第082回国会 決算委員会 第7号
昭和五十二年十一月十五日(火曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 芳賀  貢君
   理事 天野 光晴君 理事 丹羽 久章君
   理事 葉梨 信行君 理事 森下 元晴君
   理事 北山 愛郎君 理事 原   茂君
   理事 林  孝矩君 理事 塚本 三郎君
      野田 卯一君    早川  崇君
      福田  一君    村上  勇君
      高田 富之君    馬場猪太郎君
      春田 重昭君    安藤  巖君
      川合  武君    麻生 良方君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長
        北海道開発庁長
        官       小川 平二君
 出席政府委員
        警察庁長官官房
        長       山田 英雄君
        警察庁刑事局保
        安部長     森永正比古君
        警察庁警備局長 三井  脩君
        北海道開発庁総
        務監理官    吉岡 孝行君
        大蔵省主計局次
        長       禿河 徹映君
        自治大臣官房長 石見 隆三君
        自治大臣官房審
        議官      石原 信雄君
        自治省行政局長 近藤 隆之君
        自治省行政局選
        挙部長     佐藤 順一君
        自治省財政局長 山本  悟君
        消防庁長官   林  忠雄君
 委員外の出席者
        国土庁長官官房
        審議官     下山 修二君
        外務大臣官房領
        事移住部旅券課
        長       伊藤 忠一君
        大蔵省主計局司
        計課長     石井 直一君
        国税庁直税部法
        人税課長    北村 恭二君
        厚生省薬務局麻
        薬課長     山田 幸孝君
        建設省都市局街
        路課長     渡部與四郎君
        自治大臣官房審
        議官      大橋茂二郎君
        会計検査院長  佐藤 三郎君
        会計検査院事務
        総局次長    柴崎 敏郎君
        会計検査院事務
        総局第一局長  前田 泰男君
        会計検査院事務
        総局第二局長  松田 賢一君
        会計検査院事務
        総局第三局長  松尾恭一郎君
        会計検査院事務
        総局第五局長  東島 駿治君
        北海道東北開発
        公庫総裁    吉田 信邦君
        公営企業金融公
        庫総裁     細郷 道一君
        決算委員会調査
        室長      黒田 能行君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十五日
 辞任         補欠選任
  山口 敏夫君     川合  武君
同日
 辞任         補欠選任
  川合  武君     山口 敏夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和五十年度一般会計歳入歳出決算
 昭和五十年度特別会計歳入歳出決算
 昭和五十年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和五十年度政府関係機関決算書
 昭和五十年度国有財産増減及び現在額総計算書
 昭和五十年度国有財産無償貸付状況総計算書
 〔会計検査院所管、総理府所管(警察庁、北海
 道開発庁)、北海道東北開発公庫、自治省所管、
 公営企業金融公庫〕
     ――――◇―――――
○芳賀委員長 これより会議を開きます。
 昭和五十年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、まず会計検査院所管について審査を行います。
 この際、会計検査院長から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤会計検査院長。
○佐藤会計検査院長 このたび新聞紙上に報ぜられておりますような事態が起きましたことにつきましては、はなはだ遺憾な事態であると存じておる次第でございます。憲法上の独立機関として厳正、公平に検査をしていくことを要請されております会計検査院の職員は、特に身を正して検査すべく要請されておるわけでありまして、そういう意味において国民の信頼を裏切るような事態が出てきたということに対しまして、私はなはだ遺憾に存じておる次第でございます。
 本件につきましては、目下全力を挙げて事実の究明を急いでおりまして、はっきりした段階においてまた御報告申し上げる機会があろうかと存じますが、それに対しまして今後どうするか、抜本的に対策を講じまして、国民の信頼を回復する、会計検査院の威信を一刻も早く回復するということを誠心誠意努力してまいりたい、こう存じております。
 それから、本件の処置につきましては、事態がはっきりし次第、それに応じて応分の処置を講じてまいりたい、こういうふうに存じております。
 重ねて最後に、こういう事態を起こしましたことについて深くおわび申し上げる次第でございます。
    ―――――――――――――
○芳賀委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。丹羽久章君。
○丹羽(久)委員 佐藤検査院長にちょっとお尋ねいたしますが、ただいま院長からの説明がございました。謙虚な気持ちで、憲法によるところの独立機関である会計検査院が、ただいま新聞等で報道せられておるこのことについて非常に申しわけないという表明がございました。
 第一点としてお尋ねいたしたいと思いますことは、これから慎重に事実を究明せられることであろうと思いますが、報道せられたようなことがあるということをすでに院長としてはお感じになっておるかどうかということをひとつお尋ねいたしたいと思います。
○佐藤会計検査院長 いままで、全部ではございませんが、報道せられたような事実もあるということは部下からの調査の報告で聞いております。
○丹羽(久)委員 目下全力を挙げて究明いたしておるとおっしゃいましたが、どういうような方向でただいま究明をせられておるか、その動き方をひとつお知らせいただきたいと思います。
○佐藤会計検査院長 これは、いままでの出張官が全部わかっておりますので、その一々の出張官に当たって報告を聞く、どういう状態であったかという報告を聞きまして、今度はその裏づけの資料を証拠書類、あるいは証拠書類でわからないものは――要するに内訳が証拠書類だけではわからぬ場合が往々にしてあるのです。と申しますのは、たとえばどこで飲食したということが書いてございますけれども、これが会計検査院の関係のものであるかどうかわかりませんので、こういうものは建設省側の内部資料を見せていただくなり、向こうで調べてもらうなりしてやる、そういうようなことでやっております。
○丹羽(久)委員 全力を挙げて究明していらっしゃるということについて、どのように全力を挙げて究明していらっしゃるかというお尋ねをいたしましたが、まだその私の質問に対して答えるだけの用意もできていないようでありますので、これ以上追及しようとは思っておりません。後日この問題はまたいろいろの角度からお尋ねすることにいたしたいと思います。
 さて、出張せられる方のそうした供応等に対して、それが満足に報告せられておるかせられていないかということが問題点になろうと思いますが、いま、建設省の方からそういうような書類をもらってそれを検討してみるというあり方、その機構の一端ですね。たとえば会計検査院が出張した場合、食事はどのようにしてくるかというような指示、方針というものは、会計検査院は何か一つの規則的なものがあったのか、それとも、向こうで食事をいただくことにおいては余り大したことでなければいただきなさいというような指示のもとに進められてきたのか、その点はどうなっておるでしょうか。
○佐藤会計検査院長 その点は、接待は受けるべきでないという原則、これはそういう指導でございますが、たとえば昼飯なんかの場合も、これは払うのが原則だ、だけれども、なかなか具体的な問題として向こうで取ってくれないような場合がございますが、まあそういう場合は仕方がなかろうというような指導をしてまいっております。これははっきり申し上げます。
 しかし、いまになって考えますれば、それも少し甘過ぎたような感じでございまして、今回の事件を省みますと、こちらがたとえば四人で行きますと、千円のものが四千円になります。ところが、それは四千円ではなくて、実際問題としては万の昼飯代になっておるわけなんです。だから、そういう面も今度はきちっと払うなり、自分でとって自分で払うなり、何かそこら辺、もう少し抜本的に考えたい、こういうふうには考えております。
○丹羽(久)委員 新聞報道によりますと、過去にもそういう問題があったんだということが指摘せられておりましたが、事実そういう接待過剰によるところの問題が取り上げられて論議がせられ、会計検査院としては国民の信頼のためにも姿勢を改めなければならないということで処置せられたようなことが過去にありますか。
○柴崎会計検査院説明員 私からお答えいたします。
 はなはだ残念でございますが、過去にも若干そのような事態がございました。たとえば四十五年あるいは四十八年といったようなことで、わずかではございましたけれども、これに類するような事態がございました。その都度職員に対して通達を発しまして自粛方を指示はいたしておったわけでございますが、また今回乙のような事態になりまして、大変残念に思っております。
○丹羽(久)委員 過去にあったがわずかなことであると言われるが、それは金額がわずかであったか、やった行為がわずかであったのですか。
○柴崎会計検査院説明員 お答えいたします。
 ただいまわずかと申し上げましたのは表現が悪かったと思います。そういった事態の起こった回数が多くなかったという意味合いで申し上げたわけでございまして、その個々の内容としての金額なり事態の悪さという点については、これは決してわずかという事柄ではないと考えております。
○丹羽(久)委員 全く残念ですね。たとえそれが一回であろうと半回であろうと、そういうことが指摘せられた。会計検査院は姿勢を改めなければならぬという考え方に立つときに、ただいまのようなわずかではありましたがというようなことが国民の前で言える言葉でしょうか。私は揚げ足を取ろうと思っておりません。たくさんの人の中にはいろいろの考え方を持つ人がおりますから、全部が全部責任を持って監督することができればそれは結構なことですけれども、そういう不祥事が起きたりそういう問題が起きたときには、やはりその長たる者は責任を持ってこれに対して今後行わないように姿勢を改めなければならぬのでありますが、いまのような答弁だと、少々のことは、わずかなことはという考え方では、何度も何度も繰り返されていく前提になると私は考えてもいいと思うのです。
 もう一度そういう点、国民の前に態度をはっきりして、今度の事件、前回にもあったということに対しての心構えを言っていただきたいと思います。
○佐藤会計検査院長 丹羽委員仰せのとおり、本院の性格上、そういうことは一回あってもいかぬことでございまして、この点は今後ともそれこそ真剣に取り組んでいきたいと存じております。
○丹羽(久)委員 時間を十分よりいただいておりませんので、きょうは特にこうした問題を論議しようとか審議しようとかということではありませんから、もうこれで大体終わりたいと思いますが、先ほどの院長の話で、今後の問題は抜本的に考えてみなければなりませんという答えと、もう一つは、本件の問題を十分に調査していくのであるから、当分わかっている問題に対しての処置をしていきたいという答えがありました。本件の当分の処置というのと抜本的というこの問題で、いまお考えになっていることを率直にひとつ院長からお聞かせいただきたいと思っております。
○佐藤会計検査院長 ちょっと御質問の意味があるいは私の考えているのと違うかもしれませんけれども、本件、今回出来いたしました事態についての責任者の処分の問題を申し上げた次第でございます。
 それから抜本的なというのは、抜本的な防止対策を立てたい、こういうふうに申し上げたつもりでございます。
○丹羽(久)委員 まあきょうの時間はこれで終わりますが、院長にお願いしたいと思いますことは、あのようなことが報道せられてきますと、憲法の独立機関である会計検査院が、そうしたふまじめな、そのようなことによって、もしさじかげんをしてこれの監査をしたとしたら大変なことだと私は思います。それは国民全体もそういう感を抱くでありましょう。だからこれはどうしても徹底的に究明をしていただいて、そしてこのような事件が再び起きないような抜本的な対策を講じていただく、そしてわかっている者に対して厳重な処置をしていただくというような考え方で今後進めていただくことを希望いたしまして、時間がない関係で、私のきょうの質問は終わりたいと思います。
○芳賀委員長 原茂君。
○原(茂)委員 院長も言われたように、まことに遺憾な事態と言わざるを得ないのですが、特に現在のような政治に対する国民からの信頼が非常に薄くなっているような状態のときに、検査院が信を失うようなこの事態というのは、その意味では非常に重要だと思うわけです。
 そこで二、三お伺いをしながら私の意見も申し上げますが、現在新聞等でうわさされ、あるいは社会党の調査による発表等を見ますと、どうも単に五十二年度に八百万円云々の事件があったのではなくて、五十年、五十一年、すでにさかのぼっていけばいくほどにやはり根は深く、しかも同じ事態があると言われているわけです。現在ある程度の調査を進めておいでになると思いますが、その調査というのは、十三日に問題になりました最近の事態だけであって、さかのぼった過年度に対する調査はやっておいでになるかどうか、これをまずお伺いしたいと思います。
○佐藤会計検査院長 今回の五十二年度の問題が非常に積算の内訳その他を細かく洗わなければならぬものですから、当面五十二年度の問題に集中して調査をさせております。しかしながらお説のように、五十一年度、五十年度も同じような事態があるかどうか順次そういう調査を進めて、今後のあり方の資料にしたい、こう考えております。
○原(茂)委員 そういうことになりますと、五十年度でこれが初めて始まったという保証はない以上、もっとずっと過去にさかのぼって徹底的な調査をしませんといけないと思いますが、そのお考えがありますかどうか。もし徹底的な調査をなさるとしますと、いつごろまでにその調査ができることになりますか。全然日限なしで、調査をしますしますで、じんぜん日を過ごしていて――やはり問題をさかのぼって調査をしたが、かくかくの内容だった、これ以上ありません、自今気をつけるというようなことで、国民に対するはっきりした理解を求める必要があると思いますが、一体過年度と言われますが、どこら辺まで調査をなさるのか、それがいつごろ終了するとお考えか、計画をひとつお聞かせいただきたい。
○佐藤会計検査院長 いまのところともかく五十一年度、五十年度ぐらいまでにはさかのぼってみたいとは考えておりますが、さて調査にどのぐらいを要するかになりますと、非常に細かい問題になりますので、バウチャーの裏づけを一々しなければなりませんので、少し時間をかしていただきたいと思うのでございます。しかし、おっしゃるようなそう長い期間は必要ないかと思っておりますけれども、暫時時間をおかし願いたいと思います。
○原(茂)委員 いまの御答弁で、五十年度まではさかのぼってみたいとお考えのようですが、五十年度で切るということは不当だと私は思う。やはりその前にもさかのぼって十分調査をしました、結果はこうだということになりませんと、検査院の権威というものは守っていけないと思いますから、もっとさかのぼることをやるべきだと思うのですが、もう一度この点に対して……。
○佐藤会計検査院長 どこまでさかのぼるかの問題でございますが、一応私の目安といたしましては、そういう事態が一体どこから続いているかというようなことが判断の目安ではないかと思うのです。それで、さしあたり五十一年度、五十年度と調べましてそういう事態がないということなら、もうさかのぼらなくてもいいのじゃなかろうかと私は思うのですが、その場合になお出てくるのならまたさかのぼらざるを得ない、こういうふうな考えでございます。
○原(茂)委員 中央の省庁では今回が初めてなのですが、先ほども答弁がありましたように、府県段階では過去この種の問題があったわけであります。古いのは四十五年にあり、四十八年というように問題が指摘されたわけでありますから、四十五年に府県段階であったと同じ性質のものが、今回中央官庁を相手に起きたわけでありますから、私は、一応の目安としては四十五年度まではきかのぼってみる必要があるというように思いますが、いかがですか。
○佐藤会計検査院長 これは証拠書類の問題が、いま五年しか保存してありませんので、それで、それ以前のものになりますと、裏づけの段階でちょっと不可能じゃなかろうかという感じがしておるのですが……。
○原(茂)委員 そうすると、五年間はさかのぼってできますね。
○佐藤会計検査院長 五年間はできるのではなかろうかと思います。
○原(茂)委員 それなら、最小限度証憑書類等の問題があるのなら、五年間はさかのぼって調査をするということをはっきりと計画を立てておやりになる必要があると思いますが、どうでしょうか。
○佐藤会計検査院長 これは先ほども申し上げましたように、そういう事態がどこら辺から始まっているか、あるいはずっと続いているか、それによって調査の目安を一応立てるのが至当ではなかろうかと私は思うのです。
○原(茂)委員 これは院長と私の見解の相違なので、この種の問題が起きたときに調べようと思えば、その証拠書類があるという五年間にさかのぼって、そこからまず調べ始めるということが当然なので、五十一年、五十年を調べてみて五十年になかったから四十九年もないだろう、こういう考え方の方が何か非常に粗漏な考え方のように私は思いますが、証拠書類があるなら五年間さかのぼって、それから以後はこの際徹底的な調査をするというふうにすべきだと思いますが、もう一度、ひとつ押して考えを聞かせてください。
○佐藤会計検査院長 なるほど先生のおっしゃるのが徹底したやり方かもしれません。しかし、私どもといたしましては、これは弁明に聞こえてははなはだあれなんですけれども、いま検査報告の時期を迎えておりますし、その方の仕事も大事な仕事でございまして、そんな関係もありまして、一応のいまの目安としてはそういう段階でやりたい、こう私は申し上げている次第です。
○原(茂)委員 いわゆる検査段階に来ていて、これは五十一年度の検査でしょうけれども、非常に大変だろうということはわかります。しかし、いまおっしゃったように一応の目安なんですから、手があいて調査ができる段階になったら、疑惑を晴らすために五年はさかのぼってやるということにこれはぜひすべきだと、私、特に強く主張しておきますので、今後ともできる限りやっていただくようにお願いをしたい。
 そこで、今度の具体的な問題について一つ事務的なことをお伺いするのですが、会計検査に出張をされた人が、帰ってきて報告書を出していると思うのです。その報告書の中に、昼飯、夕飯時においていま言ったような事態が起きたときには、それが何らかの形で報告されていなければ、公用で出張をしておきながら、夕方五時に仕事が終わって、その後二時間でも三時間でもその種の接待を受けたという、その二、三時間というものは報告の中で非常に貴重な時間としてのウエートを占めるわけですから、そういうものが何らかその報告の中に入っているんじゃないかと思うのですが、報告にはその種のことは一切記載をしないでいいようにしているのかどうか。
 時間の都合で申し上げますが、先ほどから院長が答弁されましたように、少なくともこの種のことは、いわゆるモラルは厳に守らなければいけないということはよく通達をしてあるし、徹底をしてある、しかし昼飯程度のものはおつき合い程度で云々というお話がありましたけれども、しかし、接待等を受けるというようなことは避けるようにということを厳重に徹底させている以上、報告体系の中に、その種のことがあったときに何らかの形で報告をする項目があるかないかは非常に重要だと思う。注意をした以上は、その注意に従っているかどうかを報告体系の中に一項目を設けておくということがあれば、それをブランクで出すということは何か意図的なものであり、何かあったら必ずここに書かなきゃいけないということを規定しておけば、相当程度本人の良心に問うことができるだろうと私は思うのですが、そういった報告体系はないのでしょうか。
○柴崎会計検査院説明員 私ども、検査に参りまして帰庁をいたしますと、役所の中では申報書と呼んでおりますが、検査出張の検査結果についての報告書を作成いたしまして上司に報告する、こういう制度をとっております。それで、いま先生がおっしゃいましたような、要するに今回の事件に関連したような報告事項の記載ということについては、実はいままで考えておりませんで、もっぱら内容は、何月何日はどこで、何月何日はどこでどういう検査をした、検査の結果どういうような事項があったかというような検査そのものに関する事項でございまして、いまお話のありましたような出張間の行動についての報告記載事項ということは、実はいままで考えておりませんでした。
○原(茂)委員 今後どうします。
○佐藤会計検査院長 そういう点も抜本的対策として考えたいと存じております。いままで問題が多かったのは大体夕食の問題ですね。これがいままで非常に多かったのです。それで私どもとしては、出張したらいわゆる宿泊料ですね、宿へ泊まった場合の宿泊料等の領収証は必ず保管しておけ、申報書とは別の袋に、関係書類としてその中へ全部入れておくというふうな指導はしてまいっておりましたのですが、昼飯をどこでどんなものを食べたという、そこまで書けというような指導は実はしてまいっておりません。しかし、こういう事態になってまいりますと、そこら辺のことも検討させていただかなければなるまいというような感じがいましております。
○原(茂)委員 今回の事件でもう一つ問題になりますのは、検査院の諸君が接待を強要したのか、建設省の側から逆に押しつけ接待をされてついに断り切れなかったのか、こういう点も非常に重要な問題になるわけなんですが、いやしくも接待を強要するようなあるいはそういうことを暗に誘導するような態度なり発言があったら大変だと思いますが、その点に関しての調査はもうおやりになっていますか。
○柴崎会計検査院説明員 おっしゃるとおりその点は大変重要な点でございますので、私ども新聞に掲載されました日曜日以来、出張いたしました出張官個々に当たりましてその間の事情を聴取し続けておりますが、その間でいままで聞きました限りにおきましては、出張官の方からそのような接待を強要したというような事実は全くございませんでした。
○原(茂)委員 新聞で見ると何人ということが大体、アバウトで出ていますが、調査をされた範囲で、会計検査院の職員としては何名くらいがいま指摘されている問題に関与していますか。
○柴崎会計検査院説明員 五十二名でございます。
 訂正させていただきます。ただいまのは延べでございまして、重複している職員もございますので、実員につきましては後ほど御報告させていただきます。
○原(茂)委員 後ほどというのはいつのことですか。
○柴崎会計検査院説明員 いま……
○原(茂)委員 それを調べてもらっている間に次の質問をします。
 今回の接待費の出どころは一応特別会議費あるいは言われているような何々調査費、たとえば交通量常時観測調査費、直轄国道管理調査費、河川事業調査費、道路計画調査費というものからそれぞれ飲食代、接待費、おみやげ代を、五十二年度いま挙がっているだけで八百万円というものが出されたことになっているんですが、従来、会計検査をやるときに、建設省なりその他の省庁に対して、この種の特別会議費あるいは何々調査費というものの内訳も検査の対象に当然なると思うのですが、それをやってきたんでしょうか。
○柴崎会計検査院説明員 当然、これも支出の内容でございますから、私どもの検査の対象でございまして、本件の場合のような工事事務所に臨みました場合には、一般経理という分野といたしましてこれについての検査もいたしております。
○原(茂)委員 五十二年度の今回のこの件に関してはまだ調査ができていないと思いますが、少なくとも毎年毎年この種の問題は厳密な調査が行われていると思いますが、現在、さかのぼって調査をされようとするときには、この特別会議費なり各種の調査費等に対して専門的にメスを入れてみたら相当のものが過去出てくるだろうというのが私どもの見解なんです。事実そういったものがあるという断定のもとにいろんな証書を集めている、仲間がやっているわけであります。どうでしょうか、現在、先ほど申し上げたようなさかのぼって調査をするというときに、特別会議費なり各種の調査費に関しては至急に、いまの五十二年から五年間さかのぼった調査をこの項目だけにしぼっておやりになる気はありませんか、これから出したことは間違いないのですから。とすれば、同じさかのぼって五年間やるのでも、この面だけスポットを当てて調査をしてみれば相当のものがある程度出てくるのじゃないかと思いますが、そういう調査をなさいませんか。しぼってやったらどうかという提案でございますが、どうでしょうか。
○佐藤会計検査院長 先ほど申し上げましたように、五十二年度はもちろん当面のあれでやりますけれども、それが片づき次第、五十一年度、五十年度とさかのぼって全面的にやりたいと考えておりますが、それから先を調査費だけにしぼるという一つの方法も、確かにおっしゃるようにございます。したがって、私どももそういう線で検討させていただきたいと存じます。
○原(茂)委員 それはぜひやるべきだと思うのですが、ここで委員長にお願いしたいのですが、いま答弁のありました証拠書類、保存期間は五年間ですが、これについて調査をしてその結果を当委員会に報告するように、委員長において取り計らっていただきたいのですが、いかがでしょう。
○芳賀委員長 ただいまの原委員の申し出につきましては、後刻理事会において協議をいたしまして、その結論に基づいて、できるだけ原委員のお申し出のとおり取り計らいたいと思います。
○原(茂)委員 スポットを当ててこの調査費を調査していただきますと、いま忙しい検査中であっても相当の効果が上がると思いますから、この点はぜひいまお話しのようにやっていただくことを私からも切望しておきたいと思うのです。
 それから、今回のことに関与した諸君を何らかの形で処置をなさる、これは非常に大事なことだと思いますが、人間の処分なり処置という前に、やはりなすべきことがたくさんある。いまの制度上の欠陥に対しては十分にこれを摘出して、これに対する対策が十分できない限り、ただ臭い物にふたをするように関係者の処分なり処置をしたというだけでこの問題を過ごすことは、私は不当だと思うし間違いだと思うのです。そのことも大事ではありますが、そのことだけで何か従来ややもすると世間を糊塗してきましたが、そういうやり方では会計検査院の立場上あるいは権威上、問題の解決にはならないと思いますから、そのことと同時に、相当程度責任ある処置というものを検査院としておやりになる、その裏づけとしては、会計検査上のいろいろな欠陥というものを十分にこの際論議をしてえぐり出して、それに対してはこういう方法をとるということをぴしっと明確にしなければいけないと思いますし、この点はどうお考えになりますか。
○佐藤会計検査院長 まことにごもっともな御意見で誠心誠意そういう方向で努力いたしたいと考えております。
 ただ一つ、私どもとしては気をつけなければならぬのは、職員を余り士気阻喪させるようなことをしては、これはまた国家的にマイナスになりますので、そういうことも勘案しながら、職員にも納得のいくような抜本対策あるいは処置というものをやっていきたい、こういうふうに存じます。
○原(茂)委員 これで終わりますが、最後に、現在会計検査院制度そのもののあり方についても当然検討をなさっておいでになると思います。私も、委員長以下先日海外の検査院制度を調査してまいりまして、大変得るところがありました。その意味では、やはり海外におけるこの種の問題の起きたときの処置の仕方、いままで処置をしてきた事例、こういうものを十分に参考にして、これを機会に検査院そのもののあり方自体をやはり制度上の問題としてとらえて、抜本的に改めるべきは改めるということをおやりになりませんと、井の中のカワズで、間々、諸外国の例をいろいろ勉強し調査をしているとお聞きしておりますけれども、やはり井の中のカワズになりやすい日本の会計検査制度かと思いますので、この種の問題の起きたときの諸外国の事例というものも十分に参考にして、そうして抜本的な対策の一つとしては、会計検査院制度の改正をも考えるくらいな思い切ったドラスティックないわゆる検討をなさるべきだと思います。これをやっていただきませんと、災い転じて福となすということもありますが、二度とこの種の問題が毛ほども起きてはいけないという立場に立っていま申し上げているわけですが、ぜひともいま私が申し上げたようなことを十分しんしゃくして、ある意味では大胆にみずからのあり方、制度そのものの改革にまで手をつけるというくらいないわゆる勇気を持ってこれに対処していただき、先ほど申し上げたように、やはり検査院としての今回の問題の責任のあり方というものを総合的にしっかりと国民の目の前に出していただくようにぜひしたいものだ、こう考えますが、この点最後に御意見を聞いて終わります。
○佐藤会計検査院長 こういう接待問題で外国の検査院がどうしているかということは、実はいままで聞いたことがございませんですが、そういうことも今後の対策を考えていく上においては非常に貴重なことと思いますので、そういうことも努力してみたいと思いますし、それから、ひいて会計検査院制度自体についても皆様方の御意見も拝聴しつつ検討していきたいと存じております。
○柴崎会計検査院説明員 先ほどお尋ねございました本件に関係いたしました職員の人員は、実員で三十四名でございます。
○原(茂)委員 終わります。
○芳賀委員長 林孝矩君。
○林(孝)委員 先ほど説明がございましたように、この会計検査院に対する建設省のもてなし、こういう形が四十五年、四十七年にも類似したものがあったという説明でしたが、この四十五年、四十七年のこれに類する事件というのはどういう事件ですか。
○柴崎会計検査院説明員 四十五年のケースは、やはり建設関係の補助事業の検査でございますが、県に検査のため出張中に検査の個所を離れてゴルフの接待を受けたというケースでございます。
 それから、四十八年のケースでございますが、これは政府機関、政府関係でございますが、やはり出張中の酒食の接待を受けたというケースでございます。
○林(孝)委員 それから、この新聞報道を見ますと、十一カ所に及んで接待費が使われているわけでありますが、この事実を、建設省の官房長がこの十一カ所のうち十カ所までは報道のとおりであるというふうに認めたという報道がなされております。会計検査院の方は、この新聞報道の内容について事実関係は、建設省は調査の結果認めた発表をけさしているわけですけれども、会計検査院の方はどうでしょうか。
○柴崎会計検査院説明員 私どもの方も、手持ちの資料等に当たりまして鋭意内容の確認をいたしておりますが、実は先ほども院長が御説明申し上げましたとおり、私どもの手持ちの資料だけでは実態のつかめない、要するに建設省の内部資料によらないと実態のつかめない面もございますので、私どもの方で現在確認できておりますのは、この十一工事事務所のうち五つの工事事務所の分でございます。
○林(孝)委員 五カ所について事実が判明したということと理解していいですか。
○柴崎会計検査院説明員 そのとおりでございます。
○林(孝)委員 それから、この内容を見ますと、たとえば大阪国道事務所の場合に、四人の検査官に対して百三十万が接待費として使われておる、こういうふうになっておりますが、こういう形のもの、項目が交通量常時観測調査費を流用した、会計検査からいってこういう形の調査費の流用というものは適切なんですか。
○柴崎会計検査院説明員 この調査費の中からこのような経費を支出するという乙とについては、今回の事件がありまして初めて知ったわけでございますけれども、建設省では、この調査費の内容といたしまして、会議費的なものも含んでいるということで大蔵省との間の予算の積算を得ている、このような説明でございます。私どももこの点は大変関心を持たなくてはならないところでございますので、この点の当否については現在検討中でございまして、果たしてこの調査費からこういうたぐいの支出が妥当であるかどうか。形式的には、建設省と大蔵省との間で、予算の積算段階で、このような会議費的なものを調査費の中から支出するということについての意思の合致はできているようではございますけれども、この点についてはなお検討いたしていきたい、このように考えております。
○林(孝)委員 そういうお金の使い方が適切であるかどうか判断するところが接待を受けているからこれまた問題になるわけですが、会計検査官がこうした接待を受けたということの結果、国家公務員法であるとかあるいは刑法であるとか、会計検査院長として、こうした事案はどのような法に触れるとお考えですか。
○佐藤会計検査院長 先ほどの刑法の問題は、これは私、ちょっと専門家でもございませんし、答弁いたしかねますが、公務員法の問題については、信用失墜という条項がございますので、それにあるいは触れる場合もあろうか、それは検討さしていただかないといけませんけれども、公務員法の問題はあろうかと存じます。
○林(孝)委員 それでは、建設省が会計検査院にこうしたもてなしをなぜやらなければならないか、お考えでしょうか。
○佐藤会計検査院長 なぜやらなければならぬ、非常にむずかしい御質問ですけれども、これは一つは儀礼的なものもあろうかと思います。それから、これは建設省の意図でございますので、建設省に聞かないと私どもの方は何とも正確なところはわかりませんけれども、そんたくすれば儀礼的な問題が一つ。
 それからもう一つは、検査をずっとしておりますと、お互いにそこに、こういうこともざっくばらんに聞いてみたい、ああいうことも相談してみたいというようなこともあったりいたしまして、ひとつビールでも飲みながらざっくばらんに話し合いたいというような気持ちもあったかと思います。それ以上どういう気持ちがあったかということになりますと、これは私、建設省の人間でございませんのでちょっと答弁いたしかねる次第でございます。
○林(孝)委員 その儀礼的な面というのは、これは非常にスケールの小さいものだと思います。しかし、ここに出ている数字なんというのは、四人で百三十万だとかいうこういう接待費は、これはもう儀礼的なものではないですよ。だから問題にもなっているわけですけれどもね。建設省が会計検査に来た検査官になぜそこまでするかということを推測すれば、そういう形で会計検査を厳正公平にという一つの趣旨に基づいてやられたら、ちょっとこれは問題があるというような場合に手心を加えてもらいたいというような意図があってこうした接待をしたのかといようなことまでも私は問題だと思います。でなかったら、ここまで何にもする必要ないわけです。なぜ、何のためにこうした接待を会計検査院にするのかという問題、これは非常に重大なことだと思います。
 もう一つは、こういうことは建設省だけなのか、他の省庁においても行われているのかどうかということ、これがまた一つの疑惑として考えられるわけです。いまここに出ている、公にされた建設省だけの問題として論じられているわけでありますけれども、果たして他の省庁において同じようなことが、会計検査院との間に、検査官との間に行われているのではないか。行われているとしたならば、これは日本の会計検査というものが全く信用できない。決算委員会に会計検査院の説明を求めて各省庁の決算を進めているわけでありますけれども、こうしたことが各省庁間において行われているとしたなら、これは会計検査院のいままで説明をしてきたことが全部過去にさかのぼって信用できない。そうした説明を国会に会計検査院がしてきたのだということになってしまうわけですね。したがって私は、この際に、会計検査院の先ほどからの説明を聞いておりますと、抜本的に対策を立てる、全力を傾けて実態を調査するということでありますから、この建設省の問題を含めて、会計検査全体にわたってこうしたことが行われておるかおらないかという点検をぜひやらなければならないんではないか、このように考えますが、会計検査院長の見解はいかがでしょうか。
○佐藤会計検査院長 まことにごもっともな御意見でございまして、私ども、こういう事態が起きた以上は、これに類したようなことがないかどうか、もちろん気をつけてまいりたいと思います。
○林(孝)委員 私が質問しておるのは、この際、建設省だけではなしに、他の省庁にもまたがって会計検査が厳正公平に行われているかどうか、そういう点検をやるべきではないか、こういう意見なんです。
○佐藤会計検査院長 私の答弁の言葉が少なくて失礼いたしましたが、そういうつもりで申し上げた次第でございます。
○林(孝)委員 それから、そうした点検の結果を必ず公表していただきたい。
 これは委員長にもお願いするわけでありますが、検査院の会計検査の点検の結果というものを当委員会に報告願いたい。委員長に取り計らいをお願いいたします。
○芳賀委員長 林委員に申しますが、ただいまの御発言については、原委員のお申し出と同じように、後刻理事会において十分協議をいたしまして、お申し出のとおりに進めたいと思います。
○林(孝)委員 終わります。
○芳賀委員長 安藤巖君。
○安藤委員 いま問題になっております建設省の会計検査院に対する供応接待の問題、これは二つの点で大きな問題があるというふうに思っております。
 一つは、いまほかの委員の人たちからも出されましたけれども、これは国民の税金のつまみ食いということになるわけですね、調査費の問題にいたしましても。それから、新聞の報道によりますと、道路費も一部流用しているというような報道もあるわけです。だから、この問題はそういう意味からも徹底的に調査されなければならぬというふうに思います。
 それからもう一つは、今後の問題ですね。今後の問題はいろいろおっしゃっておられるのですが、それもすぐ後でお尋ねしますけれども、検査に手心を加えてもらいたいので供応したのではないかという話が出ましたが、こういうような供応を受けたことによって検査に手心を加えているんではないかという非常に大きな、重大な疑惑がもう生じていると思うのです。それをどうするか。この二つの問題があろうと思います。
 そこで、先ほど検査院長は、接待は受けるべきではないという原則がある、しかしこの原則に対する対応の仕方が甘かったというふうにおっしゃってみえておるのですが、甘かったどころではなくて、これは完全に崩れているのじゃないかと思うのですね。だから、甘かった、先ほどの交際費ですか、それからざっくばらんのためにビール云々ということをおっしゃったのですが、それはその原則に外れて、今後は絶対そういうことはやっちゃいけないということになるのかどうか、その辺のところをお伺いしたいのです。
○佐藤会計検査院長 そこら辺の問題は、率直に申し上げますと、非常にデリケートな部分になりますからなお検討さしていただきたいと申し上げたいのです。と申しますのは、国の会計経理がうまくいくようにということが私どもにとって何よりも大事なことなんです。それに対してプラスになるかどうかの問題も一つの判断基準だと思うのです。したがって、どの程度までこれを縛り上げるかという問題になりますので、いまここでちょっと検討の時間を与えていただきたいと思うのです。
○安藤委員 いまのそういうようなところが、アリの穴から堤防が決壊するというような事例もあるわけですね。だから、そういうところから、本件のような接待費が膨大な金額になっているというようなことになって問題になっているんじゃないかと思うのですね。だから、その辺のところをはっきりしていただかぬと困るのですが、その辺はどうなんですか。それをまず最初にどうしてもお伺いしたいのです。
○佐藤会計検査院長 たとえば極端な例を申し上げますれば、お茶一杯飲んでいかぬというのが一番はっきりしておるのです。ところが、そこまでやって果たしていいことかどうか、そういう判断もやはり私はしなくちゃならぬのじゃないかと考えておるのですが、御了解いただけないでしょうか。
○安藤委員 いや、接待ということは別にいいのです。お茶を出したり、簡単なお茶菓子を出す程度だったら普通の話だと思うのです。しかし、私が問題にしているのは、それを越えた意味での先ほどおっしゃった接待、それからビールが出てくるわけでありますから、そういうことになりますと、そこから穴がだんだん大きくなっていく、それを認容されているということになれば、本件のようなことにまたなってくるんじゃないかということです。だから、その点をきちっとすべきだということを、その決意をきちっとお聞きしたい。
 もう一つ。これはすぐお答えいただきたいのですが、会計検査院の方から、本件の場合は建設省ですが、建設省の工事事務所へ検査官が派遣されるということになったときに、建設省の本省の方からその工事事務所に対して、だれだれ検査官がいつ幾日行く、この検査官の年齢はこうで性格はこうで好みはこうだというようなことを連絡するというようなことを聞いておりますが、そういうようなことは検査院としては把握しておられるかどうか。
○佐藤会計検査院長 そういうようなことがあるということは私耳にしております。これは私が検査される立場に立ったら恐らく私もやるだろうと思います。あの人はこういう問題が好きだ、だからこういう問題をよく警戒しろというようなことを恐らくやるだろうと思うのです。それから話はこういう話が好きだというようなことは恐らくやるんじゃないかと思うのです。まあそれがいいことかどうかは別といたしまして、そういうことがあるということは聞いたことはございます。
○安藤委員 それは、検査あるいはいろいろ事情聴取についてスムーズにいくという点では、いま検査院長がおっしゃったようなメリットもあるかもしれません。しかしたとえば、あの人は酒が好きだとかなんとかいう嗜好の問題までそういう連絡が行っているということになりますと、本件のようなことに発展する一つの素地をつくっているのじゃないかというような気もするのです。だから、そういうような点についてもこれから厳重に、何とかいい方法を考えていただきたいというふうに思います。
 時間が来ましたから最後に一点だけですが、本件で新聞にいろいろ報道されている接待供応の事実があるわけです。そして検査がなされて報告書が出されていると思いますけれども、最初に申し上げましたように、手心を加えたのではないかというような非常に大きな疑惑が国民の間にいま猛然と盛り上がっていると思います。だから、この検査の内容に対して検査院としてもう一度洗い直してみるというようなことはお考えになっているのかどうかお尋ねします。
○佐藤会計検査院長 検査院が建設省側に丸め込まれているという事態があれば御指摘いただきたいのですが、私はそういうことはいままでの検査報告では絶対にないと確信しておるのです。もしあれば御指摘願いたいと思います。
○安藤委員 もちろんその問題については私どもできちっと調査の上で指摘する用意がありますけれども、いまこの段階で、こういうふうに大きく報道されて国民全部が知っているわけです。疑惑を持っています。だから、これを検査院としてはもう一度洗い直してみるというようなことをおやりにならないと、最初に検査院長がおっしゃった憲法上の独立機関云々というような点がぼやけてくるのではないかというふうに思うのです。だからそういうことはいまのところ全く考えていないのか、あるいはそういうことも考える余地もあるのか、その辺のところはいかがですか。
○佐藤会計検査院長 そういうことはないというふうに私確信しておりますし、また局長の方も、出張の復命を通じあるいは申報書を通じてしさいに検査の状況を目で見、また本人から聞いていろいろ判断しておるのでございます。したがって、現在のところ私はそういうことは絶対なくて見直す必要はないというふうに考えておりますが、もしそういう点で疑問の点がございましたらどんどん御指摘願いたいと思います。
○安藤委員 終わります。
○佐藤会計検査院長 今回いろいろと御迷惑をおかけしまして、また国民の信頼を裏切るようなことをでかしまして、まことに遺憾に存じます。重ねておわび申し上げまして本日は終わらせていただきます。
    ―――――――――――――
○芳賀委員長 次に、総理府所管中警察庁、北海道開発庁、北海道東北開発公庫、自治省所管及び公営企業金融公庫について審査を行います。
 それでは順次概要説明を求めます。
 まず小川国務大臣から警察庁、北海道開発庁及び自治省所管について概要の説明を求めます。小川国務大臣。
○小川国務大臣 昭和五十年度の警察庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 昭和五十年度の歳出予算現額は、九百十二億六百三十一万三千八百九十七円でありまして、支出済歳出額は、九百八億一千五百三十六万三千百八十九円であります。
 この差額三億九千九十五万七百八円のうち翌年度へ繰り起した額は三億四千七百三十六万二千百十一円でありまして、これは警察庁庁舎等の施設新築の際に環境問題等について地元住民及び関係機関との調整が難航したこと等により、年度内に支出を完了することができなかったものであります。
 また、不用となった額は四千三百五十八万八千五百九十七円であります。これは職員に欠員があったので、職員諸手当を要することが少なかったため等であります。
 次に、支出済歳出額の主な費途について、その大略を御説明申し上げますと、
 第一に、警察庁の経費として五百六十八億一千四百四万八千六百九円を支出いたしました。これは、警察庁自体の経費及び都道府県警察に要する経費のうち警察法の規定に基づき国庫が支弁する経費として支出したものであります。
 第二に、科学警察研究所の経費として五億三千百四十三万七千六百四十一円を支出いたしました。これは、科学捜査、防犯及び交通についての研究、調査等のための経費として支出したものであります。
 第三に、皇宮警察本部の経費として三十一億八百二万六百二十六円を支出いたしました。これは、皇宮警察の職員の給与その他皇居の警備、行幸啓の警衛等の経費として支出したものであります。
 第四に、警察庁施設費の経費として三十六億一千五百三十万四千三百十三円を支出いたしました。これは、警察庁関係の施設を整備するための経費として支出したものであります。
 第五に、都道府県警察費の補助として二百六十七億二千八百九万一千円を支出いたしました。これは、警察法に定めるところにより、都道府県警察に要する経費の一部を補助する経費として支出したものであります。
 第六に、他省庁から移しかえを受けて支出した経費は、科学技術庁から国立機関原子力試験研究費として九百三十五万四千円、環境庁から国立機関公害防止等試験研究費として九百十万七千円を支出したものであります。
 以上、警察庁関係の歳出決算について御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
 昭和五十年度における北海道開発庁の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 北海道開発庁は、北海道総合開発計画について調査、立案し、及びこれに基づく事業の実施に関する事務の調整、推進を主たる任務としております。
 当庁に計上されている経費は、北海道開発計画費及び一般行政費等並びに北海道開発事業費でありますが、このうち開発事業費につきましては、総合開発の効果的な推進を期するため一括計上されているものでありまして、治山治水対策、道路整備、港湾空港整備、農業基盤整備等の事業費であります。
 昭和五十年度の当初歳出予算額は三千百六十八億三千六百五万円余でありましたが、これに予算補正追加額二百九十九億四千八百万円余、予算補正修正減少額一億四千百九万円余、予算移しかえ増加額五百十六万円余、予算移しかえ減少額千二百四十八億二千三百八十八万円、前年度繰越額八十二億八千四百二十四万円余、予備費使用額三千九百八十万円余、流用等減少額五億四百七十六万円余を増減いたしますと、昭和五十年度歳出予算現額は二千二百九十六億四千三百五十三万円余となります。
 この歳出予算現額に対し、支出済歳出額は二千二百八十二億四千百四十八万円余、翌年度繰越額十億七千九百十二万円余でありまして、その差額三億二千二百九十二万円余は不用額であります。
 開発事業の執行に当たりましては、関係各省所管の一般会計への移しかえまたは特別会計への繰り入れの措置を講じ、直轄事業については、北海道開発局が、補助事業については道、市町村等が実施に当たっているものでありますが、各省所管別に移しかえ及び繰り入れの状況を申し上げますと、移しかえた額は、厚生省所管へ六千四百五十四万円余、農林省所管へ九百五十一億七千九百九十三万円、運輸省所管へ二億七千八十万円、建設省所管へ二百九十二億四千八百六十万円余、通商産業省所管へ六千万円、合計千二百四十八億二千三百八十八万円であります。
 また、特別会計への繰り入れとして支出した額は、農林省所管の国有林野事業特別会計へ五十九億三千二百一万円余、運輸省所管の港湾整備特別会計へ百八十二億三千九百八十万円余、運輸省所管の空港整備特別会計へ十八億七千三百十二万円余、建設省所管の治水特別会計へ四百四十二億六千五百三十五万円余、建設省所管の道路整備特別会計へ千百八十一億三千四百四十四万円余、合計千八百八十四億四千四百七十四万円余であります。
 次に、その他の経費の支出につきましては、北海道開発庁の一般行政費で六十五億八千七百七十万円余、北海道開発計画費で一億四百四十三万円余、北海道開発事業指導監督費で三億六千百二十三万円余、北海道開発事業の各工事諸費で三百二十七億六百十八万円余、北海道特定開発事業推進調査費で三千百九十九万円余、総理府所管科学技術庁から移しかえを受けた特別研究促進調整費で五百十六万円余であります。
 以上、北海道開発庁の決算の概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
 昭和五十年度における自治省所管の決算につきまして、概要を御説明申し上げます。
 一般会計の歳出決算につきましては、歳出予算現額は、当初予算額四兆五千二百八十八億八千四百六十一万円余、予算補正追加額四百二十二億三千百二十九万円余、予算補正修正減少額一兆一千十九億四千三百四十八万円余、総理府所管から移しかえを受けた額七百十万円、前年度繰越額五億三千四百九十九万円余、予備費使用額八億九千二百八十六万円余、合計三兆四千七百六億七百三十九万円でありまして、これに対し、支出済歳出額は三兆四千六百九十八億八千八百七十七万円余で、差額七億一千八百六十一万円余を生じましたが、この差額のうち翌年度繰越額は三千六百三十五万円、不用額は六億八千二百二十六万円余であります。
 以下、支出済歳出額の主なものにつきまして、御説明を申し上げます。
 まず、地方交付税交付金でありますが、歳出予算現額は三兆三千八十一億六千万円、支出済歳出額は三兆三千八十一億六千万円でありまして、全額支出済みであります。この経費は、交付税及び譲与税配付金特別会計法に基づき、昭和五十年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額の合算額を、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れたものであります。
 次に、臨時地方特例交付金でありますが、歳出予算現額は二百二十億円、支出済歳出額は二百二十億円でありまして、全額支出済みであります。この経費は、地方財政の健全な運営に資するために、昭和五十年度における地方交付税及び地方債の特例に関する法律に基づき、昭和五十年度限りの特例措置として、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れたものであります。
 次に、臨時沖繩特別交付金でありますが、歳出予算現額は二百九億円、支出済歳出額は二百九億円でありまして、全額支出済みであります。この経費は、沖繩の復帰に関連する特別措置として、沖繩県及び同市町村に交付する必要があると見込まれる地方交付税交付金の財源の一部を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れたものであります。
 次に、交通安全対策特別交付金でありますが、歳出予算現額は四百九十五億九千四百五十九万円余、支出済歳出額は四百九十五億九千四百五十九万円余で全額支出済みであります。この経費は、交通安全対策の一環として、反則金に係る収入額に相当する金額を、道路交通安全施設の設置に要する費用に充てさせるため、都道府県及び市町村に対し、交通安全対策特別交付金として交付したものであります。
 次に、地方債元利助成費でありますが、歳出予算現額は六十九億七千六百八十六万円余、支出済歳出額は六十七億七千五百五十七万円余、不用額は二億百二十八万円余となっておりまして、この経費は、新産業都市の建設及び工業整備特別地域等の整備に係る地方債の特別調整分に対する利子補給金として、道府県に対し、交付したもの等であります。
 次に、地方公営企業助成費でありますが、歳出予算現額は百七十四億一千七十九万円余、支出済歳出額は百七十三億八千六百七十七万円、不用額は二千四百二万円余となっておりまして、この経費は、公営地下鉄事業特例債の利子に係る助成金として、地方公共団体に対し、交付したもの等であります。
 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金でありますが、歳出予算現額は八十六億円、支出済歳出額は八十六億円で全額支出済みであります。この経費は、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し交付したものであります。
 次に、消防施設等整備費補助でありますが、歳出予算現額は六十三億一千五百六十七万円余、支出済歳出額は五十九億九千七百八十三万円余、翌年度繰越額は三千六百三十五万円、不用額は二億八千百四十九万円余となっておりまして、この経費は、消防施設等の整備に要する経費の一部を関係地方公共団体に対し補助するために要したものであります。
 以上が一般会計歳出決算の概要であります。
 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計の決算につきましては、歳入予算額は、当初予算額四兆八千三百十三億四千二百四十一万円余、予算補正追加額一兆一千六百二十一億七千四百万円、予算補正修正減少額一兆一千四億八千万円、合計四兆八千九百三十億三千六百四十一万円余でありまして、これに対し、収納済歳入額は四兆九千百二十一億九千二百四十八万円余となっております。
 また、歳出予算現額は、当初予算額四兆八千三百十三億四千二百四十一万円余、予算補正追加額六百十六億九千四百万円、予算総則の規定による経費増額百五十九億五千八百六十一万円、合計四兆九千八十九億九千五百二万円余でありまして、これに対し、支出済歳出額は四兆九千八十億六千七百十八万円余、不用額は九億二千七百八十四万円余であります。
 不用額を生じましたのは、一時借入金利子等を要することが少なかったこと等によるものであります。
 支出済歳出額の主なものは、
 第一に、地方交付税交付金四兆四千七百十億五千百六十七万円余でありまして、これは、地方団体の基準財政需要額が基準財政収入額を超える場合にその財源不足額に応じて必要な財源を、また災害その他特別な財政需要等に対し必要な財源を、それぞれ地方団体に交付したものであります。
 第二に、地方譲与税譲与金二千四百八十一億五千六百八十六万円余でありますが、これは、地方道路譲与税譲与金、石油ガス譲与税譲与金、航空機燃料譲与税譲与金、自動車重量譲与税譲与金及び特別とん譲与税譲与金として関係地方公共団体に譲与したものであります。
 以上、昭和五十年度自治省所管決算の概要を御説明申し上げました。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○芳賀委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。松田会計検査院第二局長。
○松田会計検査院説明員 昭和五十年度警察庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○芳賀委員長 次に、松尾会計検査院第三局長。
○松尾会計検査院説明員 昭和五十年度北海道開発庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○芳賀委員長 次に、前田会計検査院第一局長。
○前田会計検査院説明員 昭和五十年度自治省の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めたものはございません。
○芳賀委員長 次に、北海道東北開発公庫当局から、資金計画、事業計画等について説明を求めます。吉田北海道東北開発公庫総裁。
○吉田説明員 北海道東北開発公庫の昭和五十年度決算について概要を御説明申し上げます。
 当公庫は、昭和五十年度におきまして、当初は、前年度事業計画からの繰り延べ額五十億円を含め、総額千百二十億円の出融資、うち貸付千百十億円、出資十億円を予定しておりました。
 これに対し実績は、苛性ソーダ緊急融資向け資金が予定を四十九億六千万円下回ったことなどにより、貸付千六十九億五千五百万円、出資八千五百万円、合計千七十億四千万円となりました。
 これらの原資調達状況は、政府出資金十六億円、政府借入金三百六億円、債券発行五百七十二億九千万円、うち政府保証債四百四十七億九千八百万円、政府引受債百二十四億九千二百万円、及び自己資金百七十五億五千万円、合計千七十億四千万円となっております。
 この年度の決算は、貸付金利息収入、滞貸償却引当金戻入等の益金総額が五百二十五億三千三百七十二万円余、支払い利息、事務費等の損金総額が滞貸償却引当金繰り入れ前で三百五十三億三千百五十一万円余となり、差額百七十二億二百二十一万円余のうち滞貸償却引当金として百六十二億八千五百四十四万円余、うち当該年度引き当て純増額十億六千七百四万円余を繰り入れました後、利益金九億千六百七十六万円余を生じました。この利益金の発生は、大蔵大臣通達に基づき、当該年度決算より滞貸償却引当金の繰入率の変更がなされたためでございまして、これは全額国庫に納付いたしております。
 かくいたしまして、昭和五十年度末における主な資産の状況は、貸付金残高四千三十三億四千百二十八万円余、出資金四十五億七千二百五十万円となり、これに対する政府出資金は百三十九億円、また主な負債の状況は、政府借入金残高千百八十四億八千七百十万円、債券発行残高二千六百七十億千六百三十万円、滞貸償却引当金残高百六十二億八千五百四十四万円余となりました。
 以上、昭和五十年度北海道東北開発公庫の決算概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○芳賀委員長 次に、公営企業金融公庫当局から、資金計画、事業計画等について説明を求めます。細郷公営企業金融公庫総裁。
○細郷説明員 公営企業金融公庫の昭和五十年度の業務概況について御説明申し上げます。
 昭和五十年度における貸付計画額は、当初二千七百九十八億四百万円でありました。
 これに対し、貸付実行額は二千七百十二億千三十万円であり、前年度と比較して一六%の増になっております。
 一方、この原資としては、産業投資特別会計からの出資金三億円、公営企業債券の発行による収入二千二百十二億三千十五万円、及び貸付回収金等の資金四百九十六億八千十五万円を充てたのでございます。
 なお、当年度における元利金の回収額は千四百五十九億三百六十四万円余でありまして、延滞となっているものはございません。
 貸付実行額の内訳は、地方公共団体の営む上水道事業、地域開発事業、下水道事業等に対するもの二千五百二十六億九千七百四十万円、地方道路公社及び土地開発公社に対するもの百八十五億千二百九十万円となっております。
 以上により、当年度末における貸付残高は一兆二千百八十四億六千九百七十万円余になり、前年度末残高と比較して二〇%の増になったのでございます。
 以上のほか、短期貸付として六百八十三億二百万円の貸し付けを行いました。
 また、当年度は、公営企業債券の発行条件の改定により、基準貸付利率が八・八%に引き下げられました。一方、公営競技納付金を原資とする公営企業健全化基金の運用益により上水道、工業用水道、下水道、交通、市場、電気、ガスの各事業及びこれらの事業の借りかえ債について〇・八%の利下げを行いました結果、上水道、工業用水道、下水道、交通、市場、電気及びガスの七事業については国の補助金等による〇・三%の利下げと合わせて七・七%になり、また借りかえ債については八・〇%になりました。
 また、農林漁業金融公庫から委託を受けて、公有林整備事業及び草地開発事業に対し百四十四億四千二百九十万円の貸し付けを実行しました。このため、受託貸付の当年度末における貸付残高は六百九十四億千三百十九万円余になっております。
 次に、当年度における公営企業債券の発行額は二千八百十二億七千万円でありまして、このうち公募債が千二百五億七千万円、縁故債が千六百七億円であります。
 なお、これらの債券の発行による収入のうち五百六十七億七千二百万円は、昭和四十三年度に発行した債券の満期償還に必要な資金に充てたものであります。また、縁故債のうち三百二十一億三千万円は、低利の債券を、発行いたしました。
 次に、公営企業健全化基金について申し上げますと、当年度における公営競技納付金の収入額百四十四億五千七百十万円余を基金に充て、当年度における基金の運用益から基金の管理費用及び利下げ所要額を差し引いた残額二十一億七千六百九十三万円余を基金に組み入れました結果、当年度末における基金総額は六百四十八億八百九十四万円余になりました。
 次に、収入、支出の状況について申し上げますと、収入済額は、収入予算額八百二十二億三千三百四十六万円余に対し八百二十六億七千九十三万円余、支出済額は支出予算額八百十一億九千八百万円余に対し八百六億七千二百九十六万円余でありまして、収入が支出を十九億九千七百九十六万円余上回っております。
 また、損益の状況でございますが、貸付金利息等の利益金総額八百六十四億九千六百四十四万円余に対し、債券利息及び事務費等の損失金総額八百五十二億五千五百七十九万円余でありまして、差し引き十二億四千六十五万円余を各種の償却に充当いたしましたので、利益金は生じておりません。
 以上、昭和五十年度公営企業金融公庫の業務の概況について御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
○芳賀委員長 これにて説明の聴取を終わります。
    ―――――――――――――
○芳賀委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馬場猪太郎君。
○馬場(猪)委員 先ほど会計検査院長の御弁明を聞いておりましたが、何か非常に毅然としたところがないように感じました。そこで、北海道開発庁あるいは自治省、警察庁について会計検査院としては全く疑義もないし不正なこともないと先ほど認められたこの文章が、何か空疎なものに感じられます。そういう意味で、本当になかったのかどうか。各担当の局長さんに、あなたはいま現在の部下に対してどの程度の接待なら応じていいのかというような指導をなさっておるのか、そしていままで、過去五年間にそういう軽い茶菓程度のことであってもトラブルがあったかないか、そういう問題について、あるいはまた今回の建設省担当で起こった問題について、皆さん方もうわさとしてお聞きになったことがあるのかどうか。そういったことについてひとつお答えをいただきたいと思います。
○前田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 いろいろ御質問があったように存じておりますけれども、一応、自治省につきましては、私が申し上げましたとおり、特に違法または不当と認めるものはなかった、このように確信いたしております。
 それから、平素の指導方針でございますけれども、先ほど院長が言われました点につきまして、これは厳しく私は言ってまいりましたし、部下もそうしていると私は確信いたしております。しかし、諸先生から御質問ございましたとおり、何も建設省だけの問題ではないではないか、おまえたちも心を入れかえるべきだというお考えに対しましては、私たちも身を慎んで、もう一回再点検いたしまして、先生方に御心配をいただくようなことがないようにしたい、このように考えておる次第でございます。
○松田会計検査院説明員 私どもの方にいたしましても、やはり私の局として警察庁関係、これにつきましては検査の結果指摘する事項はなかった、さように信じております。
 さらにいろいろ御質問のありました点につきましては、先ほど前田局長が御答弁申し上げましたと同じ気持ちでございます。こういう機会にわれわれも再び考え直して本当に身を持していきたい、そういうふうに考えております。
○芳賀委員長 馬場委員に申しますが、松尾第三局長はただいま他の委員会に出席しておりますので、後刻発言を求めることにいたします。
○馬場(猪)委員 具体的に、お茶も飲んではいけないんだぞ、簡単な昼食等でもいけないんだ、そういうような指示までやっておられましたか。それとも皆さんはそういう程度のことは認めていらっしゃいますか。
○前田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 先ほど院長から少し取り組み方が甘かったという御反省の言葉があったわけでございますけれども、安藤先生御指摘のとおり、アリの穴から漏れるではないかと御質問ございましたが、ある程度の儀礼的なものはこれはやむを得ないというような感じがなかったとは私は申し上げません。ただ、実際問題といたしまして、われわれは罪人を検査するわけではございません。会計検査という立場で、一公務員と公務員のぶつかり合いでございます。したがいまして、相手方に失礼があってはならないという程度のことならばという考え方があったことは確かでございます。しかし、やはりこういうことがちりも積もれば山となります。これにつきましては、今後は厳正に、しかも同時に――今度は意思の疎通がむずかしくなる点を私非常に心配いたしておりますけれども、しかし、何も酒を飲まなければ意思の疎通ができないというわけのものではございません。したがいまして、意思の疎通を十分に確保しながら、もうこういう御心配をかけることのないようにするにはどうしたらいいか、日夜私も念じておる次第でございます。
○松尾会計検査院説明員 私といたしましても、もう前田局長と同じ考えでおります。従来から私どもも、前田局長も申し上げましたように、まあお茶ぐらいはというような気持ちがあったことは否めません。だけれども、この機会に、本当に厳正な態度でもって処していきたい、そういうように考えております。
○馬場(猪)委員 ちょっと本筋じゃありませんけれども、しかし大事なことですから、院長だけでなしに、各局長も茶菓程度なら――いま前田局長おっしゃいましたね、飲むようなこともあったと言ったのですが、そういうこともいままで黙認というか認めていらっしゃったのですか。それとも、その程度のことはいいというふうに指導していらっしゃったのですか。
○前田会計検査院説明員 決していいとは存じておりませんでした。
 ただ、われわれは質問と答えという形でもって検査をいたしてまいります。したがいまして、日本人それ自体がわりあいと恥ずかしがり屋と申しますか、何か打ち解けたところがないとお互いに意思の疎通の仕合いがない、これだけは、私が検査課長をやりましたときの経験からいたしましても、やはりあるわけでございます。したがいまして、検査が終わった後に簡単に、たとえば会議室程度で、皆さんが集まりまして、そしてお茶程度でちょっと話をするというようなことはあってもいいのじゃないか、実は私はそう考えておったわけでございます。そのねらいは、決してごちそうになるということではない。検査というのは、どちらかと申しますと、場合によりましては会計検査院は強い立場にございますから、したがって御無理ごもっともと言って引っ込んでしまう場合もあるわけでございます。やはり一応、局長といたしましては、あるいは課長といたしましては、相手方を必要以上に恐怖に陥れて満足に物が言えないといったようなことになっている場合もあるのではないか、こういうようなことも十分警戒いたします。また、そういう逆の御質問を決算委員会あたりで受けることもあるわけでございまして、この点については配慮しなければならない。そのためにはやはり円滑に意思が疎通するということが必要だ、そういったような意味から私は、最小限度その程度はやむを得ないのではないかと考えておりました。これはいままでのうそ偽りのないところでございます。ただ今後は、こういうことをしなくても意思の疎通は十分とれるということは、われわれがみんなで考えてみなければならないことではないか、このように考えておるわけでございます。
○馬場(猪)委員 重ねてお聞きしますが、局長自身も実際にそういう経験がございますか。
○前田会計検査院説明員 ございます。
○馬場(猪)委員 私どもは選挙をやる立場です。ですから、日常の茶菓程度というのに非常に神経を使います。ですから、仕事の上で当然いただくべきささいなものであってもいただかない。場合によっては、後からこちらから支払いしてでも身分を明らかにして私どもはやる、これが通常じゃないでしょうか。商取引じゃないのです。いま言われたところを聞きますと、確かに、日本人の特質としてある程度のアルコールが入らなければ十分に話し合えないというようなこともあるでしょう。そういう体質がやはり今回の建設省の問題にあらわれたのじゃないでしょうか。だから、そういう意味では、先ほどお聞きしますと、どこの担当の方も同じような体質というような感じがいたします。どうも先ほどからお聞きしておりますと、院長を初めとして、反省はしますという言葉はありますけれども、もう一つ厳しさが欠けているような感じがいたしますので、これ以上申し上げませんけれども、もっと厳しさを持っていただくべきじゃないかと思います。私自身がこれを見まして、果たしてこの検査はまともにできておるのかな、何か取引的なことで――取引とまではいかなくても、あいまい寸前じゃないかというふうな印象を持つわけです。これは大きな問題ですので、御注意をいただきたいと思います。
 検査院については、その程度にいたしたいと思います。
○前田会計検査院説明員 ちょっとお答えさせていただきます。
 むろん先ほど院長が決意を披瀝されましたとおり、私も、こういったことはやめねばならないといまはここではっきり申し上げておるわけでございます。
 もう一つ、取引とおっしゃいましたけれども、これは取引ではないのでございまして、私は意思の疎通と申し上げました。これは会計検査上きわめて重要なことでございます。実際問題が、クエスチョンとアンサーという形でもって会計検査は常に進行してまいります。したがいまして、こちらの質問が十分向こうに理解されていない、向こうの答えが十分こっちに理解されていないということがあり得る、これを私は申し上げましたので、取引ではございません。
○馬場(猪)委員 私が取引と言ったのは、商売という取引、そういったものじゃないのだがという意味で、あなたが取引をした、そういう意味で言っているのじゃないのですから、その点は御理解いただきたいと思います。
 それでは、自治省にお伺いいたしたいと思います。
 公営企業関係については、当初から非常に経営が厳しいということで、四十八年の地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律に基づいて健全化に努めていらっしゃいます。ところがそれ以後も、五十年ですか――五十一年はまだいただいておりませんけれども、推定でも五十年と比べたら少しはよくなっているようですが、五十年度の事業を見ますと、交通事業では七六・九%に当たる六十事業が純損失七百十九億、そして病院事業も六百五十七億、水道事業も六百二十一億というような損失がずっと続いておるし、累積しますと、欠損の累積額は七千九百六十六億という非常に高い赤字、欠損を出しております。再建の実が全く上がっておらないとは言いませんけれども、再建が非常に困難な状態が当分続くのじゃないかと思いますが、その点いかがでございましょう。
○小川国務大臣 公営交通並びに公立病院の経営の実態につきましては、数字につきましてただいま政府委員からお耳に入れさせます。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおり、地方の公営企業の経営がなかなか困難な部面もあるのは御指摘のとおりでございます。ただ、全体といたしまして、各種の公営企業を見てまいりますと、非常に問題のございますのは交通と病院、この二事業にほぼ限定をされてまいっておりまして、上水、工水あるいは電気、ガス、そういったような各種の事業につきましては、たとえば経営状況の指標といたしましての総収益対総費用の比率、こういったようなもので全体をとってみますと、大体一〇〇を超えてまいりまして、企業によりましていろいろ差はございますけれども、総体としてながめればまあまあやっていけている。ただ御指摘のように、交通、病院につきましてはなかなか厳しい情勢が続いている、そのとおりと思っております。
○馬場(猪)委員 そのとおりでございますということで、実際には今後の見通し、もっと厳しいと言われる病院事業だとかあるいは交通事業、ある程度はほかの水道やなんかと同じように改善の見込みというのはついていくんでしょうか。
○山本(悟)政府委員 それぞれの事業によりましていろいろの差はございます。交通で申し上げましても、路面交通、バスあるいは地下鉄、内容によっていろいろな違いがあろうと存じます。
 バス事業といったようなものをとって考えますと、民営との対比の問題におきまして、いろいろと公営企業のバス経営における問題点というようなことも指摘をされているわけでございまして、そういった点を考えると、そういう経営努力というものを民営並みにやっていただくということによっては、ある程度の独立採算というものも可能になってくるのじゃないかというような見通しもございます。ただ、これらにつきましても、行政路線の問題とかいろいろなむずかしい問題も抱えておりまして、単純にはいかないと思いますけれども、方向としてはそういう経営の努力というものの積み重ねによっていろいろな解決策も出てくるのじゃないかというような気持ちがいたします。
 また病院事業につきますと、基本的には診療報酬といった非常に大きな問題があるわけでございまして、なかなかむずかしい問題でございます。ただ、これも特定の地域における病院というようなものを除いて考えますと、赤字のたな上げというような措置によりまして、次第に数から申せば経営の好転しつつある病院数は、企業数はふえつつある。しかしやはり基本的には、診療報酬といったようなそもそもの医療費の問題というものに手がつきませんと、なかなか将来もむずかしい問題を抱えておる、こう存じておるところでございます。
○馬場(猪)委員 少しずつ改善のめどはつけるけれども、実際問題としては、ほかの制度との絡みでむずかしいと言われておるわけですね。むずかしいからこそ、たとえば交通事業に対してもせんだっての十月二十五日の委員会でも三分の二の補助を持てるような要望が出ておりますが、そういう方面に向かって努力するということで研究会を開いて十一月の初めごろまでにという御答弁があるんですが、その後研究会はどういうふうな経過をたどっておりますか。
○山本(悟)政府委員 ただいま御指摘になりましたのは地下鉄関係と思うわけでございますが、よりより運輸省の方面とも話を詰めておりまして、その方向に従って明年度の予算編成に間に合うように持っていきたいということでやっている最中でございます。まだ運輸省方面とのいろいろな話をやっている最中でございまして、しかし予算編成といいますか、予算作成の際までには間に合うようにぜひいたしたい、しかも、その方向といたしましては、現在の補助制度をさらに改善する方向でぜひやっていきたい、こう存じております。
○馬場(猪)委員 いま現在の改善の方法というのは、結局補助率をふやすとかあるいは利子補給の額をふやすとか、いわば本筋の対策じゃありませんね。地方公営企業法そのものが抱えている問題点に対する対策じゃなしに、いわばこう薬張りじゃないでしょうか、率をふやすという程度ならば。公営企業法ができた当時というものは、確かにそんなに過大投資をする必要もなかったと思いますが、三十五、六年ぐらいの後半から以後というのは、赤字になっている原因が設備投資とか物価の値上がりによる人件費とか言われておりますが、主として大きいのは設備投資、これは病院と言わず交通事業と言わず皆一緒だと思うのです。そういうことになると、この公営企業法の持つ根本的な初めの発想自体から変えていかないと根本対策というのは立たないと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○山本(悟)政府委員 公営企業法におきましても、一般会計で負担するのが適当な経費というものにつきましては一般会計負担という原則をとっておりまして、その細部につきましては、公営企業法の施行令にいろいろと各事業ごとにこういうものは持つんだというようなことが書いてあるわけでありますが、それを除きました残りの分につきましては、独立採算というのも基本的にはできるのじゃないかという気持ちでいるわけでございます。その範囲というのをさらにどういうぐあいに検討する必要があるか、それはいろいろとお考えもありますし、われわれとしても検討はしなければならない問題を含んでいると思いますけれども、現在の時点におきましては、やはり地方財政計画におきましても、公営企業に対する普通会計からの繰出金というのも相当額の計上をいたしておるというようなことでございますので、なお企業経営の努力というものをやっていただくことによってだんだんとめどはついていくんではないか、こういう気持ちでおるわけでございます。
 なお、地下鉄について申せば、現在のところ東京、大阪というようなところにつきましては不良債務というようなものもある状況でございます。これも、あるいは五十二年度は大阪の不良債務は地下鉄についてはなくなるというような状況になってくるのではないかと思っておりますが、その他の事業につきましては、当面は不良債務なしで済ませる。しかし、それがある程度期間がたちました際には、現在の補助制度ではなかなかむずかしいというような資金繰りになってまいりますので、そういうことを頭に置きながら改善を図ってまいりたい、こう存じておるところでございます。
○馬場(猪)委員 普通、民間の企業であれば、出資金とかあるいは株式とか原資があって、その元金になるべきものが相当なウェートを占めておる。そして一部借入金ということですが、公営企業の場合はほとんど借入金の方が多い、もうずっとこういうふうな運営になっておりますね。借入金が多いということは、結局金利を払わなければならぬということですし、しかも、その金利を払うために利子補給をしなければならぬという悪循環が続いているわけでしょう。そういう意味で言えば、本当は原資になるべき、資本になるべきものをもっとふやすとか、あるいはもう少しいま出していただいているような債券をもっともっと長期にするとか、永久債にするとか、そういうふうな資本部分に当たる返済を要しない部分、こういうものをふやしていかなければ、いつまでも利子補給とかあるいは補助金の追っかけ合いというのは続くのじゃないでしょうか。
○山本(悟)政府委員 御指摘の点でございますが、資本そのものを初めから入れるということが現在の状況でどれだけできるのか、やはりなかなか問題点のあるところであろうと思います。地下鉄について申せば、いまの補助制度は確かに資本そのものに入れているというかっこうはとっておりませんけれども、やはりもとの計算の基礎といたしましては、建設費に対して何%というようなことを年賦で国庫としても出している、それに対応いたしまして地方も普通会計で負担をしているというようなことによりまして、総体として動きのとれないような不良債務というようなかっこうにならないように持っていくような努力をしているところでございまして、現在の段階ではそういうことによって何とか経営が動いていくようにということで対処してまいりたいと思っているところでございます。
○馬場(猪)委員 基本的な問題についてはここで議論しておっても始まりませんけれども、いま同じ国から出ている補助金の中でいろいろ問題があると思うのです。たとえば、建設省来ていただいておりますが、大都市周辺では都市計画事業として私鉄あたりの連続立体、あるいは国鉄も含めましてずいぶん連続立体を含んでおりますね。その連続立体に対する補助金というものは非常に高いものになっていると思いますが、建設省の方からその連続立体に対する補助率とかその背景ですね、どうしてそういうふうな補助率になったかというふうなことについてお教えいただきたいと思います。
○渡部説明員 お答えいたします。
 連続立体交差事業というのは、いわゆる鉄道と道路との平面交差を除去する、都市内でありますので、単独立体交差を数多くつくるよりは、土地利用その他も考えまして、連続的に取り去るために鉄道側を上げ下げするということで始まったわけでございまして、単独立体交差の思想がそのもとになっております。したがって、鉄道側の利益を受けるのを除いた残りの部分について、道路側がいわゆる国の立場として三分の二の補助をするということで、三分の二の補助率が適用されているわけでございます。連続立体の場合は、先生御存じのとおり、国鉄の場合一〇%、私鉄の場合七%が受益相当額ということで、残りをいま国が三分の二補助しておるという状況でございます。
○馬場(猪)委員 私鉄の場合は、当初は都市間の連絡鉄道だったと思うのです。いま大都市周辺は、私鉄沿線なんかもスプロール現象、ドーナツ現象でどんどん都心部から広がっていって、結局は都市間が都市同士でほとんどくっついてしまって、いわば地域内交通と同じような考え方になってきた。だからこそ交通の停滞が起こり、事故が起こり、公害が起こりということから住民要望も高まってきたということで、四十四年の九月だったと思いますが、運輸省と建設省とが協定なさって、現在ある私鉄を上に上げることになった。そういうことから、いま言われたように、私鉄に九三%、国鉄には九〇%の補助を出すというように非常に高額になっているわけですね。
 大都市周辺だってそうじゃないでしょうか。初めは路面電車とかバスが効率的に動いておったのが結局モータリゼーションによって動けなくなって、やむを得ず路線を撤去し、あるいはバス路線を減らす、合理化をやるということから効率が悪くなってきた。だからやむを得ず地下へくぐったのが地下鉄じゃないでしょうか。問題の発想としては同じはずです。ただ運輸省の所管であり建設省の所管であるというだけで物の考え方の基準が違う。一人の国民の立場に立ってみると、同じ国の予算を出すのに、建設省から出る、これは都市計画サイドの事業だということはわかりますけれども、三分の二も国が出す。府、県、市も入れると九三%まで私鉄に対して補助する。地下鉄は公共団体を入れて五〇%足らず、国からは二五%足らずしか出しておらない。こういう差がついている。ここをどういうふうにお思いになりましょうか。ひとつ自治大臣のお答えをいただきたいと思います。
○小川国務大臣 立体交差化事業と地下鉄の建設、これは全く同一の性格のものであるとは必ずしも考えられないと思っております。地下鉄は大都市における大量公共輸送機関としてきわめて大切な機能を果たしているわけでございますし、建設のために巨額の地方負担を生ずるという事情もございますから、先ほど局長から答弁申し上げたとおり、現行の補助制度を大幅に改善をしたい、こういうことで運輸省と協議をいたしておるわけでございます。
○馬場(猪)委員 最初にも言っていますように、都市計画事業と地下鉄事業は性格が違うことはわかります。わかるのですけれども、発想が違うと言われるけれども、それは運輸省は鉄道省時代の感覚で物を考えられる。いまは都市間交通じゃない。地下鉄と同じような性格を私鉄だって持っています。地域内交通と同じだと思うのです。だからこそ九三%の助成を国が出しているわけでしょう。
 非常に差がありませんか。片一方は九三%、片一方は公共団体と合わせて五〇%です。自治省としても自治体側に立ってふやしたい方だから考え方は賛成でしょうけれども、一緒だとは言えないでしょうから、それはわかりますけれども、考え方として、そんなにとっぴなものでしょうか。素人の答えで言っていただいていいのですよ。
○小川国務大臣 仰せの御趣旨はよくわかります。私どもは分割払いで運営費を補助する、四割程度にしかならない現行の補助制度は不十分だと思っておりますので、できるだけこれを改善したいということで努力をいま懸命にやっておるわけでございます。
○馬場(猪)委員 もう時間もありませんし、また中途半端になるとあれだと思いますので、最初にも申し上げました公営企業法の持っている根本的な性格に対する対策、これはやはり考えていただかないと、いまただ利子補給でずっと場つなぎをやっているという形なんです。努力をしていただいているのはよくわかるのですが、これじゃ根本的な改革になりませんし、先ほども申し上げましたように一国民の立場から言えば、私鉄に対してはあれだけ手厚い保護をするのだ、こういう受け取り方しかしないのですよ。公営企業に対しては非常に緩いのだという感覚しか――同じ国なんですから、運輸省と建設省と違っても感覚としてはそういう受け取られ方をするのです。そこには政治不信が生まれる大きな原因もあるのですよ。私鉄側にメリットがないとかなんとか言うけれども、実際は高架下の利用をめぐってもいろいろ問題があるわけです。ですから、この際、この研究会の方で大いに自治体側の意見を述べていただいて、補助率を上げていただくことを特に強く要望いたしまして終わりたいと思います。
○芳賀委員長 馬場委員に申しますが、ただいま会計検査院の松尾第三局長が出席しましたので、松尾局長に発言を求めます。
○馬場(猪)委員 松尾局長、先ほど出ておられましたので……
○芳賀委員長 わかっています。
○馬場(猪)委員 じゃ、御答弁をいただきます。
○松尾会計検査院説明員 ちょっとほかの委員会に出ておりまして失礼いたしました。
 第三局は、先ほど大変問題になりました建設省のほかに開発庁も所管しておる局でございます。私どもの局からあのような問題が出ましたことは非常に反省しておる次第でございます。
 開発庁につきましては、このような問題は決してないものと確信しておりますが、この事態を踏まえまして、なお検査につきましては一層職員を指導いたしまして、二度とこういうことがないことを誓いまして、北海道開発庁の検査の方もやっていきたいと考えております。
 簡単でございますが……。
○馬場(猪)委員 先ほどおいでにならなかったのでもう一遍申し上げますが、会計検査院長自身も気持ちは持っておられるのでしょうけれども、表現が悪かったのかもわかりませんが、私どもとしてはまだ非常になまぬるい感じがいたしました。それじゃひとつ各担当の局長さんごとにどんなふうに思っていらっしゃるのかと聞いてみたのです。きょうは北海道開発庁の関係ですけれども、あなたの場合建設省も担当していらっしゃったから、あらかじめ先ほどお聞きしますと、実数三十五名、延べ五十二人と言われました。それだけの人がいろいろ疑惑を招くようなことがあったということは、事前に何らかそういうことをお感じになったことがなかったのかどうか。それから、あなた自身も、通常の茶菓程度というのはどの程度まで考えておられたのか。あなた自身も間々、仕事のためにはのどを潤す程度のことなら、アルコールの少々ぐらいはという感じをずっと持ってこられたのか、そういうことも黙認してこられたのか、その点をお聞きしたいわけです。
○松尾会計検査院説明員 検査院の立場といたしましては、いままでは相手方の接待は一切受けないという立場で来ておりますが、茶菓程度という話になりますとこれは程度問題で、お茶とかお菓子ぐらいはやむを得ないのではないかという、私自身の考え方としてはいままで来ておりました。
 今後につきましては、院長の御方針もあると思いますので、その方針に沿いまして院の統一的な扱いが出ると思います。それにつきましていろいろ検討していきたいと考えております。
○馬場(猪)委員 いや、あなた自身、自分の担当の係の方に、そういうことはあったけれども、それはある程度あたりまえだと思って対処してこられたのですか。
○松尾会計検査院説明員 先ほど御質問のとき失礼いたしましたけれども、よもやこういうことが職員の間に一般的に行われているとは思っておりませんでした。ありとすれば非常に特殊な例として、例外的にあるのではないかという気がいたしましたけれども、それも具体的な例として発見している、あるいは知っているということはいままで毛頭ございませんでした。
○馬場(猪)委員 これ以上やめますが、担当の局長さんそれぞれ、ここは非常に厳しかったけれども、ここはやわらかかったというようなことがあるのかと思ったら、大体みんな同じなんですよ。それが会計検査院全体の姿勢かというふうに思われますよ。そうすると、せっかくここで不正も間違いもありませんと書いてあるけれども、信用できませんよ。そういうふうなことでは困るじゃありませんかということを申し上げたかったわけです。
 以上で終わりたいと思います。
○芳賀委員長 午後一時十五分再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四十分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十二分開議
○芳賀委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。北山愛郎君。
○北山委員 私は、最初に都道府県警察の警察費に対する国庫支弁の問題についてお尋ねしたいのですが、現在、地方財政が非常に苦しいという中で一つの重荷になっておりますのは、都道府県の警察費の負担がやはり府県の財政を圧迫していると思うのです。まず最初に、都道府県警察の中での警察費の予算ですね、五十年度でいいですから大体どのくらいになりますか。
○山田政府委員 昭和五十年度の都道府県警察費予算、総額は一兆四百八十八億八千七百万円でございます。そのうち人件費が九千百五億八千九百万円ございまして、残余が物件費等でございます。
○北山委員 いまお話があったように、非常に膨大な警察費の負担を都道府県がやっておるわけです。ところが実際には、それだけの費用を負担しているのですから府県の自治体警察として府県が府県警察を管理をするという実質がなければならぬと思うのですが、必ずしもそれがないわけですね。その一つの大きな原因というのは、都市府県警察の幹部、警視正以上、本部長以下ですね、それが国家公務員である。都道府県警察という自治体警察でありながら、その幹部は国家公務員である。
 それからもう一つは、この費用の面で非常に特殊な制度が設けられてあります。警察法第三十七条のいわゆる国庫支弁の制度であります。これはほかに余りそういう例がないと思うのですが、要するに都道府県警察の中での実質の費用の一部を国費で、直接金を持っていって国費として使う、こういう変則な形があるわけであります。私、警察庁から資料をもらいますと、この国庫支弁金の金額は五十年度で百七十五億、それからそれ以外のいろいろな費用についての警察費の補助、国の補助が二百六十七億ございますから、補助金と合わせますと四百四十二億、これが国の方から出ている補助ですが、そのうちの百七十五億だけは国費として地方へ持っていって都道府県警察の中でこれを使う、こういう変則な事態であります。その経費は、もう御案内でしょうけれども、警察法第三十七条に大体列記してありまして、いま申し上げた国家公務員である警視正以上の人件費、教養あるいは学校の教育訓練の費用、通信施設の費用、鑑識の費用、犯罪統計の費用、警察用車両及び船舶、警備装備品等の費用、それから警衛と警備の費用、国の公安に関係のある犯罪その他特殊犯罪の費用、こういうものを特に国庫支弁金として直接警察庁の方から各県の本部長に渡して別途の経理をしている。これはまことに変則でございまして、いままでもたしか衆議院の地方行政委員会においてはこの問題が取り上げられて、そして、むしろ補助金にぶち込んでやるべきじゃないだろうか、直接国費を持っていって、国家公務員である都道府県警察の幹部が国の支出官となって、そして部下を使って国の予算として経理をする、この変則な事態はなくすべきじゃないだろうか、たしか委員会ではこういう決議まで上がっているはずですが、いまだにこれが改まっておらないわけであります。
 そこでお尋ねをするのですが、国家公安委員長は、都道府県警察というものは自治体警察であるともちろんお考えだろうと思うのですが、やはり自治体警察としての実質を備えるためには、いまのように、たくさんの人件費その他のものは自治体に負担をきせて、警察運営の中枢は国の方で握っている、こういうかっこうはいいとお考えでしょうか、どうでしょうか。
○小川国務大臣 仰せの警察法三十七条一項に規定しておりまする国庫支弁金でございますが、これは北山先生に改めて申し上げるまでもないことでございますが、教養、通信あるいは装備と申しますような全国的に統轄を図っていく必要のある事務あるいは警衛、警備等、地方公共団体の事案でありましても直ちにこれが国の公安に結びつく非常に強い国家的な色彩を持った事務、あるいはまた広域的な犯罪の捜査というような一都道府県にだけ警備を負担させるということが著しく不適当である、こういう事務につきまして国庫支弁をする、これによって国の財政面における責任を果たすと同時に、都道府県の財政需要によって左右されることなしに一定水準の警察活動を維持していこう、こういう趣旨で制度が発足して以来今日まで有効に機能しておると考えておるわけでございます。
 この国庫支弁金につきましては、実際問題といたしましては、都道府県警察を管理しておりまする都道府県公安委員会に報告もいたしておりまするし、また予算編成の過程で都道府県の財務当局にも連絡をして理解してもらっておることでございますから、仰せのように自治体警察のたてまえをはなはだしく損なうものではなかろう、このように考えておるわけでございます。
○北山委員 全国的な警察の、たとえば通信の施設であるとか教育の施設であるとか、そういうものの一般的な基準とか、どういうふうな器材を使った方がいいとか、そういう指導については、一般的な指導としてはいいのですよ。だけれども金そのものを、国の金でもって物を買って、そして都道府県警察の中で国の金が使われる。もちろん県の金と一緒になって並行して使われるというその混乱した形ですね。これは会計経理上もまずいのではないだろうかと思うのです。
 それからまた私は、むしろ補助金とか一般に都道府県警察、自治体が負担する、たとえば義務教育のように総体の額の三分の一なり二分の一なりを負担する、そういう式のことならいいと思います。ですが、このような形で個々の問題について、みずから国の金を持っていって、そして都道府県の中で物を買って、その物品はどういう経理をするのかわかりませんけれども、国と自治体が混在しているという形で運営されるということは、私は、都道府県警察が自治体警察としての自主的な運営ということの原則を侵害するものだと考えるのです。
 御承知のように、警察法第五条によりまして警察庁が都道府県警察を指揮監督のできる事務の範囲というのは決まっているわけですね。個々の警察及び具体的な警察運営においては都道府県警察が自主的にやるのであって、特殊の場合だけしか捜査その他の警察運営に対しては指導ができないのですね。一般的な基準については指導ができましても、個々の警察運営を、直接に警察庁が都道府県警察を指導するということは警察法のたてまえではできないことになっているのです。ところが実際には金を持っていってそしてそこで物を買うということでありますから、これは自治体警察としての自主性を侵害するものだ。しかもわずかばかりの百七十五億という金でもって都道府県警察の中枢部を握る。特に公安犯罪についての部面は中央でこれを掌握するという悪い結果が出ておるのじゃないかと思うのです。
 そこでお尋ねをするのですが、この警察法第三十七条に列記した事項、問題についての費用は国が支弁するとありますから、たとえばそこにある第六号の警察用の車両及び船舶及び装備品ですね、そういうものは国庫で支弁するというのですから、都道府県警察のそのような車両、船舶、そういうものは全部国庫で買って、そして都道府県警察に渡している、そのように考えてよろしゅうございますか。
    〔委員長退席、原(茂)委員長代理着席〕
○山田政府委員 警察法第三十七条の規定によりまして、御指摘のように車両につきまして国庫支弁という規定になっております。全都道府県警察を通じまして、警察需要に対応する車両装備が充実するよう統一的な整備をいたしておるわけでございます。
○北山委員 そうすると、警察用車両は全部三十七条の国庫支弁金で買って、そして都道府県警察ではそれについての負担をしなくてもよろしい、こういうことになっていますか。あるいはまた通信施設についてもそうですね。通信施設の維持管理及び警察通信については国庫支弁の対象でありますから、この点についても都道府県警察の負担はない、あるいは教養施設、警察学校の教育訓練等の費用も全部この三十七条で国の方で賄っている、あるいはまた警衛、警備の費用も全部持って
 いる、こう考えてよろしゅうございますか。
○山田政府委員 原則はただいま御指摘のとおりでございます。しかしながら、国の予算にも制約があることでございます。他方、第一線におきます警察活動におきましては大変事案も複雑多岐をきわめる情勢になっております。そういう意味で、国費で統一的な整備を推進しておりますけれども、第一線におきましては、たとえば車両について申し上げれば、刑事が使います捜査用車両は足りないわけでございます。そういう点を知事部局において御配慮いただいて、県費において購入している分もあるわけでございます。しかし、通信施設につきましては、全国ネットによって警察通信を形成していく必要がございますので、これについてはほとんどが国費支弁で整備されておるという現状にございます。したがいまして、項目によりまして、全部を国費で現実にカバーしている面と県費によって補充的に整備されている面と区々であるわけでございます。
○北山委員 それならば、この警察法第三十七条のように表現しない方がいいですよ。これこれこの費用を、目的を挙げてこの分は国費で支弁するんだと列挙して、それ以外のものについては補助をするというようなことを言っていますね。あるいは都道府県警察の負担だと言っています。一部を補助するとか負担するとか支弁するとか書いてないんですよ。
 それからもう一つは、大半のものがいまのような国費支弁だとするならば、その物品は国費で買ったものでありますから、これは県に置いてあっても国の物品だと思うのです。そうすると、国の自動車もある、都道府県警察で買った自動車もある、それを混用して使っている、そういうかっこうですか。
○山田政府委員 国有の物品につきましては、物品管理法の規定に基づきます物品管理官に都道府県警察の本部長を指定しまして、法の規定に基づく適正な管理を実施しております。都道府県費で購入しました分につきましては、それぞれの県におきます規制に従ってこれもまた適正に管理しておるわけでございまして、その管理の内容において混乱しておる、混淆してやっておるということはございません。
○北山委員 いや、事実上混淆しているんじゃないですか。同じような車両が同じ部屋あるいは同じところに、国費で支弁したものもあればそうでないのもある。たとえば鑑識のあれだとか通信の施設にしてもやはりそういうふうに入りまじるのじゃないですか。そういうものは一体どういうふうに管理しておるかですよ。物品の管理規定によってやっているんだと言いますけれども、両方の物が一緒に、国の物と地方の物とごちゃごちゃになっている。実際に使われているんですよ。そういうかっこうがおかしいじゃないかというのです。一体ほかの役所でこんなことをやっているところがありますか。それならば、たとえば国費支弁にしても国の物にしても、これを一括して府県に貸与するとかそういうふうに扱うなら扱ってもいい。いやこれはどこまでも国だ、国の物品管理をやっている、これは都道府県の物だというようなことをやったって、それはごちゃごちゃになって、それは全く混乱するに決まっているんです。一体そんなことをやっているのですか。
○山田政府委員 現実の問題としましては、警察用車両その他拳銃等につきましても、国有物品につきまして県に無償使用させるという手続はとった上で適正な管理を行っております。
○北山委員 そうすると、物によっては無償使用にしているし、そうでない物もあるということですか。一般的に国費支弁で買った品物については、これは一応府県の方に管理を委託するなり貸与するというかっこうにして運用しているのかどうなのかということです。
○山田政府委員 都道府県警察が現に使用しておるものにつきましては、国有物品につきまして無償使用をさせております。
○北山委員 それは警察法第三十七条によって支弁した主要な物品について都道府県警察に貸与している、そういうものを整理をして別に資料を出していただきたいと思う。
 それから、特殊な犯罪の捜査の方も問題がありますが、一つは警衛、警備の問題です。一つの例として五十年度に皇太子が沖繩に行かれたときですね。海洋博の閉会式に行かれたときに予算の流用をやっておりますね。決算を見ますと、退職手当からこれを流用して活動旅費の方へ八千八百八十一万二千円、それから警察装備費の方へ五千六百八十八万三千円、その他もあるようですが、この流用した分を合わせましても一億四千万円を超していますね。一体皇太子が沖繩へ行かれたときに幾ら警備費に使われたのか。その総体の金額は、幾ら使ったのですか。これは流用分だけです。
○山田政府委員 ただいま決算書にございます数字で御指摘の経費は流用分でございまして、全体として幾ら使ったかということにつきましてはこの決算書の様式には出ていないわけでございます。
○北山委員 決算書の様式に出ている出ないは別として、どれだけ使われたのですかということを聞いている。
○山田政府委員 詳細には、手元にございませんが、約四億使用したということでございます。
○北山委員 四億ですか。
○山田政府委員 はい。
○北山委員 四億をどの費目から出したのですか。
○山田政府委員 国費の活動経費のうちから出しまして、足らざる分をただいま御指摘になりました退職手当等から流用したわけでございます。
○北山委員 いま申し上げたこの流用額だけで活動旅費の方に八千八百八十一万、警察装備費の方に五千六百八十八万、それ以外に数億あって総体で四億もかかったのですね。これは驚くべきことですが、この活動旅費というのは、八千八百八十一万以外に相当かかったと思うのですが、どれだけかかったのですか、四億のうちで。
○山田政府委員 その詳細な内容につきましてはただいま手元に持ち合わせておりませんので、お許しいただきたいと思います。
○北山委員 それでは後で資料を出していただきたいのですが、この活動旅費というのはどういうふうに使うのですか。だれの旅費に支給するのですか。どういうふうに経理をするのですか。これは国費なんですからね。
○山田政府委員 活動旅費の中身は、主としてその警衛に従事いたしました警察官の出動旅費等でございます。
○北山委員 それは沖繩県警察の分もあるでしょうし、また各県から応援に行ったものもあるでしょう。どれだけの人員が応援に行ったのですか。どれだけの人員が警備に動員されたのですか。
○山田政府委員 約二千六百名ばかりの警察官が沖繩県を除く各県から応援に参ったと思います。これは当時極左暴力集団の過激な闘争が予想され、現にそういう闘争が実際に取り組まれて、各種の凶悪な違法事件が発生したわけでございます。そういうものに十分に対処するための体制を整えるための応援であったわけでございます。
○北山委員 警察装備の方にも相当金を使っているのですが、装備というのは一体どういうものを装備したのですか。警備のための特別な装備費としては、流用分だけ見ても五千六百八十八万ですね。四億のうち装備費がどれだけかかって、どんなものを装備したのですか。
○山田政府委員 装備費に流用しました分は、警備活動に必要な警備装備費に充てたと思います。しかしこの警備装備費につきましては、私どもとしましては、極左暴力集団に対して対抗策を講ぜられるおそれが強いために、その細かい内容については答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○北山委員 私は一つの例として聞いているのです。要するに先ほど来申し上げた国庫支弁金というものが一体どういうふうに使われるのかということです。実に変則なんです。実際にはこれは各都道府県の本部長に渡っていくでしょう。たとえば応援に来た人の旅費もそれらの県ごとに配当されるわけですね。だからどういうふうに使われるのか、どういう基準で使われるのか、こういうことがさっぱりはっきりしないのです。本当を言えば、自治体警察であれば、各県ごとに県の議会でもって警察費の予算の内容、ここで申し上げたような内容を当然審議すべきものです。それで初めて自治体警察なんです。ところが、これは国費支弁だからというので、県議会の予算は通らないから恐らくどこでも質疑にならないでしょう。国会の中でも、いまお話ししたようによくわからないというようなことでは困ると思うのです。どこでもチェックするところがない。
 そこで、いまの皇太子が沖繩に行かれたときの経費は四億ということでございますから、その内訳を後で資料にして出してください。そして一体どの県にどれだけやったのか。国庫支弁金の各県ごとの配当の内訳はいただきましたけれども、そういう中へ結局入っているわけですね。その中身がよくわからないということが問題なんです。この委員会は国費をどのように使ったかということを明らかにして、そしてそれが妥当であったかどうか、これを審査する委員会なんですから、一つの例として、いまのような金がどのように使われたか、この資料をひとつ出していただきたい。
 一般的に言って、いまちょっと例として挙げたように、公安委員長あるいは自治大臣としても、自治体警察というもののあり方がこのように変則な一部の費用、物品、活動費、そういうものが一部だけ国から直接に払われるという形、それ以外の都道府県の人件費は警察官に対して出ているのですから、両方が競合したような形では、金の上で中央に操作をされるという危険性が私はあると思うのですが、いま質疑をされた内容について、公安委員長は一体どのようにお考えですか。
○小川国務大臣 かような制度が設けられております趣旨については冒頭に申し上げたとおりでございまして、制度の発足の際にいろいろ論議のあったということも聞いております。その間の経緯については北山先生もとよりよく御承知のことと存じますが、これは警察活動の特殊性ということから出てきておる制度でございますし、これまた先ほど申し上げましたように、自治体警察のたてまえを著しく損なっておるものとは考えておりません。今日まで有効に機能している、こう考えておりますので、現行制度をこのまま継続いたしましても格別支障は出てこないのではなかろうか、こう考えております。
○北山委員 先ほど委員長は、国庫支弁金についても県の方にも通知をしてある、こう言われましたが、それは制度としてそのように国庫支弁をした場合、その県の当局に対して、知事側に対してそれを通知をするということになっているかどうか、この点を確認しておきたいのです。したがって、この部分についても、場合によると県議会等で論議をしても当然なわけですね。質問されれば、県の公安委員会、公安委員長は議会でこの内容を説明してもいいわけですね。そうでなければ自治体警察にならぬですよ。そういうことができますね。
○山田政府委員 御指摘の国庫支弁にかかる経費につきましては、その執行について会計検査院の検査をいただいているところでございますし、本部長といたしましては、支出官の立場で上局の公安委員会にも逐一報告をいたしておるところでございます。さらに、この経費によって裏づけられる警察活動自体は都道府県警察の事務でございまして、都道府県議会の調査権に服する都道府県の事務でございます。そういう意味におきまして、いろいろ御批判、御調査いただいておるわけでございます。
 さらに申し上げれば、予算折衝の際に、一部警察需要が大変増してきたことから、国費支弁の対象の経費につきましても県費で補助的に出していただいている面もあると先ほど申し上げましたが、そういうことを予算編成の過程でお願いする際に、国費支弁の額、内容について知事初め知事部局ともいろいろお話して御相談しているわけでございます。
 以上申し上げましたことを通じまして、決して国費支弁の経費が都道府県の事務の運営の中でかかわりなく動いておるということではないということを申し上げたいと思います。
○北山委員 時間もありませんから、警察の問題はこの辺で終わりますけれども、やはり何としてもこういう警察についての変則な形、これは都道府県警察、自治体警察と言いながら、その幹部は国家公務員であり、しかも国から本部長のところに国庫支弁金と称するいろいろな金が流れていく、そしてそれで都道府県警察の一部重要な警察運営が進められていくというような形は、私は本当の意味の自治体警察を守り、発展させていくという姿ではないというふうに考えまして、補助金を含め、あるいは都道府県固有の負担というか莫大な人件費の負担ということを考えて、もうちょっと公安委員長、自治大臣としても、自治省としても、警察費の負担のやり方というのは検討する必要がある、こういうことを指摘しておきたいのであります。
 次に、地方財政の問題ですが、財政の中でも地方債が非常にふえてきておりますし、資料をいただきましたところが、いろいろなものを加えますと、五十年末で地方債の現在高というのはもうすでに二十兆になっていますね。自治省の計画どおりには地方債依存率は減らない。むしろ逆にふえていくという傾向でありますから、これは重大な問題ですが、さらにこの委員会でも前に指摘しておきましたけれども、公拡法でつくったいわゆる土地開発公社の借金が潜在して地方財政のがんになっているのではないだろうか。府県を中心とした土地開発公社の借金がいま現在二兆二千億ぐらいになっておると思いますが、最近の現況、要するにどれだけの土地を保有しておるか、そしてどれだけの借入金の残高があるか、全国の土地開発公社関係の数字をお聞きしたいのであります。
○大橋説明員 土地開発公社が現在どれだけの土地を持っておるか、それに関する借金がどのぐらいあるかということでございますが、ただいまお話しございましたように、五十年度末で二万八千百五十二ヘクタールの土地を持っております。その評価額が二兆二千三百九十四億ということでございまして、これはほとんど借り入れで賄っておるというので、大体御指摘のとおりの借入金を有しておるものと考えられます。五十一年度末のことでございますが、実は五十一年度の決算が三月に終わりました。あと二カ月かかりましてそれから資料をとるということでございますので、いま集計中でございますので、間もなくできる予定でございます。ただ、現在集めました資料で考えましたところでは、いわゆる新規に取得したものが減少しております半面、再買い上げということが進行しておりますので、プラスマイナス考えますと土地の保有高は減っておるというふうに考えます。
○北山委員 いまお話がありましたように大体二万八千ヘクタール、二兆二千三百九十四億の借り入れということであります。この点について、特に石油ショック以来土地の状況が非常に変わりました。それで、ここに五十年の九月三日の朝日新聞があるのですが、その中に、自治省が方針を決めたのだ、土地開発公社の不健全さが目立っておる、経理内容を総点検するのだというふうなことが書いてあって、自治省が五十年九月に、土地開発公社の内容が不健全であるから総点検をやるのだ、こう言っておるのですが、これはやったのですか、やった結果はどうなんですか。
○大橋説明員 ただいま御指摘のありましたことは、特に五十年度にかけまして、地方開発公社関係におきまして不祥事件といいますか、あるいは財政運営上不適当な事件が続発しました状況においての事態でございます。そのような状態を背景といたしまして、御指摘のようにまず的確な情勢をつかむ必要があるということでございますので、先ほど言ったような形において五十一年度を中心とする的確な状況調査を行っているわけでありますが、あわせて毎年度における地方財政の運営について、あるいはそれぞれの年度における土地開発公社の業務運営等につきまして、それぞれ通達を発しまして運営の適切を図るように努力しているところでございます。
○北山委員 自治省も五十年当時、数年前から土地状況の変化による土地開発公社の問題をいろいろ考えておったようでありますが、またちょうど同じころの朝日新聞にも出ているのです。土地開発公社が保有している土地がそのようにありますが、その中でいわゆる公共用地、公用地あるいは公共事業などに使うような用地、この分だけを見ましても、このいただいた表によると五十年度末で六千ヘクタールほどありますね。そしてその金額が八千五十六億となっている。この新聞では、七千億分も抱え込んでおる、十三年分の事業量だ。要するにこれだけの公共用地あるいは公用地、その分だけでもたくさん買い込んで、これから使い切れぬというか、公共事業がどんどん進まないものですから土地を抱え込んでいなければならぬ、金利負担だけでも相当かかるんだ。ここにありますのは、五十年三月末現在の金利負担の推定金利は七百五十二億、こうなっているのです。要するに、道路その他河川とか港湾とか学校とか、そういうものに使うことを当然予定して買い込んだものですらも、もうたくさん買い込んで、十何年分も買い込んで焦げついているというか、その金利負担で大変だと言っておるのです。この問題についてどうしたのか。
 それからあわせて、もっとひどいのは府県が単独事業、あるいは工業団地をつくるとか流通業務団地をつくるとか、そういうような固有事業としてやったものの分の方が大きいのですね。二万二千ヘクタールくらいありますね。金額から言っても一兆四千億くらい、この方が焦げついているのですよ。これは五十年ごろから問題になっているわけだ。だから二兆二千億の焦げつきということになれば、利子だけでも、控除もありますけれども千五百億くらい払っていかなければならない。そして御承知のように工業団地はさっぱり売れない。こういうことについて、監督官庁であります自治大臣あるいは建設大臣、この実態の調査を把握できるのですから、実態の把握ができておらぬのかどうか。いまお話しのようなこんな総体の、概要の表じゃなくて、それぞれの府県ごとに具体的にもっと調査をし、もっと指導してやっていかなければ。一体二兆円もの焦げついた借金、これをどうするか、これにどのように取り組んでいるか、これは自治大臣からひとつお聞きしたいのです。
○小川国務大臣 土地開発公社は現状におきまして非常に困難な問題を抱えておるということにつきましては、通常国会におきましても北山先生からいろいろ御質問も受けておるわけでございます。私たちも非常に心配をいたしておるわけでございまして、実態の正確な把握に努めておる次第でございます。
 五十一年度の決算が最終的に確定いたしますのが五月でございまして、その後今日まで、極力全国的な実情の把握に努力をしておるわけでございますが、調査表等に記載の誤りがあり、それをまた聞き直すとかなかなか手間のかかる仕事でございまして、作業を急いでおりまするので、今年末には正確な実態の把握ができると考えておる次第でございます。なお作業を督励するつもりでございます。
○北山委員 経済状況はますます深刻になってきていますね。したがって地方の開発が予定のとおりに進むような状況じゃないのです。したがって、言うならば列島改造の後遺症とも言われるような問題の扱いというのは非常に深刻になっている。
 私の手元には、ことしの六月一日に建設省と自治省から都道府県あるいは市長に出した通達があります。「五十二年度における土地開発公社の業務運営等について」この内容を見ると全く微温的なもので、こんなものじゃどうにもなりませんよ。私はこれを読ましていただいた。これは矛盾が表面に出ないのは、各開発公社ともいわゆる買った土地、焦げついている土地は、見せ不動産にして金利の支払い分を積み上げていくのですよ。それで貸借対照表をつくっておるから赤字が出てこないようなかっこうになっているけれども、しかし、土地の値段はそう上がっておるんじゃないですから、実質は不良資産なんです。民間の会社ならこんなことを長くやってはおれない。要するに大きながんが地方財政の下、地方自治体の下に潜在している問題だ。これをどうするかということをひとつ真剣に考えなければならぬと思うのです。それは考えていただきたいと思う。
 時間がありませんので、これに関連しますけれども、この前この委員会でむつ小川原の開発について触れました。きょうは北東公庫の問題、それに関連した問題についてお尋ねをいたしたい。
 むつ小川原の開発は、なるほどせんだって閣議了解は出たけれども、その計画をしている諸事業、たとえば石油化学にしてもあるいは石油の精製にしても、もう当分そんな地域の投資が進められるような状態じゃないのですね。七年も八年もこういう状態が続くと考えなければならない。お先真っ暗ですよ。それなのに土地だけは三千ヘクタール以上も買って、それをむつ小川原という株式会社、これが持っている。それに対して北東公庫がたしか現在でもって百十億の出資をしている。さらには百九十二億の融資をしている。一体どういう見通しで北東公庫はこのむつ小川原株式会社に金を貸すか。また最近において、五十年、五十一年、五十二年、毎年どのくらいずつ金を貸しているのか、この内容を聞きたいのであります。
    〔原(茂)委員長代理退席、葉梨委員長代理着席〕
○吉田説明員 お答え申し上げます。
 むつ小川原株式会社につきましては、御承知のように、むつ小川原地域の開発を行っておりますが、これにつきましては政府におかれましても、五十二年の八月に「むつ小川原開発は、産業構造が低位にあるむつ小川原地域において、工業開発を契機として産業の振興と住民の生活及び福祉の向上に寄与するとともに、今後の国民生活の安定と国土の均衡ある発展に資する」目的を持ってやりなさいというような趣旨の閣議の口頭了解もございますし、また、最近閣議決定を見ました第三次全国総合開発計画におきましても、工業再配置と基盤整備のために重要な事業として指定しておる次第でございます。
 確かにこの工事、建設を始めました昭和四十六年のころに比べまして、今日では高度成長から安定成長へと、また石油関係その他においても、需要の増加は当時期待したものとは全く違っております。そういう意味では、現在の時点においてはいますぐこの場で石油精製関係あるいは石油化学の工場をつくるということはなかなか見通しがたいところがございますが、しかし三年、五年あるいは十年という長い経過を考えてみた場合に、いずれそういうようなものが必要になってくることは当然のことだろうと思います。と同時に、これらの地域、非常に広大な地域に広大な港湾を設備していこうということでございますので、港湾の設備あるいは道路その他の関連工事というものについては、かなり長年月を要するものと存じます。したがって、いまの時点におきまして、すでに昭和四十六、七年ごろから工事を始めているわけでもございますので、今後とも引き続き建設を進めてまいりたいと存じます。ただ、当初期待したのに対して、時間と申しますかそういったものは恐らく長くなるものと存じます。
○北山委員 いま、政府の決定だからといって、何も権威ないですよ。総理大臣が言ったことが、三年たてば景気がよくなるなんて言ったって、ちっともよくならないでしょう。新全総にしたって何だってみんな進まないじゃないですか。だからやはり公庫は公庫としての、金融機関としての見識を持ってやらないと、新全総だって言ったってあんなもの――あんなものと言ってはおかしいのですが、国土総合開発法で全国総合開発計画をつくれと書いてある。つくったって、これを実施するというのはどこにもないのですよ。ただあれは絵にかいたモチなんです。しかも新全総の中に、それだから北東公庫がむつ小川原株式会社に何ぼ貸せ、そんなこと書いてないでしょう。一体あのむつ小川原の開発計画の中にむつ小川原株式会社なんて言葉一つもないじゃないですか。そんな会社に、いま資料を見ますと、四十七年に三十五億、四十八年に四十八億、四十九年に三十七億、五十年に三十七億。そしていま国土庁長官ですらも、どうしたらいいのか、名案がないかといって頭を抱えているこのむつ小川原株式会社。五百億の借金をしている。そして何にも事業収益を上げてない、金利負担だけでも四十億から払わなければならぬ、こういう会社に五十一年度で三十五億貸して、そうして累計で百九十二億貸している。どんどん借金がふえるのです。むつ小川原株式会社というのに一体何のための経費を貸しているんですか。大半が利払いじゃないですか。株式会社が利子を払うための金を北東公庫が貸しているんじゃないですか。そんなことを金融機関がやっていいんですか。
    〔葉梨委員長代理退席、委員長着席〕
○吉田説明員 お答え申し上げます。
 この会社をつくりましたにつきましては、私ども現在十億出資をしております。県が五億、全費用の半分を国と地方団体で分けておりますが、これについては政府の御了解の上に出資をいたした次第でございます。今日の状態におきまして金利負担はかなり増高しておりますけれども、本年度におきましても、土地の買収あるいは代替地の開発、そういった住民対策事業の費用も負担いたしておる次第でございます。
○北山委員 時間がありませんから、もうこれで終わりますけれども、とにかくいま五百三十五億の借金をしょっているんですよ。土地を三千ヘクタールも抱え込んで、これは売れないでしょう。いつになったら売れるかわからないですよ。そういう会社、当然利子がどんどんかさんでいって、十年もたったら一千億になるでしょう。そういう会社だ。そういう会社にどんどんこうやって金を貸しているということは、要するに会社の利子を払わせる金を貸すのですから、金融機関としてはまことに不健全な融資であるし、考えなければならぬ。しかも国の、これは公庫なんですからね。この金は政府が保証した金だったりあるいは大衆の貯金だったりしているのですよ、税金じゃないですけれども。しかし、そういう金をいまこそ最も有効に使わなければならぬじゃないですか。むつ小川原株式会社に金を貸して、一人の雇用だってふえるわけじゃないですよ。いま失業問題が大変なときに、この大事な金を有効に使って、みんなに仕事がそれだけふえるとか、そういう金を使うべきなんだと思うのだ。
 まあきょうの議論は時間の関係で十分ではありませんでしたけれども、私は会計検査院に要求したいのです。何ぽかの工事の何か不正とか、不当とかそういう問題の摘発も大事ですよ。ですが、こんな莫大な金がどんどん投資され融資されて、その金が生きていないということ、今後何年も何年もこの金が寝てしまうということ、そして利子の負担がふえていくということ、一体こういうような政府資金なりそういうものの金を政府機関、北東公庫みたいなところがやるということがいいのか悪いのか、これに対する判定ができないような会計検査院ならこれは役に立たないと思うのですね。この問題を、むつ小川原の全体の問題とこの北東公庫の問題なんかを取り上げられるかどうか、検討してみる気があるのかどうか、これを私は会計検査院にお聞きをしてこの質問を終わりたいのです。
○東島会計検査院説明員 お答えいたします。
 むつ小川原開発株式会社に対しましては、私ども以前から関心を持って調べておりまして、ただいま先生のお話のように、非常に大事な資金が必ずしも有効に使われてないという点もわれわれよく承知しておりまして、これについては現在鋭意検討している状態でございます。
○北山委員 終わります。
○芳賀委員長 原茂君。
○原(茂)委員 きょうは四点御質問しますが、最初に自治省と大蔵省に北富士の問題についてお伺いします。
 ちょうど吉岡さんいますけれども、いま開発庁で偉くなってしまって知らぬ顔していますが、大変長い間この問題に関して当委員会でも私から問題を投げかけてまいりました。しかしながら、返還国有地の二百十四ヘクタールの払い下げは、私に言わせますと、ついに世論を無視して、去る九月四日、来年の四月に迫る北富士演習場再契約の引き出物のように山梨県に払い下げられました。それに伴う所有権移転登記もたしか九月二十四日ごろ完了して、残るのは林業整備事業の実施があるのみになっているはずであります。山梨県はこの林業整備事業を行うために、払い下げ契約前の八月十九日に山梨県北富士県有地管理規則を制定しまして、その第二条において分収造林による林業整備事業の実施を規定し、同条二項においては地元公共団体――富士吉田市、忍野村、山中湖村及び富士吉田市外二カ村恩賜県有財産保護組合のいずれかを造林者とすることまで決めております。そして現在、造林者になるものとして富士吉田市ほか二カ村、恩賜県有財産保護組合、これをこれから恩賜林組合と言いますが、これが事実上指名されております。しかるに、山梨県に払い下げられてから二カ月余も今日すでに経過したわけですが、一向に林業整備事業を行うための必要不可欠な法的手続、すなわち分収造林契約がいまだに難航して締結されていない。これが現実であります。
 私が灰聞したところによりますと、造林者となるべきものとして予定されている恩賜林組合がその分収造林契約を締結するに当たって、入会権の問題、分収率の問題、再払い下げの問題などを主張して譲らない。何らかの文書でその確約をくれない限り分収造林契約を結ばない、こう言い張っている。そればかりでなく、来年三月の演習場再契約にも応じないと言って、県と恩賜林組合との間は何ら契約事項が進展していないのが現状であります。
 払い下げるに当たって、私は何回となく追及しましたが、大蔵省は、県と組合との間は完全にうまくいっていて、あとはスムーズにいくという約束を何回となくしました。にもかかわらずこのていたらく。現在何ら進展をしていない。
 この双方の食い違いの論拠を私が言うまでもなく、もうすでに何回も委員会で言ってきましたように、県当局はその管理規則にも明示しているように、恩賜林組合を地方公共団体として契約当事者としようとしているのに対しまして、恩賜林組合は、元来この払い下げは恩賜林組合が提訴した自衛隊不法使用妨害排除訴訟取り下げの見返りとして決定されたということ、また払い下げ地は旧十一カ村の入会地であり、その管理団体であるのが恩賜林組合であるから、その入会権を守らなければならず、なお再払い下げは当然であるとしているのではないかと思われますが、これは事実であります。そのため、恩賜林組合はかかる主張を貫くために、入会組合員はもちろん、地元民に対し、新聞折り込み等によって返還国有地再払い下げ実現の主張を繰り返しているのが現状であります。
 そこで、私は次の三点について、関係当局に伺いたいと思うのであります。
 第一点は、恩賜林組合は山梨県有普通財産に関する分収造林契約締結の行為能力を有するかどうかという点であります。
 自治省、特に自治大臣にお伺いしたいのは、特別地方公共団体たる一部事務組合が純然たる私権である入会権の管理団体になり得るのか否かという点についてであります。
 このことにつき、たしか昭和四十七年自治省行政課長の言ったところによると、この恩賜林組合の沿革や性格という言葉において、一般の一部事務組合とはいささか異なるような権能を有するがごとき説明がなされておることを記憶しております。
 しかし、恩賜林組合は地方自治法第二百八十四条に規定する一部事務組合であって、特別地方公共団体としての法人格を有しているにすぎないのであります。
 では、その公法人としての恩賜林組合の行為能力、つまり平たく言うと、たとえば土地の賃貸借契約とか売買契約とかを単独で有効に行迂る能力はどこで判断されるのかと言えば、それはその規約によって判断せざるを得ないと思うのであります。もちろん一部事務組合の規約は、地方自治法第二百八十四条一項のその構成市村の「事務の一部を共同処理するため、その協議により」定められるのであるから、当然その構成市村が供出した事務内容がその規約を規定していることになります。だとすると、公法人としての行為能力は組合規約によって判断されるのであるから、一部事務組合たる恩賜林組合の行為能力は構成市村の供出した事務内容によって判断されるということになります。
 これを裏から言いますと、供出された事務については、一部事務組合は十全の行為能力を有する。逆に、一部事務組合に供出した構成市村は、その事務については行為能力が消滅する。要するに、一つの事務につき一部事務組合とそれを構成する地方公共団体との行為能力が競合するということは考えられないわけであります。一部組合とその構成市村の行為能力は、原則的には二律背反の関係にあります。
 このような前提に立って、一部事務組合たる恩賜林組合の行為能力を判断してみるとき、その行為能力は、その規約、富士吉田市ほか二カ村恩賜県有財産保護組合規約によって判断さるべきものであり、かつその規約はその構成市村の供出した事務内容に限定され、その事務については構成市村と一部事務組合とが併存して有することはないということになる。
 そこで、恩賜林組合の行為能力につき規定している同組合規約第二条を検討してみますと、同条は「本組合は」「富士山北面に関する左の事務並びに本組合の財産に関する事務を共同処弁す。」と言っている。ここに「左の事務」とは、恩賜県有財産に関する具体的な事項を規定しているのであって、それ以外の、たとえば山梨県普通財産については何ら規定していないのであります。そうだとすると、恩賜林組合はまさしくその名が示すごとく、恩賜県有財産に関する行為能力しか有さないのではないか。恩賜県有財産以外についても、恩賜林組合が行為能力を有するという根拠はどこにもないと私は信じている。
 再度繰り返すまでもなく、一部事務組合とその構成市村との関係は、その事務に関する行為能力については二律背反の関係にある。にもかかわらず、恩賜林組合は山梨県有普通財産についても行為能力を有するということになれば、構成市村は山梨県有普通財産については行為能力を有しないということになってしまう。全く理解しがたい結論になってしまうと思う。さきの二律背反の関係と矛盾することになります。
 私はまた、この「並びに本組合の財産に関する事務」という後段の規定も、一般的に恩賜林組合が恩賜県有財産以外についても行為能力を有するという積極的な根拠には決してなり得ないと思うのであります。それはいままで述べたように、二律背反的関係に矛盾するということだけではなく、一部事務組合の基本的性格として、そんなに抽象的かつ広範に行為能力が認められるものではないということからであります。
 むしろこの規定は、既有財産――組合の現有する財産ですが、についての規定であると解すべきものであり、このことは、この文言を規約に入れた沿革を調べても明らかであります。したがって、原則的には県有普通財産についての行為能力を有しないが、ただ例外として、その既有財産の管理上及び恩賜県有財産に関する事務遂行に必要な場合には、規約に定めた事務以外についても行為能力を有すると解すべきである。言いかえれば、恩賜県有財産保護のための防火線をつくろうとする場合に、その地形上やむなく県有普通財産を購入または借地するというような場合にのみ行為能力を有すると解すべきなのである。なるほど裁判所の法人の行為能力についての解釈も、当初は「目的の範囲内」を狭く解し、定款に記載された目的事項に限るといたしておりましたが、「目的遂行に必要な行為」という概念を用いるなどしてだんだん広く解するようになってまいりました。だがしかし、この判決もその法人が財産の運用利殖を図ることを目的としている法人についての判決であって、もっぱら営利法人等に関するものであり、利潤追求をその目的としていない地方公共団体に直ちに適用することができないのは言うまでもありません。
 そうだとすれば、今般山梨県に払い下げられた返還国有地二百十四ヘクタールについて、山梨県が設けた山梨県北富士県有地管理規則第二条第二項の規定は、山梨県が同地において分収造林事業を行うに当たって、その造林者として恩賜林組合とその構成市村を並列していることは、地方自治法上きわめて矛盾しているものだと私は信じます。
 また逆に、恩賜林組合が恩賜県有財産でない土地について造林者となることは、いま述べたように地方自治法及び組合規約上重大な疑問があると思います。このことは、広域行政下一部事務組合が続出している現在、自治省としてはっきりけじめをつけなければならない課題であると思う。そういう意味から、以上の点についてまず自治大臣の率直な答弁をお伺いしたいと思います。
○小川国務大臣 北富士問題につきましては、通常国会で原委員から御質疑があったのでございますが、承ると、非常に複雑な経緯があり、複雑な錯綜した事情になっておる。そこで、御発言の要旨を文書にしていただいたものをちょうだいして、自治省としては検討いたしたわけでございます。私は、これは根本的には山梨県と関係団体との間で十分協議を遂げて円満に解決をしてもらうべき問題であるけれども、もし県の措置にはなはだしく不当な措置あるいは違法な措置があれば必要な指導をいたしますということを申し上げた記憶がございます。本日は御質疑の通告をいただいておらないものですから、担当者が参っておりません。先ほどこちらへ来るように呼び寄せておりますので、参りました上で答弁をさせていただきたいと思います。
○原(茂)委員 この質疑の通告をしておきましたよ。(小川国務大臣「いや、いただいておりません」と呼ぶ)いないというのは、大臣がどう解釈したか知らぬけれども、質疑の通告をしてある。山本さんでも結構ですから、後から来ました人にいまの質問点をまず第一に言って、後で答えていただきます。
 それから二番目に、恩賜林組合が主張しているように、仮にその実態が入会権の管理団体であるとすれば、その入会権益に対する賃貸料、補償料あるいは入会管理団体としての土地売買につき、課税されないのかどうかをこれから大蔵省に伺います。国税庁の法人税課長に来ていただいていると思いますからお答えをいただきたいのですが、吉田恩賜林組合の演習場にかかわる毎年の莫大な収益が課税対象となるのかどうかという点でございます。
 伺うまでもなく、公共法人たる地方自治体あるいは収益事業を営まない公益法人等が納税義務を負わないことは明らかであり、法人税法の第四条ただし書きを参照するまでもありません。そして、いま私が問題としている恩賜林組合が地方自治法上の一部事務組合として特別地方公共団体であることも、その法形式上疑いのないところでもあります。これははっきりしている。しかるに、この恩賜林組合がみずからこれまでに発行してきた数多くの文書あるいは声明、言い分等によれば、「恩賜林組合は、形式上一部事務組合ということになっているが、その実態は旧十一カ村入会地の管理団体にほかならず、土地支配権という包括的な権能を有する入会権に基づいて土地の賃貸料あるいは補償料等を取得しているのである。」としています。ここに問題がある。果たして、地方公共団体たる一部事務組合が、特定の入会集団に帰属している純然たる私権である入会権の管理団体に法制上なり得るかどうかという点であります。私は、きわめて疑問があります。この点についてはいま自治当局にるる尋ねたところであり、国税当局としても、この恩賜林組合の実態把握がなされぬ限り、この組合の収益が課税対象になるかどうかの見解は直ちには出せないものと思われますが、仮に恩賜林組合の言うとおり「一部事務組合というのは形式で、その実質は旧十一カ村の入り会いの管理団体であり、したがって演習場借り上げ料等莫大な収益の帰属は、旧十一カ村入り会いの管理団体である」とした場合、組合の言うとおりだとした場合に、当然に実質所得者課税の原則上課税対象となるのではないかと思われますが、この点について、原則論でよいから国税庁の意見を聞かせていただく。
○北村説明員 お答えいたします。
 お尋ねの富士吉田市外二カ村恩賜県有財産保護組合は、すでにお話がございましたように、地方自治法上の地方公共団体でございますので、法人税法上の規定によりまして法人税を納める義務がないというふうに考えてございます。実態等についていろいろ御質問がございましたけれども、地方自治法上の地方公共団体ということになっております場合は、やはり納税義務がないというふうに考えております。
○原(茂)委員 ですから、私はくどく二回繰り返して言った。よく聞いておいてもらいたい、片方だけのことを聞くのじゃない。
 この組合が、「一部事務組合というのは形式で、その実質は旧十一カ村の入り会いの管理団体であり、したがって演習場借り上げ料等莫大な収益の帰属は、旧十一カ村入り会いの管理団体である」とあらゆる機会に言い切っている。組合の文書にもある。ですから、実態を調べてみなければ正確なことは言えないにしても、仮に、この組合が言い切っているように、この旧十一カ村の入り会いの管理団体が、この収益は当然取っていいのだ、表面は違う、形式上はそうなっているがそうじゃないのだ、こう言って組合員全体に周知徹底をしているということがあった場合に、この場合には一体課税対象になるかどうかをたとえばの話で聞いている。もう一遍答えてください。
○北村説明員 先ほど申し上げましたように、実態としてどういう実態になるかということをいま私存じ上げてお答えしているわけではございませんが、ただ、一応地方自治法上自治大臣または都道府県知事の許可を得るということで特別地方公共団体、一部事務組合が設立されているわけでございますので、第一義的にはそれを尊重し、その許可を得ているという事実に着目いたしまして地方公共団体だというふうに考えていくべきだと考えております。
○原(茂)委員 それはいいのだ、あなたの答えたとおりなのだ、それはよくわかる。しかし実際には、組合がそう言っているから――いまの北富士に関係なしと考えても結構です。たとえば組合の言うとおり、この入会集団が当然収益は取るべきだと言って取った場合に――北富士に関係なし、取った場合には課税対象になるのでしょう。それだけ、なるかならないかを答えてもらえばいい、たとえばの話に。
○北村説明員 お尋ねは、地方公共団体が収益を得ている場合ということでお尋ねがあったと思いますが、地方公共団体にいろいろな収入はあると思います。その場合は、先ほど申し上げましたように納税義務がないということでございますから、先ほど来申し上げておるように法人税の問題は生じてこないということでございまして、以上のお答えでは……。
○原(茂)委員 あなた、頭が悪いのか耳が遠いのかどっちかだ。私が聞いているのは、そうじゃない場合の入会集団が収益を得たときには課税対象になるかと聞いている。
○北村説明員 収入の帰属が、お尋ねが地方公共団体ではなくて、それ以外の団体に入っているという実質的な判断がある場合ということでございましたら、それは当然いまの議論とはまた別でございまして、その収入が帰属しているところに沿って、それが地方公共団体であるかあるいはそれ以外の団体であるかといったような判定は当然出てくるわけでございます。
○原(茂)委員 北富士というと、箱口令でも敷かれているように警戒に警戒をして答弁しているんだろうと思うんだけれども、そんな必要はない。要するに、端的に言うとあなたの言うのは、そうじゃない場合には課税対象になるという答弁とみなしていいですね。
○北村説明員 収入が帰属しております団体がどこであるかという話につきまして、仮にそれが非課税団体以外の団体に帰属しているといったようなことがございますれば、それに沿った法人税の解釈をすべきであるということでございます。
○原(茂)委員 ぼくの言ったとおり、その場合には課税対象になると言えばいいんだよ、そんなことは。何も、よけいな違った言い回しをしなくても。その場合には課税対象になるということに答弁があったものと思いますが、三点目に、恩賜林組合という一部事務組合にまつわるその他の問題についてちょっとお伺いをしたいのですが、来ましたか。まだ来ないのですか。――それでは、三点目の問題は来てからにします。第一点の問題は、ここへ来る間に、答えるように問題点を説明していただきます。
 そこで、違う問題に一時入っていきます。
 地方自治団体のいまの財政上逼迫している問題を中心にして自治大臣に少しお伺いしたいのですが、地方財政は、四十九年末以来の長期にわたる不況のために、地方税及び地方交付税に大幅な減収が生じました。その後、これらの収入が伸び悩んで、五十年度においては補正予算の時期になって住民税を中心に地方税において一兆円を超える減収が予想され、さらに交付税においても、国税三税の減収に伴って一兆一千億円余の減収が生ずる見通しとなり、一兆千二百億円余の地方交付税特別会計の借り入れ、一兆六百億円余の地方債の増発が行われ、五十一年度においても事態は全く同様で、二兆六千二百億円の財源不足が明らかになり、地方交付税において、五百五十九億円の臨時特例交付金と一兆三千百四十一億円の借り入れと合わせて一兆三千七百億円の補てん措置がとられました。地方債では、八千億円の建設事業債の増発と四千五百億円の特例債の発行と合わせて一兆二千五百億円もの特例措置がとられたことは御存じのとおり。五十二年度においても二兆七百億円の財源不足が見込まれ、その半額の一兆三百五十億円については地方債の増発で埋め、あとは九百五十億円を臨時特例交付金として、残額の九千四百億円は交付特別会計が資金運用部から借り入れて措置したことも御存じのとおりです。このような地方財政の困難な状況を踏まえて、町村の立場を中心に数点にわたって質疑をこれから行いたいわけです。
 まず町村行財政の強化についてであります。
 第一に、地方交付税率の引き上げと町村への傾斜配分の強化であります。地方交付税法第六条の三第二項によって、地方交付税の総額が引き続き著しく過不足を生ずることとなる場合には、地方行財政に係る制度の改正または地方交付税率の変更を行うことになっているが、地方財政の財源不足は三年連続して二兆円を超えておる。さらに最近の円の高騰、国際情勢から見て景気の急速な回復はほとんど期待できない。この財源不足は恒久的なものとなるのではないかと私は思う。この際、税率の引き上げと町村への傾斜配分を強化すべきだと思うが、大臣としてはどうお考えですか。
○小川国務大臣 お言葉にありましたように、ただいまの地方財政、三年連続して二兆円を超える財源不足を生じておる、まことに困難な状況に立ち至っておるわけでございます。そこで五十二年度におきましては、これまた仰せのとおり二兆七百億円の財源不足に対しまして、その半分一兆三百五十億円は建設事業債の活用により、残る一兆三百五十億円は交付税の増額によって解決をいたしたわけでございます。増額した交付税のうち五千百七十五億円についてみますると、これは五十二年度に関する限り交付税の率を三・六%引き上げたのと効果において変わりのない措置をとった、かような形で余すところなく財源の不足を補てんいたしたわけでございますが、根本的にはある時期に現行の税財政制度の抜本的な改正を実行いたしまして交付税並びに地方税、要するに一般財源の大幅な増強をしなければならない、かように考えまして、明年度の地方財政対策につきましては、ただいま地方制度調査会の御審議を煩わしておるところでございます。この御審議を承った上で善処したいと考えております。
 市町村につきましては、これは申すまでもなく、いわば基礎的な地方公共団体でございますから、概して財政力の弱い団体が多いわけですから、今日まであとう限りの配慮をしてきておるわけでございます。
 そこで、今後の問題でありますけれども、町村の中でも過疎地域につきましては過疎債の元利償還金の算入、辺地については辺地債の元利償還金の算入、人口減少団体につきましては交付税の算定に際し人口急減補正を適用する、あるいは段階補正係数の算出におきましては、小規模団体の実情に即応した財政需要を的確に把握するように努めているところでございます。これから先も町村行政の実情に沿いまするように、交付税の算定方法につきましては特段の考慮を加えていくべきものと信じております。
○原(茂)委員 いまの税率の引き上げに対しては検討していると思うのですが、その目標は一体どんなところに置いて検討しているのか。
○小川国務大臣 今日の時点では明年度の地方財政の状況というものを的確に把握することがはなはだ困難でございます。もう少し時間が経過いたしまして、なかんずく、明年度の税制改正について結論的なものが出た時点でありませんと的確な見通しを立てることができない、その上で交付税率の引き上げの問題についても検討をするつもりでございます。
○原(茂)委員 現在ではその目標数字がちょっと出せないというならやむを得ないのですが、それは大至急に検討してもらうのと同時に、いま言った傾斜配分に関しては、これは思い切った手を打たないと、そうでなくても今後の景気の動向というものは非常に希望のない状態にあると私は思うので、この点は、もう少し何か具体的に傾斜配分へのこれからの志向といいますか、そういったものをもうちょっと説明していただけますか。
○山本(悟)政府委員 ただいま御質問のございました交付税におきますところの傾斜配分、ことに財政力の弱い町村についてどう考えるかということでございます。大臣から御答弁申し上げましたように、従来からもそういう考え方は相当に取り入れて処置をいたしているつもりでございます。特に人口急減補正といったようなこと、それから段階補正におきますところのカーブのつけ方、こういうものによって、たとえば人口で申せば人口一人当たりの行政経費が小さな団体は割り増しになる、そういう思想というのを相当に取り入れて措置をいたしている。その結果と申しますのは、やはり人口一人当たりの地方交付税の額あるいは一般財源の枠、こういうものを団体の規模別に系列化してとってみますと、相当にやはり下位の団体の方に高くなるという数字も出ているわけでございまして、なお一層そういう方向も考慮しながら、もちろん交付税でございますから、全地方団体に与えられました共有の財源ということでございますので、最も公平になるようなかっこうで、しかもやはり財政力の小さな団体というのが財政運営に支障を来さないようなことを十分頭に置きまして、そういった補正その他におきまして算定上考慮してまいりたい、こう思っておるところでございます。
○原(茂)委員 次いで、現行の税体系における国、地方間の税源の配分が、それぞれの支出状況に比較して著しく不均衡なものとなっているということは、これは各方面からずいぶん前から指摘をされているとおりであります。町村財政確立のためには、国、地方及び都道府県、市町村間の税源の再配分について検討を加えるべきと思うが、それいまやっていますか。再配分に対しての検討はいかがですか。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおりに、それぞれの国の税と地方の税と表面上の収入の割合ははるかに国が高くなって、実質の支出は地方の方がはるかに多くなる、こういう状況でありますこと、御指摘のとおりでございます。したがいまして、こういった際に全体としての租税収入、国民の負担というものはどうあるべきかというような点につきましては、先般の税制調査会等におきましても、中期の見通し、中期税制についての考え方というようなものも出ておるわけでございますが、ああいったようなことが行われます際には、やはり地方団体側に財源を、自主財源としての地方税収入というものをふやすような方向で検討してまいりたい、こういう気持ちを自治省といたしましては常に強く持っておるところでございます。
 また、さらに今度は、地方団体のそれぞれの中におきましても、やはり市町村税制、府県税制といろいろな問題があるわけでございまして、それらの間におきますところの最も効率的かつ公平な税体系というものをつくっていかなければならない、このことは御指摘のとおりでございまして、ただ既存の税目の中でもってあれをこう、これをどちらにということはなかなか実際上むずかしい問題でございまして、やはり新たなる税あるいは目的税というようなものの配分に際しましては、たとえば道路目的税というようなものの考え方というようなときには、ひとつ市町村というものに重点を置く必要があるじゃないかというようなことで、いろいろと対処をして検討をいたしておるところでございます。
○原(茂)委員 何らかの項目で、来年度一つだけでも配分についての変化を期待していいですか。何か一本ぐらい来年は出ますか。依然として今年度と同じですか。
○山本(悟)政府委員 明年度の具体的な税制につきましては、これから税調も始まるところでございまして、どうこうということはいまの立場におきましてちょっとお答えしにくいわけでございますが、こういう経済情勢の中、一体明年度の税制がどうなってまいりますか。その際の考え方といたしましては、市町村税制というものにも重点を置いてもらいたいという気持ちは自治省としても十分持っておりまして、そういう方向のことが検討されれば非常に幸いであると思っております。
○原(茂)委員 とにかくいまの政府には、何とか審議会だ、それ何とか調査会だというようないっぱい隠れみのがあって、それの答申を待って、それが出るのを待っています。いつ聞いても同じことを言って、隠れみのにずっと使うものがいっぱいあるんですね。やがてこれ整理しなければだめですね、こんなものを置いておくものだから。あなたの方が自分でもって判断をして、自分たちである程度の基本線を出して、そして市町村なら市町村のいまの財政事情というものを勘案してこうすべきだというものをどんどん出していくようにならなきゃ、本当はおかしいんですよね。いつも何か審査会があります。国有財産の払う下げがそうだ。審議会、審議会と言って、審議会が唯一の隠れみのになって、とんでもないことを平気でやる。税調も同じ。とにかく何か隠れみのに使っているにすぎないんですね。ちっとも進歩しないわけです。
 いまはそんななまぬるいときじゃないですよ。非常事態ですよね、経済状態も。単なる円高だなんて言っている状態じゃないんですから、したがって本当に大臣の言われるように、市町村というものはやはり地方自治の基本だというお考えが正しいので、そういうことを考えれば考えるほどに、もっと真剣に、もっと愛情のある、血の通った考え方を自治省率先してやって、大蔵省とも毎日けんかをするというくらいになれば、こっちもまた自治省どんどん応援したり何かするんですが、ちっともやってない。大蔵省からぱっと一にらみされると、何となくごもっとものような調子、あるいは税調が出なきゃおまえ無理じゃないかと言われると、そのとおりというふうにおさまっているような自治省なら、私は要らないと思う。いまこそ自治省がなるほど政府の中にあるんだということを全国民が知るように、もうちょっと目の色を変えてがんがんやらなければいけないと私は思うんだが、これは一つの愚痴になりますが、残念ながらわれわれから見ると、真剣さが足らないといいますか、もうちょっと地方自治体の今日の窮状というものに対しては、本当に血のつながった愛情を込めて、政府の中でやはり自治省がおれたちのためにあるんだということを知らせてやるような何かが見えてこなければならぬ。その意味でも、来年度これだけはというやつを何かこれはぜひつくってもらいたいと思う。何もない、いままでと同じような配分の状態だったら、これはいつも前から言われているがんなんですから、この税の再配分というものに関しては、思い切った案だけでも自治省がお出しになることが私は必要だと思う。そういうことはできませんか。
○小川国務大臣 地方財政の今日の窮状ということは、私は本当に身をもって実感をいたしておるつもりでございます。したがいまして、毎日大蔵省とけんかをいたしておるわけでございます。明年度具体的にどういうことをするつもりかこの時点で返事をしろと仰せられても、これは無理でございます。また税の問題は、なかんずく公平を期さなければならない問題でございまするし、きわめて専門的、技術的な分野でもございますから、各界の代表の方の御意見を伺うということも、これも必要でございます。決して隠れみのに使うというようなつもりはないわけでございます。答申をいただいてから、その答申を尊重しつつ具体的な方法を考えていきたい。しかし、仰せの御趣旨はまことにごもっともでございますから、御趣旨を体してこれからも努力をするつもりでございます。
○原(茂)委員 知り過ぎるほど知り過ぎている人格者の小川さんに、これ以上物を言う気もありませんが、ぜひひとつ思い切って大蔵省と毎日やり合ってでも、地方財政というものをこれでよかったと思わせる何かを来年度はつくっていただくように、これは私から要望しておきますが、真剣な努力をまた重ねてお願いしたいと思う。
 それから次に、国庫補助負担金に係る超過負担の問題なんです。国と地方公共団体間の財政秩序を破壊して、地方財政を不当に圧迫するのみならず、国及び地方公共団体相互間の不信をもたらす原因ともなっているのが、この国庫補助負担金に係る超過負担の存在だと私は思う。国庫補助事業の地方超過負担の完全解消のためには、基準額、基準数値について、実情に即した改定を実施しないとだめだと思いますが、この改定はおやりになりますか。この改定ができない限り、現状ではどうしても超過負担問題が起きてくるのですね。したがって、この基準の改定というものに思い切ったメスを入れるということが焦眉の急だと思うのですが、この点はいかがですか。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおりに、国庫補助負担金に伴います超過負担の問題、非常に地方の財政上の圧迫の原因でもございますし、また、財政秩序を乱すという意味におきましても早急に是正さるべきもの、こういう考え方を自治省としてはとっておるわけでございまして、この考え方に基づきまして、自治省といたしましては関係各省庁にその解消方につきまして常々要請を続けてきているところでございます。また必要な場合には、関係各省と共同で実態調査等もそれぞれいたしてまいりまして、その結果に基づきましてある程度の超過負担の解消は図られてきた、かようにも思っておるわけでございます。
 しかしながら、ただいま御指摘のございますように、まだ現在におきましても数量差あるいは対象差といったようないろいろの問題点がございます。ものによりましては、建物等につきましても、たとえば標準仕様とか標準設計がないといったような問題もございますし、数量におきましても常識的な実態というものとまだ乖離があるというものもあるわけでございまして、そういうものにつきましては、個別に各省庁の方に御要望もし、大蔵省に対しましても要望をしているということでございまして、なお一層努力を続けてまいりたいと思っております。
○原(茂)委員 続いて、地方債の拡充強化についてひとつお伺いします。
 いわゆる福祉、福祉といま言われていますが、これに対する地域住民の要望というのは年々増加している。これは一つの問題ではありますが、増加していることは事実であります。財政危機下にある地方自治体というものは、財源確保の手段として地方債に依存する度合いが高くなり、地方債なくしては必要な政策目的を達することはほとんど不可能と言っていい状態に現在陥っている。そのために、地方債資金の安定確保とその質の改善のために、公営企業金融公庫の地方団体金融公庫改組の要望が自治体において特に強く、もう何回も陳情、請願が行っている。自治省においても本年度の重点施策として取り上げておられることを知っています。しかし大蔵省の強い反対に遭って、どうも公庫改組問題というのは見送られて今日に至ったように思いますが、この今後の見通しは一体どうでしょうか。来年度これを実現していただくようなことができないかどうか。自治省の見通し、それから心構え、それをひとつお伺いしたい。
○小川国務大臣 地方公共団体に対して良質な資金を供給しなければならない、かように考えまして、公営企業金融公庫の改組の問題を持ち出したわけでございます。遺憾ながら今年度におきましては大蔵省との間に見解の一致を見ませんでしたけれども、この問題については継続して協議するという覚書を取り交わしておるわけでございます。今日、金利も低下しておりまして、一ころに比べれば縁故債の消化の困難というものも幾らか緩和をしてきておりますけれども、それにいたしましても、長期的な観点から見てこの公庫の改組ということはどうしても必要でありまして、ぜひとも明年度において実現を見るべく全力を傾注する決心でございます。よろしく御鞭撻をいただきます。
○原(茂)委員 次に、臨時市町村道整備事業債の継続措置はどうなっているかを伺いたいと思うのです。この事業債というのは、生活関連道路としての市町村道の整備を図り、あわせて景気浮揚に資するため五十一年度に措置され、本年度も継続されていることは御存じのとおりですが、地方財政の厳しい中にあるにもかかわらず、地域住民の生活環境整備等に対する要望はますます増加しており、また民間部門の経済活動に余り期待できそうもない現在、国民経済を支える上からも公共投資が重視されなければならないということであるが、一方、市町村においては地方債に頼らざるを得ない財政事情にあるので、来年度以降も継続すべきだと思うのですが、この点はいかがでしょうか。
○小川国務大臣 当面の景気の状況ということから考えましても、臨時市町村道特例債を明年度におきましてもぜひ継続をしたいと考えております。
○原(茂)委員 ただ、この地方債においては縁故資金が非常に多い、その利子負担が今後の地方財政に大きく影響することは間違いない。このため、この事業債についても政府資金を充てるようにして、縁故資金で措置した場合は政府資金との利差分を交付税で措置するように望む声が自治省に方々から行っていると思うのですが、これに対して何らかの措置を講じますか。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおり政府資金は、一定の枠といいますか、総量の問題があるわけでございまして、現在のように地方債というものも、総量がふえてまいります上民間資金に頼る率というのが次第に高くなっている、御指摘のとおりでございます。ただ、臨時市町村道整備事業債につきましては、その元利償還金というのは当然地方財政計画の歳出の方に算入をいたしてまいります。そのことによりまして地方財政全体といたしましては、その必要な元利償還というものを確保いたします。そうして個々の団体につきましては、やはり普通交付税の算定に用います基準財政需要額に、道路費の単位費用を高めることによりましてその必要な財源を算入していく、そういう措置によりまして各団体に公平にその元利償還の必要財源を措置をする、こういうような手段をとるのが最も適当でないかということのように考えておりまして、明年度以降もそういう方法で、市町村分の道路費の単位費用を高めることによりまして必要な措置をとってまいりたい、このように存じているところでございます。
○原(茂)委員 次に、過疎地域対策緊急措置法の期限延長はどうなるかをお聞きしたいのですが、この法律は、申すまでもなく過疎地域振興のため昭和四十五年に十カ年の時限立法として制定されました。あと二年有余、五十五年三月三十一日に失効することになっております。過疎地域市町村の数は現在千九十三団体ありますが、その動向を見ると、まず人口は、過疎白書によりますと、五十年に四十五年の人口を上回った団体は六十一団体、また五十一年に五十年を上回った団体は百四十七団体となっている。ただし、全体としては減少が続いていることは間違いない。また財政力指数については、とりあえず長野県について見ると過疎地域は四十三団体。長野県について見た場合ですよ。四十五年と四十九年、五十年、五十一年の平均で比較してみると、増加したのは九団体にすぎない。残された二年有余の期間内に過疎現象が大幅に減少するとは考えられない。過疎地域対策緊急措置法の期限を延長してさらに強化しなければいけないと思いますが、これは国土庁からも来ていただいておりますから御答弁をいただくのと、地方自治全体の問題として自治大臣からも答弁をお願いしたい。
○小川国務大臣 過疎町村の実態は仰せのとおりだと存じます。そこで、本年度におきましても過疎債、辺地債百六十億円増額をするということもやっておるわけでございます。現行法が五十五年の三月末で失効するわけでございますが、この延長を望む声が非常に強いということはよく承知をいたしております。まだ若干の時間的な余裕もあることですから、十分国土庁と協議をしてまいりたいと思います。
○下山説明員 国土庁といたしましても、ただいま自治大臣がお答えいたしましたような認識を持っております。先生御指摘のとおり、まだまだ過疎地域に対する対策は充実していかなければならないと思っております。そこで、私たちは今年度からこれらの過疎対策地域に対するいわゆる過疎法の成果というものを十分検討するような調査を行っております。また、来年度も引き続きもっと大がかりな調査をしてみたいと思っております。これらの成果を踏まえまして、かつ五十四年度あたりの各施設の整備状況、これらをよく見た上で、関係省庁とも十分連絡をとりまして、その検討を今後進めてまいりたい、このように考えている次第でございます。
○原(茂)委員 ここでちょっと細かくなりますが、五つまとめてお伺いします。
 過疎地域市町村の昭和四十五年度から四十九年度までの五カ年間の前期市町村計画の実績について見ますと、市町村道の延長は過疎地域市町村の方が伸び率がやや高い。改良延長は全国との格差が余り縮小していない。舗装延長は総体的にはかなりのおくれを見せている。これは事実かどうかが一つ。それから二つ目に、教育文化施設のうち、学校プールの設置については全国平均に比して依然として格差は縮まっていない。その次に厚生施設については母子福祉施設は増加しているものの、目標には遠く及ばないという現状だと思うがどうか。ごみ処理施設は現状は目標の七割から八割の水準にとどまったまま。それから保健婦の配置については全国との格差が非常に開いているというのが現状なんです。
 対策も含めて、いま言ったものをまとめて一つ一つをお答えをいただきたいと思います。
○下山説明員 お答えいたします。
 ただいま概況といたしましては先生の御指摘のとおりでございます。特に交通通信施設として重要な市町村道、これにつきましてはやはりその改良率あるいは舗装率の点で、非過疎地域に比べてまだ低位にございます。それから、農道、林道に至りましても、その改良、舗装は行われているわけでございますが、これも格差は全国から見まして縮まっておりません。なお保育所、幼稚園、その他につきましては、若干過疎地域については最近充実の傾向が見られます。それから、特に過疎地域、山村地域で重要な問題として考えております医療施設の関係、いま先生の御指摘のとおりでございまして、特にこの点を充実してほしいというのが過疎地域からの切実な声でございます。それから学校施設、特に小学校、中学校についても先生の御指摘のとおり、いろいろの老朽な校舎を抱えているというような問題がございます。
    〔委員長退席、北山委員長代理着席〕
○原(茂)委員 ここで、自治省の近藤行政局長が来たようですが、では第一点の問題について答弁してください。質問の要点は聞いていますね。
○近藤政府委員 富士吉田市外二カ村恩賜県有財産保護組合規約の中の第二条によって、今回処分されました国有地、現在県有地になっておりますものについて分収契約を結ぶことができるかどうかという意味の御質問であったと聞いております。この二条の解釈をどうするかということにつきましては、言うまでもなくこれは恩賜林組合、一部事務組合でございますので、この規約をつくりました関係地方団体の解釈によるということでございますが、私どもの見解といたしましても、この二条は、恩賜県有財産についてのこの組合が行うべき仕事と、それから「並に」といたしまして「本組合の財産に関する事務を共同処弁す。」という規定がございますので、この規定によりまして読むことができるのではないかと思っております。
○原(茂)委員 そういう見解を述べるだろうと思ったのですが、そんなことは牽強付会だと私は思うのです。県有普通財産を、いわゆる「共同処弁す。」云々いう後段の中で、県有普通財産もよろしいという拡大解釈ができるとは、どこの国に行ったってそんな解釈ができるはずはないと私は思う。特にこの条文から、新たに後から起きてきた県有普通財産に対するこういう事業も行ってよろしいというようなことは、後から事態が起きたからそういう拡大解釈をするのであって、そういう事態がなかったら、そんなことをやるなどということは想像もできないだろうというふうに私は思うのです。だがあなたの立場ではそう言わないといけないときっと言われているのだろうと思うし、北富士に関する限りは共同歩調で、何とかして山梨県の側に有利なように、山梨県のやりやすいように、そしてやがて来年三月の北富士演習場の再契約ができるようにという、この目的のためには一切を拡大解釈し、一切を牽強付会に解釈するということをずっと大蔵省もやってきた。遂に払い下げをやってしまった。払い下げた後、いまだにとにかく県と国と恩賜林組合の間で何も契約ができない。さっきちょっと言ったけれども、あなた聞いていなかった。契約ができていない、二カ月以上たっているのに。スムーズに行きますと言ったが何にも行っていない。分収造林契約などできっこない。そのためには再払い下げをしてくれ、一筆よこせ、いろいろな条件をつけているわけです。ですから、どこに問題があるかを一つ一つ掘り下げていくと、あなた方が拡大解釈して一生懸命に言っているが、現時点ではそんな乙とを言っても問題の解決にはならない。この恩賜林組合というものは、形式上は恩賜林組合なんだけれども、いわゆる入会権を主体にした共同体であって、どんな莫大な利益、収益があってもこれはおれたちのものなんだ、構わないのだ、一部事務組合というのは形式上だけだ、こう言ってうそぶいているわけですから、これは県が幾ら何を言ってもなかなかに話がつかないというものの一部解明をしようと思って近藤さんに聞こうと思った。ところが、事前に話がなかったから来ないのだと言っていましたが、そんなことはないのだけれども、行き違いだろうと思います。いまお話のあったようなことをそれ以上突っ込んでも、恐らくあなた方は私が言っているようなことに同調はしないたてまえになっている。したがってこれ以上追及しませんが、そんなことはない、あなたの解釈は間違いだ、拡大し過ぎるというふうに私は考えていることをひとつはっきりと申し上げておきます。この問題はまだ終わりませんので、後でこれからじくりじくりとまたお伺いいたします。
 第三点、あなたが来るのを待っていたので、恩賜林組合という一部事務組合にまつわるその他の問題についてちょっとお伺いしたいのです。
 いま私は二つの点を指摘したのですが、そのほかに多くの問題があるだろうと思います。その一つは、特別地方公共団体たる一部事務組合の恩賜林組合が、純然たる私権の管理団体と称して、入会組合員と称する人たちに金銭を与えてデモをさせているといううわさがある。事実去る十月二十一日の当決算委員会の現地調査の際も、ヘルメットをかぶった歓迎と称するデモに私たちは出会った。ずいぶん出ていました。また、瑞穂村の日露戦役記念会という団体に対する演習場、いわゆる賃貸料を当該土地が入会地であるとしてピンはねをしているという事実、これは私が以前にも取り上げた問題で、いろいろと論議をしてきましたから詳しくここでは述べませんが、一体このような行為が地方公共団体たる一部事務組合として許容できるのかどうか。要するに歓迎と称してデモを計画して、これに日当なり金銭を払ってデモをさせる。公共団体という立場、一部事務組合という立場で、こういうことが会計法上許されるのか、そんなことをしていいかどうか。
 また、財務の不明朗なこの組合について住民がその監査請求をなさんとしても、一部事務組合、公共団体に監査委員が設置されていない。ために監査請求すらできないんだ。したがって私は自治省当局に対して、ここに述べた吉田恩賜林組合に関するもろもろの疑問点、不明点、不明朗点について調査をしていただいて、自治大臣の権限に基づいてなすべき助言、勧告あるいは資料要求等、または財務監査、なすべきことをぴちっとさせていただきたいと思うのですが、これは自治法の二百四十五条、二百四十六条を根拠としていま言っているのですが、こういうことを自治大臣としてやっていただきたいと思うのです。
 そうしてその費用の使い方、会計法上紊乱している、いま言ったデモに千人、二千人を動員する、これに金はやっているということは自治体として、公共団体としてやっていいかどうかという問題も一つあります。監査委員が設けられていない、したがって監査請求もできない状態で放置していいのかどうか。これに対して適切な指導なりぴちっとした始末をつけてもらうように、これは自治大臣、どうしてもやってもらいたいと思いますが、三点、近藤さんと自治大臣から最後に決意を聞きたい。
○近藤政府委員 ただいま御指摘になりました当委員会が現地調査されたときの実情等につきまして、実は私承知いたしておりません。突然の御質問でございますので、県当局にどういった事態であったかということを聞く時間的余裕もなかったわけでございます。そのほか御指摘になりました事柄につきましても詳しくは存じませんので、県あるいは恩賜林組合に実情についていろいろ聞き合わせてみたいと思います。
○原(茂)委員 監査委員が設置されていないことに対してはどうですか、それが事実としたら放置しておきますか。
○近藤政府委員 関係団体が決めることでございますが、当組合におきましては設置されていないようでございます。
○原(茂)委員 そのときに設置することを助言するような気持ちになりませんか、あった方がいいでしょう。
○近藤政府委員 いずれにいたしましても、いま先生いろいろ御指摘になりました事実につきまして私ども詳細に存じておりませんので、県あるいは関係団体に、監査委員を置かない事情等も含めて聞いてみたいと思います。
○原(茂)委員 この件に関して最後に大臣にもう一度答弁を願いたいのですが、いま私が申し上げたように、いろいろ質問すると答弁もあります。ありますが、北富士に関する限りは、恩賜林組合が形式上は一部事務組合だとしても、実質的にはそうではないんだと公言している、文書にしているという事態が現にあるわけでございますが、これも実態を調査して、完全な恩賜林組合、すなわち公共団体であり一部事務組合であるというふうにぴちっと定義づけ、そういう位置づけができるように指導をすべきなんで、形式上はそうであるけれども実際はそうじゃないんだ、おれたちは入り会い集団なんだというようなことを平気で言ったり、あるいは文書を流したりということのないような指導だけは自治省としておやりになってしかるべきではないか。いまいろいろな答弁を聞いていると、やはりいまの恩賜林組合というものは公共団体であり一部事務組合だというふうにも聞いているし、そういうふうに扱っているんだとおっしゃるのですから、そうであるならば、疑義を生ずるようなビラをまいたりなんかして、大ぜいの大衆に対して形式上はそうなんだけれども実際は違うんだということを始終宣伝しているようなことは控えた方がよろしい、やってはいけないという指導は自治省としてやるべきだと思うのですが、大臣、どうですか。
○小川国務大臣 先ほど来仰せの諸点について、まず事実を確かめてみたいと存じます。その上でもし是正を要する点がございましたら、必要な指導をいたします。
○原(茂)委員 是正を要する点の中に、いま私が最後に言ったそのことを含めて考えていただかなければ困りますよ。どうですか。
○小川国務大臣 原先生を疑うつもりは毛頭ございませんが、まず自分で確かめる必要がございます。そのとおりであればその時点でひとつ研究をいたします。
○原(茂)委員 北富士はこれで結構です。
 あと選挙法についてちょっとお伺いします。これは通告してあったでしょうね。どうですか。
 私は、去年の年末衆議院選挙の経験をした。同時にまた参議院選挙の経験も党の立場でやってきました。前から選挙を何回もやって、いろいろな問題点があるわけですが、細かいことをきょう申し上げようとは思わないのですが、二、三の問題についてお伺いをしたいのであります。
 現在のような選挙のやり方、これですと、人柄、政策がなかなかわかってもらえないということで、訴える側の私たちの方からは大変不満があるわけです。これは有権者の側からも人柄も政策もよくわからないという不満が当然あるだろうと思う。これは両者一致しているんですね。訴える方と有権者の方の側もどうもいまの選挙法のような状態では人柄とか政策というのはよくわからないというのが最大の欠点だ、せんじ詰めて言えばそうなると思う。全国区はもとより地方区もこれは広過ぎます。衆議院選でも、べからず選挙ですから、本当の選挙はできないのです。実際やってよくわかるのです。何をやってもべからずなんです。あれもいけない、これもいけない。名前だけ叫んで飛び回っている。ずいぶんばかな話だなと思いますよ。うっかりすると電信柱にまで頭を下げたりして、後で気がついてばからしいと思ったりすることがずいぶんあります。とにかく原茂、原茂としゃべっている、小川平二、小川平二、それだけ絶叫する、こんな選挙みたいにしかいまの選挙法では感じないのであります。細かいことを言うといろいろあると思います。
 そこで、実際にはこれはいいだろうというテレビやラジオの政見放送、これはどうだと思うと、五分ちょっとなんです。これでは実際にはもう舌足らずで本当のことを言えるわけがないし、また見ている国民の方も、テレビを見ながらこいつはいい男だとか悪い男だとかなんか見るならともかく、政見の内容なんかに至っては私は本当にはつかめないんじゃないかと思うのです。選挙公報が別にあるじゃないかと言うのですが、これも実はあれだけで一票を入れる人というのは少ないだろう。選挙公報も余りどうも、これで一票を入れた、決まったというような、公報を見て腹を決めるということもちょっと不可能だというふうに思います。だからその意味では現行の公職選挙法というのは余りに窮屈過ぎて、どうも実際に訴える側、それから選ぶ側の満足がいっていない。
 たとえば選挙期間中は選挙に関する報道、評論を掲載した政党機関紙は無料配布できないことになっている。民主政治での選挙戦というのは言論中心であるべきなんだ。各党とも選挙のときこそ機関紙でその主義、政策を国民に訴える必要があるのに、逆にこれを禁止するというのは――まるで禁止すると同じような状態、これだけでも私は何とか十分な時間をかけて、選挙は来年あるのか再来年あるのか知りませんが、大分早いという説といや秋だという説といろいろありますが、とにかくいまから一生懸命に――言論中心の民主政治である限りは、こういった報道、評論を掲載した機関紙を無料で配布してはいけないなんて、なぜこうなったのか知りませんが、これは大きな間違いの一つだ。民主政治、言論中心の選挙において最大の欠陥である。ほかに細かいことはいっぱいありますが、私は第一にこれを挙げてみたい。これに対して何とかいまから検討をして改正をしていただく。改正をするように自治省として考えているというようにしているかどうか。まだそのほかにもっといいことを考えていますというなら、それもいいのですが……。
 それから二つ目には、百円、千円というような零細な大衆募金を街頭でやろうと思う、そうすると住所、氏名、職業、金額などを一々ちゃんと書かないと受け取ってはいけないのです。そうでなくても政治資金というものは非常にやかましくしなければいけませんし、選挙資金というものは広く大衆のカンパを仰ぐということがたてまえだと思うのです。にもかかわらず、零細な大衆の浄財で賄っていこうとする私たちクリーンな選挙をやろうと考える者に対して、わざわざその道を閉ざすように、住所、氏名、職業、年齢、金額、全部書け、書かなければ百円ももらってはいけない。これは二つ目にせめて直さなければいけない問題だ。いわゆる浄財でクリーンな選挙をやろうと考えればこれは二つ目に大問題だというように、私は痛感をしているわけです。これに対して何らかの検討なり工夫をしているかどうか。
 それから、現行の公職選挙法というのは、二年前の公職選挙法改正のときに、私たちもいろいろな点について強い疑問を提示してまいったわけです。いま与野党間でこのべからず選挙法に強い不満が高まっていることは間違いありません。だから、いまこそ真剣に再検討すべきだと思うのですが、いま私が申し上げました大きな二つの点だけ、何か検討を加えるか、いやあれでいいのだとおっしゃるのか、最初に簡単に答えてください。
○佐藤(順)政府委員 お答えを申し上げます。
 選挙運動は本来自由であることが望ましく、常に自由化ということは論議されておるわけでございますが、一方、やはり激しい選挙戦を通じて当選というところまで到達されるという事柄の性質上、次第次第に戦いが激しくなりまして、そこに弊害が出てくる。その結果、これを規制する。自由化が望ましいにもかかわらずこのように弊害がありそれを規制する。強いて言えばこの悪循環と申しましょうか、そういうものの積み重ねで現在のような法規制に相なっている次第でございます。これは決して好むところではないと存じますけれども、弊害に対して選挙の公正を確保する、こういう見地から規制が行われておる、こういうふうに御理解をいただきたい次第でございます。
 そこで、第一にお尋ねの点でございますが、これも一昨年の選挙法の改正で行われたばかりの改正でございます。すなわちそれ以前におきまして、各種の文書の無料、無差別の配布ということによりまして、世にいわゆるビラ公害という言葉も出ましたくらいにそこに弊害が生じた、これに対する反省として行われた改正が一昨年の改正であるわけでございます。これが第一点でございます。
 それから、第三点のお尋ねにつきましては、実は公職選挙法に匿名の寄付を禁止するという規定がございまして、これには全然除外例、例外が規定してございませんで、例外なしに匿名の寄付はいかぬということに相なっています。その結果といたしまして、先ほどお尋ねのような点もできないことに相なっておる次第でございます。
 以上のような次第でございます。
○原(茂)委員 そういうこともよく知っています。経過も知っていますが、角をためて牛を殺すと同じ手口なんで、本当のクリーンな選挙をやるとかあるいは言論中心の選挙をやるという点では、いま私が申し上げた二つは、いままで決まってはいるのでしょうが再検討を要する問題だと私は思いますから、もう一度十分に検討してもらうようにお願いしたい。そうじゃないといつまでたってもいいものができないと思うので、私はそのことを強く要望しておきます。
 それから、最後に吉岡さんにちょっとお伺いしたい。この間北海道を視察に行きましたときの問題で、三つばかり続けて質問します。時間がありませんから簡潔に答弁を願いたい。
 公共工事をいろいろ補正予算でもって、そら不景気だ、それというので手当てをしました。しかし適期というのが北海道にはあると思うのです。北海道を内地並みに扱っていたのでは、何とかしようと考えても、もう雪や寒さがやってきてしまって、いわゆる工事ができないというときに予算が来ても、話にならない。したがって、内地とは違った工事の適期というものを考えて何か特別な便法を講じない限り、北海道に対して公共事業をやろうというときの前提としてどうもまずいのじゃないかということが一つ考えられますが、この点どうかが一つ。
 二つ目に、いまの第一の問題に関連して、公共工事のいわゆる繰り上げあるいは予算づけその他、困難があると思うのです。したがって、いわゆる発注を繰り上げるということも同時に考えなければいけないのじゃないでしょうかということを、そこで痛切に感じたわけであります。
 それから、その関連で言うと、北海道の場合、特別に会計期間というもの、いまの四月一日から三月末ですか、これも何か変えなければいけないのじゃないか。何か特別な便法を用いない限り、北海道の真の開発にどうも当てはまらない、こういう意見がありましたが、これは一体どうでしょうか。
 それから最後に、競争入札で、落札が予定金額の六〇から七〇%の場合はだめだということのように通常理解されているのですが、この点もどうもおかしいと思います。しかし、小さいところで安く見積もりをして落札をしたが途中でとうとう続かなくなって投げてしまったという弊害も、内地ではたまたまありますけれども、一体そうであっても安いにこしたことはないのに、この六〇、七〇という線だったらもう落札しない、落とさないというようなことが決めのようにあるのかどうか。これを是正していくお考えはないか。
 一括して答弁してください。
○吉岡(孝)政府委員 お答えいたします。
 御指摘のように、北海道という自然条件の厳しい積雪寒冷の地におきましていろいろ事業を実施していく上に当たって、季節的な制約があることは否めないことであります。そこで、従来から現行会計制度のもとで種々工夫をこらして、工事適期になるべく効率的に工事を進めていくという方法を考えておるわけでございます。
 その具体的なやり方としましては、いわゆる冬季期間中、工事が余りできない冬季期間中に、事前に設計なり積算、それから相手と交渉を要する事項については交渉を済ませて、それで北海道における工事適期といわれます四月になりましたら直ちに契約をしてその工事に取りかかれるようにというふうに、いろいろ努力しておるわけです。
 それからさらに、長期的な問題としましては、冬季にも工事をできるようにするという技術的な問題、そういう通年施行の技術的な検討も行っておるわけでございます。
 その他、手段といたしましてはいろいろ、先生御承知のような国庫債務負担行為なり繰越制度の活用というようなことで、短い制約された工事期間中に最大限効率的な工事を行っていくというふうに努力しているわけでございますが、われわれとしても、その線でさらにいろいろできる手段を積み重ねて有効な施工を図っていきたい、こう考えておるわけでございます。
 二番目に言われました、だから発注の繰り上げという問題につきましては、そういうように事前に準備をしておくなり国庫債務負担行為を活用してやっていくという方法で対処しているわけでございます。
 それから三番目におっしゃいました会計年度の問題でございます。現在の四月から三月までという日本の会計年度、これは明治十九年以来の制度でございます。確かに東北なり北海道におきまして、この会計年度を暦年にすべきではないかという議論がいままでたびたび行われておるわけでございます。ただ、何分日本の国土というのは南から北まで非常に長いわけでございます。南の方には梅雨どきというシーズンもあるわけでございます。そういうことで、必ずしも暦年にすることが日本全体として望ましいかどうかという点になりますと、まだ結論が出るに至っていない。現在の会計制度を変える積極的理由はないではないかということで、現行制度がそのまま続いているわけであります。われわれとしましては、四月から三月までのこの会計年度を前提としまして、ただいま申し上げましたようないろいろな工夫をこらして、効率的な施工を図っていきたいというふうに考えているわけでございます。
 それから最後にお尋ねの、競争入札による場合、予定価格の六〇%なり七〇%以下になった場合は落札させないということをやっているではないかというお話でございますが、これは会計法の二十九条の六にある規定に基づくものでございます。御承知かと思いますが、これは昔、間組の一円入札問題というのが起きたわけでございます。そういった問題を契機に、三十六年の会計法の改正で挿入された規定でございます。競争入札による場合は、原則としては最低の価格で入札した者を落札させるということでございますが、ただ、その最低の入札者について「当該契約の内容に適合した履行がされないおそれがある」というような場合「又はその者と契約を締結することが公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがあって著しく不適当であると認められるときは、」政令の定める基準によって「予定価格の制限の範囲内の価格をもつて申込みをした他の者のうち」一番低い者じゃなくて「他の者のうち最低の価格をもつて申込みをした者を当該契約の相手方とすることができる。」という会計法の規定があるわけでございます。ただ、現実の問題としてこの規定が適用された例があるかということでございますが、北海道開発庁の入札等の場合で、この制度が設けられてから、これに適合して、不当に低過ぎるから一番低い価格で入札しておっても落札させないという例は起きてないわけでございます。そういうことで、これは通常の経済観念では考えられない、何か特殊な目的で入札してくるような場合、そういう他の動機で不当に低い価格で入札してくるような者を排除するという規定でございますので、この規定があるがために、かえって合理的な低い価格で入札する者が排除されるという結果には相なっていないと承知しているわけでございます。
○原(茂)委員 終わります。
○北山委員長代理 林孝矩君。
○林(孝)委員 私は麻薬、覚せい剤などの犯罪対策についてお伺いいたします。
 麻薬、覚せい剤等の薬物の乱用という問題は、国民の健康をむしばむのみならず、家庭生活の破壊、社会の荒廃につながる非常に危険な社会的病弊である、そのように考えるわけであります。この種の事犯を見てみますと、わが国においては戦後より注目を浴びてきているわけですけれども、最近において、麻薬、大麻等に対する暴力団あるいは芸能界の関与というものが大きな社会問題としてクローズアップされているわけでありまして、今回発表された五十二年度の犯罪白書の中においても、実態についてるる述べられているわけであります。そこで、この種の事犯についての近年の犯罪傾向、それから取り締まり状況、今後の方針、防止対策、そうしたものについてお伺いしたいわけであります。
 まず最初に、麻薬、覚せい剤関係の犯罪について、その実態を昭和四十一年、四十六年、五十一年の取り締まり状況で報告をしていただきたいと思います。それから本年に入ってどれだけ摘発しているか、また、その傾向について当局ではどのように把握しているか、その点をお伺いしたいと思います。
○森永政府委員 お答えいたします。
 まず、最近の麻薬、覚せい剤事犯の実態についてでございますが、この実態につきましては――警察及び麻薬取締官事務所で検挙した結果に基づくものでございます。最近の実態といたしまして、最も蔓延しておりますのは覚せい剤でありまして、昭和四十五年ごろから急激に増加をいたしております。本年に入りましてからも、九月末現在で一万九百五十七人を検挙いたしました。この数字は、昨年一年間の検挙人員をすでに上回っておるというような状況でございます。また、昨年同期と対比いたしますと、三一・五%の増加となっておるわけでございます。
 それから麻薬事犯でございますが、これはヘロイン、アヘン、大麻、すべてを含んだものでございますけれども、この数年間はほぼ横ばいの状況でございます。本年に入りましてから、九月末現在で、麻薬、アヘンは二百六十四人検挙いたしております。また、大麻につきましては六百八十六人となっておりまして、合計九百五十人ということになるわけでございます。
 最近のこのような麻薬、覚せい剤事犯の傾向と特徴ということでございますけれども、まず、これらのほとんどのものが韓国、香港あるいは台湾などの東南アジアから密輸入されたものである。それからこれを扱っている者、いわゆる密売組織というのはほとんどが暴力団組織によって行われておる、そしてその利益金は暴力団の有力な資金源になっておるということでございます。
 次に、覚せい剤は北海道から沖繩まで広く全国的に蔓延をいたしておりまして、特に職業別では、農民、漁民、少年、主婦など一般市民層にまで浸透をしておるということでございます。
 次に、覚せい剤中毒者による幻覚、幻聴あるいは被害妄想などによる凶悪事件、交通事故等が大変多発をいたしておるということでございます。このような状況にかんがみまして、警察といたしましては、これらの麻薬、覚せい剤事犯を防止するために、基本方針といたしまして次の三点を考えておるわけでございます。
 その第一点は、海外の密輸、密造基地等に対する対策であります。すなわち、先ほども申し上げましたように、覚せい剤、麻薬等につきましては、その大半が東南アジア等からの密輸入でございます。したがいまして、この供給源を断つということがまず大切であるというふうに考えております。
 それから次に、国内における覚せい剤、麻薬等の密売組織、特に暴力団に対する徹底した摘発と厳しい処分を行うことが必要である。
 第三といたしましては、この種事犯は単なる取り締まり強化だけで目的が達成されるのではなくして、一般国民の覚せい剤、麻薬等に対する警戒心を強めることが大切であると思われますので、広報活動を強化するとともに、覚せい剤中毒患者対策を実現すべきであるというふうに考えております。また、覚せい剤中毒者による殺人事件等凶悪事件が増発をいたしております。これら中毒者に対する強制入院の措置等についてさらに強化をしていくということが必要であろうというふうに考えておるわけでございます。
○林(孝)委員 ところで、一部にマリファナ、大麻あるいはそれに類似したものについて、人体に無害である、こういう議論があるわけでありますけれども、これが人体に有害であるのか無害であるのか、国民が納得いくような説明をお願いしたいと思うわけであります。
○山田説明員 大麻の人体に対する影響につきましては、いろいろな報告が従来からございます。その報告の中で最も権威あるものとされております報告が二つございまして、一つは世界保健機構、通称WHOと言っておりますが、WHOの専門家委員会が一九七一年にまとめました「大麻の使用」と題する報告が一つでございます。それからもう一つの報告は、アメリカの薬物乱用に関する委員会が一九七二年にまとめました「マリファナ――誤解のソクナル――」と題する報告でございます。
 この二つの報告によりますと、大麻を摂取した後の症状は、摂取量によりましてもまたその摂取した状況あるいはその摂取した本人の期待感、摂取者の性格などによってもかなり影響されますが、一回の摂取量をふやすにつれまして多幸感を起こす。非常にハッピーな気持ちになる。それから次いで、知覚や感覚の変化、それから著しい感覚の変容あるいは離人化――離人化と申しますのは自我の喪失のことでございますが、そういう症状あるいは認識の喪失、さらに幻覚あるいは幻視、幻聴、そういうものが見られまして、これらの症状がおさまりますと、次に鎮静あるいは睡眠の状況が起こるとされております。
 これは通常使った場合でございますが、次いで大麻を大量に摂取した場合でございますが、普通は急性中毒の症状が起こります。主に見られます症状は、錯覚とかあるいは幻覚あるいは人格喪失、妄想、混乱あるいは精神不安定、興奮などの症状が出てまいります。こういう症状は普通は二、三時間で消失するんですが、数日間続くこともあると言われております。こういう急性中毒類似の症状は、長くあるいは大量に使った場合だけでなしに、特にふなれな者が摂取した場合、と申しますのは、大麻たばこ一本を最初に吸ったような場合、そういうような摂取の場合でも見られることがあるという報告がなされております。それからもう一つ、大麻を大量あるいは長期にわたりまして使用した場合には自制しがたい欲求、これを普通精神依存と言っておりますが、そういう精神依存が形成されるというふうに言われております。
 以上、大体大麻の有害性についての従来までの信頼されるレポートの中身でございます。
○林(孝)委員 そうしますと、大麻は有害ということで厚生省も判断をされ、また警察庁も有害ということで取り締まりを行うというふうに理解をして間違いございませんか。警察庁、どうですか。
○森永政府委員 御指摘のとおり、ただいま厚生省の方から説明がありましたとおり、私ども有害であるというふうに認識をしておりますし、それを前提にして取り締まりを今後ともやっていきたいと考えております。
○林(孝)委員 犯罪白書の中にも指摘されておりますが、最近芸能関係者の間にも大麻吸煙の習慣というかそういうものがはびこりつつある、こういう指摘であります。この問題は非常に世間の注目を浴びてきておるわけでありますけれども、今回のタレント関係の事件についてその概要を説明願いたいと思うわけであります。この事件の規模また検挙はどれぐらい行われておるか、譲渡ルートあるいは麻薬パーティー等の解明はどの程度まで行われておるか、概要を報告願いたいと思います。
○森永政府委員 お答えいたします。
 最近、大麻事犯の捜査の中でかなり芸能関係者が含まれておりまして、世間の注目を集めているところでございます。現在、芸能人を含んでいる大麻事犯を捜査いたしておりますのは警視庁と長崎県警でございます。警視庁関係におきましては、歌手の井上陽水など四名の芸能人を含む十七名を検挙いたしておりまして、なお捜査は継続中でございます。また、長崎県警におきまして歌手の美川憲一など三名を含む四十七名を検挙いたしておりまして、これにつきましても現在継続捜査中でございます。
 この事犯の内容となっておりますのは、芸能人関係者におきましては、芸能人関係者相互間に譲り渡し譲り受けをする、あるいは大麻のパーティーをやるというような事犯でございます。
 今後の見通しでございますけれども、私どもといたしましては、何といってもこの大麻の密輸あるいは密売ルートの根源を突きとめるということに重点を置いて捜査を進めておるわけでございます。先般、その密売の首謀者というように私どもは見ておりますけれども、太田明それから桜井太という二名の者を検挙いたしまして、大麻約五十七キロを押収いたしております。この関係の捜査で大体その根源が突けるのではないかというふうに見ておりますけれども、この首謀者と目される二名の者は警視庁の系統のいわゆる密売組織でございまして、現在のところ長崎県警との関係はないようでございます。
 今後の捜査の見通しでございますけれども、現在、押収いたしました証拠物件等を検討しながら捜査を進めているところでございまして、現段階ではその内容を明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。
○林(孝)委員 警視庁関係はわかりましたが、長崎関係は現在そのルートの解明に全然決め手がないわけですか。
○森永政府委員 お答えいたします。
 現在のところ、長崎県警の方は密輸につながるような首謀者というものははっきりいたしておりません。今後の捜査でその点明らかにしていきたいというふうに考えております。
○林(孝)委員 厚生省の麻薬取締官事務所の方の捜査はどのようになっていますか。
○山田説明員 厚生省の麻薬取締官事務所では、関東信越地区取締官事務所と近畿地区の麻薬取締官事務所の二カ所が芸能関係者の大麻事犯を捜査しております。近畿地区におきましては桑名正博ら八名を検挙しております。それから、関東地区におきましては内藤やす子ら六名を検挙しております。
 違反の内容といたしましては、近畿地区におきましては、米国から大麻を持ち帰ったグループがパーティーを開いて吸煙をしたというような事実がわかっております。それから、関東信越地区の取締官事務所に係る事犯では、自家栽培による大麻を吸煙していたという事実と、米軍関係者から大麻を譲り受けましてそれを仲間に譲り渡したというような事実が判明いたしております。
○林(孝)委員 いまお伺いしました警察庁の方の警視庁関係、長崎関係のこの検挙の問題、それから厚生省の関東信越地区あるいは近畿地区のこの検挙の事犯ですね、これらの厚生省と警察庁との協力体制、そういうものは現在どうなっておりますか。
○森永政府委員 麻薬あるいは覚せい剤の取り締まりについては常時厚生省の方と連絡をしながら捜査を進めることにしておるわけでございますが、現在警視庁でやっております事件、それから長崎県警でやっている事件についてはまだ具体的に情報交換等をいたしておりません。ある段階にまいりますと資料を持ち寄って情報交換、さらに今後必要であれば共同捜査等についても連携をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○林(孝)委員 それは厚生省の方もそのように考えておられるわけですか。
○山田説明員 そのとおりでございます。
○林(孝)委員 麻薬、覚せい剤等の事犯については厳しい態度で臨むべきである、私はそのように思いますし、当局もそういう態度で臨まれていると私は信じております。
 特に防止対策、先ほど警察庁の方から海外のいわゆる密造基地の絶滅であるとかあるいは密売組織の摘発、国民の警戒心等を高めるための広報活動、こうした三つの対策等について述べられたわけでありますけれども、青少年の健全な育成、国民の健康保持、こういう観点から、このたぐいの事犯をなくしていくということは非常に重要なことであると私は思うわけです。
 公安委員長にそういう点でお伺いしておきたいわけでありますけれども、これら麻薬、覚せい剤等の事犯に対する、なくすための対策、決意、方針、こういうものを大臣としてどのように考えられておるか。先ほどお伺いしておりますけれども、先ほどの三つということだけなのか、まだ今後、大臣として考え方をお持ちであるかどうか、お伺いしておきたいと思います。
○小川国務大臣 先ほど仰せのとおり、麻薬は国民の健康をむしばみ、家庭生活を破壊する恐るべき害毒を流すものでございますから、警察の当局からお耳に入れましたように、まず第一に供給源を断つ、同時にまた密売組織を根絶する、最も峻厳な態度でうまずたゆまずこの努力を続けていかなければなりませんし、麻薬の毒性について周知徹底せしめるPR活動もさらにさらに積極的に実行していく。そのほか、この問題は一挙に解決する特効薬というものもないわけでございまして、不断の努力を傾注してまいるほかないと存じております。
○林(孝)委員 年齢層でありますけれども、大体どのようになっておりますでしょうか。
○山田説明員 大麻事犯につきましては、二十代あるいは十九歳以下の年齢層の者が昭和五十一年の事犯の中で占める割合は約八八%でございます。圧倒的に若年層が多いという実態でございます。それから覚せい剤でございますが、覚せい剤の場合は男の事犯と女の事犯で年齢層はかなり相違がございまして、男の場合は主として三十五、六歳ごろの中年の年齢が多い傾向がございます。それから女性の覚せい剤事犯の場合には、若年層、二十前後の人たちが多いという傾向がございます。
○林(孝)委員 先ほどの対策の一つのPRの問題でありますけれども、こうした二十代あるいは十九歳以下が八八%を占めるというような大麻、あるいは覚せい剤においても三十半ば、あるいは女性においては二十代だということでありますが、こうした世代の人たちに具体的にどのようなPRをされようとしておるのか、お伺いしたいと思います。
○森永政府委員 まず、現在最も問題になっております覚せい剤の問題につきましては、先般覚せい剤の中毒者の声を収録いたしました冊子をつくりまして、これを約十二万部全国に頒布をいたしております。これの頒布先も教育関係、社会教育関係、医師会関係、官庁関係というところにお配りしておるわけでございます。そういう関係を通じて、一般の国民の方々にそれぞれの系統を通じて啓蒙活動をしていただくようにお願いをいたしておるわけでございます。
 また、覚せい剤につきましても、その薬禍の非常に大きいことをPRをする。これにつきましては専門的な知識が必要でございますので、厚生省等と連絡をしながらそういうものを進めてまいっておるわけでございます。
 麻薬関係につきましても、特に大麻は、先ほど厚生省の方から説明がありましたように若い層が非常に多いということでございますので、学校関係等についてもそういうような大麻事犯の実態等を連絡をしてPRをする。あるいはその他の麻薬関係につきましても、厚生省と連絡をとりながら関係方面に資料の提供あるいはPRをしていくという方法をとっておるわけでございます。
○林(孝)委員 それから捜査でありますけれども、現在使用しているあるいは譲渡している、そうした現在の時点に合わせて捜査の対象を決めておられるのか、それともたとえば過去に使用しておったとか譲渡しておった、また覚せい剤の注射を打っておった、こういうところまで今回の芸能関係の捜査を進められるのかどうか、この点はいかがですか。
○森永政府委員 御質問は、現在捜査をしております芸能関係者の大麻事犯の問題だと思いますけれども、これにつきましては、現在大麻事犯を犯している者についてはもちろん捜査をいたしますが、過去においてそのようなものを使用しておった者についても捜査を進めておるところでございます。
 先ほども申し上げましたように、私どもの捜査の方針といいますのは、その根源を絶つ、そのためには密輸、密売の実態を明らかにしていかなければなりませんので、そういう範囲内において今後も過去、現在を問わず捜査をやっていくという考え方でございます。
○林(孝)委員 次に、覚せい剤中毒患者の認定基準の作成についてお伺いいたします。
 警察庁が厚生省に認定基準作成を申し入れることに決めたという報道があるわけでございますが、その背景について御説明願いたいと思います。
○森永政府委員 最近、覚せい剤中毒者による犯罪あるいは事故が増加をしておるわけでございます。これは本年一月から九月までの数字でございますけれども、覚せい剤をめぐる犯罪といたしまして、刑法犯が三百四十九件、二百七十八名となっております。それから、特別保護犯が百六十二件、百六十二名となっております。合計五百十一件、四百四十名となっておるわけでございます。その中に殺人、放火、強盗、強姦というような凶悪犯もかなり含まれておるわけでございます。
 これらの事犯が増加する原因はどこにあるかということで検討を進めておるわけでございますが、その中で第一の問題となりますのは、覚せい剤中毒者と認定された場合に、これを麻薬取締法違反における麻薬中毒患者と同じように直ちに強制入院の措置ができるようにすべきではないかと考えたわけでございます。現在のところ、麻薬中毒患者につきましては麻薬取締法で直ちに強制入院の措置ができる。ところが、覚せい剤中毒者に対しましては覚せい剤取締法には規定はございません。一応精神衛生法で強制入院の措置がとれるようになってはおりますけれども、この認定につきまして認定基準が明らかになっていないということと、精神衛生法の場合には、中毒者であることと同時に、自傷他害の要件がつけ加えられておるわけでございます。この自傷他害の認定が非常にむずかしいことから、現在覚せい剤中毒者であるとわかっておるのに入院措置ができないものが非常に多いという実態になっておるわけでございます。
 現在の起訴率で申し上げますと、先ほど数字を申し上げましたけれども、刑法犯を犯した中毒者については約七〇%が不起訴あるいは起訴猶予になっておるわけでございます。したがって、強制入院をさせられなければそれらの者がそのまま一般の社会に出歩くことになるわけでございまして、大変危険であるわけでございます。したがって、そういうものについてはできるだけ速やかに強制入院の措置ができるようにすべきであろう、そのためにはまず覚せい剤中毒者であるという認定をする基準が必要であるわけでございますので、その点を取り上げまして厚生省に申し入れをしておるわけでございます。その申し入れに従いまして、現在までに厚生省の関係者と二回にわたって法改正を含めて協議をいたしたところでございますが、今後さらにこの協議を進めてまいりたいと考えております。
○林(孝)委員 刑法犯二百七十八名のうち不起訴あるいは起訴猶予が七〇%ということは驚くべき数字だと私は思います。こういう状態が現在の社会にあるということは本当に憂うべきことなんですが、厚生省はこの法改正についてはどういう考え方で臨まれていますか。
○山田説明員 覚せい剤中毒者の入院治療につきましては、ただいま警察庁の方からお話がございましたように、現在は精神衛生法によりまして自傷他害のおそれのある場合には措置入院することができるという規定になっております。それからあわせて、またこの精神衛生法では保護義務者の同意を得て行ういわゆる同意入院の制度がございまして、私どもといたしましては、現在のこの制度をできるだけ積極的に活用しまして、覚せい剤中毒者の入院治療という問題を解決してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 なお、覚せい剤中毒者に対しまして、麻薬中毒患者と同じような措置入院制度といいますか、そういうことに改正することにつきましては、ただいま警察庁の方からもお話がございましたように、覚せい剤中毒者の診断基準あるいは診断方法というものをぜひ確立しなければならぬというふうにも考えておりますし、また中毒者に対する人権などの問題もございますので、今後よく検討してまいりたいというふうに思っております。
○林(孝)委員 もう一回厚生省にお伺いしますが、その精神衛生法の積極的な運用という形で対処しようという考え方なのか、それともいま警察庁が考えておるような認定基準を作成して――自傷他害のおそれといってもどの辺がおそれかということについても非常に私はむずかしいと思うのです。いわゆるわかっていても入院措置がとれないというような状態をなくすることが大事なんであって、その辺少し見解が違うような気がしてしょうがないわけです。厚生省いかがですか。
○山田説明員 覚せい剤中毒者の場合は、薬を断ちますと、大体一週間くらいの後に症状である凶暴性とかそういう外見的な症状が通例は消失するわけでございます。それで、私先ほどお答え申し上げましたのは、現行制度の中でも診断の基準とかあるいは診断の方法というものをきちっとこれから定めていく必要があるんじゃないか、そういうことによりまして現在精神衛生法で決められております措置入院制度あるいは同意入院の制度が、さらにより効率的に運用できるというふうに私どもとしては考えておるようなわけでございます。
○林(孝)委員 そうしますと、これは今後警察庁と厚生省の協議によって合意点が達せられると私は思いますが、いまからこういう法律を積極的に生かしてやっていくということ自体がもうすでに遅いのであって、そういう結果において今日のこうした覚せい剤中毒者の犯罪というものが起こっておる。理想的にたとえば保護者がおって同意入院というものができる状態であればこういう犯罪が起こらないと思いますし、また精神衛生法の中で措置入院ができるということであればまたこうした犯罪も防げると思うのですけれども、現実問題としてこの二、三年の間に非常に増加してきているというのがこの犯罪白書には出ているわけです。実態がなかなかその法律の運用とかみ合っていない、これが事実であり問題だと私は思うのです。
 したがって、警察庁と厚生省の協議というものは、この際にこうした犯罪をなくするために、また、いま社会に不起訴、起訴猶予として七〇%の刑法犯を犯した人間が現実にいるということの与える影響、こういうこともやはり重要なことでありますので、できる限り積極的に協議を願って、こうした犯罪がなくなるように、社会の安寧というものが保てるように法改正をしていただきたい、そのことを要望したいと思うわけであります。
 それから、向精神剤に関する条約、この批准についてはどのようになっておりますでしょうか。
○山田説明員 向精神剤の条約につきましては、目下批准のための必要な国内法の制定あるいはその準備を進めておるところでございます。
○林(孝)委員 これも、昭和四十六年に国連提唱の全権会議で向精神剤に関する条約というものが採択されて、わが国もそれに署名をしながら、現在批准がおくれているわけです。そういう意味で非常におくれが目立つわけですね。何か原因があると私は思うのですが、そういう点と、それから国内の関係取締法の整備、向精神剤取締法制定であるとか、具体的にどのような方針で行うのか、それからいつまでにするかという点について、明確にしていただきたいと思います。
○山田説明員 この向精神薬条約で対象となっている薬物としては、幻覚剤あるいは普通の睡眠薬など三十二品目がございます。この三十二品目の、現在わが国における規制としましては、たとえば覚せい剤取締法によりましてすでに規制されておる薬物もございますし、あるいは大麻の関係で必要な規制が行われているものもございます。あるいは現行の薬事法の中ですでに規制されておる薬物もございます。しかし、その現行法規だけの規制では必ずしも十分でない面がございますので、そういう面について、法律の制定などを含めまして現在検討を行っておるところでございます。
 時期については、この段階でいつということを申し上げかねますが、できるだけ早くというつもりで現在作業を進めておるところでございます。
○林(孝)委員 大臣お聞きのように、覚せい剤また麻薬、大麻等の犯罪、それから社会に刑法犯を犯した人間が放置されているというような実態です。大臣は、これは厚生省とのいろいろな協議をいま警察庁でやっておるわけでありますけれども、厚生大臣とこうした点に関して話し合われたことございますか。
○小川国務大臣 ただいま両省庁の事務当局間で鋭意話し合いをしておる段階でございまして、まだ一致の結論を見ておらないことはただいまお聞き及びのとおりでございます。いずれの方法によりましょうとも、覚せい剤の中毒者、これを何らかの方法で隔離するということは焦眉の急の問題であると存じております。折衝の状況いかんによりましては直接厚生大臣との間で協議をしてみたいと考えております。
○林(孝)委員 大臣もぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。覚せい剤あるいは麻薬関係の質問はこれで終わります。
 次に、防災、防火対策についてお伺いしたいと思います。
 わが国の石油コンビナートは六十一カ所あるわけですが、大型の屋外タンクが約五百基あるわけです。水島の事故等、大事故が今日まで起こったわけでありますが、石油コンビナートの火災事故それから爆発、こういうものが今日まで後を絶っていないわけであります。昭和五十年には消防庁が行った石油コンビナートの貯蔵タンク総点検で危険な欠陥タンクが発見されたわけでありますが、まず五十年度の点検結果について報告を願いたいと思います。
○林政府委員 五十年度の総点検は、四十九年十二月の三菱石油水島製油所の事故にかんがみまして全国一斉に実施をいたしまして、おおむね一万キロリットル以上のもの、この対象物が約二千七百ございますが、これについて一斉点検をいたしました。その結果、二百分の一以上の不等沈下が測定されたものが百九基でございまして、このうち特に百分の一あるいは三百ミリメートルという少し大きな不等沈下が測定され、基礎修正を要するものとされたものが十九基となっております。これらの十九基のタンクのうち現在すでに修正が終わっておるものが六基でございまして、残余の十三基につきましては、基礎修正の方法等について検討が現在加えられているもの、あるいはその後のいろいろな調査結果によりそのまま使うことが可能なものというふうに幾つか分かれておりますが、なおそれらについては検討が進められておる、これが今日の段階でございます。
○林(孝)委員 不等沈下はわかりましたが、亀裂だとかそうした不良個所、こうしたものの見つかった数はどれぐらいかということと、一万キロリットル以上の二千七百についての調査でありますが、一万キロリットル以下のタンクについては調査されたかどうかという点、この二点をお伺いします。
○林政府委員 これにつきましては、年によりまちまちでございますので現在集計をとっておりませんが、大きな亀裂があったというようなことは現在聞いておりません。
 それから、一万キロリットルというのはとりあえず大きなものについてやったのでございまして、これ以下のものが必要がないということではございませんので、逐次既設のタンクにつきまして、それぞれの地域でこういう検査と申しますか、点検をやるという必要性は十分あると存じておりますし、そういう方向で指導したいと思っております。
○林(孝)委員 「屋外タンク貯蔵所の定期点検に関する指導指針について」こういう通達が五十二年七月十三日に出されております。これは課長通達と理解しておりますが、五十年度の二件、五十一年度の二件はこの通達以前でありますが、それでも五十二年に三件石油コンビナートの特別防災区域内で火災等が発生しているわけでありますが、これは間違いないですか。
○林政府委員 間違いございません。
○林(孝)委員 そうしますと、この通達あるいは安全点検の指導、こういうものが果たして十分行われているかどうかということになるわけでありますが、特に通達では点検方法で目視というのがございますが、目視というのはどういう点検を言うのでしょうか。
○林政府委員 字のとおりでございまして、結局外観その他を見まして、曲がっておるとかなんとかというところを発見するということでございます。
○林(孝)委員 この目視がものすごく多いわけです。ほとんど目視なんですね。これで果たして安全の点検になるかどうかと私は思うのですが、どうなんでしょうか。
○林政府委員 この指導通達は、まず屋外タンクの外部からの点検について一応の指針を示したものでございますので、御指摘のとおり目視、目視とたくさんございますけれども、これ以外方法がないという面もございますし、それから非常にたくさんの点を指摘してこれらをやるということで指導しておりますが、この目視といいますか、外部からの点検だけではもちろんおっしゃるとおり十分ではございません。ただ、これは外部から点検をいたしまして、この点検により何らか異常があるというようなものが認められたものにつきましては、直ちにさらに専門的技術の細かい点についての点検調査が行われる、これを前提とするものでございます。
 それから別に、内部についての点検については五年ないし十年に一回以上を義務づけているという点もありますので、おっしゃるとおりこの目視だけによる点検をもって万事事足れりといたすわけではございませんけれども、さらに異常でもあった場合の詳細な点検あるいは内部からの点検あるいは消防機関による定期点検、臨時の保安検査、こういうものがたくさんございますので、これらを総合的に活用することにより石油化学の管理上の万全を期してまいる、こういう仕組みになっておると存じております。
○林(孝)委員 それからもう一つの、五十二年に三件起こっておる、そこで安全点検が十分であるかどうかという点に対してはどういう見解をお持ちでしょう。
○林政府委員 いまの安全点検をもってすべて安心であるという大きなことは実は申せないと思っておりますし、石油タンクの数もわが国は工業化が非常に進みまして現在非常に多うございますし、しかも水島の重油流出事故以前に大きな事故というのがそうなかったという点もありますし、その他におきまして、こういう点については非常に足らない面がなお多いのじゃないかということを実は憂えております。
 そこで、できるだけ早くいろいろな技術的基準も決め、そして不十分ながらもなお一層それに励みまして最善を期したいということで、技術的研究も進めてまいっておりますし、技術的基準の設定も現在幾つかはしておりますけれども、これらも、その研究が進めば常に改善を加えていくということで万全を期したいということを考えております。
○林(孝)委員 事故は起こってからでは間に合いませんので、特に点検で修理が必要だという結論を得たタンクについても修理されていないタンクがあるわけですから、そういう修理にも非常に時間がかかっておるということも考え合わせますと、これは非常に大事なことでありますけれども、この安全点検の指導ということについては十分過ぎるぐらいのことをやっておかないと、一つ事故が起こるとこういう事故は被害が非常に大きいということで心配をするわけですので、よろしくお願いしたいと思うのです。
 今度製油所の問題を言いますけれども、全国で四十九の製油所があります。製油所それからCTS基地、この操業開始が大正中期から昭和初期のところだけでも五カ所ある。こういう点からも心配が起こってくるわけでありますが、地盤沈下だとかあるいは耐震対策、こういうものがどうなっているか、現在対策の研究はどのようになっておるか、具体的な対策の実施時期はいつなのか、この点について明確にしていただきたいと思うのです。
○林政府委員 確かに御指摘のような心配が大変あるわけでございます。現在それについて鋭意取り組んでおりますが、具体的には、屋外タンクの地盤沈下対策につきましては、本年二月、特定屋外タンク貯蔵所に係る技術基準の改正をいたしまして、新たにタンクの基礎、地盤に関する基準を新設し、基礎、地盤についての構造基準及び試験基準を法定いたしました。したがって、今後つくられます屋外タンクにつきましては、こういう事故につながるような、運用に支障を生ずるような地盤沈下は、この基準を守っていただければ起こり得ないという自信があるわけでございます。
 しかし、いま御指摘のとおり、大正時代に操業を開始したというようなものもなおたくさん残っております。これらにつきましては、臨時保安検査、それからもちろん定期検査も含めてでございますが、早期発見体制を確立する、消防機関による査察ということも励行することによって、万一の事故というのを最小限にとどめるという努力をさらに消防機関その他を督励しまして続けてまいりたいと存じております。
 それから、いま御質問に耐震性のこともお触れになりましたが、耐震性につきましては、正直に言いまして、技術がまだそれほど進んでおりませんので、これなら安全だというところまでなかなか自信を持って言えないわけでございますけれども、そうは申しましても、地震というのはあす起こるかもしれない、待ってくれないという面もありますので、現在技術的に解明されている地震の影響について一応の法制化をしております。しかし、いま申しましたように、これの研究は実はまだ学問的に不十分でございますので、現在学識経験者等を含めてさらに研究、検討を続けておりますので、この結果ができますれば、できますればというか、全部できるといいのですが、一部ずつでもできますれば、その都度必要なものをこの基準の中に取り入れてまいる、こういう態度で接してまいりたいと思います。
○林(孝)委員 これもまた非常に不十分な実態です。
 それから次に、「既設の特定屋外タンク貯蔵所に係る保安検査の実施について」という通達が五十二年五月九日に出されております。その中で、既設の特定屋外タンク貯蔵所以外の特定屋外タンク貯蔵所に係る保安検査の時期が、十年を原則としておるわけですね。この保安検査を受ける時期が十年というのは長過ぎはしないかということがあります。それから、保安検査を受ける時期の計画を提出させることにしているわけでありますが、事業所平均何年と報告されているか。この二点についてお伺いしたいと思います。
○林政府委員 この保安検査の時期は一応十年、御指摘のとおりにしておりますが、これは多ければ多いほど保安上は間違いないことでございますが、一方、その保安検査の人手の問題あるいは企業の採算の問題その他ございまして、大変そのバランスをとるところがむずかしい問題でございます。それでひとまず一応十年という決め方をしておりますが、保安上の必要性の発生、災害その他非常事態の発生があったと言ってはもう手おくれかもしれませんが、こういうおそれがある場合は、当該期間を短縮するという措置を当然講ずることにしております。それから別に、タンクの定期の自主点検ということも義務づけております。これらも含めて運用することによって、現在保安上の支障は特に生じない、生じないと言えば言い過ぎかもしれませんけれども、最大限その安全に対する自信と申しますか、いま申し上げたようなバランスの上に立ってこの程度に実は決めておるということでございます。
 それから後段の方は、多分、保安検査を義務づけられているタンクのうち、すでに設置済みのものについて受検予定時期について調査した、このことを御指摘だと思うのでございますけれども、これは一応昭和六十三年二月十四日、今後十年間、これに一回受けることを最小限の義務づけとしてはおりますけれども、実際には企業の営業の都合その他ありまして、後ろへ送るというようなことが集中してまいると、初めしばらく、この五、六年は何にもやらないで、後の三、四年でずっとまとまって点検ということになりますと、やはり大変危険でございますので、このうちで特にたとえば埋立地が軟弱ではないかと思われるようなものとか、それから規模の大きいものとか、あるいは技術上常に熱を加えているようなもの、こういう、言ってみれば危険度がやや大きいのではないか、あるいは建設が非常に古い分、こういうものについては実は強力に行政指導をいたしまして、一応六十三年となっておりますけれども、その前半に集中して検査をするよう、こういうことの指導に力を入れてまいりたいというふうに考えております。
○林(孝)委員 それから、地下貯蔵タンクについての昨年五月の東京消防庁の査察結果によりますと、三千五百三十一の対象中二千六百三十六カ所を調べました。そして百四十二カ所の地下タンクで何らかの油漏れが検出された、こういう報告が東京消防庁の査察結果で明らかにされておるわけであります。その内容は、地盤の亀裂等、これが三十八件、ピット点検の亀裂によるもの三十二件、配管接続部の緩み七件、内管の腐蝕五件、その他と、このようになっておるわけです。
 都内だけでもこのような結果が報告されているわけですから、全国的にこうした査察が行われるとすごいことになるんではないかと私は思うのですが、そういうような全国的な査察が行われたことがあるのかどうかということを一点お伺いしておきたいのです。
 それから、都内で三千五百十五のガソリンスタンドというものがあるのですが、平均して地下タンクが四本埋めてある。このような現状から考えても、先ほども指摘したような百四十二カ所の地下タンクで油漏れがしておるという実態を考え合わせると、非常に危険だと私は思うわけです。
 この二点に関してどういう見解をお持ちか、お伺いしておきたいと思います。
○林政府委員 東京消防庁が実施いたしました地下タンク、まあいわゆるガソリンスタンドでございますが、人家の非常に密集している中にもこういう営業所はたくさんあるので、そこで大変な油漏れがあるようですと、やはり御指摘のとおり危険度が高いわけでございますけれども、数字はいま先生がお読み上げになったそのとおりだと私も承っております。ただ、そのタンク本体の腐蝕とか本体の亀裂、タンクが破れて、それで流れ出たというケースは認められなかった。タンク本体ではなくて、管の接続部とかあるいはその地盤が亀裂しておって、そのタンクに油を入れるときに漏れたのが流れているとかいうケースが、いまおっしゃいました二千六百三十六のうちの百四十二件、五・四%、二十件に一つはそういうのがあったけれども、それらもよく調べてみたらタンク本体が壊れていたというものはなかったという結果でございますので、やや一安心したというのが、正直なところ、私たちの感覚でございます。
 しかし、これは数が多いし、人家が密集している中にあるようなところでございますから、手を抜くわけにいきませんので、十分気をつけてまいらなければならない。その意味では、いま先生の御指摘のように、東京だけでなくて全国でそれぞれやるべきものだと思います。私たちの方では、全国一斉にやれという指令は実は流しておりませんけれども、こういうふうにしてやれという方法論と申しますか、指導基準を流しておりますので、それぞれの市町村において自主的に時期を決めておやりになる。それで、事業所自体に対してもまた年一回以上の定期検査とその点検記録の作成、保存を義務づけておりますし、それから消防機関が、そういった私の方で流しました指導基準によりまして、それぞれの時期に安全の確認を行っております。そういったことで、これはいま申しましたように安心をするわけにはまいりませんけれども、ある程度十分にそういう点についての注意は払われているというように認識しております。
○林(孝)委員 大臣にお伺いしますが、私はいまこうして製油所であるとか屋外タンクまたは地下貯蔵タンク等の実態を示して警鐘乱打しているわけでありますけれども、お聞きのように不十分な状態です。大臣は責任者として、こうした実態に対してどういう決意で臨まれるかお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○小川国務大臣 コンビナート地域におきまする石油タンクの安全確保の問題、これを怠っておりまするとまことに戦慄すべき事態を生ずるに違いない、きわめて大事な問題だと心得ております。本日、特にこの問題をお取り上げになってあらゆる角度から御質疑をなさったゆえんであろうと存じます。これにつきましては、従来からやっておりまする規制並びに石油コンビナート等災害防止法による規制を通じまして安全確保の徹底を期してまいるつもりでございます。
○林(孝)委員 終わります。
○北山委員長代理 安藤巖君。
○安藤委員 私は、赤軍派対策、特に海外におる日本赤軍派と称する暴力集団の人たちに対する追跡調査、取り締まり、そういうものを中心にいたしまして警察庁にお尋ねをしたいと思います。
 きょうの衆議院本会議で、御承知のように航空機強取等防止対策を強化するための関係法律の一部を改正する法律案が全会一致で可決をされたわけですね。これには罰則を強化する、それから旅券法の一部改正というのがあるわけですけれども、衆議院の法務委員会で、いわゆるハイジャックの防止について政府は防止のために格段の措置をとるようという要請が附帯決議としてなされているわけです。だから、この附帯決議との関係で、ハイジャック防止ということについては、国内における赤軍派の活動ももちろんいろいろ関係があろうかと思いますので、その辺についても十分対策を強化していただきたいと思うのですが、特に海外における赤軍派の動き、重要人物の追跡、これは非常に大切だと思いますが、こういう附帯決議を受けて警察庁としてはどういうような方法で臨んでいかれようとしているのか、まず伺いたいと思います。
○三井政府委員 この事件が起こりましてから、警察庁としても対策を考えました。また、内閣に置かれましたこの対策本部におきましても、警察庁は一員でございますので、その中で対策を申し述べた結果、今日その方向が決まったわけでございます。つまり、本件事件を起こしておりますのは何といいましても日本赤軍自体でございますので、これを十分に把握することによりまして今後彼らを封じ込めていく、そしてその組織の壊滅を図るということでございます。こういうねらいのために、警察庁におきまして、いままでも極左暴力集団一般についてこれを担当しておる組織があるわけでございますけれども、日本赤軍を専従してこれを見るといいますか、担当する組織をつくろうということを考えたわけでございます。
 その方向といたしまして、一つは、海外にある日本赤軍自体を追及していく。もう一つは、国内にあってこれと何らかの関係を持ち、事実行為として事実上これを支援をしておる、こういうものの組織も解明していく、この両面でございます。いま御質問の海外における日本赤軍の動向を把握するということにつきましては、何分海外のことでございますので、もっぱら外国の治安機関、外国の政府がこれについて関心を持ち、かつその動向を把握するということをわが方としては促進をするといいますか、依頼をするといいますか、それをいただくということは、現に在外公館がありまして、そこからのルートでわれわれも得ておるわけでありますけれども、それだけでは不十分であるということで、そういう組織を警察庁につくりまして、警察庁自身が外務省と連携をしながら、つまり外交ルートと連携をしながら、海外のそういう外国の機関からそういう情報について、いろいろこちらも注文を出し、向こうからもいただく、こういうような方向で、いままでよりも一層強力に推進をしていきたいというのがそのねらいでございます。
○安藤委員 そのこととの関連で外務省にもお尋ねしたいのですが、警察庁の方としてはただいまの御答弁で、ごく最近ですけれども強力に推進していく方向をとりたいということをおっしゃったのですが、これは外務省とも大いに関係のあることですが、外務省の方としても警察庁のそういう方針、それを推進していくということについて協力する態勢をとっていかれる具体的な方策があったらお答えいただきたいと思います。
○伊藤説明員 お答え申し上げます。
 日本赤軍の動向把握のための努力といたしましては、外務省も従来から警察その他の関係機関の協力を得まして、特に在外公館におきましてその情報収集のために鋭意努力してまいったわけでございますが、今回の対策の決定に伴いまして、従来以上に関係各国との一層緊密な連絡関係の確立によりまして海外の関連情報の収集を強化するというふうに考えております。したがいまして、その具体的なやり方等につきましては、たとえば関係各国の治安関係者との人的交流を促進するとか、より具体的な処置を今後とも警察等の関係当局と御協議をいたしながらともにこの施策の推進のために努力いたしたい、こういうふうに考えております。
○安藤委員 そこで、海外における赤軍派の幹部と言われておりますし、先般の日航機のハイジャック事件の背後におって相当重要な役割りを果たしだというふうに言われております重信房子の行方について、どういうような捜査をしておられるのか、あるいは突きとめておられるのかということをお尋ねしたいのです。
    〔北山委員長代理退席、委員長着席〕
 御承知のようにこの重信房子、昭和四十六年の二月二十六日にベイルートへ向けて出国をしているわけですね。この重信の行方については捜査をしておられるのか、捜査をしておられるとすれば、いま行方はどういうところまでつかんでおられるのかお伺いしたいと思います。
○三井政府委員 日本赤軍の一番のキャップ的存在が重信房子でございますので、これの動向につきましては、日本赤軍全体の動きをつかむという意味でも重要でございますし、さらに重信は海外における事件並びに国内における事件等を犯しておりまして、われわれが捜査的にも追及している人物でありますので、その動向、所在等については関心を持っておるわけでございますが、アラブ地域、中近東地域におるということはわかっておりますけれども、そのときどきにどこにおるか、どの国におるかという点を的確につかむところまで至っておらないわけでございます。レバノン内戦が始まる以前は、主としてレバノンにおるものというように一応のところは考えておりましたけれども、今日どこにおるのかという点については的確に把握するに至っておりません。
○安藤委員 そこで、現在は自民党の参議院議員をしておられる山口淑子さん、この方が昭和四十八年八月当時ですが、フジテレビの「3時のあなた」という番組の司会者をしておられた。八月のある日にヨーロッパのある都市でこの重信と会ってインタビューをしたという事実があって、この会見の模様がそのころフジテレビで放映されたという事実があるのです。それは御承知だと思うのでありますが、いかがですか。
○三井政府委員 その点承知いたしております。
○安藤委員 その山口淑子さんが重信と会ったときの模様を「誰も書かなかったアラブ」という単行本に書いておられるわけですね。この中には、にこやかにいすを勧めたとか、美人だとかいうようなことが書いてあるわけです。それから婦人公論の昭和四十八年十月号ですか、やはり山口淑子さんが「素顔の重信房子」というので書いておりますし、そのインタビューの模様につきましては週刊サンケイも同年の八月三十一日号でいろいろ詳しく書いておるわけです。時期的には、昭和四十八年ですから少しさかのぼるわけですけれども、足取りの調査、捜査、それから現実にヨーロッパのどの都市にいたか。内容を見ますと、アパートみたいなところで会ったというようなことですけれども、こういうような本に載っているその内容からしまして、いろいろそこから足取りを想像すれば、ある程度ずっと追っていけばできるんじゃないか、あるいは昭和四十八年当時にそういう点について捜査をしておられれば行方を追うことができたんではないかというふうに思うのですけれども、その当時はそういうようなことはお考えにならなかったんでしょうか。
○三井政府委員 先ほどちょっと触れましたように、日本赤軍のキャップ的存在であるというような意味で、情報的な関心として、どこにいるのかということについては関心を持っておりましたが、いまお話しのような資料等によりまして一応のことをうかがうという程度のものでありました。捜査的に追及することになりますと、もっとこれを的確にどういう時期にどこにいるというところまで把握しなければならぬわけでありますけれども、四十八年当時は、この重信房子につきましてはいまだ捜査的に追及するというところまでいっておらなかった。つまり、犯罪を犯して逮捕状をとりこれを追及するというのは四十九年からでございますので、四十八年当時はそういうあれは、まだそこまで追及するだけの材料をわれわれは持っておらなかったわけでございます。
 なおついでに申しますと、その後五十年であったと思いますけれども、新聞等で取材のために重信に会って、こういうことがあったというようなことをまた新聞記事等では承知いたしておりますが、その場所は向こう側との約束であろうかと思いますけれども、いずれもわれわれが把握するところまでのものは得られなかったということでございます。
○安藤委員 そうしますと、重信房子の逮捕状は四十九年になってからとおっしゃるわけですが、これは本富士署事件での放火罪容疑での逮捕状だというふうに思います。だから、逮捕状をとった直後にでも、私はこれは素人で思うのですけれども、ちゃんと一定の場所で約束をした上で山口淑子さんが会っておられるわけですから、山口淑子さんにその当時の模様、ヨーロッパのどの都市、どこだということをお聞きになってしかるべきではなかったかと思うのですが、その当時にどうしてそういうような調査をおやりにならなかったのか、お伺いします。
○三井政府委員 四十八年当時はまだ逮捕状を持っておりませんでしたので、先ほど申しました情報的な関心を持つ段階にとどまったわけでございますので、いつどこでどういうふうにという犯人逮捕のための捜査という観点からの事情聴取の必要を感じなかったわけでございます。その後四十九年の十二月でございますけれども、本富士署の放火事件、未遂でございますが、並びに公務執行妨害事件によりまして逮捕状をとることができました。これは事件は古いのですけれども、その事件の被疑者の捜査の中で、重信が共犯であるということが判明してまいった時期がかなりずれたものでございますから、四十九年十二月になって初めて逮捕状をとった。そこでそれ以後は、重信について身柄を逮捕したいという意味での捜査上の的確な所在その他についての関心を持つに至ったわけでございますけれども、それ以後は、新聞の報道その他につきましても、そういうのが出るたびに私たちとしては彼女の所在をつかむためにいろいろ努力をいたしておりますけれども、先ほども申しましたようないろいろな事情もございまして、今日までそしてそのときどきの段階でどこで会って話を聞いたのかというような明確なところは私たちは知るに至らなかった、知れなかったということでございます。
○安藤委員 だから知るに至らなかった結果はおっしゃったとおりだと思うのですけれども、山口淑子さんにお尋ねになったのかならなかったのか。もしお尋ねにならなかったとすればそれはどういうような理由からお尋ねにならなかったのか、それをお尋ねしたいのです。
○三井政府委員 具体的にお尋ねしたかどうかはその経緯はいまちょっと私覚えておりませんけれども、四十八年当時は捜査的に重信を追及するという立場にありませんでしたので、どこで会ったかわかりませんけれども、彼女はこういうことを言っておるということは情報的価値あるものとして承っておりました。四十九年になってから逮捕状を入手いたしましたので、それ以後のものについては、私たちは会ったとかなんとかいうようなことがあるたびにその人から支障のない限り教えていただくというような努力をいたしましたけれども、的確にどの場所でというところまでは知るに至らなかった、努力はしたけれどもそこまで判明しなかったということでございます。
○安藤委員 だから逮捕状をおとりになってから、四十九年十二月以降本格的な捜査をする段階になってから、その当時としては重信房子と接触した人ではっきりしているのは山口淑子さんだけだったと私は思う。ほかにもあるかもしれませんが、はっきりわかっているのはその方ですね。それまでは情報程度ということでお考えになっておられたんだけれども、今度は本格的な捜査に入るということになったわけですから、少し時間がずれているかもしれぬけれども、その当時いろいろ足取りをずっと追及していけばわかるかもわからぬわけです。だから山口淑子さんにお聞きになったのかならなかったのか、私がお尋ねしているのはこういうことなんです。
 先ほどもちょっと私が言いました週刊サンケイの記事を見ますと、山口さんが「今後もハイジャックはやりますか。」と聞いているわけですね。重信は「起こることだと思います。あるかもしれない」というようなことまで言っているわけです。そういうようなことからすると、これは重大な発言ですね。だから一層、これはそういうことも含めてきちっと捜査を――もうそのときにまず一つの手がかりとしては山口淑子さんに一週聞いて、そのときのヨーロッパのどういうところだ、それ以後の足取りは、それぞれの捜査の専門家としてのいろいろな勘なりルートなり手順なりというのがあるはずだと思いますから、相当程度これはわかったんじゃないかというような気もするわけです。そうすれば、先般の日航機のハイジャック問題だって、あるいは事前にキャッチすることができたかもしれないしというような気もするわけですね。だから、その辺についてお尋ねにならなかったとすれば、なぜお尋ねにならなかったのか。お尋ねになっていなかったとすれば、やはり怠慢じゃないかという気がするのです。泳がせているんじゃないかというところまで言いたくなるぐらいなんです。だから、その辺のところをお伺いしているのです。
○三井政府委員 捜査の必要上重信の所在をつかむということについては、今日も同様に考えておりますが、当時四十九年に逮捕状を入手して以後、山口さんにその点についてどのように聞いたのかという点をちょっといま私たち覚えておりませんが、山口さんに限らず新聞に出た場合に、その新聞記者にこちらは接触して、聞かしていただける限りは聞かしてくださいという努力をしております。
 そういうことも含めまして、ある時点にはレバノン、ベイルートのどこどこにおったとか、的確なところまでわかりませんけれども、レバノンの近郊におったとかあるいはレバノン以外の国のどこどこにおるようである、こういうような情報は、その都度といいますか、今日までの中で私たちのつかんだことはございます。大体数カ所の間を転々としておるようでありますけれども、いまそのうちのどこにおるかということは、ちょっとただいまではわかりかねるということでございまして、レバノン内戦当時レバノンを離れ、その後最近はまたレバノンに戻ってきておるのではないか、こういうような点までいまのところわかっておるといいますか、そう推測できるというのが現状でございます。
○安藤委員 山口淑子さんにお聞きになっておれば、そのときのその場所、都市の名前とかあるいはアパートの名前とかということもおわかりになっておったはずで、その後の捜査がどうなっておるかということも当然わかっておられるということになるわけですね。だから、その辺のところが漠然としておるということになれば、これは山口さんからお聞きになっていないというふうに思わざるを得ぬわけです。お聞きしたかどうかはっきりしないというお話ですけれども、お聞きしておれば、いま私がお尋ねしたような捜査がずっと進むわけですから、それはちゃんと記録にも残ることですし、それがないということになれば、お聞きになっていない。だから、どうしてお聞きになっていないのか。まさに四十九年の十二月に逮捕状を取ったらもう早速、そういうような重信と会ったただ一人の人ということになれば、少し時間がずれるかもしらぬけれども、お会いになっていろいろ事情をお聞きになるというのが筋じゃないかと思うのですね。やはりその点は怠慢のそしりを免れないんじゃないかというふうに私は思います。
 これからちょっと時間が、実を言うと残念ながらずれておるのですが、そういうことも含めてベイルートとかアラブだとかいろいろおっしゃってみえますけれども、ヨーロッパのある都市ですからね、これは。ベイルート云々という、あの辺のところとは違ったところに重信はおったという事実ですから、これはいまおっしゃってみえておるような範囲からちょっと外れたところにおるというような印象も私は受けるのです。だから、これは一つのニュースだというふうに思うのです。一つの資料だと思うのですね。だから早速、これは時期的にはちょっとむずかしいかもしれませんけれども、事情をお聞きになってしかるべきではないかというふうに思うわけです。いかがでしょう。
○三井政府委員 山口さんに事情を聞いたか聞かなかったかという点は、私はちょっとはっきり記憶しておりませんのであれでございますが、所在を確認するためにいろいろの努力しておりまして、山口さんのみならず新聞に出ますと、その新聞記者が本当に会われたのか、どこですかというようなことを知るために努力もしておりますので、的確なことはちょっと忘れましたけれども、そういう意味でいままで幾つかのところに彼女はおるという候補地といいますか、そういうのは一応つかんでおるということでございます。
○安藤委員 最後に一つ、念のためにお伺いしておきたいのですが、先ほどお尋ねしましたように、重信は四十六年の二月二十六日に正式に旅券を受け取って出国をしておりますね。新聞の記事によりますと、その当時までに重信は二回ないし三回の逮捕歴があった。大菩薩峠事件だとかあるいは無届け集会事件だとかということで、あった。そういう逮捕歴のある、しかも赤軍派の幹部だという点について、そのころ警察庁の方から外務省の方に対して、重信はこういう人物だというような点は連絡はしておられたんでしょうか。
○三井政府委員 重信房子は、出国するまでに国内で三回逮捕されております。それぞれ措置が進んでおりまして、四十六年二月に出国するために旅券を入手するときに、彼女は旅券を申請し出国しようとしておるということは、私たち事情を知っておりました。で、外務省とも連絡をし、この点について相談をいたしました。
 ただ、いわゆる旅券法で一定の、五年以上の罪によって現に逮捕状が出ておるとか訴追されておる、こういう要件には、したがって当たらなかったわけです。逮捕歴はありましたけれども、訴追されておらなかった、それから逮捕も終わっておった、こういうようなことですから、あれには当たらない。そうなりますと、彼女の出国を法的にたとえば差しとめる、認めないというようなことができるのは、いわゆる公安利益条項という別の条項はありますけれども、そういう点に当たるかどうかということについて、当時外務省と相談をいたしました。しかし法の解釈として、あそこに書いてあるような該当には至らないということでありました。それは、重信房子は当時共産同赤軍派の政治局員でありまして、日本赤軍――今日のあの凶悪な日本赤軍というのは、その後海外に行ってからできたわけでございまして、当時は日本赤軍というのは存在せず、いわゆるブントの赤軍派の幹部の一人であった。で、逮捕歴も示されておりますように、無届け集会とかデモでの公安条例違反それから最後は大菩薩事件、こういうようなことでありまして、その種の事件の他の共犯はそれぞれ措置されておりますけれども、重信房子も共謀共同正犯といいますか、そういうものでありまして、他の被疑者の取り調べの中からわかってきたわけでありますけれども、逮捕し送致いたしましたが、いずれも起訴されないで終わった。こういう後で、四十六年になって出国を申請いたしましたので、いまのような事情で出国に至った、こういうことでございます。
○安藤委員 そうしますと、重信に旅券を発給するかどうかという点については、外務省と警察庁ですか、法務省になりますね、で相談をされたという事実はあるわけですね。
○三井政府委員 私たち直接には外務省と相談いたしました。事実をつかみ、ことに結婚して名前も変えて出る、こういうような形式もとっておりますので、この点について何らかの意図による擬装結婚をして出ていくんじゃないかというような見方もありまして、十分に相談をいたしました。結論として、あの条項適用は無理ということでございました。
○安藤委員 結構です。終わります。
○芳賀委員長 川合武君。
○川合委員 財政局長に伺います。
 基準財政需要額の集計表というのを見ますると、これはたとえばでございますが、たとえば市町村の厚生労働費の中の清掃費でございますが、この基準財政需要額が、経常と投資、両方合わせると四千八十七億、こういう数字が出ております。これは単位費用分と補正分とを合計したもの、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○山本(悟)政府委員 ただいまお読みになりました数字そのとおりでございまして、単位費用を補正いたしました数字が四千八十七億ということになっております。
○川合委員 そうすると、いまたとえました清掃費でございますが、市町村分の厚生労働費の中のこの清掃費の単位費用を見ますると、私のは五十年度の自治省財政局交付税課・財政課編「地方交付税制度解説(単位費用篇)」という本を見ながらお尋ねしているわけですが、それによりますと、単位費用が、清掃費、経常が千九百五十円、投資が二百四円、こういう数字でございますが、これに人口一億一千万人を掛けますと、経常と投資にそれぞれ掛けて、そしてそれを合計しますと、私の計算ですと大ざっぱ二千四百十億ぐらいでございますか、ちょっと数字違っておるかもしれませんが、いずれにしましても、ただいま申しました一億一千万を掛けてプラスしたもの、先ほどの四千八十七億円から、ただいま申しました単位費用に一億一千万を掛けてプラスしたもの、これを引きましたものが補正分である、こういうふうに理解してよろしいわけでございましょうか。
○山本(悟)政府委員 単位費用は、五十年度分、先生いまお読みいただきましたとおりでございまして、五十年度の普通交付税の単位には人口を前の統計を使っておりましたので、一億四百六十五万人を掛けますと、経常分、投資分合わせまして二千二百五十四億ばかりに五十年度分はなろうと思います。したがいまして、基準財政需要額の四千八十七億と、単純に人口そのものを掛けまして出しました額二千二百五十四億、その差約一千八百三十三億は、補正係数を掛けることによりまして補正後の数値が変わってきてふえてきた金額、こういうことになりまして、ただいまおっしゃったとおりと思います。
○川合委員 ちょっと恐縮ですが、聞き漏らしたのですが、そうすると、いまの補正分といいますか、補正係数を掛けてふえた分、補正係数によっての増額分はどのぐらいでございますか。再質問じゃない、これはちょっと聞き漏らしたので……。
○山本(悟)政府委員 基準財政需要額四千八十七億、それから単純に測定単位であります人口を掛けまして出しました金額が二千二百五十四億、したがいまして、その差額は一千八百三十三億でございます。
○川合委員 そうしますと、いまの補正による増額分が一千八百三十三億であるということは、四千八十七億円の中で一千八百三十三億円という数字は相当な数字のように思われるのですが、一体基準財政需要額の総計のうち、補正係数によっての増額分はどのぐらいになるのか、お尋ねいたします。
○山本(悟)政府委員 御案内のとおり基準財政需要額を算出いたします際、いろいろな実態に合わせますためにいろいろな補正係数を使いまして計算をいたしておりますが、やり方といたしまして、ただいま御質問の御趣旨に合うように計算をいたしますと、測定単位の数値、補正前の数値にそのまま単位費用を掛けまして全体を出しまして、それと、実際に出ました基準財政需要額、補正後の数値を掛けまして出ました基準財政需要額、それとの差をとってまいりますと、五十二年度分におきましては、道府県分が約二千億円、それから市町村分が一兆九千億円ということでございまして、全体の基準財政需要額に対します割合は、都府県分が三%、それから市町村分が二九%程度となっているものでございます。
○川合委員 交付税総額のうち、いまと同じようなことを聞くわけでございますが、補正係数によっての増額分はどのぐらいでございますか。
○山本(悟)政府委員 基準財政需要額の計算はただいま申し上げましたような数字であるわけでございますが、交付税額となりますと、何分交付税が需要から収入を引いたものでございますので、その差額のうちという計算はちょっとやりにくいわけでございます。やはり基準財政需要額の中でどれだけの補正によって増減があったかということで御判断をいただきませんと、交付税そのものとしては差額でございますので、差額の中で何%というのはちょっと計算として出しにくいような事情でございます。
○川合委員 それでは、念のためお伺いしますが、補正係数というのは何と何とどんなものがあるのでしょうか。
○山本(悟)政府委員 補正係数、基本的なものといたしましては、測定単位の数値の多少によりまして、たとえば人口でございますと、人口の大きな団体と小さな団体、小さな団体の方が人口一人当たりの経費は増額する、ふえていくというような観点をとらえますところの段階補正というのが一つございます。それから大きなものといたしまして、その団体の経済構造でございますとか、そういったようないろいろな都市的な状況というものを基礎にいたしまして係数を出しております態容補正がございます。態容補正の中には、さらにいろいろと投資の補正でございますとかいろいろなものに分かれておりますが、そういったようなものがございます。それから、測定単位が決められておりまして、その中にいろいろな種類があるというようなことから計算をいたしております種別補正というようなものもございます。それから人口密度といったようなものをとります密度補正、それから寒さの関係によりますところの経費の増高を測定いたします寒冷補正、そのほか人口の急増でございますとか急減でございますとか、そういったようなことをそれぞれ測定するための補正、こういったようないろいろなもろもろの要素をとらえまして、それを類型化いたしまして、単位費用というのが、先生御案内のとおり、県に一つ、市町村分一つというかっこうで出しているものでございますから、実際の各団体との乖離がございます分を、そういったいろいろな角度からその団体の性格をとらえまして、それによって測定単位の数値を補正いたしまして、実態になるべく適合するように基準財政需要額の計算をいたしているということでございます。
○川合委員 この補正係数を定めているのは省令ですか。
○山本(悟)政府委員 交付税法のところに、それぞれ補正の種類と基本的な考え方につきましては規定がございます。それからまた、どういう経費にどういう補正を適用するかということも法律事項として規定をしているわけでございますが、それぞれ具体の係数自体は省令に譲られておるわけでございます。
○川合委員 各市町村では、一体自分のところにどのくらい交付税が来るのかなかなかわからない、中身もよくわからないけれども、それはともかくとしまして、時期的になかなかわからない、八月ぐらいにならないと幾ら来るのかわからないということを聞くのですが、そうしますと、この省令はいつごろできるのですか。
○山本(悟)政府委員 省令自体といたしましては、毎年度、普通交付税を八月中に決定をすることにいたしております。法律上もそうなっておるわけでございまして、当該年度におきます具体の省令が出ますのは八月末ということになろうかと存じます。ただ、実際に各団体でその年度におきます交付税を大ざっぱに推計をしていただかないと、予算の組み方というようなことが問題になるわけでございますので、そういう際の指導といたしましては、やはり全体としての基準財政需要額の伸び率がこの程度、それからその伸び率を掛けたものから、その団体におきますところの税収入の見込み額の市町村で言えば七五%を引いてくれ、こういうような指導をいたしまして、ほぼの推計はしてもらっていると思っておるわけでございますが、具体に決定をされますのはやはり八月の末、これが決定の時期でございます。
○川合委員 いまの局長の言われることは意味合いはわからぬでもないのですけれども、しかし先ほどからお話を聞くように、私どもから言わせると複雑多岐にわたる、あるいは混沌きわまるような、補正係数を自治省の財政局が頭のいいところであやつっておるわけで、これがちゃんと決まらなければ、本当に一体交付税が幾ら来るのかわからないわけですね。また、それだけの精緻なものであればこそ、これだけいろいろなたくさんの補正係数があると思うのです。ですから、八月省令ができるまでは本当のところがわからない、こんなことになるのじゃないかと思いますが、市町村としては。そうじゃないのでしょうか。
○山本(悟)政府委員 やはり三千有余の団体にそれぞれ計算をしていただきまして、その基準財政需要と基準財政収入額の差額を積み上げまして交付税総額の九四多と合わせるということをやるわけでございますので、時期的にはただいま申し上げましたように、法律でも八月ということが普通交付税の決定の時期として決められているわけでございます。もちろん早い方がベターであるということもございますが、同時に、その年度の予算によって交付税総額というのが決まりまして、また、その年度の税制改正によりまして税収入の見込みというのが各団体ごとに出てまいります。そういうものをもとにしまして需要と収入の計算をいたすわけでございますので、なかなかしかく早い時期にということは相当技術的な困難が伴うということで、現在、交付税制度発足以来八月ということでやっているわけでございます。
○川合委員 私は早い方がいいと思いますが、しかし、八月だからといって必ずしも遅いということを攻撃しているわけじゃないのでして、何か私の聞き違いかもしれないし、私の勘違いかもしれないけれども、この省令ができるまでの間でも大体地方団体はわかっているのだ、こういうふうに言われたような気がしましたから、もしそうだとすると、地方団体が大体省令ができるまでにわかっているくらいならば、こんなややこしい補正係数を大騒ぎしてつくらなくても済むことだというような気がしたもので、それをお聞きしたわけですが、どうなんでしょうか、その点は。
○山本(悟)政府委員 その年度の交付税の全体としての姿はどうかというような点は、やはり地方財政計画を策定されました際に、ほぼの姿は出るわけでございます。その年度におけるいろいろなもろもろの経費はこうで、その収入はこうでということは財政計画で出るわけでございますから、大ざっぱに言って大体、県であれば需要の伸びは総平均このくらいとか、あるいは市町村であればこのくらいという数字は出まして、それは御連絡をして、当初予算をお決めになるのにお困りにならないような指導はしているわけでございますが、やはり個々の団体の正確な姿となりますと、どうしてもいまおっしゃいましたような八月になってまいりませんと正確には出てこない。実際に各団体においていろいろ作業していただきますのは、六月、七月というような時間にかけまして個々の団体にも積み上げ作業をしていただきまして、それが全体として積み上がってきて、御案内のとおり多少の誤差が出ますから、その誤差を調整率ということによって修正するというような作業をいたしますのはどうしても八月中旬以降になる、こういうのが実態でございます。
○川合委員 さっき局長のお話ですと、市町村で言えば、この補正係数によっての基準財政需要額の増額分は二九%というお話でしたですね。この補正という日本語の言葉からすると、二九%というのは三割ですね、日本語の補正という言葉からすると三割というのは少し多いんじゃないでしょうか。やはり補正というのはちょっぴり直すというようにわれわれは常識的に思うのですけれども、どうなんでしょうか。感想を聞くみたいで恐縮ですけれども……。
○山本(悟)政府委員 御案内のとおり市町村分の単位費用は、人口十万の都市というものを想定をいたしまして、一経費について一つだけ単位費用を決めているわけでございます。人口十万の都市といいますと、全国の人口を十万以上の都市と十万未満の市町村とに大ざっぱに分けますと、大体まん中ぐらいのところになろうと思います。上と下とがほぼ同じ程度のところで、それほどおかしなことではないと思っておるわけでございますが、やはり個々の経費によりまして、その十万の都市と東京の特別区といったようなところと比べますと、非常に行政の質も違ってまいる、あるいは量も違ってまいるというようなこともそれぞれの経費について見られるわけでございます。ことにこのごろのように都市的な経費というものが非常に増高する、たとえば先ほど御指摘になりました清掃費、これの率をとりましても四千八十七億という需要に対しまして補正による増というのが千八百三十三億、率で言いますと約四五多くらいになりますか、そういうふうに、こういった都市的な行政費というものは、どうしても十万のところを基準にとって、その上下というものをとってまいりますと、相当いま伸びざるを得ないものもございます。そういうような事情もございまして、もちろん十万のところを真ん中にいたしまして増減がそれぞれのところについてあるわけでございますが、差し引きいたしますと、こういったような都市的経費の増高ということのために、あるいは小中学校経費というものもそういうことがあろうと思いますけれども、そういったような関係で補正による割り増しが相当になる、ならざるを得なくなっているということでございます。
○川合委員 ちょっと話が戻ってあれでございますが、交付税総額のうちで補正係数によっての増額分は、これは計算が出ないのですか。基準財政需要額の方が出れば、これは出るような気がするのですが、何か言ってはぐあいが悪いことがあるのですか。
○山本(悟)政府委員 普通交付税が何しろ基準財政需要と基準財政収入の差額なものでございますから、補正による増の分をまず普通交付税の差額の分に充てまして、残りが基準財政需要だと言えば、それは出ないことはございません。しかし全体として、需要は需要として見て、そのうちの何%だと、こういう議論でございませんと、その差の中で何%だという議論をいたしましても、ちょっと根っこが変わってまいるものでございますので、収入との差というところのもののうちで幾らということは余り意味が少ないのじゃないかということで、私ども出したことはいままでございませんものでしたから、先ほどそういう御答弁をさせていただいたわけでございます。
○川合委員 くどいですけれども、計算をすれば出るのですね。不可能ということじゃないですね。
○山本(悟)政府委員 もちろん計算をすれば当然出てくるわけでございます。
○川合委員 時間も迫りましたものですから、また別の機会にひとつ計算して示していただきたいと思います。しかしいずれにしても、交付税総額の中でも、大体勘で申し上げまして、市町村分で言えば補正係数による増額分が三割近くあるのじゃないか、これは私の勘ですが、こんな感じがするわけです。仮にこの勘を前提として言わしていただくならば、五兆円ですか、市町村分だからあれですけれども、いずれにしても相当額の金額が自治省の財政局の補正係数を操って出されている。もっと言えば、この相当分が国会の審議の外にあるわけですね。くどくなりますが、市町村でいえば三割近くというものが、この金額は国会の審議の外にある、こういうことになりますね。いまの自治省の方々は皆さん人柄もりっぱな方ばかりですから、別に悪気なんか毛頭なくて、市町村のために一生懸命緻密な計算をされて、コンピューターで大騒ぎしてやっていらっしゃるので、これは全く市町村の財政のためにやっていらっしゃるのだと思います。思いますが、しかし、これは悪い人が出てきたということじゃありませんけれども、こういういわば密室行政みたいな、もともと交付税のあれはわかりにくいのですから、恐らく地方団体の市町村でもその担当の者でなければこれはわからないと思うのですね。しかもどんどん緻密ならしめんとして補正係数がふえて、そして全体のうちの相当部分をこの補正係数による分が占めている、こういうことになると、これは密室行政の弊害が出てくるのじゃないかと思うのです。いま悪い人はいないし、将来といえども自治省には悪い人は出てくるわけがないと思いますけれども、しかし物の考え方としては、やはりこれだけの金額が国会審議の外にあり、省令によって決められるものによって動かされているというのは、物の基本としていかがかと思うのですが、どうでしょうか。
○小川国務大臣 これはやはり技術的にやむを得ないことだと思っています。結果はことごとく公表をいたしまして御批判にゆだねることになっておるわけでございますから、現行の制度に大きく改変を加えることはなかなか困難だと存じております。
○川合委員 じゃあ最後にお尋ねをいたしますけれども、十万の市町村の話ですが、いま人口十万の標準団体、これを基礎とされている。これをもっと段階を多段階といいますか、もっとふやすというか、人口十万の標準団体だけじゃなくて、多段階にふやして補正の分はなるべく減らす。私から言わせれば、補正分は一割程度にするということで、何かそういう仕組みは考えられないものでしょうか。
○小川国務大臣 御趣旨は理解できるのでございますが、複数の標準団体を設定することになりますと、交付税算定の事務がはなはだ複雑なものになってこざるを得ない。ただでさえもっと簡素にせよという御要望があるやさきでございます。また、その作業そのものが地方財政計画の策定あるいは予算の編成と時期的にぶつかるということもございますので、せっかくの御提案でございますが、実際問題としてなかなか実行しかねる問題ではなかろうかと考えております。
○川合委員 これで最後にいたしますが、しかし、それは大変だろうと思いますけれども、大変なのは自治省の財政局が大変なんで、やはり標準団体を多段階にしてそれで補正を減らした方が、姿としては簡素になり、その方が理にかなっているのじゃないかと私は思います。いろいろ技術的には自治省は大変になるかもしれないけれども、理論といいますか考え方としては、私ども申しますように、標準団体を多段階にして補正を減らした方が簡素になるのじゃないかと思います。しかし、時間が超過いたしましたので、ひとつ御検討の題目にしていただきたいことを要請いたしまして、私の質問を終わります。
○芳賀委員長 次回は、来る十七日木曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時四十八分散会