第077回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第26号
昭和五十一年八月二十六日(木曜日)
    午前十時三十六分開議
 出席委員
   委員長 田中伊三次君
   理事 大橋 武夫君 理事 谷垣 專一君
   理事 中村 弘海君 理事 松永  光君
   理事 山下 元利君 理事 田中 武夫君
   理事 横路 孝弘君 理事 松本 善明君
   理事 坂井 弘一君
      上村千一郎君    内海 英男君
     小此木彦三郎君    小山 長規君
      佐藤 文生君    志賀  節君
      菅波  茂君    野田  毅君
      橋口  隆君    橋本龍太郎君
      古屋  亨君    渡部 恒三君
      稲葉 誠一君    大出  俊君
      細谷 治嘉君    松浦 利尚君
      安井 吉典君    山本 政弘君
      米田 東吾君    野間 友一君
      三浦  久君    鈴切 康雄君
      受田 新吉君    河村  勝君
      永末 英一君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 稻葉  修君
        大 蔵 大 臣 大平 正芳君
 委員外の出席者
        法務省刑事局長 安原 美穂君
        大蔵省理財局次
        長       吉岡 孝行君
        参  考  人
        (日本放送協会
        会長)     小野 吉郎君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   山本  博君
        ロッキード問題
        に関する調査特
        別委員会調査室
        長       中里  煥君
    ―――――――――――――
委員の異動
八月二十六日
 辞任         補欠選任
  宇都宮徳馬君     志賀  節君
  亀岡 高夫君     山下 元利君
  佐藤 文生君     橋本龍太郎君
  瀬戸山三男君     野田  毅君
  箕輪  登君     橋口  隆君
  渡部 恒三君    小此木彦三郎君
  大出  俊君     山本 政弘君
  斉藤 正男君     細谷 治嘉君
  楢崎弥之助君     安井 吉典君
  庄司 幸助君     野間 友一君
  河村  勝君     受田 新吉君
同日
 辞任         補欠選任
 小此木彦三郎君     渡部 恒三君
  志賀  節君     宇都宮徳馬君
  野田  毅君     瀬戸山三男君
  橋口  隆君     箕輪  登君
  橋本龍太郎君     佐藤 文生君
  細谷 治嘉君     米田 東吾君
  安井 吉典君     楢崎弥之助君
  山本 政弘君     大出  俊君
  野間 友一君     庄司 幸助君
  受田 新吉君     河村  勝君
同日
 辞任         補欠選任
  米田 東吾君     斉藤 正男君
同日
 理事亀岡高夫君同日委員辞任につき、その補欠
 として山下元利君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 証人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 ロッキード問題に関する件
     ――――◇―――――
○田中委員長 これより会議を開きます。
 理事の補欠選任に関する件についてお諮りをいたします。
 理事亀岡高夫君が本日委員を辞任されましたことに伴い、理事一名欠員となりました。
 これよりこの欠員の選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名することに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認め、さよう決定をいたします。
 それでは、理事に山下元利君を指名いたします。
     ――――◇―――――
○田中委員長 ロッキード問題に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人の出頭を要求する件についてお諮りをいたします。
 本件について、本日、委員会に参考人として、日本放送協会会長小野吉郎君及び日本放送協会専務理事山本博君の両君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定をいたしました。
    ―――――――――――――
○田中委員長 質疑の申し出があります。順次これを許します。まず、松浦利尚君。
○松浦(利)委員 大平大蔵大臣が十一時までだそうでありますから、大蔵大臣の所管について、大変過去にさかのぼって恐縮ですが、やはりこれからロッキード事件等のこうした構造的な汚職が出てこないという歯どめのためにも、大蔵省の国有財産の管理問題についてこの際お尋ねをして、そういう事実についての、時間があれば大臣の見解を承りたいのですが、恐らく十一時までには終わらないと思いますから、その後はまた事務当局の方に質問しますので、事務当局の方から十分お聞きをいただきたいと思うのであります。
 実はこれから申し上げようとすることは、田中角榮前総理が大蔵大臣時代の問題であります。御承知のように、これは十年前の話で大変恐縮でありますが、本問題は、脱税問題で決算委員会あるいは衆議院の逓信委員会等で議論をされた問題でありますが、そのたびごとに守秘義務で実はあいまいにされてきておる問題であります。それは、昭和三十八年三月二十九日のワシントンハイツ地区の土地一部を日本放送協会放送センター用地に提供するという問題の絡みであります。
 大臣には政治的なお話をお尋ねしたいのでありますが、大体国有財産を売却する場合は、これは建設委員会等でも相当議論のあったところでありますが、国民の財産でありますから、国民が損をしないように適正な価格で国有財産というのは処分をする。同時に、国が必要とする土地については最少価格で、できるだけ安い価格で購入をする。これはやはり国有財産を管理する立場の、売買する場合の原則だと思うのですが、そういう点、大臣は御理解いただけますか。
○大平国務大臣 仰せのとおりだと心得ております。
○松浦(利)委員 ところが、これはNHKの会長が来ておられますから、NHKの会長にお尋ねをするのですが、この放送センター用地を取得する場合に、一部については現金で取得されて、一部についてはNHKが更地を取得して、それと等価交換をしたという事実になっておるのですが、その点、会長、間違いありませんか。
○小野参考人 お答え申し上げます。
 ただいま仰せのとおり、間違いございません。
 坪数を申し上げますと、全体で二万五千坪あるわけでございますけれども、いわゆる金銭によって買い上げましたものが二万坪でございます。数字を丸くいたしますが。あと五千坪ばかりが第二段階に残りまして、これが他の土地と交換、こういう形になっております。
○松浦(利)委員 会長、お尋ねをいたしますが、このオリンピックが終わった後取得をした等価交換の土地ですね。それは一万九千坪、約二万坪を現金で取得をして、残りの五千坪についてNHKの方でどこか更地を求めて、そしてそれと交換をしましようという連絡があったのはいつごろでございますか。その連絡をしてきたのは、当時のだれがNHKのだれにそういう連絡をなさいましたか。
○小野参考人 お答え申し上げます。
 約五千坪ばかりの等価交換、いわゆる土地の交換の買収方法につきましては、たしか三十八年の暮れあたりでございましたですか、このころに大蔵省の当時の管財局の国有財産第二課長の村田課長から、もういまやめておりませんけれども、NHKの経理局長の竹田局長のところに連絡がありまして、大蔵省としては金でもらうよりもいわゆる公務員住宅用地としてかっこうな土地が欲しい、その土地が稲毛にあるのでそれをNHKが買い取って、そしてお互いに評価し合った上で適正な交換をしよう、こういうことでごく事務的に話は進んだように聞いております。
○松浦(利)委員 会長、そのときにNHK側としては、現金でもいいし、あるいは等価交換でもいいから更地を求めてくれ、どちらの方にウェートがあったのですか。
○小野参考人 NHKとしてはただ土地を入手すればいいわけでございますので、現金で支払った方がよければそれでよかったわけでございます。あるいは適正な価格でございますならば、これが非常なやはり損益にならなければ、いまの大蔵省の要望のような、他の土地をNHKが買いまして、それと交換という方法でも、これはどうでもいいわけでございますけれども、私どもは当初は現金で払うものと思っておったわけでございます。
○松浦(利)委員 そしたら、NHKは当初三十八年三月二十九日の閣議決定の段階では、第一回払い下げ、第二回払い下げとも、要するに取得すればいいのですから、現金で購入するというふうに理解しておったと思うのです。ところが、突然、そこで大蔵省の管財局の方からNHKの方に、更地を取得して等価交換をしてくれという要請があったためにNHKがそういう努力をするわけですが、実はその土地が、現在千葉県船橋市稲毛海岸三丁目にある公務員住宅が千七百戸ぐらい建っておるところだと思うのであります。
 これは事務局にお尋ねをしておきますが、この土地謄本がありますが、この稲毛の土地はもともと千葉市が造成した、地方自治体が造成した土地ですね。その点は大蔵省間違いありませんね。
○吉岡説明員 お答えします。
 ただいまお話しのように、国が取得しました稲毛の土地は、当初千葉市が稲毛海岸を埋め立てて造成した土地を、国としてNHKの手を経て取得したものであります。
○松浦(利)委員 大蔵大臣、いまお話を聞きましたように、そのNHKが取得をして等価交換をした土地は、千葉市が、地方自治体が造成した土地なんですね。そうなってくれば、等価交換をする場合は、当然、直接千葉市から購入するか、あるいは千葉市が指定した業者と直接取引した方がこれは安いということはおわかりになりますね。どちらも、国の方の土地も国有財産、造成した土地も、これは地方自治体がつくった土地でありますから、そこで交換した方が交換は非常にスムーズだし、価格的にも安く購入できるということはおわかりになるでしょう、一般論としてですよ。
○大平国務大臣 まず、本件について、事実関係を事務当局からもう一度説明させます。
○松浦(利)委員 もう時間がないのです。一般論として聞いておるのですよ。だから、事実関係ではなくて一般論としてどうですか。
○大平国務大臣 一般論といたしまして、できるだけ経済的に安く買い上げてまいる、手に入れるということが望ましいことは申すまでもないことでございますが、いまの場合どういう事情でございましたか、事実関係を明確にして判断させていただかなければならぬと思います。
○松浦(利)委員 だから、一般論としては私が言っておることが一番正しいと思うのです。
 それで大臣、これはもう時間がないのでお尋ねしておきますが――今度のは後で事務局とは十分議論をします。
 実はこの稲毛の土地を千葉市が造成をしまして、たまたま千葉市としては資金繰りに困ったために若松築港というところに現物支給の手続がとられたのです。ですから、工事代金のかわりに千葉市が若松築港株式会社というところに工事費同等額として現物を支給したわけですね。ところが、それを朝日土地というものに転売をしておるのです。これはこの登記簿を見ればはっきりするのですが、転売をしておる。そのときの転売価格が実は十億三千万円なんですね。ところが、それから三日、四日たちまして、小佐野さんの国際興業が中に入って、そしてNHKに渡すわけです。その場合の価格がたった三日か四日で十二億九千七百九十一万円というふうにぽんとはね上がるのです。それで結局NHKとしては、等価交換するならもっと早いところで押さえれば、少なくとも朝日土地からは十億三千万円、あるいは若松築港株式会社から土地を直接取得すれば六億七千万円ぐらいで取得できたものが、その間、国有財産関東地方審議会とか、あるいはNHKに対する土地を交換してもらいたいとかいうような動きが出てきて、途中に土地転がしが始まって、たった七カ月の間にこのNHKの土地が二倍になるのですよ。しかも、稲毛の土地というのは、当初から国有財産関東地方審議会で公務員の宿舎にしたらどうかという審議会の答申が出ておるのですね。しかも、審議会にかける前に、大蔵省の考え方としてこういう考え方がもうすでに極秘裏に出されておるわけです。ところが、そういう手続を経て土地転がしがやられておる。そうすると、あの国有財産は等価交換ですが、実質的な価格は約十四億ぐらいかかったので、等価交換してその差額分の一億幾らは現金でNHKが納めたんですね。ところが、考えてみると、その安いときに買っておけば、NHKに十三億なら十三億で売って、そして十億なら十億で国が取得すれば、四億の税金をむだ遣いせずに済んだわけでしょう。ですから、国有財産を処分する場合に、こういう等価交換とかなんとかという仕組みを利用して間にもうかる人が出てくる。これは後から詳しくもっと事務当局と詰めますけれども、こういうことがこれからも行われるとすれば、結局このロッキード事件と同じで、要するに権力側と利権者とが結びついて利益を受ける者が出てくる、こういうことがやはり、断定はしませんけれども、そういう疑いが濃厚だということになれば、私はこういうやり方というのは根本的に改めるべきじゃないか。しかも、田中前総理が大蔵大臣時代、小佐野さんという国際興業の社主という人も一応かんでおるという状況が私たちの調査では出てくる状況だ。しかも、その土地はもともと地方自治団体がつくった、造成した土地なんですね。民間が造成したんじゃないですよ、地方自治団体が造成をした土地。そういう点を考えてまいりますと、私はやはりこの問題は大蔵大臣としても一遍徹底的に部内でチェックをして、そしてもし誤りがあったとすれば、私はこれはもう時効で、過去のことですから責任を云々しても仕方がありませんが、やはり改めていくべきだ、そういうふうに思うのですが、調べてみられて、そういう事実があれば改めていくというお考えがありますか、これについて。
○大平国務大臣 本件につきましては、松浦委員も仰せになりましたように、前々から問題として提起された案件のように私も記憶いたしております。私は、その問題の土地が造成され、また移転されてまいりました経路は、仰せになりましたようないろんな経路があろうかと思いますけれども、国有財産の管理者が、管理当局といたしまして国有財産の交換をする場合、交換の時点において適正な価額で交換が成立するということでございますならば、そのとってまいりました手続、そのやり方に私は間違いはなかったと思うのであります。しかしながら、あなたが仰せのように、これは事国有財産の管理でございまするので、慎重にやらなければならぬことはもとよりでございまするし、国家の利益のために周到な配慮をめぐらした上でやってまいらなければいかぬことは、このケースばかりでなく国有財産管理一般にわたりまして私どもが常に心がけてまいらなければならぬことでございまするので、国有財産の管理責任者といたしましては、仰せのとおり十分気をつけて、行政上瑕瑾のないように配慮してまいるつもりでございます。
○松浦(利)委員 大臣、いま申されたことで結構ですが、これはもう一遍――過去に決算委員会、逓信委員会で脱税問題で議論されて、現実に国税庁の方は追徴しておるのですよ。三億六千万近くの金について追徴を課しておるのです。しかし、それは守秘義務ではっきりしておらぬわけですね。しかし、そのことはもうすでに済んでおることですから、問題は、こうした国有財産の問題を利用して利権をあさっていくという行為が封じ込められるように、この問題はもっと徹底的に事務当局をして精査さして、チェックさして、そして問題点を明るみにするということはお考えになりませんか。私はやってもらいたいと思うのですが、どうですか。
○大平国務大臣 仰せを待つまでもなく、私といたしましても十分レビューしてみたいと思います。
○松浦(利)委員 詳細については後ほど、事務局の方から来ておられますから、事務局と詰めてまいります。
 そこで最後、あと五分間ですが、大平さんにちょっと、きのうもいろいろお尋ねをしたのですが、お尋ねをしたいのですが、大平大蔵大臣は、財特法が上がらなければならぬぎりぎりの限界は九月十日だと、こういままで言っておられたと思うのですよ。ですから、九月十日が限界だということになれば、当然もう臨時国会は召集手続がとられて、やらなければ、大蔵当局、大臣が言っておられる九月十日というのに法律は間に合わぬと思うのですね、実際に大蔵大臣が言っておられたことは。ですから、逆に言うと、財特法というのは大蔵大臣としてはそんなに急いで通す必要はない、九月十日というのははったりであって、大蔵証券のやりくりや何かでやっていけば九月いっぱいぐらいはもつんだ、こういうふうに軽く考えておられるんでしょうかね。私はそういうふうにしか理解できないのです。いままでの自民党内部の政権争いを見ておりますと。財特法よりもそっちの方が優先というような気がするのですよ。九月十日という限界日がいままで言われておったから、ひとつ主管大臣として忌憚のない本当のところをお聞かせいただきたいと思うのです。
○大平国務大臣 大蔵委員会を通じましていろいろ財政問題につきまして御関心もいただき、御高見も伺っておりまする松浦委員でございますが、私は財特法のぎりぎりの時間的限界が九月十日であるなどということは申し上げた覚えがありません。財特法の成立の時間的限界は予算成立の日でございます。予算成立の日にこの最大の歳入立法が成立しないなんというようなことは異例なことでございまして、そういうことが許されていいはずのものはないのでございまして、いままさにわが国の財政は非常に異例な執行をせざるを得ない状況にありますことは、財政通であるあなたがよく御承知のことと思うのでございまして、国会が、衆議院は御理解をいただいて通過願ったわけでございますけれども、参議院におきまして一日も早く成立を願わないといかぬということは、もう当然のことと考えております。
○松浦(利)委員 大臣、財特が通らなかったことは非常に異例なことですね、歳入ですから。しかし、現実はこういう状態になってきておるのですから、ですから大蔵省の事務当局なり大臣は、市中消化その他の関係から見ても九月十日がもう限界ぎりぎりだ。そういったことを考えていくと、このような抗争をしておったらなかなか臨時国会は開けない。特に三木さんがやめなければ、やめるということをはっきり言わなければ臨時国会の召集をやったってわからぬぞというすごみを何かきかせておる人たちもおるわけですからね。大臣は違いますよ、すごんでおるグループの人たちもおるようでございますから、そうなってくれば、臨時国会のめどがたたなければ、ずるずるずるずる異常な事態がさらに異常な事態になりますね。そうすると、市中消化という問題も絡めてきて、金融市場との絡み、そういったものから見て、やはり担当大臣として私は限界があると思うのですよ。ここがもうぎりぎりの限界だ、もうのべつ幕なしこういう状態が続いていいということにはならぬと思うのです。だから、その限界は一体いつなのか、九月十日でなければいつが限界なのか、九月いっぱいなのか、そういう点をひとつお聞かせいただければ非常に参考になると思うのですがね。
○大平国務大臣 限界はとうの昔に過ぎておるわけでございまして、いま非常に異例な執行をやっておるということでございます。
○松浦(利)委員 それでは、さらに平たくお尋ねしますが、限界はない、異常な執行でいけば、ずるずるずるずるいつまでたったって異常な状態でよろしい、こういうふうにわれわれは理解をいたしますが、われわれの理解がどこが間違っておるか、修正してください。
○大平国務大臣 異例な執行を続けてまいりますと、歳入、歳出全体にわたりまして行政府が特別な措置を講じなければならない段階を迎えざるを得ないわけでございますので、先ほど申しましたように、一刻も早くこの成立を国会にお願いしなければならぬことは当然と心得ております。
○松浦(利)委員 ですから、大臣、いまのごたごたは、これは自民党内部の政局問題ですね。国会というのと別ですね。自民党内部の問題で、私たちは全然関係ないのですから。わんわんわんわん騒いでおられるのは自由にお騒ぎになって、これは幾らかかっても結構です。しかし、国会と政局とは別ですね。少なくとも国会という場が機動するためには、財政担当の大臣として、日本の財政そのものに混乱を起こしてはいけない責任を持っておられるわけですから、そうなってくれば当然一定の限界というのはあると思うのです。ですから、国会と政局というのは分離して大蔵大臣としてはお考えになっておるべきだ、私はそう思うのですが、そうすればおのずから整理されてくると思うのです。いまの問題は、逆に言うと、これは自民党内部の混乱であって、何にもわれわれは混乱しておらぬわけですから、そのことが国民全体の生活に影響を与えては、これは私は大変だと思うのですね。ということになれば、この際、国務大臣、担当大臣、財政担当大臣として一体こういう危機をどうするのか、国会を開かなければならぬわけですから。私は国会と政局は、自民党のごたごたは分離して考えることが一番国民の要望に沿う道だと考えるのですが、そういう点は間違っておりますか。私の言っていることは本当でしょう。どうですか。
○大平国務大臣 仰せのとおりでございます。自民党の中でもいろいろな議論を行っておりますが、自民党のどなたでも財特法の一刻も早い成立をこいねがっていない人はだれもいないのです。それから、この法案が財政、経済に与える影響の深刻さについて御認識をいただいていない方は一人もいないわけでございまして、この法案ばかりでなくいま国会で衆議院に御継続に相なっておりまする法案も含めまして一日も早く成立を急がなければならない、そして成果を上げなければならない、そのためにどうしたらいいかということがまさにいま私どもの最大の関心事でございまして、あなたが御心配いただいておりまするように、自由民主党の中におきましてもそのことに問題の焦点があるのだということを御理解いただきたいと思います。
○田中委員長 松浦君、大蔵大臣は五十五分までですが、時間。
○松浦(利)委員 私さっき十一時と言われていたのです。大臣が十一時と。十一時です。ちょうど。どうぞ。
○田中委員長 それでよろしいか。
○松浦(利)委員 結構です。
 大臣にもう少しお聞きしたいのですが、国政に用事があるそうですから……。
 それでは、NHKの小野会長も実はきょう御出張だそうですからあんまり長くお引きとめできませんので、まず会長にお尋ねをしますが、実はいまNHKにいろいろな意味で抗議の電話が来ておるそうでありますが、実は私も大変ショックを受けたわけであります。御承知のように、いま何といったって最大の焦点はロッキード疑獄をいかに解明するか、こういうことだと思うのです。そのためにはやはり、法務大臣を含めてお互いに私情を殺してその解明に一生懸命努力をしておるし、この委員会でもそうだと思う。ところが、御承知のように、その渦中の中心であります田中角榮前総理、この方が外為法違反並びに受託収賄容疑で起訴されております。この前保釈されたわけでありますが、あなたは二十四日、その田中前総理のところに訪問された。しかもそのことは、特定の民放あるいはあらゆる夕刊の新聞に出ておる。そういう問題について、NHKというのは少なくとも厳正中立という立場でロッキード事件も取り組んできておるのですね。あなたのそういった行動そのことを国民が見て、NHKというものの体質、何かロッキード事件にNHKもかかわり合っておるのじゃないかという疑いを持つのは、私は当然だと思う。しかも、抗議の電話がかかったらいまのNHKはどういうふうにこれの言いわけをしているかというと、いや、あれはNHK会長小野として行ったのではありません、小野個人が行ったのであります。NHKと全く無関係ですという、そういう御答弁をしておるのだという、わが党の方にその抗議をした人たちからのまた抗議なんですね。これで一体いいのかという。こういう点について、まあ一方的に質問してはいけませんから、小野会長からひとつ答弁を求めたいと思います。
○小野参考人 お答え申し上げます。
 まことに御迷惑をおかけ申し上げまして、非常に恐縮に存じております。実は二十四日に私がほんのお見舞いがてらに参りましたことは事実でございます。これは全然NHKとはかかわりのない問題でございまして、私の心情から申しますとかかわりのない問題で、純然たる個人の立場で、ほんのお見舞いだけだったわけでございます。これが真実でございます。しかし、やはり世の中はそのようには、真実がそのようにそのまま素直に理解されるとは思いません。そういうような意味合いから申しまして、あるいはそういうことが非を是とするのではないだろうか、あるいはNHKの会長の立場に私がおりますので、NHKの機関の性格に照らして、NHKの業務が曲がるのではないか、このような誤解とかあるいは疑惑を持たれることも非常に残念に思います。これまた現実の事実でございます。この現実の事実に立脚いたしまして、いろいろ反省をいたしてみますと、これは非常に当を得なかった不用意な軽率な行動であったと深く反省をいたしております。こういうような意味合いから、私は真実、私の真実はほんの個人としてのお見舞いにすぎなかったわけでございますけれども、それがそのまま世の中に通らないということになれば、NHK会長としてあるいは私個人としても、世間から疑惑あるいは誤解の目をもって見られることは、これは非常に避けなければならない重大な問題であろうと思います。そういうような見地から申しまして、今後はそういう面について一点の疑惑、誤解を受けることのないように、心情は心情として身を慎んで善処をいたしてまいりたいと思っておりますので、何とぞ御了承をいただきたいと思います。
○松浦(利)委員 私は先ほどから言うように、法務大臣だって私情において忍びないと思うのですよ。それは総理大臣であり、お互いに自民党の議員ですから、それを逮捕させたということはやはり私情としては忍びない。しかし、実際にあなた自身も田中さんとのかかわりは非常に深いですよね。郵政大臣時代の事務次官だったし、あるいはNHKの副会長になるときの御推薦もあったしというように、いろいろな意味で、それは――そのことと現実とは無関係だと思う。しかもあなたは現実的にNHKの会長であること自体も間違いないのですから、おやめになってそして行かれるならこれは自由ですけれども、公的機関、NHKという機関の長でありますから、そうすると、あなた自身の行動によってNHK全体が誤解を生むということは、これは私は大変な問題だと思うのです。しかもこの問題はNHKの料金値上げを議論した際に、すでに会長、与野党を通じて、このことは厳正中立だ、NHKはあくまでも厳正中立でいかなければならぬということはあのとき何十時間かけて議論をしたはずなんです。しかもNHKはそれを全国に放送したわけですね、各党の主張を全部。そして、そういうふうにしていきます。NHKの料金値上げについてはだから承認されたので協力してくださいと、こう言われた。ところが、その会長が、実は先ほど、りっぱだと言う人もおりますよ、しかしそれは一部でしょう、常識のある人たちは恐らくNHK会長のとられた行動については、私は批判が集中しておると思うのです。だから抗議があちこちから多いと思うのですよ。ですからいまここで御答弁なさったのですが、こういうことはやはり厳にこれからも慎んでもらいたい。ですから、その点をもう一回、もう二度とこういうことのないように明確にここで答弁をしていただいて、そして御出張だそうですから御退席ください。
○小野参考人 私は公私を分かたず非を非とし、あるいはNHKの厳正公正の道はかたく守ります、こういうことは先回の予算審議の際にもお約束申し上げたわけでございます。この点について何らの変わりはございません。今後もそういったような面で、そのためには私自身を殺しても厳正中立は守っていかなければならぬ、かたくそう信じております。今回のそれにつきましても、そういうような気持ちには毛頭変わりはないのでございますけれども、やはりいろいろな誤解を生み、疑惑を受けることはこれまた私も反省をいたしております。幾ら純個人的な問題で、NHKとは全然切り離した、一つの自分の心情としてはただ単なる個人、小野吉郎個人としてのお見舞いであったと申しましても、世間ではそれで通用しない面もあろうかと思います。これはまことに私の不行き届きな点でございまして、今後におきましては一切こういうことの誤解なり疑惑を受けることのないように、本当に私の信条が、国民の厳正中立な報道機関としての使命を果たし得るようなその信念を持っております。それが誤解の目をもって見られないように善処してまいりたいと思います。何分よろしく御了承いただきたいと思います。(「きょうのあなたのその答弁は、ちゃんと今夜ニュースで流しますね」と呼ぶ者あり)
○松浦(利)委員 いまのは不規則発言ですから……。
 御出張があるようですから、どうぞ御退席ください。
 それでは次に、法務大臣にまずお尋ねをして、そしてあと大蔵省の方にお尋ねをいたします。
 まず第一点でありますが、この前もここで議論を詰めたのでありますが、灰色高官の問題等含めましていろいろな議論がこれからもあると思うのですが、実はきょうの新聞を拝見いたしますと、三十ユニットにかかわる者として二階堂氏、それから佐々木秀世氏、加藤六月氏、福永一臣氏の四名を二十五日までに、どこかわかりませんけれども、事情聴取を終わったというふうに報道されたわけです。ところが一方で、各個人はみんな、いや私はそういう事実は一切ありませんというふうに、全部否定をしておられるのですね。一体この四名の皆さんについては、事情聴取というものは行われたわけでありますか。その点どうですか。
○稻葉国務大臣 事情聴取をしたという報告は、法務大臣のところに参っておりません。
○松浦(利)委員 刑事局長の方は来ておりませんか。
○安原説明員 いま御指摘の四名の方について取り調べをしたという報告は受けておりません。
○松浦(利)委員 それでは、すでにあらゆるものに報道されておる内容ですが、事情聴取されておるという報告を聞いておらないということですけれども、仮にそうであるとすれば、これから事情聴取が行われますか。大臣、どうですか。
○安原説明員 事態の究明をするという意味において、何人であるとを問わず取り調べの必要があるときは調べるわけでございますが、これからの捜査の方針については、遺憾ながら申し上げるわけにはまいりません。
○松浦(利)委員 局長、事情聴取した場合、国会議員の場合には――逮捕のときには法務大臣まで御連絡があるというのはこの前もお聞きしましたが、要するに、参考人程度で事情聴取するというような場合に、一般論として一々事前に報告が局長のところにあるのですか。
○安原説明員 その辺決まった慣例というのがございませんので、あくまでも検察当局の判断に任せてあることでございますので、特に今後のことはわかりません。
○松浦(利)委員 そうしますと、この前、法務大臣は、一山、二山越えて、あとは三山だ、児玉ルートだけだ、こういう話ですが、一山、二山は丸紅ルートと全日空ルートなんですが、この点はまさしく灰色高官のチェックという事態に、この特別委員会は入ってきていると思うのですね。ということになれば、捜査に支障あるから云々ということではなくて、事実上こういった丸紅あるいは全日空ルートにかかわる灰色高官の解明について、証人として国会議員を喚問することについては、何ら法務大臣としては異議はありませんですね。
○稻葉国務大臣 ロッキード事件の捜査の現段階においては、いわゆる灰色高官の公表及び捜査状況の報告問題について言及することは時期尚早だと思います。二山を越えた、こう言いますけれども、ロッキードの山脈ですから、三山と関連しますものね。そういう意味で、今日の段階でそういうことをやることは時期尚早であるというふうに私は考えます。
○松浦(利)委員 法務大臣、一山、二山、三山全部越えなければということじゃないでしょう。一山、丸紅と全日空ルートはほぼ終わった、こう言っておられるわけだから、逆に言うと、田中委員長が、丸紅と全日空ルートについての国会報告あるいは灰色高官のそれにかかわる国会証人、そういうことを要請した場合は、法務当局は協力してくれますね。当然ですね。逆に、協力してくれますか。
○稻葉国務大臣 差し支えない範囲において協力することは、議長裁定において決められておることですから、当然でございますね。
○松浦(利)委員 委員長にお願いをいたします。
 協力するのは当然だそうですから、この際、新聞報道による四名の皆さんは事情聴取を受けた、こういうふうに報道されたのです。御本人は皆否定をしておられるわけですから、そういうものに御本人も早くここに来て解明したいと思っていると思うのです。だから、そういう意味では、御本人たちもみずから証人に出られて、身の潔白をここで言われればいいわけですから、しかも捜査には別段影響ないわけですから、この際理事会等で、証人に来ていただいてそういう議論をさしていただくように、法務大臣もいいそうですから、御協力いただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
○田中委員長 ごもっともなお言葉だと存じますから、理事会で協議をいたします。
○松浦(利)委員 それから、いま非常に国民の間に、どうも検察当局も最近これでおしまいにするというのじゃないだろうかという動きがあることは事実です。どうもロッキード事件はこの辺でそろそろおしまいじゃないだろうかというふうに見ておるのです。警察当局はそういったことはないのですが、もう捜査の資金にも底をついたというような情報もちょっと出まして、これはそういうことはないと思うのですけれども、ここでお尋ねしたいのは、当初、セミが鳴くころにはすべて終わりだったのですけれども、実際に児玉ルートの解明というのは相当長期間かかると思うのです。ですから見通しとして、いまどれくらいだというふうには断定できないにしても、少なくとも当初の見込みであった九月にずれ込むのではないかという大臣の御見解は、もっとずれ込むのじゃないですか。
○稻葉国務大臣 初めの方に、何か捜査をもう終わらしてしまうのじゃないかということを国民が心配している、そういう御発言がございましたね。そういう心配は、私は断じて持っておりません。徹底的に究明するという検察庁の態度は不動のものであると私は信じております。また政府としてもそういう姿勢を崩しておるわけではございません。
 それから、九月にずれ込むというのは、児玉ルートのことに関してずれ込むと申しましたね。そのずれ込み方がもっとうんとずれ込んで、雪の降るころまでずれ込むなんて、そんなことはないです。
 それから、捜査金脈が枯渇したようなことを言っておりますが、そんなことは――捜査の費用ですか、そういうことは予算を出していただけば、予備費を出してもらえばいいのですから、それも御心配はないと思います。
 それから、私、法務大臣として心配しておりますのは、人員に限りがありますから、いま、二月から一生懸命に、飲まず食わず眠らずとは言わぬけれども、それに近い精力を投入してやっておりますから、人をかえて新しい精鋭を補充したり、いろいろやっておるようでございます。そういう点は報告を受けております。
 それからもう一つは、限られたそういう人員ですから、選挙でもありますと、選挙の取り締まりとこの大山の解明とぶつかっては、私、大変なんじゃないかというふうに思います。捜査当局を総括的に指揮する私の立場としては、それは心配なんですよ。ですから、なるべく早くこれは、やはりいかに険しくとも三山乗り切らなければならぬ、下り切らなければならぬ。こういうことで、あらゆる手段を講じて捜査に努力している、こう申し上げ、ずれ込み方も、そんな選挙とかち合うほどのずれ込み方はない、また、そうさせたくない、こういうのが私の考えであります。
○松浦(利)委員 安原刑事局長にお尋ねしますが、これも非常に国民が心配をしておるところですが、要するに、このロッキードを徹底的に究明をして、さらにこういうことが二度と起こらない歯どめをかけていくという、そういう意味では、憲政史上最大の任務をわれわれ議員も検察当局も持たされておると思うのです。ところが、どうも最近の与党内部のごたごたで検察当局もだんだんいや気が差してきておる。政治的な介入はないにしても、こういうことが、検察の解明する力というのですか、そういうものを弱める作用を起こしておるというふうなことを非常に危惧するわけです。いや、そういうことは絶対ないと言われればそれで結構ですけれども、しかし、有形無形の、やはり人の子ですから、どうなるんだろう、総理は一体だれになるんだろうかという、そういう危惧というのは私は捜査官に出てくると思うのです。そういうものについて、雑音が検察の解明する力を弱めるようなことにはなっておらないかどうか、その点はひとつ明確にお答えいただきたいと思います。
○稻葉国務大臣 これは事務当局ではちょっと無理ですから、私から特に……。
 検察の使命は、不偏不党、厳正公平に責任を持って正義を実現することにある、刑事訴訟法に基づいて。政情のいかんにかかわらず、厳然としてロッキード事件の真相解明に当たってきました。この検察当局の基本的な態度は、それは私全幅の信頼をおいているわけでございまして、政局がどうのこうのということについて検事総長の立場は微動だにもしない、こう検事総長は言うに決まっているのです。また、そうあってもらわなければ困るんだ。けれども、とはいうものの、政局全体が安定しているにこしたことはないです。やはり静ひつな状態でやるのと、何かこう――木仏金仏ではありませんからな。検察当局も人間でございますから、やはり振動や騒音はないにこしたことはない。白ろう病みたいなものもあるからね。そういうことはやはりないにこしたことはないと私は思います。そういうようなことにならないように、自民党それから政府も早く静かになることを法務大臣としては望みます。
○松浦(利)委員 ひとつ大臣、誤解があるといけませんから訂正していただきたいのですが、大臣はそういうつもりで言われたのじゃないと思うのです。しかし、白ろう病の患者というのは職業病で非常に多くありまして、それが一つの例として出されたということが逆にとられるといけませんので、その点はひとつ訂正しておってください。そういうっもりでないことは理解した上でですね。
○稻葉国務大臣 のこぎり機械による病気みたいに、ああいうのこぎり機械みたいな音や振動はなるべく与えないで静かに――これはむずかしい事件ですから、ことに第三の山は非常に険しいのですから、十分なるいい環境のもとにおいて真実を究明する立場に置きたいというのが私の法務大臣としての考えです。
○松浦(利)委員 よくわかりました。
 そういうことになれば、こういうごたごたというのは早く終わってもらわなければ困るわけですね。ですから、そういうことががたがたがたがたいつまでも続くということは、何かロッキード隠しをやっておるのじゃないかというふうに国民がとるのもあながち無理じゃないですね、静かであった方がいいんですから。そうでしょう。
○稻葉国務大臣 ロッキードを隠すためにがたがたどんどんやっているわけじゃないのですね。それはそうじゃない。(松浦(利)委員「結果」と呼ぶ)結果はそうならぬようにひとつお願いしたいということは、この間の、福田さんと大平さんが私ら三人に会いたいというときに、私は、法務大臣としてはそうだねと言ったんだ。早く三木さんに協力してもらえば三法とも通るんだから、そうしてほしいものだなと。ことに法務大臣としては、ロッキード問題は一日も早く解明したいんだから、そうしてほしいということは強くあの人たちにも要望しました。
○松浦(利)委員 きのうもわが党の委員も含めて野党委員からいろいろ指摘がありましたが、そういうごたごたが、隠そうという意識でがたがたしておるのじゃないが、結果的にやはりロッキード隠しというような印象を国民に与えておることは間違いないと私は思うのです。ですから、それは法務大臣にここで申し上げても仕方ないことですが、やはり三木さんの統治能力を高めていただいて、がたがたが早くおさまるように私たちは期待をするだけしかないわけですから、そういうふうに申し上げておきたいと思うのです。
 それから、法務当局にお尋ねをいたしますが、きょうの新聞等によりますと、朝日新聞が連載をいたしましたコーチャン回想、この問題は非常に迫力を持っておるわけでありますが、これに関連をして、当初連邦地裁で行われたコーチャン嘱託尋問の結果とこの内容について若干の不符合がある。したがって、三十日コーチャン氏の出頭を求めて再尋問をするということの報道がなされておるのですが、そういう事実はもう報告を受けておられますか。
○安原説明員 八月の三十日にコーチャン氏の再尋問があるということは報告を受けております。そしてその再尋問がいかなる動機からそういうことになったかということにつきましては、詳細は存じておりませんが、これはあくまでも尋問の嘱託を受けましたアメリカ政府当局、特にアメリカ司法省の関係官の要請に基づいて再尋問が始まることになったというふうに聞いております。
 それで、どういう理由で要請したかということにつきましては、詳しいことは存じておりませんが、かねがね日米両事務当局の間における実務取り決めによって、向こうから資料をもらいますとともに、こちらの捜査状況についても資料を提供してありますので、その後の情報の提供を受けた司法当局において、コーチャン氏の証人尋問はさらに補足をする必要があるというふうに判断したものではないかと推測しております。
○松浦(利)委員 そうなってきますと、この朝日新聞が連載したコーチャン回想というのは、相当、内容的に影響力を持ったものだというふうに、われわれ素人ですから判断をするわけです。ということになりますと、この中に小佐野賢治さんの役割り、あるいは、きのうも御指摘がありましたが、現職幹事長の役割り、そういうことが記載されておるのですが、どの人というふうに名指しをすることは避けますけれども、少なくとも、こういうものが出されておる以上は、国民がこの記事を読んだ範囲内においては疑念を持っておることは事実だと思う。ということになれば、この回想に従った――従ったと言えば、また捜査当局の立場もありましょうから、これはしかし、そういう意味では、この名前の出てくる関係者、関係者というか、出てきた人たちについては当然、検察当局は事情聴取をなさるものというふうに思うのですが、その点はどうですか。
○安原説明員 先ほど申しましたように、今度の朝日のいわゆる回想が再尋問の動機になったということは私は承知しておらないわけでございます。そしてまた、その回想の内容の真偽につきましても、申し上げる立場にもございません。と同時に、少なくとも、昨日申し上げましたように、新聞の報道というのは、きわめて有力な情報源でございますので、捜査当局としては関心を持っておることは間違いないと思います。そういう意味におきまして今後、必要とあれば、いかなる人でも取り調べるということで、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○松浦(利)委員 法務大臣にお尋ねをしておきますが、この特別委員会に、今度のこうした報道による証人、小佐野さんは証人喚問しましたが、病気だからということを理由にして出席されませんけれども、その他もろもろの方の名前が出てくるわけですが、そういう皆さん方について、やはり本人たちも出されている以上、しかも公器ですから、そういう人たちについて証人に来ていただいて、いろいろ質問をするということについては、これは捜査の妨害ということにはなりませんね。そういうことは進めてよろしいですか。
○稻葉国務大臣 それはそちらの御判断にお任せする。
○松浦(利)委員 児玉ルートが解明されておらずに、これから事情聴取をするという、こういう背景があるわけですね。この関係も、小佐野ルートもあるわけですから。すると、前は全日空、丸紅のときには待ってくれだったけれども、今度は車の両輪で両方一緒にやってもよろしゅうございます、こういうふうに言われたというふうに理解してよろしゅうございますね。
○安原説明員 たびたび私このことについてお答えしてきた捜査当局の側としてのお答えといたしましては、この制度が、国政調査権と捜査権というのは両立する制度でございますから、片一方の利便を一〇〇%実現しようとするならば、片一方の方は遠慮してもらわなければならぬということに相なろうというふうに思われますので、捜査当局の立場からして、お願いとしては、一般論として、国政調査によって、将来取り調べをするかもしれぬというような証人、参考人について証人喚問されることは、場合によっては捜査の妨げになることもあり得るという一般論は申し上げたわけでございますが、あくまでも、それは側からのお願いであって、最終的には、ひとつ国会御当局で御判断いただく問題だということを申し上げてきたわけでありまして、その立場は、丸紅それから全日空の問題のとき以来、一貫しているわけでございますので、児玉ルートに関連いたしましても、さよう御判断をいただければ、何ら捜査当局としては苦言を申し上げる立場ではないんで、その状況、状況において最善を尽くすつもりでございます。
○松浦(利)委員 一般論としては理解できるのですが、先ほど法務大臣は丸紅、全日空ルートについては一応の山を越したと言われたから委員長にお願いをしたわけですが、今度のこの関係については、まだこれからですね。しかし、それにもかかわらず、もう御承知のように、こっちの方も特別委員会の任務も当面は十二月九日でおしまいですからね、十二月の九日で国会議員としての任期が切れるわけですから。だから、そういうことを考えれば、こっちも焦るわけですね。ということになれば、このことは先ほど法務大臣も触れられましたが、解散とかいうことの前に解決をしたいということになりますと、当然われわれの方としても焦りがあるわけですよ、捜査当局と同じように。ということになれば、並行してやることについて、前は私たちの方が申し入れを受けて自主的に証人喚問を一応保留したわけですけれども、しかし、今度の場合は、同時ということもあり得るのだが、それはよろしゅうございますねという前もってお断りを申し上げておるのですが、それはよろしいですか。
○稻葉国務大臣 時間との関係がありますね、松浦さんのおっしゃるように時間との関係が。ですから、両々相まとうではありませんか、この段階へ来ましたら。
○横路委員 ちょっと関連いたしますが、一山、二山越えたというところとの関係なんですが、このユニット三十の関係で私たち国会で証人喚問しているのがいるわけです。一応きのうの答弁でも安原刑事局長は、このユニットに関連して強制捜査はもうこれ以上行われないだろうというように、次席検事の発言を国会で敷衍されたと思うのですが、それはそれでよろしいですか。
○安原説明員 大臣は二山越したとしばしば申されておりますが、もう少し僭越ながら正確に申し上げますと、二山目というのは、ユニットの流れを追究するということが二山の一つの峰でございますとともに、全日空のルート、これは公にされておるところでは一億六千万円の裏金が入ったという、それの究明というのが二山の主峰であると思いますが、その段階といたしまして、いま、その三十ユニットの一部につきまして橋本元運輸大臣、元政務次官佐藤という二人を逮捕、勾留中でございまして、いわば、まだ一部について公にするような捜査活動が行われておりますが、全貌は、遠からずは山を越すと思いますけれども、まだ越えたとは言えないという段階が正確でございます。しかし、近く終わるであろうという意味においては山を越えたと大臣おっしゃったのだと思いますが、そういう意味におきまして、そういうことでございますとともに、いま横路委員の御指摘のように、捜査当局は先般の記者会見において申し上げたことは、要するに現段階においては引き続き逮捕する予定はないということでございまして、それを引いて言えば、それだけのことでございまして、それ以外のことは何も言っているわけではございません。
○横路委員 問題になっているのはやはりユニット三十ですね。三十のうち、わかっている部分というものは五百万と二百万の七百万だけですね。そうしますと、その残りの部分についても、これは職務権限の問題とか、あるいは請託の問題がいろいろ言われているわけですけれども、強制捜査は行わないという前提というのは、やはり、ある程度の事実解明が行われているという点だろうと思うのですね。そこで、それなりの職務権限や請託の事実について犯罪として立件をする、そのための強制捜査は若干むずかしいということが、この前の橋本逮捕のときの後の記者会見となって、私は発言されているのではないかというふうに思うのですが、そうではないのですか。
○安原説明員 専門家らしい御推察でございますが、ひとつ、その内容につきましては申し上げるわけにはいきません。
○横路委員 けさ各紙一斉に報道されたこととの関連なんですけれども、つまり強制捜査にはもう踏み切らないということは、すでに事情を全部聞いていて、一定の捜査というのは終了していなければ、つまり、ああいう橋本逮捕の直後の発言になってこないのではないか。特に、きょうは一つ、二つの新聞ではないのでありまして、一斉に出ているところを見ると、これはやはり何らかのそういうニュアンスというものが検察当局から伝えられたということだろうと思うのですが、法務省の当局としては、これは検察庁の方に確認されているでしょう、報告はいままでなかったにしても、一体どうなのかということは。どうですか。
○安原説明員 捜査の内容については言えないというたてまえから、申し上げるわけにはいきませんけれども、少なくとも捜査当局が公にいたしましたように、当面、逮捕、勾留の予定はないと言いました以上、逮捕、勾留をする必要があるかないかの判断のできる限度においては捜査はしたと言わざるを得ないと思います。
○横路委員 そういうことになってまいりますと、国会の証人喚問、つまり丸紅、全日空ルートについては差しさわりがないのじゃないかという旨の法務大臣の発言も私たち、よくわかるわけです。そのように理解してよろしいですね、いまの発言を踏まえて。法務大臣。
○稻葉国務大臣 そこがしかし、ちょっと違うように思います。いま刑事局長が申しましたのは、二十一日橋本元運輸大臣逮捕の後の記者会見における意味のとり方でございますからね。当分はユニット三十についての関係の逮捕、勾留は考えていない。それで当面はと言ったか、当分はと言ったか――当面じゃないでしょうかな。ですから、当面と言っているのですから、その辺のところを御推察いただければ、あるともないとも決まっていないのじゃないでしょうか。私はそういうふうに判断いたしますよ。ですから、そういうことを踏まえますと、証人喚問の日にちが日時的にぶつかるということはお避けいただくのが望ましいわけですね。望ましいというだけの話で、どうしてもおやりになると言えば、さようでございますかと言わざるを得ませんね。
○横路委員 いま言われているユニット三十の関連と国会の証人喚問で言えば、従来から福永、佐々木、それから、きのうでしたか、もう一人追加になっていますが、そういうやはり相当な重複があるわけですよ。いままさに理事会で議論されているのは、その辺のところの証人喚問をどうするかという点が議論の焦点になっているので、お尋ねをしているわけですけれども、何か強制捜査と重複する可能性があるかのようなニュアンスなんでしょうか、いまの発言は。そういうわけでもないのですか、一般論ですか。余り聞かない方がよろしいですかな。いずれにしても、丸紅ルートというのは、最初からコーチャン証言にもはっきり出ていたように、政府高官ルートだということで、このユニット三十がそれに該当するということははっきりしているわけですし、大体これほどはっきり新聞の報道が伝えられれば、まず間違いがないのじゃないか。まあ、いままでの間接的な証拠から言うと、そういう推察が十分にできるわけですけれども、ただ本人たちが皆否定をしている。もっとも否定しておって次から次へと逮捕され、起訴されていくわけですけれども、そういうような点から若干御意見を承ったわけですが、ユニット九十の方は、これは一応、政府高官ルートとは関係がないというように判断してよろしいんですか。
○安原説明員 先ほども申し上げましたように、なお捜査中でございますので、どちらとも申し上げかねます。
○松浦(利)委員 それでは大蔵省の方に、先ほど保留した事実の関係について確認していきたいと思います。
 三十八年三月二十九日ワシントンハイツ地区の土地の一部を日本放送協会放送センター用地に提供すること、このことについて閣議決定があったことは間違いありませんですね。
○吉岡説明員 そのとおりであります。
○松浦(利)委員 その手続に従って、オリンピックの前に第一回分として一万九千坪を十七億円で払い下げ、第二回が五千八百七十七坪約十三億円相当と等価交換をした、こういう点、事実について間違いありませんか。
○吉岡説明員 お答えします。
 全体約二万五千坪のうち、当初の第一回分として一万八千坪が三十八年四月十三日に売買、その分についても一部、交換で処分している場合があります。それから二回目の残余の分について、三十九年十二月二十八日に、お尋ねの千葉市稲毛の土地と交換したわけであります。
○松浦(利)委員 三十八年三月二十九日閣議決定をした後、稲毛の埋め立て完了は謄本によりますと三十九年五月十四日と、こういうふうになっておりますが、この点は間違いありませんですね。
○吉岡説明員 千葉市により保存登記が行われておるのは、お尋ねのように三十九年五月十四日であります。
○松浦(利)委員 次長にお尋ねをいたしますが、三十八年三月二十九日の閣議決定した段階では、いまの謄本から見て、まだ埋め立てが完了しておらなかったわけですから、それはもう架空の土地だ、全然そういう土地はなかったということは大蔵当局も認められますね。
○吉岡説明員 三十八年三月二十九日の閣議決定は、東京オリンピックの終了後その代々木の土地をNHK放送センター用地として提供するという方針を決めたものでありまして、それで、それは交換とか、そういうことを決めておるわけではありません。
○松浦(利)委員 次長、そういうことを聞いているのじゃないのですよ。そのときには、まだ千葉の土地はできていなかったでしょう、完了していなかったでしょう、いまの日時から言えば。そうでしょう。
○吉岡説明員 ただいまお答えいたしましたように、千葉市により保存登記が行われましたのが三十九年五月十四日であり、閣議決定が三十八年でありますので、そのときはまだ正式には、その土地というのは存在していなかったということです。
○松浦(利)委員 それで、小野会長が先ほど言われたように当然、当初はNHKは全部現金で購入するというふうに思っておったことは間違いないのですから、当初、払い下げるという土地について大蔵省とどういう議論があったかは別にして、NHK側は、先ほど会長が言われたように、現金で購入するというふうに思っておった、そういうことは間違いない事実だと思うのです。そこで、歴史的な経過ですが、その埋め立て完了した後、三十九年十一月の二十一日、国有財産関東地方審議会において、この土地とそれから千葉市が埋め立てた土地との交換という問題が議論されて、審議会でそういう結論が出たということについては間違いありませんね。
○吉岡説明員 三十九年十一月二十五日に国有財産関東地方審議会において本件の交換処理について了承を得ております。
○松浦(利)委員 それから、この前、国税庁との間でも同僚議員が議論をしておるのですが、当初、千葉市がつくった造成地を、土地造成費の見返りとして若松築港株式会社に渡したということについては、大蔵省当局も、すでに調査でおわかりになっておるはずですが、わかっておられますか。
○吉岡説明員 登記の上では当初、三十九年五月十四日に千葉市によって保存登記がなされて、その後、朝日土地興業に売られているということになっております。
○松浦(利)委員 謄本上の問題はそれでいいのですが、若松築港株式会社に支払われて、即座に朝日土地の方に売られておるのですが、それはあなたの方はすでに知っておられますか、こう聞いているのです。
○吉岡説明員 そのような話は聞いております。
○松浦(利)委員 それも調べてください。調べてくれますか。若松築港にいっておるということを調べてくれますか。
○田中委員長 調べができますか。
○松浦(利)委員 千葉市に聞けば、すぐわかるはずです。
○田中委員長 登記の名簿でわかるんじゃありませんか。
○松浦(利)委員 登記の名簿にはないのです。出ておらぬのです。
○田中委員長 調べて後日、報告できますか。
○吉岡説明員 登記の上では、ただいま申し上げましたように、朝日土地興業が買っておるわけでありますが、その間に若松築港がどういうあれか、調べて実態がどういうことか、わかるかどうか一応、調べさせていただきます。
○松浦(利)委員 そういう点はちゃんと調べようと思えば、千葉市が工事相当額として若松築港株式会社に渡しているわけだから、千葉市に聞けば、すぐわかるのですよ。そういうのをちゅうちょすること自体が私はおかしいと思うのです。そして、これでいきますと若松築港から朝日土地に渡されておるわけですが、その後、朝日土地から日本放送協会へ、そして日本放送協会から大蔵省へという登記になっておりますね。それは登記どおりですから、そのことはお認めになりますね。
○吉岡説明員 朝日土地興業から三十九年十二月三日にNHKの方に売られておるわけであります。
○松浦(利)委員 先ほど申し上げましたように、当初、若松築港に渡ったときの金額は、これは千葉市の方を調べていただけばわかるのですが、六億二千三百四十万円だったのですね。工事相当額として払われた額が六億二千三百四十万円。それが朝日土地に移ったときには十億三千万円、そしてその後、国有財産関東地方審議会等が開かれる直前、そういった状況の中で今度は国際興業がNHKとの中に入って、そして最終的には十二億九千七百九十一万円で、この土地をNHKが取得をしておるわけですね。ですから、この最終的に十二億九千七百九十一万円でNHKが取得したということについては、大蔵省の方は御存じですか。
○吉岡説明員 稲毛の土地の取得価格は十二億九千六百四万五千円であります。
○松浦(利)委員 いま大蔵省にも調査方を依頼いたしましたが、私の方が不思議に思うのは、千葉市が造成をした土地、しかも三十八年三月二十九日の閣議決定のときには、NHKの会長が考えておるように、全部現金で取得できるものと思っておったが、その後、千葉の造成地ができ上がって、そしてその間、国有財産関東地方審議会の議を経ると、この稲尾の土地をNHKが取得をして等価交換をしたらどうかというふうに方針が変わっていくわけですけれども、その方針が変わったことによって若松築港が六億二千三百四十万、朝日土地に渡ったときに十億三千万円、それに国際興業がかんでNHKが取得したときには十二億九千七百九十一万円という額に上がっていくわけですね。そして等価交換をしますが、最終的に代々木の土地の方が高いということで差額金を現金としてNHKから徴収しておるわけです。ですから、NHKとしては代々木の土地が渡ればいいわけですから、NHK自体にはそんなに問題はない、等価交換であろうと何であろうと、国が言う十三億六千三百十九万一千百円に見合う土地を提供しさえすればいいわけですから。問題になるのは、国が等価交換をするということの前に、当然、千葉の稲毛の土地を千葉の地方自治団体から購入する、あるいは直接、朝日土地なら朝日土地から購入する、そういう手続をとっておけば、国は差し引きプラスマイナス三億円近くの税金の持ち出しをしなくて済んだはずなんですよ、十億で済むのですから。あるいは若松築港株式会社から直接入れれば、工事費プラス幾らかで、少なくとも朝日土地が取得をした十億三千万円くらいでは買えるわけです。ですから逆に言うと、国民はむだな税金を払ったということになるわけですね。私たちは素人ですから、簡単に言うとNHKに十三億で土地を売って、そして、その十三億で稲毛の土地を十億で買えば三億、大蔵省はいいではないか、こういう理解をするのは私は当然だと思う。
 ですから、この稲毛の土地の問題は、国税庁が税金問題でいろいろ議論をして、すでに決算委員会等で税金問題としては議論されておるわけですが、問題があるのは、こういう国有財産の処分の仕方について利権が介在をすることに対する疑惑というのは一つも取れておらない。いろいろな言い方があるのですよ。間違った手続をしたと私は言うつもりはありませんよ。さっき大蔵大臣が言っておるように、事務局は手続に従って等価交換をしたから手続上誤りはない、こう言っておられるのだから、誤りがないことは認めるけれども、しかし、そういうことがいつまでも残っておると利権が入り込む余地というのがあるから、この点をもう一遍、全部きれいに精査をしてみて、どういう点に問題があったかということを明らかにしてもらいたい、これが実はさっき大臣に申し上げた内容なんです。その点について大臣の先ほどの御答弁に従って事務当局としても、こんな疑惑が起こってくる問題点はどこかということをチェックをする、そして二度とこういうことがないように、誤解を生むことがないように、これから国有財産の管理というものはびしっとする、そういうことについては事務当局としてお約束していただけますね。もう時間がありませんから、そのことだけ御答弁願います。
○吉岡説明員 三十八年三月二十九日の閣議決定の段階においては、先ほど申し上げましたように、国としては、その土地を交換によりNHKに渡すということを決めておったわけではありません。それで先ほどNHKの会長の方から申し上げましたように、現金で買う予定をしておった。NHKの方の御予定がどうであったかは存じませんが、国有地の活用の方法としまして、いわゆる国有財産法二十七条に交換という制度が認められておるわけであります。それはいろいろ国有地というものが、その位置、環境等から見て、そのまま公用に供することが適当でないと認められる場合には、これをより有効に利用する者との間で、国が必要とする他の適地を交換取得して、それを利用するという制度があるわけです。そういうことで、三十九年の段階において交換契約を結んだわけでありまして、その時点において、交換によりNHKに渡す土地、それからNHKから取得する土地を同時に適正に評価して交換したものでありまして、それ以前の経緯については、その登記簿等に出ておりますものは別にしまして、われわれとしては存知していないわけであります。
○松浦(利)委員 いまの次長の答弁は、おれたちのやったことは正しいと言っておるのです。だから私は、さっきから言うように、事務手続は間違いなかった、こう言っておるのですよ。何もそのことを責めておるつもりはないのです。ただ、そういうことがいつまでも残っておると――たった七カ月で二倍になるのですよ。六億七千万の土地が十二億になるのですよ、たった七カ月で。しかも、なぜ七カ月で二倍になるかというと、どうも国がこの土地を買うらしいという動きがあったから、ばばばっと転がしが始まって上がっていくのですよ。そういうことが今後ないようにするためにチェックしてくださいよと言っておるのに、正しいんだ、正しいんだ、こう言っておれば、あなたと議論はかみ合わないですよ。いつまでたったって、こういう事態がまた起こって、また土地を交換するときには、どうもあれはおかしいぞ、調べてみれば、やっぱり何か事前に漏れて、おかしなことで土地が上がっていったぞ、そういう疑いを国民に抱かせるだけだと思うのですよ。
 私はそういうことを聞いておるんじゃないのですよ。あなた方がやったことは、事務的に正しかったことは正しかったと認めておる。今度のロッキード事件だって、運輸省の官吏の人たちは、自分たちは悪かったと、ここで言った人は一人もおらぬのですよ。だれもおらぬのですよ、運輸省の航空局の人は。しかし、現実にこういう問題が起こったでしょう。あなたも、いま同じことを言っているんだ。私たちは手続上、全く誤りはありません、誤りはありません、こう言っておられる。しかし、現実は裏側をひんむいてみると、こういう事実があるから、こういうことが起こらないように歯どめをかけていくためにチェックをして、これからはやってくださいよ、こう言っているのに、あなたは依然として正しい、正しい、こう言っておるだけですから、そういう感覚であるなら幾ら議論してもかみ合わないですよ。大臣は前向きに検討すると言ったんだから、あなたは事務当局としては、その大臣の答弁に反抗するわけですか。
○田中委員長 吉岡君、ちょっと。
 手続に誤りはなかった、これは質問をしておる松浦君も御承認になっておる、大臣も言っておる、私が聞いてもそう思う。中間を省略しておったら要らぬ金を使わないでいいじゃないか、中間省略の道があったのじゃないかということをよく検討してみて――昔のことでもあるから、ここで、にわかにできますまい。検討をしてみて報告をするようにしたらどうですか。これは大事なことである。国会でこういう大事な発言があると慎重がいい。どうですか。
○吉岡説明員 交換制度につきましては、その運用上いろいろいま御指摘のような問題もある、いろいろ疑惑を招くような問題があるということで、その後、その運用につきましては、さらに厳格を期しまして、交換の相手方等についてはさらに制限する等、いろいろ運用を厳格にしてきておるわけですが、今後もそういった点については、さらに十分厳正を期していきたい、こう思っております。
    ―――――――――――――
○田中委員長 横路君から発言を求められております。許します。横路君。
○横路委員 私は、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表して、次の動議を提出いたしたいと思います。
    動議
  本委員会に来る九月一日、中曽根康弘君を、九月二日、田中角榮君を証人として出頭することを求める。
  右決議する。
 本動議は直ちに本委員会において議決すべきことを要求いたしたいと思います。
 次に、動議提出の理由を申し上げます。
 すでに本委員会において数々の証人換問を行ってまいりました。それらの証人の証言並びに本委員会における質疑のやりとり及び捜査の進展、コーチャン回想録等により
 一、中曽根康弘君については、昭和四十七年当時、通産大臣として、トライスター導入、PXLの国産化白紙還元等に関与していた疑惑が濃厚となり、本人からその経緯の詳細を明らかにすることがロッキード問題解明に不可欠となっております。
 一、田中角榮君については、トライスターに関連する収賄金五億円の使途及び児玉ルート等での金銭の授受並びにその使途、とりわけPXL国産化白紙還元前後の経緯とP3C売り込み工作及びその報酬の授受についての疑惑がきわめて濃厚であり、その実態を明らかにして、政治的道義的責任を解明するためには、本人の喚問が絶対に必要となっております。
 野党四党協議の上、現段階において直ちに本委員会で証人喚問することが必要であるとの結論を得ましたので、ここに本動議提出の理由として申し上げ、委員各位の御賛同を得たいと存じます。(拍手)
○田中委員長 全党の理事、お集まりを願います。しばらくそのままでお待ち願います。それでは、ただいまの動議の取り扱いにつきましては、後に理事会で協議をいたします。
 午後一時再開をいたします。この際、暫時休憩します。
    午後零時九分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時十二分開議
○田中委員長 休憩前に引き続いて会議を開きます。
 休憩前、横路君より動議の提出のありました証人喚問の件について理事会で協議をいたしましたところ、珍しく与野党全会一致をもって採決に付すべしとの結論が出ました。よって、委員長は本件を討論に付し、採決をいたします。
 本動議について発言の申し出がありますので、各党大体五分程度ずつ順次これを許してまいります。まず、松永光君。
○松永委員 私は自由民主党を代表して、野党四党共同提案に係る動議に反対の討論をいたします。
 まず中曽根康弘君に関して申し上げます。
 一部で同君に対し疑惑を云々されたが、いずれも理由のないものであることが明らかになってきた。すなわち、
 一、いわゆるコリー領収証については、その領収証が偽造であることが明白となった。偽造犯人が逮捕され、犯人が偽造の事実を自白している。
 二、いわゆるコーチャン氏に対する質問メモについては、すでに検察当局が、当局と何ら関係のない、問題にならない文書である旨明言している。
 三、コーチャン回顧録については、同氏に対して免責が与えられた上での正式の証人尋問が実行され、その証言記録はわが捜査当局が八月上旬入手しているところであり、さらにコーチャン氏自身を米国において来る三十日再尋問することになっている。このことは、コーチャン回顧録なる記事が根拠に乏しいものであることを示唆していると見るべきである。
 以上のごとき、きわめて薄弱な根拠に基づいて一党の責任者を証人喚問することは不当である。よって、動議は否決すべきものである。
 次に、田中角榮君について申し上げます。
 すでに同君に対しては公訴提起がなされており、国会がこの段階で同人を証人として喚問することは司法権を侵す結果となるものと思量される。また被告人には黙秘権が認められており、みずからを防御する権利がある。
 したがって、被告人を起訴事実に関連する事項について国会で証人喚問することは適当ではない。よって、動議は否決すべきである。
 以上であります。(拍手)
○田中委員長 次に、松浦利尚君。
○松浦(利)委員 私は野党四党の共同提案に係る証人喚問の動議に賛成の立場から、社会党を代表して討論を行います。
 本問題は、御案内のとおりに、第七十七国会さなか二月五日、アメリカ上院多国籍企業小委員会でロッキード事件が明るみに出て以来、この問題はわが国の政局を大きく揺るがしたのみならず、国民の大きな関心を呼んだところであります。しかも国民の大多数の、本ロッキード事件はいささかの疑念もないだけの徹底的な真相究明を行うべきであるというその世論を受けて、本特別委員会の設置も議長裁定にかかわる超党派の決定に従って本調査特別委員会が設けられたところであります。
 御案内のとおりに、この問題についての真相は、刑事事件に係る部分については、司法当局が寝食を忘れて懸命に努力をし、一部分については関係人を起訴するという段階まできておることは事実であります。もとより本特別委員会は、刑事事件にかかわる問題の追及ということよりも、むしろ俗に言う灰色高官をいかにして明らかにしていくのか、その灰色高官にかかわる政治的道義的責任を追及するために設けられた場だとわれわれは信じておるわけであります。
 野党四党共同提出に係る本院議員中曽根康弘君については、御承知のように、いろんな意味で中曽根康弘君の名前が出てくることは、与党の諸君といえども否定はできない事実だと思うのであります。一つの例でありますが、朝日新聞にかかわるアメリカからのコーチャン回想録にも見られるように、明らかにこれには中曽根康弘君の氏名が記載をされておるのであります。しかも昭和四十七年当時通産大臣の要職にあり、その当時トライスターの導入問題あるいはPXLの国産化白紙還元問題等にかかわって通産大臣の疑惑が濃厚であるということもいろんな意味で言われ、本委員会においてもすでに指摘をされておるところであります。中曽根康弘君御本人自身についても非常に耐えられない問題があろうかと存じますが、政治家としてそういう疑念に対しては、潔白であるならば潔白であるということを、みずから証人として出頭をされて、本人自身がみずからの口でその部分について明確にお答えになることが、むしろ政治家中曽根康弘君にとっての正しい道であり、また御本人もそれを期待しておると私たちは信ずるわけであります。
 したがって、この際、政治的道義的責任を追及する場として、どうしても中曽根康弘君の証人喚問をしてもらいたい。与党の諸君も中曽根康弘君の気持ちをくんで、ぜひ野党の証人喚問動議に賛成をしてもらいたいと思うのであります。
 また田中角榮君については、なるほどただいま反対討論を与党がいたしましたが、刑事被告人であることは否定をいたしません。その部分についてわれわれはここで証人喚問して質問するというつもりはないわけでありまして、少なくともピーナツ、ピーシズにかかわる五億円の行き先等について明らかにしていく、検事が刑事事件として捜査をしてしかもその部分については刑事事件にならないという部分、五億円の使途について田中君から明確にしてもらいたい。あるいは児玉ルートにかかわる金銭の授受あるいはPXLの国産化白紙還元問題、こういった問題にかかわる部分について、田中角榮君も証人として出頭していただいてその事情について詳しく証言をしてもらいたいと思うのは、私は当然であると思います。
 野党四党の共同提出に係る動議は、まさしく今日の国民の感情に適した内容であり、この証人喚問を否決するということは、明らかに本委員会がロッキード隠しを行っておるのではないかという疑いすら国民に与える結果を生むので、できるだけ与党自民党の皆さん方も反対の討論を撤回していただきまして、満場一致この動議に賛成し、証人喚問されるよう要求をいたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
○田中委員長 松本善明君。
○松本(善)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、野党四党提案の動議に賛成の討論を行います。
 中曽根康弘証人につきましては、昭和四十七年七月から九月、いわゆる箱根会談からハワイ会談にかけて問題になったいわゆる緊急輸入品目に民間航空機を入れた経緯に通産大臣としてどうかかわっていたか、またはPXL国産化白紙還元についての疑惑もあり、コーチャン回想録の発表などによっても疑惑はますます深まっております。
 またロッキード事件の解明の残された重要部分であります児玉、小佐野ルートの解明のためにも、この証人喚問は不可欠であります。
 また、田中角榮証人につきましては、このロッキード事件の中心人物でありまして、起訴をされました五億円の受領、その使途のみならず児玉ルートでの五億円以外の金銭の授受、この使途、そういう疑いについて徹底的に明らかにし、まさに政治的道義的責任の追及が最も必要な人物であります。
 ところで、この国会では五党首合意に基づく議長裁定によりまして、「今後とも国会の決議を踏まえ真相の徹底的解明を期する。」という意思を内外に明らかにしております。裁定の第四項は、「国会は、ロッキード問題に関し、本件にかかわる政治的道義的責任の有無について調査するもの」ということを決めております。
 現在、ロッキード事件の捜査の一定の進展に伴い、刑事責任を問われない灰色高官の範囲の確定と氏名の公表が急務となり、その政治的道義的責任の究明が証人喚問とあわせていよいよ本格的に開始をされなければならない重大な段階に来ておるのであります。
 本委員会は、設置以来、政治的道義的責任の追及と刑事責任の追及を車の両輪として進めてまいりましたが、しかし、自民党が、この証人喚問を二十日間待ってくれ、こういうことを言い出してから、国会における政治的道義的責任の追及に不可欠な証人喚問が自民党の妨害によってすでに約二カ月にわたって中断をされており、そして国会の国政調査権の行使は著しく損なわれているのであります。そして決定済みの小佐野賢治の証人喚問も、児玉と同様病気を理由に拒否をされており、また予算委員会における小佐野偽証告発も自民党の理事会開催サボタージュでいたずらに引き延ばされております。ここで中曾根、田中証人喚問を拒否をするということになりますならば、政治的道義的責任の追及、真相解明を放棄するという重大な問題であります。
 今日、ロッキード事件の真相究明は、数々の疑獄事件と同様、またもや事件の全貌はうやむやにされるという危険が濃厚になっています。このことは国会決議、両院議長裁定のじゅうりんであり、これに対する挑戦であることはきわめて明白であります。
 いま国会は、国民から負託されている責任、ロッキード事件の全貌を解明すべき任務を遂行できるか、それともこれを放棄するかの重大な関頭に立っていると言わなければなりません。この中曾根、田中証人喚問は、当然にこれを認めるべきであり、これを採決で否決をしようというような態度は、断固として糾弾されなければなりません。
 私は本動議に賛成の討論を行って、自民党のこの態度を糾弾をするものであります。(拍手)
○田中委員長 坂井弘一君。
○坂井委員 私は、公明党を代表して、野党四党提案の証人喚問を要求する動議につき賛成の討論を行います。
 言うまでもなく、ロッキード事件は、長期自民党政権の腐敗構造、すなわち金権政治、密室政治、なれ合い政治等の実態を白日のもとにさらけ出した事件であります。したがって、この事件の真相究明は特定の個人の刑事事件の追及にとどまるべきではなく、国会における政治的道義的責任の追及が徹底して行われ、この事件の全貌を一切残らず国民の前に明らかにしなければならないことは、さきの国会決議、五党首会談の合意、議長裁定に照らして当然の責務であります。
 今日までの国会での証人喚問が真相究明に当たってきわめて重要な役割りを果たしてきたことは、これまた言を待ちません。ここで特に許せないことは、民間の証人喚問には渋々応じながら、国会議員や高級公務員、いわゆる公人についてはかたくなにこれを拒否してきたことであります。
 田中前首相、中曽根康弘の両氏は、当時の総理大臣、通産大臣の職にあり、トライスター導入、PXLの国産化の実質白紙還元に直接関係する立場にあり、事実、田中前首相は、トライスター導入をめぐり五億円の金銭を受領、八月十六日には受託収賄の疑いで起訴されているのであります。
 証人喚問が政治道義的な責任の追及に目的がある以上、ゆがめられた行政のプロセスというものをあくまでも究明する必要があり、刑事責任の追及によって事足りるものではないのであります。中曽根康弘氏については当時の通産大臣として、トライスター導入に重要な役割りを果たした日米通商会議の当事者としてその事実関係が明らかにされなければならないのであります。
 しかるに、政府・自民党は、今日までとってきた証人喚問は捜査に支障を来すという態度を事実上取り続けているのであります。
 繰り返しますが、国会の証人喚問はあくまでも刑事事件とは別に、政治道義的な責任の追及を目的としたものであって、もしも政府・自民党がなお今日の姿勢を貫くとするならば、それはもはやロッキード隠し以外の何ものでもないと言わざるを得ないのであります。
 以下、田中、中曾根氏の証人喚問を要求する動議に賛成する主な理由を申し上げます。
 まず、田中角榮前首相についてであります。
 第一に、田中前首相は受託収賄によって起訴されたものの、丸紅から受領した五億円の使途が一切明らかにされておらないのであります。
 第二に、田中前首相が受領した五億円はあくまでもピーナツ、ピーシズ領収証であり、ユニット領収証関係あるいは児玉ルートとのかかわり合いも大きな疑惑が持たれているところであります。
 第三に、四十七年十月九日、国防会議において田中前首相はPXL国産化の実質白紙還元となる専門家会議の設置を発議し、しかもその後はPXLの輸入推進発言をしているのでありますが、これとロッキード社のP3C売り込みとの関係は事実が明らかになっていないのであります。
 次に、中曽根康弘氏についてであります。
 第一に、トライスター導入に大きな役割りを果たしたと言われる四十七年八月の中曾根・エバリー会談の内容は疑惑の中心課題でありますが、これまた国民の前に明らかにされなければならない重要な事項であります。
 第二に、ロッキード事件の中心人物であります児玉譽士夫と中曾根氏との関係は密接なつながりがあることは周知のことでありますが、児玉と中曾根氏との関係を明らかにすることは、真相究明に欠くことができません。
 第三に、四十七年十月の五日、六日に行われたと言われるトライスター導入をめぐって児玉と中曾根氏のとった行為は、事件の核心となるものと思われるのでありますが、この事実関係が明らかにされる必要が当然あるのであります。
 以上、証人喚問を要求する主な理由を挙げ、賛成の討論を終わります。(拍手)
○田中委員長 永末英一君。
○永末委員 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま野党四党共同提案になる中曽根康弘君を九月一日、田中角榮君を九月二日、本委員会に証人として喚問する動議に賛成をいたします。
 ロッキード事件は、わが国の政治の中枢部に腐敗が生じたのではないかと深い疑惑を国民に与える重大なる事件であります。したがって、この事件解明のためには、一つにはその刑事的責任を明らかにするとともに、二つには政治的責任もまた解明されなくてはならぬ問題であります。
 本委員会は、開設以来、ロッキード事件の真相を解明するとともに、もし国会議員にしてロッキード事件に関与する者があれば、その政治的道義的責任を明らかにする任務を持って活動を続けてまいりました。そして、あるいは証人喚問を行い、あるいはまた政府に対する質疑を通じましてその仕事を続けてまいりましたが、傍ら検察当局における刑事責任の追及はまだ完全にその全部を達成したとは言えませんけれども、一応のめどをつける段階に立ち至っております。だといたしますと、本委員会といたしましては、本委員会のつくられました趣旨に従い、いまやその政治的道義的責任を明らかにする時点に立ち至ったとわれわれは考えます。したがって、われわれは、この際、九月一日には中曽根康弘君、九月二日には田中角榮君をぜひ証人としてこの場に御出頭願い、そうして国民の前にそれぞれが信ずる所信を明らかにすべきであると考えます。
 もともと政治家にして田中角榮君は総理の地位にあり、また自民党の総裁の地位にあった人であります。中曽根康弘君は通産大臣とし、また現在の自民党の幹事長であります。これらの人々が単に刑事事件によってのみ問擬されているという状況をそのまま放てきしていることは、わが国の議会正義のために決していいものとは言えません。わが国の議会政治が国民に信頼をつながねばならぬというその成立の根拠を考えますと、議員は、むしろみずから進んでこの証人台に立ち、自分の信ずるところを明確に国民に訴えるべき義務があろうと思います。
 自民党がそういう見地に立つ野党共同提案に対し反対をされるのは一体いかなる理由であるか。先ほどの反対の趣旨を聞いておりましても、議会政治に対する責任を感ずる点においてきわめて欠けたる点があると言わなければなりません。
 民社党は、これらの観点から、この動議に対し賛成をいたすものであります。(拍手)
○田中委員長 これにて各党の発言はすべて終わりました。
    ―――――――――――――
○田中委員長 採決いたします。
 本動議に賛成する諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立少数。よって、本動議は否決されました。
     ――――◇―――――
○田中委員長 大橋武夫君より発言を求められております。これを許します。大橋君。
○大橋(武)委員 本日の朝刊各紙にありました四代議士が検事の事情聴取を受けた旨の記事は多大の反響を呼んでおります。
 わが党といたしましては、四代議士についてそれぞれ調査いたしましたところ、今日までこれらの諸君は検察庁の事情聴取を受けた事実は全くないのでございまして、この記事は全然誤報であることが判明いたしました。しかし、四代議士にとりましては、かくのごとき記事が掲載されましたことは、その政治生活に対し言いようもなく重大なる損害を与えたばかりでなく、個人の名誉に対しても大変な損失をこうむっております。これらの記事に対しては、本人はもとよりわが党といたしましても、しかるべく是正のため所要の措置をとる考えでございますが、これらの記事の内容等から見まして、その出所は不明ながらあるいは検察関係から取材されたものではないかとの推測を抱かざるを得ないのでございます。
 当委員会におきましては、捜査密行主義を唱えられまして各委員の国政調査に対する質問についてもしばしば政府は答弁を差し控えてこられました。私はこれは当然のことと思ってまいっております。刑事訴訟法におきまして、関係人の名誉の尊重、人権の擁護ということはきわめて重大なることでございまして、捜査当局がこれらに留意され、慎重なる態度をとられることはもとより当然なことと存じます。しかるに、今回の記事を生むようになりました検察関係者の行動につきまして、十分御調査の上、篤と反省、留意されることをお願いいたすところでございます。
 今回ロッキード事件についての検察当局の処置につきましては、私はいままで多大の評価をいたしてまいりました。今後も英断をもって終始公正なる態度に出、最後まで捜査を貫徹せられんことを希望するのであります。しかるに、その捜査の過程において、今回のような出来事が検察の公正を疑わしむるような結果にでも相なりますると、これはまことに残念千万なことでございます。当局におかれましては、この際、四人の人権擁護のため、現段階において検察官の事情聴取が行われていなければその旨を明らかにされ、今後のため十分関係者の注意を喚起せられんことを希望いたします。この機会に、法務大臣より何らかの御発言があれば承りたいと存じます。
○稻葉国務大臣 大橋さんの御質疑の点は、私も刑事訴訟法の条文に照らしごもっともなる御発言と思います。どういう手違いでああいう記事が出たのか、よく調査をしてみないと、いますぐ御返答申し上げるわけにはまいりません。また、あの記事が間違いだなんてことを私が申し上げれば、そうすればまだ事情聴取はしておりませんということを私が申し上げることになる。(大橋(武)委員「それを言ってくださいと言うんです。言うのは当然でしょう。」と呼ぶ)そういうことを、だれを……(大橋(武)委員「こういう非常の場合においてはそこまでやってくれなくちゃ困る。」と呼ぶ)だれを調査したとか、……(大橋(武)委員「名誉をどうして回復させる、彼らの」と呼ぶ)ちょっと待ってください。
○田中委員長 お静かに。
○稻葉国務大臣 捜査の途中においてだれを事情聴取したとかしなかったとかそういうことが言えるわけのものではありませんのです。それが出た……(大橋(武)委員「それじゃ、どうして事情聴取したに違いないと書かせるんだ」と呼ぶ)書かせるわけではありません。(大橋(武)委員「書いているじゃないか」と呼ぶ)大橋さん、ですから……(発言する者あり)ちょっと待ってください。
○田中委員長 大橋君、委員長に発言を求めて発言をするように。
○稻葉国務大臣 私、答弁中ですから。まあ落ちついてください。
 よくわかるのです。大橋先生の気持ちは。それは同僚議員のことですから、ああいう不名誉なことを出されて黙っちゃおられないと、煮えくり返るようなあなたの御心中はよくわかるのです。けれども、捜査当局といたしましては、やはり幾らそういうふうに言われても、調べたとか調べないとか、そしてまた調べなければ今度は調べるのかというような質問をされて、そんなことになってくると始末に困るんですよ。真相究明に妨げになります。いずれは黒白は明瞭になるのですから、そのときに名誉は回復されるのですから、それをお待ち願うのがいいのではないでしょうか。新聞が書いたことを一々検察当局が責任を負うておられません。それは、仮に、どこから出たか知らぬけれども、金をやった方の弁護士から聞くという場合もあります。そうでしょう。あなた方よく御存じだ。そういうことがありますかち、いまここで私が、検察当局が捜査の途中において人の名誉に関することを何か漏らしたと言わんばかり、それを新聞は書いたんだというふうな御質問に対して、お答えするわけにまいりません。そういう漏らした事実はないのですから、漏らすわけがないのですから。ですから、いろいろなことで情報を聞いて、あっと思って、新聞は推測記事を書く場合もありますし、その辺のところは法務大臣に責任を持てと言われても、ちょっといま捜査の過程でございますから、お許し願いたいと思います。お気持ちはよくわかります。私もそれは同じ気持ちです。
○田中委員長 大橋君、いいですね。
○大橋(武)委員 ありがとうございました。
○田中委員長 それでは、暫時休憩いたします。
    〔午後二時四十二分休憩〕
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕