議室を中心といたしておりますところの協議会も、四十八年の十二月に各グループの審議状況を総括いたしましてから実は余り詳細な検討を行っておりません。それぞれの分野でいまやるというかっこうでございますので、この点につきましては、再々同じようなお答えをして恐縮に存じておりますけれども、いましばらくお待ちをいただきたいというふうに考えております。
○住委員 先ほどもちょっと申し上げましたように、提案理由の中にも「恩給法等の改正内容に準じて」という、非常に自主性のないような説明がなされておる。それは各種公的年金制度の整合性を保っていく、これはもちろん大前提でございますが、それじゃすぐそういうものができるかできないかは別問題といたしまして、将来の年金制度として常に年金問題を考えていく場合にそういうことを念頭に置かぬといけない、こう思うのです。いろいろ法案の関係につきましても、国家公務員なり、公企体の関係は大蔵委員会とか、恩給は内閣委員会とか、委員会も分かれておりますけれども、やはり政府の内部において、しかも大変重要な時期におきまして政府内部において統一的に年金をどう見ていくか、一挙にできない場合でも、少なくともそれじゃどういう手順を踏んでそれをやっていくか、こういうような思想統一がどうしても必要であると思うのです。関係閣僚会議――昨年の改正法案の附帯決議にもついておりますけれども、私は附帯決議につけられた趣旨というのは、まさしくそういう問題意識から附帯決議が付されていると思うのでございますが、来年度予算編成時期もそんな遠くない時期に参っております。きょうは大臣お見えになっておられませんが、政務次官に特にお願いしたいのは、やはり年金制度、あえて共済組合の年金制度とは申し上げません、もっと広い立場で、公的年金制度全体についての閣僚会議を設ける。そして、これはいろいろな問題がございます、若干きょうもそれに触れてみたいと思うのでございますが、そういうことと本当に取り組んでいかなければ何かその場しのぎの改正にもなりかねない、こういう感じを強くしておるのでございますが、特に自治大臣も国務大臣としてそういう問題意識を持たれて何かそういう組織をつくっていただくわけにはいかぬだろうか、そして本当の検討を始める態勢をとっていただけないだろうか。政務次官の御見解と、もしそういうことをやっていただくとするならば、ひとつ大臣にも申し上げていただいて、閣議等でそういう方向に向かって進むように御尽力願えないだろうか、こういうように考えておるのでございますが、いかがでございますか。
○左藤政府委員 いまのお話のとおりだと思いますが、私も大臣に御趣旨の点につきましては十分お話し申し上げて、そうした方向に持っていっていただく努力をしていただくようにお願いしたいと思います。
 問題は、公務員部長からも御説明申し上げましたように、現行の各制度間に沿革とか特殊事情とかいろいろなものがありますけれども、そういったものをやはり総合し、統合し、そして見直すということは私はどうしてもやらなければならない問題であり、そうした意味におきまして、閣僚協議会というお話も確かに附帯決議にございましたが、その中において、公務員関係の共済制度のみでなくて公的年金全般についての検討を加える協議会という形で進めるべきである、このように考えております。
○住委員 五十一年度にどの程度の改正になるか予想がつきませんけれども、根本的な見直しが行われておりますので、各年金制度の間の整合性の問題、あるいはどうして将来包括的な年金制度に持っていくか、こういうことを含めて、そういう機関でぜひ検討をしていただきたい。重ねてお願いを申し上げておきます。
 それから、少し中身に入って御質問を申し上げたいと思うのでございますが、一つは、いつも問題になっておりますスライド制の問題でございます。
 共済年金については、公務員の給与スライドというものが実質的には確保されている、こういうことでございますが、しかし、それが制度化されるあるいはされない、どうなんだろうかということから考えてみますと、年金受給者はもちろんでございますし、あるいは現役の公務員の諸君におきましても、自分が退職した場合の年金制度の動き方、これは大変重大な関心事でございます。現に、厚生年金等においては物価スライドが制度化されております。物価スライドがいいのか、賃金スライドがいいのかということは検討を要する問題だと思うのでございますが、少なくとも私は賃金スライドの方が年金制度としては一歩すぐれた制度であると考えておるのでございます。せっかくこういうように実質的にスライドがやられておるわけですから、これは次の改正の機会に法律の中に、制度の中にビルトインできないのか、制度化できないのか。実際いまやっておるわけですから、なぜそれを制度化できないのか。制度化できない理由が私はよくわからぬのでございますが、ひとつ植弘さんにそこらあたりの御見解を承りたいと思うのです。
○植弘政府委員 いつも同じようなお答えをしてまことに恐縮でございますが、結局、先生もよく御承知で先ほど御指摘いただきましたように、共済制度の二面性といいますか、社会保険的な要素と恩給制度の流れをくむ、やはりその点では公務員の特殊性という点から恩給制度の方がどうしても主流になっております。したがって、いまのスライド制の問題も先生全く御指摘のように、社会保険の方では厚生年金等では物価スライドが入っておりますが、恩給の方では賃金スライドをルール化してございますけれども、制度化していない。そこのところは恩給局とも、よく聞いたりいろいろしておるのでございますが、結局、賃金スライドという制度化をいたしてしまいますと、やはり財政という問題等もあるようでございまして、まだ恩給についても踏み切れないでおる。したがって、いま私どもここで制度化に踏み切るといたしますと、厚年と合わせて消費者物価スライドということになろうかと思うのでありますが、それは実際問題として恩給の方で賃金スライドをやっておりますので、ルール化いたしまして、そこらのところの現実の問題と制度の問題とどうかみ合わせるかということで、これは実は一昨年の改正以来議論になっているところでございますけれども、やはりまだ恩給で制度化されておらないので制度化は一応見送って、実際上は恩給で賃金スライドが行われるのに合わせて共済につきましても賃金スライドさしていただくということになっておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、これは逃げ言葉じゃなしに、冒頭に御指摘のございました、根本的な公的年金全体を通ずる検討の過程の中におきましては当然に取り上げていかなければならない大きな課題であるということは十分認識いたしております。
○住委員 ちょっと恩給局にお伺いしたいのですが、具体的な数字で、大まかなところで結構ですけれども、恩給の中で文官恩給と軍人恩給というような大きな区分けがございますね。そこらあたりの受給者のごく大まかな数字がおわかりでしょうか。
○手塚説明員 これは五十年度予算の数字でございますが、文官等恩給費といたしまして、件数で数えておりますが、約十七万七千四百でございます。それから旧軍人の遺族等の恩給の関係に関しましては、二百四十九万四千名、そういう数字になっております。
○住委員 よく恩給ということが出てくるのですけれども、共済組合の年金というものは、一つは公務員という昔の事務官、技官のグループ、それが恩給の中で十八万足らずで、片方が二百五十万くらいなんですね。沿革的な理由はいろいろあると私は思うのですけれども、それは共済年金として独自にお考えになってもいいような気がするのです。共済年金は恩給がやらぬからどうのこうのということも――もちろん横並びということ、整合性の問題もあるかと思うのですが、すぐ恩給を引き合いに出されるというのは、恩給受給者の実態から見てもどうも少しおかしいのじゃないか。恩給については、これから恩給を受ける公務員関係というのは、共済制度ができてから相当年数たっておりますから、むしろ少なくなっていくばかりだろうと思うのです。そうなると、現在の年金の受給者あるいは現役の公務員の諸君のために、共済制度独自の考え方を持っていっていただきたい、私はこういう意見を非常に強く持っておるわけです。そこで、これは国家公務員の場合の考え方もあると思うのでございますが、岡田さん、何か御意見ございましたらひとつ承りたいと思います。
○岡田説明員 お答え申し上げます。
 先ほど自治省の公務員部長さんの方からお話がありましたのに尽きるわけでございますが、御存じのとおり、本年におきましても、われわれ国家公務員共済組合関係の年金の改定の率は恩給の例にならったわけでございます。これは議員も十分御承知だと思いますが、われわれの共済組合法といいますのは、実は官吏における恩給と同じ旧令の共済組合あるいは旧法の共済組合、そういうものを合わせてできたという沿革がございます。したがいまして、今回の改定におきましても、その恩給見合いの旧令なりあるいは旧法の関係の受給者の方々の間にやはり均衡を持たすということが必要ではないかということでございます。それからなお、新法部分につきましては、やはり議員の御指摘のとおり、確かに旧法なり旧令と考えはいささか違っておりまして、社会保険的な思想というものが取り入れられておるわけでございますが、ただ、現実の受給者を見ておりますと、いわゆる恩給公務員期間の部分というのは、現在費用構成で七割を占めております。したがいまして、恩給公務員期間部分についてはやはり期待権といいますか、恩給と並びということでやらざるを得ないということで、新法につきまして、ここしばらくはやはり恩給にならうという形式を結果的にとらざるを得ないのではないか、かように思っております。
 なお、今後どうするかということでございますが、現在われわれの、大蔵大臣の諮問機関でございます国家公務員共済組合審議会におきまして、この問題もテーマの一つとして議論されておりますので、そういうものの御意見を拝聴しながら検討してまいりたい、かように思っております。
○住委員 どうも余り議論がかみ合わないのでございますが、もうそろそろ共済年金、これは恩給離れをしていいのではないかという気が私はするものですから、いろいろ先ほどから申し上げておるわけでございます。しかし従来のつながりということも否定はできぬと思うのですが、だんだん共済年金の方がウエートが高まってきておるわけですから、やはりひとつそういう立場で見ていただきたい。しかし、恩給がやらぬからと言ってスライド制というものを制度化できないんだ、それじゃなぜ恩給でそれをとらないのか、こういうことも議論になるわけでございます。これは幾ら議論しておっても答えは出ないと思うのでございますが、私は、今度の改正で、これは財政上の理由も非常に大きな要素であったかと思うのでございますが、従来、公務員の給与水準との格差分、これは二年間で埋める、こういうことで今度の改正についてもその内容が織り込まれておるのでございますが、残念ながらそれは時期がずれておるわけなんですね。こういうことも何かそのときの事情によって都合のいいように変わるということで、それは実質的には制度化されておるとはいっても、時期がずれてしまうというのは、私はどうしてもそこに大きな矛盾があるような気がしてならないのでございます。特に今度の改正案を見て、スライドの制度化ということを強く感じたのでございますが、一体是正分の施行を来年の一月にずらし込んだ理由というのは、率直に言って、これはもう財政上の理由ですか、どうなんですか、植弘さん。
○手塚説明員 先生、先ほどから恩給と共済の関係で大分手厳しいお話を承っておりまして、確かに歴史的には恩給は先行していたために、気分的に、いままでどちらかと言えば共済関係でうちの方にならってきた点が多いわけでございますが、ただいま御指摘の点も、いわばそういったような関係で右へならえをされたものだと思います。そういう意味では、先生の御指摘のとおり確かに一四・七という格差を、これは公務員給与を一つの指標としてとるようになりましたので、そういう目で見たときには、やはりそういった格差は埋めた方がいいのではないかということで財政当局にお願いしたものでございます。これを二年間にわたって改善することができたわけですが、実は今度の改正が、国家公務員給与の改善率も二九・三というきわめて大きなものでございました。
 なおかつ、従来、ずっと十月実施で来たものを、昨年、国会の方からの御発議がございまして、ようやく九月になった。それをさらに一月ということでいろいろ努力をしたものでございますので、総合勘案して、実はこういう形になったという点をごしんしゃくいただきたいと思います。
○住委員 なかなかつらかったのだろうと思うのです。事務としては、私は、できればそろえたかったのだろうと思うのです。余り合理的な説明にならぬわけですから、真意はそうであったのじゃないかと思うのでございますが、それはそれといたしまして、ひとつ給付水準のことでお伺いをしてみたいと思うのでございますが、年金ですね、植弘さん、年金というのは二十年で百分の四十ですね。厚年の場合、二十七年の資格期間で、大体定期給与の六〇%を保障してやる、こういうふうな原則が貫かれておるわけですね。共済の場合は二十年を超える一年について一・五、それを考えて厚年の場合の資格期間の二十三年に合わせてみますと、百分の五十・五ぐらいにしかならない。いろいろいいところはやはり他の制度にならった方がいいと思うんですがね。それから水準の問題ですね。特に今度の国会でILOの条約批准の問題も起きておりますし、水準の問題としては、やはり国際的にも六〇%というのは一つの原則的な事柄として出ておるわけですね。そこらあたりについて、ひとつ水準そのものについてどうお考えになっておられるか、これは植弘さんと大蔵省の岡田さん、両方からお伺いしたいと思うのです。
○植弘政府委員 先生がよく御承知いただいておりますから、率直に申し上げまして、いまの計算の問題はおっしゃるとおりでございますが、御承知のように基礎になります給与、これが共済と厚年とでは基本的に違っております。共済の場合は、昨年改正させていただきまして、退職前三年の年均を一年にさせていただきました。ところが厚年の方はオール雇用期間の平均、こういうことになっておりますから、その意味では先ほどの五十・五なり六十といったものは年金額としては大体均衡がとれておりますし、むしろ共済の方が高位になっているということはよく御理解いただいております。
 ただ問題は、先ほどの点に絡んでも私どもいつも気にしていることがございます。と申しますのは、いま私どもが地方公務員の関係で給与ないし人件費をいろいろと言っておりますから、ちょっと言いにくいのでございますが、それとは関係なく、たとえば国家公務員につきましても、国の財政との関係で国家公務員の給与はどうかといったような御論議もございます。そういったいろいろな国家公務員、地方公務員を通じての公務員の待遇というものは一体どうあるべきかという問題は非常に大きな問題だろうと思うのでありまして、たとえば年金にいたしましても、厚年、いわゆる民間の勤労者よりも若干優位になっている事実がございます。そこで、当然に民間よりも優位であっていいのか。もちろん恩給といったような従来の経緯から考えてみますと、ある程度公務という特殊性、たとえば労働基本権も制限されているといったようないろいろな制度の仕組みから言いますと、公務員の場合にある程度民間よりもそういった年金等では優遇させてもらってもいいのではないだろうかということを、私どもなりには考えるわけでありますが、それでは一体民間との間においてどの程度の差があっていいのだろうか。これは後で御質問あるかと思いますが、昨年も附帯決議でも御指摘がございました、たとえば公費負担の問題、こういうものを考えてまいりましても、一体公務員の水準というのはどこら辺に設定すべきなんであろうかというのは非常に大きな問題だと思うのであります。
 そういう意味から言いますと、冒頭に御議論のございました公的年金の整合性を図るとか総合調整するというときにおきましても、わが国における社会保障、なかんずく社会保険、厚年等の水準を一体国民経済の上からどう考えるか、公務員の場合はそれとの均衡をどう考えていくのかといった問題は非常にむずかしい問題だと思っております。幸い、いま給料につきましては、いろいろ御議論ありますけれども、人事院が民間の給与実態を調査いたしまして、その格差を是正するというかっこうで、いわば民間に追随するという形で一応公務員の給与決定というのが定着しているわけでありますが、年金というのもそれでいいのだろうか、それ以上のものであろうか、そこらになってまいりますと、私どもとしてはお願いしたい点は一ぱいございますけれども、やはり国民全体の立場で公務員の水準をどう位置づけるかという点は大変むずかしい問題だと思いますが、これは先ほども共済課長から申されましたように、国家公務員の共済審議会等におきましても御審議いただいておりますし、私どもの審議会でもその点はいつも議論になっているところでございますので、そういうような本来の基本的な問題をもっと積極的に検討しなければならないんじゃないだろうか、このように考えているわけであります。
○住委員 厚年の平均額と公務員の平均額と比べれば、公務員の平均額の方がずっと高いのですがね。いまも御指摘がありましたように、それでは百分の四十というものがどういう合理性を持っておるのか、こういうことになってきますと余り合理的な説明はない。ただ、何かの機会においてそういうことになったのかという、合理的な説明があればお伺いしてもいいのですが、百分の四十の合理的な説明というのはどういうことになっておるのですか。
○大嶋説明員 百分の四十の基礎につきまして御説明を申し上げます。
 支給率が百分の四十になりましたのは、恩給法におきます最短年金年限十七年の支給率が百五十分の五十でございまして、これを共済年金におきます最短年金年限であります二十年に引き延ばすということでございます。したがいまして、百五十分の五十に十七分の一を掛けてそれを二十倍しておおむね百分の四十、こういう計算の基礎に成り立っておるところでございます。
○住委員 それはいいのですが、要するに百五十分の五十というのは何だということなんですよ。何か説明していただけますか。なければ結構でございますが。
○手塚説明員 これは余り合理的な説明は私どもできません。確かに、かつて明治十七年の官吏恩給令の時代には二百四十分の六十、四分の一を使っていたわけですね。それを改善いたしまして三分の一を基本に持っていった、それが百五十分の五十である、そういうふうに理解しておりまして、百五十分の五十が絶対的な数字というふうには思っておりません。
○住委員 もう一つ、制度的な問題として最低保障の問題ですね。
 その前に、この水準の問題に関連して、昨年だったと思うのでございますが、厚生年金の水準より低いものは拾おうというような措置がとられましたね。その実績はわかりますか。
○大嶋説明員 昨年いわゆる通年ルールを採用いたしまして、その通年ルールの方が従来のルールよりも有利であるということで、その通年ルールを適用したという人たちの全体に占める割合から申し上げますと、退職年金にありましては約六二%の人が通年ルールを適用しておる。公務外の廃疾年金につきましては七四%の人たちが通年ルールになっておる。なお、公務外の遺族年金につきましては約二七%の人たちが通年ルールを適用いたしております。そういう点から申し上げますと、改正前におきましてまだ最低保障額の適用を受けておった人たちも、この通年ルールの方が有利であるということで通年ルールを採用した人たちもかなりございます。したがいまして、この制度は大幅なレベルアップにはなったろうと思っております。
 なお、最低保障の関連で一例を申し上げますと、地方職員共済組合の退職年金の受給者がございますが、最低保障の適用者は改正前には約二二%ございました。もちろんベースのアップということもございましょうが、改正後には最低保障の適用者が〇・八%に減っておるという例から見ましても大幅な改正であったろう、こういうふうに考えられるところでございます。
○住委員 最低保障の問題ですけれども、今度三十二万一千六百円から四十二万円になった。これは予算上どれくらい該当者を見込んでおられますか。
○大嶋説明員 申しわけありませんが、ちょっと最低保障だけでは私ども現在資料をとっておりません。
○住委員 それで、三十二万一千六百円を四十二万にしたという、この説明をお願いしたいと思うのです。
○手塚説明員 最低保障につきましては、従来私どもの方も、共済などの最低保障等をにらみまして三十二万一千六百円という金額だったわけですが、今回他の公的年金等も考慮に入れまして、かつまた恩給内部のバランス等も考え、実は若干タイムラグがございましたが、そこら辺も解消させて、二九・三%のアップより多少上回る数字でございますが、四十二万という数字に持っていったわけでございます。
○住委員 四十二万円にしたというのは、大体基礎的なアップ率をにらんで決めた、こういうように考えてよろしゅうございますね。
 そこで、最低保障額に関連しまして、すでに支給されている退職一時金を最低保障から引くということなんですが、附帯決議にもあったと思うのでございますが、これは最低保障なんですから、ずっと前に支払われた退職一時金、古証文を引き出してきて最低保障をちびるというのは、最低保障の意味から言っても私は納得できないのですが、これは引かぬようにできないものですか。
○大嶋説明員 御指摘のとおり、年金の額からすでに支給いたしました退職一時金の差っ引き、これは確かに、一時金を受けた人と受けない人との均衡論というものがあろうかと思います。最低保障からそれを引くことはどうかということでございますが、これは最低保障をどういうふうに考えるかということにあるのではなかろうかと思うのです。あらゆる計算をした結果、これだけはどうしても保障するのだという意味の最低保障でありますと、それから差っ引くのはおかしいという議論になってまいりましょうし、いやいやそういうことを考えた上での最低保障の額であるということになりますと前の均衡論というのが出てまいる、こういうことでございますが、少なくとも最低保障なのだということであれば差っ引かないようにするという努力はやはり必要であろう、こういうふうに考えております。
○植弘政府委員 ちょっと補足します。
 これは、この前の附帯決議にもございましたし、私どもとしてできるだけ御趣旨に従って改善したいと思ったのですけれども、やはり他の年金との関係もございますものですから、今回は見送らしていただいたわけであります。しかし、これは関係省庁とも今後十分協議したいと思っております。
○住委員 恩給の場合のやり方はちょっと違っておりますね。恩給の場合をちょっと説明していただけませんか。
○手塚説明員 恩給の場合におきましては、一時恩給などもらったものを調整している場合には、それを基礎の計算に置いて控除したものと最低保障の額を比べて、それに達しない場合には最低保障を出すということになっております。
○住委員 ですから、植弘さん、そういう意味では最低保障については恩給は進んでいるのですよ。それで、恩給法等の改正に準じてと書いてあるのですから、これはできぬわけはないと思うのだけれどもね。これはやはりそういうようなやり方で一応引いてみて、足りなかったらまたそこまでやる、あるいは引いても上へ行っているものもあるでしょうから、そういう場合は上へやってもいいわけですから、ひとつ大いにそういう面は横にらみというか、よくにらんでがんばっていただきたいと思うのです。ぜひひとつ考えていただきたいと思います。
 それからもう一つ、植弘さん、通算退職年金制度、これが実現できない隘路というか問題点というのはどこだとお考えになっておられますか。
○植弘政府委員 退職年金につきましては大体通算ができるわけなんですけれども、遺族年金とか廃疾年金、これができないのです。これは冒頭に申し上げましたようにそれぞれの年金の生い立ちといいますか、たとえば廃疾にいたしましても厚年とわれわれの方とでは等級が違うとか、そういったようなところがあるものですから、実はそこらの整合性をはっきり整えないことにはやはり通算はむずかしくなります。要するに制度の違いの関係ですね。だから、本当は当然にそういったところは通算年金にすべきだと私どもも思います。ただしかし、いまのようにいろいろと発生的な経緯なりその後における成長の過程なりにおいて違っておりますために、そこらのところはやはり調整を先行させないことにはお互いに持っていけないのじゃないだろうかということでございます。
○住委員 それはやはり基本的には金の問題ですね。試算でもされておったらいいのですが、これをやると相当財源を食うものですか。
○植弘政府委員 いまのところ、それぞれの制度を木に竹を接いだようにただ接いでしまって計算だけは別々にするということになりますれば、先生御承知のようにもう観念の問題じゃないわけですね。それでいいのかどうかという問題であります。それでも、もしどうしてもやろうとするならば、これはもう事務的に詰めればできることですから、そういう意味ではいま各省庁で話し合っておるのです。ただ私は、もっと根本的に通算できないだろうかという点ではむずかしいのじゃないだろうかと思うのですが、単純に木と竹を接いで期間だけを通算して、それぞれの部分ごとに、計算方法はそれぞれの年金といいますか、共済なら共済、年金なら年金制度で計算するということはできないことはないと思いますが、それだけでいいのだろうか。やはり抜本的問題もありますものですから、そういう抜本的な立場においてどう考えるかという問題と、そういう木と竹を接ぐような形でとりあえずつなぐかという考え方と、いま事務的には検討さしていただいておるところでございます。
○住委員 これは二重加入方式だとか数珠つなぎ方式だとか、いろいろ考え方はあると思うのですよ。いまおっしゃったつないでいくもの、これは一番わかりいいと思うのです。ただ、技術的というか事務的というか、そこらあたりがかなり複雑になってくると思うのですよね。しかし、制度全体の問題として考えていくという場合においても、それは二重加入方式だとか数珠つなぎ方式だとか――その場合でもそれは問題になるのですよね。どうせその期間、掛金なり保険料を払っておるわけですから、数珠つなぎ方式でもやってやれないことはないと私は思うものですから、特にどういうところに問題があるんだろうか、こういうことをお伺いしたわけですが、非常に大きな、年金制度として統一的なものはなかなかできないとするならば、これはやはりそういう制度というものを取り入れぬといかぬのじゃないかと思うのです。これはどうなるかわかりませんけれども、ぜひ十分な検討をやっておいてもらいたいと思うのです。
 それから施行法の十条関係ですね。これは、特定の雇用状態にあった期間をまあ資格期間として取り扱うということですが、方々に政令の問題が出てくるわけです。十条そのものがかなり包括的な規定の仕方をしておるものですから、この法律が通ったら一体どういうような考え方でこの問題を処理されるのか、政令でどういうことを決めるのか、ひとつはっきりさせておいていただきたいと思うのです。
○大嶋説明員 大分政令に譲っておりますが、私たちの基本的な考え方といたしましては、学校給食といったような特定の仕事に従事していた者につきまして、地方公共団体の財政上の理由等によって職員として採用されなかったとか、あるいはPTA等の雇用というような形態をとられた場合がございます。したがいまして、その後その人たちが職員となりましても、その職員となった後の期間だけでは最短年金年限に達しないといったような場合がございますので、そういうものを通算しようということでございまして、職種といたしましてはいま申し上げましたようなものを考えておるところでございます。なお、これは実態がはなはだまちまちでございますので、今後政令をつくりますまでの段階におきまして、他との均衡等を十分考慮しながら詰めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○住委員 それで、職員であった、退職した、そしてまた職員になったという、いわゆる再就職者についてこの改正措置は適用されないですか。切れた場合ですね。
○大嶋説明員 この法律が施行されます八月一日まで引き続いておる者については通算をするという考え方でおります。
○住委員 そうじゃないのです。職員であった者が一たん退職して再び就職したという再就職者、これはこの措置で救われるのかどうかということです。
○大嶋説明員 どういうことでございましょうか。たとえばPTA雇用の例をとりますと、PTA雇用でずっと参りまして、それから職員に採用されてずっと参っております。で、八月一日以後で退職をいたしますと、それは全部引き続きます。まあ、こういうことなんですが、おっしゃる意味は、PTA雇用で参って、あるいは職員になりまして八月一日以前に退職をして、さらに八月一日以前に採用されて、それで八月一日を越えて退職をする、それが通算になるか、こういう御質問でございましょうか。(住委員「そう」と呼ぶ)これは施行日後、要するに八月一日以後に引き続いて生きないと通算をしない、こういう考え方でございます。
○住委員 最後に、例の地方団体関係共済組合の関係で問題になっております地方情報センターだとか互助会、これは今回も入っていないようでございますが、これは入れなかった理由と申しますか、入れられないものかどうかということです。
○植弘政府委員 団体共済への加入問題でございますが、この点は実は社会保障制度審議会あたりでも全然反対でございまして、社会保険の一本化という基本原点からいきますと、現在厚年に入っている者をわざわざ脱退させて団体共済に入れるというのは、基本的に反対だというのが従来のルールであります。ただ、私学共済だとか農林共済と同じように法律に基づいて特別につくられましたものについては、これはその性格上共済になじむのではないだろうかということで、昨年も無理に土地開発公社を入れていただいたわけでありますが、打ち割った話を申し上げますと、実は一昨年の前ですが、一昨々年になりますか、地方道路公社を入れますときに、これが最後だという大体の話がありましたが、それと土地開発公社は同じ性格だからということで、去年まあいろいろと与野党の先生方にも御無理をお願いいたしまして修正させていただきました。もちろんこれは修正でないと政府案では全然入りません、社会保障制度審議会で通りませんから。そこで、仮にいま土地開発公社と同じような法人ができました場合でも、これは政府原案に入れません。閣議も通りません。閣議の前に社会保障制度審議会が通してくれませんのでだめでございますが、今回も実は昨年の附帯決議で、特に互助会等につきまして御要望が強うございまして、附帯決議もいただいたわけでございますので、厚生省なり関係の方にもいろいろと働きかけておるのでありますが、互助会そのものが、間接的には地公法の系統にあるのですけれども、具体的に土地開発公社等のような母法がございませんために、やはりちょっと私どもの手では無理押ししてもどうにもなりませんので、いまのところでは非常に悲観的でございます。もちろん政府原案に入れなかったことにつきまして、これは正否のいかんにかかわらず、歴史的に無理でございますので政府原案に初めから入りませんが、今後におきましても、いままでの私どもの接触の結果では、非常にこれは難航するだろうと思います。
○住委員 今度は本当に最後なんですが、退職者医療制度ですね。あれはどういうようになっておりますか、それだけ承りまして質問を終わりたいと思います。
○大嶋説明員 長年公務員として勤めてその後退職をした、それで退職後の医療制度についてどうあるべきかということにつきましては、御案内のとおり昨年一年間の任継制度というのができたわけでございますが、これは根本的な改正ではございませんで、少なくとも老人医療の無料化のところまでつなぐべきではないかという御意見等もございました。これにつきましては、一々地方公務員共済だけあるいは国家公務員共済といったものだけでなくて、全般的の退職者医療の制度として抜本的に検討すべきであるということで、今国会にも実は提案するというような方向で政府内部でも検討を進めてあったわけでございますが、諸般の事情によりまして今回提案を見送られたということでございます。いずれにいたしましても、この問題につきましては全体の問題として検討を加えた上で御審議を願うというようなことになろうかと、現在そのように考えております。
○植弘政府委員 いま私ちょっと勘違いしまして、失礼いたしました。
 とりあえずことしは五年ぐらい延ばしてはどうかということで、昨年も御質問をいただきまして、厚生省の担当の方からもそういったお話がございまして、関係省で大分煮詰めたのでありますけれども、ことしから明年にかけましてやはり基本的にそういった問題を検討しようではないかという空気でございましたために、今回残念ながら見送らさせていただいたわけでございますが、これはずっと最後まで続けるかどうかにつきましては、根本問題になりますから非常にむずかしゅうございますけれども、少なくとも昨年の分は延長するといったような考え方をとりあえずとるべきではないかという気持ちでおります。
○住委員 大蔵省、どうですか。
○岡田説明員 退職者医療の問題につきましては、先ほど自治省側からおっしゃいましたように、任意継続制度ということで昨年法律化させていただいたわけでありますが、ただこれは制度のたてまえとしては健康保険にならったやり方でございまして、いわゆる一つの職業から他の職業に移るという摩擦的な段階のつなぎというのが本来の趣旨でございます。したがいまして、やはり退職者医療ということになるとそういうことではなくて、ある程度忠実に期間を勤務された方々の老年の医療給付の激変というのをどう防ぐかということにあるということで、厚生省等とも折々検討を、もちろん自治省さんとも検討をしておりますが、先ほどのお話しにありましたようにやはり抜本的な問題でございます。しかしながら何らかの明るい方向で検討できないかどうかということで、寄り寄り協議中でございます。なお重ねて、われわれの審議会でも一つのテーマとして現実に取り上げております。
 以上でございます。
○住委員 以上で私の質問を終わりますが、まだいろいろお聞きしたい点もあったわけでございますが、いずれにしましても、最初に申し上げましたように、やはり一つは各年金制度間に共通する非常に大きな問題がございます。ところが現実問題としては横にらみ、縦にらみ、いろいろしないといかぬ、年金制度間の整合性をとっていかぬといかぬ、それからいろいろある年金制度を将来どうするのだという、こういう基本問題というか、そういう問題もございます。それで、最初に申し上げましたように、私はやはり来年度は根本的な見直しということにもなると思うのですが、ひとつ政府内部においても事務的にもやはりしっかりした制度をつくっていただいて、本格的な検討を進めていただく、あるいはその場合にやはり閣僚クラスによる機関も必要じゃないかと思うのです。そういう点特に政務次官にお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○左藤政府委員 御趣旨の点につきましては全く、そういった検討を加えるべきときであり、またしなければならないと思いますので、政府としてそうした問題について今後本格的に取り組むということで、いまお話しの、たとえば閣僚協議会を設置するとかそういった問題について、十分大臣にも申し上げまして、御趣旨の点が具体化できるように努力いたしたいと思います。
○住委員 よろしくお願いいたします。
○大西委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十七分開議
○大西委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 井岡大治君外六名提出に係る地方公営企業法及び地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。井岡大治君。
    ―――――――――――――
 地方公営企業法及び地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○井岡議員 ただいま議題となりました地方公営企業法及び地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律の一部を改正する法律案に関し、日本社会党を代表いたしまして提案理由の概要を御説明申し上げます。
 自民党政府のインフレ政策と総需要抑制策による不況によって地方財政は深刻な危機に直面しております。中でも地方公営企業は、昭和四十八年度決算において四千三百六十八億円もの累積赤字を計上しており、とりわけ、病院、交通、水道の三事業でこれら赤字の八八・七%を占めるなど地方公営企業の状況は、今日の地方財政危機を如実に示すものであります。
 特に公営交通の赤字は、かねてわが党が指摘してきたように、第二次財政再建の破綻を意味するものであり、自民党三木内閣のインフレ政策と総需要抑制による不況こそ今日の地方公営企業の財政悪化の真の原因であります。
 日本社会党は、地方公営企業の抜本的改革を図るためには、現行独立採算制を撤廃し、基本的行政施設として位置づけ、国及び自治体の財政責任を明らかにするとともに、自治体に対し十分な自主財源を付与すべきであると主張してまいりました。
 このような立場から地方公営企業に対する国の責任を明らかにし、住民福祉の向上とそれに従事する労働者の労働条件の向上を図るため、地方公営企業法及び地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律改正案を提案した次第であります。
 次に法案の概要を御説明申し上げます。
 その一は、地方公営企業法についてであります。
 第一に、法適用事業の範囲等につきましては、第一の種類といたしまして、住民生活に直結する性格の水道、軌道、自道車運送、地方鉄道及びガス事業を法定いたしております。第二の種類といたしまして、住民生活に直接つながらないで他の営利企業を通じて間接的に住民生活につながる性格の工業用水道及び電気事業を法定いたしまして、現行法における法定事業をその性格により二つに区分いたしたのであります。
 なお病院事業については、条例による法適用の場合でも第一種といたしております。
 第二に、企業会計の原則については、第一の種類の事業はその性格から独立採算制によらないこととし、第二の種類は、独立採算制を採用することといたした次第であります。
 第三に、第一の種類の事業の建設改良費については、国及び地方はそれぞれ二分の一ずつ負担することとし、地下鉄事業の建設改良費にあっては、国は四分の三を負担することといたしております。
 第四に、地方公営企業の建設及び経常経費に関し、地方公共団体の一般会計から公営企業特別会計に繰り入れる繰入金については、起債を認めるとともにその六割を地方交付税で措置することといたしております。
 第五に、料金の決定につきましては、第一種の事業は原価を基礎といたしますが、「住民の負担能力その他経済事情を勘案し、公共の福祉の増進についても適切な考慮を払つた妥当なもの」と規定いたしまして、第二の種類の企業の料金原則と区分いたしたのであります。
 第六に、給与決定の原則は、現行法では生計費等よりもその企業の経営状態を中心として決定しておりますが、「職員の発揮した能率」及び「経営の状況」を考慮して、及び「類似の職種」という条文を削除し、地方公務員等と同様の給与決定原則によるものといたしております。
 第七に、企業債の発行は、現行法では許可制とされておりますが、これを改正して、財政再建団体以外の団体においては、企業債の発行を自由化することといたしております。
 その二は、地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律についてであります。
 第一に、国は、地方公共団体の経営する交通事業の健全な経営の確保に資するため、必要な財政上の措置を講ずるとともに、交通施設の整備、道路使用の適正化等交通環境の整備を図ることといたしております。
 第二に、交通事業健全化計画の策定手続及び内容は、昭和五十年三月三十一日現在、不良債務を有する団体が、議会の議決によって十年間の健全化計画を定め、自治大臣に届け出ることとし、健全化計画の内容におきましては、赤字交通事業に従事する職員の給与その他の労働条件の向上について十分配慮した上、一、経営健全化の基本方針、二、経営健全化に関する措置の大綱、三、地方債の各年度ごとの元金償還額、利子支払い額及び収支見込みに関する事項について定めるものといたしております。またこの健全化計画を作成するに当たっては、当該職員代表と協議するものといたしております。
 第三に、交通事業健全化債の発行及びその元利補給については、交通事業健全化団体は、不良債務の枠内において健全化債を発行することとし、国は元金償還額の三分の二及び利子については、全額補給することといたしております。
 第四に、地方公共団体は、健全化債の元金償還額の三分の一を一般会計から補助するものといたしております。
 第五に、地方公共団体が自主的に定めた健全化計画に著しく支障のあるときは、助言または指導することができることといたしております。
 第六に、健全化債は、全額、公営企業金融公庫が引き受けることといたしております。
 第七に、地方公共団体の長は、交通施設の整備、交通規制等、円滑な運行を確保するため、関係行政機関の長に措置の申し出を行い、関係行政機関の長は、適切な施策を講ずることといたしております。
 以上が本法案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○大西委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
○大西委員長 次に、地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので順次これを許します。山田芳治君。
○山田(芳)委員 私は、ただいま私どもの党から提案をいたしました地方公営企業法及び地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨を含めて、政府に御見解を求める質問をいたしたいというふうに考えておるわけであります。
 その前に当たりまして、これはいずれ改めて他の委員から質問があろうかと思いますけれども、去る十六日、自治省は全国の財政課長並びに地方課長の合同会議におきまして、地方財政運営について自治省通達というものを出されたわけであります。通達文の全貌についてはいずれこの委員会に資料として提出されるものと思いますけれども、われわれの承知をいたしておるところによりますと、人件費が地方財政の最も危機を招来している点であるということについて、これは当委員会においてしばしば人件費だけが地方財政の危機を招来するものであるということではない、むしろ非常に底の浅い地方財政構造を放置したところに責任があるとともに、超過負担やインフレによる不況による税収の鈍化に伴うところの要因というものが大きいんだということを指摘してまいったわけであります。とりわけ町村におきましては、自治省の示すいわゆるラスパイレス指数においても九八というような数字が出ているわけであって、決して一律に人件費だけが地方財政の危機を招来しているものでないというふうにわれわれとしては主張し、またその点についてラスパイレス方式というものは必ずしも絶対のものでないということも政府側からも答弁として示されているわけでありますが、今回この通達を出す上において非常に人件費の問題を強く取り上げられた趣旨は一体いかなる点にあるかということをまず財政課長に質問をいたしたいと思います。
○石原説明員 お答えいたします。
 ただいま御指摘のありました地方財政運営に関する次官通達でございますが、これは例年年度の初めに当たりまして、財政運営に当たり御留意いただきたい事項を通達という形で示し、財政運営の指導を行っているものでございます。
 本年度の運営通達につきましては、ただいま御指摘ありましたように、去る十六日に全国の財政課長、地方課長を招集して、その場で内容の説明を行った次第であります。
 通達の内容につきましては、例年歳入の確保あるいは歳出の適正合理化について御努力いただくように申し上げておるわけでありまして、その点は、五十年度の運営通達におきましても例年と同様のトーンで指導しておるわけでございます。
 なお、特に五十年度におきましては財政支出全体の中に占める人件費のウエートが非常に高まっている。それから一方収入面では、従来から見ますと経済成長率も低下いたしますし、税収の伸びも落ちてきている。こういう中で一層歳出の合理化に御努力いただきたいという点を指摘した次第でございます。
○山田(芳)委員 人件費の問題について非常にウエートを置いた発言がなされているわけでありまして、そういう点、先ほど言いましたように、われわれとしてはもちろん人件費という問題を無視して避けて通るわけにはいかないとは思いますけれども、それだけではない。超過負担の問題にしても、あるいはインフレによる税収の鈍化という問題が現在の地方財政の危機を招来しているし、もっと基本的には七対三というような税源配分に起因するところの中央集権的な税財源の地方財政構造というものが、その基本にあるのだということを強く主張し、その点については、本会議において三木総理は、いまの地方財政制度は中央集権的過ぎるのだからもう一遍洗い直し、見直してみたいということすら発言しているということなんでありますから、そういう点では、人件費だけにウエートを置いてやるというところは明らかに非常に政治的な意図があるというふうに見られるわけでありますが、この点についてどうであろうかという点を質問をしているわけであります。
○石原説明員 歳出の合理化ということを考えます場合に、歳出項目の中で最大のウエートを占めておりますのは人件費でございます。しかも、この人件費につきましては、そもそももとになります人事院勧告の給与改定率が四十八年の場合一五・三九、四十九年度の場合二九・六四というふうに非常に改定率が高くなり、五十年度はその平年度化という形になります。さらに最近におきましては、地方公務員の現実の給与水準が国家公務員よりも上回る度合いがだんだん著しくなってきている。ラスパイレス指数そのものについて、いろいろの御議論はありますけれども、一つの大数観察として今日最も信頼の置ける比較方式と言われますこのラスパイレス指数によりましても、四十八年よりも四十九年というように、かなり開きが大きくなっている。こういうような現状から、財政運営の検討を行います場合にどうしても人件費について御検討いただかざるを得ない。この問題を避けてはいまの財政運営の困難というものを克服することはできないという認識のもとに、今回の次官通達におきましても人件費について特に見直しをお願いした次第でございます。
○山田(芳)委員 われわれもラスパイレス指数をとること自身について適切かどうかは別として、その指数を一応前提として四割も五割も高いというものがあるとするならば、それがいいことである、給与が高ければ高いほどいい、そういう議論をしようという気は毛頭ございません。しかし、こういうものは当該地方自治団体、現在われわれの選挙区においても自主的に措置をしていくという機運が非常に強まっております。あえて革新的な首長と言われる人たち、自治体においても真剣に取り組むという姿勢が出てきていることは事実であります。したがって、それぞれ自治体の自主的な判断によるところの是正なり、あるいは改革の方向というものを促進をしてやるという基本的立場に立つべきであって、余りにも微に入り細にわたっていろいろと言うということは、ある意味において地方自治権に対する介入ではないかというふうに見られるという点をこの際ひとつ指摘をしておきたい。いずれ改めて他の委員等からこの問題についての質問はなされるであろうと思いますが、この問題点があるということだけまず指摘をしておきたい。
 この問題に関連をして、本年の地方財政計画上示されておる地方税収入八兆八千億余の税収というものは確保し得る見込みであるのかどうか、まずそれをお伺いしたいと思います。
○石原説明員 すでに国税等においても四十九年度の決算で八千億の歳入欠陥を生ずるというようなことが明らかにされ、これについては、それぞれ歳入の年度所属区分の変更その他によって国庫の方は手当てができるようであります。地方財政における四十九年度の税収入がどうなるかということについては、今月の三十一日が出納閉鎖期日でございますから、現時点で明らかなことは申し上げられないわけですけれども、先般、各都道府県あるいは市町村の財政担当者から、四十九年度の決算見込みについての現時点における見通しなどを聴取したところでは、少なくとも四十九年度の地方財政計画上の税収見込み額を割り込むというようなことはないであろうという確信を持っております。
 問題は、五十年度の地方財政計画の地方税収入が確保できるかどうかということでございますが、この点については国庫における租税収入の動向と当然密接な関係があるわけでありまして、年度が始まったばかりの現段階で確定的なことは申し上げられないわけであります。これにつきましては、いずれ年度後半になりますと、その時点における収入及び歳出の見通しの上に立っていろいろな検討が行われますから、その時点で必要な措置を講じなければいけないと思いますけれども、現時点で、地方財政計画の税収見込みが確保できるかどうかという点については、まだはっきりした見通しを申し上げられないという点を御了承いただきたいと思います。
○山田(芳)委員 国税等については一兆七千億とかあるいは二兆円近い減収があるのではないか、こういうことがちらちらと大蔵当局から出されているようにわれわれは新聞等で見ておるわけであります。そうであれば、これは交付税の原資そのものにも影響するであろうし、地方税収入八兆八千八百五十億という地方財政計画に盛られているところの数字それ自身が動いてくるということになるとこれは大変な問題で、地方財政計画は、いままでは年度途中では形の上では修正しなかった。自然増があり、あるいは地方財政計画自体がふくれていくという中でありますから、ある程度見逃すと言うと言葉は適当ではありませんが、われわれは主張はしておりましたけれども、余り神経質に取り上げていなかったわけでありますが、少なくとも地方財政計画の歳入の見通しというものが大きく動くということになると、これは大変な事態が起こってくるということであり、地方財政計画というものが地方の自治体に対する一つのガイドポスト的な役割りをしておるということをしばしば言われておるわけでありますから、そういう点から言うとこれは大変な問題が起こるというふうに思います。いま直ちにそれを推論するということは非常に困難であるとしても、非常事態ということはお互いに十分検討しておかなければならないというふうに思いますので、この点は十分実態の把握等に努めてもらいたいということを申し上げておきたいと思います。
 さて次に、公営企業関係の問題について質問を進めてまいりたいというふうに思います。
 地方公営企業に働く職員がストライキ権を禁止されている。この考え方は、一方では公労協と同じような形になっている。ところが公共企業体等労働関係法においては人事院勧告もない、団体交渉だけが認められている。そういう中の救済的な勤務条件その他の措置としては、公共企業体労働委員会というのがあるけれども、地方の公営企業については、一般の民間の調停なりあっせんなりする機関としての地方労働委員会しかない、こういうかっこうになっているわけですね。一方また、公営企業の中には市電とか市バスとか地下鉄というふうに、内容的には全く民間の私鉄と職務なり労働の内容というものが同じである。同じであるにもかかわらず、一方ではスト権というものが禁止され、禁止されるなら給与の決定は一体どこが決めるんだというと、団体交渉です。団体交渉がうまくいかなかったときには一体どこが救済してくれるんだということになると、それはストライキ権はいかぬ、人事院勧告やその他の救済措置がない。一方ではストライキ権を禁止している。しかも民間の企業と同じような地方労働委員会でそれが扱われる。しかも法律を見ると、給与の決定については団体交渉でありながらも、しかも経営の状況や能率において配慮をしろというような法律がかかっておる。そうなると、いまのような状態で公営企業が利益を得るということはまずまずあり得ませんから、仮定の議論でありますが、法律論として見るなら、非常にもうかったからといって、団体交渉の中で高い給与水準を地方公営企業に与えることができるのかということになると、先ほど言ったように、民間あるいは他の地方公共団体との均衡というものを考えなければいかぬ。しかもマイナスになった場合においては経営の状況等を勘案してやれ、こういうふうに他の公共企業体にはないところの枠がかかっておるということは、立法政策として一体どういうふうに考えられるのかという点。もちろんスト権の問題については別途いま研究をされているわけでありますから、それの解決の問題というのは出てくるんだろうと思いますが、スト権を少なくとも禁止をしておるという現行のたてまえから言うと、公共企業体と同じであるというのなら、別途のそういう救済的な機関を置くべきであるし、また職員の発揮した能率及び経営の状況などということで一方で抑え、また他の都道府県や他の地方団体や民間の給与とバランスをとれという法律規定がかかってくる。非常にもうかって、能率を発揮し、経営の状況がよくなったからといって給与を上げようとすると、いま言った他の公共団体やその他との均衡を考えなければいかぬ。マイナスになって非常に赤字になってくると、今度は経営の状況を考えて賃金決定をしなさいという法律がある。どう見ても二重三重に地方公営企業に働く職員については制約があるのではないか。他の同じような職務内容を持っている、たとえば公営交通等にとってみると、民間の私鉄はストライキ権があるというような点を考えると、立法政策として地方公営企業に働く職員の立場というものは非常に制約をされているんじゃないかというふうに私は感ずるわけでありますが、これは一体どういうふうに考えたらいいのか、ひとつ立法の趣旨を説明をしていただきたいと思います。
○宮尾説明員 ただいまの御質問でございますが、公営企業というのが、いわば企業性を持っていると同時に公益性というものの両面を備えておるという基本的な性格があるというふうに私ども考えております。したがいまして、一般の私鉄と違いまして単に企業の営利目的だけに企業活動をするのではなくて、たとえば公営交通が担う公共性という面からの制約というものを持っておるというふうに考えておるわけでございます。
 そこで、いま御質問の中にございました、企業職員の場合にはストライキを禁止しておるのに、他面代償措置というものが十分ないではないか、こういう御趣旨の御質問だと思うわけでございますが、現在地方公営企業労働関係法では、御承知のように争議行為を禁止をしていることの代償的な措置といたしまして、労働委員会によるあっせん、紛争等が生じた場合には労働委員会によりますあっせん、調停、仲裁、こういったような制度が設けられておりまして、特に公益委員で構成されます仲裁委員会の仲裁裁定、こういったものは労働協約と全く同一の効力をもって当事者双方を拘束する、こういうことになっておるわけでございまして、そういう意味から代償措置としての役割りというものは十分講ぜられておる、こういうふうに考えておるわけです。
 これは先生御承知のように、全逓中郵事件におきます最高裁の判決がございますけれども、これは公労法の規定によります紛争調整の措置というものが代償措置としての役割りを果たしておる旨の判示をいたしておるわけでありまして、地公労法で設けております労使問題の紛争調整の仕組みと、それから公労法におきます公労委における紛争調整の役割りというものは、全く同じような仕組み、役割りを果たしておるわけでございますから、そういう最高裁の全逓中郵事件の判決の考え方、こういうもの等に照らしましても、代償措置としての問題というものが格別ないというふうに私どもは考えておるわけでございます。
 ただ、いま御質問の中にございましたように、現在の紛争調整の制度というものが必ずしも十分ではないという立法的な見地に立った御意見もないわけではございません。したがいまして、そういう問題につきましては現在公制審の答申に基づいて公共企業体等関係閣僚協議会というものが設置されて、こういった問題も含めて現業職員の労働基本権問題というものを検討する、こういうことになっておりますので、そういったところで何か別途違った立法政策論が出てくるかどうか、これはそちらの方の場での検討問題だというふうに考えておるわけでございます。
○山田(芳)委員 ちょっと二点ばかり、質問に対する答えが納得できないのですが、運輸省の高橋民営鉄道部長さん、おられますね。いまの答弁で私鉄と公営のあれとで、何か公営の方がえらい高い、より公共的で、民営の方はそうでないというような答弁があったのですが、私は、民営といえども公営といえども、きわめて重要な公共事業である、したがって運輸省は認可あるいは料金についても統制をしているというふうに考えているのですが、いま自治省から答弁されたようにそういうふうな差があるというふうに運輸省としてはお考えになっておるかどうかお聞きしたいのが一点。
 それから私が先ほど聞いたのは、職員の賃金決定の基準に、地方公営企業に働く労働者の諸君には、他の公共企業体等にもないところの「職員の発揮した能率」及び「経営の状況」と言いながら、しかも一方では、それでは経営がもしよいからといって、給与については他の国家公務員なり、他の地方公共団体の職員との均衡を図れという地方公務員法が生きてくる、こういうふうに二重にも賃金決定基準がかぶっているということは、救済措置の立法措置として十分でないといういまの答弁とあわせると、地方公営企業で働く職員の立場というものが、他の同種の仕事をしている労働者の諸君に比べて非常に苛酷ではないかという質問をしたんですが、その点の答弁が漏れておるので、再答弁をお願いしたいと思います。
○高橋説明員 私は地方公営企業の職員の労使関係について詳しいことは実は存じませんで、大変申しわけございませんですけれども、ただ、業務の内容といたしましてのそういう公共性という点については、私は私鉄の場合も公営企業の場合も、仕事の内容については変わらないと思います。ただ、企業体の性格というものが違うので、おのずから労使関係の扱い方についても法律制度等が異なってくるんだというふうに考えておる次第でございます。
○宮尾説明員 現在、公務員の給与の決定方式というものは、地公法に定められておりますように、生計費、民間給与、他の地方公共団体、国等のバランスをとって定めろ、こういうことになっておるわけでございまして、そこで公営企業職員の賃金決定の基本原則は、それにさらに経営状況等を勘案して、こういうことがつけ加わっておるのはどうか、こういう御質問であろうと思います。
 先ほど私申し上げましたように、公営企業の基本的な性格といたしましては、地方公共団体が直接経営する企業であって、しかも地域の住民に対するいろいろなサービスを提供する、こういうような面からの公共性というものを持つと同時に、他面、企業性という面からの一つの性格というものも兼ね備えておるわけでございまして、したがいまして、公務員の給与決定原則、いわゆる公共性という面から見たそういう公務員の給与決定原則のほかに、企業としての一つの給与の決め方というものをどういうふうにしていくかという面から、経営状況をも勘案してと、こういう考え方がそこにあわせて盛り込まれておる、こういうふうに考えるわけでございます。
○山田(芳)委員 どうもちょっと説得力が弱いと思うのですが、いまの高橋さんの話だと、内容においてちっとも違わない、しかし地方公営企業のことはわしは知らぬ、こういう答えでしょう。だけれども内容的には一緒だ。だからこそ、料金についてもあるいは認可についても、運輸省は民間と同様に地方の公営交通に対する関与をしている。だからその限りにおいては同一である、こういう考え方なんです。民間と違うんだったら、そんなチェックは要らないんで、もっと自由にしてやったらいいはずなんだけれども、それをしている。同じことをやっているということは、私は民間の私鉄といえども、もちろん付帯事業をやっていることについての問題は別として、本来的な業務の内容というものは、地域における運輸というきわめて公共性の高い職務に従事をしているんだということについては異論がないはずなんで、地方団体のあれだけが特別そうであるとするなら、私はそれほどまで運輸省がチェックする必要もないんだ、こういうふうに考えるわけでありますが、そういう点で、この点が答弁が食い違っておるというふうに思うのですが、それはそれとして、私は、確かに公共性は高いものに従事をしているわけですけれども、賃金の決定が、公共性だ公共性だと言われるその裏側に、いま言ったように、それでは経営状況が仮に非常によかったとしても、賃金を上げようとすれば、他の公務員等の水準を維持せい、こう一方で言う。悪くなれば悪くなったで、経営が悪くなったのだからその点も考えてやれ、これでは、そこで働く公務員の立場というものが、やはり実態が必ずしもそうであるとかないとか言っているのではなくて、私は、立法政策というか、現行の法律というものが少し過酷ではないのかということを言っておるので、われわれは自治省その他に対して、他の、人事院等の勧告を受けてベース改定をされる職員と同等に扱えということを強くこの委員会を通じ、また行政的措置において不公平のないように扱ってもらうように自治省当局に努力をしてもらっているという点は、私は評価しているのですよ。そうではなくて、立法的な理論として、公営企業に働く職員の給与決定権というものが非常に不当に扱われているのがいまの立法ではないか。しかも、さっき話のあったように、救済措置の立場が、立法政策から考えても、公共企業体については公労委という別の機関が置かれているのに、民間と同じ地労委である。それが代表的役割りを果たしているのだというのが裁判の判決の趣旨であるというふうに説明はされているけれども、立法政策論としては、私は不十分ではないかという点を質問をしているので、この二点について明確にお答えをいただきたい。
○宮尾説明員 基本的な考え方は先ほど申し上げたわけでございますけれども、具体的なその賃金決定の仕組みといたしましては、これはいわゆる一般公務員の場合には、たとえば県の場合でございますと、人事委員会の勧告というものを基礎にいたしまして条例で定める、こういう仕組みをとっておるわけでございますが、企業職員の場合には、先ほど申し上げましたような民間企業との類似性という性格も持っておりますので、そこで、民間企業におきます賃金決定の仕組みと同じように、労使が交渉をいたしまして労働協約を締結をする、こういう仕組みというものも現在の公営企業法、地公労法の中では認めておるわけでございます。
 したがいまして、そういう意味で、賃金決定をする際の基本的な考え方というのは先ほどのようなことがあるわけでございますけれども、具体的な決定としましては、そういう労使の直接交渉で労働協約を締結をする、こういう仕組みになっておる。そしてもしそこで、労使間に労働協約締結に至るまでの間に紛争が生じた場合には、労働委員会が三公社五現業の場合における公労委と同じような役割りを果たしておるという形になっておるわけでございまして、代表的な機能措置としていまの労働委員会が十分であるかないかという、その立法政策は別といたしまして、私どもは現在の労働委員会のそういう機能というものが公労委の機能とほとんど変わらない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○山田(芳)委員 なぜ私がこういうことを言うかというと、「職員の発揮した能率」及び「経営の状況」を考えろ、こういうふうになっているという点が非常にまた強くとられると、御承知のように地方団体の場合は議会というものがありまして、たとえばいま労働協約を結ぶということが一方でできても、議会がこれを否決すると、その協約は飛ぶわけですよ。そうすると、その限りにおいては団体交渉権というものが制約を受けるわけですね。そうすると、当事者能力が当局にあるのかないのかということが一つの大きな問題になってくる。そういう点を含めて、地方公営企業に働く労働者の諸君の賃金なり勤務条件の決定が非常に過酷ではないかということを含めて私は言っているのですが、その点を含めてひとつ答弁をいただきたい。
○宮尾説明員 その関係は、地公労法十条の規定というものは公労法の十六条の規定と全く同じ規定になっておりまして、三公社五現業の場合にも、やはり締結をされました労働協約の内容というものが予算上、資金上執行不可能な場合には、議会の議決を経なければその効力が発生しない、こういう仕組みをとっておるわけでございます。もちろん先生が御指摘の点は、これは立法政策の問題でございまして、そういう問題を含めて、現在公共企業体等閣僚協議会で現業関係のそういった労働基本権に絡むすべての問題を検討しておる、こういう段階でございます。
○山田(芳)委員 それじゃ、お伺いをしますが、公企体には、職員の発揮した能率及び経営の状況を考慮して賃金を決めるんだという法律規定がありますか。
○宮尾説明員 正確な記憶はございませんが、それはないと思います。
○山田(芳)委員 私も調べてきたのですが、ないのですよ。ないにかかわらず、同じような扱いをしているのだと言いながら、この規定があるからわれわれとしては――御承知のように山口県ですか、非常に企業がもうかって、ある程度の給与改定をしたところ、団体協約をしたところが、何かわけのわからぬ理由で議会が否決をしたという例があるのですよ。例を挙げませんが、皆さん御存じのとおりでしょう。だから、こういう規定があるがゆえに、企業がもうかったときには、他の地方公務員とかなんとかという形で抑えられる、経営が悪くなると、今度はこっちが生きてきてこう抑えられる、二重にかかっている。しかも公共企業体その他にはそれがないというので、政務次官、聞いておられてどう思われますか。ちょっとアンバランスだと思われませんか。
○左藤政府委員 アンバランスと言われると、ちょっと私も語弊があるのじゃないかと思います。ただ、いろいろの過去の経緯なり、それからそういったものの公共企業体としての責任といいますか、そういうものの濃い薄い、濃薄の程度の問題とかいうものが若干影響しているのじゃないかなという感じを、いまお話を伺っていて私は持つわけでございます。
○宮尾説明員 いまお話の中にありました具体的な事例の問題でございますけれども、これはどこそこということは別にいたしまして、いまの賃金決定の基本原則の違いからそういうことが起きたというふうに私どもは理解はいたしておらないわけでございます。あくまでも地公労法十条の問題で、予算に計上されてないような、予算執行を必要とする労働協約が締結をされて、そして十条の規定に従いまして議会に諮らなければならないということで議会にかけたところが、議会がそれを承認をしなかった、こういうケースでございますので、それは賃金決定の基本原則の違いというようなこととは直接かかわりない問題であると私は思います。
○山田(芳)委員 いや、私が言っているのは、そういうものに利用されるおそれがある規定であるということです。
 それから、政務次官が言われたのに若干私は異論があります。じゃ、公共企業体の国鉄とそこの市電、市バスとどっちがウエートが高いか。私は国鉄は決して市電、市バスに比べて低いとは思わないのですよ。だから、ちょっといまの発言はおかしいと思います。私は同じだというふうに考えておるので、同じような扱いをすべきであるのではないかという質問をしているのであって、この点についての「職員の発揮した能率」及び「経営の状況」というのは、ほかの国鉄その他の公共企業体にはない規定なんだからこれを削除すべきではないかということを言っているわけだし、これがあると、いま言ったように職員の給与を抑えるために悪用をされるという事態が起こる。いま具体的に起こっておる例の手続その他については、これはいま宮尾課長が言った点については、私はそうばかりではないと思いますよ。思いますけれども、ここでは時間がありません。ほかの問題を抱えておりますから、この程度にしておきますが、問題点があるので、この点は十分ひとついろいろな点で、いま関係閣僚協議会でスト権の問題をめぐってやられておるので、そういう点は十分配慮をしてもらいたいということをこの際要望して、この質問は終わります。
 その次に、公営企業の繰り出し金が本年度の地方財政計画によりますと四千九十八億という数字が出ております。これは前年度に比して五百九十三億というものが増になっているのですけれども、私どもの調べたところでは、この新規にふえた財源の中で、公営企業に対する繰り出し金の額は必ずしも高くない。たとえば、昭和四十八年で、歳出増の主要項目への配分というのを見ますと、六百七十八億ふやしております。昭和四十九年においては公営企業繰り出し金八百九十六億ふやしております。ところが今回昭和五十年はこの四十八年や四十九年より少ない五百九十三億、占める率が一・九。昭和四十九年は三・九も歳出増の地方費の主要項目への配分という資料を見ますと少ないのでありまして、少なくとも公営企業等に対して事務所事業所税等を創設までして財源を確保したという状況の中で、この繰り出し金が四十八年、四十九年に比して少ないという点に、伸び率が少ないという意味ですよ。もっと公営企業等に繰り出すべきではないかというふうに思うのですが、財政課長どうでしょう。
○石原説明員 公営企業繰り出し金につきましては、これまでも決算と計画との比較分析等を通じましてできるだけ内容の充実に努めてまいりました。四十九年度の財政計画におきましては、資本勘定の繰り出し金を大幅に増額するというようなこともありまして、伸び率としては非常に高かったわけであります。五十年度におきましては、従来の考え方に従いまして、各事業ごとのそれぞれ一般会計との負担区分に基づく所要額を試算して全体の額を計上したわけでありますが、伸び率が従来より低くなった一番大きな理由は、下水道事業会計に対する繰り出し金につきまして事業費全体の伸びが従来よりも少ないということ。それから補助率の引き上げがありましたために、理論計算による一般会計負担分が少なくなったというようなことでありまして、それ以外の分については従来と同様かなりの増加額を計上いたしております。
○山田(芳)委員 石原課長せっかく言われたので、その決算を見ますと、大体ことし繰り出すところの四千九十八億というのは、四十七年度の決算が、公営企業の繰り出し分が四千八十億という数字です。そのときの地方財政計画が千九百三十一億。ですから、千九百三十一億で、決算を見ると四千八十億の繰り出しをやっておるというのは昭和四十七年。昭和五十年にやっと四千億台の繰り出し金に乗ったというのですから、三年ぐらいギャップがある、こういうことですから、確かに公営企業の繰り出しというものが決算に比較して余りにもギャップがあり過ぎる。総体地方財政計画と決算の比較というのは、大体最大二割と言われておるのですが、この決算を見ると二割はおろか二倍以上も上回っているということになっているのでありますから、もっと実情に即した地方財政計画を、とりわけ公営企業の繰り出し金を大幅に見てやってもらわなければ、いまの公営企業、特にいろいろな面において、都市交通の問題にしても水道の問題にしても、社会的な要因で、当該企業だけの責任ではないところの要因によって非常な赤字を出しているということが現実である限りにおいて、これはもっとふやしていくべきではないかというふうに思うわけであります。まあ、決定されたものでありますから、いま直ちに直せと言っても無理でありましょうが、来年に向けてこういう点はひとつ考えてもらいたいということを要望して、次の質問に移ります。
 次は、過般の委員会において私からも質問を申し上げたわけでありますが、いわゆる人口五十万程度の、政令によって指定をされるところの団体以外には事務所事業所税の法定税が取れない、しかし、それに類似するところの団体から法定外普通税という形で申請をした場合においては、その財政状況を見ながら判断をしていきたいという前向きの答弁が自治省からなされたのでありますが、いろいろの情報を聞いておりますと、法定外普通税の新設については大蔵省はきわめて消極的である。何とならば、わざわざ団体を政令で指定をしたというところに意味があるので、これ以上の法人の税を地方税で取られるのは困るのだという意味で消極的であるというふうな報道がなされているのでありますが、それは事実であるかどうか、ひとつこの際伺っておきたいと思うのです。
○名本説明員 大変失礼でございますが、私所管外でございますけれども……。
 法人に対する課税でございますので、国税、その他の地方税、法人に関する課税、そういうものとの均衡を考えながら法定外普通税についても考えてまいらなければならないという要請が一方であることは事実だろうと思いますが、それが、その他の法定外普通税としての事業所税につきましては全く困るというふうに主税局が申しましたかどうか、私の方、ちょっと情報を持っておりません。大変失礼でございますが。
○山田(芳)委員 自治省の市町村税課長は来ておられますな。――いまの話について、自治省としては従来と同様であり、新設をいたしたいという場合には、積極的にそれを審査し認める方針であるかどうかについてお伺いをしたい。
○栗田説明員 御指摘のように、事務所事業所税は大都市地域における特別の財政需要に充てるということで法定の課税団体に課税権を与えているわけでございますが、法定の課税団体以外の市においても、大都市地域と同様の事情があり、なおかつ、その税収を確保できる税源があるという場合には、そういった市からの申請を待って内容を十分検討してまいりたいということで、従来の方針と変わりはございません。
○山田(芳)委員 従来の方針どおりであるということを、この際ここではっきり確認させておいていただきます。
 次に、水道関係の質問をいたしたいと思います。
 水道法の全面的な改正が次の通常国会において行われるというふうに新聞等において報ぜられているわけですが、この際、その重要な点について説明をしていただきたい。と申しますのは、過般の七十四国会でしたか、私が質問をいたしました際は、まだ十分固まっていないのだというふうにお話があったのでありまして、そのときは、それでは固まった際には説明をされたいという要望をしておいたにとどまったのでありますが、最近は、水道法の全面的な改正について、各省とも非公式に相当折衝しているということを伺っているわけでありますが、そういう点について、どういう点を改正されるということなのか、もし、この委員会においていま発表できるものがあるならひとつ説明をしていただきたいと思うのです。その際、私どもとしては、過般にも指摘をしたのでありますが、水道法のたてまえから言って、給水の責任というものを、市町村の自治体だけでなく、国の責任というものを明確にする必要があるというふうに思うわけでありますが、この点について、そういう点を含めて改正をされるのかどうかというような点について、ひとつお伺いをしたいと思います。
○国川説明員 お答えいたします。
 水道法の改正の問題につきましては、かねてから水道事業の建設、普及あるいは将来の目標に対しまして種々の問題が残されておるのは先生も御承知のとおりでございます。特に水源の確保あるいはその水道の広域的な経営あるいは水質の管理の問題その他の問題が残っておりますので、私どもも将来に向かってこれらのあるべき姿を求めまして、制度面等におきましても、必要とあらば、その当該部分につきまして改正を必要とするのではないかというように考えておるわけでございまして、現在内部的に、各水道事業体等の意見を一部伺いながら作業をやっておるわけでございますが、まだ内部的に固まっておるわけではございませんので、なお今後十分そういうことにつきまして一般的にも検討を進めていきたいというように考えております。
 なお、その際、いま御指摘の給水の責任という問題がございます。御承知のように、水道事業そのものは、一定の区域内で住民の生活用水等を供給する最も基本的な責務があるわけでございますが、全般を通じまして、特に水道の問題等を通じまして、国あるいは地方等の関係がどのような形であるのが最も望ましいか、そういったことも含めて考えておりますが、なお具体化と申しますか、具体的には申し上げる段階まで煮詰まっていない状況でございます。
○山田(芳)委員 もう東京都とか大阪というようなところの給水人口というものの増加に伴って市町村だけにそんな責任を負わしているということが、水源開発というものが当該市町村はおろか、府県を越えてはるかに上流なり他府県に水源を求めなければならない、水源開発をしなければならないということから、当該市町村に給水の義務というものを負わしているという考え方が間違っているのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
○国川説明員 特にただいま御指摘の水源の量の確保の問題でございますけれども、水道の需要、特に生活用水の需要が増大しております地域は、首都圏あるいは中部圏、近畿圏等の人口過密地帯が主でございます。したがいまして、水道の立場からはもとよりでございますけれども、いわゆる水資源の開発確保という観点からは、御承知のように国土庁におきまして、水資源開発促進法のもとで主要水系の開発を進めておるわけでございまして、その際、必要な水道用水の確保もその計画の中に織り込みまして必要量を確保していくという立場をとっておるわけでございます。したがいまして、国といたしましてもそういう観点から、特に水の需給の逼迫している地域につきましては水源の確保の措置を講じてまいっておりますし、今後ともそれらの施策は十分推進していく必要があると思っております。
○山田(芳)委員 だからこそ水道法の全面改正の際には、そういう点を国の責任というか、地方団体と協力してやるんだということをはっきりしていかないと、地方団体にそんな責任を負わせてみたって現実に無意味なことなんでありますから、その点を踏まえて十分配慮していただきたいと思います。
 それから次に、これは自治省にお伺いをすればいいのか厚生省か知りませんが、水道料金の問題についてであります。いわゆるシビルミニマムとしての公共料金であるところの水道料金というものが、たとえば東京都の場合においては、新しく増加してくる人たち等の人口増に伴っていま言ったような水源開発に多大の経費がかかる、そうすると水道料金を上げなければいかぬ、こういう問題になる。ところが在来の人から言えば、自分たちの住んでいる部分については従来の水道料金で事足りる。新しく人口がふえてきた人たちに給水をするために水源を開発しているその費用を、従来からの人にぶっかけていくという水道料金になるわけですね。これははっきり言うと、新しい人だけに負担させることは適当でないから均てんさせていくということだけれども、在来から住んでいる人について見れば水道料金の非常なる高騰になる。だからといって在来の人だけに負担させよという意味ではないんで、私の言うのは、そういう状態があるのだからむしろ水道料金の一定の水量までというものを低料金にする、たとえば二十立方くらいまでは本当に安く、原水単価よりも下回らせる、それを超えるものについては累進料金とするというような、いわゆるガイドポストといいますか、指導料金というものを決めていく時期が来ているのじゃないか。公共料金というものをできるだけ低く抑えていくということは全般的に好ましいことだと私は思うけれども、そうだからといって水に金がかかる現実というものを否定するものではない。だから、どうしても水道料金を上げるというのならば、水道料金についてももっと累進的な、たとえば自動車の車体を洗うようなものに対する水などというものは、もっと高く取ってもいいでありましょうし、いろいろあるでしょう。大量消費するところの、これは後からも言いますが、工場等の工業用水等は低料金でなくもっと高い料金を取るべきだ。シビルミニマムとしての公共料金というものを低く抑えていくというようなことを指導したり、あるいはそういう目標を設定をするという作業を、これは自治省あたりでもあるいは厚生省あたりでもされるということが必要なのではないか。水道料金は各地方自治体に任せておくのだということでは適当でないのであって、一定のところまでは、少なくともこの程度は国民生活の命の水という立場から言って適当ではないかというような指導目標の料金というものを作業し、何も強制する必要はないのだけれども、こういうふうな考え方はどうだというようなことを示す研究をされていくべきではないか、こういうふうに思いますが、この点はどうでしょう。
○山本(成)政府委員 水道料金の水準と体系の問題についての御質問だと思いますが、確かに、大阪におきましてはたとえば十トン百三十円という家庭用料金でやっておる。それから事業用の料金につきましてはそれに数倍するような水準でやっておる。あるいは東京都もそれにほぼ似たような結果になっておりますが、そういうふうな差をつくることについて一体どの範囲で許されるか、あるいは料金水準全体としてどれくらいの水準が全国的に見て妥当かということはなかなかむずかしい問題でございます。新しく布設されました施設を使っての給水を考えます場合には、従前の水道施設を使って給水を受けておる住民の料金よりも、個別に原価をはじきますれば当然高くなるわけでありますが、その辺を全体総括いたしまして、原価を各利用者なり使用者に割り振るということで現在はいろいろな形が出てきておるというのが実態でございます。
 理論的な問題もさることながら、この辺については現実の妥当性も考えていかねばなるまいということが一つ。それから全国的な料金水準の算定の問題、シビルミニマムとおっしゃいましたが、ある水量までは幾ら、あとはどのくらいというふうなやり方がどうかというお話もございましたけれども、実際問題といたしまして、明治の初年に横浜に水道が置かれましてから後、市町村が自分でやる、自分の住民のために高いものは高いもので水を売る、安いところはそれだけの給水を受ける、しかし、ほかの面で、あるいは水道行政以外の面でメリット、デメリットがいろいろあるというふうなことで、総合的に市町村の経済の中で運用されてきた、妥当してきたもの、かように考えておるわけでございますが、確かに、料金の算定をどういうふうなやり方でやるかということは、体系、水準、両方含めまして現在学問上の問題でもありますと同時に、実際の妥当性も考えていかねばならぬということで論議の中心の一つになっておるわけでございます。そういうことで、いろいろ御指摘もございましたけれども、この辺は私どもの検討も含めまして、なお関係省ともよく連絡をつけて勉強しなければならぬ問題だというふうに考えております。
○山田(芳)委員 これからのシビルミニマムというものを立てていくという観点から、自治省においても厚生省においても、こういうこともひとつ研究してもらいたい。いわゆる生活用水の確保、日本じゅうどこに住んでも、一定の市街化地域に住む限りにおいては同様だということでないと、これはその地域だけで解決するような状態ではないということは、現在の水資源の確保の状況から見て当然のことだろうというふうに思うわけであります。
 さて次に、財政の問題でありますが、われわれは先ほどの法律案を提案いたしましたように、現在簡易水道には補助金が出ておる。しかし、上水道には補助金が出てないのであります。最近はしかし水源開発なり広域水道という形で若干の補助金を出すことになったわけでありまして、その点は一歩前へ進んでおるわけでありますが、われわれの調査によると、たとえば四十八年度の決算を見ますと、水道の事業費は全国で四千五百三億、それに対して水道の補助金二百四十億であります。工業用水道については七百二十六億が昭和四十八年度の事業費の総額でありますが、二百三十三億、三二・一%という補助金が出ているのであります。われわれはいつも指摘しておりますように、工業用水道というものに補助金をつけた沿革は、発生的には、地下水のくみ上げによる地盤沈下というところから、それに振りかえるために補助金を出したということについては、それはそれなりの意味があるというふうに思いますけれども、何も地盤沈下や地下水と関係なしに補助金が出てきておるというのが現在の状態であります。したがって、われわれは工業用水道こそまさに原価に基づいて、いま七円ないし十円程度でありますけれども、それを大幅に引き上げを行っていくべきであり、むしろ上水道にも、単に水源開発、広域水道というときだけでなしに、簡易水道と同様に、われわれの案のように建設改良費についても二分の一程度国庫負担をすべきである。また、水源開発や災害復旧については全額を国庫負担とすべきであるということを法案の中で明記をしておるわけでありますが、この点についての厚生省なり自治省の考え方をひとつ伺いたいと思います。
○国川説明員 ただいまの先生の御指摘のとおり、昭和四十二年度から、従来起債で事業を行っておりました一般上水道に対しましても、特に水源の開発あるいは水道の広域化という新しい施策のもとに進められます、相当先行投資となる事業の部分につきまして国庫補助制度が創設されたわけでございまして、特に水源の方にウエートを置きましてこの制度が出発したわけでございまして、その後、年々予算額等につきましても大幅な増額を図ってまいったわけでございます。水道事業全般の問題といたしまして、その経営上、いわゆる受益者の負担によりまして料金という制度で今日まで運営しておりまして、特にそこらで非常に問題になる部分について助成の道を講じておるわけでございますが、私どもも今後ともそれらの制度の充実等については一層その充実を図ってまいりたいと考えております。
○山本(成)政府委員 ただいま厚生省からお話のありましたとおりのことを私どもも考えております。いずれにいたしましても、大規模な投資が必要であるということによって料金にも関係が出てまいりますし、また大規模であればこそ先行投資というふうな性格も出てまいりますので、そういうふうな両方からあわせて考えまして、いずれにしても補助金の行政は拡充すべきであるというふうに考えております。
○山田(芳)委員 名本主計官にお伺いしますが、地方財政担当主計官として、工業用水道に、さっき言いましたように三十数%の事業費に対する補助率の補助金が出ている。しかし上水道、特に最近は水源の開発に多大な費用がかかるのでありますけれども、非常に少ない補助金で、一定の補助率というものもはっきりしているというふうにも思えないような補助金でありまして、先ほど言いましたように、大体水道の補助金と工業用水道の補助金総額はほぼ似たりよったりということでありますが、むしろもう工業用水道等については補助金を廃止をして、一般の水道の方で、特に高料金になるような水道については、いま地方交付税である程度の措置はされておりますけれども、むしろそういうところこそ工業用水道の補助金を振り向ける方が適当ではないのであろうか。地方財政担当の主計官でありますから、地方財政に非常に好意を持っておられ、いろいろと考えておられるというふうに思いますので、その立場からひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○名本説明員 この水道に対する補助金につきましては、前々からいろいろな方面から私どもの方にいろいろなお話が実はあるわけでございます。大変むずかしいお話でございますけれども、確かに先生おっしゃいますように、工業用水道のできましたそもそもの淵源の中に、要するに地下水、地盤対策というものがございました。それと同時に、もうすでにいまははやらなくなりました産業基盤整備というような問題もありまして、現在のような補助率になっておるわけでございます。そういう政策的な意味が時代とともに変わってくるということも一方で考えなければならないわけでございますけれども、特に地盤沈下問題というような問題につきましては、これは時を追いますに従いまして、だんだんその必要性というものも、これは少なくなる、というよりもむしろ真剣に考えなければならないという問題も片方にあるかと思います。工業用水につきましてはそういう一面があると思うのです。それから生活用水、上水道の方でございますが、これは本来的には、私どもの方の考え方としましては、市町村本来の仕事であるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、市町村におきまして適正な水道料金をお定めいただく。四十八年度までの決算の全国平均を見させていただきますと、給水原価四十二円に対しまして給水料金が三十六円と、八十何%というようなことになっておる状況にございます。そういうところもちゃんと正していただくということを片一方の方では考えていただく必要があろうかと思います。と同時に、先生おっしゃいましたように、確かに給水原価がだんだん広域化いたしますことによりまして高くなってきておる。その結果、国民一般が買います水の値段というものが不当に高くなってくるということは、これをシビルミニマムというふうに申してよろしいのかどうかは別といたしまして、不当に高くなるということは、これは国全体としても考えてまいる必要がある。そういう部面におきまして、国として、国民全体からお納めいただきました税金でもってそこの水道料金というものの適正化を図るということも必要であろうかというふうに考えます。本来的には地方公共団体の仕事というふうに考えますけれども、そういう面におきましてやはり国としても水道のあり方というものを、これは厚生省当局等とも相談いたしながらさらに検討を進めてまいるべき事柄であろうというふうに考えております。
○山田(芳)委員 若干似ているところもあり、似てないところもあるのですがね。私は先ほど提案しましたように、水道料金、水は金がかかるということは事実でありますから、それはただにせいなどと言っているわけではないのですけれども、一方では、やはり最低の水道料金というものは安くしなさい。しかしそれを超えて大量に使うものには累進的に高く取るような料金体系というものも政府あたりでひとつ指導目標というようなものをつくってほしい、こういうことを言ったわけです。一方、私のいま提案しているのは、工業用水道は、確かに沿革的にはいろいろな問題があるだろうし、また地下水に対する規制というものが法案としてこれから出される等々の一方での規制措置も出てくるわけでありますが、現在までは少なくとも工業用水道には相当の補助金を出して、当初あたりは立方当たり七円、われわれの生活用水がいま御指摘があったように四十円前後というような形になっているのは、いかにもいまの、確かに基盤整備の時代あるいは高度成長時代にはそれなりの意味があったかもしれないけれども、高度経済成長などということは、資源エネルギーその他いろいろな状況の中からもう不可能になってきている。むしろ私たちの住民生活の周辺といいますか、いわゆるシビルミニマムというものをもっと大事にする、そういう行政というものに転換していかなければならないということが言われているのに、片一方では七円ないし十円の料金をそのままにしておく、片一方では四十何円は原水単価まで上げるべきだ、こういう議論はおかしいので、企業の工業用水道の方は、むしろ補助金などは廃止をして原水単価にいたしなさい、生活用水については補助金を出しても安くする、一定のものを超えてむだな使い方をしているものに対しては、大量使用については累進の料金をつくったらどうか、こういう提案をしているわけでありまして、考え方はやはりこういう方向へ向くべきではないか。そのためにはいま名本主計官の言われたように、給水は市町村の責任だと言われても、東京や大阪のような非常に膨大な人口を有するところがその地域に水源を求めることは不可能なんで、他の府県、府県を越えて水源の開発をしないことには、これはとうてい水が得られないわけであります。居所移転の自由というものが少なくとも憲法に保障されている以上、これは集まってくるということをとめるわけにいかないわけであります。幾ら誘導政策をやってもふえているというのが現状である限りにおいては、その水源の確保というものは単に市町村という地方自治体だけに課するのじゃなくて、やはり国も責任を持っていかなければならない。国民生活全体の問題、それが政治の問題ではないかということを申し上げているので、ちょっと話が食い違っておるわけですけれども、そういう立場に立って工業用水道の補助金を廃止して、むしろ水道料金の方をシビルミニマムについては一定の安い料金にする。大量に使用するものは高くするんだという考え方に立って、水源開発であるとか、大規模なものについては補助金をもっと充実していく、金がないというなら工業用水の補助金をやめていくというような振りかえなども考えてはどうか、そういうきわめて建設的な提案を私はしているのだから、頭からだめだと言わぬばかりの答弁じゃなくて、もう少し親切な答弁をしてもらいたい。私どもは決して無理なことを言っているのじゃない。やはりいまの考え方というのは、私が言うのが妥当ではないか。そういう点、理解ができたら、そういう方向でひとつ来年度の予算査定をやってもらいたい、こういうことを込めて質問しているので、もう一遍ひとつ答弁をしてほしいと思います。
○名本説明員 先生の御指示に、そのとおりでございますとお答え申し上げられないのは残念でございますけれども、一つずつ分けて申し上げてまいりますと、まず工業用水道の補助金をやめてしまうという御提案でございますが、あるいは御提案でないのかもわかりませんが、補助金につきましては私どもの方もこれからいろいろ勉強していかなければならない時点に差しかかっておりますので、確かに工業用水関係の補助金につきましては、そのそもそもの生い立ちのときの政策目標というものと現在と考え直してみる必要もあります。そういう面からも考え直してこれから検討していくべきものだろうと思います。
 それから、そこでやめたお金を上水道の方にというお話になるわけでございますが、上水道そのものにつきましては、たてまえとしては、先ほどもお答え申し上げましたように地方公共団体の仕事であるというふうに私は思うわけでございます。それで、おっしゃいましたように、東京とか大阪とかいうところ、東京は群馬県から水を引っ張ってきますと、えらく給水原価が高くなることは事実でございます。したがいまして、そういうような極端に給水原価が高い飲料水を住民にサービスしなければならないということになりますと、これは国全体として考えてまいらなければならないと思うわけでございます。したがいまして、個々の水道すべてにつきまして国が補助金を出して料金を安くしていくということはたてまえとしておかしいのじゃないか、異常に高くなる給水原価を調節するということで国としては考えるべきではないかというふうに私は思っておるわけでございます。
○山田(芳)委員 せっかく通産省から工業用水課長さんが来ておられるし、私の言うのには幾らか御意見があるかと思いますので、工業用水課長さんはどうお考えになっているか、ひとつお伺いをしたいと思います。
○岩崎説明員 上水道に国の財政がどう絡んでいくか、これは私どもの関係ではございません。それはそれとしてのいろいろなお考えがあるだろうと思います。ただ、上水道がないから工業用水道を減らすべきだというお考えは、工業用水道は工業用水道独自の理由から国の援助がやられておりますので、私どもとしてはそういう考え方はちょっと御勘弁願いたい、そう思う次第でございます。
 それから工業用水道料金が非常に低いという御議論がよくあるんでございますが、これは数字の上では確かに低うございます。いま、平均しますと九円前後ぐらいだろうと思います。ただこれは、同じ水道という名は冠せられておりますものの、上水道とは基本的に性格が違うと思います。確かに水源は同じでございますが、その後の上水施設あるいは配管施設、その維持補修、それから末端における集金機構、これはもう全部本質的と言っていいほど違います。たとえば配管延長にしましても、工業用水道はトン当たり二百七十メートルあればよろしゅうございます。ところが、上水道はトン当たり五千七百四十メートル要る。同じ水道とは言い条、そういうふうに非常に違いますので、われわれは何もコスト割れの料金を取れと言って指導しておるわけではございません。これは法律上も、適正な原価に照らし公正妥当なものであることということになっております。したがって、九円とかなんとかいうのは原価割れであるべきだというような形で現在の料金が指導されておるわけではございません。コスト自体が本質的に違う形態のものである、そういうふうにお考えいただきたいと思うわけでございます。
 なお、今後、先ほどからもございましたように、地盤沈下についての強制転換措置というのはますます必要でございます。それから、先ほど主計官は、いまはもうはやらなくなったとおっしゃっておりましたが、地域振興というのはやはり今後とも必要な個所がございます。そういうところにつきましては、水というのは個別企業ではどうすることもできないものでございますから、どうしても公営企業体でやっていただかざるを得ない。特に今後は、中小企業がこういう面で水をどう確保するかということが非常に大きな問題になってまいります。したがって、今後とも工業用水道というのは国の産業政策上非常に重要な位置を占めるものと私どもは理解しております。
○山田(芳)委員 工業用水課長は自分の所管ですからそう言われるでしょうけれども、一立方当たり九円前後だということでありますが、われわれの命の水が三十円も四十円もあるいは五十円近くもしておるのに、工業用水道が七円ないし九円ということでは、これはどうしてもわれわれの感覚が許さない。しかも一方では補助金を出しているのだ、それは高度経済成長政策時代の話であって、いまはもっと違った考え方に切りかえるべきだということは、どうもいまの答弁では私は納得ができないわけですが、時間の関係がありますから一応次へ移ります。
 次は公害防止の問題でありますが、水質検査体制の義務化と機器に対する補助制度を創設してほしいということであります。いま大都市の水道については水質検査体制が相当整備されておりますけれども、中小都市の水道は水質検査体制が不十分です。金魚を飼ったり魚を飼っておいて、その水で死んだら、これは危ないぞという検査体制なんです。まことに初歩的で、効果的かもしれないけれども、原始時代のようなやり方をやっている。もうちょっと近代的な水質検査体制に整備すべきだと思うのです。しかも公害の問題というのは水道サイドで起こっておる問題ではなくて、そのコストを全部水道料金に積み上げていくことは妥当かどうかという議論があると思うのです。
 それだから、私がいま質問したいのは、来年度予算において厚生省は、大都市とは言いませんけれども、せめて中小都市の水質検査機器についての補助制度ぐらいはつくって、市民の生活用水をりっぱなものにしていくというぐらいの、これは社会的、経済的な要因によって起こるところのものに対する対応策でありますから、それをも企業の負担でやるということについては、私どもとしては必ずしも納得ができない。ですから、公害防止機器と同じように、中小都市の水質検査体制というものについての義務化と、それからその機器を整備するための補助金を来年度は実現をする。せめてそれぐらいは――厚生省も水道法の全面的改正もおやりになろうというような時期でありますから、その点について一体どうお考えになるか、御答弁をいただきたいと思います。
○国川説明員 ただいま先生お話しの水質検査体制と申しますか、水質の監視体制のお話、両方含まれてのお話かと思いますが、問題になりますのは、河川等公共用水域を水源としております水道の場合の問題が多いと思います。お話の中にございましたように、魚等を飼いまして、原水、つまり川の水等の異状の有無等をできるだけ早く発見するということが便法としてとられているのも事実でございますけれども、水道水としての水質基準、これが安全か否かを常に確かめて供給するのは水道事業者としての当然の義務でございまして、現在の水道法の中でも必要な検査等の実施を義務づけられているわけでございます。近年、公害問題等におきまして、そういう河川等の水質問題が出ておりますけれども、これらの公共用水域におきましては、御承知のとおり、水質汚濁防止法に基づきまして一定の水質環境基準が設けられまして、それに合致するような、あるいはそのために必要な諸措置がとられているわけでございます。水道の立場から申しますと、それらの施策が十分に講ぜられて、少なくとも水源の水については不安がないようになってほしいものと考えておるわけでございますが、さらに念を入れてそういう原水の監視をあわせて行っているという実態でございます。
 それから、具体的に今後一層そういう水道水、供給する水の水質管理を強化し、整備していく必要はもちろんあるわけでございまして、私どももかねてから原水の方につきましては、多数の事業体あるいは関係の機関等におきまして、そういう原水の監視並びに異状がありましたときの連絡通報体制、そういったものの整備を進めております。
 また、水道事業の中におきましても、当然でございますが、供給する水の安全を確かめるための検査体制を従来からせいぜい図ってきたところでございますが、今後の方向といたしまして、すべての水道にそういう検査体制を完全に整備することは実際問題として困難でございます。一つは、技術者の確保等の問題もございますし、私どもは今後も、大都市やあるいは中都市以上の都市は別といたしまして、比較的小規模な水道におきますそういう検査体制ができれば、統一的に検査ができるような検査機関制度と申しますか、そういったものを考える必要があるのじゃないだろうか。場合によりましては、そういったものの整備を促進するための費用等ございましたら、これらも考えなければいけないのじゃないかということをかねてから考えております。明年度以降の予算等におきましてこれらをどういうふうにするかにつきましては、もちろんまだ未定でございます。私どもも十分真剣に検討してまいりたいと思っております。
○山田(芳)委員 前向きな話でありますから結構ですが、自治省も交付税ぐらいで――繰り出し金はさっき言ったように余り伸びておらぬのですけれども、来年度あたりは大幅に伸ばして、そういうものは一般会計から交付税の財政計画で繰り出せるという措置を前向きで取り組んでもらいたいと思うのですが、どうですか、山本さん。
○山本(成)政府委員 交付税で見るかどうかということについては直入のお話でございますけれども、くどくなりますが、公害対策基本法によって決められておる健康基準なり環境基準というものは、これは国なりあるいは都道府県知事の段階でそれぞれ基準が細かく決められておるわけであります。そういうことで仮に検査をいたしましても、いずれは口の中へ入る段階における水の質の確保というものはどうしても必要になる。たとえば大腸菌でありますとか水素イオン濃度をどうするかといったようなことは、これは末端で口に入る段階での問題でございます。そういうふうなことで、水道法によります基準の問題なり、あるいは公害対策基本法によります細かいいろいろな事項についての基準とは必ずしも一致をいたしませんし、レベルも違う場合があるということでございます。
 そこで、私どもはすでに公害対策の経費といたしまして、交付税の財政需要額の中に数百億をいろいろな形で入れておるわけでございまして、その中で必要なものは買う、あるいは市町村と都道府県とが有機的に同じ機械を使う。たとえば私どもが聞いておりますのは、町村で水質を検査してもらうのに、都道府県の保健所へ持っていくというふうなこともやっておるわけでございまして、必ずしも検査の段階で備品なり施設設備を自分で持たなければいかぬかという議論も、内容的には問題になってくるのではないかというふうに思うわけでございます。金魚がいいかどうか、それはそれといたしまして、私どもとしてはいま申し上げたようなことで、もし大きな備品がどうしても必要だというふうなところが個々にございますれば、これは恐らく水道の起債にも適合する性格のものではないかというふうに考えますので、そういうふうなものも駆使しながら、実態上汚い水を飲んで病気にならぬようにということだけは心がけてまいりたいと思います。
○山田(芳)委員 いま厚生省の水道整備課長から話があったように、検査の担当者がいないというのが中小の水道の状況ですから、そういうものを公害の問題として交付税の中に何名かを積算してほしいということを含めて、公営企業の繰り出し金を大幅に来年度は検討してもらいたいということを要望しておきますから、ひとつ山本審議官、がんばってやってほしいと思います。
 それから次は、時間がございませんので、中性洗剤の問題を申し上げたいと思います。
 ことしの三月二十六日の参議院の公害対策及び環境保全特別委員会で、詳細にこの中性洗剤の問題については論ぜられております。私もこの委員会の会議録を全部読ましていただきましたから、問題のあるところについてはよくわかったので、結論だけひとつお伺いをしたいのです。
 要するに、ここでの厚生省の石丸環境衛生局長の答弁は、中性洗剤の製造、販売及び使用を禁止するということについての各委員からのいろいろな質問に対して、現段階ではそれぞれのプロジェクトチームなり何なりに調査を依頼しておるけれども、それの結果が出るのが秋ぐらいである。その際に食品衛生調査会ですか何かにかけてその問題の決定をいたしたい、こういうことがどうもこの全体を読んでの結論であるというふうに思うわけであります。参議院におけるこれだけ詳細な集中審議についての会議録の中から私が結論めいたことを言うと、そういうことになっておるのであります。われわれとしてはここにもいろいろの資料もございますし、きょうは実は中性洗剤を使っている主婦の方からの手紙やはがきも私ここへたくさん持ってきておるのですが、もう時間もございませんので、一々読み上げたりいたしませんけれども、この問題が現在テレビやラジオや新聞や、ありとあらゆる方面で言われておるので、この機会にこの問題についての今後の厚生省の対策というものについて、あるいは考え方について、総論的に結論的にひとつお答えをいただきたい、こういうふうに思うので、担当者おられたらひとつお答えをいただきたいと思います。
○国川説明員 実は洗剤の問題は直接私の方の所管ではございませんけれども、先生ただいまおっしゃいました際に石丸環境衛生局長から申し上げましたとおり、現在洗剤をめぐる毒性云々の問題等につきまして研究班を設けまして検討も行っているところでございます。したがいまして、従来からの物の考え方は厚生省といたしまして現時点では特に変わっていないわけでございます。
 なお、直接的に製造、販売あるいはそういったものの使用の禁止等の問題につきましては、厚生省だけの問題ではないのではないかというように承知いたしておりますので、今後とも引き続きそういう研究を進めていきたいというのが現状でございます。
○山田(芳)委員 通産省から化学製品課長さん来ておられるわけですが、やはり厚生省が結論を出さなければ通産省としてこれに対する考え方というものを明確にする意思はないということのようでありますが、そのとおりでしょうか、ひとつお答えをいただきたい。
○太田説明員 簡単に申しますとそういうことでございます。
○山田(芳)委員 通産省自身として自主的に厚生省に意見を聞いて、消費者の意見を聞いてみずからやるという体制になっているのかどうか、その点ひとつお伺いをしたい。
○太田説明員 ただいま厚生省の方から答弁がありましたように、現時点におきましては差し支えないということになっているわけです。しかし、念には念を入れて専門家会議を組織されて検討しているということになっておるわけでございまして、私どもは、ただいまお答えいたしましたとおり、いまのところは何ら規制するつもりはございませんし、もし結論が出ました暁において必要な措置をとるべきであると判断をされた場合にはそれにのっとる、こういうことでございます。ただ、現実の問題といたしまして、しからば中性洗剤をやめて粉石けんにかえたらどうか、こういう議論が往々にして行われるわけでございますけれども、これは現実的ではございません。有機汚濁物質がふえますし、それから原料資源であります油脂の手配が現実的に非常に不可能でございますからこれもいかがかな、こういうふうに考えている次第でございます。
○山田(芳)委員 はなはだとんでもないような意見なのでわれわれとしては納得できませんが、時間がございませんから、この問題はまた別途時間をいただいてやりたいと思いますが、最後に、企業排水というものを下水道に流すべきではないというふうに考えて、いわゆるクローズド処理といいますか、企業の内部で処理をせいという、これは非常にむずかしいということでありますが、こういう要求に対して一体どういうふうにお考えになっているかという点をお伺いしたいのと、何といいましても、現在はまだそうは言いながらも下水道が十分できておりません。第三次までの処理をすべきであるということでありますが、実用化が非常にむずかしいという点もあるように聞いておりますが、その見通しと、それから下水道の五年のいわゆる年次計画というものが改定すべき時期が来ているわけでございますけれども、第三次処理までの問題を含めて下水道の処理の計画について概括的にこの際はっきりしてもらいたいというふうに思うわけであります。建設省の公共下水道課長さんに来ていただいておりますので、下水の第三次処理の問題の見通し、それから企業排水を下水に流すべきでないというのが下水道関係者からの強い意見であって、御承知のように窒素とか燐というようなものがなかなか第三次処理でも抜けないわけでありますが、そういう問題を含めて企業排水を下水道に流すべきではないという強い意見があるわけでありますが、それに対する考え方をひとつ明確にしていただきたいと思います。
○井前説明員 問題点三つございますが、まず第一点の工場排水の問題につきまして私どもの考え方を申し上げますと、御承知のように、現在の下水の処理は生物的な処理をやっておりますので、生物処理に適合しない排水については、もちろん下水道として受け入れることは非常に困難でございますので、工場排水のうちにそういうものはきちんと仕分けしまして、生物処理に見合うものはきちんととっていく、そうでないものはそれぞれの工場できちんと処理していただくというふうな考え方をしておるわけでございます。
 それから、第三次処理の見通しにつきましては、現在五カ年計画の中で事業を進めておるわけでございますが、その中では一応三次処理はまだ見込まれておらないわけでありますが、昭和五十年度の予算では、暫定措置としまして、若干三次処理の必要性の認識が認められまして、とりあえず試み的に一、二の処理場で三次処理の建設をしていこうじゃないかというふうに考えております。ただ、三次処理と申しましてもいろいろプロセスがございまして、最も急がれますのは、水質環境基準の定められた水域でその環境基準を守るのに非常に困難なような場合が第一に急がれるわけでございまして、その環境基準の対応する三次処理としましては、主として有機性の物質を除去する、つまりBODあるいはSS等を除去するという問題でございますので、これについてはおおむね過去の研究開発でその実用化の見通しがついておりますので、この問題からことしから若干入っていきたい。なお、窒素、燐の三次処理につきましては、なお若干技術開発を今後とも引き継いでいく必要がございますので、水質環境基準が本文の中に窒素、燐等が入り得るということを予定いたしまして、並行して技術開発を進めておるわけでございます。
 それから、第三点の今後の下水道の整備の考え方でございますが、昭和五十年度をもちまして現在の第三次五カ年計画が終了いたしますので、来年度以降は新たな五カ年計画ということになるわけでございますが、これにつきましては、現在国土庁あるいは企画庁等で新しい経済計画等の見直しが並行して進んでおりますので、これらとの調整をとりながら、五十一年度から私どもとしては新しい五カ年計画をつくって積極的に進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○山田(芳)委員 もう少し伺いたいのでありますが、特に公営交通の問題についての来年度の予算要求に関連をしてわれわれ従来から運輸省に要求をし、自治省に要望している点についてお答えをいただきたいと思ったのでありますが、時間が来ておりますので、その部分を含めて井岡先生にお願いをしたいと思いますので、私はこの程度で一応終わりたいと思います。
○大西委員長 井岡大治君。
○井岡委員 山本審議官にお尋ねいたしたいと思いますが、時間がございませんから簡単にお伺いします。
 まず第一に、公営企業問題についていろいろ御配慮いただいておることについては心から感謝を申し上げたいと思いますが、公営企業法を制定した当時と今日の条件、状況、すべて変わっている、こういうようにお考えかどうか、この点お伺いしたいと思います。
○山本(成)政府委員 公営交通についての御質問でございますが、大体この法律ができましたころは、公営交通がまだ一応の採算というものがとれるような姿であったわけです。ところが、非常な加速度がついて赤字が出てまいりましたので、国鉄の赤字が出てまいりましたころと大体私は時期的に一致するのではないかと思うのでありますが、大体四十年あたりというふうにめどを言っておるわけでありますが、そのころから非常に悪くなってきたということでございます。ただ、その出てまいりました状況といいますか、環境が変わったのかどうかというお話でございますが、なかなかそう直にはお答えしにくうございますけれども、私どもはやはり三つばかり挙げられると思うのでございます。
 一つは、やはり企業の環境というものが非常に変わった。たとえば、マイカーの非常な増加によります交通渋滞あるいは輸送内容も恐らく非常な変わり方が出ておるのじゃないかと思うのですが、たとえば国鉄で申し上げますと、貨物輸送というものが御存じのような状態になっておるというふうなことで、非常に環境が変わってまいっております。これが一つ。それからもう一つは料金問題でございますけれども、これが経費を賄うだけなかなか追いつかない。事実問題として追いついておらぬということで、それがどういう原因かということは、いまの段階では差しおきまして、そういうことが慢性的になってきておる。それからもう一つは、特に最近でございますけれども、人件費を中心にしました経費が非常にふえておる、こういうふうなことではないかと思います。
○井岡委員 私は端的にお尋ねをしましたのは、三条にこう書いてあるのです。「経営の基本原則」「地方公営企業は、常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない。」こう書いてある。「企業の経済性を発揮する」、できますかとこう言っているんです。
○山本(成)政府委員 第三条の規定の問題でございますけれども、細かい解釈を別にいたしまして地方自治法の第二条にもよく似たような規定がございます。最少の経費で最大の効果を挙げろ、これは住民のためにやるんだぞ、こういうことが書いてあるわけでございまして、基本的にはそれと同じ思想だろうと思います。最少の経費で最大の効果と言ったところが公営企業という業種について経済性という言葉が使われた、こういうふうに考えられます。
○井岡委員 水道その他あるいはほかの問題もありますけれども、私はしぼって交通の問題だけを聞きますが、それでは運輸省の民鉄部長おいでになっておりますね。大都市と中小都市との交通問題は若干趣を異にすると思いますけれども、大都市の交通問題は、いまや地下鉄を敷設する以外に方法はないわけですね。その地下鉄が、いわゆる従来の都市内における地下鉄というように考えておったけれども、御承知のように都市交通審議会は半径五十キロの設定をしておるわけですね。したがってある意味における広域性を持っておる、こういうように考えますし、同時に先行投資を必要とするものだ、こういうふうに思うわけです。そこでいま山本審議官にお尋ねをしたのですが、先行投資というのはある一定の期間採算がとれない、こういうように理解していいですか。
○高橋説明員 鉄道の建設につきまして、先行きの需要の増大というのを見越して鉄道をつくるというケースがございます。これは特にニュータウンなどができます際の鉄道はその典型的なものでございますが、そういう場合にはえてして利用者が少ない段階から鉄道が開通するというようなことで、当初は採算的には非常に苦しいというのが本来かと思います。
○井岡委員 そういたしますと、先行投資、こういうように規定していいですね。
○高橋説明員 その路線全体を先行投資と必ずしも言えるかどうかわかりませんけれども、郊外の方まで非常に伸びていく場合には先行投資的な意味合いもあるというふうに考えられるかと思います。
○井岡委員 そこが問題なんですよ。投資的でなくて投資なんですよ。採算がとれなければ、これは第三条の経済性を発揮すると言ってみても経済性を発揮することができないわけですから。ある一定の期間というものはしかも先行投資としてやらざるを得ない条件、半径五十キロという想定であなた方は審議会で答申を受け、しかもそれによっておやりになっておるわけですから。そうだとすると、やはり将来はそういうように伸びてくるであろうけれども、当面先にやっておかなければ――私は、日本の交通政策というのはみんなそうだと思うのです。後になってばたばたやっておるというかっこうだと思うのです。やはりこういう機会にはっきりした方がいいんじゃないか、こういうように思うのですが、いかがですか。
○高橋説明員 交通政策としては先生おっしゃるような点が一つのポイントかと思いますけれども、ただ先行投資と申しましても将来とも利用者が少ないというふうな場合にはそういうふうな答申はすべきではないというふうに思います。また将来、相当利用者がふえるというふうな場合に、ある程度それを見越して早目につくっていくということは交通政策として必要でございますけれども、その場合であっても長期的には採算がとれる。要するに、長期的には経済性が保てるというふうな配慮の上で、そういう路線が計画されるということかと思います。
○井岡委員 もちろんそうですよ。将来とも全然採算がとれないというようなところにそんなものをつくるのは私はナンセンスだと思うのです。これは政策じゃないですよ。遊戯ですよ。ですから私はそういう遊戯の論議はここでしたくないわけですよ。だから、あくまで現実に即した問題としてこれを取り上げていきたい、こういうように考えておるわけです。
 そこで、財政局長にお尋ねをいたしますが、いろいろ御努力いただいてかなり再建のために努力をしておることは事実です。しかし現実にはなかなか再建というのはむずかしいのではないか。そこで今後打つべき手というものがあるかどうか、あればどういうような方法でやるか、この点についてひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。
○松浦政府委員 これは先行きの問題でございますので、ここで余り明確なことは申し上げかねますが、公営企業というものを考えてみますと、受益者としての住民、それから全体の大きな交通政策を担う国、地域の住民の足を確保するという意味の地方公共団体、そういうふうに、それぞれ受け持ちと申しますか、責任分野と申しますか、そういう観念が一つあるのではないかと私は考えております。したがって、料金も適正、それから企業内の努力も最大限、それから政策として、必要があれば国からの援助の手も差し伸べる、あるいは必要があれば地方団体からも手を差し伸べる、この四者がもたれつつ、どういう接点で適当に結び合うかという問題じゃないかと私は思っております。したがって、これといった一刀両断の名案などというものはあり得ないと私は思っております。
○井岡委員 私も、いま言われたようなことは当然やるべきだと思うのです。何でも反対だとかいうようなことではないと思う。企業努力も必要でしょう。あるいは国もやっていただかなきゃならぬ。ということは、これはちゃんと法律に書いてある。「国の配慮」、五条ですね、「国の行政機関の長は、地方公営企業の業務に関する処分その他の事務の執行にあたつては、すみやかに適切な措置を講ずる等地方公営企業の健全な運営が図られるように配慮するものとする。」ちゃんとこう書いてある。実際は、それをいままでほかしておったのですよ。ここに問題があると思うのですけれども、そんな済んだことをどうこう言ってみようとは思いません。こういうようにちゃんと規定をされておるわけですから、いままで努力していただきましたけれども、当然今後も努力を続けていただかなきゃならぬ、私はこういうように思うのです。
 そこで、実は先ほどからお伺いいたしておりますように、この法律をつくったのは二十八年です。二十八年と今日の状況というのは全く一変しているわけです。わずかに一回これは改正しているだけなのです。何ら客観的な条件あるいは主体的な条件、こういうものを考慮せずに、わずかに一部改正しただけにとどまっている。したがって、私はこの機会に公営企業法というものを大幅に改正する必要があると思うのですが、この点、次官にお伺いしたいと思います。
○松浦政府委員 現在は、法律を改めればすべてが改善されるという状況ではないと思います。現在の法律の基本的な問題として、先生からときどきお話を承ります独算制の廃止の問題、そういった問題は、私どもとしてはそのつもりがございませんので、法律の基本といたしましては、いまの法律でやり得るのであって、あとは私どもの努力、運用の努力、これは住民の負担の問題も企業の合理化の問題も含めまして今後努力していくということであって、現在大幅にこの法律を改正するという気持ちは持ち合わせておりません。
○左藤政府委員 確かにいまお話しのように、状況の移り変わりというものに対して、いまの法律が全くそのとおり妥当できるかという点については、私は問題があると思います。十分検討する必要があると思いますが、当面の問題としては、その運用の中で何とか現実の問題に十分適合できるような努力というものをまずすべきでないか、このように考えております。
○井岡委員 私は、そのいろいろ努力されていることはわかりますし、経営者それ自体も一生懸命になっていること、これはわかるのです。しかし問題は、かなり前の状況の中で判断をしていく企業努力というものと、それから今日的課題についての問題の努力というものとは違ってくると思うのです。そういう意味で私は法を改正する必要がある、こう考えたものですから先ほど提案をしたわけですけれども、やはりこれらの問題について真剣に考えていただく必要があるのじゃないか、私はこう思うのですが、この点、もう一度お伺いしておきたいと思います。
○左藤政府委員 この問題については十分検討すべきであるとわれわれは考えます。
○井岡委員 時間がございませんから、では、次へ行きます。二つ、三つ一遍に行きますから……。
 先に民鉄部長にお伺いします。
 いろいろ努力していただいておりますけれども、私たち長い間、いわゆる地下鉄というものは単に乗客の輸送機関ではない、国の道路政策あるいは産業政策、こういうものと結びついているものだ、こういうように主張してまいりました。そういう点から、地下鉄建設に対する補助金を道路並みにやってもらいたい、あるいは、さらにそれから進んで、産業政策を含めて四分の三まで上げてもらいたい、こういうように主張してきたわけですが、これらの問題について、五十一年度に従来と同じような考え方でおいでになるかどうか、この点をひとつ先に聞きたいと思います。
○高橋説明員 地下鉄の性格につきましては、先生おっしゃるような意味合いもあるかと思いますが、地下鉄に対する助成の考え方としましては、これはあくまで鉄道でございまして、道路そのものではないわけでございます。したがいまして、現時点におきましては、地下鉄の新線が建設後改良されまして、その後その運営が支障なく行われるというふうな前提のもとで補助金というものを一応積算しておるわけでございますが、そういうことで、頭から何%がいいというふうな議論は、私どもとしてはしたくないと思います。やはりそういう観点からどのくらいの補助が妥当であるかというふうな判断をしておるわけでございますけれども、現在の六六%を六年に分割しまして地方と国とで補助をするという制度ができましてからちょうど三年になります。そういうことで、その間にいろいろと、先ほど来もお話が出ましたけれども、賃金もアップしております。人件費も増高しておりますし、それから建設費等も従来に比べると相当高くなっておる、あるいは金利等も変わっておる、経営上のいろいろな条件が変わっておりますので、三年もたちましたので、来年度予算要求に当たりましては、運輸省としてはこれを見直しをしてみたい、かように考える次第でございます。
○井岡委員 明年度の予算要求に当たっては、運輸省としては見直しをする、こういうように理解します。
 そこで、問題はその次ですが、在来線の中で大幅に改良工事をやらなければいかぬものもたくさんあるわけですね。ということは、最初一日の乗客数が三十万なら三十万として考えておった。そのつもりで汽車をこしらえた。ところが、これがもう六十万、七十万になってどうにもならぬ、危険が伴ってきている、こういうような点で改良工事をやらなければいかぬ、こういうのが随所に出てきておるわけです。したがって、改良工事等についても同様の処置が講じられるのかどうか、この点をお伺いしておきたいと思います。
○高橋説明員 現在の補助の制度につきましては地下鉄の建設の時点において考えられてきたわけでございますが、この補助制度のもとでつくられました地下高速鉄道も大分年数がたちまして、おっしゃるようにいろいろな輸送需要の変化等から、ホームを延伸するなり、いろいろと今後とも大規模な改良工事もしなければならぬというふうな事情にあるかと思います。私どもとしましては、こういった大幅な改良工事について補助金の対象にできるかどうかという点についても、この地下高速鉄道の補助制度の見直しの際にあわせて検討してみたい、かように思っておるわけであります。
○井岡委員 時間がございませんから、見直しのときに十分配慮したい、こういうことでございますから、そのように承っておきます。
 そこで、中都市でまだ路面電車が残っているわけです。その路面電車は――中都市が直ちに地下鉄工事をやるのだということは財政的に非常に大きな負担になってくるだろう、私はこう思うのです。したがって、いまの路面電車を何とか維持、助成をしていかなければいかぬ。その場合、地方鉄道軌道整備法に基づく補助、これは問題が、いわゆる再建指定を受けておるところはこれは適用されないわけなんです、再建の方でやるのだから。それから再建指定を受けておらないところは若干補助してやろう、こういうことですけれども、これは自治省と運輸省との考え方の調整の問題だろうと私は思うのですけれども、やはり再建指定を受けておっても、どうしてもそこは置いておかなければいかぬという場合は、出すのはどこからでも一緒ですから、だからそこらのところは考えてやる、こういうようにお考えになれないものかどうか、この点は先に民鉄部長にお伺いします。
○高橋説明員 初めにちょっと誤解のございませんように申し上げたいのですけれども、現在の地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律、これによりまして再建企業体になっておるところとおらないところを区別して、おらないところは補助をするというふうに現在のところ結論が出ておるわけではございません。両方合わせまして、一体どうするかという点について私どもは自治省その他関係の省庁と詰めたい、かように思っている次第でございます。
○井岡委員 現実はそうじゃないのですよ。民鉄部長、よく知っていてそういうことを言ってはいけないです。たとえば函館それから熊本、鹿児島、仙台、いまあるのはこれくらいでしょう。秋田がちょっとありますかね、いや、秋田はなくしたかな、なくしましたね。これくらいだと思います。ところが、その中で再建指定を受けておるところは、この線は朝の通勤の関係上どうしても残しておかなければいけない。だからこれには何とか考えてもらいたいというところがあるわけです。どこの何だと私は言いません。おわかりなんですから、言いませんけれども、それには自治省の方の再建整備法でやっているから、私の方は何もする必要はない、こうあなた方の方は考えておいでになるでしょう。だからそういう通り一遍の答えをしたらだめですよ。
○高橋説明員 地方公営企業の路面電車につきまして補助をするという問題については、いまおっしゃったような自治省の方でやっておりますいろいろな再建措置の問題、それから再建団体になっておりますところの再建の計画というふうな問題と、この整備法に基づきます補助金との関連をどう考えるか、非常にむずかしい問題でございまして、この点については自治省と今後詰めていかなければならないと考えておりますけれども、ただこの補助の問題につきましてはもう一つ実は問題点があるかと思うのです。それは整備法に基づきまして補助対象になっております企業は、法律の規定によりますと、設備の維持が困難なため老朽した地方鉄道軌道であるというふうな観点で実際に補助をいたしておりますような企業体は、どちらかといいますと非常に過疎的な地域におきます零細な企業が多い。そういった現在までの実績等を勘案いたしまして、果たして中程度の都市におきます路面電車の事業というものがバランスがとれるかどうかというふうな問題点もございまして、あわせて今後詰めたい、かように考えます。
○井岡委員 言われるとおりなんですけれども、やはり現在の都市の交通というものがその都市の機能、経済基盤、産業基盤、いわゆる機能を果たすためには欠くことのできない一つの機関だ、私はこう思うのです。したがって現在のような整備法の狭い解釈でなくて、要すればもっと大きく解釈していいのじゃないか、こういうように考えるのです。ですからこの点は特に私は配慮をお願いしたいと思うのですが、いかがですか。
○高橋説明員 先生のおっしゃる点はよくわかりますけれども、地方公営交通事業で先ほど来申し上げました法律によって再建ということをやっておりますところは、一応その法律に基づきますいろいろな補助金というもので、とにかく十五年以内には再建をするというふうな計画を立てておるわけでございます。それに対しまして、一方現在補助を受けております地方鉄道事業者というものは、もうそれなくしてはあしたからやっていけないというふうな解釈でございまして、その間に相当な差があるのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○井岡委員 そこで財政局長、いま民鉄部長が言われたように、この問題については自治省と十分相談をしてやりたい、こういうことでございますが、自治省の御見解を承っておきたいと思います。
○松浦政府委員 運輸省と十分相談をして決めるということについては当然のことでございます。私どもといたしましては、これは最終的に予算という問題になると思いますので、いろいろ理論の組み立てが必要になるかもしれませんが、再建であるか再建でないかということによって差をつけることには、どうもいささか問題があるのじゃないかという個人的な見解を持っております。見解というよりは考えと申し上げた方がいいかもしれません。その程度のことで、自治省としてもまだそれ以上の態度、考えをまとめる段階に至っておりません。
○井岡委員 再建であると再建でないと、こういうことを区別すべきでないと考えるけれども、運輸省と十分相談したい、こういうことでございますから、私は十分にこの点は御相談いただいて、運輸省の方も――そうでないと私はタクシー規制あるいは自動車規制などと言ってみても、これは口頭禅に終わってしまうと思うのです。現実に住民はそれによって多くの被害をこうむっているわけですし、電車を置いてもらった方がいいのだ、こう言っている。あるいはまたこれから住宅の団地などになってきますと、私は要すればマイカーなりバスを持っていくのでなくて、電車を持っていった方が合理的だと思うのですよ。バスの償却年数は五年でしょう。実際は五年では償却はしておりませんけれども、五年ですよ。鉄道は、電車は二十年、実際はこれまた三十年使っていますよ。そういうように、これからのなには大量輸送に持っていかなければならぬのですから、ぜひこれは考えていただきたい、こう思うのです。
 次に、大都市のバスの問題ですけれども、私はこれは前から言っているのです、勝手に住宅を建ててくれて、それをだれが運ぶのだ。こういうことを考えないでぼかぼか住宅を建ててくれるわけです。そのために非常に困っているわけですね。だから新住宅地域におけるバスの路線という問題も考えてやらなければいけない。これは単なる公営企業だけの問題じゃないと思うのです。私営バス、私経営のところもそうだと思うのです。こういうことを考えてやらないと、私も実は、私の家のところに今度二千戸の家が建って、電車もバスもないのですが、これはどうして運ぶのだろうと思って私は一生懸命心配しているのですが、私バスを引っぱってこようと思ったって、道路がいっぱいですから引っぱってこれない。そういう点については考えてやらなければいかぬと思うのです。この点について運輸省のお考え、適用を、いまのようないわゆる過疎あるいは住宅と住宅の間を結ぶというだけでなしに、範囲をもっと拡大する必要があるのじゃないか、こういうように思うのですが、これはいかがですか。
○山下説明員 ただいま御指摘のございましたいわゆる団地バスでございますが、これはただいま先生の御指摘のございました足なし団地の問題もございまして、これを解決するために昭和四十八年度から御指摘の団地バスの路線開設運行費補助金が制度として創設されたわけでございます。これにつきましては、四十九年度については対象団地が八団地でございまして、五十年度についてはさらに拡充するような予定をしておるわけでございます。五十一年度以後この制度の拡大その他につきましての御指摘がございましたが、これは五十年度の実施状況その他を勘案いたしまして十分に検討さしていただきたい、このように考えております。
○井岡委員 五十年度のなにを後で資料を見せてください。
○山下説明員 資料は後ほどお届けさしていただきたいと思います。
○井岡委員 特にこの問題は、五十一年度には考えていただきたい。いままで努力されていることは認めますよ。決してそれはやっていないと言いません。認めますけれども、余りにも狭義と言ったら語弊がありますけれども、細かい解釈に陥ってしまっている、こう思うのです。特にこれはバスは御存じのとおり、高知県バスなんて考えてごらんなさい。ああいう点を考えてみると、これは県営バスじゃありません。私営ですよ。あれはどうにもならないのですよ。だからひとつ考えていただく。同時にたとえば岩手県のバス、いまどうなっていますか。いろいろなことをやっていましたが、あれどうなっていますか。
○山下説明員 岩手県のバスの問題でございますが、過疎地域の問題で乗客減それから経営上の問題もございまして、かなり深刻な状態になってございます。現在まだ争議中でございますが、これにつきましては岩手県当局と相談しながら、救済策について現在検討中でございます。
○井岡委員 早いことしてあげなさいよ。検討中が二年になったらあなただめですよ。これは岩手県のようなああいう、このバスしかないのですよ。だからこういう点については県と早急に話し合いをする、こういうように考えてひとつ早いことしてやっていただきたい。この点を強く要望しておきます。
 そこで財政局長、ちょっとお願いしたいのですが、岩手県の方からあるいは高知県の方からこういう県一円を走っているバスがどうにもならないような場合は、何とか救済の道を講ぜられるような処置を十分講じていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○松浦政府委員 県民の足という意味はわかりますけれども、公営企業でもないわけで私企業でございますから、私の方が直接どうこうと言うことは適当でない。したがって、運輸省の方でどういう御政策をおとりになるか、地方団体と御相談なすって決まった方向が出ればそれについてどうするかを検討するということであって、どういう形におさまるかわからないものについて、いまここで御答弁することは避けさせていただきたいと思います。
○井岡委員 私はどういう形でおさまるかわからないものに先に金を出せと言っているのじゃないのですよ。当然県と話し合いをして結論が出てくるのだろうと思うのですよ。その場合、自治省にこういうようにやりましたからひとつ何らかの処置を講じてください、ということは、恐らくこれは金融機関が必ず介在していますから、地方債を発行するとかいろいろな方法を考えなければいかぬと思うのです。そしてそれでもってその県は何らかの処置を講じなければいかぬ、こう思うのですよ。そういう場合に地方債を、いやおまえのところの枠はこれだけだ、こういうことで決められてしまいますとなかなか思い切ったことをよう言わない。これは私は高知県に行って知事と市長と話をして、四国銀行と二日間にわたって論戦をやったのです。その結論の結果がそういうことになったのですよ。ところがこっちの方はだめです、こういうことですから依然として問題が起こっているわけです。だからこういう点については、話がまとまりますと自治省の方もめんどうを見てやっていただきたい、こういうことだけをお願いしておきたいと思うのです。
 それから再建債の償還ですが、償還については自治省の方ですからお伺いしたいのですが、国の負担を五十一年度については何らかの処置を講じてもらいたい、もう少し増額をしてもらいたいというように思うのですが、この点についてお考えを聞かしていただきたいと思います。
○山本(成)政府委員 財政援助の問題でございますが、大きく分けて二つ、利子補給の問題と元金につきましての交付税措置の問題であろうかと思います。
 後者につきましては、まずせんだってからのこの機会でお話を申し上げてまいりましたように、ただいま二五%の算入率でやっておりますが、これはそのまま据え置いておきたいというような考え方でおります。
 それからもう一つ、利子補給の問題でございますが、これもまだ再建が始まって間がございませんし、とりあえずはこのままで推移を見る必要があるのじゃないか、かように思っております。
○井岡委員 私はいま直ちにどうこうという考え方は持っておりませんけれども、恐らく第二次再建案にしてもかなり問題だと思うのです。そういう意味で、この点についてはぜひひとつ考慮の中に入れておいていただく、こういうようにお願いしたいと思うのですが、この点いかがです。
○山本(成)政府委員 考慮の中に入れろとおっしゃられて、ここでお断わりするわけにもまいりません。問題が問題でございまして、いま申し上げたとおりでございますので、十分頭の中に入れておきたいと思います。
○井岡委員 そこで次の問題ですが、週休二日制の問題は再建と大きな関連を持つと私は思うのです。しかしまだ全体的に進んでいっておりませんけれども、早晩これは問題になる。特にことしの春闘の中で、二日制の問題については十分考慮するというなにで話を進めておるようですから、これらの問題についてもやはり十分考慮しておかなければいかぬというように思うのですが、この点いかがですか。
○山本(成)政府委員 週休二日制の問題は、これは公営交通だけでなくて、たとえば病院のようなものも非常に大きな影響を受ける問題だろうと思います。ところでいま人事院の方でこの問題の取り上げ方ないしは進め方を研究しておりますので、その結論を待って、国家公務員についてどういうようにするかということが出ました暁において、地方の一般公務員がどういうふうになるのかというふうなことも考えながら、さらにやはり地域の企業の実情なり住民感情の問題も十分頭に入れて検討しなければならぬ問題だ、かように思います。
○井岡委員 それからもうあと三問ほどですが、先ほど山田さんが事務所事業所税の問題について、市町村税課長が、五十万以上以外の都市でも十分考えていく、そういうなにがあれば考えたい、こういうことを言っておいでになりました。五十万ということになりますと、公営企業をやっております都市でも限られております。そういう点で、ぜひこれは何らかの処置で特別な配慮をしてもらいたい、こういうように思うわけです。ということは、これは交通とは切っても切れない、そこに従業員を送るわけですから。ぜひひとつ考えていただきたい。そこで、法定外目的税をこしらえるか、事業所税を適用するかこの二つしかないわけですから、この点について格段の配慮をしていただきたい、こう思うのです。いかがですか。
○松浦政府委員 ともかくまだ事業所税が実施をされていないわけです。それで一応現在皆様方に御審議をいただいて通った法律の制度があるわけでありますから、それで実行する。その上でただいま御指摘のようなお話が方々にあることは私ども承知をいたしております。よく税務局長にその趣旨も伝えまして、なるべく近い先行きどうするかという問題を検討する余地があろうかと思っております。いずれにしても、まだ施行されていない法律について、いまここで五十万をどうこうするということを申し上げることはいささかこれは行き過ぎかと思いますから、お気持ちをよく承っておいてその方向で検討していきたいと思います。
○井岡委員 最後に、その地域における、たとえば地下鉄が開発されていきますと、その地域が開発されるわけですね。その開発から来る地価の高騰などいろいろあるわけですが、こういう利益の還元ということを、こういう開発をする事業はこういうものに還元をするような方法が講じられないかどうか、この点をお伺いしておきたい、こう思うのです。
○山本(成)政府委員 当委員会でかつてその種の御質問があったかと思いますので、あるいは同じことになるかもしれませんが、お許しいただきたいと思います。
 地下鉄が敷かれましたりあるいは新しい交通機関が路線として設けられますと、御承知のような開発利益というものが出てくるということは、数字の問題は別として観念的に私は十分言える問題だと思います。ただ、それをどういうふうに吸収をしていくのかという問題になりますと、基本的にはやはり地域の経済というものはお互いにその開発利益といいますか、外部利益を生み出すことによってそれぞれみんながぐるぐる回りをして、その利益を得ながら地域が振興していく、経済が発展するというふうなことになるのではないかと思います。したがいまして、どういう利益を吸収すべきかということの対象をまずよく認識してかからなければいけない。それには結局数字の問題になりますし、大変むずかしい問題でございます。現に神戸市におきまして、御承知のようなバスの用地を提供させますとか、開発業者に対する負担をお願いをしておるというふうな点もございますけれども、統一的、一律な制度としてどういうふうにするかということは相当むずかしい問題でございますので、検討課題として引き続いて検討させていただきたいということでございます。
○井岡委員 ぜひひとつ、私はこういう問題については従来の概念にとらわれないで新しい発想で物を処理していただきたい、このことをお願いして私の質問を終わりたいと思います。
○大西委員長 三谷秀治君。
○三谷委員 社会党の改正案と次官通達に関係をして一、二お尋ねをしたいと思います。
 自治省は、地方公営企業の経営の合理化と料金の引き上げの方針で地方自治体を指導する、こういう態度のようであります。
 そこで地方公営企業というのが水道、交通、病院、電気、ガスなどすべて住民の日常生活に密接な関係を持っておるものばかりであります。そこで地方住民の生活防衛をたてまえとする地方自治体が、物価政策上あるいは社会政策上料金を抑制して困難に耐えておるのに対して、ただ料金を上げよ、経営の合理化をせよという一面的な指導でいいのかどうか。地方公営企業に対する政府の基本的な姿勢に問題がありはしないか、この点についてのお考えをお尋ねしたいと思います。
○松浦政府委員 この通達の中で言っておりますことは、効率的な運営をやってほしいということと、適正な料金を取るべきであるということを言っておるだけでございまして、そのほかのことをしないという意味で御理解をされては私どもは非常に困るわけであります。
 御承知のように、毎年各省に対しまして、たとえば水道の問題でございましたら広域水道あるいは水源開発の補助率の引き上げをやってくれ、あるいはもっと補助の金額をふやしてくれ、それからことしの例で申しましても、バスの補助金については実勢単価に合うようにしてくれということで六百五十万まで引き上げる、こういう努力はいたしているわけでございまして、先ほど申し上げましたように、公営企業の問題は住民にも一部を負担していただく、国も一部責任を持つ、地方公共団体も一般会計からの繰り入れで一半の責任を果たす、それから企業体自身は企業努力をする、こういう四つのものを結びつけていかなければできないと考えておりますが、そのうち公営企業をやっておられる地方団体に向けて言う場合のことを二つ掲げたまででございます。後の一般会計の問題と国の問題は、当然のこととしてこの通達には書いてない、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○三谷委員 地方自治体におっしゃっておることが非常に重要な問題になっておるわけです。おっしゃっていることについてはいろいろなニュアンスがありますが、受け取っている側というのは料金の値上げ、それから賃金の抑制、この二本の柱というものを重点にして見ているわけです。だれしも同じことなんです。この問題につきましては言うまでもありませんけれども、公営企業というのは単なる企業ではないわけでありまして、企業の経済性が困難でも、公益的な見地からこれを運営しなければならない、そういう性格を持っております。いわゆる社会公共の利益を基本とするものであります。ですから住民福祉と地域の発展のためには、不採算でも運営する責任が存在をしておる、これが公営企業の基本的な性格だと思います。これは単に私どもが言うのではなしに、いろいろな審議会などにつきましても同じ意見がしばしば出されております。たとえば東京都の総合交通対策会議の答申でもそうなっている。都市の公共交通は住民生活に不可欠のものだから、企業的収支を最終基準に料金を決定すべきではないか、こういうことを言っている。それから公営企業のあり方としては、固定施設あるいは設備は公共財源で賄って、運用費用を料金で支弁すべきである、資本的経費まで独算制にこだわることは現実的でない、こういう見地を示しております。こういう具体問題について国は一体どうお考えになっておるのか、どういう措置をおとりになるのか。たとえばいま言いました固定施設や設備については公共財源で賄うべきだ、これまで独算制にこだわることは現実的ではないというような指摘までしているわけでありますが、こういう差し迫った重大な現実問題について国としてはどういう措置をお考えになっているのか。
○松浦政府委員 私どもは、ただいま先生がお取り上げになってお読みをいただいた結論とは見解を異にいたしておりますので、これについてどうこうという措置をとるつもりはございません。
○三谷委員 東京都の総合交通対策会議、交通関係の専門家が集まった答申でありますが、いわゆる世論の一端でありましょうが、そういうものについては見解が異なると、どのような見解が異なるのかお尋ねしたいと思います。
○松浦政府委員 地方公営企業法において一般会計で負担する部分と、当然企業自体で賄うべきものは区分されております。それ以上の問題につきましては、公共負担、税金で賄うというたてまえを私どもは適当でないと考えておるわけでございます。したがって、企業の経営努力と適正な料金とによって運営されるということを私どもとしては期待をいたしておる、こういうことでございます。
○三谷委員 そこに問題があるのですよね。非常に問題がはっきりしてきたのです。要するに、利用者の負担で賄っていく、あるいは合理化による労働者の犠牲において賄っていくという点を強調されておるわけであります。しかし、いまおっしゃった地方公営企業法そのものが絶対的なものじゃないわけであって、これは道理に合わなければ、あるいは現実に合わなければ法改正を行っていくという可能性のあるものでありますから、そのことを含めても、なおあなた方の方ではそういう措置はとるべきではない、誤りであるという御見解ですか。
○松浦政府委員 先ほどの御答弁にもお答え申し上げましたように、地方公営企業法のつくられた時点といまの時点で、環境の変化というものはありますけれども、公営事業の考え方自身に私は変化をさせる必要はないという見解を持っておりますので、その点は、独算制を廃止しろ、あるいは負担区分をもっと緩めろというような御指摘に恐らくなるのではないか、あるいは間違っていたら御指摘をいただいたら結構でございますが、と思いますが、現在のところ、そういうふうに法律についても検討をする必要はないんじゃないかというのが私どもの見解でございます。
○三谷委員 いま私が言っているのは独算制の廃止までは言っていない。独算性の内容について言っている。資本的な経費までも独算制に含めることは現実的ではないという答申の内容についてお尋ねしたのです。ですから、独算制問題は一つの議論ではありますが、いまはそれを言っているわけじゃありません。
 それからいまの答えを聞きますと、いまの地方公営企業の実際上の困難を打開するという点におきましては全く何らの策がない。要するに住民負担の強化で賄っていくという点が非常に鮮明に示されております。これは福祉優先をおっしゃる三木内閣の方針としてはまことに合点のいかない考え方であります。都市交通の整備調査会の提案を見ましても、都市における交通機関のコスト上昇には企業外的な要因が含まれておるから、コストを利用者のみの責任に帰するのは適当でない、こういう提案もなされております。ですから、交通コストの一部というものを社会全体の責任で補償する必要があるんだ、これがいまの現状なんだ、こういうような提案もなされております。ことに地下鉄の整備というのは企業外的な要因によって必要性を増しておりますから、資本費負担を軽減するための財政措置が必要である、こういう提案もなされておるわけであります。こういうようないまの現状に立った具体的な提案というものが交通関係の審議会、調査会等におきまして次々と答申をされ、提案されておりますけれども、これについては全く耳をかさない、こういうお考えなんですか。
○松浦政府委員 私どもは耳をかさないんじゃなくて、目をもってよくその文章を拝見をして、それについて賛成ができないと申し上げているわけでございまして、審議会から何か結論が出れば全部それに従わなければならぬということになりますと、右と左の答申が出た場合にはどっちに従っていいのかわからないことにもなるわけでございます。私どもは判断をいたしました上で、現在の制度で努力をしていただきたいというふうに申し上げておるわけでございます。
○三谷委員 そうしますと、いま右と左とおっしゃったけれども、答申の合理性の問題なんですよ。私ども、いまの提案はきわめて合理的なものだと思う。なぜかといいますと、企業外的な要因というものがコストに非常に含まれてきている、これを全部利用者に負担させるということは妥当ではないという考え方ですね、これはきわめて合理的なものだと思います。ですから、交通コストの一部を、企業外の要因でありますから、要するに社会的な要因でありますから、社会全体の責任で補償する必要があるのだという考え方ですね、きわめて合理的だと思う。これはどこが、あなた方の方がよく目で見て不合理であるとおっしゃるのか、お尋ねしたい。
○松浦政府委員 国家的にながめました場合に、どこかにお金が余っているわけではございませんので、税金で賄うのか料金で賄うのかという、二つの考え方の相反する対立の問題になろうかと思います。バスを利用する方と利用されない方とあるわけでございますから、やはり料金の方に当然ウエートがかかってくるというのが私どもの考え方でございます。
○三谷委員 税金で賄うか料金で賄うかとおっしゃって、非常に平面的に物をおっしゃっている。その税金の、要するに構造の問題になるのですね。たとえば水道の場合、水道も赤字になっております。たとえば人口の過度集中に伴って水の需要がふえてきている、あるいは臨海工業地帯、内陸工業地帯造成に伴って急激な水需要が膨張してきている。そこで水資源の開拓という問題が必要になってくる。あるいは水道建設事業が急激に膨張してきている。この建設費や水源の開発というものが、いわゆる工場地帯の造成あるいは人口の過度集中に伴って非常に膨張してきているという社会的な要因があります。この水の供給という問題は、地方自治体としては避けがたい義務的な事務となっておるわけであります。その場合にこれをどこの税金で賄っていくかという問題でありますが、これはむしろ国の責任で、普遍的な全国民的な事業として見ていくのが当然である。水道など、特にそうである。そうしますならば、これは当然国の税金で賄っていくということも考えられていいわけであります。
 それから企業というものが、大阪など特にそうですけれども、重化学コンビナートですから非常な水を使っていく。その水の水源の開拓が膨大な金を要するというふうになってきますと、その受益をする企業の負担につきましても当然考えていかなくてはいけない。その負担が税金であるかあるいは別個の負担かは別としまして、そういう点についても当然これは考慮を払う必要が出てきておるというふうに私は思っておるわけであります。
 ですから、税金か料金かという、つまり同じ階層の国民あるいは利用者が負担するという意味でなしに、たとえばいま言いましたような水で言いますと、特殊な水の需要をする大企業の負担、そういう負担が非常に軽微になってきている。そこに負担というものを見てもらうというような考え方、構想ですね、そういう点から見ますと、あなたがおっしゃいます料金か税金かという単純な考え方ではやはり律し切れないものがあると思いますけれども、この点はどうでしょう。
○松浦政府委員 何か、国が金を出しますと税金でないというふうに受け取られるようでございますが、国の税金であろうが地方の税金であろうが、これはもうまさに日本国民にかかってくるものです。だから国の方から補助金を出したらいいじゃないかというと、たてまえは、いま使っている金が全部固定しているといたしますれば増税をしなければできないわけでございます。ですから増税でやるか、要するに料金の引き上げでいくかということには、端的に言えば、結論的に、他の条件を全部固定すればそういう議論に必ずなるという意味で私は申し上げておるわけでございます。もちろん、水道料金の問題について特に大阪等の問題がございましたのは、傾斜料金の問題もございましょうし、大口口径から加入時に大幅な金額を取るというような方法も地方団体で行われております。それは地方公共団体がいろいろと知恵をおしぼりになって、使用の状況による不公平をなくすように努力をしておられるというふうに私どもは確信をいたしております。私どもが申し上げているのは一般料金をどうこうということじゃございませんで、全体の料金収入がふえるように適正にやっていただきたいということを申し上げているわけで、その点は御理解をいただきたいと思います。
 それともう一つは、ほかの団体に比べて非常に低い水道料金しか取っていないというようなものもあるわけでございます。そのために大きな赤字が生じているというようなところについては、やはり料金を検討していただくべきじゃなかろうかということも私どもの基本的な考え方の中にあるわけであります。たとえば東京都の水道の十立米百四十円というのは、五大市、政令都市に比べると極端に安うございます。それのみならず、水源地でいやいやに近い形で争いまで起こして水を東京都に供給している群馬県の市町村は、三百円だ、四百円だという水道料を払っておる。こういうことでは、赤字が出たからといって私どもはどうこうという態度に出るわけにはいかないという気持ちがあるわけでございまして、何も採算がとれなくなっておるから一律に高いところまでというつもりで申し上げているわけではございません。特に高料金につきましては、余り高くなっては困りますので、一定のルールに従って特別交付税で逆に高料金対策というもので値段を引き下げるような施策も私の方でとっております。そういうこともお考え合わせいただきたいと思いますし、さらには私どもの方は、先生がおっしゃるように限られた国費の中から、やはりこういった地方住民の基本的な生活権に関する問題なので、広域水道の補助金をふやしてくれ、あるいは水源地開発の補助率を引き上げてくれということは毎年国にお願いを申し上げております。なかなかむずかしい問題で実現はしておりませんけれども、今後ともその努力は続けるつもりです。その点は先生との考え方は違わないと私は思っております。
○三谷委員 いまの議論でいきますと、結局また税金か料金かになってしまうのですよね。いまおっしゃいましたように、国に自治省として要求されている問題にしましても、結局は税金じゃないか、こういう議論になってしまうのでしょう。そうすると議論が成り立たなくなってしまうのです。ですから、料金というものは利用者がそれぞれ負担するわけなんですよね。直接に負担するわけです。ただ、いま言いましたように、企業外の要因とか社会的な要因によりまして赤字というものが避けがたいというふうな場合におきましては、より広範な人たちが社会的に共同してその問題については解決する、負担をするという立場に立つべきだ。そして税金につきましては、まあ税金の構成の問題、だれが税金を負担すべきか、だれの税金が安いかという問題、これは別に論議せぬといけませんが、私どもはその税の構造、これも変えなくちゃいけませんが、同時に社会的な要因に基づくものにつきましては当然国が負担し、あるいは自治体が負担をするということが必要になってきておるんだ。要するに独算制問題になってくるわけなんですね。いま財政局長がおっしゃったいろいろの努力をなさっているその努力というものも、結局は独算制をもってしては維持できないということに対する一つの修正的な手段だと私は思います。それがいまの公営企業の実態じゃないでしょうか。
○松浦政府委員 私どもいろいろ努力しておりますのは政策論の問題であり、かつ現実の地方財政に及ぼす影響の問題として理解をしておるわけでして、独算制を修正するための施策であるとは考えておりません。
○三谷委員 それを主観的にどう考えるかは別としまして、客観的には独算制では維持できないということのこれはあかしなんですよ。ですから、自治省の主観のいかんにかかわらずそういう処置をとらなければ地方公営企業は維持できなくなってきておるという、この客観的な事実まで否定しちゃだめですよ。
 そこで、病院につきましても赤字要因は非常に明白なんでしょう。病院の赤字というのは医療基準が不当に低いところに一番の原因があるように思いますけれども、その点はどうなんでしょう。
○山本(成)政府委員 水道でございますとかあるいは交通と違いまして、病院につきましては、御承知のように国民皆保険のたてまえから、医療保険の制度に基づきます診療報酬というものが国の方で決められておるわけでございまして、それによって実施しておるわけでございますが、これが適正かどうかということにつきましては、細かい個々の内容についてはよくわかりませんけれども、しかし私どもとしては、適時適切に診療報酬の改定をやってくださいということは、常に厚生省の方へ強く申し上げておるわけでございます。
○三谷委員 厚生省の医務局長ですか、地方公共団体の経営する病院だから最終的には住民の負担によって経営すべきだとおっしゃっているようですが、厚生省の方がお見えになっておりましたら、この点はどういう意味のことでしょうか、お尋ねしたい。
○木戸説明員 病院の経営につきましては、やはり診療収入、つまり現在の制度でございますと、社会保険の診療報酬によって賄うというのが原則でございますが、自治体病院のような公的病院の場合には、僻地の医療でございますとか、救急医療あるいは看護婦の養成事業等のように公的機能の非常に強いものがございまして、これらに要する経費のすべてを診療報酬で賄うことは適当ではないというふうに思っておりますので、それについては、国なりあるいは経営する都道府県なり市町村が一般会計から繰り入れをするということは必要である、こういうふうに考えております。
○三谷委員 そうしますと、ここでも独立採算は不可能であるということが証明されておりますが、この点はどうなんです。
○山本(成)政府委員 厚生省からお述べになった内容について関連しての御質問でございますが、さらに不足分が出るじゃないかとおっしゃられる点につきましては、たとえば高度な医療施設でありますとか、あるいは救急医療でございますとか離島、山間僻地でありますとかいったようなところで、性格的に本来採算制がとりにくい、とれないのだというふうな病院なり医療機関におきます公的な医療給付というものにつきましては、これは特殊性からくるものとして当然是認してかからなければなりませんけれども、それの負担につきましては一般会計から繰り入れることが法令上も認められておるということで、それは現実に実施されておるわけでございます。
○三谷委員 この診療基準が不当に低いという問題ですが、入院料が八百円で給食費が九百五十円ですね。ですから千七百五十円になっている。看護料にしましても非常に安いんですね。特二類というんですか、患者二人半に看護婦一人という場合、一人当たりの看護料が二千二百八十円ですけれども、実際の原価というのは二千九百四十二円という計算が出ております。
 こういう実情に合わない診療報酬を決めまして、一般会計や国費で支弁をするとしますと、これまた例によって税金で負担をするという結果になってくるわけなんです。ですから、中医協がこういう支払い機構の枠の中で単価を決定する、実態を無視した医療基準というものがこの赤字の原因になってきておる。そうなってきますと、なぜこの実態を無視した単価を改めないのかということになってくるわけです。こういう状態ですから差額ベッドが発生するわけなんでしょう。そして患者に高い医療費を押しつける結果になってくる。その上、医者や看護婦の労働強化も生まれてくる。これがなぜ改善されないのか。そのことによりまして病院経営が維持できない、明確でありますのにそれが放任されておる。その場合は国が予算を出すことを認められておる、こんなことをおっしゃっている。
 その面からいきますと、これは診療報酬を直せば直る問題だ、解決する問題だ。しかし、たとえば交通問題などにおいては簡単に直らない。たとえばモータリゼーションによる車の停滞というような問題は簡単に直るものではありません。あるいはそのために地下鉄建設に巨大な経費をつぎ込むというふうな問題、これは解決する問題じゃない。その解決しない方の問題につきましては国が金を出すことは問題であると言う。解決すべき問題につきましては一般会計で補助しても構わない、こうおっしゃっている。そこら辺の矛盾した考え方、態度というものはどこから生まれているわけですか。
○松浦政府委員 一般会計から勝手に入れていいということで申し上げているわけではございません。(三谷委員「いや、勝手になんて言っていません」と呼ぶ)一般行政に属するような普通の病院経営の範囲を超える問題については、負担区分論として法律の中にも繰り入れてよろしいと書いてあります。それについては私どもはめんどうを見ております。ところが診療報酬は、私どもは実態に合うようにしてくれということを口が酸っぱくなるほど言っておるわけでございまして、それができさえすれば、一般会計から行政に属する分野の部分が出れば、私どもは採算がとれると思っているわけでございますので、交通について申し上げていることと何ら思想的に違っておるとは考えておりません。ただ、診療報酬というものが非常に大変な問題であるために、自治省の希望どおりにいっていないところに問題があるということを申し上げている。その部分は一般会計で負担していいという考えでおるわけではございません。実際には赤字が出て非常にお苦しみになっておられる、だから早く診療報酬を直してくれ、こう言っているということでございます。
○三谷委員 しかし病院につきましては若干の補助制度もとりました。ですからこの赤字をそのまま放任しておくということにはならないでしょう。いずれにしましても解決しなくちゃいかぬ問題なんですよ。ですからこの診療報酬の問題、これは当然改善してもらわぬと、病院の赤字というのは解決の見込みありませんね。これをなぜ国の方でおやりにならないのか、私は不思議に思っておる。そういう状態において病院が赤字になってくる。
 それからいま申しましたように、水道に対しても水道法を改正しまして義務負担の枠の拡大をすべきです。あるいは広域水道施設に対して他の公共事業と同程度の補助制度を確立すべきですよ。これがなぜできないのか。水道なんというものは全国民がその受益に浴する問題でありますし、しかも先ほど申しましたように、水資源開発などが最近においては非常な金を食う事態になってきておるのですから、そういう場合におきましては国としても財政的な補助をする、めんどうを見るということは当然のことです。それがなぜできないのか。国の財政の問題でできないというのでしたらまた議論は別になりますが、財政局長の答弁を聞いておりますと、そのことが論理的に正しくない、そういうような答弁をなさっておる。そうでしょう。
○松浦政府委員 どうも私の口が下手なので御理解いただけないのかどうかわかりませんが、そういう性格のものは私どもは毎年口を酸っぱくして要求しておると申し上げているのです。したがって、どうして実現できないかは私どもお答えできないわけです、先生と全く考え方は同じなんですから。
○三谷委員 大分話がややこしくなってしまって、さっき意見が対立しておると思ったら今度は一緒になってきたのですが、そうしますと、口を酸っぱくして自治省が要求しておる、しかしそれが実現をしない、そこで結局のところは利用者負担に転嫁される、あるいは労働者の合理化に転嫁される、つまり弱いところにしわ寄せがいってしまう、そういう結果になるおそれがあるし、またいまなってきているんじゃないですか。そこのところが問題と違いますか。正義が通るのでなしに無理無体を通す方が通用するというふうな政治のやり方につきましては、これは改善しなくちゃいかぬのと違いますか。
○松浦政府委員 そこが食い違っておるのじゃないかと思うのです。私どもは水源開発とか広域水道とかいうものに対する助成金はできるだけよけい出してくれということをお願いしているのです。しかしその金額と料金の値上げとの問題ではおよそオーダーが違うのです。だからそれが出たから料金を値上げしないでいいなどというかっこうは私ども考えてないのです。国が出すべきものは出してもらいたいけれども、どっちみちそういう意味ではバランスがとれない、それは受益者に求めてくれ、こう言っているので、一つをどっちかで片づけようとしているのではないということを御理解いただかないと困るのでございます。
○三谷委員 いや、そうじゃないですよ。私が言っているのは、たとえば水道の広域化施設整備費とかあるいは水源開発費、こういうものは国の負担でやるべきだ、そして利用者が負担すべきものは経常的な経費にとどめるべきだ、それがやはり公営企業に対する正しい考え方だ、こういう主張をしているわけです。財政局長は両方やっていくのだ、こうおっしゃっているのですね、そこが違っているのです。
○松浦政府委員 残念ながら私が誤解しておりまして、先生の考え方とは私は意見が合いません。すべて固定施設は国で見て、経常経費は住民の負担で、これは私どものとるところではございません。ただ東京都のようにいろいろと水対策に非常に困難して、そしてダム建設のための負担金を求められる、そういったようなものについての補助を高めていくということを考えているのであって、水を引いてくる管まで全部国で持つなどという考え方は私どもいままでも聞いたことございませんし、諸外国にもそういう例があるとは私は承知をいたしておりません。広域水道とか水源開発とかいう基本的な部分について国の援助をできるだけお願いしたいという態度で毎年厚生省に物を申しておるということは事実でございますけれども、管の布設、いわゆる固定経費について全部国が持てというようなことは私ども言っておりませんので、ややその点は先生の考え方が進んでおりましたので、私誤解をいたしました。そこは必ずしも先生の意見と意見が合わないというふうに御理解いただかざるを得ないのではなかろうかと思います。
○三谷委員 水道法を改正しまして、義務負担の枠を広げるとか、それから広域水道施設に対して他の公共事業と同程度の補助制度を確立する、これはいいとおっしゃったんですね。私の基本的な考え方といいますのは、固定施設それから固定設備、これは公共的な財源で行うべきだ、そして経常的な経費、これを料金で負担すべきだ、こういう考え方なんです。こういう考え方に立ってやるべきではないか、それでなければこの赤字問題の解決ができないということを言っておるわけなんです。これは、大臣がお越しになりましたから、大臣の所見もお聞きしたいと思います。
○福田(一)国務大臣 これは、私いままでの質問応答がどうあったかはっきりしておりませんので、十分お答えに合うかどうかと思うのでありますけれども、大体水道の問題などは、水道の問題にしても何でもそうですけれども、やはり全国的に見て考えてみる必要があるのではないか。たとえば田舎などですと、簡易水道などをやっておりまして、そういうのはほとんど自分の方で、当該市町村等が出し、また自分らも負担をして出しております。ただ、非常に大きい都会地などになりますというと、いま言ったような負担が非常に過重になるというような面も出てくると思うのですけれども、それを全部国でやるということにするならば、公平の原則から言えば、負担の公平を期するという意味から言えば、水道は、簡易水道であろうが何であろうが、全部いわゆる固定費になるものは国でめんどうを見る、こういうことになるかと思うのです。それはいささか実情、現実の姿と合わない面があると思うのでありまして、国にそれだけの余裕の力がございますれば、そうすることも何も悪くないというか、そういうことも考えていいのではないかと思いますが、現在のような段階、まだいまの日本の国力をもっていたしましては、そういうような水道の問題の固定資産を全部国でめんどう見るというだけの力はまだ国にはついていないのじゃないか。そういう面で、一部の補助をしたりあるいは利子の補給等々の問題は考えられても、全部めんどうを見るというのはいささか無理があるのではないか。これは私そういうような理解を持っておるわけでございますが、いかがでしょう。
○三谷委員 私がいまの時点でこういうことを申し上げますのは、水道事業について見ましても、水道建設事業費が大都市におきましては非常に膨張してきておる。これは一つは人口の集中という問題があります。それに伴う水需要という問題があります。それから臨海工業地帯、内陸工業地帯、いわゆる高度経済成長政策がもたらしました工場地帯の造成というものが水需要の膨張になっておる。したがって、そういう原因が明確なんです。そういう原因によりまして必要になってきます水資源の開拓費や水道建設費というものを一般の利用者が負担すべきものだろうかという疑問を持つわけなんです。一般の善良な利用者というものがその原因者になっていない。原因者というのは別にあるわけなんでしょう。いわばこれは高度経済成長政策がもたらしました大企業奉仕の政治が原因になっている。そうしますと、それを全部利用者にひっかぶせて料金で支払えというふうなやり方というものは、正しい処置の仕方ではない。そこに、私がこの問題につきましてお尋ねしております一つの大きな原因があるわけなんです。
 しかも、さっきも議論になっておりましたが、水道の例で申しますと、市民の飲料水を確保します上水道事業に対する補助というものは、いまおっしゃいますように不当に制限されている。ところが営利を目的にします工業用水道の供給というのは、大阪の例で申しますと、トン当たり五円五十銭から九円程度である。原価が大体十三円ぐらいついている。これでいきますと、売れば売るほど赤字になってしまう。そういう状態になってきております。地下水のくみ上げの制限と工業用水の価格というものは別個の問題なんですよ。地下水のくみ上げというものは、公共の利益に反するものだから禁止をするのだ。同時に、工業用水を使っていく。これは当然の処置なんです。しかし、だから工業用水を特に廉価で提供するという根拠にはならない。そういう関連性はあり得ない。別個の問題なんだ。地下水のくみ上げはいけない、工業用水を使いなさい、そういう関係なんです。にもかかわらず、ここではこのような膨大な補助金が出されて、しかも廉価で水が供給されるという状態になってきておる。しかし一般市民の水道というものは、いま財政局長がおっしゃいますように、利用者負担というものが原則として貫かれる。独立採算の中に資本的な経費も含むということをおっしゃっておる。これは余りにも片手落ちなんでしなう。原因者の方に特別に優遇して水を供給しておって、犠牲者の方が料金の負担を負わなくちゃいけない、こういうゆがんだやり方です。これは当然改正する必要があると思いますが、どうでしょう。
○松浦政府委員 工業用水の問題はどうも国の政策の問題でございまして、わが省所管でございませんので、余りいろいろなことを申し上げますと……(三谷委員「ごまかしちゃだめだ。皆、国の問題だ、いまやっているのは」と呼ぶ)ですが、やはり担当省というものがございますので、余り私の方から申し上げることはいかがかと思います。通産省の方からお聞き取りを願いたいと思いますが、大都会にいろいろ社会的な現象が起こってくるために水をよけいとらなければならぬ。そのために上がってくるものは、料金の上がるようなものは国で見ろとおっしゃいますけれども、現実の姿は、大都市がべらぼうに安くて、ほかの都市は非常に高い水道料を払っているわけでございます。それより高くしろということを言っているのではございませんので、いまのはやはり原価を償うのに足りないから適正な料金に直していただきたいと申し上げているわけでございます。東京都が仮に二倍に水道料金を引き上げましても、まだ大阪市を除いた他の政令都市とはどっこいどっこい、あるいはまだ他の政令都市の方が高い、こういう状況にございます。私どもはそれぞれの実態を見て、余りむちゃな値上げをするようなことまで指導するつもりもございませんし、上げたいと言っても、余りひどい場合には、少しがまんしてこういう形でやりなさいという指導もするつもりでございます。ただ、一般論として東京都等の水の問題がいま頭にあっておっしゃっておられるといたしますと、どうもこれはさっきの群馬の話ではございませんが、水をくれておる前橋市は三百円で飲んでおって、東京都の都民が百四十円で飲んでおる。それは前橋市民は感情論としてはなかなか納得しないんではなかろうか、こういう感じを持っております。
○三谷委員 その問題は、料金の問題というのは、要するに福祉の内容になっているわけなんですよ。たとえばここで指摘されていますような授業料の問題であるとか使用料の問題であるとかあるいは公営企業の料金というものは、要するに行政の福祉の内容になっているものなんですよ。ですから前橋と東京が違いますのは、東京の福祉行政というものがそれだけ進んでおるんだという内容だと思います。ですから私どもは、料金という問題は要するに住民福祉の内容を形づくっておるものなんだ。その面からしますと、あなた方の方はその福祉に対する攻撃が非常にきつ過ぎるんだ。公営企業の料金であろうと、あるいは使用料であろうと授業料であろうととにかく値上げをしろ。で、あなたの説明によりますといろいろなニュアンスなことをおっしゃっていますが、しかしこの指導から受け取りますものは、そういうあなた方がおっしゃいます福祉の先取りですね、それをやめろという内容を明らかに示している。そこに私たちは問題意識を感じている。
○松浦政府委員 負担の公平論という基本的な問題ございますけれども、そういう角度を離れて、ただいまの先生のお考えにいささか反論する形になるかもしれませんがお許しを願いたいのでございます。
 私どもが次官通達で書いておりますことは、値上げをしろと言っているよりは、いままでの行政をそのままでやっているとバランスがとれなくなりますよ、だからこれらの点に御注意をいただかなければいけませんと申し上げておるのです。したがって、マクロで見て料金を上げないで、そのかわりほかの歳出が切れる部分があるんなら、それもそれで自治体の一つの行き方だと思います。やるなとは申しておりません。福祉問題、いろいろお考えいただいて結構でございます。そのかわり、現行制度で与えられた中で切り盛りをしていただきたい。足りないからということを言って、何かくれということをおっしゃらないでいただきたいというのが私どもの本音でございます。要するに、現行制度のもとでつかみ得る財源をどのように配分していくかということは地方公共団体にお任せをしてあるわけでございますから、料金を値上げしないで、それを自分の取った税金でカバーをするということで財政が立ち行くならそれも一つの方法であろうかと思いますけれども、その先にはまた負担論が出てまいります。まあ負担の公平という観点からすれば、やはり料金は上げるべきだろうということが後へつきますけれども、基本的なたてまえとしては、地方財政を自分で右、左を決めていかれるのは地方団体の問題であろうと思いますので、いけないとかやめろとか、そういう態度で私どもは臨むつもりはございません。
○三谷委員 いまおっしゃいますことを聞いていますといかにももっともらしく聞こえますけれども、しかし地方自治体というものが、そういうきわめて低廉な使用料や授業料などによって住民福祉の充実を図りながら、なお国に対して財源の要求をしますのは、国が当然出すべき金を出していないという問題があるでしょう。たとえば超過負担の問題があります。努力する努力するとおっしゃっておりますけれども、これは努力というものがいつでも後追いになってしまっている。ですから、いつでも時間のずれに伴う負担増というものが地方自治体にかかってくる。それから不交付団体は別としましても、交付団体におきましてはこの国庫補助単価を基準にしまして交付税の算定をしますから交付税が足りなくなってきている。結局、自主財源というもののうちから二〇%ないし二五%の独自財源というのがあるはずでありますのに、その独自財源は全く超過負担の穴埋めなどに消えてしまう。あるいは交付税の算定の基準のインチキによりまして、その不足に埋めてしまう。そうしますと、地方自治体の独自の財源というのがなくなってしまう。そこで地方自治体というのは今日におきましてもなお国に対して財源の要求をしてくる。これは当然のことなんだ。その問題と、地方自治体が独自に行っておる福祉の内容を形成する料金問題とを混同してはいかぬと思うのです。ですから私どもは、国がこの法律で決まりましたように実際の必要な算定をして国庫補助金を出したり、あるいは交付税の算定にしましても実際に基づいてやっていく、そうして独自財源が保障されるということでありますならば、地方自治体はやいやい言うことはないと思う。それがないからやいやい言っているのでしょう。その問題と、この福祉の内容をなしている料金問題やあるいは使用料問題とを混同してはだめですよ。
○松浦政府委員 これは先生よく御承知でおっしゃっておられるのだと思いますが、財政計画に見ていない決算と人件費の計画の乖離だけでも一兆円あるわけでございます。それをそのままにしておいて、金が足りるとか足りないという議論をされても、私ども大蔵省に非常に物が申しにくいわけです。超過負担の額は先生方とまた見解が違うので、私どもは単価を超過負担と言い、先生は数量差、対象差まで言っておるわけです。これは基本的に考え方に相違する部分があるわけでございますので、その辺のところは御承知でおっしゃっておられると思いますが、私どもといたしましては、国の責任の部分は最大限の努力を重ねるということをこれまでも繰り返して申し上げ、あるいは先生の目からごらんになったら遅々たる歩みかもしれませんけれども、われわれの力としては最大限の効果を上げておるつもりでございますし、今後も続けるつもりでございます。したがって、地方団体は現行制度のもとでつかみ得る財源をどう重点的に、あるいは効率的に使って住民福祉を高めていくかということについていま一度お考え直しをいただきたいというのが基本的なこの次官通達の態度でございます。
 なお、一言ちょっと先生の発言に余り穏当でない部分があったのでございますが、インチキという言葉はひとつ御勘弁願いたいのでございます。算定の仕方が少ないとおっしゃっていただければ私どもは納得しますけれども、インチキはいたしておりません。
○三谷委員 算定の仕方の内容というものがまさに実情に合わない、しかも実情に合ったかのごとく算定をされる。そこでいま言ったような言葉が出てくるわけなんですよね。
 そこで、いま財政局長が地方財政計画にない人件費という問題を言われましたが、私は人件費問題よくわかりません。わかりませんが、いま人件費というものがあなた方の自治体攻撃の、これも穏当でないかもわかりませんが、自治体批判の主要な柱になっておる。しかし人件費というのは昭和三十五年の四一・八%と比べますと、四十七年度には三四・一%と非常な減少をしておりますね。大幅な減額になっておる。最近ラスパイレスですか摩訶不思議なものを持ち出してこられた。このラスパイレスというのは、国家公務員との対比におきまして、地方公務員の三二・六%にしかすぎない一般行政職員だけの比較に終わっておるわけなんでしょう。しかもこのラスパイレスというのは学歴別、経験年数別の職員構成が国と同一だと仮定した場合の仮定の話なんでしょう。仮定の問題につきましては、あなた方はお答えにならぬのがしばしばなんだけれども、この場合は仮定の仮定を組み立てていらっしゃる。財政論の観点からいきますと、そういう怪しげな計算ではなしに、人件費というものが職員の平均賃金としてどれだけの状態にあるかというところが財政論から見ました場合の人件費のウエートなんですよ。そうしますと、職種別の平均給与月額というものを国を一〇〇としました場合に、地方の一般行政職は何ぼと計算されておりますか、あるいは地方の一般行政職以外の全職種を含めまして何%と計算されておりますか。
○松浦政府委員 いまの後段のことはちょっと私わかりませんので財政課長が答えると思いますが、ラスパイレスというものは、行政局長からもお答えがあるかと思いますけれども、現在こういった種類の比較をするのに全世界のどこへ行っても通用する一番ポピュラーな方法だと言われている。しかも自治省はこれは絶対だと言っておりません。若干の誤差があるということは言っておるわけです。しかし三〇%も高いところが国家公務員より低いなんということには逆立ちしてもなりません。その辺の達観で物を申し上げておるということを前提に言っておるわけでございまして、その辺は十分御理解をいただかなければいけない問題ではなかろうかと思います。いまの細かな問題については、ちょっと私計数を存じませんので、石原財政課長の方からお答えをいただきます。
○石原説明員 いまの地方財政計画上の地方公務員の給与費の計算についてでございますが、地方公務員の給与実態調査の結果に基づく単価をもとにいたしまして、これをその調査時点におけるラスパイレス指数の逆数で国家公務員単価に引き戻してもとの単価をつくり、それをその後の理論昇給率あるいは給与改定率というようなものを乗じまして、各年度の給与単価を積算いたしております。したがいまして、現在の地方財政計画上の給与単価は国家公務員と同じ水準だという計算になっている次第でございます。
○三谷委員 職種別の平均賃金月額を見ますと、国を一〇〇としました場合に、地方の一般行政職が九六・六という数字になっておりますね。それから全職種を加えますと、九二・三%になっているのですね。ですが、この財政論からいきますと、この平均給与月額こそが問題であって、地方公務員と国家公務員とを同じ学歴別に並べて整理してみる、あるいは経験年数別に整理してみる、そういうめんどうなことをしなくても、財政論からいきますと平均給与月額でいいわけなんでしょう。それをあなた方はあたかも地方公務員が非常に高いかのように宣伝をしますために、こういうでたらめ、でたらめと言ったら悪いけれども、こういう複雑な、しかも実態のつかめないような計算の仕方をやられているわけなんですよ。これは純粋な財政論からいきますと、ここが問題じゃないんですよ。平均給与が問題なんですよ。地方の方が国よりははるかに安くやっている。ただその場合、学歴が足りないとか、あるいは経験年数が足りないとかいう問題があるかわかりませんが、しかしそういう困難、隘路を打開しながら、地方自治体では努力しながらやっているんだ。そうして平均給与ははるかに安いんだというところこそ財政問題としては評価しなくちゃいけませんぜ。
○松浦政府委員 財政問題と給与問題というのは私は一緒だと思うのです。正しい給与理論なしに財政の結論が出てくるはずはない。だから、財政問題の観点からすればというおっしゃり方は私は必ずしも賛成できない。ただ平均給与をもし使うということになりますと、国家公務員の平均が三十八歳で地方公務員の平均が三十四歳だ、そうなると、高等学校を出る年が、国が十八歳で地方が十四歳でないと合わないのです。やはり年齢による差というものは当然給与差にあらわれてくるはずなんでございます。ですから、平均給与というものは使えない、こういうことに相なろうかと思います。
○三谷委員 財政論といいますものは、給与論とは違いまっせ。要するに、給与というものが財政に与える影響の問題なんでしょう。ですから、給与の構成がどうだこうだという問題でなしに、給与全体が地方の財政や国の財政にどういう影響を及ぼしておるかというところに問題があるのでしょう。ですから、国の平均給与月額より非常に高い給与を地方自治体の職員が取っておりまして、そのために地方自治体の財政というものが非常に大きな影響を受けておるということになってきますと問題でありますけれども、学歴は足らぬかわかりませんよ、経験年数も足らぬかわかりませんよ。しかし、そういう条件の中で、なおかつ努力しながら地方自治体がやっているわけであって、しかも平均給与というものは全職種を合わせますと、九二%でありますから、八%も安いわけなんでしょう。しかもさっき申しましたように、昭和三十五年の全体の予算対比の人件費四一%から三四%、もっともこれは四十七年度でありますが、減ってきておる。そういう状態の中におきまして、あなた方はこの人件費問題を盛んにキャンペーンされる、まことにけげんにたえない。
○松浦政府委員 どうも先生御承知になっておられておっしゃっておられるのじゃないかと思うのですが、先生と私が全く同じ学校を同時に卒業して、先生が国家公務員になられ、私が地方公務員になった、平均給与はいまの場合では地方公務員の方がそういう人については高くなっているわけでございますよ。逆に、いまの事例で先生がおっしゃるならば、先生が先輩で四年前に国家公務員におなりになった、私が四年おくれて地方公務員に入った、十年たったら、先生の給料と私の給料が同じだった。先生、御納得なされますか。これだけ申し上げれば、先生はもうよくおわかりのはずでございます。
 それから、全体の財政計画の中に占める給与費の割合のことを御指摘いただきましたが、その点については私ども全く同感で、地方財政計画の中に人件費が幾ら占めるからどうだなぞということは、財政局は一言も言うておりません。これは公共事業が景気刺激のために大きく伸びるというようなときには、人件費率下がりましょうし、いまのように比較的足踏み状況を続けているときには、人件費の割合は上がります。したがって、この割合をもって人件費のことを論ずるということは、私どもとしては非常に危険なことであると思っております。
 そうでなくて、やはり財政論議というものも一つ一つの問題について、給与の問題であれば給与論というものの上に立った財政問題でなければいけないと思いますし、国庫補助制度についても財政問題として直ちに考えずに、国庫補助制度というのはいかにあるべきかということを前提に置いて、現実の政策としてどういうふうに金が動くかという、こういう形で見ていくべきだと思っておりますので、給与論を差しおいて直ちに財政論で平均単価で財政計画を見ればよろしいじゃないかという御意見については、残念ながら私としては理解しかねる、賛同いたしかねるということをお答え申し上げざるを得ないと思います。
○三谷委員 いまあなたのおっしゃいます点で、同期に卒業した者が何年か勤めた場合に格差が生じてきておるという、この具体例ですね、そのことにつきましては、それは全く問題がないとは言えぬでしょう。言えぬでしょうが、このラスパイレスの指数というのは地方公務員の場合三二%なんでしょう。ですから、地方公務員の給与というものは三二%だけをもって見るわけにはいきませんでしょう。ここにおきましてそういう部分的な矛盾があるということは、これは否定できないでしょう。ですけれども、いま言いましたように、全体の地方公務員の給与というもの、つまりここで計算外に入っております六八%というものを含めまして見た場合、非常に安いものであるということが現実なんです。ですから、三二%というものを学歴別、経験年数別に比較してみまして、そこに若干の矛盾があるという問題と、しかし地方公務員全体の給与というものは決して高くないという問題と、これは別の問題として考えていかにゃいかぬことなんでしょう。
○松浦政府委員 先ほど来申し上げておりますように、およそ統計学的な考え方をとる限りは、三二%の部分をとって、私どもホワイトカラーだけで比較をしておるわけでございます。しかし、先生御承知のように、地方公共団体の給与運営というものは、ホワイトカラーを中心にやはり常識的な格差をつけた形で並べておるというのが実態でございますから、特に先生方からも御指摘いただくように、再建団体であっても一般職員と給与差をつけるなということをしょっちゅう御指摘をいただいておるわけであります。そういうことから考えました場合には、ホワイトカラーの給与水準というものを比べますと、およそそれに右へならえをしているので、結論は大同小異だ、われわれとしてはそう判断をいたします。
 しかも、私も細かいことは存じませんけれども、先ほど来申し上げておりますように、これ以上の算定方法はこの種の比較にはないわけでございます。御承知の人事院の民間給与との比較も全部この方式によっているわけでございます。これ以上の方法がないということになれば、一、二%の誤差があるということは、公務員部長からもしょっちゅう申し上げていることでございます。その程度の誤差を差し引いてもなお高い部分はやはり高いということを言わざるを得ないのじゃないか、われわれとしてはそのように考えます。
○三谷委員 そこは私の言っていることと少し違うのです。私はホワイトカラーだけでなしに、地方公務員の給与の問題ですから、給与額というものはホワイトカラーだけで計算するわけじゃないですから、全職種を通じまして計算されていくわけでありますから、そのホワイトカラーの面におけるそういう矛盾があるということは、これは否定できないとしましても、そのことを通じまして、全地方職員というものが国家公務員より高いんだということにはなり得ませんですよね。ところが、いまの攻撃――攻撃と言えばおかしいが、問題の提起というものは、地方公務員が全体が非常に高水準の給与であって、それが地方財政に非常に大きな、しかも根本的な影響を与えるかのような取り扱いがなされておりますね、これはやはり正しくない。ですから、いまおっしゃいました個別に比較してみまして、そこに多少の不合理性があるという問題は問題として、これはそれとして問題の解決を図るあるいは改善を図るということが必要かもわかりませんが、そのことが全部の地方公務員の給与がベースが高いということにはなり得ないというふうに私どもは考えております。それがつまり八%の格差になっておるものだ。
○松浦政府委員 私どもがいろいろ申し上げておりますのは、全国の地方公務員の平均が国家公務員より上回っているということを申し上げているので、個々の団体が全部上回っているということは言ったことはございません。したがって、今度の通達をごらんいただきましても「給与水準が国家公務員のそれを上回っている地方団体にあっては」と、ちゃんと書いてございます。下回っている団体についてどうこうは言うつもりはございません。
○三谷委員 ですから、これは下回っている団体もあるし、上回っている団体もありますでしょう、いろいろあると思うのです。ありますが、全体として見ました場合には、国家公務員を一〇〇としましたならば地方公務員は九二・三%になっている。ですから、下回っているところはもっと安い。たとえばそれは農村地域に行きますと、役場なんかは安いのに決まっているのです。
○松浦政府委員 九二・何%というのは、国家公務員に比べて学歴、勤続年数が低いがゆえに、それを逆算で置きかえた場合の地方財政計画の単価でございます、そういう数字は。地方公務員の全体の平均は一一〇でございます。したがって、ほとんどの団体が上回っておって、一部の団体は上回ってない、こういうことについては、すでにもう計数的に給与実態調査を先生方のお手元にお届けしてございます。都道府県では、例外なく一〇
○を上回っております。市でも一〇〇を下回っている団体は一部でございます。町村でも半数以上がもう国家公務員の一〇〇を上回っている。これは先生のお手元へ資料をお届けしてあるはずでございます。九二・何ぼというのは、いま先生から御質問があったので石原君がお答えした、財政計画上の国家公務員の単価に対する比率を申し上げたわけでございます。
○三谷委員 そうじゃないですよ。地方の一般行政職が九六・六でしょう、全職種を含めますと九二・三というのです。これは平均給与月額だ。
○松浦政府委員 先生からお尋ねをいただきましたので、財政計画上に盛り込んである地方公務員の単価というものは、一般行政職は九六・何ぼだと石原君がお答えしたのです。現実の給与はそうじゃないのです。全国の平均は一一〇なんです。
○三谷委員 それは何ですか、全職種を含めまして……
○松浦政府委員 そうです。
○三谷委員 それは少し私の……
○松浦政府委員 いまの一一〇というのは一般職です。
○三谷委員 そうでしょう、いまのそれはラスパイレスなんでしょう。私はラスパイレスじゃなしに、平均給与月額で言っているのです。――石原君、それはどういうことだ。
○松浦政府委員 国家公務員を基準にいたしておりますものを一〇〇にいたしました場合に、財政計画に盛り込んでおります一般職の単価はそれより低くて九六・幾つだ、こういうことでございます。それは当然のことでございまして、国家公務員の行政水準と言った場合に、年齢が国家公務員の方が高いわけでございます。それを置き直すとそうなりますから、入れたわけでございます。現実にはラスパイレスで一一〇でございます。だから、九六で見ました財政計画の単価と一一〇になっている現実との乖離が、毎年の決算との乖離になってあらわれてくる、こういうことでございます。
○三谷委員 それは食い違いがありますね。私の言っているのは、職種別平均給与ということを言っているんですよ。それで、地方一般行政職は国家公務員に比べまして九六・六%、そうして全職種が九二・三%なんだ。これがいまの平均給与なんだ。
○松浦政府委員 それは全然違うのですよ。――ああ平均だけとって。そうですか、単純平均。それではとても私、議論できません。それはそうなっていると思いますが、それはもう私どもの考え方とは基本的に根っこにおいて食い違っておるものですから……。
○三谷委員 食い違っておりましても、これが地方財政の問題からいきますと、明らかにこの財政に関連する問題でありますから、国家公務員と比べまして安くなっている、その安くなっている原因というのは、学歴がないとかあるいは経験年数がどうだとか、そういう問題があるかもわかりませんが、地方公務員全般が非常に給与が高くて、それが自治体の大きな負担になっているという考え方には、これは合致しないものだ。
○松浦政府委員 それが合致いたしておるわけでございます。これはこういうことでございます、地方公務員の給与というものを国家公務員とイコールに置き直しますれば、国家公務員より勤続年数、学歴が――学歴はどうか知りませんが、少なくとも勤続年数が低い。そのために国家公務員の単価より低い姿でいいんだという結論になるわけでございます。その単価で積算をいたしておりますから、現実の支出額と食い違ってくると、こういうことでございます。
 ただ、先生がおっしゃっておられる、ただ平均単価をとればいいということなら、幾ら給与を上げても、高くなっても平均単価をとればいいということになるだけでして、それじゃ地方公共団体の給与というのは、どこまで行ってもいいという議論になってしまう。そうじゃないのであって、あくまで勤続年数とか学歴とかいうものは、一つの給与の高下を支配する要因でございますから、それはやはりパラレルにしなければいけないので、先生が先ほど申し上げたように国家公務員で十年前に入られて、私がその後から入って、十年たってみたら、先生が二十年たっているのに給与が同じだった、全部の職員がそういう関係になっているとすれば、明らかに地方団体の方が高過ぎるということになるんだと思います、きわめて常識的に考えたら。まさにそれはやはり十年の差というものは、一年に一号俸ずつ昇給するとすれば、それだけの問題を加減して計算をしなければいかぬということになると思うのです。それをきちっと方程式でやるのがラスパイレスだ、こういうことだと思います。
○三谷委員 話がなかなかそこのところ通じませんが、いまあなたのおっしゃいますのは、ラスパイレスの三二%だけのことをおっしゃっているのです。私の言っているのは、三二%でなしに、地方公務員の一〇〇%の給与総額というものを人数によって割りつけたもの、平均給与ですね、これが国家公務員と比べまして九二%ということを言っておるわけなんです。
○松浦政府委員 それはわかりました。
○三谷委員 このことは、地方財政に与える予算的な計算からいきますと、国と比べまして八%以上低くなっているわけですから、地方公務員全体の給与が非常に高くて、それが地方財政の大きな負担になっているという、そういう一面的な見方には賛成できないという論拠なんだということを言っているわけなんです。
○松浦政府委員 繰り返して申し上げますが、給与が高いか低いか論議をするには、ラスパイレスという方式が一番常識に合った方式だということになっておりますので、その方式で計算をしておるわけで、先生の平均給与月額がどうこうという御議論は、私どもにはとても納得ができない、これだけは申し上げざるを得ないと思います。
 なお、三二%三二%とおっしゃっておられますけれども、その他の一般職員の問題あるいは学校の先生の問題等についてもすべてラスパイレス計算をやっております。それに基づいてやっておりますので、私どもとしてはどこにも、さっき先生がおっしゃられたようなごまかしはいたしておりません。
○三谷委員 ラスパイレスという計算の仕方が必ずしも正確ではないということはしばしばおっしゃっているわけでありますが、この計算の中にはいろいろな計数外の問題も含めていかなければいけませんね。たとえば宿舎の問題だとか、あるいはあなた方の場合でいきますと退職後における保障の問題だとかいろいろあるわけなんですから、これだけで地方公務員の給与が高いという批判というものが妥当であるとは考えませんが、きょうは時間がありませんからこれ以上できません。しかし、その次官通達につきましては、いずれ改めて時間をとって、私どももよく拝読しましてさらにお尋ねしたいと思います。
○大西委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 時間の関係で二、三点にしぼってお尋ねいたします。
 次官通達も、私は悪くはとらないつもりでおるんですけれども、いまお話を聞いておりますと、非常に明快に松浦さんお答えになっております。なぜそれを新聞記者の会見や何かに、あなたの自治省の御意見がさも地方公共団体をいじめるかのごとく錯覚を与えるかのごとき記事にならねばならないかということは、やはりスポークスマンである、また渉外関係であるこれを発表する記者会見の席上、非常に言葉が足りないんではないかと思う。これは、松浦さんは財政通で、右からでも左からでもどこからでもお答えができて、ちょっと言葉が強過ぎれば反撃されるほどよく何でもお知りになっていますから、私も聞いておりましてなるほどと思いますが、まず第一点に、もっともっと、お互いに人間がやっていることですから行き違いも誤解もあるでしょう、また文章というものは心を、意を尽くさない場合もあり得ます。私がまずここで一言しておきたいことは、そういう問題をよくマスコミが理解でき得るように、あなた方の真意がどこにあるかということをしっかりと相手が把握できるように話をしなければいかぬということをまず御忠告したいのです。これが一点です。これは質問じゃないから結構です。
 そこで、「昭和五十年度における 地方公営企業の課題と方向」という「公営企業」の問題のこの文、これは自治省はほとんどよく見ていらっしゃると思いますが、坂田さんが自治省財政局公営企業第一課長――これだって文章が意を尽くしてない、非常に見る者をして不快感を与えるんですよ。こういう問題が地方財政の危機突破というときにいろいろな問題になってくる。私が一番かつんときたところだけひとつ読んでみますよ。たとえば「選挙直前ということで、市長も、そして議会のどの政党も料金改定問題は逃避してふれたがらない。あえて泥をかぶってまで地方公営企業の経営問題を考える者がいない。公営企業の管理者も選挙なら仕方がないとすっかりあきらめている。こういう状況では、地方公営企業の経営の責任は一体どこにあるのか、云ってみれば無責任状態になっているといわねばなるまい。」と書いてあるのですよ。一体これはどこの政党が入っているのか、公明党も入っているのかと言いたくなるのです。私どもは、少なくとも選挙に当選するために、そんな人気取りのために公営企業の料金問題、この公営企業の問題は大きく分かれて三つあると思うのです。私は三谷さんとはちょっとニュアンスが違うのですけれども、荻田さんがおりますね、前の当委員会でも呼びましたが……。一つは、こういう状態は公営企業の財政状態が悪いというその客観情勢、社会情勢が、まず公営企業を運営していくために非常に悪くなってきた、これはお互いに認識をしようではないかとまず謙虚に言っているわけです。これは自治省が悪いのでもない、地方公共団体が悪いのでもない、また責めているわれわれ議員の責任でもない。しかし世界的、国内的客観情勢、この公営企業を取り巻く環境状況というものが非常に悪化してきた。この環境状況はなぜ悪化したかという議論は、野党と与党ではまた違うと思うのですよ。また国と地方公共団体とはおのずから違うのですね。この客観状況が、だれが悪いとかいいとか、いま議論をしている余裕がないということをここで言っている。それではその客観状況が、取り巻く環境条件が悪くなったならば、その悪くなった問題を一つ一つお互いに取り除いていこうじゃないか、そのためには企業の経営合理化ということも、それは当然だと私は思う。そういう客観条件が悪くなったという問題にほおかぶりして、何でも野放しで、たれ流しで、しりぬぐいはそちら様任せというような姿勢はいけないのだ。そのために公営企業に対して財政負担の問題がありますね、これは十七条ですか、一般会計で出す分と受益者負担の、先ほどの税金と料金問題の区分帯があるわけです。この区分帯がおのずとそこに生じてくる、根源的な問題が発生してくるわけですから、この問題をどうするかというなら私も議論します。独立採算制の問題についてもどうしてもそこまでいかないなら、独立採算制度というものが公営企業なら企業の面にいくのか、公営の面にいくのか、両サイドからいまの制度というものが曲がりなりにもあるんだという考え方ではあるけれども、取り巻く環境が悪化してきた。その対策対処の仕方ではもうどうにもならないんだという発想からいまお互いに議論やっているのであって、むだな、お互いに責めたり何かして、あなたは揚げ足を取ってこっちをたたく、こっちはまた揚げ足を取ってたたく。インチキがいけないとか不合理がいけないとか、そんな問題を私たちは聞いている余裕はないとさっき言った。その点は、松浦さんのような聡明な方はよくおわかりだと思うので、そういった観点からまず自治省の姿勢の問題をこの問題では言いたい。
 そこで、この「地方公営企業の課題と方向」として、わざわざ坂田課長が書いてくださったことについては感謝しますが、「最近の地方公営企業の経営にとってまず第一の問題は料金適正化の問題である。」ここはこれでいいとしても、そこからずっと指摘して、その後に「昨年来からの急速なコストの上昇に対応して、すでにかなりの地方公共団体で料金の適正化がはかられてきているが、全般的にはなお適正化が遅れているものが多く、」その適正化の問題については先ほど群馬県、要するに野菜の例から言えば、産地で買ったキャベツと東京の流通機構を幾つもくぐってきたキャベツの値段とが高い安いの問題はおのずとだれだってそれは考えますよ。だから群馬県へ行けばその問題では言われます。だけれども、先ほど言った三谷さんの説だってあるわけですよ。東京の、あらゆる角度から論じていって施設が進んだからこういうふうになったんだという議論もあるでしょう。だけれども、私は、少なくとも自治省のお役人の頭の中に、「しかもそれが長及び議会の選挙等、政治的配慮によって左右され、その結果生ずる赤字についての責任の所在が不明確になっている傾向があることである。」冒頭まず持ってくるなんて、これはちょっと私はいただけない、失礼だと思うのです。これはどうです。
○松浦政府委員 まず、前段に、御親切な御指摘をいただきましてありがとうございました。私ども、先生のおっしゃられるように、十分真意を伝える努力をいたしておるつもりでございますけれども、恐らくまだその努力が不足だったために真意を必ずしも十分に伝えておらない部分があったから御指摘をいただいたんではなかろうかと思います。今後、十分自粛自戒、努力をいたします。
 二番目の坂田君の論文の問題につきましては、これは自治省の公的な見解というわけではございません。これは個人が自分の考えていることを書いたものでございますが、「公営企業」というこの本自体が、公営企業金融公庫においてある程度編集しておる雑誌でございます。そういう観点からすればやや筆が走り過ぎたということを言わざるを得ないと思います。今後十分注意をいたします。
○小川(新)委員 私は、筆が走ったとか行き過ぎたとか言って、あなたが坂田さんを呼びつけてどうのこうの言うあれはないのです。そんなことをしてもらいたくて言っているわけではないので、個人的にそういうようなことを攻撃するためにきょうしゃべっているのではないのですが、少なくとも政策料金、それは高いより安いにこしたことはないですね。少なくとも党が政策を勘案する場合には、その党が責任をもって、執行権を得たときの方策を住民に訴えるわけですから、そのことが、言っていることとやっていること、たてまえ論が違った場合には、要するに三木さんがいま非常にたたかれる四つの踏み絵の中で私たちが言っているように、一つは政治資金規正法の問題、また第二の問題は独占禁止法の問題、三番目は昭和五十一年度排気ガス規制の問題、四番目は年金の改正についての考え方、これは野にあって田中内閣を攻撃しているときと現実に自分が総理大臣になったときと、いかにその政策の実行というものがむずかしいかという一つの例、私はもう本当に理解した話を展開しているわけですよ。こんなことは野党の立場で、攻撃する側から言ったら本当に言えないようなことまで、きょうはわざわざあえて言ってあげているはずですね。しかし、それほど政策論理というものは責任を持たされる。社会的にもまた国民に言っても、その政党の浮沈にかかわる問題ですから、いやしくもこのように議会の長及び党ということまで出てきているのですね。政党まで名前が出てくるということについては、これはもう非常に問題が出てくると思います。そういうことで公営企業という問題が云々されるということについてはまことに遺憾だ。私はまずその点については、これは十分議事録にとどめておきたいので御指摘をしたわけです。これは政務次官、ひとつお考えをお聞きしておきたいと思います。
○左藤政府委員 いま御指摘の点につきましては、個人の意見という形で表現されておるにいたしましても、少し行き過ぎと申しますか、そういう感じがするわけでございまして、やはり公務員という立場あるいはまた地方自治体に対しますいろいろな財政上の指導とか、そういうふうなものをする立場から考えまして、少し限度を行き過ぎておるのじゃないかというふうに考えております。そういう意味におきまして、もう少し自治省としてもそういった問題について配慮したといいますか、地方公共団体に対してもそういう態度で接していかなければならない、このように考えております。
○小川(新)委員 そこで、地方公営企業の財政というものはきわめて悪化しているわけです。これは地方公共団体の財政がこんなに悪化しておったら大変である。二回にわたって不良債務のたな上げ、財政のてこ入れをしていただいたわけです。また、そういったことが逆に地方公共団体に対する責任のたれ流し、しりぬぐいのたれ流しだ、後は追わないのだというような理論さえも生み出すような風潮さえも生み出している。しかし私は、地方公営企業の財政というものはきわめて悪化しているので、このままでは一体改善されるのか、先細りになってしまって加速度的に悪化していくのか、こういう問題を本質的に見きわめていくところに、社会党さんが出したこの大事な問題について、私どももきょう拝見いたしましたが、この地方公営企業法の一部を改正する提案理由というものがきょう出されたわけでございます。私もこれをよく、これは法律案の本当の柱でございますから、これから一つ一つ内容を見るわけでございますけれども、大きく六つに分かれているその一つだ。
 そこで、私はこの公営企業法の改善の根本的な問題について松浦さんにお尋ねしたいのでございますが、独立採算制度というものはあくまでも堅持しながら、一般会計による、要するに独立採算制度の収益の範囲を超える部分、これは公企法の第十七条の二に掲げておりますが、この第十七条の二をあくまでも拡大解釈してでもやっていくのか。また、たとえば先ほど水道料金の問題が出ましたけれども、水道料金の問題なんかの一つの例を見ても、水源の問題なんかの開発は、都市計画法に従うところの下水道法とかそういったように、国の補助を二分の一ないしは三分の二に引き上げて、下水道と同じような物の見方を、広域水源開発の問題にするとか、または適正料金の適正とは一体何なのかという、そういう問題がまだまだ手直しをされない中において、群馬県と東京都の例のような中から、松浦さんがお考えになったり見きわめている適正料金という問題は、もっともっと適正料金を決めるための学者、識者またはそういった専門家によるところの料金を選定する委員会のようなものを設けて、そうして国会のわれわれが十二分に納得する、しかも公営企業という――たとえば人件費の問題についても、同一民間路線の一採算単位に見るように、ただその分野だけで人件費の問題を論ずるということは、皆さんもしておらないことはよく承知しておりますが、そういう問題を踏まえた中で、もっともっと国が、公営企業の一般会計の分野に地方公共団体がおんぶをしなければならぬという前に、国が助成する措置を、昭和五十年度に見送った分または昭和五十一年度にこれをやられる分、こういう問題が明確になってまいりますと、私たちが独立採算制度に踏み切らねばならないのか、またはいま言ったように負担分野の分野調整といいますか、その範囲の見方の拡大というものを見ながら、一般会計におんぶをして、要するに税金の分野に入っていくか、こういう理論展開を明確にしながら、こういった独立採算制度にどうしてもやらねばならない範囲ですね、病院だとか交通だとか水道とか、いま言ったようなどうしても直接の住民の生活の分野に入っている問題、しかも、であるからといって、公営企業の持つ一つの責任分野である企業の合理化とか人件費の問題をわれわれはそのままにしておいていいとは言っておりません。この点だけは御理解いただきたいのですね。こういう問題も、あえてそれは地方公営企業であるから何でもいいのだといって言いなりに任せておくようなことはいたしません。であるけれども、まだまだやるべき点が多々あるのではないか。私のような素人が言ってはまことに申しわけないのですけれども、そういう点をひとつお答えいただきながら、私の考え方、わが党の考え方というものをおくみ取りいただきたいと思いながら質問しているわけです。時間がありませんし、きょう私もこれからどうしても行かねばならないところがありますから、二、三でとどめておきます。
○松浦政府委員 先生のお話を承っておりますと、私どもがお答えを申し上げることをそのままおっしゃっていただいたような気がいたします。
 私どもといたしましては、独立採算制という基本の原則は守りながら、十七条の二の負担区分の解釈については、現実の経済情勢、社会情勢に合った、納得し得る解釈、法律の許す限度までですが、そういう解釈でこれは取り扱ってまいりたい。したがって、この十七条の二の思想に関連をいたしまして、国庫負担金をできるだけよけいにしてもらうということについては、国の方にこれからも繰り返してお願いをしてまいります。
 なおそのほかに、公営企業法の中には十七条の三という規定がございまして、災害復旧を一つの例に挙げて、「その他特別の理由により必要がある場合」には一般会計から補助することができるという規定がございます。これ自身も何でもいいということではないので、「その他特別の理由により必要がある場合」ということがございます。その限度についても、いま申し上げたような考え方で常識に合う形で運用していくべきだ。そして、なるほど全国的に、たとえば病院については非常に採算が地域によっては悪い、そういうことがございます。そういう問題については、特別交付税で地域別に単価差を設けて、一ベッド当たり幾らというようなことで財政の調整も講ずるという努力をこれまでも繰り返してきておるところでございます。あるいはバスの路線補助の問題にいたしましても、二分の一国が出しますればその裏の二分の一は財源措置として特別交付税で配分する、こういうような形で現実に合った運営にできるだけ努力をしていきたい、こういう考え方でおるところでございます。
○小川(新)委員 いまお話を承っておりますと、私はこれにちょっと反論するわけじゃないのですけれども、負担区分で明示された公共的不採算事業経費の一般会計負担というものは、制度上軌道事業と病院事業についてであります。また水道事業自体については、かかる公共的利益のための増高経費の負担は、この原則のもとでは配慮されていない。これがまず一点聞きたいことなんです。そして、もともとの公企法で規定する経費の負担原則というものは、同一の地方公共団体内部での公営企業の特別会計と一般会計等との間の経費の負担区分を定めたものでありまして、地方公共団体同士または国と公営企業との間、または国と当該公共団体の間の経費負担区分を定めたものではないのですから、いま言ったような国の分野、いま言ったような問題になってきますと、この皆さんの補助という問題が非常に弱まってくるという説があるわけですから、この問題についてはどのようにまずお考えになられているか。
○松浦政府委員 全く御指摘のとおり非常にむずかしい問題で、こちらの方をいろいろと地方財政計画の範囲内で公営企業の繰り出し金という観点から強化をしていくと、国の方はそれに対する手出しをびびる。こういう問題が当然因果関係として出てくると思います。そこらの点は十分配慮しながら、やはり国の方に第一義的に、水源開発の補助金をふくらましていただくとか、そういう努力をしながら、やはりどうにもならない部分について自治省の持っている財源で調整をするという努力を繰り返して、そこのところが矛盾を来さないようにしなければならないと思っております。
 現実の問題としては、これから特に五十年等については国庫財政が非常に詰まっているようでございますので、これらの実現についてなかなかむずかしい点はあろうかと思いますけれども、これまでと同様の態度で国に対して強くお願いをしてまいりたい、このように考えております。
○小川(新)委員 こういった細かいところまできょう議論いたしますと長くなっちゃうのですけれども、私はやはり独立採算制という問題と、いま言った経費の負担区分の分野の面、この分野の面が明確になってきますと、そしてそれが納得され、合意され、一つのコンセンサスを生み出したときに、どうしても合理化もやる、人件費の問題も検討する。そして適正料金という問題も出てくるだろう。なおかつそれだけやってもまだ、いまのような独立採算制では赤字がどんどん増高して地方公共団体の命取りにまでなるような問題になってきたときに、なったのでは遅いのですから、そういう問題を危惧しつつ、社会党さんも言われているような、生活問題については、独立採算制の問題についてこういう考え方があるのだというお考えをお示しになったのだと私は想像するわけです。私は社会党の一員でありませんからわかりませんが、想像しているわけです。でありますけれども、いずれにいたしましても、地方公共団体の赤字の問題をただ単にこういった議論だけで終始しているよりも、いま皆さんがいろいろな手を尽くしてくださる。なおかつそれでも赤字になるのかどうか。
 なお、このまま五十年代後半においての客観的――この客観的という問題が入っていますね、例の一般財源との兼ね合いのところに。「客観的に」という問題、要するに地方公営企業の独立採算制度の中の収益では賄い切れないものを客観的に見たとき、その客観というものは主観的に動くわけですから、おれはこう見るのだ、この範囲というものはおのずと――その人によって主観的に客観的な問題は変わっていくわけです。そういう問題を私は提案しながら、きょう本当に時間のないところでこういう高度な問題をいつまでも言っているわけにいきませんけれども、この客観的と主観的な問題についてひとつお尋ねしていきたいと思うのです。この問題がこの文章の中にあいまいもことされている。いかがですか。
○山本(成)政府委員 十七条の二の規定と十七条の三の規定に関連しての御質問でございます。十七条の二の規定には明らかにいま御指摘になりましたように客観的に見て性質上不適当だというものと、客観的に見てどうしても採算が合わないというもの、採算困難といいますか、この二つを挙げているわけでございまして、それらについては十七条の規定は「負担するものとする。」と書いてございます。これは、負担しないということは許されぬぞという趣旨として解釈しておるわけでありますが、その具体的内容につきましては政令で具体的に書いております。
 ただ、この政令の範囲で全部終わりかということになりますと、これはやはり時代とともに変わり得る性格を持っておりますので、もし政令の改正までいかない部分につきましては、場合によりまして十七条の三の規定で災害に類するような、それに近いような緊急性のあるものについては、私どもは十七条の三の規定の解釈として運用をしておるというふうなことでございまして、お説のように十七条の二の負担区分の考え方そのものについては常時検討をしなければならないというふうに考えております。
○松浦政府委員 法律的にはただいま審議官からお答えを申し上げたとおりでございますが、先生がおっしゃられるようにいまの段階では私ども主観的に見ておりまして、経営努力、料金の引き上げということでやっていけると思っておりますけれども、どういう事態がくるかわかりません。そういう場合においていま政令で規定しております不適当な経費というのが社会常識に合わなくなるかもしれません。その場合には政令を改める。あるいは困難な経費というものはもっと広がるかもしれません。それは政令を改める。その都度都度、私どもとしては機動的に事態に対処するという努力は怠らないでまいりたいと思っております。
○小川(新)委員 結局その独立採算制の分野から一般財源の分野に入ってくることは、それが地方交付税とかいろいろな自主財源の問題にはね返ってきて、地方公共団体全体の財源の問題に潤いが出てくる。これは非常に大きな問題でありますから、そういう問題を踏まえて独立採算制度という問題は廃止するというような動き方も出てくるのだと思うのです。また、考えはわれわれも持っているわけです。でありますが、そのことによって経営の合理化とか、合理化という言葉はちょっと私余り好きではないけれども、そのことによって企業努力というのか、何といいますか、努力ということ、これはやはりその時代時代、どうしても必要です。公務員たりといえどもまたそれだけの責任を果たしてもらわなければならない、一般の国民から見れば。そういう問題が一般財源のすべての中にあって、全体的にその地方公共団体の財源の問題にプラスになるか、マイナスになるかという問題と、もう一つは持つその仕事の性格上の重要さ、七〇年代これから私たちが福祉という問題を論ずるときの位置づけ、これがやはり明確になってまいりますと、自治省のお答えというものが当然この範囲の中にしぼられてくると私は想像しているわけです。この問題はこの次じっくり御意見をお聞かせをいただきたいと思いますが、時間の関係でどうしても二点ばかりお聞きしておきたい問題があります。
 一つは、この間も議論いたしました、大平さんにもお聞きしたのでございますが、例の五月十八日の新聞によって私は見ているのですが、五十年度の税収の落ち込みが確実になったために、今年度五十年度予算並びに地方財政計画に計上した地方交付税交付金を年度の途中に減額修正せざるを得ないとの方針を決めたというような記事が載っております。これは当委員会で私が松浦さんやあなたにお尋ねしたときのお答えとは多少ニュアンスが違うように思う。私の錯覚であれば幸いですが、もしもそれが事実であるならばこれはちょっと地方公共団体にとっては大変なことになります。この点はいかがでございますか、それが一つ。
 また四十九年度の歳入欠陥によって生じた過剰交付金の九百億円も、五十年度の地方交付税交付金から差し引く形で、五十一年度にやると言ったことを五十年度の中で決済をつけるというようなことはよもやないと思いますが、この二点いかがでございましょう。
○名本説明員 この問題につきましては、先生御指摘のように大蔵大臣からも先生にお答え申し上げたところでございますが、まず初めの方の五十年度に仮に自然減収が起きました場合の処理の問題でございます。これは何度も申し上げますけれども、五十年度にどのようなことに相なりますかまだ見当がつきませんので何ともお答えできない段階でございますが、仮に五十年度で自然減収が起きまして、補正予算におきまして国の予算に三税の減を立てました場合には、制度的にはその三二%は、一般会計から特別会計に入れます交付税はその分だけは制度的には落ちてくるということに交付税法上なります。これは法律上そうなります。その方針を決めたと書いてあるようでございますけれども、実はそのような方針をただいま私どもの方としては決めているわけではございません。
 また四十九年度の歳入欠陥額、これは交付税に直しますと九百億ぐらいというふうに新聞に書いてございますが、九百億になりますか、八百億か、もっと大きくなるか、そこのところはまだわかっておりませんけれども、これを五十年度の補正予算で精算させていただくか五十一年度でさせていただくか、これにつきましてもまだ方針を決めておるところではございません。ただ私ども事務を担当いたしております係といたしましては、そういうふうな事態になったときにはどういうふうなことを考えなければならないかということは、これは勉強いたしませんとその仕事が務まりませんので勉強はいたしておりますけれども、そういう方針を決めてこれこれで参りますというふうなところまで来ておるわけでございません。そこのところは、これは日本経済新聞でございますけれども、日本経済新聞がお書きになった部分であるというふうに御理解いただきたいと思います。
○小川(新)委員 でも日本経済新聞ばかりでなくていろいろなところで新聞が三度、四度打ち上げ花火みたいに大蔵省の考え方を打ち上げている。いまただでさえ、通達が出ただけで地方公共団体は非常な神経をとがらす。私は冒頭、松浦さんのような明快な方、これだけの議論展開のできる方が、なぜ新聞記者に納得のできるような話ができないかということでちょっとクレームをつけましたら、その点についてはかぶとを脱がれて今度からちゃんとやると言われた。ところが大蔵省は逆ですよ。余りにも先走って、やるよやるよと言えばやらない。全くもって自治省と大蔵省では――あなたのところは本当のことを言ってPRが効き過ぎるよ。こっちは恐怖症になりますよ。
 そうすると、新聞の言っていることというのは全く予想記事であって何でもないんだというふうに理解するのは――これは一流新聞ですから、私どもはその取材についてとやかく新聞にけちをつけるわけじゃございませんよ。また皆さん方もここでそうだなんてことは言えないでしょうけれども、いずれにしても、八千億の四十九年度の自然減収だって、千年に一遍か二千年に一遍かなんて悪口まで書かれているほど、正確無比、確実を誇る日本の国有鉄道と大蔵省の見込みだけは見込み違いがないとまで世間様から評価されているあなた方が、事もあろうに八千億も減収になったということは大変な大事件である。しかし五十年度だってないともあるともまだここでは言えないと言っているけれども、およそいまのままでいけば出てくるだろうということは皆予想しているわけだ。そういう中において四十九年度のしりぬぐいを五十年度にさせられたり、またその穴埋めについては、この間もどんな借金政策をとってみても、枠を広げても地方公共団体には迷惑をかけないと松浦財政局長大みえを切って胸をたたいた、これはよもや間違いじゃないでしょうね。私はそんな失礼な言い方はしていないと思いますから、小川新一郎の言い方がおかしいなんて切り返さないでください。どうです。
○松浦政府委員 国会でお約束したことは私は必ず実行するということでなければいけないと思います。したがっていま申し上げることはあるいは大蔵省の肩を持つような言い方になるかもしれませんが、名本主計官非常に理解がある主計官でございまして、これまでおつき合いした主計官の中では私は一番地方財政に好意を持っていただいていると思っております。したがって私どもの申し入れを容易に受け入れていただけると思っておりますが、自治省といたしましては地方財政計画に盛りました歳入に穴があいた場合には、借り入れをしても、地方債を発行しても、ともかく地方財政計画上の歳出が円滑に施行できるように、そういう努力をするということを先生方にお答えを申し上げました。その気持ちは全然変わっておりません。したがって、五十年度で補正予算が行われて減収が交付税上出てくるということであれば、借り入れをするなりあるいは臨特をちょうだいするなりということを当然大蔵省にかけ合いますし、地方税の収入の穴があくということであれば、これについても交付税でやるのかあるいは地方債でやるのかいろいろなテクニックはあろうかと思います。これは両者でよく話し合いをいたしまして、納得づくで問題が解決できると私は考えております。またそういう方向でやりたいと思っておりますので、御了承いただきたいと思います。
○小川(新)委員 五十年度の地方交付税四兆四千三百億ですか、これの確保については枠だけは確保すべきであるという考えから、そのテクニックについてはお任せしてくれということですが、そこで四十九年度の過剰交付金の精算は、過去の慣例のとおり翌々年度の五十一年度に精算すべきであると思っておりますが、ここでもう一度確約していただきたいのは、五十年度の財政事情が厳しいという理由でよもや五十年度にはやらないでしょうね。やるのかやらないのか一言だけお聞きしておきます。
○松浦政府委員 大蔵省にお答えをお求めになられてもなかなか名本主計官も答えにくいと思いますが、私どもといたしましては、たてまえはいままでの慣例からすれば一、二の例外を除いて五十一年度の精算でございます。五十年度で大蔵省が精算をしてくれと言う場合には、こういう対策で穴埋めをするから五十年度で精算してくれと必ず言ってきていただけると思いますし、またその方向に私どもとしては持っていかざるを得ないと思っております。
 なお新聞についてのいろいろ御注意をいただいたわけでございますが、先般の地方課長・財政課長会議では、地方財政計画上で計上した税収入、交付税については皆様方には迷惑はかけません、大蔵省との間のやりとりで解決はいたしますけれども、現実の配賦は皆様方に影響を与えないようにいたします。その点は心配しないで財政計画の線に沿って運営をしてくれということを私から一言公の席で申しておりますので、その点も申し添えておきます。
○小川(新)委員 その問題はよく了解いたしました。
 次に最後の一点、これで終わりますが、地方事務官の問題なんですけれども、社会保険事務や陸運事務所、職業安定事業などに携わる人たちで、身分は国家公務員でありながら給与は地方公務員と同じという奇妙な制度であります。またこの弊害が多いことは各方面から指摘され、五十一年三月末をめどとして地方事務官を廃止し、身分を地方公務員に移すとの附帯決議が出ておりますが、これはまさか国家公務員に据え置くということはないんでしょうね。どうなんです。これをちょっとお尋ねしておきたいのですが。
○林政府委員 この地方事務官問題につきましては長い間の懸案でございまして、特に昨年国会でいま先生のおっしゃいました附帯決議をいただきまして、その実現に私ども極力努力をしたわけでございますけれども、あいにく国会の会期も迫っており、今日に至るまでまだ政府関係各省間で意思の一致が見られませんで、これを国会に御提案できなかったこと、大変努力不足を恥じておる次第でございます。
 それで、おっしゃいますようにこれは当分の間という形で現在暫定的な制度となっておりまして、しかもそれが大変いろいろな意味で欠陥があるということでこれを何とかしなければいけないということでは関係各省の間でも意思の合致があると思うのでございますけれども、それをどういう形にするかについて関係各省の間に一口に言えば天と地ほどの隔たりもございまして、厚生省の場合は田中厚生大臣の御答弁でもこれは国が直接やるべき仕事になじむんだという趣旨の御答弁を、予算委員会その他でやっていらっしゃいます。
 そこで、これを廃止するとすれば地方公務員にするか、国家公務員にするか、二つの道しかございません。まあその妥協案的なものがないわけではございませんけれども、いまそれぞれについて各省が現在考えておりますところに一致点がない以上、これをどういうふうにするかについてにわかにここでお答えできるものではございません。御承知のとおり自治省の場合は通常の機関委任事務として地方公務員として知事に任してもらってほしいということは長年言い続けておりますけれども、この点ではまだ関係各省間の御了解を十分得ていないというのが今日の段階でございます。
○小川(新)委員 いま本国会、七十五通常国会には改正法が出なかったのですが、臨時国会が開かれれば臨時国会には出すお考えですか。
○林政府委員 この点につきましては努力を一瞬も休めないつもりでございます。ですから臨時国会あるいはあれば、それまでに間に合うようならば、といいますか、間に合わせるべくなおずっと引き続いて折衝は続けてまいるつもりでございます。
○小川(新)委員 これは、わかりました。
 厚生省来ておりますからちょっとお尋ねしますが、社会保険事務所の地方事務官の廃止を主な目的として厚生省の出先機関である地方厚生局を五十一年度に新設するというような方針を固めたと聞いておりますが、これは一体どういうわけか。また国の出先機関はむしろ整理統合すべきではないかと思っております。
○金田説明員 まず、新聞報道の内容につきましては、単なる推測記事であると理解いたしております。
 厚生省といたしましては来年度予算の要求とも関連いたしまして、地方事務官制度を初めといたしまして厚生行政全般にわたって多角的に検討を続けていることは事実でございますが、いまだ成案を得るには至っておりません。私どもといたしましてはただいまの行政局長の答弁にもございましたように、十分お互いに連絡をとりましてこの問題に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
○小川(新)委員 以上をもちまして私の質問を終わらしていただきます。
○大西委員長 次回は、明二十三日金曜日、午前十時から委員会、正午から理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時十四分散会
     ――――◇―――――