第077回国会 商工委員会 第13号
昭和五十一年五月十九日(水曜日)
    午前十時三十八分開議
 出席委員
   委員長 稻村左近四郎君
   理事 武藤 嘉文君 理事 安田 貴六君
   理事 渡部 恒三君 理事 上坂  昇君
   理事 佐野  進君 理事 神崎 敏雄君
      天野 公義君    上田 茂行君
      内田 常雄君    浦野 幸男君
      小川 平二君    越智 通雄君
      加藤 紘一君    粕谷  茂君
      木部 佳昭君    塩川正十郎君
      島村 一郎君    田中 榮一君
      高橋 千寿君    羽田野忠文君
      萩原 幸雄君    八田 貞義君
      深谷 隆司君    保岡 興治君
      板川 正吾君    岡田 哲児君
      加藤 清政君    加藤 清二君
      竹村 幸雄君    中村 重光君
      野間 友一君    米原  昶君
      近江巳記夫君    松尾 信人君
      玉置 一徳君    宮田 早苗君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  河本 敏夫君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        事務局長    熊田淳一郎君
        通商産業政務次
        官       綿貫 民輔君
        通商産業大臣官
        房長      濃野  滋君
        通商産業大臣官
        房審議官    藤原 一郎君
        資源エネルギー
        庁長官     増田  実君
        資源エネルギー
        庁石油部長   左近友三郎君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (石油開発公団
        総裁)     倉八  正君
        商工委員会調査
        室長      藤沼 六郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十九日
 辞任         補欠選任
  小川 平二君     上田 茂行君
  粕谷  茂君     保岡 興治君
  栗原 祐幸君     高橋 千寿君
  山崎  拓君     加藤 紘一君
同日
 辞任         補欠選任
  上田 茂行君     小川 平二君
  加藤 紘一君     山崎  拓君
  高橋 千寿君     栗原 祐幸君
  保岡 興治君     粕谷  茂君
    ―――――――――――――
五月十八日
 揮発油販売業法案(内閣提出第六五号)
同日
 特許管理士法制定に関する請願外一件(福田篤
 泰君紹介)(第五二八九号)
 合成洗剤の製造・販売・使用禁止等に関する請
 願(近江巳記夫君紹介)(第五四四五号)
 同外一件(岡本富夫君紹介)(第五四四六号)
 同(坂口力君紹介)(第五四四七号)
 中小企業対策に関する請願(小川省吾君紹介)
 (第五四四八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
五月十八日
 中小企業対策強化に関する陳情書(愛知県議会
 議長石川松次郎)(第二七二号)
 中小企業者の事業分野確保に関する法律の制定
 に関する陳情書外七件(北海道空知郡南富良野
 町議会議長舘内猛外七名)(第二七三号)
 北海道電力株式会社の電気料金値上げ反対に関
 する陳情書外二件(小樽市議会議長山吹政一外
 二名)(第二七四号)
 北陸電力株式会社の電気料金値上げ反対に関す
 る陳情書(福井市宝永四の九の一四福井県商工
 会連合会長西岡英雄)(第二七五号)
 セメント価格の安定対策確立に関する陳情書
 (宮城県議会議長木村幸四郎)(第二七六号)
 旧松尾鉱山鉱毒水の中和処理施設の設置等に関
 する陳情書(宮城県議会議長木村幸四郎)(第
 二七七号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 訪問販売等に関する法律案(内閣提出第五九
 号)
 揮発油販売業法案(内閣提出第六五号)
 石油開発公団法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第四七号)
     ――――◇―――――
○稻村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、訪問販売等に関する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は、昨十八日に終了しております。
 本案に対し、安田貴六君外四名より、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党五党共同提案に係る修正案が提出されております。
 この際、修正案について、提出者より趣旨の説明を求めます。佐野進君。
    ―――――――――――――
 訪問販売等に関する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○佐野(進)委員 ただいま提案いたしました修正案につきまして、提案者を代表して、私からその趣旨を御説明申し上げます。
 修正案はお手元に配付されているとおりでございます。
 修正点の第一は、連鎖販売取引につきまして、連鎖販売業者と契約を諦結した者がその契約の解除を行うことができる期間を七日から十四日に延長すること。
 第二は、販売業者が売買契約に基づかないで送付した商品の返還を請求することができなくなる時期を商品送付後六カ月から三カ月に短縮することでありまして、いずれも消費者等の利益をより一層保護する見地から提案したものであります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○稻村委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○稻村委員長 これより本案並びにこれに対する修正案について討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、安田貴六君外四名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○稻村委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。
 修正部分を除く原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○稻村委員長 起立総員。よって、本案は安田貴六君外四名提出の修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○稻村委員長 次に、本法律案に対して、安田貴六君外四名より、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党五党共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。竹村幸雄君。
○竹村委員 ただいま提出いたしました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、私からその趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
   訪問販売等に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 訪問販売、通信販売及び連鎖販売取引の実態を把握し、本法の趣旨の周知徹底を図るとともに、事業者に対する指導・監督体制を強化すること。
 二 訪問販売、通信販売及び連鎖販売取引による購入者等の被害を未然に防止するため、消費者に対する必要な情報の提供と適切な啓発活動の推進を図ること。
 三 訪問販売業者の交付書面及び通信販売業者の広告における商品の性能又は品質の表示について検討するとともに、連鎖販売業者の取引契約締結前に交付する書面について、連鎖販売業者である旨を明示するほか、商品の種類、性能、品質、販売条件等の表示を検討すること。
 四 訪問販売業者、通信販売業者のアフターサービス体制の整備、セールスマンの資質の向上等について強力に指導するとともに、連鎖販売取引及び訪問販売におけるクーリングオフ期間経過後の契約解除の際の商品の引取り問題等契約内容についても紛争の未然防止のための適切な指導を行うこと。
以上であります。
 各項目の内容につきましては、案文により十分御理解いただけると存じますので、その詳細の説明は省略させていただきます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○稻村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 直ちに採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○稻村委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、附帯決議について政府から発言を求められておりますので、これを許します。河本通商産業大臣。
○河本国務大臣 ただいま議決をいただきました法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、万全を期する所存でございます。
    ―――――――――――――
○稻村委員長 お諮りいたします。
 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○稻村委員長 内閣提出、揮発油販売業法案を議題といたします。
 提出理由の説明を聴取いたします。河本通商産業大臣。
    ―――――――――――――
揮発油販売業法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○河本国務大臣 揮発油販売業法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。
 近時、一般にガソリンスタンド業者と呼ばれております揮発油販売業をめぐって幾つかの重要な問題が生じております。
 その第一は、揮発油販売業者間の過当競争の弊害の問題であります。揮発油販売業者の現状を見ますと、給油所の乱設、過当な価格競争が繰り広げられております。現状を放置しておく場合は、中小企業者が大宗を占める揮発油販売業者の健全な経営の確保が著しく困難となるばかりでなく、ひいてはわが国石油産業の経営基盤を弱体化し、石油製品全体の安定供結確保に支障を来すおそれもあります。また、揮発油販売業者の経営の安定は約一兆円に及ぶ揮発油税の保全のためにもぜひ必要であります。
 揮発油販売業をめぐるいま一つの問題は、揮発油の品質の確保の問題であります。現在、揮発油と灯油等他油種の間には、税金を含めますとキロリットル当たり五万円以上の大きな価格差があるため、揮発油に灯油等を混入した粗悪な揮発油が一部で販売されており、消費者利益の確保から見て大きな問題となっております。
 この法案は、揮発油販売業をめぐる以上のような状況にかんがみ、以下に述べる措置を講じ、揮発油販売業の健全な発達と揮発油の品質の確保を図ろうとするものであります。
 以下、この法案の要旨について御説明いたします。
 第一に、揮発油販売業につきまして登録制度を実施することとしております。すなわち、揮発油販売業を行おうとする者は、通商産業大臣の登録を受けなければならないものとし、その登録を受けるに当たっては、揮発油の品質の管理を適確に行うに足りる技術的能力や事業を継続的に行うに足りる経理的基礎等、一定の条件を満たしていなければならないこととしております。
 第二に、登録の申請に係る給油所が、通商産業大臣があらかじめ指定する地区に所在し、かつその給油所において揮発油販売業が開始されることによりその地区の他の揮発油販売業者の相当部分の事業の継続が困難となると認められるときは、通商産業大臣は、当該申請者に対し、事業の開始の日の繰り下げ等を指示することができることとし、給油所の乱設による過当競争の弊害を未然に防止することといたしております。
 第三に、揮発油販売業者は、粗悪な揮発油を販売してはならないものとするとともに、給油所ごとに品質管理者を選任して、揮発油の分析、記録をしなければならないこととし、揮発油の品質の確保が確実に行われるようにしております。
 第四に、通商産業大臣は、市場における標準的な販売価格に比べ著しく異なる価格で揮発油を販売している揮発油販売業者に対し所要の勧告を行うことができることとしており、これにより揮発油の消費者の利益を保護するとともに、揮発油販売業者間の過当競争の弊害を除去することとしております。また、この勧告では効果が上がらない場合においては、当該揮発油販売業者に揮発油を販売しているいわゆる特約店、元売等の卸売業者に対しても所要の勧告を行うことができることとしております。
 以上が、この法案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
○稻村委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
     ――――◇―――――
○稻村委員長 内閣提出、石油開発公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査中、必要に応じ、随時、石油開発公団総裁倉八正君の出席を求め、意見を聴取することとし、出頭日時等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、本日、石油開発公団総裁倉八正君が参考人として出席しております。
 御意見の聴取は、質疑応答の形で行いますので、さよう御了承願います。
○稻村委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡田哲児君。
○岡田(哲)委員 まず、大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 ことしに入って、自民党に石油問題調査会が、保利茂氏を会長として、非常に大型な調査会だと言われて発足をしたようであります。さらに、自民党の松野政調会長が、ことしの十一月ごろにこの問題については結論を出すというふうに言ったと聞いているわけであります。また、大臣自身が二月三日、石油企業の経営は非常に順調に立ち直った、集約再編の時期については早急に行うべき問題ではない、時間をかけて進めていくというような発言をされたというふうに聞いているわけであります。政府も自民党も、また石油業界自身も、ことしに入ってから口をそろえて、総論は賛成するが各論については広くコンセンサスを得た上で、時間をかけて、松野さんの言っておりますような十一月ごろまで、こういうふうになってまいりますと、言うならば五十一年度実現というものをもう捨ててしまっているのではないか、少なくとも来年度に持ち越されてしまうのではないか、こういうように実は受け取れるわけでありますが、この辺について大臣はどのように見ておられるのか、また、大臣自身の考え方を明確にしておいていただきたいと思うわけでございます。
○河本国務大臣 昨年の秋に石油業界は非常な経営困難に陥ったわけでございます。過去二カ年間、石油価格が安く据え置かれた。こういう影響がずっと重なりまして、すでに昨年の秋におきまして累計の赤字が約二千億、昨年の秋のような現状が続きますと、さらに新規に一年ごとに四、五千億も赤字が重なる、そういうことで、崩壊寸前に来ておったわけであります。そこで石油業界から、この事態について政府としても善処してもらいたいという強い要請がございました。
 何分にも、石油産業がそういう事態になりますと、非常に重要な産業でありますから、日本の全産業に、また日本の全経済に及ぼす影響も非常に大きいということを憂慮いたしまして、政府の方ではいろいろ対策を考えたわけでございます。その一つは需給関係の見直し、それからもう一つは標準価格制度の設定でございます。幸いにこの二つの対策によりましてある程度石油価格が修正をされまして、しかも円の為替レートの変動等によりましても非常に影響を受けつつありました、その為替レートも適当なところに落ち着きましたので、そういういろいろな要素が重なりまして、石油業界はことしになりましてから小康状態になってきた、経営はやや安定してきた、こういう事態になったと思います。
 そこで、実は、昨年の秋にはもう一刻もゆるがせにできないと言われておりました石油業界の再編成も、業界にやや経営的余裕ができましたので、若干時間をかけてこの再編問題を検討してもいい、そういうような時間的な余裕ができましたということが一つと、それからもう一つは、自民党の方でも、石油問題は非常に重大な課題である、だからこの際根本的に党としても、石油業界の今後のあり方について、また石油政策の今後のあり方について意見をまとめたい、こういうことで大きな調査会ができたわけでございます。そしてこの秋を目標にいたしまして調査会の結論を出そう、こういうことで、毎週非常に精力的に作業を続けられておるわけでございます。
 そういういろいろな事情から、昨年秋の緊迫した情勢とやや変わりまして、石油再編問題、石油業界の体質強化という問題は、若干の時間的な余裕ができまして、ほぼこの秋ごろには将来のおよその展望を考えたいと、こういう状態になっておるわけでございます。
○岡田(哲)委員 仄聞するところによりますと、エネルギー庁と共石ラインというものが石油業界内の常識とされているわけでありますが、これの強化に反対をする企業のトップが椎名副総裁あるいは松野政調会長などに何とかしてくれということで泣きついて、ついにそれをのんだというふうに言われているわけです。そのために自民党の中に石油問題調査会が突如としてつくられたのだ、弱体な業界が政府に援助を受けることで、利権に絡む、言うなら政治献金なども含む癒着関係というものが伝えられているわけであります。総選挙も近づいたというこういう時期に、私は、自民党がこのような再編という問題にまで頭を突っこんでくる、介入するという態度は非常に疑惑を招くものだというふうに考えているわけであります。こういう点について、大臣はどのようにお考えですか。
○河本国務大臣 石油問題の調査会が党の方でできましたいろいろな背後関係につきましては、私は一切承知しておりません。経過等については知りませんが、しかし、いずれにいたしましてもこれだけの大問題でございますから、やはり党の方にこういう大調査会ができまして各方面の意見を十分聞いていただいて、そして一つの方向を打ち出していただくということは、私は、石油業界の体質強化のために大変結構だと思いまして、その結果がどういうふうに出てくるか、期待を持って見守っておるところでございます。
○岡田(哲)委員 大臣、私のいま申し上げたのは、大体エネルギー庁が考えておりますのは民族系の強化だというふうに言われておるわけで、それに反対をする人たちがいま申し上げたように自民党幹部に泣きついて待ったをかけた、こういうところに問題があると言っているわけであります。当然各政党が、この石油問題は非常に重要な問題ですから、それぞれ関心を持たれて態度を決めることについては結構だと思うのでありますが、そういうことが私どもの耳にまで入るわけでございますから、非常に重大だと考えているわけであります。この問題に自民党が党として介入するという点については、ぜひ十分注意をしていただきたいということを私は要望しておくわけであります。
 次に、昭和三十九年、海運再編成が行われたわけでありますが、このときに大手筋で加わらなかったのは三光汽船だと言われているわけであります。当時この三光汽船の社長であったのが河本通産大臣でありますので、特に聞いておきたいと思うのでありますが、このときも政府・党主導型によって業界の再編成が進められた。今回の石油再編成もこれと非常によく似ている形だと状況では思うのでありますが、今度はこの再編の総指揮に当たられる大臣でありますので、その当時の問題と今度の問題について、ひとつ感想を聞かしておいていただきたいと思うのであります。
○河本国務大臣 昭和三十九年に海運業界の非常に大きな再編成が行われたわけでありますが、この再編成をするに当たりまして、政府の方は非常に手厚い保護政策を打ち出したわけであります。
 一つは、過去の借入金はたな上げをする、それから今後の新造船、政府が中心になって進めておりますので計画造船と称しておりますが、それに参加をするものは再編に加わったものだけである、しかも新造船建造に必要な資金の大部分を長期にわたって融資する、しかもその融資金額に対しては手厚い補助金を出そう、こういう非常に手厚い内容の保護政策が打ち出されたわけであります。いわば温室に入れて、そして電気ごたつに当てて、そして真綿でくるむ、こういうふうな内容であったと思うのです。
 しかし、そういう至れり尽くせりの行き方は本当の意味での業界の体質強化になるかどうか、私は当時から非常に疑問だと思っておりました。そういうふうな温室の中で真綿にくるむようなやり方は、一たび外へ出ればかぜを引いてしまうという体質にもなりかねない、こういうことから、私はよほど考えなければならぬと考えましたことが一つ。
 それからもう一つは、政府が中心になりまして進める計画造船は、三月に予算が通った後、四月にその年の計画造船がスタートするわけですね。そうすると、この船の建造費は非常に大きく動いておるわけです。あるときには三、四割も高くなる、あるときには三、四割も安くなる。にもかかわらず、その船の建造の動向等を一切無視して、予算が通る春になると、お祭りのように船の建造を始める。経済原則から言いますと、高くなったときには建造をストップして、安くなったときに大量の船を建造するというのが経済原則でありますけれども、そういう基本原則を無視して、お祭りのようなことで進められる。
 さらにまた、半ば強制的な合併をいたしますと、管理者もたくさんふえる、余剰人員を抱えなければならぬ、こういう問題もありますし、それから、政府がそれだけ介入いたしますと、当然政府の方も一々業界の仕事に介入していく。たとえば一定限度以上の仕事をする場合には運輸省の許可を得なければならぬ、その許可を得る場合に数カ月かかる、そのうち世の中の情勢が変わってしまう。こういうふうなこと等を考慮いたしますと、果たしてそういう至れり尽くせりの政府の保護政策及びそれに伴う政府の厳重な業界への介入というふうなことが、こういう激しい世界競争の時代に適合したものかどうか、大変疑問があったわけでございます。
 そういうことで、一部の業者は反対である、むしろ自主独立で、政府の援助を受けないで、世界経済の動きを的確に、しかも早急に掌握して機動的な運営をする方がはるかによろしいというふうなことから、政府のそういう保護政策を中心とする再編に加わらなかったことは事実であります。そのために非常に大きな差別待遇も受けたわけであります。
 しかし、私はそういうときの経験もありますので、今回政府の石油業界体質強化対策というものがどういうふうに最終的に進むか、これは自民党の動き等を見まして決めますので、いまのところまだ具体的な対策はございません。ございませんが、体質強化と称しながら実質は体質の弱体化につながる、そういうふうな政府が著しく業界に介入していくというやり方は、これは民間の創意工夫、自主的な努力というものを摘み取ってしまうだけではございませんで、むしろ大きな弊害がある、こういうふうに理解をいたしておりますので、業界の体質強化、再編という問題につきましてはよく考えてやらなければならぬというふうに理解をしておるわけでございます。
○岡田(哲)委員 先ほども触れましたように、自民党が利権で介入する、それに政府が乗って相当な援助を行っていく、こういう裏に何かがあるのではないかという疑点もありますので、いま大臣のお話がありましたように、十分その点を指導をしていただきたいと思うわけであります。
 いま言われましたように、今度の再編は、日本の石油産業企業が非常に乱立して、民族系あり、外資系あり、元売の石油連盟会員だけでも三十数社、開発部門では六十社余り、利益幅が非常に低い、経営基盤が弱い、過当競争体質である、こういうことから、これに力をつけて強化するための再編であるというふうに言われているわけであります。この再編も、いま申し上げたような数社、外資系で三か四か、民族系で二か三にすれば安定供給が可能になってくる、安定供給をするためにそういうふうにした方がいいのだ、こういうことだと思います。
 そこで、今度はこの逆を行きますと、過当競争をやめる、そして製品価格を上げやすくし、同時に生産調整もできる、このためには寡占体制にすることだ。これだけある数を二つか三つにしてしまうということですから、これは寡占体制だと私は思うのでありますが、この寡占体制をしていくことが石油業界の基盤強化になるのだ、こういうふうに言われながら、いまこれを政府主導型で進めておる、そういうことに間違いないと思うのでありますが、どうでしょう。
○河本国務大臣 まだ実は最終的な政府の考え方というものはまとまっていないわけです。と申しますのは、こういう再編という話は、政府が指導してああしろこうしろと言ったのではうまくいきませんので、業界の自主的な判断にまたなければならぬ、こういう考え方が一つでございます。
 それから、日本の場合は外資系、民族系に分かれておりますが、メジャーの世界における販売網、力というものは、OPECの最近の動きなども相当積極化しておりますけれども、それでもなお依然として非常に力強いものがある。メジャーの世界における力というものを無視して日本の石油政策を進めることはむずかしいし、かえってそれはマイナスである。その力を日本に有利なように活用していかなければならぬ、こういうこともあろうかと思います。
 いずれにいたしましても、この秋には自由民主党の基本的な考え方等もまとまろうかと思いますので、それを待ちまして政府としての基本的な考え方をまとめていきたい、かように考えておるわけでございます。
○岡田(哲)委員 大臣はそういうふうに答弁をされておりますが、いままでの推移、それから答申などの筋から見ますと、大体いま私が申し上げた二社ないし三社にしていこう、あるいは政府主導型ということも出ているのですが、私がいま一番申し上げましたのは、この業界は非常に過当競争であり、利益幅が低い、経営基盤が弱い、しかもこの石油業界は言うなら日本の産業にとって大変重要なんだ、そういうことから再編の話が強く出てきた。力を強くするために一体どうするか。そうすると、過当競争をやめて、そして利益幅を低いのを上げて、経営基盤を強くしていく、こういうことになるのじゃないですか。そのためには数を統合しながら、あるいは共同しながらやっていこう、こういうことが再編じゃないかと思うのであります。そうすると寡占体制になるというふうに私は言っているわけであります。ですから、大臣、いま政府が検討しておるということですが、再編という方向は言うなら寡占化体制に進んでいくのだ、これについてはもう間違いないことだと思うのであります。
 そこで、寡占化体制に入っていきますと、当然、利益幅が低い、過当競争だということを言っているわけでありますから、それを力をつけていきますと逆に消費者の保護には逆行するではないか、こういう心配を持つわけであります。ですから、一度ここで政府の考え方とあわせて公取にもお伺いをしたいわけでありますが、業界の中では、いままで非常に赤字が連続してきて、不況であって、何とかしようというふうにいろいろ思ったのだが、不幸なことには業界中部で公取問題があってお互いに相談ができない、相談したくても話し合いができないというような立場であったので、どうしてもわれわれの方から自発的に案が出てこないのですというようなことを言っておるわけであります。問題は、いま言うように、政府主導型かあるいは自主的か知りませんけれども、こういうような寡占体制ができてまいりますと、言うならば独禁問題との関連でどういうふうに公取はお考えになるのか、両方からお伺いしておきたいと思うのであります。
○河本国務大臣 やはり体質強化、再編問題を考えていきます場合に幾つかの基本的な考え方があると思うのですが、まず第一は、政府の主導型ではない、政府が何もかも責任を持ちましてまる抱えでやるかつての海運再編、そういう行き方はとってはいけない。やはり民間の創意工夫によって、民間の自主的な判断によって再編、体質強化の方向を打ち出していきたいということが一つでございます。
 それからもう一つは、エネルギーの中で石油が一番大事なわけでございますし、しかも日本は現時点においても年間三億トンの油を使っておるわけでありますから、これだけの消費国なら、もう少し石油業界が力をつけてメジャーとも対等の交渉ができる、あるいはまたOPEC諸国とも対等の交渉ができるという形の何とか力強いものであってほしいし、それから、少し景気が悪くなるとたちまちのうちにして困るということであっても困る。こういうことを第二に考えておるわけであります。
 ただし、第三点といたしましては、公正にして自由な原則という自由主義経済の原則、これをじゅうりんするような結果が出てきては大変なことになりますから、その点だけは十分考慮し、産業界や消費者が石油業界の再編のために被害を受けるということがあっては大変でございますから、この点については十分配慮しなければならぬと思っております。
○熊田政府委員 公正取引委員会の考え方を申し上げさせていただきます。
 石油業界の再編成につきましては、まだ私どもその実情を十分に承知しておるわけではございませんけれども、今後の再編成のやり方によりましては確かに先生のおっしゃいますような寡占の弊害というようなものが出てくる可能性もないわけではございません。私どもといたしましては、再編成によりまして競争制限的な行為が出てくるとか、あるいは市場支配力の乱用というような事態が生ずるということのないように十分に監視をしてまいりたい、かように考えております。
○岡田(哲)委員 私は、「電力新報」の二月号ですか、この中での座談会を読ませていただいたのです。これを読んでおりますと、この中で日石の常務の田中さんが、合併時期は早過ぎると考える、「今は、生死の境をさまよっているというか、水面以下の状態で、まず当面なすべき仕事は標準価格の早期達成、これ一本やりで、再編成まで考える余裕がない。気持の上でもないし、体力的にもないというのが、今の状況ではないかと考えておるわけです。」こういう発言をされているのであります。
 そこで、五月十三日にこの標準価格を撤廃をしたわけですが、長官、この撤廃の理由と価格への影響、それから六月のOPEC総会に対する予測、こういうものと、あわせて聞いておきたいと思いますのは、業界は、先ほど大臣からもお話があったように、標準価格が撤廃をされて大体順調に戻ってきた、だから、それまでは再編の問題でいろいろ議論があったのだが、もう値上げが満額達成できれば再編なんかはどうでもいい、こういうふうに私は受け取るわけでありますが、その辺のことについてひとつ見方、考え方をはっきりさせておいていただきたいと思います。
○増田政府委員 標準価格につきましては、この十三日の告示をもって廃止いたしたわけでございます。
 この標準価格を設定いたしましたのは昨年の十二月一日でございますが、十月一日からOPECの値上げが行われたわけでございますが、その以前におきましてすでに石油業界は御存じのように非常な赤字、製品の販売価格と原油の輸入価格と逆ざやという問題がございまして、このままでは一部の企業は成り立っていかないというような状況にあったわけでございますが、それにさらに追いかけて十月一日の原油価格の値上げということであったわけです。これを放置できないという状況であったために、石油審議会を開きまして、そこで石油の生産コストというものがどれくらいになっているかということを計算の基礎といたしまして、標準価格というものを設定いたしたわけでございます。
 標準価格を設定いたしましたのはガソリンとナフサとC重油の三品種でございまして、これらの品目を選びました理由は、特にこれらの三品目につきまして逆ざやが激しいという点であったわけでございます。その後の状況を申し上げますと、大体ガソリンとC重油につきましては、本年二月に標準価格がほぼ達成いたしたということでございます。ナフサにつきましては、これを購入いたします石油化学業界が非常な苦境にありました。石油業界に劣らないような収支の悪化というもののさなかにあったわけでございまして、両業界との間の話し合いがなかなかつかなかったわけでございますが、四月一日からほぼ標準価格の線で取引をするということに決定されたわけでございます。
 それで、先ほど申し上げましたように、この標準価格制度というものは、私どもの方は、その当時の価格状況では石油というエネルギーの供給者である基礎産業が崩壊するおそれがあるということで、緊急やむを得ない措置としてやったわけでございますので、四月一日にほぼナフサも標準価格に到達したということで、この五月十三日に外した次第でございます。
 ただ、今後の石油価格の問題につきましては、先ほど先生から御質問のありました、OPECがこの五月二十七日からインドネシアのバリ島でOPEC総会を開きます。これによりまして、七月一日の原油価格というものを、昨年の十月一日から維持されていたものをどういうように変えるかということの相談が行われるわけでございます。一般に言われておりますのは、現在まだ石油に対する需要というものが強くなっておりません、むしろ供給過剰という状況でございますので、こういう需給状況の中ではなかなかOPEC諸国が値上げを決定しないのではないかということ、また、OPEC諸国の中で、世界経済に対する石油価格の影響というものから現在上げるべきではないという主張も一部の国から相当強く出ておるということで、私どもも今度のOPEC総会でそう大きな変化はないというふうに見ておるわけでございます。
 大体以上申し上げましたのが価格の問題でございますが、最後に、この標準価格に一応到達したわけでございますが、石油企業の経理状況について申し上げますと、今回のこの法案を提出いたしております理由でもございますが、民族系の企業と外資系の企業と非常な格差が生じておるわけでございます。民族系の企業につきましては、標準価格に到達いたしましても、従来の大幅な赤字というものは消えないわけでございます。私どもの方の計算いたしました標準価格というのは、過去の赤字というものを消す価格ではございませんで、そのときの生産コストを考えまして計算いたしたわけでございますから、公称二千億と言われますが、実質的にはそれをはるかに上回る過去の累積赤字というものが消えないような状況になっておるわけでございます。しかも、民族系にそれがほとんどしわが寄っておるということでございます。
 そのために民族系の企業が非常に苦境にあるというのをいかに打開するか、これによりまして石油産業全体の体質改善を行うというのが今回の構造改善でございますが、先ほど先生から、民族系を二つないし三つのグループ、それから外資系を三ないし四のグループというのが通産省の再編成の構想ではないかという御指摘がありましたが、民族系を二ないし三のグループに最終的に持っていく、これは何年かかるかわかりません、それから今後まだ検討を要する点がございますが、これにつきましては、昨年十二月の総合エネルギー調査会石油部会で結論が出まして一応答申をいただいております。ただ、先生が先ほどおっしゃられました、三ないし四に外資系をグループ化する、これは私どもの方は考えておりません。
 そういう意味から言いますと、先ほど公取の事務局長からもお話がございました寡占のおそれというものにつきましては、私どもは、石油産業を寡占化するための構造改善ということでは考えておりませんし、また、これは現行独禁法の立場から言っても寡占化は許されませんし、また、基礎エネルギーである石油が寡占化して値上げをするということをやってはならないと思います。
 ただ、私どもが今回の構造改善が必要だということで出しておりますのは、民族系の企業を対象として構造改善をいたす。その構造改善をなぜ行うかということは、先ほど申し上げましたように、民族系と外資系の企業と非常な差が出て、このまま放置しますと、民族系の企業の崩壊につながるということで、現在大体外資系と民族系と五〇、五〇になっておりますのが、これが相当崩れてくるという状況になってきているということでございます。寡占の弊害その他につきましては、私の方は十分監視もいたしますし、また、今度の構造改善は石油産業の寡占化につながるものでは決してございませんので、それだけつけ加えて御答弁申し上げた次第でございます。
○岡田(哲)委員 長官、もう一つ、業界は、この標準価格が撤廃されたために、これで事足れりということで、もう再編には関心が薄くなるのではないか。私は、どうもこの言っている点を見ると、もうこれで業界は乗ってこない、通産省は一生懸命そのつもりでおりましても、業界は乗ってこないのじゃないか、もうこれで目的は達した、こんなふうに受け取れるのですが、どうですか。
○増田政府委員 昨年の危機的状況の中では、もう銀行が融資をしないというおそれもあったものですから、この再編成というものが非常に火がついたようにいろいろ騒がれたわけでございますが、標準価格が出まして、大体それが達成するということで業界としても一息ついて、若干この再編成の問題についでは慎重に取り組もう、こういう空気になっていることは、先生御指摘のとおりでございます。
 それで、一部の企業につきましては、もう再編成は必要ないということを言っておられるところもあるのは事実でございますが、これにつきましては、先ほど私が申し上げましたように、現在外資系の企業は、今度の決算その他を見ましても、史上空前といいますのは、これは石油価格が上がりましたから当然史上空前になるわけでして、利益率がそれほどいいわけではございませんが、しかし非常な大きな経常利益を上げているわけです。他方、民族系の企業を見ますと、去年の中ごろに比べますとこの標準価格その他によりまして改善はされておりますが、相当多くの数の企業がいわゆる債務超過、資本金より大きな金額の累積赤字を負っておるわけでございまして、内容からいいますと非常に危機的状況は続いているわけでございます。
 それから、石油業界の経営者のトップの方々と私、いろいろ個別的にこの再編成の話を申し上げておるわけですが、ことに民族系の企業の方々は、現在のような石油企業の乱立状態、三十数社あるわけでございますが、これはアメリカは別といたしまして、世界的にも見られない現象でございます。その中で過当競争し、お互いに傷つき合って、そうなれば、これは基礎エネルギーである石油の供給者としての責任が果たせない、何か起こりましたら、そこにもうあらゆる弱点が露呈しまして、そうして石油の安定供給ができないというおそれがあるわけでございます。そういう意味からいいますと、やはり再編成をやらなければならない。ただ、これは従業員の立場、あるいは会社の責任者としての立場、いろいろありますから、総論については、これはもう全くどうしてもやらなければならぬと自分は思っている、しかし、株主に対する説得、それから従業員の不安を抑える、あるいは石油企業は特約店とか直轄のスタンドを相当持っておりますから、それらの方々が動揺しないような十分な事前の根回しと申しますか、了解工作というものをとらなければならぬ、それが、短兵急にどことどこが合併するというのを言われると非常に困る、こういうことでございます。
 そういう意味で、再編成の必要、つまり石油産業の体質の強化、ことに民族系がこのままでは成り立たないということについては皆さん同じ意見でございますが、今後のやり方その他につきましては、いま言いましたようなことから、先ほど大臣も言われましたように、業界の自主性というものを尊重して、そして石油産業としての責任を果たすためにいかなる構造改善を果たすことが必要か、それに対して国が支援する、これが今回の法案の内容でもございます。そういうことで、現在の再編成に対する業界の考え方についての一端を申し上げた次第でございます。
○岡田(哲)委員 いまのお話を聞いておりますと、一言で言うと、外資系はそのままにしておいて、民族系の三十数社あるものを二ないし三にしよう、だから業界全体とすれば寡占ではないというふうに言おうとしておるのじゃないかと思うのです。しかし、先ほども言いましたように、なぜ赤字になったのか、ここでいろいろ言おうとは思いませんが、その原因も恐らくそれぞれ考えておられると思うのであります。
 そこで、話を変えますと、いま申し上げたように、今度考えている点は、外資系でなしに民族系を一生懸命に援助していこう、こういうことについては間違いないことになるわけだと思うのです。これは議論の段階からもう実行の段階に入っていると私は思うのでありますけれども、今度予算的にも百億円が満額大蔵省との折衝の中でも認められている。その意味ではより積極的に取り組みを図ろう、こういうふうに考えられていると思うのであります。しかし、この百億の予算を具体的にどういうふうに有効的に使おうと考えられているのか。積算の根拠といいますか、あなた方が百億の金をどのように使っていくと、いま申し上げたような有効的な再編成ができるのだと考えられているのか。その手順といいますか、その使用方法、こういうものを含めてお伺いをしておきたいと思うのです。
○増田政府委員 この石油開発公団法の一部改正によりまして、石油開発公団が百億円を出資並びに融資ができるようになりましたときに、具体的にどういうふうな事業に対して出資ないし融資をするかについて、簡単に申し上げたいと思います。
 この出資、融資をいたします対象は石油製品の販売業者ということで、これは法にも規定されております。具体的に言いますと、いわゆる特約店とかそれからガソリンスタンドというものはすそ切りで規定を設けまして、これを除きまして、普通に言われております元売業者に対しましてこの出資、融資をするということになっております。
 それで、元売業者がどういう事業を行うときに融資、出資の対象になるかということにつきましては、石油製品の販売にかかわります経営規模の適正化その他構造改善に関する事業を行うとき、こういうことになっております。これは具体的に言いますと、販売部門における、つまり元売間の集約化事業というものが行われるときにこの出資、融資をする。さらに具体的に申しますと、元売が合併したりあるいはその販売部門の統合を行いますときにこの出資融資の対象になる、こういう形になるわけでございます。
 それで、こういう集約化ということにつきましては、先ほどの答弁で申し上げましたように、私どもの方が無理やりに集約化させるということでなくて、石油の安定供給のために構造改善が必要だという自覚のもとに、業界が自主的な意思で集約化を行う、そのときに政府としてもそれが望ましい方向だということでこれに対する支援をする。
 具体的に申しますと、政府出資金百億円、これは石油開発公団から出資するわけですが、これを用意しておく。それからまた、企業によりましては、やはり政府出資あるいは公団出資をきらうところもあるわけです。それは必要ない、しかし資金は必要だという場合には、日本開発銀行から融資をする。これは民族系企業育成という枠がありまして、現在百八十億、これはいろいろな使途がありますから全部使えるわけではございませんが、そういう金とそれから出資金と両方用意いたしまして、企業が集約化を行うときにどうしても資金的に必要だ、それで自分の方は融資が必要だというときは開銀から出す。それから出資金、これは出資金ですと無利子になるわけでございますから、無利子の金で出資を受けていいという方に対しては、今回これが改正されますとそれによって百億円まで出資ができるということで、あくまでも支援体制としてこういう制度を設ける。またその業界の方の自主的な集約化ができたときに、それを受けて出す。こういう形になっておるわけでございます。
 なお、これらにつきまして誤解が生じまして、先ほど先生からもありましたように、どうも通産省は共石を中心にしてほかの民族系企業が弱っているのを無理やりに一緒にしてしまう、そして片方においては百億円を予算化して、企業の自主性を無視して強引にやってしまうのじゃないかということで、そういう批判も一部雑誌その他に載っておるのを私どもも承知しております。この点につきましては、石油業界個々にも話しておりますし、いろいろ話して、最近では私は誤解はなくなったものと思っております。ただ、一時そういう批判が起こりまして、どうも通産省主導型、政府主導型の実情を無視した強引な再編成、あるいは共石だけを中心にした再編成を行うのではないかという批判があったわけですが、これは私どもの方は最初からそういうことを考えておりません。ただ、誤解が生じたことにつきましては反省しております。
    〔委員長退席、渡部(恒)委員長代理着席〕
○岡田(哲)委員 誤解だったということでありますので、あれしたいと思うのです。
 そこで、先ほども言いましたように、利益幅が低くて、経営基盤が弱くて過当競争体質である。政府が高度経済成長の時期に石油業法によって認可されてきておるわけですね。その認可によって精製設備が現在あるわけでありますが、高度経済成長から低成長、安定成長へと、これは石油だけじゃなしに、日本全産業が一つの構造転換を図らなければならぬ時期に来ていると思うのであります。
 私がいまここでお尋ねしたいと思っておりますのは、言うならば転換、再編成の一番大きなねらいというのはそこにあると私は思うのですが、こういう低成長下に入る時期における石油産業の、あるいは業界、企業といいますか、そういうものを含めて、今後再編と同時にどういうような展開をしていくのか、展望を持っておられるのか、それをちょっとお伺いをしておきたい。
○増田政府委員 石油危機以前と石油危機以後と、石油業界に対する政策というものも変更せざるを得ないと思うのです。それで、石油危機以前は石油が非常に安くて、しかもどこからでも手に入るという状況であったわけでございます。ただ、そのときにはやはり民族系というものを育成して、日本の市場を民族系と外資系と半分半分にする、それによって非常にいい形に持っていこうということであったわけです。しかし、そのときに民族系がまだ半分に達しておりませんでしたために、相当民族系の方の設備というものがふえていった。これが現在共石の精販ギャップの原因にもなっておるわけですが、一応石油危機以後になりますと、まず一番大事なことは石油の安定供給体制を確立しなければならないということでございます。そこにおきましての政策として、先ほど言いました外資系と民族系を五〇、五〇にするというのは、これは従来からも正しかったと思いますし、石油危機以後の政策としても維持していきたいというふうに思っております。
 ただ、非常に変わってきましたのは、民族系の企業が、ことに共石につきまして販売能力と生産能力との差が出てきておる。いま先生から御指摘になりました、低成長時代になりますとこれが非常にいろんな問題が出てくる。それで高度成長のときには若干早く設備ができましても、あと販売が追いつくわけで、需要が非常に強いわけです。ことに石油につきましては、石油危機以前の年間の需要伸び率というのが大体一五、六%で毎年進んでいったわけですから、設備の過剰がありましても一、二年すると全部それが解消して問題がなくなるということでございましたが、これが石油危機以後におきますと、その製造設備と販売能力とのギャップというものが非常に問題になってくるという点が出てきておるわけです。
 それから、一番問題になりますのは、石油危機以後の外資系と民族系につきまして、企業力の非常な格差が出てしまったということで、先ほど申し上げました五〇%、五〇%で外資系と民族系のシェアを維持するということにつきましても、非常に問題が生じてきたということでございます。そういうことで、新しい低成長、しかも石油の安定確保が必要であるというこの石油危機以後の事態に対処いたしまして、私どもが石油構造対策として行わなければならないのは、先ほどから申し上げました、弱くなってしかも格差が生じております民族系企業の体質の強化というものを至急に図らなければ、今後の石油の安定供給構造というものがひびが入ると申しますか、非常な問題が生じてしまうということで、今回のような構造改善に対する政府の支援体制として、石油開発公団を通じます出資あるいは一部融資というものを行うということでお願いいたしている次第でございます。
○岡田(哲)委員 もう時間が来ましたので、最後にちょっと聞いておきたいと思いますのは、西ドイツのフェーバーという国策会社があるわけでありますが、これについてどういうふうに見ておられるか、どういうふうに考えておられるか。私は、いままでも石油については開発から精製、備蓄、販売まで一貫性を持たせるべきだということをずっと主張してきているわけでありますが、これは言葉は変わるかもしれませんが、メジャーに対して和製メジャーというようなものかとも思うのであります。
 しかも、これを私は石油開発公団のときにも言ったのでありますけれども、開発公団でなしに、石油公団にしてしまって、もっと全体一貫した体制を公団に持たしていったらどうかという気持ちが実はあるので特に言うわけでありますが、この会社の中身というのは、私はよく知っているわけではありませんが、石炭から原子力、化学工業や輸送までやって、商社機能まで持っているというふうに聞いているわけであります。いま長官が言われましたように、低成長下に入って過剰設備もあるように思うのでありますが、今後開発公団的なものよりも、さらにこれを一歩進めて、いま申し上げたようなものにまで公団はあるべきだ、こういう立場から、ひとつこの西ドイツの国策会社についての構想など、どんなような検討をしておられるか、その辺をお伺いをいたしたいと思います。
○増田政府委員 お答え申し上げます。
 西ドイツにも日本と同じように民族系、外資系の問題がございまして、それで民族系が日本ほどシェアを占めておりません。ただ、その民族系を育成しなければならないということで、連邦政府がただいま先生からお挙げになりましたフエーバーという会社に対しまして四〇%の出資をいたしておるわけでございます。
 それから、そのフェーバーという会社、これはいわゆる総合企業でございまして、石油以外に電力あるいは石炭、石油化学という、先ほどお話しのように総合的な会社になっております。それから、ゲルゼンベルクという従来から石油精製をやっております会社もこの下部機構になっておりまして、さらにアラールという、これはいわゆるスタンドを持っております石油販売業者によって構成されております会社があるわけでございます。
 西ドイツにおきます民族系は、フェーバーを中心といたしまして連邦政府から四〇%の出資が出、これによって外資系に対抗いたします民族系の育成をやっておるわけでございます。
 それで、話が若干飛びますが、こういうことはすでにイギリスにおきましてはBP、イギリスの代表的な石油企業につきましては四八%政府出資になっております。また、フランス石油、CFPにつきましては三五%政府出資、あるいはイタリアはENIが一〇〇%政府出資ということで、日本は政府出資というのは行われておらない。
 今回お願いいたしておりますものにつきましても、政府出資を通じてコントロールして、そして石油企業を国営化するということでなくて、先ほど申し上げましたように、資金的な支援措置を行うということでございます。
 そういう意味で、今後の世界におきます石油企業のあり方というものと、日本における石油産業に対する政策というものをどういうように調整するか、これは非常に問題だと思います。と申しますのは、アメリカは全部私企業でやっておるわけです。ですから、そういう意味で政府出資をする体制が非常によくて、私企業体制は弊害があるかといいますと、それぞれ一長一短あります。ですから、日本においてはやはり日本の解決策が必要だと思います。こういうことで、石油開発公団を石油公団にして、相当国の意思を石油の流通段階あるいは生産段階に入れるということが、今後の日本における石油の安定供給というものにとって非常にプラスになるのか、あるいは問題点があるのか、これは私どももう少し勉強していきたい、こういうふうに考えておりまして、いろいろ検討を続けている段階でございます。
○岡田(哲)委員 時間が参りましたので、これで終わりますが、一番心配をいたしておりますのは、やはり消費者の立場を考えますと、これは価格の安定の上から見ましても非常に逆行する方向の心配があるという点、それから民族系を中心にしていくのだということですが、さらに低成長、安定成長の道の上に将来を展望した一つの再編成というものをきちっと打ち立てていただきたいということを強く要望いたしまして、終わりたいと思います。
○渡部(恒)委員長代理 板川正吾君。
○板川委員 石油開発公団法の一部改正案について質疑をいたします。岡田委員の質疑と若干重複するところもあるかと思いますが、御了承願います。
 まず、公団法改正の条文について質疑をいたします。
 この公団法の改正で、構造改善事業の事例として、「営業の譲渡し及び譲受けその他の通商産業省令で定める方法により行うものに限る。」こういう改正条文がございますが、「その他の通商産業省令で定める方法により行うもの」この内容はいかなるものであるのか、明らかにされたい。
 第二は、本法の対象である石油製品販売業ですが、この石油製品販売業とは、コンビナートリファイナリー、こういう精製業者は石油製品販売業の中に入るのか入らないのか、この点ちょっと疑問がありますから、伺っておきます。
○増田政府委員 まず第一点でございますが、営業の譲り渡し及び譲り受けその他の方法により行う、いわゆる構造改善の中でその他の方法は具体的に何かということについてお答え申し上げますと、これは先ほど申し上げましたが、石油の販売業者におきます合併及び株式の取得をその他の方法と考えておるわけです。内容的に言いますと、販売部門による集約化事業を出資、融資の対象にいたしておるわけですが、具体的に言いますと、営業の譲り渡し及び譲り受け、それから合併、株式の取得、こういうことになるわけでございます。
 それから、もう一つ御質問のありました石油販売業者でございますが、これにつきましては元売を考えております。これは省令で定めることになっておりますが、省令でこの元売が対象になるような規定を設けようということで考えております。
○板川委員 そうすると、コンビナートリファイナリーは入らないのですね。
○増田政府委員 コンビナートリファイナリーは入りません。
○板川委員 コンビナートリファイナリーが入らなくて、民族系の石油業の再編成がうまくいきますか、どうお考えですか。
○増田政府委員 民族系の企業の集約化が行われますときに、このコンビナートリファイナリーはどこかの元売と一緒になっておりますから、そういう意味では、コンビナートリファイナリーも一緒になります元売について構造改善が行われる、こういうことでございます。ことに先生よく御存じのように、コンビナートリファイナリーはナフサとC重油を非常に重点的につくっておるわけでございますが、それが元売の集約化が行われますと、その中で製品の販路を見出すことによりまして、コンビナートリファイナリー対策も、いま申し上げました民族系の元売の集約化というものを通じまして現在のいろいろの問題点を解決いたしたいということで、直接的ではございませんが、間接的と申しますか、実質的にはコンビナートリファイナリーの対策を兼ね備えて行いたい、こういうふうに考えております。
○板川委員 元売の中と資本的、人的にコンビナートリファイナリーは関連をしていますから、だから直接でなくても間接的に包含する、こういうふうに理解していいですね。――わかりました。
 次は、この石油開発公団というのは、主たる目的が石油の海外開発のために設立をされたわけであります。ところが、最近、備蓄原油の融資業務だとか、あるいは今回石油販売業務の構造改善の融資業務などがふえてまいりますが、こうした本来の石油開発公団の事業目的から付帯的な業務が非常にふえてきておる感じがいたします。
 倉八石油開発公団総裁に伺いますが、付帯業務が非常にふえてきて本業の方がおろそかになる可能性はありませんか。
○倉八参考人 お答えいたします。
 私が引き受けております開発公団というのは、あくまで開発が主体でございまして、いま御指摘の備蓄とか、あるいは今度構造改善事業を引き受けましても、開発ということの主体性は私は変わらないと考えております。
○板川委員 政府に伺いますが、政府は将来石油開発公団をエネルギー政策上いかなる位置づけをしようと考えておられるのか。いま岡田委員の質問の答弁にもありましたが、たとえばイタリアのENIのような役割りを持たせようというのか、そうでなくて公的な規制を強化することによってコントロールしようとする方向か、検討中と言われますが、この点についてもう一度御答弁願いたいと思う。石油公団というものをどういうふうに位置づけをしようと思うかというのが質問のポイントです。
○増田政府委員 石油開発公団が昭和四十二年に発足いたしましたときには、これは海外における石油開発の推進母体ということで、しかもみずから石油開発を行うということではなくて、石油開発を行います民間企業に対して出資、融資を通じてこれを推進する、こういうことで発足いたしたわけでございます。その後いろいろ石油開発公団法の改正をお願いいたしまして、何回かの改正で海外の開発事業あるいは日本周辺の大陸だなの開発事業その他に広がったわけでございますが、それに加えまして、開発とは若干離れますこの備蓄の業務を臨時業務として附則に追加いたすということが先般行われ、また、今般お願いいたしておりますのは、石油構造改善のための出資、融資の業務を追加するということでございます。
 ただ、いま倉八石油開発公団総裁からお話がございましたように、石油開発公団の任務は石油資源の開発というのが本務でございまして、備蓄につきましては、今後五年間に九十日まで持っていく備蓄政策に対して、臨時業務として備蓄用の原油の購入資金の融資とか、あるいは共同備蓄会社の出融資の業務を行ってもらう、こういうことでございます。また、今回の構造改善のための出資金も、これが成果を挙げたときにはこの業務は消える、こういうことになっております。
 ただ、いま先生からお尋ねがございましたように、石油開発公団をもっと石油の部面でさらに大きな活動をする、つまり、先ほど言われましたように、ENIとかあるいはその他の外国の機関があるわけですが、石油開発にだけ限らないで、むしろ石油公団として石油政策の一端を担う一つの政府機関にすべきではないかという議論がいろいろ行われております。
 たとえて言いますと、一つの手近な例といたしましては、DDあるいはGGで産油国と直接の取引が行われる、原油の受け入れとして石油開発公団を使いまして、そこで一括購入をして国内で配分をする、これを行いますと、政策的に輸入というものを行うための機関ができるわけですから、たとえばある地域との間に政府間の取り決めを行えば、それを石油開発公団が一括して入れるというような構想もございます。
 この構想につきましては、現在私の方がいろいろ検討をいたしているために、先ほども、石油開発公団のあり方、石油政策の全般でどういうようにするかということを検討しておりますということを申し上げたわけでございますが、実際に石油開発公団を使いまして一括購入をして、それをプロラタか何かで精製の方へ引き取らせるという政策が果たして長続きがし、現実に効果があるかどうかにつきまして、私どももやはりもう少し慎重に検討いたしたいということで、石油開発公団の業務につきましてはいろいろの面で検討はいたしておりますが、まだ結論は出ておらないというのがただいまの段階でございます。
○板川委員 石油精製販売業の構造改善を必要とする事情、これをひとつ御説明願いたい。
○増田政府委員 お答えいたします。
 石油がいかに重要かということにつきましては、ここで私が改めて申し上げる必要はないと思いますが、石油が国民生活、国民経済の基礎物資であるにもかかわらず、石油を供給いたしております産業というものが非常に弱い、また非常にいろいろな問題を含んでおるという点にこの構造改善を必要とする理由があるわけでございますが、じゃなぜ弱くて問題を含んでいるかということにつきましては、一つには、外資系と民族系と二つのグループから成っておるという点につきまして、これは問題がないときは非常に順調にいくわけですが、何かありますとそこにいろいろなそごが出てくるおそれがあるという点が一つあります。それからもう一つは、石油企業というものが世界各国に比べまして非常に過当競争体質になっていて、企業の数も非常に多いわけでございます。よく例に挙げられますように、ガソリンの販売合戦とかいろいろな問題が行われておるわけです。
 それで、消費者の立場に立ちまして、短期的には百円以下のガソリンがあるということは非常に有利のようでございますが、これにつきましては、たとえばそれに対抗するために粗悪品のガソリンが出てくるとか、あるいはガソリンスタンド企業が経営が成り立ちがたいためにそこでいろいろ無理が行われるということで、業界として安定的な秩序の維持というものが非常にむずかしくなっておるという点がございます。
 それで、今回構造改善をぜひともやらなければならないということで申し上げておりますのは、先ほどから申し上げているように、民族系と外資系との間の格差が非常に広がってきておる。これはいろいろな理由がございますが、それが回復しがたいような状況になりつつある。結局、一つの価格が決まりますと、それは外資系の企業、全部とは申しませんが、一部の企業にとっては非常に大きな利益になる。しかし、民族系の企業にとってはまだそれでも赤字という形になっておるわけです。これを解決するためには、やはり民族系企業というものを外資系企業と同等に経営ができるような強い体質に持っていかなければならない。
 これが今回お願いいたしております石油の構造改善というものが必要であるという理由でございまして、この問題をこのまま放置いたしますと、恐らく民族系の一部の崩壊につながっていくのじゃないか。これが一部崩壊したときには、当然外資系企業のシェアというものがいろんな形でふえていくということが考えられるわけでございます。私どもは、外資系企業が悪いとか、それから外資系企業を、この際日本の石油産業からシェアを少なくしようという気持ちはございません。ただ、やはり五〇、五〇という形を維持するというのが現在の世界の石油情勢の中で最もいい形だと思っておりますが、それが維持できなくなってきているところに問題があるわけでございます。
○板川委員 この構造改善事業がもし仮に進まないということになれば、民族系の石油企業が一部崩壊をするおそれもある、こういうことから再編成構想というものが生まれてきたと思います。
 そこで、伺いますが、最近、民族系企業の収支状況はどういう状況でありますか。従来までの赤字の状況、それから、今回標準価格が実施されて、価格がある程度回復をしてきておるわけでありますが、その結果はどういう状態でありますか、伺っておきます。
○増田政府委員 経常利益で合計だけを民族系と外資系について申し上げたいと思いますが、四十八年度の下期、これは石油危機が十月に起こりまして、その後価格を政府が抑えたという影響が出ておるわけでございますので、それから申し上げますと、四十八年の下期の民族系の赤字の合計が百四十三億、外資系はこれは黒字でございまして五十九億。それから四十九年の上期、民族系が三百三十億の赤字、外資系が百十六億の黒字。それから四十九年下期になりますと両方とも赤字になるわけでございますが、民族系の方は七百三十三億の赤字、外資系が四十九億の赤字ということになっております。それから五十年の上期につきましては、民族系が五百八十五億の赤字、外資系が四十三億の赤字ということでございます。
 大体以上申し上げましたが、これは個々の会社につきましてはもっといろいろ問題が出てきております。たとえば民族系の会社の中ですでに七社がいわゆる債務超過になっておりまして、資本金を超える累積赤字というものが累積されておるわけでございます。これも公表されておりますから名前を申し上げていいわけでございますが、たとえば丸善石油、東亜石油、アジア共石、富士興産、その他、これが全部債務超過になっております。債務超過になりますと、銀行の方の融資もいろいろ問題が生じてくる。
 それから、先ほど先生からお尋ねのありました標準価格によりまして相当一息ついたという形になっておりますが、標準価格を計算いたしましたときに、これは日本におきます精製企業の平均価格をとるという計算でしておりますから、結果的には外資系にとっては若干黒字の余裕がある、しかし民族系の中の何社かはこの標準価格に達してもまだ赤字が残る、こういう価格であったわけでございます。そうなりますと、標準価格が達成いたしましても一部企業にはやはり赤字が残るおそれがあるわけでございますし、いわんや先ほど申し上げました累積赤字は消せないという形でございますので、標準価格で若干小康状態を石油業界は得ておりますが、しかし、基本的には問題は解決されてない。やはり構造改善をやらなければ問題は解決されないという事態にあるわけでございます。
○板川委員 新聞報道によりますと、外資系のエッソ、モービル両社は五十年一月−十二月、五十年暦年の決算で史上最高の黒字を出しておる、こういう報道があります。経常利益でモービルが八十四億円、エッソが八十八億円の黒字である、しかもそれは前年に比較いたしまして数倍、モービルのごときは三・九倍、こういう利益を上げているという報道がございます。昨年一年間には民族系の赤字が膨大な数字に上っておるというときにエッソ、モービルのようなメジャー系が史上最高の黒字を出すということは一体いかなる事情があるのか、どういう結果によって、このように一方においては民族系が大赤字を出しており、外資系は史上空前の利益を上げておるのか。いまのお話では、外資系も赤字のように言いましたが、この二社が特に史上空前の黒字を出しておるというのは、どういう関係でしょう。
○増田政府委員 外資系と民族系の収支の状況に、片方は非常に暗い、片方は史上空前という決算を発表するというふうに、明暗が非常に分かれておるわけでございますが、しかし、外資系の中にも、たとえばシェルグループなどは相当大幅な赤字が出ておりますので、外資系が全部いいというわけではございません。エッソ、モービルにつきましては、先ほど先生がおっしゃられましたように、エッソは五十年の決算では経常利益八十七億、モービルが八十三億、これはその前年がエッソが三十八億、モービルが十九億でございますので、非常に大幅に黒字がふえたということでございます。
 これらにつきましての原因、つまり外資系と民族系との差がどこに生じておるかということについて、私どもも聞き取りをやりましたり、いろいろ調査しておりますが、従来言われておりますように、原油の価格が非常に差があって、メジャーが提供する価格が二重価格のために、民族系は高いものを買い外資系は安いものを買っているという価格差につきましては、むしろこれはほとんど存在していない、あるいは従来あったものが民族系からも非常にこれに対して抗議をすることによって、ほぼ価格差が縮まったというふうに私どもは思っております。ただ、取引の価格以外に、たとえばユーザンスについて相当長期になっておるとか、あるいは原油購入価格について特別な融資が行われている、その金利が安いという差が若干原油価格にはね返るという点があると思います。
 それから、民族系と外資系との間に非常に価格差が生ずる大きな原因は、ガソリンの販売につきまして、外資系がむしろ非常に大きなシェアを占め、民族系が少ないという点にあるかと思います。現在の価格がガソリンがわりあいに有利になっておりまして、景気の停滞に伴いましてC重油あるいはナフサその他、生産に直結するものの需要が減っておりますために、それらの価格が、原油価格が値上がりしたのに伴って値上がりがなかなかできない点から、ガソリンが比較的有利になっている。そうすると、ガソリンを多く扱っております外資系、先ほどのエッソ、モービルにつきましては、ガソリン比率が非常に大きいところにこの利益が出た原因があると思います。
 それからまた、外資系と民族系の差には、民族系の設備がわりあいに新しいということから、それの償却あるいは金利負担というものが出ておりまして、それらを総合いたしまして民族系と外資系との間に格差が生じたというふうに私どもは考えております。
○板川委員 エッソ、モービルについては、いまおっしゃられたように、ガソリンの比率が一般が一二、三%であるのに対してモービルが二二%、エッソが一七%、さらに金利の負担、販売費、管理費が非常に安い、こういうことが言われておりますね。これは差別をしろと言うわけじゃないのですが、特に最近、乗用車の比率が非常に高まってくると、シロモノというガソリンの要求が強くなるのですね。ですから、このガソリン精製の比率を高くしない限りは、民族系はどうやっても追いつかないのじゃないですか。この辺のバランスを図る調整といいますか、これはいまの石油政策の中で不可能でしょうか、その点を伺っておきたい。
○増田政府委員 このガソリンのシェアを民族系の方に広げて、それによって収支を直すというのも一つの方法かと思いますが、ただ、現実にはガソリンに対する販売力が民族系は非常に弱くて、外資系が強い。つまり、従来からの特約店の組織あるいはガソリンスタンドの組織というものが外資系は強くて、それで民族系はむしろ、産業に石油製品を納める、たとえばC重油を鉄鋼会社とかセメントに納める、ナフサを石油化学に納めるというところに自分の営業の重点を持っておったわけです。これが現在のような価格になりますと、この収支に差が出てくるわけでございますが、そういう意味からいいますと、むしろガソリンをふやすよりも価格体系というものを直す方が民族系に対する救済策ではないかというふうに言われておりますし、また、ガソリンの絶対量をふやすということになりますと、これはガソリン市場というのは非常に崩れやすい市場でございます。ことに七月一日からガソリン税の増徴もありますし、これを数量をふやすことによって簡単には解決できないのではないかというふうに思っております。
 それからまた、私どもの方の石油政策あるいは石油産業に対する行政指導につきましては、外資系と民族系に対する差別待遇、あるいは外資系を抑えて民族系を無理して引き上げるという政策は、原則としてとらないということで従来からやっております。
 そういう意味からいいますと、いまのガソリン問題につきましては、むしろガソリンとほかの石油製品との価格のアンバランスが是正されるということが問題解決に近いのではないか、こういうふうに思っております。
○板川委員 わかりました。アメリカのように、ガソリンの方が比較的安いという価格体系も将来あり得るわけですね。価格をもって調整する道もありますというお考えのようですから、承っておきます。
 現在、外資系と民族系のシェアの比率はどの程度になっておりますか、それを承りたいと思います。
○増田政府委員 お答えいたします。
 昭和五十年末におきます外資系と民族系とのシェアについて申し上げますが、まず精製能力、これは設備で申し上げますと、民族系が四九・五%、外資系が五〇・五%、外資系の方がやや設備能力が多いわけでございますが、ほぼ等しいということでございます。
 次に、販売シェアについて申し上げますと、民族系が四六%、外資系が五四%、これは販売実績から出ました販売シェアでございますから、外資系の方が五〇・五%の設備を持って五四%の油を売っておりますから、それだけ操業率も高いということにもなるわけでございます。
○板川委員 先ほどから再三話がありましたから、あえて聞く必要もないと思いますが、このメジャー系の位置づけというのを、将来、民族系と半々ぐらいの位置で置いていこう、メジャー系をずっと抑えて民族系を拡大していくという意思はない、こういうふうなことをおっしゃられておりますが、そう解してよろしいかどうか。
○増田政府委員 そのとおりでございます。やはり世界におきますメジャーの石油の獲得力、また非常に多様な品種を直ちに供給できるということその他から言いまして、メジャー系で日本へ来ております石油の精製業者あるいは元売につきましても、私どもはやはり同じような政策をして差別をしない、しかし、両方のシェアは五〇、五〇に保っていくというのが今後の石油政策の方向として正しいのではないか、こういうふうに思っております。
○板川委員 わかりました。
 いままでの質問で、石油業の再編成を促進しようという本法案の改正のねらいというのは、次のようなことであると理解してよろしいかという点でありますが、民族系の企業が、このまま放置すると外資系との経営格差はますます拡大をする、民族系は自立不可能となるおそれがある。民族系がもしつぶれる、あるいは外資系の傘下に入る、こういうことになれば、メジャーを中心とする外資系が市場を独占する。これはわが国の経済の安全保障の上からも好ましくはない。またそうあることは、昭和の初年の松方石油の例を引くまでもなく――これは松方かソ連油を安く入れて、それがメジャーの外資系の石油会社の袋だたきに遭って結局つぶれていって、しかも松方石油がなくなったら石油の値段が大幅に上がった、こういう例があるわけであります。また過般の石油危機の例を見るまでもなく、わが国の国民経済上から言ってこれは好ましくないのだ、だから、この際、弱体な民族系の集約を図って自立する力を与えることは、メジャーの独占支配を排除し、あわせて安定供給という石油政策の基本に通ずる道だ、こういうふうな意図から行われようとしているのだというふうに理解してよろしいかどうか。
○増田政府委員 気持ちとしてはいま先生のおっしゃられましたことで考えておりますが、ただ、松方石油のようなああいうやり方をメジャーがいまの世の中でやるとは思っておりません。また、現在日本へ来ております外資系あるいは外資を受けております日本の会社のビヘービアと申しますか、行動は、これは非難されるべきものはそうないと思います。また、民族系と比べて外資系の方がけしからぬというふうには私ども思っておりません。ただ、先生がおっしゃられましたように、最終ぎりぎりのときの、つまり経済安全保障の問題になったときに、民族系を持たない国というのは非常に危険ではないかというふうに私どもは思っております。
○板川委員 松方石油の例は当面は考えられませんが、石油危機のようなぎりぎりの決着の場合には、将来ないとは言えない考え方だろうと私は思います。
 次に伺いますが、再編成の段取り、将来の形、こういうものをどういうふうに構想しておられるのですか。再編成の究極的な手順と位置はどういう形を構想しておられるか、伺っておきます。
○増田政府委員 再編成の青図と申しますか、今後の方向でございますが、これは昨年の十二月の総合エネルギー調査会の石油部会の答申に掲げられておりますように、民族系を二ないし三のグループに終局的には持っていくということでございます。ただ、これも先ほど岡田先生に御答弁申し上げましたときに触れましたように、直ちに二ないし三のグループに集約化して合併をやらせるということではございませんで、やはり事業提携とかいろいろな形を通じまして徐々に持っていくということになると思います。しかし、方向といたしましてはそれに向かって一歩一歩進めていく、そして現実的に処理していく、こういうふうに考えております。
○板川委員 二ないし三のグループというのは絶対的な考え方ですか、それとも弾力性を持つ考え方ですか。
○増田政府委員 これは弾力的に考えていきたいと思います。
○板川委員 私は、本法のねらいである合併、買収よりも、いま石油企業間で行われておる業務提携という内容を促進させる方がまず先決ではないだろうかという感じを持っておるのです。合併、買収というあり方は、確かに効率的な構造改善の近道ではあります。しかし、それを取り決める各社の重役は、自身の存在に関する問題でもありますし、従業員も待遇上の差があって、一足飛びに行うことは期待してもなかなか困難なものがたくさんあります。ですから、結婚と同じで、合併、買収というのは簡単にやり直しがきかない性質のものだ。それならば見合い後の交際期間のように、まず企業相互の業務提携を促進することの方が必要じゃないだろうか、こう考えますが、この点はどうお考えですか。
○増田政府委員 私自身も、ただいま板川先生のおっしゃられましたとおりが正しいと思っております。一挙に合併その他に持っていくことにつきましては、これはいろいろな前提条件があります。理想の形としては合併、集約化が望ましいけれども、やはりその前提条件が満たされないときに無理を行えば、かえって石油の安定供給にマイナスになるのではないかというふうに思っております。そういう意味で、いま先生がおっしゃられましたように業務提携というものをできるだけ支援する、そこでいろいろな空気ができて将来の集約化に進むという段取りを踏むべきだということにつきまして、通産省といたしましても、たとえば油槽所の共同化あるいは備蓄基地の共同の建設につきましても積極的に支援をいたしていきたいと思っております。
 ただ、ここで申し上げたいのは、石油の構造改善、集約化のための支援資金として今回石油開発公団法でお願いいたしておりますものにつきましては、これは百億円用意されておりますが、今年度中に百億円どうしても出資で出さなければならぬという性格のものではございません。先ほどから申し上げておりますように、今後集約化が行われ、構造改善が行われるのに対しまして政府としての姿勢を示し、またその必要があったときにはいっでも援助ができるという体制を整えるということでございます。そういう意味で、先ほど先生がおっしゃられましたように、一挙に合併ということは問題点がある場合はやるべきではないということについては、私どももそのとおりだと思いますし、また、じみちないろいろな手段、つまり先ほど言われましたような業務提携その他を通じ、これについても政府として応援するというものを通じて民族系の体質強化を図りたい、こういうふうに考えております。
○板川委員 業務提携が現在いろいろな形で行われておりますが、その中でどういう業務提携が本法の対象になり得るのでしょうか、これを一つ伺っておきます。
○増田政府委員 現在、各種の業務提携が行われておりますが、これらにつきましては、本法の改正の対象であります石油開発公団を通じます融資、出資の対象にはなりません。これらの業務提携その他につきましては開銀融資とかその他で応援をする、また、備蓄の共同基地につきましては石油開発公団の別の臨時業務といたしまして出資、融資をする、こういうことでありますが、今回の改正をお願いいたしております対象は、販売部門、つまり元売間の集約化事業、具体的に申しますと、合併とかあるいは販売部門の統合が行われたときにこの資金が発動する。それ以外の業務提携その他につきましては、これは個々のケースによって違いますが、ほかの資金的応援をするということで、大部分が開銀資金の対象になる、こういうふうに考えております。
○板川委員 では、たとえばこういう場合は本法は対象になりませんか。将来、中国原油をひとつ拡大輸入していこう、こういう方針をとられた場合に、御承知のように、中国原油は重質油ですね。で、これは分解装置をつくらなければ大量に使用するというのはむずかしい。限界があります。現在、四〇%生だきにし、六〇%精製されておりますが、この量がふえますと、共同して分解装置をどこかの精製所につくらなければならない。そこで、その施設を共同で利用する。各施設につくるというのは大変です。だから、そういう場合、この委託精製などという場合に、本法は適用になりませんか。融資の対象になりませんか。
○増田政府委員 いまの中国原油の共同処理と申しますか、それの設備の設置につきましては、本法の対象にはなりません。ただ、いまのような重質油分解装置の設置というものを推進するためには、開銀資金を通じましてその設置を推進いたしたいというふうに考えております。
○板川委員 私は、この種の構造改善事業を推進するということも緊急の課題だと思いますが、この業務提携によっての最大のメリットというのは交錯輸送の解消にあるだろうと思うのです。交錯輸送の解消は、石油資源の浪費を防止し、陸上、海洋の交通公害、大気汚染や海洋汚染を防止し、国民経済的にも大きなメリットがあるはずであります。
 交錯輸送解消の必要性を強調したのは、大協石油の石崎論文があるのです。これは御承知と思います。石油輸送に二百億円のむだがあるんだ、交錯輸送のために二百億円のむだがある、物流コストを削減するため、業界の共同輸送体制が必要だ、こういうことを強調されておる。
 この論文によると「石油製品の内陸輸送費は年間三千四百億円に達すると推定される。」これは四十八年現在です。「各メーカーが各地域に錯綜して輸送する、いわゆる交錯輸送が輸送費を膨張させる一因だ。こうした交錯輸送の排除などで石油三十八社の年間八%の配当に相当する金額が節減できる。一円でも安いエネルギーが必要ないま、石油業界自身がこうした輸送の無駄の排除に全力をあげるべきではないだろうか。」「製品の国内輸送は重複輸送でコストを押し上げているのだ。A社は京浜地区の工場で作ったガソリンを中京地区に送り、B社は伊勢湾岸の精製工場で作ったガソリンを京浜に運ぶ。それらを積んだ内航タンカーが遠州灘沖ですれ違うといった具合である。」というような書き出しで石崎論文があるわけであります。
 この業務提携による交錯輸送については、現在バータージョイント制度があって、バータージョイントで伝票操作して、たとえばある精製工場が長期の修理に入るとか突然の事故に遭ったとかいう場合にはお互いに伝票で融通し合っているわけですね、バータージョイントをやっているわけですから。こういうものをもっと機能的に働かせるならば、交錯輸送のメリットを相当上げることができるのじゃないのだろうか。石油企業の合併なり再編成なりというのは、確かにそれは一つの目標であっていいが、当面、こういう交錯輸送の解消に通産省はもっと行政的な指導を発揮すべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○増田政府委員 現在、石油の元売が非常に多いために、結局その製品が交錯輸送になり、非常にむだになっておる、この石崎さんの論文は私も読みまして、非常に教えられるところが多かったわけでございますが、現在のような体制ということですと、やはり自分の製品を関東にも売らなければならない、あるいは関西にもということで、いまのような交錯輸送が行われているというのが現状です。これは資源のむだであるのみならず、先生のおっしゃられましたように、いろいろな意味で弊害も生ずるわけでございます。そういう意味で、業務提携その他で交錯輸送をできるだけ減らすということを私どもは考えております。
    〔渡部(恒)委員長代理退席、委員長着席〕
 現実にいま新聞なんかにも出ております。たとえば三菱石油と大協石油の相互の業務提携、これは相互で製品を融通し合うということで近く正式契約になる予定でございます。これは、御存じのように大協石油は四日市にしか工場がない、そして三菱はまた名古屋近辺に工場がありませんで水島と川崎にあるということで、両方が相互に融通し合いますとこの交錯輸送がなくなるわけでございます。そういう意味で、業務提携を通じて交錯輸送を削減するということにつきまして、私どももできるだけ推進したいと思っております。
 この業務提携ということによって交錯輸送が相当なくなっていくわけですが、私は、やはり最終的には集約化が行われて、そして一つのグループの中で交錯輸送を整理するということが必要だと思っております。そういう意味で、先ほどから申しております民族系企業の二ないし三グループの集約化、これは相当遠い将来、それまでは業務提携その他でやりますが、そういうことをやればこの交錯輸送の問題も解決されると思いますし、また、先ほど先生から御指摘のありました、たとえば中国石油も入れて処理するための重質油分解装置、これはいまの各精製会社ではなかなか設けられない。共同して設けなければならない。共同して設けるときには、先ほど御答弁申し上げましたように開銀資金でやるということでございますが、しかし、さらにこの集約化が進めば、当然そこで各グループごとに重質油分解装置を設けても、これは採算に合うわけでございます。そういう意味で、これらの問題を解決するために将来構造改善を行う、そしてそのために政府が支援するという体制が必要だというふうに思っております。
○板川委員 こういうふうに理解していいですか。交錯輸送を解消するために、この再編成が進めばさらにそれがやりやすい状態が生まれる、だから再編成はぜひ進めたい、こういうふうに答弁したと思ってよろしいですか。
○増田政府委員 そのとおりでございます。この再編成が進めば交錯輸送の面に大きな改善が達成される、こういうふうに思っております。
○板川委員 交錯輸送については、とにかく現状でも可能な限りひとつ積極的に指導してもらいたいと思うのです。いまは業者間の各自由な意思に基づいてやらせておるわけでありますが、これこそは行政指導を発揮すべきじゃないだろうかと思いますから、これはひとつぜひ積極的に取り組んでもらいたいと思います。
 次に、大臣に、先ほど岡田君からも質問があったのですが、再編成問題と自民党内の動きというものについてひとつ伺いたいと思うわけです。
 昨年末、通産省が共石八社に対して体質改善についての文書によると勧告をした。通産省の再編成構想に基づいてそういう勧告を文書でやった。ところが、通産省のそうした再編成構想に、丸善石油などが中心に各社も反対の意思が急に燃え上がった。新聞等には、大協、日石、出光各社長などがこの再編成構想に反対の発言をしておった。二月三日ごろ自民党内に石油問題調査会というのが発足をして保利会長を立てて、実は自民党内の多数の議員が殺到してこのメンバーに加わったというふうに伝えられておる。しかも、この自民党の石油問題調査会なるものは、通産省の構想は行き過ぎである、こういう批判を集中しておったように見えます。
    〔委員長退席、安田委員長代理着席〕
 そういう中で、通産大臣は、再編成は必ずしも急ぐわけじゃない、こういう消極的な発言をする。増田エネルギー庁長官は、無理しない、百億円は何も使わなくてもいいのだというような意味の発言をされたと報道されておる。ところが、三月になりますと、反対の急先鋒であった丸善石油が共石系に対して、向こう七年間五万バレルの委託精製契約を申し込んで、業務提携を図ろうということが報道されておる。どうもそういう報道がされた後に、自民党石油問題調査会の活動というのが余り華々しくないようにわれわれ感じるわけです。
 どうもまことに目まぐるしい、変転きわまりない動きでありますが、自民党内では、いまでも通産省の独善は許さぬというような空気があるのでしょうか。それとも、丸善石油が業務提携を申し入れたことによって、そういった空気は一切ない、十一月ごろ結論を出すというのですが、その結論とこの法案とは実はどういう関係を持つのでしょうか。自民党内の動きについてひとつ、わかったら発言願いたいと思うのです。
○河本国務大臣 昨年の秋、石油業界がOPECの値上げを契機といたしまして、かつまた、大幅な為替変動を背景といたしまして経営状態が急速に悪化をしておる。すでに形式上二千億の赤字が出ておるが、これも過去の蓄積を全部使い果たしてこの程度におさまっておるのであって、実質の赤字はさらに大きい、今後は年間数千億の赤字を負担しなければならぬので、こういう状態ではとても経営がもたない、何とか現在の危機を打開するように通産省の方も配慮してもらいたい、こういう要請があったわけであります。
 私も実情を調べてみましたところ、日本のエネルギーに一番大切な石油の経営状態が非常に悪化しておるということが判明をいたしましたので、それじゃひとつ全力を挙げ、あらゆる方法で経営の立て直しということに対してお手伝いをいたします、ただしかし、石油業界においてもやはり自主的な体質強化のためのいろいろな工夫、努力というものをこの際やってもらいたい、事が起こるたびに通産省へいろいろなことを持ち込まれるのもいかがかと思うので、ひとつこの際、自主的努力を要請したい、こういうことを言いましたところ、よくわかった、そういう方向で自分たちも必ず努力をする、そういうことで、一連の石油企業の経営を強化するための対策を、御案内のように昨年の秋以降とったわけでございます。
 幸いにいたしまして、関係方面の御了解をいただきまして当面の危機状態は解決できたと思います。経営は、標準価格制度の浸透等によりまして著しく改善されたわけでございます。昨年の秋のような危機状態ではなくなった。そういう意味で、一刻一秒を争っておりました体質強化ということも、若干の仕上げに時間的な余裕ができた、こういう判断が一つと、そこへもってきまして、自民党の方で、石油問題は非常に大事であるから、一回党としても根本的に検討したいというので、大型の調査会がスタートしたわけでございます。
 そういう諸般の事情を判断をいたしまして、通産省といたしましても、秋ごろには自民党の石油問題についてのおよその見通しがつくであろう。こういうことでございますので、その判断を待って最終の決断を下したいというのが現時点の状態でございます。
 なお、これにつきまして二、三の御質問がほかにございましたので、その点につきましては長官から答弁をさせます。
○板川委員 そうしますとちょっと気になるのですが、この法律が通っても、再編成が動き出すのは、この秋に自民党の結論が出ないうちはこの法律は動かないということですか。そうなら、別にこれはあわてて通すことはないのですが、この点、自民党の十一月ごろ出すという結論とこの法律との関係はどうなんですか。
○河本国務大臣 自民党のいろいろ検討は検討といたしまして、石油業界の体質強化ということは、これはどうしてもやらなければならぬことだと思うのです。しかもそれは、党の指導とか政府の指導とかいうことで今回はやらない方がよろしい、むしろ業界の自主的な判断でやるべきである、また、業界の自主的な判断でやらなければ効果は上がらない、こういう考え方でございます。したがいまして、そういう動きは動きといたしまして、その間、業界の自主的な判断が進んでいきますならばそれにこしたことはないと思うわけでございまして、そういう意味で今回の法律案をできるだけ早く御審議をお願いしたい、こう考えているわけでございます。
○板川委員 わかりました。自民党の結論と関係なくこの法律を通して、そして業者の自主的な動きによればこの法律は働きますということですね。自民党が結論を出さないうちは法律は通っても働かないというのなら意味がない、実はこう思ったわけです。
 予鈴も鳴っているようですから、最後に、中国原油の輸入問題について一言大臣に伺いたいと思うのです。
 昨年は八百万トンの輸入の実績がありました。ところが、五十一年度、ことしは六百万トンしか入らない、こういう報道があります。実は私どもは、中国原油を年々拡大輸入することは、日中友好の上から言っても、またアジアの平和の上から言っても必要な政策だと思う。大臣もその点は中国にみずから行かれたり、あるいは担当者を派遣したりして熱意を持っておると思うのですが、どうも最近中国原油が停滞ぎみだというのは、どこに原因があるのでしょう。中国側の政変に原因があるのかわが方に熱意がないのか、どういう点にあるのか伺います。
○河本国務大臣 基本的な中国原油に対する考え方というものは、いまの御意見と全く同意見でございます。
 ことしの一月から三月までの輸入量が、昨年の月別の輸入量に比べまして相当減りました。そこで、昭和五十一年度の契約ができましたのは三月末でございますので、すでに三カ月経過いたしまして、過去三カ月間に相当輸入量が実績として減っておりましたので、ことしの分を六百万トンないし八百万トン、こういうような協定になったというふうに承知をしております。でありますから、四月以降の輸入量は昨年より決して減ることはない、こういうふうに私どもも考えておるわけでございます。
 なぜ一月から三月までにこちらの希望よりも減ったかということについていろいろ聞いてみたわけでありますが、先方の説明は、現在中国は石炭を中心のエネルギーとしておるけれども、石炭の増産がなかなか思うようにいかない、しかも国内の産業建設がどんどん進んでエネルギー需要というものがふえている、石炭で賄うことができないので勢い重油をその方に回すということになったので、海外に対する輸出の余力というものが減ってきたわけだ、こういう説明でございました。決してこれまでの経済政策や貿易政策が変わったわけではない、こういう話でございますし、基本的に貿易政策や外交政策あるいは経済政策が変わったのではないということにつきましては、先般英国の外務大臣も中国を経由いたしまして日本に来ましたが、そのときもそういう御意見でございましたし、また日銀総裁の森永さんも先般約十日余り中国に行かれまして、各方面と接触をせられたようでありますが、やはり同意見であったように思います。でありますから、基本的な貿易政策は変わっておらぬと思うのです。ただ国内の需要が激増したということが最大の理由であったと思います。
 また、日本といたしましても、現在重質油を大量に消化できる状態ではございませんので、六百万トンないし八百万トンということしの数量というものは日本側にとっても大体妥当な数量であろう、こういうふうに理解をしております。
○板川委員 時間がありませんので、これで終わりますが、中国原油を年々拡大輸入するという方向に努力してもらいたいと思うのです。そのために、先ほど言ったような分解装置の共同設置というような問題も、国内として解決しなければならないものもあろうと思います。前向きに取り組んでもらいたいと思うのです
 特に大臣は三木派の総帥ですから、中国要人から入った話として私は一言申し上げておきたいのですが、三木総理は、田中前首相よりも中国に友好親善的な発言をややしていた、総理になる前の副総理時代ですね、ところが、いざ総理になったら日中問題は一歩も進まない、これは結局決断がないからではないだろうか、期待に反する、こういうような考え方が中国人の中にあるそうであります。ぜひひとつ中国に対する前向きの態度を、石油の輸入拡大という方向を態度で示すように努力してもらいたいということを要望して、私の質問を終わります。
○安田委員長代理 午後二時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
    午後零時五十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時五分開議
○武藤(嘉)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。神崎敏雄君。
○神崎委員 今回の改正案は、公団のこれまでの業務に、民族系を中心とした石油元売企業の集約化に対して出資、融資する業務を加えるというものであります。そこで、民族系企業の再編、いわゆる集約化の必要性についてまずお伺いをいたします。
○増田政府委員 お答え申し上げます。
 民族系企業につきましては、最近の経営状況その他を見ますと、石油業界の中にありましても外資系の企業に比較いたしまして非常に経理状況が悪いという実情にございます。これはいろいろな原因が重なって出てきておると思いますが、しかし、結果的には一部の外資系企業は非常に黒字ということで、決算も黒字決算を出しておりますが、それに引きかえまして民族系企業の中の一部は、たとえば資本金を上回る累積赤字、いわゆる債務超過の状況になっておるというのが数社ございます。先年末に出しました標準価格によりまして相当一般の価格は戻ってきておりますが、それにもかかわらず民族系企業の中には赤字が続いておりますし、また従来の累積赤字というものが解消されていないという状況でございます。そういうことで、日本のエネルギーの大宗であります石油を供給いたします産業の中の民族系企業というものが非常な経営的な苦境にある、ここに構造改善の必要性も出ておるわけでございます。
○神崎委員 昨年八月十八日の資源エネルギー庁石油部のメモ、「石油政策のあり方について」では、石油産業、特に民族系企業の経営内容はきわめて悪化しているとしていますが、外資系に比べて民族系の経営状況が悪いというのはなぜなのか、民族系は外資系と比べてどこが違うのか、この点の違いを教えていただきたい。
○増田政府委員 民族系企業が外資系企業に比べまして経営状況が悪化いたしております原因につきましては、一つには、石油危機のときから昨年の初めぐらいまでの間に若干原油の価格に差があったわけでございまして、外資系企業が日本で輸入いたしております原油の価格と、それから民族系企業が輸入しております原油の価格と比較いたしますと、二重価格になっておりまして、差があったわけでございます。これにつきましては大体五十年の初め、つまり一年半ぐらい前からこの問題はほぼ解消されておりますが、ただその間、二重価格によります経営の差というのがございまして、その影響がまだ現在も残っておるということは言えるかと思います。
 それからまた、現在の原油価格につきましては、いま申し上げましたようにほとんど同じ価格にはなっておりますが、ただ取引条件、たとえばユーザンスをどうするとか、あるいは原油の購入のための特別の融資を受けているときの金利がどうなっているとかいうことで、そういうことからそれがはね返って原油価格について結果的に差が出ているというのは現在も残っておるわけでございます。
 それから、最も大きな原因と申しますのは、従来から外資系企業がガソリンの販売に強く、それから民族系の企業は、むしろ日本の中にある産業、製鉄とかセメントその他の企業に対しましてC重油とか、あるいは石油化学に対してナフサを供給するということで、産業の方に営業が主力を向けておったという点がございます。現在の石油製品価格というものがガソリンについてはわりあいに有利な価格になっており、それからいま申し上げましたナフサとかC重油につきましては産業が停滞いたしましたためにその価格が低いという点から、ガソリンをたくさん扱っております外資系の企業の収益率がよくなっておるという点が出てきております。
 それから、最後にもう一点申し上げますと、民族系の企業の中には相当新しい設備がございまして、これがまだ償却が相当行われなければならない。ですから、その償却費とかあるいはこれを建設するために借り入れました設備資金の金利の支払いというのが相当かさんでおるということで、支払い金利の額を比較いたしますと民族系企業の支払い金利が相当多いという点がございます。
 そういうようないろいろな点が重なり合いまして、現在民族系企業の方は非常に苦境にあり、外資系の企業は、全部とは申しませんが、一部の企業は相当いい収益になっておるということで、同じ石油産業でありながら格差が生じておるというのが現状でございます。
○神崎委員 民族系は高利潤のガソリンの生産比率が低いということ等が理由になっているが、供給されている原油の購入条件そのものに格差がついているのではないのか。増田長官から、昨年の三月二十五日の本委員会で、「メジャーは、現在はいわゆる系列と非系列との間にほとんど差を設けてない」、たとえばエクソンは「民族系といういわゆる非系列の会社とそれから系列会社とは全く同じ価格で最近は供給しておる」こういう答弁をいただいておるのですが、この見解は今日も変わりはないのか、いまの御答弁との間には矛盾がないのか、この点をお聞きしたい。
○増田政府委員 昨年の三月に当委員会で原油価格についての御質問がありましたときに、昨年の三月現在の状況について御答弁申し上げたわけですが、大体外資系と民族系に対する価格の差別がなくなっておりますということで、ただいま神崎先生のおっしゃられたとおりのお答えを申し上げたわけでございます。
 それで、先ほどもお答えいたしましたように、大体五十年の初めごろにこういう二重価格というものが解消されたわけでございまして、それまでは若干あったわけでございます。これにつきまして、私どもの方からも価格差というものについて外資系の企業に注意を与えましたし、また、民族系の企業に対しまして、外資系と差があるからこれについて十分価格交渉しろということを言ったわけでございますが、その結果、昨年の初めに至りまして二重価格がほぼ消えたということでございます。
 それから、いま先生から挙げられましたエクソンにつきましては、これはほとんど二重価格がそのときの以前にもなかったわけですが、エクソン以外の会社には四十九年を通じては若干あったというのが事実でございます。
○神崎委員 それでは、具体的な実例を挙げながら質問を続けていきたいと思うのですが、長官が全く同じ価格で供給していると言う、まさにそのエクソンが、いまガソリン増販のやり方で問題になっておるということを御存じかどうか。エクソンの一〇〇%子会社であるエッソ・スタンダード石油は、増販のため多額の報奨金を裏金として出している。ことしの二月、エッソの仙台支店は、年間のガソリンの増販量百キロリットル以上販売したがガソリンスタンドには、ハワイ旅行に行かせるなどやみリベートを出すとか、さらに一月から四月の間のガソリンを中心とした販売目標を達成したスタンドには、ハワイ旅行と宝島旅行など合わせて二百十二万円のやみリベートを与えるなど、こういう文書を特約店、販売店に出して、三百六十五日間売りまくれ、こういう増販に駆り立てておる。
 一方では通産省の旗振りで価格を引き上げておきながら、他方では裏金をばらまくという非常にあくどい商法である。しかも、エッソは五十年度で八十八億円の経常利益を上げ、エッソ、モービル系の精製販売三社の利益は二百六十八億円にも上っている。政府が民族系企業は大赤字だと言っているときにこのようなことができるのは、単にガソリンの生産比率が高いということだけではなく、メジャー系企業としての原油の購入条件そのものに優位さがあるのではないたこういうような出来事についての問題と行政指導、あるいはいま挙げたような問題点について、ひとつきわめて具体的に、私が納得できるような答弁を求めたいと思う。
○増田政府委員 外資系の一部、いま先生からエクソン、日本はエッソでございますが、そのガソリン販売について、相当秩序を乱すと申しますか、リベートとかあるいは報奨金その他で無理な販売を行っているのじゃないかという御質問でございますが、私はいまのような事実は聞いておりません。ただ、一部には外資系の企業がガソリンの販売について相当強力な措置をとって、従来の実績を何割か超えると、それに対して報奨金と申しますか、値引きをしているのではないかということで他から言われたことがございます。これは石油部長を通じましてエッソの方に、そういう事実があるかどうか、それからもし事実があればガソリンの過当競争というものをやめてもらいたいという申し入れをいたしております。
 そういうことから、私の方は現在はそういうことは改まっているもの、あるいはそういう事実はないのじゃないかと思っておりますが、ただいま先生の御指摘でございますので、なお実態をよく調べまして、もしそういうようなことがありましたら、十分注意をするようにいたします。
○神崎委員 いつものことなんだが、もしそういうことがありましたらということになって、いつも私とやりとりしなければいかぬようになるのですが、もしそういうことがありましたらということは、答弁としてはそういう言い方をしなければならぬのでしょうが、この公の場所の責任ある質問で、そうでないようなことを質問はしない。そうであることを指摘して、事実のあることの具体事例を握った上で、当局の考え方なり、これからそれによって行政措置その他をやってもらいたいためにやるのであって、推測や架空のことを申し上げてはおりません。
 そういうことで、注意もされ、いろいろされているということですが、いま挙げたのは、ことしの一月から四月のことを言っているのですね。ここに四月三日の新聞もあるわけですが、「東北ぜんせき」という新聞をお読みになったことがありますか。
○増田政府委員 それは読んでおりません。
○神崎委員 そうしたら、早速あなたの方で「東北ぜんせき」という新聞を、ここにありますからよくお読みになって、具体的な手を打っていただいて、こういう法案が出ている段階ですから、こういうことはきわめて相矛盾するものですから、適切な処置をとられるように要求しておきます。
 次に、昨年の十二月二十二日の総合エネルギー調査会石油部会の答申も、「外資系石油企業は原油供給の安定性に恵まれているだけでなく、原油購入条件等でも優位にある」と明確に指摘しております。このように購入条件そのものに格差があれば、メジャー系企業がますます侵食しシェアを拡大していくのが当然のことである。こういう問題を放置して、民族系企業の集約化を行えば何とかなるだろうという考えは通産省の机上のプランにすぎない。実務的には、わが党がかねてより主張しておりますように、メジャーの実態を明らかにし、必要な規制を加えることこそが今日の石油問題の中心である。
 総合エネルギー調査会石油部会においても、メジャーの事業活動が透明性を欠いている事態を解消しなければならない、こういうふうに主張しております。わが国のエネルギー政策の将来を考えても、メジャーの行動の透明化や規制は避けて通れない問題である。メジャーの実態を明らかにするために今後どのような手だてをおとりになろうとしておられるのか、この点についての考えを聞かしていただきたい。
○増田政府委員 日本国内のいわゆる外資系、この中で大部分がメジャーの資本が入っておるわけでございます。これを外資系と言っておりますが、現在までの実績を見ますと、この外資系の企業が、日本の石油供給について、日本にとってマイナスになるような行動をしたことは、民族系と比較しましても外資系が非常に悪いというようなことは現在までのところはないということを私はここで言えると思います。
 ただ、やはり外資系の企業はメジャーの本社のいろんな方針に従わなければならないという場合がありますから、そういう意味で民族糸の方が自主的に判断して行動ができる。メジャー系の外資会社は、問題があったときに、やはり本社と申しますか、メジャーからのいろいろの指示と申しますか、そういうものが出てくるのではないか、そういうところに、最後にいろんな問題が起こったときに、やはり民族系を相当強いものにしておかないと、石油の安定供給についての問題がある、こういうふうに思っています。
 それで、ただいま先生のお尋ねのメジャーに対する考え方というものを申し上げますと、私どもとしては、日本の石油産業のあり方としては、外資系を五十、民族系を五十という、従来から、これは石油危機以前からやっておりました政策を今後続けていきたいというふうに考えております。
 それから、現在、産油国が相当ダイレクトディール、つまり直接取引を行っておりますが、しかしながら、現在日本が買っております石油の約七割は、直接、間接、メジャーの石油を買っておるわけでございまして、そういう意味で、世界におけるメジャーの石油供給における力というものも認識しなければならないというふうに思っております。
 それから、先生からお尋ねのありましたいわゆる透明性につきましては、これは外資系、民族系差別なく、私どもの方は必要な報告を求めて報告さしておりまして、この不透明性という問題につきましては、現在までのところは、あらゆる必要とします内容は報告でとっておるというつもりでございます。このメジャーの透明性ということは、パリのIEA会議におきましてもいろいろ問題となっておりまして、もっと実態を明らかにすべきだという議論、それがなければ緊急時の対処の実効に問題があるということはいろいろ議論されていまして、これは国際的にも問題になっておるところでございます。これらの問題につきましては、私どもも必要があれば各種の報告、実態を明らかにすることをやっていくつもりでございます。
○神崎委員 これも、四十九年七月二十三日の総合エネルギー調査会石油部会の「中間取りまとめ」です。よく報告を聞き、いろいろと取り寄せたりして調べられているという答弁ですが、お読みになったと思いますが、ここで紹介しておきます。これの十一ページに、「国際石油資本の事業活動についてはその行動の透明性は必ずしも十分でないとの国際的論議がなされており、今後調和のとれた健全な国際石油市場の発展を確保していくためにも、そういう事態を解消することが望まれる。」こういうように「中間取りまとめ」も発表していますね。
 もう一つは、五十年十二月二十二日、これは総合エネルギー調査会の石油部会の答申であります。前段は省きますが、「これら外資系石油企業は原油供給の安定性に恵まれているだけでなく、原油購入条件等でも優位にあることが多い。反面、外資系石油企業は、メジャーの行動によりその経営方針を含め影響を受ける場合も多い。」こういうふうに明確に指摘しているのです。
 だから、いろいろ取り寄せたりこういうものを見ておられる立場から見て、その都度非常に機動的な措置が当局はおとりになれているのかどうか。いつもこちらの方で具体的な事例を挙げて申し上げると、もし事実があればとか、一遍調べてみてからというような発言が返ってまいりますので、あえてこのことを言うているのですが、私は、仕事も忙しいし、非常にたくさんのことをおやりになっているのですから、少なくとも長官としてそこまで一々細かいことをやれないということはよくわかる。何も全部知っておらなければならぬとは思いません。しかし、やはりこういう法案を出すときは、この法案に関連するような過去の経過等をよく部下からお聞きになったり、みずから目を通されたりして、そういう立場で私は委員会に臨んでいただきたい。そうでなかったら、こちらから挙げていることが何か一方的な意見になったり、やっつけ本位みたいな形の印象を客観的に与えるもいうことについて、私の方が遺憾に思います。
 だから、そういうことから見て、もう一度、今後の問題もありますから、特にメジャーに対する透明度についてはさらにわれわれが納得できるような具体的な措置をいまは考えだけでも結構ですから、あすからこういう方向で目をつけていきたいとかいうようなことが発表できるなら、私は聞かせてほしいと思う。
○増田政府委員 外資系、民族系、両方日本に石油企業があるわけでございますが、わが国の石油政策として外資系と民族系に対しては差別をしないということで従来もやってきておりますし、また今後もやっていきたいと思います。ただ、いわゆる外資系、先生がおっしゃられますメジャー系の企業が石油の安定供給秩序を乱すような行為に出た場合、また日本で企業として活動するにふさわしくない行動を行った場合、これは私どもは厳重に指導していくということでやっていきたいと思います。先ほどのガソリンの乱売と申しますか、問題につきましても、そういう風聞も若干私は聞いております。そういう意味で、これにつきましては姿勢を正す指示を行うということでやっていきたいと思います。
○神崎委員 きょうのところはその程度にしておいて、今後の長官の積極的なあり方に期待をいたします。また、要求もしておきます。
 そこで、メジャーの規制という中心問題を避けて、企業集約化によって民族系の経営基盤を強化するということは、高い利益率を確保するために価格を引き上げるなど、結局国民にしわ寄せをするということになる。
 そこで、公取委員会にお聞きしますが、この法案や石油企業の再編について通産省から意見を求められたことがあるかどうかをお伺いしたい。
○熊田政府委員 通産省から意見を求められたことはございません。
○神崎委員 長官、こういうことについては、公取の方の意見を聞かぬでもいいのですか。
○増田政府委員 いろいろ問題がありますときには、私の方も公取の意見を聞きましたり、また、独禁法の違反のないように所管業界を指導していきます。ただ、いまのようなことにつきましては、公取と相談したことはございません。
○神崎委員 いままでに聞いたことも、これから聞こうとすることも関連があって、結局この法案は企業の再編集約化、あるいは独占化、寡占支配、こういう線上の問題とかかわり合いが深くあるわけです。そういう観点から私は公取の意見を聞き、通産省としてもそういうことにならないのかどうかというような懸念をお持ちになって当然じゃないか、そもそもそういうようなことについて考えないところに、この法案の持っている性格が逆に裏づけされているのじゃないか、私はこう思うのです。
 そこで、通産省は、元売企業の競争が企業の経営基盤を不安定にしている、だから再編集約化し、競争を制限することを一つのねらいとしている。公取として、このような巨大企業の競争の制限を図ることについては、独禁政策上どのように受けとめておられるか、お考えを聞かしていただきたい。
○増田政府委員 民族系企業が非常に経営が悪化いたしておりますし、このままの状況が続きますと石油の安定供給についても問題が生ずるということで、民族系企業を中心といたしまして、将来の形としては二つないしは三つのグループ化を図るということで考えております。
 これに対しまして、ただいま先生から問題点として御指摘のありましたのは、そういうことを行えば寡占体制というものができるのではないか、独禁法との関係でも非常に問題があるし、また消費者に対しても寡占価格を形成するということになるのではないかという問題点の御指摘があったわけでございますが、石油産業につきましては、これは半分は外資系でございますから、民族系が二ないし三に集約化されたからといって、直ちに寡占価格が形成されるというふうには私ども思っておりません。
 また、グループ化が行われることによって、たとえば普通言われます価格と生産の調整が行われるかということでございますが、まずその生産につきましては、これは石油業法に基づきまして毎年度の供給計画を通産大臣が定めることになっております。供給計画に照らして、各社の生産がそれを下回らないように、あるいは大幅に上回らないということで、これは各石油業者からの生産計画を報告を受けまして全部チェックをする制度になっております。そういう意味で、そのグループ化が行われたら生産調整が行われて、そして需要に対しまして供給が不足するというような事態は、通産省の責任をもってそういうことのないようにいたすわけでございます。
 それからまた、価格の問題につきましては、ほかの品目に比較いたしますと、石油の価格は、ことに灯油を中心といたします消費者に直接関係する価格につきましては、通産省では従来からも非常に強い行政指導、監視体制をしいておるわけでございます。そういうことから申しまして、グループ化が行われて、そして寡占価格あるいは寡占による生産調整が行われるという問題というものはないと私はここで申し上げられる、こういうふうに思っております。
○熊田政府委員 公正取引委員会としての考え方を申し上げますが、この石油業界の集約化によりまして経営の安定を確保するということでございますが、一方において、そういう面で合理化のメリットといいますか、そういうようなものがあるということも考えられますけれども、他方におきまして、この集約化に伴いまして競争の実質的な制限というようなものが行われることになりますと、これは独禁法上問題でございまして、そういう点から、私どもは今回の集約化につきまして十分監視を続けてまいりたいというふうに考えております。
○神崎委員 公取委員会に要望しておきますが、いつも問題が起こってから、それの調査とか、いろいろあなたの方の立場上のことをおやりになるのですが、起こらぬうちからやるということは不可能でしょうけれども、特にこういう大きな企業に関連するようなものが改めて法案として出て来たり、あるいは一部改正等が出てくるようなときは、これは公取委員会の立場として、この問題が波及効果を及ぼさないかどうか、こういうようなこともやはりあわせて研究をしていただきたい。同時に、その懸念があると感じた場合は、法案が出るまでにそういうことのないように防止することにも公取委員会としてもやはり目を向けていくべきではないか。いつの場合でも、事がすでに終わってからやる。片方はそういうことではないということになる。新しい公取委員長におかわりになって、まだきょう来ておられませんからあなたに言うのですが、かねてから常に通産当局と公取委員会とは見解を異にした意見をしばしばわれわれは体験してきているわけですね。だから、そういう形から見ても、そういうことのないように事前に公取委員会が出動をするということがより国民的な防止機関になる、こういうふうに思いますので、今後はそういう形で任務に積極性を出していただきたい、このように思います。
 そこで、続けて質問に入りますが、さきに触れました石油メモによると、通産省は企業集約化を必要とする石油産業の産業組織上の特質として、需要者に鉄鋼、電力等の巨大企業が存在するため、価格交渉力が弱いことを挙げておられます。これらの大手需要家との問題は、これまでのように政府として一定の調整を図るであろうが、ガソリンや灯油など国民生活上欠かせない製品については、民族系元売企業を二社から三社に集約することによって流通業界への系列支配をますます強める、また値上げや価格維持等を図って国民生活を圧迫する、こういう心配もあるわけであり、事実またそういうこともねらいかもわからない、こういうように思うのですが、これについてはどう思いますか。
○増田政府委員 再編成というものが行われましたときに価格がどうなるか。ことに、いまの答申にもありますように、価格交渉力というものが一つの構造改善のための理由として出ておるわけでございます。
 これは事実について申し上げますと、石油につきましてOPECが大幅に値上げする、そうしますとそれだけコストが上がるわけですが、そのコストの上がった分を製品価格にはね返らせる価格というものがなかなか通用しない。ことに、その答申に書いてありますように、相手が大きな強い産業ですと、そのしわ寄せを石油業界が負ってしまうというような状況があるわけでございます。そういう意味で、正当な価格が通るような価格交渉力を持つことが必要である、私どもこういうふうに考えておりまして、決して石油が不当な価格を要求する体制をつくるということで構造改善とか体質強化を考えているわけではございません。
 また、先生から御指摘のございましたガソリンとか灯油というものは国民生活に直結するものでございますし、またこれを買うのは個々人でございますから、石油業界が一方的に高い価格を押しつけるということのないように、先ほど申し上げましたように、これは従来からも十分指導、監視をいたしてきておりますが、これも続けていくということでございます。
 今度の構造改善につきましては、構造改善を行うことによっていわゆる寡占価格とかいうものを形成するということではございません。これは政府が応援して、石油産業がいま非常に弱体になってそのためにエネルギーの供給という責任が果たせないという事態に対しまして、これを直していくということで考えておるわけでございます。そういう意味で、いまのような問題点につきましては、今後とも十分それを頭に入れながら構造改善を進めていきたい、こういうふうに考えております。
○神崎委員 少し長くなりますが、聞いていただいた上で答えていただきたい。
 政府は盛んに過当競争だと言っておりましたが、また常にそう言われるのですが、国民生活関連製品で見ると、現在でも寡占価格となっており、それから価格維持を図るため元売は販売業者の入手先、販売先についても制限しているのが実態なのです。
 その実例の一つとして、無じるし、これの佐賀県石油卸販売株式会社の設立に伴う元売企業の妨害があります。佐賀県石油卸販売はガソリン販売業者の共同仕入れ事業を目的として昭和四十九年十一月二十四日に発起人会を開催しましたが、元売企業に直結した大手特約店が十二月十三日に早速二者会議を開き、会社設立防止対策を協議している。ここで、設立会社の重要メンバーには出荷停止、系列看板の取り上げ等、制裁措置を確認しておる。これに基づいて販売店に個別説得を行ったというのが実例なのです。
 この大手特約店の動きに合わせて、出光興産福岡支店は、五十年三月三日、石油卸販売の主要供給者である石川石油商会に山崎販売課長を派遣して、石川社長に対して石油卸販売への供給をとめるよう要求し、とめなければ看板を取り上げる、供給をストップする、こういうふうにおどかしておるのです。さらに三月五日、再び石川商店に出向いて、誓約書に署名捺印させておる。そのために石川商店は、出光興産から圧力がかかったので対策を立ててもらわないと供給できなくなると石油卸販売に要請し、同社は福岡通産局の野中稔石油業務係長に善処を依頼したのであります。しかし、通産局では、看板取り上げ行為があった場合には元売と話をする、系列特約店と話し合って調整してほしい、こう言うだけであります。元売や大手特約店が会社を設立させない、供給させない、さまざまな圧力をかけているのに、ただ話し合えということだけなのです。その後、石川石油商会からの供給が続いておりますが、出光に対しては、石油卸販売には中間留分だけでガソリンは納入していないということにしているのです。
 このように、元売は特約店の販売先にまで干渉して、これを破れば出荷停止をするということ、これが公然とまかり通っておるというのが今日の現状なんです。商品の入手先あるいは販売先について自由に選択できないという元売の横暴な競争制限、系列支配について、公取委員長はおられませんが、事務局長ですか、こういう問題はどういうふうに公取としては思われるか、同時に通産省としてはどう思われるか、こういうあり方について、通産大臣、せっかく聞いていただいているので、いま私が少し長いですが読み上げました事実についての御意見を一緒にお伺いし、さらに増田長官から意見があれば聞かしていただきたい。
○増田政府委員 いま佐賀県におきますいろいろな事実をお伺いいたしました。この無印の問題というのは非常に複雑な問題でございまして、これは先生御存じと思いますが、ガソリンスタンドにつきましては、一時ガソリンスタンドが乱立をいたしまして、そのために非常にいろいろな弊害が出たわけでございます。同じ四つ角に四つ、各角にガソリンスタンドが建って、そして販売競争を行う、これは投資としても非常にむだですし、また国家的な立場に立ちましても、そういう過当競争は何か手を打つべきだという要請が非常に強かったわけです。
 それを受けまして、昭和四十一年、これは石油危機のずいぶん前になるわけですが、四十一年から通産省の行政指導という形で、ガソリンスタンドの建設調整というのが始まっておるわけでございます。これによりましてガソリンスタンドの乱設というものにつきましてチェックをするという制度を立てまして、一応昭和四十八年ごろまではこの指示によりまして、全国におけるガソリンスタンドが非常に競合してむだに建てられるとか、あるいはすでに過当競争が行われている地点にむだに新しいのが飛び込んで入るということのないように、非常に秩序立ったガソリンスタンド体制というのができたわけでございます。ただ、四十八年の石油危機以後、ガソリンの需要量が大幅に減ったわけでございまして、その中において新しいガソリンスタンドを建てますのは、あるガソリンスタンドがやめになったとか、あるいはバイパスができて新しい事態に対処して特別に認めなければならないような場合でない限りは、原則としてもう増設をしないということに決めまして、これは全国でそういう実施になっておるわけでございます。
 これに対しまして、いまおっしゃられました無印というのは、行政指導を守らないでスタンド業を開始しようということでございます。ですから、これは行政指導違反に基づいて設立されたスタンドということが言えるわけでございます。今後この問題の取り扱いにつきましては、新しい揮発油販売業法ということで今国会に提出しておりまして、御審議を願うことになっておりますが、従来の行政指導にかえて法律に基づく登録制に切りかえるわけでございますが、従来の行政指導時代に、無印スタンドというものがいろいろトラブルが出てきておるわけでございます。
 ただいま先生からお話しになりました事実には、若干の行き過ぎの面というものもあると思いますし、また、通産局もこの処理に非常に困って、話し合いでやってくれということでやって、非常に無責任なような印象を受けるわけでございますが、無印のスタンドに対する取り扱いにつきましては非常にそういうバックグラウンドがありまして、この無印スタンドというものが常に正しいというわけにはまいりません。むしろ行政指導違反によって設立されたものであるということだけちょっと売し上げたいと思います。
○熊田政府委員 ただいまお話しのございましたガソリンスタンド業者の仕入れ先を制限をするというような事例でございますが、具体的に独禁法上果たして不公正な取引方法にこれが該当するかどうかということは、さらによく調べてみませんと、いまここで即断をするわけにはまいりません。しかしながら、ただいま先生からのお話を伺いました感じでは、これは不公正な取引方法に該当するおそれがあるのではないかというふうな感じがいたします。従来私ども、ガソリンスタンド業者に対する元売のいろいろな制限、無印物等にも関連しまして余り情報を得ておらないのでございますが、ただいまそういう先生からの御指摘もございましたので、これはさらにその事例を詳しく伺いまして、この件は十分に実情を調べてみたいというふうに考えます。こういうような事例について、今後そういう情報がございましたら、厳格に措置をしてまいりたいというふうに考えます。
○河本国務大臣 経過は長官が申し述べたとおりだと思いますが、通産省でもなお事実関係を正確に調べてみたいと思います。
○神崎委員 私がここでいま御披露したのは、長官のおっしゃるように、余り広くない地域にたくさんできて、そしてお互いに困る、そんなのはやはり資本主義社会の現在の状況から見て、業者自体はそんなことはしないと思うのです。よけいあったらお互いにつぶれるのですし、どう見たって利益が上がるよりもかえって逆になるのですから、そういう営業の自由とかいうような問題はいまここで論じようと思っていないのですね。ただ、ある個人が一つの事業をやろうと思って、そして会社設立を考えるという場合に、たとえば大きな企業である出光などが直接そこに出向いて圧力をかけたり、そういうところへ油を卸すようなものにはもうこれからは出荷をしないとか、看板を外せとか、そういうような形で圧力をかけることを問題にしているから、公取委員会の意見も聞いているわけなんですね。
 だから、そういうあり方、これは一つの実例を挙げたが、あなたも言われるようにいろいろ報告をお読みになっているらしいのです。これも報告も上がっているわけですから、だからここで言いますと、そういう実情をこれから調べまして善処する、こういうようになるのですが、最前も言ったように、これはあのかつての売り惜しみ、買いだめ当時にも問題になったような同類の部分でもあり、同時に、やはり寡占すればするほど事業というものはこういう形になってくる、そして結局は弱い者いじめになる。そうすると自由競争じゃなしに、むしろ寡占することによって直接国民が過当な価格でしわ寄せを受けていく。
 だから、一面は、月に百キロ売ればハワイ旅行やら宝島まで連れていく。赤字で困っているから値上げをしてくれとか、あるいは経営が非常にぐあい悪いのだとかいうようなことでわれわれにいつも審議の対象にされておって、そして中ではそういう余裕があるということと、先ほど挙げたような利益金もある。なかったら、そういうことをしません。そのことは、何もハワイに行ったり宝島に行ったりしたらいかぬと言っているのじゃないのですよ。これはやはり経費がかかりますから、利潤の上にそれにプラスアルファがなければ、そういうことはお互いにできないわけですね。それだったらむしろ販売価格を安くして一般の需要者に供給すべきだ。しかもこういう事業は、国民奉仕の立場から見て、当然だれかれなしに製造して売れるような品物じゃないのです。だからこそ私はそういう立場から聞いているのです。
 だから、この問題については、出先通産局が、あなたもおっしゃったように、非常に無責任なような印象を受ける。私は非常に無責任だと思っている、印象だけではなしに。話し合いをせいと言うだけだったら、別に出先機関の通産局なんか置かなくたって、あなたの方から電話一本で話し合いせいとだけ言うておったらそれでいいのだ。具体的にそういうような圧力がかかったり、出荷停止をしたり、看板を外させたり、オーバーに言えば強権発動するような、これは独占的企業だからできる問題であって、一般の問題であったらそんなことはできないですね。向こうであかなんだらこっちで買えばいいんだということですから。それをなお構造上も寡占化していくということになれば、いよいよこういう弊害はふえても減らない。こういう立場からの実例として挙げたのですから、その点、大臣もよく調べた上で善処するというような御答弁がございましたので、ぜひとも大臣の方にもそのことを強く要求しておきます。
 これは一つの実例ですが、このことについては、またこの法律が通ればこういうような事例はたくさん出てくると私はいまから予測をしております。また機会があれば、実例等があれば申していきたいと思いますので、ひとつ次のときの答弁は、調べてからとおっしゃらないで、あなたの言うことは知っておる、それはいつ幾日こうやった、きょうはこうなっておるというような答弁をしてほしいということを期待して、申し上げておきたいと思います。
 そこで、続いて伺いますが、いま私が挙げたような例は、実は石油流通段階では枚挙にいとまがないのですね。これはいま言ったように、九州だけではないのです。元売の制裁を恐れて表面化しないだけなんです。このように、現在においても独禁法に違反する行為を公然と行い、価格維持、系列支配を行っているのであります。現状でさえこんな実態ですので、いま申しましたように、さらにこの元売の集約化を行うと、系列支配を一層強めることになると思います。そういうことになれば、結局は、値上げは自由で、そうして国民の負担は大きくなる、こういうようなところへ落ちついていくのが現状であるということですね。そういうことを補足的に申し上げておいて、答えは結構です。
 そこで、続いて伺いますのは、石油開発公団の目的は、文字どおり石油の開発に必要な資金の融資を行うことにあります。昭和四十二年に、もとの国策会社、石油資源開発株式会社を受け継いで現在の公団がつくられたときの位置づけも、石油開発の推進母体ということでありました。したがって、業務の内容も、探鉱とか備蓄など主として石油の供給量の拡大に関係することが中心でありました。しかるに、今回このように国内の流通問題にまで携わるというのは、開発公団という名からしてもふさわしくないのではないか、こう思うのですが、どういうふうにお考えになっておられますか。
○増田政府委員 石油開発公団につきましてただいま先生からお話がございましたように、昭和四十二年に発足いたしたわけでございまして、そのときには石油の海外における開発の推進母体ということで、海外における開発を行います企業に出資、融資を行ってこれの開発の促進を図る、こういうことであったわけでございます。その後公団法の各種の改正がありまして、業務の拡充が行われておりますが、特に付帯業務として、先般、備蓄の業務というものが追加されたわけでございます。備蓄につきましても、九十日備蓄を達成いたしますための原油の購入資金の供給、これも融資でございます。それからまた、共同備蓄会社を設立いたしますときの石油開発公団からの出資という業務が追加されたわけでございます。この備蓄の業務は、これは昭和五十四年度末をもって九十日の備蓄体制を整えるための臨時的業務ということで、附則に掲げたわけでございます。
 それから、ただいま御審議をお願いいたしております石油の構造改善、民族企業の体質強化ということも、これも現在民族系と外資系と非常に格差が生じ、このために石油の安定供給に支障が生じようという事態に到達いましましたので、石油の構造改善に必要な資金を石油開発公団を経由して供給する、こういうことでございます。
 それで、石油開発公団が設立されまして、これは「目的」にも掲げておりますが、究極の目的は、「石油等の安定的かつ低廉な供給の確保を図ること」を目的とするわけでございまして、その石油開発公団設立の目的の一つの達成のための業務、ただこれは臨時的業務でございますので、本則の業務に掲げるのが不適当だということで、今般、十九条の本則業務を避けまして、附則に、当分の間こういう業務を行わせる、こういうことにいたした次第でございます。
○神崎委員 いま申しましたことと関連して、石油開発公団総裁がお越しですが、この際、今度の法律と従来からやられてきた公団のあり方と関連して御意見を伺いたいと思います。
○倉八参考人 開発公団という名に関しまして、それからその仕事の内容に関して申し上げますと、石油開発公団の事業というのも、同じ開発にしましても幾つかの変遷を見てきたわけであります。たとえば開発の対象地域が最初は海外であった、それが国内、大陸だなにもやれるというふうに、地域的な変遷が一つあった。
    〔武藤(嘉)委員長代理退席、安田委員長代理着席〕
それから、対象にしましても、たとえばタールサンドもやれるようになった。こういうふうに、開発の対象だけを取り上げましても時代の変遷がそこに見られるわけでありますが、今度の臨時業務の追加にしましても、開発という公団の使命の主体性に関係ない限り、十分やっていくことが必要であり、またそれをやっていく自信があると私は考えております。
○神崎委員 総裁の考えだけを聞いておいて、続いての意見はこちらの方ではまた後日申し上げることにいたします。
 石油元売企業が十三社で多過ぎるから集約すべきだということであれば、精製企業の三十一社というのは非常に多過ぎるということになるのですが、精製企業の集約化の際にも、必要があれば石油開発公団が資金を融資することができるか。もしできるのならば、いわゆる探鉱、それから備蓄、精製、流通、このすべてに公団が携わることになる。いまも自信があるようにおっしゃっておるのですが、そこで、通産省としては公団の将来はどうあるべきかというような一つの展望を持っておられるのか、石油公団は将来はこうあるべきだというようなお考えのもとで、いま挙げましたようなものを新たに公団にやらしていく、そういうことになってくれば、将来その公団はどのような方向に向かっていくのかという、道しるべといいますか、展望といいますか、それについて伺いたい。
○増田政府委員 石油産業のあり方、ことに開発、精製、流通部門というものをいかに持っていくかにつきましては、いろいろ議論がございます。
 これは、けさほども当委員会で答弁申し上げましたが、たとえばイギリス、フランス、イタリア、西独におきましては、国家資本、つまり政府の資本の入った石油会社が民族系の代表会社になっておるということでございます。わが国におきましては、政府の資本の入っている会社はございません。また、今回御審議をお願いしております出資も、これによって石油企業をコントロールするということではなくて、再編成、構造改善を支援するための資金供給、こういうことで考えております。
 そうなりますと、石油開発公団がその中でどういうあり方になるかということでございますが、現在の体制では、石油開発公団は、海外における石油の開発、これは先ほど倉八総裁からお話がありましたように、本邦周辺大陸だなも含むということで拡張されたわけですが、これらの石油開発を行います私企業に対しまして、公団がみずから業務を行うのではなくて、出資をしたり、また融資をすることによってこの開発事業を応援する、こういう形になっております。
 それから、附則業務によって二つ、一つはすでに加わっておるわけでございますが、備蓄につきましては五年間の暫定的措置として九十日を達成するまでその支援措置を行う。それから、ただいま御審議をお願いいたしております第二番目の追加業務でございますが、これも民族系の元売の再編成に必要な資金を出資または融資ということで供給する、こういうことでございます。さらに、石油開発公団がみずから海外において掘る、これはたとえば西独のDEMINEXとか、あるいはフランス、イタリアの国策会社がみずから海外で掘ったり利権を得たりいろいろやっておるわけでございますが、そこまで出るのが適当かどうか。また、石油開発公団が国策に協力するということで、たとえば政府間取引のありました原油の一括引き取りの機関になるかどうか、これはいろいろ議論がございます。
 そういうことで、石油開発公団の今後のあり方ということにつきましては種々の検討が現在もなされておりますが、現在のところは、石油開発の推進母体ということ、それから備蓄についてはこれを応援するための各種の業務を行う、それから、将来法律が通りましたなら、石油構造改善についても一翼を担って、その支援体制のための資金供給をする、こういうことに限りまして、それ以上の業務の追加を行うのは、やはりそれの利害得失をよく考えまして、そしてその結論を待つ必要があるのではないか、直ちに石油開発公団を石油公団にし、それからイタリアのENIのようなあらゆることを行うというのがわが国において適当かどうか、これは相当議論を要することだ、こういうふうに思っております。
○神崎委員 私は、通産省がこの法案をてこに指導しようとしている業界再編は、原油の供給源の大部分をメジャーに押さえられ、その支配の網の目に組み込まれていく、現在組み込まれている日本の石油業界の実態をこれは無視したものであることは、先ほどからたびたび指摘をしておるわけですが、それだけではなくて、この法案は、不況で国民が苦しんで財政危機が叫ばれている中で、石油業界に多額の金を投ずるという道を開く。また、先ほど公取の意見もあったように、やみカルテルやら石油製品の値上げをますます容易にし、さらに石油産業に働く労働者の人減らし、合理化攻撃は避けられない、こういうふうになってくる。まさに大企業が優先されて、そうして国民はその生活を犠牲にさせられる。石油業界救済にはつながりますけれども、このことによって国民に及ぶ影響というものは必ず大きなものが来る、こういう重大な問題をはらんでおると思うのです。
 そういう観点から、そうでないというような意見があれば聞かしてもらい、またこちらも、そうではないのだ、こういう形になっていくのだということの論陣も張っていこうと思っておりますが、きょうは各党とも申し合わせた時間の都合もありますので、一応このことを予告しておいて、きょうの質問はこれで終わります。
○安田委員長代理 松尾信人君。
○松尾委員 石油開発公団法の一部を改正する法律案について質疑をいたすものでございます。
 オイルショック後の石油業界は、需要の減退、消費の節約等がございまして、長期にわたり業績が停滞した、そのために今までになかった非常な苦境に追いやられておる、これは事実であろうと思います。そして、私たちも、この石油の安定供給のために、その任に当たる石油企業の健全なる経営が行われるということを非常に望むものであります。
 そこで、最初に聞くわけでありますけれども、政府は、現状の上からこの石油業界の健全なるあるべき姿というものについてどのようなビジョンを持っておるのか、これは外資系等も含めまして、総体的にひとつビジョンをお示し願いたい。
○増田政府委員 先般の石油危機を経験いたしましてさらに強く認識されたわけでございますが、やはり石油というものが国民生活、国民産業にとって非常に大きな役割りを果たし、また、それの供給が不安定になったときにはその影響がきわめて大きいということでございます。そういう意味で、今後の石油産業のあり方あるいは石油政策の重点というものは、エネルギー、ことにそのエネルギーの大宗である石油の安定供給を果たし得るということだと思います。従来、この石油危機以前におきましては低廉性の追求とかいろいろな問題がございましたが、しかし、それにも増してやはり安定供給を確保するような体制、ビジョンというものをつくらなければならないということが、石油危機を契機といたしまして非常に強く認識されるに至ったわけでございます。そういう意味で、今後の石油産業のあり方といたしましては、不安定な石油供給情勢の中において、わが国が必要とする石油というものを安定的に確保できるような体制をしきたい、こういうことでございます。
 それに対しまして現状を申し上げますと、石油危機以後大幅な値上がりが原油価格についてあったわけでございますが、これが逆ざやで販売せざるを得ないというような事態が続き、そのために特に民族系の企業の経営が非常に悪化しているというのが実情でございます。これをこのまま放置いたしますと、石油産業が先ほど言いましたような安定供給の責任を果たし得ないような状況になっておるということでございます。
 これを解決するためには、やはり石油産業の体質を強化し、その手段として構造の改善を行わなければならないということで、これは昨年の十二月でございますが、総合エネルギー調査会石油部会の関係の専門の学者の方々、その他いろいろな方々の御討議を経まして、民族系の企業をこのまま放置するわけにはいかない、ついては、やはり将来の形としては二ないし三のグループ化を図らなければ、先ほど申し上げました石油の安定供給の確保がおぼつかないということでございます。
 ただ、これを二、三のグループということにいたしますには、これはやはり順序というものもございますし、業務提携あるいは備蓄、油槽所の共同化という各種の共同事業を図りまして、段階を経て合併、集約に持っていくということで、これを早急に、直ちに結論を出すということではなくて、やはり実情に合わせてやらなければならないと思いますが、最終的な目標といたしましては、安定供給が果たし得るような石油産業の体制に持っていく、これが今後の達成すべきビジョンというふうに私ども考えておりますし、また、ただいま御審議をお願いしております石油開発公団法の一部改正もその線に沿うものでございます。
○松尾委員 現在石油企業は、中でも民族系にありましては累積赤字が非常に膨大であり、企業の体力が弱まっておる。そういう中で、どのような処方せんをもっていまおっしゃった石油業界の今後のビジョンというものを達成しようとするか、これはいかがですか。
○増田政府委員 先ほど申し上げました石油産業が安定供給の責任を果たし得るような状況に達し得るというためには、これは私は業界がみずから考えて、その責任を果たし得るような体制を整えるべき問題だと思っております。そのためには事業の共同化、集約化、それからさらにはグループ化を行い、いわゆる集約化、統合合併も必要だというふうに思っておりますが、ただ、これにつきましてはやはり産業の活力と申しますか、創意というものを傷つける、阻害するようなものであってはならないと思います。そういう意味で、石油の安定供給を果たし得るような体制を業界みずから考えて、そしてそれに向かって進んでいく。そのために政府はこれに対してお手伝いする、支援体制を整えるということで、必要な資金があれば出資あるいは融資の形でこれを供給する。そういうことによりまして、先ほどるる申し上げましたように、基礎エネルギーの安定供給を確保するということが今後のビジョンであり、またそれに至りますための手だてだ、こういうふうに考えております。
○松尾委員 いまのお答えは、私が次に質問しようと思っておったことに対するお答えになったわけであります。結局この構造改善ということは業界の再編成である、この問題について政府はいかなる役割りを果たすのか、こういうことですね。これは広範にわたっていまお答えがありましたけれども、赤字をうんと抱えておる、累積赤字が多い、そういうものが自主的にいろいろ考えを持ってやっていくことがなかなか動きがたい。そういう現実を踏まえた上に、政府がいまおっしゃったような業界再編成に当たりましていかなる役割りを果たすのか、こういうことについてお答え願いたい。
○増田政府委員 先ほどビジョン、それから手だてについて申し上げましたが、これに対して政府がどういう役割りを果たすかということについて申し上げます。
 まず、その一番初めに申し上げました事業の共同化を図る、これにつきましては、たとえば共同備蓄基地というものを建設いたしますのに当たりましては、これは石油開発公団を通じてでございますが、共同備蓄会社の出資を行う。これは政府資金により出資金を出すということで、共同備蓄会社、これはAとBという石油会社が一緒に石油基地をつくるというときに、その資本金の半額を石油開発公団が出資することができるという制度でございまして、五十一年度予算では四十億を一応用意しております。それからまた、いま申し上げました共同備蓄会社が施設を建設いたしますのに対しまして百四十億まで融資ができる。これは石油開発公団を通じて融資をするということになっております。
 それから共同油槽所、これは共同タンクでございますが、たとえば交錯輸送とかいろいろな問題が出ておりますが、共同のタンクを置いて、そして共同販売を行うというような事業提携が行われますときには、これを開銀資金で応援をいたしたいというふうに考えております。
 それからさらに進みまして、先ほど申し上げましたような集約化ということが行われますときに、これは集約化を行いますといろいろな資金が必要なわけでございますが、それに対しまして一つは融資の制度、もう一つは出資の制度でそれの支援体制を整えたいというふうに考えております。そして、そのうちの出資の制度が、ただいま御審議をお願いしております石油開発公団を通じまして出資をする、今年度の予算といたしましては百億円までが使える、こういうことになっております。
 それからもう一つ、出資金という形ではなくて融資の形で支援してもらいたいという場合は、これは日本開発銀行に民族系石油育成枠というのがございまして、全部で百八十億円の資金枠になっております。これを全部使えるかどうか問題がございますが、その金を使用いたしまして、石油産業の構造改善、集約化に対して資金が必要な場合、これを支援する、こういうような政府の支援体制をつくり上げよう、その一環として石油開発公団を通じましての出資体制というのが、ただいま御審議をお願いいたしております石油開発公団法の一部改正でございます。
○松尾委員 いま説明がありました内容でありますけれども、この共同備蓄の問題だとか油槽所を共同で利用するというような点、これはすべて景気のいいときには会社がおのおの自己資本でやったわけですよね。それで、いまはそれがやれないということは、相当弱ってきておるということですね。弱ってきていて、安定供給という面から、言われ方がどうもふらふらし過ぎるので、てこを入れてやろう。それでいま共同備蓄につきましてもいろいろの開発公団を通じての助成がありますし、それから今回もこのような意味における出資だとか融資がございますし、相当手厚いものがなされようとしておるわけであります。
 私が思いますのは、いまのような状態から業界の力がこれだけ弱ってくれば、何かそこにてこ入れをしなければいけないということはわかりますけれども、そこに余りやりますと政府の行政介入というものが全般的に行き渡る、自主的な前進でなくて、要するに政府主導型のような構造改善になるのではないかということを私は逆に心配するわけです。手厚ければ手厚いほどにそういうことを心配するわけでありますが、政府の介入の限界と、やはり何としても業界の自主的な発想に基づく転換がなされなければいけない、この調和点、そういうものをはっきりしておかぬといかぬと思うのですが、いかがですか。
○増田政府委員 石油の安定供給を図るために構造改善が必要であるということにつきましては、これは石油企業の責任者の方々においても、総論としては一般的に認識しておられるわけでございますが、具体的にどうするかということにつきましては、私も先ほど申し上げましたように、業界の自主的な考え方で、石油の安定供給責任をいかに果たし得るようにすべきかということを考えて、それによって行動が行われるべきものだと思っております。そういう意味で、ただいま先生から言われました政府が余り介入するといろいろ問題があるということは、私はそのとおりだと思っております。
 また、できるだけ業界の自主性を尊重して、先ほど申し上げましたように、政府は支援するという立場でこれをできるだけ誘導して持っていくということでございますが、強制したりあるいは介入して、なかなか一緒になれないものを無理やりに一緒にするということは、むしろ将来に問題を残し、かえって安定供給を損なうという結果になる恐れもあると思っております。そういう意味で、介入については、むしろ業界の自主性というものを待って、それに対する支援を行うということでやっていきたいと思います。
 いろいろ昨年から、石油の再編成が必要だということで、私どもも総合エネルギー調査会石油部会の答申を受けてこの方策を進めておるわけでございますが、若干誤解が生じまして、新聞に、たとえば通産省は何会社と何会社と一緒にする構想を持っているということで、これはその当事者の会社にとっては非常に迷惑であるし、またかえって反発を招いて再編成がうまく進まないというような形にもなるわけでございます。ただ、私どもは、当初からそういうように強制的に会社を指名して集約化させるということは考えておりません。むしろ業会がこの問題について十分認識し、自己の責任を果たすためにこういうあり方になるべきだということで進んでいくものに対して私どもが応援する、こういう形でやっていきたいと思います。
○松尾委員 いまのお答えのとおり、この業界にありましては、何としても自力更生でいきたい、やはり何としても自分は自分の力で立ち上がるのだ、こういう気持ちはまだ十分あると思うのです。それで何としましても民間の主体性、それから民間の効率性、バイタリティー、適応力、こういうものを失わせてはいけないわけですね。長官からお答えがございましたけれども、将来にもわたりましてこういう点でマイナス要因をつくらないように慎まなければいけない、このように強く思うものであります。
 この法案を見ますと、通産大臣の認可を受けるということがありますね。それから「石油製品販売業に係る経営の規模の適正化」ということもございます。それと判断の基準なんかいろいろ問題になると思うのでありますけれども、「その他の構造改善に関する事業」というものもございまして、「営業の譲渡その他」ということが法案の中に盛られておるわけでありますが、そういう法案の中で、案外通産省の意向というものが強く業界に反映されていくのじゃなかろうか。運営の仕方と言えばそうでありましょうけれども、法案の制定自体から見ましても、大きくそういうところをがっちりと握っておられるから、やむなくそこに民間の主体性、効率性、適応力というものがある程度ネグレクトされて、そうして政府の指導に従っていかなくてはいけない、このようなかっこうにくるような法案の体系もあるわけです。その点についてどのようにお考えですか。
○増田政府委員 法案の中に、「通商産業大臣の認可を受けて」という字句が附則の第九条の四にございますが、これは一々の集約事業を通商産業大臣が認可するということではなくて、集約化、構造改善に伴う事業に必要な資金の出資及び貸し付けを行う業務を始めるに当たりまして、一応業務開始及び毎年の業務計画について認可をする、こういうことで考えております。この文章ですと、通商産業大臣が一々認可をし、またそれに対して全部タッチするというふうに若干読みとれるような形になっておりますが、私どもが考えておりますのは、ただいま申し上げましたように、業務方法書をつくりまして、そうしてその方法書に基づいて構造改善に伴う出資及び融資業務を行わせる、こういうふうで考えております。
○松尾委員 もう一歩突き進んで質問いたしますけれども、現在、石油業界の中に、合併したいとか、営業の譲渡をしたいとか、その他この法案に関するような構造改善になるような動きといいますか、そういう傾向があるかどうか。
○増田政府委員 ただいまお尋ねがありましたような合併あるいは営業譲渡というのは現在はございません。現在ありますのは、企業間でいろいろ業務提携をいたしたいということで、これはいろいろな計画が出ておりますが、合併あるいは営業譲渡で集約化を行う具体的な申し出というものは、現在のところございません。
○松尾委員 そうしますと、いろいろ集約化の問題、業務提携の問題をいまお話しになりましたが、この備蓄にしろ、または製油所等の共同化にしろ、油槽タンクの共同利用の問題と共同化の問題はこの法案の対象になるのですか。
○増田政府委員 この法案は、集約化につきましての支援措置ということですから、ただいま先生からお尋ねがありました共同事業につきましては、法案の対象にはなりません。
○松尾委員 それで、集約化というのはやはり合併だとか営業譲渡だとかというところからくる問題と思うのでありますけれども、当分の間は、あなたの方は共同事業だとかそういうところに力を入れて、そしてだんだんいろいろなことを整備しながらやっていく。そうすると、この法案が仮に成立して、発動体制に入るとなりましても、とりあえずはこの百億円という予算は何に要るわけですか。
○増田政府委員 この公団法をお認め願いまして、これが成立したということになると、百億円を融資できるという体制だけは一応できるわけでございます。ただ、先ほどから申し上げておりますように、では今年度いっぱい以内に集約化が行われて、石油開発公団から出資が出るような具体的なケースが生ずるかどうかについては、これはない場合も相当あり得ると思います。それで、私どもの方はこの百億円を用意しまして、そして業界が集約化をいたしましたときにはいつでも支援ができるという体制だけを整えまして、しかし百億円用意しているからことしじゅうに使わなければならぬという体制ではないということでございます。
 したがいまして、いま先生のおっしゃられましたその百億円の使途ということでございますが、これは石油開発公団の事業費の中に海外石油開発を支援いたしますための投融資勘定がございますが、その投融資の規模八百五十億円のうち百億円までを限って今回のこういう石油産業の構造改善のために使い得る、こういうことにしてあります。ですから、その意味ではこの一年以内に使われなくとも、これは使い得るということで予算化しておるわけでございますから、支援体制を整えて、そしてできるだけ早く構造改善、集約化が行われるようにするということでございまして、予算の使用というものはむしろ用意をしておくというところに意義がある、こういうふうに思っております。
○松尾委員 そうしますと、石油業界の当面の問題は、お互いに設備を共同利用していったりしていこう、いろいろな面でそういうものはありましょうが、そういうものが進んできて、そうして次の段階として、答申にもあったような民族系の分の集約化とかなんとかに入っていく、そういうことなら、当然石油業界にしろ、通産省にしろ、当面の大きな問題としては、共同化という問題をやはり急速に円滑に処理していくというところに重点を置かなければ、それはおまえの方で勝手にやりなさい、これはながめておるぞ、それでうまくいって、そしてだんだん集約化が成っていったときに、もう法案は通っているのだから用意はできておるぞ、こういうかっこうでは歩調がそろわぬのじゃないか、むしろ共同化の方がいま体質改善のためには一番大事じゃなかろうか、そこを助成する、したがって、当面の問題をまず片づけた上で、この集約化のための今回の法案がそこに出てきて、合わせて一本という形でりっぱな体制を築く、こう私は思うのですけれども、何かお話から感ずることは、この共同化の方は業界に任せっ放しだというような感じ、そしてある時期に来て集約化ということが成ってきたときにやろう、こういう感じを私は持つわけであります。しかしそれはおかしいじゃないか、こう思いますが、いかがですか。
○増田政府委員 先ほど私の答弁が若干不正確でございましたので、先生から問題点の指摘がございましたが、先ほど申し上げました各種の共同事業化、これは私どもの方もできるだけ推進いたしたいと思います。この備蓄の共同基地の建設あるいは共同油槽所の建設につきましては、これは共同化を推進する。また、先ほど言いました集約化につきましても、できるだけその集約化ができるように、私どももそれの応援体制をしいて、そして石油の安定供給というものを確保できるような体制を一日も早く整えたいと思っております。
 ただ、これについては、直ちに集約化ということではなくて、やはり共同事業化その他を通じてやる方が実際にはいろいろな障害がなくて済むというふうに思っております。ですから、そういう意味で共同化の推進も図りますし、それからさらに集約化、構造改善につきましても、できるだけ早くそれが達成されるということを望みますが、ただ、これにつきまして先ほどるる申し上げましたように、政府が余り介入して、強制的とか強圧的にこれをやるということではない、こういうことで先ほどのような答弁を申し上げた次第でございます。
○松尾委員 ある程度了解しますけれども、遅い時期の集約化はいろいろ予算的な配慮をする、ところが共同化についても本当はお金が要ると思うのですよ。過剰設備の問題もあると思うのですね。ですから、そういう点で、そういうものを整理して、体質をきれいさっぱりとしてあげるということについてもう少しお考えになることが、これは指導だけではなくて、やはり金を伴ったそういうものが必要ではなかろうか、今回はしようがないと思いますけれども、こう思うのです。
 それから、先ほど新聞報道がわれわれの考えから先走ったというお話でありますけれども、昨年の暮れにあなたの方では、共石グループに対しまして体質改善を勧告してもおられます。そういうこともいろいろわかっております。それで、この共石の問題がありますけれども、同じグループ内で体質改善ができないというようなことでは、これはあなたの方の集約化という大きな安定供給の目標から言えば、非常に捨ててはおけない問題だろうと思うのですね。ですから、こういう体質改善の勧告で、非常に体質改善ができ得るようになったかどうか、できなければ一日も早くその体質改善ができるような方途をとりませんと、ある目玉商品というものが取り残されて、いつまでも民族系の石油業界の再編というものがおくれていくのではなかろうか、またその間いろいろな問題が起こって、新たなトラブルが起こるのではないか、私はこのように思うのでありますけれども、いかがでしょうか。
○増田政府委員 共同石油並びに共同石油のグループ各社に対しまして、昨年十二月に、共同石油グループ内の調整体制の整備、グループ内でいろいろな生産調整とか販売調整を行います体制の整備、それから販売力の強化、これは精販ギャップが非常に大きいということで、販売力の強化を図る具体策をとってもらいたいということでございます。それから原油調達力の強化、これら数項目につきまして、こういう問題があるから自主的にどういうようにしてこれらの問題を解決するかということを共石グループでひとつ考えてもらいたいということで、これは通産省から文書を出したとかいろいろ言われておりますが、これはメモ書きにいたしまして、共石グループの方にひとつ検討してくれ、こういうことで渡したのが大々的に新聞に出たわけでございます。
 それで、共石グループの方では、これを契機といたしましていろいろ検討を進めて、同グループの社長会も行われまして、その結果、最近一応の結論が出たわけでございます。それで各項目につきまして社長間で話し合い、また、その具体的な推進策については、これは各論になりますので、その分についてはグループ全体の効率化を推進するために経営合理化委員会というものを設置いたしまして、そこで先ほど言いましたような各種の問題点の具体的な詰めをさらに行う、こういうことで、私どももその具体的成果が上ることを期待しておるわけでございます。
 それで、共石につきましては、御存じのように、昭和四十一年に従来の企業の枠を越えまして共石各社が販売統合を行ったわけでございますが、その後約十年以上たちまして、まだいろいろな問題点が残っておるわけでございます。石油業界の中でも、共石グループの現在までの実績に対して批判的な意見もいろいろございます。そういうことで、民族系の一つの主力であります共石が弱いということは民族系全体をも弱くするということから、先ほどのような数項目につきまして共石グループとしてもう一回検討し、それの具体策を推進してもらいたいということでやったわけでございます。
 以上が共石グループの再強化という問題につきましての経緯とそれから問題点ということを御説明申し上げたわけでございますが、いずれにいたしましても、私の方は、現在共石グループが全石油の一三%、設備では約一七、八%を占めておりますから、この共石グループというものが弱体化し、問題を起こしますと、さらに石油産業全体にもいろいろの問題が起こるということで、これらの問題につきましてはできるだけ早く解決策、具体策が進められるということを希望している次第でございます。
○松尾委員 まだ希望しているという段階で、よくなったという段階にいっていないような感じがしますね。
 次の質問でありますけれども、今回の法案では販売部門の構造改善ですね。これはどうも私は片手落ちのような感じがするわけであります。それぞれ輸入もやっておりますし、精製もしておるわけでありますから、構造改善をやる以上は、単なる販売部門のこのような集約化の問題じゃなくて、大きく輸入、精製部門までも含めた考えはどうしておとりにならなかったのか、これはいかがでしょう。
○増田政府委員 今回の構造改善の考え方は、販売業者の段階、これは具体的に言いますと元売でございますが、その構造改善を考えているということでございまして、いま先生から御指摘のありました、たとえば輸入についての構造改善、あるいは精製部門の統合化による構造改善、これは当然今後の問題点としても考えるべきだと思いますが、当面一番必要なのは、販売部門におきまして多数の企業が乱立して、そしてそのために過当競争が起こっている、これが石油産業の体質を弱くし、先ほど申し上げました石油の安定供給につきまして非常に危惧の念を抱かせるような状況になっておりますので、その元売部門における集約化というものを第一に進めたいということでございます。
 それで、たとえば原油部門につきましても、これは原油の部門の集約化ということもいろいろあるわけでございますが、ただ、原油につきましては従来からの取引関係、それから油種の選択の問題といろいろございまして、これを短時日の間に集約化するということは、まだいろいろの克服しなければならない問題があるわけでございます。そういう意味で、むしろそれを後回しにしたということでございます。ただ、この原油部門につきましても、ある一定の品種と申しますか、ある一定の国から来るものにつきましてむしろ共同して買った方がいいという場合もいろいろ出てくると思います。そういう意味で、原油購入についても共同化、一元化というものを一部について開くということについては、これは別途の行政でやっていきたいというふうに考えております。
 それから精製部門でございますが、これは製品原価の約八割が原油代という現状では、この精製を統合いたしましても、それによって合理化される余地というものは非常に少ないわけでございまして、やはり国内の販売体制を整備するということにより石油産業の体質を強化いたしたい、こういうふうに考えまして、今回お願いいたしております石油の構造改善というものは、販売の段階、つまり元売の段階の集約化を図るということを対象としておる次第でございます。
○松尾委員 当面の問題として販売部門ということはわかるわけでありますけれども、やはり基本的な問題は一貫した流れでありますから、流れの中の一番下の流れを今度やろうというのですが、それはやはり精製だとか輸入だとか、そういう一貫した政策を確立された上で、そして輸入の部門でいろいろ困るということがあればその困ったことをいろいろトレースしていく、また精製部門では生産がもう能力よりも相当いま落ちているのじゃないかという感じもするわけですね。そうすると、もとは一生懸命せっせとつくったそのような生産設備がフルに働かないと、それは全部会社のいろいろな負担になってくるという問題もあろうと思うのです。これは大きいと思うのですよ。そういう点も力強くおやりなさらぬと、どうも偏って、全体的な力をつけていくことができないような感じがするわけであります。これは私の要望として十分お聞き取りおきを願いたい。大臣もこういう点はよく検討をしておいてもらいたいと思うのです。
 次に移りますけれども、いまは会社が弱っていますから、いろいろ備蓄問題その他で資金の負担等も大変な状況でございましょう。それで、累積赤字というものが相当ございますが、そういう体質を強くしていくその一つとして、累積の赤字がどのように減ってきて、そういう資金面から体質強化ができるようなことはどのようにお考えになっていますか。
○増田政府委員 石油企業が、特に石油危機以後の原油の大幅値上がりに対しまして製品価格はそれほど値上げできなくて、逆ざや販売というものが相当行われて、このために赤字が生じておる。その赤字が昭和四十八年度の下期決算から現在まで相当累積されておる。それで、これは数社でございますが、もうすでにその累積赤字が資本金を相当大幅に超えているということで、いわゆる債務超過会社ということになっておりまして、危機的状況になっておるわけでございます。この累積赤字の解消は、私はそう簡単には解決できないと思っております。
 昨年の十二月一日に定めました標準価格は、そのときのコストから計算いたしまして、この価格が標準的な価格であるということで出したわけでございます。これがことしの二月にガソリン及びC重油が大体達成し、四月からはナフサが達成いたしたわけでございますが、しかしこれは達成いたしましてもそのときのコストに償うということでございまして、従来の累積赤字を消すというふうにはなっておりません。今後各種の共同事業化を行い、またさらに集約化を行うということによりまして、経営の合理化、費用の節約、いろいろな点が図られると思いますから、長期的に見てこういう赤字を抱えた産業が基礎エネルギーを供給するということでは、今後の日本経済の安定的成長のためには非常に問題点が残るわけでございますが、この赤字はやはり相当時間をかけて消さざるを得ないというふうに思っております。
○松尾委員 非常にむずかしい問題と思います。簡単に製品の値上げとか、新たな標準価格の設定というような逃げ道をおつくりになってはいけませんね。やはり自主的な業界の努力、いまおっしゃったような共同化、それからいろいろ引き締めていく。政治資金の献金なんかも、そういう面においてがっちりやらないといかぬですよ。借金は多いわ、累積赤字はいっぱいあるわ、そして政府から厚い助成を受けておいて、そして仮に政治献金がまた相当程度なされるというようなことであれば、これは何のための構造改善であり、何のための集約化を目標にやるのか。このような問題をいっぱい抱えておいて、そしてわれわれも安定供給の面からどうにかして経営を安定していきたいと思っておる中で、安易なことをやっておれば、全部の期待を裏切るわけであります。これはひとつ通産省のこういう点におけるりっぱな指導と監督というものを、私は強く要請しておきたいのであります。
 話は飛びますけれども、備蓄法の成立で、五十年度末の七十日分の備蓄の目標はどうだったかということ、次に、共同備蓄会社の問題でありますけれども、この設立はどうなっておるか、この二点、どうですか。
○左近政府委員 備蓄の状態についてお答え申し上げたいと思います。
 目標になっておりました五十年度末の備蓄数量でございますが、つまり五十一年度三月末の備蓄量は七十二日程度に達しております。したがいまして、七十日備蓄は達成されたという形に相なっております。
 次に、共同備蓄会社でございますが、現在幾つかの候補地、つまり備蓄基地の候補地が挙がっておりましていろいろ検討しておるわけでございますが、まだやはり地元の御了承を得るとかいろいろな手順が進んでおりませんので、公表できないという現状でございますが、そういう適地が大体まとまりますれば、その適地において、今度は備蓄をする会社はどういう会社が集まってやるということを決めた上で発足させたいというふうに考えております。われわれといたしましても、今年度末の備蓄目標の到達程度は十分できると思いますが、それから先の問題といたしましては、そういう基地が今後できませんとなかなか目標が達成されませんので、極力共同備蓄会社ができることを推進していきたいというふうに考えております。
○松尾委員 そうすると、共同備蓄会社ができないうちに五十年度は目標だけは達成できた、こういうお話ですね。
 いまお話のありましたとおり、立地の問題が非常に困難な状況にあります。そういうことからかもしれませんけれども、通産、運輸両省で遊休タンカーの活用の問題を何か検討したとかしておるとか聞いておるのでありますけれども、この点はいかがですか。
○左近政府委員 備蓄を促進するために遊休のタンカーを活用しようじゃないかというようなアイデアをもちまして、実は本年に入りまして早々から研究会を設けまして、運輸省、通産省、それから関係の業界の方々もまじえまして現在検討中でございます。ちょうどタンカーの船腹が余っておる時期でもございますので、これがうまく活用できればということで検討いたしておりますが、どういう地域に係留するか、あるいは係留経費その他を考えましたいわば経済性がどうであるかというような問題をもう少し詰めた上で、態度を決めたいというふうに考えております。
○松尾委員 これで最後の質問になるわけでありますが、業界の再編成ということで集約化が行われますと、結局は企業のシェアの拡大、また少ない会社になりまして寡占化という状況がつくり出されていくわけであります。この石油業界に対しましては、従来公取が不公正な取引ということでその是正を勧告しておりますし、いろいろ係争中のものもございます。そういう実績からいたしまして、どうも石油業界は国民の石油ショックによる生活不安の中で利益追求に専念してきたという前歴があるわけであります。それが、さらに集約化等によりまして寡占化になりますと、やみのカルテルがより一層やりやすい状況になる、これは当然であります。
 時には通産省の行政指導もなされて効果を上げたこともあるのでありますけれども、そういうことではやはり基本的な解決ではありません。今後ともこの石油業界のやみカルテルの行為をなくすということは、通産省にとっても大きく力を入れていかなければできない問題だと思うのです。ですから、再編成の問題と、寡占によるいろいろなやみカルテルの行為、そのようなことについて通産省として今後どのように対拠していくか、基本的な考え方を聞いておきたいと思います。
○増田政府委員 石油産業の構造改善が必要であることは、先ほど申し上げましたように、エネルギーの大宗であります石油の供給安定を確保する、それが国民生活、国民経済の維持発展のためにどうしても必要だということでございます。ただ、その反面、ただいま先生から御指摘がありましたように、これが寡占価格を生ずるとか、いろんな独禁法違反のような状態が出るということは、どうしても避けなければならないわけでございます。私どもは、構造改善によって寡占の弊害が出るというふうには全く思っておりませんが、ただ、これにつきましては十分注意をする、また独禁法違反という行為がないように責任を持って業界を指導していきたい、こういうふうに考えております。
○松尾委員 そのような寡占化によってやみ行為が行われることがないようにと、それはあなたの方の希望でありまして、現実には行われやすいということを指摘しておるわけであります。でありますから、結局共同化の事業をいろいろ進めていく過程においてもいろいろの問題が起こってきそうな感じがいたしまするし、仮にこれが集約化の段階になりますると、要するに寡占の実態を築いていくわけであります。でありますから、過去のいろいろな石油業界のやみカルテル行為、これは目に余るものがあります。そういう点で、今回この法案に基づくいろいろの集約化の問題がありますけれども、その前の段階では共同化の問題がいろいろありますね、そういう点で、公取といたしましても十分目を光らして、不当なことがないように、国民の利益というものを確保するという見地からしっかり見守って、そうして逸脱したものには適切なる対策を講ずるということが必要だと思うのでありますけれども、この法案に対するいろいろな質疑もいま重ねられております。そういう中から感じられたことを中心にして、公取の今後の監督をどのようにしていくか、その基本的な態度を聞いておきたいと思います。
○熊田政府委員 先ほど来、通産省の石油業界再編成、集約化あるいはその前の共同化についてのお考えをずっと聞いてまいったわけでございますが、公正取引委員会といたしましては、こういう共同化あるいは集約化が行われます過程におきましていろいろ競争制限になるような行為が介在してくるおそれがございますし、また市場支配的な行為が行われるおそれもあるというところから、できるだけそういう集約化あるいは共同化の過程におきまして独禁法に触れるような行為のないように、業界に十分お考えをいただきたいと同時に、私どもといたしましては、そういうような事態がもしも見られますならば、厳正な態度で独禁法を適用してまいりたい、こういうふうに考えております。
○安田委員長代理 宮田早苗君。
○宮田委員 石油産業の体制論につきましては、これまでの数次にわたります総合エネルギー調査会の答申等に盛られ、また検討が進められてまいったわけでございます。しかし、国際的なエネルギー事情の変化や、国内にありましては企業間の利害対立等もあって、総合石油企業の存在が不可欠というふうに言われながらも、業界の体制のあり方は、文字どおり議論だけで終わっているのが現状というふうに思っております。体制整備の必要性については大方が認めているところでございますが、問題はその方法論でございまして、企業の自発性にまつのか、政府主導型でいくべきかということが長い間論議されたところでございます。今回提案されました石油開発公団法の一部改正案のねらいは、二つの方法論のいわば折衷案と申しますか、官民一体となった構造改善事業方式と理解しているのでございますが、民族系企業に対してその育成のため現在行われております融資援助だけでなく、出資ができるようにする理由はどこにあるか、この点をまずお伺いをするわけであります。
○増田政府委員 構造改善を進めますために必要な資金が要る場合に、これを国が資金供給で支援をするというのが私どもの方の立場でございますが、その資金の供給についての形としては二つございまして、一つは融資でやるものと、もう一つは出資でやるものということでございます。
 融資につきましては、日本開発銀行を通じましてできるだけ低利の融資をいたしたいというふうに考えておりまして、現在、民族育成枠百八十億の中でこれを使うということになっておるわけでございます。
 出資というものがもう一つあるわけでございますが、出資は利子を払う必要がございません。ですから、構造改善をし、集約化をしましたときに、必要資金を、融資ではやはり相当な利子負担になるということで、むしろ出資という形で支援してもらいたいという申し出があった場合に出資で行うということで考えておるわけでございます。ですから、出資を選ぶか融資を選ぶかは、構造改善事業を行います石油販売業者が、いずれかを選ぶわけでございますが、その選ぶに当たりましては、無利子の金ということでむしろ出資を受けた方がいいという判断があった場合には、出資で支援する、こういうことでございます。
○宮田委員 国や石油開発公団が出資をするということによって、その株主権を利用して経営に関与することになると、民間企業のバイタリティー、また自主性を喪失させることにならないか、こういう点を危惧するわけでございますが、その点はどうですか。
○増田政府委員 構造改善事業を行います石油業者が出資金を受けますと、これは政府が出資者という形になります。そういう意味で、政府がその企業に対しましていろいろの行政介入を行い、そのために経営の自主性あるいは創意というものが損なわれるのではないかという問題点でございますが、これにつきましては、先ほども申し上げましたように、出資という形をとりますのは、利子のない金で支援をするということで考えております。そういう意味で、この経営について政府がいろいろ介入するというつもりはございません。ただ、そうではございますが、やはり一つの方向として構造改善に進み、またそのため出資を行うわけでございますから、構造改善事業以外にこの出資金を使うとか、構造改善の方向に反するような動きがあったときは、これは政府として関与せざるを得ないというふうに思っておりますが、経営のいろいろな点について、政府が出資したからといって介入するという意思はございません。
○宮田委員 増田長官と石油開発公団総裁にお伺いいたしますが、私どもは民間のバイタリティーに大きく期待をしているわけでございます。今日の石油業界の実態を、たとえば九十日備蓄に対する取り組みに見てもわかるわけでございますが、どちらかといえば政府の施策に寄りかかった姿勢がうかがえるような気がするわけでございます。ことに今日、石油の標準価格も一〇〇%近く浸透をし、業界には構造改善意欲が薄らいできているというふうに見る者もいるわけでございますが、政府ないしは公団はどういうふうにこの点をお考えになっておるか、お聞きをいたします。
○増田政府委員 構造改善問題につきましては、昨年の秋、石油産業が非常な逆ざやに悩み、さらにそれに追いかけて、十月にOPECの値上げがございました。このときは非常な危機的状況にありました。これを突破するのには、構造改善を直ちに行わなければならないというような情勢にあったわけでございますが、その後標準価格の設定、あるいは生産に関しまして供給計画の改定等を行いまして、これによりまして業界は小康を得たわけでございます。ただ、累積赤字は依然としてございますし、問題は根本的には解決されてない、むしろ構造的な問題が残されているわけでございます。そういう意味で、構造改善の必要性ということについては、これは政府側が言うだけではなく、業界の当事者の方々もその必要性を十分認識され、またその必要性を説いておられるわけでございます。
 そういう意味で、標準価格制度その他によりまして若干小康状態を得ましたので、むしろここでじっくり今後の構造改善を考え、今後の石油の安定供給の確保をどういう体制で行うかということについて業界自身も考え、これに政府が支援するという形で推進していきたいと思っております。そういう意味で、構造改善問題が標準価格の達成によりまして消えてしまったということではございませんで、むしろ落ちついて慎重に検討してそれに進んでいくというような状況になりつつあるというふうに私どもは解釈しております。
○倉八参考人 いま通産省の資源庁長官の答えどおりでございますが、私も見ておりますと、確かに先生の御指摘のように、数カ月前よりも構造改善に対する熱意といいますか、そういうのが少しさめただろうという気はいたしますが、また業界の中にも決してそういうことがすべての考えではございませんで、たとえば今後低成長を日本は続けていかなくてはいかない、そうするならば、今後この産業のあり方あるいは構造問題についてどう取り組むべきかという考え方もまた根強いものがあるということも言えると思います。したがいまして、こういう時勢に遭遇しまして、今度改正をいただいておるようなことが通りますれば、私はその構造改善の今後の推進というのは十分期待してもいいではないか、こう考えております。
○宮田委員 五十一年度の事業計画では、探鉱投融資八百五十億円、このうち百億円を充てるということでございますが、この金額は当初通産省が考えておりましたものより後退をしておる数字じゃないかと思います。この金額で具体的に何をしようとしておられますか、これが一点であります。
 また、これが重要なポイントだと思うのですが、何年計画で最終的に日本の元売業の姿をどう変えていくのか、その点、あわせてお答え願いたいと思います。
○増田政府委員 昭和五十一年度の事業といたしまして、構造改善資金というものを大蔵省に昨年要求いたしましたとき、当初から百億円ということで要求いたしておりました。そういう意味で、私どもの方の当初要求していました金額が減額になっておるわけじゃございません。そのまま百億円という一応の枠が設けられたわけでございます。
 それから、もう一つの御質問でございました、この百億円をどういうように具体的に使うかということにつきましては、元売企業間の集約化が行われましたときに、それに資金が必要であるという場合に、それを支援しますために百億円まで出資の形で出します、こういう形になっておるわけです。
 それから、この構造改善のための必要資金といたしましては、出資金百億円と、それから先ほど言いました融資の方の百八十億円の中の一部ということで、出資勘定と融資勘定と両方用意いたしまして政府の姿勢を示し、また、必要がある場合はいつでも支援ができるようにということで支援体制を整える、こういうことでございます。具体的な集約化の事業が出てさましたら、この百億円をいかに使うかをそのときに決定するということになっておりまして、現在のところは支援のための資金として百億円を用意しておく、こういう形でございますから、これを具体的にどこへ使うとか、どういうように分けるということはまだ何も決っておりません。
○宮田委員 公団法の改正趣旨について異論を唱えるものでありませんが、この公団の本使命は、何といいましても石油資源の開発にあると思います。
 それで、開発体制の整備でございますが、公団の資金面での援助、助成は年々充実しつつありますが、問題は多数の総括会社、事業会社が乱立する企業体制にあると思います。本法のこの改正問題から若干離れますが、開発部門の集約化については総合エネルギー調査会の答申にも書かれていることでもございますし、この点の取り組みについてお伺いをいたします。
○左近政府委員 御指摘のとおり、石油の開発部門につきましては開発会社が多数乱立しておる、そしてこの技術力とか資金力というものを結集した強力な会社がないというようないろいろな欠点が挙げられております。また一方、客観情勢も、産油国による事業参加の進展というふうなことがございます。そういうふうな事情を踏まえながら、今後開発をどう進めていくかというのがこれからの大きな課題であろうと考えておりますが、本件につきましては、実は総合エネルギー調査会の石油部会で検討を始めたいというふうに考えております。
 精製部門につきましては、先ほどから申し上げておりますように、昨年の暮れに一応の結論が出ましたので、恐らく来月とか来々月というふうな時期からだと考えておりますが、今度はこの開発部門についてどのような体制を考え、どのような政策を打ち出すべきかということを石油部会にお諮りをして、審議を進めてまいりたいというふうに考えております。
○宮田委員 ただいま説明のございました総合エネルギー調査会の石油部会の答申でございますが、国際情勢の変化から、石油の安定供給のために総合石油企業の樹立ということをビジョンとする、こういう方針になっておるようでございます。もちろんさきの答弁でも、その線に沿ってということの答弁がございましたが、大体このビジョンの実現ということを、いつごろまでに目標を設定してお考えになっておるものか、お伺いいたします。
○増田政府委員 石油産業の今後の体制のあり方につきまして、一つには石油の精製部門、元売部門につきまして、ことに民族系と外資系の格差が非常に大きいために、民族系の育成強化、それには具体的には先ほどから申しておりますような二ないし三グループ化をいたしまして構造改善を行いたい、こういうふうに考えております。
 それからまた、開発部門につきましては、先ほど左近部長から御答弁申し上げましたように、現在六十数社というものが開発を担当いたしております。ただ、非常に世界の情勢が変わってきておりまして、産油国におけるいわゆる事業参加、あるいはバイバックの問題その他が出てきておりまして、石油を海外において開発する事業につきましては、いろいろな意味の困難性が出てきております。それで、現在のような体制でいいのかどうか、また総合会社体制がいいのかどうか、これは議論としてはいろいろございますので、先ほど申し上げましたように、総合エネルギー調査会の石油部会を近く開きまして、根本的にこの問題を衆知を結集して考えていきたい、こういうふうに思っております。
 これにつきましても、今後のあり方につきまして、現状のままではもう通用しない点が相当出てきておりますので、そこら辺の構造改善というものをやはり行わなければならないと思います。
 さらに、将来の問題といたしましては、精製と開発の一体化の問題というのがございますが、これにつきましては、私どもは、精製部門とそれから開発部門の一つの成果が出てからその後で考えるべきことであって、いま直ちにその精製部門を一体化するというビジョンを掲げることについて、まだ時期尚早ではないか、こういうふうに考えております。
 従来は、メジャーは精製部門の利益というものを開発部門に集中投下をいたしまして、そこで一つの経営として成り立っておるわけでございますが、現状になりますと、開発部門への投資というものがなかなか大きな利益を上げない。そうなりますと、今度は開発で上げた利益を精製へ送り、精製で上げた利益を開発へ送るという有機的一体性というものが今後も通用するのかどうかという問題がいろいろ出てきております。そういう意味で、精製部門と開発部門との一体化につきましては、今後の情勢も見守り、また精製部門と開発部門の今後の構造改善その他の成果を見守りつつ結論を出していきたい、こういうふうに考えております。
○宮田委員 参考までにお答えいただきたいのでございますが、世界の海底油田等の開発の実情、特に日本の統括会社の最近の動向と、中期的な計画がどうなっているか、この点をお伺いいたします。
○左近政府委員 世界の海底油田の現況でございますが、御案内のとおり、中東地区ではすでに海底についても開発が進んでおりますので、中東地区では内陸と海底合わせて産出がされておるわけでありますが、さらに、御承知のとおり最近は北海における油田開発が進んでおりまして、たとえばノルウェーのごときは、すでに輸出超過といいますか、いわば産油国になっておるわけでありますが、英国等におきましても、北海の開発に非常に力を入れておりまして、近い将来、英国も産油が多くなる、つまり輸出ができるというふうな見通しも語られておるわけでございます。
 それ以外の地域につきましては、まだ試掘段階が大部分でございまして、海底油田が大々的に開発されている分野はまだございませんけれども、将来を考えますと、やはり陸上部門はもう相当開発が進行してしまっておりますので、今後の石油資源の相当部分は海底油田の開発に依存せざるを得ないというふうにわれわれは考えておりますし、そういう点からも、われわれも日本の周辺の大陸だなの開発ということに着目いたしまして、これを極力振興させるように努力をしておるわけでございます。
 それから、統括会社につきましては、従来のプロジェクトごとの会社が幾つかございましたが、これがワンプロジェクト・ワンカンパニーということで非常に力が弱いということから、昭和四十七年から四十八年にかけまして、銀行、商社のグループ別にいわゆる統括会社というものを設立いたしまして、これによってこの開発の企業の力を強化しようということになったわけでございまして、現在では八社ございます。そして、こういう統括会社が中心になって開発を推し進めていくということが理想でございますが、現実を見ますと、資金調達の面につきましてはかなり評価すべき点がございますけれども、もう一方の石油開発に欠くべからざる技術力、つまり開発に関する技術力につきましては、まだまだ十分でないという点がございます。したがいまして、今後の石油開発をさらに推進するためには、こういう統括会社のあり方についてもやはり十分再検討して、この石油部会の「中間取りまとめ」におきましても指摘しておりますように、資金調達力、技術力がともに備わったような中核企業というものを将来育成していきたいとわれわれは考えながら指導を続けていきたいというふうに考えております。
○宮田委員 本法の改正によって、民族系企業の育成強化は非常に大切なことだ、こう思います。ところが、これに対しまして外資系やメジャーの間に反論が出てくることも予想されるのではないかと思いますが、この点はどうですか。
○増田政府委員 現在の石油産業というものが非常に問題点を含み、そのために過当競争が出て、石油の販売の秩序が乱れておるということにつきましては、いわゆる外資系の会社もこれのあおりを受け、場合によれば対抗措置ということで自分たちもその中に飛び込んで一緒に行動しておる、こういう形になっておるわけでございます。やはり日本の石油市場というものがもっと安定化しなければ、メジャー自身も日本において投資を行っているその成果が上がってこないということになりますから、そういう意味では、現在のような石油産業の不安定というものにつきましては、これが何とか改善することを望んでおるわけでございます。
 それで、今回の民族系を中心とする集約化につきまして、メジャー系がこれは差別待遇だとか、あるいはメジャー系を今後抑圧する政策ではないかということの批判は、これは全くございません。私もメジャー系のこちらに駐在しております責任者にそれぞれ個別的にも会っておりますし、またメジャーの本社からいろいろ日本に来られます責任者にも会っておりますが、現在の日本が考えておる構造改善事業というものについてどう思っているかということを率直に意見を聞いております。それにつきまして、若干誤解に基づいて、非常な差別を受けるのではないかということを質問する方もおりますが、日本の石油政策としては民族系、外資系五〇、五〇を維持するのだ、それからあらゆる面で差別待遇をするわけではない、むしろ従来の実績を見てくれ、ただ民族系が余りにもいま問題があるので、それの強化をしてつまり外資系のところまで引き上げるということをどうしても行わないと、販売秩序にいろいろ問題が出ているということを話しますと、それはぜひやってくれということで言っております。
 それから、諸外国を見ますと、むしろヨーロッパ諸国では民族系企業に対して政府が出資をいたしまして、さらにそれをいろいろなコントロールをし、また場合によっては外資系企業に対しての相当な規制を行っておるところもございますが、これに比較いたしますと日本は全くフェアな政策を行っておるということで、むしろそういうのがメジャー系の反響でございます。
○宮田委員 最後に、もう一点お伺いいたしますが、最近、石油精製業界では、製品の交錯輸送のロスをなくすために製油所を相互利用するケースが出てきておるようです。本法がねらいといたします合併、統合といった構造改善の一歩手前ともいうべきこの種の共同化あるいは業務提携に対して、本法改正案は機能しないというように承っておりますが何らかの助成方法はないものかどうかお聞きをいたしまして、私の質問を終わります。
○増田政府委員 流通の部面におきまして、各種の業務提携その他が現在計画されておりますし、また、ほぼ契約が終わっているところもございます。これにつきましては、ただいま先生がおっしゃいましたように、交錯輸送というものを少なくする、あるいは経費の節減になるということで、私どももこれをぜひとも推進いたしたいという立場でございます。
 ただ、今回御審議をお願いいたしております石油開発公団法の改正に伴います出資、融資は、これは既存企業の枠を超えて元売間における集約事業が行われましたときの支援体制ということで、ただいまの流通の共同化事業は対象にはなっておりません。なっておりませんが、これをやはり推進する必要がありますし、またそういう共同化を通じまして将来の集約化も達成されるということで、日本開発銀行の流通近代化枠で必要な融資を出す、それによって政府が応援するということで、現在関係当局と折衝中でございますが、これはぜひとも私どもの方は実現いたしたいと考えております。
○宮田委員 終わります。
○安田委員長代理 次回は、来る二十一日金曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十三分散会
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