第082回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号
昭和五十二年十一月十八日(金曜日)
    午前九時五十分開議
 出席委員
   委員長 稲富 稜人君
   理事 阿部 文男君 理事 西銘 順治君
   理事 本名  武君 理事 山田 久就君
   理事 上原 康助君 理事 斎藤  実君
      越智 通雄君    川田 正則君
      森  喜朗君    美濃 政市君
      玉城 栄一君    瀬長亀次郎君
      甘利  正君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (沖繩開発庁長
        官)      藤田 正明君
 出席政府委員
        内閣総理大臣官
        房交通安全対策
        室長      室城 庸之君
        防衛施設庁施設
        部長      高島 正一君
        防衛施設庁労務
        部長      古賀 速雄君
        沖繩開発政務次
        官       國場 幸昌君
        沖繩開発庁総務
        局長      亀谷 礼次君
        沖繩開発庁振興
        局長      美野輪俊三君
        資源エネルギー
        庁石油部長   古田 徳昌君
        労働大臣官房審
        議官      谷口 隆志君
 委員外の出席者
        警察庁交通局交
        通指導課長   広谷 干城君
        警察庁交通局交
        通規制課長   福島 静雄君
        外務省アメリカ
        局外務参事官  北村  汎君
        文部省体育局学
        校保健課長   遠藤  丞君
        資源エネルギー
        庁石油部精製課
        長       清滝昌三郎君
        運輸省自動車局
        業務部長    梶原  清君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月十二日
 辞任         補欠選任
  田中 正巳君     森  善朗君
    ―――――――――――――
十月二十八日
 北方領土の返還に関する請願(春日一幸君紹
 介)(第七〇七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十月十三日
 北方領土の復帰促進に関する陳情書外四十二件
 (島根県議会議長増野元三外四十二名)(第八
 八号)
 北方領土返還に関する陳情書(函館市住吉町一
 一の一二函館暁友の会長長谷文吾)(第八九
 号)
 千島列島の返還に関する陳情書外四件(岩井市
 議会議長宮部正一郎外四名)(第九〇号)
同月三十一日
 沖繩返還協定による放棄請求権等の補償に関す
 る陳情書(沖繩返還協定放棄請求権等補償推進
 協議会長沖繩県知事平良幸市外五十三名)(第
 一七八号)
 北方領土の早期返還に関する陳情書外八件(結
 城市議会議長小倉俊作外十一名)(第一七九
 号)
 北方領土の返還実現に関する陳情書外四件(常
 陸太田市議会議長根本幸外四名)(第一八〇
 号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 沖繩問題に関する件
     ――――◇―――――
○稲富委員長 これより会議を開きます。
 沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。西銘順治君。
○西銘委員 沖繩の本土復帰によって日本の戦後は終わった感じがいたします。しかしながら、沖繩の戦後はまだ終わっていません。余りにも問題が多く、なおかつ解決されないままに積み残されている現状であります。この沖繩の戦後処理の問題の一つといたしまして交通方法変更の問題があるわけでございまして、あと余すところ八カ月、来年の七月三十日を期して三十数年間なじんでまいりました交通方法が一晩で変更されることに相なりますので、県民としては、一体切りかえの日までに諸準備が完了するだろうか、また県側から提出された補償の問題は全部解決されるだろうかというようなことで、大変不安な中でこの交通方法の変更を見守っている現状であります。
 そこで、交通方法変更の問題に限って五つか六つぐらい質問をして、当局のお答えをいただきたいと思うのであります。
 まず第一点は、交通方法変更によって交差点の改良工事あるいはバス停留所等の移転の問題等を含めまして、道路整備事業か果たして七月三十日の切りかえの日までに完了するかどうか大変心配をしている向きかあるわけでございまして、その点について当局の見解をお聞きしたいのであります。
○國場政府委員 大臣がのっぴきならぬ所用でおくれますので、政務次官から答弁をさせていただきます。
 御質問の交通方法変更に伴う事業のうち、交差点改良、バス停車帯移設等の道路整備につきましては、すでに五十二年度から一部事業を実施しているところでございまして、またさらに本年度の補正予算により予算措置を講じており、できるだけ早期に工事に着手すれば昭和五十三年、すなわち来年の七月末の変更予定期日までには所要の工程が完了することは可能と考えておるのでございます。
 また、交通方法変更日の直前及び直後において施行されるべき工種につきましては、昭和五十三年度において予算を要求中であり、これについても所定の期間内に工程を完了できると考えております。
 以上でございます。
○西銘委員 政務次官から答弁がございましたが、問題は、交差点の改良工事になりますとどうしても土地の取得の問題が絡んでくるわけでございますが、この土地取得について地主の合意が得られておるかどうか、一体何カ所予定しておるのか、それをお聞きしたいのであります。
○美野輪政府委員 お答えいたします。
 道路のすみ切り等につきましては確かに用地等の問題が絡むわけでございまして、やはり相手のあることでございますので、折衝に時間のかかることが当然予想されるわけでございます。その辺も考えまして、そういったすみ切り等の工事につきましては本年度の当初予算、それからその後市町村から追加要請がございましたが、それらのうちでそのようなすみ切りあるいはバス停車帯のような工事個所につきましては本年度の補正予算で急遽予算措置をいたしたところでございます。私どもといたしましては、これは早期に着手していただくということで、来年度の工事そのものとしては比較的簡単な小さな工事でございまして、工事そのものにはそれほどの長期間を必要としないというふうに考えております。やはり用地折衝等の問題がございますので、その辺は早期に着手していただきまして、来年の七月三十日までに間に合うよう市町村、県等において努力されることを期待しておるわけでございます。また、私どもも県民の十分な協力を得られるよう、また市町村、県当局の協力も十分得られるよう十分努力してまいりたい、このように考えております。
 それから交差点の改良個所数でありますが、最終的には大体……。
○西銘委員 個所は後で御報告いただければ結構でございますが、問題はこの交通方法変更に伴う交差点の改良工事等を例にとってみましても、市町村の要求する事業量と県で査定した事業量が大分食い違うわけです。たとえば那覇市長は県知事に対して那覇市内の交差点改良工事について百八十一カ所要請しているわけですね。ところが、これに対しまして県としては全県下で九十二カ所改良すれば十分だというような見解に立っているわけでございまして、そういった点、市町村の要望する事業量と県の決定した事業量が大分食い違っておるのでございますが、そういう交差点あるいは停留所の移転等に伴う道路の整備工事というものが安全対策という点から考えてみまして、県の査定した全県下九十二カ所で足りるのであるかどうか、それをお聞きしたいのでございます。
○美野輪政府委員 市町村の要望個所と国の方で採択いたしました個所数についてかなりの差がございますことは先生御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、五十一年に建設省の予算におきまして県の方に調査を委託いたしまして必要個所等を調査をいたしたわけでございまして、それに基づきまして五十二年度予算要求をいたしたわけでございます。
 その後市町村側から追加の要請がございました。これが大体九月の末ごろに市町村の追加要請が大体まとまりましたので、私どもの専門官と建設省の担当官と現地に赴きまして、県、市町村の担当官等とも実地にそれらを調査をいたしましてその採択個所数につきましては、これを調整いたしたところでございます。したかいまして、交通方法の変更に伴う道路施設の整備につきましては、現在のところこれらの個所につきまして工事を実施すれば十分なのではないか、このように考えておるところでございます。
 なお、先ほどちょっと交差点改良の個所数を御答弁申し上げませんでしたけれども、全体で、国、県、市町村道分全部含めまして、百三十七カ所でございます。
○西銘委員 そうしますと、どうも市町村の要求している事業と県あるいは国の指定した事業の間に大分予算の食い違いが出てきているわけですね。そうしますと、積み残された分、これは毎年度の道路整備計画によって整備していくというふうに理解してよろしいですか。
○美野輪政府委員 積み残された分につきましては、これらの交通方法変更に伴いまして当然に必要となるあるいは危険を増すというような個所でないと私ども判断しておりますけれども、しかしながら現在の沖繩県下の道路事情というものは、先生御承知のとおり非常にレベルアップか必要な状況にあるわけでございまして、私どもといたしましては、それら積み残しました食い違い分につきましては、一般道路の改良事業の中で必要個所はこれを優先的に採択していくというようなことで全体の道路整備を急速に進めるという方向で考えてまいりたい、このように思っております。
○西銘委員 それで当局に、特に交差点改良事業あるいはバス停留所の移転等については用地取得の関係もございますので、できるだけ地主との契約を早く済ませて、切りかえ時に間に合うような体制をとっていただきたいということを強く要望しておきます。
 次に、この交通方法変更に当たりまして三つの原則と申しますか、これによって安全性が絶対に損なわれてはならない、また負担の面において県民に迷惑をかけてはならない、またこれによってバス、タクシー等の運転効率を下げてはならない。大体この三つを基本にいたしまして交通方法変更に伴う事業か実施されているのでございますが、一番そこで問題になりますのは安全の確保の問題、特に児童生徒、これらに対する広報、教育指導の問題。小学校、中学校、高等学校を入れますと二十八万人の者がおるわけでございますので、特に児童生徒、それから老人、身体障害者等に対する交通安全に伴う教育広報と申しますか、これはどうなっておるのか、お聞きしたいのであります。
○遠藤説明員 お答えいたします。
 交通方法の変更が行われますと、一般に言われております。交通弱者と言われるように、老人と幼児、児童という年齢階層が一番大きな影響を受けるであろうということが予想されますわけで、この点、学校教育を通じましては現在でも行っているわけでございますけれども、交通安全教育の充実をさらに重点的に行うということが必要であろうということを考えまして、五十二年度、本年度準備のためということで教師用の沖繩県交通方法変更指導資料というものを現在作成中なわけでございます。そして今年度末、おおむね二月ごろを予定しておりますけれども、沖繩に参りまして、先生方にお集まりいただいて、交通安全の講習会を開きたいということを計画しておるわけでございます。
 さらに五十三年度につきましては、まだ予算が固まったわけではございませんけれども、私どもの考え方といたしましては、変更日の直前、六月の末か七月の初めぐらいにもう一回先生方に交通安全の指導のための講習会を開きたいということと同時に、児童生徒に対しましては、それぞれ比較的薄いパンフレットのようなものになろうかと思いますけれども、安全指導用の資料、教材を配付するということを現在考えておるところでございます。
○西銘委員 方針としてはわかりますが、特に老人、身体障害者の場合はどうなっておるのか。私の調べたところによりますと、県の教育庁の基本方針は、短期間に集中的に行うということで、七月三十日ですから、二十九日か二十八日、全校生徒を全部校庭に集めて、そこで一挙に集中的に指導するんだということを言っておりますが、そういうことで果たして安全教育の効果が上がるのかどうか。先生の指導でできるのか、やはりお巡りさん、警官が立って指導せぬということになれば大変なことになるだろうと思う。
 そこで、どうですか、これは検討して、集中的に前日か前々日に、全校生徒を校庭に集めてやると言っているのですが、こういうことで果たして安全の効果が上がるかどうか。それと身障者の場合にどうなっておるのか、お聞きいたします。
○遠藤説明員 交通方法を切りかえるに当たっての児童生徒が当日からどういう変化を起こすかということにつきましては、よその国のものではございますけれども、スウェーデンにおきます際の切りかえのときの経験とかデータというようなものも分析をして専門家の間で研究をいたしていただいておりますが、とりあえず考えられることは、右を見て左を見てというのか逆になるというようなことになるわけでございますけれども、とにかく、道路へ行って自動車の交通頻繁なところへ行ったら一たん停止をするという習慣を六月までの間にきちんと身につくようにさせるということをしておきまして、直前の指導を行うということが最も効率的ではないかというふうに現在のところ考えておるわけでございます。
○西銘委員 政府当局に対しまして一番大事なことは、交通犠牲者を出してはならないということでございまして、その点非常にこういうことに弱い児童生徒、老人、身障者に対する教育広報活動を徹底さしていただきたいということを強く要望しておきます。
 次に、補償の問題でございますが、これは簡単にお答えいただきたい。バス、タクシーに対する補償はどうなっているのか。補償の基準と申しますか、購入の場合、改造の場合に分けて御説明をいただきたいと思うのであります。あわせて、融資の条件緩和が現地から出ておりますが、これに対する政府の方針をお聞きしたいのであります。
○梶原説明員 バスにつきましては、沖繩に千三百台余りの車がございますので、この予備車の範囲内において、新しい年式の車は極力改造する。残りの車につきましては新車または中古車に代替する、こういう考え方で取り組んでおるわけでございますが、五十二年度、本年度でございますが、代替車両にかかる代替費と保管維持費補助といたしまして十二億九千七百万円ぐらいの補助金をつけていただいておりますが、そのほかに沖繩振興開発金融公庫から十二億円の融資が計上していただいておるわけでございます。
 来年度につきましては、代替バスにつきまして五十二年度予算で四十二億八千万円ばかりの国庫債務負担行為額をつけていただいておりますが、それの現金化と保管維持費を含めまして四十二億五千八百万円の補助金の要求をいたしておりますのと、別途、沖繩振興開発金融公庫からの融資五十一億円をお願いしておるわけでございます。この融資につきましては、八年で、うち三年据え置き、金利を五・五%でお願いをいたしておるわけでございます。
 バスにつきましては、これだけの大量の車が一挙に新車を購入しなければいけないという事情もございまして、それが経営上非常に大きな負担になるわけでございますので、種々検討しました結果三十二億円ばかりの追加要求をさせていただいたわけでございます。
 それから次にタクシーでございますけれども、これは四千九百台ばかりのタクシーがございます。大半が左ハンドル車でございますので、これを右ハンドル車に切りかえなければいけない。それにつきましては、来年度の予算要求といたしまして、約七億五千万円程度の補助金と沖繩振興開発金融公庫からの融資五十一億円をお願いいたしておるわけでございます。
 またタクシーにつきまして、すでに右ハンドル車に切りかわっておるのがございますが、これはオートドアにつけかえる必要がございますので、若干のそれに伴う補助金をお願いいたしております。
 タクシーにつきましても同様の融資をお願いしておりますが、その融資条件といたしましては、七年で、うち一年据え置き、金利は五・五%でお願いをいたしておる次第でございます。
 概況、大体そういうような状況にございます。
○西銘委員 バスの場合につきましては現地側と大体話し合いがついたような感じがいたすのでございますが、タクシーの場合については、まだ現地側の要望にほど遠いものがありますので、十分御検討をいただいて、できるだけ地元に負担のかからないようにしていただきたい。これを強く要望しておきます。
 安全の問題と関連いたしまして、道路標識、また信号機と申しますか信号灯と申しますか、こういったものの切りかえについては、これは道路の整備状況がうまくいきませんと、道路と関連して立てていかなければならないのでございますが、一応道路の整備はさておいて、この信号灯、道路標識等の交通安全装置が果たして四月三十日の切りかえ日まで間に合うかどうか、これについてお聞きいたします。
○福島説明員 交通方法の変更に当たりましては、御指摘のように信号機、道路標識等を新しい交通方法に対応できますようあらかじめ左側通行用のものを整備する必要があるわけでございまして、ただいま工事を実施中でございます。本五十二年度におきましては、信号機につきましては三百十五基について左側用の灯器の増設をすることにいたしておりまして、すでに八二%の工事契約を終わりまして、これにつきましては年度内で整備を終わる、それから道路標識につきましては二万六千本を今年度新しい左側用のものを設置することになっておりますが、これにつきましてもすでに九七%契約を終了いたしまして、来年二月までにはこれは終わるということになっております。したがいまして、五十二年度に関しましては順調に工事は進んでおると申し上げてよろしいかと存じます。
○西銘委員 変更日でございますが、私の聞くところによりますと、二十九日の午後十時から三十日の午前六時まで約八時間全車両をストップさせて、それで六時以降交通方法を一挙に変更していこうということになっているわけでございますが、そうなりますと、交差点それから横断歩道等について警官を配備しなければならないわけであります。そういたしますと、いまの沖繩県警の陣容をもってしてはとうていできないことでございまして、四千人近くになんなんとする警察官をどういうふうな形で応援させるのか、これについて、また予算がどれだけかかるのか、お聞きしたいのであります。
○広谷説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、交通方法の切りかえに対しましては相当数の警察官が必要なわけでございまして、そのために現在本土からおおむね二千九百人程度の警察官を応援いたしまして処理させることを検討中でございます。
 なお、現在予算要求中でございますけれども、これらの応援に要する経費そのほか現実に沖繩の警察官も含めまして現場での指導に当たりますために必要な経費といたしましては、七億七千万円程度の予算要求を現在いたしております。
○西銘委員 外務省は来ておりますか。――最後に、現地ではどうしても米軍の軍人、軍属の協力がないと交通方法の変更ということは円滑に推進できないわけでございますが、これについて現地米軍と政府との話し合いはできているのかどうか。たとえば、基地内における道路標識の改造の問題、あるいは前照灯の切りかえ費用等、いわゆる交通方法の変更に伴う対応費の捻出について、これは一体米軍側の負担でやるのか、これは安保条約に伴う地位協定によって米軍の方から出してくれという要求があるのかどうか。米軍の協力がないと、米軍車両だけでも二万数千台と言われておりますので、その広報、宣伝等についても、これは大変な問題でありますので、この辺についての政府の考え方をお聞きしたいのであります。
○稲富委員長 外務省来ていませんので、総理府の室城交通安全対策室長にお願いします。
○室城政府委員 米軍関係を沖繩県の交通変更に対してどのように行動してもらうかということにつきましては、県民の方も大変な関心を持っておられるわけでございまして、私どももこれを進めていきます前提の一つとして、米軍の側の絶対的な協力が必要であるということで、早くから接触を持ってまいっております。現在の時点では、米軍関係といたしましては、まず基地内の交通方法は沖繩県の交通方法変更と時期を同じくいたしまして、基地内も左側通行にするということを言っております。それから、基地の内外を問わず、米軍の軍人、軍属、家族、こういった米軍関係者につきましては、左側に交通方法が変わるということについて、沖繩県サイドでやりますと同じように、安全教育その他広報等を事前に十分徹底する、軍の責任においてやるということを申しております。また、基地内の施設の関係でございますけれども、左側に切りかえますことに伴ってある程度の施設変更が必要であるということで、米軍サイドで主として現地の調査によりまして検討を進めました結果、四十三万七千百ドルという経費が必要であるというものを外務省の方に届けてまいっております。
 現在この問題につきましては、日米合同委員会において取り上げて処理を考えていこうということで進めておるわけでございますが、この米軍側の出しております四十三万七千百ドル、日本円に直しますと約一億一千万円ぐらいになろうかと思いますが、この内容につきましては一方的に米側がこういう費用がかかるということを言ってきておりますだけですので、これについて内容的にわれわれとしてももう少しチェックをしてみたいということが一つと、それから、どちら側が出すべきかということにつきましては、これは日米関係において、従来の行政協定その他で予定しておる事案でございませんので、全く、従来の基本線に沿ってこれをどういうふうに解釈すべきかというような問題があるようでございまして、これは外交ルートでひとつ決着をつけていただきたいということで、いずれにしましても、日米合同委員会においてこれを解決しようということで作業を進めております。
○西銘委員 米軍人、軍属の交通変更に対応する費用の捻出については、これは理屈で、わが国が持つべきでないとか、初めから予定されていないことで、当然行政協定によっても払うべきものじゃないというようなことではなくて、要求があれば、話し合いの上で、両方で折半してもいいですから、問題は、安全性を確保するという点で、どうしても軍人、軍属の協力がないというと、これはもう円満に、円滑に実施できませんので、この点特に要望しておきます。
 最後に、沖繩の問題でいま一番解決を迫られているのが水の問題でございます。降雨量は本土の約二倍、年間降雨量二千四百ミリ以上降っておるのでございますが、すぐ海に流れてしまうということで、いま毎日三十五万トンぐらいの水を供給しているわけでございますが、毎年毎年水の需要がふえているわけでございます。現在のこの状況と、将来、工業用水、農業用水等を含めて、一体何トンあれば沖繩の水の問題は解決できるのであるか、これについてお聞きいたします。
○美野輪政府委員 お答えいたします。
 沖繩におきましては、その地形的な条件からいたしまして、水資源の有効利用が著しく制約を受けていることは先生御承知のとおりでございますが、現在でも、降雨量が平均並みであれば、需給関係は何とかバランスがとれるという状況でございます。本年、降雨が平均に比べてみまして非常に少なく、現在も制限給水を続けているような状況でございます。
 用水供給の実績は、復帰時大体一日十七万トンでございましたが、五十一年には三十万トンを超えております。現在約三十五万トン見込まれておりますが、これが昭和五十六年には、私ども、推定でございますが、約四十五万トンに達するのではないか、このように考えておるわけでございます。このため、私どもといたしましては、水資源の開発を沖繩振興開発の最重点事項といたしまして、その開発に努めておるところでございます。
○西銘委員 局長の答弁で十分理解はできるわけでございますが、本土の二倍以上の年間二千四百ミリぐらい降っておるわけでございますが、毎月平均して降ってくれたらいいのですが、干ばつが来るということになると、これは大変なことになるわけであります。私が那覇の市長時代に、鹿児島県から船で水を運んでもらって、泊港のじゃ口から水を逆流さして補給したこともあるわけでございますが、沖繩の当面する課題はたくさんあるわけでございますが、さしあたっての問題は水の問題。もちろん、いまの計画には工業用水、畑地灌漑等の用水は入ってないと思うのでございます。
 そこで、発想の転換といいますか、海水を淡水化して、それでそれにこたえるということは考えられませんか。一トン当たりどれくらいかかるものであるか。もし電力をたくさん使うとすれば、夜間の電力は余っておりますので、夜間、電力需要の少ない時間に海水を淡水化していくということはできないのかどうか。これをお聞きして、私の質問を終わります。
○藤田国務大臣 西銘先生がおっしゃいますように、もう水が最大の問題であることは十分承知いたしておりますので、来年度概算要求の中にも、かさ上げのできるダムには――できないダムもございますが、できるところは全部かさ上げしていこう。それからまた、地下の貯水ダムというふうなものもつくっていこうではないか。それから、いまおっしゃいました海水の淡水化、これも考えようということでございます。ありとあらゆる方法を考えて、そして水に対しては、これはただ単に県民の方々の使う用水だけではございませんで、どうしても第一次産業、第二次産業を興していく基礎的なものでございますから、これをやらなければ地元の第二次地場産業というものは興っていかないという考えを持っておりますので、全力を尽くしてこれはやってまいる所存でございます。
○西銘委員 終わります。
○稲富委員長 上原康助君。
○上原委員 私は、最初に、市町村道未買収用地の件、すなわち、一般に言われているつぶれ地補償の問題についてお尋ねをしてみたいと思います。
 この市町村道のつぶれ地補償問題につきましては、これまでもしばしば取り上げられてきたことでありますし、同時に、県当局あるいは関係市町村の方からも各政府関係当局に要請かなされていると思います。しかし、その要請に対して、あるいはまた、せんだって私は予算委員会でも本問題を取り上げましたが、十分時間がありませんでしたので、重ねてお尋ねをするわけですが、どうも開発庁初め政府御当局の本問題に対する考え方といいますか、受けとめ方は、県当局や関係市町村、私たちが期待をしている方向にはないような気がして、大変遺憾に思うのです。
 そこで、この市町村道未買収道路用地の件について、沖繩開発庁、あるいは建設省も来ておられると思うのですが、どう対処をしていかれようとするのか、改めて御見解を賜りたいと思います。
 その中で、面積はどのくらいあるのか、また、関係市町村なり県当局から出されておる全額国庫で負担をしてもらいたい、買い上げてもらいたい、私はこれは当然そうなければいけないという背景、根拠、理由があると思いますので、その要求されておる金額に対して、すなわち八百二十三億余の補償額というものが算出をされているわけですが、こういう点についてはどのようにお考えなのか、ここいらの点をまず明らかにしていただきたいと思います。
○美野輪政府委員 お答えいたします。
 市町村道のいわゆるつぶれ地の問題につきましては、昭和四十六年の第三次復帰対策要綱におきまして、その実態を調査の上、必要あれば適切な措置をとる、こういう決定がなされておるところでございまして、私どもといたしましては、それを受けまして、現在、その実態について調査をいたしておるところでございます。沖繩開発庁といたしましては、ただいまのところ、それらの実態調査の結果も踏まえ、それから本土の市町村における同種の事例あるいは沖繩におきます関連ある諸制度、これらも総合勘案しながらその処理方針を早急に決めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
 それから、先生御指摘のつぶれ地の面積等につきましては、まだ現在調査を実施中でございまして、全体としては推計値になるわけでございますが、面積といたしましては全体で四百四十九万平米、価額に直しますと約九百二十五億円になるのではないか、このように考えております。もちろん、これは狭義のつぶれ地のほかに講和発効後のいわゆる私有地で道路敷になった面積も含んでおります。
○上原委員 いまお答えいただいた四百四十九万平米、金額にして大体九百二十五億円程度ということは、せんだって県当局なり沖繩市町村長会などがまとめた資料より若干上回っておるのですが、その程度の誤差、誤差というより相違点はあると思うのです。それは別として、いま実態をつかんでいない、実態調査の段階だということですが、これは余りにもスローテンポじゃありませんか。たとえば国道、県道についても本来五年間で解決をするというのが政府の方針だったはずなのですね。市町村道につきましても、いまおっしゃったように四十六年の段階で調査をしてこの問題の処理をするというのが政府の基本姿勢だったと思うのです。しかし、今日まで全くと言っていいほど処理をなされていないということを非常に残念に思うのです。
 そこで、報道されている、あるいは私たちか承っているいろいろな点からいたしますと、この市町村道つぶれ地問題について、政府は、講和発効前のつぶれ地に対して補償をしたいとか、あるいはまた、市町村道の一級、二級地の設定基準といいますか、そういうものが建設省の方で出されているようですが、それに基づいてしかできないというようなお考えをとっているようなのですが、そこいらの点についてはどうなのか。そもそも、これだけの市町村道のつぶれ地があるということは、ちょうど戦時中に日本軍が勝手に土地を取り上げて道路をつくったということ、あるいは戦後は沖繩本島の場合ですと、島全体かほとんど占領下におかれて、住民はある一カ所の地域に避難をさせられて、そこで集落ができ、従来道路であったところが道路じゃなくなって、新しく道路をつくらなければいけなかった、いろいろな経過があるわけですね。そういう実態をよく御判断の上でこの問題には対処をしていただかないと、本土でもそういう例があったとか、あるいは沖繩の場合全部補償をしていくと本土の都道府県にも波及しかねないからということでは私は納得できないと思うのです。
 さらに、一級、二級という基準の設定にしましても、この基準は沖繩の復帰とは全く関係がなくしてできている。そういう面からしても、私は、一級、二級という市町村道の基準を区別するのでなくして、全体をまとめてこの問題は解決していくということでないと市町村そのものが対応できないと思うのです。基準が決められて、ここは一級市町村道、ここは二級だからということになると、それじゃ、その他に入っている人はどうしますか。道路として使用されているのは、土地の所有権者から言うと同じ立場にしかないわけですね。そういう点をよく御判断いただいてこの問題には対処すべきだと思うのですが、いま私が指摘をしたことについてどのように解決をしていかれようとするのか、改めて御見解をちょうだいしておきたいと思います。
○美野輪政府委員 お答えいたします。
 先ほどお答えいたしましたように、市町村道のつぶれ地の処理方針につきましては、現在実施中の調査の結果を待ちましてこれを決定したい、こういう考え方で進めておるわけでございますが、いま先生から御指摘がございましたように、その間、事務的なレベルでは、県あるいは地元の人たちともいろいろ意見交換などをいたしてございます。この処理方針の問題につきましては、ただいま先生が御指摘になりましたように、やはりその補助の対象をどうするか、それからまた、補助率をどうするかというようなことが基本的に大きな問題であろうと思います。
 お尋ねでございますので、まだ開発庁として決定したものでございませんので、一般的な考え方ということでお答え申し上げますと、対象につきましては、市町村道つぶれ地の処理というものが、本質的には市町村道の管理の問題ということになろうかと思います。その管理者は市町村、こうされております。したがいまして、基本的にこれを買収するのか、あるいは交換分合とかその他道路用地の取得についてはいろいろな方法がございますが、どういった方法で処理するかというようなことは、本来、管理者である市町村か判断する問題、基本的にはそういう性格の問題であろうかと思います。
 また、先生御承知のように、市町村道には、国・県道等とは異なりまして、国・県道に準ずるような幹線的な機能を持つ道路、それからまた、一定区域の住民だけの利用に供されているいわゆる足元的な道路、こういった非常に幅広い機能を持っておるわけでございます。したがいまして、そういった市町村道の利用の現在の状況とか、あるいは先生御指摘の、そういったつぶれ地の発生の経緯といった問題、さらには、将来それらの市町村道を具体的にどういうふうに位置づけ、使っていくのかというような将来の見込みの問題、そういったいろいろな要素によりまして、その処理の方針が当然異なってくるもの、このように考えます。したがいまして、国が全市町村道のつぶれ地の買収について補助の対象とするということは、私どもとしては、なかなか困難な問題ではないか、こういうふうに考えておるところでございます。
 それから、もう一つ大きな問題としてございます補助率の問題でございますが、これにつきましては、市町村道つぶれ地の買収についての補助制度は、全国に例のない全く新しい制度でございます。その基本的な性格はやはり道路の改築の一つのステップというふうに考えられるわけでございます。したかいまして、その補助率は、改築に関します補助制度か現在ございますか、それとの均衡を図っていく必要かあるのではなかろうか。特に改築の際の補助率につきましても、復帰特別措置法によりまして、本土の市町村の改築補助率よりもかさ上げされてございます。したがいまして、その辺との均衡も十分考えなければいけない問題じゃないか、このように考えておるところでございます。
 最終的な開発庁の方針といたしましては、今後実施中の調査の結果等も踏まえましてこれを決定していきたい、こめように考えているところでございます。
○上原委員 質問に対して簡単にひとつ要領よく答えてください。
 あなたはいま調査調査と言うが、そうしますと、調査はどこがやっているのですか、いつまでに調査を終えて、その結論をいつ出しますか。
○美野輪政府委員 調査は四十六年から六年計画で県市町村に委託をいたしましてこれを実施しているところでございますが、本年に至りましてさらに百十キロメートルほどの追加申請が出てまいりました。したがいまして、来年度はその追加申請に対する調査を継続しなければならないということで、所要の経費も要求をいたしているところでございます。
○上原委員 ですから、市町村に委託をして調査をさせている、開発庁自体がやっているわけじゃないのでしょう。そうしますと、先ほど私が申し上げましたように、「沖繩市町村道未買収道路用地旧つぶれ地の補償対象状況」ということで市町村長会が出している資料についてはどうお考えですか。それが調査の実態じゃないですか。それを踏まえて市町村長会は要求を出しているわけでしょう。それに対してどうするかをお答えいただきたいということに対して、長々くだらん答弁よしてくださいよ。
○美野輪政府委員 先ほど県市町村にと申し上げましたが、県に委託をして調査をしていただいているということでございます。
 それから、県の方から、先ほど先生挙げられました、あるいは地元から陳情の際に持ってこられました数字、たしか本年の六月現在までの数字でお持ちいただいている、このように考えております。本年も調査をやっておる最中でございますし、先ほど申し上げましたように、なお延長にしまして百十キロメートルの追加申請等があるということでございますので、それについての調査も鋭意進めたい、このように考えておるところでございます。
○上原委員 これは六月時点じゃない。九月時点のが出ているのじゃないですか。三十九市町村にまたがって実態調査をされているのじゃないですか。
 そこで、大臣にお答えいただきたいのですが、いま振興局長の方から抽象的な御答弁しかなかったのですが、市町村道の未買収道路用地というのは、道路の改修工事とか新しく市町村道をつくるとかそういうものとは性質か違うと思うのです。もちろん基準に照らして改修、補修をやっていかなければいけない点もあるわけですが、本来道路として市町村なりが使用する段階では、使用する側、市町村と地主、いわゆる所有者の間で売買契約なり賃貸借契約を結んで土地を取り上げてやっていくというのが一般常識だと思うのです。そういう手続が全然踏まれていないのが沖繩のつぶれ地問題なんですよ。これを単に本土の法律なり基準に合わせて解決をしようというところに無理があり、沖繩の問題がなかなか解決しない根本原因があるのじゃないですか。
 そこで、確かに行政の立場で言うといろいろ補助の問題あるいは法律や条例等の問題もあるのでしょうが、実態についてはもう少し戦後処理という立場で、復帰処理という立場でこの種の問題を考えていただかないと――たとえば先ほど私が指摘をしましたように、八百二十三億、一応資料として出されているのがあるわけですが、このうちで、もしいま振興局長が答弁したような形の補助対象にするとわずかに三〇%程度しか対象にならないのですよ。これでは市町村の財政が負担できないことはもう明らかじゃございませんか。そういうことでは、この問題はむしろ紛糾をさせるきっかけにしかならぬと思うのです。いたがって、この問題は県当局、各市町村関係者とも十分協議の上で、現地の要望を取り入れた形で年次的に早急に解決をしていただきたい。
 確かに八百億とか九百億、千億近い予算の計上というのは現在の財政状況からして、なかなか困難な面もあると思うのです。また、一挙に解決できない面もあろうと思うのですが、この問題は少なくとも五十三年度から向こう三年ないし五カ年という年次計画を立てて、関係市町村なり県当局の意見、意思を十分取り入れて解決をするという方向づけをしていただかなければ、もし一、二級あるいは特定のつぶれ地しか補償できないとなると、大半は取り残される面で、地主に対しては大きな不公平が出てきて、むしろ問題解決を紛糾させる、解決されない。市町村自体も、限定されるならば、そういう補助対象ならば拒否をしようじゃないかという動きさえもいまあるわけですから、そこいらをよく御配慮をいただいてこの問題解決を進めていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○藤田国務大臣 本土並みで解決するというのなら事は簡単なんです。方針はすぐにでも打ち出せるのです。しかし、沖繩県の従来経緯からの特殊事情ということを考えますからその方針がまだ打ち出せない。それと、かてて加えて、いま追加が徐々に出てくるということもございます。そういうことで、この調査は進行しながらも、また調査が終わらないから一切手をつけないということでもこれは困ると思いますから、調査は調査として進行しながらもそういう解決の方を急ぐということはお約束申し上げます。
○上原委員 本土並みの基準でやろうというのなら事は解決だというお答えですから、そこには関係者が要求している趣旨も十分取り入れて問題解決に当たりたいという長官の御意思があるのだと思いますので、それを尊重しておきたいと思うのです。ですからこの問題についてはぜひ調査は並行させながらも、戦後処理としてあるいは復帰処理として最重要課題として、いま県なり各関係市町村はやっておられるわけですから、特段の御配慮をお願いをしておきたいと思うのです。
 次に、雇用、失業問題についてお尋ねをさせていただきたいのですが、せんだって私たちは沖繩の雇用、失業問題の深刻さを受けとめて、衆参の議員団が中心になって先月末に調査をいたしました。もちろん調査するまでもなく、特に海洋博終了後、沖繩の失業問題、雇用状況というのは大変な危機状況にあるわけですが、最近全国的に失業の増大、雇用の悪化という面がありまして、とりわけ沖繩の場合は一層深刻な状況になってきている。この問題は、私もいろいろ労働問題に関係をしてきたといういきさつもありまして、かねがね長官なりあるいは労働省、労働大臣などにも御要望を申し上げてきたのですが、なかなか思うようにはかどっていないのです。しかし、けさの朝日新聞の社説を見るまでもございませんが、このまま放置をしていくと、沖繩の雇用、失業問題あるいは社会環境というのが、一体何のために復帰をしたのかということとあわせて、若い青年の皆さんなり、あるいは現在中学や高校、大学で勉学している皆さんにとって本当に将来展望のない人生といいますか、ますます明るさが欠けていくことになりはしないかと、非常な危機感といいますか、ちょっと表現でき得ない心境に正直申し上げてならざるを得ないのですね。
 そこで、具体的にお尋ねしたいのですが、この失業対策については今日までいろいろ議論をされてまいりましたが、なかなか決め手がなかった。決め手がなくて、どうもいい方針といいますか対策が打ち出されていないのですが、この問題もこの間、十月十三日でしたか、私、予算委員会で取り上げて、総理大臣も失業問題の深刻さが全国平均をはるかに上回っているので何とかやっていかなければいかぬという抽象論をお述べになった。さらに、石田労働大臣もこういう御答弁をなさっている。「沖繩振興開発特別措置法に基づきまして雇用計画の設定等をいま進めつつある」、二点目に、「特別に職業相談所を設けたり、あるいは自己営業の資金の貸し付けを行う」、なお先般制定された雇用安定資金制度の積極的活用に努めたい、そして今後の公共事業の発注等につきましては、雇用情勢の悪いところに重点を置いて発注をしていくというような対策なんだということをおっしゃっているのです。そこで、じゃ沖繩振興開発特別措置法に基づく雇用計画を設定していくためにどういう準備を進めておられるのか。また、雇用安定資金制度が確かに十月一日から実施されたのですが、私もこの制度の運用規定をいろいろ見てみたのですが、どうもこの雇用安定資金制度というものでは沖繩の現在の失業、雇用の問題に及ぼす影響というのは、まあ極端に、冷たく言うというか正直率直に言うと、皆無に等しいのじゃないかと私は思うのですね。こういう面で労働省なり開発庁なり、失業、雇用対策ということで具体的に一体どういう方針なり、どういうことをやろうとしておるのか、この際明確にしていただきたいと思うのです。
○谷口(隆)政府委員 沖繩の雇用、失業情勢につきましては、先生御指摘のとおり、大変深刻な情勢にあるということで、私どもも十分認識いたしておるわけでございます。かねがねそういう認識のもとに、雇用の安定のための計画を昨年つくりまして、これに基づきまして基地関係の離職者を中心とする人たちに対する就職援護の措置の適用とか、あるいはまた広域求職活動による本土への就職の実施、それから雇用吸収力の大きい公共事業への吸収、こういうようなものを中心に雇用対策を進めておるわけでございます。
 いま御指摘のように、現状におきましてさらにこれらの雇用、失業情勢を分析いたしてみますと、やはり本土に比べて非常に大きな特徴は、一つは若年者の失業が多い、三十歳未満の方々の失業状況も六五%ぐらいを占めておるとか、それからもう一つは基地関係の離職者が非常に多い、こういうことでございますので、先ほど言いましたような施策を進めておるわけでございますけれども、たとえば広域職業紹介にいたしましてもかねがねやっておりますものをさらにもっと改善できないか。現在、全国的に雇用、失業情勢確かに非常に悪い状況になってきておるわけでございますけれども、なお雇用面、需要面で余力のあるところもございまして、この点につきましては、たとえば東京とか神奈川とか愛知、大阪のような大需要地の優良求人を確保して職業のあっせんをするということをもっと具体的に進めるために、こういう県の求人者に職業安定機関がともども参りまして現地で相談をする、こういうことを従来にも増して具体的な形としてひとつ進めたい。
 それから雇用吸収力のあります公共事業の実施につきましては、従来必ずしも十分活用されてない。御承知のように失業率は無技能者につきまして六〇%ということで決まっておりますけれども、ほとんどこれか活用されてないというような面もございますので、こういう点につきましては、やはり事業を実施される実施官庁あるいは県の実施部局等にも十分相互に連絡をとりながらそういう面の吸収をするというような形で、もっと具体的に活用できる面があるのじゃないかということを考えているわけでございまして、そういう具体的な積み重ねを今後とも努力していきたいというふうに考えているわけでございます。
○上原委員 確かに、この雇用問題というのは経済との関連がありますし、また企業なり二次的産業の振興というものとの関連で雇用の場の創出がないとなかなか思うようにはかどらないし、それだけ深刻なので、沖繩開発計画全体と私は密接不可分な問題だと思うのですね。まあ、労働省の御努力なり言い分もわからぬわけではありませんが、たとえば今日まで広域職業紹介ということを非常に強調されてきたわけですね。しかし今日、本土の雇用状況もそう好転の兆しはないし、若年労働者の失業率というのが漸次ふえつつあるのは御案内のとおりなんですね。私はますます厳しくなっていくと思うのです。たとえば五十一年度の実績を見ましても、職安を通して千三百六十一人しか広域職業紹介には応じていないと思うのですね。これに引きかえ、いわゆる本土に就職しておった者が沖繩に帰ったというのが二千八百八十八人もいるのですね。はるかに多い。こういう傾向は残念ながらだんだん強くなっているのですね。もちろん私は、この広域職業紹介なり本土就職の定着率を高めていくという努力は、私たちも関係者もやっていかなければいけないと思うのですが、この点だけでは解決できないという指数は正直申し上げてもう明らかになっているわけですね。しからばどうするかということなんですが、私は、やはりこの失業問題一つをとらえても、沖繩の復帰施策あるいは振興開発計画そのものが、雇用ということに対しては、余りにも労働省任せといいますか、失業援護措置というところに重点を置いてきたがゆえに、今日の事態を招いていると思うのです。その点は私たちの努力も足りないかもしれません。あるいは県なり市町村なり、沖繩側の努力も足りないかもしれませんが、やはり根本的には沖繩の復帰施策なり、沖繩を今日の状態に追いやってしまったその背景の問題というものを解決をしていくという手当てをしない限りできないということを政府当局も御認識をいただいて、改めていただかなければいけない問題だと思うのです。
 そこで、なぜそのことをあえて強調するかといいますと、せんだってわれわれも開発庁長官にもお会いしましたし、労働大臣にも会って、この間の十六日、官房長官にも政府全体への締めの要望として申し上げたのですが、振興開発特別措置法の第三十八条以下四十七条まで、いわゆる職業の安定のための特別措置ということを具体的にうたってあるのですね。たとえば第三十八条は、ちょっと読んでみたいと思うのですが、「(職業の安定のための計画の作成等)第三十八条 労働大臣は、沖繩の労働者の雇用を促進し、その職業の安定を図るため、沖繩県知事の意見をきいて職業指導、職業紹介及び職業訓練の実施、就業の機会の増大を図るための事業の実施その他必要な事項に関する計画を作成し、その計画に基づき必要な措置を講ずるものとする。」、これは単なる精神訓話ではないと思うのです。明らかに沖繩の雇用の促進を図るために、振興開発と関連づけてやらなければいけないというふうに解釈できると思うのです。
 そこで、労働大臣あるいは開発庁長官が、これまでの過去四、五年、特に三年来の沖繩の失業、雇用問題の解決を図るというために、協議をしたいきさつはありますか。労働大臣が、この三十八条の規定を積極的に解釈をして、計画を立てて、こういうような方向でやっていこうというような計画を具体化したことがあるのですか、その点を両方からお聞かせをいただきたいと思うのです。
○谷口(隆)政府委員 振興開発特別措置法の三十八条に基づきます職業の安定のための計画といたしましては、先ほどちょっと私申し上げましたけれども、昨年の五月に、職業の安定のための計画というものを定めておるわけでございます。その中では、一つは職業指導、職業紹介、職業訓練を十分実施していくということで、先ほど申し上げましたような各種の援護措置を適用しながら、再就職の促進を図るということ、あるいは広域職業紹介を実施するということ、それから、必要な職業訓練を施設の拡充等とあわせまして充実を図っていくということ、それから、もう一つが公共事業への吸収を強化するということでございまして、こういう計画を昨年五月に定めまして、これに基づいて現在各種の施策をいたしておるところでございますけれども、それらの過程におきまして、さらに具体的な雇用、失業情勢についての問題点が深刻になっているという点につきましては、十分認識いたしておりまして、さらに各般の施策をより具体的にきめ細かくやっていかなければならぬということで考えておるわけでございます。
○上原委員 どうも従来の域は出ませんけれども、そうしますと、第三十八条なり三十九条、あるいは四十七条までのこの職業の安定のための特別措置の方をより積極的に活用することによって、いま少し失業問題の緩和策あるいは失業対策になり得るという御見解をとっておられるのか、この点は開発庁を含めて御答弁を賜りたい。
○谷口(隆)政府委員 先ほど先生も御指摘になりましたように、雇用、失業情勢を改善いたしますためには、まず基本的に、その地域の開発とか、そういうものをもとにした産業の振興によります一般の雇用需要の増大ということが見込まれませんと、基本的な解決にならないわけでございまして、そういう面の施策を当然進めていかなければならぬ。しかし、そういうことのためには、かなりの期間を要しますので、あわせて先ほど来申し上げている施策を実施いたしておるわけでございます。
 先ほど来申し上げましたような施策で解決できるのかという御指摘でございますけれども、冒頭に申し上げましたように、従来やっております施策が必ずしも十分活用されていないというような面もございますから、そういう面のさらに積極的な活用なりあるいは具体化というものを進めていかなければならぬだろう。たとえば、先ほどちょっと触れましたような広域職業紹介のための現地の求人説明会というようなことも、従来は実施しておらなかったわけでございますが、そういうことも具体的に進めておりますし、また公共事業への吸収につきましても、さらに関係の部局等との連携を深めてやっていこう。そういうことを進めていきまして、なおかついろいろな問題が出てくるかどうか、そういう点につきましては、開発庁とか、現地沖繩県等の御意見も十分承りながら、さらに検討していかなければならぬということで考えておるわけでございます。
○亀谷政府委員 お答え申し上げます。
 先生が御指摘のように、沖繩におきますところの雇用問題の基本は、やはり振興開発事業を推進することによって産業基盤を整備し、事業そのものが雇用の機会を確保するというのが何といっても基本だろうと思う点はおっしゃるとおりでございます。
 開発庁の所管分としましては、先生も御案内のように、振興開発計画に基づく公共事業と、開発金融公庫を通じての融資といいますか、金融財政面でございます。
 直接のお答えには若干外れますけれども、今年度におきましても、先ほど来御議論になっております交通方法の変更を含む道路施設関係を中心に、総額約七十五億円の補正を組みまして、これで現在、できるだけ地場労働雇用に資するよう、これの執行率をいま上げておるところでございます。
 なお、これも御案内のことと思いますけれども、公庫の個人住宅資金につきましても、すでに今年度一千戸分の割り当て追加を行いますとともに、募集時期の前倒しと申しますか、募集時期の繰り上げ、これも一千戸分を現在行っておるところでございます。
 そういったことで、われわれの守備範囲としてのいわゆる公共事業につきましても、明年度も引き続き他の地域以上の伸びを確保するよう、現在概算要求をしておりますし、沖繩金融公庫の財投面につきましても、いま申し上げましたような個人住宅資金あるいは中小企業等の資金の面に配慮をした重点の要求をしているところでございます。
 なお、労働雇用関係を中心にした沖繩振興開発特別措置法の問題でございますが、先ほど来労働省からもお話がありましたように、三十八条以下、関連の規定があるわけですが、私ども開発庁との関連におきましても、三十九条で、ただいま先生から御指摘のような雇用吸収率の確保の問題がございます。この点につきましても労働省からの御協議を受け、私ども、政府の直営事業のみならず、県、市町村の補助事業を含めまして、三十九条に基づく無技能労働者の吸収の確保ということにできるだけ努めておるところでございます。なお、これらにつきましても、ただいま労働省から御発言のありましたように、さらにこれらの吸収の余地と申しますか、拡大について工夫をこらす必要が残っておるとすれば、関係省庁ともども、今後さらにこの点を詰めまして、一段と工夫を加えていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○上原委員 そこで、公共事業に重点を置いた事業を進めていくとか、あるいは予算上といいますか、財政上のいろいろなてこ入れというのは当面必要だと思うのです。しかし、これは限度があって、公共事業投資をしたからといって、失業者の吸収、無技能労働者の吸収に役立っているかというと、必ずしもそう思えない面もある。これは、まあ皆さんからすれば思うようにいかないというような言い方もあるかもしれませんが、私は必ずしもこれは十分に効果をおさめていないと思う。なぜかといいますと、ここに一つの資料があるのですが、これまでの国なり公社なり公団の公共事業というのは、残念ながらほとんどが県外企業なんですね。それがまた金額がはるかに大きい。
 具体的に言いますと、国の方は県内が四九・二%、ですから県外企業が五〇・八ですね。公社、公団に至っては県内はわずかに二一・九なんですよ。県外企業が七八・一。公団の場合も県内は二三・七、県外が七六・三。しかも、これは五十二年度上半期の沖繩の公共事業の発注状況に対する資料なんですね。これは建設協会の資料だから間違いないと思うのです。海洋博だってそうだった。三千億ともあるいは三千五百億とも言われているけれども、沖繩県内に落ちた金というのはその一割。ほとんどが本土大手企業に吸収されている。ある企業においては、これなどは施設庁も聞いてもらいたいのだが、施設庁関係などは八五%は県外企業ですね、いろいろやっておっても、中には労働者まで投入しているのですね。
 これも、もちろん思うようにはいかない点もあるかと思うのだが、私に言わせれば、復帰後の沖繩の状態というのは、ある意味では日本資本の沖繩植民地化ですよ。やれ沖繩の労働意欲かないとか、いろいろなことはおっしゃるかもしれぬが、しかし、それをある程度支えていくのが行政であり、政治であると私は思うのです。まだまだ本土の制度になじまない、あるいは経済基盤が弱い、技術的にも資本的にも弱いというなら、弱いなりのてこ入れ、強くなるような援護措置というものを親身にやったかというと、ぼくはそうは思わない。なし崩し的にどっと押し寄せていってすべてを系列化さしていって、支配をしてきたというのが今日の実態。だから対応できない。したがって、そういう環境もあるものだから、本土就職というものも、ある面では精神的に、あるいはいろいろな面のギャップがあって、なかなか定着しないという面があるとぼくは思うのです。こういう問題を解決するのか政治であり、行政でなければいけないとぼくは言うのですよ。そういうところにも、この復帰五年、六年目に入った段階においては、われわれもわれわれなりの反省もし、努力もいたしますが、もう少しそういう面は政府全体として改めないと、先ほどのつぶれ地問題初め、この雇用、失業問題もぼくは解決しないと思うのです。
 そこで、時間がだんだんたちますので、私はこの問題も何回も言いますが、労働省は確かに労働省のいまの範囲内の行政ペースで、制度上あるいは法律上やらねばいかない面は努力しておるのは認めます。しかし、まだ不十分であります。お役人さんはそういう範囲の仕事しかやらないと思うのですね。開発庁は開発庁で、いま亀谷さんおっしゃるように、いつも予算はどうだ、ふえたのだ、ふえればそれだけ失業者も減っているかといえば逆にふえているわけでしょう。じゃ、なぜでしょう。その答えを出してもらいたいとぼくは言うのだ。そういう議論だけしておったのでは始まらないと思うのです。
 そこで、これも大臣にお答えいただきたいのですが、せんだってもお会いをしたとき、あるいはそのほかの方法でもお願いをしたのですが、労働大臣にも強く申し入れて、園田官房長官にも要請をいたしました。お二人とも非常に積極的なんです。労働大臣も官房長官も、沖繩の失業、雇用問題は何とかしなければいかぬ、このまま政府としても見過ごすわけにいかぬので、お互い知恵を出し合ってやっていこうじゃありませんかというお答えもあったのです。もちろん、開発庁もそれなりの御努力をやっておられるし、さっきの御答弁もありましたが、いまさっきの国なり公社、公団の公共事業の発注、受注の問題等を含めて、一つの省庁に任しておってはこの種の問題は解決しないと思うんですね。そこで開発庁長官がイニシアチブをとっていただくか、あるいは労働省とも相談をしていただいて、この際、関係各省庁の連絡会議くらいは、沖繩の失業、雇用問題にしぼってやっていくというくらいの政策なり方針なり、政府全体としての問題認識を含めて、県としては何をやるべきなのかを指示もする、あるいは協力も求める、国としてはこういう問題をやります。労働省はこの分野をやりましょう、開発庁はこれをやりましょう、建設省はこういう問題で行こう、あるいは通産は中小企業対策ではこうしましょうというような総合性、整合性のある方針というものをお出しになっていただかなければいかぬと思うのです。この点についてすでに御検討をいただいておると思うのですが、改めて大臣の御見解を承っておきたいと思います。
○藤田国務大臣 この件につきまして、昨日の昼、官房長官と打ち合わせをいたしました。それで、いまの沖繩の失業問題を中心として各関係省庁の連絡会議をまず開こうではないか、その上において関係閣僚会談というふうなものを考えてみよう。まず第一には関係省庁連絡会議、こういうことできのうの昼話し合いが終わっている次第でございます。問題が各般にわたりますので、そういう意味合いにおいて各省庁とも調整する期間もございます。まとめる期間もございますから、すぐに、あすにも開くというわけにもまいらぬとは思いますが、速急にこの各省庁の連絡会議は開きます。
○上原委員 ぜひそういう手順を踏んでいただいて、何度も繰り返すように、この問題解決というのは私は決め手はないと思うのです。きわめてむずかしい問題ではありますが、しかし、政治なり行政というのは、どういう成果があったかということを評価されることももちろんですが、どういう努力をしたかというのも私たちはより評価すべき面だと思うのです。努力せずしてできなかったというよりは、努力に努力を重ねたがなおできないという場合は、またそれなりのやりようも出てくると思いますので、この失業、雇用問題については私は特段の御配慮をいただきたいし、われわれも今後いろいろな面で御提言なり、またこういう方法もあるのじゃないかということも、労働省なり開発庁、そのほかの省庁とも話し合って、一人でも二人でも多く雇用の場が拡大できる、あるいは沖繩の振興開発というものが、今後県民生活との関連において進行するような方針というものを出していきたいと思いますので、いまの御答弁を早急に進めていただきたいと思います。
 さらにこれに付言してお願いしておきたいのは、たとえば駐留軍関係離職者等臨時措置法の中においても、離職者対策中央協議会を持たなければいかぬということがうたわれておるわけですね。その会長は総務長官ですよ。残念ながら、これなども余り活用されておりませんね。こういう現在の法律あるいは制度上生かされるものは、最大限にこの際活用してみるという御努力をあわせてやっていただきたいということを御要望申し上げておきたいと思います。
 次に、先ほど西銘先生もいろいろお尋ねになっておられたのですが、交通方法の変更の問題です。私何回もこの問題を取り上げてまいりましたので簡潔にお尋ねをしたいのですか、一、二点もう一遍確かめておきたいことは、バス停留所の配置がえですかつくりかえ、あるいは交差点の改良、すみ切りというようなこと、その面が、さっきの御指摘にもありましたように、まず土地買収ということの予算というのが必ずしも十分でないような感じがするということ。それともう一点。たとえば那覇市の交通方法変更関連事業計画を見てみますと、那覇市は六十一カ所やらなければいかぬと言っているんですが、開発庁は二十五カ所、差が三十六ある。交差点の改良百九十、何と開発庁はわずか二十カ所、差が百七十カ所もある。一体この食い違いはどうするかということですね。こういう問題が具体的にあがっている。
 もう一点は、実施要綱は一体いつお出しになるのか。この交通方法変更の実施要綱をまず出して、それに基づいて、いろいろいま言うような対策も整備も進めていくのが筋じゃないかというのが県当局の御見解だったと思うのだが、これが今日までまだ宙ぶらりんになっている。
 それから三点目は、来年の七月の二十九日か三十日かわかりませんが、とにかく七月の末でしょう。そうしますと、準備期間というのはもうあと八カ月ぐらいしかないわけですね。しかし、これだけの道路整備なりいま言ういろいろな市町村道の整備というようなことは、とうてい七月までには終わらないということになると思うのです。積み残された分は、右から左になったからといってもう見切り発車で、あとは知らぬ顔はまさかやらぬ――まあ室城さんの顔を見ればそんな方じゃないように思うので、政府全体としてそうはしないと思うんだが。これは年次計画で積み残された分は、五十三年度でできなかった分は五十四年、五十五年と引き継いでやっていく御計画ですね。その点はぜひ明確にしておいていただきたいと思うのです。
○美野輪政府委員 お尋ねのうち、私どもの所管の事項についてお答えいたしたいと思います。
 まず、用地の予算が不足するのではないかというお尋ねでございますか、私どもといたしましては、道路施設の変更関係で本年度全体で二十六億、約二十七億弱、それから補正予算をもちまして十七億の手当てをいたしております。
 あと、来年度の予算要求といたしましては、交通方法の変更日の直前及びその後に施行を要するものを中心にして、来年度二十二億の要求をいたしておるところでございます。用地費はその一部ということになるわけでございますけれども、これまで県、市町村とも十分打ち合わせながら進めてきておりまして、所要の工事につきましては支障なく用地を取得できるものというふうに私どもただいま考えております。
 それから、那覇市等の市町村の要望と国が実際に採択いたしました個所との大きな差の問題でございますか、これにつきましては、市町村の要望が出そろいました本年の九月に、建設省と私どもの方の専門官が現地に参りまして、那覇市等の担当者も交えまして、実地にその調査をいたしまして、調整をいたしたところでございまして、交通方法の変更に伴いまして直接必要となる工事につきましては、これで十分であるというふうにただいま考えておるところでございます。
 それからもう一つは、差に出ております採択されなかった個所等の問題でございますが、これにつきましては沖繩の道路の現状等を見ますと、なおなおレベルアップさせていかなければならぬ、こういう状況にございます。この点につきましては道路整備事業予算の確保等に私どもも努力をいたしておるところでございますが、今後ともそれらの道路整備の一環として必要なものは優先的に採択をしていきたい、このように考えておるところでございます。
○上原委員 あなた、なかなか用心深いのか初めてなのかわかりませんが、私がお尋ねしているのは、美野輪さん、そういうことじゃないのですよ。道路整備が悪いのはいまに始まったことじゃないし、交通方法の変更に伴ってぜひ整備をしなければいけない先ほど言いましたバス停留所とか、交差点の改良とか、防護さくとか、道路照明灯とか、道路反射鏡、道路標識、区画線、スクールゾーンの標識、そういうのがいろいろあるわけですね。たとえば那覇市の例をとってみても、那覇市の場合は計画を立ててやろうとしたって五十六年度までしか終わらないと那覇市長が言っている。だから、来年五十三年の七月いっぱいに変更して残された分も、継続して補助の対象にしてやらなければいけない問題だと思いますが、その点はどうしますかということなんです。
 この点ひとつ開発庁長官、積み残された分は継続して私はやはり手だてをしていかなければいけない問題だと思うのですが、十分県なり関係者と御検討いただいて継続いたしますね。
○藤田国務大臣 交通区分の変更に際して必要な個所、いろいろございますけれども、これの個所数が食い違ったという件につきまして、那覇市と建設省の専門官が参りましていろいろやったわけでございますが、いま振興局長が言いました個所数にほぼ落ちついたのです。そこで落ちつきましてなお那覇市の言われる部分をやれば、それはそれにこしたことはないけれども、しかし一応来年の七月末に行われる交通区分の変更の実行に際しては、いまの個所数をやれば安全であるという点で話は落ちついたわけでございますから、その後の問題につきましては、やればベターである、これにこしたことはないのですからそれはそれなりにやってまいるにいたしましても、ただ、交通区分変更は原則的に現地の方には一切負担をおかけしない、こういう考え方でおりますから、そこははっきりと区別をつけておるのです。
○上原委員 それは後ほどまた何回もあるようですから議論をさしてください。
 あと一点だけ地籍問題でお尋ねをしておきたいのです。
 開発庁部分と施設庁部分があるわけですが、沖繩県知事から五十二年十一月十二日に意見書か出ていますね。これについては採択しますね。取り入れてやるお考えですね、開発庁も施設庁も。簡単にお答えいただきたいと思います。中身はもう時間がありませんから言いません、おわかりだと思いますから。
○亀谷政府委員 私どもの所管します部分につきましては県知事から正式に異議がないという意見を基本的には聞いております。防衛庁所管につきましては、私どもも防衛庁の方でしかるべく処置されるものと聞いております。
○高島政府委員 私どもの所管しております部分につきましても異議がないという回答をいただいておりますが、ただVOAという問題が出ております。これにつきましては、開発庁とよく相談した上で、先生御指摘のように処理するように努力したいというふうに考えております。
○上原委員 開発庁部分のは、地域指定には異議かないということじゃなくして、指定後において新たな境界不明地域に該当する地域か判明した場合は、追加指定の措置を講じていただきたい。
 VOAについては開発庁の方に出ているのだが、協議の上追加したいということですからそれでいいと思うんですが、今後追加指定をやってもらいたいという要請が出た場合、そういう面はやりますね。
 いま一つは、与那原町の場合も早急に着手すべきだと思うのですが、この点についても開発庁は特にむずかしい地域である以上指定をして予算化をしていかなければいけないと思うのですが、この二点についてもう一度お答えいただきたいと思います。
○亀谷政府委員 私が異議がないと申し上げましたのは、現在の地域については県の要望どおり入れておりますので異議がないと理解しておりますが、今後そういう事態が起こりましたときには県と十分協議して指定等も考慮いたしたいと思います。なお、与那原町の問題も、先生御案内のように法律に五カ年の計画をつくることになっておりますから、その中でなるべく早い時期に解決に着手できるよう県とも相談いたしたいと思っております。
○稲富委員長 玉城栄一君。
○玉城委員 最初に沖繩担当大臣であられる長官に基本的なことについてお伺いをいたしたいわけでありますけれども、国の政策を推し進める場合に、やはり沖繩でありますので県の政策と申しますか県の考え方、それと国の政策との調和といいますかバランスといいますか、これは私はどうしても必要であると思うわけです。したがいまして、国の政策であるから国民として協力するのはあたりまえであると申しますか、当然であると申しますか、そういうふうな姿勢では決して国の政策そのものが実効をもたらさない、そういうふうに感ずるわけであります。言葉はどう使おうともやはり国策に国民として協力するのはあたりまえなんだというような姿勢がちらちら出てきましたときには、地域住民としてはとてもじゃないが協力したくてもできない、そういうようなことにも相なろうかと思うわけであります。したがいまして、国策と県の政策とのバランスと申しますか調和と申しますか、そういうものはきわめて大事であろうと思うわけであります。
 そこで、特に沖繩の場合きわめていろんな特殊な問題を抱えておるわけであります。これは沖繩に限らずいろいろな県においてもその特殊性というものはあろうかと思います。しかし、沖繩のこの特殊性といいますのはきわめていわゆる特殊でありまして、本当に国民的なレベルをどう確保せしめるかというような意味で、いろいろな振興開発計画にしましても、特別措置の問題にしましてもあるわけであります。しかし復帰をしまして六年、現実にいろいろな具体的な問題を当てはめていきましたときに、現在政府の行っております特別措置ではとてもその枠にはまらないというものがたくさんあるわけです。御存じのとおりでありまして、それで沖繩のこの特殊性を何とか実現せしめたいということになりますと、いわゆる既成の制度の枠にはまらない、あるいはそういうものは現在の制度のもとでは実施できないというようないろいろな壁があるわけです。したがいまして、私どもも現在の振興開発計画、それから特別措置の問題にしましても、具体的にいろいろ検討してみましてもそれ以外にはみ出すものが相当あるわけです。私たちも私たちなりに細かくそういう問題を拾い上げまして何とか国民的レベルを、沖繩県があれだけ隔離されていたというような点から確保せしめるためにもやはりもう一回そういう基本的な問題の措置が必要ではないかという感じがするわけであります。そういう意味におきまして、担当大臣とされましてこれまで一年担当しておられましていろんなことをお感じになったと思うわけであります。そういう点率直に長官の御所見を承りたいと思います。
○藤田国務大臣 沖繩県の特殊事情については十分に認識をいたしておるつもりであります。本土の各県にもそれぞれ事情がございましょうけれども、そんなものとはかけ離れた特殊事情があることはよくわかっております。それだけに沖繩県の振興開発には十分よく地元の意見をお聞きして、それを尊重してやっていかなければならぬ、こういう姿勢でわれわれとしては臨んでおる、また臨まなければならぬ、かように考えておる次第であります。ただ、振興開発計画、特別措置というようなものが十分に効果をあらわしてないではないか、こういうような御批判もあるようでございますが、世界全体といいますか日本全体がああいうふうなドルショック以降石油ショックというふうな問題で経済的な地盤沈下をした、混乱をした、現在なおその域を脱し切れない状況にある中で、沖繩県にも影響を及ぼしていったということは、これはもうやむを得ないことであったと思うのです。しかし、なるだけそういう悪い影響を及ぼさないように、日本全体が不況、混乱あるいは経済的な地盤沈下というふうな中におきましても、沖繩県の特殊事情を尊重しながら、そして地元の意見もよく聞きながら、何とか本土との格差をなくしていこう、こういう努力は相努めてきたつもりでおります。それが十分効果をあらわしていなかったという御評価でありましようけれども、今後まだまだ四年間あることでございますから、十分にそのことを腹に持って、そういう決心の上でやっていきたい、かように思っております。
○玉城委員 それでは具体的にお伺いをしてまいりますが、最初に交通方法の変更対策についてお伺いをいたします。
 これはこれまでも本委員会でも論議が交わされてきましたけれども、現実にいま、来年七月末に行われます沖繩の交通方法変更に対して、県並びに市町村並びに県民に相当の不安と申しますか混乱といいますか、そういうものが非常に渦巻いております。県民の間にも、だんだん日にちがたってこの問題の重要さを認識するにつれまして、やはり事が日常の生活に重大な影響を与えますし、また、事は生命の危険というようなことにも関係してくるきわめて重要な問題である、そういうようなことで、非常に不安感というものか現在渦巻いておるわけであります。それで特に市町村当局におきましても、先ほども質疑が交わされたわけでありますけれども、那覇市といいますとこれは県の三分の一、三十万市民がおりますし、那覇市の考え方というものは非常に重要だと思います。この那覇市の考え方が、市民の安全に責任が持てない、あるいは変更したことによって起こる事故の責任は那覇市にはない、あるいは変更そのものに決して反対しているのではない、しかしその前にやるべきことがまだたくさんあるのじゃないか、したがって那覇市の方は、去る六月の二十八日に、実施時期を五年間延長してくれ、こういうことを正式に決めておることはすでに御存じのとおりだと思うわけです。これは先ほども指摘がありましたとおり、いろいろな具体的な事業個所に国、県あるいは市町村、まあ那覇市の場合、相違がある点などもこの一つの理由だと思います。
    〔委員長退席、西銘委員長代理着席〕
これは那覇市。それから沖繩市におきましても、来年の七月三十日の実施には責任が持てない、こういうことも言っておるわけですね。したがって沖繩市においては二年間は少なくとも延長してもらえないか、こういうことも言っております。あるいは那覇市のすぐ隣の浦添市におきましても、市内のすみ切り調査、測量したところが、地主がつぶれ地の補償をしない限り測量をさせない、そういう測量拒否をするという事態か起こって、市当局も非常に困っているわけですね。それから名護市の方におきましても、行政の立場から混乱を最小限に食いとめるという努力はするが、これは国の責任なんだから国が具体的な対策を示すべきである、その具体的な対策が示されていない、こういう名護市の考え方ですね。
 沖繩の市町村会の首長会においても、各首長から、果たして来年の七月末に交通方法変更ができるのかという非常な心配、不安な意見が出されておる。したがって、この間那覇の市議団が大挙この問題で要請に来ておるわけです。
 これは市町村段階のことでありますけれども、この交通方法変更に対して非常に不安がいま渦巻いておるし、なおかつ日がたつに従ってその不安あるいは心配と申しますか、あるいは疑問と申しますか、そこにまた不満と申しますか、それが日を追って増してくるのではないかということが憂慮されるわけであります。
 こういう事態に対して、この交通方法変更の最高責任者でありますので、長官とされましてどのようにお感じになっておられるのか、お伺いをいたします。
○藤田国務大臣 先生も御承知と思いますが、昭和五十三年の七月末に交通区分の変更を行うということの決定は五十年六月の閣議で決まっておることでございます。その前に一回延期をいたしております。その延期をいたしまして五十三年七月ということになった次第でございますから、急遽そういうことが決まったわけではございません。ただ、政令をこの際出したということでございます。
 それはそういうことでございますが、各市長、特にいまおっしゃいました那覇市、沖繩市、浦添市、そういうところが問題だと思いますけれども、県当局は各市といろいろとお話し合いをなさって、その上でわれわれと話し合いもしたわけでございまして、この件について国が押し切ったではないかとか、あるいは承諾なしに見切り発車したではないか、こういうふうな御批判もよく聞きますけれども、われわれとしてはできる限りの話し合いもし、そして御納得もいただいた上で政令も発布したというふうに考えておる次第でございます。
 それで、各市におきましてもそういう意味合いにおいて完全に御納得いただいているかどうかというと、私自身が話しているわけじゃございませんので、県を通じて話しておりますので、はっきりとしたことは申し上げられませんが、大筋においては御納得をいただいて、現在どんどんと進行中であるというふうに考えております。
○玉城委員 長官とされては、大筋においては県民は納得をしてそれに協力するといいますか、そういうことには変わりはないと受け取っておられるようでありますけれども、決して現実はそういうものではありません。それは最初から、この問題につきまして長官もいろんな談話の形でも明らかにしておられますけれども、これは国の政策であるのだ、したがってそれに伴う財政的な負担については御迷惑はかけない、そういうことを再三繰り返しておられるわけですね。しかし、実際に仕事をする第一線に出ていく方々は本当に困っているわけです。那覇市の問題に関連しまして先ほども数字が明らかにされましたけれども、国の査定と市の要求ともすごい差があるものですから、地図もずっと市内の方――私これを見ながら市会議員の方と一緒にその個所を回ってみました。そしたら、やはりその中で一貫して言えることは、特に財政的な負担の問題につきましては、安上がりといいますか、とにかくできるだけ金は使わないようにやろう、そういう考えがずっと一貫してあるわけですね。ですから、どうしても、たとえば先ほど申し上げましたように、那覇市がこういう調子では市民の安全に責任が持てない、市当局としては、市民の安全を確保するという立場からは、この交通方法変更に伴ってどうしてもやはりこの個所とこの個所とこの個所はやるべきであるという具体的な調査をし、そしてその必要性を認めて要求している。しかし、国の方としては専門委員会をつくって、そこが査定したものはやる、しかし、いわゆる専門委員会なるもの、そこでどういうふうに決まったかという話を聞いても、そこでもいろいろと意見があったという話も聞いているわけですね。これはある個所に行きますと、バス停の問題ですけれども、ここは認めたけれどもここは認めていない、あるいはすみ切りの問題にしてもそうです。この認めていないところはどういう状態かといいますと、建物が建っているとか、いわゆる物件補償の問題とか換地の問題、いろいろ金がかかるややっこしい問題があるわけですね。そういうものの積み重ねでいわゆる査定に差か出てくる。これは懇談会も後であるようでありますからそのときに詳しくお話し合いもしたいと思いますけれども、現実に具体的なものを一つ一つ調べていきますと、やはり国の姿勢というものが、要するに右から左に変えればいいんじゃないか、安全性の問題は二の次というように、財政の問題というようなことにひっかける、そういうことが多々見受けられます。これはもう現実にそうですよ。ですから、そういう状態で理解を求め、協力を求めるということを言っても、これは戦後三十年間、まさに占領の落とし子みたいな、交通世変わりですから、三十年間も本当に親しみ――親しみといいますか、それを一挙に本土並みに切りかえるわけですから……。ですから、条約にしましても別に右から左に変えるとか、そういうことじゃないわけですね。どっちに変えたっていいわけです。しかし、それを変えるというなら変えるで結構でしょう、それに伴う県民に対する不安感あるいはその負担、それはかけないということであればこれはスムーズにいくと思います。そのためにはやはり要望とかそういうものはきちっと聞いていただいて、きちっと解消していただかなくては、これはもうまさに混乱が起きる、こういうふうに私は思います。
 それで、これはちょっと具体的になりますけれども、たとえば沖繩県の場合に交通方法変更に専従している職員が五十七名おります。これは対策室だけで七名ですけれども、他の部局も入れて五十七名おるわけですね。これはもちろん県の職員でありますから県の方が人件費を負担し、一切の事務費も負担しているわけです。しかし、いまの沖繩県の実情からしまして一般業務というのは、やらなくてはならぬ問題はたくさんあるわけです。それなのに交通方法変更に専従という形で五十七名の職員がおるわけです。事務費にしましても、旅費から、会場使用料の問題から、備品購入費から消耗品費、いろいろな問題もやはり県の負担でやっておりますね。ですから、そういうものについても――それをとうお考えになりますか、ちょっとその点、どなたですか、お答え願いたいと思います。
○室城政府委員 実は昨日、沖繩県の交通方法変更対策室長の宮城氏が、市町村分のがようやくまとまりましたということで、八千万に及ぶ事務費の要求を持ってこられました。その前に、この八月に県段階で、県としてまとめられた県の各部局のそのような面での必要経費というものは要求として出されております。したがって、この県の分につきましては実は私どもなかなか読み取りにくい包括的な形の要求でございまして、しかも人件費というものの物の考え方について私どもと十分納得のいくようなすり合わせができないままで、御要望のある点は十分われわれとしても承りながら検討をしてまいりました。昨日出されました市町村分というのはかなりすっきりした形でこの事業のためにいわば超過負担的に生ずる事務経費というものが計上をされております。県段階でまとめました八月時点のその種の費用の計上の仕方と今日の時点での計上の仕方が若干性質が異なっておりますので、この辺のところを一緒くたにというわけにはまいりませんので、両方の要求を十分にらみ合わせながら、現実に県並びに市町村にそのために過大な負担をかけるということにならないように、私どもとしてはなお十分しかるべき措置について検討したいというふうに考えております。
○玉城委員 いまの件ですが、基本的なことについて室城さんにお伺いしておきますが、先ほど申し上げました那覇市とか関係市町村、これからどんどん出てきます。国、県の査定したものにいて。そういうものについて年次的にされる。向こう側の要望としては、いわゆる普通の補助事業であったら応分の負担をしなければならぬ。それに対する財政的な負担が大変だ。ただでさえも困窮しているわけですから、それを何らかの形で皆さんが考えてあげますというようなことで安心をさせれば、いろいろないまの不安感の問題もある程度解消していくと思うのですが、その点はどうですか。
○室城政府委員 事務費の問題についてはただいまお答え申し上げましたが、その他一般の問題につきましても、沖繩県の方々が御承知のように大変不安な気持ちでおられるということもわれわれ承知しておりますし、何といっても長年の生活習慣を変えるということに伴う不安感、特に交通の問題でありますだけに危険というものが伴うんじゃないかというような見方をしておられることは十分お察ししております。
    〔西銘委員長代理退席、委員長着席〕
ただ、先月二十日に政令が公布されまして、来年七月三十日実施ということが確定いたしましたもので、その時点から広報活動が正式に滑り出しまして、それまでの間は、いつやるかということが決まらないと、どの時点から物か言えるかということで実はなかなか言いにくかった面もございます。そういう意味で、ただいま交通方法変更のためのシンボルマークを決めるとかいうようなことで、広報活動そのものも順調に滑り出しておりますので、不安は最後までつきまとうと思いますけれども、私どもとしましてはできるだけわれわれの考えております事業の実態について御理解をいただけるような広報活動もやりながら、少しでも実態を知っていただくことによって不安感をやわらげていきたいというふうに考えております。
 同時に、ただいまお示ししておりますものは、五十二年度につきましては予算か正確に決まっておりますので、これについては詳しくこの中身はこうです。こういう形で行われますということを申し上げておりますけれども、五十三年度予算は御承知のように要求中の段階でございまして、こういう概算要要をいたしておりますということで御説明しているにすぎませんで、こうなりますというところまでなかなか確としたお話かできない。したがって、それはそれとして、現地の連絡会議等を通じまして、部門別にこの点はこうしていくんだということは腹構えとしては十分お話ししてありますし、現にそういった五十三年実施を見通したいろいろな計画が五十二年度から進められておりますので、その線に沿って、来年度はこういうことになりますということは担当者には十分お話ししながら進めておる。予算確定を待って、これをできるだけ公に納得のいくように御説明を申し上げたいというふうに考えております。
○玉城委員 これも一つの問題ですが、交通方法変更に伴って現地の方でいろいろ混乱ぎみだったというのか前の段階だったのですが、国の窓口を一本にしてくれ、そういう要請が出まして、皆さんは窓口をつくったわけですね。その窓口が現地側の総合事務局の中にお一人ですか二人ですか、そういうことで、この窓口にしましても、県にしても市町村にしてもいまほとんど窓口を通さないわけですよ。直に本省と折衝した方かいいというような状況です。全く機能していないと思います。その窓口を設置してくれという現地側の要請というのは、いわゆる国の基本的な事業なんだから、国が現地に対策本部をつくって、本腰になって陣頭指揮をとってきちっとやってもらいたいというのが、そういう窓口設置の一つの要請の理由の背景であるわけですよ。ですから、これも一つの問題です。したがって、この交通方法変更に取り組む政府の姿勢というものが何かおざなりのような状況なので、さっきから申し上げております不安感というものか非常に充満してくると私は思うんですね。それで具体的に各市町村か要求している、また五十三年度以降実施されるでしょうけれども、それについての財政的な負担についてどう処置されるのか、それを開発庁の局長さんですか、どなたですか、はっきりおっしゃっていただきたいと思うんですよ。そのままの形でずるずるやっていたら、とてもじゃないけれども大変です。
○藤田国務大臣 先ほど私が上原先生に答弁申し上げました、いろいろ問題はございますけれども、一応専門官も派遣いたしまして、そして現地とも、特に例を挙げますと那覇市と相当な個所数の相違はございましたけれども、一応納得した形で、現在、来年の七月末に実行に移すということになっておるわけでございますから、この交通区分の変更に関するいろいろな措置、これはもう原則として国が全部持つわけでございます。その後のものにつきましてやることはベターであるということであります。ですから、交通区分の変更に際しての安全を確保するという意味のことは国が原則として持つ。ベターなるものは、これはそこに一線を画して考えるという御答弁を先ほど申し上げました。そのように考えておる次第であります。
○玉城委員 長官、私は時間がありませんが、実情は決してそうじゃないのです。交通区分に関する変更については国か責任を持つ、しかしその他の安全の問題については別途いろいろ考えましょうということですけれども、安全の部分と交通区分の変更の接点といいますかえり分けといいますか、これは具体的に現場を見ればわかってくる。それをいわゆる専門委員会で決めたのだからということで、それを隠れみのにしては困ると思うんですよ。ですから、そこに市町村当局の不満が出てくる大きな原因かある。私も現場を見ていますから、たとえばさっきおっしゃいました、この場所は認めているんです。この場所は、これを認めた価値から言うならばこれも当然認められるべきなんですけれども、建物があるとか、いわゆる補償の問題か絡んでいるから、これは後回しにしましょう。これは交通区分変更の問題なのか安全の問題なのか、それとも財政の問題なのか、こういういろいろな問題か出てくるわけであります。
 これは長官にどうしても前向きの答弁をしていただきたいわけですか、そういうようなもろもろの問題がいま山積していまして、県としても、この問題は沖繩県に二度とあるかないかの大事業ですから、また百六万県民に重大な影響を与える大事業を国が行うわけですから、国としてもただ右から左というのじゃなくして、これを通してまた沖繩の振興もする。当然いろいろな格差もあるわけですし、そういうようなことから県当局としましても、全県民か願うところでありますいわゆる特別事業をぜひやってもらいたい。この交通方法変更に伴って、精神にしてもあるいはいろいろな問題にしても、有形無形のあらゆる損失をこうむることは現実に事実なんです。ですから、そういう意味で県としましては三つの特別事業を本当に要求しておるわけですよ。一つは、交通安全教育センターをぜひ設置してもらいたい。もう一つは、この際基本的な道路整備をする。何も一挙にやってくれというんじゃないわけです。年次計画できちっと基本的な道路整備をする。もう一点は、交通災害医療センターをぜひ設置してもらいたい、こういうことを強く要請しております。もう長官もよく御存じのとおりです。いままで事務段階で詰めてきたんだけれどもなかなか制度になじまないとか既設の制度に乗らないというようなことで、うまいぐあいにいっていないという話を伺っております。そこでこの際、沖繩担当大臣とされて、この特別事業について前向きに、こういうふうに考えておるんだということをぜひおっしゃっていただきたいと思います。
○藤田国務大臣 いまの三つの特別事業は十分に承知いたしております。それで、道路の問題はそういうことで年々やっていくわけでございますか、交通安全センターと救急センターといいますか救急病院、この件に関しましてはなお事務的によく煮詰めなければならぬと思うのです。来年度の予算で七百万円でありましたか、そのために調査費を要求しておるところであります。そういうことで、各省との間もこれは大分煮詰める必要があるのです。そういうこともございますので、今後とも前向きに検討をいたします。
○玉城委員 長官も沖繩の担当大臣とされまして、これは何とか芽を出すような形でやっておいていただきたいということを強く要望いたします。
 次は、通産省の方にお伺いをいたしますが、現在の沖繩の石油備蓄の現状と将来の計画目標、その点について概略を御説明いただきたいと思います。
○古田政府委員 現在、沖繩におきます貯油施設は、原油タンクが約百九十万キロリットル、それから製品、半製品タンクが約百十五万キロリットルで、合計三百五万キロリットルということになっております。これに対しまして、各企業ごとに若干の増設計画が出ておりますが、それらを合わせますと原油タンクで約三百三十万キロリットルというふうな数字になっております。
○玉城委員 ただいまおっしゃいました三百三十万キロリットルといいますのは、原油並びに製油をプラスした各社の現在の貯油量ですか。
○古田政府委員 今後の増設計画につきましては、現在のところ原油についてだけでございまして、原油のタンク総量が約三百三十万キロリットルでございます。
○玉城委員 その三百三十万キロリットルの中には、沖繩三菱の二百七十二万キロリットルですね、十二月にタンク増設の工事が始まるわけですが、この分の原油が入って三百三十万キロリットルということですか。
○古田政府委員 三菱関係のものは、私ども承知しておりますところでは、二百十万キロリットルということになっておりまして、それが含まれた数字でございます。
○玉城委員 この石油の備蓄の問題は、きわめて重要な問題でして、国家の安全保障という立場から、このエネルギーの確保ということの認識については国民のだれ一人といえども変わることはないと思います。したがいまして、政府とされましても、この備蓄問題については本当に真剣に取り組んでおられるわけです。九十日備蓄とかあるいは百二十日備蓄、これは国家の安全保障という立場から大いにやらなくちゃならない大事な問題であると私は思いますけれども、だからといいまして、条件が整っているからといって、一地域に過重な負担をかけていくというあり方は、これはまたそこの地域住民に非常な犠牲を強いる結果になるわけです。
 それで、実は沖繩県が本土に復帰する前に琉球政府の外資導入委員会でいわゆる五百万キロリットルというガイドライン、これまでは許容しようじゃないかというような一つの線が出たわけです。しかし、この五百万キロリットルは、原油も製油も含めてなのか、その辺を県当局に聞きましたら、これは全部含めて五百万キロリットルが沖繩の場合は最大限の許容範囲なんだということなんですけれども、この県当局の五百万キロリットルといういわゆるガイドラインについて、通産省とされてどのようにお考えになっておられるか、それをお伺いをいたします。
○清滝説明員 お答えいたします。
 四十七年度に私どもの方で沖繩CTSの問題につきまして調査をいたした結果がございます。その当時の考え方といたしまして、その調査自身は、いわば当時の沖繩におきます振興対策の一環として果たしてそれは可能性があるかどうかというところで調査された内容でございまして、特に経済社会面からの調査という趣旨で行われております。
 当時の内容は、特に物理的と申しますか、たとえば用地面から見た問題、安全性の問題等々でございまして、その結果によりますと、用地面積等といった物理的な面では実は二千万から二千六百万、タンカー航行等から見まして二千万キロリットルというふうな数字がそのレポートに出ております。しかし、最近消防法等の改正がございまして、そういった物理的な面からの制約が従前以上になっておりますので、ただいま申し上げました数字はそのまま現在は使えないというふうなことでございます。
○玉城委員 いま課長がおっしゃった沖繩CTS調査報告書を私も見まして、これは現地の方でも私見ましたのですけれども、二千万キロリットルから二千六百万キロリットルの許容はできるんだという報告になっているわけですね。これは、私は、あくまでも皆さんが参考にするという意味で日本工業立地センターに調査依頼をされてつくられたものだと理解をしておるわけです。もちろん、このとおり二千万キロリットルも二千六百万キロリットルも出されたら大変なことになる。決してそういう考えはないと私は思います。
 それで、いま現実に南西石油が四十万キロリットルの増設申請を出しておりますね。それについて通産省のお考えをお聞かせいただきたいと思いますし、それともう一点、あの沖繩県という特殊な自然環境を持った地域に、通産省とされてその石油備蓄体制というものが将来どれくらいの目標を持っておられるのか、その辺もひとつお聞かせいただきたいと思います。
○清滝説明員 事実問題といたしまして、いま御指摘のありました南西石油につきましては、現在行っております備蓄計画が石油備蓄法という法律に基づいて行われておるということで、その備蓄の義務者でございますので、その義務者としての義務を果たすという趣旨から算定いたしますと、大ざっぱに申しまして実は四十万キロリットルのタンクが必要だというふうな計算になるわけでございます。先生御指摘のように、沖繩にある程度備蓄タンクが集中しているということも事実でございますが、私どもといたしましては、石油備蓄はいわば政策の一つでございまして、ただ、そのタンク建設につきましては、安全性の問題、環境保全の問題、そういった問題は当然確保されねばならないし、しかも地元の理解と協力をいただくということが前提でございますので、そういった趣旨でできるだけ地元の理解か得られるように実は期待しておる次第でございます。
○玉城委員 それじゃ最後に、長官にこの件でお伺いしておきたい。
 私、最初にも申し上げましたとおり、国策と県の考え方とのバランスというものはきわめて大事だという考え方から、沖繩県としては、決して沖繩県が石油備蓄というものについて認識がないわけではありません。しかし、いろんな情勢から沖繩の場合は五百万キロリットルか一応のガイドラインだというふうな県の考え方、この間もそういう要請に県の責任者が来ておられたようでありますけれども、そういうことで、いわゆる県のこういう考え方と、また政府、通産省は、これは備蓄法に基づいて企業側に義務づけして、どんどんしりをたたいてといいますか、そういうことになりかねないわけです。それでこの調査報告にありますように、二千万キロリットルも二千六百万キロリットルもされたら、これは大変なことになるわけです。そういう面で、長官とされまして、沖繩開発ということと同時に、沖繩の自然というものを保護するという環境の問題、そういう点から長官の考えをお聞かせいただきたいと思います。
○藤田国務大臣 この間知事が来られまして、CTSの建設に反対いたしたい。ついては、通産大臣にもその旨を伝えてほしい、こういうふうなお話がございました。そこで、私は、いま日本の全体の状況から見て、この円高の際に大いに輸入を促進しなければならぬ。その輸入というものはやはりこれは備蓄である。石油を第一として、あと銅とか鉄とか、要するに日本の必要とする資源をこの際大いに輸入、備蓄する必要がある。そこで、各都道府県がそれぞれ環境立地という点でいろいろな問題を抱えております。沖繩県におかれても、そのようなことは同じであろうと思います。特に沖繩県におかれては、何か油の漏れがあって田畑を非常に害したとかあるいは火災が起きたとか、そういう事故が過去二、三回あったようでございますが、そういうことが今後ともないように油送管の厚みをふやすとかあるいは継ぎ目を直すとか、改善するとか、火災については十分な対策を立てるとか、安全に対してそういう注文をおつけになることは大いに結構でございます。それから環境保全に対しても注文をおつけになることは結構でございますが、この備蓄に対してはひとつ御協力を願えませんか、こういうお話を実は知事に申し上げた次第でございます。知事からは何らの御返事もございませんでしたけれども、私はそれを通産大臣に、いま沖繩県知事からこういうことを頼まれたからということはちょっと言えませんということで、実は私は通産大臣に言っておりません。それよりも、沖繩県におかれて、そういう環境を破壊しないように、そうして十分な安全対策をとられて、この備蓄に対して御協力を願えればと、かように思う次第でございます。
○玉城委員 時間もございませんので、最初に申し上げましたとおり、いわゆる国の政策ということで地域的に過重な負担を決して強いてはならない。これはもう石油エネルギーの確保ということについての認識はだれも変わりはないわけです。したがって、そういう条件がいいからといって一地域に非常に負担過重を強いるようなやり方は、これは決してやってはいけないし、またそういうために、たとえば県の考え方というものは当然尊重されなければならない。したがって、そういう県の出している数字的なものについてあるいは国としましてもよく話し合いをされて、それこそ押しつけというようなことが決してあってはならないということを強く要望をいたしまして、私の質問を終わります。
○稲富委員長 瀬長亀次郎君。
○瀬長委員 最初につぶれ地の問題について藤田長官にお聞きしたいと思います。
 このつぶれ地問題は、現状はすでにおわかりであると思うのですが、私、九月二十日に建設大臣に会いまして、特に市町村道路のつぶれ地の問題を話す中で、なかなかつぶれ地という言葉自体がぴんとこないのですね。それを説明するのに十分ぐらいもかかるといったような状態で、結論として、開発庁あたりから正式に要請があれば、道をつくったり補修したり、これは建設省の仕事なので、やるということは言明されたのですが、このつぶれ地補償については、御承知のように昭和四十六年九月三日の閣議決定による沖繩復帰対策要綱第三次分に基づき特別措置を講ずることとして、復帰五年間をめどに補償することになってまいったわけなんですが、それにもかかわらず今日国及び県道についての進捗状況は、五十二年二月一日現在で全体の一八・九%、金額で九・七、八%しか補償されていないのが現状であります。これは御承知のとおりだと思います。また、市町村道については、実態調査に六年の期間を要し、五十二年度調査完了予定でありますが、未補償のままに残されておる、これか現状です。
 このつぶれ地問題は、言うまでもなく戦争や米軍支配によって生じたものである。このことにかんがみて、政府はこの問題を政府責任において、戦後処理の重要な課題の一つとして、完全補償の措置を速やかに講ずべきであると私は考える。政府もそうお考えだと思います。
 特に要請したいのは、いわゆる大幅におくれている国・県道の補償の促進を図ってもらいたいこと。二番目に、特に市町村道路については一級、二級その他も含めて、全額国庫負担で補償してもらうこと。また、現在までに地籍確定しているものについては、五十三年度から直ちに補償措置に着手することを強く要望したいと思います。もう一つは、市町村道のつぶれ地は約四百二十二万平方メートル、金額で八百二十三億円である。そのうち、いわゆる一級、二級その他ということになっているが、その他が二百五十一万平方メートル、金額にして四百六十九億円である。したがって、その他も含めて国が補償しなければ、市町村財政ではとうてい無理であるというより不可能である。これは当然のことながら、その他も含めて市町村道路の補償をやってほしいことを長官にぜひきょう要請したいと思いますが、いかがでございますか。
○美野輪政府委員 国・県道の進捗状況その他もございますので、私の方から御答弁させていただきたいと思います。
 まず国・県道の進捗状況でございますが、先生御指摘のように、当初五年の計画でこの買収を終わろうということであったわけでございますか、復帰後におきます。あるいは石油ショック等によります地価の高騰というようなこともございまして、先生御指摘のように本年度末におきまして、本年度の予定も含めまして面積で二五%程度が買収できる、こういうような状況でございます。ただ、これがこのままおくれておってよろしいということでは絶対ございませんで、私どもといたしましても予算の確保等に努力をしてきております。これまでも累計で国道分では約三百三十億、県道分では八十四億ほどこの買収のために入れておるわけでございますけれども、今後ともそれらの予算の確保に努めまして、できるだけ早くその処理を終わるように努力をしたい、このように考えておるところでございます。
 それから、市町村道のつぶれ地の問題につきましては、これは六カ年の計画で調査に入ったところでございまして、当初本年度でその調査を終わるという予定だったわけでございますが、その後市町村の方から百十キロほどの追加の要請、申請漏れがあったので追加して調査してほしいという要望がことしの七月になって出てまいりまして、急遽来年度もその調査を継続するという形で必要な予算の要求を行っておるところでございます。
 市町村道の処理についてはどうするかというお尋ねがございました。市町村道は国・県道と異なりまして準幹線的な道路から足元的な道路まで非常にその利用の実態が幅広うございます。そういったところも踏まえてこの処理方針を決定していかなければいかぬのじゃないか、このように考えておるところでございますが、いずれにいたしましてもただいま行っております調査を早急に行う、その間処理方針につきましても検討を行っていくという形で処理をいたしたい、このように考えております。
 それから、市町村財政が非常に過重な負担になるのではなかろうかというお尋ねもございました。先ほど来お答えしましたように、沖繩開発庁といたしましてその最終的な処理の方針をまだ決定していない段階でございますけれども、この市町村道の負担の問題については今後とも各関係省庁とも協議をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○瀬長委員 長官に最後に答えてもらいたいのですか、このつぶれ地問題は、いわゆる戦争の後遺症として一番大きいというよりも悩みの柱の一つになっているのですね。ところが、つぶれ地つぶれ地と言っても、沖繩ではわかりますがここでは余りわからないのですよ、大体建設大臣がそうなんですから。だからこういったおくれ、五年間でやるなんて言ってまだ二〇%もやらぬとかいうふうなこともその認識からきているのではないか。したがって、予算化の問題を含めて、これを早めて処理される問題、さらに市町村道路の場合、一級、二級、その他ということになっていますが、その他の方が七割以上も占めているということになると市町村財政でとうていできない、また出すべき筋合いのものでもないということ、それを含めてぜひ長官の方で特につぶれ地の問題を重視されて、関係省庁とも打ち合わせの上、早急に解決のめどをつけてほしいと要望したいのです。
○藤田国務大臣 全体のつぶれ地補償について促進をしろということでございますが、それは今後ともそのとおりに促進をいたします。
 それから市町村道路の幹線道といいますか、一級、二級を除いたものについて全額を補償しろ、こういうお話でございますが、それにつきましては先ほども社会党の上原先生に御答弁申し上げたと同じでございまして、現在まだ調査中でございますし、本土どおりやるのなら簡単に方針は出ますけれども、そうでなくてどう考えるかというところになかなかその方針が出づらい点があるわけでございますから、なおわれわれに調査研究をさせていただきたい、かように思います。
 それからまた、各省と連絡をして協議の上でやれということでございますが、これも先ほど御答弁申し上げましたように各省庁の連絡会議を速急に開きたい、かように考えております。
○瀬長委員 次に、駐留軍労働者の問題について、最初に私は施設庁長官にお願いしたのだが、来ておられぬようで、労務部長が来ておられるのですが、実は駐労共闘会議から要請書が来ておる。その中で特に主要な要求事項にこれがあるのです。
 (1)今日まで、日米間交渉の不調を理由に、多くの労働条件改悪を強要されてきた従業員にこれ以上の犠牲(例えば、退職手当、格差給の改悪)を押しつけないこと。
 (2)給与改定については、既に慣行として確立している「国家公務員と同時同率による給与改定方式」を制度的に確立すること。
 (3)本年度給与改定については、人事院勧告にもとづく、国家公務員の給与改定に準じ、無条件で完全に実施すること。
というようなことが書かれておりますが、私はこれを支持します。この点につきまして、政府は屈辱的な対米折衝をやめて、自主独立の立場から本当に――あなた方雇用者だから、政府は、できるのかどうか。また、現在までどういうふうな経過になっているか、御答弁を願います。
○古賀政府委員 お答え申し上げます。
 駐留軍従業員の労務問題に関することでございますが、現在駐留軍従業員は沖繩を含めまして二万三千人弱おるわけでございます。この労務費か四十九年の石油ショック以来急激に上がりまして、これは一般の民間水準の上がりと同等でございますけれども上がりまして、労務費の額が大変多くなってまいりました。これに伴いまして米軍の方は毎年の給与改定、これは国家公務員に準じた給与改定でございますが、国家公務員に準じた同時同率の給与改定が大変難渋をしてくるような事態になったわけでございます。四十九年は、公務員が年末に差額が出るに引きかえまして、従業員の方は年を越す。五十年に至っては四月ごろに実際の差額か支払われるというふうな状況でございまして、私どもが雇用主責任を果たす上で、国家公務員と同時同率の給与改定をするということは大変難航するような状態になったわけでございます。
 そこで、それらの問題を解決するにはどうしたらいいか、円滑な給与改定を実施するにはどうしたらいいかということで、AB間と申しますか、在日米軍司令部とそれから防衛施設庁と、昨年夏以来この問題解決について協議をしておる次第でございます。さらに昨年の暮れには、これを政府間のレベルで解決を図るように、現在もこの問題の検討を続けておる次第でございます。したがって、駐留軍従業員の今回のベース改定であるとか、あるいは同時同率の実施であるとか、あるいは米側の提案しますような労働条件の切り下げについて、そういうことのないように従業員の既得権を守るように、私どもとしてはこの問題が二万三千人の従業員、家族を合わせますと十万人の方々の生活の問題あるいは雇用の安定の問題につながる問題でございますので、これを先生さっきおっしゃいましたような自主的な立場でいかに解決するかということを現在検討中でございます。
○瀬長委員 これは外務省ですか、古賀さんでもいいのですが、いまの駐留軍労働者の生活と労働基本権を守るという立場でいま貫いていかなければいけませんが、アメリカの六月十五日の日付で出ている、米国の会計検査院長の議会に対する報告の中で、三つ指摘していますね。まず最初の言い出しは「日本は、米国の防衛上のカサにより与えられた安全保障の下で繁栄し、第二次世界大戦後の荒廃した国から、世界で三番目に大きな経済力と約五千億ドルの国民総生産を有する経済超大国に」なったなんということを言って、したがってこういうことを要求するのは当然であるというような方向で、こう言っていますね。
 共同防衛経費、これは当然米国は日本との間でぜひ解決しなければいけないと提起している。「共同防衛経費に対する日本の追加的支援を求める余地は存在しており、例えば、」と言って三つ挙げています。一つは「兵たんおよび作戦上の支援の増大」、二つ目はいま申し上げました「労務経費の分担」、三つ目が「防衛施設の共同使用」、共同使用の問題はいま国会で問題になっておりますが、私がいま特に皆さんにお聞きしたいのは、この労務経費の分担の問題です。
 労務経費の分担の問題については、すでに本会議で安井議員の労務経費を日本が分担するということは地位協定二十四条に反するのではないかといったような指摘に対して、福田総理はその地位協定の枠内で解決するように努力すると言う。それから共産党の山中議員、これは十一月十四日の参議院本会議、これについても総理は、駐留軍労働者に対する日本側の労務費分担問題についての基本的な考え方、この基本的な考え方につきましては地位協定に従ってやる、こういうことでございます。一貫して地位協定。地位協定といえば二十四条です。二十四条によりますと、一切の駐留軍に要する経費はアメリカが負担する、こう書かれていますね。
 それで、その枠内で問題解決するということはどういうことであるのか、部長お答えできますか。
○古賀政府委員 この件につきましては、先ほどお話し申し上げましたように、日米間で解決策を見出すべく協議中でございます。その間においても地位協定の枠内で日本政府が雇用主責任を果たす上でどういうことができるか、こういうふうな立場で検討を続けておるわけでございます。
○瀬長委員 枠内と言うと、具体的にはどの枠があるのですか。相当制限されている、チェックされていますよ。たとえば、米軍は労務問題については日本の国内法を守らなくちゃいかぬということかありますね。御承知ですね。労働基準法とかあるいは労働組合法、調整法、それは遵守するとはっきり言っているのですよ。
 そこで、もっと枠内と言いますと基本労務契約四条、これは知っているでしょう。どういう枠をはめられているか、ちょっと答えてください。
○古賀政府委員 お答えいたします。
 第四条は補償でございまして、この労務基本契約の円滑な遂行に対する代価としてA側は――A側と申しますのはアメリカ側でございますが、もろもろの基本給その他の経費を負担をする、こういうふうなことでございます。
○瀬長委員 枠内ではできませんということは、あなた方が結んだいろんな協定であるのですよ。たとえばいま申し上げた労働基準法ですね、賃金とは何か、はっきり明記してあります。たとえば保険料、あれはだめですよ。日本政府は払えませんよ。そういうふうに労働基準法の中にある。それからいまの労務基本契約第四条――外務省来ておられますか、これには明確に全部書いてあるのです。基本給、諸手当、社会保険料、児童手当に対する拠出金、旅費及び従業員の輸送費、医務費、安全及び衛生費、争訟経費、宿舎費、従業員の福利に関する経費、管理費、求人広告費、明確に書かれているのです。枠は明確にはめられている。この枠内でどのような検討をなされて――新聞報道によると、六十億出すとか出さぬとか言っていますね。三原さんがおれば聞くつもりだが、アメリカへ行ったら、安い、それだけじゃだめだ、二百億出せといったようなことも言われたとか聞いておりますが、この枠内でどうして解決できるのですか。
○古賀政府委員 私ども申し上げましたのは地位協定の枠内ということで検討を続けておるわけでございまして、労務基本契約の枠内というのは申し上げておるわけではございません。
○瀬長委員 それでは、これは労務基本契約で、これに基づいていままであなた方出しているのです。部長そうでしょう。これも改定しない限りだめですよ。それから地位協定、あれは日本の国内法をアメリカは守るといいますね。国内法というのは何ですか。たとえば労働基準法でしょう。じゃ、労働基準法の十一条に、賃金、何と書いてあるか見てごらんなさい。この賃金の枠内からすると、保険料は出せませんよ。外務省もどうすればアメリカの会計検査院の勧告どおり労務経費まで出せるか、いま実際頭を悩ましているんじゃないですか。いまアメリカが言っておるのは、まず米軍土地使用料あるいはリロケーションがありますね。その他、米軍がいる基地周辺の騒音防止その他は日本政府が出しておる。ところが、今度は労務だ、こういう指摘なんですよ。ところが、地位協定も改悪しない、労務基本契約もやらぬ、どうしていわゆる枠内でできるのか。実はこの件はまだどなたも聞いていないのですよ。これは社会党の安井さんも、さらに大出さんも、共産党の寺前さんとか山中さんもいろいろな問題について聞いておる。総理が枠内でやる、外さぬと。枠というのは相当はめられているのですよ。チェックされていますよ。どうして出せるのですか。
○北村説明員 ただいま瀬長委員が御指摘になっておられますこの労務費の問題でございますけれども、さっき防衛施設庁の労務部長からも御説明がありましたように、政府といたしましてはあくまでも労務者の生活の安定、それから雇用の安定、これをまず第一の目的にいたしまして、そうして総理も御答弁なさっておられますように、地位協定の枠の中で何ができて何ができないか、こういう観点でただいまアメリカ側といろいろ協議をいたしておる段階でございます。先生御指摘のように、非常にむずかしい問題ではございます。ですけれども、いまアメリカ側といろいろ協議をしておる段階でございまして、その内容についてはただいま申し上げるわけにはまいりませんけれども、私ども、あくまでもこの二万三千人の方々の生活の安定とその家族の方々の安定、そういうところに重点を置いて、鋭意努力しておるところでございます。
 それから、先ほど先生御指摘の、アメリカの会計検査院の議会に対する報告書の中で、確かに先生おっしゃいましたような労務費の分担というようなことが書いてございます。これは確かにアメリカの議会の中にある会計検査院の報告で、議会に対する一つの勧告でございます。ですから、政府に対して束縛するというようなものではございません。もちろん議会は非常に有力でございますから、その中での意見というものが当然政府の方に反映してくることは当然でございますけれども、そういう性格のものであることを付言させていただきます。
○瀬長委員 議会に対する報告ですが、これは翻訳ですが、この中で「国防省は、GAOの報告書は、日米安全保障関係上の経費分担問題を正確に把えている旨回答した。国防、国務両省は、日本との追加的経費分担の方法を検討する計画を立案すべしとの本報告書の勧告に同意した。」これは単なる議会に対する報告じゃありませんよ。勧告をしている。両省は、それを正確である、その方向で交渉するんだということをここでちゃんと書かれておる。ここには二万四千人と書かれてあります。それで毎年四億ドル出しておるということも書いてあります。保険料の積立金その他三億ある、整理をしたが経費は上がっておるといったような追加の付録までついておるのですよ。これは向こうの議会だけの問題じゃなしに、ちゃんとその方向で見つつある。それであなた方困っておる。その枠はいま言ったように相当チェックされているのですよ。まず国内法の問題だ。労働基準法十一条に、いま時間がないから読み上げませんか、もうすでにおわかりだと思うのですが、賃金の中には保険料も全部入っておるのですよ。あれは日本政府が出せませんよ。だから政府は頭を悩まして、改悪しないでどういうふうにして出そうかなんということになって、私、三原防衛庁長官に長官室で会ったときに、七月だったと思いますが、十一月一日にはアメリカに回答せぬといかぬと言っておりました。もう十八日ですよ。検討する検討すると言って、いつまで検討するのですか。円高もまた追っかけてきたというふうな問題で、法的な根拠なしに政治的決着はできないのですよ。だから屈辱的に、アメリカがそう言うからもう出さぬといかぬなあなんていって百億出す、二百億出す。出したら最後、突破口が開かれてくる。全労務費は一切日本国民の血税で負担する。だから私は最初に、駐留軍労働者の要求をアメリカに対して政府は屈辱的外交をやめて本当に自主的にやれ、強く押せということを言ったのはそこなんですよ。法はがんじがらめだ。私たちは安保条約も地位協定も反対です。反対だが、あなた方が賛成した法の中ですら解決できないじゃないか。いつまで検討する。だから私は施設庁長官も大臣も来てもらいたかったのは、そういったような高度の、部長じゃどうかなと思ったので、何も部長を軽視するのじゃないですよ、言ったわけなんだが、これはいまの段階では実際は回答できないんじゃないの。外務省参事官、どうですか。
○北村説明員 先ほども瀬長委員に申し上げましたように、地位協定の枠の中でわれわれとして何ができるか、また何ができないかということをいま日本の中で鋭意検討しておりますし、また、その点についてアメリカとも協議をいたしておるわけでございます。先ほども申し上げましたように大変むずかしい問題でございますか、私どもはあくまでもこの従業員の方々の生活と雇用の安定というものを頭に置いて、このむずかしい問題解決のためにいま努力しておるわけでございます。早急な解決を求めるように努力しております。
○瀬長委員 もう時間が来ましたのでこれで質問を終わりますが、この問題は一労務問題に限らないで、日本か本当の自主独立路線をとり得るかどうか、屈辱的な外交を引き続きやるのかどうか。さらにカーター政権のアジア侵略体制の中に組み入れつつあるその柱の一つである、これを誤って解決の方法を出すととんでもない反国民的な、反民族的な方針にならざるを得ないので、これは改めて、いま参事官と部長しかおられないので、そういった問題について、政府の統一見解をただすどころじゃない、どうすれば解決できるかどうか。解決できないようになっているんですよ。こうすればこうなる、ああすればこうなる、右も左も全部どうにもならない。あなた方が壁をつくったのです。安保条約がない、地位協定がない、米軍がいなければこんなことは起こらぬわけです。雇用者と使用者が別々だというふうなことも起こり得ないわけです。この矛盾の中にあるわけなので、ぜひこれは、そのことがあったということを、参事官は外務大臣にも、部長は長官にもお話ししてもらって、特に私は政府に統一見解を求めたいのです。検討中、検討中と、一カ月以上なんです。新聞に出て現在までもう二カ月ぐらいになるかな、それになるまでまだめどかつかないので、二万四千の駐留軍労働者も非常に不安に陥れられておるし、国民も、アメリカが出すべきものを日本が国民の血税でまたこれも出すのかという不安と疑惑に駆られておる、この点を強調して、質問を終わります。
○稲富委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十一分散会