第084回国会 地方行政委員会 第2号
昭和五十三年一月二十八日(土曜日)
    午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 木村武千代君
   理事 大西 正男君 理事 高村 坂彦君
   理事 中村 弘海君 理事 中山 利生君
   理事 佐藤 敬治君 理事 小川新一郎君
   理事 山本悌二郎君
      相沢 英之君    井上  裕君
      石川 要三君    川田 正則君
      渡海元三郎君    中村喜四郎君
      中村  直君    西田  司君
      堀之内久男君    与謝野 馨君
      加藤 万吉君    新村 勝雄君
      日野 市朗君    細谷 治嘉君
      水田  稔君    権藤 恒夫君
      斎藤  実君    和田 一郎君
      中野 寛成君    三谷 秀治君
      川合  武君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 加藤 武徳君
 出席政府委員
        自治政務次官  染谷  誠君
        自治省財政局長 山本  悟君
        自治省税務局長 森岡  敞君
 委員外の出席者
        厚生省児童家庭
        局企画課長   下村  健君
        自治大臣官房審
        議官      石原 信雄君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月二十八日
 辞任         補欠選任
  谷  洋一君     堀之内久男君
  地崎宇三郎君     川田 正則君
  山田 芳治君     日野 市朗君
  中井  洽君     中野 寛成君
同日
 辞任         補欠選任
  川田 正則君     地崎宇三郎君
  堀之内久男君     谷  洋一君
  日野 市朗君     山田 芳治君
  中野 寛成君     中井  洽君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和五十二年度分の地方交付税の総額の特例等
 に関する法律案(内閣提出第二号)
     ――――◇―――――
○木村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出に係る昭和五十二年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律案を議題といたします。
 この際、染谷自治政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。染谷自治政務次官。
○染谷政府委員 かぜをひいておりまして、ちょっとお聞き苦しいと思いますが、御了承いただきたいと思います。
 昨日の本委員会におきまして質問のありました自治・大蔵両大臣閥の覚書に関する自治・大蔵両省の統一見解は、次のとおりであります。
 覚書は、本来政府部内の合意事項を確認したものであって、法律のような拘束力を持つものではありません。
 したがって、昭和五十四年度以降の各年度の臨時地方特例交付金につきましては、法律の規定によるものは別として、覚書に基づいて自動的に当該年度の臨時地方特例交付金の額を決定するものではなく、交付する年度における国及び地方の財政状況等を総合的に勘案して自治・大蔵両省で協議の上、真に必要とされる額を政府案として決定し、予算及び所要の法改正の形で国会の御審議を経て最終的に確定するものでございます。
 以上でございます。
○木村委員長 それでは、引き続きまして、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新村勝雄君。
○新村委員 交付税法の問題については、すでに論議がかなり尽くされておりますので、重複しないように御質問申し上げたいと思います。
 まず第一に、基本的な問題として、法律の運用については、法的な安定性を常に確保していくということが必要であると思います。実定法の運用については、その立法の精神を常に忘れずに正しく運用されなければならないというのが、これは法律の運用の原則だと思いますけれども、その点ひとつお伺いします。
○山本政府委員 御指摘のとおりに、法律の考え方、趣旨というものに従って運用されなければならない。御指摘のとおりだろうと思います。
○新村委員 そういう点からいたしまして、地方交付税法ほど、その運用の過程において、あるいはその歴史的な経過の中で、変質をさせられている法律はないのじゃないかというふうにわれわれは見るわけでありますが、この点について御見解を承ります。
○山本政府委員 交付税制度の精神、これは交付税法の目的のところに書いてございますように、財源を保障するという機能を持っているわけでございまして、そういうような意味からいきまして、交付税の総額というようなものが現行法において非常に不足するような場合には、やはり地方財政対策といたしまして大きな借り入れというようなことによって交付税額を確保する、それを交付税法の精神によりますところの需要、収入の計算を通じて配分をする、こういうような運用をしているつもりでございまして、その意味から申せば、交付税は交付税本来の機能というのを現行制度のもとにおいても果たしているのではないかと思っておるところでございます。
○新村委員 交付税法の一条に「この法律は、地方団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能をそこなわずに、その財源の均衡化を図り」云々というふうに規定されておるわけでありますが、この法律制定当時、そしてまたこの法律の精神から考えて、今日のような財政状態あるいは今日のような運用の仕方、これが当時において予想されていたかどうか。恐らく予想されないような財政状況、あるいはそれに伴う運用であるからいたし方ないと言えばいたし方ないわけですけれども、現在のような本来の法の規定から非常に逸脱をした運用をしているわけですけれども、そういうことが予想されたかどうかということですね。
○山本政府委員 交付税法が平衡交付金から交付税法に改正されましたのは、二十九年度からだと覚えておるわけでございますが、当時におきましては、国税三税に対します率は約二〇%から出発をいたしまして、それによって地方財源は保障されているんだ、こういうようなことであったわけでございますが、その後日本経済の伸び、成長、その他の状況も勘案されまして、御案内のとおり昭和四十一年から現在の三二%という率になっていったわけであります。そうして、昭和四十年代におきましては、三二%という交付税の三税に対する率におきまして、総額も十分確保されてきた、非常に機能を発揮したわけでございますが、例の昭和五十年度の経済の変調以来現在まで三カ年、明年を入れまして四カ年非常に大きな財源不足になっている。そのために、交付税会計におきますところの大幅な借り入れをしなければならない、こういう事情になってまいっているところでございます。
 その意味におきましては、現在の交付税の率そのものでは、この法に書いておりますところの財源の保障というのが十分に機能していない。しかし、それはこういった経済状況のもとにおきまして、それなりの対応策というものを法律附則改正によりまして打ってまいっているわけでございまして、そういうような状況から考えてまいれば、やはり現在においても十分に交付税としての機能は果たしている。また、その前半の目的にございます「行政を執行する権能をそこなわず」、この意味におきましては、やはり交付税というのは一般財源といたしましてひもつきの状況でない配分というものが行われている最大の財源であろうと思うわけでございまして、その意味では十分に機能をしているのではないかというように存じているわけでございます。
○新村委員 交付税法を素直に読めば、これは基準財政需要額と収入額とを算定をして、その差額は国が保障をする、その保障する内容は、三税の一定率三二%、これはくぎづけではないわけでありますから、一定率で保障をするというのがこれは本来の趣旨であるし、またここにもそう書いてあるわけですね。決して借り入れをしたり、あるいは不足財源を起債で肩がわりするというようなことはどこにも書いてないわけです。そこで、そういういわゆる操作上の便法というか、財源の起債による肩がわり、そういうことはこの法律のどこからそういう発想が出てくるのかということなんですけれども、これについて非常なわれわれは疑いを持っておるわけですけれども、そういう発想はどこから出てくるのか、お伺いしたい。
○山本政府委員 御案内のとおり、地方財政全体に対します財源の保障といいますか、財政措置と申しますのは、地方財政計画の策定を通じまして、必要な財源というものをこういうように配当するんだということを政府としてはいたしているわけでございますが、その際、一般財源と申しますか、自主財源でございます地方税、それから交付税、譲与税、あるいは地方債というものをどういうように各年度におきまして総合的に配分していくか、これはまあそれぞれの年度によって決めていっているわけでございます。その際、地方税なりあるいは地方交付税なりという、そういったかっこうでの歳入というものが大幅に確保されるという状況であれば、地方債というものにそれほど大きなウエートを持たす必要はない、こういうようなことにもなってまいるわけでございますが、そこの辺は各種の歳入というものを総合勘案いたしまして、やはり必要とする財源、歳出に対しますところの必要な財源というものは、何しろその年度におきましても財政運用ができるように保障しなければならない。そのための方法手段といたしまして、やはり現在の経済状況下におきますように、税収入が国税におきましても地方税におきましても非常に伸びが少ない、こういう状況のもとにおきましては、やはり地方債の活用ということも、それだけ必要とする各地方団体の財政運営をやっていきますための財源確保という意味からいきまして意味がございますので、可能な範囲におきまして地方債というものを現在の財政状況下においては活用しているということであろうと思います。
 したがいまして、交付税法の規定そのものというものと直ちに結びつくわけではございませんけれども、現在の地方財政の状況下においては、地方債というものを相当大幅に活用していくことが必要である。そのことによって必要とする地方財源というものが確保される、こういうことになっていると存ずるわけでございます。
○新村委員 いや、それはわかるのですが、しかし、交付税法というのはそういう地方財政全般についての措置をする法律ではなくて、地方財源の不足をこういう方法で確保するのだというきわめて具体的なこれは法律であるはずですね。ですから、そういう点から言って、現在運用されておるようなそういう発想がどこから、具体的に何条の何項から出てくるか、そういう点をお伺いしておるのです。
○山本政府委員 交付税法で規定をいたしておりますのは、やはり交付税と申しますか要するに一般財源、これは単位費用の規定等のところに書いてあるわけでございますが、その際には、やはり地方債で充てられるような財源を除いたものを単位費用にして、したがってそれが基準財政需要額として計算されてくる、どういうようなことになっているわけでございます。
 どれだけ地方債をその年度において充てるのかということは、この交付税法そのものと申しますよりも、むしろ地方財政計画の策定を通じて計算をされる、計上されてくるということでございまして、その状況と申しますのは、交付税法でいけば第七条におきまして、歳入歳出総額の見込額の提出をいたしまして、これらの御審議を通じて、その年度においてはこういうような財政措置をした、あるいは財政措置をしていることの適否というのを国会におきましても御判断をいただくというようなことに相なろうかと存じます。
○新村委員 七条の起債は、これはいま論議されておるような基準財政需要額と基準財政収入額との差額を起債で補てんするという趣旨では絶対ないと思いますね。そうじゃなくて、交付税法の意図するところは、あくまでこれは両者の差額を国の責任において三税の一定率で補てんするというのがこれが原則であり、そのためにこの法律はできているわけですね。そうだと思いますけれども、いかがですか。
○山本政府委員 その点から申し上げますと、用語の意義のところに書いてあるのでちょっと妙でございますけれども、第二条の第七号単位費用というところをお読みいただきますと、やはり単位費用でもって交付税の計算上、需要の方でもって計算をいたしますものからは「合理的、且つ、妥当な水準において地方行政を行う場合又は標準的な施設を維持する場合に要する経費を基準とし、」ここで補助金、負担金等々あわせまして、こういったような特定財源を除いているというようなことになっているわけでございます。その際、地方債というものによって充てられるというものも、地方債もやはりその年度におきましては特定財源になってくるわけでございますから、それを除いたものに見合う、したがって税金と交付税というようなものに見合うものが基準財政需要額になってくる、こういう思想をとっていると存じます。
 したがって、たとえば明年度におきます財源不足額が三兆五百億だ、こういう計算になった、あるいは五十二年度の当初におきましては二兆七百億だった、それをどう埋めていくかという際に、一部交付税の増額、一部建設地方債の増額というような措置をするということ自体、これは全部交付税でもって措置をしなければならない、交付税の増額で充てなければいけない、地方債の増発というのは適当ではないのだということにはなってこないのじゃないか、やはり地方債というものも有力なその年度におきます地方の財源でございまして、それをどの程度まで充てることが適当なのか、これはいろいろ御議論があろうと思います。御案内のとおり、公共事業の地方負担額の九五%まで五十二年度におきましても五十三年度におきましても地方債を充当することにいたしているわけでございますが、国の場合には、公共事業の負担につきましては全部一〇〇%建設国債を充てるということになってまいっておりますけれども、地方の場合には九五%、こういうようなこと。これはやはり建設地方債の範囲内でございますから、地方財政法の五条の起債ということでございまして、その程度まで見ることは現在の国、地方を通ずる財政状況下においてはやはりやむを得ないんじゃなかろうか、こういうような判断をしているわけでございます。
○新村委員 その理論を拡大していきますと、地方交付税法の実質的な機能、これはほとんど損なわれて本来の機能がしなくなってくるという危険があるわけであります。現に現在の程度まで運用が便宜的に歪曲をされて――われわれは歪曲をされておる考えておるわけですけれども――きますと、交付税法そのものの機能がすでにもう相当に害されていると考えざるを得ないわけであります。というのは、税率を三二%にくぎづけをいたしておりますので、そこで措置のできない分についてはどんどん起債に押し出されていくという現象があるわけですね。この点については歯どめがないわけです。この点にこそ歯どめをかけていかなければいけないわけですけれども、その歯どめがない。そのためにどんどん起債の方へ押し出されていくという現象、この点どうお考えですか。
○山本政府委員 確かに平常な財政状況のもとにおきましては現在のような特例といいますか財源対策債というようなことは必要としない状況であったわけでございまして、よりそれの方が望ましい。しかしそのもとにおきましてもある程度の地方債というものはやはり財源といたしまして活用する必要がある。こういうことであったろうと思うわけでございます。
 現在の財政状況下におきまして非常に大幅な財源不足が生ずる、それを交付税なりあるいは地方税なりということでもって補てんをできるという状況であれば、現在の公共事業の地方負担に対して九五%も充当するというやり方はもう少し考えた方がいいじゃないか、それは御指摘のとおりであろうと思うわけでございますが、現在の状況下においてはそこまで税なりあるいは交付税でもって措置することが非常に困難である。そこで可能な範囲内におきますところの建設地方債の活用ということに頼っているわけでございまして、この状況が永久に続いていい状況であるというぐあいには私どもとしても当然存じておりません。もっと早い時期に、経済状況の立ち直りとともにそういうことから脱却できて平常状況に戻るということが望ましいことではあるわけでございますが、現在のところではまだそういう状況にまで達していない、やむを得ないのではないかと思っているわけでございます。
○新村委員 地方財政に対する沿革を考えてみますと、地方交付税法の前には地方財政平衡交付金――委員長に御質問しますが、委員会の運営ですけれども、政務次官はいらっしゃいますけれども、大臣もいらっしゃらない。重要な財政の問題を審議する委員会に財政局長もいらっしゃらないということでは大変困るのです。今後ひとつ運営の点について、特に委員長においてその点を考慮をいただきたい。
○木村委員長 考慮します。
○新村委員 前の制度は地方財政平衡交付金制度というのがございまして、その制度にかわって地方交付税法が実施をされたわけですね。交付金制度の時代には制度そのものにある程度地方の意思を反映する余地があったわけですね。ところが交付税法になりましてからは全くその余地がない。そしていわば一方的に自治省あるいは大蔵省、官僚の方々の運営に任されておるというのが実態であります。そして現在は三二%をくぎづけをして、そしてその中で措置のできない分については非常に複雑な手法で運用されておるわけでありますけれども、まずそういう中で交付税法の精神なりあるいは性格というものが非常に変わってきた、変化させられてきたわけです。その第一歩は何といっても一般的な起債ではなくて財源不足による起債を、これは当然交付税法で見るべき財源不足を起債の方に肩がわりしたという、そこから出発していると思うのですね。これは四十一年に、初めてだと思いますが、一般財源の不足に籍口して特別事業債が発行されたことがあります。これが交付税法が変質をしていく第一歩であったというようにわれわれは見ておるわけですが、それ以来ずっとこの手法がとられ、特に五十年、五十一年、五十二年に至っては交付税法の根幹を揺るがすような起債の導入が行われたということでありますけれども、それらについて一体どういうお考えであるか、お伺いしたいと思います。
○石原説明員 先ほど局長からも御答弁申し上げましたように、現在の交付税制度におきましては投資的経費についてもできるだけ一般財源でこれを保障するという前提で単位費用その他の仕組みができておると思います。しかし御指摘のように昭和五十一年度、五十二年度、五十三年度と、経済の非常な激動の影響を受けまして一般財源の総額が確保できない、こういう異常事態のもとで投資的経費の一部をいわゆる財源対策債という形で地方債に振りかえざるを得ない事態に至っておるわけであります。現状においてはそうしなければ地方の必要な投資財源が確保できない、こういう状況判断からこのような特例措置を講じておるわけであります。もとより交付税制度の理念、これは私どもは従来も守ってきたつもりでありますし、今後ともこれは維持されるべきものであろうと思います。したがいまして、その意味では大もとの経済の安定及びその新しい経済情勢に即応した税財政制度の確立、こういうものとの関連において交付税制度が交付税法本来の趣旨に沿った運営ができるようにしていかなければいけない。そのための税財政制度の改正、これを一刻も早く行うべきものではないか、このように考えております。
○新村委員 所要の財源が確保できないから起債に頼るということでありますけれども、確保できないようにしているのは、やはり税率をくぎづけにしたのではこれはできないはずでありますから、当然これは税率を上げなければいけないわけでありますけれども、税率をくぎづけにして財源の確保ができないというのは、これは全く自繩自縛でありまして――自繩自縛というか当然やるべきことをやらないで財源不足を招来しているわけでありますから、全く説明にはならないと思います。そうではなくて、交付税法本来の機能を損なわないような法の運用、これは何といっても行政当局の最小の責任であると思うのです。ところがそれがなされないで一方的に起債が導入されておる。起債というのは直接的に地方団体に被害を及ぼす最大の要因でありますから、大変遺憾なことだと思います。
 そういうことから関連して考えますと、現在提案されております特例法案にしても、この特例法案は、この内容が交付税法の本来の精神に合わないということをみずから告白をしていると同じだと思うのです。この税率では財源確保はできないわけですから、そういった意味でこの法律案を審議すること自体、交付税法の精神からすれば矛盾であり、われわれは大変疑問を感ずるわけですけれども、その点についていかがでしょうか。
○石原説明員 御指摘のとおりこの法律案は、現在の交付税法及び本年度の交付税の特例を定めた法律の規定が前提としておりました国税三税に減収が生じたために、それに伴う交付税の減少額を五十二年度については行わない、そのための特例法でございます。こういう事態が起こったこと自身は、交付税制度が前提としておりました財政状況、経済状況が大きく変わったということに伴うものでありまして、そのために現在の地方自治体が予定しております各種の施策の執行に支障がないように、必要な手当てを講じざるを得なかった。そのための法的な手当てをお願いしているわけでございます。そういう意味では、御指摘のとおり、交付税制度本来の姿からしますと、現在非常にむずかしい事態に立ち至っているということはそのとおりでございます。
○新村委員 その点については理解ができませんけれども、次の点をお伺いしたいと思います。
 交付税法及び財政運用に関して、昨日来論議をされた覚書なるものが出されたわけで、それについては先ほど政務次官から、内容の変更というか、政府の統一見解が示されましたので、おおむねそれで了解ができるわけですけれども、しかし、何ゆえにこの法律審議の場にそういう誤解を招くような覚書なるものを同時にお出しになったのか。その点について、その意図、お考えを伺いたいと思います。
○石原説明員 本委員会に覚書を資料として提出申し上げましたのは、先般の理事会で提出方の御要請をいただいたわけでございますが、なお私どもは、この覚書によりまして、五十二年度の補正及び五十三年度の当初の地方財政対策が全体としてどういう考え方で組み立てられたかということを御理解いただきたいという趣旨もありまして提出申し上げた次第でございます。
○新村委員 三権分立の制度の中で、現在各方面で行政優位ということが常に問題になっているわけです。これは覚書だけではなくて、地方団体に対する通達行政といい、その他の行政運用の基本的な姿勢といい、三権分立の中で行政優位、行政力の強化ということが常に問題になっておるわけです。そういう中で、特に自治省御当局の場合には、地方団体を指導するという名目のもとに、実質的には法律外の、法定されたことではなくて法律外の行政力を利用して地方団体の支配あるいは介入が行われておるという事実が多々あるわけでありますが、そういった点とも覚書は無縁ではないんだというように考えますけれども、その辺の事情というかお考えを伺います。
○石原説明員 私ども従来も、将来の財政上の取り扱い等につきまして、確定したものについてはもちろん法律案としてこれを国会に提出申し上げ、御審議をいただいて決めているわけでございますが、そこまで至らない、政府部内において一つの方向を確認しておくということがお互いの今後の行政を進める上において必要であるというようなこと、そういう判断をした場合にはこれまでも覚書等で一定の事項について政府内部で合意しているわけでございます。もちろんこれはあくまで政府部内の合意事項にすぎないのでございまして、対外的にこれが効力を持つためには法律案その他の形で国会の御審議を得て確定されるというものでございます。そういうものでございますけれども、事柄によって、政府部内で確認しておくことが必要だと判断される場合がありますので、そのようなものがこれまでも行われてきたわけでございます。
○新村委員 政府部内の意思統一なり連絡あるいは確認事項、これはもちろん必要でしょうけれども、これは立法府の関知するころでは全くないわけですから、そういうものを法律の審議と関連をさして何か影響力を与えようとする、あるいは機能させようとする意図があるとすれば、これは大変残念なことだと思います。それはおやめになった方がいいんじゃないんでしょうか。
 それからまた、政務次官に特にお願いをしておきますが、先ほど申し上げたように自治省御当局は指導という名のもとに通達を乱発をして、地方団体の側からすれば不当な介入なり、統制なり、支配なりをしているという事実が多々あるわけですけれども、そういったこともこれからなさらないように、政務次官御自身はもとよりでありますけれども、大臣にもひとつお伝えをいただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○染谷政府委員 早速伝えておきます。
○新村委員 それから覚書の点ですけれども、こういうことを今後ともおやりになりますか、どうですか。というのは、立法府に疑問を持たせるようなそういうやり方をおやりになるかどうか。
○石原説明員 私どもは、覚書というのはあくまで政府部内の一定の合意でございますから、そのことによって立法府に云々というようなことは全く考えておりません。そうあってはならないと思います。なお、今後覚書というようなものをどうするのかという御指摘でございますが、財政問題に限らず行政を進めていく上におきまして、ある時点で問題になった事柄が将来そのときどういう形で決着したのかというようなことが争いになることがしばしばあります。そういう意味で、私どもは行政を円滑に進めていく上におきまして、場合によっては将来の取り扱い等についてその事柄を決する段階で役所同士で確認しておくというようなことは必要であろうと思います。地方行政を円滑に推進する、地方財政の健全性を守っていくという見地からそのようなものが必要である場合もあろうかと思います。そのような場合には、やはりこの覚書のようなものは締結せなければいけない場合もあろうかと思います。
○新村委員 それから今回の措置に関連して、また伝えられるところによりますと、現在の特別措置というか、異例の財政運営は将来税財政制度が抜本的に政正されるまで続く、そしてその一つの契機としては一般消費税が導入をされた時期に新しい段階に入るというような発言が自治省の首脳によって行われておりますけれども、そういうお考えはお持ちですか。
○石原説明員 これまでも申し上げましたように、現在の地方財政の状態というのは決して地方交付税法の想定したような正常な状態でないと思います。非常に多くの額を特例的な地方債の発行あるいは交付税会計の借り入れという形で乗り切らざるを得ない、こういう状態は財政的には一刻も早く解消していただきたい、そういう意味でできるだけ早い機会に税財政制度の抜本的な改正が必要ではないか、このように私どもは考えております。ただどのような内容の税財政制度が必要か。特に税制改正についてどういう事柄が必要であるかということは、私どもただいまの段階で具体的にどうと言うことではございません。これらは当然税制調査会その他の場において慎重に御審議いただくべきものであろう、このように考えております。
○新村委員 新聞の報道によりますと、自治省の首脳のコメントとして、これからは交付税率の引き上げは要求しにくい事態が出てきた、そして一般消費税の導入の時期を頭に置いて財政運営を考えなければいけないということを言っておられますが、一般消費税というのはまだ十分論議が尽くされていないし、国民の間にもこの税については深刻な疑問なり反対論があるわけですけれども、そういう中で自治省が率先して一般消費税の導入について発言をしているということは、一般消費税の実現に向かって自治省が露払いをしているのかどうか、そういう意図であるのかどうか、そういうことになりやしないか、そこらをお伺いします。
○森岡政府委員 税制につきまして、国税、地方税を通じてどういう改革が必要であるかということは、御承知のように税制調査会でいろいろ議論が進められております。昨年十月の答申におきましては、中期的に見てやはり国民に一般的な租税負担の増加をお願いしなければ、社会福祉を充実し、社会資本を整備していくという国民的要請に恐らくこたえることはできないだろう。しかしその方途としては、一つは、やはり所得課税というものの負担の増加をお願いするのが筋ではないか、筋ではあるけれども、しかしこれは負担感だとかいろいろな問題がありますから、なかなか現実的にはむずかしい。
 そこで、一般的な消費支出というものを対象とする一般消費税という方がより現実的ではないかという提言が行われておるわけです。しかし、お話しのようにその内容についてアウトラインが示された段階でございますから、それについてさらに掘り下げて、政府当局においても案をつくり、税制調査会においても検討を加えて、国民的な討議の場に持っていっていろいろ御批判を願った上で結論を出すことが適当であろうということを言っておるわけでございます。
 そういう意味合いで、やはり公共部門と民間部門の資源配分というものが、いまのままではどうにもならないということについては、国民的な合意もだんだんできつつあるわけでございます。しかしその場合の、具体的な税制改革の内容をどうするかということにつきましては、いま申し上げましたようになおいろんな紆余曲折が必要だと思います。しかし、税制調査会において一般消費税についてのかなり前向きな提言が行われておりますので、やはりこれは真剣に御論議を願いたい問題だという気持ちは私ども持っております。しかし、いま御指摘のように一般消費税の露払いを自治省がしておるということではございません。本当に現在の財政経済状況を考えました場合に、このままでいいとはだれも考えないわけでございますから、どのようにすべきかということについて真剣に取り組んでまいりたい、かような気持ちでございます。
○新村委員 次の点ですが、財源の確保ができないために大量の地方債が肩がわりとして発行させられたという事態があるわけです。その中で、同時にまた政府資金の比率の著しい低下があるわけです。地方団体は縁故債に頼らなければ財政運営ができないということに追い込まれてきたわけでありまして、特に五十年あたりから縁故債の激増が見られますけれども、五十一年度の全国市長会の統計で見ますと、縁故債ですね、民間資金が六一・三%、政府資金が二八・二%というふうに、前の比率から大きく逆転をしてさらにその格差が広がっている、鋏状の差が広がっているという事態があるわけですけれども、そういうような事態についてどうお考えになりますか。
○石原説明員 御指摘のように、昭和五十年度の当初段階までは地方債計画のおおむね六〇%程度は政府資金によって賄われておりました。いわゆる縁故資金の比率は低かったのでありますが、五十年度の補正段階以降、税収の非常な落ち込み、それから投資的事業の増大と両面が重なりまして、地方債の発行額が大幅にふえました。その段階で、一方交付税会計におきましても資金運用部から大量の資金を借り入れざるを得ない、こういう形で政府資金の総量が著しく不足する。そういう事態のもとで五十一年度、五十二年度は、従来に比べますと政府資金の構成比が非常に下がってしまったわけであります。
 そこでその対応策としましては、一つには従来の政府資金比率と各年度の政府資金比率のギャップの分については金利差を臨時特例交付金で埋める、こういうような措置も講じました。また縁故地方債につきましては、その円滑な消化を期するために大蔵省の御協力も得ましてその消化促進体制を組んだわけであります。しかし、基本的には政府資金その他の良質な資金のウエートを高めるということが基本であろうかと思います。御案内のように、五十一年度に対して五十二年度は若干政府資金比率を引き上げ、また五十三年度におきましては政府資金比率を地方債計画全体のほぼ四〇%近い水準まで引き上げるようにいたしております。
 それから、政府資金以外の資金につきましても、たとえば公営企業金融公庫の資金でありますとか市場公募債資金でありますとか、できるだけ良質な資金を確保して、いわゆる縁故資金の増額をできるだけ抑える、こういう努力をしてまいったわけでありまして、この方向は今後とも続けてまいりたい、このように考えております。
○新村委員 五十一年度の調査によりますと、縁故債の利率が非常にばらつきがあるわけでして、七・五%以下というのは比率にすると五・四%しかないわけです。そして九・一%以上というのが約九%というふうに、全体の一割近い。九・一%といいますと、政府資金の六・五%に比べますとそこに大変な差があるわけです。その救済策として臨時特例交付金に織り込んであるというようなお話でありますけれども、交付税の総額で確保されていたのでは、高い利息で苦しんでおる地方自治体の窮状は救われないわけでありますが、どういうような措置でそういう場合を救済されようとなさるのか。
○石原説明員 ただいま御指摘になりました全国市長会の調査時点、これはいわば金利全体の水準が異常に高くなった時点でございまして、その時点で確かに九%をかなり大幅に上回る条件で地方債の借り入れを行った団体がたくさんあったことは事実であります。その後金融情勢も変わってまいりまして、金利水準も御案内のように最近は非常に下がってきております。私どもの調査では、ごく最近の地方債の発行状況からこの金利を調べてみますと、六・七前後というものが大部分のようであります。しかし一般的に申しまして、規模の小さい、知名度の低い市町村の場合には、地方債の発行に当たりましてはどうしても条件が不利になります。そこでこれが対策としましては、私どもは一般市町村についてはできるだけ政府資金を充当していきたい、それから五十三年度からは公営企業金融公庫が普通会計債についても融資できるようになりましたので、これらもできるだけ活用して、特に一般の市町村につきましてはなるべく縁故資金に頼らなくてもいいような状況に持っていきたい、このように考えております。
○新村委員 縁故債の起債については地方団体は大変な苦労をしておるわけです。特に小団体、十万以下の団体では首長みずから金融機関を回って頭を下げるというような事態があるわけですね。これでは自治体の権威からいいましても、それからまた実際に財政運営という点からしましても大変遺憾なことです。市長なり町長なりが銀行へ行って頭を下げるというこんなばかなことはないわけですよ。そういう事態を起こしているのも、やはり当然確保されるべき財源が起債なりあるいは特に縁故債に回されているという状況がそういうことを起こさしているわけですから、この点を特にお願いしたいのです。そして同時に、財源不足のために起債の方へ押し出されているわけですから、その部分については国が財政が好転した場合にそれを救済することをお考えになっておるかどうか。過去においてはそういうこともありました。地方が起こした起債を国がめんどう見たという例が過去にありますね。交付税で見たとかいう例がありますけれども、現在はその何十倍する巨額の地方債が発行されておるわけですけれども、国がもっと財政が好転した場合に、当然国はこれを救済する責任があるんじゃないかと思いますけれども、その辺のお考えを伺います。
○石原説明員 御指摘のように、かつて昭和二十年代の末期のころ、財源不足に対処するために地方債に振りかえた起債は、その後交付税で基準財政需要額に算入するという形で財源措置をいたしました。また昭和四十一年度の際に財源不足に対処するために起債振りかえが行われ、いわゆる特別事業債でありますが、これにつきましてもその相当部分を交付税算定上の基準財政需要額に算入をいたしております。五十年度以降とられました財政対策の一環として起こされておりますいわゆる財源対策債につきましても、考え方としてはこれが交付税による財源措置、一般財源によって措置されたのと不均衡にならないように算入率を算定しましてこの公債償還費を基準財政需要額に算入していきたい、このように考えております。
 なお、先ほどのお尋ねに関連することでございますが、資金面の改善策といたしましても、五十二年度は義務教育債はすべて政府資金にする、それから五十三年度におきましてはただいま先生御指摘の財政上の事情で投資的経費の財源の一部を地方債に振りかえるいわゆる財源対策債については、一般市町村に関する限りはすべて政府資金で引き受けるようにしたい、このように考えております。
○新村委員 現在の自治体は財政自主権というのがほとんどないわけですね。すべて財政の基本的な問題については国がこれを押さえておる、その枠内でしか運用の権能がないわけです。同時にまた、ある程度検討はされておりますけれども、巨額の超過負担を抱えておる。そして高度成長時代の膨張した財政需要なりあるいは機構がそのまま残っております。これに苦労しておる、苦しめられているというのが実態であります。そういう中でさらに今後地方債、特に質の悪い地方債がふえるということは、これは大変な問題を将来に残すわけでありますから、地方交付税法の運用に当たって、そこに歯どめをかける必要がどうしてもあるんじゃないか、地方債に回すその限度を法定する、歯どめをかけるという必要があると思いますが、その点についての御配慮はありますか。
○石原説明員 現在投資的経費の財源の一部を地方債に振りかえるという措置は、毎年度の交付税のいわば特例という形で御承認いただいているわけでありまして、これをあらかじめ起債振りかえの限度をここまでということを定める、これは技術的には可能かと思いますが、問題は、そうしますとそこまではしばらく起債でいいんだという反対の議論も起こり得るわけでありまして、私どもはやはりできるだけ早く起債振りかえというような事態を解消する努力を続けるべきではないか、このように考えております。
○新村委員 いままで交付税法の運用の歴史を振り返ってみますと、当然国が措置すべき財源を国の責任から地方の責任に転嫁をしてきたその過程、それがいままでの交付税法の歴史だと思うのですよ。ですから、この際そこに歯どめをかけて、逆にそういう傾向をストップさせて、反対に地方の負担を今度は国の方へ吸い上げていくという措置をこの際法的に決めていくもう時期ではないかと思うわけです。その点を特にお願いをしたいと思います。
 特に大臣は地方の首長の経験もおありであるし、地方団体の苦労はよく御存じのはずでありますので、その点はひとつ政務次官の方から大臣にお伝えをいただいて、地方の立場に立った自治省御当局のこれからの行政に対する対処の考え方を確立をしていただきたいと思うわけであります。
 そのほかの地方財政あるいはまた交付税法の問題については機会を改めてお伺いをいたすことにいたしまして、本日はこれで終わります。ありがとうございました。
○木村委員長 和田一郎君。
○和田(一)委員 きのうに引き続いての質問でございますので、特に政務次官にいろいろと御所見をお伺いしたいと思います。
 まず一つに、いま論議されておりますが、今回の地財対策についての先ほどからの覚書であるとかまたはきのうの御答弁等を聞いておりますと、交付税の税率アップというものは当分望めないんだ、そういうふうな感じを受け取るわけでございますけれども、政務次官はやはり大臣を補佐される立場の重要な役目でございますので、あなたのお考え、態度ですね、ちょっとお述べになっていただきたいと思います。
○染谷政府委員 五十三年度の地方財政対策に当たりましては、同年度の地方財政が地方交付税法第六条の三第二項に該当する事態であることにかんがみまして、同法に即して財政制度の改正を行うこととなります。この財政制度は恒久的な制度改正ではありませんが、地方財政が好転し、または地方財政制度の基本的改正が行われるまでの当分の間の地方財源不足に対応しようとするものと考えております。
○和田(一)委員 いまお述べになりました交付税法六条の三の二項、これに沿って今回やったといま御答弁がありましたけれども、これを読んでまいりますと「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項に定める率の変更を行うものとする。」こう明記されているわけですね。なぜ率の変更をされないのか、または制度の抜本改正をされないのか。そしてこうやったから大丈夫だというような御答弁ではちょっとわれわれも納得しかねるのですけれども……。財源の不足もそちらの方が詳しいんですが、五十年には二兆一千八百三十二億です。五十一年には二兆六千二百億、五十二年には二兆七百億、五十三年が三兆五百億というこの財源の不足、これは完全にこの法律から照らしますと制度の改正または率の変更の時期に来ていると思うのですね。その点どうでしょうか。
○染谷政府委員 あくまでも地方財政が好転するか、または財政制度の基本的な改正が行われるまでという考え方でございます。
○和田(一)委員 ですから、それは覚書のことをおっしゃっていると思うのですよ、政務次官は。その間はこの覚書でいくとおっしゃっているのですが、しかしこのように四年間続けての財源の不足となっているわけですね。そういう点から考えれば、当然この地方交付税法の第六条の三の定めによると、抜本改正をするかまたは率のアップ、こう決まっているわけなんですよ。いまだにそれをされないのはどういうわけか。きのうの御答弁を聞きましてもそういう答えがなかなか出てこない。やはり政務次官としてのお力があるのですから、あなたはどのような対処をされますか、こういう質問なんです。
○染谷政府委員 税制改正がすっかりでき上がらないとこれはなかなかできないということで、現状維持のようなかっこうになっております。
○和田(一)委員 交付税というのは国税三税の三二%ですね。現在も、きのうの答弁だと六・五%分の財源が不足であるということになっているわけですね。それは手当てをされたのがそうでしょうか。ですからそういう点についての税率アップ、これに対してはどうなんでしょうかという質問なんです。
○染谷政府委員 税制改正はあくまでもやってみないとどうにもならぬと思います。税制改正が完成した時点でそういう形になってくるんじゃないかと思っております。
○和田(一)委員 税制改正とおっしゃっているのは地方税の税制のことをおっしゃっているのでしょうか。
○染谷政府委員 国税、地方税でございます。
○和田(一)委員 そうしますと、国税、地方税の改正をしてからでないと交付税のアップはできないという、そういうことなんでしょうか、ちょっと答えてください。
○染谷政府委員 そのとおりでございます。
○和田(一)委員 これはまたちょっと重大な発言だと思うのですけれども、審議官、それでいいのですか。
○石原説明員 昨日も御答弁申し上げましたように私どもは六%アップの要求はいたしましたけれども、最終的にはこれから御審議いただきますような内容の財政対策に落ちついたわけであります。結局その論議を通じまして、交付税率の問題というのは国と地方の間の財源配分の問題であります。したがいまして、現在のような流動的な経済情勢のもとで交付税だけを別にして率を変更するということはきわめてむずかしい、やはりこの問題は一刻も早く国、地方を通ずる税制の抜本改正をして、その一環として見直しを行うべきではないか、このように考えるわけでございます。
○和田(一)委員 石原審議官がおっしゃったのは、税制改正というのはいわゆる税財源の再配分という意味での改正ということでしょうか、それとも税金をまたうんと取ろうということでしょうか。
○石原説明員 現在の財政状況はやはり税制改正を抜きにしては抜本的な改正は困難ではないか、そういう意味で私は国、地方を通ずる税制の抜本改正とあわせて財政制度についても見直しを行うべきである、交付税制度は国と地方の間の財源配分の問題でございますから、大もとの財源の確保の問題についてある種の改革が行われない限りは、それだけ切り離して実現するというのはむずかしいのじゃないか、こういうことを申し上げているわけでございます。
○和田(一)委員 そうしますと自治省は増税論を表に立てて、それから交付税のアップに持っていかなければできない、こういう考え方ですか。
○染谷政府委員 ある程度まではそういうことも考えざる得ないのじゃないかと思っております。
○和田(一)委員 これは重大な発言ですけれども、大臣は同じようなお気持ちなんでしょうか。
○染谷政府委員 まだ大臣と打ち合わせはしておりません。
○和田(一)委員 昨年の暮れに私、前の小川大臣に、五十三年度の住民税の物価調整ぐらいの減税はできないかという質問をしたときには、残念ながらやりたいのだけれどもしかし現下の情勢では減税はできない、そういう答弁があったのですよ。ですから自治省の考えとしては、何とかそういう減税はしていきたいのだけれどもなかなかできない、そういう姿勢だと思っておったのですが、そうしますと、今度ある程度増税というものをたてまえにしていって、それから交付税の改正に持っていかなければできない、そういうふうないわゆる方向転換ととっていいのでしょうか。
○石原説明員 税制改正及びこれと関連する財政の抜本改正についての基本的な考え方は従来も現在も自治省としては変わってないと承知いたしております。
○和田(一)委員 この問題で長く時間をとっておりますと時間がありませんので、これはまた本予算のときでもいろいろ議論になると思いますが、しかしとにかく税金の方の問題であるとかそういうところから直していかなければ交付税のアップはできない、こういうことよりももう少し地方の固有の財源という考え方でやっていった方がいいのじゃないかと私は思うのです。というのは、昭和四十五年から四十六年あたりの国会のこの地方行政委員会の附帯決議を読みますと、こういうことが書いてあるのですよ。「地方交付税については、国の一般会計を通すことなく、直接、交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れる措置の実現に努力するとともに、」こう書いてあるのですね。だからこれは完全に固有の財源であるということで、一般会計を通さずにこっちへ入れろ、そういう論議がなされておったのです。最近だんだんトーンが下がっていきまして、去年あたりのあれでは税率アップということの内容がずいぶん消えてきまして、「交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金及び地方債への振替分の償還が、将来、地方財政を圧迫することのないよう適切な措置を講ずること。」税率アップということが抜けてきて、今後の償還が地方財源を圧迫してはならぬ、そういう方向に変わってきた。というのは、四十五、六年ごろの固有の財源か国の財源かという論議からだんだん後退してきたというのは、やはり時代の推移も当然でございますけれども、もう借金借金、そしてまた返す返すというやり方がずっと続いてきて、いわゆるそれが制度化されてしまったために頭の中がだんだん軟化してきたのじゃないだろうか、そういうことなんですね。ですから、そうだったら交付税法のこの条文を変えなければならぬですよ。あくまでも「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正」ということがはっきり出ているのですから、こういうふうに財源難が続く間は――しかも率のアップ、こうはっきり出ているのだから、この交付税法の精神にのっとっていけばやはり税率アップということを表に立ててやっていってもらわないと……。その辺のところひとつ政務次官の方もよくお考えになった上で御答弁願いたいと思うのですが、どうですか。
○染谷政府委員 そのように研究して、慎重に考えたいと思います。
○和田(一)委員 時間がありませんので次に移ります。
 超過負担の問題について、これはお聞きいたしますと、政務次官も以前県会の議長さんを長年おやりになったという経験者でございます。また権威者でございますので、特に地方の困っている問題としてはよくおわかりの問題でございますが、超過負担の解消、これはある程度の解消ということでつかみ金でもらったことはありますけれども、本当にこの問題については解消にならない。今度の五十二年度の第二次補正予算でも相当の額が地方団体にいきます。そして補助事業としていく、その裏負担分は一〇〇%起債だ、それだけじゃ間に合わないというのですよ。結局は市費を出さなければならぬ。そういうことでしょうがないからということですよね。それが全部超過負担になってくるわけです。この超過負担の問題は、ただ言っているだけではしようがない。やはり実を上げなければならぬ、われわれはこう考えているわけです。この附帯決議の中にも、全部出ていますよ。ずっと最近の附帯決議を見ましても全部出ている。それから地方制度調査会でもこの問題についても真剣に取り上げている。政務次官は在任中――いつおやめになるか私はわかりませんけれども、在任中どのようにこの問題について真剣にお取り組みになるか、ひとつ決意のほどをお聞かせ願いたい。
○染谷政府委員 国庫補助の負担事業にかかわる超過負担の問題は、国、地方の財源秩序を乱すものでありますので、早急に是正すべきものと考えております。このような考え方に立って、政府としては、従来から超過負担として指摘された補助負担金につきまして大蔵、自治両省及び関係省庁による実態調査を行って、その結果に基づいて超過負担の解消を図ってきたところであります。
 昭和五十三年度の予算におきましては、補助単価を引き上げましたほか、面積の基準、さらに標準仕様の設定等の補助基準の改善を図ったというような形であります。今後とも社会経済情勢の変化、施設水準の推移等に配慮いたしまして、関係省庁と連絡をとりながら超過負担が努めて出ないように努力をしてまいりたい、このように思っております。
○和田(一)委員 超過負担についてはこの地方行政委員会に一つの議員提案の法律案がかかっておりまして、その中身は、地方と国との協議機関を設けたらどうか。国はこういうように思うのだ、いや地方はこうだというだけで対立しておって、全然歩み寄りがないのが現状なんです。そういう法律案がかかっておりますけれども、その点についての政務次官の御所見はいかがでしょうか。
○染谷政府委員 いまの問題、知事会の協議会等をつくりまして御相談をしておる、このような状況でございます。
○和田(一)委員 知事会の協議会、これは知事会は知事会でどんどんやっておると思うのですが、国の機関と地方の機関、機関対機関じゃなくて、一つの両方あわせたこの解消の協議会を設けて、そして具体的に話し合ったらどうか。おれはこうだ、いや、こっちはこうだということじゃだめだ、こういう提案がなされているのですよ。それについてのお考えはどうですかということなんです。
○染谷政府委員 いまの実際の方法としては、知事会からも国からも全部出て御協議いただくという形をとっております。
○和田(一)委員 協議しているようだけれども、なかなか解消できないというのが現状でございますから、この問題については政務次官も御自分で体験されたのだと思うので、ひとつ全力を挙げてやっていただきたいと思うのです。
 次にいきますけれども、公営企業金融公庫の改組問題については、融資対象の拡充はなされましたけれども、地方団体金融公庫の設置については見送られておりますが、これについて政務次官はどのように対処するおつもりでしょうか。
○染谷政府委員 公庫の改組の問題でありますが、法律改正を行って、地域住民から要望されております臨時地方道整備事業、臨時河川等整備事業、臨時高等学校整備事業等の三事業を一応公庫の融資対象とすることにしたわけであります。しかし、この公営企業金融公庫が引き受けます地方債の中では公営企業にかかわるものが非常に多うございまして、比重が大きいといいますか、そのようなことから特に名称の変更は行わなかったというのが実態であります。したがいまして、今度の改正におきましては、地方団体がかねがね要望しておりました公庫の全面改組には至らなかったのですけれども、普通会計債を公庫の融資対象に加えることが認められたという点では一歩前進ではないか、このように考えております。
 なお、地方債の良質な資金の融資につきましては今後とも全力を尽くしてまいりたい、このように思っております。
○和田(一)委員 それでは、その融資対象の拡大はまことに結構なんですが、もうほとんど公営企業の範囲を通り越して、市町村としては非常にありがたい立場なんですが、これはあと残っている事業というのは何でしょうね。公庫で取り上げなければならない問題であと残っている対象というのはどのぐらいでしょうか。石原さんでいいです。
○石原説明員 今回は、公庫の融資対象規模、融資枠、ほぼ九千億ほどでございますが、その中で二千億をこの普通会計系統の三事業に充当しようという考え方でございます。あと残っているといいましょうか、当初私どもの気持ち、地方団体が希望しておりました考え方というのは、特に制限を付さずに公営企業金融公庫が全面的に普通会計の起債を引き受けられるようにしてほしいという気持ちを持っておったのでありますけれども、国庫当局との折衝の結果、当面これを三事業を追加するということに相なったわけでございます。
○和田(一)委員 実質的にはこれは公営企業金融公庫ではなくて地方団体金融公庫に近いものになりつつある。ただ金額の点では不足だという印象をわれわれは受けるわけなんですが、なぜ五十三年度にその地方団体金融公庫の名前をつけることができなかったのでしょうか。
○石原説明員 率直に申しまして、公庫の改組についての私どもと国庫当局との種々論議の結果としてこのような結論に落ちついたわけでありますが、その名称を変えなかった理由といたしましては、ただいま政務次官からも御答弁申し上げましたように、事業の主体、公庫の融資の主体は依然として公営企業である。今回対象になったものは普通会計債でありますが、これはまあ一部である、公庫全体の中ではまだそのシェアが低い、こういうことで名称変更には至らなかったという事情でございます。
○和田(一)委員 よくわかりましたけれども、今後ひとつ融資枠の拡大と同時に金額の拡大も必要だと思いますが、やはりすっきりと地方団体金融公庫になれるように、政務次官がんばってもらいたいと思うのですが、決意をおっしゃっていただいて、それをお聞きして私質問を終わりたいと思うのです。
○染谷政府委員 努力してまいりたいと思います。
○和田(一)委員 終わります。
○木村委員長 三谷秀治君。
○三谷委員 五十二年度の地方自治体の財政の運営について少しお尋ねしたいのですが、不況と円高などによりまして国税収入が減額修正されております。所得税が五千六百十億円、法人税が三千二百七十億円の減額補正となっております。そこで、国税三税のうち二税が減額されることになりましたから、交付税総額の特例措置が必要となった。これがいま問題になってきた。しかし、同様の事情が地方税においても発生しておると思います。地方税の中で国税の減額に相当する住民税、特に法人割及び法人事業税の徴収状況及び年度末における伸び率の見込みはどうなっておりますのか、当初一八%の伸びを見込んでおりましたが、これがどう推移をしましたか、これをお尋ねしたいと思います。
○森岡政府委員 ただいま御指摘の内外の経済要因によります税収入の減収の問題でございますが、地方税におきまして個人所得課税は前年度課税でございますので、これは影響がございません。法人関係税であります法人事業税と法人住民税につきまして減収が出てまいります。私どもの手元にあります。番最近の資料は、十一月末の都道府県の徴収実績でございますが、これで見てみますと、前年同期の調定額に対しまして約一七・五%程度の伸びになっております。これをもとにいたしまして、今後の若干の変動要因もあろうかと思いますけれども、年度末における法人事業税及び法人住民税の収入見込みと、それから地方財政計画に計上いたしました同二税の見込みとを比較いたしますと、約千三百億円程度の減収が生ずるものと、かように考えております。
○三谷委員 そこで、これに対する対策でありますが、この減収額に対してどういう方法で補てんをされるつもりか、これをお尋ねしたいのです。
○石原説明員 地方税のうち、法人関係税につきましては非常に変動要因が多いということで、従来からもそうしておったのでありますが、五十二年度におきましても、個々の団体ごとに法人事業税及び法人住民税の現実の収入額を基礎として算定された基準税額相当額と申しましょうか、それと交付税の計算に使われました基準財政収入額を対比しまして、その差額が大きくなるような団体につきましては減収補てん債の発行を認めたい、こういうことで現在作業を進めております。
○三谷委員 特に、減収状況を見ますと、地域的な格差が存在しております。大都市を抱える府県の落ち込みが著しい。東京、大阪などが特に顕著になっております。
 そこで、この偏在というものを数字で見てみますと、府県の場合、東北六県の場合ですと、予算計上額に対する調定割合が八九%となっております。中国地方で八九%、東京都で八一%、大阪府が七八%、こうなっております。この理由はどこにあるのか、これをお尋ねしたいのと、もう一つは、現実に都市部におきます減収が著しいわけでありますから、その対策も実情に即したもの、いわば傾斜的な処置といいますか、こういうものが当然必要だと思いますが、そういう方向で減収補てん債を考えていらっしゃるということなんでしょうか。
○森岡政府委員 まず、地域的な減収の態様についての御指摘でございますが、申し上げるまでもなく企業収益の悪化がこの減収を生じました原因でございます。産業構造はいろいろございますけれども、やはり減収が大きく生じておるところは、いわゆる構造不況業種とか、その他全体として稼働率が低いとか、設備投資が盛り上がらないとか、そういう企業に集中をいたしておることは明確でございます。そのような企業がいま御指摘の大府県に立地いたしております法人の中に相当数ある。これが地域的に落ち込み方にかなり差異が出ておる理由だと考えております。
○石原説明員 この地方税の減収状況は、ただいま税務局長からも御答弁申し上げましたように、地域によって非常に差が大きいわけであります。そこで、私ども減収補てん債を検討するに当たりましては、個々の団体ごとの減収の状況をできるだけ正確に把握いたしまして、現実に生ずるギャップを完全に埋めていく、こういう考え方で作業をしておる状況でございます。
○三谷委員 そこで、昨日東京都の具体の財政事情について質問がありましたが、私は大阪の場合についてお尋ねしたいと思うのです。
 さっき申しましたように、大阪の税の減収が全国で最もひどい状態になっております。まあ産業構造との関係があるわけでありますが。そこで、十一月末の大阪府の調定額で見ますと、前年同月比で一三・六%の増にすぎません。法人二税でも一六・八%となっております。ところが自治省の指導というのは一八・一%を伸び率として見ていらっしゃいましたから非常な減収が出ておるわけです。そこで、大阪府としては二百二十億から二百三十億の減が出るという見込みになっております。東京などは七百五十億の減収を見込んでおるようであります。しかもこれは超過課税を含めて計算してこうなっておる。大阪はそもそも最初から六百億の起債を求めておったわけでありますが、これについてはどのようにされるのか。特別対策債六百億を要望しましたのが二百二十億程度しかお認めになっていないようでありますが、あとの三百八十億の許可がどうなるのか。これが一つの重大な問題になっておる。もう一つは、それ以後における税の伸びによる見込みの違った二百三十億は一体どうされるおつもりか、これについてお尋ねしたいと思います。
○石原説明員 ただいまも御答弁申し上げましたように、税収の落ち込みにつきましては、できるだけ新しい時点のデータをもとにして、五十二年度の減収額をできるだけ正確に把握した上で必要な地方債の許可を行いたいということで、少なくとも十二月末の実績は確実に把握した上で許可額の検討を行いたいということで作業中でございます。
 なお、それ以外の大阪府の地方債についてのお尋ねでございますが、大阪府につきましては、現在の地方債の許可方針に基づいて一般の団体について認められている地方債と、それから通常の許可方針からやや外れると言いましょうか、特例的な形での地方債の発行を要請してきております。そこで、通常許可方針に基づく地方債についてはそのほとんどが許可済みだと承知しておりますが、やや特例的なと言いましょうか、大阪独自の事情に基づく地方債の要請につきましては、その内容を現在審査中でございまして、先ほど申し上げました減収補てん債と同様できるだけ早い機会に結論を出したいということで現在作業中でございます。
○三谷委員 特別対策債六百億のうち二百二十億しか認めていらっしゃらないわけですが、そのほかはどうなるわけでしょうか。
○石原説明員 そのほかの地方債の中には、いろいろなものがあるのですけれども、たとえば定数の削減に関連する退職手当債などについても、大阪府の場合やや特殊な要因を含んだものが入っておりまして、その取り扱いをどうするか。大阪府全体の財政状況あるいは財政健全化のためのいろんな対策を講じられようとしておるようですが、そういった状況も伺った上で最終的な結論を出したい、こう考えておるわけでございます。
○三谷委員 退職債の問題がいま出ましたが、退職債も二百億ほどお願いしておるように聞いております。これは一般の財源対策債とは異なったものであって、別に退職債の要求をしておると聞いております。これは教職員の減員だとか、いわゆる自治省の求めていらっしゃいます行政の合理化といいますか、その線に沿って職員と協議をして高齢者の退職の促進だとか、あるいはむだな教職員の切り捨てだとか、いわば今後における大阪府の行政の運用の基本にかかわる問題を処理するための必要経費でありますから、ぜひこれは認めていただきたい。そうしなければ、これはいつになりましてもいわゆる減量措置がとれない、こういうことになってくるんで、お願いしたいと思います。そういう点については十分に考慮しながら検討されておりますか。
○石原説明員 ただいま御答弁申し上げましたように、退職手当債の中に従来の退職手当債の取り扱いの基準に乗るものももちろんございますけれども、やや従来例のなかったようなものも含まれておりまして、そういったものは今後の先例にもなりますので、私ども大阪府の御事情もよく聞きながらその取り扱いを今後決めてまいりたい、このように考えております。
○三谷委員 厚生省、お越しになっておりますから、ちょっとお尋ねします。
 御承知のように、昨年所得減税によりまして減税措置が行われましたが、この減税によります税の減額分を、厚生省の児童の保護措置費の補助金を扱います階層区分の所得分類の中にこの減税分を認めない、要するに減税によります減税効果というものを遮断するという措置がとられておりますが、これは一体どういう事情なのかお尋ねしたいと思います。
○下村説明員 三谷先生のような御疑問が出るのも当然かと思うわけでございますが、現在保育所の保育料等を中心にいたしまして、施設に収容をいたしました場合に、本人あるいはその扶養義務者――両親の場合が多いわけでございますが、費用の徴収をいたしておるわけでございます。それで、その費用の徴収の仕方といたしまして、これは児童福祉法の考え方によりますと、保護者が費用を負担することができるかできないか、その費用負担能力に応じてお金を払っていただく、こういう仕組みになっておるわけでございます。
 現在では福祉施設も非常に数がふえまして、一々の世帯について収入認定等をやるということは非常に繁雑になりますので、その費用負担能力の基準といたしまして所得税を、前年度の所得税額をもとにいたしましてどの程度の金を払っていただくかということを決める、こういう仕組みになっておるわけでございます。
 したがいまして、私どもが所得税額をもとにして費用の負担額を決めるというのは、あくまでその世帯の費用負担能力がどの程度あるかということの一つの指標として採用しているわけでございますので、戻し税のような臨時特例的なものであって、直ちにその世帯の負担能力と直接にリンクしているものではないというふうなものの場合には、費用負担能力の認定に際してはこれは所得税額から外して考えるのが適当であろうということから、戻し税は所得税額の中には含めないんだという考えを明らかにしたわけでございます。
○三谷委員 徴収金の基準額表によりますと、徴収金の基準になりますのは税額なんですね。課税所得じゃない、税額になっているわけです。ですから、こういう所得減税などが行われまして多面的な減税効果が期待されているわけでありますが、その中でその減税分を認めない、その税額を厚生省は認めないという処置をおとりになりますと、この面でだけ減税効果が遮断されてしまうわけでありまして、これは少しおかしいじゃないかと思います。
 一面から申しますと、たとえば中小零細業者などが金融公庫その他で金融を受けます場合、申告をしますのは減税されました納税額、これが基準になるわけです。減税額は切り捨ててしまう。ところが、おたくの場合はこの減税額を切り捨てをしないというわけだ。だから減税をしないままの税額というものがこの基準にされている。現実にも反している。ここは少し私は理解ができませんが、単に負担能力というだけでなしに、この基準表というものは、つまり基準のとり方というものは税額というものが基準になっているわけです。だから負担能力の問題ではないわけです。その点どうなんですか。
○下村説明員 厚生省といたしましては、法律上の規定といたしましてあくまで費用を負担する能力がどの程度あるかということを基準にして考えるような仕組みになっておりまして、通牒の上で確かに原則としては所得税額をもとにしまして判定するようになっておるわけでございますが、その際の所得税額というのはあくまで基本的な控除等を含めた場合の所得税額ということでありまして、すべての特例措置による、たとえば租税特別措置法等によるいろいろの減額等もあるわけでございますが、それらの特別な要素を外して判定をするという仕組みでまいっておるわけでございます。
 そういうことで、税を減免するということと、保育料その他の施設収容の場合の費用の減免というのは一応別個の問題でございますので、私どもとしてはその際の所得税額には戻し税のようなものは含まないという扱いで従来から一貫しているわけでございます。
○三谷委員 こういう処置をおとりになったのは今回が初めてなんですか。従来もあったわけですか。
○下村説明員 戻し税という形の減税は初めてでございますので、これは今回初めてでございますが、考え方といたしましては、たとえば租税特別措置法による特別の減額があった場合というふうなものは従来から除外いたして考えておるわけでございます。
○三谷委員 どのような特別措置というものを除外されておるか知りませんが、戻し減税の意義といいますのは、これは今日の不況、インフレの中で国民生活を少しでも防衛して国民の購買力を高めていこう、そして不況打開の条件をつくろうという意味のものでありますから、従来の政策減税的なものとはわけが違っている。特殊なやはりいまの状況に応じた減税措置になっているわけだ。しかも、そういういわば民生安定を目的にする減税の措置を、いまの厚生省のように特に住民福祉の問題を取り扱う場所において遮断をするというようなことは、厚生省の役割りからしても私は大きな疑問を持つわけであります。むしろ厚生省としては積極的にこの所得減税の意義を民生安定の面でとらえて、そして負担の軽減を図っていくという処置をとるべき役所ではないかと思っておりますけれども、なぜそれがおとりになれないのでしょうか。
○下村説明員 私どもとしては、やや繰り返しになりますけれども、所得税をどういうふうにするかという問題と、施設収容の場合の保育料等をどういうふうに取るかという問題は一応別個だというふうに考えておるわけでございます。
 それで、前年の所得税額を基準にして費用を負担していただくということは、あくまで所得の指標ということでございますので、所得自体にはこの場合影響がない。逆に言えばむしろ所得自体は減税によって伸びるという形になるわけでございますから、一応別個の問題ということで処理をいたしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。
○三谷委員 減税によって所得が伸びるなんということを考えていらっしゃるから物事が間違ってくるのですよ。この減税処置というものが要するに今日の国民生活の現状から見て必要であるというので、野党が合意をしてこういう減税の処置をとったものであって、それによって所得がふえたのだというふうな解釈はなさるべきものじゃない。むしろ所得が非常に行き詰まってきて一つの不況要因となっておりますから、それを打開しようという処置ですから、それが十分に効果が発揮し得るような立場に立って厚生省も考えていくというのが私は厚生省として当然とるべき処置だと思っておるのであります。
 そういう点からしまして、なぜそういう処置がとれないのか。そして今後におきましても、まあことしも所得減税問題が予算委員会で論議されておりますが、ことしもやはり同じような処置をおとりになるおつもりなんですか。
○下村説明員 先生が御指摘になりましたように、ただいまの基準額表でたまたま確かに所得税額という表現を使っておりますけれども、正確に言えばそこには所得額自体が本来書かるべきところを、事務取り扱いの便宜等を考えて所得税をとっているということになるわけでございます。
 税額をどうするかというふうな問題と施設の費用負担額をどうするかというのはやはり別個の問題でございますので、これをどうするかということについてはまたいろいろの御意見等も当然あってしかるべきかとは思いますけれども、所得税の問題が仮に前年度と同じような形がとられるということがございましても、一応別個の問題でございますので、厚生省としては従来どおりの扱いをいたしたいというふうに考えております。
○三谷委員 所得減税によりましていまの国民生活というものに対して一定の配慮を図っていく。ところが、あなたのその説明によりますと便宜を図ることをそこで遮断する、つまり減税効果をそこで完全に遮断していこうという考え方でありますから、これは減税を要求しました野党側の目的といいますか意図といいますか、これを全く無視した考え方になっている。で、減税の効果というものは単に税額が減るだけでなしに、その減税によって生じてくるさまざまな波及効果があるわけであって、その波及効果の一つがこういう際における所得の認定にも出てくるわけです。
 そこで、あなたもおっしゃっていますようにこれは税額を基準にしているわけだ。税額を基準にしているのであって、所得減税をして、政策的にその減税をやったときにはこれは当然税額が対象になるものであって、減税をしたのだからかえって収入がふえたのだ、そういうことを言ったのでは、これはむしろ減税処置というものが逆手にとられてしまう。そういう取り扱いの仕方というものは厚生省としては適当ではないということは、恐らくだれが考えても一緒だと思いますが、なぜそういう処置をとらなければいけないのか、なぜ所得減税というものを厚生省のもろもろの処置の中にも生かすことができないのか、そこをお尋ねしたい。
○下村説明員 確かに現在の基準額表では所得税額という表現を使っておりますけれども、これはたまたま事務処理の便宜上所得税額による表示にした方が便利だということでございまして、厚生省のいろいろな所得に関連する問題がございますが、税額を基準とするものでも、最近の傾向といたしましてはむしろ所得を基準とした表現に改めているものもあるくらいでございます。
 で、税を安くした場合にそれに連動して保育料を同時に安くすべきかどうかということは、全く別個の政策の問題でございまして、いわゆる波及効果の場合にも、これは制度として別のものでございますから、私どもとしてはこれは別の問題だというふうに考えているわけでございます。
 私どもとしては、収入がふえたから保育料をふやしたいということを申しているわけではございません。所得の実体には変わりがないので、私どもとしては所得税が安くなったから保育料も安くするということは、必ずしも政策的な必要というふうには考えていないということを申し上げているわけでございます。
○三谷委員 これは減税分を遮断をしなければ所得がふえるという結果になっている。そこで、ランクがありますから、ふえたものがすぐさま保育料の増額につながるかと言いますと、それはそうは言えない点もある。しかし、つながる部分もある。A、B、C、Dのランクがあるわけでありますけれども、それだけ所得がふえた場合、DランクがCランクになる可能性は十分にあるわけであって、それは増額につながってくるという点も存在しているわけだ。所得がふえた分がこの徴収基準の内容に全然変化を与えないというふうに考えられますか。ある場合にはふえる場合もあり得るでしょう。
○下村説明員 戻し税のような形の所得減税がございましても、保育料の徴収はその影響を全然考えないで決定するという仕組みをとっているわけでございます。これは市町村によりまして、保育料の扱いにつきましては市町村ごとの規則等で決めるという形で指導いたしておりますので、市町村の規則上の扱いによってあるいは先生がおっしゃるような扱いをしたところがあったのかどうか、これはよく調査をしてみないとわかりませんけれども、私どもの考えとしては、戻し税によって保育料は影響を受けないというのが基本的な考え方になっておりますので、ただいま先生のおっしゃった点につきましては、私どももよく調べてみたいと思いますが、そういうことはないというふうに了解いたしております。
○三谷委員 それはないじゃない。実際にあり得るし、理論上にも存在するわけです。要するに減税額を遮断しなければ、減税した分は所得額として見るわけですからそれだけ所得額がふえる。ふえた場合には基準料金が変化をするということはあり得るわけであって、これは現実に存在するしないという問題よりも、理論上存在する。そして――頭を振っているのはどういう意味だ。頭なんか振らずに黙って答弁に立たぬかい。人が質問中に頭を振るとは一体何だ。どういう意味だ、それは。質問に対して、それは違いますなら違いますと、まともに答えなさい。
○下村説明員 所得税額をもとにしてやっているということで、戻し税はそれに算入をしないということでございますので、戻し税があってもなくても所得税額自体には変更がない、こういう扱いになるわけでございますから、それによって――保育料自体の規則の改定をやるというふうなことがあれば、その影響は別といたしまして、戻し税を算入しないことによって直接保育料がふえることはないはずだというふうに申し上げているわけでございます。
○三谷委員 その戻し税の分を遮断しなければ戻し税分だけは所得がふえているわけです。そしてこの基準徴収額というものは、その所得額によって決まるわけですから、戻し税というものを遮断しない限りは当然所得がふえるわけだ。所得がふえれば、いまおっしゃいます理論でいけば、当然これはランクが変わってくるわけだ。そこでふえてくるという事態が生まれてくる、そのことを言っているのですよ。
○下村説明員 考え方といたしましてはおっしゃるようなことがあり得るわけでございます。あり得るというのは、理論的にはあり得るという意味でございます。しかしながら実際の扱いとしては、所得税額を基本にして徴収額を決めるということになっておりまして、戻し税を算入しないということは所得税額を変更しないということでございますので、徴収額も変更がないというのが一般的な例になるはずでございます。
○三谷委員 それですと、結果的には遮断をしないのと同じことになりはしませんか。
○下村説明員 あるいは私に誤解があったのかもしれませんが、先生のおっしゃっているお話でまいりますと、戻し税を入れるということになると、前年の所得税額が戻し税の額だけ下がることになるわけでございますから、その分だけ所得が下がったという扱いになりまして、保育料の方もそれにつれて下がる場合が出てくる、こういうことになるわけでございます。
○三谷委員 それは、戻し税を遮断した場合にそうなってくるわけでしょう。
○下村説明員 戻し税を遮断しないで戻し税を算入した後の税額を基準にして費用徴収をするという場合に保育料が下がるということが出てくるわけでございます。
○三谷委員 そこのところ少し話が私わかりませんが、戻し税が入りますと所得はふえるんですわ。戻し税というものを遮断をしないで、減税した分を所得として扱っていきますと所得はふえるわけなんだ。そうでしょう。ところが、これを遮断をしますと、ふえた分だけは遮断されるわけですから、その分だけは収入が、所得がふえないという結果になってくる。そういう扱いをしていただきたい、すべきだということを言っている。
○下村説明員 戻し税を算入することによって所得がふえる。そのふえた所得を基準にして保育料を徴収するということはいたさないつもりでございます。
○三谷委員 そうしますと、結局、戻し税を遮断したのと同じ結果になってしまう。効果的には同じことになる。そういうことですか。いまおっしゃった点でいきますとそうなりますよ。
○下村説明員 正確に申しますと、戻し税によって所得がふえるわけでございますが、そのふえた所得を基準にして保育料を徴収するということはいたしません。
○三谷委員 そうしますと、結局は、これは遮断したと一緒になるわけですか。戻し税を遮断したんだということなんですか。ふえた分は関係ないと……。
○下村説明員 遮断したという表現がちょっと私理解できない点があるのでございますが、遮断したということになるのじゃないかと思います。
○三谷委員 そうしますと、どうもわからぬですね、これは。もう少しわかるように説明してくださいな。
 戻し税を遮断すれば、その戻し税分だけは所得が減るわけです。ところが、遮断をしなければ戻し税分が所得になるわけですから、所得がふえてくる。ふえますとランクが変わってくる場合があるから、そこで値上げが起きてくる可能性もある、こういうことなんです。
○下村説明員 考え方は所得なんでございますけれども、実際の徴収は所得税額を基準にしてやっているわけでございます。ただ、確かに所得税額と実際の所得の間には、特に前年の所得税額を使うということでありますから、変動が、差が出てくるということはあり得るわけでございますが、非常に大きな差が出た場合を別にいたしまして、一般的にはすべて所得税額を基準にして費用徴収額を決める、こういう仕組みになっております。
 そこで、いま問題になっております戻し税につきましては、戻し税を算入しない前の所得税額を基準にして費用徴収をするということが原則になっておりますので、戻し税はないものとして取り扱う、こういう考え方で私どもとしては指導してまいりたいと思っておるわけでございます。
○三谷委員 そこがどうもロジックが合わぬね。戻し税を遮断しなければ所得はふえる。遮断をすれば所得が減るわけですよね。ですから、そこのところがよくわかりませんが、いずれにしましても、こういう問題については、要するにここで基準がありまして納める保育料が決まっているわけですが、こういう所得減税などというふうな思い切った社会政策をとりました場合には、これは厚生省の方も、その管轄します行政においてその減税効果が発生するような措置をとるべきだと私は考えますが、そういう措置がとれませんですか。
○下村説明員 厚生省といたしましては、戻し税によって所得がふえたからといって、それを基準にして費用徴収をやるという考え方はございません。
○三谷委員 いまの問題をすりかえちゃだめですよ。おたくの出しましたこの通達ですね。「所得税の特別減税のための臨時措置法の施行に伴う児童保護措置費補助金等の階層区分の取扱いについて」という通達が出ているわけですが、この通達でいきますと、減税というものがこの局面におきましては適用されない、生かされないわけなんです。それを生かすようにしてもらいたいということを言っているわけです。
○下村説明員 これは生かし方に幾つかの段階があり得ると思うわけでございますが、この通牒のなお書きの部分でも書いてありますように、「戻し税額は直ちに負担能力に影響する性格のものではない」ということで、戻し税があって所得がふえたという扱いはしていないわけでございますので、御趣旨に沿っているのではないかというふうに考えております。
○三谷委員 そうじゃないですよ。要するに戻し税というもの、これが実行されたわけですから、そうして措置費の計算をします場合に、その戻し税は除外してしまえ、こういう扱いになっていますね。それを除外しないでもらいたいというのですよ。
○下村説明員 除外しないでくれということになりますと、先ほど来申し上げておりますように、保育料をどうするかという問題と所得税をどうするかという問題は全く別個の政策問題というふうに私ども考えておりますので、これは減税のあり方によってまたいろいろ対応は異なってくるとは思いますが、戻し税のような形の場合には、私どもとしてはこれを除外するということはただいまのところ考えておりません。
○三谷委員 考えていらっしゃらないわけですけれども、考えてもいいことなんでしょう。考えることによって減税の多面的な効果が出てくるんでしょう。そのように厚生省としてはしてくださいということを言っているわけです。
○下村説明員 保育料のあり方についてはいろいろの議論があるわけでございますが、私どもとしては、現行水準を維持するということを大体厚生省の政策の基調として考えておりますので、所得税減税があったからといって、直ちに保育料を減免すべきだというふうには考えておりませんので、大変残念でございますが、先生のおっしゃるようにすることは大変むずかしいというふうに思っております。
○三谷委員 それはなぜむずかしいのか、それをお尋ねしたい。
○下村説明員 保育料についての議論になってくるわけでございますが、現在の保育料についてはいろいろな議論があるわけでございますけれども、大体全国的な平均をしまして、たとえば幼稚園等と比較いたしましても、現在の国の基準のとおりにして、なお保育料の方が余り高くない、こういう感覚になっているわけでございます。それで、そういう点からいたしますと、私どもとしては、むしろ市町村が現在実態といたしましては国の基準以下しか取っていないというかっこうでございますので、保育料をむやみに安くすることは適当でない、こう考えておるわけでございます。
○三谷委員 確かに国の基準以下の保育料を取って、そして市町村がそれを負担するという例がたくさんあります。これは現実に保育料が大きな負担になっているからそうなっているわけだ。自治体が好んで財政の中でそれを負担するというのでなしに、そういう状況に置かれているというところに原因があるわけです。
 そこで、所得減税、戻し減税というものを差し引きますならば、当然これは負担が軽減される性質のものでありますから、そういうようにすべきではないかという考え方であって、それは厚生省としてはできないという性質のものではないでしょう。なぜできないか、なぜこういう社会政策というものを生かすための処置がとれないのか。それをお尋ねしたい。
○下村説明員 できるできないという議論になれば、確かに保育料を安くしていく、あるいはただにしていくという政策も実行可能ではないかと思いますが、ただいま申し上げましたように、現在の保育料の水準は、たとえば比較的類似の施設ということで比較しやすい幼稚園における保育料というふうなものの水準と比べてみました場合に、保育料が決して高い水準にあるとは言えないわけでございます。幼稚園の方は公立、私立でかなり差がございますので、一律の比較はなかなかむずかしい面があるわけでございますが、公私平均でやった場合に、それと保育所の該当年齢の児童の徴収金というものはほとんど同一水準にある。幼稚園の方はしかも時間数から言いますと大体半日になるわけでございますが、保育所の方は大体八時間はお預かりする。それから給食もやる。こういうことになると、実態問題としては幼稚園よりも保育料の方がかなり高くてもしかるべきだ、こういう判断も出てくるわけでございます。そういう点からしますと、保育所のあり方につきまして、実は幼稚園に行ってしかるべき者が保育所に入っているじゃないかというふうな御批判も私どもとしてはいろいろいただいておるわけでございまして、そういう面も正すということになってまいりますと、勢い保育料の面につきましても、少なくとも現状水準は維持していく。幼稚園の方は文部省の方で大分その負担軽減の面にも努力されているようでございますけれども、保育所の保育料と幼稚園との関係一つを取り上げてみましてもそういう関係になってまいりますので、私どもとしては保育料をむやみに下げるのは適当でないというのが基本的な考えとしてありますので、先生がおっしゃるように所得減税に連動いたしまして保育料を低くするということは適当でないというふうに考えているわけでございます。
○三谷委員 いまの幼稚園と保育所の関係などについて議論しますと大変長くなりますから、時間も来ておりますからそれはおいておきますけれども、しかし、保育料の問題などについては、実は国の基準というものよりもはるかに保育料が安くされておって地方自治体では負担しているという実態にあるわけです。そういう実態を見ますと、あなた方は保育所が大変安い安いとおっしゃいますが、住民の生活から見ますとその議論というのは余り適切な議論ではない。むしろかなりの負担になってきている。そういう負担を受けておりますから、減税が行われましたときには減税分などは差し引いて、そして少しでも保育料の軽減を図るという処置をとるべきだということを私は言っているわけです。これにつきましてはいまここでどうこう言いましても時間だけ食いますからおいておきますけれども、これはいずれまた所得減税問題などが起きてくるわけですから当然議論になってくる問題でありましょう。そのことを申し上げて、御研究を願いたいと思う。それで終わっておきます。
○木村委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○木村委員長 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○木村委員長 速記を始めて。
 この際、三谷秀治君より発言を求められておりますので、これを許します。三谷秀治君。
○三谷委員 本法案の覚書に対する見解が出されました。そして法律を拘束するものではないという見解が示されました。当然のことであります。法律によりまして交付税の措置を決めるという点で、委員会が政府の意思とは独自の立場と判断を持つのは当然であります。将来の地方負担については、それが問題になった時点において判断して、覚書の内容どおり閣法が提出されるとしたら、その時点で修正権等の委員会の権限を行使するものであることを申し添えまして、賛成いたします。
○木村委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 昭和五十二年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○木村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○木村委員長 次回は、公報をもってお知らせいたすこととし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四十二分散会