第077回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第22号
昭和五十一年八月十二日(木曜日)
    午前十時三十二分開議
 出席委員
   委員長 田中伊三次君
   理事 大橋 武夫君 理事 亀岡 高夫君
   理事 谷垣 專一君 理事 中村 弘海君
   理事 松永  光君 理事 田中 武夫君
   理事 横路 孝弘君 理事 松本 善明君
   理事 坂井 弘一君
      宇都宮徳馬君    上村千一郎君
      小山 長規君    佐藤 文生君
      菅波  茂君    瀬戸山三男君
      古屋  亨君    稲葉 誠一君
      大出  俊君    斉藤 正男君
      楢崎弥之助君    松浦 利尚君
      庄司 幸助君    三浦  久君
      鈴切 康雄君    河村  勝君
      永末 英一君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 稻葉  修君
        通商産業大臣  河本 敏夫君
        運 輸 大 臣 木村 睦男君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長
        官)      井出一太郎君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局長 土金 賢三君
        防衛庁長官官房
        防衛審議官   夏目 晴雄君
        法務省刑事局長 安原 美穂君
        外務省アメリカ
        局外務参事官  浅尾新一郎君
        大蔵大臣官房審
        議官      徳田 博美君
        通商産業省機械
        情報産業局長  熊谷 善二君
        運輸省船舶局長 謝敷 宗登君
        運輸省航空局長 高橋 寿夫君
        運輸省航空局次
        長       松本  操君
        会計検査院事務
        総局第五局長  東島 駿治君
        ロッキード問題
        に関する調査特
        別委員会調査室
        長       中里  煥君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 証人出頭要求に関する件
 ロッキード問題に関する件
     ――――◇―――――
○田中委員長 これより会議を開きます。
 ロッキード問題について調査を進めます。
 質疑の通告があります。順次これを許します。まず、松浦利尚君。
○松浦(利)委員 私の持ち時間は三十分ですから、簡潔にお尋ねをいたします。
 御案内のとおりに、四十七年の七月一日、エアバスの四十九年度延期という通達を運輸省が出したわけでありますが、それに見合う成功報酬としてユニット領収証が出されておるということは、間違いない事実であります。四十七年の十月三十日、それから四十七年の十一月六日、一億二千万の金が流されておるわけでありますが、この四十七年七月一日の通達をめぐりまして、運輸省内部でも相当混乱があったということを私たちは情報として聞いておるわけでありますが、この前、田中委員長を通じて捜査当局の方に、当時の四十七年七月一日文書の起案文書のかがみを本委員会に提出してもらいたいということをお願いいたしましたが、どういうわけか、依然として提出がありません。したがって、具体的にお尋ねいたします。
 四十七年七月一日の文書通達に対して、運輸省当局は運輸省の省議というものを開いたか、あるいは航空局の局議というものを開いたのか。開いたとすれば、いつ開いたのか、その点をひとつ具体的にお聞かせ願いたいと思います。
○高橋説明員 お答え申し上げます。
 当時、省議にはかけておりません。また、局議等は開いておりません。これは決して異例のことではございませんで、立案係が立案いたしまして大臣まで決裁をとるということで執行することは常にあることでございます。
○松浦(利)委員 それは大変おかしいんですね。当初の閣議決定が修正されておる重要な文書を、省議も局議も開かずに通達をしたというのは大変異例のことなんです。文書の内容から言って、非常に異例のことなんです。
 それでは、さらにお尋ねをいたしますが、その起案文書にサインをした人はだれだれでありますか。
○高橋説明員 お答えを申し上げます。
 通常の航空局の立案文書の形に従っておりますが、航空局監理部監督課の立案係が立案いたしまして、航空局の中の決裁を済ましまして、官房を経て大臣の決裁をとったものでございます。通常のルートの全部のサインがしてございます。
○松浦(利)委員 その起案の立案者は、何月何日に起案文書を立案していますか。
○高橋説明員 立案文書の日付は七月一日でございます。これは形式的な問題であると思いますけれども、実質的にはそれ以前に決まっておったことでありますけれども、正式に決裁文書という形で起案いたしましたのは七月一日でございます。同日中に決裁をとったものでございます。
○松浦(利)委員 こんな重要な文書がたった一日で起案者から大臣まで――もちろん当時大臣は御病気でしたから、大臣決裁があったかどうかは私は把握しませんが、いずれにしても、そういうスピードでいくということは運輸省の場合はしょっちゅうあるわけですか。大臣、どうですか。あなたが大臣になられて、そんなスピード決裁というのがありますか、たった一日で。
○木村国務大臣 いま航空局長が申し上げましたのは、きわめて形式的な取り扱いのことを申し上げておるわけでございまして、一つの方針なり政策なり決めますのには、それに先立って長い間の検討の期間もございますし、またいろいろ内部では議論が出ておるわけでございますが、いよいよその中身が大体決まりまして、形式的に決裁文書として立案をするという段階になってきますと、もうそれまでに決まっておりますので、それを清書して一つの方針にして決裁をとるというやり方をいままでもやっておりますし、いまもやっておるわけでございます。したがって、いまの七月一日の大臣通達の中身は、すでにここでもいろいろ御質問がございましたように、前広にいろいろ議論をしてきた上での方針の中身が決定いたしましたので、それを様式行為として大臣決裁まで持っていく書面でございますので、当日の日付になっておる、こういうことでございます。
 なお、先ほどあなたの御意見の中で、閣議了解を変更した通達であるとおっしゃっていますけれども、変更いたしておるわけではございませんので、閣議了解事項のいわば実施要領的なもので、それをもう少し細かく砕いて運輸省の方針としたということでございます。
○松浦(利)委員 航空局長われわれが事前に承知をしておる範囲内では、サインをした人は限定されておるでしょう。そんなに起案者自身が、航空局監理部監督課からずっと起案文書が上がっていませんでしょう。上の方だけがサインされておるでしょう。しかも、赤鉛筆でサインしてあるでしょう。
○高橋説明員 これは通常の大臣決裁をとる文書の形に従ったわけでございまして、監督課の立案係が立案いたしまして、後、監督課長がずっと持ち回ってやったものでございます。運輸省では、最近決裁文書にはほとんど赤鉛筆でサインする例が多くなりまして、判こを押すよりもその方が多いわけでありまして、決して異例ではございません。
○松浦(利)委員 異例とかどうとかいうことじゃないんですよ。サインは全部赤でしてあるでしょう。印鑑を押した人がおりますか。
○高橋説明員 現物がいま手元にございませんので確認できませんけれども、運輸省の最近の慣習では、事務官とか課長ぐらいの人ですと判こを押す人がいますけれども、それから上になりますと、ほとんどみんなの人が赤鉛筆のサインで済ましております。
○松浦(利)委員 刑事局長にお尋ねしますが、この起案文書は、運輸省当局が捜査に協力するという意味で提出をしておる資料であって、捜査の対象資料だというふうにわれわれは聞いておらないのです。それを委員会の審査に必要だから、できれば田中委員長を通じてリコピーその他をもらえないかというお願いをしておったのですが、これはやはりここに提出することは捜査上支障があるのでございますか。
○安原説明員 その点につきましては、捜査当局に問い合わせましたところ、その文書を提出することは捜査上支障があるということでございます。
○松浦(利)委員 それでは法務大臣、この捜査上必要があるということで本委員会に提出がないとすれば、逆に言うと、大久保がサインをした二枚のこのユニット領収証は、明らかに四十七年七月一日の文書通達に係る延期に絡んだ報酬だというふうに、われわれは素人ですよ、そういうふうにわれわれは解釈できるわけですがね。法務大臣はどう思われますか。出さないのですから、ここに資料を。
○安原説明員 御推測は御推測でございまするけれども、ただいま御指摘のユニット領収証に係ります一億二千万円の使途については究明中でございます。
○松浦(利)委員 いま究明中だと思うのですが、要するにその四十七年七月一日の文書そのものは本委員会に提出がされておるのです。それはもうわれわれみんなもらって知っておるのです。問題は、その起案文書なんですよ。かがみ、それをつくるときに印鑑を押していった起案文書が、なぜその捜査の対象上必要なんですか。その解釈は、なぜ必要ですか、原文は出ておるわけですから。問題はそれにサインをした人が問題だというようにわれわれは理解をしますがね。
○安原説明員 御理解は御理解といたしまして、とにかく捜査に密接な関係があるから出せないということでございます。
○松浦(利)委員 刑事局長はもうそればっかり繰り返しておられますので、気持ちはよくわかりますが……。
 それでは、航空局長にお尋ねしますが、サインした人はだれだれですか。
○高橋説明員 課長レベルの方から申し上げますと、私の当時の配置されていた人の名前を記憶している限りで申し上げますと、航空局の監理部監督課長山本長、同じく総務課長范光遠、それから航空局監理部長山上孝史、航空局長内村信行、それから官房にいきまして官房長薗村、それから事務次官高林氏、それから政務次官佐藤孝行氏、大臣丹羽喬四郎氏であります。
○松浦(利)委員 審議官のサインはないですか。
○高橋説明員 失礼しました。審議官原田昇左右のサインがあります。
○松浦(利)委員 局長、そういう起案文書に係って審議官もやはりサインしなければならないような文書なんですか。
○高橋説明員 これは運輸省の中の文書の取り扱いの慣習でありますけれども、審議官制度ができましたときに、審議官というのは運輸省の中の重要な政策の企画立案を取りまとめするという立場でございますので、大臣決裁を要する文書の中でも、たとえば人事の発令とかあるいは物品の購入とか、いわゆるルーチンといいますか、運輸省の管理業務に関係することは審議官を通りませんけれども、運輸省の各局の政策に関連する文書でございますと審議官を通るという中の取り決めにしてございますので、通ったわけでございます。
○松浦(利)委員 刑事局長にさらにお願いをしますが、もうすでに名前が全部出たわけですが、なおかつ本委員会には支障があって、かがみは出されませんか。
○安原説明員 私は、名前がいま言われたから捜査の秘密としての秘密性がなくなると申し上げたわけではございませんので、ちょっと……。
○松浦(利)委員 わかりました。それでは、また改めてこの問題はさらに議論さしていただきます。
 官房長官がおいでになりましたから、官房長官に、時間がないそうですからお尋ねをして終わりにしたいと思うのですが、御承知のように、いま自民党の内部で大変な混乱が、俗に言う主流、反主流ということの混乱がありますが、私がいまから申し上げることは、決して三木内閣を支持しておるという立場で物を言っておるわけじゃありませんので、その点はぜひひとつ理解をしていただきたいのですが、自民党の総裁をだれにするかということは、私は、これは少なくとも自民党内部の問題だ、これをどうしようと自民党の勝手だと思うのです。しかし、少なくとも一国の総理大臣というのは、院の指名を受けて選ばれた総理大臣なわけですね。総理大臣がやめる場合は、私は三つの場合しかないと思うのです。一つは御本人が辞意を表明された場合、もう一つは不信任案が通った場合、もう一つは総選挙が行われた直後、次期首班指名の前、民意を問うという意味で総辞職する――召集の日ですね、辞職をする、この三つに限定をされておるのですが、それ以外にありますか。
○井出国務大臣 私もお説のように考えます。
○松浦(利)委員 これは私はぜひ考えなければならないことは、どうも最近の風潮は、総理というものを、総理個人というよりも総理というそのものを、与党の人たちが私しておるのじゃないか、自由自在にすげかえることは与党の力でやれるのだという風潮をつくってしまっておるのですね。そのことはわれわれ国会にとっては、私は重大な問題だと思う。少なくとも一国の総理というのは、そういう一つの政党政派に帰属して動かされるようなものじゃないと思っておったですね。
 そこで、あなたにお尋ねをするのですか、――いま三木擁護かという話ですが、私は三木擁護はしてませんよ、やめられるのは勝手ですから。しかし、問題は、いま動いておるようなやり方が、日本国の総理というものの地位を逆に低下させておるのじゃないか。総理の地位を低下させるという動きについて、きょうは私は三木総理に御出席していただきたいのですけれども、それができませんので官房長官に、直接いろいろな方、副総理や何かにもお聞きをして、それでは一体三木内閣あるいは自民党の総裁である三木さんは、総理というものはどういうものだ、今日の動きに対して、国民がこういう行き方についていろいろな批判を持っておるのだが、この点について、まあ世論という言葉がしょっちゅう三木さんの口から出るのですけれども、逆に言うと、こういった動き方、常に首のすげかえは一党一派でやれるのだというようなそういう風潮をつくり出そうとする動き、こういうものについて、私はこの際、いま政権を担当しておる総理でありますから、やはり総理の地位は守らなければいかぬ。権威を沈めていっちゃ、これは大変な問題ですからね。だから、そういった意味で具体的に三木総理の考え方、それを受けた官房長官の御答弁をきょうここでお聞かせいただきたいと思うのです。
○井出国務大臣 総理の地位というものは、国会の指名によって決定をされたものであり、その意味において非常に重くかつ高いものである、かように存じております。したがいまして、松浦さんお述べになりましたことと矛盾しないと私は思っておりますが、自民党の内部の問題等いろいろ報道もございますけれども、これはロッキード事件等による一つの衝撃もございましたから、それによっていろいろと動きがあるやに伝えられておりますけれども、それはそれとして、これは自民党として解決をしなければならぬ問題でございまして、私は、三木総理、世論の支持を背景にしまして毅然とした態度で国政の運営に当たっておる、かように信じておる次第でございます。
○松浦(利)委員 いまいろんな動きがありますね。きのうは福田副総理と会談なさいましたね。今明日は大平大蔵大臣ともお会いになるそうですが、お会いになることは私は結構だと思う。しかし、問題は、こういうふうにだんだん総理の地位を低下させておるというのは、やはり三木さんの責任ですね。もっと三木総理が毅然としており、あるいはあれしておればこんなことにならない。だから、そういうがたがたが起こってくるというのは、やはり反面三木さん自身にも責任があると思うのですね、いまの総理大臣にも。みずからが総理の地位をどんどん落としておるわけですから、そういうものについての御反省というものは、きのうお願いをしておきましたが、三木総理との間にお話はなかったのですか。こういう状態に総理の地位を低下させた、そういうものに対する総理としての責任というものについてはどういうふうに理解をしておられるのか、この点もひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○井出国務大臣 これも私が傍らで見ておりまして、その私の感触を申し上げるということに相なりますが、いま国の最高の責任者として、御指摘のような問題に対して一番深い責任を感じておるのは総理みずからでございましょう。さような意味で、党内の調整等にも意を用いて努力をしておるというのが現状でございまして、総理自身が仰せのような責任を一番強く感じておる、このことは申し上げておきたいと思います。
○松浦(利)委員 私はいま一つの大切なときだと思うのです。やれなければさっさとおやめになることだと思うのです。やめられるなら、もうやれないと思ったらさっさとやめられること。そうしないと、何か片一方の方は、与党内部でごたごた首のすげかえだとか人心一新だとか何とかかんとか言ってやっておる。片一方ではまた総理がそれに踊らされてあっちこっちふらふらする。自信がなければ、もう三つのやめる中の、私はやめますと言えばそれでいいわけでしょう。やはりそういう毅然たる節というものが私は必要だと思う。
 さらにお尋ねしますが、ロッキード事件あるいは間もなくあるであろう臨時国会の召集、こういったものについては毅然とした態度でやっていけるという御自信はあるのですね。
○井出国務大臣 出処進退は政治家として非常に大事なことであり、それはその最高の地位にある人みずからが決めることでございまして、そういう点は、責任の重大性からいいまして、御本人誤りなきを期しておる、こう思います。
 それから、この前あなたからの御質問にお答えしたことがありますが、ロッキード事件の真相の解明、同時にまた懸案、積み残し三法案というものも抱えておりまして、これは内閣として大きな責任があるわけでありますから、このあたりを勘案してしかるべき接点を見出して、国会の開会、召集、野党の皆さんにもお願いしたい。まだいまの段階でいつ幾日と申し上げることはできませんが、やはりその二つを果たしていかなければならぬ、これが内閣の責任だ、こう考えております。
○松浦(利)委員 もう時間が参りましたから、最後に一点だけお尋ねします。
 十一月十日、陛下五十年御在位記念祝典を開くということで御決定なさったようでありますが、この十一月十日は三木総理の手で祝典をおやりになるつもりですか。
○井出国務大臣 松浦さんは政局がらみと祝典とどうかというかかわりなどを頭の中に描いてお尋ねだと思いますが、これは慶祝行事でありまするから、十一月十日を期してこれをりっぱに挙行いたしたい、このことと政局とは直接のかかわりはないものだ、こう考えております。
○松浦(利)委員 法務大臣、香川での御発言で十一月七日説というのがありましたね。選挙は十一月七日と言われましたね。そうすると、十一月十日というのは選挙が終わった後に来る、こういうふうにそのときは思っておられましたか。そういうことの議論はなかったですか。そのとき内々決まってなかったですか。
○稻葉国務大臣 御在位五十年記念祝典が十一月十日にあるということは、香川の演説会のときにはまだ私、存じませんでした。
 それから、十一月七日、ぴしゃりとこう言ったのではなくて、十月の一番末の日曜日か十一月の初めの日曜くらいじゃないですかねと、こういう一代議士としての所感を述べたわけでございます。
○松浦(利)委員 十一月十日という設定が非常に政治的に意味を持っておるのですね。十一月七日であれば選挙後。この前は十一月十三日が解散なんです。だから、解散前か選挙後か、そういう絡みについて官房長官あたりにお聞きしょうと思いましたけれども、そこまではここで恐らくお答え出ないころですから、政治がらみの日程でないと言われながらも何か非常に政治がらみのような十一月十日という日にちの設定があったので、最後に質問させていただいたわけです。
 終わります。
○田中委員長 横路孝弘君。
○横路委員 きょうはちょっと従来の議論の角度を変えて児玉譽士夫関係について少しお尋ねをしたいのですが、児玉譽士夫がどうして戦後三十年間、これほどいわば日本の政界や財界の中に力があったのか、力というのは表の力よりむしろ裏の力ですけれども、やはりそういうことの解明なくして、政府高官を挙げただけでロッキード事件終わりということには私はならないのじゃないか。いわばこの事件の構造性ということが言われていますけれども、その構造性の一つというのは、こういう男がなぜこんなに日本の裏の世界で大きな力を持ったのかということにあるんじゃないかと思うのですが、法務大臣、あなたも面識があるようですけれども、どこに児玉譽士夫というのはこんなに力があったのか、その辺の理由というのは法務大臣、どういうぐあいにお考えになっておりますか。
○稻葉国務大臣 私はよくわかりませんね。それからまだ、こんなになる前にも別に、そんな力のある大した人物だとは思っていませんでした。
○横路委員 政界にも、これは相当な顔がありますね、彼の。ですから、これはあれなんですか、鳩山自由党結成以来の人脈の三木武吉、大野伴睦、河野一郎氏というようなことを言われていますね。何ですか、これはもっぱら金の力なんですか。
○稻葉国務大臣 金の力もあるでしょうけれども、あの人たちとしては児玉に人間的魅力を感じておったように私は思いますね。それで私などは、組むべからざるものと鳩山さんも河野先生も組んでるなという気がしておりました、組むべからざるものと。
○横路委員 現在の自民党幹事長の中曾根さんとの関係ということも、いろいろ言われていますけれども、これは河野派に彼が所属をしておったということなんですか。中曾根派としても、これは金の関係があったのですかな、どうですか。
○稻葉国務大臣 河野派春秋会は、児玉、萩原それから永田、こういう人が三金会というものの幹事役でやっていましたから、これはつながりがありましたね、金において明確に河野派春秋会は。この後の一派ですから中曾根派というのは、新政同志会は。それで続いたと思いますが、私の知る限りでは佐藤三選のとき以来、切れておるというふうに、この間ここで申し上げたとおりです。そういうふうに思っております。金の関係においては切れておる、こういうふうに思っております。
○横路委員 その金の関係は最後にちょっと、もう一度触れることにして、もう一つ児玉が力があったのは暴力が背景にあった、これがきわめて大きな要素を占めているのじゃないかと思うのですけれども、これはどうですか、法務大臣。
○稻葉国務大臣 その件になると私は余り詳しくありませんけれども、どうも、そうらしいと思わないかと言えば、そうらしいと思いますね。つまり消すぞとか、月夜の晩ばかりじゃないぞという性質の人物のように思いますが。
○横路委員 そうすると、そういうことだと思いながら、やはりつき合いを断ち切れなかったというのは、どういうことなんですかな。
○稻葉国務大臣 だからこそ私らの先輩では重きを置かない人物ですから、私は児玉譽士夫なる者については、そんな重きを置いていないのですよ。そして、ああそうか、そういうものか、河野さんも組むべからざる者と組んでいるなと言うて、四十三年、佐藤三選のときに、もう金の面においても、おつき合いをやめましょう、こういうことを中曾根君が言うから、いい考えだ、かねがねからそう思っておったと言って、ぴしっと切っているというふうに思いますがな。だから、どうして、そういうのと中曾根がつき合っていたかと言われても、つき合いを切ったのですから、御質問に対しては、そういうふうにお答えしますね。
○横路委員 切ったか切らないか、おいおい明らかになると思いますが、児玉譽士夫と暴力団の関係で、これはちょっと警察の方にお尋ねしたいのですけれども、おたくの方の暴力団を担当されているのは警察庁でいうと捜査二課になるのですかな。その辺のところに児玉譽士夫と暴力団との関係ということについての情報が入ってくるようになったというのは、大体いつごろからですか。
○土金説明員 お答え申し上げます。
 東亜同友会というもの、そういう連合組織が昭和三十七、八年ごろ主要暴力団が連携してつくろうという動きがあった、そのころからではないかと思われます。
○横路委員 ちょっと、しばらく警察関係の質疑を行いますので、こちらの方に来ておってください。
 この東亜同友会構想というのがあって、いろいろな動きが当時あったようですけれども、これに参加する予定だった組織というのは、どんな組織がございますか。
○土金説明員 先ほど申し上げましたように三十七、八年ごろ主要暴力団が連携して、そういった組織をつくろう、こういうことだったようですけれども、各組織が対立したために連合組織の設立に至らなかった、こういう情報を聞いておりますが、その設立の経過の詳細につきましては、古いことでもありまして、はっきりいたしません。ただ児玉譽士夫がその中心の一人だったという話は聞いております。
○横路委員 その主要暴力団というのは、大体どんな暴力団組織が予定されておったのですか。いろいろな経過の中で、これはかなり結成直前ぐらいまでいきながら、結局は山口組と東声会の対立で、たしか、つぶれたというふうに聞いておるのですけれども、当初予定されておった団体、それはどんな団体があるのか。
○土金説明員 先ほど申し上げましたように、その詳細は不明でございますけれども、その主要なものとしては山口組とか稲川会とか、そういうのが主なものであったように聞いております。
○横路委員 そういうものがと、こうおっしゃらないで、できるだけ明確に、これは皆さんの方では、かなりきちんと情報をとられておって、どういう団体か――これは後の関東会へといくわけですから、したがって、その辺のところを、もうちょっと山口組とか稲川会とかでなくて、大体どんなあれが予定されておったのか。児玉が中心になってやったわけでしょう。
○土金説明員 その後、関東会というものが結成されるに至ったようでございますが、大体その関東会の構成員になったようなメンバーではないか、こういうふうに思われます。
○横路委員 それはたとえば、どういうことを目的としたのか。これは綱領みたいなものだって、案としてつくられているわけでしょう。役職員だって予定されているし、どういう活動がどうかということも一応おおよそ概括、決まったところで、これはつぶれてしまうわけですよ。それは皆さんの方だって、きちんと知っておられるわけでしょう。だから、何か差しさわりがあるならば別ですけれども、そうでもなければ、この団体、どういう団体を予定されていたのかということ、皆さんが言わないわけもわかるのですが、そこをちょっと、はっきりさしてください。
○土金説明員 先ほど申し上げましたように、東亜同友会というのは途中で結成されずに終わってしまったわけでございますが、その後、関東会というのが設立されたわけでございますが……
○横路委員 その関東会は後で聞くからいいのですが、東亜同友会のメンバー。
○土金説明員 その東亜同友会のメンバーについては、設立されなかったわけですから、したがって、そのメンバーというのはわかっていないわけです。ただ、関東会の方は設立されたので、そのメンバーはわかっておるから、大体それと同じ。関東会については大体そういうメンバーではないか、こういうことでございます。
○横路委員 いろいろな暴力団の中身については関東会のところで聞きますが、そうすると、目的がどういう目的だったのか、どうしてつぶれてしまったのか、そういう経過についてはどうですか、警察の方では押さえているのですか。
○土金説明員 先ほど申し上げましたように、この設立が途中でだめになってしまった、こういうことで詳細はわかりません。ただ、じゃ、なぜ設立に至らなかったのかというと、その点については、各組織が対立した、こういうふうなことのために結局そういうことは設立されずに終わった、こういうことでございます。
○横路委員 これは規約案から綱領から大体もう決まっていたわけですよ。参加団体も山口組とか稲川会のほかに松葉会、港会、義人党、国粋会、東声会、北星会というような組織、大体その辺のところが参加しておったんじゃないですか。
○土金説明員 そういうようなことではないかと思います。
○横路委員 あなた方、答えたくないのはわかるのですよ。この活動の中に、いま私が指摘をした団体の構成員、幹部に対して政治教室を開講して、そして教養を身につけようということで、六カ月から一年ぐらい、そういう教養講座、政治教室なるものを開講する予定があったでしょう、どうですか。
○土金説明員 そういうふうなことは、あったということは聞いておりますけれども、確認はいたしておりません。
○横路委員 最後のところが、ちょっと気になるのですがね。講師はだれを予定されていたかということも警察でちゃんと情報をとっているでしょう。講師はだれですか。
○土金説明員 講師のことにつきましても、組織が中途で挫折してしまったために組織としての具体的な活動が行われていませんので、その事実については確認いたしておりません。
○横路委員 確認したかどうかは別にして、警察の方では、その講師がだれなのかということで知っているでしょう。
○土金説明員 確認いたしておりませんので、申し上げるわけにはまいりません。
○横路委員 いま話があった児玉譽士夫が中心になって昭和三十七年から三十八年、先ほど警察庁の刑事局長は主要暴力団という名前を使いましたけれども、主要暴力団組織が集まって、この組織をつくろうとしたわけです。これは結局は結成されないで、その後、関東会へといくのですけれども、このときに児玉譽士夫が中心になって政治教室を開講するということになって、この団体で予定をされた講師はだれかというと、これが現在、自民党幹事長である中曽根康弘氏と、それから、これは現在は国会へ出てきていませんが岡崎英城氏、この二人が、この政治教室の講師として予定をされておった。違いますか。
○土金説明員 そういう事実は聞いておりません。
○横路委員 岡崎英城さんという方、これは元警察の関係の方じゃないのですか、出身は。
○土金説明員 御質問の方は、旧内務省の先輩の方だと聞いております。
○横路委員 警視総監か何か、やったことがあるんじゃないのですか。違いますか。やってないですか。
○土金説明員 警視総監をやられたという話は聞いておりません。
○横路委員 そこで、中曾根幹事長については、ことしの三月に「権力の陰謀」という本が出版をされまして、これは九頭竜川のダムで水没をするある鉱山の社長さんが書いた本ですけれども、一千万円という工作費を児玉譽士夫に渡して、この本によりますと児玉譽士夫は、これを当時の自民党中曾根代議士と、あと何人かの人を使って工作をやらせたということが、この本の中に記載されているのですけれども、これに関連して何か告訴か何か出ていますか、中曾根氏の方から検察庁、警察庁の方に。
○土金説明員 いわゆる九頭竜ダム事件については、告訴は警察には出ておりません。
○横路委員 検察庁はどうですか。
○安原説明員 告訴を受理したとは聞いておりません。
○横路委員 この内容が事実ならば、これはどういうぐあいに法律構成するかというのは非常にむずかしいのですけれども、詐欺未遂事件に該当するのじゃないかということですな。水増しのいろいろな請求書をつくって工作をしたということになっているわけです。結局は、この本によりますと、河野一郎氏が亡くなったので一千万、本人に戻したということのようですけれども。金額を上げるために――もっとも詐欺未遂事件だといっても、これはちょっと時効にかかっているんじゃないかと思いますけれども、このことについては検察庁の方では何かお調べになったことはございますか。
○安原説明員 聞いておりません。
○横路委員 この本はお読みになりましたか。法務大臣、この「権力の陰謀」という本は読んでないですか。刑事局長はお読みになりましたか、読んでいませんか。
○安原説明員 読んだことはございません。
○横路委員 どういうところに問題があるかというと、中曾根幹事長が児玉譽士夫に頼まれてやったというだけじゃなくて、そのやった工作の内容が、いわば補償金を水増しをして、そのことをわざわざ、ある学者に頼んで、いわば補償金額を上げるということで電発に工作を行ったという内容なんでありまして、つまり、この本の内容そのものは犯罪行為そのものなわけです。この内容が事実ならば。したがって私は、そこに公的立場にある人としては問題ではないか。ただ事件は時効になっていると思いますけれども、その指摘だけしておきたいと思います。
 それで、次に関東会ですけれども、関東会が昭和三十八年十二月二十一日に結成されているわけですけれども、この経過はどういう経過ですか。これは結成されて、おたくの方でもって、あれして解散しているわけですから、さっきの東亜同友会よりは詳しく発言できるでしょう。いかがですか。
○土金説明員 関東会は、先ほどの御質問の東亜同友会が設立に至らなかったので、昭和三十八年末に関東地方の主要暴力団が集まって関東会という名称の連合組織を結成したという情報を聞いております。
    〔委員長退席、大橋(武)委員長代理着席〕
○横路委員 参加団体はどういう団体ですか。
○土金説明員 この組織に参加した団体は七つございまして、錦政会、住吉会、松葉会、日本国粋会、義人党、東声会、北星会、この七つであるというふうに聞いております。
○横路委員 当時、これらの団体については広域暴力団という指定を受けておりましたか。受けていた団体はどういう団体でしょうか。
○土金説明員 警察庁指定七団体というのを現在、行っておりますが、当時の団体で、その広域暴力団として指定を受けているのは錦政会、これはいまで申しますと稲川会のことでございますが、錦政会。それから住吉会、これはいまは住吉連合と申しますが、住吉会、それから松葉会、日本国粋会の四団体でございます。
○横路委員 当時の東声会、いま東声会というのはなくなりましたから、当時、東声会や北星会や義人党はどうだったのですか。
○土金説明員 中央における広域暴力団の指定は受けていなかったというふうに聞いております。
○横路委員 そこで東亜同友会から関東会へという結成の出発点になって、こういう暴力団の方は児玉譽士夫が中心になって結集したと言われているのですけれども、そのきっかけになったのは何かというので、よく言われていることはどういうことかというと、実は、いまから十五年ほど前の安保のときにアイゼンハワー大統領訪日という問題がありましたね。あのときに自民党安保対策委員会の下部組織にアイゼンハワー大統領歓迎実行委員会というのを橋本登美三郎氏が中心になって、八万名動員計画というのが立てられた。その動員計画に基づいて関東衆のそういう暴力団組織の幹部をグランドホテルに集めて、児玉譽士夫が中心になって動員計画を立てる。そこで児玉がいろいろと働きかけをするようになったのが出発点だと言われているのですけれども、これは警察の方では確認されていますか。
○土金説明員 確認いたしておりません。
○横路委員 さらに、これは話なんですけれども、このとき自民党から五億円以上の資金というものが提供された。結局アイゼンハワー大統領が来なくなったものですから、この五億円という資金をめぐって暴力団組織の内部でもって抗争が起きた、こういう情報が警察に入っているのじゃないですか。
○土金説明員 その問題についても確認はいたしておりません。
○横路委員 もっとも、話によると皇居から品川までを警察が担当して、品川から空港までは暴力団が警備するなんということ。これは話ですよ、話だから、あり得るのかどうかわかりませんが、いずれにしても、このときはかなり警備と一体になって、児玉譽士夫が集めた東亜同友会の出発になった母体ですけれども、それが、このときをきっかけにして生まれたと言われているわけです。いずれにしても東亜同友会の講師に政治家が予定されるというような事態ですね、これは本当に考えなければいけない点じゃないのかというように私、思います。
 ついでに組織暴力団のことを少しお尋ねしたいのですが、いま関東会に結集されたということで七団体、挙げられましたけれども、これの実態というのはどういうことですか。どういうような犯罪の実態にあるのか、最近のところでわかれば、お話しいただきたいと思います。
○土金説明員 広域暴力団につきましては、警察庁といたしましても、昨年九月以来、頂上作戦を展開して組織の壊滅を目的として懸命の取り締まりを行っているところでございますが、最近の広域暴力団の特徴について若干申し上げますと幾つかの特徴が見られます。
 その一つは、暴力団の中で少数支配の傾向が強まってきておる、いってみれば寡占化というような傾向が出ておる。つまり中小暴力団が吸収、合併されまして大規模暴力団への集中が進んでおる、こういう傾向が顕著であります。
 それから二つ目には、大暴力団の首領クラスの高齢化が進みまして、暴力団の組織における内紛的な状況が目立ちまして、経済的な資金関係からの進出と絡んで、それをめぐって対立抗争が昨年以来、非常に頻発しておる。それが昨年来、頂上作戦を展開しておる一つの根拠でもあるわけですけれども、そういうことがございます。
 それから三つ目には、資金源獲得活動として、従来は賭博とか覚せい剤というふうなことが主流をなしておったわけですけれども、最近は総会屋とか、あるいは金融関係への進出を強めて、資金源の多角化というふうな傾向が進んでおる、こういうふうな特徴が見られるわけでございまして、警察としても、そういった新しい傾向に対しまして焦点を合わせて取り締まりを行っておるところでございます。
○横路委員 この関東会に結集したと言われている七団体ですね。これには現在、解散したのもあると思いますけれども、この七団体で、どの程度の犯罪を行っておるのですか。
○土金説明員 関東会ということになりますと、ちょっと正確な数字はありませんが、現在なお広域暴力団についての取り締まり、いわゆる犯罪で警察が検挙している件数でございますが、これは五十年、一年間の統計でございますが、件数といたしまして、警察が取り締まった検挙した件数で、これは広域暴力団だけですが、六万二千百四十五件、人員にしまして五万三千五十八人を検挙いたしております。
○横路委員 それで、いま組織暴力団の傾向として、犯罪の内容が総会屋への進出、こういうお話がありましたね。そこで児玉譽士夫と総会屋ということも、全日空の大庭社長退陣等をめぐりまして、いろいろ言われているわけですが、総会屋というのは、いま大体どのぐらいおって、俗に児玉系と言われておるのは、どのぐらいおるのですか。
○土金説明員 現在、把握しておる総会屋の数は大体五千二百名ぐらいおるわけでございまして、その中で児玉の関係しておる者もあると思いますが、正確な数字はわかりません。
○横路委員 今度の事件が起きて、そういうところというのは全然捜査してないのですか、児玉系統の総会屋なんというのは。いま言ったように暴力団が進出しておるわけでしょう。すると、関東会に参加しておるのを一応児玉系統というふうに呼べば、その系統の総会屋というとどのくらいか。相当の数に上るのじゃないですか。
○土金説明員 もちろん捜査はいたしておりますが、結局、事件ごとに捜査を進めていくわけでございますので、特に児玉関係が何人というふうな数字をはじき出すということは困難でございます。
○横路委員 かなり、あちこちにたくさん配置しておったということは事実なんでしょう。
○土金説明員 児玉関係で、そういった総会関係に進出しておるという、いろいろの話は聞いております。ただ、そういう具体的な内容になりますと、いま、ここで申し上げるわけにはまいりません。
○横路委員 通産大臣、突然のことで時間もないようですから、ちょっと最初に簡単に聞いておきます。
 例の三光汽船がジャパンラインの株を買い占めたというときに、最後にジャパンラインと話がまとまって、三光汽船が買い占めた株をジャパンラインが買い戻しましたね。あのとき買い戻した株の総額というのは何株で、そのときは幾らでもって引き取っていったのですか、ジャパンラインの方で。これは、あなた当事者だから、よく知っておるでしょう。
○河本国務大臣 突然の御質問でございまして、資料がございませんので、あるいは若干正確を欠くかと思いますが、取引の対象になった株は一億四千万株で、価格は三百八十円であったと記憶します。
○横路委員 そうすると一億四千万株三百八十円という価格で、これは売買といいますか、株を向こうに渡して、すぐ、お金が入ってきたわけですか。
○河本国務大臣 取引が成立をいたしましてから支払いが済みますまでの間、一カ月ぐらいの期間はあったと思います。
○横路委員 総額で大体五百三十億円ぐらいになりますね。それがジャパンラインの方から入ってきたわけですか。
○河本国務大臣 その後、私の聞いたところでございますが、ジャパンラインは自分の取引先に、その株を全部持ってもらって、そして、そこから代金の支払いを受けて三光汽船の方に支払った、こういうことのようであります。
○横路委員 ともかく、お金は五百三十億まとまって、ぽんと来たのですか。
○河本国務大臣 一億四千万株のうち二千万株だけ、たしか早く来たと思います。それで残りが一カ月ほどかかって来たと思います。
○横路委員 通産大臣、これで結構です。
 それで大蔵省おりますか。このジャパンラインの方の五百三十億というお金は、株の割り当ても株主の間でいろいろしたようですけれども、一カ月間に、これだけの五百三十億という割り当てはなかなかうまくいかなくて、かなり日本興業銀行が中心になって銀行から融資したと言われているのですけれども、その実態はどうなっていますか。
○徳田説明員 お答えいたします。
 個別の金融機関の個々の取引につきましては御答弁いたしかねることを御了承願いたいと思いますが、ジャパンラインの有価証券報告書の四十八年九月期の分がございます。これは四十八年四月一日から九月三十日をカバーしているわけでございますが、これの短期借入金の項を見ますと、市地銀の項に日本興業銀行ほか十三行で、この期中に二十六億五千三百万円借り入れが増加しておりまして、一方において四十億の減少がございます。トータルでは減少でございます。これらを合わせまして当期におきます短期借入金の増加額が四十三億六千七百万でございまして、減少額が四十四億一千七百万でございます。したがいまして、この有価証券報告書で見る限りにおきましては、御指摘のような大きな金は、これらの金融機関から出ていないのではないか、このように考えられます。
○横路委員 これは検察庁の方にお尋ねしますけれども、その辺のところは解明されておりますか。つまり五百三十億というお金は、どんな形でジャパンラインの方から三光汽船の方に払ったのか。その間に犯罪行為が存在していたのではないかというのが水谷の逮捕ということになったわけですけれども、いかがでしょうか。
○安原説明員 先般、検察庁が捜査をいたしました水谷文一の所得税法違反事件は、現在、処分保留のまま本人は釈放されておりまするが、その関係で、水谷を介して、ただいま御指摘のジャパンラインと三光汽船の株買い占め、買い戻しの案件に児玉が関与して調停役を買ってそして成功したということがございまして、その関係で相当の謝礼が流されたということで、水谷の所得を確定し、あるいは児玉の所得を確定する上において関係のあることでございまするから、必要な限度では調べていると思いますけれども、詳しいことは報告を受けておりません。
○横路委員 この事件は昭和四十八年ですね。児玉が関与したのではないかと言われている事件というのは、たくさんあるわけですよ。東京相互銀行事件、三越事件、このジャパンラインの株の買い占め、新日鉄の内紛、博報堂、中山製鋼、富士銀行、神戸製鋼というような、まだあるかもしれませんけれども、昭和四十五年以降でも、こういうような事件があるわけですね。さっきの九頭竜川の事件というと、これは昭和四十年ですから大分古くなるということですがね。こういうような、いわば会社の人事をめぐる内紛だとか、あるいは株の買い占め事件というような、この種事件について、いままでずいぶん、いろいろなところに報道もされていますし、情報の提供なんかもあったのじゃないかと思うのですけれども、警察は過去、全然手をつけてないのはどういうわけなんですかね。警察というのは児玉譽士夫に非常に弱いと言われているわけですが、これは何か、そういうのがあるのでしょうかね。これはどうなんですか。
○土金説明員 事件の情報としては、いろいろ警察にも入っていることは事実でございますが、なかなか決め手となるようなものがないために、刑事事件としてこれを確認するというところまではいっていないわけでございます。
○横路委員 つまり刑事事件として立件できない。そういう要素というのは、どこに原因があるのですか。つまり児玉譽士夫という男が、こうやって会社の内紛に介入する。さっき話したように、暴力がバックにあるということはわかりますね。これがいまお話にあったように、警察に情報提供があっても、なかなか事件として立件できない。それは一体どういうところに弱さがあるからですか。最近、総会屋と言われるような者についても、こういう事件が起きながらも、なおかつ全日空、丸紅の株主総会で総会屋が暗躍するということを許しているわけでしょう。これはどこに原因があると思いますか、警察として。
○土金説明員 警察としては、もちろん懸命に努力はしておるわけでございますが、まあ、その原因はいろいろあると思いますが、やはり一番大きな原因は、被害者と思われる方から、その真相というか、そういうことが詳しく聞き出せないということが大きな原因ではないかと思われます。
○横路委員 原因だと思いますということだけで、いいのですか。つまり、それは確かに児玉が中に介在して話をまとめているわけですから、当事者からは、なかなか話が表に出てこないというのは当然なのかもしれませんが。しかし、今日こういう事態になって、私はやはり、この際こういうものは日本の社会の中から一掃するいいチャンスだと思うのです。したがって、それにはまだ大いに協力を求めるところに協力を求めて、警察として捜査できるものは捜査するということが今日、必要ではないかというように思うのですけれども、これはどうですか。
○土金説明員 私どもも、お説のとおり同感でございまして、そういうふうな見地から警察といたしましても最近、大企業の幹部に対しまして、総会屋関係につきましては総会屋との絶縁を強く要望しているところでありまして、特に被害に遭った企業側においては勇気を持って被害届け出をするよう強く要請しておりますし、また積極的に総会屋と手を切る、こういう措置を機会あるごとに長官以下、特に長官から企業のトップクラスに強く要請しているところでございまして、それとともに私どももあらゆる機会を通じて、そういったことに努力をいたしておる次第でございます。
○横路委員 法務大臣は、暴力団が力を持っていて、いろいろ介入するという実態について、どう思いますか。
○稻葉国務大臣 絶滅のいいチャンスだと思います。
○横路委員 法務省としては、そのための何か方針というものはないですか。
○稻葉国務大臣 直接には警察の任務と心得ます。
○横路委員 福島県の例の東亜相互企業株式会社それから木村知事逮捕という、あの事件ですけれども、これは収賄で知事が逮捕されているのですが、贈賄と言われている方は、まだあっちの支社の段階で、この責任者は、先ほどたびたび出てきました東声会、一応解散しておりますけれども、昔ここの会長のようですけれども、これは調べはしていないのですか。
○土金説明員 木村前知事に対する贈賄容疑で東亜相互企業関係の逮捕者は初め三名でございましたが、現在二名。三名は逮捕いたしております。それから、そのほかに、そこの社長の町井を任意で取り調べておるわけでございます。
○横路委員 これも従来、参議院の方でも議論があったようですけれども、この土地をめぐって住友不動産、東海興業、東京女子医大、神戸製鋼等々の企業が、かなり高く買っていますね。こういうものを含めて捜査を当然されているのでしょうね。
○土金説明員 そういった情報は聞いておりますが、それについて現在、福島県警で捜査をしておるという報告は、まだ受けておりません。しかし、この捜査の過程におきまして犯罪に関係あるということになれば、当然、捜査するものと思います。
○横路委員 この東声会の会長だった町井という人なんですが、差しさわりのない範囲で結構なんですが、これは、いままで過去に何回ぐらい事件として警察で逮捕されたり等しているのですか。それはどういうような処分になっておるのですか。
○土金説明員 町井久之の検挙状況と、その処分状況ということでございますが、最も新しい逮捕事実が昭和三十八年のことでありまして、それ以前のものについては、その詳細についてはわかりません。しかし戦後の混乱期を除けば、そういったものについては身柄を逮捕して送検しているものと思います。
○横路委員 それは何回ぐらいなんですか。われわれの方で調べたところによると、警察には逮捕されているのだけれども、どうも処分されないのが多いですね。傷害致死だとか強盗だとかなんとか、いろいろありますが、昭和三十八年のものも処分保留のままでしょう。逮捕されていて処分保留というのは、いままで十数回じゃないですか。それは、ちゃんと法律的なあれに従っているのでしょうが、処分がどうなったのかわからないというものもあるようなんで、ちょっと、これを調べていただけますか。検察庁はわかりますか。
○土金説明員 警察としては、ちょっと古いことでもあり、その辺が確認できないわけでございます。
○横路委員 昭和二十一年とか昭和二十四年とかいう時期というのは、傷害致死、人を殺して、つかまって処分がどうなったのか全然わからないということもあり得るのですかね。昭和三十八年というのも、丸の内署で銃砲刀剣不法所持で逮捕されているのですが、ちょうど東声会と山口組との抗争があって、田中清玄が襲撃をされるという事件になりますと、これはどういうわけか釈放になって、町井というのは指を詰めて東声会と山口組との間の話をつけるというので、これもどうも処分がはっきりしていないということなんで、警察の方にわかる範囲で結構ですから、事情を調べていただくということと、今度の福島のことは、ともかく、すべてを解明するように、ひとつ全力を尽くしてもらいたいというように思いますが、いかがですか。
○土金説明員 先ほど申し上げましたように、古いことでございますので、調べてはみますけれども、その辺が確認できないわけでございます。
 また、福島の件については、そういう場合には、もちろん捜査をするようになる、こういうふうに考えております。
○横路委員 こういう広域暴力団それから組織暴力団については、実態は何か報告はときどきされているのですか、警察でまとめたようなものというのは。何かそういうものはないのですか。もしあれば、そういうものの実態みたいなものを委員会の方にでも提出していただければ、われわれも、まだまだ関心を持って、こういうものを一掃する議論を国会の中でしていくことができると思うのですが、いかがですか。
○土金説明員 先ほど御報告いたした全体の検挙件数とか人員とかはございますが、細かい数字ということになりますと、まとめた資料はございません。
○横路委員 前に何かまとめて、そういうものを発表されたのじゃないですか。できれば、そういう実態を報告書みたいなものに、できるだけ詳しくまとめて提出していただきたいのですが、委員長、いかがですか。
○土金説明員 報道関係に提供した程度の資料ならございますが、できるだけ努力してみたいと思います。
○田中(武)委員 関連というか、議事進行。
 それでは、いまの横路質問に関連して要求したいのですが、暴力団関係の資料、警察で暴力団白書というようなものはないのですか。そういうものをつくったことはないですか。あれば、そういうものを要求したいのです。
○土金説明員 犯罪白書というのは毎年つくって報告しておりますが、その中に載っておる程度のことでございまして、暴力団だけを抜き出した白書というものはございません。
○田中(武)委員 それではその中から、それからいまの答弁等を含めて、ひとつ暴力団関係のまとまった資料を要求したいと思いますが、どうでしょう。わかる範囲でよろしい。
○大橋(武)委員長代理 委員長からも申し上げますが、いま問題になりました暴力団関係の資料というようなものを至急おつくり願って、当委員会へ提出していただくことができましょうか。
○土金説明員 お答え申し上げます。検討してみたいと思います。
○田中(武)委員 検討じゃなしに……。
○大橋(武)委員長代理 それでは警察庁に申し上げますが、なるべく早い時期に、いままである資料をまとめて出していただくことと、なお、その後、何かまとまるものがあったら、ひとつまとめていただいて、追加して出していただくようにお願いいたしておきます。
○横路委員 この関係というのは資料が非常に少なくて、一番よくまとまっていると思うのは、毎日新聞の社会部で出した「組織暴力の実態」という簡単なものがあるのですが、続編になっている。これくらいが一番まとまった資料でありまして、あと余りないという状況なんで、ぜひ御協力願いたいと思います。
 それで次に、今度は運輸省の方なんですが、これは児玉人脈ということで、ちょっとお尋ねしたいのですが、全国モーターボート競走会連合会というのがありますね。この役員、会長、それから学識理事というのはだれですか。
○謝敷説明員 お答申し上げます。
 全国モーターボート競走会連合会の会長は笹川良一でございまして、学識経験者としては若狭氏が非常勤の理事で入っていると思います。
○横路委員 会長は笹川良一、あとは理事というのがいるわけですね。理事という人の中には、まあ昔の児玉機関のメンバーがかなり多いわけですが、理事のほかに学識理事というのが、ほかの理事さんは学識がないという意味ではないだろうと思うのですが、学識理事というのがあって、これは若狭得治全日空社長、現在逮捕されていますね。顧問はだれがいますか。
○謝敷説明員 顧問といたしまして児玉譽士夫氏と元施行者関係の方が、あと二人ぐらいおると思います。
○横路委員 それ、ちょっと名前を全部明らかにしてください。顧問のほかに相談役というのがいますよ。顧問ですよ。
○謝敷説明員 全国モーターボート競走会連合会の名簿をいま持ってきておりませんので、いますぐ取り寄せてお答えいたします。
○横路委員 そうですが。こういう関係を聞くということはきのう言っておいたのですがね。
 顧問は現在、郵政大臣の村上勇、前の、これも大臣やった人じゃないですか。有田喜一、防衛庁長官かなんかやったことのある人ですね。それから前の、これも郵政大臣かな、神田博、それと児玉譽士夫の四名じゃないですか。
○謝敷説明員 名簿を取り寄せて確認したいと思います。
○横路委員 ここに、あなたの方で提出した名簿がありますよ。ちょっと、これを確認して答弁でちゃんと認めてもらわなければ困る。
○謝敷説明員 運輸省の、用紙でございますので、これかと思いますが、いま名簿を取り寄せて確認をさせていただきます。
○横路委員 大分あなたもがんばる人で、あれですが、運輸大臣、このモーターボート競走会連合会というものは、モーターボート競走法という法律に基づいて、この役員は運輸大臣の方の認可になっているのではないですかな、違いますか。大臣、どうですか。
○謝敷説明員 モーターボート競走法によって認可になっております。
○横路委員 まあ、このモーターボート競走会それから船舶振興会。この船舶振興会ですか、年間四百億ぐらいのお金を動かしておるわけですね。モーターボートの上がりが一兆円を超えているわけでしょう。そんな意味では、たとえば相談役はどんな人がいるかというと、池田正之輔、矢次一夫というようなメンバーがおって、ここに挙がってくるメンバーというのは一つのやはり人脈を形成しているわけです。大臣の認可事項だということになりますと、児玉譽士夫が顧問だとか、学識理事に若狭得治だとかいうようなことは、運輸大臣、何か考えなくてもいいのですか。
○木村国務大臣 運輸大臣の承認を得るわけでございますが、それは会長とか恐らく理事でございまして、顧問などは、その範疇に入っていないと思います。それで、いずれにいたしましても、そういう陣容の中に、いま問題になっておるような方が入っておるということは一つの問題だと思います。一時的には競走会の方で善処をいたすと思いますけれども、今後、研究をしてみたいと思います。
○横路委員 モーターボート競走会連合会のこういう体質ですね、ここに参加しているメンバーを見ておりますと、やはり一つの傾向がはっきりしているわけでありまして、こんな大変なお金を動かしていくに当たって、こういうことでいいのかどうか。これはどう思いますか、運輸大臣。
○木村国務大臣 会の運営あるいは会の経理状況、そういうものは運輸省が十分監督をいたしておるわけでございまして、そういうことについては十分責任を持って従来とも監督をいたしておるわけでございます。
 いまお話のように、人脈がどうとか、こうとかいう問題は、それだけでもって監督責任者であります私がどうこうということを申し上げるのは行き過ぎだと思いますが、そういうことが会の運営また会の目的を損なうことがあるというおそれがあります場合には、十分監督をしなければいけない、こういうふうに考えております。
    〔大橋(武)委員長代理退席、委員長着席〕
○横路委員 つまり、ここで莫大なお金を握っているから、最近、運輸省のいろいろな外郭団体ができますと、大体ここのメンバーがわっと幹部になっておるでしょう。航空関係ですと騒音のあれだとか公害防止の何か財団だとか、ちょっと正確にはあれしましたけれども、五つ、六つのところにずらっと並べている。自動車関係ができても、そうですね。そして運輸省の関係のお役人をやめられると天下りで、そこに行かれる。これはほかの役所にはない非常に特殊な運輸省の金脈と人脈の形成の出発点になっているわけですよ。これは今回のこういった児玉譽士夫氏が顧問になったり、学識理事ということで若狭得治が入っているとか、しかも、あとの理事は大体、昔の児玉機関だというようなことになると、やはり運輸省としても少し考えなきゃならないんじゃないですか。細かい議論は時間が来ましたので、おいて、またやりますけれども、どうですか、そういうように思いませんか、運輸大臣。
○木村国務大臣 モーターボート競走会は相当な水揚げがある機関でございますが、その金が運輸省の方に流れるとか、そういうことは絶対にないわけでございますから、そこはひとつ誤解のないようにお願いいたしたいと思います。ただ、いま御指摘になりましたような点、十分今後、注意をしていきたいと思います。
○横路委員 つまり交付金があるでしょう。交付する対象団体をどうするかといったら、運輸省の方で、いろいろな団体をたくさんつくるわけですよ。そうして、そこに交付するということで、そのかわり役員はここの人たちがみんな役員になるということで、運輸省の海運ばかりじゃなくて航空、陸運、これはいろいろな法人、組織を調べると、わっとあるわけでしょう。つまり金を出すことによって、だんだん力というのは強くなっていっているわけですね。だから、今日この児玉譽士夫が顧問におったということがはっきりしたわけですけれども、このままにしておって――運輸行政は今回、航空行政が問題になっておるわけですけれども、つまり、きちんと整理をすることを考えなければいけないんじゃないですか。運輸行政というものをいろいろと調べてみると、何かすべての出発点というのはどうもここから、ともかく金がたくさんあるわけですから、そうすると団体をつくって、そこに運輸省の人が入る、そうして交付金を出すということで、どんどんやっていくということでしょう。それが運輸省をやめた人の選挙の母体に、いろいろな団体ができるたびに、これはだれだれの選挙用なんというような団体、言うと差しさわりがあるからやめますけれども、たくさんあるでしょう。そういう点はやはり少し整理しなければいけないのじゃないですか。どうですか、いいのですか、このままで。
○木村国務大臣 そこで上がりました剰余金というものは、これは運輸省だけではございませんで、福祉関係の団体に半分以上たしか出ておると思います。各省のお仕事にもまたがっております。したがって、これだけの大きな水揚げをやっておりますので、その剰余金はできるだけ幅広く社会福祉のために使うということに心がけております。精神はそこにあるわけでございますが、いま御指摘のような点は今後、十分気をつけまして、批判の起こらないようには十分指導いたしたいと思っております。
○謝敷説明員 先ほどの全国モーターボート競走会の顧問及び相談役につきましては、先ほど先生からお示しいただきましたものと同じでございます。
 それから、一言つけ加えさせていただきますが、全国モーターボート競走会連合会は、競走の円滑、公正を事業といたしまして、ボートの登録とかボート選手の登録、あっせんをいたしておりまして、交付金の交付はいたしておりません。
○横路委員 船舶振興会でやっている。
○謝敷説明員 はい。
○田中(武)委員 この機会に一言だけ御質問いたします。
 と申しますのは、戦後の公営ギャンブル、公営競技、これは競輪、オートバイ、それからいまの競艇なんですが、ところが前二者は、たとえば日本自転車振興会といったように特殊法人なんです。ところが競艇だけが民法法人になっておるのです。したがって、ここにいろいろな問題があるように前から私、考えておったのですが、きょうはロッキードの委員会で特別、直接、関係はないので、これ以上やりませんが、たまたま競艇の問題が出ましたから、その点を指摘しておきたいと思うのです。法体系が違う。そのほかは、みな同じ法体系なんです。ところが特殊法人と民法法人の違いがあるわけです。そこで勝手な個人の行動が許される、こういうことになるのですが、その点どうですか。
○木村国務大臣 なるほど御指摘のように、他の同じような種類の団体と法的なあれが違うわけでございますが、それにいたしましても先ほどから御意見あるいは御答弁申し上げておりますように、役員の決定等にも運輸大臣が関与いたしておりますので、必ずしも完全なる民間の自由活動に任すという団体でもございませんが、その辺は十分に、御意見でございますから、検討さしていただきたいと思います。
○田中(武)委員 最後に。他の機会にやろうと思っておったのですが、たまたま出ましたから指摘したのですが、法体系の違い、ことに中心になる運営をやっておるものが、他の二つは特殊法人、一方は民法法人というところに問題がある。したがって、法改正をわれわれも考えています。その点、運輸省は十分に検討してもらいたいと思いますが、いかがですか。
○木村国務大臣 この問題は運輸省におきましても前から、いろいろ議論をいたしておるところでございますので、十分研究をさしていただきたいと思います。
○田中(武)委員 終わります。
○田中委員長 午後一時再開することとして、暫時休憩いたします。
    午後零時四分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時十二分開議
○田中委員長 それでは、休憩前に引き続いて会議を開きます。
 この際、証人出頭要求の件についてお諮りをいたします。
 ロッキード問題に関する件について調査を行うため、小佐野賢治君を本委員会の証人として出頭を求めることとし、出頭を求める期日については委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認め、さように決定をいたしました。
     ――――◇―――――
○田中委員長 ロッキード問題に関する件について質疑をいたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。まず三浦久君。
○三浦委員 法務大臣にお尋ねいたします。
 最近の新聞は大変にぎにぎしいといいますか、どなたかと一緒で大変はしゃぎ過ぎかどうか知りませんけれども、毎日のように全日空からお金をもらったと言われている国会議員の名前が報道されておりますね。その数は数十人にも上るというふうに言われています。しかし、その中で大臣であるとか政務次官経験者、こういう人たちは職務権限との関係で贈収賄罪の可能性はあるが、しかし一般の国会議員の場合にはどうも職務権限との関係で贈収賄の立件というのはむずかしいのではないか、もう大体捜査当局はそういうものは捨ててしまっておる、こういう報道がなされているわけなんですが、しかし、私は大臣や政務次官経験者でない国会議員であってもりっぱに贈収賄罪は成立する、そういうケースというのは幾らでもあり得ると思うのですね。
 余り生々しい、生臭い話をすると御答弁がありませんから、法理論的な問題としてお尋ねしますが、たとえば国会議員が自分が所属する常任委員会に係属している議案の審議について外部から働きかけを受け、その対価として金銭を収受した場合、こういう場合には収賄罪は成立するのではないでしょうか。
○稻葉国務大臣 外部から働きかけということはどういうことですか。所属国会議員が外部から何を働きかけ……
○三浦委員 じゃ、もう一回御質問いたします。
 たとえば、その議案に密接な利害関係を持っている会社であるとか個人とかがおりますね、そういう人々からその議案の審議について自分に便宜であるように取り計らってくれとかそういう働きかけを受けて、そしてその審議の対価として金銭を収受した場合には、大臣経験者または政務次官経験者でなくとも収賄罪はりっぱに成立するんじゃないか。いわゆる職務権限との関係というのはあるんじゃないかということですね。
○稻葉国務大臣 外部から働きかけられて……(三浦委員「そういうことです」と呼ぶ)それは構成要件に該当するように私は思いますが、正確に刑事局長に。
○安原説明員 御指摘のような議案の審議は当該国会議員の職務でございますから、収賄罪が成立すると思います。
○三浦委員 そうしますと、その当該委員会の議案ですが、法案の場合もあれば、法案の審議ではなくていわゆる国政調査権に基づくそういう質疑の場合もあるわけですね。そういう法案の審議ではなくて国政調査権の行使に基づく国政審議というような問題についても、やはり職務権限ということが言え、贈収賄罪が成立するかどうか、お尋ねしたいと思います。
○安原説明員 国会議員の職務の中には国政調査に関する審議も入るわけですから、当然積極でございます。
○三浦委員 それでは、自分が所属する委員会以外の委員会、そこに係属をしている議案、それに関連して国会議員が外部から働きかけを受けて金銭を収受したという場合はどうでしょう。
○安原説明員 委員会は、いつでもその委員会に属することができるという関係にありました場合に、そういう依頼を受けて当該委員会で何かをするということであれば、当然先ほどと同じケースになりますが、他の委員会のことに関してその委員会に属しない委員が請託を受けるという場合には直ちには成立するということは言えないので、そこで問題になってくるのが、職務に密接に関連するかどうかというようなケース・バイ・ケースの問題なんで、一概にすぐ積極というふうにはまいらないのではないかと考えております。
○田中委員長 安原局長、ちょっと。委員会の上に本会議というものがありますね。それを頭に置いて答えてください。
○三浦委員 委員長からもお助けをいただいたわけですけれども、いまのようなケースの場合、当然、国会議員というのは差しかえができますね。ですから、私は運輸委員ですけれども、そうじゃなくて、大蔵委員会の問題についていろいろ働きかけを受けたとして、大蔵委員になって、そして質疑をするということも可能性があるわけですね。そういう場合に差しかえを受けて請託を受けた事項について審議に参加した、そういうような場合には当然収賄罪の成立があると思うのですが、いかがですか。
○安原説明員 先ほど委員長から御注意を受けたのは、まさに先ほどの請託が本会議における審査についての請託をするというような趣旨であれば当然問題はないわけでございますが、いま御指摘のような場合は、当然成立すると思われるのは、差しかえを受けて当該委員会において発言することを請託を受けて当該委員会の委員になれば、これはもう問題はないと思いまするけれども、そのほかの場合は、当該委員会だけの審議という問題であれば、密接関連かどうかというようなケース・バイ・ケースの問題になるのではないかというふうに一般的には考えておる次第でございます。
○三浦委員 それでは次にお尋ねしますが、報道によりますと、十万円とか三十万円とか五十万円を全日空から贈られている、それも、名義は盆、暮れのつけ届けだ、こういう問題については大体捜査の対象からふるい落とされておる。こういうような報道がなされておるわけですね。十万円、三十万円、五十万円というのは、一般の国民にとってみるとかなりの高額のお金であります。盆、暮れのつけ届けだとか陣中見舞いだとかいうようなことでこの賄賂性が否定されるというようなことは、私は国民感情に合わないと思うのですが、十万円、三十万円、五十万円のつけ届けであってもその賄賂性は否定されない、職務との関連でそれを収受すれば収賄罪は成立するんだ、こういうようにお考えになっていらっしゃるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○安原説明員 だんだんお話が生臭い具体的な問題になってまいりましたので、私から申し上げることはどうかと思いまするが、一般論といたしまして、金額の多寡が常に贈収賄罪の成立を決定するということではないことはもちろんでございます。
○三浦委員 そうすると、たとえば三十万、五十万円というお金をもらった場合に、それは社交儀礼上の贈与なんだということで直ちに賄賂性が否定されるものではない、こういうふうに受け取ってよろしいのですか。
○安原説明員 先ほどもお答えいたしましたように、賄賂か社交儀礼の範囲にとどまるかということは、金額だけでは決まらない。当事者間のつき合いの程度、あるいはその人の地位、職業、いろいろな具体的なことでケース・バイ・ケースで決まることで、それが社交儀礼の範囲かどうかということは具体的な問題であるということであります。言うなれば、金額だけでは決まらないということでございます。
○三浦委員 そうすると、いまの安原局長のお話ですと、三十万円、五十万円もらった場合でも、それは社交儀礼上だというふうに認定される場合もあり得るのだ、こういうお話なんですね。
 では、もうちょっと具体的に聞きますが、国会議員という社会的地位を持っている人間に三十万円、五十万円を盆、暮れにつけ届けをするというようなことは、社交儀礼上の贈与で賄賂性はない、こういうふうに判断されているのですか。どうなんですか。
○安原説明員 金額の多寡だけでは決まらないと申し上げたわけでありまして、そう三十万、五十万と具体的に申されれば、具体的な事件にも関連いたしますから、申し上げるわけにはいかない。要は、社交儀礼の範囲にとどまるかどうかということは具体的な事情によって判断されるべきだということを申し上げた次第でございます。
○三浦委員 それでは、十万円、三十万円、五十万円というお金を盆、暮れのつけ届けとして収受している国会議員について捜査をいたしておりますか。それとも、それはもう初めから捜査の対象外にしておるのですか。どうなんですか。
○安原説明員 全日空の関係につきましては、その資金の使途を究明中でございますが、いまお尋ねのようなことについて調べておるかどうかは申すわけにはまいりません。
○三浦委員 それじゃ、ちょっと角度を変えて質問しますが、十万円、三十万円、五十万円というお金は、全体に流れている金から見るとごくわずかである。中には一千万円もらったのもおる、五百万円もらったのもおる、三百万円もらったのもおる。十万、三十万、五十万という程度は比較的少量だ、だからこれはまあ情状酌量の余地があるというので起訴しない、起訴猶予にする、そういうようなことを検察庁はお考えになっているのかどうか、そういうような捜査方針を持っているのかどうか、お答えいただきたいと思うのです。
○安原説明員 検察当局は、贈収賄罪というものについては厳しい態度で臨む検察方針を持っておりますが、どの基準から起訴猶予にするかなどということは、とうてい申し上げるわけにはまいりません。
○三浦委員 それじゃ、次に移りますが、最近、お金をもらったということは否定し切れないで、もう金をもらったということは白状してしまおう――記者会見なんかして発表している人もいますね。そうして、しかしそれは政治資金規正法に基づいて届け出をしているんだからこれは正当な金なんで潔白なんだ、こういうことを言っている人がおりますけれども、政治資金規正法に基づいて届け出があったからということのみをもって賄賂性が否定されるというものではないと私は思うのですが、その点どういうふうにお考えですか。
○安原説明員 前段の、新聞発表しておる人がおられますがということは聞かなかったことにして、一般論として申し上げさせていただきますが、政治資金であると称する手続をしたからといって直ちに賄賂性が否定されるものではないということでございます。
○三浦委員 政治献金としてもらったんだという主張をする人がいますね。政治献金としてもらったとしても、やはり同じように、そのことのゆえをもって賄賂性は否定されないと思いますが、いかがでしょうか。
○安原説明員 一般論としては、賄賂であるときもあるし、賄賂でないときもあるということでございます。
○三浦委員 すると、大体一般の国会議員も余り安心はできない状態にあるんだなということがわかりましたけれども、新聞報道によりますと、官僚ですね、運輸官僚に対して全日空からいろいろな働きかけがある。しかし、運輸官僚の場合にはお金はもらってないのだ、供応を受けただけなんだ、だからそれもふるい落とされている、こういう報道がなされているわけですけれども、供応と言ってもいろいろあると思うのですね。それは二、三百円の昼めし代をおごってもらうとかいうのもあれば、いや、バーやキャバレーやクラブに行くとか、また料亭に行くとか、そういう供応もある。いろいろあると思います。ですから、そういう供応というものもやはり賄賂性を持っているんではないかと思うのですが、いかがですか。
○安原説明員 刑法の贈収賄罪における賄賂とは、単に金銭のみならず人の欲望を充足するに足る一切の利益を言うということになっておりまするから、ごちそうすることも賄賂になる場合があるわけでございます。
○三浦委員 そうすると、運輸官僚も新聞を見て安心できない、そういうことですね。
 すると、そういう供応ですね、いわゆる金銭以外の利益の供与、そういうようなものについても捜査の対象にして、厳正、中立、公平にやっているのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○安原説明員 供応といえども賄賂になり得る場合があるわけでありまするから、犯罪の嫌疑のある者については厳正公平にやるはずでございます。
○三浦委員 それでは、次は運輸省にお尋ねいたしたいと思いますが、航空行政の問題については、きわめて全日空寄りの運輸行政が行われてきたんだということが言われております。運輸省はこれを否定されておりますけれども。
 それで、私は日中航路の問題をめぐって運輸省の動きについてお尋ねをいたしたいわけでありますけれども、いま若狭とか渡辺、沢、植木、青木、こういう者が逮捕され、そしてまた起訴されているわけですけれども、こういう人たちがロッキード社から裏金をもらって政界工作、官界工作に使ったんだろう、こう言われておるわけですね。それで、四十七年の八月当時、日中民間航路の新設につきまして全日空をもこの日中航路に就航させるべきであるとかさせるべきでないとか、いろんな議論があったわけですけれども、運輸省当局としてはどういう考え方をお持ちになっていらしたのか、お尋ねしたいと思います。
○高橋説明員 お答え申し上げます。
 御承知のように、四十七年の七月に航空企業の運営体制に関する決定があったわけでありますが、その後今日に至るまで需要の状況の推移その他客観情勢の推移によっていろいろな検討を重ねていることは一般論としてあるわけでございますけれども、いまお尋ねのその時点におきまして具体的にどうこうということはございません。ただ、一般的にいろいろなケースを常に検討し続けて、四十七年七月に決めたあの体制が必ずその事態に合っているかどうかということを常に検討しているということであるわけでございます。
○三浦委員 状況が変化すれば検討するというのは結構なんですが、しかし、四十七年の八月、九月と言えば、四十七年七月一日の大臣通達が出たばかりのときですね。ですから、国会でも、たとえば昭和四十七年の八月十日の参議院運輸委員会で、内村航空局長は委員の質問に答えて、現在のところにおきましては、四十五年十一月の閣議了解のその方針にのっとって進めていきますとはっきり言っておりますよ。それからまた四十七年の十月十七日、参議院の運輸委員会、ここでやはり同じく、現在のところ、以上の方針に従って進めてまいります。以上の方針というのは、四十五年十一月の閣議了解、四十七年七月一日の大臣通達、この線に沿って進めてまいります。こう言っておるのです。これは間違いないと思いますが、当時そういう考え方をお持ちになっており、その後そういう考え方をずっと持続してお持ちになっていらしたのかどうか、お尋ねしたいと思うのです。
○高橋説明員 お答えいたします。
 いま引用していただきました答弁は全部そのとおりでございまして、私ども今日まで基本的にはその線を変える必要は認めてないわけでございますけれども、ただ、先ほど御答弁申し上げましたように、そのときどきの事態に照らして、われわれの守っているこの基準が果たしてアップ・ツー・デートであるかどうかという点について常に関心を持っているということでございます。
○三浦委員 現在までこういう方針を変える必要性というものは正式には決定していないし、持ってもいない、そういうことですね。
 で、お尋ねしたいのですけれども、内村当時の航空局長が四十七年の八月の十日と十月の十七日にこういう答弁をしている時期的にはちょうどその中間の四十七年九月の十二日に、衆議院の運輸委員会で佐々木運輸大臣、この方が、国際線は一社で日航という原則があるそうですが、これは原則であるから絶対に変更できないものではなかろう、こう考えています。こういうふうにおっしゃっているんですね。これは日中航路に何も日航だけじゃなくて全日空も就航させるべきではないかと、そういう具体的な質問についてこう答えられているわけであります。一般論として言っているんじゃないんですね。こういう考え方というのは、いまあなたがおっしゃった運輸省の事務当局の考え方と全く違った考え方だというふうに思うのですが、いかがですか。
○高橋説明員 私は、佐々木大臣が当時どういう趣旨で御答弁になったか、現在つまびらかにいたしませんけれども、事務当局としては、基本的には先ほど申し上げたとおりでありますが、一般論を加味して佐々木大臣は御答弁になったのであろうと推測いたします。
○三浦委員 この質問はどういうことかといいますと、「全日空にも近距離のチャーター便をやらせるということになりましたが、チャーター便をやることもさりながら、近距離の国際線はダブルトラックという方式をとることも一つの方法ではないのか、こういうふうにも考えるのだが、これはどうなのか。」こう具体的に聞いているんですね。それに対して、これはあくまでも原則なんだから、情勢の変化によって変更できないことはないんだ、こういうことを言っているんですよ。そうすると、かなり具体的な質問に具体的に答えているということなんで、事務当局の考え方とは違った、とっぴな、奇怪な答弁だと私は思うのです。
 そうすると、当時運輸大臣と同じ考え方を事務当局として持っておったということではないということは、はっきりしていますか。
○高橋説明員 推測でございますけれども、当時まだそういったことを中心議題として局内で時間をかけて検討したということはないと思います。したがいまして、いまの佐々木大臣の御答弁もそういった局内の検討の結果に基づいての御答弁でなかったと私思うのであります。
 と申しますのは、もう少し申し上げますと、四十八年の秋ごろから、いま先生御指摘のような近距離の国際線をダブルトラックにしたらどうかという意見が世の中にはあったことも事実でございます。したがって、そういった問題に対して運輸省としてはどういうふうな態度をとるべきであろうかということについて、やはりこれは検討しておく必要があるということで、いわゆる近距離国際線の運営体制とかあるいはチャーター政策、それらについて勉強をしたことはございます。四十八年の秋ごろから局内で勉強会をしたということはございますけれども、その場合も、一年か一年半たちましてその結果をまとめたんでありますけれども、それは各案併記という形で、いろいろな考え方があるという勉強をいたしました。どうすべきだという結論はついに出ずに終わったわけでありますが、かくのごとく局内であるいは運輸省といたしましていろいろ検討はいたしましたけれども、どれでいくべきだというふうな案にはなってないわけでございます。そうすれば、四十五年の閣議了解、四十七年の運輸省決定、この基本線を変える必要はなくなるという結果になるわけであります。
○三浦委員 そうすると、当時の佐々木運輸大臣の答弁というのは、事務当局のそういう検討を経たものではない、こういう御答弁なんですね。そうしますと、やはりこれは外部からの働きかけによってこういう全日空寄りの答弁が出てきたんだというふうに思わざるを得ないわけであります。特に当時は、もう日中航路の問題をめぐって全日空が若狭社長を先頭にして大変な政官界工作をしたということは報道されておりますね。また事実だと思うのです。
 そうすると、この佐々木運輸大臣は全日空から金をもらったということは認めている方であらますが、もしかその金が、こういう全日空に日中航路を認める、そういう対価として収受をされているとすれば、それは私は収賄罪になるのではないかというふうに思うのですが、これはいかがですか、法務省。
○安原説明員 具体的な人を名指して、具体的なケースのお尋ねでございますので、御判断に任せます。
○三浦委員 私に判断を一任されたようでありますが、私は収賄罪が成立すると確信をいたしております。
 運輸省にお尋ねしますが、昭和四十八年六月二十日、衆議院の外務委員会で、やはり同じく日中航路の乗り入れの問題について質問を受けて佐藤文生政務次官が、「東京−北京というのは、やはりナショナルキャリアである日本航空が受け持つべきであろうという考え方、首都間でない大阪−上海というような便については必ずしも日本航空でないでもいいというような考え方は持っております。したがって、何も一社だけであるというぐあいに限定して考えないでもいいのではないだろうか、こういうぐあいに思っております。」と、はっきり述べておるのですね。これもやはり事務当局の考え方とはっきり違った考え方だと思うのですが、いかがですか。前に置いて言いにくいですか。
○高橋説明員 このこと、私、その速記録も拝見いたしましたけれども、言い回しも、いいではないかと思っているとか、いま先生、非常に明快とおっしゃいましたけれども、余り明快じゃない御答弁になっているわけであります。また、「私は」というふうなことで、これはさっき申し上げましたように、運輸省の中でまだその問題についてのがっちりした検討が済んでない段階でありますので、運輸省の事務当局その他の固まった、運輸省としての固まった意見をお述べになったのではない、それまでいろいろ出てきた議論などを政務次官がお聞きになって、それに政務次官の政治家としての御判断、こういったものが入ってお話ししたものだと思います。
 その御答弁の本旨は、やはり東京−北京という首都間の路線というのはあくまでもナショナル・フラッグ・キャリアである日本航空にすべきであるということをおっしゃったことが中心だと思います。そのことは、たとえば日本航空が台湾線に飛ぶかどうかという問題などとの関連もあった時代でもありますので、はっきりその点について一つの佐藤政務次官のお考えをお述べになった。ナショナル・フラッグ・キャリアがやはり東京−北京をやるのだということをおっしゃったのだと思います。そういたしますと、それ以外のたとえば大阪−上海というふうなものについては、日本には中国と違って民間航空会社が三つもある、そういったことでありますので、不定期便、チャーター、いろいろな形で参加することもあり得るだろうというふうな一般論をお述べになったのであろう。したがって、その御答弁の本旨は、あくまでも東京−北京を日航にという点に力点があって、あとはいわゆる一般論として考えられないことも理論的にはない、こうおっしゃったのであろうと私は推測をするわけであります。
○田中委員長 ちょっと三浦君、井出官房長官が参っております。お約束は五十分までの約束で、やむを得ず時間の制限がございますから、先にどうぞ。
○三浦委員 じゃ、これをもう一つだけ聞きます。ちょっとけりが悪いですから。
 佐藤文生議員から名答弁という不規則発言がありましたけれども、これは名じゃない、迷っていますね。字が違いますね。というのは、佐々木運輸大臣の場合は、まだ大阪−上海に全日空を入れるんだというような発言じゃないのですよ。原則だから、それは絶対に変更できないということはないというような、まあまあ幾らか抽象的な表現ですね。しかし、問いとの関係で言えば、かなり具体的ですけれども。しかし、当時の佐藤文生政務次官の答弁というのは、これはもう大阪−上海というものについては必ずしも日航じゃなくてもいいんだということをはっきり言っておるのですよ。それで、どこにアクセントがあるかと言えば、大阪−上海には日航じゃなくてもいいんだというところにアクセントがあるというのは、この答弁を見たらすぐおわかりじゃないですか。なぜならば、日航にやらせるというのは基本原則なんですから。基本原則なんですよ。それは昭和四十五年十一月に閣議了解があるんですよ。四十七年の七月一日にはちゃんと大臣通達があるんですよ。ですから、当然このアクセントというのは、大阪−上海の問題については日航じゃなくてもいいのだ、ここにウエートがあると考えるのはあたりまえなんだ。そしてこの発言はきわめて大きい発言だということなんですよ。それは、四十五年十一月の閣議了解の航空政策の見直しという大問題をはらんでいることですよ。それを幾ら、私がと言おうと――私かということは政務次官ということですよ。政務次官として答弁しているのですから。ですから、幾ら私と言おうとぼくと言おうとこれは同じことです。政務次官はということですから。そういう政務次官がいわゆる航空業界の再編成を示唆するような大きな発言をしているということ、これは私、非常に重要だと思う。このことが全く事務当局の検討も経ないで行われている。まあ、政治家として行われた、それは結構でしょう。そうすると、どこかのやはり利害関係を有するいわゆる団体、個人からの大きな働きかけのもとにこういう発言がなされたと考えるのは、私は当然過ぎるほど当然だと思うのです。
 それで、井出官房長官お見えですので、お尋ねいたします。
 官房長官、現在、広範な国民がロッキード事件の真相の解明というものをしんから願っていますね。そういう時期に、いま自民党の内部で、福田さんだとか大平さんだとか、こういう人たちが中心になりまして、いわゆる臨時国会召集前の人心一新というようなことを掲げて、そして政権のたらい回しをしようということをねらっているのですね。私はこういう動きというのはやはりロッキード隠しではないかと思うのです。田中逮捕によって事件の山を越えたのではないというのは政府の再三の答弁であります。そういう時期に、いわゆる人心一新の名のもとに臨時国会召集前に政権のたらい回しをやろう、三木を引きずりおろそう、こういうような動きは、ロッキード隠しじゃないかと思うのです。こういう動きは許されないと思うのですが、官房長官、どういうふうにお考えですか。ロッキード隠しというふうにお考えですか、どうですか。
○井出国務大臣 きょう午前中も松浦さんから御質問ございましたが、いま政府はロッキード問題の真相解明のために捜査当局の懸命な努力を期待しておるわけでございます。したがいまして、人心一新というお言葉も出ましたが、やはりロッキードの解明ということが人心につながるものだ、こういうふうに私どもは思うのでございまして、自民党内のあれこれという報道は私も見ておりますが、これは党内の問題でございますから、私の方でこれはきちんと姿勢を立て直す、これとおっしゃるようなロッキード隠しというふうなものとは別につながっておらない、こう考えております。
○三浦委員 それは官房長官の本心ではないですね。前国会の終盤にもそういう動きがあって、多くの国民の批判を受けたわけなんですけれども、われわれはこれはロッキード隠しだと思うのです。なぜ官房長官、そういうこと言えないのでしょうか。そうすると、たとえば田中逮捕によって捜査の山はもう終わった、真相の解明はもう全部できたのだ、だから後はどんな政変が起ころうと関係ないのだ、真相解明に関係ないのだ、こういうふうにお考えになっていらっしゃるのですか、どうなんですか。
○井出国務大臣 ロッキード問題の解明に捜査当局が熱意を傾けておる、これは御承知のとおりであり、また私どもも一刻も早くそれが解明されることを期待しておるわけでございます。したがいまして、党内の問題につきましては、まあこれはこちらでいたしますから、ひとつお任せを願いまして、決してそれがロッキード問題に妨げになるというふうなことのないようにいたしたい、こう思っております。
○三浦委員 三木内閣は臨時国会の召集を八月の下旬、まあ八月二十五日ぐらいをめどにやりたいんだ、こういう意思を表明されておりますけれども、私はこれもロッキード隠しだと思うのですよ。どういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。まだ事件の真相のめどもはっきり立っていないのに、どうなるかわからない臨時国会を召集するなんというのは、これは私はロッキード隠しだと思うのです。ロッキード事件の真相の解明を妨げるものだと思いますけれども、この点について官房長官、いかがお考えですか。
○井出国務大臣 事件解明の問題は、ここにも稻葉法務大臣いらっしゃいますが、懸命に現在やっていてくださる。そこでなるべく早い機会においてこれが解明されるような期待を持っておるのでございます。そういう問題があると同時に、前国会以来の積み残しの法案の問題、これは国の財政にかかわる重要な案件ばかりでございますから、これも政府としては非常に責任があるわけでございます。したがって、この二つの問題接点をどこに求めるのか、これが国会召集の日取りのめどにも関連するわけでありますが、まだ明確にいつ幾日と決めておるわけではございません。願わくはそういう時期までにロッキードの問題がさらに進展して解明への前進、こういうことを望んでおる次第でございまして、この臨時国会のことがロッキード隠しにつながるというふうには考えておらないのでございます。
○三浦委員 ちょっとおかしいのですね。今度の臨時国会というのは、どういう性格を持っている臨時国会かということを考えなければいけないと思うのですよ。これは普通の臨時国会と違いますね。もう衆議院の議員の任期を目前に控えている。そういうことで、さあ何が飛び出すかわからない。いつ解散、総選挙が行われるかわからない、そういう状況だと思うのですよ。ゆっくり会期中腰を据えて審議ができる、そういうような臨時国会でないということはもう政界の常識ですよ。そうであれば、臨時国会を開いたらいつ解散になるかわからない、そういう臨時国会を事件の真相の解明が全くなされないままに、まあ全くとは言いません、二十五億円程度ロッキード社の工作資金が日本に流れてきていると言われているけれども、そのうちの五億円だけでしょう、田中逮捕によって明らかになったのは。あとの二十億円、八割の金の行方というものについてはまだ全然わからないという状況なんですよ。それで今月いっぱい、また八月二十五日までにあと二十億円の金の行方、こういうものについてはっきりさせることができるのかどうか。稻葉法務大臣は昨日、少なくとも臨時国会を開くまでの間には起訴とまではいかなくても逮捕ぐらいまではやっておきたいんだ、こういうことを言われています。
    〔委員長退席、亀岡委員長代理着席〕
しかし、これはあくまでも希望であって、皆さん方が指揮権発動しないと言っているのですからね。ですから、これは捜査は検察当局に任せちゃっているわけなんですから、さあ八月二十五日までにほとんどの金の行方が明らかになり、それに関連をした政治家の逮捕に踏み切れるかどうかということもきわめて不確定なんです。それともう一つの問題は、刑事事件の追及もさることながら、いわゆる議長裁定に基づいて事件の政治的道義的な解明というものも非常に重要ですね。ところが、それと車の両輪である証人喚問というのはいまストップしてやられていないわけでしょう。こういう状態で、きょう小佐野の証人喚問が決まりましたけれども、日にちはいつかわからないのですね。早くたって八月二十五日じゃないかというような状況です。その後にもたくさん重要な証人が残っておりますよ。こういうものの審議のめどをつけてから臨時国会を召集するというのが真相解明に対する三木内閣の姿勢でなければならない。そういうめどがつかなければ臨時国会の召集というものを政治日程に上せることば真相解明と逆行するのではないかというふうに私は思うのですが、官房長官の御意見いかがでしょうか。
○井出国務大臣 捜査の状況につきましては法務大臣からお述べになられたようでございまして、私もそれを信頼し、できるだけ速やかにということを期待いたしておるわけであります。
 それはそれとして、財政関係の法案というものを放置するわけにはまいらない。これがもしそういうことでありましては、日本の財政がストップしてしまう心配があるわけであります。そこがいまわれわれの苦心の存するところでございまして、一種の両面作戦みたいなものですけれども、国民の期待にこたえてこの二つの命題を果たしてまいらなければならぬ、こういう責任を強く感じておるわけであります。したがいまして、いまおっしゃるように、政治日程が次々とあることは事実でございますが、多分に流動的な面もあるわけでございまして、いま考えておりますことは、およそ八月中をめどにいたしまして臨時国会をお願いしたい、これが政府の考え方でございます。
○三浦委員 ロッキード事件の真相の解明のめども十分に立っていないにもかかわらず、臨時国会の召集というものを具体的に考えるということが私はロッキード隠しだと言っているのです。なぜならば、三木さん自身もかつて何とおっしゃいましたか、ロッキード事件の真相の解明というのはすべての政治日程に優先するのだということまで言われているわけなんです。ですから、いま財特もあるから臨時国会を開かなければいけない、そのかね合いがむずかしいのだというようなことをおっしゃるけれども、いつ解散になるかわからないというような激動の臨時国会を開くということは、結局は真相解明を妨害する役割りしか果たさないということなんです。自民党の中で福田さん、大平さん、いろんな策動をやっていますけれども、結局これもロッキード隠しです。また三木内閣自身がやっていることも形を変えたロッキード隠しだということなんです。私が冒頭に申し上げましたように、国民が真相の解明を徹底的に望んでいる。灰色高官名の公表の問題にしても、八〇%以上の人々が灰色高官名を公表してくれというようなアンケートを寄せているくらいなんですからね。
 ですから、私は、いろんな困難があろうとも、この真相の解明というものを第一義的な政治課題として今後三木内閣が努力することを期待して私の質問を終わります。あと三分ぐらい残っているようですけれども、三分ではあと残った質問ができませんので、これで終わりにします。
○亀岡委員長代理 鈴切康雄君。
○鈴切委員 法務大臣にまずお伺いをしたいと思います。
 私がお聞きしたいことは、ロッキード事件と政局のかかわりについて、先ほどは官房長官であったわけでありますけれども、稻葉法務大臣は、おれに聞いてくれればもう少しずばりと答えもしたものをというようなお顔をしておられましたので、その点についてちょっとお伺いをいたします。
 昨日は三木・福田会談が行われ、それからきょうは三木・大平会談が行われているわけでありますけれども、かつて法務大臣は、捜査当局が政治の動向や政治日程によって左右されるものではないがという前提で、政局が安定しているということは捜査にとって望ましい旨の発言がなされておりますが、いま自民党内における三木政権に対する風当たりというのは非常に強いものがあるように私も見受けられます。福田副総理は十日の参議院のロッキード委員会で、みずから主張している出直し改革について、自民党はみずからの手で総選挙前に大改革をしなければならないと主張をしております。大平大蔵大臣も副総理の考え方に対して支持をしているわけでありますけれども、このように三木内閣の主要な閣僚からこのような発言がなされているということは、政局が安定しているとは言いがたい状態であると私は判断しておるわけでありますけれども、法務大臣はこのような政局をどのようにお感じになっておられますか、それについてお伺いいたします。
○稻葉国務大臣 いまロッキード問題を担当している法務大臣としては、そういうことは非常にむずかしい質問なんで、私は法務大臣としてこの事件をいまあずかっておって、そうして御承知のような状態にこの事件があるわけですから、その担当の法務大臣が政局の判断を御質問に応じて申し上げることはいかがなものでしょうかと思うのです。
 ただ、いま鈴切さんお読みになったように、やはり捜査は非常に難事件ですから、綿密に熱心に精力を傾けてやっているわけですから、ざわざわしない方が私は望ましい、これはもう当然なことですね。前に相当な有力閣僚と言われるような人が、政変なんかあったって捜査当局はびくともしない、こういうことを言う。それは検事総長がおっしゃるならいいけれども、それを検事総長がやりやすいようにしてやるべき政府の高官が言われるのは、私は法務大臣としては余り好かぬですね、好かぬというか、好ましくないです。
 そこで、いまの状態のことですが、私はきのうの様子でも、きょういま大平さんと総理が話しておられますが、この事件の重大性にかんがみ、いまいざこざを起こすべきではないという大どころでは意見が一致されるものというふうに観測しております。
 しかも、こういう自分の政党のかつての総理、総裁が逮捕せられるというようなことは党全体としての重大責任でございますから、その解明の山をまだ全部越したわけじゃないのに、ざわざわするということは、やはりそういう非常に高い地位にある方々が政治責任を感ずるならば、三木引きずりおろしとかなんとか言うけれども、必ず片がつくんではないか、また片がつかなければそれはおかしい、法務大臣としてそう思います。
○鈴切委員 福田副総理は、現在の政情を心配をしており、不安定な状態は、自民党のためでなく、日本のためにもよくないと発言されておるわけであります。不安定な政局を盛んに憂えておられるわけでありますが、法務大臣はいまの政局が安定をしておるというふうにお考えになっておるか。また政局がこういうふうな状態で、自民党としては団結をしなくてはならないと言うけれども、しかし三木さんの政権では戦えないということで政変が起きた場合、これは少なくともロッキード事件に関して何らかやはりロッキード隠しの意図も含まれている、そういうふうにお感じになるかどうか、その点についてはいかがでしょうか。
○稻葉国務大臣 ロッキード隠しだとか隠れということは主観の問題ですね。隠してやろうとか隠れてやろうとか、そういうのでなくて、それが結果として客観的に隠れになったり隠しになったりするということなんでしょうと思いますね。そういう意味で、三木引きずりおろしがロッキード隠しに直ちにつながるとか、それから反主流という方向の集団が直ちに隠しの集団だとか、それから主流は隠れにつながる集団だとか、直ちにロッキード問題とそういうふうに短絡するものではないでしょうと思いますね。法務大臣が、ロッキード問題はこういう状態にありますから一日も早く全貌を解明したい、そういう解明まではざわざわしてもらっては余り好ましくないと言うことは、当然じゃないでしょうかね。
○鈴切委員 法務大臣がざわざわしてもらっては困るのだ、ということは、こういう状態が続くと捜査当局にはかなりの影響が出てくるし、事件の解明についても何らかの影響が出てくるというふうにお感じになっておられるのでしょうか。
○稻葉国務大臣 捜査当局が何のこだわりというか、差しさわりもなく、いい雰囲気でいい環境で思う存分この真相に迫る、こういう状態に置いてやるべき法務大臣としては、ざわざわされては困る、影響がある、こういうふうに思います。
○鈴切委員 八月十日の閣議の後に三木総理大臣から法務大臣に対してロッキード事件捜査の経過について聞かれたと思いますけれども、どのように御報告なされましたか。
○稻葉国務大臣 主としては福島県の事件について私から報告をしたのです。そのことを初め聞かれましたから。そして、知事の逮捕に至らざるを得なかった事情を報告しました。そういう−……(「そんなものは報告する必要がないじゃないか」と呼ぶ者あり)いや、向こうから聞かれるから報告したのです。それでそれが一つ、それからロッキード事件については、かねがね申し上げているように、私としては検察当局からめどについて報告なんか受けていないからこれはわかりませんけれども、いままでの経験上、あなたもずいぶん長く政治をやっていたんだから大体見当がおつきでしょうが、臨時国会は余り早くない方がいいですな、こういうことは申し上げました。
○鈴切委員 その後、実は三木総理大臣が松野政調会長からロッキード事件の経過や臨時国会召集についての見解をただされて、事件捜査の三ルートのうち丸紅、全日空ルートについてはある程度山を越したようであるが、児玉ルートの解明は遅れており、九月にずれ込む見込みである旨の発言をしておりますけれども、この発言は当然法務大臣の報告に基づいて行われたものと受け取られますけれども、そのようなお話はされませんでしたか。
○稻葉国務大臣 そんな話は私しなかったと思いますよ。前には、ずっと前ですが、八月いっぱいくらいまでには片づきそうに思いますがと、こう言っておったのです。四月、五月のころは。それがアメリカの証言問題やら児玉の病気やらそういうことで、多少そういうわけにいかぬかもしれません、こういうことを言ったような言わないような、そういうことですね。そんなようなことです。
○鈴切委員 法務大臣はロッキード事件が始まって以来これまで、捜査状況の報告についてはだれから主に報告を受けられておりましょうか。
○稻葉国務大臣 刑事局長を通じて報告を受けております。
○鈴切委員 何回程度正式に御報告を受けられておられましょうか。また報告の内容を、それが特にここでお話しになられるような内容がございましたら報告していただきたいと思います。
○稻葉国務大臣 ロッキード事件の検察当局の捜査処理については、所管が刑事局長でございますので、随時必要な報告を受けております。さあ、何回ということを書いてないが、あれだけ逮捕者が出たのですから、少なくとも逮捕者の数以上であることは間違いありませんね。
○鈴切委員 過日、法務大臣が検事総長にお会いになって報告したい、こういうことをちょっと言われたんですけれども、その後たしか鹽野事務次官ですか、それと安原刑事局長からの進言もこれあり、それを御中止になられたわけでありますが、あなたがそうやって検事総長に会って報告を聞きたいというふうに言われたことがいち早く報道されるし、その報道されたことは検事総長も当然耳に入るわけでありますから、そういうことから言いまして、検事総長の方から何らかあなたに御報告があったのか、あるいは安原刑事局長を通じて検事総長の方からの伝言だということで何かそれなりのお話があったのか、その点についてお伺いします。
○稻葉国務大臣 そういう検事総長直接のあれはございませんのみならず、検事総長から安原刑事局長を通じての希望なり何なりも、そういうことはありません。
○鈴切委員 じゃ、あなたはやはり、これから臨時国会等もありますので、そういう意味から言いますと、検事総長に会って御報告を受けたいというお気持ちはございましょうか。
○稻葉国務大臣 ただいまのところ、ありません。というのは、私、思ったのですけれども、政治家としてというか、国務大臣として十二月九日には衆議院は任期になりますし、その前に臨時国会が何日、大体このくらいの日数で、そしてあの三法というものはいろいろな点に響きますから、どうしても私は衆議院議員として、政治家としてこの三法を――あなた方立場は違うかもしれぬけれども、通さなければいかぬものだということになりますと、やはり臨時国会の開催の時期というのは非常に重要だが、さて、こっちの方はわしが責任を負ってやっているんだから、これはえらい重責を負うているなという感じなもんですから、捜査の大体山を越す時期はどの辺だろうということを聞いて、この辺で山を越すからこの辺までは臨時国会は開かぬ方がいいという参考意見を、やはり党の首脳や総理などには申し上げておいた方がいいんじゃないかな、それがやはり責任大臣としてどうかなと、こう思ったものですから、刑事局長とこの段階で直に聞いてどうだろう、政治日程とも関係するからと、そういうことだったのですが、まあもう少しどうでしょうか、そのうちに重大な事件があれば向こうから報告に来るでしょうから、そのときめどがつくのじゃありませんでしょうかということで、ああそう、なるべくならばもう政治関与したような姿は国民の前にも政界にも、世の中へ見せない方がいい。一切信頼して任してあるといういままでの姿勢を貫こう、じっとがまんをしていようかなと、こういう気になって、いまそういう状態にあるわけです。
○鈴切委員 ちょっと話が今度変わりますけれども、運輸大臣とそれから通産大臣の方になろうかと思いますが、小佐野賢治氏と大韓航空との関係及び児玉とロッキード社との契約における関係について少々お伺いをしたいと思います。
    〔亀岡委員長代理退席、委員長着席〕
 初めに運輸省にお伺いをいたしますけれども、日本航空が大韓航空にボーイング727三機をリース開始したのは昭和四十七年の七月、この三機を大韓航空に譲渡したのは五十年一月と二月と五月であり、このリース譲渡に当たり小佐野賢治氏が大韓航空のために日航に働きかけをしたことについては、過日のわが同僚議員の坂井さんの方から質問があり、これに働きをかけたということについて運輸省もお認めになったわけでありますから、小佐野賢治氏の具体的な働きについてもうすでに調査をされておられると思いますけれども、その点について御説明願いたいと思います。
○松本説明員 お答えいたします。
 先日の御質問に対しまして私のお答えいたしましたのは、四十七年当時日航といたしましては727の売却を試みておったところ、小佐野賢治氏から大韓航空を紹介され、その後の交渉については通常の商業ベースによって進んだ、こう聞いておりますと、こう御返事をしたはずでございます。
 そこで、もう少しその前後のいきさつを申し上げますと、四十七年三月の時点で十二機のB727を日本航空は所有しておったわけでございますが、そのうちの三機を日航法十二条に基づきまして処分をいたしました。つまり重要の財産から落としてしまったわけでございます。これを事実上グラウンドしてしまいました。とのようにいたしましたのは、全体の路線に航空機を張りつけていくのに当たりまして、もうこのB727−100型というものが適当な機材でないということから、これの漸減を図っておったわけでございますので、そういう形でまず三機を落とした。そして従前、このようにして落としました航空機は、たとえばコンベア脚とかそういうものはすべてそうでございますけれども、適当な買い手があればそこで適当な値段で処分をしていく、こういうふうなことが行われておったわけでございます。そこで、適当な買い手というのを探しておった。そのときにたまたま小佐野賢治氏か――当時小佐野氏は日航の非常勤顧問か何かであったかと思いますけれども、小佐野賢治氏から大韓航空が727を欲しいと言っておるぞ、こういう話を聞いた。そこで後は日航と大韓航空との間の商業ベースの議論に移しかえられまして、そして御案内のような形でリースパーチェスという契約が調った、こういう次第でございますので、最初大韓航空が727を探しておるよという話は確かに小佐野氏からあったということであると思いますけれども、それから先の話について委細を小佐野氏が関与していったということではない、このように私どもは聞いておりますし、そのように承知をしておるわけでございます。
○鈴切委員 いまはからずも、小佐野氏の働きによって日本航空から大韓航空に売却されたボーイング727の三機について、一機ごとの売却価格については御答弁を願ってもいいわけでありますけれども、時間の関係がございますので、私の方で調査をした調査内容がもしそのとおりであれば、そこで御答弁願えばいいと思いますが、五十年の一月の二十一日にまず一機を売りました。その売った価格が二百四十四万六千四百九十九ドル、それから二番機は五十年の二月の二十一日二百四十四万九千七百四十ドル、三番機は五十年の五月の二十一日、二百四十七万三百六十六ドルということになっておりますが、これは為替の差額及びリースの利息も入っての価格であるというように思いますけれども、その点について間違いがあるかどうか、お確かめを願いたいと思います。
○松本説明員 いまおっしゃったとおり、受取金額、つまりリースをしておりましたときの利息あるいは為替差額、そういうものを含めての受取金額という点において、おっしゃったとおりでございます。
○鈴切委員 それでは、会計検査院が来ておられると思いますけれども、お伺いいたします。ただいま運輸省から説明をいただきました一機ごとの売却価格は、外為の関係から実際は三機とも二百万ドルであり、この二百万ドルの内訳は、機体が百七十万ドル、エンジンが二十二万ドル、そして部品が八万ドルになると思いますけれども、その点について会計検査院の方としてはどのようにお調べになっておりましょうか。
○東島会計検査院説明員 ただいま先生おっしゃったとおりでございます。
○鈴切委員 四十七年の八月に日本航空は伊藤忠を通じましてイギリスのダンエアに727一機を売却しておりますけれども、このダンエアの売却価格は、私どもの調査によりますと一機二百四十四万五千ドル、大韓航空への売却価格は一機二百万ドルであり、大韓航空への売却価格は一機について四十四万五千ドル、すなわち三機で百三十三万五千ドル安かったというように思うけれども、その点どうか。そして大韓航空とダンエアの売却価格の内訳、すなわちこれは機体とかエンジンとか部品とかいう問題がございましょうけれども、その点についてはどのようになっていましょうか。
○東島会計検査院説明員 大韓航空及び伊藤忠商事に売られました727の価格は、先ほど先生おっしゃったとおりでございまして、これの約四十三万ドルの差額につきましては、多少性能が違う、たとえばエンジンの推力が違うとかあるいは最大積載重量が違うとか、多少の差はございますけれども、その点、両方が比較できるような状態であるかどうか、その辺につきましては現在私ども重大な関心を持って調査しておりますので、ただいま、どっちの価格が適当かというようなことにつきましては、いまだこちらで御答弁できるような状態にございません。
○鈴切委員 会計検査院は、日航法第十二条、これによってグラウンドされるということになれば、当然これは関心を持って調査をしなければならないわけですね。幾らか違うといったって、ほとんど時期的においても同じでありますから、いま私がお聞きすることは、大韓航空に売ったのと、それからダンエアに売った機体、それからエンジンと部品のその細かい点について、先ほど申し上げました価格に見合ういわゆる内訳というのを、これをちょっと説明してください。
○東島会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 差額が四十七万ドル、機体の裸の値段にいたしまして四十七万ドルの差がございまして、これの内訳としまして、現在私どもがつかんでおりますデータといたしましては、最大離陸重量の差によります評価が二十万ドル、それから先ほどちょっと申し上げましたように、推力が多少違いますので、推力を向上させる改造費用その他がエンジン一基について五万ドルで、これが三基エンジンがついておりますので十五万ドル、その他通信機の費用とか部品の売却価格が市場価格との間に多少差がある、そういうものを加えまして先ほど先生おっしゃいました四十五万三千ドルの差になりまして、その他いろいろ時期の問題それから機体の状態、それらについての差があるかどうかということを現在鋭意調査中でございます。
○鈴切委員 先ほどお話がありましたように、小佐野氏の働きによって少なくともボーイング727、これが三機を大韓航空に売るについて百三十三万五千ドル、イギリスの方の航空会社に売ったよりも安く売っているということになっておりますけれども、これは捜査当局は児玉譽士夫とロッキード社との第三次合意改定契約に大韓航空が関係していることから、小佐野氏の大韓航空への働きについても私は重大なる関心をそういう点については持っておられるのじゃないかと思うのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○安原説明員 御指摘のとおり、公表された契約書に大韓航空との関係が明瞭に出ておるわけでございますので、当然に関心を持っているものと思います。
○鈴切委員 次には、通産省も出席していただいておりますので、日本航空機製造株式会社がYS11の七機を大韓航空にリースパーチェスすなわち購入切りかえ先行権つき契約によって売却されていますが、この件について調査をされていると思いますけれども、どのようになっていましょうか。
○熊谷説明員 お答えいたします。
 日本航空機製造が大韓航空との間にいままで三次にわたる契約を行っておりまして、第一次契約が四十四年の三月でございます。これは三機、リースでございます。それから第二次契約が四十五年の五月でございまして、これは四機追加いたしまして合計七機になっております。第三次の契約は四十八年の四月、いま先生御指摘のリースパーチェス契約でございます。これはただいま申し上げました七機にプラスいたしまして補用部品をあわせまして契約をいたしておりまして、この第三次の契約を申し上げますと、三年契約で一機当たり補用品込みで月七万七千ドルの契約でございます。
 なお、いま先生が御指摘のように、パーチェスに移行いたしますということは、一定の支払い条件等が整いましたら移行する、こういう内容の契約になっておりまして、四十九年の十一月に先方におきます一括繰り上げ支払いがございまして、パーチェスに移行をいたしておる。それまではリースでございました。
 以上でございます。
○鈴切委員 大韓航空は、日本航空機製造株式会社より売却された直後にこのYS11七機をフィリピン・エアラインに一機平均三十二万ドルで、トーメンの香港が代理店として介在し、売却をされております。すなわち、大韓航空は日航製より一機三十六万ドルで買い四十二万ドルで売り、一機ごとに六万ドル、合計四十二万ドルの利益を上げたことになっておりますけれども、会計検査院は日航製の大韓航空へのYS11売却について再度検査をされておられるでしょうか。
○東島会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 この件につきましては、先般もいろいろ問題になりましたので、私どもも鋭意検査しておりまして、まだ結論を得ていないのでございます。
○鈴切委員 検査をされておることは、おかしいということで検査をされているわけでありますけれども、わが党の調査によりまして、日航製の大韓航空へのYS11七機の売却についても小佐野賢治氏が介在したことの確証を得ております。
 そこで、問題の第一点は、小佐野氏が大韓航空の株を九・九%所有したのでありますけれども、たしか四十七年の五月二十日であったと思います。この株所有は日本航空あるいは日航製の働きによる手数料と何らかの関係がある。もう一つの問題点は、児玉譽士夫とロッキード社との第三次合意改定契約が四十八年の七月六日になされており、この契約はロッキードあるいは全日空より大韓航空へのリース契約が成立し次第日本円十億円を支払うとの内容から、むしろ小佐野氏と大韓航空との関係から、児玉のロッキード社との合意契約は小佐野氏から児玉への働きによってなされたという問題点を一応提起をしたわけであります。
 捜査当局にお伺いいたしますけれども、児玉と小佐野の捜査にこれらの問題をやはり重要なポイントとして対象とされているかどうか、この点についてお伺いいたします。
○安原説明員 いま御指摘のリース契約というものと児玉譽士夫のロッキードからの収入というものとの関係につきましては、その実態の究明に努めるわけでございますが、いま御指摘のようなことをしているかどうかということについては申し上げるわけにはまいりません。
○鈴切委員 捜査状況については、ロッキード委員会だけを見ますと、法務大臣並びにいまも御答弁がありました安原局長も捜査内容については当然のことながら一言も発言をされない。いわゆる捜査に影響があるからということになっておりますけれども、しかし、毎日の報道を見てみますと、新聞で見ればよくわかることでありますけれども、捜査当局の筋からということで捜査内部の様子が詳しく報道されておるわけですね。そうなってまいりますと、国会での質疑は非常に無味乾燥な状態になってしまいますけれども、これは捜査当局が故意に、意識的に情報を流しておるのか、あるいは不注意で、そういうふうなことで捜査内容が漏れるのか、その点はどうなんでしょうかね。
○稻葉国務大臣 故意も過失もありません。不注意もそれから故意もございません。
○鈴切委員 それじゃ、そういうふうな情報が流れるということは、想像がほとんどだ、捜査とはちょっと違う内容である、推理的な内容が非常に多い、このようにお考えになっていましょうか。
○安原説明員 本日あたりも某新聞にはずいぶん詳しいことが出ておるわけでありまして、私自体、非常に驚いた次第でございまして、申し上げるまでもなく、直ちに捜査当局に、絶体漏らすということばないと信じておりますが、念のために問い合わせましたところ、全く漏らすなどということは絶対あり得ないということを言いながら、一つの推測としては、取り調べをしている者が全部拘束をしているわけではございませんし、拘束をしている人も弁護人との接見は原則として自由でございますから、推測でございますけれども、関係者からの話を総合して鋭敏なジャーナリストがそれをおまとめになるということもあり得るのじゃないかと思いますけれども、いずれにいたしましても、国会で申し上げないことを新聞等に申し上げるということは絶対にございませんから、それはひとつ御信頼いただきたいと思います。
○鈴切委員 法務大臣はいま時の人であります。あなたがどんなに個人的な発言をしようとも、その後ろには法務大臣という肩書きが必ずついているということをお忘れになってはいけないと私は思うのです。国会では非常に口もかとうございまして、捜査に影響のあることについてはなかなか核心に触れないのですが、往々にして、たとえばいろいろの場所に行って講演をされるときにずばずばとお話しになられる。その中に、これは八月六日、思い出していただきたい、法務大臣が新津市内で講演をされたことが報道されております。その中にロッキード事件についてこういうふうに書いてありますので読みますと、「今後どんなふうにいくか、しばらくお待ち願いたい。決してうやむやにせず、必ず国民の期待にこたえる。自民、社会、公明、民社などで区別なんかしないと述べ、徹底究明の姿勢を重ねて明らかにされました。」これが伝えられているわけでありますけれども、社会、公明、民社などで区別なんかしないと述べられたのですが、野党に対するこの発言について、法務大臣、何か根拠があって言われたのでしょうか、あるいはもし幾らかでも報道の内容が違っておられるというならば、訂正もしていただきたいと思いますけれども、根拠があるというのでしたら、ひとつ根拠を出していただきたいと思います。
○稻葉国務大臣 根拠があるわけはないのです。私は知らないのですからね。ただ、捜査当局が、また法務大臣としても、一党一派に偏したり、一派閥のことを考えたり、そんなことをやって全部の真相が解明できるわけがないのですからね。それで自民、民社、公明など与野党を問わずと、こういうふうに入っているんですよ。以下、みな一切一党一派には偏しない、厳正公平、不偏不党だ、こう言うのです。あなた、私のことを、新聞記事でやるよりしょうがないのですけれども、今度はもう少し録音機でも据えつけてちゃんとした資料でやってください。
○鈴切委員 いまあなた、何も根拠はないのだ、根拠もないのに、自民、社会、公明、民社などということだと、何か一つ政党が抜けているわけだ。これはずいぶんおかしいことでありまして、そういう意味からいいますと、大変に誤解を招く言葉だというわけでして、根拠がありましたら、根拠をもとにして言っていただきたいと私は申し上げたわけですから、その点はっきり訂正していただかないと、意識的にあなたがこういうことを流しているなどということになると問題ですよ、実際に。だから、私はこの点をただしておかなければならないと思いましたので、あなたが何も知らないものを一つの政党を抜かしてみたり、あるいは意識的に言われるなどということは、いまの時期が非常に神経が過敏だけに問題が多いということですから、そういう点についてもう一度訂正していただきたいのです。
○稻葉国務大臣 共産党が抜けていたか抜けていないか私は覚えていませんけれども、それは報道なんでしょう。しかし、共産党だけ除くなどという意思は毛頭ない。そんなことはできるわけはないじゃないですか。それは全部ですよ。犯罪に触れる者がおれば、そんな者をこっちはやってこっちはやらない、そんなことはできるわけがないじゃないですか。それは誤解なく。
 私は全部並べたつもりですけれども、もしあなたがどこかから持ってこられたものに共産党が抜けていれば、いま共産党を入れてください。
○鈴切委員 以上をもって終了いたします。
○田中委員長 永末英一君。
○永末委員 稻葉法務大臣に伺います。
 あなたは昨日本委員会で、法務大臣としては検察に対し、自分が政治介入の防波堤に立つから自由にやれ、こういう立場で臨んでいると言われました。この場合、政治介入ということは、どんなことを予想して言われたのですか。
○稻葉国務大臣 政治介入ということは、政治的党利党略とか派利派略とか、そういうよこしまなる、よからざる主観を交えて指揮をする、そういうことは絶対にしない、こういう意味でございます。
○永末委員 指揮をするといっても、直接に指揮をされるのはあなたであって、あなたを指揮しておるのは総理大臣ですね。この場合、あなたの言葉は、政治介入の防波堤に立つ、あなたが防波堤になるのであって、あなたが政治的介入を検察にされる意味ではない。すなわち、あなたに対して外から力、政治的介入が行われる、こういう言葉だと私は判断いたしました。そうなりますと、あなたに外からかかってくる政治介入というのは、どういう内容のものとあなたはあのときに判断されたのか、伺いたい。
○稻葉国務大臣 まだそういう経験をしておりません。私に何か圧力、いわゆる政治的圧力みたいなもの、それを経験してないのです。あるいは私が鈍感でわからないのかもしれません。けれども、私の主観としてはそういう経験はない、こういうふうに思っております。
○永末委員 要するに、あなたをして何らかの指揮を検察に対してとらしめようというような外圧、そういうものはいままでなかったということですか。
○稻葉国務大臣 経験をしておりません。
○永末委員 先ほども同僚議員の質問に答えて、ざわざわ政治的な雰囲気がしていることは検察に影響がある。そうなりますと、たとえば人心一新論という意見があなたの党内に起こって、それでざわざわした気流を起こすということは、あなたから見まして、検察に対する政治介入になりますか。
○稻葉国務大臣 政治介入というべきものではないと思います。しかし、検事総長の立場は厳然としておるでしょう、私の立場は、それは困る、影響がある、こういうことをさっき申し上げました。
○永末委員 また臨時国会の開会の期日の設定に当たっても、あなたは以前本委員会で、この国会が開かれた場合には逮捕の許諾請求というようなことがあった場合に手の内がわかるのでそれは困る、だからやはりロッキード事件の捜査のスムーズな進展のためには、その前に山を越すのが望ましいという旨の言葉を言われたと思うのです。そうなりますと、臨時国会を開こうというようなことはやはり政治的介入ですか。
○稻葉国務大臣 さあ、それは、今度の場合は十二月九日とおしまいが決まってしまっている。しかもロッキード事件ばかりが政治じゃないと総理も言っておられるし、私も国務大臣としてそう思います。そうしますと、前にはそういうふうに申し上げましたけれども、ここまで詰まってまいりますと、そうとばかりも言っていられないかなという政治家としての判断が今度入ってきまして、ですから、ロッキード事件解明の末尾の方と、それから臨時国会召集のしょっぱなの方と多少重なるのもやむを得ないかなという気がしております。そういう点について、わが検察庁は有能、勤勉な陣容であり、正しい人たちですから、そういうことに影響されるものではないという信用の上に立ってそういうふうに申し上げました。したがって、それが政治的介入になるとは私は思っておりません。
○永末委員 そういう一般的な政治問題というのは、政治的介入ではないとあなたは判断されておられるようでありますが、いま言われたように、政治家としてはやはり臨時国会を開かねばならないし、与党としてはその臨時国会で処理すべき案件を考えられますと、ある一定の期間というものが頭に浮かんでくる。しかし、ロッキードの捜査の山を越すためにはこれまたある程度の期間が必要だとあなたは見ておられる。重なる部分がある。どの辺ですか。
○稻葉国務大臣 捜査がだんだん進んでいきまして、そしてこの辺までいけばいきそうなものだと思うのですけれども、そこまでに臨時国会開かぬと、十二月九日という末尾との関係であれだから、この辺で開かなければならぬということになるとこうなる。捜査はこの辺でと見当をつけて、この辺のところは重なるかな。これは私の感じですよ。私は捜査の専門家じゃありませんから、この事件はいつ捜査が終わりそうだなどということはぴしっと見当っけるわけにまいりません。それはお許し願いたいと思うのですが、まあ常識というか推理といいますか、そういうことで、そんなふうに思っておるわけです。当たるか当たらぬかわかりませんけれども。
○永末委員 きょうはあなたの御答弁いただいている日取りは、暦日でいえば八月十二日である。いまあなたが最終の決着をつけねばならぬのは十二月九日だと言われた。そしてその真ん中で重なる日と言われたら、両方の日がはっきりしておるわけですから、その重なる日も大体暦日で言えるでしょう。言ってください。
○稻葉国務大臣 十二月九日というのは任期満了の日ですね。その前に選挙法ではさかのぼって一カ月以内に役票が行われる。そうすると、選挙の期間もありますし、告示とかそういうものもありますし、それで臨時国会の日程というのはそんなに大きくずれませんな。七十日なんと言う人はないようですから、それから三十日なんと言う人もないようですから、大体四、五十日、中とっていいんでしょうかな。そうしますと、大体ここらあたりには国会を開いてなければだめじゃないか、けれどもその開く国会までにきちんとロッキード事件の全貌が明確になりそうでもなさそうだ。こういうことから考えますと、一部臨時国会開会とロッキード事件の――開会が前で、捜査の大山だの、起訴とまではいかなくとも、問題になる人の強制捜査の時期は、臨時国会開催の日よりこっち、先になるような気が、私そういうことを申し上げてきたのです。
○永末委員 いまあなたのお話を伺いますと、大体任期満了前、選挙が含まれる期日は法律で決まっておるし、それからあなたのお考えになっておる常識的な線は、臨時国会の開会日数は大体四、五十日、そうなりますと、九月十日ごろが大体これは山場だなというぐらいに思っておられますか。
○稻葉国務大臣 それは臨時国会開催の山場でしょうか、ロッキード事件強制捜査の大体の終了の山場という意味でしょうか。
○永末委員 あなたの言われた言葉ですと、その両方の重なっているところでございますから、その中日ぐらいのところですね。
○稻葉国務大臣 そうですね、私は前に、大変な難事件を抱えてあれだけ苦労しているんだから、まあしかし、捜査の途中でというわけにもいかぬから、捜査が終わったら慰労でもしょうかな、どういう慰労がいいかなと思って、二つあれしたのですな、秋場所のますを。それは十七日と二十四日ですから、だから私はそのくらいまでには何とかなるんじゃなかろうかという気持ちでいるんですね。
○永末委員 まあ十日、十七日、二十四日、いろいろな日が出まして、あなたの大体のお考えはわかりました。まだお答えいただけますか。ではもう一度。
○稻葉国務大臣 そういうことを私がここで申し上げましたからといって、それが影響して捜査当局が急いだり、ゆっくりしたり、そんなことは全然ありませんから、その点はお間違いのないように願いたいと思います。
○永末委員 あなたが期日の感覚を持っておられるからといって、それで指揮権を発動したと私も思いません。
 さて、昭和四十八年七月の終わりに、ワシントンで田中総理とニクソン大統領と第二回目の会談が行われまして、八月一日に共同声明が出ました。
 この共同声明の第四項では「総理大臣と大統領は、一九七二年の九月のハワイにおける両者の会談以来共通の関心を有する諸問題につき各層で行なわれてきた間断なき対話に対し満足の意を表明すると共に、」云々、こうなっているのでございまして、この共同声明から見ますと、このワシントン両首脳会談というのは、ハワイにおける会談をもう一度おさらいをした形跡がございます。しかもこの会談には、ハワイ会談を準備するために、いわゆる十億ドルの緊急輸入、その中で三億二千万ドルの大型旅客機を含む緊急輸入を相談いたしましたわが方の鶴見審議官並びにアメリカのインガソル駐日米国大使が討議に参加している。こうなりますと、ここでもまた似たようなことが話され、そして特にハワイ会談以来のことがここで語られたと見る十分な証拠があると思いますが、外務省はどう思っていますか。
○浅尾説明員 四十七年の八月にハワイ会談が行われまして、いま御指摘のワシントンでの首脳会談が四十八年七月三十一日と八月一日に行われたわけでございますが、そこで、共同声明の中にございますように、国際問題あるいは二国間の問題も討議いたしました。
 二国間の問題で、前の年のハワイ会談の際に問題になった日米間のインバランスの問題を、一年間たって振り返って見直して、インバランスが是正されたということが語られております。それはそのとおりでございます。
○永末委員 わが方の国内の事情から言いますと、すでに全日空がトライスターの導入を決定し、そして国防会議では、いわゆる次期対潜哨戒機の国産化問題が白紙に還元されたというようなことでございまして、そうしますと、もう一つ伺いたいのは、この中で国際情勢に関し、特に極東の安全保障に関しまして対潜警戒の必要等が議題に上り、論議になりましたか。
○浅尾説明員 いま御指摘の日本の対潜能力その他の点については、この首脳会談で言及されておりませんというふうに私は承知しております。
○永末委員 この点について外国筋の評論家では非常な疑いを持っておる者もございまして、もう一度精査をしなければならぬ問題だと思いますが、少なくともハワイ会談のこれはいわばレビューでございますので、検察当局はこのハワイ会談にも関心をお持ちになっておるはずでございますから、当然この四十八年の七月における両首脳会談にも関心をお持ちでしょうね。
○安原説明員 いわゆる緊急輸入、エアバス導入を含む緊急輸入の問題に関連いたしますハワイ会談には当局として関心を持っておるわけでございまするから、それに関連するものにも――私の推測でございますが、関連いたすとすれば関心を持つはずでございます。
○永末委員 田中前総理の強制捜査の被疑事実の中で、いわゆる五億円の問題がございますが、これは主としてトライスターの成功報酬のように報道されておりますけれども、時の系列並びにまたアメリカの上院多国籍企業小委員会でコーチャン元ロッキード社長が、大体全日空問題というのは四十七年の秋に終わったんだ、こういう証言をしているところから察知しても、それからいま申しましたような経緯にかんがみても、次期対潜哨戒機に関する問題が絡んでいるのではないかと一般には思われている。法務省当局はこれに関心をお持ちでしょうね。
○安原説明員 御指摘のように、コーチャン証言の内容には当然のことながら関心を持っておりまするが、五億円の趣旨につきましては目下捜査中でございますので、これ以上は申し上げるわけにはまいりません。
○永末委員 昭和四十七年十一月十六日にゲアハルド海軍少将がわが国を訪問いたしておりますが、この人の職務は何でございますか。
○夏目説明員 お答えいたします。
 太平洋軍のFMS担当と聞いております。
○永末委員 日本語でやってください。
○夏目説明員 国外販売担当の担当官だと聞いております。海軍少将でございます。
○永末委員 その人はその職務に忠実に、わが方に何らかの兵器を有償で援助する、売りつけるといういろいろな話をいたしましたか。
○夏目説明員 ゲアハルド海軍少将は四十七年の十一月十六日に表敬のために防衛庁を訪問しております。
○永末委員 表敬以外の仕事はわかっておりませんか。
○夏目説明員 それ以外に聞いておりません。
○永末委員 お調べを願いたいと思います。表敬だけで、十分間の用事で来るわけではございませんから、職務は職務でございますので、詳しくお調べを願いたい。
 第二は、四十八年十二月五日にデュボイスという、これはアドバンスト・リサーチ・プロジェクト・エージェンシー、それのディレクターがわが国を訪問しておりますが、どこへ行ってどんな話をしましたか。
○夏目説明員 お答えいたします。
 この方は韓国に、日本で言えば研究開発を担当する米軍の事務所が当時あったようでございますが、そこの担当者と聞いております。この方が四十八年十二月五日にわが方へ参りまして、装備局あるいは技術研究本部を訪問しております。
○永末委員 その内容はわかっておりますか。
○夏目説明員 この内容も細かいことはわかっておりません。
○永末委員 四十九年五月十五日から二十四日まで、アメリカの海軍航空システムコマンドのケアンズ氏ほか二名がわが国を訪問しております。これはどういう話をどこでやりましたか。
○夏目説明員 お答えいたします。
 このケアンズという方は、アメリカの海軍航空システムコマンドの航空力学、それから資材担当の技術者でございまして、四十九年の五月に技本へ来ておりますが、この目的は、ケアンズ氏の担当が航空力学、材料の担当でございますので、金属セラミックであるとかガラス繊維、それから銅の耐食性、それからコーティング、表面処理等についての意見交換というふうに聞いております。
○永末委員 わが方は四十九年といいますと、四十七年の国防会議で決まった支援戦闘機の作製であるとか、あるいはまたその当時専門家会議でやっておりました次期対潜哨戒機の問題であるとかということが具体的な問題点でありました。したがって、そういうことに関連をして航空力学上の意見交換あるいは資材に関する話をしたというのでありますか。
○夏目説明員 お答えいたします。
 直接対潜哨戒機云々と結びついたものではなく、一般的なこういうお話をしたというふうに聞いております。
○永末委員 四十九年九月十七日、ギオバンニという人がやってまいりまして、この人は海軍作戦部の国際研究開発に関係のある職務を持っておりますが、これは何の専門家で、何をいたしましたか。
○夏目説明員 ギオバンニ氏は、いまお話がありましたとおり、海軍作戦部の研究開発担当でございまして、防衛庁に参りました目的は、表敬と、それから魚雷につきまして意見交換に参った。あわせて技術研究本部の第一研究所という、まあ実験水槽がございますが、そういったものの視察をしております。
○永末委員 魚雷と言ってもいろいろございますが、どういう種類の魚雷ですか。
○夏目説明員 対潜水艦及び対水上艦艇でございます。
○永末委員 対潜水艦というのは、空からねらうのもありますし、船からねらうのもあります。どういう対潜水艦用の魚雷ですか。
○夏目説明員 御指摘のように、魚雷一般について言えば、航空機から撃つものも艦艇から撃つものもございますが、本件に関してどちらかということは聞いておりません。一般的な魚雷の話というふうに聞いております。
○永末委員 アメリカのこの辺における関心は、努めてやはり対潜水艦攻撃にあったと思われる。その対潜水艦攻撃も、空からやる攻撃ということに非常に力点を置かれておるのがアメリカのバックグラウンドでございますので、それもひとつ御調査を願いたい。
 四十九年十月十四日に海軍兵器研究所のウリックという人が訪問いたしておりますが、これはどういうことをおやりに参りましたか。
○夏目説明員 この方は四十九年の十月十四日に防衛庁技本へ参りまして、水中音波、アンダー・ウォーター・サウンズについて講義をしております。
○永末委員 水中音波と言えば潜水艦探知にきわめて重要な関係のある問題でございますね。したがって、この人は対潜水艦警戒と申しますか、そういうことに関する専門家だと思いますが、それらに対するいろんな意見の交換があったと見てよろしいですね。
○夏目説明員 この方はレクチュアに参ったというふうに聞いております。
 それから、答弁を補足させていただきますが、アメリカの国防省関係の方が日本へ参るのは非常に多うございまして、アメリカの三軍の長官の交代に伴う離着任の表敬であるとか、部隊指揮官がかわりますときの在日米軍の部隊を視察するに際しまして一緒に防衛庁に表敬訪問をするというふうなこともございます。たくさんございます中の一部でございまして、いま先生御指摘があったのは技本関係のを言われたと思うのですが、そのほかずいぶんたくさんの方が見えてますということをつけ加えておきます。
○永末委員 それは日米関係ですから、たくさんの人が出ましょうが、その中でロッキード事件に関係のある者をわれわれは捜しておるのでございますから。
 四十七年十月二十六日、ガイラー海軍大将、すなわち米太平洋統合軍司令官が来日をされ、次いで四十九年九月四日、五十年五月三十一日、五十一年七月八日、九日、それぞれ要務を帯びたり表敬のため来られ、懇談をしておられます。そのときの懇談の内容はわかっておりますか。
○夏目説明員 昨年の五月に参られたときには、たしかベトナム戦が終結した直後だったと思いますが、いわゆるポストベトナムにおける国際軍事情勢一般についてお話がされたというふうに聞いております。
 それから、本年の六月でございますか七月に参られたのは、第十六回の日米安保協議委員会に出席した途次防衛庁に表敬訪問されたというふうに聞いております。
○永末委員 この人はもともと米海軍所属の飛行機乗りでございまして、飛行機の専門家でございまして、第二次世界大戦にも従軍をされた経験がありますが、特に対潜水艦警戒につきましては、地上から発進する航空機による哨戒の重要性、あるいはそれによる攻撃ということに重点を置いた物の考え方をしている人であります。したがって、この人がわが国にやってくるならば、言うならばそういう角度から対潜哨戒機の問題について話し合っていると見るのが当然でございますが、あなたの方にはその証拠はございますか。
○夏目説明員 特に対潜哨戒機云々について話し合った、議題になったということは聞いておりません。
○永末委員 対潜哨戒機でなくて対潜警戒の話です。
○夏目説明員 対潜警戒についても特に議題になったということは聞いておりません。
○永末委員 これまたお調べください。
 さて、議題を変えますけれども、コーチャンに対する嘱託尋問の調書がすでに到着をいたしております。翻訳はもう済みましたか。
○安原説明員 翻訳が終わったとは聞いておりません。終わっているかもしれませんが、聞いておりません。
○永末委員 なお、クラッター、エリオットの証言がまだはっきりいたしておりませんが、まあ翻訳が何ぼか進んでいけば、すでにポイントは内容で御承知だと思いますが、いまの事件の進展上クラッター、エリオットの証言は絶対に必要ですか。
○安原説明員 きのうも申し上げたのでございますけれども、クラッター、エリオットというのは、すでに公訴提起をされております外為法違反の事実では、日本国内における支払い、被居住者であるロッキード社のために支払った者ということでエリオット、クラッターの名前がたびたび出てまいるわけでございまするから、そういう人から事情を聴取するのは捜査の常道でございます。そういう意味において、ぜひ必要ではございますが、それが、今度の事件の捜査の中でどのようなウエートをこの証言そのものが占めるかということは、捜査の内容に触れるのでちょっと申し上げるわけにはまいりませんが、ベストを尽くすという意味では、ぜひ必要であろうと思います。
○永末委員 このクラッター、エリオットが米国内において米国内法に対して免責を要求しているというのはどういう理由なのか、どう把握しておられますか。
○安原説明員 御指摘のように、現在この二人の証人尋問がストップしておる理由は、米国法による刑事訴追の免除を要求しているということにあるわけでございまして、その刑事訴追の免除が具体的にどのような犯罪についてあるのかということは承知いたしておりませんが、米国司法省としては、現在、訴追免除の特権を付与するかどうかということを検討中でございます。
○永末委員 終わります。
○田中委員長 それでは、次回は、十八日午前十時理事会、十時三十分委員会を開きます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時十三分散会