第080回国会 外務委員会 第9号
昭和五十二年四月八日(金曜日)
    午前十一時四分開議
 出席委員
   委員長 竹内黎一君
   理事 有馬 元治君 理事 稲垣 実男君
   理事 鯨岡 兵輔君 理事 毛利 松平君
   理事 中村 正雄君
      石橋 一弥君   小此木彦三郎君
      大坪建一郎君    川田 正則君
      佐野 嘉吉君    島村 宜伸君
      谷川 寛三君    玉沢徳一郎君
      中島  衛君    中村喜四郎君
      中村  直君    中山 正暉君
      林  義郎君    藤本 孝雄君
      山崎  拓君    渡辺  朗君
      伊藤 公介君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 鳩山威一郎君
 出席政府委員
        外務政務次官  奥田 敬和君
        外務大臣官房長 松永 信雄君
        外務省アジア局
        長       中江 要介君
        外務省アジア局
        次長      大森 誠一君
        外務省条約局長 中島敏次郎君
        外務省条約局外
        務参事官    村田 良平君
        通商産業政務次
        官       松永  光君
        資源エネルギー
        庁石油部長   古田 徳昌君
 委員外の出席者
        資源エネルギー
        庁石油部開発課
        長       箕輪  哲君
        外務委員会調査
        室長      中川  進君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月八日
 辞任         補欠選任
 小此木彦三郎君     藤本 孝雄君
  川崎 秀二君     林  義郎君
  玉沢徳一郎君     島村 宜伸君
  中山 正暉君     中村喜四郎君
  山田 久就君     山崎  拓君
同日
 辞任         補欠選任
  中村喜四郎君     谷川 寛三君
同日
 辞任         補欠選任
  島村 宜伸君     玉沢徳一郎君
  谷川 寛三君     中山 正暉君
  林  義郎君     川崎 秀二君
  藤本 孝雄君    小此木彦三郎君
  山崎  拓君     山田 久就君
同日
 理事山田久就君同日理事辞任につき、その補欠
 として稲垣実男君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸
 棚(だな)の北部の境界画定に関する協定及び
 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸
 棚(だな)の南部の共同開発に関する協定の締
 結について承認を求めるの件(条約第一号)
 日本国とオーストラリアとの間の友好協力基本
 条約の締結について承認を求めるの件(条約第
 八号)
 日本国とカナダとの間の文化協定の締結につい
 て承認を求めるの件(条約第九号)
     ――――◇―――――
○竹内委員長 これより会議を開きます。
 開会前に、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同に再三出席を求めてまいりましたが、出席がないようでございます。したがって、やむを得ず委員長としては会議を開きました。
 この際、理事辞任についてお諮りいたします。
 理事山田久就君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 これは、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、委員長は稲垣実男君を理事に指名いたします。
     ――――◇―――――
○竹内委員長 議事進行に関し、有馬元治君より発言を求められておりますので、これを許します。有馬元治君。
○有馬委員 動議を提出いたします。
 すなわち、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件、日本国とオーストラリアとの間の友好協力基本条約の締結について承認を求めるの件、日本国とカナダとの間の文化協定の締結について承認を求めるの件の三件を議題とし、審査を進められんことを望みます。
○竹内委員長 有馬君提出の動議について採決をいたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○竹内委員長 起立総員。よって、有馬元治君提出の動議のとおり決しました。
    ―――――――――――――
○竹内委員長 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件、日本国とオーストラリアとの間の友好協力基本条約の締結について承認を求めるの件、日本国とカナダとの間の文化協定の締結について承認を求めるの件の三件を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺朗君。
○渡辺(朗)委員 それでは質疑をさせていただきます。まず外務大臣にお尋ねをいたします。
 先日外務大臣は、ただいま国会で審議がされております領海法案、これの日本国における領海が決定した場合、十二海里になった場合、本協定の中に示されております共同開発区域の線引きの問題に若干の変更が出てくる、これについては、政府としては共同開発区域内のわが国の領海となる区域の範囲と同区域の取り扱いについて、日韓両国の一致した見解を念のためにしかるべき文書によって確認しておくことは必要であるということをおっしゃいまして、恐らくその交渉が行われると存じておりますが、いつごろ文書上、確とした交換公文なりあるいはまた他の形であれ、文書上の確認が行われるのか、その見通しについて外務大臣にお願いをいたします。
○鳩山国務大臣 ただいまの御指摘の、領海が十二海里に拡大された場合に、共同開発区域のごく一部分が領海内に入る部分の取り扱いにつきまして、韓国政府との間に口頭の了解は得てあるのでございますけれども、これがまた大事な問題でございますので、何らかしかるべき文書の形にいたしたい、こう思いまして、先方にその旨申し入れをしたところでございます。この点につきましては、やはり先方との話し合いをいたさなければなりませんので、いまいかなる形で、またいつまでにということはただいまここではっきりは申し上げられませんが、極力努力をいたしまして、なるべく早い機会にそのような文書を作成をいたしたい、こう考えておるところでございます。
○渡辺(朗)委員 再度私この問題についてお願いをしたいと思いますのは、この協定そのものは五十年にわたる大変重要な長期間日本及び韓国に対しての拘束力を持つものであります。同時にまた、今日までの委員会の内部におきます論議についても、非常にこの点関心を持ち、重要だと皆さん考えておられますので、これはいつ何どきかわからぬということではなしに、今国会中は必ずということぐらいは、私は何月何日と言うことはなかなかむずかしいと思いますけれども、そこら辺のことは確言をしておいていただきたいと思うのです。そうでなければ、少なくともこの協定を審議中にこの問題が確認されないと、私どもは本当にこの審議を続けていいのかどうなのか、そこら辺で疑念も出てまいりますので、そこを再度確認させていただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 なるべく速やかにと考えておりますが、もう遅くとも本案の御審議中にということで考えておるところでございます。
○渡辺(朗)委員 それでは協定の内容について、大変最初は――最初というか最後までかもわかりませんけれども、初歩的な質問で申しわけありませんがお伺いをいたします。
 この協定のもとになったものというのは一九六八年のエカフェの当該地域における海底資源の調査、それが基礎になっている、このように理解しておりますが、そうでございますか。
○鳩山国務大臣 そのとおりと伺っております。
○渡辺(朗)委員 そうしますと、エカフェで、埋蔵量の問題でございますけれども、あるいはまた資源が必ずあるという問題について、どのように言っておりますでしょうか。
○古田政府委員 エカフェの調査は一九六八年スパーカーによる方式で行われたわけでございますが、この調査の地域は東シナ海大陸だなについて行われたわけでございます。この調査結果によりますと、東シナ海の大陸だな区域の堆積物は石油賦存の可能性が最も大きいとされます新第三紀層に属しまして、堆積物の厚さも非常に厚いということが判明しております。この報告書はさらに詳細な地震探鉱や試掘が必要であるということは指摘しておりますけれども、いずれにしましても、この区域の海底が将来一つの世界的な大産油地帯になるであろうというような予測を述べているわけでございます。
○渡辺(朗)委員 私はそこから二つの問題が出てくるように思うのです。
 一つお聞きいたしますけれども、当初これはエカフェの調査が行われた、そしていま日本政府側の方では、ここは石油の埋蔵があるという判断のもとに韓国とも交渉をし、そしてこのような協定ができたということになると思うのです。その際に、本当に埋蔵量があるのかどうなのか、私それをそのまま信じていいのかどうなのかちょっと疑問が出てきております。といいますのは、韓国側の方はたしかそのエカフェの調査報告が出た直後にかなりの地域に対して鉱区を設定いたしました。そして外国の会社の方に早速に話し合いをいたしております。その結果、第一鉱区から第七鉱区までそれぞれメジャーの会社が入ってまいりました。鉱区権を獲得いたしました。ところが第一鉱区から第七鉱区までの間、多くの、たとえば第一鉱区のところ、第二鉱区のところ、第三、第六鉱区、これは一九七六年までにすでにこれらのメジャーが、あるいは外国の石油資本は手を引いております。有望な石油資源がないあるいは採算ベースに乗らないということの理由で手を引いたと聞いておりますが、この点について御所見を聞かしていただきたいと思います。
○箕輪説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、確かに韓国の西側におきます第一鉱区から下の方へ下がってきます地点で、韓国側が鉱業権につきまして契約を結びました米系企業が鉱区の放棄を行っていることは事実でございます。
 ただこれは、実は先ほど先生御指摘のエカフェの調査が実は網羅的な調査なのでございますが、その調査の中でも、地域的に見ますとかなり地質的に見ました石油賦存の可能性についての濃淡があるということは指摘してあるわけでございまして、韓国側の米系企業が鉱区放棄しました地点はまさにその石油の賦存の可能性の少ない地点でございます。主として朝鮮半島の西側にございます地域、海域でございます。現在の共同開発区域についてどうかということはあるわけでございますが、この点につきましては、韓国側がその租鉱権契約を結びました企業というのはまだ鉱区放棄をほとんどしておらないというふうに聞いております。
○渡辺(朗)委員 私これに関連して、もっと詳しい何か資料でもございましたらぜひお願いをしたいと思っておりますが、後ほどで結構ですからいただきたいと思います。
 それから、いま濃淡はあるけれども、あるであろう、石油の埋蔵があるであろうと言われる共同開発区域、そこら辺に対してもう少しやはり調査をした結果というものが事前に報告されていないと、私は大変な問題が出てくるのではあるまいかと思うのです。
 たとえば後ほどもお伺いしたいと思っておりますけれども、これからの資金というものは相当に必要とされるだろう。探鉱あるいは採掘、そういうことのために膨大な資金が必要とされてくるだろう。これはもし石油埋蔵量がないというような場合には、大変むだな投資にもなっていくでありましょう。そういう点で、かなり事前の調査が行われていなければならぬと思いますが、ここら辺についてもうちょっと御説明をいただけませんでしょうか。共同開発区域における埋蔵量あるいは石油資源の存在の可能性についてどのような見解をお持ちであるのか。
○古田政府委員 エカフェの調査のほかに民間企業が一部につきまして行いました地震探鉱の結果によりますと、堆積盆地の厚さが最大で六千メートルにも及ぶというふうなことで、かつ地質条件も安定しておりまして、非常に石油産出の可能性が高いというふうな推定がなされております。したがいまして、いずれにしましてもこの共同開発区域につきましては、地質学的に見ますと石油類の賦存の可能性が非常に高い地域であるということは言えるのではないかと思います。
 ただ、詳細な地震探鉱なりあるいは具体的な試掘が行われているわけではございませんので、埋蔵量が幾らかということは現在の時点では確定的には言えません。しかしながら、一部の技術研究所の推計等によりますと、日本近海の大陸だな全体につきまして最もかた目に見まして十二億キロリットル程度以上の埋蔵量があるであろう、そのうちの六割ないし七割ぐらいがこの共同開発区域を含みます東シナ海北部に賦存しているはずだ、そうしますと、一番かた目に見まして七億キロリットル以上の埋蔵量があの地域で発見される可能性があるというふうな推計もございます。
○渡辺(朗)委員 いま推計の数字が示されました。あってほしいと思います。しかしないかもわからないという、大変リスクの多いことであります。しかもこれに必要な資金――石油の探鉱及び採掘というのは膨大なお金がかかる。これはたとえば北海油田の例を見ましても、いまの共同開発区域になっているところよりも条件がいい、あるいはまた海が浅い、こういうようなところにおいてすら、一九六四年から七五年の十年間に総投資額百十億ドルの資金が必要とされました。さらにまた、それがその後五年間に五十億ドル追加される。恐らく将来は一千億ドルにも上るであろう、こういうようなものであります。それだけに、いまお話の石油の埋蔵量あるいは有望性についてどうも説得性を欠いているように思われてなりません。この問題については、さらにひとついろいろな資料をお見せいただきたいと思っております。今日の段階においてはこれでやめておきますが、ぜひ資料をお見せいただきたい。そして再度質問をさせていただきたい。特に、恐らく日本側の民間企業においてもいろいろ探査をやっているのであろうと私は思います。そういったものの調査報告なんかも提示していただくことが大変審議のためには有効だと思います。そういう点もぜひお願いをいたします。
 第二の問題といたしまして、私、御質問をさしていただきたいと思いますのは、この石油が埋蔵されているかもしれないと言われる地域、これは外務大臣、朝鮮の大陸だなでございますか。中国の大陸だなでございますか。
○鳩山国務大臣 この大陸だながどこの国の大陸だなかという御質問でございますけれども、大陸だなにつきまして自然延長論という議論が有力であるということもたびたび御説明してあるところでございます。広く言えば中国大陸からずっとつながった朝鮮半島、これが乗っている大陸だなであると思いますが、同じ大陸だなであれば、その中間線ということが、その相対する国に属すると申しますか、考えられるところでございます。そういうことから言いますと、いま韓国と中国という仰せでありますが、当該共同開発区域は韓国と中国との中間線よりは韓国側にある部分であると申せるかと思います。
○渡辺(朗)委員 実は、これは中国に関連してくることでございます。ですから重ねて御質問をいたしますが、中国政府に対して、この協定の問題につき今日までどのような申し入れを行い、そしてまた協議を行っておられますか、ここら辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
○中江政府委員 いままで中国との間でどういうふうに話し合ってきたかという御質問でございますが、この大陸だなは、いま先生の御質問にありますように、どこの国に属するかということについて国際法上いろいろ問題があった。で、大臣の御説明にありましたように、私どもといたしましては、国際法上中国に属すると思われる部分は注意深く除きました部分について日本と韓国との間で話をしたという確信を持っておりますけれども、他方、こういうふうに一つの大陸だなをはさんで、あるいは囲んで複数の国が存在しますときには、理想といたしましては、その関係国の間で話し合いの上で境界線を画定する、こういうのが理想の姿であるわけでございますので、でき得ることならば日本、中国、韓国、あるいは場合によりましては北朝鮮というようなところと一堂に会して話ができればいいのですが、それがいまの国際政治情勢のもとではできない。しかしながら、この協定が締結されました時点では日本と中国との間の国交が正常化されておりました。韓国と中国の間は関係がございません。したがって日本といたしましては、中国との間で間違いのないように、はっきり日本の立場、考えというものを伝えておく必要があろう、こういう考慮で、異例のことですけれども、協定が実際に調印されるに先立ちまして、日本の当時の大平外務大臣から中国の姫鵬飛当時外交部長に、近く日本と韓国との間でこういう大陸だなの協定を結ぶけれども、これは中国の権利を害さないように細心の注意を払っているんだから御了承いただきたいということで通報いたしました。これが最初の中国への接触でございまして、一九七四年一月四日のことでございます。これは大平大臣が訪中されまして――他の用件で訪中されましたのですけれども、その年の初めにこの協定の調印が予見されましたので、調印に先立ちまして中国側にその考えを述べました。そのときの中国の反応といいますのは、中国としてはこの大陸だなについて国際法上どういう立場をとるか、どういうふうに考えるべきかということはまだ決めておらない、いま勉強中でありますということで、聞きおくにとどめられた、これが最初の接触でございました。
 その後、日韓間で署名の運びについて話し合いが進みまして、この協定が一九七四年一月三十日に署名されるということにいよいよなりましたので、今度はまた署名に先立ちまして、その一日前の一月二十九日に、当時の法眼外務事務次官から当時の陳楚駐日中国大使に、また、北京におきましては、在北京日本大使館の橋本参事官から王暁雲中国外交部アジア局副司長に対してそれぞれ、いよいよ明日署名することになった、その内容は大平大臣が姫鵬飛外交部長に説明されたような協定であって、いかなる意味においても中国の権利を害さないという確信を持っておるんだという説明をいたしました。
 いよいよ一月三十日に正式にこの協定が署名されました。その署名されたという事実がはっきりいたしましたすぐ直後に、東京におきまして、当時私、アジア局次長をしておりましたが、私から、在京中国大使館の米国鈞参事官を呼びまして、いよいよ署名された――署名されますと協定文は公表されますので、協定文のテキスト、それに即しまして、この協定がどういうふうな共同開発区域を設けているか、どういう中間線を設けているかということを書き込んだ地図を囲みまして、米国鈞参事官に詳しく、中国の権利を害さないためにどれだけの努力をしているかということを説明いたしました。
 そのときに米国鈞参事官の言いましたことは、これについては中国としてはまだ態度を決めていない。つまり東シナ海の大陸だなの国際法上の地位といいますか、どういうふうに認識し、境界画定をどうするかということは決めていないけれども、中国としては関心のある大陸だなであるので、これを日本と韓国との間で協定されたということについては問題があるかもしれないというようなことを言って、いずれにしろこれは本国に報告しますということであったわけです。それから数日いたしまして、二月の四日でございますが、よく言及されます中国の外交部スポークスマン声明というものが出まして、そのときに初めて中国としては、この大陸だなに対する国際法上の考え方は自然延長論による、つまり韓国と同じでございまして、沿岸から自然延長の終わるところまでは沿岸国のものであるという、そういう自然の延長論を主張している。それからもう一つは、東シナ海のこの大陸だなにつきましては、中国と関係国とが話し合いでどういうふうに区分するかを決めるべきであるという立場である、したがって日本と韓国とだけで話し合ったということは中国としては認めるわけにいかない、こういうことであったわけです。しかし、これはいわゆる中国外交部スポークスマンの声明ということで出たわけで、この声明を直接外交チャンネルで日本側に持ってきたということはなかったわけでございます。
 協定が締結されましたので、政府といたしましては、日本国憲法の規定に従いまして国会の承認を求めるという手続をとったわけでございまして、その国会提出に先立ちまして、四月十五日に再び私から米国鈞参事官に、いよいよ協定は国会に提出することになった、この協定については中国側には中国側の立場があるように聞いているけれども、日本としてはどう考えても中国の権利を侵さないように注意深く協定がつくられているのだということを重ねて説明いたしました。中国側は中国外交部スポークスマンの声明の立場を繰り返すだけで、それではひとつ日本と中国で話し合いましょうとか、あるいは関係国で一堂に会して境界画定の話をしようというような意向はないということでございました。日本としては、そういうことがあればいつでも中国側と話し合いに応ずる、中国との間ではこの地域に限らずずっと南の方まで境界画定の必要のある大陸だながあるわけでございますので、日本としてはいつでも話し合いをいたしましょう、こういうふうに言っておりますが、いままで中国側から、それでは話をしようという反応はないわけでございます。
 その後、国会の審議が何度か滞ったことは御承知のとおりでございますが、その結果日本政府として、この協定を国会に再提出あるいは継続審査の場合でも、新しい国会において審議が始まるたびごとに、具体的に申しますと、七五年の三月十四日、七六年の五月六日、七六年の十一月一日、そしてことしの二月十六日、それぞれ東京におきまして、アジア局次長から在京中国大使館の参事官に対して、いままでと同じように、この協定は中国の権利を害することなきようつくられているということ、そして政府としては、締結した協定を国会に提出することは憲法上の義務であるので、国会の承認を求めるべく審議を求めていくんだということ、そしてそれについてどういう決定がなされるかは、これは国会の問題であるということ、そして先ほど来申しておりますように、この大陸だなについて中国が関心を持ち、かつ日本と中国との間の境界画定について中国が話し合うという意向があるならば、あすからでも日中間の交渉をやる用意がありますということを再三再四中国側に申しております。
 いままでのところ、中国側からは、それではひとつ話し合いをしようというような返事が来ていないというのが、いままでのこの協定につきまして日本と中国との間で話し合った概略でございます。
○渡辺(朗)委員 いままでそのように申し入れをしているけれども、中国側の方からは話し合いにそれでは応じて協議をしようということはないという理解を私は得たのですが、同時に向こうの方は、先ほどの一九七四年二月四日の外交部スポークスマンの抗議声明をそのまま繰り返しているのではございませんか。向こう側のリスポンスはその点が欠けておりますか、それを繰り返しておりますか、そこら辺を教えてください。
○中江政府委員 これは当然中国側の原則の問題といたしまして、中国外交部スポークスマンの立場を繰り返しておるわけでございます。
○渡辺(朗)委員 つまり、そうすると、リスポンスがなかったのではなくて、これは協議にはまだ入ってないけれども、話し合いはしてないけれども、中国側の方ははっきりと抗議している、こういうふうに受け取ってよろしいですね。
○中江政府委員 私どもの受けとめ方は、中国政府から日本政府に対して外交経路を通じて抗議を申し入れたという事実は認めていないわけでございまして、私どもの受けとめておりますのは、中国の考え方と日本の考え方とが違っている、考え方が違うということは認識しておりますが、違うからこれに対して厳重抗議するということを外交チャンネルを通じて申し入れられたという事実はないわけでございます。
○渡辺(朗)委員 その点大変大事なところだと思います。これからの中国側との交渉がある場合でも大変重要なポイントになると思いますので、私重ねてこの問題ちょっとお聞きいたしますけれども、このスポークスマンの抗議声明の中に、東シナ海における大陸だなをどう分割するかという問題は、協議を通じて中国と関係諸国によって決定されるべきであると考える、したがって今回の共同開発区域の画定は、中国の主権を、あるいはその権利を侵害する行為であるということを向こうは言っております。それを繰り返しているとするならば、ここで問題が出てくるのは、話し合いをこれからもしするというとき、私はその時点というのは、いま共同開発を日韓の間でしているこの時期にしておかないと、その後だと、これは問題がこじれるんではあるまいかという懸念を持ちます。その点、どのようにお考えでございましょうか。
○中江政府委員 これは先ほどの御答弁の冒頭に申し上げましたように、日本政府といたしましても、中国と同じく、この大陸だなをどういうふうに区分するかということについては関係国が話し合うのが一番いい、こう思っておるわけでございますけれども、他方、日本といたしましても、あるいは韓国も同様だと思いますが、この大陸だなの部分についての資源開発の必要性、またその緊急性というものを痛感しておる事情もございまして、いつまでもその関係国が一堂に会し得るまで待てるかという考慮が他方あるわけでございます。いま中国とこの協定について話をするといたしますと、この協定の共同開発区域の区画をしております線の中には韓中の中間線というものを考慮に入れなければ決められない部分があるわけです。韓中といいますのは、大韓国民と中国人民共和国との間の中間線というものが大きな前提になって考えられておるわけで、まさしく中国の権利を害することなく、注意深く線を引いてあるということの意味は、この韓中中間線というものが韓国と中国との間で話し合いができない、そういう国と国の関係にある現状にかんがみて、日本と韓国とで注意深く韓中中間線というものを測定して、その線を結んでみたということでございまして、もし、韓国と中国との間で話し合いができるという状況になりますれば、これは先生がおっしゃいますように、この協定について誤解のない話し合いができるわけですが、それができない。日本としては確信があるけれども、それでもなおかつ中国の方で疑問があるならば、日本と中国の間は話し合いができるわけですから、話し合いにはいつでも応じますということを中国側に繰り返して申し入れている、こういうことでございます。
○渡辺(朗)委員 明日たとえば中国側が、それでは話し合いをいたしましょうと言ってきたときに、日本側は、この大陸だなの等距離中間線、これが公平な原則だ、そういうふうな立場で主張されるのだろうと思います。その際に、中国側を説得する、そういう自信はおありでございますか。
○中江政府委員 これは、私どもが韓国とこの協定を交渉いたしましたときに、自信を持って中間線理論を展開いたしましたそれと同じ論拠に立ちまして、中国との間にも自信を持って展開いたしますが、他方、韓国及び中国が主張しております自然の延長論というのも、これも海洋法会議の趨勢から察知いたされますように、決して軽い議論ではないということでございますので、そこのところは、まさしく交渉によってどういうふうに解決するかということが話し合われていかれようか、こう思います。
 日本としては、この日韓大陸棚協定の中でも、法律的な立場を害しないということで法的な立場を留保しておりますので、中国に対して中間線理論を主張いたしましても、そのこと自身はこの協定とは矛盾しない。法律的には日本といたしましては、あくまでも中間線によって区画が設けられるべきである、こういう立場を貫いていくつもりでございます。
○渡辺(朗)委員 それでは続けてこの問題について――私、いまの発言の中でもちょっと心配が出てまいります。これから中国との交渉の中でも、交渉をしなければいけない相当にむずかしい交渉も予想されるのではあるまいか。それからまた、韓国と中国の間でもやはりその交渉が行われてくるだろう。そうしますといまこちら側が、中国側はこう出るであろう、日本側の方でいわば希望的観測の等距離中間線が一番公平な原則だろうということで引いた線、それによって画定された共同開発区域というのは、やがて手直しもしなければならない事態、これは予想しておかないといけないわけですね。
○中江政府委員 その場合に一番問題になりますのは、日本と韓国との間で想定いたしております韓中中間線の問題であろうと思います。ところが、この韓中中間線につきましては、これは日本と韓国との場合と違いまして、韓国と中国との間には大陸だながべったりと存在しておるわけで、その間には海溝があるわけでもございませんし、したがって自然の延長かどうかということも議論にならない。つまり、明らかな、明白な一つの大陸だなをはさんで韓国と中国とが相対して存在している。こういう場合には、公平の原則にのっとりましても、あるいはその他の原則にのっとりましても、最も等距離中間線によって区分することが認められやすい。そういう地形にあるわけでございますので、韓中中間線につきましては、その測量上の技術的な違いということは、あるいは中国と韓国との間で話し合われた結果出るかもしれませんけれども、法的な立場としての、あるいは中間線によって区分するという立場自身についての違いというものは起こり得ない、これは私どもは確信を持っておるわけでございます。
○渡辺(朗)委員 私、いま等距離中間線の問題、これはここでおいておきまして、いま中国の主張、それから韓国側の主張――まだ経済水域という主張はしておりませんですね、外務大臣。
○中江政府委員 経済水域の主張というのはまだいずれの国もしておらない。もっとも、ただいま御承知のように海洋法会議の中でだんだん固まりつつある、こういうことに了解しております。
○渡辺(朗)委員 日本はその中で漁業水域だけは主張いたしました。これは韓国と中国に向けては適用していないようでありますけれども、しかし海洋法会議、これが合意を見て経済水域というような問題が各国においてどんどん実施されていく、こういう趨勢になってまいりますと、予想される事態としては、中国側も韓国側も、したがって日本も、漁業水域ではなくて、あるいは漁業専管水域ではなくて、経済水域という地域を設定するという動き、これは予想しておかないといけないだろうと思いますが、いかがでございますか。
○中江政府委員 趨勢といたしましては、先生がおっしゃいますように、予想しておく必要があろうかと思います。
○渡辺(朗)委員 そうなりますと、いま共同開発区域として画定されている日韓間のこの地域というもの、これはどのような事態が予想されますですか。
○中江政府委員 そこで問題になりますのは、経済水域というものの国際法的な性格ということでございまして、いま考えられておりますのは、経済水域は水中及び海底に及ぶ、こういうふうになっておりますので、二百海里の経済水域が設定されますと、あるいは韓中、あるいは日中、日韓、それぞれ境界線によって恐らく区画されると思いますけれども、その場合には水中、海中及び海底に及ぶということになります。
 これは経済水域のいま考えられております性格からすると、そういうことになるのですけれども、しかし他方、大陸だなについてはまた大陸だなということで別の条章が設けられておりまして、大陸だなについてはどうしようかという面では、今度は自然延長論の方がいまは優勢になりつつある。そういたしますと、大陸だなのない海底につきましては、経済水域の二百海里を真っすぐ下まで及ぼすということは恐らく間違いがないと思いますけれども、そこに大陸だながあります場合には、二百海里の境界線を海中に延ばしていきまして、大陸だなにぶつかった瞬間、そこでは今度は大陸だなの法理論を主張してくるわけでございまして、したがって、二百海里の経済水域と大陸だな理論とどういうふうに調整するかという、その調整の問題は海洋法会議ではまだ議題になっておらないし、それを調整しようという動きもないわけでございます。
 ただ、ここで大事なことは、発生的に言いますと、これは先生も御承知のように、海洋国際法の世界では、大陸だな理論というものがずっと早くから、二十世紀の当初から議論になり始めておったわけでございますので、この大陸だな理論というものの方が経済水域の理論よりも国際法的にはすでに固まっている。かつて大陸棚条約というものも国際的に存在したくらいに、大陸だなの概念は経済水域の概念よりも数等熟した概念である。したがって、大陸だな理論を打ち破るような力が経済水域にあるかというと、これはむしろない。経済水域というのは、いま形成される過程にある理論で、まだ概念もはっきりしていないという段階でございますので、見通しといたしましては、大陸だな理論と経済水域理論とがぶつかりましたときには、これはどちらが優先するか、どちらがどちらに勝つかということはなかなかむずかしいんですけれども、考え方としては、大陸だな理論というものはなかなか根強いものがある、こういうふうに認識しておかなければならないのではないか、こういうふうに私どもは考えております。
○渡辺(朗)委員 大学の教室みたいにしては恐縮でありまして、具体的な問題に私も入りたいと思いますが、いまの経済水域がもし設定されたとした場合、これは海底資源に対する主権も主張ができるわけでありますから、日本もそれを主張した場合、この共同開発区域というのはどういうステータスになるのであろうかということを特に私はお聞きしたいんであります。
○中江政府委員 共同開発区域は、その共同開発区域の海中、海の水の中は日本の経済水域としての管轄権が及ぶ地域になるだろうということは間違いないと思います。
 ただ、共同開発区域とはまさしく、海のことを言っておるんではなくて、海底の大陸だなのことを言っておるわけでございますので、共同開発区域というのが大陸だなのその部分であるといたしますと、その大陸だなの部分については日本と韓国の主張が相変わらず重なるわけでございますので、それをいまの共同開発という方法で実際的に開発していくという姿は、経済水域を日本が主張いたしましても変わりなく存続するべきものである、こういうふうに見ております。
○渡辺(朗)委員 この問題についても後ほどまたもう一遍突っ込んでお聞きをさしていただきたいと思っております。
 ただ、時間の関係もありますし、ただいま当外務委員会のこれからのあり方をめぐって波が騒いでいるようでもありますから、私、あと一、二問御質問をさしていただいて、一応一段落させていただこうと思います。
 それは、この日韓大陸だな共同開発の問題をめぐりましていままで大変にもめてきております。その大きな原因というのは、これは日韓の間における黒い霧の問題あるいは癒着の問題、これが非常に論議されたということに起因していると思います。いままでの議事録も、私、当委員会の前国会あるいは前々国会、ずっと読ましていただいておりますけれども、技術的、具体的な協定の内部に入っての議論よりも、実はそういった黒いうわさの方が優先しているように思います。そのことのためにまた、ただいまのように波がいろいろと立っている現在、本日の委員会でもあろうと思います。それだけに私はやはりこういった問題にも触れざるを得ない。日本と韓国との間における黒い霧、こういったものがあってはならないし、ましてこれからの五十年間、この協定を批准した場合には日本国民を拘束するものになってまいります。それだけに、非常に慎重な配慮をし、またいささかもそのような疑惑の目でもって見られるようなものであってはならぬと思うんです。
 伝えられるような、新聞あるいは雑誌等で出ているいろいろなうわさというものに対して、国民は非常にこれは心配しながら見守っております。そこで、私、いままでの議事録を読んでまいりました印象といたしまして、何か証拠があっていろいろと論議をするならば結構でありますけれども、なかなかこういう問題というのは証拠もございません。したがいまして、私は、うわさや何かをもとにしてここで審議をしよう、質問をしようとは思っておりません。けれども、たとえばアメリカの議会において、ただいまチャーチ委員会なりあるいはフレーザー委員会なり倫理委員会なりにおいて、米韓の問題、これが論議をされております。ここら辺について、単なる米韓の問題なのか、日本も含める問題がいま調査の対象になっているのか、御存じでしたらお知らせいただきたいと思います。
    〔委員長退席、有馬委員長代理着席〕
○中江政府委員 担当のアメリカ局長が御説明するのが正確だろうと思いますが、私が聞いておりますところでは、アメリカ国務省筋のいままでのわが方に対する説明の中では、米韓間の問題を調査しておりますアメリカの国会関係その他の機関の中で日韓問題が出てきたことはない、こういうふうに言っております。
○渡辺(朗)委員 それでは、たとえばフレーザー委員会はいまどういう項目を調査しておりますか、御存じでございましょうか。お知らせをいただきたいと思います。
○中江政府委員 ちょっと私、詳細を――いま具体的に何をやっているかということについては至急調べてみますが、アメリカにおける韓国のいろいろな機関の活動について、それが妥当なものであるかどうかということを審査している、こういう一般的なことしかいまはお答えできないわけでございます。
○渡辺(朗)委員 私の知っている限りにおいては、フレーザー委員会だけでも八つの項目を調査しておりますね。その八つの項目の中で、一つこういうのがあります。アメリカの会社が韓国に献金した事実があるかないか、こういう問題が項目としてあります。それからまた、アメリカの企業と韓国の企業との関係、米韓の企業の状態、こういったものも調査の対象になっております。ここで出てくる企業というのは、これは当然、たとえばガルフであり、シェルであり、カルテックスであり、こういったものも入ってくるわけであります。そうしますと、これはすでに鉱区権を設定し、そしてこの共同開発地域にかかわりを持つアメリカの民間企業、これと韓国の関係も対象になってくる。したがいまして、そこから日本の問題が出てこないとは言えないと思うのです。そこら辺の点について御存じでしたら教えていただきたいと思います。
○中江政府委員 アメリカの会社が韓国との間で何かむずかしい問題を抱えているのではないかということは、いま先生が御指摘になりましたような程度の情報としては承知しておりますけれども、具体的に何かあれば教えてもらいたいと言われましても、私どもは、先ほど申し上げましたように、アメリカ側からそういうものを――米韓間で起きておる問題についての調査を日本として口を出してどうするというわけにはまいらないということが一方にありますと同時に、他方、アメリカの企業がこの大陸だなの開発について韓国との間でいろいろ契約を結ぶなり何なりしておりました事実というのは、まさしくこの協定を必要とした以前の問題、つまり韓国が一方的に自分の大陸だなであるからこれは堂々と開発できるのだと言って、外国会社の資本、技術を導入しようという時点で起きた問題としてはあるいはいろいろあったかもしれませんけれども、そういうことではなくて、この共同開発区域の部分につきましては、これは日本が日本の大陸だなとして主張するのであるということで、そういう今までの韓国側における諸準備というものをすべてストップさせまして、新しい発想で共同開発という構想に踏み切ったわけでありますので、
    〔有馬委員長代理退席、毛利委員長代理着席〕
この協定が発効いたしますと、この協定のメカニズムによって新しく共同開発が行われるわけで、いままでの経緯が米韓間でどうあるかということは米韓間で御処理されると思いますが、日本といたしましては、この共同開発構想によって共同開発が進められるに当たっては、そういう疑惑を招くようなことのないように、当然のことですが、厳重に注意していくということで対処してまいりたい、こういうのが私どもの考えでございます。
○渡辺(朗)委員 私はこの点についても、単にフレーザー委員会の問題だけではございませんが、他の委員会において、アメリカの国会における調査、その中からいろいろな問題が出てくる、こういったことが懸念もされますので、ぜひ可能な限りその情報は手に入れておいていただきたいと思います。
 念のため、たとえばフレーザー委員会で八つの項目というのがありましたけれども、申し上げますと、アメリカの会社が韓国の方に献金しているかどうか、こういうことをやはり調査しております。そして二番目には、アメリカの援助行政であります。三番目には、アメリカに住んでいる韓国系の人々に対してどんなおどしがきているか、こういうことも調査をいたしております。四番目には、韓国がアメリカの学界、そういうものにどのような影響を及ぼそうとしたのか、こういうことも調査の対象になっております。また、韓国側がアメリカのマスコミに対してどのような影響をつくろうとして工作したのか、こういうことも調査対象であります。さらに、先ほど申し上げました米韓の企業の問題、米韓の間における企業関係、こういったものも調査対象であり、七番目には、アメリカ政府あるいはCIA、こういったものが韓国側の不法活動をどれだけいままで調査していたのか、こういうことも対象になっている。そして八番目には、統一教会と韓国政府がアメリカにおけるどのような活動をしているのかということが調査対象であると聞いております。
 私は、今日までの日韓大陸だなの審議、その中で出てきているたとえば金大中事件あるいはまた他のさまざまな事件、こういったもの、これが実は大変大きな阻害要因になりまして、この大陸棚協定というものの審議をおくらせている原因になっているだろうと思います。また、国民の側からするならば、こういった疑惑というものがあるときには、もちろん大変心配をするのが当然であります。それだけにこれからの審議の中でも、これは他の国の問題だと言わずに、米韓関係の調査が行われている実態、こういったものも極力情報を手に入れながら、私はきれいな条件の中で、そしてまた疑惑や何かを生み出さない形での大陸棚協定の審議、これを進めていただきたい。私どももそのように持っていきたいと考えております。
 私、その点で、先ほども申し上げましたけれども、ぜひとも米議会なんかの調査や何かの資料というものは入手していただき、こういう大陸だなの共同開発の協定に対して関連がないものかどうか、ここにもやはり目を注いでおかなければいけない点であろうと思います。先ほども申し上げましたように、大変に当該委員会の周辺においてはいまざわめいておりますので、私はここで一応質問を打ち切らしていただいて、後ほど再度また時間をいただきたいと存じます。
 外務大臣、その点ぜひこれからの日韓関係、米韓関係、こういったものについての十分な資料を私どもにもいただきたい、これをお願いをしておきます。
○鳩山国務大臣 かつて当委員会におきまして、日韓間のいろいろな問題につきまして御議論が出たこともありますし、また本年の予算委員会では、この日韓間の問題が大変たびたび取り上げられたわけでございます。
    〔毛利委員長代理退席、有馬委員長代理着席〕
日韓間にこのようなことが取り上げられること自体大変残念なことであるわけでありますが、これらの御議論につきましては、大事な問題もありますので、先般多国籍企業の小委員会等も設けていただいたこともありますし、いろいろな機会でこれは十分に御審議をいただかなければならないと思いますが、その問題とはまた一応切り離して、大陸だなの問題は、これは日本といたしまして、日本の近海に有力なる資源があるのではないか、こういう資源エネルギーの問題からいたしまして、日本国民のためにも大変大事な問題でありますので、この大陸棚協定につきましてはぜひとも御審議をいただいて、またほかの機会に日韓間の改善をいかにして図るべきかという点につきましても十分の御議論を賜りたい、こう思う次第で、何とぞよろしくお願いを申し上げる次第でございます。
○有馬委員長代理 それでは次に、伊藤公介君。
○伊藤(公)委員 私どもの外務委員会において一番大事な日韓大陸棚協定に関する審議を大変変則的な形で始めなければならないということは不幸なことでありますけれども、しかし、あえて申し上げれば、今度のこの領海法、領海十二海里ということはかなり早い時期から予測ができた。すでに国際海洋法会議においても、世界の大勢は十二海里という方向で動いてきたわけでありますから、この見通しを政府自身が誤ったのではないか。今度のこの領海法十二海里と日韓大陸棚協定の共同開発部分とが抵触するということに対して、大変不備な協定をつくってしまったその原因がまずどこにあったのか、日韓大陸棚協定の審議に入る前にそれを明らかにしなければ私どもは審議に入ることはできません。したがいまして、なぜこうしたことが起こってきたのかまずお聞きをしたいと思います。
○中江政府委員 細かい海洋法会議の中での動きというのは別途説明をいただくといたしまして、私どもが認識しておりますいまの問題は、こういうことだろうと思います。
 つまりこの協定がなぜ必要になったかという時点は、これは先ほども問題提起がございましたが、国連の当時のエカフェ、いまのESCAPがこの地域の大陸だな石油資源が有望であろうという報告を出しまして、にわかに脚光を浴びて、韓国は韓国で、日本は日本でそれぞれ開発権といいますか鉱業権の申請があったわけでございます。それで、その大陸だな資源を開発したいという申請がありましたその申請の根拠になっておりますのは、この地域は自分の国の大陸だなであるはずだということでそれぞれ申請したわけでございますが、ふたをあけてみますと、その重要な部分が重複している。なぜそういう重複するかっこうになったのかということをよくよく調べてみますと、この大陸だなに対する管轄権の主張の国際法上の論拠が違っていた。韓国は自然延長論でありますし、日本は中間線理論ということで、立場が違っていたために同じ大陸だなの上に重なって鉱区の設定あるいは開発権の申請というようなものがなされてきた。これを放置いたしますと明らかに衝突、競合するわけでございますので、それを解決しようということが主たる目的であったわけでございますので、実際的解決という立場からいたしますと、双方の管轄権の主張が重なっているところをどういうふうに処理するかということであったわけで、この双方の管轄権を主張しておりますところがすなわちいまの共同開発区域であったわけでございます。
 この区域は、当時日本も韓国も三海里の領海を主張しておるわけでございますので、大陸だなの管轄権主張としては、どちらの立場に立ちましても日本の領海を侵すようなものでないということでございますので、その双方の管轄権の重複した部分を共同開発という形でまとめたのがこの共同開発協定の主たる目的であったわけでございます。
 いまでも日本はまだ領海は三海里でありますので、この協定が日本の領海主張を侵しているということはない、これははっきりしていると思います。ただ、先生の御質問にありますように、しかし行く行く十二海里に領海が延びるかもしれないということをどういうふうに認識していたか、この問題につきましては、国連海洋法会議におきましては、領海十二海里の問題と二百海里の経済水域の問題と、また領海十二海里になりましたときの国際海峡の扱いをどうするかという問題、こういった問題がパッケージとして取り扱われてきた、これも何度かすでに説明のあった問題でございまして、そういった大きな国連海洋法会議全体の動きというものの中では、領海十二海里というものが最近に至りますまでは単独で当然のこととして国際法の中で歩き始めるという見通しはつけがたかったということも事実として存在したわけであります。それで日本のいまの立場は、急遽領海十二海里というものを国際法上一方的に主張してももう異議を唱えるだけの力はなくなっている、それだけの力を持ってきたということは、換言いたしますと、これは領海の主張ですから完全な国家主権の延長ということでありますので、これはもう国際法上の大陸だなの既成概念を持ち込むまでもなく、そこにはいかなる他の国の管轄権なり主張は及び得ない。この領海というものの持つ国際法上の強さといいますか主権的な性格から見まして、自動的に共同開発区域のその部分は修正される、引っ込んでいく、こういうのがいまの考え方でございます。
○伊藤(公)委員 私のお聞きをしていることは全くいまの答弁とは違うことでございまして、私の質問を十分御理解いただかなかったと思うのでありますけれども、いまの領海法と今度の日韓大陸棚協定とが交差をしておるところもあるわけですね。これに対してこの間外務大臣が、これについては違っておるのでいずれの時期かに文書等で交換をする、こういう御答弁があったわけでありますが、なぜゆえにこういう事態が生まれてきたのか。双方の主張が違っていたからこの事態が生まれてきたのではないわけでありまして、鮫瀬からはかれば当然この事態はわかっていたわけですから、どこかに誤りがなければこういう協定が出てくるはずがない。しかも、今度の領海十二海里法をすでに同じ時点で国会にかけているわけですから、これが抵触しているということは当然に前もってわかっているはずであります。どこでこういうことが起こってきたのか、その原因をお聞かせいただきたい、こう申し上げているわけです。
○中江政府委員 どこでこういう抵触が起きたかとおっしゃいますと、時の経過から申しますと、この協定ができましたのはもう三年前でございまして、そのときにはいまと同じく領海は三海里という主張であったわけです。その協定が国会の御審議をお願いして今日に至っている。他方、領海十二海里法案といいますのはごく最近に提出されてきたわけであります。その結果、領海十二海里になると、鮫瀬からある程度のところまでのところは共同開発区域になっているのはおかしいという形の抵触が起きたわけですが、それは先ほど申し上げました領海というものの持つ国際法上の性格から、他方大陸だなというものの国際法上の概念から当然に除かれるということであるので問題はない。
 しかし、そのところが十二海里にもし拡張いたしますと共同開発区域にひっかかる部分があるというのはなぜかと言われますと、いま申し上げましたようなことで、領海三海里の時代の共同開発協定が三年もそのままずっと国会の御審議の対象になっている、そこに領海法案が出てきた、こういう結果としか申せないのではないかと思います。
○伊藤(公)委員 領海法はすでに国会にかかっているわけでございます。領海法を国会にかけるに当たって、すでにこの事態はわかっていたはずであります。この鮫瀬が入っていない地図を使用したとしか思えない、あるいは違うところからはかったとしか思えない。外務大臣、主権にかかわる問題でありますから、これだけ大事な問題が、しかもいま政府は日韓大陸棚協定が大変大事で優先的に審議をしろと言っている、これだけ大事な、しかも一方においては主権にかかわる法案を国会に提出をしておいて、しかも、両方が違うものを同時に国会にかけている。これは目測を誤った、鮫瀬が入っていない地図を使ったのではないのか、大臣、どうですか。
○鳩山国務大臣 何分にも三年前に調印した両国政府間の合意であるわけでございます。そして、十二海里に領海を広げよう、昨年の末になりまして急にこれに踏み切ろう、こういう決意をいたしたのでございまして、この時間的な前後の関係からこのような事態になったというふうに率直に御理解を賜りたいわけでございます。
 御承知のように沖繩海溝というものがあるわけで、これが自然延長論と中間線論との分岐点になるわけでありますけれども、これらのことが主体となって、韓国側が大陸だな理論をもって自己の権限の及ぶ大陸だなである、こういう主張をしておったので、この両者の主張の重なる部分をもって共同開発区域とした。それを決める際には、まだ十二海里ということは予定に上っておらなかったものですから、このような事態になった次第でございまして、その点はそのように御理解を賜りたいのでございます。
○伊藤(公)委員 この共同開発地域に石油が出るか出ないかということも大変疑問がありますけれども、万一、いま抵触をしておる部分に不幸にして石油が大量に出る、不幸か幸かわかりませんけれども、出るというようなことになりますと、大変大事な問題でありますからはっきりしておいていただきたいのでありますけれども、外務大臣は先日の答弁の中で、韓国政府にすでに通報済みだ、韓国はそれに対して了承をした、了承をする旨明らかにした、これはどういう形で明らかにされたのですか。
○鳩山国務大臣 これは当方の西山大使から、韓国の外務部長官との間でそのような御了解をお願いをしたわけであります。したがいまして、口頭で行われたわけであります。しかしながら、これは大事な問題でありますから、先ほど来お話しのように主権の及ぶ範囲にかかわる問題でありますから、この点は明らかにすべきであろう、こういう御趣旨はまことにそのとおりでありますので、何らかの形の文書にいたしたい、こう思っております。ただ、先方はほぼ二年ちょっと前に国会の承認を得ておる議案でありますので、これはやはり両国の折衝をしなければならない、先方としても国会対策もあると思いますので、この点も十分話し合いをしまして、しかるべき文書を早急につくりたい、このように考えておるところでございます。
○伊藤(公)委員 日韓大陸棚協定がすでに三年前、かなり時間が過ぎているのだというお話でありますけれども、領海の十二海里という世界の大勢はすでに第三次の海洋法会議でほとんどコンセンサスができ上がっていた。どうも海に対する日本の政府の見通しはよくない。海洋法会議の成り行きからして、この日韓大陸棚協定を結ぶときにすでにこうした見通しが当然できていなければならない、こう思いますけれども、御所見を承りたいと思います。
○鳩山国務大臣 日本が領海を十二海里に拡張をしようということにつきましては、昨年の十二月の段階におきましても、これは従来から海洋法会議の結論を待ってということを考えておったわけでございます。しかし、海洋法会議がどういう方向に行くかということで先方の権限を認めない、こういうわけにはいかないわけでありますので、海洋法会議がそのようなことでありましても、現在まだ領海が広がってないときにおきましては、日本の沿岸でも三海里近くまで外国の漁船が来て漁獲をすることも認めざるを得ないわけでありまして、そういう意味で、領海問題はやはり領海法を御審議いただいて、これが法律になりますとこれは明確な権利になるわけでありますけれども、それまではまだ公海でありますので、その点は時間的な前後の問題であるというふうに御理解を賜りたいのであります。
○伊藤(公)委員 外務省にお聞きをしたいのですけれども、これはどこから測定するかという、測定するところに関してミスがあったのではないかというふうに思いますが、いかがですか。
    〔有馬委員長代理退席、委員長着席〕
○中江政府委員 これは私、海図などの専門家ではございませんけれども、経緯から言いますと、昭和四十七年十月から四十八年七月にかけまして十カ月近くですが、十回以上の協定締結交渉のときに、日韓双方の海図の専門家が集まりまして、この共同開発区域をどういうふうに線を引くかということを綿密に測量して決めたわけでございまして、そのときには、先ほど私が申し上げましたように、韓国がここに、第七鉱区のところでございますが、自分の大陸だなだという立場から設定した一つの鉱区の境界線というものがありまして、それがいまの大臣のお話のように、公海に属する部分であります限度においてはそれをどうするという話はなし得ない、つまり日韓双方の主張の重複したところをなぞってつくった線であるわけでございまして、そのときに、やがて領海を十二海里にするんだから十二海里の中には入ってはいけないということを日本が主張すべきであったかどうかという点は、これは非常に問題があったと思います。それは日本が領海十二海里を主張するということは、国連海洋法会議におきまして、先ほど私が申し上げましたようなパッケージでこの話は進んでいるので、いずれの国も一方的な措置をとるべきでないという国連海洋法会議の議長の勧告も当時はあったわけでございます。日本は国際社会では誠実にその約束を守るという政策をとっておりますので、日本が一方的にここで、十二海里の領海を将来設定するからこの部分は困るということを公式に韓国あるいは第三国に言い得るような立場でない。つまり当時の最も正しい国際法の三海里という領海を日本として堅持しておりますその立場からいたしますと、韓国側の主張しているところが十・何海里というところにまで及んでいることを日本側として問題にするというような状況ではなかったということは御理解いただけるか、こういうふうに思います。
○伊藤(公)委員 そうすると、いまの御答弁を聞いていますと、韓国側が指定をしてきた、共同開発区域に関して韓国側が引いてきた線をそのまま日本は受け入れた、うのみにした、こういうことになるわけですか。
○中江政府委員 再三申し上げましたように、韓国側が一方的に自国の国内法によってここに鉱区を設定するという部分と、日本が日本側の申請に応じて鉱区を設定する部分とで重複する部分があるわけです。これを動かすとなりますと、国際法上の大陸だなの主張がどこまでかという議論をしなければならない。そうなりますと、日本は中間線になりますし向こうは自然延長で腹いっぱいということになります。これが国際法上調整がつかない。それぞれの国際法上の立場をたな上げにいたしまして実際上の解決をするということになりますと、勢い日本側の鉱区の主張と韓国側の鉱区の主張とが重なるところ、それがすなわち共同開発区域になる、こういうことでありますので、韓国の共同開発区域の主張をそのままのんだという形ではなくて、日本側の主張と韓国側の主張とが重なったところを共同開発区域にしようというのが実際的解決の意味するところであったわけでございまして、その重複したところを区画いたしますといまの共同開発区域のような姿になっている、こういう御理解にお願いしたいわけでございます。
○伊藤(公)委員 第三次の海洋法会議ではすでに十二海里ということが論議をされて、世界の大勢になりつつある、そういう国際社会の動きの中で共同開発区域、韓国との線引きが行われた。当時外務省は、いま日本の国会に提案をされているこの領海十二海里ということを全く議論も、考えも、予測もしなかった、こういうことでございますか。
○中江政府委員 これも先ほど申し上げましたように、趨勢としてはそういう趨勢になっているという認識はもちろんしておりましたし、国連海洋法会議でも日本の立場をいろいろ主張しておったわけですが、そのときの国連海洋法会議の考え方というのは、先ほど申し上げました二百海里の経済水域と、領海を十二海里に拡張した場合に生ずるであろう国際海峡の制度をどういうふうにするかという問題と、そして十二海里の領海拡張と、この三つがパッケージになっておりまして、その間の管轄権なりあるいは国際海上通航の制度の落ちつき方というものを慎重に見きわめて、日本が十二海里を主張するにいたしましても主張しなければならない。その持ちます意味は、いまの十二海里法案が出ました前後の過程でも、御承知のようないろいろのむずかしい問題があったわけでございますので、十二海里に拡張するというところだけを一種のつまみ食いのような形にして何とかしょうというような考え方は、当時には全くなかったというのが実情でございます。
○伊藤(公)委員 そうすると、いま政府が提案をしている今度の領海法、領海十二海里という事態は、この日韓大陸棚協定の共同開発区域を指定するときには議論はなかったわけですか、日本側の外務省の中では。その見通しはどうだったわけですか。
○中江政府委員 その点は、率直に申し上げまして、日本が十二海里の領海というものを、ほかの二百海里の経済水域とか領海拡張に伴います国際海峡の通航制度についての国連海洋法会議の結論を待つまでもなく、一方的に主張するということは当時全く考えていなかったわけでございます。
○伊藤(公)委員 十二海里領海法はすでに三年前に提案をされた、三年前に十二海里、世界はすでにほとんどコンセンサスがとれてきていた、こういう背景の中であります。日本がやがて十二海里になるであろう、こういう予測は全くできなかった、しなかった、こういうことですね。
○中江政府委員 十二海里の領海拡張を全く考えていないということではなくて、十二海里に拡張するべきときがやがて来るということは考えていたけれども、当時の国際社会の、特に国連海洋法会議に参加している国の考え方としては、これは二百海里の経済水域と国際海峡制度、そういうものとパッケージとして、国際社会で、国連海洋法会議でコンセンサスが得られるならば、それが最も円滑な領海の拡張の仕方である、そういう考え方に日本も賛成していたために、領海拡張だけを一人歩きさせることは当時の国連海洋法会議議長の勧告にも背くことであるということで、そういう意味で考えていなかったということで、趨勢としてはやがてそういう時期が来るであろうということは念頭に置いておったわけでございます。
○伊藤(公)委員 いまの答弁で、世界の趨勢からしてやがて領海十二海里という時代が来るであろう、こういう世界の趨勢を予測しておった。当時国際社会はそういう状況になっていたわけですから、当然十二海里という時代がきわめて近いうちに来るであろうということは予測ができたはずであります。予測ができた十二海里時代に備えて具体的なことは考慮されなかった、十二海里についての考慮はそのときには一切されなかった、こういうことでございますか。
○中江政府委員 趨勢としてやがて十二海里になるであろうということは考えておりましたが、それだけのことで、当時三海里以上の海域に対して、日本が国際法上の権利としてこれは日本の領海になる地域であるからといって云々するということは、なかなか理論上の問題としてむずかしかった、こういうことでございます。
○伊藤(公)委員 重ねてお尋ねをしますが、それでは十二海里にやがてなるであろう、世界の趨勢で間もなくなるであろう、こういうことはもう考えられていた、こういう答弁なんですが、それでは十二海里になったらどうしようか、どうすべきであるとお考えになっていたのか。
○中江政府委員 領海が十二海里になりますと、この共同開発区域の一部分がどうなるかという問題もさることながら、日韓の関係でもし申し上げるならば、日韓漁業協定というものもございますし、領海主張というのは国家主権の拡大でございます。これは俗な言葉で言えばオールマイティーな力を持つ地域が広がるわけでありますので、あらゆる面がこの領海拡張によって押し出されていく、つまり、すべての外国の権利主張というのは十二海里のところまで引っ込んでもらいたい、つまり日本の権利主張が十二海里まで無条件に延びる。それだけの強さを持っている領海というものの国際法上の性質にかんがみまして、領海が十二海里になりますと、いろいろな問題がすべてそういう国際法上の領海の性格にかんがみて調整される。これは当然のことでありまして、この領海の主張が国際法上妥当なものである限り、いずれの国もそれは認めざるを得ない、また認めなければならない。そういう性格のものでありますので、その拡張の時点においてあらゆる角度から領海主張に伴う調整というものは国際法上は自動的に行われるべきものである。こういう認識でございます。
○伊藤(公)委員 この十二海里がもう世界の趨勢になるということを確認をしていた、こういう答弁はいただきました。やがてきわめて近いうちに日本も十二海里時代に入るであろう、そういう理解を日本の政府はしていた。そういう理解をしていながら、抵触をする共同開発は具体的にこれだけの線を引いてつくり上げてきた。なぜこのときに、十二海里時代になったら抵触をするからそこは避けておこうということができなかったのか。日本の政府として一体そのくらい先の見通しのできない協定であったのか。
○中江政府委員 なぜ当時それができなかったかということは、先ほども申し上げましたように、国際法上の権利として主張するだけの重さといいますか論拠というものが、三海里の領海を主張している日本の立場からいたしますとなかったということが一つと、仮に領海が延びますと、領海は当然あらゆる無条件の主権の延長でございますので、問題なく大陸だなの境界はその部分だけ自動的に引っ込むということでございますので、そのことまで先取りして手当てするということは必要がないという判断であったわけでございます。
○伊藤(公)委員 どうも一国のこれだけ大事な協定に参加をしよう、あるいは主権にかかわるようなものを提出をしようというときに、明らかに見通しを間違えていたのか、あるいは測定を誤っていたのか、そうとしか考えられない。十二海里になったら当然ここは領海であるから入らないということですと、韓国とのそういう話し合いがなぜそのときにできなかったのか。やがてもう近く十二海里になるであろう、なるかもしれない、そういう時代が来ることを予測をして、十二海里のところは避けよう、このくらいの議論が、なぜ日本の外務省の中で政府自身この協定をつくるときにできなかったのか。
○中江政府委員 一部分先ほどの私の御説明の繰り返しになるかもしれませんけれども、当時の国際海洋法秩序の状態から言いますと、どの国が一方的に十二海里に領海を拡張するかということは、非常な関心事であると同時に、国連の海洋法会議に及ぼす影響は大きかったわけでございます。つまり、パッケージで進んでいるところでパッケージを破る国が次々に出てくるということは、まさしく国連海洋法会議が望んでいるコンセンサスによる新しい海洋法秩序を妨げる、これがアメラシンゲ議長の勧告にもありました基本的な考え方であったわけでございますので、日本としてやがて十二海里にするのだということを日本以外の国にどういう形であれ正式に持ち出すということの持つ意味というのは、これは私どもの中では議論をしておったわけでございます。日本としては国連海洋法会議議長の勧告に従って、このパッケージで国連海洋法会議のコンセンサスが得られるまでは現状を動かさない。現状を動かさないということがはっきりしておりますということは、本件にかんがみますと領海三海里ということで臨んでいくということでありますので、その時点においてそれだけの話をすることがどれだけの得失があったかという点は、これはいろいろ御議論はあるでしょうが、私どもとしては、領海が拡張されれば当然領海が優先することは明らかですので、そこのところは、当時もまたいまもそうですが、領海三海里という立場から見て問題がないものにしておくことによって足れり、こう考えておったわけでございます。
○伊藤(公)委員 いまのお話で、そういう主張がわが国にとってどれだけの国益になったかということは、私も日本人ですからわからないわけではありません。しかし、何も韓国にそのことを通報することはない、韓国と、やがて日本が十二海里時代になるからひとつここを避けてくれという話し合いをすることはない、日本の国の中で、世界の大勢は十二海里ですから、やがて十二海里になるであろうという予測ができていたわけですから、そうしたら国の中で政府自身が、じゃひとつそこは避けて線引きをして協定しようではないか、こういう議論があって当然だと思うのですね。韓国と何も話をする必要はない。
 そう考えてくると、韓国がつくった協定をそのままうのみをした、こう考えざるを得ない。あるいは、外務省のどなたが引っ張ったかわかりませんけれども、目測を誤って鮫瀬のない地図か、見えなかったか、違うところからはかったとしか思えない。役人の皆さんは間違ってもなかなか間違ったと言わないですから、押し問答してもあれだと思いますけれども、しかし、今日のこの十二海里、こういう事態を見越してこれだけ大事な協定をつくるなどということは当然なことだ、まさに政府の見通しの甘さだ、こう思います。
 いま、大事な大陸棚協定がそれぞれの野党の協力の中で審議ができるかどうかという大事なときでありますから、私たちもこの入り口が一番大事な問題だと実は思っているわけです。審議を進めたいと思っている。しかし、どうもその辺が明らかでない。
 大臣は先日の発言の中で、念のため文書を取り交わす、こういう御発言をしておりますけれども、念のため文書を取り交わすということは、法律的には一体どのような効力があるのか、そして領海法が成立をする前には文書としてはっきりしたものは出せないのか。たとえば韓国との間に、この問題についてはこういう了解をしてくれ、こういうはっきりした文書を取り交わすことができないのか。領海法が成立をした後でなければ文書で出せないと言うなら、われわれの今後のこの大陸棚協定の審議の方針は若干変わってくる。どういう時点でこれを出すのか、またその文書は一体法律的にどんな効力があるのか、御答弁をいただきたい。
○鳩山国務大臣 文書を取り交わすことにつきましていま交渉に入ったところでございます。大事な問題でございますから、これは単なる口頭だけでは不十分であろうと思います。
 その法律的な意味は、大陸だなというものにつきましての解釈を日本政府と韓国政府との間で確認し合う、このような性格のものというふうに私どもとしては考えているわけで、現在の大陸だなというものの観念は、領海に接続するところの部分を大陸だなというふうに観念をいたしておりますので、領海が拡張された場合には当然その領海から先の部分が大陸だなということになる。したがってその共同開発地域も、大陸だなの中での共同開発区域でありますから、当然その部分は共同開発区域から外れて日本の領海の範囲内に入る、このような内容のことにつきまして両国政府の解釈を統一をしておきたい、こういうことでございます。
 先ほど来、中江アジア局長との間にいろいろ御議論がございました。韓国政府が自己の大陸だなに属するものという主張をしていた区域があるということ、その自己の大陸だなと主張しておるものの考え方といたしまして、韓国政府といたしましては、現在、日本と韓国政府との間には漁業関係におきまして十二海里という観念があるわけであります。したがいまして、韓国政府の頭の中にもその十二海里という頭があっただろうと思うのでございます。そういう意味で、そういうことも尊重して韓国政府としては自己の主張する区域を主張したと思うのでございます。それが、今日正確にはかりましたところの十二海里と違ってきている部分がある、こういうふうに御理解をいただきたい。そして日本の政府といたしましては、韓国政府が主張しております自己の大陸だなに属する部分であるというもの、日本は現在領海は三海里でありますからそれを尊重した、こういうことで御理解を賜りたいのでございます。
○伊藤(公)委員 いまの外務大臣の答弁によると、当時韓国も漁業に関して十二海里という認識を持っていた。そうすると、この大陸棚協定の線引きはだれがやったのですか。
○中江政府委員 だれがといいますと、具体的にその線を画定いたしましたのは、双方の水路部といいますか、つまり海図の専門家でございます。
○伊藤(公)委員 そうすると、韓国の方は十二海里ということをすでに考えていた、こういうことですね。そこでは、双方の間で十二海里ということも考慮されたということですから、十二海里になったときにどうしようかという話はなかったのですか。
○鳩山国務大臣 私は、韓国の政府も漁業関係では十二海里という観念を使っておりますから、韓国が日本の近海に出漁いたす場合におきましてもそういう観念を持って、少なくとも漁業に関してはそういったことが行われているということを申し上げたわけで、そういう十二海里という観念が全く頭になかったかとおっしゃいますと、先ほどの御議論を聞いておりますと、それは必ずしも十二海里という観念が全くなかったわけではない。ただ、韓国政府が自己の大陸だなを主張する際に、韓国政府としては自己の大陸だなとして主張した線がある、その線はいま協定に載っている線である、日本としてはその線を尊重せざるを得ない、日本は領海三海里でありますからそれを承認せざるを得ない、このように考えておるところでございます。
○伊藤(公)委員 日本の政府もこの十二海里ということを考えないわけではなかった。韓国も、漁業でありますけれども、漁業区域として十二海里ということを考えていた。双方がともかく十二海里というものを考慮していながら、でき上がってきたものはそういうことが全く考慮されていなかった。今度の国会に領海法と日韓大陸棚協定と違うものが現実に上がってきているわけですから、これをつくるときに見誤ったのか、あるいはそういう見通しが全くなしにこういうものがつくられてきたのか、いずれかでなければ現実にこういうものができてくるはずがない。どうですか。
○鳩山国務大臣 先ほどから何回も申し上げておるのでございますけれども、韓国政府が自己の大陸だなに属すると主張している区域がいま出ておる共同開発区域の東側の線でありまして、そういう意味で日本政府としてはその線を尊重せざるを得ない。当時は領海三海里でありますから了承をいたしたわけでありまして、韓国政府がそのような線をつくる場合におきましては、日本の非常に近くまで入ってくるという意図はなかったと思います。そのように引かれた線が、今日、厳密にはかったところによりますと十・九海里のところにあるということでありまして、この十・九海里というものを、当時は領海三海里でありますから、当時としては了承せざるを得なかったわけであります。
 今回、領海が十二海里になるという段階におきまして、その線が領海内に当然入る、したがって共同開発区域からその部分は当然外れるということについて日本政府としてただいま主張をいたして、その点について韓国政府の了解を現在少なくとも口頭では得てある。したがいまして、これを何らかの文書の形にしよう、こういうことと御了解を賜りたいのでございます。
○伊藤(公)委員 海洋国日本にとっては、領海というものはどんなに神経質になってもなり過ぎにはならないと私は思っているのでございます。海に対する考え方に一貫性もないし、見通しについては、十二海里にしてもあるいは二百海里時代に対する今日の政府の対応の仕方にしても、実にその場しのぎにしかすぎない。見通しをつけて、それに対処していくという姿勢が全くない。私はあえてそういう指摘をしながら、二つの点で大臣に確認をしておきたいのでございます。
 一時ということですから、午前中の最後の質問になると思いますが、韓国と文書の交換をされるという御答弁ですけれども、これは領海法が成立をする前に何らかの文書の交換をされるという見通しでいるのか、領海法が成立した後でなければできないと考えているのか、この辺は大事な問題なので、はっきりした見通しをお聞かせいただかないと、私たち今後の審議ができない。
 もう一つ、いまの問題に触れるわけでありますけれども、この協定の第二条の改正は必要がないのかどうか。この二点をお聞きしたい。
○鳩山国務大臣 文書をいつ、いかなる形でということでございますが、私どもといたしましては、この御審議に間に合うように取りつけたいと思っておるところでございます。しかしこれは、先ほど申し上げましたが、先方議会との関係もあろうかと思いますので、この点は今後よく折衝をいたしたいと思っております。
 それから、第二条の改正は必要でないかというお尋ねでございますが、この第二条の共同開発区域につきましては、大陸だなに属する共同開発区域ということで、当然領海を除くものである、このようなことを確認する文書と申しますか、当然そういったことを将来誤解のないようにいたすという意味の両国の文書を何とか作成をしたい、こう思っておるところでございまして、その文書の両方の政府の解釈が統一しておれば、条文は直さないでいいというのが私どもの考えであります。
○伊藤(公)委員 その韓国との間に文書を交換するという件でございますが、これは領海法成立前に、相手方のあることでありますから必ずということが言えるかどうかわかりませんけれども、日本の政府としては――もちろんわれわれこれがない限り、とりあえずの審議が始まっても絶対に採決に応じられない、われわれはこういう立場でおりますから、しかも、どうもいまの大臣の御答弁を聞いていますと、大臣はやさしい言い方をしているようなので、えらい確信もない弱々しい答弁なので、ちょっと自信がないのじゃないかというような気もしますけれども、これが早急に出てこないと、われわれ自身も審議を進めるということが非常にむずかしい立場でございますから、現状における外務大臣の御決意をお聞かせください。
○鳩山国務大臣 御趣旨はもうまことによくわかりました。私どもとしては、それは一日でも早くその文書をつくりたいと思っておるわけであります。ただ、相手方のあることでありますので、表現はいまここで確約を申し上げるわけにいかないということでありまして、私どもとしては一日でも早く御審議のために文書を作成いたしたい、こう思っております。
○伊藤(公)委員 採決をする前にこれは必ず間に合いますね。
○鳩山国務大臣 御審議のために役立つように間に合わせたいと思っておるわけであります。
○竹内委員長 午後二時から再開することとし、暫時休憩いたします。
    午後一時三分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時十八分開議
○竹内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 休憩中に、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同に出席を求めましたが、出席がないようでございます。したがって、やむを得ず委員長としては会議を再開いたしました。
 質疑を続行いたします。山崎拓君。
○山崎(拓)委員 日韓大陸棚協定の審議に当たりまして、私は主として資源エネルギー政策の観点から質疑を行いたいと存じますが、質疑に入ります前に一言申し上げておきたいと思います。
 本日は、民社党、新自由クラブを除きまして、野党の諸君が審議に応じておりません。野党側の欠席の理由はつまびらかではありませんけれども、もし仮に本法案に反対であるがゆえに審議に応じないとするならば、何をか言わんやであると考えます。質疑を通じまして、十分な審議を通じまして賛否を決していくということが民主主義のルールであると信ずる次第であります。
 本協定は、昭和四十九年一月三十日の署名後すでに三年以上を経過いたしております。すでに韓国側は昭和四十九年十二月十七日国会承認の手続を完了しておるところでございます。
 けさの朝日新聞の社説を読みますと、「日韓大陸棚協定の審議に望む」と題しまして、このように述べております。「国会の機能は、問題点を含む法案を十分に吟味することであり、野党が日韓大陸だな協定の承認に慎重であっても当然だろう。だが四年越しの国会審議を振りかえって感じることは、野党の多くが協定内容や、海洋主権をめぐる国際的動向、あるいはわが国のエネルギー事情を踏まえた実質的審議には深入りすまい、としている姿勢である。」云々と述べておられまして、さらに「いま海洋国家としてわが国が迫られているギリギリの選択について、具体的な対策を提示しあいつつ、地についた審議を深めることが議会政治の重要な任務ではあるまいか。日韓大陸だな協定を、その意味で建設的討議のマナイタにのせてもらいたいのである。」このように訴えております。
 私も全く同感と存ずる次第でありますが、二国間ですでに署名を終えた協定をいつまでも放置しておくことは国際信義上大きな問題ではないか、かように考える次第でありまして、外務省当局の御見解をまず伺っておきたいと思います。
○奥田政府委員 先生の御指摘は私たちの最も心配しているところでありますし、ただいまの御意見に全く同感でございます。
 この協定案がすでに四年越しのものであり、こういった形のことはわが国にとって前例のないことであるばかりでなく、世界においてもまれだと聞いております。こういった形で、お互いの国際信義を傷つけるばかりでなく、外交関係の摩擦を増幅したり、あるいは今日私たちが当面しております新しいエネルギー資源開発の可能性の放棄につながるようなことがあれば、まことにゆゆしい事態だと思います。確かに、新しい海洋秩序を目指す動きが高まっていることも事実でありますけれども、私たちは、本協定の審議を通じましてぜひともお願いいたしたいのは、こういったわが国の将来のエネルギー政策、そしてまた、わが国の主権をめぐる国益の問題等々に関しまして、本委員会で真摯濶達な論議を交わしていただけることを望んでおるわけでございます。
 もちろん、政府といたしましては、この協定が国際海洋秩序の動き、そういった先の見通しも踏まえまして、わが国の国益に合致する協定であるということで審議をお願い申し上げておるわけであります。資源小国のわが国が、パワーに頼らないで、そして一億一千万の民族の平和と安全を求めて生きる道を模索していく点において、いま先生が御指摘になった国際信義遵守という姿勢は、わが国の基本姿勢であり、外交の基本でなければならない。
 こういうことを踏まえて考えますときに、こういった疑問符が打たれるようなおそれのある形で審議がいたずらに放置されておるということは、私にとってはまことに遺憾でございます。どうかその点を踏まえて、政府が御承認を願っている本協定の審議を一日も速やかに充実した形で進めていただきたい、このことを切にお願い申し上げます。
○山崎(拓)委員 本論に入ります。
 石油危機以来、国際的にエネルギー消費の節約、代替エネルギーの開発が急がれておりますが、これらを見込んだ上でも、なお一九八五年には世界の総エネルギー需要は石油換算九十から九十五億トンに達し、そのうち約四五%に当たる四十から四十二億トンは石油に依存せざるを得ないと言われておりますが、石油の確認埋蔵量、生産量との現状にかんがみまして、エネルギーの長期需給計画に占める石油の安定供給確保について、どうしても新規埋蔵量の発見が急務であると思考いたしますが、いかがでございますか。通産省の御見解をまず伺います。
○古田政府委員 現在、わが国の長期エネルギー政策は、昭和五十年に行われました総合エネルギー調査会の長期エネルギー需給計画に基づいて立てられているわけでございます。
 この長期エネルギー需給計画によりますと、昭和六十年度に、昭和四十八年度の実績で七七・四%を占めておりました石油に対します依存度を六三・三%まで減少させたい、これが第一の柱になっております。
 第二の柱としまして、国産及び準国産エネルギーの開発ということで、国内におきます水力、地熱あるいは国内の石油、天然ガスの開発促進、国内の石炭、さらに準国産エネルギーとしましての原子力開発といったふうなものを促進するということが第二の柱となっているわけでございます。
 第三の柱としましては省エネルギーの促進、第四としましては新エネルギー源の開発ということになるわけでございますが、こういうふうな方向で努力したとしましても、昭和六十年度におきましては、先ほど言いましたように輸入石油に対します依存度がなお六三・三%、数量で言いますと四億八千五百万キロリットルというふうな数字になっておるわけでございます。
 これに対しまして、世界的な石油需給の見通しにつきましては、従来、世界的に発見されました石油の埋蔵量が約一兆バレル、このうち三千四百億バレルがすでに使用されている。現在確認埋蔵量として残っておりますのが六千六百億バレル、現在の世界的な消費水準でいきますと三十年ちょっと分しかないというふうな計算になっております。
 今後の探鉱努力は世界的な規模で大いに進められる必要があるわけでございますが、資源的な限界というふうなことも考えますと、現在各機関あるいは国際的な見通し等からいきますと、一九八〇年代の後半ないし一九九〇年代の初めには、石油需給につきましては世界的に見てかなり窮屈な姿になるのではないかというふうな見方が一般的になっているわけでございます。このような情勢を踏まえまして、かつ、ただいま申し上げましたわが国におきます長期エネルギー需給計画の達成のために、私どもとしましては、従来から石油の安定供給の確保のために各種の施策を講じてきたわけでございます。
 その第一の柱は、何といいましても石油の自主開発の促進でございます。これは昭和四十二年度に発足いたしました石油開発公団の機能の拡充強化を通じて、従来から海外石油開発の促進、わが国近海大陸だな石油開発の促進を図ってきたわけでございます。この結果、昨年におきましてわが国に持ち込まれました自主開発原油の総量は約二千六百万キロリットル、全輸入量の九・五%を占めております。これは昭和四十二年度に打ち立てられました自主開発原油三割目標に比べますとまだ不十分ではございますが、数量的にはかなり増大してきた実績になっております。
 二番目の、安定供給確保策としましては、わが国の輸入供給先の多角化ということでございます。先生御存じのとおり、全体の八割が中東地域に集中しておりまして、地域的にも非常に偏ったこの姿をできるだけ分散化していきたいということが一つの努力目標でございますし、それから供給ルートとして見ましても、直接間接合わせますと約七〇%程度がいわゆるメジャーの手を通じて日本に入っているという形になっておりまして、このような供給ルートにつきましても、できるだけ産油国との直接取引の促進といった形で多様化を図っていきたいということを、従来から進めてきたわけでございます。
 それから第三が石油供給体制の整備、これは国内の石油製品の計画的な供給とか、あるいは製品価格の是正、わが国石油産業の構造改善等々が内容となっております。
 それから第四としまして、緊急時の石油の供給確保策ということで、これは一つの大きな柱が石油備蓄の増強でございます。すでに西欧諸国におきましては九十日備蓄は数年前から達成されているわけでございますが、現在私どもとしましては、昭和四十五年度末に九十日備蓄を達成するということを計画として掲げて、そのための諸施策を講じているところでございます。
 それから第五番目としましては、多面的な国際協力の推進ということで、IEAあるいはCIECという国際的な会議の場、さらには産油国との直接的な話し合いの促進、経済協力の促進といった形で、石油の安定的な供給の確保のための環境といいますか、基盤といいますか、そういうものを形づくっていきたいというふうな努力をしていきたいというところでございます。
○山崎(拓)委員 ただいまお話がありました第一点、自主開発原油の確保の必要性についてでありますが、わが国は世界の石油の一割を消費するという大消費国でありまして、その意味におきまして世界の石油供給力増加に寄与する義務があると思います。したがって、国の内外を問わず新規埋蔵量発見のために石油開発への積極的参加が望まれるわけでありますが、石油開発は本来きわめてリスクが大きくリードタイムが長いので、莫大な資金の継続的投資を必要といたします。よく対比される例でありますが、わが国の石油開発公団と西ドイツのDEMINEXの融資条件の差等に見られますように、わが国のこれに対する取り組みがやや消極的に過ぎるのではないかと感ずるのでありますが、いかがでございますか。
○古田政府委員 わが国の場合は、石油開発の促進のために石油開発公団を昭和四十二年の十月以来発足し活動させておりますが、これに対しまして西ドイツにおきましては、一九六九年七月に民族系八社を糾合いたしましてDEMINEXを設立し、それが海外におきます石油開発、探鉱活動の中核体ということで進められているわけでございます。このDEMINEXに対しまして、西ドイツにおきましても財政資金による助成を大幅に行っているという形になっております。
 融資比率あるいはその他条件等につきまして対比してみますと、全体的にわが国におきます石油開発公団の助成策よりもDEMINEXに対しましての助成措置の方が厚い形になっております。たとえば石油開発公団を通じました場合に、探鉱活動に対します融資比率は原則五〇%、例外的に七〇%という規定になっておりますけれども、DEMINEXは全体として七五%ということになっております。四分の三は財政資金によって助成するという姿でございます。
 それから金利をとってみましても、石油開発公団の場合は原則として六・七五%以上、特例として五%以上という形でございますが、DEMINEXの場合は全体として五%という形でございます。
 さらに金利をかける期間でございます。石油開発公団の場合、貸し付けをしましたらすぐそこから計算をするということでございますが、DEMINEXの場合には探鉱期間は金利を取らないという形になっておりまして、油田を発見しまして二年たちましてから五%の金利をかけるという姿になっております。
 元利の返済につきましても、同様に油田発見後満二年たちましてから始めるという形で、貸し付けましてから直ちに計算を始め、かつ元本につきまして八年据え置き後十年返済という形をはっきり決めております石油開発公団に比べますと、有利な姿になっております。
 それから失敗した場合につきまして、石油開発公団の場合は、八年以内に成功しないときは、企業の財務状況や資金繰りを勘案して元本につき一部または全部の免除をすることができるというふうな規定になっておりますが、DEMINEXにつきましては、地域単位に成否を判定して、油田が発見されなかった場合は返済が免除される、さらに発見された場合でも、企業経営状態とか生産継続上必要と認められるときは五〇%までを補助金に切りかえるという規定になっております。
 これがいわゆる企業別成功払いかプロジェクト別成功払いかという規定の差でございまして、以上見ましたように、全体としまして西ドイツにおきます財政資金による助成措置の方が厚い姿になっていると言えると思います。
○山崎(拓)委員 石炭依存度の高い西ドイツに比べますと、日本のエネルギーに対するポジションはさらに悪いわけでありまして、自主開発原油の開発につきましてはもっと積極的に取り組む必要がある、かように考えます。その観点からいきますと、石油開発公団の融資条件につきまして再検討する必要があるのではないかと思いますので、御検討をお願いしておきます。
 昭和五十年八月十五日に出されました総合エネルギー調査会の中間答申によりますと、「石油政策」の中でこのように述べております。「我が国は石油のほぼ全量を輸入に依存し、しかもその大半をメジャーから供給されているが、今後は、石油開発や供給ルートの多様化により、我が国独自の供給確保を図るべきである。」としておりまして、石油開発の重要性を指摘するとともに、特に大陸だな開発につきましては、「我が国周辺の大陸棚は、最も安定した石油の供給源であり、かつ、低硫黄原油の賦存も期待しうること等から、石油資源に恵まれない我が国としては、周辺の大陸棚開発について法制度の整備、大幅な資金投入、深部掘削技術の開発等を含め抜本的な対策を講ずるとともに漁業との円滑な調整に努め、その開発を進める必要がある。」と述べております。このような調査会の中間答申もありますが、東シナ海大陸だなの石油資源賦存の可能性は、エカフェ等の調査によりましてこれが明らかにされつつあるわけでございます。この点につきまして通産省の見解を改めて伺っておきたいと思います。
○古田政府委員 日韓の大陸だな共同開発区域は、エカフェの調査、これは一九六八年に行われておりますが、その調査によりまして石油の賦存の可能性が非常に高いとされました東シナ海大陸だなの北部に当たっているわけでございます。この東シナ海大陸だな区域につきましては、堆積物が石油賦存の可能性が最も大きいとされます新第三紀層に属しておりまして、堆積物の厚さも非常に厚いということが同調査の結果判明しております。同調査は、さらに詳細な地震探鉱、試掘が必要であるということを指摘しながらも、この区域の浅海底――浅い海底でございますが、将来一つの世界的な産油地域になるだろうというふうに述べておるわけでございます。中東地域が現在世界最大の産油地帯であることは御存じのとおりでございますが、そのほかにはアラスカとか北海とかあるいはアフリカの西海岸といったようなところで逐次大規模油田地帯が発見されておりますが、残された地帯の中ではこの東シナ海の一帯が最も有望な地域の一つであるということは、最近の地質学的な分析の結果からもつとに指摘されているようでございます。
 なお、このエカフェの調査の後に一部民間企業で行われました地震探鉱等の結果を見ましても、堆積盆地の厚さが東シナ海地域では全体として非常に厚い。一部地域では六千メートルにも及ぶというふうなことが言われておりまして、非常に石油類の賦存の可能性が高い地域であるということは結論的に言えるのではないかというふうに思います。ただ、最終的にどの程度の量があるかということは、これは石油探鉱の特殊性からしまして、その埋蔵量を数量的に言いますためには、実際の試掘を行って油田を発見してからでないとわからないという性格もございますので、正確な数量は言えませんけれども、一部の研究機関等で研究した結果によりますと、最もかた目に見積もりまして、わが国周辺大陸だなで十二億キロリッター以上の埋蔵量が予想され、かつそのうちの六割以上、約七億キロリッター以上のものがこの東シナ海の大陸だなの一帯で発見する可能性がある。これは最もかた目のケースでございまして、場合によりますと数十億トンの可能性もあるというふうな指摘も行われているようでございます。
○山崎(拓)委員 わが国周辺の大陸だなにおける石油の賦存量についてお話があったわけでございますが、政府の総合エネルギー調査会が出しました長期エネルギー需要計画を見ますと、国産エネルギー中、国内石油、天然ガスが昭和六十年度におきまして千四百万キロリットル、こういうことになっているわけでございます。その他たとえば総合研究開発機構の予測によりますと五百四十万キロリットル、あるいは日本エネルギー経済研究所の予測によりますと昭和六十年度におきまして八百二十万キロリットル、同じ年度をとりましても相当な数字の差がございます。また二〇〇〇年を見ましても、国産の石油、ガスにつきまして、長期エネルギービジョン研究会は千三百万キロリットル、総合研究開発機構は千四百万キロリットル。このような数字は、政府が昭和六十年度と、いわゆる二〇〇〇年、昭和七十五年ということになりますが、に同じような数値を予測しておるということでございまして、非常に各機関によって見通しに大きな幅がございますが、この点について通産当局はどのように考えるか、見解を教えていただきたいと思います。
○古田政府委員 先ほど御説明いたしましたように、これから新たに探鉱する地域につきましての発見埋蔵量の予想、あるいはそれをベースにしましての生産量の予想というのは非常にむずかしい性格の問題でございまして、数量的な見通しにつきましても、相当程度の仮定といいますか前提を置いた計算にならざるを得ないかと思います。ただいま御説明いただきました総合エネルギー調査会の答申の中では昭和六十年度が千四百万キロリッターでございますが、他の諸機関では五百四十万キロリッターとか、八百二十万キロリッターというふうにやや低目の数字になっておりますが、そちらの方の計算の仕方につきましてはちょっと承知しておりませんので、エネルギー調査会の方の積算につきまして御紹介いたしますと、この積算根拠としましては、陸上については一応現状維持、新しい大油田ないし新産油地帯の発見はむずかしいということで現状維持としまして、大陸だなにつきましては、地域ごとに各年度の試掘本数を定めまして、一応これは仮定としておきまして、それに一定の成功率、それから一つのガス田、油田あたりの埋蔵量、生産量等を想定して計算したという形になっております。六十年度に千四百万キロリッターを達成するためには全体として試掘本数として約八十坑掘るというふうな計算になっております。
 ちなみに、この八十坑掘るという計画を金額ベースで直してみますと、探鉱費で毎年大体二百億円程底をつぎ込んでいく必要があるというふうな計算になっております。なお試掘の成功率は一八%程度ということで、これは現在の世界的な成功率あるいは石油開発公団における経験値といったふうなものを前提とした計算のようでございます。
○山崎(拓)委員 それではお伺いしますけれども、昭和六十年度の千四百万キロリットルという数値の中には、この日韓共同開発区域で開発されると想定される油が入っているのかどうかということが第一点。
 それから、当該共同開発区域における開発可能量につきましては先ほど七億キロリットルと承ったように聞きましたが、そのとおりであるかどうか。その二点についてまずお伺いします。
○古田政府委員 昭和六十年度千四百万キロリッターという計算になっておりますが、これにつきましては、試算上はこの共同開発地域からの生産量は入っていないようでございます。と申しますのは、大陸だなの探鉱活動から生産に至りますまでのリードタイムといいますか期間は、非常に長うございまして、北海におきましても大体十年程度、それからわが国におきます新潟沖のケースを見ましても十年かかっておりまして、どうしても十年程度はかかるということで、六十年度の計画数値の中に織り込んでいないという形のようでございます。
 それから第二番目の御質問につきましては、先ほど言いましたように、一部の研究機関で最もかた目の計算をした場合に、最低七億キロリッター程度というふうな試算があるということでございます。
○山崎(拓)委員 いま国産の石炭は二千万トン、これは横ばいで掘っていくわけでありますが、これを石油にカロリー換算いたしますと千四、五百万トン分に相当すると思いますが、いかがですか。その点ちょっと確認しておきますが……。
○古田政府委員 カロリー換算しますと、大体その程度になろうかと思います。
○山崎(拓)委員 そこで、石炭を二千万トン掘っていくというのは、いわば日本のエネルギーの安全保障という観点からどうしても維持されなければならぬ、こういう議論がございます。ところが、国内石炭の二千万トンを掘り続けていったといたしましても、その占めるエネルギー需給の中における地位は年々低下していくわけです。現在は四%弱の構成比になっておりますけれども、昭和六十五年度二千万トンといたしますと、総合エネルギー調査会の試算では一次エネルギーの石油換算合計が七億六千万キロリットルでありますから、そのウエートは一・九%に低下いたします。そういうことで、当然他のエネルギーの安全保障措置というものが必要になるわけでございますが、その一つが石油の備蓄ということにもなると思います。
 そこで、ただいまお話がありましたように七億キロリットル開発可能量が存在するということでございますので、仮にその半分といたしましても
 三億五千万キロリットルということになりまして、国内石炭の二十五年分は存在する、こういうことに試算上なるわけです。そういうことになりますと、日韓共同開発区域を開発することによりまして、現在の石炭の出炭全量と匹敵するような安全保障体制がとれる、そのような希望を持てるという、私の勝手な計算になるのでありますけれども、そう思うのですが、いかがですか。
○古田政府委員 先生御説明いただきましたように昭和六十年度の国内石炭の生産量は、長期エネルギー需給計画表に基づきますと二千万トンということになっております。これは千四、五百万キロリットルの原油に換算されるということでございますが、もし先ほどの計算によりまして三億から四億キロリットル程度の埋蔵量が発見されるということになりますと、大体一つの油田は十五年ないし二十年程度の期間にわたって生産されますから、その場合の年産量は約千五百万キロリットルから二千万キロリットルということになるわけでございまして、国内に対しましての安定供給源の確保という観点からいたしますと、先生御指摘のとおりの考え方になるのではないかと思います。
○山崎(拓)委員 ただいま申し上げましたように資源に恵まれない日本としては、緊急事態に備えて石油の安定供給を確保するために石油備蓄の抜本的増強を図ることが不可欠であります。いま政府が進めている九十日分の石油備蓄でございますが、五カ年計画で昭和五十四年度末までにナショナルプロジェクトとして達成することを目標としております。このスケジュールによりますと、今後の石油需要の伸びいかんによって左右されますが、五カ年間で原油二千六百万キロリットルの積み増し、合計六千七百万キロリットルくらいになろうかと思います。このために要するタンクは十万キロリットル換算で三百三十基、必要な土地面積は四百九十万坪である、このように聞いておりますが、これを金額に換算すると莫大な資金が必要になると思うのですが、どのくらいになりますか。
 それからさらに、九十日備蓄を維持してまいるということになりますと、さらにこの石油需要の増加が年々ございますので、たとえば昭和六十年度までにさらに一層の追加投資を必要とすると考えられますが、それを金額に換算するとどのぐらいになるか、二点についてお伺いいたします。
○古田政府委員 五十四年度九十日備蓄の達成のためには、五十年度から五十四年度の間に、ただいま御指摘いただきましたように十万キロリットルのタンクを三百三十つくり、土地手当てが四百九十万坪要るという計算になります。これの総額は、中にためておきます原油代も入れまして約一兆五千億円でございます。それから五十二年度から、つまり今年度から五十四年度まで三年間にこれを引き直して考えますと、二千三百万キロリットルの原油タンクを建てる必要があるということで、同様に必要な金額が一兆六百億円というふうな計算になっております。
 これだけの資金を投入いたしまして五十四年度末に九十日備蓄が達成されるわけでございますけれども、なおこの後九十日の体制を維持するためにも、その後のわが国におきます石油の消費量の伸びとの関係がございますが、大体年間四百ないし五百万キロリットル程度のタンクの建設を進めていく必要がある。その九十日を維持するだけでもそれだけの必要が出てくるということでございまして、これの金額につきましては、現在手元に数字がございませんが、約千五百億から二千億円程度かかるんじゃないかというふうに考えております。
○山崎(拓)委員 昭和六十年度までに、九十日備蓄を半ばにして達し、維持していくためには、ただいまの話を合算しますと二兆五千億以上の金が要るということになります。このように石油備蓄量の増大のために巨額の費用を費やしてこれから真剣な努力を払ってまいるわが国にとりまして、海底油田の開発は備蓄という観点からもきわめて重要かつ画期的な意義を有しておる、このように考えますが、いかがでございますか。
 また、参考までにお伺いをいたしますが、この共同開発区域の海底油田開発のコストは、これは大変試算が困難であると思いますけれども、一例で結構でございますから、どのくらいになると試算し得るか、お伺いしたいと思います。阿賀沖油田の例もございますので、その例も参考としていただきまして数字を出してもらいたいと思います。
○古田政府委員 国内におきます地下資源の開発が備蓄効果を持つということは全く先生のおっしゃるとおりではないかと思います。そういう観点から、現在、わが国のみならず他の諸国におきましても石油の探鉱活動の促進が種々議論されておるところではないかと思います。
 それから第二の資金の問題でございますが、阿賀沖のケース、これはわが国の新潟で成功した事例でございますけれども、このケースを見ますと、全体としまして、探鉱及び開発両方含めまして約三百億円弱というふうに聞いておりますが、これは数年前の事例でございまして、現在の時点で考えますと、この阿賀沖と同じ規模、つまり千万キロリッターの埋蔵量の油田を発見し、かつ生産体制にまで持っていくための費用は大体三億ドル、約一千億円程度というふうな金額がかかるというふうに見込まれております。
 それからなお他の事例で見ますと、これはわが国の自主開発原油の地点についての例から試算してみたのでございますが、この場合は、一千万キロリッター年産の数量をふやすためにどの程度の金がかかったかということでございますが、約六億ドルかかっているというふうなケースがございます。
○山崎(拓)委員 ただいまのお話によりますと、一千万キロリットル出しますのに約一千億から二千億という概算の数字が出ておるわけでありますが、そのような数字をとりましても、これは備蓄に要する費用と比べますと必ずしも高いということは言えない、むしろ非常に安いという感じを私は持つわけでございますので、そういった観点からいたしましても、私は、この日韓共同開発区域における石油開発が成功するということになりますと非常に意義は大きい、こういう印象を持つものであります。
 もう一点伺っておきたいのです。それは石油開発技術の問題でありますが、現在のわが国の石油開発に従事する技術者は、石油開発公団の技術者を含めまして、その大多数が帝石、石油資源開発、アラビア石油三社の出身者によって占められている、こういうように伺っております。しかしながら、これら三社の技術者供給能力はすでに限界に達しておる、こういう指摘を伺っておりますが、内外におきます石油開発技術に対する需要にかんがみまして、政府の積極的な石油開発技術の振興助成措置が必要であると思考いたしますが、いかがでございますか。
○古田政府委員 わが国の石油開発技術者の現状を見ますと、全体として八百名強ということで、必ずしも量的にも十分ではございませんが、ただ技術水準としましては、従来から石油開発公団の機能を中心としまして各方面での経験を積みまして、ほぼ世界的なレベルに達しておるというふうに考えてもいいんではないかというふうに思います。ただ、今後のわが国の石油探鉱開発の促進のためには、海外からの技術導入を含みます開発技術の研さん、蓄積、それから必要な技術者の養成のための努力というものが非常に必要になってくることは御指摘のとおりでございまして、このような観点から数年前に石油開発公団に石油開発技術センターが設立されたわけでございます。現在、この石油開発技術センターの活動を通じまして技術者の養成を積極的に図っておりますが、特に技術者の海外留学制度を最近発足させまして、その目的を達成するように努力している現状でございます。
○山崎(拓)委員 終わりに当たりまして外務省に一、二伺っておきたいのですが、けさの質疑におきましての十二海里領海問題は、政府の方針を了といたしますが、さらにわが国は近く二百海里の漁業水域を設定する方針を固めているわけですね。さらにそのことは経済水域の設定につながってくる時代が来るはずでございます。その際、海底もわが国に帰属することになりまして、現時点で本件協定を締結することが将来禍根を残すことになるのではないか、こういう議論があるわけですが、この点について外務省の見解を伺っておきたいと思います。
○奥田政府委員 御指摘の点については、もっとわかりやすい言葉で言いますと、確かに今度の開発地域は、二百海里経済水域設定によって、空から見ると全くそれは日本寄りじゃないか、それは将来のわが国の国益を大変損することになるのじゃないかという点がポイントだろうと思います。確かにそういった面から見ますと、空から見ると今度の開発地域は日本にとっては不利に見えます。しかし一方、海底から見るとこれは韓国にとっては非常に不利だという論議が成り立つわけでございます。つまり、この大陸だな権益をめぐっての論議の中で、明確な物差しが今日のところまだないということは事実でございます。ただ、大陸だなに対しての概念というものは、自然延長論も含めて大勢を占めてきておるわけでございますけれども、すでに国際法上概念として定着しておりますけれども、経済水域の問題というのは、これは水面上の漁業資源の権益拡大というか、管轄権をめぐって最近クローズアップされてきたわけでございますが、国際法上の制度としてはまだ生まれたての概念であるということでございます。したがって、今度の開発地域をめぐりまして、結局相手国との間でともかく話し合いによって権益を調整しなければいかぬということは御理解のとおりでございます。わが国は中間線論という形で権益を主張しておりますし、韓国は大陸だなの自然延長論でもってこれを主張してきた、紛争してきたわけでございますけれども、結局は両国の公平の原則というか、そういった立場に立って、今度の場合にこういった共同開発という新しい方式を生み出してきたわけでございます。
 いずれにしても先ほど申しましたように、経済水域という概念設定というものはまだ国際法上必ずしも決まった立場をとっておらないわけですし、大陸だな概念の権益というものと、二つが一人歩きしているという形で、将来ともこれはわが国にとっては不利である、将来経済水域というものをやった場合に非常に不利な立場になるという形にはなってこないと私たちは思っております。つまり、本件協定の対象たる海底の資源開発については、あくまでもこういったむずかしい問題点をはらんでおるわけですから、どういう場合でも韓国との間の話し合いによって、お互いに公平の原則を尊重しながら、お互いの主権の法的立場とか主張の立場を一時たな上げしてでも、やはり話し合いで解決しなければいかぬというむずかしい問題点が含まれておるわけでございます。そういう点において、漁業権と違って経済水域の問題はまだ確たる方向をたどらないという事実も踏まえて、これから先の海洋法の新しい秩序の問題も踏まえて、私たちは今度の開発方式というものはまさに両国間で先駆的な、世界でも新しい方式として自信を持って御承認をお願いいたしておるわけでございます。
○山崎(拓)委員 最後にもう一点だけ伺っておきますが、本協定に対する国会承認が大幅に遅延しておりますけれども、すでに国会承認を終えている韓国側が業を煮やして、日本側が協定の効力発生を不当に遅延させているということで一方的開発に乗り出した場合、そういうことがあり得るのかどうかわかりませんが、わが国の国益が損なわれる可能性があるわけでありますが、その点について最後に伺いまして質問を終わります。
○奥田政府委員 確かにわが国がいつまでも本協定を放置しておくということになりますと、韓国側としては大陸だなの自然延長という立場をとって権益を主張してまいります。そして単独開発という形に踏み切るおそれありやということになりますと、やはりおそれがあると私たちは思います。そうした場合には政府としては、わが国のそういった立場を乗り越えて、そういうように単独でやられるということは大変困りますから、もちろん韓国側とは折衝しなければいけませんけれども、いずれにしても、向こうは向こうとしての正当な権益主張の立場で単独開発に踏み切った場合、これはもう両国間における大変な紛争の種となり大変な事態になるということは、私たちは一番恐れるところでございます。と同時に、条約法条約十八条に、国は、条約の効力発生が不当に遅延しない限りにおいて、条約の効力発生までの間、条約の対象と目的を阻害するような行為は慎まねばならないと規定されておりますけれども、わが国がいつまでも本条約に関する意思を明確にしないままに放置しておくということは、韓国側として不当な遅延と判断することも十分考えられるわけであります。このようなことになった場合に、日韓関係全般に好ましい影響があろうはずはございません。事態も紛糾することは目に見えております。そういう意味からも私たちは、現実問題としてそういうことがないように全力を尽くして外交的措置は講じますけれども、いま先生御指摘のように、いつまでも放置しておく形において韓国側が自分たちの権益主張に基づき開発に乗り出す、そういうことがないように一日も早く御審議を賜りたいと思うわけでございます。
○山崎(拓)委員 終わります。
○竹内委員長 次に、林義郎君。
○林(義)委員 大臣がお見えになりませんから、大臣に対する御質問をちょっと後にいたしまして少し話を進めさしていただきます。余り時間がないようでございますから、きょう全部できるかどうかわかりませんけれども、できるだけ簡単に問題点だけ出しまして御質問申し上げます。政府の方もひとつできるだけ簡単に要領よく御答弁のほどをお願いしておきます。
 この大陸棚協定、大変長く国会にかかっております。もう早く上げなければならないということは確かであると思いますが、いろいろな議論が私はあると思うのです。一つの議論といたしまして、わが方の国会承認がこれ以上遅延する場合には、韓国の日本政府に対する不信感が高まり、わが国の対韓、対北朝鮮政策に支障を生ずる、わが国が署名した二国間条約でその後国会の承認が得られないまま数国会経た先例はない、だから早くやれ、こういうふうな話であります。これも一つの理屈ですが、条約は国会で批准するということになっております。国会がどういうふうな意思決定をするかというのは行政府とはおのずから別でありますから、行政府の議論としてはわかるのですけれども、国会の議論では少なくともあり得ないのではないかという有力な反論があると思うのです。この辺を外務当局はどういうふうにお考えになりますか。
○奥田政府委員 それなるがゆえにただいたずらに、四年越しの協定案件でございますし、国会で審議が徹底して行われないままに放置されておるということは、両国間における重要な信義にもとるのではないか、そういった点について、皆さん先生方の審議協力を一日も早くお願いいたしておるわけでございます。もちろん立法府の段階において慎重にこの協定案件の内容について御審議されるということは当然でございます。
○林(義)委員 きょうはごらんのとおり社会党、公明党、共産党諸君は欠席のままでやっておるわけであります。私もよくつまびらかにしませんけれども、どうも欠席の理由というのがよくわからないのでありまして、やはり審議を十分に尽くすというのがわれわれ国会議員の職務だろうと思うのです。それをやらないでどうだこうだという話はおかしいのだろうと思うのであります。今度の大陸棚協定で一部の地域が十二海里に触れるから、それを修正しなければおかしいとかいうような話がありますが、これは内容の問題でありますから、そういった点を十分にこれから審議をしてやるということが私はたてまえだろうと思うのです。それにもかかわらず、それを変えないからおかしいんだと言うのは、少なくとも審議権を放棄したものだと私は考えるのでありますが――大臣が来られましたから、最初にちょっとお尋ねをしておきたいのです。
 二百海里問題もございますが、この条約も関係ありますが、実はけさの新聞を見ますと、日ソの問題がトップを飾っておるわけであります。外務委員会でございますから、大臣、ぜひお尋ねをしておきたいのです。この新聞を見ますと、私たち非常にわからないのです。大きな新聞をここに皆持ってきましたけれども、朝日新聞は「領土タナ上げ微妙」という表題であります。毎日新聞は「領土問題には触れず」と書いてある。読売新聞は「北方領土線引き譲歩?」、日本経済新聞は「北方領土に触れず」こうなっておる。一体どれが正しいのか。
 また、もうそろそろいまの時間、園田特使はお帰りのころでございましょうから、当然どういうふうな話があったのかというのは外務省当局は知っておられるはずだと思いますが、お知りの範囲内におきまして、外務大臣からどういうふうな話になっているのかお漏らしをいただけたらと思います。
○鳩山国務大臣 けさの新聞で、私も見出しを見てびっくりしたわけでございます。
 昨日の十時半、モスクワ時間の十時半でございますが、それから二時間四十分にわたりましてクレムリンで園田・コスイギン会談が行われたわけでございます。それが、日本時間にいたしまして八時十五分ころから記者会見が行われるという予定でございました。私は、週に一遍新聞記者諸君と少し長時間にわたって懇談する、ちょうどきのうがその時間であった。たまたま園田特使との会見が終わったくらいの時間から始まったものですから、いろいろな質問が飛び出して、私どもはその段階でどういう応答が行われたか、モスクワにおける記者会見がどういう記者会見だったかということはまだわからない段階でこちらは懇談をしていたわけであります。私としては、日本政府の方針といたしまして、領土問題と漁業問題は、これは別個の問題として解決するんだ。領土問題が絡んできますと、この際、これは先方としての態度もあるし、片がつかない。したがいまして、領土問題については、これはもう外務省、私の責任問題でありますから、そういったことを話しておったわけであります。
 それから線引き問題につきまして、これは鈴木・イシコフ会談に期待をかけておるということを申しておったわけで、漁業問題といたしましては、特にこの北方四島をめぐります漁業問題というのは漁業問題自体としても大変な問題である、そこには水揚げ量として三十万トンくらいの水揚げがあり、しかも漁業者は千軒程度のものがあるというので、根室地域の漁業者にとりましては、北方四島周辺の線引きの中におきまして、従来は公海としてそこで漁業を営んでいたものでありますから漁業者自身として大変な問題なんだという、そういうバックグラウンドのいろいろ説明をしておったのでございます。
 それがどういうわけでけさあのようなことになったのか。恐らくその後、モスクワにおきます記者会見の結果が新聞社に入っているに違いないのでありますが、その記者会見の模様は、私どもの方に来ておる情報によりましても、そのようなことは一つも出ていない。領土問題には触れないで会見を終わっておるわけでございます。
 そういうことでありますが、いろいろ思いをめぐらして、いろいろなことを推理をして、新聞社によってどっちにかけるというような――認められるか認められないか、鈴木・イシコフ会談がもう近々行われるような時間にいまなってきたと思いますけれども、その結果を待たなければこれはわからないところである、その交渉の前にあのような新聞が出るということは交渉の立場を大変不利にするというので、けさは直ちにモスクワにも連絡をして、あの記事は全く根拠のないものである、そういうことをモスクワにもよく徹底をするように、また北海道の関係者でも相当動揺をしておるということもありますので、すぐその真意のほどを連絡して、あのようなことは全く事実に反するということを連絡しているところでございます。
 なおまた、お尋ねによりましてお答え申し上げます。
○林(義)委員 もう少ししたら交渉も始まるというタイミングのときでありますから、私は余り交渉の内容にいまここでどうだこうだということで外務大臣からの御答弁をいただくつもりは毫もありません。ありませんが、やはり四島の問題というのは単に漁業だけではない、国民的な悲願の問題でありますから、その辺は十分に踏まえてやっていただくことを切に要望して、日韓大陸だなの方に入ります。
 いま申し上げましたとおり、国会で十分に審議を尽くさなければならないということは当然のことである。非常に残念な話でありますけれども野党の諸君がおりませんから、私が考えられるところで、いろいろな角度からの問題があると思うのです。そういった点をずっと洗ってみたいと思うのです。特にきょうはエネルギー問題につきまして中心に話を進めてみたいと思います。
 けさほど渡辺先生からエカフェの調査の話がありました。エカフェの調査で、日韓の大陸だな共同開発の地域は有望なものだということが出ておりますが、これは朝日ジャーナルという雑誌でありますけれども、そこで言っていますのは、いや、大陸だなの南部の地域よりは、さらに尖閣列島の付近の方がより有望である、こんなことが出ておるわけであります。一体そういったような情報があるのかどうか、事務当局からで結構ですから、御答弁ください。
○古田政府委員 エカフェの調査によりますと、東シナ海の南部の方が、堆積層の厚さで見ますと北部に比べて厚いというふうなことになっているようでございます。ただ、堆積層の厚さだけで石油埋蔵の可能性がそのまま判断できるというものでは決してありません。他の各種のデータを見て種々判断を加えていくということでございますが、他のデータによりますと、南も北も同等の可能性だというふうな説もあるわけでございます。これは技術者によりまして非常に意見が分かれているようでございます。最終的には掘ってみなければわからないということになるのでございますが、断定的にどちらがどうだということは決して現時点では言えないのではないかというふうな感じがいたします。さらに詳細な地質学的な調査等行う必要があるわけでございます。
 ただ、最近、これは御参考まででございますが、台湾の近くで試掘が四本行われております。いずれもアメリカ系のメジャーによって行われたわけでございますが、一九七四年に一本、一九七五年に三本、井戸が掘られまして、いずれも空井戸であった、油が出なかったというふうな情報も入っております。
○林(義)委員 まあ油を掘るのは大変むずかしい仕事であります。これはだれが見てもわかるとおりですが、一体エカフェの調査その他というのは、地質学的な調査だけで判断をしておるのですか、それとも別の調査――電波といいますか、ずっと飛行機を飛ばしまして、電波を出しましてそして調査するという方法か、どんな調査をやったのですか。
○古田政府委員 石油の探鉱開発は、最初に地表の目による調査から始まりまして、地震探鉱、それから最終的には試掘というふうに進むわけでございますが、エカフェが行いました調査は空中磁気探査、つまり地磁気の変化がどういうふうに起きているかということを調べます調査が一つと、それからもう一つは、船を走らせまして、スパーカー調査というのがございますが、このスパーカー調査というのが行われておりますが、この二つの方式で行っておるようでございます。なお、このスパーカーによります調査は、地下の地震探鉱の一つのやり方でございますが、必ずしも非常に精緻な結果が出るというわけではないようでございます。
○林(義)委員 恐らくこれ以上に、採鉱権を持つ前にやる調査というのが何かあるのではないか、こう思うのですが、その辺はどうでしょう。何か日本国政府なり韓国政府共同して一般的な調査をやるというようなことは考えられて――これはやれとかと言うのじゃないのですよ。探鉱する段階として何か考えられるものがあるのかどうかということです。
○箕輪説明員 先生御指摘のとおり、石油の賦存状況をしさいに知りますためには、詳細な物理探鉱及び試掘が行われなければならないわけでございますが、現在まで日本政府といたしまして、当該共同開発地域につきまして物理的な探査をやったことはございません。
 ただ、なぜしないかということになるわけでございますが、御参考までに申し上げておきますけれども、これまで日本の近海の大陸だなにおきまして物理探査が行われましたのは、大体昭和三十二年ごろからでございます。四十年代に入りましてさらに活発になってきたというのが実態でございますけれども、四十五年から通産省におきましては、基礎調査と称しまして日本の大陸だなの調査を行っております。これは国が費用を持ちまして、しかるべき技術を持っておるところに委託をして、基礎調査、物理探鉱を主体にする、そのほかに空中磁気探査もあわせて行うという調査をやっております。
 ただ、これは現在でもまだ日本の近海の大陸だなすべてにおいて完了しておるわけではございませんし、将来広がりますEZのときを考えまして、将来広げようというふうに考えておりますが、この東シナ海及び共同開発区域につきましては、四十年代の初めからいわゆる係争地点であったわけでございますので、むしろ意識的にその調査を抑えておった、避けておったというのが実態でございます。
○林(義)委員 エカフェの調査ではあるが、地質調査をしておられるけれども、日本国政府としてはやってない。日本側が中間線理論を主張し、韓国側が大陸だな理論を主張している紛争地帯であるから、その紛争を避けたということでありますけれども、日本側の中間線理論におきましても、ここは日本の固有の海底資源であるという考え方の理論であると思うのです。韓国側だって、言っておりますのは大陸だな理論、これは二百メートルの深さであるとか自然延長論であるとかいろいろな議論があるでしょうけれども、やはり韓国側の領土だ、こういうことでの主張があっての話だと思うのです。両方の国の資源だ、こういうふうな形で主張しているわけでありますけれども、いままでの経緯というのを簡単に、これは外務大臣よりは事務当局の方がいいのじゃないかと思いますから、いままでどういうふうな話があって、韓国側がどこでどういうふうに、鉱業権をどういうふうに設定して――日本では鉱業権、向こうでは恐らく鉱業権はありませんから特許契約とかなんとかということでしょうけれども、それがどういうふうになったということを簡単に説明していただけませんか。
○大森政府委員 それではごく簡単に経緯を御説明いたします。
 先ほど来出ております一九六八年のエカフェが実施した調査の結果、この東シナ海の地域は石油の賦存が相当有望な地域であるということになって、各国の注目を引くに至ったわけでございます。韓国政府は、昭和四十五年海底鉱物資源開発法というものをつくりまして、これに基づいてメジャー系その他の外国企業に幾つかの鉱区を設定してその租鉱権者として権利を認めた。他方、日本側においても、幾つかの企業がこの地域に対して鉱区の出願をするということとなってきたわけでございます。その結果、両国の権利主張が重複する部分が出てきたわけでございます。韓国側は、先ほど言われましたように、自然延長論という立場から中間線を越えて海溝の終わるところまで韓国側の大陸だなであるという主張を行い、わが方は、この日韓間の大陸だなは中間線をもって区画さるべきであるという立場からこれに反論を行い、その結果、双方の主張は対立してなかなか話し合いがつかなかったわけでございますけれども、双方ともこの問題を現実的に解決するという見地から、それぞれの法的立場を留保いたしまして、この両者の権利主張の重複する部分を共同開発区域とするということで話し合いがついたのがこの協定であるわけでございます。
○林(義)委員 大陸だな理論、自然延長論というような話になれば、当然に出てまいりますのは中国の大陸だなですが、この辺との調整はどういうふうにこれからやっていくのですか、また、いままでどういうふうにやられたのですか。
○大森政府委員 この日韓の大陸棚協定が署名されましたのはいまから三年前の四十九年一月でございますが、この大陸棚協定、特に南部の共同開発協定が対象としております共同開発区域というものにつきましては、あくまでも日本と韓国との間にまたがる大陸だなを対象としているものでありまして、日本と中国あるいは韓国と中国との間にまたがる、中国にかかわる大陸だなというものは注意深くこの共同開発協定の対象区域から除いているわけであります。
 中国との関係につきまして若干触れますと、この協定が署名されましたのが四十九年一月で、その直後の二月の初めに中国の外交部スポークスマン声明という形で中国はその立場を表明しているのでありますが、それによりますと、この東シナ海の大陸だなの境界画定というものについては関係諸国が集まって協議して決めるべき性質のものである、しかるにこの日韓大陸だな共同開発区域というものについては、中国に相談することなく取り決められたものであるから、中国としてはこれを認めるわけにいかないという趣旨の声明を出したわけであります。先ほど申し上げましたように日本といたしましては、今回の日韓間の共同開発区域というものは中国の権利をいささかも害しないように慎重に配慮してつくってあるという事情を、この協定が署名される前に、四十九年の一月に当時の大平外務大臣から中国の姫鵬飛外交部長に対して、近く日韓でこのような取り決めを結ぶけれども、中国は関心をお持ちでしょうからあらかじめ御連絡するということで事前に連絡を行い、また、協定が署名される前日にはさらに詳細な説明をわが方から中国側に対して行い、また、協定が署名された日にはテキストも添えてただいまの趣旨を十分中国側に説明した次第であります。
 日本といたしましても、本来ならばこの東シナ海の大陸だなに関係する国、たとえば中国日本、韓国、北朝鮮といったことになると思いますけれども、それらの関係国が一堂に会して境界画定の問題を話し合うのが最も望ましいとは思いますけれども、御承知のように現在これらの国相互間には必ずしも外交関係がないために、そういう話し合いというものが現実には行い得ないという状況にあるわけでございます。そこで次善の策といたしまして、わが国は韓国との間で、日韓間にまたがる大陸だなに限りましてその開発の仕方について話し合いを行って、今回の協定をまとめたわけでございます。
 中国との間の大陸だなにつきましては、日本としてはその境界画定についていつでも日中間で話し合いを行う用意があるということ、先ほど来申し上げました日本が中国に日本の立場を十分説明した際に、日本としてはいつでも中国側と日中間の大陸だなの境界画定については話し合う用意がありますということを先方に伝えているわけでございます。なお、この中国側への連絡は、本協定を四十九年に国会に提出した際、またその翌年再提出をいたしました際、あるいはまた現実に国会で本件の審議が行われるに先立ちまして、前後数回にわたって中国側に同趣旨の連絡を行い、わが方の立場を明らかにしているわけでございます。
○林(義)委員 わかりましたが、本来はやはり中国も入れて話し合いをするのが望ましい形であるけれども、国交が中韓間にないからというお話のようであります。
 そこで、そういった問題が残りながら今回急いでやらなければならないというのは、単に日韓の間の問題だけではない、それだけが理由ではないと思うのでありまして、日本側としてもやはりエネルギー対策というか、そういったものがあって急ぐ理由があったのだろうと思うのです。なかったならば、平和的な問題の解決ということでありますから、時間をかけてやればいいんだろうと思うのです。やはり私が認識をしておりますのは、日本の置かれたところのエネルギーの問題、そういったところから、早く協定も結び、また条約の批准も早くやってもらいたい、こういうふうな理屈だろうと私は思いますが、この辺、通産政務次官いかがでしょう。そういうふうな考え方を持っておられるのですか、それともそうではないんだということでしょうか、どちらなんでしょう。
○松永(光)政府委員 お答えいたします。
 先生もよく御承知のように、石油の需給は将来非常に逼迫するだろうということが言われておるわけであります。特に昭和六十年ごろになりますと、石油需給の逼迫は相当なものになるのじゃなかろうかと予想されておるところであります。一方大陸だなの開発の問題につきましては、先ほどの議論にもありましたように、探鉱開発に着手してから実際に油が供給されるまでの間には十年近くのリードタイムがあるということでございます。そういったこと等を考えますというと、将来の石油需給逼迫に備えてできるだけ早い機会に大陸だなの石油の開発に着手することが、国民生活の安定にきわめて重要であるというふうに考えておる次第でございます。
○林(義)委員 将来の石油需給の逼迫、こういうふうな話が出ました。実はこの二月二十日から私、ちょっとアメリカへ行ってきて、向こうのブルッキングス・インスティチュートという有名な研究所がありますが、そこで向こうのエネルギー専門家と少し議論してみたのです。与野党一緒に参りましたし、渡辺先生も一緒に行っていただいたのですが、そのときに向こうで私の方から質問しまして、日本では三十五年ぐらいたつと石油資源が非常に逼迫するんだ、こういうふうな話をしたら、向こうの方はきょとんとしてしまって、アメリカではそんなことは余り考えていないんだ、こういうふうな意見なんです。というのは、物理的に石油資源がなくなるかどうかという問題と、もう一つは、価格を上げれば相当に掘り出せるという問題と、二つ問題があるんだと私は思うのです。
 現在、バーレル当たり十二、三ドルですね。ところが、たとえばこれをバーレル当たり三十ドルの価格で取引されるというふうな話になりますと、資源の開発状況、埋蔵量なんというのは大分狂ってくるんだろう、こう思うのです。現に昭和二十六年ぐらいに日本で初めて石油精製を再開したころによく言われておりましたのは、大体三十年ぐらいしか石油というのはないぞという話があったのです。二十七、八年ですから、三十年というともうそろそろなくなるころであります。ところが、いま依然としてたくさん掘られて、ますます埋蔵量というのはふえる。非常に変な話ですけれども、埋蔵量というものは掘っていけばいくほど、値段が上がれば上がるほど推定埋蔵量というものはだんだんふえてくるんだという議論もあるのです。そういった意味で、やはり価格の問題と一緒に議論をしなければいかぬ問題だろう、こう私は思うのです。
 私はそう考えていますが、とにかく石油がいつの段階か、二〇一〇年ぐらいにはなくなってしまうんだというような話もあるようでありますが、この辺について政府の石油当局はどう考えておられるのか、御見解を承りたい。
○松永(光)政府委員 私どもが承知しておる数字としては、地球上の究極埋蔵量ですか、これは約二兆バーレルである、今日までに人類が発見したいわゆる確認埋蔵量は一兆バーレルであって、先ほど石油部長の話にありましたように、すでに三千四百億バーレルを消費したから、確認された埋蔵量で残っておるものは六千六百億バーレルである。あと一兆バーレルが理論上は地球上に存在するということになるのでしょうけれども、しかし最近の趨勢を見ますと、新しい油田の発見量は数年前に比べますと非常に減ってきておるわけでありまして、明らかに物理的にも遠からず石油そのものの生産量が減ってくるであろうということは数字から出てくるのじゃなかろうか、こういうふうに考えておるわけでありまして、ただ単に価格の問題だけではないというふうに考えております。
 なお、アメリカの場合は、国内の石油の生産をややダウンさせて、そして中東あたりからの輸入をふやすというふうな政策をとっておるようでありますし、また、アラスカ等の油田の開発等にも成功したようでありますから、日本に比べると相当の余裕があるでありましょうけれども、日本の場合には、そういうアメリカの人たちが言っているような安易な考え方でエネルギー問題と取り組むわけにはいかぬというふうに考えている次第でございます。
○林(義)委員 いま二兆バーレル、こういうふうなお話がありましたが、資源的に見れば、北の方はまだずいぶん未探査のところもあるだろうと私は思うのです。その辺の議論は抜きにしまして、やはり現実の問題として二〇〇〇年ぐらいまでのところを考えるならば、相当に石油価格は上がっていくというふうに見た方が、開発のコストその他の問題からして常識的ではないだろうか、こう私は思うのです。もちろんめちゃくちゃに、これが十倍にも二十倍にもというふうな話ではないのだろうと思いますけれども、やはり相当上がっていくということを前提にして考えていかなければならない、こう思うのです。
 そうしたときに、ほかのいろいろな問題が出てくる。たとえば原子力の発電コストというものがどうなりますか、石油より若干高いぐらいであるけれども、石油の値段が変わってくれば原子力の方がよくなるとか、あるいは将来だんだん値段が高くなっていけば、いわゆるサンシャイン計画その他でやっているようなものも十分採算がとれるというようなことになってくるのだろうと思いますし、その中で今回、当面としてこの大陸だなの開発をやろうということが一つの大きな政策の柱になっていく。何といったって近いところで石油を取らなければならない、こういうことだろうと思いますが、ウエートがどのくらいかというのは――一昨日ですか、中国原油が年間六百万キロリットル入るという長期契約を結んできたという話がある。インドネシアから約三千万キロリットル入っている。今度の場合は、先ほどのお話だと千五百万キロリットルから二千万キロリットル、こういうふうなことでありますし、かつて日本が海外でやろうと考えたのでチュメニ油田というのがありますが、これが三千万から四千万キロリットル。千五百万、二千万キロリットルといいますと、日本の三億キロリットルの中で三十分の一ぐらいである、あるいは二十分の一ぐらいである、大体そんなものを南部大陸だなに期待をしている、こんなふうに大ざっぱに考えてよろしゅうございますか。
○古田政府委員 わが国の現在の石油の輸入構成につきましては、大体八割が中東に依存した形になっております。この中東依存型を少しでも緩和したいというのが現在の石油政策の一つの柱でございまして、そのためにたとえば中国からの石油輸入の促進を図るとか、あるいはインドネシア地域からの石油の輸入を促進するとかいうふうなことを考えているわけでございます。
 量的に見ますと、そのいずれも先ほど先生が御指摘になりましたとおりの姿でございますが、こういうふうな形で、そのそれぞれをとりますと確かに比率は低いわけでございますが、全体として輸入地域の多角化というのが図られていくのではないかというふうに思いますし、そういう観点からしますと、わが国の大陸だなの開発によりまして千万とかあるいは二千万キロリットルとかいうふうな単位の新たな供給源ができるということは、政策的に見ますと非常な効果があるのではないかというふうに考えるわけでございます。
○林(義)委員 政策的な効果があるというお話ですが、これは日本が開発をする、あるいは韓国と共同で開発をするという開発形式になっています。インドネシアでもそうでありますし、中近東でもかつてはアラビア石油という国策会社――国策会社と言ってはいかぬのかもしれませんけれども、日本の会社が興ったわけであります。
 資源を購入するときに多角的にするという問題は、政策的な判断からすれば、要するに日本が買うのですから、売り手の方を多角化、たくさんの数にしていくという意味での政策的な判断と、とにかく非常に近いところ、国内と同じであるからというものと二つあるだろうと思うのですね。この二つのどちらなのでしょう。あるいは両方なのでしょうか。
○松永(光)政府委員 私どもの考え方としては両方でございますが、日韓大陸だなの場合におきましては、日本のすぐそばにあるということ。中東地区の油田の場合においては、先生御承知のように、昭和四十八年のあのオイルショックのこと等を考えますと、やはり遠くから運搬してくるものにつきましては、国際情勢の変化等によりまして時によっては供給の安定に不安が生ずるおそれもありますが、しかし日本近海の油田であるならばその点の不安が非常に少ない、全くないと言っていいくらい少ない、こう考えますので、両方の面から供給の安定のために必要であると考えておるわけであります。
○林(義)委員 私は、安定的供給という形でたくさんのところからいろいろ買うというのは、プライスメカニズムで価格を安くするという効果があると思うのです。
 もう一つ、近いところからなぜ買わなければならないかというのは、一旦緩急のときには、近いところにあって自分の領土にあるから大丈夫だ、こういう考え方だと思うのですね。通常のときには、現在でもそうですけれども、世界的には石油は少し過剰ぎみである、値段も少し下方に向くぐらいの状況で、余っているというような状況ですね。世界的には石油というのは普通の場合にはそういう形で動くのだろうと思うのです。ところが、何らかのことがありましてばっと足りなくなる。この前の石油ショックのときのようにぱっと上がったときに実は問題があるわけでありまして、そうしたときに韓国との共同開発の石油を持っているということが非常に大切だろう、こう思うのです。この辺はどうなのでしょう。そういうふうな考え方があるからこそやる、こういうことですか、どうですか。
○松永(光)政府委員 先生の御意見のとおりでございます。
○林(義)委員 そうしますと、今度は、開発をした石油を両方に分配するということでしょう、条約の十六条ですか。お尋ねしますが、先ほど申しましたように日本では中間線論で、これは日本の潜在的な領土であるし、そこの資源は日本のものである。配分は二つに分けて、一方は韓国側のものであり、半分は日本側のものである、こうやるわけですね。日本側の取り分の油を日本に持ってくるときには、輸入貿易管理上の取り扱いはどうなるのですか。
○松永(光)政府委員 日韓大陸だなにおいて採取された石油、天然ガスで日本の取り分になったものについて、それを日本に入れることにつきましては、輸入の手続は必要ないわけであります。
○林(義)委員 韓国側のものはどうでしょうか。
○古田政府委員 韓国側取り分の油を日本に持ち込んでくる場合につきまして御説明したいと思いますが、協定の第九条に従いまして、韓国側の開発権者の取得した原油、天然ガスにつきましては、同協定十六条の規定に従いまして韓国の大陸だなで採取されたものとみなされますので、関税法及び輸入貿易管理令上当該石油、天然ガスを日本に持ち込もうとしますと、その持ち込みは輸入となるというわけでございますから、これは当然輸入関税も支払いますし、かつ輸入貿易管理令第四条ただし書きに従いまして外国為替公認銀行に輸入の届け出書を提出するという手続になるわけでございます。
○林(義)委員 そうしますと、これをやっても、韓国側のものは韓国の主権に属しますから、日本が持って帰ってやるというわけにいかない。半分だけはとにかく日本に持って帰れる、こういうことだと思うのです。半分の権利だけは当然主張する。先ほど申しましたように、近いところで掘るのですから、やはりナショナルセキュリティーの問題だろうと思いますから、そういった持って帰った原油というものは、掘る人が勝手に海外に持ち出したり売ったりなんかするのではこれは国益に反すると思いますが、その辺はどうなのでしょう。
○古田政府委員 経済的な観点から考えましても、日本が石油や天然ガスの非常に大きな市場であるということで、まず、日本側取り分の石油、天然ガスが外へ出ていくということは実態的にはないのじゃないかと思います。取得者たる開発権者はわが国に当然供給するということを予想されるわけですが、同時に政府としましても、ただいま先生御指摘になりましたとおり、わが国の貴重な資源がわが国の大陸だなに開発されて、それが外へ出ていくということのないように、わが国の石油需要の安定的な供給の確保に直接的に資するということになりますように、国内への供給を指導していくという方針で考えております。
 ただ、そういう考え方にもかかわりませず、万一日本側の取り分の石油、天然ガスが外国に輸出されるというふうな事態が生じました場合には、ないし予想されました場合には、これは輸出貿易管理令の第一条の六項で輸出の承認を行わないということも十分検討したいというふうに考えているわけでございます。
○林(義)委員 開発をされるというふうに予定をしている会社が何社もあるわけであります。いま条約の審議をしているわけですから、いまの段階でどこがどうだというわけにはいかないのでしょうけれども、特別措置法の方では鉱業法の関係をやる。そうしますと先願権というものがありますから、一応日石開発と西日本石油開発と、それからもう一つ三菱系の会社と三つあるんだろうと思います。いずれも外資が半分以上入っていますから、その辺の会社に対して十分なコントロールが通産当局はおできになるのかどうか。その辺は確かめて――私がなぜこんなことを申し上げているかというと、やはりナショナルなものである、どうしてもやらなくちゃならないのは国益のためである。それと、日本の石油の安定確保ということは普通の状況ではない、緊急事態のものである。そのときに、日本政府としてのいろんな規則があります。同時に、開発権者の方がはっきり日本側の政府の言うことを聞いてやるようなことになっているのかどうかということを私は確かめたいのです。そういった意味で、それは掘る方は掘る方で自由だというようなことではちょっと困ると思うのですけれども、その辺どうでしょう。
○松永(光)政府委員 日韓の共同開発区域の共同開発を何者をして行わしめるかという点につきましては、日韓大陸棚協定を実施するための特別措置法、この条約の承認と同時に成立することを期待いたしまして審議をお願いしておる法律案でありますが、その法律案に基づきまして、申請者の開発についての技術的な能力その他を厳重に審査をいたしまして、そして最も望ましいものに開発許可を与える、こういう仕組みになっておるわけでございます。
 私どもといたしましては、さような次第でありますので、この大陸棚協定について承認がなされると同時に、その協定を実施するための特別措置法案というものが成立することを期待をいたしておるわけでございます。
 なお、先生の御指摘にありました、国家、国民に対するエネルギー供給の安定という国家的な目的でやる事業であるから、その点を十分配慮した処置をすべきではないかという先生の御意見でありますけれども、私は大変貴重な御意見であると思います。よって、先生の御意見は今後十分検討さしていただきたい、こう考えておる次第でございます。
○林(義)委員 検討してもらうんじゃちょっと困るのですね。私が条約を早くやらなければならないというのを先ほど来ずっと論理的に申し上げたのは、まさにナショナルセキュリティーの問題に関連するからこの条約をやらなければならない、石油についてのナショナルセキュリティーというのは何であるかということを私は申し上げたつもりなんです。したがいまして、それをいまから貴重な御意見だから検討するというのではなかなか問題があると私は思いますよ。そこははっきりと役所の方が押える。
 というのは、なぜ私がそんなに輸出だ、輸入だとかと申しましたかと言うと、これは日本の陸で通関なんかできないんですよ、はっきり申し上げて。海の中でやるわけでしょう。しかも、韓国の船と一緒になってやるわけですね。それで共同の事業をやるところの人は、またこれから別の人がやってもいいことになるのだろうと思うのですよ、事業の実施主体というものは。そうしたときに、船でさあっと持っていかれたときには、これは明らかに違反だといって追及をしなければなかなかできない問題ですよ。いや、それはちょっと韓国に持っていったとかなんとかいうような形をやられたのじゃ一体どういうことになるのだということがあると私は思うのです。そういった点を押さえると同時に、やるところの会社については、通産当局は徹底的に強力な指導をしなければならない、これはもう条約をやる以上は当然のことじゃないかと私は思うのです。そういったことを申し上げているわけでございますから、政務次官、いかがでしょう。
○松永(光)政府委員 一部先生の御質問の趣旨を取り違えておったようでございますが、共同開発を行うものの許可は、先ほど言ったように、協定を実施するための特別措置法で厳重な審査をした上で決めるわけでありますけれども、その開発を行う法人はもとより日本の法人でありますから、通産省の指導に服するわけでありますので、先ほど先生の御指摘のように、国家的な事業としてやるのだというたてまえで、その本旨に従ってきちっとした指導をして、そうして国益に合致した行動をするようにやっていく所存であります。
○林(義)委員 もう時間が余りありませんからあれしますけれども、そういった国益に合致するような事業をやるということであったならば、石油開発公団法が先般改正されましたが、そのときに附帯決議がついておるのですね。この附帯決議というのは私は再考をする必要があるのじゃないかと思うのです。当時の情勢といまの情勢とは、石油の問題に関する限り大いに違ってきていると私は思うのです。これは国会議員としてやはりもう一遍検討し直していい問題ではないかと私は思うのです。国会の附帯決議ですから、政府当局にどうだという話ではありませんけれども、私は、この外務委員会の先生方にお願いをしたいのは、そういうようにナショナルな形でやっていきます、日本の一たん緩急のときにぜひこれがどうしても要るのです、全体として千五百万キロリットルぐらいしかないけれども、これは必ず日本へ持って帰るのです。相当なバードンを負わせるということであるならば、この非常にリスキーな仕事に対して石油開発公団が金を出すということだって認められていいと私は思うのです。たまたまそのときの話は、どうも聞いてみますと、いまのこの南部の地域というものは北朝鮮の潜在的な主権の問題があるから云々というような話もあったようでありますが、現実の問題としては、それは先ほどお話がありましたように、中国の問題よりもはるかに遠い話であります。そういったことを心配をしてやるような話ではなくて、現実に日本が石油でこれだけ困っているというような話であるならば、石油公団法の運用によって金を貸すことも惜しんではならない、私はこう思うのです。この辺はあるいは当委員会ではなくて、商工委員会でまたお話をしなければならない問題かと思いますけれども、私は、この条約を通す以上は、日本国政府が毅然たる態度でナショナルセキュリティーのために油を絶対に確保するのだ、この条約のそのために絶対に必要だということであるならば、当然そういった業界に対する指導、それからそれに対するところの政府の援助等もあってしかるべきだと思いますけれども、政務次官の御見解はいかがでしょう。
○松永(光)政府委員 先生の御指摘は、本件大陸だなの開発に石油開発公団というものがもっと積極的な役割りをすべきではないか、こういう御指摘と存ずるのでありますが、現在、石油開発公団がみずから探鉱事業を行うことは公団法上できないわけでありますけれども、しかし、日韓大陸だなの区域についても投融資を行うこと等によって助成することは可能であるわけであります。先ほど先生御指摘のように、国際紛争地域については云々という附帯決議があったのでありますけれども、そこらの点はもう一回再検討して、先生御指摘のように、ナショナルセキュリティーという立場からの開発である以上、石油開発公団が積極的な助成をして、そしてきちっとした国益に合致する方向でやっていくということは、私は大変大切なことではなかろうか、こう思うわけでありまして、その点等を含めて、先ほど言ったように、貴重な御意見として検討したいと考えておる次第でございます。
○林(義)委員 お約束の時間が参りましたから、まだ細部の点はあるわけですが、きょうはこれで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○竹内委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十一分散会