第080回国会 予算委員会 第9号
昭和五十二年二月十七日(木曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 坪川 信三君
   理事 大村 襄治君 理事 栗原 祐幸君
   理事 澁谷 直藏君 理事 田中 正巳君
   理事 細田 吉藏君 理事 安宅 常彦君
   理事 楢崎弥之助君 理事 近江巳記夫君
   理事 竹本 孫一君
      足立 篤郎君    伊東 正義君
      稻葉  修君   稲村佐近四郎君
      越智 通雄君    金子 一平君
      川崎 秀二君    北川 石松君
      木野 晴夫君    笹山茂太郎君
      白浜 仁吉君    瀬戸山三男君
      根本龍太郎君    藤井 勝志君
      古井 喜實君    松澤 雄藏君
      松野 頼三君    阿部 昭吾君
      井上 普方君    石野 久男君
      上原 康助君    大出  俊君
      小林  進君    佐野 憲治君
      多賀谷真稔君    藤田 高敏君
      山田 耻目君    石田幸四郎君
      草野  威君    坂井 弘一君
      二見 伸明君    大内 啓伍君
      河村  勝君    永末 英一君
      寺前  巖君    正森 成二君
      大原 一三君    田川 誠一君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  福田 赳夫君
        法 務 大 臣 福田  一君
        外 務 大 臣 鳩山威一郎君
        大 蔵 大 臣 坊  秀男君
        文 部 大 臣 海部 俊樹君
        厚 生 大 臣 渡辺美智雄君
        農 林 大 臣 鈴木 善幸君
        通商産業大臣  田中 龍夫君
        運 輸 大 臣 田村  元君
       郵 政 大 臣 小宮山重四郎君
        労 働 大 臣 石田 博英君
        建 設 大 臣 長谷川四郎君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長
        北海道開発庁長
        官       小川 平二君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長
        官)      園田  直君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)
        (沖繩開発庁長
        官)      藤田 正明君
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      西村 英一君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 三原 朝雄君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      倉成  正君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      宇野 宗佑君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 石原慎太郎君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 田澤 吉郎君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 真田 秀夫君
        内閣法制局第一
        部長      茂串  俊君
        国防会議事務局
        長       久保 卓也君
        総理府人事局長 秋富 公正君
        公正取引委員会
        委員長     澤田  悌君
        公正取引委員会
        事務局取引部長 長谷川 古君
        警察庁刑事局長 土金 賢三君
        警察庁警備局長 三井  脩君
        防衛庁参事官  番匠 敦彦君
        防衛庁長官官房
        長       亘理  彰君
        防衛庁防衛局長 伊藤 圭一君
        防衛庁人事教育
        局長      竹岡 勝美君
        防衛庁経理局長 原   徹君
        防衛庁装備局長 江口 裕通君
        経済企画庁調整
        局長      宮崎  勇君
        経済企画庁物価
        局長      藤井 直樹君
        経済企画庁総合
        計画局長    喜多村治雄君
        環境庁水質保全
        局長      二瓶  博君
        法務省刑事局長 安原 美穂君
        法務省人権擁護
        局長      村岡 二郎君
        法務省入国管理
        局長      吉田 長雄君
        外務省アジア局
        長       中江 要介君
        外務省アメリカ
        局長      山崎 敏夫君
        外務省経済協力
        局長      菊地 清明君
        外務省条約局長 中島敏次郎君
        大蔵省主計局長 吉瀬 維哉君
        大蔵省関税局長 旦  弘昌君
        大蔵省銀行局長 後藤 達太君
        大蔵省国際金融
        局長      藤岡眞佐夫君
        国税庁調査査察
        部長      系  光家君
        文部省初等中等
        教育局長    諸沢 正道君
        文部省大学局長 佐野文一郎君
        文部省管理局長 犬丸  直君
        農林大臣官房長 澤邊  守君
        農林大臣官房予
        算課長     石川  弘君
        農林省構造改善
        局長      森  整治君
        林野庁長官   藍原 義邦君
        水産庁長官   岡安  誠君
        通商産業省通商
        政策局長    矢野俊比古君
        通商産業省貿易
        局長      森山 信吾君
        通商産業省産業
        政策局長    濃野  滋君
        通商産業省立地
        公害局長    斎藤  顕君
        通商産業省機械
        情報産業局長  熊谷 善二君
        通商産業省生活
        産業局長    藤原 一郎君
        資源エネルギー
        庁長官     橋本 利一君
        中小企業庁長官 岸田 文武君
        運輸大臣官房長 山上 孝史君
        運輸省海運局長 後藤 茂也君
        運輸省港湾局長 大久保喜市君
        運輸省鉄道監督
        局長      住田 正二君
        海上保安庁長官 薗村 泰彦君
        郵政大臣官房長 佐藤 昭一君
        建設大臣官房長 粟屋 敏信君
        建設省計画局長 大富  宏君
        自治省財政局長 首藤  堯君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部長     吉田 六郎君
        資源エネルギー
        庁石油部開発課
        長       箕輪  哲君
        日本国有鉄道総
        裁       高木 文雄君
        日本国有鉄道常
        務理事     小林 正興君
        日本輸出入銀行
        総裁      澄田  智君
        参  考  人
        (海外経済協力
        基金総裁)   大来佐武郎君
        予算委員会調査
        室長      三樹 秀夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十七日
 辞任         補欠選任
  森山 欽司君     北川 石松君
  武藤 山治君     山田 耻目君
  浅井 美幸君     石田幸四郎君
  広沢 直樹君     草野  威君
  河村  勝君     永末 英一君
  浦井  洋君     正森 成二君
同日
 辞任         補欠選任
  山田 耻目君     武藤 山治君
  石田幸四郎君     浅井 美幸君
  草野  威君     広沢 直樹君
  永末 英一君     河村  勝君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和五十二年度一般会計予算
 昭和五十二年度特別会計予算
 昭和五十二年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
○坪川委員長 これより会議を開きます。
 昭和五十二年度一般会計予算、昭和五十二年度特別会計予算及び昭和五十二年度政府関係機関予算、以上三件を一括して議題とし、総括質疑を行います。
 永末英一君。
○永末委員 今回、日韓大陸棚協定が議会に提出をされました。この大陸棚協定は昭和四十九年一月三十日に調印が行われましたが、それ以来、国会にすでに四十九年五月十八日にかかりまして審議は行われました。しかしながら継続審議、廃案を繰り返してやってきた歴史を持つものであります。
 われわれ民社党は、わが国のエネルギー資源の現状にかんがみ、われわれの力でもって新しいエネルギー源の開発ができるならばやるべしという立場に立っております。しかしながらこの協定の区域につきましては、将来もし国際紛争が起こっては、これは最初の目的と相反するのでございまして、これを進めるに当たっては、国際紛争の起こることなく、慎重に身構えて、そうして臨むべきであろうかと考えます。
 さてそういう意味合いで、まず福田総理に伺いたいのは、韓国とわが国とが共同開発をするという考え方、それは一体どういう理由によってつくられた考えであるとあなたはお考えか、まず承っておきたい。
○鳩山国務大臣 ただいまの共同開発になった趣旨というものは、私の承知しておりますのは、あの東シナ海の地域につきまして日本は単独で開発したいという考えを持ったところが、韓国が、大陸だなの自然延長論の立場に立ちますとあの地域は韓国の地先の大陸だなである、こういう解釈をとっておりまして、他方、現在の大陸だなの考え方は自然延長論が有力である、こういうことから、その地域につきましては日本と韓国で共同開発をしよう、こういうことになったというふうに承っておる次第でございます。
○永末委員 鳩山外務大臣の御説明では、海洋法会議で自然延長論が大陸だなについては有力であるからというと、わが方は自然延長論を承認した立場でこれに臨んだのですか。
○鳩山国務大臣 わが方は、大陸だなにつきましては中間線をとるべしという主張をしておるわけであります。中間線で行きますと、わが方で開発できる、こういうことになるわけでございますが、大陸だなにつきましては双方の主張があるというので、これはそういう地域であるならば共同して開発する方が適当であろう、こういう結論になったと承っておるわけであります。
○永末委員 鳩山外務大臣、承っておりますといって、あなたの考えることを聞いているのであって、承っておることを聞いているのではありません。しかしあなたは、いま韓国側の持っておる自然延長論とわが方の中間線理論とでも申しますか、それの妥協だとおっしゃったが、中間線というのは何ですか、何と何との中間線ですか。外務省はどうお考えですか。
○鳩山国務大臣 他方、経済水域という思想が出てきておりますことは御承知のとおりで、これでは二百海里の範囲内におきまして経済水域というものが認められる方向にある、こういうことを考えますと、そういったことから双方の沿岸国から二百海里の先まではそういった権限が持ち得る。そういうことになりますと、関係国の間で、両方が二百海里内、四百海里未満のところはそこが重なってまいるということで、そういうところは中間線になろうか、こう思うわけでございます。
○永末委員 鳩山外務大臣、それでいいのですか。海洋法会議の推移を見ておりましても、いわゆる経済水域に関する各国の主張、それの妥協点を求めるための努力と、大陸だなに関するそれぞれの主張点とそれの結論を見つけるのは違うわけです。私の見方では、それがあなたのおっしゃったように、経済水域論と大陸だな自然延長論とが合わさってある一つのものができるという形勢にはない。それでは、わが方は経済水域でいったが、韓国の大陸だな自然延長論に押されて、わが方にへこんで共同開発区域をつくった、こう言われるのですか。慎重にお答え願いたい。
○鳩山国務大臣 正確を期す意味で、アジア局長に答弁させます。
○中江政府委員 御質問の日韓両国にまたがっておる大陸だなの境界線をどういうふうに引くかという点で、中間線論と自然延長論とがあるという点は、外務大臣がただいま御説明されたとおりでありますが、その場合の中間線論とは何かという御質問でございますが、中間線といいますのは、一つの大陸だなをはさんで相対している国との間に中間に線を引く、つまり両国の低潮線、あるいは領海画定の基線になります直線基線を採用いたします場合には直線基線になるかと思いますが、その双方から等距離の点を結んだ線、これが相対する国の間の中間線、こういうふうになると了解しております。
○永末委員 中江局長、それはあいまいだ。あなたがいまおっしゃったのは、一つの大陸だなをはさんで二つの国がある場合だけれども、問題は、それならわが国はわが国の大陸だな、つまりわが国の方の自然延長にこれがあるという判定ですか。そこのところを明らかにしてもらわなければ、一つの大陸だなやら二つの大陸だなやらわからぬですね。明らかにしていただきたい。
○中江政府委員 私が申し上げましたように、日本の立場では、日本と韓国との間には一つの大陸だながある、したがって日本は中間線で分ける、こういう立場でございます。
○永末委員 そうしますと、普通韓国からわが方の周辺にまで出張っている大陸だな、そのいわば東南に海溝があってわれわれは大陸だなから切り離されているという説があるが、いま中江局長のお話でございますと、わが方の大陸だなは、たとえそこの、わが方から言いますと西南になるかもしれませんが、海溝は問題にならぬ、大陸だなは続いておる、こういう観点に外務省は立っておる、こういうことですね。
○中江政府委員 日本政府がとっております立場は、一つの大陸だなの中にたまたまひだが入っている、したがって日本と韓国とは一つの大陸だなをはさんで相対している、こういう立場でございます。
○永末委員 そうしますと、先ほど外務大臣が言われました経済水域に関する二百海里をそれぞれが主張し合って相重なった場合に中間線をとるといういわゆる中間線論とは、この件は関係ないのではありませんか。
○鳩山国務大臣 大陸だなの論争としては、いま永末先生がおっしゃったとおり、経済水域とは関係のない面で議論が進んでおるわけであります。ところが、経済水域という問題が海洋法会議の場で出てきておることも、これまた事実でありまして、いまおっしゃいました日本の西南と申しますか、そこにひだがある、海溝があるということを考えますと、そこに一つのまたわが方として主張し得ることが出てこやしないかということを、これは私の一つの、経済水域がどういう形になるかということにもよると思いますけれども、一つの有利な点も出てこやしないかということも考えまして申し上げたのでございます。大陸だなといたしましては、従来から一つの大陸だなということで日韓間では主張している、こういうことでございます。
○永末委員 理論必ずしも一義的に明確になったと思いませんが、ともかくこの場所では、日韓間には一つの大陸だながある、いわばその中間線をとってこの共同開発区域の線を引いた、こういう答弁だと理解をいたして進みたいと思います。
 さて、そう考えました場合に、この大陸だなは中国から張り出している大陸だなと同じですね。
○中江政府委員 大陸だなといたしましては、中国大陸から東シナ海、南シナ海全般に出ている大陸だなの一部分であります。
○永末委員 この共同開発区域の中でそれぞれ座標が設けられております。この西南線、座標六から七、八に至るこの線は、中国とわが国との等距離中間線であると説明をせられております。そうしますと、この一つの大陸だなをこの線によって区画をした、こういうことでございますね。
○中江政府委員 ただいま永末先生御指摘のごく一部分につきましては、日本と中国との間の境界線になると日本側が考える線でございます。
○永末委員 ごく一部分と言われましたが、その距離は三十海里あるわけであります。さて、日本側が中間線だと考えておるというんでございますが、中国側も自然延長論をとっておることは天下周知の事実でございます。だといたしますと、この中間線を描くに当たって中国側の同意を取りつけられておりますか。
○中江政府委員 日本政府といたしましては、その部分について中国側と話し合いたいということを再三申し入れておりますけれども、中国側はその話し合いをしようというふうにまだ言ってきておらないわけでございますし、他方、この共同開発区域の部分は日本と韓国との間にまたがる部分でありまして、日本と中国にまたがる大陸だなではないということでございます。
○永末委員 中江局長、最後あなた妙なことをおっしゃったが、日本と韓国との間の大陸だなの問題だと言ったけれども、この日中等距離線と日本政府が考えておる線を引いておるのは、これは明らかに中国が自然延長論で主張するであろうと思われる部分ですね。そうすると、もし、韓国に対してわれわれが韓国の自然延長論の主張を半分のんだ形で、いわば日韓中間線からわが方にへこんだところで共同開発区域をつくっておりますから、同じことを中国が主張してきた場合にはどう対応されるつもりですか。
○中江政府委員 韓国との交渉に当たりましたと同じ態度で中国と交渉するということになります。
○永末委員 福田総理、いまお聞きのとおりの問題なんです。あなたは日中平和友好条約の締結にきわめて御熱心だと聞いております。平和友好のためには、もしこの点が日中両国間の紛争の種になっては、これは平和友好条約どころではございませんね。聞くところによりますと、昭和四十九年一月、大平外務大臣が訪中をいたしましたときに、中国側から、この大陸棚協定を進めておるようだけれども、関係諸国と協議をしてほしいという意向が示されたと伝えられておる。それは日本政府の外務大臣ですから、政府はよく御存じだと思う。にもかかわらず、その同じ一月二十九日にこの協定を結んで、そうしていまの外務省からの御報告によれば、協議したいと言ったがそのままだと、こう言う。これではどうも円満な外交、友好的な外交だと言えませんね。あなたはどうされるおつもりですか。
○福田内閣総理大臣 私は、この問題が日中平和友好条約の障害になる、こういうふうには思いません。両方とも、日中平和友好条約は両国の満足し得る形で早く解決したい、こういう考えです。小異を捨てて大同につくという構えでありますので、この日韓大陸棚協定のゆえに条約の締結が阻害される、こういうふうには考えておりません。
○永末委員 福田総理はこの問題が小異のようにお考えでございますが、小異かどうかは、もし中国との間に話し合いが持たれないままでわが国が強行した場合には、国際紛争の種になる問題だと私は思います。資源問題でございますからね。したがって、三木さんの時代はいざ知らず、あなたは外務省を督励し、中国との間に協議をしようという御意思はございますか。
○福田内閣総理大臣 私もその点は外務当局にこれで支障はないかということを検討してもらっておるわけでありますが、これで支障はない、こういう見解でございます。
○永末委員 ちょっと語尾が弱くて聞こえなかったのですが、中国に対して何もしなくても支障はない、こういう御意思ですか。
○福田内閣総理大臣 さような外務当局の見解であります。
○永末委員 いや、外務当局は外務当局だけれども、総理大臣の御意思をこの際聞いておきたい。私どもは重要な問題だと思うのです。だから、外務当局はそう思っておるらしい。なるほど先ほどの答弁から見るとそうだし、もうかねてから外務大臣には、そういう中国との間の協議をやっておきなさいよと言っておいて、これで二年たっているわけですね。いまや福田総理大臣のもとで提案されましたから、問題のありかをもう一度申し上げて、あなたの心構えをお聞きしておるのです。もう一度お答えを願いたい。
○福田内閣総理大臣 本件は慎重に検討いたしまして、この提案を御審議願って差し支えない、こういう判断でございますので、ぜひ御審議の方をお進め願いたい、かように考えます。
○永末委員 審議をするについてのあなた方の方の御用意を私は聞いておるのであります。何もしないと言われるのですか。くどいようでございますが、心配しておりますので聞いておるのです。外務省の方は、中国側に協議を申し入れておるが応答がないと言うのですが、相手方も関心を持っている以上、わが方が問題のポイントをちゃんとつかんでやれば、ある意味での関係諸国との協議と言っていますから、その意味合いもよくつかまえて、これが一方的に行われた場合、私は紛争なしに済むとは考えられません。これで終わりますから、もう一度あなたのお気持ちをお聞かせ願いたい。
○福田内閣総理大臣 話し合いと言いますが、意見を照会いたしまして返事がない。これまた待っておったら、大事なエネルギー政策の支障になる、こういう性格のものでありますので、とにかく意見を照会した。そういう手続までとっておるので、この案件はぜひそういう状態のもとにおいてお進め願いたい、こういうふうに考えております。
○永末委員 外交のことはそれぞれの時点に即して手を打たねばなりません。中国の真意を十分あなたとしては洞察され、日中の両国間に将来紛争の種の起こらぬよう処置を願いたい。民社党として強く要求をいたしておきます。
 さて、私は、本日は実は防衛問題について総理大臣並びに福田内閣の所信を伺うつもりでございました。福田総理の所信表明にはほとんどこの点が触れられておりません。あなたは所信表明の中で、自分が日本丸を動かしていくに当たっては、世界じゅうの国々から信頼と敬意をかち得るよう、そういう国にしたいと言われました。私も賛成でございます。しかし、それはたとえば貿易の面でも、日本だけが黒字を出すという状態は、あちらこちらのわが国の貿易の相手方から、何とか自粛してくれと言われておる、あるいはまた発展途上国、われわれの貿易の対象でないところに対しても、日本のような経済力のある国からは当然経済協力をすべきである、言うならば国際的義務というものに対して日本がもっと目覚むべきではないかという議論がございますね。その義務を果たすことが世界じゅうの国々から信頼と敬意をかち得るようになる道だと思います。そういう観点から世界の安全保障を考えました場合に、わが国は、この北東アジアの地域の平和がもし乱される、その原因に日本がならないというだけの義務は果たさなければなりませんね。それがわれわれの世界の平和に対する一番大きな義務ではなかろうか。その義務を果たさなければ、日本人に対して信頼や敬意を払う国々がなくなるかもしれません。私はその意味合いで、日本の自衛力の保有ということは国際平和に対するわが国の重大な義務の一つである、こういう構えで安全保障の問題に取り組むべきだとわれわれは考えておりますが、あなたはどうお考えですか。
○福田内閣総理大臣 私もそう思います。ただ、わが国は憲法の制約がありますから、憲法の範囲内においてわが国はわが国としての責任を尽くすべきである、こういうふうに考えます。
○永末委員 もちろんわれわれ民社党も、日本国憲法のもとでわれわれは自衛力の保有は可能であり、しかしながらその自衛力は、憲法の示すところの専守防御ということをたてまえとすべきである、こう考えてわれわれの安全保障政策を練っておるわけです。このわれわれを取り巻く世界は、いまデタントなんて言われておりますけれども、過般の報道では、ソ連のブレジネフ書記長は、デタントというのはソ連の軍事力の膨張が優位を占めるまでの手段の一つであるというような演説をしたという報道もございます。また、一月にアメリカの国防長官ラムズフェルドが、その任期中の最後の報告を議会に出しましたが、軍事情勢の分析を行って、そうしてソ連の軍事膨張に対してアメリカは対応しなければならぬということを書き、これに対して、それは冷戦構造論理にしがみついておるのかと批判を受けても真実は言わなければならぬ、こういう感覚がわれわれを取り巻く米ソ両国にあるわけでございまして、その意味合いで私は、われわれの保有する軍事力の性格というものをやはりしっかりと国民にわかってもらい、これに対する協力を得ることが必要であると考えます。
 あなたは所信表明の中で、この点については、防衛力の基盤整備に努めることは当然という、きわめて短い言葉を一言言われたのでございますが、あなたの防衛方針は基盤整備だけですか。
○福田内閣総理大臣 わが国の安全を確保するためには、まず何といっても国民生活が安定される、こういうことが一番大事だろうと思うのです。そういう前提に立ちますが、しかし、わが国がいかなる国からも脅威を受けないという体制は固めなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでありまして、そういう立場に立ちまして、憲法の規定の範囲内において専守防衛、それを基本的な考え方として防衛政策を進むべきである、こういうふうに考えております。
○永末委員 いまあなたのおっしゃったことは、歴代の自民党出身の総理大臣がこの議会で言われたことなんですね。ところが、ことしはいままでの方針とは異なって、新しい考え方に立つ、すなわち基盤防衛力構想に立つ防衛方針をとり、そして予算を国民にお願いをいたしておる、こういう形になっておるわけです。そのときにあなたが言われたのは、自分の安全保障は、防衛力の基盤整備に努める、こう言われたものだから、一体その基盤整備だけを考えておられるのか、それともそうでないのかということは国民として聞きたいですね。お答え願いたい。
○福田内閣総理大臣 当面、防衛力の基盤を整備するということでありまして、これから先々国力が変わってくる、国際環境が変わってくる、それに応じましてまたこの考え方をどういうふうにしますか、そういうことはその時点の問題である、さように考えております。
○永末委員 いまあなたは当面と言われました。この当面という言葉は防衛問題ではよく使われるわけでございます。いままではそれぞれ五年、最初は三年でございますが、期限を区切って、その中でこれこれの兵器を国民に買っていただきたいという防衛力整備計画でございました。今度はそれがないんですね。単年度、単年度でやっていこう、こういう計画になって、そのときに、基盤整備と言われたが、当面と、こういうあなたの御認識が出ました。当面というのは一体何年ぐらいのことを考えておられるのですか。
○三原国務大臣 当面と申し上げますのは、見通しの立てられる時期だと思っておりますが、大体国防会議等で議せられました際には、四、五年というようなめどということで考えられたことを承知をいたしております。
○永末委員 三原防衛庁長官も、承知をいたしておるというので、自分の意見を聞きたいですね。
 さて、そういうお話でございますからもう少し細かく聞いてまいりますが、昨年の十月二十九日に国防会議並びに閣議で、防衛計画の大綱が決定をされました。これによって、坂田防衛庁長官時代以来いわゆる基盤防衛力構想というものが練られてきたようでございますが、これが本決まりになり、これによる予算が本国会にも提案をされております。なるほど第一次防衛力整備計画から第四次防衛力整備計画まで、これはいわば兵器の調達計画でございましたから、言うならばプログラムはあるがプランがない、こういう批判がございました。それに比べますと、今回の基盤防衛力構想というのは、逆にプランはあるがプログラムがない、いま私が取り上げましたように当面というような言葉が出てまいる。そういう意味合いで、四、五年というのですが、当面、四、五年だ。初めてでしょう、四、五年だなんというようなことが公にされたのは。発表されました防衛計画の大綱でも、あるいはその別表でも年数が一つも出てない。後で四、五年でいいかどうかは検討いたしますが、あるいはその順序というものもはっきりいたしていない、こういうことでございました。
 この点に関連して一つ伺いたいのは、この計画大綱には次のような言葉があります。「防衛の態勢」というくだりですが、「情勢に重要な変化が生じ、新たな防衛力の態勢が必要とされるに至ったときには、円滑にこれに移行し得るよう配意された基盤的なもの」、それがいま考えている基盤防衛力であると、こう言うのであります。
 さて伺いたいのは、そういう情勢に重要な変化が生じ、新しい防衛力が必要だとされるに至った、だれが必要だと判定するのですか、どういうことになっているのですか。
○三原国務大臣 先ほどの当面について付加させていただきますが、この当面ということを申しておりますのは、いろいろな経済情勢等が変わってきたり周辺の状況が変わってくる、そういう現在の内外の情勢が非常に変わるということのない時期ということでございますが、まあ見渡すことができますれば四、五年であろうという判断をいたしておるのでございます。そういう意味での当面でございます。
 それから、ただいまのそういう判断はだれがするか。結論的に申し上げますれば、そうした重要な変化が出てまいりました際の判断でございますが、それは国防会議において判断を取り上げていくということになると思います。
○永末委員 いま、あなたがおっしゃいました当面に付加された御説明、理論的に申しますと、経済状態やあるいはまた情勢の変化がない間という考えと、四、五年という考え方とは理論的には合わないわけですね。それは後でまた伺います。
 必要の判定は国防会議で決める、すなわち内閣総理大臣が判定する、こういうことですね、総理。総理もそう思われますか。
○福田内閣総理大臣 国防会議は総理大臣が議長でありまするから、その議長たる国防会議において決定する、そういうことでございます。
○永末委員 「新たな防衛力の態勢が必要とされる」こういうのですが、「新たな防衛力」とは一体どういうものを考えておられるわけですか。
○三原国務大臣 そのとき、その時点におきます情勢の変化でございまするから、外国のそうした侵攻的な脅威等に対応し得るものでなければならぬと思いまするので、そういう侵攻脅威に対抗し得る、そういうものでございます。
○永末委員 五十二年度までのいわゆる防衛力整備計画というのは、脅威に対抗するという、いわゆる脅威対処力と申しますか、そういう所要防衛力と称せられるものの考え方に立ったのでは、とんでもない整備をしなくてはならぬので、やめたのだというのが、この基盤防衛力構想をつくった人々が発表している考え方のようでございます。しかし基本には、やはり、そういう脅威に対抗せねばならぬのだから大きくなるんだということは考えておられるわけですね。
○三原国務大臣 もちろん現状に対しまして、それに付加された防衛態勢を考えておるわけでございます。
○永末委員 当然、考えなければ、こういう言葉は出てこない。
 さて、円滑にそういう新しい防衛力に移行すると書いてございます。なかなか言葉はきれいに書いてございますが、移行というのは何年ぐらい、何カ月ぐらいでやるおつもりですか。
○三原国務大臣 何カ月でやるかというようなことを、いま申し上げることはできませんが、その情勢の判断を事前に把握せねばならぬわけでございます。したがって、そうした国際情勢の推移に対して十分な情報を収集して、その情勢に即応する準備をいたさなければなりませんから、いま、ここで何年でどうだということになりませんけれども、私は情勢は急激に変化をするものとは思っておりません。したがって、そういう立場に立って、大きなそういう侵攻に対しましては、相当な国際的な政治構造の変化、国際情勢の変化等が事前に感受できるわけでございますから、そうした情勢に即応して処置しなければならぬ。したがって、何年かかるかというようなことにつきましては、いまお答えすることは困難であると思うわけでございます。
○永末委員 同じく大綱には「国際情勢及びわが国周辺の国際政治構造並びに国内諸情勢が、当分の間、大きく変化しないという前提にたてば、」という前提に立っておられる。さて、いまの御説明では、そういう変化が起こる場合には徐々に来るであろうという御判断でございますが、変化と申しましても政治的な変化と軍事的な変化とは、軍事的な変化は起こり出せば、きわめて早い機会に、あるその変化に即応する現象が出てくると考えざるを得ない。
 ここ最近の、あちこちの国際紛争の経験によりますと、きわめて大きな消費を強要する事件が起こっているのでありまして、したがって、それにわれわれは対応しなければならぬというのなら、そのための準備が必要でございまして、さて、そういうことを勘案しつつ伺いたいのは、アメリカのカーター大統領による政権ができまして以来、いわゆる在韓米軍の撤退問題が現実の政治課題となっております。さてこの場合、在韓米軍が撤退をいたしていくということは、この大綱のいわゆる国際情勢の大きな変化と政府は考えておられるかどうか伺いたい。
○三原国務大臣 カーター政権として在韓米軍のことについて削減されるということが言われておりますけれども、まだ、その具体的な内容等についてははっきりいたしておりません。
 なお、仮に削減をされるという場合におきましても、朝鮮半島の安定を損なうようなことではなされぬであろう、したがって、その規模でございまするとか、あるいはその時期、あるいはこれに対しての代替策等が十分考えられての措置であろうと思うわけでございます。したがって、そういう点について韓国とはもちろんでございまするが、日本とも十分な話し合いをすると言っておるわけでございまするから、いま、この問題がお説のような情勢の重要な変化だというような受けとめ方は、私どもの方ではいたしておりません。
○永末委員 この一月に、フォード政権の国防長官をやっておりましたラムズフェルドが報告書を提出をいたしましたときに、このようなことを述べております。「在韓米師団は抑止機能に加えて当初の対応能力を提供し、その後の増援の基盤となる」、つまり、もしここで紛争が起こるならば、アメリカの在韓地上軍というのは、それに対する対処能力を備えた軍事力であるということを明確にしているわけですね。そういうものがいなくなった場合にも、軍事的に見れば情勢に大きな変化はないというのが防衛庁の御見解ですか。
○三原国務大臣 アメリカ自身が朝鮮半島に不安を来すような処置はいたさないという立場に立って見ておりまするので、したがって、仮に先ほども申し上げましたように削減をすることがありましても、それに対しましての対処策というようなものが十分考えられ、また日本との関係におきましても御相談をなさっての上であると思いますので、いまの御質問のような点におきましては、私は急激な変化が起こるというようなことは考えておらないのでございます。
○永末委員 あなたの丸山次官が昨年の十一月八日に次のようなことを言われたと新聞報道は伝えております。「朝鮮半島に平和維持のメカニズムが確立されないうちに、カーター新政権が在韓米軍の撤退に踏み切ることになれば、わが国の防衛計画の大綱は見直しをしなければならないだろう」こういうのですが、だから別に丸山次官のその当時の認識はそうであっても、必ず平和維持のメカニズムができるから何ともない、こういうお考えですか、現在は。
○三原国務大臣 現在の国際情勢なり、また米韓の現在の交渉と申しまするか、関係地上軍なりの削減等の問題等は、私は丸山次官がそういうことを言ったということは書き物で承知をいたしておりまするけれども、防衛庁自身は、先ほど申し上げましたとおり、急激な変化があろうとは思いません。そう考えておるのでございます。
○永末委員 たとえ在韓米軍の撤退が何ぽか行われても、全部か何ぽか、これはまだあなたはわからぬと言われますが、それの埋め合わせをやるであろうというのですが、先ほど引用いたしましたラムズフェルド国防長官は、同じ場所で「短期的には沖繩の海兵隊、戦域航空戦力を増派でき、必要な場合には、さらに空地戦力を増援できる」、こういう見解を述べて、在韓米軍の撤退問題についてのコメントをいたしておるわけでございます。
 さて、新聞の伝えるところによりますと、あなたの方では内部で、この問題を検討されまして、そうして「在韓の米軍司令部の機能および最小限の実戦部隊を継続して駐留させるべきである。」それが保たれれば地上兵力は、その他のものが撤退してもいいのだというような見解をまとめられたとか、さらにはまた「在韓米空軍の撤退に際しては在フィリピン、在日本など周辺基地、近海配備空母からの発進によって対韓防空が保障されること。」こういうことを言われておるようでございます。こうなりますと、このアメリカ軍の撤退のかわりに、わが国の基地からアメリカ空軍が韓国へ向けて発進することを、あらかじめ、わが方としてはオーケーして臨むのだというように聞こえる。あるいはまた沖繩の海兵隊が当該地域に出動することを、われわれはあらかじめ了承しているように聞こえる。あるいはまた、このアメリカ空軍の支援部隊が来るといたしますと、それは韓国の飛行場はきわめて限られており、また、そういう事態には使用不可能な場合がございますから、そうなると日本の飛行場に来るのかもしれませんが、その場合に基地のリエントリーを認めるというようにも聞こえる。これらの点は、あなた方はどうお考えですか。
○三原国務大臣 この問題につきましては、私どもこの推移は十分に注意をいたしておるわけでございますが、しかし、先ほど申し上げましたように、削減に対しまする具体的な内容等は、私どもには全くいまのところ、はっきりいたしておりません段階でございまするので、いま、このことについてとやかく申し上げることはできません。
○永末委員 相手方がそういうつもりになっておる証拠を私は申し上げたのであって、相手方のことはよくわからぬとおっしゃるのなら、あなた側の方から流れた情報ですから、そういう場合には在日本などの周辺基地から対韓防空が保障されることが必要だとあなた方は考えておるわけですか。
○三原国務大臣 重ねて申し上げるようでございまするが、現在の段階におきましては、情報としていろいろなことが流れておることに対して注意しながら研究はいたしておりまするけれども、具体的にどういう形でアメリカがその規模あるいはその時期あるいは代替策を考えるかというようなことについては、まだ明確でございませんので、いま私がお答えをすることは控えさしていただきたいと思うのでございます。
○永末委員 そうすると、この新聞記事はうそですか。
○三原国務大臣 いろいろな情勢の推移については、先ほど申しましたように十分な注意を払い、研究をいたしておるわけでございまするけれども、重ねて申すようでございまするが、具体的な態様が明確でない時点で、どうだというようなことを私どもで決定をいたしておるわけでもございません。この点、御了承を願いたいと思うのでございます。
○永末委員 地上部隊、在韓米軍が撤退いたしますと、空軍は残っております。しかも、この空軍は、わが東京の府中にございます第五空軍の指揮下にあるのであります。だといたしますと、わが国に展開しておる第五空軍と、韓国におります。烏山におります第五空軍派遣隊、飛行師団とは、いわば同一指揮下にある。したがって、もしこの地域に紛争が起きますと、いやおうなしに、わが国がこの紛争に巻き込まれる構造になっておる。したがって、私どもは何とかして紛争を起こさせないようにしようということを努力せねばならぬと考えます。
 総理大臣は、在韓米軍の撤退というのはアメリカと韓国の問題だからおれらは余り関係ないのだというような意味合いのことを当委員会で述べられたと伝えられておりますが、しかし、わが国の安全についてきわめて重要な問題だから、いまのようにアメリカ側の沖繩の基地の使用だとか、あるいは基地のリエントリーだとかというような観測気球が揚がっておるのでございまして、これは相手方がわかってから考えるのではなくて、わが方も主体的にやはり研究をし、そうして対応し、アメリカ側に対してその真意を尋ね、そうしてやっていく問題ではなかろうかと思いますが、この在韓米軍撤退問題についてのわが国の安全保障という点に関しての総理のお考えを、この際ひとつ承っておきたい。
○福田内閣総理大臣 私は、この問題につきましては非常に注意深く申し上げているのですよ。つまり、在韓米軍の撤退問題は基本的には米韓間の問題である。わが国としては、朝鮮半島における微妙なバランスが、この問題によって崩れるというようなことのないように希望する、こういうふうに言っておるわけであります。基本的には米韓間の問題である、まさに私はそのように思います。
○永末委員 昨年十一月五日、国防会議並びに閣議で、防衛計画の大綱の実施について、当分の間、防衛費は国民総生産の一%に相当する額を超えないのをめどにする、こういうことを決められたようでございまして、従来、坂田防衛庁長官時代は、防衛費はGNPの一%程度という言葉が使われておりました。言葉が変われば内容が変わるのかどうか。変わったのでしょうか、お答えを願いたい。
○三原国務大臣 一%程度ということと一%を超えないということについて、国防会議におきましても、現在の国際情勢なり国内の経済、財政の状態等から論議のあったところでございました。その際に「程度」という言葉と、それを「超えない」ということで、ついに「超えない」ということに最終結論がなったわけでございまするが、論議がされたということは、私は一つの意味を持っておるなという受けとめ方をいたしておるのでございます。
○永末委員 わかりやすく申しますと、程度というのは一%を超えることがある。今度は超えないことをめどにする。めどというのは、わからぬわけですね。大蔵大臣、めどという言葉をよく大蔵省も使いますが、めどというのは、めどでございますから上がることもあるのですか。
○坊国務大臣 めどという言葉はお説のとおりよく使いますが、限定的に正確にどうということについては私はめどがついておりません。
○永末委員 国民としては、めどをつけた形で国民にお願いをしていただかないと、よくわからぬわけですね。早くこれはめどをつけていただきたいのでありますが、ここにも「当面の間」という言葉を使ってございますね。これは先ほどの当分というのと同じでございますか。それとも伝えられるところによれば、中期経済計画、五十年代の前期経済計画だというかたい、これこそ、めどを持って言われた言葉と伝えられる向きもございますが、ここの「当面の間」要するに防衛費とGNPとの関係について「当面の間」と言われるのは、どれだけの間ですか。
○三原国務大臣 その当時、やはりこれが問題になったことでございまして、その当時は予算的な立場で論議がされておったことを承っているわけでございますが、この当分というのは、先ほど申しましたように、そのときには、はっきり大体四年ぐらいということで論議がなされたことを承知をいたしております。
○永末委員 そうしますと先ほどの御答弁とあわせますと、情勢の変化等々という言葉では出ているけれども、四、五年というのが一つの期間的なものであるし、予算については四年ぐらい、これは物の考え方が違うと考えていいわけですね。
○三原国務大臣 予算上につきましては、大体経済上のある程度の見通しがつきますから、そこで四、五年というようなことで、はっきりした数字が審議の中で出てまいったと思いまするが、国の防衛の心配のないようにやってまいりますにつきましては、情勢の変化が、先ほども先生申されましたように、急激な変化があるということがございますので、それは数字的に四、五年というようなはっきりしたものではなくて、いまの国際情勢なり、あるいは国際政治構造等の判断等をいたしまするので、それを明確に四、五年というようなことというよりも、まあ私どもがいま判断をいたしまして、ここ当分というのは、そういう意味での、私は先ほど申しましたのは四年か、あるいは三年になるかもしれませんけれども、国際情勢なり国際政治構造の非常な激変というようなことがございますれば、私はそれは数字的に申し上げることは非常に困難だ、こう判断をしなければならぬと考えておるのでございます。
○永末委員 言葉として、当分と書く場合と「当面の間」と書く場合とは字が違うわけですが、内容も違いますね。これを伺っておるわけです。
○三原国務大臣 使い場所によって、いま申しましたように予算上の措置あるいは国際情勢、そういう面において、ひとつ御判断を賜りたいと思います。
○永末委員 総理大臣、そういう判断はやはりわが国の資源配分に関する重要な問題でございますね。こういうようなのはどこでお決めになりますか。やはり国防会議で議長が、その他のことを全部見計らってお決めになりますか。
○福田内閣総理大臣 当分の間というのは、これは国防会議の別室におきまして大蔵大臣と防衛庁長官が協議した結果を私どもが了承する、こういうことになったわけであります。
○永末委員 この基盤防衛力構想による防衛計画の大綱は、どういう量なのか、その量がはっきりしていない。いままでの計画は量だけははっきりしておったのでありますが、したがって、その量について何を考えておられるか、これを明らかにしておきたいと思います。
 大綱の言葉でございますが、この基盤防衛力構想に立って、「防衛力の現状を見ると、規模的には、その構想において目標とするところとほぼ同水準にあると判断される。」これはよくわからないわけですね。何か理屈を立てて、基盤防衛力構想に立って、ある量を考えてみた。振り返って、いま持っておる現状勢力を見ると大体似ておったというのですが、これはなぜ似たのですか。このことを考えたある人によると、たまたまそうなったのだというのですが、そんなものなんですか。しかし見方によれば、そうじゃなくて、いまあるものでいいんだということを国民に植えつけるために、逆に理屈を考え出したという議論もあるわけです。この辺のいきさつを明らかにしていただきたい。
○三原国務大臣 具体的な経過等がございますので、政府委員から答えさせます。
○伊藤(圭)政府委員 先ほど来の御議論がございますが、今度の基盤的防衛力というのは、やはり国際情勢が大きく変化しないという一つの前提を持っているわけでございます。御承知のように、一次防から四次防までというのは、いわゆる所要防衛力という考え方のもとに、量的に、あるいは質的な増勢ということで計画を進めてまいったわけでございます。しかしながら、御承知のように一次防から四次防に至る間といえども、その五年間の整備する具体的な内容はお決めいただきましたけれども、いろいろな情勢によって必ずしもそれは達成されておりません。
 そこで、昭和四十八年の二月に一度、防衛庁で平和時の防衛力というのを考えたことがございます。このときの考え方に似ているわけでございますが、現在のこのような情勢のもとにおいて、均衡のとれた防衛力というものはどういうものであろうかということを私ども研究したわけでございます。その際に、均衡のとれたというのは、従来、正面装備といいますか、そういうものを伸ばすということに大変努力してきた関係もありまして、後方支援体制との関係におけるアンバランスあるいはそのほか諸種の問題があったわけでございますが、防衛力としてまとまった力を出せるようなもの、そして、この現在のような情勢のもとにおいて、とりあえず十分な警戒態勢をとれるというようなもの、そしていわゆる適正に配置されておって、小規模な侵略というものがあったときには直ちに組織的な対応ができるというような観点から検討いたしました結果、四次防まで努力して整備してまいったその防衛力というものが、その後方支援体制等整備いたしまして均衡のとれたものにしたならば、いま考え得る奇襲的な小規模なものには十分対応できるだろうし、また平時において必要な警戒態勢等もとれるのではないか、そういう判断をいたしたわけでございます。
 なお、先生が御指摘いただきました数字がないではないかというお話でございますが、大綱の中に数字として出ておりますのは、別表に出ておりますが、陸上自衛官の十八万の定数、それから海上自衛隊の主要な艦艇の隻数、それから航空自衛隊におきましては飛行機の機数というものが出ております。これは、いわゆる陸海空の自衛隊の実力といいますか、そういうものを表現するのは陸の場合には主として人であり、それに伴う装備品ということになると思いますし、海空におきましては、それぞれ艦艇、航空機、それが主要なものであるという判断でお示しをいただいたというふうに理解をいたしておるわけでございます。
○永末委員 四次防は、その真ん中において狂乱物価のために、きわめて装備品の単価が上がりました。したがって、最初考えられた計画を達成せずして終わっております。戦車、車両、護衛艦あるいは航空機、それぞれ相当な程度未達成でございますが、四次防の未達成はどの程度で終わりましたか、お知らせを願いたい。
○三原国務大臣 内容等、技術的な問題等もございますので、政府委員から説明させます。
○伊藤(圭)政府委員 四次防の主要項目で決めていただきました主要な装備品につきましての、未達成分について大きなところを申し上げてみたいと思いますが、まず、陸上自衛隊におきます戦車、これは計画といたしましては二百八十両を計画いたしておりましたが、三十一両が未達成になっております。それから装甲車は百七十両計画で持っておりましたが、六十両が未達成になっております。海上自衛隊の艦艇につきましては五十四隻、六万九千六百トンを計画として持っておりましたが、そのうち十七隻、二万一千三百トンが未達成になっております。航空自衛隊におきましては、航空機全体で二百十一機計画いたしておりましたが、四十二機が未達成になっております。
○永末委員 先ほど読み上げましたところに従って、基盤防衛力構想によって所要とされる量を考えた場合、それが現状と同水準であるというのは、この未達成のままの現有勢力を指しておるのですか。
○伊藤(圭)政府委員 この未達成のままと言いましても、数字そのものがこれに当たるというふうには私どもは考えておりません。しかしながら、この未達成で終わりましたものは、基盤的防衛力を整備していく過程におきまして必要なものはその中に入れていくという考え方をとっているわけでございます。
○永末委員 あいまいなことを書いているからよくわからぬのでして、政治問題でございますのでひとつお答え願いたいのですが、四次防というのは、これが策定されたときに、五年間の計画でございますから五兆円以上の金がかかるというので、相当な政治問題になった問題でございます。しかし、それだけなければわが国の安全が守れないという政府側の言葉があり、当時の防衛庁長官は、陸、海、空に分けまして、それぞれパーセンテージまで挙げて、この程度いけるのだ、所要防衛力からすればこの程度だというようなことまで言ったのでございますが、いまや明らかになったように、艦船にいたしましても、戦車にいたしましても、航空機にいたしましても、二割、三割、一割、それぞれその当時考えたものの水準に達していないのであります。
 したがって、ことしから新しい基盤防衛力構想でやっていくというのだったら、いまの場合それも入れるような話でございましたが、理屈としては未達成のまま打ち切って進んでいると見ざるを得ません。そうですか。
○三原国務大臣 これは、国防会議でいまの論議をいたしました際に、四次防の未達成の分については、一応その時点で打ち切って新しい態勢に進むということでまいったことを承知いたしております。
○永末委員 総理大臣、これは国防会議事項でございまして、福田総理大臣とされましても、大分前の内閣でつくった四次防でございますが、未達成であるけれども福田内閣のときに四次防は打ち切った、このように理解をされて臨んでおられますか。お答えを願っておきたい。
○福田内閣総理大臣 打ち切ったかどうかという、そういう意識じゃないのです。つまり、いままでは一次防、二次防、三次防、四次防とありまして、量的拡大、これを追求してきた。しかし、その間、いまお話しのように未達成という問題も起こるし、あるいは量的拡大を追うの余り、内容の充実、特に後方体制、そういうものが非常に欠けておる。そういうようなことをいろいろ考えまして、量よりは質だ、量的拡大を追うという考え方よりは内容の充実に移るべきである、こういう転換をいたしたわけであります。
○永末委員 防衛庁長官はいま、国防会議で議論した結果打ち切ったとおっしゃったわけです。しかしあなたは、そういうことではないと言われるのですが、量から質へなどというのは別な話です。
 要は、問題は、いままでの四次防というのは正面兵力の兵器調達計画であった。その中でこれこれまではつくったが、あとはつくらなかった。この基盤防衛力構想で本年度の予算を国民にお願いするに当たって、それをこの予算で入れておるのか、それとも、もうそれはなくして、新しい構想に立つ船や航空機のお願いをしておるのかということを国民は知りたいから、一番の責任者であるあなたはどっちの観点に立っておられるのか。それがはっきりしなければ、たとえばことしの予算で二杯の護衛艦の予算が出ておりますが、これは四次防分をやっているのやら、基盤防衛力構想による護衛艦か、国民はわからぬですね。それでお聞きしているのです。お答え願いたい。
○福田内閣総理大臣 さような御趣旨でありますれば、基盤整備計画に従って五十二年度予算は措置しておる、こういうふうに御理解願います。
○永末委員 福田さん、うまいこと答えられますが、基盤防衛力構想だからこれをつくっておられるのだが、その場合に、四次防は五十一年度で終わる。しかし、未達成だが、それはこれからの予算では見ることなく、すべて基盤防衛力構想の中でやるのである。したがって、きっちりした言い方を申しますと、五十一年度で達成したもので四次防計画は終わる。この立場に立って進んでいくということですね。
○三原国務大臣 先ほど私は、四次防の積み残し等の問題がございましたが、一応打ち切りにしてということを申し上げました。いま総理から申されましたことも含めて申し上げますと、四次防の欠落なり、残っておるような問題も次々に出てまいるわけでございますが、新しい基盤防衛力構想に基づく防衛計画大綱というものを策定したものでございますから、四次防の時期におきまして、どうしても今後の基盤防衛力構想に基づく防衛計画大綱に入れねばならないものは、そこで整理をして入れたものもあろうと思いますが、そういうことで、一応四次防という時点で積み残しておるとかいうようなものは、そこで整理をして区切りをつけてまいったところでございますので、総理が申されましたのもそういうことだと思うのでございます。
○永末委員 この大綱には「軍事力をもってする不法行為」に対処するという言葉がございますが、これは新しい言葉でございまして、どういうことを言っておるのか。自衛隊法によりますと、その三条では、間接侵略と直接侵略並びに治安を維持するために自衛隊は動くことになっておりますが、この「軍事力をもってする不法行為」というのはどういうものですか。
○伊藤(圭)政府委員 「軍事力をもってする不法行為」といいますと、組織的に行われる間接侵略なんかもあると思いますし、また、海上におきまして水中から攻撃を受けるということも一つの軍事力による不法行為というように考えておるわけでございます。
○永末委員 自衛隊法三条は、自衛隊の発動は、「直接侵略」、「間接侵略」、「必要に応じ、公共の秩序の維持に当る」と、三つ書いてあるわけですね。このうちに入るのですか、入らぬのですか。
○伊藤(圭)政府委員 「軍事力をもってする不法行為」というのは、間接侵略、直接侵略には該当しない事態でございまして、たとえば、わが国近傍海域にある邦船に対して行われる軍事力をもってする示威、恫喝あるいは臨検、拿捕あるいは隠密的な破壊行動などのほか、示威、恫喝を行う領空侵犯、領海侵入等の事態を考えているものでございます。その中には海賊行為というようなものもこれに入るというふうに考えておるわけでございます。
○永末委員 法律によって定められている自衛隊の発動の中に新しい一項目をつけ加えるという御趣旨ですか。それとも、いままでの法律のどこかに準拠してこういう行動ができるというお考えですか。
○伊藤(圭)政府委員 法律による新しい行為というのは考えておりません。海上におきます警備行動、これにつきましては、自衛隊法の八十二条がございます。それから八十四条には領空侵犯に対する措置というのが決められております。そういう範囲の行動でございます。
○永末委員 法制局長官、それでよろしいか。
○真田政府委員 自衛隊が行います、あるいは行うことができる行為の範囲はもちろん法律によって定められているものでございまして、法律によらずして、勝手に行動の範囲を広めるようなことができるわけはございません。
○永末委員 この自衛隊が発動いたします場合、「限定的かつ小規模な侵略については」、「極力早期に」、「原則として独力で排除する」と、こういうことが大綱で決めてございます。いままでは通常兵器による限定的な侵略の状態に対して有効に対処するというような言葉でございましたが、「小規模」という言葉が入りました。「小規模」の「小」というのはだれがどこで判断するのですか。
○伊藤(圭)政府委員 従来考えられておりましたのは、通常兵器による侵略という漠然とした概念でございました。しかしながら、この基盤的防衛力を検討するに当たりまして、現在の国際情勢から判断いたしまして、日本に行われる侵略というものは、きわめて、その目的なり期間なりあるいは手段、そういったものが限定されるであろうという判断をいたしました。したがいまして、そういった限定された侵略というものを小規模というふうに判断したわけでございます。
○永末委員 限定されておるかどうかは後からわかるのであって、始まったときにはわからぬのでございまして、したがって、いまそれは言葉の解釈でございましょうが、何かが始まったときにどうするかということはどこで判断するのですか。
○伊藤(圭)政府委員 どうして判断するかということでございますが、先ほども御説明しましたことを繰り返して申し上げるようでございますが、こういう国際情勢、いわゆる平和に対する仕組みというものができている状況のもとにおきましては、様相がきわめて複雑でございますが、大がかりな準備をしてくるというようなことになりますと、それはまたそれなりに察知する方法もあると思います。
 したがいまして、小規模なものというのは奇襲的なものでございまして、こういった準備なしに行われるような侵略、そういったものが一応いま申し上げました目的、手段、時期、期間、そういうものが限定された小規模のものになろうか、そういう判断をいたしておるわけでございます。
○永末委員 国防会議議長である内閣総理大臣に伺いたいのですが、日本の場合、アメリカとの安全保障条約があり、そして大国間の谷間におるわけでございますが、そういう構えでおるときに、いまのようなちょっとつばをつけるような奇襲攻撃、その政治目的が何であるやら大綱は明らかにしておりませんが、そんなことがちょっと起こる。それだけに準備したらいいというようなことがあるのでしょうか。もしわれわれが攻撃の対象になるとしますと、本当に致命的な被害をこうむるかもしれないし、あるいはそうでなければ、そんな妙なことをするところは私はないと思う。
 私は、この大綱を読みまして一番気になることは、きれいに書いてあるけれども、自分で勝手に状況を想像して、それには対応できます。そのための税金は使います。しかし、それが起こらないかもしれない。起こる公算より起こらない公算が大である場合に、一体それで国民の税金を有効に使っていることになるだろうか。むしろ、それよりは、事の実態を率直に国民に説明をして――私は、兵器で国が守れるとは思いません。国民がその気にならなければわが国の安全は保たれませんが、言葉ではなおさら守れない。国民の命を預かっている最高責任者は総理大臣でございますから、そういう準備でやられるべきではなかろうか。小規模なら極力、しかも原則としてやるというのですから、あっちこっちにハードルがつくってございまして、なるほどその限りにおいては基盤防衛力構想によるこの量でもって対処できるような気がするわけです。気がするだけでございまして、しかし、それは事の真相だろうかという非常な疑いを国民の側で持っている者がある。その辺のところはどうお考えですか。
○福田内閣総理大臣 ですから、私は、国を守るという大前提は、わが国の経済、社会、これが安定しておる、これが一番だと思うのです。この安定した社会を守る、こういう意識が国民の間にみなぎっておるという状態、これを前提にしなければ、いかなる防衛計画を進めましても、これはその意味が非常に薄くなる、そういうふうに思います。
 そういう前提にもとより立つわけでございますけれども、さて、軍備というものはなければ一番いいですよ。私は、世界じゅうのどの国も軍備をなくしてしまう、そして国際警察軍が世界の秩序を維持するという形になれば一番いいと思いますけれども、そういう理想はなかなか達成できません。そういう過渡期間におきまして、わが国はわが国の国民の安全について責任を持たなければならぬ。そういう際には、いつどういうことが起こるからそれに対してこうするのだという意味合いでなくなると思うのです。こういうことが、ああいうことが起こるかもしらぬ、起こった場合にはどうするのだという構えにならざるを得ないと思うのです。どこの国だって、侵略だ、戦争だ、そんなものは好んでおらぬと思うのです。しかし、世界じゅうのどこの国も、釈迦やキリストばかりではありませんから、何かわが国との間に紛争が起こらぬとも限らぬ。その未必の事態に対しまして万全の備えをしておくということがわが国の防衛の基本的な考え方でございます。
○永末委員 大綱は次のように書いております。「迅速かつ有効適切な行動を実施する」「指揮通信」「必要な機能を発揮し得る」という言葉がございますが、それにのっとったか、ことしは市谷から三沢等にマイクロ回線をつくろうというのでございます。
 かつてミグ25が函館空港に参りましたときに、総理大臣はこの事件を知るのに二時間以上を要したと伝えられておる。まさに、最高首脳部が、わが国に異変が起こったときに、事防衛、安全保障に関することで知らされる時間が非常に長いということは問題でございます。先日、アメリカ大統領カーター氏は、核攻撃等で地中の戦闘指揮所が破壊された場合に、空中に飛び上がってやる、こういうのをアメリカ側は用意をしておりまして、臨時空中戦闘指揮機とでも申しますか、その飛行機に乗って――これは一機ではございません、数機用意してかわりばんこにやるのでありますが、その航空機に乗って自分の出身地でございますジョージア入りいたしました。
 総理大臣、一たんそういう妙なことが起こったときにあなたはどこにおられますか。自衛隊を防衛出動させなくちゃならぬような重要な問題が起こったときに、あなたはどこにおられることになっているのですか。
○福田内閣総理大臣 私は、総理大臣官邸におると思います。
○永末委員 総理大臣官邸には、その起こってくる情報がどういう方法で通達されるとお考えですか。官房長官かな、こんなことを知っているのは。
○園田国務大臣 いまの問題、大事でございまして、かつて防衛隊本部に一部の学生が侵入したことがございます。そして機動隊に援助を求めたことがあります。その後の閣議で議論がありまして、何か騒動があったらどうするんだ、官邸は封鎖をされ、電線は切られる、そういう場合にはどういう方法をもって総理大臣の機能を発揮するのかという議論がございました。これはきわめて重大なことでございますが、残念ながら、いまのところは有線電話以外にはございません。
○永末委員 よその国ではやはり安全保障の最高責任者はいろいろな場合を想定し、どこにおるかということをきちっとやっておるわけですね。先年フォード大統領がわが国を訪れましたときにも、アメリカが全世界に展開しているいろいろな戦略軍あるいはミサイル基地等に対する指揮権は彼一人が持っておるわけでありますから、そのための命令を発する機器であるブラックボックスを持っておる。なるほど持っておりましたですね。しかし、わが国の総理大臣も一億一千万人の日本人の命を預っておりますから、どこにおるかということがはっきりしていなければならないし、そのためには、いまのような危急の場合の指揮、通信系統というものは明確になっていなければならぬ。ことしは市谷から始めるというのですが、だから私は昨年のミグ25の事件を申し上げたのであって、あのときに首相官邸におられた三木さんに到達するのに時間がかかっておる。
 いま総理大臣は官邸におるでしょうと言われたが、官邸にその装置かなければ、あなたはその異変を承知することができないではありませんか。市谷へ行かれるのですか。あるいはまた、官邸になければその装置をしなければならぬのではないですか。いかがですか。
○福田内閣総理大臣 防衛庁長官から、時を移さず通報があると思います。
○永末委員 防衛庁長官は、どういう方法で総理大臣にいまのような異変が起こった場合の通信をされますか。
○三原国務大臣 実はこの問題、防衛庁におきましても、有事の際の最高指揮所というようなものをつくるべきかどうかということが懸案になって今日まで来ております。しかしながら、現在のところ、これをどうするということになっておりませんが、とりあえずは、いまお話が出ております自衛隊の市谷の通信のセンター、そこにおって、全国的にそうした回線を整備しようということであるわけでございます。
 御質問の、最高指揮者でございます総理に対する問題でございますが、まず、やはり総理がそういう有事の際に常時官邸におられるかどうかということもありましょうけれども、官邸におられるとなれば、官邸に対してやはりいまのところ一番早いのは通信網でございましょうから、通信網を整備するということも考えねばならぬと思います。あるいは人をもって私から連絡を電話でする、そして指揮命令を受けるということになろうと思いますけれども、そういう点については、私は、今後のやはり大きな懸案であるなと思います。しかし、総理があくまでも官邸におられますれば、そのおられるという立場でいまお話がございましたから、そういう点で、通信網を特設してやっておかねばならぬなということをいま考えておるところでございます。あらゆる方法で処置せねばならぬと考えます。検討さしていただきます。
○永末委員 ミグ25がいろいろな教訓をわれわれに与えましたけれども、一つの教訓は、総理大臣のみならず防衛庁長官に対してもおくれたわけでございまして、その自衛隊を動かす、あるいはそれに指揮をする最高指揮者に異変が到達しない。なぜか。それは独自の通信機能を持っていないからであって、いま三原長官も電話でやる。電話でやっているようでは届きはしませんよ。警察は警察電話がある。鉄道は鉄道電話がある。防衛庁はない。ないからこそ今度マイクロ回線をつくろうというのですが、そういう点が、言葉では、この防衛計画の大綱は一応の完結性を持つ、小規模な侵略に対しては即時対応ができると、こういうのですが、できはしないじゃないですか。一番重要なその命令を下す人に対する状況の通信すらまだできていない。基盤防衛力の基盤が大体疑わしくなりますね。
 これはどういう手順でやられますか、ひとつお答え願いたい。
○園田国務大臣 異変が起こる場合には予告がないわけでありますから、異変が起こってから最高連絡所または最高の指揮所の設置はできないわけであります。したがいまして、特にいまのところ幸いにして国内騒動等のことは想像できませんけれども、異常な災害などという準備をしておかなければなりませんので、官邸から各所、警察あるいは防衛庁、それから官邸と総理の私宅との連絡網というものは、直ちにこれは整備しなければならぬと思います。これは真剣に検討いたします。
○永末委員 大綱には次のようなことがあります。「主として機動的に運用する各種の部隊を少なくとも一個戦術単位有していること。」また珍しい言葉が出てまいりまして、その「戦術単位」というのがよくわからない。また、「機動的に運用」、これも言葉でございまして、機動的というと何でも使えるように思いますね。昔海軍にも機動部隊というのがございましたけれども、この「一個戦術単位」とか、「機動的に運用」できるとか、それは何ですか、一体。
○伊藤(圭)政府委員 陸上自衛隊の各師団というのは、それぞれ平時地域に配備している部隊でございます。それに対しまして、たとえばこの機甲師団とか、あるいは特科団とか、これは火砲を持っているグループでございますが、空挺団、教導団、こういったものは必要なところに配備して、平時配備している部隊の戦闘力を強化することができる機能を持っている部隊であるということでございます。また、海上自衛隊におきましては、それぞれの地方隊にその沿岸警備の部隊を持っておりますが、それと別個に、基幹部隊と申しますか、水上艦艇部隊を中心としたいわゆる機動運用の部隊がございます。
 こういう機動して一つの戦闘力を非常に強く付加できるような部隊という意味で機動運用部隊という言葉を使っているわけでございます。
○永末委員 そうしますと、それ自体完結した部隊ではなくて、基幹部隊に参加した場合、その基幹部隊の力を増強するというような意味のもののように思います。
 さて、量がはっきりしないということを先ほど申し上げましたが、たとえば戦車を取り上げますと、定数は千百十だということになっておる。もし戦車の耐用年数が十五年ぐらいだと考えますと、毎年毎年更新すべき予定数は七十三両ということになります。ところが、四次防の最近三年間の更新台数は四十三両であり、三十両の差がある。ことしの予算では四十八両の更新がうたわれておる。これでは一体、定数で千百十ということを言われておるけれども、全く届かないではないか。何年たったら届くのか。いまのスピードでは届き得ない。届き得ないものでもやはり基盤防衛力として認められるのか、戦車はどうするのですか、お答え願いたい。
○伊藤(圭)政府委員 いま先生は戦車の例をお挙げになりました。これは十八万で現在の十三個師団、この編成に伴いまして、それぞれの師団が戦闘力を発揮できるために必要な戦車という数字ではじいておるわけでございます。しかしながら、この千百十両という定数につきましては、実は過去二十数年間全部を満杯にしたという経験はございません。一番多いときで八百九十両程度であったと記憶いたしております。したがいまして、現在におきましては十年ないし十五年ということで機械的に計算いたしますと、まさに七十両程度をつくらなければならないわけでございますが、いろいろな財政事情その他から判断いたしまして、現在の十三個師団、千百十両の中にはいわゆる整備用のものとかいろいろあるわけでございますが、少なくともこの十三個師団がいわゆる戦車を装備して十分な教育訓練が行われる範囲ということで、私どもはとにかく八百両程度以上にはしたいということで努力してまいっておるわけでございます。したがいまして、三次防、四次防にわたりまして年間六十両という生産ペースを維持してまいったわけでございますが、あの石油危機以降これがダウンしております。したがいまして、できるだけこの生産を上げる努力は今後も続けてまいりたいと思っておりますが、現在持っております。八百両以下のところでございますが、実はこの中にはアメリカからもらいましたM41というようなのもまだ残っているわけでございます。したがいまして、この教育訓練に必要で、そしてまた最小限の戦闘力を発揮できるその数字を目指して今後とも努力してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○永末委員 時間が大分なくなりましたので、簡単にお答え願いたい。
 総理大臣、この大綱をつくるについての「日本の防衛」という、いわゆる防衛白書がその前に出されたのですが、こんなことが書いてあるわけですね。「数量的にはともかく性能的には世界的水準に劣らない高度のものを装備し」と書いてある。ところが、いまお話が出ていましたように、M41戦車という第二次世界大戦でアメリカが使っておったものをもらっておる。これが一二%もあるわけですね。それから六一戦車、これはわが国の生産でございますが、これが五一%。しかしこれは三年前に、もう古くなったというので七四戦車に切りかえられておる。これが実情なんですね。そうしますと、基盤防衛力だから高度な世界的水準だ、こう言って、言葉はなりておるけれども、実態がそうなっていない。もしそういう七四戦車が必要なら国民に訴えなくてはなりませんね。戦車が不必要ならやめられたらいいわけでございまして、この辺の、書いてあることとやっておることが非常に違っておる、これはどう思いますか、防衛庁長官。
○三原国務大臣 劈頭から申されましたように、また総理も申されましたように、基盤的防衛力を整備するに当たりましては、やはりどうしても国民的なコンセンサスを得る必要がある、この点につきましては私どももそういう立場で、防衛なり日本の安全保障の基本的な問題は、第一には国民の支持、支援、御理解、そういうものが第一であり、そうして憲法に制約されたところで自衛隊を整備するわけでございます。なお、安保条約を堅持していくというようなこともございましょうが、そういう点で国民の支持を受けますようにこれから先も努力を続けてまいる所存でございます。
○永末委員 時間がございませんので先を急ぎます。
 海についても一言伺いたいのは、四個護衛隊群をつくっておるけれども、四個護衛隊群の中で、長期修理だとか訓練だとか、いろいろございますから、実動されるのはその四分の一、一個護衛隊群である。わが国は日本海と太平洋がございますから、素人考えからすれば、太平洋で動くものと日本海で動くものと、二個欲しい。そうなりますと、四分の一可動だとしますと五個護衛隊群なければならぬと思いますが、そうでなくても基盤的防衛力はこれでよろしい、概成しておる、こういうお考えですか。
○伊藤(圭)政府委員 いま先生がおっしゃいました、四個護衛隊群があって一個護衛隊群だけが可動だというのは、少し実情と違っております。私どもが判断いたしましたのは、四個護衛隊群を持っておりますと、最も練成された勢力として一個護衛隊群は確保できるだろうということでございます。そういう意味から申しまして、かつて四個護衛隊群あるいは五個護衛隊群という議論がございました。私どもが精密に検討しましたところでは、五個護衛隊群を持っておりますと、完全に常時二個護衛隊群というものは高練度のものを維持することができます。しかしながら、四個護衛隊群にいたしましても、完全とはいきませんけれども、大部分の期間というものは一個護衛隊群完全な高練度のもの、それから第二番目の高練度といいますか、かなり練度の高いもの、この二個護衛隊群というものを維持することが不可能ではないというふうに判断をしたわけでございます。
○永末委員 今回の基盤防衛力構想で抗たん性をひとつ保持せねばならぬ、こういうことでございますが、その中で従来からわが国の持っておるレーダーサイト防衛がないではないか、わが国の滑走路はきわめて脆弱であって、攻撃を受けた場合にほとんど急速修理能力がないではないか。並んでおる高価なわが方の戦闘機は、掩体がないから野ざらしであって攻撃にきわめて弱いということが言われておりました。これらについて本年度予算も全くそれに対する手当てをいたしておりません。抗たん性を上げるということはもうやめたんですか。
○伊藤(圭)政府委員 いま申された点につきましては、この防衛計画の大綱の際の一つの反省事項であったのは事実でございます。これは航空自衛隊が三十四年以来非常に性能の高い飛行機を持っておったということだと思いますが、ことしやっておりますことは、たとえば移動可能な三次元レーダーとか、そういった意味の抗たん性というところは努力いたしておりますけれども、いま申されましたような掩体壕あるいはレーダーの基地におきますものというところまでは、本年度は予算化するというところには至らなかったということでございます。
○永末委員 書いたとおりにやる順路を明らかにして、国防会議で練り上げて、やはり国民にお願いする。それでなければ基盤防衛力でも何でもない、こういうことになりますね。
 さて、基盤防衛力という言葉はございますが、それが基盤であるためには、それを支える生産力がちゃんとしてないとだめでございまして、わが国の人糧費、人件費や糧食費を除いたそのほかの言うならば装備に関係する費用というのは、むしろ予算の率から申しますと近年きわめて減少いたしておりまして、そういう意味合いでは、通産大臣が来ておられますので一つ伺っておきたいのですが、いわゆる防衛産業というのは中小企業が多くこれに参加をいたしており、雇用問題にも関係をいたしまして、したがって、基盤防衛力などと申します場合には、やはりそれを支える生産力の点についても十分に考えなくてはならぬはずでございまして、研究開発につきましても、わが国の研究開発費はきわめて少ない。ことしはちょっとふえましたけれども、アメリカ、イギリス、ドイツ等に比べますと全くお話にならぬぐらいでございまして、そういうことが本気で一体わが国の安全保障を政府は考えているのかどうかを疑わしめるものがございまして、言うならば、基盤防衛力を支える基幹生産力、こういうものについて通産省でお考えがあるならお聞かせを願いたい。
○田中国務大臣 お答えいたします。
 わが国におきます兵器類の生産額は、昭和四十八年が約二千五百億円、四十九年が二千七百億円、五十年が三千五百億円と推計いたしておりますが、そのほとんどすべてが防衛需要によりまして賄われております。
 なおまた、兵器類の研究開発でございますが、兵器類の需要はほとんどすべて防衛需要でありますことから、防衛庁自身及び防衛庁の委託によりまして行われておる次第でございます。
 なおまた、本件につきましての防衛産業の実態でございますが、御指摘のとおりに非常に関連企業が多いという関係もございまして、特にその製品は多数の部品が必要でございますので、その構成から生産に当たりましては中小企業関連会社が分担生産、下請をいたしておるような構造を持っております。
 なお、詳細な点につきましては担当の政府委員からお答えをいたさせます。
○永末委員 通産大臣のお答えだけで結構です。あとはまた聞きます。
 さて、いままで明らかにしてきましたように、この基盤防衛力構想というのは、国際情勢、国際環境に対する判断というのが一つの条件になって構想せられておる。しかし、国際情勢の判断なんというものが防衛庁だけで行われるわけではなく、たとえばこれから新しい防衛体制に移る移行の問題、時期の判断、そういうようなもの、いままたお話ございました資源配分について、防衛関係の生産をどう配置しておくかということが問題でございまして、これらは私は国防会議がその任務をとらねばならぬ問題だと思いますが、現在の国防会議は防衛庁設置法でつくられておる、言うならば防衛庁の審議委員会みたいなものでございまして、それではだめだ、やはりもっとわが国の安全保障にストレートに取り組むそういう任務を持つ新しい国防会議、われわれは国家安全保障会議と称せられるような性格にして、単行法を出してこの防衛庁設置法から外してやるべきだと考えますが、実務をやっておられる久保さん、簡単にあなたの考えをお答え願います。
○久保政府委員 かねてから文民統制強化の見地上、国防会議の充実が叫ばれておりますが、その一環として、現在防衛庁設置法の中に書いてあります国防会議の根拠法規と、それから別途国防会議の構成等に関する法律というのが単独法でありますけれども、それを一本化して国防会議の充実並びに文民統制の強化を図ってはどうかという御提案が民社党及びその他の先生方からなされているということは私ども十分承知をいたしております。また、別途文民統制の強化に関する件に関連をいたしまして、国防会議の議員をふやすということもすでに閣議決定されております。そういった問題を含めて事務当局としては検討してまいりたい。そして、当然国防会議をいかに運営するかは国防会議の皆さん方及び総理の御判断でありまするので、私どもの検討した結果は総理と御相談申し上げたいというふうに思っております。
○永末委員 時間が参りましたので、最後の質問にいたしますが、締めくくりとして福田総理大臣からお答えを願いたい。
 安全保障の問題は、まず第一に政府がそういう身構えをして、そうして国民にその実態を知らす、そうでなければ国民の方がなるほどそうか、それならばおれたちの国だからおれたちで守ろう、そういう気持ちにはならぬと思うのですね。その一つの問題は、私は国防会議だと思う。いまや防衛庁が防衛計画を立てられるわけはないのである。それはすそ野の広い問題である。きょうは海洋問題、時間がなくていかなかったのですが、領海が広がり、また資源水域が広がった場合に、いまの海上保安庁だけの構えでいいのかどうかも考えなくてはならぬし、海上自衛隊の新たな任務というものが考えられなければならぬではないかとわれわれは思いますけれども、そういう点で、国防会議について新しい観点から、もっと広い観点からこれを見直す、こういうお気持ちがあるかどうか。
 同時に、これに見合って国会では防衛委員会を設置して、国民のこの点に対する判断に間違いないようにやっていくというのが私は新しい福田政治のかなめの一つだと思いますが、お答えを願いたい。
○福田内閣総理大臣 国防会議につきましては、まさに永末さんのおっしゃるような運営というか姿でなければならぬと、こういうふうに思います。ただ、それを実現するために、制度的にまた国防会議を変える必要があるのかどうかということになりますと、私はいまの法制のもとで十分安全保障体制についての広範な論議ができる、こういうふうに思うのです。その論議を背景といたしまして、国防会議の与えられている任務を尽くすということにしたらどうかと、こういうふうに思いますが、しかし、おっしゃるようなお話につきましては、いま国防会議の事務当局におきましていろいろ検討しておりますから、検討の結果、また結論を考えてみたい、こういうふうに考えております。
 なお、国権の最高機関である国会に防衛問題を専門に扱う委員会があった方がいいんではないかというお説でございますが、これは、私は全く同感でございます。どうかひとつ、各党間の問題でありますので、御協議のほどをお願い申し上げます。
○永末委員 終わります。
○坪川委員長 これにて永末君の質疑は終了いたしました。
 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時四十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時十八分開議
○坪川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。正森成二君。
○正森委員 私は、福田内閣に対して、まず政治姿勢の一端について伺いたいと思います。
 昨年の十二月の五日に総選挙が行われましたが、そのときにはまだ自民党は三木内閣でございました。そのときの選挙公約を拝見いたしますと、一番最初に、政治的、道義的の責任というのは徹底的に究明するんだという決意を表明しておられます。
 そこで、総理に伺いたいと思いますが、あれは三木内閣の選挙公約であって、おれは福田内閣なんだから、同じ自民党であっても、政治的、道義的責任については知らないんだというようなことはよもやおっしゃるまいと思いますが、当然のことながら、まず御答弁をお願いいたします。
○福田内閣総理大臣 福田内閣といたしましては、刑事事件は徹底的に追及する、究明する。それから社会的、政治的、道義的責任につきましては、これは国会においてこれが究明をせられたい、その国会の国政調査権の発動につきましては、政府としてはできるだけの協力をいたしますと、こういうことでございます。
○正森委員 間接的な話法で申されましたが、政治的、道義的責任の追及を行う国会に対して最大限に協力をしたい、こういうように承りたいと思います。
 そこで、二月三日に総理は本会議で、刑事事件としては余すところなくロッキード事件について解明したい、こういうように御答弁になったことを私は記憶しておりますが、それについては間違いがございませんか。
○福田内閣総理大臣 そのとおりに御理解願います。
○正森委員 それでは委員部の方、資料を渡してください。――お手元に資料を差し上げましたので、総理も法務大臣もごらん願いたいと思います。
 これは、われわれの同僚議員である大村襄治君の関係の機関紙と思われます「青空」という中に記載されている文章であります。これは昭和五十一年の八月十五日に発行されております。ちょうど田中前首相が獄中において拘禁されておったときに発行されたものであります。その真ん中辺を読んでいただきたいと思います。こう書いてあります。「こうして田中氏は自からヘリコプターを駆使して全国を遊説。選挙資金も、企業選挙といわれるほどギリギリまでに動員しました。もちろん、田中氏がいまその責めを問われている丸紅からの五億円もこのなかにはいります。田中氏は一部から金権選挙をうたわれながら、自由な社会、自由な生活をこの日本において守るため、しゃにむに戦いました。そして辛うじて参院の過半数維持には成功したものの、いまはそのときの無理がたたって、法違反を問われることとなりました。その意味で田中氏は時代の犠牲者ともいえるのです。」こういうぐあいに、はっきりと書いてあります。
 そこで、私は伺いたいと思うのですが、こういうように外国からもらったお金、しかも賄賂であるお金を参議院選挙に全部使ったというようなことは、これは国の政治の独立を守るためにも、政治の自主性を確保するためにも、絶対にあってはならないことである、こういうように考えるわけであります。これについて、福田総理はどういうぐあいにお考えになりますか。
○福田内閣総理大臣 いやしくも政治資金を外国の人から受けるというようなことは、断じて許されないことであります。
○正森委員 法務大臣に伺いたいと思いますが、わが国は法律でこういうように外国人や外国法人から選挙資金をもらうことを明文をもって禁止しているはずであります。それは公職選挙法の第何条に違反し、一体どれぐらいの刑が科せられるか、御答弁願いたいと思います。
○福田(一)国務大臣 これは私よりは自治大臣から御答弁があった方がいいと思いますけれども、御案内のように、昨年の一月一日からは新しい選挙法が施行されておりますから、いかなる理由を問わず外国人から金をもらってはいけない、こういうことになっておりますが、その前には、選挙に関してはもらっていけない、こういうことになっておるのであります。したがって、その条文その他は申し上げるまでもなく御理解をしていただけると思うわけでありますが、私はいまちょっと――いまその資料を拝見したのでありますが、この資料の書き方等は、これはだれがどういう責任を持って書いたのか(正森委員「それは次に聞きますから」と呼ぶ)と思いますが、これだけでは何ともわれわれとして申し上げることは困難だと思います。
○正森委員 いま御答弁がございましたが、私の方から申し上げますと、公職選挙法の二百条の二項及び二百四十九条に、こういう事実がもしあるとすれば該当し、それは禁錮三年以下の刑に処せられる、こういうことになります。それはまさに福田総理が本会議でお約束になった、刑事事件は余すところなく解明するというお約束から言われますと、これが事実とすれば、そういう刑事犯罪になるということを堂々と自民党の衆議院議員、しかも、こういう事実が行われたときには田中内閣の官房副長官の要職にあった方が御自分の新聞に書かれたことであります。そうだといたしますと、こういう点については、総理の刑事事件については余すところなく解明したいという公約から言いましても、速やかに調査し、捜査権を発動する、そしてこういうことを現に書いておられる議員からは、いろいろ詳細に事情を聴取するということが当然であると思いますが、総理の政治姿勢との関連において明確な御答弁をお願いしたいと思います。
○小川国務大臣 お答えいたします。
 ただいまこの席で初めて承ったことでありますので、ひとつ慎重に検討いたしたいと思います。
○福田内閣総理大臣 自治大臣からお答えしたとおりでございます。
○正森委員 私は、総理が政治的、道義的責任については国会のすることに協力をしたい、そして刑事事件については、これはまさに政府が理非曲直を明らかにする第一義的責任がありますから、それは余すところなく解明したいと、こう言っておられるのです。ただ単に解明すると言っておられるのじゃないのですね。ですから、私はそういう政治姿勢から言いますと、速やかに総理の用語に従えば調査だけでなしに捜査を行うべきであるというように考えます。
 同時に、委員長にお願いしたいと思います。これがもし事実であるとするならば、現職の衆議院議員が書いたことであり、それは当時、田中内閣の官房副長官の要職にあった方がこういうことを書いておられる。もし事実であるとすれば、これは大変なことであり、国の独立、自主性に関係することだ、こういうぐあいに思うのですね。(大村委員「自分が書いたんじゃないよ」と呼ぶ)あなたがお書きになっていないと言われますが、「田中前首相起訴とわれわれの決意」ということでお書きになり、私どもは……(大村委員「違いますよ、これは編集者ですよ」と呼ぶ)これは不規則発言じゃないですか。もしそう言うなら、私は大村君を証人として喚問することを要請いたします。言いたいことがあるようですから、ここに出てきて言えばいいじゃないですか。私は委員長に対して、大村襄治君を証人として喚問することを要請いたします。
○坪川委員長 正森君、質疑を続行してください。
○正森委員 それについてはどういうぐあいに応待されますか。
○坪川委員長 ただいまの御要求につきましては、私もいま拝見いたしましたので、直ちにこれに対するところの委員長という責任ある立場の回答は追ってまた考えていきたいと思いますので、質疑を続行したいとお願いします。
○正森委員 通常の議事進行では理事会に諮るということになっているではありませんか。
○坪川委員長 各理事の意見なども含めまして、理事会でそれぞれ協議したいと思っております。
○正森委員 それでは、そういうお計らいがございましたので、質問を続行したいと思いますが、石原環境庁長官に伺いたいと思います。
 あなたは昭和四十九年九月の文芸春秋に「君国売り給うことなかれ」という論文をお書きになったことがありますか。ここにコピーがあります。
○石原国務大臣 そのような論文を書きました。
○正森委員 執筆者がお書きになったとお認めになったことでございますから、その内容について若干申したいと思います。
 この「君 国売り給うことなかれ」というのは、私は文学の方に素養はございませんが、恐らく与謝野晶子の有名な詩である「君 死にたまふことなかれ」というのをもじってお書きになったものであろうかと思います。そしてこの内容は、田中内閣がいかに昭和四十九年の参議院選挙で大量の汚いお金を使ったものであるかということについて詳細にお書きになった文章であります。
 たとえば、その中の一節を引用いたしますと、選挙のときに自民党の副幹事長クラスの人がお金を選挙事務所にどんどんと運んだ、目立たないようにするには国鉄などで売っている大きな紙袋に入れるのが一番いい、あれに全部入れますと一億円になるのだそうであります。これを持ってえっさらおっさらと運んだ、一億円ならまだいいけれども、二つ持って二億円運ぶと重くてかなわぬ、こういうことが選挙のうわさであった、私は自分で直接耳に聞いたと、こう書いてある。だからこそ「君 国売り給うことなかれ」という題で、こういう文章を文勢春秋にお書きになったのです。いま私が指摘しました大村襄治君が機関紙に書いておられるこの文章は、まさに君、国売りたもうておった、外国から賄賂をもらって、その賄賂のお金をしこたま使ってヘリコプターを乗り回し、そして金権腐敗選挙を行った、こういうことをいみじくも裏づけているわけであります。そうだといたしますと、私は、一国の名誉のためにも、こういう点については、明らかに刑事事件に触れるわけでありますから、徹底的な捜査を行うべきである。これは本院の名誉を重んずる限り、国の名誉を重んずる限り、当然のことであります。重ねて福田総理の御答弁をお願いしたいと思います。
○福田内閣総理大臣 正森さんがおっしゃっているのは「丸紅からの五億円もこのなかにはいります。」という、このことですか。そうすると、丸紅から受け取ったことになっておるので、外国からというふうにはなっておらぬようでございますが……。
○正森委員 私は、賢明なる福田総理からよもやそのような御発言が出るとは思いませんでした。そういうことをおっしゃるなら、福田法務大臣から伺いたいと思いますが、丸紅は自分の身銭をはたいて田中角榮氏に五億円の賄賂を贈ったということになっているのでしょうか、それともコーチャン氏等々のいろいろな供述等もありまして、そのお金はロッキードから出ておるということに冒頭陳述ではなっているのでしょうか、いずれでしょう。
○福田(一)国務大臣 お答えをいたしたいと思います。
 この「青空」が書かれたときにはまだこの犯罪の捜査が終わっておらなかった時期ではないかと思うのであります。この内容をごらんいただき、日付でごらんをいただけばわかると思います。この日付、いつ発行したかということをごらんになればおわかりになると思います。
 そこで、この文章を私もいま一読したのでありますけれども、これは私は何もここで取り調べないというような意味で申し上げるのではありませんけれども、大村襄治君は「時局偶感」というのは書いておりますけれども、その次に書いてある文章は、必ずしも大村襄治君が書いた文章とはこれは断定できません。何となれば氏名が書いてないのでありますから。この種のものは大体後援会にいるだれかがこういうものを書いて出すことはあなたも御承知のとおりだと思うのでありまして、したがって、そういう意味では、こういうことがあれば、これはどういうわけでこういうことを書いたのかというようなことを取り調べるということは、私は、疑惑がある場合には取り調べねばいけませんから、してもいい、またしなければならないことかもしれません。しかし、この文章全体から見て、いま総理が言われたように、丸紅なんてここに書いてあるのは、これはロッキードから金をもらってそしてやったということに書いてありますと、これは明らかに法律違反を犯しておるのじゃないかというあれが出てくるのですが、この文章の内容をごらんいただければ、そこまで判定していいかどうかということは問題があると思います。私は、あなたがそういう気持ちで、これは徹底究明したいんだという気持ちで言っておられることはよくわかります。そのこと自体、何も私も反対しておるのではありません。しかし、この文章の内容、また書いた当時の状況から見て、果たしていまあなたが言われるようなものであるかどうかということは、これはもう少し真相をきわめた上で御判断を願うようにしていただきたいと思うのであります。
○正森委員 私は、福田法務大臣に対する礼儀を心得てずいぶん長い間お話していただきました。しかし、私が聞いておりますのは、そういう大村襄治さんの弁護人の発言をしていただこうというのじゃなしに、冒頭陳述では丸紅のお金は自腹を切ったものになっているのですか、それともロッキード航空機株式会社から出たことになっているのですか、一体検察庁が調べ上げた冒頭陳述ではどういうぐあいになっているのですかということだけを聞いたのです。ところが、それには何らお答えがなくて、いまのような御答弁をなさるということになると、いよいよ何かあったのかなあとこういうぐあいに思いたくなるのですね。ですから、まず私の聞きましたことに答えてください。
○福田(一)国務大臣 田中前総理の問題については、すでに起訴が行われまして裁判が進行中でございます。そうして、その起訴事実によって見ますと、丸紅が仲介してロッキードの金が渡ったというふうに書いてあると思うのであります。その点には間違いございません。しかし、私が言った意味もよく理解をしていただきたい。あなたはこの文章が、全部もうそういうことを断定して、その事実を知って書いているじゃないかというふうに断定をされて御質問があったように承りましたから、これはそういうことがわかるはずがないじゃありませんかということを私は申し上げたのであります。
○正森委員 もしこの事実が絶対に誤りがないということであれば、すでに捜査をする必要がないんですから、私は、そういう疑いがあるから、捜査をする端緒になるには十分な資料ではないかと言っているんです。
 それからもう一つ、あなたが、前の文章は大村襄治君が書いたけれども後の文章はだれが書いたかわからないと言われましたが、私どもは、これを「赤旗」にも公表いたしました。そのときに、その前に大村襄治君の事務所に電話いたしましたら、全文先生がお書きになりましたという回答を得ております。その上で載せたんです。ですから、もし捜査をなさるお気持ちがあれば、そういう点も詳細お調べ願えれば非常に幸せだというように考えているわけであります。
 また、あなたが、八月十五日でどうかわからないというようなことを言われましたが、そういうことをおっしゃるなら、よけいわからなかったことが書いてありまして、これはいよいよ田中総理から非常に身近にお聞きになった、官房副長官の地位にでもあった方でなければわからないであろうということまでここに書いてあるのです。たとえば、私が読み上げましたもう一段下を見ていただきますと、「だから首相就任直後の田中氏がハワイでニクソン氏と会談したとき、アメリカ側から平和産業への転換の第一歩として、米国産大型民間航空機(トライスター)の日本への導入に対する協力を求められ、田中氏がこれを了承したのも、日米友好を旨とする田中氏として当然の政治行動だったのです。」こう書いてあります。これは当時にはわからなかったことであります。だが、検察庁の今度の冒頭陳述では、そういうことを田中氏は小佐野賢治氏にも言ったし、あるいはその他の関係者にも言ったということが明瞭になっているではありませんか。つまり、われわれが冒頭陳述で検察官がよく調べたなあと思うこと、そのことをすでに知っておったということをこれは明らかに示しておるわけであります。それは単なる一事務屋の書ける文章ではありません。
 したがって、この文章は十分に、だれが書いたのか、事実であるかないかということについて調べ、五億円のお金が参議院選挙に使われたとするならば、まさに石原環境庁長官が「君 国売り給うことなかれ」と言ったように、国を売っているんではないかということで捜査をしてみる必要があるというように思います。そういう意味では、石原環境庁長官は、空気の汚染だとか海上の汚染だとか、いろいろ御苦労でありますが、自民党のまず政界の汚職関係を、環境を浄化することが非常に大切ではないかという気がするわけであります。
 私は、以上を申し述べまして、この点について福田総理がみずからの、刑事事件については余すところなく解明したいという約束を守られることを切に希望したいと思います。いまうなずかれましたが、一言お答え願えれば、この問題はこれで終わりたいと思います。
○福田(一)国務大臣 私からお答えをさしていただきますが、まず事実調査をいたしまして、事実疑惑が濃厚であれば捜査をいたしたいと思います。
○福田内閣総理大臣 ただいま法務大臣から申し上げたようにいたします。
○正森委員 それでは、時間もございますので、次の問題に移らしていただきたいと思います。
 私は、日韓問題についていろいろ伺いたいと思いますが、時間の制約がございますので、一、二の問題にしぼって質問をさしていただきたい、こういうように考えております。
 ソウルの地下鉄の借款をめぐる問題につきましては、まず昭和四十八年の九月に同僚議員である松浦議員から最初に取り上げられ、関係議員が何回か質問をされ、本予算委員会でも関係議員が一、二質問されたようでございます。そこで私は、重複することをできるだけ避けながらこの問題について伺ってまいりたい、こういうように考えている次第でございます。
 そこで、まず伺いたいと思いますが、このソウルの地下鉄の問題につきまして同僚議員が問題にいたしましたのは、実際の車両価格というのが六千三百九十万円だけれども、当時の国内価格はそれよりもずっと安いという問題提起をいたしましたら、海外経済協力基金あるいは経企庁等の方から、それについてはこれこれこれこれの理由があるのだとか、あるいは営団地下鉄と比較したらこういうぐあいだというような説明がございました。それで、重複で恐れ入りますが、問題の出発点にするために、簡単でございますから、重ねてお答えを願いたいと思います。
○大来参考人 ただいまの御質問につきまして、当時四十八年九月の衆議院決算委員会でも答弁いたしましたが、重ねて申し上げますと、このソウルの地下鉄の車両価格が購入の時期によりましてかなり国内の価格と相違しておるわけでございまして、車両は大体一番最後の段階に入りますので、この建設時期の最後を見てまいりますと、丸ノ内線が三十七年一月にでき上がっておりますが、このときの車両単価は二千七百万円、日比谷線が三十九年八月にできておりますが、三千八十万円、東西線が四十四年三月にできておりますが、そのうちの主な二百七十二両分が三千二百八十万円、百五十三両分が三千四百六十万円、それから千代田線が四十七年十月にできておりますが、これは四千五百九十万円、それからソウルとほとんど同じ時期に車両が発注されました有楽町線、これは八号線でございますが、この予算が五千七百七十万円でございまして、ここまでは四十八年の決算委員会で申し上げたわけでございますが、その後最近までに八号線のうち九十五両が実際に発注されました実績がございまして、これは実績一両当たり六千七百万円になっておるわけでございます。
○正森委員 いまそれだけしか御答弁がなかったわけですが、そうすると、このソウルの地下鉄と国内の地下鉄の値段の差は時期の差だけであるというお考えですか。
 お手元に配付いたしました資料一を見て下さい。「地下鉄建設費比較表」というところの下には「次の理由により、日本の地下鉄に比べてかなりのコスト高になることは已むを得ないとみられる。」ということで、約六つぐらいの理由が挙げてございますが、それはもういいわけですか。このお手元にすでに差し上げてあります資料一が一体どこから出された資料であるかということを答えてください。
○大来参考人 この資料は四十八年の決算委員会の際に調製いたしました資料でございまして、この表の下の方に理由が幾つか挙げてあるわけでございますが、その後いろいろいまのようなデータも調査いたしまして、この一番大きな理由といたしましては、調達価格全般がインフレとともに上がってまいったことで、当時いわゆる二けたインフレが始まっておりまして、機材の価格が上がってまいったわけでございますが、そのほかにいろいろなこの資料に出ておりますような理由も考えられるということでございます。
 ことに常磐線の国鉄の車両購入の価格を参考のために調べてみたわけでございますが、これは都営地下鉄より安くできておりまして、昭和四十九年の購入の平均を見ますと、大体四千九百万円ぐらいになっておりますが、こういうものとの差につきましては、先ほどの表の備考にありますような点もいろいろ影響しておるかと考えております。
○正森委員 そうしますと、あなた方が、事件に非常に近い方であると思われる三年前にお示しになりました資料、この資料一というのがございますが、その中を見ますと、直流交流両用方式を採用したことや、寒冷地向けの特別の配慮を施したことや、あるいは予備品を多くつけたとか、あるいは輸出に伴う運賃や荷役費が追加されたとか、車体が大きいとか、いろいろな理由が挙げてあるわけですね。ところが、これについては副次的であって、時期がずれたということの方が大きな理由であるというようになるわけですか。そうなると、この一番で直交流両用の方式を採用したことで「一台平均一千万円近くの追加コストを要する」というのは、これは維持されるのですか、それともそれは間違いであったということになるのですか。
○大来参考人 この資料にもございますように、四十八年の決算委員会の段階では、この八号線はまだ予算の段階でございまして、実績がございませんでした。その前ですと四千五百万円の数字が出ておりますので、その間のギャップの説明として当時いろいろ考えたものでございますけれども、その後二年余りたちましてさらに検討してみますと、やはりこのインフレーションの影響が一番大きなものであったのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○正森委員 それは私の聞いていることの答えにならないのですね。この一番の直交流両用方式の採用で一千万近くの追加コストがかかったというのは、現在でも維持されるのですか、どうですかとこう聞いているのです。それから、そのほかの点も維持されるのですかと聞いているのです。この一については一千万円の値段が出ているからよけい聞いているのです。
○大来参考人 いろいろ専門的な説明を私も聞いておりますのですが、この直交流の設計の違いにつきましては、直流のものに交流をつける場合と、交流のものを直流で動くようにするのとではかなり値段の差があるようでございますが、この場合につきまして一千万円程度のコストの差があるということを聞いておるわけでございます。
○正森委員 そうすると、あなたは一千万円近くの追加コストを要するのを聞いているというのは、関係のメーカーなどを調べてそういうことになったのですか。それとも三年たったらくるくる理由が変わるように、だれかからそういう説明を聞いただけであって、実際は調べてないのですか。
 その前にもう一つ伺いたいと思いますが、このソウルの地下鉄の問題は、日本連合というのをつくったようですが、主なる商社の幹事団体が三菱商事で、副幹事団体が丸紅である。これは当初は丸紅がいろいろ相談しておったようですが、三菱商事が相当強引な方法でプロジェクトを推進したというようにも聞いておりますが、それはいいとして、実際に車両を製造したのは五社でしょう。東急に、日本車両に、近畿車両に、川重に、日立でしょう。それは間違いはありませんか。
○大来参考人 この借款につきましては車両連合という形で出ておりまして、具体的にどこの車両会社がつくったかということは、いまのところ私の方では調べておりませんです。
○正森委員 いかがですか。海外経済協力基金は、これだけいろいろ問題になって三年たつのに、商社と韓国の調達庁がどうであったかということは調べているけれども、実際に製造するのは製造会社ですけれども、商社とどの製造会社が契約をして、どういう製造会社がつくったのかということはいまでも調べていないと言うのです。そんなことで、どうして交直流にしたらどれだけコストがかかった、寒冷地を考慮したらどれだけコストがかかったなんということがわかりましょうか。全くいいかげんな数字を出しておるということがわかるわけですが、それについては最後の方でもう一度伺いたいと思います。
 そこで、経企庁なり協力基金に聞きたいと思うのですが、あなた方は最初六つの理由を挙げておられた。輸出に伴う運賃で追加されたと言われますが、運賃は一車両平均幾らかかりましたか。
○大来参考人 私ども実は基金といたしまして調査しておりますのは、借款で相手国政府が日本の会社から――日本の商社から大部分の場合でございますが、購入価格でございまして、その商社が国内のメーカー、どういうメーカーを使ってどういう価格で買ったかというところまでは私ども従来調査いたしておりません。これはつまり、輸出されて相手国に行った品物の価格が他の場合と比べてそれほど大きく違っていないかどうかということを調べることが従来この基金の役割りとして考えてまいりまして、国内全般の問題にまでは、いろいろ人員的にも入る余裕がないという点もございますし、本来が相手国との契約、輸出価格で見るのが当然と考えてやってきておるわけでございます。
○正森委員 そうすると、海外経済協力基金は、運賃が一車両当たり幾らついたかも全く調べておらない。そうすると、予備部品、スペアパーツといいますが、それを非常に多い目につけたので金がかかっている。予備部品を一体一車当たり幾らつけたのか、それはわかっているのですか。
○大来参考人 私どもの方でただいままでに調べた見当でございますが、正確かどうかわかりませんが、予備部品が三百万円程度でございます。(正森委員「運賃は」と呼ぶ)百五十万円です。
○正森委員 調べていないと言いながら、いろいろ問い詰めましたら、やっと答えが出てきたようであります。
 資料の二を配ってください。――配ってある。それじゃいいです。私が資料を配ったというのを知っているからやっと答えたのです。この資料二を総理も経企庁長官も見てください。これは私の方で手に入れた資料です。「四十六年十二月三十日付け交換公文に基づく韓国政府に対する円借款」「供与機関 海外経済協力基金、貸付契約締結四十七年四月十日、融資承諾額 二百七十二億四千万円」こうなっておりまして、その一番上段を見ていただきますと、契約年月日は四十八年五月十三日です。これを見ると、六十両で、計の欄で三十八億三千七百万円、車両だけだと三十五億二千八百万円、したがってその単価は五千八百七十九万円。部品は一ロット、一包みが一億九千六百万円ですから、六十で割りますと、まさにいまお答えになった約三百万円になる。海上運賃が六十両で九千万円、これを割りますと百五十万円になります。
 これは委員会でいろいろ論議になって、非公式に委員会に関係官庁から提出されたものであります。それを私どもが苦労して入手したのです。これを私どもが入手しておるということでこの委員会に出したから、正森が手元にこういうものを持っているということを後ろから耳打ちされて、やっと答えたのです。それを出さなければ答えないつもりだった。それが証拠に、前の答弁では、私どもは輸出価格が何ぼだということは聞いておりますけれども、一々それから先は知らないのでございますとか聞かないのでございます。しゃあしゃあ大来さんはそう答えていたじゃないですか。
    〔委員長退席、田中(正)委員長代理着席〕
私どもがこういう資料を出して初めて、ああばれておるかということで、初めて答えた。実に不誠実な態度じゃありませんか。けしからぬじゃないか。
 そこで、そうだといたしますと、海上運賃は百五十万円しかかかっておらない。部品は約三百万円である。私は、関係の製造会社及びユーザーに対して、部品というものは車両価格の一体何%つけるものか調べてみました。通常は一%であります。多くつける場合でも二%であります。本件について言えば、せいぜい五、六十万から百万つければいいのです。それが三百万円以上もついておる。これは非常に異常であります。けれども、それが発展途上国であり、どうしてもつけなければならないというのなら、あるいはここに書いてあるからそれを私どもは了承してもよろしい。それでもなおかつ五千八百七十九万円、こういうことになるわけであります。
 そこで、私が一つ一つなお確かめていきたいと思いますが、あなた方の理由に挙げている寒冷地向けの配置をするとかそういうことでどれぐらい金がかかるのですか。調べましたか。
○大来参考人 先の方の御提出になりました資料の注の中で三番と四番でございますが、それを合わして約六百万になるようでございます。
○正森委員 いいかげんなことを言ったらいけませんよ、私は、製造会社でちゃんと聞いてきているのですから。寒冷地向けというのは、ヒーターを十なり十五なり余分につければいいので、日本の営団地下鉄でも何でも皆座席の下が暖まるように装置ができているのです。ヒーターの値段というのは当時の値段でせいぜい五千円前後、だから寒冷地向けによけいつけ加えたとして、せいぜい十万円もあれば十分でございますということを私は製造会社からちゃんと聞いてきているのです。それが五、六百万円とは何事です。それだけごまかさなければ、この取引の値段が不当に高いということを説明できないのですか。
○大来参考人 私も余り詳細は存じませんが、この調査によりますと、車両の大型、広軌、寒冷地対策、ヒーター強化等及びドア開閉の特殊化、合わせて六百万円程度という資料がございますので、それをお答えしました。
○正森委員 その資料は一体どこから提供されたものか、お答え願いたいと思います。
○大来参考人 これは私どもの方の調査部で調査いたしまして、国鉄とか営団等その他の関係の方を調べたようでございます。
○正森委員 いいかげんなことを言ったら困りますよ。私はこれから議論を進めたいと思いますが、もしほかの部分で値段がこれこれいったというなら、それはそれなりの理由のある部分があるのです。しかし、この部分では絶対にそんなことは言えないのです。車体といって、一体長さが幾らあるのですか。私はここに外務省から提供を受けた資料を持っておりますけれども、長さもちやんと書いてあるのです。一体長さは幾らですか。
○大来参考人 ちょっと資料を見る暇がございませんが、二十メートルと記憶しております。
○正森委員 国内で使っている東武鉄道も長さが二十メートルなんです。全く同じなんですよ。メーカーに聞いたら値段は変わらないというのです。十八メートルが多いのですが、日本では。二十メートルだって変わらないというのです。ヒーターについては、四十八年当時、寒冷地向けにヒーターをつけるといったって、日本だってヒータはちゃんとついているのだから、せいぜい五万円か十万円まででございます。込まないときにとびらをあかないようにするというのも、製造するときにやるとすればスイッチを横にちょいとつければいいので、せいぜい五万円以下でございます。――ちゃんと製造会社へ行って調べてきているのですよ。それを数百万円、六百万円違うとは何事です。そんなことで、後で聞きますけれども、国民の血税と産業投融資からお金をもらってやっている、その仕事の責務が務まりますか。いいかげんなことを答えたらいけませんよ。
 それでは、私は委員長にも申し上げたいと思いますが、ああいうようなでたらめな答弁をして、こちらが調べておらなければなるほどそれで六百万円ぐらいかかったか――思うに、六百万円というお金が出てきたのは、同僚議員が、六千三百九十万円と八号線の五千七百七十万円でもなお六百万円値段が違うじゃないかという御指摘が先日ありましたから、その六百万円をどうしてもはじき出さなければならない、そこで思いついたんだろうと思うのであります。それが真っ赤なうそであります。もしそれに不服があるというなら、私は後で関係の資料の提出や証人申請をしたいと思いますが、そのときに御判断を願いたいと思います。
 議論を進めるために、私はさらに進みたいと思います。経企庁でも海外経済協力基金でもよろしいが、この私が資料一で示しておる千代田線や八号線というのは三百七十両、三百二十両となり、車両費の横にそれぞれ数字が出ております。計算してみますと、この数字を車両数で割ってそれぞれの値段を出しておられるわけであります。そういうぐあいにして計算なさったんでしょう、違いますか。
○大来参考人 そのとおりでございます。
○正森委員 次の資料の資料三と書いてあるところをごらん願いたいと思います。これは私が営団地下鉄に行って手に入れてきた資料でございます。その上の方の有楽町線というのを見てください。これが成増から明石町までの八号線のことでございます。これを見ますと、九十五両の車両数になっております。つまり、現在に至るも九十五両しかできておらないのです。ところが国会に対する説明では三百二十六両で、締めて百八十八億七百万円、こういう数字を出して、この平均価格はこうだ、こう言ってごまかしておるのですね。まだ九十五両しかできてないでしょうが。できてもおらぬものの数字でどうして説明できるのですか。
 また、千代田線のところを見てください。資料三の終わりから二つ目、千代田線を見ていただきますと、二百四十両しかできておらない。アルミ製は百九十両であります。ところが、ここでは三百七十両できているということでその平均価格を出しておる。そもそも弁解のために出してきている資料というのが、まだできてもおらぬ予定価格で出してきているのです。そんなものですでに工事ができたものについての比較ができますか。いかに国会での答弁というのがでたらめであるかということがわかるのですね。そうでしょうが。実際にできてもおらぬものを出してきたでしょう。
○大来参考人 いま実は委員から御説明のあります資料を私どもまだ配られておりませんのですが、大急ぎで委員部の方からいただきたいと思いますが……。
○正森委員 渡してください、全部。
○大来参考人 さきの御質問は資料なしで伺ったので、どれがどれかよくはっきりわかりませんのですが、最初に申し上げましたように、都営八号線の分は三百何十両というのが予算でございます。その後現在までに九十何両ができ上がりまして、その分は六千数百万になっておるということを申し上げたわけでございます。
○正森委員 私の答えになっておらないのですね。いままで、昭和四十八年のときにも、また今国会で同僚議員から質問がございましたときにも、この資料に基づいてあなた方は説明しておられるのですね。九十五両しかできていないとか、千代田線については二百四十両しかできていないとか、これは単なる予定価格であるとか――予定価格というのは、完成まで年度がかわればそれだけの価格も見るわけですから、そういうことは何ら説明しないでやってきているのですね。ですから私は、そういうような比較の仕方というのが非常に不誠実なものであったということをまず指摘して、そうしてあなたは実際に九十五両、調べてみると六千数百万円、何か先ほどの答弁では六千七百万円とか六百万円とか言いましたね。それについても、その価格が本当にソウルと比較に値する数値であるかどうかということをこれから論証していきたいと思います。答えてください。
○大来参考人 これは八号線の池袋−銀座一丁目間、すでに開通しました部分のうちの九十五両の実績が六千七百万円でございます。
○正森委員 いまそういう数字をおっしゃったということを篤と覚えておいてから以下の私の話を聞いていただきたいと思います。
 それでは、お手元に差し上げました資料四を見てください。
 そこで、話を進める前に伺っておきますが、いろいろ価格を比較する場合には、官庁に納める場合は特にそうですか、一般でもそうです、契約した年月日が問題になる。納めるときではなしに、契約した年月日でいろいろ価格をはじいて、その後多少物価の変動があってもその変更は行われないということになっているはずであります。ここに国鉄関係者が来ておられると思いますが、念のために答えてください。
○小林説明員 お答えいたします。
 ただいま先生の御質問のとおり、購入時における価格でございます。(「契約時」と呼ぶ者あり)契約時の価格でございます。
○正森委員 せっかく出てきて、肝心のところで間違えてもらったら困る。
 いまお答えになったように、購入時じゃなしに契約時の価格で決まるのです。このことを総理も関係閣僚も篤と覚えておいていただきたいと思います。
 そこで、このソウルの地下鉄はいつ契約が結ばれましたか。
○大来参考人 契約は四十八年五月でございます。
○正森委員 正確に言いますと、四十八年五月十三日であります。だから、この時点が価格を決める基準になるわけであります。
 そこで、私は東京都の方に行ってまいりました。四番と書いてありますのは、東京都交通局の車両部が提供してくれた資料であります。この資料は、五十一年六月二十三日につくられたようであります。これを見てみますと、都営地下鉄の六号線、これの二次車、三次車、四次車というように購入しておるようでありますが、二次車は契約年月日が四十五年九月、三次車が四十七年一月であります。そして納入年月日がそれぞれ書いてございます。その横に単価がずっと書いてありますが、これは千円単位でございますから、たとえばMlCと書いてあるのは三千九百八十二万七千円のことであり、M1の三万五千五百と書いてあるのは三千五百五十万のことであります。
 次に、五枚目をめくってください。五枚目には、この価格構成をさらに車体、制御装置、空気ブレーキ装置等々及び台車関係に詳細に分けて価格分析がしてあります。
 そこで、これを見ていただきますと、東京都の今回の場合は、皆御承知のように、M車というように書いてあります。電車というのは電動機がついておって引っ張って走る装置のあるものと、付随客車と言ってまあ言うたらずんべらぼうのようなもので、お客だけを乗せるということを主たる目的にするものがあります。それは関係閣僚も電車にお乗りになることがありますから御存じだろうと思います。
 ソウルの地下鉄の場合には六両編成でありますが、どういうような構成になっておりましたか、電動車をM、付随客車をTという普通呼びならわされた呼称で答えてください。
○大来参考人 Mが二とTCが一でございます。
○正森委員 そういうことさえ知らないでは困りますね。六両編成でしょう。だから足せば六にならぬといかぬわけでしょう。二足す一は三だということになれば、お金を扱う海外経済協力基金の総裁が一年生からやり直さなければならないということになりますね。だから、ちゃんと六になるように答えてください。
○大来参考人 Mが一とTCが二と、それが前後にございまして六両ございます。
○正森委員 六になるように答えてください。
○大来参考人 Mが一とTCが二で三両でございますが、それが前後対称でございまして、二倍で六両になるわけでございます。
○正森委員 それは本当ですか。そうすると、それを六に直すと、簡単に言えば2M4Tになるのですか。そんなことでは走れないのですよ。国鉄関係者がおりますけれども、こんな不勉強な人が出てきてもらったんでは困るんですね。普通六両編成の場合には、4M2Tになっているんですよ。また外務省から出ている資料にもそうなっているし、それでなきゃうまくいかないのです。何なら国鉄かわって答えてあげてください。
○小林説明員 ただいま調べてこちらに参りませんでしたので、後ほど調べたいと思います。
○大来参考人 どうも私も多少混乱しておりますが、Mが二つありまして、TCが四つございます。
○正森委員 できが悪いようですから、よく知っている人が答えてください。こんなことで時間をとられたらかなわぬです。――委員長、私から申し上げますけれども、(「申し上げるな、申し上げるな」「休憩、休憩」と呼ぶ者あり)それじゃ休憩……。
○大来参考人 M四のTC二つということでございます。(「それわかる、あと、あなた聞いておって。答弁できる」と呼ぶ者あり)できるだけやります。
○正森委員 できるだけやりますという、これから大学でも受験しようかというような答弁でございますけれども、大体六両編成の場合には4M2Tというのは、これはある意味では常識なんです。
 それで、Mの中にM1とM2に分かれておるというように細かなのがあります。ここの私が五番目に差し上げた資料のMlCというのはM1という種類のものだが、それに運転台がついておるときにMlCと言うのです。(発言する者あり)私がなぜこういうことを聞くかと言いますと、技術的なことだからという不規則発言が左の方の席からありましたが、なぜこういうことを聞くかと言えば、M車と丁車では値段が全く違うのです。したがって、そういう区別を考えて値段の比較をしなければ、一般的に値段が幾らなどと言っても、それは全く意味のない論戦になるから、私は、ソウルの場合には4M2Tではないか。私がお手元に差し上げている東京都の交通局のは値段が出ておるけれども、これは全部電動機などのついておるM車ばかりなんだということを言うために聞いているのです。あなた、いま見ると、そんなことも知らないで、この三、四年間あれだけ言われているソウルの地下鉄の不正問題というのに対処してきたのですか。何という不勉強です。これじゃ国民はたまったものじゃないと思うのですね。
 私は、右の方の同僚議員からこれで休憩というお言葉もございましたが、できるだけやるというお答えですからもうしばらくしんぼうして聞いていきたいと思います。しかし、余り知識がないということになれば、やむを得ず積み残しということで次に質問をしなければならない場合も起こり得ると思うのです。
 そこで、この五番目の価格を見ていただきますと、一番右の最下段を見ていただきます。そこには「一両当り価格」というようになっておりまして、二次車のところは三千五百三万三千円、三次車は三千五百八十七万八千円になっております。わかりますか。わかりますね。ということは、東京都においては四十五年契約及び四十七年契約でそれほど値段の差がなかったということ、同時にその値段が三千五百万円前後であったということを示しておるわけです。しかも、この値段は、M車、つまり電動機、前へ進める装置をつけておるものである。そこで、T車という客車だけの場合には、次に六枚目をめくってください。――それじゃ、次の資料を差し上げてください。資料の六を見てください。これを見ていただいたらわかりますように、私が関係のユーザー等から調べたものですが、T車というのは付随客車ですから、通常、制御装置、自動列車停止装置、主電動機及び多くの場合列車無線装置はつけておりません。また、物によっては静止低圧電源装置をつけないこともあります。しかし、これは不確定でありますから、当面上に書いてある四つをつけないものとして、資料五にあります各単価ですね、それとの比較において丁車というものが一体どれぐらいの値段であるかということを調べてみますと、二千五百万円ないし二千六百万円であります。これは、私の推定がこうであるというだけでなしに、本件に関係しなかったメーカーに調べに行きましたら、実際はこれよりももっと安いと言っているぐらいでありますから、この価格で大きな不公平はないと思います。そうしますと、あとは数学の問題ですが、6Mで三千五百三万円もしくは三千五百八十七万円だ。もしこれが4M2Tであるとすれば、4M2Tの場合にはM1車というのとM2車というのがなくなって、そのかわりに丁車が入るわけですが、そういうようにして価格をもう一度調べ直しますと、それが二番目に書いてありますが、一車平均価格が三千二百万ないし三千三百万円になります。これはそろばんをはじけばすぐに出る数字であります。こう私が言いましても、経企庁や海外経済協力基金は、これは四十七年契約である、ソウルは四十八年である、こう言うかもしれません。
 そこで、外務省に伺いたいと思いますが、外務省の経済協力局は昭和五十年八月に韓国経済協力調査団報告書というものをお出しになっておりますか。
○菊地政府委員 昭和四十五年に角本さんを団長といたします調査団を出しております。
○正森委員 昭和四十五年ですか。私の手元には――昭和四十五年じゃなしに昭和五十年じゃないですか。もうソウルの地下鉄ができてから調べに行って報告書を出しているのですよ。
○菊地政府委員 失礼いたしました。二回にわたって調査団を出しております。第一回目が四十五年、第二回目が五十年であります。
○正森委員 その韓国経済協力調査団報告書なるものの百七十二ページに、なぜ値段がこういうぐあいに上がったのかという外務省の経済協力局なりの説明がついております。その理由として、一九七〇年、つまり昭和四十五年を一〇〇として、日本の工業製品の卸売物価指数が上がったからそれに応じて値段が上がった。その比率というのは七三年インフレート価格で一一四・八である、こういうぐあいになっております。百七十二ページを見てください。間違いありませんか。
○菊地政府委員 大変恐縮でございますけれども、私の持っておるのには百七十二ページがないのでございますけれども。
○正森委員 それば外務省が出した資料ですよ。
○菊地政府委員 いろんな調査団を出すものでございますから。先生のおっしゃったのは総合的な韓国経済協力調査団でございます。その中に地下鉄のことは触れてございます。私ちょっと勘違いいたしましたが、ソウルの地下鉄に関して調査団を二回出しておるということでございます。
○正森委員 それも私持っております。後で聞きます。いまはそっちの方を聞いているのです。
○菊地政府委員 この百七十二ページについては、そのとおりでございます。
○正森委員 そこで、これは、外務省が調査団を派遣して、なぜこんなに値段が上がったんだろうかということを、国会で議論もあったからということで調べに行った資料なんですね。その資料で、なぜ価格が上がったかというのに、昭和四十五年を一〇〇として、たとえば四十六年では九八・九に日本の工業製品の卸売物価指数は下がったのだけれども、七三年インフレート価格で一一四一八になったのだ、だから値段が上がっているのだ、こういうぐあいに説明しているのですね。そこで、契約が四十八年の五月十三日だということはまだ御記憶にあると思います。そこで、私が計算いたしましたこの資料六の最後の下段は、四十八年五月の契約でございますが、四十八年平均の一一四・八、卸売物価指数による修正値を掛けますと、修正値が一一四・八という細かな数字ですから小さな数字が出てきますが、三千六百七十四万円ないし三千七百八十八万円になります。これが物価の上昇などを加えても、4M2Tということで計算をすれば、東京都並みの価格としてはこれぐらいであるということになるわけです。
 そうすると、値段が著しく違うではありませんか。あなた方は、たとえば運賃に要ったとかスペアパーツをたくさんつけたとか、いろいろ言っていましたが、そういうものを全部引きましても、私が資料二で差し上げておりますように、五千八百七十九万円、この五千八百七十九万円に対比できるものは三千六百七十四万円ないし三千七百八十八万円であるということになるわけです。差額が二千万円以上あります。そこで、あなたが、すでに差し上げております資料一で御説明になった、そうしてきょうの御答弁でははなはだ自信のない、交直両用方式を採用したために一台平均一千万円近くの追加コストを要する、この説明でも一千万円以上とはよう言うてないのです。一千万円近くですから一千万円以下に決まっております。
 そこで、そういうのを直すとどうなるのかというのが資料七に書いてあります。七をごらんください。そうしますと、海上運賃だとかスペアパーツを三百万円もつけたという――スペアパーツについては非常に疑問の点はありますけれども、海上運賃については私は実際に運んだ運航会社に行って調べてまいりました。ほぼ正確であります。それを引きますと、大体差額が二千九十一万円ないし二千二百五万円、そこから交直併用にするのにあなた方が一千万円近くと言っておるが、こちらも大まけにまけて一千万円引いてあげても、なおかつ千九十一万円ないし千二百五万円説明のつかない金が残るのです。そうではありませんか。
 国鉄について念のために伺います。私がこの問題のときに国鉄について値段をお聞きいたしました。国鉄の昭和四十七年ないし四十八年の一〇三系、つまり東京都の近郊を走っておる国鉄ですね、それの契約価格というものは一体幾らですか。
○小林説明員 四十六年の交直併用電車の国鉄の購入平均価格は二千八百二十九万五千円でございます。(正森委員「四十七年、八年は」と呼ぶ)四十七年及び四十八年度におきましては、交直併用電車は国鉄といたしまして購入いたしておりません。
○正森委員 交直両用でない、日本の直流だけのがございますね。それは四十七年、四十八年で幾らですか、平均。
○小林説明員 国鉄の直流電車、一〇三系と申しておりますが、四十七年度三千三十万五千円、四十八年度三千二百四万三千円、平均価格でございます。
○正森委員 いまお聞きになったとおりであります。つまり、私が東京都を例にして計算をいたしまして、非常に甘く高く見積もりましても三千六百万ないし三千七百万ぐらいであるというように言いましたのが、国鉄の価格で裏づけられておるわけです。国鉄では三千万ないし三千二百万だ。その間に若干の差がありますが、これは国鉄というのは大ユーザーでございますから、一般の私鉄よりも大量に購入する、あるいは規格が一致しておるとか簡単であるとかということで、若干低いというのはある意味では当然であります。しかし、それにいたしましても、国内で、国鉄の場合でもあるいは東京都で計算をして物価の修正数値を加えても三千二百万円ないし三千六、七百万円のものが、どうして五千八百万円も九百万円もするのです。それから交直両用の一千万円大まけに引いてあげても、なおかつ説明のつかない金がどうして千九十万円から千二百万円も残るのです。つじつまが合わないじゃないですか。
○大来参考人 ただいま国鉄の場合についての数字がございまして、私どもも念のために国鉄の方に四十九年購入のケースをお尋ねしました。この
○正森委員 そんなことを聞いてもしようがない。私はそういうことを言わさないために、契約時によって値段が決まる、契約時に値段を決めたら官公庁ではその後の値上がりがあってもそのままで納入する、そういうことをちゃんと押さえたじゃないですか。四十九年の価格なんか持ち出してもだめです。
○大来参考人 国鉄の価格の計算は、私ども聞いておりますところでは、納入時の年間の平均になっておりまして、契約時のものではございませんので、それで計算いたしますと、つまりソウルの場合に比較するベースとしてはまる一年後の四十九年をとるべきだと思いまして聞きますと、四千百万円でございます。
○正森委員 そういうことを言わさないように、国鉄にちゃんと私の問いまで入れて資料をとっているのです。国鉄の資料を渡してください。すでに渡してありますか。――一括の資料の国鉄提出資料のところを見てください。私の問いにわざわざ昭和四十七年度、昭和四十八年度契約の購入平均価格となっております。「契約」とちゃんと入れてあるのです。だから、契約はその年度で、実際に納入したのは四十九年度の分も当然あるのです。ですからちゃんと比較の対象になるように書いてあるのです。それをそういうようにごまかしの答弁をしたってだめです。私は国鉄に何遍も何遍も行って、契約をしたら普通納入が一年おくれるのですけれども値段というものは上げないものだ、そういうことも調べた上でちゃんと言うているのですから、ソウルの地下鉄に対比さるべき価格は、ここで言えば三千二百四万三千円です。これが直流だから交直併用の場合の修正値を加えればいいんです。そうでしょうが。
○大来参考人 この資料によりますと「昭和四十七、四十八年度契約の交直流併用の国電車両の購入平均価格」というふうにございまして、私ども、その購入平均ば四十九年と考えたわけでございます。
    〔田中(正)委員長代理退席、委員長着席〕
○正森委員 幾ら考えてもだめですよ、そんなことは。聞いている人が皆笑っておりますよ。だから、私のいまの質問で答えにならないということがよくわかったでしょう。
 国鉄さん、まことに申しわけありませんが、ああいうことを言いますから、契約時に値段が決まって普通納入までは一年ぐらいかかるんだけれども、納入が四十九年になっても四十八年契約であればその契約時の値段でいくんだ。これが東京都でも大阪市でも国鉄でも皆そうです。私は一々全部行って聞いてきたのだから、そのとおりであればそう答えてください。
○小林説明員 先ほどお答えいたしました三千三十万五千円あるいは三千二百四万三千円という数字は、それぞれ四十七年度及び四十八年度契約の車両の平均価格でございます。
○正森委員 つまり、国鉄は私の主張のとおりであるということを認めたわけです。ところが、海外経済協力基金は、それではどうしても説明がつかないものだから、何とかもう一千万近くひねり出さなければならないものだから、四十九年契約の価格だったら四千百万円くらいだということを言うのです。しかし、それは比較の対象にならないのです。いいですか。そうなると、あなた方説明がつかないじゃないですか。そして交直流だから値段が上がったと言いたいのでしょうが、私はそれを認めて、あなた方の御主張の一千万円だとしてということで引いてあげても、資料七を見れば、なおかつ千九十一万円ないし千二百五万円余るのです。いいですか。資料をよく見ましたか。もし交直両用に一千万もかからないということになれば、二千九十一万円から二千二百五万円も説明のつかない値段が出てくるのです。答弁できないでしょう。
○大来参考人 ここの御計算の表にこう出ておりますが、私ももう少し自分でも調べてみたいのは、卸売物価がその一年間の修正係数一四%でよろしいのかどうか、特に工業製品の平均価格を引用されたわけでございますが、そういう車両とかプラントについて、これはいま手元に資料がございませんので、もう一度チェックいたしたいと思います。
○正森委員 あなた、何を言うておるのですか。だから私、わざわざ外務省が韓国経済協力調査団報告書で、一七二ページで、値段がそれほど上がりましたのは、日本の国内で調達するのですから、日本の工業製品の上がった値段をこういうぐあいに修正いたしますと一一四・八を掛けなければならない、こういうぐあいに書いてあるから、いわばあなた方の土俵に全部乗って計算してこうなりますよと言っておるのです。それをいまさらまたチェックしてとは何事です。そういうことをおっしゃるなら、私はこれ以上質問をしても意味がないと思うのですね。私は、なおここに資料もございますし、また海外経済協力基金のあり方について、経企庁のあり方について、また会計検査院も調べたようでありますから、そこら辺を聞きたいと思いましたが、これ以上聞いても、あんな答弁では仕方がないから質問を保留します。
○大来参考人 いまの内容につきまして、詳細調査いたしまして、後刻御報告申し上げます。
○寺前委員 先ほどから正森委員が具体的に追及をしておるのに、答弁が的を射た答弁になっていない。研究も不足しておる。このままの事態でこの質問を続けることは無理があるというふうに私は思いますので、正森委員にこの問題は留保していただいて、積み残していただいて、引き続いてこれは検討してもらうということでやっていただいたらどうかと思います。
○坪川委員長 さよう取り計らいいたします。
○正森委員 それでは、委員長のそういうお計らいでございますから、私は金大中事件についても伺いたいと思いましたが、一連の流れの中のものでございますので、この問題を飛ばしまして、領海十二海里問題について伺いたいと思います。
 そこで、領海十二海里問題について伺いたいと思いますが、政府側によりますと、国際海峡をいろいろ定めるわけだが、国際海峡の候補地といいますか、領海十二海里にすると合計二十四でございますから、その幅よりも狭い海峡というのが大体六十九カ所あるということでございました。そのうち本日までの審議での御答弁によりますと、宗谷、津軽及び対馬と大隅、これは恐らく国際海峡になるであろう、その他は検討中であるというようにお答えになったと思いますが、そういうことでございますか。
○鈴木国務大臣 そのとおりお答えしております。
○正森委員 領海問題については、宣言で行うとかあるいは法律を出すとか、いろいろ意見がございましたが、これも復習でございまして申しわけございませんが、政府は法案としてお出しになるおつもりでございましょうね。いつごろお出しになりますか。
○鈴木国務大臣 法律案として提案をし、御審議を願いたいと思っておりますが、その時期は三月中にはまとめたいと思っております。
○正森委員 そうしますと、その三月中までに、どこを政府の言う国際海峡として三海里にとどめ十二海里にしないということが決まればよろしいが、万が一なお検討するというようなことになった場合、あるいは決まっておるけれども法案の中には入れないというようなことになった場合には、どういうようにこの部分は除くということが定まりましょうか。
○鈴木国務大臣 法案提出の際に特定をいたすように努力をいたしております。
○正森委員 そういたしますと、いままで伝えられておりました、政令でどの部分をいわゆる国際海峡にするかということはないとお聞きしてよろしゅうございますか。
○鈴木国務大臣 その点はただいま検討中でございます。
○正森委員 総理、この問題は、十二海里にするか、あるいは三海里のままにして国際会議の結論を待つかということによって、その部分については九海里、わが領土といいますか、領海といいますか、その部分が縮められるわけであります。そういう観点から言いますと、その是非については、法律事項として国権の最高機関である国会の承認を求めるべきである。仮に政令にゆだねるということになりますと、もちろん法律の中にそういうことは書くでありましょうが、具体的にはどの部分を国際海峡として三海里に主権の及ぶ範囲をとどめるかということを、事実上行政府だけで決めるということになる、これははなはだおもしろくないことであるというように考えますが、鋭意努力して法律を提出するときまでに特定をして全部法律で決める、政令にはゆだねないというようにすべきだと思いますが、総理のお考えはいかがですか。
○福田内閣総理大臣 御見識とは思いますが、これは利害得失のあるものですから、よく検討いたします。
○正森委員 検討なさるというお考えでございますから、私はできる限り、その政府の案に賛成すると否とを問わず、国権の最高機関である国会、ひいてはわれわれを選んだ主権者の国民の意思によって決まるように、鋭意努力されるようにこの席から期待をしておきたいと思います。
 そこで、私は伺いたいと思いますが、総理の御答弁によりますと、何か全部十二海里にしてそれに仮に国是となっております非核三原則を適用するというのは、例になりました津軽とかあるいは宗谷とかいう海峡を何か封鎖するようになる、そうなるとマラッカ海峡が通れないから困るという御趣旨にとれる発言なんですね。少なくとも新聞等ではそういうように読める部分がございます。封鎖という言葉もお使いになったように思っているのですね。果たしてそういうお考えでございますか。
○福田内閣総理大臣 わかりいいかと思いまして封鎖という言葉を使ったのですが、領海としての制約を受ける、正確に言いますとそういう意味であります。
○正森委員 それは当然のことであると思います。
 そこで、私はこれから議論を進めていきたいと思うのですが、残る時間があとわずか十分余りになりました。先ほどのソウル地下鉄の問題は少なくともそれぐらい残しておきませんと議論が進みませんので、残る時間を留保させていただきたい、こう思いますが、いかがでございましょうか。
○坪川委員長 ただいまの正森君の御提言のごとく、積み残しの御質疑の十三分を残しまして保留しまして、質疑は終了いたしました。
○正森委員 それでは、これできょうは一応終わらしていただきます。
○坪川委員長 次に、石田幸四郎君。
○石田(幸)委員 私は、教育問題、中小企業問題等を中心にして、これから質疑を行いたいと思います。
 まず、文部大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、文部大臣も御承知のごとく、今月の七日各紙にかなり大きく報道されましたが、入学金告発の死というような報道記事が載っておるわけでございます。これは今度の入試に合格をした人が、岐阜歯科大学に合格をしたわけでございますけれども、入学時に要する金が非常に莫大なもあになるために、その親の金策の苦労を忍びずに、合格をしたけれども覚悟の自決をしたという問題でございます。
 日本の大学入試については、すでにいろいろな角度から問題が提起されていることば周知の事実でありますけれども、その最大の欠陥というのは、教育の目的であります人間教育のための勉強と入試のための勉強が非常に矛盾をいたしておることと、もう一つは家計と入学時に要する納入金との極端なアンバランス、この二つが特に際立っているわけでございます。
 そういった意味におきまして、特に医科系あるいは歯科系に対する入学金というのは膨大になっております。私の知人でもやはり第一次に私立の歯科大学を受けて合格したけれども、入学時に要する金が二千万円である、とてもこれでは負担をし切れない、しかもその父兄は中小企業の社長でございますので一般的に見てもかなりゆとりのある生活をしていらっしゃる人でありますけれども、それでもやはり息子さんの自発的な辞退によって入学を取りやめておるわけでございますけれども、そういった例はともかくとしましても、今度の入学金問題について覚悟の自決をしたということは、今日の教育行政全般が問われているけれども、特にこの大学入試の制度の問題、医科系、歯科系に対する大学入試の試験の制度あるいはそういったものに伴う金の問題、こういった問題が告発されていると思うのでございますが、文部大臣、この問題についてどのような御見解があるか、そこから承っていきたいと思います。
○海部国務大臣 御指摘のニュースを私も聞きましたときに、これは大変心痛む問題でございます。そして前途ある青年があのような問題で死を選ぶということは本当に残念なことでまことに遺憾な出来事だと私も考えております。問題は、そのようなことが行われますと、選抜の公正あるいは教育の機会均等という角度から見まして決して好ましいことでありませんから、問題を起こしました当該の岐阜歯科大学からは直ちに責任者の来省を求めて事情を聞きますとともに、入学時に多額の寄付金を強制することは絶対まかりならぬという通達を前から文部省としてはいたしておりましたけれども、今度の事実を踏まえて具体的に厳重に注意いたしますとともに、文部省といたしましては、医科大学あるいは歯科大学の学校経営には非常に多額の経常費用が要ることもこれは事実でありますから、今度は私学振興助成法の精神を生かして、配分をするときには重点的に配分をするとか、あるいは奨学金、あるいは大学そのものがたとえば入学金の分割払いを認めるようなときにはその学校法人に長期低利の融資をする制度を始めるとか、いろいろきめの細かい施策を用意して背景整備に努めてまいりますが、とにかく学校が入学時に強制的に多額の寄付金を取るということは、これは望ましいことではありませんから、強く自粛を求めておりますし、特に今度の問題を契機として、私立大学、特に私立の歯科の学校協会にも周知徹底してもらうように厳重に指導をしたところでございます。
○石田(幸)委員 文部大臣の今回の事件に対するそれを踏まえての大学側に対するいろいろな御要望、その趣旨はわからないわけではないのでございますけれども、しかし、いままでのいろいろな資料を見ておりますと、医科系、医大系の私立の場合は、やはり新しい技術も開発をしていかなければならないわけですから、それに伴ういろいろな設備をしなければならない。一つの機械を買ってもすぐ二千万、三千万であるというような状況も話が出ておるわけでございまして、文部省が御注意をする、あるいは要望する、そういう問題でこの問題は片づかないわけですね。五十一年度の私学助成にいたしましても二千億を超えておるわけですけれども、しかし、最近の傾向を見れば、確かに私学振興助成法によって私学への助成も行われておる。特に医科系の大学については、手厚くやっていると言うけれども、しかし現実はだんだんその格差が大きくなっているじゃありませんか。私学助成をいたしてもなおこういった寄付金の強制というものが拡大をされつつあるということを私が申し上げておるわけでございまして、これは一体私学助成というものがそういった私学の経営に関する経費にはるかに及ばない現実でもあるし、将来そういう方向をたどらざるを得ないのではないか。そうしてみますと、一体私学の助成をすると言っても、国で措置するような金額程度ではとうてい及ばないのではないか。そうしてみると、もう一遍問題を洗い直して、その考え方を改めなければならないのではないかと思いますが、この私学助成の金等ではとうてい及ばない現実についてはどういうふうにお考えでございますか。
○海部国務大臣 石田委員御承知のように、私学振興助成法という法律が一昨年成立しましたとき、その私学の経常費の二分の一以内で補助することができるという努力目標を掲げて、以来、一生懸命努力をしているわけでして、これはあるいは十分であるとは言えないかもしれませんが、今年度の予算を見ていただきましても、この厳しい財政状況下で二四・四%の伸び率で私立大学に対する助成の予算措置は講じておりますし、また御指摘のように医学部、歯学部というのは、その特殊性から、他の学部と比べますとずいぶん費用のかかることも十分理解しておりますので、その配分のときには、これを学生一人当たりの金額に換算してみますと、法文系の五・六万円に対しまして、医学、歯学の平均は九万円を超えるように、十分に配慮をしてやっておるわけでありますから、私ども、環境整備は、苦しい財政状況下ではありますけれども、その中でできるだけ重点的に取り計らっておる。なお、そのためにも公教育の方で医学部、歯学部を負担する計画というものもございまして、全国の無医大県を解消するために、医大のないところに国立の医科大学を設置するとか、あるいは歯学部を増設をするとか、できるだけの努力をしておるさなかでございます。
○石田(幸)委員 そういった文省の措置についてはわからぬわけではございませんけれども、しかし、それでこの問題が解決できますか。
 それからもう一つの問題は、ここで提起されているものは、やはり国公立と私学の格差是正の問題が改めて問われていると思うのですね。私学経営者たちが出しているいろいろな出版物を見ますと、結局、経常経費二分の一の負担ということは望ましいことであるけれども、その基本は、やはり国公私立の格差をどうしても是正してもらわなければならぬのだという、そういう基本点に立って主張をいたしておるわけでありますけれども、この国公私立の格差是正の問題を含めてお答えをいただきたいと思います。
○海部国務大臣 国公私立の格差是正の問題につきましては、私学振興助成法のみに頼っておるわけでもございませんで、たとえば御承知の育英奨学金の制度にしましても、私立大学の学生には国立大学の学生に貸与するよりも月額においても多くしておるとか、あるいはまた私学が私立学校法人において行おうとしておる独自の奨学金制度に対しては私学振興事業団から特別の長期低利の融資を行うとか、いろいろな方面の施策を総合して格差是正のためには力を尽くしてまいりたい、こう考えております。
○石田(幸)委員 四十九年度の学生生活の調査報告によりますと、日本人の生活の単位をその収入別によって大体五分類に分けておるわけでございますが、この状況からいきましても、国公立に入学している子弟というのは第五五分位、いわゆる一番金持ちの人たち、そういった人たちの子弟が入学する率というのは非常に多くなっているわけですね。国立大学においては第五五分位の子弟が三四・一%、公立に至っては四五・七%というふうに、国立や公立の大学へ入る人たちの生活程度を見て見ると、日本の最高収入のある人たちの子弟がもうすでに半分近くになりかけているという現実があるわけでございます。そうしていわゆる収入の低い人たちは、たとえば国立にいたしましても、第一五分位を見ますと、四十七年に国立に入っていたのが一九・七が四十九年には一四・四、公立に入っていたのが四十七年一四・四から九・三と、極端に第一五分位、第二五分位の人たちの入学の数が少なくなっている。こういう現実を見ますと、まさに教育の機会均等というのは失われつつあるというのが私は現実だと思いますが、そういった憲法の精神を踏まえて、この機会均等が不公平になりつつある現実をどういうふうに政府は是正をしようとなさるのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
 なお、加えますれば、こういった公立あるいは国立の場合は施設もいいし、また教授一人当たりの学生数もきわめて少ないというような現状、いわゆる恵まれた大学であるということから、そこへどうしても集中しがちである。しかし、その集中するについては、小学校から金持ちの家庭であるがゆえに家庭教師をつけられる、中学のときも同様、そういうふうにして、金持ちの子供でなければ国立や公立へはだんだん行けなくなってきている現実を、私たちはこれは考え直さなければいかぬと思うのですね。そういった意味も含めて、ひとつその対策を明確にお示しをいただきたいと思います。
 なお、先ほど御答弁が医科系の大学の入試の問題についてございましたけれども、先ほど文部大臣が述べられた施策によって来年度はそういった二千万円も払えない子供はもう大学に入れぬのだというような風潮を打ち破ることができるかどうかについてのお答えはなかったはずでございますから、その点もひとつ明確にお答えください。
○海部国務大臣 お答えいたします。
 石田委員御指摘の五分類による構成比、それぞれに所属する学生のパーセント、私は大体そんなことになっておると思います。私の方も、それと全く同じものかどうか知りませんが、これは昭和四十九年のものを持っておりますが、全国平均いたしますと、第五分位で五〇%、第四分位で二二%ぐらい、第三分位で一二%、第二分位で七・五%、第一分位で八%、こうなっておりまして、このパーセンテージは大体昭和四十年ごろからこの十年間横ばいのような状況で移動しておる、多少の上下はございますが。
 そういうふうになってまいりますと、御指摘のように全体の約二〇%ぐらいのところで五〇%の学生数を占めるということになりますと、御指摘のような問題も含まれておろうかと考えますので、教育の機会均等という立場からの奨学金制度に力を入れたり、何度も申しますが、私学振興助成法という法律をつくって私学の経営を国が補助することによって幾らかでも父兄の教育費負担の格差、不公正を是正するように毎年積み重ねの努力を重ねてきたところでありますし、これからもこの方向でいきたいということでございます。
 なお、二つ目の御質問の来年から二千万円の寄付金の制度がなくなるか、これはもうあること自体が好ましくないと私も申し上げたわけでありますし、文部省はかねてから強制的な寄付金を多額に取ることはよくない、自粛の通知を出したわけでありますし、また、今度の事件を契機に、当該校はもちろんのこと、その大学の協会にも強くこのことは、自粛のお願いをしておるわけでありまして、ただ口で自粛せよ、せよと言うだけではなくて、それにふさわしいように助成金も一般の法文系に比べれば歯の方は十倍近い一人当たりの助成も出しておるわけですし、この財政情勢の苦しいときにも振興助成金は大幅に伸ばしておるわけでありますから、こういうわれわれの努力もくみ取ってもらって大学側もこれは心に銘じて協力してもらわなければならないし、また協力してくれるように再三重ねて自粛を強く求めていく決意でございます。
○石田(幸)委員 この問題について総理にお伺いいたしますが、総理も御存じのとおり、憲法二十六条には「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に感じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」、こういうふうにうたわれておるわけでございますが、しかし、いまもお話を聞いていらしたように、だんだん教育の機会均等というものはゆがんできておる。しかも医者になりたいというような人たちがおっても、それが多額な入学金を払えるような家庭でなければもう医者にはなれないという現実ですね。そういうような現実を見てみますと、この憲法で保障された教育の機会均等という問題も、これは全く費用の問題は別ですよというような感じになってきているわけですね。そういった意味におきまして、どうしてもこれを是正をしなければならないと思うのですが、総理も教育がすべての基本であるというふうにおっしゃっておるわけでございますので、これの是正問題に対する総理の御決意を伺いたいと思います。
○福田内閣総理大臣 教育ということはもう国の政治の基本でなければならぬと常々申し上げておるわけですが、やはり人間の生まれながらの素質というものは違うわけでございますが、違いながらもその素質をフルに伸ばすということが、これはもう政治の本当に大事な点じゃないか、こういうふうに思います。そういう意味から申しますと、教育の機会均等、教育の機会につきまして、これをなるべく均等化するということは非常に大事な政治の骨格でなければならぬ、こういうふうに考えます。
 しかし、現実はいま御指摘のように、特に医学なんかではひどいわけですが、二千万円あるいはもっと入学金がかかるというような状態というものは、これはもう異常でございまするから、できる限りひとつ政府も努力いたしまして、教育の機会均等を実現するというふうにいたしたいと存じます。
○石田(幸)委員 この問題は非常にむずかしい問題だと思いますけれども、しかし、現実に大学の入学金は毎年毎年増大をしておる。私学助成の金額がふえても、なお大学のいわゆる高等教育に対する父兄の負担は増大をしていくわけでございまして、この問題はいろいろな角度から御検討いただかなければならないと思うのです。
 たとえば奨学金の問題にいたしましても、他の外国の例を見てみますと、これはいわゆる給与という形になっておりますですね。日本よりも金額も多いし、それはいわゆる学生に与えてしまう、そういう制度をとっておるところも多いわけです。貸与するか給与するかの是非ばともかくとしましても、やはりいまの父兄負担の問題を解消する意味においても、あるいは青年時代の自分自身の鍛練のためにも、私は、奨学金等はもっとその金額をふやして、そして自立の精神を植えつけるようなそういう方向、親の負担があるから大学へ行けるんだというような考え方だけではなくして、そういう面への助成も増大をする必要があるのではないか、これだけ御意見を申し上げておく次第でございます。
 次に、文部大臣にお伺いいたしますが、時間の関係上、ごく簡単にお伺いいたします。
 いわゆるいま中学から高校へ進学をする人たちが年々ふえておりまして、たしか文部省の試算によりましても、五十一年度から五十五年までの間に高校へ進学をする人たちは この五年間で約四十三万三千人くらいふえるだろう、こういうふうに想定をされておるわけでございますが、これもまた非常に重大な問題でございまして、もしこの進学の急増に対する学校施設の建設ができなければ、これは大量の中学浪人を輩出することになるわけでございまして、そういった意味で、教育の問題はますます混乱をしかねないような状況にあるわけでございます。そういった意味でいわゆる四十三万三千人の急増する高校生に対して、文部としてはまず校舎の建設についてどのくらい必要と思われているのか、その経費についてはどのくらい必要だと思われているのか、そこら辺の試算について御答弁をいただきたいと思います。
○海部国務大臣 御指摘のように、今年から五カ年間に大体四十三万人程度ふえるであろう、そういうことで、高校生急増に対しまして文部省といたしましては、まず校舎の整備のために、従来ですと、御承知の地方債と交付税で財源措置をしてまいりましたが、それではいけないということで、五カ年間、急増期間に区切って一定要件のもとに高校建設費の国の補助を考えまして、今年度の予算では百八億五千八百万円、千二百十一学級を用意したところでございます。
 さて、この五年間でどれくらい学校が必要で、またその経費はどうかというお尋ねでありますが、これは昨年の九月に都道府県の教育委員会にいろいろお願いして調査したところでは、四百三校という数字が出ておりますし、十二月になりますと、いろいろまた数値の変更がございまして、四百十六校というような数字も出ております。いずれにしても四百校を超える高校が必要であろうと考えるわけですが、現在のところ高校建設というのは、標準で申し上げますと大体二十四学級、屋内体操場の千平米ぐらいのものを一つ加えたものが試算で幾らぐらいかかるかと申しますと、私の計算では八億ぐらい建物にかかる。それから土地についてはその場所によっていろいろ上下いたしますので的確な数字は、今後五年間にわたって、全国平均でありますからなかなか出しにくい点をひとつ御了承をいただきたいと思いますが、現在ではそれぐらいかかるのではないか、私はこう考えております。こういった四百校を超えるものを今後五年間につくらなければならないという基礎に立って、この五年間は一定条件のもとに、従来の地方債、交付税だけの財源措置に頼らないで、国も直接補助をしてこの計画を達成して、高校生に対して不安な状況をつくらないようにしていきたい、こういう努力を今年度から始めておるところでございます。
○石田(幸)委員 なかなか試算をしにくいでしょうけれども、しかし文部省の現場等と詰めてやりましたところ、文部省の四百三校という試算の数を見ても、これから三百四十校ぐらいは新たにつくらなければならないわけですから、これは九千億から約一兆円ぐらいかかるわけですね。土地の取得を大体十五億程度と数えても、文部省では、平均すれば東京都のように過密地域もあるから二十七億ぐらいかかるのじゃないかと言っていますね。それで試算をしてみますとはるかに九千億を超えるわけですよ。
 これは特に自治大臣にお伺いをしたいのですが、この九千億以上かかる高校建設費に対して、文部省のいままでの試算によりますと、建物に対する三分の一の助成、これが基準になっているわけですね。そういうことをいろいろ考えてみますと、少なくとも地方債あるいは交付税等で措置をしなければならないのが五十四年度、いわゆる五十五年に開校しなければならぬわけですから五十四年度までに八千二百四十億ぐらいかかるわけなんですね。そうすると、この地方債の起債というものはいままでの地方債の起債にこれをプラスさせていかなければならないわけですから、大変な金額になる。地方財政圧迫要因になると思うのですが、この点に対する御見解はいかがでしょうか。
○小川国務大臣 お答えいたします。
 高等学校施設の整備事業につきましては地方交付税並びに地方債で措置いたしておりますけれども、生徒が急増しておる事態に対応いたしまするために、地方財政計画の中に特に高等学校整備事業という項目、まあ平たく申せば別枠でございますが、これを設けまして財源の拡充を図っておるところでございます。これに伴いまする起債の償還費につきましては、その都度公債費として歳出に計上いたしまして地方財政計画で調整をいたしておりますから、このために地方財政が圧迫を受けるような事態は起こらないと存じております。今後も同様の措置を講じてまいりますが、文部大臣から御説明のありました国庫補助の制度、五十一年に創設をされておるわけでございますが、自治省といたしましては、当面この補助制度を一層拡充していただくように関係省に要請をいたしておるところでございます。
○石田(幸)委員 時間がありませんのでこの問題はこれ以上追及しようとは思いませんけれども、自治大臣のいまの御答弁は財政措置としてはきわめてのんきなお考えじゃないかと思うのですよ。五十一年度の高校整備、財政措置を見ますと、交付税で七百二億、起債で一千百三十三億でしょう。そういうような起債の状況の中に、先ほど申し上げたように、一年間で二千四百億ぐらいの起債をしていかなければならないわけですから、これは大変な財政負担になるのですよ。この点はひとつ十分御研究をいただきたいと思います。
 それから文部大臣にお伺いをいたしますが、人口急増地帯というのは、いわゆる東京とか関東周辺とか全国の過密地帯が特に高校を要望されるような状況になってくるわけですが、先ほど文部省の試算の中にありましたように、二十四学級以上の千名ぐらいの大きな学校、そのためには最低一万平米ぐらいの土地が必要でしょう。そういうものは東京都の中で幾つ見つかりますか。あるいは関西の大阪周辺で幾つ見つかります。神奈川あたりでも五十五年までに百校は建てなければならぬと言っているけれども、それだけの土地を確保することができますか。そういう用地取得難の問題もあるわけなんです。だから私は、いまの財政難の問題とこの用地取得難の問題を入れますと、高校を増設するという問題は容易なことじゃない。しかも中学、高校についても、新聞発表された国土庁の試算によりますれば、五十四年までに全国で千五百校はつくらなければならぬ。この用地を取得するだけでも大変なことなんです。そういった意味におきまして、地方財政の問題、用地取得難の問題、そういうような問題が出てきたからできませんでしたということになりますと、たちまち中学浪人は十万、二十万人出てくるというようなことになります。これに対する歯どめは心配ありませんか、歯どめはできますか。私の言うのは、この高校急増に対する促進法ぐらい制定して、国、地方自治体の責任を明確にしなければならぬと思いますが、この点はいかがでございますか。
○海部国務大臣 御指摘のように、大都市周辺においての用地取得が必ずしも容易ではないということは理解いたしますが、関係者の御協力、御努力によって何とかこれは解決をしていかなければならぬ問題でありますので、私どもは、これは誠意をもって当たっていきたいと思います。それからこういう公共用地に対する一般の御協力もそれぞれお願いをし、そしてみんなで中学浪人を防いでいく方向にいかなければならぬ。幸い石田先生御指摘のように、ただいま高校進学率九八・六%というところまで達しておりまして、現在、ほとんどの希望する人々が高校に通っておる状況でありますから、この進学率をより高めこそすれ落とすことのないように、いろいろな手当てをしておるわけでありますし、一生懸命に努力をして御心配のような点が起こらないようにいたしたい、こう考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○石田(幸)委員 それでは、教育問題、まだたくさんありますけれども、時間もありませんから、中小企業の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず、総理にお伺いをいたすわけでございまがが、中小企業の分野調整問題について、昨年十二月十四日、中小企業政策審議会、総理の諮問機関でございますけれども、その意見具申を受けて立法化の準備を進めていらっしゃると思うのですが、一括して伺います。この法律案を一体いつごろ国会へ御提出される用意があるのか。それからまた、意見具申によりますと業種指定はされないようになっておるのでございます。しかし、自民党内にも業種指定をすべきであるという声もかなりあるというようなお話も伺いました。また、意見具申に従って法律をつくるとすれば、調整の方法として勧告、公表、そういう問題にとどまってしまうわけですし、この分野調整の対象として小売業を除いておるわけですが、その理由に大規模小売店法を挙げております。その大規模小売店法では罰則つきの命令権が付与されておるのです。そういった意味において、これは関連する法律でございますがゆえに、やはり変更命令権等を設けるべきではないか、特に業種指定がなければこの法律は骨抜きになってしまうという点も私の方では心配をいたしておりますので、この点を含めて、まず総理にお伺いをいたします。
○福田内閣総理大臣 この法律案はこの国会へ提案をするという予定でございます。ただ、これはなかなかむずかしい法案でありまして、なお準備に時間がかかる、そこでまだいつごろというふうには申し上げかねるのですが、なるべく早く御審議願えるようにいたしたいと思います。
 それから業種指定の問題につきましては、いまお話もありましたが、審議会の方はこれはいたさないという方向の御議論なんです。そういうこともありますので、そういう方向でいま立法の準備をしておるわけでありますが、なお慎重に検討してみることにいたします。
 その他の問題は通産大臣からお答え申し上げます。
○田中国務大臣 お答えいたします。
 御質問の最初の法案提出の時期等につきましては、総理からお答えがございましたので、残りましたいまの業種指定の問題につきましてお答えいたしますが、指定すべき業種を的確に選別いたしますことの客観的、公正妥当な基準がなかなか見出せないというような問題がございまして、その結果、消費者利益の侵害などの弊害も懸念いたされますので、これを採用いたすことは不適当であるという立場をとっております。
 大店法の問題もあわせて御質問があったと存じますが、この分野調整というものは、小売業以外のあらゆる業種におきまするきわめて多様性に富んだ事業分野をめぐる紛争に関しまして適用するものでございまして、したがいまして、先般の審議会の御答申にもありますように、紛争当事者の意見を聴取いたしながら、審議会で十分論議を尽くした上で具体的な事例に即応をした適切な解決をいたしたい。むしろ勧告という形で大企業者に受け入れさせるというような、ソフトではありますけれども、それだけにまたきわめて弾力的な調整手段が望ましい、かような方法で十分に目的が達せられるであろう、かように存じております。
 なお、詳細のことは担当の政府委員からお答えいたします。
○石田(幸)委員 大規模小売店法との関連についてお答えがありませんでしたけれども、これはまた別の機会に議論をいたします。
 きょう私が中小企業問題を取り上げたいのは、やはり官公需の問題についてであります。政府は、景気対策のためには一兆円減税よりも公共事業投資の方がより効果的であるということをしばしば表明をされておるわけでございます。これには物価調整の意味はもちろんのこと、消費者の需要喚起の問題あるいは生活の直接的防衛という問題等もございますので、私たちはその政府の行き方、考え方には賛成はできませんけれども、いずれにしても本年度の予算の性格は景気回復の対策を重視していくことにおいてはそのとおりだと思うわけでございます。そういった意味におきまして、この公共事業投資というものが速やかに執行されなければならない。特に昨年度の状況を見てみると、地方財政との関連において補助事業が大幅におくれておる。そういったことが公共事業投資の効果がより上がらなかった一つの大きな原因でもあるわけでございまして、発注を早くしなければいかぬ、そういうふうに思うのでございますけれども、それらの公共事業投資をよりよく効果あらしめる方法に対して建設省はどういうふうにお考えになっているか、伺いたいと思います。
○長谷川国務大臣 昭和五十二年度の建設省所管の事業でございますが、お説のとおり景気回復というか、景気の回復に非常に大きな影響を持つ、この観点からいきまして、年度つまり来年度当初早急に行っていかなければならない、しかし、その切れ目のないような方法をもって発注をしてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。したがって、その面につきましては、ただいま関係の大蔵省等ともいろいろお話を進めておる。なるべく速やかに可能な方途を切り開いてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○石田(幸)委員 さて、官公需の問題についてお伺いをするわけでございますけれども、いま官公庁等から仕事を受ける場合、いわゆる元請が契約をいたしまして仕事を受ける場合に、着手金が大体三〇%から四〇%というのが慣例であります。ところが、元請から仕事が下へいく場合、いわゆる下請に契約がなされる場合に非常に劣悪な条件で契約がなされておるわけでございます。仮に本年度の公共事業費四兆二千八百十億の三割が前渡金として渡されるというふうに考えましても、一兆二千八百四十三億のお金が大手の元請の前に支払われるわけであります。しかし、実際に仕事をする下請が受ける金額というのは、四〇%の中で、全体の一三%しか下請には前渡金が支払われていない。しかも大半は手形の場合が多い。
 これは特に建設関係でございますけれども、私はここに一つのある元請会社の下請に対する契約の見積もりの条件を提示しておるコピーを持っておりますので、これに対する御意見を私は伺っていきたいわけでございます。いわゆる下請会社は、元請会社と官庁の契約金額の八八%で見積もりをしなさい、これが一つの条件になっております。それからまた請負代金の支払い方法についても、下請には請負契約高の一五%を約束手形百五十日で支払う、こういうふうになっております。また出来高払いについても現金六〇%約束手形四〇%、それから最後の残額についても現金六〇%約束手形四〇%、こういうような状況にあるわけですね。しかも工事にいろいろ問題があったときには、すべての義務を下請が負わされておる、こういう状況にあるわけでございます。こういうものを仮に試算をしてみますと、先ほど申し上げまたように、幾ら公共事業投資を政府が積極的にやりましても下の方までその効果がなかなか及ばない。四兆二千八百十億の前渡金を三〇%払って一兆二千八百四十三億。これだけのものを払っても下請の方にはわずかに五千億程度しか回っていないわけですね。こういうところに中小企業の倒産が非常に多いという一つの原因があるのではないかと私は思うのですね。
 そこで、まず公取にお伺いをいたしたいのでございますけれども、こういうような取引の実態というのは不当に下請を圧迫するものでございますから、独占禁止法の精神あるいは下請代金支払遅延等防止法の精神に大きく違反をしているのではないか、こういうふうにも思われるのですが、公取の見解をひとつ承っておきたいと思います。
○澤田政府委員 お答えをいたします。
 御承知のように、建設業の下請取引につきましては、建設業法の規定を受けまして、公正取引委員会といたしまして不公正な取引方法の認定基準というものを定めておるわけでございます。これによって、下請取引の公正化に努めておるわけでございます。しかし、認定基準は工事が進んだ後の支払い遅延について規定をしておるというのでございまして、ただいま御指摘の事例につきまして考えますと、着手金を受け取ったということだけで直ちにこの認定基準によって処置するということがむずかしい場合が多いのでございます。
 しかし、下請業者に対しまする支払いが、いわゆる出来高払いの場合に長期手形が交付されておる。あるいは引き渡しの申し出の日から五十日たってもなお割り引き困難な手形が交付されておる。そういうような場合には、この認定基準の三、四、五等に該当すると考えられますので、これによって取り締まることができようかと思っておるわけでございますが、
    〔委員長退席、細田委員長代理着席〕
このほかにも具体的な事実を検討いたしまして、独禁法の不公正な取引方法の一般指定の十でございますが、いわゆる優越的な地位の乱用の問題といたしまして、独禁法上違法となるというふうに認められるものもあろうかと存じますので、その点は今後の問題として十分検討してまいりたと考えておる次第でございます。
○石田(幸)委員 建設大臣、いま、これから十分検討する余地があるだろうというふうに、公取の委員長も見解をお述べになったわけでございますけれども、まだひどいのが幾らでもあるのです。これもやはり官公需の下請の社長、倒産した会社の社長の手紙です。これによりますと、元請会社は三〇%から四〇%のキャッシュをもらっているのに、下請には一銭も着手金を払わないのですね。そういうことがこれに明らかに書かれておる。またいわゆる他のいろいろな条件によって設計変更を余儀なくされた、その設計変更を余儀なくされたために工事がうんとおくれてしまった。人間を抱えておかなければならない。設備も抱えておかなければならない。そのために大幅な赤字ができて倒産をしたわけですね。
 ところが、いろいろな道路公団等の例を見ましても、設計変更についても道路公団なんかきちんと払っている。またインプレスライド分についても元請に払っているわけですね。だから元請会社は非常に優遇されておるけれども、その反面、下請は大変な犠牲をこうむって仕事をしなければならない現実にある。確かにいまは独禁法やあるいは下請代金支払遅延等防止法の規定の中には、まだこれは法律が不備かもしれませんけれども、十分対応する処置がないわけですね。これから研究しなければならないわけだから。
 しかし、こういうような現実、私はこれを一つの例として申し上げましたけれども、私が東京都やあるいは地元の名古屋等のいろいろな会社、建設業を歩いて聞いてみますと、確かにこれが標準だというのですね。こういうことが一般的に行われているわけですよ。そうしてみますと、私は余りにも元請の方が下請をいじめているのではないか、そういうふうに感じてならないわけでございますけれども、建設大臣は、建設省の直轄事業だけでも結構でございますけれども、こういう実態を御存じですか。あるいはそういう実態について調査をされるつもりがありますか。あるいは私がいま申し上げたことに対して行政指導等において改善をされますか。ここら辺の問題について伺います。
○長谷川国務大臣 おっしゃるような事態が生じているということも私は承知しております。したがいまして、これらの問題につきましては、いろいろな業界からの陳情等もございまして、その実態を把握もしておりますので、これに対しては厳重な、業者に向かってなさなければならないことを、なぜやらぬのだというようなことを厳重に省を通じて申しつけておるわけでございます。したがって、なおこれらの問題になってまいりますると、おっしゃるとおりの零細中小企業者あるいはこれは賃金の支払いの面で建設労働者にも大きな影響のあることでございますので、厳重に、これらは数回にわたって通達も出しておりますし、今後はさらにこれに向かって厳重な監督をしてまいるつもりでございます。
○石田(幸)委員 そういう抽象的な問題ではないのでございまして、確かにそれは何度か御注意をされているでしょうけれども、しかし建設省として直轄事業等をやる場合においても、その下請までの立場も考えて、いわゆる日本の経済構造というのは二重構造になっておるわけでしょう。そういった中小企業や下請業者の力によって支えられている部分というのは決して無視できないはずですよ。あなたの方で努力されているというけれども、現実にはまだこういうことが堂々とまかり通っているじゃないですか。そういった意味において、もう少し具体的な指導をしていただかなければ、この慣行は崩れないでしょう。その点を申し上げておるのですけれども、いかがでしょうか。
○長谷川国務大臣 ただいま申し上げたとおり、もちろん実行に移さなければ何の価値もございませんので、これについては申し上げたように厳重な通告もしておりますし、地方局を通じまして、今後こういうことのないように十分注意をせよということを徹底しているつもりでございます。したがって、今後はこういうことのないように、なお一段の効果が上がるような努力を重ねてまいりたい、こう考えております。
○石田(幸)委員 全然変わらぬじゃないですか。これは中小企業の倒産を防ぐ意味におきまして、あるいは労働者の失業という問題を考えてみても、せめて人件費相当分ぐらいは、これは下請までキャッシュで払ってあげなさいというような慣行を、やはり発注なさる方が力があるのですから、そういうような行政指導ぐらいはできるのじゃないかと思うのですけれども、もう一遍ひとつ御答弁ください。
○長谷川国務大臣 この問題につきましては、建設業法において、要するに下請請負人の保護の立場から、下請代金の支払い及び支払い時期などの規定を置きまして、元請業者の下請人に対する指導ということについて義務づけてあるのであります。したがって、義務づけてあるにもかかわらずこの義務を履行しない場合には、建設省としてはこれに対する罰則までも設けてあるということを御了承賜りたいと存じます。さらに、申し上げたとおり、これについては建設業者を強力に指導しておくつもりでございます。
○石田(幸)委員 私はそれでもまだ納得できないのです。これは力関係において下請の方から告発できるという性格じゃないのですよ。だからそういうような元請のみが優位な立場に立っているという事例について、どうやって調査をされるかということももちろん問題があるでしょうけれども、非常にむずかしいのですよ。だからやはりこれは発注者側において行政指導を何らかの形においてなさなければ、これは元請は全部キャッシュでその都度もらうわけでございますから、せめて何%くらいはというようなある程度の基準をつくるか、あるいは人件費等というような、何らかのそういった基準をつくるか、そういう方法でいかなければ、この問題は解決しないのですよ。何でもこういう慣行で行われておるのですから。
○長谷川国務大臣 その発注の場合に、やはり現場説明をいたしまして、その現場説明に相違があった場合にはこの法に抵触するのですぞということを、必ずいつの契約にも言いつけておくのでありまして、ですから、現実にそういうことが何もどこへも訴えるところがないとか、あるいはそういう苦しみを伝えるところがないじゃないかということは私の方にも来ておる実例もございますので、事実を調べて、そういうことがあった場合には、いま現在でも厳重に処断をしているのでございまして、もしそういう点がございましたならば、また今後私の方へ通告をしていただけば、私の方からもそれに対して処理をいたしていく考えでございます。
○石田(幸)委員 あなたといつまで議論していてもその問題は解決できないと思うのですが、総理、この問題は大変な問題だと私思うのですよ。やはり公共事業投資が全部こういう形で行われていくわけでしょう。それだけにやはり下請をもう少し重視しなければ、これは工事もスムーズにいかないし、また投資効果という問題を考えてもおくれていくのですね。これは元請が前渡金四〇%もらったものが直ちにそのまま下請へいくというような問題じゃない。材料等を購入する等の問題もありますから一概にそうは言えないにしましても、余りにも経済を支えている二重構造の中で中小企業が呻吟している状態を見ますと、元請会社の優位性は疑いないと思うのですよね。そこら辺について十分政治的にこれは配慮をしなければならない問題じゃないか、こう私はお訴えをいたしているわけでございまして、総理の御見解を承っておきましょう。
○福田内閣総理大臣 御指摘の問題は建設業法にも規定されておる問題ですから、これが厳格に守られるように建設省で努力するようにいたします。
○石田(幸)委員 それでは次に、韓国に廃油スラッジが輸出をされておりますが、この問題についてお伺いをいたしておきたいと思います。
 これはもうすでに新聞等でもかなり取り上げられている問題でございますけれども、この産業廃棄物の中で、特に廃油関係においては最終的に焼却処分をしなければならない、そういうことが法律によって決められておるわけでございます。ところが、この廃油かすの中で当然焼却処分をすべきもの、再生処理ではなくして焼却処分をすべきもののかなりの量が韓国に輸出されているようですね。五十一年七月二十四日の新聞にも出ております。それから五十一年五月四日の朝日新聞にも韓国船の転覆が報じられておりますけれども、これは石油スラッジを積んだものでございます。それから「韓国日報」の五十一年七月二十七日に「日本から公害大量輸入」、こういうような問題が報じられておるわけでございますが、時間もありませんけれども、まずこの状況について厚生省から御報告をいただきます。
○渡辺国務大臣 お答え申し上げます。
 昨年と一昨年に韓国に廃油が輸出された、こういうような事実は承知をいたしております。昨年八月に韓国政府によりまして、石油タンク清掃時に生ずるところの廃油類、それ以外の廃油については輸入禁止の措置が実はとられております。しかしながら、石油タンクを洗った場合の、タンククリーニングから出てきた廃油は別に輸入を禁止はいたしておりませんし、また輸出についても別に禁止はいたしておりません。
○石田(幸)委員 厚生省では五十一年十月二十五日に「産業廃棄物の外国への持出しについて」という通知を出しております。それには、実態報告をしてもらいたいということと、「受入れ国において好ましくない事態を生じさせるおそれもなしとされないので、事業者等に対し、受入れ国政府の意向、受入れ先における処理方法が適正であるかどうか、受入れ先が関係法令等を遵守しているかどうか等について、情況を適確に把握させ、十分な措置を講ずるよう適切な指導を行われたい。」というような通知が出ているのですけれども、韓国側においてはこれよりも以前の八月二十七日に、廃原油輸入承認の件について、「廃潤滑油及び産業廃棄物質の輸入禁止、タンククリーニングのときに発生する原油糸スラッジに限って輸入を認める」、こういうふうに韓国の商工部の方では通達を出しているのですね。その後に何でこんな通知が出てくるのですか。特にお伺いをしたいのは、受け入れ先が関係法令等を遵守しているかどうかを十分に把握させなさいと言ったって、関係法令は日本の法令でしょう、外国に及ばないじゃないですか。こんなものを十分遵守をと言ったって、日本の業者がそれを調べてみても向こうの国にはそれは関係ないのですよね。何でこんなことを出すのですか。全くナンセンスじゃないですか。これについての見解を承りたい。
○渡辺国務大臣 当時、韓国の状況を知らなかったそうでございます。
○石田(幸)委員 そういうようないいかげんなことでは困るわけでございまして、しかも向こうは輸入されてしまったこの廃油ピッチについては、もうすでに税金で処分をする以外にないと言って大変怒っていらっしゃるわけですね。
 そこでお伺いをするわけでございますけれども、外国にこういった廃油等を輸出する場合に、今度三月に施行されるところの産業廃棄物に関する法律の中では、最終的に排出者が責任を持たなければならないことが明記されておりますね。いままでは運搬業者に全部頼めばそれでよろしい、こうなっておったけれども、運搬は運搬、それから処理は処理といって明確に排出者がそれの責任を持たなければならぬ、そういうふうになったわけでございますけれども、外国に輸出した場合に、その最終処理が確認できますか。一時は確認できたとしても、あるいは変更するかもしれない、そういうようなことになりますと、これは取り締まり当局としても責任を持てないのではないか。一体この法令に基づいてどういうふうに警察庁としては対処されるのか、まず伺いたいと思います。
○渡辺国務大臣 廃棄物の輸出というのはほかにも実は例がございます。触媒等についてはアメリカに輸出をして、アメリカでまたそれの再処理を行う、再生産を行うというようなこと等いろいろやっておりますので、それぞれの業者はやはり関係各国の法令等を十分に調べて、そうして向こうの法令に違反しないように、また他国の国民感情を害しないように、そういうことを十分調べてからやってほしいということを義務づけておるわけでございます。
○石田(幸)委員 そうであれば、今度は韓国はタンククリーニングのときに発生する原油糸のスラッジしか輸入してはならないと言っておりますから、当然いま日本が向こうへ運んでいる廃油ピッチ等は焼却処分の対象になるものですから、そういった意味で輸出はできないということになりますね。いかがですか。
○渡辺国務大臣 そういうようなことになろうかと存じます。
○石田(幸)委員 それから、大蔵省の方にお伺いをするんですけれども、税関を通過するときに非常にこれがいいかげんにやられておるわけですね。私、輸出承認申請書の控えを持っておりますけれども、これにはユーストオイル、いわゆる廃油とだけ記入しておって、中身が全然検討されていない。そういうところからどんどんどんどん輸出をされておるんだと思うのですけれども、韓国政府は先ほど申し上げたように、クリーニングオイルしかだめだ、こういうふうになっておるわけでございまして、なぜこういう細かい問題を検討しないのか。大蔵大臣いかがですか。
○坊国務大臣 法令の関係等のようでございますから、政府委員にお答えさせます。
○旦政府委員 関税法の七十条によりまして、他の法令によって輸出入につきまして承認または許可を要するものにつきましては、その承認または許可を得ていることの証明をしていただくことになっております。現在問題になっております廃油スラッジにつきましては、わが国の他の法令におきましてそのような規制がございませんので、当方といたしましてはその証明等を必要といたしておりません。したがいまして、もしわが国の法令におきまして新たにそのような規制が設けられることになりますれば、そういう点で税関においても規制をすることができるというのが現状でございます。
○石田(幸)委員 そういうことになれば、厚生省さん、これは産業廃棄物のあの法律はまだ弱体だということになりますな、いかがですか。法令で基準が決まってないからとおっしゃる。
○渡辺国務大臣 先ほど先生から御披露のあった法令につきましては、三月十五日をめどに施行を考えております。したがって、まだ施行されておりません。
○石田(幸)委員 そうすると、今度の輸出承認申請書も、三月実施の法令に基づいてその内容等は厳重に検討するということでございますか、大蔵省。
○旦政府委員 そのような法令が出ますれば、当然のことといたしまして規制をいたします。
○石田(幸)委員 いまの答弁は、私は非常に不満なんです。大体この廃油スラッジというのは、処理料をつけて処分をしてくれと言って頼んで、業者に運んでもらうべき性質のものですよね。そういうことがわかっていながら、韓国にそういうような公害が発生するおそれのあるものを輸出を承認するということはおかしいじゃないですか。これは完全な公害輸出じゃないですか。そういうことを安易に認めてきたその責任は一体どうするんですか。韓国側がかんかんになって怒っているじゃないですか。いままでそういった法律の不備があったからというようなことで済ましてしまうような問題じゃないと思いますね。総理、いかがですか。これは「公害大量輸入」、韓国日報に載っておるんですよ。向こうは税金で処分しなければならぬと言っておるわけです。
 だから、きめ細かい法律による対処も必要でございますけれども、やはり監督官庁で、ただ法令に違反をしなければそれでいいというような考え方ではこういうような事件が起こるわけですよ。もう少しこれは精神を入れてやってもらわなければどうもならぬじゃないですか。いずれにしても、そういう公害を発生するおそれのあるもの、外国にしか処理工場がどうしてもないのだという特殊なものは除いて、それはやはり公害先進国として、特にアジア諸国については、こういったものの輸出入については十分留意して、絶対にそういう迷惑をかけないようにやるべきが国際慣行の上からいっても必要じゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
○渡辺国務大臣 先ほど申し上げましたように、産業廃棄物処理法の改正の施行は三月十五日ということをめどにして考えておりますと申し上げましたが、実は業者等につきましてはかなり徹底をして、あらかじめこういう法律が通っておるのだから、それに違反をすることのないように、行政指導をもってそういうような輸出が行われないように厳重に指導をいたしておるところでございます。
○石田(幸)委員 いいでしょう、その問題は。いずれにしても今後の努力にまつ以外にない問題でございますからね。しかし、公害輸出の問題については十分私たちとしては気をつけなければならないと思います。
 時間もなくなりましたので、運賃値上げの問題について実は総理といろいろ議論をしたかったのでございますが、それは他の機会に譲るといたしまして、新幹線からカドミウムが出ているという問題について私はお伺いをいたしたいと思います。
 これは問題提起がありまして、愛知県の方で十分調査をしたのでございますけれども、やはり新幹線の下の土壌の中からかなりのカドミウムが検出をされておるわけですね。他のいろいろな原因を考えてみたけれども、新幹線以外にどうしてもその原因が考えられない、そういったことで、国鉄に対する調査を県が要望をいたしておるわけでございます。ある地点において一四・二、またB地点において一四・六、一六・一、一八・〇というようなカドミウムが検出をされております。高架下の土壌から検出をされておるわけでございまして、この因果関係がきわめて問題であるわけでございますが、愛知県からの要望に対して国鉄は一月半ばにはすでにもう調査をいたしまして御返事もしましようということになっておったのでございますが、いまだに返事がないようでございます。その結果について御報告をいただきたいと思います。
○高木説明員 ただいま御指摘の問題で大変御心配をいただきまして恐縮をいたしておるわけでございます。
 過日、と申しますのは十一月二十五日でございますが、県の方から、どうも私どもの新幹線の高架下のところの土壌が高濃度のカドミウムを含んでおるようだから、その原因を調べてほしいという御依頼がございました。さっそく調査をいたしました。その結果、まだ、ただいま御指摘のように、正式に愛知県の方には御返事申し上げてございませんが、大体次のようなことがわかっております。
 この高架のところに雨どいがございますが、雨どいは多くの場合に塩化ビニールでつくったもののようでございます。その雨どいの下のところから直径約一メートルぐらいの範囲の表層部に集中的にカドミウムを含んだ土壌分が多いということでございました。それがどこから出てくるかということでいろいろ調べましたが、たとえば架線であるとか車両であるとか軌道であるとかそういうところも全部調べましたが、そういう部分とは関係がどうもないということでございました。結局、その雨どい自体の中にいろいろの種類のものがございますけれども、昭和四十五年以前の塩化ビニール製の雨どいの中には、全部ではございませんが、一部の雨どいにつきまして、カドミウム石けんを使用して製造したものがあるということがわかりました。そのカドミウム石けんを使用してつくったものが、一部カドミウム部分が溶出するという現象があるということがわかったわけでございます。いまのところでは、私どもの判断では、他の原因ではなくて、雨どい自体の成分の中にそういうものがあって、そうしてそれが一部溶出したということが原因であるということでございまして、学識経験者と申しますか専門家の方と申しますか、そういう方に最終的に私どもの判断で間違いがないかどうかということについて確認を求めました上で、緊急に愛知県に御返事を申し上げたいと思っております。
○石田(幸)委員 そういたしますと、これはカドミウムが検出をされるのは雨どいの下に限るというふうに言われておりますけれども、これは東京から関西に至るまでかなりの長い区間、そういう高架のところがたくさんあるわけでございますけれども、地域的にはどうなっているのですか。地域全般にわたっているものかどうか、そこら辺はいかがでしょうか。
○高木説明員 全体のうち、サンプル的に調査をいたしました結果、別に特定の地域に特にそういったカドミウム石けんを使った塩化ビニール製の雨どいを使っているというわけではなくて、全体的に分散をしておるわけでございますが、しかし、その塩化ビニール製の雨どい全部がカドミウム石けんを使ったものでもないということでございました。いずれにしましても、四十五年以後の製品にはそういうものはないということが今日のところわかっております。
○石田(幸)委員 そうしますと、四十五年以前の雨どいに使った塩化ビニールからそういうものが排出されているということでありますと、これは主として東海道新幹線、こういうふうに解釈していいと思うのでございますが、それらの問題について十分調査をされて、そしてそういうものは全部取りかえる、こういうことになりましょうか。
○高木説明員 この点もなおいろいろな御専門の方の御意見を聞かなければなりませんが、実はカドミウムというものはいろいろなところにいろいろな形で存在しておるわけでございまして、現在のところでは出ております量その他から申しまして、たとえば土壌を非常に広範囲に汚染するというようなことにはならないではないかというのが私どもの現在の段階での研究の結果でございました。御指摘のように、取りかえなければならぬというほどの被害ではないというふうに判断をいたしておるようでございます。
○石田(幸)委員 これはそういう考え方ではだめだと思いますよ。というのは、なぜこれが問題になったかというと、いわゆる米の中にカドミウムが含まれているという、そういうところから大変に農家が不安を抱いて、そしてまたそういう米を買わないようにしようじゃないかというような、そういう一般の声も上がってきたところからこの問題が発生をしておるわけでございますから、やはりそういった心理的な不安要素まで除去するという精神でいかないとこの問題はだめだと思うのですよ。いいでしょう、この問題、またさらにほかの委員会において詰めることにしたいと思いますけれども、その問題は厳しく要求を申し上げておくことにいたします。
 それから、総理にこの国鉄問題についてまずお伺いをいたすわけでございますけれども、国鉄の再建対策については何と言っても日本全体の総合交通体系をつくらねばならないじゃないかというのがしばしば議論になってきたわけですね。あなたも副総理のときには、どっかの委員会等において、私にも、五十年度中くらいには何とか総合交通体系をつくらねばいかぬじゃないかと思います、こういうふうにおっしゃったわけですよ。しかしながら、今日に至るまで政府からこの総合交通体系の問題は全然出てこない。これはできないのか。
    〔細田委員長代理退席、委員長着席〕
いろいろな要件がむずかし過ぎてできないのか。本当につくらなければならないと思っているならば、やはりある程度の政策要綱を立てて、そしてそれに基づいた総合交通体系というものをつくらなければならぬと思いますが、この点についていかがでしょうか。
○福田内閣総理大臣 総合交通体系はぜひ必要なんですが、これは四十六年につくったことはあるのです。いまそれを目安にして交通政策の運用ということになっておりますが、その後もう非常に環境が変わってきております。ことに省エネルギーという感覚なんかかなり取り入れませんといけない、こういうような時代になってきておるわけであります。五十年代前期の五カ年計画、あれでも厳しくその点を指摘しておるわけですが、交通体系の中でかなめの国鉄がああいうような状態であるというようなこともこれあり、まだ総合計画、新環境に相応する体系というものができ上がっておりませんけれども、これはぜひやらなければならぬことである、こういうふうに考えております。
○石田(幸)委員 それでは運輸大臣に伺っておきますが、今回政府が御提案になった暫定措置、私たちはこの暫定措置のやり方については反対なんでございますけれども、やはりその前提となるのは国鉄の再建だと思うのです。その計画が明確にならなければならない、また、その見通しが明確でなければならない、こういうふうに思うのでございますけれども、いままで私たちもすでに何回もこの国鉄運賃の審議はやってきたのでございますけれども、政府がかわるたびにこの再建対策の方針が変わってくるわけですね。四十八年には十年計画、それから去年の五十一年には二カ年で五〇%、五〇%上げて収支均衡をとるんだというような方向、さらにまた、今度は暫定方式であるというようなことで、こういうことでは国民の信頼をつなぐことができない。やはり政治というものは、政府の施行するところと国民の信頼するところが結びついていかなければだめだと私は思うのですよ。一体、今後もこういう方式を続けられるのか。この閣議了解等によりますと、三年で、暫定措置をとってもなお五十年、五十一年、五十二年の赤字が残りますね。この金額が一兆二千幾らですよ。そうしますと、どうもこの暫定措置、暫定措置ということで毎年二十数%値上げできるような方向でこのまま推移していくのでは、国民生活との均衡を考えても、それはとても受け入れられるところではないではないか、こういうふうに思うのでございますけれども、この点について簡単に御答弁をいただきたいと思います。
○田村国務大臣 おっしゃるとおり、過去において何回か再建計画を立てたわけです。しかし、今度の場合はいままでの場合と全然異なったものがあるのです。と申しますのは、従来は、従来の国鉄の姿ということが非常に強く打ち出されておりました。今度は国鉄の言い分も聞こうじゃないか、そうしてその上でしっかりやってもらおうじゃないか、政府も御協力申し上げようじゃないか、こういうことなんです。つまり運賃値上げするにしても、適時適切というようなことがなかなかできなかったのですね。でございますから、国鉄がそれで泣いておったわけです。ですから、そこいらで法定主義というものを守りながら、その法定主義の許容する範囲内で暫時弾力化をしよう、このような運賃決定方式をとろう、あるいはまた国鉄にいろいろな仕事もできるように、関連事業の収入も入るように投資範囲の拡大もしてあげましょう。このように政府が苦労して差し上げますから、何と言っても国鉄を再建するのは、これは経営努力なんです。親方日の丸であってもらっては困るのです。だからうんとやってください、こういうことで今年内にとにかく具体案を出していらっしゃい、こういうことにしております。でございますから、いまの法定主義の緩和も、いわゆる暫定措置とおっしゃるその方式も、所期の目的が達成された時点において一応その任務は終わる。そこでその後をどうするかというのはそのときにおいてまた相談しようじゃないか、こういうことに考えておるわけでございます。
○石田(幸)委員 私たちは、この法定主義を外すならば、その前提としてやはり貨物の問題を政策的にどう考えるか、あるいは地方閑散線の問題をどう考えるか、こういったものも一つの社会開発の意味の政策でございますから、そういうものを明確に方針を打ち出して、そういったレールが敷かれた後でなければ法定主義というものは簡単に外すべきでない、こんなふうに思うわけでございます。なお、この問題については、運輸委員会等において十分質疑を申し上げたいと思います。
 わずかな時間に少し問題を持ち出し過ぎたかもしれませんが、最後にサラリーマン金融の問題について、あと五、六分ございますのでお伺いをしたいと思います。
 まず、警察庁にお伺いするわけでございますが、この金利事犯の検挙の事例において非常にひどいのが出てきておると思うのです。新聞報道等によりますれば、母親がサラ金から借金をしたのに中学生の娘が軟禁をされたというような事件まで大々的に報道されておる。また、いろいろな事件が起こって、それを調べてみると、サラ金を利用している三分の一は主婦であるというような形で、非常に法律的にもうとい、金利の計算にもうとい人たちがこういう問題を利用しているわけです。
 すでにこの問題も委員会等で話題になって、法律をつくるべきではないかというふうに言われておるのでございますけれども、一向に進まない。前大蔵大臣がお約束をしてあるのですけれども、全然進まないわけです。しかし、事件はますます悪質化していくわけでございまして、私が申し上げるよりも、警察庁の方でこういうようなひどい事件があったということを御報告していただいた方が閣僚各位も身にしみてお考えくださると思いますので、ひとつ警察庁の方から御報告ください。
○吉田説明員 昨年の十一月に全国一斉にこの種の事犯の取り締まりを集中的に行ったわけでございますが、その結果、六百五十三件、七百十三人を検挙いたしております。このうち高金利事犯は、件数で七割余、人員では八割余を占めておりまして、被害者は一件につき大体数十名あるというように出てきております。これらの被害者としては約三分の二が三十歳代と四十歳代で占めておりまして、職業別で申しますと、先ほど御指摘がございましたように、約三分の一が家庭の主婦でございます。
 そこで、これらの中から具体的な事例について二つだけ御報告申し上げますと、その一つは愛知県の事例でございますが、暴力団員の貸金業者が中小零細企業主などを対象にいたしまして、手形パクリ屋、暴力団員その他貸金業者と手を組みまして、法定利息の二倍以上の利率で、手形割引により一日から十日というような短期大口貸し付けで、二百八十六人に対しまして四億三千万円を貸し付け、約七千二百万円の超過利息を得て、会社等六企業を倒産に追い込んだという事例がございます。
 二つ目は神奈川県の事例でございますが、貸金業者が貸し金をするに際しまして、貸付金については無利息といたしますが、そのかわりに人形とか時計とか、そういうものを時価の数倍で買わせまして、期限が参りました際に借り受け金とそういう商品の代金などの合計金額を返済させるという方法で、約四千万円の暴利をむさぼっておったというような事例がございます。以上でございます。
○石田(幸)委員 これは大蔵大臣に要望でございますけれども、いま挙げた事例はわずか二件なんですね。そのほかにも、いま七件の事例を警察庁からいただいておりますけれども、これは枚挙にいとまがないぐらい被害が広がっておりますよ。大蔵省等の意見を聞きますれば、非常に細かいからむずかしいと言うんですね。むずかしいことはわかるにしても、しかし、これはやはり国家公安委員会等とも十分御相談いただいて、何らかの具体的な方策を立てないと、その借り主たちが立場が弱いだけに被害がどんどん拡大をしていくわけですよ。しかも、私どもの事務所等にも、いわゆる市民相談として来るわけですね。そういう事例を見ましても、まさに離婚騒ぎ寸前という状況が起こっておるわけです。そういった意味で、どうしてもこれはそういった法律をつくってもらわなければいかぬ、こう思いますが、最後に大蔵大臣の御答弁をお願いして終わりましょう。
○坊国務大臣 御指摘のように、サラ金が大変忌まわしい問題を方々で起こしておるということにつきましては、私もよく承っております。ところで、そのサラ金に対しまして何とかせにゃならぬということで、御指摘のとおり去年の五月でございますか、前大蔵大臣が大蔵委員会において何とかせにゃならぬということを言明されたということも承っております。その後いろいろと手を講じておりますが、御承知のとおり、このサラ金に対しましては、取り締まりとかそういったようなことが各官庁に分かれております。それで……(石田(幸)委員「よくわかっております」と呼ぶ)よくおわかりでございましょうね。そういうようなことで、大蔵省といたしましても、この犯罪をどうするということも大蔵省にはどうにもできない。ただ、もしもサラ金がどこかから預金を預かったり何かしておるということであるならば、これはもう厳重に大蔵省としては取り締まることができますけれども、そういうようなこともこれありまして、むずかしいと言うて私は逃げるつもりは毛頭ございません、かような忌まわしいものはできるだけ早く解消をするように持っていかなければならないと思っておりますが、ともかくもこの貸金業の適正な運営ということがこれは非常に大事なことだろうと思うのです。全然これなくしてしまうということになりますと、またこれはその副作用が大変大きなものになってまいりますので、何とかして私どもといたしましては、もう各般の角度からこれに配慮をしつつ、さらに努力を続けてまいりたい、かように考えております。
○坪川委員長 これにて石田君の質疑は終了いたしました。
 次に、安宅常彦君。
○安宅委員 いま日韓癒着という問題が、大変世間を興奮状態にしているというんでしょうか、そういう情勢ですね。この問題について、私は過去数年ずっと取り組んできたわけですけれども、たとえばロッキードだってアメリカの方からばれてくるんですね。私は、日本は独立国として体裁悪い話だと思うんですね、国民としても。全部隠すことばかり考えている。大臣の答弁、さっきもあんなことを――名前を言っちゃいけませんけれども、大来さんなんか、まるでうそをつくのが基金の総裁だと思っているみたいな答弁を平気でやりますね。こういう国会で議会制民主主義を一体守れるだろうか。こんなことを考えながら必死になって、日韓癒着の問題について答弁する側が国会でうそがつけないような、そういうものをと思って追跡をしてまいりました。警察やあるいは政府側はKCIAなどというのはいないとか、活動状況を把握していないとか――現実に私ども数次にわたって、数次じゃない、数え切れないほどのいやがらせや脅迫の電話を受けたり、何かそういう雰囲気の中で必死になっていろいろな人々と会いながらやってきたんですが、ロッキードみたいな大きな問題は、なかなかそれは出ませんよ。これは独占資本の力というのは、やはりときどきはしみじみ感ずることがある。ただし、それはいつかつぶれる大きさですから、だから何とも思っていませんが、私は、この日本の中においてこれがあたりまえではないかということ、それになれてしまって見逃していることがたくさんあるんじゃないかと思うのですね。そういうことが平気で行われている中では、やはりなかなか出てこないのです。人と変わったことをしなければ出てこない。非常に残念なことだと思うのです。
 たとえば日韓癒着。癒着、癒着と言うけれども、KCIAがたくさんいる。アメリカではいろいろなことをやるからあっちではばれたのだ、こっちのKCIAは黙っていて知らないふりをしているからばれないのだろうとか、政府の人たちが、官僚の諸君がそんなことを平気で言うような世の中。私は非常に残念だと思うのです。こんなことになっていったら日本の議会制民主主義というもの、平和というもの、国民の市民的な生活の自由というものがなくなるだろうと思います。そして、統一教会だとか国際勝共連合だとかいろいろなものがありますね。福田さんまでそういうところにあいさつに行っているのですよ、大変偉い人を見つけたもんだなんて言って。文鮮明の問題ですよ。こういうことが不思議だなと思うのです。そういうことがなくなるように、しかも、私がこれから申し上げるのは小さな企業ですから。何だ、そんな小さな企業の一つ二つ、数の中には例があるだろうなどと思わないで聞いていただきたい。
 日本が日韓条約やそういう取り決めによって急激に韓国に経済の進出をし始めてから、アメリカを追い越して、いまや日本の投資は、官民両方の借款でもってとうとうたる流れをしていますね。今度第四次五カ年計画の一九八〇年までに朴大統領が自主防衛の体制をつくるんだ、北に備えるために、こういうあり方。その中で、そこには今度は合弁の投資会社をつくって、日本の財界の主流がいま乗り込んでいますね。一体それでいいんだろうか、平和憲法を持っている国としては。常識論としては、国民は皆そう思っているのです。それを実現させるためには大変困難なことがある。これはすべて小さな会社だからではなくて、大きなところも皆やっているから、そういういまから申し上げるからくりをやらなければ、日韓援助というものは、特に初期においてはやれなかったんだということを実証をしてみせたい、こういう気持ちで私はいまからやらせていただきたいと思うのです。
 その前に、建設大臣にちょっと聞いておきたいのです。大臣、いま下請の話が出ていましたね、同僚議員から。たとえば建設省では、道路だけで昨年度建設省が直接発注した件数は幾らで、金額は幾らですか。まるっきり別なようなことを聞くようですが……。
○長谷川国務大臣 道路だけの問題になりますと、政府委員をして答弁いたさせます。
○粟屋政府委員 手元に道路だけの資料がございませんので全体を申させていただきたいと思いますが、昭和五十年の発注件数が一万五千二百五十二件でございます。それから工事金額にいたしまして四百四十二億七千百十万三千円でございます。
○安宅委員 ところが、建設省には、公共工事標準請負契約約款というのがありますね。ありますか。
○粟屋政府委員 建設業審議会の議を経て定めました約款が、先生の御指摘のとおりございます。
○安宅委員 この第七条には、つまり受注者側ですね、「乙は、工事の全部又は大部分を一括して第三者に委任し又は請け負わせてはならない。ただし、あらかじめ、甲」、つまり建設省「の書面による承諾を得た場合は、この限りでない。」――守られておりますか。
○長谷川国務大臣 契約約款の上に一括下請は発注者の書面による承諾がない限りは禁止をされております。したがいまして、一件もございません。
○安宅委員 第八条には何と書いてあるかというと、「甲は、乙に対して、」――いろいろな事情が起きるということを考えてでしょう、「乙に対して、下請負人につきその名称その他必要な事項の通知を求めることができる。」、つまり大臣、どういうことですか。そうすると書面による許可を得なければ下請、孫請、特に重層下請といいますか、はやらないことになっているのですが、一件もないわけですね。おかしなことじゃないですか。これは石が浮かんで木の葉が沈むという世の中だ。そんなことあり得ますか。どんな大きな工事会社だって、下請、下請。下請を使っておるのじゃないですか。一件もございません――あなた、目が見えないのですか。現実にはあるのでしょう。
○長谷川国務大臣 あなたのおっしゃる御質問とは、とにかく大きな発注を受けまして、その発注を受けた人がこれを部分的に出すところはたくさんあるのです。そうじゃなくて、発注を受けた者が他に出さないでというか、全部自分でやらないで他にそっくりそのままやらせたという例は一つもない、こういうことでございます。
○安宅委員 そういう大臣だから困るのよ。「又は大部分を一括して」だから、大部分だかどれくらいだかなんということについていろいろ問題があるでしょう。そういうときには、あなた方の方では三つなら三つに分けて部分としてやればいいだけの話であって、それを、小さな工事になりますと、もう請け負ったことにして部分に分けもしない、そのままストレートでやっておることがたくさんあるということが現実の姿だということについて、あなたはどこまでも否定しますか。
○長谷川国務大臣 発注したものを、部分的にこれからここまでというふうに私の方から部分的に出さなくて、建設省から一括して出したものを、部分的に下請に出したという例はたくさんあります。けれども、それをそのままそっくり他に発注を移したということはない、こういうことでございます。
○安宅委員 わかりました。そういう答弁だったら、あと具体的な例をいつかやらなければなりません。だから、官僚答弁というのでしょうか、世の中でそうなっているということは皆さん心の中でくすくす笑っているかもしらぬですよ。あなたらはないと思っているんだ。わかりました。そういうことで、このような、次に述べます対韓援助について、こういうからくりをやらなければ対韓援助はやれないのに、そんなことをやっているとは思いません、そういうことはないと存じます、という言葉になって返ってくるようでは改革ができないという意味で、これから申し上げます。
 いま、レイナード氏の証言やあるいはCIAの報告書に、岸信介さんの名前などが数多く出てくるようになりましたね。駐米大使館の公報館長であった李在鉉という人の発言の中で、自民党や親韓派の議員に対する賄賂のことなどでこういうことが報ぜられますと、国民は対韓援助に非常に重大な関心を持っているのです。私は事実に基づいて、アメリカからの情報ではなくてですよ、私の調査によるものを一つの例として取り上げ、政治家や日本の総合商社、多国籍企業と言われている商社あるいはメーカーを含むでしょう、ピンはねと、たとえば岸さんが結びつく、否登場するような――登場するとは言いませんが、登場するような、そういう典型的な問題に触れてみます。
 金額は小さいのですけれども、岸さんたちにしてみれば、政治家から見ればあるいは、何だそんなけちなものか、と鼻にもかけないような金額かもしれませんけれども、しかし、これは国会でも衆参両院で問題になったことがあるから、あえてどうのこうのせんさくして申し上げませんけれども、古い話ですが、第一次グラマン・ロッキード問題時代からの立て役者である岸さんですから、問題になったことがありますよね。韓国問題といえば岸さんと言われるくらい最近まで言われた実力者ですから。そういう意味でもう一回注意を喚起する意味で言うならば、大きなところを言っておきますと、銀行の口座番号が、四十一年三月のときですけれども、スイス・ユニオン銀行の五六九−五二四BK、それから四十二年の四月、ドレスデン銀行の口座一三−一八九〇二九。この口座には日商岩井、もとの日商から岸グループに対して多額の賄賂が贈られたと言われているのです。これは、銀行の口座は秘密にしますから、うそだとかなんとかと言われればいろいろ水かけ論になるのですけれども、総理自体、あるいはいまお別れになったなんとうわさされている松浦さんなどを含めて、強力な幹部としてあなたは岸グループだと言われていたくらいですから、どうかひとつ、いやみを言うわけじゃありませんけれども、この問題についていままでのやり方とは違った対処の仕方をぜひお願いしたい、こう思っているのです。大変失礼だと思われるような言葉だと思ったら、少しきげんが悪いような顔をしておりますけれども、これは事実だと私ら確信しておるのですが、こういう対処の仕方というのはやはり考えなければならぬな、こう思いませんか。
○福田内閣総理大臣 私はいまおっしゃられること、よくわかりませんが、岸グループという中に私が何か関係するようなニュアンスでありますれば、さようなことは一切ありませんから、その点はしかと御了承願います。
○安宅委員 私はあなたを指しては言っていないのです。その中に最高の幹部としておった。実力着岸さんと言われている、日韓関係は岸さんと言われているようなクループの中に――そういうことを考えながら、いまやはり日韓問題というのは汚職、癒着というものがあり、世界じゅうに鳴り響いてしまっているでしょう。こういう時期ですから、日本の総理としては特に、何といいますか心を引き締めてというのですか、この問題はそういうことがないようにしたいというくらいは言ってもらいたかったのです。おれがやられたんだと思って、おれはさっぱり知らない。そんなのはだめだよ。少し総理だもの、かっこいい答弁をしてください。
○福田内閣総理大臣 私は公私の別を峻別し、明示することを厳に、とにかく政治家はかくあるべしというような行動をとっております。
○安宅委員 その日商岩井と岸さんが関係したと、この私に訴えてきた人が言っているのですが、この新韓碍子の問題に入ります。
 この新韓碍子という会社は――説明が必要だと思いますね、名もないような会社ですから。韓国で一九六六年、三都碍子として発足をいたしました。同年の六月、日商を貿易代理業者として、メーカーは川崎重工、技術協力は愛知県の朝日碍子、こういうのと一緒になりまして、二百九十九万九千七百五十ドルの民間借款の契約が締結されたのです。これは私は分科会や本委員会でも二回ほど、合計三回、四回くらいやっていますから、あと詳しくは説明いたしません。そしてその後、この三都碍子は一九六七年の十一月に新韓碍子と社名を変更いたしました。先ほどのような契約が調ってから、そして輸銀使用の、つまり日本の碍子製造のプラントの輸出の申請を日商が出しました。
 韓国政府の説明によれば、大変宣伝しています。同国の第二次五カ年計画の根幹をなす電力増強にとって欠かすことのできない高圧特殊の碍子をつくる会社である、こういうふうに宣伝していますけれども、その中で、日本の大学卒の在日韓国人である宋栄淳という人、電気技術者ですが、この人が副社長として、設立当時から実質的な責任者としていろいろこの会社が実現し、うまくいくように奔走をいたしました。ところが、この重要な事業の借款に対して、一九六九年の八月、つまり申請から韓国政府の承認がある、それから通産省の輸出の承認がある、いろいろな経過を経ますが、省略いたしますが、とにかく両方で三年半もかかっておるのですね。特に日本のそういう書類が整えば、韓国の枠の中で韓国の政府が承認しているのですから、それから二、三カ月で普通全部オーケーになるのですが、この分だけはそこから数えても一約一年半も投げられているのです。
 こういうことについて、いままで私はただいま言ったように二、三回質問していますから、通産省や輸銀の方ではすでに原因なんかお調べになっているのじゃないでしょうか。まだ探究はしていませんか、どうですか。
○藤原政府委員 お答えいたします。
 いまお話のございました案件は、お話のとおり契約時から承認まで約三年間を経過いたしております。当時、わが国の碍子業界は特別高圧碍子以外の生産の大部分を中小企業が行っておりまして、もし本件の設備が特別高圧碍子以外のものを生産されます場合には、非常に対日輸出問題が起こるおそれがあるのではないか、こういうことが懸念されたわけでございます。
 当時、国内におきましては、中小碍子メーカーたくさんございますが、その近代化計画をつくっておりまして、この近代化計画の遂行に悪影響を及ぼすのではなかろうかということが心配されまして、国内におきまして所要の国内調整を要するために遷延したものかと承知いたしております。
○安宅委員 それはあるでしょうね。それも一つの理由でしょう。しかし、これは初めからあなたの方で日本国内へ逆輸入をしないという条件で許可しているのじゃないですか。輸銀、どうですか。
○藤原政府委員 当時の事情でございますが、特別高圧を製造いたしております会社は……
○安宅委員 いやいや、そういう条件で日本に逆輸入はしない、だから日本の近代化だとか、いろいろ販路とかシェアが狭められるとか、そういう心配はない条件で進出しているはずですね。どうなんですか。
○藤原政府委員 それが計画を見ました当時の判断といたしましては、特別高圧以外のものが生産される可能性が非常に強いのではないかという懸念があったようでございます。
○安宅委員 また始まりましたね、そういう答弁が。
 私は、もう時間がありませんからずばずば言います。めんどうくさいから、そういうばかみたいなことを言っていたら。懸念があると言ったって、懸念があるのだったら懸念のないような、そういう指導をすればいいだけの話じゃないですか。何を言うのですか。
 そういう投げられたことについて、この会社の当時副社長であって、後社長になった宋さんという人は、こういうふうに言っています。何回も何回も日商岩井に日参をしたし、通産省にもときどき行きました、日商岩井に連れられて。その過程の中で何回も、韓国の工場がどれくらいできているだろう、往復しながら必死になって動いて、自分の国のそういう経済発展のために何とかやろうと思ってやったそうです。その中ではっきりしたことは何かといいますと、一つは韓国で碍子を製造されては後々脅威があるという日本の最大の碍子メーカーである日本碍子が妨害に乗り出したということがわかった。あなた、懸念がある、そこまで一致しているのです。
 それで、もう一つは、妨害は非常に熾烈なもので、愛知県出身の早稻田柳右エ門氏と岐阜県出身の渡辺栄一氏を使って通産省に働きかけたからだ、こういうふうに言うのです。そういうことは断定できるのかと言ったら、私はどんなところへ行ってもそれは言います、こういうことを言うのです。このことも、実は名前が私の発言で委員会で出ていますから、本人あたりに、そんなことはまさかないでしょうねなんということで、いろいろ話し合いなりその事情をお聞きになったりしたことがありますか。
○藤原政府委員 お答え申し上げます。
 そのような事情は私どもは承知いたしておりません。
○安宅委員 委員会で私が発言していてわかるはずで、承知いたしておりませんということはないはずです。何のために答弁するのですか。資料要求も全部しているはずです。あなたのところに説明もしています。
○藤原政府委員 お答え申し上げます。
 私どもの方といたしましては、いま先生がおっしゃいましたような事実については聞いておらないということを申し上げたわけでございます。
○安宅委員 聞いていないと言うが、知らないと聞いていないのと大変違うから、気をつけてくださいよ。
○藤原政府委員 聞いておらないということでございます。
○安宅委員 いや、そういうことを存じていないと言うのと、そういう人に聞いたり何かしないというふうに変わったから、私は違うと言っているのですから、どうぞひとつお手やわらかにお願いします。
 それで、日商岩井にも事情を求めて行きましたが、そういう中でこの人は、もう韓国では卸売物価が一年に四〇%上がったようなそういう時期ですから、いろいろ資材なんか平均しても大体二倍半ぐらいになる物もあったし、大変困って、運転資金なりあるいは建設資金にも詰まってくるし、大変弱り果てて、当時の日商岩井の輸出担当次長の河原進二さん、この人に何とかしてくれと、担当を実際やっておったものですから。そうしたら河原さんという人が、きのうも通産省に行ってきた、通産省の係官の土谷直敏さんという当時の重工業局の重工業品輸出課長から、早稲田氏と渡辺氏からクレームをつけられて困っている、二人を何とか黙らしてくれと言われたという話だ。係官からそういうふうに日商岩井の当時の輸出担当の次長さんが言われてきた。そういう話。
 私、その人の証言をカセットにとっているのですけれども、会話の一部を紹介しますと、この宋さんが、さっき言ったように、何とか早く承認をしてもらわなければ資金計画が狂ってしまうし困る、何とかしてくださいよということを言ったら、日商岩井の河原さんは、もうちょっと待ってくれ――局面局面ですから、引っこ抜いた言葉で失礼ですが、ちょっと待ってくれ、田舎っぺのへぼ代議士なんかよりこっちはもっと強いものを使う、心配するな、こう言ったと言うのです。宋さんが、強い人というのはだれですかと言ったら、岸信介を使う。私、よく聞いたのですが、この人は岸さんとか岸先生とか言わなかったかと言ったら、いつでも呼び捨てでございました、と言うのです。そして、しかしね、岸を使えばこれが大変だよ。指を丸めて、これが大変だよ。(「何だ、丸い指は」と呼ぶ者あり)金を意味するのです、指を丸めれば。これが大変だよ、こういうふうに。つまり政治献金というのか賄賂というのか、こう出したらとは言わなかったそうですか、ただそういうふうに言われた、こういうことです。場所はどこであったかと言いましたら、もとの日商の会社のあったところで中央区日本橋江戸橋一丁目十番地、日商ビル七階、化工機部副部長室の机が並んでおって真ん中に応接コーナーがある、そこでございました、という詳しい証言であります。
 こういうことは、政治家が先生なんて、私は一生言わないようにしておりますが、少なくとも岸さんとか言われるように――ただ、その日商岩井の次長なる者が、岸先生とか岸さんとか絶対言わなかった、岸を使ったら、岸を使うのだという呼び捨てだったというのですね。私は敬語を使えという意味じゃありませんよ。こういう風潮というのは、今日の世相からいって、何か非常にじくじたるものをというのですか、いやな感じというのですか、考えるのですがね。こういうことがあったらまた大変いけないことだと思うのですが、総理、感想をちょっとお聞かせください。
○福田内閣総理大臣 事は元総理大臣の信用にもかかわる問題ですから、調査いたします。
○安宅委員 宋氏はその後何回も何回も日商岩井に事情の説明を求めました。ところが、韓国で輸入許可をとるため、すでに日本よりあっちで先に約五百万ウォンの賄賂をせびられているのです。これはどうも三百代言みたいなのにひっかかったようです。だから賄賂ではなく、だまされたらしいのです。常務がだまされたと言っていましたからね。またそういう韓国の国情でもあるということを言うためにちょっと申し上げておきました。
 韓国の極端なインフレで事業計画は完全にぐらつきつつあったわけですから、本当に河原進二さんなんかも一生懸命になってくれたのでしょう。それでも輸出承認は一年半ぐらいおくれておりまして、結局一九六九年に入ってからなったのだと思います。間違ったらいけませんから、後で正しく言います。
 それで、この会社は結局韓国の自分の国でも翻弄される。どういうことだったかといいますと、最終的に碍子のプラントは輸出されましたね。そうして今度建設が始まった。建設資金や運転資金が要るので、約三億ウォンの融資を韓国の韓国外換銀行に申し込んで、理事会の決定を経て総裁に呼ばれた。あなた取りに来てくださいと言われて、喜んで行ったそうです。そうしたら、四、五千万ウォンを出さなければだめだな、受け取りに行ったのに言われたそうです、応接間で。それは困る、たくさんあちこちから来るということは私は知っていたからという表現をしていましたが、とにかく勘弁してくれと言ったそうです。最後には苦しくなって、三億ウォンの中からそれを差し引いてください、そう言ったら、その銀行の頭取は、チップというものは前にもらうからチップなんだと言ったそうです。なかなか名言だと思うのですがね。こういうことで、結局不渡りを出させられた。韓国では、不渡り手形を出すと刑事犯になってしまうのですね。そして、一週間ほどおって、会社の書類をほとんど持って日本に帰ってきた。こういう結果になるのですけれども、どうなんでしょう、そういう末路になって、傷心のまま日本に帰ってきたこの社長さんの気持ちも大変です。日本では杉並区の高円寺に宅地も家もあったのですけれども、全部売り払って、そして尾羽打ち枯らしていますが、私は正義のためにというのでしょうか、真の日韓親善のために、こう言っていましたね、そして、われわれの祖国の民主化のために、いまはこわいということが半分、言っちゃ悪いかなということが半分だけれども、安宅さん言いましょう、というので全部私に言っておる。こういうのが結末なんです。
 そこで、ただしたいのは、外務省に資料要求したら、日本から輸出をして向こうに行っている民間借款のプラント、商品などは、韓国側がどういう手続で、競争入札かあるいは指名入札か、どういう方法をとっているのか、そういうことについて聞いたら、韓国側では――資料ありますがね、だけれども口頭で言います。全部指名入札できちっとやっているようでございますと書いてあるけれども、全然行われていない。そういうことを通産省はぬけぬけと書いてよこすんですよね。あなた方、第三次五カ年計画のときの韓国に対するところの経済調査団というのが出たでしょう。私やったことがありますね。韓国では経済ベースで経済のことが成り立つような国でないというように、第一ページからあの報告書書いていましたね。そして、つてか何かなければ金なんか借りられない、こういうこと書いてありましたね。当時の宮沢さんは、それは政府の調査団じゃないし、政府の見解ではないからと逃げたんですが、それは政府の高官がたくさん入って、民間の人も一緒に入って行った調査団の報告書なんですよ。答弁はそういうように逃げればいいかもしらぬけれども、実態はそうじゃない。ちゃんと見てきた人は書いている。通産省への資料要求に対しては、その方式を書いてくれと言ったら、全部きちっと指名なりあるいは競争入札でやっておりますと断定的に書いてありますが、通産大臣、そう思いますか。あなたは特に日韓については詳しい方ですから。
○田中国務大臣 ただいまのお話につきまして、一向に詳細わかりませんので、担当の局長からお答えさせます。
○安宅委員 その資料を出してきた局のだれか。
○矢野(俊)政府委員 先生の方に資料をお出し申し上げましたように、むしろ、有償、円クレあるいは延べ払い、いろいろと体系がございますが、制度的には韓国においていわゆる公示入札という制度をとっておるということは確実に考えております。
○安宅委員 制度的にではない。そういうように実施されていますと書いてなかったかしら。書いてないということはやってないということですか。はっきりしてくださいよ。
○矢野(俊)政府委員 私どもは、制度である以上、当然韓国はそのとおり実施しているというふうに考えておるわけでございます。
○安宅委員 調査団は国費を使って何回行きましたか。さっきも正森さんのあれで、数多く出していますからねなんて経済企画庁言っていましたね。節穴ですか、あなた方は、調査団というのは。何を言っているんだ。そんなばかな答弁ありますか。やられていないということは知っているんじゃないですか。その証拠には、総理、交換公文が外務省で、たとえば有償、無償でもいい、いろいろありますね。日韓条約の分はもうなくなって、今度の新しい実務者会議なり閣僚会議で決まったその範囲内でのいろいろな具体的なことを決めるために交換公文を交わす。ところが、交換公文などというものが出たころにはすでに業者も決まっているし、工事の金額も決まっているし、規模も決まっているし、すべて決まっている。それに三年前に韓国の新聞や日本の新聞に堂々と、三井物産がどこのところをやることになったとか書いてあるじゃありませんか。そうして、それがうそだったら格別ですよ。私、統計とっていますよ。きょうは時間がないから言わないけれども、九〇%以上がそのとおり実現していますよ。ようございますか。指名入札や競争入札がやられているということは名目だけじゃありませんか。どうですか、大臣。
○矢野(俊)政府委員 先生いま御指摘をいただきましたけれども、個別の実例として、私どもその点は存じ上げておりません。
○安宅委員 あなたの官職名を名乗ってくれ。
○矢野(俊)政府委員 通産省通商政策局長矢野俊比古でございます。
○安宅委員 ちょっとそのまま待って。
 あなた、政策局長というのは一番権限を持って全般を見ていなければならない人ですね。しかし、新聞なんか毎日見てないのでしょうか。スポーツ欄なんかばかり見ておるのでしょうか。どうなんですか。経済欄を必死になって見なければあなたの職務は務まらないのじゃないでしょうか。今度行くところのKIDCという日韓合弁の投資会社ができましたね。できると言われているか、できたんですか。設立の例。できたと思うのですが、もうどんどん行っていますね。一九八〇年までに、さっき言ったでしょう、自衛の体制をつくると。その軍需産業というのでしょうか、重化学産業のプラントをどうするかということでどんどん調査に行っているでしょう。調査に行っている人々はみんな経済界の大御所なんですよ。そういう人たちが行っている。日韓協力委員会や日韓経済協力委員会や、そういうメンバーがその前にもうすでに行っている。こういう仕組みになっていて、大体話がそこでついているのが実情だと、あなた思いませんかどうですか。思わないということですか。はっきり断定できますか。
○矢野(俊)政府委員 第四次の調査団のお話かと思いますが、これは……
○安宅委員 いやいや、例としていまKIDCのことを言ったのであって、調査団は何回も行っている。日韓協力委員会や経済協力委員会が何回も行っている。そういうところで大体話が決まってくるというふうにあなたは心得ていないかと聞いているのです。そういうものがないということがここで断言できますか。
○矢野(俊)政府委員 私どもは、調査団は調査団として報告を出すということで限定されているものと考えております。
○安宅委員 やっぱり官僚だね。ものと考えたって、実態が違うなら実態が違いますということにならざるを得ないのじゃないですか。日韓協力委員会の地位がどういう立場かも含めて、通産大臣、あなたは一番詳しいのですから、正直に答弁していただけませんか。しょっちゅう行っている。
○田中国務大臣 ただいまお話しのケースは、日韓協力委員会という言葉でございましたが、そういうふうな具体的な問題につきましては、われわれは一切関知いたしておりません。
○安宅委員 それを私追及する日ではないと思っているから、きょうは言いませんよ、田中さん。あなたそういう答弁したら、さっきの正森さんと総裁みたいな問答になる時期が必ず来る。覚悟しておかなければなりませんよ、そんな答弁なさるのだったら。あなたがどういう発言をしたかということまで私は調べておるのですからね。
 それでは外務省に聞きますよ。現実の問題として、日韓大陸棚協定がいま問題になっています、あの共同開発区域は、法律、つまり条約が批准もされないうちに、それから批准されるどころか政府が調印もしないうちに、一九七〇年代の初期において共同開発の区域を決め、その分担はガルフとどこがやるとか、西日本石油開発がやるとか日本石油開発がやるとか、まだ海のものとも山のものともつかない――ここは海だから海のものかもしれぬけれども、わからないうちからちゃんと区域を決めて、堂々と公表してわれわれに資料として持ってくるではないですか。そういうことは、建設省の請負工事と同じで日常茶飯事やられているから平気で持ってくるのですよ。それが恐ろしいと私は言っている。外務省はどうですか。そういうことが現実に行われておるではありませんか。もうすでに交付金から何からもらっておるじゃないですか。
○中江政府委員 日韓大陸棚協定の共同開発区域について、韓国側がすでに開発権者を指定しているではないかという御質問……(安宅委員「日本側がよ」と呼ぶ)日本側は、まだ指定しているということは私は聞いておりません。
○安宅委員 日本側が。そうですか。資源エネルギー庁、私らに何回も資料を持ってきましたけれども、あなたの方では堂々と書いていますね。渋谷さん持っている。貸してよ。――これは渋谷さんからもらったんじゃない、私が書いたんですから。これはあなたの資源エネルギー庁からもらった資料によって、私が鉱区ことの――皆さん、これを見てください。これは資源エネルギー庁から出したものを縮小して書いているんですからね。たとえば、西日本石油開発とコリヤ・シェルだとか、帝国石油とコリヤン・アメリカンだとか、みんなちゃんと書いてあなたの方でよこすじゃありませんか。知らないよなんて外務省には言わせないよ。資源エネルギー庁、だれかおりますか、長官かだれか。
○矢野(俊)政府委員 私からお答えいたします。(安宅委員「いやいや、なっているじゃないか。よけいなことを言わぬでいい。時間がたってかなわぬから」と呼ぶ)現在書かれております会社の名につきましては、現在の鉱業法に基づいて出願しているものを列記したということでございます。したがって、大陸棚協定の批准後にこの三社が日本側の当事者になるということが決まっておるということではございません。
○安宅委員 そんなことはありません。共同開発区域の第三鉱区、ここは面積はほかの第七や第八の何百分の一ぐらいの小さなところですが、ここはすでにカルテックスの、韓国で言う北部の、つまり向こうでは勝手に掘れるという区域ですね。そこの区域にアメリカの権益が入っているから、そこと鉱区を合わせて日本側の会社を指定してあるのが歴史なんですよ。あなたは歴史だと言ったから言うけれども。私はあなたの方の資料に書いてあるから言っているんですよ。それでは、そんな資料を出したことはありませんか。ありませんか、そんな資料は。今度そんなこと言ったら原簿を持ってくるぞ。もっと言いますよ。これはその地図の説明を私書いていますが、その資料も私の主観で書いてあるんじゃなくて、資源エネルギー庁が提出したものをただ写したにすぎないのです。それでも決まってないと言うんですか。しかも、こういうことが問題になる一九七〇年代に――長崎ですからね、官房長官もよく聞いてくださいよ。大陸棚協定にはあなたのところの漁民がみんな反対で、あなたも反対だという情報がちゃんと入っているから言うんだけれども。それは、西日本石油開発と日本石油開発はいつ設立された会社かということをこの前の委員会で私は聞いていますよ。あわてていろんな会社を日石や何かと資本を出し合ってその時期につくった会社ですよ、二つとも。そうだと答弁しているでしょうが。そのためにこそつくった会社じゃありませんか。そういう基礎に立って、あなたの方はちゃんとした、こことここと組むんだ、地域的にはこうなりますと、あなたの方の持ってきた地図と説明を私が書いているだけにすぎないじゃないですか。それでも決まっていませんとか、知らないと言うのは、これはうそだということなんだ。それはだめだ、そんなことじゃ。私はそういう資料を出したことはないかということを聞いているんだから。
○箕輪説明員 長官がいま他出しておりますので、私がかわって答えさせていただきます。
 確かに昨年の臨時国会のときに、先生のお手元にその資料をお出ししたことは事実でございます。ただ、いまも矢野局長がお答え申し上げましたように、それで将来の共同開発区域の開発権者が決まっておるということではございませんで、現在の鉱業法に従って出願しているものを、そこに予定のものとして出したということでございます。
○安宅委員 そんなことはないですよ。こんな大きなところを割り当てたところもあれば、小さなところしかないところもあれば、うんと深いところしかない区域もあれば、そんなのあなた、ちゃんと話し合いがつかなければ、しかも、アメリカ系の資本皆入っていますからね、日本石油開発にも、西日本石油開発にもね。こういう連中が鉱区権をすでに持っていてぶつかったから、大体そのぶつかったところはうまくやろうじゃないかと相談をしなければ、こんなふうには分けられないじゃないですか。考えてごらんなさいよ。うそを言うな、うそを。私は納得できないよ。あとしゃべると時間が損をするわ。
○箕輪説明員 お答えいたします。
 確かに、現在ございます韓国側が租鉱契約を結びました会社の鉱区と、それから日本側が出願している鉱区とはダブっているところが多いということは先生御指摘のとおりでございます。
○安宅委員 納得しません。資料を出したことは出したけれども、あれは何の資料だと言ったっけ、まだ決まっていない資料出してきたか。(「鉱区権」と呼ぶ者あり)鉱区権だって同じですよ、協定は皆同じだから。おれは、不規則発言だから、絶対にだめ。そんなばかな話はないよ。
○坪川委員長 安宅君に申し上げますが、いまエネルギー庁長官参りますから、来ましたら……。
○安宅委員 わかった。あなたの顔を立ててやりましょう。また新韓碍子に戻ります。納得できませんよ。
 それで、そういうことが平気で行われているのが実態であって、日韓協力委員会、日韓経済協力委員会が業者の氏名やあるいは計画の参加に至るまであらかじめ決めている。そういう権限を含めて実権はここで握っているんじゃないか、私はそういうふうに見ているのです。あなたは否定されるかもしれませんよ。どういうところでどういうふうな決め方をしたかまで私は知っていますから、後で通産大臣、覚悟しておいてくださいよ。きょうは言いません。
 それで、この現実というものは、たとえば新聞に出たそれが大体九〇%そのとおり契約がされているという現実は認めますか。総理大臣、どうですか。
○田中国務大臣 お答えいたします。
 ただいまお話しのようなことはございませんので、改めて申し上げておきます。
○安宅委員 そうですか。じゃ、今度証拠を出しますからね。どことどこを組んで、そうしてこのプラントは韓国にいつごろできるであろう。韓国は一生懸命宣伝しますからね。記事は全部出ていますね。そうしたらそのとおりになりますね。だから、交換公文が結ばれる前にそういうものが記事に載っておった、それと同じ結果になるのが九〇%に達していると私が言った、その現実は認めないかと言っているんですよ。もう一回。
○田中国務大臣 いやしくも、国家計画が決定しない前に、そういうふうな私的な協力委員会というようなもので合意ができたり、あるいはそういうふうなことをいたすとは考えません。
○安宅委員 いやいや、そんなことを言っているんじゃないです。だから、そこはけんかしないと言っているじゃありませんか。だから、だれがやったかは別ですよ。総理、いいですか。今度総理に聞きますが、だれがやったかは別だけれども、今度三井、三菱があるいは住友がここに入るそうだとか、そうしてさっきの地下鉄だって住友が外れたそうだ、外れた理由はこれだそうだ。これ、金を示します、また。丸、指で。そういううわさが立って、住友はやはり外れていますね。そしてそれがきちっと決まったときには、すでに外れて、別なところがやっていますね。それと同じように、蔚山にたとえば化学工場ができるということが新聞に出ます。交換公文はそれから何カ月か後です。そうすると、その工場はちゃんと行っています。そういうことを毎日日常新聞を見ながら気がつかないでしょうか。九〇%も同じになるんですから。そのことを言っているんです。田中さんがどういう役割りを果たしたかなんて聞いてないよ。
○福田内閣総理大臣 私も余りそういう問題に関心がない方でございまして、気がつきません。
○安宅委員 わかりました。あなた方はそういう答弁さえしていれば間違いないと思っているんでしょうね。
 私は、それじゃ具体的にもう入ります。日商岩井は新韓碍子との契約の中で、外為法違反を含む種々のからくりをやった疑いがある。一つ申し上げます。輸銀の融資の条件である、総額の一〇%に当たる頭金という制度がありますね。この場合は二百九十九万九千七百五十ドルですから、二十九万九千九百七十五ドルですね。これはどういうふうにして宋さんという人が調達したかといいますと、日商岩井がこれをつくってくれるということになっているのですね。日商岩井がつくってくれなければ頭金さえ払えないような、そういうところに輸銀が気がつかないで貸したのでしょうかという質問もできます。宋さんに対して失礼に当たるから私はそれは言いたくないけれども、現実の問題として韓国の場合はそれが非常に多いから具体的に言います。宋さんは、私は金はあったけれども、そうしてくれると言ったからやったと言いますから、失礼に当たらないのですが……。そしてその金はどこから出すかというと、アメリカ日商から出してある。だからアメリカ日商と宋さんが貸借関係に立つように契約書を書いてくださいよと言われて、契約書を書いてサインしています。形式的にはそれで整う。居住者以外の者同士が外貨を取引したのですから、外為法違反にはならないという逃げ道をちゃんとつくったつもりなんでしょう。そういうふうにしています。
 頭金の問題と、それから現実に宋さんの名前で向こうから金を送ってくるのですね。電信送金なりそういうことで、頭金だけじゃありません、日商岩井はそのほかに四十五万ドルの商社融資をやっています。これもアメリカ日商から来たことになっていますね、頭金は。宋さんは送金していないのですよ、アメリカにいないのですから。そして、私は日本におっても送ってくれなんて銀行に電話でも言った覚えはないと言うのです。だけれども、宋さんから送られた形で、日本には輸出外貨の証明書というのでしょうかね、それが金が入ったということで、大蔵省が合法だと思っているのかもしれませんし、輸銀も合法だと思っているのかもしれませんが、現実に宋さんという人は全然関係がないのですね。宋さんは外貨を持っていないのですよ、日商が押さえているのですから。だから日商岩井のアメリカ支店が日商岩井に対して、たとえば四万ドルなら四万ドルのオーバープライスだと、それを送った証拠があるかというと、ありません。ないわけです。振出人が違うのですから、ないと言っているのです。そういうばかなことをしているのは外為法違反ではないのでしょうか、大蔵大臣。
○坊国務大臣 お答え申します。
 事実関係を私はつまびらかにしておりません。それで、とにもかくにも事実関係がはっきり私には理解しかねますから、事務当局をしてお答え申します。
○藤岡政府委員 お答え申し上げます。
 事実関係はわからないのでございますけれども、一般論といたしまして、先生御指摘のとおり非居住者と非居住者との間の取引でございますと、外為法には抵触しないということでございます。
○安宅委員 いや、そうではなくて、にせの契約を結んで、そして宋という者がニューヨークにおってそれを送金したかのごとく見せかけた場合、それは外為法違反になるでしょうと言っているのです。事実、アメリカ日商が自分の金を送っているのですよ。そういう場合にはどうなりますかと聞いているのです。
○藤岡政府委員 外地におります非居住者から国内に送金がございます場合には、外貨の送金の場合には標準決済に入りますので、違反ではございません。
○安宅委員 それは、だから宋という人の名前――じゃ、日商岩井が違反にならないという意味ですか。あるいは宋さんが違反にならないという意味ですか。日商岩井は宋という名前でそういう送金をしているということがわかっても、違反になりませんか。まるきり別の名前で振り出しても、違反になりませんか。
○藤岡政府委員 お答えいたします。
 日商岩井としては違反になりません。
○安宅委員 じゃ、だれが違反になりますか。
○藤岡政府委員 お答えいたします。
 新韓碍子の名前で日本に送られております限り、違反にならないわけでございます。
○安宅委員 新韓碍子の名前で向こうから送られている限り外為法違反にならないとすれば、国内外を問わず偽名をもって送金をした場合、それはどういう罪があるでしょうか。ありませんか。自分の金をとんでもない人に迷惑をかけることは――安宅常彦の名前であなたが送ったというときにはどうなるでしょうか。法律に詳しい法務大臣わかりませんか。
○藤岡政府委員 お答えいたします。
 外為法のことは……。
○安宅委員 外為法に特定していません。
○藤岡政府委員 外為法以外につきましては、ちょっと私は所管でございませんのでわかりません。
○安宅委員 法務大臣。――わからなかったらそれは保留だ。後でもいい。
 しからば聞きますが、その新韓碍子なるものとそれから日商岩井の支店長が――そのときの利子は輸銀と同じ、契約書は六分になっています。ところが、現実には、アメリカの金利でやってください。一二、三%だ。いやまけろ。一〇%になっておる。一〇%払った書類があります。具体的に現実にあります。私、持っていますがね。日商岩井のアメリカの支店か何かは、そういう場合は違法ではないのでしょうか。あるいはそれを仲介に立って、河原さんという人がそういうことをやるたびに仲介をし、いろいろな口をきいて、その前でサインをしたり何かした場合には、罪にはならないのでしょうか。契約書以外のやみの金利を取っていることと、それからそういうことを教唆扇動した――よく言葉かわかりませんが、それを知りつつそういう契約を結んだ場合にはどうなるでしょうか。法務省、だれかわからないですか。――大蔵省はそういうことは経験ないですかね。あなたは金融関係の官庁でしょう。――委員長、これも時間を食うだけだから、後でわかる官庁で答弁してください。
 だから、出てもいいなんと言ったらあわ食って出ていくようなことばかり考えている大臣だけなんだ、福田内閣は。座っているのがいやなもんだから。
 それでは聞きますけれども、輸出をやるのは日商岩井ですね。その場合に、日商岩井が輸出保険をかける立場にあるのではないでしょうか。そうした場合に、この融資の中から――融資を受けて所有は新韓碍子のものですね。その金から輸出保険をかけた場合には、通産省、違法ではないでしょうか。これは聞きます。
○森山(信)政府委員 新韓碍子向けのプラント輸出につきまして、日商岩井が被保険者となる保険契約を結んでおりますが、その保険の掛金につきましては、私どもは日商岩井から直接入ったものというふうに了解しております。
○安宅委員 ちょっとあなた待って。こっちを向いてください。私は日商岩井なんて言わないんだよ。何考えている。あわてんなと言うんだよ。私は特定していない。そういう場合には罪になるか、どういうふうに処置をするのか、と聞いているんです。
○森山(信)政府委員 私どもは輸出保険の立場でございまして、ただいま先生の御指摘の点につきましては所管外でございますので、答弁を差し控えさせていただきます。
○安宅委員 少なくとも横領かそれに近い罪になりませんか、法務大臣。
○安原政府委員 実はただいま到着したばかりでございまして……。(笑声)
○安宅委員 委員長、あなたの目はすごい目ですね。
 法務省に聞きます。どなたでも結構です、大臣とは言いません。貿易業者、そしてそれが輸出の代理業の立場にある場合に、荷主の金で輸出保険なんか掛けた場合には、他人の金でしょう、それで保険料を掛けているんだから、これは詐欺か、それに近い罪か、あるいは貿易の関係の法律か、そういうものに触れないでしょうかと聞いておったんです。貿易関係がわからないんだったらあなたの関係だけで結構です。
○安原政府委員 お尋ねの事柄が私にとってはきわめて複雑でございますので、即答はいたしかねます。
○安宅委員 申し添えておきますけれども、そのために輸出保険はこの金の中からやっていいとか、政治献金はこの金の中からやっていいとか、そんなことは契約していないですよ。全部その金の中から――さっき韓国の例を出しましたけれども、大物を動かしたなんというのはやはりそこから取られたのかなと、わからなくてもいいんですから。そうでしょう。さっきの地下鉄の金と同じですね。川崎重工という碍子のプラント製造メーカーと、現実にどれくらいの値段で、これぐらいの値段だということで新韓碍子が大体いいなと思ったからやったんでしょうが、日商岩井と裏でどんな契約をしているか、この人はわからないんですね。ですから、相当ゆとりがあるんじゃないかとまで思ったと言うんです、そう言われたとき。この丸いのはかかる金の印です。しかし、そのくらい余裕があるんだったら輸出保険の掛金までおれの金から掛けることあるまいがと思った、そういうことを言っておるんです。掛けているんです。だから私契約も何もないから――あなた方、答弁なければこれも結構です。よく研究しておいてくださいよ、きょうばかりが委員会じゃないんだから、私が死ぬか落選しないうちはずっと続きますから。(笑声)
 それから第四番目、別に建設資金として四十五万ドル、商社融資をさっき言ったように新韓碍子が受けたわけです、日商岩井から。その場合は輸銀融資と同様の手段で結局また頭金を取って、そうして六%と書いて一〇%の利息を取っているんです。こういうことをやっている。
 それから、政治家などに対するリベートなどにもこれらの金が支払われた疑いがある、これは調べる必要があるというふうに言っています。これは後で問題になってきますが、輸出申請書の中で、それからそれに承認の判こを押すと輸出の承諾書というんですか、承認書になりますね。承認書の中に機械代金の明細が全部詳しく書いてありますから、その項目にあるかないかが問題になってくるのです。そういうことも含みますから、こういう資料が必要になってくるのですよ、調べる必要があると彼が言っているのは。したがって、機械代金を含むすべての内訳が記載されている輸出承諾書、これを提出してもらいたいというのが私の願いであります。どうでしょうか。
○熊谷政府委員 輸出承認書でございますが、通商関係の書類につきましては、部内の取扱規則によりまして一年で焼却をするということになっておりまして、本件につきましては四十四年の八月の承認書でございまして、私ども書類は廃棄処分いたしておりまして、現在手元に持っておりません。
○安宅委員 あなたの方はあったら出すのですか。
○熊谷政府委員 お答えいたします。
 書類が現在ございませんので、お出しできません。
○安宅委員 ちょっと待ってください。質問に答えてくださいよ。あなた一番悪い人だ、いつも。あなたくらい横着な人いないよ。あったんだったら出せるかと聞いているんです。それじゃ、ある書類は出せますか。こういう書類の中で要求されたら、同じ書類の中で。
○熊谷政府委員 私どもは従来の取り扱いとしまして、あった場合、なかった場合といった個々の取り扱いということにつきましては、たとえもしございましてもお出しできないという取り扱いにいたしております。
○安宅委員 だからはっきり最後の一文句答えればいいんじゃないか。あった場合でも出せないと言ったじゃないか。素直でない人だな、あなたは。本当にひどい男だよ。あったって出せないのですと言えば一言で決まるじゃないか。
 わかった、出せないと言うんですね。これは今度価格の問題になったり何かすると、きょうは時間がないが、浦項製鉄所の機械やプラントなんというのは全部中古で、もと八幡と富士が合併する前に使った機械だというのが、私らには全部番号まで控えているのがあるのです。きょうは言いませんよ。けれども、この韓国に対する援助はそういうのが多いのです。私はこのことで、機械代金といろいろな内訳を書いてある輸出の承諾書、これは番号がPRO−M−六九−二二〇三三、輸出の承認書というのでしょうかね、申請書に判こが押されていますから、その添付書類一切を提出してもらいたい。これを要求しておきます。
 それから、この問題でちょっと聞きますが、外務省の経済協力局長でしたか、鹿取さんという人がおりましたね。いまどこかウィーンだかへ行っているそうですね。あの後任の方、おられますか。あなた、あの新韓碍子というのはその後どうなっているか、報告していただけますか。
○菊地政府委員 お答え申し上げます。
 私の前任者が本件についてお答えしたと思いますが、その後のことでございますけれども、先生御案内のとおり、昭和四十八年からこの新韓碍子というのが韓一銀行の管理のもとに入っております。それで、つまり操業をやっていないわけですが、その後、操業する相手、だれかそういうことを引き受けてくれる人をずっと探しておったようでございます。つまり、韓一銀行がそういうあっせんの労をとっておったわけですが、最近外務省で調査した範囲だけを申し上げますと、去年の四月二十一日にこの公売措置、公売に付したそうでございます。しかし、公売の結果も価格の点で折り合いがつきませんで、入札ということになった。したがいまして、その結果によりまして、韓一銀行と応札した会社が現在ネゴ中である、交渉中でございます。
○安宅委員 これは前の鹿取さんは、去年あたりは近く再開の見込みであります、経営者がいないので困っています、こういう話だった。経営者おったんですね、法人の登記等韓国のを見たら。宋さんはいつの間にか首になってしまっている。あの人、株券も皆持ってきたんだけれども、どういうわけで株主総会を開いてこんなことしたんでしょうかね。やれないことやって会社は続いているのです。これは日本の法律じゃないから、韓国の法律はどうなっているのかおれは知らぬけれども、不思議な国ですね。総理、そう思いませんか。どうです。
○福田内閣総理大臣 何とも申しかねます。
○安宅委員 それから、頭金を送った、送っていないということで、この前の委員会で大変問題になったのです。澄田さん、きょう来ていますか。あなたは、ここに証明する書類があるんだ、安宅さん、と言って、きょうは忙しいから後にしてくれやと言ったら、予算委員長が荒舩さんでしたが、後で出しなさいと言われてそれで終わっているのですが、あなたここにあるんだとがんばったんだけれども、いまでもあるのですか。
○澄田説明員 お話しの新韓碍子から入りました頭金につきましては、それの送金を受けました当時の第一銀行の本店が、昭和四十四年九月十日にそういう入金をしたという輸出貨物代金の前受け証明書を日商岩井に出しまして、輸出入銀行としてはそれを確認をいたしておるわけでございまます。
○安宅委員 どういう方法で確認しましたか。
○澄田説明員 当該の輸出貨物代金の前受け証明書の写しをこの場合の融資の借入人であります日商岩井からとりまして、そしてそれによって確認をいたしました。
○安宅委員 銀行の伝票なりそういうものがなければ証拠にならないのじゃないでしょうか。日商岩井が銀行からそういうことを確認を受けているから、それを出したんじゃ証拠にならないのじゃないでしょうか。
○澄田説明員 第一銀行が日商岩井に対してそれを確認をして証明書を出したわけであります。その証明書そのままの写しを日商岩井から輸銀は受け取りまして、それによって確認をいたしております。
○安宅委員 伝票の写しやなんか、ついておるのでしょうか。
○澄田説明員 本件は、この輸出貨物の代金の前受けとしてしかじかの金額のものが送金があったということだけの証明書でございますので、それに写し等はついておりません。おっしゃるその内訳の写しのようなものはついておりません。
○安宅委員 それは納得できないですね。私らの調べだと、そういう銀行に照会した分については、全部送金の取り扱いはございません。こういう取り扱った――大体同じ月ですよね。そういう書類がありませんかと、新韓碍子と日商岩井の関係で送金がございませんでしたかいうことを照会しているについては、ございませんという答弁しているのですけれども、これはあの人訴訟を起こしておったものですから、弁護士法第二十三条の二に基づく報告御依頼の件ということで、それに対して各外為銀行が全部そういう返事出しているのです。ところが、その送金したところの金の日にち、金額まで全部書いてあるのを知っているのです。ところが、これは日商岩井が送ったというだけであって、その金どういうふうになっているのかはっきりしないと、さっき言った機械代とその他の、たとえば訓練生の派遣費だとか、それから船積み料だとか、あるいはそのオーバープライスだとか副資材だとか、全部輸出申請書の中に認可を受けるために、さっきの地下鉄みたいに余り変にならないようにきちっと書いて出したはずだとこの人は言っていますがね。だから、それとめちゃくちゃに合わなんだったら、わけがわからない。日商がぎっしり握っておったわけですからね。それを照合するためにどうしても必要だと思ってやった結果、これは大体私らの方で入っているのじゃないかと思われる、日商に。ところが、輸出入銀行でもどこでも入っておりませんという返事を出しているのですがね。だから、入っていないはずだとこの前言った、あなたはそれを証明するためにはっきりするならば、伝票の写しまで全部もらいたい。私は、それをやらないとだめ。それから、それと照会させるためには機械代金の証明書ですね、明細書、これが入っているのですよ、輸出の申請書並びに許可書には。たとえば具体的に言いますと、機械代金が二百六十五万三千四百ドル、それから技師派遣のための費用が十五万四千八百五十ドル、自動車代が、二台くらい買うということで一万六千ドル、それから韓国人の技術者訓練費用四万五千ドル、金利その他諸費用が七万三千五百ドル、海上運賃五万七千ドル、そうして一番最初の二百六十五万三千四百ドルの中には副資材の費用として三十万ドル、それからオーバープライスの分として十五万ドル、こういう内訳がついているのですが、これは、今度もうちょっと言いますけれども、いいか悪いか別ですよ、日商岩井と宋という個人が、日商岩井はこの仕事をもらったためにということで謝礼金を払います、五千七百万ウォンを払いますという、そういう契約を結んでいるのですね、ところが、それを送っていないのです。そうしたら、このオーバープライスの中でしょっちゅう要るようになったときに金を送る、その分とこの分を送った分のこれが謝礼費だ。しかし、それは新韓碍子に送った金ですから、宋という個人に送った金ではない。そういうインチキまでやっている。もうこの人は頭に来ているのです。これは、謝礼金というのはいいか悪いか別ですよ。
 だから、その内容をぴしっとしなければならないので私は要求しているのですが、先ほど言ったように、この頭金の問題であなた書類あると言ったのですから、書類出せますか、いま。それから、あっても出せないことになっていると言った輸出承認書ですね、それは必ず出してもらわなければなりません。それは私らはないと言うのじゃない、あるのですよ。だけれども、役所というのはそういうものはにせものだなんて言われたらかなわないから、必ず出してもらわなければならない。それは真相究明に絶対ならないから。うそ八百ばかりあなた方答弁するんだから。どうですか、これ出していただけますか。再度要求します。
    〔委員長退席、細田委員長代理着席〕
○澄田説明員 ただいまの頭金を入金いたしました関係の輸出貨物の前受け証明書の写しでございますが、輸銀がこういった関係の書類を借入人より入手いたしますのは、これは案件審査のために金融機関といたしまして借受人との間の信頼関係に基づきまして、金融機関としての業務のために取っているものでございます。これは、この場合は民間の金融機関と同じ立場でございまして、こういうものにつきましては、これを外部に明らかにするということは金融機関の立場としてできかねる次第でございます。
○安宅委員 ちょっとそのまま。ですから、たとえば私契約を結んで、私の契約をないしょで結んだか何か別として、ちゃんと出しますから書類ありますけれども、宋という個人、今度は副社長である宋という個人と日商岩井が、あなたにはいい仕事をいただきましたという意味でしょうかよくわかりませんが、五千七百万ウォンの謝礼金をその中から出すという。どこから出すか私はわかりませんが。ところが、日商岩井が送った経費がここにあります。(安宅委員、資料を示す)もう一回、速記がとれるように言いますからね。四十三年七月一日の分と四十四年三月二十六日の分と、四十四年四月一日の分と四十四年九月三十日の分、これは機械代金の中の経費を送ってよこしているのですよ、わかりますね。あるいは日商岩井は商社融資として別に四十五万ドル貸していますからね、その中からやっている分もあるかもしれません。ちょっとそこまで私、いま詳しくわからないのですけれども。そういう中に、あなたとおれが契約したのが、宋に送らないで新韓碍子に送ったその金の中からあなたは取ればよかったんだ、訴訟でそう言っているんです。それで勝ったんです。こんなばかなことがあるでしょうか。輸銀でせっかく貸した国民の金が、謝礼金、リベートとして送った金に入っているんだなんて言うのが日商岩井です。だから、その明細をどうしても知らなければならないから、私は要求しているのです。それでも出せませんか。
○澄田説明員 先ほど御質問がありまして、いままで私が御答弁申し上げておりましたのは、本件の輸出貨物の前受金でございまして、輸出貨物の一〇%、それに相当する前受金がこのときに送られてまいります。これは四十四年の九月十日でございます。(安宅委員「だけれども、あなたにも責任があるんですよ、総裁だから。前受金だけではなくて別なことも聞いているんですよ。だから一遍帰ってください」と呼ぶ)私はいままで前受金代金の書類のことを申し上げているんです。
○細田委員長代理 発言を求めてください。
○安宅委員 今度は前受金のことでは出せないと言われたから、そういう、つまり頭金のことで前受金が出てくるわけですけれども、それだって結局は頭金が機械代金になって、後は向こうに行っているのですから、行かなくてはならないのですからね、日商岩井は。その金はいつの間にか謝礼金に使われているということ、これは裁判で日商が言っているのですから間違いないのです。日商岩井はこの間第一審結審になったのですけれども、そういうことをやってもいいのか。そういうばかなことをやっては悪いはずなんだ、法律的に。そうでしょう。輸銀から借りた金、その中からリベートをやるというのです。そういうことを調べたいから、前受金の支払いの問題は、輸出承認の証ですね、これを出してもらえないかと言っても、出せません、こう言っている。どうしても国家公務員として知り得た秘密は出せませんということになるのか、こういうことを言っているのです。どうですか。――整理しましょう。私は間違っておったんですね。通産省は捨ててないと言ったですね。ところが、澄田さんにきのう電話をかけたら、これはまだ払い終わっているか、あるいはまだ会社が動いていないんだから、チェックする部門がありますから、そういう書類は全部でなくてもあると思います、こういう答弁でしたが、それを前提にして言うのを忘れていたんです。私は謝りますがね。じゃ、全然ないんですか。あなたは、きのう、あると言ったですね。
○澄田説明員 輸出入銀行は審査する場合に関係の書類を借受人側から取るわけでございますが、その中には、輸出承認が本当に出ているかということを確認するために輸出承認書の写しはとります。そしてその輸出承認書の写しにつきましては、これはそのときにとったものが保管をされてあるわけでございますけれども、しかし先ほど申しましたとおり、融資に当たって借入人から資料をもらいますのは、これは金融機関として審査のために必要な範囲において相互の取引の信頼関係に基づいて取っているものでございますので、これは金融機関一般でございますが、その書類を金融機関の立場として外部にお出しするというわけにはまいりません。
○安宅委員 監督官庁である大蔵省がそういう輸出入銀行を通じて韓国の事業発展のためにというか、そういうことで融資をした、その金がリベートに使われたという疑いがある。疑いどころか、それで、ちゃんとこの金の中に入っているんだと日商岩井が裁判でがんばっているのですから。だから、そういうことを調べるためにも出せませんかということを条件にして聞いているのですけれども、それでも監督官庁出せませんか、どうですか。絶対出せないですか。
 それから澄田さん、あなたいまかっこういいことを言っていますが、この前のときは、ここにあるのです、だからお出しします、とはなるほど言っていないが、ここにあるから見せるという意味だったのか。出すという意味ではなくて、どういう意味であんな発言をしたのか。議事録を持っておりますから、大蔵省が答弁した後、あなた答弁してください。
 それから時間がないので、大蔵大臣、通産大臣。これは経済企画庁長官か、監督官庁は。基金はあなたですね。あなたに質問する気はなかったのだけれども、おとといだったかの予算委員会で大出さんの質問のときに、ソウルの地下鉄の値段が余り違うからおかしいではないかということで問題になり、そこで出せない、出せないと言っている大来さんは、私は知らないでおったんですが、わが党の松浦君に三年ほど前の決算委員会では別室で見せたということを言ったものですから大騒ぎになりましたね。そうしたら怒っちゃって、大来さんは議事録にちゃんと載っているんですと言うのですよ。結構な話だと思うのです。金融機関としては見せられないとあなた方がんばっているけれども、海外経済協力基金の総裁はちゃんと見せているのでございますけれども、これは、政府はどういう答弁を三人ともなさるかわかりませんが、その答弁によっては政府の統一見解を求めます。答弁してください。
    〔細田委員長代理退席、委員長着席〕
○坊国務大臣 お答え申します。
 金融機関の銀行等の営業上の金の出し入れには、きょう澄田総裁も言われましたが、相互の信用というものが非常に重大なるファクターになっております。そういうような意味におきまして、これを第三者に出すということは、いま澄田総裁が言われたとおりです。これは出すべきではない、私はかように考えております。
○澄田説明員 お答え申し上げます。
 これは五十年の六月の衆議院の予算委員会でございますが、先ほどお話の出ました輸出貨物代金前受け証明書の写しを、実は私は御質問がございますので手元に持っておったわけでございます。そこで御質問がございまして、本当に入ったのかというような御質問がございましたので、ここに手元にあるように、ちゃんとそういうことで確認をいたしております。そういうことを申し上げるつもりで、ここにございます。こう申したわけでございます。
○安宅委員 ちょっとあなた、失礼なことを言いなさんな。持っている、それではどういうふうに証明させるつもりだったのでしょうか。持っているけれども、ちらちらさせる程度でしょうか。
○澄田説明員 ここに持っておりますというのは、確かにそういうものがあるということを申し上げるつもりで申しました。
○安宅委員 ばかなことを言いなさんな。持っていたってわかるか。持っていたということは、見せますということじゃないですか。提出するということじゃないですか。見せたくないのだったらしまっておくのがあたりまえじゃないですか。これはもういいよ。なめるなよ、おまえさん。おまえさん、そんな無礼なことあるかよ。経済企画庁、あなたのところはすでに見せているんですからね。
○倉成国務大臣 お答えいたします。
 松浦委員の要求に基づきまして委員長から資料提出の指示がございましたけれども、提出はできないということで提出はいたしませんでした。ただ別室において、同議員の求めに応じて契約書の存在を示しまして、同議員が指摘された点について該当する個所を説明しまして確認を受けた、というのが事実関係であると聞いております。したがって、公表したものとは考えておりません。
○安宅委員 私はこれでもう時間が来ましたから、ちょっと楢崎さんが関連質問する時間を少し過ぎたようですから。私はやさしい言葉で言いますが、怒っているんですよ。それは大きな声を出しほうだい出したから。その考え方で、あなた、私の要求を受け入れてください。
 先ほど言った頭金の問題の入金の証明書も、これは出す気がない。あっても出す気がない。いいですか。今度そういう政府機関の一つである海外経済協力基金の総裁は、別室でお見せをしたという慣例が一つあるわけですね。ところが、政府は全部出せないと言っているんだ、あとの人は。これは一体、大来総裁が見せたのですから、みんな私が行ったら別室で私も見せていただけるのでしょうか。そういうことはできないということになると思うのですがね。そしてそういうことばかりやっているから、たとえばリベートを機械代金の中から出すなどということを言ったり、六分の利息だと言って一割の利息を取ってみたり、全部知らないと思って、そして輸入代金の機械代金の明細書を、役所に申請したものとこっちに出したものとは間違って物を差しかえたかもしれないような疑いを持つようなことをさせてみたりして、韓国人をなめたようなそういうやり方で商社が経済進出をしていった。このために民族的な反感を買われる。経済進出でなく経済侵略ではないかと言われる。何が日韓親善だということになる。こういうばかなことをした報いが今日いろいろな問題を起こしているということを知らなければなりません。これは単なる新韓碍子だけではない。だから私は言いますけれども、すべてほとんどのところがそうやっておる。競争入札なんか一つもしていませんよ。権力者である何者か、KCIAが、特に中央情報部が握っていますがね。こういう連中――後で楢崎さん終わってから十分くらいあったら私やりますけれども、時間ないと思いますから、何かの機会にやりますけれども、こういうものを出せるものはあなたの方で出すという方針を決めてもらいたい。そうでないと、いつまでも日本は疑われるからです。そして、こそっと別室でなんというのもあるんですから。一体どうなさるのか、統一見解を出してもらいたい。
○坪川委員長 ただいま安宅君から要望されました件の取り扱いにつきましては、理事会において協議をいたします。
 楢崎君より関連質疑の申し出があります。安宅君の持ち時間の範囲内でこれを許します。楢崎弥之助君。
○楢崎委員 ただいま安宅委員が取り上げました問題も、いわゆる日韓の利権共同体としての中で生まれた政治腐敗の一環でありましょう。つまり、前国会以来ロッキード事件あるいは日韓問題あるいは日本・インドネシア問題、こういう問題はまさに多国籍企業と申しますか、日米韓イの利権共同体の中で生まれた問題であります。その一環として私はただ一点、短時間でございますから、また関連質問でございますので、ロッキード事件とハワイ会談の問題にしぼって質問をいたしたいと思います。
 このハワイ会談のロッキード事件に占める位置と申しますか、これは非常に重大であります。一月二十七日の田中公判における検察側の冒頭陳述の中でこの点に触れておる個所が幾つかありますが、それを代表的なやつをここで指摘をしてみたいと思います。
 まず冒陳の「五」の中でございますが、「五 田中の関係者に対する働きかけ」、そのうちの日本数字(二)のところ。
 (二) 田中は、前記ハワイにおける同年九月一日のニクソンとの会談後間もなくのころ、砂防会館の田中事務所で、じっこんの間柄であり、かつ、全日空の大株主である国際興業株式会社社主小佐野賢治に対し「実は、ニクソンとの会談でハワイに行った際、ニクソンから日本が導入する飛行機は、ロッキード社のトライスターにしてもらうとありがたいと言われた。全日空の方針はどうかな」と話し、その意向を全日空側に伝えるように依頼した。右小佐野は、同年九月中旬ころ国際興業で、全日空副社長渡辺尚次に田中の右意向を伝え、暗に全日空がL一〇一一型航空機を選定するように慫慂した。
このくだりが一つ。
 それから「六」のところ。「全日空のL一〇一一型航空機採用の決定とその経緯」、その中の日本数字の(二)のところ。
  そこで若狭は、同月二四日渡辺副社長を同道して首相官邸に赴き、田中と面談した。若狭が機種を月末迄に決める予定であると説明したところ、田中は「この間のハワイ会談で飛行機の話があって、ニクソンからロッキードを頼むと言われた。全日空がトライスターに決めてもらえば非常にありがたいと言っていた」等と話し、若狭は「大勢としてトライスターに決まる方向に進んでいる」と答えた。
 ほかにもたくさんありますが、もしこのことが事実であるとするなら、すなわちハワイ会談においてニクソン元アメリカ大統領からこのような依頼を具体的に田中被告が受けたとするならば、そしてそのことが最終的なトライスター採用への決め手になったとすれば、これは実に重大な事実であろうと思います。これはかねてから私どもが指摘しておりましたとおり、もしこれが事実であるならば、まさに日米合作の大疑獄である。さらに日米安保体制下の構造的な汚職であると言わざるを得ませんが、総理はどのようにお考えでしょうか。
○福田内閣総理大臣 御指摘のように重大な問題ではありますが、目下公判中でありますので、私は感想を述べることを差し控えさしていただきます。
○楢崎委員 このハワイ会談の事実がそのとおりであるとするならば、これは田中被告の請託収賄立証の大きなポイントであると私は思いますが、法務大臣はいかがですか。
○福田(一)国務大臣 御指摘の件は冒陳におっしゃるとおり記録されておりますが、その間の事情については私が取り調べたわけでもございませんので、その間の事情は刑事局長からお答えさせます。
○安原政府委員 ただいまのお尋ねの件でございますが、検察官といたしましては、田中元総理の五億円の請託収賄につきましての公訴事実を立証する上におきまして、田中元総理が全日空のトライスター導入について、総理大臣としてどのような働きかけをしたかということを立証するためには重要な事実であるということで冒陳で申し述べた次第でございます。
○楢崎委員 まさにいま安原局長がおっしゃったとおり、これは田中被告の請託収賄罪立証のための重要なポイントであります。
 そこで、私は前国会における審議の経過を若干申し上げてみたいと思うのです。
 まず、アメリカでは二月四日、日本では二月五日の午前七時のNHKのニュースでチャーチ委員会の内容の報道がなされた。そして翌二月六日、私はこの問題を予算委員会で取り上げた。そして私はこのように指摘をした。私はこのハワイ会談の問題を重視をいたしまして、そのやりとりをしながら「私はここで断定してもいいと思う。これはやがて明らかになる。これは結局は田中金脈の一環ですよ。」、こう翌六日の日に私はすでに指摘をしております。事実はそのとおりになった。さらに、ハワイ会談の問題については、ここで最終的なトライスターの決定が行われたという可能性がある、密約がある、このように指摘したのは二月十日であります。読んでみましょう。「実はそのときに二つの密約があったと思われる。一つは、問題にいたしましたすでにそのときエアバスの機種はトライスター、いま一つはこのP3Cオライオン、ロッキード社製です、これを輸入する。」という密約が行われたはずである、このように指摘をしております。そうして二月二十六日にはチャーチ委員会から取り寄せた資料の中で、その資料の総論の部分に実はタイム誌の記事が資料として載せられている。それは一九七二年十一月十三日のタイム誌です。これを資料として総論の部分に載せておったということは、いわゆるチャーチ委員会がこのロッキード事件におけるハワイ会談の位置を非常に重要視しているという指摘を私はしている。そのとおりになった。二つともそのとおりになった。
 そこで、お伺いしますが、私が冒陳で指摘をしましたこのくだりは、一体取り調べたうちのだれによってこの事実が出てきたのか、明らかにしてもらいたい。田中被告はみずからの意見陳述の中でこれを否定しておる。後から明らかにします。とするならば、さっきの冒陳の中の二カ所からすれば、一つは田中、小佐野、渡辺、このラインですね。もう一つは、田中、若狭、渡辺、こうなっていますから、そうすると、田中本人でないとするならば、小佐野氏か若狭氏か渡辺氏か、三人しかいません。一体そのうちのだれでしょうか。悪い言葉で言えば、ゲロったのはだれですか、こういうことになります。
○安原政府委員 冒頭陳述は、楢崎委員御案内のとおり、証拠によって検察官が証明しようとする事実でございまするから、これは今後の公判におきまして証拠によって証明する事実に属するわけでございます。したがいまして、証拠申請という形、そしてそれの立証という形で今後の公判において明らかにされることでございますので、ただいまの段階では申し上げることを差し控えさしていただきたいと思います。
○楢崎委員 ちょっとそこにおってください。
 そうすると、その三人にしぼられることはもうはっきりしていますね、この冒頭陳述から言えば。
○安原政府委員 必ずしもそうも言えないと思いますし、そうであるかもしれませんが、いずれにしても申し上げるわけにはまいりません。
○楢崎委員 冒頭陳述からすれば、そうしかならないんじゃないですか。ちゃんと書いてあるじゃありませんか、冒頭陳述の中で。
○安原政府委員 冒頭陳述はこれから検察官が証拠を提出して証明しようとする事実を書いておるわけでありまして、証拠は提出しておるわけではございませんので、その証拠はこれからの公判の過程において明らかにしていくことでございますので、申し上げることができないと御理解を賜りたいのでございます。
○楢崎委員 それでは、ハワイ会談においてそういう話がニクソン氏から田中被告に行われたというこの事実について、検察当局は裏をとられておりますか。
○安原政府委員 そういうような事柄もこれからの立証に関連する事柄であると思いまするけれども、何よりも御理解を賜りたいのは、先ほど申しましたように、冒頭陳述は田中被告人がこの問題についてどのような働きかけをしたかということを立証するというところに重点があるわけでありまするから、問題は、田中元総理が関係者に対してどのように言ったかという、言ったかという事実が問題なんで、その言った内容が真実かどうかということは直接刑事訴訟法上の立証の事項にはならないわけでございます。
○坪川委員長 安原局長、どうぞ近くのいすにおかけください。
○楢崎委員 では、この事実の確認は公判維持にとって私どもは不可欠だと思うけれども、検察当局はそう思っていないのですか。
○安原政府委員 考え方によってはわかっているにこしたことはないという事柄かもしれませんけれども、直接にはどのような働きかけをしたか、要するに、どのように言ったかという、言ったかどうかということが問題でございまして、そういうハワイ会談で田中、ニクソン両氏の間にどのような話があったかという事実そのものは、直接には刑事訴訟法上は必要な事項ではございません。
○楢崎委員 刑事事件としてはいまのような見解かもしれないが、政治の次元においては、これはまさに重大なポイントであると思います。これが明らかになるかどうか、総理どう思われますか。
○福田内閣総理大臣 重大な問題だとは思いますが、感想は公判の途中でありますので、私から申し述べることは差し控えさしていただきます。
○楢崎委員 いや、いま安原局長は公判維持に必ずしも不可欠ではないと言っているのですね。しかし、政治の次元としてはわれわれは見逃すことはできません。われわれは、ここは法廷ではありませんし、事態の真相を明らかにすることが国会の任務です。これはかねてから言われておったことです。そして国会における真相解明の努力と司法当局の真相解明の努力、両々相まって全体的な真相が解明されるということはかねてから政府側も言ってきたことではありませんか。われわれもそれを確認してきた。だから、国会であれだけの時間を費やしてやってきたし、これからもやろうとしている。だから、このハワイ会談でそういうことがなされたかどうかは、政治の次元では重要だと思いますが、総理はどう考えられますかとさっきから聞いておるのです。
○福田内閣総理大臣 政治の立場から言いますと重要だと思います。
○楢崎委員 したがって、この解明をすることは私は国会としては重要であると思いますが、どうですか。
○福田内閣総理大臣 私はその解明は重要な問題だと思いますが、政府といたしましては、公判に支障を生ずるというような形の御協力というか、そういうことはいたしかねる、こういう感想でございます。
○楢崎委員 私は、あの冒陳を読みまして、あのような事実がもし真実であれば、これはコーチャン氏は故意にニクソン氏との関係を伏せておったことになる。それは朝日新聞に対するあのコーチャン回想録ですか、それにも故意にP3Cとニクソンとの関係は伏せておる。ここにこれからわれわれが解明すべき問題が実はある。しかも冒陳の中にも言っているでしょう。このハワイ会談が実に重要であるということはコーチャン自身が知っておったのでしょう。指摘しましょうか、冒陳の中で。いいですか。「コーチャンは、前記ニクソン・田中会談において、大型ジェット旅客機の緊急輸入が論議されるものと考えており、また、競争相手の商社が田中総理大臣を訪問していることを知っていたところから、桧山の右提案に賛同し、早急に田中総理大臣に会ってL一〇一一型航空機の長所などを話してほしい旨依頼した。」。コーチャンがそういうことを、そのハワイ会談が重要だということで依頼したとなっていますよ。
 それからまだあります。いいですか。「コーチャンは、昭和四七年八月中旬ころ、日本におけるロッキード社の販売担当者からのテレックス等により、全日空が同年九月一日のニクソン・田中会談の直後ころには機種選定の最終決定をなすものと判断し、全日空との最終的な契約条件をとりまとめるなど売り込みの指揮をとるため、同年八月二〇日来日した。」。コーチャンは知っている。冒陳の中で、そう指摘している。だからコーチャン氏は、私は嘱託尋問でどういうことを聞かれたかわからぬが、この点について嘱託尋問で触れられましたか。
○安原政府委員 いまお尋ねの点もこれから立証しようとする証拠の内容に関することでございますので、いまの段階では申し上げることを控えさせていただきたいと思います。
○楢崎委員 私はやはり国会で、いま総理もおっしゃったけれども、このハワイ会談の真相を解明する重要な責任がある、そのように思います。
 で、このハワイ会談に出席した元インガソル駐日大使、このインガソル元駐日大使は、日本の新聞の特派員に対して、日本では冒陳の行われた明くる日ですね、こういうふうに言っておられます。「今朝ラジオで田中元首相の公判が始まったことを知ったが、ハワイ会談で田中氏がトライスター売り込みをニクソン元大統領から具体的に頼まれていた、との検察側法廷資料が公判で提出されたことは大きな驚きだ。」、「その際にトライスターの名前が出たかどうか、私は全く知らない。特にハワイ会談一日目は「プライベート・ミーアィング」だったため、私は同席できず、そこでなにが話し合われたかは知るすべもないが、たしかキッシンジャー氏もこのプライベート・ミーティングには加わっていたと記憶している。」、つまり、もしニクソン氏が田中被告にトライスターをハワイ会談で依頼したとすれば、それは第一日目のプライベート・ミーティングである、そうなります。で、私はハワイ会談のこの日程を外務省の資料によってここで明らかにしたいと思う。もしインガソル氏が指摘するプライベート・ミーティングがあったとすれば八月三十一日、これが第一日目、一時からクイリマホテルでインガソル氏が言うプライベート・ミーティングが行われた。出席者は田中総理大臣、牛場駐米大使、アメリカ側はニクソン大統領、キッシンジャー大統領補佐官、四名であります。これは間違いありませんね。
○山崎政府委員 間違いございません。
○楢崎委員 そうすると、ここでニクソン氏から頼まれたということになる。そこでニクソン氏から田中被告は頼まれたということを立証し得るものは――田中被告はこの点についてこのように否定しておるんですね、意見陳述の中で。一月二十七日の法廷における意見陳述の中で、特にハワイ会談に触れてこのように言っている。「日米首脳会談であたかも「トライスター」に関する話し合いが行われたのではないか、という無責任な報道や言及に就いてでありますが、そのような事実は全くありません。」、それからずっときまして、「日米首脳会談において、一民間航空機の問題などが話題になる筈もなく、」で、否定しておるわけですね。そうしますと、この事実を立証し得る者は同席しておった牛場駐米大使、ニクソン氏、キッシンジャー氏しかない。日本側では牛場駐米大使であります。したがって私は、この事実を明らかにしようと思えば牛場氏から聞く以外にない。外務大臣どうですか。事情聴取をしていただきたいと思いますが、どうでしょう。
○鳩山国務大臣 この事件は公判中でございますので、すべて検察庁の方にお任せいただいた方がよかろう、こう思います。
○楢崎委員 検察庁、それじゃ事情聴取されますか。
○安原政府委員 先ほど申しましたように、冒頭陳述によって立証しようとして申し上げた事実は、収賄罪の立証ということのためでございまするから、田中元総理がどのように働きかけたかということを立証すれば足りるわけでございまして、どう働きかけたかということは、どういうことをおっしゃったかということを立証すればいいわけでありまして、おっしゃった内容の真否ということは、直接は捜査の対象外でございます。
○楢崎委員 刑事事件としての捜査上その必要はないと局長は言っている。そうすると、政治事件では外務省が牛場大使に聞く以外にないじゃありませんか、真相の解明は。どうですか。
○鳩山国務大臣 首脳会談の記録というものは恐らくあろうと思うのでありますけれども、一般的に相手国の首脳との、首脳同士の話し合いは、これは公表すべきものでなかろうと思います。しかし、私どもがいままで内部でいろいろ調べてもらっておる限りにおきましては、その会談におきます記録としてそのようなことが話し合われたというものは全くないと聞いておる次第でございます。
○楢崎委員 冒陳では、いま読み上げたとおりの、ニクソン氏から頼まれた。これはニクソン大統領から頼まれたから何とかしてくれということを田中総理から言われた相手側は、相当これはトライスターを採用しなければならぬのだなという圧力を受けますよ、ニクソン大統領も頼んでいるということがもしそこに言われたら。重要なところなんです。もし外務省が事情聴取をされないならば、私は証人として牛場さんを喚問せざるを得ない。これは見過ごすことはできない。どうですか。
○坪川委員長 アメリカ局長。
○楢崎委員 いや、外務大臣。こういう最高の政治判断を要することは局長の答弁ではだめですよ。外務大臣ですよ。
○鳩山国務大臣 この事件は公判中でございますので、そのような非常に密接な関係のあることにつきまして、私どもの方からそのようなことをいたしますのは、いろいろ影響が出ようと思いますので、私どもとしては差し控えたいと思っております。
○楢崎委員 私はそれは了承できませんね。いままで、この事件解明のために政府はできるだけの協力をするというのが三木内閣以来のずっと一貫した方針です。だから、われわれはロッキード特別委員会で政府側、運輸省とかを呼んでやってきていることなんです。それができないとは何事ですか。これは牛場大使に聞けばわかることじゃありませんか。まさにこういう点こそ国会が解明すべき任務です。
○福田内閣総理大臣 この問題は、外務省で牛場元大使から事情を聞く、これはいいと思うのですが、その結果を公開することが裁判に影響するかどうか、これはもう少し政府部内で検討しないと結論が出ない、こういうふうに思います。
○楢崎委員 そうすると、いまの総理のお答えは、外務大臣のお答えと違って、牛場大使から事情は聞く、聞いた結果を公表するかどうかは考えさせてくれ、こういうことでございますね。とすれば、私は、まず早急に聞いてもらいたい。電話もあることですから。
○鳩山国務大臣 アメリカ局長が牛場氏にはしょっちゅう会っておりますし、そのことについても聞いておるそうでありますので、答弁を聞いていただきたいと思います。アメリカ局長が牛場氏にその点を確かめておりますので、アメリカ局長からお答えさせていただきたいと思います。
○楢崎委員 委員長、ちょっと待ってくださいよ。総理は、事情を聞いて、その結果を公表するかどうかは考えさせてくれということですが、局長もこのことを聞いておりますから、その結果を発表します、こういうことで総理、いいんでしょうかね。
○福田内閣総理大臣 私はただいまそう申し上げましたが、いまの話を聞いてみると、もうすでに調査してある、こう言うのですから、それをお聞き取り願います。
○山崎政府委員 先ほど外務大臣からもお話のありましたとおり、外務省の記録から判断いたします限り、ハワイにおける首脳同士の会談において、ニクソン大統領と田中前総理との間でロッキードとかトライスターというような話は出なかったというふうに承知しておるわけでございます。この点に関しましては、私は牛場大使にも個人的に一応確かめております。外務省全体として正式に調査するとかそういうことではございませんけれども、そういう記録はないので、その点は牛場大使にも聞きましたところ、牛場大使も、自分は承知していないというふうに言われたことを記憶しております。
○楢崎委員 そういう御回答であれば、証人として喚問せざるを得ませんね。冒頭陳述であれほど指摘されているのですからね。重大なことになりますよ。私は牛場大使の証人喚問を要求します。
 あわせて、これは二月二十六日の私の予算委員会の質問で、この点に関し、当時の大平外務大臣、去年の二月二十六日の段階では大蔵大臣ですね。こう答えております。私はこの会談でトライスターあるいはP3Cの話は出なかったかということを聞いたときに、大平大臣は「首脳会議ではそういうことは全然話題に上りませんでした。」、上らなかったと大平さんは断定をしております。ところが、大平さんはこのプライベート・ミーティングに出ていない。出ていないから、ここで何が話し合われたか、大平さんは知っているのですか。報告しているのですかね。首脳会談でそういうことが話し合われたかどうかはわかりませんという答弁ならばいいですけれども、「全然話題に上りませんでした。」と断定をしておる。
 さらに、私が「公式にも非公式にも話題になりませんでしたか。」と聞いたら、「公式にも非公式にも話題になりませんでした。」、つまり非公式、プライベート・ミーティングでも話題にならなかったということでしょう。
 私はいままで十七年間、国会でやってきたけれども、数々のうそがあったことは福田総理も御存じのとおりです。沖繩密約電報しかり。だから、そのプライベート・ミーティングのうち、この点は記録に載せるなというようなことが行われておるかもしれないです。だから、私はやはり牛場大使を証人として喚問する必要がある。
 それと、いま申し上げました、大平氏はいま自民党の大幹事長であります。で、まず福田総理からもう一度大平幹事長にその点を確かめていただきたいと思います。どうでしょうか。
○福田内閣総理大臣 よろしゅうございます。
○楢崎委員 大平幹事長の回答いかんでは、これまた証人として呼ばざるを得ないかもしれません。
 で、牛場大使に対する外務省としての正式の照会、それから大平幹事長に対するお話を聞かれるその回答を二十三日前までにひとつお願いをいたしたいと思います。よろしゅうございますか。
○福田内閣総理大臣 よろしゅうございます。
○楢崎委員 というのは、私は、この二十七日の田中被告の意見陳述の中で、いま私が申し上げた大平大臣の答弁が引用されているから、重大視しているのです。これは単なる思いつきで言っているのじゃない。いいですか。田中被告の意見陳述の中で、こう法廷で言われておる。つまり、ハワイ会談ではそういう事実はなかったということを言って、その次に、「右については国会における大平大蔵大臣(当時の外務大臣)が、公式に答弁しておる通りであります。」とわざわざ法廷で引用しておる。だから、この答弁を私は無視できない。
 で、いま総理から二十三日までに事情を聞くということでありますから、その点を保留をして、私の関連質問を終わりたいと思います。どうですか。
○坪川委員長 ただいま政府側から申されたとおりでございますから、安宅君、御質疑を続行……
○楢崎委員 いや、私の分は、その点の回答を待って証人喚問なりしなくちゃいけませんから、その点を留保して私の補足質問は終わります、そういうことです。
○坪川委員長 承知しました。
○安宅委員 さっきの、私は統一見解を出してくださいと言って、あなたが取り計らうことになりましたね。そこで、それの理事会でもめたりしますとなんですから、当時の議事録からちょっと申し上げますが、澄田さんがどういう発言をしているかというと、書類はいま持っているんだと言うのです。そうしたら私は、いいですよ、後で、時間がないからと言っているのですね。二回も言っているのですね。そうしたら澄田さんが「委員長、書類はいまここにございます。」と言っているのですよ。それで私はどういうことを言ったかというと、「だから、新韓碍子工業の名前になっているんですか。――だめだ。時間がないから後でいい。きょうはそれが主目的じゃないから。」と言って、そして荒舩委員長は「後で出してください。」、こういうふうな命令になっているのですね。あなたの方で何も意思表示してないのですから。出せないということになると予算委員長の立場がこうなるわけですから、ぐるりとでんぐり返るわけですから、非常に重要なことだということを付言しておきます。
 それで、片一方では大来さんが明らかに別室で見せているのですからね。そういうことについて政府の人たちがみんなどんな資料でもそういう場合は私企業同士の契約だから出せませんといままで突っぱねてきたから、こういうインチキなからくりのある経済協力あるいは経済援助が行われた。ここが重要だという意味ですから、さっき少し興奮していましたからね、だから冷静になってきちっとよく念を押しておきます。
 それで、私は追加して申し上げたいのですけれども、結局、先ほどの発言にあったように、まず不法な契約、個人的な契約をしたりあるいは謝礼金ですね、これは商慣習でその程度だったら当然だ、それはいいことか悪いことかは別としてと言っています。しかし、これは不履行だということになりますと、大きな多国籍企業というのは常にそういうことをやって、在外法人を通じてからくりをやっているということが具体的に私の発言の中では明らかになっていると思うのです。ただ、その証拠はそのときの頭金の受け取り方がはっきりしないから問題があるので、これはあなたの方で統一見解では出せないといまのところがんばっているのですから、そういうことを明らかにすることができません。さらに、機械代金その他についての内容を私ら非常に疑惑を持って見ているわけです。したがって、これも出すことができないと言うのですから改めて言いますが、PRO−M−六九−一三〇三三という輸出承認書を確かめるためにどうしても出してもらいたいのですが、出せない場合、これははっきりさせなければなりません。そのためにまた日韓の方で、日の方は指を丸めて金を意味する発言があって、場所まで特定して私申し上げておりますが、こういうことを含め、あるいは日本碍子から動かされたという二人の代議士さんですね、この人の行動なんかもはっきりさせなければ、この日本の汚い経済援助というのはどこまでもそのままずるずるになっていくおそれがありますから、こういう意味で私は先ほど言ったように日商岩井の当時の次長さんですか、河原進二さん、それから当時の通産省の課長さんをしておった、いま石油資源開発株式会社の常務さんをやっているそうです、この人。それから日本碍子はどういう立場でやったか、やはり日本の企業を守るためか何か知らないけれども、お二人に頼んだということをはっきりさせなければならないという意味でそこの社長さんの福田克美さん、それから技術協力をした朝日碍子の社長の鈴木芽さん、この人は非常に怒っているのですよ、韓国でたらめだと言って。それから日商岩井の次長さんだけでは頼りないから日商岩井が一体どういうふうにやっているのかということについて、これは経済援助のあり方について重要ですから辻良雄さん。それから大変言いにくい話ですけれども岸さんを証人として呼んで、これは国会で徹底的に調査する。そうでなければこの日韓汚職、そういうインドネシアまで含まってきた日米韓のそういう汚い問題がはっきりしないままずるずる行くおそれがあるということを私は非常に心配しますから、それを喚問して調査する、そういう機会を与えてもらいたい。委員長のお立場でひとつ御配慮賜りたいと思います。
○坪川委員長 いずれ理事会において協議をいたしたいと思います。
○安宅委員 なおこの問題については、時間の関係で私が言わなかったこと、まだたくさんあるんです。一つ一つ申し上げればたくさんあるんですよ。だから、そういう意味で時間を保留しておきたかったんですけれども、まあ証人喚問のことについてどうなるか、あるいは統一見解がどうなるか、このことでは私らはまた相談してやりますから、時間全部は使いません、少しは残しておきたいと思いますが、そういう質問の時間の範囲内で私いまからやらしていただきたいんです。
 たった一つ、これも私らが見過ごしている非常に重大な問題があると思うのです。警察に聞いても法務省に聞いてもどこに聞いてもKCIAの活動、だれがKCIAの要員であるかなんていうのは、全然わかりません、何でも発表できません、わかりませんなんですね。私はたった一つだけ、時間の関係で保留する分を含めて、統一見解のことはどうなるかわかりませんから、それを残して聞いておきたいことがある。
 ただいま日韓議員連盟で非常に高い立場でおいでになっておる李秉禧さんのことですが、私は、立場は違いますが日朝議員連盟の事務局長なものですから、そういう意味で敬意を表しながら質問させていただきますが、この人が第一無任所相ですか、つまり朴政権の閣僚だったことは否定しないと思いますね。それで、昭和四十九年から五十年、五十一年までの三年間の日本への出入国の記録を全部ここに資料として出してもらいました。いいですか。そしたら、とにかく八月、七月なんていう夏休みの関係でいないときあるいは国会が忙しいときはどうなのかわかりませんが、それらを除いては半月以上いる月がほとんどですね。それで、大体平均すると一年のうち、四十九年は二六%日本にいるんです。五十年は一九%、約二〇%ですね。それから五十一年は二九%、約三〇%日本にいるんです。出入国の記録を一々拾ってみたらそうなるんです。韓国の国務大臣がなぜ日本に、自分のうちにいるよりもよけいなほどこっちにいなければならないかということについて不思議に思いませんか。総理、どうですか。
○福田内閣総理大臣 どういうことをやっておったのか私も知りませんから、別に不思議とも思いません。
○安宅委員 じゃあ法務大臣、不思議に思いませんか。出入国の管理をやっておるのはあなたですから。
○福田(一)国務大臣 私も事情をつまびらかにいたしませんから、お答えをすることは困難であります。
○安宅委員 この資料の提出を要求をして、いろいろ説明に上がりたいとして来たあなたの下僚は不思議きわまることだと言っているのであります。大臣だけ不思議でないなんて言っている。きわまるとは言わないけれども、不思議だと思いますと言っていますよ。それで……(発言する者あり)実際調べてパーセントまで言っているんですから、まあ黙っていてくださいよ。だから、そうすれば、この職務権限ぐらいは法務省で調べて――調べてと言っては無礼だけれども、知っていなければならない、なぜこんなに日本にばっかり来ているんだろうということは。普通の外国の大臣でそんなに日本に半分ぐらいずつずっと毎月来ているなんていう大臣は、この人だけじゃなかったでしょうかね。どう思いますか。それだけは肯定しますか。
○吉田政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。この李秉禧さんは、四十九年に十四回、五十年に十五回……(安宅委員「そんなこと、どうでもいいから。不思議に思うか。時間がないんだ。資料はあるじゃないか、あなたが出したのが。」と呼ぶ)これは、日本の在外公館が査証を出して……
○安宅委員 そういうことじゃない。そういう外国の大臣で、ほとんど日本に半月ぐらいずつ、しかもずっとぶっ続きでいるような大臣がほかにおりますかという質問なんだ。いるか、いないかだけだ。出入国の管理をやっているのがあなただったら、それだけ答えてくださいよ、時間がないから。
○吉田政府委員 それは私の所管の範囲外でございます。
○安宅委員 範囲外のことで答弁に立って、あなた何を言っているんだ。そんなばかなことないよ。失礼なことばかり言っているんだ、君らは。あれは何ですか、にやにやにやにや笑って。無礼じゃないか、あれは。わかるやつを出しなさい。わかるやつを出せよ。だめだ。これは時間を計算したらいかぬ。もうやめるからな。
○福田(一)国務大臣 安宅さんに申し上げますが、外国の外務大臣なりあるいは大使なりが――大使なら来るのが当然でありますが、それでも、よその国に行っている人が来る場合もあるだろうし、そういうことまでも法務省としては監督する責任はないだろうと私は思います。
 それからあなたは一月に半分も来ているとおっしゃったけれども、あなた自分で、二〇%か三〇%ということですから、六日か七日来ていたことになるので、これは言葉の行き違いですから何とも思いませんけれども、そういうことは考えませんが、とにかく韓国の外務大臣が来られたのを法務省で一々全部調べるというのはちょっとむずかしかろうかと思います。
○安宅委員 あなた、よくそういうことを言いますね。議事録をよく読んでください。私は、三年間で月によっては半分以上いる月が非常に多い、平均するとこうなると言っているのですよ。よござんすか。人の揚げ足を取ろうと思ってそんなばかなことを言っている。不思議だと思わないか。そうすると、対日工作の担当の国務大臣でもない限り、こんなに長く何回も何回も――見なさいよあなた、これをあなたにやるから。こんなにたくさん来ることは、だれもいない。これははっきりしているでしょう。認めるでしょう。不思議に思わないか。ただそこで私が言いたいのは、この人は無任所相になる前は元中央情報部、KCIAのソウル支部長をしておったということはあなた知っていませんか。そういう人なんですよ。
○福田(一)国務大臣 お答えをいたします。
 この資料は私の方から提出したものでございますから、これはもうよくわかっております。差し上げておきます。(安宅委員「要らないよ。おれは一つあるから要らない。早く答弁してください、時間がないから。」と呼ぶ)
 そこで、いまあなたのおっしゃったのは、KCIAに関係があったのかどうか、こういうことでありますが、何かそういうようなことが新聞に載っておったことも、私はそれは承知しております。しかし、そういう方だから来ていけないのか。不法なことさえしなければ、私は、外国人が日本へ何度来たからといって、出入国を認めることは当然のことではないかと思います。もし、不法なことをいたしておりますれば、これはわれわれとしては断じて許すわけにはまいりません。
○安宅委員 あと時間がありますが、論戦いたしません。前の外務大臣大平さんは、国内におけるKCIAの人数、活動状況は報告をするということを私に答弁しています。議事録に載っています。警察では調べておりませんとずっと言うだけで、あなた法務大臣ですから、出入国の管理は警察よりもあなたですよ。そういうことをへ理屈をこねて、何か敵意を持ったような答弁なんかする前に、そういうことは、アメリカあたりでさえもいろいろなことがあって、掌握をしておって、そしてこういう人はこういう人だというふうに、ただ、どういう外交権、パスポートで来たかまで全部きちっとやっておかなければ、冷遇視しないということでやっておかなければならないんじゃないかと思いますね。金大中事件みたいな不法な行為を起こすかもしれませんよ。だから、そういうことを私は注意をしておきます。
 以上で終わります。
○坪川委員長 これにて……。
○安宅委員 保留してと言ったのです。その前提でやります。それは時間を残しておいてと言っていますから、いいでしょう。それはさっきのでわかったでしょう。
○坪川委員長 先ほどの御質疑は保留をいたしまして、安宅君の質疑は……
○安宅委員 だから、時間も予定の時間より先ですから、その分を保留しておきますから。いいですか。はっきり言っておきます。いいですね。
○坪川委員長 はい。
 これにて安宅君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明十八日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時四十六分散会