第084回国会 文教委員会 第9号
昭和五十三年三月二十九日(水曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 菅波  茂君
   理事 石橋 一弥君 理事 唐沢俊二郎君
   理事 藤波 孝生君 理事 渡部 恒三君
   理事 木島喜兵衞君 理事 嶋崎  譲君
   理事 有島 重武君
      石川 要三君    久保田円次君
      坂田 道太君    中村  靖君
      長谷川 峻君    水平 豊彦君
      小川 仁一君    千葉千代世君
      中西 積介君    湯山  勇君
      池田 克也君    鍛冶  清君
      伏屋 修治君    中野 寛成君
      山原健二郎君    西岡 武夫君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 砂田 重民君
 出席政府委員
        人事院事務総局
        給与局長    角野幸三郎君
        文部政務次官  近藤 鉄雄君
        文部大臣官房長 宮地 貫一君
        文部大臣官房会
        計課長     西崎 清久君
        文部省初等中等
        教育局長    諸澤 正道君
        文部省大学局長 佐野文一郎君
        文部省管理局長 三角 哲生君
        文化庁次長   吉久 勝美君
 委員外の出席者
        警察庁警備局公
        安第三課長   福井 与明君
        大学入試センタ
        ー所長     加藤陸奥雄君
        国立科学博物館
        長       福田  繁君
        厚生省社会局更
        生課長     金瀬 忠夫君
        資源エネルギー
        庁公益事業部技
        術課長     松田  泰君
        労働省職業安定
        局業務指導課長 田淵 孝輔君
        会計検査院事務
        総局第二局長  松田 賢一君
        文教委員会調査
        室長      大中臣信令君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十八日
 辞任         補欠選任
  山原健二郎君     荒木  宏君
同日
 辞任         補欠選任
  荒木  宏君     山原健二郎君
    ―――――――――――――
三月二十四日
 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共
 済組合からの年金の額の改定に関する法律等の
 一部を改正する法律案(内閣提出第六八号)
同月二十五日
 著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 七〇号)(予)
同月二十七日
 教育職員免許関係法令の改正に関する請願(森
 喜朗君紹介)(第二四九四号)
 私学助成に関する請願(草川昭三君紹介)(第
 二四九五号)
 同外一件(岡田哲児君紹介)(第二五一八号)
 同(草川昭三君紹介)(第二五一九号)
 同(草川昭三君紹介)(第二五三六号)
 同(草川昭三君紹介)(第二六二四号)
 私学に対する国庫助成増額に関する請願(小林
 政子君紹介)(第二四九六号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第二四九七号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二四九八号)
 同(池田克也君紹介)(第二五一六号)
 同外四件(新村勝雄君紹介)(第二五一七号)
 同外一件(有島重武君紹介)(第二五三五号)
 同(池田克也君紹介)(第二六二〇号)
 同外七件(新村勝雄君紹介)(第二六二一号)
 大幅私学助成等に関する請願(山原健二郎君紹
 介)(第二四九九号)
 私学の助成に関する請願(馬場昇君紹介)(第
 二五二〇号)
 同(岡田哲児君紹介)(第二六二二号)
 同(瀬野栄次郎君紹介)(第二六二三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法
 の一部を改正する法律案(内閣提出第二一号)
 文教行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○菅波委員長 これより会議を開きます。
 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。池田克也君。
○池田(克)委員 予定した質問がありますが、その前に、成田空港の管制塔の占拠という大変大きな事件が出てまいりました。最初にこの問題について文部大臣の御所見を伺いたいと思います。
○砂田国務大臣 成田空港の先日の過激派集団によります問題につきましては、文部省との関連につきましては、過激派のあの逮捕された集団、暴徒の中に大学生が含まれているとか、あるいは成田へ出ていったあの連中が大学を兵たん基地化していたのではないかというような話がいろいろあるわけでございますが、実は、成田のあのような二万人集会という届け出が警察に出ました段階から私ども十分注意をいたしまして、文部省の大学局と各大学の間で緊密な連絡をとりながらそれの対応に準備をしてきたところでございまして、後ほど大学局長から詳細はお答えはいたしますけれども、大学へ集まって、そこから集団的に出ていくというようなことを許してはならない、また、大学にはいろいろな薬品等があるものでございますから、そのことの管理に十分気をつけなければなりませんので、そういったことも学校当局の注意を喚起をしながら、前日は幾つかの大学が徹夜状態で警戒態勢をとってくれたわけでございます。二つばかりの大学で成田闘争支援というような立て看板が出たことはございましたけれども、その他の問題では、大学を拠点としてというような事態は何一つ起こらなかったというふうに報告を聞いております。なお、逮捕をされました中に大学生がどれだけいるか等は、まだ詳細を警察庁からも連絡を聞いておりません。補足をして大学局長からお答えをいたします。
○佐野政府委員 ただいま大臣からお答えを申し上げたことに尽きるわけでございますが、なお、全国の国立大学に対して、かねて、学園の中の不正常な施設の使用状況についての注意あるいはその是正方についての要請をしているわけでございますけれども、今回は特に関東地区の国立大学、高専に対しては全部連絡をいたしましたし、また、いわゆる拠点校と言われている私立大学に対しては特に注意をしていただくようにお願いをいたしました。三十五の大学に、三月二十五日の時点で、先ほど大臣から申し上げましたような事項について特段の配意をしてほしいということをお願いをしてございます。現在まで報告を受けているところでは、今回の事件について、大学の中で学生が集まったりあるいは宿泊をしたり、そういった特別な事態は全く見られておりません。
○池田(克)委員 事件が起きる以前に、いま大臣の御答弁にありましたように、徹夜までして、大学を拠点としてそこから出ていくというようなことのないように配慮されたということでありますが、事件が起きた。そして、政府の声明を見ますと、単なる地元一部農民による反対運動とは全く異質である、こういうふうなことでございまして、農民による反対運動ではないということになると、一体何か。国民の目は、学生によるところのそうした極左暴力集団のしわざではないか、こういうふうになってくると思うのです。この政府声明は恐らく閣議で話題になったと思いますが、この時点で文部大臣として、つまり、一部農民による反対運動とは全く異質であるという政府声明が出される時点において、これはやはり文部省として、この問題は学生のしわざという疑いがかけられているわけですから、それに対する今後の対処に対して何らかの手をお打ちになっているかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○砂田国務大臣 二十六日の成田事件におきます過激派集団の中に学生がどれだけいたかということをまだ把握はいたしておりませんけれども、昨年春以来の一連の成田事件におきます逮捕者の中に占める学生の割合は約二割でございます。今回の参加者の中にもその程度の学生がいるのではないかと推定をいたしております。民主主義社会におきまして、理由のいかんを問わず暴力は絶対に許さるべきではないことは当然でございまして、特に学問の府たる大学において学問の研さんに励むことを本分とするはずの学生が、このような暴力事件の発生の一原因になっている、きわめて遺憾なことでございます。文部省といたしましては従来から、暴力行為の根絶につきまして、あるいは大学在籍者の指導、管理の厳正について指導し、通達等をやってまいったところでございますが、今回の成田闘争に当たりましても、特に東京周辺の必要と思われる大学に対しまして、ただいま大学局長がお答えをいたしましたように、大学がみだりに学生その他の者の宿泊の場所に利用されることのないように厳重な注意を促してまいったところでございます。今後とも、大学当局に対しまして、学生の反社会的な暴力行為の根絶について非常に強い姿勢で努力をするように指導助言を行ってまいる決意を、今回の事件で新たにいたしたわけでございます。
○池田(克)委員 決意はわかりましたが、そこで、報道されておりますように、あの管制塔を占拠したグループは第四インターである、こういうふうに犯行を声明したわけですね。その第四インターという集団は学生の集団である。新聞の解説などによれば、芝浦工大が最大の拠点であるというふうにも出ておりますし、一部私が得た情報では、秋田大学の学生等も過去において第四インターの系列だと判断された、こういう経緯を私は聞いているのです。この第四インターの中身について、文部省として何らかの状況をつかんでおるかどうか、お伺いしたいと思います。
○佐野政府委員 第四インターの実態について私どもが正確に把握をしているわけでは残念ながらございません。御指摘のように、最大の拠点は芝浦工大であり、活動家の数が約千四、五百であろうというふうに言われております。中核あるいは反帝学評と近い集団であり、ほかのセクトに比べますと学生が占めている割合がかなり多いのではないかというふうに考えております。それ以上のことについて私どもは承知ができないわけでございます。
○池田(克)委員 先ほど大臣から、逮捕された学生はいままでの経緯では大体二割だ、こういう御答弁でしたが、いま局長からお話がありましたように、第四インターというのは学生の集団だ、こう言われているわけであります。そうしますと、今回の事件が学生の手によって行われた、当然これは他のセクトに対する非常に大きな影響というものも出てくる。彼らがそこでああいうことをやった、これからあっちこっちで、こういうことも懸念されるわけであります。この問題ばかり時間をとるわけにいきませんが、政府声明を見ますと「極左暴力集団の徹底的検挙・取り締まりのため断固たる措置をとる」「国民各位をはじめ広く内外関係者のご理解とご協力をお願いする。」こういう政府声明であります。これに対して当然文部省としても、断固たる措置をとる、内外関係者のご理解とご協力ということになりますと、これから、こうしたセクトを持つ大学あるいはその周辺における可能な限りのそうした情報提供ということに関して、警察当局に対しても協力をするということになっていくんじゃないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。
○砂田国務大臣 学園におきます秩序維持につきましては、第一義的には各大学において措置をするべきことでございまして、文部省はその大学の努力を助け、必要に応じ助言を行っていくということで従来もきたわけでございます。また、大学当局に対しましても、大学自身の手で自主的に解決ができないような学園内の紛争等が起こった場合には、遅滞なく警察当局に連絡をとるような指導助言もやってきたところでございますが、それだけでは私どもの責務が果たせない状態になってきたと私は考えます。そこで、池田委員御指摘のように、今回の逮捕者の中には、これは推計でございますけれども、学生数というものは逮捕者の中では二割くらいであろう。しかしあれだけの事件を起こしたその中心になったのが第四インターという、学生を主力にした集団であった。学園内だけの問題ではないわけでございますから、文部省自身でひとつ積極的に警察とも連絡をとり、警察からも積極的な情報を文部省もいただけるようにいたしまして、学校当局、文部省、警察というものがこういった事態に遅滞なく対処ができるように、また事前の策が打てますように、その三者の連携を深めていこう、こういうふうに考えるわけでございまして、ひとつ強い姿勢で、私ども積極的に警察当局との連携を密にしてまいろう、かように考えるものでございます。
○池田(克)委員 この問題の最後になりますが、電気もりが新しく武器として登場したとか、あるいはいままでの一連の爆弾に関する事件等でもかなりの化学知識というものがここに活用されているわけですね。したがって、大学生あるいは大学の研究機関等で、そうした知識が、あるいは材料が提供された。いま大臣のお話にもありましたが、これはやはりそうした意味では、大学の自治を守りながらやっていくという、大変むずかしいことだと思います。
 そこで、きょうあたりの新聞では、現行法規の解釈をぎりぎりいっぱいまで運用して、そして事件を防ぐ、こういう話が出ておりますが、新たに文部省内でこの学生の暴力に関する何らかの立法とか、あるいは従来あった法規の新しい運用とか、こうした法的なものについての対策というものを何らか具体的に検討されているかどうか。結論はまだ出ていないと思いますが、検討の舞台に上っているかどうか。局長からでも結構ですが、お答えをいただきたいと思います。
○砂田国務大臣 文部省が責任を持ってまいりますのは学園内における問題でございます。これは御承知のように、四十三、四年ごろのあの学園の大紛争に処しますための臨時措置法というものが成立したわけでございますけれども、決められた五年の期限は来ております。そしてこれの延長措置は講ぜられておりません、廃棄の措置も講ぜられておりませんことは御承知のとおりであります。また、この臨時措置法が存在をしておりましても、今日の学園におきます紛争そのものが、その一つ一つはきわめて悪質なものであり、異常なものであり、不法な場合もあるわけでございますけれども、あの臨時措置法が目的といたしました規模のものではございません。あの臨時措置法がそのまま適用できる学内における紛争はただいまないわけでございます。こういうことを考えましても、今回の成田の事件等は学校の中の問題ではなくて、学校の外に学生も加わって出ていってあれだけの事件を起こしたわけでございますから、それに対する立法措置というのはやはり、文部省が主導権を持ってやることではないと考えます。それぞれの治安当局あるいは警察等が主導的に考え、対処していくべきもの、かように考えるわけでありまして、私どもといたしましては、学校の中にそのような、いかなる体制にも反対だというような、暴力をもって民主社会を破壊するがごとき学生が存在をしていることに対処する、それがやはり文部省としてやらなければならない責任でもありますし、文部省の果たし得る限界であろう、このように考えるものでございます。ただ、文部省が果たさなければなりません責務につきましては強い姿勢で対処していこう、こういう決意をいたすものでございます。
○池田(克)委員 きょうあしたと、また参議院、衆議院でこの問題は取り上げられると思うのですが、ぜひともこの機会に、文部省としても先ほど大臣がお話をされたような強い姿勢で、こうしたことが再び起こらないような対策を立てていただきたい。学内から学生が出ていってそして外で事件が起きる、こうなりますと文部省の手の下すところではないということですが、国民はやはり学生だと見ている。確かに学生という一つの特権が昔からあった。しかし、その学生の行動というものは、法の秩序の中で、きちっとした市民の支持を得て行われなければならないわけですし、そうした点で、今回の事件は文部省としても重大な関心を持たれて速やかなる対策を講ぜられるべきだ、私はこのことを要望したいと思います。
 そこで、問題を最初の予定のテーマに戻します。二月の二十七日の予算委員会の第二分科会で、私、文教行政について若干の質問をいたしました。ちょうどそのときは時間がございませんでしたので、その継続になるかもしれませんが、きょうは御質問させていただきたいと思います。特に、国立大学の共通一次試験に関することで、本委員会に小委員会を設けられておることは十分承知しておりますが、私の気持ちとしてはタイミングの問題だと思いますので、小委員会に先駆けて幾つかの問題をお尋ねしたいと思います。
 ちょうど大体入試も終わり、ことしの国立入試に落ちた人は明年を期しておると思うのです。そういう状況の中で、大臣が二月十七日の本委員会で水平委員の質問に対して、「五十五年度から非常に強く参加の意思表示をしております私大もあることでございますので、五十五年度からは、必ずしもグループでなければ入れないというようなことではなくて、一個々の私立大学の参加を受け入れることも含めまして、」という御答弁がございました。従来の、グループによって私大の参加という考え方から見ますと大きく一歩前進をしたように私は受けとめたわけでございますが、この大臣のお考えに変化はございませんでしょうか。
○砂田国務大臣 ただいま私立大学の各団体におきまして、共通第一次学力試験への参加を含めて、選抜方法の改善について非常に真剣に検討しておられるところでございます。大勢としては、もうここまで参りますと、五十四年度入試から私立大学が参加するということはもう困難なことになってまいりました。しかしながら、五十五年度以降の問題としては、大学によっては積極的な意向を持っているところもございまして、そういう御意向を承るわけでございます。大学入試センターあるいは当該大学の所属団体とも協議の上で、それらの大学と、参加の場合の問題点等を詰めてまいりたい、かように考えておるところでございます。私立大学が五十五年から参加をいたします場合に、受験生の準備や受験生に対する周知の徹底等、時間がかかることでありますから、手違いが生じないために準備期間を考えてまいらなければなりません。ことしの夏前には、参加の意思と、第二次試験の方法、内容等について公表いたさなければならない、そういう時期的な制約があるわけでございます。早急に、参加の意思の確認と参加の具体的方法についての結論を出さなければなりませんので、ひとつ積極的に協議を進めたいと考えておるところでございます。
○池田(克)委員 大臣は、積極的に参加の方向をお進めになるという御答弁です。この前の予算委員会の分科会で大学局長から私がいただいた答弁では、「五十五年度の場合にどのような形で私立大学が国公立の共通一次を利用されるか、そこのところは私どもはまだつかんでおりません。」「必ずしもグループでなくても、個々の大学が利用したいということであるならば、その大学と技術的な点について折衝したいというふうに考えているわけでございます。」これをよく比べてみますと、大臣と局長のお話の間に若干食い違いがある。大臣の方は、積極的にやろう。局長の方は、見通しをつかんでない、したいのならば技術的に詰める。要するにこちら側はじっと構えておって、おいでになるならどうぞ、技術的に詰めてあげましょう。文部省として、この私大参加ということを積極的に推進をしていくというのか、あるいはまあ状況の推移によって、積極的じゃなく、対処していこうとするのか。後になって私よくこの議事録を読み比べてみると、ニュアンスの違いがある。この辺をもう一遍、今度は局長の方に確認をさせていただきたいと思うのです。いかがでしょうか。
○佐野政府委員 もちろん国・公・私を通じての入試の改善、できるならば、国・公・私を通じての共通入試の実施ということが私たちの目標でございますし、そういう趣旨で、私学の共通入試への参加と申しますか、あるいは共通入試の利用と申しますか、それを積極的に進めていきたいと考えておるわけでございます。
○池田(克)委員 そうなりますと、積極的ということ、大臣も局長もそういうことであれば、各大学に対して、言うならば呼びかけをする、そしてその締め切り時期はいつだ、五十五年度に個々の大学の試験も受け入れる、希望を出してこい、締め切りはいつまでだ、こういうふうなことを大学側に指示したのでしょうか。
○佐野政府委員 率直に申しまして、私立大学の関係団体の共通入試に対する構え方にはやはり一様でない点がございます。しかしながら、それぞれの関係団体に対して、共通入試への参加の問題について御検討を賜るようにお願いをしておるわけでございますし、ことに私立の医科大学協会あるいは歯科大学協会に対しては、これらの大学の入試のあり方の改善の問題とも深くかかわりますので、共通入試を積極的に利用してほしいということをお願いをしておるわけでございます。何日までにという期限を切ってのことではございませんけれども、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、準備期間を考えますと、ことしの夏までには、どこが共通入試を利用し、その大学の二次試験の科目はどういう状況になるのかということが受験生に明らかになっておくことが望ましいと考えますので、それを目途にできるだけ話を詰めてまいりたいと考えております。
○池田(克)委員 夏といっても六月から八月までありますが、何月ということになるのでしょうか。
○佐野政府委員 御案内のように、国立大学の場合には七月未までに二次試験のあり方を明らかにしてほしいということをお願いをした経緯もございますし、やはり私たちも、できれば七月末までには五十五年度の状況が受験生に明らかになるようなことが望ましいと考えますので、それを目途に進めてまいりたいと思います。
○池田(克)委員 さっき私が局長に伺ったのは、個々の大学にどうだといったような連絡をしたかと私は聞いたんです。局長の答弁は、関係の団体に呼びかけている、大学によってもいろいろありますと。わかっているんです。それは。いろいろあるから、この間大臣がおっしゃったように、きょうもまたおっしゃったように、グループじゃなくて個々だ、もうグループは捨てた、個々になっていくんだと。私は、その個々に呼びかけて、これは文句のないところだと思う。それで何校かということを聞いている。別に私は数の多いとか少ないとかということは問うているんじゃない。それを何校、いつからということをはっきりしなければ学生はかわいそうだという観点で、もうグループは捨てて、個々に呼びかけをしているかということをお伺いしているんで、ちょっとその点、もう一遍確認をしておきたい。
○砂田国務大臣 受験生がかわいそうだという言葉を使われましたが、受験生の立場になれば、当然のこと、受験生を混乱させたくたい、受験生が決断をするのにしやすいような方法ということは、当然同じ気持ちを私どもは持つわけです。しかし、一つお考えおきいただきたいと思いますことは、大学入試という問題は、これは国立、私立を問わず、まさに大学当局の自主的な大学事務の重要な課題でございますから、先ほど指示をしたかというお言葉がございましたけれども、やはり文部省が指示をするものではないと思うのです。まさにそれが、指導助言という言葉が使われますか、御要請申し上げるという言葉を使いますか、やはり大学入試という問題について大学自身の判断、それが一番大事なところでございますから、その判断について、こういう制度で、こういう効果があるのですからどうぞこれに御参加をという呼びかけ、御要請、指導助言をする。そういうことでありますから、個々の大学に対してということではなくて、また私立大学協会全体として非常に真剣にこの問題に協会として取り組んでおられますので、私大全体に呼びかけたいという考え方から、大学協会に大学局長がお話を申し上げておると、こういうふうに御理解をいただきたいと思うのでございます。
○池田(克)委員 局長、何かございますか。
 いままで私がどうしてこういうことをしつこく言うかというと、すでにもう去年の段階で、私大でこの共通一次試験をやりたいと言っているところがあるのですね。すでにこのことは一部の医大ということで局長からも御答弁がありましたが、医大だけではありません。たとえば拓大、それから大阪薬科大、順天堂大、関西医科大と、確かに医・薬が多いんですが、医・薬じゃない、拓大のような、学生数からいっても大きな学校ですが、五十四年度からやりたいということを、去年の十一月十九日の新聞報道ですが、これはすでに表明しているんですね。このことと、先ほど大臣が積極的に、個々の私大の参加まで、いままでグループだったのが個々というところまで、私大の協力という線で文部省は姿勢を柔軟にされてこの問題に対処されようとしている。私は結構だと思うのです。
 そこで、具体的に五十四年からやるということは、もういま本当に発表しなければならないような状態なんですね。そこで、きょうは加藤先生もお見えなんですが、このやりたいと言っている四つの大学と何か技術的な折衝、そうしたことが行われているでしょうか。
○加藤説明員 いま先生お話ございました大学につきまして、私どもとの連絡は現在のところございません。私どもには、いまの、先生のお話以外の大学の二、三の方々から、フリーな立場と申しましょうか、そういう立場で、いろいろな情報聴取というような形でお会いした大学はございますけれども、いまの点のは具体的にはございません。
○池田(克)委員 これは要するに、別に文部省はセールスマンじゃないですから問題を売って歩く必要はないわけです。けれども、いま大臣からのお話で、指示をするものではないという。私の言葉が足りなかったのかもしれませんが、私の気持ちは要するに、指示ということじゃなくて、こういう状況、新聞にも若干報道されておりますけれども、正式に、文部省あるいは大学入試センター、共同利用センターですから、そこから各私大に対して、こういう個々という状況も受け入れることができる、これに対する対応というものが出てきたわけだから、その新しい状況に対してどういう判断をされるかというアンケートといいましょうか、単なるアンケートよりもっと具体的なものだろうと思うのですけれども、そういうようなことをする。少なくとも新聞に公表していますから、受験生としては、拓大を受けたいという人はこれは五十四年度の国立大学の試験と同じものをやるのかなと思いますよ。私はそういう意味で、何らかの対応というものをきちんとすべきじゃないか、こう申し上げておるわけなんです。いかがでしょうか。
○佐野政府委員 御指摘のような事情がございますので、私の方は、私立大学協会あるいは私大連盟あるいは懇話会、さらには医科、歯科の二つの協会、そういう団体を通じまして、各大学の御意向のいわばアンケートと申しますか、調査は現在実施をしております。まだ集計中でございますし、最終的にそれぞれの大学の個別の御意思を確認しておりませんのでまだ公表をするわけにはまいりませんけれども、決して数は多くはございませんが、若干の大学で現時点でも参加の御希望を御意向として持っているところがあることは事実でございます。
○池田(克)委員 ですから、大学協会とか大学の団体を通じて聞いているからまとまりが悪いのだと思うのです。要するに、大学の団体としての意思決定というものは、いろいろな意見があって非常に決めにくい状態なんですから、すでに文部省としてはこの団体から学校へ呼びかけていくという一つの段階は捨てるべきだ、個々の大学を相手にしてしなければこの問題は進展しないのじゃないかと私は思うのですが、どうですか。
○佐野政府委員 もちろん、先般来お答え申しておりますように、関係団体において傘下の各大学の意向を集約をした上で、団体としての意思を決定をしてほしいということを私たちはお願いをしているわけではございません。現時点では、個々の大学の参加ということを含め、あるいはそれを前提として各大学に関係の団体から御相談を願いたいと考えておりますし、また、私たちも、各大学の参加の御意思というのは、そういった団体としての意思の集約ということとは別途に考えてまいりたいと思っております。
○池田(克)委員 次に、この問題と若干絡みますが、たとえば拓大がそういう意思を持っている。そうすると、この間私が予算の分科会で局長に伺ったところでは、私大がこうやって個々に参加することが具体化した場合に、五教科七科目、同じ問題をやることになりますという御答弁でしたが、私大が参加されてもそういうことになりますでしょうか。これはどなたの御答弁がいいのでしょうか、やはり局長でしょうか。
○佐野政府委員 共通入試の趣旨とするところは、高等学校段階における一般的、基礎的な学習の到達度、達成度を評価をしようというものでございます。そういう趣旨から、外国語は別でございますけれども、その他の科目については高等学校における共通必修の科目について学力検査を実施をするわけでございます。そういった観点からすると、共通入試の科目というのは共通必修の科目を網羅をすることが望ましい。その科目数を減らすということは、かえって高等学校の正常な学習というものに悪影響を及ぼすおそれがあるという判断が一つございます。したがって、共通入試について私大が参加をされる場合であっても、事の性質は同じであろうと思います。ただ、実際問題としては、医科・歯科系の大学はいまでも六ないし七科目やっておりますから問題はございませんけれども、その他の大学の場合に科目数が少ない。本当は、その科目数の少なさというのは第二次試験の段階の話であって、共通入試の趣旨からすれば同じように、共通必修の部分については試験を受けてほしいということがあるわけでございますけれども、私大が参加をされる場合にどういう形で対応していくかということについてはなお検討すべき点はあるとは思います。そういった点は入試センターにもお願いをしてさらに検討はいたしたいと思っておりますけれども、現時点では、いま申し上げたような共通入試の趣旨に従って私大も御利用を願いたいと考えております。
○池田(克)委員 確かに高等学校で習ったことを網羅的にチェックするというのが一つの趣旨であるが、反面、入試というものの大変な激烈な状態を緩和するという、そういう両面の効果というものがこれはある。このことはいままでずいぶん議論されてきたところだと思うのです。いまたとえば拓大が三科目である。いまのお話のとおり国立と同じような試験科目とする、これは理想かもしれません。しかし、現実的に五十四年からやろうということになった場合に、拓大とか大阪薬科大、まあ薬科大学関係では社会が課せられていないわけですね、数学や理科はたくさんですが、社会がない、あるいは国語がないところもあります。学生にしてみれば、かなり広く浅く勉強していかなければならない。自分は数学が得意だ、理科が得意だから医科系、薬科系へ行こうと思っても、さあこうなると、自分の進路までもちょっと苦手なやつが入ってきたなということになってくるわけです。これは重大な問題をはらむと思うのです。
 そういうふうな方向の正常化、いわゆる入試というものの理想と申しましょうか、言葉が適当じゃないかもしれませんが、一つのフィックスされた概念がありますね、それを固めておいて、それから私大に呼びかける。かなり柔軟にしながら私大をなるべく呼び込んで、そして入試の緩和ということを図る。どっちを重点にするか、なかなかこれは議論の分かれるところだと思うのです。しかし、私たちが決議をしたときにも、私大の参加というものは強く文部省にもお願いをしている段階ですね。私は、そういう意味からいくならば、なるべく柔軟にして私大の利用ということを図っていかなければいかぬのじゃないかと思うのです。
 たとえば、入試センターは国立大学の共同利用施設ということで今日設立されているわけです。共同利用施設ということの根本的な考え方、原点に戻って言えば、問題をつくる問屋だ。いろいろなメニューがあってしかるべきだ。この中で、この私大はこれを利用させてほしい、この大学はこれを利用させてほしい、難問奇問は出ません、いい問題だ。そしてその採点も機械的にかなりできる状態ですから、それを私大がお使いになって、問題はやさしくなり、しかも私大側がいままでずっとたどってきた科目数というものも充足される。文字どおり国立大学の共同利用センターというと、これは私立は入ってないのですが、国の金で、入試改善という大きな目的に立ってこれが設立されたわけですから、私はいますぐとは申しませんが、方向としてこういうふうないろんな問題のメニューというものがあってしかるべきじゃないか。この辺は、加藤先生、将来の理想の問題も含めるのですけれども、いかがなものでしょうか。
○加藤説明員 現在、共通第一次学力試験というものを国大協で考えてまいりました筋道は、先ほど大学局長がお話しなさいましたその考え方であります。そういう意味で、そういう高等学校における一般的、基礎的な履修のあり方を共通第一次学力試験でやるのだ。これは高等学校の必修科目に相当するわけですが、それに加えて、各大学の特色に対応して適性判断、能力判断を二次試験でやるのだ。そういう意味で意思統一がされた、そこから共同利用機関という姿が出てきた筋道ではあるわけです。そういう意味で共同利用機関としての大学入試センターができ上がったというふうに私ども理解して、現在それで進めております。
 いま先生のおっしゃるように、今後私大なり何なりが入ってまいりますと、やはり現実に私大が参加されるということについては、当然にその点について入試センターとの接触も起こってくるでありましょうし、国大協とのそういう内容についての性格論議というようなことも行わなければならないかと思います。そういう考え方を持ちますと、将来に向けてのいろんな形というものは、先生おっしゃる内容のものの一つとしての可能性としてはあろうかと思います。現在そこまでの話は行っておらない。現在の共通一次学力試験という意味は、各国立大学が共通的に関心を持つという形で、高等学校の必修科目と対応した意味での一般的、基礎的なものをしよう、そういうことからきた共同利用機関でございますので、それの理念は、局長の話もありますように、高等学校の教育の正常ということに対応して考えなくちゃいかぬのだ、その形から生まれてきたことでございますので、現在の考え方としまして、原則的な立場から言いますと、私立大学がこれを御利用なさるという立場でも、その原則は、教育的な見地から言いますと生きてくる考え方であろうかというふうに思います。しかし、現実の問題がまたございますので、この点は今後とも検討を進めていく。接触を持った段階からその検討が始まる可能性があろうかというふうに思っております。原則的な筋と申しますならば、先ほど局長のお話しありましたとおりだと私どもいま考えております。
○池田(克)委員 高等学校の教育を正常化する、それはわれわれも異存のないところです。しかし、この共通入試というのは、高等学校の正常化、つまり高等学校を卒業した段階で到達度というものをはかる試験なのか、あるいは大学に適応した人間を選ぶ試験なのか、これはいままでもずいぶん議論があった。私、いまの御答弁を聞いていると、きわめて検定試験的な色彩というものを文部当局は強く持っているんじゃないか。いままでも試験の時期の問題をめぐりまして、検定試験なのか、あるいは大学側が適性な学生を選抜する試験なのか、どっちなのか、どっちかというとこの辺がまだ十分に議論し尽くされてない部分があると思うのです。私は先ほど来から申し上げておりますように、かなり柔軟な姿勢で臨まなければ、いつまでたってもこれは国の試験として、ずっと毎年毎年私大も様子を見ています。このアンケートを見ましても、まずことしの様子を見てから判断しようというのが九十七校、五十四年度から利用したいというのが四校、五十五年度からというのが一校、当面利用する考えはないが将来について成り行きを見ていくというのが九十七校、こうなっておるわけです。ですから、私大はこの成り行きを見ている。私は、非常に大事な時期にいま差しかかっておると思うのです。四校あるいは五校、やりたいということを表明している大学があったけれどもいまだに技術的な詰めが行われてないとなりますと、私大の参加については、さっきの大臣のお話とは違った要するに文部当局の動きじゃないか。結局のところは、私大は、こういうようないままでの経緯というものがある、参加したい気持ちがあるけれども、これについていまのような状態ではなかなかむずかしい。もっとこれを門戸を開いて、私大が参加しやすいような状況というものにこっちが歩み寄っていかなければならないんじゃないか。先ほど来のやりとりを聞いていらして、大臣いかがですか。ちょっと私は違いがあるような気がするのですけれども。
○砂田国務大臣 そんなに違いがないように思うのです。大学局長からも入試センターの所長からもお話がございましたけれども、第一次の入試のやり方というのはやはり高等学校段階における一般的、基礎的な学習の達成程度を評価をするということであって、いま池田委員が御指摘になりましたような、高等学校の履修を非常にうまくやってそのことを身につけた青少年、これはやはり大学に適応する青少年であるので、そこを別にして考えるのはちょっとおかしいと私は思うのです。高等学校の教科内容をすべてマスターをしている、そのことは大学の何の学部へ進む学生にしても必要なことなんであって、したがって、第一次の試験というものは一般的、基礎的な学習の達成程度を評価するための試験問題を共同利用施設としてお考えをいただくことでございます。得意な科目でない科目があるというお話は、それは第二次の試験のときに大学が自主的に考える、受け入れ判断のための第二次の試験ではないか、こういうふうに考えるのです。いまいろんなメニューがあってしかるべきだというお話がございましたけれども、大変平たい言葉でお答えをいたしますけれども、第一次のテストというのはまさに御飯であって、上にカレーをかけるかハヤシをかけるかというのが、これが第二次の試験の要素ではないだろうか、そういうふうにただいまのところは考えているわけなんです。ですから、私立大学がいまは三科目ぐらいの試験をやっているのが、七科目も試験が共通一次入試であっては私大は乗ってこれないじゃないかと言われますが、私は必ずしもそうではなかろうという気がいたしているのです。やはり私立大学にいたしましても、難問奇問は全く別の問題であって、難問奇問に苦しめられている高校生を救い出さなければならぬということがこれは非常に大きな趣旨でございますから、高等学校の授業内容をマスターをするということはどの高校生もやはりやってくれなければいけないことなのであって、科目の数の問題と試験問題の内容の質の問題と、そこら辺のところを御理解をいただきたいと思うことなんです。
 いまのところそういうふうに考えておりますけれども、私大参加ということを当然考えてまいらなければなりませんので、私大参加の場合の科目数のことはやはり今後の重大な検討課題であることは間違いございませんし、私どもも検討を続けてまいりますことはやぶさかではございませんし、私立大学ともそこら辺のところはひとつ協議を進めていこうとしているわけなんです。ただ、いまの段階で一次入試の中身がどうだと言えば、ただいまのお答えをいたしましたような基礎的、一般的な学習の到達程度を判断をするための一次試験、こういうふうに御理解をいただきたいと思うのです。
○池田(克)委員 いままでいろいろなあれがあったのですが、総まとめとして、私大がこの共通一次入試に入ってこれない壁というのは何と何と何があるか、どんなふうにお考えでしょうか。
○佐野政府委員 やはり、先ほど来御議論がございますように、科目数の問題が一つあると思います。共通一次の学力試験を設けた趣旨というのは、当然一次とそれから二次の学力試験、あるいは調査書、面接、小論文、そういったものを総合して判断しようという構えになっております。そのことと、私立大学で実施をしている現在の試験の実態との間が必ずしも一致しているわけではない。たとえば、非常に仮定の話になりますけれども、ある私立大学が、私のところは二次の学力試験はやりません、学力試験は一次の共通入試の成績だけで判断をいたします。あとは別途面接等を実施をしますということに判断をされたとしますと、先ほど来の御議論でございますが、科目数についての考え方が別であってもいいではないかというような議論があるいは出てくるかもしれません。しかし、一次と二次をやるということになるとなかなかそういうわけにはいかないだろうと思います。そのことは、またこれはきわめて現実的な話になりますけれども、私立大学にとっては受験料収入の問題を抜きにしては考えられないだろうと思います。そういった問題が一つ別途にございます。さらに、現行の試験のスケジュールというのは、御案内のように国立の一期校があって、それと私大のいろんなグループごとの入試の期日が重なっていって、二期校があって、また私大があるというような形でスケジュールができているわけでございます。今度は一期、二期が一元化をされて進むわけでございますけれども、それにしても、完全に共通一次の現行のスケジュールに乗って私大がどこまでできるかということは技術的に問題があろうかと思います。以上のような点がとりあえず考えられるわけでございます。
○池田(克)委員 そうすると、先ほど、夏ごろまでにはその要項を固めなければならないから、五十五年の分も決めなければならぬというようなお話でしたが、仮に四つでも五つでも五十五年から私大が始まりますね、その場合の受験料というのはどういうことになるのでしょうか。
○佐野政府委員 これはまさに私立大学がどういう形で御利用になるかということにもかかることでございますし、私どもはまだそれについて腹案を持っているわけではございません。ただ、考え方としては、現在公立大学について考えておりますように、やはり共通一次の検定料というものを共通一次を受験する学生からはいただく、そういう形で運ぶことになるだろうと思いますけれども、これはまだ技術的に詰めなければならない点でございます。
○池田(克)委員 問題は、受験料の問題と科目の問題、大きく分ければ二つですね。しかも、私大が態度表明していてもまだ技術的な詰めができていない、こうなりますと、大臣は積極的だと一番最初におっしゃったところに戻っちゃうのですけれども、非常にテンポが遅い。受験料の問題もこういうふうになるだろう、あるいはこうなります。しかも問題はいいです。減らさなければ減らさないで、同じ問題ですよ。受験料はこうなります。それについてお申し込みはいつまでと。別に売り込めというわけじゃないです。しかし国民が関心を持っている試験、確かにことしの試験なんかは、見ておりまして、この間も大臣とこの問題でいろいろお話ししましたが、大臣はそうじゃないとおっしゃっていましたけれども、やはり国立一次試験というものが頭のすみっこにあったことは否めないと思うのです。そしていろいろなふうに私大の併願というようなものはふえたと新聞報道なんかもされておりますけれども、そういうふうな国民的な関心というものを持ってきているこの大学入試についで、私大というものが、たとえば大臣の口から五十五年という話が新聞にぱっと出ただけでも、当然それに対応する受験料、科目数、申し込みの期日、いつごろまでに発表するということは関連事項として用意して、いつでも国民に答えられるような、あるいは私大側の問い合わせに答えられるような準備をしておかなければいかぬのじゃないか。この点はどうですか、準備がそういう点ではなまぬるいのじゃないかと思うのですが、私の考えは間違っていますか。
○砂田国務大臣 文部省の行政能力についてのお尋ねだと思うのですよ。おっしゃるとおりに、解決をしなければならない問題がたくさんございます。しかし、そうかと言って引っ込み思案になっていたのでは、池田委員が御指摘になりましたような国民が非常に大きな関心を持って期待をしておられるのに、いまから私どもが引っ込み思案になってしまったのではその期待にこたえることはできません。私が積極的にと申し上げましたことは、徹夜に徹夜を重ねてでも、その方向で進める努力を最大限いたしますということを申し上げているのでございますから、ひとつ期待をしていただいて結構だ、こう御理解をいただきたいと思います。
○池田(克)委員 徹夜してでも積極的にやってくださるということですから、ぜひお願いをしたいのです。
 この問題に関して一つだけ確認をさせていただきたいのですが、日本史の出題についてのこの前の局長の答弁でございますが、高等学校のカリキュラムの消化と合わない部分についてはもちろんそれに対応した配慮をする。場合によれば中学校段階での履修のレベルで問題を出題するということを含めて考えていく、こういうふうに答弁されております。入試の時期に絡んでずいぶん問題になった高校三年段階の日本史です。これは、私が読み上げたのは前回の局長の答弁ですが、出題者である加藤先生の方から確認をさせていただきたい。
○加藤説明員 前回、局長からそのようなお話を申し上げたということを伺っております。筋はそのとおりでございます。御承知のように、共通第一次学力試験の実施時期が一月中旬になったということからしまして、高等学校の履修というものにかかわりを持つようなことについてはその進行程度に十分留意しなくちゃならない。特に先生がいまおっしゃいました日本史はその点で非常に明瞭な問題がございまして、そういうことから世界大戦終結後の部分については割愛するということは、実は昨年の暮れの試行テストにおいてその点を明らかに表示しまして試験をいたしました。ただ、問題になりますのは、事象によりましては連続の事象もあろうかと思いますし、あるいはまた立場によりまして、現代史というものについては重要な問題があろうかという御意見もあろうかと思います。そういうことを考えなければならないということになりました段階には、先ほどのお話にございましたように、中学校程度の背景においてその点を配慮しようということにしておりました。それで、繰り返しになりますが、試行テストではその点を明示していたしました。それで来年のいわば本番でございますが、そのときにおいても、まだ確定は現実にはしておりませんけれども、試行テストで現実にもうやっておりますから、その点はこの六月末ですか、その際にそれに沿った線で要項が発表になるのではないかというふうに考えております。
○池田(克)委員 来年の本番の試験期日ですが、やはりことしと同じような一月十幾日というようなことになるのでしょうか。
○加藤説明員 ことしの試行テストは年の暮れにいたしましたが、今度の共通第一次学力試験の本式のは来年度から実施されることになります。文部省からの大綱では一月中旬という形になりますが、来年は現実には一月の十三、十四の二日ということに私ども考えております。
○池田(克)委員 そうしますと、日本史に限らず、高校の三学期で習うことは出ない、大ざっぱにそういうふうに言われているわけですね。しかし、それが出ない部分については中学程度、いまのお話はそうではありませんか。局長はちょっと違うみたいなあれですけれども、日本史でいわゆる第二次大戦終結以後は出ないのですね。しかしながら、関連事項もあるかもしれないが、その出る部分については中学程度が出る、こう理解していいですか。
○加藤説明員 俗な表現を使いますとそういうことになろうかと思いますが、ともかく原則として、そういう履修程度には支障を来さないような配慮をしなければならない。ですから、具体的に言いますと、先ほど申しましたように世界大戦以後の問題については出題を見合わせる。問題は学力なり何なりの判定でございますので、その趣旨から言いますと大きな支障があるということではございません。ただ、出題の内容によって、それにひっかかるようなことが内容的にあった場合には、恐らく受験生諸君は答えが出てくる、そのときの背景には中学校の問題があるであろうという予想があるわけで、そういうような配慮をわれわれとしては考えなければならぬという趣旨でございます。
○池田(克)委員 この問題は入試小委員会でもこれからやらなければならないと思うのですが、要するに戦後の歴史を出題しない。出題しないということになると、学生の気持ちとしてはこれは勉強しないですよ。これは、先ほど来の高校の教育というものを正常化し、きちっと習ったことを全部出して、それで子供たちの力を試すんだということと矛盾するのじゃないかと思うのです。小さなことかもしれませんが、そういうようなこともやはりこの試験という問題の性格を示す。戦後については確かにいろんな意見もあり、教科書裁判なんかも行われていますけれども、やはり戦後というものをきちっと教えることがいまの教育にとっては大事だ。しかも、指導要領というものは法的拘束性があるとまで言われて、どういう段取りで教えていかなければならないということは、高校の先生にとっては一つの縛られている状態ですね。それが大学側の日時の関係でここは出しません。余りにもそちら側の状況で御都合主義、という言葉がいいかどうかわかりませんけれども、私はそう思うのです。したがって、この問題については、試験範囲というものをもう一遍きちんと、出るのか出ないのか明確にする。しかも、この試験時期がこうであれば、日本史だけではなくてほかの科目も皆そうです。きちっと明確にして、ここから先は出ません。履修しないところはなんという抽象的なことではなくて、項目をきちっと上げて、何月にはどういうことを学ぶんだという指導要領があるわけですから、そういうふうなことにきちっと準拠して、ここの範囲内で出題するということを明確に発表すべきじゃないか。それが、受験者側に対して今度の入試というものをより、安心させる、そういう効果があるのじゃないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○加藤説明員 おっしゃる御趣旨、そのとおりだと存じます。つまり、大綱には、高等学校の履修課程といいますか、時間的課程ということを十分に配慮して出題をするということを全般的にはうたっておるわけです。御承知のように、共通第一次学力試験の科目は、言ってみれば全部が必修科目になっておりまして、ほとんど全部の科目につきましては低学年において履修を終えているものであります。そういうことからしますと、一月十三、十四日の実施時期ということとその問題は矛盾がなく行われるので、ただ、問題になりますのか、第二学年ないし第三学年――第三学年に実施すべしという科目はございません。二年ないし三年という指定のある科目が、いまお話しいただきました日本史などがそれになるわけで、そういうことにつきましては試行テストにおいても、その点は受験案内なりあるいは実施要項なり、そういうことで明示をさせていただきたいというふうに考えておるわけです。全般としては、先生のいま御注意のありましたように、高等学校の履修課程というものに十分準拠して、その配慮の上において出題をするということ、これは全般論として大綱の上で述べさせていただいております。
○池田(克)委員 入試の問題については、もちろん大学側も第二次試験の内容で科目数をなるべくなら減らしていただくようにわれわれも要望します。しかし、当面具体的な問題となっている国立大学の共通一次試験については、出題範囲にしても時期にしても、あるいは私大の参加にしてもまだまだ詰めて、そしてなるべく早く明らかにするという要素が幾つかあると思います。大臣、徹夜をなさってでもやってくださるということですから、ぜひとも私はそれを期待をいたします。この問題が不信感を抱かれて、私大は参加しないということにならないように、学生たちもこれはやさしくなったといって喜ぶ、本当に正常化されたということで大きな効果を生む、私はそれを期待するわけですけれども、それが逆にならないように、ぜひともそうした部内の詰めをしていただきたい。
 それで、次の問題へ移りたいと思います。次の問題は、私立大学の経営と収益事業という問題についてでございます。時間がございませんので、若干しぼってお伺いをしたいと思います。
 私学の経営が苦しいという状況から、昭和五十年に私立学校振興助成法ができまして、国の費用をもって私学の経費を助ける、経営を助ける、こういうことになってきております。しかしながら、一方、私学は独自の収益事業というものができることになっているわけです。この私学の助成がだんだんと強化されてきた、この私学振興助成法が成立した以後、この私立大学の収益事業というものに対してどんな考え方を持っていらっしゃるか。従来どおりであるか、あるいは国の金によるところの助成が成立したことによってこの収益事業というものに対して何らかの見方の変化が生じているか、その辺をお尋ねしたいと思います。
○砂田国務大臣 私学が、教育の場でございますから制約はありますけれども、制約のもとに収益事業が行われることは当然許されていることでございます。私学振興助成法に基づく助成を年々強化、充実をしてまいりましたけれども、私学助成というものが強化をされ充実されてまいりましても、やはり私学の要件のもとでの収益事業というものはそのまま生きていくべきもの、かように考えております。具体の問題につきましては管理局長からお答えをいたします。
○三角政府委員 基本につきまして、いま大臣が申し上げましたとおりでございます。もし、個々の事例のようなもので何らかの問題なりあるいは疑義なりあるといったようなものにつきましては、個別にそのケースに応じて考えさせていただきたいというふうに考えております。
○池田(克)委員 私立学校法二十六条の問題でございます。この二十六条の規定によりまして、文部大臣が所轄する私立学校の学校法人の行うことのできる収益事業の種類を定める件、昭和二十五年十一月八日に文部省が告示を出しておりますが、これは今日でも生きているわけでしょう。
○三角政府委員 今日も有効でございます。
○池田(克)委員 これを見ますと、物品販売業から無線通信放送事業、この辺はいいと思うのです。競技場、集会場等の貸付業、旅館業、飲食店業、代理業、公衆浴場業。私立大学がおふろ屋さんをやっていいというんですね。理容業、農業、畜産業、養蜂業。ハチを飼ってもいい。林業、薪炭製造業。炭やまきをつくってもいい。ずっとあって、土石採取業、砂利をとってもいい。医業、歯科医業、設計監督主業、クリーニング業。学校法人ですから、大学とは言いませんが、文部大臣の所轄に属する学校法人で、どうしてクリーニング屋さんとか公衆浴場、おふろ屋さんをやるようなことになるのでしょうか、ちょっとよくわからないのですが。
○三角政府委員 ただいま先生御指摘になりましたような業種を掲げておるわけでございます。あわせて、先生御承知になっておられるわけでございますが、そういった業種のほかに、収益事業のやり方と申しますか、そういった規定もあわせて設けてございまして、やはりこれは学校でございますから、いまお述べになりましたような業種について収益事業を行います場合も、これが学校の教育に支障があってはならないというようなことがそもそも基本でございますが、そのほかにも、経営が投機的に行われるようなものとか、それから、これは業種によってはおのずから排除されますのがいわゆる風俗営業ないしは風俗営業に該当するごとき方法によって経営されるもの、ほかにもございますが、そういったたぐいのことを掲げまして、こういったものに該当するものはぐあいが悪いというふうに区別を設けておるわけでございます。
 それで、業種といたしましていろいろ書いてございますが、これは職業に別によい悪いというのは通常ないわけでございますから、学校法人として、学校法人なりの節度なりけじめのある運営をしていただければ大抵の業種を収益事業として採用することが可能である。ただし、当該学校法人の状況に応じまして、文部大臣としましては寄附行為の認可をいたします際に十分検討する、そういう仕組みになっておるわけでございます。
○池田(克)委員 要するに何をやってもいいということですね。風俗営業とか投機的なことはだめだけれども、あとは何をやってもいい。しかし、私は、私学の経営ということからいけば何をやってもいいというふうにはいかぬと思うのです。やはりあるべき姿というのは当然あるわけです。これについては、たとえば私学の収益事業について個々の状況を、どういうことをやっているかということをチェックしていらっしゃいますか。
○三角政府委員 通常の形では、やはり私学が自主的におやりになっておることでございますから、これを監督するというような観点ではチェックをいたしてございませんが、私学からの財務状況の報告をいただくとかいうような形では私ども状況はいただいております。なお、もし何か非常に学校法人としてふさわしくないとかいうような事例があります場合には、個別に十分にこれは調査をするとかいう構えにいたしております。
○池田(克)委員 私学が何をやろうと、確かにそれは公立、官立と違って自由でしょう。それに対するチェックも余りなされない。何やってもいいということですが、実は私立大学がその所有している土地に自分の力で変電所を建てて、これから東京電力に貸そうというのです。これは許されるべき収益事業のどれに属するのですか。これは三十四項目あるのですが、建物を建てて貸していいなんということはどこにもないのです。まして変電所のような公益事業を。学校の金で、コンクリートで建てるのですよ。そこに変圧器を入れて、変電所として東京電力さんに。別に東京電力さん、お金がないわけじゃないと思うのですけれども、もしそういうことがあったとして、この許される収益事業のどれに該当するか、ひとつ教えていただきたいと思います。
○三角政府委員 先生ただいま御指摘になりました事業につきまして私ども若干聞き及んでおりますので、いま実情についてはいろいろと当該学校からなお調査をいたすことにいたしております。いま仰せになりました事柄につきましては、なおもう少し具体に報告をいただいて、それに基づいて判断をする必要があると思っておりますが、ある不動産なりあるいは施設なりを特定の相手方に貸し付けるということは、学校法人あるいは国・公立学校の場合にもケースによってはあり得ることでございまして、これが直ちにそのことを営業として行うというような意味合いでの収益事業に該当するかどうか、これにつきましてはもう少し慎重に、具体の態様に応じて考えてみなければならないと思います。仮に、一般的に申しまして、おっしゃいましたような土地ないしは建物を貸し付けるという事業が告示のどれに該当するかということで申し上げますと、先ほどもちょっとお読み上げになりました第二条第十二号の競技場、集会場等の貸付業、これに該当する可能性があろうというふうに考えます。
○池田(克)委員 競技場、集会場の貸し付けと変電所とどういう関係があるのですか。競技場というのは人が集まりますね。そこで、たとえばグラウンドを、お金を取ってどこかの会社の秋の運動会に貸すとか、あるいは講堂を音楽のリサイタルに貸すとかということでしょう。変電所というのは、変圧器がうなっているわけですよ。これはどう拡大解釈してもこの十二号の競技場、集会場等の貸付業に当たるなんということはないですよ。これは大臣、いかがですか、こういうことは認めますか。
○三角政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、先生のおっしゃっておられます事例が直ちに収益事業に該当するかどうかということについてはまだちょっと留保させていただきたいのでございますが、事柄としては、たとえばある学校の構内に非常にいい水源地があるといった場合に、そこに井戸を掘って近隣の住民のためにお貸しするというようなこともあるわけでございまして、そのようなたぐいのことが果たして直ちに私立学校法に申しております収益事業であるかどうかということについても、簡単には決めがたいところがございます。いま問題になさっておられます。もし収益事業であるとした場合、告示の十二号ではおかしいではないかという御指摘ではございますが、十二号につきましては、これはここにあらゆる業種を全部掲げるわけにもまいりませんので、適当にくくって書いてある関係もございまして、物品につきましては物品販売業とか物品貸付業とかいうふうにいたしてございますが、ただいま事例としてお挙げになりましたような施設関係の貸付業としてはやはりこの集会場等の貸付業ということで、ここで読む可能性があるというふうに先ほど申し上げたわけでございます。
○池田(克)委員 大変苦しい、何も文部省そこまで苦労しなくてもいいじゃないですか。だめならだめと言えばいいのですよ。文部省とその大学と、何かあるのですか。何も大学側のやることを、通産省の監督している東京電力に、苦労して解釈を広げて、結構ですと認めなくたっていいじゃないですか。書いてなければ、だめだと言えばいいじゃないですか。どうしてそんなことを言うのですか。おかしいじゃないですか。
○三角政府委員 別に文部省は個々の学校と特別のおっしゃいましたような事柄を持ってはおらないわけでございます。それから、ただいま御指摘になりましたケースは、土地につきまして私ども現在まで聞いております状況では、学校の運用財産ということでございまして、いわゆる校地、校舎というものとは別のものでございます。したがいまして、これをどういうぐあいに利用するかということにつきましては、これはまさに当該学校法人の自主的な判断でおやりいただいていいことでございまして、私どもとしては特にそれがどうこうということではないわけでございます。それから、学校法人でございますから、もとより教育、研究の事業を遂行するのが中心の目的でございますけれども、やはり一つの法人としての社会的存在でございますので、その持っております運用財産をどういうふうに利用し、あるいは相手方とどのような関係でその財産を活用するかというようなことは、当該学校法人が本来自主的におやりいただいて結構なことでございまして、私どもとしては特に奨励もいたすわけではございませんけれども、ただ、そういった貸し付けなり何なり行います場合に、やはり学校法人の経営ないしは教育運営上不都合なぐあいになってはならない。それから、当然のことでございますが、学校の周りには住民がいらっしゃるわけでございますから、そういった地域住民との間にいわゆるトラブルといったようなものが生じないように十分配慮するといったようなことは当然のことでございまして、そのような面については、これは必要に応じて助言をしてまいるということであろうかと思います。
○池田(克)委員 要するに、いまの局長の答弁を聞いていますと、私立学校がやることですから何も口出しできません。それなら何でこんな告示があるのですか。きちっと告示に書いてある。しかも、競技場、集会場等の貸付業と、いっぱいあるのをたまたまくくっただけだ。それなら三十四項目もなぜ書くのですか。印刷業と出版業は別に分かれているのですよ。八項目で印刷業、九項目で出版業、十項目で新聞業ですよ。こんなのは出版印刷と俗に言われて、くくられていることですよ。印刷、出版、新聞が別々になっていて、競技場、集会場等で変電所がみんな含まれている、そんなことはでたらめな解釈ですよ。もっとはっきり毅然として、私学の経営に対して監督、指導、助言するならしなさいよ。何でそんな拡大解釈をするのですか。私はそういうやり方が気に入らない。苦労されて答弁されているのはわかりますけれども。
 通産省、お見えになっていらっしゃるから通産省にも伺いたいのですが、こういう私立大学が収益事業として土地や建物をお貸しになることに問題がある、このことを御承知で、この東京電力の地下変電所建設に関して監督官庁として見ていらっしゃるのか。資源エネルギー庁の方、いらっしゃったら御答弁いただきたいと思います。
○松田説明員 いま問題になっております事例につきましては、電気事業法に基づきます届け出その他の手続が必要でございますが、まだその時期に来ておりませんので、正式にわれわれが法に基づきましてそういう監督をする段階にはまだ来ておりませんけれども、もちろん地元住民との間のいろんな問題等についてはわれわれも聞いておりまして、その事情はいろいろ調査しております。ただいまここで問題になっておりますように、もし文部省の学校関係の法律に抵触する問題であるとすれば、私どもの所管するところと違いますけれども、それはそれなりの行政指導があるかと思いますが、私どもとしては、電気を供給するという立場あるいは公益事業を監督するという立場の両面から必要な監督はしていきたいとだけは考えております。
○池田(克)委員 通産省の方で、どういうものがどんな状況でいつごろ建つのだったということを握っていらっしゃいますか。
○松田説明員 私どもがいままで聞いております範囲では、千歳船橋の東京家政学院というところの跡地に地下式変電所を置きたい。変電所の規模といいますのは、通常、中に置かれます変圧器の容量で大体あらわされておるわけでございますが、約六万六千ボルトの電圧を六千ボルトにおろす変圧器、約二万KVA、通常二万キロと言えば大体わかると思いますが、二万キロの容量のものを当面二台置きたい。これを行く行くは三台にするようなスペースも確保しておきたい。それから変圧器設備を置く時期でございますが、これはわれわれとしましては、大体五十四年の六月ごろ使えることをめどにして、来年の二月ごろからそういう工事にかかりたいというふうに聞いております。
○池田(克)委員 いま資源エネルギー庁からお話がありましたように、地下変電所です。最近、東京では地下変電所というのがずいぶんふえて、東電方式と言われて、今日では実例が十幾つ出てきているわけです。大部分は都心の、大手町ビルとか飯野ビルとか三井生命ビルとかいうところの建物が建ったその地下の一部分を東京電力が借りて、主にそのビルも使うわけですから、そこを電力の供給施設に充てている、こういうことですね。
 ところが、全く住宅街の中で、住民にしてみれば、学校の用地だ、隣に寄宿舎があり、女子学生ですから、住民も痴漢なんかが出ないようにいろいろ気を使って、静かな町並みです。そこに空き地がある。どういうわけか知らないけれども、突如として大学当局が掲示を出している。設置者は大学なんです。建設主は大学の事務局です。そして施工者はだれかと言えば、これは建築会社ですけれども、こういうふうな状態で、住民に対する説明書によれば、はっきりと、東京家政学院築造の建物を借用いたします。地上部は出入り口と通気孔だけです。地下です。住民は、その地下変電所がどういう影響をもたらすか心配しているわけです。しかも、そのことによって賛成派と反対派に分かれて、ああでもないこうでもないと、ののしり合いになっちゃっている。これは余りいいことではない。ずっと調べてみますと、やはり地下変電所というものを大学がつくるというところに問題があった。しかも、大きなビルを建てて、そこがあいだからテナントみたいなかっこうで変電所を置かしているというならまだわかります。ところが、何にもない地下のところにコンクリートの箱を大学がお金を出して建築させて、そこへ東京電力が変圧器を二台持ってくるというのです。私は、これは大学側が損をしてやるとは思えない。大学の経営も大変だといって補助も出している状態ですから、私はやはり何らかの契約が交わされ、それなりに大学としてメリットがあるのだろうと思う。この大学で電力が要るという話は聞いておりません。普通の電灯だけです。工場もありません。先ほど局長からいろいろとおっしゃってくださいましたけれども、私立学校の収益事業について大変無理な解釈をしなければならないような状態の中で、なぜこういうことをするのか、私はちょっと理解に苦しむのです。しかも、こういうような事態は、われわれがこうやって言わない限りはどこからもチェックできない。何らか事前に、こういうふうないろいろなことをやっておることを文部省がチェックする方法、あるいはそうした制度があるかどうかということと、それから、直接教育に関係した部分だけの法規はあります。しかし、こういう学校が持っている土地、それを使って大学側が何らか収益事業をするということになると、結局先ほどの私立学校法二十六条に基づく告示というものが一つの歯どめになっている。これが一つの歯どめとして生きているのであればこれを十分に活用されてしかるべきです。これで住民との間でトラブルになっておることは感心したことではない。この問題について十分お調べいただきたいし、この適用は、いま局長が答弁したのでは私は納得できませんよ。何らかきちっとした説明をしていただきたいと思います。
○砂田国務大臣 池田委員の御指摘は、大変大事な点が三つあったと思います。一つは、「等」に読めるのかどうか。その施設が学校の教育、研究にどういう影響があるのか。学校というものの果たさなければならない地域社会における社会的責務もまたあることでございますから、地域社会の住民とどういうことになっておるのか。この三つの点は大変重要であると私は認識いたします。きょう初めて伺ったことでございますので、これらのことを踏まえて、一度学校当局の意見等もよく聴取をいたしたい、かように考えます。
○池田(克)委員 大臣が大学当局を呼んで調べてみる、こういうことですので、私、ぜひそれをお願いしたいと思います。私は決して大学に恨みつらみがあるわけじゃございません。地域住民が心配することもわかりますし、その中で賛成派、反対派がいてビラがまがれたり、静かなるべき住宅街でそうしたトラブルがある、こういうことはもっとすっきりしてやるべきだというふうに私は思っているだけでありまして、東京電力に対しても別に建ててはいけないとかどうとかという判断をしているわけではありません。なるべくならば法に沿って、そうしてみんなが合意できるような状態でやっていただきたい、こういうことでございます。
 若干時間があれですけれども、もう二、三問お願いしたいと思います。
 問題を変えます。実はこれもこの間の予算の分科会で取り上げた問題なんです。時間がありませんのでこの間はかなりはしょったお話をいたしましたが、まず最初に、白金の自然教育園の問題についてであります。
 この白金にあります自然教育園の運営につきまして、この間、私の質問に対して科学博物館長から御答弁がございました。文化財保護法で規定をされている自然の地域である。これは昭和二十二年の閣議決定で、皇室苑地は戦後の国民の慰楽のために使いなさい。そしてしかも、それについては遊園地等を設けて国民の慰楽に供しなさい。言うならば、皇室の財産というのはそういう形で戦後の国民に開放すべきだ、こういうような趣旨で今日あるはずのものであります。しかし、その実態はどうかというと、きわめて閉鎖的な状況でありまして、科学博物館長のお話によりますと、制限公開という言葉が使われております。確かにむやみやたらな公開は許されるべきではございませんが、私は制限公開の実態というものをもう少しお伺いしてみたいと思うのです。
 科学博物館長にお伺いしたいのですが、ここ十年ぐらいのデータがもしあれば、どのぐらいの人間があそこを見ているのでしょうか。
○福田説明員 去る二月二十七日の予算分科会におきまして私がお答え申し上げた点でございますが、御指摘のように、昭和二十二年の旧皇室苑地の運営に関する閣議了解事項でございますが、その中には確かに、白金御料地につきましては、「国立自然園として自然科学の研究及び自然観察の場として利用する傍ら、動物園及び小運動場の設備をすること。」という一項がございます。しかし、二十四年に文部省に所管を移されましてから文化財保護法の指定を受けまして、天然記念物として保護することになりましたので、したがいまして、従来の状況から考えまして、無制限に公開いたしましては従来の荒廃した園内がさらに荒廃するというおそれがございました。したがいまして、昭和二十四年の審議会におきまして、白金御料地の扱いといたしましては、「教育上必要な資料、標本等を展示し、実験、実習用の施設を設けること。」ということ、その他数項目入っておりますけれども、価値ある場所として、天然記念物として十分保護するということが主眼になりまして、そのことは、内閣総理大臣に審議会の会長さんから答申をされた次第でございます。その趣旨に基づきまして以後は運営がなされたわけでございます。
 したがいまして、御指摘のありました制限の仕方でございますが、これを申し上げますと、一時に大体三百人という制限をいたしております。これは一日じゃなくて、一時に園内に参観者が入るのを三百人に制限するということでございまして、もしそれ以上においでになりましたときはしばらくお待ちになっていただいて、そうして出てまいりました数だけ三百人に達するまで入れる、そういうやり方でいたしておるわけでございます。
 過去の入園者数でございますが、きょう手元に持っております資料で申し上げますと、昭和四十九年は九万三千五百五十四人、それから昭和五十年八万七千九百七人となっております。五十一年が七万八千七百九十六人とやや低目になっておりますが、五十二年は、まだ最終的ではございませんけれども、五十一年よりやや上回る程度であろうと推察されます。大体八万から九万くらいの入園者が例年になっております。したがいまして、一日当たり入園者数を見ておりますと、大体、少ないときで二百六十人から、三百十人というのが一日平均になっております。したがいまして、いま申し上げました一時に三百人という数は、期せずして大体そういう結果からも出てまいるような数でございます。
 以上でございます。
○池田(克)委員 九万三千、八万七千、七万八千と、要するに年々五千人くらいずつ減ってきているわけですね。こうやって減らしているということ、また一時に三百人以上の人を入れないということ、どれほどか国はこの自然の保護のために細かな神経を払ってやっている。昭和二十二年ごろに皇室からきたときに、あくまでも戦後の国民の慰楽のためにこれを使いなさい。みんなそこでお弁当を広げる。自然の亭々たる、これは江戸時代からと言われておりますね、樹木や池がある。本当にのどかないいところです。そこを国民のために使うという趣旨でもらった。そして、入園する人間を制限をしています。
 それほどにして保護しているかと思うと、もう隣に高速道路が走っています。この土地を削って高速道路をつくった。しかも、そこのところにあった樹木を移しかえたということ、この根が十分についてない。博物館長、この間の答弁で「高速道路の影響が最近出てまいりまして、」こういうふうに御答弁されている。何か新しいデータをお持ちでしょうか。
○福田説明員 高速道路ができましてから以来、毎年環境調査をやっておるわけでございます。特に排気ガスの問題、これなどは細かいデータを集積しておりますけれども、ただいま手元に持っておりませんので具体的な数字を申し上げるわけにまいりませんが、高速道路の影響はかなり園内の植物にあったというふうに私ども判断しております。
○池田(克)委員 高速道路、これは当時、国の道路行政の上でやむなく、恐らくこの自然の豊かなところを使ったのだと思うのです。この点の経緯ですね。当時どういうお立場であったかわかりませんが、文化庁次長、もしおわかりでしたら、文化財保護法に規定されている史跡名勝ですか、あそこの一部を高速道路に削られましたね。あのときの経緯、簡単で結構なんですけれども、何のために、どのくらいの面積があそこで高速道路へ削られたか、御存じでしょうか。概略でいいです。
○吉久政府委員 ただいまの先生の御質問につきましては、私ども、今回の、自然教育園の隣地にホテル建設につきまして許可するかどうかというような問題に当たりましても十分検討をし、その経過を調査いたしたわけであります。本日ちょっと資料を持っておりませんでまことに恐縮でありますが、一部指定地からの解除を含めて、いろいろな論議の末、現状変更等を認めたわけであります。
○池田(克)委員 いろんな論議の末、現状変更を認めた道路ですね。排気ガスをまき散らす高速道路をこの土地を削ってつけた。当然この跡には、先ほど来館長さんがおっしゃるように、自然が破壊されたのだから、逆にその分だけ土地を買って何らかの形でそれを埋めていかなければならぬ。道路というものは、その方向からいってこの位置をどうしても通らなければならない必然的なものです。ですから、確かにその点についてはその時点においていたし方ないものがあったと思います。いまから死んだ子の年を数えてもしようがない。しかし、そういうふうに削られたならば、今度はその削られた分、どこかで周辺の土地を買い足すなりして、そうして自然の周辺というものは守っていかなければならないのじゃないかと私は思うのです。自然保護というものについては、そういうふうにして周辺の土地を買うなり何らかの対策というものを、むしろ積極策としておとりになるという考え方は文化庁にはないのでしょうか。
○吉久政府委員 ただいま先生の御指摘のような趣旨につきましては私どももまことに同感であるわけでございますが、これにつきましては、すでに御答弁申し上げましたように、今回西武不動産が白金の当該地にホテルを建設するに際しまして、建設用地以外、つまり建設用地と自然教育園の間で地下水の浸透をとどめておる舗装あるいは建物一部等につきまして、積極的な撤去なり、舗装をはぐというような御協力も得るという見通しが立ちましたので、実は買収等につきましてもいろいろ検討はいたしましたけれども、いろいろの状況で実現不可能でございますが、ただいまのような状態の協力は積極的に得られるというようなことで今回の措置をいたしたわけでございます。ただいまの御指摘等につきましては将来の問題として検討すべき課題かと思いますが、現実的なただいまの施策といたしましてはなかなか実現困難な課題であろうかと思っております。
○池田(克)委員 要するに、国民の慰楽のために使うということで、保護するために人数まで制限した。しかし高速道路で削られた。私は、消極的な守りをしているうちはどんどんこれは削られていくと思うのです。
 しかも、いま問題になっております。白金の自然教育園の隣地に西武不動産がホテルを建てるという問題につきましては、五十年に文化財保護法に基づいて許可の申請を西武不動産が出した。それに対して五十二年の十二月に文化庁が答えを出しまして、影響なしと判断をする、こういうふうに結論を出したわけであります。この事実については間違いありませんでしょうか。
○吉久政府委員 五十年の九月に申請がございまして、五十二年九月、二年後にそのような判断をいたしたことは間違いございません。
○池田(克)委員 この判断の根拠は、私、前にも確認をさせていただきましたけれども、西武不動産側と協議をして、ホテル側が十四階の建物を建てるという計画だったのを削らせて九階にした。九階ならば日照の問題には及ばないということで、要するに影響が軽微であるという判断のもとにこれは構わない。つまり、影響が軽微の場合はその許可を求める必要はないという文化財保護法の八十条ですか、つまり軽微であるという判断をした。私は、この十四階ならだめで九階ならいいというのは一体どういうような理屈なのか、その点について判断をされた文化庁の説明をいただきたいと思います。
○吉久政府委員 この点につきましては、先生も先ほどお話しのとおり、自然教育園の植生に日照上支障ができたり、あるいはそのために土地の温度が変わるというようなことがあってはならないと考えたわけでございます。したがいまして、当初十四階の建物でありましたのを九階以下に、最高九階、あとは日照の関係で七階ないし五階にいたしまして、一部九階で認めたわけでありますが、そういうふうに階層を低くするならば日照の関係については特に影響を与えないという判断をいたしたわけでございます。
○池田(克)委員 十四階ならだめで九階ならいいというのですね。どうもこれは変な話だと私思うのです。しかもその間に、設置者である西武不動産と文化庁、これは文部省ですか、それと協定ができているのですね。将来にわたって何かあったときにはお互い相談しようという協定ができているのを御存じでしょうか。
○吉久政府委員 文化庁といたしましては、文化財保護法第八十条第一項に基づく判断をいたしたわけでございまして、その判断の中身には、先方が計画しました計画どおりに施工することとか、あるいは工事に当たっていろいろな職人の立ち入りを認めることとか、そういうような条件は付してございますが、特に協定というものはございませんので、さようひとつお答えいたしたいと思います。
○池田(克)委員 時間が余りありませんけれども、実は協定があるのです。これは文化庁として協定をつくった覚えはないとおっしゃいますけれども、後ほどこの問題は改めて機会をいただきたいと思いますけれども、文化庁と西武不動産の間で、要するに建物を建てて、それについてさまざまなトラブルが将来あった場合にこれをこうする、こういう協定をしていらっしゃる。文部省ですか、文部省もこれは関係があるわけですから。資料がちょっと手元にありませんから後ほどお示しいたしますけれども、協定を結んだ覚えはありませんか。
○吉久政府委員 私どもとしましては、協定を結んだ覚えはございません。
○池田(克)委員 この問題については、時間が限られておりますので、次の機会にぜひ協定の有無の問題について詰めさせていただきたいと思っております。ずいぶんといろいろな問題にわたりましたけれども、この白金の自然教育園の問題につきましては私まだまだお伺いをしたい点もたくさんございますので、先になるかもしれませんが時間をいただきたい。留保させていただきまして、きょうはここで終わりたいと思います。
     ――――◇―――――
○菅波委員長 国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。砂田文部大臣。
○砂田国務大臣 このたび政府から提出いたしました国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、昭和五十三年度における国立の大学の新設、学部及び大学院の設置、短期大学の新設及び廃止、放送教育開発センターの新設、国立養護教諭養成所の廃止等について規定しているものであります。
 まず第一は、上越教員大学及び兵庫教員大学の新設についてであります。
 この二つの教員大学は、教員の資質能力の向上と初等教育教員の養成、確保という社会的要請に対処するため、主として、教員の研究、研さんの機会を確保することを趣旨とする大学院と初等教育教員を養成する学部を有し、全体として大学院に重点を置く大学として設置し、学校教育に関する実践的な教育研究を推進しようとするものであります。
 なお、両大学とも、本年十月に開学し、学生の入学は、兵庫教員大学にあっては、大学院は昭和五十五年度から、学部は昭和五十七年度から、上越教員大学にあっては、学部は昭和五十六年度から、大学院は昭和五十八年度からとするものであります。
 第二は、福井医科大学、山梨医科大学及び香川医科大学の新設についてであります。
 近年における医療需要の増大と医師の地域的偏在に対処するため、これまで無医大県の解消を図る施策を進めてきておりますが、その一環としてこれら三大学を設置し、医師養成の拡充を図るとともに、医学研究の一層の推進に資することとするものであります。
 なお、三大学とも本年十月に開学し、昭和五十五年度から学生を入学させることとしております。
 第三は、学部の設置についてであります。
 信州大学に人文学部の経済学関係の学科を基礎として経済学部を、島根大学に文理学部を改組して法文学部及び理学部を、広島大学に教育学部の教員養成関係の課程を基礎として学校教育学部を、山口大学に文理学部を改組して人文学部及び理学部を、それぞれ設置し、これら地方における国立大学の教育研究体制の整備を図ろうとするものであります。
 第四は、大学院の設置についてであります。
 これまで大学院を置いていなかった富山医科薬科大学及び愛知教育大学に、それぞれ大学院を設置し、もって、これらの大学における教育研究の水準を高めるとともに、研究能力のある人材の養成に資することとするものであります。なお、富山医科薬科大学の大学院には博士課程の薬学研究科を、愛知教育大学の大学院には修士課程の教育学研究科を置くこととしているものであります。
 また、上越教員大学及び兵庫教員大学は、前述のように、大学院に重点を置く大学として新設するものでありますので、これら二大学にも大学院を設置することとしております。
 第五は、短期大学の新設等についてであります。
 これは、筑波大学に医療技術短期大学部を新たに併設し、看護婦等の養成及び資質の向上に資することとするとともに、千葉大学工業短期大学部については、昭和五十一年度において工学部へ発展的に転換を行い、以来、学生の募集を停止してきておりますので、このたびこれを廃止することとするものであります。
 なお、筑波大学医療技術短期大学部は本年十月に開学し、昭和五十四年四月から学生を入学させることとしております。
 第六は、付置研究所の位置の変更等についてであります。
 東京工業大学の資源化学研究所及び精密工学研究所については、研究体制の整備充実を図るため、神奈川県長津田地区へ移転することとし、これらの位置を東京都から神奈川県に変更するものであります。
 また、富山大学の和漢薬研究所については、同大学の薬学部及び大学院薬学研究科の富山医科薬科大学への移行に伴い、医学との連携を重視しつつ、薬学に関する教育研究の一体的な遂行を確保するため、これを富山医科薬科大学に移すこととするものであります。
 第七は、放送教育開発センターの新設についてであります。
 これは、放送利用の大学教育に関する研究開発を行う国立大学共同利用機関を新設しようとするものであり、これにより、この面における国・公・私立大学の連携協力の推進と大学開放の促進を図り、あわせて、放送大学の創設準備を推進することをねらいとしております。
 なお、設置の時期は本年十月とし、位置は千葉県とするものであります。
 以上のほか、このたび新設しようとする五大学を含め、昭和四十八年度以後に設置された医科大学等の職員の昭和五十三年度の定員を定めるとともに、昭和五十一年度において教育学部の養護教諭養成課程に発展的に転換し、以来学生の募集を停止してきておりました北海道教育大学養護教諭養成所、千葉大学養護教諭養成所及び大阪教育大学養護教諭養成所を廃止することといたしております。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。
○菅波委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 午後零時五十分に再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時五十五分開議
○唐沢委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員長所用のため、委員長がお見えになるまで私が委員長の職務を行います。
 文教行政の基本施策に関する件について質疑を続行いたします。中野寛成君。
○中野(寛)委員 私は、東京大学医学部付属病院精神神経科病棟の問題につきましてお尋ねをしたいと思います。
 先般来、わが党の春日一幸前委員長から政府に対して二度にわたって本件に関する質問主意書をお出しをいたしました。それぞれ御答弁をいただいておりますが、正直申し上げて、大変、何かくつの底から足をかく思いがしてならないわけであります。何としても、この問題が、現在の大学の中における日本の教育環境のゆがんだ状態というものをシンボライズしているような感がしてなりませんし、同時に、これらの問題が、ややもするときわめて間接的といいますか、もっと失礼な言い方を申し上げますが、優柔不断な態度というか、そのような感じで処理されることが、たとえば先日の成田事件のような国民的な風土というものをつくることにも結局はつながっていくのではないか。そこにはまさに、日本の教育だけではなくて、政治そのものの今日の姿を象徴しているような気がしてなりません。これらの問題について、文部当局がみずからの責任をはっきりと果たしていくという姿勢がなければ、ますますこのような風潮を助長していくことにつながると思います。まして、いまやこれは収束の方向に行っているのだという判断をもしお持ちだとすれば、そこに非常に危険な落とし穴があるように思えてなりません。安易な妥協によって、これが上っ面だけ整えられたとしたら、それはまた次の大きな問題を惹起することにつながるというふうに思えるわけでございまして、先般来本院でもこの問題については取り上げられてきているところでありますけれども、その後の経緯等につきまして、変化がございましたら、まずお聞かせをいただきたいと思います。
○砂田国務大臣 現在、病棟占拠をいたしております集団は、精医連と称しております講師一人のほかは、医学部の常勤の医師は参加しておりません。同大学職員以外の者約三十人が出入りをいたしまして診療等を行っておりますことはそのとおりでございますけれども、大学当局がこのような異常な事態の解決を図りますために、病棟の施設設備等の管理の正常化のために、管理責任者が必要に応じて病棟内に立ち入る体制を確保いたしますことがまず大事なことでございますので、それらの点について、医学部長、病院長等が中心になりまして、病棟側に対します精力的な折衝を昨年の暮れから始めてきたわけでございます。
 その間、私は東大の学長を三月六日に文部省に招致をいたしました。私から東大学長に話しましたことは、第一に、昨年の春以来医学部当局によって行われておる真剣な努力は、病棟管理の正常化に向かってわずかではあるけれども歩を進めているものと評価はいたします。しかし、いかに困難な問題とはいえ、八年余りもの間なお解決されていないということは、これは国民の納得を得られるものでは絶対にありませんよ。さらに、これまでの経緯もあって事態の解決は容易でないということはわかりますけれども、もう遷延を許されるものではありません。毅然たる姿勢のもとに、正常化の方向を確認しつつ全学を挙げて、全学体制をとって速やかに解決に導くように努力をしていただきたい。文部省においても、東大による自主的解決のための努力を今後とも全面的に支援をしてまいりましょう。こういうことを東大学長に話をいたしました。東大学長からも、事態の国民の皆様に対する責任というものを明確に理解をいたしておりまして、全学体制をとって積極的に努力を尽くします。これは三月六日のことでございましたが、今日の時点で三月の何日までにという時間を切ってのお約束はいたしかねますけれども、できるだけ早い時期に解決する努力をいたしますというお答えをいただきました。
 その後、大学側は、医学部長、病院長等を中心に占拠側と積極的な話し合いを進めてまいりました。後ほど具体的なことは大学局長から御説明をいたしますけれども、進展を見てまいっているわけでございます。従来ありませんでしたことば、占拠側と交渉をいたしております病院長、学部長等が医学部の教授会にその話し合い内容を報告をいたしまして、教授会としての統一した意思を受けてさらにその次の折衝に当たっておるような、まさに教授会を挙げての努力が始まってまいりましたことも一つの進展であろうかと思います。
    〔唐沢委員長代理退席、委員長着席〕
 ただ、いま中野委員御指摘になりました、いわゆる過激派集団というものの許すべからざる学内、学外を問わずの行動については、十分に私どもも関心を持って、それの防止措置に対処をしてまいらなければならないことでございますから、東大当局の努力を全面的に支持をする、また東大当局に強い指導助言を行っていく、この決意はさらにかたくいたしているところでございますけれども、いま中野委員が御指摘になりました、何かくつの底から足をかいているような感じ、私自身率直に申し上げましてそういう気持ちを持つのでございます。しかし、やはり最も基本にありますところの大学の自治、学問の自由、これは侵害してはならないことでございますので、私が東大学長にお話をいたしましたのは、いま幾つかの項目に分けてお答えをいたしましたけれども、実は私自身も東大学長との話の中で触れました一点は、過激派というものの恐ろしさと、さらに、目的を持って国民の税金を使って建てられた国有財産がその目的どおりに利用されてないということについての文部大臣としての責任、その管理運営を委任いたしております大学学長としての責務ということを、申すまでもなかったことかもしれませんけれども、そのことを持ち出しまして、そのことの正しい理解を大学学長に強く要請をいたしました。その点についても学長は十分に理解をいたしたわけでございますが、大学の自主的な解決ということを原則にしながら、強い姿勢で今後も指導助言を続けていき、できるだけ早い時期にこれの解決を図りたい、かように努力をいたしているところでございます。
○中野(寛)委員 大臣の御答弁の中で、大学の自治、そして学問の自由を侵してはならない、こうおっしゃられました。私も全く同感であります。しかし、いまその大学の自治と学問の自由を侵しているのは、大臣の今日の御答弁では不当ということですが、私どもは明らかに違法だと思いますが、違法にもこれを占拠している人たちが大学の自治と学問の自由を侵している、そう考えるべきではないかと思います。そして同時に、それを自主的な管理ができない、その大学の自治の主体はだれであるのかということもあわせて御答弁をいただきたいと思いますが、その主体となるべき大学当局が、大学の自治を守る決意を持ってみずから具体的に行動をせずに今日まで八年有半かかっている、このことの方が私どもはきわめて憂慮すべきことなのではないのか、このように思うわけであります。これに対しての文部当局からの適切な指導というのは、決して大学の自治を脅かすものでもなければ、ましてや学問の自由を脅かすものではない、このように思うわけであります。みずからの力で排除できなければ、それを法的手続に基づいて大学当局が排除していく、この姿勢こそが必要だというふうに思うわけでございますが、いかがでございますか。
○砂田国務大臣 全く同感でございます。いかなる体制にも反対だというような破壊的な過激派集団、まさに暴徒による占拠が不当、不法に行われているという認識を私は持っております。したがいまして、あの精神病棟においては大学の自治が失われている事態であると認識をいたします。したがって、その大学の自治についての責任を持っている東大学長に私が申しましたことも、八年間もの長い間これが正常化されなかったことは国民に対して納得をしてもらえるべきものではないということを申したのも、まさに中野委員の御指摘と同じ趣旨から私は大学学長とそのことを話し合ったわけでございます。
○中野(寛)委員 いま大臣の御答弁の中に、不当、不法に占拠をしているとございました。私は、やはりその観点に立つということが大変必要なことだというふうに思います。
 そこで、会計検査院の方からお越しいただいておりますからお尋ねいたしますが、二月に立入検査をなさっています。そのときに何人の方が行かれて、そしてどういう状態でどの範囲の検査をなすことができたのかを御答弁いただきたいと思います。
○松田会計検査院説明員 二月の十五、十六の二日間にわたりまして、担当の課長ほか四名、調査官が検査に参りました。その際、精神科病棟におきます国有財産の管理状況、そして物品の管理状況がどうなっているかということの実地調査に行ったわけでございます。
 精神科病棟の当時のいわゆる占拠されている部分といいますのは、一階の五十六室のうち四十九室が占拠されております。それから二階に十室のうち六室占拠されております。その残りの数字の部屋は、これは外来側でも使っておるという部屋でございますが、私どもの調査官が十六日に立ち入りいたしましたときは、この占拠されている四十九室、それから六室、これには立ち入りできませんで、それ以外の、病棟にありますが外来側も立ち入りできておる部屋四室につきまして立ち入ることができたわけでございます。そしてそこにあります医療機器六点についてチェックができた、それ以外はできなかった、そういう状況でございます。
○中野(寛)委員 検査をしようと思ってそこに行かれたけれども、検査ができなかった。そして、その検査ができなかった理由はどういうことですか。
○松田会計検査院説明員 できなかったのは、中に入りまして、その部屋の方へ調査官が行きましたときに、これは過激派の学生かどうかよくわからないのでございますが、当日またデモもございまして、その人たちの残っていた者とも思われますが、どういう者かわかりませんが、十五、六名の者がわれわれ調査官の部屋に入ろうとするのを包囲してきた、それで入れなかった、そういう状況でございます。
○中野(寛)委員 それでは、私が聞きますところにおいては、むしろ包囲してその検査官の方々を追い出すかのごとく、むしろ連れ出すかのごとく、外へ結局行かざるを得ない状態に置いていったということを聞いているわけであります。これは文部当局でも結構ですが、警察当局もいらしていただいておりますが、こういう行為は明らかに公務執行妨害罪になりませんか。
○福井説明員 実は、二月十五日、十六日の会計検査院による実地検査が行われる直前、二月十五日でございますけれども、所轄の本富士署に、東大付属病院の責任者と申しますか、事務部長ほかの方に来ていただきまして、会計検査院による実地検査が行われる際には徹底した管理措置を行われるように、もし、違法事態が発生するなり、発生するおそれがあって、警察に対する出動要請があればいつでも応ずる用意がある、こういうことを伝えております。事実、本富士署に、不測の事態に備えてそのための七十人ばかりの部隊を用意しておりました。しかしながら、会計検査の当日そのような要請はございませんでしたので、警察としましては違法事態は発生しなかったという認識でいままでおったわけでございますけれども、ただいま委員御指摘のような状態があるとしますと、公務執行妨害なりの成立する余地があるのかどうか、これについては私の方でいまから調査をしてみたいと思います。
○中野(寛)委員 私は、占拠していることそのものが違法である。そして、その実態を調査すべく会計検査院の検査官が行った。その検査をさえさせない。そしていまの御答弁の状態を見れば、明らかにそれは、彼らは他の者を立ち入らせないということをすでに意図してあの占拠する状態にし、そして外から入ってくる人を妨害をしようとする。それば、きちんとした、法律に基づいた職務権限に基づいて検査をする、そういう状態があるときに、彼らは明らかにそれは違法行為を行っていると私は断言できると思うわけであります。
 その違法行為を行っている人たちと話し合いをする中で解決をしていこうとする、もしくはその中で彼らの現在の身分をそのまま認めていこうとする、そのような態度がもしあったとすれば、それは明らかに、大学及び政府当局も、これは事なかれ主義だと言われてもしようがないのではないかというふうに私は思うわけであります。今日の法治国家のもとで、法律に照らし合わせながら、その法律に基づいた対処をしていくことは、決して大学の自治や学問の自由を脅かすことではないと私は断言してはばからないのであります。大臣、いかがでございましょう。
○砂田国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、私自身、焦る気持ちすら持つものでございます。しかし、大学当局の努力を要請をいたし、指導助言をいたしましたその後、特に、昨年暮れと申しますよりはことしの正月あたりから大学当局の取り組み方が非常に真剣なものになってまいりましたので、その経過を厳重な気持ちで見詰めているところでございますけれども、その経過について、大学局長から実態を少し御報告をいたしたいと思います。
○佐野政府委員 私どもも、会計検査院の立入検査が完全にできなかったということについては非常に深刻に受けとめています。大学当局もそのことを考え、二月の二十七日に占拠側に対して強く説得に当たり、その結果、まだ完全な形ではもちろんございませんけれども、事務当局が病棟の中に入って、そして物品の保管の状況等を一部チェックをすることができるような状態まで来たわけでございます。さらに三月十三日、二十日の両日にわたりまして、やはり医学部長、病院長等が説得に努めました結果、精神神経科の分担教官でございます土居教授と佐藤、逸見の両教授につきまして病棟における診療教育の役割りを認めるということと、それから精神神経科病棟における助手、看護婦等の必要な人員の充足と施設の改善を進めるということについて基本的な合意に達しております。これはまだ基本的な合意であって、その合意を具体的にどのように実現をしていくかということについてはこれからさらに詰めていかなければならないことであるし、また、その詰める過程でいわゆる正常化のステップを踏み外して妥協することのないように、まさに医学部の教授総会が申しておりますように、正常化の前進のためのステップとしてこれからの具体的な分担教官の立ち入りの手続を進めていかなければならないわけでございますけれども、いずれにしても、こうした二つの事柄を通じまして、一つは施設の封鎖、管理面での封鎖というものについてやはり従来とは違った進展が見られてきている。その辺についてそれが崩れているということ。それからもう一つは、診療封鎖と言われていた従来の状況について、やはりこの分担教官の立ち入りを基本的に認めるという、役割りを基本的に認めるという点において、その封鎖がある意味で崩れている。それをどのようにこれから進めていくかというのは、先ほど申しましたようにこれからの努力にもまたかかるわけでございますけれども、大学側の非常に精力的な説得によってそういう事態の進展を見ているということは、私どもも評価しているわけでございます。
○中野(寛)委員 ある程度崩れてきた、またはその立ち入りができるようになった、そのことを見て一つの進展だと判断すること、そのことが私は決して正当な評価だとは思えません。そのことについては後ほど幾つかの問題点、論点を出しながらお尋ねをしたいと思いますが、会計検査院からわざわざ来ていただいておりますので、会計検査院のお尋ねだけまず先にさせていただきます。
 検査院としては、先般のあの検査で検査は終わったわけですか。
○松田会計検査院説明員 私どもとしましては、先般の検査でもう検査は終わったという考えは毛頭ございません。また、東大そのものの検査につきましては、東大は、私どもの大学検査の必須検査対象と申しますか、そういうところでございます。もちろん決算検査はこれから五十二年度についてやるわけでございます。それで現在の私どもの対応の仕方といいますか、これは、まず二月の十五、十六日の先ほどお話のありました不十分なそういった立入調査、その結果、まず第一には、国有財産の事務分掌者なり物品の管理処分、これが十分に現状を把握する状態になっていない、把握もされていない、そういうことそのものがまず第一にわれわれとしては指摘すべきことだ、それを先般のその検査の際に指摘いたしました。そして大学当局にも、物品のチェックなり何なり、調査を行うように申し入れておるわけでございます。それで、先ほども大学局長からちょっとお話がございましたが、大学当局も逐次調査をしているようでございまして、その報告を受けておる状況でございます。また、われわれもその報告を踏まえまして、そして立入調査のできる状態になればいつでも立ち入ってそれをチェックしたい、そういう考えでございます。
○中野(寛)委員 立入調査ができるようになればということは、ひっくり返して言えば立入調査がいまやできないということです。その立入調査ができるようにするのはだれの責任で、そして文部当局はそのことについてのどういう責任を負われるのでございましょうか。
○佐野政府委員 先ほどもお答え申しましたように、施設あるいは物品の管理についての状況をチェックをするという点については、これまでとは違って、すでに事務当局が一部調査に入っております。また、その調査はまだ不十分でございますので、これからも引き続いて調査を行うつもりでございます。そうした一つの進展はあるわけでございますけれども、もちろん、会計検査院に十分な検査を実施していただけるような体制をつくるということは、これは東京大学の医学部がまず努力をすべきことであり、さらに東京大学の学長がこれについては責任を持って対応しなければならないことであり、その対応の仕方については、文部省が事態の進展に応じまして適切な指導をしてまいらなければならないことでございます。
○中野(寛)委員 会計検査院は今後早急に、検査院の意思としてはできるだけ早い機会に調査をしたい、しなければならぬ、この意図をお持ちであるということでございますね。
○松田会計検査院説明員 はい。
○中野(寛)委員 そのことを確認させていただいて、ありがとうございました。結構でございます。
 それでは、そういう状態がすでに生まれているときに、いま警察当局お越しでございますけれども、私は文部大臣とまたもっと話を詰めなければいけないと思いますけれども、大学の自治のあり方、そして学問の自由、その二つの言葉がいつ生まれたのか、そしてその歴史的な経緯と現在のその定義づけというものは、これはまだこれから時間をかけて大いに考えていかなければいけないし、そのことを確立しなければ、これから幾ら大学をつくっても、また幾ら大学があっても、その大学がいろんな不法行為の巣になって、そして治外法権的な状況の中で国民の信頼をなお一層失っていくということになろうと思うわけでございますけれども、これらの今後の論議を進めていく中でわれわれとして大いに参考にしなければいけないことは、そういう違法な状態、不法な状態が行われることに対して警察当局はどのような御判断を持ち、そしてどうあることを望ましいとお考えか。今日のその不法な状態を看過してはならない、そこにあって、警察当局がその職務を執行するに当たって何がネックとなっているのか、そのことについての基本的なお考えをお聞きしておきたいと思います。
○福井説明員 大学自治のたてまえから、学内の秩序維持につきましては第一義的には大学側が措置すべきものと考えております。しかしながら、大学内といえども治外法権の場ではございませんので、治安維持の責任はもちろん警察にあるわけでございます。したがいまして、学内であっても違法行為は看過しないという基本方針のもとに、これまでも大学当局と緊密に連絡をとりながら各種の違法事犯に的確に対処をしてきております。今回の事案についても、この処理の基本方針には変更はございません。したがいまして、いわゆる暴力の行使等の不法行為を認知しましたならば、当然大学当局と緊密に連絡をとりながら措置することになるわけでございます。
 ところで、この事案について考えますと、いわゆる東大の籍を持ってない医師が三十人程度、いわゆる本来の講師一名、看護婦五名、検査技師七名のほかにそういう人が診療所の手伝いをしているということを聞いておりますけれども、たとえばそういう者についてもし大学側の適切な管理措置がありますならば、大学側の適切な管理措置と申しますか、そういう者に対する退去要求とか、そういうことがありませんと、いわゆる警察が警備措置を講ずる上にも前提ができないと申しますか、そういうことがあるわけでございます。そのほかにも、入院そのものは一応所定の手続を経て病院長が行うという形をとられたようでございますけれども、たとえば担当医師とか診療内容の具体的なチェックができておるのかどうか、こういうようなこともございますが、そういう病院の庁舎そのものなり病院内でのさまざまな業務運営についての管理権者の指揮命令権の円滑な遂行ということが実際に阻害されておるというような状況が、いわゆる適切な管理権の執行と相まって具体的に出てまいりますとまたいわゆる業務の妨害という形で警察が措置すべき部面も出てこようかと思いますが、現在では警察がいわゆる警備措置を講ずるような事態にはなっておらない、こういうふうに判断をするわけであります。
○中野(寛)委員 私はそこにまさに、大学当局が自分たちの一つの学問の自由の場を守ろうということの履き違え、大学の自治を守るためになすべきことをなさない、そのことが結局は今日までのいろんな不法な状態を許し、そして警察当局をもいわゆる歯がゆい状態にしていく。むしろ、それは単にそこの場所だけで歯がゆいということではなくて、その大学を拠点として次のまた別の行動が、成田の問題やいろんな諸問題になって広がっていく。その状態があの東大紛争のまさにきっかけとなったこの問題であるだけにそれを象徴的に感じるわけでありまして、私はいまの警察当局の御答弁を聞きながら、これからやはり文部省として、また大学当局として対処すべきことがもっとあるということを痛感をするわけであります。警察の方、どうもありがとうございました。結構でございます。
 さて、先ほど来御答弁がございました中で、検査院及び警察当局にお尋ねする関係で少々後回しにいたしましたけれども、続いて幾つかの具体的な事例の中でお尋ねをしたいと思います。
 先ほど大学局長が、最近は担当の教授、助教授が立ち入りする状況ができてきたというふうにお答えになりましたけれども、それはどの程度できたんでしょうか。先ほどの御答弁で、それが認められるようになったと言われましたが、認めるのは一体だれなのでしょうか。
○佐野政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、診療封鎖が解かれるという方向についての基本的な合意が得られたというのが現在の時点でございます。これに引き続いて、分担教官が病棟内における診療、教育の役割りを具体的にどのような形で行うかということについての詰めが行われるわけでございまして、現在の時点では、具体的にどういう形で診療にかかわっていくというようなことが進められているわけではございません。
 それから、認める、認めないというのは、いわば公の権限の行使としてそのことを認めるとか認めないというふうな意味ではなくて、事実としてそういう状況が合意に達したということでございます。
○中野(寛)委員 私はそのことをとらえて抗議しようという気持ちはありません。ただ、そのような言葉の使い方の中に文部当局の一つの姿勢があらわれているような気がしてならないのです。彼らは明らかに不法者であるという認識をまず根底に持っていることが何よりも肝心なのではないのかというふうに思うわけであります。ですから、現在の立ち入りで管理者としての責務が果たせるようになったかどうかということについて、いまの答弁だとまだ果たせるようにはなっていないというふうに申し上げてよろしゅうございますか。
○佐野政府委員 この病棟の問題は、すでに御案内のように、学生が一時的に学部長室を占拠しているというような状況とはかなり趣を異にいたします。大学が八年かかって努力をしながらなお解決に至っていないというのはまことに遺憾なことであり、今日の不正常な事態を放置することは許されないということは私たちも十分に認識をいたしておりますけれども、やはり根底には東大の精神神経科の教育研究のあり方、診療のあり方についての医師の間における意見の対立というものがあり、それを何とか正常化していくということを通じて、単に病棟の管理を正常化するということだけではなくて、今日、教授、助教授を欠いているような状態にある精神神経科の教室全体のあり方を正していくということが実現されない限りはこの問題の真の解決はあり得ない。そういう意味で、単純な施設の占拠ということを越えた、教育研究に深くかかわった問題があるという認識を持っているわけでございます。そういうことを正していくために、現在病棟にいる、東大の職員ではない者ではございますけれども、それを相手方として極力説得して、いま申し上げましたような正常な事態をできるだけ早く達成したいということで大学当局は努力をしております。確かに非常に歯がゆい思いはいたしますけれども、先ほど大臣からもお答え申しましたように、そういった方向での努力を大学当局は昨年の暮れ以来非常に精力的に続けてきている。そしてそれによって、従来の管理面、診療面の封鎖の状態が、徐々にではあるけれども解決の方向へ向かっているということは申し上げられるだろうと私は思います。そういった方向を大切にしながら、さらに大学当局の努力を強い姿勢で求めていくということでございます。
○中野(寛)委員 その情勢が変わりつつあるということですが、その変わり方なのです。話し合いをするということ、これも努力の形ではあるかもしれません。しかし、先ほど申し上げましたように、彼らが八年有半にわたってあの施設を不法に占拠し、そして本来の大学のあるべき姿というものをゆがめてきたことだけは間違いのない事実である。そういう人たちと話し合いをする。しかし、そこの話し合いにはおのずから、大学当局なり文部当局が大学を守っていくという一つの基本的な姿勢がなければならないと思います。それが単なる妥協であってはならぬ、このように思うわけであります。
 最近のいろいろな動きが、御答弁の中でございました話し合いの成果としてなされているということになるのであろうと思いますけれども、その話し合いに基づくものの一つとして、三月二十日にこういう確認書というものがつくられました。彼らが先般来配っているビラによりますと、団交によってその確認を得たとされている。しかし、彼らは彼らなりの言葉遣いで使ったのかもしれないけれども、不法に占拠している人たちと団体交渉をするということは果たして正当なのかどうか。そしてこういう確認書を取り交わしている。彼らはそういう団体交渉の相手とすべきものなのかどうか、そのことを私はお聞きしたいのです。
○佐野政府委員 確かに、話し合いの状況報告を受けているところによりますと、占拠側の人数は数名という状況ではなくて、何十名にも上る場合があるわけでございます。しかし、医学部当局、病院当局は、そういった形ではあっても、実際に病棟を占拠している精医連の代表者と話し合いをし、それを説得するということを通じて事態の解決を図っていくことがやはり一番の上策であるという判断をしているわけでございます。これはある意味では非常に不正常な、遺憾なことではございますけれども、先ほど申し上げましたような東大の精神神経科のあり方、教室のあり方全体を今後正常に持っていくために踏まなければならない一つのステップであるというふうに大学当局は認識をしておりますし、私はその認識は理解できることであると思います。
○中野(寛)委員 話し合いをする、言いかえれば説得をする、そのことはそれなりの意味があると私は思います。しかし、説得をしているつもりが説得をされておったり、安易な妥協をのまされておったりするようなことがあってはならないと思います。たとえば、この確認書の中にこう書いてあります。「精神々経科病棟側は、土居教授、佐藤、逸見助教授を精神々経科分担教官(診療・教育担当)として信認し、その病棟における役割について認める。」だれに信認していただいたり、だれに認めていただいたりするのか。このような表現をした確認書が取り交わされる、または団交という圧力のもとでこれを書かされる、そういう状態がなお異常だと私には感じられてなりませんが、いかがでございますか。
○佐野政府委員 確かに御指摘のように、この文言は「信認し、その病棟における役割について認める。」という書き方をしておりますから、私どもの感覚からすれば非常に奇妙なことであろうと思います。しかし、ここで表現されている事柄の意味は、先ほど来申し上げておりますように、分担教官がいままで病棟において診療、教育の役割りにタッチできなかった。その状況を一歩進めて、分担教官が病棟において診療、教育の役割りを分担するということをまさに認めさせたわけでございますから、その意味では、診療封鎖について一つの是正の方向が開かれたというように考えられるわけでございます。
○中野(寛)委員 同時に、ここに「医学部および病院当局は精神々経科病棟における必要な人員(助手・看護婦等)の充足をすると同時に施設の改善を行なう。」こうある。一見すると大変すばらしい文言のように思われるわけであります。しかし、そのことは、大臣御答弁の不当、不法に占拠した人たちを、そのまま何の処分もなしに認めてしまう、そのことがこの中でのみ込まされるのではないかという危惧を逆に受けます。信賞必罰、そのことがきちんとなされ、そして将来、大学、この病棟がきちんとした管理運営ができるようにするためのこれはまさに対策だ、補てんではなくて対策だというふうに考えてよろしいのでしょうか。
○佐野政府委員 御指摘のとおり、その二番目に書いてございますことは私どもも非常に関心を持って今後の推移を見守らなければならないことだと考えております。現在の不正常な状況をそのままの状態にしておいて、そして病棟についてその不正常な状態を維持しながら人員なりあるいは施設の改善措置をとっていくということはきわめて奇妙なことであり、いよいよ不正常な状態を固定することになるわけであります。そういうことではなくて、正常化のステップを間違いなく踏んでいく、そして現在の不正常な状況を是正していくということのための対策として、大学当局により、病院当局によってその措置が講ぜられていくのでなければならないし、またそのことは、東大の教授総会がこの確認書を了承するに当たって、この基本的な方向というのは正常化の歩を進めるものとして理解をするということをわざわざ付言された趣旨であろうと思います。私もそういう意味で、これがいわゆる現在の状況を固定したり強化したりするということでなくて、逆に正常化のステップを進める過程でそれをさらに推し進めるために必要なものとして実施をされるように、もちろん大学当局はそのつもりでおりますけれども、それが間違うことのないように指導をしていきたいと思っております。
○中野(寛)委員 いま局長は否定をなさいましたけれども、私が先ほどこういう心配があると御指摘を申し上げました、そのようなことがなし崩しにもし万一なされていったとしたら、あの成田において廃港に追い込むためにあの戦術は成功したと堂々と宣言する人がいるように、この問題についても、その不法、不当な行為が大学当局や文部当局を動かし、自分たちの思うとおりにできたという勝利宣言、少なくともこの文章を見る限りにおいては、認めたとか信認するとか、そのような言葉はまさに彼らの高圧的な姿勢を示している以外の何物でもないわけですから、それはこちらはこちらなりの解釈で、法律用語や公式用語での認めるとかなんとかとは違うのだ、それはこちらなりの解釈でされているけれども、向こうはそうは受けとめない。それが実態ではないのか。これらがなし崩しになされて、そして不当、不法な行為をやっている人たちの行為が知らず知らずのうちに正当化されたり、もしくは黙認をされたりする結果になったとしたならば、この問題が解決したことには決してならぬと私は思うわけであります。大臣、御所見をお伺いします。
○砂田国務大臣 私は、認められたという言葉から受けるニュアンスのものは毛頭持っておりません。人員を充足するということが書かれておりますけれども、この人事はまさに大学当局が責任を持って発動しなければならない人事だと思いますが、私が東大の学長に話をいたしました事柄からいたしましても、そんなところで妥協が行われるようなふうに私の話を東大学長は決して聞いていない。そこのところは信頼の上に立って、強い指導を続けてまいろうと考えます。
○中野(寛)委員 同時に、このようなビラが配られたことは御存じですか。
○佐野政府委員 承知をしております。
○中野(寛)委員 この一番下にやはり囲んで書かれております。同じ二十日に山村病院長及び吉川学部長の名前で出されているこの言葉、これは本当なんでしょうか。
○佐野政府委員 これは事実でございます。
○中野(寛)委員 それは内容が事実ということですか、こういうものがあるということが事実ということですか。
○佐野政府委員 山村病院長と吉川医学部長によってこのような確認が行われている、こういうものがあるということが事実でございます。
○中野(寛)委員 先般来この問題についてサンケイ新聞が大変意欲的に取材をして取り組んでこられました。私も先般来そのことは拝見をしてまいりました。その中で、これは一つの資料として出ているものに関連をした申し合わせ事項だろうと思う。申し合わせがこの文書になっているのだろうと思いますが、この文章を読めば、「医学部長および病院長はサンケイ新聞にわたった精神々経科病棟入院患者の入退院通知書、入院患者整理簿を含む全てのコピーを責任をもって回収すると共に、コピーがどのような経路で本多裕の手に渡ったのか具体的事実を明らかにする。」こうなっている。こういう調査は実際に進められているのでしょうか。
○佐野政府委員 この点につきましては、東大に問い合わせましたところ、外部へ出すべきでない、また出るはずのない入退院通知書の写しが外部に漏れたという事実は確かにあるわけでございます。その事実と、当該講師が入退院通知書の写しを三月六日に事務当局に請求したという事実がある。それを重視いたしまして、これらの書面の管理責任を問題としてこの確認書を書いた、そういうことを承知しているわけでございます。この確認書につきましては、先ほど来御報告を申しました、いわゆる分担教官の診療、教育の役割りを認めること等の確認と同時に三月二十二日の教授総会に報告をされております。しかし、具体的な措置はまだとれていないと承知しております。
○中野(寛)委員 そうすると、この本多講師がそのコピーをサンケイ新聞に渡したとかいう事実があるとかないとかということは、まだ明らかにされていないということですね。
○佐野政府委員 私どもは、その事実が明らかにされたという報告を東大から受けておりません。
○中野(寛)委員 もちろん人事権は教授会にあるわけで、文部省がそのことに不当な介入をするようにとかという要請をするものではありませんけれども、しかし、もしそれが不確実な内容によってこの本多講師の身分に今後重大な変更があるということであったとしたら、今度は逆に、まさにこの本多講師の学問の自由を脅かすことにもなりかねません。「医学部教授会、病院当局として年度内をメドに具体的な措置を明らかにする。」と書かれている。年度内とは、あともう二日であります。これらが不確定な要素の中でもし処分というふうな形で強行されたとしたならば、これもまた反面ゆゆしい問題であると思います。これらについて文部当局としても、この問題を将来何らかの形でまとめていくならまだしも、上っ面だけ糊塗しようという形の、その取引の材料やスケープゴートにこれは使われてはならないと思います。そのことを私ははっきりと確認しておく必要があるし、そのことの御指導を適正になされなければいけないと思います。そのことについて、大臣、いかがでしょうか。
○佐野政府委員 先ほども申し上げましたように、精神神経科の正常化を実現をするのは、単に病棟の管理の正常化にとどまらないという非常にむずかしい課題でございます。大学当局、医学部当局は、十分にその点を踏まえて慎重に対応をしてくれると考えておりますし、また私どもは、現在承知をしているところにおきましても、医学部は十分に慎重な態度をもって当たっているものと承知をしております。
○中野(寛)委員 私は、今日までの経緯、そして春日質問に対する御答弁を見ながら、冒頭にも申し上げましたように、そしてきょうも御答弁を聞きながら、大学問題というもの、そのことのむずかしさと重大さをしみじみと痛感をいたします。しかし、私は、そのことによって文部当局が決して逃げてはならぬと思います。はっきりとした指針と指導性を持って、大学の正常な運営のために、それがまさに大学の自治と学問の自由を守るために、常に適切な指導がなされなければいけないと思います。そして、八年有半こういう状態が続いてきた、そのことが昨年暮れまで何らの手もつけられずにそのまま来たということ、そのことについては、私は明らかに大学当局の責任というものは追及されなければいけないと思います。会計検査院の今後の検査もあるでありましょうし、そしてまた同時に、この問題が一段落した時点がいいのか、今日の時点からの判断は、それは一つの基準というものがつくられなければいけないでしょうけれども、しかしそれは決して避けて通るべきものではないと思います。そういう観点に立って、大臣から、今後の対処の仕方、そしてこのことを踏まえて、より一層今後の大学を取り巻く諸問題についてのあり方、そのことの御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○砂田国務大臣 八年の長きにわたって事態が解決されていなかったということにつきましては、もちろん東大学長に重大な責任があり、国民に向かっての申し開きのできないことであることをつくづく考えるものでございます。同時に、文部大臣もまた、いかに学長にこれらの仕事の任務を委任しているからといって、国民の皆さんに対して逃げるべき筋合いのものでは毛頭ありません。まさに文部大臣にも重大な責任があるわけでございます。それを痛感いたしましたればこそ、文部大臣就任以来、懸命に取り組んでいるところでございます。恐らく、東大学長を文部省に招致をして強い指導助言を直接行ったということは大学紛争のときにもなかったことではないかと思う。事態が異常な事態でございますから、異常とも言えるような措置を私はとったわけでございます。その私から直接東大学長にとりました指導助言を東大学長も真剣に受けとめたと私は確信をいたします。その結果、医学部長なり病院長なりが懸命になってとっておりますただいまの努力に対して、私が全学的な体制でということを申し述べましたそれにもよるのかもしれませんけれども、少なくとも医学部の全教授的な問題として、いわゆる話し合いの行われますときなどは医学部の教授会が全員残ってそれに対応している、支援体制をとっている。あるいは話し合いのその内容について、そのことはこういう意味であるなと、解決への一歩一歩の前進を教授会として確認をしながら事態を進めているということが、ごく最近始まったばかりでございますけれども、正常化への東大当局の努力が非常に高まってまいっておりますことを私は素直に評価したいと思うのです。そしてまた、東大当局が東大としての解決の方法を話し合いに求めた、そのことも、東大学長を初め学校当局の判断として、私はいましばらく、東大当局が決心をした解決手段の話し合いに信頼を置きながら強い姿勢で指導助言を続けていく。そしてまた、これだけ長い間解決してなかった、もうこれ以上そう長く遷延が許されるものではございませんから、その点、大学当局に今後も、急ぐんだということについてもまた指導助言を強めていきたい、かように考えているものでございます。
 大学の自治、学問の自由、そうは言いながら、いまの東大の事態というものはまさに学問の自由があそこで侵されていることでございますから、憲法に言うところの学問の自由を守るために、東大の当局がもう当然真剣に取り組まなければならないことでありますし、それをまた支援をいたしますのが私どもの重大な責務である。学問の自由を守るために、私どもなお一層の努力をしなければならないということを、決意を新たにいたしておりますことをお答えといたしておきたいと思います。
○中野(寛)委員 先ほど御指摘した本多講師の問題もそうでありますけれども、このように一つのコピーをどうしたかという問題、ましてや、これは本多講師がやったということにはならないわけでありますが、そういう問題がこういうところで問われる。もし万一というよりも、仮に本多講師がそういうことをやったと仮定しても、それが問われる前に、もっと大きな大学全体の、病棟全体の管理をきちんとしなかったそっちの管理の責任の方が先に問われなければいけないでありましょう。そして、それは大臣がお答えのとおり、全国の各大学の問題を文部省がきちんと管理していくという姿勢がやはり必要でしょう。
 昨年秋にも指摘をいたしましたが、東京大学のみならず、京都大学においてもまた同じことが相変わらず繰り返されています。そして、大学の中であの赤軍派や中核派、そういう連中が堂々たる活動をやり、そしてハイジャックが起こればそれに対する支援集会や支援の行動が展開をされる、そういうふうな状態を見ながら、いま、大学とはわれわれのこの平和な社会をぶち壊す勢力を温存するところかという疑問がまさに国民の中からはわいてきていると思います。それは決して大学の本旨ではないし、そして大学を愛する人々にとってはきわめて迷惑千万なことであろうと思います。それを守ることがまさにわれわれの義務であり、使命であろうというふうに考えるわけであります。大臣の御答弁がそのまま的確に発揮されることを心から私自身もお願いをして、質問を終わります。
○菅波委員長 山原健二郎君。
○山原委員 ただいまの東京大学精神神経科病棟の問題について最初に伺います。
 いまいろいろやりとりがなされましたので重複はしませんが、私も非常にこの確認書に疑問を持っておるわけでして、文部省側の答弁の気持ちもわからぬわけではありません。異常な事態の中での解決の方向を見出そうと手探りをされておることはわからぬわけではありませんが、本来、大臣自身が暴徒による占拠が不当、不法に続いていると言う、その団体と確認書を取り交わすということ自体の最初からの異常さですね。これで問題が解決できるであろうかという疑問を持っていますので、この三月二十日に行われました第五回団体交渉の実態はどんなものでございましたか。東大側からはどういう方が出席をされ、占拠側からはどういう人物が何名出席をして行われたか、伺います。
○佐野政府委員 三月二十日の月躍日に午後八時から始まりまして、終わったのは二十一日の午前二時二十分でございます。話し合いの場所は医学部の医学図書館の中で行われております。医学部、病院側からは吉川医学部長、山村病院長、さらに、先ほど来話の出ております講座の分担教官である土居教授、逸見、佐藤両助教授、それから病院長補佐をしております和田、久木田両教授、これが出席をいたしております。病棟側はいわゆる精医連の代表である森山公夫という医師のほか約五十名の者が加わっております。大学側、病院側はもちろんこの五十名を相手にして団体交渉をするというつもりで臨んでいるわけではございません。精医連の代表者に対して説得をし、そして事態の解決を図ろうということで臨んでいるわけでございます。
○山原委員 全くそのこと自体がいままで行われてきたことと余り変わりのない姿であります。
 それから、この確認書の中にありますところの土居、佐藤、逸見、教授、助教授、この方は東大のどの部門に所属されておりますか。
○佐野政府委員 これは保健学科の精神衛生学を担当しておられる方々でございます。
○山原委員 保健学科のいわゆる保健管理センターですね。これがまさに石川清その者の出身の部署ですね。違いますか。
○佐野政府委員 保健管理センターではなくて、東大の場合には医学部の中に保健学科と医学科があるわけでございます。その医学部保健学科の教授、助教授でございます。
○山原委員 この分担教官とは一体何ですか。
○佐野政府委員 本来、精神神経科の担当の教授、助教授というのはもちろん医学部の教授、助教授として任命されてしかるべきものでございます。しかし、先ほどもお答えいたしましたように、現在精神神経科は担当の教授、助教授を欠いているという状況にございます。また、容易に教授、助教授の発令が全体の状況からしてうまく進められないというような状況にございます。そこで、やはり精神神経科の教育、診療について責任を持って当たる者を決めなければなりませんので、大学当局としては、保健学科の関連の講座を持っておられる先生方をいわば精神神経科の教授、助教授に相当するものとして、その職務を担当すべき者として任命と申しますか、指名をしているわけでございます。
○山原委員 分担教官というのは一般的にありますか。
○佐野政府委員 こういう事態は通常は考えられないことでございます。
○山原委員 この三名の方を「分担教官として信認し、その病棟における役割について認める。」この役割りとは何ですか。
○佐野政府委員 この辺が確かに確認書のわかりにくい点でございます。私どももその点を確かめたわけでございますが、大学側の考えていることは、まさにここに括弧書きに書かれております「診療・教育」という、その役割りを認める、そういう趣旨のものと理解をしております。
○山原委員 これは、本来東大神経科の医師というものは入ってないということになりますと同時に、これはビラをもらっているわけですが、「医教授会は三・二〇確認を踏まえ赤レンガ三項目要求を早急に実現せよ」という、その三項目要求というのがこの確認書と付随して出ているのですね。いまもお話がありましたから繰り返しませんけれども、その中には、本多裕講師・病棟医長は責任をとるべきであるという分担教官土居、佐藤、逸見、それから補佐何がしの見解を踏まえ、医学部教授会、病院当局として年度内にめどをつけろ、こういうことになっているのですね。この三名の分担教官という方はすでに、本多病棟医長は責任をとるべきであるという、こういう主張に立っている。これはまさに占拠側の見解と一致しているわけですね。そういう人が分担教官として任命されておる、信認されておる、こういう形態です。しかも、医学部長、それから病院長が、講師でありあるいは病棟医長という者に責任をとらすということを約束している。いまの大学でそんなこと、できるんですか。教授会も開かないで、しかもこの真相がまだ本当に判明していないときに、固有名詞を出して責任をとらすべきであるという主張をしている者を彼らは分担教官として任命し、そのことを病院長と医学部長が認めるというようなことは、幾ら異常だと言ったって、大学の教官やあるいは大学職員を勝手に団体交渉の場所で責任をとらすなどということができるんですか。まさにそのことこそ東大の自治に対する介入を容認をしている。ここに問題があるわけですよ。その点、いかがです。
○佐野政府委員 もちろん、御指摘のように、教官の人事に関することはまさに大学の自治の根幹にかかわることでございますし、それはそれぞれ教育公務員特例法の定めるところに従って大学当局が責任を持って行うべきことでございます。ここに書かれていることは、私どもが承知をしておりますことは、当該講師の書面の管理責任を問題にしているということで、その趣旨で書いているんだというように報告を受けております。
○山原委員 書類の管理責任ということであれば、たとえば病棟医長は管理者の一人であるかもしれませんよ。それから、この本多さんとかおっしゃる方はそれをどこかへ流した犯人というか、当事者であるかどうかわからないんでしょう。わかったからこういうふうになっているんでしょうかね。
 それから、そういう責任の追及をするならば、両方の話し合いで行われるものならば、いままで八年間にわたって占拠した者、あるいは会計検査院も入らせない、あるいは暴力を使ったなどという責任は一切何もない。この確認書の中には一番大事な、占拠を解除する、あるいは病院関係の方たちが、教授であろうが助教授であろうが看護婦であろうが、入れるという事態は全然ないのです。だから一方的屈服になっているわけですよ。だからこれは暴力に対する屈服なんです。しかもその上に最後のところで、看護婦その他を充当していく。いままでの占拠を合法化する役割りをこの確認書は持っているという心配さえ私は持っています。だから、私はその点はいまここで評価を一方的には言いませんけれども、これでは事態は解決しないのではないかというふうな心配を持っているわけでございますが、この点、大臣は確信を持っておられるのでしょうか、そのことを伺いたいのです。
○砂田国務大臣 山原委員の御心配の点、私もそれはよく理解をいたしますけれども、この確認書の前文に書いてありますように、先ほど私が御答弁をいたしました医学部長だけに任せておくとか病院長だけに任せておくとか、そんないいかげんなものではなくて、山原委員も前に御主張になりました教授会として取り組めとおっしゃった、その医学部教授会で、「医学部教授総会は、三月二十日の確認によつて精神医学教室が正常の状態へ一歩を踏み出すものと理解する。」教授会もこういう理解を示していることでございまして、解決へ向かっての一歩前進の確認書でございますから、私はこれが全面的に暴力に屈したものとは実は理解をいたさないわけでございます。正常な解決というものはここまでいかなければなりませんということを大学局長が先ほど御答弁をいたしましたけれども、そこへ到達いたしますまでの間の一つの段階の確認書である。そして決してこれは暴力に屈していることではない。たとえば、一番最後に書かれております必要な人員を充足するというようなところをいまお取り上げになりましたけれども、屈服されたような人事を東大当局は発令をしているわけではありませんし、また東大学長に私が御注意を申し上げ、指導助言を強くいたしました趣旨から申しましても、そのような屈服したような人事発令があるとは私は考えておりません。
○山原委員 もうこれ以上押し問答しませんけれども、だれだれを処分するというようなことを約束をして、それが文書で流れるような、そういう背景のもとに確認書を取り交わしていること自体大変異常、というよりも、少なくとも医学部長が人を処分するあるいは責任をとらすなどということに個人的に加担するはずもありません。
 そういう意味で、いまお聞きしましたように、五十名を相手にして、こちらは三名か四名の方で午前二時までやるという、私はそんなことを要求したんじゃないです。まず、医学部教授会がこの八年間占拠された事態をどう解決していくかという方針を出すということです。それが大学の自治です。相手が代表を出したら、代表と言えるんですか、医学部長と病院長が行ってたくさんの人を前にして、そとで問題の解決をせよなどと私は提案をしておりません。まず医学部教授会、東大の機関がこの問題についてどう対処するかという方針を出して、それに基づいて行動していく、これが大学の自治を守る原則なんです。その原則が、初めから形を変えた形のいわゆる団体交渉みたいな形になってくることに疑問を持っております。だから、私はこれ以上申し上げませんけれども、この問題は下手をしますとますます変なかっこうになってしまう。本来、もともと不法占拠がいかぬわけですからね。それをのけて、教授も助教授も、それは治療上の見解の違いはあろうとも、ここへ入れるということをつくり出していくことであって、その間には長い時間も要ると思いますよ。けれども、そういうのでなかったら、むしろ東京大学の威信を傷つけるような結果になることを大変おそれておりますので、その点、私の危惧の念だけいま申し上げて、大臣もそうでございましょうけれども、私たちもこれからの動きを見せていただきたいと思っております。
 次に、初中局長にお伺いしますけれども、中央教育審議会がいま教員問題について審議をしていると聞くわけでございますが、この教員問題というのは御承知のようにいまきわめて重要な問題でありまして、この動きですね。たとえば教員に関する小委員会などもつくられておると思いますが、その主査あるいはメンバー、どういう検討の内容が今日まで続けられておるか、あるいはこの結論を生み出すのはいつごろをめどにしておるのか、伺っておきたいのです。
○諸澤政府委員 昨年、中央教育審議会が発足しましてから特定の事項について審議を深め、中教審としての意見をまとめたいということで幾つかのテーマを挙げられたようでありますが、その一つがただいま御指摘のありました教員問題でございます。そのよって来る背景は、御承知のように、現在のわが国におきますところの教員の養成制度のあり方の問題、それからその養成された教員に対する教員免許制度の問題、そしてこの教員を採用し、その資質を高めるための現職教育のあり方の問題というようなものが主たる議論の内容であるように察せられておるわけでございます。
 その教員問題を検討するために小委員会を設けましたが、その小委員会のメンバーは、駒場東邦高等学校中学校長の高山正雄先生、それから国立教育研究所の平塚所長、その他五、六人であったかと思いますが、そういう方々で、現在までのところ小委員会を四回ぐらいやっておったかと思います。それでいま進行しておりますのは、この小委員会に教育関係の団体の方々の代表に来ていただいて、いま申しましたような観点からの教員問題についての御意見を承るということで、先回その第一回をやりまして、続いてもう二回ぐらいやるように聞いておりますが、それら意見を聞いた上でさらに小委員会としての審議を深められる、こういうふうに聞いておるわけでございます。
○山原委員 大体、文部省としてはその結論を出すめどをどのくらいの時期に置いておるか、おわかりですか。
○諸澤政府委員 中教審の審議をまとめておりますのは官房の方でございますが、いま担当審議官に聞きますと、五、六月ぐらいをめどにしておるということだそうでございます。
○山原委員 これは非常に重要な問題で、教員の養成、免許、採用あるいは現職教育、全般にわたった教員問題ですね。だから、教員の自主的創造性を生かしていく方向をとるのか、あるいはむしろ官僚統制の面を強めていくのか。教員問題というのは非常に重要な問題で、こういう審議が中教審の一小委員会として進められておるということは、一面では、それがどういうふうに発展をしていくか、非常な不安も持たれておるところでございます。しかも五月、六月ごろにその結論を出すということになりますと、私ども、これはいままでどんな検討がなされたか、全く中身もわかりませんし、報告書もいただいたことはありません。大体、こういうことはうんと開かれた形で、いわば教員がこれから先、日本の教育を背負っていくためにはどういうものでなければならぬかという、言うならば教員全体を含めた教育関係者の本当に大きな討議とか、それから意見もどんどん出し合っていくという中で本来まとめられていくならばわかりますけれども、こういういままでの経過、四回やられたというわけですけれども、何となく密室の中で結論が六月に出るということになりますと、私ども非常に不安な気持ちにさせられるわけでございますが、この点はどうなんでしょうか。もっと公明正大な形で論議をしていくという形態がとれないものなのかどうか、伺いたいのです。
○諸澤政府委員 審議会の審議でございますから、一般的に申しましてその都度公開をするというようなことはやっておりませんし、今後もやられないと思いますが、ただいま申しましたように、小委員会で審議をいたしました内容をもう一度総会において討論していただくという機会はもちろん持つわけでございまして、その総会には御承知のような各界の先生方が入っておられるわけでありますし、それから、いま申しましたように小委員会にお呼びして意見を聞く関係の団体というのは、校長会や教育委員会の代表等もございますが、日教組等の職員団体の方も来ていただきまして御意見を聞くわけでございますので、言ってみれば、いろんな面からの御意見を聞いた上でこれを取りまとめるという形で、必ずしも一部特定の方々の御意見だけで審議する、こういうことはわれわれも考えておりませんし、審議会におきましてもそういう御配慮は十分なさっていただけるものと思っておるわけでございます。
○山原委員 これはぜひ結論を出すまでに、たとえば国会などでも教員の問題につきまして、免許、採用、養成、これも当然今度の設置法の中でも討議するわけでございますけれども、しかしこれも全般にわたったこういうものになってきますと、当然国会でも審議すべきだと思います。そういう意味で中間的な、こういう論議がなされておるとかいうような報告は当然国会にもしていただけると思いますが、その点はいかがですか。
○諸澤政府委員 審議会全体として一つの結論を取りまとめて発表する、たとえば教育課程審議会のようなものは中間発表というような形でやった経験もございますけれども、今度のように小委員会を設けてこの問題を審議するにつきまして、中間で一遍まとめて発表するかどうかという点につきましては、なお審議会の先生方の御意見等もよく承りまして、官房の方とも相談して進めてまいりたい、かように思うわけでございます。
○山原委員 次に、いよいよ三月末をあと二日後に迎えておるわけですが、いわゆる主任の制度化の問題についてでございますけれども、現在文部省としては、この三月二十九日の段階でどのような情勢にあるのか、把握をしておられますか。
○諸澤政府委員 まず、主任の制度化の問題でございますが、これは都道府県、市町村の段階で委員会の管理規則等を制定ないしは改正して主任の制度化を図ることでありますが、それがまだ済んでおりませんのが、都府県の段階で東京、神奈川、大阪、京都、沖繩の五都府県でございまして、市町村の段階では、いま申しました五都府県のほかに一部の市町村で済んでいませんのが北海道、新潟、奈良、福岡の四道県でございます。
 ところで、その制度化の済みましたところは、それらの主任に対する手当の支給というための給与条例なり委員会規則の改正という問題があるわけでございますが、教員特別手当の増額を含めて給与条例の改正につきましては、ことしに入りましてから各県において県の人事委員会の勧告ないしは意見の申し出の済みましたところがたしか三十六ほどあったかと思うわけでありますが、この意見の申し出ないしは勧告に基づきまして条例の改正案を県議会に提案をいたしまして、御指摘のように現在まだ審議中のところもありますので、現在の段階で何県において改正が成立しておるかということは、ただいま審議中の県もあるようでございますので、むしろこの五十二年度末にどのくらい条例等の改正が成立する見込みかということでお答え申し上げますならば、多少の相違はあるかと思いますが、大体三十二、三県くらいは成立するのではなかろうかというように考えておるわけでございます。
○山原委員 細かいことは聞きませんけれども、いまおっしゃった五つの都府県がまだ未実施という状態、これは人口にしまして約二千万を抱えておる地域で、これがまだ文部省のお考えのとおりにはなっていないということでございます。そのほかに幾つかの県におきまして人事委員会の勧告のないところもあるわけですし、そういう点を考えますと文部省の当初の意図というのは必ずしも成功してないと思うのですが、この点は文部省側としての評価はどうなんですか。
○諸澤政府委員 まだ制度化の済んでおりませんところでは、日教組等が制度化反対、それから制度化が済みましても条例を制定しようとする過程で制度化撤回、手当支給反対というような運動もしておるわけでございまして、県当局がこれに対してその必要なことを大いにPRしておる、こういうことでございまして、現在の数的な問題としてはいま申し上げたとおりであり、また先生御指摘のとおりでございますが、しからばその他のまだ制度化が済んでいないところの動きはどうかと言えば、私どもの見ておりますところでは、五都府県全部一様ではございませんけれども、近い将来の制度化を目指してかなり活発に動きを示しておるのではないかというふうに考えられるところもございますし、また給与条例の成立に対しましても精力的に関係者と話し合いをして前向きに進めて努力をしておる県が大多数でございますから、もうしばらく様子を見ていただきますならば、全体として手当の支給というものも大体の方向として定着するのではないかというふうに私は考えておるわけでございます。
○山原委員 いままで幾たびか論議されてきましたのでおさらいのようになりますけれども、人事院の方にお聞きいたしますけれども、この主任手当というのは特殊勤務手当ですね。それで、特殊勤務手当の中のどの項目に該当してこの手当を出されることになったのですか、その点、伺います。
○角野政府委員 お答え申し上げます。
 主任手当といいますか、人事院規則では教育業務連絡指導手当ということで、人事規則の九−三〇、その系列で規則化いたしております。これと給与法の特殊勤務手当の条文との関係を申し上げますと、特殊勤務手当は、著しく危険、不快、不健康その他著しく困難という規定がございます。それで、現在の特殊勤務手当に該当しておりますいろんな勤務を大分けいたしてみますと、高いところに上がるとかあるいは水の中にもぐるとか、そういうふうに非常に危険関係に属する大きなグループがございます。それから同時に、もう一つは困難という範疇に属するグループがございます。教員の関係で申し上げますと、多学年担当手当でありますとかあるいは教育実習の関係の手当でありますとか、これがたとえばそういう困難に属するグループでございまして、現在の教育業務連絡指導手当、主任手当はその後者に属する、こういうことでございます。
○山原委員 それは人事院として、主任、たとえば今回人事院の方で言われておりますところの教務主任とかあるいは学年主任、そういうものが著しく困難だという判定は人事院みずからの調査によって決定をされたのですか。それとも文部省との合い議によってそういうふうに判定をされたのですか。これはどこが判定をするのでしょうか。
○角野政府委員 主任に関します主任の手当との結びつきで申し上げますと、これは人事院がその困難を評価して、それに対して給与を支給するという、その結びつきは人事院でございますが、主任の校務分担のどういう勤務である、校務分担がどういうことになっておるという制度化、その中で当該主任はどういう分担になっておるという具体的な内容あるいは評価については、これは文部省の方で十分実態を把握なさいまして、それを私どもは給与上特殊勤務手当として結びつけるにつきまして十分御相談いたして評価をさせていただいておる、こういう結びつきになります。
○山原委員 文部省の方に伺いますが、学級主任と学年主任と比べまして、学年主任、特に三学級以上の場合ですね、それが著しく困難だという判定は、文部省はどういう調査のもとにどういう基準でやられたのですか。
○諸澤政府委員 私どもがまず主任の制度化をするに当たって、五十年の六月でしたか、実態調査をいたしまして、その結果として、制度化する主任というものは各学校において最も基本的でありかつ設置率の高いものという考え方に立ったわけでありますが、そこでいまの学年主任というようなものは、一学年二個学級編制のところ等を別にしますとおおむねほとんどの学校で置かれておるということで、これを非常にウエートを高く考えたわけでございます。一方、学級主任というのは、言ってみれば学級担任でありまして、そこでもう一つ主任というものの性格を考えます場合に、この主任というものは同僚教員との間におけるそれぞれの担当業務についての連絡調整、指導助言をするということがその主たる内容でありまして、学級担任というのは言ってみればそれぞれの先生が自分の担当するクラスについてのお世話をするということでありますから、いま申しましたような連絡調整、指導助言という見地からは少しく外れるわけでありますので、そういう意味で学年主任を他の教務主任等と同じように考えてきた、こういうことでございます。
○山原委員 いままでの学年主任は連絡調整、指導助言という任務を持っておったというふうに解釈しておるのですか。
○諸澤政府委員 大体、この主任の制度化というのは従来の実態を法制化したというたてまえでございますから、そのような性格を持っておったというふうに考えておるわけでございます。
○山原委員 私は幾つかの県の幾つかの学校、いろいろ問い合わせてみたわけです。自分も学校へ回りまして、いま一番苦労して困難な状態に置かれているのは学級主任です。特に中学校の場合なんか、学級主任といいますか学級担任といいましょうか、とにかく実態をお調べになったらわかりますけれども、非行の問題もあります。学級主任をやっておる、これは親がわりです。非行問題なんか起こりましたら夜も昼もないのです。そしてくたくたになっているというのが学級主任、学級担任の先生方の実態なんですよ。それで小学校の場合は、家庭訪問とかあるいはお金集めとか、それから雑務、また家庭への連絡、これなんかも大変なものです。これは学校によってももちろん違いますけれども、一般的に見ますと、学年主任というのはいままでの校務分掌の中でもさほど重要な意味を持っていません。それで、たとえばこの点から見ましても、本当に現場の実態というものをおつかみになっておられるであろうか。これは一番苦労しているのです。著しく困難だと言えば、中学校の学級主任なんというのは本当に大変なんです。学年主任の方をあなた方は、連絡調整、指導助言ということが入ってきたから著しく困難な部類へ入れられるわけでございますけれども、そういう実態をやはりつかんでいただきたいと思うのです。言うならば、特殊勤務手当というのは、もっと平たく言えば御苦労賃だと思いますけれども、御苦労なことはむしろいままでの校務分掌の中では学級主任であります。
 それからもう一つ、小学校の場合、一年生と六年生を比べましたときにどちらが苦労が多いのですか。
○諸澤政府委員 私は小学校の先生をやったことがないのでよくわからないのですけれども、やはり小学校の低学年を段階的に教育のコースへ引っ張っていくというのはかなり骨の折れるお仕事でないかと思います。
○山原委員 低学年の場合も御苦労でございますし、上級へ行けば今度は中学校への入学問題がある、塾の問題がある、それは大変なんですね。そのどちらが御苦労が多いかと言っても、これはちょっと返事はできないと思う。みんな御苦労しておるわけです。いま学校の実態でどんな状態が多いかといいますと、今度主任手当がつくのは、三学級以上の学級のある学年主任がつくわけですね。二学級以下にはつかない、こうなるわけですが、今度見てみますと、たとえば一年生が三学級、三年生が三学級、四年生が四学級、こういうのが多くて、六年生は二学級が多いのです。ひのえうまです。そうしますと、一つの学校の中で一年、二年、三年、四年、五年までの学年主任にはこの手当がつくわけですね。この四月、六年生という大変な時期を迎えて、先生方は精神的には一番つらいところです。自分の教え子たちを中学校に入れなくてはならぬ。私学へ入れるところも、いろいろな塾の問題を含めて一番苦しみのさなかの方たちが、生徒の数が少ないために、ひのえうまのために二学級、ここはもらえないというようなかっこうになるのですね。こういうことは本当に現場に行くといろいろ出てくるのです。現場の実態をもっと把握してみる必要があると思います。
 それから教務主任というのがある。これは皆さんは非常に大事にされておると思いますが、多くの学校ではほとんどいま教頭がやっているのです。教務主任の仕事の内容というのは。置かれておるところでも委員制などをとりましてやっているわけですね。そして教務主任になった場合にはどういうことをするかといいますと、教頭が多くやっているところもありますけれども、教務主任をみんなで選んだ場合には、今度は他の先生方がその授業を応援するわけです。そうして教務主任の仕事ができるようにするわけです。これで学校の運営、これで学校は回っているわけですね。ところが、実際に教務主任というものを今度任命をいたしますと、その教務主任の方には教務主任に対するいわゆる御苦労賃というのがつきますけれども、その教務主任を助けるための、その教務主任の方にいわゆる皆さんのおっしゃる学校内のいろいろな連絡調整、指導助言ができるような可能性を持たすためにみんなが応援をする、その応援する者には何にもつかないという。これは学校の中にとりましては、本当に画一的にずばり切っていけるような状態はないわけです。
 それからもう一つ、教科の面から見ますと、たとえば中学校は九教科でございますが、大小の規模にかかわらず九つの教科を教えなければなりませんけれども、定数法で人数が不足しているものですから、結局免許外の可能な科目を一年間無免許でやっていくわけですね。そして学校はそれで回っているわけです。こういう話し合いなども、主任というものを無理にここへつくってしまいますと、結局、学校の中で話し合いによって相互に援助し合うという、こういうようにはこれからうまくいかなくなるということです。ちょっとおわかりにくいかもしれませんが、お互いに援助し合って学校を円満に、そして効果が上がるように運営をしていくという、こういういままでのルールから申しまして、主任というものが今度制度化されるということが相当の障害になるということなんです。
 だから、私が聞きましたら、本当にまじめな先生方が率直に言うわけですが、この四月の新学期を迎えたら大変なことになる。さっき言いましたように、手当をもらえる人もおる。その人ももらいたくない。気持ちがよくないわけですね。両方がおかしな関係になってしまって、結局、頭から主任手当などというものは私しないということでいかないと学校の円満な運営ができないという、そういう問題をこの主任手当制度の問題は学校へ持ち込んでいるのです。ここらのところ、わかりますかね、私の言うこと。どうですか、わかったらわかったと言ってください。
○諸澤政府委員 先生のおっしゃる御趣旨はよくわかります。わかりますけれども、ただ、学校の先生の仕事というのは、私は先生をやったことがなくて言うのも恐縮ですけれども、確かに学級主任といっても、小学校の先生だと大部分の先生は学級主任をやられる。中学校は定数配置の関係で学級主任をやられる先生とそうでない先生がいるし、高等学校へいけばホームルーム担当の方がごく一部おられるというようなことでしょうし、それぞれの持ち時間の授業時数も違いましょうし、また主任をやっているとやらないとでは勤務のやり方も違ってくるというか、お一人お一人について非常に態様が違うと思うわけでございますね。そこで教員の給与というのは、給与局長もおられますけれども、たとえば超勤の問題にしても、非常に長時間勤務される方もそうでない方も一律に考えて教職調整額というものをだれにも上げますということ、それからそれにプラスしてといいますか、別個に教員特殊業務手当ですね、これもこの間の改正で四%を六%にしましたけれども、これも全部の先生に行くわけですが、その趣旨はやはりいま言ったように、それぞれいろいろ勤務の態様が少しずつ違うでありましょうけれども、教員という特殊な勤務に着目してそういう分もカバーしますという意味で特別手当というものを全教員に六%出す。こういうことでやった上で、さらに別な観点から、連絡調整、指導助言という仕事を持っておられる方には主任手当を上げます。こういうことでございますから、先生御指摘のように、それぞれ一人一人に着目して言えばそこに多少のアンバランスがあるかもしれませんけれども、やはりそれは一律に考えませんと、給与でございますからうまくいかないのではないか、こういうふうに思うわけでございます。
○山原委員 結局、文部省の教育政策の中から出てきておるわけでございますけれども、ここらのところの論議がやはり一番必要だと私は思うのです。日本の将来の教育を考えました場合に、たとえば、かつて勤務評定というのがあって大きな紛争が行われ、学テの問題が起こり、いろいろきましたけれども、それが現段階で日本の教育にどういうプラスやマイナスがあったかということをお互いに正当に論議し合っていいと思うんですよ。
 それから、この主任問題は新たに出てきた問題でありますけれども、これは相当先の見通しをつけて、本当に学校の円満な運営の中で、子供たちは力もつき、そして体力も伸ばし、情操も豊かに成長していく、これは子供の問題としてこの主任問題を考えていくということですね。いままで私も主任問題では文部省の皆さんとずいぶん論議をしてきましたけれども、これは制度をつくるかどうか、こういうやりとりもしてきました。けれども、本当に日本の子供たちの将来の教育、日本の子供たちがいま非行あるいは自殺、そういう状態に置かれておる、基礎的な力もなかなかつかないということでやけになっていく子供たちをどう引き上げていくかという立場から見たときに、新たに文部省あるいは人事院の規則で持ち込もうとしている主任制度、主任手当というものが果たして本当にプラスになるかどうか、これはいま本当に論議をしておかなければならぬ問題だと私は思っておりますから、そういう意味でもっともっと実態を明らかにした方がいいと思いますけれども、時間の関係もありますのでややすれ違ったような話になっておりますが、これは文部大臣、どうでしょうか、この問題はやはり本当に真剣に――あなた方はいいと思ってやっておられるかもしれないけれども、私どもはこれはよくない、こう思っているわけです。その基準をどこへ置くかというと、やはり子供たちの教育の未来の問題ですね、これで論議し合わないと、大臣はちょいちょいかわるわけでございますから、何となくうまくかみ合わないわけですね。その辺、どうお考えですか、お聞きしたいのです。
○砂田国務大臣 主任という仕事をやっていただく教員の皆さんが、その主任という仕事を、校務分掌を受け持っていただくことの意義をだんだん正しく理解をしていっていただいているように私は思うのです。ただ、現場で混乱が起こるということは、これはもう児童たちのために一番避けなくてはならないことですから、十分実態を把握をいたしまして、正しい意味で、この主任を取り巻く問題を乗り越えて、活発な教育を確保するために努力をしてまいります。
○山原委員 これ以上言うと時間がかかりますから、おきます。
 次に、共通一次テストの問題について伺います。
 十二月に最大規模の、実施直前の試行テストが行われたわけですが、この十二月の試行テストの分析あるいはその結果はいつ発表されるのですか。
○砂田国務大臣 その結果につきましては、すでに志願者数や受験者数、科目別の平均点等は公表をいたしたところでございますが、さらに試験問題の評価等につきまして、現在大学入試センターの各種専門委員会及び共通第一次学力試験等連絡協議会試験問題部会で検討を加えているところでございます。また、受験生に対します注意事項その他の徹底、また試験実施上の細部の点につきましては大学入試センターにおいて検討が行われておりますので、これらの検討結果は大学入試センターで取りまとめまして、最終的には七、八月ごろまでに報告書の形で公表をする予定でございます。ただ、概要については、七、八月まで待つわけにはまいりませんので、できるだけ早い機会に発表するように考えております。
○山原委員 十二月に行って、どうしてそれほど時間が長くかかるのだろうと思うのです。各大学の方では入試要項を七月に出すというわけですね。もともと十二月の試行テストというのは何のためにやったのか。いままで平均点とか人数とか、そういうのはいまおっしゃったように出ておりますけれども、この十二月の最大、しかも直近の時期におけるこのテストの分析が行われて、たとえば来年からやるということになりますともう早急に結論が出るわけでございますが、それとは違った意味を持っているでしょうからその試験のときのようにはいかないかもしれませんが、それを分析をして、その分析の結果がたとえば三月末、四月ごろに出されて、それが参考となって各大学における入試要項というものが出ていく、あるいは高等学校の対応の仕方もそれによって出てくるというのが私は正常なあり方だと思っていました。ところが、いまお話を聞きますと七月、八月、ということになりますと、すでに大学の入試要項は決定されている。しかも、生徒たちはもうすでに一学期に入りますと入試態勢に入っていく、こういう時期なんですね。だから、高等学校の先生方にとっても、この子供たちに対して、今度の改革された入試テストに対してどのように対応していくかということがいまもう一番大事なときです。もうこの春休みにカリキュラムの編成その他がずっと行われておるときですね。それに間に合うために十二月にやったのではなかろうかと思っておったところが、何と十二月から七月、八月まで分析の結果が出ないということは、何のためにやったのですか。だれのためにこの十二月のテストはやったのですか。その点を伺います。
○佐野政府委員 本番を控えまして、多数の受験生を対象としたテストが円満に行われるように万全を期して試行テストを実施をしているわけでございます。どのような形で共通一次が行われるかということにつきましては、六月末までに、大学入試センターの方で実施期日、実施方法、試験場、出願手続、検定料等に関する実施要項を定めまして発表いたしますと同時に、志願者向けの受験案内を作成をいたしまして志願者全員に行き渡るように配付をするわけでございます。
 この試行テストの結果、いろいろな点で、たとえば実施方法上の諸問題といたしましては、休憩時間を現在よりももう少し延ばした方がいいというような問題、あるいは実施大学で答案を取りまとめたりあるいは点検をしたりする場合に、やはり欠席者の調査をする上でもう少し改善をする余地があるのではないかとか、あるいは監督者の注意事項の伝達方法につきましても、受験生の所要事項の記入漏れであるとかあるいは誤記等を防ぐために、さらに徹底をするようにもう少しやり方を工夫する方がいいとか、あるいは試験問題の関係でも、科目選択において、特に数学一般を本来選択をしてはいけない者が選択をして書いてしまったというようなケースが若干ございますので、そういった点をどのようにして徹底をして間違いが起こらないようにするかとか、あるいは受験生側でも志願票の記入漏れとか誤記とかいろいろな点がありますので、そういった点についてどのように改善をしていったらいいかというような点を現在検討しているわけでございます。
 そういったものについてその検討結果をすべて盛り込んで、六月末日までに本番の試験のやり方というものが決まっていくわけでございます。六月末のこのセンターの発表に先立って、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、テストの概要は公にいたしたいと考えております。
○山原委員 私どもは小委員会までつくってずいぶん論議をしてきました。その中で、十二月に行われるこのテストというものを、もっと人数もふやしていいのではないかとか、いろいろな意見も出しまして、そしていよいよ来年度実施するのならば、私は一年ぐらい延ばしていいのではないかということも言ってきたわけですけれども、来年から実施をするならばこの十二月のテストというものが非常に重要な意味を持ったテストであるから、だからこの結果を早く分析して、高等学校側も大学側もそれを参考にして対応のできるようなことをすべきではないかというふうに言ってきたわけですが、これは結局入試センターの能力が不足しておるためにこの七月、八月まで延びるということになるのでしょうか。志願者の数とか平均点とかいうものだけではそれほど参考にはならぬと思いますが、結局十二月のテストというものは来年度の入試についてはほとんど大学や高校側に参考にはならないということで、そういうこともあり得るということでやったのでしょうか。
○佐野政府委員 昨年十二月の試行テストは、御案内のように、これまで幾たびか重ねてきました試行テストをさらに規模を大きくして実施をしたわけでございます。共通入試でどのような問題が出るかというような点については、そういった数次にわたる試行を通じてすでに高等学校側には十分に認識をされていることでございますし、また試行テストの問題についてはこれまでも高等学校側に十分評価をいただいてきているところでございます。今度の試行テストは全般的に見まして所期の計画どおり円滑に行われておりますから、既定の計画に基づく本番の共通第一次学力試験の実施については見通しを得られたと考えておりますけれども、先ほど申し上げましたように、受験生に対する注意事項の徹底方法であるとか、その他試験を円滑に行っていく上でさらに改善を要する点がございますからその点の検討を進めておりますので、これらの改善をあわせて、大学入試センターが実施要項あるいは受験案内を作成する場合に改善すべき点を改善をして公表するということでございます。
○山原委員 もう一回聞きますけれども、たとえば足切りをしないでほしいという要請が強かったわけですね。これは文部大臣もいわゆる足切りということはやらさないように極力努力をするというようなことでしたけれども、しかし、この十二月の試行テストの結果は大学側の入試要項の決定をする後に発表されることになるのですか。
○佐野政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、共通第一次試験の方の実施要項は六月の末までに入試センターの方で公表いたします。そして七月末までに各大学がそれぞれの大学の行う二次試験の内容につきましてその基本的な事項を公表するわけでございます。その七月末までの二次試験にかかわる各大学の公表に際して、これまでも大臣から再三お答えを申し上げておりますように、これまで足切りを実施をすると言っていた大学であってもなお検討して足切りを実施をしないというような形での七月末の公表ができるように、国大協も再検討を考えると言っておりますし、私たちも個々の大学について、検討ができるところは検討して改善してほしいというお願いをしていくわけでございます。試行テストの結果を報告書の形で印刷物で公表するのは、先ほどもお答えをしましたように七月になるわけでございますけれども、その概要につきましては入試センターが要項を公表する前に発表をすることができると考えております。
○山原委員 時間もとりますので……。
 もう一つの問題は、結局、その受験生の不安を解消するという立場から考えまして、一次テストの点数は本人に知らすべきではないか、これは私どもの主張でございますし、新聞の論調の中にもそういう論調があるわけです。これがなぜできないかということをいままでしばしば聞かれているわけですが、一つは大学の格差を何となく認めることになるとか、そういう話があるのですが、大学の格差というのは一体だれがつくったかといえば文部省自体がつくってきたわけですから、そうでなくて、本当に受験生個人に点数を知らしていく、あなたの一次試験のテストの結果はこれでしたよと。それによって本人が自分の点数を知って、そして次に志望を、方針を決定をしていく。また高等学校側もそれに応じて進路指導ができるということが一番いいわけなんです。結局それができないというのは現在の入試センターがそれだけの機能を持っていないということから出てきておるんではなかろうかと思いますが、そういう機能があっても知らさない方がいいんだというふうに文部省はお考えになっておるのかどうか、聞きたいのです。
○佐野政府委員 やはり事柄として二つあろうかと存じます。一つは、これまでも再三お答えをいたしてまいっておりますように、現在、大変遺憾なことではございますけれども、受験産業において、模擬テストの成績と大学合格者の実績とを見まして、その関係から大学をランクづけをして、いわば大学を難易度によって区分けをして、それに基づいた進学指導をするということが広く行われております。私は、大学の進学というのを難易度の観点から考えていくというのは決して正しいやり方ではないし、もっと生徒の資性、能力に応じた進路指導というものが行われてほしい、そういう意味で、現在のような過熱をしたランクづけの状況というのをできればなくしていきたいということを願うわけでございます。そういうことを考えますと、本人に知らせた成績が本人限りにとどまっている限りはもちろん問題がないわけでございますが、この委員会でも先般の法案審議のときに御指摘をいただきましたように、この共通入試の結果が外へ漏れるということになりますと、それがいま申したような形で意に反した利用をされかねない、それはできるだけ避けたい。もちろん本人に知らせることによるメリットも非常にあるわけでございますが、そこのデメリットの方が大きいというのが国大協における検討の結果でもございましたし、私たちもその線に沿ってやはり本人に成績を知らせることは避けた方がいい、そこにはまだ踏み切れないというのが偽らざるところでございます。
 それともう一つの問題は、これは共通入試の実施の時期に伴う時間的な余裕の問題でございます。もちろん入試センターは個々の受験生に対してその試験成績を通知することはできるわけでございます。それだけの能力は持っておりますけれども、一方で、現在の五十四年度で実施を予定しておりますスケジュールは、御案内のように、当初予定をいたしました十二月末のスケジュールを、この委員会での御審議等も踏まえましてできる限りおくらせようということで、入試センターあるいは国大協の非常な御努力、ある意味では御無理をお願いをして、一月の半ばに繰り下げたわけでございます。そのために、五十四年度の共通入試のスケジュールというのは入試センターにとっては非常にハードなものになっているわけでございます。その中で個人に成績を知らせるということは、これは五十四年度に関する限りは技術的にきわめて困難だ。日数的に余裕がとれないだろうと思います。
 そういった二つの点があると思いますが、私たちは以上のような点で、五十四年度については本人に試験の成績を知らせるということは実施できない、また実施しない方がいいと考えておるわけでございます。五十五年度以降どのように対応していくかということについては、さらに検討をしていかなければならないと考えております。
○山原委員 学校のランクづけの問題が出ましたが、これは個人に知らす場合とそうでない場合と、それほど違いはないと思うのです。問題は、学校格差をなくしていくということが大事なんで、いまの講座制とか学科目制など、教員の配置から設備の問題から、もっと国立大学間の格差をなくしていくということに全力を挙げるべきでございます。
 それからもう一つは、おっしゃったようにちょっと試験の時期をずらしたから時間的な余裕もないということですけれども、しかし、たとえば旺文社にしても受験料を出して試験を受けますとその模擬テストの点数は返ってくるわけですね。そしてそれに基づいて高等学校の先生方はこの子供についての進路を判定していく。これは現在のところやむを得ないわけですからね。それで子供たちもまた自分の進路を決定していくことになるわけで、子供たちの不安の念から申しますと、一概に文部省のようにかたくなに否定すべきではなくて、これはいま次の年からはというお話がございましたからこれでおきますけれども、当然検討していいのじゃないかという考えを持っていますので、その点、ぜひ御検討をいただきたいと思うわけです。
 それからもう一つは、自分の正確な点数は、平均点を出されて、自分でおれはこの程度のできだというふうに判断をする、こういうことになるわけですけれども、しかし、受験生というのは、新聞で正解例を見ましても自分の点数を案外いい点数に思いがちなものなんです。そんなことから、場合によっては足切りをやられた、さてもうそのときには次の二次の願書を出している、結局切られて受験ができないとかいうようなことをなくするためには、当然本人に点数を知らすという問題を一つの課題として検討していただきたいと思いますが、その点、もう一度御答弁をいただきたいと思うのです。
○砂田国務大臣 受験生が自己採点を行うことが可能になるように、さらに改善を検討しているところでございますけれども、それを可能にするのならば、個人得点というものを受験生本人にだけならば通知しても同じではないかという御主張なんです。私どもも全くそれを歯牙にかけなかったというわけではございませんで、検討もしてきたところでございますけれども、大学当局においても、また入試センターにおいても、五十四年度においては少なくともそれは好ましくないという判断をいたしたわけでございます。
 もう一つ申し上げますならば、この共通一次入試というものに踏み切ります非常に根源的な一つの理由が、当委員会でもいろいろ御審議、御議論のあったところでございますが、いわゆる受験地獄から青少年たちを救い出していきたい、正常な入学試験という体制をとりたい、そういうことからスタートいたしたのでございますが、またことしも相変わらず、ある一部のマスコミや週刊誌等は模擬テストの成績と大学合格者実績との関係を書き上げましたり、有名校のランクづけをしたり、こういう状態が決して好ましいことではない、いわゆる受験地獄というものに、火に油を注ぐような事態でございまして、こういうことはどうしても避けたい、こういうような考えもあって、五十四年度は御承知のようにその試験の時期を高校側の御要望を入れてさらに後ろへずらせたものでございますから、入試センターにその能力がないということではなくて、いかにも時間的に日にちが切迫をして個々の生徒に結果を通知をする、それは郵送等でやらなければならないでありましょうけれども、あのような短い日数の間でそれをやろうとすれば、受け取れない受験生もまた出てくるのではないか。それはもう全く不公正なことになるものでございますから、五十四年度の一回目のテストは本人には通知をしないで施行をしようという判断をいたしたわけでございます。ただ、一人一人に通知をするということは御指摘のように意義のないことではないわけでございまして、それはそれなりに受験生に役立つことでもございますから、五十五年度以降のことについてはさらに検討を続けてまいりたい、かように考えるものでございます。
○山原委員 次に、全国に五万人おるといわれる、いわゆる臨時教員の問題について伺います。
 これは各県ともそれぞれ臨時教員がおるわけでございますが、私の県を含めて二、三の例を申し上げますと、たとえば定員内講師というのがあるのですね。たとえば三重県などでは小学校に八十七名、中学校に三十九名、定員内講師というのがおいでになるそうです。これは定数から言えば本来本採用しなければならない方たちでありますが、これが今後過疎になるとかあるいは財政的理由で本採用にならない。こういう方たちが私の隣の県の徳島にもありますし、全国的にこういうのがあるのじゃないかと思います。これはいわば脱法行為じゃないかというふうに思うのですが、そんな点、お調べになったことがありますか。全国的にはどういう状態になっていますか。
○諸澤政府委員 私の方は、全国的に臨時教員がある時期において何名ぐらいであるかというような調査はございません。ございませんが、ただいま御指摘のように、それぞれの県におきまして、いわば産前産後の代替教員とか育児休業期間中の代替教員以外にも、御指摘のように、本来定数配分の中におって普通の教員として採用し得る枠がありながら、臨時教員として期限をつけた教員を何人か採用しておるという例があることは承知いたしております。ただ、この問題につきましては、いまお話がありましたように財政上の理由とか、あるいは過疎県でありますと将来の定数の問題を見込むとか、いろいろ理由があろうかと思いますが、いずれにいたしましても、せっかく有資格の教員の方をいまの育児休業のような本来の制度以外に臨時的に任用するというのは、身分の不安定ということからいって私は好ましいこととは思いませんので、それは従来も、なるべくそういうことはやめて、ひとつ定数の範囲内において適切な人事管理をするようにということは指導をいたしておりますし、今後もそういたしたいと思っております。
○山原委員 定員内のこういう状態に置かれておる講師ですね、これは当然採用すべきではないですか。
○諸澤政府委員 当然採用すべきというのはどういう御趣旨かわかりませんけれども、要するに特定の先生が育児休業としていつから向こう十一カ月休業期間をとる、そのかわりに代替を置くという場合には、その代替教員については一年以内の期限を付して採用するということは、これは制度上もあり得るわけでございます。もちろん、そういう場合であっても実際の処遇としては、年度の切れ目等で定数の増等があればそういう先生方を優先的に本採用するということはやっておると思いますけれども、しかし、そういうことができなければその期限を付して採用されてもやむを得ないというふうに思うわけでございます。
○山原委員 これは実態をぜひ把握をしていただきたい。これは前から主張してきておりますけれども、もちろん年々変化もありますし、また採用になっておる方もおりますし、なかなか実態を精密につかむことは困難かもしれませんが、この方たちが教育をそれぞれ学校で支えておることは事実なんです。
 私の県の例を申し上げますと、これは高等学校の場合ですが、私の県に高等学校が五十校あります。そのうちで時間講師が百七十名おります。ほとんど若い先生方でございますが、この先生方が週に大体五時間から十時間の授業を持っています。その賃金はいわゆる時間給で一時間が千五百円です。これはどこから出ておるかといいますと県の報償費から出ている。そういう形態でございまして、結局は県職の賃金であって教員の賃金ではないかっこうになっているわけです。それから通勤費も出ていません。結局月に一万円から一万五千円の通勤費を自分で出さなければならぬ。年休もなければ病休もできない。休めば賃金カットになるという、まあ日雇いですね。それが、若い教師が百七十名も置かれておる、こういう実態がありまして、そうなりますと生徒たちもこういう先生を疎外するとかいうような問題が出てきまして、教育上大変重要な問題になっているわけです。職員会議の構成メンバーにもなかなか入れないとか、しかも何年間もそういう状態が続いておるとかいうようなことでございますが、これらは基本的に、この基本賃金の制度を確立して、時間手当についてももっと完備したものにする必要があるのではないか。それから常勤化の道をもっと広げていくべきではないか。これは定数問題とも関係してまいりますが、このいわゆる臨時教師の日常の姿を見ますと本当に大変なんです。いつお呼びがかかるかわかりませんし、期限が切れれば自宅待機。結婚もできなければ、赴任をしようと思っても、遠い山の中に入れられると赴任は全部自腹で行かなければならぬということで、一体何のために教育という仕事をしておるのかわからぬというような、こういう状態があるのです。まさに前近代的な非人間的取り扱いを受けていると言っても間違いではないわけでございます。これは私の県の例を出しましたけれども、全国においでになるわけです。しかも、その人たちが教育を支えているということから考えますと、この臨時教師の問題というのは決して小さな問題ではありません。その意味で、一つは文部省としても早急に調査をしていただいて、任用すべき者は任用していく、あるいは長期にわたってそういう状態に置かれている人については優先的な採用をしていくとかという手をぜひとっていただきたいと私は思いますが、この点、いかがですか。
○諸澤政府委員 五十三年度には次の五カ年計画の資料にするための教員の実態調査等も計画しておりますので、その際、御指摘のような問題もあわせて調査をしたいと思いますし、また、従来もしておりましたような県に対する人事管理についての適切な運営につきましては、引き続き指導してまいりたい、かように思うわけでございます。
○山原委員 次に、もう余り時間がないのですが、身体障害者の教育と就職の問題について伺います。
 厚生省の方と労働省の方にお見えいただいておりますので、主としてそちらの方に伺いたいわけでございますが、最近、たとえば東京都の北養護学校が三月十七日に卒業式を行われています。ところが、二十三名卒業しまして、社会福祉施設に二名、あとの二十一名がいわゆる在宅で就職ができないという状態です。私の県の県立若草養護学校の場合も、二十名卒業しておりますが、二人の方が印刷と貴金属の仕事に一応就職して、あとの十八名は在宅、仕事がない、こういう状態にあるわけでございます。それで結局もう卒業したくない、卒業をしたときにもう職がない、こういう状態に置かれているのです。
 そこで、いろいろ苦労しながら、たとえば、この人たちが集まって、共同作業所というようなともかく名前をつけておりますが、身体障害者の方たちが集まりまして、そしてそこでいろいろなものをつくるわけです。これはこの間学校安全会法の改正のときにも名前を出しました、柔道をやっておって首の骨を折りました高知高専の植村君などもこの共同作業所へ行っているわけですが、どんなものをつくっているかというと、洗たくばさみとか、こういったビニールハウスに使うキュウリやトマトのつるを押さえるもの、こんなものを必死になってつくっているのです。大変な苦労でございますが、これに対しては国も県も市も援助がないわけですね。でも、これはすずめ共同作業所と呼んでおりますが、今度初めて高知市の方で土地を貸与しまして、建物については県、市が三百二十万ずつ出してつくろうというところまで、必死の努力でやっておられるわけでございます。何遍か挫折をしまして、もうやめようかなどという話も出ながら、いろいろな人に支えられてやっているわけです。
 ところが、全国的に見ますと、こういうのが東京だけでも七十カ所あるというのです。これは精薄も含めておりますが、全部赤字を抱えて本当に苦労しておるという状態がございます。これらに対して自治体が補助金を出している例を見ますと、京都の場合が二十人以上の一施設に二百四十万、東京が一人について一万二千円とか、大阪がこの四月からやるとかいうような状態で、自治体としてはほかにもあると思いますが、幾つかの自治体が苦労しながらこの人たちに対する援助の手を差し伸べようといたしておるわけです。ところが国の方は一向にそういうことがないわけですが、障害児教育の義務化の問題を前にしておる現状で、卒業していく生徒たちの就職の問題を考えますと、彼らが自主的につくらざるを得ないこういう共同作業所等に対する援助は厚生省としては全くお考えになっていないのかどうか、伺いたいのです。
○金瀬説明員 お答えいたします。
 いまお話ございましたように、働く意思のある身体障害者の方に対して、その残された能力に対応する就労の場を提供することは身体障害者対策の重要な一つの柱であろうかと思っております。厚生省といたしましては、御案内のとおり、身体障害者福祉法に基づきまして、そういう方のための授産施設の整備充実ということで対応してきているわけでございます。現在こういう施設に対しまして国庫補助をいたしておりますのは、そういう授産施設等におきまして障害者の更生訓練、あるいは作業においてその障害者にふさわしい設備、構造、あるいはそれを指導する専門の職員の配置というふうなことに関連いたしまして、身体障害者福祉法に基づいて最低基準を決めておりますが、その基準に合致したものについて実は運営費を含めて補助しておるわけでございます。ただ、先生御指摘の共同作業所というのは、いま申しましたような国の最低基準を実は満たしておらないわけでございますので、現段階ではまだ補助の道がないというのが実情でございます。
○山原委員 身体障害者社会適応訓練事業というのがありますね。これも適用にならぬわけですか。
○金瀬説明員 私ども実は昭和五十二年度から一つのねらいといたしまして、養護学校等の卒業後のことを勘案いたしまして、就職もできない、あるいはいま申しました授産施設等へもなかなか思うように働きに行けないという、在宅の重度障害者の方々のためのいわば一つの生きがいという意味も含めまして、重度障害者のための社会適応訓練事業に対する助成の道を開いたわけでございます。これは、その地域におきまして、建物でいいますと三百平米程度の建物で、そこで、あるいは毎日でないにしても通いで軽作業を行うとか、あるいは機能回復訓練を行うとか、そういう事業を行う場合の一つの道として補助の道を開いたものでございますが、多分先生のおっしゃるのはそのことであろうかと思います。これについては、五十二年度スタートしたばかりでございまして、来年度もさらに個所数の増というようなことをいたしまして事業の充実を図っていきたいと考えております。
○山原委員 そうしますと、たとえば共同作業所と呼ばれるようなものも、ちゃんと充実をし、その機能もきちんと動き始める場合はいまの制度を適用し、去年は十カ所だったのがことし二十カ所の予算要求をしていますが、来年度はまたこれをふやすとかいうことで、こういうことに対してはぜひ補助の拡大、充実をやっていくべきだと思いますが、そういう展望はあるのですか。
○金瀬説明員 御指摘のように、五十二年度から始めまして、一応場所の設置は、障害者の分布を考えまして、おおむね人口二十万単位ぐらいに一カ所ずつつくっていこうという考え方でスタートをしたわけでございます。五十二年度は十カ所、五十三年度も五十二年度の十カ所を含めて二十カ所に対する事業費の補助を予算で計上いたしておりますが、これについては今後ともさらに個所数をふやし、そして内容の充実を図っていきたい、かようには考えております。
○山原委員 労働省、お見えになっていますけれども、文部大臣の時間がないので、一言だけ大臣にこの障害者の就職問題でお伺いしておきたいと思います。
 これはいま私が申し上げましたように大変な事態になっていまして、せっかく身体障害者雇用促進法がありましても、なかなか官庁でもうまくいっていませんし、それから特に大きな企業ではその雇用率が少ないということでいつも問題になっておるわけです。法律があってもこれが守られなければどうにもならぬわけでございますし、特に養護学校を卒業した子供たちが就職できないという事態は何とかしなければならぬと思うのです。
 それで、考えてみますといろいろなやり方があるわけですね。たとえば、細かい問題でございますけれども、図書館の中に点字の係を置くとか、あるいは選挙公報を点字で出す場合にこういう人を使うとか、いろいろな形があるわけですが、そういった点を私たちお互いに検討しなければならぬと思います。そういう意味で、義務化の問題などもあってこれからも論議されると思いますけれども、ともかく学校を卒業した場合に就職の展望が開けるように文部省としても十分検討していただきたいと私は思うのですが、文部大臣に最後にその点だけお答えをいただいて、出ていっていただきたいと思うのです。
○砂田国務大臣 心身障害児の卒業後の進路の指導につきましては、各学校において、個々の障害の種類とか程度に応じていままでも必要な指導を行ってきているところでございますけれども、特に今後障害の程度の重いお子さんが就学をしてきて卒業をしていくわけでございますから、厚生省、労働省等関係方面にも文部省として積極的に働きかけまして、きめの細かい指導が行える体制をとるように努力をいたします。
○山原委員 労働省、せっかくおいでいただいていますが、いまの問題で、職安の中に障害担当者がほとんどいないという状態ですね。たとえば私の県で見ますと、高知市に一人おいでになるだけでございまして、それもほとんど機能が発揮できるような状態に置かれていないということです。小さな職安へ行くと、身体障害者の受け付けをするところや人すらいないという状態ですが、これは改善をするような考え方があるのでしょうか。
○田淵説明員 ただいまお尋ねの公共職業安定所における職員の件でございますが、恐らく就職促進指導官という職名の専門の担当官を置いておると思います。本年度、定員削減等でなかなか公務員の増員はむずかしい中でございますが若干増員も図っておりますし、徐々に体制を整えておりますけれども、何分全般的な事情が非常に厳しゅうございますので、なかなか思うように人をふやせない状況にございます。
○山原委員 就学援助金の問題ですけれども、生活保護基準以下の者であっても就学援助がもらえないという例が私のところへ秋田県からも来ていますし、それから群馬県からも来ています。この秋田の方は日雇いで、夫婦と三年生の子供と三歳の子供で、収入が大体百十万円です。それから前橋の方も家族四名で月十万円という状態です。こういうのが民生委員の方の調査を受けると、たとえば家が大変きれいに掃除されておるとかいうことで打ち切られる。こういうのが恐らく皆さんのところへも来ると思うのです。個々にこういう問題が出ました場合は、文部省として、これは初中局かどうかわかりませんが、いままで指導されていますか。
○諸澤政府委員 制度についてはもう御承知と思いますけれども、簡単に申し上げます。
 要するに、要保護の対象になるのは生活保護法の対象ですから、基準収入額がいまですと百十万くらいですね。それ以下だったら要保護の生活扶助の対象になります。それから、それに準ずる者という意味で文部省の教育扶助を受ける人は、市町村民税所得割非課税の前後ということですから、百四十万以下というのが大体の感じになるわけです。そこで、いまおっしゃったような百十万以下の所得であると、言ってみれば生活扶助を当然受けられるという方でしょうから、文部省の教育扶助の対象になるよりもまず厚生省所管の生活扶助の対象になるかどうかという判断があるわけです。その場合でも、先生御指摘のケースについて所得を見ます場合に、やはり見方によって、いやそうじゃないのだ、もっと所得があるはずだ、こういうことになりますと、そこに議論の余地があるので対象になり得ないという意味で、そういうものはストレートには文部省に来ないわけです。文部省に来ますのは、いまの生活扶助は受けられないけれども、これに準じたいわゆる準要保護として教育扶助を受けたいがどうか、それはどうも判定がそうなってないけれどもこれはこういう事情だというようなものは、個々の事情について文部省の財務課の方に来る場合がございまして、その場合は文部省としては直接判断することはむずかしゅうございます。しかし、そういう話であればよく所得状況なり生活状況なりを調べて、果たして対象とするのが適当かどうかというのを判断しなさい、こういう指導をしております。
○山原委員 もう一つその問題で、いま倒産がふえています。それで倒産をした場合にいきなり収入源を断たれるわけですね。前年度の所得でこれが計算されますと問題なんです。ところがこれは全国的にずいぶん多くなっていまして、この場合に就学援助については、倒産というような問題が多発しておる地域とかに対しては文部省としての、県の教育委員会等に対する何らかの指導があってしかるべきではないかと思いますが、これはそういう点、何かお考えになっておられるのでしょうか。
○諸澤政府委員 倒産というものも含めて、生活扶助を受けるに準ずるような生活困難者ということで、その中に、たとえば給食費も十分に払えないとか、そういうような子供の生活環境なり生活状態を見て判断しなさい、こういうことを言っておりますから、当然前年度収入だけでなしに、現時点において親がどういう経済状態にあるかということは、この教育扶助を受ける場合の判断の一つの要素になるわけでございます。そこで、いまおっしゃったような倒産された方でも、非常に生活が困窮している現状にあると言えばもちろん対象になります。ただ、そういう場合に、一々経済情勢を見て、いま倒産が多いから倒産の人も勘定に入れろとか、そういう個別の指導をいたしておりませんけれども、一般論として、いま申しましたようなことでございますから指導をしておる、こういうふうに言ってよろしいかと思います。
○山原委員 初中局長、どうもありがとうございました。
 最後に大学局長に一言。先日嶋崎さんがお尋ねになりました東京教育大学の問題ですが、あのときに何か嶋崎議員に対して、最後の段階での御報告をするようなお話があったように聞いておったのですが、三月はあと二日しか残っていませんが、現在もう解決をしましたか。東京教育大学の諸先生方の問題です。
○佐野政府委員 先般、三月十六日現在で九十六名の教官が移行を希望しているということを申し上げ、その時点ですでに六十九名については割愛の申請が出ているので残りは二十七名であるということを申し上げましたが、その後さらに両大学の協議が進みまして、三月二十五日までに八十八名の教官についてはすでに割愛の手続がなされております。したがって残るのは八人ということになりました。この八人の教官につきましても、筑波大学におきまして移行についての審議が鋭意進められておると聞いております。三月末日までには必要な手続を完了いたしまして、移行を希望する方は東京教育大学の廃止によって職を失うことがない、そういう状態が生ずることはないと私たちは期待をしておりますし、その期待は恐らくは裏切られないだろうと思います。
○山原委員 最後に文化財の問題について、これはもうまとめて簡単にお尋ねをいたします。
 一つは、中央高速道路あるいは関越自動車道等のために、たとえば長野県の阿久遺跡、これは繩文前期の遺跡、集落跡であります。それから日高遺跡、新保遺跡等の問題が出ています。これはここだけではなくて、開発が進むにつれてこの遺跡の破壊も行われますし、また住民の反対がありまして開発そのものも進まない、そういう事態が随所にあるわけでございますが、こういう問題について文化庁として本当に対応できる体制にあるのかどうかということが第一点です。
 それからもう一つは、これは私の県のことで大変恐縮でありますけれども、高知県の長岡郡大豊町に立川というところがありまして、そこの県境に番所跡があるのです。これは重要文化財に指定をされております。山内公の参勤交代のときにここを通りまして山越えをして、ここで泊まるという非常に重要なものなので、聞きますと、こういう県境にこういう番所、書院跡が残っているところはほとんどないと聞いております。ところが、行ってみますと、もう荒れほうだいという状態で、とても村落の人では維持できない、こういう状態に置かれております。もうみすみす、台風でも来ればだめになってしまう、こういう事態を迎えまして、どこかへ移転をしてつくった方がいいのじゃないかというような意見も出ていますけれども、地元の人たちは、この番所がここにあるから値打ちがあるのであって、どこかへ移転してしまえばそれは全く単なる見せ物になるにすぎない、そういう文化行政は間違いだろうという声が非常に強いわけです。こういう重要文化財を本当に守れるかどうかという問題もありますが、これらについて現在の文化庁のお考えを伺って私の質問を終わりたいと思います。
○吉久政府委員 文化財保護と開発との対応でございますが、このことにつきましては、先生も御承知のように昭和五十年に文化財保護法の改正を衆議院文教委員会の御発意によりましてしていただきまして、その結果、大規模開発公共事業等との関係につきましては、事前協議制というような新しい制度も導入していただきました。また私どもも、これらの制度の運用に伴う必要な埋蔵文化財の発掘の予算、あるいは専門調査職員の拡充等々につきましては、都道府県、市町村の教育委員会と相談しながら必要な予算ないしは拡充措置を進めてまいっておりまして、これらをこなす手法につきましても、昭和四十年代のいろいろな事件がございましたが、それらの経験の蓄積の中で順次国民の皆様方、開発事業者の御協力等も得ましてだんだん手法も確立しつつございまして、いまのところ、私どもとしては何とか文化財の保存というものの見地から適切な対応はできているのではないかと思うわけでございます。もちろん、なかなか十分にはまだできてない点につきましては、私ども今後とも、文化財保護の見地に立脚しながら開発との対応を適切にしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 それから、立川番所、書院につきましては、いま先生御指摘のとおり四十九年に建造物として指定になっておりますが、非常に破損がはなはだしいということでございまして、私どもといたしましてもできるだけ早く修理をする必要があると思っておるわけでございます。これにつきましては、地元の町がこれを買い上げておるわけでございますが、現地の方で移転の考えもあるようでございます。しかしながら、先ほど先生お話しのように非常に由緒のある建造物でございますし、またこの道そのものも、続日本後紀にも載っておるほどの非常に由緒ある道でもございますので、この建造物を全く関係のない他のところに移すということにつきましては、文化庁としましてもこの建造物を保存する意味からは望ましくないと考えておりまして、他の地域に移転しないで、町による修理をできるだけ早急に実施する方向で現在指導いたしているところでございます。そういう方向で修理が決まりましたならば、国庫補助等につきましてもできる限りの努力をいたしたいというふうに考えております。
○山原委員 終わります。
○菅波委員長 次回は、来る三十一日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時四十三分散会
     ――――◇―――――