第076回国会 科学技術振興対策特別委員会 第4号
昭和五十年十一月十九日(水曜日)
    午後一時十五分開議
 出席委員
   委員長 八木  昇君
   理事 伊藤宗一郎君 理事 田川 誠一君
   理事 竹中 修一君 理事 瀬崎 博義君
      梶山 静六君    佐藤 文生君
      羽田  孜君    藤波 孝生君
      三宅 正一君    近江巳記夫君
      北側 義一君    内海  清君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      佐々木義武君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     小山  実君
        科学技術庁研究
        調整局長    伊原 義徳君
        科学技術庁原子
        力局長     生田 豊朗君
        科学技術庁原子
        力局次長    山野 正登君
        科学技術庁原子
        力局次長    半澤 治雄君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        料開発事業団副
        理事長)    瀬川 正男君
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        料開発事業団東
        海事業所再処理
        建設所長)   中島健太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 科学技術振興対策に関する件(使用済核燃料の
 再処理及び宇宙開発に関する問題等)
     ――――◇―――――
○八木委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興対策に関する件ついて調査を進めます。
 まず、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 使用済み核燃料の再処理に関する問題調査のため、本日、動力炉・核燃料開発事業団副理事長瀬川正男君を参考人として意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、御意見の聴取は質疑応答の形で行いますので、さよう御了承願います。
    ―――――――――――――
○八木委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。瀬崎博義君。
○瀬崎委員 この前の本委員会において、動燃事業団再処理工場について、労使双方の参考人にお見えいただきまして集中審議が行われました。自主的に政府並びに当局の側から問題が出されたのではないけれども、私どもの方の追及の結果、今日行われつつある再処理工場のウランテストに当たって、一つには、科学的な安全性の保持、この点について、いま一つは、日本ではまさに処女プラントであり、あるいは現在日本にあるいろいろなこの種の施設の中では最も危険性の高い、そういう施設の新しい技術開発を行うに当たつての研究態度が科学的であるのかどうか、こういうような点で重大な事実が指摘されたことはもう十分御承知のとおりであるし、また報道機関でもこれを大きく取り上げております。したがって、せんだっては動燃事業団の方も事実は認めざるを得なかったそれらの事故について、今後は本当に専門家も含めて科学的に納得のできる原因究明が行われることは、今後の研究開発のために絶対必要な条件であろうと考えるのです。
 そういう立場で、私も、この前出ましたその事故の代表的なもの二つについて、ひとつ皆さん方のその後の調査結果やあるいはまた真の原因なるものをお尋ねをしていきたいと思います。
 まずプルトニウム蒸発かんの液漏れ事故であります。これは生田局長にお聞きをしたいのです。あなたは十二日の本委員会で、私がちらっと液漏れ事故のあったことを問いただしたら、それは認められた。しかし、その原因については、フランジの締めつけが緩んでいたのが原因である、このようにお答えになりましたね。その緩みのぐあいというものは、たとえば目で見てわかるような緩みなのか、手でさわってみて感じられる緩みなのか、あるいはボルトが一本抜けている、このような緩みなのか。どういう緩みであったのですか。
○生田政府委員 前回先生の御質問にお答えいたしましたときは、フランジの緩みがあって、その対策としては増し締めをすればよかろうという報告を受けておりましたので、そうお答えしたわけでございます。それが目で見てわかる程度なのか、手でさわってわかる程度なのか、あるいはボルトが抜けていたのか、その程度につきましては、当日は承知しておりませんでした。
○瀬崎委員 現在どのように承知していらっしゃるのですか。
○生田政府委員 翌日私は内閣委員会に出席しておりましたので、本委員会には出ておりませんでしたが、その後、先生から参考人その他に御質問があったと承知しております。プルトニウム蒸発かんから相当量のウラン溶液が漏洩した問題につきましては、現在調査中でございますけれども、現在までの調査の状況を申し上げますと、フランジの緩みと申しますよりもガスケットの腐食ではなかろうかというように聞いております。
○瀬崎委員 全く新しい事実が出てまいりましたね。ガスケットの腐食ということは、十三日の委員会で動燃事業団当局も答えておらない問題ですね。なぜそのように質問するたびに原因が変わってくるのですか。
○生田政府委員 まだガスケットの腐食ということに決まったわけではございません。現在詳細に調査の過程にあるわけでございますけれども、前後の事情から考えまして、フランジ部のガスケットの腐食ではなかろうかという推定をしている状況でございます。
○瀬崎委員 では、いまの点について、動燃事業団の方にも改めて確かめておきたいと思うのです。
 私は、すでに十二日の本委員会でこの事故のあることを指摘しました。その翌日、動燃事業団はおいでになっているわけでありますから、当然この問題の追及があることは予期されているはずであります。私はそうすることを、翌日をお楽しみにしていただきたいと申し上げてあったくらいであります。にもかかわらず中島所長は、やはり同じように締めつけの緩みを指摘された。しかも、そのときの答弁は、議事録が出ておりませんから正確には再現できませんが、このような機械的な締めつけ部分は、一たん締めつけておいても一定の期間がたつならまた緩むものだから、当然また新しい漏れを発見して締めればいいんだ、このようなきわめて軽い漏れのような答弁をなされた。このことをまず確認しておきたいと思います。動燃の瀬川副理事長。
○瀬川参考人 蒸発かんの問題につきましては、いろいろ御迷惑をおかけしているわけですが、ただいま御指摘のトラブルにつきましては、やはりこの蒸発かんに対する計測回路のフランジのガスケット、つまりパッキングが不良であるということが、どうも直接的原因ではないかというふうに現在では考えております。つまり、フランジの緩み等もパッキングの不良が影響したのではないか。直接的にはやはりパッキングの問題ではないかというように、現在の調査では考えております。
○瀬崎委員 大体、事故の起こったのが九日であったでしょう。この間の委員会までにすでに一週間近くたっている。もし、その直後から真剣に原因を究明されておったとするならば、直接の原因が締めつけなのか、緩みなのか、その間にはさまれているガスケット、パッキングの緩みなのかぐらいは、きわめて初歩的な問題なのだからわかっていなければならないし、答えられていなければならないと私は思うのです。そのときにはおくびにもそのようなものは出さなかった。その責任についてはどう考えますか。調査をしていなかったのではないですか。一体どうなんです。これは重大ですよ。
○瀬川参考人 私はただいまフランジの緩みを否定したわけではございませんので、フランジの緩みそのものもパッキングの不良から影響したのではないかという意味で、むしろその後の調査では、フランジの緩みもパッキングの方の影響ではないかというふうに申し上げたのと、もう一つは、やはり常識上、一応漏れた部分を除染を行いまして、完全にセル内の除染を終えるのにほぼ三日間は費やしておるわけでございまして、その三日後から詳細な調査を始めたわけでございます。
○瀬崎委員 この前の中島所長の答弁でいけば、パッキングが一定の期間たてばやせてくる、だから多少機械的に緩むのだ、こういう意味にとれる答弁なんです。確かにそれなら、発見できなかったということは責められるだろうけれども、ある意味で大したことではないのだと言って言えないことはないと思うのです。もちろんそれでいいと言うのじゃないですよ。このような放射能レベルの非常に高い地域の装置ですから、そんなに機械的なやせの生ずるようなパッキングではもともと困る。しかし、いまの瀬川副理事長のお話のように、もちろんまだ本格的な操業はしていない。やったことといえば通水テストと化学テストだけじゃないでしょうか。やっといまウランテストだ。この段階ですでに腐食を生ずるようなパッキングが入っておったとしたら、これは一大事ですよ。そうなったら、なぜそういう腐食が起こってきたのか、これはよほど材質的なものも究明しないと、こんな欠陥施設でこのままホット運転その他に入られたらどうなるかということは、私ども素人が指摘をするまでもない。専門家がまず心配をしなければならない問題だと思う。これをいとも簡単な事故のように片づけようとしたその態度を私は大いに問題にしている。
 長官、これはそういういきさつなんです。こういう動燃の態度を許しておいていいのかどうか、許しておくつもりなのか、答えていただきたい。
○佐々木国務大臣 この問題は、実験の性質上、施設のふぐあい等がありやなしやという問題とか、あるいは従業員の訓練とかを兼ねて高度の方向へ進んでおるわけでございますが、再処理工場の安全確保上大変重要な実験過程でございますので、不注意の点等がありますれば今後十分注意をすることにいたしまして、私といたしましては、遺憾の点は遺憾の点でございますけれども、今後とも研究は続行させていきたいというふうに考えております。
○瀬崎委員 長官は事の重大性がわかっていないのです。つまり、この漏れの原因になったパッキングの緩みなるものは、単なる機械的な緩みとして生じたものなのか、その間にはさまっているガスケットの材質上に問題があってこれが腐食してきたのか、こういう重大な問題がいま問われているわけです。しかも、その腐食というところに原因があるであろうということは、いま初めて明らかにされてきた。いままで二回の本委員会での私の質問に対してそうは答えていなかったわけであります。この重大性をまず大臣としてよく認識していただきたいのです。
 そこで副理事長にお尋ねしたいのですが、その腐食の原因は何によるものなのか、これはわかったのですか。
○瀬川参考人 私どもは、たびたび申し上げますように、こういう設備上の欠陥等もできるだけ洗いざらい見つけ出すために、天然ウラン並びに液化ウランを使っていわゆるウランテストをやる必要があるということを非常に大事に考えております。したがって私どもは、ホットランでこういうことが起きますれば、これは先生御指摘のように大変重大な事故と考えざるを得ないわけでありますが、一応こういうミスを点検することがテストの目的であるということを重点に考えておるわけでございます。
 また、いま御指摘のパッキングの不良の問題につきましては、パッキングが初めから適正な材質であったかどうかという点が私どもの一つの検討の対象になることでございますし、もう一つは、このパッキングの劣化あるいはフランジの緩み等を生じましたこの計測回路を最も温度圧力の変化しやすい部分から取り出しているという点につきまして、このエバポレーターの内部の温度圧力の最も変化する部分に対してこういう材質を使うのは適正ではないのではないだろうかということを、目下技術的に掘り下げておる事態でございます。
○瀬崎委員 このこと自体について私はもっと問題にしたいのですよ。本来、こういうことば理論的にもわかっていなければならない問題であって、こういう問題を、やってみなければわからないのだと、なおいま抗弁する、ここにまだ一つ重大な問題がひそんでいる。
 同時に、これほど技術的には重大な問題だということを私どもが追及しているときに、率直にあなた方は認めていない。マイナートラブルとか言って、できるだけ小さく小さく見せようとする。ここに私は、科学的な探求精神が欠けている、これを特別指摘しているわけなのです。私ども国会議員も、何もあなた方の失策をあばこうとしているのではなくて、とにもかくにも日本で初めての、しかも危険度の高い施設なんだから、その中で作業をしている現場技術者の安全はもちろんのこと、周辺地域住民の不安のないように、そしてやはり、このような特別複雑なプラントにふさわしい、深みのある、総合的な研究開発が進められるようにということを望んで、わざわざこの前だって集中審議の場を設けている。ところが、そこで隠そうという意識があるのかないのか知らぬけれども、われわれの側から見ればそのように見える。こちらの追及に落ち度があれば、もうできれば追及さえ受けなければ隠しておこう、こういう態度について、私はこのことを厳しく指摘しておきたいのです。
 そこで次の問題なのですが、一応、現在はテストの期間ですから、このプルトニウム蒸発かんのセルのところにも、当然装置の作動状況とか計器、機器類の記録、こういうものについて、あるいはまた一般的な監視点検という意味で、当然現場の技術者は出入りするようになっていると思うのです。そのようないわゆる監視点検体制は具体的にどうなっておったのか。どれくらいの人員がこの部分に配置され、その人々は一体どういう時間帯でこのセルに点検監視に入っておったのか、これを答えていただきたい。
○瀬川参考人 この問題につきましては、私どもは先生のおっしゃるように軽く考える気持ちは毛頭ございませんで、やはり……(瀬崎委員「この前の中島所長はそういうふうに答えていますよ。それじゃそのことをはっきり否定して謝りなさいよ」と呼ぶ)この前の中島君に、あるいはそういう軽視するようなニュアンスがあれば、当然おわびしたいと思います。動燃全体としては、決してこういう問題を軽視するつもりはございませんで、ホットランまでにはこういう問題を十分掘り下げるために、この問題もかなりの時間を費やして検討は進めております。むしろ私どもは、このエバポレーターのいろいろな付帯的な装置類等をもう一度チェックするために、この問題の再現のテストすらもこの際必要ではないかというくらいに考えておるわけでございまして、そういう簡単に考えるというつもりは毛頭ございません。
 それから、いま御指摘の、そのときの運転の直の人間が何人か等につきましては、中島所長からお答えを許していただきたいと思いますが……。
○八木委員長 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○八木委員長 速記をとってください。
 次に、近江巳記夫君。
○近江委員 きょうは宇宙開発の問題とその他数点お聞きしたいと思います。
 まずお聞きしたいのは、Nロケット計画が五年間おくれたわけでございますが、その理由につきまして、要点をひとつ簡潔にお伺いしたいと思います。
○伊原政府委員 ただいま御質問のNロケットがおくれたという点でございますが、わが国の宇宙開発につきましては、先生御高承のとおり、宇宙開発委員会におきまして宇宙開発計画を定めまして統一的に実施をいたしておるわけでございますが、昭和四十四年度の宇宙開発計画におきまして、Qロケット及びNロケットという二つのロケットを引き続き開発するという計画がまずあったわけでございます。これは四段式の固体ロケットを中心としたものでございます。しかしながら、この宇宙開発計画は毎年毎年、技術の進展状況その他に応じて、見直しをいたしております。四十五年度の見直しにおきまして、大きく分けて二つの理由からこれを改定したわけでございます。
 一つは、その当時のQN計画と申しますのは、いろいろ調べてみました結果、既定の計画期間の中で完成するのが困難であるという事態が判明いたしました。いま一つは、事業官庁の方から大型の静止衛星をできるだけ早く上げてほしい、こういう要望、五十年代前半、それもできるだけ早い機会に数百キログラムという大型の静止衛星を上げてほしい、こういう要望が出てまいりました。
 こういう二つの点からいたしまして、このQロケット、Nロケット計画の見直しが行われました。その結果、むしろ将来の技術の発展の可能性のあります液体ロケットを中心といたします開発をいたそうということで、新たに三段式のNロケット開発計画というものに踏み切ったわけでございます。
 なお、この際米国より技術導入の可能性、これにつきましても検討いたしました結果、技術導入の可能性も十分あるということもございまして、四十五年度の計画で変更が行われた、こういうことでございます。
○近江委員 いま局長御答弁になったわけでございますが、一つは計画の見直しという問題ですが、見直しということは、非常に言葉はいいわけですが、結局、この宇宙開発委員会の計画のおくれといいますか、そういうことが非常に大きなマイナスになって、五年間のおくれというものが出てきた、このように思うわけです。
 それから、技術導入の問題でございますが、アメリカからの技術導入の点については、いわゆる困難が現在非常に起きておるんじゃないかと思うわけですが、あなた方が当初予定しておった線で進んでおるのか。あるいは壁にぶつかっておるとするならば、どの点が壁にぶつかっておるか。その点についてお伺いしたいと思います。
○伊原政府委員 アメリカからの技術導入につきましては、昭和四十四年に「宇宙開発に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協力に関する交換公文」、こういう取り決めが行われたわけでございます。この交換公文におきましては、ある技術のレベルを想定いたしまして、具体的にはソー・デルタロケットの水準、こういうふうに記述されておりますが、その水準までの技術については、米国政府のオーソリゼーションのもとに米国の民間企業から技術が日本の企業に対して渡される、こういうことになっております。そういうことでございますので、現在開発中のNロケットにつきましては、必要な技術が提供されておりまして、その成果をもちまして、先般のNロケット1号機によります技術試験衛星1号の打ち上げに成功をいたしたわけでございます。したがいまして、Nロケットにつきましては、技術導入に関係いたしましての困難な問題というものは生じておりません。
 しかしながら、先生御指摘のように全然問題がないのではございませんで、Nから先にまいりますもう少し大型の衛星を打ち上げるロケット、これの開発につきまして、宇宙開発委員会といたしましては、現在のNロケットを増強をするということを考えております。具体的にはNの改良型の1型というものと改良型の2型というものが将来のロケットとして考えられておりますが、この開発につきましては、必ずしも日本側の希望する技術が全部アメリカから来るという保証は現在ないわけでございます。しかしながら、私どもといたしましてはできる限りアメリカの技術は使えるものは使いたいと考えております。そこで米国と引き続き交渉中でございます。
 しかしながら、将来のロケットの開発につきましては、やはり外国の技術ばかりに頼るということではなくて、自主技術の育成ということも当然考えなければいけないと考えております。したがいまして、将来のロケットにつきましては、その両方の調和ということを十分宇宙開発委員会で御検討いただきまして、その線に沿って進めてまいりたいと思っております。
○近江委員 先ほどもお話ありましたように、見直しという言葉は非常にソフトなんですが、大体この宇宙開発委員会自体がこうした計画のおくれといいますか、そういうことで五年間のおくれを生じておるということは、これはもう紛れもない事実でございますし、その点ひとつ長官はどういう反省をなさっておるか、その点についてお伺いしたいと思います。
○佐々木国務大臣 いま局長から経過並びにおくれました原因等御説明したとおりでございまして、ただ私は、やむを得ぬ事情もさることながら、今度の九月のN1号の打ち上げ成功を現地に参って見ておりまして、ヨーロッパ諸国ではまだああいう宇宙ロケットは打ち上げていない、日本が米ソに次いで初めて成功したというこの貴重な事実は非常にとうといものじゃないか。したがって、計画は仮におくれておっても、慎重の上にも慎重を期してあれを成功させたことは、そのおくれを取り戻して余りあるものじゃなかろうかというふうに、大変関係の諸君には敬意を表しておる次第でございます。
○近江委員 非常に膨大な原子力に次ぐ予算をつぎ込んでおるわけでありますし、国民の間でも、この宇宙開発というものにつきましては、これだけの金をつぎ込んでいいのか、そういう大きな声もあるわけであります。いままで原子力の陰に隠れまして案外に表面に出てこなかった面もあろうかと思うのですが、少なくともそうした点の、非常に全体としてのおくれ、これはひとつ長官としても反省をしてもらいたいと思うのです。
 それから、いま局長は、N以降の改1、改2、こういう問題については、その技術導入等につきましては若干の心配がある、そうしたことをおっしゃっておられるわけでございますが、聞くところによると、このN改1の第二段はアメリカからそっくり買ってくるというようなことも言っておられるそうでありますが、これは自主開発等の関連におきましてそういう方針を決めておられるのかどうか。
 それから、このアメリカからの技術導入という問題につきましては、アメリカ側としてはソー・デルタの水準までの秘密でない技術及び機器はわが国に提供するということを言っておるわけですが、Nロケット以降の技術については、どこまでアメリカが協力するか疑問であるわけですが、そうした点につきましても、自主開発との兼ね合いの上からいたしましても十分な煮詰めが必要じゃないかと思うのです。アメリカの上院等におきましては、これ以上日本に技術を教えるべきではないという強硬な意見もあるということも聞いておるわけですが、その辺の事情についてお伺いしたいと思うのです。
○伊原政府委員 N改良1型の二段目につきましては、現在の日本の技術でもってしては希望の時期までに自主開発をすることがやや困難と思われておりますので、宇宙開発委員会でいろいろ御検討いただきました結果、米国で現在実用化されております二段目のエンジンを日米共同で改良をいたしまして、それを日本に持ってきて打ち上げる、こういう考え方で実施する予定にいたしております。
 そこで、先生御指摘のソー・デルタ水準よりも超えたものについてただいま米国がどう考えておるかということでございますが、上院における議論と申しますのは、一九七三年の三月に米国の上院の財政委員会の貿易小委員会での議論があったようでございますが、AFL・CIOの法律部長からの証言で、日本にソー・デルタの技術を出すということは長期的に見て米国の国際収支を悪化させるおそれがある、つまり、日本がロケット打ち上げ国としての競争国になり得る、こういう懸念、それからそれに伴いまして、米国の労働者の雇用の機会を奪うおそれがある、こういうことが論ぜられたと聞いております。そういうふうなこともございますので、最近の米国政府の考え方は、技術を出す、ソフトウエアを出すというよりも、むしろハードウエアとしてコンポーネントを日本に出すというのを主体としたい、こういう考え方のように推察されております。私どもといたしましては、できればソフトウエアが欲しいものもございますが、いずれにいたしましても、先ほどの交換公文の範囲を超えたものにつきましては、米国政府の基本的な考え方もありますので、必ずしもNロケットと同じレベルでないかもしれない日米間の協力ということでやむを得ない。さらに自主開発の努力をつけ加えることによって優秀なロケットを完成いたしたい、こう考えております。
○近江委員 二段目をアメリカからハードウエアとして入れる、これはもう話はついておるのですか。どうなんですか。
○伊原政府委員 ただいま日米政府間で交渉中でございまして、まだ最終的な結論には至っておりませんが、ほぼ見通しが得られつつある段階でございます。
○近江委員 そうすると、わが国の自主開発という点からいきますと、ハードウエアとして入れてくるというようなことになってきますと、当初、技術の波及というような希望を持っておられたと思うのですが、その点の効果というものが、ただもう買ってきたものをひっつけるというようなことになるんじゃないですかね。その点、自主技術の開発また技術のあらゆる点における波及と、こういう兼ね合いの点からは政府としてはどのようにお考えですか。
○伊原政府委員 ハードウエアを部分的に購入してくるというやり方につきまして、それでは十分技術を習得できないおそれがあるのではないかという御指摘かと存じます。そのコンポーネント一つ一つの製作について、直ちにその製作技術が得られるということでないのは御指摘のとおりでございますが、ロケットの開発と申しますのは、先生御高承のとおり、一つのシステム技術としての全体の技術、組み合わせの技術というのが非常に重要なものでございます。その技術の基本につきましては、まずNロケットの開発におきまして十分習熟をいたしましたので、さらにその習熟いたしました技術をもとにいたしまして、N改良型についての全体のシステム、これは日本人の知恵でもって開発を進めていく。その段階でハードウエアにつきまして一部購入するものがございましても、長期的に考えました場合には逐次これも国産に移していくということで、将来の開発に支障がないようにいたしたい、こう考えております。
○近江委員 五十二年に静止気象衛星、それから実験用中容量静止通信衛星、実験用中型放送衛星をアメリカのロケットで打ち上げるようになったということを聞いておるわけですが、その理由は何ですか。
○伊原政府委員 ただいま先生御指摘の三つの衛星は、大体静止位置におきましての重量が三百四十キログラムないし三百五十キログラムでございます。しかし、現在宇宙開発事業団が持っております打ち上げ能力、現在のNロケットの能力は静止位置に上げ得ます星の重さが約百三十キログラム、こういうことでございます。したがいまして、現在のNロケットの能力では、そのような三百五十キログラムというような重い星は打ち上げ得ないわけでございます。ところが、静止気象衛星につきましては、国際協力の関係でぜひ早期に打ち上げる必要がある。また通信衛星一放送衛星についても基本的な実験をできるだけ早く開始したい、こういう強い御要望が関係省庁からございまして、そのために事業団の打ち上げ能力が育ってくるまで待てないということで、この三つの星の打ち上げに限って米国に打ち上げを依頼するということに決定をいたした次第でございます。
 なお、米国といたしましては、外国の衛星を米国が打ち上げるということにつきまして七二年の十月にニクソン声明というのが出ておりまして、外国の宇宙活動であって平和目的に限るものについては、そのような打ち上げの協力を米国がするということが方針として打ち出されております。したがいまして、その米国の方針に基づきまして政府が米国に対して打ち上げを依頼いたした、こういう次第でございます。
○近江委員 五十二年にこれを打ち上げたとしましても、この寿命は約三年ということを聞いておるわけです。そうすると五十五年には次の衛星の打ち上げをしなければならぬわけですが、その準備はどうなっておるのですか。
○伊原政府委員 五十五年ごろに次の衛星を打ち上げなければいけない、こういう要望があるのは事実でございます。したがいまして、宇宙開発事業団といたしましてはその御要望にこたえまして、先ほど御説明申し上げましたNの改良1型ロケット、これをそのころまでに開発をいたしたいということで鋭意努力をいたしております。
 そこで先生御指摘の寿命でございますが、一応現在の設計寿命は三年ということになってはおりますが、これは設計時における確率計算に基づくものでございまして、三年程度ということで、三年たったら完全にだめになるというものではない。しかも最近の技術の進歩によりまして次第にこの寿命が伸びる傾向にある、こういうことでございます。現在のN改良1型の開発計画は、五十五年度にこのロケットを完成いたしまして、試験打ち上げをいたします。それの結果を踏まえまして五十六年度にはまず第二号の静止気象衛星を打ち上げるという予定でございまして、さらに二号系の通信衛星、放送衛星についても、その後引き続きN改良1型ロケットによって、日本の手によって打ち上げたい、こう考えております。
○近江委員 N改1を五十五年に予定をしておられるということなんですが、実際上私たちが非常に疑問に思いますのは、自主技術の開発ということで実際にできるんですか。いままで余りにもおくれにおくれておるし、計画は変更になるし、技術の導入問題、また自主技術にそれを生かしていくと、いろいろないままでの経過を見ておりまして非常に大きな疑問があるわけですが、予定どおりやっていかれることに自信があるのですか。
○伊原政府委員 予定どおりに開発できるかどうかということにつきましては、たとえばNロケットの開発でございますが、これは先生御指摘のように最初の見直しで大きく変わった。そこでおくれたということはございますが、改定いたしましてから後は予定どおりに打ち上がったわけでございまして、ほぼ五年の歳月をかけたわけでございますが、こういう大きなプロジェクトにおきまして予定どおりに打ち上がったというケースは世界的にも珍しいものではないかと思います。そういう点で関係者の努力というものは非常に大変であったろうと思いますが、それだけに予定どおりに開発をするという一つの実績を上げましたので、関係者は目下非常に自信を得ておると思います。そういうことでございますので、いままでの成果をさらに伸ばしまして、ぜひとも予定どおりに五十六年度に第二号の静止気象衛星を打ち上げるということを初めといたしまして、将来の実用衛星時代に備えたい、こう考えております。
○近江委員 何回も指摘しておりますように、いままで宇宙開発計画が非常にあいまいであった。しかも、国民の理解がどこまで得られておるかわからないさなかに、毎年莫大な予算を費やしていっておる。そういう点におきましてもっと国民の理解、コンセンサスを得る必要があろうかと思うのですが、この点政府としては努力しておるのですか。長官どうですか、これは。あなたは全然反省がないのですか、この点について。
○佐々木国務大臣 科学衛星打ち上げの段階におきましては、なかなか国民の御理解を得るということはむずかしいと思いますけれども、しかしNロケットのように実用衛星の第一号が成功したわけでございますから、先ほど局長がお話しいたしましたように、今後逐次実用衛星はわが国の自力でこれを打ち上げていくという、世界でも非常に進んだ技術で、しかもその結果がテレビとかあるいは通信とかあるいは資源とか、あらゆる面で今後大きく国民経済に寄与してまいるわけでございますから、国民も順次理解を深めるものと私は思っております。それにいたしましても、御指摘のように、もっとこのこと自体の意義というものを国民の皆様にお知らせして、一層御支持を得るように努力する必要のあることは痛感しておりますので、そういう点は今後とも努力してみたいと思います。
○近江委員 今年度のわが国の宇宙開発の関係予算が総額七百七十億四千万、うち六百十四億円を宇宙開発事業団が占めておるわけですね。きょうも私先ほど商工委員会で中小企業問題をやってきたのですけれども、五億円のいわゆる信用保険公庫の補助金を取るだけでも四苦八苦しておる、こういう点から考えますと、何百億という金をこれにつぎ込んでおるわけです。それだけにあなた方も責任というものは重いわけですよ。ところが、計画においても変更変更、ずれがある。そういう点におきまして、それは事情はそれぞれあるでしょう。だけれども、いずれにしましても、見通しのある計画をはっきりと、きちっと立てて、そしてまたこうした莫大な投資によるわが国のいわゆる自主技術を高めて、いろいろとそれをまた有効に活用していく、さらにまた国民の納得のいくように、そういう姿勢が必要だと思うのです。
 いずれにしましても、いま申し上げた点におきましてはどれもこれも落第点であります。ですから、もう一度いわゆる見通しのある計画を今後本当に具体的にできるのか。またわが国の自主開発、自主技術を高めるための万全のそうした措置がとれるのか。また国民の納得が得られるように進めていくことができるのか。以上の三点につきまして、局長からお伺いしたいと思います。
○伊原政府委員 宇宙開発の経費が非常に膨大であるというのは、先生御指摘のとおりでございます。これは事の性格上ある意味ではやむを得ないことかと思いますが、それにいたしましても、私どもといたしましては、多額の国家資金を絶対にむだに使ってはいかぬということは、関係者一同肝に銘じております。そういう多額の金を使って、いやしくもそれがむだ遣いになったということでは、国民の皆様方の御協力、御理解はとても得られないわけでございますので、絶対にそういうことがないように、割り当てられました国家資金の有効利用というものを常時反省して合理的な使用をいたしておるわけでございます。
 なお、この開発に当たりましては、宇宙開発委員会が中心となりまして、宇宙開発計画をきわめて合理的かつむだのない、自信のあるものにする。確かに先生御指摘のように、いままでの計画でやや見通しが甘かったではないかという御指摘があるかと思いますが、今後は絶対そういうことがないように、十分各方面の英知を結集いたしまして、今後皆様方に、何と申しますか、ほめられると申しますか、よくやったと言われるような、そういう成果を上げてまいりたいと考えておる次第でございます。
○近江委員 あなたまだちょっと答弁漏れになっておるのですが、この自主開発また自主技術のそうした育成、これを高めていく、こういう問題についてぼくらは依然として疑問が残るわけですよ。一概にアメリカからの導入はよくないということは言いませんけれども、その辺につきましても、もう少しいわゆる自主技術の向上という点についての納得のできる御答弁をいただかないと疑問が残るままですよ。その点はどうなんですか。
○伊原政府委員 自主技術の開発につきましても、まさに先生御指摘のとおりでございまして、いつまでも外国の技術に頼ってはいかぬということでございます。そういうことでございますので、最近宇宙開発委員会におきましても、いかに合理的に自主技術の開発を行うかということについて鋭意検討が進められておりまして、実利用分野におきましての開発につきましても、宇宙事業団だけではございませんで、大学関係あるいは国立試験研究機関関係、それに民間企業の英知も結集いたしまして、すぐれた技術を開発いたしたい。現在までのロケット開発は、これは宇宙開発事業団理事長がよく言っておるわけでございますが、いわゆる義務教育ということで、とりあえずは外国の技術を取り入れて、必要不可欠な基礎知識を獲得修練する、その段階が一応終わったわけでございますので、今後はその外国から学びました技術を応用いたしまして、日本の頭脳をこれに結集いたしまして、日本独自の技術を開発してまいりたい、またその能力は十分ある、こう考えておる次第でございます。
○近江委員 事業団と東大の宇宙航空研究所の問題でありますが、この一元化の問題についてはいつも論議になるわけでありますが、安易な計画の一元化というものについては私たちも疑問を持っておるわけです。東大の研究者とも話し合ってみますと、われわれの研究目標は打ち切りであるというようなことになってくればいままで情熱を注いでおった若い研究者等も目標を失って挫折感で大変なことになってしまう。ところが、今後どうしてくれるのかというはっきりしたものもない。そしていつも論議にはなるけれどももやもやしたままでいっておる。いま局長もおっしゃったように、わが国の英知をいかにうまく結集してやっていくか、これは文部省も関係するわけでありますけれども、この辺については真剣な論議はなされているのですか。東大の研究生も皆非常に不安に思っていますよ。
○伊原政府委員 東京大学の宇宙航空研究所が、科学衛星及びそれの打ち上げ用のミューロケットの開発につきましていままで大変な成果をお上げになったということは、私どもも非常にありがたいことだと思っております。東大が開拓いたしました技術は現在宇宙開発事業団の仕事にも非常に役に立っておるわけでございまして、たとえば人事面から見ましても東京大学の教授の方に宇宙開発事業団の理事をしておいでいただいていろいろお知恵を拝借する、さらには事業団の技術委員会等で東大の成果を取り入れさせていただく、あるいはエンジンの試験等に東大で開発したロケットシステムを使わせていただく、そういうふうなことをやっております。また事業団の方といたしましても、東大の科学衛星打ち上げに際しましてはこれの追跡ということで御協力をいたしております。そういうことで特に最近は非常に緊密な連携が進められておりますので、今後彼此相通じまして協力しながら自主開発の方向に向かっていけるものと思っております。
 なお東大の将来の問題に関係いたしましては、文部大臣の諮問機関であります学術審議会におきまして最近宇宙開発関係についての答申が出ておりまして、大学関係の宇宙研究開発をどういうふうに実施すべきであるか、こういう御意見が出ております。宇宙開発委員会といたしましてもこの御意見を十分検討させていただきました上で、両者のさらに有機的、合理的な連携を進めてまいりたい、こういうことで検討を続けておるところでございます。
○近江委員 そういう相互の連携があることは私も聞いておるわけですが、要するにそれは必要に迫られての連携であって、ビジョンに基づく連携じゃないわけですよ。ですから、その点今後どうなるんだろうかという不安が東大の研究員の頭には常にあるわけです。東大にかなりの予算を文部省としては出しておるわけですし、最も有効な今後のあり方について政府としても考える必要があろうかと思うのです。その点どうも漠然としておる。もっと政府は努力しなければいけないですよ。文部省と科学技術庁は別だ、そういうようなことで突っ込んだ論議も余りやらない、これは非常によくないと思いますね。長官はこの問題についてどう思いますか。
○佐々木国務大臣 私は、東大と宇宙開発事業団がこういう二つの系統に分かれてくる初期の段階で、自民党の宇宙開発小委員会の小委員長か何かしておりまして、当時理事をやった一人でございますけれども、当時から見ますと、いま局長が申されましたとおり両者の人事交流なり知識の交流なりは格段の進歩じゃなかろうかと実は思っております。しかし、御指摘のようにまだ不備な点があるとすれば今後改善しなければいけませんので、十分配慮してまいりたいと存じます。
○近江委員 非常に抽象論の御答弁に終わったわけですが、いますぐにどうするこうするということもできないと思いますので、この点についてはこれ以上聞きませんけれども、いずれにしても課題が山積しているわけですよ。こういうことをただ多忙に追われて突っ込んだ検討もしない。いたずらに学生たちを将来どうなるのだろうという不安に陥れておる。そういうことではいい知恵だって出ませんよ。やはりきちっとした目標なりを与えて、そして政府として、それが有機的に組み合わされていく、そういうはっきりしたものを出しなさいよ。そういう点ひとつ大いに反省をしていただきたい、これは強く申し上げておきます。
 それから原子力局長にお伺いしたいのですが、核原料物質開発促進臨時措置法、これは来年の三月三十一日に切れる予定になっておるわけでございますが、御承知のようにいま動燃等におきまして人形峠であるとか東濃鉱山、そうしたところでもやっておるわけでございますが、法律に基づいてそれぞれが自信を持って進めておる。ウランの問題につきましてもだんだん入手もしにくくなってきております。自主技術を高めていくという点におきましても、働く人々のそういう立場からいきましても、骨である法律は非常に大きな支えになるわけであります。この臨時国会も二十四日に終わる、通常国会も間近に控えておるわけでありますが、この法律につきましてはどう考えているのですか。このままほうっておくのですか。
○生田政府委員 先生御承知のとおりでございますが、核原料物質開発促進臨時措置法は国内におきます核原料物質、具体的に申しますと天然ウランでございますが、天然ウランの開発の促進と申しますか資源の探査を促進することを目的としましてできた法律でございます。時限立法でございまして過去に一度延長いたしております。先生御指摘のように明年の三月末をもちまして一応期限が到来するわけでございます。
 この法律の目的でございますが、ただいま申し上げましたように、国内のウラン資源の探査を促進する目的でできた法律でございますけれども、動燃事業団を中心にいたします探査によりまして国内のウラン資源につきましてはもうほとんど状況が把握され尽くしております。現在までに約一万ショートトンの埋蔵量が確認されておりますけれども、残念ながら経済的に採掘が引き合うような鉱量といたしましては今後その増加が期待できない次第でございますので、率直に申しまして天然ウランの資源の埋蔵量といたしましては国内にはほとんど期待できないということが明らかになっております。したがいまして、今後原子力発電に必要な天然ウランの確保は海外に依存するということで先生御承知のいろいろの政策を進めている次第でございます。そういう状況でございますので、この法律の目的はほぼ達成されたと判断いたしておりますので、特に再延長することをいたしませんで、明年三月末をもって廃止することにいたしたい、かように考えております。
○近江委員 この廃止の問題につきましては、それでは実際にそうした人形峠なりに働いておられる、そういう人々との話し合いであるとか、そういうのを煮詰め合った上での結論ですか、これは。一方的にただ机上だけで政府が判断していくという点については、私は問題があろうかと思うのです。その点はどうなんですか。
○生田政府委員 ただいま申し上げましたのは、この法律によりまして、特別の措置によりまして、国内の鉱量の探査をいたしますのは一応打ち切りたいということでございますけれども、国内の埋蔵鉱量の調査につきましては、それは全部やめてしまうわけでもございません。今後とも、当然動燃事業団を中心にいたします探量は続けるわけでございます。ただ、特別措置の必要がなくなったという判断でございますので、今後は鉱業法に基づきまして一般的な方法によりまして探査を続けるわけでございますので、その点この探査に関係しております人たちとの間に特別の問題はないと考えております。
○近江委員 やはり臨時措置法があるということによっていろいろとしやすい点があるわけなんですね。たとえば国有地の調査であるとか、あるいはまた海外のウラン単価の高騰であるとか、いろいろな点を考えていきますと、含有量が低くても将来は採算ベースにも合っていくというような鉱床もまだまだ探せば出てくると思うのですよ。そういう点におきまして、直ちに打ち切るというような点につきましては非常に早急な措置のように私は思うのですが、その点は再度お考えになるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○生田政府委員 先生御承知のことでございますけれども、この法律の目的は、一つは探鉱計画の策定、それから簡易な手続による土地または事業場への立ち入り、あるいは土地の使用、収用を認めること、あるいはウラン鉱等の存在が明らかである鉱区につきましては動燃事業団の租鉱権を設定させる、というようなことが内容でございまして、もちろん従来それなりの効果はあった法律ではございますけれども、先ほど申し上げましたような国内のウラン資源の探査あるいは探鉱がほぼ一段落したと認められる状況におきまして、今後この法律がなければ国内のウラン資源の調査が非常に停滞するとかあるいは困難になるとかというようには考えておりません。先ほど御答弁申し上げましたように、国内のウラン探鉱それ自身は今後とも継続するわけでございますが、この法律の目的それからウラン探鉱の現況から考えまして、特に今後延長する必要はないというように考えておりますので、先ほど申し上げましたように、明年三月末の期限をもちまして廃止することといたしたい、かように考えております。
○近江委員 この法律があることによってプラスということは、先ほど局長がおっしゃったように、そのことが背景にあるものですから、やはり非常にスムーズにいろいろと運べるというようなこともあったわけですね。そういう点で、科学技術庁としてはそうした判断をしておりますが、現地で働いておる人たちは、やはりこうした法律は置いてもらいたい、そういう希望も強いわけでありまして、この点は、まだ日もあるわけですから、さらにまた煮詰めをやっていただきたい、このことを申し上げておきます。その点よろしいですか。
○生田政府委員 先生の御意向でございますので、このウラン探鉱に従事している人たちにも、この廃止の意味につきまして十分私どもの方から納得のいくように説明するように取り計らいたいと思います。
○近江委員 それから、この前に、東海村を抱える茨城県が協定を結んだわけですね。安全協定運営要項を日本原子力研究所等十三事業所の間で合意したわけでありますが、その中でいわゆる軽い事故は当局に報告しなくてもよい、こうした取り決めということが非常に問題となって浮かび上がってきておるわけですが、こういう協定をこのままさせておくということについては、非常に国民に対するそうした感じといたしましても、私はいまの時点にあっては合わないように思うわけですが、この点については政府としてはどういう見解を持っておりますか。
○生田政府委員 先生の御指摘のいわゆる安全協定でございますが、これは茨城県所在の原研、動燃、日本原子力発電その他の原子力施設の設置者と、茨城県及び関係市町村との間で締結されました包括的な協定でございます。先生御承知のように、茨城県は原子力につきましての先進県でございますので、ほかの地方自治体と原子力施設の設置者との間で締結されております安全協定と比較いたしまして、その内容におきましても、それから締結の方法におきましても非常に参考になるものでございます。いわば一種のモデル協定的な感じがあると思います。これはもちろん関係の地方自治体と原子力施設の設置者との間で自主的に締結されたものでございますので、その内容に特に不備がございます場合には、私どもの行政指導の一環といたしまして原子力施設の設置者を適宜指導してまいりたいと思いますが、現在のところではこれは非常によくできた協定でございまして、特に問題はないというように考えております。
○近江委員 原子炉や使用済み核燃料再処理工場で事故や異常が発生しても、四十八時間以内に運転再開できる場合、あるいは作業員の被曝や事業所外の周辺汚染があっても、法律の基準以下である場合にはいずれも軽微なものとして事故扱いしなくてもよい。いわゆる関係市町村はもちろん、県などにも連絡する必要がない、これは妥当なものですか。これは実際にそこの周辺に住む住民たちを納得させられる協定ですか。そのように政府は評価しているのですか。これは住民のサイドに立った協定じゃないでしょう、どうなんですか。四十八時間というような線というのは実際どういうことなんですかね。時間で規定をする、全くナンセンスのように思うのですが、あくまでもこれは妥当な協定であると評価しますか。
○生田政府委員 これは住民の側に立った協定かどうかということでございますけれども、住民の代表と申しますのは申すまでもなく地方自治体、選挙によって選ばれております地方自治体でございますので、その地方自治体は当然住民の側に立って考えていると私どもも考えております。したがいまして、その地方自治体と原子力施設の設置者との間で合意されましたものでございますので、私はこれで十分ではなかろうかというように考えております。
○近江委員 要するに、緩いそうした取り決めをすれば、むしろ科学技術庁は喜んでおるような態度が見受けられるわけですよ。むしろそうした協定についてもやはり住民の立場に立って、この点は甘いじゃないか、むしろそのくらいの注意をしてやって、そして協定自体も厳しくしていく、そのくらいの立場があって初めて科学技術庁の立場というものは国民に信頼されるのと違いますか。甘いそういう線を、これは妥当なものだ、そういう態度が最近は非常に見られるわけです。これからはもう少し国民に信頼される姿勢をおとりになったらどうですか。長官、これについては反省はないのですか。
○生田政府委員 先生御承知のように、原子炉あるいは原子力施設に関連いたします事故、故障、トラブルのようなものにつきましては、ある一定のもの以上は法律によりまして事故報告を徴収することになっております。ただ、私どもの方針といたしましては、ただいまの先生の御指摘にもございますように、法律の規定は規定といたしまして、ささいなものでございましてもできるだけ報告を徴収する、そしてできるだけそれを明らかにしていくという方向で臨んでいる次第でございます。
 ただ、この協定でございますけれども、先ほど申しましたように、これは関係の地方自治体と原子力施設の設置者との間で自主的に締結された協定でございますので、私どもの方といたしましては、ただいま申し上げましたように、この法律の規定に拘泥することはいたしませんで、細かい故障あるいはトラブルでございましても、その実態を把握し、それを明らかにしてまいるということで臨む次第でございますが、そうであるからと申しまして、この協定それ自身をそういうふうに細大漏らさず連絡するように改正すべきだということを私の方から介入することは、ただいまのところは考えておりません。
○近江委員 介入しないという基本的な姿勢を明らかにされたわけですが、その問題につきましては、今後ひとつさらに科学技術庁としては検討してもらいたいということを申し上げておきます。
 それから、こういうことによりまして、われわれに対するそうした報告につきましても決して隠蔽することのないように、細大漏らさずひとつ報告していただきたい。この二点につきまして要望しておきます。
 よろしゅうございますか。ちょっと返事してください。
○生田政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、この原子力関係の故障あるいはトラブルにつきましても、私どもそれを隠すような気は毛頭ございません。むしろ、細かいものでもなるべくそれを明らかにしまして、大臣の御答弁にもたびたびございますように、故障であるもの、あるいは軽微なトラブルであるもの、それを隠すことによってかえって何か疑惑を持たれることが一番いけないことであろうと考えております。むしろ、軽微なものは軽微なものであるということの明らかな説明をつけてそれを明らかにすることが信頼を得る一番いい方法ではなかろうかというふうに考えておりますので、先生の御趣旨のとおりでございます。さように今後とも進めてまいりたいと思います。
○近江委員 局長がおっしゃっていることは非常に妥当なことだと思うのです。軽微なことであってもやはり関係市町村、県にも連絡をしていく、こういう姿勢が大事だと思います。その点、協定にそうした形で盛られておるわけですから、先ほど申し上げたように、今後の運営につきましてさらにきめ細かな報告を上に盛るということはいいことなんです。また、事業所が幾つかあるわけでございますから、十分ひとつその点は話し合いをしていただいて、その旨を申し伝えていただきたい、そういう方向がとれるように努力していただきたい、このことを申し上げておきます。
 それから、最後にお聞きしますが、「むつ」の問題です。そうした委員会でいろいろな今後の方途について検討し、それを受けて長官が要請をする、こういう手はずになっておるということを聞いておるわけですが、その後どうなっていますか。
○佐々木国務大臣 しばしばお話し申し上げておりますように、修理、点検の計画が事業団でできましたので、さらに従来の愚を重ねてはいけないと思いまして、科学技術庁、運輸省、それから経験者の皆様とでチームをつくりまして、事業団の計画をレビューしておりまして、大体今月の末にはこれが最終的に完了する予定でございます。これを私も報告を受けまして、事務的な一つの準備は中央としてはまず終わった段階でございますので、これを踏まえまして、今度政治的に地方の方へどういうふうにアプローチしていくか、そういう点を研究して円満に問題が解決するようにいたしてまいりたいと存じております。
○近江委員 そうしますと、スケジュールとして長官が正式要請するのは大体いつごろなんですか。
○佐々木国務大臣 めどといたしましては、十二月の初めごろというふうに考えておりますけれども、ただ御承知のように、問題が問題でございますので、いかにも中央から押しつけた、権力で抑えつけたというふうなことではまずいのでございますので、それまでの間いろいろ現地の事情等もできるだけ聴取いたしまして、一番穏健なアプローチの仕方をとっていきたいというふうに考えております。
○近江委員 佐世保におきましては、非常に強い反対運動も起きておりますし、十分そうした点を考慮して今後考えていただきたい、このことを要請しておきまして、私の質問を終わります。
○八木委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後二時三十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時四十一分開議
○八木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 使用済み核燃料の再処理に関する問題調査のため、本日、動力炉・核燃料開発事業団瀬川副理事長に御出席を願っておりますが、本問題調査の都合上、新たに動力炉・核燃料開発事業団東海事業所再処理建設所長中島健太郎君を参考人として追加し、御意見を徴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
○八木委員長 質疑を続行いたします。瀬崎博義君。
○瀬崎委員 ちょっと質疑を中断いたしましたので、事の順序としてもう一遍簡単に初めから振り返っておきたいと思います。
 ただいま質問を申し上げております再処理工場におけるプルトニウム蒸発かんの液漏れ事故というものについては、これは去る十二日の委員会の私の質問の最後の部分で生田局長に私の方から質問をして、その事実が認められた問題であります。そのときは、いわゆるマイナートラブル、つまり小さな故障と表現された生田局長の概念の中に入る事故として、フランジが緩んだんだと、こういうふうに説明を非常に簡単にされておったのであります。私は、もちろんそのときから、そんな単純なものでないことを指摘して、十三日さらにこの質問を追及することをあらかじめ予告しておきました。この十三日の日は、動燃事業団の当事者もお見えになりまして、この液漏れの総量は実に二百リットル以上、つまりドラムかん一本にも相当するようなウラン溶液の漏れがあることがそのとき明らかにされたわけであります。ところが、本来ですと、このような大量の漏れを起こす前に、当然のことながら、これを検知する装置あるいはかん内の圧力を自動的に調整する装置、つまり二重、三重の防護装置があって、常識的にはこういうことが起こらないはずなのであります。この点について、単にフランジの緩みだけが事故の原因なのかどうかということについては、防護装置の働かなかったことは調査チームをつくって現在調査中である、こういう回答がありましたし、フランジの方の緩みについては、生田局長と全く同趣旨の答弁が中島所長からありました。私が理解した範囲では、そのときの中島所長の答弁というのは、つまり通常起こり得るフランジの緩みとして、あるいは振動によって、あるいは材質の温度差による伸縮等によって、締めておっても一定期間たてばまた若干緩みが生ずる。そういう場合には、これは手でさわってわかるような緩みというものではないと思います。だから、こういう漏れが起こったときには締め直せばよいのであって、そのためにもこういうテストをしているのだというぐらいの大体御回答であったわけであります。この点について、だから私は瀬川副理事長に、そのような軽微な事故扱いしていることはきょうの瀬川さんの発言とも食い違うので、はっきりさせておいてほしいという点については、きわめてこれを重大視し、あるいは当時の作業状況も再現して事故の原因を究明したい、こうおっしゃいました。そして、きょう新たに明らかになったのは、機械的なフランジの緩みではなくて、その間にはさんでありますところのパッキングに何らかの腐食があるのではないか。つまり、材質に問題があるのではないか。こういう新たな原因が明らかにされてきたわけであります。
 こうなってまいりますと、そう簡単な日数の試験やあるいは研究で、本当にこの部分、完全にセルで密閉した場合、さあ相当期間にわたって取りかえなくて腐食もしないという、そういうパッキングに結論が到達し得るかどうか。これは、私は本当に、それこそ慎重を要する問題になってきたと思う。そういう意味で、きょうの先ほどの発言というのはやはりきわめて重要視される性質がある。こういう段階で、これから当時のこの漏れがどういう形で起こりどういう形で発見されてきたのか、こういう方へ話を移そうとしていたところで中断をさせていただいたわけであります。
 そこで、動燃当局のこの事故に対する態度は表明されましたが、生田局長自身も当初は、軽い事故のように思っていらっしゃったのです。改めていまの説明を聞いて、政府としてはこれをどのように見ておるのか、答えておいていただきたいと思います。
○生田政府委員 まずお答え申し上げたいと思いますのは、これが事故であるかないかということ、それからもう一つは、重大であるかないかということでございます。これは言葉の問題でございまして、あるいは表現が適切、不適切の問題がかかってこようかと思います。
 私はまず、事故であるか事故でないかということでございますが、私だけではございませんで、大臣がいつも御答弁しておられることも全く同様でございますけれども、私どもはこれは事故ではなくて故障であると考えております。
 次に、これが重大であるかないかということでございます。二百リットルという非常に大量の液が漏れましたことは、たとえばそれの百分の一あるいは数十分の一の液が漏れましたものと比べまして確かに大きな問題であろうかと思います。さらに前回私は、フランジの緩みであろうということを御答弁申し上げまして、その後調べました結果、ガスケットの腐食ではなかろうかという疑いが出てきたわけでございますので、その点は先生御指摘のように、ただ機械的な緩みではなくて材質の問題その他がございますので、さらに慎重な調査あるいは対策を講ずべき問題であると考えております。
 ただ、こういう問題が起きてかまわない、あるいは起きてもしようがないというように私どもは全く考えておりません。起きないのにこしたことはないわけでございますけれども、このガスケットの材質のような問題も含めまして、ウランテスト中にこういうものをテストしていくということでございますので、今後もあるいはこれと同じ程度の問題あるいは類似の問題が発生するかもしれません。発生しましたものにつきまして適切な原因の追及を行い、適切な対策を施していきまして、ホットテスト以後の段階におきまして、先ほど瀬川副理事長も言われましたように、こういう問題が起きては絶対に困るわけでございますので、ウランテスト中に十分その原因を究明し対策を施していくということで、まさにそこにウランテストのねらいがあるわけでございますので、そういう意味におきましては、この今回起きました漏洩の問題が、この再処理工場の建設あるいは運転につきまして致命的な問題であるというふうには考えませんので、そういう意味で重大かあるいは重大でないかという御質問でございましたら、そういうような意味におきまして私は重大ではないというように考える次第でございます。
○瀬崎委員 大体政府がそういう認識でおるところに私は間違いも起こると思うのですね。まあこれが再処理工場の致命的な問題であるかどうかわからないとおっしゃったけれども、少なくともこういう重要部分の材質は相当吟味されているはずなんですよ。その吟味されたものを使って、今日なお究明を要するような問題があることがわかってきた。これは今日までの究明でわからなかったものをこれから究明しなければならないのですから、やはり相当化学的には深い検討を必要とする問題じゃないですか。そうは簡単に、いまスケジュールを立てているようなウランテストの期間だけでこの問題の解明が完全に行えて、完全な材質にこれが取りかえ得るかどうかは、私ははなはだ疑問だと思うのです。そういう点で、致命的であるのかないのかということも含めて、これはこれからよほど慎重にやってもらわなければ困るということをまず私ここで強調しておきたいし、政府の頭も少し入れかえてもらいたい。なってないと言いたいぐらいなんですね。
 そこで、少し質問を次に進めて、またこの問題に立ち返りたいと思います。一応、先ほど質問いたしましたように、テスト中だから一定の点検監視体制はとっておられたはずであります。大体どういう人員配置で、どういうスケジュールで、この当時この点検監視に当たっておられたのか、答えていただきましょう。
○中島参考人 ただいまの御質問の人員配置でございますが、ここは化学処理工程でございます。それで、この中は三つのグループに分けておりまして、総勢で二十名が一直です。その中は、化学処理工程を大きく三つに分けて六人ずつ、それで十八名ですが、それとグループリーダー一名、それとサブグループリーダー一名ということで、二十名でございます。その蒸発かんを担当しておりますのは二番目のグループでございまして、人員が六名です。その中身は、シフトリーダーと言っておりますが、班長、これが一名。残りの五名が、ちょっとプロセスの名前で申し上げますが、第一抽出サイクルというのが一人、それから第二抽出サイクルというのが一人、それから第三サイクルというのが二人です。そして、このプルトニウムの蒸発かんが一人という配置でございます。
 それから点検でございますが、点検としましては、起動をしてそれから運転をしてという場合とやや違いますが、運転中の場合で申しますと、その担当者が、主としてこのプルトニウム蒸発かんについて申しますと、主たる計器は五階のコントロールルームにございます。そこで所要の計器のチェックをし、そして必要な記録をとるというのが一番主たる仕事になります。それからなおそのほかに、四時間に一遍ずつ程度は、この蒸発かんの横の方まで行きまして、そこにありますフローメーターとかそういったものを点検してくる、そういう状態でございます。
 そのほかにもう一つ、先ほど言いました二十名のほかにサンゴバン社から原則として一名は必ず直についております。それが必要な巡視点検もする。それからさらにグループリーダーも、その日の状況によって問題となるところは重点的に点検するということにしております。
○瀬崎委員 そうしますと、いまの話でいけば、当然いつ異常が起こりかけて、いつ二百リットルの大量になったかは大体順を追うて監視できておったはずのように、私はいまのお話をお聞きしたのですが、そういう理解でよろしいですか。
○中島参考人 実はいまのプルトニウム蒸発かんですが、これはセルというコンクリートの小部屋に入っております。それで、もちろん開口部はあいております。これはホット前ですから開口部はあいておりますが、負圧調整をするためにその開口部には当時はベニヤ板で密閉してございました。したがって、中はのぞけない状態であったわけです。
○瀬崎委員 それでは、この異常に気づき始めたのはいつで、それは一体どういう方法で気づいたのか。そして最終的に二百リットルも漏れておるということは一体どうしてわかってきたのか。その時点は一体いつか。ちょっと答えてください。
○中島参考人 異常に気がつき出したのは七日の日の夜の八時ごろでございます。以来、どういう原因かということを調べるために、先ほど言いましたサンゴバンのエンジニアがつききりでその場にいたわけでございます。しかし、いろいろ点検するのに時間をとったり何かしまして、最終的に発見したのは翌日の朝の三時半ごろでございます。
○瀬崎委員 先ほど言われた十一月七日の夜の八時ごろに異常に気づいたというのは、それはすでに二百リットル漏れ切っておったことを発見したのですか、漏れ出しておることを発見したのですか。
○中島参考人 これは実はそういうのではなくて、ここはプロダクトといいますか、製品の濃度を高める仕事でございますから、濃度が高いということを密度で判定するというための密度記録計がついてございます。そこはまた常時見ているわけですが、どうもなかなか密度が上がってこないということが端緒でございます。
○瀬崎委員 私が聞いておるのでは、というのは私のいろいろ問い合わせたところでは、異常があらわれ始めたのは十一月六日の一直、つまり午前八時半から午後五時までの勤務帯の中で異常があらわれてきておる。それがいまのように本格的にこれはおかしいというふうに確認されたのが七日の何直になるのか、零時半から朝九時までの時間帯だ、このように聞いておるのですが、おたくのは少し遅日になるのですね。これはどちらが正しいのですか。
○中島参考人 先ほど言いました中で日を一日間違えました。六日でございます。どうも失礼いたしました。
○瀬崎委員 六日の夜八時でしょう。――わかりました。
 それで、いま密度の記録計と言われましたけれども、この記録計というのはどこで常時監視しているのですか。
○中島参考人 五階のコントロールルームです。
○瀬崎委員 きょう動燃の方から出されてきた報告書によりますと、蒸発かん内の圧力がセルの中の圧力より一平方センチ当たり〇・二キログラム以上高くなった場合、自動的に操作系が働いて、加熱用の蒸気であるとか蒸発かんへの溶液の供給を停止する、こうなっていますね。しかも、このときには「停止した」となっていますね。これの確認は一体いつ行われておるのですか。
○中島参考人 これはその都度でございます。
○瀬崎委員 いや、私が聞いているのは今回の場合ですよ。今回の圧力上昇時にも正常に作動し、それぞれの供給は停止した、こう書いてあるのです。この事故に関連して自動制御が働いたことを確認したのはいつですかと言うのです。何日の何時ですか。
○中島参考人 これはプロテクション回路と申しておりますが、ここに書いてありますように、中の圧力がセル内の圧力よりも〇・二以上高くなった場合には、送液と蒸気圧力を自動的に停止する。これは自動的にその場でやってしまいます。これはその場ですぐわかります。
○瀬崎委員 その場でわかるのだけれども、それは一体六日から七日にかけての何時で停止しておったのですかと言うのです。
○中島参考人 これはこの漏れとは直接関係はないと考えております。したがって、余り時間的な対応は、もちろん時間もわかっておりますけれども、関係はないはずでございます。
○瀬崎委員 さらに念を押しておきますけれども、この間の質問のところで私は一度お尋ねしていますね。私どもが調べた範囲では一・八キログラム程度に圧力が上がったという――これは事実かどうか私わかりませんから調べてくれと申し上げたのですが、そういう事実はこれでいけばないということ。さらに、もう一つは、計装配管、これは五階かどこかの計測室へ通じる配管だそうですか、この管内に液が侵入して五階まで上がってきておったというふうにも聞いておるのですが、そういう事実はあったのですかなかったのですか。
○中島参考人 五階には行っておりません。なお、三階にトランスミッターという部屋がございます。これは圧力系を電気系に変換するところでございますが、そこまでは若干行っております。
○瀬崎委員 そこまではと言いますが、普通はそんなところまでこの計装管内に溶液が上がっていくものなんですか。
○中島参考人 普通は上がらないとは思いますけれども、上がってもいいような態様にはなっております。
○瀬崎委員 われわれがこれをいろいろ調べたところでは、そういう計装配管の中を三階まで溶液が上がるというふうな場合には、圧力が一平方センチメートル当たり一・四キログラム以上になっていなければならない、こういうふうに聞いておるのですが、そういうことではないのですか。どうなっているのか。これ、調べたと言っているのでしょう。事実関係なんですからね。
○中島参考人 この間も私申し上げたと思うのでございますが、まだ調査は全部済んでおりません。そこらも含めていま検討中でございます。
○瀬崎委員 そこで私たちどうしても疑問になるのは、本当に圧力制御の自動装置が働いているのなら、セル内の圧力は一平方センチメートル当たり〇・二キログラム以上には上がらないし、上がっていないはずなんです。にもかかわらず、この普通は上がらない計装管の中へまで液が上がっていって、それが三階まで達しておる。こうなってくると、それが実際に一平方センチメートル当たり一・四キログラムまでの圧力に上昇したかどうかは別にして、管内に異常圧があったということの証明になるのじゃないですか。どうなんですか。
○中島参考人 管内に異常圧があるというか、圧力が高まったことは事実でございます。したがって、さっきの圧力を検知するプロテクションが働いたということでございまして、その辺をいま検討している段階でございます。
 それから、なお、上に上がるのが異常であるかどうかということでございますけれども、上のトランスミッター室も実は密閉構造でございます。
○瀬崎委員 結局、管内の圧力がどの程度上がっているのかどうか。つまり、自動装置は働いておったとおたくはおっしゃるのですね。われわれは、その点は一定の疑問をまだ解消したわけではないけれども、しかし、とにかく圧力が上がったことだけは、お認めになっているように、やはり事実なのです。だから、なぜ安全装置の範囲内に圧力が保持されず上がったのかということも、圧力が上がれば当然液漏れもひどくなるわけですから、これが無関係とは言えないと思うのです。その点の関連の調査というものはやられて、一応その関係が明らかになったのか。それとも、圧力が高まったことと漏れていることとは全く無関係なのか。そこはどうなんですか。
○中島参考人 そこらも含めて調査中だと申し上げます。
○瀬崎委員 生田局長、フランジの緩みだけじゃないのですね。それから、パッキングの材質だけでもなさそうだ。つまり、圧力を自動的に制御する装置は、まあきいているのでしょうけれども、しかしそれ以前に一定以下の圧力になっていなければならない管内の圧力がどうも上がっておって、その原因がまだつかめない。圧力の上がったことも漏れをひどくした原因の一つのようなんです。おわかりですか。単純じゃないのですよ。だから、先ほど、致命的とかなんとかいうことから言えば重大だとは思いませんと言われたけれども、こういうふうに一々調べていけばいくほど原因は非常に複雑でわかりにくくなっている。この点はお認めになりますか。
○生田政府委員 ただいま中島さんの御説明にもありましたように、原因を調査中でございます。中島さんのお話にもありましたように、あるいは先生の御指摘にもありますように、恐らく幾つかの原因が重なり合って出てきたものではなかろうかという感じが私もいたします。したがいまして、まず必要なことは、この原因の究明を徹底的にやるということが第一でございまして、第二段は、申すまでもなく、その必要にしてかつ有効な対策を講ずるということでございます。そういうことでございまして、これが重大かどうかということでございますけれども、仮にその修理が全く不可能であるということになりました場合は別でございますが、私どもはそう考えませんので、現在の段階でこれが非常に致命的かつ重大であるというふうには考えておりません。
○瀬崎委員 人の話をよく聞いて答えてほしい。私は、この工場がおしゃかになればいいと思ってこんなものを質問しておるのじゃないのですよ。本当に日本で初めての、しかもまだ世界でも余り権威のある技術の確立していない分野に取り組むのだから、そういう点から見れば、いまこの蒸発かんをめぐって起こっているトラブル――あなたたちの表現をとれば――これは科学技術的には相当重大な問題をはらんでいる、このことを一生懸命に指摘しているわけなんです。そういう重大な問題だという認識なしに、簡単に修理すれば済むというふうなことで取り組まれたらこれは大変だということを強調しておる。これは研究段階の問題も含んでいるのじゃないかということを私は指摘したいわけです。
 そこで、この蒸発かんの中に溶液は一体幾らぐらい入るのですか。
○中島参考人 そのレベルによっても違いますが、およそ四、五十リットルでございます。
○瀬崎委員 つまり、蒸発かんの中には四、五十リットルしか入らないのですよ。それが二百リットル漏れておったというのですから、この漏れの量がいかに相対的に見て大きいかということは、これは政府関係者もひとつよく認識してほしいのです。
 それでは、この蒸発かんの中へウラン溶液を送りますね、当時は時間当たりどのくらいの量を送っておりましたか。
○中島参考人 およそ三十リットルアワーです。
○瀬崎委員 そうしますと、溶液を送っておる管がぽつんと破断してじゃじゃ漏れになったとして、二百リットルたまるまでにはほぼ七、八時間かかる勘定になるでしょう。しかし、そんな漏れ方ではなかったと私は思うのですね。そうしますと、漏れ始めてから二百リットルたまるまでには相当な時間があったと見るべきじゃないのですか。
○中島参考人 漏れたボリュームからいきますと、まさしくおっしゃるとおりでございますが、いま調査中ということの一つは、なぜそういうことが起こったのかということなんです。もしも、おっしゃるとおり、じゃじゃ漏れになってしまいますと、今度ウラン量の計算ができないわけです。ということは、恐らくドリップトレイに最初に水があったのだろうと考えております。では、なぜそれがあったのかということも含めまして、先ほどの調査の中に入っております。
○瀬崎委員 これは、このように一つ一つ調べていけばいくほど不思議な問題が出てくるのですね。
 なお、きょう出していただいた報告書によれば、この下に受けているドリップトレイ、これの液面が上がってくれば自動的に検知する装置がついているのだけれども、この装置の機能を停止しておった。これはスイッチを切っておったという意味だと思うのですね。壊れて停止しておったという意味ではないでしょう。その機能停止の理由は「ウラン試験実施上の都合を考慮して、」と、こう書いてあるのです。一体どういう都合があってその機能をストップさせておったのですか。これを働かしたら何かぐあいが悪かったのですか。
○中島参考人 実はここはドリップトレイの下にチューブラータンクというのがございます。本来といいますか、ホットになりますと、当然そこに流れるようになっております。ところが、いまウランテスト中はそこにウラン溶液が流れますと、後で、今度はもしもプルトニウム溶液がホットになって、プルトニウム溶液がそこに流れますと、そのプルトニウムがウランで汚染される。なぜかといいますと、チューブラータンクというのは非常に除染がしにくいものでございます。したがって、そういうことを避けるために、その検出のところをふさいでいたわけでございます。
 なおウラン試験中の特例といたしまして、保安規定にも書いてございますが、プルトニウム蒸発の場合のプルトニウム類はすべてウランと読みかえるということになっております。したがって、ウランの場合にはどうころんでも臨界というようなこともございませんので、チューブラータンクに入れる必要もないということから、そういうふうにしております。
○瀬崎委員 それはチューブラータンクへいく方の、いわば管の入り口に詰めしておったという意味のことでしょう。私が聞いているのは、液漏れが多くなってくると、そのことを検出する装置がついておるわけですね、この機能をストップさせておった、そのストップの理由はウラン試験上の都合だ、こういうことなんですね。検知器を働かすことは何も問題ないのじゃなかったのですか。
○中島参考人 元来、検知器が働く小さな穴があるのですが、そこがまたチューブラータンクにいく入り口であるわけであります。そこをふさぐためにはどうしても検知器をはずさざるを得ないということなんでございます。
 それからもう一つは、ドリップトレイというのが非常に大きな容量がございまして、漏ったとしても十分に処理できるという判断も働いております。
○瀬崎委員 これも私が調べた範囲のことだから、あるいは当たらないかもしれません。しかし、このウランテストの前に、臨界テストのためにボロン溶液を使ったテストをされているとわれわれは聞くのですね。このボロン溶液というのは中性子を吸収して臨界になるのを防ぐためのものだと聞くわけなんですが、このときの水が少々残っていたことと、今回のこの液漏れとの関係もあるのではないか、こういうことを聞くのですが、それならそれで、ウランテストに入るまでにそれまでのテストのことについては十分検討して、だからこそもう何の心配もなくウランテストに入れるのだといままでおたくの理事長以下おっしゃってこられたことが全く矛盾してくるので、非常に危惧を感ずるわけなんです。そういう事前のテストがあったのかどうか。そしてそのテストの結果、何か残滓みたいな水があらかじめ残っておったというのであれば、なぜそれを事前に発見できていないのか。つまり、万全ではなかったのかということですね。その点ひとつ答えてください。
○中島参考人 ボロン水を使ったテストをしたことは事実でございます。しかし、その後それを正常にして、そしてさっき言ったふたをしたのでございます。
○瀬崎委員 それじゃボロンを使用しての試験の結果、それを十分に見きわめずにウランに移ったということはない、こういうふうに私たち確認していいわけですね。
 通水テストや化学物質を使っての化学テストというのですかをやられたときに、この部分は一体どういうテストが行われ、その結果、作動状況等は一体どうだったのですか。
○中島参考人 この辺につきましては十分に検査をして性能が異常ないことを確認しております。
○瀬崎委員 そうすると、そのときには性能に全く異常がなくて、それから今度のウランテストに入って次々といま出てきたような問題にぶつかった、こういうことですか。
○中島参考人 いまおっしゃっている御質問ですが、その部分というのは何でございますか。
○瀬崎委員 漏れを起こす原因ですね。
○中島参考人 つまりパッキングの話ですね。そのとおりでございます。
○瀬崎委員 時間の関係があるので、まだ幾つか疑問が残るのですが、とにかくまとめてみますと、私自身が予期しておったこともあり、予期してなかった答弁もきょう新たに出てきているのがあるのですね。それは、まず漏れの直接の場所になっているフランジ、これについてはいままでのような単純な緩みではない、パッキッングの材料に欠陥があるのではないか、こういう疑問が新しく一つ出ました。それから報告書では、蒸発かん内の圧力上昇に対しては自動装置が作動して問題はないように書いてあるけれども、実際にはかん内の圧力がある一定の限界値を超えておったと見られるような発言もいまございました。それから蒸発かんの中は満タンにしても大体四十五リットルしか入らない。この蒸発かんに送っている溶液量は時間当たり三十リットルだ、それから見たら、よほどひどい状態を考えても十時間近くかからなければ二百リットルはたまらないはずなんだ。そこで何らかの関係で水が回っているのじゃないかとおっしゃる。私はその水がその前の試験であったボロン溶液の試験のときの水じゃないか、こう言った。それではないとおっしゃった。それじゃ、一体もし水が入ったとしたらこれは何だという問題は当然残ります。これもこの場では解明されてない大きな疑問ですね。素人だって不思議に思うような疑問でしょう。
 このような問題を残しているのですね。ですから後の問題とも絡むのですが、委員長にひとつお願いしたい問題なんです。一度われわれ当委員会としても、この時点で再処理工場を現地調査をして、この現場に立ち会って、あるいは動燃事業団自身も一遍当時の作業状況を再現してそして研究してみたいとおっしゃっているくらいですから、われわれもそういうものにできれば立ち会って、よく納得のいくような調査をしておかないと、いまの局長のように、これをなおまあ大して重大でないというふうなことで突っ走られたのでは、これこそ取り返しのつかないことになると私思うのです。日本の科学の将来、再処理工場の将来のためにも利益にならないと思うので、ひとつ本委員会の現地調査について御検討いただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
○八木委員長 ただいまの要請ですが、理事会に諮って検討いたしたいと思います。
○瀬崎委員 もうちょっとだけお時間をお許しをいただきたいのですが、この間出ましたもう一つの問題はウランの計量管理の問題です。九月二十九日から二週間ウランのたな卸しをおやりになったところが、約二・五トンのウランを使って、八十三キログラム、三・三%のウラン欠量を生じた、こういう問題であります。
 そこで、これはまず政府のほうに聞いておきたいのです。ウランの計量管理、それから現在の再処理工場関係のいろいろな規制法等、規則も含めて一体どういう関係にあるのか、説明をしていただきたいと思います。
○半澤政府委員 再処理の事業に関する規則というのがございまして、これは原子炉規制法に根拠を有する規則でございます。その中に「報告の徴収」というのがございまして、核燃料物質の受け入れまたは払い出しのときの報告書、さらに一定の様式がございますけれども、一カ月ごとに核燃料物質の物質収支の報告書、それから規則に書いてございますように、設計、工事方法の認可等において物質収支を表示してございますけれども、その合計を超えて損失が発生した場合には、その都度報告をとるという形で計量管理の実態を把握することにいたしてございます。
○瀬崎委員 今度の調査は、予備調査とかなんとかそういうようなことをおっしゃっていたと思いますが、これはいま次長の説明した政府の報告徴収とはどういう関係になるのですか。
○半澤政府委員 今回のケースにつきまして、ただいま申し上げましたように月ごとの計量管理報告と、今回の損失量がかなり大量でございますから、言うなれば特別報告と申しますか、先ほど申しましたその都度の報告、いずれも徴収してございます。
○瀬崎委員 ということは、報告を受けてああそうかで政府は済む問題なのか、政府としても独自に一体どこでどういうことが起こったのか調査する必要を感じているのか、どっちですか。
○半澤政府委員 この損失の発生の原因、通常MUF解析と呼んでおりますけれども、行方不明量がどうして発生したかという原因は調査いたします。
○瀬崎委員 科技庁は、いつどういう方法で独自にこれをやるのですか。
○半澤政府委員 現在すでにこの状況につきまして聞き取り調査を始めておるところでございます。
○瀬崎委員 これはこの間の委員会の追及があって腰を上げたのですか。それまで自主的にやる予定になっておったのですか。いつからか、はっきり言ってください。
○半澤政府委員 報告書そのものは十月末の日付になっておりますけれども、実際に事務的にそれを処理するタイミングというのは、前回国会等で議論が行われましたころとほぼ同時期でございます。
○瀬崎委員 われわれ、通常は待っていて、動燃団の方から自発的にそういう報告はくれないのですよ。いろいろ苦労してやっと、そういうたな卸しが行われておって大量の欠量があるらしい、ということをわれわれは突きとめたのですよ。しかし、政府は法規上からもちゃんと報告をもらわなければならない立場なんだ。そうでしょう。それがわれわれの国会の追及の時期とたまたま符合しただけで、もしあれがなかったらやっておったかどうか疑われたってしようがないと思うのです。こういう政府側の怠慢と見られる態度について、長官、放射性物質の行方不明という問題は非常に重大な問題ですね。しかも、いま言われました大量欠量なんです。今後この問題も含めて、どういう処置をとってこういうことの起こらないようにしていこうというのか、ひとつ所信を述べてもらいたいと思うのです。
○佐々木国務大臣 放射性物質がもし紛失あるいは計量等に誤差があるというふうなことになりますと、これはやはり十分その原因というものを突き詰めて、安心できるようにすべきだと思います。
○瀬崎委員 この間の動燃当局の説明も、この文書による報告もそうなんですが、言うならばこれはすべて分析あるいは計量過程の誤差だ、こういうことで済ませているわけです。つまり分析技術がずさんだということでしょう。こういうずさんだと言わざるを得ないような技術水準というか分析水準で、今後ともこのような計量管理をやったって、計量管理自身の権威が全くないと私は思うのです。普通の順序からいけば、これはこういうウランテストの過程で訓練していくという考え方ではなくて、それぞれ専門分野、個別分野として分析技術というものは十分高められるのですから、信頼の置ける分析技術を動燃団に導入して報告書を出す。その政府に出された報告書は、国民が安心してそれに信が置けるようなものになっていなければいかぬと思うのです。そういう順序が妥当だと思うのです。順序があべこべのように私は思うのですがね。
 動燃団の瀬川さん、きょうは理事長がお見えじゃないから、あなたの見解をお聞きしたい。
○瀬川参考人 ウランテストに入りましてからのMUFの量は、確かに三%というのは、やはり数字としては多いように感じておるわけでございます。しかし、何分にも配管距離だけで東京から静岡ぐらいまで、二百キロ近い距離がございますし、それに対して初めてウラン溶液を注入するということで、途中回路でどの程度付着するか、もちろんMUFの計量には途中回路における付着の問題もある程度織り込んでいるようでございますが、やはり安定したMUFの数字としては、もう少しウランテストを進めないと落ちついた数字にはならぬのではないかという感じもしております。
 それからもう一つ、御指摘の計量技術の問題でございますが、私は技術そのものは別段困難なものだとは思いませんが、MUFの定義を、再処理プロセスのMUFとしてどういうふうにつかんでいくか。ウランテストの段階において、MUFの内容、構成の確立という点もまだ不十分ではないかという気もしておりますので、御指摘の点も十分留意して、MUFは今後もできるだけ小さな数字になるようにいろいろと検討していきたいと思います。
○瀬崎委員 これは本当を言えば、わざわざこのような計量管理を行い、それを法律や規則によって政府にも届けよということになっているのは、ウランとかプルトニウムの管理というものはそれほど厳重でなければならないということの裏返しだと思うのです。ですから、再処理工場の場合に、もし配管距離が長くて一定の誤差があるとおっしゃるのなら、それはそれとして、大体その許容限度は科学的に計算してこの範囲でなければならないというのがまず前提としてあって、その範囲内におさまっていない大量の欠量が生まれたときには、まず疑うべきは、計量過程で起こったのじゃなくて、本当にどこかへウランがなくなっているのじゃないか、あるいは再処理工場外に流れ出たのじゃないかということを心配してからなければいかぬ問題なんです。そのためにこういうことをやっているわけです。
 ところが、いまの話は全く逆立ちです。まず主観的に外へは出ていないのだということを前提にして、数字の狂いはすべて計量管理上の  技術水準は問題じゃないとおっしゃったけれども、技術水準が問題でなければ、計算上の問題か理論上の問題か何か知りませんが、とにかくそっちの方に原因を持っていく。これでは計量管理をする意味が全くないと思う。そのままでこれからどんどん再処理工程を進められたりしたら、この面でもまたわれわれは心配になってくる。ですから、それらを総合して、先ほど委員長にお願いいたしました現地調査も――ウランの欠量の問題ですね。政府も聞き取り調査ぐらいしかしないというのだから、これも頼りない話だと思うのです。一遍国会でもよく把握しておく必要があると思うのです。これもその項目に加えていただきたいと思います。
 また、この問題は、政府が届けを受けて、その受ける限りは、それに対してやはり何らかの判断を行い、政府自身としても行政措置を講じなければならないからこそやっているわけですね。いまのような頼りない聞き取り調査では困ると思うのです。本当に国民の信頼のおけるような計量管理が行われるような指導をどうやるか。もう少し責任のある答弁を長官か局長か責任のある方に求めて、私の質問を終わりたいと思うのです。
○佐々木国務大臣 きょうは一々大変御勉強の成果を御披露いただきまして、科学的な原因究明と存じ、まことにありがたい次第だと存じます。ただ、私感じましたのは、これは聞き及んでいるところによりますと、使用済み燃料を実際に処理する場合には大変危険な要素を含んでおるということはよく御承知のとおりで、したがって、それに入る前に幾段階も丹念に実験をして、そしてその実験の過程を通じて、機材その他に欠陥がありやなしや等幾多の実験もして、これであれば大丈夫だと、直すものは直して、その上で最終的な使用済み燃料の処理に入る。こういう過程でございますので、その過程においてそういういろいろなトラブルが起きたということは、不幸ではありますけれども、考えようによっては、それを直さずして発見せずして最終段階に入った場合にはもっとおかしなことになりますから、お説のような事態がありますれば、その原因を十分究明し、究明の仕方が足りないという御指摘のようでございましたから、きょうは事業団の首脳部もおりますし、お説を拝聴してよくまたその原因究明を深めて、直すものは直していく、こういうのが恐らくあなた様も御希望なさるところでありましょうし、こちらもそれを受けまして、その親切を受けまして、これから直すものは直していく、こういうことでありますから御了承いただきたいと存じます。
 私も、古い話でございますけれども、ウインズケール当時、ずいぶん前でございますが、二回ばかり見に行きまして、私いまの感じでは、まことにこれはもういまの東海のあの設備から見ますといわば粗っぽい設備でございまして、あれから見ますとあらゆる点に非常な配慮を配っているように見ますけれども、しかし、お話のようないろいろそういう点があるといたしますれば、十分注意して最終的な実験に支障ないようにさせるようにいたしたいと存じます。どうもありがとうございました。
○瀬崎委員 いまの大臣の答弁を本当に生かすということになれば、二つの問題だけは私の方から逆に指摘を申し上げたいと思う。
 一つは、原因究明が足りないと言われるからひとつこれはしっかり究明さしていきたいのだ、こうおっしゃいますけれども、もうきょうの委員会で明らかになったように、原因そのものがわからないのですね。ある程度わかって、まだ足りないと私言っているのじゃない。きょう動燃の方のお答え自身が、まだわからないとおっしゃるのでしょう。そういう点では、それこそこれはもうわれわれの指摘いかんにかかわらず、当然、まじめな良心的な技術者の集団であるのだから、自発的、自主的に慎重な研究的態度というものをとっていただくようにひとつ政府の方も御指導をいただきたい、こういうことなんですね。
 それともう一点は、当然そういう態度をとっていくとすると、特にいまのように相当吟味を加えた材料を使っておっても、その材料に欠陥があるのじゃないかということになってまいりますと、それにかわる完璧な材料で一しかも、あの蒸発かんの部分は密閉するわけですね。取りかえがもう不可能になる。それにたえ得る材料の発見ということになると、相当な期間がかかるのがあたりまえだというふうに受け取るわけです。そうしますと、本当に科学的な態度から技術開発を進めた場合に、いま立てられているウランテスト、ホットテスト、実用運転というスケジュールとかみ合うかどうかは私は今後の問題だと思うのです。その点で、もし技術の面からどうしてもこういうスケジュールで無理があるということになった場合は、政府側としては、いろんな困難はあろうけれども、対フランスとの関係も含めて、積極的に科学技術の面から来るスケジュールに合うように、この点でもやっぱり具体的な措置をとっていただけるように切にお願いをいたしておきたいと思うのです。
○八木委員長 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時三十五分散会