第083回国会 予算委員会 第2号
昭和五十二年十二月十七日(土曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 田中 正巳君
  理事 小此木彦三郎君 理事 栗原 祐幸君
   理事 澁谷 直藏君 理事 山下 元利君
   理事 安宅 常彦君 理事 武藤 山治君
   理事 近江巳記夫君 理事 竹本 孫一君
      足立 篤郎君    愛知 和男君
      伊東 正義君    池田 行彦君
      石川 要三君    宇野  亨君
      大村 襄治君    川崎 秀二君
      後藤田正晴君    坂本三十次君
      笹山茂太郎君    始関 伊平君
      塩崎  潤君    白浜 仁吉君
      田中 龍夫君    玉沢徳一郎君
      戸沢 政方君    楢橋  進君
      原田昇左右君    福島 譲二君
      古井 喜實君    松澤 雄藏君
      松野 頼三君    大出  俊君
      小林  進君    坂井 弘一君
      春田 重昭君    広沢 直樹君
      二見 伸明君    大内 啓伍君
      河村  勝君    寺前  巖君
      正森 成二君    松本 善明君
      小林 正巳君    田川 誠一君
 委員外の出席者
        防衛庁装備局長 間淵 直三君
        経済企画庁調整
        局審議官    澤野  潤君
        外務省アジア局
        次長      枝村 純郎君
        外務省経済協力
        局長      菊地 清明君
        大蔵省国際金融
        局長      旦  弘昌君
        国税庁長官   磯邊 律男君
        通商産業省貿易
        局長      西山敬次郎君
        通商産業省基礎
        産業局長    天谷 直弘君
        通商産業省機械
        情報産業局長  森山 信吾君
        会計検査院事務
        総局第五局長  東島 駿治君
        日本国有鉄道常
        務理事     小林 正興君
        日本輸出入銀行
        総裁      澄田  智君
        参  考  人
        (三菱商事株式
        会社社長)   田部文一郎君
        参  考  人
        (元三菱商事株
        式会社ソウル支
        店長)     中川 忍一君
        参  考  人
        (三井物産株式
        会社代表取締
        役)      塚本  健君
        参  考  人
        (丸紅株式会社
        社長)     松尾泰一郎君
        参  考  人
        (日商岩井株式
        会社社長)   植田 三男君
        参  考  人
        (日商岩井米国
        株式会社機械担
        当副社長)   河原 進二君
        参  考  人
        (株式会社日立
        製作所常務取締
        役)      嶋井  澄君
        参  考  人
        (日本車輛製造
        株式会社常務取
        締役)     厨  四郎君
        参  考  人
        (川崎重工業株
        式会社社長)  梅田 善司君
        参  考  人
        (海外経済協力
        基金総裁)   石原 周夫君
        参  考  人
        (国際協力事業
        団総裁)    法眼 晋作君
        予算委員会調査
        室長      三樹 秀夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月十七日
 辞任         補欠選任
  井出一太郎君     楢橋  進君
  伊東 正義君     坂本三十次君
  稻葉  修君     玉沢徳一郎君
  奥野 誠亮君     原田昇左右君
  金子 一平君     池田 行彦君
  亀岡 高夫君     福島 譲二君
  始関 伊平君     島村 宜伸君
  塩崎  潤君     戸沢 政方君
  根本龍太郎君     愛知 和男君
  藤田 義光君     宇野  亨君
  坊  秀男君     後藤田正晴君
  森山 欽司君     石川 要三君
  阿部 昭吾君     石橋 政嗣君
  上原 康助君     岡田 利春君
  佐野 憲治君     岡田 春夫君
  多賀谷真稔君     兒玉 末男君
  武藤 山治君     横路 孝弘君
  浅井 美幸君     春田 重昭君
  春日 一幸君     大内 啓伍君
  佐々木良作君     河村  勝君
  不破 哲三君     寺前  巖君
  松本 善明君     正森 成二君
  大原 一三君     小林 正巳君
同日
 辞任         補欠選任
  愛知 和男君     根本龍太郎君
  池田 行彦君     金子 一平君
  石川 要三君     森山 欽司君
  宇野  亨君     藤田 義光君
  後藤田正晴君     坊  秀男君
  坂本三十次君     伊東 正義君
  島村 宜伸君     始関 伊平君
  玉沢徳一郎君     稻葉  修君
  戸沢 政方君     塩崎  潤君
  楢橋  進君     井出一太郎君
  原田昇左右君     奥野 誠亮君
  福島 譲二君     大村 襄治君
  春田 重昭君     浅井 美幸君
  大内 啓伍君     春日 一幸君
  河村  勝君     佐々木良作君
  寺前  巖君     不破 哲三君
  正森 成二君     松本 善明君
  小林 正巳君     大原 一三君
    ―――――――――――――
十二月九日
 一、予算の実施状況に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 予算の実施状況に関する件
     ――――◇―――――
○田中委員長 これより会議を開きます。
 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本日、日韓経済問題につきまして参考人として、三菱商事株式会社社長田部文一郎君、元三菱商事株式会社ソウル支店長中川忍一君、三井物産株式会社代表取締役塚本健君、丸紅株式会社社長松尾泰一郎君、日商岩井株式会社社長植田三男君、日商岩井米国株式会社機械担当副社長河原進二君、株式会社日立製作所常務取締役嶋井澄君、日本車輌製造株式会社常務取締役厨四郎君、川崎重工業株式会社社長梅田善司君、海外経済協力基金総裁石原周夫君、国際協力事業団総裁法眼晋作君、以上十一名の出頭を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました、。
    ―――――――――――――
○田中委員長 参考人各位に一言あいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。
 参考人各位には、委員の質疑にお答え願う方法で御意見を承ることといたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安宅常彦君。
○安宅委員 私はこの前、新韓碍子という会社の問題で参考人として日商岩井の社長さん、それから河原さんなどをお呼びいたしましたが、ほとんど答えてくれませんでした。非常に重要なことでありますが、新韓碍子という企業に対する輸銀の融資、それは日商岩井が代行ですから、日商岩井に融資したわけですが、地下鉄の問題や、それから多国籍企業の問題や累次にわたってどうもリベートが出ているのではないか、そういう問題など、特に韓国に対する経済協力の過程では、何も海外に金を送ったり、日商岩井だったら日商岩井の在外法人である日商アメリカ・コーポレーションなどに金を送ったり、そういう操作をしなくてもできるはずなのに、なぜこういうしちめんどうくさいことをやらなければならないのか。これは地下鉄の値段が倍になったとか、これも一つの一番大変な、重要な問題です。しかし、経済協力に関するシステムというんでしょうかね、メカニズムというんでしょうかね、この大体の日本の総合商社がやっておられるやり方が、あるいは輸銀や海外経済協力基金などが取り扱っている扱い方が、少しも韓国の民生安定には寄与していない。そして向こう側は会社がつぶれようとつぶれまいと、不実企業になろうと、利息を含めて全部返ってくる仕組みなんですから、輸銀も協力基金も、あるいは仲に入りました商社も全然損をしない。それが韓国の民衆にとっては、経済協力どころか、援助どころか、逆に恨みを買うことになるのではないか。新韓碍子の例は金額も少のうございますし、大したことがないと言えば大したことはありません。しかし、その経過を全部調べましたところ、典型的なケースではないか。この委員会で数回にわたって取り上げてまいりました。その間さまざまな問題点を指摘し、疑惑の数々を晴らすために、関係省庁、輸銀あるいは日商岩井の関係者の方々にも質問し協力を求めてきたのでありますが、実態はどうかということになりますと、悲しいことには、事実は一向に明らかにならない。各省庁は守秘義務を盾にとって絶対に言わない、こういう状態。あるいは日商岩井のごときは、そういうことは答えられないという一点張りで河原君という人はこの間は逃げてしまいました。
 こういうことは、地下鉄にまつわる疑惑が最近アメリカのいろいろな追及で大きくまたもう一回浮かび上がってきています。われわれ日本の国会議員というのは日本の中で調べたそういう疑惑を晴らす責務を持っているし、日本の資本の代表である、きょうおいでになっている方々などは、アメリカのように率直にそういうことを述べて、そして具体的にこれを正しい方向に持っていく、こういう努力をしなければ大変間違った方向にいくのではないか、こう思っているのです。どうなんでしょう。私は、アメリカの議会活動によってこういうものが明らかになる、日本の国会は、各省庁とも隠蔽することにだけ熱中する、各商社は向こうで調べられるとしゅんとなるけれども、日本の国会はさほどこわくないと思っておられる、こういうばかみたいなことは今後なくしていきたいことを願ってやまないわけです。
 こういう日韓経済協力のやり方が、たとえば頭金の問題であるとかあるいは商社融資の問題であるとか、そういうことをやらなければできないから――一番最初私が質問に立つときに、だれが教えたのか知りませんけれども、日商岩井の方から、そういうからくりをやらなければ現実の問題としてどこの商社も日韓経済援助なんというのはできないんです。だから勘弁してくれということを私に言ってきたことがあるのです。だれが教えたのか、これは問題ですけれども、商慣習になって、それをやらなければ日韓経済協力ができないんだということを明確に言った日商岩井、このことを私は思い出すときに、このままにはしておけない、こういうことをつくづく感じました。
 きょうは証人で喚問をしていただく予定でありましたが、すべて参考人であります。ですからきょうは議論しようと思いません。一つ一つ事態を解明するために、この次のあるいはその次の予算委員会で明確にするために、日商岩井、川崎重工などの皆さんに、具体的にイエスかノーか、あるいは事実か事実でないか、これだけ聞いていきたいと思っております。
 そういう意味で、前置きが長くなりましたが、以後の問題は簡単明瞭に聞きますから、答える方でもそういうふうにお願いをしたいと思います。
 まず最初に、大蔵省と通産省に対してお伺いいたします。
 大蔵省、資料は渡っているでしょうか。事務局で渡しましたか。渡っていますか。では聞きます。大蔵省と通産省に聞きますからね。これは通産省で結構ですが、もちろん輸銀の関係もありまして、両方答えてもらっても結構です。新韓碍子に関する輸出承認申請書及び同承認書、これはあなたの方に回っているこの申請書ですね。大蔵省の国際金融局長の判が押されている。こっちは通産省の判こが押されている。これはお認めになりますか。こういう申請書、間違いないということをお認めになりますか。
○森山説明員 ただいま先生の御指摘になりました点、先ほどコピーを拝見いたしました。通産省におきましては当時の輸出承認申請書及び許可書の原本はすでに廃棄いたしておりますので、確認はいたしかねますが、拝見いたしましたところ原本のコピーであることがおおむね想定されます。(安宅委員「おおむねとは何だ」と呼ぶ)
○旦説明員 ただいま拝見いたしましたこの資料は、国際金融局長に対しまして通産大臣から同意を求められました資料でございます。
○安宅委員 間違いありませんね。
○旦説明員 間違いないものと存じます。
○安宅委員 通産省は、おおむねというのはどういう意味ですか。
○森山説明員 先ほどお答え申し上げました点は、コピーを拝見いたしまして、私どもとしまして確認すべき方法がございませんでしたのでそういうふうに申し上げましたが、当時の担当課長の名前その他から見まして原本のコピーであるものというふうに考える次第でございます。
○安宅委員 輸出入銀行総裁、あなた、確認してくれますな。
○澄田説明員 輸出入銀行は金融機関という立場で、借り受けの希望者からいろいろな書類をいただいてこれを審査をいたしております。そういう立場におきましては、これはやはりそういう職務上必要な秘密ということでわれわれ承知をしているわけでございますので、それを外部に申し上げるというわけにはいかないわけでございますが、ただいま御質問の件につきましては、輸出入銀行も当時この写しをとっておったということがございまして、その写しと同じものであるというふうに推定する次第でございます。
○安宅委員 それでは、この申請書の下段に判こを押されていることと、それから各ページに割り印していますね。契印というのでしょうかね。これも確認していただけますか。あなた方の判こには間違いないということを確認していただけますか。大蔵省、通産省、両方とも答弁してください。――大蔵省だったら国際金融局長じゃありませんか。
○森山説明員 先ほどちょうだいいたしましたコピーの割り印のところは大変不鮮明でございますので、ただいま確認いたしておりましたが、なかなか確認いたしかねます。ただ、一ページ目に押されております割り印の半分程度がやや詳細になっておりますので、これから推測いたしますと、恐らく全ページとも原本のコピーであるものというふうに想定されます。
○安宅委員 この申請書の十七ページですが、ずっと後ろの方を見てください。「輸出に伴う工事等に係る費用の支払明細書」というのがありますね。十七ページページ数の十七というのが書いてあるのですが、ちょっと不鮮明かもしれません。後ろから二枚か三枚目です。これはあなたの方で、これと同じ申請書を出し、これに承認を与えた、これは間違いありませんね。
○森山説明員 通常輸出承認申請書を許可いたします場合に添付されます書類にこういった関係の書類を要求することになっております。したがいまして、いま御指摘の点は、この輸出承認をするに際しまして添付された資料というふうに推定いたします。
○安宅委員 その次のページですが、別紙様式第十四、これは「外国為替公認銀行支払承認」というのがありまして、ずっと書き込むようになるのだろうと思うのですけれども、これは貨物の輸出に伴って支払う費用の支出承認記録書であって、こういうものは必ずつけなければならない書類だと思いますが、これは御存しなわけですね。
○森山説明員 御指摘のとおりでございます。
○安宅委員 川崎重工の社長さん来ていますか。――実は、これは新韓碍子の中の鋳物工場の分野ですね、この部分について工事見積書というのがあるのですね。これを調査しろということになっていたが、調査はしてくれなかったようです。そして最近十二月になってから、輸出入銀行から、「標記の件、日商岩井株式会社の辻惣三郎常務取締役から説明を受けたところによると次のとおりであります。一 日商岩井株式会社は、川崎重工株式会社の協力を得て鋭意調査したが、標記見積書については、その出所自体確認できなかったとのことであります。二 日商岩井株式会社が川崎重工株式会社を通じ淡路産業に確認したところ、淡路産業は機械メーカーではなく、鋳物製品メーカーであるため、標記見積書に記載されているような設備の受注は不可能であるとのことであった。したがって、同社は鋳物製造技術に関して韓国からの研修生受け入れのための技術指導契約を川崎重工株式会社との間で締結した事実はあるが、標記見積書を作成した事実はないとのことであった由であります。」こういう返事がきのうかおととい私の部屋に届けられました。
 しかし、私は淡路産業に電話で聞いたことがあるのですよ、社長さん。私どもはそのことについて見積もりを求められたことがありますと、初めはそう言っておったのです。ところが、業界のいろいろなしきたり等がございまして申し上げられませんと、後で変わってきたのですね。ですから、このことは日商岩井の辻さんという常務から輸銀が聞いたのだそうですか、あなたの方では、川崎重工から淡路産業に対して、そのような鋳物部門もあるのだがどれぐらいの見積もりでいったらどうかという見積もりを出させた例はありませんか。
○梅田参考人 梅田でございます。
 ちょっと前もってお断り申し上げたいと思いますのは、私、その当時船舶の方をやっておりました関係でよくわからないので、いろいろ聞いてまいりました点についてお答え申し上げたいと思います。
 いま先生からの御質問に対して、私の方から見積もりをとったという記録も残っておりません。
○安宅委員 書類が残ってないという意味ですか。−それでは、朝日碍子の方には技術指導料といいますか、技術料といいますか、三千万円払った。淡路産業には幾ら払ったか、これは答えていただけますか。
○田中委員長 梅田参考人、おわかりにならぬことはおわかりにならぬと答えていいです。
○梅田参考人 お答えいたします。
 書類が残っておりませんので、幾ら払ったか、その明細についてはわかっておりません。
○安宅委員 それでは、当時の担当者は、そういうことをやっておった人は、いまはあなたの会社のどういう部門に転じているか、そういうことだけちょっとお聞かせ願えませんか。
○梅田参考人 現在、もう会社をやめておる人が大部分でございます。一部その当時の課長が現在残っておるだけでございます。
○安宅委員 後ろに来られておるのはその当時の課長さんですか。じゃあ課長さん知らないわけないのでありまして、朝日碍子は技術料を三千万円いただきましたと、この前正直にここで言っているのです。淡路産業さんは、あなたの方が金額からいって三千万円だとすれば、一千万円ぐらいじゃないかなと言ったら、大体そんなところじゃないでしょうかと答弁しているのですがね。課長さん、記憶を呼び起こすことはできませんか。課長さん、当時の課長さんですな。
○梅田参考人 コンサルタント料としましては大体一千万円ぐらいじゃないか、ぐらいの記憶しか残っておらないわけでございます。どこそこに対しては幾らという細かいことまでは記憶に残っておらないそうでございます。
○安宅委員 わかりました。
 それでは、日商岩井の河原さんにお伺いいたします。
 昭和四十一年六月三日付、「碍子プラント代金明細」と題する書面、この書類を知っていますか。
○河原参考人 河原でございます。
 存じております。あて先は三都碍子でございます。
○安宅委員 それから輸出承認申請書、先ほど通産省に聞きましたあれと同じものですが、これはあなたの方も確認なさるでしょうね。どうですか。
○河原参考人 ELにつきましては、これで確認いたします。
○安宅委員 それでは、一番最初に出ていると思いますが、これは三都碍子工業株式会社の社長宋栄淳さんに対してあなたの方でお出しになった文書ですね。「日本政府は、昭和四十四年八月二日付ELナンバーPRO−M−六九−一三〇三三をもって碍子製造プラントに関するわれわれの契約書につき輸出承認したことを御報告申し上げます。上記報告は、貴殿が最終的にさらに手続を進める必要がある場合にお役に立つものと確信しております。いろいろ御配慮賜り、ありがとうございました。」こういう文書なんですが、この文書はお認めになりますか。
○河原参考人 私が署名しておりますから、間違いございません。
○安宅委員 この署名はあなたのサインですね。
○河原参考人 はい、さようでございます。
○安宅委員 わかりました。
 それから、これもあなたが書いたのじゃないかと思うのですけれども、昭和四十三年十月一日付「新韓碍子プラント代金明細」と題する書面、この書面はお認めになりますな。
○河原参考人 この筆跡は私の字じゃございません。ただし、私の部下が書いたものだと思います。
○安宅委員 だけれども、ここにあなたの判こが押されていますよ。
○河原参考人 ですから、見たことは間違いございませんです。
○安宅委員 これは宋さんに渡したものでしょう。
○河原参考人 いや、当時私の方の社内のあれで、契約以前に一応契約の商品の内容についてつくったメモでございます。
○安宅委員 宋さんはこれを……。
○河原参考人 それとは関係ございません。それを宋社長に提出したわけではございません。
○安宅委員 じゃ、宋さんに渡ったのはどういういきさつですか。
○河原参考人 それは存じません。ここで私、いきさつについてちょっと御返事いたしかねます。
○田中委員長 発言許可を求めてからやってください。安宅君。
○安宅委員 これは宋さんに渡ったいきさつはわからないということですか。
○河原参考人 お答えいたします。
 宋さんの手に渡ったいきさつについては、私はいまここで御説明できません。
○安宅委員 宋さんはあなたからもらったと言っていますがね。
○河原参考人 私の方も、宋栄淳社長がそういうふうに言われたことについて、ただいまここでそういう事実があったかもしれないということは考えますけれども、事実、それをいまここで間違いなくお渡ししましたということは確認いたしかねます。
○安宅委員 記憶にないということでしょうか。渡したことも考えられるという意味はどういうことなのでしょう。
○河原参考人 残念ながら、記憶にないということでございます。
○安宅委員 昭和四十九年八月二日付日商岩井の裁判所に対する準備書面がございます。あなたの方に渡っていますね。この書類はあなたの方で間違いなく出したものですな。
○河原参考人 手前どもが委託しました弁護士が作成したものであることは間違いございません。
○安宅委員 弁護士はでたらめに書いたのではなくて、あなたの方がこういう主張をしているためにそれを聞いて弁護士が書いた、こういうふうに理解していいわけですね。――責任を持たないということですか、持ちますか。
○河原参考人 私の方の説明を聞いて弁護士が作成したものでございますから、私の言ったことを代表して、私の会社の言ったことを代表して弁護士が書いたものであることは間違いございません。
○安宅委員 そうしますと、これらの書類全部私は確認をいたしましたが、全部違うのですね、残念なことに。通産省に対する申請書並びに承認書、これに書いてある金額、それから先ほどずっと私が申し上げたもの、皆違うのですね。
 さらにこれはどうですか。昭和四十四年六月十六日「新韓碍子工業株式会社及び日商岩井株式会社/川崎重工業株式会社間打ち合せ及び確認事項に関する覚書」、これもここにありますが、あなたの方に渡っていますね。これは確認なさるでしょうね。
○河原参考人 確認いたします。川重と一緒に捺印してございます。
○安宅委員 川重さん、それは確認していただけますか、あなたの方は。――何か相談なさらなくてもいいでしょう、判こが押してあるんだから。
○梅田参考人 どういう書類か私、見なかったものでございますから……。
○安宅委員 あなたの方に渡っていなかったでしょうかな。――じゃ、ちょっといいですか。
○田中委員長 どうぞ。(安宅委員、書類を示す)
○梅田参考人 間違いございません。
○安宅委員 それで、こういうことですな。それぞれの書類に記載した機械の代金それからいろいろな必要経費、全部違うのですね。こういうことを確認いたしましたが、通産省、どうですか、皆違うのですがね。オーバープライスなんというのは、あなたの方の申請書には書いてないでしょう。こういう協定までしていますが、あなたの方、こういう食い違いはどういうふうに考えますか。
○森山説明員 私どもに輸出承認申請がなされますと、輸出貿易管理令の立場で、標準外決済による申請に際しましては、代金回収の確実性等を中心にいたしまして審査をしておりまして、価格面につきましてのチェックはいたしかねるという状況でございます。したがいまして、私どもは、輸出承認申請書に記載されたとおりの輸出が行われるというふうに了解をいたしております。
○安宅委員 それは幾ら了解してもまるきり別な、――たとえば申請書には、この機械ワンセットで二百八十四万四千九百ドル、こういうふうに書いてある。こっちの部分は皆違う。二百二十万になっているところもあれば、裁判所に出した準備書面も皆違うのですね。こういうことは裁判所に出しておるのですよ。あなたの方でどう言おうと、そういう金額で輸出をされていると了解をしておるなんと言ったって話にならないんだよ。どっちが本当か調査したことがありますか。
○森山説明員 私どもの立場といたしまして、輸出承認申請書を受け取りまして、審査をいたしまして、輸出許可をした後は、その調査は実施いたしておりません。
○安宅委員 河原さんにお伺いしますが、これはどっちが本当ですか。
○河原参考人 お答えいたします。
 取引の当初からちょっと立ち入りますけれども、川崎重工さんから委嘱を受けまして、契約書をつくりますときの機械の内容につきましてはいろいろいきさつがございまして、いろいろの品目が出ております。ですけれども、先般の委員会のときに私お答えいたしましたけれども、それはあくまで契約の内容そのものとは一致しませんというふうにお答えしてございます。メモにつきましては。ただしELを、輸出許可を申請しますときには、機械プラントでございますので、機械代に含めまして全部一本に申請いたしました。
○安宅委員 どういうことかわかりません。あなたの方は虚偽の申請を出したということですか。どういうことです。
○河原参考人 輸出許可申請書に出しましたのは、機械を全部網羅してございます。メモに書いてございますたとえばその他の費用とか、そういう問題については品目が確定しないので、機械代に含めて出したということでございます。
○安宅委員 機械代に何を含めて出したんですか。
○河原参考人 たとえば御説明申し上げますと、その中に副資材なんかもございますけれども、副資材の内容については、契約当時内容が決まっておりません。どういうものを出すかということで、当時、品物が決まりましたら、ELをその都度修正しまして、それを出すということに段取りしておりました。
○安宅委員 結局、ELを出してもらうために、あなたの方では最終的に申請を出したのはこの申請書でございましょう。実際に三社協定も全部申請書とは違った使い方――運用といいますか、使い方をしているじゃありませんか。前に打ち合わせたこと、それから三社協定などをやったこと。だから、通産省に出したものとは大変違って、うその申請を受けてあなた方は許可したということになりますな。どうですか通産省。
○森山説明員 先ほどお答え申し上げましたとおり、私どもといたしましては、輸出承認申請がございまして、代金回収その他につきまして、確実な担保があるという心証を得ました上で許可をいたしているわけでございまして、その後、具体的にどういう輸出が行われたかにつきましては確認をしていないわけでございます。
○安宅委員 いま同じ書類を全部あなたに出したのです。実際違っているじゃないか、見ただけでわかるでしょう、子供じゃないのだから。確認してないとかしているとかの問題ではありません。いま河原さんがまたそういうふうに答弁しているでしょう。虚偽の申請を出されたということを、あなたは担当官として、当然これはおかしいぞと思うのはあたりまえじゃないでしょうか、どうですか。
○森山説明員 私どもは、先ほど御答弁申し上げましたとおり、この申請どおりに輸出が行われておるというふうに了解をいたしておりますので、そういう事実でない形で輸出がされておるとすれば、大変遺憾だというふうに思います。
○安宅委員 何回も私聞いていますが、いろいろな書類四つほど河原さんに聞いておるのですが、同じものをあなたに渡していると思います。おかしいなと大体あなたは思わないのですか。そういうふうになっているとすれば遺憾である、すれば遺憾であるということではないでしょう。虚偽の申請を出したということにあなたは気がつかないのでしょうか。私から資料として出したものを全部比較検討すれば、あるいはまた、私は四つほど確認をずっととってきましたが、機械代金だって皆違うのです。あなたのところに行っている資料を見たら違うでしょう。それはおかしいじゃないかと思わないのですか。そうなっているとすればはなはだ遺憾でありますとはどういうことですか。
○森山説明員 私どもの立場といたしまして、先ほど先生からお渡しいただきました資料の点につきまして確認をいたしかねておりますし、また先ほどからの参考人の方のお話をいろいろ聞いておりますけれども、具体的に私どもの許可いたしました輸出承認との相違については、私もそういう相違があったのではないかというふうにいま考えておるところでございます。しかしながら、先ほど河原参考人から御答弁のございましたように、機械代金の一部の中におきまして、副資材等の変更があったというようなことは確認できかねますので、その辺につきましてのコンファームがいたしかねますので、私どもとしましては、そういう事実があればまことに遺憾であるというふうに答弁したわけでございます。
○安宅委員 河原参考人がそういうふうに言ったのでおかしいなと思った、こういうふうに理解していいですね。
○森山説明員 私どもとしましては、先ほどの参考人の方の御答弁の趣旨がよくわからないというふうに申し上げたわけでございます。
○安宅委員 答弁がわからないかしらないけれども、書類は見たらわかるでしょう。皆違っておるということだけはわかるでしょう。どうですか。
○森山説明員 おっしゃるとおりでございます。
○安宅委員 それでは、二百九十九万九千七百五十ドルという総額だけは合っているのです。機械代金は皆違う。それから三社協定などによってオーバープライスだとか、いろんなあれが入ってくる。そういうことは内容が全部違う。どれが一体真実なのか。あなたは申請書として出されたもの、認可を与えたものが真実だと思っておる。具体的に言うならば、裁判所に日商岩井側が出した書面、だてやおろそかに出した書面ではありませんね。これはまるっきり違っておるでしょう。いいですね、わかるでしょう。日商岩井としてはそれが真実だと思って出しているんじゃないですか、どうですか。虚偽の申請を出されたというふうにあなたは理解できませんか。
○森山説明員 虚偽の申請かどうかという問題につきましては、ここで私の口からお答えする確認の方法がございませんので、ただいま先生から御指摘のとおり、裁判所において争われている金額と輸出承認申請書に記載されました金額の食い違いがあるということは、私もここではっきりと確認したわけでございます。
○安宅委員 だから、あなたの方にもうすでに申請して出したのと、事もあろうに裁判所に出している書類と違うのですから、裁判所に出した方が実際のやったことではないでしょうか、裁判所に出したくらいですから。あなた、そういう理解できませんか。
○森山説明員 裁判所に出されました資料と、私の方の輸出承認書に記載された資料が違うということは確認いたしますけれども、どちらが真実の姿ということは、私どもは事実関係を調査いたしておりませんので、ここでお答えをしかねるわけでございます。
○安宅委員 それでは、虚偽の申請が出たということが明らかになった場合は、どういう処理をあなたの方の官庁としてはなさるのでしょうか。
○西山説明員 輸出申請の内容が虚偽の申告であったことが判明した場合には、しかるべく処分をすることになっております。
○安宅委員 しかるべくとは何ですか。どういうこと、どういう処置をとるか、しかるべくでは答弁にならない。
○西山説明員 虚偽の申請自身につきましては、輸出貿易管理令上の罰則はございません。したがいまして、申告をしないで輸出をしたという点につきましては罰則があるわけでございます。
○安宅委員 ちょっと聞き漏らしました。もう一回お願いします。
○西山説明員 私どもが輸出価格のチェックをします場合は、これは一つのケースがあるわけでございます。それは輸出秩序を維持するため、一定の価格以上で輸出するべきであるとわれわれが判断した品目につきまして、価格のチェックをしておるわけでございます。したがいまして、その他の品目につきましては、価格のチェックをしないで承認をすることになっております。今回のケースは、その価格のチェックをしないという方になっておるわけでございます。
○安宅委員 ちょっともう一回お伺いしますが、さっきこの申請書の十七ページということを私言いましたが、これは「仲介貿易代金 無し」と書いてある。間違いありませんね。
○森山説明員 先ほどちょうだいいたしましたコピー、原本のコピーと思われますので、間違いないものと思われます。
○安宅委員 河原さんにちょっとお伺いします。二百九十九万九千七百五十ドルの機械代金といいますか、そのうちの一〇%である二十九万九千九百七十五ドルは日商アメリカへ送っているのですか。それから建設資金四十五万ドル、あなたの方では貸していますね。その一〇%も九〇%も、当面はアメリカ日商に送金されているのではないですか。
○河原参考人 御質問の趣旨がちょっとよくわからないのでございますけれども、アメリカには送金しておりません。
○安宅委員 それじゃ、どこに送っているのですか。
○河原参考人 頭金の一〇%につきましては、新韓碍子と日商岩井米国の間でローンアグリーメントがつくられまして、それでその新韓碍子の名前で東京に送金されてきております。ですから、日本からアメリカには送っておりません。
○安宅委員 つまり、日商岩井が四十五万ドル融資をしてあげますと言ったんですが、現実には当時の日商アメリカ・コーポレーションと新韓碍子との契約で行われた。だから日商岩井さんは、その後の決済は一体どうなるんですか。全然関係ないですか、在外法人だから関係ないということになりますか。あなたの方は何か操作しなければ、あとつじつまが合わなくなるんじゃないですか。
○河原参考人 頭金の二十九万九千何がしという金額は、返済は外換銀行のLGによって韓国からニューヨークに直接送金されております。それで四十五万ドルも同様でございます。ですから日本側、日商岩井東京には、関係ございません。
○安宅委員 そうすると、おかしいじゃありませんか。アメリカ日商が貸した、あなたの方では、だからアメリカ日商と日商岩井本社との間に、最終的な始末をつけなければならないでしょう、これ。どうなんですか、それはどういう手続によっているんでしょうか。
○河原参考人 実際にはお金の流れは、いま申し上げましたように、頭金は新韓碍子が借りましたもの、新韓碍子がニューヨークから東京の日商に送ってまいっております。それから四十五万ドルにつきましては、工事代金でございますから、日商岩井米国がソウルに直接送金しております。それをファイナンスして差し上げたわけでございます。それが支払いスケジュールによって返還されているわけでございます。
○安宅委員 最後にお伺いいたしますが、これは最初の融資契約書というのがあるのですが、委員長、ちょっといいですか。――(書類を示す)頭金の契約の書類があります。いま確認いたしました。ところが、この金利は六%という契約になっているのですが、あなたの方は一〇%取っているのじゃないですか。あなたの方かアメリカ日商かどっちか知りませんよ。それから四十五万ドルもそうじゃございませんか。
○河原参考人 お答えいたします。
 二十九万九千のローンアグリーメントの金利は六%でございます。実際に、当時はわれわれとしてはリスクも考えまして、その分は結局われわれの東京の方で、ある程度計上した次第です。ですから、六%では本当は採算はとれてないはずでございます。
○安宅委員 いや、そんなことば聞いていませんよ。六%という契約をちゃんとしておるけれども、実際は一〇%取っているのでしょうと聞いているのです。これは裏利みたいなものですな。商道徳上、そういうことをやっていいのかどうかということです。
○河原参考人 実際には当時のニューヨークの金利も、六%では、これは手金でございまして、六%で当時もニューヨークは借りられるわけばございませんで、特別な便宜を図ったような金利でございます。私の方は、こちらで一〇%として、一応基準としてそれだけ利益を積み増しした次第です。以上です。
○安宅委員 言いわけはいいです。言いわけは何も聞かぬでもいい。
 そして、これはだれのサインなんですか。
○河原参考人 社長でございます。
○安宅委員 間違いございませんな。社長のサインですか。――ですから、そういうことは、もしなんだったら、どうせあなたの方が輸出代行商社なんですから、何もアメリカ日商から融通しなくても、外為法上あなたの方が一つの条件のもとにこれを融資したり、そういうことはできたんじゃないでしょうかね。そうじゃないのですか。
○河原参考人 当時の事情としては管理法上できないはずでございます。そういうふうに了解しております。
○安宅委員 通産省、これはできないですか。――わからないんですか。
○西山説明員 恐縮でございますが、ただいまの御質問の趣旨、十分聞き取れませんでしたので、一応われわれが了解しておる範囲では、頭金はキャッシュでなければいけないと了解しておるわけでございます。
○安宅委員 これは、頭金はキャッシュでなければならないのはあたりまえだ。だから、日商岩井は立てかえてくれたんでしょう、要するに。ところが、それは日商岩井そのものがやれたんじゃないですかと聞いているのですよ。そういう輸出するときの一つの条件さえも、了解をつけて役所に申請すればできたはずじゃないですか。何もアメリカ日商に送ったりごまかしたりする必要はないんじゃないですかと、こう言っているのです。そして六%の契約をちゃんとやっていて、あなたの方の指図でこういう契約を結ぶように頼んだんでしょう。六%の利息とちゃんと書いてあるよ、これに。それで一〇%取っているじゃないかと言ったら、採算が合わないから何とかした、それは機械代金や何かに皆上乗せになってしまうことになりますな。だからおかしいじゃありませんかと聞いているのです。
 通産省、そういう手続はとっても許可はできないということになりますか、キャッシュでなければならないのはあたりまえの話です。日韓協力の一つのカテゴリーの中で、当然その頭金を、あるいは四十五万ドルの建設資金を日商岩井が融資するというふうな場合に、外為法上許可をするわけにはいかぬということなのかどうか、これはちょっともう一回答弁願います。
○旦説明員 御質問の趣旨を解釈いたしますと、日商岩井のアメリカの現地法人と新韓碍子との間でございますれば、外為法上関係ございません。御質問の御趣旨が日本の日商岩井本社から新韓碍子に対して貸し付けができるかという御趣旨でありますと、もし経営参加をするというようなことで海外投資ということでありますれば、これは原則として自動的に許可をするということになっておりますが、それ以外の場合には現状では許可をいたしておりません。
○安宅委員 それでは大体きょうは、そのいま確認をしたことは非常に重要なことです。したがって、調査をいたしますとか、調子のいいことをいままで答弁しておりましたね。そうしたら、実際にどういうふうなことをやって機械代金などが支払われたりいろいろなことをやったのか、申請書に出したものが違うのか違わないのか、調査したことはないというあなたの答弁でしたね。
 輸銀の総裁、あなた方は金は貸すけれども、その貸した金がどんなになろうとも全然構わないという、珍しい金融機関が世の中にはあると思うのですが、これはやはりそのとおりですか、あなたも。
○澄田説明員 ただいまの御質問の趣旨を私はよく了解いたしておりませんですが、仮に輸銀が、本件の場合はこれは日商岩井に融資をしたわけでございます。したがって、金融機関の立場においては、その借入人を通じまして、本件の場合でありますと、輸出されました機械等が現地におきまして組み立てられ稼働し、あるいは会社が経営されるということについて関心は持っておりますが、金融機関の立場としては借入人を通じてその状況をフォローするということでございまして、そういう意味において本件の新韓碍子のその後の状況というものについては関心を持っておりました。
○安宅委員 とにかくおかしな銀行ですね、そう思いませんか。たとえば、あなたの方では、輸出代金に加わるような、あるいは融資の対象にならないと思うような、そういう部門は削って、頭金を差っ引いた残りの八〇%を輸銀が貸すのです。あとの二〇%は協調融資で別な銀行が貸すのです。そういう経済協力のために、これらの品目は融資の対象にならないと思うようなものは査定しました、それが一〇%である、こういうことを言っているのですね。あなたの方は前からそう言っているのです。たとえば何々を査定したのですか。査定をする基準があるのですかどうなんですか。
○澄田説明員 プラント輸出は、御承知のように内容は千差万別でございまして、いろいろな機械、技術、そういったものの総合体でございます。したがいまして、プラント輸出の融資に当たりましては、そのプラントの輸出に必要なもの、たとえば機械とか資材代金とか技術者の派遣費、海上運賃、そういったような必要なものを融資の対象とするということで、多年経験等によりまして審査をいたしている次第でございます。
○安宅委員 そういう答弁ではどうにもなりませんね。きょうは、だから私言ったのですが、確認をしておくこと、確認をなさったことが将来この問題を取り上げるために非常に重要なことだという前提で私は言っているわけですが、この日韓経済協力の問題について言うならば、いま地下鉄の仕組みがずっと暴露されてきましたね。同じようなことを私は必死になっていままで追及してきたのですね。地下鉄のおかげさまで、本当に日本の海外協力というものが、特に日韓経済協力というものがどんなに黒い癒着があり、汚い部分があるかということが明らかにされる日が、そう遠くはないと私は思っているのです。
 そこで、米国の在外法人を使って頭金を融資する。そして六%といいながら一〇%の利息をとっている。こういうところが、この貿易条件の違いというものを悪用をして、なぜ在外法人を使うかというと、何と言うことはない脱税でしょう。そしていま言ったように暴利をむさぼっていて、そして高金利でこういう外為法すれすれのことをやって、それでしか日韓経済協力ができないとするならばこれは重要なことだ、私はそう思っています。河原さん、やはりそういう意味で言うならば、きょう四社連合の方に申し上げますが、同じような仕組みで、たとえばコミッションなどというのはないことになっていますね、新韓碍子の場合には。地下鉄はあったんだそうでございますが、やはりそういう外為法や何かのすれすれの脱法行為みたいなことをやらなければ、いまはどうかわかりませんよ、当時の日韓経済協力というのはできなかったんだ。もうそれは商慣習になっておってあたりまえになってしまっておるんだ、こういうお気持ちなんでしょうか。それをずっと聞いてみたいと思うのです。河原さん、先に答弁してください。
○河原参考人 私も当時一介の担当者でございましたし、そこまで、非常に高い次元のことまで全然考えておりませんでした。以上です。
○安宅委員 では社長だ。
○植田参考人 お答えします。
 先ほどの御質問に対しては、われわれはそういうふうなことは考えておりません。
○安宅委員 いま四社連合と私言いましたから、ついでにあとの三人の方から御答弁がいただけますかな、委員長。
○田中委員長 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
○田中委員長 速記を始めて。
○安宅委員 ただいま私が質問したことは、日商岩井さんに聞きましたが、ちょうどいいことに三菱、三井、丸紅さんもおいでになっていますから、日韓経済協力に関しては、いろいろな機械代金や何かと申請書には書いておっても、それに上乗せをして、工作費とか何かにそれを積み増しする、あるいは頭金を外国法人へ送ってやらなければならない、そういういろいろな外為法すれすれのやり方とか、その工作費などを浮かすためには当時は相当際どいこともしなければならなかった、そういうふうに私は理解しているのですが、お三方の感想をお聞きしたい、こういうことです。三菱さんからお願いします。
○田部参考人 三菱商事の田部でございます。
 ただいまの御質問でございますけれども、われわれ商社も、やはり国家の目的に沿った活動をいたしております。したがいまして、日韓経済協力、こういうことについてもできるだけその線に沿いたい、こういう方向で動いております。しかしながら、御指摘のような非常に込み入った複雑な仕組みをしなければ商売できないのか、こういう御質問に対しましては、われわれはできるだけそういうことなくて商売したい。ただ、われわれの目的とするところは、国家のためにもわれわれの会社のためにも、よそに商売をとられることなくわれわれがとりたい、こういうことでいろいろ工作するわけでございます。ですからやむを得ざる場合以外には変な工作費なんかは払っておりません。以上でございます。
○安宅委員 よくわかりました。どうぞ三井さん。
○塚本参考人 三井物産の塚本でございます。
 ただいま田部社長がおっしゃいましたとおりでございまして、日韓経済協力に限りませず、一般的にそういう工作費用というようなものは原則的にやらないというつもりでやっておりますが、多少そういうものがなくてはできないというような商売もあることも事実でございます。
○安宅委員 丸紅さん。
○松尾参考人 いま三菱商事さん、三井物産さんからお答えになりましたと同様の考えでございますが、御存じのように、現在の法規上は一割は仲介料として一応支払うことが認められておるのであります。したがって、これはいろいろ競争関係その他によってそれが可能である、可能でないという場合もございますが、競争上必要に応じて一割の範囲内、三%の場合もありますし、五%の場合もありますが、そういう仲介料を払っていることは間々あることは事実でございます。
○安宅委員 委員長、どうもありがとうございました。
 最後に、三菱、三井、丸紅、日商岩井など、商社の代表が、そういう工作は原則としてはやらないけれども、やらざるを得ないのが現状だという趣旨の答弁でありますから、これを一体どうするかということは国会の今後の任務ではないかと思いますね。競争するときには相当、勝つためにはいろいろなことをやらなければならないということは、私ども一体どういうふうにしたらいいかというのは別として、ある程度何かやらなければならないかなということを頭の中で描いておりますが、しかし、それは汚い形でやられておるというのは非常にまずいことじゃないでしょうか。
 最後に、国税庁長官に聞きますが、あなたの方は、新聞によれば、三井は幾ら、三菱は幾ら、脱税というのでしょうか課税をした、そういうことを新聞に発表なさっていますが、あれは発表しなくても新聞は書いたのですか、どうですか、国税庁長官。
○磯邊説明員 それは現在出ておる地下鉄問題等に関連してでございますか。――それは私たちが発表したものじゃありません。
○安宅委員 発表した覚えはない。
○磯邊説明員 はい、ありません。
○安宅委員 新聞社はどこから――国税庁か発表していない限り、だれかが発表しない限り、税金をどこからどういうふうにして何ぼ取られたなんということ、あれは国税庁筋から聞いて明らかになったと新聞に書いてありますが、長官は発表しなくとも筋の方が発表したのですかな。
○磯邊説明員 それはむしろ私の方が調査して真相を確かめたことであります。しかし、新聞のニュース源でありますから、なかなかその実態がわからないというのが実情でありまして、私たちが発表したものではございません。
○安宅委員 おかしな話ですね。まあとにかくそういうようなことで、あなたの方では使途不明金やなんかということは調べておる。そうすると、国税庁はそれに課税すればよろしい、ただそれだけなんですね。しかし汚い工作費やなんかというのは、あるいは商売とは全然関係ないようなところに工作費が使われているということがだんだんと明らかになってくる、そういうときには、一体課税だけじゃなくて、今度は法務省なりそういうところが動かなければならないような仕組みをつくらなければ、とうていこういう問題は解決できないと思いますが、私は、きょう最初から言っているように、一つ一つ確認をとっておいて、さらに研究してこの問題について今後もやりたい、こう思っております。
 以上で終わります。
○田中委員長 次に、大出俊君。
○大出委員 大出俊でございますが、皆さん大変お忙しいところをお運びいただきましてありがとうございます。三菱の社長さんには先般にもおいでをいただきましたが、重ねてどうも御苦労さまでございます。
 私は、実は地下鉄の関係につきまして前後六、七回、本委員会等を通じて取り上げてきておりますので、国民の皆さんが持つ疑惑というものもございますし、あるいは商社活動を責任を持っておやりになっている皆さんの立場からいたしましても、いつまでもこういうことが尾を引き続けるのでは、大変やりにくいことになるだろうという気もいたしますし、かつまた、詳しく調べておりますだけに、国際競争というものの激しさといいますか、むずかしさと申しますか、インドネシアのようなところにいたしましても、韓国にいたしましても、それなりの実態を調査しながら見ますというと、大変な御苦労をされていることもあわせてよくわかるわけでありまして、そういう意味で、この国、日本の国益を含めてどうしなければならないかということで私自身も大変苦慮しているわけでありますが、ただ、しかしながら、やはり国民の許容する限度というものはあると私は思うわけでありまして、そういう意味で、きょうはひとつ決着を一つずつつけさしていただきたい、こう思っているわけであります。
 ただし、大変時間がなくなりまして、長く、たくさん承りたいのでありますが、本当に短い時間になってしまいましたから、そういう意味で要点を逐次申し上げますので、お答えをいただきたいと存じます。
 最初に協力基金にちょっと承っておきたいのでありますが、先般この委員会で私は、ソウル地下鉄、ソウル市並びに鉄道庁でありますが、この入札をめぐりまして資料を提出をいたしております。矢次一夫さんをお呼びいただかなかったことを大変残念に思っておりますけれども、あの方がお書きになっている「新国策」などというものの中に詳しく記載されておりますから出したのであります。
 一体本当に入札になっていたかどうかということ、外国と争いまして四社連合が横断鉄道等の失敗を繰り返したくないという御苦労のもとに、ようやく商社連合で円借款を決めさせて、入札に持ち込む。これは四社連合を相手にして、後ろについているメーカーもわかっているのでありますから、太刀打ちできるのは日本国内にはないはずであります。なぜならば、円借款がまとまれば、タイドのローンでありますから、日本の製品しか買えないからであります。
 ところが、入札に当たりまして海外物産という商社が入り、崔何がしという韓国の方が一人中に入り、元軍人だ云々だと言う方がいますけれども、見積もりは富士重工がやる。これは地下鉄を手がけたことがない、車両を手がけていないわけでありますから、そういう意味では無理なんでありますが、なぜ一体そういう両方とも――つまりソウル市も鉄道庁も両方とも二つの入札になっているわけであります。これは時間がありませんから言ってしまいますけれども、この窓口になっている韓国調達庁の規則によりますと、一社で入札した場合にはやり直しになっております。二社でなければならないということで、どこがどう工作したか知りませんけれども、海外物産といった聞いたこともない名前の小商社を入れて、背景に富士重工の見積もり、それにわずかな五%ばかりの
 マージンを上乗せをした形で入れて、結果的にそっちが四百万ばかり高いということで四社連合に落とすということになった。この入札を一体協力基金の側で、入札になっていないと私は指摘しているのですけれども、ここまできたらお認めになりますでしょうか。細かく調べてありますが、申し上げている時間がないので、ずばっと聞きますから、お答えをいただきたいのであります。
○石原参考人 お答えを申し上げます。
 私どもの承知いたしておりまするところでは、地下鉄の分につきましては二社、国鉄の分については一社が入札に参加したというふうに聞いております。ただいまおっしゃいました一社の場合には入札は実行しないんだというふうになっておるという話は、私、実は承知をいたしておりません。
○大出委員 大体どういう入札だったかがわかればいいので申し上げたのでありますが、時間を節約をいたします。当時の責任者でなくておかわりになったばかりでありますから、御無理なことは申し上げないことにいたします。
 つまり、指摘しておきたいと思っておりますのは、つくられた入札であって、実際に陰で話はすでに先行してついていて、四社連合に落ちていくようにできていた、こういうことであります。これは四社の方お見えになっておりますが、後でもし御意見があればそこはいただきたいのでありますが、その実情はおいおい明らかにできるだろうと思っております。そこで、具体的な数字について確定をしたいのであります。つまり、それはどのくらい商社の皆さんが利益をお上げになったのかということ、これをひとつ明らかにしておきたいのであります。
 ある新聞には二十二億円、ある新聞には、けさの朝刊を見ますというと「粗利益19億円に 本社調べで判明」こういう表題になっているわけであります。片方の新聞には、「四商社の利益は22億円ソウル地下鉄工事で判明 設備機材費も疑惑」こうなっているわけであります。
 そこで、これは私は個々に限定して確定をしたい。つまり、先般三菱の田部社長さんにお見えいただきましたときに、メーン商社である三菱さんと日立製作所との間に、車両メーカーとの間に契約をお結びになった金額が五千百五十万円、一車両当たりございましたね。これはお認めになっておられます。このときの三菱さんの側の六十両、合計お持ちになりましたが、二億円後から丸紅さんの方の側から入れておりますけれども、この三菱さんの利益を私がお聞きいたしまして、社長さんからお答えいただきました結果、私の計算でいくと大体一〇・九%、ひょっとすると一一%近い利益率になる。にもかかわらず、申請の段階では、二%という申請をなさっている。この間の事情等についてもお触れになりました。
 今回私が承りたいのは、その五千百五十万の日立さんとの契約金額の下のところ、これはひとつ除きまして後から申し上げたいのでありますが、ここから上のところ、つまり商社の皆さんがかかわり合っておられるところ、ここの利益、私の計算によりますと、けさの新聞に出ております粗利益十九億円、粗利益とあえて申し上げますが、これが私は、結論として私の調査結果としては正しいのではないか、こう思っております。ところで、二十二億円、こう言っておる方もありますし、ここに私が持っております。紛れもない細かい内部計算をいたしております資料がございますが、これは各商社の方々の利益その他に至る、売り上げから何から全部ございますけれども、この資料によりますと、この資料の一番末尾にある総計、つまり利益総額、粗利益の総額は十七億七千八百万円、こうなるわけであります。ところが、これは後から承りますけれども、丸紅さんの利益が少し少ないのではないかという気がいたします。そこらを一億五千万程度上乗せをいたしますと、先ほど私、十九億円と申しましたが、十七億七千八百万円に一億五千万ばかり上積みいたしますと、おおむね十九億になる。
 それからもう一点、チャンイル・エンタープライズという会社が出てまいりました。このチャンイル・エンタープライズの側に二億二千万お払いになった。何遍も皆さんがお払いになっておられますが、こちらの方でいきまして、この二億二千万円、これを損金だという計算をすると、これは少し金額が変わってくる。つまり、損金でなくて、これも利益だ、チャンイルはトンネル会社だから。こう見ると、二億二千万上乗せいたしますから、ない。となると、真実はそこにしかない、一つしかない。そういう意味で、各社の利益が一体どのくらいの金額になっているのかということをまず皆さんに承りたいのであります。
 そこで、総額と各社の利益、二つございます。この数字が妥当かどうかという点を田部社長さんに御答弁いただきたいのでありますが、電車で申しますと、これはソウルそれから鉄道庁、二つの契約になりますが、電車の六十両、これが三十八億三千七百万円、この粗利益が三億八千三百万円、それから鉄道庁に入りました百二十六両、これが契約額でいきまして八十億一千百万円、この粗利益が六億九千百万円、こうなります。六十両分の契約額三十八億三千七百万円と百二十六両分の契約額八十億一千百万円、合計六十両と百二十六両の契約額は百十八億四千八百万円になります。これに見合う利益が、粗利益で、片や三億八千三百万円、片や六億九千百万円、合計十億七千四百万円になります。これが車両の分であります。電車の分であります。十億七千四百万円、これが粗利益だと考えられる。
 それから、レールであるとか変電であるとか、信号であるとか通信であるとか、あるいは工場であるとかあるいは電気機器であるとか架線であるとか、この機材の分、これもソウル向けと鉄道庁向けに分かれております。車両がそうでございますから。ソウル向けが二十三億八千六百万円、鉄道庁向けが四十三億二千四百万円。これに見合う粗利益が、ソウル向けの二十三億八千六百万円に見合うものが二億三千六百万円の粗利益になっております。鉄道庁向けの契約額でいう四十三億二千四百万分に見合う粗利益が四億六千八百万円。したがいまして、ソウル向け、鉄道庁向け合計した契約総額は六十七億一千万円でございますけれども、これに見合う利益が、いま指摘いたしましたように、合わせて七億四百万円になります。したがいまして、電車、車両の分の十億七千四百万円とレール、変電、信号、通信、工場、機器、架線等の機材の分の七億四百万円、合計をいたしますと、ここに十七億七千八百万円という利益が出てまいります。粗利益であります。これにチャンイルに払うべき金を払わないでも済むということでお考えになったのではないかと思う丸紅さんの利益等々が一億五千五百万円ぐらいあるのではないかと私は推定をいたしておりますが、それを入れますと十九億三千三百万円という金額になる。これが私の手元にございます資料によって計算をいたしました商社の皆さんの利益総額でございます。この利益総額を、メーン商社でおいでになる
 つまり三菱の田部社長さんがお認め願えるかどうか。もしお認め願えなければ中身に触れざるを得ないのでありますが、できれば私は余り中身を申し上げたくないのでありまして、いろいろ差しさわりがあってば御迷惑だと思いましたから、印刷をして差し上げないで口頭で申し上げたのですから、その点をごしんしゃくいただきまして御答弁いただきたいのです。
○田部参考人 ただいまの粗利益の御質問でございますけれども、きょう多分そういう御質問があると思いまして数字を書いてまいりました。私自身詳しいことはもう当全然知りませんでしたので、今回全部調べ上げてまいりました。
 ただいまの電車並びに機器類、それについての粗利益は、御指摘のとおり私の持っております数字によりますと、もうぴたり十七億七千八百万円、合計でございます。ただし、これは私どもの方の会社の粗利益は正確に数字を持っておりますけれども、私ども以外の三社の粗利益のそれぞれの数字については、私どもの方としては、あらましはこれで間違いないと思いますけれども、正確なととろは多少どうかという疑問も残るわけでございます。以上でございます。
○大出委員 これは私ずいぶん長く調べてまいりまして、まずもって間違いはない、こういう確信を持っておりますからずばり申し上げたんであります。
 さて、そこで問題は、お認めいただいたわけでありますが、後から承るチャンイル・エンタープライズなる会社との関係がございまして、丸紅さんが、機材の方は別として、車両、電車についてチャンイルを使っていないとすれば、利益が変わることになる。ここが、私が申し上げた一億五千五百万ばかり丸紅さんに利益を上乗せをせにゃいかぬのじゃ、ないか。そうすると、いま田部社長さんがお認めになった十七億七千八百万円に一億五千五百万円を上乗せをする。そうなると、私の計算では、総額は十九億三千三百万円。けさの新聞に十九億円ぐらいになるのじゃないかという新聞記事がございましたが、そういうことになりはせぬかという気がするのであります。それから、先般の別な新聞記事に二十二億というのがございますが、チャンイルに二億三千万円払っておりますから、四社連合の方々御了承の上で払っておいでになりますが、これを入れますと、これまた全く架空な数字ではない二十二億近いものになる。だからますますもって私が持っておるこの数字は間違いない、こういうふうに思っておりますので、個々の商社の皆さんの利益を承りたいのであります。
 時間の節約をいたしまして、必要ならば幾らでもこれはまずいところは抜きますけれども、御迷惑かけますから。ここで私、確認を求めたいのであります。皆さんの利益は体幾らだったのだ。まずもって三菱さんに承りたいのでありますが、ついでと言っては申しわけありませんが、わかりやすいように説明をするために申し上げておきますと、この数字をお認めになりましたから、三菱さんについては途中の利益を足していきます。これはこの間の社長さんお見えいただいたときに確認をしておりますけれども、三菱さんがソウル地下鉄六十両分受け持ちになりました。これが粗利益で一億五千三百万。それで割り返しの形で丸紅さんに八千六百万、物産の皆さんに七千二百万、日商岩井さんに七千二百万お金が行っている。三菱さんは一億五千三百万。そして韓国鉄道庁分、丸紅さんが幹事商社でありますが、百二十六両分、こちら側から三菱さんは二億円を割り返しをしてもらっておられる。だから一億五千三百万の利益に鉄道庁分の割り返しの二億円、これで三億五千三百万円になります。それから機材の分、ソウル地下鉄の機材、ここで三菱さんは七千二百万の、つまり扱い部分に対する利益を得ておられます。それから韓国鉄道庁分の機材、ここで扱い分の一億五千四百万の利益を得ておられる。ということになりますから、全体を合計いたしますと、三菱さんは五億七千九百万というのがほほ粗利益の総額ではないか、こう思うのでございますが、いかがでございましょう。
○田部参考人 お答え申し上げます。
 私どもの方の関与した部分の粗利益は、私が持ってまいりました数字も御指摘のとおり五億七千九百万となっております。以上です。
○大出委員 さてそこで、ほかの方は言っていただかぬと私はわからぬのでありますが、丸紅さんは一体利益を幾らおあげになりましたですか。粗利益で結構でございます。お答えいただきます。お答えいかんによって私の方で質問を続けます
○松尾参考人 どうも私もこれはにわか勉強でまことに申しわけないのですが、非常にややこしいあれでございまして、私どもの売り上げ……(大出委員「利益総額だけで結構です」と呼ぶ)利益総額も段階によって非常に多々ございまして、一応売上利益としては六億三千万円になっております。
○大出委員 いま六億三千万という社長さんからのお話でございました。私の計算で四億五千百万になり、チャンイルにお払いになっていない電車扱い分一億五千五百万を入れますと、これまた六億を超えます。したがいまして、六億三千万ということでございますから多少の相違がございますけれども、おおむねそういうことになると存じます。
 それでは物産の皆さんに粗利益で結構でございますが、利益総額をひとつ伺いたいのであります。
○塚本参考人 私どもの方の担当営業部、会計部につきましてできるだけの調査をいたしました結果、本件に対します粗利益は三億七千四百万という数字が出ております。
○大出委員 私の数字も実は三億七千四百万でございます。
 日商岩井さんも恐らくいまと同額ぐらいではないかと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
○植田参考人 手前どものタッチしたプロジェクトに対する総利益、これは三億七千四百万になっております。
○大出委員 同じではないか、大体そんな額ではないかと思いましたら、これまた三億七千四百万で同額でございます。そうすると、もう一遍申し上げますが、三菱さんが五億七千九百万、お認めいただきました。丸紅さんが六億三千万、私の計算よりは少し多うございますが、私の方も六億を超えておりますから、そんな大変な開きではありません。恐らく支払うべき金を支払わないで済んだ分があって、その金の計算が私は一億五千五百万と計算しておりますが、あるいはもう少しあったのかもしれない。そこらが違うわけであります。それから物産の皆さんが三億七千四百万、日商岩井さんも三億七千四百万となりますと、この合計は、さっき田部社長さんにお認めいただきました十七億七千八百万を、丸紅さんとの数字の違いだけが上回る、こういうことになる。約十八億円近い。ところで丸紅さんの六億三千万が入ってまいりますと、ネットになっております丸紅さんの利益は四億五千百万なんでありますが、丸紅さんを四億五千百万で計算すると、利益は田部社長さんの言っておられる十七億七千八百万になる。丸紅さんの四億五千百万が実は六億三千万だったとすると、その差だけが十七億七千八百万に上積みされる。そうなると、これは十九億を超えてしまう。私はさっき十九億三千万と言いましたが、約十九億六千万ばかりになります。つまり、丸紅さんの利益が四億五千百万ということになるのが、六億三千万でございますから、こういうことになる。そうすると、この利益率は一体どのくらいになるかというと、一〇・五%を超える。これは容易ならぬ利益率でありまして、本来タイドの円借款でございますから、日本の製品しか買えないのでございますから、二%か三%というのが常識であります。だから、三菱さんも申請書には二%と申請をされておるはずであります。
 さて、ここで問題は二つございます。時間がございませんから急ぎますが、チャンイル・エンタープライズなる会社に、何遍にも分けて、その都度式に金をずっと払っておられる。外換銀行のアメリカの支店であります。などに払っております。これはひとつ簡単に御答弁いただきたいのでありますが、田部社長さん、一体チャンイルというのはどういう会社で、どういうお考えでここにお頼みになったのか、何をやったのか。これは一言申し上げておきますが、韓国調達庁の出入り業者名簿にもございません。それから韓国の企業年鑑みたいなものがございますけれども、ここにも全くございません。この種の企業の名前が出てくるいずれの場所にもこの名前は見当たりません。だから、ある新聞は、あるいは金炯旭氏は、KCIAがでっち上げた会社ではないかなんということを言うのでありますが、人も本当に何人という数えるほどの人間しかいません。調べてみましたが、社長さん一人でやっているようなもの、言うならばある意味のブローカー式な方であります。なぜ天下の三菱さん及び四社連合が御相談の上でここに御依頼になったのか、しかも法外な金を払ったのか、また四社連合それぞれが御契約をなさっておいでになるのか、ちょっと触れていただきたい。
○田部参考人 お答え申し上げます。
 これだけの仕事を手順よくやり、そしていろいろその契約に至るまでの前段階あるいは契約後の実際の受け渡し、それから日本からも大変な出張者が参りますが、それらの連中の世話、通訳その他のことには、どうしてもそれぞれよほどの役に立つ者を起用しなくてはやっていけない。われわれの会社もそれぞれの会社も、現在のソウルにはそれぞれの支店を持っておりまして、相当な日本人あるいは現地人の社員を持っておりますけれども、それぞれこれ以外の日常の仕事を持っております。本件だけにわれわれが自由に使い得る、またいろいろ情報をとる、そういうことに役に立つ者を起用する必要がある。それでこれは非常に役に立つ男だ、こういうことで起用したというふうに私は聞いております。
○大出委員 この金は、時期的には何回も、だから一々御説明いただけないのでしょうけれども、どこにどういうふうにお送りになったのかを、簡単でいい、一言二言で結構でございますから、お答えください。
○田部参考人 私が聞いてまいりましたことによりますと、チャンイルというのを代理店として起用して、それに対する代理店手数料と申しますか謝礼と申しますか、それについては総額二億二千万円を払った、こういうことでございます。どこへ、いつ、どういうふうに払ったかという細かいことは私も聞いておりません。一回ではなく何回かに分けて払ったのだ、こういうことを聞いております。
○大出委員 支払い先はアメリカの銀行、そこにある口座、こういうことでよろしゅうございますか。アメリカの銀行、どういう銀行にお払いになったのかという、それだけ話していただけませんか。
○田部参考人 支払ったのは昭和四十八年から五十年にかけて、貨物の船積みまたは入金後、それぞれ分割して十数回に分けて支払っているそうであります。(大出委員「場所はどこですか」と呼ぶ)これはすべて私どもの米国三菱商事経由で支払っております。
○大出委員 アメリカの外換銀行等に払っておいでになるわけでありますが、米国三菱経由、MIC経由とおっしゃいましたから、アメリカでなければ払えないわけでありますから、多少の違いはあっても構いません。
 私も詳しく調べておりますが、文羲龍というのがこの社長さんであります。文というのはMOON、羲というのはYONG、龍はHENIでありますが。文羲龍さん、これは韓国の企業年鑑にもありませんし、オファー業の名簿にもありませんし、調達庁の出入り業名簿にもどこにもありません。だから見方によれば、この二億二千万というのは、トンネル会社でMICさんを、こういう言い方は不遜になりますが、三菱さんのこのアメリカの会社を通じまして文羲龍さんのところへ入っていった金というのは、つまりチャンイルさんがトンネル会社で、これまた別の方に使われたのではないかというような見方も出てくるのでありまして、あながちいけないとは言えない見方でありまして、それが先ほどの十九億六千万ばかりに上積みされますと三十二億近くになってしまう。二億二千万はトンネル会社へ流れていったので同じ性格の金だ、こうなると、そういう計算になってしまう。なぜならば、この二億二千万は損金で落としているからですね。
 国税庁、ちょっと承りますが、二億二千万は損金で落としましたか。簡単で結構ですよ。
○磯邊説明員 それぞれの会社の経理に従って認容しております。
○大出委員 非常に微妙な答弁をなさいますが、それぞれの会社の経理に従ってということですから、落としているという意味に受け取れるので、時間がありませんから四の五の言いません。つまり損金で落としている、こういうことになるのですね。だから、これが損金で落としているのだが、実は回り回ってどこかへ行っているんだとなると、損金には本当はならないのだから、この金が生きてどこかに使われていれば。疑えば切りがないので、これが損金に落ちているとなると、一応総額は十九億、こういうことになる。
 ここでひとつ承っておきたいのですが、この文羲龍さんのチャンイルを使わなかった、車両部分について、これは丸紅さん、そうでございますな。機材の方はお使いになっていますな。丸紅さん、いかがでございますか。
○松尾参考人 実はこのチャンイル・エンタープライズの起用につきましては、三菱商事さんからの御紹介によりまして使ったわけでございますが、私の方としましては、車両に関してはもう簡単明瞭なものであるということで、これはもう使う必要はなかろうということで、これについては使わなかったわけです。地上設備の方は、これはいろいろ種類も非常に多うございますし、デリバリーその他の連絡部分について非常に必要でございますので、利用させていただいたということでございます。
○大出委員 車両については手があるから要らないということでお使いにならなかった分を一億八千万と計算をすると、丸紅さんの利益は六億三千万になるのです。車両についてチャンイルを使わなかった分を一億五千万と見ると、さっき私が申し上げましたような、つまり六億六百万ぐらいの利益になって、総額十九億三千万。ここに実は違いがございますが、いずれにしても車両についてはチャンイルを使わなかった。この分だけ丸紅さんの利益はふえている勘定になる、粗利益ならば。それが私の計算の四億五千百万から六億三千万という計算になっている。ここが総額において違う、こういうわけであります。解明しておきたいから申し上げたわけであります。
 そこで、このチャンイルに行った金が一体いかなる性格の金だったかというのは、いま私はペンディングにいたしておきます。時間がございませんから。ただし表街道で、いま国税庁お答えのように各経理に基づいてこの処置をしたと言うんだから、私は損金で落としたかと聞いたんだから、そういう処理ができている、こうなる。
 ところで、さて次に大きな問題でございますが、一〇・五%もの利益を上げられるはずのないタイドローンの円借款による地下鉄工事。ところが聞いてみると、商事の皆さんは、どこも一生懸命長い年月使ってやったんだが、もうからなかった、まあ各社四、五千万ぐらいじゃないんですかとこう言う。今度は逆に聞いてみると、税金なんかとんでもないところでつかまってひどい目に遭った、その税金を払っちゃったら逆に赤字になっているというところもある。こんな一〇・五%ものべらぼうな利益を上げていて――本来なら二%から三%の筋合い。日本の製品しか買えないんだから、タイドローンだから、円借款なんだから。それを一〇・五%も利益を上げていて、しかも聞いてみると、いや、そんなこと言ったってばかみたいな商売でございまして、もうかっちゃいませんよとこう言う。大出先生、あんたあんなことを言って大仰なことを言うけれども、やらなかった方がよかったですよとこう言う。赤字になっているんです。こう言うところもある。こんな不思議なことは世の中に存在しないのであります。二十億近くも、見方によっては二十二億近くも利益が上がっているというのに、損したなんというばかな話がどこから出てくる。そこが私は疑惑の一つの中心でございましたが、明らかになりましたのは、皆さんが金をアメリカに次々に送っておいでになる。時期的なこともわかっております。四十六年の七月、四十六年の八月、丸紅さん、日商さんでございますが、三十万ドル米国三菱に払っております。これは三菱にお聞きしなければいけないわけでありますが、米国三菱、MICに払っているのですから、田部社長さんのところのアメリカの会社にお払いになっているわけでございますから、この二つの事実をお認めになりますか。
○田部参考人 そのとおりでございます。
○大出委員 くどく申しません。お認めになりましたので繰り返しますが、丸紅さん、日商さんが四十六年の七月、八月、おのおの三十万ドルずつ米国三菱に払っておいでになります。確認がとれております。米国三菱はこれを受け取ったわけでございます。いまお認めになりましたから受け取ったわけでありますが、どうも丸紅、日商さんだけということではないはずであります。四商社共同でございますから。そうすると物産の皆さんに承りたいのでございますが、物産はこの三十万ドルはお払いにならなかったのですか、お払いになったのですか。私の調べた限りではアメリカで処理をなさったように見えるのでありますが、いかがでございましょう。
○塚本参考人 調査の結果四十六年に三十万ドル、米国三井物産から米国三菱商事に支払っております。
○大出委員 そうすると、この分はいま三社でございまして、丸紅、日商岩井、これは日本から送りましたから表に出ている。国税庁も調べている。ところで、その物産の皆さんのものは国税庁調査に出てこない。そうなると、アメリカで処理されたことになる。いまお答えいただきましたように、アメリカの物産からアメリカの三菱商事さんに三十万ドル、同じころにお払いになっている。最後に残るのは三菱さん御自身でございますが、三菱さんもこの三十万ドルはアメリカ三菱ということでお引き受けになった、こう見てよろしゅうございますか。
○田部参考人 御指摘のとおりでございます。米国三菱としてこれを受け取りました。
○大出委員 さて、そういうことになりますと、これでは百二十万ドルにしかなりません。
 ところで、もう一つ承りたいのですが、丸紅さんと日商岩井さんは四十八年にそれぞれ、二つになっておりますが、二十五万ドル、さらに七万五千ドル、両方合わせまして三十二万五千ドルになりますけれども、これまた米国の銀行口座にお振り込みになっておられる。これは丸紅さんと日商さんに承りますが、いかがでございましょうか。
○松尾参考人 最初の三十万ドルは、いまも御説明ありましたように、三菱商事さんのニューヨークの勘定へ入った。これも日本から送ったわけではございません。われわれのアメリカ会社から振り込んだのであります。それからあと四十八年一月と四十八年の五月に、前者は二十五万ドル、後は七万五千ドル、これもわれわれのアメリカ会社からニューヨークにあります外換銀行の口座へたしか払い込んだというふうに承知しております。
○大出委員 日商さんひとつ、恐れ入ります。
○植田参考人 お答えいたします。
 先ほどの御質問の三菱さんのニューヨークヘ渡したのは、われわれの現地の法人の日商岩井からお渡ししました。後の質問の分も、ニューヨークの日商岩井から外換銀行の方へ振り込んだわけでございます。
○大出委員 これは四社連合で分担をされておられますから、丸紅さんと日商さんが一月、五月に二十五万ドルと七万五千ドル、合計三十二万五千ドルお払いになっておられますので、念のため承りたいのですが、お聞きしないでもいいようなことですけれども、物産の皆さんも、それから三菱さんも同様だというふうに考えてよろしゅうございますか。一言だけ触れておいていただきたいのですが、どちらかで結構でございます。
○田部参考人 私どもの方もそのとおりでございます。
○大出委員 物産の皆さんもよろしゅうございますね。一言で結構です。
○塚本参考人 私どもの方も、四十八年に二十五万ドル及び七万五千ドル、米国三井物産から支払いが起こっております。
○大出委員 以上、総額で二百五十万ドルになるのです。そうしますと、これはちょっと国税庁さんに承りたいのですが、時間が余りありませんが、金炯旭発言の二百五十万ドル、この金炯旭発言というのは、――国税庁さん結構です。御本人か申しましたから。時間がありませんから、ここで一つ承りたいのですが、金炯旭さんは、当時ソウル支店長であった中川忍一さんが何遍も何遍も南山にあるソウルの私のところに来た。この間藤野会長さんに私承りましたら、中川君と一緒に金炯旭さんを訪問しましたとお認めになりました、この席で。そのときに、後から表敬訪問ですとおっしゃいましたが、藤野さんがおいでになっていることを認めておるわけですが、何遍も何遍も来たというふうになっております。
 ここで二つ問題がございますので承りたいのですが、一つは、この二百五十万ドルの金、金炯旭さんが言っているように、これは韓国側に政治資金で行っている、こういうのですが、商社の皆さんはそこまでは御存じないと思うのでありますけれども、さて問題は、アメリカ三菱経由等ですべて流れておりますけれども、民間人の口座にアメリカ三菱等から払われているその先ですね。いま皆さんが二百五十万ドルとおっしゃいましたが、そこから先、民間人の口座です。この民間人の口座というのは一体どなたなのか、これが一つです。
 もう一つは、実はなぜこれだけの金を送らなければいけなかったかという問題が残るわけであります。
 まず、民間人の口座に行っているのでありますが、それは一体どういうことで、どなたのところに行ったのかという点をお聞かせをいただきたいのでございます。
○田部参考人 お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、われわれは商売をとるためにいろいろな苦心をいたしております。それで、よけいな、普通の商売とは外れたようなことは、われわれといたしましてもしたくありません。ところが、この地下鉄商談の前に、御存じと思いますけれども、韓国横断鉄道、われわれはその商売もとるつもりで大変な努力をいたしましたけれども、ヨーロッパ、フランスを初めとする連中にそれをとられてしまったわけです。その直後にこの地下鉄問題が浮かび上がった。今回はわれわれの隣の国の商売を遠いヨーロッパにどうしてもとられたくない、あらゆる手段を講じてでもこれはぜひわれわれでとりたい、こういうことで、いろいろ協議いたしました。したがって、四社がコンソーシアムを組んだのもそういうためでありまして、それでわれわれが一本になってこの商談をどうしても物にしよう、こういうふうなことでいろいろ検討いたしておりましたら、ちょうどそのときに、韓国の有力な民間の財界人から、自分がひとつ力をかそう、自分がかせばこれは必ず物になるぞ、こういうふうなことが申し込まれました。われわれもそう申し込んだ人のいろいろな過去の経歴その他を考えますと、その人が言うことがまんざらでたらめでもない、ぜひこれを使えばこれは物になるというふうに確信いたしましたので、その人の言う金額、お話しのとおり二百五十万ドルでありますけれども、それをその人の指定する口座に振り込んだわけでございます。以上です。
○大出委員 二つ問題がございまして、韓国の有力な、これは日本側にも恐らく大変信用のある方だったのだと存じますが、この人からの話があって、アイゼンベルグさんなどという商社の方が、フランスを背景にして、横断鉄道のときは、詳しく私も調べておりますが、ついにとられてしまった。日本側でとれなかった。しかもそれはお隣の韓国である。メーカーからも商社の皆さんに、しっかりしてくれなければ困るじゃないかという話が当時あったということも、私メーカーにも当たっておりますから聞いている。どうしてもとりたい。そのためには円借款を落とすについても四社連合が必要だということで、四社連合をお組みになった。たまたま韓国側の民間の実業界の実力のある方からの話があった、こういうわけなのでありますが、実はその人の指定する口座にというお話でございますから、これはアメリカでありますが、アメリカの銀行のこの人の指定する口座の、つまり持っている方の名前、その方と、特に韓国の実業界のいまお話しの方、私は大変御無礼な言い方かもしれませんが、社長そこまでお話しになると、それは一体だれだったんだろうかという話に必ずなる。あの人ではないのか、この人ではないのかというせんさくが必ず出てくる。それでは韓国側に対しても大変に御迷惑をかけることになる。だから、そういう意味で、ここまで来たら――冒頭に私申し上げましたように、商社活動が外国と争うんですから、その意味では相当な苦労があることはだれだって知っている。相手がアンダーテーブルみたいなことをするとなれば、これはロッキードの裏返しみたいなことになります。だから、それについても国民の許容する限度があると私は思っているから聞いているのですけれども、そういう立場で、これは大変に聞きにくいんですけれども、しかし何としても、ここまで来たんですから、私も一生懸命やってきたんですから、せっかくの機会でございますし、どういう人だったということをあえてお話しいただけませんでしょうか。
○田部参考人 話が核心に触れてまいりましたけれども、私どもは、先ほど申し上げたように、韓国の財界の有力者だ、こういうことは申し上げますけれども、名前はだれだった、こういうことは公開の席では私ども商業信義上申し上げかねる次第でございます。どうぞ御容赦お願い申し上げます。
○大出委員 いま、公開の席でと、こういうお話でございますから、私もこれは考えさせられるところでございます。ただ、これはどなたが見たって、国民のサイドから見たって、この国のトップ商社でおいでになる三菱の、しかも総帥でございます田部さんの口から出た言葉でございますから、それだけに商売の信義上申し上げたくないというお気持ちはよくわかるのですよ。にもかかわらず、それだけにこの記事を新聞等で見た人は、田部さんがそこまでおっしゃってそこから先は信義上言わない、これで一体済むかという問題が出てまいります。また、疑われる人がほかにあるとすると、これまた迷惑な話であります。だから、どうしても公開の席でおっしゃれない、どうしてもだめだ、こうおっしゃるなら、時間がございませんからずばり言うんですが、それなら公開の席でないところでお漏らしをいただくなり何なりということが、私はしかるべき方法ではないかという気がするのでありますが、もし公開の席でなければお話しいただけますか。いかがでございましょう。
○田部参考人 申し上げたくないと申し上げた私どもの考え方は、公開の席であろうと公開でない席であろうと同様でございます。公開でない席でなぜ言いかねるか、いろいろ過去の例をわれわれ見ますと、公開でない席で申し上げたことが必ず漏れるからであります。
○大出委員 これは、そうおっしゃられると私も黙っておられませんで、韓国では三菱さんが後発の企業なんですね。今後のソウル地下鉄だって、丸紅さんが先行していたように私どもには見える。それが土壇場で、日韓問題を調査する会なんかが書いております「韓国」という資料の中には、「朴大統領の御前会議で決まった」とさえ書いてある。そういう問題なんですね。さっき中川忍一さんの問題も挙げましたが、これまたそうなんですね。そうなりますと、何で後発企業三菱が前面に出るようになったか、これは見当がつくんですね。双竜財閥なんという方々との縁ができたり、三菱大使などと言われたことのある韓国の要人との筋ができたりというふうなことで今日に至ったということなんでして、私どもも見当がつかぬわけではない。だから、そのことをあえてここで根掘り葉掘り聞かなければならぬことになる。
 それじゃ中川忍一さんがお見えでございますから一つだけ承りたいのですが、何遍も何遍も金炯旭さんのところにおいでになった。藤野さんも一緒に行ったとお認めになった。七月二十六日に金炯旭さんが向こうで物をおっしゃっている。中川君に教えたとこう言う。一体何を教わりになり、だれに会って、だれがどこに行って、だれに会えという指示を得たのか、お答え願いたいのです。
○中川参考人 前の藤野社長は年に一、二回は韓国に見えました。そのときに、大統領にもごあいさついたしますけれども、当時の韓国の実力者、その中には金炯旭さんも入っております。李厚洛さんもございますが、その辺に表敬訪問をする、これは各社ともおやりになっておるのでございますけれども、それのお供をしてお会いしたことはございます。
○大出委員 中川さん、何回も何回も南山の私の私邸に来たと、こういうわけですね。そうでしょう。それは表敬とおっしゃったって、何回も何回も行って、表敬だけで物も言わぬで帰ってくるというばかなことはないでしょう。お互い人間だから、中川さんが、いや、わしのところも、横断鉄道のときにはアイゼンベルグなんというのがいてフランスに持っていかれて困っているんだ、お隣の韓国じゃないですか、われわれも一生懸命国のためにがんばってやっているんだから何とかしてくれませんかとかなんとか言うのは支店長の務めでしょう。それでなければ商売ができないでしょう。中川君、そうか、そんなに君が一生懸命ならおれが教える、それは人情でしょう。それをいまのようなことを言われたんじゃ、幾ら何でもひどいんじゃないですか、中川さん。いかがですか、もうちょっと言ってくださいよ。
○中川参考人 私が表敬訪問と申しましたのは、藤野社長のお供をしての表敬訪問でございます。そのほかに、私はちょくちょく有力者のところに行きまして、いろいろ情報をいただいたりお願いをしたりしたことはございます。それは金炯旭さんだけでもございません。たとえば経済企画院長官の張基榮さんのところなどには金炯旭さんのところ以上にいろいろお伺いしたこともございます。
○大出委員 そこで、そこから先がないのですけれども、何回も何回もおいでになって、何か向こうから、三菱さん、それはこうしなさいよというような話がなければおかしいんじゃございませんか。いかがでございましょう。お互い人間ですから。
○中川参考人 問題は、ソウル地下鉄の問題で御質問を受けておると思います。そこで、私が支店長として在任いたしましたのは、昭和四十一年の一月から昭和四十五年の四月初めまででございまして、そのときにはソウルに地下鉄ができるそうだという話は聞いたことがございますけれども、地下鉄の商談が多少具体的になりましたのは、私が後で調べましたところによりますと、四十五年の九月か十月ごろだ。つまり、私が支店長をやめてアジア・アフリカ監督になって各地を飛び回っておったときでございまして、したがいまして、私はソウル地下鉄関係ではもうほとんど関係がないのでございます。それで、金炯旭さんが私にソウル地下鉄関係でこうせいああせいと言ったということは、私は全然そういう事実がない。むしろ金炯旭さんの何かの勘違いではあるまいか、時期的に全然違っておりますから。
○大出委員 いま金炯旭さんの話が出まして、金炯旭さんが二百五十万ドルと言っておられましたが、この二百五十万ドルはうそでも偽りでもなく、いま皆さんがお認めになったとおり三百五十万ドル。円換算の仕方によって違いますが、七億といい、七億五千万という金であります。御丁寧に金炯旭さんは、ここで余り名前を出したくありませんけれども、個人とそれから個人でない方に分けて、二百万ドルと五十万ドルというようなことまで言っておられるわけですね。しかも、それが韓国の実業界の信用できる方から、こうやればということで協力の話があった、だからという実はお話、指定する口座にアメリカで振り込んだ、こういう話でありますから、これは非常にはっきりしているのですね。横断鉄道に負けた後からすぐ地下鉄がわかっていたから行動を開始したのですから、その意味で一番最初は中川さんなんです。後からおかわりになっていますが、調べてありますけれども。だから中川さんに聞いた。私がここでこれを繰り返しますと、切りがございません。ここまできたから田部さんにずばり申し上げるのだけれども、秘密会にしてみても漏れるからとおっしゃる。それならば委員長に承りたいのですけれども、そこらを委員長からずばりおっしゃっていただいて秘密会にしていただけませんか。委員長、いかがでございますか。
○田中委員長 速記をとめて。
    〔速記中止〕
○田中委員長 速記をつけて。
 ただいまの大出君の申し出につきましては、この後、昼に理事会を開きまして、取り扱いを協議いたします。
○大出委員 それじゃ、いませっかくそこまでお話しをいただいて、そこから先がとぎれる形になりますけれども、後の審議になりますけれども、後の審議の関係もございますので、理事会にお預けをさしていただきまして、委員長のおっしゃいますように先に進めさせていただきたい、このように思うわけであります。
 そこで、くどいようで恐縮でございますが、ここでもう一点承っておきたいのでありますが、この二億二千万という金をチャンイルにお払いになった、二百五十万ドルという金を、有力な実業家の方の御指示に従ってアメリカの銀行に四社でお払いになった、こういうことなのでございますが、指摘を申し上げておきますが、この財界実力者の方の言うアメリカの銀行の民間人の口座でございますけれども、私が言ってしまうことは恐縮でございますから差し控えますけれども、その口座と、それから財界人の名前ということになりますので、この点を後でひとつ御協議をいただきたい、こういうわけであります。
 そこで次の問題でございますけれども、時間の関係がございまして、余り深く入れないのでありますけれども、外務省の皆さんに承りたいのでありますが、第五回の日韓閣僚会議が行われましたのは、年次にいたしましていつになりますか。四十六年八月ではないかと私は思うのでありますが、ちょっと一言お答えいただきたいのです。第五回日韓定期閣僚会議であります。
○菊地説明員 お答え申し上げます。
 第五回の日韓定期閣僚会議は、昭和四十六年八月十一日と十二日にわたっております。
○大出委員 四十六年七月に、つまり一カ月前に佐藤総理と朴大統領との会見がございましたね。佐藤さんが韓国へおいでになりましたが、これは御記憶でございますか。四十六年七月でございますが、簡単に御確認願います。
○菊地説明員 その前に、七月には朴大統領の就任がございました。七月一日……。
○大出委員 これは七月に佐藤総理が韓国においでになって朴さんにお会いになった。翌月の八月十日から日韓定期閣僚会議第五回が開かれまして、共同コミュニケが発表されまして、ここでソウル地下鉄八千万ドルの借款が決まったわけでありますが、間違いございませんな。
○菊地説明員 第五回の閣僚会議の後に発表されましたコミュニケにも書いてありますように、この八千万ドルの借款供与を要請したのに対して、日本側はこれに同意したということになっております。
○大出委員 これだけ指摘させていただきますが、七億何千万円かの、つまり二百五十万ドルの金が送られ始めましたのが、ほかならぬこの四十六年の夏からなんですね。四十六年の夏、つまり佐藤さんがおいでになるこのころから送られ始めまして、これが一切決まった後で送金はおしまいになっているわけであります。ちょうどその間にいろいろなことが地下鉄に関してありましたが、その時期と符節を合わしたように送られている。この点だけここで指摘を申し上げまして、つまり三菱の社長さんの田部さんに締めくくりとして、この実力者の方と協力をしていろいろおやりになったわけでありますけれども、結論としてこれを成功させるためにということになる。その指定に従ってこの金を送るということになった、こういうことになると私は思うのでありますが、簡単で結構でございます。一言結論めいたことでございますが……。
○田部参考人 もちろん、私どもの商社は商売をとることが終局の目的でありますので、とれるために払ったのでありまして、商売以外の何の意図もありません。
○大出委員 そこのところは大変明確になりましたので、時間の残り七、八分でございますが、最後に日立の方に承りたいのでありますが、私は冒頭に、三菱さんと日立さんの契約は一車両当たり五千百五十万となっております。それで、さっき私は四商社の方々の利益十九億何がしと申し上げましたが、つまりそれは五千百五十万円から上の部分なのです。五千百五十万円から下の部分についてはまだ疑問のままになって残っている。
 そこで承りたいのですけれども、日本車輌の社長さんが、この間この席で、日本車輌が引き受けた車両一車両当たりは二千七百五十万円であった。御確認をいただいたつもりでございますけれども、ちょっと先に天野社長さん、御足労でございますけれども、一言――天野さんおいでにならなければ、かわりの方でも結構でございます。これは有価証券報告書にもございます。二七五〇とある。
○厨参考人 そのとおりでございます。
○大出委員 ありがとうございました。
 私、この間の臨時国会のときに、その後の経過を実はちょっと印刷したものを、私が流し書きしたものを差し上げて何点か指摘をさせていただいたのですが、つまり五千百五十万円という契約になっている。ところが、こしらえられた日本車輌は、有価証券報告書に明らかにしておいでになる金額が二七五〇、つまり二千七百五十万円なんです。そうすると、五千百五十万円と二千七百五十万円の間に一体幾ら差があるか、当然ながら、これはその差を考えてみなければなりません。二千四百万ばかり差があるわけであります。この二千四百万の中で、日本車輌さん以下幾つかの車両メーカーさんが受け持ったのは車体が中心であって、そこにモーターだの、トランスだの、整流器だのがついていまして、艤装まで含めてつくる。電気回りその他の機器回りというふうなものはこちら側から、国鉄等の例によりますと、無償支給品の形で取りまとめメーカーの方から支給する形をとっている。これを国鉄の例で言えば、モハ四八五系統というのがございまして、このモハ四八五系統で言うと、無償支給品、つまり車体メーカーさんにこちら側から、こういうものをつけてくれ、こういうふうにやる部分が千六百八十万円だ。モハ四八五系統二千六百九十八万円というのが実は車体の方の、本体の方の、言うならば日本車輌さんが受け持つ方の金額なんです。もう一遍言いますが、日本車輌さんば二千七百五十万円で韓国のを受け持っておりますが、同じ時期に国鉄のも一緒につくっておられる。それの方は二千六百九十八万、ほとんど同じような金額。これは外国に売ると、通関とか荷役料金がかかりますので、その分が百八万ございますから、二千七百五十万の日車さんの受け持ち部分から百八万引かなければ本体価格が出ない。百八万引きますというと国鉄のものよりも安い。韓国向けのものは三千五百九十万円だ。なぜかというと鉄でできているから、国内向けばスチールだから、むしろ安い。そうなると、国鉄の無償支給品価格千六百八十万、これと見合う形になってまいりますと、どうしても七百二十万円前後の金が一車両当たりわからない。やれ三段式ヒーターがとか交直切りかえ装置がとか言ったが、全部これは崩れた。
 そこで、日立さんに承っておきたいのでありますけれども、もう御存じだと思いますからこれ以上つけ加えませんが、一体なぜ七百二十万違うのですか。
○嶋井参考人 まず一つは、いまも一部御指摘がございましたけれども、韓国の車両と国鉄の車両が仕様上かなり違っておることを御理解いただきたいと思います。それが一つの理由であります。
○大出委員 どうもこれは答弁にならぬからずばり承りますが、それでは、私がこの七百二十万の差はどうしたんだとあわせて商社筋に承りますと、ひょっとすると一番もうけたのは日立さんじゃないか、われわれの方はいま明らかになったがごとくもうかってない、こう言う。時にオイルショックがあって多少目減りしたけれども、もうかっているんじゃないか。実は大変な金額になるのですよ。一車両出たり七百二十万違いますと、十三億三千九百万にもなっちゃう。ですから、心配だから承るのですが、その後会計検査院その他から基金を通じておたくに聞いているんですが、おたくの方で言っている理由は、そのための特殊試験が必要だったとか、設計図だとか、取り扱い説明書とか、図面だとか、図面について韓国政府の承認が必要だったとか、技術者の派遣とか、建設本部の設置だとか、これが違う、こう言っている。
 そこで、ずばり承りたいのですが、こういう設計だの何だのに一体幾らかかっているのですか。それから無線装置をつけた、ATSをつけたというのは、これは幾らになるのですか。それから従来含まれていなかった抵抗器や列車ファンやパンタグラフというのがおたくの方の受け持ちになったと言うのですが、これは一体幾らなんですか。
○嶋井参考人 まず、いま御指摘ございました試験費だとか、これは試験は従来の国鉄とは違った仕様になっておりますから、車両も電気品もあわせての試験が必要でございまして、われわれ日立は電気と機械の取りまとめという立場をとりましたので、この試験の費用は全部この中に入ってございますが、試験費それから資料、あるいは基本設計を最初から用意いたしました。国鉄の場合は、いままでの基本設計ができておりまして、それに、変化を加えるのでございますが、この場合は新しい設計でありますから、各社に分担してつくっていただく関係から、すべて基本設計をまとめてやることにいたしました。この費用もこの中に入っておりまして、そういった電気品の取りまとめ、全体の取りまとめ、試験などを含め、技師派遣を含めましての費用が一両について二百万でございます。それから特殊の追加機器でATSをつけておるとか列車無線をつけておる、これも当時の国鉄の車両とは違った対比になろうかと思いますが、これで一両当たり約百八十五万でございます。そういったものがいま御指摘の二千四百万のうちで、全体的な費用として従来の国鉄の車両と対比する場合にはプラスになるものでございます。合わせまして三百八十五万は、まずこの二千四百万の中に別として入っておるということを御理解いただきたいと思います。
○田中委員長 大出君、時間ですから……。
○大出委員 はい、やめます。
 ただ、七百二十万が合わないから合わないと前から何遍も言ってきて、基金を通じ会計検査院を通じてお出しになった資料が幾つかあって、これまた理由にならない。仕様書だとか何とか出していただければ、ナンバーふってある部品だから計算すればすぐ出るのにお出しにならない。いま七百二十万に見合うことをおっしゃるかと思ったら、三百八十五万しかおっしゃらない。嶋井さん、おたくの言うことを全面的に認めても、その七百二十万と三百八十五万の差はどこにいったかということになる。そこだけ言っておいていただかぬとつじつまが合わぬから、もし田中さんがいけないとおっしゃるならやめますが、この差額だけ明らかにしておかないと困る。いかがです。明らかにしていただけますか。
○嶋井参考人 いま申し上げましたのは試験費だとか特別総合取りまとめの費用でございますが、それ以外に、いま七百二十万との差のことをおっしゃいましたけれども、当然冒頭に申し上げました仕様の差がありまして、電気品のおのおのが従来の国鉄の工具品に比べますと皆割り高になっていることも追加して申し上げて、その辺の数字についても申し上げる用意がございます。
○大出委員 わかりました。これは疑惑は解けませんが、また改めてひとつ質問をさせていただくことにいたしまして、終わります。
○田中委員長 午後一時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十三分開議
○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前中の大出君の質問の件について理事会で協議いたした結果、委員長から田部参考人に確認いたします。
 大出委員がお求めの氏名を秘密理事会においてもお述べいただく御意思はございませんか。
○田部参考人 午前中お答え申し上げましたとおり、公開の席はもちろん申し上げたくありません。のみならず、秘密会議でも漏れる危険が多々ございますので、御勘弁いただきたいと存じます。
○田中委員長 質疑を続行いたします。坂井弘一君。
○坂井委員 お忙しい中を大変に御苦労さまでございます。
 ソウルの地下鉄問題等につきましては、後ほど二見委員からお尋ねをするということにいたしたいと思います。
 ただ、ただいま委員長から、先刻の理事会におきます合意に基づきまして重ねて秘密理事会におい七名前の提出の御意思はないかということで参考人にお尋ねがございました。いかなる場であろうとも出せないということでございますが、秘密理事会においてという与野党の理事の皆さんが最大の配慮の中で、とりわけこの疑惑が先ほどの大出委員の質疑を通じましておおむねその流れ等について明らかになってきた段階で、せっかくこうして商社の皆さん方、せめてこの疑惑の解明に対しましては、商社としても国民の皆さんに責任を負う立場、またわれわれ国会といたしましても、最近の日韓癒着の中でこうした問題がきわめてあらわになってきたという中で、やはりきわめて大きな政治不信というものが一方にこれあり、そうした国民的な視野から考えますときに、やはりこの種の疑惑の解明につきましては商社も国会も挙げて国民に対して責任を負わなければならぬ、これは言うまでもないことだと思います。また、その御認識においてはきょうの参考人の皆さん方は同じくされていると私は信じて疑いません。したがいまして、そうした意味合いからも、ただいまの参考人の御回答はきわめて不満だと実は私は言わざるを得ないのでございまして、重ねて委員長に要請いたしたいと思いますが、それならば再度理事会におきまして、なお他に方法がありやなしやについて御検討いただきたいと思いますが、いかがでございましょう。委員長にお尋ねいたします。
○田中委員長 ただいまの坂井君のお申し出でございますが、先ごろこの取り扱いについては一応の取り扱いを見たところでございますので、今後さらに協議はいたさないということではございませんが、本日のところはそうしたことで御処理を願いたいと思います。
○坂井委員 後ほどなお各委員から質疑があると思いますので、それを踏まえまして改めて検討、結論を得たいと思います。
 そこで、私は最初に商社の海外活動におきます基本的なあり方等につきまして、あるいは方向性につきまして若干お伺いをしながら質疑を進めていきたいと思います。
 最近の状況を見ておりますと、日本が輸出におきまして、たとえば自動車でありますとか、カラーテレビとかあるいは鉄鋼でありますとか、そういう製品的なものが非常に多いこれがいま国際的にも大きな問題になっておる。そこで、たとえば商社の皆さんがそうした製品を扱われる場合、製品ではなくて、むしろたとえば中小企業等に非常に関連の多い機械プラント類の輸出、こういうものがまた相手国の経済基盤の養成あるいは発展に多分に貢献するのではないかというような意味も一方これあると思いますが、そういうことから見まして、機械プラント類の輸出の方がより望ましいんだ、これからはそうありたいんだというようなお考え方があるのではなかろうか、実はこういうふうに聞くわけでございますが、まず、三菱さんいかがでございましょうか、そういう基本的な方向につきまして。
○田部参考人 ただいまの御質問にお答え申し上げます。
 われわれ商社は、輸出につきましては、それが機械プラントであろうとほかの製品であろうと、われわれは極力輸出の推進に日夜努力しているわけでございまして、ただいま今日日本の輸出の花形になっている仰せの自動車だとか、あるいはテレビだとか家庭電器だとか、そういうものは、残念ながらほとんどがわれわれ商社の扱い商品ではございません。それらのものはほとんどそれぞれのメーカーがみずから輸出業務をやっておるのでありまして、それはわれわれがやらないからではなくて、そういうものは輸出した後に当該国のマーケットにおきましてアフターケア、後のメンテナンス、そういうものが非常につきものでございまして、それらを万全に行うことなくしてわれわれの輸出のマーケットは維持することができない。それらのメンテナンスだとかアフターケア、そういうようなことにつきましては、われわれ商社はなかなか不得手でございますので、したがって自然そういうメーカーがみずからそういう輸出もやる、こういうことになっておるわけでございます。
 われわれといたしましては、ブラント物はもちろんわれわれの最も望むところでございます。大きなメーカーがやり、その下に中小企業の下請というのが非常にすそ野が広い商品でございますので、自然われわれはブラント物、特に全部、ターンキーベースと申しますか、据えつけまで入れた商売を非常に願っておるわけでございます。
○坂井委員 プラント類の輸出ということが商社にとってはこれから非常に大きなウエートを占めるのだろうと思うのですが、とかく欧米メーカー等に比べますと非常に競争力が弱い。とりわけ円高という状況の中でなかなかこれも困難なことであろう。しかもそうした機械プラント類の輸出ということに相なりますと、どうしても発展途上国というところが主たる輸出相手国、ところが、そういう発展途上国というようなことになりますと、先ほど来問題になっております。たとえばソウルの地下鉄あるいはまた新韓碍子に対するプラントの輸出、どうしても国際商慣習上ある種の工作資金を必要とする、余儀なくされる、そういう状況の中で、やはり競争相手のあることでございますから、どうしてもしのぎを削らざるを得ない。この種の工作資金というのがだんだんと大きくふんからそれぞれ、たとえば仲介料というものは法律上許されました一〇%以内、こういう範囲内でという趣旨の説明がございました。私は、確かに外為法上あるいは税務上許容される範囲内の仲介料、手数料あるいは謝礼、これを超えて、何としてもプラント輸出をとらなければならぬというので一〇%を超える場合も間々あるのではなかろうか、これが実態であろう、こう実は、推測といいますよりもそういうことが実態であろうと思いますので、それぞれ四人の参考人の皆さんからお答えをちょうだいしたいと思います。
○田部参考人 国によってそういう商慣習と申しますか、そういうことを度外視しては輸出はほとんど不可能だ、こういうことが存在することも事実でございます。ただし、先ほどもお話がありましたように、契約金額の一割を超えるようなそういう謝礼というものは、われわれが正規に送金の許可申請いたしましても許可を得ることができません。相手がそういうことを知っているのかどうか知りませんけれども、われわれの経験では、いままでに一割を超えるような巨額の謝礼を要求された例はございません。
○塚本参考人 先生御指摘のとおり、プラント輸出には格段の努力をいたしておるつもりでございますが、一般的に申しまして、ブラント輸出も最近は完全に価格の競争という面が非常に出てまいります。したがいまして、そういう面から申しましても、そういう巨額のエージェントコミッション、それを入れるということが非常にむずかしくなっておるという状況でございます。国によりましては、また場合によりまして一〇%以上というような要求を受けたこともございますけれども、それはとうてい受け入れられないということでやっております。現実に一〇%以上という例は承知しておりません。
○松尾参考人 私の方も一〇%以上のものはございません。
○植田参考人 プラントの輸出でさようなケースは起こる可能性もありますけれども、われわれの方ではそういう多額の手数料を取るようなケースにおいては、絶対避けております。そういう事実はございません。
○坂井委員 それぞれ御答弁いただきましたが、一〇%を超えるというようなことはない、こういうお答えでございますが、しかし要求はある。実態につきまして、ひとつなお参考人の皆さん十分に社内、よく従来の実績、経緯等つぶさにひとつこの際調査をされる必要があるのではないかと思いますので、あえて申し上げておきたいと思います。
 具体的な問題としまして、新韓碍子のことにつきまして、先ほど安宅委員から指摘なりお尋ねがありました。若干それに触れながらお尋ねをしてまいりたいと思いますが、いよいよ輸銀の融資が決定いたします段階、つまり昭和四十五年の三月の二十四日、六億九千万円の融資の承認がなされておりますが、その直後、同年の六月、三カ月後でございますが、新韓碍子が韓国産業銀行の融資、これを取りつけようというわけでかねがねそういう動きがございました。この四十五年の六月に韓国産業銀行から新韓碍子に対する融資が決定を見た、決定を見ながらこれが不調に終わってしまっておる、こういう経緯につきましては、日商岩井さん御存じでしょうか。
○河原参考人 河原でございます。実際にそういうはっきりした記憶はいまちょっと持っておりませんでございますけれども、そういうことは聞いた記憶はございます。時間的に、何せ韓国の国内で行われた事務手続の問題でございますものですから、はっきりしたことをちょっと私の方からもコメントいたしかねる次第でございますけれども。
○坂井委員 大変際立った、実はこれには背景があったようでございますので、およそその内容についてお聞きになっていらっしゃる、内容についてはおおむねは承知しておるということでしょうか。
○河原参考人 新韓碍子と産業銀行でございますか。――産業銀行とのお話の内容については、新聞、雑誌程度で伺った程度しか存じておりません。
○坂井委員 ずいぶんはっきりした話と言われておるわけであります。あえてここで省略いたしますが、ただこの時点でどういうわけで新韓碍子が韓国産業銀行の融資を取りつけざるを得なかったか、これは日商岩井さんからの商業借款の導入、これによりますところの高圧碍子の製造プラントの輸入そのものが、日韓間におきますいろいろな障害がその間起こる、そのために当初予定しておりましたような融資の取りつけができなくなるというような事情が日韓間に重なりまして、そして大幅なおくれを来したということが真相のようでございます。
    〔委員長退席、小此木委員長代理着席〕
 そこで、最初この新韓碍子と日商岩井の間で二百九十九万九千七百五十ドル、商業借款導入に関しますところの契約がなされます。これが四十一年、一九六六年の六月の時点ですね。ところが、この関係金融機関でございますところの韓一銀行、これの支払い保証書の発給されましたのが、先ほどの答弁にございました一九六八年の二布、つまり契約時点から保証書の発給まで一年八カ月という非常に長い期間がまずかかっておる。こういう経緯を踏まえまして、日商岩井さんがこの一九六六年の六月に新韓碍子との間で締結をいたしております商業借款供与契約、つまり二百九十九万九千七百五十ドル、このプラント輸出をしようとする日商岩井さんの計画に対しまして、わが方の政府の輸出承認が与えられたのが一九六九年八月。ということになりますと、新韓碍子が韓国内で支払い保証書の発給を受けた一九六八年二月から数えますと一年半、これだけ長い期間がかかった。実は当初の計画が非常に大幅なおくれを来しておる。この原因の主たるものは何であったのでしょうか。日商岩井さんのお知りになっておる範囲内でお答いただければ結構でございます。
○河原参考人 契約しましてからELの発給がおくれましたのは、私の記憶をたどりますと、当時、日本と韓国との間の経済協力の案件につきましては、日韓両国政府の、われわれショッピングリストと申しておりますけれども、来年はこういう案件を経済協力案件に乗っけようというように、リストアップされた企業ごとに許可がされるというふうに私らは了解しておりまして、結局それのリストアップに記載されるのが優先順位がおくれたのではないかと私は想像しております。
○坂井委員 新韓碍子との借款額が三百四十四万九千ドル、一方日商岩井さんと新韓碍子との契約額が二百九十九万九千七百五十ドルですか、これの差異、違いがございますが、これはどういうことでしょうか。
○河原参考人 いま御指摘ありました金額の差異につきまして、最終契約は二百九十九万九千七百五十ドルでございます。それで三百四十何万でございますか、それのお話は、途中の経過において工事も入れてやろうじゃないかという話があったときに一時的にそういうことを考えた経緯もございますけれども、その案は最終的に採用されておりません。
○坂井委員 輸銀総裁にちょっと伺います。融資の申請がなされまして、その中には融資の対象にならない分もあった。当然頭金の一〇%は対象にならぬですね。その他このプラント類の輸出に当たって融資の対象以外のものを省く。そうしますと、その金額が二百三十九万七千二百二十二ドル融資対象、そのうち融資を決定したのが百九十一万七千七百七十七ドルということになる。邦貨換算六億九千万円。そこでこの融資対象になりました金額は明確に出るわけですけれども、いま例の宋さんとの関係で法廷で争われておるわけですが、ここで金額の食い違いが出るわけですけれども、輸銀の方では、チェックの段階でこの機械類の金額ははっきりつかめるのじゃないでしょうか。機械代金が幾らであったか、どういう額であったかということについて当然チェックされたと思うのですけれども、輸銀の方は、それはつかめてないということですか。
○澄田説明員 お答え申し上げます。
 審査当時、輸銀は、借入人から借入申込書あるいは輸出契約書の写し、それから輸出承認書の写し等々の書類を徴収いたしまして、そしてその内容に基づきまして審査をいたしました。その結果、先ほど言われました二百三十九万七千二百二十二ドルという融資対象額を算定した次第でございます。
○坂井委員 東京地裁に出された機械類の総額と全く違うわけですね。明確に食い違いがあるわけですけれども、どっちが正しいのかということになると、やはり日商岩井さんが法廷へ持ち出された証拠書類が正しいと見るのが常識だろうと思いますね、だろうと思いますよ。そうしますと、輸銀に対する申請はこの内容においてはなはだ正確ではない。悪く言いますとこれは全くでたらめであるということに相なりますと、ここに六十七万ドル、この金が一体どういうことになったのであろうか。したがって、その辺のところを、本日参考人の皆さん、こうしてわざわざおいでいただいているわけでございますので、その食い違いの部分をはっきりしませんと全く意味をなさないことになるのであります。どっちがどっちやらさっぱりわからぬというようなことでは全く意味をなさない。
 どうなんでしょうか、日商岩井さんが法廷に出された証拠書類に示されました金額については、これは間違いないということだけは御確認いただけるでしょうか。
    〔小此木委員長代理退席、委員長着席〕
○河原参考人 裁判所に出しました、準備書面に出しました数字は間違いございません。ただし、一言申し添えますけれども、プラントでございますので、機械だけでなく、その他資材とか、スーパーバイザー、技師派遣費用とか、いろいろそれを機械的に加算して契約おります。
○坂井委員 通産省、それから輸銀、日商岩井さん、その金額の差異について三者間で詰め合わせをされたらいかがでしょうか。そういう御意思はございませんでしょうか。
○森山説明員 私どもが承認いたしました数字とその後の実際の輸出価格のチェックは、やってみたいと思います。
○田中委員長 森山政府委員、いまの語尾がはっきりしないから、ちゃんと答弁してください。
○森山説明員 重ねてお答え申し上げます。
 私どもが承認いたしましたときの記載の金額と、先ほどから話題になっております金額との間のチェックをしてみたいというふうに考えます。
○澄田説明員 お答え申し上げます。
 さきに裁判上の書類として日商岩井から出された資料というものがある程度明らかになりました段階におきまして、私どもの方の融資審査に当たっての内容の突合をいたしたことがございます。鋭意努力をいたしたのでございますが、率直に申し上げまして、八年前のことで、当時の審査の内容の詳細にわたってはっきりすることはできませんでした。しかし、書類上の関係におきましては、両方の内容が完全に突合することはできませんでして、そういう事情で、一応両方の間にそれぞれ分類の仕方、仕分けの仕方等に違いがある、こういうふうに承知をしておる次第でございます。
○河原参考人 御指摘の点につきまして、通産及び輸銀にもう一度すり合わせをさしていただきます。
○坂井委員 それで答えは明確なんですよ。日商さんが一番正確なんです。そうしてくださいということをお願いしたのです。どうも通産あるいは輸銀が何だか渋るような言い方というのは、よろしくないと思いますね。
 委員長にお願いいたします。
 いずれ三者間ですり合わせがあると思いますが、その結果につきましては、ひとつ当委員会に報告をしていただきたい。要請いたします。
○田中委員長 さよう心得ました。
○坂井委員 日商岩井さんの方が新韓碍子に対して供与された借款、この総額と、それからそれに対する利子、元金と利息、これはそれぞれ幾らになりますか。いま、もうすべて返りましたか。
○河原参考人 お答えいたします。
 正確な金額はいま手元に持っていないのでございますけれども、来年の四月で全部終わると思います。というふうに私は了解しております。船積み完了後八年でございまして、ちょうど来年の四月で八年目になると思います。それで最終の支払いが行われる予定でございます。よろしゅうございますか。
○坂井委員 大まかな数字というか、この際細かいところまではあれとしましても、大体総額でどれだけ、元金幾ら、それから利子幾ら、返ってきたのは何ぼと、それぐらいはお答えはいただけないでしょうかね。
○河原参考人 元本が、頭金を一〇%引きますので、二百九十九万から二十九万九千引きまして、それから金利が全部で、九十六カ月目で七十一八千ドルございます。合計三百四十二万八千ぐらいでございます。
○坂井委員 この新韓碍子は、操業の見込みは全く立ってなかったのですが、どうやら引受会社が出たようですね。それでやがて操業の見込みだというようなことを漏れ聞くのですが、あらましどうなっておりますか。あるいは日本の碍子メーカーに対する影響等、この輸入の問題等々につきましても同時にいろいろな検討があるのだろうと思いますけれども、その辺のことにつきまして概略御説明いただきたいと思います。
○河原参考人 私、現在職をちょっと離れておるものですから、帰りましてちょっと聞いたところによりますと、新しい引受手が、韓一銀行ですか、主力銀行との相談の上で、新韓電気という会社が、現在この会社は何か電気品をつくっている会社だそうでございますけれども、その会社が引き受けをやりたいということで、近々日本に参りまして私どもと一度、第一回の基本的な話を、どういうふうにやろうかということで相談が始まる予定でございます。われわれ、川重さんにもまた御相談しないといかぬことですけれども、前向きに検討して、できるだけのことはしたいと思っております。
○坂井委員 時間が迫っておりますので若干聞いて終わりますが、さきに実は私は予算委員会で、武器禁輸三原則との関係におきまして、韓国の昌原工業団地に対します資本進出の形の中での合弁企業による武器の製造、あるいはまた技術提携による武器の製造等々について実は若干質問を行いました。その際福田総理の答弁は、明らかに武器を製造するという目的のものについてはこれは許可しないと、こういう明確な答弁があったわけでございますけれども、通産省おいででございましょうから、この際確認をしておきたい。通産省の方針は総理の答弁どおりでございますか。
○西山説明員 先般の予算委員会で総理から御答弁のあったとおりでございます。
○坂井委員 やがて通常国会が始まります。その際、河本通産大臣にこれを具体的に質疑を行いたいと思っておりますけれども、これはその前の段階でありますけれども、必ずしも河本通産大臣はそういう考え方ではなさそうであります。特に私が問題にしたいのは、技術提携によりますところの武器の製造の問題こういうものが実態的にいま行われつつあるという事実、それがあるということについてこの際ここで申し上げておきたい。その具体的な内容等につきましては、来るべき予算委員会におきましてるる明らかにしていきたい、こう思っております。
 いま通産省は、総理の答弁のとおりである、こういうことでございますから、少なくとも資本提携、資本進出によりますところの合弁企業体、及び技術提携によりますところの韓国内におきます武器の製造はしない、こういう基本的な方針というものを通産省は確認をされた。しかしながら、私がいま指摘しますことはそうではなくて、事実この種の武器の製造が進行しつつあるということについて、あえてここで警告をしておきたいと思います。また、この資本進出あるいは技術提携のチェック、事前のこれに対しますところの歯どめというものが全くないということ、これは私が質問をいたしましたその後、さきの参議院の予算委員会におきまして重ねて質疑が行われておりますけれども、非常にあいまいな答弁に政府側は終始しておる。きょうは具体的には申し上げる時間がございませんが、あのような政府の関係各省の答弁でありますれば、これは全く国会をばかにするにもほどがあると言わざるを得ないような実はお粗末な内容の答弁であります。したがって、そういうこともあらまし本日前もって申し上げておきまして、次回、その内容については詳しくやりとりを行いたい、こう思いますので、本日はこれでとどめておきたいと思います。
○田中委員長 次に、二見伸明君。
○二見委員 公明党の二見でございます。
 本日は年の瀬も押し詰まったお忙しいところ、参考人の方々においでをいただきましたことを心からお礼を申し上げます。
 御存じのように、もう何回も質疑をされておりますのでお耳にたこができているだろうと思いますけれども、ソウルの地下鉄の問題あるいは新韓碍子等、日本と韓国との経済援助、経済協力にまつわる黒い霧がうわさされております。私たちは、日本と韓国とのこれからの末長いおつき合いをするためにも、黒いものは黒い、白いものは白い、はっきりしていくことが大事だろうと考えております。
 私は、ソウルの地下鉄の問題について二、三伺いたいわけでありますけれども、この問題については大別して二つの問題があると思います。一つは、地下鉄の値段が高過ぎたんじゃないか、別の見方をすれば日本の商社がもうけ過ぎたんじゃないかという批判がくると思います。もう一つは、その高過ぎた分のうち一部が不明朗な使われ方をされたんではないかという疑惑が持たれております。私たちはこうしたことについて事実をありのままにしていきたいし、ありのままにすることによって、もしいままでの日本と韓国との間に不純なものがあったとすれば、それを一つの教訓として、反面教師として今後の日本と韓国との関係をされいなものにするために努力をしていかなければいけないと考えておるわけでございます。
 きょうは参考人の方々でございますので、議論するというよりも、午前中の大出委員の質疑とあるいはダブる点があるかとも思いますけれども、事実関係だけいろいろ御意見あるいはありのままのことをお話しいただきたいと思います。
 最初に、二百五十万ドルの問題について国税庁にお尋ねいたしますけれども、これは四十六年から四十八年にかけて商社が支払ったということは午前中の大出委員の質疑を通して明らかになっておりますが、国税庁としてはこれはどのような措置をされたんでしょうか、経費として落としたのか損金として落としたのか、それともこれは損金算入はできない、言うならば課税の対象にされたのか、国税庁はいかがでしょうか。
○磯邊説明員 国税当局としましては、この二百五十万ドル問題につきましては、明確に税務上の結論を出すほど的確につかんでおりません。したがいまして、今後その実態を解明いたしまして税法上適正な処理をいたす考えでおります。
○二見委員 それでは伺いますけれども、先ほど三菱の田部さんが、二百五十万ドルの振り込みについて有力民間人からこの地下鉄の問題については物になるからやってあげるよというようなお話があり、何としてでも地下鉄を日本でとりたかったのでその人にいろいろと動いてもらった、その人の言う金額をその人の指定する口座に振り込んだとお話しになりましたけれども、もし私の記憶違いであれば御訂正いただきたいと思いますが、ずばり、この金は工作資金だと受け取ってよろしい性質のものでございましょうか、どうでしょうか。
○田部参考人 何度も申し上げましたとおり、これはわれわれがあの商売を必ずわが方のものにしたい、そのために協力してやろう、こういうことでそれに応じたわけでございまして、それが工作資金なのか、どういうことなのか、われわれは関知するところでございません。
○二見委員 国税庁長官にお尋ねいたしますけれども、この二百五十万ドルが損金算入をされる場合とされない場合とのけじめといいますか、それはどういうところでもって国税庁は御判断なさるのでしょうか。
○磯邊説明員 先生御承知かと思いますが、まず経費性を認定いたします場合と、一定の限度内においてそれを損金算入を認める場合とございます。具体的に申しますと、たとえばコミッションといったような場合にはこれは経費性がございますが、交際費であるとかあるいは寄付金ということになりますと、これは損金算入限度になるわけでございます。したがいまして、との二百五十万ドルにつきまして、どういうふうな性質のものか、どういうふうに処理するかということば、先ほどお答えいたしましたようにまだ結論を出しておりませんので、的確にお答えいたしかねます。
○二見委員 長官、もう一つ細かなことになって申しわけありませんけれども、これはコミッションであるかどうかということが一つの境目になるようでございますが、これはコミッションであるかどうかということは向こうからの請求書を見て判断されるわけでしょうか。もし請求書がなければこれはコミッションとは認められないのかどうか、その点はいかがでしょうか。
○磯邊説明員 通常、コミッション等を支払います場合には、契約書がございましてその契約に基づいて支払われるわけでございます。もちろんその契約書どおりであればいいというわけでもございませんで、それがやはり世間相場等から見て妥当なものであるか、あるいはそういった取引にどのような働きをしたか、それからまた、いわゆるコミッションを払われた人の貢献度、そういったことを総合的に判断いたしまして、それが損金算入できるものであるかどうかということをわれわれは判断いたしております。
○二見委員 契約書の有無ということがまず一つ大きな問題になりそうでありますけれども、田部参考人、この契約書があるかどうかについてはお答えいただけるでしょうか。もしイエスであった場合には、その中身も、こういう契約でございますということを言っていただけるのかどうか、差し支えなければ。
○田部参考人 二百五十万ドル、これは総金額でございまして、四社がそれぞれ四分の一ずつ払っております。その二百五十万ドルについての契約書と申しますか、そういうものは存在いたしておりません。
○二見委員 そうすると、これは契約書が存在していないことになると、商社としてはこれは使途不明金で、課税の対象になってもよろしいと最初から考えていたというふうに私は認識せざるを得ないわけでありますけれども、そういう受け取り方をしてよろしいですか。
○田部参考人 四社のうちの他の三社のことは私も確信がございませんけれども、私どもの方の会社の分担しました四分の一相当額は、私どもの方の米国三菱が支払っております。
○二見委員 あと三社の方々にもあわせて同じことでお尋ねいたしますけれども、契約書がないということになるとこれは税金の対象になりますけれども、それは覚悟された上でのことだったのか。ただいまの三菱さんのお話はアメリカの三菱が払ったということでありますけれども、要するに課税の対象、課税されてもやむを得ないということを最初から覚悟されていたのかどうかということの御答弁がなかったので、あわせてお尋ねをし、たいと思います。
○田部参考人 その種の契約書が存在しないものの支払いでございますから、恐らく当時の支払いしたときの状態は、課税を覚悟したものだと存じます。この場合には米国三菱が払っておりますが、米国三菱ではいかまうにそれを処理しているか、恐らく経費支弁にしておるのではないかと私は推察しております。
○塚本参考人 二百五十万ドルの四分の一に相当いたします分につきましては、三井物産本店におきましてはすでに利益の一部に計上して税金をお払いしてございます。
○松尾参考人 いまの問題は何ともわれわれもわかりませんが、私の方も米国会社で処理はしたわけでありますが、これは税務当局の判定によって決まることではないかと思っております。
○植田参考人 この問題は、先ほども説明ありましたように、われわれの方では支払い先につきましてもどういう内容のものであるか十分知っていなかったために、この支払いについてはあるいは課税されるかもわからぬというふうな予想もしておりました。まあ、当時の状況でございますけれども……。
○二見委員 二百五十万ドル、七億五千万円に及ぶものを税金を払うことを覚悟で振り込んだというのは、商社としてはよくよくのことだったと私は思います。それについての当否は、きょうはここでは時間もありませんので申しませんけれども、よくよくのことだったというふうに認識をいたします。
 それで、七億五千万円余りのお金を払い込んだ。要求をしたというのが妥当なのか、あるいは相対で決まったというのが妥当なのかわかりませんが、その有力民間人、これはお名前をどうしても明かしていただけないそうでありますので、私もあえて名前は聞きませんけれども、この有力民間人は、おれが何とか間を取り持ってやるよとか、うまくやってやるよと自分で名のり出てきたのか、あるいは何とか地下鉄を物にしたいというこちらの熱意で捜し出してきたのか、それも、また捜し出す場合には、だれかこういう人ならいいよという紹介があって捜し出してきたのか、そこら辺についてはお話しいただけるでしょうか。
○田部参考人 私の承知いたしている限りでは、先方からおれに頼めばとってやろう、こういうふうな話があったように了解いたしております。
○二見委員 この二百五十万ドルは何回かに分けて、四十六年の六月だったですか、四十六年の夏ごろからですか、たしか支払われた、日付で間違いがなければ、そう思いますけれども、これは成功報酬払いみたいな形だったのでしょうか。この七億円というのは大変なお金ですから、まとまるかまとまらぬかわからないのに払えない。だから恐らく話し合いをした場合に、これがまとまった場合には払いましょう、うまくいく場合には払いましょう、うまくいかなかった場合には、それこそ必要最低経費で終わりますよ、いわゆる実費弁償ですよというような形で進められたのじゃないかなと私、自分勝手に想像するわけですけれども、そういうたぐいでこの話、契約というのでしょうか、依頼をされたことになるのでしょうか。
○田部参考人 実際問題として二百五十万ドルは一回に同時に払ったのではございませんで、そのうちの百二十万ドルを払い、しばらくたって残りの百三十万ドルを払っております。その第一回の百二十万ドルの支払い時期は、まだ契約に調印するよりも前でございます。われわれがその種の有力者といいますか、信頼するに足る人からそういう申し出があったときに、払うものは契約ができたら払う、契約の後で成功報酬で払うのが順序でありますけれども、間々その時期を前払いと申しますか、先に払って、そしてその人の言うことを信用して任す、こういうこともやらざるを得ない場合があり、この場合には、後の方の、もしも相手が悪者だったらまるまるとられてしまう、こういう危険もあった、そういう状態でやったわけでございます。
○二見委員 そういたしますと、この民間有力者に接触をしたのは、その前にフランスと商売の競争をやって負けた経緯がありますね。その直後からずっと接触を開始してきて、大体よしと踏み切ったのは、第五回の日韓定期閣僚会議が四十六年の八月にありましたですね、その直前ぐらいに行こうと腹を決めたというような経緯になるのでしょうか、時間的に言いますと。
○田部参考人 二百五十万ドル払えば何とかとるように努力してやろう、こういう話は昭和四十六年の初めごろからでございます。そういうことで、日韓いろいろな問題よりも前だったと私は了解いたしております。
○二見委員 いわゆる成功報酬払い、最初百二十万ドル払い込んで、それからさらに追加を払い込むわけでありますけれども、そうすると、あれでしょうか、後金の方は成功か不成功かでもって払いが決まるわけですけれども、商社の方々がよし、これならば払ってもいいと決断されたのは、一つは八月に第五回日韓定期閣僚会議が開かれて、そこで韓国から八千万ドルの要請があり、日本政府が政府借款でオーケーしましたですね、借款の中身はタイドローンだ、こうなったときに、これならばいける、こういう判断をされたのでしょうか。また有力者にも、その程度、そこまでは何とかしてもらいたいという打診があってそういうことになったのでしょうか。
○田部参考人 お答え申し上げます。
 当時、われわれとすれば一度失敗した後でございますので、次回の地下鉄は是が非でもとりたい、こういうことで努力最中に、ヨーロッパがわれわれの円借款に匹敵する借款を申し出る可能性がある、こういうふうな情報がありました。そういうために、この日本の円借款が仮に実現したといたしましても、これはまだ油断ならぬ、そういう状況下で申し出があったものですから、それに飛びついた、こういうことでございます。
○二見委員 タイドローンになったことで成功という判断をされたと思ってよろしいですか。
○田部参考人 いま申し上げましたとおりでありますけれども、この円借款が具体化する前にこの話は決めております。したがって、初めの百二十万ドルの方の支払いはタイドローンといいますか、円借款の本決まりになるその前に支払っておるわけでございます。
○二見委員 時間がありませんので余りやりたくないのですけれども、ちょっと私の言い方がまずかったのだと思いますけれども、百二十万ドル払った、また残りあと百三十万ドル払ったのですね。百三十万ドル払ったのは、要するにこれは日本に落ちることが間違いないと確定したから百三十万ドル払ったというふうに解釈してよろしいのかということです。要するに借款の内容がタイドだったからかということですか。
○田部参考人 分割して払ったのは、いまお話しのような事情ではございません。初めに二百五十万ドル払います。そういうことを約束したわけでありますから、それを向こうの要請で分割して払った。借款が決まったから残りの百三十万ドルをさらに払った、そういうようなことではございません。
○二見委員 それからもう一つ。これは振り込んだ口座は有力民間人のものなのか、有力民間人がどこどこの口座に振り込みなさいと指定されてきた口座は有力民間人のものだったのか、それとも有力民間人ではない別の人の口座だったのかは、これはお話しいただけるでしょうか。
○田部参考人 その有力民間人の指定口座に払ったわけでございまして、その口座がだれの口座であったのか、そういうことについては私どもも調べればわかると存じますけれども、先ほどの名前を挙げられない、勘弁していただきたい、そういうことと同様にこの点も勘弁いただきたいと存じます。
○二見委員 それが複数であったかどうかも、やはりまずいですか。口座が一つであったのか、Aの口座、Bの口座とこういうふうに分けたのか、それはわかりませんね。
○田部参考人 口座は一つだけではなくて複数だったと私は聞いております。
○二見委員 二百五十万ドルについてはあらあらわかった感じがいたします。
 もう一つ、要するにチャンイルの二億二千万、これは円の方ですね。これは非常に大変役に立つ男だという三菱さんのお話がありまして、丸紅さんからは、これは三菱さんの紹介でということでありましたけれども、このチャンイル・エンタープライズというのは三菱さんにとっては古い知人なのか、それともだれかの紹介でチャンイル・エンタープライズを使うことになったのか、その点はどうでしょうか。
 またそのチャンイルというのは、この住所は韓国なのかアメリカなのか、ちょっと私よくわかりませんので、それももしわかったら教えていただきたいことと、チャンイルと、いろんなことを頼もうじゃないかと言って契約をした月日、これはいつだったのか、その点あわせて。また、ついでにアメリカに振り込んだ理由はどういうことだったのか。
○田部参考人 チャンイルは会社の名前でありまして、もちろん韓国ソウルにあった会社だと私は了解いたしております。それとわれわれは代理店の取り決めをいたしました。それの時期は、調達庁といいますか、それとの契約ができた後で結んだわけでありまして、いわばわれわれの契約を実行するためのどうしても手助けが必要だ、こういう手助けをしてもらう目的でチャンイルとの契約をしたわけでございます。
○二見委員 この二億二千万円というのは、考えてみると額がかなり大きいんじゃないかと思います。というのは、午前中の質疑で大出委員から、このソウルの地下鉄にかかわる総売上高は百八十五億五千八百万円である、総売上高がそうだというお話がありました。商社の方々も大体それはお認めになられたようであります。私、先ほどそれを計算しましたらば、百八十五億五千八百万円に対する二億二千万円というのは一・一八五%です。約一・一九%と言ってもよろしいと思います。この商売が決まったときに、四十八年の八月の初めに円借款申告書を基金の方に提出されておりますですね。そのときの予想利益率は二%だというふうに一応書いておられます。そうすると予想利益、マージンが二%で、この二億二千万円というのがマージンのほかなのかどうかわかりませんけれども、一・一八五%というのはかなり高いだろうと思います。もしマージンを二%しか予想しなかった場合には、恐らく商社の方々はあらゆる努力を払ってでもソウルの支店をお使いになったんじゃないかなと思います。このチャンイルを使うということと、利益率が一〇%以上にもなったという、粗利が一〇%以上にもなったということとやはり相関関係があるんじゃないかと思いますけれども、その点はどうでしょうか。
○田部参考人 前回の国会で私がソウルの地下鉄問題で御答弁申し上げたときに、いまの御質問もそのときにも私は受けました。そのときお答えしたことを記憶いたしておりますけれども、あの申請書と申しますか、そういう計算の内訳書を基金の方に出しました。それにはわれわれの予想利益、これは二%と、こう書いてありました。それを二%と書いた当時の状況下で私はどうして二%と書いたかということについて、そのときの国会でも御答弁申し上げましたけれども、当時はまだわれわれの取引の形態が本当にメーカーを代理する委託契約になるのか、あるいはある段階で打ち切って、あとは全部われわれの危険で、われわれの勘定でやるのか、いわゆる仕切り取引でやるのか、それがまだ決まってない状態でございました。前の方の、われわれにそういう取引上の危険が来ないような、いわゆる委託取引にもし決定いたしますれば、いまわれわれが申請書に書きましたような二%というのは通常の率でございます。ところが、その後に本件はそういう後の段階で仕切り取引に決定いたしました。したがって、われわれの取る利益率というものは二%ではとても払えるものじゃございません。それでチャンイルの口銭といいますか、それが約二%近くでございます。そういうことを決めた段階においてはわれわれの利益率はもっと高い、こういうことが決まった後でございますから、いま申し上げるような、チャンイルに二%近くもの支払いをするように決めたのだと私は思っております。
○二見委員 これはメーカーの方にちょっと教えていただきたいのですけれども、こういう車両というのは製造するまでにどのくらいの期間かかるのでしょうか。
○嶋井参考人 車種によっても違いますし、一般的に申し上げますと、一年間から一年半ぐらいというのが一般の状況でございます。
○二見委員 実は、その予想利益率二%について、ちょっと私、疑問に思うのですけれども、確かに四十八年八月の初めに基金に申告書を出されたときには、予想利益率は二%だった。しかし、商社とメーカーが契約をしたのは、私が聞いている限りでは四十八年の八月の末と聞いております。ということになりますと、提出をした時期とメーカーと契約が結ばれた時期とは、わずか一カ月もないということになります。しかも、いまのお話によりますと、車両をつくるのに一年から一年半かかる。これは四十九年の三月の末に船積みをされております。ということになれば、見込み生産か何かわかりませんけれども、大体いけるだろうということで、四十八年の初め、遅くても春には製作に着手していなければならない。その段階であらあらの話は決まっているだろうと思うのです。それが申告書を出した段階では二%だった。その後、条件が変わったために利益率が一〇%をオーバーすることになったんだと言うけれども、余りにも短過ぎるじゃないか。やはりここに何か作為があったのじゃないかなという気がいたしますけれども、その点いかがでしょうか。
○田部参考人 そこいらの、どちらが先だったか、こういう詳しいことは記憶いたしておりませんけれども、韓国向けの販売価格と申しますか、その方が先に決まりまして、後で国内のメーカーと商社との間のいろいろな条件、値段、そういうことが決まったのだ、こういうことでございます。
○二見委員 時間がありませんので、最後に基金にお尋ねしたいと思いますけれども、その前に、申しわけありません、商社の方にもう一点伺いますけれども、この政府交換で八千万ドルと決まりましたね。実際に皆さん方が契約したのは二百七十二億四千万円で、三百六十円のレートで割りますと七千五百六十六万七千ドルなんです。ですから、皆さん方ば交換公文で、あるいは日韓共同コミュニケで八千万ドルというこの数字をばんと見たときに、最初からこれはいけるというふうに、これならばもう目いっぱいでももうかるぞという判断はされたんじゃないかと思うのです。いま二百七十二億四千万円、三百六十円で換算すると七千五百六十六万七千ドルであります。それでありながら二億二千万円のコミッションが払え、それから二百五十万ドル、七億数千万円にわたる、要するに、これは税法上使途不明金ということになるのだろうと思いますが、そういうものが払え、なおかつ、商社の方では一〇%以上の利益が上げられるのですから、八千万ドルと聞いた途端に、これは相当うまみのある商売だなということはお感じになりませんでしたでしょうか。結果的にうまみがあると感じたのか、あるいはそのときに直観的に思ったかどうかわかりませんけれども、やはり八千万ドルというのは非常にうまみのある商売だったなというふうに私は思いますけれども、そういう感じは、商売の立場からいかがですか。
○田部参考人 仰せの八千万ドルは、当時の円借の総額であったと了解いたします。私どもの方の関係のある車両及び機器、それに関する部分というものは五千万ドルだったと聞いております。残りの三千万ドルについては、私も、われわれの関係するところでないところで使われたのじゃないか、こう思っております。その金額が合って、仮にそれが決まったら、どうしなくても全部商売がわれわれに来るのだ、こういうふうにお考えになるかも存じませんけれども、事実は、仮にそういう円借が決まりましても、なおかつ、われわれにとっては、商売の確保ということにはもう一〇〇%自信は持てないのでありまして、ほかがもっと有利な借款を出す、そういうことも十分考えられておるのが実情でございます。
○二見委員 最後に、基金の方にお尋ねいたしますけれども、このソウルの地下鉄の件というのは、政府が借款を韓国に供与して、地下鉄の建設を行う。しかも借款の内容がタイドローンであり、日本のメーカーのみが韓国に納入することができるという契約内容であります。そして、これは前にも議論がありましたけれども、借款に使われるお金二百七十二億円というものは国民の金だと、前の大蔵大臣の坊さんも答弁しております。したがいまして、こうした政府借款、しかもそれが韓国の民生に非常に寄与するものである場合には、政府は、本当は価格についてもっとシビアでなければいけないだろうと思うし、具体的な窓口になる基金の方でも、この価格についてかなりシビアな態度をとらなければいけないのではないか。恐らくこれからも、日本と韓国の間でいろいろな政府借款が行われると思います。韓国の第四次経済計画によれば、一九八一年までに韓国は、政府借款五億ドルを日本に期待しているそうでありますし、そうしたことを考えれば、価格形式についてはシビアでなければいけない、厳格でなければいけないと私は思います。
 そういう点で基金の基本的な見解を承りたいことと、もう一つ、この場合は粗利が一〇%を超えているということで、高過ぎるのじゃないかということとなっておりますけれども、基金としては、この問題に限定すると御答弁しにくいと思いますけれども、一般論として、政府借款というようなケースの場合、一〇%を超える粗利というのは、基金としても、これは高いなとお考えになっているのか、この程度はあたりまえだとお考えになっているのか。それから、円借款申告書では、予想利益率は二%だったけれども、実際には一〇%を超える粗利になった。この差について基金は、それをいつ知ったのか、どういう判断をしているのか、お答えをいただきたいと思います。
 なお、今後の問題として、この件じゃなくて、これから行われるであろう円借款に対して、基金としては、その価格の正当性や何かについてどの程度まで関与できるのか、これもあわせてお答えをいただきたいと思います。そのお答えを承って、質問を終わりたいと思います。また、参考人の方々、大変ありがとうございました。
○石原参考人 お答えを申し上げます。
 第一の、基金は、円借款をするのに当たってどういうチェックをいたしておるかという点であります。円借款と申しますのは、申すまでもなく相手国政府あるいは政府機関と日本側の輸出者との間の契約ができるわけであります。それに基づきまして、所定の手順を経まして基金の借款が行われるということに相なるわけでありまするから、当然売り手と買い手の間で一つの合理的な価格を定められるという手順になっていると思うわけであります。しかしながら、基金といたしましては、融資をするに当たりまして、価格の問題もございまするけれども、そもそもそのプロジェクトが果たしてうまく現地の状況に適合するのであろうか、実施の主体はどうであろうか、財務能力はどうであろうかというような各般の点をチェックをいたすわけであります。それによりまして借款が円滑に実施せられるということを考えるわけであります。
 価格の点につきましても、その価格そのものが、類似の最近の取引の状況でありますとか、あるいはその取引の態様、条件、取引の時期、そういうような点から見まして、果たして適当なところであるかどうかという点にチェックの重点を置いておるわけであります。したがいまして、その価格のおのおのの原価の構成因子につきましての原価計算をしていくというような意味のチェックはいたしておりません。全体の契約の価格も含めまして円滑に行われるかどうかということがわれわれのやりますチェックの主眼であります。
 第二番目の問題につきましての一〇%という問題でございます。三菱商事の方からお答えをいただき、また二見先生も御引用になりました二%と一〇%というのは、性質が違うわけであります。二%と申しますのは純利益でございます。一〇%ということを言っておられますのは、それは粗利益でございますから、その中でどれだけが純利益かという問題でございますので、両者を直ちに御比較をいただくわけにもまいらぬかと思うのでありますが、先ほど三菱商事の方からお答えございましたように、取引の態様が日本側の納入者がリスクをしょうのだという形になったということもございまして、これは私どもが借款契約をいたしました後におきまして、四十八年に一遍、決算委員会で問題になったことがございます。その際に重ねて三菱商事の方から事情を聞きました、したがいまして、その当時にすでに粗利益では一〇%程度になるのではなかろうかという印象を、私、在職していたわけではございませんけれども、当時の基金としては持ったようでございます。
 それでその一〇%が高いかどうかという問題でございますけれども、取引にはいろいろなやり方があるわけでございまして、先ほど商事の方からおっしゃいましたような、リスクを持つか持たぬかということもございましょうし、ことに粗利益の場合でございますと、これは七〇年から七六年ぐらい、六、七年でありますか、その前の期間が多少あるかもしれませんが、非常に長期にわたって契約並びにその実施に当たっているものでございますから、粗利益の中で賄わなければなりません間接的な経費も相当かかるという実情はあったかと思います。
 最初に申し上げましたように、私どもは一つ一つの原価の内容をチェックするというやり方ではございませんので、どこら辺が適当であるかということを申し上げかねるわけでございますが、当時におきましてもこれは著しく不当であるという印象を持ってはいなかったというふうに私は承っておるわけであります。
○二見委員 どうもありがとうございました。
○田中委員長 次に、河村勝君。
○河村委員 参考人の方々、御苦労さんです。
 ソウル地下鉄並びに国鉄電化に関連する車両問題、これについてお伺いするのでありますが、大体いままでの質問で一般に疑問とされたところの輪郭、最後の具体的ことだけはわかりませんけれども、あとは大体わかったと思います。そこで、あと若干疑問の点を数点お尋ねをしたいと思います。
 最初に外務省に伺いますが、先ほど三菱の田部さんから、仮に借款協定ができ上がった後でもなお有力な国が出てきて、それでその借款協定が変わってしまうという危険がなお残っているのだという発言がありましたが、そういうことがあり得ますか。
○菊地説明員 お答え申し上げます。
 先ほどお話のとおり、この八千万ドルが決まりましたのは四十六年の八月の定期閣僚会議でございます。
    〔委員長退席、澁谷委員長代理着席〕
そこでは一応八千万ドルというドルで表示してございますけれども、現実には、その年の十二月に交換公文が署名されたときには二百七十二億四千万円ということで円で表示してございます。私たち円借款の場合は、常にその名のごとく円で表示してあるわけでございます。したがいまして、先ほど田部参考人のお話に関連しましてはわが国の円借款はタイドローンでございます。ことにその当時は全面的なタイドのローンでございます。現在ばちょっと違いますけれども、その当時はタイドローンでございますので、このプロジェクトにつきまして日本側の借款の約束が出たということで、日本側で実施するということは確実になるわけでございます。先ほどのまだ不安があるとおっしゃった意味は、私どもちょっとどういうことでおっしゃったのか知りませんけれども、あるいは想像するに、たとえば内資分と外資分というのが常にありますので、これはあるいはその点のことをおっしゃったのかと思いますが、しかし、参考人からお聞きいただきたいと思います。
○河村委員 二百五十万ドルの約束を借款以前になさった、また金も供与された、それから二%、二億三千万円の手数料を払う約束をされておる。そういうことと、いま田部さんは、この地下鉄並びに国鉄に対する契約価格、これが一〇%以上のマージンを取るような計画にしたこととは関係がないのだ、そういうお話でございました。それはもっぱら仕切り取引であるのかあるいは単純なる委託であるのか、その区別に従ったものだ、そういうふうにおっしゃいましたが、私はどうもその点は、素人でありますけれども、疑わしいと思います。なるほど形式的には仕切り取引でありましても、いまの話のように完全なタイドローンであって、購入されるものは日本の製品でなければならない、それと同時に輸送役務も日本のものでなければならない、そこまで決まっているわけです。
 それで、こちら側のグループは日本連合であって、いずれも日本の著名な商社でありメーカーである、そういう条件が加われば、通常タイドローンのような場合には二、三%が常識だということ、仮に形式的な条件が仕切り取引であっても一〇%以上のマージンを取るというのは、私は常識に反すると思うのです。別段、それを意識されたかどうかということは特にこの問題の本質にかかわることではございません。ですから、この七億円以上のコミッション、一億二千万の手数料、そういうものを念頭に置いてそういう計画をされたと言われても私は少しも不思議ではない、むしろそうでない方が常識に反するのではないかと思いますが、いかがでございますか。
○田部参考人 お答え申し上げます。
 相手の国が日本の円借を使う、こういうことに決まります限りにおいては、タイドローンでありますから日本品を買わなければならぬ、こういうことであります。二百五十万ドルの話は四十六年の初めに決まったのでありまして、そして、四十六年の春先に百二十万ドルを払っておるわけでございます。そういうことで、円借款の決まったそのこととわれわれの粗利益とが関係あるかないか、こういうことでございますけれども、もちろんわれわれは商売でありますから、いまの二百五十万ドルも、これを取るためにはどうしても払わなければならぬ。そのほかに、やはり現地で使う代理店に相当な手数料と申しますか、代理店手数料を払わなければならない。そういうものをわれわれの粗利益の中で賄わなければならぬということでありますから、自然に、われわれが逆算いたしますと、相当の粗利益を取らない限りは商売にならぬ、こういうふうなことでございます。したがって、そういう計算を前もって頭に入れた上でいまのような金額も払い、またわれわれの粗利益、そういうふうなものが取れるような値決めをしたわけでございます。
○河村委員 そうであろうと思うのですね。
 そこで問題は、経済協力基金の方では、そうした余分な経費がかかっておる、そういうものを含んだ値段でなければ消化できないであろうといういきさつを御存じであったかどうか、それを伺いたい。
○石原参考人 お答えをいたします。
 基金が融資の決定、借款契約をいたしましたときには、先ほど来議論をせられておりますようなことがあって、その上であの契約をやるのだということは承知をいたしておりません。したがいまして、私どもが、先ほど申し上げましたように韓国政府、調達庁と供給者の間に決定せられました価格が果たしていかがであるかという点の他の類似の例とのチェックというようなことはいたしましたけれども、その積算を見まして粗利益が幾らが適当であるかというようなことを考えましてあの契約を決めたわけではございません。全体としてはこの程度のところが妥当なところであろうかという見当で契約をいたしたわけであります。
○河村委員 前回、三月のこの委員会で私は基金の大島理事に対しましてお尋ねをしたことは、それは地下鉄並びに国鉄に対する車両の単価が、ローンアグリーメントで四十七年の四月に決まった際には、一両当たりの単価が地下鉄分は四千五百七十万円、それから国鉄分は四千六百万円、それが最終的に修正をされて、地下鉄分は五千八百七十九万円、それから国鉄分については五千八百六十二万円、それぞれ千三百万円程度単価が上がっている。これはローンアグリーメントの中の計画書の中の推定コストを修正しているわけですね。なぜ修正をしたのか。一九七二年、四十七年の四月から四十八年の六月まで、この間というのは石油ショック以前であって、卸売物価はすべて安定をして余り動いていない時期です。この間になぜこれだけ上げなければならないのかということをお尋ねをしたのです。そしたら、金融機関としての立場あるいは韓国政府に対する立場を配慮しなければならないので、ローンアグリーメントにどういう数字が記載されてあったかということについては返事はできない、だけれども修正はしたという事実と、もう一つこういうことを言って答弁をされたのです。それはローンアグリーメントをつくる際に「ローンアグリーメントに記載されております当初の見積もり単価、これは韓国政府が提出いたしました事業計画書の計画をとりあえず収録したわけでございます。基金は審査の結果、韓国側の提示の見積もり金額が安いのではなかろうか、こういうように考えたわけでございます。借款契約の交渉の際に基金がこの点を指摘いたしまして、車両割り当て額の増額を主張した」こう言っているのですね。しかし、この見積もり価格そのものは、韓国側の見積もりというのもおかしい話で、基金自身が関与しないでできるものではない。それにもかかわらず、なぜそのときに安過ぎると思ったのか、そこのところが私は非常に不可解だと思っております。だから何かの事情で――先ほど総裁は通常原価計算なとはやっておらない、一般の取引条件等を見て、それでいわば常識的に決めるのだとおっしゃった。常識的に決められたものが急にその場になったらこれが安過ぎるのではないかと言い出したことについて、私はどうも単純に計算間違いだというわけにはいかないだろうと思いますが、いかがでございますか。
○石原参考人 前回の機会にお答え申し上げたということで私が承知いたしておりますところでは、河村委員御指摘のように、ローンアグリーメントを決めますときの韓国側の申しておりまする価格は低過ぎるのではなかろうかという判断を当時においていたしたわけであります。と申しまするのは、一九七二年ごろから御承知のように卸売物価は騰貴を始めまして、一時は年にして二けたの卸売物価の騰貴率になっておったわけであります。したがいまして、韓国側が申し出られる価格では現在のところでは調達できないのではなかろうかという感じを持ちまして、たとえば第一次、第二次の調査団が行って、いわゆるフィージビリティースタディーをやっておるわけであります。そういうものも見ましたり、鉱工業品の卸売物価の騰勢の状況からも考えまして、それでは私どもは無理ではなかろうかということを申したのでありますが、当時、借款契約を取り急ぎ決めたいという強い要望がありましたので、その値段は韓国側の申し出価格をそのまま採用いたしまして、ただし借款契約の中に一項目を入れまして、これは事後において調整することがあるのだということを明らかにいたしたわけであります。その後におきまして全体の金額の中の予備費を使いまして、いま申し上げましたような値段の調整をいたして借款契約の改定を行い、それによって現在の議論の対象になっておりまする調達が行われるに至っておるわけであります。
○河村委員 予備費を流用してというお話でありましたけれども、現実にローンアグリーメントの中に記載してある予備費というのは七億九千百万円しかないのです。それでこの単価の差は車両だけでもって総額三十二億四千四百万です。三十二億四千四百万の赤字が出てしまうものを七億九千百万の予備費でどうやって流用できるのですか。
○石原参考人 全体の金額が決まっておりまするので――ちょっと私、予備費だけというふうに申し上げましたのは、河村委員の御指摘がございましたようにそれでは不十分だったわけでありますが、それ以外の余裕のある項目を流用いたしまして、現在の一車両、一台当たりの値段からいたしますと、四千五百万何がしでありましたのが五千八百万円という数字になっておるという状況であります。
○河村委員 その他の項目といいましても機器類、それからコンサルタント料、それを除きますと、あとは韓国の国内で調弁するための金だけですね。少なくとも予備費に計上してあるものの四倍半ぐらいになるものを流用しなければならないにもかかわらず、当初、もし契約当時に疑問があるとお考えになったのであるならば、そのときに当然修正されていなければならない。
○石原参考人 総額が二百七十二億一千万円でございます。そのうち車両が百十八億四千四百万円、車両以外の資機材類が七十三億八千四百万円、コンサルタントのサービスが八億九千九百万円、ローカルコストが七十億八千三百万円、それが最後の姿てございます。いまちょっと手元に――どの項目から幾ら回したかという金額はいますぐ調べて申し上げますが、いま申し上げました姿に落ちつきましたので、ローカルコストからも出しているようでありますし、資機材、サービスの中からも若干出しておるようでございます。その数字がおのおのの項目で幾らかということはいますぐ調べまして申し上げるようにいたします。
○河村委員 四十七年の四月一日から四十八年の六月まで、いま石原さんがおっしゃったように卸売物価が急騰して、車両の価格が四十八年の六月ごろの国内の契約と比べて一車両当たり千三百万円もの差になるほどに騰貴をしておりましたか。
○石原参考人 私が申し上げましたのは卸売価格の騰勢のお話でございますし、それから一方は車両の価格でございますから、その間に機械的に何%という数字が参るわけではございません。ただ、私が申し上げましたのは、卸売価格が著しい騰勢を告げつつある時期にこの契約ができたものでありますから、したがいまして、その点を加味しないといかぬだろうということを申し上げたわけでありまして、実は今日まで予算委員会その他の委員会でいろいろその価格の違いがどうだという点のお尋ねがございまして、たとえば都営の車両との比較はどうである、あるいは国鉄の何との比較はどうであるということを申し上げておりますのは、いま河村委員が御指摘であります時期の関係、それと物価の騰貴の関係、その関係を中心にして申し上げているわけでありまして、私が申し上げたいのは、ちょうど卸売価格が相当著しく上がった時期にこの話がまとまったというところで、その価格の織り込み方につきまして韓国政府とわれわれの間に意見の食い違いがあったということを申し上げておるわけであります。
○河村委員 現実には、四十八年の初めごろに契約されたものはそんなに国内では上がっていないのです。ですから、その点を多くの同僚議員も含めていろいろお尋ねをしたけれども、結局はこれはらちが明きません。水かけ論のような形になっております。ですけれども、ここのところに大きなマージン、コミッション等を含めたマージンを賄うだけの余裕がこの基金の見積もり価格の引き上げによって生まれたという事実だけは間違いがないのですよね。だから、卸売物価を単純に引き当てるのであれば一〇%以上のマージンが出る余地はないはずであって、もしかりにこの商社の扱われておる部分について二%ぐらいのマージン、それで後ほどお尋ねをいたしますけれども、車両メーカーのマージンも、やはりこういうタイドローンで賄われるという特殊性からいって二、三%でおさまったとすれば、当初の基金でお決めになった一車両当たり四千五百七十万円ないし四千六百万円、これでもって十分間に合う数字になってしまうのですよね。もっぱらマージンの差によってこれだけの価格の引き上げができたという、数字的には少なくともそうなっている。そういう事実を総裁は御存じですか。
○石原参考人 お答えをいたします。
 これは私どもの当時の推定でございますけれども、韓国側が低いローンアグリーメントのときの数字を申したということを申しておきましたが、その当時に推定をいたしたのでは、第二次の調査団が七〇年の後半に行っているわけであります。そのレポートが四千七百五十万円という値段に相なっているわけでありまして、大体この値段を参考にして出しているかという推定を当時基金当局としてはいたしたようであります。しかしながら、これは先ほど申し上げましたように物価上昇を見込んでない一九七〇年ベースの価格になっておりますのと、先ほど申し上げましたように、七二年になりましてから卸売物価指数が上がってきているということがございまして、いまのような私どもとの意見の相違が出てまいったというふうに御了承願いたいと思うわけであります。
○河村委員 これは幾ら言っても仕方がないのですけれども、私は、四千五百七十万円ないし四千六百万円、これでもって完全にマージンを賄えた数字になるとは言っておりませんけれども、しかし、少なくとも二、三百万ふやせば大体落ちつくぐらいの数字なんですよ。あとはそのマージンが二%から一〇%に広がったことによってふくらんだという、逆算すればそういう結果になるのです。そこのところに大変な問題があるわけで、その基金の計算は、先ほどは総裁は一般取引条件等を参酌して常識的に決めたとおっしゃったけれども、その常識の基礎になった積み上げ計算というのは、私は本当はあるはずだと思うのです。一体どういう道程を経てこの計算がなされるのか、おわかりだったらそれだけちょっと説明してください。
○石原参考人 先ほどもお答え申し上げましたように、円借款と申しますのは、調達当局であります韓国政府、この場合に調達庁でありますが、それと納入者との間の入札によって決まるわけであります。したがいまして、それによって決められた値段が適正であるかどうかという点の判断を、先ほど来申し上げましたような取引の態様、条件、取引の時期というようなものを考えまして、いわゆる審査をいたしますわけでありますから、ベースになりますのは何と申しましても納入者と調達者との間で入札等の手続を経て決まります値段、それがベースになるのだというのが本体になるわけであります。
○河村委員 これ以上ここで議論しても切りがないと思いますのでやめます。ただ、この基金の見積もりコストの改定というものが、どうも前後の事情から見て、やはりここでもってかなり値上げをしないとこの種のコミッション等が賄えないという額と余りにも符合している、そういう疑いがあるということだけを申し上げておきます。
 それと、もう一つ問題が残っているのは、先ほど大出委員が途中まで指摘をされた車両メーカー、いままでのは商社だけの話でありますけれども、車両メーカーの方の価格でありまして、七百三十万円の行方という部分が中途半端になっているわけであります。車両メーカーが日立に納めた車体の価格が三千七百五十万円、それに対してモーターとかコントローラーというような付属の機器類、これの価格が約千七百万円見当というところまでは大体事実関係が一致したようでございまして、その結果、日立製作所が総括メーカーとして三菱商事に納められた値段が五千百五十万円。五千百五十万円からこの車体価格の二千七百五十万円プラス千六百八十万円という当時の一般の取引の相場をプラスしたもの、それを差っ引くと七百二十万円そこにあいた部分ができ上がる。この七百二十万円の内訳について、先ほどの御説明によりますと、試験費基本設計費これで二百万円ぐらい、それからATS、列車無線等で百八十五万円、計三百八十五万円、その他はもろもろの仕様の差であるというようなことで、そこでしり切れトンボになってしまったわけでありますけれども、この点も、やはり全体の価格が上がったためにこれだけのいわば余裕といいますかマージンともなり得るものがここにあらわれてきている、そういうふうに結果的には推計されます。先ほど言われた二百八十五万円以外にどういうものがあるのか、もし具体的なものがあれば説明をしていただきたい。
○嶋井参考人 先ほど申し上げました車両あるいは電気品の総まとめ費というのが二百万円ございまして、それから千六百万円という先生方の御指摘がございますが、そういうものを仮に、私どもはまた千六百万円が正しいかどうかよくわかりませんが、一応そういった国鉄の従来品との比較ということでお話しでございますので、それと対比してみますと、まずいま申し上げましたATSだとか列車無線というのが対比から外れるものであるという意味で、これが百八十五万円でございます。合わせまして三百八十五万円は、いわゆる国鉄の従来のものと御比較なさるときにはちょっと別のものになるかということで申し上げました。
 それから私ども、千六百万円というのは先生方の御試算で出てきたことを伺っておりますが、これは国鉄さんの交付材が国鉄さんの例でかようになるということなのでございますが、私どもが今度お納めする交付材に相当するものは全部私どもでつくっているわけじゃございません。国鉄さんがどこかへ御注文になってわれわれに支給されておるものですから、その値段は私どもにはつまびらかではございません。私ども日立だけを取り上げますと、日立がつくって国鉄さんに交付材としてお納めしているものは、およそ見当がつきます。しかし、その他のものについては見当がつかないのでございますけれども、一応、国鉄さんのものがこんなものであろうという交付材を中心に整理してみますと、約千六百五十万円でございます。これが国鉄さんの仕様をベースにした場合。それにプラス、韓国の今度の地下鉄の仕様で物が大きいこともあります。重量が重いこともあります。それからスタート・ストップが多いとかいうような、日本の交直よりもさらに余分な仕様が追加されておりまして、それが電気品回り、これは交付品は大体電気品が多うございますが、そういったものが仕様アップで約三百七十万円アップいたしております。それで、国鉄との対比という意味ではなくて、従来どおりである普通の国鉄と同じ仕様の交付品であるならば千六百五十万ぐらいだというようにわれわれは仮に置いてみて、それから仕様の高い分で上がった分をどうかということで一つ一つ克明に当たってみますと、そういう数字になるわけでございます。
○河村委員 よくわからなかったのですが、そうすると、いま言われたのは、七百二十万円の中は全部いろんなものに、要るべくして要ったということですと、利益はここからは全然出てない、こういうことですか。
○嶋井参考人 いま利益のことにはちょっと私ども触れておりませんけれども、大体千六百万に対して七百二十万があるじゃないかということに対してのお答えといたしまして、全体でかかるのが三百八十万ぐらいある、それ以外に、国鉄さんの数字をベースにして千六百万とおっしゃっておるので、そういうベースで比較してみると、韓国用にはいろいろな要素で値上がりしている要素があります。そういったものをはじいてみますと、私どもの計算では、七百二十ではございませんけれども、合わせてみますと七百五十ぐらいな数字になるわけでございます。利益のことはちょっと触れておりませんが、先ほど来いろいろ利益のことが出ておりますけれども、これで異常な利益が出ているという性質のものではないことをつけ加えさせていただきます。
○河村委員 しかし、七百二十万円余裕があると言ったのに、七百五十万円かかっているということになると利益がなくなってしまうわけですね。どうなるのですか。そうすると車体の方の二千七百五十万円、ここから利益を出しているのであって、そういう付帯設備から全然利潤は出てない、こういうことになるのですか。
○嶋井参考人 いまも申し上げましたように、いまのことで、いまの数字の組み立てで中に利益は入っているわけでございますから、われわれは、先ほどの御指摘のとおり車両一両五千百万でございますが、その中から車両についても、それから交付材の電気回りのものについても若干の利益は出しております。
○河村委員 その若干というのは幾らぐらいですか。
○嶋井参考人 先ほど来出ております数字よりもはるかに低い数字でございます。
○河村委員 私は常識的に考えまして、商社の方々がいろんな苦心をされて万やむを得ず九億二千万円にも上る出さないでも済む支出をやっておる。
    〔澁谷委員長代理退席、委員長着席〕
そうなればメーカーに対しても応分の負担をしてもらいたいということになるのが、どっちかと言えば常識ではないか、だからやはりこっちの部分にもそれに見合うものが入っているのであろうというふうに考えるのが大体あたりまえではないかと思うのですけれども、この問題については、車両メーカー側はこのコミッション等の分担とかなんとかということは一切なかったということでございますか。
○嶋井参考人 先ほどもお話が出ましたように、商社さんから私どもメーカー団への値段は、仕切りで、これでやろう、やってくれというお値段でありまして、いまのお話のようなことはメーカー側には一切ございません。
○河村委員 そうすると、仕切りと申しますと、総額の五千五百五十万円でやってくれ、こういう相対の値段の決め方である、そういうことになるわけですか。
○嶋井参考人 いま先生、五千五百万とおっしゃったが、五千百五十万でございます。
 そのとおりでございます
○河村委員 私らにもそれ以上、ここが疑わしいと追及するだけのデータはございません。ですから改めてまたお尋ねをいたしたいと思いますが、最後に三菱の田部さんにお尋ねをいたしますが、大宇産業というのを御存じですね。ことしに入ってから大宇産業から韓国国鉄に対する電車の九十両、それから地下鉄に対する二十両、こういうものを納入する契約を結んでおられますね。
○田部参考人 仰せのとおり、私ども大宇重工業と契約いたしております。
○河村委員 大宇産業というのか重工というのか知りませんが、その会社はどういう性格の会社で、それの代表者は何という人ですか、それだけを最後に伺います。
○田部参考人 大宇重工業の社長は金宇中という人が社長でありまして、この会社は車両製造会社でありまして、ほとんどがノックダウン方式で製作する、こういう相手でありまして、私どもの方はここと二度にわたって契約いたしておりますけれども、その都度信用状を開いてもらって、それによって受け渡すたびに現金で金をもらっております。第一回の契約は何の問題もなく信用状を開いて積み出して、金も全額入っております。
○河村委員 そうすると、この場合は、韓国のソウル市、あるいは国鉄との直接の取引ではなくて、大宇重工という会社とおたくとの取引ということになったわけですか。
○田部参考人 さようでございます。
○河村委員 質問を終わります。
○田中委員長 次に、正森成二君。
○正森委員 各委員がお聞きになりましたので、重複しないように端的にお聞きしますので、簡明にお答えください。
 いま各委員の質問の中で、三菱商事が五億七千九百万円、丸紅が六億三千万円、三井物産が三億七千四百万円、日商岩井が三億七千四百万円の利益を計上したという御答弁でした。そこで伺いますが、チャンイルに支払われた総額二億二千万円はこの利益の中に含まれているのですか。それとも経費として落とされたからこの中に含まれていないのですか。
○田部参考人 お答え申し上げます。
 いま御指摘の数字は各四社の粗利益でございまして、粗利益ということは総利益でございます。各社ともこの総利益の中から、さっきお話しのチャンイルに払った合計二億二千万円、それと四社合計で二百五十万ドル、約七億何がしも全部この粗利益の中から支出しておる次第でございます。
○正森委員 いま二百五十万ドルの方を七億何千万円というように言われましたが、三回お払いになりました各時期の為替レートを調べますと、総額は七億八千八百万円くらいであろうというふうに思いますが、いかがですか。――それでは時間が惜しゅうございますから、その点は後で明らかするとして質問を続けますが、二百五十万ドルを三回にわたってお払いになった時期ですが、第一回目は昭和四十六年の、先ほどの答弁では丸紅や日商岩井は七、八月というように言われましたが、正確な日時を三回にわたってお答えください。四社ともお願いします。
○田部参考人 私どもの方で支払いました支払い金額並びに月日を申し上げます。
 一九七一年四月、合計百二十万ドル。この百二十万ドルは各社三十万ドルずつの合計でございまして、私どもの方は三社から三十万ドルずつ払い込みいただきまして、それを加えて百二十万ドルを一九七一年四月に支払っております。次には一九七三年一月、二十五万ドルを払っております。それからその最後の一九七三年五月四日に七万五千ドル、それだけの支払いをいたしております。
○正森委員 先ほど他の社長さんがお答えになったのと若干違うようですが、いかがです。三井、丸紅、日商岩井、それぞれ答えてください。
○塚本参考人 三井物産でございます。
 私どもの方、調べましたところでは、米国三井物産からの支払いは、第一回が四十六年八月十八日三十万ドル、第二回目が四十八年一月二十九日二十五万ドル、第三回目が四十八年五月二日七万五千ドルという結果になっております。
○正森委員 丸紅はいかがです。
○松尾参考人 私の方は、最初の三十万ドルは四十六年七月。(正森委員「何日」と呼ぶ)日までここへちょっとレコードを持っておりません。それから二回目の二十五万ドルは四十八年一月、三回目の七万五千ドルは四十八年五月であります。
○植田参考人 私の方の支払った月日は、四十六年八月が第一回目、第二回目が四十八年一月、第三回目は四十八年五月でございまして、月日はちょっとわかっておりません。
○正森委員 そうしますと、第一回目については三菱商事は他の商社から金をもらわないうちに四十六年四月に早く払ったという勘定になってきて、非常に勘定が合わなくなりますが、三菱がお払いになったのも四十六年の七月ないし八月ごろではありませんか。
○田部参考人 われわれの方はこの第一回の四社合計の百二十万ドルを立てかえて払いましたので、後から各社から穴埋めをしていただいた、こういうことでございます。
○正森委員 二百五十万ドルという総額は、名前は言えないが、これを払えば必ずソウル地下鉄の契約が物になると有力な財界人から言われたということでした。そこで、それが四十六年の初めごろから出たということですが、支払わなければならない時期は、やはりそのXなる人があなたに指示をしたのですか。それともあなたの方で独自に判断をして払ったのですか。
○田部参考人 もちろんわれわれがこの人の言葉を信用して、協力を得よう、こう決定したその相手から、金額、いつまでに幾ら払え、こういうふうな指示を受けて、それで払ったのがいま申し上げる百二十万ドルと後の二回であります。
○正森委員 そうしますと、時期については先方から指示されたということがわかりました。
 ところが、第一回についてのみは、他の商社は全部幹事商社の三菱に任せているはずであるのに七月ないし八月に集中して払って、あなたのところが立てかえ払いされてから大商社ともあろうものが三カ月もおくれておるというのはどういうわけですか。丸紅さん、いかがです。三井さん、いかがです。
○田部参考人 私どもの方は立てかえて払って、それで各三社にそれぞれ穴埋めを要請いたしました。各三社の方の御都合があったのだと了解いたしております。
○正森委員 私は、三つの大商社がそれほどお金に困って二カ月、三カ月三菱さんに待ってくれというほど不義理をなさるとは思いません。他の三社はいかがですか。その時期に三菱さんから金を出してくれと言われたのですか。あるいはそれより前に四月に言われたけれども、七月ないし八月でなければ出したくないという事情があったのですか。
○塚本参考人 その間の事情はただいま十分調査できておりませんが、想像いたしますのに、受注に至りますいわゆる受注活動、これば四社間の話し合いで窓口商社にお任せしておりましたので、窓口商社さんがお払いになって、後から御請求があり、それに対して支払いまでに時間をとったということと思っております。
○松尾参考人 その辺の余り細かいことは私ども聞いておりませんが、要するに三菱商事さんからの連絡によって払ったというふうに報告を得ております。
○植田参考人 詳しい事情はわかりませんけれども、当時の担当者から聞いたところによれば、窓口の三菱商事さんから御連絡がありましてお払いしたように聞いております。
○正森委員 ここに問題の一番の核心があるわけであります。つまり三菱はみずからは、田部社長の言うところを信用すれば、四十六年の四月にX氏に払ったのでございますけれども、三菱は、三井、丸紅、日商岩井に対して各四十万ドルという大きな金額を払ってくれと言い出せない事情があった。その事情が、四十六年の七月、八月になって、これなら各商社も払ってくれるだろうという確信が持てる事態になったということをあらわしておるわけです。そして四十八年の一月と五月については、三菱さんの払った時期と他の三社の払った時期が一致しておるということは、この時期には四社が足並みをそろえて払ってもこれは商売上当然であるという理由があったからであります。
 それはなぜか。それは第五回日韓定期閣僚会議が八月の十日と十一日に行われて、コミュニケが八月の十一日に発表されております。そこで初めてこのソウル地下鉄について二百七十二億四千万円、つまり八千万ドル払うということが決まったわけであります。他の三商社としては、三菱に任せておってもこの借款が決まるということがある程度確度を持って自分たちに納得できなければ払えない、そのことは三菱さんも知っているから、そこでそれが決まった段階で丸紅さんに言い、日商さんに言い、丸紅さんや日商さんは言われた時期に遅滞なく払っている、こういうことになるわけであります。つまり、この金は借款を得るかどうかと重大な関係があるわけであります。
 それなら四十八年の一月はどうかと言えば、入札の書類を調達庁に提出したのは何月何日ですか。――私から申しましょうか。他の三商社でもいいから言ってください。時間が惜しい。
○田部参考人 お答え申し上げます。
 入札書を提出いたしましたのは四十八年の三月十四日だった、こういうことでございます。
○正森委員 そういううそを言ったらいけません。海外経済協力基金がすでに国会で答弁しておるところでは、入札の資料を出したのは四十八年の一月であり、四十八年の三月十四日に落札をしておるということになっておるのです。そしてその後二カ月かかって六千九百何万のものを一七%ぐらい値下げをするのに交渉して、五月の十三日に契約をしておるわけです。ですから、第二回目の金額である二十五万ドル掛ける四の百万ドルは、まさに入札書類を韓国調達庁に出したときに、これについてよろしく頼むという工作資金なんです。そして、最後の七万五千ドル掛ける四の三十万ドルは、五月十三日にいよいよ契約ができた、万事終わりましてこれで支払い済みでございます。こういう金なんです。そうでしょう。
○田部参考人 契約を調印した日は五月の十三日、そういうことでございますけれども、いま、いろいろな円借との問題のために待ったとかあるいはそれが決まったから払ったとかいうようなことは、私どもの方ではそんなことは承知いたしておりません。
○正森委員 幾ら承知していなくても、昭和五十二年五月十八日の参議院の決算委員会において、海外経済協力基金のここに来ておられる石原さんが、わが党の加藤進議員の質問に対して明白に答弁されております。ですから、この点については絶対に間違いのない事実であります。そうだとすると、私が申し述べたことが、何ら疑う余地がなく工作資金であり、しかもそれがこの一連の流れの急所急所に支払われているということが明らかではありませんか。
 中川さんに伺いますが、あなたは四十五年まで三菱のソウル支店長をしておられました。そのときに朴大統領にも藤野会長のお供をして何回か表敬訪問をした、そのほかに個別に金炯旭にみずから会った、こういうように言われましたが、あなたが金炯旭氏に接触するときに、一九六九年に横断鉄道についてヨーロッパ連合、フランスが中心ですが、ヨーロッパ連合に受注をとられた、それについてはイスラエル人のアイゼンベルグが非常に活躍をしたということだそうであります。なぜヨーロッパ連合にとられてしまったのですか。そのわけはどうですか。
○中川参考人 韓国側といたしましては、従来の鉄道技術が日本の技術によっておりますので、事務当局としては日本とやりたかったことは万々そのとおりでございます。ところが、この話が持ち上がりまして、われわれとして日本政府に借款の供与を求めたのでございますが、これがなかなかうまくいかない。それで大蔵省、通産省としても早急にやることはできない事情もあったのでございましょうけれども、じりじりして、出るのじゃなかろうかと思って韓国側を説得しておりましたが、韓国側としては、やるかやらぬか早く決めろということを非常にせっつきまして、私も本店にずいぶん言ったのでございますけれども、とうとう必ずやりますという約束ができなかった、それが決め手であったと存じます。ヨーロッパの方はアイゼンバーグを中心といたしまして、これでやりますということを持っていったために、おくれをとったわけでございます。
○正森委員 いまの中川支店長の答弁は非常に明快であります。つまり、横断鉄道において敗れたのは、値段が高かったからとか低かったからということでは一切ない。日本から借款を与えるという確約が間に合わなかったからヨーロッパ連合にとられたわけであります。
 そこで中川さん、そうだとすると、次にソウルの地下鉄を日本側に持ってくるために一番大事なことはもう子供でもわかる。日本政府に借款を確実に決めさせる、それが一番大事であったということばきわめて明らかであります。そしてその日本政府の借款を、すでに事務当局は日本の鉄道になじんでおるから、それをとりたいんだから、韓国の上層部に日本の借款でいこうという決意をさせる、その両方が、田部社長の言う国のため会社のために契約をとってくるために一番必要であったということは理の当然であります。そこで、そのためにはどうしたらいいかということをあなたは金炯旭に聞いたはずであります。金炯旭は何と答えましたか。
○中川参考人 先ほども申し上げましたように、この地下鉄の話は、四十六年の一月になりまして具体化に入ったわけでございます。私自身はすでに四十五年の四月にソウルを離れております。したがいまして、この件に関しまして金炯旭さんにこうお願いしますと言う段階まで至っておりませんでした。
○正森委員 中川さん、あなたがもしそういうような答弁で終始されるなら、私も余りこの場で言いたくないことを言わなければなりません。ですから、もっと男らしく、あなたが最小限言えることを言ってください。
○中川参考人 最小限言えることということですが、私は本当に良心に誓って本当のことを申し上げておるので、横断鉄道につきましては私が責任を持って現地の責任者としてやりましたけれども、ソウル地下鉄につきましては、私がおるときにはソウルに地下鉄をつくるそうだといううわさを聞いた程度でございまして、私が離れてから九カ月たって初めて具体的な動きになっておりますので、私は全然存じません。
○正森委員 そういうことをおっしゃるなら私も言わなければなりません。あなたは四十五年の四月に離任したと言われましたが、四十五年七月に第四回日韓定期閣僚会議が開かれて、そのコミュニケの中で、ソウルの地下鉄について調査団を派遣して、これに対して日本政府が協力するということが決まっております。その作業はすでに四十五年の初期からあったというようになっておるわけであります。そしてあなたはお立場もあるんでしょう、特に横に現職の三菱商事社長がおられるから言いにくいことはわかるけれども、私があえて言いますと、私は本年の十二月九日あなたのお宅に伺いましたね。そして金炯旭氏に会ったときの状況について私は伺いましたね。そのときにあなたがお答えになったことは、全部ここにメモしてあります。そのメモを読み上げると、あなたはこう言っております。七月三十七日の各紙の夕刊記事について、相談に行ったのではなく、韓国では大きな仕事は有力者に根回しをしなければならない。金炯旭氏のところへば行った。二、三度南山の部長室で会った。金成坤にも恐らく会いに行ったと思う。岸に頼むと、岸信介に朴大統領に頼みに行ってもらえばいい、こう言われたかどうかというように私が質問したことについては、あなたは、記憶にないけれども、金炯旭が言ったと言っているのだから、言ったのだろう。つまり、これはあなたの立場としてはぎりぎり言えることであります。金炯旭氏の発言を否定していない。金炯旭氏が言たと言うんなら、岸信介に朴大統領に頼んでもらえ、こういうように金炯旭氏が言ったのはそうだろう。はっきり言ったじゃないですか。
○中川参考人 国会議員も大変御苦労だと思います。私の家まで押しかけてきて、私が一杯飲んでいいきげんでテレビを見ておるときに……(正森委員「そんなことは関係ない」と呼ぶ)そうですけれども、正森さんがいらっしゃった。私は別にお会いする義務はなかったですけれども、せっかくいらっしゃいましたので、応接間に上がってもらって、確かに以上のことを申しました。ただ、私が言ったのは一般問題でございまして、このソウル地下鉄について金炯旭さんのところへ行ったとは申しておりません。横断鉄道に関しましては何度か参りました。
○正森委員 十二月九日に私が押しかけたという表現をとっておるようですが、ちゃんと名刺を通じて、念のために証拠のために秘書一名を帯同して行ったわけであります。そして中川さんに七月二十七日の金炯旭氏のソウル地下鉄に関する発言が全部載っておる新聞をお見せしながら聞いたことでありますから、これがソウル地下鉄に関係することは疑いのない事実であります。ただ、あなたのお立場もあるでしょうから、私から、私があなたに直接お聞きしたということはできるだけ言わないようにしようと思いました。だから初めは出しませんでした。その私の気持ちは了としていただきたいと思います。またあなたのお立場が非常にあれですようで、お顔が困惑のていを呈しておりますから、これ以上は申しませんが、しかし、私が公開の席でこうして皆さんの前で申し上げることが真実性を持っておるということは恐らく皆さんも信用していただけると思います。そうだとすると、あなたは横断鉄道については借款がとれないということが日本側が敗れた原因であったと言い、そしてどうしたらいいかというて金炯旭氏のところへ行けば、岸信介に頼んで朴大統領のところへ行ってもらうのが一番いい、こう言われたということであります。そしてそのことを本国、つまり本社に伝えたかどうかということについては、言ったかどうかについては十分に記憶がないけれども、言ったかもしれないという意味のことをにおわされました。
 そこで私は社長さんに伺いますが、当時金炯旭氏に中川氏が会った、こういう情報についてもあなたは入手しておられたから、そして同時に韓国の有力な民間企業から、自分に任せて一定のお金をしかるべきところへ出すならば契約がとれるだろうと言われたから、本当なら原則的にはやらないことなんだけれども、二百五十万ドルというお金を取りまとめるためにやむなくやられた、こういうように伺ってよろしいか。
○田部参考人 当時は、四十六年のころは私はまだ社長にはなっておりません。もちろん私もこのソウルの地下鉄問題についても担当外でございましたので、詳しいいきさつも私は全然承知いたしておりませんでした。今回私が社長になりましてから、四十九年から今日まで社長をやっておりますその間に、これが相当国会の問題になっておる、こういうことで、初めて私は当時の状況を、皆社内で資料を集めて、ようやく実はきのうおとといと特訓を受けてきたわけでございます。そういうわけで、当時の本当のいきさつはどうだって聞かれましても、当時の本当のことは私は知らないのでございます。したがって、私に特訓をした連中からいろいろ聞いてきた内容に基づいてできるだけ本当の私は言えることを申し上げておる次第でございます。
 それから、いまの御質問の、当時金炯旭がこう言ったとか情報はこうだったとかということは知っておったか、こういう御質問でございますけれども、もちろん私は担当外であったし、今回特訓で私にいろいろな情報をくれた連中も、金炯旭がどうしたとか、こういうことがあったとかいうことは全然出ておりません。そういうことでございます。
○正森委員 いまの御答弁について私は田部個人の発言としては通るかもしれませんが、三菱商事全体を代表する発言としては必ずしも了承できません。しかし時間がありませんから次に移りたいと思います。
 日本車輌さんに伺います。
 日本車輌さんが有価証券報告書に、国鉄の四八五系について自分たちの社内で調達した価格というのは二千六百九十八万円であり、そして国鉄から支給された額は推定によれば千六百八十万円であるというようにお書きになっておりますね。それは推定ではございますが根拠あってのことだと思いますか、いかがですか。――資料を配ってください。
○厨参考人 確かにおっしゃるとおりでございまして、ある程度の根拠はあったと思います。これは私どもで調達はいたしておりませんので、完全に正しいとは言いかねるかと思いますが、可能な限りの正しい数字であると信じております。
○正森委員 いま資料1を皆さんにお配りをいたしますけれども、その資料1を会計検査院と国鉄側がごらんになってください。それは日本車輌さんが千六百八十万円の支給品というのは推定だということになっておりますが、それが推定ではなしに事実に合致しておるということを部品名及び単価について全部調べ上げた数字であります。それは国鉄にも会計検査院にも確認がしてありますから、恐らく間違いがないと思います。答えてください。
○東島会計検査院説明員 お答えいたします。
 この資料は、確かに私どもが国鉄を検査している立場で、私たちのところへ来ております契約書その他から拾ったわけでございますが、ここにも書いてございますように推算ということでございまして、私どもの手元にありましたものは五十年度の価格でございます。それで、それから四十八年度の部品の価格はわかりませんので、四十八年度から推算してこの価格を出しまして、その調達価格は、先ほど先生おっしゃいましたように、約千六百八十万ということになっております。
○正森委員 国鉄、お願いします。
○小林説明員 ただいま拝見いたしました資料の金額等につきまして、おおむねそのとおりでございます。
○正森委員 実際に資材を交付している国鉄がそのとおりであるというように言っておりますから、日本車輌の推定価格というのは非常に正確であったということが明らかであります。そこで、あと残るところは、五千百五十万円で日立が三菱商事に渡しておるわけですから、それと二千七百五十万円、日本車輌の分ですね、それを引きました差額約二千四百万円というのが日本車輌が交付したと称される額である、こういうことになるわけです。ところが、千六百八十万円が通常の国鉄の支給品だということになると、その差額が七百二十万円ぐらいになってくるということは、いままで何遍も言われたとおりであります。
 そこで、日本車輌さん、この図を見ていただきまして、私が出しました資料、その二枚目から三枚目に一番から四十一番まで番号を打って部品の名前が書いてあります。この部品は、ソウルの地下鉄についてもやはり同じように支給されましたか。
○厨参考人 お答えいたします。
 ここに対比する資料を持っておりませんので、これはここではっきり申し上げられませんが、この前社長が多少違いがあるだろうと申し上げておったと思いますが、ちょっとはっきり確認はいたしかねます。
○正森委員 すでに三月段階に天野社長が、多少違いがある、支給品の方がやや多かったかもしれないけれども大体そうであるという答弁をしているわけであります。
 そこで伺いますが、資料の2を見ていただきますと、「アレスター、ヒーター接触器、螢光灯、運転台の計器類、パンタグラフ、しゃ断器の抵抗器、リレー箱」、こういうものが韓国向けの場合に限って日立が支給したものというように書いてありますが、これは通常はメーカー負担で、国鉄の場合にはメーカーか負担したのですか。――時間が惜しゅうございますから、しばらく考えておいてください。
 国鉄に伺いますが、先ほど日立さんは百八十五万円、列車無線装置と自動列車停止装置は国鉄用には当時ついていないというようなことを言いました。しかし、交直両用で北陸線を走っておりますソウル地下鉄と同じような構造上のタイプである四八五系には、昭和四十八年当時すでに自動列車停止装置はついていたと思いますが、いかがですか。
○小林説明員 四八五系の電車にはATSはついております。
○正森委員 以上のとおりであります。ですから、ついていないから百八十五万円高くなったなどというのは真っ赤なうそだ。国鉄のところにもついているわけであります。列車無線装置はついていないから、その分は高くなったと言って開き直るかもしれませんけれども、あなたは列車無線装置というのは、六両当たり一台に直すと幾らだか知っておりますか。私どもが東京地下鉄から調べたところでは、三十万三千円であります。そうしますと、百八十五万円だと言っているけれども、ここですでに百五十万円浮かしているじゃないですか。そういうでたらめなことを言って自分たちのもうけを隠し、あるいは他のところへ工作資金に使ったかもしれないことを隠そうとしておる。もってのほかだと言わなければなりません。
 あるいはまた、あなた方はいま答弁の中で、電気回り関係で、出力が大きいのか何か知らないけれども、三百万円ぐらいよけいに金がかかったと言いました。ところが、私がそういうこともあるだろうと思って、三月の二十七日にあなたのところの交通部長と部長代理に伺ったときには、この三百万円はそういうようなことでお金が多くなったとは言っておりません。ここで資料2に出したように、「アレスター、ヒーター接触器、螢光灯、運転台の計器類、パンタグラフ、しゃ断器の抵抗器、リレー箱など」国内ではメーカー負担だが、韓国向けの場合に限って日立が支給したもので、三百万円よけいにかかったんだと言っておるわけであります。そうすると事は簡単であって、もし日立で三百万円余分に金がかかったんなら、日本車輌などで三百万円少なくなっているはずであります。差し引き計算ですから。車両全体の価格は変わらないはずであります。そうすると、ここで三百万円浮いてまいります。自動列車停止装置と無線連絡装置のところで百五十万円ごまかし、ここのところで三百万円ごまかし、合計四百五十万円は完全にごまかしているということがわかるわけであります。
 またあなたは、取りまとめ費用関係で二百万と言いましたが、私が聞いたときには二百三十万円と言っておりました。いつの間にか二百万円、良心のとがめから額を減らしたんでしょうけれども、その額というのも、たとえば取り扱い説明書費用で、それが三百セットでこのぐらいの高さがあるとか、あるいは図面費用だとか、韓国における現地事務所だとか、自動車の一年間のチャーター分だとか、いろいろなことを挙げて、私は時間がないから言いませんけれども、こんなものを全部合わせても一両について二百万も二百三十万にもならない。一両について二百万と言えば少なく聞こえるけれども、百八十六両掛けると四億円になるんです。自動車を一台一年間チャーターしても、せいぜい五百万円もあればいいんです。こんなことには絶対にならない。したがってこの金は、あなたの方で浮かして利益にしたか工作資金に使ったというように疑われても仕方がない。そうでないと言うなら、商社さんがはっきりと何億何千万円まで利益にいたしましたと言うように、あなた方の利益は幾らだったのか、一両当たり正確に日本車輌さん、川重さん、日立さん、ここで明白に述べてください。そうでなければ、疑いは消えない。
○嶋井参考人 まず最初のATSについて、私も専門じゃございませんので、あまり細かく申し上げられませんが、型式が違っておるように伺っております。先ほどの国鉄さんにお納めのすでに使っておられたというものは、簡単に言いますとアナログ式でありますが……
○正森委員 いまさらそんなことを言われても困る。ATSは国鉄にはついていないと初め言ったじゃないか、一度二度と繰り返して言ったじゃないですか。私からそういうのを突きつけられて型式が違うなんて、そういうような答弁をしても、いまさらだめです。時間がない。
○嶋井参考人 私自身、ATSが入っているなどと申し上げたことはございません。(正森委員「うそを言いなさい、速記録を調べてみればわかるのです」と呼ぶ)
○田中委員長 不規則発言です。答弁してください。
○嶋井参考人 それからいまの二百万円のことでございますけれども、これは私ども細かく積み上げましてのことでございまして、実算もさような形に克明に出ておりまして、うそも隠しもございません。
○正森委員 利益は幾らなんですか。
○嶋井参考人 この利益の数字を申し上げることは、非常にわれわれの業者としてはむずかしいところでございますが、当時注文をもらいましてから御承知のオイルショックにもぶつかりまして、全面、全部がぶつかったとは申しませんが、材料を買いつける段階にはそういう上がりも出ておりまして、きわめて微々たる利益でとどまっております。
○田中委員長 正森君、時間です。
○正森委員 時間ですが、ああいううそを言われると、黙っておれない。契約したのは四十八年の五月十三日じゃないですか。オイルショックになったのは四十八年の十月以降じゃないですか。そして、価格というのは契約の日時で決まるというのはきわめて明らかであります。日本車輌さん、ちょっと来てください……。
○田中委員長 ともかく時間がかかることはだめだ。時間だ。
○正森委員 はい、終わります。もう終わります。
 これはあなたのところでおつくりになったソウルの地下鉄の車両であります。間違いありませんね。この裏には、その部分について細かく大写しの写真を付してあります。間違いありませんね。ここにはハングル文字が書いてあります。確かにソウル地下鉄のものですね。(厨参考人「そうです」と呼ぶ)ことしの九月ごろに船積みしましたが、この型と四十八年の型と同じですか。
○田中委員長 正森君、そういうところで発言してもらっちゃ困る。委員会のルールどおりやってもらいたい。
○正森委員 はい、終わります。
 最後に、そのとおりですね。
○田中委員長 時間だ。
○正森委員 他の議員も二、三分ぐらい超過しています。
○厨参考人 大体そうでございます。
○正森委員 大体そうだと言われました。ここにあるとおりであります。そしてこれを国鉄の技術専門家に見せたら、国鉄の四八五と符合しているわけであります。ですから、幾ら日立さんが特別に金が要ったんだと言っても、そんなことは承服できない。そして利益については幾らだと言われても、商社は全部はっきり言っているのにそれは言えない。言えないのは言えないだけのわけがあるので、金炯旭氏も韓国へいったのと同じ額が日本側の政治家に流れていると言っている。その日本側の政治家に流れた金があなたのところから出ていなかったということにはならないと思うのです。それがそうではないと言われるなら、利益明細について明確な資料を出していただくことを委員長に申し述べて、私の質問を終わります。
○田中委員長 どうも発言時間の外だな、これは。
 次に、小林正巳君。
○小林(正)委員 参考人の皆様には大変お忙しいところ御苦労さまでございます。私が最後でございますから、いましばらくごしんほうをお願いをいたします。
 ところで、午前中からの同僚各委員から、さまざまな角度から、ソウル地下鉄問題についても参考人の皆様にお尋ねをいたしてまいったわけでございますが、そこで一つはっきりしたことは、単なる新聞情報ではなくて、このソウル地下鉄に関して、四社から二百五十万ドルの金が韓国人某実業家の指示に基づいてアメリカの銀行に振り込まれた、こういうことでございます。同時に、先ほど田部参考人を初めとして言われておりますことは、今日の貿易の実態からして、まあ本意ではないけれども、しかし、契約をとるためにはそうした性質の手数料も払わなければならない、それが実態であるというお話を承ったわけでございます。
 ところで、この件は、韓国の国鉄、そして地下鉄の車両輸出というこのプロジェクト自体は二百億円以内のものでございますけれども、今後わが国がその役割りを果たして海外経済協力をしてまいるという全体を考えますと、この数十倍の金額の貿易が行われる、こういうことになるわけでございます。その一方で各商社のトップは、今日の実態からはそういった性質の手数料も払わざるを得ない、こういうことでございますと、今後こういった問題はまだまだ起こり得るわけでございます。すでに田部参考人には本年、三回ここにお越しをいただいておるようでございますけれども、あるいはまた来年も何度となく御足労を願うということになるやも知れないわけでございます。そうした実態が変わらない限り。
 ところで、外務省に伺いますけれども、十二日から十四日までアジア・太平洋地域の大使会議が行われました。その大使会議では今後の東南アジア地域に対する経済協力についてもいろいろ議論があったということでございます。そしてその中の議論として、これは政府に提議としては明記されておりませんけれども、その各大使の発言の中では、今後東南アジア地域に対する経済協力がさらに増大をしていく過程で、この経済協力に伴う商行為について事実上発展途上国との取引ではいわゆるリベートが常識になっておるので、そうした点で日本の企業の商取引上に注意が望ましいというふうなことが話されたと仄聞をいたしておるわけでございます。そこで外務省に、この私が仄聞をした点についてひとつお話をいただきたいと思います。
○枝村説明員 大使会議におきましては、本邦の民間企業の東南アジアにおける活動といいますか行動様式についても若干の意見交換が行われたことは事実でございます。したがいまして、大使会議の最後に大使会議の提言というものが出されておりますが、その中でも、この民間の企業活動について触れております。
 短うございますので、ちょっと読ましていただきますと、「本邦企業の東南アジア諸国における行動様式は従来に比し相当程度改善されたが、現地側との意思疎通、現地職員の登用等の面でなお一層の努力が期待される。特に本店サイドの一層の理解を望みたい。」こういうことでございまして、ただいま先生おっしゃいましたような、何といいますか不正行為、リベートと申しましても、当然その商行為に伴う正当なものであればよろしいわけでありますけれども、腐敗、汚職、そういったようなものにつながるもの、これにつきましては私どもとしてはまあ問題外と言いますか、わざわざその大使会議の提言を待つまでもございませんで、当然のこととして現地の法律あるいは道徳に反するようなことはあってはならないということでございまして、そういう点ば特に議論していないわけでございます。
 議論いたしましたのは、たとえば「発展途上国に対する投資行為の指針」ということで、経済団体五団体が四十八年の六月四日に出しておりますけれども、いろいろなそういった現地職員の登用とか、あるいは現地社会に対する社会的その他の貢献であるとか、そういった面での改善がすでに見られておるけれども、一層これが改善されることが望ましい、こういう趣旨でございます。
○小林(正)委員 言うまでもなく純粋な商行為について問題のあろうはずがないわけでございます。私が伺いましたのは、いわゆるリベート、これはすでに田部参考人も言っていらっしゃることでございまして、相当額の手数料を契約をとるために必要上やむを得ず支払わざるを得ない場合もある、こういうことでございまして、それが一種の商慣習化しておるような地域では、当然そういうことは今後とも起こり得るということでございます。そういった点についてどのような議論がなされたかということを伺いたいわけでございます。
○枝村説明員 ただいまお答え申し上げましたように、その点については特に触れておりません。
○小林(正)委員 ついでに伺いますけれども、今後の東南アジア地域を初めとして、中東その他わが国として経済協力の将来的展望、これは最終的には国会の審議を経ることでございますけれども、政府借款あるいは民間借款を含めて、外務省としてどのような見通しを持っておられるか、数字的に非常に概略的で結構でございますからお答えをいただきたい。
○菊地説明員 お答えいたします。
 まず、地域別でなくて全体的に申し上げますと、日本の政府開発援助というものは今後五カ年間に倍増以上にするということが政府の公約でございまして、これは御案内のとおり先進国首脳会議、それから国際経済協力会議におきまして、それから総理が東南アジアにお回りになりましたときも各首脳に公約をしておられることでございます。これが全体的な姿でございますが、特に東南アジアにつきましては、日本の政府開発援助の四八%、五〇%近くがいわゆるASEANの国に参っておりますので、これは当然のことながら政府開発援助を五年間に倍増以上にするという原則が当てはまるわけでございまして、今後とも日本の政府援助というものの重点はアジア、なかんずく東南アジアというものに向けられていくということは言えると思います。
 ただ、重点はあくまでもそこでございますけれども、それ以外の地域、中近東、アフリカ、中南米その他の地域、それから最近におきましては南太平洋の国、新しい国が続々できておりますが、こういう地域からの援助の要望が非常にたくさんございます。これに対しましては、私たちとしては援助のあらゆる形態を駆使いたしましてこれに協力してまいりたい。あらゆる形態と申しますのは、御案内のとおり有償資金協力、無償資金協力、それから技術協力、それからこれは政府開発援助ではございませんけれども、民間の直接投資、それから輸出信用その他による金融上の便宜というものを提供することによりまして、全体として日本の援助を、経済協力を先進国並みにまず持っていくというのがわれわれの願望でございまして、そういったラインに沿って鋭意努力しているということが展望されております。
○小林(正)委員 いまお話しのように、今後の対外経済協力というものは数量的にも金額的にもさらに拡大をしていくということだけは間違いないわけでございます。
 そこで、先ほど田部参考人初め、アメリカに払い込んだ三百五十万ドル、このお金がどのような性格の金かということは商社として関知せざるところである、それがどのように使われるかということは関知せざるところである、こういうことはごもっともでございます。しかし、そういった手数料が、いま言われておりますアメリカにおける韓国のアメリカ議会工作に使われたのではないとは言い切れないわけでございますし、そうした点で時期的にも符牒が合っておるということも言われておるわけでございます。そういうことになりますと、日米関係の上から言っても、余り結果としては望ましくないであろうと思うわけでございます。外務省は現在の海外貿易の実態からして、確かに商社がそうやって払う手数料がどのように使われるかというところまで関与できないわけでございますが、しかし、結果として二国間あるいは多数国間においてその関係に傷をつけるということばあり得るわけでございますから、外務省としても無関心でいられることではないと思うのです。しかもこれからどんどんそういった経済協力が拡大をしていくということになりますと、そうしたケースが多くなることはあっても減ることはないということも言えるわけですから、そういった点で外務省の考え方を伺いたい。つまり、こういった現在の国際的商習慣の中で、日本だけがそういうことをしなければ事実上仕事にならないという実態があるとするならば、何らかの国際的な取り決めあるいは行政指導などによってそれに対する対応策が出てこないのか、外務省がそういうことを考えたことがあるのかないのか、その点を伺いたいと思います。
○菊地説明員 お答え申し上げます。
 今後ますます拡大する日本政府の経済協力におきまして、この実施の主体というのは、日本の制度によると、日本政府自体がやるわけでございませんで、仰せのとおり商社、メーカー、つまり日本の民間の企業が実際の実施に当たるという姿になっております。したがいまして、このやり方は大体多かれ少なかれ先進国全部共通でございまして、政府が経済協力の政策と実施を全部やっているというところはないわけでございます。わが国の場合を申しますと、一番大きな部分を占めております円借款の場合は、政府が大方針を決めますけれども、その実施は海外経済協力基金にお願いしている。その海外経済協力基金は、そのもとで各民間企業が出してくる輸出契約、サービス契約、そういったものを承認するというようなかっこうになっております。したがいまして、どうしても民間企業のマナーといいますか、これがどうしても適正に維持されるということが必要でございます。つまり、援助でやる取引に不正があったり、相手国に対して過重の負担をかけるということがあってはいけないわけでございますので、その点は実施機関において監視していただきたいというふうに考えております。
 それから援助のもとでいろいろな調達が行われるわけでありますけれども、この調達につきましては、われわれとしては相手の国のイニシアチブを尊重しております。つまり、こういったここで問題になっておりますような案件につきましても、相手国政府の調達機関の調達手続というものをまず第一に重視するということによって適正な行為が行われるというふうにやっております。
 それから第三番目には、日本の借款はタイドローンでございますが、これをできるだけアンタイといいますか、ひもつきを廃止するということが望ましいわけでございまして、これによりまして公正な競争、その中でもちろん価格決定もあるわけですが、そういうことを確保していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○小林(正)委員 道徳的にやっていただきたい、一体道徳的というのは具体的にどういうことなんでしょうか。私はそういうふうな言い方では商社の方にしてもどうしようもないと思うのですね。やはり企業の本質として利潤を追求していかなければならないわけでございますから、法的に許される範囲においては最大限のことをやるというのが企業であり、またそれがトップの責任であろうかと思うわけでございます。そうしたときに、道徳的にやってくれ、こう言われても、これは企業の方でも困るのではないかと思うのですが、道徳的というのはどういうことを言っておられるのですか。
○菊地説明員 お言葉ですが、道徳的にとは申し上げなかったのです。マナーと申し上げました。マナーというのは態度といいますか、そういうことでございまして、その態度は、あくまでも円借款とか政府援助の場合には、より厳重な態度が要求されるというのが私たちの考えでございますが、それは心してやっていただきたいということでございます。
○小林(正)委員 マナーと道徳的の聞き違いでしたが、要するに、具体的にははっきりとした基準というものがないということだろうと思うのです。私は、ソウルの本日問題になっておる件、これはそれぞれ同僚の委員からも具体的にお尋ねをした、それも確かに大事なことではあると思うのですけれども、もっと大事なことば、今後これをとういうふうに――そういうような商社自体か望ましくない、本来、商社活動としての範疇を越えたことをやりたくないのだけれども、やむを得ずやっておられる、こういうことだろうと思うのです。そんなことをしなくて済むのならそれにこしたことはないわけでございます。しかし、現状から言うならばやらざるを得ない。つまりそういった点では、今度のケースなどは、まあ一口に言ってしまえば、仮に百万円の品物をひとつ契約しよう、買ってあげよう、しかし、百三十万円払うからその三十万円は自分の指定したところに送金してくれよ、大ざっぱな話がそういうことだろうと思うのです。本来そういうことば商社としてはしたくないであろうことは間違いない。そういった意味では、まあその企業の足元を見て本意でないことをやらしておるという点では、この場合商社は弱者の立場にあるのではないかと思うわけでございます。
 そこで、本来やりたくないこと、本意でないこと、しかしやむを得ずやっておるということでございますから、この本来やりたくないことをやらないで済むようにする、そういうためには、一体どういう条件が必要なのであろうか、その点について田部参考人にお尋ねをしたいと思います。
○田部参考人 何度も繰り返しますけれども、こういう問題は、いつの場合でも買い手と申しますか、買ってくれる相手の方から条件として出てくるわけでございまして、受けるわれわれの方がいやならばやめればいいのであります。簡単にやめれば商売にならない。そういうことで、われわれも、本当に相手の方がモラルが上がって、そんなことを要求しなくて、ちゃんと正規に買ってくれるようになってくれることを望んでおります。しかしながら、われわれが望んでも、まだまだそういう相手がたくさん残っております。それらを相手にして商売をいかに最大限やっていくか、そしてやらないで済む、できるだけそういうことをやらないで商売をとる、こういうことにわれわれも非常に苦心しておるわけでございます。おっしゃるとおり、そういうふうな手段までとって商売をやることはよくないということはわれわれ自身もよく知っております。商社はそれをだれもいいとは思っておりません。商社にはそういう点の道徳観念がない、こういうふうに決して考えていただきたくないのであります。
○小林(正)委員 おっしゃるとおりであろうと思うのです。しかし、現実の問題としてそういうふうにしなければ仕事にならないということもまた現実であろう。そこで、これは相手もいろいろ態様が違っておりますから一概に言えないと思いますけれども、たとえば国際的な取り決めですね、アメリカなどは自国企業に対して一種の制約を課したようでございますが、そういった国際的な取り決めあるいは国内的なルールを設定する、法的なルールづくりですね、あるいは行政当局の指導が必要でしょうが、企業間自体の自主的な取り決め、そういったようなもので、ある程度本意でないことをしなくて済むようになるかどうか。それは貿易の実務に携わっていらっしゃる参考人のことでございますから、こうすればこんな不本意なことをしないで済むんだがなというふうな知恵がございましたらお聞かせをいただきたいと思います。
○田部参考人 われわれの日本の関係の者だけがそういう手段をとって商売をしておる、こういうふうなお考えでございましたら、そうじゃございません。それらのそういう手段を要求してそして注文する、こういうような地域におきましては、同じようなことは日本以外の輸出者と申しますか、そういうところにも要求しておる様子でございます。われわれがもしもそういうことはいやだ、こういうふうにやれば、われわれは全面的にそういうところから撤退する以外にない、そしてほとんどそういうことを依然としてやる国に全部とられてしまう。そういうふうな、まことにわれわれとしてはやりたくはないけれども、やらなければならぬ、こういう事情でございます。
○小林(正)委員 実情はお話しのとおりかもしれません。そこで外務省、いまの田部参考人のお話を伺って、外務省としてそういった実態というものに対して何らかなすべきことはないのか、もしお考えがあれば聞かせていただきたい。
○菊地説明員 お答え申し上げます。
 実は本件は私の所管でございませんけれども、外務省の者として承知している限りお答え申し上げますと、この問題つまり不正な支払いとわれわれ一般的に言っておりますけれども、こういったものをなるべくなくそう、撲滅しようということは、世界各国で同じようなことを考えておりまして、現在国際連合におきまして、これはアメリカがいま音頭を取っておりますけれども、こういった不法な支払いというものはなくしていこう。それからどういうものを不法な支払い、エリシットペイメントと言いますけれども、どういうものを不法支払いと認めるかということも、いろいろ定義はむずかしゅうございますけれども、そういう定義の問題から始めて、国際連合でも検討しておるということでございます。
○小林(正)委員 もっぱら田部参考人に伺いましたけれども、最後に、三井、丸紅、そして日商岩井の各参考人にも、そうした点で何らかお考えがあるかどうか、あればお聞かせをいただきたいと思います。
○塚本参考人 この問題、私どももやりたくない、しかしやらなければならない場合があるというような点は、田部社長御説明のとおりでございます。またこの問題につきましては、国により、民族によりまして、多少道徳的な考え方が違うと申しますか、そういうような問題もございます。いま外務省でおっしゃいましたように、国際的な取り決めができれば大変結構なことだと存じております。
○松尾参考人 いま小林先生の御指摘の、理想のとおりにそういう商売ができればわれわれは苦労しないのでありますが、現実はそうなまやさしいものではないということを御認識願わなければならぬ。海外との厳しい競争の中に立たされておりまして、われわれも生きるために商売はとっていかなければいかぬのであります。やりかけて空回りして、費用だけ損する場合もございます。したがいまして、われわれとしては、ある程度やりたくなくてもやらなくてはならぬように追い込まれるということを御理解願わぬと、ちょっと何かやったらすぐそれだけを取り上げて云々されるということは、非常にわれわれとしては心外に存じます。それで、法律的に申しますと、法律的に申しますと……(発言する者あり)静かにしてください。法律的に申しますと、一割の範囲内においては仲介手数料は払えることになっておるわけです。払えることになっておりますが、先ほども国税庁長官からもお話がありましたように、われわれが使途説明が十分につかない場合には、また経費処理は認められぬわけであります。経費としてかかったほかに、なおかなりの重税を課せられるわけです。そういう危険までも冒してやっているということを御認識願わないといかぬわけであります。先ほどの、何か暴利をむさぼっておるような意見もございますが、決してそういうものではない。われわれはいつでも、ずっと経費を計算してみますと、一億円そこそこの利益にしかならぬというようなことでありまして、どうも全体をひとつブロードマインドで御判断願いたい、こう思います。
○植田参考人 ただいま小林先生からの御所論ごもっともでございまして、非常に理想的な御説を承ったわけでございます。われわれの方もそういうものに近い方針でやりたいというふうに思っておりまして、なかなかむずかしいでしょうけれども、非常に公正に行動するつもりでおりますから、よろしく……。
○小林(正)委員 大体それぞれのお考えを伺ったわけでございまして、私の質問はこれで終わります。どうも大変御苦労さまでございました。
○田中委員長 委員長から申し上げます。
 松尾参考人の先ほどの御答弁の中に、認識について若干委員との間に食い違いがございます。御自身の御認識ならいたし方ございませんけれども、これについては委員の間にかなりの批判がありますので、ひとつこの点は申し上げておきます。
 参考人各位には、長時間にわたり御協力を賜りまして、まことにありがとうございます。厚くお礼を申し上げます。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十五分散会