第077回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第12号
昭和五十一年六月三十日(水曜日)
    午前十時七分開議
 出席委員
   委員長 田中伊三次君
   理事 大橋 武夫君 理事 亀岡 高夫君
   理事 中村 弘海君 理事 松永  光君
   理事 田中 武夫君 理事 横路 孝弘君
   理事 松本 善明君 理事 坂井 弘一君
      上村千一郎君    小山 長規君
      佐藤 文生君    菅波  茂君
      瀬戸山三男君    渡部 恒三君
      稲葉 誠一君    斉藤 正男君
      坂本 恭一君    楢崎弥之助君
      松浦 利尚君    庄司 幸助君
      三浦  久君    有島 重武君
      河村  勝君    永末 英一君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 稻葉  修君
        運 輸 大 臣 木村 睦男君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局長 土金 賢三君
        警察庁刑事局保
        安部長     吉田 六郎君
        法務省刑事局刑
        事課長     吉田 淳一君
        運輸事務次官  中村 大造君
        運輸省航空局長 高橋 寿夫君
        運輸省航空局次
        長       松本  操君
        運輸省航空局監
        理部長     山元伊佐久君
        運輸省航空局監
        理部監督課長  小林 哲一君
        ロッキード問題
        に関する調査特
        別委員会調査室
        長       中里  煥君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月三十日
 辞任         補欠選任
  松浦 利尚君     坂本 恭一君
  鈴切 康雄君     有島 重武君
同日
 辞任         補欠選任
  坂本 恭一君     松浦 利尚君
  有島 重武君     鈴切 康雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 ロッキード問題に関する件
     ――――◇―――――
○田中委員長 それでは会議を開きます。
 ロッキード問題に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告があります。順次これを許します。まず佐藤文生君。
○佐藤(文)委員 法務大臣にお尋ねいたします。
 コーチャン、クラッター、エリオット氏のアメリカにおける嘱託尋問が非常に難航をしているような報道がございます。その実情についてお尋ね申し上げたいと思います。
○稻葉国務大臣 アメリカにおける嘱託尋問が難航しているようだがというお尋ねでありますが、まあ、難航と言えば確かに難航しておりますが、最終的には証言が得られるものと私は思っておりますが、なお、詳細その経過等につきましてお尋ねでありますれば、刑事課長が来ておりますから、お答え申し上げます。
○吉田(淳)説明員 御説明いたします。
 現在、米側関係人に対する証人尋問の手続が実施されておるのでございますが、報道にもございますように、その実施の免責の問題等をめぐりまして、日米両国関係者間で法律的な問題についての主張をして、それについての意見について裁判所において判断が下るものと、現在そういう手続の段階にあると承知しております。
○佐藤(文)委員 法務大臣あるいは刑事課長でも結構ですが、日米双方の刑訴法の免責保証に対する考え方が違っているやに聞いておりますが、どういった点が考え方において違っているかということを御解明願いたいと思います。
○吉田(淳)説明員 米国におきましては、御承知のように、イミュニティーという制度がございます。イミュニティーという制度は連邦法典の条文に根拠を、成文法に根拠を持つものでございまして、本来、証人は自己負罪拒否の特権がございますが、自己負罪拒否の特権を持つ事項についても、その証言について刑事免責ということを与えるならば、それについて証言拒絶はできない、そういう効果全体を一般的にイミュニティーと称しておるわけでございます。それは米国の法典において規定されております。わが国ではそのような成文的な規定はございません。しかし、これにつきましては、わが国では刑訴法二百四十八条に基づきまして、検察官が刑事訴追につきまして情状その他を勘案して起訴猶予をするという検察官の独自の権限がございます。
 この刑事免責の主張を米国側での証人が求める場合におきまして、その起訴猶予の権限を行使することを検討しておりましたことは過半国会で申し上げたとおりでございまして、いまその点についてのそういう措置について講じておると思うのでございますが、その措置につきまして、イミュニティーと同様な法的性質のものであるかどうか、そこには若干法的な差異があるのではないかというような点が問題点として出ておるようでございます。
 しかしながら、私どもといたしましては、検察当局の考え方もそうだと思いますけれども、刑事訴追をしないという約束をいたしますならば、それについて証言を拒絶するという実質的な地位も利益もないわけでございますから、全く同様の法的効果を生じ得るものである。わが国の刑訴法とアメリカの刑訴法とはそれぞれ性質を異にしておりますが、その異にした基盤の中におきましてもほぼ同様の効果を上げ得るものである。こういう見解で、検察当局としては、そういう措置をかねてから今日ある事態を予想して検討して、現在そのような事態についての法的な説明を裁判所に対して行っているというふうに承知しております。
○佐藤(文)委員 法務大臣、コーチャン氏は、この問題が起こってから直ちにワシントンの連邦地裁のプラット判事に対して、SECの証言に立つために、できるならばそういうことに立ちたくないという意思、あるいは最終的な工作資金の受取人、そういうものの重要な氏名は言いたくない、こういう意思でワシントンの連邦地裁のプラット判事の、どちらかというと保護の判決を受けているわけですね。これは現在どうなっておるのか。その裁決は、このロサンゼルスの地方裁におけるところの免責保証、これが確定されてないので、なるべく時間を延ばしたい、こういう関連性とどういう関連性になっておるのか、これをお聞かせ願いたいと思います。
○稻葉国務大臣 そういう関連性につきまして、私、よく存じませんので、刑事課長に答弁させます。
○吉田(淳)説明員 御指摘のプラット判事の保護の命令と申しますか、そういうことについては私ども詳細承知しておりません。しかしながら、ロッキード社側の証人側において、いろいろな対抗手段によって、この証人尋問の実施について、その実施を実現させまいとするような動きが現にある。そのことについては、その点について検察当局としては、あらゆる場合を想定いたしまして、全力を挙げて現在裁判所に対してその法的な説明を行ってきておるのでございまして、先ほど申しました免責の問題につきましても、検察当局としましては、十分に米側裁判所の了解が得られるもの、そういう確信のもとでいま全力を尽くしているところでございます。
○佐藤(文)委員 刑事課長にお尋ねしますが、あなたはワシントンの地裁におけるプラット判事の判決を知らないわけですか。これはおかしいと思うのですよ。
○吉田(淳)説明員 私の申し上げたことがちょっと言葉足らずで、そのことは知っておりますけれども、それが現在の証人尋問についての米側関係人の、特にコーチャン氏らの態度にどういう影響があったかということは、直接知りませんということを申し上げたわけでございます。
○佐藤(文)委員 私が質問する内容、ちょっとおわかりにならないのでしょうか。ということは、この問題が起こってから、直ちにロッキード社は、ロッキード社のロジャース顧問弁護団を通じて、ワシントンの連邦地裁に対して、SECの証言台に立つ場合においては証言に際しては他国に対するいろんな工作資金の最終的な受取人等の重要なことはなるべく言いたくないので、その仮処分の申請をいたしまして、そしてプラット判事はアメリカの国務省のキッシンジャーの意向を受けて、それを参考にして裁決した。したがって、SECに対しては、コーチャン氏等が証言台に立った場合においては、そういう受取人の名前なんというのはプラット判事の了解なくして言う必要はないという裁決を受けているという、それが現在生きているのか生きてないのか。生きておるとするならば、ロサンゼルスにおけるところの免責保証を中心にしたロッキード社側の弁護団の主張するような、そういう線とどのような吻合をするのか、全然関係ないのかあるのか、そういう法的根拠を私はお知らせ願いたい、こういうことでございます。
○吉田(淳)説明員 よくわかりました。その秘密保持命令というのですか、その裁判所から出ている命令について、コーチャン氏の証言との関係でどういうような法的な影響力が現在もあるのかどうか、こういうことでございますけれども、私どもの考え方といたしましては、それは直接影響はないと考えております。
 何となれば、コーチャン氏につきましては、上院におきましても証言をいたしておりますし、その他の関係機関についても、あるいはいまお話が出ましたSEC等において証言をしておるかどうか正確には申し上げられませんけれども、そういう事実も十分考えられるわけでございます。そういう証言した事項につきまして、米国において行われる今度の証人尋問におきましては、むしろその範囲においては、向こうで言うところの自己負罪拒否の特権を行使することはもはやできないというのが、米国側の従来の判例、通説を検討いたしたところでは、そういう結論になるはずでございまして、むしろそういうような経緯から見ますと、米国側のイミュニティーの問題というのは、その限りでは当該コーチャン氏の証言につきましてはそのような問題は起こらないはずであるというふうに考えております。いずれにいたしましても、御指摘の当初のプラット判事の命令の問題は、本件の証人尋問のコーチャン氏証言とは直接関係がないというふうに考えております。
○佐藤(文)委員 私、これは非常に重要な問題だと思うのですが、ロッキード社は、やはり自分の商権を守るということ、あるいはそういうような立場で、あらゆる手段を講じて、法的な根拠に基づいて、アメリカ・チャーチ委員会における証言以外の場所には出たくないという意思が私は当初から見受けられるわけでございます。
 そこで、法務大臣にお尋ねしますが、大臣には、これ、まだ差し上げてなかったと思いますが、これを差し上げます。いま大臣に差し上げましたのは、アメリカの二月六日における上院のチャーチ委員会におけるコーチャン氏の証言記録の原文と訳文でございます。その第四の「機種選定延期」という内容について次のようにチャーチが質問をいたしております。右側に訳文が書いてございます。これはチャーチ委員長の質問でございますが、「航空機購入の延期の決定をかちとるというあなたの目的を達成したか」、こういうチャーチ委員長の質問に対してコーチャンが「いや、達成しなかった。延期には至らなかった」、そこでちょっと自己反問をしながら「延期してもらったと思う。われわれが成功するまで」。こういう重要なポイントの証言がございます。これはチャーチ委員会におけるコーチャンの証言でございます。そこで、これは私が二月の十日にロッキードの本社でコーチャン氏に会ったときに、この問題について私が質問をいたしまして、答えをいただいております。正確に言えば、二月九日の午前十時四十五分から十二時に至るまでロサンゼルス・ロッキード本社において、私は党本部の新聞局の土地記者とサイマル・インターナショナルの横田通訳、三人同席いたしまして質問をいたしました。そして、この質問の内容を法務大臣に帰国してからお届けしてございます。その中で同じような内容の質問を私はいたしまして、「日本では「ロッキード社がエアバス売り込みの時期を遅らせるため、工作資金をつかった」といったという報道が流されているが」その真実を語っていただきたいと、これに対してコーチャン氏が次のように答えております。「私はそんな話はしていない。私としては委員会において、そのような質問が出たので、「時期がわれわれにとって遅れるようになれば、有利になると思った」といい、「実際に時期が遅れたことで有利になった」といった。その詳細は証言記録をみてくれ。」と、こういう非常に微妙な発言をいたしております。したがって、ロスにおけるところのコーチャン氏に対する嘱託尋問というものは非常に重要な証言になると私は思うのです。このようなことから見ても、ぜひとも、ひとつこの嘱託尋問の実施については相当な準備をされて、やはりアメリカ側と接触してやる必要があると私は思うので、安易な見方で、できるものだ、こういうようなことでじんぜん日を過ごすことなくがんばっていただきたい、こう私は思うのですが、法務大臣、お考えをいま一度お聞きしたいと思います。
○稻葉国務大臣 佐藤委員御指摘のとおり、嘱託尋問におけるコーチャン証言というものは、事件の捜査に非常に重要な資料でございますから、全力を尽くして、いまこの証言を得るよう努力させているところであります。本日かきのうか、本日ですかね、総理と大統領とがお会いになる際にも、総理から従来の協力を感謝するとともに、いまおっしゃったような証言の問題についても、一層のアメリカ側の協力を得られるよう要請していると私は信じています。そういうことを頼んでおきましたから。そういうことでございまして、一生懸命に努力している最中でございます。
○佐藤(文)委員 重ねて法務大臣にお尋ねしますが、こういう重要な証言が行われるか行われないかという非常に国民的関心がある時期に、日本側からローチャン、クラッター、エリオット等に対して、あらゆる手段を講じてその証言に応じないような、そういう疑いがあるといったようなことを、私は新聞でも知りましたし、参議院の委員会においてもこういう問題が出たように思いますが、これは非常に重要なことだと思うのです。ロッキード問題の真相究明に対して、そのような卑劣な行動が同胞の中から起こるということは、私は、一つの倫理観を確立しようとする大きな国民的な政治問題解決のこの方向に対して水を差すようなこと、もってのほかだと思います。
 コーチャン氏に私が会ってから帰国する際に、いろいろな問題について立法府の議員として疑問点がある、その場合は国際電話でお聞きしたいから率直に答えてくれ、こういうことで、帰国してから三回私はいろいろな問題を調査しましたが、しかし、司法当局が動き始めてから中止をしました。それはやはり司法当局が全面的にこの問題に取り組むことに少しでも誤解があったり、あるいはそれに対して支障があってはならないという立場から私は中止していますが、そういう配慮をわれわれがするのにもかかわらず、そういう疑いがもしもあるとするならば、私は糾弾すべき重要な行動だと思います。その実態についてお話し願いたいと思います。
○稻葉国務大臣 お尋ねの件は、私が三重の時局講演会で申し上げたことが新聞に、正確ではありませんけれども、載っておりました点、昨日も参議院のロッキード問題調査特別委員会で御質問を受けた点でございますが、お答えいたしますと、どういう証拠があるかということになりますと、証拠があって申し上げているのではありません。ただ、こっちはつかまえる方、向こうはつかまえられる方ですね。丸紅や全日空だとか、向こう側のロッキード社関係、あれだけの取引が行われて、いわば不正をやった疑いの濃厚な仲間ですからね。仲間同士逃れよう逃れようとすればするほど、両方とも緊密に連絡をとって、証言をなるべく与えないで捜査に支障を来すように努力しようと、逃げる方とつかまえる方はそのくらいの努力のし合いは当然だと、常識上の私の推定を演説したわけです。そういうふうに御承知願いたいと思うのです。
○佐藤(文)委員 刑事課長にちょっと捜査の内容について二、三点、まあ、内容まで入ることはわれわれできませんが、そのすれすれのところまでちょっとお聞かせ願いたいと思いますが、二月六日のチャーチ委員会の抜粋の一ページ、ここでパーシー上院議員が次のように質問しています。「彼は一億円の代償として貴社のために何をしたか。」この「彼」というのは、この前の方を見ますと伊藤氏になっているのですね。丸紅の伊藤氏になっているのですよ。彼は一億円の代償として何をしたかということに対して、現実に日本で行われたのは大久保氏が逮捕されておる。その辺の関係がどうも私はわからない点が一点ありますが、その次に、コーチャンは次のように答えています。「その金は、政府職員(ガバメント・オフィシャル)への支払いのために彼に渡された。」コーチャンがはっきり言っております。そのときに、政府職員への支払いのために彼に渡したと言ったその原文を見ると、「ア・ガバメント・オフィシャル」になっているのです。一人になっているのです。ですから、コーチャンの証言記録を読むと「ア・ガバメント・オフィシャル」になっておるのですが、パーシー上院議員の次からの質問には「ガバメント・オフィシャルズ」になっているのです。複数になっているのです。これは刑事課長というか法務大臣に……。一人ですか、複数ですか、「ガバメント・オフィシャル」というのは。コーチャンは一人と、「ガバメント・オフィシャル」ですから一人です。そうすると、立法府の議員は「ガバメント・オフィシャルズ」と言っているのです。一人ですね。
○稻葉国務大臣 これは私、よくわかりませんけれども、いままで私どもが聞いておったのは、複数だというふうに私、思っていますがね、いま。しかし、どうだか、正確には刑事課長に答弁させますから。私は「オフィシャルズ」の方に、この観念を持っていままで常識的にそういうふうに考えていましたがね。
○佐藤(文)委員 いや法務大臣、この立法府の議員として、われわれは何も捜査の資料とかそういうものはないのですよ。ですから、チャーチ委員会の記録というのが、これがわれわれの唯一の基礎ですよ。ですから、コーチャン氏は「ア・ガバメント・オフィシャル」と、しかし、アメリカのパーシー上院議員の質問は「ガバメント・オフィシャルズ」になっているのですよ。ところが、もう法務大臣の頭の中にはSだと、複数になってしまっておる。しかし、コーチャンは「ア」と言っておるのですね。「ア」と言っておるのですよ。そこで、われわれはこれを見ると、わからないのですよ。ですから、捜査の段階で私は、コーチャンの証言記録、コーチャンそのものの言っていることを、これはこの前、安原刑事局長も、これは信憑性がある、こう言っているのですから、言っておるならば、その辺は一体どうなのか。コーチャンは真実を神に誓って証言しておるのですよ。それなら「ア」というのが正しいのだろうか。ところが、パーシー上院議員は「ガバメント・オフィシャルズ」になっておるから、複数なのだろうかという疑問点が依然として私に残っておるのです。捜査当局として、こういう点が――法務大臣は最初から「ズ」と思っていると、こういうアバウトのような考え方を私はいま知りましたけれども、この辺、ひとつどうなんでしょう。
○稻葉国務大臣 コーチャンがそこで「ア」と言っているのは、私、初めて聞きまして、ぼくは当然に「ズ」だと思っていたんだ。ですから、その辺の正確なところは刑事課長がいま答弁しますから、お聞き取り願いたい。(佐藤(文)委員「これは重要だ」と呼ぶ)重要だと思います。
○吉田(淳)説明員 一点、先ほどの御質問との関係で申し上げますと、大久保に対しましては、過般衆議院予算委員会で政府側として御説明いたしましたとおり、公表資料のほか、実務取り決めに基づいて、その後提供を受けた米側資料を根拠にしていることは申し上げたとおりでございます。
 なお、ただいまの御指摘の公表されているチャーチ委員会の議事録でございますが、これにつきましては、政府高官が複数なのかどうか、実際に捜査の内容として複数なのかどうか、そのことにつきましては、私ども捜査の内容につきましては、現在の段階で申し上げかねるということを再三申し上げておるわけでございまして、御了解いただきたいと思います。
 ただ、この議事録の中で、これはもう私ごときが注釈を加えるまでもなく、コーチャン証言として最初「ア・ガバメント・オフィシャル」と出たことは、そういう証言が出たことは間違いございません。それについてパーシー議員が「ガバメント・オフィシャルズ」かという趣旨の反問というのですか、もう一度念を押したというような感じで、それについてコーチャンが今度は「イエス、サー」こう言っておりますから、複数だと、最終的にはそういうことをこの証言で肯定しているように読み取れると思うのでございます。
○佐藤(文)委員 もう一問。
 これは私並びに社会党の大出議員も、アメリカに調査に行って質問をした点でございます。それはチャーチ委員会のレビンソン法律顧問に対して自民党から公明党、社会党、民社党同席で質問した内容でございますが、一九七〇年から七五年にかけて二百八十三万七千ドルという工作資金が日本に流れたということがアーサー・ヤング公認会計事務所の株主総会の議事録の中に残っているというコーチャンとのやり取り――これはパーシー上院議員の発言でございます。パーシー上院議員がそれをそういうぐあいに議事録に残している。その二百八十三万七千ドルのうちの二百万ドルが丸紅に行って、八十三万七千ドルが民間航空会社に行っているのか、あるいは丸紅に行った二百万ドルは二百八十三万七千ドルとは別のものかということを質問したのは、私のそばにおった社会党の大出議員でございます。それに対して、レビソソン法律顧問は、一緒なのか別なのかさっぱりわからないという答弁が返ってきた。そこで、現在の捜査の段階で、二百万ドルという工作資金が丸紅に渡って、そのほかに二百八十三万七千ドルという金が一九七〇年から七五年の間に流れたのか、あるいは二百八十三万七千ドルという金額が同じものなのか、丸紅に行った線と全日空に行った線と同じものなのか、この点について、わかる範囲内でお知らせ願いたい、こう思います。
○吉田(淳)説明員 御指摘の点は、まさしく現在の捜査の内容に関連することでございます。再三申し上げておりますように、検察当局としては、
 ロッキード社から国内に流入した資金の行方、使途につきましてもその全貌を解明すべく努力中でございます。その過程におきまして、その中に不法な行為というものが発見されれば、それについては徹底した捜査を行うということでございます。
 具体的に、ただいまの巨額の金額が全日空なりあるいは丸紅なりに流れて、それがどうなったのか、その金はそのコーチャン証言との関係で二百万ドルなのか、二百八十何万ドルとの関係は一体どうなのかということにつきましては、実際に捜査の内容に関連することでございますので、そういう点も含めまして、必要なことは捜査をしているとしか現在の段階では申し上げられないことを御了解していただきたいと思います。
○佐藤(文)委員 運輸大臣に質問をいたします。
 ただいまの法務大臣あるいは刑事課長からいろいろなお話があった中で、コーチャン証言並びにコーチャン氏の考え方によるところの、トライスターを売るに当たって時期をおくらせるかおくらせないかという点がやはり非常に重要なポイントになっているんですね、証言記録を見ますと。アメリカの上院の議員も、そういうために工作資金を使ったんだろう、こういう質問をしているわけです。そこで、先般来より運輸大臣に昭和四十五年の十一月の日航に対するところの大型機四機の認可、そして国際線を飛んでおるところのLRの国内線転用の問題、こういうような大型機を導入する方向を四十五年の十一月に閣議で了解をし、大臣として通達をしながら、四十六年の二月、このわずか二カ月間ないし三カ月間に行政指導が変化をしてきたという、この点をやはり一番問題にしておるわけです。そういうことで、この四十六年の二月から四十七年の七月一日の大臣通達に至るこの約一年半の間というのが運輸行政の間で明確なる節といいますか、いつ、だれが、どこで、何をしたというその節が、与野党ともこのロッキード特別委員会で長い時間をかけて質疑応答をしている問題点なんです。
 そこで、きょう一つ一つはっきりしていただきたいことは、先般の委員会で私が一応はっきりしたことは、四十五年の十一月の際にまあ少し行政指導として明確に突っ込んでおけばよかった、こういう大臣の御答弁をいただきました。この点については私も常日ごろそう考えておりましたので、今後あらゆる機会に、行政指導において節度と責任といったようなものは少し明確にしておく必要があると考えておりますが、この前の質問に続いて次の点を質問をいたします。
 四十五年の十一月から四十六年の二月の間に行政指導の変化を行った、その根拠が、私、羅列してみると大体八つございます。その第一が輸送事情の変化、それから航空各社の占有率、利用率の変化、安全性と航空事故の問題、航空会社の公正な競争、五番目が航空各社の整備状況、六番目が飛行場の整備計画、七番目が資金導入計画、八番目が国会における論議の動向、大体これだけのことが与野党とも質問の中に全部入っております。大型機導入延期の行政指導の根拠となるべき理由が、この八つ以外にございますか。あるいはこの八つの中でさらに明確にしておきたい点があるならば、それをお聞きしたいと思いますが、大臣、お答えを願いたいと思います。
○木村国務大臣 四十五年の十一月の閣議了解から四十六年の二月に至りましての行政指導のはしり、この間に、いままでしばしば御質問を受けるのですが、行政指導が変わっておるんではないかという意味で御質問を受けておりますが、この点は、私もよく当時の事情を調べたのでございますけれども、四十五年の十一月の閣議了解というものは、大型機、ジェット機の国内線への導入をいわば推進するという表現を用いており、なお前提といたしまして、航空の安全とかあるいは航空企業の健全化とかいう意味のことが前提で、その上に立って大型機の国内導入を推進するということでございまして、何もこの閣議了解の線で四十七年に政府あるいは運輸省が導入するという方針を決めてもおりませんし、そういう事実の指摘は全然ないわけでございます。ただ、当時の事情から、航空会社としては、世界的な状況あるいは万博当時の非常な旅客の激増というふうなことを踏まえまして早くやりたいということで、そういう計画を持っておったということは、あの長期計画の中にも出ておるとおりでございますが、これが政府の方針ではないわけでございます。したがって、政府の方針が行政指導で変わったということはいささか私は当を得ていない、かように思います。
 十一月から二月にかけまして導入を延期すべきであるという見解が航空局の中で生まれましたのは、いま佐藤委員がおっしゃったような八つの項目のような事情がございまして、早過ぎるのではないか、もっとゆっくり考えるべきではないかということから、行政指導のはしりとして、航空会社は七年に導入したいという考えを持っておるけれども、二年延ばすについてはどうかという打診を始めたという経過でございます。その考えました理由は、御指摘の大体八つの項目でございまして、これ以外に別につけ加えるような理由はございません。
○佐藤(文)委員 そうすると、この四十六年の二月に至って、大型機を導入する延期の行政指導がようやく委員会等を通じて開始された。そのときに、四十六年の二月に、全日空はおおむねそういう行政指導にこたえましょう、しかし社内的にはなおその問題について討議を続けていきたい、がしかし、簡単に延期は応じられないという考え方を全日空はその当時持っておった。ところが、JALはそういう運輸省の指導に対しては反対である。四十六年二月当時はそういう判断をしてよろしゅうございますか、大臣。
○木村国務大臣 両社は競争関係にあるわけでございますから、いずれも一応四十七年を目途に大型機を導入したい、導入の仕方につきましては、日本航空はすでに国際線に使っておりますから、それを国内に使用すればよろしい、全日空は新しく大型機材を購入しなければならないという事情の違いはございますが、競争関係に立っておる二社ですから、片方が大体四十七年を目途ということになれば、その時期を合わさざるを得ないという事情がございますので、当時運輸省がもう二年ぐらい延期した方がよくはないかどうかということに対して、全日空としては、これから新しく機材を決め、まだ当時機種も決めておらぬ状況でございますから、機種も決め、新たにそれだけの投資をして購入しなければならないという状況でございますから、恐らく、これは私の推測ですが、日本航空もそれに同意すれば一年でもおくらしてもらった方がいいという考えを持ったであろうことは容易に想像できます。日本航空の方はすでに国内線の機材を転用できるわけでございますし、それが日本航空としては、経営上もあるいは乗務員その他の回しからいいましても合理的な経営にも資するわけでございますから、できるだけ早く入れたい、こういう気持ちを持っておることも想像できるわけでございます。そういう前提から考えまして、運輸省が行政指導のはしりで延期のことを持ちかけましたときに、全日空は、慎重に考えたようでございますが、それに応ずる、日本航空の方は、それは困る、最初はそういうふうな回答になったわけでございます。
○佐藤(文)委員 そのような行政指導開始に当たって航空局の中で意見の不一致があったのですか、なかったのですか、運輸大臣。四十六年の二月の段階で行政指導をしたときに、始めようとしたときに、航空局なり運輸省の中で意見の不一致があったのですか、なかったのですか。
○木村国務大臣 航空局の中では意見の不一致は
 なかったのでございます。
○佐藤(文)委員 それから約五カ月たって四十六年の六月に、正確に言えば、四十六年の六月一日にメモによる行政指導があったのですが、これは間違いありませんね。
○木村国務大臣 二月からそういう指導を始めまして、各会社で検討してみてくれ、あるいは両社で十分相談をしてみてくれということから始まりまして、最終的には、日本航空の方もそういう方針であればそれに従いましょうということになりましたけれども、行政指導として正確に事を伝えるために、四十六年の六月にメモの形で運輸省の考え方を示したことは、そのとおりでございます。
○佐藤(文)委員 それから一カ月おくれて雫石とばんだい号の事件が四十六年の七月に起こった、そうして四十六年の九月になってジャパン・エアラインがその行政指導に応じて、新型機は四十九年とし、LRは四十七年と四十八年に導入するということを社内でJALが決めた、これが四十六年の九月である、これは間違いありませんか。
○松本説明員 いまおっしゃいましたように、四十六年の九月に日本航空は五カ年計画というものをつくったわけでございまして、これは四十五年の九月にもつくっております。同じようなものを四十六年の九月に、転がし計画のようにしてつくっております。この四十六年九月の五ヵ年計画の中で、いま先生おっしゃいましたように、新型機の導入については四十九年度とする、LRの転用につきましては四十七年及び四十八年。これは四十五年の時点におきましては、四十七年に転用いたしまして四十八年から新型機、こういう構想でありましたものを、四十七、八は転用でつないで新型機の導入は四十九年からとする。こういうふうに変更しておるわけでございます。
○佐藤(文)委員 この問題が四十六年の九月にJALの社内において一応の方針が出されて以来、全日空とJALとの間に何回となく大型機導入の話し合いが行われてきて、年が明けて四十七年の四月に、全日空は社内で四十八年、四十九年やはり依然として大型機導入という方針を決めておった。延ばしましょうと言ってはいたものの、四十八年、四十九年――四十八年というのか全日空ではやはり大型機を入れていきたい、こういうことを全日空は社内で決めておるわけですね。その四十八年にやっぱり入れたいという動機は、これはJALに対する対抗意識ですか。
○松本説明員 いま先生のおっしゃいましたのをもう少し細かに申し上げますと、御案内のように、全日空は機種選定委員会なるものを四十五年の一月に発足さしておるわけでございますが、この機種選定委員会が何回か内部で総合部会とかいろいろな会議をやっております。いまおっしゃいました四十七年四月の時点におきましても、機種選定委員会の総合部会と申しますか、そういった総括的な判断をする議論がなされておるわけでございますが、その時点におきまして四十八年導入のケースと四十九年導入のケースの二つを併記して、その比較検討をしておるわけでございます。
 四十八年に導入するという場合には、これは諸般の準備を考えれば、どうしても四十八年の八月以降でなければこれは無理だ、四十八年度早々に導入というわけにはまいらない。四十九年ということであれば、十分の準備も相整うのであって、当初四十六年の時点で私どもがサジェストしたのもまた四十九年であったわけでございますが、四十九年度の導入という点については無理なくいく。しかし日本航空の方はLRの転用ということができる状態、いつでもやろうと思えばできる状態でございますので、したがいまして、LRの転用が早く行われるというふうな情勢になった場合には、四十八年の問題というものを考えなければならないだろう、そうでないとするならば、四十九年に歩調をそろえて導入するという形が一番好ましい、こういうふうな判断を当時社内でしておったというふうなことを、最近承知したわけでございます。
○佐藤(文)委員 そうすると、四十七年の四月当時は、日本航空はLRの国内線登用が四十八年には状況によればできるかもしれない、だから、全日空もそれに対抗するために、やはり大型機は四十八年からしていきたいという対抗意識、競争意識、そういうものが業界にあったということを、これは私、認めていいですね。そういう答弁ですね。
○松本説明員 日航と全日空の間でLRを共同して使えないかどうかというふうな議論は並行してなされておったようでございます。しかし、その議論というものは、いま先生も御指摘のように、両社の間で一つの機材を共同運航するというのは、なかなか困難な問題でもございますので、なかなか結論も出ない。そういうふうなことを考えれば、全日空としては一応、LRが単独で日航側に入った場合の準備というものも、心構え、社内態勢としてはとっておく必要がある、こういうふうに考えておったものではないか、こういうふうに考えます。
○佐藤(文)委員 この四十七年の四月の業界の動きに対応して、四十七年の一カ月前の三月に、運輸省から、航空行政に対する一つの素案として、自民党の部会に一つの素案が出され、そうしてその四十七年の四月の直後くらいに町田試案あるいは佐藤孝行政務次官試案、そういうものが出されて、それが新聞で発表され、そうして四十七年の七月一日に大臣通達になって、現在まで航空行政がその方針に従って運営されておる。こういう過去の一つ一つの日程を詰めてみますと、私はそう認識しますのですが、運輸大臣、最後に四十七年七月一日の通達に至った経緯を簡単にお聞きして、私の質問を終わりたいと思いますが、申し述べていただきたいと思います。
○木村国務大臣 大体いま佐藤委員がお話しのような経過をとりまして、四十七年七月の運輸大臣の通達ができたわけでございまして、いずれも、いかなる場合でも、運輸省としての一つの方針を出します場合には、部内でいろいろ検討いたします。検討の過程においては、いろんな意見が出ておることは事実でございます。そういった経過をとって、通達が出たということでございます。
○佐藤(文)委員 終わります。
○田中委員長 坂本恭一君。
○坂本(恭)委員 まず法務省にお伺いをいたしますが、昨日、ジャパンラインの株買い占め事件といいますか、ということで水谷文一というのが地検に逮捕をされました。多分、昨日の参議院の特別委員会においても御説明があったのだろうと思いますけれども、その経過について、まず御報告を願いたいと思います。
○吉田(淳)説明員 水谷文一につきましては、所得税法違反により逮捕いたしております。
 その逮捕した被疑事実の要旨は、営利を目的とした有価証券の売買を継続的に行って多額の利益を得ていたものであるけれども、その自己の所得税を免れようと企てまして、昭和四十八年分につきまして約一億百七十九万円余の所得があったのにかかわらず、これを秘匿して、所得税額約六千二百九十五万円の所得税の脱税をした。それから、昭和四十九年分につきまして、実際所得が一億九千五百四十五万円余あったのにかかわらず、この所得を秘匿して、所得税額一億三千二百六十五万円相当の所得税額の脱税をしたということでございます。この点につきましては、昨二十九日午前七時三十分ごろ、被疑者を自宅で逮捕いたしました。
 この所得税法違反につきましては、東京国税局と共同して捜査、調査を行っておるのでございまして、自宅以外の捜査個所約三十カ所につきましては、東京国税局において国税犯則取締法に基づく捜索差し押さえを実施しております。
○坂本(恭)委員 逮捕された水谷文一というのは、いわゆる児玉譽士夫の側近の一人というふうに見られておるわけでありますが、この事件といわゆるロッキード事件との関連というものはあるのでしょうか、ないのでしょうか。大臣、いかがですか。
○稻葉国務大臣 私は直接の関係はないと思いますけれども、そういう点については刑事課長に答弁させます。
○吉田(淳)説明員 御説明申し上げます。
 この水谷は児玉譽士夫のかなり古い前からのいろいろ知り合いでございまして、児玉のいろいろな、たとえば御指摘のジャパンライン、三光汽船との関係の株の買い占め等の事件をめぐりまして、児玉に調停を頼む等をして、本件の所得のそれが一端にもなっているわけでございますが、そういう状況がございます。児玉につきましては、かなり水谷は古くからのいろいろな交際はあったようでございますが、現在、水谷を逮捕いたしましたのは、あくまでも水谷自身の所得税についての脱税ということでございまして、もとより水谷について必要なことはいろいろ検察当局としては捜査をすると思いますけれども、水谷を逮捕いたしましたのは、先ほど申しましたように、あくまでも脱税でございますから、水谷自身の脱税について調べて、さらにそれらの所得の経過あるいは所得の処分等につきましても、必要なことは、そういう児玉との関係があれば十分取り調べるものと思います。
○坂本(恭)委員 直接の関連はないのだろうと思いますが、どうも児玉の外堀を埋めるような形で、かなり関連性があるのではないかというようなことが言われているわけですね。その辺については、法務省の方はどういうふうにとらえているのか、もう一度御答弁を願います。
○吉田(淳)説明員 先ほど申しましたように、水谷と児玉との関係は、かなり従来からいろいろな経緯があったようでございます。それで、本件はロッキード事件捜査の過程において出てきた水谷についての所得税法違反でございますけれども、その所得税法違反について調べると同時に、児玉等の行動について必要なことについては、検察当局としては当然捜査の対象にするものと思います。
○坂本(恭)委員 ロッキード事件に関連をして、児玉譽士夫にかなりの回数にわたって任意の取り調べをやったというふうに聞いておりますが、ジャパンラインの株買い占めの事件についても児玉から任意の調査をやっておられるのですか、おられないのですか。
○吉田(淳)説明員 昨日刑事局長から参議院の委員会でお答えいたしましたように、児玉につきましては二十数回にわたってすでに検察当局は事情を聞いております。その事情を聞いたものにつきましては、もちろん児玉の所得税法違反、外為等の事実はもとよりとして、それに必要な事項はいろいろ調べをしておると思いますが、このシャパンラインの株の買い占め事件について児玉に事情を聴取したかどうかという点については、取り調べの内容にわたることでございますので、御勘弁願いたいと思います。
○坂本(恭)委員 昨日の、水谷文一をジャパンラインの関係で逮捕したという報道を聞いて、どうも児玉の周辺の者を一生懸命捜査をして、本来の児玉の捜査といいますか、そういうものがどうもそちらにすりかえるような形で行われているのではないかというような感じがするわけですね。その点について大臣の御所見を賜りたいと思います。
○稻葉国務大臣 昨日も参議院で、どうして児玉を逮捕して強制的にいろいろなことを調べないのか、もしこれが――私は直接聞いてはおりませんけれども、私は常識として、もし逮捕してぎゅうぎゅうやったら、死にでもされたら大変だ、福田太郎みたいなことになったらね。これは大事な人物を、そういうことでも万一あると大変だというので、なかなか逮捕に踏み切れないのじゃないでしょうかな。そういうふうに推定いたします。
○坂本(恭)委員 逮捕をするしないということではなくて、逮捕しないから調べをやっていないとは私も思いません。しかし、強制捜査に出てくる、水谷の例をとりますと、どうもロッキードに関する中心的な取り調べというものが、ジャパンラインの方をやることによってすりかえをやるのじゃないかというような感じがするわけです。その辺は大臣、どうお考えになりますか。
○稻葉国務大臣 それは私に聞かれてもよくわかりませんね。すりかえをやる――それはロッキード問題に何か関係が出てくると思ってやっているのじゃないでしょうか、そう思いますね。
○坂本(恭)委員 この調べをやっていけばロッキードの関係が出てくるのではないかというふうに、答弁を理解しておきたいと思います。
 児玉の側近と言えば、水谷がその一人だというふうに言われておりますが、もっと近いところにいる政務担当の秘書とか財務担当の秘書とか言われておりますが、そういう人たちが何人かいますね。太刀川、南、福島というような方たち、この辺については、ロッキード関係あるいはジャパンラインの関係でこれまで、強制捜査はやっていないと思いますが、任意で取り調べをやっているのでしょうか。
○吉田(淳)説明員 児玉の関係につきましては、特定の人物を申し上げるわけにいきませんけれども、児玉の関係者からは十分現在まで捜査を尽くしておるのでございます。児玉につきましては、御承知のように、その病状が当初とさしたる変化がなく今日まで続いているという状況でございまして、そういうことも、検察当局としては、強制捜査にするかどうかということの一つの重要な判断材料になっていると思います。
 それで、児玉に入りました資金につきましては、検察当局としては、すでに昭和四十七年度分につきまして所得税法違反で起訴し、あるいは昭和四十八年度分につきまして外為法違反で起訴しておるのでございまして、その資金の流れにつきましても必要な捜査を尽くしておるところでございまして、それに必要な児玉の関係者についても十分その捜査を対象にして調べを行っておるということを御報告しておきます。
○坂本(恭)委員 捜査の進展によっては強制捜査もあり得るというようなことだろうと思うのですが、いかがですか、捜査の進展によっては強制捜査もあり得るわけですか。可能性はあるのですか、ないのですか。
○吉田(淳)説明員 もちろん一般論としてはそのとおりでございます。児玉関係につきまして果たして強制捜査を行うかどうか、それをいつ行うか、これは現在の段階では申し上げられません。
○坂本(恭)委員 一般論としては、捜査の進展によっては可能性があるわけですね。そうすると、私が先ほど秘書の名前を三名挙げましたけれども、この三名については、その所在といいますか、居所は確認をされていますか。
○吉田(淳)説明員 当然その住所等については検察当局としては確認しておるものと思います。
○坂本(恭)委員 そうしたら、いま申し上げた秘書の三名の居所を知らせてください。
○吉田(淳)説明員 現在私が持っている資料ではその点はございませんので、いまお答えはできません。それは調べればわかるのではないかと思います。
○坂本(恭)委員 それでは、それは至急調べて報告をしていただきたいのですが、よろしいですか。
○吉田(淳)説明員 捜査の過程において検察当局が把握したことをお伝えするということになるわけでございますので、できましたら御勘弁願いたいと思うのでございます。
○坂本(恭)委員 居所を知らせることがどうしてできないのですか。――いかかですか。
○吉田(淳)説明員 御趣旨はわかりますので、検討させていただきたいと思います。
○坂本(恭)委員 それでは、できるだけ早く検討してください。
 こればかりやっているわけにいきませんのであれですが、ジャパンラインの事件というのは、法務大臣が三光汽船に児玉を紹介したというようないきさつもあったわけでありますから、先ほど私が申し上げましたように、すりかえといいますかロッキード隠しにならないように検察当局は捜査を進めていただきたいと思いますが、大臣の御所見をお聞かせ願いたいと思います。
○稻葉国務大臣 それは当然のことであります。お答えするまでもない、あなたのおっしゃるとおりです。
○坂本(恭)委員 先ほど佐藤委員の方から嘱託尋問に関してはいろいろ御質疑があったようでございますが、きのうの段階でのいろいろな報道等によりますと、どうも嘱託尋問ができるのは九月にずれ込むのではなかろうかというようなことも報道の中に伝えられているわけです。そういう点について、いろいろなところで、法務大臣は二カ月ぐらいというようなことを言っておられますので、そうなりますと、八月半ばごろまでということになるのですが、そういうことになると、嘱託尋問が九月にずれ込むというのは、このロッキード事件の解明には余り用をなさないというような形になると思うのですが、その辺については大臣はどうお考えでございますか。
○稻葉国務大臣 いろいろ妨害があればあるほど、つかまえる方としてはこの証言は欲しくなるわけですね。それはそうですね。ますます欲しくなるわけです。したがって、いま一生懸命にやっているわけですから、九月にずれ込むなんということは話にならぬと思っています。ですから、そんなに、私は結局、用心深く言って、五分五分と思っておりますけれども、あらゆる努力をしておりますから、ついには証言は得られるもの。したがって、この大事件の全貌がそんなに早くはできないと思いますが、国民は早くやれ早くやれと言うのですから、それに対して、そう早くはできませんが、まあ、あと二カ月待ったらどうにかなるじゃないでしょうかと、いままでの同種類の事件の捜査期間等をいろいろ勘案して、私の個人的な感触を申し上げた、こういうふうに御了承願いたいと思います。
○坂本(恭)委員 あらゆる努力を尽くしてできるだけ早くというのが国民の期待でもあるわけで、八月中ごろまでという大臣の発言、そういうものとあれした場合に、九月にずれ込むような可能性があるとすれば、余り意味がなくなってしまう。しかも嘱託尋問というのは、五月二十二日に検察庁が裁判所に申し立てをして、もうすでに約一カ月半になるわけですけれども、全く空転をしているわけですね。そういうことから言うと、九月にずれ込む可能性というのも私どもも考えざるを得ないんじゃないかというふうに思うわけです。ですから、それでは嘱託尋問が大臣としてはいつごろまでにできるのか、その辺はお考えございますか。
○稻葉国務大臣 そういうふうにうまくいくかどうかは知りませんけれども、私の希望としては、七月の半ば、その辺のところでは証言を得て帰ってきてもらいたいなという希望を申し上げておきます。
○坂本(恭)委員 刑事課長にお尋ねいたしますが、五月二十二日に裁判所に申し立てをして、それから六月八日に異議の申し立てが出て抗告なり何なりという手続がずっと続いた。それがやっと二十五日から尋問が始まろうという時点で、先ほど御質疑のあった手続的な問題がまた出てきている。この手続的な問題がどういう時点で実質的な尋問に入れると法務省の方ではお考えになっていますか。
○吉田(淳)説明員 これは米国の裁判所の手続のことでございますので、裁判所の判断というのがこれの決定的なことになりますので、法務省としてどういうふうに見通しを立てているかということは申し上げにくいのでございますが、連絡のあったところによりますと、私どもの聞いておりますところでは、米国時間七月二日にさらにヒヤリングが行われる、手続が行なわれる、それで七月三日に、現在問題となっている法律問題についての裁判所の裁定が行われるというふうに聞いております。
○坂本(恭)委員 そうすると、その時点、いま答弁のあった七月の三日以降直ちに実質的な尋問に入る、仮にそうなった場合に、当初ロサンゼルスの地方裁判所では、六月八日に尋問を始めて六月いっぱいぐらいにはというようなことが当時言われていたわけです。そうなりますと、七月の三日あるいは五日ごろから実質的な尋問に入った場合に、七月いっぱいはかかるということになるわけですか。
○吉田(淳)説明員 仮に七月三日に米側の裁判所において裁定が行われた場合において、直ちに証人尋問の実施に移れるかどうか、これにつきましてはさらに米側の証人側の出方等の問題と関連があるようでございまして、これにつきましてまた法的な手続、たとえば異議の申し立てとかアピールとか、そういうことになりますと、そういうことが法律的に可能であるならば、そのことで証人尋問の実施がおくれるということもあり得ると思います。その点についての見通しは、法務省としても申し上げることができないわけでございますが、いずれにいたしましても、証人尋問の実施が裁定後行われるということになれば、それから一両日を経ずして証人尋問の実施に入れる、こういうふうに考えております。
○坂本(恭)委員 そうなると、先ほど法務大臣の希望的な七月半ばというのは、いささか無理な感じがいたしますが、いかがですか。
○稻葉国務大臣 実質的な尋問に入れば十日、こう思っております。そういう期間ではないか。したがって、三日にその裁定が行われて、一両日中に始まれば、ちょうどそのころ……。
○坂本(恭)委員 仮定の議論をこれ以上続けても余り意味がないと思いますが、先ほども大臣の答弁の中にありました、きょう三木総理がフォード大統領と会って、この点の問題についてもこれまでのお礼なり、これからの要望なりを申し上げるというようなことでございますから、法務省としては、できるだけ早く尋問が行われるように努力をしていただきたいと思います。
 ただ、この問題について、先ほども質疑があったのですが、日本における刑事免責というのは、かなり早い時期にその辺の話題が出て、そういう決定が多分なされているだろうと思いますが、考えますと、日本で免責を受けるというのは、彼らにとって余り利益でないことはないと思いますけれども、余り利益じゃないと思いますね。むしろアメリカにおける刑事免責というのが、証人に該当している三名の人たちの考え方ではないかと思うわけです。ところが、日本の刑事免責の法律問題、手続の問題についていま議論が行われている。その辺の考え方の違いというのが、日本の法務省とアメリカの三証人との考え方の違いではなかろうかというふうに私は感ずるわけです。その辺について刑事課長から答弁をいただきたいのですが、いかがですか。
○吉田(淳)説明員 御指摘のように、刑事免責の問題は二つの側面を持っていると思います。一つは、日本の刑罰法令に触れる恐れのある事項についての刑事免責の問題と、もう一つは、米国の刑罰法令に証人自身が触れる恐れのあることについての刑事免責の問題と、二つの側面を持っていると思います。
 国会でいろいろ御審議いただいております刑事免責は、日本の刑罰法令に関しまして証人側が、米国の修正憲法第五条に基づく自己負罪拒否の特権を行使して証言拒絶をする態度に出た場合において、これに対する対抗の手段として、日本の刑事訴訟法に基づいて検察官の起訴猶予権を行使して、これに対してあらかじめ刑事免責を与えて、そうして証言拒絶権を行使できる立場にはいわばなくして、そうしてその証言の供述を得るという措置を検討して、現在その措置についての法律的な性質等について論争が行われているのだと思いますが、これは証言を求める事項につきましては、いずれの三証人ももとより日本国内においてロッキード社側の資金の流れをどのように――国内で活動し、そういう資金をどう提供したかという、その具体的な内容にかかわることだと思いますので、こういうことにつきましては、日本の刑罰法令についての刑事免責という問題で十分賄える問題だと思います。
 もとよりもう一つの側面の問題もあるかと思いますけれども、それとこれとはまた別で、要するに、求める証言事項の内容いかんにかかっているというふうに思いますので、向こうの刑事免責の問題がなければ効果がないのではないかということは、必ずしも当たらないというふうに考えます。
○坂本(恭)委員 先ほども大臣の御答弁があったのですが、きのうも参議院の特別委員会で論議があったろうと思うのですが、三重県における大臣の発言ですね。新聞によっては書いている新聞、書いてない新聞それぞれあるわけですから、先ほどの大臣の答弁によると、正確に書いてあるかどうか、それは別にして、そういう趣旨のことをおっしゃったことは間違いない。あくまで推測ということですけれども、推測というのも、ある程度何らかの根拠がないと推測というのはできないんじゃないかというふうに私は思うのです。先ほどのいろいろな関係で、全日空とか丸紅とか、その辺とロッキード社と、その辺からいろいろな圧力みたいなものがあるというようなことですけれども、全日空と丸紅、その辺からロッキード社を通じて三名の証人あるいはその弁護人に何らかの工作が行われていると大臣はお考えでございますか。
○稻葉国務大臣 そういうふうに推定するのが常識だと私は言うているわけです。とにかくこの犯罪は国際犯罪ですからね。捜査の側も日米協力であれば、逃げる側も日米協力だと推定するのが当然じゃないでしょうか。
○坂本(恭)委員 逃げる側も日米協力ということでありますが、いまこの特別委員会では今後の証人喚問をどうするかということで、新聞等によれば、自民党の方は、国会議員の証人として喚問されるのをきらって、どうも休戦の提案をしたなどということが言われていますが、その中に、逃げる側に自民党の国会議員も入るのですか。
○稻葉国務大臣 そういうことを申し上げているわけじゃありませんね。ロッキード社と関係の、取引のあったその会社のことを私、言うているのですよ。あなたの推定は、また私からはみ出してえらい推定をされておりますが、そこまでは申しておりません。
○坂本(恭)委員 これはこれ以上余りやっても実りがなさそうですからあれしますが、そういう圧力、工作というものが行われると、まあ、そういう推測がされるというんであれば、そういうことがないように捜査の最高責任者としては何らかの行動をやらなければならないんではないかと私は思います。いかがですか。
○稻葉国務大臣 ないようにしようとして努力したって、やる方はどうしてもやりますからね、逃げる側は一生懸命になってやりますから。しかし、その厚い壁を突破してもこいつはつかまえてやろう、こういう努力はしなければならぬ。そういうことで、妨害があるようで、検察庁も、いま行っている二人の検事も御苦労なことだが、そういう壁は突破しなければならぬという意味も含めて、間接的に激励する意味の演説内容でもあるわけですな。そういう意味もあるわけですよ。
○坂本(恭)委員 その演説を全部聞いたわけではありませんからあれですが、そういうふうにとらえられるような発言を大臣がされたことは確かなわけですから、その辺は、昨年も改憲集会出席問題でいろいろ取りざたをされたわけですから、その辺は慎重にお願いをしたいと思います。
○稻葉国務大臣 私は、言動を慎めと言われて、言動については慎んでおるつもりでありますが、余り言論を狭めるということはやはりよくないですよ。そのくらいのことは言わしてもらわなければ、話にならないんだ。
○坂本(恭)委員 次の問題に移りますが、先週の衆議院の予算委員会あるいは特別委員会においても、いわゆる検察の捜査と国会での調査といいますか、これが車の両輪であるというようなことを発言されておりますね。ところが、何か聞くところによると、昨日どうもその問題について後退をした発言が行われたというようなことを聞いておるのですが、いかがですか。
○稻葉国務大臣 私は初めから、きのう参議院の委員会で申し上げたそういう意図で話しているんです。いま車の両輪と言われましたが、両々相まってという、国会の調査権と検察庁の捜査権と両々相まってというふうに私は申し上げて、車の両輪というのは、質問者がそういう言葉を使われたんで、そのまま私は、車の両輪です。したがってちっとも妨げありません、こういうふうに断言してはいないのですよ、そうは。それは言葉が足らないからそういうふうに聞こえたかもしらないけれども、本来ならば、刑事責任を追及してシロ、クロ、こうなってしまえば、ああ疑いない。こうなってしまえばクロには政治的道義的責任もついて回るわけですからね。まあ、世上言われているような人が全部クロというならば問題はないんだ。けれども、その中に漏れた者もあるというと道義的政治的責任が残るんじゃないか。こういう疑いのできたときに、それは捜査の職務じゃない。捜査当局の職務じゃない、その責任の追及は。それは国会の国政調査権に基づく責任の所在の明確化という国会の職務だ、そういうふうになるわけですからね。本来ならば、刑事責任のシロ、クロが明らかになったときに、国会のお出番でございます。こうなるのでございますが、(発言する者あり)こういうふうに、まあ原則的にはそうでしょうと思います。私は。そう思いますよ。しかし、この間みたいな、いいですか、この間みたいに大久保の逮捕、これは全く国会の予算委員会における証言がうそであったということが、捜査の結果、いろいろ調べてみたところが金銭の授受がある、しかるに国会ではこう言っている、だから偽証だ、疑い十分だというので逮捕できたわけでございますから、それは外為法なんかはすでに昨年の十一月、時効になっているから、これで逮捕するわけにいきませんので、そういう逮捕をした。いま目下調べておって、その入りはわかっているけれども、出はどうなっているかということを、いま一生懸命調べているわけでしょう。そういうことがありますから、きばっと捜査終了の段階において初めて出番ですというわけにはまいりません、これは。そういう意味で、両々相まって事件の全貌を解明すべきものでございますと。ただ、捜査進行中はなるべく証人などを呼んで、そしておまえは警察に調べられましたか、どういうことを聞かれましたか、こういうことを聞かれました、こういうことをやられるのは捜査に非常に妨げになるような面も出てくるおそれがありますので、やり方はひとつ十分あれしてやってください。それがお互いに両々相まっての態度ではなかろうかということを申し上げたのです。
○坂本(恭)委員 まあ、両々相まってやるというのを基本的な考え方として承ります。
 それとやり方の問題として、検察庁あるいは警視庁が捜査を行っている、それを妨害をしないというような形で国会の両院の特別委員会ではどんどんやるべきであるというふうに理解をしてよろしいですか。
○稻葉国務大臣 国会の国政調査権の行使の方法、その運営の仕方、委員会のやり方等はすべて国会がお決めになることでございまして、行政の関与すべきことではないと思いますね。
○坂本(恭)委員 両々相まってという中には、いろいろな要素が入っていると思うのですね。特にこれまであった疑獄事件と違って、ロッキード事件の場合には、アメリカの方からどかんと資料が入ってくるなりニュースが入ってくるなりということで始まった事件ですから、非常に国民の関心というのも強いし、逆に言えば、検察庁が内偵をするというようなことがなかなかできない、やる必要もなかったのかもしれません。そういう意味では、そういう手続的な問題も含めて、いわゆる刑事事件だけではなくて、いまいろいろ発言がありましたけれども、時効の壁を破るとかなんとかということになれば、いわゆる政治的な側面というのが非常に大きなウェートを持ってくるのではないか。そういう意味から、両々相まってという言葉が出てきたのではないかと私は思うわけですが、いかがですか。
○稻葉国務大臣 あくまでも両々相まって大いに協力し合う。だから、私は、この間の質問で、こういうことをやって証人なんかの喚問は妨げになるか、こう聞かれましたから、いや別に、こう言ったのです。それは妨げになるなんと言えば、妨げになるからやめてくれと言わんばかりのそんなことを言うことは、国会のおやりになることに対し、国会の運営にまかされることに対して行政が関与することになりますから、妨げになるなんという返事はできるわけがないじゃないですか。ただ、私はそういうふうに国会に対しても尊重している立場でございますから、捜査の方にもひとつ国会も尊重していただいて、やりやすいようにして願いたいものだな、こうお願いするわけですね。
○坂本(恭)委員 どうも先週のこの特別委員会の理事会の中で自民党の方がいわば休戦の提案といいますか、先ほども申し上げたのですが、休戦提案を出してきた。これはやはり、これから国会議員が証人として喚問をされるという時点に入ってきて、そういうような形で休戦、それをやめさせるために休戦というのを持ってきたように私は感じるわけです。そういう意味では、当委員会がいま両々相まってという言葉からいささか外れるような形で運営が行われるのではないかというふうに危惧をしているわけですけれども、大臣の方に対して、いまお話があったのでこれは了解をいたしますけれども、自民党の方から何らかの働きかけがあったのではないでしょうか。
○稻葉国務大臣 自民党の方から私に対してそういうことがあろうはずがないですね。私は検察庁という半ば独立の捜査機関を一般的に指揮、監督する法務大臣ですよ。それに対して党がそういう国会の運営のやり方についていろいろ干渉がましいこと、あるわけがない。また、そんなことあったって、こっちは鈍感だから、平気だがね。けれども、あり得ません。ありません。
○坂本(恭)委員 昨日の参議院の特別委員会における発言が、どうも後退をしたというようなことを聞いたので、先ほど申し上げたわけですけれども、その辺にも何か圧力なり働きかけなりというものがあったのではないかと疑いを持ったものですから、お聞きをしておるわけです。
○稻葉国務大臣 後退したと言うが、それが私には不満なんです。後退したと書いたのは新聞なんで、私は後退してないつもりなんです。事理はもう明確なんですから、両々相まってという事理は明確なんですから。私も非常に尊重してああいう発言をしているのですから、ですから、間々あったようなことについてはなるべくない方がいい、こういう少し不遠慮なこともちょっと申し上げた。こっちも御協力を申し上げ、そちらからも捜査についてはひとつ御協力を賜りたい。それがロッキード問題追及、真相解明の両々相まってのお互いの態度ではなかろうか、こういうふうに申し上げているわけですから、いまあなたが想像されたような、新聞で後退したなどと書かれているものだから、想像、あるいは自民党から圧力がかかって後退したのではなかろうかという疑いを持たれるわけでございますけれども、あなたと私の間でそんな疑いを持たれることは心外だね。心外だ、これは。いままでの友情にひびが入るくらい心外です。
○坂本(恭)委員 大変失礼いたしました。
 ところで、質問をかえたいと思いますが、六月二十二日に逮捕して現在拘置をされておる四名は、二十四日に勾留の決定が出ていますね。ということは、七月三日が勾留の満期になるのではないかというふうに思いますが、現時点でその四名に対する捜査の経過等から、七月三日の満期までにそれなりの処分ができるのかどうか、あるいは延長も考えておられるのかどうか。その辺をちょっとお聞かせください。
○吉田(淳)説明員 御指摘のとおり、二十二日に逮捕した関係者四名につきましては、二十四日勾留状が発付されて目下勾留の上取り調べ中でございます。それについて勾留延長請求することになるのかどうかということでございますが、これは実際に捜査の方針なり内容に関連することでございますので、ここで勾留請求するかどうかということは、お答えする限りではないと思います。しかし、検察当局としては、これらの関係者につきましての容疑を十分証拠によって固めて、これについての厳正な処理をするという方針で臨んでいるということだけは、かたく申し上げられるわけでございます。
○坂本(恭)委員 いわゆる被疑事実は、大久保については偽証、その他の三名については外為法違反ということで逮捕、勾留がなされていると思いますが、恐らくその捜査の中身というのは贈収賄が一番問題になっているのではないかと思いますが、いかがですか。
○吉田(淳)説明員 お答えいたします。
 現在逮捕している容疑事実は御指摘のとおりでございます。検察当局はそれぞれ、特に偽証罪につきましては法定刑も重く、重大な犯罪だと考えております。それぞれの容疑事実について調べをしておるわけでございまして、御承知のとおり、それらの資金がその後どういう形でどういうふうに流れていったか、その過程に贈収賄その他の不法行為があれば、もとよりそれも厳正に処理をするというふうに確信しております。
○坂本(恭)委員 この四名の被疑者については、検察庁が大久保、沢、警視庁の特捜本部が青木、植木というのを主として捜査をされておるようでございますが、この検察庁あるいは警視庁がそれぞれ分けて調べをするというのは、その捜査の対象について何か区別があるのですか。
○吉田(淳)説明員 ロッキード事件の捜査は東京地検と警視庁とそれから東京国税局とがそれぞれの分野で捜査を行っておるわけでございまして、特に丸紅関係につきましては従来警視庁が捜査を行ってきておるわけでございます。そのような分担と申しますか、それぞれの警視庁と東京地検の捜査方針につきましては、十分両者が打ち合わせをして協議をした上に決定したことだと報告を受けております。
○坂本(恭)委員 もう時間を経過しそうなんですが、一つだけ聞かしていただきたいと思います。
 先ほど法務省の方にお願いをしました児玉譽士夫の秘書の居所について、検討するということでありましたが、警察庁の方はどなたかおいでになっておりますか。――警察庁の方ではその居所等についてはつかんでおりますか。
○土金説明員 お答え申し上げます。
 その点については警察といたしましても把握しているものと思います。
○坂本(恭)委員 はっきり聞こえないのですが、警視庁の方としても把握しておるのですか。
○土金説明員 居所の問題ですね。調査しておるものと思います。
○坂本(恭)委員 その捜査しているというのは、現在所在不明ということですか。
○土金説明員 いや、そういう意味ではございません。
○坂本(恭)委員 それでは、その居所はわかっているわけですね。
○田中委員長 現に居所がわかっておるかどうかをお尋ねになっておるのですよ。
○土金説明員 わかっておるものと思います。
○坂本(恭)委員 それでは、そのわかっておるものを報告していただけますか。
○土金説明員 先ほど法務省からのお答えのとおり、検討の余地はあると思いますが、現在いろいろ児玉関係についても外為法違反事件の捜査中でございますし、そういう過程において個々のことにつきまして報告を申し上げるということは、できるなら差し控えさせていただきたい、こういうふうに考えます。
○坂本(恭)委員 時間が来ましたからこれで終わりますけれども、法務省の方は検討されるそうでありますから、検討していただいて、できるだけ出すようにお願いしたいと思います。
○吉田(淳)説明員 住所のことの程度だからよろしいのではないかというお話だと思うのでございますが、私ども検察当局の立場といたしましては、御指摘のように、任意でいま捜査の協力を得ていろいろの取り調べを行っておるという段階でございますので、やはり関係人の協力ということが捜査の進展に重要なポイントをなすわけでございます。そういう意味におきまして、捜査の過程で知ったという、そういう形で国会にお知らせするというのは、いろいろな意味で、たとえその住所程度のことだとはおっしゃいますけれども、やはりそういうことが心理的な影響としていろいろな形で影響するということをおそれるものでございますので、そういうことにつきまして、もしほかに御調査の方法があれば、その方法によっていただきたいというのが私どもの立場でございます。
○坂本(恭)委員 終わります。
○田中委員長 松本善明君。
○松本(善)委員 捜査当局に若干聞いた上で、運輸大臣その他に聞きたいと思います。
 児玉の強制捜査の問題がいま論議をされておりますが、法務省に伺いたいのは、いまのままで、任意捜査で児玉自身について効果を上げるという自信があるのかどうか、逃亡、罪証隠滅のおそれの問題についてどう考えているのか、伺いたいと思います。
○吉田(淳)説明員 児玉の取り調べにつきましては、二十数回にわたってすでに検察当局が取り調べを行っておるということは、先ほど申し上げたとおりでございます。
 検察当局としては、それらの調べの過程においてそのような罪証隠滅その他のものがあるか、そういう行為があるかどうか、そういうおそれがあるかどうか、そういう点も十分検討の上、現在このような方法をとっておるものと考えます。
 先ほど申しましたように、児玉につきましては、病状が前とさしたる変化がないということでございまして、そういうような状況も勘案して、現在の取り調べ方法が最善であり、最適であるというふうに考えて、その調べを行っているものと考えます。
○松本(善)委員 ちょっと、罪証隠滅のおそれがあるかどうか、それから任意捜査で効果が上げられると思っておるかどうか、この点について端的にお答え願いたい。
○吉田(淳)説明員 その点につきましては、検察当局としては、現在、先ほど申しましたような任意の取り調べの方法を行っておるのでございまして、きょう直ちに、御指摘のような罪証隠滅なり逃亡のおそれなり、そういうものがあると認めて強制捜査に踏み切るだけの必要はない、あるいは適当でないというふうに考えているものと思います。
○松本(善)委員 この児玉譽士夫はこのロッキード事件では中心的な役割りを果たしている、これはもう明らかであります。これは少なくも周囲と隔離をして捜査をするというようなことをしなければ、本当に核心に触れた捜査はできないのじゃないかと私は思うのです。それがいまのままでできるということでありますか。そういうことであったら、私は、もしできなかった場合には、罪証隠滅がされたとかそういうようなことが起きたら、捜査当局の重大な責任になると思います。だから、聞いているのです。このままでやっていけるという自信があるのか、罪証隠滅のおそれは全くないのかということを聞いているのです。それに対してあなたは明確にお答えにならないけれども、はっきり答えてもらいたい。
○稻葉国務大臣 逃亡はまあないと思いますね。これはあれだけの病気ですからね。罪証隠滅という点になると、おそれは私はあると思いますが、けれども、もし強制的にやって頓死でもしたら、これこそ困りますからね。そういう点をおそれて、恐らく、罪証隠滅のおそれなしとはしないけれども、そこまで踏み切れないのではなかろうかと、私、素人ですけれども、そういうふうに推定いたしますね。
○松本(善)委員 検察庁としては、そういう場合に病監に収容するということも可能なわけですが、そういう病気の者を収容して周囲と隔離をするという施設については、十分の施設を持っていますか。
○吉田(淳)説明員 施設といたしましては、拘置所にいわゆる病監がございます。で、病監につきましては、それぞれ専門家の医師がおりまして常勤しておりまして、かなりの各種の医療器材をそろえておるわけでございます。しかし、そういうふうに一応医療体制は整備されている施設はございますけれども、大病院等と比べますれば、やはり医療機関そのものとしては劣る点がございまして、たとえば重病の患者や大手術を要する患者等、急を要する患者あるいは重病患者等について、有事即応の医療ができるということでは必ずしもないわけでございます。そこが大学病院その他の病院とは違うわけでございます。
○松本(善)委員 ほかの病院からの協力を求めることはもちろん可能でしょう。
○吉田(淳)説明員 ほかの病院の医師を、たとえば拘置所にいる医師のほかに嘱託をして診察させるということは可能でございます。
○松本(善)委員 法務大臣に伺いますが、日本じゅうをひっくり返すような大騒ぎになっているこういう大犯罪ですね、こういうことであれば、私は、ある程度の肉体的、精神的苦痛をこうむるのは、これはもう当然のことだろうというふうに思うんですね。そういう点で、児玉が、ほかの大久保とかそれから沢とか、いろいろ逮捕をされている人がある、それと特別扱いをされるようなことは決してあってはならないと思います。そういう点についてはどうお考えか、伺いたいと思います。
○稻葉国務大臣 特別扱いするようなことは、断じてあってはいけませんね。ただ片っ方は、いま逮捕しているのは健康体であり、片っ方は病人ですからね。病人と健康体の間にはやっぱりそれだけの差が出てくるのは、それが不平等な取り扱いとは言えないんじゃないでしょうか。しかし、そんなことを――本来、健康体であれば私は当然逮捕して取り調べていると思いますよ、私の個人的な考えですが。けれども、不平等な取り扱いなどは断じてあってはいけない、そう思います。
○松本(善)委員 臨床尋問を二十数回検察庁はやっているわけですが、児玉譽士夫は国会の臨床尋問には応じないという返事をしてきておる。これは検察庁と同じ条件ならできるのは当然だと思うし、主治医の喜多村医師もそういう回答をよこしてきているわけですけれども、国会の臨床尋問に応じられないような病状と捜査当局は把握しているのかどうか、この点について伺いたいと思います。
○吉田(淳)説明員 検察当局が取り調べをしているのは、その都度医師に立ち会わせて、医師の指示に従いながら調べをしているというのが続いているわけでございます。しかもきわめて短時間に行っている、それで、必要ならば休憩を与えるというような状況で調べを行っているわけでございます。
 国会の証人喚問に耐えられるかどうかという点でございますが、これは私どもが申し上げるよりも、結局医師の判断に従っていく以外にないと思うのですが、聞くところによりますと、脳梗塞後遺症が、依然としてその状態が続いておるというのでございますので、国会の証人喚問に耐えられるかどうかは、医師の御判断に待つ以外にないのじゃないかと思いますが……。
○松本(善)委員 警察庁に伺いますが、鈴木明良が原田憲氏の紹介で大庭氏のところへ行ったという問題が、このロッキード事件では問題になっておりますが、この件について、鈴木明良の調書にそういう趣旨のものがあるかどうか聞きたいわけですが、この鈴木明良はどういう機会に、いつ、どこで逮捕をされてどうなって、調書はどこにあるのか、その点を警察庁に伺いたいと思います。
○土金説明員 お答え申し上げます。
 御指摘の件は、大庭証人や長谷村証人が国会において、原田代議士の名前が出ている鈴木明良の調書は築地署か赤坂署にあるのを見た、こういうふうな証言をされたと思うのですが、それにつきまして、警視庁の調べによりますと、昭和四十四年の十月に築地署が大庭念書問題を調べた際には、あの事件は、その当時は刑事事件としてはちょっとむずかしい、刑事事件にはならない、こういうふうな判断だったために、鈴木明良の調書は作成しておりません。
 また、赤坂署におきましては、昭和四十五年七月二十一日に鈴木明良を、これは詐欺罪でございますが、詐欺罪で逮捕して取り調べた上、七月二十二日にその事件を東京地検に送致しております。したがって、当時の調書等関係記録はその際に、身柄とともに事件記録として送致いたしておりますので、その中に原田代議士の名前が出た調書があったかどうかということにつきましては、現在警察に記録が残っておりませんために、はっきりいたさない実情でございます。
○松本(善)委員 法務省に……。
 この鈴木明良の記録はどこにあって、その調書の中に原田憲氏の紹介で鈴木明良が大庭氏のところへ行ったという記載があるかどうか、お答えいただきたい。
○吉田(淳)説明員 鈴木明良に係る確定記録は、東京地検において現在保管中でございます。現在、本件、このロッキード事件の捜査の関係で必要がありますので、そういう確定記録は現在捜査部において保管しております。
 それで、御指摘のような記載があるかどうかという点でございますけれども、それはないと聞いております。
○松本(善)委員 三月一日に大庭氏が証言をした後、この鈴木明良が大庭氏に原田憲氏から紹介されたという件について、だれか国会議員から、国会の関係者から警察庁に、ないし、あるいは中央署、築地署に問い合わせた人があるかどうか、これを伺いたいと思います。
○吉田(六)説明員 多分そのころだったと思いますが、秦野先生より、いわゆるM資金に絡む原田先生の紹介用名刺について、私に問い合わせがございました。その内容は、原田先生の名刺を警察が保管しているのかどうかということでございます。M資金融資問題につきましては、すでに国会で答弁いたしておりますとおり、当時、警察としては、築地署や警視庁が、警視庁の捜査二課でございますが、警視庁で相談を受けてはおりますが、刑事事件にはならないということで、事件処理をいたしておりません。したがいまして、そのような名刺を保管していることはあり得ないわけでございます。そのような趣旨で、ございませんというようにお答えしております。しかし、お答えする前に、事務的に警視庁にも問い合わせいたしましたが、警視庁も、そういう名刺がないということは当然のことでございますので、警視庁といたしましても、築地署や中央署に聞くまでもなかったのではないかというように思っております。
○松本(善)委員 築地署、中央署に原田氏、原田氏の秘書が問い合わせたということがあるかどうか、その他国会議員が直接問い合わせたことがあるかどうか、これを伺いたいと思います。
○吉田(六)説明員 国会関係者から、築地署や中央署に直接問い合わせがあったということはなかったと思います。長谷村氏から問い合わせがあったかどうかについては、承知いたしておりません。
○松本(善)委員 運輸省と法務省に若干聞いておきたいと思います。
 本日もいろいろ問題になりましたが、四十六年二月の大型ジェット機の導入延期の行政指導、これはトライスター問題に関するこのロッキード疑獄のいわばかなめになる点であります。そういう点で伺いたいのでありますが、先ほども運輸大臣は、政府の方針はともかくとして、航空会社の方で早くやりたいというのが、二月の行政指導で大きく変わっていったということは認められたというふうに思うわけです。これは証言でも、朝田日航社長もこの行政指導はおかしい、シャンボの国内線転用を認めて二カ月もたたないうちに、こういう、それを見合わせろというような行政指導が来るのはおかしいということを、言葉どおりですが、そういう証言もしていますし、全日空の松田常務も証言で、機種選定の動きは、初めはスピードが上がらなかったけれども、四十六年の一月にはもう大体意向が固まっていたんだ、これが二月の航空局からのサゼスチョンで気が抜けてストップになった。こういう四十六年二月の行政指導が大きな変化を来したことは明確であります。この件についてコーチャン証言によれば、ロッキード社は機種決定の延期をさせ時間をかせぎたかったんだ、そして児玉と小佐野に時間かせぎの手伝いをしてもらって、そしてうまくいったんだという、この機種決定の延期の行政指導というのは、四十七年までずっと続いて、結局決まるわけですけれども、この経過と疑惑というのがこの件については非常に重要であります。
 私はこの委員会でいろいろ議論をされているのを聞いておりますが、この主な議論は、いまから見てこの二月の行政指導は正しかったということを得々として運輸当局は答弁をしておられるけれども、そういう問題ではとどまらない。この四十六年二月の行政指導について何らかの働きかけが行われたのかどうか、ここは何らかの不自然さがないかどうか。これはもう証言でも不自然であったということは、日航も全日空も言っております。それから児玉、小佐野との関係はどうなのか。こういうことを調べるのが、ロッキード事件の真相の解明のために運輸大臣がしなければならぬことです。ただ、いま政策的にあれはよかったかどうか、これはロッキード委員会のやるべきことではない、普通に運輸委員会がそういうこと一切なしでやることです――私はいままでのいろいろ運輸当局の議論を聞いていると、そこの考えが間違っているんじゃないか。
 運輸大臣に私はまず最初に伺いたいのは、そういう意味でのコーチャン証言があって、これは法務大臣も信憑性は高まったと言えるというふうに言われています。そういう働きかけがあるいは四十六年二月の行政指導についてあったかもしれない、その疑惑を晴らすというのがこの委員会の任務である、あるいは運輸大臣の仕事である、こう考えてこの委員会に出てきておられるかどうか、これをまず運輸大臣に考え方を伺って、先に進みたいと思います。
○木村国務大臣 当時の行政指導をするに至りました理由、運輸省の考え方は、先ほどの佐藤委員の御指摘のような八つばかりの理由があってやったわけでございます。いまお話のように、背後にいま言われておりますロッキード疑惑関係に絡んでの何らかの働きかけがあってそうやったのかどうかという点、もちろんこういう事件の中でわれわれは行政上の調査をいたしておるわけでございますから、当時の担当者にも十分ただしてみたわけでございますが、外部からの働きかけとかあるいは圧力とか、そういうことによって当時の方針を決めたということはございません。これははっきり申し上げておきます。
○松本(善)委員 運輸大臣、あなた、ないというふうに言われるけれども、これから捜査がそこに行くかもしれないですよ。そんなことは断言できますか。あなた、橋本運輸大臣なんかに聞きましたか、あるいは佐藤政務次官なんかに全部聞きましたか、働きかけがあった方について、すべて調べ尽くしてそんなことを言っているんですか、お答えいただきたい。それはまだわからぬというのじゃないですか。
○木村国務大臣 私の力でできる限りの調べはいたしました。その結果、そういう働きかけはないということを確言をいたしておるわけでございます。
○松本(善)委員 後で聞きましょう。
 法務大臣もしくは法務省の当局に聞きますが、政策的に仮にこれが正しくても、刑事事件としても単純収賄や請託収賄は成り立ちます。もし政策を曲げていれば、枉法収賄になるということはあり得ると思うんです。そういう意味では、やはり政策的に正しいかどうかということの判断だけでは済まないというふうに考えますが、この点については法務当局、どういうふうに考えているか。
○吉田(淳)説明員 お尋ねは贈収賄についてのことだと思いますが、贈収賄は職務に関して金品である賄賂を収受すれば、それによって成立するわけでございます。職務の誠意、不誠意の問題は別問題でございます。
○松本(善)委員 いま法務当局の答弁のとおりでありまして、私はこの委員会の審議をもっと深めていかなければならないと思いますが、ここでさらに伺いたいのは、この行政指導は、日航が抵抗し、全日空は、先ほども言いましたように、機種選定をストップするということでありますから、相当強力であります。これはもう延期してみたらどうだというようなことを事務当局が聞くというような、そんななまやさしいものじゃないです。結果を見れば。そして日航は七十万ドルも保管料をボーイングに払うわけでしょう。これはそんな簡単なものじゃないですよ。内村証言によりますと、内村氏は二月二十日には導入延期は念頭になかったというんです。証言で。そうすると、事務当局の発意で行ったというよりも、二月二十日の橋本運輸大臣がやりましたエアバス導入の消極発言、これが事の始まりでないかということを疑うのはもう当然なんです。運輸大臣は、このときの答弁が疑惑の対象になるということを考えて、この二月二十日の答弁を詳しく分析をしてみたことがあるかどうか。内村航空局長の答弁とそれから当時の橋本運輸大臣の答弁とが違っているのか、どういうふうに違っているのかということを、あなた自身検討してみたことがありますか。運輸大臣の答弁を聞きたい。
○木村国務大臣 当時の国会における局長あるいは運輸大臣の答弁、もちろん検討をしてみました。その結果は、やはり当時の国会における質疑応答あるいは当時の航空の事情、そういう点から考えて、二人とも導入には慎重にやるべきであるという考えを当時述べていたことは事実でございます。
○松本(善)委員 運輸大臣は、全く私は理解をしていない、検討していないという以外にないと思いますよ。この答弁をずっと前後、そんな長いものでありませんけれども、よく調べてみればわかりますが、この議事録によりますと、内村航空局長は、国内航空需要は急激な上昇をしている、国内線に大型ジェット機を導入しないと航空量はこなせない、時期とか機種決定というのは、空港整備の状況や今後の需要動向を考えて慎重に決定しなければならぬ。――ここで言っているのは、機種と時期を慎重に決めるということなんです。だから、内村氏もこの場で宣誓をして、導入延期を前提にした答弁ではないと言っているんです。片
 一方、橋本氏はどうですか。橋本氏は、安全性を理由に、エアバス導入を消極的にということを言っている。あくまで導入をおくらせてよいという答弁なんです。これは明白に内村答弁とは違う。あなたはそう読みませんでしたか、伺いたい。
○木村国務大臣 国会の答弁でございますから、答弁の側だけのを読んではいけないのでございまして、質問の方もよく読んでみないといけないわけでございます。橋本運輸大臣が答弁をいたしましたときの質問は、やはりあわてて導入することはどうか、慎重に考えるべきではないかという意味の御質問に対して、そのとおりでございますという意味で答えておるわけでございますし、また内村航空局長も、将来に向かって大型機を導入しなければいかぬということは、導入の時期の問題は別といたしまし七、これは運輸省も考えておるわけでございます。だからこそ、ただ四十七年という時期では余りにもオーバーな競争になるおそれもあるということで、二年ずらしたらどうかということでございまして、将来にわたって大型機を入れないとかそういうことではない。したがって、二人の答弁には若干ニュアンスの違いはあろうかと思いますが、根底的には違っていない、当時の速記録をずっと見まして、私はそういう感じを受けております。
○松本(善)委員 運輸大臣、同じ質問に対してずうっと答えていっているのです。それでいま運輸大臣の答弁を聞きますと、内村氏もここで導入延期を発言した、こういう趣旨ですか、あなたの言うのは。お答えいただきたい。
○木村国務大臣 導入延期をするとか延期をしないとかいうことには、内村航空局長は触れていないのでございます。
○松本(善)委員 そうすると、あなたは同じ趣旨だと言うけれども、ここで答弁されたことは導入延期をするということではないということですか。何ら特別のことは言ってない、橋本運輸大臣も導入を延ばしていいという趣旨のものではない、こういうことですか。私がこれを理解する限り、普通に理解をする限り、内村航空局長は、これは慎重にというだけで、導入延期は前提にしてないという答弁をしているのです。橋本運輸大臣の答弁は、明白に延ばしていいという答弁ですよ。導入延期していいという答弁です。あなたは同じだと言うならば、その答弁はどういう趣旨の答弁として同じだと言うのですか。これは事務当局の助けは要りませんよ。答弁を、この二十日の議事録を見ればわかる。そしてこの間の証言を聞いていればわかる。
○木村国務大臣 この内村局長の答弁を見ましても、こういう言い方をしておるのですね。「大型のジェット機というものを国内航空にも導入していくべきであろうというふうに考えております。ただし、その時期とかあるいは機種決定ということについては、なお、空港整備の状況でありますとか、あるいは今後の需要動向とか、そういうふうなことを考えまして慎重に決定していかなければならないと思います。」こういうふうに言っておりますので、私は橋本運輸大臣と根底的にはそう変わった考えではない、こう申しておるわけでございます。
○松本(善)委員 端的にお答えいただきたい。これは二人とも導入延期ということは言ってないということですか。エアバスの導入を延ばすということに関しては橋本運輸大臣も言ってない、こういう意味ですか。
○木村国務大臣 導入延期をやらないとか、それから導入延期をやるとかという明確な答弁ではなくて、慎重に考えなくちゃいかぬということを言っておるわけでございまして、なお補足して申し上げますと、運輸省自体が当時四十七年には導入するんだという方針は決めてないわけなんです。これはいままでも繰り返して申し上げておりますけれども、航空会社の五カ年計画の中で四十七年に導入したいということでできておったわけでございます。そこで、運輸省はその方針を認めたではないかということを言われるもとは、日本航空の四機の購入のときに三機LRを国内線に回すということがあの計画の中にあった、それをそのまま運輸省としては承知をしておいて新規の四機を認めたということは、裏を返せば四十七年に三機国内にLRを入れるということを認めたことになるではないかということが唯一の論拠になっておるように私は聞いておりますが、当時の事情は、先般も佐藤委員の御質問に答えたのですが、行政当局としてやはりそのときに、五カ年計画というものは承認を与えるものでも何でもございませんが、一応提示されておるわけですから、その中にそういうことが書いてあれば一応詰めをしてみまして、そしてこれは計画では四十七年に三機国内に転用するという前提で四機の承認を求めてきておるけれども、一体その四十七年に果たして導入できるかどうか、まだ方針も決まっておりませんぞ、それでもいいのかということの詰めはやっておくべきであった、これは私は当時の行政のやり方として反省をしなければいかぬと思いますが、それか唯一の――四十七年に航空会社の方で大型機を導入したいという一応の五カ年計画があったということでございまして、運輸省として四十七年に導入するという方針は決めていないわけでございます。したがって、その延期した延期しないというもとになります。四十七年という導入の時期というものを運輸省は別に明確な方針として持っていないということが前提でございますので、その点はひとつ誤解のないように御理解をいただきたいと思います。
○松本(善)委員 それからLRの国内線転用を日航に認めるということで、ここが二月から変わっていくことはもう明白なんですよ。それから機種選定の合同委員会の発足もあります。これはどこから始まったかというのが重要なんですよ。私は橋本発言から始まっていると思います。あなたの言うように、橋本発言はそんなことに触れていないのだということになるならば、日航が抵抗をし、それから全日空が機種選定をストップするということが、事務当局から始まったということなんです。重大な問題ですよ。これはトカゲのしっぽ切りだと盛んに言われておりますけれども、そんなことがあり得るわけがない。一監督課長が言っていったくらいで全日空がストップする、日航が死にもの狂いで抵抗する、そんなことはあり得ない。山元監理部長、あなたが行政指導をしたということになっておる。なっておるでしょう。あなたが全責任を負うということになるのですよ。あなたから始まったのですか、この四十六年二月の行政指導。お答えください。
○山元説明員 お答えいたします。
 先般来大臣、航空局長から御答弁申し上げているとおり、私が当時の監理部長と当時の日本航空、全日空の機材計画につきまして検討を加えた結果、大型ジェット機の導入時期につきましてはどう考えればいいかということで部長と相談いたしました結果、四十九年度が適当と考えるけれども、この問題については両社でよく検討させ、また両社で話し合うことが適当であるという結論に達しましたので、航空局長の了承を得ました上、私から両社に対しまして、四十九年度に延ばした場合にどういう問題点があるかということについて検討してほしい旨、伝えたものでございます。
○松本(善)委員 あなた、ちょっと、あなたにとっても重大な問題が来ているのですよ。私が聞いているのは、あなたは上司に何にも相談せずにこれが始まったのですか、あなたのところから始まったのですか、大臣や局長も知らないで始まったのですか。それだけ端的に答えてください。
○山元説明員 私は当時監督課長をいたしておりましたので、事務的に上司と相談したものでございます。
○松本(善)委員 運輸大臣、この件について橋本登美三郎氏に詳しく事情を聞きましたか。お答えいただきたい。
○木村国務大臣 当時のことでございますから、当時の運輸大臣にも事情を聞いたのでございますが、いま山元部長が言ったようなとおりでございます。
○松本(善)委員 この四十六年二月の行政指導がどういうところから始まったかということは、このトライスター関係で本当に中心的な問題です。そして、それから後、四十七年まで続いていくわけです。そういう意味では、橋本元運輸大臣に証人としてこの委員会においでいただいて、そして証言をしていただくという以外には、この審議は進まないのです。私は、この点について委員長に篤とお考えいただいて決定されることを期待したい、こういうふうに要望して、質問を終わります。
○田中委員長 坂井弘一君。
○坂井委員 捜査が周辺から核心に向かいまして、かなり進展を見せつつあるようでありますが、法務大臣、近い時期に中間報告をやるおつもりはございませんか。
○稻葉国務大臣 もう少し進んで、捜査当局が何か重大なことを引き起こせば、その際には中間報告をすべきだと思いますが、まだそういう時期に至っておりませんので、近い時期にというのは、どの程度の近い時期かということになりますが、まあ、両三日中にというふうには考えません。
○坂井委員 法務大臣もある程度この捜査終結の時点のめどを腹組みとしてお持ちのようだし、最近の伊勢における講演会での発言の中にも、二カ月とか……。そうなりますと、やはり捜査当局もかなり急ピッチで鋭意事件の解明、捜査の終結を目指して、進展をするであろう、こう期待するわけであります。したがって、中間報告につきましては、法務大臣は、やはりかなり克明に、そしてまたこの終結に向かうあらましについても当然報告をされてしかるべきだと思います。お伺いいたしますと、近いと言ったって、まだ二、三日とかどうとかいうようなところまでは考えていないということでございますので、できるだけ早い機会に中間報告をされるように要請をしておきたいと思います。
 そこで、同じくこの間の伊勢の発言の中で、いわゆる全日空とか丸紅などの事件関係者がロッキード社を初め米側の関係者と通じて、政府筋の名前を知ることは可能であろう、したがって、そういう筋から今度は嘱託尋問に対する妨害行為が行われるということも想像にかたくない、これは私の常識的推論である、こういう趣旨の発言をされておるようでございますが、私も全くそれは常識的推論であろうと思います。
 そこで、法務大臣は、恐らくやそうした政府筋の名前については、逆の立場から当然知り得るお立場にあると思います。捜査当局等から法務大臣は、この事件関係者の政府筋についてはお聞きになっていらっしゃいますね。
○稻葉国務大臣 私は聞いておりませんし、聞かない方針でございます。
○坂井委員 そうしますと、逮捕された四人というのは、これは政府筋じゃございません。その四人以外に事件関係者、要するに、きわめて有力な容疑者ですね、そういうことについてもお聞きになっていませんか。
○稻葉国務大臣 検察当局から報告のありますのは、捜査が進んで重大な段階に来た、こういう重大な容疑者が出てきたので逮捕に踏み切ります。十分に自信がこうこういう理由でありますというようなときにあるのでございまして、そういうときに、刑事局長を通じあるいは検事総長みずから――重大な段階に来たら報告はするんだろうねと前に言ったことがありますが、重大な段階に来たときには報告します。こう言っていますから、重大な段階に来れば報告があるものと思います。それは国会にこういうロッキード調査特別委員会ができておるのに黙っているわけにはまいらぬでしょう。当然報告すべきものだと私は思います。
○坂井委員 次に進めたいと思いますけれども、嘱託尋問につきまして、大久保が逮捕されたことに関係しまして、これは米側から提供された資料が有力なやはり証拠になり得たということでございますが、嘱託尋問が大変おくれておる。このことに対しましては、これが今後の捜査の進展にきわめて大きな影響を持つものであるか、つまり決定的な打撃になり得るかどうかについての見通し、感触はいかがですか。
○稻葉国務大臣 これはこの席で刑事局長もこの間答えたと思いますが、捜査の万全を期すためにはこの証言が必要である、後で問題を起こさない、万全を期するためには必要である、こういうお答えをしておりますが、そのとおりだと思います。
 ただ、私は、そのほかに、ああやっていろいろ証言をしまい、しまいというて、推定によれば、日米協力でやっているということになると、ますますこの証言が重要なものであるな、こういうふうに思いますものですから、何とかしてこの証言を持って帰ってもらいたい、こういう段階でございます。
○坂井委員 嘱託尋問の本当のねらいなんですけれども、これはやはり、一体ロッキード社の黒い工作資金がどういう流れを見せたか、つまりその行きつく先は政府高官筋に結びつく、いわゆる贈収賄罪の裏づけとして嘱託尋問が大変重要なんだ、ここにねらいを置いているということでございましょうか。
○稻葉国務大臣 被疑事実の内容につきまして申し上げますことは、捜査の多少妨げになるおそれなしといたしませんので、被疑事実の内容についていまの段階でここで直ちに御返答を申し上げかねます。
○坂井委員 嘱託尋問によって得られます証言の証拠能力というものが一体どの程度のものかということについては、いわゆる逮捕に踏み切るために非常に有効である、あるいは起訴するためにこれは活用しなければならぬ、さらに公判維持に必要なものとなる。いろいろの場面が想定されるわけでございますが、一部の意見といたしまして、いわゆる刑事免責によって得られました証言というものが、利益誘導に基づく証言として、公判で証拠として採用されない可能性もあるのではないかという、つまりそういう危惧の意見というものが一部にあるようでございますけれども、その点については心配がないということでしょうか。
○吉田(淳)説明員 具体的なことでございますので、私からお答えさせていただきたいのですが、御指摘のような判例は、昭和四十一年七月一日の最高裁小法廷の判決がありまして、その趣旨によりますと、起訴猶予にする旨の約束を信じてなした供述が、後で起訴になった場合にどうかということで、それは任意性に疑いがあることであるという判断をしております。しかし、それはただいま言ったようなケースでございまして、私ども今度の訴追猶予の措置をとる場合におきましてもその問題については十分法務当局としても検討したのでございますが、そのような心配は全くないと私どもは考えております。
 なぜならば、これは米国の裁判所で行われる手続でございまして、さらに証人側の弁護人もついておる席のことでございます。さらに、米国においては、イミュニティーという法制、慣行がある国において行われておる制度でございまして、ただいまの判例のケースとは全く事実を異にするというふうに考えております。
○坂井委員 いま一点伺いますけれども、いわゆるコーチャン、クラッター、エリオット等に刑事免責が与えられた場合に、これは事件関係者のいわゆる共同正犯以外の教唆犯あるいは従犯ですね、そういう罪の成立は不可能になるのではないかという心配に対してはいかがでしょうか。
○吉田(淳)説明員 ちょっとお尋ねの趣旨がよくわからなかったのですが、仮に国内の不法行為、仮定として贈収賄というような行為に加功したといたしますと、米側関係人につきまして日本の刑法の適用があると思いますので、その意味では法律上は問題はないわけでありますが、それについて訴追猶予の措置を与えれば、日本国で刑法を適用して裁判権を行使することはできないということになるわけでございます。ちょっと御趣旨を取り違えているでしょうか。
○坂井委員 いわゆる刑事免責のありますその場合に、共同正犯、これは問題ないと思うのですけれども、教唆犯とかあるいは従犯、そういうものの罪の成立が不可能になるんじゃないかということについては心配はないか、つまり、教唆であろうと従犯であろうと、刑事免責によっても十分立件し得るということかどうかということをお尋ねしているわけであります。
○吉田(淳)説明員 その点は全然御心配は要りません。刑事免責の問題は、その個人個人の、今度でしたら米側の証人についての責任の問題でございまして、別人である者には及びません。
○坂井委員 一方、米側の方ですけれども、コーチャンなんかは包括免責ということを望んでおるということでありますけれども、米側の免責の方はどうですか、見通しとしては。
○吉田(淳)説明員 米側における米法上のイミュニティー、免責の問題につきましては、私が申しますまでもなく実務取り決めで、そういう訴追を免除するような結果となるような措置まで援助を求めることはできないとされておるわけでございます。
 それは、こういう捜査の援助のことからそこまで要求するということが取り決めでできないというのは、これはやむを得ないことだと思っておりますが、先ほど申しましたように、コーチャン氏につきましては、チャーチ委員会等で証言をしておりますので、そういう限りでは向こう、米国の通説、判例によりますと、そういう事項についてはイミュニティー、自己負罪拒否の特権、証言拒絶権を行使することは、できないと私どもは考えております。
○坂井委員 幾つかの金の受け渡しといいますか、それに伴ういわゆるピーナツあるいはピース等の領収証あるいはディーク社からの送金等々、こうあるわけでございますけれども、時効が完成するという度合いの一番早い時期というのは、一体いつなんですか。
○吉田(淳)説明員 ちょっといま日にちを正確に申し上げることができないんでございますが、本年の夏ごろには時効にかかるものが出てくるものがあると思っております。
○坂井委員 もっと早いんじゃないですかね。七月の二十三日という時点じゃないんでしょうか。
○吉田(淳)説明員 お尋ねの点は領収証の日付等でお話しだと思いますけれども、私どもが問題にしておりますのは、それに基づく金品の授受の行為が、いつ行為として行われたか、その行為から、三年の時効であれば、三年を経過すると時効が完成するということでございまして、その事実関係いかんによるものでございますから、私、先ほど余り明確なことを申し上げられなかったのでございます。
○坂井委員 贈賄罪の時効が三年だ、ところが、一方収賄の方ですね、収賄罪の時効が成立していない場合には、贈賄側の時効三年が成立しておっても当然これは調べると思うのですが、そうした場合、この間の大久保の逮捕のように、外為法違反、これは成立しておった、しかしながら、外為法違反であったということを明らかにしたというごとく、すでに成立をした贈賄等についても公表するというようなことも今後あり得ますか。
○稻葉国務大臣 あり得る場合もありますし、あり得ない場合もございますね。それは国会の調査権にどの程度政府が協力するか、最善の協力をするということによって御理解願いたいと思います。
○坂井委員 国政調査権に最大の協力をするという点で理解していただきたいというのでありますが、そのとおりであれば、実は理解したいと思う。これは行く行くいわゆる灰色高官、灰色部分の公表に対して非常に大きな手がかりになる問題であると思う。したがって、そういう意味でお尋ねをしたわけであります。
 それから法務大臣に伺いたいのですが、先ほどいわゆるこの調査特別委員会における今後の証人喚問が、捜査がいま新しい段階に入ったという折でありますので妨害になり得る場合もあるじゃないか。つまり、それはどういうことかというと、一体あなたはいつ検察に呼ばれたかとか、あるいはその内容にわたって聞くというようなことをやられると困る、お互いに両々相まってでありますから、そういう点については、これは常識的にという意味でおっしゃったんだろうと私は思う。したがりて、これはまさに運用の問題でありまして、確かにそういう点について配慮をしていくならば、これは捜査の妨害にはならないのは当然のこと、むしろ両々相まって、さらにこの事件真相解明に向かって両者は車の車輪のごとく進展をする、私はこう思うわけであります。したがって、法務大臣は、もし仮に捜査の妨害になり得るという場面があるとするならば、それは具体的にどういうことが捜査の妨害になるのか、いま私が申し上げたようなことが、これは尋問者において控えるとするならば、捜査の妨害になり得ないということを明言できると思いますけれども、その点についてひとつはっきりしておいていただきたい。
○稻葉国務大臣 証人喚問の内容いかんでございますから、十分国会でそういう点の配慮が行われると思います。その配慮が行われれば、捜査に妨げがありますなどということを言えるわけないのです。
○坂井委員 結構でございます。確かに私ども、これからいわゆる国政調査権に基づきまして真相解明に向かってこの調査特別委員会がさらに機能しなければならぬ、こういうふうに思っております。また、証言者がみずから証言台に立ちまして、積極的な、みずからの意思によってここで述べる証言については、これを制約する何物もない。これは、証人として宣誓をいたしまして、そして全く本人の自由な意思によって積極的に証言をする、また、過去の事実に基づいて正確に証言をするというのが、国政調査権に基づき、かつ、議院証言法に基づく証言者の権利であり、かつ義務であるわけでありますから、そういう点についてもわれわれとしては十分配慮しなければならぬ、実は私は個人的にそういう見解を持っております。したがって、そういう意味合いにおいて、いまのような点について、法務大臣のおっしゃったようなことについて配慮をするならば、何ら捜査の妨害になり得ないというように理解をいたします。確認するまでもないと思いますので、そういうふうに理解をしておきたいと思います。
 そこで、実は警視庁の特捜本部が、太刀川恒夫に対して強要罪容疑の準備を進めておる、きょうにも強制捜査に乗り出す、あるいは逮捕に踏み切るのじゃないかというようなことが報道されておるわけでございますけれども、そういうことでございましょうか。
○土金説明員 お答え申し上げます。
 ロッキード事件の関係については捜査いたしておりますが、けさの新聞に出た問題につきましては、ちょっといま申し上げかねる次第でございます。
○坂井委員 じゃ、もう一つ聞きましょう。
 全日空が輸銀の幹部を供応したということについてお調べになっていますか。
○土金説明員 ロッキード事件につきましては、その全容を解明するためにいま全力を挙げて捜査をやっておるわけでございまして――そうでございますけれども、個々の事案についてはいまは差し控えさせていただきたい、こういうふうに存じます。
○坂井委員 運輸省に伺いますが、この間、二十三日の証人喚問で、内村証人が、全日空が購入いたします例のトライスター二十一機、まあ、現在十八機、この二十一機の機数は多い、七、八機多い、こういう証言であったわけでありますが、つまりこのことは、四十七年の七月一日の大臣通達によりますところの各路線の総合平均利用率、これは幹線が約六五%、ローカル線が約七〇%、これに照らしても多い、同時に、当時の全日空の便数から見ましても二十一機というのは多い、七、八機多い、こういう証言であります。二十一機を認めた根拠、これは何ですか、どこにあったのでしょうか。
○松本説明員 お答えいたします。
 全日空が現在ロッキードに対して発注している機数は二十一機、こういうふうに承知をしておるわけでございますが、しかしながら、その最後の三機につきましては、私どもに対する所要の手続、私どもと申しますか、政府に対する所要の手続は終わっておりません。したがいまして十八機まででございます。現在、稼働しておるのが十四機でございます。十四機につきましては、御要望があれば御説明できるわけでございますけれども、それぞれの路線に張りつけて現在運航をしておるわけでございますので、現時点におきまして全日空が運用をしておりますトライスターの数というものが特に多くて余っておる、こういうふうには必ずしも考えておりません。
○坂井委員 二十一機が多いか少ないか。二十一機については七、八機多いという内村証言であります。そのことに対する、明確にひとりお答えをいただきたい。
○松本説明員 内村証言で七、八機多いというふうに明確に内村前次官が申し上げたとは私ども聞いていないわけでございまして、その時点で、二十一機という数字については私どもは承知をしていないわけでございます。
 四十七年の十月から四十八年にかけまして最初の正式に発注をいたしましたのが六機、それから続いて八機の正式の発注が行われまして十四機になり、さらにそれに四機が加わりまして十八機になって、そして十九、二〇、二一の三機分については一応全日空としては契約がなされておる、こういうふうに承知をいたしておりますけれども、私どもとしてはまだこれについて何らの手当てをしていない。現在私どもが承知しておる機数については、先ほど申し上げたように、そう多い数であるというふうには考えていない、こういうわけでございます。
○坂井委員 つまり第一回の承認、第一回の申請、これが四十七年の十月三十日、つまりトライスターに機種が決定した同日でありますが、この第一回の申請、同時に承認、これが六機。この際の六機を承認することにつきまして、その手続、そしてこの六機の運輸省が認めるという根拠、そして一体どういう方法によって申請が出され、承認されたかということについてお答えをいただきたい。
○松本説明員 先生いまおっしゃいましたように、最初の六機につきましては一括して手続がなされておる関係上、その最初の六機についてまとめて、一番機についての例をもとにして御説明を申し上げます。
 最初のこの正式の契約を全日空が行いましたのは、四十八年の一月十二日に六機の契約がなされたわけでございます。これに関連いたしまして、私どもの方に対して所要の手続がなされてまいります第一段階が、輸入割当の申請のための通産省からの問い合わせがございます。このときにおきましては、この六機という機数が入ってまいりました場合に、所要の路線に張りつけて余ってしまうことがないかどうか、こういう非常にマクロ的な見方でこの機数というものの判断をいたしまして、マクロ的な判断において支障なかろうということを通産の方に返答をいたしておるわけでございます。
 しからば、現実にどこにどう張りつける、こういうのはどの段階で出てくるか、こういうことでございますけれども、四十八年の十二月になりまして事業計画変更の申請が出てまいったわけでございます。この時点におきまして、現実にどのように機数をふやしていくかということを検討し、さらに四十九年の二月十二日にはどの路線にどのように張りつけるか、こういうふうな具体的な申請が出てまいったわけでございます。いずれも事業計画の変更の申請でございます。これに基づきまして、当時の輸送量、路線の構成等を勘案し、具体的にこれらの機材を張りつけることが可能であるという判断のもとに、これらの事業計画の変更を認可した、こういう次第でございます。
○坂井委員 計画書、出されましたか。口頭による了解として承認したのですか。その辺はどうですか。
○松本説明員 御質問のその了承の時点が最初の輸入承認の時点であるといたしますならば、その時点においては航空法上はしかるべき手続を踏むことになっておりませんので、私どもは事情を聴取した上でしかるべしという判断をしたわけでございます。
○坂井委員 全日空のだれが運輸省のだれに、口頭で了解を求めて口頭で承認をしたのですか。
○松本説明員 私のお答えが多少混乱しておったとすればおわび申し上げますが、しかるべしという返事をいたしましたのは、運輸省の担当官から通産省の担当官でございまして、運輸省がそういうマクロ的な判断をいたしました根拠となりましたものにつきましては、先ほども申し上げましたように、これが航空法上の手続ではございませんので、しかるべき資料を求めてマクロ的に判断をした、こういう次第でございます。
○坂井委員 通常は計画書が出されておるんじゃないですか。東亜国内航空等の場合は計画書を出した。四十八年の二月七日、十四機、DC9、それを運輸省はその後検討に入りまして、そして二カ月半以上もたった四月の二十八日に八機これを承認した、こういう経緯を追っているようであります。トライスターの場合には、機種決定ですよ。四十七年十月三十日機種決定。決定と同時に申請。それは口頭ですよ。それで運輸省が口頭で了解。そういうことではないのですか。そうでなければ、その事前にそういう話があったのですか。
○松本説明員 ただいま先生仰せのDC9の場合には多少事情が異なっておりまして、これのジェット化につきましては計画を出して承認をとるように、こういう指導をあらかじめしてあったわけでございます。したがいまして、DC9の場合におきましては、先生仰せのように、申請書が出されまして、それで二カ月かかって検討し、十分これでジェット化が可能であるということを判断した上で承認をした、こういう手続を踏んでおります。
 それから全日空のトライスターの導入の時点におきましては、四十七年の十月三十日に、このように機種を選定したという旨の、これは口頭の報告でございます。次いで、ただいま申し上げましたように、全日空において契約が行われ、そして輸入承認のための問い合わせが通産省の方から回ってきました時点におきましては、私どもは航空法上の手続ではございませんから、認可の申請とかそういうものではございませんけれども、単に口先で聞いたということではございませんでしかるべくデータを求め、その上に立ってマクロ的な判断をして、しかるべしという返答を通産省の方にした、こういう次第でございます。
○坂井委員 いずれにしましても、このトライスター二十一機を決めて、それから申請を出す、運輸省が承認をする、その間、通産、大蔵いろいろあります。この辺が他のエアラインと比べましてずいぶんやり方が異なるといいますか、非常に便宜的なやり方が行われた、そういう感じでとんとんと一瀉千里で進むわけですね。非常に不可解であります。したがって、そういう点につきましてはなおやはり明快にしなければなりませんので、これは次に譲るといたしまして、残り三機ありますね。これは認めますか。適正ですか。
○松本説明員 残り三機につきましては、五十三年度以降の機材計画にこれを充当したい、このように全日空としては考えておるようでございますが、私どもに対してしかるべき手続が出てまいりました場合、一番大きな問題となってまいりますのは、現在、御案内のように、大阪空港にはジャンボあるいはエアバスのたぐいが入れませんので、こういうふうな問題でございますとか、あるいは成田の開港との関連における羽田の過密の状態とか、こういう点を十分踏んまえた上で、私どもとしてしかるべき判断をしたい、このように思っております。
○坂井委員 時間が過ぎておりますのでやめますけれども、追加分、なお追加、これの申請が出ておりませんか。公式、非公式を問わず、口頭であれ文書であれ、運輸省に対して打診はありましたか。
○松本説明員 本件が発生しました後におきまして、いわゆる伝えられます追加八機分というものがあったかどうかということを全日航に調査をいたさせましたが、そのようなプロポーザルがあったが何も処置をしていない、こういうふうな報告を私どもは聞いております。したがいまして、対運輸省としては全く何らの手続も措置もとられておりません。
○坂井委員 終わります。
○田中委員長 永末英一君。
○永末委員 四十四年の十月二十八日のことですが、警察の方に伺いたいのです。警視庁の捜査二課で、当時全日空の長谷村顧問とアイデアル工業の錦織会長等が参りまして、いわゆる香港融資事件についての話し合いをやったということが、本委員会における証言で出ておりますが、そのときの経過をひとつ御報告願いたい。
○土金説明員 お答えいたします。
 私ども報告を受けておりますのは、警視庁において、昭和四十四年の十月に全日空の常勤顧問の長谷村資氏から、全日空社長名の三千億円の融資あっせん依頼書等が鈴木明良を通じて人手に渡っているので回収したいがどうしたらよいかという相談を受けたわけでございますが、刑事事件として取り扱うことはむずかしい、こういう状況であったために、当事者の話し合いで解決するよう指導したということがあるわけでございます。ただいまの御質問はこのこと以外のことのようにも思われますが、私どもで把握しているのは、このことについては、これで事件処理に至らなかったので、具体的内容はわかっておらない、こういうことでございます。
○永末委員 そのいわゆるM資金問題に関連してでございますが、十月の下旬に香港から融資の道がついたという電話が全日空にございまして、その件について長谷村顧問は警視庁の捜査二課でその電話をかけた相手方であるアイデアル工業の会長等と話し合って、一応いわゆる香港資金問題はあなた方の立ち会いでちょんになった、こういう報告があるのでございますから、正確に客観的に事態を把握しておられるのは警察に違いない、こういうことでございますので、御報告を求めたのです。
○土金説明員 お答え申し上げます。
 その話は私ども報告を受けておりませんが、当時原田代議士とか大石代議士などの名前は出ていなかった、こういうふうに聞いております。
○永末委員 それはまた別の話なんで、この件についても本委員会に招致いたしました証人の証言には食い違いがあるわけである。だから、第三者であるあなた方のこの件に関する報告を承れば、大体内容はわかると思うので質問しておるのですが、いま御存じなければ、お調べ願って御報告願いたい。よろしいですね。
○土金説明員 調査をしてみたいと思います。
○永末委員 ただいま丸紅の大久保、それから全日空の沢、植木、青木等が逮捕、勾留中でございますが、現在の勾留期間はいつ切れますか。
○吉田(淳)説明員 二十四日に勾留状が発付されて勾留をしておりますので、七月三日が満期だと思っております。
○永末委員 七月三日には起訴し得る自信がございますか。
○吉田(淳)説明員 鋭意取り調べ中でございまして、その時点で起訴できるかどうか、いまお答えできる限りではございません。
○永末委員 先ほど、勾留延期等は、まだそのことについて言及する時点ではないというお話がございましたが、これは仮定でございますが、勾留延期ないしは特別延期をやるということになりますと、最終的な期日はいつになりますか。
○吉田(淳)説明員 七月三日が十日の満期でございますから、それからさらに十日間ということでございます。
○永末委員 それは勾留延期でございまして、さらに特別延期をやるということはございますね。それを加算いたしますと、最終的には何日になりますか。
○吉田(淳)説明員 お尋ねの点は、十日間の勾留延長のほかにさらに特別の五日間の再延長する場合があり得るんじゃないかというお話じゃないかと思うのですけれども、これは刑事訴訟法二百八条の二によりまして、刑法の一定の罪、内乱罪とか騒擾罪の罪について、そういう場合に再延長として五日間以内で延長することができるという規定がございまして、ただいまの事件については、そういう事件ではございませんので、そういう道はございません。
○永末委員 法務大臣、お聞き及びのとおり、延期をいたしましても十三日が、一応今回強制捜査に踏み切った対象の人については十三日が最終日である。したがって、先ほど嘱託尋問等の日数の関係と勘案しつつ考えますと、やはり十三日というのはあなた方の仕事としては非常に重要な日取りになりますね。したがって、十三日までに一応起訴、不起訴を決定し得るという自信があればこそ、あなたは二十二日の逮捕のことを了承されたのだと思う。あなたはこの強制捜査に自信があるということを本委員会で言われたわけでありますから、十三日までには自信がございますか。
○稻葉国務大臣 それは検察当局の腕を信じておりますから、私はそういうことを非常に期待し、また、それから同時に国民の期待でもある、その期待に十分応じてくれるということを確信しておる、こうお答えする以外にありません。
○永末委員 いま逮捕と申したようですが、強制捜査という意味でございますので、もし逮捕であれば、訂正いたしておきます。
 さて、いま嘱託尋問に関してロッキード社の方がきわめて頑強な抵抗をいたしておる、この抵抗いたしておる目的は、法務大臣は何だとお考えになりますか。
○稻葉国務大臣 関係者一同捜査の網をくぐって逃げようという目的であります。
○永末委員 逃げようということなんですか、時間かせぎをしようというのでしょうか、どちらに重点があるとお思いでしょうか。
○稻葉国務大臣 両方あると思います。どちらに重点ということ、私はわかりません。両方に重点を置いているというふうに思います。
○永末委員 相手方の主張点は、わが方が刑事訴訟法二百四十八条による免責を与えよう、こう言っているにかかわらず、そのことの不確かさということを論点にしているようでございますが、わが方はそのことを相手方にのます自信はおありですか。
○稻葉国務大臣 これは法律論でございますから、わが方の説明者は非常に法律論の達者な男でございますから、相手を説得できるというふうに思います。その点については。
○永末委員 相手方はアメリカの国内法における免責をかち取りたいと考えているようには思われませんか。
○吉田(淳)説明員 先ほどもお答えいたしましたとおり、刑事免責の問題は二つの側面を持っておると思いますが、証言を求める事項については、日本国内でどのような活動を行ったのかということについてでございますので、もちろん米側の証人がどういう心境でいるか、そこははかりがたいわけでございますが、ただいまのようなわが国の訴追免除の措置で有効に対処し得る。そのことで裁判所に現在その法律的な性質を説明して説得をしているという段階でございます。
○永末委員 先ほど、手続問題については大体七月三日に裁判所の決定があるはずだ、したがってそれ以降実質的な尋問に入り得ると思う、こういうお話がございました。しかし、これが延びる可能性もあるのですね。延びる可能性としては、どういうことをお考えですか。
○吉田(淳)説明員 非常に特殊な手続でございまして、正確に申し上げるということはできないのでございますが、仮に三日に予定どおり免責等に関する裁定が行われたといたしまして、その裁定について不服の申し立てをするという道もあるようでございます。もしそうなりますと、また高裁に手続が戻るという可能性もあるようでございますが、しかし、果たしてそういう措置を証人側がとるかどうか、さらに、そういうことについては私どもまだ正確に把握しておりませんので、この段階ではどういうことになるかは何とも申し上げかねます。
○永末委員 最悪の場合には、先ほど私が触れましたように、免れたい、また時間を引き延ばしたいといえば、最悪の場合、時間引き延ばしの手段を講ずることは私は考えておかなくてはならぬ。法務大臣は先ほど、いよいよ実質的な尋問に入れば十日間、こう言われましたが、もし引き延ばされますと、十三日には間に合いませんね。その十三日の段階でもし間に合わない場合にも、やはり法務大臣としてはある決定をしなくちゃならぬことになりましょうね。そのお覚悟はおありですか。
○稻葉国務大臣 それは私の覚悟の問題ではないので、検事総長の覚悟の問題でありますね。
○永末委員 それではお伺いいたしますが、コーチャン等に対する嘱託尋問は、これは証拠にするおつもりですか。
○吉田(淳)説明員 もちろん証拠資料にするつもりでございます。
○永末委員 それでは、先ほどのあなたの答弁のように、十三日には間に合わない場合があり得るということを想定いたしますと、証拠にしたいけれども、証拠はそろわなくても十三日には起訴をしたい、こういうおつもりでございますか。
○吉田(淳)説明員 これは先ほど大臣からもお答えいたしましたように、米国における証人尋問が実施されることが最善のロッキード事件の捜査の方法としてぜひそれを実現したいのでございますが、それがなければどうしても国内の捜査が処理できないということではないのでございまして、検察当局としては、国内の捜査でいろいろ独自に集めた資料あるいは実務取り決めに基づいて提供された資料等々を総合勘案しまして事件の処理を図るということは十分可能だと考えております。
○永末委員 五月二十四日の本委員会におきまして、この嘱託尋問等は、わが方は起訴、不起訴を考える当たっての条件であるかどうかをただしましたところ、その時点では答弁することを差し控えさせてくれと、こういうお話でございました。いまは、条件ではないと言われますね。
○吉田(淳)説明員 この点については、昨日の参議院の委員会でも局長からも話があったと思うのですけれども、両方並行して行う。そして米側証人尋問の結果が得られるならば非常に最善なものになるという関係にあるわけで、それがなければ国内捜査が一歩も進まないということではございません。
○永末委員 アメリカ側から資料がいろいろ来ているようでございますが、このSECの資料は当然持っておられると思いますが、アメリカ上院の外交委員会多国籍企業小委員会における秘密公聴会の資料も受け取っておられますか。
○吉田(淳)説明員 実務取り決めに基づいて提供を受けますのは、直接は米国司法省から提供を受けております。米国司法省が御指摘のような種々の機関から提供を受けたものを、実務取り決めに基づいてほとんどその全部を提供を受けているというふうに承知しておりますが、どこの資料をどこから提供を受けたかということは、実務取り決めの秘密保持の取り扱い上御勘弁願いたいと思います。
○永末委員 この外交委員会多国籍企業小委員会で秘密公聴会をやったり、あるいは本件が世の中に出ました以後、追加資料の提出をロッキード社に求めたりしたものについては、いまの取り決めに従って日本政府に渡すという新聞報道がございましたけれども、そのことが確かに来ておるのかどうかということを確かめる方法がないわけでございまして、それはあの共助協定に該当するわけですか。内容を聞いておるわけではない。そういう資料が来ておるか来ていないかということで、あとあなた方に聞く以外に確かめる方法がないわけであります。私は、本委員会としては知りたいところだと思いますので聞いておるのですが、いかがですか。
○吉田(淳)説明員 まことにごもっともなことだと思いますが、実務取り決めに基づいて米側資料の提供を受けておりますのは、数回を超えております。それには種々の資料が含まれておると聞いておりますけれども、私どもその内容についても、どんな種類のものかについても承知しておりません。
○永末委員 法務大臣は、二十三日の本委員会におきまして、いわゆる灰色の高官に該当する五つのケースというものを説明されました。メモのようなものでございますが、総理と御相談されましたか。
○稻葉国務大臣 二十三日の私の申しましたのは、あなた、いま灰色高官に当たるもの五種類というような意味でお尋ねになりましたが、そういうことを言っているのじゃないのです。私のは、犯罪の捜査をやったけれども起訴できなかった場合はどういうことがあるかということを、一般法律論として申し上げたので、それがいわゆる世の中に言われている、わけのわからない言葉ですが、灰色高官に当たるという意味で言っているのじゃないのです。それはそういうふうに誤解のないようにしていただきたいと思います。私どもの方は灰色なんということを言うたことがないのだから。それはマスコミがつくって、一般国民が何となくシロ、クロの中間みたいな意味で言うているにすぎない。こっちはシロかクロかしかないのです。ですから、クロにならない場合は、いろいろ捜査はしたけれどもクロにならない場合はこういう場合があるということだけを法律論として申し上げたのです。
 そのことを総理に言うているかと、言うてないです。
○永末委員 法務省としましてはクロかシロかを決めるということですが、あなたは政治家として、国務大臣でもいらっしゃるし、そして総理がこの件についての政治上、道義上の責任の所在もあわせて明らかにしたいと言っておられることは御存じのとおりである。
 さて、あなたが五つの場合を挙げて、不起訴になる場合はと、こういうことのケースを挙げられた。それは一般に言う灰色の部面に該当すると思われますか。これは法務大臣という立場をのけて、所管している法務省の所管大臣ということでなくて、国務大臣として考えられた場合に、そのうちの一つであると思われますか。
○稻葉国務大臣 世間で言われている灰色という定義は、私にはわからないのです。起訴できなかった場合の五つ、こんなことが法律論的に考えられる。そしてそれはいわゆる議長裁定に基づく国会の任務とする政治的道義的責任の追及に値するものでその五つは全部あるのかどうだかということは、まだ私、確定的に申し上げられないのです。そこまでの知識がないのです。
○永末委員 不起訴になるケースでございますから、それは黒色ではないことは確かである。しかし一般の無関係な人をシロといたしますと、要するに、それに該当者が出て、そして不起訴になったケースのものについては、一般の無関係者をシロといたしますと、シロではないわけでございますね。起訴されていないからクロでもない。となりますと、やはり中間色ということになりませんか。
○稻葉国務大臣 それはわれわれの方の職務上シロでもクロでもないと、こういうことでございます。
○永末委員 あのケースの中で、事実はあるが情状から訴追を必要としないと、この情状というのがよくわからないし、事実というのもよくわからない。この二つをひとつ御説明願いたい。
○稻葉国務大臣 さっき申し上げました五つはシロです。われわれの方から言えばシロ。
○永末委員 さて、いま言い直されまして、シロでもクロでもないと最初言われたが、シロであるとおっしゃった。法律的にはシロである、政治的道義的に言えばシロとは言われないものがこの中から出てくる、こういうふうに解釈してよろしいか。
○稻葉国務大臣 国会の立場で、政治的道義的責任追及者の立場から言えば、それはシロではないという御判断をなさるのでしょうな。
○永末委員 さて、その五項目の中で、先ほど伺ったのは、事実はあるが情状によっては訴追を必要としない。事実というのはどういうものであり、情状というのはどういうものなんでしょうね。非常に概括的なケースでございますから、これ、御説明願いたい。
○吉田(淳)説明員 大臣がおっしゃいましたのは、刑訴二百四十八条に即して申し上げたのだと理解しております。すなわち「犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。」という検察官の処分の場合でございます。
 事実につきましては、事実の軽重、その動機あるいは金額、犯罪自体の軽重でございます。
 それから情状というのは、その金額、金品の多寡とか動機とか、いろいろなことがこの情状に入ってくると思います。
 それから犯罪後の状況というのは、その後一般に改俊の情があるかどうかというようなことも入ってくると思います。
 しかし、本件のロッキード事件について直ちにそういうことが適用できるかどうか、その点は別問題でございまして、一般的に法律の制度として、刑事訴訟法の制度として、不起訴の場合には、そういう種類の起訴便宜主義の採用としての不起訴があるということを大臣が申し上げたにとどまるものだと思います。
○永末委員 二百四十八条を援用されますと、贈賄の事実はあったけれども、それは、いま嘱託尋問で刑事免責をこちらの方から言って、それによって証言を求めようとしているというのは当たるようでございますが、収賄にまで当たるというぐあいにはちょっと考えられない。しかも、いま吉田課長は一般的なことを言ったというのですが、この問答はそもそも本委員会でロッキード事件の処理に対して法務大臣の見解を求めたときに出てきたのだから、やはりロッキード問題といえば、金銭の授受ということがいまの捜査の対象であるとしますと、贈賄と収賄しかないのであって、贈賄はいまのような形でやっておるとするならば、収賄だけが残ってくる。もっとも贈賄側も、わが方に贈賄者が出る可能性もございますね。だから、やはり贈賄、収賄という事実があった、しかしながら情状によって訴追しないケースがあるんだ、こういうぐあいに言っておられるのですか。
○稻葉国務大臣 私は、その五番目に挙げた問題について御質問を受けているわけですがね。ロッキード問題に関して言うたのだから、その五番目に当たる場合はなさそうなものじゃないかという御趣旨のようですね、そんなものは起訴したらいいじゃないかと。まあ、そういうことにもなろうかと思いますが、余り小さいのはどうですかな。そして、よく世間で、雑魚ばかりで、大物を逃がすんでないかと言われますからね。ですから、きちっとしたところをきちっとやれば、そういう余り小さいのまで――ならない場合も出てくるわけで、わかりませんけれどもね、そういうふうになった場合によらなければわかりませんけれども、それもケースとしては挙げておいてもよいのではないかと思って挙げておいたわけです。
○永末委員 法務大臣、大きいと小さいとの差別はどこで決めてますか。
○稻葉国務大臣 そうですな、大きい……、犯罪の大小ですか、仮に贈収賄について言えば、金額の多寡ということ、それから、その地位だとか、そういうことはやはり大きい方で、そうでない方は小さい方と、こうなるのじゃないでしょうか、一般論ですけれどもね。
○永末委員 私は、いまのような判断の基準で、大小で、小は逃がしていいというようなことを了承するわけにはまいりません。
 さて、今回の犯罪というのは、国際的にアメリカ側にも原因がございます。アメリカ側の人間が、これは贈賄側が国外犯ということになりますと、これはどうも成立しないように思いますが、どういう御見解ですか。
○吉田(淳)説明員 私どもの考えといたしましては、国内でたとえば贈収賄その他不正の行為、不法行為が行われて、その不法行為について共同正犯もしくは幇助、教唆等の行為が外国でたとえ行われましたとしましても、国内の、わが国の刑法が適用できる。それは共犯従属性説によって適用できる。本犯の行為に従属するというふうに考えております。
○永末委員 いまのところでは、一切の関係者は国内犯として全部立件できるという容疑で捜査を進めている、このように解釈してよろしいですね。
○吉田(淳)説明員 私はただいま刑法の解釈としてそうだということを申し上げたので、具体的にそれを、捜査がどのような形で進んでいるか、それはいまお答えいたしかねるわけでございます。
○永末委員 終わります。
○田中委員長 それでは、次回は明日七月一日、午前十時より理事会、十時三十分より本委員会を開きます。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時三十六分散会