第080回国会 法務委員会 第4号
昭和五十二年三月二十二日(火曜日)
    午前十時十二分開議
 出席委員
   委員長 上村千一郎君
   理事 羽田野忠文君 理事 濱野 清吾君
   理事 稲葉 誠一君 理事 横山 利秋君
   理事 沖本 泰幸君
      小坂善太郎君    坂田 道太君
      田中伊三次君    二階堂 進君
      福永 健司君    島本 虎三君
      日野 市朗君    飯田 忠雄君
      正森 成二君    加地  和君
      鳩山 邦夫君
 出席政府委員
        法務政務次官  塩崎  潤君
        法務省人権擁護
        局長      村岡 二郎君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部防犯課長  長岡  茂君
        外務省アジア局
        北東アジア課長 遠藤 哲也君
        国税庁直税部法
        人税課長    北村 恭二君
        文化庁文化部宗
        務課長     石井 久夫君
        厚生省薬務局監
        視指導課長   造酒亶十郎君
        法務委員会調査
        室長      家弓 吉己君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十六日
 辞任         補欠選任
  山崎武三郎君     小沢 辰男君
  島本 虎三君     川俣健二郎君
  正森 成二君     不破 哲三君
同日
 辞任         補欠選任
  小沢 辰男君     山崎武三郎君
  川俣健二郎君     島本 虎三君
同月十七日
 辞任         補欠選任
  不破 哲三君     正森 成二君
    ―――――――――――――
三月十六日
 東洋バルヴ株式会社再建に関する請願(中村茂
 君紹介)(第一四四〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 法務行政及び人権擁護に関する件
     ――――◇―――――
○上村委員長 これより会議を開きます。
 法務行政及び人権擁護に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。横山利秋君。
○横山委員 かねて理事会で委員諸君に御同意を願っておったわけでありますが、本日は、世界基督教統一神霊協会、これに関連いたしまして、同僚諸君にもぜひ聞いてもらいたいと思うのであります。
 最初にお断りをいたしておきますが、わが国におきましては、憲法において信仰の自由というものが厳に存在し、宗教法人法におきましても宗教法人に対しますきわめて自由な立場が確保されておるわけであります。したがいまして、私がきょうから質問をいたしますそのことも決して統一神霊教会の信仰、信教、教義その是非を論ずるわけではありません。もちろんそれに関連いたしまして若干の問題に触れることはあるかもしれませんが、決してその本質的なものについて是非を論ずる気持ちは毛頭ないのであります。言うならば、その神霊教会が行っております活動のあり方について、私どもとして不審な点をただしたいということに限定をされておるのでありますから、さようまず御了承を願いたいと思います。
 ところで、昭和三十一年わが法務委員会は、満場一致「不正なる宗教活動に対する決議」を行いました。これは歴史的な文書でございますから、改めて政府委員並びに同僚諸君とともに確認をいたしたいのであります。
    不正なる宗教活動に対する決議
 戦後の混乱と人心不安の裡に族生したいわゆる新興宗教団体の中には、世道人心に極めて憂慮すべき影響を及ぼしているものがある。もとより信仰の自由は憲法の保障するところであるが、布教その他の方法において不当に人心を強制し、或は基本的人権を侵害するが如きことは許されない。
 本委員会が右の趣旨により立正交成会に関する人権侵害問題を調査したところによっても種々の行過ぎがあり、加入、脱退、金品受授、治療等につき欺罔、強制、圧迫、迷信等により、公共の福祉に反すると思われるものがある。
 政府は、この際、立正交成会は勿論、いわゆる新興宗教その他宗教団体の不正不法な宗教活動の横行している現状に鑑み、人権擁護の立場から速かに
 (一)布教活動にして、人権の侵害行為又は犯罪を構成するものについては、その摘発につとむべきである。
 (二)宗教法人法第八十一条の解散権を発動すべき事由ありや否やにつき、徹底的に調査すべきである。
 (三)宗教法人法中「認証事項」「役員の欠格条項」「書類の閲覧権、提出権」第八十一条解散権発動の前提たる「調査権の整備」「罰則強化」等につき、検討すべきである。
 (四)公益代表者にして、宗教法人の解散請求権をもつ検察庁は、宗教法人調査につき適宜の措置を講ずべきである。
  右決議する。
 この決議に基づきまして、文部省調査局長福田繁名義をもちまして、昭和三十一年六月二十一日各都道府県知事あてに「不正な宗教活動について」の通知を行いました。そして、趣旨とするところは、「今後、宗教団体の布教その他の活動において、人権の尊重、公共の福祉などの上から見て、行き過ぎや不正の疑をもつて一般の誤解を招くことのないよう特に御配慮をお願い」をする等の趣旨の通達を行い、また、法務委員長高橋禎一から文部大臣清瀬一郎あてにこの決議について通告を行った次第でございます。そして、その中でこの四項目を具体的に指摘をして、適当な措置を講ずるよう要請をいたしたところであります。
 なお、同じく三十一年九月二十一日、文部省調査局長福田繁から、宗教法人立正佼成会代表役員長沼総一あてに、「立正交成会の宗教活動について」の文書が発送をされました。そして「貴教団においても、布教活動の行き過ぎ、欠陥について反省すべき点のあることは認めているところであります。信仰は個人の自主的行為であるにもかかわらず、入会の強要、脱会の阻止等の行為により信教の自由を拘束し、あるいは宗教的暗示によつて徒らに恐怖、心を与える等、人権じゆうりんにわたる疑いのある事件が指摘されたことは、まことに遺憾とするところであります。貴教団においては、これらの事件の起つた原因につき篤と考察し、公共の福祉に反することのないよう重ねて通告します。」こういう文書が出されたわけであります。
 そこでまずお伺いをいたしたいのは、この法務委員会における決議及び文部省の通達等は、いまも関係各庁においてこの趣旨を了とし、この趣旨に沿って行政運営がされているかどうか、法務省並びに文部省の考えをまずお伺いをいたしたいと思います。
○塩崎政府委員 ただいま横山委員の御質問につきまして、私ども法務省といたしましては、片や憲法二十条の信仰の自由の精神を踏まえつつ、また片や御指摘の衆参両院の法務委員会の御決議の趣旨に従いまして、現実に法務省といたしましては努力しているところでございます。昭和四十九年には浦和事件のような問題があったことも御案内のとおりでございますが、このような事件の示しておりますように、私どもといたしましては、この精神に従いまして努力しているところでございます。
○石井説明員 先ほど先生から国会の決議につきまして御紹介がありましたが、その精神は、私ども現在も十分尊重すべきものと考えております。
○横山委員 当時の国会におきます法務委員会その他の委員会の議事録を全部読みました。立正佼成会について指摘をされたこと、立正佼成会側からそういうことは否定を一部されたこと等も参考人の記録も全部読みました。それにもかかわりませず、満場一致の法務委員会の決議が行われ、立正佼成会にもその趣旨の通達が文部省調査局長から出されたわけでありますが、今日立正佼成会は、この決議並びに通達が行われた以前と今日の立正佼成会とはどういう変化及び改革がなされたと文部省はお考えですか。
○石井説明員 立正佼成会の活動の内容につきまして、私どもは一々チェックしているわけではございませんので、細かに申し上げることはできませんけれども、一般概念的に申し上げますと、三十一年の国会の決議が行われたことから考えますと、最近の布教活動等、非常にこういう問題等指摘されないような良識ある活動を行っているものと判断しております。
○横山委員 私もその点は同感であります。私は三十一年のころのいきさつは直接タッチをしておりません。したがって、今日の立正佼成会の実態しか私は知らないんであります。しかし、改めて記録を読んでみまして、そんなことがあったのか、今日の立正佼成会を見ておる者にとりましては、まさにそんなことがあったのかと思われる。つまりそれだけの立正佼成会の改革、反省があり、本決議並びに本委員会の調査はきわめて有効であり、立正佼成会のためにもなった、私はこういうふうに考えておるわけであります。
 そこで、今回国会に、同僚委員諸君のところへも、あるいは請願書ごらんになったかと思うのでありますが、たくさんの請願書が出ています。これは「世界基督教統一神霊協会の日本に於ける不法活動を調査し・摘発し・処分し・禁止を求める請願書」であります。この請願書の趣旨は、後々の問題もございますので少し読みますと、
  通称、原理運動による被害は、既に数年来新聞、テレビ、週刊誌等で、多くの人が知っていますが、今日に至るも、尚あとをたちません。
  入信者の殆んどは、かつて親に心配を、かけたことのない純真な若者達ばかりですが、入信してから強烈な教義をたたきこまれた為に、学業、職場を放棄して家出し、集団を作り、個別訪問での押売り、街頭での強要、募金活動、見しらぬ異性との集団結婚、海外渡航等、親兄弟の悲嘆や説得を、悪魔とすら反論しています。
  そしてその中の多くの若者は、身体衰弱、精神錯乱、自殺、行方不明となり、先般はアメリカで殺害されるという事件も生じ後をたちません。
  この運動は、韓国人、文鮮明を教祖とするもので、キリスト教を原理教義としていますが、あらゆるキリスト教団は、この教義は、キリスト教を侮辱し、ねじまげた驚くべきものと非難しています。目下台湾、オーストラリアでは、禁止されておりアメリカ、フランス等では、父母の会が組織され原理は人類の敵として、世論に訴えているものです。
  この運動が今日迄日本国内に於いて、進めている諸事実の中には、為替管理法、政治資金規正法、旅券法、人身保護法、刑法、医師法、薬事法、訪問販売に関する法律、街頭募金に関する諸条例など、其の他諸法令など数々違反する疑いが濃厚であります。
  これらの批判を、そらすために教会側は、知名人の人々を巧みに協力者として、利用し、組織の拡大をし、若者達の活動で吸いあげた豊富な資金を活用して、政治的に、活動分野を拡げています。いわゆる勝共運動はその重要な、分野であります。既に米国では、文鮮明−児玉誉士夫−笹川良一などを通ずる関係が、米下院国際機関小委員会での証言で明らかになっています。(朝日ジャーナル)
  私達は、統一協会被害者父母の会として発足し、国会や関係機関に陳情を、数年つづけて来ました。この間に日本弁護士会連合会も、私共の陳情をくみいれ特別委員会を設置して調査することを決議されました。
  これらの努力で、一歩前進をしましたが、統一協会はいささかも、その姿勢をかえず、益々苛酷な形で信者の犠牲と、家庭の破壊を増加させて居り、誠に遺憾にたえず、私共親兄弟は、日毎夜毎、苦悩の生活を送っています。
  今度、全国父母の会は、あらためて国民の皆様の御協力を得て、国会に一大請願運動を決意した次第です。
  何とぞ政府国会におかれては、即刻、諸官庁を督励され、世界キリスト教統一神霊協会の日本における不法活動を調査し摘発し、処分し、禁止する措置をされるよう心から要請します。
  又その教義の誤りを明らかにし、信者の人権回復と生命の安全を守って下さるよう、適切な措置をのぞみます。
 備考として、最近の事実が列挙されております。これは別途後でまた問題とするかもしれませんが、そういう趣旨であります。
 もちろん、この請願の中の最後の「教義の誤りを明らかにし、」ということについては、私どもの範疇外ということは言えると思うのでありますが、その趣旨とするところ、日本における不法活動の調査、摘発、処分、禁止という点については、この請願の趣旨は適当なことではないか。もちろん、何が不法活動であるかということについては議論が残るところではございますが、この請願が出ました。
 そこで、先般私どもの石橋書記長が予算委員会において政府にこの問題をただしました。総理大臣は、調査をすると約束をされました。その調査の、当面の調査の結果が書記長のところへ報告がございました。これによりまして、まず第一に、文部省の宗教法人基督教統一神霊協会の目的、組織、会員数、一般的なものについて資料が参りましたが、改めて文部省側から、この宗教法人神霊協会について御調査をされた結果を御報告を願いたいと思います。
○石井説明員 御報告いたします。
 五十二年二月十二日現在、所轄庁であります東京都を通じまして調査、事情聴取したものでございます。
 まず、宗教法人世界基督教統一神霊協会の目的、組織、会員数等でございます。
 名称 世界基督教統一神霊協会、設立年月日昭和三十九年七月十六日、事務所 東京都渋谷区松濤一丁目一番二号、代表役員 久保木修巳、責任役員 小山田秀生、石井光治、阿部正寿、桜井設雄、横井勉、井上忠之、目的 この法人は、天宙の創造神を主神として聖書原理解説の教義を広め、儀式行事を行い、信者を教化育成するための財務及び業務並びに事業を行うことを目的とする。規則第三条です。教会数四百五十五、会員数二十八万ないし三十万人。
 それから二番目に、合同結婚式のことにつきまして御報告します。
 過去の実績、一、昭和三十五年四月十六日三組、場所ソウル、二、昭和三十六年五月十五日三十三組、同じくソウル、三、昭和三十七年六月四日七十二組、ソウル、四、昭和三十八年七月二十四日百二十四組、ソウル、五、昭和四十三年二月二十二日四百三十六組、うち日本からの参加一組、ソウル、六、昭和四十四年四十三組、日本からの参加十二組、これは日米独の各国で行ったということでございます。七、昭和四十五年十月二十一日七百七十七組、日本から二百三十組、ソウル、八、昭和五十年二月八日千八百組、日本からの参加七百九十七組、ソウル、ということでございます。
 将来の予定でございますけれども、陳情にあります三月に行う予定ということについては、少なくともこの三月、四月に合同結婚式を行う企画はない。しかし将来については、教祖の指令があれば行うことになるだろうということでございます。
 それから合同結婚式と宗教活動との関係でございますが、「合同結婚式の由来」といたしましては、「合同結婚式は、統一教会の中でも重要な行事の一つであります。統一教会創設者の文鮮明氏の愛の心により、個人の自由意思に基づき、憲法で保障されている人権と自由の尊重の立場に立って行われます。夫婦は長い間の宗教的教養と人格的教養を高め、幸福な家庭を築き、社会人として責任を果し、家庭、社会、国家に貢献します。」というようなことを、東京都を通じました調査により、また当協会の発行しておりますパンフレットによりますと、そういうことが言われているわけでございます。
 以上でございます。
○横山委員 宗務課長、言葉を選んで言っていらっしゃるのですが、いまの御報告は、神霊協会がそう説明をしているということであって、あなた自身がそれを確信しているということではもちろんないでしょうね、当然のことながら。文部省がそう理解しているということではないでしょうね。
○石井説明員 一応東京都を通じました事情聴取の結果、それから協会の発行しておりますパンフレットによりまして御紹介申し上げたわけでございます。
○横山委員 その次に、外務省から御報告をいただきたいと思うのですが、この請願書によりますと、海外においてこの種のものが禁止あるいはいろいろな問題を起こしておるということでございますが、外務省はいま御報告できますか。
○遠藤説明員 簡単でございますけれども御報告申し上げます。
 各国に照会いたしたわけでございますけれども、二つの点から照会いたしたわけでございます。一つは、各国ともに世論、つまり報道機関がどういうふうにこれを見ておるかという点と、もう一つは、各国政府がこれに対してどういうふうな取り組み方をしておるか、この二点につきまして調べたわけでございます。
 それで、各国ともこの問題につきましては三つの側面があるようでございまして、一つは、やはり信教の自由と申しますか、そういうふうな観点、それからもう一つは、この教会員が各国で行いますいわゆる反社会的な活動と申しますか、そういうふうな面からの観点、それからもう一つは、外国人につきましては外国人入国規制なりその国での活動の問題、この三点から各国とも見ておるようでございます。
 まずアメリカについてでございますけれども、アメリカではこの統一教会はニューヨークの州法によって認可されております宗教団体でございます。本部はワシントンにあるようでございます。米国におきます原理運動は、まず統一教会とその下部組織でございます韓国文化自由財団、それから自由指導教団、この三つの組織に分かれておりまして、それぞれ宗教、慈善あるいは教育等の分野で活動が行われているようでございます。全部でその信者は約三万人ぐらいかというふうに伝えられております。アメリカの世論がではどういうふうにこれを見ておるかという点でございますけれども、アメリカのジャーナリズムはこれに非常に関心を示しておりまして、どうもこの教会は宗教団体を隠れみのに利用した何か政治活動を行っているのじゃないかというふうな批判的な報道が非常に多いようでございます。なお、アメリカの政府当局、司法省が本件をどういうふうに見ておるかという点でございますが、どうも七四年以来、先ほど申し上げた第三番目の側面でございますけれども、外国人が観光とか商用のビザで入ってまいりまして、しかしながら実際にはこういったような伝道活動をする、こういうふうなことについて、司法省のいまの方針は――実はちょっと細かいことになりますけれども、観光ビザ、商用ビザは非常に短期間でございまして、その短期間のビザが切れた後で伝道活動に従事するためにビザの切りかえということが問題になるのだそうでございますけれども、司法省はこういったビザの切りかえに対して、どうも伝道訓練生としては適切な訓練計画が欠けているんじゃないかとか、あるいは街頭における募金活動等、必ずしもその伝道訓練の趣旨には合致しないんじゃないかというような観点から、このビザの切りかえに対しては非常に厳しい態度で臨んでおるようでございます。しかしながら、厳しい態度で臨んでいるようでございますけれども、現実に教会員の実態が必ずしも把握できなくて、つまり所在地なんかがよくわからなくて実際の法令の執行にはかなりな困難があるようでございます。以上がアメリカでございます。
 次にイギリスでございますが、イギリスでは、このいわゆる原理運動に参加する青年が若干見られ、これの父兄からこの運動に対する批判が起こっておるようでございます。この観点から、イギリスの国会でもあるいはジャーナリズムでもこの原理運動が取り上げられてきておるようでございます。ただイギリス政府といたしましては、先ほど申したような宗教の自由があるものでございますから、関係者が法令に違反しない限り、運動そのものに対する規制ということはきわめてむずかしいようでございます。なお、外国から入国してまいります原理運動関係者につきましても、原理運動の関係者だからという理由で入国を拒否するということは行っていないようでございます。
 三番目に西ドイツでございますが、西ドイツでも、イギリスあるいはアメリカと同じようにこの原理運動がマスコミ等で取り上げられたことがございまして、どうもこの信者がこじき活動とかあるいは無届けの募金活動を行っているというようなことが報じられているようでございます。やはり原理運動がドイツにおきましても結社の届け出を出した法人であるわけでございますから、法律に違反した場合には解散命令等の規制を受ける可能性はあるようでございます。ただ、ドイツはほかの国に比べまして外国人の原理運動関係者の入国に対しては非常に厳しい措置をとっておるようでございまして、昨年の十一月十八日付で、原理運動関係者は入国させないというふうな措置をとっておるようでございます。
 あとフランスでございますけれども、フランスでもやはり原理運動関係者が学業やそれから家族を放棄して布教に熱中するために、その父兄等々から、盗まれた子供を返せというふうな声が上がり、抗議集会などが開かれて、社会運動になっているようでございます。なお、フランス政府は、統一教会に対しましてはいわゆる外国人団体法に基づく認可は与えておりません。したがいまして、同教会の宗教活動に従事することを目的としてフランスに入ってまいります外国人の信者については、その滞在を拒否しておるようでございます。ただ、実際上同教会の信者であっても、留学生とかあるいはその他の入国目的で入ってくる者につきましては、入国目的に応じた条件を満たす限り許可をしているようでございます。しかしながら、実際上、こういったように審査につきましてはかなり慎重にやっておるようでございます。
 あと最後に、オーストラリアでございますけれども、オーストラリアは、まだ布教の歴史も新しくて信者の数もきわめて少ないようでありまして、とりたてて大きな社会運動にはなってないようでございます。ただ、アメリカの統一教会の布教運動とか、あるいは大都市であるシドニーの布教運動につきまして、ときどき地方新聞等々で報道は行われておるようでございます。なお、政府としましての原理運動自体に対する特別な措置はとっていないようでございまして、かつ、原理運動関係者の入国につきましても、これまでのところ規制を目的とした対策というものはとっていないようでございます。
 以上、取りまとめて申しますと、アメリカそれからドイツ、フランス等につきましてはかなり厳しい態度をとっておるということが言えるかと思います。
○横山委員 台湾については言及がないのですが、これは国交の関係でございますか。台湾は禁止されておるのですが、情報があったらひとつ。
○遠藤説明員 横山先生の御指摘のとおり、台湾については調査いたしておりません。
○横山委員 私から申し上げておきますが、台湾政府は禁止をいたしました。これは後で言及をいたしますが、統一神霊教会並びに勝共連合がきわめて反共的な立場でございますから、台湾政府は、そういう意味においては共通の基盤がありそうなものにかかわりませず、断固として、世界で最も強硬にこの原理運動を禁止をしておるという事実をひとつ皆さん理解をしておいていただきたいと思います。
 そこで、実はここで石橋書記長の質問に対しまして、私どもは統一神霊協会だけを議論の対象にしておったわけでありますが、統一神霊協会と国際勝共連合事務局から猛烈な抗議が行われ、そして東京都内はもちろん、全国的にもこの石橋質問に対して猛烈な反対宣伝が行われておるのであります。そこで、その宣伝なり申し入れの骨格をちょっとお話をいたしますと、「また統一教会の禁止をあなたは求めていますが、いかなる違法行為も行われていないものをどうしてこの法治国家日本で禁止できるでしょうか」こういう趣旨があるわけであります。くどく言っておるわけでありますが、私どもは統一神霊教会の宗教の禁止を求めているわけではないのでありますから、これは大変な的外れと言わなければならないのでありますが、この点だけひとつ言及をしておきます。
 そこで、今度は人権関係からまず入りたいと思います。
 日弁連が五十一年八月に活動報告書を出しました。これは人権擁護委員会の活動報告書であります。参考のために申し上げますと、
  当委員会は、昭和五一年一月設置され委員は六名で構成されている。九月に第一回の委員会を開催する予定である。
 「申立の趣旨」これは省略をいたします。
 「調査の経過」
  原理運動は、一応宗教法人のなす宗教活動であり、又その信者達も殆んど任意の意思で入会しているとされているため、これ等信徒に対し、教団側からの身体自由についての拘束、あるいはある種の強制などが行われたとしても、果して人権侵害といい得るかどうか、がいわば当部会においても最も問題とされたところである。
  当部会では、先ず何よりも右原理運動とされているものの実態を把握することが先決と考え、右宗教活動に関する諸種の著作、出版資料を検討すると同時に、昭和五〇年一〇月二五日右原理運動被害者父母の会の会長並びにその代表者(この中には元入会していた者も含む)達が、こもごも語る原理運動の実態についての録音テープを聴取し、更に右同日上京した被害者父母の会東北支部長本間てる子氏から、直接元入信して運動していた同氏の長女について入信前、入信中、入信後の生活行動上の変化、心理状態などを詳細に聴取すると共に、一体どういう面で被害があったのか、又どのような人達が、どのような実際上の経験をしているのか、等を聞き、意見の交換を行った。
  その後、当部会ではさらに前記資料をふまえて討論を重ねた結果、教団の運動が営利性を目的としたものであるか否かは定かではないが、入信者に対する食事の与え方など健康上の問題、集団結婚を強制している疑いのあることから婚姻の自由の問題、入会および脱会に際しての心理的圧迫の面から内心の自由の問題、又右教団の街頭募金の手段方法にある種の反社会的側面が認められること、特に未成年者(高校生など)に対する関係でその保護者達に経済上、心理上の負担を強制している面があることなどから、総合的に判断して、右教団の運動は、宗教活動としての限界を越え、人権侵犯の疑いを強くもたせる諸行為が認められるものであるとの点で意見の一致をみた。
 これが日弁連の人権擁護委員会の活動報告書であります。
 そこで、人権擁護局にお伺いをいたしたいのでありますが、人権擁護局は石橋質問に対して報告書をお出しになりました。この報告はかなり長いのでありますが、ひとつ簡潔にいままでの人権擁護機関として取り扱ったケースについて御報告を願いたいと思います。
○村岡政府委員 人権擁護局がこの世界基督教統一神霊協会に関する事件を人権侵犯事件として取り扱ったものは、これまで二件ございます。
 その一件は、先ほどもちょっとお名前の出ました本間てる子という方の投書によって調査した事件でございます。これは昭和四十六年十二月に本間てる子から、その同人の長女ハツ子が教会に入って家出したので善処してほしいという投書がございまして、秋田地方法務局で調査しましたところ、そのハツ子はその後帰宅したことが判明いたしました。ところが、本間てる子が、法務局におきましてこの長女から事情を聴取するのを拒否いたしましたために、それ以上調査が進められず、実態を解明するに至らなかったのであります。
 第二の事件は、疋田キミという人の申告によって調査した事件でございまして、昭和四十九年十二月、疋田キミから旭川地方法務局に、次女房子が教会に入り家出をしたので善処してほしいという申告がございました。同地方法務局で統一教会の旭川分教会に居住しておりましたその房子から事情を聞きましたところ、同女は、両親にその教会の伝道師になることの了解を再三求めたが納得を得られなかったので家出した、これはあくまでも自分の自由意思に基づくものであるということでございましたので、人権侵犯事件、人権侵犯の事実を認めるに至らなかったのでございます。
 以上が概要でございます。
○横山委員 ここに、五十二年二月二日現在で日弁連に提出された調査書の一部の統計表がございます。これは父母の会がこの統一教会へ入っていった子供のために全国的に調査をしたものでございます。これによりますと、調査人員は百十九名、まあ調査ができた者ですね。家庭からする立場で、行方不明が三十二名、死亡が三名、家出が九十名、職場放棄が七十四名、学業放棄が六十一名、異常心理が四十九名、健康不良が六十一名、結婚した者十四名――これは集団結婚の関係だと思うのです。パスポートがある者が三十名、家へ帰ってから非常に不安の精神状態にある者二十八名、子供のために親が心配で病気になっている者が十五名、事故をもたらした者二名、社会復帰が三名、こういう統計が出ておるのであります。これは調査人員百十九名ではありますが、そのいま申し上げました数字は問題別に整理したわけでありますから、たとえば家出しておるが異常心理であるというふうに、両方の数字にわたっておるものもあります。しかし、これは驚くべき数字だと言わなければなりません。県別にも出ておるわけでありますが、三重、福井、愛知、岡山、北海道、東北地方、わかった状況から言いましても、かなりの数字が出ておるわけであります。
 このような事実に対して、人権擁護局というところは、この間も私が法務大臣に言ったわけでありますけれども、訴えがなければ調査しないという方針のようであります。いま御報告が二件しかないということは、それは事実でありましょう。事実でありましょうが、現にあらゆる新聞、あらゆる週刊誌――ある時期には、カラスが鳴かぬ日があっても統一神霊教会の記事が載らないときはないというほどに一時期あったことは御存じのとおりであります。そういうときに、人権擁護局としては、訴えがなければ何もしないということでいいのでしょうか。私は、先般このことについて、あなたはおいでにならなかったと思うのですけれども、法務大臣に対しまして、人権擁護の総本山は人権擁護局であり、法務省であり、法務大臣である。町に、新聞に、テレビに、ラジオにあるいはまた週刊誌に、雑誌に載ったならば、これは自分たちの責任職域であるとして積極的に調査活動に出るべき責任があるではないか、こういうことをくどく言ったわけでありますが、あなたの方の全国機能はそういうことについてきわめて消極的であるとかねがね私は嘆いておるわけでありますが、この機会に、この神霊教会の問題ももちろんそうでありますが、そのほかにつきましても、人権擁護局としての機能をもっと積極的に活動をさせるという気持ちがありませんか。
○村岡政府委員 いやしくも人権侵犯の事実に対しては積極的に対処したいというのが私どもの一般的な立場でございます。ただし、この問題は、何分にも一方には信教の自由という同じく基本的な人権に属する問題がございます。それとのかかわりにおいて、軽々に人権擁護局が乗り出すということは考えなければならないということで、慎重に対処しているわけでございます。
 私どもが取り扱います人権侵犯事件というのは、具体的に特定の人の人権がどのように侵害されたか、その疑いがなければこれを調査するわけにはまいりません。それで、先ほど申しました二件のように、特定の人から申告なり投書等のことがございますれば調査いたしますが、先ほどの事件にもございましたように、関係者自身がその教会内部の事情等について率直な事情聴取に応じてくれなければ、それ以上調査することはきわめて困難な立場にあるということで御了解いただきたいと思います。
○横山委員 了解ができませんね。いま、こうして各省来ていただいて、それぞれ調査の報告を求めておるのでありますけれども、先ほど私が最初に、だからと言って披露いたしました法務委員会の決議、その決議に一番責任を持つのはあなたのところなんですよ。これはそう言ってはなんですが、宗務課長のところに余り責任を持たせられない。それは宗務課長がやるということは、憲法並びに宗教法人法という問題がある。人権擁護局の立場こそ、まさにその調査をするとなれば一番適法、適切であると私は思っておるわけです。だから、あなたのところが各省のかなめになってこの種の問題について積極的におやりにならなければ、一体どこがやりますか。国税庁からも来ていただいているのですが、国税庁はそんなことに関係ない、税金がそういう機関から正しく納まっているかどうかということであり、文部省は権限がない。外務省は、旅券なり外国人の問題としての取り扱いしかない。しかし、本問題の基本的な問題は人権擁護でなければならぬ。そのときに、あなたの方が、訴えがなければやれない。なるほど、憲法の自由は私も百も承知して物を言っているのでありますが、そんなことはあなたの方だって決して考慮なさる必要はないのであって、宗教活動の自由ということはだれでも知っている。問題は、それによって人権が阻害されておるかどうかは、だれかが、役所がきちんと調査をしなければ、訴えがなくても、自分の方から出ていって、どうなっているのだという調査をしなければ、一体だれがこの問題を担当してやるのですか。政務次官、どうお考えですか。これはこの間も法務大臣に、本当に人権擁護局の機能を強化してもらいたい。私は、現行法ではだめだとまだ思っておるくらいなんです。人権擁護局というものが本当に活動いたしますためには、権限を与えろとは必ずしも言わぬけれども、大臣みずから、政務次官みずからが、確かに権限はない、しかし、憲法並びに人権擁護委員法、それから関連の諸法規があるのであるから、この際、自分たちとしては黙視できないという立場で、法務省がみずから責任を持つ、こういう立場がなければ、人権擁護局は、私はこの問酷評したのですけれども、日に日に実体が小さくなっていきますよ、予算も少なくなっていきますよ。そして啓蒙に始まり啓蒙に終わるといううたい文句で、実体機能が少なくなっていきますよ。この際――私この間言ったように、カーター大統領が人権擁護を政策の基本にしたことについて高く評価しています。もちろん、カーター大統領の言っている人権擁護基本政策に、何言っているんだ、おまえのところの黒人の問題はどうなんだと言いたい点はある。あるけれども、とにもかくにもそういうような立場というものは、法務省が積極的にやらなければこれはだめだと思っているんですが、この統一神霊教会に関連いたします人権擁護局及び法務省の姿勢がきわめて消極的であるという私の指摘について、どう改善されますか。
○塩崎政府委員 確かに、横山委員御指摘のように、人権擁護という憲法上の大きな仕組みは、近代、私どもの新憲法下の大きな財産でございます。これを、法務省は責任を持ってこの人権擁護というまだまだ日本には定着しておりませんところの諸制度を大いに推進する必要があろうかと思うのでございます。そういった意味で、私はまず、国民の大きな世論のバック、これがまず第一に必要だと思いますし、さらにまた、私どもが行き過ぎという面が指摘されますと、大変この人権擁護という問題が萎縮するおそれもございますので、憲法二十条の信仰の自由の規定のみならず、一般的に法律上の制約についても、ひとつ新しい観点から御検討いただくような方向をとっていただいて、そして、この人権擁護というかつて戦前には少なかったような私どもの新しい財産をさらにさらに進めていかなければならぬ、こんなふうに私は考えるものでございます。
 たとえば、宗教法人法などについても、果たしてどのようにこれを考えていったらいいかというような問題もひとつ御検討願い、余り一遍に人権擁護局が飛び出すのもいろいろ問題も生じましょうから、各省ひとついろいろ考え方を統一しながら、行政監督とそして人権擁護のあり方、これらの調整についてももう少し真剣な議論をこれから続けていきたいという気持ちを持っております。
○横山委員 先ほど御披露いたしました、調査のあっただけでも百十九名のうちの内訳、行方不明が三十二名、家出が九十名、これらの子供たちの所在がわからないわけですね。父母としては、子供に会いたい、子供の住所が知りたい、何をしているか聞きたいということを言うておる。統一教会側の話を御披露いたしますと、統一教会は、それは教会にもとおったかもしれぬけれどもいまはもういない、こう言って逃げておるようであります。そうならそうで、もう少し親切に統一教会側としても、あなたの子供は何年何月どこにおって、それからどうなったああなったということがわからぬはずはないと思うのです。子供が統一神霊教会の教義を信じた。それは信仰の自由である。あるいは成年者であるから結婚をした。これも憲法の自由である。そう言ってしまえばそれだけのものである。けれども、その過程におけるあり方、信仰するまでの、見も知らぬ人と結婚するまでの過程について、私どもとしては大きな疑いを持っておる。もし、統一神霊教会がそういうことは誤解であると言うならば、その子供たちを親に会わせる。子供が仮に信仰に浸っておっていやだと言っても、とにかくお父さんに一遍会え、お母さんが東京に来たんだからお母さんに会えということをどうして一体しないのであろうか。一時はもう教会の前は警察官まで出動して、会わせ、会わせないということで大問題になった。この間、全国父母の会が行われた。ここでも子供を心配する父母の声が横溢しておる。そういうところから考えまして、まず法務省がやるべきことは、統一神霊教会を呼んで、そして子供と親との面会を許せ、そして統一教会は子供たちの住所、職業、現況について親に話せ、意見の違うところはあるであろう、あるであろうが、この父母の痛切な訴えについて率直に謙虚に耳をかしてやれと言うことがどうしてできないのであろうか。私は、この人権侵犯の事実があるないという争いの前に、直面いたします家庭の悲劇について、人権擁護局が一番適切だと思うのでありますが、そういうことをしてもらいたいと思うのでありますが、政務次官どうですか。
○塩崎政府委員 横山委員の御指摘の趣旨は私ももっとものように響くのでございます。ただ、御案内のように人権擁護という理由だけで宗教団体の幹部あるいは管理者をいろいろと強制するというようなことができるかどうか。それはやはり一つの法律的な根拠が必要な気がするわけでございます。ただ、事実の調査といたしましてもいろいろむずかしい問題があって、それが第二十条の信仰の自由を阻害するというような向こうの抗弁がありました際に、私どもの答弁の仕方もいろいろ考えておらなければならぬというようなこともあるのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
 新憲法後は行政管理の行動がすべて法律的根拠を要するような仕組みになっているかと私は思うのでございます。たびたび横山委員税法上の質問検査権限でもいろいろ言われましたときに、質問検査権限についても制約があるようなお話もされた記憶がございますが、しかし、またひとつこの問題については大きな世論のバック、これがあるかどうか。これは外国の例をいま遠藤課長が言っておられましたが、そのような世論のバックを受け、そうしてまた世論の動向を見きわめて、法律的な根拠もひとつ考えなければならないというふうに私はいま感じたのでございます。
○横山委員 質問する前にあなたにちょっと聞いておかなければならぬことがある。統一神霊協会及び勝共連合には政治家の皆さんが名前を連ねておる場合が多いのであります。あなたは統一神霊協会及び勝共連合と全く関係がございませんか。名前を使われたこともございませんか。
○塩崎政府委員 全くございません。
○横山委員 結構です。その点だけをひとつ明らかにしておきませんと、誤解が生じますから。
 私が言っておりますのは、そういう権限のあるなしにかかわらずということを言っておるので、職務権限をもってそういうことをしてやれと言っているのでは必ずしもないのであります。そういう人権侵犯の疑いがあると私は思うのでありますが、職務権限があるなしにかかわらず、先ほどから披露いたしておりますように、あらゆる新聞が、あらゆる週刊誌が、あらゆる雑誌がこの問題を取り上げておる。共通いたしておりますことは、人権擁護の問題が共通しておる。そのほかにいろいろな諸法律がございますけれども、根底をなすものはすべて子供と父母の嘆きを中心にしておるわけであります。したがって、法務省が、この人権侵犯の疑いがあるなしの以前に、どうなっておるか、この種の世論が言っておることは一体何なのかということを調査することは行政機構としては当然のことではないか。それから人権擁護以前に人権擁護機関が、とにかく一番基本的な問題として父母の嘆き、あるいは子供との家庭の破壊という問題についてどこの省がそれをやるとすればできますか。人権擁護に一歩近づく、その前提の問題として、そのくらいのことは法務省がやるべきが当然ではないか。あなたがえらい慎重なことを言っておりますけれども、それじゃもう全然やる気がないということを逆に言っておるような気がいたしますが、そういうことではないのですか。
○塩崎政府委員 私はやる気がないということを言っておるわけじゃございません。人権侵害の以前の事実というような御指摘がございましたが、そのような事実の問題が過去においていろいろと政府の干渉、自由の侵害というようなことになった経緯があることはもう御案内のとおりでございます。私は、新憲法後は行政官庁というものは法律的な根拠なくして行動ができないぐらいに考えているわけでございますが、そういった意味において、やはり法律的な根拠、これは世論のバックのもとにつくり上げないと、別の半面の弊害、つまり自由への侵害というような批判が出てくるから慎重にならざるを得ない、こんなふうに申し上げておるつもりでございます。
○横山委員 改めて大臣にもお願いをしなければならぬけれども、私がくどく言っておりますが、人権擁護局という機能、法務省の重要な部局が、まあそれは局長に言わしてみればやっております一いろいろな事例はあるでありましょう。あるでありましょうが、この種の問題について、言われなければ何にもしないという態度については、大変遺憾の意を表しなければなりません。あなたは世論のバックがあればと言っているのですが、これほど世論が騒いでおるとき、これほどあらゆるものが父母の嘆きなり統一神霊協会及びその他の機能が内外にわたってまさに国際的に問題になっておるときに、その最も根底である家庭の破壊、人権擁護という問題について、法務省が何にもしないというような印象を与えるということは、大変私は意外なことであり、あるいは遺憾なことである、こう思いますよ。私は、これから各省にもいろいろ注文を出すのですが、一番最初にあなたの方が、それではこの問題についてどうしたらいいか、どうするのかということについてひとつ改めてあなたの前向きの意見を聞いておきたいと思う。
○塩崎政府委員 私どもは、統一神霊協会の動向を十分に見詰めながら、人権侵害の事実がありますればこれに対処する行動をとるつもりでございます。
 横山委員、どこの省も関係がないようじゃないか、まず法務省が考えるべきじゃないかというような御指摘でございますが、私は、新憲法後はやはりどこの省によってでも関係がないところがたくさんあると思うのでございます。それだけ国民の自由は保障されたと思うわけでございまして、直ちにこれを法務省の所管というふうに言い得るかどうかは、よほど慎重に検討してこの事実の分析をした後に判断すべきではないか、こんなふうに思うわけでございます。したがいまして、国民世論の動向を見きわめながら、そしてまた世論によって一つの法律根拠を与えられるようなことも考えながら、この問題に対処しなければならない、こんなふうに思っております。
○横山委員 この集団結婚という問題でございます。集団結婚につきましては、ずいぶん社会的に騒がれました。先ほどの文部省の報告によりますと、五十年の二月八日、ソウルで千八百組行われたが、その中で七百九十七組が日本人であるそうであります。まさに驚くべきことと言わなければなりません。集団結婚の資料が私のところへもたくさん来ておりますが、新聞が伝えるところ、すべて「親も知らぬうちに指名で集団結婚式」こういうことになっております。統一協会高津啓洋総務部長の話が五十年の一月二十三日の朝日に出ておりますが、「会員が父母のいうことを聞かないというのは、協会、本人、家族の見解がからみあってのことでなかなかむずかしいことだ。時間をかけて、皆の納得できる点をみつける努力が必要と考えている。また各種活動で得た金の使途については不明朗なところはない。あまり批判が多くなれば反論も考えたい。韓国民が選ばれた民だととられるのは文鮮明教祖が生まれたところという意味で、発祥地に対する尊敬といった意味だ。」ということを言っておるわけでありますが、これは集団結婚が非常に問題になりました機会に言っておるわけであります。この集団結婚というのは、要するに、ある日突然にということなんで、この新聞を見ますと、「父母の話を総合すると、参加するのは日本人が約二千人、ほかに二十四カ国から四千人の計六千人の大結婚式になり、場所は韓国、日取りは二月上旬か中旬の一日になる、という。」「「選択の自由もない指名結婚である。こうした結婚は親として認めることができない」としている。本部を訪れた父母に協会側は「親の承諾のない者は結婚式には参加させない」と約束したといわれるが、父母たちは「約束はわたしたちに対してだけ。他の父母の悩みも考え結婚式はぜひ中止してほしい」」こういうことであります。これが歴年とにかく集団結婚が行われ、先ほどのお話によりますと、三月、四月には合同結婚式を行う企画はないが、近い将来において教祖の指令があれば行うことになるだろうということであった。これは一体どなたに御返事を伺ったらいいかわかりませんが、要するに、指名結婚なんでありますね。この指名結婚というものは、本人の合意でなくして、要するに向こうから出てきた、おまえさんはこの人と結婚するんだということになって、ああそうですかという結婚をする。そして、結婚をしてもある期間は同居ができない、すべきではないということで同棲生活ができない、その間に布教活動をしろということなんであります。これも本人がそれで了承したならばそれは仕方がないということは、それは一応理屈は言えると思うのでありますが、しかし、まことにこれは常識的ではない。きわめて常識的ではない。いままで政府答弁なりあるいは統一神霊協会の答えは、本人が、統一神霊協会から指定された女性でよろしいと言い、そして結婚式が済んだ後も同棲をしないことを了承したんだから、本人の自発的意思であるからということに結局は言われておるわけであります。この種の問題が大変常識的でない。だから、親きょうだいもそれに対して大変反発をしておることは当然だと思うのでありますが、この点について、常識豊かな政務次官のお考えを聞きたいと思います。
○塩崎政府委員 ただいま横山委員御指摘の集団結婚のあり方については、私も、現在私どもが持っておりますところの普通の習慣あるいは普通の常識から見ますと、どうも違ったものである、こんなふうに思うものでございます。しかし、御承知のように、宗教というものは、また普通の常識と変わった習慣あるいは考え方をつくり上げるようなものを宗教というふうに呼ぶ点があることは御案内のとおりでございます。ユダヤ教のような戒律の全く厳しい宗教もあれば、愛を説くキリスト教というような考え方、いろいろございますので、その点は大変むずかしい。宗教とそれからまた普通の習慣との違いはどこに線を引いていいか、大変むずかしい問題を含んでいると思います。したがいまして、これについて全く常識と違ったというような評価を下して、これに対して干渉をしていくことは、そんなに簡単なものではない、こんなふうに私は考えます。
○横山委員 私どもが、合同結婚しても同棲できない、三年か何かはほかへ行っておれと言うて、国内で別々、あるいは国外へ派遣をされるということを指摘をいたしましたところ、そんなことはないと統一教会から言われる方がありました。私はそうじゃない、事実をもって言っておるのですが、ここに「忠孝之源」ですか、これは文鮮明がずっとあちらこちらで話をされたことの大収録なんであります。私はずっと見たのでありますが、事内容について特に指摘するのをなるべく避けたいと思います。しかし、その中にやはり書いてあるわけです。この話は、非常にフランクに話をしたり、あるいはトーンとしてかたく話をしたりしておりますが、水沢里というのは韓国だと思うのですが、十一月二十六日、「刺激について」という講演の中にこういう文句がございます。
  だから今、韓国の男と女と、日本の男と女と、祝福した者を三年位は捨ておこうという考えなんだよ。だから三年位別れておった場合に堕落してしまうか。三年位別れてやった場合には、絶対堕落しないだろう。三年間共に生活する者は、もしか堕落する者あるか知れないんだけど、三年間わけてやった者としては、堕落する者はないと思うんだよ。それは本当から言えば反対だろう。何故そうか、共に、女が夫に対して考え、夫が女に対して考えるんだね。思いやりが止まらない以上は、内縁がもっともっと深くなるというんだよ。だから近くにおってもいいし、別れておっても問題ないというんだよ。そういうようになるんだろう、それが愛の世界によってそうなる。だから世界はどういう心情圏になるか、世界は一つの世界に完全に統括される。遠い所でも不満じゃないんだよ。みんな韓国に行きたかったらどうするの、狭いのにどうするの。遠い韓国に来て帰って行って、遠い国で慕う心はもっと素晴らしいや。味わう程、立体的味がするんだよ。
これはその一節なんでありますが、意味のちょっとわからないところはあります。ありますが、少なくとも祝福した者を三年ぐらいは捨てておこうという考えなんだよというふうに割り切っておるわけですね。それは、三年間何をするかというと、これは別の項に出てきますけれども、とにかく統一神霊教会の教義、ずばり言えば反共運動であります。それからカンパ活動。そういうことにとにかく挺身しろ、そしてもう本当に、別のところにあるのですけれども、文鮮明自身が大変なハッパをかけておるわけですね。これでも本人の自由意思だと言ってしまえば言ってしまえぬことはない。けれども、われわれが考える憲法における自由意思というものは、本来そういうものではなかったと思うのですね。何か、別のところにはございますけれども、たとえば一人の男性に候補者を探すについては、幹部が、横山利秋なら横山利秋に対して数人の人を選定して候補者を出す。そうすると、文鮮明なり側近の人が、この数人の人の中から横山利秋の嫁さんになるのはこれだ、指名するのだそうですね。それでもう、私の嫁さんだというのはあの人か、ということになって、結婚式場で初めて顔を合わせるということのようであります。それもまた、それは信じたらしようがないと言ってしまいますと、私どもの憲法なり私どもの人権擁護というものの基本的なものもすべて、それらは信じたらしようがないじゃないかということになってしまうわけですね。これはとことんまで議論しても仕方がないと思います。思いますが、そういう、これから枚挙にいとまがないこの種の問題、そういうことを考えますと、ちょっとおかしいですよ。
 ちょっといま目につきましたから、こういう項目がございます。
  必ず女の子は、今まで祝福与えてやればね、
 その祝福は良いということは、もうたいがい聞いてわかるらしいんだね。みんな女の子祝福受けたいの。(はい)二十才前後でも?(笑)二十才位になる女の子がもう、早く結婚したらどうするの。どうかな、男の子達どう思うの。あんた達は二十七、八才の女が良いか、それとも二十才前後の女が良いか。(笑)どっちを願うの。(二十才)(笑)それは仕方がない。何故そういうふうに男が思うんだろう、考えてごらん。年は誰が上かというと、アダムが上だよ、そうだろう。エバはアダムより造られたんだから、それが原則だからそういうふうになっているよ。たいがい何年下を望むかというと、たいがい七年間、五、六、七年間、それ位の年令をたいがい男は願うんだよ。何故そうかというと、七年が経ってしまって、復帰の八数を願うから、そういう点で年令の差の大きいのを男は願うというんだね、そうだろう。第二の七数は純粋なる女だというような条件になるんだから、年が若ければ良いというのが男の欲望になる。そうだと思うの、そうじゃないの。(はい)(笑)それだから絶対的に年寄りの女は嫁にもらわないという話しておるんじゃないよ。それは時と場合によってはね。
それからちょっと前にこういう項目があります。
  もしもあんた達が死んだならば、もしも死ぬならば、死ぬ時あんた達先生を呼ぶだろう、そうだろう。(はい)死ぬ時は先生呼ぶこと必要だろうね。だけど、いくら呼んでもね、関係結ぶことができないよ。関係結ぶような内縁をこの地上生活において結んでおかなければいけない。それが祝福なんだ、祝福。自分の家族が地上において因縁持って、その氏族すべてが、自分の氏族全部が、先生に呼びかける基台を何気なしに授けてやったのが、祝福の基台だよ。それはもう例を上げれば、韓国、地球以上大きいダイヤモンドやっても代えることができない価値のものだよ、分る?宇宙にはこれ以上尊いものはない。そういうふうに思って、未婚者は将来の結婚の日を最上の栄光の日と思い、その日の喜びの姿を思いながら、今から生命がけで働くんだよ、分るか?(はい)
 私はいまこの二節を読んでちょっとあることを想像をいたしました。この祝福というのが必ずしも結婚ばかりではないという意味であります。これ以上言いますと大変問題を生ずると思うのでありますが、この統一神霊教会の教義及び文鮮明が朝鮮民主主義人民共和国で牢屋に入った経緯等を想像するわけであります。それはおわかりになっていられる人と、いられない人とあると思いますが、そういういわゆる血分け事件と称される――請願書にありますが、「血分け事件」「十年前仙台市と山形市両市で教会長が女の信者等を次から次へと犯す、いわゆる統一教会の血分けの行事を行い警察問題となっていた。韓国では従来から行なわれている。」このことと、いまの読み上げたことと直接関連があるかどうか私にはわかりません。わかりませんが、文鮮明自身が朝鮮民主主義人民共和国で逮捕されたその原因が血分け事件であったわけであります。
 さて、この集団結婚が近く改めて行われるのではないかという心配を各所で父母、社会が注目をじております。したがって、私は、くどく言って大変恐縮でございますけれども、単なる形式的、法律的なことばかりではなくて、法務省が信仰の自由ということはもちろん尊重する。しかし、それが社会的道徳規範にも触れる、あるいは形式論でなくて実質的にやはり人権擁護にも疑いが強いという問題について、もう少し鋭敏になってもらわなければいかぬ、こういうふうに申し上げておきます。
 さて次は、国税庁、警察庁からおいで願っておるわけでありますが、警察庁は、この間二月六日でございましたか、各新聞が一斉に報道をいたしましたいわゆる韓国における脱税事件でございます。二月六日の新聞でございますが、これによりますと、ソウル五日発読売特派員、「強引な布教方法や集団結婚式のほか米議会工作でも疑惑の目を向けられている新興宗教「世界キリスト教統一神霊教会」さん下の有力企業「一和製薬」が、五十九億ウオン(約三十六億円)の脱税容疑で摘発されたことが、五日発表された。統一教会は原理運動として知られているが、昨年後半以降、韓国内で同教会に対する批判が”解禁”となり、やはり統一教財団活動の一つである児童合唱団「リトル・エンゼルス」の海外公演が禁止された事実に引き続き、今回の一和製薬摘発が起こったことは、米紙などで伝えられた朴政権−統一教−朴東宣の”黒い輪”の疑惑に対し、朴政権側が出した非公式の”絶縁声明”と受け取る向きが多い。治安本部特別捜査班の調べによると、にんじん茶を製造している一和製薬は七二年から原料購入費の偽装支出、偽装増資などで四十四億ウオンの脱税をしたほか、公訴時効にかかった脱税分十五億ウオンの計五十九億ウオンという巨額の脱税行為を犯し、同社専務・洪性杓氏ら五人が逮捕されたほか、日本に逃亡中と伝えられる金元弼社長も不在のまま起訴された。」消息筋によると、同社への内偵は数カ月前から続いており、一月下旬一斉手入れが行われ、この際社員四十人が連行、あと二十人が拘束のまま調べを受けておった、こういう記事が出ております。これに関連して警察庁は、家庭訪問等について薬事法違反の疑いで十二月十八日に摘発をして捜査をしたと伝えられておりますが、この結果はどうでございましたか。
○長岡説明員 御質問の件は、昨年十二月十八日、警視庁が捜査をやりました一和高麗ニンジン濃縮液販売等に伴う薬事法違反のことだと存じます。
 これは韓国から輸入されました一和高麗ニンジン濃縮液を販売するに当たりまして、一般家庭を訪問し、これが高血圧、がん、肩こり、肝臓などに効くという薬効を説明しまして販売したということが、薬事法二十四条に違反するということで捜査したわけでございます。
 若干敷衍して申し上げますと、当時捜索をいたしましたのは三カ所でございます。新宿区高田馬場三の十九の十七天宝堂、それから杉並区梅里二の三の六健康管理センター、大田区西蒲田五の十四の六八雲商事、この三カ所でございます。事案の概要はただいま申しましたとおりでございますが、警視庁や東京都消費者センターに苦情が参りまして、この苦情を寄せた人等から事情を聴取しましたところ、この三つの販売店のセールスマンが、消費者の自宅を訪問し、主として主婦らを対象にしましてリトマス試験紙をなめさせたりあるいは手相やつめの色を見たりいたしまして、あなたの体質は酸性だから、この薬を飲むと体質が改善され、がんや肝臓などの各種の病気に効くというような効能、効果を説明いたしまして、三百グラム入りの濃縮液一箱が五万五千円、五十グラム入りが一万円、三十グラム入りが八千円ということで販売したものでございます。これを買った客は、それぞれ医薬品と思って購入したわけでございまして、中には買うと決めないうちに飲み方を説明するなどいたしまして、自分で封を切り無理に買わせたというようなものもあったということでございます。それでただいま申しました三カ所を捜索いたしまして、その後ずっと捜査を継続しておったわけでございますが、先月二月二十五日、ただいま申しました八雲商事関係の大田区西蒲田五の十四の六鍋島和子外一名を東京地検に送致しております。ほかの二つの販売店につきましては現在捜査中でございます。
○横山委員 この請願書にございますように、「為替管理法」、これは関西の方で告発されまして裁判に付せられた問題が関係がございます。「政治資金規正法、旅券法、人身保護法、刑法、医師法、薬事法、訪問販売に関する法律、街頭募金に関する諸条令など、其の他諸法令など数々違反する疑いが濃厚であります。」としたためられたこの請願書に私どもは注目しておるわけであります。
 厚生省へ聞きますけれども、このニンジン茶を含めて、いまも警察庁から話がございましたが、この問題に関連して、どういう場合はいけない、厚生省関係のいけない場合、もしもこうしておったとすればそれはいけないという法律的な厚生省の見解を伺いたい。また同時に、警察庁がそういうようにやっておることに対して、厚生省はどうしたかということも報告を願いたいと思う。
○造酒説明員 御説明申し上げます。
 御指摘のニンジン茶と申しますのは、いわゆるチョウセンニンジンを原料にしたものであると思われます。このチョウセンニンジンと申しますのは、医薬品としても用いられますし、また同時に食品としても用いられているものでございますが、たとえばティーバッグにいたしましたり、あるいは粉末あるいは顆粒状、こういうものにいたしまして、いわゆるお茶として飲むというような場合には、薬効を標榜していない限り、医薬品ではなく食品として取り扱うということにいたしております。
 一般的に健康食品と称せられるようなものが非常に多いわけでございますが、薬と非常に紛らわしいということで、消費者に誤認を与えないように、私どもの方で薬事法の観点から幾つかの判定の基準を定めております。その第一は、まずそのものの成分、本質でございまして、そのものが社会通念上もっぱら医薬品として用いられるものであるかどうかということ。また、その形態が、たとえば錠剤でございますとかカプセルでございますとか、そういうように通常医薬品として用いられるような形態を備えているかどうか。それから三番目に、表示でございますが、医薬品的な効能、効果あるいは用法、用量、こういうものを表示しているかどうかというような幾つかの判定の基準を設けてございまして、これらを総合的に判断をいたしまして、医薬品と認められる場合には、たとえそのものの本質が食品でございましても、薬事法の所要の許可を受けていないということで薬事法に違反をする、こういう取り扱いをしているわけでございます。
 なお、ただいま警察庁が御捜査になりました件につきましては、私どもその後特別の調査、措置は何もまだいまのところいたしておりません。
○横山委員 こういうことはあなたの方の怠慢じやないですか。これは警察庁の通報があるか、あるいは新聞にも載っておるのですから、厚生省として、この種の問題がそういうことになったとすれば、一体薬事法によって輸入販売の許可を受けておるか、品目について薬としての承認を受けておるかということが当然課題になり、あなたの方の責任でございますから、そういうことを当然やるべきではありませんか。単に普通の問題でなくて、これだけ世論を沸かしておる問題について、自分たちは全然関係ないような顔をしておるということは遺憾ですよ。直ちに、改めてこの種の問題がきちんと法律的な措置になっておるかどうかを調査をして、結果を報告してもらいたいと思いますが、いかがですか。
○造酒説明員 ただいま申し上げましたように、薬事法上いろいろの規制がございますが、本件につきまして直接現段階まで調査いたしておりませんが、ただいま先生からお話がございましたような、いわゆる食品につきまして薬効等を表示しているというような事実があるかどうか調査をしてみたいと存じます。
○横山委員 警察庁にお伺いをいたしますが、単なるニンジン茶ばかりではなくて、この種の統一教会、それに関連する企業は、街頭販売で花を売る、あるいは朝鮮のつぼを売る、あるいは最ももうかったのが鉄砲を売ることだと言われておりますが、鉄砲を売るということについて、警察庁は調査をなさったことがありますか。これは空気銃でありますが、空気銃の韓国からの輸入、販売、そういうことについては法律的な規制はどうなっていますか。
○長岡説明員 空気銃につきましては、銃砲刀剣類所持等取締法によりまして、販売及び所持についての公安委員会の許可が必要になっております。
○横山委員 この種の問題で御調査をなさったことがありますか。
○長岡説明員 本件の、統一教会関係につきまして調査したということは、私実は承知しておりません。
○横山委員 これも、空気銃の販売の状況その他について御調査を願いたいと思います。
 時間が少なくなってまいりましたので、国税庁に税の問題でお伺いをいたします。
 韓国における脱税事件というものを質問の中に入れましたが、一和製薬を初めたくさんの関連企業が統一教会関係としてあるわけであります。韓国で約三十六億円の脱税容疑で摘発、それから起訴、収容、こういうことになっておるわけでありますが、当然のことのように、日本国内におきまして一和製薬を初め関連企業がこれに関係があるのではないかという疑いをみんなが持っておるわけであります。国税庁はこの関連について調査をされましたか。
○北村説明員 ニンジン茶の販売につきまして、税務当局の立場からお答えさせていただきますが、ニンジン茶につきましては、韓国から輸入されました後、それがデパートで販売されるとか、あるいは特約店等にそれがさらに販売されまして、さらにそれがセールスマン等によって一般消費者に訪問販売されているといったような形態をとっているようでございます。これらの会社につきましては、その一部につきまして、当然のことながらこれまでも調査の対象になっておりますが、いろいろ今後とも情報、資料等を集めまして、課税の適正化に努めてまいりたいというふうに考えております。
○横山委員 あなたの言っていることがよくわからないのですけれども、どういうことなんですか。調査をしておるというのか、これからするというのか、あるいは体裁のいいことを言って実際に何もしていないというのですか、どちらですか。
○北村説明員 税務調査は、先生御承知のとおり、各種の法人につきまして、それぞれ調査上の疑問点がある場合とか、その他調査の必要に応じまして、対象を選定いたしまして調査いたしているわけでございます。今回の問題になっております企業、数多くあるようでございますが、その中の問題点のあるような企業については、すでにいろいろと調査をこれまでもしております。
○横山委員 時間がございませんので、この点の具体的な指摘は避けますけれども、国税庁には改めてまた適当な機会においでを願うことといたします。
 次に、政治的な問題に少し触れざるを得ません。ここに「アメリカにおけるKCIA活動の実態」「フレーザー委員長の開会の辞」米下院外交委員会国際関係小委員会での証言の中に含まれています。
  この公聴会の目的は、韓国政府あるいはKCIAと、文鮮明氏と関係がある一部の人物および団体との間には結びつきがあるといわれることについての情報に、さらに検討を加えることにあります。このような関係および活動は、外国の代理人の活動を規制する法律のいずれかの条項に違反している恐れがあります。
 その次に、これは「李在鉉(ウエスタン・イリノイ大学教授)の証言」の一部であります。
  私がその意味でも、財政的な規模の大きさからとくに関心を持っておりますのは、韓国の実業家兼伝道者であります文鮮明が、朴正煕が韓国を警察国家に変えていらい、アメリカで活発かつ不思議な政治活動を行っていることです。
  たとえば文鮮明は一九七三年にアメリカに来て「ニューヨーク・タイムス」、「ワシントン・ポスト」などの大新聞に一ページの広告を出したりしながら、全国で「希望の日」キャンペーンを展開して、「神は歴史のこの瞬間にリチャード・ニクソンをアメリカの大統領に選びたまえり」と宣言しました。
  おそらくは気に入られるための手段だったのでしょうが、文鮮明は、ウォーターゲート事件で悩まされていたニクソン大統領を神によって選ばれた指導者とたたえ、その後ホワイトハウスにも招かれてニクソン氏と固く抱き合いました。
  文鮮明は一九七三年末と七四年初めにも「許せ、愛せ、団結せよ」と「神はニクソンを愛す」の二つの福音主義的なスローガンを掲げて、アメリカ、ヨーロッパ、極東などの各地で新聞に大きな広告を出したり、大集会、街頭のデモなどを繰り広げながら、ニクソン大統領擁護の運動を展開しました。
  このような運動はもちろん韓国でも繰り返されました。問題は文鮮明が、独裁者朴正煕の“緊急措置”によってデモや集会は厳重に禁止されているはずのソウルでも、大規模なデモをさせることができたことです。
  KCIAは韓国人の生活のありとあらゆる部分に食い込んでいます。ですから、その全能のKCIAが、文鮮明の運動をただ大目に見ただけだったとはとうてい考えられないのです。むしろKCIAとしては、その目標のすべてを支持してくれる文鮮明のような韓国人がアメリカの政界で朴政権のために働き、陳情運動ができる立場につくことを期待しているのではないでしょうか。
  おかしなことはいろいろありますが、とくに奇妙なのは文鮮明が、彼の統一教会が支配する勝共連合を通じて、韓国の政府職員や韓国軍将校を対象とする反共精神鼓吹センターを運営していることです。KCIAの非公開の設置法によれば、この“反共精神の鼓吹および国内での宣伝活動”という分野はKCIA第二局の担当とはっきり定められていて、この第二局がどの新聞社や放送局にも検閲官や監督官を派遣して、言論機関を統制してもいるのです。
 それから「ロバート・W・ローランド(ユナイテッド航空。パイロット)の証言」。この人のいろいろ言っておりますことの中で、きょうは余り突っ込んだ話はなるべく避けておきますが、この人は最初統一教会を支持したのですけれども、問題が大変な方向へ行くということでびっくりしまして、国際関係小委員会でその実情について説明をいたしておる点が、きわめて、日本に関係いたします人々の名前もずいぶんと出てくるわけであります。
 この間、石橋書記長が、福田当時の大蔵大臣が、ここに写真がございますが、希望の日晩さん会へ出て、文鮮明氏と抱き合い、そして文鮮明氏を偉大な指導者とたたえた。当時、一九七四年五月七日の写真でございます。文鮮明氏のすぐそばに福田さんがこういうかっこうをして彼の顔をながめ、そして後、立ち上がって、偉大な指導者としてたたえておる写真がここにございます。これに対して福田現総理大臣が、キリスト教ならば非常にいいと思って言ったのであるということを言うておられる。そして、当時私が何を言ったか記録があるから、必要ならば後でお渡しをすると答えられておりますから、委員長、大変恐縮でございますが、一九七四年五月七日の希望の日晩さん会で、当時の大蔵大臣、現総理大臣福田赳夫さんがどういうあいさつをしたか、必要ならば後で出すとおっしゃっておられるのですから、委員長からお願いをして、このごあいさつ文を取り寄せていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○上村委員長 きょう、いろいろと重要な御質問がございますから、それも取りまとめまして、理事会で御相談をいたしたいと思います。
○横山委員 これは出どころを明らかにしておきますが、皆さんのお手元に行っている国政通信社の「国政新聞」であります。もうほとんどの人が読んでいらっしゃるから、あえて名前を出しても私は差し支えないと思うのでありますが、この文章によれば、「現内閣ほど教会統一・勝共連合とつきあいが深い閣僚がいる内閣はこれまでなかったろう。九人の関係閣僚を列記すると――」福田総理大臣、坊大蔵大臣、海部文部大臣、渡辺厚生大臣、田中通産大臣、西村行政管理庁長官、宇野科学技術庁長官、石原環境庁長官、園田官房長官。政務次官では、奥田外務、石井運輸、松永通産、綿貫郵政、國場沖繩、浜田防衛の六人が挙げられる、こう出ておる。ところが、この人たちのためにも、本当にそうかどうかひとつお調べを願いたいと思うのであります。
 なぜ私がそう言うかといいますと、別な情報では、統一教会が名前を勝手に使っておる部面があるわけである。この「夕刊ニッポン」によりますと、文化勲章を受けた岡名誉教授はかんかんになって、「ケシカランの一語に尽きるよ」こういうことを言うておりますし、国際勝共連合の名誉顧問として名前を使われている不在の岸信介元首相の秘書が、「迷惑しているんです。たしかに岸の名前は有名です。だけど当方に断りなしに勝手に使っているんです。まるで押しかけ女房ですよね。二年前、韓国を訪問したとき、ソウルのホテルで信者が押しかけてきましてね。えらい迷惑をこうむったもんです。帰国してから、一切関係ない、とハッキリ言明したんです。」と言っております。私は、この岸さんの問題についてはまた別な角度がございますけれども、しかし、これほど統一教会と神霊協会と、私の調査をいたしておるところを見ましても、現内閣は、名前を使われたか、あるいは承知して名前を使われたかは別といたしまして、かなり名前が挙がっておる。ロッキードどころじゃないのであります。福田さんがこういうふうに――希望の日フェスティバルというのは一種のレセプションでございますね。どう書こうと、やはり統一神霊協会及び勝共連合と関係のあることは世間だれでも知っています。そういうところへ閣僚初めたくさんの人が行くから、青年諸君はその権威、その社会的信用を信用し、父母も一応信用しているということになるわけであります。そして一方では、政治資金の流れを見てみますと、四十九年を例にしましても五千万円の政治資金が世界基督教統一神霊協会から勝共連合に流れております。この統一協会がどうしてそんなに銭があるのか、そしてレセプションの金は一体どこにあるのかという点になりますと、どうしてもカンパ活動である。カンパ活動とは一体何かと考えますと、きょうは十分その実態に触れる時間がございませんでしたけれども、ニンジン茶であるとか空気銃、朝鮮つぼである。そういうものを若い人たちが売って、それが上部団体へ行って、そしてたくさんのお金になって、そういうふうに回っていった、そう思われるのがまあ世間の常識といったものであります。あるいはそのほかのルートがあるかもしれませんが、そういう外国から金が来たということをいま私は言うつもりはありません。オーソドックスに見てそういうことなんであります。そしてこれだけりっぱなレセプションになる。そしてつぼ売り、茶売り、空気銃売りをした青少年は家庭悲劇の真っ最中であるということに、私は政治家の一人として、一つ一つをとらえるよりも全体的にながめてみて一体これでいいのか、そしてこういうふうに現総理大臣を初めたくさんの政治家がそこへ社会的地位を増してやる、信用をつけてやる、それによってますます悲劇が増大していくという状況について、一体どうなのか、これは、総理大臣なり法務大臣なり閣僚として、また自由民主党として考えるべき点があるのではないかと思う。きょうはたまたま大臣がいませんのであなたにすべての責任を負う答弁をさせてしまうのは恐縮なんですけれども、本当に政治家として責任をお考えにならないのであろうか、あなたがもし先ほど言われたように統一協会にも勝共連合にも一切関係がないならば、きわめてフランクな立場でございますから、お答えを願いたい。
○塩崎政府委員 ただいま御指摘の一連の物語と申しますか、一連の経過につきましては、大変重要な問題を含んでいるように思います。さらにまた、政治的にもいろいろ考えなければならない点があるように思います。ただ、これが全部法務省所管であるかどうか私も研究しなければならぬと思いますが、ただいま御指摘のような点につきましては、内閣あるいはしかるべき省に伝えまして、十分に事件の推移を見守ってまいりたい、あるいは事実の解明に努めたい、こういうふうに思います。
○横山委員 塩崎さん、どうぞひとつかっこうだけでなくて、綸言汗のごとし、あなたがいま言われたことがきょうの結論になるわけでありますから、責任を持っていま言われたことを実行してもらいたい。私は、きょう数々の問題提起というかっこうでいたしました。各省にもお願いしたいのでありますが、警察庁、それから厚生省、文部省、外務省、法務省、それぞれのところで――くどく言いますが、私は決して宗教の自由を阻害しようとは思いません。思いませんが、この種の問題について、それぞれの所管においていま一歩調査をし、改めて報告を求める数々の問題がございますから、きょう私が発言をいたしました諸問題について、改めてお約束を願ったこともございますし、私の意見として言ったこともございますが、ぜひひとつ十分な調査をお願いしておきたいと思います。
 それから委員長にお願いしたいのであります。私の真意というものは十分同僚諸君にわかっていただけると思うのでありますが、私の発言について、恐らく、それは間違いである、事実と違うという統一協会なり勝共連合の――私はきょう統一協会を問題にしておるのであって、勝共連合と何のあれもないのでありますけれども、実際問題としては一体なんであります。役員構成につきましても一体でございますし、間然するところはない、そう私は思っております。しかし、そうではあろうけれども、これは宗教的なものの発足でございます。だから、神霊協会側としていろいろ意見があるだろうと思う。同時に、父母の会からも請願書は出ておりますし、ぜひひとつ同僚諸君にも話を聞いてもらいたいという要望があるわけであります。それから実際統一教会で信仰しておった青年の体験談を聞くことも十分必要ではないか。もちろんそれを通じて神霊教会の教義――私は教義にも大変関心を持っています。率直に言いまして、きのうほとんど全部これを読みました。読んでいろいろ痛感したことがございますけれども、さりとてその考えが間違っているとか、キリスト教の立場から言うとおかしいではないかということが仮にあったにいたしましても、必ずしも本委員会で、政治の場で取り上げる問題ではなかろうと思います。しかし、それが実践過程においてさまざまな違法、不当な問題を起こすことについては、最初に返りますけれども、立正佼成会のときに本委員会が満場一致取り上げました精神から、いろいろと事情を聞くということが必要ではないかと思うのでありますから、ぜひ適当な機会に関係者の参考人としての呼び出しについて、委員長のお骨折りをお願い申し上げまして、きょうの私の質問を終わることにいたします。
○上村委員長 次回は、明二十三日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時九分散会