第080回国会 外務委員会、農林水産委員会連合審査会 第1号
昭和五十二年四月二十六日(火曜日)
    午前十一時二十六分開議
 出席委員
  外務委員会
   委員長 竹内 黎一君
   理事 有馬 元治君 理事 毛利 松平君
   理事 山田 久就君 理事 河上 民雄君
   理事 土井たか子君 理事 渡部 一郎君
   理事 中村 正雄君
      石橋 一弥君    稲垣 実男君
     小此木彦三郎君    大坪健一郎君
      川崎 秀二君    川田 正則君
      佐野 嘉吉君    玉沢徳一郎君
      中島  衛君    中村  直君
      中山 正暉君    井上 一成君
      岡田 哲児君    岡田 春夫君
      松本 七郎君    渡辺 三郎君
      中川 嘉美君    渡辺  朗君
      寺前  巖君    伊藤 公介君
  農林水産委員会
   理事 片岡 清一君 理事 瀬野栄次郎君
      加藤 紘一君    玉沢徳一郎君
      向山 一人君    森田 欽二君
      岡田 利春君    野坂 浩賢君
      馬場  昇君    松沢 俊昭君
      野村 光雄君    津川 武一君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 鳩山威一郎君
 出席政府委員
        外務政務次官  奥田 敬和君
        外務省アジア局
        長       中江 要介君
        外務省アジア局
        次長      大森 誠一君
        外務省条約局外
        務参事官    村田 良平君
        農林政務次官  羽田  孜君
        水産庁次長   佐々木輝夫君
        資源エネルギー
        庁長官     橋本 利一君
        資源エネルギー
        庁石油部長   古田 徳昌君
 委員外の出席者
        外務大臣官房外
        務参事官    井口 武夫君
        通商産業大臣官
        房参事官    松村 克之君
        外務委員会調査
        室長      中川  進君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸
 棚(だな)の北部の境界画定に関する協定及び
 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸
 棚(だな)の南部の共同開発に関する協定の締
 結について承認を求めるの件(条約第一号)
     ――――◇―――――
○竹内委員長 これより外務委員会農林水産委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が委員長の職務を行います。
 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
    ―――――――――――――
 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○竹内委員長 本件についての提案理由の説明は、お手元に配付してあります資料によって御了承願うこととし、直ちに質疑に入ります。
 この際、御質疑される各委員に申し上げます。
 質疑は申し合わせの時間内で御協力をお願いいたします。
 なお、政府当局におきましては、その答弁を簡潔にお願いいたしたいと存じます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤統一君。
○加藤(紘)委員 この日韓大陸棚協定につきまして、農林水産委員会からの連合審査をお受けいただいたことをお礼申し上げて、農林水産の立場からこの日韓大陸棚について二、三御質問させていただきたいと思います。
 政府は、いままでこの日韓大陸だなの石油開発について、従来一貫して、共同開発区域においていろいろな事故が起こった場合にどうするかという質問に対して、そういう事故は万々起こり得ません、そして、一九六九年サンタバーバラで起こった一種の事故は、あれは本当に考えられないような技術的な幼稚なミスでありまして、ああいうことはもう起こり得ないのです、大丈夫でございますという主張をされてきたように思います。ただ、今回、先般北海油田のエコフィスク油田で起こりました事故というのは、果たして政府がおっしゃっていたとおり日韓大陸だなでも起こらないのだろうか、現に起こった北海油田というのは、われわれ大陸だな開発、油田開発の一つのモデルみたいなケースだったように思うけれども、本当に日韓の方で大丈夫なのかねというような疑念を若干抱かせてきていると思います。
 そこでお伺いしたいのですが、あの事故が起こっても、政府としては、日韓大陸だなで同様な事故が起こることは万々ないという揺るがない自信をお持ちなのか、その辺をお聞きしたいと思いますが、これは通産省にお伺いした方がいいと思います。
○橋本(利)政府委員 ただいま御指摘の北海石油の流出事故ということは世界の石油開発史上まれに見る事故だというふうにわれわれは見ておるわけでございます。ただ、現段階におきまして事故の原因がはっきりいたしておらないということもございますが、われわれといたしましては、この日韓大陸だなの共同開発に当たりましては、両国で取り決めた事故防止対策を十全に実施していけば、万々かような事故は発生しないと考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても、今回の北海石油流出事故というものを参考といたしまして、かようなことのないように事故防止に万全の措置を講じてまいりたい、かように考えております。
○加藤(紘)委員 今回の条約に日韓両国は事故防止のために万般の措置をする取り決めを行っておりますという話でございますけれども、しかし、現にノルウェー及びイギリスも同種取り決めを行い、そして恐らく各国の国内法で、開発に際し技術的にチェックをする、認可を与えるに際して絶対事故が起こらないような法的規制をかなりやっておったはずだと私は思うのですね。それでも事故が起こった。まさかノルウェー及びイギリスがその辺をないがしろにしたというふうには思わない、かなり先進国の法体系のしっかりした国ですから。
 外務省にお伺いしますが、ノルウェー及びイギリスがこの開発についてどの程度の規制をやっていたのか、その辺について情報をいまお持ちでございますか。
○大森政府委員 お答え申し上げます。
 わが方の在英国及び在ノルウェー大使館からのとりあえずの報告によりますれば、北海油田開発汚染防止に関しまして、関係国間の法的な取り決めとして、一九六九年に結ばれましたボン協定と言われるものがございます。これには北海油田開発に関係するすべての国の参加が見られており、事故が発生した場合の協調、協力体制につき規定しているわけでございます。
 この取り決めの参加国は、イギリス、フランス、西独、オランダ、ベルギー、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、アイスランドの九カ国でございます。
 また、事故が発生した場合の損害賠償等につきましては、沖合い汚染責任協定という名の取り決めがございます。この取り決めはいわゆる任意的なスキームでございますけれども、北海石油開発に関係しているすべての業者が加入しているという状況でございます。
 この取り決めによりまして、事故が発生した場合には、二千五百万ドルを限度として損害賠償を行えるということになっております。
 また、この取り決めにつきましては、一九七八年を目途としてこれを新しい国際的な取り決めにしていくということも検討されているというふうに承知いたしております。
 さらに、汚染防止に関してノルウェー及び英国の関係国内法令について申し上げますと、ノルウェーにつきましては、関連法規といたしましては、海底資源の開発に関する一九六三年法というものがございまして、この法律によりまして、海底資源の開発に関する諸事項を政令に委任しております。その一九七六年の政令によれば、開発権者というものは、生産ベースを含む生産計画、生産に使用される施設設備等について事前に工業省の承認を得ることなど、包括的な義務が規定されているわけでございます。
 また、ノルウェー政府が北海油田開発に関して実際に開発権者に対して発給しましたライセンス契約の中におきましては、石油開発活動が他の漁業等の活動の妨げとならないこと、海底ケーブルその他の海中構築物を損壊しないこと、海水、海底地層等の汚染防止に特に注意を払うべきこと等が規定されております。
 また、英国の国内法について申し上げますと、関係業者に対して適用される規定といたしましては、一九七一年鉱業作業沖合い装置法というものと、一九七一年石油汚染防止法という二つがございます。
 この前者につきましては、開発の際に遵守されるべき機器の操作の基準等について定めている、このように承知している次第でございます。
○加藤(紘)委員 いまお答えがありましたように、関係諸国及び開発に従事する企業に対してかなり厳しい規制を事前に行っておったということがうかがわれると思うのですが、それでもなおかつこういう事故が起こったということだと思うのです。
 問題は、この開発に従事しておりましたアメリカのフィリップスという会社が技術的に非常に低いレベルであったということであればこれは話は別ですけれども、恐らく、世界の石油デベロッパーの中でかなりの技術を維持し、評価を得、そして日本及び韓国が将来大陸だな開発をする際に技術導入の相手先になるとか、少なくとも技術的な指導者の立場にあるぐらいの技術水準の会社であろうというふうに一般には推測されますが、このフィリップスという会社の能力というか評価について通産省はそれなりの情報をお持ちか、お伺いいたしたいと思います。
○橋本(利)政府委員 御指摘のフィリップス社は一九一七年に設立されておりまして、本社はアメリカのデラウェア州にございます。資本金は七五年末現在で二億五千万米ドル、約七百五十億円。いろいろな部門で活躍いたしておるわけでございますが、石油開発におきましては物理探鉱あるいは掘削、こういった技術におきまして、フィリップス社にかかわらず、アメリカの企業はかなり高い技術水準にあるということで、世界各地でまたそのような実績を上げておる、一言で申し上げれば国際的にも高い評価を受けておる技術を持っておるというふうに理解いたしております。
○加藤(紘)委員 そういうような会社でも事故が起こりました。規制もかなり厳しくやっておりました。そうすると、じゃ、日韓大陸だな石油開発の場合には大丈夫かなという心配が当然出てくると思うのですが、今回の事故で日韓大陸だなの今後について何なりと方針を変えるというほどの必要性があるのかどうか、その辺についての通産省の御判断をお伺いしたいと思います。
○橋本(利)政府委員 今回のような事故を防止するためにはいろいろな措置を講ずる必要があろうかと思いますが、特に技術的にすぐれた防止装置というものを使用することは当然のことでございますが、それよりもさらに適切なそういった設備の管理、使用ということがより重要になってくるであろうと思います。そういった意味合いにおきまして、わが国の企業も最もすぐれた装置を使用しておりますし、またこの使用方法についても習熟しておりますので、日本企業は十分な技術を持っておるというふうに考えておるわけでございます。現に昭和三十三年以降、日本の企業は九十八本の掘削をやっておりますが、当然のこととは申せ一回も流出事故といったようなことはありません。
○加藤(紘)委員 一回も事故が起こっていないという日本の技術水準が一つの救いであろうかと思います。
 外務大臣にお伺いしたいと思いますが、これは漁業関係者の方からもかなり心配のある事件だったように思います。ノルウェー等の諸国がどのような規制をやっているかより詳しく調べ、そしてどうしてこの事故が起こったかということを判断できる情報を適確に急ぎお集め願いたいと思いますが、その点の御確認をお願いいたします。
○鳩山国務大臣 今回の事故は、海洋の汚染ということを通じまして漁業関係者に大変な御心配をおかけしていると思います。もしこのようなことが日本の近海で起こったら大変だということでございますので、外務省といたしましても、今回の事故につきましてあらゆる方面からの情報を集めて、検討させていただきたいと思います。
○加藤(紘)委員 最後に、農林省にお伺いいたしますけれども、もし日韓大陸だなでこのような事故が起こった場合に、当然、あそこは日本近海漁業の資源の宝庫みたいなところなんですけれども、どのような影響が起こりそうなのか、そこについて十分御検討なされているのか、その辺の見解をお伺いしたいと思います。
○佐々木政府委員 いまの共同開発区域は、大体サバあるいはアジ等の好漁場で、年間三万九千トンぐらいの水揚げがございます。仮にああいった北海での事故のような事故が起きましたときに、その場所あるいは時期によって影響程度は違うと思いますけれども、いまのアジ、サバ等の資源に直接油による汚染等の影響があり得るのではないかということを懸念いたします。それからまた、その区域は対馬暖流と黒潮本流の分岐点に大体近いところに位置しておりまして、主として、場所にもよりますけれども、対馬暖流に乗って長崎県から北の方、日本海の西部の方に影響が及ぶ懸念がございます。これまで日本近海で起きました大きな油流出事故で、たとえばジュリアナ号の場合、あるいは瀬戸内での三菱の重油流出事故、こういった状況から判断しますと、一面に海洋全体に広がるのではなくて、いまのような海流に乗って、かなり細い帯状で遠くの方へ影響が及ぶという心配がございます。もし放置したままですと、かなり沿岸の方にも相当大きな影響が及ぶ心配がございますが、これに関する対策としては、オイルフェンス等で油の流出を、拡散をとめるとか、油回収船で回収をするとか、あるいは沿岸漁場近くに寄ってきましたときに、情報を早くキャッチして沿岸に流して、沿岸に寄りつかないようにオイルフェンスを張るとかいろんな対策を講ずることにはなると思いますが、いずれにしても沿岸等にも影響が及ぶ懸念はあるというふうに判断しております。
○加藤(紘)委員 時間が参りましたので、これで終わります。
○竹内委員長 野坂浩賢君。
○野坂委員 質問に入ります前に、委員長に要望があります。
 きょうは外務委員会と農林水産委員会の連合審査であります。大陸棚協定は非常に重要な問題でありますし、その意味で連合審査が開かれておるわけです。したがって、政務次官おいででございますけれども、農林大臣の出席をぜひ実現をしていただきたい。そうしなければ質問が進行しにくい、こういうふうに思いますので、そういう措置をしていただきたいと思います。外務委員会の権威にもかかわる、こういうふうに思うのです。
○竹内委員長 お答え申し上げます。
 さらに農林大臣の出席方を私からも要請いたします。
○野坂委員 それでは、私は農林大臣が出席をするまで質問はやらない、こういうふうに考えておりましたが、委員長が出席要求を促進をするということを信頼をして質疑に入りたいと思います。
 農林政務次官にお尋ねをいたしますが、日ソ漁業交渉の中断で大きな影響をわが国は受けておる。しかも領海十二海里、漁業水域二百海里を早急に設定をし、法案を通過をさせて、農林大臣を訪ソさせるという動きが顕著でありますが、交渉がサケ・マス交渉について大詰めにきて五万七千トンが六万二千トン、そういうことでわが国の方はのむという態勢になったわけでありますが、領土の問題に絡んでこれまた中断をするという事態を招いております。
 伝えられる二十三日に、モスクワで日本漁業の労働者の代表団がソ連関係者に日本の現状を訴えるというときに、ソ連漁業省のジガロフ次官、この人がこの審議中の日本の二百海里法案について、韓国なりあるいは中国は除外をするということについて非常に抗議をしておるというのが新聞に報道されております。それで、再びこういう法案を通して鈴木農林大臣がソ連に行った場合に、この除外を、日ソ漁業交渉はある程度成立をさせるが、こういう中国、韓国に対する二百海里の設定については除外を取りやめる、同じようにやれ、ソ連だけではなしに両方にやれ、こういうふうになった場合には、農林省はどうお答えになりますか。どういうふうに対応するのか。
○羽田政府委員 お答えいたします。
 二百海里につきましては、まさに大臣も何回も御答弁申し上げておりますように、相互主義ということでございまして、中国、韓国ともまだこれについて宣言が行われておりませんので、その辺をよく説明申し上げると思います。
○野坂委員 私は、従来は相互主義で韓国や中国が二百海里の水域設定をすれば直ちに対応する、こういうことはよくわかるのです。そういう事態ではなしに、訪ソをして、そういうところを取り除け、そうすれば漁業交渉が成立をする、こういう事態を迎えたときにはどうするか、こう言って聞いておるのです。いま新たな事態です。
○佐々木政府委員 先ほど政務次官からお答えになりましたように、日本としては、やはり西の方についてのでき上がっています秩序を、現在の状態を維持するということが最も望ましいので、そういう状態をよく説明をして、特にソ連とあるいは韓国、中国と差をつけているのではなくて、これは相互主義に基づいてそういったことを円満な漁業秩序を維持する上でやる必要があるのだということをるる説明をして、向こうに理解をさせるということになろうかと考えております。
○野坂委員 委員長、私が農林大臣を呼びましたのは、そういう事態で代表で行くんですから、だから農林大臣に来ていただいてやはり明確な答弁をもらわなければ――書いてあるじゃないですか。これは日ソ漁業交渉を困難にする新しい事態だ。新しい事態にどう対応するのか。その場合にこういう措置をせいという要求をする。それが相互主義でできぬということはいままで言ってきたんですから、その言ってきた上に立っての新しい事態にどう対応するかということを聞いておるのです。だから私は委員長に、大臣に来てもらってそういう点については明らかにしてもらわなければ、やはり漁民は非常な不安と不満に覆われておるというのが今日の現状でありますから、そういう情勢も展望しての対応の仕方、これについてはどうかということを尋ねておるわけです。これで話ができぬなら、この質問は留保して、農林大臣が出席をされてから御答弁をいただきたい、そういうふうに処理していただきます。
 それでは、この協定の五条に「漁業上の利益との調整」、(d)ですね。(e)に「紛争の解決」というのが書いてありますが、この「漁業上の利益との調整」「紛争の解決」というものについて、農林省側はどのように対応しようと考えておるのか。
○佐々木政府委員 漁業との調整については、基本的にその漁業等に大きな支障が及ばないように具体的な内容を書くわけでございますけれども、いま先生からお尋ねがございました「紛争の解決」というのは、漁業上の紛争の解決の問題ではございませんで、開発実施上の紛争の解決の問題であるというふうに理解をしております。
○野坂委員 だから、漁業上の利益との調整をやるときには、当該国の開発権者とだれがやるのですか。農林省がやるのですか、それとも漁民がやるのですか。というのは、この間、参考人に池尻漁連専務理事がおいでになって、通産が認可をやる場合は農林省に相談をしてもらって対応してもらわなければだめだ、こう言っておるのですよ。だから、この条項に基づいて農林省はどのように考えておるのか、こう聞いておるのです。
○佐々木政府委員 具体的には、一般的な調整の問題のほかに、たとえば物理探査について事前了承を得るといったようなことにつきましてはっきりと取り決めをしております。それについて通産大臣が認可をします際に農林省の方へ協議をしていただいて、農林大臣の方でオーケーができる具体的な内容がきちっと決まった場合に実施に移っていただくということを通産省との間で取り決めをいたしております。
○野坂委員 その取り決めの文書を出してください。すく出していただけますね。――そこで、いま大陸棚協定というものが批准をされると九カ月後にはもう出てくるわけですから、そういう点について事前に調整をしなければならぬ、こういう事態があるわけですよ。だから、その調整という状況の中で漁民の皆さんと農林省はどの程度話し合っておるのか、どのような被害を想定をしておるのか。たとえばアメリカのサンタバーバラの問題、いまお話があった北海の油田の流出、こういう状況を踏まえてどのような考え方に立っておるのですか。どの程度話が進行しておるのか。
○佐々木政府委員 具体的な開発の場所であるとか開発の規模、やり方等が決まる以前の話でございますので、私どもとしては、特に関係の深い遠洋底びきの漁業の関係団体あるいはまき網関係の団体、こういったものを中心にしまして、大日本水産会を窓口にしてこういった内容での協定が結ばれるということの内容を説明いたしまして、それに関して漁業者の団体としての全体的な意見を聞いております。その結果、大日本水産会の方からは、特に水産業界の意見といたしまして、第一番目に、鉱業権の設定であるとかあるいは海底鉱物資源開発計画の実施に当たって、あらかじめ関係大臣と協議するよう措置してほしいということ、第二点目といたしまして、開発事業の実施に伴って生ずるおそれのある公害が発生しないように措置することはもちろんであるけれども、万一発生した場合の損害の賠償措置を確立してほしいということ、それから三番目は、漁場の喪失であるとか漁業活動の制約によって損害が生ずる場合には、十分な補償措置を講じろ、こういった具体的な要望をいただいております。これに基づきまして水産庁としては、これまで通産省その他関係省庁と協議をいたしまして、協定の実施についていまのような配慮を当然やっていただくべきだということをお話をしまして、いまの点につきましてはほぼそういうルールが確保されていると考えております。
○野坂委員 漁連はどうですか。
○佐々木政府委員 漁連につきましては、長崎県の漁連に一応こういった状況を説明をいたしております。
○野坂委員 大日本水産会からやったと言うんですが、この間、参考人に池尻漁連専務理事が出て、私は、きょう、よく知らぬ、話もしておらぬ、もちろん漁連等も知らない、こういう状態だということをはっきり言ったのですよ。だから、水産庁はそういう点については非常に手抜かりがある、私はそう思います。
 政務次官にお尋ねしますが、二百海里時代だ、日本の漁民はあの二百海里の中で何トン魚をとっておるのですか。
○羽田政府委員 あれされますところの水域ですと、先ほど加藤委員にお答えしましたように三万九千トンでございます。
○野坂委員 それは共同水域ですよ。ソ連が線引きをした中の二百海里、いま問題になっておるところは幾らなんだと聞いておるのですよ。
○羽田政府委員 百七十万トンでございます。
○野坂委員 西日本の海域でとれるのはどの程度なんですか。
○佐々木政府委員 東シナ海区全体の漁獲量で百三十三万トンくらいでございます。
○野坂委員 だから、匹敵をするものですね。それからいま政務次官がお答えになったのは、共同開発区域内でとれる魚は三万九千トンだということなんです。あそこはグチとかタチウオとかスルメイカとかサバとかそういうものの産卵場なんですね。そして黒潮に乗りまして北海道から千島の方まで流れていく。そして一方は台湾の方に流れていく。こういうふうに非常に広範な漁場なんです。そこに共同開発区域が設定されたわけです。だからこの間、漁民の代表は、どう思うか、われわれは遠洋から沖合い、沖合いから沿岸へ、前は沿岸から沖合い、遠洋というふうになっていたのが逆になってきて、特別立法をつくりながらこの漁場の開発と漁業を守っていかなければならぬ、こう言っておるのですよ。そういう状況のときにこれが出てきた。そして北海ではああいう状況。万全の体制だとたった二、三日前までは胸を張って言っておった政府の皆さんがこれを見て一体どう思うだろうか、私は新聞を見てそう思いました。だから、漁業を守っていく農林省としては、この共同開発の場所について、漁業との関連で非常に重要な問題でありますが、この環境保全、安全というものについて意見を述べたことがありますか、ないでしょう。どうです。
○佐々木政府委員 資源エネルギーの確保ということと並んで漁業資源の保存ということに水産庁としてはもちろん最大の関心を持っておるわけでありまして、開発その他が無秩序に行われるということは絶対に困るということをかねがね強く関係省庁にも申し入れをしております。この協定の締結なり実施の段階におきましても、先ほどのような漁業への影響を最小限度にとどめる、万一事故が起きました場合にも漁業者に対する救済の対策は万全の準備をして臨むということは強く申し入れをいたしまして、そういった根拠につきましては、たとえばいまのような無過失賠償責任の問題、あるいは関係大臣との事前協議の問題、こういった問題につきまして、水産庁側から申し入れをしていろいろな措置を協定上も明確にしていただいた部分がございますし、またその実施の段階でも、そういった点について、たとえば探査あるいは試掘あるいは採掘の段階で、それぞれ関係の漁業団体の意見を十分聞いた上で、やり方、時期その他について慎重な配慮を払うようにということを申し入れをし、そういう約束をいただいております。
○野坂委員 安全の問題ですが、この問いろいろ話を聞くと、この協定には無過失責任の問題はあるけれども、安全の問置は別にないですね。しかし、日本ではそういう事故がなかった、これからもないであろうという推測です。そこで、この保安体制はどうなのかと言ってただすと、鉱山法や保安法で整備されておる。これでいいですか。いまずっと規制をして規制をして慎重にやって北海油田はあの流出の状況なんです。これが一日に四千キロも流れて、あのところの海流に、黒潮に乗ったものが流れ始めると日本はどのような状態になるかということを想定をして、具体的に特別立法でも――共同開発地域においてどういう申し入れをしておるんですか。慎重にやってくれというのは、具体的な内容としてはどういうことなんですか。いままである法律でやっておるからいい、こう言っておるんですよ。どうなんです。
○佐々木政府委員 すでに水産庁と資源エネルギー庁との間で約束をしております了解事項を簡単に申し上げますと、まず共同開発区域の上部水域における海洋水産資源の維持、開発の重要性にかんがみまして、まず特定鉱業権が、海底下である大陸だなの区域について許可されるものであって、上部水域については一応別だということと、それから共同開発事業に係るボーリングその他の作業によって漁業に係る損害が生じ、またそのおそれがあるというふうに農林省が認めまして、根拠を示して鉱山保安法に基づく命令その他の行政措置をとることを要請した場合には、通産省はその要請の趣旨に沿って措置をとっていただくということ。それから、特に農林省から、原則としてたとえば共同開発区域の中の中央部を縦断する魚礁帯に属し、産卵場、好漁場等、漁業場の価値が大きいというふうに認めた魚礁の周辺であって、その特定の場所につきましては、指定区域としてそういった点については採掘を制限する。そういうふうなことにつきまして一連の申し入れをし、了解事項としてまとめておるわけでございます。
○野坂委員 その了解事項があれば文書にして全員に配ってほしい、農林水産委員にも。しかし、そういう点についてあるけれども、この協定については全くそういうことが出されていない。特に委員長にお願いしたいのは、いまも国対からお話があったようですが、先ほどソ連の態度について、中国、韓国を除外した新しい事態の対応策、これについては農林大臣が来て説明をするというふうに確認をしておりますので、外務委員会の権威にもかかわることでありますから、暫時質問を留保いたしますので、農林大臣に御出席をいただきますようにお願いします。それまでは質問を留保いたします。第一、これが答弁も答えられなかったわけですから、お願いいたします。
○竹内委員長 大臣の出席については、なお督促中でございますが……。
○野坂委員 私は委員長の命に従って、私が始まってから二十五分たっておるわけです。だから、交渉されて促進をされておる間はやろう、こういうふうに紳士的に進めておるわけですけれども、全く誠意が見られません。しかも答弁がきわめてあいまいである。新しい事態に対応する農林大臣の見解、こういうものを求めても現状ではできないというのが実態でありますから、それまでは留保して、特に連合審査であるという意味から、しばらく農林大臣の出席があるまでは質問を続行するわけにはいかぬ、こういう状態です。
○竹内委員長 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○竹内委員長 速記を起こしてください。野坂君。
○野坂委員 それでは、農林大臣がおいでになった場合には再質問させていただくこととして、外務大臣にお尋ねいたします。
 今月の二十三日に中国が公式に……(発言する者あり)
 静かにさせてください。
○竹内委員長 静粛に願います。(発言する者あり)
○野坂委員 委員長、休憩して理事会でよく討議してください。そうしなければ質問できません。
○竹内委員長 速記をとめて。
    〔速記中止〕
○竹内委員長 速記を起こして。
 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時三十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時十分開議
○竹内委員長 休憩前に引き続き連合審査会を開きます。
 質疑を続行いたします。野坂浩賢君。
○野坂委員 外務大臣にお尋ねをいたしますが、今月の二十三日に中国側が公式に日韓大陸棚協定に対して抗議をし、異議を唱えた、そういうふうに新聞が報道しております。外務大臣は御承知かと思いますが、内容はどういうものか、そしてそれに対する態度はどのようにお考えになっておるのかお尋ねをいたします。
○鳩山国務大臣 二十四日の新聞に載りました記事についてだと思いますが、その記事によりますと、二十三日に日本政府に対しまして日韓大陸棚協定につきまして中国政府が正式に抗議を申し入れたという取材があるわけでございますが、この記事は必ずしも正確かどうかは私存じないところでありますが、私の理解しておりますのは、二百海里問題につきまして中国側に当方の考え方を説明するために先方の一等書記官を招致した際に、このついでに大陸棚協定につきまして中国政府としては従来の立場であるということが、口頭でそういう意思表示があったという報告を受けているわけでございまして、これは一九七一年に外交部スポークスマンの声明ということが出ておりますので、それと同じ見解であるという程度のものであったというふうに聞いておるわけでございます。
○野坂委員 それでは公式に抗議を受けたというふうには解していない、ついでであったからそれは非公式であった、こういうふうな御見解ですか。
○鳩山国務大臣 非公式な見解の表明であったというふうに理解をいたしております。
○野坂委員 それでは日韓両国において大陸棚が批准をされたその後に、中国はこの協定に対しては反対の意思表示を続けておるわけでありますから、中国側が経済水域二百海里の線を引いたときには、いまの共同開発区域の中にこういうふうに入ってきますね。その場合についてはどのような状況になってくるのかお尋ねします。
○鳩山国務大臣 仮に経済水域というようなことが行われるようになったといたしましても、日本と相対しております中国との間は、これは中間線ということになろうと思います。本共同開発区域は日本と中国との中間線よりも日本寄りの地域であるということで、その点からは全く問題は生じないというふうに考えております。
○野坂委員 いろいろ意見はあろうと思いますが、日韓の線はこういうことできておる。したがって入っておっても中間線よりも日本側だ、こういうことですね。しかし海洋法の六条には境界線、区画線、分界線を決めるのは沿岸当事国が話し合ってそして合意に達する、合意に達しない場合はさらに話し合いをする、話し合いはするけれども、紛争になれば解決するということになっておりますね。しかし中間線の場合に、まあ日本がソ連との領土の問題あるいは竹島問題等をいろいろ議論をしておって領土だとは言っておるけれども、施政権は向こう側にある、果たして話し合いで――たとえば中国の経済水域二百海里線というものが、日本側がまた若干譲歩して中間線よりもさらに日本側の方にきた場合には、共同開発区域の方に入りますよ、一番初めは合意をしなければならぬわけですから。何にも話をしないで中間線だということにはなってないじゃないですか。
○鳩山国務大臣 まだ経済水域につきましては決まっておらないわけでございますが、話し合いによりまして経済水域の境界線を決めるということは当然あり得ることと思います。しかし話し合いがない場合の基準というものは、これは双方の等距離のところであるというのが原則であろうというふうに思うわけでございます。
○野坂委員 私はあなたの方から条約の六条を写して日本語で出してもらいたいと言ったんですけれども、これは等距離ということになっておるわけですね。しかし合意をしなければならぬ、話し合いをしなければならぬわけですからね。相手が話し合いをしないというふうな状況になって――合意に達するまで話し合いをする、そして紛争があれば当分の間暫定措置として取り決めなければならぬ、こういうことになっておるわけですね。だから暫定としてまず合意をする、合意のための努力をする。だから海洋法の六条にも公平の原則に従って不公平にならないように努力をするということで終わっておるわけですね。努力をしたけれどもだめだった、そして力関係でずっとこちらの方に押されてきたということだって合意の事項の中には入るわけです。そういう場合にはどうするのですか。
○鳩山国務大臣 先ほど中国外交部スポークスマン声明は一九七一年と申し上げましたが、一九七四年でございますので、委員長、訂正させていただきます。
 ただいまのお話は経済水域ということで御質問があったわけでございます。条文の話は大陸だなについての条文のお話でございますか。
○野坂委員 いや、海洋法六条にあるじゃないですか、境界線の……。
    〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕
○鳩山国務大臣 経済水域につきましては、まだ決まったものではございませんけれども、隣接するあるいは相対する国の場合には話し合いによって境界線を決めるということはもちろん可能であります。しかし、その話し合いがつかないときは中間線であるというふうに私は理解をしておりますが、なお政府委員から答弁させます。
○井口説明員 補足させていただきます。
 海洋法会議に関しまして、実は経済水域の境界線を相対している国の間でどういうふうに分けるかという問題はまだ交渉中でございまして、草案は最終的には固まっておりません。現在の草案では、ただいま大臣が言われましたように、相対している国の間では公平の原則に基づく合意ということが原則でございまして、適当な場合には中間線、その他のすべての事情を考慮するというふうに書いてございます。
 それから、実は暫定的にはそれまで中間線という規定も当初の単一草案の規定にはございまして、昨年の春のニューヨーク会期で暫定的な中間線という規定ではなくて、むしろ暫定的にも公平の原則による合意でやるという趣旨の草案になっておりまして、それが現在の六十二条の三項でございます。これについてはまだいろいろ議論がございまして、したがって、最終的にはこの点について固まっておりませんけれども、暫定的に中間線という規定が復活する可能性もまだあるというふうに私ども考えておりますけれども、結局は、最終的には公平の原則によって合意というのが、これは海洋法条約の草案のみならず、国際司法裁判所の北海の大陸だな判決でもそういうことでございますので、それが現在の国際法であるというふうに考えております。
○野坂委員 外務大臣、いま大体中間線になるんだ、だから引いておるんだ、こうおっしゃった。そうすると、この大陸棚協定は中間線と延長論と二つとっておるわけですね。だったら、なぜ中間線をとらなかったのですか。
○鳩山国務大臣 大陸だなの境界につきまして、日本が中間線を主張して、韓国側が自然延長と申しますか、いわゆる沖繩海溝によってそこは切れているという主張をして相争った結果が共同開発区域になったということはたびたび御説明をしてあるところでございまして、したがいまして、共同開発区域を設けた趣旨が、そもそも両国の主張が違って、そこが重複した区域であるということであります。わが国の主張としてはその中間線といいますか、逆に、むしろ同じ大陸だなに乗っておるんだという日本の解釈、その主張を貫いているところでございまして、その主張は変わってないわけでございます。
○野坂委員 中間線を片一方はとっておる。片一方は延長論で、重複をしておる、だからここだ、こういうことですけれども、では見てください、ノルウェーとイギリスのあの北海、そのときにはノルウェー側は海溝があって大陸だなはないじゃないですか。それでもちゃんと中間線はあるじゃないですか。
 では、自然延長論が大勢だとおっしゃいますけれども、自然延長論をとっておる国というのはどこにありますか、何カ国ありますか。それが一点。
 それから一九七四年にカラカスで海洋法会議が開かれておりますが、日本側は小木曽さんが出て反対しておる。一九七六年の五月の海洋法会議第四期会議はどういう態勢を経済水域で日本はとったのですか。
○鳩山国務大臣 詳細は政府委員から御答弁申し上げますが、自然延長論であるとか中間線論ということよりは、むしろ沖繩海溝というものの取り扱いに尽きるだろうと思います。いろいろな海溝があるわけでございますけれども、その海溝が、海溝としてそこで自然に切れているというふうに判定された場合もあるし、小さな海溝は、それはないものとして扱われている例もあるわけでございます。その海溝の取り扱いが両国の間で見解を異にした。沖繩海溝くらいの大きさのものをどう扱うかというものであろうと私は理解をしておりますが、なお詳細は政府委員から補足させていただきます。
○井口説明員 海洋法会議で自然延長論が有力であるということは、実は春会期にも第二委員長のアギラールの書いた報告で、これは国会の方にも差し上げましたが、それで書いてありまして、むしろ二百海里以遠の自然延長の外縁を客観的にどう決めるかということの作業が夏会期に必要であるということでございますが、夏会期にもその点の客観的な、技術的な基準というものについてはまだコンセンサスができませんでした。ただ、そのときにも委員長の報告で、もはや二百海里以遠の幅広い大陸だなを有する国は、これを自国の大陸だな、自然の延長であるという立場でパッケージディールとして譲らないということで、あとは二百海里以遠の大陸だなを収益分与して、後進国に一部の収益を分けるということで解決するしかないということでございます。
 それで海洋法会議の議論の集大成としては、その委員長の報告がございまして、やはりこれが大勢であるというふうに申し上げたいと思いますが、わが国といたしましては、原則としてやはり経済水域に関して中間線が望ましい、国益に合致するという判断でございますけれども、海洋法の大勢といたしましては、中間線は適当な場合に、公平の原則に合致した限りにおいて用いるという形の主張が改訂単一草案にずっと入っておるわけでございます。
○野坂委員 カラカスなりニューヨーク会議の賛成、反対を言ってください。
○井口説明員 これは、ニューヨークでも非公式協議でございまして、必ずしも各国すべて発言したわけでございませんし、実はこれは国連の方の会議の慣行で、各国の国別発言というものは議事録でとらないという形でございまして、その大勢を委員長が判断して、しかも国の名前を挙げないでリポートに書くということで春と夏の会議が終わっているわけでございます。それがいま申し上げたように、二百海里以遠の自然の延長が大勢である。あとはそれを客観的に外縁をどうとらえるかという問題と収益分与の問題だということは結論として出ているわけでございます。
○野坂委員 私が質問をしていることに答えてもらわなければならぬわけです。カラカスの会議では小木曽さんが出て、経済水域は反対しておるのですよ。七六年の五月の第四期の会議が非公式であろうがなかろうが、日本は表明しておるのです。国会ですからね、重要な審議の中でどういうことも、それも国会議員には教えられないということはないでしょう。賛成しておるんでしょうが。非公式には賛成しておるんじゃないですか、経済水域は。
○井口説明員 経済水域は原則として中間線ということでございます。
○野坂委員 二百海里ですよ、二百海里の経済水域については、七四年のカラカス会議では反対だった。七六年の五月はどうだったんですかということです、経済水域に対して。
○井口説明員 これは、昨年のニューヨークの春会期の前の三月の閣議で、わが方としては合理的な内容であって、しかも遠洋漁業の伝統的実績を守るということが確保されれば、二百海里の経済水域には原則として賛成するということで、昨年三月そういう方針を打ち出しまして、以後そういうラインで対処しております。
○野坂委員 そうでしょうが。七四年には反対をして、七六年の五月は基本的に賛成しておるのです、経済水域は。それだったら経済水域は、大陸だなという海床なり海底だけの問題ではなしに、すべて上まで通る、そして海床なり大陸だなそのものにも影響力があるわけでしょう、漁業水域と違って。あなたは、情報文化局ですか、パンフレット等を出していろいろやっておられますけれども、そういう方針が決まっておったなら、経済水域をやった方か――日本の国益論を盛んに言われるのですけれども、国益論からすれば、経済水域を設定をして、海洋法会議でわが国が意思表示したとおりなぜ進めなかったのですか、あなたに聞きたい。
○鳩山国務大臣 経済水域につきまして、いま御説明申し上げましたように、昨年から日本は賛成に回ったことは事実でありますが、大陸だなの問題と経済水域の問題とは別個の観点から決められておる。また観念も別個の観念であって、その間の調整がないということはたびたび御説明をしてあるところでございまして、しかも、歴史的にもトルーマン宣言以来大陸だなという観念が非常に出てきた。その結果として、大陸だなのない国々が経済水域あるいは漁業水域ということを主張し出したということがありまして、したがいまして、大陸だな問題と経済水域というものは、これは経済水域があるから大陸だなの問題が別に制限を受けるというようなことになってないわけでありまして、したがって、経済水域時代に入りましても、依然として大陸だなの管轄権をどこが行使するかということはそれだけでは決着がつかないということでございます。
○毛利委員長代理 野坂君、時間が参りましたので、次の質疑者にお譲りください。
○野坂委員 たくさんありますけれども、時間がありませんから私はやめますが、あなたが基礎にしてやっておられるのは一九五八年の大陸棚条約だ。しかし時代は日進月歩で、公海を主張してきておった日本は、世界の大勢として領海は十二海里、漁業水域は二百海里。経済水域は二百海里というのが時代の趨勢だ、だから一九七四年に反対したものが七六年五月に変わってきたのですよ。だからそういうことでは、海のない陸地の国やあるいは大陸だなのない国には利益がないから、大陸だなというものは二百海里で切って、それ以上出ておったものはみんなどう国際的に還元をするかということが議論になって、非常に進んできたのですよ。だから大勢は変わってきたのです。だから、あなたが言ったようにあの四章には大陸棚条約があるけれども、三章には排他的経済水域ということが明確に書かれて、ずっと四十三条から六十三条まで出ておるじゃないですか。それならばとちらが――国益論を盛んにやられますが、国益論なら経済水域をやった方がいまの状況よりもはるかに前進ではないか、こういうことを私は言っておるのです。そのことに対して真っすぐ答えてもらわなければなりませんし、もう一点だけこの際聞いておきますが、たとえば開発権者に決められる、そして開発権者は両者でそれぞれの当該国が話し合って操業管理者、オペレーターというものが決まる。そうですね。決まると、韓国の場合はそれを一〇〇とすれば一二・五%のロイアルティー方式で返さなければならぬ。メジャーそれぞれと日本の開発権者が話し合って、その配分というものは、一〇〇から一二・五%を引いた八七・五を半分にするのか、一〇〇を分けて、その五〇の中から一二・五%を引くのか、その辺が協定では非常に不明確だ、その点はどうなのか。それからもう一点は、この大陸棚協定は収益性と投資効果というものはどうなのか。そういう点についてあなたの御所見を承って私の質問を終わりたい、そう思います。
○鳩山国務大臣 専門的なことは後ほど政府委員から補足をさせていただきますが、わが国は二百海里の経済水域をなぜやらないかという話は昨日もあったわけでございますが、海洋法会議の結論を待って日本としては経済水域の問題に取り組むべきで、現状におきましては漁業水域ということでお願いをしておるということは昨日も申し上げたところでございます。
 どちらが国益に合するかということは、日本の国から申し上げれば、日本というのは海に囲まれた国でありますから、それは経済水域ということを、そういう時代が来れば当然日本としては考えるべきことで、それは国益に沿うことは確かでございます。ただ、現在では時期がまだそこまで熟していないということでございます。
 後ほど専門家から御答弁させます。
○大森政府委員 先生御指摘の、韓国側の開発権者がいわゆるロイアルティー方式をとっているということの関連の御質問がございましたので、その点についてお答え申し上げます。
 この協定の第九条の第二項におきまして、双方の開発権者が費用の等しい分担をするという規定がございますけれども、その中で「天然資源の探査及び採掘のために要すると合理的に認められる費用」というふうにはっきり規定してあるわけでございまして、この探査、採掘のために必要と合理的に認められる費用という中には、韓国側の開発権者が負担する租税とか、先ほど御指摘になったロイアルティーに類するもの等は日本側の開発権者は負担する義務はないわけでございます。
○野坂委員 これで私は終わらしていただきますけれども、わが国は七六年には経済水域に賛成なんです。あなたがおっしゃっておるように、経済水域にした方がこの大陸棚協定はさらに有利であるということは判然としておる、そういう点の確認をされました。しかし世界の大勢はそこまでいっていないということなれば、正しいと思われる方向に――たとえば韓国はすでに経済水域を二百海里に出すぞと、この大陸だなの審議の状況を見ながらそう言っておるじゃないですか。そういうことに対応する対策というものがいま必要なのではないかということを申し上げ、投資効果なり収益性の問題については遂に御答弁がいただけなかったことを残念に思って、私の質問を終わります。
○毛利委員長代理 岡田利春君。
○岡田(利)委員 日韓大陸棚協定に関連して若干御質問いたしたいと思います。
 まず初めに、今日の国会における日韓大陸棚協定の審議の状況にかんがみて、新聞報道によれば、韓国側は、この協定の批准を早急に行わなければ、韓国としては報復措置をとらざるを得ない、したがって鉱区の単独設定あるいはまた漁業専管水域の二百海里の早期設定を図るという態度が伝えられておるわけです。外務省としてはこれらをどう把握をされ、この報道についてどういう見解を持たれておるか、まず伺っておきたいと思います。
○鳩山国務大臣 韓国政府としては、韓国の国内のいろいろな議論から、日本がこの批准がなかなか進まないということにつきまして相当いら立った状態にあるように聞いておるところでございます。そのために一日も早くこの御承認を賜りたい、そういう一念で私どもおるわけでありますが、先方といたしましても、一日も早く日本側で国会の御承認がいただけるように、そういうことを熱望いたしております。
 それから、もしこれがおくれた場合にどうということは、これは必ずしも本意ではないので、本心は、一日も早く御承認をいただくことができて共同開発に着工できることを待っておるということが私の率直な判断でございます。
○岡田(利)委員 ただいま野坂委員から海洋法会議並びに非公式単一草案等に関連して質問がありましたけれども、今度行われる海洋法会議ではどのような問題が審議の重点になるのか、どう判断されておるか、この機会に承っておきたいと思います。
○鳩山国務大臣 今回の海洋法会議でいままで進んできた方向というのが、二百海里の経済水域あるいは領海を十二海里に拡張、それに対するいわゆる国際海峡の通航問題、こういったことでありますが、経済水域というような問題として、何といいますか海洋が分割をされるような、そういう方向に進んでおるわけであります。したがいまして、それによって利益を得ない方面といいますか、発展途上国等においては、そういう経済水域等によって大きな利益を得られない立場から、深海の資源の利用の問題等につきまして開発途上国も共通の利益としてその利益に関与すべきだ、こういう観点から深海海底資源をいかに開発をするかということが問題の焦点ではなかろうかというふうに私は理解をいたしております。
○岡田(利)委員 私はいま大臣が述べられた深海海底資源の開発、これに関する議論がきわめて重点的に行われるのではなかろうか、こういう判断についてはまさしく同感であります。だがしかし、わが国として今国会でいま審議をいたしております漁業専管水域二百海里、すなわち海洋法会議で言う経済水域のうち漁業関係だけ、生物資源だけを抜き出して漁業専管水域が昨年アメリカで設定され、順次全世界的にいまこれが先取りされて決定されている。そしてこれが慣行化している。したがって、国際的にこれらの問題は慣習化すれば国際法として効力を発するものと思われるわけです。
    〔毛利委員長代理退席、委員長着席〕
特に今日日ソ漁業の中でも、いわゆる伝統的実績とかあるいはまた実績とか、いろいろ使い分けた議論も行われているわけでありますけれども、そういう今日の二百海里問題をめぐる国際的な情勢から判断すれば、わが国としてこの会議に臨む態度として、特に漁業専管水域、経済水域に関連してわが国のこの会議に対する基本的な方針といいますか、そういう態度というものが明確に決定されなければならないのではないか、こう私は考えるわけでありますけれども、外務省当局は今度の海洋法会議にこれらの問題についてどう取り上げるつもりか、見解を承りたいと思います。
○鳩山国務大臣 なお専門家から補足をさせていただきますけれども、わが国自身として漁業面では二百海里の水域ということを踏み切ったわけでございます。したがいまして、これから二百海里問題が経済水域という形で取り上げられるということにつきまして、わが国としてはそれに賛成をしてまいる、こういう立場となると思う次第であります。
○井口説明員 補足させていただきますが、漁業水域については、もう海洋法会議でこれは経済水域の一環としてほとんどテキストは固まっておるということでございまして、実は高度回遊性魚種の問題だけはこれは水産庁の方が特になさっておられるわけですけれども、まだこれを経済水域二百海里の中の魚種と考える国と、これはやはりむしろ遠洋漁業国が考えるように、地域委員会で公海の魚種として経済水域とは別に国際機関が基本的に関与すべきであるという意見がございまして、その点若干調整が残されておりますけれども、これはもうほぼ固まっておりまして、わが国が主張した遠洋漁業国の実績確保ということも足がかりはあるわけでございます。
 経済水域に関しましては、これも二百海里の経済水域を設定し得るということと、資源に関してはこれは主権的権利を持つ、あるいは排他的管轄権を持つということは確立しておりますけれども、まだ実は経済水域が公海であるのかあるいは公海でなく領海でもない第三の水域であるのかということで意見の対立がございまして、その点が最終的にはまだどうなるかわかっておらないということでございます。
 それから資源以外の管轄権で、科学調査に関しまして、これも事前許可を要するのか事前通報だけでいいのかという問題が残っておりますし、それから汚染防止に関しましても、旗国の優先的な管轄権というのをどういう形で保存するかという点も一つ残っております。しかしながら大勢といたしましては、これは航行の自由とか領空飛行の自由あるいは海底電線敷設の自由とか従来の公海の自由はなるべく残して、資源を中心とした排他的な管轄権が行使されるという方向で固まっておりまして、わが国といたしましては、この汚染に関しても沿岸国の二百海里の管轄権を原則として認めるという方向でございますけれども、航行の自由とか、いま申し上げたパイプラインの敷設の自由とか、いろいろ公海の自由が確保されていた問題については、沿岸国の管轄権と両立し得る形においてなるべく広くこれを確保したいと考えておるわけでございます。それから、公海の地位というものもやはり経済水域においてもなお認められるべきであるという立場に立っております。
○岡田(利)委員 わが国は領土的にはきわめて小国でありますけれども、海洋的には世界的に大国である、こう言えるのではないかと思うのです。そういう立場に立てば、当然政府としても七四年に態度を変更したように、排他的経済水域についてはこれは賛成である、カラカス会議以降態度を変更したということはきわめて当然ではないか。そういたしますと、これからの海洋外交は、そういう決断の上に立ってそういう態度を基本にしてすべてこれからの海洋外交や政策が発想されてまいらなければならないのではないか、こう思うわけです。そうしますと、結局海洋法会議においてわが国は排他的経済水域の画定というものを積極的に推進する側でなければならないのではないか、こう思うのでありますけれども、いかがでしょうか。
○鳩山国務大臣 わが国は海に囲まれておるわけでございますから、海洋国家として経済水域、このようなことに大変関心があるわけでありますが、また他方海運国であるということ、また遠洋漁業国であるということがあるわけでございまして、これら両方の国益を確保してまいりたい、こういうのが基本的な考え方であろう、こう思うわけでございます。
○岡田(利)委員 わが国の二百海里内では約六百万トンの漁獲を得ておるわけです。遠洋においては約四百万トン。しかしながら海洋法会議でも示しておるのは、漁業専管水域を設定しようが、経済水域が設定されようが、その国の伝統的な実績というものは尊重する、これが海洋法会議の精神であると思うわけです。そうしますと、遠洋国家としての従来の伝統的な実績については、二国間で話し合いがなされ、そうしてそういうものが尊重されて決められるべきだ、相手国に経済的な混乱を与えてはならない、こういう保障があるわけですから、遠洋国としてそういう方向で別にそう重大な問題にならないのではないか。今日の世界的な趨勢から判断すれば、当然そういう理解が素直になされていいのではないか。そういたしますと、結局経済水域の問題は、海洋的にはわが国は大国でありますから六百万トンの漁獲も得ておるし、広範な海底には資源が賦存いたしておるわげでありますから、わが国は当然排他的経済水域の設定について積極的に今日推進する側でなければいかぬではないか、それが国益ではないのか、こう聞いておるのであります。
○鳩山国務大臣 経済水域に対しまして積極的に推進をするというお話でございますが、今日二百海里の漁業水域をお願いしておるわけで、今日の段階では漁業水域としてお願いをするしかないということを申し上げているわけで、海洋法会議の結論が、二百海里は経済水域として設定をすべきだ、してよろしい、こういうことになりますれば、当然のことながらわが国としても積極的な対策を講じていくべきであろう、このように考えております。
○岡田(利)委員 わが国としては海洋法会議で決定されるすべての事項についてこれを無条件に受け入れるという考えですか、いかがですか。
○鳩山国務大臣 海洋法会議の結論をこれは検討しなければならないわけでございまして、どのようなことが起こりましょうとも無条件ということをここで申し上げるのもいかがかと思いますが、わが国が当然承知し得るような内容のものが結論として出てくるということを期待をいたしておるところでございます。
○岡田(利)委員 私は今日の漁業専管水域二百海里の設定の状況、世界の趨勢、この面から判断すれば、海洋法会議における経済水域の設定の時期はそう遠くはないのではないか、いわば二、三年以内にはこの問題については決着がつくだろう、こういう一応の見解を持っておるわけです。そういう見解についてどういうお考えか、政府の見通しについてひとつお聞きいたしたいと思います。
○井口説明員 見通しに関しましては、実は第六会期が本年五月から七月までございますけれども、それから先は実は来年の会期になるわけでございまして、いまいろいろ最終的な意見調整が行われておりますけれども、深海海底資源の問題についてもまだ対立があり、これはいつ終わるかということを軽々に予断し得ない側面がございます。しかし見通しといたしましては、いま先生の言われたような一つの見通しというのはあり得ると思います。
○岡田(利)委員 私は、そういう新しい国際的な情勢、世界の海洋政策の発展的な動向、こういう面から判断すると、今回の日韓大陸棚協定は、それなるがゆえに国益の立場に立っても慎重に対応するということがきわめて当然ではないかということを実は申し上げたいのであります。しかも、この共同開発区域をずっと検討してまいりますと、非常に多くの問題があるわけです。たとえば共同開発区域の海底というのは、これも議論になっておりますけれども、私どもの立場から言えば、地質学的にこれは日本列島の継続地域であるという判断をせざるを得ないわけです。台湾の隆起地帯についても、瀬戸内海に達するいわゆる沈降地帯についても、日本列島から継続的に接続しているいわゆる地質的な条件を持っている、これがわれわれの判断であるわけです。ところが韓国側はあくまでも朝鮮半島の自然延長の地帯であるという主張をいたしておるわけでありますけれども、私は、この点について地質学的に韓国の主張には無理があるという判断を持っておるのでありますけれども、この点についてはどういう議論がなされ、どういう理解をされておるのかお聞きいたしたいと思います。
○中江政府委員 この大陸棚協定を交渉いたしましたときの日本と韓国との間の論争点は、その大陸だなが地質学的にどうであるかということではなくて、国際法上の制度としての大陸だなに対する主権的権利の主張というものの論拠の正当性を争ったわけでございまして、日本側が争いました論点は、まさしく先生が言われましたように、この大陸だなは日本列島を含む大きな大陸だなに日本と韓国が相対して位置しているのであるから、これは中間線であるべきであるという議論をしたわけでございます。この日本と朝鮮半島との間に横たわっております大陸だなが一つの大陸だなであって、これを日韓両国が相対してはさんでいるというその認識そのものに韓国は承服をいたしませんで、韓国が持ち出しました論拠は、その大陸だなの中に日本に非常に近いところに横たわっております海溝が飛び越し得ないものである、飛び越すような簡単なしわではない、これは大きな海溝であって、大陸だなは朝鮮半島から延びてきましてそこで終わっている、そういうことになりますと、日本側からは大陸だながないわけでございますので、そもそも中間線だの何だのと境界を画定するまでもない、自分の方の大陸だなの主権的権利はその大陸だなの終わるところまで、つまりみぞの手前まで延びているという主張をしたわけで、この二つの国際法上の論争点につきまして、日韓両国が足かけ三年にわたって国際司法裁判所の判例だとか、国際法学者の著述だとか、国際先例だとか、いろいろなものを持ち出しまして論争したわけでございますけれども、ついに決着がつかずに、それを純粋に法律的に国際司法裁判所にまで持っていって判決を仰ぐという方法をとるか、それとも資源開発、資源の有効利用というものに着目して実際的解決を図るか、こういう政治的判断の段階にまで達しまして、日韓両国はともに資源の少ない国として資源の有効利用に踏み切ろう、そのためには両方が主張しているところは重なっているわけだから、そこは一緒に開発して出てきたものは折半しようという実際的な解決を図った。しかしその結果としてそもそも双方が主張しました法律的立場が害されてはならないから、法律的な国際法上の大陸だな制度についての立場はお互いに維持している、ただそれを持ち出せばけんかになって決着がつかないということでございましたので、協定の二十八条で法律的立場は害されないということを念のために記してあるということでございます。
○岡田(利)委員 この共同開発区域の接続水域においては、かつてわが国においても石油資源の開発のボーリングが行われた実績があるわけです。一九七〇年に西日本石油株式会社が五島の沖で試掘を行った。この場合の結果は、若干の油の浸出傾向を見たというのが実はあります。しかし一般的に言われておりますのは、この区域内のマイナス六千メートルの堆積層にはいわば石油の産出の可能性は非常に少ないと言われて、一方では不毛地帯に属するのではないかという地質学者の一応の説もあるわけであります。したがってこれらについては、すでに日本近海においてわが国は地質学的に相当経験を積んでおるわけでありますから、そういう意味でこの地帯がきわめて有望な地域であるという前提に立って共同開発が日韓で進められるように、何か作為的につくられておるのではないかという感じすら私は専門的な意見を聞いて受ける面があるわけであります。こういう点について、通産省が来ておりますから、どのようにこの地域を判断されておるのか、そういう過去の実績、そしてまた日本近海のいままでの経験から見た地質的な判断について、どういう考えを持たれているか聞いておきたいと思います。
○古田政府委員 この地域につきましては、一九六八年にエカフェがスパーカー方式による調査を実施しておりまして、その結果石油の賦存が非常に有望とされた東シナ海大陸だなの北部に当たっているわけでございます。この東シナ海大陸だな区域の堆積物は、その調査によりますと石油賦存の可能性が非常に高い第三紀層に属し、しかも堆積物の厚さも非常に厚いということで同報告に指摘してありますが、もちろん詳細な地震探鉱や試掘が行われているわけではございませんので、具体的な埋蔵量について正確な推計は困難でございます。いずれにしましても、同報告自体がこの地域が将来一つの世界的な産油地帯になるのではないかという報告をしているわけでございまして、その後、共同開発区域の一部で行われました民間企業の地震探鉱の結果も入れて考えますと、当初予想した以上に堆積盆地の厚さが厚いという見方も出ております。そういう地質的な見方あるいは一部の探鉱の結果等を入れまして、私どもとしましてはかなり有望性の高い地域ではないかと考えているわけでございます。もちろん詳細な地震探鉱試掘が行われていないために、埋蔵量につきまして先ほど言いましたように正確な推計は困難でございますけれども、一部の研究機関等での研究によりますと、この地域を含めまして九州、沖繩、東シナ海水域で少なくとも七億キロリットル程度の埋蔵量は発見可能ではないかというふうな推計もあるわけでございます。
○岡田(利)委員 この協定に関連して商工委員会で実は特別措置法案が出ておるわけです。この中では特に漁業との調整に関する事項、これは通産省令で定めるところであるけれども、農林大臣と協議しなければならない、こういう定めが実はあるわけであります。きわめて抽象的になっておるわけでありますけれども、先ほど来質問がありますように海上汚染防止という点ではきわめて注目されるわけでありますが、この政令の内容についてこの機会にひとつぴしっと説明を願いたいと思います。
○古田政府委員 別途私どもの方から国会に御審議をお願いしております国内の特別措置法案の第二十一条におきまして、開発権者が締結します共同開発事業契約の中に「漁業との調整に関する事項」を明示するということを条件づけているわけでございますが、この共同開発事業契約の中の漁業との調整につきましては、第一に、私どもとしましては漁業との調整に関する業務の分担につきまして明示させる。たとえば、日本側関係漁民との調整は日本側企業が担当するというようなことを明らかにさせたいと思っております。
 それから第二に、物理探査は盛漁期を避けるというようなことも明らかにさせたいと思っております。
 それから第三に、坑井の掘削に当たりましては、個別に関係漁民の了承を取りつけることというふうな点も明らかにさせたい。
 こういうふうな点を基本方針としまして記載させる方針で臨みたいと思っておりまして、もちろんこれに関しましては、同じく同法律案の二十一条に基づきまして農林大臣との協議を行うということになるわけでございます。
 この内容につきまして、私どもとしまして漁業との調整が不十分である、あるいは支障があるというふうなことになりますと、共同開発事業契約は不承認とするという方針で臨みたいと思っておりますし、これが不承認になりますと、たとえ韓国側企業が操業管理者となる場合でございましても、開発事業は実施し得ないというふうなことになろうかと思います。
○岡田(利)委員 わが国の石油の近海における採掘の実績というものは消費量のわずか〇・三%と、きわめて少ない数字であるわけです。したがって、特にこういう新しい石油資源の開発ということを考える場合に、いま政府から説明されておる内容によれば、現行の鉱業法さらにまた保安法、これに基づいて措置をする、こういう説明が行われておるのでありますけれども、私は、現行鉱業法並びに特に保安法だけでは非常に不十分ではないか、この点についてはやはり特別にこれらに対する対策あるいはまた法の改正を行う必要がある、こう理解をいたしておるわけですが、特に海洋汚染と関連してこの点について御説明を願いたいと思います。
○松村説明員 お答えいたします。
 現在の鉱山保安法におきます海底採掘の規制でございますけれども、現在鉱山保安法におきましては、海洋汚染防止のために海洋汚染防止法と同等またはそれ以上の規制を行っているわけでございます。まず、鉱山保安法におきましては、海洋施設には噴出防止装置をつけるとか、あるいはその他各種の保安措置を取るということを義務づけると同時に、また海上施設からの油または廃棄物の排出等を原則として禁止するといったように、日常の探鉱開発作業や石油等の噴出等の突発的な事故により海洋が汚染されることのないように、現在のところ万全の措置を講じているというふうに考えておるわけでございます。
○岡田(利)委員 しかし、アメリカのサンタバーバラの問題や今回の北海油田における事故発生等の問題、きわめて大規模に、広範にわたっている。もし、この共同区域でそういう事態になれば、この地域は特に産卵魚礁のような地域でございますから、きわめて重大な影響を与えると想定されるわけであります。したがって、いま説明がありましたけれども、さらにこの点については検討を深めていく必要があるのではないかということを申し上げておきたいと思います。
 時間がありませんので、最後に関連して大臣から一言伺っておきたいのは、私は韓国の二百海里の設定はもう時間の問題である、年内には韓国の二百海里は設定されるだろう。北朝鮮は、ソ連との二百海里の関係で、日本の沖を通って北朝鮮の船団がソ連の二百海里の操業に出漁をした、こう私どもは情報を受けておるわけです。したがって、韓国の二百海里というのは北朝鮮の二百海里になる。ソ連と韓国との間は国交がありませんから、ソ連の二百海里設定に基づいて全船引き揚げたわけですね。わが国と北朝鮮の間には国交がございませんから、北朝鮮が二百海里を設定した場合には政府間交渉というものは成り立たないと私は思うわけであります。したがって、このいずれもが新しい局面を迎えている、こういうことを敏感に把握をしなければならぬのではないか。しかも、これはもう今年度中か、ずれてもそうはずれない、年内にこういう事態が起きる、こう想定せざるを得ないわけですが、この点についてどういう判断を持たれておるかという点について、伺っておきたいと思います。
○鳩山国務大臣 この問題は水産庁の方から御答弁される方がいいかと思いますが、私どもの伺っておりますのでは、韓国並びに中国に対しましては農林大臣もたびたび相互主義をとるということをおっしゃっておりますので、現状で両国間に、中国とも韓国とも何ら支障なく漁業が行われておるということで、現状を尊重をいたしたいというのが鈴木農林大臣のお気持ちでありますし、私どももそのように考えておるところで、これがいつまで続くかということは予断を許しませんが、現在の日本の特に西部に関係する漁業関係の方々は、その現状を希望しておられるというように伺っておりますので、なるべく現状を維持したいという考え方でおるわけでございます。
○岡田(利)委員 大臣としては、少なくともやはりこれは外交に関する問題であり、北朝鮮とは現実に外交がない、国交がない、しかし今日、世界の海洋の大勢はそのことをすでにもう予言している、これに一体どう対処するのか、これは水産庁や農林省の問題ではないと思うのです。現状は、いま民間協定がありますから、これでやっていく、しかしそういう対応の仕方というものは、外務省としてもう少し今日の情勢を分析をして的確な判断と対応策を持たなければならぬのではないか、こう私は申し上げておるわけです。そういう意味で、そういう事態は当分ないと判断されておるのか、ただ希望すると大臣は言われておるのか、この点いかがですか。
○鳩山国務大臣 これはわが国として希望をいたしておるのでございまして、先方がいかなる考え方をとられるかは、これはわが国で予断をするわけにはいかない、このように考えております。
○岡田(利)委員 終わります。
○竹内委員長 午後六時から連合審査会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
    午後二時八分休憩
     ――――◇―――――
    午後七時開議
○竹内委員長 休憩前に引き続き連合審査会を開きます。
 質疑を続行いたします。瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の南部の共同開発に関する協定について、外務大臣並びに関係当局に質問いたします。
 海洋法会議の結果、日韓大陸だな南部共同開発地域に関する交渉において、日本政府及び韓国政府の当初主張した立場及び理論のいずれが大勢となりつつあるのか、冒頭外務大臣からこの点についてお答えをいただきたいと思います。
    〔委員長退席、山田(久)委員長代理着席〕
○鳩山国務大臣 南部の共同開発地域につきましては、長い間両国の見解を異にしておったわけでありますが、その見解の相違というものは、この大陸だなが、わが国といたしましては韓国と日本は同じ大陸だなの上に乗っておる、そういう観点から、したがいまして中間線で区分をすべきものであるということを主張し、韓国側はこの大陸だなは沖繩海溝というところで切れておるという観点から、これは韓国側から延びておる大陸だなである、こういう主張が対立しましたわけでございます。この対立が続いていきますと開発ができないということになりますので、ひとつこれは共同開発をしよう、このような話し合いになったということでございます。
○瀬野委員 外務大臣、そこでこの海洋法会議の論議においては、みぞを隔てて向かい合う二つの大陸だな国家においては中間線をもって境界とするということが明らかになっておることは御承知のとおりであります。そうであるとするならば、日本側の支配すべき境界内で韓国と共同開発区域を決めるということは、わが国の立場を著しく傷つける協定になる、こういうように私は言わざるを得ない、かように思うわけでございます。
 そこで大臣は、このことについてはしばしば答弁もなさっておるかと思いますけれども、本日の連合審査に当たって、農水委員として私たちもこういった問題については重大関心を持っておりますので、さらにひとつお答えをいただきたいと思うのであります。
○鳩山国務大臣 経済水域にお触れになったと思いますが、経済水域といたしまして、国連海洋法会議の趨勢といたしまして、この二百海里の経済水域を設定してはどうか、このような方向に進んでおることは事実でございます。そして、経済水域と申しますときに、相対する国の間では二百海里、合計四百海里未満のところは当然のことながらその中間線ということになろうと思うわけでございます。
 しかし、大陸だなにつきましての取り扱いというものは、これは経済水域の議論の出る前から大陸だなにつきましての慣行があるわけでございます。大陸だなといたしましては、先ほど申しましたように日本と韓国との見解が相違をしておる、こういうことでございます。
○瀬野委員 今度のこの共同開発区域というのは、中間線よりもはるかに日本側寄りになっているわけですね。まあその韓国の主張と日本の主張の食い違いは、先ほどの御説明で一応はわかるとしても、そうなりますと日本の国益に大変反するものである、いわば韓国の権益を認めるということになりまして、日本の国益を損失する、こういうふうにわれわれは思うのですけれども、それに対しては、外務大臣はどういうふうに政府として見解を持っておられるのですか。
○鳩山国務大臣 この協定によりまして、日本が韓国の主張であるところの大陸だなに対する権限を承認したということではない、お互いにまた、韓国側から言いましても日本の権益を認めたことではないというような、そういう立場は留保してありまして、この共同開発区域につきましては、エネルギーが大変不足している時代に入りますので両国共同して開発をしようというところでありますから、これは何らわが国の権益を害しておるというふうには考えておらないのでございます。
○瀬野委員 そこで、この協定の拘束期間というのが五十年間の長い条約ということになっておるようでありますが、現在わが国において漁業水域二百海里法を審議中でございまして、ただいまも私、福田総理大臣に最終的な総括的な質問を実はしてまいったところでございますけれども、いよいよ大詰めに来ておるわけです。二百海里法を審議しておりますし、領海法もまた同時にいま審議しておりますが、海洋法会議の推移からいっても、将来経済水域、すなわち海底資源を含めた経済水域の設定へ移行するということは当然もう将来考えられていくと思うんですね。そうした場合五十年間拘束されていると、日本の国益いわゆる権益を相当に損なう、こういうふうに私は思うわけですね、半世紀ですから。そういう点は政府はどういうふうな見解をお持ちであるか、お答えいただきたい。
○鳩山国務大臣 この共同開発区域が幸いにして石油が当たったということになりますと、相当長い期間にわたりまして石油の採掘ということになるわけでございますから、五十年という大変長い期間にしてあるわけでございます。わが国並びに韓国、それぞれ先ほど申し述べたように経済水域の問題あるいは漁業水域の問題これらにつきましては権利はそれぞれ留保してあるということを先ほど申し上げた次第でございます。本協定は、もっぱら共同してこのエネルギー資源を開発しよう、こういうことでございます。またその共同して開発しようという、なぜそうなったかということは、大陸だなというものの双方の権利の主張が双方でダブッておる、こういう事態でございます。また経済水域という制度が仮に将来国際的にも海洋法会議の結論が出まして制度的にも認められた暁におきましても、大陸だなという観念はそれ以前からあった観念でございますので、それにつきましての韓国側の主張が消えるということはないというふうに考えておるところでございます。
○瀬野委員 羽田政務次官にお尋ねしますけれども、いま外務大臣からいろいろ答弁がございましたが、五十年間という長い期間にわたっての条約でありますけれども、日韓大陸棚協定によっていわゆる共同開発が進められた場合に、水産庁としてはこの水域でいろいろ問題が起きてくるわけですけれども、漁業の問題としてどういう問題が起こり得るか、またどういうふうに対処する考えでおられるのか、その点水産関係を考慮して政務次官からお答えいただきたいと思うのです。
○羽田政府委員 お答えいたします。
 先生から御指摘のございました海底油田の開発に当たりましては、これはできるだけ漁業に影響を及ぼさないよう探査、採掘などの地点あるいは時期等に十分な配慮が払われる必要がございます。また、万一不慮の事故などがございまして漁業被害が発生した場合には、適切な補償措置が講ぜられるべきものと考えます。
 なお、海底油田開発の安全性については、実は新聞でこの間から報道されております北海油田の事故の例もございまして、本来このような事故の発生は事前に防止し得る性質のものであるということを私どもは報告で聞いておるわけでございますけれども、しかし、不幸にして事故が発生いたしました場合には、円滑に被害補償が行われるよう措置されるべきであり、また協定二十一条におきまして、事故発生の責任が日本国または韓国いずれの側にある場合でも、日本国の裁判所に損害賠償の訴えを起こすことができるよう措置されておるところでございます。
○瀬野委員 この日韓大陸だな共同開発区域の水域において、現在、漁業の実績というものは水産庁はどういうふうに掌握しておられますか。参考のためにお答えいただきたい。
○佐々木政府委員 この共同開発区域で行われております漁業は、以西底びき網漁業、それから大、中型のまき網漁業、そのほか釣り漁業とかはえなわ漁業等が行われております。それで、昭和五十年の漁獲量では、この区域全体で約三万九千トンの水揚げを上げております。
    〔山田(久)委員長代理退席、有馬委員長代理着席〕
○瀬野委員 ただいま答弁がありましたように、三万九千トンのいわゆる漁獲量があるわけですが、御存じのように、大衆魚としてのアジ、サバ、タイ、グチ、タチウオなんかが主にとれております。長崎、福岡、熊本、山口、鹿児島県等がいろいろ操業いたしておりますが、これは重要な漁場でもございます。
 そこで、さらに水産庁にちょっとお答えいただきたいが、現在の海底油田開発技術では開発に伴う海の汚染は防げない、そして漁業資源にも影響するのは必至である、こういうことが言われています。先ほどお話がありましたように、北海油田の例もございますし、事実、掘って石油が出なければこれは何にもならないし、投資した金がだめになるし、また掘ったからには相当量の石油が出ないとこれは意味がない。出るからには、必ずこれは公害、漁業に影響を及ぼすという重大な問題が起きることは必至であります。だれも災害が起きないとは言い切れません。そういった意味で、きょうは大臣は農林水産委員会に出ておりますが、政務次官からその点についてどういうふうにお考えであるかお答えをいただきたい。
○佐々木政府委員 いま先生御指摘のように、万一事故が起きました場合には相当の被害が出る可能性があるわけでございますから、私どもとしては、まあエネルギー資源の確保ということも漁業自身にとっても大事な問題ではありますけれども、こういう開発を進める場合には、やはり各段階ごとに細心の注意を払って、そういう事故の防止には万全を期する必要があるというふうにまず考えております。
 それで、たとえばまず探査をやりますときにも、できるだけ盛漁期を避けて、漁業等に影響がないような時期を選んでもらいたい。そのためには、漁業者の意見も十分聞いて、それに沿って実施をしてもらいたいということを関係省庁に申し入れまして、そういうやり方をとるということについて了解を得ている次第でございます。また、試掘の段階につきましても、やる場所あるいはその工法によりまして漁業への影響が相当違ってまいりますので、そういう点についても当然漁業者の意見を聞きながら、十分な対策を考えながらやはり進めてもらいたい。また、採掘なんかにつきましてやはりいろいろ事故がないとは言えないわけでございまして、そういう場合には、やはりその被害をまず最小限度に防ぐことを十分事前に用意をしておく必要がある。たとえば、オイルフェンス等でそれを囲って、油回収船等でできるだけ早く回収する体制を整備するとか、あるいはまたこれが海流に沿って沿岸の漁場に流れ着く危険があるわけでございますから、万一の場合にはそういう情報を早急に沿岸に伝達をして、沿岸の養殖場等にそれが流れ着かないようにまたオイルフェンス等でそれを防止をする。そういう一連の対策を油の汚染対策の一環として別途整備する必要があるというふうに考えております。
○瀬野委員 これは外務大臣、いよいよ掘削をするとなると、石油の油田の掘削に当たっては一キロ四方くらいの囲いをするようなことも聞いているのですけれども、まだその具体的なことはいろいろ詰めていないにしても、何かの囲いをするとか、しなければならぬと思いますが、その辺は皆さん方はどういうふうに理解しておられるのですか。
○鳩山国務大臣 技術的なことはわかりませんので、専門家に伺ってみます。
○瀬野委員 こういう法案を提案するのに、外務大臣、この程度のことは知っておかなければ法案を提案する資格がないじゃないか。そんな真剣な問題を、いまも福田総理にずいぶんやかましく言ってきましたけれども、もういわゆるサハリン島、北海道の領海問題なんかについても答弁できないものだから、かわりが答弁するのです。そういったことでは不謹慎きわまる。重要な問題なのです。そのために連合審査をしているのだ。
 そこでいわゆる二百海里をいま審査をしておりますけれども、水産庁、現在審議中の二百海里法とこの共同開発区域の絡み、これはどういうふうに考えておるのか。これは当然二百海里線引きをすれば、共同開発区域はその線引き内に入るわけですね。その点確認すると同時に、その絡みはどういうふうに考えておられるか、お答えいただきたい。
○佐々木政府委員 この水域につきまして漁業水域を直ちに設定するかどうかということは、漁業問題として韓国等との関係もございますので、今後検討いたしますが、仮に二百海里の漁業水域を設定した場合には、この共同開発区域のほとんど全部が水域とオーバーラップいたします。
 しかし、漁業水域の性格は、御案内のとおり漁業資源の管理とその有効利用ということを目的にしました管理の制度でございますので、この共同開発区域の海底の鉱物資源を対象にした内容とは、その目的も規制のやり方も一応別々であるというふうに理解しております。
○瀬野委員 要するにこの共同開発区域は、二百海里の線引きを将来やったとすれば、その範囲内に入ることは間違いないか。
○佐々木政府委員 仮に設定いたしました場合には、水域としてオーバーラップする、その中に入るというふうに考えております。
○瀬野委員 いままでの政府答弁をずっと聞いておりましても、韓国が二百海里漁業水域を設定した場合、わが国も二百海里の線引きをやるということになろうと思うわけです。こういったことはたびたび委員会で答弁が出ておるわけですが、もしそうなるとすればお互いの中間線をとることになるであろう、われわれはこう思うわけです。また、当然そうせねばなりません。そうなりますと、共同開発区域はすべてわが国漁業水域内に入ってしまうのでありますから、この協定が批准されるとなりますと、二百海里水域を設定しても、この開発区域については何ら意味をなさなくなるのじゃないか、いわゆる漁業権益がなくなる、かように私は思うのですけれども、その点は将来線引きをした場合にはどういうことになるのか、この場で明らかにしていただきたい。
○佐々木政府委員 漁業水域法の対象にいたしておりますのはあくまで水産動植物、漁業資源でございまして、これを対象にして適切な管理等、その利用を図るための制度でございますから、海底の底の方の鉱物資源の管理の問題とは内容的には全く別であるというふうに考えております。
○瀬野委員 水産庁の方は、先ほど外務大臣に聞きました、開発する場合に当然油田の掘削をする施設をするわけですが、それはどのくらいの範囲だと思っていますか。たとえば一キロ四方ぐらいになるものか、どんなふうなことを想定しておられますか。そういうことはわからない、とにかく掘ることは間違いないということで検討しておるのですか。
○古田政府委員 海洋で掘削をいたします場合には、海洋での掘削装置を利用するわけでございますが、掘削装置の大きさは通常で縦横五、六十メートル程度のものではないかと思います。
○瀬野委員 これは共同開発が行われた後の問題であるけれども、この法案審議に当たっては、国会議員としていろいろ尋ねておかなければ地元の説得もできないし、われわれもまた問題点をいろいろ考えて対処せねばならぬ、こう思いますのであえて聞くわけですけれども、この掘削によって海洋汚染等の事故が発生した場合、今度の北海の事故なんかもそうですが、漁業水域にかなりの影響を及ぼすことはもう必至です。西日本のいわば大衆魚または魚の宝庫でもあります。そういった意味から、被害者の補償に対してはどのように措置が考えられておるのか、私はお尋ねしておきたいわけです。
 御承知のように特定鉱業権者が補償することになっておるのですが、これらは民事訴訟でございますね。国は何ら関与していない。調べてみると業者任せというようなことになっているように私たちは感ずるわけですけれども、国はどういう立場で関与するのか、その点はどういうふうに検討が進められておるのか、ひとつお答えをいただきたい。
○佐々木政府委員 問題は、やはり加害者が明確でございますし、仮にそういう事態がございました場合には、その原因者の責任で当然なすべき救済措置なり被害の回復というようなことをやるべきであるというふうな理解のもとに立ちまして、仮にそういったような事故あるいは損害が発生しました場合には、この協定で自国の裁判所に損害賠償請求の訴えをできるという裁判管轄の特例を認めましたほか、損害が海底の掘削であるとかあるいは坑水といいますか、井戸から出ます水あるいは廃水の放流によって生じた場合には、日韓両国の開発権者が連帯して無過失責任を負うということにいたしておるわけでございます。
○瀬野委員 外務大臣にお尋ねしますが、関係国であるところの中国並びに朝鮮民主主義人民共和国が反対の意向を示しているのに強行するというようなことで進んでおるようでありますが、どの国とも仲よくしていこうという外交の路線からこれは著しく反すると思うのですけれども、そういう点はどういうふうに外務省としては見解を持っておられるのか、その点もこの機会に明らかにしてください。
○鳩山国務大臣 まず中国との関係でございますけれども、この共同開発区域を設けよう、こういう話になりまして、この調印に先立ちまして大平外務大臣より中国の姫鵬飛外務部長官に話をされまして、了解を求めたわけでございます。これに対しまして中国側は、中国の外務部スポークスマンが、その後この大陸だなにつきまして中国側の見解を発表いたしておるわけでございます。わが方といたしましては、中国側に対しまして本件につきましては再三にわたってその内容を御説明を申し上げ、そして大陸だなにつきまして中国との間に協議が調えば区分もできるわけでございますから、その協議の用意もあるということを申しておるわけでございます。それに対しまして、中国側は従来の見解は変えておらないわけでございますが、国会に御提出する都度、中国大使館に対しましてよくその状況は御説明しておるところでございます。
 また北朝鮮が反対をしております趣旨は、恐らくは朝鮮半島は北朝鮮が自国の主権が及ぶところであるという主張に基づきまして反対を申し述べられておるのではなかろうかと、私どもは判断いたしておりまして、わが国といたしましては、北朝鮮と国交はないわけでありますけれども、いまの韓国の地域は、現在の韓国、大韓民国が有効に支配しておる地域である、そのように考えておりますので、それに従いまして、中国及び北朝鮮、いずれの権益も侵すものでないということの信念のもとに行っておりまして、これがもとになりまして両国との国交に障害を生ずるというようなことはまあ起こらないであろうというのが私どもの判断でございまして、もとよりいずれの国とも仲よくいたすということがわが国外交の基本でございますから、そのような考え方でやっておるわけでございます。
○瀬野委員 正式通告はまだないというふうに聞いておりますけれども、一部われわれが伝え聞くところによると、韓国は、日本が日韓大陸棚協定を今国会で批准しない場合には、共同開発区域のうちの第七鉱区、第七鉱区というのは一番中心で広いわけでございますが、この第七鉱区の韓国単独開発について韓国の政府首脳の会議で協議に入った、こういうふうに伝えられております。外務省も当然耳に入っているだろうと思いますけれども、こういった勝手なことをやるということはけしからぬことであり、これは当然内政干渉でありますが、もしそういう事態が発生した場合にはわが国はどういうふうに対処するのか、またこういった問題が事実行われるということになればゆゆしき問題であるけれども、私は、わが国漁業の補償問題または非常に不安も起こることでありますし、疑問が起きてくる、また政府はこれに対しては毅然たる態度で臨まなければならぬ、こう思っているわけですけれども、こういったことについては外務大臣はどういうふうにお考えであるか、御見解を承っておきたい。
○鳩山国務大臣 本協定が調印後三年以上経過いたしまして、韓国側が韓国国会の承認を得ましてから二年以上になる、こういうことでありまして、これが先に延びるということになりますと、韓国国内で単独開発をすべきではないかという強硬論が出てまいるというような空気があるということは聞いておるわけでありますけれども、現実に韓国政府がそのようなことを決めたというようなことは伺っておらないところでございます。国内での議論としてそのような議論が逐次出てくるおそれがあるというふうに理解をいたしておるのでございます。
○瀬野委員 そうであれば結構ですが、ひとつ十分注意してやってください。いまの領海法案、二百海里漁業水域法案についても全く後手後手で、わが国の外交というものがいま大変批判を受けておるときですから、われわれも監視してまいりますけれども、外務大臣においても、ひとつ外務省を督励して十分対処されるようにお願いしておきます。
 そこで、今度は中国に関する問題であります。この協定が五十年にわたることはさきに申し上げたとおりでありますが、この間、中国が経済水域二百海里を設定すると仮定した場合、いずれそういった事態が起きることは当然予想されます。そうなると、当然共同開発区域が一部中国の二百海里水域に含まれるということになるわけですが、これまた問題が起きてくる、こういうように思うのですけれども、政府はどういうふうにお考えですか。
○鳩山国務大臣 将来経済水域という国際上の制度が固まった場合におきまして、そのような事態におきましても、この中国と日本との中間線、との中間線よりもこの共同開発区域は日本寄りにあるということで、中国の権益はいかなる意味においても侵すものでないと確信をいたしております。
○瀬野委員 日韓大陸棚の協定に対して、中国政府は、四月二十三日だったと思いますが、日本政府に対し正式な抗議を申し入れてきているというようにわれわれは理解しておるわけですね。これは、日本の二百海里漁業水域実施の説明を受けるため外務省を訪れた中国の宋文一等書記官が田島中国課長に、日本政府と南朝鮮当局は中国を差しおいて東中国海、いわゆる東シナ海の大陸だなに共同区域を画定したが、これは中国の主権を侵犯する行為である、中国政府は同意することができない、もし日本政府と南朝鮮当局がこの区域で勝手に開発活動を進めるならば、これによって引き起こされるすべての結果に対して全責任を負わなければならないと口頭で伝えたと言われておりますが、これはゆゆしき問題である。特に中国が改めて抗議の意思表示をしてきたというふうにわれわれは理解し、重大な注目をしているところでございますけれども、政府はどうこれに対処されるのか。そのことについても十分承知しておられると思いますが、そして仮に共同開発に踏み切ってもし万が一でも事故が発生した場合は、中国に対してどう責任をとるかという問題が将来起きてくる。そういったことも十分踏まえて見通した上で政府は対処しなければならぬ、かように思うのですけれども、それに対する答弁を外務大臣からお願いしたいと思います。
○鳩山国務大臣 その新聞に出ました記事は、私ども必ずしも正確であるかどうか自信がございません。
    〔有馬委員長代理退席、委員長着席〕
経過につきまして担当の局長から御報告をさせた方がよかろうと思います。
 私ども、正式にこの申し入れを受けた、こういうことよりも、従来の中国の態度、かつて外務部スポークスマンが声明をした線というものを中国は変えていないという趣旨の表明があったというふうに聞いているのが私の理解でございますが、中江アジア局長から補足させたいと思います。
○中江政府委員 先生が御引用になりました新聞記事の中に述べられておりますことは、いま外務大臣も申しましたように、この協定が署名されました年の二月四日の中国外交部スポークスマン声明の中身と大体同じ内容のことでございますが、二十三日には、いまおっしゃいましたように、わが国が予想よりも早く二百海里の漁業水域を設定する法案を国会に提出して審議を急いでいるという事情につきまして、隣国たる中国にも十分理解を求めておく必要があるということで、中国の大使館員を呼びまして外務省の中国課長がその説明をいたしたわけでございます。これが海の問題でございますので、その際に先方から、同じくいまの国会で問題になっておりますこの日韓大陸棚協定につきましては一九七四年二月四日の外交部スポークスマン声明の中国政府の立場というものには変わりがないのであるということを改めて申したというのが実情でございまして、私どもは、その外交部声明が出まして以来一貫して中国がその立場を持っているということは十分承知しておりますし、それゆえにこそ、いま大臣が言われましたように、この協定を国会に提出して審議を求めますたびごとに中国側に、日本はこう考えるということを申し述べて、もし意見の違いがある、あるいはその境界線について疑問があるというようなことであればいつでも話し合いをしようということをこちらからは申し述べておるわけですが、いままで中国側から、それではこういう話をしよう、あるいはこの点についてはどうだという照会は一切なくて、原則的な立場が繰り返されているのが実情でございます。
 御質問の後半で申されました、もし五十年の長い協定の実施の間に何か事故でも万が一あったときには、中国に損害が及ぶようなときにはどうするかという問題でございます。これは申すまでもないことでありますけれども、五十年間日中間で大陸だなの境界あるいは大陸だなの資源開発について何の話もなくて過ぎていくということはまず考えられないことだと思いますが、いずれにいたしましても、友好国との間では、そういった紛争なり事故が発生いたしましたときにはまず相互の話し合いによって解決する努力をするということになろうかと思います。
 いずれにいたしましても、この水域を勝手な開発にゆだねないで、秩序ある開発をするということによって事故を防ぐという大目的を達し得るということで、この共同開発協定という実際的解決によってこの係争の地域の開発の手だてを決めたわけでございますので、私どもの立場からいたしますと、この協定でいろいろ手を尽くしてある事故防止あるいは万が一事故が起きたときの補償の問題、そういったものを関係国の間で十分事前のアレンジをした上で秩序ある開発をしたいというのが、この共同開発協定を締結したときの本当の気持ちであったわけでございます。
 理想を申しますと、中国もこれに参加して三カ国の間で、あるいはもっと北の方に行けば朝鮮民主主義人民共和国も参加してくることもあり得るかもしれません。いずれにいたしましても、中国が言いますように、関係諸国が一堂に会してこの大陸だな資源の有効利用、また秩序ある開発という手だてをするのが一番いいということはわかっておるわけですけれども、現実の国際政治の状況ではそれがいまの時点ではかなえられない。そこで、中国の権利を害さないように細心の注意を払って日韓間で話し合って開発して、国際法上問題がないと思うところに限定したのがこの協定であるということを絶えず中国側には説明している、こういうことでございます。
○瀬野委員 われわれ九州に住んでいる者にとり、また西日本の漁業等を見るときに、これは重大関心事であります。先ほどから、限られた時間ですからはしょった質問しかできませんが、開発について、また石油を確保するためにはこれが本当に必要なことはわれわれもわかりますけれども、最近の北海油田の例だとかいろいろな例を見ましても、タンカー事故あるいはまた油田の事故は大変莫大な被害、影響を漁業資源に与えることは言うまでもございません。こういった意味で、二百海里時代を迎え、海洋分割時代を迎え、そして二百海里漁業水域法案をいま審議し、領海法を審議している。いま北方に目が向いておりますけれども、やがて西日本に重大な問題がくることは火を見るよりも明らかである。そういったさなかに大陸棚協定のこういった開発が行われるということは、国益を損じ、また水を見ましても、これは海峡とは違いましてわれわれのいわゆる領土の中にある、しかも二百海里の中にある開発をするということ、これは当然日本寄りでありますから、そういうところをも十分考えて、国益に反しないように、そして日韓癒着にならぬように十分監視してもらいたいし、慎重な審議をし、慎重な検討を進めてもらいたい、かように思うわけでございます。
 時間が迫ってまいりましたので、あと簡単に二点水産関係者及び外務大臣にお伺いしますので、御答弁いただきたいと思います。
 その一点はまず農林省関係ですが、漁業用海岸無線局が受益者負担で経営されておりますけれども、米ソ二百海里水域施行と相まって大幅に減船が起こってくることは火を見るよりも明らかであります。必然的に経営がきわめて困難な事態となることも予想されて、いまわれわれも農林水産委員会で大変憂慮しておりますけれども、これに対して至急対策を立ててもらいたい、かように思うわけです。
 それから外務大臣に最後にもう一点お伺いしておきますけれども、二百海里の範囲及び境界は他国との紛争の種となることが予想されます。先ほどから申し上げてまいりましたように、中国、韓国との問題、いわゆる共同開発区域をめぐり、いずれ起きてくる問題です。そうなった場合に、境界を確立するために国際的な電波管理による境界確立のための条約を設定することが必要ではないか、そういった必要性が起きてくる、かように思うわけです。そのために日本政府としては国連に働きかけるというようなことを考えるべきではないかと思うのですが、これに対してどういうふうに考えておられるのか。御存じのように、いまは野球でたとえると、三海里または十二海里で内野みたいなものですけれども、いよいよ今度は二百海里が来ますと外野まで広がってくるということで、守備範囲も大変広くなってまいります。そういったことで大変憂慮しておるのですが、時間が参りましたので簡潔で結構ですからお答えいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○羽田政府委員 お答えいたします。
 海岸局につきましては、いまお話がございましたとおり、近年人件費などが相当高騰しております。そういったことで、維持運営につきましていろいろと問題がございます。加えまして、ただいま御指摘がございましたとおり、米ソ二百海里漁業水域の実施に伴いまして減船などの影響によって今後その経営が非常に困難になるものがあると予想されます。一方、米ソ二百海里内での操業に伴いまして、通報業務、こういったものが一層増大するのじゃなかろうかということが予測されるわけでございます。そういったことを踏まえまして、私どもといたしましては、統合などを含みまして経営の合理化対策、こういったことの検討会をただいま持とうとしております。なお、さらに事務費の一部等につきましても助成措置、こんなものも検討してまいりたいと考えております。この時局に対応しながら進めてまいるということを申し上げます。
○鳩山国務大臣 二百海里時代になりまして、この境界が、これは海上でございますからなかなかはっきりしないというようなことで、いろいろな問題が起こるのではないかという御指摘でございます。国際的な電波管理によります境界画定のための条約を設けるというような御指摘でございますが、これらの点につきまして今後検討させていただきまして、これらにつきましては国連等でこのような問題が討議をされるということも必要かと思われますので、今後十分検討させていただきたいと思います。
○瀬野委員 時間が参りましたので、以上で終わります。
○竹内委員長 津川武一君。
○津川委員 この日韓共同開発区域でとれる魚の実績はどのくらいになっていますか。
○佐々木政府委員 五十年の数字で申し上げますと合計が三万九千トンでございます。主なものはサバそれからアジのたぐい、そのほかレンコダイ等の魚がございます。
○津川委員 今度開発が始まると、この漁獲高に、漁業にどんな影響が出ると見ていますか。
○佐々木政府委員 影響の程度につきましては、いろいろ開発の具体的なやり方を仮定しないとなかなか考えにくいわけでございますが、日本の大陸だな周辺で行われています従来の探査あるいは試掘、採掘等の状況から見ますと、まず探査の段階では盛漁期を避けて漁船が余り活動しない時期にやってもらえば余り大きな影響はないだろうと判断しております。試掘の段階になりますと、ある場所を占有して、そこで井戸を掘って、そこの土砂の影響なりそういった問題が出てまいりますので、小区域であるにしても漁業への影響はある程度はもう必至である。これについてはやはり適切な漁業者への救済対策ということを前提にしなければいけないけれども、余り大きな範囲ではないだろうと考えております。本格的な採掘になりますと、やはり占有する場所の面積も広がるわけでございますから、あるいはまた掘削に伴う土砂等の影響も、ある範囲では相当無視できない状況になるであろう。開発区域全体というような話ではございませんが、そういった採掘に際しての漁業の影響というのは十分考慮しながら、漁業者の意見を聞いて一番影響の少ない方法、少ない場所、少ない時期等に配慮をしながら開発を進めてもらう必要がある、かように考えております。
○津川委員 石油の出るところはどうやら魚が非常に繁殖するところだというふうな説がかなりありますが、ここのところはそういうところでございますか。
○佐々木政府委員 石油資源の賦存の状態と水産資源の状態とはもちろん必ずしも一致をいたしません。全然別々の生態、性質を持っているわけでございますけれども、この共同開発予定の区域に限って申しますと、この場所はスルメイカとかあるいはサバその他の魚の産卵場になっている場所で、漁業も先ほどのようにいろいろな浮き魚を中心にして各種の魚種が漁獲されているいい漁場に当たっております。
○津川委員 そこで、外務大臣にお尋ねします。
 協定の五条で、日韓の開発権者が結ぶ事業契約に基づいて「漁業上の利益との調整」を規定する、合意議事録の第四では、政府は「漁業上の利益との調整に努めるよう行政指導を行う。」こうなっております。
 ところで、二十三日の外務委員会で参考人の意見を聞きました。共産党の寺前委員の質問に答えて、宮崎繁樹明治大学教授、松井芳郎名古屋大学教授は、共同開発区域内の開発に当たって、韓国の開発権者には日本の法令が適用されない、海洋汚染などに有効に対処できない、このようなことを述べております。もう一つは、アメリカのメジャーがこれをやる。このアメリカのメジャーに日本の法令の主権の行使ができないと思いますが、この点はいかがでございます。
○大森政府委員 お答え申し上げます。
 海洋の汚染の防止及び除去につきましては、漁業との関連で非常に重要な問題でございますので、協定の第二十条におきまして、そのためにとられるべき措置について両政府間で合意をすることとされております。これは、本来ならば、協定第十九条の操業管理者方式というものによって、特定の者について規定がある場合を除きましては、この海洋の汚染の防止及び除去等の問題につきましても、ある小区域の開発権者が操業管理者となっている国の法令が適用されるというたてまえでございますが、この海洋の汚染の防止及び除去の面につきましては、特にわが国及び韓国においてとられるべき措置の基準というものに著しい差があることは適当でないという判断から、この協定第二十条の規定が設けられたわけでございまして、この協定第二十条を受けまして交換公文が交わされている次第でございます。この交換公文において、海洋の汚染の防止及び除去のための基準というものを詳細に規定してございまして、韓国側もこの基準にのっとった国内法上の措置をとるということが義務づけられているわけでございます。
○津川委員 大臣、聞かれたとおり、いろいろくどいことをしゃべりましたけれども、結局、韓国の開発権者には韓国の法令が適用される、日本の法令は適用されない。これが基本です。韓国の開発権者たちがやるところに日本の主権をゆだねて、そして魚の保護は、皆さんの言うとおり、日韓の開発権者が結ぶ事業契約において守ると言っているが、最終的に非常に主権を侵害する心配がある。この点外務省で十分考えなければならぬ。
 きょうも二百海里法案で福田総理が農水に出てきて、千島列島の北部を、これは厳然たる日本の領土であるにかかわらず放棄したり、どうやら主権の考え方に甘いのではないかと思うのですが、この点、こういう韓国の開発権者に日本の主権的なものを預けていいのかどうか、もう一検討を要すべきだと思うのでございますが、いかがでございます。
○中江政府委員 先生のおっしゃるように、もしあらゆる権利をあの水域でわが方が持つべきだというたてまえを貫こうといたしますと、もとの論争の立場に戻ってしまいまして、ここは日本の大陸だなである、したがってその開発はもっぱら日本の法律のもとでやるべきだ、こういう立場になるわけでございます。ところが他方、韓国の立場は韓国の立場で、国際法上ここは自分の大陸だなである、したがってすべて韓国の法令のもとで開発するのだ、こういうことになるわけでございまして、最初のオリジナルの立場といたしましては、われわれも主権をフルに行使したいという立場で交渉に臨みましたが、韓国も同じように韓国の主権のもとでフルに開発したいということで交渉に臨んだために、双方の法律的立場が足かけ三年の法律論争の結果どうしても折り合わないということで、そこで考え出されたのがこの実際的解決ということで、共同開発ということでありますので、共同で開発するという以上は、どちらかの法令だけですべてを賄うということには相なりませんで、先ほど政府委員も説明いたしましたように、場合により双方の法令がそれぞれに適用されることがあっても、その内容は同じものにする必要があるということで、その詳細な基準を別途交換公文で定めて、そういう国内法に基づいてそれぞれが取り締まる。もしそれが協定で予測しております、あるいは交換公文で詳細に決めております基準と違う国内法令を適用したり、あるいは協定の精神に反するような甘い取り締まりをしたりということがあれば、これは協定違反ということで相手を追及するという筋道になっている。これが共同開発というまことにユニークな一つのシステムでやっていきます上に避けることのできない側面であろうか、こういうふうに認識しておるわけでございます。
○津川委員 そこで、もう一回言いますけれども、このオリジナルな主権をどこまでも確立してかざしていかなければならぬ。その点が「漁業上の利益との調整」を規定すると思うので、具体的にはどうなっていますか。
○大森政府委員 先ほど水産庁次長の方からも御説明申し上げましたように、「漁業上の利益との調整」ということにつきましては、この協定の第五条一項におきまして、双方の開発権者が共同で探査し、採掘するために、必ず事前に事業契約を締結することとされております。その事業契約中において詳細にこの問題の取り決めがなされることとなっているわけでございまして、またこの事業契約というものは、それぞれの国によって承認を受けなければその効力を持たないこととなっているわけでございます。したがいまして、わが国といたしまして、この事業契約における「漁業上の利益との調整」という問題が不十分であると判断いたした場合には、この事業契約は否認するということになるわけでございます。また、このような方法を通じまして「漁業上の利益との調整」を図ると同時に、先ほど先生が御指摘になりましたように、合意議事録の四項におきまして、日本政府は自国の関係国民と漁業上の利益の調整を図るよう開発権者を行政指導する、こういうことも明記されているわけでございます。
○津川委員 「漁業上の利益との調整に努めるよう行政指導を行う。」これはどんな行政指導をしていますか。
○佐々木政府委員 これまで関係省庁の間で検討し、大体了解に達しています内容といたしましては、まず第一点は、漁業との調整に関する業務のうちでの日本の漁業者との調整というのは、日本側の企業が担当するということ、それから物理的な探査を行う場合には盛漁期を避けるということ、それから坑井の開削に当たっては各坑井ごとに関係の漁業者の了承を得ること、こういったことを基本にして、いまの調整事項を定めさせたいというふうに考えております。
○津川委員 そこでもう少し具体的な問題に入ります。
 この共同開発区域内にカレイはおりますか。グチ、イソ、タイ、アジ、サバ、イカ、マグロ、こういうものがとれますか。この点をまず明らかにしていただきます。
○佐々木政府委員 いまお挙げになりました魚のうち、マグロはちょっと余りここら辺ではとれないと思いますが、それ以外の魚種は多かれ少なかれ大体漁獲ができると考えております。
○津川委員 これらの魚は一年を通じてどの時期にとれますか。
○佐々木政府委員 魚種によって若干の差がございますけれども、大体秋から冬にかけて盛漁期になるものが多うございます。比較的夏場は閑漁期に当たっているのがこの漁場の特徴でございます。
○津川委員 アジ、サバは周年とれませんか。
○佐々木政府委員 年によりまして変動がございますけれども、周年ある程度の量はとれますが、主として漁獲が集中しますのは、秋口から冬にかけてでございます。
○津川委員 これらの魚が比較的とれないのは七月、八月ですね。そうでしょう。
○佐々木政府委員 大体夏場の七、八月を中心にして比較的量が少のうございます。
○津川委員 そこで大臣、「日韓大陸棚協定 早期締結の必要な理由 外務省情報文化局 一九七七年四月」ここで「日韓大陸棚協定に対する批判は根拠がない」なかなかたくましいPRをやっているわけです。この中で何と言っているか、八ペーシをお見せいたしましょうか。「盛漁期における開発を行わない」さあ、盛漁期はいつかということです。閑漁期が七月、八月。そうするとこれは一体どう指導されますか。魚はそういう点で七、八月ぐらいは比較的ひま、この二カ月ぐらいを除いてあと全部やらない。この二カ月だけにやる、こういう行政指導をしているから大丈夫だというわけなんですが、盛漁期と絡んで、水産庁次長が最初に盛漁期のことを言った。この点はどうなんですか。何だか国民かだまされるような――専門の漁業家が見ればこれでだまされるはずはないと思いますが、この点はどうなるのでございますか。
○佐々木政府委員 私どもといたしましては、特に物理的な探査をやりますときは、相当広域に、ある短期間に集中して探査をやりますので、そういうことはなるべく漁船の出動の少ない、いまの閑漁期を中心にしてやってもらいたいというふうに考えています。そこで試掘等になりますと、場所が局部的に限定をされてまいりますので、これは漁期をいつにしようと、かなり長期間にわたって試掘作業を続けなければいけないわけですから、その時期については、局限された場所についてある程度漁業に影響があることを前提にして、その救済措置を考えながら、また漁業の影響をできるだけ最小限度にとどめるような配慮をしながらやってもらいたいというふうに考えておるわけでございます。
○津川委員 この点で国が考えるところと実際漁業をしておる人たちの考えるとこるとが合致しなければよくいかない。こういう計画のことで、大陸だなのことで関係漁民と具体的に相談したことがございましょうかしら。あったとすればいつどこでどんな人たちとどんなことを協議したか。漁業団体とこんなことで協議したことがあるのか。いつが盛漁期で、いつならいい、どんな影響があるだろう、こういうことで漁業団体と相談したことがあったでしょうか。あったとすればどういう団体といつ、どのように協議したかを明らかにしていただきます。
○佐々木政府委員 この協定が韓国との間で締結されますときに、こういったいろいろな漁業への影響の問題があるということで特に関連のございますのは、協会で申しますと日本遠洋底曳網漁業協会あるいは日本遠洋旋網漁業協同組合、こういったところ、やや沖合いの漁業が中心でございます。しかしそれ以外に、長崎県の五島を中心としましたいろいろな沿岸の漁業協同組合、こういうところもかなり関連が予想されますので、協定の締結されましたその前後に、水産庁からこういった話が進んでいるということを説明もしまして、いろいろ関係方面が広いものですから大日本水産会を窓口にしてその意見を取りまとめてもらったわけでございます。その結果、この協定の締結あるいは実施に際して、特に水産業界としてぜひとも考えてもらいたいということが、三点水産庁に対して要望が上がってきたわけでございます。
 第一点は、鉱業権の設定とかあるいは海底鉱物資源開発の計画の実施について、あらかじめその主管大臣だけで判断するのではなくて、関係のございます農林大臣にも協議をしてくれということ。
 それから、開発事業の実施に伴って生ずるおそれのあるいろいろな公害が発生しないように措置することはもちろんでございますけれども、万一発生した場合に、そういった損害賠償の措置が適切にとられるように十分な配慮をしろということが第二点目でございます。
 それから三番目は、いよいよ試掘とか掘削等が行われますと、漁場の喪失とか漁業活動の制限が出てまいるわけでございますので、そういった損害についても十分な補償措置を講じる。
 こういうことが一応水産業界から、最大公約数といいますか、まとまった意見として上がってまいりましたので、水産庁としてはそれを踏まえまして、関係の省庁との間でそれをどういうふうに具体的に確保するか、国内法の法律上の措置及びその運用の面につきましていろいろお話し合いをいたしまして、現在ではまあ大体業界の要望に沿った措置が確保できる態勢になっておるというふうに考えておるわけでございます。
○津川委員 漁業関係者に話を聞いてみると、この大陸だなの開発で一番いけないのは、漁民との相談がないということ、それで独走しているということです。そこで、いつどういう団体とどういう話をしたか、一覧表で書類として私たちの方にくださいませんか。そうしないと、皆さんもなかなか納得しない向きが出てまいります。これはどうですか。
○佐々木政府委員 具体的な工事のやり方あるいは事業主体が決まっての話ではございませんで、こういう基本的な協定が決まるという段階の話でございますから、先ほどのように大日本水産会を窓口にいたしまして、四十九年の三月に各関係の団体を集めてその内容を話しますとともに、特に関係の深いと思われる長崎県漁連その他につきましては、水産庁から担当官を派遣いたしましてその内容を説明し、また漁業者としての立場での意見も聞いたわけでございます。それで先ほど申し上げたようなこと、協定の内容あるいはそれに関連します実施法について実施段階でいろいろ措置をすることにしたわけでございますけれども、現実の問題といたしまして、いよいよその開発が進むということになりますと、具体的な問題として、いつどこでどの程度の探査をやるのか、試掘をやるのか、あるいは採掘をやるのか、そういう段階ごとに、一々関係の漁業団体の意見を十分聞きながら、漁業者が納得する範囲内で仕事を進めてもらいたいということについても一応約束を得ておりますし、今後そういうことで漁業者の意見も反映させていただきたいというふうに考えております。
○津川委員 そこで大臣、水産庁は説明に来ると言うのですよ。押しつけだと言うのです。本当に漁民の意見を聞くという態勢がない。そこで、説明会でなく向こうから意見を聞いて協議する機会がなかったと言っている。このことをぼくは聞いているわけです。そのことを教えてほしい。本当の意味で、だから陳情もできない情勢があるという、こういうわけです。ここのところは非常に問題なので、大臣としても、実施するについて、法を運用するについて、一つ一つの計画をやるときには必ず関係漁民、その地域の漁民の団体と協議するということを条件にしなければならないと思うのですが、外務省でも農林省でもいい、この点いかがでございます。
○佐々木政府委員 私どもといたしましては、さっき申し上げましたように、関係の漁業団体に説明を一方的にするわけではなくて、その意見も聞きまして、現実には大日本水産会の名前でこれに関する要望ももらった上で各省等とも話し合いを進めてきたつもりでございますけれども、同時に、具体的にその開発が進みます段階では、いま先生御指摘のように、関係の漁業団体も特定されてくるわけでございますし、その工事のやり方、規模等も明確になるわけでございますから、それを前提に漁業への影響がどうなるか、そういうことを一々の段階で漁業者の意見を十分聞きながら進めてまいるように、関係省庁ともさらにその話し合いをしていくつもりでございます。また、そういうことについては関係省庁も御了解を得ておるというふうに理解しております。
○津川委員 この点で、どうしても民主的な協議をしなければならない。主管大臣の方針を聞きます。
○鳩山国務大臣 この協定が実施の段階に早く入れるように御配慮をいただきたいわけでありますが、実施できるようになりましたならば、この実施の所管省は当然通産省になりますので、私どもの方からも通産省の方によくただいまの御趣旨、漁業の利益を害さないように、被害が生ずる場合には最小限度にとどめるように、これは通産大臣の方にもよく申し入れたいと思います。
○津川委員 最後に、時間が来たようですが、このパンフレットに「海底石油開発に伴う海洋汚染については、その防止のために世界各国とも厳重な規制を行っています。これまで掘さくによって海を汚染した例は日本には全くなく、世界でも極めて稀です。」以下たくさんの効果を並べていますが、今度の北海の油田の噴出、こういうことは予想したでしょうか。一度あったことは二度あるので、一度問題を起こしては大変ですから、こういうことに対する対策はどうでございます。
○鳩山国務大臣 先日の北海油田におきます事故はまことに残念なことでございます。大変な被害が予想されますので、これはもって他山の石として、このような被害を絶対に起こさないように、工事の施工者に対しましては厳重なる注意の上に実施をしてもらいたい。そして私どもといたしましては、今回の事故につきましてあとう限りの情報をいま収集いたしでおりますが、これらを参考にいたしまして、このような事故が起こらないように最善の努力をいたしたいと思います。
○津川委員 これで終わりますが、そこで大臣、情報を収集するのじゃなくして、国の責任であの北海の噴出を調査して、その調査に基づいて開発計画を検討し直す必要があると思いますが、いかがです。
○鳩山国務大臣 外務省といたしましては、この調査等につきましてあとう限りの協力をいたしたいと思います。恐らく直接の技術的な能力をお持ちなのは通産省であろうと思われますが、外務省といたしましても最大限の御協力はいたしたいと思います。
○津川委員 終わります。
○竹内委員長 以上で本連合審査会は終了いたしました。
 これにて散会いたします。
    午後八時九分散会
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