第084回国会 地方行政委員会 第24号
昭和五十三年六月一日(木曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 木村武千代君
   理事 大西 正男君 理事 高村 坂彦君
   理事 中村 弘海君 理事 中山 利生君
   理事 小川 省吾君 理事 山本悌二郎君
      相沢 英之君    井上  裕君
      谷  洋一君    中村喜四郎君
      中村  直君    西田  司君
      与謝野 馨君    新村 勝雄君
      細谷 治嘉君    水田  稔君
      和田 一郎君    正森 成二君
      三谷 秀治君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     加藤 武徳君
 出席政府委員
        警察庁長官官房
        会計課長    大高 時男君
        警察庁刑事局長 小林  朴君
        自治大臣官房審
        議官      花岡 圭三君
        自治省行政局長 近藤 隆之君
        自治省行政局選
        挙部長     佐藤 順一君
        自治省財政局長
        兼自治省税務局
        長       森岡  敞君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局参
        事官      谷口 守正君
        防衛施設庁施設
        部施設対策第二
        課長      飯村善三郎君
        参  考  人
        (新東京国際空
        港公団理事)  角坂 仁忠君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月三十日
 辞任         補欠選任
  与謝野 馨君     三池  信君
同日
 辞任         補欠選任
  三池  信君     与謝野 馨君
六月一日
 辞任         補欠選任
  新村 勝雄君     安島 友義君
  三谷 秀治君     正森 成二君
同日
 辞任         補欠選任
  安島 友義君     新村 勝雄君
  正森 成二君     柴田 睦夫君
    ―――――――――――――
五月十二日
 東京都財政確立に関する請願(阿部昭吾君紹
 介)(第四八五八号)
 同外六件(加藤万吉君紹介)(第四八五九号)
 同外一件(金子みつ君紹介)(第四八六〇号)
 同(工藤晃君(共)紹介)(第四八六一号)
 同(小林政子君紹介)(第四八六二号)
 同外二件(佐野進君紹介)(第四八六三号)
 同(渋沢利久君紹介)(第四八六四号)
 同(鈴切康雄君紹介)(第四八六五号)
 同(楢崎弥之助君紹介)(第四八六六号)
 同(野口幸一君紹介)(第四八六七号)
 同外二件(長谷川正三君紹介)(第四八六八
 号)
 同(平林剛君紹介)(第四八六九号)
 同(不破哲三君紹介)(第四八七〇号)
 同(松本善明君紹介)(第四八七一号)
 同外二件(山花貞夫君紹介)(第四八七二号)
 同外三件(山本政弘君紹介)(第四八七三号)
 東京都財政の確立に関する請願(加藤万吉君紹
 介)(第四八七四号)
 地方財政確立等に関する請願(馬場猪太郎君紹
 介)(第四八七五号)
 ボイラー技士の地方自治法に基づく格付変更に
 関する請願(石井一君紹介)(第四八七六号)
 同(渡部一郎君紹介)(第四八七七号)
 自治体の臨時職員、非常勤職員経由者の共済年
 金通算に関する請願(佐野進君紹介)(第五四
 〇六号)
同月三十一日
 東京都財政確立に関する請願(岩垂寿喜男君紹
 介)(第五四八〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 地方自治、地方財政及び警察に関する件
     ――――◇―――――
○木村委員長 これより会議を開きます。
 地方自治、地方財政及び警察に関する件について調査を進めます。
 この際、地方自治及び警察に関する件について、本日、参考人として新東京国際空港公団理事角坂仁忠君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
○木村委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。新村勝雄君。
○新村委員 私は、成田空港の問題についてその後の推移、特に住民に与える影響、騒音等について伺いたいと思うわけでございます。
 成田空港は多くの問題を残しながら開港いたしたわけでございますが、その開港後の騒音、住民に与える影響その他が当初の予想と現実の状況とどういうふうに食い違っているか、あるいは一致しているか、その点についてまず全般的な状況を伺いたいと思います。公団の方からひとつ。
○角坂参考人 お答えいたします。
 二十日に開港いたしまして、二十三日から全便が離着陸いたしております。騒音テストは八月と十二月にやったわけでございます。御承知のとおり、騒音テストの場合は、昼間だけであるのと、それから航空機の性能上、最大着陸重量でしかテストはできなかったわけでございますが、今回いわゆる通常運航に入りますと、最大離陸重量で離発着いたしますので、その意味におきましては、騒音テスト時に出ました騒音より現在運航時における騒音は一部では大きくなっていることは事実でございます。この点につきましては、騒音テスト時におきまして、そういういろいろな物理的制約から将来開港時にはもっと大きな音も出るであろうということを関係市町村を通じましていろいろPRしたわけでございますが、そのPRが必ずしも十分でなかったので、実際に音を聞いた住民の皆さんから、騒音のテストよりも非常に大きい音が出るというような苦情が参っております。
○新村委員 成田空港について、空港の建設あるいはその建設の過程における公団、政府の処置等の不十分さ、不当性についてはしばらくおくといたしまして、何としても騒音を初めとして地域住民に対する影響を最小限に食いとめる、少なくとも事前の予想以内にこれを食いとめるということが絶対必要であるわけであります。いまのお話ですと、最大離陸重量であるからテストの数値を上回っているという話でありますけれども、これでは事前の準備なりテストが大変ずさんであったと言わざるを得ないわけであります。テストというのは形式的にやればいいというものではございませんで、実際に開港したときにどのくらい住民に被害を与えるかということを事前に調査して、それを事前にチェックをするということがテストの目的であるはずであります。
 そうしますと、最大離陸重量のテスト、あるいは実際に空港が機能した場合にどの程度の騒音が出るかということは調査をなされなかったのかどうか。
○角坂参考人 お答えいたします。
 いわゆる最大離陸重量、特に長距離飛行につきましてはいろいろなデータを使いまして何ホンぐらいの音が出るだろうという予測は当然いたしておりました。ただ、先ほど申しましたように、騒音テストのときにはそういう開港時におきます騒音を出す実際の離着陸はできないということで騒音の実態を周辺の皆様に御体験願うという趣旨で始めたわけでございます。したがいまして、開港と同時に測定をいたしまして、もしも現在告示されております騒音区域、あるいは一種、二種、三種というふうな区域に変動があれば、開港時の騒音の測定によりまして必ず直しますというお約束もいたしております。もう一つ、二十六日から公団といたしましても毎日測定をやっておりまして、本日をもちまして一週間連続測定が終わるわけでございます。したがいまして、このデータを分析いたしまして現在の騒防法に決められております騒音区域の見直しをするわけでございます。
 私、現地におりまして率直に感じますことは、現地の皆様方の苦情を聞いてみますと、同じ音が出ましても昼の音は余り問題にされないようでございまして、深夜の特に十時以降の音につきまして、実際測定いたしてみますと七〇とか八〇ホン程度の音でございますが、要するに深夜でございますので感覚的にうるさいという苦情が非常に多うございます。
 と同時に、いまの騒音のコンター自体の大きさ、幾らか専門的になりますけれども、現在世界で認められております航空機騒音に対します環境基準といいますものは、一機一機の音と回数と飛ぶ時間によりましてある程度の式を使いまして、専門用語で申しますとWECPNLという単位が現在の環境基準の告示のもとになっておるわけでございまして、この数字をもとにいたしまして現在公団といたしましては、九〇以上の方々はお願いいたしまして移転をしていただく、それから八五以上の地域の方には民家防音工事をやっていただく、こういう方向でございます。現実のそういう個人の感覚と数字的な音に多少のずれがあるのは当然でございます。したがいまして、現在、本年の十二月までに八五以上の民家防音工事をやることになっておりまして将来七五まで下げることになっておりますのを、ことしの十二月を待たずにいまから七五の区域につきましても防音工事をやる、しかもこれにつきましては、現在やっております一室、二室じゃなくて、でき得れば全室防音工事の制度に踏み切りたいというようなことを考えております。
 御指摘のとおり、騒音によりまして地域住民に御迷惑をかけることは絶対してはいけませんので、そういう面で現在の制度の中ではやっているつもりでございますが、不十分でございますので、そういう面を関係当局と鋭意折衝中でございますので、騒音対策につきましてはいままで以上に前向きに取り組んでいきたい、かように思っておる次第でございます。
○新村委員 現在公団ではどういう体制で測定をなさっておるか、その点。
 それから、なお重ねてお伺いしたいのですけれども、最大の騒音の測定値が出るようなあらゆるテストが事前に必要であったわけでありますけれども、それらが十分になされなかったというお話でありますが、これほど全国民の関心と地元住民の最大の関心を寄せているこの問題について、もう少し徹底的な事前の調査あるいは準備がなぜできなかったのか、この点をひとつ伺いたいと思います。
○角坂参考人 お答えいたします。御指摘のとおり、いままでの告示の問題、これは非常に詳しいデータによりますいわゆる予想コンターでございます。しかしこの予想コンターも、大阪、羽田等で予想コンターと実際に離着陸する場合のコンターとを比較いたしますと、一部には地形の特殊な事情もございますけれども、大体におきましてそう大きな狂いのない、世界的に採用されております騒音予想コンターといいますものは、相当精度の高いものではございます。しかしながら、あくまでも予測でございますので、実際の騒音に即した騒音対策をするのが当然でございます。
 それから公団でございますが、公団では現在三十五地点を各二名ずつの測定班をつくりまして、毎日六時から十一時まで現地に出張って測定いたしております。そのほかに六カ所は定点測定地がございまして、これはいつでも自動的に公団の内部に刻々の騒音が入ってくるような装置がございまして、これをあわせまして環境庁告示によります一週間連続測定の結果によりまして、そのデータを分析いたしまして、公表して、それに対します対策をやっていく、こういうふうになっておる次第でございます。
○新村委員 なぜ事前にもう少し万全の調査と対策が講ぜられなかったかということでありますけれども、公団あるいは国におきましても仕事を進める上において警察力と武力を強化することにばかり、治安対策にばかり全神経、全エネルギーを集中して、実際にこういう住民に対する影響あるいはその対策をおろそかにしたのではないかという印象があるわけであります。先ほどからのお話を聞いておりましてもそういう印象があるわけでありますけれども、テスト飛行はいつから行われたか、あるいは回数は何回行なわれたのか、それからテスト飛行のときの飛行機の装備なりあるいは積載重量なり、そういった内容をひとつ伺いたいと思います。
○角坂参考人 お答えいたします。
 テスト飛行は二回やりまして、第一回が昨年の八月七日と十日にやりました。このときに使いました飛行機はボーイング747、いわゆるジャンボ機でございます。これで延べといたしまして二十回離着陸をやっております。
 それから第二次騒音テストは昨年の十二月二十一日に、このときはDC10と、騒音が大きいと言われますDC8の二つを使いまして、延べで十六回離着陸をやっております。
 なお、このとき、先ほど申しました航空機の性能上、ボーイング747の場合は二百四十一トン以下でないと羽田から来た飛行機が滑走路におりられませんので、二百四十一トンでやっております。それから同じように第二次テストの場合は、DC10が百八十一トン、DC8が九十八トンでございます。しかし今度長距離飛行をいたす場合には、仮にボーイングの場合は三百数十トンという重さで離陸いたしますから、この三百数十トンの重量で長距離機が離陸するテストをどうしても物理的にできなかったわけでございますので、その辺につきましては騒音テストが実際と違うじゃないかという御指摘はそのとおりでございますが、これはやはりどうしても、極端な言い方をしますと、仮に三百トンの重量で着陸いたしますと飛行機が壊れるというような一つの制限重量でございますが、それではできなかったというのが、テストと実際と違うという御非難、御批判を受ける最大の理由かと思いますけれども、騒音テストではそれがどうしてもできなかったということでございます。
○新村委員 騒音テストによって騒音に対する地域対策が行われるわけでしょう。そしてその計画がこの図ですね。この図がそのテストその他のいろいろな測定値によって決まったと思うのですが、そうすると、この計画の基礎そのものがぐらついているということであるし、将来開港されれば三百数十トンの飛行機が実際に離着陸するわけですね、それが事前にテストができなかったということはわれわれには理解できないのですけれども、その点をひとつ詳しく伺いたいと思います。
○角坂参考人 お答えいたします。
 いま先生のお示しになった図面は、現在A滑走路に告示されております騒音区域でございますが、これは騒音テストの音と全然無関係でございまして、先ほど申しました、いわゆる予測コンターの基準といいますのは、米連邦航空局によりましていろいろな条件を勘案いたしまして予測するわけでございます。一つの例を申し上げますと、一番重い飛行機がニューヨークへ直行する場合にはこれだけの重量で出るから、ての時点では一〇〇ホン出るであろう、それから東南アジアへ行く飛行機はこういう飛行機で、この便につきましてはここで八〇ホン出るであろうということを各便数ごとに一機一機の騒音を全部予測いたしております。その予測に基づきましてコンターをつくるわけでございます。
 このコンターにつきましては、一つのわかりやすい例でございますが、一回一〇〇ホンの飛行機が飛ぶよりも、八〇ホンの飛行機が五回飛ぶ方が、いわゆるうるささ指数は大きいという一つの方式がございます。それから夜一機飛ぶ場合は、同じ音を出す飛行機にいたしましても、昼十機飛ぶよりもうるさいだろうというような一つの方式がございまして、それに基づいて計算いたしましたいわゆるWECPNL、適当な訳かどうかわかりませんが、うるささ指数をもとにいたしまして、いま先生お示しになりました一番中が第三種と申しまして、いまの単位の九五以上でございます。その次が第二種区域で九〇以上、一番外側が八五以上でございます。この告示に基づきまして、それぞれ移転並びに民家防音工事を実施しておるわけでございます。したがいまして、実は本年の十二月までに環境庁で示されました中間目標といたしまして八五以上については全部民家防音工事を実施する、九〇以上については全部移転させるということで鋭意努力したわけでございますが、一部残っておることも事実でございます。
 これにつきましてはその当時といたしましては、開港になって本当の音を聞いてから考えるというのが大部分でございまして、開港前にずいぶんそれぞれ個人のお宅にお邪魔いたしまして、民家防音工事をやりませんかあるいは移転いたしませんかというようなことを再三再四お願いしたわけでございますが、全員の方に御同意を得られなくて、一部そういう地区に残っておられる方あるいは民家防音工事をまだされていない方が現在残っておることも事実でございますから、こういう方につきましては、いままた開港時の音がわかりましたので、ひとつ御相談に乗っていただきまして、早く民家防音工事を実施し、早く御移転願うように鋭意進めている最中でございます。
○新村委員 そうしますと、この図は一応の目標を示すものであって、実際に開港後における測定値をもとにして、これは今後変えるということですか。
○角坂参考人 お答えいたします。
 これはあくまで予測コンターでございますから、私どもといたしましてはその精度を相当高く評価をいたしておりますけれども、今度実測いたしておりますので、そのデータによりまして、もし八五以上の現在の告示の区域の外にそういう音が出る場所があれば、これは当然その地域を変更することはお約束いたしております。
○新村委員 外郭第一種ですか、これが八五から九〇、これが防音地域、それから第二種は九〇から九五、第三種が九五以上ということで計画ができていると思いますけれども、このデータによりますと、これが全く狂っておるわけですね。狂っておるといいますか、一ランクずつ音が高く出ておるという測定値がここにあります。たとえば第一種地区の一番外のへり、ここで九三、それから九六、九六、三地点において九六が出ておる。そして移転地区内は、これは一応移転については問題ありませんけれども、一〇〇以上出ておるところが数地点あるということで、これは予測よりもかなり高い。この区域を三つに分けておりますけれども、一ランクずつそれぞれ高い実測値が得られておるわけですね。そうしますと、計画は根本的に見直しをせざるを得ないわけですが、最初の公団当局の計画では、この予測値によって移転あるいはその他の地域対策をとられたわけですね。そうしますと、その狂いというか、予測の誤りによって相当の住民がかなりの期間、ミスというか予測の間違いによって被害を受けるという結果になりますけれども、そこらの点の責任はどうお考えなんですか。
○角坂参考人 なかなか騒音区域の数字、非常に御理解を得にくいわけでございますけれども、いま先生一ランクずつ違うということでございますが、私どもの予測でも、八五の区域にある便によりましては九〇とか、九十幾ら出ることは当然予測しておるところでございます。ただ、先ほど言いましたように、ある一機の音が九〇出たからその地区をいわゆるうるささ指数九〇の地区に入れるということは、現在の環境基準の告示並びに騒防法では規定いたしておりません。したがいまして、ある地点では百数ホンの音が記録されております。これも要するに、一番重い飛行機が一番長距離飛んで、こういうときに離陸する場合には百数ホンの音が出るということは私どもも予測しておったわけでございます。
 先ほど申しましたように、一〇〇ホンの飛行機もありますし、九〇の飛行機もある。七〇の飛行機もある。これを回数と時間別に選別いたしまして、それでいろいろ計算いたしまして、その地点のWECPNLが八五になる、九〇になる、九五になる、こういう数値でございますので、私も地元の方に御説明するのでございますが、すぐ耳で聞く人あるいは測定器ではかった音が九〇出た、この土地は公団の告示によると八五の地点じゃないか、おかしいと、皆さんそうおっしゃいますが、この辺なかなかむずかしいわけでございまして、そういう音は出るけれども、いわゆる百五十何便離発着した、そういう時間帯、回数によりまして連続調査いたしまして、その数値をもとにいたしまして計算した最後のうるささ指数が八五であるか九〇であるか九五であるかということによりまして実施いたしておるわけでございますので、先生御指摘のように、ある便の音が九〇、これは毎日同じ音か出ると思いますが、九〇出るから、その地区を九〇のいわゆる第二種区域に指定して騒音対策をやるというようなことは、正直いまのところ考えておらないわけでございます。この辺が、住民の皆さんに現在のそういううるささ指数等をよく説明申し上げるわけでございますが、なかなか御納得いただけないというようなことで非常に悩んでいることも事実でございます。
 そういう意味で、先ほど申しましたように、民家防音でも、全室にするような方向に努力するとか、あるいは五十八年の十二月までに達成するように環境庁から指示されておりますそういう第一種区域を、いまから先取りして施行していくというような対策をとっていきたい、かように考えておる次第でございます。
○新村委員 うるささ指数というのは、これは当局の逃れる一つの言いわけというようなことも考えられますね。というのは、騒音というのは、実験室の中での測定値ではございませんで、そのときの気象状況、気圧の状況であるとか、気温あるいは風向によって非常に違うわけですから、ある時点においてある装備の飛行機が出す騒音、それが仮に九〇としましても、同じ飛行機が別の状況のもとに通った場合には一〇〇になるか、一一〇になるかもわからないわけですね。しかも、この空港というのは、いままでの経過が示すような多くの問題をはらんでいる空港ですからね。ですから、最大値をとって、それを基準にして住民対策をするというのが常識で、これはどう考えてもそうしていただかなければならぬと思いますが、その辺の基本的な心構え、これを伺いたいと思います。
○角坂参考人 先生御指摘のとおりで、要するに騒音といいますものは、単に測定値にあらわれた音だけじゃなくて、特に成田はあのような田舎でございますので、きのうも地元の方と話したわけでございますが、普通のときには四〇から四五くらいの音しか夜はしないのだ、そこへいきますと、七〇が出ましてもとてもうるさい、こういうことをおっしゃる、私もその気持ちはよくわかるわけでございますけれども、それではいま御指摘のように、夜七〇ホンの音が出るから全部民家防音工事をやるというようなことをおっしゃいます。これは相当広範囲のところになるわけでございまして、問題は、要するに先ほどのうるささ指数の範囲でございますが、どこまでが許容できるか、非常にむずかしい問題をはらんでいることも事実でございます。実際、昼になりますと、飛行機の音よりもトラックの音が大きいよ、しかし、夜になるととてもがまんできないというのが苦情の大部分でございまして、それは確かに私もよくわかるわけでございますが、それでは、従来は夜四〇くらいの暗騒音のところへ六五の音がした、やかましくて眠れない、これはひとつ民家防音工事をやりなさいと言われますと、無限大に民家防音工事が広がっていくわけでございますから、お気持ちはよくわかりますけれども、これを先生の御指摘のように、一機最大値の一番大きいところの便数の音を基準にして、それをもとにして騒音区域を変えてやっていけという、おっしゃるお気持ちばよくわかるわけでございますが、これはいま私が、はい、そうします。とお答えすることはとてもできませんので、やはり現在におきます環境基準、騒音に対します公害防止基準、こういう一つの枠の中でできるだけ先取りして、話し合いの上やっていくというお答えしかできない、非常に残念でございますが……。現実はそういう問題をはらんでおりながら、なかなか住民の皆さんが一〇〇%納得するようなことができないということも事実でございますので、私は騒音対策の担当理事ではございますが、私自身も気持ちはよくわかりますけれども、なかなか、はいと言って返事をできない気持ちをひとつ察していただきたいということを申し上げる以外にございません。
 以上で答弁を終わらしていただきたいと思います。
○新村委員 防音対策は無限大に広がるということはないですね。これは、柏とか野田の方まで防音をやれということを申し上げているわけじゃないのでありまして、ちゃんと測定数値ははっきり出るわけですから、この数値に従ってやっていただきたいということを申し上げているのでありまして、これは決して無理ではないと思います。それと、これはこの場の議論ではありませんけれども、われわれは十二、三年前から、内陸は無理ですよ、内陸へつくれば必ずこういう問題が起こるから無理ですよということを申し上げているわけですよ。私は責任者として申し上げたわけじゃありませんけれども、われわれはそういう主張をずっと一貫してとってきたわけですけれども、公団あるいは国では、内陸でもよろしい、自信がある、住民には迷惑をかけないということでこれを進められたわけですし、また、最終の段階ではあらゆる国家権力を集中して開港された。その可否についていま論ずるわけではありませんけれども、そういうことの背景を考えた場合には、やはり少なくとも住民対策については、環境だけは絶対に守るということ、これは基本的な民主国家の原則ではないかと思うのです。金がかかるからとか、大変だからということでは済まされない問題だと思いますが、大臣はこの点についてどうお考えでしょうか。
○加藤国務大臣 騒音対策につきましては私の所掌ではないのでございますけれども、ただ、先般成田空港関係閣僚会議が開かれまして、その席で、私は警備の問題のみを発言いたしましたが、運輸大臣や空港公団大塚総裁からは、いま質疑応答のございました公害、なかんずく騒音対策の問題についての御発言がございました。防音工事につきましてもも、先に延ばすということではなくて、できるだけ早く着工いたさなければならぬということも決定を見たことでございますし、なお、区域につきましては、この機会に積極的に見直しを行う、かような決定もいたしたようなことでございます。さようなことを総合いたしまして、地域住民の皆様方への御迷惑を最小限にとどめる、このことが政府の方針だ、かように言えようかと思う次第でございます。
○新村委員 大臣にお伺いしたのは、技術的な問題ではなくて、国家的な要請として空港がつくられた、しかも、その空港があらゆる国家権力を集中して国策の名のもとに強行されたわけですから、そういう経過を考えた場合に、少なくとも住民の立場だけは守る、この原則をひとつお願いしたいということでお伺いしたわけです。大臣は、自治大臣として、地方住民を守る責任がおありでありますから、そういう点から、空港の可否とか何かということはしばらくおくとして、住民を守るという一点だけはひとつ一貫していただきたい。
 そして、先ほど公団当局からお話がありましたけれども、許容できる最大限でやるということじゃなくて、やはり住民の生活を守るということから、この騒音の数値にしても最低に抑えるということですね。この幅がかなりあるわけですけれども、ここまではがまんしろということじゃなくて、いままでの生活を乱さないという最低の線で抑えていただくことがやはり必要であるし、これが政治の親心ではないかと思うわけでありまして、そういう点をひとつ今後とも特にお願いをしたいと思います。
 それから、公団御当局に続いてお伺いするのですが、この空港の設置によってかなりの住民の住宅が移転しましたですね。ところが、移転をしたけれども、移転先においても依然として相当高い騒音に悩まされておるという事実があるようでございます。たとえば野毛平地区あるいは三里塚地区、こういうところには移転したけれども移転の効果がなかった。効果は全然ないとは言えないでしょうけれども、余りなかった。依然として大変な騒音だという事実があるようでありますけれども、それらの事実はいかがでしょうか。
○角坂参考人 お答えいたします。
 空港用地内並びに騒音激甚地から移転されました場所につきまして、今度開港いたしまして実測いたしますと、いわゆる騒音地区と同じような音が出た場所があることも事実でございます。これにつきましては、先ほどから繰り返して申し上げますとおりに、いわゆる予測コンターによります告示の区域、これは先生も御承知のとおり、そういう騒音コンターの予測技術が発達しない前は、成田におきましては二キロ、六百という言葉で、滑走路の先端から二キロ、滑走路の中心から六百までは騒音地区である、この外側は余り大きな騒音がないだろうという一つの区域を設定いたしまして、いずれもその外側に御移転願ったわけでございます。特に野毛平につきましては、私も当時県におりまして、あの移転につきましては非常に議論を交わした経験がございます。当時、私まだ公団におりませんが、公団といたしましては、もう少し離してほしいという要請もしたわけでございますが、やはり地元住民のいろいろ強い希望がございまして、現在の野毛平部落から西側に約五百メートル前後の地域が一番いいからということで、実は、県が代替地を造成して移転させた経緯もございます。しかし、その地区も、後でコンターを引きますと、半分ぐらいはいま申しましたような一種区域に入っておることも事実でございますから、これは当然告示時点に入っておりますから、今度の測定によりまして民家防音工事のお申し出があれば、これは防音工事を当然公団の義務としてやっていかなければならぬことでございます。したがいまして、それは、先ほど先生の御指摘もございましたように、現在、第一種住居専用では七〇、第二種では七五といいますのがいわゆる最低限度の環境庁告示によります一つの基準でございます。この数字をもとに、私どもといたしましては、七五以上には民家防音工事をやるという方向でございますが、この数字が変わるか変わらぬかといいますことにつきまして、私はここで、変えますとかあるいはどうしますということは、環境庁によります現在の騒音防止対策の一つの基本の数値でございますので、この点につきましては私から答弁いたしますのはどうかと思いますので、御容赦願いたいと存じます。
○新村委員 地元の住民からこの空港開港後のいろいろな影響について申し入れが、これは地元の自治体及び国、公団に出されておると思いますが、これらについて公団の方から、あるいは国から具体的な回答がないようでございますね。しかし、こういう問題は住民の生活を守るという立場からの痛切な要望でありますので、ぜひ検討してこの願いをかなえていただきたいわけであります。
 この内容としては、テスト飛行による事前の騒音数値及び体験よりもはるかに甚大である、これに対する対策をしてもらいたい。それからテレビ、電話障害もきわめてひどく、料金の割引程度ではとうてい解決のできない問題であって、本質的な解決を要望したい。国の環境基準を満たす防音家屋とはいいながら、その効果はきわめて低く、とても生活にたえるものではないというようなことで要望が出されておりますけれども、これらについての公団の具体的な対策、どういうお考えであるかですね。
○角坂参考人 いま御指摘の要望が出ておることを、私も直接会って書類もいただきましたし、お話も聞いたわけでございます。
 要約いたしますといまの四点に尽きるわけでございまして、一点は、要するに早く測定をやって、騒音区域にもし間違いがあるならば早急に手直ししてほしいということ。それから民家防音工事につきましては、従来からやっている一室、二室じゃなくて、全家防音をやってほしいということ。それから中間目標じゃなくて、七五WECPNLを先取りしてくれというようなこと。それから夜間の飛行をできれば十時前にとめてくれという四点に集約されるかと思います。
 一点につきましては、従来公団といたしましては一室ないし二室の改造工事並びに成田特有の母屋の外に防音室を一室ないし二室をつくるということでやってきたわけでございますが、やはり中のいろいろな生活様式等のこともございますので、全家防音の要望が非常に強うございましたので、いろいろ制約がございましたが、現在、成田、芝山に六戸のモデルハウスを選びまして全室防音の工事をやっております。と申しますのは、これも十分御承知と思いますけれども、防音工事をやる対象区域が現在の制度で約八百十七戸ございますが、全部家がまちまちでございまして、わらの家もあれば、かわらの家もあるというようなことでございます。全部一つ一つ変わった設計をしなければいけないわけでございますので、現在は、それぞれ違った家の代表的なものを選びまして設計が終わりまして、防音工事中でございます。これがやはり全室の防音工事でございますので、二カ月ぐらいかかると思いますが、八月ごろに完成する予定でございます。これを完成いたしまして、実際これで何十ホン下がるのかテストをいたしませんと、相当大きな費用をかけまして、あるいは全室防音工事をやりましても防音の効果がないと、これはむしろ住民の皆さんにも御迷惑をかけるわけでございますので、そのテストをやりまして、先ほど大臣もお答えになりましたように、方向といたしましては、その結果によりましては全室防音工事をひとつ先取りして五十三年度でもやるようにというようなことで、現在関係方面といろいろ折衝中でございます。
 それから騒音地区の見直しにつきましては、先ほどからるる御説明いたしますように、一応公団自体もやっておりますし、各市町村もそれぞれやっておりますし、今月の十日から県におきましてもそれぞれやるわけでございますが、こういうあらゆるデータを総合いたしまして、現在の告示されております騒音地区の見直しをもう一遍やるというようなことでございます。
 以上、地元の要望に対しますものにつきましては、私から代表の方には口頭でその辺の趣旨を御説明いたしまして、それをひとつ早くやってくれという御要望をされて帰りまして、ある程度御理解いただいていると思いますけれども、全住民に対しましてはまだそこまで徹底いたしておりませんので、これから各市町村を通じまして御理解を得るように努力してまいりたい、かように存じております。
○新村委員 そうしますと、いままでの方針としては、四人以下は一室、五人以上は二室という方針のようですね。ところが、それを改めて、これからは全室やるという御方針のように伺いました。これは大変結構だと思います。これは第一種についてこうするということですね。そうしますと、第一種については、この線引きが一応現在のお考えでしょうけれども、これではなくて、今後の騒音測定の結果によって全面的に再検討する、これの線引きについても再検討するということですね。そうしますと、この数値について、それからうるささ指数ですか、これのとり方についてはいままでどおりということですか。私の方のお願いは、このうるささ指数のとり方に問題があるわけでありまして、継続的に長期にわたって騒音測定をやっていただいて、その最高値をとるべきではないか、そういう音が出る可能性が常にあるわけでありますから、ある一定の条件のもとではそれが出るわけでありますから、たとえそれがある期間には一回しか出なかった、何月何日の何時から何時までの間では一回しか出なかったということであっても、別の時点ではこれがしばしば出る、あるいは継続的に出るというようなことも考えられるわけですね。それらについて決定するためには相当長期にわたって継続的な騒音の測定が必要であるわけですけれども、地域の住民の生活を守るという立場からすればWECPNLのとり方、うるささ指数のとり方、これだけに頼ることは非常に疑問だと思いますけれども、その点を伺いたいと思います。
○角坂参考人 全室防音工事、それからもう一つ、八五WECPNLはいわゆる中間目標でございますので、最終目標で環境庁から告示されました七五の地区は、いまの告示に基づきますと五十八年十二月までにやればいいことになっておりますけれども、そういう枠の中でもこれは早く取り上げていこうという二つが現在の制度上におきます一つの前向きの姿勢だと思いますけれども、いま最終的に御指摘されました、要するにうるささ指数の式のやり方、最大値をとってそれを数値に入れて計算するということを、私がそういたしますということは実はお答えいたしかねるわけでございます。これは、環境庁におきますいろいろな御審議の末決定されまして、航空機騒音防止に関する昭和四十八年十二月に告示されましたこの基準を公団といたしましてはあくまでも守らざるを得ない立場にあることを御了承願いたいと存じます。
○新村委員 そうしますと、騒音の音源の問題ですけれども、現在発着している飛行機についてはその程度だということでしょうけれども、近い将来を含めて、将来発着を許す飛行機の機種、たとえば超音速機は入れるのか入れないのか、それからまた飛行機が今後どんどん開発されますけれども、音の限界を超える飛行機については絶対離発着を許さないのか、そういった点の空港としての基本的な方針を伺いたいと思います。
○角坂参考人 お答えいたします。
 成田空港に乗り入れます飛行機の種類につきましては、空港公団といたしましては、いわゆる環境方面の要望でございますが、この機種を決定いたしますのは、運輸省におきまして、外国とのいろいろな関係がございますから、ここで決定するわけでございまして、私がそれを云々するわけにはまいりませんが、いろいろ会議の席上等におきまして、いわゆる音源対策も騒音対策の非常に大きな要素であることは間違いございませんので、いろいろエンジンに消音装置をつけるとか、あるいはこれ以上の騒音を出す飛行機は禁止するとかというようなことは航空局で十分措置しておるはずでございます。
 なお、現在一番大きな音を出す飛行機はDC8とかあるいはボーイング707とかという飛行機でございますが、これは現在生産に入っておりませんで、将来は、ボーイング747とかあるいはDC10とか、いわゆるジャンボ機ば現在でも約一〇ホン以上ば発生源において下がるわけでございますから、同じ飛び方をいたしましてはかりましても、私も現地で体験いたしましたけれども、この飛行機の音は完全に一〇ホン下がるわけでございまして、現在成田ではそのジャンボ化比率と申しますか、シャンボ機といわゆる音がうるさいと言われております中型機との比率がまだ六十数%対三十数%でございますが、これがここ数年で八〇、九〇、近い将来、いつになるかわかりませんが、いわゆるジャンボ化が一〇〇%になりますと、発生源におきましても騒音対策上非常に有利であるということは当然でございまして、私どもといたしましては、そういう古い飛行機と申しますか、騒音の大きい飛行機を早く使わなくなるように、ジャンボ機、あるいはジャンボでないといたしましても、要するに騒音発生の少ない飛行機を使ってもらうように一応各方面に要望はいたしておりますけれども、最終的な決定権は空港公団にはないわけでございまして、航空局等にいろいろお願いし、御相談しているのが現状でございます。
○新村委員 いまの状況では超音速機なんかは全然受け入れないということだと思います。
 それから次に、戻りますけれども、防音装置ですが、いままでやっておる防音装置は、住民の経験によるといろいろ欠陥があるというようなことも聞いておるわけです。それは、湿気が多いとか、それから冷暖房の効果がないというようなこと、それから防音の設計も必ずしも十分ではないというような不満があるようでありますけれども、それらについて、防音そのものの材質なり設計なりの再検討が必要だと思います。それから当分空港というのは続くと思いますけれども、現在の施策で防音装置、防音家屋ができるわけですけれども、それが破損した場合あるいは再建する場合も当然国の方で措置されると思いますけれども、その点の見通しはいかがでしょうか。
○角坂参考人 お答えいたします。
 まず設計の面でございますが、これは、最近サッシ等につきましても非常にいいサッシが開発されまして、従来やっておりますものよりも非常にいい防音ができるように、そういう新しいものを取り入れて、なおその設計につきましては、いままでもそうでございますが、特に全室防音工事になるようになりましたら、家族の皆様と十分相談いたしまして、御意見をよく聞きまして設計をして、いきたい、かように感じております。
 それから、いわゆる将来の問題でございますが、いま率直のところ将来の維持管理等につきまして、全部国と申しますか、公団が責任を持つというようなことをまだ決定いたしておりませんが、そういう要望が出ていることは事実でございます。ただ、いわゆる空気調節につきましては、いままで過去にやりましたものにつきましては実はやってないわけでございますが、四十九年からそういう制度になりましたので、昔防音工事をやりました方につきましても、お申し出がございますならば、全額公団の費用で空調施設をやるというお約束をいたしておりまして、申し込みを受けまして、現在工事を実施いたしております。
 先ほどちょっと答弁漏れいたしましたが、電波障害につきましては、いわゆるフラッター現象が起きていることは事実でございますが、これば画面の揺れによりまして、現在すでに七十本ぐらいの、フラッター防止アンテナという特殊なアンテナがございますが、これをつけまして、非常に画面がよくなったという報告を受けております。これは申し込みを受けますれば、必ずすぐ公団がそのアンテナをつけて、いわゆる電波障害を直す。それから電話等につきましても、もし電話が聞こえない場合は、特殊な電話がございますから、電話の難聴につきましては、電話機をつけてあげます。こういうようなことで、いわゆる電波障害、広い意味の電波障害につきましても、テレビの減免だけではなくて、いわゆる画面の揺れ、あるいは電話の難聴に対しましても全部公団の責任におきまして御調査の上実施していくということで、もうすでに実行段階に入っておることをつけ加えておきます。
○新村委員 空港が近い将来、なるべく早くもっといいところを選んで移転していただくことが一番いいと思うのですけれども、空港がある間はこの対策をさらに強化し、完全に守っていただくことが必要でありまして、補修あるいは再建等についても全く同じ扱いであるというふうに理解をいたします。
 それから騒音の地区の問題ですが、非常に機械的におやりになって、同じ部落、共同体として全く一つの連帯のもとに生活している部落が、その真ん中を道路によって一種、二種あるいは無指定に分かれておる事実があるようです。西和泉、大山、赤荻、海老川、荒海、長田、飯岡というようなところは、一つの部落の真ん中を道路によって地区が分かれておるということでありますけれども、これは、住民としては非常に納得のできないやり方ではないかと思います。農村部落というのは、特にあの辺の部落ば、全く無秩序に点々と散在しておるというのではなくて、一つのブロックごとに集まっているわけですから、その部落を道路によって指定地を分断するということは行政的に非常に不適当であるし、科学的な測定の事実とも必ずしも一致しないのではないかと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
○角坂参考人 お答えいたします。
 特に第一種区域の告示の線は、先生お手持ちの図面のように非常にぎざぎざになっていることは事実でございます。いわゆるうるささ指数の八五でいきますとこれは直線になるわけでございますが、そういう意味で、いわゆる農村におきます部落生活を考慮いたしまして、まとまった部落は仮に八五の外でありましても、それを八五に入れるように十分いろいろ打ち合わせしてやったわけでございますが、最終的には、御指摘の部落のように、一部、大きな部落になりますと、部落の一部が区域に入ってないということもありますし、それにつきましての御不満も直接私聞いております。これにつきましてはいろいろ議論のあるところでございますが、やはり部落の単位と申しますのをどこまで広げるか。といいますのは、田舎の部落は非常に大きゅうございまして、一つの例をとりますと、コンターでいきますと七〇とか六五まで入れないと部落が全部入らないというような特殊な事情もございます。しかし、これはあくまでも線でございまして、その線の上下につきましては、先ほど申しましたそれは八五でございますが、七五の見直しを先取りする場合にそういうことを考慮いたしまして、市町村を通じまして十分部落の御意見も聞きまして、だれが見ても道路一つ隔てて音が急に変わるわけじゃございませんから、その辺は今度の見直しにつきまして、あるいは今度実際に音を測定いたしておりますので、その音を参考にいたしまして、そういう場合にはよく相談いたしまして措置してまいりたい、かように考えております。
○新村委員 部落の中を二つに分断するというような分け方は、これはぜひ避けていただきたいと思います。そして、いろいろお伺いしましたが、現在はとにかく開港前の予測をはるかに上回る騒音が出ているということは事実であります。そうしてまた、その騒音に対する対策もまだまだきわめて不十分である。努力をされていることはわかりますけれども、まだまだ不十分でありますから、それらについてできるだけ早く完全な域に達するように御努力を願いたいと思います。
 そして、それらが達成されるまでは、少なくとも最低の住民の要求としては夜九時以降は控えてもらいたい、エンジンテスト等もやらないでもらいたいということなのでありますけれども、これはいかがでしょうか。
○角坂参考人 お話の趣旨はよくわかるのでございますが、いろいろ要望も出ておりまして、最近は夜十時以降云々の要望が出ておるわけでございます。そういう要望があることは十分承知いたしておりますけれども、前の六時から十一時という飛行許容時間、十一時から六時までの飛行禁止時間につきましては、ここ数年来非常に問題を呼んでまだ決着がついておりませんけれども、一応国際線という関係から、これをいま九時にする十時にするというのは非常に問題がございまして、ここで私がそういたしますという答弁はもちろんできないわけでございます。公団といたしましては、そういう十時前後あるいは十時以降の便数をできるだけ繰り上げてもらうように、関係方面あるいは航空会社等にできるだけそうしてほしいというような要望は申し入れておりますけれども、最終的なダイヤにつきましては、公団がいわゆる命令的にあるいは禁止的にできる筋合いのものではございませんが、その点はいわゆる騒音対策、環境対策をさらに充実していくことによりまして、そういう国際空港の一つの使命であります点とあわせてよくお話し合いをいたしまして、住民の皆さんに御理解を得るように最大の努力を続けていきたい、かように思っておる次第でございます。
○新村委員 そのほかに空港内の医療救急体制の問題であるとか、あるいは消防の問題等いろいろあるわけですけれども、時間がありませんので一つだけ伺いたいのです。
 特に重要なのは航空機災害、これはあってはならないことですけれども、万一あった場合の対策をどうするかということでありますが、これについて公団の方から新東京国際空港消防連絡協議会の会長あてに覚書というものが出されておるようです。それによりますと、「航空機災害の消火救難活動に要する費用の負担については、空港公団は関係航空会社に働きかけ協定市町村に迷惑をかけないよう最大限の努力をします。」こういう文章でありますけれども、この覚書では内容がほとんどないということで、努力をしますということで終わっておるわけです。けれども、この意味するところはきわめて重大であるし、その内容はきわめて広範であるし、また事前に十分の準備と責任の所在等については確定をして明らかにしておかなければいけないと思うのですけれども、これでは地元に対する回答にもなっておりませんし、地元はこれではとても安心できないと思うのです。特に航空機災害の場合の対処の仕方あるいは責任の所在、それらについては公団としてはどうお考えになっておりますか。
○角坂参考人 航空機災害、あってはならないことでございますが、しかし最悪の事態に対処するのは当然空港設置者の義務でございます。いまその緊急時の防災体制につきましては、県を初め各周囲の市町村といろいろ協議の結果、一つのそういう協定もしくは覚書を交換して進んでいるわけでございます。公団の精神といたしましては、いろいろそういう法的な問題はあるにいたしましても、やはり誠意を持ってまず付近の住民に御迷惑をかけないということば十分考えているわけでございますが、そういう自治団体との交渉、あるいは消防関係というのはまた別の組織でございますので、そういう面につきましていま御指摘のように住民としては納得できないという御意見もよくわかるわけでございますが、これにつきましては、申しわけございませんが、私、その消防関係、緊急医療体制、直接実はタッチいたしておりませんので、ここで余り立ち入った御説明をいたしまして、またもし間違いがあってもいけませんので、いまの質問の趣旨をよく関係者に連絡いたしまして、またしかるべきお答えをいたすように取り計らいたいと思います。全般的な空気は理事会等でよく承知いたしておりますけれども、覚書の内容とかそういう経緯につきましては、実は担当理事でございませんので、この点御勘弁願いたいと存じます。
○新村委員 それじゃ総裁にお伝え願いたいのですが、これでは全く無内容でございまして、覚書の名に値しないわけですから、消防法その他の法令に基づいて、また地元の自治体とも連絡をとらんて、そういう場合の臨機応変の処置をどうするかということと、それから経費等の問題、これらはひとつ明確な規定なり協定なりを具体的にあらかじめつくっていただくように特にお願いしたいと思います。
 それから最後に一点ですけれども、公団とすると、あの膨大な土地を買収をされてきわめて大きなプロジェクト、大事業をなさったわけですけれども、それに伴って買収された農民に対する代替地の問題が当然発生したわけです。これは、本来ならば当然公団がおやりになる性質のものでありますけれども、これを千葉県に代行させたわけです。千葉県といっても県の公社ですか。ところが県の公社はたくさんの土地をいま持っておって、それが処分ができないで非常に困っているというような話も聞いておりますが、これは公団としては責任転嫁であるし、県としては非常な迷惑だと思いますけれども、それらの事情、いま県に対してどのくらい土地を持たしているか、また将来いま県が抱えている土地を一体どうなさるのかという方針をちょっとお伺いいたします。
○角坂参考人 用地問題につきましては、各地主さんに代替地政策を強力に推し進めるために公団がやるのは当然でございますが、当時公団発足間もないということと、相当な面積の代替地が要るということでございますので、四十一年に、当時県にお願いいたしました。特にあの付近のいろいろな農業上の問題がございますので、県にお願いしたわけでございます。
 それで、県で買収していただきまして、面積が第一次と第二次合わせまして約五百ヘクタールの代替地をあの周辺に用意してもらったわけでございます。しかし、その後公団の体制もできまして、遅かったわけでございますが、四十八年から公団独自で代替地を用意したわけでございます。また、県で買い求められまして農民の方に配分されないで残っておる代替地が百数十町歩あることも事実でございます。
 これにつきましては、せっかく用意された代替地でございますので、まだ空港用地内並びに航空保安施設用地内に未買収地が約六十町歩残っているわけでございますので、この代替地に使いたいわけでございますが、最近の皆様方はやはりなるべく近いところにおりたいという御希望が非常に強うございまして、現在残っている農民の方はその代替地をお見せいたしましてもなかなかお受け取りにならないわけでございますので、公団は独自で、地主さんの御希望するところを買って代替地に提供するという方針で現在に至っておるわけであります。したがいまして、県の買いました代替地につきましては公団に引き取ってもらいたいという申し出が来ていることも事実でございますので、現在公団におきまして引き取ることができるものは引き取っております。ただ問題は、周囲に非常に散在いたしておりますのと、それから、公団は実は代替地として農地を保有できないわけでございます。そういう法律的な制約のあるものは将来の問題といたしまして、公団で引き取れるものは順次引き取って県に代金をお支払いしているというような状況でございます。
 まだ全部片づいてはおりませんが、県にお願いした代替地の処理は今後非常に大きな問題でございます。いろいろ問題がございますが、県には、そういういろいろなことを考えまして必ず引き取りますというお約束をいたしておりまして、現在、公団と県の関係者が出まして現地の実態調査、どういうものがどこに何ぼ残っているかということを調査いたしておりますので、そういう数字ができ次第また県と相談いたしまして、空港代替地につきまして県に最終的に御迷惑をかけないような方向で処理していきたい、かように考えております。
○新村委員 公団の分については終わりたいと思います。どうも御苦労さまでございました。
 次に、海上自衛隊下総基地というのが沼南町にございまして、これがやはり航空機の騒音によって日常の会話や電話に支障を来しておる。特に小中学校の授業については大変な障害があるということであります。いままで建築をされた学校については一部防音装置ができておりますけれども、まだ十分でないように聞いておるわけであります。特に、日常生活に関係の深いテレビの電波障害、それからまた、飛行場の周辺は航空法によって建築の制限があるわけですが、私権がかなり制約されておるという問題があるわけでございます。さらに、夜間の安眠妨害であるとか、また不測の事故に対する不安が常につきまとうというようなことで、地元の住民は大変苦労しておるわけです。そういう問題に対して、自衛隊としてはどうこれから対処をされるのか。
 それから、自治体に対しての財政措置、総合的な特殊の財政需要があるわけでありますけれども、これらにどう対処をされるのか。
 それから、基地交付金、調整交付金というものがありますけれども、この交付基準は現在どうなっているのか、算出基準はどうなっておるのか、これらについて伺いたいと思います。
○飯村説明員 お答え申し上げます。
 下総基地の周囲の関係市町村の方たから、この周辺の騒音対策の事業について種々御要望を承っております。沼南町を中心にいたしまして約六市町村ぐらいでございますが、これについて四十八年から五十二年まで五年間を集計いたしますと、学校防音等約四十件、約二十六億の補助金を出しております。それから五十三年の事業、これも約七億ぐらいございます。それからさらに五十四年の事業につきまして、現在五十四年の予算要求に関連をいたしまして関係の市町村から東京防衛施設局が御要望をお聞きするヒヤリングの作業をやっておりまして、これの報告はまだ詳細私どもは受けておりませんけれども、来年の概算要求の編成に当たりまして、これらの御要望を十分聞きまして検討いたしたいと思っております。
 それから、これらの中で、学校防音、道路の舗装等が主でございますけれども、先生おっしゃいましたテレビのフラッターの問題については、いままで御要望がございませんが、さっき公団からおっしゃいましたように、共同受信のアンテナをつけるという制度が私ともの方にもございますので、これらの御要望がございますれば検討してまいりたいと思います。
 総合的に申し上げまして、私ども施設庁といたしまして、周辺対策についていろいろの御要望をお聞きして最大の努力をしたいと思っております。
○森岡政府委員 基地交付金につきましては、総額の百分の七十五を飛行場、演習場その他の基地施設の資産価格に案分をして交付いたします。残りの二五%は、その施設の種類、用途、たとえばジェット飛行場でありますと騒音がやかましいわけでございますから割り増しをする、そういうふうな方式で配分をいたしております。
 ちなみに沼南町につきましては、五十二年度で約七千四百万円強の基地交付金が交付されております。
 調整交付金は米ドル資産が所在しております市町村に交付いたしますが、沼南町には米ドル資産がございませんので、調整交付金は交付されておりません。
○新村委員 沼南町は人口急増地帯でありまして、学校あるいは町の施設、消防署等が五十四年度で計画されておるようでございますが、小学校あるいは町の施設、たとえば消防署、こういうものに対する防音施設の財政的な措置はどうなっておるのでしょうか。
○飯村説明員 沼南町については現在まで、先ほど申し上げました四十八年から五年間の集計でございますけれども、約八つ学校をやっております。それから御要望がございます消防庁舎でございますが、これは五十四年度の事業として御要望があるように聞いております。しかし、これはまだ局でいま検討中でございまして、先ほど申し上げましたような来年度の予算要求に関連をいたしまして、私ども詳細な報告を聞いて検討いたしたいと思っております。
○新村委員 これは沼南町を初めとして、沼南町に限らず基地所在の自治体は基地によっていろいろの面で財政需要があるわけであります。たとえば基地周辺の道路あるいは排水路、そういった一般的な社会資本についてもよけいな財政需要があるわけですが、そういった点についての特別の配慮があるかどうかを伺いたいと思います。
○飯村説明員 学校については一般的には文部省の所管で、文部省からの補助によって通常はやっているわけでございます。それから道路については建設省と、その他各その対象物によりまして所管の官庁がそれぞれの補助を行っておるわけでございますけれども、米軍も含めまして自衛隊等の施設については、防衛施設庁が特別の基地対策として、これらの省庁の所管にまたがる事業についてそれぞれの所管庁とお話しをいたしまして、特別の補助金を出しておるわけでございます。これは防衛施設周辺の環境の整備等に関する法律、いわゆる環境整備法といっております法律に基づきまして、防衛施設庁が主として騒音対策についての補助をやっておるわけでございます。
○新村委員 それらの対象となる事業、それから補助の基準あるいは比率について伺いたいと思います。
○飯村説明員 騒音の基準でございますが、たとえば学校についてどういう場合に補助をするか、これは飛行の回数及びその騒音の度合い、先ほど公団から申し上げましたWECPNLという基準と違うわけでございますけれども、そういう公共施設について、何回どういうホンの音がすれば対象にする、そういう基準をつくっておりまして、それに合致するときに補助をするというシステムになっております。
 それから道路等につきましては、たとえば万一の事故があった場合に消防活動ができない、そういうことがあると困りますので、緊急避難道路ということで対策をしているわけでございます。
○新村委員 次に別の問題ですけれども、基地に対する交付金あるいは調整交付金が交付されておりますが、その基地が返還をされた、なくなった場合には、これは当然なくなるわけです。それによって地方団体が財政収入の面で激変を受けるという事態があると思うのですが、これに対してはどういう措置をなさるか。減った分が全面的には交付税には算入されないと思いますけれども、小さい基地ならばいいのですが、大規模の基地の場合にはかなりの財政の落ち込みが返還によって伴うと思うのですが、これらについての対策があるかないか、伺いたいと思います。
○森岡政府委員 基地交付金につきましては、先ほども申しましたように、七割五分は資産価格に案分いたしております。したがって、原則的に申しますと、いまお話しのように基地施設が返還されたということになれば、それは当然減るべきものという基本はやはり動かせないと思うのでございます。
 ただ、いま御指摘のように、一遍に減りますと、いままで入っておったものが減るわけでございますから、財政の運営上大変支障が生ずるということで、交付金の配分基準の中で三年間経過措置を講ずるという措置をとっております。先ほど申しました二五%分を配分いたします場合に財政状況を勘案することにいたしておりますので、三年間の緩和措置を講じながら本来の姿に移していく、その間に財政収支面での対応を各市町村でやって、いただく、こういう方式をとることにいたしております。
○新村委員 三年間の経過措置の内容はどういうことですか。
○森岡政府委員 順次一定の割合によりまして減らしていくという方式をとっております。一遍に減らさないで、三年間に分割いたしまして減額をしていく、こういう方式でございます。
○新村委員 減額は三分割、たとえば三年であれば三つに分けて減らすということですか。
○森岡政府委員 三分の一ずっという金額で減額をして緩和措置を講ずる、こういうことでございます。
○新村委員 そうしますと、その間における起債の許可について考慮するとかそういった点は同時に考慮されますか。
○森岡政府委員 御質問の中にもございましたように、基地交付金が基準財政収入額に算入いたしていない収入でございますので、ある意味ではかなり弾力的に措置していただけるのではないかという気持ちは私どもとしては持っておるわけでございます。したがって、原則的には三分の一ずつ減じてまいりまして、その間に財政の対応をしていただくということでございますが、仮にその結果所定の事業がどうしてもできないというふうな場合が生じますれば、それば個別に財政状況を見まして地方債の面での配慮をするということはあり得ると思います。しかし、ルールといたしまして減った分を地方債に振りかえるということになりますと、むしろ財政の対応が延びてしまってできなくなるわけでございますから、やはりそこのところは工夫をしていただくということが基本ではないかというふうに考えております。
○新村委員 基準財政収入に入っているいないにかかわらず、やはりその額であるものとして財政収入がバランスしているわけですから、それが一挙に、あるいは三分の一であったにしても、相当額、億単位の財政欠陥が出る団体があるわけです。そういった点については特別の御配慮なり御理解が必要ではないかと思いますので、その点を特にお願いをいたしておきたいと思います。
 以上で終わります。
○木村委員長 午後一時より再開することとし、休憩いたします。
    午前十一時五十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時五分開議
○木村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 地方自治、地方財政及び警察に関する件について質疑を続行いたします。正森成二君。
○正森委員 私は、四月九日が投票日でございました京都の知事選挙にまつわる国際勝共連合と称する団体――これは会長が久保木修巳といいまして、世界基督教統一神霊協会、通称統一教会と言われているのがありますが、その会長をも兼ねている人物であります。この勝共連合が、言ってみれば傍若無人と思われる選挙違反の振る舞いを京都で行いました。そこでこの問題について、国家公安委員長としての加藤大臣に、また警察庁や自治省関係者に事実を挙げてこれから若干の質問をさしていただきたい、こういうぐあいに思います。
 まず最初に、三月三十日の夜に府立体育館で杉村候補を推しております通称各界連絡会が主催いたしました政談演説会が行われました。このときに、十数名の勝共連合の所属者と思われる者が、杉村候補のシンボルカラーであるオレンジのバッジをつけて潜入してまいりました。数名は顔を知られておりましたので、入り口で発見されて退去をさせました。その際に、入り口の受付に殴りかかったようでありますが、その後、各界連絡会の関係者は警戒して、ほぼそれとわかる者に対しては会場で目星をつけまして、場内の私服警察官に通報などをしておったようであります。
 ところで、わが党の宮本委員長がこの各界連絡会の政談演説会に一弁士として参加したわけでありますが、その演説会が始まりますと、二名ぐらいずつ組みになりまして約十二名が次から次に、人殺しというような大音声を上げて演説を妨害する、それでその発言者の周辺は騒然となるということで、選挙演説が妨害をされたという事実がございます。これは公職選挙法二百二十五条の二号、選挙の自由妨害罪に明白に該当する事案であるというように私どもは思いますが、警察庁ではこの事実についてどのように捜査をし、あるいは処置をしているか、まず最初に伺いたいと思います。
○谷口説明員 御質問のありました事案につきましては、翌日の三月三十一日に告訴が提出されておりまして、現在京都府警において鋭意捜査中でございますので、詳細な内容につきましてはこの席での答弁を差し控えさしていただきたい、こう思うわけでございます。
 本件の現場におきます警察の措置につきまして御説明申し上げたいと思います。
 当日、政談演説会の会場周辺に交通整理等に従事しておりました警察官がおったわけでございますけれども、主催者側の整理員などから、演説妨害をしたというようなことで十二名の者の引き渡しを受けたわけでございます。それで所轄警察署におきましてこれらの者の事情聴取をしたわけでございますけれども、その晩には主催者側からの詳しい事情説明というものが得られませんでしたので、同日は一応この十二名の者を帰宅させたということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、翌日告訴がございましたし、現在京都府警で鋭意捜査中ということでございます。
○正森委員 鋭意捜査中ということでありますが、この十二名はいずれも演説を大きな声を上げて妨害したときに周りの者に取り押さえられて、中には各界連絡会の警備要員に押さえられた者もありますし、聴衆が自発的に押さえた者もあるようでございますが、私どもの承知しておるところでは、村山という弁護士さんが付き添ってといいますか、五条署に出頭をする。そして府警本部でも当時の事情を説明しておるようでございますし、関矢という府会議員が会場から約五十メートルほど離れたところに待機しておりました警察側の警備車といいますか、あるいはわが方の車もおったようでありますが、そこへ連れていくというような措置をとったものもあるようであります。したがって、いってみれば現行犯といいますか、一万人からの聴衆に目撃されておる行為でありますから、これが選挙の自由妨害罪に該当するということは明々白々であると思うのですね。
 そこで、いま答弁をいただいた警察庁の参事官にお聞きしたいのですが、私は、犯行の詳細、何の何兵衛で、住所がどこで、男女の別がどうで、年齢がどうでというようなことを伺おうと思っているのではありません。これは捜査の関係で言えないこともあるでしょうが、あなた方はこういう行為が選挙の自由妨害罪に当たると考えておられるのかどうか、それを伺いたいと思います。
○谷口説明員 お答え申し上げます。
 先ほどお答え申し上げましたように、当夜の警察の措置につきましては、主催者側の整理員などから十二名の方の引き渡しを受けたということでございます。
 それで、早速その演説妨害事実があるかどうかといった点につきまして事情聴取をしようとしましたところ、整理員等の方々はそんなことはわかっておるからというようなことで、警察側の事情聴取に応じられなかったというようなことと聞いております。翌日告訴がございました。それに従いまして京都府警では現在鋭意捜査中ということでございます。
 なお、告訴の罪名につきましては、一応名誉棄損罪ということで出しておりますけれども、いろいろな観点につきまして事実を調査いたしまして、擬律判断した上適切な措置をとるものと私どもは思っておるところでございます。
○正森委員 いまの答弁を聞いておると、当日事情聴取に応じられなかったということを非常に重視しておるようですけれども、当日は一万人から集まる非常に盛り上がった政談演説会ですから、関係の警備要員などが再びこういう妨害があるかどうかわからないということで、夜のことでもあるし、事情聴取ができないということはあり得ることですね。しかし、私が確かめたところでは、翌日直ちに告訴をして、そして私がいま申し上げました村山弁護士その他関係者が出頭して二回も供述調書をとるといいますか、そういうことをやっているのですね。以来、もう二カ月たっておるのに鋭意捜査中であるとはどういうことですか。こんなわかりきったことについていまだに判断が下せないなんというのはおかしいじゃないかと思う。
 それから、思想新聞という勝共連合が出しておる機関紙があるのですね。その四月二十一日号を私はここに持っておりますが、この中に「ドキュメント 京都決戦勝利の記録」というのがあるのです。この中でどういうことを言っているかというと、三月三十日の欄をとってみますと、「午後六時から府立体育館で共産党の政談演説会(一万五千人集会)が行われる。」これは共産党ではありません。各界連絡会の演説会ですが、こういうように書いておる。「司会の合図で宮本委員長が登壇、「オー」と言う歓声と共に万雷の拍手――。興奮は絶頂に達し次の瞬間拍手はさっと消え、静まり返った中で宮本が一言を言おうと右手を上げかけた瞬間、全館にひびきわたるように「待ってました!人殺し−」とかけ声がとどろく。一瞬会場の誰もが我が耳を疑う。会場では「人殺し網走へ帰れ!」「小畑はどうした」「人殺し−」などの叫びが波状的に宮本に向けられ会場は完全にヤジにのみ込まれる。」こうなっておるのです。これは犯行を行った国際勝共連合がみずからの機関紙の中で自分の犯行を認め、かつ演説妨害が成功したということを認めているじゃないか。それだのに警察がまだ、いま鋭意捜査中なんと言うのは大体おかしいじゃないですか。しかも十二名の連中が二名ずつグループをなして五分、七分ごとぐらいの間隔で何回も何回もこういうことをやるというのは、明らかに統一的意思のもとに行っておって計画的犯罪であると言わなければなりません。それらについてどういうように捜査していますか。この思想新聞、知っていますか。
○谷口説明員 お答えいたします。
 ただいま先生からお話がございました思想新聞につきましては、私はまだ見ておりません。
 この告訴案件の捜査につきましては、先ほど来から御答弁申し上げておりますように、告訴人及び関係者からいろいろと事情聴取をしておりますし、また被告訴人につきましても取り調べを行っておるということでございます。その捜査の結果を踏まえまして、京都府警では擬律判断した上適正な措置をとるものと考えておるところでございます。
○正森委員 煮え切らない、同じことばかり言っておりますが、それではこれだけ聞きましょう。
 関係者が統一教会所属者もしくは勝共連合の所属者であることははつきりしておりますか。それから捜査が終了して京都地方検察庁にもう送致したのですか。それともまだあなた方が手の中であっためているのですか。
○谷口説明員 お答えいたします。
 被告訴人は国際勝共連合の者であるという報告を受けております。
 それから、現在京都府警で鋭意捜査中でございますので、結論が出次第、速やかに地検に対しまして送付する予定と聞いております。
○正森委員 それでは水かけ論になってはいけませんから、次の項目に移りたいと思いますが、勝共連合にいずれも所属しているということをお認めになりました。その勝共連合の機関紙である思想新聞に私がいま読み上げたようにみずからの赫々たる戦果を誇ったドキュメント記事が載っているわけですから、しかもあなたはこれをいままで知らなかった、こう言うのですから、そういう点も参考にして背後関係も含めて厳重に鋭意捜査してほしいと思うのですね。鋭意という日本語はどういう意味かわからぬけれども、一生懸命やるということだろうと思うのですね。二カ月たってからも一向鋭意やっているように見えぬですね。だから、この点について文字どおり鋭意捜査して、そして告訴の罪名にとらわれるだけでなしに、あらゆる選挙関係法規あるいは刑法関係の法規に触れないかどうかという点も含めて厳正な捜査を行っていただきたい、こう思いますが、いかがですか。
○小林(朴)政府委員 ただいまお話を伺いまして、私の方も実は本日辞令をいただきまして刑事局長になったばかりでございますが、厳正な取り締まりというものの中には、慎重に判断をするということも含まれておろうかと思いますけれども、そういう形で事件をまとめてまいりたいというふうに感じておるわけでございます。
○正森委員 どうも聞いていると、あなた方鋭意というようなことを言いながら、鋭意とかなんとかいう中には慎重という言葉も含まれておるとか言って、慎重ということはどんな場合にも必要ですけれども、ことさらにそういうことを強調するというのは解せないですね。加藤国家公安委員長、全体の警察行政をつかさどる方として、もちろん慎重ということはどんな場合でも必要です。軽率であってはなりませんけれども、しかしすでに二カ月もたっておるわけでありますから、やはりこの点については鋭意慎重かつ迅速に事を処理すべきである、こう思いますが、いかがでありますか。
○加藤国務大臣 ただいま御指摘があったとおりでございまして、選挙は民主主義の基本をなすものでございますから、公正に行われなければならぬし、また不党不遍でなければならぬことは申すまでもございません。今日までも警察は、他の事案はもとよりでありますけれども、選挙事案に対しましても厳正に対処してまいっておる、かように信じております。
 なお、事案の処理に関しましては慎重でなければなりませんけれども、しかし、かつまた迅速に処理をいたすのがたてまえでございますから、今日までもそういう考え方でやっておるに間違いがないと思います。したがって、私は警察の良識を信じておる、かように考えております。
○正森委員 大臣から迅速にも行うというような答弁がございましたから、一つのことにこだわらずに、次の問題に移りたいと思います。
 公選法には、二百一条の九で都道府県知事選挙での政治活動の規制を決めております。これはどういうように規制が行われておるのか、簡単に説明してください。
○佐藤(順)政府委員 お答え申し上げます。
 この二百一条の五以下には各種選挙におきます政党その他の政治団体の選挙の際の政治活動の特例規定があるわけでございます。これにつきましてはすでに御承知のとおりでございますが、本来政治活動は自由であるということから、かつては公職選挙法上には政治活動に関する規制がほとんどといってもいいぐらいなかったわけでございます。しかし、他の選挙運動について規制が非常に多いということからいたしまして、この自由に認められておりますところの政治活動の分野で非常に幅広く活動が行われて、これが選挙全体の公正に影響するところがあるということからいたしまして、特定の選挙の選挙運動期間中に限りまして、本来自由であったところの政治活動につきまして一定の制限をする、こういう考え方から設けられましたのが二百一条の五以下の規定でございまして、二百一条の九に規定のございます都道府県知事等の選挙におきます規制もそのような観点に立っておるものでございます。
 そこで、その規定の趣旨といたしますところは、およそ政党その他の政治団体というものは、その政治活動のうち、この条文で挙げられております政治活動、すなわち政談演説会、街頭政談演説の開催、ポスターの掲示、立て札及び看板の類の掲示及びビラの頒布並びに宣伝告知のための自動車の使用、こういったものにつきましては、選挙の期間中に限り候補者を有するところの資格のあります団体で届け出をしたもの、これを通称確認団体と申しておりますが、確認団体に限り一定の制限のもとで行うことができる、こういう考え方に立って規制をしているのがこの規制の趣旨とするところでございます。
○正森委員 つまるところ、確認団体でなければ政党その他の政治団体は、以上あなたが挙げられたようなポスターだとかあるいは立て札、看板の類とか、そういう関係の政治活動ができない、こういうことですね。
○佐藤(順)政府委員 基本的にはそのような考えでございます。
○正森委員 昭和五十三年四月九日に行われました京都の知事選挙あるいはその後二週間おくれて実施されました京都の参議院議員選挙で、勝共連合は確認団体になっておりますか。その前提として、この勝共連合というのは政治団体としての届け出がされておりますか。
○佐藤(順)政府委員 当該団体は政治団体としての届出を行なっております政治団体でございます。しこうして、今回の両選挙におきましては確認団体の届け出はなされておりません。
○正森委員 つまるところ、勝共連合というのは、政治団体ではあるけれども確認団体の届け出をしていないから、いま挙げたような二百一条以下の政党としての政治活動は列挙された範囲においてできない、こういうことですね。
○佐藤(順)政府委員 基本的にそのとおりでございます。
○正森委員 ところが、勝共連合は京都の知事選挙あるいは参議院選挙の最中に、もう事実上傍若無人、やりたいほうだいのことをやっている。たとえば私はここに、ごらんいただけばわかるようにステッカーを持ってきましたけれども、この赤い毒々しいもので「リンチ・人殺し 宮本を証人喚問へ! 思想新聞広報版」こういうことで京都市内の至るところの電柱に張りまくっておる。ここに私はそれを各所で撮った写真の写しも持ってきましたけれども、こういうのは明らかに同法で言うところのポスターですね。そして思想新聞と書いてあるけれども、思想新聞広報版と書いてあるだけで、題字もなければ号数もないということであれば、思想新聞の宣伝普及のためなどという理由もこれは通らない形式のものですね。値段も書いてない。こんなものを町じゅうに張りめぐらして、同じ選挙では共産党から参議院選挙にも出ておる、その公党の委員長をこういうぐあいに誹謗するポスターを町じゅうに張りめぐらすというようなことをもしゃっていいということになれば、公選法の二百一条の種々の制限規定というのはなきに等しい、こう私は思うのですね。
 警察庁に伺いますが、こういうものが京都の町じゅうに張りめぐらされていたこと、これについて共産党から告訴がなされたということは承知しておりますか。
○谷口説明員 ただいま先生がお見せになりましたポスターが、当該選挙運動期間中に京都市内で掲示されたという事実は確認しております。それに対しまして、この種のポスター、立て札、看板類一切でございますけれども、その当該文書が公選法に抵触する場合につきましては、京都府警におきまして警告等の措置を講じてきたところでございます。
 また四月三日に、このポスター等を掲示したということで名誉棄損罪あるいは公選法の政治活動規制違反などの容疑をもちまして告訴がなされて、この件につきましても現在京都府警で捜査中でございます。
○正森委員 いまの発言の中で、それらのポスターのうち公選法に違反するものについてはなんと言われましたが、私はここに現物を持っているのですね、これが違反することは明らかでしょう。
○谷口説明員 お答えいたします。
 当該ポスターが公選法に違反するかどうかということは、当該ポスターの掲示主体あるいは掲示の態様、掲示の時期その他総合的に判断しまして擬律判断するものでございまして、当該ポスターが公選法違反になるかどうかについては、この席では答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○正森委員 何を言うておるのですか。私はいまここでこれを示して、これが京都の知事選挙の最中に街頭に張りめぐらされた、こう言うてその張りめぐらされた写真をあなたに一々見せないけれども、こう言うているのですよ。いま選挙期間中でも何でもない、この国会でこれが違反になるのか、そんなばかなこと聞いてない。もちろんある行為が選挙違反になるかどうかは最終的には最高裁が決めるべきことですけれども、取り締まり当局として選挙違反に該当するとして捜査をし、送検をし、場合によっては告訴をしなければ裁判所は判断できないのだから。そういう奥歯に物のはさまった言い方をしないで、ちゃんと答えなさい。
 自治省はこんなものを張ってもいいと言っているのですか。あなた方、張ってもいいんならあらゆる政党がこんなことを相手方に対してやるよ。当然じゃないか。
○佐藤(順)政府委員 自治省におきましては、選挙に関するいろいろと御照会をいただきました場合に、法に触れる行為はもとよりのこと、法に触れませんでもそれに隣接すると申しますか、非常に近いものについても差し控えていただくように常に御注意をしているというのが私どもの姿勢でございます。
○正森委員 そういう抽象的なことを聞いてないのです。それで、これを京都の知事選挙の最中に張っているのは、自治省の判断ではどうなんですか、そう聞いているのです。
○佐藤(順)政府委員 ただいまお示しの文書につきましては、やはり先ほど警察庁におきましても御答弁になりましたように、いろいろと認定の必要な面があるし、判断の必要な面があろうと思います。先ほど私が選挙の期間中における政治活動の制限があるということを申し上げましたが、それはあくまで政治活動に当たる場合であるわけでございまして、政治活動とは何ぞやということにつきましては、公職選挙法にぴたりとした定義の規定はございませんけれども、政治資金規正法等の表現からいたしまして「政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対すること。」を内容とする行動ということに相なろうかと存じます。したがいまして、これに該当するかどうかということについては、多分に認定なり判断の必要なところではないかと思う次第でございます。
○正森委員 なぜそう奥歯に物のはさまった言い方をするのですか。証人喚問といって、これは国会へ証人喚問しろということですよ。たとえばロッキード委員会で田中角榮を証人喚問しろとか、福永一臣氏を証人喚問しろとかいろいろ言っているのは、皆政治上の主義主張じゃありませんか。だから、こういうポスターが政治上の主義主張であるということは非常にはっきりしているじゃないですか。どこそこへ何かの芝居を見に行こうというのじゃないのです。
○佐藤(順)政府委員 一般論といたしまして問題点を御指摘になるときにはそういう御主張でございますけれども、しかし、警察当局あるいは物によりましては検察当局が非常に時間をかけて認定をし、判断をすることが必要なのがしばしばであることは御承知のとおりでございまして、これはやはり罰則を伴いましたような規定の運用といたしましては、やはり十分事情を聴取あるいは調査をされなければ判断のできないものもあるのではないかと思う次第でございます。
○正森委員 何を言うとるんですか。そうすると、警察庁に聞くけれども、私がいま言ったら、そのうち公選法に違反するものについては警告したりあるいは適当な処置をとったという意味のことを言いましたね。どういうものについてやったんですか、それじゃ。
○谷口説明員 今回の京都府知事選挙に関連いたしまして、京都府警におきまして公選法などに違反する疑いがあるということで警告を出した件数は総数六百六十八件でございます。この大部分は文書あるいは連呼行為関係、こういうことになっておりますけれども、具体的にどういうような文書、どういうような態様のものが警告になったということにつきましては、私どもは承知しておりません。
○正森委員 そういうことを質問するからといってあらかじめきのう言うておるのに、承知してないとは何事ですか。国家公安委員長、これじゃ答弁拒否じゃないですか。いきなり聞いているんじゃないですよ。前の日にわざわざ呼んで、そしてこういうことを質問するからと言っているのに、それについて事実上答えないようなことをやっておる。おかしいじゃないですか。
 私はまとめて後で聞いていきたいと思いますが、同時にこの知事選挙の最中に、ここに写真がありますが、縦二・五メートル、横一・八メートルぐらいの大きな立て看板を幾つも出しまして、それにはたとえば、急げ宮本の国会証人喚問というようなことを書いて、宮本委員長の似顔絵のようなものをかきまして、てめえ出所と発しますは網走です。ゆえあって途中で出てまいりましたというような、そういう人を侮辱するようなことを書いて張りめぐらして、そこでハンドマイクを持って演説をしておる。こういうのが立て札、看板の類に当たることは明白ではないですか。ここに写真があるから見てごらんなさい。大臣には私が行ってお見せしたでしょう。だから、よく御存じのはずです。あなた方は、私どもの知っておるところでは、こういうステッカーやあるいは立て札、看板の類については、あるいはこれと同種の自動車の横にたれたたれ幕については、選挙の終盤になってやっと撤去を命ずるあるいは警告するというように踏み切りました。それは明らかに違法であるから踏み切ったんじゃないんですか。
○谷口説明員 お答え申し上げます。
 京都府警におきましては、府の選挙管理委員会等、関係団体ともよく連絡をとりながら厳正な取り締まりを実施してきたところでございます。先ほどもお答え申し上げましたように、公選法に違反する疑いのある文書図画等につきましては警告等の措置を講じてきたところでございます。
○正森委員 そうすると、あなた方は公選法違反の疑いのある文書については警告やあるいは撤去等の措置をとってきた、こういうように言われますが、この赤い毒々しいステッカーについては京都市が広告物条例にも違反するということで撤去を命じております。また警察も、たれ幕等についてはこれを撤去させるということをやっておるわけですが、そうすると、あなた方はこれについては公職選挙法に違反する疑いがある、少なくともそういうように認定したということは間違いありませんか。
○谷口説明員 お答え申し上げます。
 先生も御案内のとおり、警告等の措置をする場合には、完全に公選法に違反になって、しかも悪質だという場合につきましては立件とか検挙しなければならないわけでございますけれども、形式犯のような場合に、軽微な事犯につきましてあるいは違反になるかならないか疑いがある、微妙な段階にあるという場合につきましては、先ほど自治省の選挙部長さんからお話もございましたように、指導、警告して撤去させるというような措置をも講じておるところでございます。
 いずれにいたしましても、先生のお示しになりましたポスターにつきましては告訴されておるわけでございまして、現在京都府警におきましては、公選法はもとよりでございますけれども、あらゆる罰則に違反するかどうかといった点につきまして検討をしておるところでございます。捜査終了次第、速やかに京都地検の方に送付されるということになっておりますので、御了承いただきたいと思います。
○正森委員 非常に歯切れの悪い答弁ですけれども、国家公安委員長に後でまとめてお願いをしたいと思いますけれども、事実上二百一条の五以下の公選法の規定を無にするような、そういうことが目の前で行われているにもかかわらず、そして選挙の場合には後でどうこうしても取り返しがつかないという性質のものであることは、お互い選挙の試練をくぐってきた公安委員長も私もよく承知しておるところですね。落っこちてしまってからいろいろ慰めてもらっても仕方がない。それに対して自治省やあるいは警察庁が選挙違反のものについては、公然と現行犯でやられているものについては警告し、場合によっては現行犯で逮捕する、あるいはそれほど悪質でないものについては事前に指導あるいは警告して自主的にやめさせるということが行われるのでなければ、刑事訴訟法にも現行犯は何人でも逮捕できる、こう書いてあります。したがって、相手方陣営がやむを得ず現行犯として逮捕に踏み切る、そして警察に連れ出すということをやらざるを得ないというのは当然のことじゃないですか。はっきり答弁していただきたい。
○谷口説明員 先生御指摘のとおりでございまして、私ども警察といたしましては選挙管理委員会と十分連絡をとりまして、警察の立場としては、選挙違反の厳正な取り締まりを通じまして公正な選挙を担保するということを基本的な方針として臨んできておるところでございます。この点につきましては、いかなる選挙についても同様でございまして、今回のお尋ねの京都府知事選挙につきましても、京都府警としてはそういった基本的な方針のもとに処理してきたものと思うわけでございます。今後ともあらゆる選挙につきまして同様な方針で臨むよう指導してまいりたい、こう思っております。
○正森委員 私は、捜査中だからすみからすみまで聞こうとは思いませんが、こういうものを京都一円に張りめぐらせる、あるいはああいう大看板を立てるというのについては、その行為の当事者とこれを指示した者があるはずであります。それらについてどういうように事情聴取しておりますか。聞きましたか。
○谷口説明員 お答えいたします。
 ただいまお話のありました立て看板の事案につきましても、京都府警としてはしかるべく調査をしたというふうに聞いておりますけれども、いろいろ擬律判断上は問題があるということでございますが、いずれにいたしましても調査の段階でございますので、本席では詳しい内容につきまして御答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○正森委員 私が伝え聞いているところでは、京都府警の捜査二課長は、公選法違反ではない、思想新聞の営業活動であるというように語ったと伝えられるのです。一体そんなことを考えているのですか。新聞の営業活動なら公選法違反に引っかかるようなことを何をやっても構わぬ。これなんかは題字もなければ号数もないのだけれども、こんなものをべたべた張ってもいいんだということなんですか。もしあなた方がそうだと言うなら、他の政党も同じようなことをやると思うのですよ。福田総理はどうだとか何々党の委員長はどうだとか、赤いものやら青いものやら黒いものでいっぱい張りめぐらしてもいいんですか。
○谷口説明員 お答えいたします。
 公選法の解釈の問題でございますので、本来でしたら自治省の選挙部長さんからお答えいただくのが適当かと思いますけれども、一般論として申し上げますと、機関紙の購読のための宣伝活動そのものは直ちに公職選挙法等の違反にはならないのではないかというふうに考えております。
○正森委員 そんなこと聞いてないじゃないか。こういうことを聞いているのじゃないか。答え方があんまりでたらめじゃないですか。私がいつ一般的に機関紙の購読を訴える行動が選挙違反だなどと言いましたか。そんなことにならぬことは百も知っていますよ。具体的にこういうポスターを張りめぐらしたり、大きな立て看板を出したり、公選法の二百一条の五以下を事実上免れるようなことをやって、それを機関紙の購読を訴えたなどと言っている行為が許されるのかと聞いているのです。選挙期間中でも、機関紙にしろ雑誌にしろ購読を訴えるということは制限されない部分が確かにあるでしょう、しかし制限される部分があるはずですよ。そうでしょうが。
 それでは自治省に聞きますけれども、二百一条の十四で政党等の機関紙の点について一定の制限がありますね、公選法百四十八条との関係で。それを説明してください。
○佐藤(順)政府委員 お答え申し上げます。
 まず先に公職選挙法の百四十八条の規定でございますが、ここではこの法律でいろいろと選挙運動に関する制限を規定しているけれども、それは新聞紙や雑誌が選挙に関し報道、評論を掲載する自由を妨げるものではないと規定をいたしまして、そして同じ条文の中で、いま申し上げたこの考え方によって報道及び評論を掲載する自由というものが保障されるところの新聞紙及び雑誌というものには一定の資格条件が必要であると申しまして、毎月何回以上発行とか、あるいは第三種郵便物の認可があるものとか、あるいは選挙の期日の公示前一定期間引き続き発行していることとか、そういう条件を定めまして、このような条件に適合するところの新聞紙、雑誌は選挙に関する報道、評論をする自由が保障される。こういうふうに相なっております。その反面といたしましてそのような資格条件に当たらない新聞紙、雑誌は原則として選挙に関する報道、評論をすることができない、こういう規定に相なっておるわけであります。これを受けまして二百一条の十四におきましては、政党その他の政治団体の発行する新聞紙、雑誌、これは通常機関紙誌というふうに言えるわけでありますが、これにつきましては、特定の選挙の期間中はただいま申し上げた百四十八条の資格条件の規定、第三項の規定を適用せず、別にこの二百一条の十四で規定する資格要件によることにいたしますよ、こういうことを規定しているわけであります。そしてその規定といたしましては、当該選挙について本章の規定により政治活動をすることができるところの政党その他の政治団体の本部において直接発行するものであること、かつ、通常の方法で頒布されるものであること、しこうして国会議員の選挙においては自治大臣、都道府県の選挙におきましては都道府県の選挙管理委員会に届け出をしたもの、新聞紙、雑誌についておのおの一に限り、しかも号外とか臨時号とか増刊号というようなものを除きまして、この資格条件を認める、こういう規定に相なっておるわけでございます。そのようなものに該当するものは、選挙に関する報道、評論を掲載することができるとされているのがこの趣旨でございます。
○正森委員 長々と説明がありましたけれども、結局確認団体でない政党は、その機関紙で選挙についての報道、評論はできない、こういうことでしょうが。
○佐藤(順)政府委員 そのとおりでございます。
○正森委員 したがって、勝共連合は、この京都選挙では確認団体でないからその機関紙である思想新聞も選挙に関する報道、評論ができない。確認団体であっても号外は出していかぬわけですから、確認団体でない勝共連合は、そもそももとになるものでも選挙に関する報道、評論をやっていけないのだから、号外でそんなことは絶対できない、そういうことになるのでしょう。
○佐藤(順)政府委員 選挙に関する報道、評論については、お説のとおりでございます。
○正森委員 そこで、私はいままでの問題を留保して、さらに次の問題に移りたいと思いますけれども、勝共連合は四月八日の未明に「やっぱり杉村氏は極秘党員か」、こういうビラを全戸に一斉に配布いたしました。これは思想新聞の昭和五十三職四月八日発行、御丁寧に「号外」、こう打ってあります。杉村氏が京都選挙における候補者であるということは天下公知の事実であります。こういう候補者の名前を挙げて、「やっぱり杉村氏は極秘党員か」、「杉村敏正氏の華麗なる前歴」、「学者の仮面かぶる活動家」、「表面紳士 一皮むけば人殺し」、こんなことを書いていいのですか。幾ら機関紙の宣伝活動だとか販売活動だとか言っても、こんなことが許されるのですか。これについては告訴してあるはずであります。京都府警はどういう捜査や見解を持っていますか。
    〔委員長退席、大西委員長代理着席〕
○谷口説明員 お答えいたします。先生が御指摘になりました四月八日付の思想新聞号外につきましては、同日付をもちまして政治活動の規制違反とかあるいは法定外文書違反、さらには選挙の自由妨害罪に当たるのではないかということで、告発が京都府警に対して出されております。この案件につきましても、現在京都府警で鋭意捜査を継続中でございます。
 なお、先ほど先生の御指摘ありましたように、国際勝共連合は、当該京都府知事選挙につきましては、確認団体でないということでございます。当然なことながら思想新聞も届け出機関紙にならないということになり、京都府知事選挙の選挙運動期間中であるこの四月八日に当該選挙に関する報道、評論は掲載できないというように解釈されるわけでございます。そういった法律解釈をも含めまして、現在捜査中でございます。
○正森委員 選挙部長、あなたはきょうはえらい慎重だけれども、これを見て、これでも選挙に関する報道、評論じゃないのですか、候補者の名前を明白に挙げて。もしあなたがこれでいいというなら、構わないから、いいと言ってください。われわれも皆こういうことをやるから。はっきり答弁しなさい。
○佐藤(順)政府委員 たまたまその文書につきましては私どもも目にしておるわけでございますけれども、これはただいま御指摘のあれに該当するおそれがあるものというふうに考えます。
○正森委員 選挙でこんなことを書かれて、これが選挙に関する評論ですね。人をあしざまにののしるわけですから、悪い方の批評であります。それに当たらないというのであれば、私はどんな政党でもこういうことをやると思いますね。やられた方はたまらぬです。実力でこれをとめるしか仕方がない。それじゃもう法治国家と言えないです。もちろん刑事訴訟法では現行犯逮捕の規定があるから、現行犯である限りはなおかっそれは法治行為の一環であります。けれども、全部が全部目の前の現行犯でつかまえるわけにはいかないのですからね。疑いがあるというようなものじゃないでしょうがこれは。もう一遍答弁してください。
○佐藤(順)政府委員 先ほど来警察庁においてもお答えがありましたように、本件についてはすでに捜査が開始されておる事案でございますので、私は本件に対する具体的な判断を申し上げることを差し控えておるわけでございまして、警察当局におきましては必ずやこれについての的確かっ厳正な結論を下されるものというふうに考えております。
○正森委員 警察庁に伺いますが、これが選挙に関する報道、評論であれば二百一条の十四の一項違反で、二百三十五条の二第二号で編集の担当者または経営の担当者は二年以下の禁錮または十万円以下の罰金であります。私は本件の場合はこれに該当することはきわめて明らかであると思いますが、しかしこれを実際に頒布した者はどうなるのですか。私は頒布した者は、判例にもあるように、これは事実上選挙運動のために使用する文書図画であるというように言えますから、その場合には公選法の百四十二条に違反して、二百四十三条の三号に該当して、頒布した者も二年以下の禁錮または二十万円以下の罰金に該当する、これは非常にはっきりしていると思うのです。しかもこの内容は杉村氏が秘密党員か、こういうことで、ありもしないことを言っているわけでありますから、虚偽事項の公表罪として機関紙であるか否かを問わないで、二百三十五条の二項違反ということで、四年以下の懲役、禁錮または三十万円以下の罰金というのに該当して、単に編集責任者や経営責任者だけでなしに、頒布者自身が犯罪者であり、その現行犯を逮捕することができる、こういう事実であろうと思いますが、いかがですか。
    〔大西委員長代理退席、委員長着席〕
○佐藤(順)政府委員 ただいま正森委員のお尋ねは、頒布者に関係いたしまして、どちらかと申しますと、選挙運動用文書の方を挙げられたように考えるわけでございますが、これにつきましては選挙運動用文書の違反といたしましては、一方において誹謗文書、それがしばしば自由妨害行為ではないかということが言われるわけでございますけれども、単に議員候補者の当選を得しめざる目的のみをもって、選挙に関し不正の方法により選挙の自由を妨害する行為は、選挙運動にあらずというような判例もございますし、また解釈といたしまして、反対党に投票させないことがひいて自分の属する党に投票せしめる目的であるようなときには選挙運動となるといったような解釈もあるわけでございます。したがいまして、やはりこの問題につきましては、百四十二条関係の適用を受けるかどうかということになりますと、これは多分に事実の認定というものが必要になってくると思います。
○正森委員 虚偽事項の公表罪はどうですか。
○佐藤(順)政府委員 虚偽事項の公表罪につきましても、やはり事実認定が必要になってくると思います。
○正森委員 事実認定が必要ですけれども、事実認定の角度が違うでしょうが。百四十二条の場合には、選挙運動のために使用する文書かどうかということでありますから、単にある候補者の当選を得しめないというだけでは不十分であります。相手候補をたたくことによって自分自身の側の当選を目的とするということが必要である、逆に言えば、そういう目的があれば相手候補をたたくことも選挙運動である、こうなっておるのですね。今度の京都知事選挙の場合には、候補者の数はきわめて限定されているのですね。そしてこの四月八日という時点では、新聞紙でも何でも、三人のうち一人の候補はもう脱落して、林田候補と杉村候補が争っておる、こういうことを全部書いてあるのですね。その決定的瞬間に、まさにもう一方の候補者を秘密党員か、しかも共産党の秘密党員か、その共産党は人殺しだということをいままでずっとやってきて、一連の行為なんですね。だから、これが選挙運動用の文書であることは非常にはっきりしておるのです。
 また、虚偽事項の公表罪か否かという点については、これは当選を得しめない目的であってもいいわけですから、だから、当選を得しめない目的であるということは非常にはっきりしておる。あとは杉村さんが秘密党員であるかどうかということだけである。そうすれば、党員でないことははっきりしているのだから、これは虚偽事項の公表罪で頒布者自身も犯罪になる、これも非常にはっきりしております。また百歩、二百歩下がって、そういう点を一切抜きにしても、先ほどからの議論のように、この文書が選挙に関する報道、評論であるということは非常にはっきりしておるから、その点だけは逃げることはできない。こういう二重、三重の悪らつな行為ですね。私は国家公安委員長にぜひ所信を述べていただきたいと思うのです。こんなことは許してはならぬ。実際に編集した者を、経営を担当した者だけでなしに、その実行行為を行った者も、決してこういうことをやらないように厳正な処置をするというのが警察法二条にいう不偏不党、そして公平中正というのに該当すると思うのですね。そういう心構えでぜひ警察庁に対するあなたの職責を果たしていただきたいと思いますが、いかがです。
○加藤国務大臣 先ほども申しましたように、選挙は公正な選挙でなければならぬことは申すまでもないことでございます。その選挙がいかなる選挙でありましょうとも、厳正公平に対処してまいりますことがなさなければならぬ責務だ、かように考えておるのでございまして、したがいまして、違法行為のございました場合には、不党不偏の立場において、それがどの候補のいかなる行為であろうとも違法行為は断じて許してはならぬ、かような決意で今日までも対処してまいっておると思いますし、また今後もぜひそうなければならぬ、かように強く思う次第であります。
○正森委員 二カ月もたっておりますが、実際の編集担当者や経営担当者の事情聴取はしましたか。
○谷口説明員 お答えいたします。
 本件案件につきましては、四月八日に告発を受理いたしまして、京都府警で鋭意捜査をしておるわけでございまして、すでに関係者からの事情聴取あるいは被告発人からの事情聴取等も進んでおるものと思うわけでございます。
 なおちなみに、今回の京都府知事選挙及び参議院議員の補欠選挙におきます警察に対する、京都府警に対する告訴告発件数でございますけれども、全体で十四件ございます。いずれも鋭意いま捜査中ということでございまして、調査終了次第速やかに送付いたしたいというふうに思います。
○正森委員 言葉だけは鋭意捜査中と言うて、えらいさっそうとしているのですが、あなたの答弁はちっともさっそうとしていないのですね。おどおどしたようなかっこうで答弁しておる。こういう犯罪に対してはもっとさっそうと取り締まるべきは取り締まるという気魄を示してほしいですね。
 先ほど私が示した思想新聞の四月二十一日号には、誇らしげにこう書いているのですよ。その部分を読んであげましょうか。「四月六日 不眠不休の戦いが始まる。全戸ビラ配布体制に入る。」「四月八日 泣くも笑うも最後の一日。昨夜から全会員が徹夜で残された全ての号外を戸別配布。」どうです。いま私が見せたあのビラを徹夜で配布したと言っているじゃないですか。自白しているのですよ。全戸配布ですよ。そういうことを堂々と「京都決戦勝利の記録」、ドキュメントと言って自認しているのですよ。そんなことをほっておいていいのですか。一枚や二枚ちょっと配ったんじゃないのです。「泣くも笑うも最後の一日。昨夜から全会員が徹夜で残された全ての号外を戸別配布。」これは七日から八日にかけての真夜中から配られて、明け方にはほとんど配ってしまっておったのです。こういうことであるのに取り締まられないということになれば、もう公選法なんかなきに等しい。私はそう思います。
 そこで、時間の関係がありますから、次の質問に移りたいと思いますが、四月八日の午後七時三十分ごろ、三条河原町で杉村候補の、最後の街頭演説は八時までですから、打ち上げ演説会が行われました。そのときに、勝共連合の数百名の部隊がこの演説会の妨害をするために四条河原町から三条河原町に殺到いたしました。その件についても、選挙の自由妨害その他で告訴告発をしてあるはずでありますが、どういうように把握し、処置しておりますか。
○谷口説明員 お尋ねの事案につきましては、四月十六日付で京都府警に対しまして選挙の自由妨害罪に該当するのではないかということで告訴が出されておりまして、現在捜査中でございます。
 当該事案につきまして現場措置を申し上げますと、四月八日、選挙日の前日でございますけれども、午後七時四十分ごろ、京都市内の河原町三条付近におきまして、民主府政推進各界連絡会の街頭政談演説が行われるところへ、宣伝活動が終わって引き揚げる途中の国際勝共連合の宣伝カー二台が通りかかったわけであります。その際、各界連絡会の政治活動用自動車との間におきまして、マイクを通じましてお互いに批判めいたことを言い合いまして、双方が乱闘寸前になったという事案だと思うわけでございますけれども、この事案の現場措置につきましては、たまたま周辺におきまして、投票日前日の警戒に当たっておりました警察官がこれを現認いたしまして、直ちに双方に警告を発しまして、国際勝共連合の宣伝カーに乗車しておりました六名を所轄警察署まで同行を求めまして、いろいろ事情を聴取したところでございます。その後、先ほど申し上げましたように告訴が提出されましたので、引き続き捜査中ということでございます。
○正森委員 いまのあなたの答弁を聞いておると、一体選挙があったのやらなかったのやらわからぬですね。お互いに何やら批判めいたことを言うなんて言うておりますけれども、一方は選挙の候補者が定められた標旗を持って、いよいよ八時までしかできない演説をやっているのですよ。そこへ一方の宣伝カーが通りかかって、どういうことを話したか知っていますか。品川八に一四四一という車と石四四に一六六五という車がのろのろとあらわれて、ボリュームいっぱいで宮本人殺し、杉村人殺し、杉村人殺し、人殺し、人殺し、人殺し、こういうぐあいにしゃべって行っているんですよ。公職の候補者を人殺しだ、人殺しだと言ってしゃべっているんですよ。そんなのに対して反論するのはあたりまえじゃないですか。あなたはまた、宣伝カーだけがこういうことをやったように言ったけれども、そうじゃない。数百名の人間が杉村さんの最後の演説を聞こうとしている場所に殺到してこれを妨害しているのです。現に、ここに目撃者がおりますけれども、こう言っているのですよ。勝共連合の部隊は、四条河原にいたときに、民青が来たらこうして突き倒せと、肩を突き出したり、ひじを突き出したり、手や首を突き出したりのゼスチュアをリーダーが行って、公然たる敵意と対抗姿勢を示した。そして、あなたはいま、宣伝活動を終わった者が三条河原町へ行ったと言ったが、そうじゃない。初め勝共連合は四条河原町で最後の選挙運動が行なわれると思っておった。共産党もまた杉村さんも、そういうように四条河原町で行われるものだと思っておった。ところが、四条河原町を勝共連合の数百名が占拠したから、トラブルがあってはいけないというので、その直前に三条河原町に演説場所を変更されたようであります。そうすると、なかなか杉村さんが来ないということを知って、勝共連合の関係者は、各界連絡会のバッジをつけてビラを配布していた者の胸ぐらをつかんで、杉村はどこへ行った、どこで演説をするのだ、こう言って怒号して、聴衆が三条河原町の方へ流れていくのを見て三条河原町だということを知って、あの宮本委員長を誹謗した大看板を先頭に三条河原町に移転しておるのです。帰る道にたまたま行き当たったというようなものじゃないのです。そして聴衆の中に突入して体当たりや足げを食らわす、こういうことをやっているのですよ。そして杉村候補らの演説が終わると、リーダーが、八時半ごろ、市役所の前、本能寺会館入り口近くの公衆電話からいずこかへ電話をかけて、街頭演説を断絶させることができなかった、こういう電話をかけているのです。その電話の目撃者もちゃんとおるのです。ですから、彼らがまさに杉村候補の街頭演説をねらって、その最後の重要な演説を断絶するために行動したということは非常にはっきりしておる。現に、「日共はついに打ち上げ会場を三条河原に変更。」こういうことを四月八日のドキュメントに書いた上、との同じ新聞は、わざわざ週刊文春を引用して、自分の主張に合致しているんでしょう、こう言っている。「最終日。八日の午後七時半から八時にかけて三条河原町でくり展げられた民青と勝共連合の対決である。」云々と、「その集まりが最高潮に達しようとしたとき、勝共連合の若者たちが「人殺し宮本顕治」「宮本は網走へ帰れ!」などと大書きしたポンチ絵風の、畳二枚はあろうかという大きなプラカードを高く掲げて群衆のなかに突っ込んできた。」こういうように書いているのを得々と自分の機関紙に転載しているのです。このことから見ても、彼らが杉村氏の最後の演説を断絶させるために行動したということは非常にはっきりしているじゃないですか。あなた方は、そういう観点で、約三百名の部隊が宣伝カー以外にこういうことをやったということを承知しておりますか。現場に警察官はいたけれども、何らこれを規制しようとしなかった。なぜですか。そして現在はどういうぐあいに捜査していますか。
○谷口説明員 お答え申し上げます。
 先ほどもお答え申し上げましたとおり、河原町三条付近で若干トラブルがありまして、周辺にいました警察官が制止等をいたしまして、その後、国際勝共連合の宣伝カーに乗車しておりました六名に直ちに同行を求めましていろいろ事情聴取を行い、その後捜査を続行しておるところでございます。ただ、京都府警からの報告によりますと、当夜、河原町三条付近に数百名も出ておったということは報告に接しておりません。しかしながら、これも告訴されておりますけれども、四月二日の時点では、四条河原町で相当数の国際勝共連合の者が出て若干トラブルが起きかかったので、警戒に出ておりました警察官が制止して事なきを得たというような報告には接しております。いずれにいたしましても、この告訴案件につきましては、選挙の自由妨害罪はもとよりでございますけれども、その他の罰則適用があるかどうかにつきまして、総合的に判断しまして現在検討しておるということでございます。
○正森委員 四月二日にも同様な妨害が行われました。それは四条河原町においてであります。私が申し上げておる四月八日は三条河原町においてであります。その三条河原町では四条河原町から移動した約三百名ほどの部隊が群衆の中に突っ込んだ。これは目撃者もちゃんとおるわけであります。
 内訳を言いますと、河原町から河原町通りの西側を通って約五百メートル北方にある街頭演説会場に向けて移動を始めた者が約二百名。四条河原町を東へ行き、木屋町通りを通って三条木屋町から西に向け、街頭演説会場の後ろ側に回り込むような形で移動した者が約百名。これらが演説を平穏に聞こうとしておる者のところへ突っ込んだわけであります。そしてそれは聴衆やあるいは防衛の人たちによって阻止された。しかし、怒号し、殴りかかり、そして宣伝カー二台が、杉村人殺し、人殺し、こういうことを言う傍若無人なことをやったわけであります。それだけではない。これらの部隊が、杉村候補らの演説が終わると、市役所の前に部隊と宣伝カーを結集しております。二条堤に集結いたしました。
 この二条堤というのは河川敷で、ふだん自動車の進入が認められていないところではないのですか。
○谷口説明員 ただいま先生お話しになりました、二条堤に自動車が進入できへるかどうか、その交通規制は具体的にどうなっているかといった点については、私ちょっと存じ上げないので、失礼させていただきます。
○正森委員 わからなければ後で調べてください。われわれは調査してありますから、間違いありません。ふだんは自動車の進入が認められていないところであります。そこに宣伝カーを伴った部隊が進入し、そして集結しましたから、関係者が、あれはおかしいじゃないか、こう言ったら、川端署員はどう言ったか知っていますか。いま食事をとっている、終われば移動する、こう言って規制しないのですね。明らかにこれはこういう違法なことを行った部隊に対して休憩場所を警察が与えていることではありませんか。これらの部隊はゆっくりと警察公認のもとに休み、食事をとってどうしたか。彼らはその後で十時前後に林田候補の写真入りの自由新報を全部受け取って、受け取った者から次々に移動して、そしてあの「ドキュメント 京都決戦勝利の記録」でも明らかなように、それからまた夜を徹してこれをまいておるわけであります。自民党の別働隊ではないか。だから、京都府警がふだん市民の入れないところを休憩場所、食事場所として与えているんじゃないか。事実そうじゃないですか。
 私は加藤国家公安委員長に聞きたい。あなた方が鋭意捜査するとかなんとか言いながら煮え切らないのは、また選挙部長が私が実物を示しても抽象的な答えに終始して言を左右にして言わないのは、結局こういう傍若無人な連中が自民党の別働隊だからじゃないんですか。国家公安委員長が自民党の国会議員だから、遠慮して言えないんじゃないですか。それなら警察の不偏不党、公平中正はどこへいくんですか。そういうことでないというならないというように、公安委員長の責任ある答弁を求めたいと思います。
○加藤国務大臣 警察の現行制度は御承知のとおりでございまして、国家公安委員会は警察を管理はいたしますけれども、しかし、公安委員長は警察実務の最高責任者ではない組織になっておりますことは、御承知のとおりでございます。かような制度のございますことは、警察が特定の政党に偏るようなことがあってはならぬ、かようなたてまえのもとに現行制度ができておる、かように判断をいたしておるのでございまして、現在の警察は、自由民主党であれあるいは他の政党であれ、その政党の方に偏って取り締まりや指導を行う、かようなことは断じてない、かようにかたく信じております。
○正森委員 断じてないという、その言やよしでありますが、実態これに伴わずというのが京都の選挙を行ったすべての京町衆の考え方であります。
 私はさらに問題を伺いたいと思いますが、勝共連合は傍若無人の宣伝活動をいま先ほどの四月八日の一例を挙げたように行いましたが、それらの車について一、二伺いたいと思います。大阪三三ち四〇一八という車があります。ここに写真もちゃんと撮ってきましたが、違法なたれ幕をつけて傍若無人に走り回っております。われわれが警察に警告して、警察の目の前でこれを取らせたことがあります。一回りしてくるとまだつけておる。これの所有者は一体だれですか。調べるように言っておきましたね。
○谷口説明員 お答えいたします。
 大阪三三ち四〇一八の自動車の所有者につきまして、あらかじめ御連絡ございましたので、関係府県を通じまして目下調査中でございます。所有者の名前はわかっておりますけれども、ここでやはり答弁いたすかどうか……(正森委員「そんなことがなぜ言えないんですか」と呼ぶ)これは確認されたわけでございませんけれども、関係府県の連絡によりますと、大阪市生野区鶴橋一の六の二十九、ハヤシヨシウエさんの車だということでございます。
○正森委員 私は委員長にお願いしたいのですが、ここに登録事項等証明書という、自動車についてだれでも、東京都なら東京都へ行けばもらえる登録証明を持っているのです。それには全部書いてあるんですね。そんなことまで言うのを渋るんですね。一体国政調査権を持っておる国会を何と心得ておる。しかも私はあらかじめ調べておきなさいと言ったのについてさえこれであります。私は事前に登録事項等証明書と取っておきましたが、これは実物を見ていただいたらわかりますように、電子計算機か何かにぶち込んでありますから、全部かたかなで出てまいります。
 そこで、ハヤシヨシウエ、こうなっておりますが、実際は林吉植と言うのです。韓国人であります。私は大阪で関係者に調べてもらいました。そうすると、政治資金規正法の二十二条の五では、どのような政治団体も外国人や外国法人から政治資金を受領してはならない、こういうぐあいになっております。自動車の提供という便宜供与を受けるというのは、これはある意味ではお金の提供を受けることと同じであると言わなければなりません。それについてどういうぐあいに届け出ておりますか。
○佐藤(順)政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、届け出というお尋ねがございましたけれども、まだ私どもそれは承知しておりません。恐らく政治資金規正法の規定に基づく政治団体の収支報告の届けのことかと存じますが、その点についてはこの席で突然のお尋ねでございますので、まだ承知しておりません。
○正森委員 それでは、私は宿題として残しておきたいと思います。私どもの調べでは、電子計算機ではハヤシヨシウエになっておりますけれども、林吉植という韓国人である。その韓国人の車を政治団体として使っておるときに正当な対価を払っていないということになれば、これは政治資金規正法二十二条の五に該当するおそれは非常に強い、こう思います。その点について私はしかるべき厳正な捜査をすべきであるというように思いますが、いかがですか。
○佐藤(順)政府委員 先にこの関係の法律関係を申し上げます。
○正森委員 時間がないからもういいです。
 同様に、このときにいろいろ自動車が動きましたが、品川二二さ九五七、石四四に一六六三、品川八に一七四一、これは勝共連合が宣伝カーとしてこの選挙で使用した車ですか、京都で。
○谷口説明員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘がありました二台の車につきましては、品川二二さ九五七につきましては三月二十日、それから品川八に一七四一の車につきましては四月四日、それぞれ五条警察署に対しまして道路使用の許可申請が出されております。申請者はいずれも国際勝共連合の者でございます。
○正森委員 ところが、私どもが登録事項等証明書を取ってみますと、品川八に一七四一の所有者の氏名は世界基督教統一神霊協会であります。品川二二さ九五七は宗教法人世界基督教統一神霊協会が使用者の氏名、名称であります。石四四に一六六三は宗教法人世界基督教統一神霊協会が使用者の氏名と名称であります。ということは、いろいろ使い分けをしておりましても、勝共連合と統一神霊協会というのは裏表なんだ、一体となってこういう活動を繰り広げておるんだということが非常にはっきりしてくるというように言わなければならない、私はこう考えるわけであります。このことは非常に重要な意味を持っておる、私はこう思うのです。先ほどの大阪の車が統一教会に属する韓国人の車であるということになりますと、これはわが国の選挙に関して外国人が、実際上京都では選挙になったわけですけれども、一定の影響を及ぼしておるということになりますし、また統一教会やあるいは勝共連合というのがもともとは韓国から来たものであるというような点からして、わが国の自主性を守る上で非常に大きな関係があるというように思います。
 神戸で五十二年一月二十一日に、石井光治という勝共連合やあるいは統一神霊協会の役職者がある事件で判決を受けました。その判決の中で、時間がございませんから多く読み上げませんけれども、裁判所自体もこういう認定をしておるんですね。勝共連合は「その思想と活動方針の発祥地は韓国であること、従って、統一協会と勝共連合は、団体としては別個のものではあるが、思想的には相連結するところがあって、統一協会の代表役員(会長)である久保木修巳が、同時に勝共連合の会長の地位に就き、前記のように被告人石井が統一協会と勝共連合の渉外、財務の職責を兼ねて担当し、」云々というように判示されておるんですね。あるいは別のところではこういうように言っているんです。「以上の日韓諸団体間に、おおむね前記の教義や思想面については韓国側が指導的立場に、その宗教的、政治的及び事業上の活動の資金面では日本側が支援的立場に立つような相互関係が維持されてきたものとうかがわれる。」こう裁判所も言っているわけであります。つまり、勝共連合や統一教会というのは、いろいろ言いましてもその思想的な面については韓国が指導的立場に立っており、財政的な面で日本側がこれを援助する立場に立っているということは、判決もその一部で認めているところであります。
 そこで、私は大臣に伺いたいと思いますが、大臣はわが憲法の主権在民や国家主権を当然遵守すべきであると思いますが、いかがですか。また、国際連合はすべての加盟国が主権平等の原則を基礎に置いておるということを二条の一項で言っておりますが、これは当然のことだと思いますがいかがですか。
○加藤国務大臣 憲法はただいま御指摘がございましたような条章を設けていることをよく承知をいたしており、この考え方は当然遵重されなければならぬ、かように思います。
○正森委員 そこで、私は大臣に伺いたいと思いますが、大臣はそういう主権を守らなければならない、各国は平等であるというような考え方からして、日本も含めたすべての民族は韓国語を使用せざるを得なくなるというような考えには賛成ですか、反対ですか。
○加藤国務大臣 日本人は日本語を持っておるのでありまして、いまさら外国語云々なんというような議論はあり得ない、かように私は思います。
○正森委員 世界は韓国を中心として吸収融合されるというような考え方には賛成ですか、反対ですか。
○加藤国務大臣 ただいまの御指摘の吸収融合と申します意味が明確にわからなかったのでありますが、どういう意味でしょうか。
○正森委員 吸収とは物事を吸い取るということです。
○加藤国務大臣 わが国は独立国家であり、独立を守ってまいるのが当然のことであります。
○正森委員 日本の産業や経済を韓国に結納として納めるべきであるという考えには賛成ですか、反対ですか。
○加藤国務大臣 さようなことはあり得ないと思います。
○正森委員 当然であります。
 韓国を守るため日本の生活水準を三分の一に減らし、税金を四倍、五倍にしても軍事力を増強しなければならないという考えには賛成ですか、反対ですか。
○加藤国務大臣 私は、国を守ってまいりまする体制は必要であることを強く考えておりますけれども、これは憲法の範囲内においてのことであることは当然であります。
○正森委員 ところが、非常に残念なことに、私はまじめに加藤国家公安委員長、自治大臣に考えていただきたいと思うのですが、先ほど来私は、自動車も統一神霊協会の所有あるいは使用であるものを勝共連合が使っている。この二つの団体の関係については、判決も非常に密接な関係があるということを指摘していると言いましたが、いま言いました三つないし四つの問題については、統一教会は「原理講論」という教義についての原典的なものを持っております。その韓国語の原本によりますと――これは日本語で使用されているものにはわざと翻訳されなかったりあいまいにされている部分がありますが、韓国で使用されているものを見ますと、こういうことが書いてあるのです。「有史以来、全世界にわたって発達してきた宗教と科学、即ち、精神文明と物質文明とは韓国を中心として、みな一つの真理のもとに吸収融合され、神が望まれる理想世界のものとして結実しなければならないのである。」あるいは「あらゆる民族の言語が、一つに統一されなければならないのである。それでは、その言語はどの国の言語で統一されるであろうか?その問いに対する答えは明白である。子供は父母の言葉を学ぶのがならわしであるからである。人類の父母となられたイエスが韓国に再臨されることが事実であるならば、その方は間違いなく韓国語を使われるであろうから、韓国語はまさに祖国語となるであろう。したがってすべての民族はこの祖国語を使用せざるをえなくなるであろう。」こう言っているのです。これが統一教会であり、勝共連合であり、こういう連中が京都でわがもの顔にわが国の選挙法を無視して暴れ回っているわけであります。私は、こんなことは絶対に許されてはならないというように考えるものであります。
 また、同じ統一教会の関係者の奏道臣というのが「アジアに希望の陽が昇る」という本を書いておりまして、「日本史にみる予言の原理」という副題がついております。この中ですこぶる珍妙なことを言っておりますが、御参考までに大臣に指摘したい。
 その七百四ページには「女性日本と男性韓国の婚姻」という題で書かれてありまして、その中ではこう言っているのです「一四〇〇年の歴史において、幾度か外圧をもろに受けながらも、日蓮・竜馬のような愛国的義人が突如輩出され、彼らの涙と血によってその外圧を押し返し属邦化を奇蹟的にまぬがれてきたのである。」日本のことですね。「女性であれば、生娘、貞操を固く守られてきた処女に喩えられよう。だがその女性も年頃に成長したのである。多くの男性が求婚してきている。その求婚の本命こそ、男性韓国なのである心韓国という国は、世界の奇観である。実にイスラエルと酷似した国なのである。北韓の首府ピョンヤンは、東洋のエルサレムといわれるほどに、その霊的雰囲気の高さ、街並の様相が、エルサレムとそっくりといわれる。筆者も、一年程前に韓国を訪問したことがあるが、日本人とは性格がかなり異なるようである。」云々というようなことを書きまして、「男性韓国が、真理の国ということができるとすれば、女性日本は産業の国といえるのではなかろうか。深遠な真理をもって語りかけてくる男性に、女性は何をもって返答をするであろうか。婚姻の約束が成った後は、仲人を立て、調度品を将来の夫のもとに納める習いがあるではないか。日本は、二十年間の驚異的な産業の発展を有している。この産業・経済を男性韓国へ結納として収める歴史的必然性がある。」いいですか。こういう荒唐無稽なことを言っているのが統一教会であり、勝共連合であります。
 あるいはまた、その「世界思想」という一九七六年十一月号の雑誌には、いま言いました「日本においても軍事力の増強は絶対に必要であります。生活水準を三分の一に減らし、税金を四倍、五倍にしてでも、軍事力を増強してゆかなければなりません。それに、日本を守るということだけでなくて、韓国をも守らなければなりません。」こういうことを書いているのです。
 私は幸いにして加藤大臣かこういう考え方には反対であるということをあらかじめお聞きしました。当然のこととして、こういうことを言う統一神霊協会や勝共連合のたぐいには、こういう議論をする限りにおいては反対であるということを大臣は言われたことになると思うのであります。ところが、きわめて遺憾なことに、大臣は、一九七二年に世界勝共力会、WACLというのが東京で開かれましたが、その大会に知事の当時に祝電、メッセージを打っておられるではありませんか。
○加藤国務大臣 ただいま御指摘のございました年度当時、私は岡山県で知事をいたしたことは事実でございますけれども、メッセージを打ちました記憶はございません。
○正森委員 私はここに国際勝共新聞の一九七二年五月七日号を持っております。これには「四・二五世界勝共大会 響きわたった勝利の凱歌」というぶち抜きの記事が載っております。この日の新聞の記事を見ますと、その第五面に「祝賀メッセージをお寄せ下さった方々」こういうことで、原健三郎さん、塩川正十郎さん、荒舩清十郎さん等が並んでおりますが、その中に加藤武徳岡山県知事、こうなっおります。当時の国際勝共新聞、いまの思想新聞でありますが、はっきりと大臣がメッセージを出しておるということが載っておるのです。私は、いま挙げたようなこと、及び大臣がそれらの考えには反対であるということを言われておるところから見ますと――この世界勝共大会というのは勝共連合が主催した大会であり、その実行委員長は会長である久保木修巳であります。ここに実行委員長のあいさつも載っております。こういうものに軽々しく祝賀メッセージを出すなどという政治家は、日本人としてでも非常に軽率ではありませんか。こういうことをなさるから、今度の知事選挙でもあれほど傍若無人、わが国の国法に違反しておるにもかかわらず、十分取り締まりが行われないのではないですか。
○加藤国務大臣 私は統一神霊協会のことを詳しく知っておりませず、ただいま御指摘がありましたような思想背景があるということもつまびらかには承知をいたしておりません。がしかし、勝共連合につきましては、私の部屋にも何人か勝共連合の方が訪ねてまいりましていろいろ話をいたしたのを聞いた記憶はございますけれども、共産主義体制はよろしくない、かような基本の考え方を持っており、その考えには私は賛成でございます。
 ただし、ただいま御指摘のございましたような、一九七二年に私がメッセージを打ったという、さような記憶は先ほど申しましたようにございません。
○正森委員 私は共産党・革新共同所属の議員であり、もちろん共産主義者であります。しかし、それに反対する自由主義者あるいは社会民主主義者、そういう方がおられるのは当然でありますし、そういうことで他の人々の考え方をとやかく申そうとは毛頭思っておりません。大臣が勝共とか反共とかということに御賛成であるならば、それも結構であります。けれども、反共であれば何でもいいというものではないでしょう。反共であれば何でもいいのなら、ヒトラーもいいし、ムッソリーニもいいし、東条もよかったし、戦争中の軍閥も治安維持法も全部よかったことになるのです。そこにはけじめというものがなければなりません。この勝共連合や統一神霊協会というのは、ただ単なる勝共や反共ではなしに、私がいま読みましたように、韓国語は世界語になるだろう、日本語に取ってかわるだろう、日本は産業や経済を韓国に結納として納める女性国家なんだ、生活水準を三分の一に切り下げても韓国のために軍備を増強すべきだ、こんなことを言っている団体なんです。そういう団体に軽々しくメッセージを送るというのは、非常に軽率ではありませんか。ですから、もし送ったことがないのに勝共連合の機関紙がメッセージをいただいた方として麗々しくあなたの名前を挙げているならば、そういうことはないといって取り消しを求められるなり抗議をされるのが当然ではありませんか。それが政治家としての責務ではありませんか。
○加藤国務大臣 すでに数年前のことでございまして、私は全く記憶がないのでございます。しかし、勝共連合の考え方それ自体には私は賛意を表すべき点がある、かような考え方を持っています。しかし、重ねて申しますけれども、だからといって大会にメッセージを打電をいたした、かような記憶はございません。
○正森委員 打電した記憶がないならば、私は、こういうことを言っている団体なんだから、政治家としてけじめをはっきりされるべきであるということを加藤国家公安委員長、自治大臣に要請したいと思います。
 時間が参りましたので、私は質問を終わるに当たって最後に、この統一神霊協会というのは、文鮮明という韓国人をイエスの再臨である、われわれのお父様である、救い主であると考えている団体であります。この文鮮明が一九七四年五月七日、帝国ホテルで「希望の日晩餐会」というのを行いました。そのときに「為に生きる」と題して講演したものが載っております。この中でこういうことを言っているということを大臣に申し上げておきたい。
 長いものですから、いろいろ読むとおもしろいのですけれども、省略いたします。
  それで私がニクソン大統領に会って申しましたのは「三月中旬から四月末までしのぎきった場合には全てが解決する」ということです。
この時分、ニクソンはウオーターゲート事件で非常に苦境に立っておったのです。
 全て正しい立場にあって国民の先頭に立って、或いは自分が誤まった場合には、それを悔い改め、国家の危機におきまして、これは勇気をもって乗り越えなければ、アメリカは救われません。そういうような事を言う人が、一人もいなかったらしいんですね。こういうふうに、アメリカの一番むずかしい所を我々が責任を持つ。これのためには人がいない。人数がいない。アメリカでは統一教会のメンバーが何千人もいないのです。そのメンバーでアメリカを動かすことはできない。それで各国から十一カ月から若い青年達を千名近く緊急動員したのであります。それが今になって非常に問題になってきております。これはもう今から宣伝になってイミグレーションで問題になってきております。統一教会でやっていることはすばらしい。その青年は、日本ばかりでなく、アメリカにおいても頼もしい。しかし、法的な目から見た場合には、これは旅行ビザで、献金活動とか商売とかはできないようになっています。しかし、これは法的にひっかかってもアメリカの為に、アメリカの国民以上に先頭に立ったとするならば、神の法はひっかかりません。
  冒険をやる、こういうような活動をして、非常な問題を起こしてきたのも、結局は、全てアメリカの為に存在し、あるいは生きる為です。全てを捧げ全てをかける、こういう観点から今、世界の若き者達が活動をするのであります。
こう言っているのです。
 これはどういうことかというと、ニクソンが苦境に立ったときに、事もあろうによその国へ出かけていって、アメリカでだけもやる人がないから神霊協会のわれわれがやってやるんだ、こういうことで観光で中へ入ったのです。そしてニンジンを売ってみたりいろいろして商売をやっておる。それはアメリカに入国するときのビザの条件に明らかに反するわけであります。ですから、不法滞在であるというて退去命令が出ました。それに対して、これは法的な目から見た場合にはひっかかるかもしれないけれども、神の法にはひっかからないのだ、こういうように言うているのです。統一神霊協会の連中はこういう考え方なんです。日本の法にはひっかかっても神の法にはひっかからない、お父様文鮮明にほめてもらえる、だから、京都で選挙違反をやって、共産党をやっつけろ、警察もまあまあ鋭意捜査をしているけれども大したことはしない、そういう考えでやっているのです。国家公安委員長はこういう団体とはまさに一線を画さなければならないのじゃないですか。ほかの大臣ならいざ知らず、日本の法律を守るという立場にある国家公安委員長は、あるいは法務大臣というような立場の人は、こういう団体に一線をぴしゃっと画すということでなければ、わが国の法秩序は維持できないのじゃないですか。いま、成田空港問題だとか、あるいは場合によってはあなた方は弁護人抜き裁判法とか、いろいろなものを出してきている。ところが一方では、法にひっかかっても神の法にはひっかからないとほめたたえているような人物、それに対して福田内閣総理大臣は当時、大蔵大臣のときに、アジアに偉大な指導者あらわる、その名は文鮮明、このことを私は聞いて久しいのでございますが、きょうは結構なお話を聞いて本当にいい日だったな、うれしくてうれしくて仕方がないと言って抱き合っているのであります。こんなことでわが国の法が守れますか。私はそれについて、政治家としての加藤国家公安委員長の所信を聞きたいと思います。
○加藤国務大臣 私は、さっきも申しましたように、統一神霊協会の内容等につきましては全く知らないのでありますけれども、かつまた、勝共連合がただいま御指摘をされたような本を出しておることも承知をいたしておりません。しかし、少なくともいま御指摘のありましたような点で、法律に神の道と人の道が分かれ、そして、法には背いても神の道に背かなければ、かような考え方は許さるべきことではないのでありまして、当然法は守らなければならぬし、警察もまた厳正公平に対処してまいる、これが基本の考え方であります。
○正森委員 時間が参りましたので、これでやめさせていただきますが、私はごく一端を指摘しましたけれども、いやしくもわが祖国日本の中でこういう統一教会や勝共連合がわがもの顔に振る舞い、しかもわが国の公選法に違反してわがもの顔に振る舞うことを許しておったならば、それは短期的には与党にとって有利なことがあろうとも、大局的にはわが国の尊厳を汚し、わが国の主権を失うことにつながるものであり、日本国民の利益には絶対にならない、こういうことをはっきりと考えられることが政治家にとって非常に大切だと思います。特に、内閣としてはきわめて重大である、こう思います。そういう観点から警察庁が、私が指摘した幾つかの点について厳正な、公正な捜査をして、処断すべきは断固として処断することを求めて、私の質問を終わらせていただきます。
○木村委員長 次回は、来る八日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時五十三分散会