第077回国会 農林水産委員会 第7号
昭和五十一年五月六日(木曜日)
    午前十一時三分開議
 出席委員
   委員長 湊  徹郎君
   理事 今井  勇君 理事 片岡 清一君
   理事 島田 安夫君 理事 菅波  茂君
   理事 角屋堅次郎君 理事 中川利三郎君
      足立 篤郎君    上田 茂行君
      加藤 紘一君    金子 岩三君
      瓦   力君    佐々木秀世君
      澁谷 直藏君    染谷  誠君
      中尾 栄一君    葉梨 信行君
      藤本 孝雄君    古屋  亨君
      三塚  博君    宮崎 茂一君
      村岡 兼造君    渡辺美智雄君
      柴田 健治君    島田 琢郎君
      竹内  猛君    野坂 浩賢君
      芳賀  貢君    馬場  昇君
      美濃 政市君    津川 武一君
      山原健二郎君    瀬野栄次郎君
      林  孝矩君    稲富 稜人君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 安倍晋太郎君
 出席政府委員
        農林大臣官房長 森  整治君
        農林省構造改善
        局長      岡安  誠君
        林野庁長官   松形 祐堯君
        林野庁林政部長 犬伏 孝治君
        水産庁長官   内村 良英君
        労働省労働基準
        局安全衛生部長 中西 正雄君
 委員外の出席者
        厚生省環境衛生
        局水道環境部環
        境整備課長   山村 勝美君
        労働省労働基準
        局補償課長   溝邊 秀郎君
        農林水産委員会
        調査室長    尾崎  毅君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月六日
 辞任         補欠選任
  江藤 隆美君     葉梨 信行君
  吉川 久衛君     村岡 兼造君
  白浜 仁吉君     宮崎 茂一君
  丹羽 兵助君     瓦   力君
  本名  武君     古屋  亨君
  森下 元晴君     三塚  博君
  柴田 健治君     井岡 大治君
  諫山  博君     山原健二郎君
同日
 辞任         補欠選任
  瓦   力君     丹羽 兵助君
  葉梨 信行君     江藤 隆美君
  古屋  亨君     本名  武君
  三塚  博君     森下 元晴君
  宮崎 茂一君     白浜 仁吉君
  村岡 兼造君     吉川 久衛君
  井岡 大治君     柴田 健治君
  山原健二郎君     諫山  博君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 林業改善資金助成法案(内閣提出第一四号)
 漁業再建整備特別措置法案(内閣提出第一八
 号)
 中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第一九号)
 漁船船主責任保険臨時措置法案(内閣提出第二
 〇号)
     ――――◇―――――
○湊委員長 これより会議を開きます。
 林業改善資金助成法案、漁業再建整備特別措置法案、中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案及び漁船船主責任保険臨時措置法案の各案を議題とし、審査を進めます。
 各案に対する質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島田琢郎君。
○島田(琢)委員 まず冒頭に、本法案にかかわる各種資金の性格についてお尋ねをいたしますが、その第一点は、林業生産高度化資金でありますけれども、今日の間伐材の用途とかあるいは加工に関しての開発が非常におくれていると言われております。この総合的な施策というものを一体政府としてはどのようにお持ちになっているのか、その点ひとつ簡単に御説明を願いたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 間伐につきましての問題でございますけれども、戦後植林いたしました面積というものが民有林では大体七百万ヘクタール程度になっておりまして、ちょうど間伐時期に到達いたしております関係から、政策的に緊急を要します間伐というものを推進するということに対しましての無利子融資ということが当然必要である、そういうことからこの法案を提出いたしておる次第でございます。
○島田(琢)委員 間伐材に限らず北海道におきましてはカラマツの造林が大変なシェアを占めて、また一時期造林の中心に据えられて今日までこれが促進されてまいりました。もう間もなくこれが需要期に入る。つまり伐期にかかるということになります。そういたしますと、いま現地で非常に心配しておりますのは、これだけたくさんのカラマツが一斉に市場に出されるというようなことになると、果たしてこれが需要とのかかわり合いでスムーズに進んでいくかどうか、この点やはり非常に心配が現地にはあるわけです。そこでいま総合的な施策、こういうことをお尋ねしたのは、今回の資金を制度化しようとするねらいは、どうも私に言わせればかなりねらいの角度が違っているのではないかという感じがいたします。むしろこれは、いま前段で申し上げましたように、需要の拡大を図っていく、そういう全体の日本の木材市場の開発というものが先行していかなければならないのであって、間伐の促進をするために作業道を作設していくなどというようなことで本当に間伐の作業というものが現地でうまく進んでいくかどうかということについて、私は一面危惧をしている一人なんです。
 ですから、私が冒頭で総合的な施策が必要だが、そのお考えはいかがかと言ってお尋ねしたのは、その点にあるわけです。たとえば、私はきょうお許しをいただいて、ここに持ってきましたが、これは実はカラマツ材の加工です。長官はときどき私の部屋にもおいでになっておりまして、そのときに御披露いたしましたように、私の部屋にもカラマツ材のデスクがあります。これなんかは私はこの説明を聞いて苦心のほどが非常によくわかったのでありますけれども、たとえば、これは階段の手すりになったり、あるいは下敷きになったりする材なんですけれども、表はナラでありますけれども、中にあるのはカラマツ材なんであります。ここに持ってきておりますのは、全部そうであります。これなんかも階段の手すりに使います。こういうものに使ったりあるいは支柱に使ったりいたしますけれども、これは外見はナラ材、非常にかたい材できれいに仕上げがなされておりますけれども、中はカラマツ材なんです。これは一つの加工材であります。これは上が杉板でありまして、中が同じようにやはりカラマツの加工品になっております。こういうふうにそれぞれ需要といいますか、市場を新たに大きく開拓していくために非常に努力をしているという人たちがたくさんいるのであります。
 これは私のところの生田原町の楠瀬という木工場が私財を投じて自分で研究開発を進めていて、これは別にどこからも一銭もお金をあれしたのではなくて、自分のところで自力でこういうものを開発しているのです。こういう努力を一生懸命やっている。私はまさにそういう点で国の施策の中にもそういう努力が報われるようなものが今回の制度の中に生かされていく、あるいは出されてくるということが非常に大事な点で、その点を強く期待しておりましたが、この林業生産高度化資金のねらいとしているものは、どうも私の考えているようなこととは多少異にしているような感じがいたします。
 大臣、いま私がこういうものを御説明しながらお尋ねをしておりますその趣旨というものはおわかりいただいたと思うのですが、これは私は急を要すると思うのです。ですから、今回の一つの資金の制度化というものを突破口にして、今後こういう点にも大きく輪を広げていく、こういうことが必要だと思いますし、とりわけ間伐材高度利用施設資金といったようなものの中で一体どういう点を今後制度の中で促進していこうとお考えになっているかという点の説明をお聞きいたしましたところ、ツイン丸のことだとかあるいは皮はぎ機だとかいったようなものに対する融資という範囲に限定されているようでありますけれども、現実には、それも大事なことですけれども、これは大変なお金をかけて研究開発を進めている民間のこういう実態というものも的確に今後調査をして把握されて、この努力に的確に報いていくような資金制度のあり方というものを私は早急につくってもらいたい、こう思っているのですが、大臣いかがですか。
○安倍国務大臣 今後、いまお話がございましたように、間伐材につきましては大量に生産されることになるわけでございますから、これに対して対策をどうするかということが大きな課題でございます。そのためのいまお示しになりましたような住宅資材、パルプ、チップ等への利用の促進あるいは新たな需要の開発、加工技術の改善、間伐材製品の展示、普及等の施策を総合的に講ずるようにこれは今後とも努力をしていかなければならぬわけでございますが、いまの高度化資金につきましては、こうした間伐材の利用のための加工施設といったようなものは高度化資金の対象になっておるわけでございますが、さらにわれわれとしては総合的に大量に生産されるこの間伐材の対策はひとつこれから進めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○島田(琢)委員 次に、林業労働安全衛生施設資金の問題についてお尋ねしますが、私どもも、長い間山で働いている人たちあるいは木工場で働いている人たち、こういう林業にかかわる労働に携わっておられる人たちに対してやはり制度の中で救えるものは救っていく、あるいはめんどうを見ていくものは見ていかなければならぬ、これがいわゆる国の森林政策なり林業政策における非常に大事な点なんだけれども、それが今日他の実態と比べてみると非常におくれている部分がある、こういう指摘をしてまいりました中で、特に私どもが原則に構えております安全衛生という立場では、まず何といっても完全予防体制をとることであり、同時にまた早期発見、早期治療、こういうことが非常に大事である。それを忘れてきたところに、今日社会問題と言われております振動障害、つまり白ろう病の問題が出てきているということが言えると思うのです。
 幸いにして国有林の関係につきましてはこの対策が最近進んできていることは事実でありますが、残念ながらそれに比べて民有林のいわゆる対策というのは非常におくれている、こういうふうに指摘せざるを得ません。それあるがゆえに今回チェーンソーの買いかえ等も具体的にこの制度の中で出てきた、こういう点については一定の評価をするものであります。しかしこの際、まだまだこの白ろう病といいますか、振動障害にかかわります世論の認識というものは必ずしも正確でないし、もっともっと職業病としてのみんなの認識がここに集中してこなくてはならないというふうに私どもは考えております。
 そういうやさきに週刊新潮の四月十五日号で、これは大変重大な報道がなされております。特にこの中で、認定基準はでたらめであるという趣旨の報道がありますけれども、これは私はゆゆしき問題だと思うのです。労働省もおいでになっておられるから、私はこの労働災害におきます振動病の問題についての見解を新たに承りたいと思うのですけれども、認定基準というのはそれなりにきちっとしておって、それに基づいて職業病としての認定がなされているということはこれはもう常識なんでありますから、でたらめだという趣旨の報道というのは非常に困ると私は思うのであります。この辺はひとつ明確にしておく必要があると思いますが、これはいかがですか。
○中西政府委員 チェーンソー等によります振動障害の認定基準につきましては、すでに昭和五十年九月二十二日付の局長通達をもって全国の労働基準局長あてに示しております。この基準は斯界の専門家に十分御検討をお願いいたしまして、最新の医学的知見に基づいて策定したものございまして、これを適正に運用することによりまして公正な認定を期してまいりたい、このように考えているわけでございます。
 なお、労働省としましては、この認定基準の趣旨を徹底するため、部内職員の研修を行っておりますし、また各医療機関等にその周知を図ってきたところでございまして、今後ともこの認定基準の周知の徹底と運用の適正を図ってまいりたい、かように考えております。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま労働省の方からお答えございましたように、私ども国有林におきます振動障害の公務上の認定につきましては、ただいま御答弁ございましたように、専門医による諸検査を実施いたしまして、恣意的な判断による認定というようなことは行われてないというふうに考えておるわけであります。
○島田(琢)委員 恣意的な認定は行われていない、したがって認定基準というものはきちっとしている、これは労働省からもそういうお答えでありますし、それを受けてこの監督に当たっている林野庁としてもこれを進めている、こういうことで、きちんとしておきませんとこれはいけないわけでありますが、しかし残念ながら、国会の中でも実はこの種の発言がなれております。たとえば妙な医者などというようなことの表現があったわけであります。しかし、いま労働省の部長からもお答えがあったように、これは信用できるお医者さんを委託をする、また民間においても白ろう病の問題につきましては非常に献身的にこの問題に取り組んでいるお医者さんがたくさんおられるわけであります。私の知る限りにおいて妙な医者などというものは存在しない、こういうふうに考えているのでありますが、これは私は大変残念な発言だと思うのであります。みんな一生懸命やっておられる、そのお医者さんをこれぐらい冒涜する発言はない、私はこう思っております。公式の場でそういう事実があるのかどうか、これはひとつ林野庁の長官からでも、それから労働省からでも、どちらからでも結構でありますけれども、そういう認識の上に立っているとしたらこれは大変なことでありますから、これは国会ではどうも長官がお答えになっているようでありますけれども、必ずしも的確に絶対そんなことはあり得ませんというふうに受け取れないような答弁に私は読み取っておりますが、いかがですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 先ほど御答弁申し上げましたように、振動障害の公務上外の認定につきましてはぞれそれ専門のお医者さんによって医学的な諸検査を行いまして、その結果に基づいて公正に処理しているというふうに私どもは考えているわけであります。
○中西政府委員 先ほど申し上げました認定基準に従って実際の認定を行う場合には、主治医の医証のほかに作業条件とかあるいはチェーンソーの使用時間、発病の時期等の客観的な資料の収集に努めまして、さらに必要があれば専門医の意見を徴する等の措置を講じまして、公正な認定を期しているところでございます。
 なお、認定事務の促進を図るために、労災病院に対しまして検査、治療に必要な機器の整備を行っておりますし、また労災病院以外の病院等につきましても、振動障害についての専門的知識を有するお医者さんがいるかどうか、あるいは認定基準に示した諸検査が可能な機器があるかどうかというようなことを調査いたしまして、医療機関の把握に努めまして、被災労働者の診断及び治療の円滑を図っているわけでございます。
○島田(琢)委員 そもそも振動病問題というのは林業労働におきする最重要課題だと私は思うのです。今度の制度の中でも、担い手を確保していく、確保された担い手を育成していく、こういう一連のねらいというものを達成させていくためにも、これは非常に大きな障害になる、現になっている。ここのところを解決していけば、かなり林業労働者の確保も、そして今後の林業の全体的な担い手を育成していく上でも非常に前進すると私は思っています。したがって、私は、最重要課題として据えるべきだという主張を強調いたしたいのでありますが、それにはどうしてもこの振動病を絶滅するという決意がなければいかぬと思うのです。
 先ほどちょっと申し上げましたように、国有林におきましてはそれは若干前進をする兆しを見せておりますが、私が心配しておりますのは、六〇%以上を占めると言われる林業部分のシェアの中で、民有林というこの問題になってまいりますと、心配の点が非常にたくさん現地にある。ここのところをやはりきちっとしていかなくてはいけないと思うのですが、その第一の絶滅するという対策の第一点では、今日の発生している患者の実態というものを的確に把握する必要があると思うのであります。労働省は民有林におきます白ろう病の実態というものをどのように把握しているのか、この際ひとつ明確にしておきたいと思いますので、お知らせを願いたいと思います。
○中西政府委員 民有林の白ろう病の実態につきましては、昭和四十八年度から実施しております白ろう病の巡回検診によりまして、順次明らかになってきているわけでございますが、昭和四十八年度の巡回健康診断では五千四百三十一名実施いたしております。これは林業労働災害防止協会に委託をしてやっておりますが、この結果を見ますと、この五千四百人余りの受診者の中で所見のあった者は約四〇%でございます。それから、四十九年度には五千五百五十五名のチェーンソー使用労働者について検診を実施しておりますが、このうち約四五%が何らかの所見が見られる。昨年度は六千人余りの人について実施しておりますが、この実態も近く明らかになると思いますが、以上のように、民有林におきます白ろう病の実態も次第に明らかになってまいっておりまして、労働省としてもきわめて重大な問題といたしまして、すでに昭和四十五年からその予防対策等に努めているわけでございますが、さらに対策を今後強化してまいりたい、かように考えております。
○島田(琢)委員 認定患者は幾人になっていますか。
○中西政府委員 民有林における労働者の振動障害としてすでに認定して、昨年三月末現在において療養中の者は四百二十四人でございます。
○島田(琢)委員 ちょっといまの御説明で私は明確には理解できないのですけれども、たとえば私の北海道では、現在までにすでは認定されているのが四百三十七名であります。これは昭和四十六年から五十年の十月末までのいわゆる累計による数字であります。全国でただいま治療中の者が四百二十四名、そういたしますと、現在までにどれだけ認定されてそうしてその結果はどういうふうになっているから残ったのがいま四百二十四名だという説明なんでしょうか。その辺もう少し詳しく説明願いたいと思います。
○中西政府委員 年度別の認定数の資料はいま持ち合わせませんが、先ほど申しました四百二十四名は、業務上の疾病として認定をいたしまして、その中には治った者もおりますけれども、昨年の三月末現在で引き続き療養している者が四百二十四名ということでございます。なお、その後昨印度も相当数認定されていると思っておりますが、これは現在その実態を調査中でございます。
○島田(琢)委員 どうも中西さんの説明は歯切れが悪いところがあるんですが、私は、前段で強調しました白ろう病、この振動障害の実態というものを的確に把握しておかないと、完全絶滅などというような対策を講ずることはできない。基礎的なものがしっかりと把握されていないでいてどうして治療ができるでしょうか、対策が組めるでしょうか。そういうことでは、今日のいわゆる国民的な職業病と言われておる白ろう病を退治して、そうして新たに喜んで山で働いてもらう人たちを確保するということはできない。断言するようでありますけれども、そこのところは非常に重要な点ですから、ぜひひとつ労働省はその実態を把握していただいて、ただいま治療中の人たちはもちろんですけれども、いままで認定されて何らかの処置をされた人たちもおるのでありますが、この振動障害なるものは一年や二年で完治するものではないわけです。生活に追われておりますから、いつまでも病院に入っておられない、こういう悩みの人たちもおる。少し悪いことがわかっている、でも入院しているような余裕がない、こういう状態というものがいっぱい現地の事情としてあるわけです。ですからなかなかこれは実態の把握はむずかしいのでしょうけれども、しかしむずかしいけれどもそれをやらなければ、振動障害の絶滅、根絶はできないという立場に立って、ぜひひとつ労働省はそういう対策に全力を挙げていただきたい、私はこう思うのです。
 時間がありませんから、私の考え方だけ申し上げて労働省の積極的な善処をお願いしたい、こう思うわけです。
 ところで、国有林とのかかわりでありますけれども、せっかくこういう制度を今後しかれて、古いチェーンソーと新しい労働省が示している三G・百デシベル以下の機能に置きかえられた新しいチェーンソーとの買いかえを積極的にやって、振動障害をぜひひとつ解決していこう、こういう取り組みについて私は評価をいたします。しかしせっかくおやりになるのであれば、やはりこれは徹底する必要があると思うのです。たとえば国有林が立木処分あるいは請負などに当たって、このいわゆる売買契約を結ぶ上で、民有林に働いておられる人たちの労働安全という面も十分含めたいわゆる契約なり取引なりというものがぜひ必要だと私は思うのです。それは近代的な契約と考えて差し支えないとさえ私は思っているのであります。この問題はすでに参議院においても議論がなされた経緯がございます。しかし内部では一向にこの問題が前進をしていないという点について私はきわめて残念に思います。具体的に申し上げるなら、こうしたいわゆる売買契約において、約束事として国有林のチェーンソー使用の実態に合わせたような指導というものが必要ではないか。そういたしませんと、せっかく片方では金を出してチェーンソーの買いかえをやっておきながら、片方では、それは使う人たちは時間の規制もなければ、生活に追われて体が悪くなっていくことを承知の上でもチェーンソーを使って、自分の体を酷使していかなければならぬというようなことを野放しにしておいたのでは、制度をつくったって魂の入らない結果に終わってしまうと私は思うのです。この際、特約条項として明記して、やはり下請なり立木処分に当たっての約束事の中で指導していくというようなやり方が私は最も適切だ、こう考えているのでありますが、この点についてはどうお考えでしょうか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまお話ございましたように、振動障害等の労働安全衛生上におきまして大変重要な問題であるということを私ども認識いたして、それなりの対策をとっているわけでございます。
 ただいまお話ございました二時間規制等の問題が一番大事と思っているわけでございますが、この点、行政指導上の遵守事項でもございますし、また事業主と労働者の間の労働条件の問題であるという一方の問題もございます。したがいまして、これを具体的に契約条項にするということにつきまして、立木販売あるいは素材生産の請負契約がそれぞれ立木の販売とか素材の生産ということを目的とした契約でございますので、私どもなじみにくい点があるというふうには理解いたしておりますけれども、特に素材生産請負という点につきましては、さらに私ども前進した検討をしてみたい、かように考えているわけでございます。
○島田(琢)委員 積極的に検討したいということでございますから、私は長官の考えをそのまま素直に受けとめておきたいと思うのですけれども、しかし、これは正直言うていまに始まった議論じゃないのですから、私は絶対やるべきだ、こう思うのです。それはやったからといって、そういう制度の中ではなじみにくいというお話ですけれども、私は決してそういうことはないと思うのです。むしろそういうことを強化してほしいという働いている人の間からの意見もあるのです。そうでありませんと、これはどうしたって毎日、毎日ノルマでかせぎますから、二時間やそこらでもって休んでおられないという実態が出てくるのですね。その保障というものが明確にちゃんとなっておればこれはやはり自分の体をかばいながらチェンソーを使っていくということになると思うのです。
 そもそも労働省がチェーンソーの構造規格をお出しになって、これは労働省令か何かで、局長通達か何かお出しになりましたね、中西さん。振動三G、騒音百デシベル以下といったような、こういう指導をおやりになったわけです。これは今後も林野庁とも話し合いをされていくだろうと思うのですが、この融資をするに当たって、これはここのところを目安にした、いわゆるチェーンソーで買いかえをするということに合意しているわけですか。林野庁でも労働省でも結構です。
○松形政府委員 そのとおりでございまして、この三G程度のものを補助金の対象にするとか、そういうのに限定したいというふうに考えているわけであります。
○島田(琢)委員 中西さん、労働省はこのチェーンソーの規格は今後振動障害等を絶滅できる一つの基準だ、こういうお考えですか。たとえばそのほかにこういう規格のものであっても連続二時間以上使ってはいけないといったようなまた別なひとつの制約が新しい機械にもやはりついて回りますか。
○中西政府委員 振動障害につきましては現在まだ完全に医学的に解明されていないというのが実情でございまして、今後の研究の進展にまたなければならない点が非常に多いわけでございますが、先生いま御指摘の基準に適応するチェーンソーを使えば白ろう病は起きないのかという点でございますが、これは単に三G以下のチェーンソーを使うということだけではやはり白ろう病は防げない。いまお話のありました作業時間を二時間以内にするという時間の規制その他の予防対策を適切に実施することによって初めて予防が可能というふうに考えているわけでございます。
○島田(琢)委員 そういたしますと、この三G・百デシベルといったような基準というのは今後も動くという可能性もありますね、その経過を見た上では。これが絶対の基準だということになるわけですか。
○中西政府委員 この振動障害につきましては、いま医学的にはっきりしない面もあるわけでございまして、その点からしますと三Gという数値は絶対的なものではないわけでございまして、とりあえずの目標を三Gとしてそのチェーンソーの改良を図ることに全力を挙げているわけでございます。
○島田(琢)委員 そこで、今後予定されております政省令事項の中でこれが細かに規定されていくわけでありますが、私はそのチェーンソーの全国的な普及の実態を考えてまいりますと、山林労働者というのは他の労働者と違ってかなり趣を異にいたしている面があります。たとえば道具は親方持ちというのでなくて、道具持ち山林労働者というのが非常に多いわけです。つまり自分でチェーンソーを持って担いで仕事についている、あちこちの請負あるいは使用者のところで働く、こういう実態が多いわけであります。こういう道具持ち山林労働者が、つまり持っておるチェーンソーに対しての買いかえというものについては、これは担保なんて言ったって筋が通りませんし、この点はどういうふうにして貸していかれるつもりか。これは森林組合にも入っていない。また特定のどこかの木材業者についているわけでもない。こういう人たちについて今度の制度の中でかなり重視して、私はこういう人たちのチェーンソーの買いかえを積極的に進めていただきたい。組織なりあるいは木材業者の中で働いているのはそれなりにいわゆる使用者がかなりの責任を持つということはできるわけですけれども、この一人一人、つまり一人親方といわれる人たちですね、こういう人たちについては今度の融資制度のいわゆる最も手厚い部分として私は考えていただきたい、こう思っているのですが、そのお考えを、長官からお聞かせ願いたいと思います。
○松形政府委員 ただいまお話ございました一人親方につきましても、本資金の対象にするということで私ども考えておるわけでございます。
 なお、ただいま御懸念のこういう者に対する貸し付けあるいは担保というようなことが問題で、十分いかないのじゃないかというような御指摘でございますが、貸付事務等につきましては森林組合連合会あるいは木材の製造業の協同組合連合会、そういうのを取り扱いの機関と考えておりまして、特に森林組合等につきましは単位組合にも採択できるような措置をとりたいと思っておりますし、さらにまた林業事務所が各県、郡単位程度でございますが、そこに市町村なりあるいは森林組合あるいは林業の改善普及員とか、そういう方々で協議会を持ってもらいまして、いろいろな幅広い方々の貸付事務をそこで受け付けて協議いたしましてこれを貸し付ける、こういう措置を考えておりまして、ただいま御懸念のような事態が生じないように私どもは運営してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○島田(琢)委員 いまの担保等の問題については、ちょっと私の聞き漏らしかもしれませんが、はっきりしませんでしたのでもう一回お答えいただきたい。
○松形政府委員 抜けましたけれども、私ども原則的には保証人というようなことで考えておりまして、ただ製材機とか剥皮機とか、五百万程度の機械がございますが、こういう製材施設等については物的担保という方向で検討いたしておるわけでございまして、一応保証人というようなことで処理できるつもりでおります。
○島田(琢)委員 次に、後継者養成資金についてお尋ねしますが、大臣は大変担い手という言葉がお好きだと見えまして、今度の制度の中でもまた林業の担い手を養成する、こういうお話で、私は否定をして申し上げるのではありませんけれども、非常にこれは大事な点でありますから、この点ひとつ四、五点考え方を明確にお聞きをしておきたい、こう思うのでありますけれども、そもそも林業の担い手は農業の担い手と違いまして、あるいは漁業の担い手と違いまして、私は林業の担い手というのは一体どのように性格をお考えになっていらっしゃるのか、つまり定義としてはどういうふうに考えておるのか、ここをひとつお聞きしておきたいと思います。
○松形政府委員 林業の担い手という定義と申しますか、私どもの概念といたしましては、現在林業経営を行いあるいは林業労働に従事する者を考えておるわけでございます。
○島田(琢)委員 長官、それはあたりまえのことなんですね。ところが、実態としては林業の経営者と言ったって、本当に林業だけで食っている人たちというのは全国で一体どれくらいいるのでしょう。そこのところでこれは定義づけはなかなかむずかしいのだが、担い手と言う限りはやはり林業に精励しなければいけないわけですね。片手間で山をやっておるという人たちも含めるのか、こういう点になってまいりますと、やはり担い手という言葉が出てくる限りにおいては――私は農業の担い手のときに大臣と大分やりとりをいたしましたときにも、正直言うと私は大臣のお考えというのはわかったようでわからないでしまったのです。それ以上にこれは私は大変性格づけるのがむずかしいのですけれども、ここのところをしっかりしませんと、お金を貸していく場合なんかでも非常に問題になりますね。これはいかがなんですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 ことしの林業白書にいろいろ分析いたしておるわけでございますが、林業を主業といたしております者は約二万人でございまして、ただいま先生の御質問の趣旨はそのほかの担い手ということであろうと思いますが、林業の所有の形態からいたしまして、農業が主業であって林業という者が大方林業所有者の半数を占めておるわけでございまして、約百三十二万戸というようなことでございまして、その中で、農業をしながらなお林業に従事するという方も私どもは担い手というふうに理解いたしておるわけでございます。
○島田(琢)委員 私はそこが非常に大事なところだと思うのです。つまり私の言いたいのは、林業だけ、こう言ったって現実にはなかなかそういう人たちはいないわけですね。むしろ農業をやりながら山を守る、あるいは漁業をやりながら山を手入れしている、こういう人たちがいます。どちらが本業かと言われればなかなかこれは判別しにくいのでありますけれども、しかし私どもの周囲の実態から言えば、やはり農業と――昔はよく薪炭備林なんというようなことを言いまして、農家林というのは必ず一定の農業の規模に対して一定の森林を保有しているというのが好ましい経営者であるというふうなことが言われた時代がございました。いまは必ずしもそれは的確ではありません。そういう点では、依然として私なんかは古くさいかもしれないけれども、農業者が山を持って、漁業者も山を持って、こういう第一次産業に携わっている人たちがやはり山を守っていくというのが、私は担い手としての立場で言えば非常に大事なポジションを占めている人たちだろうと思う。
 ですから、ここのところにスポットライトを当てたいわゆる制度の運用というのが非常に私は大事だと思うのですね。つまり、農林一体、漁林一体と言いましょうか、そういうふうな考え方を今後お持ちになっていくべきではないか。そういう点で、この性格を明確にしておく必要があるのではないか、こう思うのです。そういたしませんと、山を企業にしている人たち、つまり、山持ちなんて言われる人たちはそうでありますけれども、従来田舎に参りますと、私どもの周辺もそうでありますが、あの人は山を十町持っている、百町持っているという基準によって村の有志になったり町長になったりするという例がいっぱいある。おれは山持ちだからなあということで、山を持っているとえらい金持ちになった、こう言う。権力者であります。そういう人たちがそれじゃ本当に山を一生懸命守ってきたのかというと、必ずしもそうではない。農業経営をやりながら山を持っている人たちが一生懸命山を守ろうとしているわけでありますが、なかなかそれが守り切れない。
 だから、過般伐採調整資金あるいは林業経営維持資金等の制度が出てまいりましても、この資金が片寄る。中には、せっかくの農家の持っている手持ちの山までよその人たちに買い込まれてしまうというような実態が生まれて、私はあの制度資金というのは必ずしも手放しで評価ではない部分が現地ではたくさんあったというふうにいま考えている。私も森林組合の組合員の一人でありますから、山を持っておりますから、その実態に幾つか遭遇いたしました。今度の制度資金も、これがやはり本当の意味での生きたお金になってもらわないと、せっかく仏をつくったって全く魂のないものになってしまいます。むしろ制度として悪い側面が出てきてはいけないと私は思うので、政府がお考えになっているような考え方というものが、お金を貸す窓口を通して的確に貸し出しがされ、貸し出しされたものが非常に有効に生きていく、こういうふうにしなければいけないと思う。
 そういう意味で、大臣、私は農業改良資金というのはいい面あり、悪い面があると思うのです。今日、制度を改めなければならないところだって私は幾つかあると思う。きょうはその場所でございませんから申しません。ただ、これは非常に似通っている。似通っているというよりも、全くうり二つみたいにしてつくられているのがこの林業改善資金制度であります。ですから、私は農業改良資金をサンプルにし、そこに一つの考え方の基礎を置いてこの制度をつくったとすれば、あの制度必ずしも十全のものでないという認識の上に立たないといけないと思うのです。その十全でない部分は何かというと、本当に借りたい人が的確に借りているかどうか。必要以上の書類がこんなにたくさんなければ金が借りられないみたいな、そういう不便な制度にしてはいけないし、またお金を持っている者が、無利子だし、五年や七年大変ありがたい、山をいっぱい持っているのだからおれは借りる権利があると言って、どんどんそっちの方に金が行っちゃったらせっかく借りたい人たちに金が回っていかないというようなことになりかねないので、運用に当たってやはり相当の心構えが私は必要だ、行政指導が必要だと思う。これは大臣から、この制度資金の運用に当たっての考え方を明確にしておいていただきたいと思うのです。
○安倍国務大臣 この資金につきましては、いまお話がございましたように、やはりこれが生きて使われるということが非常に大事なことでありますし、担い手対策を進めるという意味におきましても大きなメリットがあるわけでございますので、そういう点についてこの資金が偏らないで、そしていまお話しのように事務的にも非常に複雑で借り手の方からいくとなかなかめんどうだという点につきましては、その手続等につきましてはいままでの例等もありますから、これと比べて簡素化して使われるように、これは今後とも制度資金ができた場合においては努力を続けてまいりたいと思います。
○島田(琢)委員 さらに、林業後継者等養成資金に関して伺いますが、技能訓練というのは一体どういうふうにしておやりになろうと考えておりますか。
 それからついでですから、安全衛生対策は、この後継者養成の場合に、つまり技術訓練とかあるいは経営指導とかといったような中でどのようにしてこれを進めていこうとお考えになっているか。せっかく山に対する技術を習得されたのでありますから、この機会に、前段で私も非常に強く申し上げました林業にかかわる労働災害、これを未然に防止していくということは非常に大事なことでありますから、担い手の段階から十分こうした考え方が根差しているということが私は非常に必要だと思います。これをどういうふうにお進めになろうとしているのか。
 三つ目は、せっかく技能を習得され経営技術を身につけられたが、その後の指導をどういうふうに具体的に進めていこうとお考えになっているのか、この三つについてお尋ねをいたします。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 林業の後継者等に対する技術、技能の研修等でございますが、私ども林業技術の実習施設というものを全国的に整備するようにいたしておりまして、今年度、五十一年度を加えますと大体全国十四ヵ所、一ヵ所一億円程度でございますが、整備いたす予定にいたしておりまして、また整備しつつございます。そこにおきまして特にこの後継者等につきましては具体的な、真に林業を理解し、また実地にこれを訓練し、身につけるというような実習を中心といたしておりますほかに、従来から全国に約十一万人の林研グループというのがございまして、学習あるいは研修なり、技術の交換とかあるいは青年の山をつくって、そこで具体的な実習をやるとか、いろいろやっておるわけでありまして、それらを含めましてこの技術技能の研修を進めてまいりたいと思っております。また新しい仕事を開始する後継者資金でもございまして、たとえばシイタケを共同で始めるということは、その経営開始につきましても、また経営技術につきましても一つの危険を持っておるわけでございます。それらにつきましては、やはり私どもが技術普及という制度を通じましてこれと密接な連携を保ちながら、そして濃密な指導によってこの資金の目的あるいは経営の目的が達せられるように努力していくということを私どもは考えているようなわけでございます。
○島田(琢)委員 さらに大臣にお尋ねいたしますが、今回は二十億でこれは始まるわけであります。農業改良資金制度はもうかなり年数がたっておりますから、それなりに一つの制度の運用に当たってのいろいろな知恵がそこにあったでしょうし、それから総体の予算額も大変大きくなってきました。しかし、経営全体から見ると林業の場合もこれは非常にお金のかかることであります。先ほど私がちょっとお話ししただけでも、たとえば真剣に自力でもって開発をしよう、カラマツの加工や販売などについて自力でやろうとしておりましても、これにはなかなか限度があるのであります。それだけに私はこの制度に非常に大きな期待が出てくるだろうと思います。二十億ぼっちで始めるということになれば、これは四十県全部にばらまいたら幾らになるのでしょう。五千万くらいじゃないですか。これではとても話にも何にもならないですね。ですから、これは将来のことでありますけれども、積極的にこれに取り組むというお考えを出していただくならこれは相当の予算が必要になってきます。この点については明確に将来の構想を一言で結構でありますが示していただきたいと思います。
 それから二つ目は広葉樹に対する対策です。これがそうなんであります。この上につけられているナラ、これは広葉樹でありますが、こういう対策というのは今回盛られていないのでありますけれども、将来どういうふうにこれをやっていこうとお考えになっているのか。
 それから、林業資金制度というのは農業資金あるいは漁業資金、他の資金に比べて制度としては非常に手薄なんであります。運転資金や施設資金等の整備を早急に行っていく必要があると私は思うのであります。このお考えはいかがですか。
 以上三つについてお尋ねをいたします。
○安倍国務大臣 この改善資金の本年度の貸付資金枠は全体で二十億となっておりますが、これに対して、いまお話がございましたようにこれでは四十県に配分するとしても五千万円程度で非常に少ないじゃないか、せっかく制度資金ができてもこれを推進する上においてこれでは不十分であるという御指摘もあるわけでございますけれども、初めてつくる資金制度でございますし、なお林野庁としても各県からいろいろと事情も聴取をし、制度資金に対する具体的な要請等も聞いた結果、初年度の資金としては大体各県の要請にこたえることのできるものであるというふうに考えておるわけでございます。しかし、この制度資金というのは長い間の林業関係者の期待でもあったわけでございますし、先ほどからもお話があったように間伐促進対策、さらにまた後継者育成対策あるいはまた労働安全衛生対策の強化といった、今後林業を振興する上において最も重要な課題にこたえる制度でありますから、これは初年度は二十億でありますが、今後ともこの制度資金を運用する上において需要もだんだん出てくるでありましょうから、われわれは初年度の二十億ということには満足しないで、今後とも、財政事情等もありますが、この制度を積極的に推進してまいりたい、そして林業の発展を図っていきたいというのが私の基本的な考え方でございます。
○松形政府委員 ただいまの大臣の資金需要についての補足をさせていただきますと、仮に農業改良資金がスタートしましてからの経過に即して算定してみますと、十年間で農業改良資金の場合は当初の五倍程度になっておりまして、私、この二十億が約百億円程度必要であるのじゃなかろうかという想定はできるわけでございます。その場合の資金造成の総額としては約三百億ぐらいというようなことが計算されるわけでございます。
 なお、第二点目の広葉樹についてでございますが、広葉樹につきましてのいろいろな施業上の問題でございまして、広葉樹林というものは実は不定芽、つまり木の周辺からいっぱい芽が出る、枝が出るという性質でございます。したがってこれは良質材がとれないというようなことで、実は密植しておることの方が用材としていい場合が大部分でございます。したがって私どもは、幼壮齢林のころにつきまして広葉樹の間伐というものは大体行っていない。これが一般的な施業でございますが、ただいま御指摘がございましたような北海道等におきますマカバ、ミズナラ、シナという有用広葉樹がございます。これにつきまして特に密生しているような地帯につきましては、私ども五十年生あるいは六十年生になったころに一部それについての抜き伐りをして、通直ないい林をつくるという部分を経営いたしておりまして、これは北見営林局、旭川営林局、この両地区でそのような林を指定しておりまして、そこにそのような施業をしている、こういうことでございます。なお、一般的には広葉樹の萌芽の芽欠きだとかあるいは一部必要な除伐とかそれらについては補助金を出しているということでございます。
 なお、第三番目にお話ございました林業金融の充実でございますが、林業金融の設備資金といたしましては、御承知のとおりに林業は長期のものものでございまして、やはり農林漁業金融公庫資金というものを中心といたしておりますし、また運転資金につきましては民間の金融機関あるいは農林中央金庫等の融資によって行われておるわけでございますが、なお民間の金融機関等につきましては林業信用基金等による保証も行っているわけでございます。しかし、いずれにいたしましても林業金融という面につきましてはやや制度的におくれておるというような実態から、政策的に緊急を要するというような問題につきまして本法案を提出して御審議いただいているわけでございまして、いろいろな面でこの金融という面には私ども充実を図っていくべく努力いたしたいと思っておるわけでございます。
○島田(琢)委員 時間が参りましたのでこれで終わりにいたしますが、一つ大事なことを私は言い忘れましたのでつけ加えて、私の意見として申し上げておきます。お答えは結構であります。
 ただいまの長官の御説明、私は間伐を前提にしていま広葉樹対策をどうするかと言ったのではありません。したがって勘違いをされているのではないか。その点については私も認識を持っておるつもりであります。ただやはりいろいろな高級材、こういうものを生産していく上では非常に広葉樹の果たす役割りが大きい、しかし現実にはなかなか金がかかる、こういう面についても高度化資金の中で今後検討する必要がある部分があるんだがこれはいかがかという、これは私の聞き方も悪かったのでありますが、そういう趣旨であります。
 それから搬出用作業路の作設について、私は重大なことを一つお聞きしたがったのでありますが、もう時間がありませんから私の考え方だけ申し上げておきます。これは、林道の問題は当委員会においてもあるいは現地においても、作設に当たっていわゆる新しい工法を考え直さなければならないというような指摘がいっぱいなされているところであります。今度のこの高度化資金の中で、間伐を促進するために作業路をつくるというようなことが直ちに有効な手だてであるというふうに断定しているのは、私はいただけないと思う。むしろ私は、今度は民有林にわたって細かに作業路がつくられていくことによって、山荒らし促進というような側面が出てくる危険性はないか。この辺は今後の幅員であるとかつくり方だとか、こういったような問題について大いに気を使っていく必要がある。この考え方を聞きたかったのでありますが、これはまた別な立場でお聞きをすることにいたします。
 それからぜひこの際、パイロットフォーレストが二十年――これは私のところにあるのでありますが、近く記念式典をおやりになるというようなことであります。私は、いままで議論をしてまいりましたものの一つのサンプルがこのパイロットフォーレストにあると思うのであります、つまりカラマツの一斉林でありますから。これの実績なり研究課題なり将来の見通しなりというものを私は資料として欲しいと思うのです。これはぜひひとつ委員長にお願いしたいと思います。
 それから最後に委員長にお願いでありますけれども、振動障害つまり白ろう病についてはいま大変重大な局面に立っている。民有林は一生懸命やらなければいけないし、国有林もまだまだ足りないところがある。つまり林業労働者確保あるいは担い手を育成する上において、これは解決しなければならない重大な一つの問題点である、こう言ったのであります。わが日本社会党は現地の調査を幾度かこれは党として独自でやりましたが、こういう制度をこれから進めていく上に当たっての一つの問題点なのでありますから、この際やはり国会としても現地を調査するということが必要ではないかと思うのであります。これは委員長に対する私の要請でありますが、ひとつ十分御検討をいただきたいという提案を申し上げて、私の質問を終わりにさせていただきます。
○湊委員長 ただいまの提案については、後刻理事会において相談したいと思います。
 次に、芳賀貢君。
○芳賀委員 この際、内閣提案に係る林業改善資金助成法案に対して、農林大臣にお尋ねいたします。
 質問に先立って、先般昭和五十年度の林業の年次報告が国会に提出されたわけでございますが、この報告の内容をつぶさに検討いたしますと、数点にわたって特徴的な問題が掲げてあるわけでございます。
 まず第一に、森林の資源的な点から言いますと、特に生産面を通じまして、民有林あるいはまた国有林を通じまして造林事業が年々後退をしておる、そしてあわせて大事な育林の施業、今回の法案にも関係ありますところの間伐等の施業が全く放置されておるような状態でございますが、これらは何に起因して大事な日本の林業の生産体制というものが停とんあるいは後退をしておるかという点について、大臣から具体的な説明を願いたいと思います。
 それからもう一つは、林業の経営に取り組んでおる三グループの林家の状態を見ても、林業を主業とする林家あるいは農業を主業とする林家、その他の部門を主業とする林家というように、およそ三つの林家のグループに分かれておるわけでありますが、この経営の内容というものはいずれも自家労働を基礎にした経営体制というものに大きな欠陥が生じておるわけであります。つまり自営の林家であっても、自家労働をもって林業の経営をすることができないで、ほとんど雇用労働力に依存しなければ林業の経営ができないというような状態が特徴的に示されておるわけであります。そうなれば、結局日本の林業というものは労働力確保というものが政策的にも非常に重要であるという点が判断されるわけでありますが、こういう特徴点を踏まえての農林大臣としての所見、さらに基本的な対策について示してもらいたいと思います。
○安倍国務大臣 さきに発表いたしました林業白書につきましては、政府としての今日までの林業の実態に対する分析、さらにこれに対する対策等を掲げておるわけでございますが、これに関しましていまお話がございましたように、造林が非常に急速に減少しておるという面もとらえておるわけでございます。
 この造林面積の減少につきましては、全国的に人工造林が進みまして、現在目標面積の約七割に達している状況ではございますが、人工林化を進める対象地域の中に、自然保護の要請等森林施業上の制約の多い奥地広葉樹林地域等の占める比率が高まる方向にあること、あるいはまた人工林率の高い地域等においては、累増した若齢人工林の保育に造林事業の重点が移行しつつあること等に加えまして、特に近年におきましては、御案内のような景気の後退等に伴うパルプ、チップ材の需要の不振によるところの造林に先行する前生樹伐採の困難化とかあるいは総需要抑制等に基づく造林事業を含む公共事業予算が節減をされたということ等、また四十九年に全国的に発生を見ました雪害あるいは気象災害による被害造林地の復旧に森林所有者が多くの経費、労働力を費やし、造林に手が回らなかった等、そういうところに大きな原因があるわけでございます。
 こうした情勢に対処するためにも、五十年度におきましては、御案内のように造林補助事業におきまして、団地共同森林施業計画に基づく場合、森林整備について普通林も補助対象とする、あるいはまた農林漁業金融公庫造林資金につきましては、保安林等制限林及び森林施業計画の樹立された森林についての融資対象林齢の引き上げ、また施設森林組合、造林公社の行う拡大造林及び森林施業計画に基づく拡大造林についての融資率の引き上げ、これは八〇%から九〇%等の改善を行ったわけでございますし、五十一年度予算におきましても、これは造林の補助事業においての団地共同森林施業計画に基づく場合、下刈りとかあるいは雪起こしについて普通林も補助対象とするとか、あるいは中核林業振興地域育成特別対策事業に係る造林事業の助成を強化する等の植栽から保育に至る一貫した助成措置を新たに講ずることとしておるわけでございますが、今後ともこうした補助制度、融資制度等各般の施策を通じて、その積極的な推進に努めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 また国有林につきましても、これは公益的機能が非常に重要視されておる面が出てきておるわけでございます。そうした中で伐採面積が減少したというようなこともあるわけでございますが、毎年伐採によって生ずる新値必要個所につきましては、早期に造林をすることに努めております。
 また、前述のような森林施業の実施に伴いまして、択伐施業であるとかあるいは漸伐施業など、新植以外の天然力を活用するところの更新必要個所が増加することとなるわけでありますが、これらにつきましても、必要に応じて後継稚樹の発生を促進する地がきであるとかあるいは苗木の植え込み、保育などの人工を加えるなど、林野庁当局といたしましてはきめ細かい施業の実施に努めておるところでございます。
 なお、造林事業は森林の基礎づくりでありますから、これは五十一年度予算案においても財政投融資によるところの長期借入金、これは四百億でございますが、の導入を図るなど、その計画的かつ着実な実施を期することといたしておるわけでございます。
 また、いまお話がございました後継者問題につきましては、これは農業関係も同じことが言えるわけでございますが、後継者がだんだんと少なくなっていくということは、これからの林業振興につきまして非常に重要な問題でありますから、こうした制度資金等の御成立をいただきまして、この資金の活用等によりまして後継者の育成等には今後とも尽くしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○芳賀委員 いまの大臣の答弁でありますが、結局私の指摘したい点は、保有面積の関係については林業を主業とする林家の保有割合は全体の一〇%、それから農業を主業とする林家の場合には、保有割合が五〇%、農林業以外の部門を主業とする林家の保有割合が四〇%ということになっておるわけです。しかも専業的な林業を主業とする林家は総体で二万戸足らずしか存在しておらぬ。
 さらに、所得構成の点から見ると、林業所得に対する依存度というものも白書に示してあるわけでございますが、第一の林業を主業とする林家の場合には林業所得に対する依存度が七五%、それから農業を主業とする林家の場合には、林業所得に対する依存度が一一%、それから農林業以外の部門を主業とする林家の林業所得に対する依存度というのはわずかに八%しかないということになる。そうなると、わずか保有面積割合一〇%、戸数二万戸の主業林家だけが林業所得に依存しておるわけであって、それ以外は余り林業の所得に依存しておらぬということになるわけですね。そうなると、おのずから林業経営に対する熱意というものは後退するということに当然なるわけです。
 しかも労働力に対する雇用の依存というのは、先ほども触れましたが、林業主業林家の場合には七〇%が雇用労働力、それから農業主業の林家の場合には雇用労働力が三〇%、それから農林業以外の林家の場合には雇用労働力が六〇%必要である。
 そのほかに森林組合に対する経営あるいは施業委託というものは、それぞれ第一の林家は一〇%、第二の林家は二〇%、第三の林家は二〇%、こういう状態になっております。
 結局今後の経営上の一番問題は、大切な林業に従事する必要労働力をどういう政策あるいは行政努力を通じて確保するかあるいは確保できるかという問題がかかって日本の林業の進展に重大な影響を与えると思うのですね。この点が残念ながら長年にわたる自民党政府の施策の中においては全く放置されておるわけですね。しかし、今回の林業改善資金法によっては若干これらに関連のあるような意図も示されておるわけでございまするが、大事な林業の労働力確保という点について、先ほどの農林大臣の説明では全然理解できがたいことだけを列挙されたわけですが、国有林もそうでありますけれども、民有林全体に対する大事な労働力確保対策というものを具体的にどうやるか、政府としての方針があれば示してもらいたい。
○安倍国務大臣 今後やはり林業を振興する場合、林業労働力の確保というのは、これは農業についても同じことでございますが、最も重要な課題になってくるわけでございます。そのためには林業労働者の就労条件の向上を図り、あるいはまた優秀な林業労働力を確保するためには、基本的にはやはり林業事業体の経営基盤の確立が必要でございますので、従来から林業構造改善事業等によりまして生産基盤の整備、協業の推進、資本装備の高度化等に努めてきておるところでございますが、今後ともその点についてはさらに努力を重ねてまいりたいと思っておるわけでございます。
 また、林業労働力対策としても、五十年度までに林業労働者の通年就労促進対策を実施いたしまして、就労期間の計画化あるいは長期化による社会保険制度の適用条件の整備等を図り、その効果もありまして雇用保険が林業につきましても昭和五十年四月一日から当然適用となったところであることは御案内のとおりでございます。さらに、五十一年度におきましては新たに林業労働者の雇用関係の明確化、近代化、就労の安定化、長期化、社会保険制度等への加入の促進等、就労条件の向上を図るため、林業事業体に対して助言、指導を行う労務改善推進員、これは三百四十名でございますが、推進員を主要な林業地域に配置すること等を内容とする林業労務改善促進事業を実施することといたしておるわけでございます。さらにまた、現在御審議をいただいておりまするこの改善資金の適切な運用等も図りまして、林業労働力の確保、あるいはまた林業労働者の就労条件の改善等は今後とも積極的に進めてまいらなければならないと考えております。
○芳賀委員 ただいま大臣の説明された労働力確保問題については、これは後刻資料を整備して提出してもらいたいと思います。つまり民有林の林業労働者の就業状態、内容的には、雇用条件というものはどうなっておるかという点とか、それから賃金の状態とかあるいは災害補償に対する適用の状態であるとか、それからまた就労期間の問題、休業期間中のいわゆる雇用保険等の適用の問題、その他必要な点については資料として提出してもらいたいと思います。
○松形政府委員 ただいまお話のございました雇用条件、賃金あるいは社会保障の問題、就労期間等、労働条件等にかかわります諸問題でございますが、私どもわかる範囲で調べまして御報告させていただきたいと思います。
○芳賀委員 次に、間伐施業の状態について具体的に質問したいと思います。
 これは政府提出の資料にもありますが、昭和四十六年から五十年までの五年間における間伐を要する面積が二百六万ヘクタール、それから昭和五十一年から六十年までの十年間における間伐必要面積が三百八十一万ヘクタール、その中にまた内容が付してありますけれども、先に行けば行くほど間伐必要面積というものが増大をしている傾向がこれによっても明らかになるわけでございますが、前期の四十六年から五十年まで、後期の五十一年から六十年までの十年間、適正な間伐の施業を完全に行ちということになれば、一体どの程度の所要労働力というものが確保されなければならぬかという点と、もう一点は、この間伐を行ったことによっていわゆる間伐材というものが生産されるわけでございますが、この材積がおよそどの程度になるかという点、これは専門的な分野ですから林野庁長官からの説明でよろしいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 まず第一点の間伐の実施状況並びに見通し等でございますけれども、ただいま御指摘ございましたように、最近五ヵ年間の間伐実施状況は、要間伐面積約二百六万ヘクタールに対しまして二〇%弱である、こういうことでございまして、今後増加してまいります要間伐面積というものは御指摘のとおり約三百八十万ヘクタールということになるわけでございます。この面積は現在人工林面積の五〇%にも相当するという大面積でございまして、私どもこの消化等につきまして、将来この十年間にはおおむね五、六〇%をこの制度等を利用いたしまして実行したいということで見込んでおるわけでございます。ただし、資金造成量との関・係とか、あるいは間伐材の流通確保等の条件整備の効果とかということ等を含めて五、六〇%がこの制度によって見込まれておるわけでございます。
 しからば、なおこのように四〇%残るんじゃないかというようなことでございますが、これはこのような制度等を続けることによりまして、林業者の間伐に対する意欲の向上とか、あるいは逆にパルプとかあるいはチップ等を通じまして大量にこれが生産されるような一つの道なりあるいは利用の舞台が出てまいりますならば、需要者側からの資金流入ということ等も期待いたしまして、この十年間にそのような消化をしてみたい、かように考えておるわけでございます。
 なお、これに必要な資金量でございますが、ただいま完全消化というための資金量について積算しておるわけではございませんが、先ほど大臣がお答え申し上げましたように、ことし初めての制度でございまして、当初の必要な資金量につきましてはこれが供給できるような予算の確保と準備というものは当然私どもしてまいりたい、かように考えているわけでございます。
 なお、この木材の有効利用でございますが、現在いろいろな丸太のままで使われておるものとかあるいは建築用材あるいはチップ、パルプ等いろいろな使い方がございますけれども、このように大量に出てまいる関係からいたしまして、今後この技術開発なりあるいは団地的に、集団的に大きいロットから出ていくというようなこと等の工夫をするとか、あるいはそれに対する加工施設への積極的な投資とかいろいろなことを組み合わせまして総合的な対策をしまして、この需要の喚起あるいは出てくる間伐材を有効利用するということに総力を挙げてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○芳賀委員 いや、私の聞いたのは資金とか販売方向を聞いておるのじゃないですよ。たとえば二百六万ヘクタールの要間伐面積の間伐を実施する場合においては一体どの程度の労働力が必要になるか、それからそれによって一体どれだけの間伐材が丸太で生産されるのかというその材積、これは一定の計算で出てくると思うのです。それを林野庁長官という責任者がいるわけだからわざわざ私の方で計算して質問する必要はないと思うので、これはどうなっているかということを聞いたわけです。特にその間伐がほとんど行われていないわけでしょう。四十六年から五十年までにこの二百六万ヘクタールのうち三十二万ヘクタール、つまり二八%しか間伐が行われていないということになっておるわけですからして、今後適正な森林経営をやるということになれば、五十年までに行うべきものでまだ間伐をしない面積と、それからこれから六十年までの十年間において行うべき間伐というものは相当膨大な面積あるいは事業量ということになるわけですからして、そういうものを積算しないと実行可能かどうかという判断ができないと思うのですよ。その点を明快にしてもらいたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまの今後十年間に期待される三百八十万ヘクタールというものを間伐するならば年平均約二十二万ヘクタール程度になるわけでございまして、一ヘクタール四十人程度といたしますと約八百八十万人の延べ人数が要るというようなことが計算されるわけでございます。
 なお、先ほどちょっと私御質問に的確にお答え申し上げておりませんけれども、今後十年間の間伐の実施見込みでございますが、現在の実績材積といたしましては、民有林では素材換算で約百万立方でございますし、国有林では約五十五万立方、合計現在のところは百五十五万立方程度でございます。それをこの十年間の年平均といたしますと、民有林では三百五十万立方、国有林では約九十万立方、合計四百四十万立方程度を計画する、こういうことになるわけでございます。
○芳賀委員 そうすると、今後計画的に相当量の間伐による間伐材というものが生産されると、これは森林に放置して肥料にするわけじゃないでしょう。間伐をして森林の中に放置すればこれはまた腐食して肥料にもなるが、そういうことは考えていないと思うのですよ。とすれば、この今後生産される間伐材、つまり丸太をどういうふうに有効に利用するか。そのためには相当思い切った需要の拡大というものを政策的に進めなければならぬという当然必要な問題というのが出てくるわけでありますが、この間伐材の有効処理ということについてはどう考えておるのですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまお答え申し上げましたように、大変量の多い間伐が出てくるわけでございます。この間伐材の現在の用途はどうなっているかということでございますが、丸太のままの形で使っておりますのが足場丸太あるいはくいとか緑化木の支柱あるいは家の周りのへいとかそういう形で使われているものが一つございますが、これが大体いま使われております間伐材の七割程度に相当するかと思います。さらにもう一つは、建築用材あるいはダンネージと申しまして船に積む鉄板とかあるいはいろいろな荷物を積む場合の下木に使うわけでございますが、このように加工して利用されているものが二割程度ございます。さらにチップ、パルプ等が約一割、こういう原材料として使われておるわけでございます。
 今後このような大量生産されるわけでございますが、この利用の方法といたしましては、私ども現在考えておりますのは、加工技術の改善を図りまして付加価値を高めるものとしましては、たとえば集成材というようなものも考えておりますし、また丸太のままの住宅というようなことで、たとえば校倉式の住宅、いま私ども補助金をもちましてそういうものをつくっておるわけでございますし、またパルプ、チップというようなものが今後原材料としての利用が考えられるわけでございまして、大きなロットで供給が安定的にされるように、あるいは技術開発あるいは加工施設の投資とかいうようなこと等総合的にいたしまして努力をしてまいりたいと思っているわけでございます。
○芳賀委員 結局、今後計画的に生産されるその間伐材の四百四十万立方米は、長官のいまの説明から言うと、これは完全に有効処理できるという見通しですね。
○松形政府委員 四百万立方以上出てくるわけでございますが、これが有効に利用できるように私ども努力してまいるつもりでございます。
○芳賀委員 有効利用できる見通しを持っておるわけですね。
○松形政府委員 これが全部消化するためには相当な努力が要ると私思いますけれども、総力を挙げまして技術開発なりあるいは必要な資金の投入等あるいは生産を担当いたします森林組合の育成強化とか、いろいろな方面からこれが努力を傾注すべきことであろう、また努力をするつもりでおるわけでございます。
○芳賀委員 この点は非常に重大な問題でして、農林大臣から明快にしてもらいたいと思います。
○安倍国務大臣 間伐材はこれから大量に発生をしていくわけでございますが、これの有効利用はわが国の資源の確保といった面からも非常に重要でございますので、先ほど林野庁長官が申し上げましたような、これからもあらゆる角度から工夫をこらし、総合的に対策を進めまして、間伐材の有効利用はこれを図っていくように今後とも最大の努力を傾注したいと考えております。
○芳賀委員 午前中の質問はこの程度にして、残りは午後にしたいと思います。
○湊委員長 この際、午後三時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。
    午後零時四十一分休憩
     ――――◇―――――
    牛後三時三十七分開議
○湊委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。芳賀貢君。
○芳賀委員 午前に続いて質問いたします。
 まず法案の内容ですが、第二条、第三条を通じて林業従事者、その組織する団体その他政令で定める者を各資金の貸付対象者にしておるわけでありますが、ここで明らかにしてもらいたいのは、林業従事者の中に雇用関係で働いておる林業労働者が含まれておるかどうか、その点はいかがですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 含まれております。
○芳賀委員 そうしますと、資金の貸し付けに当たっては、個人である林業従事者はもちろんでありますが、同じように林業労働者に対しても一、二、三に掲げる資金の貸し出しを行うということは間違いないですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 そのとおりでございますが、ただ間伐資金につきましては森林の所有者ということを前提といたしておりますので、間伐資金につきましてはそのような所有者に対して貸付する、こういうことにしておるわけでございます。
○芳賀委員 それでは、一の間伐資金の貸付対象者というのは具体的に言うとどういうことになるのですか。個人である林業従事者にも貸すのか、そうではなくて林業従事者が組織しておる森林組合あるいは団体である法人を対象にして貸すのか、この点も法律上は大事な点ですから、それはどうなっていますか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 間伐資金につきましては個人である森林所有者並びに森林所有者の協業体、つまりは森林組合等でございますが、また一定規模の、限定いたしておりますけれども、林業を営む法人等を考えておるわけでございます。また市町村、財産区等も対象に考えておるわけでございます。
○芳賀委員 森林組合でない林業を営む団体というのは、たとえばどういう団体ですか。営利会社等がその団体になるのですか。
○松形政府委員 造林公社とか、そういうものも入りますと同時に、森林を経営いたします法人も入るわけでございます。
○芳賀委員 営利会社、法人は対象にするのですか。
○松形政府委員 会社も入ることになりますけれども、その場合、現在検討いたしておりますけれども、一定規模以上のものは除外したいというふうに考えているわけでございます。
○芳賀委員 この点は大臣にお尋ねしますが、林業改善資金は貸付金では無利子のたてまえになっているわけですね。したがって、無利子資金を貸し出すということになれば、貸し出し対象者というものは最初から限定すべきであるとわれわれは考えますが、どうですか。
 たとえば、いまから二十年前に実施されておる農業改良資金等も営利法人等については対象にしていないわけです。農業改良資金からの発想でいまごろこういうものができたと思うのですが、やはり法人に対する、特に間伐事業に対する資金の貸し付けということになれば、林業従事者を中心とした個人あるいは組織に対しての貸し出しから横へそれるような場合もあるんじゃないかと思うのですが……。
○安倍国務大臣 いまお話しのように、無利子の貸し付けでございますし、一般の民間資金等を活用できるような法人等に対しましては厳しい制限をつけることが妥当ではないか。この無利子資金というものが有効適切に広く活用されるということが大前提でございますから、そうした民間法人等につきましては厳しい制限をつけるのが妥当であろうということで、いま林野庁でその内容については検討いたしておるわけでございます。
○芳賀委員 この点は便乗貸し出しにならぬように、やはり政令等において明確にしておいてもらいたいと思います。
 それから、第二の林業労働安全衛生施設資金でありますが、先ほどの説明によって林業従事者、さらに雇用関係によって働いておる個人の林業労働者に対しても資金の貸し出しを行う。これはもちろんチェーンソー等の振動機械の購入についてできるだけ無振動の機械を購入するというような配慮からの資金でありますから、実際に現場で労働に従事している使用者である者に対して貸し出しの道を開くというのがこの法律の目的だと思うのですが、この点はどういうような形で貸し出しをするか。特に林業労働者の場合は、いわゆる森林組合の正組合員あるいは構成員になっていない場合が多いわけでしょう。そうすると森林組合から見れば員外者である大事な林業労働者ということになるわけでありますから、これらの対象者に対しては、明確にした借入申請の手続の受理であるとか、優先的な貸し出しの道を事前に配慮しておく必要があると思うのですが、その点はどういうことになっていますか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 この貸付事務等につきましては、森林組合系統並びに木材製造業者あるいは素材生産業者等で構成いたしております中小企業の協同組合に基づきます協同組合の連合会というようなものを考えておるわけでございまして、特に森林組合が県下全体に組織を持っておるわけでございまして、森林組合に再委託ができるように指導してまいりたいと思っておりますし、ただいま御指摘のような方々が借りられないというようなことがないように窓口を十分開いて指導してまいりたいと思っております。
 また、私どもこの手続あるいは審査というような機関も要るかと思うのでございますが、県下の林業事務所等に市町村なり森林組合あるいは林業の普及関係の方々も入った協議会を設けまして、そこで審査し、そして適切な判断ができるようにいたしまして、この資金の目的といいますか広くそのような方々に行き渡るように、私ども事務上も粗漏のないように指導してまいりたいと思っておるわけでございます。
○芳賀委員 ただいまの点については、これは資金の貸出業務に関係のあることですから、大別すると森林組合の構成員である林業従卒者、それから構成員でない員外の林業労働者、それらがまず申請の手続から始まるわけですが、申請受理の窓口をどこに設定するのか。都道府県が実際の貸し出しを決定して行うわけですから都道府県に申請書が受理される、そして審査の結果都道府県から貸し出しがまた一定のルートを経て申請者に対して行われるということになるわけですから、時間の関係もあるので、明快にまず申請の窓口はどこへ設定するか、どういう経路で都道府県に書類が上がって、そして決定されたものはまたどういう経路で本人に貸し出しが行われるかという点を明らかにしておいてもらいたいと思います。
○松形政府委員 まず借り受けをしたい方の借り受け申込書類としては、委託を受けている森林組合の窓口へ出していただきまして、その申込書類につきまして先ほど申し上げましたような協議会等によって審査をいたしまして、それが都道府県の方に上がっていく、またそれをさらに審査いたしまして貸付交付金といたしましては県から森林組合連合会、さらに森林組合を通じまして借り受け者にいく、こういう流れを考えておるわけでございます。
○芳賀委員 私の聞いているのは森林組合系統だけの流れではないのです。もちろん森林組合が都道府県の委託を受けて業務の窓口になる。これは決定権はないわけですからね。それはわかるのです。ただ、森林組合の員外である特に林業労働者が何も自分の森林組合でないところへ行って申請する必要はないのじゃないですか。この法律によれば都道府県が関係市町村に対しても業務の委託ができるわけでしょう。そういう場合は、これは林業資金によらず制度資金等については当該町村が窓口になって借入申請書等を受理するということも多々行っておるわけですから、その借り受け希望者が最も気軽に申請ができるような地元市町村における窓口の設定、これは一番大事だと思うのですよ。農林大臣、そう思わぬですか。
○安倍国務大臣 いまの芳賀さんの御意見を聞きますと、確かにそういうふうにも考えるわけですが、市町村が金融の窓口になるということは余り例のないことでありますし、いま林野庁長官が申し上げましたような、森林組合を窓口にいたしましてなおかついまお話がありましたような員外の人たちの借り受けに対しましてもこの組合がこれを受けるということをいま林野庁としては考えておるわけでございますし、私としても今後森林組合等に十分行政指導等もいたしまして、員外利用の道も十分開いて、これに対して支障のないように森林組合として行わせるということでこれをやっていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○芳賀委員 森林組合は貸し出しの決定権も何もないのでしょう。ただ借り入れ希望者の申請書類を受理する窓口なわけですからね。だからそういう場合には、都道府県がこの資金の決定権を持っておるわけですから、委託事務という形で森林組合とかあるいは市町村に事務委託をするということは一向支障がないと思うのです。しかも全国の森林組合の所在は、大部分の森林組合は役場の片隅に小さい机を一つか二つ並べて、そこでささやかに仕事をしているわけですから、本来的な組合業務というものを行っている森林組合というものは現在では非常に数が少ないのですよ。そうであれば、こういう大事な資金を借り入れる場合に、自分の町村の役場へ来て、担当の窓口に対して、ぜひこの資金を借りたいからこれを受け付けてそして書類を上申してもらいたいというようなことは、これは町村事務として当然なことじゃないですか。これはできないわけじゃないのです。町村に金融機関になれということを法律が決めてあるわけじゃないでしょう。事務委託をすることができるということになっているわけだから、政令で決める際に市町村の役場あるいは市役所を決めればいいのじゃないですか。何もこだわることはないと思うのです。
○安倍国務大臣 確かに森林組合は受け付けをするわけで、直接金融をするわけじゃないのですけれども、しかし森林組合が債権の保全、取り立てという業務をやるわけでございますので、そういう意味において森林組合に一元化をして、そしてもちろん員外利用に対しまして支障のないように取り扱わせる方が妥当じゃないか、こういうふうに考えるわけであります。
○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、これは第四条の「貸付金の限度」の関係でございますが、各資金の貸し付け限度については「農林大臣が定める額とする。」となっておるわけですが、これはたとえば農林省関係の制度資金等についても貸し付け限度を「農林大臣が定める額」というのは、ほとんど他に例がないのですよ。公庫資金にしても近代化資金にしても、その他の農林省関係の制度資金にしても、ほとんど政令で定める額とか省令で定める額とかあるいはまた法律の別表に掲げる額とか、根拠規定が明らかになっておるわけですね。それを抽象的に、農林大臣の裁量でどうでも決めることができる、いつでも変更することができるというような、こういう資金の貸し出し限度というものは非常に不可解な方法だと思うのです。やはりこういう無利子資金の貸し出し等については国民全体にその趣旨が徹底するように、この資金は何年資金で限度額が何百万円であるということが法律に付帯してわかるようにしておくことが当然だと思うのです。こういう全く異例な、農林大臣の裁量によって決める額というような政治性を加味したような限度額の決定は、これは問題があると思うのです。
○安倍国務大臣 いまお話しのように法案の第四条の貸し付け限度額の決め方は「農林大臣が定める額とする。」ということで、農林省令というふうな形にしておらないわけでございますが、貸し付け限度額につきましては林業事情の推移等に応じまして、特にチェーンソーなんかにつきましてはその価格等が非常に大きく変動をしておるというふうな面もありますので、そういう点に対して弾力的な引き上げができるようにする必要があるというふうなことから、省令等では額が縛られてしまうわけでございますので、むしろ弾力的にこれを引き上げることが必要であるという面から、農林大臣がこれを決めるというようにいたしておるわけでございます。
○芳賀委員 それは危険じゃないですか。金融制度としては全く危険きわまりないわけですよ。やはり一定の限度とか年限とか、つまり貸し出し条件というものを明確に決めるというのが制度資金として当然でしょう。よく大蔵省がこれを了解したものですね。大臣、これは何も自慢にならぬですよ、こういう弾力性があるからいいのだというようなことは、これは弊害のもとになりますよ。それではいままである制度資金についても全部法律改正して、かくのごとく農林大臣の定める額とするという考えは持たないでしょう。したらどうだと言えば、それはできないと恐らくあなたは言うのじゃないですか。これを直す場合は修正を要するわけですから、議論だけでは直らぬですから、これは相当大きな誤りを犯しておるということを指摘しておきます。
 それからもう一つ。第六条で「貸付けについては、都道府県は、貸付金の貸付けを受ける者に対し、担保を提供させ、又は保証人を立てさせなければならない。」、こういう保証人条項と連帯保証の担保規定というものがこの法律に載っておるわけですが、これもわれわれとしてはこの制度資金の本旨からいって非常に当を得ないと思うのですよ。たとえば二十年前に実現した農業改良資金にしても、もとより都道府県は保証人を立てなければならぬという条項はありますけれども、それに重ねて担保物件を提供させなければならぬというような、そういう厳格な高利貸し的な、目的資金に対する貸し出しをまず債権保全というものを第一義に置いて無利子の金を貸すというのはおかしいではないですか。たとえば目的に合致して資金を借りて、それが有効に活用された場合において、回収面にやむを得ざる支障が生じた場合には担保を付さなければならぬとか、連帯保証でなければならぬというようなやり方は間違いではないですか。先ほどの「農林大臣が定める額」と比較して、これは非常に異様な感じをわれわれは受けるわけです。この点も素直に、少なくとも農業改良資金と同じように保証人条項だけにとどめて、「担保を提供」というこの条文というものは当然進んで削除した方がいいのではないかと思うのですが、どうですか。
○安倍国務大臣 この林業改善資金制度を健全に運営していくためには、資金貸し付けに伴う償還金を貸し付けのための基金として再充当する仕組みが必要である、そういうふうなことから考えておるわけでございます。いまの保証人と同時に担保という問題ですが、われわれとしては原則的にはあくまでも保証人でございますが、ただ例外的に物的担保の提供もさせる考えでございます。この点については、たとえば間伐材の加工施設資金のように一件当たりの貸付金額の大きいもの、五百万円以上というような額になったものについてのみ担保物件を提供させるというようなことで対処していきたいと思っておりますが、原則はあくまでも保証人ということが原則というふうにわれわれは考えております。
○芳賀委員 しかし、いま大臣の言われたように原則は保証人というようにこれは読めないのではないですか。まずたてまえは担保を提供させる、それに保証人を付するということになるわけですからね。しかもこの第六条の「貸付金の貸付けを受ける者」の下に括弧で「政令で定める者を除く。」ということになると、この政令で定める特定の者に対しては、担保も保証人も不要であるという意味なんでしょう。これは一体どういうわけなんですか。
 政令に定める者だけについては担保も必要ない、保証人も要らぬ、そうして善良な資金必要者に対してはまず担保の提供を取る。有力な担保がなければ貸し出し資格がないから除外するぞというようなことは、そうすると本当に必要な分には資金が流れぬということになるではないですか。これは議論の余地はないですよ。長官腰を浮かしておられるが、これは議論の余地はないと言っているんだ。こういう間違った法案を政府がつくって、しかも都道府県が資金貸し出しの決定者でしょう。政府は何%かの助成をするにすぎないではないですか。だからどうしても保証人のほかに都道府県が貸し出し条件として担保を提供させる必要がある場合においては、別途それは個別の貸し出しの中で取り扱いできる問題だと思うのです。法律に書いてなければどうしても特例として担保権の設定ができないということはないわけですから。こういう点もこれは問題があるのですよ。これも間違いましたと言ったって、修正しなければ直らぬわけだから、修正していくなら委員会で修正するよりしようがない。
 それから時間がないですからもう一つ大臣にお尋ねしておきますが、先ほどお尋ねいたしました昭和五十年度の林業に関する報告の中に、特に第一類型、第二類型、第三類型の林家のうちの第三類型の林家の所有山林に対しては、所有者であるけれども、造林あるいは間伐をみずから行うという意欲がない、ほとんど他産業に従事して、そこで主たる所得と生活の根拠があるわけだから。そういう者に対しては、民有林の全面積の四〇%を第三グループが持っておるわけだから、これらのグループに真剣に森林施業の努力をしてもらわなければだめなわけでしょう。それを踏まえて農林大臣がつくらした林業白書の中に、第三類型に属する林家に対してはまず分収造林あるいは委託施業の道を講じて、具体的、積極的に造林等を行わせるべきであるということを――あなたが命令して白書をつくらしたのでしょう。なるほどもっともな話ですからね。そうなれば、現在この国会に付託されているところの社会党提案の民有林に対する分収造林制度というものは、まことにこれは白書の点から見ても適切な制度だと思うのです。これが二年も三年も国会に提案されてまだこれは継続審議中でありますが、本当の分収造林をやるということになれば、国が主体的な責任を持ってりっぱな造林あるいは育林を進める以外に道はないと思うのです。白書起草の一番の責任者である農林大臣からこの点についてお尋ねしておきたいと思います。
 もう一点は、一昨年、昭和四十九年五月に森林法を大幅に改正いたしまして、その中で当委員会が修正を加えたわけですが、その結果、現在の改正森林法の附則第二条には、「政府は、森林組合の組織及び機能について検討を加え、その結果に基づいて法制の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。」という点が、これは附則第二条の検討事項として修正で付してあるわけです。もうすでに二年たっておるわけですからして、法律が指示してあるように現在の森林法の中から森林組合関係の規定を分離さして、独立の団体法、事業法としての森林組合法というものを制定すべきだと思うのですが、その作業がどの程度進んでおるか、全然われわれとしては明らかでないわけです。一日も早く森林組合をひとり歩きさせるようにして、森林法の中に庇護されておるというような森林組合でなく、天下晴れて堂々とひとり歩きできるような森林組合をつくるということが現下の森林全体に対する問題を処理する近道であるというふうに私は考えておるわけです。先般当委員会に参考人として全国森林組合連合会の植田会長の出席を求めて意見を聞いたわけですが、まことに消極的というか、漁業関係の代表と違って切迫感がないのです。そういう考えではなかなか森林組合の独自性発揮ということはできないと思うので、この点は政府としても、法律にわざわざうたってあるわけだから、森林組合法の制定に対して特段の努力を進める必要があると思いますが、この二点について大臣の所信を明らかにしておいてもらいたいと思います。
○安倍国務大臣 第一点の問題ですが、「林業の発展と林家の課題」の中で、いま御指摘のようにみずからの労働力による森林施業の活発化、分収造林への参画、森林組合への施業委託等、その就業形態あるいは家業の特質に応じた林業経営の場合のより積極的な参加が期待される存在であるということを指摘しておるわけでございますが、これは確かにいまお話しのように、いわゆる第三分類と申しますか、林業というものに対して積極的な意欲というものを持たないまでもしかし林業経営をしている、山を持っておる、そういうグループに対して林業振興という立場からこれを積極的に林業に参画させなければならないということであります。これはいわばホワイトカラーといいますか、そういう存在が大きいわけでございますので、たとえば分収造林ということになりますと、その山地、山林を提供させて、そうして森林組合等との共同経営、そういうふうなことも今後積極的に考えていかなければならないのではないかということを私は思っておるわけでございます。そういう方向へ政府の施策も努力すべきではないかというふうに考えるわけでございます。
 また、森林組合制度の再検討につきましては、御案内のように昨年の九月に学識経験者、森林組合系統関係者から成る森林組合制度等検討懇談会を設けまして、この二月に、今年度に発足を予定している本検討会において審議すべき検討事項及び検討の方向の取りまとめを行ったわけでございますが、今年度からは、それを受けまして本検討会におきましておおむね一年間を目途として結論が得られるように、本格的な審議、検討を行うことを予定いたしておりまして、農林省としてはこの審議、検討の結果に基づいて法制の整備、その他必要な措置を講ずることとしたい、こういうふうに存じております。
 なお、その他の問題につきましては林野庁長官から答弁をいたさせます。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 第一点の担保の問題でございますが、第六条でございますが……(芳賀委員「直さなきゃならないのは知っているんだから、それはいいです」と呼ぶ)
 それでは国営分収造林関係のことで一言申し上げたいと思いますが、造林の推進につきましては、御承知のような林業基本法七条に基づきまして、林業従事者あるいは団体の自主的な努力を助長するような方向ということで私ども進めておるわけでございまして、それに従いまして補助あるいは融資制度等の大幅な拡充を図っているわけでございます。また、ひところと違いまして分収造林を推進すべき地帯も奥地に入っておる、あるいはまとまったところがないというような実態もございますし、一方、最近の造林事業等が実際は停滞いたしておりますことは先生御承知でございますが、現在の不況等による伐採の減とか、あるいは造林資金の調達の困難とか、あるいは地価の問題とかいろいろございまして、なお現在……
○芳賀委員 おかしいな。あなた何を発言しておるのですか。私は政府が国会に提出をした昭和五十年度の林業年次報告の中の大事な問題として、現在民有林面積が約一千七百万ヘクタールあって、そのうちの四〇%が第三類型、農林漁業以外の部門で所得を確保しておる、そういう林家の所有面積ということになっておるわけだから、これは面積が七百万ヘクタールくらいあるわけでしょう。この第三グループが造林意欲も旺盛でない、間伐についてもやる気がない。しかしこれは放置しておけない問題ですからね。だから、抜本的な政策としては分収造林制度あるいは森林組合員によるところの委託施業等を通じて十分な造林とか林業生産の活用を図るべきであるということを、農林大臣の指示に基づいて農林省の皆さんが白書をまとめて、できたものを国会に提出するわけでしょう。それがいいとか悪いとか言うのは、長官、おかしいじゃないか。あなた、農林大臣の答弁を何も薄める役目で長官になっておるわけではないでしょう。何のために分収造林事業とか森林組合の委託施業の道を強力に進める必要があるということを国会に報告書として出しておるかということなんですよ。大臣の答弁で、もういいじゃないですか。
 以上で質問を終わります。
○湊委員長 次に、馬場昇君。
○馬場委員 私は漁業再建整備特別措置法案に対して質問をいたします。
 まず最初に、最近のわが国の漁業を取り巻く情勢についての認識、特にこの法律の背景になっております国際環境の変化、経済情勢の著しい変化、こういうものに対する認識についてお尋ねいたします。
 具体的に、現在ニューヨークで行われておりますところの海洋法会議の特に領海十二海里の問題、経済水域二百海里の問題、ここを中心に海洋法会議の動向と見通しについて簡単にお話をしていただきたいと思います。
○安倍国務大臣 お答えをいたします。
 三月十五日からニューヨークにおいて開催をされております第三次国連海洋法会議第四会期は、五月七日に閉幕をする予定になっておるわけですが、今次会議におきましては、昨年のジュネーブ会議で配付されました単一草案に基づき、委員会ごとに逐次審議を行ってまいりましたが、四月二十八日までにすべての審議が終了いたしまして、各委員長が修正単一草案を作成をし、各国へ配付することとなっております。
 今後の見通しとしては、アメラシンゲ海洋法会議議長が七月中、下旬から九月上旬までに再度ジュネーブにおいて夏会議を開催する意向を示しており、今会期の最終日の日程、開催地が決定される予定でございますが、したがって現在のニューヨークの海洋法会議は、最終的には各国の意見が対立をしたまま二百海里の問題につきましてもその他の諸問題につきましても結論に至っていない、次の会議で何とか結論を出さなければならないというのが世界各国の基本的な考え方である、こういうふうに理解をいたしております。
○馬場委員 さらに具体的に聞きますと、領海十二海里、それから経済水域の二百海里、これは合意される方向にあると認識されておられるのかどうか。合意されるとすれば、それが大体いつごろになると考えておられるのか、もう少し具体的にお答え願います。
○安倍国務大臣 私も報告を聞いたばかりでございますが、この経済水域二百海里一つをとってみましても、たとえば領海二百海里はもうすでに宣言をした国々があるわけでございますし、また経済水域についてはアメリカは来年の三月から実施をするということを決定をいたしております。また、日本やソ連等は経済水域における伝統的な漁業国の立場を何としても守りたいというグループに属しております。あるいはまた、海を持たない内陸国のグループの主張等もあるわけでございます。そういうことで、なかなか経済水域二百海里というものについては、これは世界の一つの大勢とはなっておりますが、これをどういう形で決めるか、この態様等についてはやはりグループ、グループごとに利害が相対立をしておりまして合意を見てない。しかし、これはもういつまでもじんぜん日を延ばすと、アメリカの経済水域二百海里ももうすでに来年の三月には実施されるという情勢にございますので、各国とも何としてもこれは急いで海洋法会議の結論を出さなければならないのではないかというふうな空気が出ていることは事実でありますが、しかし、先ほどから申し上げましたように、結論に達するまでにはまだまだ議論が残っておるということでございます。
 また十二海里につきましても、もう領海二百海里というものを設定している国々があるわけでございまして、そういう国々はむしろ十二海里というものを国際法的に決定するということに対しては、自分たちの国がもう領海二百海里をいままでずっと実施してきておる立場上否定的な考え方を持っておるというふうに報告を聞いておるわけでありますし、また十二海里の問題には、国際海峡自由化の問題につきましてもお互いにグループごとにまだ意見が調整をされていない、こういうふうに私も聞いておるわけであります。
○馬場委員 国際会議としては非常にいろいろ紆余曲折をすると思いますけれども、大勢としてはやはりそちらの方向にいっておるのじゃないかと見ていいのじゃないかと思いますし、いま大臣も言われましたようにアメリカはもう上下両院で二百海里は決まったというようなこともございますし、日ソ漁業交渉の、ちょっと見てみますと、ソ連もやはりそういう方向というのを見通した上ですべての政策を考えておるような感じもするわけでございます。だから、私はやはり今後そういう方向にいくということを考えた上で日本の漁業というものを考えなければならぬ、こういうぐあいに思うわけでございますし、そういう立場から言いますと、ほかの後で質問します条件も加えまして今日の漁業の置かれておる状態というのは、この間参考人も言っておりましたのですけれども、まさに漁業の非常事態だというように私は国際情勢、国内情勢を含めまして考えるわけでございます。こういう点について、非常事態だ、そういう非常な危機にある、こういうぐあいに農林大臣考えておられるかどうか、その辺の認識をもう一遍聞いておきたいと思います。
○安倍国務大臣 私はまさにわが国の漁業、特に世界に誇っておりました遠洋漁業というものは非常な危機に陥りつつあるというふうに判断をいたしております。これは海洋法会議の議論の経過等から見まして、あるいはアメリカの経済水域二百海里の設定の決定、あるいはまた日ソ漁業交渉、今回の日ソ漁業交渉におけるソ連の態度等を判断をいたしまして、まさにそうした危機的な状況に移りつつあるというふうに認識をせざるを得ないわけであります。
○馬場委員 次に、領海十二海里を宣言してくれというのは、これは漁民の願いではなかろうか、こういうぐあいに思うのですが、これについて十二海里の宣言というのを日本政府はどうされようと思っているのか。されるとすれば、いつされようと思っているのか。これについて少し具体的に説明願いたい。
 それから、経済水域二百海里に対する日本政府の態度、これは先ほど言われましたように、やはりその方向にいきつつあるのは事実でございますけれども、日本政府はこれに対してどういう態度をとるのか。態度が決まっておればそれでいいのですが、決まっていなければどういう検討をどういう機関でいまされておるのか。この十二海里、二百海里、この問題について日本政府の取り組み方について簡単に説明していただきたいと思います。
○安倍国務大臣 領海十二海里につきましては、すでに政府といたしましてはこの十二海里を実施する、その場合は法律を制定をいたしまして、それによって実施をするということを基本方針として決めております。ただその時期それから態様等につきしまてはニューヨークの海洋法会議の経緯等を見守りつつこれを決める。十二海里を決定する場合におきましても、今後のわが国の立場を考えますと、やはり国際的合意のもとにこれを決めるということが適当であるというふうな考えから、十二海里の方向は決めておる、ただしかし、その時期等につきましては、海洋法会議の結果を見守るというふうに決定をいたしておるわけでございますが、この時期も、いま海洋法会議がこうして結論を得ない、そうしてこれがまた夏の会議において続いて行われるようなことになっておる状態でございますから、そういう点を改めてわれわれとしては検討してみなければならぬのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 なお、経済水域二百海里につきましては、われわれはやはりこれは大勢としてやむを得ない、経済水域二百海里につきましても世界の大勢がそうであるならば、これに対して賛成をせざるを得ないというふうに原則的には決めておるわけでございますが、ただその場合においてもわが国としてやらなければならないことは、経済水域二百海里が決まる場合において、その中身の問題でございます。あくまでもわが国のような伝統的漁業国の操業権というものが確保されるということを前提としてわれわれは賛成をする、こういうことでございますし、その主張は今日に至っても変わらないわけでございます。もしこれが非常に排他的な管轄権というふうなことで決められるということになりますれば大変なことになるわけでございますから、経済水域の方向はもう決まっておるわけでございますが、その中身についてはわれわれの主張をさらに強く国際間に反映をさせて、ぜひともわが国の主張が確保できるように今後とも努力を続けてまいりたいと考えておるわけであります。
○馬場委員 やはり国際協調というのは大切なことであるわけですけれども、この漁業再建整備特別措置法案というのを見てみまして、どうも中途半端な、再建措置なんぞということはとうていつけられないような中途半端な内容だと私は思うのです。それについてやはり十二海里というものがもやもやとしておる、あるいは二百海里というものについてもきちんとした方向がない。そうしてその漁業を取り巻く情勢についてきちんとした認識がない。認識がありますればポスト海洋法ということで漁業を再建するにはどうするのだとびしゃっとしたものが出るのだけれども、その辺があいまいとしているものだから、何か中途半端な法律みたいになっておる。何かいろいろまだはっきりしないからその間のつなぎくらいにこういう法律を出しておこうじゃないか、こういうような感じがするのです。それはさっき大臣が言われました漁業危機だ、非常事態だというものに対する認識と、こういう具体的に海洋法会議とかあるいはこういう法案に出てくる態度を見ますと、危機的な感じがしないのです。そういう点についてこの法律というのは、これはやはりきちんとした、もう海洋法でこうなんだからということでもって、それに対して対応するような法律として考えて出されたのか、つなぎの法律として出しておこうということで出されたのか、その辺の考え方について聞いておきたい。
○内村政府委員 お答え申し上げます。
 先生御案内のように、昭和四十年代、わが国の漁業は非常に順調に発展したわけでございます。ところが四十八年のオイルショック以後、燃油が三倍になった、あるいは網なぞも値段が上がる、一方魚価が低迷するということで漁業経営が非常に苦しくなったということは御案内のとおりでございます。そこで、今後のポスト海洋法の問題を考えました場合に、そういった非常に経営が悪くなっている漁業が、さらに客観情勢が悪くなるということがございます。しかし、いずれにいたしましても、現在すでに非常に経営が困難になっておりますので、とりあえずそういった経営の再建を図らなければ、国民に対する水産物の供給の産業としての漁業というものがまいってしまうわけでございますから、いずれにいたしましてもそういう手だてを講じなければならないということで今回の法案を提案しているわけでございます。
 なお、ポスト海洋法の問題につきましては、先生から御指摘がございましたように、非常に厳しい事態が予想されます。しかし、いずれにいたしましても、まだ結論が出ておりませんので、今後のいろいろな漁業のあり方を考えました場合に、たとえば二十海里の経済水域ができた場合に、沿岸国の管轄権がどうなるかということによって非常に影響が違ってくるわけでございます。そういった点、まだ必ずしもはっきりしてないということもございまして、いずれにいたしましてもとりあえず非常に経営が苦しくなっている現在の漁業経営を立て直しませんと、さらにそういった厳しい事態に対応できないという面もございますので今度の法律を提案しているわけでございます。
○馬場委員 農林大臣は攻めの農政というようなことを言っておられるのですけれども、どうもこの法律を見たり答弁を聞いておっても、攻めの水産行政ということを感じなくて、低迷しているような感じがするわけであります。
 次に質問を進めますけれども、いま国際的な話をいたしましたが、今度はやはり国内の食糧問題についてそういう角度からちょっと御質問を申し上げたいのですけれども、食糧の中の動物性たん白質の中に占める水産物のウエートについてでありますが、いま半分ぐらいではないかと聞いているのですけれども、これは将来食糧としての動物性たん白質の中の水産物の占めるウエートをどのように考えておられるのか。現在のようにその中の半分ぐらいを持っていこうと考えておられるのかどうか、それが一つです。
 それから次に、六十年を展望した食糧需給の見通しの中で、六十年に千二百万トン水産物をとるんだ。これは私はとうていとれないんじゃないかと思うのですけれども、どうやって千二百万トンに持っていこうと考えておられるのか、そういう点について伺いたい。
 それからもう一つは、その千二百万トンの中に新資源の開発というようなものが入っているのか入っていないのか。新資源の開発についてはどう考えておられるのか。たとえば最近話題になっておりますオキアミなんかの問題ですね、これは千二百万トンの中でどういうふうに位置しておるのか位置していないのか。新資源の問題ですね、そういう問題についてちょっと具体的にお答え願いたい。
○内村政府委員 統計数値を見てみますと、昭和三十五年ごろはわが国の国民の一人一日当たりの動物性たん白質摂取量が、畜産物が三、水産物が七、こういうことになっております。すなわち動物性たん白質のうち七割は水産物によって供給された。それが十年後の昭和四十五年になりますと大体五対五、水産が五一ぐらいで畜産物が四九ということで、畜産の消費が非常にふえたわけでございます。ところが、四十五年からずっと今日までほぼその比率が維持されております。ということは、日本人の食生活におきまして動物性たん白質が水産物と畜産物で半々で供給されるという型が大体落ちついたんじゃないか。こう考えますと、今後当分の間、少なくとも十年や二十年はこの構造は変わらないんじゃないかというふうに思っております。そういった意味から、いわゆる食糧としての水産物の重要性というものはますます増してくるわけでございます。
 そこで、先生からただいま御指摘がございました六十年の需給見通しで千二百万トンの生産を考えているけれども、それがこのような厳しい状況のもとでとれるんだろうかということでございます。そこで、この水産物の需給見通しでございますが、これは農産物の長期見通しを作成する際の参考資料として水産庁で作成したものでございます。そのときにおきまして、実は漁業をめぐるいろんな客観情勢と申しますか、そういった作業をする与件というのは必ずしも固まっていない面が非常に多かったわけでございます。そこでとりあえず過去の趨勢値をずっと伸ばしてみよう。これは単に趨勢値を伸ばしただけではなしに若干の条件は加味してはおりますけれども、とにかくいずれにいたしましても、当時、昨年でございますけれども、一体海洋法の帰結がどうなるのか、すべて何にもわからない状況だったものでございますから、主として過去の趨勢によって数値をはじいたわけでございます。
 そこで、それではその千二百万トンなければ食糧が困るのかと申しますと、現在一千万トン強の漁獲がございます。そのうちいわゆる人の口に入っておりますのは七百五十万トンでございます。二百五十万トンは、えさだとかあるいはフィッシュミールにいたしまして畜産の飼料に使われているというようなことで、人の口に入っておりますのは七百五十万トンでございます。しかもいわゆる生鮮、冷凍の形態で入っておりますのは二百五十万トンでございまして、約五百万トンが加工品、特に練り製品だとかあるいは塩乾というような形で人の口に入っているわけでございます。そういった情勢を考えますと、需要面で食糧として考えた場合には一千二百万トンあるいは一千万トンの漁獲は必ずしも必要はないわけでございます。しかしいずれにいたしましても、魚のえさだとかあるいは畜産の飼料というようなことで水産物が使われているわけでございますから、われわれとしてはこの生産をなるべく維持していかなければならないというふうに考えております。ただ御指摘のように、非常に最近客観情勢が厳しくなっているということもございます。それから国民の需要が非常に変わってきている。たとえばイワシ、サバのごときはかなり余っている。ところがなかなか人の口に入らないというような問題もございまして、そういった面で利用確保の問題をどう考えるとか、いろんな問題がございます。そういったものを考えながら需給見通しのある程度の修正が将来必要になるんじゃないかということで内々検討しております。そのように、六十年の需給見通しというものは与件が固まらない段階で過去の趨勢で伸ばしたというようなこともございますので、これの再検討の必要性は私どもといたしましても痛感しているところでございます。
 それからなお次に、いわゆる新資源の開発をどうするかという問題でございます。この新資源の問題は需給見通しのときには直接は入っておりません。若干の数字は入れてございますけれども、直接は入れてございません。そこで、沖合い、遠洋海域における未利用資源の開発につきましては、政府の調査船によって開発の有望な海域を対象とする基礎調査をやっております。と同時に、海洋水産資源開発促進法に基づきましてつくられました海洋水産資源開発センターというのがございます。そこでそのセンターが中心になりまして、オキアミとかその他新しい漁場について漁業生産の企業化を図るための開発調査を行っております。その結果、若干有望な漁場、魚種が多少は見つかってきておりますけれども、こういった面をますます拡充いたしまして、新資源の開発についても一層の努力をしなければならない。こういうふうに考えております。
○馬場委員 いまお話ありました六十年展望の千二百万トンというのは需給見通しとして再検討しておるんだ、こういうことでございますが、いずれにしても世界的な食糧の危機の中で、国民は非常にこういう点、関心があるわけですね。現在千万トン強、これが二百万トン、こういう情勢の中で果たしてふえるんだろうか。千二百万トンとあるから、これが二百万トン足らなければ食糧に困るんじゃないかと非常に心配しておるわけです。これはいつごろ六〇年見通しはこうだ、水産物はこうだという検討された結果が出されるのか。なるべく早い方がいいと思うのですが、それをひとつ聞いておきたいと思います。
 それから、いまのお話の中で、そういう見通しの中に、たとえば新資源の開発はこうだとかいうのが入っていないと言われましたが、そういうのを入れられるのか。たとえばいまお話の中にもあったのですけれども、飼料に二百五十万トン使っているのだとか何だとかいうことは、国民は余り知らないわけです。そういう点で、やはり食糧はこれだけ、そして飼料にはこれだけ使うのだ、そして、たとえばこれはこういうぐあいにしてとるのだ、そういう長期見通しというのをやはりぴしゃっとしたものを出される必要があるのじゃないかと思うのですが、いっそういうものを出されるかということを中心に、ちょっと中身についてもう一回お尋ねしておきます。
○内村政府委員 いつはっきりした見通しを公表するかということでございますが、これにつきましてはなお固めなければならぬ与件がございます。たとえばアメリカが、二百海里の法案を大統領が署名いたしまして、来年の三月からそれをやる、それでことしの八月にアメリカと漁業協定について話し合うことになっております。そうした結果どうなるかとか、それから、もうちょっと海洋法後の情勢というものが客観的にはっきりしてまいりませんと、作業がしにくい面がございます。
 それから、新資源の問題でございますが、確かにオキアミといったようなものは膨大な資源がございます。ただ、これをとる方は、過去二、三年の努力によりまして、いわゆる中層びきでほぼとれるという見通しがついております。したがいまして、必要があればかなりの数量のオキアミというものは、漁獲するだけの能力をわが国は備えておるわけでございますけれども、これの消費をどうするかという問題がございます。現在一部食用に売られておりますけれども、非常にわずかの数量でございます。それから、これをえさに使うということになりますと、現在のところ、非常にコストがかかって、とてもえさとしては引き合わないとか、いろいろな問題がございますので、そういった点、もうちょっと見通しを詰めてから正確な数字をはじいてみなければならないのじゃないか。ただ、内部的には常々そういうことは検討しておかなければなりませんので、内部的には検討しておりますし、今後も続けるわけでございますけれども、これを世間に発表するということになりますと、かなり権威のあるものになってまいりますので、その辺は十分詰めてからやらなければならないという状況でございますので、いつまでということは、残念ながら、ここではっきり時期を申し上げるところまでは実はまだ固まっておりません。
○馬場委員 次に、日本の漁業が、よく言われておりますように、沿岸から沖合いへ、沖合いから遠洋へ、そういう方向で、行政が指導したのかどうか知りませんけれども、発展してきたし、それが大資本の漁業という形にもありましたし、沿岸漁業が低迷し、漁民が非常に困っているわけですけれども、将来の展望として、水産行政として、この現在の沿岸、沖合い、遠洋、この生産量、それから生産金額も含めてですけれども、特に生産量、これを、現在の比率を将来どう持っていこうとしておられるのか。沿岸、沖合い、遠洋、この比率について将来どう持っていこうとしておるのかという点についての方向をお尋ねしておきたいと思うのです。
○安倍国務大臣 わが国の漁業生産量に占める沿岸、沖合い、遠洋漁業のウエートは、それぞれ二五%、四〇%、三五%というふうに現在はなっておるわけでございますが、このうち遠洋漁業につきましては、いま水産庁長官も述べましたように、非常に厳しい国際環境等によりまして漁獲高が減少することをわれわれは認識してかからなければならぬわけでございますが、その際にやはり海外漁業協力を積極的に推進するとともに、多面的な対外折衝等を通じまして海外漁場の確保に努めるほか、先ほどからも答弁いたしましたような、新資源、新漁場の開発を積極的に推進してまいらなければならないことは当然であります。
 特に最近の情勢に対処して、中高級魚介類の生産の場であり、現在漁場の利用が改めて見直されておる沿岸漁業について見直しを行う、沿岸漁業について私は今後相当力を注がなければならぬと思いますが、その整備、開発を積極的かつ計画的に推進するとともに、栽培漁業の全国的展開を図る等、沿岸漁業の振興につきまして、これは今後とも積極的に取り組んでまいりたい、こういうふうに考えるわけでありまして、私たちとしては、沿岸漁業につきましては大体十年目標で六、七十万トンぐらいの生産の増加を図ることができる。他の沖合い、遠洋等におきましては相当な漁獲の減少が予想されるわけでありますが、沿岸漁業については今後の努力次第では漁獲の増加を図ることができますので、六、七十万トンは何としても増産するように、あらゆる施策を強化してまいりたいと考えております。
○馬場委員 基本方針は、大臣、沿岸漁業を重視するというお話で結構なことだと思うのですが、長官に具体的数字でお聞きしたいのですけれども、いまも大臣言われましたが、私の調査では沿岸が四十九年度で二五・五%、沖合いが四四%、遠洋が二八・九%、こういう生産高の比率のようでございますが、この比率をどういうぐあいに十年展望で持っていこうと考えておられるのか。具体的には、さっき食糧の需給見通しの中で千二百万トンの生産量をとるのだ、その中で沿岸で七十五万トンふやすのだ、それから沖合いと遠洋で九十万トンふやすのだ、こういう計画になっておったようでございます。これはこういう比率を変えてそうしておるのか、変えなくてそういう数字を出しておるのか。
 もう一つは、いま大臣も言われましたが、海洋法会議その他の状況が、遠洋、沖合いの九十万トンの中にやはり入っていないからこれは下がるのだ、そういう数字なのか、こういう数的な問題についてますお聞きしたいと思いますし、とにかく一トンのマグロをとるのに一トンの油を使うと言われておる遠洋、沖合いなんというのは不経済きわまるということもありますし、私どもの知るところでは、政府は沿岸で七十五万トン増産するのだということですけれども、これはやり方によってはやはり、百五、六十万トンは沿岸でふやせるのではないか、こういう意見もあるわけであります。そういうことも含めながら、数的にちょっと長官の方からお答え願いたいと思うのです。
○内村政府委員 先生御案内のように、沿岸漁業では四十九年二百七十五万トンの生産を上げております。そこでわれわれといたしましては、ただいま大臣から御答弁ございましたように、これからの客観情勢を考えますと、沿岸の生産をふやしていかなければならないということで、漁場整備あるいは栽培漁業の振興というようなことでふやすことを考えております。
 そこで、どの程度伸ばせるかということでございますけれども、われわれの中でいろいろ作業はしております。そこで七年間で五十万トンないし七十万トンぐらい沿岸の生産をふやしたいというふうに考えております。これはまだ技術的に解決されても、それがまだ商業化されていないとか、いろいろな問題がこの栽培漁業についてはございますので、必ずしもこれだけふやすということをここではっきり申し上げることはできませんけれども、その程度の数字は確保したいというふうに考えております。
 そうすると、遠洋が現在三百万トン以上とっておりますけれども、これがある程度落ち込むのじゃないかということでございます。これにつきましては、私どもといたしましては、新資源の開発とかそういったことを通じて、何とかこの数字は維持していきたいというふうに考えておりますけれども、これも今後の海洋法会議の結果いかんではもっと深刻な事態も予想されるわけでございます。そういった場合にはどうするかということも含めながら今後の需給見通しを検討しなければならぬ、こう思っております。
○馬場委員 数字はいま検討中だそうですから、きちんと出ないのは残念ですけれども、大臣の方から、沿岸漁場を見直して振興するのだ、そこに重点を置くのだという点、これは私も賛成でございます。そこで、現在、経営体で言いますと沿岸漁業に従事している人が統計によりますと九五・三%、人員にして七七%、ほとんど沿岸漁場に経営体とかあるいは漁民が集中しておる、こういうことの点も考えますと、当然そこにウエートを置いていただきたいという気持ちはおわかりになると思うのですが、そこで、現在高度経済成長政策の中で非常に農村、漁村が荒廃をした、荒れに荒れておるということは御存じのとおりでございますけれども、この漁村と言われるこの言葉、これはもう沿岸漁業と言いかえてもいいんじゃないか、それに従事する人と言いかえてもいいんじゃないかと思うのですけれども、そういう意味で、将来の漁民、漁業に従事する人口の推移というようなものをどういうぐあいに考えておられるのか、それからもう一つは、現在都市と特に漁村とは、社会的に経済的に文化的に非常に格差があるわけです。こういう都市との格差、社会的、経済的、文化的な漁村の格差というものを水産行政の中でどのようにして縮めていこうというような展望を持っておられるのか。漁業に従事する人口、そこに住む人たちの漁村の民度等の格差をどう是正されようとしておられるのか、こういう点について考えをちょっとお聞きしたいと思います。
○安倍国務大臣 今後の漁村のあるべき姿についての基本的な考え方につきまして申し上げますが、昭和四十九年の漁業就業人口数は初めて五十万人台を割りまして、四十九万七千人となっておるわけでございます。漁業就業者数の近年の動向を見ると、大体年率三%前後の減少傾向があります。特に男子従業者につきましては、年齢構成別に見ると、新規学卒者の漁業への就業者数が減少していることもありまして、中高年齢層の占める割合が引き続いて高まっておるわけであります。こうした傾向は当面引き続くものと見ざるを得ないわけですが、漁業生産の担い手であります漁業従事者の確保は、今後の水産物の安定的な供給を図る上からも欠くことのできない重要な課題であることは申すまでもありません。当面としては一連の漁業安定対策を実施することといたしておりますが、沿岸漁場の生産基盤の整備、開発や沿岸漁業の構造改善等を推進することによりまして、また、水産物価格の安定対策を充実することなどによりまして、漁業経営の安定と漁業従事者の確保に努めるとともに、漁村の生活環境の整備につきましても、関係省庁と連携を保ちつつ推進してまいりたいと考えておるわけでございまして、こうした見地から五十一年度予算、さらにそれに関連する諸法案として提案をした中におきましても、いま申し上げましたような諸対策を盛り込んでおる次第でございまして、これを積極的に今後も展開をしてまいらなければならないと考えるわけであります。
○馬場委員 やっぱり農村、漁村がおくれておるということは事実ですし、せっかくの御努力をお願いしておきたいと思うのですが、この再建特別措置法の内容について一つお尋ねしておきたいと思うのですが、沿岸漁業者でたとえば再建計画をつくる、これは、漁業者の実態は御承知のとおりでございますし、こんな再建計画なんというものを自分でつくるとかなんとかというのは大変繁雑な問題で、そんなものには余り堪能でないわけでございますし、そういう点について、これはもう非常に再建計画とか、申請が複雑だ、繁雑だ、やめておこう、必要でありながらそういうことも起こり得るかもしれないわけです。そういう点で、特に沿岸漁業者に対して、そういう再建計画なんかの申請の手続とか何とかで、めんどうくさいからこれはやめておこうというようなことが起こらないように十分指導してもらいたい。特に沿岸漁業を重視するというんだから、たくさんそこに困っている人が多く住んでいるわけですから、そういう点について御配慮を願いたいということと、それから、五十一年度六百億の融資を予定しておるわけですね、この中でたとえば沿岸にどのくらい予定しておるのか、この二つの点について具体的にお答え願いたい。
○内村政府委員 経営安定資金の貸し付けにつきまして、まず再建計画を立ててもらう、こういうことになっておるわけでございます。そこで、実は私どもの方も、これは漁業者の方々でございますから、再建計画といってもなかなかめんどくさいということになって、その再建計画が出てこないということであればこういう制度をつくった意味がございませんので、何らかの一般的な手法を示そうと思って実はいろいろ中で検討したわけでございます。ところが、先生御案内のように、漁業は農業と違いまして非常に種類が多くて、しかも個々のケースによって非常に事情が違うということもあるわけでございます。そこで私どもといたしましては、大きな漁業については関係の団体、それから沿岸漁業につきましては漁協に指導してもらいまして個々の再建計画をつくってもらおう。そこで、その場合余りむずかしい手続を要求しますと、これは漁協もとても手に負えないということであっては制度をつくった意味がございませんので、その辺はやはり漁村及び漁業の現実を考えてやらなければならぬというふうに思っております。そこで、漁協が沿岸の方々の相談役になってつくってもらうということで、手続も比較的簡素化したい、こういうふうに考えております。
 それから、資金枠がどれぐらい沿岸にいくのか。漁業の場合にはほかに中小企業その他ございますので、沿岸の枠をどうするかということでございますが、これにつきましては現在、中で検討しております。しかし、いずれにいたしましても、融資限度その他が非常に非現実的な小さいものになって再建計画に役に立たぬということであれば意味がございませんので、そういう点はそういうことがないようにいろいろいま内部で検討しております。
○馬場委員 これは漁協に指導してもらうということですが、先ほどちょっと森林組合の話もありましたけれども、たとえば漁協で指導する能力とか人員とか、非常に問題が多い。漁協といったって事務所を持ってないようなところもたくさんありますしね。そういう点で、これはここでは特に注意をお願いしておきたいんですが、もうそういう手続は繁雑だからといって申請ができないことにならないように、ひとつきめ細かい配慮を願いたい。
 それから、その融資の限度も六百億ですけれども、沿岸漁業を重視する立場から、こちらの方にたくさん回るようにぜひ御配慮願いたいと思うのです。
 それでは、次に観点を変えまして漁業用の主要資材の価格対策でございます。結局、漁業危機が今日のようになったという中で、法律提案の理由の中にもありますように、その資材の高騰ということがあるわけでございます。これについて、やはり漁民の方からも価格差の補償金制度なんかをつくってくれというような要望も非常にあったわけでございますけれども、この点について、主要資材の価格対策というものを今後どう進めていこうとしておるか。これなしには、やはり再建はおぼつかないのじゃないかと思いますから、この価格対策について、今後の取り組む施策についてお答えいただきたいと思います。
 それからもう一つ、今度は価格の安定対策についてであります。たとえば魚価が安いものだから海上で捨てて帰るというようなことさえ起きたと言われておるわけでありますし、そういうことで価格対策、資材の価格対策とともに魚価の対策について、私どもとしては、価格の安定法という法律でもつくって、きちんとやらなければ、とれた魚が安いから海の上に捨てて帰るということでは話にもならないわけでありますから、そういう二つの点についてお答えをいただきたい。
○内村政府委員 漁業用資材の価格対策でございますけれども、先生御案内のように、石油危機の直後に油もえらく上がりましたし、それにつれて資材も上がったわけでございます。ちょっと御参考までに数字を申し上げてみますと、いわゆるA重油が昭和四十五年を一〇〇といたしますと、四十八年は一二五であったわけでございますが、これが四十九年は二四六になり、五十年は二九三まで上がったわけでございます。ロープ等も、同じように四十五年を一〇〇といたしますと、四十九年一九一というふうに上がりましたけれども、ロープは最近値段が一六〇というふうに、ことしの一月下がっております。漁網等につきましても、四十九年が二一一であったのが、最近では二〇四。油につきましても、価格は総体的に安定してきているわけでございます。そういった点もございまして、今後特段の経済上の大きな変動がない限り、大体このレベルで安定供給ができるのではないかというふうに見ております。
 次に、価格対策でございます。先ほども申しましたように、石油危機の直後、資材が上がった反面魚価が上がらないということで、漁業経営が非常に苦しくなったわけでございます。そのときには漁民大会等も行われまして、畜産物のような価格政策を水産物にもとるべきではないかという非常に強い要望が出たわけでございます。その結果、水産庁の中でもいろいろ検討したわけでございますけれども、水産物の場合には非常にバラエティーが多いということと、それから規格がないわけでございます。同じマグロをとりましても、十キロの値段が十倍くらい違うようなこともございまして、なかなか規格がうまくできない。それから、生鮮商品でございますので、これは畜産物のような、事業団なり何なりが介入して一定価格で買って価格を維持するということは、まだちょっと無理なのじゃないかというところから、系統の行います共販事業につきまして、金利、倉敷の補助をやるということで、一定の価格対策を五十年はとったわけでございます。その結果、スケソウダラのすり身等につきましては、この措置が非常に効果が出まして、価格がかなり安定したわけでございます。
 しかし、いずれにいたしましても、系統の行う事業でございますから、赤字が出たら困るという問題もございまして、生産者の立場に立ってみると、一定の水準の価格の保証がないという問題がございます。そこで、五十一年度におきましては、この生産者団体が行います共販を一層強化するために魚価安定基金、これは財団法人を予定しておりますけれども、魚価安定基金というのをつくりまして、系統がそういう調整保管事業をやった場合に、これが無利子の融資をする、八割程度のものを無利子で融資をするということをやろう。そういうことをやりますと、価格につきましても、当然いままでのように売れた価格というわけにもいきませんので、一定の基準価格みたいなものをつくりまして、それを目標に価格の安定を図る。その結果、系統の事業で赤字が出た場合には、そういった無利子の融資をするというようなことで、一歩前進というような措置をとることを考えております。しかしいずれにいたしましても、将来の問題といたしましては、より進んだ、できれば畜産物並みの価格政策にいくべきではないかということは私どももよくわかるわけでございまして、そういった施策がとれるように一歩一歩現実的な努力をしなければならぬ、こういうふうに思っております。
○馬場委員 それでは大臣、いま長官の答弁で少しわかったのですけれども、大臣に確認しておきたいのは、魚価の安定のための制度がさらに一歩前進したみたいなことがありましたけれども、今後も十分検討して、魚価の安定というのをぜひ図っていただきたいということで、これに対しても大臣の決意のほどを聞いておきたいと思うのです。
 時間が余りないのですけれども、そこで、環境の汚染と漁場の汚染は全く海については同じですが、公害で汚れた海というものをされいにしますと、数十万トンというものが沿岸でもとれると言われておるのです。これは汚染者負担のPPPの原則もあろうと思いますけれども、少なくとも漁場をされいにする、海をされいにするということに対して全力を挙げて取り組んでいただきたいということをここでもまたお願いして、考えを聞いておきたいと思います。
 最後に、漁業再建整備特別措置法の内容も大分触れましたけれども、私が思いますのは、名前は再建整備ですけれども、再建整備には値しないような中途半端な法律だ。悪いとは言いませんけれども、まだ中途半端な法律だと私は思います。それで、この法律で危機に瀕した漁業というのは再建できるかどうかということを考えますと、抜本的な再建策にはならない。非常事態、危機に対して対策がこういう法律だということでは、危機の認識と対策の具体的法律案というのがつり合っていないというような感想を持つわけでございますし、先ほども言いましたけれども、攻めの農政をやられる農林大臣は、水産行政でも攻めの水産行政をぜひやっていただきたい。特に、農林、水産と言いましても、その中で水産というのは常に農業の跡追いをずっとやっておる。これはみんなが言っておるわけですし、はだでそう感じておるわけですから、水産行政というものに対しても同等な力を入れていただきたい、こういうぐあいに思います。私も特に法律詳しくございませんけれども、できれば漁業の水産基本法というようなものでもつくって、基幹産業みたいに位置づけて、漁業を発展させる、そのくらいの意気込みというものをぜひ大臣持っていただきたい、こういうぐあいに思います。
 それから、予算措置の面につきましてもまだまだ不十分だという感じがしないわけでもございません。時間がありましたら御答弁を願うわけですけれども、さっきの価格安定法に対する決意のほどと、いま私が言いました点を含めて、積極的に水産行政を進めていただきたいということに対しての御答弁を大臣にお願いしたと思います。
○安倍国務大臣 漁業をめぐるところの情勢は非常に厳しいことは同じ認識を持っておるわけでございますし、これに対して、われわれとしてもこの厳しい情勢を打開するためにあらゆる施策を集中していかなければならぬ。それも、相当な勇気をもってやっていかなければこの危機は切り抜けられないと思うわけでございますが、長期的な面にわたる漁業対策、水産政策をどうするかということについては、経済水域二百海里等をめぐる情勢がどういうふうになっていくか、これはストレートに日本にも影響があるわけですから、これを見きわめながら、その情勢いかんによっては、いまお話しのように、漁業制度、政策も抜本的な改革というものをやっていかなければならない事態にも立ち至ることはわれわれも覚悟しておかなければならぬと思いますが、とにかく当面そういう中にあって厳しさは増しておるわけでございますから、当面の対策として、われわれとしては五十一年度予算あるいはそれに関連するいま御審議を願っておる法案等におきまして、たとえば燃油対策の特別資金であるとかあるいはまた魚価安定のための基金の設立であるとか、あるいはまた漁業の再建整備、経営改善のための資金並びにそれに伴うところの法律の制定であるとか、そういうことをやっておるわけでございまして、私は、これは、われわれとしてのできる限りの努力を尽くした結果でありまして、いままでの状態を考えますると、大きく水産政策としては前進をしておると思うわけでございますが、これは当面の施策でございます。
 しかし、これについてもなおわれわれとしても改善を要し、改革を要する面があるわけでございますから、これについては絶えず進めていかなければならぬ、あるゆる問題を前進させていかなければならぬ、全体的に、長期的に見ても、当面の問題としてとらえてみても非常に厳しい。よほどの覚悟を持って国民の理解も得ながら、この漁業政策というものは思い切って進めていく必要があるということを私は考えておるわけであります。
○馬場委員 終わります。
○湊委員長 次に、角屋堅次郎君。
○角屋委員 本日は、水産三法を中心にして安倍農林大臣に質問をいたしたいと思います。
 実は、各党の申し合わせもございまして、社会党の山も含めた四法の質疑時間が四時間ということで六時まで、私の持ち時間は一時間のところ少し食い込んでおるようでありますので、そういうことを頭に入れながら質問を展開したい。
 最初、水産三法に入る前に、若干国際、国内の漁業情勢の問題について簡潔にお尋ねをいたしたいと思います。
 御案内のとおり、第三次国連海洋法会議の第四会期がニューヨークで開かれまして、これが五月七日に終わるという段階を迎えておるわけです。これは、前のジュネーブ会議のときに、非公式単一交渉草案というのが一応たたき台としてでき上がり、今度の場合はそれをたたき台としながら議論がなされたわけです。しかし、領海、経済水域、国際海峡初め多くの問題について、この会議だけで国際的合意を得るというところまでは残念ながら至らなかったわけであります。報道するところによれば、日本としては夏季にも引き続きこの会議を続行して、そしてなるべく早い機会に領海、経済水域、国際峡等の問題も含めて国際的なコンセンサスを得たいという考えのように承知をしておるわけでありますが、今度のニューヨーク会議というものが重要ないま言った問題についてどういうふうな結びになったのか、あるいはこれから日本としてどう対応していこうとしたのか。特に漁業団体、漁業者が強く望んでおる十二海里の領海宣言の問題については、これは、第三次国連海洋法会議のニューヨーク会議の模様を見てということで政府はこの会議の結果待ちであったわけでありますが、いまのように国際コンセンサスが得られなかったという段階になれば、この際思い切って早い機会に領海十二海里の宣言をすべきじゃないかというふうなことも考えておるわけでありますが、これらの問題についてまずお答えを願いたいと思います。
○安倍国務大臣 今回のニューヨークの海洋法会議は終わったわけでございますが、残念ながら、われわれの期待に反して結論を得るに至らなかったわけでございます。しかし、いまお話のありましたような単一草案に基づくところの審議は相当進んだわけでございまして、各委員長が修正単一草案を作成して各国へ配付するという段階にまではなっておるわけでございますが、しかし結論を得たとは言えないわけでございます。したがって、これをさらに夏の、ジュネーブの会議へ持ち越して結論を得るべきであるという各国の意向が強まりつつあるわけでございます。これは特にアメリカ等の、来年の三月一日からの経済水域二百海里の実施ということも背景にいたしまして、いつまでもじんぜん日を延ばすことによって世界の海洋の秩序、漁業の秩序というものが完全に乱れてしまう。ですから何とかこれは結論を出さなければならぬ、お互いに利害相対立をしておりますが、何とかして結論を出さなければならないという、そういう認識は持っておるようでございますから、私どもとしてはこの夏から開かれるジュネーブの会議にさらに大きな期待を持ち続けたいと思っておるわけでございます。背景としては、そういうふうに結論を出さなければならないような客観的な事態に進みつつあると言ってもいいのではないかと思うわけでございます。
 そういう中にあってわが国としては、今後十二海里の問題にしてもあるいは経済水域二百海里にしても、どういう方向で進むべきかということでありますが、領海十二海里につきましては、これも海洋法会議におきましてはすでに領海二百海里を実施しておる国々等もありまして、そういう国々からは、領海十二海里法を国際的に、国際法という形で設定をするということについては反対はあるわけでございますけれども、しかし、この点は経済水域と違って、相当国際的なコンセンサスは進んでおると言ってもいいのではないだろうかと思っております。
 わが国としても水産の立場から言えば、これは領海十二海里を早く実施したいというのが私の考えで、絶えずこの委員会においても私の願望を述べてきたわけでございますが、政府全体としても、十二海里はこれを実施するという政府としての決定を見たわけでございまして、そしてそれをいつやるかということはニューヨーク会議の経過を見よう、さらにエキストラで行われる夏の会議に至るかもしれないけれども、その経過を見ながらこの時期を決定をしたい。政府としては十二海里を決めておるわけですが、これをいつやるかという時期の問題については、やはり国際的合意というものがあることが好ましいわけでございますので、この国際的な合意を見るためにニューヨーク会議、さらに夏の会議ということになれば、それも見なければなるまいというふうな判断をしておりますが、しかし、これもまたいつまでも置いておくわけにもいかない問題でございますから、今回の会議の実情等も十分反映をいたしまして、そして政府全体としていつ行うか、いつやるかということについては再検討をしなければならない時期が来つつあるというふうに考えておるわけでございます。
 二百海里につきましては、世界の大勢でございますし、これは支持せざるを得ないと思いますけれども、しかしそういう中にあって、わが国の漁業権が確保されるということが大前提としてわれわれとしてはこれを主張し続けて、わが国の国益を守っていかなければならない、そういう決意で対処したいと考えております。
○角屋委員 農林大臣にちょっと望んでおきたいのですが、ポイントを簡潔にひとつお答え願いたいと思います。大体五十分程度で三法の問題にまで入らなければならぬということでありますので……。
 第二点の問題は、本年度の日ソ漁業交渉の結果、これはわれわれの予想以上の厳しい内容でサケ、マス、ニシン等の問題が決まったわけであります。いわばこういう情勢というのは、海洋法会議の今後の決着を待つまでもなく厳しい問題が出てきておりまして、来年度以降はより一層厳しい状況が出てくるのではないかというようなことが予測されるわけであります。そういった問題に対して今度の結果にかんがみてどう対応しようとしているのか。ことにニシン等の問題については、これは大幅な削減等も伴いました関係上、救済措置というものを速急にやらなければならぬという段階を迎えているわけですが、これらの問題についての御答弁をいただきたい。
○安倍国務大臣 本年の日ソ漁業交渉におきまして、ソ連側が海洋法会議、米国二百海里漁業専管水域法の成立等の漁業をめぐる国際環境を背景とし、また資源状態の悪化を理由といたしまして、ニシンを初めといたしまして厳しい態度で臨んできたために、近来にない難交渉であったわけでございます。明年度以降の見通しといたしましては、経済水域二百海里がますます具体化しつつある国際環境の中にあって、ソ連側の態度はさらに厳しくなるものというふうに予想いたしております。政府といたしましては、漁業の分野における日ソ協力関係の拡大あるいは日ソサケ・マス漁業増殖事業の具体化等を推進して日ソ漁業関係の強化を図ることにより、明年度以降のわが国の漁業の操業の継続を図るとともに、かねて懸案となりました長期取り決めの具体化につきまして、さらにソ連側と折衝してまいりたいと思います。
 またいまお話がありましたように、ニシンの漁獲が半減したわけでございますが、これによりまする被害は漁業者におきまして相当甚大なものがあるわけでございます。われわれとしても、いま関係省庁とも連絡をとっておりまして、これが救済策につきましては前向きに取り組んでまいりたいと考えております。
○角屋委員 これはぜひ前向きに緊急な措置を講ずるようにしてもらいたいと思います。
 次に、大体七月から八月ごろになると思いますが、日米の漁業交渉が近く始まるわけでございますが、いま大臣からもお触れのように、米国の場合は昨年来、ことしにかけて二百海里漁業専管水域法案、こういうものを下院並びに上院を通過させまして、そして来年の三月一日からこれが効力を持つという、日本にとっては非常に厳しい対応がアメリカから出てきておるわけでありますが、こういう問題とも関連をして、大体八月前後に開かれる日米漁業交渉にどういう姿勢で臨もうとしておるのか、これらの問題についてお答えを願いたい。
○安倍国務大臣 日米漁業交渉は八月から行われる予定になっておりますが、この漁業交渉につきましては、われわれも非常に厳しい気持ちでこれが対処方につきましていろいろと検討を進めておるわけでございます。というのは、いまのアメリカの二百海里法案というものが、外国漁業の取り扱いに関しましてきわめて詳細かつ厳しい内容となっているわけでございますので、われわれとしては、そのままの立場でアメリカが臨んだということになりますと、これは非常にむずかしい問題が両国の前途に出てくるというふうに判断しておりますが、政府といたしましては、米国周辺漁場のわが国漁業に占める地位の重要性にかんがみまして、これは百六十数万トン漁獲しておるわけでございますから、そういう重要性にかんがみまして、わが国の立場を害することのないように、かつ、でき得る限りわが国の実績が確保されるように最善の努力をしなければならないという決意を持っております。
○角屋委員 今度のニューヨーク会議の経過を見ても、あいるは具体的に取り上げましたことしの日ソ漁業交渉の結果、あるいはこれから始まります日米漁業交渉の展望というふうなものを見ても、海洋法会議における国際的コンセンサスが、得られる前から、すでにアメリカの対応が先行して出てきておったり、交渉が予想以上の厳しい結果であったり、こうなりますと、ポスト海洋法を目ざしての日本政府の対応策というものはこれから周到になされていかなければならぬ情勢にある。過般漁業団体の参考人を呼んだときにも、相手の経済水域内でわが国の一千万トンを超える漁獲高の約四五%が漁獲されておる。この既存実績を最大限確保しなければならぬ。そのためには強力な漁業外交というものが政府の総力を挙げての体制の中で展開される必要がある。さらにこれらの経済水域ではそれなりの漁獲高の減少ということは当然予想しなければならぬ。となりますと、新しい漁場の開発というものを積極的に進めていく必要がある。これは単に南極海に生息するオキアミの開発問題のみならず、深海開発等も含めて積極的にやはり漁業開発を進めていく必要がある。その場合に現在の海洋水産資源開発センターとか、あるいは海外漁業協力財団とかいろいろな機構がありますけれども、そういうものをもってして十分であるかどうか。これからこれらの問題も含めてさらに強力な体制整備ということが真剣に考えられていかなければならぬ、こういうふうに思いますし、同時にことしの漁業白書でも触れておりますように、やはり国際的な制約が出てくるということになりますれば、従来沿岸から沖合いへ、沖合いから遠洋へというふうな形から、沿岸、沖合いを見直す、やはり積極的に日本の沿岸、近海を開発していく、そのための漁場の整備を積極的に進めなければならぬ。これは本年度予算で七年で二千億円ということで沿岸漁場整備開発計画に基づく事業実施という段階でございますが、これらの予算ももっと積極的にこれからの事業の進展によっては拡大をしなければならぬというふうにも思うわけであります。
 さらに、馬場委員も触れておりましたように、こういった情況の中で油の高騰、その他資材の高騰等も考えてまいりますと、最近の一般的に言われておる魚価の低迷といったようなところから見ましても、やはり魚価の安定制度というものをがっちりと確立していく必要がある。政府としては水産物の調整保管事業であるとか、あるいは新たに財団法人魚価安定基金のこれからの発足の問題であるとかということでございますけれども、これは私どもの考えから言えばいわばワンステップであって、本来は価格の問題については価格安定制度というものに速やかな機会に踏み切る体制をやはり準備していく必要がある、こういうふうに思うわけでありますが、これらポスト海洋法体制を目ざすわが国の沿岸、近海、遠洋を含めた対応策を基本的にどうしていくのかという点についてお答えを願いたいと思います。
○安倍国務大臣 ポスト海洋法を目ざしてわが国の水産政策をどういうふうに見直してこれを推進していくかということでございますが、私たちとしてはとにかく厳しいということは基本的に認識をしておるわけでございます。そういう中にあって、まずポスト海洋法は、いまお触れになりましたように何としても水産外交というものを強力に展開しなければならぬ。これはもういままで民間等の漁業協力等もずいぶん行われてきましたが、そういうようなやり方であってはだめであって、もう政府の手によって積極的な水産外交を進めて、経済水域の中にあってわが国の漁業権というものが確保されるということのためには全力を尽くさなければならぬ、あらゆる力をここで尽くしていかなければならないことは当然であると思うわけでございます。この点についてはさらに政府全体の認識を新たにしていかなければならぬと私は考えておるわけでございます。さらに、しかしそれでもなおかつ漁獲等につきましてはこれが減っていくということもわれわれとしても考えなければならぬわけでございますから、そういう中にあってあらゆる体制の再整備等を行いまして、新漁場あるいは新漁業の開発等ももちろん積極的に進めて、失うものを新漁場の開発あるいは新漁業の開発等によってこれを取り戻していく。さらにまた沿岸漁業につきましては、今後われわれが動物性たん白質を求める上において大きなウエートを置かなければならぬわけでございまして、この点は、わが国のいわば経済水域二百海里の中でございますから、これはわれわれの努力次第によってはまだ増産ができるという判断をいたしておるわけであります。漁場開発七カ年計画等も策定をいたしたわけでございますが、この沿岸漁場の汚染を防ぎながら漁場の開発であるとかあるいはまた栽培漁業の進展等によりまして少なくとも六十万トン、七十万トンというものを今後増産をして、わが国の国民食糧の確保という立場からもこれらの施策を積極的に進めていかなければならぬわけであります。そのためには、いまお話がありましたような魚価対策であるとかあるいは漁業従事者の対策であるとかあるいは漁村の環境整備であるとか、そういうものも積極的にこれはあらゆる角度から取り組んでいく必要があることは当然であると私は考えておるわけであります。
○角屋委員 水産三法の法案の中身に入って重点的にお尋ねをいたします。
 まず、漁業再建整備特別措置法案でありますけれども、この法案は、第一条「目的」の中で「この法律は、漁業の経済的諸条件の著しい変動、漁業を取り巻く国際環境の変化等に対処するため、漁業経営の維持が困難な中小漁業者がその漁業経営の再建を図るため緊急に必要とする資金の融通の円滑化、特定の業種に係る漁業についての構造改善及び整備の推進等の措置を講ずることにより、漁業の再建整備を図ることを目的とする。」こううたわれておりまして、それを受けて第三条で、そういう漁業経営維持安定資金を支出するための見合いにおいて第三条の再建計画が出されておる。あるいはまた、第四条、第五条については、いわゆる中小漁業振興特別措置法、これを受けて新しい第四条において「構造改善基本方針」、さらに第五条では「構造改善計画」ということで、若干名称、名前としては変わっておりまするけれども、中小漁業振興特別措置法を継承する。そしてこの継承が終わっていきますれば、中小漁業振興特別措置法は廃止をするという関係の四条、五条、さらにこれからの問題として非常に厳しい問題になります第六条で「整備計画」、こういうものを受けて、第七条の「援助」、第八条の「助成措置」、あるいは第九条の「資金の貸付け」等が書かれておるわけでありますが、やはりポスト海洋法のこれから予想される厳しい情勢に対応して漁業再建整備特別措置法案というのはいわばワンステップの法案であって、これからの国際環境の厳しい変化にすべて対応できる法案ではない、こういうふうにざっくばらんに思いますし、また法律案の内容についてもきわめて倉皇の間にこれをまとめたという感が、率直に言ってしないわけでもございません。
 そこで、まず第三条の再建計画からお尋ねをしたいわけでありますけれども、この第三条の再建計画の関係は、さしあたって漁業経営維持安定資金に本年度六百億の金を出そう、来年度は予定としては四百億の金を出そう、総額にして一千億を予定する、これを出していこう。ところが、仮にことし、来年はそういうプログラムで第三条を適用していくにしても、これは恒久立法でありますから、自後の対応というのは、同じような条件下では当然この第三条が発動されるというふうに理解するわけでありますけれどもそういった問題について、具体的に第三条「再建計画」との関連においてお答えを願いたいと思います。
○内村政府委員 再建計画は、一応現在漁家が負っております約一千億円の負債の整理ということを主たるねらいとして策定するわけでございますが、将来この措置のみによって漁業経営の立ち直りが困難な場合におきましては、本法案の改正の要否を含めまして必要な対策を検討しなければならぬというふうに考えております。しかし現状では、私どもの調査では大体漁家経営の負債は一千億でございますので、これについてのたな上げ措置と申しますか、長期の安定資金による肩がわり措置をとれば、それによって、その他の施策もからめまして漁業経営の再建ができるのではないかというふうに考えておりますけれども、将来の問題は、ただいま申し上げましたように、必要があれば、本法案の改正を含めて検討しなければならぬというふうに考えております。
○角屋委員 この第四条「構造改善基本方針」、第五条の「構造改善計画」、これは、先ほど申しましたように、中小漁業振興特別措置法の旧法の関係では、第三条で「中小漁業振興計画」、さらに第四条の二で「中小漁業構造改善計画」という形のものが、今回四条、五条で「構造改善基本方針」「構造改善基本計画」という形に切りかわったわけでありますけれども、内容の考え方として相違ができてきておるのか、あるいは基本的には変わらないのか、そういう点についてお答え願いたいと思います。
○内村政府委員 これまで、御案内のように、中小漁業振興特別措置法によりまして構造改善を進めてきたわけでございます。この構造改善は、いわゆる経済の高度成長に合わせまして漁業の構造改善を図っていくというところから、漁船の大型化、資本装備の高度化に重点を置いて構造改善を進めてきたわけでございます。私どもは、その点につきましてはそれなりの成果を上げたというふうに考えております。
 しかしながら、最近の漁業をめぐる環境の変化を考えますと、コスト上昇分を安易に魚価に転嫁することはできません。一方、燃油の価格もいまの価格から下がるということも考えられませんので、今後はむしろ省燃料型の船を中心として、しかもその船を極力長く使っていく、あるいは経営につきましても資本装備の高度化とあわせて自己資本の拡充を図らなければならぬとか、いろいろな経済の安定成長に合わせて漁業の構造も変えていかなければならぬというふうに考えておりますので、構造改善の進め方におきましては、現在の中小漁業振興特別措置法でやっているものとこの法案で考えているものと、内容的にはかなりの相違があるわけでございます。
○角屋委員 この法案の中で新しく立法化された第六条の「整備計画」、これはこれから大変大きな問題だと思うのです。過般漁業団体の代表を呼んだときに日鰹連の増田会長が、この問題については単に融資とのセットというふうなことを主体にしたやり方ではなしに、政府自身が前面に出て、直接助成等も含めたそういう積極的な施策を講ずる必要がある、こういう強い意見の表明がございました。私ども党内でこれらの法案の取り扱いの問題を検討しました際にも、この点については、第七条のいわゆる「構造改善計画又は整備計画の達成のために必要な助言、指導及び資金の融通のあっせんその他の援助を行うように努めるものとする。」この「その他の援助」というところでどこまで最大限読めるかということは基本的な問題でございますが、いわばこれはアクセサリー的な表現のような感じ以上には出ない。だから私ども党内では、やはり第八条の「助成措置」というところに第三項として一項設けて、「政府は第六条第一項の認定に係る整備計画の円滑な実施を図るため、特に必要があると認めるときは、予算の範囲内で政令の定めるところにより当該整備計画に従い、整備事業を実施するために必要な経費を補助することができる。」こういうふうな積極的な条項を入れることによってこの整備計画というものが、非常に困難な問題でございますけれども、円滑に実施されるようにする必要がある、こういうことを強く考えておるところでございます。
 この整備計画の問題については、これからの海洋法体制下の情勢の進展に伴いまして、この法律に基づいて減船等の措置を講じていく問題と他の新たな立法等によってやるケースも生まれてくるかもしれない。ケース・バイ・ケースによって行政的予算的措置でやるケースも生まれるかもしれない、こういうのがこれからの情勢に対する判断だろうと思うのです。
 第六条の整備計画の問題については、そういうふうに考えてまいりますと、第六条の整備計画に基づいて実施される減船措置の問題にいたしましても、第六条整備計画によらざる減船措置の問題にいたしましても、政府が前面に乗り出して直接助成を伴うところの積極的な施策というものを講ずることなしには、減船で去っていくもの、減船の後に残るもの、これが去るも地獄、残るも地獄という状態になったのでは、国民食糧の確保のために重要な役割を果たしているわが国の水産業というものに大きな支障を生ずるということにならざるを得ない、こういうふうに考えるわけでありまして、これらの問題について明確な見解をひとつ承りたいと思います。
○内村政府委員 本法案における整備計画に基づく減船は、当面実行上無理が少ないと考えられる減船方式として、公庫融資を伴う自主減船を予定しているわけでございます。しかしながら、減船を必要とする背景、減船の規模、業種ごとの実態等によっては金融措置のみでは円滑な減船を期待できない場合もございます。したがいまして、そのような場合には、減船の態様に応じましてケース・バイ・ケースで国としてはそれぞれ適切な措置をとらなければならないのではないかというふうに考えている次第でございまして、本法案に盛られている減船対策だけで十分とは私ども考えておりません。しかしながら、減船は規模あるいは業種によって非常に事態が違う場合が先生御指摘のようにございますので、そういった場合におきましてはそれぞれのケース・バイ・ケースで適切な措置をとらなければならぬというふうに考えておる次第でございます。
○角屋委員 これは特に重要な問題でありますので、安倍農林大臣に再度お聞きしたい。
 第六条「整備計画」で、遠洋カツオ・マグロ漁業が「特定業種」として一応予定をされておる。二割の減船というプログラムが言われておる。この場合も、本法において言う第七条の「援助」という形だけでは果たして減船計画の遂行はできるかということになったら、私は率直に言ってなかなか至難である、むずかしい、こういうことであろうと思う。したがって、この場合も、過般増田参考人が述べられたように、政府は前面に出て積極的な財政援助を行う必要がある、こういうふうに思います。
 繰り返して申し上げますが、第六条による整備計画によって減船をする場合も、本法によらないケース・バイ・ケースによる減船をやる場合も、やはり政府が、減船を含む整備計画が円滑に実施されるために必要な財政的措置については積極的に講ずる、こういう姿勢でなければならない、こう思うわけでありますが、その点について明確に農林大臣からお答えを願いたいと思います。
○内村政府委員 大臣の御答弁の前に、七条の規定の解釈の問題をはっきりさせておきたいと思います。
 七条の規定における「その他の援助」の対応範囲でございますが、これは非常に広くて、その内容には当然財政的な助成措置も含まれております。今後本法の整備計画により減船を実施する場合にも、減船の程度、業種の実情等に応じまして、財政措置を含め適切な対策を講ずることについて当然検討しなければならないというふうに考えております。
 その他この整備計画では、緊急の場合等、とても間に合わないというような事態につきましても、ケース・バイ・ケースで十分なる措置をとりたいというふうに考えておるわけでございます。
○安倍国務大臣 私としては、整備計画による場合も整備計画によらざる場合も含めて政府が積極的な措置、財政対策等も必要とすればこれを進めていくという基本的な考え方でございます。
○角屋委員 これは過般参考人を呼んだときに、同僚議員の質問の中でも出た問題でありますが、われわれが当委員会においてさきの国会で外国人漁業の規制に関する法律の一部改正というのを実施をした。これはマグロ類等の問題を頭に入れて韓国からの輸入あるいはパナマ等の漁船も含んでですが、そういうことで法律改正をやった。ところがいまだに政令が発動されていない。この法律が通る場合においては、まず遠洋カツオ・マグロ漁業というのが対象になろうとしている。一方では減船をやる、他方ではどんどん輸入が増大をするというふうな形になったのでは、減船がわが国の国益から見て一体プラスになるのかどうかという基本論も出てくるわけでありますが、そういう面ではやはり外国人漁業の規制に関する法律の一部改正で、われわれがあの法律を改正するときに考えた政令の発動というものを速やかに実施をする方向で考えるべきである、こう思いますが、その点について農林大臣からお答え願いたい。
○安倍国務大臣 外国人漁業の規制に関する法律の改正が行われたわけでございますが、この政令の発動につきましては、これはいわば伝家の宝刀とも言うべきものであります。したがって、対外関係があるわけでございますから、慎重に運ばなければならないと基本的に考えておるわけでございます。私たちは、この政令の発動をしないでわが国のカツオ・マグロ漁業の安定が図れるものならばそれをやるべきではないか、こういうことで、韓国との間におきましても数次にわたりまして外交交渉もございまして、韓国の自主規制を求め、韓国側もわが国のカツオ・マグロの実態等に対しましても理解を示しまして、自主規制ということに対して協力をいたして今日に至っておるわけでございますし、同時にわが国としてもやらなければならない問題はやらなければならぬということで、調整保管等につきましても商社等の協力を求めて行ってきたわけでございます。そうした韓国側の自主規制そうして調整保管措置の推進といったようなことからカツオ・マグロの魚価等につきましても一応の安定というものは見ておるわけでございますが、全体的には非常に環境が厳しいことは事実でございますから、今回の再建整備法の提出等によりまして、これに対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、この政令につきましては、法律があるわけでございますから緊急な事態になればもちろんわが国の国益を守るためには発動することにはやぶさかでないわけでございますが、しかし、対外的にもいろいろと混乱を起こすわけでございますから、これはできるだけ慎重に配慮して、発動しないでも済むような体制をわれわれとしてはつくってまいりたいというふうに考えておるわけであります。
○角屋委員 次に、中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案の問題に入りたいと思います。
 これは今回の改正を通じて、従来の中央漁業信用基金の業務を新たに拡充しよう、旧来の中小漁業融資保証保険特別会計というのを改めて、中央漁業信用基金にこれらの業務を移行しようということを基本にして、てん補率八割への引き上げ等を含む内容になっておるわけでございます。
 そこで、いま触れました新しい法律の提案と関連をして、漁業経営維持安定資金というものを中小漁業融資保証の中で取り扱わなければならぬ。さらにいま触れました法律には内容的に入っておりませんけれども、漁業用燃油対策特別資金、これも六百億でありますが、これもやはり円滑な融通を図っていかなければいかぬ。この両資金の場合は、ある程度今日の漁業の実態から見ると、相当事故が多発する危険性というのが予想される。そうなりますと、今後やはり中央漁業信用基金あるいは漁業信用基金協会というものに対する出資金あるいは出資補助金の確保、これからの増大問題については万全を期していかないと、なかなか運営に支障が来るのではないかということが予想されます。政府は五十一年末に見込まれている約二十七億円の黒字というのを、五十二年一月一日以降、保証保険準備金としてこれに入れていくという考えのようでありますが、いずれにしてもこれらの出資金あるいは出資補助金の確保という問題についてどう対応していこうとするのか、お考えを承りたいと思います。
○内村政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、中央基金への移行の際には、特別会計から約二十七億円の資産が中央基金に承継されるわけでございます。これによりまして、中央基金は従来特別会計が行っている条件と同一の内容によりまして保証保険業務を実施することになるわけでございます。
 特別会計における保険金の支払いを見ますと、四十七年度は四億八千万円、四十八年度は大体四億円で推移しておりまして、かなり漁業経営の悪くなりました四十九年も四億九千万円ということで推移しておりますので、現在の収支状況から見れば、二十七億円の保険資金を有していれば、当面の保証保険業務の運営には十分対応できるのではないかと考えているわけでございます。しかしながら、万一保険事故の多発によりまして、中央基金の保証保険資金が不足する場合におきましては、国といたしましては政府の追加出資等所要の措置を講じまして、いかなる場合におきましても特別会計が行っていると同じように保証保険業務の円滑な遂行を図らなければならないというふうに考えているわけでございます。
 次に、県の基金協会の基金の充実を図るため、漁業近代化資金に係る都道府県出資については四十九年度から国の出資補助を行っておりまして、五十一年度におきましても同様な趣旨から予算を計上しておるわけでございます。これは総額約五億八千五百万円ということになっております。
 今回、新たに融資されます漁業経営維持安定資金及び燃油対策特別資金、それぞれ六百億でございますが、これにつきましても、これらの資金に係る都道府県の出資に対して出資助成をするということで、現在予算に計上しております。これは約六億でございます。さらに両資金に係る保証保険のてん補率を一律に八割に引き上げるということになっております。その関係で中央基金が基金協会に貸し付ける低利資金につきましてもこの増額を図ることにしておりますので、これらの措置をとれば基金協会の運営にはその業務運営の円滑な遂行が図られるのではないかと考えているわけでございます。
 しかしながら、いずれにいたしましても漁業経営が非常に悪くなって代位弁済が相当多くなるというような場合におきましては、とりあえず政府としては貸付金の増大を図るための中央基金への政府の追加出資等も場合によっては検討しなければならないのではないかというふうに思っておりますが、現在のところの基金協会の資金状況から見ればおおむね経営安定資金あるいは石油資金の貸し出しの保証にたえ得るのではないかというふうに考えております。
○角屋委員 六時二分までちょうどで時間が迫っておりますので、あと漁船船主責任保険臨時措置法案の問題についてまとめて質問いたしますので、お答えを願いたいと思います。
 これは言うまでもなく漁船船主責任保険事業、それから漁船乗組船主保険事業、こういう二つにまたがっての保険事業が、試験実施としてこれから五年間実施されようというわけでございますが、この点については、従来、日本船主責任相互保険組合、それから外国の保険事業者であるブリタニヤP・Iクラブ、こういうのに一部漁船が加入しておるのでありますが、新しく試験実施をする場合にはこれよりもさらに加入する魅力がある、メリットがあるという意味で従来入っておる一部漁船が進んで新しい試験実施の中に入り得るような、そういう体制をやはりとらなければならぬ。これよりもいやしくも不利になるような保険料等の条件が出てきたのでは、これは問題にならない。そういった点については試験実施に当たってどう考えているのか。
 それから当然これには対象の漁船の母集団があり、そして適当な標本としての漁船として選ばなければならぬ。これが統計学的にたえる、そういう試験実施をやらなければならぬということであろうと思うのです。それはやはりそれぞれのトン数別にも魚種別にも総合的な形でなされなければならぬ。そういうものが積極的に入る体制というものをどういう考え方でとろうとしているのかということが第一の問題と関連してあるわけでございます。
 それから第二の問題は、すでに昭和四十八年に本委員会で漁船積荷保険事業というものを試験実施をする法律を通しました。新たに今度漁船船主責任保険事業を試験実施しようとしておるわけでありますが、問題はさしあたって漁船保険中央会というものに仕事をやらせようということでございますけれども、漁船保険中央会というのは本来必ずしもそういう性格ではありません。したがって今後本格実施の場合にどういう受けざらでやろうとするのか。これらについては、やはり漁船積荷保険事業というのはやがて本格実施の時期を迎えようとしておるわけでありますので、速やかにそういう受けざらの検討をしていかなければならぬ。こういう問題についてどう考えていこうとしているのか。
 それから前からこういう問題の法案のときに本委員会で附帯決議というものをつけてまいりました。いわゆる任意共済、漁業共済、漁船保険、こういう三つの制度がある。またそれを実施する三つの団体がある。これらの問題についてはやはり一元化をしていく必要があるのじゃないか、こういう国会からの附帯決議の注文をつけておるわけであります。これは農林省と関係団体との間で検討がなされておると思いますけれども、これはわれわれが望む方向で結論がやがて出ようとするのか、あるいはどういうふうにこれからやっていこうとするのか、これらの点について御答弁を願いたいと思います。
○内村政府委員 まず第一点の、保険料が現在ブリタニヤP・Iクラブや日本船主責任相互保険組合で行われておる船主責任保険に比べて不利なものであってはならないという点でございますが、保険料については現在検討中でございます。それで、これを定める場合には漁船保険中央会が過去三年に行った危険率の調査、漁業者の意識調査等を基礎といたしまして、日本船主責任相互保険組合等の保険料を勘案して定めたい、こういうふうに考えております。しかし、いずれにいたしましても、ただいま先生から御指摘がございましたように、この法律に基づく船主責任保険が、保険料が既存のものより高いということでは漁業者の円滑なる加入を確保できませんので、私どもといたしましては、既存の日本船主責任相互保険組合等の保険料より漁業者に有利なものとなるように設定したいというふうに考えて現在作業中でございます。
 次に、保険設計の点でございますけれども、初年度の加入計画は、漁船保険中央会が行った調査によりまして加入隻数約一万三千七百隻を見込んでいるわけでございます。これの保険金額は約三千七百十二億円でございます。また、この事業計画では二十トン未満の小型漁船約九千七百隻の加入を見込んでおりまして、対象リスクの面から見て加入隻数が消化できないのではないかという御質問かと思います。この点につきましては、これらの小型船について自船乗組員の人命の損害あるいは漁船の運航によって定置網とか養殖施設等に被害を加えた場合の物的な損害あるいは自船が沈没した場合の船骸の撤去費等のあらゆるリスク、いままでの船主責任保険でカバーされている以上のリスクをいろいろカバーすることになっておりますので、私どもといたしましてはそういった点を十分周知徹底させてこういった小型漁船の方々についても加入をしてもらうということでやりたいというふうに考えているわけでございます。
 それから次に、今後実験が終わった場合に事業主体がどうなるのか、漁船保険中央会というのはそういった再保険をやるところじゃないのではないかという点でございます。この点につきましては、積み荷保険も現在先生御案内のように中央会にやらしておるわけでございますが、私どもといたしましては、これら二つの制度の実験を通じまして、将来本格実施の場合にどういった機関を事業の主体にするかということにつきましては、保険設計のあり方等とも関連がございますので、本格実施の場合にはそういった点を十分考えながら保険者をだれにするかということについて検討してみたいと思っております。
 それから、国会で附帯決議がございました、いわゆる漁船保険と漁業共済、さらに漁業協同組合が行っております任意共済の制度の一元化の問題でございます。この点につきましては、国会の附帯決議もございましたし、関係者の要望もございますので、水産庁におきまして四十九年から研究会をつくりまして、現在鋭意まだ検討をしております。そこで、最近の検討結果を申しますと、これらの制度はそれぞれの制度の仕組み、国の関与の仕方等が異なり、またこれを受け入れる漁協の能力あるいは漁業者の漁業実態にも大きな差がありますので、直ちにこれらの制度の統合、一元化を行うことはそう容易ではないということが検討の結果だんだん明らかになってきているわけでございます。しかしながら、かねての附帯決議もあり、一部漁業者の要望もございますので、そういった点も考えましてなお検討してみたい、こういうふうに思っているわけでございます。私どもといたしましてはすでに検討会を設けて検討しておりますけれども、検討してみればみるほどなかなかこれはむずかしい問題があるというようなことがわかってきている段階でございます。
 以上でございます。
○角屋委員 時間が参りましたので以上で終わりますが、今後この水産三法のみならず、ポスト海洋法体制に対して農林省が万全の体制で精力的に対応策を講じるように強く要求をいたしまして、終わらしていただきます。
○湊委員長 次に、津川武一君
○津川委員 ちょうど水産庁長官がそこに座っておりましたので、最初、水産庁長官に一つだけ、漁業再建整備に関して関連してお伺いいたします。
 それは、日本海の漁業でサケ・マスが一万トン漁獲できるならば日本海沿岸の漁業がかなり安定する。日ソの漁業交渉でサケ・マスの漁がかなり厳しく規制される、そういう状況から考えるならば、この際思い切ってサケ・マスの人工ふ化放流をやった方がよろしいと思います。北海道についてはわが党の小笠原貞子議員が参議院で質問されたことなどもあって、四十九年度には五億四千万尾放流したのを、五十年の予算では七億四千万尾と、かなり伸びております。
    〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕
ところが、いま問題にしました日本海沿岸、このサケ・マスのふ化放流が必ずしも進んでいない。四十九年度が二億七千万尾、ことしの予算では二億五千万尾。ここに恐ろしく北海道と内地との差別が出ております。いま急速に拡充、助成しなければならないのはこの東北、新潟、富山、こういう地域でなければならないと思いますが、この点に対して、漁業再建整備のために一つの役を果たしますので、水産庁長官なり農林大臣から答弁を求めます。
○内村政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたように、現在北海道では国の本場、六支場、三十七事業場のサケ・マスふ化場によりふ化放流事業が行われておりまして、この結果非常に帰ってくるサケがふえてきておることは先生御案内のとおりでございます。本州におきましても、九県の漁業協同組合等が行うふ化放流事業に対して約五千億円の施設整備拡充のための助成を行っております。ただいま、日本海のサケ・マス資源の増大についてももっと力を入れるべきじゃないか、太平洋に偏し過ぎていないかという御指摘でございますが、その点につきましても、実態を十分調べまして遺憾のないように措置したい、こう思っております。
○津川委員 その点で、北海道では国営、東北、新潟、富山では漁業協同組合、団体などがやって、これを県で買い取って放流している。だからこんなに差が出た。ことしの予算でも北海道は九億円、本州は一億円、これだけの差別をつけておる。これは速やかに是正しなければならない。この点で、東北、新潟、富山について、私は国営とは言わないけれども、国の推進の補助、これが国営並みでなければならないと思うわけです。そういう点で、重ねてひとつきちんとした明確な方針を伺わしていただきます。
○内村政府委員 サケ・マスのふ化放流につきましては北海道は国営、内地は民営のものに対して国が補助しているという体制の違いがあるじゃないかということは、歴史的な経緯もございましてこういうふうになっているわけでございます。
 そこで、今後ポスト海洋法というようなことを考えましたときに、サケ・マスの人工ふ化事業というのは非常に重要な事業でございます。そこでただいま先生から御指摘のあったように関係者の間でもこの体制を考えようじゃないか、そのために北海道と内地の団体をまず一本にして、それから事業もできれば内地も国営にしていったらどうかというような意見もございます。そういうこともございますので、水産庁といたしましては、この点につきましてもポスト海洋法の大きな問題点の一つとして今後前向きにいろいろ考えていかなければならぬと思っておりますけれども、現在のところ直ちに内地のものを国営まで引き上げるということにはいろいろな問題もございますので、なお検討しなければならぬ問題がございます。
 なお、内地の施設の補助の充実等につきましては、ことしも多少単価アップ等はしておりますけれども、今後なお力を入れていかなければならぬ、こう思います。
○津川委員 あと林業改善資金助成法案について質問しますが、これも時間がないので法案の前にこれと関連したことを一つだけ先に伺っておきます。国有林野の活用の問題であります。
 国有林野を活用すると林野庁は利益減になるのでございましょうか、どうでしょうか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 林野庁で活用法が四十六年から適用されているわけでございまして、林野庁としてはそのような要請にこたえてそのような土地利用について協力を申し上げるという立場で、特に農地等につきましては積極的な活用ということで私ども対処しているわけでございます。
 なお、国有林野の経営管理というようなものの調整は当然でございますけれども、そのような姿勢でいるわけでございますが、なお活用法にございますとおり法律に基づきましてそのような収入があった場合はそれによって国有林と併轄管理できる、またその方がよりベターであるという森林を買い入れておりますので、そういう点ではまたプラスの面も出ているというふうに考えているわけでございます。
○津川委員 重ねてお尋ねしますが、国有林野活用で林野庁の収入が減るのでしたら私たちも大蔵省にこの分を要求しなければならないのです。どうなんでございますか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 国有林の活用の場合に、御質問の趣旨に合うかどうかわかりませんけれども、学校とか社会福祉等の施設につきましては一般的に時価よりも低い価格で処分しているところはございます。これは国有財産特別措置法による減額規定を適用しているものでございまして、これはそのような減額を一つの国の方針としております関係から、これについて補償とか公的負担とかいうようなものを入れるということは私ども考えておりませんし、農用地が大部分でございますけれども、これは時価ということになっておりまして、一応私どもはそのような処分は適正に行われている、このように考えておるわけでございます。
 なお、国有林の特別会計が御承知のような伐採量の減によります収入減というのがございますが、公益的機能が非常に大事だということで、治山事業等につきましては一般会計から導入をしておる、こういうことで対処しておるような次第でございます。
○津川委員 そこで、いまはしなくも出た時価の問題ですが、国有林野の活用の問題で非常にいい例は、たとえば青森県の中里、金木営林署の管内で農用地開発公団が建て売り牧場をつくって、これで話し合いを進めたら林野庁も営林局もよく応じてくれて非常に皆さん喜んでおります。この点は何といってもよかったと思います。
 ところが次に吹越台国有林野のところで約二千ヘクタール、県で一つの重点事業として畜産に使いたいということで調査費を継続して入れておりますが、林野庁の方で渋っておってもう調査費も続かなくなってしまって、一番農業の基本基幹の一つである畜産が行き詰まっているわけですが、この点どうするのか。私は早く話し合いを進めて活用に道を開くべきだと思うのです。この点が一つ。
 二つ目は、いま長官がはしなくも言った時価の問題、これが高くて使えない。ここに活用法を思うようにさせない重要な原因があるわけですが、契約の更新のときに青森営林局は若干のところで小作料並みの方式に変えておるところもあります。しかし大部分が時価方式です。この時価方式を小作料方式にしないと、それを使う農業の事業がよく成り立っていかないので、やはり小作料方式に変えなければならないと思うわけです。この二点について林野庁長官から、それからこうすると林野庁の収入がかなり減ってきますので、この財源もやはり国に話して大蔵省から埋めていただかなければならない、この埋め方については安倍農林大臣から答弁していただきます。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 まず、第一点の具体的な青森県の吹越台における国有林の活用でございますが、現在農政局等でいろいろ調査を進められている事案でございまして、参加農家が百二十九戸地域面積が千三百ヘクタールということで国営の農地開発事業として計画されているものでございます。私もこの場所は知っているわけでございますが、傾斜地等から見ますと農地に適しているということはわかるわけでございます。けれども過去における洪水等のために被害を受けた事例等もございますし、また水の関係等もございまして、私ども準保安林的な施業をやっているわけでございます。しかし、ただいま御意見がございましたように、農地としての農業振興というような面も十分考慮しなければならぬ立場もございますので、現在青森営林局と県で具体的な調整に入っている、あるいはまた共同調査ということも現在計画しているという段階でございます。
 次に、たとえば貸付地の更新の場合に高くなるのではないかという御指摘でございます。これにつきましては、御承知のとおりに時価の四%が一般的な貸付料になっているわけでございますが、特に草地等においては三%、これが共同利用施設等の場合は、一・五%、そしてまた周辺の地価等が上がりました場合の上がり方に対応した年間の上がりというものを共同利用施設等については一・一というような措置をとっておりますけれども、なお周辺の値上がりが大きいという場合の御指摘だと思いますが、このような場合には具体的なケースとして地価の実情とか畜産経営の実態等を総合的に勘案して対処するというようなこと等で草地としての標準小作料相当額を県とか市町村農業委員会等の協力を得て算定いたしまして特別な措置をとる、このことは林野庁長官のケース・バイ・ケースとしての許可をとっていただきたい、こういうことで私どもは指導いたしております関係から、ケース・バイ・ケースとして処理をしてまいる、このように考えておるわけでございます。
○安倍国務大臣 国有林の活用によりまして減収が起こってくる、それを国庫から補てんすることについてどういうふうに考えておるかということですが、現在のところ活用についてはその必要はないというふうに考えておるわけですが、将来においてそうした補てんの必要もあるということになれば、その時点において考慮したいと思います。
○津川委員 大臣から補てんの必要がないと言われたので、私も安心しました。
 そこで、林野庁長官、吹越台は県で調査が終わっちゃったのですよ。ところが、調査が終わっても林野庁が話し合いに応じてくれないのですよ。応じても拒否的な話し合いだから進まない。そこで、いま長官は話し合いを進めていると言うけれども、長官の方から具体的に話し合いを進めるという方針、指令を一本出してくれればこれで進むのです。その点が一つ。
 それから小作料相当額の方にやっているところもあるのだが、これからそれを主にしてやるべきだと思うのだが、この二点、改めてお答えいただきます。
○松形政府委員 吹越台につきましては先ほど御答弁申し上げましたような段階でございまして、現在国有林としても少なくともこれを排除するという姿勢は持っておるわけじゃございません。その具体的な現地の調査ということを営林局なりに、あるいは営林局が近く委嘱するようにいたしております有識者による調査も私指示いたしておるわけでございまして、それには県も一緒になった調査ということで指示しているわけでございまして、先生の御指摘のような排除するというような気持ちは一つもございません。なお、小作料的な運営でございますけれども、これは国の法全体あるいは畜産なりあるいは活用全体の問題でございますので、十分慎重な検討をさしていただきたいと思います。
○津川委員 それでは吹越台は排除しないと言うから了承しました。それから、小作料並みに扱うというのはケース・バイ・ケースでやるというので、これはなるべく広げるようにお願いもし要求もして、次に法案に入ります。
 一つは林業改善資金でございますが、政府は中核的林業地域づくりを進め、林業の担い手の確保を強調しているが、この資金融資がこれらの地域やこういう中核的林業農家の担い手に片寄って、本当に資金を必要としている林家に融資がされないのじゃないかということなんです。というのは、農業主業林家は林地面積にして国の五〇%、戸数にいたしますと林業主林家の二万戸に対して農業主林家が百三十二万戸、ここいらにやるべきじゃないか。大規模森林所有者は苦労もありますが、農業白書にも見られるように何とかやっていけるようです。やっていくのに困難なのは農業主業林家で、面積においても一番大きい、戸数においても一番大きい、ここに今度の資金が行き渡るようにしなければならない。これが一つの問題であります。
 第二の問題は、この法律の基礎になりました間伐の問題です。間伐が非常に多くなって、必要であることは、この間の参考人の意見にもありましたように人工林が八百万ヘクタール、このうち三百八十万ヘクタールが間伐を必要とする状態にあって、その間伐が進んでいかない。そこで間伐した用材の搬路、こういうものを育てていかなきゃならないと同時に、間伐した後収入が入るとすれば、また長年期間がかかる。そこで、償還期間が五年以内というのは実情に合わない。林業が災害を受けたときの災害融資法関係の融資も期間が短い。林業はどうしても長期低利の資金でなければならない。今度の法案で五年以内というのは実情に合わないのじゃないかと思いますが、この点で思い切って長期低利の資金にする必要があると思います。この点答えていただきます。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 中核林家に限定するようなお話でございますけれども、この資金というのは緊急に政策的に対応すべき資金でございまして、先ほど御指摘ございましたように林家の五割は農業主の林家でございます。この方々にも十分この資金が行き渡りまして林業振興に寄与していただく、こういうことをねらっておるわけでございまして、必ずしも林業だけで生計を立てている方とか、あるいは中核林業振興地域内の人に限定するとか、そういうことを考えているわけじゃございません。なるべく広い範囲にこれを適用していただきたい、このように考えているわけでございます。
 なお、二点目の間伐材の用途につきましては、足場丸太とかくいとか緑化木とか、そういう丸太のまま使うものもございますし、建築用材に使うものもございますし、あるいはチップ、パルプというような面等もございますが、今後大量に出てまいります間伐材でございますので当然この利用開発、あるいは団地的な間伐を施行するわけでございますので、ロットを大きくして生産費を安くしてこれを供給するというようなことに私どもは努力したいと思っているわけでございます。
 なお、この償還期間が短過ぎるのじゃないかというお話でございますが、この資金は実は間伐の作業道をつくるとかあるいは間伐をするための労賃とかその他を含んでおりまして、まさに事業資金的な性格でございます。そしてまた、事業資金的な性格でございますから一応の収入があるというようなことでございまして、林業の基盤整備は主として公庫資金の非常に長期のもので行っておりますけれども、そのような性格とも違う関係から、この五年の償還期間というものの延長をいま考えることは困難であろうと思っておるわけでございます。
○津川委員 農業主業林家は、いま長官も言われたように戸数も多いし林地の半分も持っておる。ところがこの人たちは、実際には担保物件が少ないのです。造林地を担保にするから、長官がそう言っても、どうしても林業主業林家中心にこの資金が流れていく。この点で、農業主業林家に心配ないと言い切れるならば私はよろしいと思いますけれども、ここでその点を明言していただけますか。これが一つです。
 それから後継者の養成について、林業技術実習指導施設が都道府県にあるのが余りにも少ない。これをもっとふやさなければならないと思います。もう一つは林業短期大学の設置、これもいま全国に一つか二つしかない状況でありますので、この点で後継者のためにこういう研究施設をもっとつくらなければならない、学校もつくらなければならない、このように思うわけでございますがいかがでございます。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 担保もない農業主業の方々に渡らないのじゃないかという御懸念でございますけれども、私先ほど申し上げましたように本資金の目的が目的でございますので、広く渡るように運営してまいりたいと思っておるわけでございます。その手段といたしましても、林業事務所は郡ごとに大体ございますけれども、この林業事務所に一つの協議会を設けまして、町村なり森林組合なりあるいは林業の普及員等が一緒になりまして協議会を設けまして、これが大所有者だけに行くとかいうことはないように、十分配慮した運営ができるように指導してまいるつもりでございます。
 なお、先ほど御指摘ございましたような林業の実習施設でございますけれども、現在十二カ所着工いたしておりまして、五十一年度二カ所、合計十四カ所を整備するつもりでございますが、そのほかに林業試験場の研修施設等も各県が大体持っておりますし、県なりの研修施設もございます。それらを活用すると同時に、先ほど短期大学のお話がございましたが、二つの県ぐらいでこのような短期大学の設置が行われておりますけれども、私どもこの辺の運営等につきましても十分参考にしながら検討すべき事柄だと思います。
 なお、この後継者の研修ということは、普及事業と相まちまして初めてこれは成果が上がるものでございますから、当然普及事業の振興というものも真剣に取り組んで実行してまいりたいと思っておるわけでございます。
○津川委員 これで私は終わります。
○片岡委員長代理 次に、山原健二郎君。
○山原委員 いま審議されております法案の特に林業労働安全衛生施設資金に関しまして、「林業労働に係る労働災害を防止するために」というのが出ておりますが、この点について、特に私は振動障害の問題について、林野庁並びに労働省の方に質問をいたしたいと思います。
 最初に林野庁として、振動障害について五十一年度の指導方針といいますか、特に労務改善推進員というものを新たに設置するというお話も聞いているわけですが、この任務あるいは各県に対する配分、これを最初に伺いたいのです。簡単に御説明をいただきたいと思います。
○松形政府委員 振動障害の防止についてのいろいろな指導徹底と五十一年度の方針についてでございますが、振動障害というものは大変大事な問題でございまして、林野庁としては予防ということを中心にして仕事を進めているわけでございます。そのための時間規制あるいは振動の少ないチェーンソーの開発あるいは導入ということを積極的に進めているわけでございますが、そのほかに林業労働者の技能診断の評価事業とかあるいはシミュレーター等を使った訓練施設、あるいは五十年度からでございますけれども、安全点検パトロールをいたしまして、労働災害の起こらないような指導をいたしておるわけでございます。当然のことながら時間規制を守るとかあるいは新しく認定された振動の少ないチェーンソーの導入というようなことを指導しておりますけれども、御指摘のございましたように、五十一年度につきましてはさらに新しい作業仕組みをつくりまして、この改善促進として現場にこれが普及をするという仕事が一つと、ただいま御検討いただいております改善資金によるチェーンソーの買いかえと同時に、御指摘ございましたような労務改善推進員を、林業の重点的な地域三百四十地域を選定いたしまして、そこに労務の全体的な指導をするような三百四十名を配置しようということでございます。
 その中身といたしましては、労働の安全あるいは衛生あるいは雇用の明確化、そしてまた雇用の安定、そういうこと等を含めまして十分指導ができるような指導と配置をしてまいりたい、このように私どもは計画をいたしているわけでございます。
○山原委員 そうしますと、労務改善推進員を一律に各県に配分するということでなくて、三百四十という地域を指定するわけですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 地域をこちらで指定するということでございませんで、各県ごとにそれぞれ重要な地域もございますので、一応各県のいろいろな実態等に即しまして私ども配分いたしますが、それの重点的な配置というものは県の方にお任せしたい、かように考えているわけでございます。
○山原委員 そうしますと、たとえば労務改善推進員というものを私の県のこの地域ではこれだけ欲しいとかいうような場合には、県のそういう申請に基づいて配分をするということですか。
○松形政府委員 県と私どもとよく打ち合わせながら、適正な配置が行われるように、またこの改善推進員の責務が果たせるような配置というものを県と相談しながら決めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○山原委員 この問題、後で時間が残りましたらもうちょっと質問をしたいわけですが、その前に振動障害につきまして労働省の方に伺いますけれども、五十年九月二十二日の通達、これに対しまして、本年の四月に日本産業衛生学会振動障害研究会が「振動障害の認定基準についての要望書(案)」というのを出しております。これによりますと、この通達に対してかなり手厳しい学会としての批判がなされておるわけでして、特にその中で「この通達は、判断の基本となる振動病の病態の把握において医学的な誤りをおかしており、またその運用面において職場の現状に適合せず、かえって認定を阻む事例もみられる。」こういうふうに指摘をいたしております。
 そうして幾つかの項目に分かれておりますが、「作業対象を林業関係のチェーンソー、プッシュクリーナーのみに限定して適用している点を改めること。」とか、あるいは一番大きな問題は、二番に書かれております「振動病の病像を手指・前腕のみの疾病として把握している点を改めること。」こういう立場で幾つかの項目が挙げられているわけです。言うならば局部障害という労働省の通達に対して、全身障害として認めるべきだという立場に学会は立っておると思いますが、この要望書に対してどういうふうなお考えを現在持っておりますか。
○溝邊説明員 現在認定基準におきましては、チェーンソーを使用する業務に起因する振動障害について主として定めているものでございますけれども、ただいま御指摘の局部障害のみを取り上げているのではないかという点に関しましては、私どもはその発病の機序から見まして、振動に直接暴露される上肢の諸症状の発現が上肢などに先行されるというように言われている点を考えているものでございます。こういう理由から、労災認定に当たりましては局所の振動障害としての症状の把握を主眼として療養を必要とする振動障害であるか否かを判断することにいたしているものでございます。
 御指摘の内臓疾患と全身障害につきましては、その発症と振動作業との間に関連があるとの医学的コンセンサスが現在のところ得られておりませんので、関連があるといたしましても上肢の諸症状の発現を伴わずに内臓等の疾患のみが潜在化するとは考えられないので、現在の認定基準によりまして認定を行っているということでございます。
 なお、振動障害者に内臓疾患が発症し、それが振動作業と因果関係が認められるものである場合には、労災保険における治療の対象となることは申すまでもないところでございます。
○山原委員 いまの点ですね。時間がたつから余り詳しく御質問するわけにまいりませんが、この研究会の文書の中には、「振動障害は、「主として上肢の末梢の循環系、神経系、または運動系等の障害としてあらわれる」と定義することによって、自律神経系をはじめ、中枢神経系の障害を故意に除外し、振動障害を全身的疾病として認めていないことと対応している。」こういうふうに書きまして、そして、その後に医学的な研究者の立場としてそれの批判をいたしておるわけでございます。
 それで、現在そのコンセンサスを得ていないということでありますけれども、現実に私ども振動障害者を見ました場合に、実際この研究会が要望しておる点の方がむしろ常識的ではないかというふうにも思うわけです。この点では、一体この食い違いというものをこれからどういうふうにおっしゃるようなコンセンサスの得方をするのか、それが一つと、もう一つは、いま最後にお話しになりましたたとえば医師がこの因果性を認めるならば労災の給付を行っていく、労災認定を行っていくということは、もう一度お伺いしますけれども、そういうふうに受け取ってよろしいのでしょうか。
○溝邊説明員 コンセンサスの得方につきましては、現在私ども労働省に設置いたしております専門家会議、これらに報告をいたしまして検討をいただくように現在考えております。
 なお、認定の仕方につきましては、先ほど申し上げましたような上肢等の諸症状が先行いたすということを私どもの認定基準の中では明らかにされておりますので、先行される部分、すなわち一番発症してわかりやすい部分、これを取り上げまして内臓疾患等の全身障害に及ぼしていきたい、このように考えているものでございます。
○山原委員 後の部分はよろしい、先ほど言われた因果関係の問題、それが証明されれば認定を行うというふうに受け取ってよろしいのですか。
○溝邊説明員 因果関係が明らかになれば労災の対象として考えるということでございます。
○山原委員 いまの点、労働省の方はそういうふうに言われておりますが、「しかし、学会報告や研究論文によると、イ)手指や前腕以外の頸・肩・腰・膝などの運動器系の痛みを中心とした症状 ロ)頭痛・頭重・睡眠障害・いらいら・物忘れ・しびれ・冷え・どうき・性欲減退などの中枢神経系または自律神経系の症状 ハ)難聴・耳なり・前庭機能障害 ニ)さらに脊髄レベルの異常や、心臓・脳血管系の症状などの症例が報告されているが、本基準はこれらのよくみられる症状を認めていない。」というふうに指摘しているわけですね。これに対しても労働省としては反論をする資料を持っておると言われるわけでしょうか。
○溝邊説明員 いまの学会報告に対する反論資料というものは労働省としては持っておりません。ただ、先ほども申し上げましたように、学会の報告を専門家会議に提出いたしまして検討をしていただくということになっている点を御説明したわけでございます。
○山原委員 私は幾つかこの例を申し上げたいと思うのですが、労働省管轄下の労働基準監督局等の姿勢といいますか、それによってずいぶんひどい状態があらわれているわけです。これは私自身も現地で振動障害者に聞きまして、また幾つかの現地で調査いたしましたものをまとめたわけでございますが、特に徳島県の労働基準監督局の例を申し上げてみたいと思うのです。一つの県の例を申し上げるのは大変恐縮ですけれども、実は大変な事態が起こっているわけです。
 たとえばこれは徳島県の阿南市の大井町の岡田英太郎さんという五十三歳の方の例であります。これは、非常に重い削岩機の作業のために四肢に白ろう発現、腕、肩、首の痛み、頭痛、耳鳴り、目まい、冷感による全身のふるえ、がんこな腹痛が発症しております。この人がこの労働基準監督局によってどういう取り扱いを受けたかという一例として申し上げたいと思います。
 この方は、昭和四十一年に阿南監督署に労災申請をしておりますが、受付を拒否されております。その後、議会の議員の人たちなどの努力で受理はされています。昭和四十一年の六月になりますと、徳島大学での検査を命ぜられますが、労災不認定となっております。その理由は、徳島大学に診断能力なく結論が不能である、したがって労災認定も不能であるということで不認定となっているわけであります。昭和四十一年の十二月になりますと、小松島の日赤病院で自費治療を行って、医師より業務上障害として診断をされております。ところがこれに対して阿南監督署は、小松島日赤病院が徳島大学を差しおいて診断できるならやってみろというようなことを言っているわけであります。ところが小松島日赤の医師は、この方は仕事のできる体ではないと言っておるのであります。その後症状が悪化して再び入院をいたしておりますが、昭和四十二年九月、大阪堺労災病院の検査に送られております。昭和四十三年の七月には和歌山労災病院の検査に送られております。検査の途中呼び戻されております。それは労働基準監督局から、白ろう病は手足だけのものであって、他を調べるなら自費でやれというのがその理由でありました。四十四年、徳大に通院をしておりますが、ノイローゼを理由に精神病院に移されております。四十五年労災補償を打ち切られております。そうして自費で治療を続けておりますが、すでに資産は完全に処分されまして、五十万円を借りて、そして病苦と生活苦のために自殺を思う日々が続いておるのでございます。四十五年に不服申請をしておりますが、四月にさらに再発しているわけであります。四十六年五月には大阪堺労災病院へまた検査に送られております。四十六年の七月には自費で関西医大の検査を受け、明白な職業性振動障害として診断をされております。ところが阿南署長より堺労災病院へ入院中の休業補償不支給を通知されておるわけであります。これに対して不服申請を行っておりますが、休業補償をやっと認めさせたわけであります。四十六年の九月には健生病院に入院。医師の援助を受けて不服申請に踏み切って、やっと労災認定を四十七年十月三十一日に受けておるわけですが、すでに病状は悪化しまして回復の見込みはない。これが本人から私の方にいただきました手紙の内容であります。
 さらにこれは高知県の例でございますけれども、五人の方が労災認定をされまして、しかもこれらの人たちはB、C、二というような診断の結果が出ているわけです。これはたとえば高知県の田岡病院の診断によりますとC、二という診断がなされておるわけであります。この田岡病院というのは、高知県で五つの鑑別医の一つでございまして、かなり経験も持っておりますし施設もあるわけでございます。ところがこれらの五人の者がことごとく徳島大学の診断を受けることを要求をされまして、その結果は全部軽症というふうになるわけであります。しかも、その診断書を私はいまちょっと忘れてまいりましたけれども、後でお見せをしてもいいのですが、何にも書いてない、ただ軽症であるということだけなのでございます。こういう例がもうたくさん出てまいりまして、一体これはどうしたことだろうと思うわけですね。それで、この徳島の労働基準局におきましては、検診施設を徳島大学だけに限定をしておるということであります。これはいままで労働基準局長の措置は、昭和五十年の十一月八日付の基発六五九号の通達を見ますと、検診可能施設を把握し、被検者の受け入れ、早期診断について協力を得られるよう措置しなさいという通達があるわけでありますが、こういうことから見ましても、全く労災認定をさせないたために患者を転々、転々とさせて、その中でこの振動障害を受けておる方たちが生活の面でも、またあるいは病気を治すという意欲まで全く失っていくというような振り回され、これが実にひどい形で行われておるわけです。後でこれはお見せしますけれども、こういう状態でありますが、徳島県のこういう実態というのは、これはよその県でもあるのでしょうか。これは徳島県の特殊な例でしょうか。御検討になっておれば伺っておきたいのです。
○溝邊説明員 いまの高知並びに徳島の案件につきましては、直接的には私ども把握いたしておりませんけれども徳島大学を指定しているという点につきましては、恐らくは徳島県に労災病院がございませんので大学病院を使っているのではないかと思われます。しかし、徳島大学の大学病院だけを限定しているというふうには、私ども考えておりませんので、たまたま高知の人たち五人が徳島大学の病院に受診されたのではないかというように考えます。
 また、先ほどの病院を転々としたという例につきましては、先ほど申し上げましたように私どもその事例について詳しく存じませんので、ここで御説明することができないことを残念に思います。
○山原委員 もう一つ、弘瀬さんという人の例ですけれども、この方は四十年十二月に名古屋大学で「職業性レイノー現象、職業性多発神経炎」、「これらの諸症状をひきおこすにたる振動の影響を充分にうけており、他の原因疾患や嗜好の程度なし」との判断を受けておるのであります。そして転職をいたしまして、三つの病院を転々としながら約三年間健康保険で治療いたしましたが、症状に変化なく、療養を中断をいたしております。五十年の四月になりまして高知労働基準局医の検査を受け、振動病第三期と診断をされております。ところが、昭和五十年五月徳島県阿南署に労災申請をいたしましたが受け付けを拒否されております。五十年の七月にこれに対して抗議をいたしまして受け付けを認めておりますが、五十一年の三月、阿南署は「鑑別診断のため山口労災病院に二週間の入院を命ずる」と言ってまいりました。ところが、妻の出産、子供の病気等がありまして、これを説明をしましたけれども、決定は変更しないということでついに決定変更にならないわけでありますが、高知県立病院としては「鑑別には絶対の自信がある。阿南署の決定はおかしい」と回答いたしておるのであります。ところが、五十一年の四月に名古屋大学における鑑別・精密検査の結某「他の原因疾患なく…こういう経過は稀なものでなく…業務上の疾病として積極的な療養をおこなう必要あり」と診断をいたしておりますが、五十一年の四月の三十日に阿南監督署は「名古屋大学の診断を認めない。山口行きの決定は変更しない」旨、再度通告をいたしておるのであります。
 まあ幾つか例を挙げましたけれども、実際私は徳島県というあの広大な林野を持っておる県でございますから、私の推測では、約三千名近い振動障害者がおると思います。ところが、徳島県においてはわずか労災認定を受けておるのは五人なんです。しかもこういう悩みを持っておられる方が現実におるにかかわらず、労災認定をしておるのがたった五人という結果を見ましても、徳島県のこの振動障害者に対する態度というのは、これは果たして労働省の方針であろうかということを伺っておきたいのでおります。
○溝邊説明員 ただいまの弘瀬勝利の件につきましては調べてまいりましたので御説明申し上げます。
 労災保険給付の請求は、一般に現に療養を行っている医療機関を経由して行うものでございまして、行政が一方的に主治医を変更させるものではございません。労災認定に当たりましては、当該療養を行っている主治医の診断書等を尊重すべきであることは当然でございますが、請求書に添付された診断書等のみによっては認定が困難であるときには、その判断資料を得る目的で、当該疾病について的確な診断のできる知識、経験を有する施設を持つ病院等を指定して診断を求めることにしております。
 御指摘の徳島阿南署の事例につきましては、本省で得た情報によりますと、請求者は約十年前に徳島県内の事業場で振動作業に従事していたのですが、その後発病し、病名神経炎として健康保険によって約一年間療養し、症状の改善を見たものとなっております。以来九年間振動作業には従事することはなかったのですが、昨年の四月、地方自治体の行った集団検診によりまして、振動障害と診断されたものでございました。
 本症例は、それが新規の発病であるとした場合は、振動作業から離脱後十年以上を経過した後に振動障害が発症しておりまして、医学常識上あり得るか、また再発としても、症状改善後再び振動作業に従事することなく長期間を経た後に現疾病――振動障害ですが――が自然的経過で悪化することがあり得るのか、医学上の判断の問題でございますので、現症状の正確な把握、他の類似疾病との鑑別、前記疑問点につきましての見解等を求めるために、臨床的経験が豊かでありかつ関連科別の諸検査が可能である労災病院、山口労災病院を指定いたしまして、鑑別診断をしたものでございます。
 今後とも労働省としましては、労災認定の公正迅速を目途といたしまして受診命令等をやっていきたいと考えているものでございますが、御指摘の弘瀬につきましては以上のような状態であったことを申し上げておきます。
○山原委員 私は具体的な人の名前まで出して言っておりますので大変恐縮しておるわけでございますけれども、一人一人についてはまあ説明もあると思います。
 たとえば、これは徳島県の東祖谷村の鳴瀬さんという五十五歳の方でありますが、これは池田監督署の方です。チェーンソー歴が十二年、手、腕の白ろう現象、しびれ、痛み、頭痛、目まい、冷感、耳鳴りひどく、歩行障害、心臓障害等が出ておるわけであります。この方については昭和五十一年三月に、徳島大整形外科の手束医師より、入院加療が適当、経過により手術的治療も必要と診断されておるのでありますが、これに対して池田監督署は、入院治療を認めることはできないと通告をしております。その理由としては、手束医師の独断による診断は認めない、局長の指示により入院はHのランクしか認めない、こうなっているわけであります。Hまであるのでしょうか。A、B、C、D、こういってHまで徳島県においては症状の軽症度があるのでしょうか。私は初めて聞くのです。あと二分しかありませんので、簡単にお答えいただきたいのです。
○溝邊説明員 症状区分につきましては、私どもの認定基準にもございませんし、またそういう通達も出しておりませんので、その点だけお答えしておきます。
○山原委員 これで終わりますが、いま私が申し上げましたように、この振動障害にかかっておる人たちの実態というのは全く悲惨なものでございまして、しかも最後には治療意欲も失うというような状態の中で、みすみす廃人になっていくという経過があるわけです。私は昨日も数名のそういう方たちにお会いしたわけでございますけれども、これらの人がみずからうそを言うはずもありません、体もみせます、手も見せる、ぴかぴか光っている裸も見せてくれるわけですね。そして症状をみんな訴えておるわけでございますから、まさに職業病の最たるものであるわけです。せっかくこういう法律の改正もなされておりますし、また、先ほど林野庁の方から出されましたところの労務改善推進員というのは、その任務については私はまだよくわかりませんけれども、しかし、前においてこれに対して何か対応策をとろうとしておるときに、やはり労働基準監督局におきましてもこれに対応するような態度をとるのが必要な時期ではないかと思うのであります。
 そういう意味で、徳島の例を挙げましたけれども、これについては調査もしていただきまして、もし大変冷たい態度で臨んでおられるとするならば、これは改めていただきたい、こういうふうに思うわけです。その調査とその後の措置について御報告をいただきたいと思いますが、お約束できますでしょうか。
○溝邊説明員 御指摘の事例につきましては先生のお手元にお届けいたしますし、今後私ども労災補償行政をあずかっている者といたしまして、労働者の保護に欠けることのないようにやっていきたいと思っております。
○山原委員 終わります。
○片岡委員長代理 次に、中川利三郎君。
○中川(利)委員 前段、山の問題でお伺いします。
  自民党政府の高度成長政策のもとで、木材は外材が優先され、国内林業は放置に近い状態におかれてきた。このため、自給率は昭和四十五年から四十九年のわずか四年間に一〇パーセント余りも減少し、三四・九パーセントにまで落ち込んでしまった。
  政府は、国有林においては「生産増強計画」「木材増産計画」などの木材供給に力点をおい た諸計画にもとづいて、一貫して全面積皆伐など森林の成長量をはるかにこえる乱伐をすすめてきた。その反面、新植、改植、育林、治山、治水の事業量は、きわめて低い状態にとどめられてきた。山の荒廃は、こうしたなかでおこるべくしておこってきたものと言わざるを得ない。
  国有林が森林面積の四七パーセントを占める秋田県においても〃伐れば伐りっぱなし〃 〃植えれば植えっぱなし〃で山は荒れるにまかされている。
いま読んだ文章は、四月二十六日わが党が秋田営林局長にあてた申し入れ書の前段であります。つまり、日本の林業経営に今日このような荒廃をもたらしたことは、国有林の当局者である営林局、または林野庁のもうけ主義、経営主義、それを第一義的に考えまして、いろいろなかっこうで手抜きした、そこに最大の原因があるのではないかと思うわけでありますが、長官の御意見を伺いたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘ございましたように、外材が六五%、国産材三五%というようなことになっておるわけでございますが、このことは、狭い国土ということがまず第一ございます。旺盛な需要に対応するだけの資源がないということでございます。また、その資源内容でございますけれども、戦後、私ども国有林、民有林を含めまして、大体九百万ヘクタールに及ぶ目標の七〇%の造林をしてまいったわけでございますが、残念ながら、これは七〇数%が二十年生以下の森林である、こういうことから自給率の低下につながっているわけでございまして、特に森林の持っております公益的機能というものも重要でございますので、私どもは必要な処置をとりながら、与えられた森林につきまして十分その機能が果たせるように施業を計画的に遂行しようとしておるところでございます。
○中川(利)委員 あなたはそうおっしゃいますけれども、実際は、皆さんの出している統計あるいは数字、実績そのものが、新しい造林を何倍も超えるような過大な伐木というか、木を切り出してきたことに原因があることを明らかに示しているわけですね。
 そこで、私、秋田の者でありますが、秋田杉という名前で御承知のように、全国に名声のとどろく木材があります。いまこの秋田の山々は、先祖伝来の手厚い保護を受けながら育てられてきたものでありますけれども、あなた方がとり続けてきた大企業優先の高度成長政策で、七十三年には伐採できる秋田の天然杉はもう全くなくなる、これはおたくが発表していることであります。
 伐採した分を造林するということは、林業労働者や製材業者など、秋田県民はもちろん広く国民が希望している現実でございますけれども、実態はそうなっておらない。特に、民有林基準というものがありますが、それぞれの県が民有林については県行造林を含めた一つの基準を設けてやっておるわけですね。これであなたの方の秋田営林局からのいろいろな資料、五十年度事業計画、地域施業計画、そういうものを対比検討してみましたら、大変驚くべき実態が明らかになったわけであります。
 たとえて言えば、これは秋田県の例ですけれども、地ごしらえとして営林局の計画では四万三千四百四十人という延べ人員を計画しておるわけでございますが、この民有林基準に従ってやった場合は五万八千六百人の延べ人員が稼働すると私たちは計算したわけであります。植えつけにいたしましても、皆さんは四万二千七百二十人の計画です。私たちがこの民有林基準に基づいて試算しますと五万一千百十人になる。下刈りは、皆さんの方は九万三千八百九十人になっています。私たちが試算いたしましたところ二十二万二千四百二十人。全部がこういうかっこうですね。下刈りなんかは、実際労働力がないものですから、刈らないで、目刈りというか、ながめただけでごまかしてしまうということですから、だれも下刈りと言わないで、あれは目刈りだと言っているのですね。
 こういう状況が現実にあるわけでありまして、そういうところを全部見ますと、手抜きのない造林、育林、治山事業を進め、本当に山に緑を取り戻すことを皆さんが本気でやるならば、現にもう四十万人の新しい雇用がふえるということが私たちの計算の中には出ているわけであります。
 そこで、お聞きしたいことは、民有林基準に対して、あなた方はどういう御見解を持っているかということでず。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま、国有林と民有林との比較においてのいろいろな数字のお示しがあったわけでございます。私ども、国有林につきましては、先生も御承知いただいておりますとおりに、全国森林計画あるいはそれを受けた国有林の経営基本計画、さらに具体的に地域ごとに施業計画をおろして、それに従って伐採、造林を確保しているわけでございます。したがって、ただいま御指摘の、いろいろ数字をお示しいただいたのですが、私これにつきまして分析的に申し上げるということには直ちにまいりませんけれども、全国的にそれぞれ樹種も違いますし、また気候条件も違うし、また伝統的な施業方法等も変わるわけでございまして、特に国有林、民有林を比較した場合にどうのこうのということなしに、県はそれぞれの地域についての基準的なものを設けて、そうして標準的なものとしてこれを積算して、あるいは補助金の対象にするとか、こういうことをとっているわけでございます。
 なお、私どもの場合、国有林の場合でございますけれども、民有林の場合と違いまして大面積所有でございますし、また私有林につきましては、経営のそれぞれの目的とかあるいは造林作業の条件というようなことが異なっております関係から、国有林と民有林を直ちに比較するということにはいろいろ問題があるのじゃなかろうか、かように考えているところでございます。
○中川(利)委員 たとえば秋田県で、秋田の山をどう守るかということについて、国有林と民有林が全く違う。民有林と言いましても、純粋に民間が持っているのではなくて、県の持っている山も民国有林の中に入っているでしょう。公有林も入っているのです。したがって、行政の整合性という面から見ましても――民有林はどうやろうと全くそれは関知しない。そういうやり方自体が今日素人から見ましても、われわれ見ても、荒れた山はあれは国有林だ、りっぱに手がかかって何とか育っているものは民有林だとわかるような、そういう状況がとりわけ顕著になっているという実態が目の前にあるわけです。だから、私申し上げているのです。したがって、行政の整合性ということからいってもおれはそんなことは全然関係ないんだというようなことで、どうして山を守ることができるか。何よりも、皆さん方が手抜きして造林も育林やそういうものをサボってきたということについて全く反省がないのかどうか、この点を私はお聞きしたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま私どもの手元にございます。公団、国有林、民有林のヘクタール当たりのいろんな単価でございますが、ヘクタール当たりの森林をつくるのに、森林開発公団が約三十六万円、国有林が四十八万円、民有林は、平均でございますが約三十七万、こういう数字になっておりまして、私どもこの手抜きというようなことは考えていないわけでございます。ただ、昭和四十七年度でございますけれども、国有林の財政事情から手入れ等に十分手が回らなかったという時代はございます。しかし、現在それらの現地を十分調査いたしまして、計画的にその手おくれを取り戻しつつあるのが現状でございます。
○中川(利)委員 根本的には、今日の山の荒廃を招いたことについて林野当局は深刻な反省をしなければならないし、そのことをお認めにならなければならないと思うのです。
 いま民有林基準で言いましたけれども、たとえば、ちょっと古い資料で失礼ですけれども、秋田県に二ッ井というところがあります。ここの営林署の、これは三十九年から四十三年までの五ヵ年の伐採と治山治水の計画と、その実施状況という文書がありますけれども、いまもこういう傾向が続いているわけですけれども、簡単に言えば、森林の成長量と伐採量との関係で言えば、森林の成長量は年間一万五千七十九立方メートル、五ヵ年で七万五千三百九十五立方メートルだけ、これに対して伐採実行量は五ヵ年で十九万九千立方メートル、二・六倍というひどさで乱伐しているのですね。
 これは後でもほかの地域の例で言いますけれども、特にひどいのは秋田県の合川営林署ですね。この合川営林署管内で見ますと、これは問題にならないのですよ。秋田杉がもう五十年度で底をついてしまった。そして五十一年度は秋田杉は、天然杉はもうゼロですね。こんなことは、秋田県民としてもう泣きたくなるような気持ちなわけでありますけれども、つまり皆さんの強権管理やあるいは過伐の中でそういう状況になって、天然杉が一〇〇%人工林に切りかわったけであります。その間、戦後三十年間、この管内の面積四千ヘクタールのうち戦後伐採したのが三千五百ヘクタールですよ。つまり、合川署の管内一つ見ても、収奪林業として私は日本一のそういう実績を持っているのじゃないかと思うのですけれども、しかも、その間にもうけた金は、戦後から現在まで毎年赤字を出したことはなくて、現金収支の差が二億から五億円ももうけているのですね、この小さな営材署がですよ。一貫してそういうものを維持してきている。こういう状況があるということですね。その点を何も認めないで、われわれはりっぱにやっているけれども、これは日本の国土が狭いからだなんというようなことでは、だれも納得させることはできないでしょう。これについてもう一回御答弁いただきたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま秋田の各営林署等における具体的な数字をお示しいただいたわけですが、一般的に申し上げまして、確かに日本の森林の伐採というのは成長量を上回っております。と申しますのは、成長のほとんどとまっておる天然林を切りまして、そして成長の旺盛な森林につくりかえる。日本の林業がいま、先ほど申し上げましたように九百万ヘクタールの造林地をつくったということは、それは成長してないあるいは成長の少ない木を成長の旺盛な造林地に切りかえたという投資の改良過程に日本の森林資源はあるわけでございます。したがって、この造林地が現在二十年生以下が七十数%でございますけれども、恐らくあと十年ぐらいいたしますとこの伐採量を成長量が上回る、こういうことを期待しておるのでございまして、国有林も現在そのようなことで、六十年代に入りますと成長量が伐採量を上回る、こういう時代を私どもは目的として現在経営しているようなわけでございます。
○中川(利)委員 だって長官、実際あなた秋田に来て目で見たでしょう。山の荒れたのは国有林です。これは決まっているのです。何ぼか見られる山になっておるのは民有林だというかっこうになっておるのですよ。これは事実が何より物語るし、せんだっての秋田の炎害ですね、集中豪雨、ばらっと雨が降ってあれだけの被害を住民に与える。あなた方があそこら辺を皆伐して山荒らしをやって十分な保育や管理をしなかったからでしょう。そのことは全くないですか、あなたのあれには。
○松形政府委員 お答え申し上げますが、過去におきますそのような木材の増産計画と申しますか、あるいは成長量の旺盛な森林に積極的に切りかえていくというようなことがございまして、大面積の機械化による皆伐をしたことがございます。そしてそれの反省といいますか、その後の公害なりあるいは国土保全上あるいは水の問題とかいろいろ出てまいりまして、四十八年度から国有林としては新しい施業方針等を打ち立てまして、これを現在実行しているわけでございます。小面積の区分皆伐等を中心といたしまして、択伐を取り入れるとかあるいは保護樹帯を残すとか、きめの細かい施業に現在移りつつあるということが現実でございます。
○中川(利)委員 きめの細かい施業にいま移りつつあると言うからには、その基本になるものは人手だと思うのです。労働力だと思うのです。ところが、やはり逆に、実態を見ますと、合理化だとか首切りだとかこういうかっこうで、いままで一番手柄のあったそういう山から先にやられていくわけですね。私はそのことでどうのこうの言う必要はありませんが、先ほど秋田県の合川署の問題を言いました。つまり、日本でも一番功績のあるようなやり方で、もうどんどん木を切って営林署にもうけさせたのです。かつて昭和三十二年あるいは三年、そのころ働いていた人は日雇いも含めて八百人おったのです。
    〔片岡委員長代理退席、湊委員長着席〕
いまは百四十七人しかおらないのです。あれだけやった、つまり一番国有林のために功績を上げてきたこういう署の労働者が、資材、つまり生産量の先食いのためにいまだに常用にもなれないのですよ。ほかの署の定期の人たちよりも経験年数も年齢もいっているのに、このアンバランスは一層拡大するという逆立ちした現象が生まれているわけですね。これは何とかしなければなりませんね、一番功績を上げたのですから。皆さんの計画の中であともう切るものはないからおまえは合理化だ、首だなんということになって労働者がそのしわ寄せを受けるのは全く本末転倒したことでありまして、これについては、そういうところであればあるように、仕事をなくしていくというかっこうじゃなしに、さらに請負に回すとかどんどんその人たちを有効に使って山を守っていく、緑を守っていく、こういうかっこうのきめの細かさでなければ、単なる口頭禅にしかすぎなくなると思うのです。
 そういう点で私が聞きたいことは、全員常用化の進展状況、常勤制確立の進展状況がいまどうなっているのかということについて、長官の御意見なりお考えなり、いまやっていらっしゃることについてお伺いできれば大変結構だと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、現在新しい施業に基づきますきめの細かい施業に向かっておるわけでございますが、そのようなことをとらざるを得なかったということはやはり伐採量がおのずから減るということでございまして、昭和四十四年度に策定いたしました年平均の伐採量が二千万立方以上でございます。それが四十八年度に策定いたしましたのは千六百万台でございますし、また五十一年度に変更いたしておりますのは千四百万立方、そのような急激な伐採量の減をしながら公益的機能に対応していこうというのが現在私どもがとっておる方向でございまして、したがって、その伐採量の減に伴う雇用なりあるいは必要な造林というものも次第に減少していくというのが現実でございます。
 ただ、この常用化でございますが、従来から全体事業量が減少をするような厳しい事情の中でも、基幹要員についてはその常用化に努力してきているところでありまして、特に豪雪地帯等におきましては、造林事業など冬期間の作業の実施には制約があるところで困難な面が多いのでございますけれども、社会的に認められるような能率性の範囲内で、夏にやっておりました伐採を冬にやるとかいうようなことによって可能なものについては対処しているところでございます。また、この場合には職種間、地域間の流動化とかあるいは高齢者の退職の問題とか、いろいろなことを経営改善の進展等に即応しながら進めていくというのが現在常用化の方針でございます。
 また、御指摘の常勤制の問題でございますが、現在関係する省庁と鋭意問題点の詰めをいたしておりまして、これの早期実現についての努力をしているのが今日の状態でございます。
○中川(利)委員 ほかに水産の関係もあるので質問をはしょっているわけでありますが、いまあなたは常勤の問題については鋭意努力していると言われたが、このことは、身分的には定員外かもわかりませんけれども、実体的にはほぼ月給をもらっている職員並みの待遇をするように、こういうことを実現するために努力しているということですか。この確認だけしておきたいと思います。
○松形政府委員 現在、基幹的な要員の範囲あるいは任用に関する手続とかあるいは国家公務員等の退職手当法の適用の問題あるいは国家公務員共済組合法の適用関係などの制度の実施に関して必要な事項を検討いたしておるわけでございますが、これらは各関係省庁があるわけでございまして、鋭意これを詰めながら各省庁と協議を進めている、こういうことでございまして、その中身につきましては、現在ここで申し上げる段階にはなお来ていない、こういうことでございます。
○中川(利)委員 林野庁長官に対する質問についてはこれで大体終わりまして、今度は水産関係に移らせていただきます。
 大臣がいますから大臣にお伺いすればいいことですが、まず最初に事務的な問題を片づけてしまいたいと思うのです。
 そこで、水産庁長官にお伺いするわけですが、私の地元の男鹿半島のつけ根に当たるところに船越という漁業協同組合がございます。ここではノリなんかやりまして、地元の県の行政からは余りめんどうを見てもらっておりませんけれども、皆さん方が非常に熱心にがんばって、いまではこのノリの評価が全国的にも聞こえるようになっているわけでありまして、特に水産庁の皆さん方には、先年漁港の改修に予算をつけてもらったり、あるいは活魚施設をつくってもらったりして大変感謝して、さらに意欲を燃やそうとしているわけであります。ところがとんでもないことが起こったのですね。
 どういうことかといいますと、そこに広域屎尿処理場をつくる、こういうことでありまして、もちろんこれは厚生省の管轄になるわけでありますが、せっかくこういうものをつくるということになりましたけれども、この漁民の方々は、いや絶対反対だなんというようなことを一言も言わないのです。われわれの漁業権さえ守ってくれるならば、安心してノリが養殖できるようになるならば私たちは決して反対しませんということを言っているわけですね。そしてそのための幾つかの確認事項というか、その条件をつけるための話し合いの継続中であったのです。ところが、継続中なのに一方的に工事を始めたから大変な大騒ぎになりまして、近いうちに東京にも上京してくるということになっているわけでありますが、つまり漁業者の同意を全く得ていないわけですね。厚生省に上がった同意を得た文書だというものはあるわけですけれども、これはほかの何も関係のない地域の同意書なんですよね。漁民の意見を何も聞かないでそういうことをやったなんということになりますと大変なことでありますので、ひとつ水産庁長官の御尽力によってそれまで工事を一時ストップするとか何かしていただかないと、踏んだりけったりもいいところだと思うのですね。そのことと同時に、少なくとも水産庁としても厳重に実態を調査していただきたい、こう思うわけでありますが、まずこの点について長官の御意見を承りたいと思うのです。
○内村政府委員 屎尿処理施設の設置は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づきまして地方公共団体が行っているわけでございます。したがいまして、この場合影響を受ける漁民の同意は法律上は必ずしも必要な要件とはなっておりませんけれども、事実上は十分な納得の得られなければならない、こう思っております。そこで、この船越漁協の屎尿処理場のケースにつきましては私どもまだ十分に承知しておりませんので、関係漁民の方が御上京になるということでもございますから、どういうような影響がノリ漁場にあるのかということを十分に伺い、さらに必要があれば水産庁といたしましても調査をして関係方面と折衝したい、こう思っておりますが、まず話をよく聞きまして対処したいと思っております。
○中川(利)委員 それでは法案の問題でお聞きするわけでありますが、漁業再建整備法案について改正点がいろいろ出されておりますけれども、四十八年以来の経営危機というものはあの整備法にある融資措置などではとうてい解決されないことは業界一致の意見なんです。皆さん方もポスト海洋法対策としてはまた別途に抜本的な法案を考えたい、こういう説明もしているようでありますけれども、今日の業界の危機にこたえるためには、やはり積極的な助成をやらないとどうにもならないということでありますが、その実態についてどういう認識を持っているのかということであります。これは農林大臣にお聞きしたいわけですが、簡単で結構ですから一言で答えてください。
○安倍国務大臣 当法案におきましては、当面実行上無理が少ないと考えられる減船方式として、公庫融資を伴う自主減船を予定しておるわけでありますが、減船を必要とする背景、減船の規模、業種ごとの実情等によって、金融措置のみでは円滑な減船を期待することができない場合も想定されますので、このような場合には減船の態様に応じて、ケース・バイ・ケースでそれぞれ適切な対策を講ずるという考えであります。
○中川(利)委員 厚生省は来ているのですか。来ているのですね。順序がちょっとおかしくなって申しわけないけれども、先ほどの問題は厚生省の管轄の広域屎尿処理の問題ですから、せっかくおいでになっているようでありますので、こういう状況について、水産庁長官はあのような答弁をしましたけれども、あなたの方の御意向はどうか、ひとつお伺いをしたいと思います。
○山村説明員 お答えいたします。
 屎尿処理施設の設置に当たりましては、その施設の設置の緊急性があるということのほか、この種施設の特殊性からしまして、処理水を排出することによって二次汚染が生じてはならないということとともに、周辺住民の同意を得るよう指導してまいってきたところでございまして、御指摘の男鹿の件につきましても、組合に対しまして地元と十分話し合いをするよう指導してまいりたいと考えております。
○中川(利)委員 厚生省にもう一回。そうすると、先ほどもちょっと申し上げましたように、当該地域の漁業者の同意を全く得ていないということですね。おたくへ上がったのは別の地域の同意書なんですよ。それなのにもう工事は始まっているんですよ。私が申し上げたのは、だから、これはちょっとストップをかけて話し合いをさせるべきではないかということなんですが、その点はどう御指導なされますか。
○山村説明員 実態を必ずしも十分に承知いたしておりませんが、私どもへ参りました書類についておりました同意書は一応代表者という形で来ておったわけでございますが、先般来、先生から必ずしも完全な同意を得られたものでないというお話を承りましたし、近く陳情にもお見えになるということでございますので、実情をよく聞きまして措置いたしたいと考えております。
○中川(利)委員 あっちこっちになって大変申しわけないのですが、いま大臣から融資そのものをケース・バイ・ケースで云々というお話がありましたが、私は、やはり今日の現状認識を深く考えた場合、いまのようなケース・バイ・ケースというようなかっこうで本当に抜本的な解決になるのかどうか、漁業者の問題が少しでも安定していくのかどうかということになりますと、多分に疑問がありますので、この点を重ねて申し上げておくわけであります。
 それから、第二の問題として、今度の法案にそのまま取り込んでおります中小漁業振興法ですね。中身は構造改善を進めるということでありますけれども、これまでこの構造改善の対象業種だった以西底びき、カツオ・マグロ、まき網、沖合い底びき網、この四業種が、どれを見ても経営状態が一番悪化しているんですね。だから、これらの業種の再建整備のための法案だ、こうおっしゃいますけれども、中小漁業振興法に基づいたいままでの構造改善の施策の総括というか反省というか、そういうものの上に立って本当にやったのかどうかという疑問が私は大変残るわけです。
 したがって、お聞きしたいことは、いままでの十分な総括、こういうものをあなた方はちゃんと段取りをしてこの新しい法律に移行しているのかどうか、この点をお聞きしたいと思うのですが、どうですか。
○内村政府委員 中小漁業の構造改善につきましては、先生御指摘のように、四十七年度以降、中小漁業振興特別措置法に基づきまして業種別に進めてきたわけでございます。この結果、短い期間ではございますけれども、四十九年度末までの構造改善業種の一般状況の推移及び構造改善資金の融資状況を見ますと、経営規模の拡大につきましては、各業種とも一経営単位当たりの隻数がわずかながら増加しておりまして、複数経営体の全体に占めるウエートも高まっております。
 さらに、資本装備の高度化、操業形態の合理化については、以西底びき網漁業におきましては、漁獲物鮮度保持施設の普及率が四十六年度末の一割弱から四割近くに上昇し、カツオの自動釣り機の普及率が四十六年度末の二五%から約五〇%に増加いたしましたほか、まき網漁業、沖合い底びき漁業におきましても計画が順調に実施されているわけでございます。その結果、農林漁業金融公庫の中小漁業経営改善資金の融資状況は、四十九年度末におきまして、計画に対して一二七・四%の実績を示しているわけでございます。
 このような事実から見ますと、現行の構造改善はそれなりの効果を上げているということは言えるわけでございますが、その反面、業種または経営体によっては、石油等資材コストの上昇、価格の低迷等を背景といたしまして、非常に経営が苦しくなってきている面があるわけでございます。さらに、この構造改善は、いわゆる経済の高度成長に見合った漁業の構造改善であった結果、ある面では過剰な設備投資を招き、またある面では過度の借入金に依存した経営になってしまったというような、財務内容の悪化と経営基盤の脆弱化をもたらしたという面もあるわけでございます。
 そこで、先ほども御答弁申し上げましたけれども、こういった漁業の実態が経営危機の原因になっておりますので、今後の構造改善は、むしろ経済の安定成長に合うようなかっこうで漁業が対応していくという形で、燃料を極力節約するような型の漁船をつくる、しかも漁船を長く使っていく、さらに財務内容の改善につきましても、いろいろ経営合理化、さらに場合によっては協業等の実施を図りまして経営の合理化を図っていかなければならぬというふうに考えておるわけでございまして、従来の構造改善事業と、われわれがこの法律に基づいてやろうということを業界に期待している構造改善事業とは、内容においてかなりの相違があるわけでございます。また、そうしなければこの漁業危機は乗り切れないという感じを深く持っている次第でございます。
○中川(利)委員 いまの御説明だと、構造改善そのものの問題については、成果ばかりいろいろお話がありまして、その中での欠陥は外的要因を挙げて済まされるということでありますが、実態は、何のかんの言いましてもこの四業種そのものが一番苦しい、構造改善がその決め手だ、こういう図式は、余りにも機械的過ぎないか、私はそういうふうに思っているわけでありますが、時間がないものですから、その点に深く入ることはできません。
 もう一つの問題として申し上げたいのは、整備計画をお立てになる場合の民主的な手続をはっきりしなければならないじゃないかということです。つまり、関係者の意見は十分尊重されなければならないということですね。私どもは、昨年からことしにかけまして、一部漁業協同組合の非民主的な運営からくるところのさまざまな問題を皆さん方にもるる御要請してきたわけであります。たとえば、三菱石油水島の重油流出に伴う漁業補償金の配分で、香川県の県漁連にとんでもない風聞がいまあるわけですね。あるいは鴨庄漁協だとか、岩手県釜石湾の平田漁協の埋め立てをめぐる問題だとか、あるいは新聞をにぎわしておりますところの、あの血盟団事件の菱沼五郎だかというのが名前を変えて茨城県の漁連から県会議員になっておりますね。これはよく調べてみますと菱沼五郎なんです。それでやっていることは何かというと、非民主的な、漁民の意見も何も聞かないでやっているということが共通して言えると思うのです。それだけに問題があちこちにあるわけでありますので、今度の整備計画をつくるに当たりましてはやはり関係漁業者の意見が十分保証されなければならないと思いますけれども、これについてはどうお考えでございましょうか。
○内村政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたような不祥事件が漁協に起こっておりますことはまことに遺憾であり、申しわけないと思っております。大部分のケースは、いわゆる漁業の補償金の配分をめぐっての不祥事件でございまして、私どもといたしましては、かねてそういうことのないように指導はしてまいっているわけでございますが、残念ながら最近そのようなケースが若干起こっているわけでございます。これにつきましてはなお県の検査等も強化いたしまして、そういったことが起こらないように十分指導していきたいと思っております。
 さらに、整備計画を立てる場合にそのような非民主的なことでは困るではないかという御指摘でございますが、私どもといたしましては、減船というような問題は、一部の反対の人たちの意見を無視してやることはできない事業でございますので、十分そのようなことがないように指導をいたさなければならないと思っておりますし、そのように指導する方針でございます。
○中川(利)委員 時間の関係がございますので、最後に少し一括して読みますから、一括して答えていただきたいと思います。
 韓国水産物の輸入問題に絡んだ問題ですが、政府が放置する間に無制限輸入の実績だけが積み上げられまして、日本の漁業者が再建整備を余儀なくされようとも、依然として外国人漁業規制法の政令発動をしようとしない、こういう状況があるわけでありまして、その間日本の水産物輸入はどう変わったかというと、韓国からの輸入は量、金額、種類とも他に類を見ない、こういう状況だと思うのです。つまりありとあらゆるものが韓国から無制限に輸入されてきておって、これが国内の漁業者の経営を脅かしている。こういう状況に対して、政府は、民間ベースの話し合いを進め、政府間も努力しているというぐらいのことなわけでありますが、私らに言わせますと、話し合いによる解決は結構ですけれども、政府は意図的に韓国との交渉をおくらせてその解決を延ばしてきたのではないか、こういうことも考えるわけであります。
 たとえば、カツオ・マグロ。昭和四十二年当時から民間ベースでアジアまぐろ会議を開くなど問題が顕在化していたにもかかわらず、七十五国会で外国人漁業規制法の一部改正が議員立法で提案されるまで政府は何ら具体的に動こうとしなかった。マグロ類の輸入問題について日韓政府間交渉が初めて行われたのが五十年三月です。以後何回か行われていますけれども、依然として問題解決はされていないということが今日の状況で、日鰹連なんかからも政府に対して最近意見書まで出ている、こういうことも聞いているわけですね。
 だから、私が聞きたいことは、政府は外国人漁業規制法の発動をなぜためらうのか。議員立法されてから今日まで一年余の間に、韓国マグロの輸入実績だけは急増していること、そのことが日本のカツオ・マグロ漁業者を再建整備と称して減船にまで追いやっている現実、これは言い過ぎかもわかりませんけれども、日本の水産庁は韓国政府のかいらいかと、こう言う漁業者もいるほどそういう批判もあるということを真剣にお考えになっていただかなければならない。
 同時に、外国人漁業規制法の政令指定は「外国漁船によるその本邦への陸揚げ等によって我が国漁業の正常な秩序の維持に支障が生じ又は生ずるおそれがあると認められる」場合に行われることとされていますけれども、昭和五十年で、韓国からだけで約六万トン、台湾、パナマを含めますと十万トンを超えるマグロ輸入が日本の漁業者に大きな支障を生じているという状況が今日の姿だと思います。つまり「支障が生じ又は生ずるおそれがある」――政府はそういう事態はないという見解のようでありますけれども、それならば、いまの国会に漁業再建整備法などというものを出すその趣旨にも反するだろう、こういうことになり、自己矛盾するのではないかと私は考えるわけです。したがって、日本の沿岸漁業、沖合い漁業を見直そう、これは大変きれいごととして私らも決して否定はしないわけでありますけれども、自由化品目といえども、日本の漁業者を守る立場に政府が立つならば、たとえば漁船での入港、陸揚げは認めないなどの措置をとれるはずだ。しかし現実は直接漁場から日本の漁港に韓国、台湾船が入っているという実情なわけであります。
 さらに、政府は二百海里問題と相まちまして、口を開けば沿岸、沖合い漁業の見直しを叫んでおります。そのこと自体は結構なことですけれども、問題は、遠洋、とりわけ北洋漁業に対する姿勢です。私は北洋ギンダラ問題を一つの事例として挙げたいと思うのですけれども、北洋海域のあらゆる業種が新たな再編を迫られようとしている今日、政府の水産外交は余りにも手ぬるいのではないか。ギンダラ業界にしても、日米漁業交渉の対米従属的な姿勢が、国内漁業者は規制し、韓国、台湾は野放し状態という現実をつくり出している。それだけにことしの夏の日米交渉は相当の覚悟で臨むべきである。
 また、北洋漁業の再編成が、大商社や大漁業資本本位に行われる懸念も一方に大きくあるわけであります。
 韓国マグロ輸入にしても、商社の利益を考えないで、仮に一万トンの輸入制限ができるとするならば、今国会での再建整備法で予定しておるカツオ・マグロ減船計画、年間六十五隻の一年分に近い五十隻分を減船させなくても済むことになるということです。
 日本の漁業を取り巻く情勢は確かに厳しいものがありますけれども、政府がこれまでの大商社や漁業独占本位の漁業政策を改め、沿岸、沖合い漁業を再建し、中小漁業の発展を図る方向に改めるならば、国民の期待に十分こたえる日本漁業をつくり上げられるだろうということです。
 そういう点で、わが党の見解をいまずっと述べたわけでありますが、これに対して農林大臣と水産庁長宮からそれぞれ所見をいただきたいと思います。
○内村政府委員 ただいま先生からも御指摘がございましたように、韓国及び台湾からのマグロの輸入が増加しております。そこで、このマグロの輸入が無秩序に増大するというようなことであれば、御指摘のとおり業界の整備計画の実施が非常にむずかしくなるという面があることは確かでございます。しかしながら、このマグロの輸入問題は、漁業問題以外に貿易問題等もございますので、先生御案内のように、政府といたしましては、昨年から韓国側といろいろ政府間で話し合いまして、日本への輸出について秩序ある輸出に協力するという約束を得ているわけでございます。そこでわが国といたしましても、そういった先方の自主規制にあわせまして、今年の一月からマグロまたはカジキの輸入について輸入貿易管理令による事前確認制を適用いたしまして、マグロ類の国内水揚げ量を勘案しつつ、韓国からの輸入量について四半期別に調整を図るということで、国内市場の安定に努めているところでございます。
 そこで、過去の経験に基づきますと、韓国側はこの約束をかなり厳格に守っておるということが言えるわけでございまして、こういった制度をより軌道に乗せていけば、韓国からの輸入によって私どもの国内産業が大きく影響を受けるというようなことは避けられるのではないかというふうに考えております。
 なお、向こう側が無秩序な輸入を行ってわが国の自主的な減船計画が実施が危なくなるというようなことであれば、その段階でさらに検討しなければならないことは当然でございますが、私ども過去一年間いろいろ努力してまいりましたので、韓国からの輸入は今後向こうの自主規制とこちらの輸入の事前確認制を併用いたしましてそう国内の秩序を乱さない形でやれるのではないかというふうに考えております。
 なお、北洋漁業の再編成の問題につきましては、今後日米交渉その他非常に厳しい情勢になっていることはるる指摘があったとおりでございますが、その中にあって、特に中小漁業の問題というものは、私どもは今後の漁業の再編成と申しますか、いろいろ厳しい事態に当面いたしまして、国内秩序を立て直していく場合に、中小漁業の問題というのは中心の問題として考えなければならないという問題意識を持っております。
○安倍国務大臣 わが水産庁は日本の水産庁でございますから、わが国の漁業の振興のために行政的に全力を挙げることは当然のことでございますし、いま御指摘がありました外国人漁業の規制に関する法律につきましては、これは発動しようと思えば改正されたわけですからいつでもできるわけでございますが、ただ、これを発動した場合には国際間に無用の混乱が起こる可能性も十分あるわけでございますので、われわれは発動すると同じような効果を、相手国との間の外交交渉とか、あるいは国内対策においてできればこれをやる方がより有効的であると、こういうふうに考えまして、私たちは、いま水産庁長宮が申し上げたような措置をとって効果は上げておるわけでございます。したがって、私といたしましては、この発動につきましてはやはり慎重に今後とも考え、あくまでも外交関係あるいは国内措置等によって行う。韓国や台湾からの輸入につきましては秩序化を進めていくということは当然でございますし、これは軌道に乗ってまいりましたし、今後とも全力を尽くしてまいりたいと思います。
 それから、北洋における漁業交渉あるいは日米漁業交渉、非常に厳しいわけでございますが、われわれは何もなまぬるい態度でこれに臨んでおるわけではないので、非常に厳しいということを認識して、あくまでもわが国の漁獲を確保していく、国益を守るということで全力を投入いたしまして今日まで努力をしております。北洋についてはニシンを初めカニ等につきましても、ある程度削減をのまざるを得なかったわけでございますが、交渉団は非常に粘り強く交渉いたしまして、私は、非常に厳しい中にも成果を上げ得たと思っております。また、日米交渉につきましても、米国側の態度がわれわれの想像以上に大変な厳しい態度であることは海洋法案の内容を見てもわかるわけでございますから、これに対してもわが国としても異常な決意をもってこれに対処して、われわれの漁権を確保するということで、今後努力を続けてまいりたいと思います。
○中川(利)委員 時間がないから、これで終わります。
○湊委員長 次に、瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 林業改善資金助成法案並びに漁業三法について、農林大臣並びに林野庁長官、水産庁長官等、関係当局に質問いたします。
 本法案は、新たに林業従事者等に対し無利子の中、短期の資金の貸し付け措置を講ずることによって、林業経営の健全な発展、林業生産力の増大及び林業従事者の福祉の向上に資することが目的とされておりますが、以下順次質問してまいりますけれども、その前に、去る四月二十八日、全森連の植田会長を参考人として当委員会に招致し、いろいろと参考意見を伺ったわけでございます。いろいろ内容はたくさんございましたが、その中で、冒頭特に農林大臣にお尋ねしたい点は、いま一番林業者並びに木材業者が心配し要望している問題に木材価格の不安定ということが挙げられております。特に行政的、政治的にも対策をやってほしいというのが強い要望でございます。御承知のように、外材が六〇%以上輸入されておりますし、したがって、国産材は三十数%ということでございます。造林もいろいろな面でなかなか沈滞ぎみでありますし、需給からくる価格政策というものも野放しになっているのが現状でございます。このようなことは、今後本制度の運用に当たっても、さらにまたわが国林業の推進に当たっても、重大な影響をもたらす根本的な問題でございます。本法案に入る前に、このことをぜひひとつ、農林大臣の見解を明らかにすると同時に、特に業界からも要請があっております木材の調整機能というものを持たせていただきたいということが強く言われておりますが、この点について、まず御答弁を承りたい。
○安倍国務大臣 木材価格の安定は非常に大事なことでございますが、御案内のように最近の経済の不況によりまして住宅等の需要が落ち込みまして、それが木材価格に反映しておることは事実でございますし、現在ようやく経済も立ち直りの様相を呈しております。住宅建設等も上向きになっておりますので、木材の需要の向上、それに伴うところの価格の安定といった面につきましても明るい見通しがついてきておるわけでございますが、われわれはそうした全体的な経済政策の推進を前提といたしまして、木材の価格安定に対しましては木材の備蓄対策事業等も行っておるわけでございまして、これは木材需給の一時的な不均衡によって木材の価格が異常に高騰しまたは高騰するおそれのある場合に、備蓄してある木材を放出することによって需給状況を緩和し木材価格を鎮静化しようとするものでございます。したがって、価格の低迷時における買い支えを目的とした事業では備蓄事業はないわけでございますが、今後、本事業のあり方については見直しを行っていく上での課題として検討してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 本法の審議に当たりまして、次に、農林大臣にお伺いいたしますが、林業普及指導事業というものは、普及組織によって普及指導活動を行う場合、今回のこの本法が経済的裏づけとして重要な意義を持つということは十分承知いたしております。そこで林業改善資金においても、林業普及指導組織の的確かつ効率的な普及指導活動を媒介として多くの成果が期待できるということになるわけでございますが、そういったことで、林業普及指導組織にとって本資金制度はその普及指導活動の展開に際しての経済的裏づけが有力な手段となる、そういう意味から、私はまず本法の審議に当たって、この林業普及指導事業というものがどういう実態になっているか、これが確立されない限り本資金はなかなか順調に回転または運営ができない、かようにも思うわけでございますので、まず林業普及指導事業の実態を簡潔にひとつお答えをいただきたい。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘ございましたように、当改善資金の推進のためには改良普及員の大変な努力があって、それと相まちましてこれは成果が上がるものでございますが、普及事業に従事いたしております専門普及員といたしましては、専門技術員としては約五百名、改良指導員として約二千三百名を配置いたしまして、この技術の指導なりあるいは後継者対策というようなことをやっておるわけでございます。特に普及指導員の資質の向上のための研修とかあるいは技術の適応化のための事業の推進ということは、当然、普及員の資格としても必要なことでございますが、また一方、林業技術の実習のための助成とかあるいはグループ活動に対する助成とか、それらも含めまして、技術指導を含めましてこの普及事業を推進しているところでございます。
○瀬野委員 林野庁長官から答弁ございましたが、いま林業普及員等二千八百名の陣容と言われますけれども、全国にしてみればわずかな数であります。こういった組織で事実この制度がうまく運営されていくかどうか、これは大変疑問であります。本当に力が発揮できるのか。大臣はどういうふうに思っておられるか。制度だけつくっても、この制度をかついでいく組織というものがなければこれはどうしようもない、こういうふうに思うわけです。そういう点についてはいまのようなことで満足しておられるわけはないと思うけれども、将来についてはどう考えておられるか。もっと積極的な姿勢をとってもらいたい、かように思うわけです。
○安倍国務大臣 この林業改善資金は長い間にわたっての林業界の、いわば夢であったわけでございまして、われわれとしても今日の林業の実態を考慮し、林業振興を積極的に進めていく上においてはぜひとも必要な制度であるということで予算案を提出いたし、同時に今回のこの法律案になったわけでございます。この法律をより有効に実施していくためには、いまお話がございましたように林業改良普及員の活動という裏づけがあって初めてこの制度が普及をし、そして有効適切な効果を上げるわけでございますので、普及活動につきましては今後とも力を尽くして、普及活動の改善あるいはまたこれが推進には努力をしてまいりたいと考えております。
○瀬野委員 農林大臣、そこで本資金制度の運営で一点お尋ねしておきますが、本資金の昭和五十一年度における貸付資金枠は二十億円ということでございます。ちなみに熊本県なんかの要求等を聞きますと、少なくとも八千万、できるなら一億初年度に欲しい、こう言う。八千万とすれば二十五県ぐらいしか借りられない。一億としても二十県だ。仮に一人百万としても、八千万の場合が八十人、五千万とすれば五十人、一億とすれば百人というようなことで、もう実に微々たるものです。こんなことで何ができるか、こういうふうにも言いたいが、多年念願の本制度でございますので、本制度がここに発足するということはこれはもう画期的なことであり、われわれも大いに喜んでおるところでありますから、これを契機に今後大いに貸付資金枠を伸ばしていく、こういうことでお願いしたいと思うけれども、農林大臣は、将来、これに対してどういう決意で臨まれようとしておるか、御答弁をいただきたい。
○安倍国務大臣 現在、発足の時点におきましては二十億という資金を準備いたしておるわけでございますが、この資金に対する需要は各県とも強く、四十道府県が特別会計をつくるという希望を持っておられるわけでございます。したがって、これを配分するということになりますと、五千万円程度になる。それでは制度の運用において効果が少ないのではないかという御指摘もあるわけでございますが、林野庁でいろいろと各県の要望をとってみたところが、発足の時点の今日におきましては、その程度の資金で林業者の要望を満たすことができる、こういうことで、したがって発足の時点は二十億ということでございますが、本制度がこれから実施をされ、そしてこれが定着をしていくにつれて、現在考えております二十億の枠ではこれはもうとうてい足りないことは十分予測されるわけでありますし、本制度を充実していく上においてもこれをさらにふやしていかなければならない、こういうことでありますから、私たちは、せっかくできようとしておるこのいい制度を将来はさらに積極的に拡大をしていきたいというふうに考えておるわけであります。
○瀬野委員 林野庁長官にお尋ねしますけれども、林業生産高度化資金、林業労働安全衛生施設資金及び林業後継者等養成資金、こういった資金が、本制度で貸付資金の種類というものが政令で定められていくわけでありますが、今後新しい林業技術の出現等によっては資金種類の追加等が考えられるのは当然である、かように思っております。間伐等考えましたときに、将来有用材の生産、いい小丸太をつくるとか地方によってはいろいろ特産物があるわけですが、そういったことに対して今後積極的に追加また拡大をする考えであるかどうか、その点はどうですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまのこの改善資金でございますけれども、緊急政策的にも対応する必要のあるものに対しましての資金といたしまして、間伐、レイノー対策あるいは後継者対策と一応三つを考えておるわけでございますけれども、今後林業の政策上の問題といたしまして、さらに必要な、これになじむような問題が出てまいりました場合はその時点で考えまして、これに対応していく、こういうふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 農林大臣にお伺いしますけれども、これは全般に関係することでもありますが、この機会に特に伺っておきます。日本の植栽はどちらかというと杉、ヒノキ、あるいはまた北海道、東北においてはカラマツというふうに特殊な材に片寄っている傾向にありますけれども、いずれにしても針葉樹に片寄っている傾向があります。日本の将来の木材需給、また住宅建設の需要等から考えました場合に、広葉樹の生産資金導入などどんなものを考えているのか。これらについてもやはり構想を持っておくことは当然であるし、またこれらに対してもいろいろと林野庁は当然考えておかねばならぬ、こう思うわけです。今回とりあえず間伐が焦眉の急務であり、間伐資金に相当たくさんな資金枠が要るわけですから、それもできぬうちにと言えばそれまでですけれども、やはりこういった広葉樹に対する生産資金の導入ということについても片手落ちになってはいかぬ、かように思うわけですが、この機会にあえてこの点も将来のためにお尋ねをしておきたい、かように思うわけです。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまお話のございましたように、広葉樹というものの将来というものは大変必要なことでございまして、現在私ども、日本の森林は二千五百万ヘクタールございますけれども、造林しようとしているのは千三百万ヘクタールでございまして、約四〇何%というものは将来とも広葉樹林が残るわけでございます。したがって、この広葉樹林から計画的、持続的に木材が供給されるということは必要なことでございまして、現在具体的に申し上げますと、先生はもう十分御承知いただいておりますシイタケ用の原木としてすぐれたものとか、あるいは木工用材としての貴重な広葉樹もございますし、あるいはブナ、ケヤキとか天然更新に主として依存しておるようなものもあるわけでございます。現在私どもは広葉樹の育成のためには発芽の支障物の除去とか、かき起こし、あるいは芽かき、除伐等につきまして必要な助成をいたしておるわけでございまして、今後も必要な、良質な広葉樹用材を得るための施業につきましてはそれ相当の手当をしていくつもりでございます。
○瀬野委員 広葉樹についても十分将来の対策を講じていかれるように、さらに強くお願いをいたしておきます。
 さて、本資金は無利子であるものの、あくまで貸し付けでございますから償還が義務づけられておることは言うまでもございません。すなわち返還を条件とする無利子の貸付金というようなものでございますが、したがって、本法案では第六条において、貸し付けについて「担保を提供させ、又は保証人を立てさせなければならない。」旨の規定を設けております。われわれは、この林業のあり方からしまして、いまいろいろ各党検討いたしておりますが、第六条「担保又は保証人」中、「担保を提供させ、又は」ということを削除して、「保証人」だけにする、ぜひこのように修正をお願いしたい、かように思うわけです。また、われわれは地方においても無担保、無保証の金が二百万、三百万と融資されておりますが、実際、林業の困難性から言いますと、無担保、無保証でお願いしたいところでありますが、にわかにはそうもまいりませんので、将来は無保証、無担保というようにするにしても、当面とりあえず保証人のみにして、「担保を提供させ、又は」というのを削除したい、かように思うのですが、このことについて当局はどのようにお考えであるか、お考えをひとつ承りたいのであります。
○安倍国務大臣 融資につきまして「担保又は保証人」というふうに政府の提出法案には規定をいたしておるわけでございますが、その趣旨につきましては、あくまでも保証人ということが原則でございまして、いわば担保を求めるということは例外というふうにわれわれは考えておるわけでございます。担保の場合は、間伐の加工場等をつくる場合の五百万円以上というふうな資金につきましては担保を求めるというふうな考えでございますが、しかし、原則は保証人ということでございますし、この運用につきましては、われわれは法律の運用面におきまして、いま申し上げましたような趣旨でもって融資すれば、十分林業者の期待にこたえることができるというふうに判断をいたしておるわけであります。
 しかし、いま修正の話が出ましたが、修正問題は、これは国会の問題でございますので、国会がどういうふうに御判断をされるかは国会にお任せする以外にはないわけでございます。
○瀬野委員 農林大臣のお考えだけを承っておけば、本件については後刻各党で修正をするというような方向で協議したいと思っておりますので、将来にわたってまたいろいろと御検討いただきたい、かように思います。
 もう一点、第四条の「貸付金の限度」の中で、「農林大臣が定める額」というのがございますが、これを「農林省令で定める」というふうにわれわれは修正意見を持っておるわけでございまして、これについても後刻いろいろ検討したいと思いますので、林業改善資金助成法案の中で、この二点については国会の立場から十分検討したい、こう思いますから、修正が通った暁にはよろしく対策を講じていただくようにお願いをしたい、かように思っております。
    〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕
 そこで、本資金制度の存続を図る上で、当然のことではありますけれども、ともすれば貸し付けの相手方の選定に際して、役人が貸し付けの相手を考えた場合に、セレクトする関係上、偏ってしまうというようなことが心配されます。本資金はあくまでも零細で分散型であってもらいたい、かように思うわけです。言いかえれば、大規模森林所有者等資力のある者に、これが保証力があるからということでいくということになったのでは、本資金制度の意味がない、こういうふうに思うわけで、ぜひとも零細で分散型にしてもらう、これについては農林大臣はどういうふうにお考えであるか、ひとつ決意を承っておきたいのです。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま偏ってはいけないというようなお話でございますが、政策的に緊急解決を要することについての資金でございますので、これが大所有者に偏るとか、あるいは一部の大きな業者に偏るとか、そういうことがないように私どもは運営もし、また制限もしてまいりたいと思っておるわけでございます。なお、農林事務所あるいは林業事務所等がございますが、そこごとに町村なりあるいは森林組合あるいは改良普及員等で協議会を設けまして、適正にこれの貸し出しが行われるように十分指導してまいるつもりでございます。
○瀬野委員 間伐材の用途の積極的利用開発というのは言うまでもありませんが、従来からたびたび指摘しておりますけれども、林野庁としてもなかなかこれが森林所有者に対して要望にこたえることができないままに推移しております。この間伐材用途の積極的利用開発及び拡大、こういったことについて今後積極的に進めてもらいたいのですが、当面どういうことを考え、どういうように指導し、今後推進を図ろうとしておられるか、その点を明らかにしてください。
○松形政府委員 ただいま御指摘がございましたように、幾ら生産がされましても、これの販路というものの開拓がないと、また生産が詰まってくるという循環になろうかと思うのでございます。したがって、このような需要開発ということは私ども最も重要なことだと考えておるわけでございます。特に間伐は非常に分散的でございまして、今度の資金は団地で集団的にあるいは計画的に行うものに対しての貸し付けでございまして、これらの集団化あるいは計画化等によって集荷のコストを下げる、そしてまた大きいロットでこれを供給することによる需要の安定とか流通の改善ということも図りますと同時に、技術開発等もいたしまして、現在足場丸太とかあるいは一部建築あるいはパルプ、チップというような、ある限定されたような需要になっておりますことを、もっと広く、あるいは集成材とか、いろいろなガーデンセットとか、あるいはへいとか、あるいは大量にはパルプ、チップ、これを大量に使うように生産原価を下げていくとかいうようなこと等を含めまして、努力してまいりたいと思っておるわけでございます。
○瀬野委員 間伐はもうおくれている以上におくれているわけですけれども、間伐が進まぬのは作業道がないからだ、こういうふうにも言われますし、また、事実そうであります。しからば作業道をつけたならば売れるか、または流通に乗るかというと、これまたいろいろ問題がございます。流通が円滑に形成していなければならぬわけでありますが、私は、総合的にながめて、この資金が受け持つ範囲というのはどこにあるのか、そして間伐政策というものは総合資金でなくちゃならぬ、こういうふうにも思うわけですが、その点についても、本資金が二十億で資金枠が設けられて、何とか間伐が促進されるというようなことでお茶を濁すようなことでは相ならぬわけです。総合的にながめて、この資金が受け持つ範囲がどこにあるか、また間伐政策は総合資金でなくちゃならぬ、かように思うわけですけれども、その点はどういうふうに考えておられるのか、この機会に林野庁の対処方針を承っておきたいのです。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 先ほどお答え申し上げましたように、間伐の進行していない理由としては、そのような作業路の建設がおくれているとか、あるいは大きなロットにならないような分散の伐採になっているとか、需要が十分でないとか、いろいろなことがございますので、それに対しては個々の問題としてでなくて、総合的な対策として対応していくべきである、そのために私どもこの資金も要請しているわけでございますが、同時に林業構造改善事業等を通じましての作業路あるいは間伐のための対策というのもその中にも入っているわけでございまして、両々相まって私どもはこの対策を遂行してまいりたい、このように思っておるわけでございます。
○瀬野委員 山が小さいのに点々とある間伐がわずかずつ切られてみてもなかなかコストの面でも採算がとれないし、また、これを流通機構に乗せようとしてもなかなかこれが採算がとれないということはもう御存じのとおりです。なかなかまとまってということにならぬ場所がかなり多いわけです。また、間伐材がコンスタントに出ればいいわけですけれども、それが一時出たけれども後がとだえるということでは、これまたなかなか需要にこたえることができない。
 そこで、間伐材を組織化、団地化して買う人と売る人の関係を考えないと長く続かないということが考えられます。また、事実そうであります。すなわち、生産面、流通側の両者の組織化が必要であります。また、間伐材が有利に販売できるような市場の整備が必要であります。この点についてはどういうように対処され、また今後どういうふうに推進なさっていこうとされるのか。単に本資金をつくって貸し付ければ間伐が促進されるというものではありません。その資金も将来はふえるにしてもわずかな資金であります。そういったいわゆる生産者、流通面の組織化、市場、こういったことが大変重要になってくるのですが、当然そういったことがいま考えられます。三十六年がピークで、戦後植えたのがすでに三齢級内外、特に間伐は五齢級から七齢級の要間伐面積がかなりあるわけですから、その点を考えてひとつ林野庁のお考えをお聞きしておきたい。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘のとおりでございまして、先ほど私御答弁申し上げましたように、総合的な対策としてこれをやらないとその実効が上がらないということでございますが、具体的に私ども先般の改正森林法に基づきまして団地共同施業計画の推進をいたしておりますが、団地共同森林施業計画等によりまして集団的、計画的に間伐材の生産を行うような体制の整備をまず考えるということでございます。と同時に、大部分で生産者の集合体でございますが、森林組合というようなものと製材その他加工業者との間における安定的な取引の関係を推進したいと思っておるわけでございます。たとえば長期取引の契約の推進というようなこと等も考えておるのでございます。さらに、間伐材の流通加工施設の整備あるいは加工技術の開発あるいは間伐材の製品の展示普及というようなこと等も含めまして、総合的な施策を私どもはとろうとしておるわけでございます。
○瀬野委員 間伐材は、御承知のように杉、ヒノキの場合は比較的売れるわけであります。従来は足場丸太あるいはまた稲を立てるくいだとかノリを立てるくいだとか、いろいろ使っておりましたが、最近は足場丸太もだんだん使わなくなりましたが、いずれにしても杉、ヒノキの場合には売れる可能性が多いわけですけれども、他の樹種、たとえば北海道、東北等のカラマツなどはなかなか売れない。御存じのように、幼齢木はなかなかねじれるわけですね。四十年、五十年生になりますと安定してまいりますけれども、幼齢木はどうしても木がねじれます。そういったことから、金を借りてカラマツを間伐し、売ろうとしても採算がとれない。そうなりますと、資金を借りて間伐ををやるが、結局間伐した材は投げる。そうするとまた後々のいろいろな手入れあるいは林内の作業にも影響するということにもなりますけれども、結局採算がとれないし、売れないから投げる。除伐ならばいざ知らず、そういう傾向になっていく。そうしますと、東北、北海道のカラマツの場合はお金を借りてもなかなか採算がとれない、また売れないということで問題になると思いますが、その点はどういうように本法提案に当たっては検討されましたか、お答えいただきたい。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 確かに御指摘のとおりに、北海道等におきましては大面積のカラマツの植林が行われまして、ようやく間伐時期に参っております。そしてまたそれが利用といたしまして、足場丸太とかあるいは家具セットとか、これはガーデンセットみたいなものになりますけれども、いろいろな方面にこれが使われております。また鉄板とかあるいは機械等を船積み等に出します場合のダンネージとか、そういうものに使われておるわけでありますが、現在たとえば北海道のカラマツ等につきましても、森林組合で間伐材のための専門の小さな製材工場をつくりつつあるというようなこともございますし、あるいは民間の協同組合としてもこれを活用していこうというような動きがございます。私どもの林業試験場等を通じましてこのような指導もいたしておりますけれども、本資金によりましてより一層間伐が進むことによりまして大量にまとまって出てまいりますれば、私どもの需要開発あるいはそれの研究というものと相まちまして、私は成果が上がるものというふうに考えているわけでございます。
○瀬野委員 いろいろともう少し詰めたい点もありますけれども、時間の制約もあるので、一応法案全体にわたってお聞きする関係からはしょってお尋ねしてまいりますが、いま間伐を促進していこう、また本制度によって間伐を今後大いに推進しようというときに逆なことを言うのもどうかと思うけれども、やはり将来のために次のことも林野庁からお考えをお聞きしておきたいという意味で申し上げるのですが、森林はあすから借りても使い物にならぬというわけじゃないのです。間伐しなくても何とか森林は保たれております。うっ閉度が厳しいためになかなか成長が順調にいかなかったり、またはいろいろ病虫害の発生の原因になったりするわけですけれども、いずれにしても売れないものを無理して間伐し、出すということについても、これは一考を要するという場合もあるわけです。もちろん間伐ができればこれにこしたことはありませんが、とてもこのような資金で五年や十年でこれが解決するわけではありません。戦後拡大造林で植えた林分が相当数、すでに現在でも二百六万ヘクタール、あと三百八十一万ヘクタールが今後十年間に要間伐面積としてあるわけです。そういったことから見ました場合に、無理して間伐を出すことについてどうかなという見方もあります。われわれの生活に重要な意味があるかということの上から考えた場合に、逆な場合、どうしようもないところはある程度手が回らずにほうっておいてもいいじゃないかというようなことも考えるわけですけれども、そういう点については林野庁はどういう見解を持っておられますか。逆な場合の見解を承っておきたい。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 間伐は次の年代における成長を旺盛にし、また健全な森林をつくるというための間伐でございまして、もし間伐をしなかった場合はもちろん成長量も落ちますけれども、良材がとれないということもございますし、また諸被害に対する抵抗力というようなものも少なくなるわけでございますから、ただいま御指摘ございましたように、十カ年間で三百八十万ヘクタールが間伐対象林分に入ってくるわけでございますけれども、せめてこの五、六〇%というものが本資金を通じまして確保できるように私ども努力してまいりたいと思っているわけでございます。
○瀬野委員 林野庁長官が言うように間伐の必要はもう百も二百も承知なんですが、なかなかこれが皆さん机上で計画しておるようにまいらぬわけです。そういった意味で、逆な場合もいろいろと考えねばなりませんので、後々質問してまいりますけれども、そういった点についても十分検討していただきたい、かような意味で御意見を承ったわけです。
 次は、間伐材を切ってもなかなか経費が賄えないということで、本資金の貸し付けに当たっていろいろ借り入れ側では要望が強いわけですが、間伐関係資金は補償期限が五年となっておりますけれども、これでは短過ぎる、ぜひ十年ないし十五年にしていただきたいという声が圧倒的に強いわけです。現在九州方面でも、成長の早いところでも伐期が三十年ないし四十年ということにしましても、かなり息の長い仕事であります。東北、北海道においてはもっと長い伐期になるわけです。そういうことから、どうしても償還期限が五年じゃ短い。まあ発足したばかりだからとりあえず無理かと思いますけれども、附帯決議の中にもぜひこれは期限を延長するように今後掲げてまいりたい、こういうふうに思っておりますし、初年度はやむを得ないとして、来年度以降はぜひ配慮してもらいたい、かように思うわけです。農業改良資金なんかは五年、七年となっておりますが、何もこれは農業改良資金に準ずることはないと思うのです。間伐材の場合はどうしても切った材が売れない。ペイすればまだしも、損をする。そういうことを見越して、あとの優良材の生産のために間伐をやっていこうという林家に対して、償還期限はなるべく長くしてあげないと、息の長い林業でありますから、これらの資金が農業改良資金並みのようなことでは、私は少し林野庁の姿勢が弱い、もっと大蔵省に強く当たって、農林大臣ともども次の機会にはこれを十年ぐらいに延ばす、こういうふうにしてもらいたいと思うのですが、その点の見解を農林大臣または長宮のいずれかからお答えをいただきたい。
    〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 当間伐資金でございますけれども、これは作業道をつくったりあるいは間伐いたします場合の賃金等を含んでいるわけでございまして、言うなれば事業資金的な性格を持っているわけでございます。そしてまた、これは何がしかの収入が見込まれる性格のものでございまして、先生十分御承知いただいておりますとおりに、森林造成についての長期の公庫資金というようなものとはおのずから性格が違うわけでございまして、私ども、ただいまのところはこの五年以内ということを延長するというのはなかなか困難ではないかと思っているわけでございます。
○瀬野委員 この件についてはまたいずれいろいろ論議することとして、十分検討してもらいたいと思います。
 次に、間伐材の加工資金で加工施設を充実してもらいたいということでございますが、今回の本制度になりますと、簡単な丸のこを対象にしておられるようであります。両面切りの丸のこ、五百万程度ということになろうかと思いますが、間伐を行う林地でも丸のこはほとんどいま使ってないというのが現状で、これはずいぶん時代おくれみたいな感じがするわけです。少なくとも簡単な帯のこをこれに入れてほしい、対象にしてもらいたいと思うのですが、この点についてはどういうふうに検討されましたかお答えいただきたい。
○松形政府委員 丸のこだけではなくて帯のこ等にもこれを適用したらいかがかという御意見でございますが、私どもいま、このような間伐のような小径木の加工を行いますには、両面が一遍にとれるツイン丸のこを考えているわけでございまして、帯のこはすでに十分一般的に普及しているということと、このような小径木を加工するには非能率な点がございまして、その点問題があるというようなことを考えて、このツイン丸のこあるいは剥皮機というようなものに限定して考えているわけでございますが、ただいま御指摘ございましたように、間伐材の利用開発技術の研究というものは当然われわれはこれから進めてまいらなければいけません。したがって、技術の実用化の進展状況等を勘案しながら、これに要する加工施設等が出てまいりますれば本資金の貸し付け対象にしていくというような考え方で対処してまいりたいと思っているわけでございます。
○瀬野委員 次に、中小企業には金利二・七%の資金制度があります。林業では従来三分五厘資金のみであったのは、私は、制度としてはもう大変これは立ちおくれている、かように思っております。過去にも何回か指摘してまいりましたが、農業または漁業に比しても立ちおくれておりますし、中小企業から見れば林業はかなり立ちおくれております。こういう点では農林大臣もまた林野庁長官も、今後大いに努力にまつところが大きいわけですが、より低利の施設資金を設けるべきではないかと、かように思っております。この点についてはどういうふうに検討しておられますか、お答えいただきたい。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 確かに中小企業におきます高度化事業に対しまして中小企業振興事業団から金利二・七%というような金利のものが融資が行われておるわけでございますが、これは政策的な、あるいは構造的な要請によります工場の集団化というようなこと、あるいは団地化というようなものに対しての金利でございまして、林業のように個別的な金融というものとはちょっと性格は違うんじゃないかと思うわけでございます。ただ林業におきましては、先ほど申し上げましたようにきわめて長い、償還期限も三十五年とか、あるいは据え置き期間が二十年というような造林資金等、大変長期で低利の三・五%というようなものが適用されておるわけでございまして、農業などに比較いたしましても一般に有利な条件で設定されておるわけでございます。そしてまた、私どもは、公庫資金の資金枠の拡充とかあるいは条件についての改善とかいうことは、今後もこの林業の置かれている立場等を考えながら進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○瀬野委員 さらに、中小企業金融によって林業の施設資金を賄うことは限度があるわけでございますが、林業独自で制度を設けるべきではないか。たとえばチップ加工等を設けたらどうか、こういうふうに思うのですが、この機会にこの点もあわせて御答弁をいただきたい。
○松形政府委員 限度があるというお話でございますが、林業者や森林組合などの行いますチップ加工等につきましては、御承知のような、農林公庫から主務大臣施設資金として出されておるわけでございます。また、林業の施設資金に対する融資制度といたしましては、製材業あるいはチップ加工業などにつきましては政府の中小関係三機関から融資が行われる、こういうことでございまして、さらに、今回御審議いただいておるような間伐材の加工利用施設についても無利子の資金の貸し付けを行うことにしているわけでございますが、何分このような林業資金に対する要請というようなものは非常に強いわけでございまして、今後もこれらの融資制度の充実については一層努力してまいりたいと思うわけでございます。
○瀬野委員 間伐材の利用ということでもう一、二点伺っておきますが、間伐材については、建築材として利用することが一番需要も大幅に伸びるわけでございます。もうこれは言うまでもありません。建設省ともよく協議をされて、建設省が示すいわゆる仕様書の中に、間伐材またはこういった間伐材を利用した仕様書を設けるように、公団において行う等、いろいろ対策を講ずべきだと私は思うのですが、その点についてはどういうふうに建設省側と協議しておられるか。せっかく切った間伐材が利用されなければ、これはもうどうしようもない。こういった利用面の拡大を図るという意味で、建設省側と交渉を持つべきであると思うのですが、その点に対する林野庁の対処方針をお聞かせいただきたい。
○松形政府委員 間伐材の利用促進についての、建築基準法上の構造材として何か対策をとったらどうだというような御指摘でございますが、構造材とかあるいは内装材としての使用について、間伐材であるという理由で特に一般材と区分してというようなことは、製材されたものにつきましても仕分けがなかなか困難であるというようなことがございまして、建設省ともにこれを仕様書の中に入れるということについてはなかなか問題があるというふうに、お互いに連絡をとっているわけでございますが、しかし何としても大量に出てまいります間伐材に対しては建築材あるいはそれの内装材として使うということが最も大きな消費になるわけでございまして、木質住宅の構造材あるいは非木質住宅内の内装材としても需要の増大に私ども十分これから努力してまいりたいと思うわけでございます。
 なお、つけ加えさせていただきますと、間伐材を使いました建築を現在東京において展示いたしておりまして、私どもの方の試作品でございますが、これらの普及を通じましてもより一層関係者の御理解を深めていただくように努力しているような段階でございます。
○瀬野委員 さらに各県にある県森連が間伐材の需要促進のための施設をつくるのに対して助成をするような対策を講じていくべきではないか、こう私は思うのですが、この点はどう検討しておられますか。
○松形政府委員 間伐材の需要の拡大を図っていきますためには継続的安定的な間伐材の供給ということが一番大事なのでございまして、先ほど来申し上げておりますように、集団的な計画的な間伐材の生産を行う体制をつくるということが一番必要であると私どもは思うのでございます。したがって、間伐材の流通、加工の面におきましても、間伐材の生産者でございます森林組合等と製材その他の加工業との間における安定的な取引関係を推進するとか、あるいは加工施設の整備、技術の開発、製品の展示、普及等を図っていく必要があるのでございます。このようなために私どもは総合的な対策を立てていくわけでございますが、森林組合あるいはその連合会が間伐材の生産、流通にかかります積極的な役割りを果たすことを期待しておるわけでございまして、今度とも森林組合の果たす役割りというものを十分認識いたしまして、その契約面あるいは生産面、流通面についても十分指導してまいるつもりでございます。
○瀬野委員 間伐は、三齢級以上の間伐も大変重要な意味があるわけですが、三齢級以下の間伐について助成を強化するという考えは林野庁ございませんか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 三齢級以下の間伐、つまり保育間伐だと思うのでございますが、保育間伐につきましては、昭和五十年度からは、従来保安林だけに認めておりました除間伐につきまして普通林につきましても、ある制限はございますけれども適用するというふうに、補助体制を変えますと同時に、農林漁業金融公庫の制度でも、これにつきましてもある制約がございますが、従来十二年生までの保育であったものを二十年まで延ばしまして、若齢級の保育間伐を推進しよう、こういう体制をとっているわけでざいます。
○瀬野委員 それでいまの件ですが、杉、ヒノキの場合なんか、特に言えば九州では十五年生前後の小径木でも売れる場合があるのです、場所にもよりますけれども。その販路にはなかなか不安があるわけでございます。三齢級以下の間伐をやっている熱心な林業家も多いわけですが、そういった販路に対する不安がある。そこで、これらも本資金の融資の対象にするということでこれはやはり将来考える必要があると思うのです。もちろん九州においては雨量も多いし、成長量も全国的に見ても相当多いわけでございますから、そういった地域的なことも考えていろいろと本資金の弾力的な運用を図るということも考えるべきだと思いますけれども、今回の改正では間に合わぬにしても、将来そういったことを考えておられるのか、その点もあわせて本法審議に当たってお聞かせいただきたい。
○松形政府委員 確かに九州の杉とか北海道のカラマツというようなものは十五年生ぐらいで間伐の対象になり得るものが、また利用できるものが出てくるわけでございまして、そのような場合は本資金を活用していただくというようなことを考えているわけでございます。
○瀬野委員 現在、要間伐面積が民有林においては四十六年から五十年の間に位置するものが二百六万ヘクタール、五十一年から六十年、あと十年間で三百八十一万ヘクタールとなっております。すなわち五齢級から七齢級ということになりますが、戦後三十年間人工造林、拡大造林を図ってまいりましてこのような結果が出たわけですけれども、この集積はまさに間伐を必要とするうっ閉度の高い林分になっております。九州でも十ないし二十年生の、密植したところが真っ黒な、いわゆる昼なお暗いような林相でございまして、間伐を急がれるところが数多くあることは言うまでもございません。こういったことで全森連においても所有者が一々切るのが大変なので一斉間伐をやるということで共同で間伐をする、いわゆる山掃除運動、一斉間伐計画というものを立てていま推進を図っておられますけれども、まだ緒についたばかりで今後に期待がかけられております。そうしないと本制度資金によってはとても間に合いませんし、すでに要間伐面積は相当量ございますから、収支とんとんまたは採算がとれない林分等を見ましてもなかなかこれは手がつけられないということで、本資金制度は先ほど農林大臣がおっしゃるように将来大いに三百億も五百億も資金枠をとって推進していかなければなりませんけれども、これでは十分な対処はできません。そういったことで片一方では森林組合等で山掃除運動、一斉間伐を強力にやっていかねば、三十六年をピークとして密植をしてきた林分がますますうっ閉度も激しく、今後森林の経営に急を要するものがたくさんございます。林野庁はそういった点はどういうふうにお考えであるか、御見解を承っておきたい。
○松形政府委員 ただいま御指摘がございましたようにこの十年間で間伐の適齢期に参ります面積も三百八十万ヘクタールという大面積でございまして、これといかに取り組んでいくかということが政策的に最も緊急なものであるということで本資金あるいは本法をお願いしているわけでございまして、特に私ども、これは国有林、民有林を通じてでございますけれども、続く森林の造成のためにもこの間伐を積極的にやらなくてはならぬと思うわけでございます。一斉間伐運動とかいろいろございましょうし、また国有林では特に間伐地域を指定しまして重点的に行うというようなこと等もやっておりますし、全国的にそれぞれ運動も展開されておるわけでございますので、これらも十分参考にしながら私どもこの運動の展開にさらに一層力もかし、またわれわれ自身も努力してまいりたいと思うわけでございます。
○瀬野委員 一応間伐の点は終わりまして、次に林業労働安全衛生施設資金についてお伺いします。
 この資金は適正な運用が望まれることは言うまでもありませんけれども、林業労働に従事する者は大別して森林組合や素材生産業者等の林業事業体に雇用される者といわゆる一人親方、生産森林組合員、自家労働従事者等の自営者に区分されることは御承知のとおりでございます。林業労働安全衛生施設資金は、林業労働に係る労働災害を防止することを目的としておりますが、その貸し付けはひとしく林業労働に従事するすべての者を対象として行われるべきものであるのにもかかわらず、雇用関係を有する場合には雇用主に、自営者についてはその者に貸し付けが行われるよう相手方の事情を十分考慮してもらいたい、こういうような意見が強いわけです。御承知のごとく組織的な森林組合の労務班はまだよいとしても、これらは対象としやすいわけですけれども、いろいろ各地にばらばら散在しておられる場合、政策の対象にしにくいのを対象にしておられる関係から自家営業、いわゆる自営者に対してうまくいくかどうかということが本安全衛生施設資金について懸念をされるところでございます。すなわち、借りたい人にうまく金が下がっていくかどうかという心配ですが、その点の不安はどういうふうに林野庁は指導して心配ないようにされるのか、簡潔で結構ですからお答えいただきたい。
○松形政府委員 このチェーンソー等の買いかえということは白ろう病の実態からいたしまして大変問題であるということで、緊急にこのような処置をとるわけでございます。森林組合系統あるいは木協系統を窓口といたしまして、この資金の貸し付けを考えているわけでございまして、一人親方等の自営者についても十分この資金が活用できますよう私どもは、指導してまいるつもりでございますので、自営者の方々にも十分この辺は理解できるように努力してまいりたいと思っております。
○瀬野委員 林業後継者資金についてお尋ねしますが、本資金では林業後継者たる青年と林業労働従事者等を対象にしておりますけれども、山村地域社会の実情にかんがみてどのような年齢階層を対象とされるのか、お答えいただきたい。
○松形政府委員 この後継者等養成資金でございますけれども、貸し付け対象者の中は、研修教育資金にありましては林業の後継者たる青年または林業労働に従事する者に充てまして、林業経営共同開始資金にありましては林業後継者たる青年またはそのグループというふうに考えておりますが、農業と違いまして林業につきましては林業後継者たる青年はおおむね十代の後半から三十歳代までの年齢階層を考えておるわけでございます。また、林業労働に従事する者につきましては四十歳代までを貸し付け対象と考えているわけでございます。
○瀬野委員 この林業後継者養成資金ですけれども、制度資金がどうその役割りを果たすかということを私いろいろ懸念するわけです。三十歳以下の林業後継者、これらを基準としていろいろ対象とするというようなお考えのようですけれども、実際に現在林業に従事している者は農山村では中高年層がその中心となって林業を推進しているのが実情であります。林業後継者に対する養成資金は当然必要であり、大いに結構でありますけれども、これは今後大いに資金枠をふやしていただくと同時に、当面Uターン現象も若干あるとはいいながらも、事実中高年層が現在の林業はほとんど背負って立っております。こういった中高年層に対する融資ということについてはどういうふうに考えておられるか、その点お聞かせをいただきたい。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 今回の林業改善資金制度の創設によって新しいこのような林業関係の制度金融の拡充整備が図られるわけでございますけれども、本資金の林業後継者等の養成資金は、林業後継者による近代的な林業経営方法あるいは技術の実地習得を積極的に助長するための実践学習的資金でございます。一般の林業経営のための資金、つまり長期の農林漁業金融公庫等から出る資金等でございますけれども、それとは性格を異にしているわけでございます。現在林業経営を営んでいる者に対する資金措置としては、一般林業関係資金である公庫資金の拡充により対応してまいりたいと思っておるわけでございます。
 なお、間伐とかチェーンソー等の資金については年齢にとらわれないで施行をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○瀬野委員 さらにこの林業後継者について見ますと、在村の定着化を図る上でグループ化が重要であることは林野庁もいろいろ指導しておられますが、このグループ化について見ましても、現在約四千三百グループ、十二、三万人がおるというふうにも言われております。このいまのグループをどうするのかということが一つと、それから、経営権の委譲を受けていない者もたくさんおりますし、農業後継者的な人もおります。男もいれば女もいる。グループ化を進めることが今後大事であることはわれわれも十分承知しておりますけれども、新しくつくるのか、または完成グループで行くのか。私は完成グループではどうしようもないというふうに思うのですが、この点についてはどういうふうに本制度資金との関係でお考えであるか、お答えをいただきたい。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 現在全国で林研グループと称する人員が御指摘のとおり約十一万名おるわけでございまして、この既設のグループのほかに新しくグループ化しようという方々に対しましても本資金を運用することによりまして、幅広く林業従事者を確保していくということに努力してまいる所存でございます。
○瀬野委員 時間がだんだん詰まってきますのではしょってお尋ねしますが、林業労働従事者の研修施設と研修内容は現在どうなっているか、どこでこれはやるお考えであるか、その点、本制度の運営などについてお聞かせいただきたい。
○松形政府委員 林業労働従事者の研修でございますが、現在模擬訓練施設整備事業といたしまして、チェーンソー等の適正な知識を得るための施設、さらに五十年度からは技能診断評価事業等を行いまして、労働災害の防止等が図っていかれるようにいたしているわけでございます。さらにまた、先ほど御指摘ございました実習指導施設、これは全国十四カ所整備しつつあるわけでございますが、ここでは具体的なチェーンソーとかトラクターとか、あるいは架線作業の研修、あるいは除間伐に対する技術研修等もやるわけでございますし、また、林業労働災害防止協会等も府県と一緒になりましていろんな講習会を開いておるわけでございます。当然本資金によりましても一層この研修の拡充整備に努力してまいる所存でございます。
○瀬野委員 いま林野庁長官がおっしゃったのに関連して、研修機関として林業技術実習指導施設というのがあるのですけれども、これはよくわれわれが聞くところによると、もう衣がえをすべきときじゃないかというふうにも言われるし、場所の選定、施設の整備が必要であるということでいろいろ批判も出ておるように聞いております。現在の施設で十分であるとは長官も考えておられないと思うのですけれども、今後これをどういうふうに考えていくつもりであるか、本制度資金の運営に当たって今後こういったものが大いに役立っていく、役割りを果たすわけですから、その点もあわせてお答えをいただきたい。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 さっき申し上げましたように五十一年度を含めまして全国十四カ所、一カ所一億程度で整備を進めておるわけでございますが、今後もこの内容の充実につきましては一層県とも相談しながら努力してまいる所存でございます。
○瀬野委員 林業改善資金助成法の最後の質問として農林大臣にお伺いをいたしたい。
 林業に関する制度金融の拡充ということで特に大臣にお伺いするわけですが、林業金融の現状は昭和五十年三月末で見ますと金融市場に占める林業金融のウエートというものは約〇・三%になっております。そこで、森林組合制度の検討とあわせて林業においても農業近代化資金に類した資金措置を導入し、林業関係の制度金融の一層の充実を図る必要があると私はかねがね指摘をいたしておるところでございます。
 そこで、農業近代化資金というようなものが農業の場合はあるわけですが、こういった林業近代化資金というものができないのかどうか、何でもかんでも農林漁業金融公庫に背負うというのではなくて、制度的に確たるものにならぬか、このように私はあえて申し上げたいし、かねがねこういった持論を持っております。また、林野庁に対しても私はかねがね指摘しておりますが、現在林野庁のこの金融関係は企画課金融班、男三人くらいでやっております。まことに少ない陣容であります。少数精鋭主義といえばそれまでですけれども、いつまでも少数精鋭で甘んじておってはなりません。しかも林野庁でいろいろ金融問題が立案され、検討されますと、案をつくったならば農林省農林経済局金融課、これが窓口でございますのでここへ持っていって伺いを立てる。すなわち農林省農林経済局金融課がありますけれども、これは農業が中心であります。林業専門家はいないわけです。これは十分御存じだと思います。そこで、私は林野庁企画課金融班――しかもこういった膨大な資金、今後大いに資金の活用を図り大いに拡大していこう、こういうときに、農業、漁業よりも一番おくれているこの林業金融、しかも国土の六八%が林野、しかも息の長い林業、こういったことを思ったときに、余りにも農林大臣、林野庁長官、関係当局の熱意のなさというか、さればとて人員をふやせばいいというものではありませんけれども、いろいろなこういった林業近代化資金あるいは制度をつくって今後進めなければならぬ、もちろん現在はまだ森林組合が単独に立法化されておりませんので信用事業その他問題はあるにせよ、今後大いに促進を図って努力をしなければならぬわけでありますが、それはそれとして、もっともっと林業関係の資金を大きく拡大していく方法があると思うのです。そういった意味で私は林業を将来考える場合にこの林野庁の企画課金融班、現在三名でやっておる、女の方を入れて五名とか言われておりますが、これで事足りる、いつまでもこんな状態でどうするかと思う。猛省を促したい。林野庁長官並びに農林大臣からそれぞれこういったことに対して今後どういうふうにおくれている林業金融制度を充実を図っていくか、この法案の制度の質問の最後にこのことを強くお願いし、またお伺いをしておきたい、かように思います。
○安倍国務大臣 林業金融につきましては、御案内のように設備資金につきましては農林漁業金融公庫資金、運転資金にありましては民間の金融機関、農林中央金庫の資金によって行われておりますし、また民間金融機関から林業への融資の円滑化を図るための林業信用基金によるところの債務保証が行われておるわけでございます。林業はその性質上長期資金に対する依存度が非常に大きいわけでございまして、これにつきましては農林漁業金融公庫から造林資金を中心として長期、低利の資金の融通を行っておりますが、今回これに加えて林業の当面する課題に対応するための中、短期無利子の林業構造改善資金の創設を図ることとしたところでございまして、今後とも林業関係の特性に応じましてこれらの林業制度金融の拡充強化を図ることを通じて林業の発展に努めてまいりたいと考えております。なお、御案内のように森林組合は預貯金業務を行っておりませんので、系統資金の外部流出の問題はなく、また、資本装備の高度化のための機械施設等につきましては、農林漁業金融公庫の林業関係資金を融資してこれらの資金需要に十分対応しておるので、林業には農業や漁業におけるような近代化資金制度はありませんが、この点についてはこれに対応する措置を講じておりますので、特に支障はないものと思うわけでございます。
 なお、林業の金融全般についてはこれからも改善をするためにわれわれとしても努力をしていきたいと思っておりますし、また人の問題につきましてもこれが充実を図るために今後とも努力を続けてまいりたいと考えております。
○瀬野委員 漁業再建整備特別措置法案について若干質問をいたします。
 漁業経営維持安定資金制度についてですが、経営が困難となっている中小漁業者の固定化債務の整理等に必要な資金の中で、昭和五十一年度及び五十二年度の二ヵ年はわたって約一千億円、初年度六百億円になっておりますが、これを目途に系統金融機関その他の金融機関から末端金利五%、償還期限七年で融通しようとするわけでありますが、これは財政法の第十五条によって国庫債務負担行為の限度は五年以内とするというのがありますが、五年を限度とすると法律が要らなかったということが言われるわけですが、七年にしたからこの法律が必要となるということになるわけですけれども、その辺について素朴な質問でありますが、七年になぜする必要があったかということ、この点をお伺いしたい。
○内村政府委員 漁業経営維持安定資金の償還期限を七年といたしましたのは、私どもの調査によります中小漁業者の負債の状況、特に固定化債務の状況、漁業収支の状況と今後の漁業者の経営努力等を考えましておおむね七年くらいで償還可能であろうと考えた次第でございます。
○瀬野委員 第八条の助成措置で、都道府県が利子補給をしたときに国が利子補給することになっておりますが、県が出さぬと国が出さぬというようなシステムでありますね。そこで、県においても異常な財政難のときでありますから、国単独で利子補給できない場合が起きるのではないか、かように懸念されます。県が財政難のために何とか国単独で利子補給ができないものかできるとすればどういう場合にできるか、この点ひとつ簡潔にお答えいただきたい。
○内村政府委員 簡潔にお答え申し上げます。
 沿岸漁業はやはり地元との密着性が高く、地域産業振興の観点から見ましても、さらにまた従来の各種の制度金融の前例から見ても都道府県が一部を負担することが妥当であるというふうに考えているわけでございます。確かに先生御指摘のように現在の地方財政事情には非常に厳しいものがございますが、沿岸漁業等の経営の再建の重要性と緊急性にかんがみ、都道府県に対し必要な指導を行いますとともに、その財政的な裏づけについて関係省と協議いたしまして本措置が特別交付税の対象となるように水産庁としても努力しているところでございます。
○瀬野委員 自主減船方式の法定についてお伺いしますけれども、本法の第六条で国際環境の変化、水産資源の状況等に照らして減船する必要がある業種を政令で定めるということになっておりますけれども、当面遠洋カツオ・マグロ漁業を定める予定であるやに聞いております。
 そこで、自主減船方式を法律に定めた理由はどこにあるのか、お答えいただきたい。
○内村政府委員 いわゆる自主減船は、国際環境の変化、水産資源の状況等に照らしまして漁業の存立を維持するための自主的な再編整備として漁船の隻数の縮減を業界全体の意思によって行おうとするものでございます。
 なお、本法案において自主減船方式を取り入れましたのは、当面の実行上無理が少ない方式であることと、自主減船を行うに当たって政府としても農林漁業金融公庫等から相互補償金に要する資金の融通、離職者に対する職業転換給付金の支給等、所要の援助措置を行って自主減船の円滑化を図ろうという趣旨からこの法律を提案しているわけでございます。
○瀬野委員 自主減船に対しては国が金を出すべきだということを次にお尋ねするわけですが、御存じのように国は許可を与えた責任があるわけです。将来を見通せなかった責任もまたあると言わざるを得ません。漁業者は国民のたん白質供給源を獲得すべく努力して、国策の線に沿って今日まで操業してまいりました。一方的に政令でやめさせるのだから、当然政府は補償すべき立場にある、私はこのように見解を持っております。漁民への融資だけで片づけてしまう、それで済ませようというのはけしからぬ、かように私は思うのです。まして従来は政府が補償金かそれに見合う漁業許可を与えていたわけであります。ゆえに政府は金を出すべきである、かように思うのですが、その点については本法提案に当たってどう検討されましたか、お答えいただきたい。
○内村政府委員 先ほどから御答弁申し上げておりますように、減船につきましてはさまざまの形態があるわけでございます。今般のニシンにつきましては、日ソ交渉の結果、昨年ソ連側と話がついていた調査船の隻数を削られたというようなことがございます。このような場合におきましては、すでに関係の漁業者として出漁の準備をしているところに突然削られたというような、いわゆる国際交渉の結果突然減船問題が起こってきたというような場合がございます。さらに第二の場合といたしましては、資源の状況から船を減らさなければならない。すなわち漁獲努力が資源状況を上回っているというような場合もございます。さらに、今般の法律で予定しておるような場合を申し上げますと、経営上船が多過ぎる。すなわち漁業経営を健全化するために漁獲努力を削減しなければならないというような場合には、従来におきましても大体とも補償で行っているわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、減船の態様に応じて十分なる支援措置をとりたいということで、今般の法律に予定しております自主減船は別に漁業をやめなければならぬということはないわけでございます。漁業者の方々が話し合って、それで自分たちの船を減らしてみんなの経営をよくしようじゃないかということでございますので、それにつきましては長期低利の融資をいたしましてそういった面を援助する。さらにそれによって職を離れる人も出てくるわけでございますから、そういう人たちの離職給付金その他につきましても十分なる措置をとるということで、私どもといたしましては、減船につきましてはケース・バイ・ケースで措置すべきである。もちろん漁業者の方々の生活を守るということは非常に大事でございますので、そういった点も十分考えながら状況に応じて適切な措置をとらなければならない、こういうふうに考えている次第でございます。
○瀬野委員 自主減船の措置の性格から見ても数年先の負担能力が明確でないというようなこともありますので、年次計画による減船というのはなかなか困難が伴う。そこで単年度計画でやるべきだ、私はかように思うのですが、その点ずばりどういうお考えですか、お答えください。時間がないから急いでお答えください。
○内村政府委員 減船を何年で行うかということでございますが、これはやはり自主的な減船の場合には業界の自主的な意思もあるということでございますので、業界の意志を尊重してやるべきではないかというふうに考えております。そこで、業種によって違いますけれども、今般の減船をやろうという、遠洋カツオ・マグロというものを考えた場合に、やはり業界で考えているように三年ぐらいでやろうというのが私どもとしても適切ではないかと思うわけでございます。
○瀬野委員 遠洋カツオ・マグロの問題ですけれども、韓国の輸入規制をせずに自国のみを減船するとはけしからぬと、こういうことで、去る四月二十八日参考人を招致していろいろと参考人の意見も聞いたわけです。漁民の感情としても、自分たちは自主減船をしなければならないときに今度は韓国からは輸入をする、こういうことはなかなか許せないことです。減船するほどならば輸入規制すべきじゃないかという強い要望が、また反対があるわけです。その辺について水産庁長官の見解を承りたい。
○内村政府委員 先生御案内のように、韓国からのマグロの輸入が問題になりましてから、水産庁といたしましては韓国側に自主規制を求め、さらに国内措置といたしましても、今年の一月から輸入貿易管理令に基づく事前確認制をとってきているわけでございます。そこで私どもといたしましては、韓国からの輸入は先方の自主規制、わが方の事前確認制を併用いたしまして、ほぼ国内のマグロの流通秩序をそう撹乱されない形で輸入が行われているようになったというふうに考えております。そこで、今後韓国からのマグロの輸入が無秩序に行われる、すなわち韓国が自主規制をやめてしまうというようなことが起こった場合におきましては、わが方は整備計画を推進するわけでございますから、そのような場合におきましては輸入体制について再び検討しなければならぬ事態が起こるかもしれませんが、現在のところ私どもといたしましては韓国からのマグロの輸入というものは、両国政府間の話し合いによりまして安定的な輸入が行われているというふうに考えている次第でございます。
○瀬野委員 農林大臣、この点について一点お伺いしておきます。
 今後予想される自主減船に当たっては、本法による措置にとらわれることなく別途の措置をするということで業界の方も内々了解をし、納得をしているようでありますが、これについて農林大臣はどういうふうにお考えであるか、公開の席で明らかにしてください。
○安倍国務大臣 いま御指摘の点につきましては、今後とも漁業の安定を図っていかなければなりませんので、われわれとしても弾力的な立場で臨む、ケース・バイ・ケースで考えていきたい、こういうふうに思っております。
○瀬野委員 中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案で若干お尋ねしておきます。
 業務移管の時期についてですが、これはわが国の漁業をめぐる環境が大きな変化の過程にあるわけでございまして、漁業経営が最も不安定な時期にあることを考慮すると、漁業経営を支える金融制度を補完するに最も強固な基盤たる国が直接に行う保証保険業務を認可法人たる中央基金に移管することは時期尚早であるというような意見もあるわけですけれども、この点いかなる判断で本法を提案されたのか、その点お伺いしておきます。
○内村政府委員 現在中小漁業者の資金要需が増大いたしまして、それに伴って保証需要も大幅に増加しているわけでございますが、特別会計においては特に保険契約限度額が予算総則で定められておる等の事情により、こういった保証の需要の増加に応ずるのに必ずしも円滑に対処しがたいという面があるわけでございます。すなわち、予算総則で決まっておりますものでございますから、限度がなかなか簡単に変わらないということで、資金需要に機動的に対応できないという面がございます。加えて、前回の法律改正の際、衆参農林水産委員会の附帯決議において中央基金の今後のあり方について特別会計との関連を含めて検討すべきこととされたことに伴いまして、関係業界、学識者等から成る検討会を開催いたしまして検討しました結果、本制度の一層円滑な運営を図るためには、特別会計の行っている保証保険業務を中央基金に移した方がいいという報告を得たわけでございます。
 以上のような諸事情を勘案いたしまして、特別会計におけるよりも一層円滑かつ機能的な業務運営が可能となる中央基金に保証保険業務を行わせることとし、本制度の一層円滑な運営の確保を通じて、中小漁業者の必要とする資金の融通の円滑化を図り、現下の漁業経営危機に対処しようということで移管を決定した次第でございます。
○瀬野委員 最後に、漁船船主責任保険臨時措置法案について若干お尋ねして、質問を終わることにします。(「時間」と呼ぶ者あり)
○湊委員長 瀬野君、申し合わせの時間が参っておりますので、簡潔に願います。
○瀬野委員 四月二十八日、及川参考人にもお伺いしましたが、すでにある法律には、何に払うという保険の事故が法定されております。すなわち、保険事故の種類でございますけれども、本法では具体的な規定が置いてありません。どのような事故が起きたときに金を出すのか、その点について明確にしていただきたいということが一点でございます。
 それから、今回の本法の事故の処理機構でございますけれども、世界各地で事故を起こすと、手足になるものが必要になります。漁船船主の責任保険事故のうちで、六千万円は漁船保険中央会で元受をして、ブリタニヤに再保険をするというようなことになろうかと思いますが、日本が事故を起こしたときにブリタニヤは調査に行くのか、またそのような契約をしてあるかどうか。
 それから、いまは自分たちでやっておりますけれども、今後は漁船保険中央会がやることになります。そうしますと、仕組みが変わるということになりますから、ブリタニヤの了解をとらねばならぬという問題が起きてくる。時間がないのではしょってお伺いしますが、その点お答えをいただきたい。
 もう一点は、漁船保険中央会の位置づけの問題ですが、中央会は、漁船損害補償法第五章に規定するとおり、本来、漁船保険事業の健全な発達をはかるための調査、指導を行う組織であって、法律上保険事業を直接担当する組織とはなっていない。したがって、実際に中央会が今後これを行うとなると改組することも考えねばならないことになると思うが、その点についてどう考えておられるのかお伺いいたします。
○内村政府委員 第一点でございますが、この保険のてん補リスクは、大別いたしまして対物賠償責任、対人賠償責任及び費用でございますが、その具体的な内容については、他の同種のPI保険でてん補の対象としていない損害についても、漁業者の希望に応じて取り入れることとしております。たとえば漁網に与えた損害、さらに船主、乗組員の人命災害等もてん補の内容とすることとしております。
 なお、法律上具体的なてん補リスクを明示しなかったのは、この保険が試験的に実施されるものであり、できるだけ弾力的に運用することにより、漁業実態に即した内容にしていきたいと考えているためでございます。
 次に、海外における事故処理についてどうするのかということでございます。海外で発生した事故の処理については、世界の主要港の法務代理人に委嘱いたしまして、事故処理の円滑化を図る予定でございます。また、外国での実地調査に必要な費用は予算に計上してございます。さらに再々保険者である英国のブリタニヤP・Iクラブの損害評価網及び世界各地に設けられている支店網を利用する予定でございます。
 なお、再保険者であり、試験実施の主体となる漁船保険中央会に、新たに学識経験者、弁護士等を中心とした損害審査委員会を設置いたしまして、外国の事故処理と十分な連携をとるような措置をとるつもりでございます。
 さらに、試験実施の問題と関連いたしまして、漁船保険中央会のあり方についてどう考えるかという御質問でございますが、本保険は昭和五十一年度から五年間の予定で行うこととしておりまして、試験実施を終えました段階で、その結果をもとに再保険のあり方、あるいは国の援助等のあり方を検討した上で、恒久法の制定等につき所要の措置をとるわけでございまして、本格的な実施の場合の保険者をどこにするかということは、保険の設計のあり方等とも関連いたしましてその際検討したいというふうに考えております。
○瀬野委員 終わります。
○湊委員長 次に、稲富稜人君。
○稲富委員 冒頭にひとつ委員長に御注意申し上げたいと思います。
 大体理事会で決めた時間をみんな超過して、そして委員長が注意もしないということは不都合であって、最後になったらおまえなるたけ簡単にやれ、こう言われる、こういうことでございましたらこっちは意地でも長くやろうと思いますので、その点御承知願いたいと申し上げたいのですけれども、そうすることもまた余り大人げないので簡単にやりたいと思いますが、以後は十分注意をしていただきたい。
○湊委員長 わかりました。
○稲富委員 そのつもりで答弁も簡略にお願い申し上げたいと思います。大体十時までに終わってくれということでございますので、できるだけ短縮して質問をいたしたいと思います。
 最初に、林業改善資金助成法案につきまして質問いたします。
 この法案は、林業の持つ公益的機能を維持増進するその必要性から立案されたものであり、その趣旨には私も賛成するものでありますが、今日、この資金を特に必要とするものは、零細所有者層においていかにこれを活用せしめるかということであると思います。しかるに、この改善資金の貸し付けに際しましては、将来その償還が義務づけられていることから、担保の提供や保証人を立てなければならないことになっているので、そのためには、貸し付けの相手方として信用確実に重きを置かれて、大規模森林所有者等の特定の階層の者が選定され、その結果、本当に本資金を必要とする者が後回しになるようなことが起こりはしないか。よって、政府はこの点にどのように対処し、またどのように指導していかれるつもりであるか、承りたいと思うのでございます。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 本資金は、ただいま御指摘ございましたように、なるべく広い階層に、また政策的に緊急を要する問題でございますから、そのような広い階層にこれが行き渡るように指導してまいるつもりでございますが、なお、貸し付け対象者の一つになっております木材製材業を営む者とか、あるいは林業を行います会社については一定規模以下のものに限定したい、かように考えておるわけでございます。
 なお、貸し付け等につきましては、林業事務所ごとに林業の専門技術員なり、あるいは林業の改良普及員、あるいは市町村職員等で構成いたします協議会を設けまして、その協議会において適正にこの資金が貸し付けられるように指導してまいるつもりでございます。
 なお、資金調達についてより困難であると思われます中小規模の所有者を重点とするように私どもは指導して、この適正な運営が図られるように措置するつもりでございます。
○稲富委員 ただいま御説明のありましたような点から申し上げましても、そうしますと、今後のこの法案の制度における貸付金の償還期間等はできるだけ長期化する必要がある、かように考えますが、この点いかがでございますか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 間伐資金あるいはチェーンソーの買いかえ資金、養成資金等、それぞれ五年以内あるいは七年以内と決めているわけでございますが、この間伐資金に一つ例をとってみましても、間伐の作業道をつくるとか、あるいはそれに必要な労賃とかいうものを含めておりまして、やや事業的資金としての性格が強いわけでございまして、農林漁業金融公庫から造林等に出されております据え置き期間二十年、あるいは償還期限三十五年というような長期資金とはおのずから性格が違うものでございます。したがって、私ども、それらを勘案いたしまして償還期限というものを考えておるわけでございます。
○稲富委員 それでは次に移りますが、この法案の説明の中にも人工林の間伐がおくれぎみであると言われているが、そのおくれの実態として森林資源の脆弱化をもたらした恐れがあると言われております。その具体的な事項は何であるか、具体的に示していただきたい。さらにその原因は何であるかということをどう確認しておられるか、その点承りたい。
○松形政府委員 お答え申し上げますが、間伐をもししないで放置した場合等につきましては、多数の小径木が密林状態になるわけでございます。したがって雪害等の自然災害とか病虫害に対して抵抗性がまず少なくなるということ、優良な住宅建築資材というものが生産されないというようなこと等から考えましても大変不得策でございますと同時に、森林が持っております多面的な機能があるわけでございますが、その多面的な機能の向上なりあるいは資源の充実ということも期しがたいわけでございます。そのような大きな損失を私どもは考えておるのでございます。
 特にこれのおくれの原因と申しますのは、やはり作業道等がないとかあるいは分散的な間伐が行われているというようなことによるかかり増しの問題、あるいは有効な需要がそこに見出せないとか、いろいろそのようなことがございますので、それらに対しても十分な総合的な指導体制というものを私どもはとっていかなくてはならないと思うのでございます。ただいま多少間伐がおくれておるわけでございまして、これの改善資金の措置によりまして一層これが推進を図ってまいりたいと思うわけでございます。
○稲富委員 間伐を促進するために必要なことは、いわゆる小径木材、これについてもっと生産、流通及び加工の過程を通じまして、小径木材の円滑な流れを形成せなければいけないではないか、こういう点も私は考えるわけでございますが、政府の間伐促進政策及びこの資本を導入する間伐促進の見通し等の上から、この点をどういうふうにお考えになっておるか承りたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘ございましたように、間伐を促進させるためには生産から流通あるいは加工、それらを総合的に一貫された施策として積極的に講じないと、これが円滑な運営にならないわけでございます。したがって、間伐材の生産者とか森林組合などと製材その他の加工業との長期的な契約をするとか、安定的な取引関係ができるように推進するとか、さらには間伐材の流通加工施設の整備あるいは加工技術の開発、間伐材製品の展示、普及というようなものを考えているわけでございまして、これらを総合的な施策として強力に推進してまいるつもりでおるわけでございます。
○稲富委員 その点は了解しましたが、それでは民有林においてチェーンソー等振動機械の使用に起因して発生するいわゆる白ろう病の労災認定者は、近年全国で五百人を超えると聞いておりますが、その発生の状況及び見通しはどういうことであるか、政府の所見をまず承りたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 民有林のいわゆる振動障害の業務上の認定者として現在療養中の者は、昨年の三月末まで四百二十四名ということになっておるわけでございますが、民有林におきます林業労働者の就労形態というものが大変多様でございまして、受診対象者の把握が困難であるという実態がございます。したがって、労働省におきましても、林業労働災害防止協会に委託いたしましていわゆる六千人検診というものをやっているわけでございます。これらの巡回診断によりましてその実態の把握が想像できるわけでございますけれども、今後とも労働省と十分相談いたしまして、この巡回診断がより一層幅広く行われますように私ども対処してまいりたいと思っておるわけでございます。
○稲富委員 この際お聞きしたいと思いますが、ただいま民有林においては白ろう病の認定患者が四百二十四人だと言われましたが、国有林関係においては二千八百人の白ろう病の患者があるということが、これは四月十五日の週刊新潮に大きく掲載されておるわけであります。国有林において二千八百人という多くの白ろう病患者がおる原因はどこにあるか、この点をひとつ承りたいと思うのであります。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 国有林の認定者は約二千八百名おるわけでございまして、これの原因につきましては、これは当然チェーンソーを継続的に使っているということが原因でございますけれども、しからば民有林とどうしてこんなに差があるんだというような疑問がおありなのかと思うのでございますが、民有林の場合は作業個所がやや分散しております関係から、しかも事業規模が小さいということもありまして、国有林に比べましてチェーンソーのみを専門的に使うというようなことが少なくて、あるいは集材機を使用するとかあるいは造林に回るとか、いろんな作業方法が違っておりまして、その点が国有林と民有林との違いではないかと思います。ただ、先ほど申し上げましたように国有林の場合は従業員全員が受診した結果でございまして、民有林につきましては先ほどのように受診の対象者というのが十分把握できない、こういうことが原因になっておる、こういふうに考えておるわけでございます。
○稲富委員 そうすると、民有林の場合は本当はもっと多い、こういうことになるわけですか。
 それから、白ろう病の予防治療対策というものはどういう状態に現在置かれておるのであるか。さらに、こういうような機械の改良ということに対して、いかなる研究、対策を国として今日やられておるのであるか、この点もあわせてお聞きしたいと思います。さらにまた、こういう白ろう病に対する恐ろしさから一部には昔の手のこに切りかえるというようなことも行われているということを聞いておりますが、果たして本当に全国的にそういう傾向があるのであるか、この点もあわせて伺いたいと思います。
○松形政府委員 民有林についてもっとふえるのじゃないかというようなお話でございますが、現在六千人検診というようなことを中心とした一つの傾向から申し上げますと、二次検診を受けた方がよろしかろうというような人たちが四〇%程度おるわけでございまして、この二次検診等を受けた結果というものが現在出ておりませんので確かな数字は申し上げられませんけれども、増加の傾向にあるということだけは申し上げられるのじゃないかと思うのでございます。
 なお、この白ろう病の予防治療対策等についてでございますが、民有林につきましては、振動障害の対策といたしましては、一日二時間規制ということを守ってもらうということも当然でありますけれども、四十九年にはシミュレーター等を置きまして施設をつくりまして、これが訓練をいたしております。また、新しい労働安全衛生基準的なものを実例等を含めまして全国にこれを普及いたしております。また、五十一年度におきましては、新しいこの事態に対応した作業仕組みの改善促進事業なりあるいはこの御検討いただいております改善資金によるチェーンソーの買いかえとかあるいは林業労務改善促進事業といたしまして、適正な助言ができるような人を全国に三百四十名ほど必要な地域に配置いたしまして指導するというようなこと等を考えておるわけでございます。
 さらに、治療等につきましては、各地の労災病院等の活用など必要な措置がとられますように関係省庁にも要請してまいる所存でございます。
 また、国有林での手工具でございますが、チェーンソーの操作時間の規制の強化等とあわせまして、当面の対策といたしまして、人工林あるいはこれに準ずるような林分を主体といたしまして五十年度から導入に踏み切っているものでございます。現在直用で伐採しております量のおおむね一五%程度がこの手のこによってやっておるわけでございます。
○稲富委員 さらに次の問題でありますが、この法案によりますと、林業後継者のグループ化を進め、林業後継者が育林経営に加えてシイタケ栽培等早期収益部門を取り入れた林業経営を共同で開始するための資金を本資金によって貸し付けることになっておる、こういうことになっておりますが、これはシイタケに限るものであるか、またそのほか収益部門というものがどういうものがあるというような、こういう計画をされておるのか、これに対する政府の処置をひとつ承りたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 林業経営というものは、大変長い、四十年、五十年かかるものでございまして、このような長期的な経営部門と、また現金を得るための早期収益部門と複合的な経営をすることが安定した経営になろうかと思います。したがって、この林業後継者等の養成資金につきまして早期収益部門として考えておりますのは、ただいま御指摘ございましたシイタケ栽培のほかにナメコとか、タケノコ、竹の育成あるいはウルシの栽培、ワサビの栽培、そういうもの等を組み合わせまして複合経営で近代化してまいろう、こういうことを考えておるわけでございます。
○稲富委員 私は、長官、林業発展の一番大きな担い手である林業従事者の不足が一番大きな原因を来しておるのではないか、かように考えます。それで、もちろんこの後継者の問題も、林業経営の後継者をつくることも同時に必要でありますが、いかにして林業労務者を確保することを考えるか、ここに私は間伐問題にいたしましても大きな問題があると思うのであります。
 そうしますと、当然起こってくるものは、その林業労務者を確保するためには、他産業との特殊性を考慮して雇用保険の適用拡大とかあるいはこの林業従事者に対する福祉対策とか、こういうような問題を十分やらなければいけない、かように考えます。特に、林業労務者の待遇の、いわゆる給料の問題でございますが、今日の林業経営状態から言って、他産業に匹敵するような林業労務者に対しての給料の支払いができない、こういうことがおのずから林業労務者に対する減少を来す原因になると思うのでございます。こういうものに対しては、何とかこれはやはり政府の手によってこれを指導し、推進しなければできない、かように考えますが、こういうことに対しては何か方法をお考えになっておるのであるか、私はここに一つの、ことに民間林業においてはこれが必要ではないかと思いますので、この点について承りたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のとおりでございまして、今後の林政あるいは林業を推進するためにも、民有林につきましては労働者の確保、担い手の確保ということが最も重要な事項であることは私どもも承知いたしておるわけでございます。したがって、林業事業体の経営基盤確立のためにも、林業構造改善事業等によりまして、生産基盤の整備とか協業の推進、資本装備等の高度化等を努めてまいっておりまして、何といたしましてもそのような事業体の経営基盤の確立というものも必要でございます。
 と同時に先ほど御指摘ございましたように、林業労務の特徴と申しますか、季節的であったり、あるいは分散的であったり、兼業的であったりするわけでございます。したがって、社会保障制度の適用等に必ずしも乗っかっていないというような点が一つの問題でございます。そのようなことで今度雇用保険が適用になったわけでございまして、これが加入の促進、あるいは労災保険等につきましても当然でございますが、なおその他、就労の安定あるいは長期化、あるいは雇用関係の明確化というようなことも私どもは問題になっておるわけでございまして、それらの指導あるいは助言というものができますように、先ほど申し上げました労務改善推進員三百四十名を必要なところに配置いたしまして、これらが一層前進いたしますように今後とも努力してまいる所存でございます。
○稲富委員 それでは、この法律案に対して最後にお尋ねいたします。
 私たちはこの林業の持つ公益的機能を増進する上から申し上げまして、国有林と民有林との相互関連によります計画生産及び計画造林というものが当然必要であると思うのでございます。これに対しまして政府はいかなる計画、いかなる考えを持たれておるのであるか、これをひとつお尋ねしたいと思うのであります。
○松形政府委員 お答え申し上げます。
 森林が持っております機能、これは御承知のとおりに木材生産機能と国土保全なりあるいは環境緑化あるいは水資源の確保というような面の公益的機能の二面を持っておるわけでございます。そのような大事な森林でございまして、これを総合資源として私ども理解いたしておりまして、先般、改正森林法に従いまして全国森林計画あるいは国有林におきましては地域施業計画、あるいは民有林につきましては地域森林計画等を作成しておるわけでございます。特に改正森林法によりまして全国を二十九ブロックに分けまして、主な流域単位に国有林、民有林を通じた一つの林政の展開が行われるように新しく計画を立てたような次第でございます。
○稲富委員 それでは次に漁業三法に対する質問に入りまして、まず大臣に水産全般についてお尋ねいたしたいと思います。
 御承知のとおり、国際環境の変化がわが国漁業、食料供給に及ぼす影響についてまずお尋ねいたします。
 すなわち、第三次国連海洋法会議が四十九年カラカスで、五十年にはジュネーブで行われ、さらに今回ニューヨークで開かれておりますが、これらの会議を通じて領海十二海里、排他的経済水域二百海里の設定が各国主張の大勢を占めております。もはや動かすことのできないような趨勢となっておりますが、これに対して政府においても、ニューヨーク会議に臨む基本方針として領海十二海里及び一括採択が予想される経済水域二百海里は受け入れるというようなことを閣議の了解事項となされたということも承っております。また一方、米国におきましては、二百海里の漁業専管水域の設定を内容としたいわゆるマグナソン法案が上院、下院を通過しまして、四月十三日には大統領の署名を終え、五十二年三月一日から発効することになっていることは御承知のとおりでございます。こういうことになりますと、わが国はアメリカ二百海里水域の中で約百七十万トン、これは総漁獲量の一六%の漁獲を上げており、また諸外国の沿岸二百海里内で四百五十万トンの漁獲を上げておるのであります。これらの国際的環境の変化を考えた場合、関係各国との交渉によりある程度のわが国漁業実績が認められるとしても、入漁料の支払い等、漁業の継続のための条件は厳しいものとなりまして、漁獲量そのものも年々減少せざるを得ないと予想することができるのであります。漁業専管水域の設定等がわが国漁業及び食糧供給に及ぼす影響は非常に甚大であります。
 そこで、農林大臣にこの際お尋ねいたしたいことは、まず遠洋、沖合い漁業に従事する漁業経営対策と漁業制度についてであります。先刻申し上げましたアメリカのマグナソン法あるいは海洋法会議を見ると、他国の経済水域内で漁業を行おうとする漁業者は、わが国政府の許可に加えて相手国政府の許可を必要とすることとなっております。極端な言い方をするならば、相手国政府の都合によりわが国政府が与える漁業許可ということになるのでございます。また入漁がきたとしても漁獲量の規制であるとかあるいは入漁料の増減等によりまして漁業経営が成り立たなくなることも十分考えられるのであります。このような中にあっては、わが国漁業者は他国の漁業専管水域内において漁業を営み、国民にたん白食糧を供給する役割りを負うものでありますが、それさえも非常に困難になってまいります。この際政府は、諸外国における経済水域二百海里設定のこの動きに対処して、わが国漁業制度を根本から急ぎ検討し直して、食糧産業としての漁業経営を踏まえた許可制度の確立を図る必要があると思うのでございます。
 御承知のとおり三十七年の漁業制度改正に際しましては、三十三年、政府は漁業制度調査会設置法案を提出し、漁業制度改正のための調査会で研究を行うこととしたのであります。よって、今回も、今日のこの重大な漁業の転換に当たりまして、法律に基づく調査会を設立し検討する具体的な考えはないか、この点につきまして、この際、大臣の所信をひとつ十分承っておきたいと思うのでございます。
○安倍国務大臣 今回のニューヨーク会議は終わったわけでありますが、わが国としてはニューヨーク会議に臨む国の方針として、一つは十二海里につきましては国際的な合意を得るように努力をするということ、さらに経済水域二百海里については、わが国のような伝統的漁業国の操業権を確保することを前提として経済水域二百海里を認める、こういう方向で臨んだわけでございます。海洋法会議の経過につきましてはすでに御承知のように、開発途上国あるいは先進国、内陸国とそれぞれグループごとに利害が相対立いたしまして、最終的に結論を得ないで持ち越しということになったわけでございます。大体夏にもう一度会議を開いて、何とか結論を出したいというのが、利害は対立いたしておりますものの世界の各国の大勢となっておるわけでございます。
 私は今回日ソ漁業交渉をやってみまして、ソ連の厳しい態度、これは経済水域二百海里というものを一つの前提としての態度ではないかというふうに判断せざるを得ないわけでございますが、そうした日ソ漁業交渉の今日の経緯、さらにまたいまお話がございましたアメリカの来年三月一日を実施のスタートとさせるところの専管水域二百海里法、この内容を見ますと、八月に行われる日米の漁業交渉というものもいままでになくわが国とアメリカとの態度は、このままでいけば大変対立した形で交渉を進めなければならない。その場合に、アメリカの専管水域二百海里以内で、百六、七十万トン漁獲をしておるわが国としては、非常に重要な会議になるというふうに考えておるわけでございます。
 そういうふうな全体的な動きを見ますと、わが国の漁業をめぐる情勢というのは非常に厳しいわけでございますが、しかし私は、夏に行われます海洋法会議におきましてわが国の主張するような伝統的漁業国の操業権を確保する、わが国の主張を通すということにはまだ望みを失っていないわけでございまして、経済水域二百海里が決まることは海洋法における大勢でございますが、何としてもそういう決まり方がわが国の主張を取り入れたような決まり方をするように、まだまだ望みを残して最善の努力をしていかなければならないと思うわけでございます。そうした外交交渉等は強力に進めていかなければならないわけでございますが、しかし情勢は厳しいということをわれわれとしては前提に置きながら、さらに今後とも海洋法あるいは日米交渉その他の各国との政府間の漁業交渉等を通じまして、積極的に漁業協力といったような面を通じてわが国の漁業権の確保を図るとともに、あるいは新漁場、新漁業の開発、発展等も推進していかなければなりませんし、また沿岸漁業はわが国のいわゆる経済水域二百海里以内の漁業でございますから、沿岸漁業あるいは沖合い漁業、そういったものを抜本的に改善をして漁獲の拡大を図っていかなければならぬ。そういうふうなことを考えますと、いままでの遠洋、沖合い、沿岸というような漁業の制度あるいは漁業政策のあり方というものは、世界の漁業をめぐる大きな転換期の中にあって、わが国としても根本的に見直していかなければならぬことは当然な事態になってくる、私はそういうふうに思うわけでございます。そういうことも十分意識して、国民食糧の確保という面から水産の地位というものを確立する方向で今後は――経済水域の内容がどういうふうに決まるかということは、これからの政策を進める上においてもちろん大きな要素になるわけでございますが、とにかく抜本的改正というものは考えていかなければならぬ。そういうふうな時期に来ておることは私たちも認めて、これに対する準備を進めていかなければならぬと思っております。
○稲富委員 私の申し上げておりますのは、いま大臣のおっしゃるように重大な時期でございますから、われわれもこの際法的な調査機関をつくってこれに対して十分なる検討を進める必要があるのではないか、こういうことを特に私はいま要望をしまして、これに対する大臣のお考えを承ったわけでございますけれども、現在の国際情勢に対する見方に対しては、私の見方と大臣の見方は同じでございます。ただ、法的な措置によって何か調査機関をつくる必要があるのじゃないか、こういう点に対する御答弁はなかったようでございますが、それに対する考え方はこの次の質問のときにひとつお答え願いたいと思うのであります。
 その次にお尋ねいたしたいと思いますことは、食糧政策における水産業の位置づけについてまず伺いたいと思います。
 御承知のとおりわが国の漁業は、昭和四十九年には千八十万トンの漁獲を上げて、七百四十八万トンが食用に供されております。畜産業とともに国民のたん白食糧を供給しているのであります。その割合は、四十九年においては畜産物が四八・六%、水産物は五一・四%であります。
 そこで、将来の水産物によるたん白食糧の確保についてでありますが、漁業をめぐる内外の諸情勢が、ただいま申したような状態を考える場合、ここ数年のごとく一千万トンを超える漁業を今後維持するということは非常に困難ではないかというように思われます。まして、政府が閣議決定で、昭和六十年度には千百九十五万トンの生産を予想されておるということを聞くのでございますが、それも不可能ではないか、こういうことも考えられます。この際、政府は将来における国民の動物性たん白質食糧の供給に当たって、水産物と畜産物との役割りをどのように計画するか、また、そのために漁業による生産者をどの程度確保しようとするのであるか、これは早急に明らかにして、食糧政策における水産業の位置づけを確立することが今日非常に必要である、こう考えますので、この点に対しましてもひとつ大臣の所信を伺いたいと思います。
○安倍国務大臣 これからの水産政策の抜本的な取り組み方につきましては、食糧問題の中の産業としての水産でございますので、そういう見地から国民各層の英知を集めるというふうな形で今後いろいろの面で検討をしてみたいと考えております。
 それから、いまお話がありました動物性たん白質に占める水産物の割合は、十年前ぐらいまでは水産物が七割という状況であったのですが、現在では五割というふうな状態になっておるわけでございます。この趨勢というものはここしばらく続いておるわけであります。私たちは、そうした面で動物性たん白質における水産物の占める割合というものは大体五割というのが現在のわが国の食生活においてある程度定着をしつつあるのではないか、こういうふうな考え方から、今後とも現在われわれが確保しておる一千百万トン以上の水産物は確保していかなければならぬ。それには、非常に厳しい情勢でありますが、海洋法会議の結果につきましても、現在のわが国の実績を確保するようにあらゆる努力を続けるとともに、沿岸漁業等につきましては、漁場の造成あるいはまた栽培漁業の振興等を思い切って行いまして、何とか国民の期待にこたえ一千百万トン以上の漁獲は確保し続けてまいらなければならない、そういう決意でもって今後とも臨んでいきたいと思います。
○稲富委員 さらに、実は日ソ漁業交渉につきまして、今度は相当に困難な状態で交渉されたようでございますから、その経過を承りたいと思っておりましたけれども、時間もありませんので、この問題はいつかの機会に、日ソ漁業交渉の経過等につきまして機会をとらえて御報告を願いたいと思います。
 次に、漁業再建整備特別措置法についてお尋ねいたします。
 この法律は、石油ショックによる漁業者の経営危機及びただいま申しました海洋法会議等、国際環境の変化に対処するもので、その制度のねらいというものはもう当然のことであると思います。しかるに、本制度の内容を見ると、新しい施策としては、低利資金の融通による固定化債務の肩がわりであり、さらに自主減船に対する公庫融資を柱とするもので、その目的と具体策というものには何だか開きがあるように思われます。
 わが国の現在の漁業を取り巻く国際環境の変化はまだ流動的でありまして、ただいまも農林大臣の説明にあったように最終的には固まっておりません。それで、今後なお相当の時期を要すると思います。そういう意味からこの制度というものはその間のつなぎ措置である、こういうように私は理解をするわけでございますが、これに対する大臣の考えを承りたい。また将来、特に近き将来においては、先刻申しましたように漁業再建のための本格的な制度が必要になると考えられますので、そのときに対することも踏まえて、今後どういうような考え方を持っておられるか、承りたいと思います。
○内村政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたけれども、わが国の漁業経営はオイルショックを契機に非常に悪くなったわけでございます。そこで、今後、国際情勢のいかんによってはさらに厳しい情勢になってくるわけでございますが、いずれにいたしましても現在漁業経営は非常に危機に直面しておりますので、そういった経営の再建整備のために今回の法案を提出しているわけでございます。特に減船問題について、整備計画を立てて減船をやる、その点についての政府の援助が少ないのではないかということかと思いますけれども、私どもの考えによりますと、減船の規模、減船の態様によって対策が違ってこなければならぬわけでございます。
 そこで、この法案で予定しておりますのは、自主的な減船に対応するという形で制度が仕組まれているわけでございますが、減船の状況によってはとてもそれでは対応できないという事態も予想されるわけでございます。したがいまして、そういう場合におきましてはケース・バイ・ケースで、漁業者の人たちの生活の安定あるいは将来の経営の維持に遺憾のないようにしなければならぬということで対処したいというふうに考えております。その意味で、先生から今回の法案は一つの過渡的な対策ではないかという御指摘がございましたが、私どもといたしましては、漁業経営の現状から見てこの法案が最も現実的な措置であるというふうに考えております。ただ、今後情勢がさらに非常に厳しくなるという状況になってまいりますれば、なおそれに対応するような対策を考え直さなければならぬことは当然でございまして、そういったことは私どもも十分念頭に置きながら今回の法案を御審議願っておるわけでございます。
○稲富委員 ただいま減船に対する問題が出ましたが、サケ、マス、ニシンの漁業等は当然減船を余儀なくされると思いますが、こういうものに対してはどういうことをやろうとされておるのであるか、こういうことも承りたいと思うわけでございます。聞くところによりますと、政府といたしましては業界の方々に、大規模な減船で、本制度で十分でない場合は別途措置を講ずる、このようなことを言われたということも聞いておるわけでございますが、大規模な減船とはどの程度のものを考えていらっしゃるか、また別途措置をするとはどういうような措置をされるつもりであるか、この点も具体的に承りたいと思います。
○内村政府委員 減船に対する対策は減船の態様によって違うわけでございまして、たとえば漁獲努力を半分にしなければならないという場合にはかなり大規模な減船というふうに私どもは考えております。
 それから、そのときどういう対策をとるのかということでございますが、たとえば本年の日ソ交渉の場合でございますが、日ソ交渉によりましてニシンにつきましては最終的には調査船が半分になる。それから索餌ニシンにつきましてはクォータを設けまして漁獲量が半分にされたわけでございます。したがいまして、こういった場合には国が何らかの救済措置をとらなければならないと思いまして、現在業界の意見も聴取中でございます。このような場合にはある程度政府が直接的な助成をするというような形での対策が必要かと思いまして現在前向きに検討中でございます。
○稲富委員 それでは、二つの法案が残っておりますけれども、時間が来たからやめろと言っておりますので、この問題につきましては大体私の言わんとするところは後ほど提案されます附帯決議の中にも十分含まれておりますので、そういうことを生かしてもらうことといたしまして、私は一応これで質問を終わることといたします。(拍手)
○湊委員長 これにて各案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○湊委員長 ただいま議題となっております四案中、まず林業改善資金助成法案について議事を進めます。
 この際、理事会等における各派協議により、私の手元で起草いたしました本案に対する修正案を提出いたします。
    ―――――――――――――
○湊委員長 修正案はお手元に配付してあるとおりであります。その案文の朗読は省略いたしまして、以下修正の趣旨を簡単に申し上げます。
 本修正の内容の第一点は、貸付金の一林業従事者等ごとの限度額は、資金のそれぞれの種類ごとに農林省令で定める額とすること、第二点は、資金の貸し付けに当たっては、都道府県は、貸し付けを受ける者に対し、保証人を立てさせなければならないこととすること、以上が修正の趣旨であります。
 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
○湊委員長 修正案に対して別段御発言もないようでありますので、原案並びに修正案を一括して討論に入りたいと思いますが、別に討論の申し出もありませんので、これより採決に入ります。
 まず、委員長提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、委員長提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○湊委員長 この際、本案に対し、芳賀貢君外四名から自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。芳賀貢君。
○芳賀委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党を代表して、ただいま修正議決されました林業改善資金助成法案に対し、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。
 まず案文を朗読いたします。
   林業改善資金助成法案に対する附帯決議(案)
  わが国の森林、林業の果たす役割りは、国土の保全、水資源の涵養、国民の保健休養などの公益的機能を確保し、木材その他の林産物を持続的に供給する等、国民生活の向上を図る上できわめて重要である。
  よって政府は造林、林道等の生産基盤の整備、森林組合の事業活動の推進、林業金融制度の拡充、林業従事者に対する社会保障の改善及び雇用の安定等について格段の努力をするとともに、本法の施行に当たっては左記事項の実現に努めるべきである。
     記
 一、林業改善資金の充実を図るため、林業生産の動向、資金需要の実態に即応して、貸付範囲の拡大、資金枠の確保等に努めること。
 二、林業改善資金の貸付業務については、これを担当する各関係団体との連けいを緊密にし、本資金を必要とする者に対し、適正な貸付けが行われるよう、円滑な運営に努めること。
 三、間伐の施業を促進するため、森林組合等の事業活動を助長するとともに、間伐材の需要の拡大及び価格の安定に資するよう各般の対策を講ずること。
 四、林業における振動機械の使用に原因する白ろう病の発生状態を把握し、職業病の的確な認定、治療施設の整備拡充を図るとともに、振動障害の発生防止の見地から、無振動性機械の開発を促進し、また振動機械の作業に関する労働安全衛生基準等を速やかに整備し指導を強化すること。
 五、林業後継者及び林業労働に従事する者について、中高年令者を含めこれらの者の林業経営、林業技術に関する研修施設及び研修内容の充実を図り、森林生産力の向上に努めること。
   右決議する。
以上が附帯決議案の内容でありますが、その趣旨につきましては、すでに質疑の過程で十分論議されており、委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ御賛同を賜りますようお願いいたします。(拍手)
○湊委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本動機に対して別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 芳賀貢君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいる所存でございます。
    ―――――――――――――
○湊委員長 次に、漁業再建整備特別措置法案について議事を進めます。
 この際、本案に対し中川利三郎君から修正案が提出されております。提出者から趣旨の説明を求めます。中川利三郎君。
    ―――――――――――――
○中川(利)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表しまして、漁業再建整備特別措置法案に対する修正案の趣旨説明を行います。
 修正案の朗読は省略させていただきます。
 去る四十八年の石油危機以来、わが国漁業はその経営維持すら危ぶまれる深刻な苦況にあることは、政府提出による五十年度漁業白書もそれを認めているとおりであります。とりわけ中小漁業の今日の危機の原因が、海洋法の動向や石油危機などの要因はあったにしましても、主として乱獲を前提にして成り立った漁業、つまり生産性向上、近代化路線を通しての高度成長の漁業版であったと思うのであります。政府の言うがままにやってきたらとうとう減船まできてしまったのかという漁業者の述懐を自嘲や自棄に終わらせないためにも、いまこそ政府はこれらの危機にこたえ、真に漁業再建の名にふさわしい援助を行うべきであります。
 したがって、修正の第一は、さしあたって整備計画の減船に対し、融資のみではなく、あわせて助成を行うことにした点であります。なお、そのための所要財源は初年度三十五億円であります。
 修正の第二は、現行の中小漁業振興法による構造改善事業は、政府提出資料によるこれまでの実績を見ましても、中小漁業経営の安定にとってその実効がきわめて疑問があることであります。先ほど私の質問の中でも明らかにしたとおり、構造改善の対象業種自体、より深刻な危機状況に陥っている事実に照らして、本法から構造改善の字句を削除したことであります。
 修正の第三には、当該漁業者の意見が十分尊重され、民主的に取り入れらるべきであるという点であります。本法にはそのための訓示規定すらもないのでありますが、整備計画の策定に当たっては、少なくとも水産業協同組合法第五十条(特別決議事項)等の精神を生かし、その民主的な手続規定を明確にしたことであります。
 以上が修正案の要点でありますが、委員各位におかれましても何とぞ御賛同くださいますようお願いして、提案の趣旨説明を終わります。(拍手)
○湊委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。
 この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見があればお述べをいただきたいと存じます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 ただいまの修正案につきましては、政府としては賛成しがたきものであります。
    ―――――――――――――
○湊委員長 修正案に対して別段御発言もないようでありますので、引き続き原案並びに修正案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 まず、中川利三郎君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 漁業再建整備特別措置法案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
    ―――――――――――――
○湊委員長 次に、中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案及び漁船船主責任保険臨時措置法案について議事を進めます。
 これより両案について討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、順次採決いたします。
 まず、中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
 次に、漁船船主責任保険臨時措置法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
    ―――――――――――――
○湊委員長 ただいま議決いたしました漁業関係三法案に対し、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表して角屋堅次郎君外四名から、それぞれ附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、提出者から趣旨の説明を求めます。角屋堅次郎君。
○角屋委員 私は、ただいま議決されました漁業再建整備特別措置法案、中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案及び漁船船主責任保険臨時措置法案に対する附帯決議につき、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
   漁業再建整備特別措置法案に対する附帯決議(案)
  最近における我が国漁業は、国連海洋法会議の動向等に見られるように厳しい国際環境の下で生産の停滞、魚価の相対的な低迷、漁業用資材特に燃油価格の高騰等により、その経営は極めて深刻な条件下に置かれており、漁業が食料産業として国民に対し水産物を安定的に供給する使命を果たすことは容易ならざる事態に直面している。
  よって、政府は、本法の施行に当たり左記事項の実現に努めるべきである。
     記
 一 厳しい国際環境の変化、深刻な漁業経営の実態等を踏えて、国民食糧確保の立場から、改めて水産物の需要と生産の長期見通しを作成すること。
 二 水産物の適正な価格形成を確保するため、当面は予算措置による水産物調整保管事業の拡充及び魚価安定基金による無利子貸付等を行うこととしているが、今後においては魚価安定のための制度の確立等について検討し、その実効を期すること。
 三 漁業の整備(減船措置)に当たっては、業種の実情に即して積極的な直接補助を伴う強力な施策を行うとともに、いやしくも失職者を出さないよう万全を期すること。
なお、整備計画を進めるに当たっては、指定された業種全体に亘たって実施できるよう強力な指導を行うこと。
  右決議する。
   中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、我が国漁業をめぐる内外の厳しい諸情勢にかんがみ、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努めるべきである。
     記
 一 漁業経営維持安定資金及び漁業用燃油対策特別資金の円滑なる融通を図り、また、両資金の保証に伴う事故の多発に対処する等のため、中央漁業信用基金及び漁業信用基金協会に対する出資金、出資補助金の確保、増大について万全を期すること。
 二 両資金の融資に当たっては、漁業者の経営の実態と立場を十分考慮し、折角の制度が実効を伴わない事態とならないよう強力な行政指導を行うこと。
   右決議する。
   漁船船主責任保険臨時措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努めるべきである。
     記
 一 現に一部漁船が加入している日本船主責任相互保険組合及び外国保険事業者(ブリタニヤP・Iクラブ)の保険制度、特に、保険料率等を参酌して、いやしくも不利な制度となり関係漁業者の不満を招くことがないよう留意すること。
 二 昭和四十八年から試験実施している「漁船積荷保険事業」と今回の「漁船船主責任保険事業」とを含めて、これらの事業の本格実施に当たる組織について、漁船保険中央会の在り方をも含めて速やかに検討すること。
   右決議する。
 以上の附帯決議の趣旨につきましては、すでに質疑の過程で十分論議されており、委員各位の御承知のところと思いますので、この際説明は省略させていただきます。
 何とぞ御賛同賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○湊委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本動議に対し別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 漁業関係三法案に対し、角屋堅次郎君外四名提出の動議のごとく、それぞれの附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○湊委員長 起立総員。よって、三案に対してそれぞれの附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまのそれぞれの決議について、政府の所信を求めます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいる所存でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○湊委員長 なお、ただいま議決されました各案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○湊委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
   〔報告書は付録に掲載〕
    ―――――――――――――
○湊委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後十時二十九分散会
     ――――◇―――――