第084回国会 外務委員会 第22号
昭和五十三年六月二日(金曜日)
    午前十時三十六分開議
 出席委員
   委員長 永田 亮一君
   理事 大坪健一郎君 理事 奥田 敬和君
   理事 塩崎  潤君 理事 井上 一成君
   理事 土井たか子君 理事 渡部 一郎君
   理事 渡辺  朗君
      稲垣 実男君    川田 正則君
      鯨岡 兵輔君    小坂善太郎君
      佐野 嘉吉君    竹内 黎一君
      中山 正暉君    河上 民雄君
      中川 嘉美君    寺前  巖君
      伊藤 公介君    楢崎弥之助君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 園田  直君
 出席政府委員
        外務省アジア局
        長       中江 要介君
        外務省経済局長 手島れい志君
 委員外の出席者
        外務省経済局外
        務参事官    羽澄 光彦君
        外務省条約局外
        務参事官    山田 中正君
        外務省国際連合
        局外務参事官  小林 俊二君
        農林省食品流通
        局砂糖類課長  馬場久萬男君
        外務委員会調査
        室長      高杉 幹二君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月一日
 辞任         補欠選任
  川田 正則君     木村 武雄君
  中山 正暉君     前尾繁三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 武雄君     川田 正則君
  前尾繁三郎君     中山 正暉君
    ―――――――――――――
五月三十一日
 千九百七十七年の国際砂糖協定の締結について
 承認を求めるの件(条約第一五号)(参議院送
 付)
同日
 看護職員条約の批准等に関する請願(加藤紘一
 君紹介)(第五四五四号)
 同(青山丘君紹介)(第五四八一号)
 同(池端清一君紹介)(第五四八二号)
 同(石野久男君紹介)(第五四八三号)
 同(石橋政嗣君紹介)(第五四八四号)
 同(小川国彦君紹介)(第五四八五号)
 同(小川仁一君紹介)(第五四八六号)
 同(大島弘君紹介)(第五四八七号)
 同(大原亨君紹介)(第五四八八号)
 同(川口大助君紹介)(第五四八九号)
 同外一件(川俣健二郎君紹介)(第五四九〇
 号)
 同(木原実君紹介)(第五四九一号)
 同(受田新吉君紹介)(第五五三六号)
 同(大内啓伍君紹介)(第五五三七号)
 同(河村勝君紹介)(第五五三八号)
 同(神田厚君紹介)(第五五三九号)
 同外四百四件(関谷勝嗣君紹介)(第五五四〇
 号)
 同(西田八郎君紹介)(第五五四一号)
 同(和田耕作君紹介)(第五五四二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 千九百七十七年の国際砂糖協定の締結について
 承認を求めるの件(条約第一五号)(参議院送
 付)
     ――――◇―――――
○永田委員長 これより会議を開きます。
 千九百七十七年の国際砂糖協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 政府より提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣園田直君。
    ―――――――――――――
千九百七十七年の国際砂糖協定の締結について承認を求めるの件
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○園田国務大臣 ただいま議題となりました千九百七十七年の国際砂糖協定の締結について承認を求める件につきまして提案理由を御説明いたします。
 この協定は、千九百六十八年の国際砂糖協定を受け継ぐものとして、一九七七年四月から五月まで及び同年九月から十月までの二回にわたりジュネーブで開催された国際連合砂糖会議において採択されたものであり、同時に、一九七六年五月にナイロビで開催された第四回国連貿易開発会議における一次産品総合プログラムの採択の後最初に作成された国際商品協定としての意義をあわせ有するものであります。
 この協定は、大綱において千九百六十八年の国際砂糖協定を踏襲するとともに、現状に即した改正が行われております。すなわち、各加盟輸出国に対し輸出割り当てを配分し、また、特別在庫保有義務を課するとともに、糖価の動向に応じてそめ増減操作を行うことにより、砂糖の価格及び供給の安定を図ることを主たる目的としております。また、自由市場において取引される砂糖について徴収される拠金より成る特別在庫融資基金を新設することについても規定しております。なお、基金に関する規定は、本年七月一日から効力を生ずることとなっております。
 一九五三年以来の国際砂糖協定に参加してきたわが国が、引き続き千九百七十七年の国際砂糖協定に参加いたしますことは、砂糖の価格及び供給の安定を確保する見地からも、また、砂糖の輸出所得に大きく依存する開発途上国の経済発展に協力する積極的な姿勢を示す意味からもきわめて望ましいものと考えられます。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
○永田委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○永田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。
○井上(一)委員 ただいま提案になりました国際砂糖協定の質問に入る前に、私、まず冒頭に、せんだっての国連軍縮会議に御出席になり、わが国の平和に対する希望を大変率直に表明された園田外務大臣に、心からその労をねぎらいたいと思います。大変御苦労さんでございました。
 とりわけ外務大臣は、誇り高き憲法というわが国の平和憲法を先頭に、非核三原則を国是とするのだ、そしてまた、軍事大国に絶対にならないのだという、世界で唯一の被爆国家としての平和に寄せる強い熱意を表明されてこられたわけであります。忘れられない八月六日のあの痛ましい日を軍縮の日に提唱するなり、それ相当な提案もなさってこられたわけでありますけれども、あくまでも日本国民の総意を代表して、国連の場で核廃絶を目指しての軍縮に一定の表明をされたことについては、私も正しい姿勢であるということを高く評価しておきたいと思います。
 その国連軍縮会議に出席をされた外務大臣は、世界の各国がわが国の意思表示に対してどのように受けとめたと理解するのか、あるいは何人かの代表の方とお話しになられて、わが国の意をどのように理解をしていただけたか、また、そのことが今後どのように実を結ぶことにつながっていくのか、外務大臣からひとつ、できるだけ具体的に、その御所見なりを御説明いただきたいと思うわけであります。
 それから、その中でとりわけ軍縮交渉の、中国、フランスに対する呼びかけをなされておるわけであります。その具体的な方策、中国なりフランスがその会議に参加できるような具体的な方策をお持ちであるのかどうか。いわゆるジュネーブ軍縮委員会の米ソ共同議長制を改めてもよいというお考えを持っていらっしゃるのか。そしてまた、新しい第三世界諸国を含めた新機構をつくることに日本はどのような考えを持っていらっしゃるのか。もう少しその点について、ジュネーブの軍縮委員会の改組の問題に対するわが国の考えをひとつお聞かせいただきたい、このように思います。
 三点目に、外務大臣はその演説の中で適切な条件を整えている地域に非核武装地帯を設置することを提唱なさっていらっしゃるわけです。このことについて、場所は具体的にどこなのか、適切な条件とは具体的に何なのか、ひとつこの点を明確にしていただきたいと思います。
 さらに、核不使用の問題についても、外務大臣は二度と使わないのだということを非常に強調をなされてこられました。ひとつその真意もさらにここでお聞かせをいただければありがたい、こういうふうに思います。
 とりわけ三点目に申し上げました非核武装地帯の設定について、いわゆるわが国を含めたアジア地域にそのような具体的な地域設定をするための準備、あるいはでき得るような情勢にするためのわが国の外交努力というものがあろうかと思います。そのことについてもひとつ十分外務大臣のお考えを率直にお聞かせをいただきたい、このように思うわけであります。
 あくまでも軍縮会議での非常に熱意あふるる外務大臣の演説を、ただあの場だけの演説として済ますことなく、国内にこの外務大臣の平和に寄せる情熱をさらに推し広げていただくことが必要である、このようにも私は理解をするわけであります。われわれもそのことについては相協力しながら、日本の平和建設、平和主義に徹するという方針をより明確に国民に訴えていきたい、このように思います。
 冒頭に取りまとめてひとつ外務大臣からお答えをいただきたいと思います。
○園田国務大臣 お答えをする前に一言ごあいさつをすることをお許しを願いたいと存じます。
 今般の軍縮特別総会は歴史上初めてのことでありますが、これに出席する私に対して、具体的に与野党の委員各位が、それぞれ非常に貴重な御指導を賜り御援助いただいたことを厚く心から御礼を申し上げます。私、向こうに参りましてから、短時間ではありましたが、演説以外に、出席の各国の指導者とはできるだけ接触を保って帰りましたが、国会の都合で早期に引き返してまいりました。長い間御指導を賜った外務委員会でありますから、私の記念すべき軍縮総会に出席してきた御報告を、まず外務委員会でしたいという念願でございましたが、国会の都合上、参議院の商工委員会にきのう呼ばれましたので、この点はまことに、皆様方に心の中で一番先に報告したかったなという気持ちがあったことをおわび申し上げて、御礼、ごあいさつを申し上げます。この演説の中で皆さん方から御指導賜ったことはことごとく私は主張して帰ったつもりでございます。ありがとうございました。
 次に、お答えをいたしますが、今度の軍縮総会の私の演説は、第一は日本の立場を明確に宣明することであります。戦争をしないという人類の先覚者としての名誉ある憲法を持ち、そのもとにすべての方針が決められておる。非核三原則、いかなる場合にも軍事大国にはならない、そしてあくまで平和に徹していかなる国とも平和な外交を進めていく、しかも今後とも断じてその道に日本はもとることはないということを強く主張したのが第一点であります。
 それから第二番目には、いままでは、安全の問題にいたしましてもその他の問題にいたしましても、現実というものが先に立って、現実がこうであるから理想は訴えられないという立場、これを変えまして、現実はこうではあるが、理想はこうであるから社会の必然性に向かって努力すべきである、日本もそうなければならぬ、こういうことを主張してまいりました。
 次には、今度の軍縮総会の結果は、ある決議とか協定とか、こういうものが出されて結末をつける見通しはなくて、最後は共同コミュニケみたいなものを出して、その中で各国の主張の中から多数の者が同意すべきものを抜き出してこれに明記をして、そして共同声明みたいなものを出す、これを基礎にして将来また軍縮特別総会を二回、三回と開いて、具体的に段階的に進めていく、こういうことが大体見通しでございますので、私はあらゆる問題について発言もし、それについてわが国の意向を明確にしたわけであります。たとえば核不使用協定についても、使ってはならぬ、使わしてはならぬと訴え、将来不使用協定の問題が出てきたときには、言い出した本人がこれに棄権をしたり反対はできないとするという、すべて社会の必然性に向かって、日本外交のもとへ戻れないようなみぞを敷いてきたことであると考えております。
 非力でありまして、十分訴えることはできませんでしたが、少なくとも終わった後、米国及びソ連の代表から、日本が固有の国の名前を挙げて要請をしたり、あるいはこういうことは注意しろと言ったのは初めてだ、ああいうことはいいことだ、やはりあれぐらいのことはこれからびしびし言ってもいいぞという激励を受けたことや、それから、アフリカ、非同盟その他小さい国々の方々から、内容は別として、よく言ってくれたということ。
 それからもう一つ、どうしても報告しなければならぬことは、御承知のごとく五百三十名の民間団体が今度行っておられたわけでありますが、これについては私は非常な懸念をいたしました。第一には、思想、主義主張、活動方針に非常に相違のある団体の集合でありまして、しかもこれが一本に統制をすべき機関がなくて、みんなが行かれたわけであります。混乱を起こしたり、あるいは活動手段が適切ではなくて、米国の国民にいやな感じ、反米闘争、あるいは米国のいやなことをつついている、こういう感じを与えてはいかぬと思っておりました。懇談会を通して、国外へ行ったら足並みをそろえてやりましょう、帰ってきたらまたお互いにやり合いましょう、こう言ったわけであります。向こうへ行きましてからも、すぐこの民間団体の方と会って懇談会をやったわけでありますが、このような状態にもかかわらず、民間団体の方は、出先の公館がよく世話をやいてくれる、こうおっしゃるし、また出先の公館は、民間団体五百三十名が一つの指揮者なしに足並みが実にそろって、それで単独行動ではなくて一米国その他の国々の原爆禁止の団体と足踏みをそろえてまじめに整々として訴えられた。これは非常に好評でありまして、日本の立場を非常に盛り上げてもらった。国連の事務総長、議長等もこれにまじめに受け答えをしてくれた。アメリカのヤングという有名な大使は、この団体の訴えを聞いて涙を流して、ワシントンに早速電報を打って、こういう人々の声をアメリカは聞かなければならぬという意味の意見具申をしたという話さえ承っております。
 こういうことで、政府と、行かれた民間団体の足並みがそろったということは今度が初めてではなかろうか。いろいろ足らない点あるいは具体性を欠く点等がありますけれども、そういう意味で私は、皆さん方から御指導賜った点は一つ残さず主張してきた、こういう点で効果があったのじゃないか、このように考えております。
 次に、非核武装地帯の設定。私は、これも具体的には言わずに、環境の整ったところからそういう地帯を設けて、その地帯を逐次広げていって、核がこの世界で使用されないようにしようという訴えをいたしたわけでありますが、その条件等は、今後、関係者の国々とそれぞれ機会あるごとに、あるいはASEANの外相会議あるいはECとの会議等々で具体的に話を進め、合意を進め、具体的に次の総会でこれが進められるようにしたいと思っております。
 大体条件として考えますると、第一は、核兵器国も含んですべての関係国の合意ができること、特に核を持った二大国のイニシアチブではなくて域内諸国のイニシアチブをもってやること。二番目は、当該地域のみならず、世界の平和と安全にマイナスの影響を及ぼさないことが大事である。三番目には、有効な検証手段を伴うこと。次には、公海における航行の自由を含む国際法の諸原則に合致すること。次には、北東アジア地域においては非核武装地帯を設置するための条件は、現在のところでは整っておりませんが、だんだん整ってくるんじゃなかろうか。そういう条件を考えつつ関係諸国と具体的に今後話を進めていきたいと考えております。
 それから次には、核不使用の問題でありますが、これも先ほど申し上げましたとおり、使ってはならぬ、使わしてはならぬということで、将来この問題が協定または取り決めの場が出てきた場合に対してみぞをあけてきた、こういうことであると思います。
 なおまた、出る前にいろいろ御質問をいただきました各国の指導者とは全部会いましたが、中国の黄華外相とも、両方から相談し合って、一遍お会いしましょう、すでに交渉は始まったわけでありますから政治上の話は一切抜きにしてと言ったら、向こうも、そのつもりである、しかし日本の外務大臣なかなか忙しいようだから、あなたが幸い招待してくれているから、それに自分は出席するからということで、黄華外相の演説終了直後、国連の事務総長、議長及び各国の外務大臣、大使等を招待したわけでありますが、いろいろあって、私の招待でありますから、私の左わきに外務大臣の席を設けまして、午さん会ではありますが、十分両方の友好的な気持ちの交換ができたと非常に喜んでおるわけであります。
 まず、会ったときに、私とあなたが会って、一番最初の出合いのときにどういう顔をするかということを日本の国民はみんな関心を持って見ているから、カメラの方を向いてにっこりしよう、こういうことで、両方からにっこりして写真を撮ったことから始まったわけであります。そしていろいろ健康の話とかありましたが、まあ日本と中国は近いだけに、大事なだけに、いろいろ問題もあるけれども、大局的に考えて仲よくやりましょう、こういう話をしましたら、向こうは、健康は大丈夫か、あなたの健康を非常に心配している、健闘してください、こうおっしゃるから、北京の友人から送られた北京製のロイアルゼリーを飲んでいるから大丈夫だ、こう言ったら、向こうはおなかを抱えて笑っておりました。ただ、政治的なほのかな感じと言えば、いつごろ北京にお帰りになりますか、私もなかなか日程が詰まっておるんだ、あなたはどうですかと言ったら、十六日まではいろいろ回って帰る。それでは六月過ぎて七月になったらいかがですか、こう言ったら、私も日程が詰まっていろいろあるけれども、そういう時期にほかのものを無理して北京におろうと思えば北京滞在の可能性はあるから、こういうことで握手をして別れてきたわけでございます。
 以上、簡単ではございますが御報告をいたします。
○井上(一)委員 現実の上に立って理想を求めて努力をしていくという大臣の熱意は、毎々私なりに評価をしておるわけであります。
 それで、いまお話がありました核の不使用の問題については、いまのお話からすれば、いわゆるそういう不使用宣言なりあるいは不使用についての協定等が持ち上がった場合に、わが国は棄権もしなければ反対もしない、それのための今回の、二度と使ってはいけないのだという表現にはなっておるけれども、真意というものはそこにあるのだというふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○園田国務大臣 私のねらいはそこにあるわけでございます。
○井上(一)委員 さらに、現実の問題としてはまだその条件には達していないというお話があったわけでありますけれども、わが国を含めた北東アジア地域に対して、いわゆる適切な条件を整えるために、非核武装地帯を設置するために今後努力するというふうに、私はお話の中で受けとめたわけでありますけれども、これもまた、わが国を含めた北東アジア地域に非核武装地帯を設定するための外交努力をするという熱意を持っていらっしゃるというふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○園田国務大臣 わが国はアメリカの核の傘下に安全を保っているわけでありますから、非常に複雑なようでありますけれども、しかし核の傘下にあるということは、抑止力による平和を願っているわけでありまして、平和への一つの手段であります。核の傘下にあるからといって、そういう理想に向かえないことはないはずでありまして、その手段を乗り越えて、核の傘下になくとも日本と米国が提携していけるような平和な社会をつくることがわれわれの本当の念願であって、そこまでいけば与野党の外交の対立はない、少なくとも外交ということについては、手段は与野党差があっても、目標に向かっては一本であるべきが本当の外交である、私はこのように信じ込んでおります。
○井上(一)委員 核の傘下に位置しなくても平和が維持されることこそ真の平和である、そういう状態を与野党が一致して求めていくべきであるというふうに外務大臣はいまお答えがあったわけですけれども、全くそのとおりだと思うのです。それで、理想を求めて、むしろその理想を現実にするために、具体的に北東アジア地域を、いわゆる非核武装地帯に設定するための努力を今後とも続けられるというふうに理解をしてよろしゅうございますね。
○園田国務大臣 手段、速度の差はありましょうとも、与野党でございますからその点の相違はありましょうけれども、その方向に向かって努力することが、これは平和を願う日本国民の共通の目的であると考えておりますから、そのように御理解願って結構でございます。
○井上(一)委員 さらに、さっき私は、ジュネーブの軍縮委員会の改組の問題について、いわゆる中国、フランスを含めた軍縮の取り組みについて少し触れておいたのですが、この点についてはお答えがなかったわけです。ひとつできればお答えをいただきたい。
○園田国務大臣 申しわけございません。落としました。
 私は、演説の中で、軍縮委員会の機構の改革、強化を訴え、その後で中国、フランスのこれに対する加盟を要請したわけでありますが、いままでのジュネーブの軍縮委員会は盛んに努力はしておりますものの、ややもすると、核を持った二大国の駆け引きの場所になっているおそれがあって、真に軍縮へ向かって進むかどうかという疑問があるわけであります。ここに中国やフランスが加盟をしない理由もあるのではないかと想像いたしまするし、フランスの大統領はこの点を明確に指摘したわけであります。したがいまして、私はそういう意味から、ジュネーブの軍縮機関というものも運営の方針なり機構なりを強化するとともに、この軍縮委員会と国連の関係とをもっと明確にしながら、ここで決まったものは国連でこれを具体的に進めていく、こういう方向へ持っていくべきであろうということを腹の中におさめながら、機構の改革、強化及び中国、フランスの加盟、こういうことを要請したわけでございます。
○井上(一)委員 さらに質問を続けたいわけでありますが、時間の制約がありますので、これ以上については次回に譲りたいと思います。
 なお、ここで私は外務大臣に、国際人権規約の批准を求めて、今国会でぜひという私の強い希望を毎々申し上げてきたわけであります。出発に先立っても、とりわけ国連で署名をする考えをただしたわけでありますが、その意を果たしていただけた、いわゆる国連において署名をなさってこられたことについて私は心から感謝を申し上げ、賛辞を送りたいと思います。
 さて、本日議題になっております国際砂糖協定について質問を続けていきたいと思います。
 六八年協定は、たしか七十二条とA、B二つの附属書から成っておったと思うわけであります。議題になっております。七年の協定は、八十五条と五つの附属書から構成されているわけでありますけれども、六八年協定を大綱において踏襲するものであるというふうに説明がされているわけでありますけれども、本協定においていわゆる新たに規定された条文について、ひとつここで説明をいただきたいと思います。
○羽澄説明員 お答えいたします。
 今回の一九七七年の協定におきまして追加されました一番大きな点は、特別在庫及び特別在庫融資基金の規定でございます。一九六八年の協定におきましても、最小在庫保有義務というのが九十万トン、総体でございましたけれども、今回それを特別在庫という形に置きかえまして、しかもその在庫のための特別在庫融資基金というのを新設したわけでございます。
 この基金の新しいところは、輸出国ないし輸入国政府がそのためのお金を払うということではなくて、最初の在庫量は輸出国が負担するわけでございますけれども、その在庫の維持費につきましては、取引ごとに一ポンド当たり〇・二八セントの拠金をとりまして、大体全部で九千三百万ドルぐらいの総額になると見込まれておりますけれども、それをもって維持費の融資を行う、しかもこの融資は無利子で行うという点が一番大きいことかと思います。
○井上(一)委員 六八年の協定が失効して後、一九七三年ですかに協定が作成されたと説明書に書いてあるわけでございますけれども、これは間違いございませんか。
○羽澄説明員 そのとおりでございまして、一九六八年の協定は一九七三年末まで有効だったわけでございますが、その七三年までに新しい、経過的な協定ができたということでございます。
○井上(一)委員 この七三年の協定は何条から成り立っておりますか。
○山田説明員 お答え申し上げます。
 本文が第四十四条まで、それから附属書がA、Bと二つございます。
○井上(一)委員 その協定の第三十三条の規定をここでひとつ読み上げていただけますか。
○山田説明員 お読み申し上げます。「第三十三条批准」「協定は、署名国政府により、その憲法上の手続に従って批准され、受諾され又は承認されるものとする。批准書、受諾書又は承認書は、次条に別段の定めがある場合を除くほか、千九百七十三年十二月三十一日までに、国際連合事務総長に寄託するものとする。」以上でございます。
○井上(一)委員 確かに七三年の三十三条には批准の条項があるわけです。いかがなんですか、この七三年の協定には批准条項があるわけでありますけれども、国会の承認を求められたのですか。
○山田説明員 一九七三年協定につきましては、国会の御承認を求めることなく、行政取り決めとして処理いたしております。
○井上(一)委員 なぜ求めなかったのですか。
○山田説明員 お答え申し上げます。
 一九七三年協定の内容でございますが、一九六八年協定が、実質的には今回御審議いただいておりますような経済条項を持ちました本格的な協定でございますが、この協定が一九七三年末に失効いたしました、七三年末に失効いたしますに際して、本来でございますれば同様な実体条件を持ちました協定をつくるための交渉が行われたわけでございますが、その交渉がまとまりませんで、交渉が成功しなかったわけでございます。ただ、その場合にも各国の共通の意思といたしまして、やはり本格的な協定を結ぶことが望ましい、したがって一九六八年のような本格的協定を結ぶための枠組みを残しておこうということになりまして、それでできたのが七三年協定でございます。七三年協定は、その交渉の場といたしまして国際砂糖機関を残しておきまして、その場で各国が国際協力、現実には統計とかいろいろな資料を提出いたしましたり、それから新しい協定の研究、準備を行う、そういう形でやっていこうという協定でございまして、主として交渉を取り決めたということでございます。その協定の内容につきまして検討いたしました結果、行政府限りで処理できる内容のものであると判断いたしまして、行政取り決めとして処理いたした次第でございます。
○井上(一)委員 行政府で処理できるんだという判断をすれば国会に提出しなくてもいいんだという、そういうばかな発想は全くもって誤りである、間違いであるわけです。これは国会を軽視しているということにつながるわけだけれども、この点についてはさらに追及をしたい。
 この七三年の協定については、暫定適用の通告は行ったんですか。
○山田説明員 七三年協定につきましては、暫定適用を行わず、受諾をして発効させております。
○井上(一)委員 暫定適用の通告もあるいは国会の承認も求めない。こんなばかなことが許されるのですか。こんなことがあっていいのですか。
 外務大臣、大変お疲れでしょうけれども、この点は私はどうも外務省の考えが理解できないわけであります。いまお聞きのように、六八年の協定が失効になる七三年に、協定がまた作成されたわけなんです。当然その三十三条で批准条項が明確に示されているわけです。それを国会の承認を求めずに、行政府の判断だということで処理をしている。こんなばかげたことが許されるのだろうか。国会をどのように考えておるのか。私はこの点については、外務省の立場、責任を明快にしない限り、このことについては質問を留保します。
○園田国務大臣 御承知のとおりに、一九六八年の協定が失効して、一九七三年にこの取り決めに関する交渉が国際連合貿易開発会議の主催のもとに開催されたわけでありますが、この交渉はなかなか進みませずに、主として価格水準の設定及びこれに関連する加盟国の権利及び義務に関し、輸出国及び輸入国の間で意見が一致することができませんでしたので、したがって加盟国の権利、義務に関するところまで話がまいらず、暫定的な性格の一九七三年協定が作成された次第でございます。そこで、国の権利、義務に関することがありませんので国会にお願いをしなかったわけでありますが、しかしいまおっしゃるとおりに、それならそれで国会に報告をして御理解を求めるようにやるのが妥当であったとは思います。
○井上(一)委員 外務大臣、私はやはり実情というものを、いわゆる当該委員会である外務委員会に説明をして理解をしてもらう、それに対して賛否があろうとも、実情を明確に報告をするということは、それは行政府の責任であり義務であると思う。もっと具体的なことを言えば、実際問題としてその間に砂糖の価格はどういう状態にあったのか。暴騰をきわめたというような状態もあったわけなんです。これは国会に報告もしなければ承認も求めない、それでいいのだというような考えは、私はもってのほかだと思うのです。
 したがって、そういうことについてどういうふうに外務省当局が責任を感じ、その反省の上に立ってどんな対応をしていくのかということが明確にされるまで、委員長、私はこの質問を留保します。
○園田国務大臣 これはいまの協定の問題もありますけれども、外務省というか外交というか、これと国会との関係は、いままでのことを反省すべきときであると考えます。少なくとも外務省が条約を結び協定をやる場合に、当該委員会の承認を受けるということが一つの協定、条約成立の条件であるというふうに考えているところに、日本の外交が積極的にしかも血と涙の通う外交ができなかったゆえんであると思います。
 そこで、たとえ国家の権利、義務に関することであるから法理論上は国会の承認が得なくても協定が結べるというときであったらあるほど、当該委員会の与野党の方々にその実情を報告して、こうこういう方向でいきたいと思いますが、ということで、外務委員会と外務省が一体になって外交を進めていく。むしろ外務委員会のおしかりや御注意を背景にして、それを日本外交の推進力にするという基本的な姿勢を今後確立をしていくべきであると考えておりますので、ただいまの問題についてもそういうように今後は十分注意をしてやりたいと考えます。
○井上(一)委員 園田外務大臣には、私は日ごろからその外交姿勢なり政治姿勢というものについて私なりには評価をしてきたつもりなんです。だからこのことについて園田外務大臣にどうだこうだとは言いたくはありませんけれども、行政府だけの判断で事を処理していくということは非常に危険である、一事が万事、こういうような状態は日本の外交を誤らすということにつながっていくと思う。だから改めて外務省の基本的な姿勢を明確にしてこの条約の問題の審議を続けていきたい。文書をもって外務省が国会に批准を求めなかった――法理論といったって、三十三条からして批准を求めるべきが当然である、あるいは暫定適用の通告を加盟国に対してすべきであるとか、いろいろな意見があるわけなんです。そういうことがすべて整って初めて理解ができるわけです。だから、都合の悪いときは国会に報告もしなければ、何らその義務を果たしていかないという非常に勝手な物の考え方に立っての外務省の外交姿勢というものについて、私はここで警鐘を乱打しておきたい、こう思うわけです。正式な外務省の見解を示していただくことによって、私は国際協定のこの条約の質疑を続けていきたい。それまでは留保いたします。
○園田国務大臣 ただいま申し上げたとおりでありまして、外務大臣が当委員会で井上先生の御質問に向かって答弁するからには、これが外務省の反省であり、将来に向かっての正しい方針でございますから、御理解を願いたいと思います。私の方も十分留意をして、今後こういうおしかりを受けないようにという消極的な意味ではなくて、日本外交に力をつけるという意味で、大なり小なり相談すべきものは相談する、御理解を願うものは御理解を願う、ただこれは手続上だという冷たい考え方は今後一切一掃いたしますので、御理解を願いたいと思います。
○永田委員長 ただいまの井上一成君の問題につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
 次に、中川嘉美君の質問をお願いいたします。
○中川(嘉)委員 大臣が国連軍縮特別総会に出席をされた内容につきましては、ただいま井上委員からの質問に対していろいろと御答弁がありましたので、私はこれに関連をいたしまして一、二点だけまず伺ってみたいと思います。
 それも日中問題なんですが、その第一点として、七月の初旬に大臣が訪中をされるという報道がなされ、そして交渉再開の方は六月下旬にも、このように言われておりますが、交渉そのものは具体的にいつごろ行われるのか、すでに日程が決まってきているものであれば教えていただきたいし、また大臣が訪中されるのは交渉の最初の段階であるか最後の段階なのか、いままでいろいろ論議されておりますが、この時点においてお話をいただける範囲でひとつ御説明をいただければと思います。
○園田国務大臣 日中友好条約締結交渉は、御承知のとおりにすでに進められたわけであります。中国と日本の方の言い分で、中国は再開ではない、継続だ、こういう言葉を言っております。日本は再開だと言っておりますが、いずれにしてもそういう言葉遣いは抜きにして、いままで停滞しておった交渉が進められることは間違いないことでございます。
 そこで私が七月の初めに訪中するとかあるいはいつごろどうとかいうことが新聞に書いてありますが、これは私はまだ一切そういう発言をしたことはございません。御理解を願いたいと思います。ただせっかくの御質問でございますから、それに対してどういうことになっているかということで、外務大臣の権限で言えることだけは申し上げたいと存じます。
 佐藤・韓念竜が会って、両方とも進めようじゃないかという申し入れをしたわけであります。そこで、それについて中国の方のいろいろな御意向も伺いたい、こういうことでありますから、今度は中国の方から、それではいつごろ会おうということになる。これが今週になるか来週になるかわかりませんが、そうおくれることはないと思います。私の方では国会の関係もこれあり、いろいろ考慮しながら、向こうの大体の腹組みがわかれば佐藤大使を召還するつもりでおります。呼び返して、そして具体的に総理と私から佐藤大使にいろいろ指示をして、それから帰す。そして国会の模様も見ながら、佐藤大使が責任者としてまず話を進める。それについては、いまのところは外務省からは中江アジア局長外数名の専門家を向こうべ送って、佐藤君と一緒に話を進める。もちろん外交交渉でありますから事務折衝、政治折衝の区別はございません。これは一貫したものであります。が、それにいたしましても、いろいろな事務上の整理とか、あるいはもっと具体的に言えば、いままでの話をそのまま詰めていくのか、改めて両方から案を出していくのか、あるいは両方で相談して一本の案をつくるのかということも、これはごく一つの例でございますが、そういう話し合いを進めていくことになると存じます。
 そこで、話し合いを進めていくにつれていろいろな問題点が残ってくると存じます。そして向こうの話も聞きながら、総理が判断をされて私に中国へ行け、こういうことになる。そうすると私は総理からいろいろ具体的に話を承ってから出かける、こういうことになると存じますが、ただ御承知のとおりに、外務大臣も日程が相当詰まっております。ASEANの外相会議が終わった翌日バンコクに参りまして、ASEANの外相の方々といろいろお話をしなければならぬ段階に来ておって、総理がこの前行かれたときといまのASEANとは、環境も国自体の考え方も相当変わっておりますから、絶えずお話をしたい。こういうことではニューヨークでインドネシアの外務大臣などともよく相談をしてまいりました。それからまた豪州と経済関係閣僚会議があるわけでございます。これに私が首席で出なければなりません。それから、総理のヨーロッパ先進国首脳会議、これにもお供をしなければならぬわけでありますから、その日程をずっと置いてみますると、私の行ける可能性というのはだんだん狭められてくるわけであります。もちろん相手があることでありまするし、話の進みぐあいがありますから、いまからどうこうと言うわけにはまいりませんけれども、大体そういうところで案を一案、二案、三案つくりながら、じっと成り行きを見ておるわけであります。
 先ほど申し上げましたとおり、中国の外務大臣とは、あなたの方はいつごろ北京にお帰りになりますか、今月の十六日ごろ、それから先は、いろいろ私の方も無理だけれども、無理におろうと思えば七月の初めから半ばごろまではおれないこともありません、こういう状態でございまして、それ以上は私の考え方も先生の考え方も余り変わらぬわけで、成り行きと国会の状態と、話し合いの都合を見て決めるということでございます。
 以上がいま現在の実相でございます。
○中川(嘉)委員 交渉そのものの内容としてはいまや日中間で大きく食い違うところはないのではないかと思いますが、言いかえれば、一週間もかければ詰めるべき点は詰められるのではないか、このように思うわけであります。それだけに、先ほどお尋ねをしたように、交渉の最初の段階に行かれるのか最後の段階なのかという表現も出てくるわけで、そういう日程から考えましても七月初旬という報道された線が必ずしも全く矛盾するものではない、このように私は考えるわけです。したがって、いまや条約締結の決断の時期ではなかろうか、このように思いますが、こういった可能性、いろいろと他国を訪問なさるというその合間を縫ってというようにも受けとめられるわけですけれども、中国との交渉いかんによっては、そのような進展をして急ピッチで、この際交渉を一週間程度かけて詰めを行い、そしてその最後の段階に大臣が訪中されるというのが七月の初旬ごろであろうというふうに、私自身も実は報道関係等をなにしながら理解をするわけです。いまかなりいろいろな角度から御答弁をいただきましたので、その線で極力今後とも決断というものを一日も早く下され、また締結に向かって大臣が御努力されることを要望いたしておきたいと思います。
 これに関連しまして、今度ソ連側の意見ですが、日中平和友好条約は反ソ同盟に加担するものであるとか、あるいは日中条約を締結するのであればやはり日ソ友好また日ソ善隣条約、こういったものについても協議すべきである、こういうふうにも言われておりますが、私はこういったソ連側の意見に必ずしも同意するものではないわけですけれども、一応ソ連側の意向をどういうふうに受けとめられておるのか。日ソ間の交渉というものをやはり再開すべきと考えておられるのかどうか、この辺について、日ソ間の問題について一言だけお答えをいただきたいと思います。
○園田国務大臣 日ソ間の問題はしばしばお答えしておりますとおり、日本の基本的な外交方針はどこの国とも敵対せず、どこの国とも友好関係を深めるということであるわけでありますから、この基本に従って進めるつもりでありますが、いやしくも日中友好条約が締結されること自体が反ソ行動であるという言い方は誤解もはなはだしいところでございまして、本日もソ連の国務大臣と、私、委員会の合間に会うことになっております。総理もきのう会われたようでありますが、そのときもそれに似たような言葉が出たようであります。総理もそうでありますが、私も、日中友好条約締結と日ソ関係とは、日中友好条約を結ぶからソ連に対する敵対行為であるということは一切考えてない。そういうことを誤解すること、ソ連の方がおかしい。ソ連の方とは戦後の未解決の問題を解決して、平和条約を結んで仲よくするようにわれわれの方も努力しますから、ソ連の方も、というようなことであると思います。少なくともすでに日中友好条約締結の交渉が始まって歩き出したわけでありますから、歩き出してから鉄砲の音がしようと太鼓の音がしようと、それでとまればとまるほど音は激しくなると考えますので、誤解を解きながら、歩みを変えることなく歩むべきであると考えております。
○中川(嘉)委員 協定の質問に入ります前にもう一点だけ大臣のお答えをいただきたいのですが、例の国際人権規約ですね。これは当委員会にいつごろ提出をなさるのか、この点だけ伺ってみたいと思います。
○園田国務大臣 人権規約については各位から非常な御援助と御激励をいただきましたが、なかなか苦労いたしました。各省関係がなかなか詰まらぬわけでありまして、話がついたらまた中から出てくるというようなことで、いろいろ心配をいたしましたが、何としても署名を終わり今国会に提出をするというその一点に目標をしぼりまして、すでに御承知のごとく事務総長との間に署名は終わり、これは非常に高く評価されました。閣議でもこの署名は決定したわけでありますから、事務当局に聞きますとまだいつとはわかりませんが、事務的にできる限り早く国会に提出して御審議をお願いするつもりでおります。
    〔委員長退席、奥田委員長代理着席〕
○中川(嘉)委員 それでは千九百七十七年の国際砂糖協定について伺いたいと思います。
 この協定は第八十三条によって五年間の効力を有する、こういうことになっておりますが、一九六八年協定の有効期間は果たしてどのようになっていたのか、まずこの点をお答えいただきたいと思います。
○羽澄説明員 お答えいたします。
 六八年協定は七三年末まで有効でございました。
○中川(嘉)委員 国会における条約承認案件の記録ですが、これをずっと追って調べてみますと、第六十一回国会の昭和四十四年に一九六八年協定を承認しているわけですが、その後砂糖協定は今回まで提出されていない、こういうわけです。六八年協定の有効期間というものが終了して、いまのお答えからいきますと七三年末ということでしたけれども、これが終了してから七七年協定に至るまでのこの期間、いわゆる協定の運用はどのようになされてきたのか、この点はいかがでしょうか。
○羽澄説明員 お答えいたします。
 六八年の協定が終了する前でございますが、新しい砂糖協定をつくるための交渉会議が七三年の春と秋二度に分けて行われたわけでございますけれども、先ほど大臣から御答弁がございましたとおり、価格水準とかあるいは輸出国間における輸出割り当ての配分とかにつきまして合意ができないまま、交渉自身は妥結しなかったわけでございます。そこでいわばつなぎの協定といたしまして七三年の協定ができて、その七三年の協定が砂糖機関を引き続き存続させるとか統計、情報等の収集、配付を行うとか新協定作成の準備を行うという任務を持って発足したわけでございます。この七三年の協定が七七年末をもって失効いたしましたので、ただいま御審議いただいております新協定の交渉が行われたという段取りでございます。
    〔奥田委員長代理退席、塩崎委員長代理着席〕
○中川(嘉)委員 この署名国については五十二カ国となっておりますけれども、このほかに砂糖会議に招請された政府以外で加盟国となることが見込まれている国があるかどうか、五十二カ国のうち、輸出国、輸入国の構成はそれぞれ何カ国となっているのか、この辺はいかがですか。
○羽澄説明員 この協定交渉に招請されましたのは、UNCTAD加盟国でございますが、その後協定によりまして加入することも可能ではございますが、現在までのところその加入の意思表示をしたという国はございません。
 それから、現在までの状況を見ますと、確定的な適用が十八と五で二十三、暫定的適用が十九と八で二十七、したがいまして、暫定を含む加盟国は三十七と十三で五十、結局、交渉に参加しましたのは八十カ国ぐらい。これは正確な数は判明いたしておりませんし、勘定もされませんでしたけれども、当時の事務局の話で、大体八十カ国ぐらい参加しておるということでございましたが、その中で、現在までのところ五十カ国が暫定を含めまして加盟しておるという状況でございます。
○中川(嘉)委員 現在、百四十九カ国に及ぶ国連加盟国があるわけですが、砂糖協定に加盟をしていない消費国はどのようにして砂糖を輸入をしているのか、また加盟していない生産国ですね、これはどのようにして砂糖を輸出しているのか、またこの協定に加盟をしていない輸出国あるいは輸入国のうち、主要な国ですね、これはどのような国々があるのか、これらをあわせてお答えをいただきたいと思います。
○羽澄説明員 お答えいたします。
 まず、この協定自身は、いわゆる自由市場というものを対象にしておりまして、全世界の砂糖の貿易量から見ますと、七五%ぐらいをカバーしております。そのほかに大きな考えといたしましては、この協定の中に一応列挙してございますけれども、たとえばECとアフリカ諸国の間に見られておりますロメ協定とか、キューバが東欧諸国とやっておるバーターの取り決めとかに基づく砂糖の貿易がございます。これは、残りの主なものでございます。そのほかに若干ございますが、たとえばこの協定に加盟しておらない国というのも、加盟国から買うことはできるわけでございます。
 それから、この協定に加盟していない国がこの加盟国に売るということもできるわけでございますけれども、この点につきましては、加盟国はそういった非加盟輸出国からの輸入について、輸出割り当てが行われております間は、たとえば十一セントを、ポンド当たりでございますが、上回っておりますときには従来のその実績の七五%、十一セントを下がったときは五五%というように、非加盟輸出国からの輸入は、一応規制した形で輸入するということが認められております。
 加盟していない輸入国というのでは、余り大きな国はございませんで、いままでアメリカの砂糖法に基づくいろいろな特恵の取り決めとかいうのも七四年で失効いたしまして、アメリカもこれに入ることになっておりますし、ECも入る、それから英連邦特恵も砂糖に関してはつとになくなっておりますので、主な輸入国はみんな入っておると思います。
 輸出国の中でこれに加盟していない国というと、たとえば国または地域というように書いてございますが、台湾がございます。これは協定の中に書いてございますとおりに、一九六八年の協定には加盟しておったのでございますが、国連の代表権を失うことによりまして、UNCTADのメンバーでもなくなりましたので、交渉に招請されなかったということで、この協定に加盟することができなくなったわけでございます。それに対しましては、そういった事情を勘案いたしまして、一定の過去の実績の一〇〇%までの輸入にとどめるという規定がございます。
○中川(嘉)委員 わが国が引き続き本協定の締約国となることにどのような意義とかメリットがあるのか、また、仮に本協定から脱退するとどのような不都合が生じるのか、さらに、締約国となることによって負うこととなる義務ですね、これにはどういうことがあるのか、これらの点についてあわせてお答えをいただきたいと思います。
○羽澄説明員 お答えします。
 この協定に参加する利益でございますけれども、まず何といいましてもこの協定は砂糖の価格を安定さして、それにより安定した供給を確保しようということをねらっております。日本は世界でも有数の砂糖輸入国でございますので、糖価が安定するということは大変な利益であろうかと思います。
 それからまた、意義といたしましては、大体取り決めにカバーされます。先ほど申しました自由市場の砂糖の貿易量というものの六五%は開発途上国から輸出されておるわけでございまして、そのためにUNCTADにおきましても、先ほど言われました一次産品の総合計画というものかできましたときに、その十八品目の中の一つの目玉として砂糖が入ったということになっております。したがいまして、日本がこの協定に参加するということは、開発途上国に対する協力という意義も大きいかと思います。
 それから、日本がこれに入らなかった場合の被害といいますか、マイナス点というのはどういうことかといいますと、まず日本は、これはソ連の輸入量がはっきりいたしませんのでその年によって違いますけれども、大体日本はアメリカに次ぐ第二位の輸入国でございます。したがいまして、日本がこの協定に参加しない場合には協定自身はつぶれてしまう、協定自身は実際上には運用できなくなるというふうに考えられております。したがいまして、先ほど申しましたような糖価の安定とそれによる供給の確保という点が危なくなるわけでございまして、その点のデメリットがございます。
 それから、これに日本が入らなくなることによって、協定がたとえば実質的には運用できなくなる、機能しなくなるというようなことになりますと、先ほど申しましたような開発途上国の大変なる期待、関心がございますので、その期待が裏切られるということがございます。また、もしそういった実際の協定が機能しなくなるということがない場合におきましても、たとえばこの協定は、同じ条件であれば輸出加盟国は輸入加盟国の方を非加盟輸入国よりも優先して取り扱わなければいけないとか、それから、非加盟国を加盟国よりも優遇してはいけないというような加盟輸入国に対する優遇規定がございますので、その点で日本は不利益な扱いをこうむることになりかねない、こう考えます。
○中川(嘉)委員 砂糖の国際価格から見ますと国内価格が余りに高い、こういうふうに言われているわけですけれども、これはどのような理由によるものか、御説明をいただきたいと思います。
○馬場説明員 お答えいたします。
 わが国の砂糖の供給量のうちの八割が外国から入ってきております。これは一般に自由市場から購入しておるわけでございますが、自由市場の価格というのは年によって異なりますが、かなり大幅な変動をしておるわけでございます。
 わが国におきましては御承知のように、北海道におけるてん菜からつくりますビート糖、それから鹿児島の南西諸島及び沖繩においてつくっております甘蔗糖の国内産糖がございまして、現在、生産大体年間六十万トンくらいございますのですが、これが生産を保護するという見地から関税を課しております。砂糖にしまして原料で一キログラム当たり四十一円五十銭という関税をかけております。それからそのほかに、この関税でもなおかつ、外国の砂糖の価格の変動というのは国内の砂糖に対して非常に大きな影響を与えるということでございまして一昭和四十年から糖価安定法という制度をつくりまして、さらに国際糖価の変動に伴います国内への影響を緩和するための価格調整の措置として、糖価安定事業団におきまして価格調整を行うということで、具体的には安定資金及び調整金というものをとっております。これが課せられました原料糖が国内へ入りました後、国内において精製をされまして、これがさらに砂糖消費税という、これもキログラム当たり十六円というのが普通でございますが、これが課せられまして流通経路に乗る。そしてわが国の場合、流通経路が大口の代理店というもの、それからさらに特約店、二次卸という経路を伝わって消費者に渡るということでございまして、一つは外国の砂糖の値段が非常に大きく変動するのを、国内に影響を緩和するための関税及び糖価安定事業団による価格の調整、それからもう一つは製造及び流通経路において必要な経費及び消費税というものがあって高くなっておるわけでございます。
○中川(嘉)委員 この砂糖の輸入によって国庫へ入る関税の金額ですが、これは年間何億円ぐらいになるのですか。
 また日本が砂糖を輸入するに際してかけているところのこの高い関税について、輸出国からその率をもっと低率なものにするような要請はないかどうか。また税率を下げる考えはないかどうか、この辺についてお答えをいただきたいと思います。
○羽澄説明員 お答えいたします。
 五十一年の関税収入は千二十五億円、五十二年の関税収入、これは見込みでございますが、千百億円でございます。
 先生がおっしゃいましたような、輸出国から関税を下げてくれというような具体的な要請は承知いたしておりませんが、現在の関税定率法によりましても、輸入糖価が高騰して糖安法に定められた安定上限価格を超え、同法による価格調整措置によっては国内価格を安定させることが困難と認められる場合というのは、物価対策に資する見地から弾力的に関税を減免することができる、こういう規定がございまして、実際にも四十九年二月から五十年の九月の間に関税の減免を行った例がございます。しかしながら先ほども答弁がございましたように、国内糖価は五十年後半から低下いたしまして、現在安定的に推移しておりますので、このような減免措置を発動しなければならない状況にはないと考えております。また砂糖関税は財政収入源としての意味もございますので、引き下げは困難かと思われます。
○中川(嘉)委員 次に、北海道とか沖繩に代表される日本の国内産糖の最近の生産量及び価格ですが、これはどのようになっているのか。また国内産糖保護のための助成措置はどういうふうにされているか、具体的にお答えをいただきたいと思います。
○馬場説明員 お答えいたします。
 北海道のてん菜の生産でございますが、実は四十八年ぐらいまで非常に順調に伸びてきておったのでございます。その後若干減少いたしまして、これがまた最近よくなってきたという変動がございますが、現在五十二年産のものは作付面積で四万九千ヘクタール、それから生産量で三十三万六千トンという程度になっております。
 サトウキビにつきましても、面積はちょうど四十九年ごろ若干減少したのでございますが、最近生産意欲が伸びてきておりまして、大体三万三千ヘクタール程度、産糖量は、沖繩、鹿児島合わせまして二十七万トン程度というふうになっております。
 なお価格でございますが、国内産糖につきましては糖価安定法に基づきまして価格支持を行っておるわけでございますが、これは生産費それから物価等を考えまして、農業パリティ指数によって、年々、生産原料であるてん菜及びサトウキビの価格を決め、それから各製造工場のコストを見まして糖価安定事業団の買い入れ価格、いわゆる支持のための価格でございますが、これを決めておるわけでございます。
 これについて申し上げますと、てん菜の場合、これは精製糖になっているものでございますが、糖価安定事業団の買い入れ価格はトン当たり二十一万九千九百円というのが昨年の価格でございます。これを市価に換算してみますと、キログラム当たりで、大体買い入れ価格相当ですと二百六十五円見当というふうになるわけでございます。
 それからサトウキビにつきまして、事業団の買い入れ価格、これは原料糖で粗糖でございますが、原料糖の値段でございますが、鹿児島がトン当たり二十二万五千円、それから沖繩が二十一万五千円という程度でございますが これを国内の市価ベースに直しますと、キログラム当たりで鹿児島の場合三百十八円、沖繩の場合三百八円という程度になるわけでございます。
○中川(嘉)委員 沖繩県の主要産業はかねてからパインとかあるいはサトウキビ、このように言われてきておりますが、特に復帰後六年を経て、沖繩県においてはサトウキビの将来について非常に不安が高まっている、このように聞いているわけです。作付転換も容易でない沖繩産の甘蔗糖、この将来について農林当局はどのような構想を持っておられるか、明らかにしていただきたいと思います。
○馬場説明員 お答えいたします。
 沖繩県における基幹的な作物であるサトウキビの生産につきましては、私どももかねてからその生産振興を図るとともに、先ほど申し上げましたように、砂糖の価格支持制度を通じまして農家の所得の確保というものを図ってきておるわけでございます。復帰後一時期、確かに生産が減少するということもございましたが、主として価格を引き上げるという形でこれに対処するとともに生産基盤の整備あるいは機械化の促進というようなことをやっておりまして、先ほど申し上げましたように、最近生産がまた伸びてきているということでございます。
 現在私どもがやっております措置、一つは糖価安定事業団による買い入れという形の価格支持でございますが、これのみをもってしては輸入糖との間でのいわば価格関係が必ずしも十分でない。といいますのは、輸入糖が入ってくる数量が無制限で自由にされておるという前提のもとですと、精製糖業者が、沖縄県産の砂糖と輸入砂糖と、いわばより有利な方を選ぶという形になりますので、沖繩におきましては、いわゆる糖価安定事業団で価格支持をしてもらった砂糖を、さらに売る場合に値引きをしなければならぬというような事態があったわけでございますが、御承知と思いますが、昨年の十一月国会において成立していただきました砂糖売戻し特例法という法律によりまして需給の安定を図るということを私どもいたしておりまして、その結果、本年におきましては沖繩産の砂糖が問題なく精製糖業者によって引き取られるということになったわけでございます。したがいまして、これらの措置を通じまして、現在では沖縄県の農民も製糖業者も将来に対してかなり安定した見通しを持っておるというふうに思っておりますし、私どもといたしましては今後もなお一層生産の振興、そのための基盤整備というようなものに努めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
 ただ、御承知のとおり、離島地域といいますか、島の経済的、地理的な制約というものもございます。それから農家経営が非常に零細である、そしてサトウキビの場合、非常に労働集約的なといいますか、労働時間が非常に多くとられているということでございまして、今後農業政策上解決しなければならない問題、多々ございますので、なお一層努力してまいりたいと思っております。
○中川(嘉)委員 時間が参っておりますので、あと一つだけ伺いたいと思いますが、この参考資料を見ますと、一九七一年から二年、三年、四年と、この四年間、生産量と消費量を見てみますと、生産量が消費量を下回ったわけですけれども、これはどういう理由によるのか、砂糖の備蓄というのは何年ぐらい可能であるか、最後にこれらについて御説明をいただいて質問を終わりたいと思います。
○馬場説明員 お答えいたします。
 先生がいまおっしゃいましたのは、「世界の砂糖の生産と消費」という資料のところで生産量と消費量のバランスでマイナスになっている、この点であるかと思われますか、これは、当時砂糖の値段が各生産国から見ましてかなり低い水準にあるということで、各国の生産が抑制的に働いたということだと思われます。この結果か、御承知のように世界の砂糖の在庫が減って、一九七三年、四年の時点において価格が暴騰した、こういうことにつながるというふうに思っております。
 なお、その後価格が高騰した結果としまして、今度は世界の生産国の生産が進みまして、逆に最近在庫が非常にふえてきている、こういうことでございます。
○塩崎委員長代理 以上で中川嘉美君の質問は終わりました。
 次は、渡辺朗君。
○渡辺(朗)委員 外務大臣、先般の国連軍縮総会へ御出席御苦労さまでございました。
 大臣が出席されて、その際に非常にりっぱな演説をされました。これは、国際的な軍縮問題に対して、これから日本が従来よりもいや増したところの積極的な姿勢で臨んでいくぞという姿勢を国際的に示されたというふうに理解しますが、いかがでございましょう。
○園田国務大臣 いま御発言のとおりの決意で私は演説をやってまいりました。
○渡辺(朗)委員 そうしますと、軍縮問題については日本の対策も強化しなければならぬ、国内においても国際的においても強化しなければならぬと私は思いますが、具体的にはこれからどのような強化策をもって臨まれるお考えでございましょう。
○園田国務大臣 第一に、自分の足元のことから申し上げますと、ただいま国連局の中に軍縮室というのがあって、数名の外交官が仕事をやっておりますが、だんだん仕事がふえまして、本格的に軍縮というものに対して日本が取り組んでいくとすれば、きわめて仕事をするに足りない陣容でございますので、第一にこの外務省の中の機構改革から始めていかなければならぬと思うわけであります。
 第二番目は、何といたしましても外交は国内の意見の結集でありますから、日本の国民及び国会の各党の方々が、日本が真に平和国家としてこの社会から戦争のない社会をつくるという世論の結集、そして具体的にその世論を進めていくということに御協力を願わなければならぬ、その世論の上に外交というものを打ち立てなければならぬということであります。
 第三番目には、今度演説をやりまして感じたことは、内容のいかんにかかわらず、日本が言いたいことを言ってくれたという気持ち、これは非同盟あるいはアフリカ等の代表が、その気持ちを率直に表現をしておりました。
 なお、私が米国、ソ連に対して反省を求め、核不拡散条約についても、核を持たない国だけを締めつけて、核を持っている国が勝手なことをやるようなことではいけないという意見を言ったわけでありますが、その当事者の米国、ソ連あたりからも、率直な意見でよろしい、こういう意見でございました。そこで、これからは日本も心の中で考えていないで、余り小さい理屈にとらわれずにみんなの意見のそろうところは足並みをそろえて率直に主張すべきではなかろうか、こういうことを考えるわけであります。
○渡辺(朗)委員 大変意を強くしたわけです。
 いま国内体制を強化する、機構改革ということをおっしゃいましたが、何か案は固まっておりますでしょうか。
○園田国務大臣 そういう方向をいま検討しているところであります。
○渡辺(朗)委員 それでは軍縮問題につきましては次回また改めて御質問させていただくといたしまして、砂糖協定の問題に対して質問をさせていただきたいと思います。
 第一番目に、私、この砂糖協定はどういう考え方からできたものであるのか、それをお尋ねしたいと思います。
 一九七六年にナイロビ会議がございました。第一次産品の価格安定、そしてまた輸出国に対する貿易を通じての援助というような観点からこれができてきたものだと思います。つきましては、ナイロビ会議の際にも露呈したのですけれども、南北間に対立があった。南側の方は一次産品総合プログラムというような考え方を持ち、それをカバーする共通基金を設けるという考え方であった。それに対して北側の方からは、それは資本主義の市場メカニズムそのものを壊すことになる、だから消極的だという態度であった。したがって、共通基金ではなくて従来の商品別の国際商品協定をつくりたい、こういう考え方であったというふうに理解しております。その南北の意見の対立の中で、この砂糖協定というのはどこに位置づけられるのか、そこら辺をお聞かせいただきたいと思います。
○小林説明員 お答え申し上げます。
 ただいまお話のございましたナイロビ会議において、コンセンサスを得て採択されました一次産品総合計画には二つの柱がございました。その一つが共通基金でございます。もう一つは個別産品協定でございます。したがいまして、個別産品協定と共通基金とはそれぞれ相補完するものとして当初から観念されておったものでございまして、そこに矛盾するところはございません。共通基金そのものが、むしろ一次産品協定の成立を促進するという側面を非常に大きな機能として期待されておるわけでございます。
 南北間の話し合いは、その後、その当時計画において期待されたような進展は見せておりませんけれども、しかしながら国際砂糖協定が新しく作成されたということ自体は、そういった背景の一つの結果と言うことはできるのでございまして、そこで、一次産品総合計画において期待されておった一つの発展ということは言えると思います。
 共通基金そのものについての交渉は、現在までに準備会合が三回、交渉会期が二回開かれましたものの、具体的な結論に到達いたしておるません。それは結局途上国側が、計画に予定されております十八品目の問題をすべて一括してこれを解決するための基金をつくりたいという考え方にのっとっておったのに対して、先進国側が、個々の品目ごとに事情がきわめて異なる面があるから、それぞれの産品協定を通じてその対策を考えていくべきである、それに対して共通基金は補足的な役割りを果たしていくものと考えるというふうな立場をとって今日に至っているわけでございまして、細かい点を申し上げると切りがございませんけれども、なお双方の考え方の妥協点を求めて非公式な話し合いが続けられておるという現況でございます。
○渡辺(朗)委員 次に、この砂糖協定が従来のものと違うというのはどこに目玉がございますか。
○羽澄説明員 お答えいたします。
 一番のねらいは何といいましても、価格帯を設けてその下がったときに輸出規制をするという、いわば従来型の商品取り決めに加えまして、在庫の操作ということを入れたことだと思います。在庫の操作は、価格が上がりましたときに放出することによって、価格が価格帯を超えて上がることを防ごうという考えでございますが、この在庫の運用ぶりが今回は非常に新しい方法によってなされておると言うことができると思います。
 それはまず第一に、この在庫の品をそろえるのは輸出国の負担でございますが、その在庫をつくった上でそれを維持する経費につきましては、この協定によりまして特別融資基金ができる、それでその融資基金はポンド当たり一・五セントを限度といたしまして、しかもそれが無利子でございますが、融資することができるということになっております。それでその基金に使いますお金は輸出国、輸入国とせずに、取引の際に一ポンド当たり〇・二八セントの拠金を行うということで、それはそのときの市況ないしは交渉によって決められると考えられておるわけでございますが、そうやって集めたお金によりまして、その在庫を保有する国に対して維持費を無利子で融資する、こういうメカニズムができた、これか一番の大きな特徴ではなかろうかと思います。
○渡辺(朗)委員 いまそういう目玉がこれにくっついたわけでありますが、これによってかなり輸出国は高値安定型の結果を期待し得るというふうに考えていると思いますが、その点はいかがでございましょう。
○羽澄説明員 お答えいたします。
 高値に行くかどうかはまだわかりませんけれども、とにかく安定化を期待しているということは言えるかと思います。ただ現在のところ、糖価はこの協定によります安定価格帯は十一セントから二十一セントまでということに決められておるわけでございますが、実際の糖価はなお依然といたしまして七、八セントのところを低迷しておるわけでございます。しかしながら、輸出規制の条項がございますし、輸出規制を行って余り在庫をたくさん持っているわけにもいかない。特にこの協定におきましても、最高といいますか、最大在庫の規定もございまして、各国が余り大きな在庫を抱えるということは規制することにいたしております。
    〔塩崎委員長代理退席、大坪委員長代理着席〕
したがいまして、輸出国といたしましては、この協定の発効後、暫時生産調整等を行いまして、なるべくその価格が安定帯の方に移行することを心がけるのではなかろうか、こう考えております。
○渡辺(朗)委員 国際的に砂糖の価格というのは下落傾向にあるというふうに聞いておりますし、しかも輸出国、生産国の方は、これは大変に第一次産品への依存度が大きくなってきた傾向にある。しかもその上に累積赤字が大変大きくなってきております。そうなるとやっぱり途上国の願望としては、またこの砂糖協定なるものの意図は、今日の状況においては少なくとも、長期的には別といたしまして、高値安定型でないと効果がないと思うのですけれども、その点はどのように見ておられますか。
○羽澄説明員 現在の糖価七、八セントに比べまして、十一セントー二十一セントという価格帯をつくったわけでございまして、これは現在低迷しております糖価に比べれば比較的高いと言うことができようかと思います。ただ糖価は非常に乱高下いたしまして、一番高いときには六十セント、七十セントというところまで行ったこともございますので、それとの比較におきましてはそれほど高くない。いわば、やはりこの協定の本来の趣旨に従いまして安定をねらうというところかと思います。
○渡辺(朗)委員 この協定ができることによって、私は特に途上国を問題にしたいと思うのですが、どの途上国、生産国がメリットを受けるのでしょうか。
○羽澄説明員 お答えいたします。
 この協定には開発途上国のための特別な規定がかなり織り込まれております。したがいまして、結論的に申しますと、この協定に加盟している開発途上国は、それらの規定によって利益を受けるということが言えるわけでございます。若干主な例を申しますと、この協定の輸出基準トン数というのは三年目からは再交渉することになっておりますけれども、その再交渉に当たりましては、輸出収入の多くを砂糖の輸出に依存している、これは開発途上国が多いわけでございますが、それとか現在の生産量は少ないけれども砂糖生産の計画を持っている開発途上国、そういった事情は勘案して第三年度以降の協定の輸出基準量を決めるべきであるとか、それからこれは七万トンの輸出権利数量を有する小輸出国というのが別途決められておるわけでございますけれども、これらは価格が下がったときにおいてもその輸出枠の規制を受けない。それからまた、リスト2に掲げられておる国でございますけれども、それらの国は特別在庫の保有義務がないとか、それから開発途上国にある加盟輸入国でございますけれども、輸入した後でといいますか、輸入した結果余剰が生じた場合には国ごとに、一万トンを限度とするということでございますが、輸入量を超えて輸出することができるとか、それからショートフォールといいまして、枠の達成ができなかった場合、その枠の未達成分を再配分するわけでございますが、そのときは開発途上国を優先的に振り分けるとか、それからもし枠がなくなった場合の救済予備枠というのがございますが、その配分等についても開発途上国を優先する、かなり細部にわたる規定でございますけれども、そういった規定が各所に織り込まれておりまして、それらを総合することによって開発途上国、輸出国、輸入国ともでございますが、特に輸出国につきまして利益を得ることが期待される、こう考えております。
○渡辺(朗)委員 重ねて質問します。いま世界の主要な砂糖生産国はどこでしょう。
○羽澄説明員 お答えいたします。
 現在のところなお一位とみなされておりますのはキューバでございます。みなされておりますというのは、後から砂糖の拡大を図っております国が、自分の方こそ一位であると言うようなこともありますので、なかなかその辺はきわめにくい点がございますが、まずキューバ、それから大きいのがブラジル、それからオーストラリア、これが三大輸出国になっております。そのほかにEC諸国全体というのが約一千万トンの生産でございますが、かなりの生産をいたしますけれども、これは国内といいますか、域内の消費もかなり多いので、輸出面においては余り大きな役割りは果たさない。ただネットの輸出はございますけれども、生産する多くの部分が国内消費に充てられる。同様の事情はアメリカにもございます。アメリカも大きな生産国でございますが、国内消費に充てられる部分がより多いために、輸入国としてむしろ最大の輸入国になっておるぐらいでございます。そのほか、ちょっと最初申しました三大輸出国とはスケールが違いますけれども、たとえばASEAN諸国の中でもタイとかフィリピンは大きな輸出国でございます。
○渡辺(朗)委員 いまお聞きしましても、オーストラリア、EC、これらは途上国ではございませんね。ブラジル、これは中進国とでも言うべきものであって、途上国に入るかどうか。そうすると、主要なところではキューバである。キューバへのメリット。それから、量は多くないかもわからぬがインド、タイ、フィリピンというようなところがある。いまおっしゃったのでは、南ア共和国が主要なところではかなり大きなところではございませんか。これは後でまた関連して質問させていただきますが。私は、これが余り途上国に対する援助ということにならぬのじゃあるまいかという大変素朴な感じを受けるのです。その点について、もし御意見がございましたら聞かしていただきたい。
○羽澄説明員 この協定におきましては、何が開発途上国かということにつきまして附属書3において規定がされております。それによりますとラテンアメリカ、アフリカ、アジア、太洋州、ただしオーストラリアを除く、こういう規定がございますが、この規定にアフリカはもちろん、先生がおっしゃいました南アフリカ共和国も除いてございます。この規定によります開発途上国が現在自由市場において取引されております貿易量に占める割合は、結局この協定がカバーする貿易量の中における開発途上国のシェアということになるわけでございますが、大体の計算におきまして六六、七%というふうに推定されております。
○渡辺(朗)委員 次には、今度は日本の側から、砂糖協定ができる、これからどこから買うのかという問題でございます。いままでの統計なんかを見ておりますと、どうなんでしょうか、どうも一番たくさん買っているというのは豪州であり、それからタイ、南アフリカ、台湾というところですね。途上国であるところのたとえばいまのキューバ、コロンビア、ドミニカ、エルサルバドル、そういうようなところというのは何か七三、四年からストップしているように思うのです。そういう点で、日本の姿勢としてどういう方針でいっておられるのか。砂糖生産国、それが特に途上国であるのを援助するというような意味で積極的な姿勢を持っておられるかどうか、そこら辺の点を聞かしてください。
○馬場説明員 お答えいたします。
 先生おっしゃるように最近の輸入の実績から申しますと、五十二年におきましてはオーストラリア、タイ、南アフリカ、これが非常に大きいウエートを占めているということでございます。ただ、砂糖の輸入は御承知のように自由化されている物資でございますので、全く民間ベースで輸入しているというのが現状でございます。したがいまして、われわれ、民間ベースで砂糖取引をしているものについて、特別どの国からどういうふうに輸入すべきだというようなことは申しておらないのが実情でございます。ただ、一九七三年、四年の砂糖の高騰時に、今後の砂糖のわが国への安定確保という観点からなるべく安定的な供給先との契約をすることが望ましいという考え方が民間にもございましたし、政府としてもまたそういう考え方は大いに結構である、食料の安定的な供給の確保という意味で結構であるということもございまして、現在民間の商社あるいは精糖メーカーとそれぞれの供給国との間で長期的な契約を結んでいるという実態にございまして、先ほど先生挙げられましたような国々との関係では、必ずしも十分な契約を結んでいるわけではございませんが、供給の安定はある程度図られるということになっておるかと思います。
 なお、中進国あるいは発展途上国といいますか、そのうちで、たとえば南米の国々の名前を先生挙げられましたが、これらとの取引ということになりますと、いわゆる運賃の問題であるとか今後の供給の安定性の問題であるとか、いろいろな問題がありまして、民間ベースでのそういう長期的な契約というのはなかなか進まないというような実情にあるように聞いております。
○渡辺(朗)委員 これは民間ベースに任しているというふうにおっしゃいましたけれども、国際協定をつくる、そして日本はその中でどういう役割りを果たしていくのかということ、これは途上国に対する政策の一つのあらわれとして非常に注目されると思うのです。その点で台湾から毎年非常にふえてきておりますけれども、台湾はこの国際協定の中に入るのでしょうか、入らないのでしょうか。
○羽澄説明員 お答えいたします。
 台湾は国連の代表権を失いました際にUNCTADの加盟国でもなくなりましたので、この砂糖協定がUNCTADによって開催されましたときに招請を受けておりません。したがってこの協定に加盟することはできませんし、今後発効後加入するに当たりましても、これはオールステートクローズというのがございますが、それの該当者として入ってくるということはきわめて困難であろうと思われておりますので、台湾はこの協定には加入もしないだろうと一般に認められております。
○渡辺(朗)委員 台湾からの輸入は七七年度実績で二十八万五千トン、一〇・二%です。その前の年は九・一%。この台湾からの輸入というのは、日本がこの国際協定に入っていってこういうふうにふやしていってもかまわないことなんでしょうか、そこら辺ちょっと聞かしてください。
○羽澄説明員 お答えいたします。
 先ほど申しましたような事情で、台湾がこの協定の加盟国ないし加入国となれないということを勘案いたしまして、この協定の中におきましては、一九六八年の協定の加盟国であって今回の協定の加盟国でない国からの輸入については、その輸出割り当て規制が行われる時期においては過去の一定の時期、これは三年ごとぐらいを三つぐらいの時期に分けてとっておるわけですが、要するに過去の実績の平均の一〇〇%まで輸入してもよろしい、こういう規定がございます。したがいましてそれからまいりますと、わが国が大体従来の実績どおりの砂糖を台湾から輸入するということは協定で認められたところでございます。しかしながら、先生が先ほど申されましたとおりに、七七年はわが国の台湾からの輸入が異常にふえまして二十八万トン相当になっておりますが、これを先ほど申しました規定によりまして過去の年数の平均値をとってその実績の一〇〇%ということにいたしますと大体二十二、三万トンということになって、若干二十八万トンよりは減らす必要が出てこようかと思っております。
○渡辺(朗)委員 民間ベースに任せると言っておられますが、南アフリカから日本は非常にたくさん買っている。昨年度の場合二二・六%。これはずっと見てみますと数年来ふえてきています。この問題はそのまま放置していいものでしょうか。
 私、外務大臣に一遍お聞きしたいと思うのです。御存じのように国連総会において演説をされた際、非同盟諸国、アフリカの国々からも非常に高い評価があったということ、これは日本外交に対して期待感もあったからそのような発言があったのであろうと私は思います。特にアパルトヘイト問題で南アフリカ共和国における人種差別問題は、これは非同盟諸国なりあるいはまたアフリカ諸国においては怨嗟の的であります。それに対して日本は、こういうふうに砂糖一つとりましても例年どんどん輸入をしてきている。これは外交上大きな阻害要因になりはしないかと案じますが、外務大臣、いかがでございましょう。
○園田国務大臣 南アの貿易についてはしばしば御指摘を受けるところであります。砂糖の輸入については、農林省からいま説明がありましたとおり、民間がやっておるということでありますけれども、振り返ってみますと、第一には、豪州と日本の長期における砂糖の契約で、この商契約を実施するために日本は非常に高い砂糖を買うことになり、一方、豪州に対しては商契約を守ることができないようなかっこうになって、このために砂糖業界は非常に困ったわけであります。
 また南アについても、人種差別についてはわれわれは断固反対をし、国連の決議もあるわけでありますが、これもわが国の貿易上やむを得ず、民間ベースであるからということでいままでやってきておるわけでありますが、南アその他台湾等、一切のことを考えて、これは民間団体の民間貿易だからといってほっておかずに、やはり行政指導なりその他の権限を政府は持っているわけでありますから、日本の砂糖価格の安定及び開発途上国の砂糖価格の安定等々を考慮しながら、新しい計画と新しい輸入方針を立てて こういうところは変更していかなければ、いつまでも、日本の貿易上やむを得ないとか、民間団体のことであるから仕方がないとかということでは済まされないのではないか、このように大臣は考えております。
○渡辺(朗)委員 済まされないのではないかと考えていらっしゃる、ここら辺はちょっと重要な問題だと私は思うのです。
 たとえば、ナミビア問題が起こりましたときの安保理事会の決議があります。一九七〇年一月三十日、決議二百七十六号では、南ア政府とはいかなる取引もしないという内容がその中に書いてある。さらに七一年十月二十日、決議三百一号は、経済取引等差し控えるように要請をするという決議文でございます。また、こういう問題につきまして、当時の国連局長でございましたが、衆議院の委員会においては、安保理事会における決定のような法的拘束力を、ナミビア理事会の公布した天然資源保護に対する布告というものは持っておらないので、安保理事会がもし決議した場合には非常に大きな拘束力を持つ、こういうふうにも言っておられる。
 大臣、いかがでございますか。それからずいぶん年もたっております。しかもアパルトヘイト問題はもう二十年来、三十年来の大きな国際的な懸案事項であります。やはりここら辺で、言葉ではなくて本当に態度で示さないといけないのではないかと思います。したがいまして、考慮しておられるという段階ではないのじゃなかろうかと思うものですから、大臣の御意見を重ねてお聞きしたいと思います。
○園田国務大臣 いやしくも国連その他の場所で人種差別に反対をして、それでいかなる国に対しても規制をするということを決めた。法的拘束があろうとあるまいと、その規制の仕方ではなくて、世界の多数の国々が決めた方針に対して、日本だけが、やむを得ないからといって何年も何年もそういうことを続けていくことは許されない。やはりここらあたりで外務省が中心になって、農林省その他とも相談し、対外経済閣僚会議等でこれを議題にして、世界が納得するような方向に持っていかなければ、都合の悪いところは世界の方向に聞く、都合のいいところは勝手にする、こういうことが通る時代ではなくなったということをわれわれは深く考える必要があると思います。
○渡辺(朗)委員 私、いろいろお聞きしたいのですが、時間の制約もございますので、内容の中で一点、ちょっと気にかかることがあったものですから、協定の中身について質問をさせていただきます。
 第六十五条に「消費促進措置」という項目がございます。これは、この国際協定に加盟した国は、「砂糖の消費の増大を妨げる障害を除去するために適当であると認める措置をとるもの」とするということになっております。これはどうなのでしょう。他の商品協定にもこのような消費拡大をうたった「消費促進措置」というのは入っているのでしょうか、どうでしょうか。簡単にお願いします。
○羽澄説明員 お答えいたします。
 その一番の例はコーヒー協定であろうかと思いますが、コーヒー協定の中には砂糖の消費を促進するという非常に強力な規定がございます。
○渡辺(朗)委員 六十五条の4の(d)に「特に一人当たりの消費量の少ない国における消費を促進する」ということが書いてございます。そうすると、日本はどういうところに該当いたしますか。消費量の少ないところとみなされますか、あるいは多いところとみなされるのですか、まずそこからちょっと聞いておきたいと思うのです。
○馬場説明員 お答えいたします。
 わが国の消費量は、昭和四十九年ぐらいまでは伸びてきておったのですが、その後、価格の高騰あるいは食生活の変化等によって若干落ちまして、現在一人当たり年間二十四キロないし二十六キロぐらいの間というふうに考えられております。各国の消費量を見ますと、多いところでは一人当たり手配五十キロぐらいという基準にございまして、そういう一番消費の多い国に比べますとまだまだでございますが、ただこれはその国の、砂糖の消費だけではございませんで、食生活全体との関係がございます。わが国の場合、どちらかと言えばでん粉質の食物を別の米等からもとりますので、砂糖の消費としては大体このくらいが限度かというふうに思っております。
○渡辺(朗)委員 そこら辺よくわからないのですが、一九七六年度の一人当たり年間消費量は、日本が二十七・九キログラム、アメリカが四十五・六キログラム、こういうふうな数字がいろいろございます。先進国を見ますと、どうも日本は一番少ないところに該当するのじゃないか。そうでしょう、違いますか。そうすると、砂糖の消費拡大というものをこの協定によって義務づけられてくると理解してよろしいのじゃないですか。そこら辺いかがでございましょう。
○馬場説明員 お答えいたします。
 協定上消費の拡大に努力するということは、わが国としても守らなければならないことかと思いますが、ただ具体的に一人当たり何キロが拡大のめどかということになりますと、先ほど私申し上げましたように、その国々の国民の食生活の形態、嗜好の問題等がございますので、なかなか欧米並みというわけにもまいらないかと考えております。
○渡辺(朗)委員 どうもいまの答えでは答えになったような感じがしないのですけれども、一応これをもって質問を終わります。どうもありがとうございました。
○大坪委員長代理 寺前巖君。
○寺前委員 国連軍縮総会について、私からも二、三外務大臣にお聞きしたいと思います。
 外務大臣の国連軍縮総会における発言をめぐって、わが国のマスコミの社説をひもといてみました。「踏みこみ足りぬ軍縮演説」「迫力欠く外相軍縮演説」「迫力を欠いた外相の軍縮演説」「総花的に過ぎた園田軍縮演説」、これはほめたものは一つも出てこないのですよ。これは外務大臣自身の問題でもあろうし、準備をされた側の問題であろうし、さらに総理自身が、一月の首相の施政方針の中でも軍縮問題について一言も触れなかったし、軍縮総会に首相が出席しなかった、こういう一連の総理自身の態度から見ても、こういう結果にならざるを得ない運命にあったというふうに見ざるを得ないと私は思います。その点では日本国政府の、唯一の被爆国としての国際的な責任は大きいと私は思います。
 そこで第一番目に、この前外務委員会において、私はいろいろな問題について外務大臣にお聞きしました。核兵器全面禁止要求を空想としてはならないという御答弁がありました。ところが、本総会において核兵器の廃絶とは言いながら、核兵器全面禁止の必要性を訴えておられない。全面的に禁止すべきではないかという訴えをなぜおやりにならなかったのだろうか。非同盟諸国の諸君たちは外相会議を開いてこの総会に対する決議をしておられます。二十九日には、国連総会に文書としてその決議を配付するように事務総長の手元に出されました。そこには、核兵器の開発、実験、生産の停止、現在貯蔵されている核兵器の最終的一掃、核保有国による核兵器の使用の放棄を呼びかけるというような問題提起がされているのです。なぜ核兵器全面禁止の必要性を訴えられなかったのか、まだ残されているこの期間中に何らかの形でこの問題を提起しょうと考えておられるのか、お話を承りたいと思います。
○園田国務大臣 いろいろ御批判を受けているようでありますが、私は、軍縮総会でほめられるために演説をしたわけではございません。広範にわたるという批判でありますが、日本は軍縮に対しては広範な問題を掲げておるわけであります。当委員会においても各位からいろいろ御指導賜った点を全部主張してくることが私の使命であると考えたから広範にわたったわけであります。
 なおまた、最初申し上げましたとおり、今度の軍縮特別総会は、それによって決議なり協定なりできる筋合いのものではなくて、適切な言葉かどうかわかりませんが、今度の軍縮特別総会を契機にして軍縮を具体的に進めていこう、今度の特別総会が軍縮の一里塚になれば結構である、こういうことと、もう一つは、核を持った大国の駆け引き及びこれに指導されたそれぞれ立場の違う国々、こういうものの利害を超えて本当に人間として話し合おう、こういう雰囲気の中でありますから、私は日本国の外相としては、そういう諸問題は挙げて、その諸問題が必然的向かうべき方向の端緒をつくることが今度の私の演説であると考えたわけで、したがって、いま寺前さんがおっしゃったことに逆行するような演説ではなくて、少なくともいままでよりも半歩か一歩か、五分か知らぬが、そちらに向けた前進した演説であると私は考えてやってきたわけであります。外務大臣が演説した後、足りなかったからもう一遍つけ加えてこう薬を張るなどということはいたさないつもりでございます。
○寺前委員 私の質問は、核兵器全面禁止の必要性という問題については何ら訴えがなかったけれどもどうなんだということをお聞きしているわけです。再度御答弁いただきたい。
○園田国務大臣 核の廃絶ということを私は訴えて、なおまた、使ってはならぬし、使われてはならぬという、各方面で私の訴えた演説を総合していただければ、好意的に見られれば、将来の全面禁止を願っておるところであるし、悪意的に見ればそうじゃない、こういうことだと思います。
○寺前委員 空想にしてはならないとおっしゃっておったことから考えるならば、それは提起されるべきであるのにもかかわらず提起されなかった。
 次にいきます。
 核使用の問題について、いまおっしゃったように、二度と使わないようにという発言がありました。しかし、そのことを、核兵器国が格段の努力を行うことを強く要請するということで終わっている。なぜ、核兵器の使用禁止の実現を目指すところの討議をしようじゃないかという、討議の提案をされないのか。希望しておくというだけの一般論化しておられるというところに、各新聞もまた、あいまいだという指摘をしております。これについて、残された期間の中で具体的に可能性の追求をしてもらいたいという社説もあります。外務大臣、二度と使わないように要請するということを具体化させる問題はないのですか。
○園田国務大臣 二度と使わせてはならぬ、使ってはならぬという言葉で表現をしておりますが、先ほど申し上げますとおり、ここで核不使用協定等を提案をして、これを決議するという場面ではなくて、ここで提案された問題を、最後には共同声明みたいな文句でそれぞれまとめて軍縮の第一歩にするというのがこの総会でありますから、私はどの問題についてもそれぞれ問題を提起し、それに向かってみぞをあけることに全力を挙げてきたわけであります。
○寺前委員 私は、討議をしようという具体的提起をなぜされないのかということを聞いている。二度と使わないようにするその討議をしようではないか、何で討議をしようという提起をされないのか。各新聞もそこを聞いています。
 それと、その次にいきます。
 外相は、核兵器の脅威におののく非核保有国に対して、核兵器の廃絶のために総力を結集しようではないかと呼びかけられています。当委員会においても、呼びかけをやるということをおっしゃいました。そうしたらその呼びかけを、この軍縮総会でその討議をする場を進めようと具体的に考えておられるのか、軍縮総会後に何らかの形のものを考えようとしておられるのか、そこのプログラムは一体どういうお考えなのか、お聞かせをいただきたい。
○園田国務大臣 私が今度やった演説の要旨は、これを契機にして軍縮委員会あるいはまた軍縮特別総会を要求するとか、あるいは国連の場でそれぞれ具体的に関係の国々と相談をして進めていくべき表題を挙げたわけでありますから、たとえば軍縮デーに八月六日が有意義であるという提案をした、その提案によって、国連に出ている出先の大使には、この八月六日というものを全力を挙げて実現するように努力をせよ、こういう指示を与えておりますが、それぞれ私が演説で挙げました点は、あの二十数分間の演壇において解決されるべきものではなくて、いまおっしゃったように、私が提案した問題については、それを出発点として具体的に進めていくことは、それはおっしゃるとおりに大事なことであって、それをやらなければ、歌を歌いに行ったことと同じだ、このように考えております。
○寺前委員 そこで、私はお聞きをするわけです。具体的な今後のプログラムはどういうことをお考えになっているのか。
○園田国務大臣 先ほども言いましたとおり、私が提案した問題はみぞをあけたわけでありますから、それでそれぞれ出先の者が関係者と相談をして実現の方向へ、あるいは討議をするなりあるいは委員会をつくるとかあるいはそれぞれその場をつくるとか、こういうことを進めていくべきである。これを今度の軍縮特別総会が軍縮実現のためへの一里塚になればよろしい、こういうことでございます。
○寺前委員 たとえばユーゴの総理大臣は、核兵器保有国が、核兵器を放棄している国に対して核兵器を使用したり、脅迫したりしない義務を課することを主張するというふうに演説をしております。そういうふうに具体化させようじゃないかという方向をきわめて明確にやっているわけです。日本政府は、ある新聞によると、「戦争を放棄した憲法を「誇り高き憲法」とよび、非核三原則を「国是」と称して、軍事大国に絶対にならない」という外向きのいいかっこうの発言をしている。しかし国内においては、憲法上は核兵器も自衛戦力のうちとして持つことができる、とんでもない発言をされている。どうも外向きだけのかっこうのようで、しかも、外向きにおいては具体的締めくくりがないという問題提起が、どの新聞を見ても厳しく指摘をしておられるようであります。私もそういうふうに思います。そういうことから考えて、私は、まだ残された期間の中において、日本の国民代表の方が積極的に核兵器の使用問題の問題提起をするというのに対して、日本政府の方の態度というのが具体性を欠いている、あいまいさがあるというこの指摘を再度検討されて、この国連総会の中においてもう一度積極的な役割りを果たされるように希望をしておきたいと思います。
 もう時間もありませんが、一言だけ砂糖協定について聞いておきたいと思うのです。
 国際的な砂糖協定が七三年から今日まで、輸入国の側の責任において結ばれなかったというふうに見ることが至当だろうと私は思うのです。その中には、重大なシェアを持つ日本の役割りも大きい。ところで一方、豪州を初めとする国との間に個別協定を結んできている。個別協定は、商社間の約束か知らないけれども、長期にわたるところの内容であり、それは国と国との関係問題としても重要な位置を占めるというふうに私は考えますし、さきにも外務大臣はそのような旨をおっしゃっておりました。
 ところで、商社は砂糖だけの単品の輸入活動をやっているわけではありません。他の品物を自分が売りに行くという活動もやっています。それぞれの国々の中に商社の果たしている役割りは、総合的に利益を追求したらいいということになっていくでありましょう。さきも農林省の方に聞いてみたら、原糖を輸入するのは圧倒的に五大商社の系列で輸入をしている、精糖メーカーに品物を持っていく、そして今度は、国民の砂糖の市場にはまた五大商社が大きなシェアを占めてそれを売っている、こういうことになってくると、精糖メーカーを動かす役割りというのは商社の側にあると言っても過言ではない状態にある。もちろん金融機関もこれに重要な役割りをするでありましょう。
 ところで、この業界の中においては過当競争によって利益を追求するという過程がありました。あの七三年の段階から後に砂糖。パニックをつくる、これは商社の役割りが大きいと思うのです。そうして、この砂糖パニックの中から、今度は精糖メーカー界におけるところの整理を始めるという事態が生まれてきています。そういう事態の中において、日豪間に結ばれたところの砂糖の長期協定、これが高い買い付けをやっているというところから、今度はこの整理の過程において、日豪関係のものを原糖とする分野の精糖会社の中に圧力が加わってくる、特別な赤字の増大という問題が生まれている。全体として特例法を設けて、砂糖業界におけるところの対策というのは三年の時限立法で組まれたようだけれども、結局考えてみたら、商社の活動によって砂糖メーカー界の編成がえというものが生まれてきているというのが客観的な事態であろうと私は思うのです。その事態の中において生まれてきている一つの事件が、東海精糖のあのつぶされるという事態が生まれてきている。結局そのしわ寄せというのは、過当競争の渦中にほうり込まれた、そこで生産に携わっている労働者、それが犠牲になるという結果にならざるを得ないという姿がいまの問題であろうと思う。こう考えてくると、商社と金融機関の手によっていじめられている精糖メーカー界の中における労働者、ここを政治的にも救済をするという手段をとられるのが普通ではないだろうか。いま三年の時限で特例法を設けて生産調整をおやりになっている。そのおやりになっているときにつぶされた東海精糖の場合には、ちゃんと自主生産をされるような手だてを、めんどうを商社も金融界もされるように政府としては指導しなければならないことになるのではないかと思うけれども、一体そこについてはどういう指導責任をもっておやりになっているのか、私はこの点だけをきょうは聞いて、次回に譲りたいと思います。
○馬場説明員 お答えいたします。
 東海精糖の問題についての御指摘でございますが、現在東海精糖は裁判所に会社更生法の手続の開始申請をしている段階でございます。先生御承知と思いますが。これはあくまでも、私どもの方から申し上げますと、やはり大口債権者、それから今後の経営をだれが中心になって担っていくかという問題であるかと思っておりまして、これらの関係者の話し合いが進むように、農林省としても見守っていきたい、こういうふうに思っております。
○寺前委員 見守っているだけでは現実的な責任は負えない。国際的に約束をしたものである以上は、これは単に商社だけの事業じゃなくして、政府としても責任を感じなければならない。その商社は、自分の方は総合的な活動ですよ。しかし、しわ寄せは精糖メーカーの中にいく。そこの労働者だけが責任を負わなければならない事態になっている。そのときに、自主再建の道を保障してやるという積極策を商社や金融界がやっていくということは重要な課題だと思いますので、改めて私は次回に、この問題についてのきちんとした態度を説明していただきたいと思います。
 終わります。
○大坪委員長代理 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十九分散会
     ――――◇―――――