第075回国会 科学技術振興対策特別委員会 第15号
昭和五十年八月十一日(月曜日)
    午後二時十六分開議
 出席委員
   委員長 八木  昇君
   理事 伊藤宗一郎君 理事 田川 誠一君
   理事 竹中 修一君 理事 前田 正男君
  理事 石野 久男君 理事 米内山義一郎君
   理事 瀬崎 博義君
      加藤 陽三君    原   茂君
      三宅 正一君    山原健二郎君
      近江巳記夫君    北側 義一君
      内海  清君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      佐々木義武君
 委員外の出席者
        科学技術庁長官
        官房長     小山  実君
        科学技術庁原子
        力局長     生田 豊朗君
        科学技術庁原子
        力局次長    半澤 治雄君
        水産庁漁政部長 兵藤 節郎君
        資源エネルギー
        庁長官官房審議
        官       井上  力君
        参  考  人
        (日本原子力船
        開発事業団理事
        長)      島居辰次郎君
        参  考  人
        (日本原子力船
        開発事業団専務
        理事)     倉本 昌昭君
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        料開発事業団副
        理事長)    瀬川 正男君
    ―――――――――――――
七月四日
 一、科学技術振興対策に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 科学技術振興対策に関する件(原子力船むつ及
 び原子力の安全性確保に関する問題)
     ――――◇―――――
○八木委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石野久男君。
○石野委員 長官に最初にお尋ねしますが、「むつ」母港問題について、その後どういうふうに話が進んでおるのでしょうか。ひとつこの際御説明いただきたい。
○佐々木国務大臣 「むつ」の母港の問題は、御承知のように対馬の件は知事からの申し入れがございまして、白紙還元ということで、その後経過を見守っていたわけでございまして、ただ修理、総点検あるいはその結果をさらにレビューするといった原子力船「むつ」そのものを健康にする作業がございますので、事業団に命じまして、その方の作業を一生懸命実はやらしております。そのできたのをさらに点検する意味で、運輸省と科学技術庁が中心になりまして委員会をつくりまして、その委員会でその修理、点検等を再検討いたしまして、ただいまその検討に入ってございます。
 そういう問題が整備いたしましてから修理、総点検の地点、どこでやるか、あるいは引き続いて母港をどうするかといったような問題に進みたいと思いますが、その一番のもとであります修理、総点検の計画を固めるのが先だと思いまして、ただいませっかく進めている最中でございます。
○石野委員 いつも同じような御返事をいただきますけれども、率直に言って佐世保の問題が具体的な問題としてやはり折衝が進められているように見受けられるのですが、佐世保における修理という問題については、具体的にはどういうふうに進んでおりますか、そこのところをひとつ。
○佐々木国務大臣 まだ具体的に佐世保問題に関してこちらからお願いするとかいったような具体的な段階にまではなっておりません。
 先般、去る八日でございますか、閣議が終わりまして定例の記者会見がございました。その際、新聞記者の諸君から長崎原爆記念日の直後に佐世保市長に対して「むつ」を点検修理のため佐世保に受け入れてもらいたい、そういう旨の申し入れをするのではございませんかという御質問がございましたので、私は八月九日は長崎の原爆被災者の霊に対していわば国として法事を営むような日でございますし、その直後にそのような決定や申し入れをするような失礼なことは毛頭考えていない、と繰り返しこれを強く否定しておきました。しかし、引き続いて関連した質問がございまして、佐世保市の辻市長が朝日新聞に寄稿したり、あるいは「週刊時事」誌上の対談などで「むつ」の点検、修理を受け入れてもよいという趣旨の意向を表明しておられましたのは、大変私どもとしてありがたいことだ。政府としては、先ほども申しましたように、「むつ」原子力船の点検、修理計画の作成を事業団に命じておりまして、その計画を政府においてチェックする組織、検討委員会もすでに設置いたしまして、今後「むつ」の点検、修理をどこでやるか、新母港をどこに決めるかなどの問題は、諸般の情勢を考えて慎重に検討、決定したいということをそれぞれ断片的に問われるままにお話し申し上げたのでございますが、御承知のような報道がなされましたりして、きわめて遺憾でございまして、また長崎県民を初め国民各位に不愉快な印象を与えたことは、私の真意が誤り伝えられたものとはいえ、私の不徳のいたすところで、改めてこの点はおわび申し上げたいと考えております。
 政府としましては、今後の点検、修理計画を初め、原子力船そのものの二船あるいは将来の開発計画をどうするかという点は検討中でございますので、それらの計画が進み次第、それと見合いまして決定、交渉等を進めていく所存でございまして、この際改めて申し上げておきたいと思います。
○石野委員 大臣の記者会見の何は不徳のいたすところだということの話でありますが、また他面では、市長が新聞に寄稿したことは非常にありがたいことだ――大臣がありがたいことだと言う意味は、何か期待感があるからありがたいことだということになるのだろうと思いますが、そのありがたいことだということの、非常に含蓄のある言葉だと思いますけれども、大臣はそのありがたいと思うのは、なぜありがたいのですか、それは。
○佐々木国務大臣 新母港をダイレクトに決めまして、その上でそこで修理をするという考えもございましたようですけれども、いろいろその後各方面の意向等をしんしゃくしてみますと、やはり原子力船そのものの修理、総点検等がきちっとできて、そして実際にまた修理、総点検をして、大山委員会の指摘しているところでございますから、これであればもう安全だということになりますと、受ける方でも大変受けいいのじゃないかという感じがいたしまして、できるなれば修理、総点検をしまして、その上で母港等を決めた方が実はいいのじゃないかというふうな考えもございまして、そういう点も加味しつつ検討中でございます。そういたしますと、それに先だってやはり修理、総点検の具体的な計画が必要でございますから、それをただいま一生懸命やっている最中でございます。そういう際に、佐世保市長さんの、私の方は修理、総点検であれば引き受けてもよろしいというふうな意思表示が先ほどもお話ししたように雑誌、新聞等で見られますので、まことにありがたかったというふうに感じるのでございます。
○石野委員 ありがたいことだということの意味は、佐世保が修理、点検という点について協力してくれるということを市長がそう言ってくれているからだ、そのことだ、こういうふうなお話しでございます。
 これは科学技術庁の方でも、去る八月の八日といいますと幾日かほど前ですか、読売新聞が「むつ」母港、それに対する佐世保市民の反応ということで世論調査をしている。これは多分関心を持っておられるから見ておられると思いますが、ごらんになっていらっしゃるのですか。どうですか。
○佐々木国務大臣 実は八日の閣議後の記者会見の冒頭に、その記事を見ましたか、見ました、感想はどうですかという懇談的な話し合いから始まったのでございまして、その記事を拝見してございます。
○石野委員 この調査によりますと、いろいろ教えられるところもありますし、考えさせられるものもございますが、長官はこの記事でどういうような御感想を受けていますか。
○佐々木国務大臣 その記事をいま正確に覚えておりませんけれども、しかし、たしか御婦人の皆様には反対の方が多くて、男性の方にはそれほどでもないというふうに記憶してございまして、現状でそのくらいの世論であれば、あるいは中立的なと申しますか、わからないとかいうふうなそういう層もたくさんあるようでございますので、もし今後具体的に問題が発展するような場合には、そういう人たちに対して理解を深めることもできるだろうという点も考えれば、私は、そのくらいの現地の状況であれば、いろいろ検討を要する点ももちろんございますけれども、ありがたいことじゃなかろうかというふうに考えております。
○石野委員 読売新聞の世論調査の問題は、長官の立場からすれば、市長が受けると言えば、意見はあっても、これだけの調査なら持ち込んでいって大丈夫受けとめていただけるという判断に立ってありがたいと、こういう意味ですか。
○佐々木国務大臣 その世論調査とそれとすぐ結びつけてもらうと、大変また誤解を招きますので、どうぞ結びつけないでいただきたいのですけれども、その世論調査の結果を読んでどういう感想でしたかという御質問でございますから、それに対しては、こういう感じを持ちましたと率直に申し述べただけでありまして、このため、これを基礎にしてすぐ交渉するとかいったような別に考えではおりません。
○石野委員 もう一つお聞きしますが、この調査をごらんになると、先ほど長官も言われたように、男性よりも女性の方の反対が多い、それは説得する可能性が見込まれるというような意味の御答弁でございましたけれども、長官はこの世論調査に対応して、どういうような側面でどういうことをここの市民の方々に説得工作をしたらいい、というようにお考えになっていらっしゃいますか。
○佐々木国務大臣 先ほど申しましたように、この世論調査のみを基礎にして今後どうこうするという別に考えございません。ただ、さっき申しましたように、修理港であれ、あるいは母港としても、自治体の責任ある長としてはっきり受けてもいいと言って大変ありがたい好意ある発言をしてくだすっておるのは、実は辻市長だけでございますので、まことにありがたいことだということでそういう話を申し上げただけでございます。
○石野委員 知事や市長が好意を示してくれているからありがたいのだと言うけれども、むしろ知事や市長は県民あるいは市民の代表ですが、その市民の中で反対が多いという場合には、それをどういうふうに受けとめるかということは、原子力行政をやっておる庁の長官としてはきわめて重要なやはり課題であろうと思うのです。そういう意味から、この世論調査から出ているものをどう見るか。それからまた、こういう世論調査があってもなくても、とにかく佐世保というのは原爆を受けた長崎県にありますし、県民感情の上から言っても問題があることは、こういう調査がなくてももうおわかりのところでございますから、やはりそういうようなことを踏んまえて、どういう側面から「むつ」母港についての佐世保市民の複雑な市民感情にこたえていくかという、基本的な政府なり長官の立場がなければいけないと思います。
 私は、いまお聞きしておきたいのは、「むつ」の問題はただ佐世保とかあるいは長崎とかというような特定の地域の問題じゃなくて、原子力船「むつ」が持っておる原子力平和利用についての問題点が問題になっているのだと思いますので、そういうことも含めて、その世論調査の問題をどういうふうに受けとめておるかということを聞いておるのですが、その点、もう少し長官の考え方をはっきり聞かしていただきたいと思います。
 長官、答弁する前に、ただ考え方だけではなしに、どういうふうに対処するかという、具体的な対処の仕方を積極的に聞かしていただきたい。
○佐々木国務大臣 お話しのように、なるべく円満に多数の支持、理解を得ましてこういう問題を決めてもらいたいというのは、かねがね国会の皆様の御希望でもありますし、また青森県知事も早急にということは希望していますけれども、しかし、決して無理をして強圧的にということではございません。現地側の調和と申しますか、そういうものを得て決めてもらいたいという希望もございまして、私どももそういう意味ではできるだけ多数の御支持を得ますという念願でございますから、進め方が大変むずかしいのでございまして、対馬のときは、この春の進め方は、ああいう行き方こそが大変民主主義の行き方だというふうに進めていったのですけれども、しかし御承知のような白紙還元という事態になりました。今後どういうふうに進めていくか、その点に関しましては、先ほども申しましたように、いま修理、総点検計画をまず慎重に固めておる最中でございまして、いますぐ現地に対してどういうことでもございませんから、その間いろいろ皆様の御意見もちょうだいして考えていきたいと思っております。
○石野委員 私は、先ほどから「むつ」の母港の問題について、佐世保の問題をお聞きしておりますし、また、佐世保におけるところの市民のいわゆる世論調査の点で大臣の御意見を聞いておるわけですが、大臣の答弁の中では、そのほかに母港を考えているような場所がないような印象を受けます。大体大臣は「むつ」の母港について、佐世保という所をもうしぼって考えているというふうにお聞き取りしてよろしゅうございますか。
○佐々木国務大臣 母港としての希望の個所はほかにもございます。しかし、修理、点検は私の方でやりましょうと言って、新聞、雑誌等で意思表示をしてくだすっている所は、佐世保しかございません。
○石野委員 ところが、世論調査は修理、点検の方法よりも母港の方の希望が多いんだよな、率直に言うと。そこのところ、それをどういうふうに理解しますか。
○佐々木国務大臣 私も長崎市民じゃありませんので、ちょっと何とも言いかねますけれども、恐らくはやはり母港とは何ぞや、修理、点検とはどういうことかという、そのはっきりした点はまだ御理解いただいてないのじゃないかと実は思います。
○石野委員 母港を期待するのは、そこで経済的メリットがあるというふうな見方が多いようにちょっと理解できる、私はそう思っております。この記事の中から見ますとね。しかし、母港の問題については幾つか今度は候補地がある、こういうことでございますと、修理だけをやって、母港はよそへ持っていくということになると、また佐世保市民の感情からするとちょっとおかしなことになりますが、そういう点についてはどういうふうに対応されますか。
○佐々木国務大臣 先ほども申しましたように、世論調査そのものを基礎にしていますぐどうこうするという意思はございませんので、さっき申しましたように、修理計画等が進んでまいりますし、また現地の方も「むつ」の修理、点検等に関しまして成熟した空気になってまいりますれば、いろいろそういうアプローチの仕方等も考えていかなければならぬと思っています。
○石野委員 佐世保の問題は、一応考え方はよくわかりました。
 去る七月の十七日だと思いますが、水戸の地裁で原発の訴訟の公判が行われました。そこで裁判長が、原子力施設からの放射能量に対して原告の方から要求されたものに対して被告は答えるべきだという裁判長の命令といいますか、がありましたが、この問題についてどういうふうに政府は対応しておりますか。
○佐々木国務大臣 担当官からかわって御説明させたいと思います。
○生田説明員 ただいま先生の御質問の、裁判長からのお話しということを私ども詳細に承知しておりませんけれども、原子力発電所から出ます放射線あるいは放射能の量その他につきまして、周辺の住民、その他それによって影響を受けます人たちにそれが明らかにされるのは当然のことと考えております。
○石野委員 そうしますと、石崎裁判長はそのときに、東海二号炉から出るいわゆる放射線とかあるいは放射能の問題について、「東海村の住民にとっては、二号炉の安全性だけでなく、各施設から排出される放射能の総量が問題だから、国はこれに答弁できるか」という質問をしておる。だから、これは答えるということですね。
○生田説明員 東海二号炉の訴訟につきまして、ほかの同じような種類の行政訴訟、たとえば伊方の訴訟でございますけれども、それと違います一つの問題点は、先生御承知と思いますが、比較的人口の多い地帯に近接して立てられる原子力発電所であるという点が一つ、それからもう一つは、ただいま御指摘がございましたように、原子力発電所だけではなくて、既存の幾つかの原子力施設があるということと両方がその一つの特徴であろうかと考えております。したがいまして、そういう裁判長の御趣旨でございますれば、その放射線あるいは放射能の総量につきまして検討するのは当然だと考えております。
○石野委員 もう一度、くどいようですが、検討するのは当然だということと答えなさいということとはちょっとまた違ってきます。だから、検討をすれば当然答えるわけですから、政府は、東海二号炉から出るその種のものと、それから一号炉あるいは原研、動燃、今度できるとすれば再処理工場、そういうふうなものについてもいろいろありますが、全総量について当然答えなければなりません。それはやりますね。
○生田説明員 お答えする予定でおります。
○石野委員 再処理工場の実験が間近く今度はウランの実験に入るそうでございますが、どういうふうにいま事情は進んでおりますか。
○半澤説明員 ちょっと復習になるわけでございますけれども、再処理工場の試運転につきましては、当初の予定では、いまごろしているわけでございます。しかしながら、再処理工場の実態にかんがみまして、より一層十分な点検をすべきであるという決定をこの二月に行いまして、それから設計工事のやり方についての安全の確認、それから試運転計画そのものにつきましても、安全審査部会における検討というものを経ましてこの七月二十二日に原子力委員会の決定をいただきまして、さらにそれをカバーするための保安規定の認可あるいは許容被曝線量に関する告示等の制定を待ちまして、この八月七日に動燃事業団にいわゆるウランを使ってやる試験、コールドテストでございますが、分裂生成物を持たない、使用済み燃料ではないウランを使っての試験に入ってよろしいということを連絡したわけでございます。したがいまして、これから予定どおり参りますと、おおむね七カ月程度、そのコールドテストと申しますか、使用済み燃料ではない生のウランを使ったテストを行いまして、さらにその後のテストあるいは営業運転というものに入っていくということになると思います。
○石野委員 ウラン燃料を使ってテストをやるということになれば、だんだんと本格的に入ってくるわけですが、問題は、やはり再処理工場の諸施設が十分安全性を持っているかということが一つと、それから当然外に出ます海洋廃棄の、この海洋におけるところの安全はどういうふうになっているかということについて調査が十分でなければなりませんが、この海洋調査の問題についてはもう確信がありますか。
○半澤説明員 再処理施設につきましての安全審査を行いました際には、それまでの海洋調査のデータというものを参考にしてやっております。かつて原子力委員会も、営業運転に入るまで、本格操業に入る前には、さらに詳細な審査が必要である旨の決定を大分前でありますが行っております。したがいまして、先ほど申し上げました二月の原子力委員会決定におけるチェックでございますね、そのチェックの中でも、海洋放出にかかわる詳細な審査を行うべき旨の内容がございまして、それはホット試験、つまり使用済み燃料を使って行います試験の前までに、さらにそれまで得ました各種データを整理分析する詳細な審査を行うということを予定いたしてございまして、したがいまして、ウランテスト、生のウランを使ってやりますテストではまだ詳細な審査には及んでおりません。これはホットテストに入る前までにさらに新しいデータに即した詳細な審査を行うという予定にいたしてございます。
○石野委員 海洋調査の問題は、七カ月たてば今度はホットテストに入っていくと思いますね、コ−ルドから入るわけですから。その間に調査するのであろうと思いますけれども、現在までの海洋調査ではどの程度の認識をお持ちになっておられますか。
○半澤説明員 現在までの海洋調査でございましても、安全審査が行われました以降の蓄積されましたデータというものは、相当に蓄積もございますし、かつ整理もされつつあるわけでございます。ただし、たとえば拡散実験といったものは、昨年の十二月に行いましてから、つまり冬の条件で行いましてから拡散実験は一遍しかやってなかったということもございます。したがいまして、夏の状態における海洋拡散の状況等をチェックするために七月末に、つまり夏の条件下における拡散実験を行う。それから安全審査が行われました以降、先ほど蓄積があると申しましたのは、動燃事業団、原研、気象研あるいは放医研等の機関で行っております調査がございますので、それらの調査を踏まえまして、あるいはそれらを素材にいたしましてこれから審査を行う、こういうことになるわけでございます。
○石野委員 それぞれの施設がばらばらに調査をしている。対象は海一つですから、それが集積すれば一つの結論が出てくるのだと思いますけれども、しかし、再処理工場がいよいよ稼働に入るということになりますと、他の施設で予想されるような内容とまた意味が違ってくると思います。そういう意味からいっても、過去のデータを参考というだけでは、ちょっと真剣に考えますと、地元の住民も安心感を持てませんし、科学者の立場からも問題が多かろう、こう思います。
 その海洋調査、昨年暮れでしたか、一応やりましたね、その結果から見ますと、どういうことであり、それで、その結果からどういうところにどういうふうにせにゃならぬかという一応の判断は出ていると思いますが、その点について、まだ十分じゃないのでしょうけれども、皆さんの非常に粗っぽい考え方でいいのですから、どういうところに問題があり、どういうところに問題がないというようなことについてをひとつ説明していただきたい。
○半澤説明員 昨年の暮れに行いました拡散実験の結果を解析した結果を聞いております。私実はまだ詳細に承知しておらない点がございますけれども、実験を行います前に想定いたしました拡散効果、少なくともその拡散効果以上の拡散の効果が出ているというように聞いておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、冬の条件だけでは足りぬではないかという御指摘がございますものですから、夏の気象条件下における拡散実験をさらに七月末に行いまして、それもあわせまして――先ほど私、過去のデータと申し上げましたけれども、つい最近時点の各種データを解析いたしまして、それでホット試験に入るまでに詳細審査を行う、過去の蓄積されたデータに加えましてごく最近のデータを補足いたしまして審査をするということでございます。
○石野委員 七カ月間コールドテストをやっていきますが、あとホットに入りますのは、この時点で入っていきますと、いま八月ですから二月。それで、これまでの調査というのは大体冬場のデータになってくるのでしょう。だからいままでの調べたものはもう大体出ているのでしょう。それでなければ――冬場のチータはもうあなた方にはあるんでしょうからね。夏場のデータも大体押さえられているんだろうと思うのですけれども、それはどうなんですか。
○半澤説明員 おっしゃいますように、久場のデータということではございません。通年あるいは二年、三年来のデータを全部総合いたしまして審査をするわけでございます。
○石野委員 海は常時流れております。時によって親潮や黒潮の流れの変わりはありましょうけれども、大体あすこは流れがもう調査でわかっているんだろうと思いますが、それを具体的に、放出管から出ていく状況がどうなるのかということを調べることについてまだはっきりしていないままにホットテストに入る時期がもうすぐ来るわけですね。もうコールドテストにすぐ入るわけでしょう、これはこの許可が出ているのですから。ちょっとそういうデータのないままに入るということは、将来事を起こす内容がそこに残されているんじゃないだろうかと思いますけれども、その点についてはどういうような確信を持っておられますか。
○半澤説明員 御指摘のように、海の流向、流速、温度等の調査はずっと続けてまいっております。それから昨年の暮れに、現実に放出管から放出されました場合の拡散がどういう状況になるかということについて実験を行ったわけでございます。それから、夏の条件下でと申しまして、先ほど申し上げましたように、七月末に同じく実験で、流向、流速等の調査だけではなくて、実際に放出口から拡散するという実験をもって、夏の条件下におけるデータをいま集めておるということがあるわけでございます。
 それで、当然のことながら、これらのデータを基礎にいたしまして、ホットテストに入るまでの間に、拡散の状況あるいはそれが蓄積される状況等を把握する。同時に、コールドテストに入りますとかなり詳細なモニターを行いますから、モニターすることによって現実の動向といいますか現実のデータを入手するというようなことをコールドテストの間に行いまして、そのコールドテストの結果を評価して初めて、ホットテストに入ってよろしいかどうかということになるわけでございます。これは、コールドテストが始まりますと恐らく本年度いっぱいくらいはかかるわけでございますが、それまでにこれらの手順を尽くした上、さらにその評価を行って、次の段階に進むかどうかということになろうかと思います。
○石野委員 茨城県で射爆場跡地に該融合の敷地を求めるという交渉をいまなさっているようでございますが、現地ではこれに対して非常に――それは知事もいまのところ賛成するというところへはいっていない。この交渉はいまどういうふうに進んでおりますか。
○生田説明員 核融合計画を今後実施してしく段階になりますと、当然相当の広さの敷地が必要でございますし、核融合の特有の条件といたしまして、電力の供給が十分であること、あるいは冷却水の問題その他いろいろの条件が必要でございます。そういう点から考えまして、先生御指摘の水戸の射爆場跡地が適地であるということを原子力研究所で考えまして、原子力研究所といたしましては、水戸射爆場跡地の利用につきまして非常に強い希望を持っております。
 ただ、今後の核融合の開発計画その他との関係もございますし、あるいは跡地そのものにつきましての跡地利用計画の総合的な調整の問題もございますので、まだ正式にこれを申し入れるという段階には立ち至っておりません。
○石野委員 時間がありませんから、もう一度その点でお聞きしておきますが、原子力研究所はあの地点に敷地を求めている、これは非常に強い要望があるようでございます。現地はその点について難色を示しておる。こういう事情の中で、核融合の研究の場所をあの地点に強く求めていく方針でおられるかどうか、科学技術庁の意見を聞かせていただきたいのです。時間がありませんから、簡単にどういう考え方でいるかということだけ聞かせてもらいたいと思います。
○生田説明員 核融合計画を実現いたします敷地について、できるだけ早い機会にその候補地について考え方をまとめたいと思っておりますけれども、ただいま申し上げましたような条件がまだ熟しませんので、最終的にはまだ決めておりません。
○石野委員 大臣に、先般、新聞によりますと、今月の初めに、原子力行政について三労連からの提言があったようでございます。これについてはどういうふうに受けとめて、またどういうように処置なさっておられますか。その点をちょっと……。
○佐々木国務大臣 この電労連の提言を持ってこられたときに、私ちょうど不在でございまして、後で受け取りました担当官から詳細承知したのでありますが、読んでみますと、行政関係の改善の問題が主でございまして、この点は内閣で、通称有沢機関と称する機関で総理の命を受けましてただいま作業中であることは御承知のとおりでありまして、その方の結論待ちだというふうに私考えております。この提案をなさいました電労連の会長稲垣さん自体もあの機関に委員として入っておられますので、同趣旨の提案をしてくださればよろしいんじゃなかろうかという感じが実はします。それから四、五に関しましては、これは全くもうこのとおりでございまして、特に四などは今後メーカーあるいはユーザーともども力を合わせてこの問題を進めていくべきだということは全く同感であります。
○石野委員 終わります。
○八木委員長 次に、米内山義一郎君。
○米内山委員 原子力船「むつ」を佐世保に修理のために移すとかあるいは定係港にするというようなことですが、これはもうすでに政府の方針として決まったことなんですか。
○佐々木国務大臣 先ほども申し上げましたように、政府としてこれから交渉に入るとかなんとかいうことはまだ決めてございません。
 ただ母港を直接決める前に、修理、点検等をしまして、「むつ」という原子力船そのものがこのとおり健康でございますというふうにして、それから母港を決める方が地元の皆様の御了解を得るのにはよろしいのではなかろうかというふうに考えております。
○米内山委員 原子力船「むつ」の失敗といいますか、醜態と申しますか、政府としても非常な教訓を受けたわけでしょう。しかも、あれは炉に欠陥がある。放射線が漏れたというのは、出航後だったわけです。しかし、陸奥湾における、青森県における地元の反対というのは、出航前にすでに反対があったわけです。なぜそうかというと、あれは行政の問題がお粗末だったからです。単に「むつ」の問題じゃなしに、青森県には石油が足りないんだから、二百万バレルという世界にも例のない石油基地をつくるとか、あるいは将来電力が不足するから二千万キロの原子力発電をつくる、これは国家的に必要な仕事だ、つまりナショナルプロジェクトだということで、いろいろなごり押しの開発があの下北半島にあるわけです。こういうことに対する不安と怒りというのが、放射線が漏れる前にすでに「むつ」にああいうふうな反対運動が起きた根底であるということをひとつお考えおき願いたいと思うのです。
 しかも、今後長崎へ持っていくにしましても、どこへ持っていくにしましても、市長が同意したから地元が賛成なんだということではだめだろうと思うのです。青森県の問題だって、こういうことになっている。青森県知事は、あれは県が誘致したものじゃない、むつ市の市長が誘致したのに県が同意を与えたにすぎないといまになっては言います。ところが、出航の場合に、出航阻止の運動が起きたときに、青森県知事は一貫して、反対している者は一部少数にすぎない、こういうことを言い通したのです。もちろん青森県百三十万の中で陸奥湾の漁民というのはほんの一部です。そういう点では一部少数にすぎないことは事実だったかもしれないが、そういうふうな考え方で、行政が推すからみんなが賛成なんだという、多数少数を決めるならば賛成が多数だというふうなことを市長や知事の同意だけで同意を得たものとすれば、今後も必要以上の摩擦が起きることは明らかだと思います。私は、この点を青森県民の一人として見ていて歯がゆくてしょうがない。また同じようなことをやるのじゃないかというような不安があるわけですが、大臣、この点今後どう対処されますか。
○佐々木国務大臣 この前にも詳しく申し上げたかと存じますが、地元の合意を得るというのはどういうことか、どうすればよろしいかという点は、憲法あるいは行政法等から言えば問題ははっきりしているわけでございますけれども、しかしそれだけでいいのかといいますとそうはまいらぬのが日本の現状かと存じますので、行政ルートのみで話を決めていくというだけでは問題は片づかない。そうでなしに、たとえば漁業組合とかいろいろ利害関係の多いところにはやはりよく理解をいただいて合意を得るというふうな努力が必要なことは、「むつ」の経験からいたしましてもよくわかるところでございますから、今後はそういう点も十分配慮して進めたいと存じております。
○米内山委員 そういうことでして、あの問題のために青森県民に非常な不安と迷惑をかけたばかりじゃないわけです。非常に開発のために貴重な時間がずいぶんむだになった。同時に金もむだになった。おまけに日本の原子力開発の中身の権威と申しますか、権威というのはもともとあってないような問題なんで、メンツを失墜したようなかっこうにもなっていますので、今後はこの種の開発には単に技術の問題だけじゃなしに十分深い考えを持っていただきたいと思います。
 そこで、この後始末の問題があるのです。鈴木善幸氏が、まあ大臣でもなかったし、自由民主党の総務会長であったかもしれないが、あの後始末のために政府を代理して行ったのか代表して行ったのか知らないが、いろいろと苦労して収拾するための努力をされた。結局は金で解決をつけたわけです。迷惑料を出さざるを得なくて出したのが、ずいぶん多額の金を政府が青森県の漁業関係に支出しております。ああいうことはちょっとわれわれも調べてみたが例を知らないのですね。青森県にはいま非常な局地的な雨の災害が起きて、鉄砲水で二十人余りの人命事故が起きたが、そういう災害のときに、有力な政党の幹部が行って緊急に対策を立てるということはあるいはあるかもしれませんが、しかしそれにしても、政府の代表として行って応急的に金を出したわけです。ところが、この問題がこのごろになって、七月二十五日でしたか、東京で発行されている産経新聞にびっくりするほど大きい記事になっているのです。あの地方に金を出した問題が東京紙の一面と二面、全紙みたいに出た。ああいう記事というのも珍しい。中身を見ると、かなり詳細に調査なさっておるのだが、長官はあの記事をごらんになりましたか。
○佐々木国務大臣 詳しく中を一つ一つ吟味はいたしませんが、一応拝見はいたしました。
○米内山委員 あの記事の締めくくりに、その金を出した鈴木善幸氏の談話が出ているが、これは新聞記事ですから信憑性の問題については一〇〇%と言いません。協定に違反した使い方をすると会計検査院のチェックを受けて召し上げられる、まあ返還を命ぜられるのじゃないかというような談話もありますが、あの使途の中にそういう会計法に違反するというような事案があるとお考えでございますか。
○生田説明員 鈴木先生がおっしゃったことの新聞記事は私も拝見いたしましたけれども、私どもは、今回のこの支出につきまして会計法上問題があるとは考えておりません。
○米内山委員 この話は、会計法上の問題は、私は鈴木さんに会って聞いたのじゃないからなんだが、しかし、権威ある新聞がそう書いている限りは、まあ会計法上の違反があればということですが、それじゃこれは原子力局が漁民に直接支出した金ですか。
○生田説明員 原子力局と申しますか、科学技術庁が漁民に直接支出した金ではございません。当時の経緯から言いまして、当時の補正予算に計上いたします予算の要求は、一括いたしまして科学技術庁が要求したわけでございますけれども、予算が計上されましてからその支出につきましては農林省――水産庁でございますけれども、水産庁から青森県を経由して支出あるいは実施する、かようにいたした次第でございます。
○米内山委員 水産庁お見えですか。
 この新聞記事が出る前に、水産庁ではこういうことを詳細に、どこでコピーを買ったとか腰かけ買ったというような、こんな詳しいことまで知っておりましたか。
○兵藤説明員 水産庁といたしましては、去年の十二月に科学技術庁の方から予算の移しかえを受けまして、それから一月にこの補助金の執行ということをやっているわけでございます。現実には、四十九年度予算で手当てができたもの、それからさらに四十九年度では消化し切れず明許繰り越しで五十年度に繰り延べしたものもあるわけでございますが、具体的にどういうものに使っているかということは、私どもは承知しております。新聞社がどういうふうなデータでそれを手に入れたかは別としまして、私ども水産庁としては、その補助金の使用内容については承知しております。
○米内山委員 承知していたということですか。いないということですか。
○兵藤説明員 水産庁といたしましては、補助金の交付につきまして実施要領等を定めておるわけでございます。その実施要領等に基づきまして県からこういうものに使いたいということを言ってきているわけでございまして、その具体的内容は、私どもの方で地元の意向を尊重しましてそれは認めている、こういうことでございます。
○米内山委員 私の聞いているのは、使った結果を知っておるかどうかということです。
○兵藤説明員 先ほど申し上げましたように、四十九年度に実施したもの、これは各漁協の助成事業費約一億円に近いもの、それから県を通しまして漁業信用基金協会に三億流しております。これについては私どもは承知しております。それから八億余りの漁業振興対策費につきましては、ほとんどが五十年度になってそれを実行するということで、現在その計画の申請を待っておるというところでございます。
○米内山委員 そうしますと、申請を待っているというから、これこれに使ったということは水産庁としては現在知らないのが当然でしょうね。現地では何を買ったか知らないでいることは当然でしょうね。
○兵藤説明員 五十年度になって主として使うのが、先ほど申し上げた八億余りの金でございます。国側としましては八億八千万を出しますが、さらに地元がそれに自主的に増加上乗せして使う、こういうものもあるわけでございまして、全体の事業費としましては九億三千一百万円、こういうふうなことでございます。
 ただいま私どもの方へ計画申請といったようなことで出ているのがあるわけでございますが、その主な内容を申しますと、蓄養殖施設の設置事業、それから保管作業施設、それから種苗供給施設設置事業、それから漁船用の補給施設、製氷冷蔵施設、それから水産物荷さばき施設、それから漁業センター設置事業、こういったようなものがいま出ておるというようなところでございます。ただし、これに対しまして、これだけ補助するという補助の決定は現段階ではまだやっておりません。
○米内山委員 私はこれを何も細々と聞く必要はないのですが、何か出すときからおかしい金の出し方だと実は思っておったわけです。普通の行政のベースで、構造改善事業をやろうといったって、ずいぶん陳情し運動してもなかなかはかどるものじゃない。しかも、ずいぶん厳しい条件と、後で会計検査院のチェックを受ける覚悟をしながらやるのが通常なわけですよ。それに何日も調査も――間に大きな金がつかみ金でぼったり落とし金みたいに落ちる。ひょっとするとこれは落とし穴になるのじゃないかということを私は当初から考えたわけです。しょうがないでしょう。こういうふうに大きい記事になったら、これは厳密に言うと、会計上の問題だし、会計検査院の問題もないとは言えない。国会の決算委員会でもこれは追及される可能性がうんとあるわけですよ。
 そこで、いまの段階で水産庁として、これにはそういう事案はないと私は思うのですが、要すればそういう出し方なんだから、使い方に多少の粗末があったって、責任は受け取った漁民にあるものじゃない。この点について、政府はそういうときにどういう責任をとるつもりですか。その点もう一回聞きたい。
○兵藤説明員 先ほども申し上げましたように、水産庁としましては去年の十二月一般補正予算で科学技術庁の組んだ予算の移しかえを受けてその実施に当たったわけでございまして、その実施方につきましては要綱、要領等を定めて県の方を指導し、この予算の執行をやっておるわけでございます。補助金を組んだこと自体については、まあ国会としてもそれを通したわけでございますし、今後は水産関係に関する部門につきましては、水産庁の定めた実施要綱、要領等に基づいて正確にその補助金を地元が使っているかどうか、こういうことに問題がなるわけでございます。私どもといたしましては、そういった要綱あるいは要領等に違反のないように、十分に県あるいは地元を指導して遺憾なきを期したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○米内山委員 これは科学技術庁の大臣に私は申し上げておきますが、あのときの漁民というのは、銭を欲しいといって反対運動に命がけで動いたのは一人もないのです。おさまりをつける段階に金の話が出てきて、いや政治というのはなかなかおもしろいもんだとわれわれもたまげたわけですが、船もお粗末だったが、収束のさせ方も日本に例のない実にお粗末なおさめ方をしているから、今後何事が起きても、この問題の責任は政府一身にあるということをひとつ表明していただきたいと思います。いかがですか。これは政府の責任です。
○佐々木国務大臣 いま水産庁に御質疑がございましたし、まだ具体的にどうという問題になっておりませんので、責任がどうかということを表明する段階ではなかろうと思います。
○米内山委員 この問題は簡単な問題じゃないのですから、きょうは時間もありませんからこの程度にしておきますが、いずれまた調査して質問する機会もあると思いますから、水産庁としても十分対策を立てていただきたい。きょうはこれで終わります。
○八木委員長 この際、申し上げます。
 本日、原子力の安全性確保に関する問題調査のため、動力炉・核燃料開発事業団副理事長瀬川正男君、また原子力船「むつ」に関する問題調査のため、日本原子力船開発事業団理事長島居辰次郎君及び専務理事倉本昌昭君にそれぞれ参考人として御出席を願っております。
 質疑を続行いたします。瀬崎博義君。
○瀬崎委員 時間が非常に限られておりますので、簡明な答弁をまずお願いをしておきたいと思います。
 島居理事長にお伺いをしたいのです。最初の部分は「むつ」問題です。「むつ」の修理、総点検の作業手順についての計画作成について、いつこれを始めて、いつ計画作成を終わられたのか、お尋ねをしたいのです。
○倉本参考人 お答え申し上げます。
 「むつ」につきましては、事業団が三十八年に設立されまして、それから直ちに計画に入ったわけでございますが、契約不振等のため、次期船種等の変更というような事態も起こりまして、昭和四十二年に至りまして設計の変更ということになりまして、貨物船という現在の形になって……(瀬崎委員「そんなこと聞いているのと違う。修理、総点検の作業手順だけ答えればいい」と呼ぶ)それで、この放射線漏れの問題につきましては、修理それから総点検計画につきましては、昨年この放射線漏れの事態が起こりましてから、事業団としてはこの原因の究明等に当たってまいったわけでございますけれども、当時事業団の中の体制が十分に行い得るような形でございませんでした。まずその体制を整えるということで、本年の二月一日に組織変えをいたしまして、逐次その陣容も整えまして、実際上改修計画というものに着手をいたしましたのは大体二月、三月になりましてから具体的なアクションを起こしたということで、それ以来いかなる方法で改修を進めたらいいかということで検討を進めてまいりまして、大体六月半ばぐらいの時点で改修可能であろうという見通しを得まして、その見通しに基づいて、現在この具体的な改修方法についての概念設計というものをまとめつつある段階でございます。
 一方、総点検等の方につきましても、現在総点検の具体的なやり方についての検討を進めておる段階でございます。
○瀬崎委員 八日の佐々木長官の記者会見によれば、事業団が修理、総点検の作業手順の計画作成を終わっているというふうに出ているのですが、やりつつあるのですか。それとも実際終わっておりながら作業中というふうにいま説明しているのですか。どっちですか。
○倉本参考人 現在作業中でございます。
○瀬崎委員 大体どういうスタッフによって作業を進め、事業団の方としてはいつごろこの作業が終わる予定ですか。
○倉本参考人 遮蔽関係におきましては、現在私どもの事業団の中の技術部におきまして、主として技術第二課がこれを担当して作業を進めておるわけでございます。それから、総点検の方につきましては、技術第一課が中心になってその作業を進めております。
 また、その改修計画につきましては、現在のところ具体的な基本的な設計といいますか、基本的な計画につきましては作業をしておりまして、大体今月いっぱいぐらいかかったところで、こういう方法でならいけるであろうという案をまとめ得るものと考えております。
 それからなお安全の点検につきましては、現在のところ、具体的にどういうような計画で進めるかという検討を進めておる段階でございます。
○瀬崎委員 それはいつごろ終わるのですか。
○倉本参考人 具体的な案につきましては、まだ整いませんけれども、方向と申しますか、図形については、近々まとめられるものと思っております。
○瀬崎委員 近々とはいつを意味するのか。
 それともう一つは、科学技術庁との相談は随時とっているのですか、どうですか。
○倉本参考人 随時連絡をとっております。
○瀬崎委員 近々というのはいつ……。
○倉本参考人 はっきりまだ申し上げられませんけれども、その内容、程度にもよりますが、一応第一段階としてはまあここ一、二カ月ぐらいの間にはまとまると思います。
○瀬崎委員 そうだとすると、また佐々木長官のことだから誤解されて云々と言うのじゃないかと思うのだけれども、ある新聞の記事などにははっきりと「総点検の作業手順については、日本原子力船開発事業団がすでに計画作成をおえており、」こういう発表と、報道されておるわけですね。それは一体どういう根拠からそういうふうにおっしゃったのですか。
○佐々木国務大臣 いまから十日ほど前でございますか、事業団の皆様に来ていただきまして、修理計画の内容を聞きました。私はそれで大体済んだものかと思ったのですけれども、その後聞いてみますと、まだまだそれからいろいろ細部の点等にわたって検討の要ある由でございますので、私の認識が誤ったかもしれません。
    〔委員長退席、石野委員長代理着席〕
 ただしかし、これは段階的なものでありまして、この段階の設計であればこの段階で終わる、もっと詳細にというならばもっと詳細に、こういうことでございますから、まあ解釈のしようじゃなかろうかと思いますけれども、いまの倉本君のお話しの方が正解でございます。
○瀬崎委員 少なくとも科学技術行政の最高責任者の記者会見の発言としては、先ほどの佐世保を修理点検港にするという見解表明とあわせて、余りにもちょっと無責任過ぎると思うのですね。いろいろな段階があると言われるけれども、少なくともあれだけの問題を起こして、これだけの期間を間にはさんで、新しく点検あるいは修理に手をつける以上、きちっとしたその手順、方針書がなくて、いいかげんなところでなしくずしに始め得るものではないわけですから、そういう点の時期等ももう少し国民の誤解を招かないような明確な発表の方法があってしかるべきだと思うのですよ。
 佐世保を修理点検港にすることについても、先ほどの説明では、これも確定的なものではないということのようでありますけれども、しかし一応、誤り伝えられたかどうかは別にして、そういう表明があったことは事実ですね。その場合、新母港と修理港は分離して考えていらっしゃるようでありますが、もし修理や総点検を終わった段階で、新母港選定が難航するとすると、結局たとえば修理に入った佐世保なら佐世保に居座り、こういうことになって、青森県のむつで起こったことの二の舞を今度は佐世保で繰り返す、こういうことになるのではないかと思うのです。だからこれは、観念上は分けて考えると非常にいいように見えるけれども、実際母港というものの見通しもはっきり立てながら、この修理点検港という問題を提起する、これが本当に責任のある政府の態度ではないかと思うのですね。いかがですか。
○佐々木国務大臣 おしかりをこうむりまして恐縮でございますが、私ども先ほど冒頭申しましたように、事業団で立てました修理計画のみに頼るということはいたしません。それでなしに、さらに丁寧にこれをチェックする組織を別途つくりまして、そしてそこで最終的な点検をいたすように非常に慎重な配慮を払ってございます。したがいまして、私、この前の記者会見でその修理点検の経過を、どういう発言をしたか忘れましたが、私の考えでは、事業団の修理のみならず、最終的な結論は、そういう別途の組織で冷静に判断さすということでございますから、その結論を見ないうちは何とも申し上げられないというふうに考えてございます。
 それから修理点検が済んでそれがそのまま母港になるのかという問題でございますけれども、修理点検がすでに済んで非常にこれが安全なものであるということが立証され、実験等が行われますから、そういう点も考慮して、私の方へひとつそれでは安全だということはよくわかりましたというようなことになってきますと、その時点で私は考えるべき問題だというふうに実は思っております。
○瀬崎委員 いまの長官の話からいけば、よしんば事業団の方の修理や総点検の手順、計画が作成を終わっても、多分検討委員会か何かつくる、それのことを言っていらっしゃるのだと思うのだけれども、それの検討も経、場合によっては原子力委員会にもかけるということになれば、手をつけるのにはずいぶん期間がかかると思うのですね。私は、もちろん慎重の上にも慎重の方がいいと思うのだけれども、さて島居理事長さんの方はそういうことを十分御承知の上でやっていらっしゃるのかどうか。事業団には事業団の考えがあるのかどうか。いかがですか。
○島居参考人 大山委員会の報告もございましたように、またああいう技術の開発の段階においては往々あることだとは書いでございますけれども、ああいうことが起こりませんように、さっきのお話しのように慎重の上にも慎重にやりまして、事業団としてはできるだけメンバーをそろえてやっているつもりでございますが、科学技術庁、運輸省とも連絡しておりますし、また科学技術庁は今度は政府の立場において御検討されるのももっともかと思っております。そういう次第でございます。
○瀬崎委員 最終的には政府側の検討を十分経た上でという理解ですね。
○島居参考人 さようでございます。
○瀬崎委員 さらに、長官が記者会見で発言をされた背景には佐世保市長のありがたい発言があった、長官の表現をかりればそういうことであったと思うのですが、この佐世保市長の意向と伝えられるものも、燃料棒を引き抜いた上での修理ならということのようでありますから、当然佐世保を修理港としたいという願望があったにいたしましても、その前提の燃料棒の引き抜きの候補地もあわせて長官の念頭にはあったはずだと思うのです。佐世保をとにもかくにも爼上に乗せた以上、燃料棒の引き抜きはどこを想定しておられたのですか。
○佐々木国務大臣 先ほど倉本理事からの御説明だと思いましたが、修理点検をするのに燃料棒を抜く必要があるかどうかという点もあわせてただいま検討中でございまして、この点も先ほど申しましたように、事業団の結論と、政府でただいまつくってこれから検討に入りますが、この検討委員会等でその点の結論を出してみたい、こういうふうな段階でございます。
○瀬崎委員 そうすると、佐世保市長の発言はありがたいと思ったと言われる裏には、燃料棒の引き抜きもあわせて場合によってはその修理の対象とする。いまは否定されましたけれども、一応は佐世保ということを考えた、そういう理解でいいんですか。
○佐々木国務大臣 佐世保ということを私どもが考えたというよりは、現地の方でそういうありがたいおぼしめしなので大変感謝していますということでございます。あなたの御質問は、燃料棒を抜くのですか、抜きませんかという御質問ですから、それはただいま検討中ですと、こう申し上げたわけでございます。
○瀬崎委員 恐らくそれを聞かれたら佐世保市長もまた慎重に検討されると私は思いますね。
 さらに読売新聞の世論調査の中には、政府の原子力行政に対して信頼できるというのはわずかに一五%、信頼できないという方が逆に四七%あったというふうに出ております。これは結局制度的にも技術的にもまさに安全だという体制をつくり上げること、つまり原子力行政の抜本的な改革こそが優先で、それから「むつ」の修理とか総点検という問題が考えられるべきであるという私どもの今日まで国会でしばしば表明したこういう見解に国民的世論も同調していらっしゃることではないかと思うのですね。長官はそういうふうにお考えになりませんか。
○佐々木国務大臣 「むつ」そのもののいわばハードウェアと申しますか、の修理点検等はこれはまことに技術的な問題でございまして、いまお話しのありました原子力委員会まで含めて、国の原子力行政のあり方が、十数年前につくったそのままの体制でよろしいかという問題とはこれはおのずから、関連はありますけれども、しかしある程度次元の異なる問題でなかろうかという感じもいたしまして、私は必ずしも原子力委員会等の改善がなければ「むつ」の修理点検に入っちゃいけないというふうには考えてございません。
○瀬崎委員 さらに先ほどの答弁で佐々木長官は、八月九日は長崎の原爆被爆の三十周年の日にも当たる。だからその前に佐世保を要請するなんというようなことは失礼だ、こういうふうに言われたんですね。八月九日の前なら長崎県民に対して失礼で、後なら失礼ではないというこういう論理は私は全く不思議だと思うんですね。これは本当に被爆県民の感情を率直に考えられているとするなら、前であれ後であれ押しつけるということは失礼であると私は思うんですよ。ただ、これは後の質問がありますから、聞いている私はそう思ったということをこの場で表明しておきたいと思うのです。
 もう一つの問題は再処理工場の問題です。
○佐々木国務大臣 言い放しじゃなしに、誤解というか、言葉が足らぬようですから。
 私さっき申しましたのは、そのときの記者会見で、長崎原爆記念日の直後に――直前じゃないのですよ。直後に、佐世保市長に対して、点検修理等のために受けてもらいたいというふうな申し入れをしますかという記者側の御質問でございましたから、私は、その日は、八月九日というのは原爆の被災者の霊に対していわば御法事のようなものでございますから、そういう日の直前あるいは直後にそのような決定を申し入れるような失礼なことはいたしませんという点を繰り返し実は申し上げたのでございまして、直後にしますかという質問は非常に強く何回も受けましたので、そういうつもりはございませんと言ってお答えしたのでございます。
○瀬崎委員 とにかく直前であれ直後であれずっと後であれ、本当に長崎県民の感情というものを政府は尊重してもらいたい、そういうことだけははっきり申し上げておきたいと思うのです。
 再処理工場の問題です。まず第一に、今日までのテスト期間中の事故、故障についてでありますが、すでに科学技術庁の方から一覧表をいただいております。これには五項目の事故が挙がっているわけでありますが、これ以外にはもう事故とかあるいは事故につながるようなトラブルはなかったのか。いかがですか。
○半澤説明員 私どもはなかったと記憶しております。
○瀬崎委員 私どもの聞いておりますのでは、たとえば換気塔の中に脚立を置き忘れておったとか、あるいはパイプラインに化学処理用のグローブを置き忘れておったとか、事前に発見されておるからよいようなものの、もしそのままにしておったら大変なことになったのではないかということも聞いておるのですが、そういうことは連絡を受けておりますか。
○半澤説明員 不敏にして連絡を受けておりません。
○瀬崎委員 ここにいろいろ五項目の事故に対する事業団がとった処置も書かれております。これは現場では非常に大きな問題になっているそうでありますが、これは政府は聞いていないということですから、事業団が通知しないんだと思いますが、そういう全体の態様が今後ウランテストに入っていくに当たって、ウランテストに突入しても大丈夫だというふうな確信が現場の技術者全体のものになっていると政府並びに事業団側は考えているのかどうか。現場の反応をどう見ているのか。ひとつこれは両者にお答えいただきたいと思います。
○瀬川参考人 近くウラン試験に入る予定でございますが、その直前におきまして、いろいろ再処理工場の従業員の中にもかなり不安の念を持っている者もないわけではございませんが、しかし私どもは昨年の秋以来通水作動試験あるいは化学試験をことしの春まで行いまして、今度は天然ウランによるテストを約七カ月行うことにしておるわけでございますが、この化学試験並びに天然ウランによる試験は、私どもはコールドウランテストと言うておるわけでございまして、このコールドウランテストが済みましてからホットウランテストという試験運転をさらに半年ほどやる予定でおるわけでございます。したがいまして、私どもは、前にやりました化学試験、並びに今度約七カ月の予定でやろうとしておりますウラン試験、これを通じてホットウランテストに入るまでのコールドウランテスト全期間を通じて従業員の訓練を続けていくということでございまして、若干の不安も、まあこれは日本最初の再処理工場であるということから、従業員の中にも一部の人はやはり持つことは私ども否定できないと思いますが、いま申し上げましたように、ウランテストにおいてさらにそういう教育訓練を続行しまして、不安のないように万全を期していきたいというふうに考えております。
○瀬崎委員 はからずも今後教育が必要であることは副理事長言われたとおりなんです。これも私どもが現場の声として聞いているところでありますけれども、現時点で、たとえばウランの知識について十分な教育をしてほしいとか、あるいはいま言われております化学テストの結果報告や技術的な総括をぜひしてほしい、こういうふうに聞いているわけなんですね。こういうことが十分に行われていないで、果たして今後ウランコールドに進み、ホットに進み、総括してやるんだと言うのだけれども、各段階ごとに少なくともテストは区切ってやるということは、その段階ごとにそれまでの教訓というものを十分学びながら、そのテストによって従業員に確信を持たせながら進むべきだと思うのですね。こういうふうな現場の声が出ていることに対して、おたくの方の対応はちゃんと行われていますか。簡単にひとつお願いいたします。
○瀬川参考人 天然ウランテストということを迎えるに当たりましては、過去、昨年の秋からずっと教育訓練を続けてきまして、ウランテストそのものに対しましては私どもは十分着手することができるというふうに考えております。
 またウランというものの取り扱いに関しまして恐怖心があるという問題につきましては、従業員の一部を、御承知の例の人形峠の製錬所等にやりまして、天然ウランに対する感覚を植えつけるというようなこともまたあわせて行っておる次第でございます。
○瀬崎委員 本来、再処理工場に限らず、原子力施設全般について安全性の確立ということになれば、機械そのものの安全性とそれから技術水準の安全性がマッチしなければならないと思うのですね。そこでこの再処理工場に配属されてからの現場技術者の経験年数なんですが、一番多い経験年数は、たとえば半年以内、一年以内、二年以内、こういうふうに区切れば、どの辺にあるわけですか。
○瀬川参考人 多分御指摘の点は非常に経験年数の浅いのが多いのではないかということかと思いますが、やはり大多数の者は二年ないし三年ぐらいの部分が多いかと思いますが、ただ、そういう点を考慮いたしまして、私どもは民間の化学工業等から最近特に出向者をふやすように努めておる次第でございます。
○瀬崎委員 私どもが聞いておるのでは、半年以内の人が現場では約三分の一ぐらいを占めているのじゃないですか。特にもう四年以上の経験者なんというのはごくわずかしかいらっしゃらないですね。年齢区分で見て、どのあたりの年齢帯が一番多いか、御存じですか。
○瀬川参考人 詳しく私も存じませんが、大体一昨年、昨年の高卒が数の上では一番多いのじゃないかと思う次第でございます。
○瀬崎委員 その上、これは動燃の労働組合の方が公表しておりますアンケートの結果は、これは御存じだと思いますが、これによりますと、たとえば装置の修理技術は高まっていますかという質問に対して、十分高まっているという答えはゼロ回答。十分とは言えないが、ウランホットに入ってもどうにか対処できる程度の技術はついている、これは一七%。不十分であり、ウランテスト前に修理の技術を高めるべきだ、七六%。そのほか六%。こういう数字が出ていますね。つまり自信のある人がゼロだというのは、これは私はやはり注目しなければならない事態だと思うのですよ。先ほどの経験年数の浅いこと、それから去年、おととしの高卒採用が非常に多いこと、こういうものと合わせれば。だから、実際に運転に当たろうとする人々の不安をそのままにして果たしてうまくいくかどうかということは、これは良識ある人なら私は考えるべきだと思う。この点ひとつ、これは両者の御見解を求めたいですね。
○瀬川参考人 組合側のただいま御指摘のアンケートにつきましては、私、報告は受けておりますが、内容のパーセント等につきましてはまだ組合側からも説明を受けておりませんので、詳しくいまこの場ではお答えできませんですが、先ほど申し上げましたように、天然ウランの業界等に関するウランテストそのものにつきましては、現在着手するのに不安は私はないというふうに考えております。
○半澤説明員 先ほど申し上げましたように、試運転計画あるいは設計工事方法のやり方についての審査を十分行いまして、支障はないというふうに連絡をしてあるわけでございますし、従来再処理の要員の訓練というのはオン・ザ・ジョブ・トレーニングが主体になると思います。サンゴバンヘの派遣者の数、十五名ほどおりますし、原研での訓練を受けた人間もかなりの数おりますので、指導する人間がかなりおるだろう。それから、いま瀬川副理事長申しましたように、これからも教育訓練を続けるということであればウラン試験に入るには支障はないというふうに私どもも判断いたしておるわけでございます。
○瀬崎委員 私、結論として申し上げたいわけであります。せんだって動燃事業団は例の会計検査院のもてなし事件という不祥事件を起こしたところですね。あれだって単なるレストランに招待したのか、あるいは料亭で芸者を揚げておったのではないのかなんというような疑いも持たれておるわけでしょう。そういうことの反省も事実上ないまま、実質的には強行に等しいようなウランテストヘの入り方だと私は思えるんですね。
 ですから、これはひとつ委員長に要望したいことなんですが、ここまで大きく現場の技術者あるいは労働組合が代表している見解とそれから当局や政府側の見解とが違ったまま、ウランテストが強行されることはきわめて不幸なことである。国会側としてもこれは座視できないと思うのです。ぜひ本委員会に労働組合の代表者及び改めて理事者代表を参考人として呼んで、実態をまずよくわれわれもつかむ必要があると思うのです。同時に、長官に対しては、そういうことをわれわれも努力したいから、それまで事業団側がウランテストを強行しないようにひとつ良識を働かしてほしい、この点を要望して終わりたいと思います。
○石野委員長代理 ただいまの瀬崎君の要望につきましては、後刻理事会で御相談の上、それに対処するようにいたします。
○佐々木国務大臣 要望として承っておきます。
○石野委員長代理 山原健二郎君。
○山原委員 一つは、四国電力の副社長の江坂秀夫氏が七月十八日に東京大手町の経団連会館で記者会見をいたしまして、伊方原発に続く第二の原子力発電所を四国太平洋岸に予定しているが、その際は他の電力会社と共同して建設したいと述べておりますが、この事実を御承知ですか。
○生田説明員 四国電力の副社長がそういうことを語ったという事実は私は承知しておりません。ただ、四国電力が将来四国太平洋岸に他の電力会社との共同開発という形で原子力発電所を建設したいという意向を持っていることにつきましては、新聞等の報道によって読んだ記憶がございます。
○山原委員 これよりさき七月六日に電力業界が会議を持ちまして、原発の共同開発を中心とした広域運営の拡大、強化策を話し合ったと言われておりますが、この事実は御承知ですか。
○生田説明員 電力会社の社長会におきまして広域運営及び共同開発の方向が協議され、そういう結論に達したということは承知いたしております。
○山原委員 電力について、火力、水力、また原子力含めまして幾つかの電力会社が共同してやったという経験はありますか。
○生田説明員 火力、水力の方は私承知いたしておりませんけれども、原子力につきましてはいわゆる共同開発という形はいままでになかったと承知いたしております。ただ、日本原子力発電株式会社が設立されましたのは、ある意味での共同開発の一つのタイプであろうかと考えております。
○山原委員 たとえば、四国電力と九州電力あるいは関西電力というようなものが共同して原子力発電所をつくるというこの電力業界の見解に対して、政府として科学技術庁としてはどういう評価をしておりますか。
○生田説明員 原子力発電所の建設につきましては、先生御承知のように安全性の確保を中心にいたしましていろいろ問題がございます。特に、その問題を解決していきます過程におきまして、九電力あるいは電源開発会社、原子力発電会社というような十一の電力関係の会社がそれぞれ独自にやりますよりも、でき得れば相互に情報を交換し、共同して建設をするという方向の方が望ましいと、かように考えております。
○山原委員 問題はそんなに単純なものでしょうかね。一つの電力会社すら、今日事故あるいは事件が起こった場合においてもほとんど責任がとれないというふうな状態にあるわけですね。それが全く未経験の分野で二つ、三つの共同開発が行われるということに対して、政府はそんなに単純にその方が望ましいというふうなお考えですか。もう一回お聞きしておきたいのです。
 長官の御意見もこの際伺っておきたいのです。
○生田説明員 共同開発あるいは広域運営の問題につきまして、これは通産省の所管の問題でございますが、いろいろ実施あるいは実現の過程におきましてむずかしい問題もあろうかと思います。しかし、基本的な方向におきまして、特に原子力のように巨大な設備投資を必要とし、さらに安全性の確保を中心にいたしまして相互の技術情報の交換あるいは安全につきましての共同研究の確立という点から考えますと、方向といたしまして共同開発というのは一つの望ましい方向であろうと、かように考えております。
○佐々木国務大臣 この問題は予算委員会でもしばしば問題になりましたのは御承知のとおりでございまして、私の見解も生田局長のいまの答弁と同様でございます。
○山原委員 問題は安全性についての機構なり組織なりあるいは研究体制というもの、それが大事なのであって、むしろ責任のとれないものが仮に二つ集まったとか三つ集まったとかしても、必ずしもそれは望ましいというふうにはならぬと思うのです。一つの電力会社でやること自体が、それがまた正しいとも言えないと思いますけれども、これはやはりかなり検討しなければならぬ問題だと思うのです。
 これは時間がありませんからその程度で伺っておきまして、四国電力は、太平洋岸に原子力発電所をさらに設置するということについては、科学技術庁の方には何かお話しがあっておるのですか。
○生田説明員 四国電力から直接には話はございません。
○山原委員 新聞の情報その他で御承知というわけですね。
○生田説明員 さようでございます。
○山原委員 続いて、玄海原子力発電所の問題について伺います。
 今度の玄海原発における事故は六月十日午前八時二十分に起こっているわけですが、この原因は巻尺が置き忘れられておったということですが、どこが置き忘れたのか。もう判明いたしているでしょうか。
○生田説明員 いろいろ調査したわけでございますけれども、どこが置き忘れたか、あるいはどこの会社のどういう人が置き忘れたか、それについては現在のところ判明いたしておりません。
○山原委員 その追及はなされているのですか。
○生田説明員 引き続き調査はやっておりますけれども、最終的にどこのどういう人が置き忘れたかというところについては、はっきりした状況はつかめないでいる状態でございます。
○山原委員 これの設計に関与した会社の名前その他をちょっと発表してください。
○生田説明員 加圧水型の原子炉でございますので、設計は三菱原子力、製作は三菱重工と承知いたしております。
○山原委員 その二つの会社のうち、この部分に対して作業に関与した中でそういう事故が起こっているわけですね。それすらまだわからないのですか。それすらわからないのですね。どこがそういうものを置き忘れたかわからぬという状態ですか。
○生田説明員 問題は蒸気発生器でございますが、蒸気発生器は三菱重工で製造されまして、現地、玄海発電所に運び込まれたわけでございます。その据えつけ、引き渡しが完了しておりませんので、その巻尺が置き忘れられました事件が起きました段階で所有権はたしかまだ三菱重工に属しておるということでございます。ただ、その据えつけの段階におきまして、九州電力の作業員も多少それにタッチしているということでございますので、問題をしぼりますと三菱重工か九州電力かということになろうかと思いますけれども、それから先の点の具体的な調査が進捗しない状況でございます。
○山原委員 全く初歩的で、しかも非常に重大な問題、こういう問題がまさに責任の所在もいま明らかでないという状態ですね。これはどこがその調査をしているのですか。
○生田説明員 これは九州電力におきまして調査しておりますのはもちろんでございますけれども、通産省を中心にいたしまして調査も行っております。
○山原委員 科学技術庁としては、現在、運転をされるまでの経過について立ち入った調査をしたり点検をしたりはしていないのですか。
○生田説明員 この事件が起きました段階は、法令上の手続で申しますと、電気事業法に基づきます検査の一つの過程におきまして発生した事件でございます。したがいまして、主務は通産省でございますので通産省が調査いたしております。ただ、科学技術庁は原子力の総括官庁でございますので、通産省あるいは電力会社、両方あわせまして、直接その経過その他につきまして詳細な報告は受けております。
○山原委員 今日までだれの目にもそういうことが、置き忘れたとかいうようなことが映らなかったのかということですね。通産省あるいは九州電力からもそういう報告は当時なかったわけでしょう。そして後でこういうことがわかったわけですね。
 じゃ、通産省が点検をして――通産省、おいでになっておりますか。――それはまた通産省にお尋ねしたいと思います。しかし、これではずいぶん無責任なものですね。
 それで、モニターが警報を発して五時間四十分間運転が続けられているわけですが、これは直ちに緊急に停止をするという措置はとらないのですか。
○生田説明員 そのときの状況でございますけれども、今回のような蒸気発生器から一次冷却水がごく微量漏れたというような種類のものにつきましては、緊急停止をいたしますよりも段階的に出力を落としまして、相当時間をかけて停止するということでございます。たとえば美浜の例につきましても同様な措置をとっておりますので、今回の措置で十分であったと考えております。
○山原委員 この五時間四十分というのは適切な時間だとお考えになっているのですか。一次冷却水はこのときもずっと流れているわけですね。
○生田説明員 あるいは先生御承知かもしれないと思っておりますけれども、今回、試運転中にかような一次冷却水の漏洩が起きるということは全く予想しなかったことでございます。先生の御指摘のように、巻尺が置き忘れられたという想像を絶するような原因によるものでございますので、いわば予想しなかったことは当然であろうかと思っておりますけれども、そういうことが突如として起こりましたので、九州電力側におきまして多少手なれないような点がございました。関西電力の美浜にその辺のところの状況を問い合わせる等のこともあったようでございます。したがいまして、五時間余りの時間が適切であったかどうかという御質問に対しましては、あるいはもう少しそれを短縮することができたのではないかというようにも考えておりますが、そういういわば不測のミスによる事故でございますので、その点やむを得なかったと考えております。
○山原委員 私もこの玄海の原発を見せていただきまして、説明も受けたわけですが、大変自信を持っておられたわけです。それはそこで働いておる、管理しておる方たちとしては当然だと思います。そして、いろいろな不測の事態が起こったときには直ちに停止しますということですね。これはまた私どもに対する説明だけでなくして、住民の方に対してもそういうふうになっているわけですね。それが長時間にわたって不測の事態が、いまあなたがおっしゃったように不測の事態が起こっておるにもかかわらず、五時間四十分というものが運転はずっと続けられているというようなことになってきますと、やはり住民にとりましては大変大きなショックなんですね。
 それから同時に、その事故発生後県や町に対する通報というのは十二時間以上かかっているわけですよ。これは、電力と県と町の間に結ばれました安全協定七条それから七条二項、これにも違反するのではないかと私は思うのですが、こういう協定に基づいた電力側としての責任がある内規といいますか、こういう場合にはこうするのだ、こういう通報をするのだというようなものもないと承っているのです。協定は結ばれたけれども、全くそれは形骸化されて、実態は役に立つものになっていないということですね。この点はお調べになりましたか。
○生田説明員 今回の問題が発生いたしました直後の電力会社側の特に地元に対します適応の仕方、連絡の仕方等につきましては、若干不手際があった、かように考えております。その点につきましては、私どもから電力会社に対しましても、今後そういう不手際によりまして地元の住民の方から無用の不信感を生まないように注意した次第であります。
○山原委員 不測の事態が起こった場合の、ここで勤めておいでになる住民の方たちに対する避難、防災の訓練、あるいはそういう場合にどうするかという内規も何にもないわけです。訓練も行われていない。全く無防備状態ですね。不測の事態というのは、これは新しい原子力発電という試みですから、いつも起こってくるものはさまざまな例を持ったものが起こってくるわけじゃなくて、不測の事態が起こる可能性を持った事業ですが、そういう場合に対する対応の仕方というのは全くなっていない。住民や県や町と協定を結んでも、それが実効あるものに全くなっていないというのが玄海の今度の例だと思うのです。まさに不手際というより、全くふまじめな態度じゃないかと思うのです。
 それと、もう一つ伺っておきたいのですが、二月の十四日にこの運転が開始されましてこの事故が起こるまでに大体十回にわたって運転が中止されておるということが佐賀県議会の公害特別委員会において公害課長から報告されておりますが、その事実はいかがですか。
○生田説明員 試運転の過程におきましてそのようなことがあったことは承知いたしております。
○山原委員 時間がありませんから、運転中止約十回と報告されておりますが、その日時と原因、そしてその際の県や町に対する連絡、それはどうなっておるのか。あるいは国に対してはどういう報告がなされておるのか。これは資料として、委員長にお願いしますが、提出を求めたいと思います。そして同時に、運転日誌を提出をしていただきたいと思いますが、委員長の前に局長の見解を伺っておきたいと思います。
○生田説明員 試運転中に非常に数多く停止したということを、ただそれだけおっしゃられますと、非常に問題が多いというようなことになりかねないのでございますけれども、実は試運転と申しますのはまさに試運転でございまして、その間発電機をとめ、あるいは動かし、そうしながら試運転をしていろいろのチェックをするわけでございます。したがいまして、むしろ試運転の間にたびたびとめまして、それでチェックをしながら試運転を続けていくということは正しいやり方であると私どもは考えております。したがいまして、試運転の間に数多く、たとえば十回の間原子炉が停止されたということがすなわち欠陥原子炉ではないかというようなお考えは、私どもは納得あるいは了承できないわけでございます。したがいまして、試運転はその本来の試運転の目的どおりに行われていた、かように考えております。
○山原委員 要するに運転日誌を提出していただきたいということは委員長にお願いいたしたいと思っております。もちろん十回という数字は挙げましても、十回がすべてこの事故その他につながるものではないかもしれません。しかし、これが必ずしもそう全部が全部そうではないのだ、試運転中のものだというふうなことも言えないと思うのですね。そういう点で委員長にお願いしたいと思いますが、委員長の御見解を最後にいただきたいと思います。
 その前に、この事件が起こりました十日以後の十二日でございますけれども、九州電力の社長は九電新聞に、この問題が起こっても安全についての確信の度合いはいささかも揺らいでいないという発表をしているわけですね。しかも、その十二日に住民の方たちは初めて知ったわけですね。住民の方たちが知ったのはこの事件が発生をして二日半後です。そういう状態ですね。これも協定から考えますと、住民に対して、町に対して直ちに連絡をするということすら守られていない。内規もないということは大変なことですから、委員長の御見解を伺って、そして内規の問題についてはこれでいいのかどうかということを長官からお答えをいただきたいのです。
○生田説明員 不測の事態が発生いたしました場合のその対応の仕方でございますが、これは保安規程がございまして、会社側におきまして保安規程をつくりまして政府に提出いたしまして認可を受けております。したがいまして、先生御指摘の内規がそれに該当するかどうかは私ども存じませんけれども、少なくとも保安規程という形で不測の事態に対応するようなルールはもうできていた、かように考えております。
○山原委員 もう一つ加えてお願いしたいと思いますが、運転日誌と保安規程、これはぜひ見せていただきたいと思いますので、委員長の御見解を伺いたいと思います。
○石野委員長代理 この際政府にちょっとお尋ねしておきますが、山原委員から資料の要求として運転日誌あるいは保安規程その他、事故と思われるようなそういうことについての資料の提出を要求されておりますが、これは委員会としても非常に必要なように思いますので、資料の提出はできるかどうか、ひとつ所見を聞いておきたい。
○生田説明員 ただいま山原先生から御要求のありました保安規程につきましては御提出申し上げます。
 運転日誌でございますが、運転日誌と申しますものは社内の資料でございますが、私どもが承知いたしております試運転の経過につきましての資料はお出しいたします。
○山原委員 終わります。
○石野委員長代理 政府になにしておきますが、運転日誌そのものは出せないにしても、山原委員から要求されている保安規程とその他関連する資料は出されますね。
○生田説明員 はい。
○石野委員長代理 近江巳記夫君。
○近江委員 まず佐世保の問題について長官にお伺いしたいと思いますが、記者会見のときにおきまして多少の誤解があった、そういう点についてはおわびをするという趣旨の御答弁があったわけでございますが、政府としては佐世保はいわゆる修理点検港として、第一候補としてお考えになっておられるわけですか。
○佐々木国務大臣 修理総点検の計画をいま作成中でございまして、その結論がどうなるか。まだ事業団でできたものに対してさらに政府がつくっています検討委員会で重ねて慎重に検討するわけですから、その結論を待ってと思っておりますけれども、いまの近江さんの御質問でございますが、ただいまの段階では、修理総点検をしてもよろしいと言って新聞、雑誌等に好意ある記事を載せておってくださっているのは佐世保の市長さんだけでございますので、そういう節にはその後の情勢等も勘案いたしまして、その時点で決めたいと思っておりますけれども、しかしただいまの段階ではそういうありがたい話は佐世保市長以外にないことも事実でございます。
○近江委員 そうすると、佐世保の市長の方からそういうお話しがあって、政府としてはいわゆる現時点においては佐世保以外に考えられない、こういうことですか。そういう長官の言葉からいきますと、ありがたい言葉はほかにはないけれども、ほかにも第二、第三そうした地点は考えておる。であるならば、その第二、第三は候補地としてどういう所があるのですか。
○佐々木国務大臣 修理総点検をお引き受けしてもいいというふうな意思表示をしているところは、むつ以外にはございません。ただ、母港としては自分の方はどうであろうかという意思と申しますか、はっきりした意思とは言えないにしても、そういうところも二、三ございます。――言い違いだそうでございまして、佐世保以外には修理点検を自分の方で引き受けてもよろしいという個所はほかにございません。母港に関しましては二、三ございますけれども、その名前はちょっと遠慮させていただきます。
○近江委員 われわれとしてもいろいろと検討したいという点からいけば、その二、三の地点もお聞きしたいわけですが、いま長官が先にどうも言いにくいという点をおっしゃったわけです。この点は言えと言ってもちょっと言えないということになるのじゃないかと思いますから……。
 それでこの佐世保の場合、市長だけがそういう長官のお言葉でありがたいという言葉が出ておるわけですが、これは市議会なり県なり、いろいろそういう意思決定機関というものがあるわけですが、そういうところについてその意思というものはどういうようにお考えになっているかという問題。それからさらに直接にいわゆる市民の声を聞くとして、たとえば原子力施設の設置について大型化、集中等々、いろいろのスタイルがあるにしても、公聴会というものをやっておるわけですが、この修理点検ということに際して市民の声を聞くということで、公聴会等はやる意思はないのですか。
○佐々木国務大臣 いつの段階で政府としてはお願いをするというふうな意思表示をしたらよろしいか、これは先ほどもお答えいたしましたように、ただいま設計と申しますか、修理あるいは総点検等の計画を進めて、これさえ済ませばこの船は大丈夫だという確信を持つのが先決だと思っておりますので、その方を実は急いでおる最中でございまして、それとあわせ、現地の方のその後の情勢も考えまして、進め方等を考えてみたいと思っております。私と運輸大臣でどこに決めるとかというふうなところまでの段階にはまだなっておらぬ状況でございます。
○近江委員 もちろん現在その計画の作業中であるということはわかるわけですが、いまの話でいきますと、いまの時点では仮定ということになるかもわかりませんが、そうした意味での公聴会なりあるいはまた市議会あるいは県議会等の意思の尊重という点についてどのようにお考えになるか、ひとつこれ局長からお伺いしたい。
○生田説明員 ただいまの大臣の御答弁にもありましたように、具体的な地点につきましてまだ決めていない状況でございますので、具体的にどうこうという手続は考えておりません。
 ただ、一般論で申しまして、原子力船に限りませず、原子力発電所その他におきましても、いわゆる誘致と申しますかあるいは地点の決定と申しますかという場合には、市議会、時によりましては県議会の全員協議会というようなものに諮られまして、それの必ずしも全員ということではございませんでしょうけれども、多数で同意を得るのが一つの必要な段階になっているということが一般論として申し上げられるかと考えております。
 なお、公聴会につきましては、まだ具体的に考えておりません。
○近江委員 そういう方向に行くということであれば、公聴会等も開く必要がある、このようにお考えですか。
○生田説明員 具体的な段階あるいは手続につきまして、まだ私ども検討いたしておりませんので、公聴会を開くとも開かないとも考えておりません。しかし、いずれかの方法によりまして地元の方のお考えを十分伺い、あるいは地元の方の御疑問に十分答えるということは必要かと考えております。
○近江委員 地元の人のそういう声を聞くということの具体的なそのスタイルとしては、やはりそういう方向にならざるを得ないんじゃないかと思うわけですが……。
 それから広島、長崎には原爆が落とされたわけでありますし、そうした市民の感情というものは現地においては想像以上のものがあろうかと思うのですけれども、この点について、政府としてはいまその候補は具体的には佐世保しかないというお考えであったわけですが、その点の配慮というものはどのようにお考えですか。
○佐々木国務大臣 私は初代の原子力局長をやる前、したがって終戦後間もなくと申しますか、経済安定本部の石炭課長をやっておりましたが、当時長崎に参りまして、もう臨終直前のような永井隆先生のお坊ちゃんとお嬢ちゃんの二人お子さんがおりまして、当時のことですから、たしかかばんと鉛筆かと思いますが、おみやげに持ちまして、お見舞いかたがたいろいろお話しをちょうだいに参りました。また、私の親友もたくさん長崎あるいは広島で災害に遭っておりまして、そういう遺家族等の皆さんがどういう感情を持っているかということはよく知っているつもりでございます。したがいまして、この前の八日の記者会見でも、かりそめにも記念日の当日あるいはその直後等に県民に不愉快な気持ちを持たせるような、そういうことは私は一切やりませんと言って、繰り返し、繰り返し記者諸君には申し述べたつもりでございます。したがって、そういう感情も十分考慮しつつ、今後問題を進める要あれば進めてまいりたいというふうに考えております。
○近江委員 「むつ」の母港の決定というのは、前の契約のときに六カ月以内、二年半以内に母港を撤去する、五十二年の四月十五日なんですね。そうすると、二年ないわけですね。いまこういう厳しい状況下に置かれておるわけですが、いま母港決定前にいわゆる修理、点検をしたいというのが大体政府の方針のようであります。そうなってきますと、この前の委員会でも私申し上げたわけですが、いわゆる修理費といいましても、総点検といいましても、かなり莫大な金がかかろうかと思います。三菱にしろ石川島にしろいわゆる契約期限は切れておる。そうなってきますと、後は社会的あるいは道徳的な問題ということになってくるわけですが、この修理費をどうするのだということで前に私質問申し上げたわけですが、これはその後どうなっておるかという問題なんです。その点どうなっておりますか。
○生田説明員 前国会で先生の御質問にお答え申し上げたかと記憶いたしておりますけれども、契約上の規定はございましても、企業の社会的責任という観点から考えまして、三菱原子力あるいは三菱重工業がこの修理の費用について、契約を盾にとって一切関知しないということは許されないことだと考えております。具体的にどのくらいの金額をどういうふうに分担するかということにつきましては、今後の修理計画によりまして明らかにしてまいりたいというふうに考えておりますが、基本方針につきましてはただいま申し上げたようなことでございます。
○近江委員 そうすると、その場合は政府の負担ということはない、こういうことですか。
○生田説明員 点検をやってみた結果でございまして、三菱原子力あるいは三菱重工業の責めに帰すべき部分がどの程度であるか、あるいはそれ以外の部分がどの程度であるかということをまず決める必要がございます。ただいま申し上げましたのは、三菱側の責めに帰すべき部分につきましては、契約のいかんにかかわらず三菱側が当然補償の責めに応ずべきである、かように考えております。
○近江委員 責めに帰す部分については両者の負担、それ以外は政府の負担ということにいまのお話しではなろうかと思うのです。そうなってきますと、予算の問題もありますね。大体各省八月概算要求ということになってくるわけですが、この辺の予算措置等おくれますと、これまた一年おくれてくるということになるのですが、その点についてはどのようにお考えですか。
○生田説明員 来年度の予算要求をただいま作業中でございますが、その中に点検、要すればその修理、恐らく点検が第一段階でございますので、五十一年度は点検が中心になろうかと思いますが、その予算要求をいたすべくただいま作業中でございます。
○近江委員 それから、この事業団は来年三月に期限が来るわけですが、この事業団についてどうなさるか。存続するとなれば臨時国会なり通常国会となってくるわけですが、その点についてはどのようにお考えですか。
○佐々木国務大臣 原子力委員会の中に原子力船懇談会を設けまして、将来日本の原子力船に対してどういうふうに対処していくか、あるいはどういうふうなスケジュールで進めていくか、いろいろ長期の展望の問題がございます。あわせて、そういう展望を基礎にいたしまして、原子力船事業団そのものの今後のあり方というものを考えてみたいと思いまして、ただいませっかく懇談会を中心にして検討中でございます。先般の懇談会でもこの問題が出まして、いろいろ意見が出されました。それこれ勘案いたしまして、近く結論を出したいというふうに考えております。
○近江委員 もう一度、佐世保の問題に移りたいと思うのですが、人家の密集した地域に修理を持ってくるということは非常にまずいじゃないか、こういう声が非常に現地では強いわけです。この点については、いまおっしゃったように佐世保以外にいまのところはないというお考えについては変わりはないわけですか。
○佐々木国務大臣 修理そのものの深さ、浅さと申しますか、「むつ」はいまも御承知のように青森の陸奥湾に係留されて原子炉としては活動してないわけでございますから、別に何の障害もございません。燃料が入っておりましても核反応を起こしていないわけです。ですから、そのままで修理できるとなれば、何でもないことだと思います。それは今後の修理の計画等いろいろ考えまして、その道の一番の権威の方がこういう修理をすべしと最終的に先ほど申しました対策委員等で決めるわけでございまして、私のいまの見解から申しますと、そう大きい修理でなくて済みそうな感じでございますので、いまのお話しのような懸念はなくて済むのじゃないかというように実は考えております。
○近江委員 この佐世保の問題は、政府としても慎重に検討され、できる限り現地の市民の声を生かして、決して強行することのないように申し上げておきたいと思います。
 それから、被爆三十周年を迎えたわけでございますが、原子力行政というものは常に両刃の剣である、こういう目で見られておるのじゃないかと思うわけです。この際改めて平和利用に徹するという点におきまして、また基本法におきましても自主、民主、公開等の原則をうたわれておるわけでございますが、長官の決意、また今後の方針等について簡潔にお伺いしたいと思います。
○佐々木国務大臣 原子力基本法を決めます当時から私ずっとこの問題に関係しておったのでございまして、原子力基本法の研究、開発、利用は平和の目的に限るという日本の大原則は、私もみずからつくった本人でございますから、その信念においては現在も変わりございません。その一つのまた典型的なあらわれといたしまして、核拡散防止条約の問題も及ばずながら一生懸命私どもも努力いたしまして、ただいま衆議院の御審議をお願いしていることは御承知のとおりでございまして、私の考えといたしましては、この問題こそ日本の一番世界に訴え得る人道的な一つの立場であるというように実は考えております。
○近江委員 この間の通常国会におきましては核防条約は継続審議、衆議院の段階でそうなったわけです。大臣はいまそういう決意を述べられたわけですが、これは内閣全体がやはり長官と同じ決意ですか。また、今後どういうように内閣の閣僚に対してアプローチされていくのか。この点についてお伺いしたいと思います。
○佐々木国務大臣 事柄は外務省所管の事項ではございますけれども、しかし、あの条約はぜひとも私どもといたしましては批准をいたしたいという念願に燃えておりますので、先般閣僚エネルギー会議の際にも核防等の話に触れまして、ぜひひとつ政府としては推進していただきたいという点を発言いたした次第でございまして、何とかして今度こそはひとつ批准を済ましたいというふうに考えておるわけでございます。
○近江委員 自主、民主、公開、こうした原則からいきまして、今回原発の安全審査資料について、商業機密を除いて公開する、こういう方向になったことは、私は率直に言って評価をいたします。評価はいたしますけれども、これは建設前の手続に限っておるわけですね。完成後の運転については何も触れてないわけです。運転実績や事故、トラブルなどの資料を公開しなければ、やはり国民の不安というものは依然として解消しないのじゃないかと思うのですが、その点についてどのようにお考えですか。これは局長でも結構ですが。
○生田説明員 ただいま先生の御指摘のように、建設前と申しますか、安全審査に関連いたします従来公開いたしませんでおりました資料につきましても、一部のものを除きまして公開する方針を決めたわけでございます。その後、建設の過程あるいは運転に入りましてから後の時期につきましても、公開できるものは従来とも公開いたしておりますし、今後私どもの一般的な方針といたしまして、資料はできるだけ公開いたしたい、かように考えておりますので、そういうものにつきましてもでき得る限り公開してまいりたい、かように考えております。
○近江委員 この資料の中の何を商業機密と認めるかという判断の問題ですけれども、その問題と公開の原則という点についてどのようにお考えですか。
○生田説明員 いわゆる商業機密と言われるものでございますけれども、具体的に申しますと、たとえば、わが国の原子炉メーカーが外国の原子炉メーカーと技術援助契約――いわゆる技術導入でございますが、技術援助契約を締結いたしました際に守秘義務を課せられているもの、これはいわゆる商業機密として明らかに定義できると考えております。あるいはそういう技術援助契約によるもの以外でございましても、たとえばわが国の原子炉メーカーが独自に開発した設計等に関するものでございまして、申請者、つまり、たとえばある原子炉メーカーが開発したものでございますが、原子炉設置許可の申請者は電力会社になるわけでございますので、電力会社といたしまして、その原子炉メーカーとの契約におきまして守秘義務が課されているものというものは、やはり商業機密の対象になる。これは例示でございますけれども、そういうものを考えております。
 原子力基本法の公開の原則との関係でございますけれども、公開の原則につきましては、いわゆる成果の公開ということでございまして、あらゆるものの公開には及んでいないという点が一つございます。それからまた、憲法におきまして財産権保護の規定がございます。これは原子力基本法といえども憲法の規定に制約されることは当然でございますので、財産権の保護に抵触するものは、これは公開の必要がない、かように考えております。特許権以外、たとえばノーハウが財産権に属するか否か、この辺は法律的にもいろいろ論争のあるところでございますが、私どもの心構えといたしまして、商業機密の名のもとに公開すべきものも公開しないというような非難をいやしくも受けないように、できる限り商業秘密の範囲は狭く限定してまいりたい、かように考えております。
○近江委員 いま局長いみじくもおっしゃったわけですが、やはりそういう商業機密という名前に隠れて――一歩このように政府は公開に踏み切ってわれわれとしても評価しているわけですが、しかし、商業機密ということで隠蔽されるということは十分考えられるわけです。ですから、その点、これは電力業界等にもこの商業機密というものはきわめてしぼられたものであるという徹底をなさらないと、何でもかんでも商業機密だ、一歩前進したことがかえってまた大きな問題を引き起こす、このように思います。ですから、今後それは業界に対してどういう徹底をなさるか、お聞きしておきたいと思います。
○生田説明員 業界と申しますか、申請者の立場にあります電力会社でございますが、これが部会参考資料を提出いたします際に、私どもはまず手順といたしましてはそれを全部公開するという立場をとりまして、先ほど申しましたような商業機密という観点からこの部分は公開できないというような申し入れがありました場合には、それを十分審査いたしまして、先ほど来御説明いたしましたように、商業機密の名のもとに実際はほとんど公開が行われないということのないように、十分審査してまいりたいというふうに考えております。
○近江委員 この原発の開発計画の問題でございますが、通産省の総合エネルギー調査会需給部会の中間報告におきましては、昭和六十年四千九百万キロワット。さきの計画六千万キロワットより縮小されておるわけです。そして七月三十一日にエネルギー対策閣僚会議において政府は了承しているわけですね。そこで、六十年度四千九百万キロワットにお決めになったこの経緯について簡単にひとつお伺いしたいと思います。
○井上説明員 御質問の点でございますが、通産省に設置してございます総合エネルギー調査会におきまして、需給部会あるいは総合部会等におきまして、各種エネルギーの開発の今後の計画、あるいはそれに対応いたします政策につきまして種々検討をお願いしておるわけでございますが、御指摘の原子力発電の長期的な開発の計画につきましては、七月十一日に電気事業審議会総合部会、それから七月十二日にエネルギー調査会需給部会、七月二十四日、八月六日に同じく総合エネルギー調査会の総合部会を開催していただきまして、ほかのエネルギーと並びまして原子力の問題につきましてもいろいろ御検討をいただいておるところでございます。
 昭和六十年度四千九百万キロの数字でございますが、これにつきましては、御指摘のように原子力委員会が昭和四十七年度に決定いたしました原子力長期計画、あるいは総合エネルギー調査会が昭和四十九年度に決定いたしました目標値でございます六千万キロには満たないわけでございますが、この点につきましては、今後の経済の見通しがどうなるか、あるいは現状及び将来におきます電力需要がそれに応じてどうなっていくか等につきまして検討いたしまして、六千万キロに比しまして約二年程度はおくれるということになったわけでございます。しかしながら、われわれといたしましては、原子力発電につきましては将来の供給力の大宗を占めるものとして今後とも重点的に開発に努力していくということで考えておる次第でございます。
○近江委員 火力発電等も、これは温排水の問題であるとか大気汚染の問題であるとか、今日いろいろな環境問題を引き起こしておるわけであります。しかし、この原発等から比べますと、やはりそうした影響というものは火力の場合はまだ割り引きができると思うのですね。ということは、やはり原発についてはいわゆる完全な段階じゃない、まだまだ実験段階である、その域を脱しておらないということは私言えるのじゃないかと思うのです。そういう場合において、ただ原子力に期待をして、いろいろ今後の経済成長とにらみ合わして四千九百万に決定したということでありますが、やはりこういう高度な技術が非常に大きなかぎを握っておる。ところが、その技術がまだ未熟である。こういう段階において、ただエネルギーの必要量という点から四千九百万である、こういう決定の仕方は単なるペーパープランにすぎないのじゃないか。その証拠に、六千万を四千九百万に落としておる。これを下げたことは私たちとしてはこれはいい、こう思っております。いまのような技術の段階においてこれは下げるのは当然だと思いますが、下げた数値自体もいわゆるどれだけの積み上げがあり、そこで合致した数字であるかどうかという問題なんです。当然この閣議には長官も出ておられるわけでございますから、今日問題になっております再処理、廃棄物処理あるいは環境汚染等の問題、そういうことはこの四千九百万を達成していく上においてどのように解決されていくか、こういうプロセスというものが提示され、その結果積み上げた数字と、そうして政府が需給計画に基づいて出した線が一致した、これであれば話はわかるのですよ。そういう積み上げの過程というものは何も示されず四千九百万にする、こういう安易な行き方でいいかどうかということを私は聞きたいのです。むしろそういうことは通産省なり科学技術庁が真剣にそうした計画書ということを示すべきでしょう。これは数字だけじゃないですか。先ほども四国において新たなそういう計画が電力会社でなされておるということも示されておりますが、これは一端のことですよ。四千九百万でも、現時点から考えれば二十五、六倍の、それだけの建設をしていかなければならない。全国各地、至るところでこういう問題が起きますよ。それに対する政府のそういう対処の仕方というのは示されておらないじゃないですか。それについてどう思いますか。こんな数字は納得できませんよ。
○井上説明員 先ほど御答弁申し上げましたとおり、この数字につきましては、今後の経済の見通し、あるいはそれに応じます電力の需要の見通し、あるいは立地の動向等につきまして、総合エネルギー調査会の中のいろいろな部会におきまして、専門家の方にもいろいろ御検討いただきましたわけでございますが、御指摘のように、これを達成するのはなかなかむずかしいというふうに考えております。現在、原子力発電所は御承知のようにかなり細かいトラブルでとまっておりまして、稼働率もかなり低いわけでありますが、こういったトラブルを、まずできるだけ早期に安全性を確保しつつやはり解決していかなくちゃいけない。さらに御指摘の核燃料サイクルの確立あるいは安全性の試験研究等の推進、その他技術的な改良あるいは標準化を推進することによりまして、自主技術の開発を進める等々の対策を強力に推進していく必要があるわけでありまして、官民挙げての努力ということがなければこの計画は実施できないというふうに考えられております。
 こういった諸対策につきましては、現在総合エネルギー調査会の部会におきましてさらに検討中でございまして、近く答申がいただけるものというふうに期待しておりますが、そういったことを通じまして、われわれの方といたしましては原子力委員会あるいは科学技術庁と協力いたしましてこの計画の達成に大いに努力したい、かように考えている次第でございます。
○近江委員 私が終始申し上げているのは、いわゆる開発推進の目標だけを定めて、そして皆さん方は必死になってそれを押し上げようとしているが、われわれがここでいろいろな問題を提起いたしておりますが、そういう問題はそれの解決に全力を挙げていくという中でみずから解決されていく問題だということなんです。やっていることが逆なんですよ。これだけ問題が提起されておりながら、目標だけ、数値だけをぐっと上げてそれに努力する。こういう数値が出るときに対して、閣議決定に至る前に、科学技術庁は現状からさらに今後どのようにやっていくかとか、こういう点から見て達成無理であるとかクレームをつけるとか、そういうような提言をしなかったのですか。局長どうですか。
○佐々木国務大臣 エネルギー対策閣僚会議ですか、正式な名前はあるいは違っているかもしれませんが、私もそのワンメンバーでございまして、この資料について通産省から詳細な御説明がございました。私に対してこれでどうだろうというお話しがございまして、大変むずかしい点もありますけれども、しかしまあ大体こういうことでひとつ努力しましょうということで、実は私は承諾いたしたような次第でございます。
○近江委員 大臣、そんな安易な了解の仕方じゃだめですよ。少なくとも科学技術庁長官として、これを達成していくためには何をなさなければならないか、それを一つ一つ押さえていけば、こんないまのような時点で、いまのような政府の取り組みで、四千九百万というのはできるはずないですよ。技術の面から、また今日の山積せる問題から考えて、これは科学技術庁として見直しをすべきであるということをおっしゃって当然なんです。政府が今後進めていく計画とにらみ合わせて、さらに見直しを私は要求したいと思うのです。その意思はありますか。
○佐々木国務大臣 お説でございますが、いまの各国、先進国と申しますか、これの燃料対策、エネルギー対策等を見ますと、御承知のように、フランス、イタリア等で一〇〇%、全部油による発電はやめて原子力発電に切りかえようというふうなことでございますし、ドイツですら約半数は原子力発電でやろうという。日本は必要性に至ってはイタリア、フランスの比ではございませんから、もう挙げて日本こそは全部原子力発電に切りかえろと主張したいところでございますけれども、お説のような国内の事情でもございますし、あるいはおっしゃるように廃棄物の処理等、まだ対策が不十分じゃないかというお話しもそのとおりでございます。したがいまして、そういう点もかみ合わせまして、一〇〇%原子力に切りかえろというようなことは、私どもはとうてい主張をできる立場でございませんが、しかし、せめて通産で出しました四千九百万くらいはひとつ一生懸命努力しようじゃないか、こういうことでございます。
○近江委員 もう終わりたいと思いますが、その必要性ということは、あなた方の立場に立てばわかりますよ。またエネルギーという点から見れば、原子力の必要性もわかります。わかるけれども、現状のような解決をしなければならない問題を残しながら、ただ諸外国はこうだからと進んでいく。これではいつまでたっても根本的な解決はできませんよ。だから、そうした諸問題を綿密に検討をし、計画を立て、そしてそれを実施しつつ、おのずとそういうどのくらいいくだろうという数値は出てくるのです。下からの積み上げ、そしてそれによる見直し、この点を私は問題を提起しておきます。
 それから、時間がありませんから最後に一点だけ聞きますが、この間原子力安全局の法案が廃案になったわけです。あれは私たちは、非常に小手先のことであるということで批判申し上げたわけですが、今度の臨時国会なり通常国会にあのままの形で再提出されるのですか。もっと見直しをして、根本的な体制をもってお出しになるのか。それを最後にお伺いして、私の質問を終わります。
    〔石野委員長代理退席、委員長着席〕
○佐々木国務大臣 せっかく御審議をちょうだいし、参議院の最後の場まで行きました法案でございますので、できますれば今度の国会で御承認いただければ大変ありがたいとは思いますが、しかし半面また、いまおっしゃるように、その他の原子力委員会自体の改組、改善と申しますか、そういう問題まで含めて全体的な体系に対する有沢機関の回答も出ることにもなっておりますので、ただこれがいつ出るかということがまだはっきりいたしません。余り早い機会ではないようにも伺いますので、そういう点を兼ね合わせまして、ただいまその安全局の法案をどうするかということは実は検討中でございますけれども、私の考えといたしましては、まずやはりせっかく御審議いただいたことでございますので、ひとつもう一度御審議いただいて通していただければ大変よろしいのじゃないかというような気持ちでただいまのところおります。
○近江委員 終わります。
○八木委員長 次に、内海清君。
○内海(清)委員 先ほどから「むつ」の佐世保での修理問題がずいぶん出てまいりました。私も九日の日に、長崎県の方から二、三電話をいただいたのであります。それは、長官ごらんになったか知りませんが、この九日の日付の長崎新聞が出たためだと思うのです。これがいまさつき手に入ったわけです。これによりますと、「佐世保で「むつ」修理」という見出しがそうですね。そして「佐々木長官言明、今月中にも正式要請」ということなんですね。これにいろいろ書いてあります。さっきからいろいろ御説明もありました。この新聞記事についてちょっとごらんいただいて、後で結構ですから、これで違うところ、間違っているところをひとつ御指摘いただきたい。これははっきり科学技術庁で聞いて連絡してくれということになっておるのですけれども、何分にも土曜日のあれだったから、それでは月曜日に委員会があるからお聞きしようと言ったのですが、きょうは時間もございません。すでに多くの人が質問されましたから、ここで一々この内容について質問しませんので、これが震源だと思うのですが、ひとつごらんいただいて……。
    〔内海(清)委員、資料を渡す〕
○佐々木国務大臣 後でいいということですけれども、また誤解があるといけませんので……。
 一つ一つの問題もさることながら、一番初めにこの問題を申し上げたのですけれども、八日の日の閣議が済みまして記者会見をした際に、閣議の模様の報告が終わって、そしてプレスの皆さんから、読売新聞の佐世保の世論調査の結果をごらんになったですか、と言いますから、詳しくは検討しないのですけれども大体見ました、御感想はどうですか、と言いますから、感想は、ということで私なりに述べておきました。そこで、原爆記念日の直後に佐世保の市長さんに対して「むつ」を点検修理のため佐世保に受け入れてもらいたい旨申し入れるのではないかという質問が何遍もございまして……(内海(清)委員「それはさっきお聞きしました」と呼ぶ)いや、それで、八月九日は長崎の原爆の被災者の霊に対しいわば国としての法事を営む日でございますので、その直前直後にそのような決定や申し入れをするような失礼なことは毛頭考えておりませんというので、これも私は何遍となく申し上げたのです。ですから、こういうふうに新聞に出るとは実はゆめゆめ考えてなかった。そして引き続きいろいろ関連した質問があったので、佐世保の市長さんが朝日新聞とか週刊時事とかに「むつ」の点検修理のための受け入れば受け入れてもいいような趣旨の意向もございましたので、大変ありがたいことだということは申しておきました。それで、先ほど申しましたように、ただいま政府では修理点検の計画をつくりつつありますので、いま非常に慎重に最後の検討をしております。そういうものの帰趨と現実の情勢とを考えてその後で態度を決めたい、こういう状況でございますので、この新聞の内容はどうか知りませんけれども、趣旨はそういう趣旨でございますから御了承いただきたいと思います。
○内海(清)委員 それはけさほど来、委員会が始まってから長官にお聞きしたことです。ですから、現地の方ではあの新聞が出てから私のところへ電話がかかったわけです。そういうことですから、あの新聞に大きく刺激されたのだと思います。だから、あれは長官の発言とは全く違うなら違うのだ、こういう点、あの内容について明らかにしていただければ、私はそれを向こうに通知いたします。同時に、一たんああいうふうに新聞に出たのでありますから、これが間違いであるならばそのことも何かの方法で長崎県の人に十分徹底させることが必要じゃないかということも考えますが、これは非常にむずかしい問題だと思いますが、御検討いただきたいと思います。これは役所関係とかその他の自治体関係とか、いろいろ方法があると思いますけれども、時間がありませんからそれについては論議いたしません。
 それで、きょう私は特にお伺いしてみたいと思うのは、実は過日、全日本電機機器労働組合連合会、電機労連と全国造船重機械労働組合連合会、造船重機労連と全国電力労働組合連合会、いわゆる電労連、この三労連でつくっております原子力問題研究会議というのがあるわけです。そこで提言をまとめまして、たしか四日の日ぐらいに政府の各関係のところにも申し入れをしたようであります。御検討いただいておると思いますが、これの中にはいままでときどき議論したのもありますしいろいろございますが、提言の「一、原子力開発計画の根本的見直しをはかるべきである。」「三、原子力の規制、開発促進に係る法律を一本化し、あわせて官庁の縦割り人事、セクト体質を改善し、ビッグ・サイエンスに取組むにふさわしい体制を整えるべきである。」、この二つに特に私は関心を持ったわけでございます。したがって、それについて少し具体的にお尋ねしたいと思います。しかし、きょうは時間がありませんから恐らくこの一の提言についての問題もあるいは十分行われぬかもしれぬと思いますけれども、時間のある間お尋ねいたしますので、端的にお答えいただきたいと思います。
 ただいま近江委員からもお尋ねございました、つまり、七月の十二日でしたか発表されました総合エネルギー調査会の需給部会で中間答申を出したわけです。この内容につきましては、総合エネルギー対策の閣僚会議に恐らくかかったんだと思います。でありますから、すでに御承知でこのことが了承されたということだと思うのです。これは先ほどありましたように六十年六千万キロワットを四千九百万にする、つまり千百万キロワット縮小したということなんですね。先ほど近江委員もるるお話しございましたが、その理由なんですね。修正された理由は何かということ。特に私ども思いますのは、一年ぐらい前になりますか、中間報告では、これは正式なものじゃなかったかもしれぬが、最大六十年七千万キロを期待するような表現さえもあったことがあるのであります。ところが、わずか一年の間にこのような状態になったということ、その理由、これは明らかにしていただかぬとなかなか国民にわかりにくいだろう、こう思うのです。その点については先ほど通産省の方からも御答弁ありましたけれども、あの御答弁だけでは――もちろん計画を立てられるのはGNPの伸びとかいろいろなものが前提になっておると思いますが、ただそれだけではなかなかそれがよくわからないということなんです。あるいは需要が減ったというようなこともあるかもしれぬ。それはどういうふうになっているのかということ。これをわかっておればお知らせいただきたい、こう思うのであります。
○井上説明員 四千九百万をどのようにして出したか、こういう御質問でございますが、先ほど近江先生の御質問の際にも若干御説明申し上げましたように、私どもの方の総合エネルギー調査会の需給部会におきまして専門部会をつくりまして、各種エネルギーについての長期的な見通しをいろいろ検討していただいたわけでございます。これを需給部会で検討をお願いし、さらに総合部会で検討をお願いし、さらに近く本エネルギー調査会で御審議いただく、こういう予定になっておるわけでございますが、原子力の四千九百万キロワットにつきましては、長期的な経済の見通し、それに応じまして電力の見通しがどうなるかということをまず検討いたしまして、結果的には、御承知のように現在石油危機以降電力の需要が約二年程度停滞しておるという状況でございますが、これに応じまして今後の長期的な見通しを昨年立てたわけでありますけれども、再検討いたしたわけでございます。昨年の春、石油危機に際しましての将来のエネルギーの供給の可能性は一体どうかという検討を、同じ通産省の総合エネルギー調査会におきまして御検討いただいたわけでございまして、このときの数字といたしましては、いろいろ政策努力その他大いに必要なわけでありますけれども、先ほど先生がおっしゃっておりました五千万ないし七千万キロワットという数字も出ておったわけでございます。こういった昨年の作業に対応いたしまして、ことしの新しい経済の見通しあるいは電力の見通しを立てたわけでありますが、これによりますと、電力の需要が昨年、昭和六十年度におきまして約二億二千万キロでございましたものが、ことしの電気事業審議会、これは七月十二日に電力の長期需給の想定を出しておりますが、約三千万キロ減りまして一億九千万キロというふうに見通されております。
 電力の供給力の構成でございますが、どういうふうに構成していったらいいかということで、まず国内のエネルギー資源を大いに活用するということで、水力、地熱あるいは国内の石炭、石油等によります発電をまず見込む。さらには輸入のエネルギーでございますが、これもなるべく無公害のエネルギーを多く使いたいということで、LNG、天然ガスでございますが、これの輸入を極力ふやす。石油を使います火力につきましても、既設のものについても、なるべく転換可能なものは公害の少ないような、たとえばLNGに変換していくというようなことで電源の構成を考えまして、その中で原子力発電が電源構成として一体どれくらい可能であるかということを検討をいたしたわけでございます。その結果が先ほど御指摘の四千九百万キロということでございまして、この四千九百万キロワットの計画につきましては、それの立地の可能性がどうか、あるいはこれを可能にするためのいろいろ安全の問題あるいは開発の資金の問題等々につきましてどういう対策が必要かということもいろいろ検討されたわけでございます。その結果、原子力につきましては先ほどの四千九百万キロ、電気の中におきましては一億九千万キロの中の四千九百万キロでございますが、全体のエネルギーの中では約九・六%というウエートを占めるのが妥当であろうという見通しが行われたわけでございます。これは昭和六十年度でございますので、さらにその先の油の状況がどうなるかあるいは石炭の状況がどうかというようないろいろなことも考えまして、原子力に関しますその先々の考え方というものもあるわけでございますが、さらに原子力につきましては昭和六十年度以降もますますそのウエートを増していくものというふうに考えられておるわけでございます。
○内海(清)委員 大体わかりました。私もここに長期エネルギー需給計画それから中央電力協議会のこういう資料もあるわけであります。六十年、四千九百万。なお五十五年まではこれらの資料を見ましても大体数字的にあれがあるようであります。しかし、さっきも申しましたように、昨年は最大七千万キロまでというふうなものが、一年間にこれほど減るということにつきましては、これは政府の思われる以上のいろいろな変化があったということになるかもしれません。そういう点はやはり、さっきお話しのように、ひとつできるだけ理解しやすいようにあれをしていただきたいと思うのです。
 時間がありませんから――そこで四千九百万ということですが、これは実際に実現できる、本当に実現できるというふうに考えておられるか。先ほど近江委員からもありましたが、重ねてひとつもう一遍お願いしたい。
○井上説明員 四千九百万キロの実現の可能性でございますが、これはもちろん十年先のことでありますので不確定要素いろいろございます。しかしながら現時点におきまして、いろいろ各電力会社の立地の状況あるいは周辺の住民の皆様方の動向等も踏まえ、今後必要なあらゆる施策を官民一致いたしまして強力に講じていくということで、われわれとしては実現可能なものと考えております。
 ただこのためには、先ほど申し上げましたように、安全性に関します審査の機構を充実していくとか、あるいは安全性に関します試験研究を推進していく、あるいは稼動率を上げるために機器の改良、標準化に取り組んでいく、あるいは資金面におきまして、あるいはその他人員等におきまして、共同開発とか輪番開発等の広域開発あるいは広域運営を推進していくとか、核燃料サイクルにおきまして、石の確保から始まりまして最後の廃棄物処理、処分に至りますまで的確に事業化を図っていく、あるいは地元の皆様方に対しまして十分わかっていただけるようなPRを実施していく、等々の対策を十分講じませんとできないわけでございまして、われわれとしては、今後こういつた対策に関係者一丸となって取り組んでまいりたい、かように考えている次第でございます。
○内海(清)委員 もちろんこれは具体的な相当の施策がないととうていできないと思うのであります。しかしそれにしても、そういう具体的なプロセスというもの、具体的な政策というものはいまの段階からはっきり明示して、すべてがそれに集中されていくということでなければ、これはとうてい無理だと私は思うのです。だから、ただそういうふうなものを示してできるだけの努力をするということでは相ならぬと思うのであります。考えてみますと、この四千九百万にいたしましても非常な無理があると思うのであります。今後四、五年間にどのような状況の変化が期待できるか、私どもにはなかなかわかりませんが、いずれにいたしましても、この四千九百万というものを実現するのには非常にむずかしい問題がある、むしろ、私は不可能ではないかぐらいに考えるのであります。
 その点につきましては後で少し数字を挙げてお尋ねいたしますけれども、この際お伺いしておきたいと思いますことは、政府の計画というものはこれはもう絵にかいたもちであってはならぬのであります。実現可能なものでなければならぬと私は考えるのであります。この点が一番重要だと私は思うのであります。考えてみますと、確かに、今日までの政府の計画というのは自由な民間企業の活動に介入しない、こういうたてまえからいたしまして、いわば政府の期待の計画である、あるいは目標の計画であって、いままでは政府としてはそれでよかったと私は思うのです。しかし今日の情勢から考えますと、ずいぶん変わってきておりまして、いままでのような認識では、ことに原子力問題などに関しては国民の信頼をますます失う結果になりはしないか、この点に非常に不安感を持つものであります。だからといって、私はここに企業活動に直接介入したらいいじゃないかと言うのではありませんが、少なくとも国民も実際開発に当たっておる人も、これならできるという計画をつくることが信頼性の回復の原点ではないか、こういうふうに私は考えるのであります。
 これまで、六十年に六千万キロということをどんどん言ってきた。しかも声を大にしてそれに従ってきた。この労組の組織の内外の教宣活動などから考えてみましても、原子力の発電を推進しようというふうに考えておる者は、この六十年六千万キロワットというものをずいぶん言ってきたわけです。それが今度は四千九百万になって、これを何とか推進しようじゃないかということで言わなければならぬわけでしょう。この原子力の必要性を説かなければならぬという立場になるわけです。そうしてやったその結果、また六千万キロワットと同じように四千九百万キロワットもできなかった、こういうことになりますと、これはまじめに原子力の推進を図ろうとしておる人たちに大変な迷惑をかけると同時に、失望感を与えて意欲を喪失させる、こういうことだと思うのです。同時に、それは政府の施策に対する批判を生んで、国民の不信をますます増大させる結果になるだろう、こういうふうに思うのであります。
 そういう点から考えますと、先ほど近江委員から再検討したらどうかという御意見もございましたが、さらに視点を変えまして、私は今日のわが国のエネルギー問題というものは、食糧問題と並んでわが国の生存にかかわる基本的な問題である、こういう認識を持っておるのであります。石油の危機以来、この点は深刻に国民にも考えられてきたと思うのです。わかってきたと思う。しかし、最もその点について真剣にまじめに考えなければならぬのは、その対応を講ずるのは私は政府である、こう思うのであります。ところが、政府がその点で相も変わらず旧態依然の思考方法で、なかなか実現不可能なことも、数字を並べて推進推進と言われるのでは、これから先のわが国のエネルギー問題というのはどうなるのか、こういうことに対する非常な不安を感ずるのであります。だから、いずれにいたしましても、今日の段階において、とりわけ原子力につきましては、いま大きな反省をしなければならぬ時期に私は来ておると思う。これを克服いたしませんと今後の飛躍は考え得ないのだろう、まじめな反省がなされなければならぬ、こういうふうに私は思うのであります。いままでのような期待だけの計画であったり、あるいはやってみてできなかったらそれはみんな協力が足らぬのだ、国民が悪いのだ、あるいは努力しなかった企業が悪いのだというふうな言い逃れは今後許されない、私はかように思うのであります。そういう点から考えて、今回の六十年四千九百万キロというもの、これははっきりした実現可能な計画であるかどうかということ、政府のこの計画というものに対しまする意義といいますか、考え方、あるいはこれを推し進める力といいますか、そういったものについて所信をお伺いいたしたいと思うのであります。これは通産省のみならず、できれば科学技術庁長官にもその点について所信をお伺いしたいと思うのであります。
○佐々木国務大臣 先ほど近江先生からも同様の趣旨の御忠告と申しますか、お話しがございました。エネルギーの問題は大変重要な問題でございまして、国の経済の安危にかかわる問題でありますから、大変な問題だと思います。ただ、エネルギーの問題を扱うのに、原子力発電というそのものだけ扱っていいのかと申しますと、大変どうもむずかしいのでありまして、やはりエネルギーというのは一体どのぐらい必要なのか、何で一体賄っていくのか、その吟味を総合的にいたしませんと、たとえば原子力をもっとシュアーに落としてしまえ、これは確実だというところまでずっと落とせ。これは何にかかるかというと、結局油にかかると思います。油にかかってはいかぬのだと言っているときに、何とか少しでも減らして国の燃料の安全保障というものを国として考えようというときに、それはなるほど原子力発電から考えれば、お説のようにいろいろあるでしょう。しかし、国全体のエネルギー政策として考えますと、必ずしもそうはいかない点も出てくる。したがって、その目標を確実な目標に落とすとすれば、さっき言ったような矛盾が出てきますし、原子力発電を伸ばしてくれという論理から考えますと、もっとうんと欲しいのかもしれません。そこら辺を踏んまえて、努力目標と可能目標とを合わせたような行き方、したがってそれをまた中心にして、先ほどお話しがございましたように、それを達成するためにはそれをめぐって解決すべき諸問題がたくさんありますから、そういう問題もみんなで努力していくのだ、こういうふうなあり方が私は本当じゃなかろうかと思うものですから、四千九百万キロワット、それだけを取り上げると、大変私はむずかしい問題だと思いますけれども、全般の点から考えますと、国の燃料の総合政策として考えますと、それぐらいはみんなでひとつがんばっていこうじゃないかという意気込みと申しますか、これも私は必要じゃなかろうかと思いまして、さっき申しましたように、苦しいけれどもがんばりましょうということにしているわけでございます。
○井上説明員 御指摘のように、現在原子力発電につきましては約三百九十万キロ動いておるわけでありますが、これらがトラブルが起こりましてかなりとまっているものも多く、稼働率も低いということで、こういった事態を一体どうやって克服していくかということは、民間におきましてもあるいはわれわれの方におきましても、十分現在の設備そのもののチェックもいたしまして検討しているところでございます。御指摘のように、民間に任せきりでということではございませんで、われわれの方としても、具体的にこういったトラブルを克服する、あるいは安全性の一層の向上を図っていくというような点につきましては、法律をもちまして厳重に規制する、あるいは行政指導をもって改良、標準化等を図っていく、あるいは予算の面におきましてもできるだけ民間の事業に対して援助を与える、国がやるべき仕事につきましては十分これを行っていくということで、民間とともにわれわれとしても最大限の努力を図っていくということで考えている次第でございます。
○内海(清)委員 いま長官なり通産省からああいう御答弁がありましたが、この計画は火力、水力、原子力、こういうものについて、皆これを総合して、エネルギー政策というものの長期計画を立てているわけです。ところが、これから私が御質問することで、それが可能でなければこれはできないと私は思うので、具体的な問題について少しお尋ねしたい。
 このいろいろな計画を見ますと、六十年四千九百万キロワット、この実現のためには中央電力協議会が四月に発表されました長期計画からずっと換算してみまして、五十五、五十六年度に約二千万キロワットというものを一斉に着手しなければならぬようになると思うのです。この計画を見ればこれは明らかであると思うのです。ちなみに、中央電力協議会の計画では、五十年から五十四年までの五年間の着工出力というものは二千四百六十七万キロワットになっている。これはちゃんと数字が出ておりますから、なっているわけです。この数字は現在電調審を通過しておる数字なんですね。着工していままでもうすでに完成してやっているものもあるし、いま準備中、あるいは工事中、これから着工するもの、こういうものを入れてであります。これは福島第二の二号、伊方の二号など、それだけをみな含めてもなお八百六十万キロワットぐらいを新たに着工しなければならぬということになっているのですよ。この数字は、新たに八百六十万キロワットの着工が可能かという、これからまだこれはやらなければならぬアンノーンファクターを含んでおりますが、それにしてもかなり実現性があるものだと私は思います。これで見ますと、五十四年度までの着工規模は二千四百六十七万キロワットが手いっぱいであると思うのです。したがって、現在完成しております設備、三百八十何ぼ、約四百万キロワットを入れましても、今度は五十六年以降において二千万キロワットを建設期間から観察しますと、五十五年、六年の二年間に約二千万の着工がなければ六十年の四千九百万はできぬと思う。この点について、私、こういう資料で調べてきましたから大体間違いないと思います。これの確認をしたいと思うのですが、それについてお答えいただきたい。
○井上説明員 ちょっと先生の御指摘の数字がわからない点もございますが、中央電力協議会のことしの春の計画でまいりますと、たしか全社合計いたしまして昭和六十年度の計画は約五千四百万キロというふうに聞いております。現在すでに運転しているものが三百九十万キロでございますが、その他試運転中のもの、あるいは工事中のもの、あるいは電源開発調整審議会で決めたものでございますが、これを足しますと約二千万キロございます。したがいまして、四千九百万キロの計画といたしますと、残り約二千九百万キロあるわけでございますが、これらのものにつきまして、現在運転あるいは建設中の地点におきます増設、あるいは新しい地点におきます新設等につきましていろいろ検討したわけでありますが、確かに御指摘のように今後数年間でこれだけの着工というのは非常に困難であるというふうには考えておりますが、先ほど御説明申し上げましたような諸種の対策を強力に講じることによりまして、何とかこれを可能にしたいというふうに考えておる次第でござざいます。
○内海(清)委員 これは中央電力協議会のを見ますと、五十年から五十四年までの着工出力は二千四百六十七万になっておりますね。それから五十四年度末、つまり五十五年の三月でこの運転出力が千百五十八万キロワットになっておる。五十五年の三月まででは千百五十八万キロワット。そうすると、二千四百六十七万からしますと、五十五年以降になお工事を続けるのが約千三百四万か、五万か、その程度になるわけです。それで、五十五年までが二千四百六十七万キロです。四千九百万からこれを引けばまだ大体二千万。ことに、この五十五年までの二千四百六十七万にもまだ新しくやらなければならぬのが、何ぼですかね、八百六十六万ぐらいあるでしょう。そうしなければ五十五年で二千四百六十七万にならぬわけです。そういう数字が出てくるわけですよ。だから五十五年以降――五十五年まで着工しておる、あるいは電調審を通っておるのが千三百五万ぐらい仕事がある。それにもっていって、六十年なら大体完成四年と見ますと、五十五年、五十六年の二年ぐらいで二千万を大体着工というふうなことにいかなければいかぬわけでしょう。これが実際にできるかどうか、こういう疑問を持つわけですよ。
 時間が来たようですから、きょうはこのくらいでやめなければしょうがありません。さらに、私がこれについて聞きたいのは、それだけのものをこれからやるいわゆる技術者、労務者の問題ですよ。一基やるとしてどのくらい人がかかりますか。これは私は素人でよくわかりません。私どもが聞くのでは、一基建設に千五百人ぐらいはかかるであろう。あるいは定検あるいは定常運転にやはり四百人ぐらい一基にかかるであろう。それが、これから建設が少なくとも三十基になるでしょう。それからその時点における定検とか定常運転が恐らく二十五基ぐらいになるでしょう。そうすると、素人ではっきりしたことはわかりませんけれども、これらを合わすと建設に四万五千人ぐらいかかるだろう、あるいは定検や定常運転に一万人ぐらいかかるだろう。少なくとも五万以上の人がなければ、すぐこうだんごになるのですから、そういう技術者なり労務者が確保できるかどうかという問題が出てくる。そのことを一応申し上げておきますから、それらについてこの次の段階でよろしいですから、少しはっきりしたお答えをいただきたいと思うのです。そうしませんと、どうも私の考えましたものについて見ますと、この六十年の四千九百万というのは非常に困難ではないかというふうに思います。
 時間が参りましたから、中途はんぱでありますけれども、一応きょうはここで終わりますが、この次に残りの問題、それから電労連提言の三の問題等についてお伺いしたいと思いますので、ひとつ十分納得いくような御答弁をいただくように御準備もお願いしておきたい、かように思います。
 じゃ、これで終わります。
○八木委員長 本日はこれにて散会いたします。
    午後五時三十九分散会