第080回国会 逓信委員会 第13号
昭和五十二年四月二十七日(水曜日)
    午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 八百板 正君
   理事 稲村 利幸君 理事 加藤常太郎君
   理事 左藤  恵君 理事 志賀  節君
   理事 阿部未喜男君 理事 久保  等君
   理事 田中 昭二君 理事 小宮 武喜君
      伊藤宗一郎君    丹羽喬四郎君
      原田昇左右君    廣瀬 正雄君
      堀之内久男君    本名  武君
      鈴木  強君    野口 幸一君
      古川 喜一君    山花 貞夫君
      竹内 勝彦君    鳥居 一雄君
      藤原ひろ子君    依田  実君
 出席国務大臣
       郵 政 大 臣 小宮山重四郎君
 出席政府委員
        郵政政務次官  綿貫 民輔君
        郵政大臣官房長 佐藤 昭一君
        郵政大臣官房電
        気通信監理官  松井 清武君
        郵政大臣官房電
        気通信監理官  佐野 芳男君
        郵政省郵務局長 廣瀬  弘君
        郵政省貯金局長 神山 文男君
        郵政省簡易保険
        局長      永末  浩君
        郵政省電波監理
        局長      石川 晃夫君
 委員外の出席者
        大蔵省銀行局総
        務課長     宮本 保孝君
        資源エネルギー
        庁公益事業部技
        術課長     中村 守孝君
        郵政大臣官房首
        席監察官    江上 貞利君
        郵政省電波監理
        局放送部長   鴨 光一郎君
        建設省道路局路
        政課長     海谷 基治君
        日本電信電話公
        社総裁     秋草 篤二君
        日本電信電話公
        社総務理事   山本 正司君
        日本電信電話公
        社総務理事   好本  巧君
        日本電信電話公
        社総務理事   山本  孝君
        日本電信電話公
        社理事     川崎鋼次郎君
        日本電信電話公
        社理事     長田 武彦君
        逓信委員会調査
        室長      佐々木久雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十一日
 辞任         補欠選任
  藤原ひろ子君     安藤  巖君
同日
 辞任         補欠選任
  安藤  巖君     藤原ひろ子君
    ―――――――――――――
 本日の会議に付した案件
 小委員会設置に関する件
 逓信行政に関する件
 派遣委員からの報告聴取
     ――――◇―――――
○八百板委員長 これより会議を開きます。
 逓信行政に関する件について調査を行います。
 この際、佐藤恵君より発言を求められておりますので、これを許します。
○左藤委員 私は、この際、当委員会に小委員会を設置することをお諮りしたいと思います。
 申し上げるまでもなく、当委員会の所管は、郵政関係、電気通信関係並びに電波、放送関係と、その分野が多岐にわたり、したがって、問題点も多いわけでありますが、週二回を定例とする当委員会において、これら多くの問題点を取り上げていくことは困難な状況にあります。
 特に電波、放送関係につきましては、第五十一回国会に提案されたものの、成立を見るに至らず、以来懸案となっております電波法及び放送法の改正問題を初め、今後の重要課題と予想される多重放送や衛星放送に関する問題、さらには難視聴解消の問題、その他著作権や放送が国民の日常生活に与える影響の問題など、いろいろ重要な課題を抱えておりますので、この際、当委員会にこれら電波、放送に関する問題一般を調査するための「電波・放送に関する小委員会」を設置することを提案したいのであります。
 なお、小委員の数は十三名とし、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に一任されんことを望むものであります。
 以上、動議として提出いたします。何とぞ全会一致御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
○八百板委員長 採決いたします。
 左藤君の動議のとおり、小委員十三名からなる「電波・放送に関する小委員会」を設け、その小委員及び小委員長は委員長において指名することとするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八百板委員長 御異議なしと認めます。よって、左藤君の動議のごとく決定いたしました。
 小委員及び小委員長は、追って公報をもって指名いたします。
 なお、小委員及び小委員長の辞任の許可並びに補欠選任につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八百板委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 また、小委員会において参考人の出席を求め意見を聴取する必要が生じました場合は、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八百板委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
○八百板委員長 当委員会では、このたび沖繩県に委員派遣を行いましたので、派遣委員を代表して、私からその報告をいたしたいと思います。
 日程は、四月二十三日から二十五日までの三日間でございました。派遣された委員は、私のほか、左藤恵君、野口幸一君、山花貞夫君、竹内勝彦君、鳥居一雄君、小宮武喜君、藤原ひろ子君及び依田実君の九名でありますが、玉城栄一君が現地参加されております。
 まず、沖繩郵政管理事務所長、沖繩電信電話管理局長、NHK沖繩放送局長及び沖繩国際通信事務所長並びに琉球放送、沖繩テレビ、ラジオ沖繩及び極東放送の民放四社の責任者より、それぞれ業務概況の説明を聴取し、また那覇郵便局、那覇電報電話局、NHK宮古事務所、電電公社の上野海底同軸中継室及び沖繩国際電報電話局を視察いたしました。
 さらに、NHK視聴者懇談会の委員六名と懇談して、その意見を聞きましたが、その主なものを要約いたしますと次のとおりであります。
一、 沖繩県においては、今回の受信料値上げについては特に大きな不満は聞かないが、負担の公平を期することには配意されたい。
二、 収納率が悪いという点については、沖繩においては本土と違って民放が先行したという歴史的事情から、受信料を支払うということになじみが薄く、NHKの放送を見なければ支払う必要はないと考えている者が多いこと、また沖繩では本土以上に経済が不況で、物価も高く、生活が苦しいということが理由として挙げられるが、収納率の問題については、急がず、長い年月をかけて取り組むべきである。
三、 NHKの番組については、ニュースはよく見られているが、ドラマなどについては、まじめ過ぎてかたいということから、特に老年層に評判が悪い。もっと老年層や家計を預かる女性に親近感を持たせるような番組の放映を心がけるべきである。
四、 集金については、沖繩では郵政委託は実施されていないが、男性は集金人になり手がなく、女性だけである。その上集金に行っていやみを言われるとやめるという例も多く、集金業務の運営に苦労している。
五、 現在、沖繩は復帰直後であり、公共料金等について特例措置がとられているが、これらの制度が撤廃される場合においても、受信料については急激に引き上げられることのないように配慮すべきである。
 以上が意見の大要であります。
 そのほか、南部沖繩の摩文仁の丘に行きまして、さきの大戦において殉職された逓信省職員並びにNHK職員の霊を祭る逓魂之塔並びにNHK慰霊碑にそれぞれ花束を献じて、その霊を慰めてまいりましたことを申し添えます。
 なお、関係資料は、調査室において保管してありますので、ごらん願いたいと思います。
 報告を終わるに当たりまして、このたびの委員派遣に際して、いろいろと御厄介になりました関係各位に対し、厚く御礼を申し上げます。
 以上、報告いたします。
    ―――――――――――――
○八百板委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。久保等君。
○久保(等)委員 私は、本日、有線音楽放送の問題について若干お尋ねをしたいと思っておるのですが、その前にちょっと郵政大臣にお尋ねをしたいと思うのです。
 きのう、日銀の政策委員会で、定期預金利子の引き下げについて決定をせられまして、定期預金の〇・七%ないし一%の引き下げが決定を見たようでありまして、これが実施は来月の六日というようなことに決まったようであります。前々から当委員会で、郵便貯金の金利引き下げ問題について大臣の御所見を何回かにわたってお尋ねしてまいったのですが、その都度大臣から、白紙の状態であるという大臣の御所信はわれわれ伺ってまいったのですが、しかし、昨日ああいったような決定がなされた本日、なおかつ大臣は、従来のようにやはり白紙の状態であるというお気持ちに変わりはないだろうと思うのでありますが、その点、念のために大臣の方から御所見をお伺いしたいと思うのです。
○小宮山国務大臣 お答え申し上げます。
 昨日、大蔵省の方で、一般金融機関の金利改定を来月の六日に実施するということでございます。そのほか、住宅ローンあるいは自動車のローン等々の利下げも行うやに新聞紙上では見ております。これはやはり最近の経済情勢の推移から、先生御承知のとおり景気の回復を一番確実なものにするためにそういうことが行われたものだろうと信じますし、久保先生、これに関連して郵貯の金利はどうするかということだと思うのです。これは大変重大な問題でございますので、私自身――御承知のとおり、郵政省は郵貯をもう三十兆持っております。その膨大な資金が日本の金融全般にどのような影響があるのか、その辺も十分考慮して今後とも考えたいと思っておりますし、大変そういう実態が出てまいります。もう少し調査しなければいけませんけれども、住宅ローンその他の引き下げ、国債の引き下げ等々出てまいりますと、やはり私としてはその情勢を十分慎重に配慮して考えたい。そういう問題で大変苦しい立場にあることは事実であります。しかし私自身、いままで白紙と申してはおりましたけれども、それじゃ実際これからどうするんだということになりますと、今週中にでもその実態をつかんで省内で検討をしたいという考え方でおります。
○久保(等)委員 最後の大臣の御説明では、今週中にでも検討をしようというお話なんですが、そうなりますると白紙の状態ということではなくて、検討をして、従来の白紙の状態から一歩踏み出した形で大臣がお考えになっておるというふうに理解されるのですが、そういう御心境ですか。
○小宮山国務大臣 白紙といっても、頭というものは必ずしもいつも固定して考えておるのではございませんので、こういう情勢になったときにやはりそれについての情勢判断というか、郵政当局の者と一度検討をせざるを得ません。これは郵便貯金法第十二条の趣旨からもそうであろうと思います。それで、それをどうするかということになりますと、やはり大変重大な決断を迫られるわけで、心境として白紙かと言われますと大変困るのですけれども、悩んでおることは事実である。シェークスピアの言葉に「トウビーオアノットトウビー、ザットイズザクェスチョン」という言葉があります。すべきか、すべきでないか、それは疑問だという言葉でございます。そのような心境におります。
○久保(等)委員 今週といってもちょうどゴールデンウイークに入ってまいるわけなんで、そうして金利問題等については当然郵政審議会に諮問をするということになっておるわけですが、この連休中にでもそういったようなことになっていく可能性があるのですか。
○小宮山国務大臣 まさになるということではなくて、それをどうするかということで悩んでおるということが実情でございます。
○久保(等)委員 大臣も悩んでおられるでしょうが、一番悩んでおるのは、私はやはり国民の生活の問題だと思うのです。この前から申し上げておりますのでもうくだくだしくは申し上げませんが、今日、物価の安定しない、高物価時代に置かれておりますだけに、郵便貯金の目減りの問題が現実進行しておるわけですから、そういう中でさらに追い打ちをかけるような形での郵便貯金の金利を引き下げるという問題は、そういう意味では生活苦に対して二重に追い打ちをかけるようなことにもなるわけでありますから、ひとつ十二分に慎重な御配慮をお願いしたいと思います。そのことだけを要望申し上げておきます。
 同時に、大臣は最近、郵便貯金の一部を学資に融資をする方法を考えたいというようなことで、事務当局にこの問題を検討するようにということで命じられたようですが、この構想というものはどういうことなのか。大臣の方からいきなり持ち出されたような案件でもあるようでありますので、お伺いしたいと思うのです。
○小宮山国務大臣 この考え方はずいぶん長いこと私持っておりまして、実際、自分自身もこの四月に子供二人の学校に納める金が、高等学校と小学校ですけれども、それでも四十万以上の金が出る。そういうようなことから見ましても、お母さん方は、大学あるいは高等学校、中学校へ入るときに、特に私の学校に入る場合にはそのような一時に多額な金が必要である。それで私は、郵便貯金がすべて財投に入っており、かつ運用されているということ、またそれが国民に直接還元できないものだということで、郵貯法の精神はそういうところにあるのではないかというふうに心得ておりますので、三十兆を超した現在、ぜひ国民大衆にその資金を直接還元する措置をとるべきではないかということで、法律等々が相当ございますので、こういう問題をどういうふうな形で考えたらいいのか、政策レベルで物を考えていくべきだということで、郵政当局に指示いたしました。
 それで私は、郵貯というものがどのように使われているか実際国民にわからないということもございますから、そういうことをもっとPRすることも必要ですし、郵便貯金局あるいは郵便貯金というものがもっと直接的に国民と結びつく施策が必要ではないかということで、四月あるいは三月末の入学期に非常に苦しんでいらっしゃるお母さん方を見ていますと、やはりそういうことを積極的にやるべきだ。それは、金融機関に行って借りるということは担保その他大変むずかしい問題がございますから、そういうことではなくて、割烹着で、げた履きで、郵便貯金から何がしの金を借りられる形をとるべきである。
 この試算となりますのはいろいろございます。資金運用部資金から文教関係の融資というものは、五十二年度原資計画でいいますと二千五百五十億ぐらいであります。全部が十一兆一千六百億ぐらいでございますので、その割合は二・二%ほどであります。郵便貯金が資金運用部資金に占める割合が五十二年度の原資の計画の中では五五・五%ぐらいを占めておりますから、そういう割合からいいますと大体、全体で十一兆のうち二千五百五十億が教育関係、これは地方自治体も入れている問題もございます。地方自治体に直接貸し付けているのもございますしあるいは国立学校特別会計とか日本私学振興財団等にも貸し付けているものもありますので、そういうものも入れますとやはり全体で千三、四百億ぐらいが適当、そうしますと私も毎回当委員会で御説明しているように財投資金、郵貯の目標額の二%ぐらいが適当ではないかということは、六兆二千億の二%でございますから千二百億内外がやはり教育関係で使われるとかあるいは緊急避難的なものに使われる、たとえば静岡県などでも地震対策として静岡県知事からも陳情がございますけれども、補強対策などに使えるような非常に緊急避難的な形のものに使えないだろうか。たとえば五十一年の目標額が五兆一千億でございますけれども、実績は五兆八千億近いものになりました。そういうようなことから見ましても、国民大衆に郵貯がどのように使われるかというPRをすること自体と別に直接的な、お母様方に還元できるような形にすべきだということが基本的な考え方であり、かつお母さん方の入学金に対する負担というものを幾分でもやわらげられればということは郵貯の精神にものっとるのではないかということが発想の根本でございます。
○久保(等)委員 郵貯の自主運用といいますか、これをいま言う貯金の募集を現実にやっておる郵政省が、その運用についてもできるだけ自主的に運営ができるような方向に持ってまいりますことは、郵便貯金そのものの募集に当たって非常に大事なことであるし、従来からわれわれの非常に主張してきておることですから、大臣の構想そのものについて私は決して反対するわけじゃないし、結構だと思うのです。
 ただ問題は、いま具体的に考えておられます構想も、実際具体的にこれを実現していこうとすると実はいろいろむずかしい問題があるわけですね。そこで、大臣としてはいろいろ御検討になって考えられた構想だと思うのですけれども、しかしこれが実施に当たっては、よほど政治力を発揮してまいりませんと、さしあたって対大蔵省との問題あるいはまた民間金融機関との関係といったような問題等があって、これはもうなかなか至難な問題だと私は思うのです。それで、新聞等で報道せられるように、あるいは参議院選挙目当ての大臣の一つの構想じゃないかというような批判もあるわけですが、私はぜひひとつ大臣が、参議院選挙が終わったらどうも構想がだんだんとしぼんでいったということのないように、これはもういつごろを実施のめどに考えておられるのか知りませんけれども、非常に大変な問題だと思うのです。私、きょうこのことで質問するつもりではなかったのですが、ここ一日、二日前からそういった問題が提起せられておりますので、大臣の概括的な構想を伺ったのです。もちろん構想そのものもまだ十分に伺ったうちには入らないと思うのですが、郵便貯金と自主的な運用との関係での問題で大臣の言われる考え方はわれわれも賛成でありますし、かねがねそういったことを主張してまいっておるわけです。ただ、いま言う学資にこれを融資をするという問題になってくると、いろいろ問題があると思いますし、大臣の考えておられる私学を中心とした場合非常に家庭の負担が大きい、したがって、それに対して何らかの救済措置がないだろうかといったようなことも理由のようですが、しかし学資という問題がそういう私学関係に限られていいのかという問題もあるでしょうし、また、郵便貯金というものが、大衆しかも小口の預金でありますだけに、できるだけ大ぜいの預金者の利益、やはりそういったものを対象に考えなければならぬ。その場合に、私学の学資の融資関係として考えるということになってまいりますと、おのずから範囲が限られてまいるということにもなって、さらに文部省との関係、こういった問題も出てくると思うのですが、いずれにしても、とにかくこれが単なる選挙前の一つの政治的な含みを持った提案ということではなくて、ひとつ真剣にお考えを願って、ぜひこれが実現をし、結局大臣のアドバルーンといったような結果にならぬことを心から御期待を申し上げておきます。
 ところで、私、本論の質問に入ってまいりたいと思うのですが、有線音楽放送の問題です。
 これは当委員会で質問をするのも本日が私は初めてじゃないかと思うのですが、かねがね有線音楽放送というものが大変ないろいろと問題を起こしておる。どういうことかと言えば、結局、無届けの有線音楽放送といったようなものが全国で非常に頻繁に起き、そういったことがいろいろなトラブルにもなっておるのですが、これに対する郵政省、電波監理局なりあるいは電気通信監理官室の方もこれに関係すると思うのですが、主として電波監理局長のところだと思うのです。この問題については、もちろん関係するところは電電公社あるいは電力会社、あるいは建設省、その他地方自治体、こういったところに関連する問題で、一刀両断的に問題を処理するということが非常に困難なことはわれわれも理解いたします。しかし、それにしても、最近における状況等を見てみても、これが減少するということは必ずしも言えない状態にあるようですし、法律は有線電気通信法といった法律を初めとしてあるわけでありますが、こういったことがまさに無法状態でもあるかのように無届け施設が横行しておる。こういった問題については非常に遺憾に思うわけなんですが、まず最初に、電波監理局長の方から、現在の有線音楽放送の事業者の数なりあるいはまたその施設がどのぐらいあるか、ひとつお答えを願いたいと思います。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 昭和五十二年の三月末の数でございますが、届け出があった施設の数が五百十八施設でございます。これらの業者の数が百九十八業者でございます。
 それから、この有線音楽放送業務を行う者が所属する団体とその施設数、事業者数でございますすが、全国有線音楽放送協会というのがございます。これは社団法人でございますが、これに加入しております施設の数が百八十一でございまして、事業者の数が七十六でございます。それから、日本有線放送連盟、これは任意団体でございますが、これが施設数が二百十一、事業者数が三十一でございます。それから、東京音楽放送協同組合、これが施設数が十八、事業者数が十七。その他、団体に属しないものが、施設者数が百十七と事業者数が七十九でございます。
 なお、数が、これを全部足しますと合わないはずでございますが、これは実は協会と連盟に重複して加入している事業者がございます。これは事業者の数としては五でございまして、施設としては九つでございます。
 以上でございます。
○久保(等)委員 現在届け出ておる施設数が五百十八ということなんですが、届け出施設の最近における推移、五年間ぐらいの推移をお伺いしたいと思うのです。
○松井政府委員 施設につきましては、四十七年度四百二十三施設、四十八年度四百六十四施設、四十九年度四百五十九施設、五十年度四百九十四施設、五十一年度、ただいま電波監理局長が申しましたが、五百十八施設でございます。
○久保(等)委員 いまの監理官の御説明のように、施設の数も年々増加をしてまいっております。したがって、この有線音楽放送の事業そのものが、施設がだんだん多くなる。したがって、いろいろと問題が多くなってまいっておると思うのでありますが、それ以外に結局無届けでやっておりまする施設、これの状況について少し、できれば数年度にわたる経過等を御説明願いたいと思います。
○松井政府委員 現状におきまして、五百十八施設のうち届け出のない施設が五十一施設でございます。その内容といたしましては、無届けで設置したものが二十八施設、届け出後、無届けで設備を拡張したものが二十三施設ということに相なっております。
 この無届けの施設数の推移でございますが、五十年の八月四十九施設でございます。五十一年の三月二十九施設、五十一年の十二月四十九施設、五十二年の三月三十一日現在五十一施設というようなことでございまして、若干の変化はございますが、無届け数大体五十施設程度を前後しておるというような状況に相なっております。
○久保(等)委員 いまお話しの数字は、一昨年の八月ごろの数字なんですが、昭和四十七、八年ごろ、もう少し以前の状態はわかりますか。
○松井政府委員 現在承知いたしておりません。
○久保(等)委員 承知しておらないということは、ここで手元に資料がないからわからないということですか。四十七、八年ごろの状況については調べられればもちろんおわかりになるのじゃないですか。もしこの場でお答え願えなければ、後ほど結構ですから、四十七、八年ごろの実態について数字的な資料をお出し願いたいと思うのです。ちょっとここに資料を持っておられないのかどうか、その点お答え願いたいと思います。
○松井政府委員 調査いたしまして、資料が整いますれば提出いたしたいと思います。
○久保(等)委員 お調べになってから出されるということですから、それならそれで結構ですが、ただし、その当時の状況については当然資料等もお持ちになっておるはずじゃないかと思うのです。また、四十七、八年ごろすでに国会で、参議院あたりでも問題になっておったのですから、いま初めてお調べになるということじゃなくて、そういった資料は当然出ておるのじゃないかと思うのです。ただ、いまお持ちになっておらないのはやむを得ないとして、資料はあるのじゃないでしょうか。これから調べてみないとわからぬということですか。
○松井政府委員 概数程度はわかろうかと思いますので、調査いたしまして提出いたします。
○久保(等)委員 問題は、この無届けの施設に対する指導の問題、それから郵政省そのものが一体どういう対策を立てて今日に至っておるのか。先ほどの御説明によっても、無届けの数字がむしろふえる傾向にこそあれ、減少の傾向にはないということが数字的には指摘できるわけなんです。こういつたまさに無法状態と言ってもいいような状態でこの問題が放置をされておる、放置をされておると言っては語弊があるかもしれませんが、まことに効果が上がらない現状に対して、何かこれに対する強力な措置を電波監理局としてもとる必要がある、こういうふうに私は考えるわけなんですが、いかがですか。
○松井政府委員 当初先生の御指摘がありましたように、こういう有線音楽放送につきましては、設備を設置する際に郵政大臣に届け出が義務づけられております。この根拠となります法律は二つございまして、一つは有線電気通信法は第三条でございます。いま一つは、先ほど御指摘もございましたが、有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律の三条という二つによりまして届け出が義務づけられておるわけでございます。現在、無届けでこういった音楽放送が実施されておる、無届けの状態で放置されておるということでございますが、これにつきまして内容を申し上げますと、昭和四十七年の八月でございますが、会計検査院が道路の占用につきまして、建設省等の検査をいたしました際に無断で使用しておって、そのために道路の占用料等が徴収漏れになっておるというようなところから、その改善についての指摘があったわけでございます。その段階におきまして、郵政省、建設省あるいは電柱管理者である電電公社、電力会社等々関係機関が集まりまして、これらの違法状況を除去するということで検討したわけでございます。その際に、郵政省といたしましては、現在違法の状態で無届けのままで使用されておるこういった電柱の添架といいますか、あるいは無断での道路使用の問題等々の改善を図るために、道路使用許可書あるいは電柱に対する添架同意書等を添付して届け出るように行政指導をしたわけでありまして、以後届け出がありましても、これらの同意書の添付のないものにつきましては、受理をしていないという段階でございます。受理をしていないものが、先ほど申しました総計五十一施設あるわけでございまして、届け出はございますが、同意書がないために受理していないというような状況になっておるわけでございます。これらにつきまして、それぞれの段階でその対策を検討しておるところでございまして、電気通信監理官室といたしましては、有線法の立場からその設備の設置につきましての届け出の勧奨を強力に進めておるというような段階でございます。
○久保(等)委員 いまお話しのように、道路の占用料を払っていないといった問題が会計検査院の指摘事項になって、問題が表面的に取り上げられるようになってまいったことが経過的な事実だと思います。しかし問題は、そういった道路の占用料不納問題とかいうことではなくて、何といっても本質的な、根本的な問題は、有線音楽放送そのもののいわば無法状態のような問題があった、その一つのあらわれとして道路占用料が払われていない、したがって、それが国損にもつながるということで会計検査院が指摘した問題だと思います。したがって、根本は、やはり有線音楽放送そのものに対する秩序というものをきちっと法の立場から、いま監理官がお話になった有線電気通信法を初めとする法律の定めるところによってきちっと処理をしてまいらなければならぬ問題だと思うのですが、これが関係するところが非常に多いわけでありますが、同時にこの無届けの問題、これが一体どういうところから出ておるのか、先ほどいろいろ協会ないしは連盟のお話も御説明として出たんですが、主としてどういう方面にこういった無届けが多いのか、こういったことについて数字的に五十一年施設の中身についてお答を願いたいと思うのです。
○松井政府委員 無届け施設の状況につきましては、全国ほとんどの地域にわたっておるわけでございますが、これを団体別で申し上げますと、連盟の無届けが合計五十一施設のうち四十四でございます。協会の所属する団体の無届けが業者は四施設でございます。その他若干ございます。地域的にはほとんど全国にわたっております。
○久保(等)委員 連盟に属する施設四十四、そのほか協会に属する施設が四つ、これがいろいろと地方において今日までトラブルを起こしたり、あるいはまた告訴、告発あるいは仮執行等の問題になっておるようですが、そういった状況について、最近における状況を郵政省で把握しておられる数をおわかりになる範囲内でひとつお答え願いたいと思う。
○松井政府委員 郵政省といたしましては、四十七年に広島におきまして告発を行っております。法律的な手続をとりましたのはこの一件でございます。その他電電公社あるいは道路管理者あるいは電力会社等々におきましても最近の事例としましてかなりあるわけでございまして、電電公社におきまして撤去を求める仮処分の申請等をいたしましたのが五十年の十一月以降におきまして六件ございま。道路管理者、いわゆる県あるいは地方公共団体でございますが、これにおきましてそれぞれ法的措置をとりまして撤去命令を出しましたのが三件ございます。電力会社におきまして撤去を求める仮処分申請をいたしましたのが五十一年に二件ございます。現状、私の手元で把握しているのは、以上でございます。
○久保(等)委員 いまの問題に関連して、それじゃ建設省にお尋ねをしたいと思いますが、おいでになりますか。――いまの無届け施設に対する現状並びにそれに対して特にとられた措置、いまお話しのあったような告発等とられたことについての御説明を願いたいと思うのです。
○海谷説明員 まず、道路関係につきましての音楽放送線の不法占用の状況について御説明申し上げたいと思いますけれども、御承知のようにこういう放送線を道路の上に架線するといいますか、そういう場合には道路法によりまして占用の手続、道路管理者への手続をとることが必要になっております。しかしながら、そういう手続がとられないで不法な架線が行われているという例が間々あるわけでございます。その実態につきましては、私ども大変恐縮でございますけれども、全国道路はたくさんございまして、また管理者も国あるいは都道府県あるいは市町村といろいろまたがっておりますので、全部を把握しているわけでございません。
 しかしながら、一、二の資料について申し上げますと、五十二年の一月に現在問題を起こしております十一の都府県について調べたわけでございますけれども、それによりますと、百三キロメートルの道路の不法占用の実態があるということが把握されております。それからいわゆる一般国道につきまして、そのうちの一万八千キロばかりは国が直接管理しているわけでございますけれども、これにつきましては現在いろいろ努力の結果、約四キロくらいが不法占用があるだけではなかろうかというふうに理解をいたしております。
 それから、そういったものに対しますわれわれの対応の仕方でございますけれども、これは先ほど郵政省からもいろいろお話しございましたけれども、申し上げましたように道路の不法占用ということは決していいことではございませんし、また占用料も払わないというようなことで国損といいますか、そういうことにもなるわけでございますので、できるだけそういうものを排除していくということをやっております。具体的には道路のパトロール等を強化しまして、その際に実態の把握に努める、そういう状態の発見に努める、発見した場合にはそれぞれの関係者に連絡をする、または道路管理者としましても必要な手続をとらせる、管理上占用を許可してもやむを得ないという場合にはそういう手続をとりなさいという指導をいたします。しかしながら、それがどうしてもそこは道路管理上まずいという場合には撤去を求めるということをいたしております。それで言うことを聞かない場合には、道路法によりまして監督処分をするとかいうようなことで是正に努めておるというのが現状でございます。
○久保(等)委員 それから通産省はおいでになっていますか。――それでは通産省の方でも、いま建設省にお伺いしたようなことでお答えを願いたいと思います。
○中村説明員 お答えいたします。
 電力会社の電柱に音楽放送線が共架されております件数が本年の一月現在の数字でございますが、十二万二千百七十五基ございます。これは柱の数にいたしましてそれだけございます。このうち無断共架されております数字が五千二百八十七基という数字になっております。このところこの数字は、無断共架の数字はそう大きく変わっておらないようでございまして、前々から電力会社の方では無断共架されました施設につきましては、電力線との関係等におきまして危険なものも出てまいる可能性もございますし、そういう意味で事前に御相談いただいて、施設方法等について良好なものについては、できるだけ道路の有効利用という観点から、そういうものを施設することについては協力してまいっておるわけでございますが、無断で共架されてしまいまして、中には裁判所で仮処分申請をいたしまして、強制撤去した。するとその翌日にもうすでにまた無断共架された、こういうような事情もございます。電力会社としては関連その他の問題もございますので、こういう施設をなくするように、無断個所を発見次第、業者に対して鋭意お話し合いを進めておるわけでございます。
 つい最近、本年の三月でございますが、電力会社の団体でございます電気事業連合会の事務局長名で、先ほど申しました有線放送の関係の協会及び連盟の方に、こういう無断工事の解消についての指導を徹底していただくように要望も出しておる次第でございます。
 通産省といたしましては、電気事業法で規制いたしますのは、電気事業者サイドでございまして、有線放送業者につきましては、有線電気通信法の関係で、郵政省のお取り締まりをお願いするという立場にございますので、郵政省とも御相談しながら、いろいろ対策を検討してまいりたいと思いますが、電気事業者に対しましては、これに対する対応策が、電電公社と電力会社で足並みが乱れるということでは、またトラブルの種になりかねませんので、十分連絡をとりながら対応するように指導している次第でございます。
○久保(等)委員 次に、電電公社の方からひとつ現状について、それからまた特に無届けに対する措置、わけても告発等を行っております現状等についてお答え願いたいと思います。
○長田説明員 お答えいたします。
 五十一年度末の資料が現在調査中でございまして、持ってないのでございますが、大体いままで毎年度末に音放線の添架の状況の調査をいたしております。それを申し上げますと、四十七年度、音放線を添架しております電柱本数が十三万五千本ございまして、このうち、添架契約が未契約になっておるもの、言うなれば無届けということになる、無断ということになりますが、これが約八千本でございまして、無届けの分が大体全体の六%を占めているという状況でございました。なお五十年度におきましては、添架の総本数が二十万本にふえまして、未契約の本数が五千八百本、大体全体の三%弱というような数字まで、現在無断添架のものの割合は減ってきております。なお、いままで無断添架を発見いたしました場合には、まず業者の所在を速やかに調べまして、責任者の出頭を求めまして、その不当性を追及するということと、また催告書を送るということなどいたしまして、直ちに撤去を求めるわけでございますが、一部の業者の中には、これに応じない例がございます。この場合には、仮処分などの法的処置を講じるよう取り計らっておるところでございます。
 先ほど、郵政省からもお話ございましたように、五十一年、五十二年にわたりまして、仮処分を申請いたしましたのが合計六件ございまして、このうち業者が自主的に撤去をいたしたものが四件、それから強制撤去をいたしたものが二件というのが最近の状況でございます。
○久保(等)委員 この不法添架の現状が、先ほど来のそれぞれの状況について御答弁があったわけなんですが、告訴なり皆発あるいは撤去を現実にやった事例が比較的少ないように見受けられます。特に建設省と郵政省との間でも、いろいろこれに対して対策をお立てになったり、打ち合わせをやっておられるようですが、先ほど監理官のお話にあったように、もともと会計検査院の指摘事項から問題が表面化をして、国会でも取り上げられるというようなことになり、それに対してさらにまた打ち合わせ等を行って、無届け施設の減少について努力をしておられるようですが、しかし、なかなか思うように、先ほどの御説明でも、減少しておりません。
 そこで特にお聞きしたいのは、建設省と郵政省で、昭和四十八年の八月二十二日ですか、申し合わせをしておられるようですが、このことについて中身の御説明をちょっと願いたいと思うのです。
○松井政府委員 会計検査院等の指示を受けまして、関係機関、郵政省、建設省、電電公社、電力会社等々が相寄りまして申し合わせをしたわけでございます。その申し合わせの内容の主なものは、まず第一に、そういう道路の不法占用であるとかあるいは電柱の無断添架というような事態を発見した場合には、直ちに相互に連絡を行って、その対策を協議するということでございます。
 また、その違法な状態を除去するためには、今後ともに関係機関が相寄りまして、それぞれ文書を発出するなり、具体的な連絡指導をするなりという形で、その違法状態というものをできるだけ解消するように、今後具体的な協議を進め、対策を練っていくということでございます。
 また第三点としましては、先ほど申しましたように、郵政省としまして、そういうふうな添架同意書であるとかあるいは道路の占用許可書というようなものが添付されていない場合には、この届け出を受理しないという形において、側面からこれらの無法状態を防止するという形で推進するということも申し合わせたわけでございまして、いずれにいたしましても、こういうような関係機関というものが集まりまして、今後緊密なる連携のもとに、こういった状況を解消するように努力することを申し合わせた次第でございます。
○久保(等)委員 その申し合わせの中で、特に法律違反の面についてはひとつ告発を強力にやっていこうじゃないかというようなことが申し合わせ事項の中で言われておるようですが、この告発問題そのものも、もう少し時宜に適したように、てきぱきとやっていくなら、こういつたことについても相当効果があるのじゃないかというふうに考えるのです。
 特に法律的に言うなら、これは刑事訴訟法の二百三十九条なんかにも、官吏または公吏は、職務上知り得た状態についてもし違法があれば、これを告発しなければならぬという義務規定があるわけですから、郵政省の立場から言えば、もちろんこれを所管する官庁という意味で重要な責任があるわけです。したがって、告発をしなければならぬという規定から言っても、私はどんどん告発すべきだと思うのです。そのことがとにかく悪質な無届け施設というものを根絶する最も有効な方法じゃないかと思うのですけれども、先ほど来のお話を聞きますと、告発件数は、電波監理局としてやられたのは何か一件だけのように伺うわけなんです。それも昭和四十七年ごろ。したがって、その後は全然ないという状態なんですが、これは告発しなければならぬという義務規定からいっても、もう少し機動的に、時を移さず告発をするようなことをやるべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○松井政府委員 有線法の立場から申し上げますと、この違反の事実というものは、そのほとんどが電柱に添架の同意雷がないとかあるいは道路の占用許可書が添付されていないというような、法律とは別に行政指導している内容についての様式が整っていないということで受理していないというような状況でございます。したがいまして、そういった行政指導に従わないというような業者につきましては、でき得る限り了解をいただくように実質上の指導というものを進めてまいりたいということを第一義にしているわけでございますが、ただいま先生の御指摘もございましたように、なかなかその実情が改善されないというような状況でございますので、昨今におきましては警察等もこういった協議会の中にお入りいただきまして、現在連絡をしているわけでございます。そういった連絡に基づきまして、今後、告発も含めまして正常化に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○久保(等)委員 特に問題は、これは長い間新聞等にも報道せられてその都度問題になっておるわけなんですが、全国の連盟、この連盟はもちろん一つの何か任意団体ということになっておるんだそうですか、この会長は一体どなたがやっているんですか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生御指摘の、連盟と申されましたのは日本有線放送連盟のことだと承知いたしますが、この会長としては船田中先生がやっております。
○久保(等)委員 協会の方はどなたですか。
○石川(晃)政府委員 協会は全国有線音楽放送協会でございますが、この会長は中尾栄一先生でございます。
○久保(等)委員 国会議員、しかも非常に有力な与党の議員の方が会長をそれぞれやっておる。特に問題になって新聞等で報道せられておりますいわゆる無届け施設のほとんど大半をなすものは大阪有線放送、そういったようなことになっておるわけなんですが、これにかかわる系列会社、こういったようなものが無届け施設の大宗を占めておるように見受けられます。しかもこれが、半年、一年間にわたるというような問題ではなくて、もう恐らく七、八年ないしは十年近くいろいろ問題を起こしております団体じゃないかと思うのですけれども、こういったようなものに対して、個々にあらわれてくる無届けの施設問題もさることながら、根本的に、郵政省自体が一体どういう指導をしておるのか、ここらのところをぜひお伺いしたいと思いますし、とにかくこの問題を解決するためには、個々の現場における問題だけではなくて、もう少し根本的なところにメスを入れる必要がある、こんなふうに私は考えるわけなんです。郵政大臣がこの問題についてどの程度の御理解を持っておられるか知りませんが、すでに決算委員会等でも問題になって質問せられておるようですが、私も実は余り深くは、深くはというよりも、前々から知っておったわけじゃなくて、ごく最近実はこの問題のあることを知ったのですけれども、余りにも無法状態で全国各地でトラブル、問題を起こす。しかもそれは率直に言って、同じ業者が九州の方でも問題を起こす、大阪の方でも起こす、東京の方でも起こす、あるいは北海道でも起こす、こういったことが頻発しておるのですけれども、こういうことは断じて許されないと私は思います。しかもその団体の責任者に与党の国会議員の諸君が名を連らねておる。まことにどうもわれわれがこういった問題をこういったところで指摘すること自体忍びないわけなんですけれども、一体このことについてわれわれ自体が国民にどう説明していいのか、私はまことに残念至極だと思うのです。こういった問題について当委員会で取り上げるのは初めてですけれども、しかし、新聞その他でここ数年来非常にやかましく取り上げられておりながら、一向に改善しない。指摘された問題については一応撤去をして、また翌日起きてみたら向かい側の道路に張ってあったというようなことで、ハエを追い払って一時そのあたりにハエがいなくなったと思ったら、またハエがたかってくるといった、ゲリラ的と申しますか何と申しますか、まことにどうも言語道断な現状にありますことについて、郵政大臣はこの問題に対する最も中心的な所管の大臣ですから、ぜひひとつ毅然たる態度でこの問題の解決を図ってもらいたいと思うのですが、大臣の所見はいかがですか。
○小宮山国務大臣 郵政省といたしましては、さきに参議院でも私、御答弁申し上げましたのですけれども、建設省、電電公社、電力会社等と密接な連絡をとりながら、正規の手続を踏むよう関係団体及び関係業者を指導していきたいと思っておりますし、さらに当然のことでありますが、電電公社、道路管理者等が違法な放送線の撤去のために仮処分の申請その他手続をとった場合には、積極的にそれに協力してまいりたいと思います。なお、再三の行政指導にも応じない悪質な業者に対しては、警察当局とともに十分連絡をとりまして、告発を含めてこれに対処し、正常化に取り組みたいと考えております。
○久保(等)委員 もうすでに郵政当局なり関係の方にいろいろと関係者の方から陳情したり、あるいは要望したりしているけれども、どうも一向に効果が上がらない。そこで、一般の届けをきちっとしてやっておられる業者の立場からいえば、逆にそういった無法施設によって営業上の非常な被害を受けた、これに対して郵政省がなかなか的確な措置をとらないので現実に損害を受けた、したがって、国に対してその損害賠償をせよというような訴訟が、すでに昭和四十七年の七月に提訴をせられておるという事実もあるようでありますが、このことについて御説明を願いますと同時に、これはすでに五年前の話であるようですけれども、この訴訟案件がその後一体どうなっておるのか、ひとつ御説明を願いたいと思うのです。少しつけ加えますが、いま抽象的なお尋ねの仕方をしたのですが、名称を申し上げますと、全日本有線放送社の代表である吉田繁治さんから国を訴えた関係で、国の代表であります時の法務大臣の郡祐一氏あての損害賠償事件、これは二百万円ということです。被害を受けた内金というような意味のようですが、二百万円の損害賠償請求を神戸地方裁判所の明石支部あてに出し、係争中であると私は思っておるのですが、これがどういうてんまつになってまいっておるのか。この中で指摘されておりますことは、もう先ほども申し上げましたように、何回かにわたっていろいろ陳情したり要望してまいったけれども、国そのものが適切な措置をとらないために現実に営業上の被害を受けた。その地域は相当各地に及んでおるわけでありますが、地域を申し上げますと、岡山市内、倉敷市内、富山市内等について昭和四十二年ごろからこの昭和四十七年ごろにわたって非常に被害を受けた、こういうことで提訴いたしたようです。そのことについてお尋ねしたいと思います。
○松井政府委員 ただいま先生御指摘ございましたが、四十七年の九月、神戸地方裁判所におきまして吉田繁治から提訴があったということを連絡を受けております。現在地方裁判所におきまして十五回にわたりまして口頭弁論が持たれておりますが、まだ結審に至っておりません。あと詳細な資料は私現在持ち合わせがございません。
○久保(等)委員 そうすると、いまだに結論が出てなくて係争中だというお話ですが、そういった点から考えてみても、この問題そのものについてよほど国、といっても直接的には郵政大臣のところになるわけですが、ぜひ私はもう少し効果的な方法を考えてもらいたいし、事と次第によれば、現行法で不備であるならば現行法の改正をもやるべきだと私は思うのですが、このことについて一体どういうようにお考えになりますか。私は先ほど来申しておりますように告発等についても現行法で、刑事訴訟法二百三十九条に言う告発義務の観点から言っても、郵政省初めその他関係の方面でもう少し告発をやっていただく。そのことによってそれぞれ具体的な問題についてある程度やはり解決できるのではないか。したがって、そういうことを繰り返しておりますれば、業者の方でもばかな無届け施設をさらにまたふやすといったことは、恐らくだんだんと減少していくのじゃないかと実は私は思うのです。ただ思いつきのように一遍やると、すぐ翌日またどこかほかへ持っていって張る、そういうつけ焼き刃程度のことではこの問題は解決しないと私は思うので、全国的に関係者の方が十分にひとつ相談せられて、先ほどもちょっと申し上げた昭和四十八年の八月二十二日付で建設省と郵政省の間で申し合わせられた内容、先ほど監理官の方から御説明願ったのですが、これはほんの一部の御説明があったようですが、私、拝見してこの中身は非常に充実をした申し合わせだと思うのです。だから、関係者の方々が本当に力を入れてやってもらうならば、相当効果を上げるのじゃないかと思うのです。ところが、現実に告発をするんだといってお互いに緊密な連絡をしながら、そういう問題が出てきても、告発をするんだと言いながら実は本当に一件か二件、一件か二件くらいで済むんならいいけれども、さっきもお話があったように、電柱の本数にするならば電電公社だけでもとにかく六千本、電力会社の場合におきましても大変な本数になっておるわけなんですが、さらに道路の無届け使用、こういったようなことを考えますと、それぞれの省あるいはまた企業体、こういったところで告発をどんどんやって片づける、こういうような方向でぜひひとつ今後やってもらいたいと思うのです。それにはこの申し合わせの中でもいわれておりますように、郵政省が中心になって打ち合わせをやるなり連絡をせられるなりすることが必要だと思うのですけれども、これも資料によりますと年に一遍くらい打合会をやっておられるようですが、もちろん問題は、中央でやられた方針を下部のそれぞれの関係の方々の方に十分に流してまいる、また実際やられるのは下部の現場におけるところでやるわけですから、そこがまた横と十分連絡をとってもらって、ひとつ一斉に足並みをそろえてこの問題に取り組んでいくということが必要ではないかと思うのです。したがって、そういうことを当面現行制度のもとでやっていけば相当効果が上がるのじゃないかと思うのです。なおかつそれで問題が解決しないならば、いま申し上げましたように法律改正、届け出制になっておるものを認可制にするということも法律的な面では一つの強化になるのじゃないかと思うのです。
 それから、さらにその際考えられなければならぬのは、罰則の問題に対しましても、無届けでやったらわずか一万円程度の罰金だというようなことでは、法律的な効果が余り期待できないと私は思うのですね。こういうものはやはり少し思い切って罰則規定強化も必要ではないかと思うのですね。あの有線電気通信法そのものが戦後つくられた法律ですが、どちらかというと、その施設者をいかにして保護していくか、こういうことに非常に重点を置いた法律なんで、今度のようなこういう悪質な有線電気通信設備を設けるというようなことは恐らく夢想だにしてなかったと思うのですけれども、現実には全くばかにしたような傍若無人なやり方をやっておることについて、私も本当に心から憤りを感じます。そういった意味で、立法上の必要、特に法改正の必要があるのかないのか、そこらを含めてひとつ郵政省の方からお答えを願いたいと思います。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生から御指摘ございましたように、法改正とかあるいはそういうふうに今後取り締まりというものを強化していくべきではないかということでございますが、先ほど監理官からも説明がございましたように、これにつきましては、従来建設省と関係者が集まりまして、そうして強力な指導を行ってきたのが現状でございます。その推移からいきますと、やはり強力な指導も効果がございまして、一例を挙げますと、五十年の八月では四十九件の未届けの施設がございましたが、それがやはり指導によりましてそのうち二十件ほどが届けを出してきて、整理をした、ところがまたその後でふえてきた、こういうようなかっこうで、件数そのものの絶対数は変わっていないということでございますが、指導の効果は上がっているわけでございます。その後、指導だけではなく、告発等含めてというお話でございましたが、やはり第一義的には指導ということで何とか解決したい。しかしながら、われわれといたしましても、余りそういう不法状態というものを存置するわけにはいきませんので、やはり告発という問題も考えながら進めていかなければいけないだろうということは考えています。
 さらに、この法改正の問題で、いま御指摘がございましたように罰則を強化するということもございます。この点につきましても、やはりわれわれとしても十分検討しなければいけないと思いますが、やはりこの法改正の一つの考え方としまして、従来届け出というもので処理をしているからあるいはなまぬるいことになるのじゃないか、許可制にしたらどうだという意見もございました。この許可制にいたしました場合に、われわれといたしましては、特に電波監理局担当の関係としまして、事業免許といいますか、事業の許可につきましては非常に慎重な態度をとっているわけでございます。と申しますのは、有線音楽放送とは申すものの、やはり有線放送の一環でございます。したがいまして、やはり一般の放送と同じように、放送というものについては表現の自由というものを確保すべきではなかろうかという点が考えられるわけでございます。したがいまして、この許可制ということにつきましては、あるいはまた表現を不当に制限するというような論議が出てくるかと思いますので、われわれとしましても、この許可制の問題については慎重な態度で臨んでおるわけでございます。
 なお、設備についての許可制というものもございますが、設備の許可制というのは実は例外がございまして、例の有線テレビジョン放送法によります有線テレビジョン放送施設の設置については許可制をとっているわけでございます。この理由は、もうすでに先生御承知だと思いますが、有線テレビジョン放送というものが国民の日常生活、文化的な生活にきわめて有用な存在でもありますし、また、この施設自体が画質の向上といいますか、技術的に見ましても同軸ケーブルのような非常に高度の技術を使った設備でございます。したがいまして、実際上はやはり地域的な独占の傾向に陥りやすいということでございます。設備費が高くなりますので、一たん設備いたしますと、そういう独占的な傾向に陥りやすい。ところが、独占ということになりますと、受信者に対していろいろ弊害が出てくるということで、実は受信者を保護するために許可制にしたものでございます。しかし、この音楽放送の場合について実情を検討いたしてみますと、対象と申しますのが町の喫茶店とかあるいは飲食店、こういうところを対象にしてサービスをいたしております。したがいまして、このサービス自体が直接一般国民の日常生活に大きな影響は及ぼさないであろうということ、それからまた設備の状況を見ましても、大体非常にコストの安いペアケーブルのようなケーブルが使われておりますので、建設費が安いだろう、こういうようなこともございまして、先ほど有線テレビジョンで見られるような地域的独占というものを招来する傾向は少ないだろう、われわれは実はこういうふうに考えまして、この有線音楽放送についての許可制の導入ということはなじまないというふうに考えているわけでございますが、先生おっしゃいましたように、こういうことが無法状態で放置されますと、通信の秩序というようなことが乱れてまいりますので、この点につきましては、今後とも関係方面が集まりまして、この取り締まりについて重々検討を進めていきたい、かように考えております。
○久保(等)委員 電波監理局長、私が言っておるのは、特に言論、放送に関連する部分について認可制とか云々と言っているのではなくて、たとえば有線電気通信法の第三条、これに対する罰則を見てみますると、いま言ったようにわずか一万円以下の罰金というような程度になっておるわけですよ。特にこの第三条に言っておるのは、有線電気通信設備の届け出の問題ですから、届け出ない者に対して罰則を強化することは、私は一向に構わないと思うのです。それは何ら言論、報道問題との関連が出てくるという問題ではないと思うのです。だから、きちっとしたものを届け出るというのはあたりまえの話なんですけれども、届け出ないで勝手にやるようなことについて、それを保護しなければならぬという理由はどこにもないわけですから、有線電気通信法で言う第三条の面に対する罰則の第二十六条ですけれども、わずかに「一万円以下の罰金に処する。」という程度になっていることは、常識的に考えたって、物価が上がったからというわけじゃないですけれども、一万円払ってさえいれば無届けでどんどんやれるのだ。そういうことを脱法も承知の上でやっているわけでして、たまたまそういう手続をやることを知らなかった、こういう者を一々告発しなさいなんて、そんなばかなことを私は申し上げているわけじゃないのだ。悪質で、しかも十年来繰り返し、繰り返しやっているような者に対して、そういったものをただ一万円程度の罰金でもって一体規制できるかといっても規制できませんよ。こういう法律は百も承知でやっているのですからね。だから私の言っておるのは、有線ラジオ放送業務の運用規正に関する云々の法律の改正問題を言っているのではないのであって、有線電気通信法の第三条と第二十六条との関係を見ても、この点では改正を要するのじゃないか。これはきわめて局部的な一つの提案としてお尋ねしているのですけれども、その点に対するお答えを願いたいと思います。誤解が余りあると、また問題ですから……。
○佐野(芳)政府委員 お答えします。
 いま先生の御指摘の点、それからいままでの経緯、お話を聞いていますと、確かにお説のとおりだと思います。私たちもこういう無法な事態をいつまでも捨てておくという気は毛頭ありませんで、それぞれの立場でそれぞれの努力をしたいと思います。
 いま御指摘の点ですが、先ほど運用規正の法律の方で電波監理局長のお話がありましたし、それから先生はそういうことをおっしゃっているわけではないというふうにいま御説明がありましたけれども、何しろ有線法というものは非常に広い分野を包括しているものですから、いまとにかく問題のあるのは、有線音楽放送をする有線設備の設置の場合のみ認可だとか許可にするということは、この法律は非常に表現しにくいのじゃないかと思いますので、その辺の運用規正関係の法律とよくにらみ合わせながら、いま直ちにここでお答えできませんけれども、研究したいと思います。
 それから、確かに罰則そのものは有線法では三条違反というのは一万円以下の罰金だ、こんなばかな安い罰金はないと思いますので、ただ罰金だけを上げろということは、何か届け出というものと罰金の額というものがリンクされているように私は伺っておりますので、その点では確かに認可とか許可にしないと、この額というものが何か横並びで余り高くならない、その辺の関連もありまして、その辺も含めまして、今後研究したいと思います。
○久保(等)委員 私は問題点はある程度指摘したと思うのですが、いずれにしてもこういうケースは非常にまれではないかと思うのです。長い問とにかく違法であり、無届けがいけないのだということも百も承知の上で堂々ととにかく何年もにわたってやり続けておるという問題、これは特にひとつ重立った連盟関係の会社の名前をひとつここで挙げて御説明を願いたいと思うのですが、特に無届けの悪質と思われるものをここでひとつお答えを願いたいと思います。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 連盟関係でございますが、連盟関係で主なものと申しますか、これは株式会社日本有線、株式会社有線、株式会社大阪有線放送社、こういうようなところが有力な会社のようでございます。
 それから協会の方としましては、株式会社日本音楽放送とか日本有線放送、こういうものがございます。
 なお、ほかのメンバーにつきましてはちょっといま手元で資料を調べているところでございます。
○久保(等)委員 とにかく無断で添架している本数だとかあるいはまた道路占用の距離等をながめて悪質だと思われますもの、同じようなことを繰り返しやっておる業者に対しては重点的に少し告発等の強硬手段をもってぜひ対処してもらいたい。これはひとり郵政省だけに限らず、電電公社に対してもあるいは電気事業連合会の各電力会社、あるいは国の場合には直接の、国道については先ほどお話があったように、私はある程度成果を上げてこられていると思うのですが、なお若干のものが残っているようですし、特に地方自治体の方面の県道なりあるいは市道、そういった方面に対してはこれは直接的にどうこうということをここでお話できませんが、これはぜひ建設省の方で御指導を願う。出先の方は当然それぞれの出先機関の方で横に連絡を十分にとってもらって、時期を失せずとにかく処置をする、見て見ないふりをするというようなことのないようにひとつ強力にやってもらいたいと思います。これは長い間の問題であるようでありますから、ひとつ逓信委員会で特に取り上げた今回を契機にしてぜひ強力な手を打ってもらって処理を願いたいと思うのですが、郵政大臣の方からお答えを願いたいと思うのです。
○松井政府委員 ただいま先生の御指摘の点につきましては、私ども今日まで関係機関と協議しながらそれぞれ是正措置を講じてきた考えでございますが、なお一層そういった先生の御指摘の趣旨に沿いまして、場合によりましては法的手続を含めまして是正措置を講じてまいりたいと思います。
○久保(等)委員 特に先ほど私が指摘したように、国そのものが怠慢であるといったようなことで、法務大臣が国を代表して被告になっているわけなんですが、そういう意味ではこれは非常に大きな大変な問題だと思います。したがって、私は先ほど立法措置をも含めてひとつ検討するようにということを申し上げたのですが、そういったことはそういったこととして、当面の制度の中でやり得る最大限の告発等の強硬手段をもって問題の解決を図ってもらいたいと思うのです。これは郵政大臣に……。単に電気通信監理官に答弁させるということじゃなくて、私はそういう重大な問題だと思うのですよ。同僚議員の諸君をとやかく言いたくないのですが、これらの諸君ももう少しまじめに、この問題に対して関係しておられる方々はお考えを願いたいと私は思うのですね。郵政大臣はあくまでも郵政大臣という立場でおやりにならなければならぬことがこれまた法律上義務づけられておるわけですから、ぜひひとつ郵政大臣の毅然とした御答弁を聞きたいと思う。
○小宮山国務大臣 先ほど久保先生にお答えしましたように、関係各省と相談することも一つ、それから再度勧告をしても聞かない場合には告発までいく。そのほかに、私いろいろ話を聞いていまして、一度交通整理をしなければならぬという考え方を持っております。どうも非常に複雑であり、かつ罰則等も緩やかである、届け出制、認可制というようないろいろな問題、そういうようなものを一度整理し直すことを事務当局に命じて、今後ともこれに対処していきたいと思っております。
○久保(等)委員 それと同時に、整理することも結構ですが、私が申し上げておるように、特に先ほど申し上げた昭和四十八年の八月二十二日ですかの申し合わせ事項、中身は比較的効果的な方法ではないか、現行制度のもとでは一番効果的な方法だと私は思っているのです。ところがこれは郵政省と建設省とはいうものの、課長クラスと言っては恐縮ですけれども、そこらでもって話し合われた申し合わせになっているのですよ。だからこれを別にどうこう言うわけじゃありませんが、中身は現行のもとでは最大限のものだと私は思うので、これをぜひ、郵政大臣そのものが、あるいは建設大臣ももちろんそうですか、そういう理解と認識のもとに、強力な指導を下級機関に対してはもちろんですけれども、横の方面とも連絡をとってもらってひとつ効果を上げるように御努力を願いたいと思うのです。そのことを郵政大臣、確認を願う意味でお答えを願いたいと思う。
○小宮山国務大臣 先生のおっしゃった意味も含めて交通整理すべてをやらなければいけない。やはりもう一回洗い直さないとどうも――裁判もこんなに長くかかっているようでございますから、もう一度洗い直す、そういう意味でどうしたらいいかということを、事務当局に徹底したことを命じておきたいと思っております。
○久保(等)委員 ひとつ強力な指導もぜひやってもらいたい。
○小宮山国務大臣 それも含めてやります。
○久保(等)委員 終わります。
○八百板委員長 午後一時委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
    午後零時四分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時十三分開議
○八百板委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑を続行いたします。鈴木強君。
○鈴木(強)委員 二、三お尋ねをいたします。
 最初にお伺いいたしたいのは、郵政監察についてのことでございますが、私けさ東京新聞を拝見いたしましたが、一面のトップに、事もあろうに関東郵政監察局が、やってはいけない普通封書に現金を入れて試験通信と称して実はおとり捜査をした、そういう事件がございましたことが載っております。大変問題な事件だと思いますが、郵政当局はこの事実を把握されておりますか。
○江上説明員 詳細な報告はまだ受けておりませんけれども、概要につきましては承知をいたしております。
○鈴木(強)委員 それでは、その概要について報告してください。
○江上説明員 ただいま御指摘の関東郵政監察局の東京中央支局というのがございますが、この支局が管轄しておりますある会社でございますが、そこから再三郵便物の不着についての申告がございました。そこで、監察局の中央支局でございますが、これにつきましていろいろと調査をいたしておりまして、やがて犯罪容疑が認められるということで捜査をいたしました。ただいま御指摘の試験通信による配達も実施をいたしました。その結果判明いたしましたのは、会社内部で配達後に起こった犯行であるということが判明をいたしましたので、途中から警察に事件を引き継いだものでございます。警察では、これは私どもではございませんが、三月八日に容疑者を逮捕いたしまして三月十日に東京地方検察庁に送致をいたしました。
 概要、このような事件でございます。
○鈴木(強)委員 こういう重大な事件について、当該の関東郵政監察局から本省に対して具体的にどういうふうな連絡があったのですか。いつあったのかですね。
○江上説明員 昨日、ただいま私が申し上げました程度の連絡を得ております。
○鈴木(強)委員 いま御説明にもありましたように、事件が発覚したのは三月の一日でございますからね。もう二カ月近くたっているわけですね。それにもかかわらず、きのうそのような連絡があったということですけれども、各郵政監察局と本省の首席監察官との間において、こういうふうな事件が発生した場合に、従来も連絡はないものですか。そういう場合にはしなくてもいいことになっているのですか。
○江上説明員 犯罪の種類によりまして、中には管区がまたがります場合には本省が直接指揮をする場合もございますが、通常、管区内の事件でございますと、地方管区の支局長あるいは事件によりましては監察局長の指揮ということに相なります。
○鈴木(強)委員 それにしてもこれは私どもは大変重大な事件と思うのですよね。少なくともこの事件によって当該のその会社員が会社をやめるというようなところになっているわけですからね。ですから人権問題でもあると思うのですよ。しかも監察当局が普通郵便の中に現金を入れて、おとり捜査的なことをやったことでございますからね。ですからそういう場合に、大事な本省の首席監察官がその事実をいまになってきのう聞いたというようなことで、捜査は一体それでうまくやれるものですか。少なくとも私は常識的に考えても、一応このような事件があったことについては本省の方に十分連絡を、指揮するしないは別として、こういう事件があるくらいのことは、こういうことですというくらいなことは、あなた当然あってしかるべきじゃないですか。内部におけるそういった相互の連絡組織というものはなっておらぬですね。そんなことじゃ困るのですよ、これは。
○江上説明員 御指摘のとおり、犯罪が発生いたしました場合に報告をどのような形で地方の監察局が本省に報告するかということは、いろいろの形態がございますが、先生御指摘のとおりのような問題が仮にあるような事件があるとしますと、早速に地方から本省に指揮を仰ぐべきものかと心得ます。通常の場合でございますと、犯罪の規模の大小、その他によりまして、いろいろと地方からの報告の態様というものは遅速がございます。
○鈴木(強)委員 ですから、いまここで私が質問をしても、事実関係について詳しく答えられないでしょう。だけれども、これは大変な社会問題ですからね。新聞の報ずるところによると、いまあなたがおっしゃったように、八日の朝勤務先で突然数人の刑事に取り囲まれ、手錠をかけられた。それは要するにあなたの方から職場の管理職にあてて送られた現金計六千円入りの封筒二通を盗んだという疑いで逮捕された。結局関東郵政局が無差別の犯罪者探しのために仕組んだ試験通信という名のわなであったことがわかって、東京地検は不起訴処分にして、起訴猶予になっている。しかし、本人としてみれば、職を失い、家庭生活にも破滅を来すような人権侵害を受けたことになるわけです。ですから、これは違法な捜査だというふうに言われてもいたし方ないじゃないですか。このような重大な事件に対して一遍の連絡もないなんということは、職務怠慢じゃないですか。それはひとつ、従来そんなふうななまぬるい連絡の仕方であるならば、これは大いに改めていただきたいと思います。
○江上説明員 ただいま先生御指摘の、無差別の試験通信を行っていたかどうかという点でございますが、実はこの点は報告を得た事実によりますと、異なっておりまして、実はその会社から不着の申告が再三参っていたものでございます。それに伴いまして、いろいろと関東監察局が調査をしたり、捜査をした。その中に試験通信もその一環として行っていたものでございますので、無差別に行っていたものではございません。
○鈴木(強)委員 それで、その辺の事実関係についてはよく調べてください。あなたの方でもまだ事実関係はよくつかんでおらないようですから、よくつかんでみてください。
 いずれにしても、いままでいろいろな不達になったような事件があったので、向こうから申し出があってやったのだというお話ですけれども、また見方によると、郵政省監察局の方から管理者のところへ行って、こういうふうなことで、試験通信をやるからひとつ協力してほしいと言うて、ある管理者の名前を借りてその人にやったという見方もあるわけです。ですから、そういう面において、あなたが無差別ではないかとおっしゃるのかどうかわかりませんけれども、いずれにしても、そういうやり方がもう仕掛けたものなんですね。ですから、そういう中からたまたまこういう事件が起きてきたのですから、もともと郵便法を見ると、十九条の規定がありますように、普通の郵便物には現金は入れられないでしょう。それをあなた方が、入られないというふうに決まっておるにもかかわらず、その中へ現金を入れて送って、そしておとり捜査したわけだね。違法でやってはいかぬというものをみずからやって、それによっておとり捜査をするというのは、余りにも不見識じゃないですか。それに対してどう思いますか。
○江上説明員 御指摘の点は、二点と存じます。一点はおとり捜査という問題、第二点は試験通信に郵便法で禁ぜられている現金を封入をした、この二点についてのお尋ねと存じます。
 第一点の、おとり捜査であるかないかという点でございますが、いわゆるおとり捜査ということでございますけれども、犯罪の意思がもともとない者に対しまして、犯罪を誘発するような手段を用いるというのはいわゆるおとりというふうに存じます。ただ試験通信の場合でございますが、これは一般の通信物と全く同じ形態のものでございまして、特に内容が紛失したあるいは現金封入の郵便物が紛失したといったような場合に、同じ体裁のものをつくりまして、犯罪が、郵便の通常どのようなルートにおいて発生をしたかというようなことを確認をいたす、あるいは検挙の端緒とするといったような場合に使うものでございますので、いわゆるおとり捜査というものと試験通信というものとは異なっている、このように私どもとしては存じているわけでございます。むしろ郵便法第十九条の趣旨といいますか、これを貫くためにそのような試験通信も実施をしているということでございます。
 なお、現金封入の問題でございますが、先生御案内のように、現金封入が禁止をされましたのは昭和三十六年の郵便法の改正でございまして、第十九条によりまして現金封入が禁止をされました。
 ところで、郵政監察官が実施をする場合に、試験郵便に現金が入れられるか入れられないかという問題でございますが、十九条を設けました趣旨というのが、それ以前に現金封入が許されていたことがございます。その際にいろいろと問題が発生いたしました。普通通常郵便物でございますと損害賠償の規定がございませんので、御利用いただくお客様に大変な御迷惑をおかけする場合もございます。あるいはまた御案内のように、事故調査もなかなかむずかしゅうございます。そこでいわゆる利用していただく方々の利益を保護するというような意味でこの十九条が規定をされたわけでございます。
 試験通信の場合でございますが、これらの事故がどこで発生しているのかを知る、あるいはまた犯罪があるときはこれを検挙するための端緒を開くというようなものでございまして、それは利用者の保護を目的とするものでございます。したがいまして、テスト郵便はむしろ郵便法第十九条の法益を守るための高度の目的を持っているというふうに私どもは存じております。
○鈴木(強)委員 首席監察官のいまの御答弁は、非常におかしいですよ。もともと現金というのは現金書留にしなければならない。ですから普通郵便物の中に現金を入れてはいけないのです。そういうものをあなた方は通常利用者が現金を入れているというふうに判断しているわけですね。そういう立場に立たなければおとり捜査はやれないでしょう。少なくとも一般庶民の方々が、現金を入れちゃいけない、だから現金為替の封筒を買って、料金は高いけれども現金為替にして金を送っているわけですよ。あなたの方では、そういった普通郵便物に現金を入れて送るのがもうあたりまえ、しかしそういうことが常習犯的にやられている、だからそれをとっちめるためにこういうおとり捜査をやったんだ、そういうことでしょう。そういう物の判断、考え方でもって監察局が少なくともそういう捜査をやったのですか。その点は重大な問題だと思いますね。少なくともそのことによって一人の人間の大事な人権を完全に侵害することになる。その考え方は私は受け取れない。
○江上説明員 いま御指摘いただきましたように監察局が、一般に、たくさんの方が普通通常郵便物に現金を封入して御利用していただいておるというふうには思っておりません。ほとんどの方が先生御指摘のとおりの送達方法を御利用いただいておるというふうに存じております。ただ、たまたま現金であるとかあるいは品物であるとかというものを普通通常郵便物の中に封入をされまして送られる方が事実の問題としてございます。そのような方から不着の申告を受ける場合がございます。そうした場合に試験通信ということを直ちに行うのか行わないのかということでございますが、いろいろな方法で調査もいたしますし、捜査もいたします。ただその一環としまして、人権侵害その他の問題を生じさせないような形で、非常に多発するところにそのような方法をとる場合もございます。決して一般にそのようなことが慣行として広く行われているというふうに考えているわけではございません。
○鈴木(強)委員 今回のやり方は、あなたの方でいかにも挑戦的に、権力的にやっているんじゃないかと思うのですね。事件が発覚して郵政監察官がそれに対する処理をおやりになりますね。この場合には、さっきお話しのように、直ちに、八日に逮捕して十日に検察庁に送っているわけですね。そうでしょう。そして検察の調べがあって、最終的には不起訴になっておるのですけれども、本人は退職をするというようなことになっている。ですから、あなたもおっしゃっているように、事が人権問題に関係するだけに郵政監察当局がもう少し慎重に、本人とも話し合いをして、何もすぐ警察に突き出してやらなくても、監察官としての警察権の行使もできるわけですから、その範囲内においてあなたの方で内部監察をして、もっともっと親切なやり方をすべきじゃないかとぼくは思うのですね。それをすぐ権力的な手段を踏んでやった。これは法的にはいろいろ問題がありますね。違法性があるかないかということはありますけれども、そのやり方というものは、監察というものはそんなものですかね。郵便を利用していただく方々の中に、仮に入れてはならない現金を普通郵便の中に入れた者がもしあるとするならば、それは日常、ふだんの皆さんの周知、宣伝等によって協力をしていただくということが大事でしょう。それは郵便法を全然知らないで、それが郵便法違反でないと思ってやる人もあると思いますね。ですから、郵政事業というものが国民のものであるならば、そういったことについてももう少し親切なやり方をすべきであるし、ましてやこういう人権にかかわるような問題ですから、もう少し慎重に監察当局がいろいろなことを配慮してやるべきじゃないか。こんなことこそあなたの方へ連絡をとって慎重にやれば、こんな間違いを起こさないで済んだと思います。このやり方は非常に行き過ぎですよ。その辺どう思いますか。
○江上説明員 ただいま御指摘の点、これはもし私の受け取り方が間違っていたらお許しいただきたいと思いますが、もちろん現金を封入しているということで捜査を開始したわけではございませんで、配達した郵便物が窃取されたということによりまして捜査を開始したものでございます。
○鈴木(強)委員 それはどういうことですか。わざわざあなたの方でその会社に連絡をとって、試験通信をやりますよ、ひとつ協力してください、それでは管理者の名前をだれにしますか。それではこれにしてください。後で会社側もばかを見たと言っています。これはひどい目に遭った、再びやらぬと言っているわけですね。そういうことを仕組んだ上で、その中にあなた方が現金を入れて、そして送ったということでしょう、そういうことを私は言っているのです。あなたの言っているのはさっぱりわからぬです。
○江上説明員 先生御指摘のとおり、会社から現金封入と思われる郵便物が紛失をしたというような届けがございまして、そのことによりまして郵政監察が捜査をいたしました。確かにただいま御指摘のとおり、その会社あてに出す郵便物でございますので、恐らく管理職と思われますが、その会社の方あてに郵便物を出したものと思います。
 なお、逮捕に当たりまして、あるいは捜査に当たりまして人権を尊重するようにという御趣旨でございますが、逮捕いたしましたのは警察でございます。ただ、事件を郵政監察から警察に移管をいたしましたので、その段階におきまして人権その他に類することは十分に警察にも引き継ぐべきものと心得ます。
○鈴木(強)委員 私の言っているのは、この事件は必ずしも警察に引き継いで警察当局の捜査を待たなくても、もっと郵政監察当局がいろいろな手段を使って、そして問題になった会社の方と直接よく話し合いをして事件を収拾する道もあったのじゃないですかということです。それを早速警察に届け出て、警察はすぐ逮捕をする、そして十日には地検に送られるといったような手順を踏んでいるわけですね。これは結果的には不起訴になっているのです。起訴猶予になっておるわけでしょう。ですからこの事件の本質は、あくまでも皆さんが計画的に仕掛けて普通郵便の中に現金を入れて、そしてそれに引っかかるようなことをねらってやった一つのおとり捜査です。だから、そういうものについては過去の判例でも無罪になっているのがあるのですから、今度も起訴できなかった。もしあなた方がおとり捜査をしなければ、これは起訴されて法廷で争われるでしょうね。そうでないところにこの事件の問題点があるのですね。ですから、余りにもこの事件を軽率に扱い過ぎたのではないか、郵政監察がもっと慎重に、もう一段と工夫をこらしてやる方法はなかったか、そういうことを思うときに、私は非常に残念に思うのですね。
 これは大臣、こういう事件について報告がなかったと言うのだから、いま私がここで質問して初めて聞くのか。けさ新聞をごらんになればわかったと思うのですけれども、いずれにしてもこれはやり方が卑劣ですよ。もう少し慎重な態度でやってほしいと私は思いますが、聞いておってどんなに感じますか。
○小宮山国務大臣 この記事についてお昼に初めて読ましていただいたのですが、その事業所から通知があって、細かいことはわからないのですけれども、常識的なことを言うと、何度か事務所当局も盗難に遭ったことで調査をなすったことだろうと思うのです。そういうことで監察局の方が警察の方に依頼して、それに監察局が協力したといことだろうと思います。細部についてはわかりませんけれども、郵便の責任範囲ということと、それからいまの内容についてはもう少し詳しく事情を聴取しておかないと、答弁が非常に微妙なところでございますので、そのような記事のとおりのことではないのではないかということを希望いたしておるわけであります。
○鈴木(強)委員 一般的におとり捜査というのは、捜査機関が犯罪を教唆、誘発させ、その実行を待って検挙する方法ですね。その違法性が大きな問題となっているんです。これまで裁判でも争われまして、米国の例では、わなの理論として、おとりによる犯罪が生じた場合は無罪、こういう判例が出ております。日本でも地裁、高裁段階で、憲法前文、第十三条違反として無罪を言い渡した判例があります。しかし最高裁が去る二十八年に、おとり捜査でも犯罪実行者を処罰でき、公訴提起もできるという判決を出していることも事実なんです。そういう問題だけに、いまこういう事件が発生した場合に、憲法学者の中にも、大多数が違憲だ、こういうやり方は違憲だという意見が有力にあるわけです。それだけに、事件が起きた場合の郵政当局の、監察当局の処理の仕方が非常に拙速であるし、まずいと私は思う。もっと慎重にやるべきじゃないか。しかもやってみたところで結局は不起訴になり、事件はそこで終わってしまう。しかし一方では逮捕され、手綻をかけられて、そして取り調べを受けて、しかも職をやめて、しかも家庭の中にも最大の悲劇を生じて、大変人権を侵害されている。そんな仕掛けをやらなければなかったその事件が起きたわけです。そのむずかしい問題をいとも私から見れば軽々しく――もう少し慎重な捜査をやってほしかったんだが、警察に突き出して、警察が逮捕しという筋書きをとっているわけですから、この点は郵政監察としてはもう少し細かい配慮が必要ではなかったかと思うのです。ですから、今後もこういうことがあるわけですから、法的にいろいろ問題はあります、ありますけれども、少なくとも郵政監察局としてはもう少し慎重にこういう事件に対しては配慮してもらいたいということを私はつくづく感ずるわけです。ですから、もう少し実態調査もしていただいて、またひとつ機会を改めてお伺いします。いずれにしても、いまこの段階において私は郵政当局からもっと詳細な事実関係を聞きたかったのですけれども、その事実関係を十分まだ調べてないようですから、私の方の話だけでいまここで質疑をしているわけですから若干材料不足のような気もします。ですからこれはもう少し詰めて話をしたいと思います。もう一回やりたいと思います。いまの段階で感ずることはいま言った点ですね。もう少し監察当局が最高の配意をして、こういう事件については慎重にやってもらいたいと思うのです。これは首席監察官にも聞きたいし、それから大臣からももう一遍答えてください。
○江上説明員 捜査は慎重にやるように、特に人権に関するような問題については特に慎重に扱ってしかるべきであるという御趣旨でございますが、かねがね私どももそのようなことについては重ね重ね指導をいたしているところでございますし、御趣旨の点につきましては当然のことと存じます。本件につきましては、ただいままで徴しましたところによりますと、そのようなことはないと確信しておりますが、さらによく調査をいたして報告を徴したいと存じます。
 なお、ただいま御趣旨のような点につきましては、かねがね大臣からもよく注意を受けておるところでございますので、申し添えさせていただきます。
○小宮山国務大臣 人権問題でもあるし、逮捕のような問題もからんでおりますので、かねがね私も慎重に慎重を期することという指示をいたしております。
 この東京新聞の記事についてはよく調査いたして徹底を期したいと考えておりますし、少なくとも地方監察局で、逮捕するような事件については本省に連絡するようなことがあってしかるべきだろうということで、そのような方向で今後ともやらせたいと思っております。
○鈴木(強)委員 きょうはこの程度でおきまして、いずれまた改めて質疑をしたいと思いますが、それについて若干事実関係の中ではっきりさせておいていただきたいのは、当初この事件が起きたときに、関東郵政監察局の中央支局では、盗まれたのは封書だけで、中に現金を入れた事実は絶対ない、こういうふうに頑強に拒否しておった。ところがその後同監察局の方が、そうでなくて現金を入れたという事実を正式に認めたというふうに言われておりますから、その辺が一つ。
 それからもう一つ、いまお話のありましたある会社、皆さんが試験通信、おとり捜査に使った相手方の会社、さっき言ったように何回か不着郵便物があったということですが、一体この数年間にそういう仕掛けをしなければならぬような事実関係が幾らあったのか、どういう種類であったのか、そういった点についてもひとつ詳細に調査をしておいていただきたいと思います。ですから証言というか、おたくの内部で、やはり現金を入れたことに対してはまずかったということがあったから最初否定したと思う。ところがだんだん調べてみると、警察の方に届けてある、その中には現金が入っていたということが入っている、自分のやったことが暴露されてきた、こういう筋書きのように思います。その辺が非常に大事なポイントですから、今後ひとつ早急にその点を調査しておいていただきたい。いいですか。
○江上説明員 ただいま御指摘の点について現在承知をいたしておりませんので、調査をいたしまして、また別に御報告させていただきます。
○鈴木(強)委員 それでは第二番目の郵便貯金の利子の問題で、大臣、きょうは私ちょっと詰めてお伺いしたいと思います。
 御承知のように、公定歩合一%引き下げが決まりまして、その後長期金利の引き下げ、さらに銀行預貯金の金利の引き下げ、そういったことが筋書きどおりずっとやられてきておりまして、郵便貯金がどうなるかということはいま全国民の注視の的になっていると思うのですね。そういう意味において、いままでのことをおさらいしながら大臣に御所見を承りたいと思います。
 大臣は、昨年郵政大臣に御就任になりましたときに、郵便貯金というのは庶民金融であって、利子の問題については簡単に引き下げに応じられないということを明言されまして、多くの国民の拍手喝采を受けたと思うのです。本年三月の公定歩合〇・五%引き下げの際にはそのとおりやってくれました。これはみんな感謝しております。評価されていると思います。そこで今回さらに一%の公定歩合の引き下げが行われまして、いま申し上げたように、銀行預貯金がすでに来月の六日から引き下げられる。これについては後から大蔵省にちょっとお伺いしますが、大臣は、いままで何回かのわれわれの質疑に対して、現在は考えていない、白紙だということも言われましたね、白紙ということはどうかわかりませんが。特に郵便貯金法の一部改正法案の際にも満場一致で附帯決議がつけてあります。預金者の利益を守るため利率の引き下げを行わないこと、これはわれわれ国民の意思として附帯決議がつきましたね。これも大臣御承知のとおりです。ですからわれわれとしては、郵便貯金というものが零細な庶民の貯蓄である、しかも依然として物価高が続いております。過去十年間に恐らく九七、八%、一〇〇%近い物価値上がりになっておりまして、極端に言ったら十年前の十万円はもうゼロだ。それだけの目減りがあるわけですから、何とかして預金者の利益を守りたい。そういう意味から利子引き下げにはわれわれは絶対反対をしてきました。大臣もそういう意味でいままでは、私は白紙で、考えていない、こうおっしゃつてきているのですが、どうも最近のマスコミなんかの報道を見ますと、大臣の御所見だというように書いているところもありますし、いろいろな角度から、どうも今回は利子引き下げをやらなければならないような空気を私は察知するのです。だから、少し失礼かと思いますけれども、きょうここでぜひ大臣に突っ込んでお伺いしたい、こういう趣旨でございます。
 そこで、その後、大蔵省から郵便貯金の利率を下げてくれというような話はなかったでしょうか。あるいは銀行筋の方から大臣に対して、言葉は悪いのですけれども、圧力的なものがかかった事実はないでしょうか。そこからひとつ……。
○神山政府委員 去る四月十九日でございますか、大蔵省から公定歩合の引き下げ、それから民間金融機関の預金金利の引き下げについて、日銀政策委員会に発議したということで、それに伴って郵便貯金についても引き下げてもらいたいという要請は事務的にありました。(鈴木(強)委員「四月十九日ですか」と呼ぶ)四月十九日に公定歩合引き下げが行われたわけですね。正確な御答弁でなかったかもしれませんが、公定歩合引き下げの決定が十八日であったかと思います。そして十九日実施。それで民間金融機関の預金金利の引き下げについて日銀政策委員会に大蔵大臣が発議した、これが十八日であったと承知しておりますが、十八日の段階でそういう連絡を受け、郵便貯金についても検討できないかという要請は事務的にございました。これは十八日のことでございます。
○鈴木(強)委員 ですから、四月十七日に予算が成立しまして、十八日から動き出したわけですが、そのときに臨時政策委員会を開いたわけですね。そういったいきさつはわかっていますが、そのときにちょっと新聞に出たのでは、郵便貯金の方も連動して引き下げてくれるということが郵政省との間に成り立ったから急遽やったのだというような記事もありましたけれども、それは大胆のその後の御発言でそういうことはないという話はわかったわけですよ。ですから、そうでなくて、ごく最近、二十日でしたか、われわれは貯金法の一部改正法案を上げましたね。ですから、二十日現在までのものはもう大臣が質疑していますからわかっているわけですが、その後何かあったかということです。
○神山政府委員 御質問が大蔵省から何か連絡があったか、あるいは要請があったかという御質問と思いまして、先ほどお答え申し上げたわけでありますが、要請はそのときでございますが、そのときの郵政省の態度というのは、従来大臣がお答え申し上げてきたとおりでございます。いまのところも郵便預金について独自の立場で検討したいということで、目下慎重に検討しているという段階でございます。
○鈴木(強)委員 事務当局の方ではわかりました。その後はないということですね。最近において、四月二十日以降はない。大臣どうですか。その後長期金利の引き下げあるいは預貯金金利の引き下げというような一連の決定をする段階で、大蔵省の方からそういうお話は大臣になかったのでしょうか。銀行あたりでもかなりこの問題については注視をしているようですが、その方面から大臣に特に要請があるとか、そういうことはなかったのでしょうか。
○小宮山国務大臣 その前段の三月十二日ごろ、やはり大蔵省から公定歩合の引き下げの連絡がございました。そのときは私自身考えまして、郵貯の金利については郵政省内部で検討をいたした結果、利率改定については取り扱わないという決定を見て現在に至っているわけであります。四月十九日に大蔵省から公定歩合の改定の連絡がございました。その後、ちょうどこの日が火曜日で閣議であります。そのときに大蔵大臣からも公定歩合を改定いたしますという話が閣議の席上で発議があり、かつ一般金融機関の金利改定を連動させるという発言がございました。これは当委員会でも私そのときには特に発言を求めまして、郵貯については白紙であるという発言をいたしております。前々から当委員会で私が申し上げておりますのは、やはり長期金利あるいは公社債等々の問題から日本経済全体を考えて、この金利というものを考えていくのであって、これだけ一般金融機関が発表をされますと、改定をしてまいりますと、私自身けさの新聞を見て利率というものを大体存じておるのでございますけれども、今後どうすべきかということを大変悩んでいる。けさの久保先生の御質問にもお答え申し上げたのですけれども、これはきざな言い方でしたけれども、シェークスピアのハムレットの青葉を使いました。「ツー ビー オア ノット ツー ビー、ザット イズ ザ クエスチョン」という言葉を使ったのですけれども、そのような心境で、すべきか否かそれは疑問であるという言葉で、大変悩んでいるということは事実でございますけれども、今週中にどうすべきか、事務当局を集めて最終結論を出したい。また経済情勢全般を見て対処いたしていきたいと思っておりますので、現時点では慎重に考えております。
○鈴木(強)委員 ハムレットの心境だとおっしゃったのですが、最近の新聞を拝見しますと、有力紙の中に、郵便貯金の利子の引き下げは五月末だというような見出しで報道されておりますよ。その中に、小宮山郵政大臣としては最終的には引き下げはやむを得ないが、急いで実施することは影響が大きいと判断をして、銀行などの引き下げ実施後郵政審議会に諮問する方針、手続や審議にも時間がかかることから、利子の引き下げ実施は五月末かおくれれば六月初めになるだろう、そういう公算があるということが書いてあるわけです。こういうふうに記事が出ますと、どうもわれわれが国会でずっと聞いておる大臣の御所信と、私からすればそこに大きな相違が出ているように思うわけです。ですから、この記事がもし事実でないとすれば、取り消しの要求ぐらいはしてもいいと思うのだが、あなたの心中、まさにハムレットの心中を書いたのではないかということになりますと、一抹の不安を感じるわけです。今週中ですか、今週中に一度検討する時期に来ているとおっしゃるわけですから、それだけに私は、大臣のハムレットの心中というものはここに書いてあるようなものじゃないかという気がするのですが、その点どうですか。
○小宮山国務大臣 そのようなことを申した記憶はございませんけれども、それも一つの方法であることは事実であります。
○鈴木(強)委員 これは大臣、大臣がよくおっしゃる郵便貯金法第十二条の貯金の利率の規定がございますね。しかし、これは一般金融機関の利率についても配慮しろというのであって、必ずしも同一にしろとは書いてないわけですね。ですからして、あくまでも「郵便貯金が簡易で確実な少額貯蓄の手段としてその経済生活の安定と福祉の増進のためにあまねく国民大衆の利用に供される制度であることに留意し、その利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払う」これが大臣のいつもおっしゃる十二条でございますから、ひとつあくまでもこの考え方を基調にしまして、御検討いただく際に、庶民の利益を守るための大臣の御就任当時の公約がぜひみごとに結ばれるように、私は心から願うものです。その点伺って、もう少し細かいことを聞きたい。
○小宮山国務大臣 郵便貯金法第十二条に、一般金融機関の利率に配意するということが書いてありますし、前段は「利益を増進し、」ということが書いてあります。そういうことを踏まえて考えていかなければいけない。しかし、利率というのは日本経済の中での問題であります。日本経済をどうとらえるかということが、これからの重大課題でもあるし、これからの利率決定については一般金融機関との関連を十分配慮してやっていきたいと考えております。
○鈴木(強)委員 貯金局長、マル優というものの扱いはどのくらいございますか。郵便貯金のマル優扱いになっているものの件数と額。
○神山政府委員 郵便貯金は全部三百万円以下は非課税になっております。
○鈴木(強)委員 郵便貯金は最高三百万円でございますから、それはわかりました。
 それで、一般の銀行の分については後から大蔵省の方にお伺いしますが、団体扱いしている団体貯金で甲種、乙種とございますね。その中で、小学校の子供たちがお父さんからもらったお小遣いを出し合って零細な貯金をしているのがありますよね。そういったものは何件で、どのくらい額がありますか。
○神山政府委員 まず、団体貯金でございますが、甲種団体貯金、乙種団体貯金、五十一年十二月末現在高で申し上げます。甲種団体貯金の団体数が四千六百六十団体、金額で十四億円、乙種団体貯金で六万二千百二十二団体、二百九十七億円。それで、いわゆる子供郵便局と称しまして、小学校、中学校等で団体をつくりまして貯金をしている団体数が六千八百八十五団体ございまして、加入者数が九十一万千百九十五人、現在高が百七十五億円、こうなっております。
○鈴木(強)委員 それから老人ホーム、ああいうところで御老人が団体で入っておるようなものがございますか。
○神山政府委員 御老人だけの団体というのは、あるかもしれませんが、私の方で現在つかんではおりません。調べればどうかわかりませんけれども、現在つかんでおりません。
○鈴木(強)委員 じゃお手数ですが、老人ホーム、そういうところで団体で入っておるとすると、ほとんどの人が御老人の方、おじいちゃん、おばあちゃん、そんなものがどのくらいありますか。参考にしたいものですから調べておいていただけませんか。
 それでは、大蔵省からおいでいただきましたのでお伺いします。
 きのうきょうの新聞を拝見しまして、公定歩合の一%引き下げに伴う預貯金金利の引き下げあるいは長期金利の引き下げ、こういつたことが決定したようですが、特に三月の公定歩合の引き下げのときに連動させた普通預金等の要求払い、これについては据え置くことになっておるわけですか。もう一つの定期預金に対する引き下げ、これは何%になるわけですか。
○宮本説明員 要求払い預金につきましては、三月に〇・五下げましたので、今回は据え置くことにいたしております。それから定期につきましては、三カ月もの、六カ月ものは〇・七五%でございまして、一年ものと二年ものが一%の引き下げを予定いたしております。
    〔委員長退席、久保(等)委員長代理着席〕
○鈴木(強)委員 それから弱者対策として、老齢年金とか母子年金、こういうものをもらっておる方々については、利子の引き下げについては特別の措置をとられるようですけれども、けさちょっとテレビで伺ったのですが、一つのニュースによりますと、福祉年金等の受給者、預金額百万円を限度に、期間一年の定期預金について、ことし十二月三十一日までに限って現行金利を据え置く、こういうように述べておったのと、それからけさのNHKテレビを見ましたら、福祉年金受給者を対象にして一年ものの定期預金制度というものを新しくつくる、そして期間は二年、一人について百万円、金利が年六・七五%、五月十六日から実施してことしの十二月三十一日まで取り扱う、こうなっておりましたね。前段のいま述べたのとこれとがちょっとこんがらがっておるように思いますが、その辺はどういうふうになっておりますか。
○宮本説明員 いま御指摘の点でございますが、今回の定期預金の引き下げに当たりまして、老齢年金受給者等経済的にも弱い立場にある方々につきましては、特別な配慮をする必要があるのではないかということで、ことしの十二月三十一日までにお預けをいただきます定期預金、これは一年ものだけに限っておりますけれども、一年もの定期預金につきましては金利を引き下げない、従来 の六・七五%で依然としてお預かりするという制度をつくったということでございます。
○鈴木(強)委員 それから、今度新しく複利定期預金というのをつくられるようにちょっと伺っておるのですけれども、これは新聞の報道でございますから、特に私はきょう伺っておきたいと思ったのですが、大蔵省としては、新しく複利の銀行定期預金制度をつくる、その原案がまとまって、四月二十一日に開かれた都市銀行懇話会に打診されたというふうな記事がございます。これは恐らく現在郵便貯金の定額貯金というのが非常に伸び率が高く、しかも預金高も残高も非常にふえているということから、民間銀行筋からそういう要請が前からあったことも知っております。したがって、それを受けて大蔵省としてこういう制度をつくろうという構想が出たのじゃないかと思うのですけれども、新聞記事等ではかなり詳細に利率まで掲載されて、しかも郵便定額貯金との比較も載っておりまして、国会でわれわれはこういう点を知りたいわけなんですけれども、なかなか国会の質疑では、委員会の開催その他の時期もありまして、的確にタイミングを得た情報を知ることができないけれども、たまたまきょうそういうふうな記事もございますし、いずれまたあなたに来ていただいてお伺いしようと思っております。恐らくこれはまだ省として正式に決定をしてこういう制度をやろうということになったのではないと思いますけれども、こういう一連の動きがあるということも事実だと思いますね。利子計算を複利にするというようなところに一つのメリットを求めてやっているようでございますが、これは一体どんな動きになっておるのか、ちょっと教えてもらいたいのです。
○宮本説明員 かねがね特に都市銀行筋から定額郵便貯金に似たような商品をつくらしてほしいというふうな要望がございますことは確かでございまして、これはもう三年ぐらい前から私の方にいろいろな案を持ってきております。それは事実でございます。ただ、この点につきましては、銀行自体は貯蓄銀行をいま兼営いたしておりますので、複利の預金を扱うことは可能でございますけれども、現在の金融制度からいいますと、長期と短期を分離した金融制度になっておりまして、この複利預金ということになりますと、これはある意味では長期の貯蓄手段というものを短期の金融機関である都市銀行ないしは地方銀行等に認めることになるのではないかというふうな点がございます。また、これはかなりコストの高いものでございます。貯蓄者に有利であるということは、金融機関にとってコストが高いわけでございますから、このコストが高くなりますと、相互銀行とか信用金庫等におきましてはそのコストの負担に耐えるだろうかというふうな面等がございまして、要望としては聞いておるわけでございますけれども、これはかなり問題を含んでおります。ということもございまして、現在私どもとしての具体策を持っておるわけではございません。
○鈴木(強)委員 そうすると、四月二十一日に開かれた都市銀行懇話会、これは幹事が北海道拓銀の北山常務でございますかね、その懇話会に一つの案がまとまってそれを打診したということは、これは事実ですか。
○宮本説明員 その記事につきまして都市銀行の方に聞いてみましたところ、都市銀行懇話会の席上でその幹事がいままでの経過みたいなことをどうも報告したようでございまして、私の方から出ていって意見を打診したとか、あるいは私どもの方の案をそこで出したとか、そういうことは一切ない事実でございますので、御了承いただきたいと思います。
○鈴木(強)委員 わかりました。
 それで、これは確かに金融界筋でもいまお話のあったような長期、短期の金融のかきねを外すか外さないかというような問題もあるでしょうし、それから、利回りの点でも郵便の定額貯金と今度やろうとする複利定期預金といいますか、仮称ですね、そういったものとの利回りをどうするかとか、非常にむずかしい問題がありまして、昭和五十一年の四月に都銀と地銀でよく相談をしまして、一つの案をまとめたことがあるのですが、そういったものもなかなかいろいろな隘路がありまして今日まで実らなかったと思うのですが、しかしその後金融界からの非常に強い意見もあって、こういう記事になっているような動きがあることは私は事実だと思うのですね。ですから、それがただ単に郵便定額貯金ですか、こういったものとの対抗上やるのだ、そういう考え方であるとするならば、これは大変な問題だと思いますけれども、その辺をひとつ大蔵省としても配慮していただいて、本当に純粋な意味においてその制度が全体の預金者のためになるということであれば、これは私ども別に反対するつもりはないのですから、慎重に対処していただきたいという強い要望を持っておりますから、これをお願いしておきたいと思います。
 それから、大きな銀行ですけれども、「頭金利率が引下げになります 定期預金のお預け入れ、お書替は今がチャンス」こういうようなビラを各個人に無差別に配っておるのですが、今度預金金利が引き下げられましても、ここに書いてありますように「五月上旬までに」、今度は六日に決まりましたね、五月六日までに「定期預金にお振替えいただきますと満期日まで従来の高い利率が適用されますのでお利息がぐーんとご有利になります。又、現在期日の到来している定期預金についても、上記期限までにお書替になれば従来の高い利率が適用されます。」そしてここに利率が書いてありますが、これはそのとおりですね。
○宮本説明員 いまお読み上げになられました点につきましては、そのとおりでございます。
○鈴木(強)委員 それから次に、長期金利の面でちょっとお伺いしたいのですが、下げ幅とか何かは大体わかりましたけれども、この実施の時期は長期金利はいつからになるのでございますか。
○宮本説明員 いろいろございまして、たとえば長期のプライムレートといいますか、長期の貸出金利でございます。これは二十八日から適用になると思います。
 それから調達の方の、たとえば金融債とか事業債とか国債、この辺は多分五月債からだと思います。ただ、長期のいま申し上げました調達商品の点につきましては、たとえば国債でございますと世話人会を聞いて正式に決めますとか、あるいは事業債でございますと引受者側で全部集まって決めるとか、いろいろとございますので、正確には決まったわけではございませんけれども、追い追いそういう方向で決まりまして、多分五月債から適用になるのではなかろうか、こういうように思っております。
○鈴木(強)委員 いつからですか。
○宮本説明員 五月発行いたします債券から適用になると思います。
○鈴木(強)委員 それから住宅ローンの点でちょっと伺っておきたいのですけれども、住宅ローンの金利は、現行は期間十年以上で年九%、これが〇・六%下げられて八・四%になるのですが、この引き下げは五月の幾日からやるのでしょうか。
 それからもう一つ、既製約分の住宅ローンの金利九%を超えたものは一律に〇・三%下げるというふうになっているようですね。既契約の分ですよ。年九・六%のものと年九・四八%のものと年九・三六%のものと、三つあるのですが、これは引き下げの時期はいつからになるのですか。
○宮本説明員 新規の分につきましては多分五月に入ってから早々に行われるのではないかと聞いております。ただ、これは各行別々にお決めになる。これは談合をしたり役所が介入しますと独禁法上の問題がございまして、各行別々に決められると思います。ただ、できるだけ速やかに引き下げるように要請いたしておりますので、五月に入りまして早々と思っております。
 それから、既契約分につきましては〇・三というのも、果たして全部が全部〇・三かどうか別といたしまして、私どもといたしましては、半分ぐらいは当然下げるように努力すべきではないかということは意見としては言っております。ただ、これは各行によりまして返済方法とか、住宅ローンにつきましてはいろいろなケースがございまして、コンピューターのプログラム等も非常に複雑のようでございまして、既製約分につきまして実施されるのは多分二、三カ月おくれになるのではないかというふうに見ております。
○鈴木(強)委員 それからもう一つ。消費者ローンの新規貸し出しの分ですが、やはり年〇・七五引き下げになります。それで、これは自動車だとか家庭製品とかピアノとか、そういうものを一般の消費者が買うときにローンするのですけれども、この標準金利というものは、期間二年の場合で一一・二五%ぐらいになっていたはずですね。昭和四十九年の金融引き締めのときに二%に引き上げられてから全然据え置きになっていたわけですね。これは今度引き下げになりますか。それから、いつからやるのですか。
○宮本説明員 これも当然引き下げるべきだと私どもとしては考えております。これも各行別々になるたけ早い機会に発表いたし、実施に移すことになろうかと思っております。
○鈴木(強)委員 わかりました。
 それでは、どうも時間が来たようですから、予定の質疑が全部できませんですが、久保委員が午前中御質問になりました郵政大臣構想による入学資金貸し出し制度をつくろうということについて、もう一度若干伺っておきます。
 これは、この委員会におきましても私もくどいくらい郵貯の残高についての効率的な運用について何回か大臣にも質疑をいたしてまいりましたが、確かに国民年金、厚生年金といったものの運用部へ回す金あるいは自主的に運営できる金、特に厚生年金なんかの場合には、その積立金がほとんど厚生大臣の権限によって使われているというようなこともありますしするので、国家全体の財政金融の面から一もちろん私は郵便貯金の残高というものが預金部に回り財投として使われることについて反対するものではありませんが、しかし、せめて大臣の権限において自主運営できるような額を相当程度確保して、そして預金者の利便に供せられるような、そういう郵便貯金の精神に沿うようなところに融資できる道を開いたらどうかと常々思っておりました。たまたま大臣がそういう構想を発表されまして、私に言わせるとちょっとなまぬるいが、前にも申し上げましたように、一歩なり二歩なり前進していかないと、一挙には大きな目標は達成することはできませんから、大蔵省当局とも、政府全体としても深い理解を得ながら自主運営できる、そういう方法をお互いに模索しておったと思うのですけれども、なまぬるくはあっても一つの前進の案だと私は思います。久保委員がおっしゃったように、これが何か選挙のために打ち上げられたようなことでなくて、具体的にこれが実現できるような方途をみんなで考えたらどうか、こういう気持ちを持っているわけですよ。
 そこで、いまここで大臣として具体的なことは言えないでしょう。しかし、構想的なものがあるならばお伺いしたいのですが、特に私が伺いたいのは、一つは入学するときに金がかかりますから、そういう意味において入学金その他入学に必要な資金として、たとえば五十万円なり百万円なりそういうものを一時融資して差し上げる。それが預金者に限るのかあるいは預金者でなくても貸してもらえるのか、そこらの問題が残りますね。
 それからもう一つは、大臣もいつもおっしゃっておったのですけれども、金を非常にたくさん使いまして、裏金を積んで入学するというようなことがございますね、特に私学においては。ですから、そういう点では、私学経営をバックアップしてやるという意味においてそういうところにも施設費なり何なりを融資するようなことになれば、私はこれも一つの案だと思うのです。
 いずれにいたしましても、本年度の六兆二千億円の二%としても千二百四十億ということがはじかれるわけですから、額は別としても、そういうふうな制度の実現ができるならば一つの前進であろうとも思いますので、これを政府の閣内で意見調整して、早いところ実施できるような筋道をつくる必要があると思うのです。ですから、大臣が事務当局に命じて案をつくらせる、その案がせっかくできても重要な閣議において、内部において握りつぶされたのでは困るのですから、その辺の配慮は抜け口はないと思いますから、大臣はやっていただいておると思いますけれども、そういう点を含めまして、利率の問題だとかいろいろなことがあると思うのです。
 私は、参考のために医療金融公庫における積立金の融資の貸し付けの相手方とか運用の仕方、それから年金福祉事業団における貸付資金の計画、日本育英会における現在の貸し付けの状況、回収がどのくらいあって、未回収がどのくらいあるか、やはり未回収部分も若干ありますね、何%か。そういうような資料も全部調べてみたのですけれども、そういったことも大いに参考にしていただいて、そして実現の方向にいけるようなことを考えてみたらどうかなという、これは私の個人的な気持ちでございますけれども、いずれにしても郵便貯金の残高というものを郵政大臣のところで自主運営したい、そしてもっと効率的、有益的な金に使うようにしたい、そういう願いが強く強くあるものですから、私は何回かそれを言ってきたのですけれども、そういう基本線に立っての話ですから、大臣にもそういう意味においてやってもらいたいと思うし、そういう思想でいま伺ったわけですから、ちょっとお答えをいただきたい。
○小宮山国務大臣 先生のおっしゃるとおりでございまして、私も当委員会で再三再四、郵貯三十兆ある中で全額が資金運用部資金だけに回るのは、預金者の利益というようなことから考えますと、もっと適切な使用方法があるのではないかということで、この教育、入学の貸付金のようなシステムを考えたわけであります。特に二月、三月にお母さん方が中学校あるいは高等学校、大学で出します金額というものは大変な大きなものであり、せっかく長いこと積んでおったものを一時そこで引きおろしてやりくっていかなければならない。それだけお母さん方にとっては大変なきついことであろうと思います。実際、いまどこの高等学校でも、ちょっとした高等学校では、私では百万近く取るところもあるように聞いております。そういうようなことから考えますと、こういう郵貯を使って、三十兆もある郵貯の中でそういう方々を助けられるということは大変重要なことだろうということで、ぜひ先生にも今後とも御支援、御指導のほどをお願い申し上げておきたいと思います。
 私自身も大蔵大臣やいろいろな方にこの趣旨を徹底する意味でもいまその作文を事務当局に指示しておりますけれども、これは選挙公約だというようなことを考えているわけではございませんので、ぜひ一日も早く実現を期して、お母さん方の負担を少しでも軽くしたい。
 もう一つは、先生がおっしゃっておりました、いま私学医学の大学の貸付金を資金運用部資金の中から大蔵省と話し合って貸せればというようなことでございます。と申しますのは、大蔵省は、私学医学は千三百億ほどの長期だと思いましたが、それから八百億ほどの短期で借りていく。私学の方々に聞いてみますと、そういう低利の資金運用部資金の預託利率ぐらいで借りられればそれは大変ありがたい。一般金融機関から借りているものを償却して設備投資等に回せればそれだけ運営は楽になるし、事実はそういうようなことになれば、裏口入学などというようなことをしなくてもある程度やっていかれるのではないかという話も聞いておりますし、これは文部大臣にも話をいたしましたが、ぜひ実現をしてくれという話もございます。資金運用部資金の中で、文教関係では約二千五百五十億使っております。その内訳の中で国立学校特別会計が三百九十一億で、日本私学振興財団が三百八十五億でございました。二千五百五十億というのは、十一兆千六百億ほどの資金運用部資金の中の二・二%に当たるわけであります。それで郵貯は、五十二年度の資金運用部の原資から見ますと、全体で五五・五%を占めております。そういうことから考えますと、二千五百五十億というのは、資金運用部資金の利率から考えますと、郵貯から出ていると考えられますのは、その利率からいきますと、千四百億程度になるということになる計算になるわけであります。そういうことから考えましても、ことし原資目標額が六兆二千億でございますので、約千二百四十億、あるいは千三百億ぐらいのことを郵貯が、大蔵省と話し合って緊急避難的な、あるいはそういう教育関係に出すことができればということであります。特に緊急避難的なと申しましたのは、これは静岡県からも陳情がございまして、災害対策で、個人家屋の補強に県が一%、市町村が一%利子補給して、ぜひ郵貯の金を貸してくれぬかという話もございます。そういう制度があれば、大変ありがたい。ぜひそういうことで応援していただきたいというお願いをいたしておりました。
 ただ、教育の融資の問題については、資金運用部資金の問題もこれあり、いろいろ郵便貯金法等もございますので、法制度的な問題、相当むずかしい問題がございますけれども、今後、そういうことで鋭意検討して、先生方にも御協力いただいて、一日も早くこの教育融資などが実現できますよう、心からお願い申し上げたいと思います。
○鈴木(強)委員 もう一つ、いまインマルサット条約が国会に提案されて承認を求められています。それとの関連で、マリサットに先般KDDが参加されることになりましたので、その問題をちょっと伺いたいと思いましたけれども、電波監理局長や関係の皆さんにおいでをいただきましたが、時間が足りないようで、まことに残念ですが、きょうは後に回させていただいて、一応延期させていただきたいと思います。おいでいただいてお待たせしてまことに済みませんでしたけれども、お許しをいただきたいと思います。
 これで終わります。
○久保(等)委員長代理 竹内勝彦君。
○竹内(勝)委員 私はまず、先ほど同僚委員の方から論議になっておりました、関東郵政監察局がとった今回の試験通信に対しての面に関して若干、もうちょっと違った面から聞いておきたいと思いますし、ちょっと時間をいただいて、今後非常に重要な問題になりますので、その面からお願いしたいと思います。
 まず、試験通信という制度というものは、一体どういう経緯から成り立ったのか、またどういうわけでそういうことをする必要があったのか、そういった面で国民にわかるように、ちょっとその面から話していただきたいと思います。
○江上説明員 先生御指摘の試験通信制度でございますが、いわゆる業務上行っておるものが一つございます。たまたま郵便が正規に届きましたかとか、あるいは何時ごろ届きましたかということを受取人の方々にお尋ねする場合もございますが、御指摘のいわゆる試験通信というものでございますけれども、ある方からある方へ、Aの方からBの方へ普通通常が出されるといった際に、しばしばこれが紛失をするというような場合がございます。そういうことでいわゆる苦情申告を郵政監察なりあるいは郵便局を通して郵政局が受ける場合もございますが、いろいろそのことのために郵政監察が調査をいたしたりいたします。そういう際に、普通通常でございますので、なかなか経路等が明確にならない場合がございます。そのような場合に、たまたま御指摘のような、どのような経路をたどっていったものが紛失する場合が多いのかというようなことで、紛失した郵便物がたどったと思われるであろうような経路をたどりまして試験をしてみることがございます。
○竹内(勝)委員 そういう理由からですと、今回、新聞報道にもあるような問題になって人権侵害にまで及んだということに関して、いま局長はどのようなお考えで、こういったものに結果的にはなってしまったわけですが、そういうものに対してどういう所感をお持ちですか。
○江上説明員 ただいまのところ、新聞報道にございますところの事実関係については、非常に詳細には私どもは承知をいたしておりません。したがいまして、そのことについて早急にここで御答弁申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じますが、昨日概要の報告を得たところによりますと、当該会社に配達される郵便物が紛失をするというような申告をちょうだいをいたしました。そのことによりまして関東郵政監察局の中央支局が捜査をいたしました。実は人権侵害にわたるようなことにつきましては、先ほども申し上げましたが、大臣からも御注意も受けておりますし、かねがね私どもも十分に注意をいたしておるところでございます。
 そのような事実はなかったというふうに存じておりますが、先ほど申し上げましたとおり、事実について詳細にまだ把握をいたしておりませんので、ちょっと差し控えさしていただきたいと思います。
○竹内(勝)委員 この会社を選んだ理由、どういうようなものからそういうものになったのか。その基準等わかりましたら、どういうわけでこの会社がこういうような面になったのかということを、ちょっとその経過を話してください。
○江上説明員 その会社から郵便物の不着の申告があったということでございます。
○竹内(勝)委員 報道によりますと、このような試験通信というものをしたいが、それに協力をしてもらえないかというようなことで、試験通信をしたいので力を貸してほしいというようなことで、この郵政監察局の方が持ちかけたように私どもはとるわけですが、その点はこの報道は間違いですか。
○江上説明員 事実を詳細に承知しておりませんが、不着申告がございました場合に、それでは郵政監察から一遍試験をさしていただきますので、そちら様のどなたかあてに郵便物を出していただきますというような形で御協力をお願いする場合はあろうかと思います。
○竹内(勝)委員 そこで、この郵便物に現金を入れるということを、これはあらかじめ知らしておきましたか。
○江上説明員 当該郵便物についての事実については、ちょっと詳細に承知いたしかねます。
○竹内(勝)委員 今回、この事件に絡んで一人の庶民がこういうような、いわばこの報道によれば「おとり捜査」というような形でこういった事態になったことに関して、これは結果的には不起訴でございますし、しかしその人の一生というものは二度に返ってこないものでございます。繰り返すことのできないものでございます。それが、こういった公務員という立場でこういうような、もちろん当初のこれを目的としたものはいま監察官が言われたとおりであったわけですが、結果的にこういうような事態になった本人のショックあるいは職場を失った、あるいはその家庭を取り巻く状況、こういったものから考えて今後これをどうするのか。ちょっとその辺、これは大事な点でございますのでお伺いしておきたいと思います。
○江上説明員 実は、その事件は郵政監察が捜査をいたしております途中におきまして、その会社に配達をした後に紛失をしたものであるというようなことが判明をいたしまして、警察に引き継いだ事件でございます。事実といたしましては、郵便物が紛失をし窃取されているという事実はございます。郵政監察といたしまして、今日ただいまその方について、どのような方法をとるかというようなことは考えておりません。
○竹内(勝)委員 ぜひこれはよく考えていただきたいと思います。非常に重要な問題でございますので。
 そこで、この普通郵便物に現金を入れた事実について、これはどのようにお考えですか。
○江上説明員 御指摘の点でございますが、現在の郵便法では、現金を普通通常郵便物に封入をして送金の手段として使っていただかないような規定がございます。ただ、一般に現金を入れることが慣行として行われているということを申し上げるわけでもございませんが、たまたま現金をお入れになってお送りになる方がございます。そのような郵便物がまた同様に途中で紛失することもございます。そうした場合に、郵政監察がそのような事態が再三繰り返されるというような場合に、同様の郵便物をつくりまして送ってみるということでございますけれども、郵便物そのものは外形上一般の郵便物の形をとっておるわけでございますが、御承知のとおり、十九条というのは郵便を御利用いただく方の保護を目的としておるものでございますので、その保護法益を守るためのより高度の目的を持つものでございますから、私どもといたしましては許されているものというふうに存じております。
○竹内(勝)委員 いま監察官が言われたとおり、この郵便法の第十九条に、「現金又は郵政大臣の指定する貴金属、宝石その他の貴重品を郵便物として差出すときは、書留の郵便物としなければならない。」こうありますけれども、今回試験通信という名のもとに、もちろん相手方は何にも知らされていないわけでございますから、こういうことが行われたということ、これは一体、法的に見てどうなりますか。
○江上説明員 ただいま御指摘の試験郵便でございますが、その実施方法といたしましては、郵便法の郵便利用という形式要件を具備しなければならないために、郵便物として差し出されるものでございますけれども、郵便の利用者を保護し、郵便事業の健全な運営を図るということが目的でございますので、憲法に保障されました通信の秘密を守るためのものとして許されるというふうに存じます。
○竹内(勝)委員 決してこの試験通信自体が私どもはよくないとかというようなことでこの論議をしておるのではございません。ただ、それがこういうような、何も関係ない一庶民が場合によってはこういうようなところに巻き込まれて、そうして結果的に不運な結果にならないとも限らないまれなケースであると私どもは考えておりますが、しかしこういった面は、このような報道はされなくても、過去におきましてそういうものがあって泣き寝入りした人とかそういった事実、あるいは今後これもどのように続けていくのか、またこれと同じような体制でやっていくのか。その過去とこれからの面と、これ教えていただきたいと思います。
○江上説明員 過去の面と将来の面とについての御指摘でございますが、確かに先生御指摘のとおり、いわゆるその郵便物が、中にいかにも人の犯罪を誘うというような形態のものでありますとこれは大変に問題があろうかと思います。かたく戒めねばならないところと存じます。
 と同時に、問題は郵便法によって守られなければならない法益と郵便物が途中で紛失をするということとどのような点でバランスをとるかということも問題であろうかと思います。過去におきましてこのような試験通信を行ったことがないかということでございますが、これについてはございます。裁判例もございます。将来についての問題でございますが、このようなものを乱用するということは御指摘のとおりかたく戒めねばならないところと存じます。ただ、ある経路の郵便物が非常に再三にわたってなくなるというようなことがありました場合に、このような手段が一切許されないのかということになりますと、また十分に考えなければならない問題を含んでいるのではないかというふうに思います。
○竹内(勝)委員 その経路においてどういうところで紛失するとかあるいはどんな状況でその郵便に支障を来すというものは、これはいま監察官が言われた趣旨でよくわかるのです。ただ、結果的にこういうように入れてはならない、書留でない、その郵便物に、わかるようにと言ったら語弊があるかもわかりませんが現金を入れて、いかにもおとりというような形でやること自体にちょっと行き過ぎがあるのではないかと私ども解釈します。もちろんその面で業務上やっていかなければならない点は幾つもあると思いますけれども、過去においてもこういう面でそのような事実があるといま監察官が言われたわけでございますけれども、やはり現金を書留でない封書に直接入れて、そしてそれがそういった試験通信で紛失あるいはそれが何らかの形でなくなっていくというような事実で、そういう面でどれくらいありましたか。
○江上説明員 試験通信をした場合に紛失するものがどの程度あるかという御指摘でございますが、ちょっと集計をしておりませんのでわかりかねます。
○竹内(勝)委員 私の言っておるのは、この試験通信にはいろいろあるわけでございます。もともとの趣旨は、いま私が言ったように一体封書というものがどういう経路で紛失したかを調べる意味からのものでございまして、それが現金がなくなるのを調べるのではなくしてあくまでも郵便をその対象にしていくのがこの試験通信の趣旨ではないか、私の言っているのはこういうことです。ですから、過去において幾つもあったのはわかるが、そうではなくして、この試験通信の中で、この会社でも現金なんか入れてそんな試験通信をされるということは全く知らなかったというような報道がされておりますけれども、過去においてそういうように現金を入れて現金がなくなった、そしてそういった被害が出てその人にいろいろと影響が出てきた、そういった事実がどれくらいあるか。わかる範囲で結構です。
○江上説明員 試験通信の面でなく、一般に郵便物がどの程度紛失しあるいはまた犯罪容疑者として何件ぐらいの者が逮捕されるかということの集計は持っておりますので、答えはその数字をもってかえさせていただいてよろしゅうございますでしょうか。
○竹内(勝)委員 では、まずそれからお願いします。
○江上説明員 不着の申告をいただきまして原因が不明であるというものが年間約三万通ぐらいございます。なお、郵便物が紛失いたしまして犯罪容疑として確定をするというものが年間におよそ九百ないし千程度ございます。中で、問題になっております普通通常郵便物がどれくらい含まれているかということでございますが、年によっていろいろと違いますが、百四、五十ないし二百程度年間に紛失をし、犯罪容疑として捜査をし、立件をいたしております。
○竹内(勝)委員 この面は、先ほど同僚委員の方からありましたからこの辺でとどめておきますが、最後に大臣に、特にこういった面は、いま監察官も言ったように、今後の問題は慎重に考えなければならない、ただしこれは業務上決して法律の面から考えて違反でこういうことをやっておるのではないのだ、こういう見解でございますし、私は、この趣旨自体はよくわかるわけでございますが、結果的にこういうような全く関係のない人がそういうところへ巻き込まれていく可能性がある、これに対してどうしても伺っておかなければならない、こう思います。
 そこで、憲法の第十三条には、「すべて國民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する國民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の國政の上で、最大の尊重を必要とする。」こういう面もある通り、大臣、この辺はやはり、いままで平和に過ごしてきておった一庶民がそこに巻き込まれて、そして、結果的に不起訴でありながら実は職を追われ、そうして家庭にもいろいろと影響が出てくる、こういうことから考えて、この面はやはり慎重に対処しなければならない、こう思いますけれども、大臣の所感を伺ってこの論議は終わりたいと思います。
○小宮山国務大臣 この問題、詳しく聞かなければわかりませんので、お答えが十分できないとは思いますけれども、まず第一に、その事業所が紛失した金品の入った手紙、これは何で送られているのか、ちゃんと書留として送られているのかあるいは通常の郵便で送られているのかというような問題もありますし、また、何度紛失したのかということ、またその不起訴になった御本人が実際そういうことをやられたのかやられないのか、またそれがおとり捜査であったのかどうなのかというようなこと、おとり捜査の定義等もございます。この点については、私もきょう昼に初めて見たことでございますし、事情もわかりませんので、もちろん先生のおっしゃる憲法上の基本的人権を守ることは、もう私も当初からそれを指示しておることでございますので、実際その問題の詳細について御報告がありましたら、先生にも御報告申し上げ、その時点でどうあったのかということを的確に把握していきたいと考えております。
○竹内(勝)委員 次の問題に移ります。
 郵政大臣は、先ごろこの郵貯資金の一部を教育費として貸し付け国民に還元する構想を固めた、こう伺っておりますが、午前中の質疑にもありましたけれども、特に教育費に貸し付けるように選んだ理由というのは何でしょうか。
○小宮山国務大臣 実際、中学校、高等学校入学期にお母さん方が四十万とか五十万とかの金を出す。大学ですと、もっと出す。高等単校ですと、場合によっては百万ぐらい出すところも相当あります。そういうようなこともございますし、そういうときに自分の貯金をしていたものをおろしてというようなことよりは、貸し付けが受けられればお母さん方が大変助かるのではないかということを前々から考えておったのでありまして、庶民金融、貯蓄機関としての郵貯というものも三十兆になってまいりますと、この資金を郵便貯金利用者に対して直接還元をする方法がないだろうかということが発想のもとでございます。そういうようなことで、つい最近この問題を政策レベルで考えていただくように事務当局に指示したところであります。
○竹内(勝)委員 国民の側から考えてみますと、ここまで郵貯というものがどんどん発展し、その状況は御存じのように三十兆円を超えていくというような莫大なものになってきて、それが直接国民に還元されていくということは非常にありがたいことであり、この大臣の英断に対して深く敬意を表します。この前ちょっと、住宅に絡んで何か庶民に還元する方法はないか、一般市中銀行等では住宅ローンとかあるいは貸し付けとかいうものでやっておるが、郵貯に関してはそういうものは一切ございません、ただ一つ住宅積立貯金を通して住宅金融公庫から優先的に借りられるという制度のみでございまして、したがって、そういった考え方はないかということをつい半月ぐらい前に私は大臣にお伺いしました。そして大臣は、現在のところはそういうものはないが、しかし非常に重要なことであるがゆえに前向きに検討していきたいという御返事もいただいたかと存じておりますが、それが今回こうして急遽教育という問題に出てきたという理由は何でしょうか。この辺、ちょっとお伺いしたいと思います。
○小宮山国務大臣 前々から資金運用部資金の金を大蔵と話し合って直接融資する方法はないだろうか、特に私学、医学などというようなことを考えておった。そういうようなことを頭の中に入れておって大体私がしゃべっておったことが新聞紙上に報道されたのであります。特に入学期を迎えたお母さん方の悩みというものを見ておりますと、郵貯三十兆を見ておりますと、どうしても郵貯を利用者の方々に直接還元できる方法としては一番庶民的であり、また一番お母さん方に書ばれる制度ではないかと思いまして、こういうアイデアを出したのであります。
○竹内(勝)委員 そこでお伺いします。
 資金運用部資金に繰り入れる郵貯資金の状況、これは最近のもので結構です。これを教えていただきたいと思います。
○神山政府委員 資金運用部資金に占める郵便貯金の割合でございますが、五十二年度の予定でございますが、資金運用部資金が十一兆一千六百三十八億円になっております。そのうち郵貯が六兆二千億円、割合にして五五・五%、これが五十二年度の予定でございます。
○竹内(勝)委員 御存じのように、この郵貯の占める割合というものは非常に大きなものがございます。ですから、これは生活防衛の意味から国民の汗の結晶として、国民によって、庶民によって支えられた郵貯でございます。したがって、これはいつも考え方として言っておるわけでございますが、それが実は公共事業、あるいは大企業の方へこの資金が行く。しかし間接的には国民に戻ってまいります。だがこれが直接的に国民に戻ってくるような、還元できるようなという体制から、今回この大臣のお考えが出たということは非常に理解できるわけでございますが、まだまだ教育費として繰り入れていくには少ないように考えますけれども、これ以外に今後の考え方として国民に還元できるようなものを何かお考えでございましょうか。
○小宮山国務大臣 いま貯金局長の方からお話がございましたように、先ほども他の委員の先生方にもお話ししましたけれども、文教関係で使われている資金運用部資金は二千五百五十億であります。
    〔久保(等)委員長代理退席、委員長着席〕
そういうことの計算からいたしますと、十一兆一千六六百三十八億円の五五・五%ということになりますと、二千五百五十億のうち約千四百億ぐらいが郵貯から出ている計算が成り立つのではないかという考え方もございますし、私は医学、私学などにもやはり二千億ぐらいの借り入れがあるので、これを資金運用部資金の預託利率で貸し得れば、あるいは銀行から高い金利で借りているものが設備投資に回って、裏口入学のようなことが徐々に少なくなる、また少なくなるであろうということを希望するわけであります。そういう意味でも資金運用部資金の金を大蔵省と話し合って郵政省から直接的な還元ができるような形にしたいし、これも先ほどほかの方にも申し上げたのですけれども、静岡県では新対策で個人住宅などの補強に使いたいということで、県が一%それから市町村が一%利子補給すれば、大変個人住宅の補強ができるというような話も聞いております。ですから緊急避難的なものも考えておるわけでございまして、ぜひ今後とも御支援、御指導のほどをお願い申し上げたいと思います。
○竹内(勝)委員 この構想から、将来やはり庶民に還元できる体制という面から、大臣の前向きのそういった姿勢で進んでいくとき、あるいは今回のこういう構想を発表して、当然この資金運用部資金の方への圧迫、あるいはいろいろな状況というものは出てまいりますが、この面から大蔵省その他からの反発はございませんでしょうか。その辺の話し合いはどうなっておるか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○小宮山国務大臣 なかなかこのアイデアというものは皆様方の理解を十分得られる状態にないので、いま事務出局に命じて政策立案の方向として作文を書かしております。かつ私自身も、昨晩も文部大臣から御激励をいただいてぜひ実現してくれという話もございますし、大ぜいの方々にこの内容を説明して御理解をいただいて、ぜひ実現したいと思っておるところでございます。
○竹内(勝)委員 ここでちょっとこの論議に関連して大臣にお伺いしておきます。庶民が喜ぶ教育費あるいはその他への還元をこういった構想で発表された。しかし、現在までの経緯は大臣も御存じのとおり公定歩合の問題が絡み、そして一般市中銀行の金利が下がっていく、そしてまたあるいは郵貯にまでそれが影響してくるのではないか、庶民大衆はいつもこの面を心配しております。私、大臣のお考えを善意に解釈しておりますから、これと関連をさせて、庶民大衆をいまの時期に喜ばせておいて、そして近い将来郵貯の引き下げをやらなければならないというようなことはまさかないと思いますけれども、その辺をちょっとお伺いしておきたいと思います。
○小宮山国務大臣 三月十二日の公定歩合の引き下げのときには先生御承知のとおり郵貯はどうするかという御質問を再三再四いただいて、いたしませんということでやってまいりました。しかし、先ほど大蔵省の発言にもございましたし、一般金融機関の利率改定が昨日告示されて来月の六日から実施という形になってまいりますと、かつその上住宅ローン等々のローンの問題も大蔵省の指導で動き始めてまいりまして、そうなりますとやはり郵便貯金法第十二条の国民大衆の利益を増進し、かつ一般金融機関の利率を配意しということを私自身郵政大臣としては尊重していかざるを得ませんので、今週中にでも幹部会議を開いてどのような方向で持っていくか決定したいと考えておるところでございます。前回もさようなことをいたしまして利率改定に踏み切らなかったわけであります。
○竹内(勝)委員 経済は生き物である、大臣はこの前も私が質問したときに言いました。しかし、私が質問したのはちょうど一週間前、二十日でございますが、そのときには郵貯の金利の引き下げに関しては全く白紙である、こういう答弁でございました。だが、きょうの午前中の同僚委員からの質問のときに、大臣は、下げるべきか下げざるべきかハムレットの心境のようなもので苦しい立場だ、現在郵政省内で詰めの作業を行っているということは、一週間前、七日前とは大きく大臣の構想は変わってきておる。確かに経済は生き物です。この一週間でどんな心境の変化があったのか、その辺をちょっとお伺いしておきます。
○小宮山国務大臣 三月十二日のときにも私は白紙だと申しておりまして、実際決断するということはその生き物の状態がどうあるべきかということを考えてまいりますと、やはりただただ個人でそれを決断することではなくて、方法論としてどのような方向が一番よろしいであろうかということを模索し、かつ郵便貯金法の十二条の趣旨を生かすことがいいのであろうかということを考えなければならないのであります。ですから、大蔵省が一般金融機関の金利決定をした現時点においては、どうすべきかという悩みが大変深刻になったことは事実であるし、前回もそのような最後の決定のときにはどうすべきかということで悩んだのでありまして、今回だけではございませんので、私自身も今後とも慎重に対処をしていきたいと考えております。
○竹内(勝)委員 大臣のお考えがそういうようになってきておる、これは国民がいま非常に注目をしておるものでございます。庶民が支えてきたこの郵貯が、もしも仮に一%の金利引き下げをやれば、郵貯全体で三十兆円ございますので三千億円国民は損失することになるわけでございます。その意味から、大臣が今回この教育という問題で国民に還元しよう、国民に喜んでもらおうという姿勢はよくわかりますが、それとうらはらに、その問題が出てもうすぐに、たとえば金利引き下げというような国民を足げにするようなものがもしも出てきたならば、今後郵政事業に対して国民は非常に疑問を抱くのではないか、こういった面が必ず起きてくる、こう思いますので、大蔵省あるいは総理大臣との折衝等々今後幾つもあると思いますけれども、その辺はよく国民の側に立って大臣の賢明な御判断をお願いしたい、こう思います。
○小宮山国務大臣 先生の御趣旨を十分体して今後とも行動したいと思っております。
○竹内(勝)委員 そこで、次の面に質問を移します。
 電報についてお伺いします。以前親展電報という形でプライベートな電報を親展で届ける制度がありましたが、それはいつどんないきさつで廃止になったのか、理由あるいはその経緯、こういつたものを話していただきたいと思います。
○川崎説明員 お答えいたします。
 最初に、廃止いたしましたのは昨年の十一月の料金改正のときでございます。それで電報の利用制度につきましては従来多くのサービスが提供されておったのでございますが、最近におきます他の通信手段、たとえば電話とか加入電信とかそれからデータ通信、こういったいろいろな他の通信手段が発展してまいりまして普及してまいりましたために、これらのサービスの中で非常に使われるものが僅少になったか、またはほとんど利用されないという状態が出てまいりました。片方、電報事業につきましては御承知のように、いま収友が年々悪化をたどりまして、五十年度の決算では、一通百円といたしますと八百円近くの支出が出るというような状態でございましたので、何とかこういう面の利用制度を改善と申しますか、簡便にしていきまして、一方におきまして電報事業の合理的、能率的な運営を図りたいということで、昨年の十一月の料金改正の際にお願いをいたした次第でございます。
○竹内(勝)委員 当時の親展電報の利用状況というもの、経緯を、いままでのものからこういうもので非常に少なくなったとか、そういうもので数字を挙げてちょっとお願いしたいと思います。
○川崎説明員 親展電報の利用状況の推移でございますが、四十三年度には一年間に百四万通ございました。それが四十七年度になりますと十一万通、ちょうどデータ通信とか加入電信その他の通信手段の発達した時期でございますが、十一万通というふうに落ちまして、四十八年度が四万通、それから四十九年度が二万通、五十年度が二万通でございます。
 全体の電報の利用状況から申し上げますと、一年間に五十年度で約四千五百万通になっておりますので、この親展電報は〇・〇四%という比率になっております。
○竹内(勝)委員 データ通信等でそういうものが利用されていくことによって極端に減ってきた点はわかります。
 そこで、この親展電報を利用しておる内容を、その当時ので結構です。やめるちょっと前のもので結構です。
    〔委員長退席、久保(等)委員長代理着席〕
私信、全くプライベートなものと銀行等業務のために使っておるこの割合がわかりましたらお願いしたいと思います。
○川崎説明員 ただいまの個人用か企業用かという分類につきましては、私ども把握はいたしておりません。大体どういうふうに使われているかということにつきましての利用状況の把握がございまして、五十年度でございますが、送金に関するもの、これは銀行がほとんどでございましたが、三〇%程度その中で使われております。それから慶祝の意をあらわすという意味におきましてそれが親展電報でもって二四%、それから人の往来に関する通知が九%、それから電話通話のため連絡をしてほしい、そういう電報が七%、その他という分類になっております。
○竹内(勝)委員 銀行その他業務用のものが、こういったデータ通信簿の発達によって、それにかわるものとしてこれは必要が非常に少なくなった、こういった面はよくわかりました。ただし、全く私信として、個人のプライベートにかかわるもので、今後これにかわるものとしてはどういうものを考えておってそのときに廃止に踏み切ったのか、その辺の見解をちょっとお伺いしたいと思います。
○川崎説明員 先ほど御説明いたしましたように、確かに電報事業の全般的な効率的な運営ということが頭にありまして利用制度の簡素化というものを図ったわけでございまして、親展電報の制度というものが長い間の制度でございましたから、御利用する方にとりましてはあるいは廃止するということは大変御不便をおかけしたということになるわけでございます。しかし、先ほど御説明いたしましたように、〇・〇四%というような非常に低い効率でございましたものですから、作業の簡便化等もいろいろ考えましてそれの廃止に踏み切った次第でございます。
○竹内(勝)委員 私は、このことを論議しておるのは、やはりそういうものを利用してきた人が非常に不便を感じておる、そういうものから国民の方が、これはどういうわけで廃止になったんだろうということで疑問に思っておる人たちがおります。したがって、これに対して、これを国民にわかるような何かPR等をする必要があったのではないかと思いますし、当時したのかどうか、その辺、あるいはその以後、どういうわけでこれを廃止したのかという苦情等がなかったか、その辺の状況をちょっと簡単で結構でございます。
○川崎説明員 最初のと申しますか、廃止のときに当たりましてのPRは、いろいろな特殊取り扱いがございまして、たとえば同文電報とか返信料発信人払いと申しますか受信人払いと申しますか、発信人がその電報が返ってきた場合に払う制度とか、そういうものと一緒にこれは廃止いたしまして、そのときにはPRをいたしたわけでございます。現存はことさらにそういうPRはいたしておりません。
 なお、電報電話局の窓口に、ただいま先生の御質問のような苦情が来たというふうには聞いておりません。
○竹内(勝)委員 これは特殊な例だと思いますけれども、この廃止について、こういったものにかわるもので何かほしいというような利用の要望等が出てきた場合、これをまた復活するという考えだけじゃなくして、それにかわるもので何かこういったものがございますというような用意はあるでしょうか。
○川崎説明員 ただいまのところ考えておりませんけれども、ただ、電話とか郵便とか、こういったことでもって御連絡はその旨つくかと思いますので、具体的には用意いたしておりません。
○竹内(勝)委員 もしこういうもので多くの利用者からそういうような問題点等があった場合には、ぜひそういった面をよく聞いていただきたいと思いますし、ちょっとそういった面を心配し、不便に感じておる人もおるということを御理解いただければ結構でございます。電話その他いろいろなものが普及されておるわけですから、それにかわるものとして考慮すべき点は幾つもあると私も確信しております。
 何点かの質問をさせていただきましたが、あと先ほどの複利定期預金の件、同僚委員からございましたので、これは省きます。
 それから、あと海底ケーブルの件をちょっとお伺いしようと思いましたけれども、ほかの面が入りまして、これは時間的にちょっと長くかかりますので、次回に回したいと思います。
 私の質問は以上で終わります。ありがとうございました。
○久保(等)委員長代理 阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 郵政大臣、ちょっと勉強させてもらいたいのですが、電波法の七十六条に「郵政大臣は、免許人がこの法律、放送法若しくはこれらの法律に基く命令又はこれらに基く処分に違反したとき」以下云々、こう定められておるのですが、この規定は、七十六条の条文はこのとおり郵政大臣が免許した放送者に対して実施できる、そう理解をして間違いありませんか。
○石川(晃)政府委員 この七十六条どおり解釈していただいて結構でございます。
○阿部(未)委員 そうすると、七十六条には明確に、いわゆる放送法に違反した場合、この法律、ですから電波法に違反した場合、こういうふうに記されておるわけでございますが、ではこの法律あるいはこの放送法に違反しておるかどうかということは、だれが認定することになるんでしょうか。
○石川(晃)政府委員 失礼いたしました。放送法の解釈につきましては郵政省が行っております。
○阿部(未)委員 何ですか。よくわからぬ。放送法の解釈は何。
○石川(晃)政府委員 放送法の解釈につきましては、郵政省の方で行っております。
○阿部(未)委員 郵政省が行うというのは、郵政大臣が違反しておるかどうかを認定をされるということになるわけでございますか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 郵政大臣は郵政省の長として責任を持っておるわけでございます。
○阿部(未)委員 そこで、放送法五十一条の定めがあるわけでございますけれども、放送法五十一条の定めもやはり放送法の中であって、これに違反をすれば電波法の七十六条に言う郵政大臣の認定による違反であるかどうかが決まる、こう理解して間違いがありませんか。
○石川(晃)政府委員 文言上はそういうことになっております。
○阿部(未)委員 文言上とそうでない別な解釈があるのですか、どうですか。文言上とそうでない解釈があるかどうか、ちょっと聞かしてください。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 放送法全般から見まして、ことにこの放送番組につきましては、また別に放送法三条というのがございまして、番組などにつきましてはまた別の制約があるわけでございます。
○阿部(未)委員 ではまず、放送法の五十一条に定める規定、これは四十四条を準用するようになっておりますが、この解釈はどうですか。わからなければもっと詳しく申し上げますよ。
 放送法の五十一条で「四十四条の二の規定は、一般放送事業者の放送番組の編集又は放送について準用する。」と定められておる。したがって、これは何を準用するかというと、四十四条を準用する。四十四条の第三項から第五項。この四十四条の三項には「政治的に公平であること。」という定めがある。したがって、放送法五十一条は四十四条の三項の二の規定にある「政治的に公平であること。」という規定が含まれる、こう理解していいわけでしょう。
○石川(晃)政府委員 含まれます。
○阿部(未)委員 そこで大臣、政治的な公正を欠いた場合には、先ほど申し上げた電波法の七十六条による規定が適用される。したがって、私いまから申し上げるのは四十四条の三項の二に違反をするかどうかが問題になるわけですが、違反をしておるとするならば、電波法七十六条の適用があると理解をしていいかどうかです。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 この番組につきましては、御案内のとおりその検閲ができないということになっております。したがって、番組の内部に立ち至るということはできませんから、そういう意味で番組が放送法違反という理由で行政処分するということは事実上不可能でございます。
○阿部(未)委員 なぜ四十四条に政治的に公平でなければならぬという規定があるのでしょうか。第三条の方を私ちょっと読んでみますからよく聞いてください。放送法の三条は、放送番組編集の自由ですね。この冒頭には「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、」、これはどういうことですか。法律に定める権限に基づく場合にはこの限りではない、こう読むべきでしょう。
○石川(晃)政府委員 この三条にございます「法律に定める権限に基く」ということは、いまの四十四条のようなことを言っておるのではなくて、五十一条とかこのあたりの問題の、たとえば広告放送の告知とか候補者放送、こういうようなことを言っているのでございまして、番組そのものの内容を言っているわけではございません。
○阿部(未)委員 そう何も三条にことさら前書きを入れる必要はないでしょう。四十四条が放送法でないという規定はどこにあるのですか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 この四十四条に述べておりますのは、番組内容の考え方ということを法律で決めているわけでございます。三条につきましては、放送番組の具体的な内容に入ってはいけないということで、この「法律に定める」というのは四十四条を受けての三条ではないというふうに解しております。
○阿部(未)委員 そのことは、たとえば四十四条で言うところの公序良俗にどんなに違反しようとも、政治的にどんなに特定の政党に偏しておろうとも、一遍免許した以上はどのようなことをやっても構わない、こういうことですか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 この四十四条に述べておりますのは、そういうことで放送のあり方というものについて言っておるわけでございます。したがいまして、放送番組というものがどういう形で行われるべきであるかということは、その放送番組の基準は、ほかの章にございますようにそれぞれの会社において、いわゆる事業者において決定する。その番組の基準に従って行っていただくわけでございまして、その基準の内容に政府が関与するということはないということでございます。
○阿部(未)委員 基準の内容に関与することがなければ、放送法四十四条というのは要らぬじゃないですか、これは。放送法四十四条に法定してあるということは、その基準の内容はこれを満たすものでなければならぬということでないのですか。
○石川(晃)政府委員 おっしゃいますように、各事業者がつくります番組基準というものはこういうような要件を満たしてつくるべきであるということを指示しているわけでございまして、具体的な内容を指示しているものではございません。
○阿部(未)委員 こういうような内容ということと、具体的なとどう違うのですか。ここにちゃんと列挙してあるじゃないですか。「政治的に公平であること。」ということと、具体的な内容とはどう違うのですか。
○石川(晃)政府委員 一例を挙げますと、たとえばここにございますような「公安及び善良な風俗を害しないこと。」とか、あるいは「政治的に公平」ということにつきまして、こういうものは政治的に不公平であるとか、こういうものが善良な風俗を害しているとか、こういうようなことを言っているわけではございませんでして、これはそれぞれの放送事業者において判断して、その趣旨にのっとって番組基準をつくる、こういうことでございます。
○阿部(未)委員 そこで、その放送基準がつくられて、それが少なくとも政治的な公平を欠くものであるとか、あるいは公序良俗に反するものである場合には、この法律に違反するということになるわけでしょう。
○石川(晃)政府委員 その具体的な内容を見なければ判断はできませんが、しかし、とにかくこういうことで守っていただきたいということをこの四十四条に述べているわけでございます。
○阿部(未)委員 そこで、番組基準といいますか、そういうものが守られなかったときには四十四条に違反したと、こうなるわけでしょう。そうでなければ四十四条は要らないのですよ、こんなものは。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 この法律の具体的問題でございますので、放送部長の方から答えさせたいと思います。
○鴨説明員 四十四条三項にございますのは放送事業者が守るべき準則でございまして、先生御指摘のように、違反をしているという事実が出てくる場合もございますけれども、先ほど局長がお答え申し上げましたのは、そのような四十四条三項違反という事実につきまして、政府、郵政省がこれを判断する権限を与えられていないということをお答え申し上げたわけでございます。
○阿部(未)委員 どうもあなた方の言うことは行ったり戻ったりで私わかりにくいのですが、だから私はまず電波法の七十六条からお話しを申し上げて、そして電波法や放送法に違反しておるときには、郵政省がその判断をしてそこに定められた手続をとることができるのですねと私が申し上げたら、そうですとお答えになった。そして放送法の四十四条にははっきりと公序良俗がうたわれ、政治の公平がうたわれておる。それに準拠して放送番組の基準というものがつくられておるはずだ。もしそれが違反をしておるならば、放送番組の基準そのものに対して郵政省は解釈を持って、これは間違っておると言うことができるはずだし、その放送番組の基準そのものが正しければ、放送番組の基準にのっとった放送番組が行われていないときはそれが違法であるということになる、こう私は言っておるのです。違いますか。
○鴨説明員 先生御指摘のように、放送法の四十四条三項違反という事実が事実として出てまいることは先ほど申し上げましたようにございますけれども、くどいようでございますが、それを政府が判断をする権限が与えられていない。違反であるという事実そのものと、そのことを郵政省が、政府が判断をしてこれを違法であるときめつける立場にあるかないかということを分けてお答えをしたわけでございます。
○阿部(未)委員 ですから、私が電波法の七十六条の解釈はだれがやるのですかと言ったら、郵政省がやるとおっしゃったでしょう。放送法四十四条は放送法であるかないかと言ったら、放送法四十四条は放送法である。それなら四十四条の中に明記されておるわけですから、それに違反しておるかしておらぬかは郵政大臣がやらなくてだれがやるのですか、だれが決めるのですか。
○鴨説明員 これは先ほど局長からも御答弁申し上げました中に触れておりますように、放送法の三条がございまして、先生よく御承知のとおりでございますが、「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」ということでございまして、番組に関しましてその違反を郵政省が判断する権限がないということは先ほどから申し上げているとおりでございますが、その違反という事実そのものは、放送事業者がこの放送法三条の趣旨によりまして自主的に判断をすべきものというふうに考えているわけでございます。
○阿部(未)委員 そういうのを詭弁というのですよ。放送法の三条に「法律に定める権限に基く場合」と規定されておる。放送法四十四条の規定はその法律の定めじゃないのですかと私は言うのです。放送法四十四条が法の定めであるならば番組編成の中でもこれは介入の除外になる、干渉する除外になる。法の定めがあるわけです、四十四条に。法の定めがなければこのとおりでしょう。なぜこの前段に「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、」と規定してあるんですか。四十四条は、これは明らかに法律の定めに基づく場合です。そうならば当然郵政大臣が判断しなければならぬわけでしょう。
○鴨説明員 確かに放送法の四十四条三項につきましては、放送事業者がこれを守るべきものであるという点では、法律として、一つの規範として存在をしているわけでございます。したがって、そういう意味で、先ほど申し上げましたように、放送事業者が自主的に判断をしてこれに従ってもらいたいということでございます。なお、放送事業者自身の判断のほかに、放送法上の規定といたしましては、放送番組審議会というものの設置を義務づけておりまして、このような機関によりまして番組の是非というふうなことを判断していただく場があるということでございます。
○阿部(未)委員 放送番組審議会も放送事業者の自主的な基準というものも、この法の精神にのっとってつくられなければならないことは間違いがないはずなんですよ。したがって、もし番組編成の基準なるものがこの法の精神に背いておったならば、これは当然法の定めるところに従って、郵政大臣が電波法上の手続をとらなければならない。たまたまいまある番組の基準というものはその法の精神に背いていないから、それがそのままずっと運用されておる、そう理解をすべきです。そうでなければ四十四条なんか何もつくる必要はないのです。四十四条というのは、少なくとも番組の基準というものを設けるその大もとになっておるわけです。しかも、第一条は明らかに不偏不党という、原則を踏まえておるわけでしょう。そうなると、いまある基準というものは、この法の精神にのっとったものであるから運用されておると理解しなければならぬ。それならば、その基準に違反するような放送事業者があった場合には当然電波法の七十六条が適用されてこなければならない。理屈はこうなるのです。どこが違うのですか。
○鴨説明員 先ほどお答えいたしましたように、番組につきましては放送事業者が判断をする、そしてその判断の是非ということにつきまして、なお番組審議会、あるいはさらに申しますならば世論の批判というふうなものがこれに加わってまいろうかと思います。それで、先ほどから申し上げておりますように、政府が番組内容の判断をする権限という意味では、放送法三条に言いますところの権限が与えられていないというのが現状でございまして、その点に関しましては、少し別の条文でございますが、放送法四十九条の二というのがございまして、これは昭和三十四年の改正で追加された条文でございますが、「郵政大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令の定めるところにより、協会に対しその業務に関し資料の提出を求めることができる。」となっておるわけでございます。この四十九条の二を追加いたします放送法改正の国会における御審議の際に、この「資料の提出」の中には放送番組に関する事項を含まない、これは政令で定めることになっておりますけれども、そういう国会での御議論を踏まえまして、現在の政令、放送法施行令でございますが、できているわけでございまして、そういう意味で、政府におきましては、番組内容についての資料をとる権限が与えられていない。したがって、先ほど申しましたように、政府が番組のよしあしを判断する権限が与えられていないということをお答え申し上げたわけでございます。
 なお、先ほど申しましたように、しからば放送違反ということがないのかという点につきましては、放送事業者自身が自主的にこれを判断する、あるいは番組審議会あるいは世論といったものがその是非を批判をしていただくというのが、現在の言論表現の自由を前提にいたしました放送法のたてまえであろうかと考えております。
○阿部(未)委員 大臣、私いま非常に危険な議論をしていることを自分で知っておるのですよ。まかり間違えば言論、放送の番組の編成の自由等に立ち入るおそれがある。いわゆる角をためて牛を殺すおそれがあるということも知りながら、なお今日の放送事業の中に、このまま放置しておいたのでは大変な過ちを犯す。そこで一体、立法の趣旨それから運用、そういうものをどう考えればいいのだろうかということを私自身に問いながらいま質問をしておるわけなのです。
 したがって、この議論は、放送法という法があり、その法に規定されておる事項については軽々にやってはならないけれども、一遍免許したならば放送番組はどんなことをやってもいいんだというものではない。四十四条に準拠すべき規定があり、それにのっとってたとえば民放連なら民放連で番組の基準をつくり、それが大方この法の精神に従っておるということで運用されておるからいまのバランスが保たれておると理解するべきである。したがって、著しく民放連の基準等を逸脱するような番組がある場合にはこの法の適用はあってしかるべきだ、こう理解をしないと逆に言論の自由という名目のもとにどんなことをやっても構わないというおそれも出てくるわけなんです。その辺私自身も非常に苦しい質問をいましています。そのことを私は知っていますから、したがって、この法理論についてはこの程度問いかけて、また別の機会に議論をさせてもらいたいと思います。
 そこで、具体的な事例について少し質問をしたいのでございますけれども、これはお読みになったかもわかりませんが、四月二十六日の朝日です。「参院選候補予定者の出演番組 出身会社が提供 東京12チャンネル「新手、企業ぐるみ選挙」TV会社労組など放映中止を要求」こういうのが出ておるのですけれども、少なくとも、いままで番組の編成などというものは放送法に定むる精神または民放が自主的に決めておる番組の編成基準、そういうものに従ってずっと良心的に運営をされていた。個人的な名前を挙げて恐縮ですが、同じ12チャンネルのテレビ会社でも、高橋圭三というアナウンサーが参議院の全国区に立候補するのではないかといううわさが出てきたら、そこで番組からおろしておる。こういうふうにわりあい、わりあいと言うと語弊があるが、良心的にこの法の精神が生かされてきておる。それは非常にりっぱなことだと思うのです。
 ちなみに民放連の放送基準というものがございまして、選挙の事前運動の疑いがあるものは取り扱わないという規定がございます。その中には明らかに運用についてまで触れておるわけでございまして、原則としては公示の一カ月前ぐらいからやめればいいだろう、しかし、たとえ公示の一カ月前であってもそれが事前運動になるようなおそれがある場合には、これは取り扱わない方が望ましいのだ、こういう基準になりまして、そしてその中には、党の立候補公認決定の段階がテレビ出演を取りやめる一つの段階だ、それから、新聞や雑誌などによって立候補予定者の報道が行われた時点などが二点目として考えられる、大体この時点で良心的にテレビの出演等を取りやめることが放送器組基準によって正しいのではないかという判断が示されておるわけです。これが運用の基準になってきておる。ところがこの新聞報道によりますと、去年の八月の終わりに、ある政党によって全国区に立候補させるということが公認をせられておる候補予定者が、会社がスポンサーになって番組を提供してそれにその候補予定者を出演をさせる、こういうようなことになっておる。ここまでくると私は、先ほど申し上げた法の解釈上からも運営上からも非常に大きい疑問を持たざるを得ないのですが、大臣どうでしょうか。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生から御指摘ございましたように、民放連は民放連の放送基準というものをつくりまして、それに基づきまして、それぞれの放送会社におきましても一つの編集の基準というものをつくっております。民放連の基準の中にはただいま御指摘ございましたようなことが書いてございますが、この内容自体につきましては、それを受けまして、大体似たようなことといいますか、その12チャンネルの方におきましても、基準は民放連の放送基準によるものとするということでやっております。ところが、この問題自体につきましては、選挙絡みでございまして、選挙の事前運動か事前運動でないかという問題でございますので、そういう点につきましては、郵政省といたしましては判断しかねる、それぞれの関係の官庁で検討していただく、こういうことになるかと思います。
○阿部(未)委員 そうなってきますと、先ほどの放送法四十四条に言う政治の公平というものは守れなくなってくるではないか、そこら辺に私は問題がある。立ち入っていくと、どうも少し言論の自由とかいろいろな問題にタッチするおそれがあるけれども、ではそれ以外に方法がないとすると、せっかく民放連がこういう放送の基準をつくっておる、それも守られない。それも守られないとなったときに、一体それはどこで、だれが、どう規制をするのだろうか。しかも国民のものである電波を使って、いやでもチャンネルをひねれば出てくるという仕組みになっておる今日のテレビ放送の中で、それでは、どこで、だれが、これが誤りであるかないかということを定義するのか、そこに私は放送法四十四条があり電波法の七十六条があると理解しなければならないじゃなかろうか。ですから、私は、いま直ちにこれが法の適用で免許の取り消しとか停止とか、そういうことを大臣に要請するわけではありません。そんなことは考えていませんが、良心的な判断ぐらいは放送事業者にあっていいのではないか。なぜこの民放連の放送基準を守れないのか。そのことさえも、電波管理の、監督のある郵政省は指をくわえて、それは官庁が違いますから、警察がやるか公職選挙法違反かと言って指をくわえておるなら、放送法四十四条に何で政治の公平をうたわなければならなかったか、全く意味がないではないか、その辺、私、非常に自分で苦しみながら質問をしておるのですが、どうですか、大臣の考えは。
○小宮山国務大臣 先生の御質問、大変よくわかるのであります。しかし、放送法の第三条に、放送番組は、何人からも干渉されたり規律されることがないという憲法がございます。かつ、民放連の中にやはり番組審議会のようなものがございます。私は、そういうようなことがございますので、自主的に番組編成というものは放送事業者がやることであって、また、個々の番組がどうであるかということは、その内容によって個々の官庁が判断すべきものと考えております。
○阿部(未)委員 たとえば放送法の一条に、原則として「不偏不党」というものが強くうたわれております。これも私は、放送法の精神だから、不偏不党という精神が著しく曲げられる場合には、この法の違反として電波法の七十六条が適用されるだろう、あるいは、いま大臣がおっしゃった第三条にしても、法の規定するものを除いてこれは自由であって、法の規制に触れてまで自由であるということにはなってないわけなんです。それが、一遍免許した以上は番組に関する限りは一切私どもは何にもできないのですという解釈が完全に成立をするならば、放送法の四十四条なんてよりどころは何にも要らないことになってくるし、仮に百歩を譲ってみても、放送法四十四条の精神を受けて民放連が放送の基準というものをつくった、これは世論の支持も受け、だれが見ても納得できる法の精神にのっとったものであるとするならば、その民放連がつくった番組基準を逸脱してしまった場合、これでもどうすることもできないのか、そういう理屈になってくると思うのです。何をやってもいい、やり得だ、特にこれは民放の場合には金が絡んでくるから、スポンサーがうんと金を出すと言えば、それはやりたくなるでしょう。私が知る限りでも、局の中では相当な議論があったらしいのです。しかし、スポンサーがたくさんな金を出すから、やはりこれは金が欲しいから、資本主義の世の中でございますから、どうしてもやろうじゃないかというようなことで、押し切られたというような話も聞いておりますが、そうなると、金がある者は何でもできる、放送法も何もあったものじゃないということになってくるのですが、それでいいのだろうか。国民の電波です。チャンネルをひねればこれは目に入ってくるのです。それがそういう運営でいいのでしょうか。もし郵政省が法的に規制ができないとしても、少なくとも民放連のつくっておる放送基準は守らなければならないというくらいの解釈もできないのでしょうか。
○鴨説明員 ただいま先生が御指摘になりましたように放送事業者が編集の自由があるからということで何をやってもよろしいということにはならないわけでございまして、私ども、当然その編集の自由に伴う社会的な責任、有限な電波を使用しておられる放送事業者が特に社会的責任を強く自覚をしていただきたいと考えておるわけでございます。したがって、そのような違反があるかどうかという点、先ほど先生が御指摘のような十二チャンネルの具体的な問題につきましては、先ほど局長からも御答弁いたしましたように、十二チャンネル自身が放送法に基づきます編集の基準を設けてございます。具体的な編集の基準の中身といたしましては、民放連がつくっておりますいわば統一的な基準を十二チャンネルの場合にも用いることになっているわけでございますが、これの基準に合致しているかどうかということ自体につきましては、先ほどから申し上げておりますように、まず放送事業者自身が、放送法はどうであってもいいということじゃなくて、放送法を当然に守るべきものとして守っていただきたい、同時に、番組審議会あるいは世論に、もし違反があるとすればそれを外から批判をしていただくという中で放送法が守られていくことをわれわれ期待をいたしておるわけでございますし、またそのような期待あるいは要望につきましては、たとえば昨年の再免許の際等の機会におきまして郵政大臣から放送事業者あるいは番組審議会、あるいは、これは全く自主的な機関でございますけれども、番組向上委員会の委員長といったいわば世論の代表をされる一つの形であろうかと思いますが、そういう方々に番組向上全般に関しましての御要望も申し上げているところでございます。
○阿部(未)委員 番組向上の審議会などというものは一般論を議論しておるのであって、具体的にこういう問題が起こってきた場合に、番組審議会がそれを中止させる権限がないと思っています。いま一番望ましいのは、世論が盛り上がってきてとめるのが一番望ましいと私も思うのです。ですから、本当はこれは郵政省の権限ですと私は言いたくない。世論がこれをとめてくることを期待しているのです。しかし二十九日にこれを放映してしまうのです。電波というのは一遍出してしまえばもとに戻すわけにいかないのです。そうすると非常に大きい不合理が生じてくる。で、一体どうすべきかというので私はきょう非常に苦しみながら質問をしているわけです。これはなかなか微妙な問題を含んでいるし、私自身、申し上げているように幾らかの矛盾を感じながらしておる質問でございますから、しかし放置していい問題ではないと私は思うのです。一番望ましいのは、世論がこれを押しとめてくれることだと思うけれども、すでに時間的にもどうしようもない時間になっている。そういうことを踏まえて――善処と言うと言い過ぎになるのです。善処と言えば言い過ぎになるが、手をこまねいておってもいいということにもならぬような気がするのですが、この辺、大臣、政治的な判断はありませんか。
○小宮山国務大臣 先生のお気持ちよくわかっておりまして、私は、将来の番組のあり方と番組の規制のあり方等をどのようにすべきかということは、きょう設置されました小委員会などで御討論いただければ大変ありがたいと思っております。
○阿部(未)委員 これは明確な結論を出せばいろいろ差しさわりもありそうなので、特に、この国会の中の一つの意思として関係の放送事業者に注意を喚起するということを申し上げておきますので、電波の監督の衝にある郵政省から国会でそのような議論があったということを明確に伝えておいてもらいたいのですが、どうでしょうか。
○小宮山国務大臣 御趣旨は伝えます。
○阿部(未)委員 では次の問題に入らしてもらいますが、先ほど来議論があったところでございますけれども、例の関東郵政監察局がおとり捜査を行ったというふうに伝えられておる。私も新聞記事を見ただけでそれ以上深いことは知らないわけですから、間違った点があればまた訂正をしてもらいたいと思いますが、私どもの知る限りでは、昔は、通信が正確に届いておるかどうか、あるいは配達日数、配達時間等について郵政省が郵便業務を運営するために必要なものとして、通信探問という言葉を使っていましたが、そういう制度がありました。最近は試験通信というふうに変わっておるようでございますけれども、先ほど来の議論、繰り返しませんが、どうも私もこれはおとり捜査という感じがしてなりません。これはもういろいろ言わずに、現金を手紙の中に入れて何か不特定多数の人の中から特に人間の弱いところにつけ込んであらを探すようなことは、郵政省ではやめてもらいたいと思いますが、どうですか。
○江上説明員 先生御指摘の通信探問ということは、郵便がどのように運行されているかということを確認する上でも、業務上の問題といたしまして今日もなお実施しているところでございます。なお御指摘の試験通信ということでございますが、一般に大変に広い形でこのようなものを実施しているという事実はございません。
 なお、おとり捜査というふうに間違われるというような御指摘でございましたけれども、おとり捜査というのは、犯意を全然持っておられない方に直接犯罪を誘発させるような捜査方法をとるということはおとり捜査でございますし、違法でもございましょうし、私どもとしてはこれをかたく戒めているところでございます。いわゆる試験通信というものはそのようなものではございませんで、何回か不着の申告があったというようなところにいろいろな形で捜査をいたします。すでに行われている通常郵便物の窃取事件というようなものにつきまして、通常起こっているようなもの、しかも犯罪を誘発させるというような形でないものということを前提にいたしまして、犯人検挙の端緒を得るというようなことで間々このようなことを行った場合がございます。
○阿部(未)委員 大臣、ぼくは、これはもうやめた方がいいと思うのです。議論をすればかなり長くなりますが、たとえば郵便法十九条には現金や貴金属は普通の郵便で出してはならぬという規定がはっきりしておるわけですよ。私は、郵政監察だから郵便法十九条を曲げていいという理屈は法理論的には成り立たないと思います。そうすると、その法律十九条一つを取り上げてみましても、そもそも監察官が普通の郵便の中に現金を入れて送るというその手段そのものが法律違反なんですよ。したがって、これはやらぬということを言ってもらえば余り長く言いませんが、やるということになればもう少し法律的に詰めていかなければならないということになるのですが、どうでしょうかね。
○江上説明員 御指摘の点でございますけれども、確かに郵便法の第十九条は、現金をその中にお入れになってこれを現金輸送の手段になさらないようにという趣旨の規定でございます。御承知のとおりこの規定ができましたのは昭和三十六年でございますが、それ以前におきましては約十年間程度現金を入れて送還してもよろしいというような時代がございました。ところが、いろいろと事故その他も起こりまして、普通通常ということになりますと、事故の調査もなかなかむずかしゅうございますし、損害賠償規定もございませんので、御利用いただく方々に不測の御迷惑をおかけする場合もございます。そういうようなこともございまして、昭和三十六年以来現行の規定になっておるわけでございます。現行の規定にいたしました理由はただいま申し上げましたような理由で、御利用いただく方の利益を保護するということがたてまえでございます。したがいまして、御指摘のような試験通信というものをむやみに使うというようなことは避けるべき問題かと思いますが、郵便法第十九条の保護法益を守るためのより高度な目的を持って、非常に限定された範囲内で使用するということが、悪法に保障されております通信の機密を守るためのものであるということを前提にいたします限度におきまして許容されるというふうに存じます。
○阿部(未)委員 お言葉を返すようで大変恐縮でございますが、郵政省自身がつくった郵便法の十九条の規定をみずから曲げて一般の利用者には守りなさいなどというようなことが一体世の中に通用する常識かどうか、そういう理論が成り立つならば、目的のためには手段を選ばないという理論になってきて、何をやっても目的さえ正しければ手段は何を使ってもいいのだという理論になってくるわけで、私はまず郵政省自体が十九条の精神にのっとって誤ったことはやらないという範を示してこそ、一般の利用者に手紙にはお金を入れないようにしてください、貴金属は書留にしてくださいという理屈が成り立つのであって、目的が正しいんだから手段は何を使ってもいいんです、十九条がどんなに曲がっても構いませんというのは、お言葉を返すようで恐縮ですが、いかがなものでしょうか。
○江上説明員 目的のために手段を選ばないというようなことは、私ども毛頭考えておりません。御承知のとおり、十九条が規定をされておりますのは、先ほど保護法益ということを申し上げましたが、このこと自体が社会秩序を乱すとかあるいは道義的に非常に問題があるとかということではございませんで、御利用いただく皆さん方のいわゆる郵便、通信の秘密というものを守るということを前提にして規定されておるものでございます。したがいまして、いかなる場合にもただいま申し上げましたような試験通信をすることが妥当であるとかあるいは目的のために手段を選ばないというようなことを毛頭考えておるわけではございませんで、たまたまある地点からある地点、ある方からある方への郵便の不着が頻発をするというようなときに、全く同じ形態の郵便物をつくって、同じルートで試験をしてみるとどのような形でなくなるのだろうかということ、そのこと自体が違法であるというふうには考えていないということでございまして、決して手段を選ばないという意味で申し上げているわけではございません。
○阿部(未)委員 郵政省がおやりになるか違法ではない、郵政省以外の者がやれば違法になる、こう聞こえるわけですが、いまの首席監察官のお話をそのまま適用すれば、たとえば警察等が犯罪捜査のためならばそういう郵便をどんどん使っても構わない、こういう理論も成り立ちますね。これは国民の利益を守り、国民の権利を守るためでございますからと言えば、警察がこれから同じような手段で郵便局にこの郵便を出してくださいと言って持ってくれば、それもどんどんやらなければならない、私は、その発想が実はおとりにつながると思うのです。考えてみますと、その場でも東京郵政監察局なら東京郵政監察局が郵便を出すのではなくて、監察局の中の特定の人が個人の名義で出しておるはずですよ。この新聞記事もそうなっていますが。それでなければおとり捜査の意味を持たないわけですから。特定の個人の名義で特定の人にあてて出した郵便になっておるはずです。そうすると、出した人が本当に、郵便監察官、たとえば首席監察官なら首席監察官の指示に従って出したものか、個人で勝手にやったものかという判断だってつきかねるわけですよ。その発想が通信の秘密を守り、受信者の利益を守るためだから、これはやっても十九条に違反にならないのだということになれば、いま申し上げたようにその発想がそもそもおとりにつながるのであって、これはやはりやるべきでない。
 これは新聞に間違いがあるかどうかわかりませんが、ずっと読んでみますと、大体初めからそうなんです。まず受信人、会社がだまされた、こう言っておりますね。その次に郵政監察局は謝罪文を書いたとかいうのですね、抗議を受けて。これはうそか本当か知りませんが、さっき言ったように、この新聞記事しかわかりませんが、受取人に対して権益を守ったとおっしゃる監察局が謝罪文を書かなければならぬというばかなことはあり得ぬと私は思うのですが、これは新聞の記事ですからすべて本当かどうかわかりませんが、ひょっとすると抗議ぐらい受けたんじゃございませんか。そんなことは知らなかったということで抗議ぐらい受けたんだと思うんですが、大体その発想がさっき言ったように、目的さえ正しければ手段はいいのだ、あなたの利益を守ってやるのだから構わぬじゃないかということになってくると、本当にそうなるかどうか、結果的にはその個人の名前で出す郵便でしかないわけですから、どこで見分けるのかということも問題になってくるし、郵便監察だけがこれが利用できるのかということになると恐らく問題になってくる。そうなってくれば、これは郵便法十九条から考えても、あるいはもっと大きい意味で、憲法に保障された人権を守るという点から考えてもこれはきわめて不都合な話で、あなたがいまおやめになると約束すれば、もうこれ以上言う気はないのですが、あくまでやめぬと言うならばもうしばらくやらしてもらいます。
○江上説明員 御指摘のように、人権云々という問題がこのような問題に伴いまして派生してくる場合があるとすると大変ゆゆしき問題だというふうに存じます。したがいまして、私どもといたしましては再三にわたりましてそのような問題を派生させないように注意もいたしておりますし、大臣からもそのような御注意はかねがね受けております。したがいまして、乱用すべきものであるとか郵政監察だから許されるとかいうことでなくて、憲法で規定しておりますところの通信の機密の保護ということをあくまでも人権の尊重ということを前提にしながら考えていかなければならない問題だというふうに存じております。
○阿部(未)委員 これも言葉を返して恐縮ですが、通信の秘密を守るということは、私は人権を守る中の一つの項目だと思っておるのです。通信の秘密を守ることと人権を守ることが別々に存在しておるとは考えないのですよ。したがって、通信の秘密を守るために人権を侵してまでそういうことがやられてはならないというのが私の趣旨なのですから、したがって、通信の秘密は人権を守る中の一つの項目にすぎない、と言うと語弊がありますが、それが最優先して、通信の秘密を守るためにはほかの人権は切り捨て御免だという理屈にならないはずだと思いますので、もうこの辺でおやめになると言いませんか。
○江上説明員 決してほかの人権を切り捨てというようなつもりで申し上げているわけでもございませんし、その辺につきましては重々注意をいたしております。先ほど申し上げましたように、全然犯意を持っておられない方からあえて犯意を引き出す、犯行を引き出すというようなことになりますと、これは確かに先生御指摘のように、人権問題に抵触するというような場合もございましょうし、これこそまさにおとりであるというようなことも言えようかと思います。そのような形で行うものではございませんので、いわゆる紛失をいたしました郵便と同じような形で、どのような経路でその郵便が紛失するのかといういわゆる捜査上の一つの端緒を得るためにいたしておるものでございます。
○阿部(未)委員 まだやめるとおっしゃらぬようですが、これは明らかに、監察官がそうお答えになれば、この新聞の記事に従うと非常に行き過ぎになっておるわけです。まず第一は、この下にありますが、数日前から特定の個人に尾行しておるのですよ。これは明らかに特定の個人を被疑者としておるわけですよ。尾行しておる。その尾行によってトラブルが起こっておるわけです。
 それからこの記事に間違いがなければ、他に何にも余罪がなかったわけです。一般に情状酌量のときに使われるところの出来心ですね。たまたま郵便が来た。たまたま郵便が来たから、つい出来心でそれを取った、そのことは認めておるわけですが、他に余罪がなかったとすれば、もしこのことなかりせば、この人は何も罪に問われることはなかったはずなんですよ。郵便が着かないからということで、一人の罪人をつくり出していることになるのですよ。しかも、あらかじめ特定の人間を被疑者として尾行するに至っては、率直に言って許されないですよ。だからもうおやめなさい。これ以上議論するのはおやめなさいと私は言っているのです。大臣もうやめましょう。これはあなたの答弁です。
○江上説明員 尾行をしたという問題でございますが、本件につきましては、事実関係を、申しわけございませんが、非常に詳細に承知をいたしておりません。ただ、容疑がございます場合に、そのようなことを捜査上の一手段といたしまして、いろいろな形でもって、捜査をすることはございます。これは一般論としてそのようなことはございます。ただ、あくまでも人権上の問題を生ずるようなことについては強く戒めるべきものというふうに存じております。
○阿部(未)委員 余り長く議論する気はなかったのですけれども、これは明らかにAさんなる人から聞いたところによると、二、三人の男から尾行をされて、そしてトラブルまで起こっているわけです。しかももっと大事なことは、全然余罪がなかったということも非常に大きい問題なんです。そうすると余罪のない者、たまたま、このとおり捜査と言うとしかられますが、おとり以外に何もなかったものを、あらかじめ被疑者として尾行しておった。こういう重大な人権の侵害はありませんよ。そして不幸なことに、このことなかりせば、何も罪に問われることがなかった人が、たまたま出来心を誘うようなことをおやりになっただけなんですよ。そのことを私は率直に反省してもらうべきだと思います。そのことを反省していただいて、捜査は捜査で、ほかの方法で監察官の方々もやるべきであって、このような人間の弱味につけ込んだ汚い手段による捜査というものは、きょうをもって終わりにしてもらいたいということを切に頼んでおるわけです。どうですか。
○江上説明員 尾行をした。そのことによってトラブルが生じたという御指摘でございますが、先ほど申し上げましたように、本件につきましては、非常に詳細に事実関係をまだ掌握いたしておりません。ただ、本件の発端となりましたのは、当該の会社から郵便物の不着の申告がございました。そのことによりまして、郵便監察が調査をし、かつまた捜査をしたというふうに思われます。もちろん、捜査の手段というのは非常にたくさんあると思います。単純な捜査の方法だけで容疑者が確定できるとも限りません。御指摘のように人権に類するというような感じの捜査の仕方というのは、捜査官としてはかたく戒めねばならないところでございます。その点につきましては、従来も注意しておりましたし、今後とも十分注意をいたしていくつもりでございます。
 なお先ほど先生御指摘の、関東監察局が謝罪文を書いたという点でございますが、この点につきましては、先ほど電話で確認をいたしましたところ、そのような事実はないということを当該局は申しておりました。
○阿部(未)委員 そのことを論争してもしようがないのですが一新聞記事によると、同社では事件後監察局に対して厳重に抗議し、局側から始末書も取ったと言っている。どっちが本当か、そっちの調べも十分でないようですから、わかりませんが、先ほど来申し上げておりますように、通信の秘密を守るとか、送ったお金が完全に着かなければならないというようなことについても、それは確かに人権の一つの問題ではあります。しかし、そのためにこういうような人権を侵害するような問題が惹起されるとするならば、やはりこの方法はとるべきではない。もっと人権を尊重した上での捜査というものが行われてしかるべきだ。調べるなというのではありませんよ。この方法はとるべきではない。ただ私は何も取り調べ官ではありませんから、取り調べの経過を伺っているわけではないわけです。かかる方法による捜査というものが是認されていいものだろうかということについて、そうではない。もっと大きい基本的な人権が優先されなければならないので、郵政監査、捜査上幾らか支障があろうとも、この方法はおやめになってもらいたい、こういうことです。
○江上説明員 事、人権に関します限り、どのような捜査方法であろうとも、とっていいということはないというふうに存じます。ただ問題は、守らるべき法益ということがあった場合に、どのような捜査方法も許されるのか、これはないと思います。と同時に、ある種の捜査方法というものが絶対に許されないのかということにつきましてはへやはり慎重に考えなくてはいけない問題だと思いますが、先生御指摘の問題等の関連におきまして、個々具体的に人権の問題あるいは守られるべき通信の機密の問題ということを判断いたしまして慎重に運用していくべき問題というふうに思います。
○阿部(未)委員 これ以上論争しませんけれども、端的に一言言いますが、監察官も人間でございますので、主観的に物を見る場合もありましょうし、特に申し上げたいのは、これは警察でもよく言われるのですが、点数を上げようとしての行き過ぎ捜査というものがよく行われます。私が知る限り、郵政監察官といえどもそのらち外ではありません。それがこういうような、私ども一般社会から見て、人権の侵害ではないか、行き過ぎではないかというような捜査手続までとるようになると思われますので、私はこの種の捜査のやり方はやめてもらいたいということを強く要望をしておきます。
 それからその次に、電電公社がお見えになっていただいておりますので、ちょっとお伺いしたいのですが、電話番号帳でございますけれども、東京あたりはこんな厚い番号帳が何冊と来るわけでございますが、私の郷里は大分県という田舎でございまして、かつては一県全部が一冊の電話番号帳にまとめられておりました。それでも東京の電話番号帳の半分の厚さはないわけです。この一冊のときには非常に便利がよろしゅうございました。いま四冊くらいあるのでございまして、さてあそこに電話をかけたいがというときに、まずどの電話番号帳に載っているのかを探して、載っておる電話番号帳を引っ張り出して、それから局を探して相手を探さなければならない。子供がちょっと持って歩いたりしますと、一冊電話番号帳がなくなっておると電話がかけられない。調べられないですよ。そうすると電話局の方では、よく確かめてダイヤルを、こうなっておるけれども、確かめようにも子供が電話番号帳をどこかへ持っていっちゃって、ない。一冊ならばそうはならないと思うのですが、経済圏も非常に収斂をされてきておるわけですし、せめて大都市を除く中小の県くらいからは一県単位の電話番号帳にしてもらっても、そう経費は変わらないのじゃないでしょうか。御検討願えませんか。
○川崎説明員 お答えいたします。
 ただいま大分県の電話帳を例に出されまして、大変御不便をおかけしていることをおわびを申し上げます。
 実は御承知かと思いますが、電電公社におきましては、電話帳で大体年間八万トンの紙を使っております。これに対しまして、例の四十八年のオイルショックのときに、次官会議の申し合わせということでもって、郵政事務次官からの通達がわれわれの方に参りまして、紙の節約の一層の推進ということで、われわれはそれに協力することになっております。その次官会議とか閣議におきましても、特に公社の電話帳の話も大分出たようでございまして、ああいう部厚いものは困るというような話も漏れ承っております。
 そういうわけでございまして、ほうっておきますと加入者がどんどんふえてまいりまして電話帳が厚くなるし、それから配布対象も広まってまいりますということで非常に大きくなります。たとえば例の、これから申し上げます節減の三原則というのがございますが、そういうものをとらなかった場合と、とった場合と比較いたしますと、とった場合というのは現在の場合でございますが、とらなかったといたしますと五十一年度には十二万トンぐらいになってしまう。片やとりましたために一応八万トンにおさまっているわけでございますが、四万トンの紙の節約ができたということになるわけでございまして、非常に大きな問題になるわけでございます。
 それで、これから申し上げますのは三原則でございますが、たとえばいま大変御不便をおかけいたしました収録地域の分割ということが一番目の原則でございまして、大分県は北部、南部とそれから大分・別府版というような三つの版に確かになっております。それで、従来はもちろんいま御指摘のように、一県一冊でございましたのですが、そういうわけで分冊をすることによりまして配付通数を少なくする、それから薄くするということを考えておるのが第一点でございます。
 それから第二点は、発行周期の延長と申しまして、いままで一年に一回でございましたが、一年半に一回というふうに発行周期を延長するということをやっておるわけでございます。
 それから、不要とする加入者、要らないよという人にはこれはもちろん配付しないというような、こういうことを――いままではもう無理に押しつけたというようなきらいがございまして、御非難もまた別な意味で受けたのですが、そういう三原則をやりまして、やっとこういう状態で紙の節約を推進しているということでございますが、いまの分冊に当たりましては、もちろん御不便な点もう少し検討しなければいかぬとは思いますが、お互いの各地の通話の交流状況等も十分に勘案して、それを分冊していくということも考えているわけでございます。
○阿部(未)委員 しょっちゅう電話をするところなどというのは、わりあいにメモなどしてありまして、そう電話番号帳を見る必要がないわけなんですよ。たまたま電話をするときに見たいのが電話番号帳でありまして、朝晩かけるところは大体これはメモしてあるんだ。そうすると、私は何もかにも一律に東京も全部一冊にしろなどとばかなことを言うわけではありませんが、おのずから常識的な厚さというものがあるだろうと思うのですよ。大分県の場合、従来のものが、そうですね、東京のとにかく半分はないです。非常に便利がよかったのですが、いま分かれておるので、さっき申し上げたような事情でたまたま電話をしようというときに探さなければならない。大体聞いてみまして、やはり不便になったというのがおおむねの意見でございます。
 したがって、よその県は知りませんが、私は大分県程度のところぐらいからは一冊にまとめていただいてもそれぞれ表装をするわけでございますから、発行周期は別にして――いま職業別で見ますと大分の場合四つあるわけですが、この職業帳にも載っていないのがたくさんありますからね。一冊にまとめてもあるいは四つにわざわざ表紙をつけて、広告料がどうなるかそれはわかりませんが、やってみても余り大きい違いはないようなので、中小県ぐらいからは県という行政の単位を基準にして一冊にまとめていただく。それも非常に紙不足で一枚でもしんぼうしなければならないというオイルショックのときに比べれば、今日電電公社のふところぐあいもよくなってきたわけでございますし、それからまた景気も少し浮揚させなければならないという政府の要請もあるようでございますから、一遍御検討いただいて、早く言えば電電公社が紙を節約するために大変利用者に不便をかけておるとするならば、料金値上げもしたことでございますから、このくらいのサービスはおやりになっても罰は当たらないのではないでしょうか、いかがでしょうか。
○川崎説明員 確かに、先生のお話しのように御迷惑をおかけしている点がございますけれども、ただ御承知のように紙資源が急に潤沢になったというふうにはちょっと思えないものでございますものですから、そういうことも勘案しながら、またその御不便をどの程度でおかけしないかという点につきましてももう少し検討をさしていただきたいというふうに思います。
○阿部(未)委員 局長さん、いまの検討の前にもう一言入れておいてください。前向きで検討するともう一遍言い直してください。そうしたら、私もうやめますから。――言いませんか。言わねば私言うことがあるのだけれども、大体検討というのは何にもしないこと、こうなっておるのです。検討しますと答弁したときは何にもしないことになっておるというのが大体役所の通例だそうでございまして、少しやる気があるときには前向きで検討だそうでございますから、少しやる気があるのかどうか聞かしてもらうために、前向きか後ろ向きか言ってください。
○川崎説明員 ちょっと大変あれでございますが、そういうふうに一県一冊にします場合に何万トンくらいふえるかということの検討をまずいたしませんと、前向きとも後ろ向きともちょっとまだ申し上げにくいのでございます。
○阿部(未)委員 それは大体慣用語としてやらぬということにつながる、こう私は聞いているから懸念しているわけでございますので、これはやはり総裁でございますね。政治的な判断で前向きか後ろ向きかはっきりしてください。
○秋草説明員 実は、おととい通信局長会議がありまして、九州の高橋通信局長から佐賀県をモデルにMA単位で電話帳を分割するのだという試案が出ておったわけです。ところがきょう、先生の御郷里の大分県もやったのかやろうとしているのか、まだこの辺はわかりませんけれども、ちょっとびっくりしたのでございますが、そのときに私の言ったことは、オイルショックのときの事情も十分知っておりますし、政府から強い指示もあったわけでございまして、てんやわんやの騒ぎで一年半というピリオドにしたということと、それから五、六年続いた一県一冊というのを分割するにやむを得ない。ただし政令都市以外は、欲しい方には無料で差し上げましょう。東京とか大きな都市は無料というわけには、有料で幾らでも出す。こういう条件でやはりサービス本位でやるということと、そのときに局長の言ったのは、佐賀県に関しては加入者の苦情もないようです。それから、コストはもちろん安くなります。紙の量ももちろん少なくなります。コストの点は私、少しまゆつばじゃないかということを言いました。しかし紙の量は、明らかにこれは四〇%くらい激減します。紙資源を節約するという趣旨から言えばいいことだけれども、やはり加入者の苦情というようなものを背景にしてみると、佐賀県はまたMA単位が非常にいい立場に立っておれば、それは全国、大分、別府のような近接したところとちょうどいいぐあいに中心地にあるところとは大分違うわけでございます。また県境に接しているところでもずいぶん、たとえば東京でも川崎市なんというものは、横浜よりもむしろ蒲田の方に商売関係が多いのだというようなことをよく聞きます。
 そういうことで私、加入者の利便というものを重点に考えろということを言っていますが、ただいまのところ四十九年に各通信局にこの考え方は全部任してあるわけでございまして、通信局長は思い思いにやはり節約を旨としていろいろ考えていまして、MA単位にやるのもあれば、大分県のように三つの区に分けるのもあれば、いろいろあって、いろいろ苦心して、局長もかなり苦心のほどを御披露して得意なところがあったわけですね。そこでちょっと戒めておいたのではございますが、いま大分県でまたあるというと、また熊本も宮崎もみんなこれぽかぽかやろうと思っているかもしれませんから、これはひとつ帰りまして、確かに当時と比べて紙の事情も少し緩やかにはなったという感じもあったと思いますから、もう一遍全国一斉に一県一冊ということもオーバーですが、佐賀県、鳥取県、山梨県と、小さいわりあいにまとまった県くらいは余り分割ということは一生懸命やらなくてもいいのじゃなかろうかという感じを持っておりますが、この辺は事務当局とよく数字を練って指示を与えたいと思っております。この辺でひとつ御勘弁願います。
○阿部(未)委員 わかりました。佐賀県じゃなくて、大分県くらいはひとつモデルにして……。
 保険局長お見えになっていただいていますか。――これも簡単でいいですから、イエスかノーだけ答えてください。
 この前私ちょっと質問をして、例の簡易保険の団体組成の問題をめぐって最近は正常化されましたかという質問に、非常にうまくいっていますというふうにお答えいただいたわけでございますけれども、いわゆる問題になったリベート団体、リベートをもらうために保険の団体を組成をして、そしてお金をもらっていろいろトラブルがその間に起こってきた。特にお金をもらう手続について特定の会社に請け負わせたり、そういうような問題が起こったわけですが、あれはたしか五十一年にかけてだったのですが、あのときにいろいろ議論をした結果、いろいろ関係をする職員団体との間でも確認等をやっておるようですが、あれから特に著しい変化はありませんか。
○永末政府委員 払い込み団体の規制の問題であろうかと思うわけでございますが、数年からその団体の運営等をめぐりまして種々問題が提起されたことを十分に承知しております。それを受けまして簡易保険局といたしましても、四十九年と五十年に約款を改正いたしました。また団体規制の通達も出しているわけでございまして、これをめぐってのトラブルというものはいまないものと承知いたしております。
○阿部(未)委員 それではトラブルはないということは、十分下部の職場までその趣旨が徹底しておると理解していいですね。
○永末政府委員 十分に趣旨は徹底しているものと私存じております。
○阿部(未)委員 もう一つ掘り下げます。
 その下部の中で無集配の特定局がございますね。無集配局というのは大体外務の方がいないわけでございますが、この無集配局までこの趣旨は徹底しているでしょうか。
○永末政府委員 二度にわたります約款改正、それから通達等につきましては、本省としては郵政局まで徹底させているつもりでございます。ただ、無集配局の問題でございますが、郵政局がどういうふうな処置をしているかということはいまはっきりといたしませんので、御了承願いたいと思います。
○阿部(未)委員 無集配局にはこの目標の割り当てなどというようなもの、いわゆる目標額といいますか、そんなものは示達してないわけでしょう。
○永末政府委員 集配局以上は目標というものをば立てて、みんなでがんばってもらうようにいまやっているわけでございます。ただ無集配局につきましては、はっきりと目標というものをば言ってはおりません。ただ最近、無集配局も保険事業のためにPRをしてもらわなくちゃならない、またいろいろのこともやってもらわなくちゃならないということでございまして、各郵政局によってやり方は違っているわけでございますけれども、少なくともある限度の額は期待目標額として言っております。その額というものは、大体無集配局で無理のない範囲、地方によっていろいろ違いますけれども、二万円程度あるいは十万円程度のものであろうかと思います。
○阿部(未)委員 荒川西尾久三という郵便局があるんですが、そこで異常に団体組成をやっておるんですけれども、私の理解では大体払い込み団体の組成というものは受け持ち集配局ですね、集金の方々の受け持ち集配局が単位で、その中に地域あるいは職域、あるいはまた同趣同好会が幾らか残っておるようですが、そういうものがつくられるのであって、無集配局単位に幾つもの払い込み団体の組成というのは、集金という体制から考えるとちょっとおかしくなりませんか。
○永末政府委員 払い込み団体というのは、いろいろの形態があるわけでございます。たとえば職域団体であるとかあるいは地域団体であるとかあるいはまた同趣同好団体とかいうようなものがあるわけでございますが、荒川の西尾久三局でつくられております払い込み団体、いま十一組ほどあると承知しておりますが、これはほとんどが職域団体というようなものでございます。私たち、必ずしも集配郵便局に限るというふうに思っていないわけでございます。どういう払い込み方をするかということは、やはり加入者あるいは加入者の代表者の意思によるものでございまして、その加入者の代表者が、ここの郵便局が非常に近いからここで保険料を払い込ませていただきたいということになりましたときには、それを拒む理由というものは全くないものと存じております。
○阿部(未)委員 それは局長さん、ほかの人には通用しても私には通用しないのですよ。なぜかというと、保険料払い込み団体の組成というのは、本来が自主的に地域の方々がつくるとか職場でできるのが趣旨なのですが、いま郵政省は組成するという方針を出している。組成するということは、郵便局の職員が行ってそういうものをつくらせるということを意味しているわけですよ。そうすると、つくらせるということになれば、無集配局ではなかなかできない仕事になるはずなんですよ。だから集配局の受け持ちのところの担当者が行ってそういうものを組成――組成という言葉はそもそもそういう意味を持っておるのです。本来の保険法の団体組成とは意味が違うのです、率直に言って。ですからあなたがおっしゃるように勝手に向こうが団体をつくってここの郵便局が近いから持ってきましたという、それは言いわけであって、本当はだれかが出ていってそういうものをつくらしておるのですよ。これは間違いないのですよ。そうなってくると、小さな特定局でいまおっしゃったようにたくさんの団体が組成されるというのは、そこの局のだれかが出ていってそういう仕事をしておることを意味するわけですよ。ですからどうもそれではおかしいのではありませんか――法の趣旨からおかしいんじゃありませんよ。実態としておかしいんじゃありませんかと聞きよるんです。
○永末政府委員 無集配局というのは足がない、これは事実でございます。ただ保険の募集に関しましては、局長が募集をするとかあるいは団体組成をするとかいうようなことまで私たちは禁止していないわけでございます。組成の問題でございますが、同趣同好団体というのは先生おっしゃいますようなことであろうかと思いますが、たとえば職域団体の場合、保険の募集に行く。こういう恩典がありますよ、これは加入者に非常に喜んでいただく制度であるわけです。十五個以上の契約があれば七%の割引がありますよ、こういったことを募集の際に宣伝する、これは保険の特徴として当然のことだと思うわけでございますが、そういうふうに自然にできた団体というのもあろうかと思います。特に荒川西尾久三局を見ましたところ、ほとんどが職域団体あるいは地域団体というようなことでございまして、荒川西尾久三局に非常に近い地点にあるわけでございまして、加入者あるいは代表者がこういったところを払い込み局にしたいというなら、その要望というのはまことのものであるわけでございまして、それを拒む理由は全く私たちないものと思っております。
○阿部(未)委員 議論をすれば長くなりそうで、時間もありませんけれども、おっしゃるような実情にはなっていない。ちょっとお見せしておきますが、地域団体などというのは、大体無集配局の場合には早便区域というものがあるはずですね。大方の享便区域というものがこの範囲であろう。その範囲の中の人たちの一つの団体、たとえば地域で町内会なら町内会、学校のPTAならPTAというようなものは大体地域団体に私は該当すると思うのですが、この赤い印をつけてあるのはそうじゃないところです。あっちこっちに飛んでつくり上げておる。これは局長さんが走り回って集めなければ集まらないシステムなんです。しかしきょうは私はもう議論はしませんから、いまから言う資料をつくっておいてください。
 この荒川西尾久三の局でそれぞれの団体、たとえば職域団体、地域団体それから協同組合関係とかあるいは同趣同好会、そういうものの団体が幾つあって件数は幾らになっておるか。それから表定保険料が何ぽかというような資料と、それからこの前議論した、連合会組織に入れていく方が安全だという議論になっておるんですが、この荒川西尾久三が連合会組織に入っておるかどうか。それからもう一つは、これは団体加入しておっても場合によっては抜けて個人の加入になる場合もしばしばあるわけですから、当然これは集配局の荒川の局と西尾久三の局は緊密な連携がとれていなければならないはずですが、荒川の局と西尾久三の局とには十分な連携がとれておるかどうか、これだけを調べて調書にして提出をしてもらいたいと思いますが、これは差し支えありませんか。
○永末政府委員 調書にいたしまして提出いたします。
 ただ先ほども申したわけでございますけれども、無集配の局長が団体組成をしてはいけないということは私たち考えておりません。ただ無集配の特定局長は保険の仕事ばかりやる職務を持っているわけじゃございません。郵便とか貯金の仕事もやってもらわなくちゃならないわけでございまして、団体あるいは受け持ち件数、これが無集配特定局長として常識的に考えた場合に非常に多過ぎるというような実態がございますならば、その点は考えなくちゃならないというふうに思っております。
○阿部(未)委員 実を申すと論争する気はなかったのですが、特定局長がそんなにいつも外に出て保険の募集ばかりやって歩けるような定員の配置をしてあるのか、あるいはそれならば特定局長はしょっちゅう出ていってあとの職員に大変過重な労働を押しつけておるのか、これは問題が起こるところですよ。たとえば保険局長さんは、西尾久三の局長が分計定員上保険というのが何ぼあるのか、窓口に何ぼ出ることになっているのか、そんなことは御存じないでしょう。恐らくないはずなんですよ。だから、私は特定局長が一人でたくさん保険ばかり募集して歩いておるというのは違法ではなくても問題がありますよということを申し上げたわけですよ。おわかりですか。
○永末政府委員 分計定員のことは私は存じませんけれども、やはり先ほども申しましたように貯金もやってもらわなくちゃならない、郵便もやってもらわなくちゃならないというようなことでございます。したがいまして、外に出るのがいけないとも言えませんけれども、それかといって一日じゅう外に出て貯金、保険の仕事あるいは管理監督の業務、これをないがしろにするようなことがあってもまた困ったことだと思うわけでございます。ただ、荒川西尾久の局を引きますと一日じゅう外に出て回っているというようなことじゃございません。また非常に負担が多くなっているというようなこともなかろうかと思うわけでございます。また、聞いてみますると、管理監督の業務、こういったものも十分に行われているというようなことでございまして、そういった点で、業務に支障のない限り簡易保険の募集であるとかあるいは団体組成、こういったものをやってもらうということは、私、結構なことだというふうに存じている次第でございます。
○阿部(未)委員 そうなんです。無理がなければという前提があるわけです。無理がなければ結構なこと、私もそう申し上げます。無理がないという保証がありますかということになると、局長さんも、分計がどうなっているかわからぬということで、無理はないと思いますということであって、朝からずっとついてお仕事の状況をごらんになったわけではなかろうし、あんな小さい局にも一人の局長を置いてあるというのは、管理監督の上からも必要だから置いてあるはずですよ。それがしょっちゅうあけておっていいという理屈も成り立たないはずなので、私は、無理が出るおそれがありますよということで、いまそういう資料を出していただくように要求したわけでございます。
 したがって、きょうはもうこれは論争はしませんが、よく調査をしておいていただきたいと思います。それと、資料の提出をお願いします。
 大臣、きょうの重要なことは、一つは、民放の放送基準の問題について、せっかく民放連がつくっておる放送基準まで逸脱するような放送がある場合における考え方について、大臣と大体意見の一致を見たようでございます。
 それから二点目は、先ほどの郵政監察のあり方について特にお願いしたわけですので、何か特に大臣の所感があれば最後に承って、終わりたいと思います。
○小宮山国務大臣 先生の御指摘のことを頭に置きながら、今後とも業務に精励したいと思っております。
○阿部(未)委員 終わります。
○久保(等)委員長代理 次回は、明二十八日木曜日午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十四分散会