第082回国会 地方行政委員会 第7号
昭和五十二年十一月二十四日(木曜日)
    午前十時三十二分開議
 出席委員
   委員長 地崎宇三郎君
   理事 大西 正男君 理事 木村武千代君
   理事 中村 弘海君 理事 小川 省吾君
   理事 佐藤 敬治君 理事 小川新一郎君
   理事 山本悌二郎君
      井上  裕君    中村  直君
      西田  司君    堀之内久男君
      与謝野 馨君    加藤 万吉君
      新村 勝雄君    細谷 治嘉君
      山田 芳治君    権藤 恒夫君
      和田 一郎君    三谷 秀治君
      川合  武君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     小川 平二君
 出席政府委員
        内閣総理大臣官
        房同和対策室長 黒川  弘君
        警察庁刑事局保
        安部長     森永正比古君
        自治政務次官  中山 利生君
        自治大臣官房審
        議官      石原 信雄君
        自治省行政局長 近藤 隆之君
        自治省行政局公
        務員部長    塩田  章君
        自治省財政局長 山本  悟君
        自治省税務局長 森岡  敞君
        消防庁長官   林  忠雄君
        消防庁次長   田中 和夫君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        給与局次長   加藤 圭朗君
        内閣総理大臣官
        房人事局参事官 海老原義彦君
        行政管理庁行政
        管理局管理官  篠沢 恭助君
        大蔵省主計局主
        計官      足立 和基君
        大蔵省主計局主
        計官      宍倉 宗夫君
        大蔵省主税局税
        制第三課長   亀井 敬之君
        大蔵省理財局地
        方資金課長   鈴木 達郎君
        厚生省社会局老
        人保健課長   竹中 浩治君
        農林省農林経済
        局総務課長   塚田  実君
        農林省構造改善
        局農政部就業改
        善課長     川合 淳二君
        農林省農蚕園芸
        局農蚕企画室長 下  壮而君
        通商産業省立地
        公害局保安課長 飛永 善造君
        中小企業庁小規
        模企業部小規模
        企業政策課長  富永 孝雄君
        運輸大臣官房安
        全公害課長   中島 眞二君
        海上保安庁警備
        救難部航行安全
        指導課長    吉野 穆彦君
        建設省都市局都
        市計画課長   海谷 基治君
        建設省道路局市
        町村道室長   金子  晃君
        参  考  人
        (新東京国際空
        港公団副総裁) 町田  直君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ――――――――――――−
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件
     ――――◇――――−
○地崎委員長 これより会議を開きます。
 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川新一郎君。
○小川(新)委員 きょうは大臣がおいでにならないので、政務次官に主としてお尋ねしますが、何かの手違いで、たくさんお答えをいただく方がおいでいただいちゃいまして恐縮いたしております。お忙しいときでございますので、御答弁をいただいたらどんどん御退席をしてくださって結構でございます。どうも恐縮でございます。
 最初に、東京都の財政の問題について二、三点お尋ねいたしますが、東京都はもう御存じのとおり、私がいまさら言うまでもなく、日本の首都であり、日本の顔であり、一地方自治体という見方から離れた、われわれ国会議員も、また政府当局も政党も注目しなければならない大事な、これは私たちのふるさとであるという認識を持ってお尋ねするわけでございますが、東京都の五十年、五十一年、五十二年度の三年間の財政状況は、大まかで結構でございますが、どのように認識なされておりますか、それをまずお尋ねいたしておきたいと思います。
○石原(信)政府委員 東京都は、御案内のようにここ数年ずっと赤字が続いております。特に五十年度、五十一年度におきましては、それぞれ再建法の規定による起債制限限度額ぎりぎりの赤字でございました。しかし、ぎりぎりで限度額以内を守りましたので、起債制限団体には移行しなかったわけであります。五十二年度の財政状況につきましては、現在年度の進行中でありますが、財政当局からの中間的な話によりますと、かなり事態が深刻のように聞いております。ただ、計数的な細かい状況は把握しておりませんけれども、今後の税収の推移等によっては、標準財政規模に対して約一千億ちょっとという起債限度を超えるかどうかという微妙な状況にあるように聞いております。なお、今後ともその財政内容については、都の財政当局と密接な連携をとりながらその把握に努めてまいりたいと思っております。
○小川(新)委員 いまお尋ねいたしますと、五十年、五十一年ともに再建団体転落ぎりぎりの歳入欠陥、また財政の悪化が伝えられておりますが、もう御存じのとおり、これは、地方交付金の不交付団体として東京都はあるわけでございます。そこで、東京都の発表によりますと、五十二年度の一般会計の収支の見込みについてでございますが、これは国もそうでございますが、オイルショック以来、今回の円高ドル安の貿易収支の黒字の問題が大きく欧米を刺激するところになって、昨日のロンドン為替相場においては、二百四十円台を切ったということさえ報道されておりますが、そういう状態の中で、最近関連企業というものが円高のために大きな被害を受けて、倒産の危機にさらされていることは、もうこれは私たちがいまさら言うまでもない実態でございます。
 そういう中で、法人二税の昭和五十二年度の見込み、こういうものが当然落ちてくるということは想像するにかたくないわけであります。国も当然、昭和五十二年の補正予算後の財政収入の欠陥という問題がいま大きく議論されているときでございますが、東京都がなぜこのように赤字になり、伝えられるところによりますと、これは昨日も新聞報道によりますと、実質赤字がこのままでいくと一千九百億にも達する。赤字限度額が千二十五億を超えた場合は赤字再建団体へ転落するということになっておりますが、その原因というものは、自治省としてはどのように把握しているのか。東京都側に言わせますと、申請した起債の二千五百五十億のうち約半分、一千三百億の起債が許可にならない。大体起債はその当該公共団体の予算の一〇%を限度として云々されているわけでございますが、東京都の一般会計は約二兆九千億ですか、二兆円を超えているわけでございます。約三兆円になんなんとしておりますから、当然その起債額が約二千億を超えても約一〇%ということでございますが、どうしてこの赤字団体、再建団体に落ち込む千九百億にも赤字が、収入の欠陥が出、財政のピンチを招いたかという、その原因というものは自治省としてはどう把握なされているのか。また東京都の今後の問題については、これは放置しておくわけにまいりませんが、いろいろとやりくりをなさって再建団体に落ちないような工作はなさるでありましょうけれども、それについての御見解をお伺いしておきます。
○石原(信)政府委員 東京都財政が大変逼迫した状況になっておりますが、その原因といたしましては、私どもは歳入歳出両面にわたっていると考えております。
 御案内のように、東京都は従来かなり大きな財源超過団体でありました。この財源超過額に対応して、歳出の内容等も、通常の交付税の交付団体に比べてかなり高い水準の支出が行われておったわけであります。これが最近の経済の落ち込みの影響を受けまして税収が伸び悩み、この財源超過額がかなりへこんできた、財政需要額と財政収入額の開きが縮んできたということから、歳出の内容について、いわば通常の交付団体と同様の見直しを迫られている状況にあると考えております。しかし、このような歳出の見直し、これはなかなか早急には行い得ないという実情もありまして、その財政状況の激変への対応がおくれているということが一つの原因だと思います。また東京都の場合には、通常の団体に比べまして各種の特別会計に対する支出が非常に大きくなっております。このことも都財政の逼迫の大きな要因ではないかと考えております。
 それから、ただいま地方債の許可、不許可見込みといいましょうか、新聞等で報道されておりますが、この点については、東京都が当初予算において見込んでおられます地方債の基礎につきまして、私どもまだ全部について正確には承知しておりませんが、現在の地方債につきましては、すでに定められております地方債の許可方針にのっとりまして、各事業ごとにそれぞれ許可の事務が進められております。したがいまして、東京都の当局におかれまして、地方債の許可方針と異なる地方債の計上方法をとられております場合には、その分は当然には許可されない、許可額との間に乖離を生ずるという可能性は残っております。
 ただ、昨年度の例などで申しますと、最終的に東京都が実施されました事業のうちの適債事業につきましては、ほとんど一〇〇%に近い地方債の許可がされておりまして、予算計上額と許可されなかった額との関係について申しますと、事業が執行されなかったことに伴って許可されなかったもの、それから、初めから現行法制のもとでは適債事業として取り上げられないものが大部分でございます。五十二年度の地方債の計上につきましても、現行法令のもとで、また現行の許可方針のもとで許可できるものはすべて許可していく方針であります。
○小川(新)委員 そういたしますと、東京都はそういう基本的なイロハのイの字といいますか、許可の基準というものを無視して、一千三百億もの歳入を起債に見込んで予算を計上しているということになるように理解してしまいますが、そういう点は自治省としては指導の対象にはならないのですか。
○石原(信)政府委員 現実に東京都が各事業ごとにどういう地方債の歳入の見積もり方をしておられるか、全部突き合わせが済んでおりませんので、正確にお答えできないのでありますけれども、少なくとも私どもは、これまでの地方債の許可事務の遂行に当たりまして、東京都も含めまして、適債事業についてはできるだけ早く許可したいということで事務を進めております。したがいまして、例年、東京都の場合にはかなり広範囲にわたって通常の許可方針以上に起債の予定を立てられておりますので、それらにつきましては、年度末までに個別に検討して、現行法制のもとでそれが許可できるものかどうか詰めていくわけであります。
 申すまでもないことでありますが、現在の法制のもとでは、たとえば赤字債というようなものは地方債の場合はできないわけでありまして、そういったものを初めから見込むということは、私どもは適当な歳入の見積もり方法ではないと考えております。
○小川(新)委員 赤字債の問題については当然そういった規制が行われることはわかっておるのです。わかっておることを最初から見込んでくることにわれわれとしては疑問もあり、抵抗も感ずるわけなのですが、いままで五十年、五十一年の中にもそういうことがあったのかどうか、そういう問題をたな上げにしておいて、五十二年にさらにそれをやってきたのかどうか、そういう点はこれから突き合わせなければわからないとおっしゃっておりますが、それが二億や三億の額じゃなくて、千三百億という膨大な額になってまいりますと、これはちょっと――私は東京都議会議員ではございませんけれども、外部から見ておっても非常に疑問を感ずるからお尋ねしておるわけなのであります。
 そこで、大阪府は今回地方交付税の交付団体になりましたけれども、東京都の場合は五十二年度の都税収入が当初の見込みより七百億下回る歳入不足が生じておるわけですが、東京都は、こういったいろいろな情勢を踏まえた中で、地方交付税の交付団体になり得るのか、なり得ないのか。
○石原(信)政府委員 今後の税収の推移にもよるわけでありますが、ただいま先生が御指摘になられたような程度の税収の落ち込みでは、現在の東京都の財源超過額を超えることはありませんから、交付団体になることはないと考えております。
○小川(新)委員 そうしますと、現状のままで推移して物を判断していかなければなりませんけれども、赤字再建団体に転落するようなことはさらさらないとは思いますが、現況のままでの国としての対応策はどういうものがあるのでございましょうか。
○石原(信)政府委員 私どもは、今後年度末にかけまして、とりあえず財政当局といろいろ御相談してまいりたいと思っております。その過程で、当然、こういう厳しい財政状況のもとでありますから、他の交付団体と同様歳出の適正な見直しをお願いしたい、それから、歳入の徴収確保の努力をお願いしたい、そういった努力と相まって、地方債の許可の面でも、私ども現行法制のもとで許される範囲の努力は最大限してまいりたい、このように考えております。
○小川(新)委員 都と区の合算制度による交付税の算定の仕方、これは改正する見込みはないのですか。
○石原(信)政府委員 この問題につきましては、これまでもたびたび本委員会でも御論議いただいておるわけでありますが、御案内のように、東京都の場合には通常の道府県と異なりまして、歳出面で、通常は市町村が行っております消防行政でありますとか都市計画行政とか清掃行政とか、あるいは下水道行政、こういった広範にわたって通常の都市行政を実行しております。これに対応して税制面でも、たとえば固定資産税を徴収する、あるいは市町村民税に相当するものを都として徴収する等の税制上の特例があります。
 交付税計算におきましては、すべて東京都も普通の道府県と同じように、また二十三区は普通の市町村と同じように想定して計算をしておりますので、これを分離計算するということは、現実の東京都及び二十三区の行政と合わないわけでありますので、そういう特例から、むしろ、これはどうしてもそれぞれ合算してみることの方が財政的には正しいという考え方で、平衡交付金制度以来このような取り扱いがなされているわけであります。したがいまして、私どもは、現在のたてまえが変わらない以上は、現在の合算規定は維持さるべきものである、このように考えております。
 なお、参考までに申し上げますと、五十二年度の交付税の計算におきましては、東京都の方も二十三区の方も、それぞれが算定上は財源超過団体となっております。
○小川(新)委員 これも今後の議題として東京都との話し合いの中でお話をしていただきたい、こう思っております。
 そこで、大蔵省にお尋ねいたしますけれども、国は昭和五十年度から五十四年度までの五カ年間の財政収支試算を出しておりますが、不況の長期化に加えて急激な円問題の影響によって、昭和五十四年度までに財政収支の均衡を図るということはきわめてむずかしい情勢になってまいりました。この情勢の続く限り、地方公共団体の財政もそれ相当の影響を受けるわけでございますが、国はこれをどのように認識なさっておりますか。
○足立説明員 お答え申し上げます。
 いま御指摘のとおり、国も地方公共団体も大変な財政窮乏下にあるわけでございまして、私どもも財政収支試算というものを国会に提出いたしまして、それを手がかりとして財政の建て直しを図りたいと考えておりますが、現下の財政状況からこれはなかなかむずかしい問題であろう、こう考えて、一層の財政健全化に努力をいたすつもりでございます。その際に、もちろん、地方公共団体の財政状況も十分勘案いたしまして、地方財政の運営に支障のないように、これからも一層努めてまいりたいと考えております。
○小川(新)委員 国の五十四年度までの、ただいま私が指摘しました五カ年間の財政収支試算を改定する考えはございますか。
○足立説明員 本年三月に国会に提出いたしました財政収支試算、これは昭和五十二年度ベースでございますが、これは五十一年五月に閣議決定いたしました経済計画に示されております五十五年度の経済及び財政の諸指標を基礎といたしまして、幾つかの仮定を置きまして、五十五年度の一般会計の収支状況を試算したものでございます。したがいまして、財政収支試算というものは具体的に各年度ごとの歳入歳出の予定を示すというようなものではございませんで、今後の経済動向等を勘案しながら、適時適切な財政運営を図っていく上での手がかりとする、そういう性格のものでございまして、そのような性格から、財政収支試算をその年度その年度で改定するということは現在考えておりません。しかしながら、五十二年度の場合におきましても、五十二年度予算の成立を待ちましてもう一度見直しをするということをいたしたわけでございますので、五十三年度の予算の成立後にそのようなことを行うかどうか、その問題につきましては、また五十三年度予算の成立を待ちまして検討してみたいと考えております。
○小川(新)委員 予想もしなかった日本経済の激動期、円問題その他を踏まえた上で当然この見直しを行わなければならないし、また増税問題を絡めた中で国の指針というものが明確にならない限り、同じように地方の財政収支見通し、昭和五十年度から五十四年度までの五カ年計画についてもこれは当然累が及んでまいります。そこで地方の場合はいかがでございますか、これも同じように検討でございますか。
○石原(信)政府委員 地方財政収支試算につきましては、先生御案内のように、一つは昨年の五月に閣議決定されました昭和五十年代前期経済計画上想定されております経済成長率、あるいは租税負担のアップ率、こういったものを前提にして、国の方の財政試算と平仄を合わせて推定を行っておるわけであります。したがいまして、国の財政収支試算が改定され、見直しされるということになれば、それに対応して当然地方財政収支試算も見直しを行わなければいけない、このように考えております。
○小川(新)委員 円が二百五十五円を切った場合には、当初見込まれております国民の経済成長率が〇・九%ぐらいは落ち込むであろう、これは常識として言われております。現在二百四十円台を割らんとしているときに、さらにどこまで落ち込むかわからない状態の中で、国がその財政収支の試算の指標というものを、こういった対外的な大きな変動の中で、いまだに検討段階というのは私は理解ができませんけれども、いかがですか。
○足立説明員 財政収支試算というものは、先ほど御答弁申し上げましたように、前期経済計画の諸指標を基礎といたしまして、昭和五十五年度における財政運営というものをいかにあるべきか念頭に置きまして作成したものでございますので、各年度ごとの運営につきまして一々その数字を挙げておるものではございません。したがいまして、現在きわめて厳しい経済環境、財政状況にあるわけでございますけれども、それをもって直ちに改定を行うという必要はないのではないか、しかしながら五十三年度予算を編成いたしました後におきまして、その時点におきまして、そのような見直しというものが必要かどうか改めて検討したいと考えております。
○小川(新)委員 私はお言葉を返すわけではございませんけれども、単年度ごとの数字をここで出せと言っているのではなくして、昭和五十五年までの積算されていく中の一つの土台の中で、もう根底から覆るような要素がプラスされているからこそ、こういった問題をいま指摘しているわけであって、あなたの御意見に対してその一つ一つをどうだということを言っているわけではないのですから、その辺のところを明確にしていただきませんと、地方の財政収支の見通しがこれに準じていく場合を考えたときのことを思って私は申し上げておるのでございますので、どうかひとつ親切に御答弁をお願いしたいと思います。
○足立説明員 財政収支試算というものは、先ほど御説明いたしましたように、昨年五月に閣議決定いたしました経済計画というものを基礎としてつくっておりますので、その改定に当たりましては一応その経済計画というものの見直し、これも必要ではなかろうかと考えております。したがいまして、現在このような円高基調という新たな経済環境におきまして、一体経済計画はどうあるべきかということを現在経済審議会でフォローアップしてございますので、その方の考え方も取り入れまして検討してまいりたいと思っております。
○小川(新)委員 さらに大蔵省は、大倉主税局長が十一月十六日、自民党本部に大平幹事長を訪ねて、今年度と来年度の税収見通しを御説明なさっております。野党には正式なあれはないと思いますが、五十二年度の国税の税収見通しというものが数千億とも、一兆円とも歳入欠陥が言われておるわけでございます。一体どのくらいの歳入欠陥が生ずると見ておるのでございましょうか。
○亀井説明員 お尋ねでございますが、実は、まず五十二年度の税収の見通しでございますが、現在私どもの手元にございます数字は九月末税収までの計数でございます。それによりますと、前年に対する進捗率はほぼとんとんという状況でございますが、今後の情勢をいろいろ勘案いたしますと、歳入欠陥といったような方向になりそうではないか、こういうふうに考えている次第でございます。ただ、お尋ねでございますが、どのくらいの数字になろうかという点でございますけれども、現在の時点では大変不確定な要因が多うございますので、どのくらいになるかまだ見当がつかない、こういう状況でございます。
○小川(新)委員 そういたしますと、大倉主税局長の自民党幹事長に対する御説明は、いま国会御答弁をいただいた程度のものでございますか。それともう一つは、再補正、当然考えられるのでございますが、第二次補正というものを組む考えが出てくるのかどうか。その問題は、いつどのような歳入欠陥を生じたときに決断するのかどうか。いま数字を明らかにされておりませんので、私もそのところは突っ込みようがないのでございますが、そのときの財源はどうするのか。国債を増発するということになれば、十月に成立した補正予算において、国債依存度は二九・九%を絶対超えないというような総理大臣の御答弁も国会でいただいておりますが、そうなりますと三〇%を大幅に超えるようなことが出るのかどうか、この辺の御見解を支障のない限り地方行政委員会でも御説明をいただきたいと思います。
○亀井説明員 ただいまの第一のお尋ねでございますが、私どもの局長が与党幹事長に御説明に参りましたという御指摘がございました。それは事実でございますが、先ほどお答えを申し上げましたように、九月末、手元にございます資料では、進捗率としてはほぼとんとんである、ただ今後の情勢は大変厳しいものがある、しかしながら不確定な要因が大変多うございますので、現時点では計数としてはまだとても見込みが立たない、こういうようなことであったというふうに聞いております。
 それから第二点の、それではその後の対策をいかがするや、こういう御下問でございますけれども、その点につきましては、まだ計数がわからないという状況のもとで、現時点でいかなることを考えるかまだ考えていない、まず計数という問題といいますか、今後の状況いかんであるということでございます。
○小川(新)委員 五十二年度の国税の歳入欠陥は地方交付税の減額としてはね返ってくるわけでございますが、地方交付税の減収額は自治省としては逆に、大蔵当局はただいまのような御答弁であいまいもこでございますが、どのように見込んでおるのか。また、今国会においては、所得税の減税に伴う交付税の減収分九百六十億円は国の責任において補てんしてくださったわけでございます。五十二年度の地方交付税の減収は、今後完全に国の責任においてなしてくれるかどうか、これは逆の、裏の面からの私の質問でございます。
○石原(信)政府委員 新聞報道等で、国税収入について再び相当額の欠陥が生ずるのではないかということが報ぜられておりまして、私どもも事の成り行きを大変心配しておるわけであります。ただ、大蔵省当局からは、正式にこの問題について何らお話を聞いておりませんので、具体的にどうするという検討を行っている段階ではございません。ただ、伝えられるように国税の減収額が生じた場合に、その中でどういう税目でどのような減収が生ずるのかということが問題であります。もし所得税、法人税、酒税、こういった税について減収が生じますれば、当然その三二%相当額の交付税の減少を来します。ただ、その扱いの問題になりますと、減収が生じましても、それが決算段階で明らかになれば二年おくれの精算のときに問題になる、しかし本年度中に補正予算によって歳入更正が行われますと、年度内に交付税の減額という問題が起こってまいります。この点、もしそういう事態になりますと、本年度の交付税につきましては、すでに当初予算計上額を前提にして、八月末に普通交付税の算定が終わっております。各団体ごとの交付額が決定されております。また、特別交付税につきましても、その一部は十二月に決定する予定で作業を進めておりますし、残りは三月に決定いたします。したがいまして、このような各団体ごとの交付税の配分決定がなされた後において減額が行われるということは、事実上地方団体にとっては大変な問題になりますので、私どもは、基本的な考え方としては、もし年度内に減額補正が行われるならば、その額は、各団体の交付額に影響を来さないように、本年度の交付税額を確保する措置を国の責任において講じなければならない、このように考えております。
○小川(新)委員 大変明快な答弁でございますので、私どもはその言葉を信じて措置をお願いしたいと思います。
 地方財政は、昭和五十年、五十一年、五十二年度と三年連続して二兆円以上の巨額の歳入不足に悩んでおりますが、五十年度に交付税会計が借り入れた借入金、二年据え置き実質八年償還でありますが、初年度償還金として、昭和五十三年度八百五十億予定されております。地方財政の巨額な歳入不足は、これは政府の税制対策その他、ただいま申し上げたような経済のいろいろなファクターが加わりましてなったことでございますが、交付税率を引き上げなければならないけれども、その交付税率の引き上げさえも明確になさっておらない状態の中では、この償還は国の一般会計が負担すべきであるというのが私の考えでございますが、この考え方の中で、三カ年間の返還、昭和五十三年度から始まる分については依然として考えは変わらないのかどうか、お伺いします。
○石原(信)政府委員 御指摘のように、五十年度の補正の段階において交付税が減額になりましたことのために、これを補てんする趣旨で、特別会計が借り入れたものの元本の償還が五十三年度から始まります。八百五十億円でございます。この八百五十億円の返還額についてどのような措置を講ずるかというお尋ねでありますが、私どもは、五十三年度の地方財政収支は、現時点で予想されるいろいろなデータからいたしましてかなり厳しい局面になるのではないか。そうした場合に、五十三年度地方財政対策はこの八百五十億円の処理だけで済む程度のものでないという、大きな財源不足になることが予想されます。そこで、もちろんこの八百五十億円の扱いも含めまして、全体としての五十三年度の地方財政収支の中で、地方財政の運営に支障を来さないように、あらゆる方途を検討してまいりたい、このように考えております。
○小川(新)委員 私どもがここで審議した当時とは比べものにもならないような状況の変化が出たわけでございます。ただいまお話があったような八百五十億の件についてもそうでございますし、また、九百六十億補てんした件も、われわれ予想してないような状態の中で起きた事態でございますので、十二分な、温かい御配慮をひとつお願いしたいと思うのでございます。
 地方債の許可制についてはいろいろと議論がありまして、これは自治大臣から余り聞かないでくれというような、同僚和田議員のときのお話がありましたが、これは参議院でも問題になりましたので改めてお尋ねいたしますが、縁故債の起債についての許可について、大蔵省の財務部ですか、これの介入が法的根拠があるとかないとかいろいろ言われておりますが、自治省としては、この起債の許可権に対する大蔵省の介入は、法的根拠があるなし、いずれにせよ議論になりましたので、どのような態度で地方公共団体に指示なさるのか。また、その地方公共団体がどのような態度で大蔵省の起債のチェックに対してしたらよろしいのか、その辺のところをお尋ねしておきたいと思います。
○石原(信)政府委員 お尋ねの件は、主として市町村分の地方債の許可事務に関連する問題だと思います。御承知のように、一般の市町村の地方債の許可は、地方自治法の規定によりまして都道府県知事の権限とされております。都道府県知事が許可するに当たりまして、現在、事実上大蔵省の財務部と事前協議を行っておるわけでありますが、法的な関係から申しますと、いわゆる内蔵令の規定によりまして、市町村分の許可につきましては大蔵大臣の協議は必要でないということが明らかであります。これは先般の国会の論議等を通じましても明らかにされておるところであります。ただ、従来は財政金融の所轄官庁としての立場から、事実上大蔵省が財務部を通じてヒヤリングを行う、協議を受けるという形で関与をしてまいったわけであります。実際問題として、大蔵省で所管しておられます資金運用部資金につきましては、融資官庁としての立場から、いろいろ審査を要する点があろうかと思います。この点については私どももその必要性はあると考えますが、いわゆる縁故資金といいましょうか、資金運用部資金以外の資金について、従来のような形での個別的な審査、協議ということは、私はやはり問題があろうかと思います。多くの市町村が、そのような関与について大変不満を持っております。私どもは、これまでの国会における論議あるいは地方団体の御意見などを踏まえてこの問題の抜本的な改善を図りたい。この問題については大蔵省当局とも今後精力的に改善の方向で話を詰めてまいりたい、このように考えております。
○小川(新)委員 大蔵当局はどのようにお考えでございますか。
○鈴木説明員 いま石原審議官から御答弁もございましたように、法制局の長官が内蔵令の解釈としてああいうことを打ち出されました。しかしながら、先生御承知のように、地方債の許可の制度、その運用というのは、昭和二十二年にできまして以来、その法令の整備も全くなされず、きわめて法令の不整備のまま長年の慣行的な運用という形ででき上がってきておりまして、市町村債につきまして財務部が御相談にあずかっているのもそういった慣行的なやり方の一つでございます。それで、内蔵令の先般の解釈は解釈といたしまして、いま自治省から答弁ございましたが、あの解釈自体が、財務部が事実上の協議というものを受けることを妨げるものというふうな解釈ではないと存じておるわけでございます。したがいまして、むしろ問題は法令の問題ではございませんで、実態的にいまの財務部の相談にあずかるということが適当であるかどうかということでないかと思う次第でございますけれども、特に市町村分につきましては、現在でも恐らく民間資金との協調融資も含まれまして、七割ないし八割の政府資金というものが充当されておると思います。したがいまして、そういった政府資金等を各市町村に、あるいは重点的に配分する等の考慮を払うには、どうしてもその他の資金につきましても御相談をいただくということが、資金運用部資金の適正な配分のためにも必要であると私ども理解しておりまして、したがいまして、従来のような事実上の協議ということが今後も継続されることを私どもは期待いたしております。
 ただ、一方において、市町村等から書類手続等あるいはヒヤリング等、そういう面についてやや過大なものを要求されておるという御不満があるやに聞いております。その面につきましてはできる限りの改善を図っていきたい、かように考えております。
○小川(新)委員 御協力は幾らでもいたしますけれども、ただいまの当局のお話を聞きまして従来と変わらないように私は認識をしたのでございますが、きょうは大臣がいらっしゃいませんので大臣の決意は聞けませんので、政務次官の御決意を聞きたいと思います。
○中山政府委員 大臣がこの件については余り聞かないでくれということを申し上げておると思いますし、それから私は、大臣はこの点についてはかなり明快な、いま石原審議官が申し上げたと同じような、強い意味で答弁をしていると思うわけですが、それはいまの大蔵省との関係があって、余りしつこく聞かないでくれという意味であろうと思います。しかし、大臣も私どもも、先ほど石原審議官が御答弁申し上げた趣旨にのっとって、これからも精力的に大蔵省と話を詰めてまいりたいと考えております。
○小川(新)委員 こういう問題はうやむやにいたしておきますと、三千余の公共団体の中の市町村関係者が非常に迷惑をいたします。私はどちらの顔を立てるとか立てないとかそんなことでなくして、やはり明確にしておかないと、一片のここでの議論が大きな波紋を呼びますので、あえて御忠告をしておきたいと思います。そのような決意でお臨みあらんことをお願いする次第でございます。
 そこで建設省にお尋ねいたしますが、五十三年度予算の概算要求の中で緊急市町村道債利子補給制度を打ち出しておりますが、これは地方債の許可にあらかじめひもをつけることにはならないのでしょうか。また利子補給といっておっても、零細補助金をつけることと同じになるんじゃないでしょうか。こういったことでございますので、必要があれば道路目的財源を確保すべきであり、零細補助金は整理すべきものであるという大方の流れの中では逆行するのではなかろうか、こういった一つのことを起債の中で打ち出すことは、やはり行政上のトラブルを起こすことにはならないだろうか、これはまず自治省側にお尋ねしたいと思います。
○石原(信)政府委員 私どもは、市町村道の整備が今後の道路整備の中で最も重点が置かれるべきものであるという基本の認識のもとに、財源問題等も考えておるわけであります。ただ、市町村道はいわゆる生活道路、市町村の住民の身近な道路でありますから、どこの道路を整備するか、これは市町村の判断でお決めいただく、そのために必要な財源を全体として確保する、これが国の使命ではないかと思うのであります。したがいまして、個々の道路を一つ一つ国の立場でいいの悪いのという審査をすべきものでない。そういう意味で私どもは、伝えられるような地方債の償還について一部利子補給を行うという形で、市町村道の整備を中央政府が一つ一つ審査するやり方は避けるべきであると考えております。
 したがいまして、これからわれわれのとるべき方向は、市町村の道路目的税源を強化する方向でなければならない、このように考えております。
○小川(新)委員 建設省、ただいまの御意見でございますが、どのように反論なさいますか。
○金子説明員 市町村道整備事業に利子補給する件につきまして、建設省といたしましては、いままで道路整備の大事な一環といたしまして促進してきたわけでございますけれども、今回第八次道路整備五カ年計画の策定に際しましても、生活基盤である市町村道の整備が立ちおくれている、あるいはその整備が非常に要望が強いということに対処いたしまして、地方債を活用してこれに利子補給していこうという制度を御要望申し上げておるわけでございます。
 建設省が補助といいますか、計画的に体系的にやっていこうという道路は四十万キロ、全体で百十万キロの道路がございますけれども、そのうちの四十万キロ、うち市町村道が、幹線市町村道と申しておりますが、これが二十万キロございます。これにつきましては、ひもつきということではございませんけれども、計画的に投資をしてまいりたいということでございまして、ほかのあと二十万キロにつきましては、これはお話ございましたようなこと、自治体にお任せしてよろしいのじゃないかというふうに考えております。
 それから零細補助のお話でございますけれども、一応枠を五千万以上というふうなことで、それに対して利子補給していく、こういうことでございますので、零細補助ということには当たらないかと思っております。
 それからなお、先ほど来地方債の手続の問題がいろいろございまして、先生御懸念のとおりでございまして、私どもいろいろ考えているのでございますけれども、ただいまのところ、一応その事務を県に委任するというふうなこと、あるいはその他、これから関係機関といろいろ協議いたしまして、そういうことのなるべくないように図ってまいりたいと考えております。
○小川(新)委員 石原さん、いまそういう二本立てになっていますね、地方道のお話を聞きますと。やはりこれは好ましくないと思うのですけれども、いかがですか。
○石原(信)政府委員 この問題は、いずれにいたしましても、五十三年度の予算編成の過程で結論を見出していかなければならない問題であろうと思いますけれども、地方債の許可を所掌する私どもの立場といたしましては、市町村の道路整備についてはやはり市町村がイニシアチブをとってやれるようにするということが基本でなければならない、このように考えております。
○小川(新)委員 きょうは大臣がいらっしゃらないのですが、政務次官、地方債の許可の問題にしてもこういった問題にしても、省庁間の意見の食い違いがあるわけですね。これは道路の問題を一つ取り上げてもそうでございます。許可の問題については、建設省ではまた柔軟な姿勢を打ち出しているわけですね。ところが、大蔵省はいままでのあのようなことでございますので、あなたからもひとつ閣僚会議に、あなたは閣僚ではございませんけれども、これからどなたが自治大臣になるにしても補佐をすべき役目ですから、当然ここで議論になった問題の閣僚会議のコントロール、これをお願いしたいと思います。
○中山政府委員 おっしゃるように閣僚の一員ではございませんが、大臣を補佐すろ立場で、自治省でございますから、地方自治の自主性というものを尊重し、また地方行財政の欠陥を十分に補完し、また自由濶達な地方行政ができるような形でこれからもそういう方針を閣議に反映し、政治に反映していくように努力をしてまいりたいと思います。
○小川(新)委員 時間がありませんので少しスピードを上げますが、憲法九十二条の地方自治の本旨という問題について、これはひとつ大きく議論しなければならぬ問題でございますので、政務次官にはよろしくお願いしたいと思います。
 国家公務員の定年制に対する政府の統一見解をお願いしたいのでございますが、西村行政管理庁長官が、国家公務員の定年を六十ということで打ち出しておりますが、地方公務員の定年制についてはどう考えていらっしゃいますか。
○塩田政府委員 お答えいたします。
 地方公務員につきまして定年制を設け得る道を開くということのために、地方公務員法の一部改正、いわゆる定年制法案というものをかつて数次にわたって国会に提出したことがあります。特に六十一国会、昭和四十三年の十二月でございますが、国会事情のために審議未了、廃案となっております。その辺のいきさつは先生よく御存じのとおりでございますが、それ以来、諸般の状況から具体的な法律提案というところまでは至らないままで現在に至っておるわけでございます。しかしながら、最近における請情勢から、定年制に対します地方公共団体の要望は依然として強うございます。また地方制度調査会等でもそういった必要があるんじゃないかという答申もいただいております。そういう答申も受けておりますので、また最近は、いまお話しの国家公務員の定年制にも関連しまして世論が高まってまいっておりますので、今後とも従前と同じような基本的な立場で、各方面の意向を踏まえながら検討を続けてまいりたいというふうに考えております。
○小川(新)委員 篠沢管理官、どのようにお考えでございますか。
○篠沢説明員 国の方におきましては、去る九月二日の「行政改革について」という閣議了解におきまして、先生御高承のとおり「高齢職員の離職促進等人事管理上の諸問題」というような表現で一項目入れておるところでございまして、大変国の方自身として重要な問題というふうに考えておるわけでございますけれども、実はこの問題につきましては、直接の御所管は総理府の人事局でございますので、私どもといたしましては、今後総理府人事局を中心としていろいろな検討が進みます過程で、御相談がございましたら十分慎重に検討さしていただきたいと思います。
○小川(新)委員 海老原参事官、お願いします。
○海老原説明員 お答え申し上げます。
 現在、国家公務員には裁判官とか検察官というような一部の職種を除きましては定年制はございません。各省庁で行っております退職勧奨によって新陳代謝を確保して、公務能率の向上、職員の士気の向上というものを図っていくというように努めております。
 現在、職員の年齢別の構成を見ますと、平均年齢は四十・五歳でございまして、中高年齢職員の構成比が相当高いというような現状になっております。そのために職員の処遇その他人事管理上いろいろな問題を生じているわけでございます。したがって、職員の新陳代謝を確保して職員の士気の向上、公務能率の向上ということを図ってまいりますためには、どうも現在の制度では十分ではなくなってきておるということで、私どもの方といたしましては各省庁の退職管理の実情を調査分析いたしまして、その結果を踏まえて、退職勧奨のあり方というものについて鋭意検討を行っているところでございます。
 お尋ねの定年制の導入の問題でございますけれども、これは定年制を導入いたしますれば定年年齢での離職が確保されるということはございますが、その反面、予想されておりますような定年の年齢よりも、現在かなり若い年齢で退職勧奨が円滑に行われておる省庁が多いということがございます。こういった省庁にとりましては、定年制の導入によって、かえって高齢者が増加するというような問題を引き起こすおそれがあるわけでございます。特に先ほど申し上げました公務員の年齢構成、中高年齢層、ことに四十八歳というあたりをピークにいたしまして極端なふくらみがございます。こういったことから、いま直ちに定年制を導入いたしますと、この年齢層の定年前での離職が減少いたしまして、かえって新陳代謝の阻害、人件費の増高といったようなことはもちろんのこと、短期的、長期的にいろいろな人事管理上の問題を引き起こすということが考えられるわけでございます。したがって、早急に定年制を導入するということは、いま申し述べましたようないろいろなデメリットを生ずるということから、今後こういった問題点について多角的に検討してまいりますとともに、当面高齢者の問題に対処してまいりますためには、退職勧奨のあり方について再検討を加えていくということが必要であると考えております。
○小川(新)委員 要約して言えばまだ時期尚早、こういうことなんですね。
○海老原説明員 おっしゃるとおりでございます。
○小川(新)委員 大臣が打ち出したけれども、時期尚早。いろいろな意見もある中でどういう思惑で言われたか私わかりませんけれども、非常に重大な身分の保障という問題でございますので、あなたのおっしゃったことを確信いたします。
 それから全国知事会で十一月十一日、九項目にわたって「米需給均衡化対策に関する要望」が生まれております。ここは農政部会じゃないし、また農林委員会でもございませんから、米の専門的なことを議論するわけではありませんけれども、これは非常に大きな問題なので、われわれの主食である米を減反するという、しかもその減反額が、昭和五十三年度から十カ年計画で毎年百七十万トン、今年度は九十万トン、三十九万一千ヘクタール、水田面積の一三・四%という大規模なものでございますので、各地方公共団体の農民所得にも大きく影響してくるわけでございます。今回はこれに違反すればペナルティー、すなわち罰則が設けられるという、こういった問題まで踏まえて減反政策を強行することが果たしていいのかどうか。これは農林委員会で議論するところでございますが、地方公共団体の知事の立場、また市町村長の立場、地域住民、また農民の方々の立場を考えたときには、当委員会でもこれを不問に付しておくわけにはまいりませんので、この辺非常に大きな問題でございます。農林省からも来ていただいておりますので、御説明をお願いいたしたいと思います。
○下説明員 米の生産調整と申しますか、水田利用再編対策という点につきましてのお尋ねでございますけれども、御承知のように米の過剰が非常に強まってまいりまして、ただいま御指摘ございましたように、ただいままで九十万トンということで水田総合利用対策というのを実施しておるわけでございますが、この調整規模が百七十万トンというところにまで大きくなってきておるわけでございます。実はこの転作対策と申しますのは、昭和四十五年以来やってきておるわけでございますけれども、それにもかかわらずこういう事態に再び立ち至っておるということは、やはりわが国の農業生産の根本のあり方から考えていかなければならない問題である。
 一方また、こういう過剰を放置いたしますと、食糧管理制度の維持ということもむずかしくなってまいる。そういう点を考えまして農林省といたしましては、一方では国民の御理解をいただきまして米の消費拡大、米というものが日本の風土に最も適した作物であることは事実でございますので、そういう風土に適した食生活の方に進めていただく、それによりまして米の消費拡大を図るということを進めながら、一方ではやはり需要に対応いたしました農業生産ができますように、日本の農業生産のあり方を変えてまいる必要があるということで、明年度以降、水田利用再編対策というふうに対策自体も組みかえまして、ただいままでは率直に申しまして、五年あるいは三年という比較的短期の対策を積み重ねてまいりましたけれども、やはりこれでは農業生産のあり方を根本から変えるという趣旨に照らしましていかがなものかというふうに考えまして、今後長期にわたりまして腰を据えて対策を進めてまいる必要があろうということで、明年度から水田利用再編対策、おおむね十年の期間を予定をいたしまして発足させることといたしておるわけでございます。
 もちろん、この実施に当たりましては地方自治体あるいは農民団体、そういう各方面にいろいろ御協力をいただかなければならない、その理解を得て進めなければならないわけでございますので、それぞれの団体と数回にわたりまして御懇談をいたしまして、御意見を承りまして進めてまいってきておるわけでございますが、その点につきましては、今後とも十分御意見を承りながら実施に当たってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○小川(新)委員 政務次官、わが国に食糧がだぶついているのは米だけだと言われておりますが、バングラデシュやインドでは万年飢餓状態、私たちは東南アジアのそういった方々にお金で援助しておりますね。この間のハイジャックのときもそうですか、なぜ現物給与の米でできないのかという議論さえもあるわけですね。地方公共団体の知事が首をそろえていま農民の立場を代弁して、全国知事会で反対しておる。あなたは自治大臣の補佐役として、地方公共団体の代弁者の声として、農林省にどうアプローチ、アピールするのですか。
○中山政府委員 非常に困難な食糧情勢の中での米の過剰基調、これは農林省も大変頭を悩ましているところだと思いますが、今度の生産調整も非常にやむを得ざる措置ということで策定されたのであろうと思います。御指摘のように、これの実施に当たりまして、都道府県あるいは市町村の行政担当者が生産者との間に立って非常な苦労をするであろう、それが強制力を伴った生産調整ということになればなおのこと、行政上またこの施策を運用していく面において、いろいろな大きなトラブルが起きるのではないか、それが知事会等の反対の理由であろうと思いますけれども、そういうことのないように、この趣旨を見ますと、ただいまの答弁を聞いておりましても、十分に地方の生産者や地方団体との話し合いの上で決めたいというふうに言っておりますので、今後ともなおその間の調整を行って、そして円滑にこういう運営ができるように努力をしていきたいと思っております。
○小川(新)委員 円滑にと言っているけれども、円滑でないから知事から、団体から反対の声が上がっているわけです。そのような手ぬるいことでは、これはトラブルが起きると指摘せざるを得ないから、私はあえて農政問題を地方行政委員会に移してこうしてお話をしているわけでございます。時間の関係でこれ以上申し上げませんが、ひとつ適切な方策を講じていただきたいと思います。
 最後の一問でございますが、自治省消防庁は十一月十一日、五十一年度版の地方防災白書をまとめて発表しました。これによると、五十一年中に発生した災害は合計一万六千二百十八件、このうち四〇%は全くノーマークの個所で発生しております。特に山崩れ、急傾斜崩壊防止法やいろいろな問題、防災街区造成等のことを踏まえて、何とその九割近くが同じくノーマークの個所で発生しております。まず、この危険の個所の総点検を行う、これが第一点でございます。
 第二点は、大震災対策は今後とも重大でありますが、地震予知の技術の進歩を生かすためにも、現実に即した大震災に備えるための特別立法が必要であると思いますが、この点はどうか、これが第二点でございます。
 第三点目は、十一月十一日、韓国の裡里市で四十トンのダイナマイト爆発事故がありました。日本の国内でも大量の火薬が鉄道やトラックで運ばれておりますが、一体輸送体制は果たして万全なのかどうか。鉄道では十トン車が四千六百車両、トラックでは八万三千三百三十七台の大型トラック、ともに車両輸送の場合は、脱線、転覆、踏切での衝突事故が最も心配されております。この点についての安全性が果たして守られているのかどうか。また、火薬輸送のための法律、行政の一元化を図ることについては、政府はどのように考えているのか。参考のために申し上げますと、アメリカでは輸送体制を一本化しております。日本では、火薬取締法が通産省、火薬運搬規則が運輸省と総理府、陸上の火薬類の輸送は各都道府県公安委員会への事前届け出、その他航空輸送、船舶輸送など、それぞればらばらというのがわが国の状態であります。これらの実態を踏まえた上で御答弁をお願いいたします。
 時間の関係上、一つずつお尋ねするところではございますが、重ねて質問をいたしましたので、順次御答弁をお願いいたします。
○林政府委員 お答えいたします。
 まず第一点の数多いノーマーク地点での災害の発生ということにつきましては、結論から申しますれば、これらの実情にかんがみまして、さらに点検を精密にするよう建設省と詳しい打ち合わせを行っております。ただ実際問題としては、集中豪雨というようなことが、どこに来るかわからない、しかも何十年、何百年に一回というようなケースが多いものでございますから、一定限度の危険地帯を一応マークしてみましてもそれ以外で起こるということは避けられません。これはやむを得ないことでございますが、それをできるだけ少なくするように、さらに点検基準を下げてでも危険地帯を摘出してまいりたい、この努力を建設省と共同してするつもりでございます。
 それから第二点の大震災対策としての特別立法の問題、これにつきましては、現在地震予知の技術はまだ完全に確立された段階ではございませんけれども、一応ある程度の計器の設置、その他地震予知に関する施策は実施の段階に移されておりますので、これらを法制化する必要があるかどうかという点について、現在関係省庁とよく打ち合わせしながら検討を進めてまいりたいと存じておる次第でございます。
 それから三番目の問題は、まさに御指摘のとおり、火薬の取り締まりについてはわが国は非常にたくさんの省庁に責任が分散されております。しかしこれは、それを一カ所にまとめればいいというものでは実はないと思います。それぞれを一カ所にまとめれば、また別の面でのいろいろな各省との調整が必要になると思いますので、これらをどうすればいいかという統一的なものについての研究はさらに続けつつ、当面はそれぞれの所管官庁の間の連絡を密にして、たとえば相互に責任の分界点において遺憾のないようにと申しますか、その実行段階について十分な配慮を払ってまいろう、そして特に各省庁との連絡を緊密にするように心がけてまいりたいと存じております。
○中島説明員 危険物といたしましては、火薬類、あるいは消防法によります危険物、あるいは高圧ガス取締法による高圧ガス、あるいは核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等による放射性物質等がございまして、先生御指摘のように、現在その保安に関する行政は関係省庁の間でそれぞれ分担されておるという実情でございます。そういうことで、必ずしもわが国におきましてはすべての危険物の輸送体制を単一の行政機関に一本化しておるわけではございませんけれども、それぞれの所管におきまして、輸送機関あるいは危険物のそれぞれの品目の特性に応じまして、非常にきめの細かい規制を行っておりまして、現在のところ一応問題はないのではないかというふうに考えております。しかしながら、輸送の実態というものは社会の変遷に応じまして次々と変わってまいります。そういうことで、そういう時代の変遷に応じた適切な対応策をとっていくということが必要であろうかと存じます。たとえば放射性物質につきましては、最近その利用が活発化しておりまして、輸送量も増加しております。そういうことで、先般来、航空機あるいは船舶、自動車、鉄道、それぞれの放射性物質の輸送の場合の安全対策につきましては、たとえば容器とかあるいは掲出しますべき標識とか、そういうものについては一元的な統一的な改正を行いまして、明年から実施するという関係省令の改正を行っております。たとえばそういうぐあいにいたしまして、今後とも適切に対応してまいりたいと思いますが、関係機関との間におきましても連絡を密にいたしまして、遺憾のないようにしてまいりたいと存じます。
○飛永説明員 火薬類につきましては、先生御承知のように、火薬類というのは非常に強大な爆発力を持っておりまして、これを厳重に管理するということが非常に大事でございます。その観点に立ちまして、私どもにおきましては火薬類取締法に基づきまして火薬類の保安確保のため、製造、貯蔵、運搬、消費、廃棄に至るすべての過程におきまして厳重に管理しているわけでございます。ただ、輸送の問題につきましては、火薬類の特徴あるいは輸送機関の性質ということから、それぞれ専門の分野、たとえば鉄道でございますとか、あるいは車両につきましては、現実の取り締まりの面から運輸省にお願いしておるわけでございますが、国内面の一般的な輸送のベースの問題につきましては、火薬類取締法に基づきまして、国家公安委員会の協力を得まして厳密に管理しておるわけでございます。ただ、問題は個々の国内のトラックの輸送、それ以外の車両あるいは航空機等についてでございますけれども、一応規則というのは別になっておりますけれども、その間の安全性の確保につきましては関係省庁で十分打ち合わせをしまして、十分連絡体制をとっております。だから現在の体制で、私どもとしては今後とも続けていきたいというふうに考えております。
○吉野説明員 海上保安庁では、現在海陸の輸送の接点であります港につきまして港則法という法律で、危険物の荷役が行われます場合には、これは港長の許可にかかわらしめておりますが、この許可をするにあたりましては関係の機関と十分協議をいたしまして、海と陸との法律の違いによるそごを来さないように、十分に関係機関と連絡をとって措置しております。
○森永政府委員 お答えいたします。
 韓国の裡里における火薬輸送中の事故にかんがみまして、国内における火薬輸送については万全であるかというお尋ねでございますが、この種の事故の防止については万全を期しているところでございます。先生御承知のように、火薬輸送につきましては、一定量以上の火薬類を輸送する場合には公安委員会に届け出るということになっておるわけでございますが、このうち車両等につきましては警察庁の所管ということで、そういう例によりまして輸送の基準あるいは積載方法等について規定をいたしております。また列車等につきましては、運輸省令によってこれらを規制しておるということでございます。
 警察といたしましては、運搬証明の届け出があった際に、証明書を交付するわけでございますが、その際に、運搬上の事故防止についての注意を詳細にいたしております。また、必要があるときには、日時、場所、経路等を指定をいたしまして変更を命ずる場合もあるわけでございます。また、二百キロ以上運搬する場合には、運転者は二人以上でなければならないわけでございますが、これについても厳守方を指示をいたしております。また、運搬が二つの都道府県にまたがる場合には、途中で警察において適当な場所で点検をするということにいたしておるわけでございます。そこで、ただ指示をするだけではだめでございますので、警察といたしましては、この指導取り締まりの万全を期しておるわけでございます。
 そこで、取り締まりといたしましては、全国一斉にやりますのは年一回やっております。それから都道府県単位でやりますのが四回ないし五回以上ということで、それぞれ必要に応じてやっております。また、随時交通部門と協力をいたしまして点検をするということをいたしておりますが、この結果によりますと、比較的守られておるという状況でございまして、昨年一年間のいわゆる違反検挙につきましては四十九件になっております。この内訳は、運搬証明書を持っていなかったというのが十八件でございまして、運搬方法違反が三十一件ということでございます。そのほか、軽微なものについてはその現場において改善を指示をして早速改善をさせる、こういうことにいたしておりまして、私は現在の体制で一応法が守られているのではないかと思うわけでございますが、しかしながら冒頭申し上げました韓国の裡里の事故のようなものもございますので、現在のところ守られているからいいということではなくて、常に、これから発生するであろうという事故等を予測をいたしまして、そういうものに対処するように十分に体制も考え、あるいは法規上の問題についても検討すべきである、こういうふうに考えております。
○小川(新)委員 時間が参りましたので、これで終わらしていただきます。厚生省の方にも来ていただきましたが、老人問題につきましては後日またお尋ねいたしますが、きょうは大変ありがとうございました。
○地崎委員長 新村勝雄君。
○新村委員 私は地方公務員の給与体系についてお尋ねをしたいと思うのですが、地方公務員の給与体系なりその行政については、国家公務員の体系なりあるいはその取り扱いと密接な不可分の関係がありますので、まず最初に国家公務員の給与問題について伺いたいと思います。
 まず最初に人事院にお伺いをいたしたいのですが、人事院はことしの八月九日、国会と内閣に対して、国家公務員の給与を四月から平均一万二千五円、率にいたしまして六・九二%を引き上げるよう勧告をしたわけであります。
 そこで、まずお伺いをしますけれども、この勧告について基本的な考え方、それから勧告をされた時点あるいはその後におけるこの問題に対するいろいろな批判等もありますけれども、これらについて現在どういうお考えを持っておられるか、お伺いをいたします。
○加藤説明員 お答えいたします。
 人事院は毎年、その四月時点の官民の給与の比較をいたしまして、四月時点の額の違いを算出をいたしまして、四月時点の官民の給与を均衡させる、こういう方式で従来やってまいってきております。
 その給与の比較につきましての基本的なやり方といたしましては、官民双方の大部分を占めます職種、すなわち公務にありましては、行政職俸給表(一)と(二)の適用の職種でございますが、民間にありましては、公務と類似すると認められる職務に従事します者のうちの事務、技術及び技能、労務関係の職種、四十六の職種がございますが、この職種に従事いたします者につきまして、それぞれの基準内給与というものを比較しているわけでございます。
 この場合の基礎となります民間給与の実態調査といたしましては、企業規模が百人以上で、かつ、事業所規模が五十人以上の事業所を対象といたしまして調査を実施しているわけでございますけれども、具体的には、これらの事業所を都道府県別、あるいは産業別、規模別等の区分によりまして層別化をいたしまして、各層ごとに無作為に抽出した標本事業所を設定いたしまして、その標本事業所におきます公務と類似すると考えられる九十一の職種に該当する従業員につきまして、個人別に四月に支払われた給与、それから年齢とか学歴とかこういうものを調査しているわけでございます。そして官民の給与の比較は、この調査結果に基づきまして、それをそれぞれの職務上の地位別、学歴別、年齢別というようにそういう区分別に、国家公務員の職員構成で加重いたしましたラスパイレスの方式によって比較を行っております。この官民給与の比較を基礎といたしまして人事院の給与勧告をしているわけでございまして、結果といたしまして、公務員の給与が全国の民間の給与と同一の水準に保たれるということになるわけでございます。その給与の水準につきまして民間との均衡を保ちます。その配分につきましては、公務部内におきましては、先ほど申しました行政職俸給表以外に、それぞれ税務とか公安とか教育とかいろいろな各種の俸給表がございますので、それらの部内の均衡と申しますか、そういうものを基準にいたしまして、それぞれの俸給表の金額の改定等を行っているということでございます。基本的には以上でございます。
 なお、おっしゃいました今年の給与の勧告につきましては、先般来国会の方に給与法の改正案として提案されておりまして、一昨日、二十二日に衆議院の内閣委員会におきまして御承認いただいたという経緯でございます。
 以上でございます。
○新村委員 給与法については内閣委員会が所管でありましょうけれども、人事院勧告の持つ意味はきわめて重大でありますし、これは国家公務員だけではなくて、地方公務員及び公務員に準ずる職種あるいはそれ以外にも広く国民経済に影響を及ぼすわけでありますのでお伺いするわけですが、今回の勧告は昭和三十五年以降最低の率になっておると思います。三十五年以降では最低でございますね、六・九二。ところが、不況の中とは言いながら、消費者物価の動向を見ますと、人事院が民間給与調査を実施された四月の時点で、対前年比八・六、五月が九・三、六月が八・五、七月が七・七、八月で八・五と、いずれも本年の勧告の率をはるかに上回っておるわけでありますし、今後の趨勢から言いましても、これは急速に収束をするということは期待できない状況であります。こういう中でこの六・九二という勧告では、これは明らかに国家公務員を初めとする、この勧告によって影響を受ける勤労者の実質的な生活程度は切り下げられざるを得ないということでありますけれども、それらについてお考えを伺いたいと思います。
○加藤説明員 お答えいたします。
 本年の勧告は六・九二でございまして、先生おっしゃいますように、四月の給与を合わしているわけでございますが、四月の消費者物価につきましては、対前年同月比で八・六%ということになっているわけでございます。
 給与を決めます場合の考え方といたしましては、物価あるいは民間の給与等を比較して給与を定めなさいということに国公法上定められているわけでございますけれども、従来人事院がとっております方針といたしましては、この民間の給与を調査をいたすわけでございますが、民間調査の、たとえば本年で申しますと、四月時点で春闘が行われまして、大部分の企業におきまして本年の給与改定が行われたという結果を、われわれの方では五月以降に調査をいたしまして、なるべく最新の数値をとらえて、それをもって比較をする、こういう方式を従来から続けてまいってきているわけでございますけれども、その基本といたしましては、民間の給与を決めます場合に当たりましては、この一年間の物価なりあるいは生活水準さらには労働力の需給の状況、あるいは経済成長といったようなそういった要因がすべて民間給与を決められる場合、個々の企業は業績とかそういうものにもよりますけれども、そういったものを踏まえて、この後一年間の労働者の生活をどうやっていくかということをお互いに団体交渉によって決めるというシステムになっているわけでございます。
 そういたしますと、物価とかそういったものにつきましては、やはりすべての労働者の方々が対前年度の関係で申し上げますれば若干下回るといいますか、大体見合うといいますか、そういう線でお決めいただいているわけでございますので、水準といたしましてそういうところを合わせるということでございます。消費者物価の関係でございますれば、やはり実質という点が問題にされるわけでございますけれども、実質という関係で見れば大変苦しいことになっていますけれども、本年の勧告の引き上げ率は六・九二%でございまして、その後の七月以降の定昇等を加えますと、大体おおむね実質は確保できるのではないかというふうに思っているわけでございます。
 なお、いずれにいたしましても、この水準で比較をいたします上に、配分の点で十分このような点を留意したいと考えているわけでございまして、本年のように賃金の引き上げ率が低く、一方物価もまだ高水準にあるような場合でございますと、やはりなるべく実質賃金を確保しようという観点から、物価の影響を最も受けます世帯持ちの方々、世帯形成層の方々を中心に配慮する必要があるというふうに考えておりまして、そのために、本年の配分に当たりましては、本俸に重点を置きますとともに、また手当では、最も世帯的な手当でございますところの扶養手当を最重点とした配分を行ったわけでございます。
 大体以上のような考え方で臨んでいる次第でございます。
○新村委員 実質的には確保できる、引き上げをしなくてもできるということでありますけれども、これについてのもう少し具体的な数字的な御説明をいただきたいと思います。
○加藤説明員 お答えいたします。
 物価上昇率で申し上げますと、先ほど申し上げましたように、五十二年度の年度内の上昇率は九・四%でございます。それから、年度の平均上昇率で申し上げましても九・四%になっております。それから四月の時点につきましては、先ほど申し上げましたように、五十二年四月の時点では対前年同月比で八・六%ということに相なっているわけでございます。わが方の勧告の引き上げ率につきましては、先生御承知のように六・九二%でございまして、これに七月以降の定昇率を仮に足すということにいたしますれば一・八二%でございまして、合計いたしますと八・七四というような数値になろうかと思います。
 なお御参考までに申し上げますと、本年の民間の春闘相場につきましては、御承知のように定昇込みの八・八%といったような数値が労働省の方から発表されているわけでございます。
 以上でございます。
○新村委員 いまの御説明でいきましても、現在の物価上昇、物価の趨勢を考えた場合には、これはやはり大変危なっかしい数字だと思いますね。それと同時に、この勧告の内容がいわゆる上厚下薄という形になっておりますので、中堅以下の職員についてはとうてい物価上昇に追いつけないということが言えると思います。
 それからもう一つ、五十年から五十一年でGNPは、これは名目でありますけれども、一三・四%ふえておるわけですね。それから五十一年から五十二年にかけての成長率でも、まあ円高等で鈍るという予想はありますけれども、名目では一二、三%いくのではないかと思いますが、そういう中で勧告の率が六・九二ということでは、これは国民各層間あるいは職種間の均衡がとれないのではないか、公務員が特に不利な扱いを受けるのではないかという懸念があるわけであります。現在の経済社会の中では、経営者はむろんのこと、民間の労働者にいたしましても、労働組合を組織して経営者と団体交渉等を行って、力の関係というか、経済法則に従って賃金が決まるというメカニズムがあるわけですけれども、公務員については人事院の勧告によって、国公の場合には国会や内閣が決める、地方団体の場合には執行者が議会の承認を得て決めるということであって、賃金が全く政治的、権力的に決定をされるという性格があるわけです。そういうことを考えた場合に、人事院の勧告というものが百数十万の勤労者の生活を左右するというきわめて重大な作用があるわけですけれども、そういうことを踏まえて考えた場合に、やはり公務員の所得というものは国民各層、各業種間の均衡を失しないように決めなければいけないという至上命令があると思います。そういう点からしまして、名目的に一三・四%成長している中で公務員の給与が六・九二%しか成長しない、しかもその中で上厚下薄という内容を分析した場合には、中堅以下の職員は五%あるいは六%程度しか成長しないという事実があるわけですが、これについてはどうお考えですか。
○加藤説明員 お答えいたします。
 人事院勧告の及ぼします影響等につきましては、いろいろその影響の度合いのとり方によっても違いますけれども、地方公務員等を含めまして、すべての公務員の皆さん方の賃金、給与の決定につきまして大きな影響があるということは十分自覚しているわけでございます。
 先ほど来申し上げておりますように、公務員の賃金につきましては、現在人事院という第三者機関がその給与の水準並びに配分等につきまして決定をする、そういう仕組みになっているわけでございまして、人事院の考え方といたしましては、国民の中の労働者の大部分を占めます方々のそれぞれの給与というものをそれぞれの年におきましてお決めいただく。先ほど先生おっしゃいましたように、団体交渉といったような力関係等ももちろんございますでしょうが、そういったもので決められたものになるわけでございます。大部分の労働者の方が、その決められた水準でもってこの一年間の生活をしていくという実態にあるわけでございまして、公務員につきましてももちろんそういった趣旨を体しまして、国公法上は物価とかあるいは民間の賃金に準拠して給与を決めるようにという原則が立てられているわけでございます。
 なお、最近の傾向といたしまして上厚下薄な配分になっているというような御指摘でございます。この点につきましても、民間の配分の実態をわれわれ調査しているわけでございますが、御承知のように、高度成長期におきましては、新規学卒者の需給事情等から初任給が大幅に引き上げられた経緯がございます。三十七年当時の状況で申し上げますと、一般のベースアップが一〇・五%ぐらいしかない時点で、初任給のところが対前年比二〇%も上がる、そういったような異常な状態があったわけでございます。そのために給与の上下の較差が必要以上に縮小してまいりまして、そのしわ寄せを受けまして世帯主のところ、いわゆる中堅層のところにそのしわ寄せ、いわゆる中だるみと申しますか、そういう状況が出るなど問題が見受けられていたわけでございまして、人事院といたしましてもその動向にはいろいろ注目をしておったわけでございます。しかし、御承知のように五十年以降雇用情勢も大きく変わってまいりまして、それに伴いまして初任給のところの伸びもとまってまいります。民間でも在職者に手厚い改善をするというような傾向になってきているわけでございます。この雇用の状況というのは、やはり給与を決定いたします場合の前提条件でもございますので、このような配分の傾向は今後も続くだろうと思っておりますし、本年の場合も民間の配分状況について申し上げますと、むしろ上の方が高い配分状況になっているわけでございます。上の方がはちが開いたようなと申しますか、そういった形に配分状況がなっていったわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、この中堅職員の生活の実態を考慮して、俸給表の改善につきまして、行(一)の場合で見ますと、五等級以上全部一律、同率の七・一%という引き上げをしているわけでございます。また、手当につきましても、先ほど申し上げましたように、扶養手当といった面、生活給的な面を最重点とした配分をそれぞれ行っているところでございます。
 以上でございます。
○新村委員 国が給与を決める場合の基本的な方針というか原則について伺いたいのですが、いままでの御説明ですと、すぐに民間、民間というふうにおっしゃいますけれども、法には、これは地方公務員法ですけれども、「生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して」決めるとありますけれども、民間の給与が決まらなければ国公の給与が決まらないということですか。それについて伺いたいと思います。
○加藤説明員 失礼いたしました。国家公務員法の六十四条に、俸給表につきましての規定がございまして、先生がおっしゃいますとおり、「生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して定められ、」という規定がございます。それで、公務員の生計費等につきましても必要な調査なり試算なりというものを行っているわけでございますが、現在の給与の水準等の決め方につきましては、それぞれ従来の経緯と申しますか、模索といいますか、わが国のみならず、世界の各国の公務員制度におきましても同様な模索を行っているようでございますが、この給与の考え方につきましては、やはり現実に働いております職員の立場から申し上げますれば、なるべく多額の、たくさんのものを欲しいという要望があるのはもちろんでございます。ただし、公務員の給与につきましては、御承知のように、一般の国民の税金というものによって賄われる部分が多いわけでございますので、そういった納税者の立場というものも当然考えていかなければいけないというふうに思うわけでございまして、その間の、妥協と申しますとおかしいのでございますけれども、その間の調和というものを求める経過の上において、現在のような民間の同種のものと比較をしてそれを合わせるというのが、大体最近の欧米先進諸国等におきます給与の決め方、水準の決め方というようなものにもなっているように思うわけでございます。
 ただ、生計費の関係につきまして若干御説明いたしますと、人事院は、十八歳の男子の栄養の摂取量等を考慮いたしまして、毎年標準生計費というものを算定いたしておりまして、その標準生計費を基礎に――かつて昭和二十年代ころにおきましては、この独身男子の標準生計費を初任給を決定いたします基準として使ったことがございますが、その後は、御承知のように初任給のところで大幅な改善が官民ともに行われましたので、その標準生計費をはるかに突破するような形の給与に現在のところはなっているわけでございます。ただ、二人世帯、三人世帯、四人世帯等につきましても、それぞれその標準生計費というものをわが人事院で計算をしておりますが、具体的な標準生計費と給与の相互の関係につきましては、それぞれ俸給表を決めるに当りましていろいろチェックをしてまいってきているわけでございます。
○新村委員 確かに、公務員の給料は国民の税金であります。しかし、賃金の決定の原則は、やはり何といっても勤労者、労働者の生活を保障するということでなければいけないと思うのですね。法律にもそう書いてあるわけですよ、「生計費並びに」と。生計費をまず基本的に考えていくということでなければいけないと思うのです。そういう意味からすれば、そのときどきの経済情勢を考えて、職員の生活を守るということが基本でなければならないわけで、これを踏まえながら民間の給与等も考慮していくということだと思うのですけれども、いままでの御説明を聞いていますと、どうもその点が逆転をしているように考えるわけですけれども、その点について確たる方針なり考え方なりを踏まえてひとつやっていただきたいわけです。
 そこで、公務員の給与を考える場合に、これは政務次官にお伺いをいたしますが、これは公務員が具体的にやるサービスなり労務なり、これを評価をして給与を決めるのか、それとも、その職員の生活を保障するという立場から決めるのか、その基本的な方針を伺いたいと思います。
○中山政府委員 もちろんその基本には、生活を保障し、まあ生存権といいますか、生活権といいますか、そういうものを保障し、しかも、公務員としての十分な活躍ができるような十分な給与ということに原則としてはなろうかと思います。その上に、また勤務年数なり職務の内容等についていろいろな勘案が行われるというのが、給与の本質であろうと思います。
○新村委員 そうしますと、職員の生活を保障するということが原則として、基礎としてあるということを確認してよろしいわけですね。いいですか。
○中山政府委員 それが基本だと思います。ただ、先ほど人事院が御説明申し上げておりますように、公務員という立場で、この給与の支給者は結局は国民ということになりますので、民間との給与の関係、その他いろいろ勘案するべき条件はたくさんあろうかと思います。
○新村委員 そのときどきの経済情勢なり、あるいは国民感情なりというものはあろうかと思いますけれども、しかし、公務員の生活が完全に保障されていなければ公務員としての本分を尽くすこともできないし、国民に対して十分なサービスもできないわけでありますから、そういう点でやはり生活を守る、生活を保障する、別の言い方で言えば、労働力の維持、再生産に十分な保障を給与体系の中でしていくということが原則だと思います。
 そこで、別のお伺いをいたしますが、人事院がおやりになっております勧告でありますが、これは、直接には国家公務員の給与を決定するわけでありますけれども、今日では、自治省のいろいろな御方針等もありまして、これがほとんどもう地方団体にもそのまま引き写されているということでありますから、地方公務員も全面的に影響を受ける。そのほか特殊法人にとどまらず、民間企業にもかなりの影響を与えると言われております。それからまた、政策的に決められるものですね、たとえば生産者米価であるとか、あるいは失対の賃金であるとか生活保護費というようなものにまで影響を与えると言われておりますけれども、人事院のお考えでは、この人事院勧告の及ぼす影響、どの程度まで影響を及ぼすものか、具体的には日本の労働者の何%ぐらいにこの勧告の影響が及ぶか、そこらをひとつお伺いしたいと思います。
○加藤説明員 お答え申し上げます。
 日本の労働者のどの程度に及ぼすかという具体的な詳細の数等につきましては、試算しておりませんので御勘弁いただきたいのでございますけれども、まず人事院が給与の関係で直接所掌しております一般職の給与法の適用を受けます職員は五十万人でございます。それから、地方公務員の関係につきましては、当然人事院が直接ではございませんけれども、その中で大体国に準じていただいております職員の数といたしましては、警察職員等が約二十二万七千人ほどございます。それから、教育公務員の方々が八十七万九千人ぐらいになろうかと思います。そのほか直接は関係ございませんけれども、その他の地方公務員の方々が百九十二万人程度、それから公共企業体の関係の職員は百十五万人ぐらいの数字になっているかと思いますので、そういった点では、約四百二十万ぐらいの方々に直接的な影響があるんではないかというふうに思っているわけでございます。
 ただ、先ほど先生、米価といったようなことをおっしゃいましたけれども、米価につきましては、結果的に勧告を参考にして決定されるということがたとえあったといたしましても、本来、公務員給与とは直接関係のない、別の次元でお決めいただく筋のものではないかと思いますので、そういったような計算はいたしていないということでございます。
○新村委員 計算はしていらっしゃらないと思いますが、とにかくそういう政策的に決定をされる料金なり価格には、常に人事院勧告がつきまとっているという事実があるわけです。それをひとつ強く御認識をいただきたいと思うわけです。
 それから、人事院の存在というか性格ですけれども、これについては歴史的な経過があるわけでありまして、当然国家公務員にも団結権、具体的に言えばストライキ権があるわけですが、それらがいま憲法の精神に反して停止をされているというか、奪われているというようなことがあります。その代償措置としてこの機関ができたというふうに考えておりますが、そうなりますと、この人事院の性格というものは行政から完全に独立をした機関でなければいけないはずであります。理論的にも、理屈の上から言っても、これは当然そうなければいけないわけでありますが、現在の人事院が果たしてそうなっているかどうかということについては、これは多くの疑問が私はあるわけです。
 そこで、現在の人事院の構成については、人事官については確かに国会の同意を必要とするわけですけれども、内閣によって任命をされておるわけで、これは内閣の息がかかる。それから事務総長を初め管理職、課長以上ですが、こういう方々はいずれも行政府から出向されておるというふうに伺っておりますが、課長以上のポストの方で他の省庁から出向なさっている方について、これは明らかにしていただけますか。
○加藤説明員 お答えいたします。
 直接の主管でございませんので、私、責任持ってお答えできる立場ではございませんけれども、課長クラスで各省から出向していただいておりますのは、たしか厚生省のお医者さんであります行政技官の方と、大蔵省の二名の方だと承知しておりますが、そのほかはすべて人事院で直接採用した職員が大部分でございます。
○新村委員 そうしますと、そのほかの方はいずれも人事院生え抜きの専門職といいますか、そういう方ですか。
○加藤説明員 失礼いたしました。もう一人自治省から来ていただいているのがいると思いますが、出向というような形で来ておりますのかどうか、その辺につきましては私自身詳しくございませんですが、ほとんど大部分の方と申し上げていいと思いますが、二十三年に人事院が設立されまして、それ以降人事院で採用して、人事院の内部の仕事に従事してまいってきているという者が大部分であるということは、間違いない事実でございます。
○新村委員 これは後で結構ですけれども、生え抜きの方でない他からの出向の方のリストをいただけますか。
○加藤説明員 それは御要求ございますれば、所管の方と相談いたしまして提出させていただきます。
○新村委員 後で結構ですから、ひとつお願いをしたいと思います。
 それから、いま申し上げたようにこの人事院というのは、当然あるべき公務員労働者のストライキ権、団結権のかわりとして制度的につくられたわけでありますから、勧告等を行うに当たってはその点を十分考慮をなさってやっていただかなければ、代償機関としての機能が十分発揮できないわけであります。たとえば民間の給与を調べる場合でも、全国から先ほどおっしゃいましたように三千なり四千なりという企業をただ無作為に抽出をされたのでは、これは本当ではないのじゃないか。やはり民間賃金というのは、現在の経済機構の中では、経営者と被使用者とが力の関係といいますか、お互いに自由な立場で交渉してその結果決められるということでありますから、人事院というものは当然そのかわりを務めるべきところを、労働組合もないような、労働者が全く無権利で放置と言うと語弊がありますけれども、労働組合がなくて、労働者の権利が行使できないような職場を調査の対象にするということは、これは全く公正な扱いではないと思います。だから調査をされる場合でも、少なくとも労働組合のある職場の賃金を調査の対象とするという配慮がなければならぬと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○加藤説明員 お答えいたします。
 先ほど申し上げました数値、事業所の数といたしましては、全国で約七千四百の事業所に直接出向いて調査をしてまいってきているわけでございますが、先生おっしゃいますように、人事院の性格が第三者的な機関であるから、その公正中立な立場で、たとえば労働組合のある事業所に限って調査をすべきだというような御主張でございますけれども、片や最近のような非常に不況の経済状態になります場合には、新聞紙上等におきましても見られますように、倒産にあえぐような全国中小企業の方々もたくさんいらっしゃるわけでございまして、現在定めております企業規模百人以上、事業所規模五十人以上というのは、それよりもっと低い企業、もっと人数の少ない中小企業の団体が日本の場合は圧倒的に多いわけでございますが、そういった中小企業につきましても同様に調べるべきではないか。国家公務員の場合は大きなところだけを調べているじゃないかといったような批判と申しますか、そういうものが片やあるわけでございますが、われわれといたしましては各省のそれぞれの御当局者の方々、それから公務員職員を構成員としております。いわゆる公務員関係の組合の方々からの御要望等につきましても、いろいろ機会あるごとに御要望はお聞きをしてまいってきているところでございます。
 なお、先ほど申しましたような企業規模百人、それから事業所規模五十人というような事業所に決めましたのは、実は三十九年に公労協、公共企業体関係の組合の給与水準というものを、公労委の仲裁裁定によりまして企業規模を百人以上、それから五十人以上、そういう事業所の給与を公労協の方々の給与と比較する場合の基準とするということが定められまして、それ以降われわれの方もその基準に合わせて現在実施をしているということでございます。
 なお、構成比等から申し上げますと、大企業の構成比等も高うなっているわけでございますので、結果的には組合のございます企業の数等も相当含まれているというふうに推定をしているところでございます。
○新村委員 日本の賃金の二重構造がまだ解決されていないということは事実だと思います。しかし、それは別個の問題として政策的に考えるべきであって、国家公務員あるいは地方公務員の給与をそういうところを引き合いにして押し下げていく、そういう意図はないとは思いますけれども、そういう結果になっては困るわけでありまして、やはり人事院としては、公正妥当な方法と手段によって、公正妥当な額を出していかなければいけないわけですね。
 重ねてお伺いしますけれども、組合のないような、労働者が全く無権利状態で放置されておるような、そういう職場の賃金を調査の対象とすることが果たして妥当であるかどうか、大変これは疑問に思うのですよ。ですから、そういう点を今後ひとつぜひ考慮を願いたいと思うわけです。低賃金の職場等については、その職種については別途の配慮、別途の政策で解決すべきものであって、それがあるから公務員を下げるのだとは考えないにしても、そういう結果になることについては人事院としても本意ではないと思いますが、その点をお伺いします。
○加藤説明員 お答えいたします。
 人事院の調査の段階で公務員賃金を押し下げよう、そういう趣旨でやっておらないということは当然のことでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、企業規模百人以上、それから事業所規模を五十人というようなところで切りますと、相当大きな企業の地方の支店といったようなところはほとんど入るわけでございますので、そういった点では相当なカバレージでもってカバーされているのではないかと推察いたしておるところでございます。
○新村委員 そこで、自治省にお伺いしますが、自治省の今後の地方団体に対する給与の指導の仕方あるいは方針について伺いたいと思います。
○塩田政府委員 お答えいたします。
 地方公務員の給与につきましては、昭和五十年、五十一年、両年度を通じまして関係者の努力によりまして、私どもで言いますところの適正化ということで努力をしていただいております。その努力は一応評価されるべきものがあるというふうに見ておるわけでございますが、現状からいたしまして給与水準なりあるいは制度運用の面につきまして、やはりなお問題は残されておるというふうに私どもは見ておりますので、引き続き適正化について努力を進めていきたいというふうに考えております。
 地方公務員の給与は、先ほど来いろいろ御議論ございましたが、当該地方団体において決定されるということは当然でございますが、法の定めるところの給与決定の原則に即して、いわゆる職務給の原則なり均衡の原則なり、あるいは給与条例主義といったような原則に即して行われるべきものでありまして、究極的には住民の納得、支持を得られて決められていくべきものであるというふうに考えておりますが、そういう意味から申しまして、なお今後とも従前のような適切な助言、指導を行っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○新村委員 相当な改善がなされたとおっしゃいますが、それは恐らく給与の高いところが相当に是正をされたということだと思いますけれども、これは先般来というか、数年来、地方団体に対するある意味ではきわめて不当な圧迫なり干渉なりがあったというふうにわれわれは見ておるわけですが、そういう中でいまおっしゃった成果を上げたということ、これは特に国のお考えから高いところを抑えたということだと思いますけれども、その反面大変に低いところも同時にあるわけですね。自治省でお決めになっておりますいわゆるラスパイレス指数でいきましても一〇〇に達しないところが相当ある。一〇〇に達しないところがどのくらいありますか。
○塩田政府委員 いま数字を持っておりませんけれども、給与水準と言う場合に、一〇〇に達しておるから高いとか、あるいは一〇〇より大分高いからどうだとか、あるいは逆に一〇〇に達していないから低いということとは必ずしも一致しませんで、やはり個々の内容を見ないと当たりません場合があり得るわけです。特に一〇〇に達しない団体というのは市町村の場合に多いわけですけれども、市町村のような人数の少ない職場におきましてはラスと必ずしも一致しない場合がありますので、そのことが直ちに一〇〇に足らないから、ここは給与水準として低いんだというふうには、イコールにはならないということもあわせて言えるわけでございます。
○新村委員 そういうことも言えるでしょうけれども、そうすれば大都市なりいわゆる国の方で高いとおっしゃるところも、その内容をよく分析してみれば一概に高いとは言えないはずですね。ですから、自治省のおやりになることは、高いところは抑えるけれども、低いところはそのままでいいんだというふうにどうもとれるわけですよ。ですから、この給与についてはもう少し内容の分析をされまして、一概にラスに照らしてこれを超えるから高いんだ、これを抑えよというような単純な方法では実態に即さないと思うのですね。
 それと、一〇〇以下というのは明らかに低いことは事実ですね。ただ、その地方の経済活動が低いとか、あるいは一般の民間給与が低いからそれに準じてというふうにおっしゃるかもしれませんけれども、地方公務員の給与を決める原則というのは何といっても生計費。そのときの、これはその地方は物価が少しぐらい安いからといって安いということではなくて、日本の経済の実態に即して生活を保障するということが大原則になっているわけですから、そういうことを考えた場合には、少なくともこのラスの指数が一〇〇以下であるところについては十分考える必要があるのではないかと思うわけです。それからまた、交付税の単価の問題にいたしましても、これの低いところを基礎にして交付税が計算をされておる、基準財政需要額が算定をされておるという事実があるようですけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
○石原(信)政府委員 地方交付税と給与単価は、都道府県の場合には人口百七十万の標準団体、市町村の場合には人口十万の都市を想定いたしまして積算いたしております。
 なお、そのもととなります単価は地方財政計画上の単価でありまして、これは給与実態調査の結果に基づく単価を、その時点におけるラスパイレス指数によって国家公務員の水準に置き直して計算をいたしております。したがいまして、国家公務員の基準よりも低くこれを積算しているということはございません。
○新村委員 そして、特に地方団体におきましてはいわゆる行政職の第二、行(二)ですね、これを適用されておる職員が非常に恵まれない給与実態にあるわけですね。これについてはほとんど生活を保障するという原則から置き去りにされておる、そういう事実があるわけであります。特に国家公務員の場合でも同じだと思いますけれども。そしてまた行政職(二)の職員というのは、現在のいわゆる合理化、これの対象になっておる、そういう実態があるようであります。
 それの一つの例としては、これは国の場合ですけれども、行(一)、行(二)、税務、公安(一)、(二)というふうに分けて見た場合に、行(二)だけが極端に減っております。四十二年度から五十一年度を比較した場合に、行(二)がマイナス一八・九%、そのほかの部門は全部ふえておる。そして特に指定職の場合には一七八・六%と急成長をしておるわけですが、こういう定員の管理の方法、それから人事行政について人事院ではどういうふうにお考えですか。
○加藤説明員 お答えいたします。
 定員の関係につきましては、直接的には行管の方の所掌ということだろうと思っておりますけれども、先生がおっしゃいますように、この数年間の経緯をながめてみました場合に、行(二)職員の数が相当数減っているということは事実でございます。ただし、これはやはりそれぞれの省庁等におきます。たとえば用務員さん等の、あるいは守衛さんといったような仕事につきまして、新しい庁舎といったようなものができてまいります場合に、それを外部に委託をするとか、そういった事務面での合理化というものもあわせて行われているのではないかという気がするわけでございます。
 なお、指定職等につきましては、それぞれの各年度におきまして等級別定数の改定等を行います場合に、それぞれの職務内容の見直し等をやっているわけでございますが、ふえましたものの相当部分につきましては、大学の先生等、あるいは教育研究職のそれぞれの機関の長といったようなものの方のふえた率が圧倒的に多いというふうに記憶しているところでございます。
○新村委員 時間ですから最後にお願いをいたしますが、従来自治省におきましては、人事院勧告の実施に関係をいたしまして、地方団体にきわめて厳しい通達等を出しておられるようでありますけれども、その内容は常に給与を抑える、それからまた職場の合理化を踏まえた指導になっておりますけれども、ことしもそういうことをおやりになるお考えですか。
○塩田政府委員 お言葉でございますけれども、特に厳しいとかいうことでなしに、適正な給与水準に基づいて適正な給与改善が行われていくことは当然のことでございまして、ただ、従前すでに給与水準がかなり高いところについては、適正化の努力をしてほしいということは、今後の改善につきましても当然指導するつもりでございます。
○新村委員 やはり地方自治の原則からいたしましても、給与についても、これは法律にもそう書いてありますから、長と職員とが話し合いをしてその間の合意を求めていく、もちろん議会の議決を必要といたしますけれども。そういうような形で団体自治、自治の精神をやはりそこにも生かしていかなければいけないわけだと思います。もちろんその場合に経済状況をよく考える、あるいはまた住民感情等ももちろん考えなければいけませんけれども、そういう原則はやはり貫いていくという、極端に逸脱した場合にはこれは注意を与える必要もあるでしょうけれども、自治の原則はやはり自治省としても尊重し、これを育てていくような方針でぜひおやりをいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○塩田政府委員 自治の原則を貫きたいということは、もう自治省として当然のことでございます。ただ、いまおっしゃいますような給与問題につきまして申し上げますと、一方で国家公務員に準ずる。それがいまもいろいろ御議論のございます生計費の問題なり他の団体との比較、均衡の問題なりを比較的といいますか、含めた意味で、実際の問題としては国家公務員の体系に準ずるのが給与の原則としてはいままでとられてきておる考え方でございまして、それを逸脱している場合に、適正化の努力をしてほしいということを指導しておるわけでございまして、基本的にそれによって自治の侵害だとか制限だとか、そういうことはもちろん考えているわけではございませんので御了承いただきたいと思います。
○新村委員 国に準ずるということでありますけれども、その準用の仕方がやはり問題でありまして、ただいま地方団体の部長が国のどこに相当するかというようなことの判断の問題がやはりむずかしいわけであります。そういった問題もありますので、また改めてお伺いしたいと思いますけれども、時間でありますので、以上で終わりたいと思います。大変ありがとうございました。
○地崎委員長 午後一時三十分より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
    午後零時四十八分休憩
     ――――◇――――−
    午後一時三十五分開議
○地崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、警察に関する件について、本日参考人として新東京国際空港公団副総裁町田直君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ――――――――――――−
○地崎委員長 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について質疑を続行いたします。堀之内久男君。
○堀之内委員 本日は、町村合併等のこれまでの経過についてお尋ねをいたしますが、私は標準語がなかなかうまくいかずに、先般の委員会でも薩摩弁が入っておるということで、委員の方で大分聞き取りにくいということがございましたが、その節は遠慮なくもう一回お聞きいただきたいと思います。速記の人も大変御苦労されたようでございますが、この点、生来の言葉でございますので、お許しいただきたいと思います。
 町村合併促進法が制定されたのは恐らく昭和二十八年であったかと思いますが、その合併促進法が施行された当時の市町村と、現在までの市町村数がおわかりでしたらお願いいたしたいと思います。
○近藤政府委員 昭和二十八年四月一日現在の市町村数は一万四十一市町村ということでございます。それから、現在の市町村数ですが、昭和五十二年四月現在で三千二百五十六市町村でございます。
    〔委員長退席、大西委員長代理着席〕
○堀之内委員 合併促進法ができ、そしてまた、四十年ですか、合併特例法が制定されたようでありますが、そういうことによって市町村の合併というのは急速に行われて、約三分の一以下に市町村が減ったわけであります。そういう市町村が合併された後の状況ですね、合併後のそうした市町村のアフターケアと申しますか、そういうものについて自治省が直接指導なり経過というか、そういう状況を調査されたことはありますかどうですか。
○近藤政府委員 町村合併促進法施行以来、先生御指摘のように約三分の一の町村数になったわけでございます。町村合併を行いましたのは、すでによく言われておりますように、戦後地方自治というものが非常に重視されまして、しかも市町村を身近な行政機関として、できるだけそこに行政権限を与え財源措置を講ずるという姿勢が貫かれておりましたので、その受けざらとしてこういった町村合併が二十八年以降強力に進められたわけでございます。そして現在の町村の区域になっておるわけでございますが、その間、わが国の高度経済成長といったようなものも背景にございまして、われわれの身の回りの生活関連施設等におきましても相当充実してきておるということは事実だろうと思います。また、市町村の行政内容そのものにつきましても、従来の平均行政規模、町村の場合には約五千人というような小さな団体であったわけですが、それが倍以上の規模になっておりますので、人材の登用という面におきましてもある程度の成果を上げておって、公務員の資質の向上というのも相当著しいものがあるとわれわれは理解しておりますし、事務の近代化等におきましても相当の成果を上げておる、そのように理解しておるところでございます。
○堀之内委員 いまのお話は一般的なお話で、大体事務等も近代化されて非常に効果を上げておるというようなお話でありますが、実際にどのように調査されておるかということをお聞きしたいのです。実際に町村合併をいたしますときは合併計画書というのをつくるわけですね。それが両市町村、しかも県議会等の御承認が得られて、そして一応町村住民に対しましてもそういう青写真を見せて、合併いたしますとこういうふうになるのだということになっておる。ところが、合併いたしますと、対等合併でもそうですし、吸収合併なんかなおひどいのですが、その合併計画書が忠実に実行されたかどうかということが全然わからない。また、大きなところと合併しますと、住民は文句を言いたくても言えない立場になる。それを認めて、この計画書でよろしいと言ってやったのは、自治省直接ではありませんで県庁なのです。しかし、それを指導監督する立場にあるのは自治省だと私は思うのですよ。そういう計画書が計画書どおり、あるいは少々の変更があったにしても、議会が修正を認められたとすればそれでいいと思うのですが、実際にそれがそのとおり実行されていないのじゃないか、こういうふうに私は理解をしておるのです。どうでしょうか。
○近藤政府委員 町村合併に際しましていろいろな計画書をつくり、それを県知事が認めて自治大臣にまで進達してきたということでございますけれども、町村合併促進法及び新市町村建設促進法の時代には確かにそういうことがございまして、私どもそういった計画書が参りますと関係各省にこれを連絡いたしまして、関係各省も、こういう計画書に載っておる事業についてはできるだけの配慮をしてくれということで連絡をしておるところでございまして、もうすでに相当の年月がたっておるわけでございますが、物によってはそれはできていないものもあるかと思いますけれども、おおむねその趣旨に沿って仕事はなされたものと思っております。
 なお、御承知のように、昭和四十年にできましたところの合併促進法につきましては、これは市町村の自主性ということを非常に重んじておりまして、県段階あるいは国の段階へそういう計画書を提出するというような規定は削除されております。ただ、現実問題といたしまして、それぞれの市町村がつくっておるところの事業の進捗を図る必要がありますので、それにつきましては関係各省協力しろというような規定が置かれておるという状況でございます。
○堀之内委員 いままでの合併というのは、地方財政という問題だけを中心にやっておられたのじゃないかと私は思っておるのですよ。私も実際経験者ですから、最近は行政需要が非常に多くなったから、多様化したから小さな町村ではできません。実際そういうような指導をなされた。これは私も経験があるのですが、しかし実際は、一部事務組合とかあるいは広域市町村圏協議会とかそういうもので、行政区域を越えた中で、行政需要というものは大分最近は補完をされておるわけですよ。最近は自治省、積極的な合併は進められておりませんけれども、いままで合併してしまった町村、地域ですね、こういうところは私は非常な不満を持っておると思う。
 これは後で二、三、例を申し上げてみたいと思いますが、合併いたしまして五カ年間は、特例法によって、独立市町村があったと同じようにして地方交付税をもらえますが、その間はある程度恩恵があるのです。この交付税はおれの旧村の交付税の算定の基礎だから、この分は特別にこの地域に流せと言っても、五年を経過すると全然その恩典がなくなるものだから、みんな一律ですわということになってしまう。だから、その後は大変住民が不満を持っておるわけです。そういう意味で、いままでの合併促進法にしましても、特にこの合併促進法の場合はあれだけしろ、しろという法律であり、四十年以降のものはおっしゃるとおり特例法ですから、やる場合はこれだけの恩典は与えましょうということだけであって、その点は理解をするわけですが、そこで三分の二という市町村がなくなっておるわけですから、その分のアフターケアというか、あるいはその後法律改正ができまして、合併していなかったならばこれだけの恩恵が受けられるのだというものが相当いまあるわけです。その点自治省では、もし合併していなかったらどういうものが独立町村では恩恵が受けられたであろうかというものを大体お気づきの点がありますかどうか、お尋ねいたします。
○近藤政府委員 合併せざりせばどんな特典があるかという御質問でございますけれども、合併しなければ合併をしないという前提のもとにおきまして、それぞれの法規が働くということでございまして、合併すればそれが一つの市町村ということになるわけでございます。旧町村単位で行われておるようないろいろなものにつきましては、その新市町村という単位で物事を考えるということになろうかと思います。
 ただ、先生も御承知のように、地域立法等におきまして、そういう新市町村の区域によるのが適当でないというような場合におきましては、旧市町村の単位をとっておるというようなものもたまにはございます。たとえば山村振興法などはそういう見地でやっておりますし、それから辺地法というようなことになりますと、旧市町村、新市町村の区域というよりも、非常にへんぴなところということを一定の基準ではじき出しまして、地域指定を行うというようなこともやっておるようなわけでございます。
○堀之内委員 ただいまの答弁では大分私の感じとは違うようです。
 実は私も、自分のことを申し上げて大変恐縮ですが、私は昭和三十八年には小さな村の村長だったのです。四十二年に都城市に合併した。二年して私は今度は都城市長に担ぎ出された。十二万のところに一万のところから合併しておるわけですから、実際はそんな小さな村の村長が市長に担ぎ出されるというのはおかしいのです。年も私はそのときは若かったから。ところが、これの原動力になったのは、私は中郷という村なんですが、その前に合併を四町村がやっておるわけです。その町村が中心になって、どうしても合併されたところから市長を出さぬと、どうもわれわれは合併してしまったらまま子扱いでどうにもならぬ。だから、どうしても堀之内さん出ろということで、とうとう――私はちょうどそのときは県会議員になってまだ二年しかなっていなかった。途中でこれは県会議員をやめなきゃならぬということで、個人的なあれで言うと大分自分でも決断しかねたのですが、仕方なく市長に出馬することにした。
    〔大西委員長代理退席、委員長着席〕
ところが、やはり圧勝です。相手は八年間当時の市会議長だったのですが、年もちょうど五十三歳、男の一番働き盛りのベテランの市会議長だったのですが、それとやって、田舎の小さな村長が結局大きな差をつけて、私が当選した。それで、大変住民が言うのは、われわれは合併するときに、これもやる、あれもやると言われたけれども、実際なってみると何もしてくれぬ、これが実際の偽らない住民の声だった。そこで、私がなりましてからは、非常に農村地帯を中心に最初からどんどんやっていきましたから、私はおかげで今度は国会議員までみんなから出されるような立場になったのですが、結局、この合併されましたときに後の問題をよほどよく見ていただかないと非常に問題がある。
 いまお話しの山村振興法は旧町村ごとにやるとか、あるいは過疎債とか辺地債あたりなんかを調べてみなさい、絶対やってないですよ。いま私のところの都城市でも旧西岳村なんというのは、独立しておれば完全にこれは過疎地帯の指定を受けてやるのですが、都城市の人口に入っておるものだから、そこは六千人の人口が四千人に減っておるけれども、過疎指定は受けられない。都城市という中に入っておるからこれは受けられない。過疎債でもそうなんです。辺地債はある程度もらっておりますが、山村振興法の適用も受けられない。これは実際受けてない。こういうことが出ておるのです。
 もう一つ、各省のいろいろな力をもらってとおっしゃったのですが、実際各省には連絡されていないのです。各省に連絡されておったら私はこんなことを感じておりませんが、自分でも合併市長でいろいろ仕事をしてみますと、国の場合は必ず一市町村幾らと、とにかく独立市町村なんです。私の都城市は一市五町が合併しておるけれども、六つのもとの団体が合併したのだから、たとえば道路一本もらうのでも、六本もらえばいいのだけれども、小さな町村でも必ず一本はもらえる、市道や町道の改良でも、建設省あたり調べてもらえばわかるのですが、どんな町村でも一本ぐらいは改良をやる。ところが、都城市のように一市五町が合併しましても、まあせいぜい二本です。それを四本もというのは、頭からとんでもないです。いや、実はこうこうして一市五町村が合併してでき上がった一つの自治体だから当然一つずつでも六本は下さい、かようにお願いするけれども、とてもそんなことはできません。それはあなた方の方が勝手に合併したのだから、建設省が関係するものではない、こういうことが相当出ておる。
 具体的にいまから一つずつ申し上げますが、これは大臣から一番最後に御所見を承りたいと思うのですが、たとえば都市計画法が制定されたのが昭和四十五年だったと思うのです。これは建設省にちょっとお尋ねしますが、後、局長の方ではいろいろやっておるということでしたけれども、私は、実際各省に連絡不十分だ、あるいは合併した町村が大変不利益をこうむっておるという一つの具体的例として申し上げるのですが、この都市計画法ができまして、市街化区域と調整区域の線引き調整がなされたのは御承知だと思うのです。ところが、私の所在地を取り上げて大変恐縮なんですが、一つの例ということで、現在の都城市には、合併した町村にはたった一カ所も、一平方キロも市街化区域はないのです。広域都市では隣接町村はみんな市街化区域を飛び地で認めておるわけです。だから私どもは県を通じ、都市局に相当文句を言うけれども、何キロの何で何だということでなかなか認めてもらえていない。都市局にお尋ねしますが、市街化区域の設定というか、指導をなされるときに、大体どのような基準で指導をなされましたか。
○海谷説明員 お答えいたします。
 先生御質問の都市計画区域のいわゆる線引きの問題でございますが、これは先生御案内のように、四十四年でございますが、都市計画法が改正になりましてから、一定の都市計画について、そこを計画的かつ能率的に整備するという観点から、市街化区域と調整区域の二つに線引きをするという制度ができたわけでございます。
 これの基本的な考え方でございますけれども、これは法律、政令、その他局長の通達等にございますが、基本的には、都市の将来の発展の動向とかあるいは都市計画区域内における人口とか、産業の見通しというものを総合的に勘案して線を引くということが基本になっております。
 具体的には、市街化区域に入るところとしましては、すでに市街化されておる区域及びその周辺の市街化しつつある区域、それからそのほかに、その周りとしまして、おおむね十年以内に計画的に開発がされていくであろうといった区域を市街化区域にするというようなことでやっておるわけでございます。こういう方針によっていわゆる線引きが行われておるわけでございますけれども、そのほか、御承知のように、おおむね五年ごとに都市計画についてのいろいろな基本的な調査を知事が行うことになっております。したがいまして、その調査の結果によって、この線引きについても必要な見直しを行うということにもなっておるわけでございまして、現在約二百八十の都市計画区域において見直しの作業が行われておるというのが現状でございます。
○堀之内委員 ただいまのは全体的なあれで、線引きをなされた基準というか、指導というか、開発が将来なされるであろうということはわかりますが、いままで指導されたのは、幾らの人口がなければできないとか、そういう形での指導をなされたのじゃないですか。どうですか。
○海谷説明員 もう少し詳しく申し上げますと、たとえば先ほど申し上げました、すでに市街化されておるところにつきましては、二十ヘクタールないし三十ヘクタールの地域の中で一ヘクタール当たり人口が四十人以上いるような区域で、そういった地域がずっと連檐しておりまして、全体で五千人以上の人口があるようなところを中核に置くということは、建設省の省令で一応の基準として決まっておるわけでございます。そういうことを中心としまして、市街化区域あるいは調整区域の線引きを行うという技術的な基準もあるわけでございます。
 それからもう一つ、飛び地的といいますか、こういう中核的なもののほかに、多少飛び地的に市街化区域になるという例もあるわけでございますが、そういう飛び地の内容としましては、住宅地域、工場地域というものに非常に適するというようなこと、あるいはまた鉄道の駅等があって、市街化の核になるというふうな区域を含んで、おおむね五十ヘクタール以上という地域があるところについては、多少飛び地であっても市街化区域に入れるという場合もある。
 そういうようなことで一応の基準を決めてやっておるわけでございますけれども、何分線引きにつきましては、先生御承知のように知事が関係市町村と十分協議をしてそれで案をつくっていくという、何といいますか、原案というものはむしろ地方自治体の方にありますし、また、決める際には住民に対する縦覧であるとか、そういういろいろな手続もございますので、私どもとしましては、そういう地元の案を十分尊重して決めていただいておるというのが現状でございます。
○堀之内委員 ただいまの答弁である程度わかりましたが、いまお話しのように、飛び地の市街化区域というのは現在の独立町村の役場所在地を一つずつ認めてやるということなんです。独立町村のところは皆市街化区域を認めてやって、そして合併した町村のもとの役場所在地周辺、これはやはり商店街をなしていますが、その付近は全然認めていないということなんです。いまの言葉だとわかりにくい点もあったろうかと思いますが、飛び地を認める場合もあるというけれども、実際は合併してない町村はずっと認めたということであって、合併されたところは全然認めてないということなんです。だから、そういうことが住民間には非常に不満として出てきた。合併したばっかしに公営住宅一つできない。合併するまでは町営住宅なり村営住宅なりどんどんできておった。そしてそこには住民も住んだから、やはり学校あたりも大概適正規模の運営がなされたけれども、現在は合併された町村には公営住宅は一切できない。一般住宅もできない。かえって合併したがために、もとの町村はどんどん過疎化していくわけです。人口は減りよるわけです。だから、先ほど局長の話では、合併した場合大変行政水準が上がる、いろいろなことが上がるとおっしゃるけれども、実際は適当な人口配置がなくてはできないのは御承知のとおりです。そういう面で、線引き、都市計画決定をしますとき、やはり自治省としてもある程度の関心をもってやっていただかないと、確かにいま都城市は市街地は人口が物すごくふえた、小、中学校でも、文部省に聞いていただけばわかりますが、学校の増設、新設までしなければいかぬ。合併された町村は子供は大体三分の一に減っておる。一方では過疎化して、一方では過密ができよる。だから、今後の自治体の適正な配置ということを考えるときには、そういう昔から独立町村があったというのは何かの歴史があってそこにあったわけで、今日の歴史の流れから合併というものが行われてきましたけれども、やはりその辺の地域性というものを勘案した都市計画をしていただかなければならないと私は思うのです。
 海谷都市計画課長にお尋ねしますが、よく知事がするのだ、県がするのだとおっしゃるけれども、実際はそうじゃないわけです。これは私も市長のときに何回か陳情に来たのです。前の前の課長のいま参議院議員になられた野呂田さんなんかは私と大げんかをしたのです。とにかく建設省は調子の悪いときは県が決めるのだと言って逃げるが、実際は建設省が指導する。県は、必ず建設省に行って相談をして行政的指導を受けなければいかぬわけです。いまおっしゃるように知事が勝手に決めていいのであれば市町村長と知事でできるのですが、実際はそうはできない。したがって、先ほど知事さんが決めるのだということですから、そのようなつもりで、県の出先の方はいまちょうど線引きの見直しに入っておるわけです。実際は去年やらなければならぬのを一年おくらしておる、あるいは五年ごとにやることになっておったのを非常におくらしておるわけですが、そうした場合に都市計画課長さんとしては前向きな御指導をいただけるものと理解していいかどうかお尋ねします。
 もう一つ、自治省の方でも、こうしたことがあったんだなということを御理解をいただいて、今後建設省あたりに十分御相談をいただけるお考えがありますかどうか、お尋ねいたします。
○海谷説明員 お答えいたします。
 線引きにつきましての都市計画決定の基本的な考え方とか、あるいは多少手続的なことを先ほど申し上げたわけでございますけれども、やはり都市計画全体が地方自治体、地方住民のための計画でございますから、法律におきましてもそういう制度になっておりますけれども、私どもの考え方としましても、十分地元の意向を尊重して今後ともやっていきたいというふうに考えております。
○近藤政府委員 都市計画というのは町づくりの基幹であるというふうに私どもは考えているわけですが、都城市をどういうふうに持っていくか、どこに市街地をどう配置するかというようなことは、当然住民の意向を受けて、市が主導的に決めるという性質のものであろうと私ども思っておるわけでございまして、具体の問題で私ども役に立つことがあれば、当然のことでございますけれども、建設省と十分打ち合わせしたいと思っております。
○堀之内委員 私も過去八年間主張してきたんです。私が都城市のことは一番責任者だからと言って、議会と相談してきたんです。県が認めないじゃない。建設省が認めないんですよ。われわれの力では及ばなかったんですよ。それは建設省が都城市のことを知っているはずはない。私は一つの都城市を言っただけで、この前ちょっと都市局長に聞いてみると、全国の各市町村から本当に苦情が多くて、陳情が多くて全く閉口いたしますとはっきり言っているんです。予算分科会で聞いたら、はっきりそう言っている。都市計画については、実際に地方自治体というもの、市町村長の自主性というものは全然認められない。これは非常に不満のある問題なんです。だから、自治省としても、やはりこれは大きな関心を持っていただかないと、町づくりは建設省がするものだと言うだけでは私は済まされぬと思う。だから、そういうことも重大な関心を持って取り組んでいただきたいと思うんです。
 もう一つ、これは通産省にちょっとお尋ねしますけれども、商工会法が制定されたのは昭和三十五年でしたか、ちょっとお尋ねします。
○富永説明員 お答え申し上げます。
 先生のおっしゃるとおりでございます。昭和三十五年でございます。
○堀之内委員 この商工会法がまたおもしろいんですね。これは独立市町村に一つというような形で制定がなされておるわけです。したがって、昭和三十五年以前に合併した町村は商工会が認められていない。ところが昭和三十五年以降、たまたま私の中郷村というのは昭和四十二年でありますから、これは商工会があるわけです。そういう村は、合併しても商工会はそのまま存続を許す、こういう法律になっているわけです。
 そこで、いままで約七千近い町村が合併したというのは、どこからどこまでが町か、市街地か町村かわからぬというところも合併しているでしょうけれども、また多くは、非常に広域的に旧町村が合併されたところが相当あると私は思う。そうなりますと、商工会というのが地域商工業者の中心になることは十分御理解いただけると思うのですが、これがまた非常な問題を起こしている。三十五年以前に合併したがために商工会が認められない。君たちは商工会議所に入れ、こういうことなんです。十キロも十二キロもあるところの商工会議所に行って、そしてこれの指導を受けるということになっておるわけですが、果たしてこれが合併されて、地域の商工業者が合併後の恩恵を受けられたと言えるものでしょうか。早目に合併したばっかりに商工会もない、相談する相手もない、金融の相談をするのでも何でもこれは恩恵を受けられない。やるとすれば、十二キロあるいは十キロの町の商工会議所まで出ていかなければならない、こういうことになっているわけです。こういう実態というものを自治省でも知っておられたかどうかお尋ねいたしますし、また通産省の方では、こういう実態があるということをいまこうして申し上げたわけですから、この商工会法の一部でも改正して、前向きにこれを検討してやろうかというお考えはないかどうかお尋ねします。
○近藤政府委員 先生御指摘のような事態があるということは十分承知しておりますが、合併を行います以上、その市町村というのは一体となるという前提のもとで、合併促進法におきましても、新市町村建設促進法におきましても、その管内の公共的団体というのは一元化するというようなことも法律に書かれておるわけでございまして、後は、その一元化したそういう公共的団体の運用の問題で処理できるのではなかろうかというのが法律の趣旨でございますので、その趣旨を受けて私ども指導をしてまいっておるところでございます。
○富永説明員 お答え申し上げます。
 商工会地区それから商工会議所地区、両地区ともどもこれはそれぞれ商工会あるいは商工会議所が設立されておりまして、その地域の経済団体と申して、その地域の発展のために仕事をしているわけでございますが、特に商工会法ができましたときに、その地域の小規模事業者の経営改善普及を図るための事業を行わせるということに、商工会法で商工会議所地区にも行わせるということになっているわけでございます。
 御指摘のように商工会議所地区は非常に広い地区でございまして、商工会地区のように、十分経営指導の網の目を広げていくということがなかなかむずかしい場合もございますので、たとえば小規模企業振興委員というものを置く。それによりまして現在やっております経営指導員と小規模事業者との間の仲立ちをするといったようなこと、あるいは商工会議所の支部を設けまして十分相談の窓口として活用する、そういったことをやっておりまして、商工会議所地区におきましても、商工会地区と同様な経営改善普及事業を進めていくということをやっているわけでございます。
 商工会地区と商工会議所地区は、それぞれの法律によりまして地区が定まっておりまして、重複が認められないということになっておりますので、現在の法律のたてまえからは、それぞれの地区が重複するということはむずかしいわけでございますが、小規模企業に対します経営改善普及事業を進めていくという立場からは、ただいま申し上げましたような方法を通じまして、商工会議所地区にも十分そういった活動をさせていくということを進めているわけでございます。
○堀之内委員 商工会議所の支所等でもつくってやっておるのだということですが、それならいまの商工会議所のあるところで、小規模事業者あるいは一般商工業者がどのくらい商工会議所の会員に入っておるか、全国平均でもいいが、地域的平均がわかっておれば、これは何%ぐらい加入しておるかどうか、それがおわかりでしたらお答えいただきます。
○富永説明員 お答え申し上げます。
 小規模事業者の組織率というものは、直接にちょっとただいま持っておりませんが、商工会議所地区は、大体その地区の会員のほぼ二五%程度が商工業者の会員ということに全国的な数字ではなっております。
○堀之内委員 全国的でもわずか二五%なんでしょう。私の方の宮崎市とか都城市あたりはたった一五%から一〇%なんですよ、商工会議所に会員として入っておる商工業者というのは。ということになると、商工会議所が商工業の指導機関になり得るかというと、ならないわけですよ。あなた方実態を知らぬからですね。私たち地方で実際経験しておるときでも、商工会議所というのは、おれはその地域の財界のちっとはえらい方だ。上クラスで、一つのエリートの集まりだという観念しか実際にはないのですよ。実際にはそんな商工業者の小さなやつのめんどうを見てやろう――これは会費制であって、しかも株式と同じなんです。たくさん口数をやったものが常議員になって、自分で自分を選挙して、おれが常議員だとなっている。ほかの会員とは全然違うんですよ、商工会議所は。だから、地域でも、われわれが行政を地方で、末端でやるときには、商工会議所とはしょっちゅう補助金くれと言うけれども、だめだ、おまえたちの月給払うばかりでだめだと言ってわれわれけ散らかしておる。商工会というのは、末端の非常に小さな零細業者までよくめんどうを見るが、商工会議所は見ていない。そういうことが起こるものだから商工会議所には非常に不満を持っておる。実際どの商工会議所でもそれだけのめんどうを見れるような陣容を持っていないし、会費制ですから、大きな会社が一人で百口も二百口もよけい持ってくれる人がいなければどうにもならぬわけですから、それが今度常議員になって上がってくるわけです。だから、そういうような実態というものを踏まえていかないと、中小、零細、あなたの法律で示されている小規模事業者というのは救われない。合併されたような町村というのは大体小規模事業者なんです。そういうものを温かい目で、せっかく国の制度がマル経式になり、国民金融公庫なり中小企業金融公庫なり、いろいろな制度資金がやっても、結局そういう人たちはその法律の恩恵を、どこに行っても相談しようもなくて、一応市の窓口がいろいろと御指導はしておりますけれども、町村の場合は商工会があるからいいのですけれども、市の窓口がいわゆる商工会のような役割りをせざるを得ぬようになってしまう。そういうことが私は全国的だと思うのですよ。いろいろ東京都あたりの先生方のお話を聞きましても、確かにそれを言っておられる。だからいろいろな問題が派生してくるわけですから、私は、こうした商工会というものをいま少し通産省でも中小企業庁の方でもよく内容を前向きにこれを検討をいただきたい、かように存じております。
 先ほど局長はそういうことは知っておったと言うけれども、そういうような形で末端のそうした合併された町村の商工業者が困っておるということの実情を知っておられて、全然通産省に働きかけられなかったというのは私は非常に遺憾に存じますが、現実にこれは商工会連合会あたりでも、今度の商工会の大会でもやはり要望を出しておるわけですよ。大会決議でもこの要望は出しておるわけです。やはりそれぐらい末端では切実な要求なんです。これに対して自治省として今後どのように対処されますか。両方にお聞きいたします。
○近藤政府委員 現在の法制のもとでも、商工会議所の運営というものの改善によって、仰せのような趣旨を達することもできるというふうに思っているわけでございますが、もしそれでもできないというようなことであるならば、これは制度改正の問題になるわけですが、なお通産省の方と十分打ち合わせをしてまいりたいと思います。
○富永説明員 お答え申し上げます。
 中小企業政策の重要なかなめでございます小規模企業対策を進めていく上におきまして、商工会議所地区、商工会地区ともどもに施策を進めていかなければならないわけでございますので、先生の御指摘を十分頭に置きまして、今後とも商工会議所地区並びに商工会地区の経営改善普及事業の充実、強化に努めてまいりたい、またそういった方向で商工会、商工会議所を指導してまいりたい、そういうふうに考えております。
○堀之内委員 ここで確実な回答を要求することは無理だと思います。私どもが希望することは、昭和二十八年以降、合併促進法によって合併された町村によっては、場所によっては商工会が切実に必要なところもあると思います。そういう場合は、切実な希望があるところは、商工会を設立できるというような方向で、全部とは申しませんけれども、昭和二十八年以降のそうした立場にある地域についての温かい御援助というか御理解をいただけるような方向で、今後自治省側でも通産省に御要望いただき、また通産省でもそうした問題を真剣に今後取り上げていただきたい、このように要望申し上げまして、次に入りたいと思います。
 次は農林省関係であります。農業委員会法が制定されたのは何年ですか。
○塚田説明員 お答えいたします。
 農業委員会は、昭和二十六年農業委員会法に基づき設置されたものであります。
○堀之内委員 農業委員会法が制定されて委員会が発足したのは昭和二十六年だそうですか、合併促進法によってそれまでは各独立町村はみんな農業委員会を持っておったわけです。ところが約七千というものが合併したわけですから、それだけの農業委員会がなくなったわけです。恐らく合併促進法を制定されて、その後委員会が発足されるときも、昭和二十六年に制定された委員会法を全くそのまま新しい市町村にも適用されておるわけです。これで不都合が起こらないはずがないわけです。もちろん、これだけ時代が進んだのにいまだに全然農業委員会法の見直しもやろうとしなかった農林省も、私はきわめて大きな怠慢だ、かように存じますが、ようやく最近、当時の農業委員会の見直しをしようということで、小委員会が発足することになりましたからこれは非常に前向きだと思うのです。
 そこで自治省の方にお尋ねいたしますが、それだけの町村がどんどん合併していくならば、やはり農業委員会のあり方も、ちょっとこれは問題があるのじゃなかろうかという内容を検討して、もし農林省の方にこれこれだからということで一応要望というか意見というか、果たしてこのままでいいのかどうかということで、一応御検討されたようなことはなかったのかどうか。
○近藤政府委員 農業委員会の問題については、実は本日初めて伺ったわけで、私ども地方団体から、このところそういう問題についてのこうしろというような話は聞いたことがございません。
○堀之内委員 いや、各団体から聞かなくても、たとえば、また都城市のことを申し上げて失礼ですが。一市五町村なんですよ。一市五町村のときでも、どんな町村でも選挙委員は二十名なんです。二十名以上だったら非常に不都合が起こるのです。だから五つの町村が今度合併して、それでも選挙委員は二十人でやる。ほとんどのところが全国やっておる。ただし今度都城市だけ去年私が市長在任中に委員を三十名にまでしましたけれども、しかし三十名にしますと農地部会制度と農政部会制度と、部会制度を設置して運営しなければならない。委員会運営というものは本会議をもってやらなければならないということで、これはなかなか厄介なんです。田舎の場合は一人の委員が、私は農地部会委員ですから農政のことは知りません、農政部会の人は、私は農地のことは知りませんでは地域代表になれないのです。だから、やはり不都合があって、これは二十名以下にしておかないと二十名以下だと農地委員会、農業委員会として常に本会議で両方が審議できることになっている。そういうような不都合があるということを気づかなかったということも自治省としてはおかしい。また農林省としても、これだけ町村合併が行われたということはよくわかっておるわけですから、それではいかぬだろうということで、いままでも全国農業会議所なりあるいは県農業会議所なりからいろいろ御要望が農林省にあったと私は思うのです。私は国会に出てきてまだ一年にしかならぬが、最初から私はこの農業委員会制度と農業者年金の問題を二つ合わせてしょっちゅう農林省に言っておって、ようやくここで取り上げていただくことになった。そういう不都合について農林省ではどのように考えるか、また自治省の局長からもお答えいただきたいと思うのです。
○塚田説明員 いまいろいろ御指摘いただきましたことにつきましてお答えいたすわけでございますが、まず農業委員会の委員につきまして、先生御案内のように、選挙による委員と選任による委員と二通りございます。選挙による委員につきましては、昭和二十六年に農業委員会法が制定せられましてから、その数につきましては、町村合併の動きに応じまして順次変えてきているわけでございます。それで第一回の改正が昭和二十九年六月に行われまして、委員の数はそれまでは十五人以内ということになっておりますけれども、その後昭和三十二年――失礼しました。二十九年にもありますが、これは小さな改正ですから省略させていただきまして、現在は昭和三十二年の改正できておりますけれども、選挙による委員の数につきましては、たとえば農業委員会の区域内の農地面積の大きさ、それから、農地面積以外には、農家世帯の数が大きいか小さいか、そういうことによりまして、十人から四十人の間で市町村長が自由にその条例で定めることができる、こういうことになっております。
 したがいまして、市町村合併によりまして、農業委員会の区域内の農地面積は変わります。それから、農家世帯数も変わります。ふえてまいります。そうなりますと、委員の数を増加させるということは可能でございまして、私ども農林省といたしまして、機械的に一委員会当たり委員の数を、たとえば二十人、こういうふうに制限しているわけではございません。
 そのほか、選挙による委員のほかに、選出による委員があります。御案内のように、農協の理事さんとか学識経験者がございますが、そうした方々を含めますと、全国平均、あくまで平均で二十名ということになっておるわけでございまして、市町村の事情に応じまして、先ほど申しましたように、十人から四十人の間で決められる、こういうようになっておるわけでございます。
○堀之内委員 選挙されることは四十名まで可能なんですが、あとその部会制度の運営というのは、実際問題、全国で農地部会制度、農政部会制度をしいて運営されておるところがありますかどうかですね。
 それと、各農業団体から代表を出せることになっておるのですが、私のところも九つ農協があったのです。全部合併したから一人になったのです。それまでは各農業団体から九人出てきたのだけれども、農協が一つに合併したから、一人しか今度は出られないのです。共済組合も六つあったが、これも全部合併したから一人しか出られない。こうした合併がなされたことによって、農家の受益者代表というか、そういう数が相当数制限されてきていることは事実なんです。
 ただ、数が二十人以上の選挙委員をいたしますと、部会制度をもって運営しなければならない。そこにまた不都合がある。だから、恐らく二十名以上の選挙の農業委員を出しておる地域というのは、私がいままで農林省に聞いた範囲内ではないと聞いておるわけです。それが間違っておればまた検討し直しますが、いずれにいたしましても、そういういまの部会の運営、制度というものがどのようになされているか、いまお尋ねした件でもう一回御答弁願います。
○塚田説明員 お答えいたします。
 先生も御案内のように、農業委員会と申しますのは、農地の移動につきまして農民の方々の利益を十分反映したものでなければならない。そういう趣旨からいきますと、農業委員会の構成につきましても十分配慮していかなければならないと私ども考えております。
 そこで、まずお尋ねの部会制度でございますけれども、一定の規模を持った農業委員会、大きな規模を持った農業委員会につきましては部会制度がしかれております。農地部会、これは必須でございます。それから、農政部会は任意で設けていい、こういうことになっております。
 そこで、確かに選出による委員につきましては、先生お話しのように、農協の合併が進んでおります。合併が進みますと、農協の理事一名ということになっておりますから、その合併された後の農協からは一名しか選ばれない、そういうことになりまして、選出委員の方については、確かに先生がお話しのような点もあろうか、このように思います。しかしながら、私ども、農業委員会全体として、この問題につきましては、何はともあれ、その市町村の区域内の農業者の皆さん方の利益を反映されるような形で構成されるべきであるし、また運営されていく必要があろうかと思っております。
 先ほど先生もお話しになりました農業委員会制度改正という動きも、団体の方から私どもは聞いております。しかしながら、この問題は、農林省といたしましては、これは団体問題というような大きな側面もございますし、それから、農協とか関係団体もいろいろございますので、慎重に検討していく必要があろう、このように考えております。
○堀之内委員 お尋ね申し上げました、全国でそういう部会制度をもって運営されているというところがあるかどうかということは御答弁にならなかったようですが、これはいずれにしても、選挙委員が二十名を超えると――学識経験者とか各代表が何名入っておろうとそれは問題にならない。選挙委員が二十名を超えたら部会制度をしかなければならないと、これははっきりなっておるわけですから、そういうところがあるかどうかをお尋ねしたわけですが、もう時間がないようですからこの点はいいとして、自治省の方にまたお尋ねします。
 きょうは三つぐらいの例をとって申し上げたわけですが、実際合併されてみますと――私も実際合併された方の村長をしておって、いいことばかりをみんな住民に話してきたわけです。ところが実際やってみると、もう不都合な点が非常にたくさん出てきた。私のところだって昔は農業委員が十五人おった。ところが今度は、合併された後たった三人になった。それはいいです。いいのだけれども、たくさんおったからよくなるとは思っていませんけれども、実際合併された後からの運営というものが、今度はいろいろ不都合が出てくる。私は幸いこうして地域の小さな村長から政治家でずっとおったから、不満があっても私のところへ持ってきては、いろいろ不満のはけ口が求められるから住民はいいと思うのですが、最後まではけ口のない住民というものは、政治、行政に対する不信という形につながってくる。したがって、こういうことを考えますときに、自治省の方でももう少し温かいこうした指導をやっていただきたいと思うわけです。
 大臣もいままでの例で大体おわかりいただいたと思いますが、地元の方々から見ると、商工会法にしても農業委員会法にしても、あるいは建設省の都市計画法にいたしましても、とても事務段階でできる問題ではないこともたくさんあると思う。大臣が政治的に、それを関係各省あたりに十分働きかけていただきたいと思うのですが、この点、どういうように大臣はお考えになりますか、お尋ねします。
○小川国務大臣 町村合併によりまして各種の施設が整備充実される、あるいは小規模の町村では享受することのできなかったような行政サービスを受けることができる、これは一般的に申しまして、町村合併のメリットと言うべきでございましょう。本日は、各省の所管の事項の幾つかを、具体例をお引きになって、これらはいずれも合併に伴って出てきたデメリットである、自治省としても十分なアフターケアの努力をせよと、こういうおしかりであったと存じます。私が初めてきょう、実は不勉強で、承った問題もございますが、商工会の問題につきましては、実は私、商工会法が制定されまする際に、自由民主党の商工部会長でありましたので、直接立法に参画をいたしたということもございます。その後に商工会の全国連合会長を務めたこともございますので、御指摘の事情については十分知悉をいたしております。確かに問題があるということは、これは否定できない。これは率直に申しまして、商工会議所が中小、小規模企業対策に対する熱意において欠ける点があったから、長い間にわたって会議所を鞭撻いたしてまいったわけですが、近年、会議所においても小規模企業対策に対してきわめて積極的に前向きに取り組むようになってきておること、これもまた事実だと存じます。
 自治省といたしましては、合併をいたしました以上は、その地域の中の経済団体、渾然一体となってもらうことが望ましいと考えますので、今後、商工会議所の行っておりまする小規模企業に対する施策に助成を加えることによって、これを進めてまいりたいと考えておるわけでございます。これから先、関係省と十分協議をいたしまして、合併に伴って出てまいる各種のデメリットというものがありますれば、あとう限りこの解消に努めてまいる所存でございます。
 きょうはいろいろの御指摘をいただきまして、多大の参考になりました。まことに感謝を申し上げる次第でございます。
○堀之内委員 時間がございませんので、先を急がせていただきます。
 ただいま大臣から非常に温かい御答弁をいただきましたが、実際、独立町村の方が――いまになると、合併せねばよかったなという率直な考えを私も持っておる。私は合併しましたけれども、いまさら私が住民に言うわけにはいかぬから、これは一生懸命やる。本当は、合併せぬ方がよっぽど住民のためになっております。合併した町村は、住民はばかをみておるのですね。これはもう偽らない気持ちであります。私が合併をした本人ですから。そういうことは今後自治省でも十分に考えていただきまして、いま大臣から温かい前向きのお答えをいただきましたが、そういうつもりでこれからの合併町村にも御指導を賜りたい、あるいは格別の御配慮を賜りたい、かように存じます。
 次に法人住民税のことでちょっとお尋ねいたします。
 法人住民税は所轄の税務署、本社があるところでみんな申告をするわけであります。ところが、大会社ばかりではありませんが、支店とか出張所というのが全国に百も百五十もあるものがあるわけです。それはその出張所のある市町村に申告しなければならないわけですが、実際にこれが完全に公平に行われておると理解されておりますか、税務局長、お願いいたします。
○森岡政府委員 法人住民税の中で、各市町村に相当数の事務所、事業所を設けておられる法人の問題だと思いますが、税法では事務所、事業所の従業員数で分割をいたしまして、事務所、事業所の所在する市町村にそれぞれ申告納付をするたてまえになっております。きちんと一〇〇%いっておるかという御指摘だろうと思いますが、私は大部分はいっていると思いますけれども、やはり法人の申告の中には漏れがあったりするものが当然出てくるケースもあり得ると思います。税法上はその場合には、事務所所在の市町村長がそれを発見いたしました場合に、本店所在の市町村長に修正をしてほしいという要請をいたしまして、それに基づいて本店所在の市町村長が修正を行うということで、漏れがありました場合の是正を行う、こういう形になっておるわけでございます。そういう形での修正というものもある程度出てきておるということであろうかと思っております。
○堀之内委員 いま局長は大体なされておるものと理解されておるようですが、これをだれがチェックをしますか。これは、確かに申告したかどうかというのを調べられる基礎がありますかどうか、ちょっとお尋ねをいたします。
○森岡政府委員 事務所所在の市町村に納めてもらうというたてまえでありますし、また事務所がその市町村の中にあるかどうかはその市町村しか本当はわからない。本店所在の市町村長がそれを確認して回るということはできないことでありますから、まさにその事務所の所在しておる、分割申告納付を受けるべき市町村それぞれが、これは自分の税金でございますから把握に努めていただく、こういうことであろうと思います。
○堀之内委員 そういうように、市町村の自分の税金だから、自分で見つけて自分で取れと言われるならそこまでなんですが、これは実際問題としてやってないのが非常に多いのです。
 国税庁にもちょっとお尋ねしますが、私は相当資料を持っておるけれども、これは秘密の厳守があるから、ここでは公表しませんけれども、恐らく全国の大法人でまじめにまともに申告しておるというのはわからぬと思うのです。末端の市町村でもこれは困るのです。私も三年前から財政が苦しくなって、いろいろな会社の出先があるから、そういうのを全部チェックして歩け、町を歩いて出張所、営業所があれば全部つけて、そして実際申告しておるかどうか調べてみたら、これはもうものすごくそれから税収が出てきた。出張所とか営業所ぐらいでは五人や十人おってもちゃんと届けてやってないわけです。それから本店の場合は、東京なら東京にあれば、東京には三千人の従業員のうち半分の千五百人の法人都民税を払いますという申告はするでしょう。あとは、各町村ですから、こんなのは全然わからない。あとはほとんどそういう申告がしてない。見つかったときに、ああそうでしたね、これは忘れておりましたといって、後から申告をするという例が非常に多い。あるいは出先の出張所の職員が、保育所に子供が行く、学校に行くということになると、いよいよ教育委員会なり保育所なり福祉課なんかに出てくる。そのときに初めて、あなたは納税証明書を持ってきなさいと言われると、いやそれはまだしておりません、住民登録はしておったけれども、実際はしてないんだから、そして税務課に行って納税証明書をもらう段階になると、あなたは税金を納めてないからやるわけにはいかない、どこに勤めておったかと言うと、こことここだ、それならいままでの全部の給与証明書を持ってこいと言って、三年間さかのぼって追徴して市民税をかけて初めて納税証明書を出す。そのときに初めて、ああこういう会社があったんだということがわかってくる。私は、地方住民税ではそんなのが恐らくたくさんあると思うのです。どれもチェックする方法がない。
 つい最近も、私のところの税務課の職員が東京に来て約四十社近いものを調べて、そして申告しなさいということで全部回って、ついこの前帰った。しかも二人の職員が三日間ばかり泊まって、東京都庁と所轄税務署に行って調べている。会社に行ったってなかなか教えてくれません。だから私は、これを何かチェックする方法はないものかと思うのです。地方自治体としても大変な労力と経費のむだ遣いなんです。東京だから、ある程度まとまっておるからいいようなものの、北海道あたりに本店があるというような、そこまでいったらこれは大変なことになる。地方自治体が、自主財源である住民税の徴収ということで何か具体的な方法がないものか。また国税庁でも、自分の法人税さえ取れば、あとはどうであろうと知ったことじゃないという考えでは、私はちょっといかぬと思うのです。国税庁自体でも末端では、法人税の大きなのは別として、小さな個人の所得税あたりについては、市町村役場がずっと税務署に協力しておるわけです。でなければ、いまの税務署では、とても所得税の実態というものを調べるだけの職員の人数がいないわけです。お互いにそうしてもちつもたれつで、出先が協力しておるわけですから、こういうような法人の大手のものについては今度地方自治体でも楽して、楽してと言うと語弊がありますが、地方自治体の財政の健全化を図るために、そういう手を煩わさなくても、自動的に地方自治体に申告がなされるというような方向を何かお考えいただきたいと考えております。税務局長並びに国税庁で、これに対して何かいい考えがないか、お尋ねしておきたいと思うのです。
○森岡政府委員 国税法人税の場合には、これは申し上げるまでもないことでございますが、本店所在の税務署あるいは国税局に納めれば、それは事が済むわけでございます。そういう意味合いでは、各法人の地域的な事務所の所在というのは、むしろ住民税を担当しておる市町村の方が明確に知り得ることでありますし、また知らなければならぬことであろうかと思います。
 ただ、いまお話しのように、本店がそれぞれの市町村からかなりかけ離れた遠いところにあるというケースが間々多いわけでございます。ですからそういう意味合いでは、出張いたしましたり、あるいは書類のやりとりをいたしましたりという面でのかなり複雑な事務手続が必要だということは確かにございます。それを簡素化するためにあらゆる方法を考えていかなければならない。現在も税法上は、法人税に関する書類の閲覧あるいは記録を置くことは税務署当局に求められる。またそれには協力していただくという規定も設けておりますけれども、今後国税を扱う税務官署と、それから都道府県の税務当局と市町村の税務当局との連絡をさらに一層密にいたしまして、適切な事務の簡素化、合理化の方向を工夫してまいりたい、かように考えるわけです。
○亀井説明員 先生の御下問が実は庁の執行の方のお話でございまして、私ども、制度の方の関係で伺っておりましたものですから、国税庁本日参っておりません。まことに申しわけございません。
 いまの御下問でございますが、税務局長がお答えになられました。私ども国税庁にも聞きましたが、法律に基づいて税務執行が行われておる。ただ分割の計算の際にミスがあるとかといったようなことがないわけではないというふうには聞くところでございますけれども、ただいま税務局長がお答えになられましたように、自治省ともよく御相談をしながら、その合理化について御相談をして考えさしていただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○堀之内委員 前向きな御答弁で、局長の方でも言われましたとおり、今後十分これは国税庁、自治省の方が中心になられまして、法人住民税の確保という立場でいろんな方法を考えていただきたいと思います。資料はこの前一回調べただけでも約四十社出てきておるわけですから、これは徹底して調べればまだ相当出てくるだろうと私は思うのです。ただ三晩こちらに泊まってほかの連中が調べただけでもそれだけ出てくるわけですから、申告を待っておったのではとてもだめで、こちらが出かけていって申告を強制的にさせなければいかぬ、こういうことになるわけでありますので、この点は簡単にやられるのではなくて、自治体の財政の厳しい今日でありますから、十分御検討願いたいと思います。
 最後に、時間がもう来ましたが、せっかくきょうは参考人もお願いいたしておりますので、ちょっと質問さしていただきますが、新東京国際空港が関係機関の非常な御努力で、いよいよ来年三月開港という方向で目鼻がつきましたことはまことに喜ばしい限りでありまして、衷心からこれまでの関係者の御努力には深い敬意と謝意を表するわけであります。しかし、この間においては、一部の過激派のために、警察におかれましてはとうとい相当な犠牲を出されたことも忘れてはならない、かように存じます。しかし、いよいよこうして開港の目鼻がつきましても、私はこれから成田空港の運営という問題は非常に厳しいものだ、かように存じます。あるいはいままで以上にまた警察自体でも御苦労をいただかなければならないのではないか。特に、これは国際空港でありますから、外国との関係で大変な問題を引き起こさないとも限らない。私はかように存じておるわけです。これから警察御当局がますます警備体制をしいていただくことは当然でありますが、そこでちょっとお尋ねしますのは、新東京国際空港公団自体が、今後自分たちは自分たちで中の公団の警備という問題についどのようにお考えになっておるか、ちょっとお尋ねをいたします。
○町田参考人 空港公団の副総裁の町田でございます。
 ただいま先生から御指摘がございましたように、いままで長い間空港建設に従事いたしておりまして、警察御当局の大変な御協力、御指導を得まして、その間に何人かのとうとい犠牲も出るような事態がございまして、非常に申しわけなく、また感謝をいたしておる次第でございます。
 実は現在でも、空港自体につきましては、空港公団におきましても、当然でございますけれども、警察御当局の御指導のもとに、警備の人間とそれから警備会社も動員いたしまして警備をいたしておる次第でございます。ただ、いまはまだ一般の大衆は出入りしておりませんけれども、今度開港いたしますと当然大衆が出入りする、こういうことになりますものですから、そうなりました場合の警備というのは御指摘のように大変むずかしいことになるのではないかというふうに考えております。これにつきましても、警察御当局の御指導を得まして、さらに一層自主警備を充実いたしたいということで、いろいろといま検討いたしておる最中でございます。
 根本的な問題を申し上げますと、いま反対同盟と申しますものの主力は、実は農民の方々だけではなくて、むしろいわゆる過激派の活動家が中心になっておるということでございまして、私どもといたしましては、農民対策というものをできるだけ力を入れて進めまして、農民の方々に対する対策を十分にやっていくということを中心に考えていかなければならない。そういう中におきまして、いわゆる過激の活動家の連中とそういう農民の方々との結びつきと申しますか、そういうものはできるだけ排除していく。同時に、過激派の連中がたとえば公団の買いました土地を農耕作をしているというような実態もございます。こういうものも、警察の御協力もございますけれども、できるだけ排除していくということで、大体ああいう成田というような、いま御指摘の国際空港のような地帯が過激派集団というものに取り囲まれるという事態を解消していくことが根本問題だと思っております。そういう方向で対策を進めてまいるつもりでございますけれども、当面は、もし開港いたしました場合には、どうしても警察の御協力をいただき、かつ、御指導いただきまして、少なくとも空港そのものにつきましては自主警備を充実していきたいということで考えておる次第でございます。
○堀之内委員 副総裁から前向きな体制の検討をなされているやに承りました。大部分はやはり警察のお力をかりなければならないということももちろん当然であると思いますが、最後に自主的な警備体制もやっていかれなければいかぬ、私はこれが一番大事だと思うのです。もちろん警察のお力をかりなければならぬことは十分承知いたします。これは民間でやることは限度があるわけですが、自主的に警備体制をするということがまず第一義で、これから、ハイジャックもそうでしょうが、ハイジャック以前の空港内だけの爆破というものが起こり得ないとも限りませんし、そういう体制の強化を十分進めていただかなければなりませんが、そうしたことを考えますときに、この前ちょっと公団のいろいろな機構図等を拝見をしてみますと、せっかく総裁以下理事が八名ですか、数はちょっと覚えておりませんが、そうであるならば、自主的な警備体制をするとおっしゃれば、やはりある程度のそれに明るい方々が入られて、そして実際に自主的な内部強化というものを図っていくべきが先ほど副総裁の言われる自主警備の強化ということにつながる、かように私は理解するのですが、今後、将来の問題として、副総裁が、できるとはここで言えないだろうとは思いますが、考え方として、まず警察庁担当の小川大臣としてもどのように理解されますか。やはり警備の万全を期すという立場において、警察だけの力ではなくて、空港公団の中でもそういう警備の専門家でも入れて、ある程度自主的な警備をしていただくという形において、担当大臣として今後そうした機構等において御意見を述べられるような考え方は持たれておられませんか、お尋ねをいたします。
○小川国務大臣 仰せのように、空港の警備そのものあるいはハイジャック対策等緊急に検討を要する問題がたくさんあると存じます。そこで、公団の運営部門を担当いたしまする役員の中にその方面の知識、経験を有しまする警察出身者を置くということはきわめて望ましいことだと存じておるわけで、ただいま非常に適切な御注意をいただいたと存じますから、今後関係機関と協議いたしまして実現を図ってまいるつもりでございます。
○町田参考人 ただいま御指摘のございました問題でございますけれども、実は、私ども先ほど申しましたように、この成田空港の建設というのはある意味では治安の問題が非常に大きな部門を占めております。したがいまして、現在でも警察の御経験のある力に御出向というか来ていただきましていろいろと御指導を受け、あるいは検討をしていただくということをやっておることでございます。御指摘がありましたように、今後また非常に問題がむずかしくなるということでございますので、ただいま御指摘の点につきましては、自治大臣の御発言もございましたが、監督官庁である運輸省ともよく相談をして、今後のやり方については検討していきたい、こういうふうに考える次第でございます。
○堀之内委員 以上で御質問を終わりますが、ただいま大臣から非常に力強い御発言をいただきました。私は、やはり当面その専門家を理事者側に送っていただきまして、自主的な警備体制を強化していただくということが、これからの成田空港運営からいっても最も大事なことだ、かように存じます。どうか副総裁におかれましても、監督官庁の運輸省等とも十分御相談いただきまして、われわれ国民の期待する方向でこの空港運営がなされますよう希望を申し上げまして御質問を終わりたいと思います。
○地崎委員長 小川省吾君。
○小川(省)委員 時間の関係もございますので、順次質問をいたしてまいりたいと思います。
 まず、特別豪雪地帯に指定をされている市町村の問題であります。
 これらの地域では、生活関連道路の路線確保のため、年々多額の除排雪の経費を負担をしております。A市の例ですけれども、年々約四億程度の除排雪の費用が充てられております。積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法によりますると、都道府県には国庫補助がなされているようであります。この六条によりますと、何か道路管理者に対して三分の二の割合で経費の補助をいたしておるようでありますが、同じ道路管理者である市町村長に対しては補助がいっていないようでありますけれども、そのとおりですか。これは大蔵省にお伺いをいたします。
○宍倉説明員 積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法というものの六条で、先生いまおっしゃったようなことでございますが、除雪、防雪または凍雪害の防止に係る費用につきましては、三分の二の補助をしますということが書いてあるわけであります。
○小川(省)委員 書いてあるわけですが、都道府県道の管理者である都道府県にはいっておるけれども、市町村にはいっていないのではないですかということをお尋ねをしたわけですが、その辺をお答え願います。
○宍倉説明員 いま申し上げましたように、除雪、それから防雪、凍雪害に関する費用につきましては、一応都道府県及び市町村にいっているわけでございます。ただ、先生御指摘の除雪に係る費用のうちの一般経費といいますか、普通のランニングコストといいますか、フローに当たる部分につきましては市町村にはいっておりません。除雪に係る機械等につきましては、都道府県、市町村ともにいっておるわけであります。
○小川(省)委員 いま市町村にはいっていない部面があるわけですから、そういう点はぜひひとつ市町村に対しても行き渡るようにしていただきたい、こういうふうに思っております。
 自治省ですが、交付税の中で寒冷地補正をやっているんだろうと思うのですが、これがやはり何か少ないのではないか。年々四億程度もかかるわりにしては少ないのではないかというふうに思っています。勢い特別交付税で豪雪の場合等めんどうを見ているようでありますが、そのとおりですか。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおりに、積雪地帯に対します除雪費用は、基本的には普通交付税の寒冷補正のうちの積雪度による補正によりまして算入をいたしておりまして、概略でございますが、五十一年度の金額で、県分が百億強、市町村分が二百億強、合わせまして三百億強程度の額が基準財政需要額の中に補正で算入されている、こういうことになっているわけでございます。ただ、御指摘のとおりに、五十一年度のように非常に豪雪であるというような事態に遭遇いたしますと、なかなかそれでは済まない。地域的にも済まないというような問題が起こってまいりまして、その場合には特別交付税におきまして一定の基準を設けまして、実績との差等も基礎の一部に取り入れまして算入をいたしているわけでございます。ちなみに、五十一年度におきましては、道府県分におきまして約五十二億、市町村分におきまして百六億強の特別交付税、合わせまして約百五十九億程度になりますか、特別交付税で措置をいたしておるところでございます。
○小川(省)委員 融雪後の道路補修事業についても同様であります。除排雪の費用とともに国庫補助の対象とするよう強く要請をいたしておきたいと思います。
 それから自治省の寒冷地補正でももっと強く見て、実態に近くなるような形でぜひひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。これについてなるべく実情に近づけていただきたい、こういう点については自治省いかがですか。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおりに、基準財政需要額におきます算入というのは、なるべく実態に近づける努力をしなければならないことでございまして、私どもといたしましては、積雪寒冷地の級地の区分の見直し等も含めまして、なるべく実態に合ったような努力をしてまいりたいと存じます。
○小川(省)委員 大蔵省、ぜひひとつ市町村に対しても都道府県と同様な措置をお願いをいたしたいわけですけれども、都道府県並みに市に対してもできるようなことはできませんでしょうか。
○宍倉説明員 ただいまその除雪のランニングコストに相当する経費につきまして、都道府県にのみ補助いたしまして市町村に補助しておりません。その理由と申しますのは、市町村道というのは、御承知のように非常に細かい網の目のような形になっておりまして、そういったものにつきまして除雪等の方法ですとか、それから路線ですとか、そういったものを東京から指定をするというようなことをするよりは、市町村それぞれ独自の御判断によって自主的に弾力的に運用してもらった方がいいではないかという思想から、先ほど自治省の方から御答弁ありましたように、交付税の体系の中でやっているわけでございます。
 したがいまして、私どもとしては、ただいまのところ、先生せっかくのお話でございますけれども、従来からやっているような考え方の方がよろしいのではなかろうか、このように考えております。
○小川(省)委員 ぜひひとつその辺は検討をしてみていただきたいと思います。
 次に、都市用水といいますか、河川法の河川に入らない小河川や用排水の問題ですが、この管理主体は、財政局長どこですか。
○山本(悟)政府委員 御案内のとおり、河川法におきましては、一級河川、二級河川、準用河川、この三段階につきましてはそれぞれ明確な管理主体の法の規定があるわけでございますが、先生いま御指摘のように、いわゆる普通河川と言われているものにつきましては、河川法上の明確な位置づけがないというようなことになっておりまして、実質的には、通常、市町村長がめんどうを見ているというのが実態であろうと存じます。
○小川(省)委員 そうなんですね。管理主体が明確でないから、結局市町村長に責任がかぶってくるわけです。
 最近、農地の埋め立てや宅地造成等によって、降雨のためにはんらんをしたり大きな被害が起きておるわけであります。これらの維持補修のために市町村は大変苦しんでいるわけです。これらの維持補修のために地方債を起こすことができるのかどうか。私は該当しないと思うのですが、地方債を起こすことができるのかどうか。
○山本(悟)政府委員 普通河川の関係では、ただいま御説明申し上げましたように、法的にはっきりしていない点があるわけでございまして、したがいまして、いわゆる準用河川以上の河川におきますところの各種の事業は公共事業になっておりますのに対しまして、明確でないということであるわけでございます。しかしながら、普通河川の事業でも、単独事業で大規模な事業、あるいは浸水対策といったような事業、こういうものにつきましては、やはり適債事業としての単独事業等の枠内での起債の許可というようなことはいたしているわけでございますが、ただいま先生おっしゃいましたような維持補修というような程度になってまいりますと、適債であるかどうかという問題が起こってまいるのじゃないか。現在やっておりますのは、大規模事業なり浸水対策事業等ということで、明確に相当な規模の事業というものについては、単独事業の枠内でもって必要なものは許可をいたしておるということになっております。
○小川(省)委員 何とか理屈をつけても起債対象としていただきたいと思うのです。これはひとつ検討をしてもらえますでしょうか。
○山本(悟)政府委員 基本的には、普通河川と称せられるものにつきましての管理主体というものの明確化ということから手をつけていかなければならないことじゃないかというような気もいたすわけでございますが、いろいろ問題になっている点でございますので、検討はさしていただきたいと思います。
○小川(省)委員 農林省、見えていますね。私は農林省の問題だろうと思うのですが、農村地域工業導入促進法という法律がありますね。いつできた法律ですか。
○川合説明員 昭和四十六年でございます。
○小川(省)委員 この法律によって多くの市町村が農工団地を造成をいたしました。その後のオイルショックで、工場等は導入をされずにペンペン草が生えているというような状況であります。何かうるさい規定があるようですが、そのまま放置されているのが実態であります。自治体は、起債でやったところが多いわけですから、借金の返済に苦しんでいるわけであります。現在の経済情勢は、ここ数年工場などが進出をする望みはないわけであります。そこで伺いたいのは、既存市街地の中にある中小工場等をこの農工団地に集めるような方向をとることは可能なのかどうか、また、あるいは住宅団地等に用途を振りかえることは可能なのかどうかをお伺いをいたします。
○川合説明員 お答え申し上げます。
 先生御承知のように、この農村地域工業導入制度は、農村におきます就業機会の増大ということを一つのテーマにいたしまして進めてきているわけでございます。したがいまして、その企業か導入されることによりまして、農村に安定した就業機会ができるということがその目的であるわけでございますが、したがいまして、いま先生のおっしゃられました、その地元の既存の企業がその地域へ入っていくということでございますけれども、非常に狭く考えますと、現状維持的に経営される場合には、制度の趣旨に沿わないというような場合もあろうかと思いますが、通常の場合でございますれば、その工業地域へ導入することによりまして、その企業自体も発展して、就業機会も農村として非常にふえていくというのが通常であろうかと思いますので、私どもは、そういうものも含めましてこの制度に乗るものというふうに考えております。
 それから住宅団地のお話でございますが、私ども確かに、若干ではございますが、造成した土地がそのまま、目的は工業の導入ということになっていながら、放置されているものがあることは承知いたしております。したがいまして、これにつきましては優先的に企業の導入を図りたいということでいろいろと努力はしておりますが、先生御指摘のような事情で、なかなか入らないというようなところもございます。したがいまして、そういうところにつきましては、地元のいろいろな御意向というのが先行することになろうかと思いますが、工業導入の計画の見直しということをまずやっていただきまして、その上で計画変更ということもあろうかと思います。具体的に住宅団地につきましては、たとえば農地転用の許可をすでに工業団地ということで受けているような場合にはやや問題がございますが、許可の目的の変更ということをもう一度承認をとり直すということを通じまして、そういうことも可能であろうというふうに考えております。しかしながら、一般論の場合ですと、なかなかいろいろなケースもございますので、具体的には対処してまいりたいと思いますが、形としてはそういうふうになっているわけでございます。
○小川(省)委員 よく自治体の協議に乗って、自治体がペンペン草が生えるがままにさしておいて、そして借金を返すのに追われているというような悩みのないように、ぜひひとつ前向きの形で当たってもらいたい、こう思いますが、いかがですか。
○川合説明員 先生御承知のように、この制度は私ども農林省と通産省、それから労働省、三省の共管でやっておる事業でございます。私ども、もちろん農村を預かる役所といたしまして、就業機会が安定した形で行われるということが非常に望ましいわけでございますので、通産省等ともよく連絡を密にいたしまして、なるべくそういうことの起こらないように、今後とも努力してまいりたいと思っております。
○小川(省)委員 次に総理府にお尋ねをいたします。
 同和対策特別措置法は昭和五十三年度末で切れるわけですね。総理府の言明でも、昭和五十二年末における総事業残量は四千八百億、昭和五十三年度の各省庁の予算要求額は二千二百億と聞いておるわけであります。さらに約一千カ所に上るような未指定の地域があるわけでありますから、残事業量は膨大であると見なければならないと思います。所期の目的を達成をしない時限法ですから、当然延長されるものだと思いますけれども、延長についての総理府の見解はいかがですか。
○黒川政府委員 同和対策事業特別措置法でございますが、昭和五十四年の三月末で失効するということになっております。あと一年と四カ月余り期間がございますわけですが、この法律を延長するかどうかということについてでございますけれども、この法律は、立法の当時各政党間におきまして周到な協議が行われた上で制定されたという特別ないきさつがございます。そこで、今後この法律をどうするかということにつきましては、地方公共団体の御意見等を十分に参酌し、それから同和対策協議会におきましても十分に御審議願い、それから、いま申し上げましたいきさつにかんがみまして、各政党間の協議の状況を十分に勘案、尊重いたしながら、慎重に検討してまいりたいというように考えております。
○小川(省)委員 大臣、非常に重要な法律でありますし、先ほど私が申し上げたように残事業量が非常に多い。当然延長しなければならぬ法律でありますが、閣議の中で努力をしていただけますか。
○小川国務大臣 残事業が多くありますことはよく承知をいたしております。法律制定のいきさつを踏まえまして、十分関係省と協議してまいりたいと思っております。
○小川(省)委員 自治省、昭和五十一年末の同和事業債の総額は幾らになっておりますか。その中で、法十条によるものと十条非適用債はどんな状況になっておりますか。
○山本(悟)政府委員 五十一年はまだ決算が出ておりませんので五十年の数字で御容赦いただきたいと思いますが、同和対策事業債本債の方の五十年度末におきます現在高は二千八十四億、うち十条指定分が四百五十五億という数字になっております。
○小川(省)委員 いま、五十年末の決算でも約二割が十条で、残りの八割近い額が実は十条非適用債であります。
    〔委員長退席、中村(弘)委員長代理着席〕
当然この非適用債についても交付税上で何らかの措置をとっていただかないと、市町村は大変だろうと思うのです。そういう意味で十条非適用債について今後検討をされる用意があるのかどうかお伺いいたします。
○山本(悟)政府委員 御案内のとおり、同和対策事業は特別措置法の趣旨にもかんがみまして、原則として国庫補助事業として取り上げられるべきもの、そういうかっこうによって事業が執行されるべきものというのが基本であろうと存じておるわけでございます。
 そういうようなことを踏まえまして、この法律のできましたときにおきます国会での御審議におきましても、十条適用債というのは国庫補助負担の伴うものということになっているわけでございまして、そういうような意味から申し上げまして、単独事業に充当した地方債の元利償還金に対します十条の適用につきましては、まず国庫補助事業の大幅な拡大を図ることが先決じゃないか。そうしませんと、事実問題といたしまして、結局地方の負担のみが増大をするというかっこうになるのではないかということをおそれているわけでございます。
 いろいろなかっこうで、各省におきましても非常に御努力をなさっているところでございまして、そういうような意味から申し上げますと、だんだんと国庫補助負担事業の総体におきます比率というのも高まってきつつあるわけでございまして、そういうようなかっこうでできるだけ措置をしてまいりたい。そういたしませんと、また非常にむずかしい問題も起こるのじゃないかということでございまして、立法のときのいきさつ、趣旨というようなものを踏まえて考えれば、まず国庫補助事業の拡大というようなことによって、この事業というものが執行できるような体制に持っていくことが先決じゃないかというようにいまのところ思っておるところでございます。
    〔中村(弘)委員長代理退席、委員長着席〕
○小川(省)委員 しかしいま言われたように、五十年末のいわゆる起債の現在高が二千八十四億で、うち十条が四百五十五億ということになると、残りの千六百億近い額が十条非適用債であります。これは当然何らかの交付税上の措置を、たとえ五割にしても幾らにしても見ていくようにしなければ大変だと思うのですが、検討してみるつもりは毛頭ないのですか。
○山本(悟)政府委員 御案内のとおり、同和対策事業につきましては、特別交付税の算定上その他におきましてもいろいろと配慮をいたしておるところでございまして、地方財政全体というかっこうでのいろいろな考え方というものはあり得るわけでございますが、そのものずばりというかっこうでは、先ほど申し上げましたような事情によりましてかえっていいのかどうかというようなことを、私ども地方財政をお預かりする者としては疑問に思っておるわけでございまして、やはり国費の拡大ということを先決条件にいたしまして対処をしていくのが、現在の時点におきましては適当なんじゃないかと思っております。
○小川(省)委員 お答えではありますけれども、現実のような情勢でありますから、私は十条と同じように措置をしろとは言わないけれども、それに準ずる形で何らかの措置をとっていかないと大変だというふうに思っていますので、ぜひ検討をしていっていただきたい、このことを強く要請をいたしておきたいと思います。
 それから行政局長だろうと思うのですが、御案内のように本日、衆議院では給与法を上げたわけであります。しかし会期はあすまででありますから、その給与法の通過が予断を許さない状態にあるわけであります。もしも通常国会で措置待ちというような状況になったら、末端市町村では三月にずれ込むことは当然であります。そういう意味で、人事委員会等の勧告も出ておるわけでありますから、それに伴って財源手当をして、地方の十二月議会で給与改定を実施をしていくことは当然であるというふうに思っておりますけれども、それでよろしいわけですね。
○地崎委員長 ちょっと行政局長来ていませんから、いま呼びますから、ほかの質問に移ってください。
○小川(省)委員 次の質問に移ります。消防の問題について若干お尋ねをいたしたいと思います。
 ILOにおける審議の状況や、第三次公務員制度審議会の答申からいって、消防職員の団結権は当然認められるべきであって、地公法五十二条の五項は改正されるべき問題だと思っております。
 三月の参議院の地方行政委員会で自治大臣は、消防職員の団結権問題については総理府総務長官と協議をすると答弁をしておりますが、協議の内容と進みぐあいはどんな状態ですか、大臣にお伺いをいたします。――大臣に聞いているんだよ。
○林政府委員 私から、先立ってちょっと御説明申し上げます。
 御指摘の委員会でそういう答弁がありまして、その後大臣と総務長官との御協議がございました。その協議の結果は、従来の公務員制度審議会その他で言われておりますとおり、国鉄その他の団結権問題が片づいてから、その後に長期的問題として研究するということで、さらに事務的な討議を積み重ねるということで終わったように聞いております。
○小川国務大臣 ただいま答弁を申し上げましたように、この問題は、これに先立って解決すべき公共部門の大きな労使関係の問題がございますので、まずそれを解決した上で検討しよう。これは従来この問題について総理府総務長官とも話し合いをいたしたわけでございますが、前回会談をいたしました際にもさような結論になっておるわけであります。
○小川(省)委員 答弁の趣旨はわかりました。ひとつ協議を進めていただいて、また改めてお尋ねをいたしますので、ぜひひとつ協議を進めていただきたいと思っております。
 それから、これは行政局長ですかね、十月四日の官庁速報によりますと、自治省はILOの本部常駐の国際問題担当参事官を設置をするという記事が出ておりましたけれども、これは真実でしょうか。
○林政府委員 御指摘のとおり行政局長なんでございますけれども、いま行政局長来ておりませんが、そういう趣旨の予算要求を自治省としてはいたしております。
○小川(省)委員 現在、外国駐在参事官というのはどことどこにおるわけですか。
○地崎委員長 行政局長はいま参議院に行っているので、ちょっと待ってください。
○小川(省)委員 この問題は後に回します。
 次に消防庁長官にお伺いをいたします。消防力の基準について若干お尋ねをいたしたいわけでありますが、消防庁は告示で消防力の基準を定めておりますけれども、これは「市町村が火災の予防、警戒及び鎮圧並びに救急業務等を行なうために必要な最少限度の施設及び人員」となっておりますが、そのとおりですか。
○林政府委員 趣旨はおっしゃるとおりでございます。ただ、これは具体的な台数とか人員の数でなくて、口数によって決めておりまして、これこれの大きさのポンプが二口とか、これこれは一口とかいうことでその口数でもって表示してございます。
○小川(省)委員 口数で表示してあるそうですか、いずれにしても最少限度の施設及び人員ということですから、これを下回っては市町村が満足な消防活動ができない。要すれば、これは上回るべき性格のものだと受けとめておるわけです。消防庁は、市町村の消防力がこの基準を上回るよう指導するとともに、財政的措置を講ずる責任があるのではないかと思いますが、いかがですか。
○林政府委員 最低基準ということで、それを上回るというか、それに達するよう努力をしてもらいたいし、またそこまでの措置は交付税その他を通じてやるという一つの目標でございます。
○小川(省)委員 そうですね。少なくとも最低そこまではどうしても到達させなければならぬという義務は当然あるのだというふうに思います。
 そこで、全国的な消防力の基準の充足率はどんなふうになっておりますか、特に、消防職員の充足率はどうなっておりますか。
○田中(和)政府委員 消防力の基準を消防職員で見ますと、十万都市を例にとりまして百十名要るべきところが現在は九十名という程度になっております。
○小川(省)委員 そういうことですから、やはり低いと思うのですね、百十名のところに九十名ということですから。酒田の火災が大火になったのも、あらゆる車種が出動するゆとりのない定員の不足というか、消防職員の充足率の低さが一面あったとも言われているわけですね。このような現状では、酒田火災の二の舞がいつ発生をするかわからないというように私は思っているわけです。そういう点から考えれば、消防力の充実こそ本当に必要だと思いますが、そういうような不時の災害に備えて、この対策をどうお立てになりますか。
○林政府委員 おっしゃるように、消防力の基準を一応人口その他、あるいは地理的にたとえば北風、空っ風が多い、フェーン現象が起きるところは云々というようなことでもって一応決めまして、それに到達するように最大限努力を払っておりますし、それから、財政当局にも話をして、それに必要な交付税上の財政措置も極力努めているところでございます。
 ところが、実際問題といたしまして、実際問題といいますか、最近の傾向をちょっと申し上げますと、地方財政その他ともにらみ合わせて一応消防力の基準を決める、市町村の方ではそれに到達する意欲を示してぐんぐん施設を伸ばしていく、ある程度全国的に伸びたところで、さらに新しい観点でその消防力の基準をもう少し高い線を決める、さらにそれに対して到達する努力をするということを繰り返してまいりましたのですが、この最近の状況は、基準を決めたことに対してそれに追いつこうとする努力が従来に比しましてやや低調になりつつあるわけでございます。これを実は憂えております。
 理由は二つあると思うのですが、一つはある意味で相当な程度まで消防力が整ったということが言える。これは、昨年の酒田の大火は大変残念でございましたが、この大火と言われるものが昭和二十年代には十四件ありましたものが三十年代に数件、七件でしたか、四十年代の前半に四件で、それほどなくなった。その後ずっと大火という一万平米以上のものが焼けなくなりました。これは施設の充実、道路の整備、消防技術の向上、いろいろな理由はありますけれども、ある程度施設がいい水準にきたということが言える点が一点。
 もう一つは、消極的な理由でございますけれども、国家財政、地方財政が非常に苦しくなりますと、起こるか起こらぬかわからぬ災害のための投資よりも、子供がふえたから小学校を建て増さなければならないということにどうしても重点がまいりまして、いわば保険を掛けるような意味でのこの防災に関する投資というものの意欲はどうしても落ちる、この二つの原因からかと存じております。
 しかし、この方を手を抜きますと、本当に御指摘のような酒田の大火、ああいうことも二度と起こらぬとは限りません。非常に危険でもございますので、こういった財政が苦しい中でもひとつ防災の方の投資はさらに一層努力をしてもらうよう、各市町村、各府県を通じまして督励をしてまいっておりまして、最近消防力の基準も全国平均で言えば、市町村によって非常に個別の差はございます。熱意のあるところは基準を上回る施設、人員を保有しております。熱意がないといいますか、そうでないところは五〇%そこそこというようなところもあることは事実でございますが、おしなべて申しますと、七割ないし八割ぐらいの基準には到達しております。これをさらに一〇〇に近づけるような努力を、今後もさらに御鞭撻をいただきまして進めてまいりたいと存じております。
○小川(省)委員 見ておりますと、兼務、兼務で基準を大きく下回っていますから、実際には七割、八割ということになっているわけですが、全車種一斉出動というふうな大火もあるわけでありますから、ぜひそういう点については十分意を用いてほしいと思っています。全体として消防職員数が少ないわけですから、一人当たりの消防職員の負担はかなり重くなってきているわけであります。消防職員が処遇改善等を合法の枠内で話し合いを持つことは当然ではないかと思うのです。五十二年度の交付税の算定基礎は十万単位の市で何人ですか。百十ですか、百一ですか、幾らですか。
○林政府委員 交付税の算定は百一と聞いております。
○小川(省)委員 百一では、私は二分の一と言いたいが、少なくとも四分の一ぐらいは足りないのじゃないかというふうに思っています。そういう意味で、この交付税の算定基礎も来年度は大きく改めていただきたいというふうに思っております。今後そういう点で消防職員の充実について十分意を用いるそうですか、この交付税の算定の基礎も含めて検討をしていただけますか。
○林政府委員 実は先生、それで一番最初の御質問に対して私、基準というのは口数で表示していると申し上げたのでございますけれども、口数というのは、ポンプの大きさや何かによって一口、二口ですか、一応ポンプその他の台数は出るわけでございます。全部台数が出て、その台数に二交代なら二交代、三交代なら三交代なりで全部人員を張りつけるとたとえば三百人と出るような場合、交付税の計算では、実際には化学消防車が出動する場合、普通消防車が出動する場合、救急車が出動する場合、全車一斉ということは、それは極端な場合はあり得ますけれども、通常の平均としてはやはりないために、ある程度乗りかえを認めておる。そこで交付税で計算しておる人数というのは、十万なら十万の市で合理的な乗りかえを考えた場合に、これで足りるというのが交付税の算定基礎でございますから、人数的にはある程度交付税の算定基礎は消防力の基準を満たしているとも観念できるわけでございます。ただ、これに対して、そんなことを言っても、全車一斉に出ることもあるじゃないかといわれるケースもございますので、人数については、いまの交付税の算定が基準に満たないとか、満つとかいう議論は必ずしもできないのでございまして、こちらもできるならば全車に全部専任を張りつけることは消防の観点としては非常に望ましいことでございますけれども、ただ、この財政のもとに合理的かどうかというと、やはりある程度の乗りかえというのはむしろ合理的だろうと思いますので、その辺を十分勘案した上で、こちらの方はできるだけふやしてもらいたい口でございますから、財政当局と一生懸命折衝するつもりでございます。
○小川(省)委員 いずれにしても、私は乗りかえを認めていないわけではないのですよ。乗りかえがあることは百も承知の上で、やはり基準自体が百一というのは少な過ぎるのではないかと思っておりますので、ぜひひとつふやすように、財政当局とも相談をして努力をいたしてもらいたいと思います。
 それから本年五月十七日、宮崎市の消防職員の松山昌弘さんという人が、高さ七メートルの訓練塔からロープを投げようとして、投げようとした瞬間に体のバランスか失ってコンクリートの地面に落下して死亡いたしました。また六月十三日には、熊本県の上益城消防組合の田上誠さんがはしご登攀訓練中、十五メートルの高さから落ちて死亡をいたしました。いずれの場合でも救護ネットが張ってなかった、安全対策に手抜きをした事故であったようであります。
 そこで伺いたいのは、消防職員の公務中の災害発生の件数と内訳は大体どんなぐあいになっておりますか。
○林政府委員 毎年度のが消防白書に出ておりますので、いま至急に調べまして数字的にお答え申し上げます。
○小川(省)委員 申し上げたように、二つの事故は救護ネットが張ってなかったわけですね。ネットがあれば防げた事故ではなかったかというふうに思っているわけです。消防署に対しても労働安全衛生法は適用になるはずですよね。労働安全についてどのような指導をしているわけですか。
○林政府委員 ただいまの御指摘の二件の事故は本当に遺憾でございます。きわめて残念なことでございまして、救助活動というのは今後ますます必要になってまいりますから、この訓練はどうしてもやらなければならないことでございますが、実際に事故が起こったというところで見れば、明らかに安全に対する配慮を欠いていたと言われてもこれは仕方がないことでございますし、今後こういうことがないように指導を続けてまいろうと思います。
 ただいまの御質問の労働安全の安全衛生は、規則には、労働安全衛生法による事業者が、労働者の作業行動から生ずる労働災害を防止するために必要な措置を講じなければならない、こういう規定がございまして、これに基づきまして事故防止上の必要な注意要領を決めておるはずでございます。
 そこで、消防庁の方は個々の市町村に全部当たってはおりませんけれども、都道府県を通じまして、こういった事故がないように、あらゆる面であらゆる機会をとらえて周知徹底を図っておりますが、さらに今後救助訓練、救助の操法というようなものを、基準を決めるべきではないかという検討に現在入っておる次第でございます。
○小川(省)委員 いまの御答弁はちょっと軽過ぎるんじゃないかと思っています。労働安全衛生委員会の設置状況がどうなっているのか調べてみたんですが、どうも皆無のようですね。恐らく労働安全衛生委員会もできていないのではないかと思うのですが、いかがですか。
○林政府委員 申しわけございませんが、現在手元に数字がございませんけれども、法適用関係で絶対に必要なものであればゆゆしいことでございます。直ちにお調べをいたします。
○小川(省)委員 恐らく私はほとんどないんではないかというふうに思っています。こういうところに事故が発生をする原因もあった、こういうふうに思うわけですから、ぜひひとつ、労働安全衛生委員会等を完全につくらせるような指導もあわせて行っていっていただきたいと思います。
 労働安全について、職員相互の協議を行政ルートに吸い上げる方法をどうしているのか、吸い上げるような仕組みになっていないのじゃないかというふうに思いますが、いかがですか。
○林政府委員 職員の具体的な要望、意見というようなものは、人事管理をやる場合にあらゆるところでそれは吸い上げる手だてを持っておると存じます。その吸い上げる手だての方法としては、地方団体によっていろいろ異なると思いますけれども、結局は職場環境を整備し、職員に意欲を持って仕事をしてもらうために必須の条項でございますので、それらを無視して職場管理、人事管理をするはずはない。現実にそれぞれの、私の方は消防所管でございますけれども、消防でないあらゆる部面でもわれわれも人事管理も経験させていただきましたが、そういうことは常に配慮を払っておるものでございますので、この点について抜かりがあろうとは実は私思っておりません。
○小川(省)委員 いま取り上げた九州の二つの事故は、九州地区のレンジャー大会、消防救助技術大会ですか、参加のための訓練中に発生をしていることなんですね。レンジャー訓練が実際の消火や人命救助にどの程度役立っているのか、余りどうもわからないのですが、そのあり方について検討をしたことがありますか。
○林政府委員 この二つのまことに残念な痛ましい事故というのは、本当に二度と起こしてはならないものでございますが、確かにこれらを契機といたしまして、最近レンジャーに関するいろいろな議論というのが大変起こってまいりました。そういう意味では、いま先生も御指摘になりましたし、検討というのは最近特に熱心にやっておる次第でございます。そしていろいろな意味で、たとえばレンジャー大会に出場するというと、レンジャーの技術そのものよりも、たとえば一分一秒を争って、一位になる、二位になるという方につい人間というのは気持ちが行きがちで、どうしても無理をしがちである。そういう無理と、さらに安全の配慮とを欠いたその二つが重なってその痛ましい事故になった、二度とこういうことは起こしてはいけないという意味で、レンジャー大会、まあそのレンジャー技術というのは、これはいま先生、ちょっと御疑問を御提示になりましたが、実はこれからますます私の方は大切になるんじゃないかと思っております。高層ビルがふえたり地下街がふえたりいたしまして、通常の消火活動それから救急活動以外に、この救助活動という分野は今後ますます広がると思っておりますので、これに対する訓練というのはさらに強化すべきだ。ただ、一分一秒を争うような競技という感じでやりますとつい無理が重なりますので、その辺をどういうふうに扱うか。たとえば現在のレンジャー大会でも、一定の標準タイム以上は、いいタイムを出そうが悪いタイムを出そうが、ちゃんと満点をくれるというようなことにはなっておりますけれども、やはりそれでも人に勝とうという気持ちが先に立ちますとこういうような危険につながる懸念もございますので、そういう点を今後、さっきも申しましたように、操法でもある程度基準的なものも決めるというようなことも含めまして、現在相当突っ込んだ検討をしつつございます。
○小川(省)委員 私は、レンジャー大会をスポーツ競技大会並みに扱っているところに問題があるというふうに思っています。いまも御答弁の中にありましたけれども、ぜひひとつそういう点で、レンジャー大会の準備訓練中に事故が発生するなどということのないような方途を講じてほしい、こういうことを強く要求をいたしておきたいと思います。
 公務員部長が見えたようですからちょっとお伺いをいたしたいのですが、給与法がきょうの衆議院の本会議で通りましたが、現在の参議院の状態では予断を許さないというのが実態だろうと思うんです。もしも通常国会で成立を待ってなんということになれば、末端の市町村では三月に給与改定が行われるなどというばかな話になってしまうわけですから、当然人事委員会が定めた勧告によって都道府県、市町村が財源手当てをして、そして十二月地方議会で給与条例を可決をしていくということが当然あり得るというふうに思っていますが、それでよろしいわけですね。
○塩田政府委員 お答えいたします。
 国の方の給与改正がどうなるかまだわかりませんけれども、いまのお尋ねの点につきましては、ことしの九月九日の政府の方の閣議決定の後の次官通達の中に、まず第一点としまして、地方公共団体における給与の改定の措置は、国における法律の改正の措置を待って行われるべきであり、国に先行して行うことのないようにすることということを明示いたしておりまして、その点は、私ども明らかな方針をお示ししてあるというつもりでございます。
○小川(省)委員 しかし、現在のような国会情勢で、しかもこういう状態の中で、国が通ったら云々などということであれば、これは三月にずれ込んでしまうことは明らかですね。そういう点では、すでに衆議院を通過をした実態でもありますし、当然国に準じた措置を人事委員会の勧告によってとっていくわけでありますから、十二月議会でやることは当然よろしいというふうに思っているわけですけれども、再度御答弁をお願いします。
○塩田政府委員 この問題は、御承知と思いますが、前にも同じような事態が一度ございまして、政府としましては一貫した方針で、国の措置が行われるまでは地方団体が先行してはならない、先行すべきではないということを、昭和三十七年だったと思いますが、やや同じような事態がございまして、やったことがございます。今回もそれと同じ指導をいたしたいと考えております。
○小川(省)委員 そんなばかな話はないですよ。それは当然衆議院を通過をした法律に、都道府県条例というのも違背をしてつくられるものではないわけでありますから、当然国に準じた形で行われるわけでありますから、しかも人事委員会の勧告がある、それに伴って財源手当てをする、こういうことで行われることは一向差し支えないじゃないですか。どうして悪いんですか。
○塩田政府委員 いろいろな御意見はあろうかと思いますけれども、終始私どもは、国の措置を待って改定するようにという私どもの基本的な考え方でございまして、いまそれを変更するような考えはございませんので、従前どおりの指導をいたしたいと考えております。
○小川(省)委員 その指導を改めてもらいたいのです。三月になっても四月になってもいいなんという、一年おくれの給与改定をやらせるような指導が生きた指導だとは思えません。そういう意味では、少なくとも衆議院を通過をした段階でありますから、当然地方議会では財源手当てをして、議決をするわけでありますから、先ほどあなたはだれかの質問で、いわゆる地方の主体性というものは認めていくというのが当然でありますからと言ったので、そういう点では当然認めていくべきだというふうに思っておりますけれども、いかがですか。
○塩田政府委員 同じことを繰り返してお答えするようでございますが、三十七年の場合と違いまして、ことしの場合は、十二月県会あるいは市町村の議会にしましても、まだ余裕がございまして、今回、もし仮に国家公務員の方が通らないという場合があったとした場合に、それを受けてどう指導するかというのはいまからの問題でございまして、若干の余裕はあるわけですけれども、基本的な考え方としましては、いま繰り返しお答えを申し上げたとおりでございまして、いまここでそれを変えるつもりはないわけでございますので、御了承をいただきたいと思います。
○小川(省)委員 そんな、答弁にならぬよ。国が大体半決まりで決まった段階でやられることは当然でありますから、そういう点で逸脱をした措置が出てきても、そんなところで強制的な指導をすることが適当な指導とは思われないわけでありますから、大臣もよく聞いておられるでしょうから、ぜひそういうばかなことのないように取り扱ってほしいというふうに思っております。
 それから、十月四日の官庁速報で、自治省は、ILO本部常駐の国際問題担当参事官を設置をするというのがありましたが、この記事は真実かという質問をしましたら、前行政局長が、予算要求をしていますという御答弁でありました。そこで、現在外国駐在参事官はどことどこに置いているわけですか。
○塩田政府委員 いま自治省から出ておりますアタッシェは、イギリスのロンドンとオーストラリアのキャンベラに書記官、あとはアメリカのサンフランシスコとニューヨークに領事が、合計四名でございます。
○小川(省)委員 ILO常駐となれば、消防問題の政府の主張の浸透がその目的と考えられるわけですね。だから消防庁長官がお答えしたんだろうと思うのですが、消防問題は国内での前向きの検討こそ必要であり、消防問題についての日本政府の主張は恥の上塗りだと思って、設置すること自体が税金のむだ遣いでありますし、他にさらに適当な場所があるのではないかというふうに思っていますから、この予算要求は、大蔵省はおるかどうかわからぬけれども、ぜひひとつ願い下げにしておいていただいて、置くのなら別のところにぜひ置いていただきたいというふうに思っています。それ以外に必要な個所もあるわけですから、ぜひひとつそういうことでお願いをいたしたいと思います。
 それから、最近、ビルやコンビナートなどの大型火災あるいは震災に備えて、国民の防災意識の向上が訴えられているわけです。こういう中で、国民に対して直接宣伝をしたり、あるいは自治体の消防関係者に消防活動の状況なり、火災の発生状況なりを知らせる活動、広報活動が重要になってきていると思います。そこで、消防庁に聞きたいのですが、いまどのような姿勢でこの広報活動に取り組んでいるのか、広報活動に取り組んでいる姿勢をお伺いをしたいと思います。
○林政府委員 どのような姿勢でという御質問でございますけれども、私は、消防をお預かりいたしまして一年余りになりますが、その間の非常に強い気持ちとして、何といっても広報が一番大事だという気がいたします。設備の増強もちろん大事でございますし、それからいろいろな消防職員の訓練、これも手ぬかりできませんが、特に、たとえば大震災というような大きな災害を想定しました場合に、常々からの広報というものがどれだけ役に立つか、どれだけ災害を減らすことができるか、これが一番大事だという気がしておりまして、言ってみればそういう心構えでこの広報に取り組んだわけでございます。
 具体的には、消防庁独自の広報活動、それから総理府の広報室を通じた広報活動、それから、さらに各地方団体の消防機関におきまして、こちらの広報活動のスケジュールその他を送り、いろいろな参考資料を送ることによる具体的な地元での消防演習その他の広報活動、ころいったものを展開しておるわけでございますけれども、これについては、私は最重点に取り組んでいるつもりでございます。
○小川(省)委員 消防庁では半年ごとに火災の発生状況をまとめて発表しているようですが、非常に意義のあることだと思っています。いまの長官の答弁を聞いても、広報に重点を置いているということですが、この半年ごとの火災の発生状況の発表も、これは広報活動の一環と見てよろしいわけですね。
○林政府委員 御指摘のとおりでございます。
○小川(省)委員 実は、消防の機関誌とも言うべきこの「近代消防」ですが、この十月号の五十三ページですか、これに「昭和五十二年上半期の火災の概況」というのが防災課の発表で載っております。私が火災の状況についての資料を欲しいと言ってもらったところが、この記事の内容と全く同様であったわけです。しかし、この「近代消防」の記事の末尾を見ますと、「本稿は、著作権・出版権があり、無断複製、転載はできません。」というふうになっています。私は、広報活動としては本末転倒なことだというふうに思っているわけであります。広報活動という趣旨から見て全く納得できない、非常におかしなことになっているとと思うのですが、どうなっているのでしょうか。単作権法によれば、著作権は、公共機関の発表やや公報等は生じないことは当然だと思いますが、こんなふうになっていることはおかしいと思うんですね。消防庁の責任ある答弁をお願いします。
○林政府委員 私の方は、まさに先生の御指摘のように、これはできるだけたくさんの人に知ってもらいたいというつもりで発表しております。ところが、「近代消防」にこういうことが書いてあるのはまことにおかしなことなんで、先生の御質問を伺いまして、すぐ「近代消防」に聞いてみましたら、これは大変な間違いでございまして、申しわけございませんというおわびが返ってまいりました。実は「近代消防」のほかの本を見てみますと、大抵の原稿の後に全部これが入っているわけでございます。それで、ついほかの原稿と同じようなつもりで入れたらしいのでございますけれども、これ自体は「近代消防」の方で何にも手を加えていない、私たちの方から発表したそのままが載っておりますので、転載していただこうが、どこへ出そうが自由でございまして、また、うんとやっていただきたいというのが私の方の気持ちでございます。
○小川(省)委員 いまの答弁でよろしいわけですけれども、私はおかしいと思うんですよ。この「近代消防」というのは消防庁が監修をしていないのだろうと思うのですけれども、いわば現代の消防職員の機関誌みたいなものですよね。みんな宣伝されて読んでいます。そういう点では、私は、こんなばかな広報はあるまいというふうに思ったわけでありますが、ぜひひとつそういう点は十分管理、監督をしていただきたい、このように思っております。
 次に、消防庁の関係をする法律や政令は、公布をされる日付で外部に公表されるものだというふうに思っています。公務員としては守秘義務がありますから、公布の日までは外部に公表できないのが当然だと思いますが、こういう内部規律は消防庁の中では守られておりますか。
○林政府委員 現在私としては守られておると思っておりますが、何か具体的なことがございますれば伺いたいと思います。
○小川(省)委員 消防法施行規則の一部を改正する省令、自治省令の第四十号、昭和四十九年十二月二日公表されているわけですね。消防庁の予防救急課が監修をした「消防用設備等関係改正法令集」、ここにあるわけですが、全国加除法令出版刊行のものであります。ところがこれを見ますと、この法令集は四十九年十二月十日に発行になっているわけです。この中に六十一ページから百八十一ページまでの大部の施行令が乗っかっているわけですね。傍線を付して新旧対照をして非常に細かいものです。この政令が公布になったのが十二月二日、そしてこの本の発行が十二月十日というと、どうも十二月二日以前にこの政令が印刷所に、全国加除法令出版所に渡った疑いがあるというふうに――常識をもってすれば八日間ぐらいでこんなものができるはずはありません。そういう意味で私は、どうも守秘義務という内部規律が守られていないのではないかというふうに思っていますが、いかがですか。
○林政府委員 その当時の具体的な時点ではどういうことになりましたか、よく調査してみたいと思いますが、実は先生、印刷所に回るということはしばしばあるのではないかというふうに私は考えるわけでございまして、たとえば十二月二日に公布とあれば、私の方の趣旨から言えば、その公布の翌日にでも消防関係者にはみんな知ってもらいたい、そういう意味では、特に内容がその日まで人に知らせては絶対にいけないようなものであれば注意を払いますけれども、これはもうできるだけ知ってもらいたいという一方のものであれば、あらかじめそれを早く印刷をして、その広報を配ることができるように手配するというようなことはあるいはあるかもしれません。それによって印刷所に先に回っているということもあるいはあったのではないかという気もいたしますが、よく調べてみたいと思います。
○小川(省)委員 あなたは答弁がうま過ぎますよ。そんなばかな話はないので、これは当然施行令がずっと前に渡っている可能性があるわけです。全国加除法令出版というのはおたくと大分癒着をしているようです。大分癒着度が深いようです。これは消防庁の幹部が出張すると恐らくこの出先が接待費まで持つというような話まで聞いておりますけれども、しかしこれは第三者ですよ。だからそういうことがあってはならぬことだというふうに一応思っています。十二月二日以降ならいいですよ。そういうこともありますので、今後十分ひとつ気をつけてもらいたい。
 そこで資料として要求をしておきたいわけですが、過去三年間に全国加除法令出版の出版物の目録と、もしも、そういう中には原稿料を受け取ったいわば消防の各課の記事等もあるのではないかというふうに思っていますが、原稿料を受け取っておったならばその額及び人についてその資料を求めたいと思いますがいかがですか。
○林政府委員 いまご質問の途中で出ました癒着というようなことは、最近いろいろなことでそういうことが問題になっておりますけれども、私たちは常々ないようにということで大変注意を払っておりますし、また私自身消防庁長官になりましてから、地方に行ってもまだその加除法令の出先その他の接待を受けたことは一度もございません。
 出版物の目録は十分お取りそろえできると思います。それから、事実それに対して原稿を書いてその謝礼をもらうこともこれはあり得ます。何ぽかのそういう例はあるかと思いますが、これはある意味では個人的な行為でございますので、果たしてどこまでこれを公なものにすべきかどうか、ちょっと内部で検討させて御相談させていただきたいと思います。
○小川(省)委員 最後に率直に長官にお伺いをいたしたいわけです。
 あなたは現在の地方公務員法は悪法だと思っておりますか。
○林政府委員 私は現在の地方公務員法は非常によくできた法律だと思っておる次第でございます。
○小川(省)委員 それはちょっとおかしいのですよ。全国消防長会報の三百二十七号によれば、第二十九回の消防長会総会のあなたの行った祝辞が全文載っております。あなたはこの中で消防職員の団結権の問題にかなりのスペースで言及をされております。この中に悪法といえども法は法なり、悪法は法にあらずというように、悪法という言葉が目立って出てきているわけであります。言っているのは、悪法といえども法であるから守るのだという思想であるというふうに思っていますが、重ねて聞きますが、地公法は悪法ですか。
○林政府委員 私自身は地公法は決して悪法であると思っておりません。
 そこで申し上げました趣旨は、わが国は自由の国でありますから、いかなる思想いかなる信条を抱いてもこれは許される。その自分の信条からすれば現在の法律が悪い、たとえば公務員からストライキ権を奪っておる法律は悪いとお考えの方もいらっしゃるだろう。しかしその方といえども、法治国の日本の中におられる間は、法治国であるがゆえに、その法律を改正するまでは従ってもらわなければいけない、こういう趣旨のことを悪法といえども法なりという言葉に託して申し上げたのでありまして、中にはストライキ権を奪っておるのは悪いけれども、現在の法律がそうなっておるからこれを変えるまではやむを得ないというお考えの方もいらっしゃるし、そういうのは憲法にも抵触するおそれがある悪い法律だから無視してもかまわないのだという御意見の方もいるけれども、その後の方の考え方は、法治国として許されないのだということを申し上げたわけでございまして、私自身は現在の公務員法というのは相当合理性を持っておる。もちろん改正意見その他いろいろございますし、傾聴に値する御意見もございますけれども、公務員に関する団結権とか争議権とかあるいはことに消防職員に対する規定というものは、現在のわが国の実情に合ったものであるという考え方をずっと貫いております。
○小川(省)委員 私は別にひねくれているわけではないのですけれども、あのあなたの祝辞を再三再四にわたって熟読玩味をいたしました。しかし、どう受け取っても地公法は悪法なりというような感じがいたしたわけであります。悪法だと内々思っているならばそれで結構ですが、団結権を与えないというためにあのような表現を用いたことは余り適切ではないというふうに思っております。
 それから最後にお願いをしたいわけですが、先ほど来の答弁を伺っても、消防力の基準が実際には七割ないし八割、こういう状態にあるわけでありますから、ぜひ消防力の充実について今後とも十分に意を用いてほしいことを強く要請をいたしておきたいと思います。この点について大臣は、私と消防庁長官のやりとりを聞いておったわけですから、消防力の基準の充実についてどのようにお考えか、大臣の見解を最後にお尋ねをして質問を終了したいと思います。
○小川国務大臣 いろいろ本日は御鞭撻をいただきましてまことにありがとう存じます。最近ますます災害が多様化、複雑化してきておる際でございますから、消防力の整備充実、あるいは防災思想を普及いたしますための宣伝広報等、一層力を入れていかなければならない、かように考えております。
○小川(省)委員 終わります。
○地崎委員長 次回は、明二十五日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時散会