第084回国会 運輸委員会 第12号
昭和五十三年七月十三日(木曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 増岡 博之君
  理事 石井  一君 理事 小此木彦三郎君
   理事 浜田 幸一君 理事 坂本 恭一君
   理事 渡辺 芳男君 理事 石田幸四郎君
   理事 河村  勝君
      佐藤 文生君    原田昇左右君
      久保 三郎君    佐野  進君
      斉藤 正男君    田畑政一郎君
      草野  威君    宮井 泰良君
      薮仲 義彦君    柴田 睦夫君
      中馬 弘毅君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 福永 健司君
 委員外の出席者
        外務省経済協力
        局外務参事官  中村 泰三君
        大蔵省主計局法
        規課長     宍倉 宗夫君
        中小企業庁小規
        模企業部参事官 山口  務君
        運輸大臣官房長 中村 四郎君
        運輸大臣官房審
        議官      杉浦 喬也君
        運輸省海運局長 真島  健君
        運輸省船舶局長 謝敷 宗登君
        運輸省鉄道監督
        局長      山上 孝史君
        運輸省自動車局
        長       梶原  清君
        運輸省航空局長 松本  操君
        海上保安庁長官 高橋 寿夫君
        労働省職業安定
        局雇用政策課長 白井晋太郎君
        建設大臣官房会
        計課長     永田 良雄君
        建設省計画局建
        設業課長    蓮見 澄男君
        建設省都市局都
        市計画課長   高橋  進君
        会計検査院事務
        総局第五局長  東島 駿治君
        日本国有鉄道総
        裁       高木 文雄君
        日本国有鉄道常
        務理事     山口 茂夫君
        日本国有鉄道常
        務理事     田口 通夫君
        日本国有鉄道常
        務理事     馬渡 一眞君
        参  考  人
        (新東京国際空
        港公団総裁)  大塚  茂君
        参  考  人
        (石油公団理
        事)      佐藤淳一郎君
        運輸委員会調査
        室長      榎本 善臣君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十六日
 辞任         補欠選任
  原田昇左右君     箕輪  登君
  中馬 弘毅君     大成 正雄君
同日
 辞任         補欠選任
  大成 正雄君     中馬 弘毅君
七月四日
 辞任         補欠選任
  箕輪  登君     原田昇左右君
同月十二日
 辞任         補欠選任
  小林 政子君     柴田 睦夫君
同月十三日
 辞任         補欠選任
  原田昇左右君     箕輪  登君
  柴田 睦夫君     小林 政子君
    ―――――――――――――
六月十六日
  一、地方陸上交通事業維持整備法案(久保三
   郎君外三十七名提出、第八十回国会衆法第
   二四号)
  二、中小民営交通事業者の経営基盤の強化に
   関する臨時措置法案(久保三郎君外三十七
   名提出、第八十回国会衆法第二五号)
  三、交通事業における公共割引の国庫負担に
   関する法律案(久保三郎君外三十七名提出、
   第八十回国会衆法第二六号)
  四、中小民営交通事業金融公庫法案(久保三
   郎君外三十七名提出、第八十回国会衆法第
   二七号)
  五、道路運送車両法等の一部を改正する法律
   案(内閣提出第八〇号)
  六、陸運に関する件
  七、海運に関する件
  八、航空に関する件
  九、日本国有鉄道の経営に関する件
 一〇、港湾に関する件
 一一、海上保安に関する件
 一二、観光に関する件
 一三、気象に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 陸運に関する件(都市交通に関する問題等)
 海運に関する件(造船業の不況に関する問題
 等)
 航空に関する件(新東京国際空港に関する問題
 等)
 日本国有鉄道の経営に関する件
     ――――◇―――――
○増岡委員長 これより会議を開きます。
 陸運、海運、航空、日本国有鉄道の経営及び海上保安に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本日、海運に関する件について石油公団理事佐藤淳一郎君を、また航空に関する件について新東京国際空港公団総裁大塚茂君をそれぞれ参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○増岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
○増岡委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原田昇左右君。
○原田(昇)委員 私は、先般、四月十九日、当委員会におきまして造船不況対策についてお伺いしたところでございますけれども、その後情勢はますます深刻になり、造船所におきます解雇あるいは倒産といったものが続々出ておるという現状、まことに憂慮にたえない次第でございます。一方、政府側におかれましては、前回御答弁もいただきましたけれども、相当前向きにいろいろな点につきまして突っ込んでおられることと存じますし、また、特定不況産業安定臨時措置法というものも成立いたしましたし、これに基づいて安定計画を作成するという作業も進んでおるのではないかと考える次第でございます。特に運輸省におきましては、海運造船合理化審議会を開いて、基本的な造船業の見通し、安定対策の基本的な事項につきまして御審議のことと承っておりますので、私は、これらを中心に御質問させていただきたいと存じます。
 そこでまず、審議会の答申はあしたに持ち越されたということでございますが、まだ答申の出ていないことでもございますので、内容を逐一お伺いするわけにはいかないかと思いますが、基本的な考え方、基本的な線はすでに固まっておるのではないかと思いますので、政府側からその辺につきましてお漏らしいただければ幸いでございます。
○福永国務大臣 原田さん御指摘の点は、現在、運輸省にとりましても最も重大なる、かつまた頭の痛い問題でございますが、あしたあたり答申は出す、こういうことでございます。受け取ってからでないと明確にどうこうということは申し上げられないのではございますが、当面するわが国海運等について、いまお話しのような非常にめんどうな問題に対処してどうするかということでございますが、恐らく設備も相当、三分の一程度どう処理するか、いつやるかとか方法はどうとかいうようなことや、その他これらと関連いたしまして雇用対策にいたしましても金融対策にいたしましてもいろいろの問題がございますが、こうしたことについて総合的にかつ具体的にどう対処していくかということが中心になろうかと思います。いずれにいたしましても、運輸省は運輸省としても研究はいたしておりますが、この答申が出ました上でできるだけ速やかに対処する方策を講じていきたい、そういうように考えております。
○原田(昇)委員 一部新聞紙上には設備能力三五%の削減を必要とするという記事が出ておりますが、この点について御説明いただきたいと思います。
○謝敷説明員 海運造船合理化審議会に五月の十八日に諮問をいたしまして審議をお願いしているわけでございますが、需給検討小委員会で基本的な需給見通しについてのラインが出まして、それを受けまして造船対策部会で一応のめどをつけております。最終的には明十四日の答申で出るわけでございますが、基本的な線といたしましては、前回の五十一年六月の答申のときに昭和五十五年の見通しを中心にしてやったわけでございますが、今回は昭和六十年さらに六十五年の見通しまで参考にいたしまして需給のバランスについて検討をいたした次第でございます。
 その結果、竣工ベースで申し上げまして五十五年ぐらいが底でありまして、その後回復をいたしますが、そう大幅な回復ではなくてかなり緩やかなものにならざるを得ないのではないかということで、昭和六十年におきまして総トン数で約八百二十万総トン、標準の貨物船換算トン数で六百四十万トン程度というふうに見込まれております。したがいまして、設備の処理率につきましては、いろいろな考え方があるのですが、その前の昭和五十五年の底を中心として見るかあるいは六十年におきます回復期の水準をベースにするかということでいろいろ議論が行われましたが、少なくとも設備処理の率につきましては、六十年の見通しをベースにいたしまして議論した結果、現在の設備能力が約九百八十万トン、これは標準貨物船換算トン数で九百八十万トンという見込みがありますので、これに比べますと約三分の一、三五%程度の設備処理が必要ではないか、こういうようなめどを一応つけている次第でございます。
○原田(昇)委員 いまの三五%処理ということでございますけれども、何を基準に三五%と言うのか。それからさらに、操業度ということを考えた場合に、三五%処理でいまの世界の船腹需給あるいは国内の需要等を考えてどの程度のことを考えておられるのか、もう少し詳細に数字について伺わしていただきたいと思います。
○謝敷説明員 先ほどの数字に関連しまして、一つは、今回海運造船合理化審議会で、新しい試みといたしまして標準貨物船換算トン数という考え方を初めて導入したわけでございますが、これは造船の建造能力を考えますときに、タンカーをつくったり、あるいはバラ積み貨物船をつくったり、あるいは逆に非常に手のかかりますコンテナをつくったり、いろいろの船の種類をつくるわけでございますが、その際に、総トン数であらわしますと、仕事の量なりあるいは付加価値についての統一的な基準ができないということで、約一万総トン程度の標準の一般貨物船を基準にいたしまして、これを一として各船種、それから大きさ別にいろいろな計数を作成したわけでございます。これを標準貨物船換算トン数ということにいたしますと、先ほど申しましたように、昭和六十年で、かなり高目の経済成長率等を使いましても、この標準貨物船換算トン数で約六百四十万トンという数字でございます。したがいまして、建造能力が、同じような基準でやりますと九百八十万貨物船換算トン数ということで、三分の一ということをするわけでございますが、先ほど申しましたように、五十五年を中心としまして底があるわけでございますから、この底を埋めるには、あるいは思い切って設備処理率をもっと大幅にするという意見とか、あるいは設備の処理に並行いたしまして、先生御指摘のような操業調整を同時にするというように考え方はいろいろございましたが、いまのところは、大体設備処理と操業調整を並行するということでめどをつけつつあるわけでございます。
 それではその中で、五十三年から少なくとも五十五年の底から先に向かいまして操業調整をどうするかという点について、率その他はまだ決まっておりませんが、これは今後、具体化を検討し、努力をしてまいります仕事量の創出との関連におきまして、雇用等を一方で配慮しながら適正な操業調整を併用して実施していくということに相なろうかと考えております。
○原田(昇)委員 いまの御説明、大変苦心しておつくりになったと思うのでございますけれども、やはり人間のやる見通しというのは相当狂う、かつて経済計画がいろいろ出ておりますが、みんな狂っております。そんなことで、六十五年の見通しを一つの値で出してきて、それから削減率を決めてくるということは、相当勇気の要る仕事だと思うのでございますが、恐らく見通しというものはかなり幅があるというように考えられます。その点については審議会でどういう御議論があったのか、お聞かせいただきたい。
○謝敷説明員 昭和六十年におきます見通し、さらに六十五年となりますと、世界のGNPの見方、それに関連しますエネルギーなりあるいはその他の貨物の動きによりまして、もちろんかなりの幅があるという議論は、これは先生のおっしゃられるとおりかと思います。
 そこで、審議会の需給検討小委員会では、その際、ケースといたしましてGNPで二通りのケースを想定して、したがいまして、需要の見通しとしては、ハイケース、ローケースというような表現で見ておりまして、その需要の見通しのハイケース、ローケース、あるいはOECDで現在持っております新しい見通しがちょうどこの中間程度に入ってくるわけでございますが、そういう見通しにつきましては、おっしゃるとおり幅があるわけでございます。
 私が先ほどから御紹介申し上げておりますのは、設備処理のためにどの水準を使うかということに関連して数字を申し上げたわけでございまして、かなり高目のGNPをもとにしております。といいますのは、設備処理につきましては関係業界、これは生産調整と違いましてかなりの思い切った行為でございまして、これのコンセンサスを得て、みんなが自主的にかつ共同でやるということに相なりますためには、やはり見通しはいろいろ問題があるにしても、みんながここまでならという線でなければなかなかうまくいかないわけでございまして、その意味におきまして、やや高目のケースを想定して三分の一の設備処理ということを決めております。
 したがいまして、今後、情勢の推移を見るわけでございますが、その設備処理で足らないところは、先ほど申し上げました操業調整を並行して行っていくということで、相補って過当競争の防止に努めるのではなかろうか、こういうのが大体審議会での議論でございます。
○原田(昇)委員 需要を見通す場合に、世界の船腹需給というのをお考えになり、その中の日本のシェアというのを考えておられるという御説明があったと思うのですが、これについて最近の円高基調というものが、あるいは二百円ではとどまらない、このままではもっと円高へいくのだというような説もありますし、アメリカの経済あるいは世界経済との関連が非常に強いわけでございますが、円高が非常に進行するということは、結局、労賃の円をドルに換算すれば、世界的に非常に割り高になるということになるわけですね。それがさらに影響するところは、労賃が高いのですから、労働集約的な、つまりレーバーをたくさん使用する産業というのは軒並み円高で不況産業になってくる、つまり国際競争力が喪失されるということになる。日本は大体資源はないけれども優秀な労働力があるのだということで、いままで競争力を保持してやってきたわけですが、円高ということで、恐らく私は、円高というのは日本の産業構造あるいは貿易構造から言ってまだ相当続くし、アメリカの産業構造等を見ましても相当続くのではないかと思うのですが、そうなってくると、労賃の高い労働集約的な産業というものがだんだん脱落する。つまり、すそ切りになってきて、装置産業とかあるいは知識集約産業というようなものがだんだん発展していく、そっちの方しか生き残っていかないという産業構造のシフトが行われてくるのですけれども、果たしてそれでいいのかどうかという問題があると思うのです。いままで日本がとにかく資源がないから人間でやるのだ、こういうことがうまく機能したのは、何と言っても雇用の吸収力が大きい産業ががんばっておった、それが円高によって、これからさらに円高が続くということになると非常にピンチになる、こういうことになるわけです。
 したがって、日本の産業政策全体から言っても非常に問題が多いわけでございますが、特に造船業の場合、果たしてこれからの円高基調というものを受けて国際競争力に耐え得るだけの成算が十分あるのかどうか、その辺をぜひひとつ、需要見通しにも大きく影響してまいりますので伺わせていただきたい。
○謝敷説明員 国際競争力の点につきましては、先生御指摘のように、世界のGNP、それから世界の海上荷動きから必要船腹量を出し、それから既存船腹の解撤を引いて純建造量をある期間にわたって算定するという計算式、推定式を使っておりますので、いかに複雑にやりましてもそういう基本的な考え方でございます。したがいまして、日本の建造量を出しますときに、先生おっしゃるとおりでございまして、国際競争力をどう分析するかというのが一つのポイントであろうかと思います。
 この点につきましては、先国会におきましても、いわゆる第三国諸国の台頭、欧州諸国の助成等の議論がいろいろ行われましたが、その後、数字を調べてみますと、欧州諸国は、先生からも御指摘のとおり、いろいろ助成策をしておりますが、これは財政で支えているわけでございますから、いまはある限度に入っているわけでございます。また第三国の動きにつきまして、その後、検討してみますと、七六年をピークにして、やはりこれらの国といえども世界の船腹過剰あるいは海運マーケットの影響を受けて実績として下がっております。たとえば東南アジアの国とかあるいは南米諸国でもやはり下がっているということで、従来心配しておりました漸増ではあるけれども、右上がりのカーブでそのままいくということではないということが一応数字の上で出てまいりましたので、先生御指摘のような点で、今後、たとえば貨物船なりあるいは付加価値の高い船が少なくともこの数年は中心になってまいりますので、そういうものにおいては、競争力の点について過去ほどのシェアは持てないにしましてもそう落ちることはない。ただ需要が一般的に落ちますと、各国ともそれぞれいわゆる国の支えというのが入ってくるわけでございまして、そういう意味で最低のどきはかなりのところまで落ちますが、ある程度需要が回復してくれば、またシェアも過去の実績までは及ばないにしても回復するのではなかろうかというようなことで競争力を分析したわけでございますが、世界におきますシェアが幾ら幾らという率については、計算上のことでございまして、競争力についてはそういう見方で先ほどのような日本の建造量を出した次第でございます。
○原田(昇)委員 この点については、まだ議論をしたい点も大分あるのでございますが、時間の関係もございますので先にいきまして、いまの仮に昭和六十五年で三五%程度の設備能力過剰だ、それに基づいて三五%ぐらいの削減が要るだろうということでございますが、ここ数年を見通したときはもっとそれより下がるだろう、現状においてもとてもそこまでいかないということであれば、どうしても操短が必要だということになろうかと思います。
 いま政府が操短勧告をしておると思うのですが、この率からすでに相当下回っておる現状において、もちろん答申が出ますれば、それを受けて業界が安定計画をつくるということはぜひとも必要だと思いますけれども、その前に操短ということをもつと徹底したらどうかという意見もあるのですが、これはどう考えておられますか。
○謝敷説明員 私の説明があるいは間違っておったかと思いますが、昭和六十年をベースにしていま議論をしております。
 それで、確かに先生おっしゃいますとおり、その六十年の需給バランスで設備処理率を三分の一程度という見通しを審議会が立てつつあるわけですが、確かにその前の時期はそれよりも落ち込むわけでございまして、それを操業短縮でカバーするという議論が出ております。
 ただ問題は、操業短縮というのは、昭和五十一年の六月のときには、いわゆる基準年度に対して約六五%の操業短縮率であれば企業の体力としてもある期間の間は耐え得る、こういう数字でございまして、これを五十二年度から実施しまして、五十三、五十四のいま操業短縮の勧告値を出しているわけでございますが、これが余りに低い場合には、確かに業界の過当競争という点では厳しくする必要があるのですが、各企業の体力から見ますと、余り極端な操業短縮率というのは、企業の財務的な体力からして耐えられない線というのがあるわけでございまして、そこの兼ね合いで、かなり厳しい操業短縮をする場合には、各企業それぞれが分担するのでなくて、たとえば集約とかあるいは事業所の統廃合とかいろいろな議論が出ておりまして、そういう意味でもう一つのファクターとして出てきますのは、その間で仕事量をどのぐらい上乗せできるかということにも関連してまいりますので、その二つを頭に置きながら、答申の線でそういうことが出ましたならば、私どもとしては、操業短縮の率につきまして十分業界の意見も聞き、ある線を決めていかなければいかぬではなかろうか、こう考えております。
○原田(昇)委員 いまの操業短縮をどの程度どういうようにやるかというのは大変な問題だと思うのですが、結局それを考えるには、まず需要造出ということを考えて、積極的にまずどの程度仕事を与え得るかということを考え、実行可能な操業短縮なり設備削減ということをあわせてやっていかなければならぬと思う。
 そこで、まず新規需要の造成について、前回もお伺いいたしましたけれども一造船不況対策についての本委員会における決議もございますし、これがどこまで検討されてきておるかということについて伺わしていただきます。
 まず、スクラップ・アンド・ビルドにつきまして、外航船、内航船についてどういうように検討が進んでおるか、御答弁願います。
○真島説明員 スクラップ・アンド・ビルドの進み方でございますが、御承知のとおり、内航船につきましては一対一・三、こういう比率で現在、船舶整備公団を通じて内航総連合の調整などをやりながら進めておる現状でございまして、これは五十三年度そういう方針で進めますし、状況によって五十四年度予算というところにさらにそういう線を伸ばしていったらどうか、こういう感じで進めております。
 また、外航船の中で近海船につきましては、同じように一対一・三という形でスクラップ・アンド・ビルドを進めてまいりたい、このように考えておりますが、外航船につきましては、なかなかむずかしい問題がいろいろございまして、いま鋭意検討を進めておりまして、できるだけ早い機会に結論を得たい、このように考えております。
○原田(昇)委員 外航船について鋭意検討ということでございますが、この前もこの委員会で大分御議論のあったところでございまして、鋭意御検討、慎重御検討は結構ですが、慎重に検討ばかりしておるということは、やらぬということと同じでございます。
 具体的にもう少し突っ込んで伺いたいのですが、一体スクラップ・アンド・ビルドを外航船についてやるということは、船主にとっては、いま荷主がとても見つからない、需要がないのだ、そういうところへ持っていって国際競争力も定かでない、むしろ非常に割り高になる船を新しくつくるということはたまらぬ、スクラップだけやってくれということも、前に参考人からお伺いしたことがございます。
 そこで、そういう飲みたくない水を馬を連れていって飲ませなければいかぬということで、非常に苦心の要るところだと思うのですが、具体的にどういうことを考えて馬に水を飲ませるのか、その辺のところの考え方を伺いたいと思います。
○真島説明員 日本海運の状況は、先生御承知のとおりのことでございまして、六月に海運造船合理化審議会の部会の方で報告が出ておりますが、現在の不況の構造的な要因といたしまして、日本船の国際競争力の低下という問題が非常に大きな問題として取り上げられまして、全体の日本商船隊の規模を、五十五年を見通してほぼ現在規模、一億一千万重量トン、そのうちで日本船が約六千万重量トン、この規模をとにかくこれから守り抜いていく必要があるのじゃないだろうか。
 そこで、日本船の競争力の低下の大きな原因といたしまして、もちろん資本費がまだ外国船よりも高い、あるいは特に問題となる船員費の比率が非常に高い。これをスクラップ・アンド・ビルドの面から考えますと、海運界が要望しておりますように、現在荷物がないわけでございますから、過剰船腹を引き締めるためには、スクラップ政策は確かに非常に望ましい政策の一つでございますが、さてスクラップをいたしまして、それにかわるべき新鋭合理化船といったようなものをつくっていった場合に問題になりますのが、スクラップをしたことによって出てまいります船員の問題、片や合理化船で定員というような面では相当合理化された船が出てくると、両方の間での船員問題というものが非常にむずかしい問題になってまいりまして、これは船員局の所管にもなるわけでございますけれども、やはりこの辺になりますと、労使の間でどのような合理的な線を出していただけるかということが、事の成否を決する上での非常に大きなファクターになってきてしまうということがございまして、現在鋭意、その辺の詰めと申しますか、それを労使にもお願いをしておるわけでございますけれども、なかなかその辺で結論が簡単に出てこないという状況があるわけでございまして、私どもその場合に一体どうしたらいいか。
 確かに現在、計画造船というようなことで外航船の計画的な建造をやっておりますが、この状況は御承知のように年々落ちておる。つまり、どう考えましても、なかなか新船の建造意欲というものはいまの海運界には盛り上がってこないという状況でございます。どのような差し水なり対策をとったら、船員問題を含めましてこのむずかしい問題を解決しながら、海運界としてできるだけ今回の造船不況に御協力申し上げ得るかということを手探りしておるという現状でございまして、もう少し時間をかしていただきたいと思います。
○原田(昇)委員 この問題は非常に重要な問題で、思い切った助成も必要ですし、また、いまの船員問題等の労使の協調の問題もございます。ぜひともこれは新任の海運局長、大いにひとつ馬力をかけていただきまして結論を出していただきたいと要望しておきます。
 それから次に、官公庁船の代替建造の促進というのが、この前の委員会の決議にも出ておりますが、海上保安庁におきまして、かなり積極的な代替建造の案が検討されておるやに伺っておりますが、どういうような御検討の状況でございますか。
○高橋(寿)説明員 お答え申し上げます。
 海上保安庁におきましては、五十二年度予算及び五十三年度予算合計いたしまして、ヘリコプター搭載型の約四千トン型巡視船三隻を含むところの三十九隻の巡視船の整備増強を図ることといたしております。このうち十八隻は増強でございまして、二十一隻は大型化等を伴う代替建造であります。
 なお昨年来、新海洋秩序あるいは領海警備という仕事がふえてきておりますので、とてもこれだけではまだ不十分であります。したがいまして、今年度補正予算におきまして巡視船等五十隻というものを中心に追加要求をいたしまして、さらに整備増強を図っていきたいと考えております。
○原田(昇)委員 補正予算を待たずしても、公共事業等の予備費でやったらどうかという意見もありますが、この点はどうですか。
○高橋(寿)説明員 この点につきましては、まだ否定的な結論が出ているわけではございません。財政当局と鋭意接触をいたしておりますが、いろいろむずかしい面もあるようであります。したがいまして、もしこれが困難な場合でも、補正にはこれを絶対乗せて要求していきたい、こういうつもりでございます。
○原田(昇)委員 それから、外務省に伺いたいのですが、新聞によりますと、発展途上国に対する経済協力の一環として、積極的に船舶の供与をやったらどうかという提案が経団連からも出ておるようでございます。いま二百二十隻ぐらい希望があるのだというようなことでございますが、実態はどうなっておりますか。
○中村(泰)説明員 有償の資金協力及び無償の資金協力によりまして、船舶の援助を昔から積極的に実施しております。
 それで、無償の資金協力につきましては、昨年実績で申しますと、水産無償との関係で約十八億円の船舶を、主として漁業訓練船でございますが、発展途上国に供与しておりまして、五十三年度におきましても、引き続き昨年実績を上回る水産無償、すなわち船舶の訓練船の供与を行う方針でございます。
 それから、有償の資金協力につきましては、OECDの了解等の国際的な制約もございまして、従来は小型の内航船を主として対象としてまいりましたけれども、諸般の情勢にかんがみまして、今後はこの種の円借款が開発途上国の経済開発に及ぼす効果をも検討しながら、ケース・バイ・ケースにより弾力的に対処してまいりたいというふうに考えておりまして、昨年の実績を見ますと、チュニジアに対する鉱石運搬船あるいはフィリピンに対するフェリーボートあるいはしゅんせつ船等、実績におきまして約九十二億六千万円程度の円借を供与しております。
 今後の方針につきましては、ただいま申し述べましたとおり、弾力的に拡大していきたい、こういうふうに考えております。
○原田(昇)委員 いまの御答弁ですが、私が聞いておるのは、その程度の話じゃなくて、相当大量の援助要請があるということに対して、もっと積極的にやったらどうかという民間からの提案があるわけですが、総理に対する要望として出ておることを承知しておりますが、これについてもう少し前向きに取り組んでいただきたいと思うのですが、どんなものですか。
○中村(泰)説明員 私たちといたしましては、二百二十隻という具体的要請が出ているということはまだ承知しておりませんが、たとえば中南米のパラグアイの国から船舶の円借の要請が来ておりまして、こういう具体的な要請が出ている案件につきましては、前向きに取り組みたいと考えております。
○原田(昇)委員 次に、解撤事業について、前回運輸大臣から大変前向きな御答弁をいただいたわけでございますが、その後、外国から中古船を買ってくる、そしてそれを解撤するということ、並びに仕組船の買い戻し、外貨減らしも含めまして一石二鳥、三鳥にもなる手として非常に期待されておるわけですが、どういうように進行しておりますか。
○謝敷説明員 スクラップの問題についてお答え申し上げます。
 スクラップ事業につきましては、五十二年度予算で新しい転換事業先の一つとして、試行的に約一億四千万の補助金をもちまして取りかかったわけでございますが、実績としましては、約五千万円程度に終わったということで、その原因をいろいろ研究し、今後の施策の参考にしたい、こういうことで調査をし、やっているわけでございます。
 御案内のとおり、外国の中古船を購入しまして、スクラップをするという場合におきましても、スクラップの採算の問題がどうしても出てまいるわけでございます。当初、業界の首脳部が外国船の購入ということで、低利の外貨貸しを利用してこれに踏み切るというお話がありまして、たとえば共同会社設立の案等が真剣に検討されていることは私どもも聞いておりますし、内容についても承知をしております。ただ、その際におきましても、やはりコストの問題が出てまいりまして、一つは、外国船の購入価格、それから工事費、それから、それがくず鉄として備蓄され、売却できる期間の金利の問題、こういう問題がコストとしてあるわけでございますが、一つは、量的には大量に購入すれば購入価格が上がる、これをどういうふうに防ぐかという問題、それから売る方の価格は、大量にくずが発生しますとこれは下がる、これをどういうふうに調整して安定させるかという問題があるわけでございますが、そのほかに、どうしても金利負担なりあるいは公害対策という費用がかなりかかることがありまして、そういった意味で、現在、造船工業会としましては、量をどの程度にするかということと、それからどのぐらい自分たちのコストを下げ得るかという問題と、備蓄期間中の金利をどうするかという問題で、いま検討をさらに続けて、具体案をつくるべく努力をしているところでございます。
 いずれにしましても、外国船の購入価格の低利融資だけでは、どうもまだコスト的に採算がとれるというところまでいっていないというのが実情かと思います。
○原田(昇)委員 この問題は大変むずかしい問題のあることはよくわかるのでございますが、ひとつもう少しハッパをかけて、実現に持っていくようにがんばっていただきたいと思います。
 それから次に、石油の洋上備蓄等の海洋構造物の建設の問題でございますが、石油公団の参考人の方がおいでのようでございますので、具体的にいまどういうように進んでおるか、御説明願いたい。
○佐藤参考人 洋上に浮かべます洋上備蓄につきましては、現在、公団に対しまして地元並びにメーカーの方から二件ほど申請が参っております。ただ、これを国家備蓄でやるか、民間ベースの備蓄として考えるかということはまだ決定いたしておりません。もともとこの二件につきましては、民間備蓄でやろうという発想できておられたようでございますけれども、最近、石油の需給が少し停滞ぎみでございますために、備蓄義務者たる石油業界の義務量が減少いたしたために、この二件について全量を民間備蓄でこなすというのはちょっとむずかしくなってきているようでございまして、したがいまして、これを国家備蓄でやってもらいたいという申請に切り変わってきております。
 ところが、国家備蓄につきましては、本年度から五カ年間にわたりまして、石油公団が一千万キロの備蓄を実施しようということになっておりますが、この二件を足しますと一千万キロになっちゃいますので、一つは枠の問題がございます。従来の国家備蓄の予算の中身といたしましては、従来方式の地上タンクによって一千万キロやろうという計画で予算を組んできた経緯もございまして、この洋上備蓄につきまして新たにその枠の中に入れるかどうかという予算上の制約の問題が一つあるということでございます。
 それから、この方式につきましては、われわれとしましては、国家備蓄そのものが日本の国土が非常に制約されておるということと、それから安全確保、環境対策の問題から言っても、従来方式の陸上タンク方式のみでは不十分である、そういうことで地下方式とかそういうような洋上備蓄等々の新技術の開発による新しい方式も積極的に採用していきたいという考え方は持っておるわけでございまして、そういう意味では、洋上備蓄につきましては、石油公団としても高く評価いたしております。
○原田(昇)委員 大変前向きな御答弁でございますが、一体ことしじゅうに洋上備蓄の予算上の手当てがついておるのかどうか。私は、たしか石油公団法の審議の際に伺ったのでは、まだとてもとても予算化までいっていないというような印象を受けたのですが、いかがですか。
○佐藤参考人 国家備蓄一千万キロ分の五十三年度分の予算は、タンカー備蓄も含めまして石油石炭特別会計の方で五百六十億円ほどすでに手当てされております。
 それで、中身としましては、候補地点としては三カ所程度やっていこう、したがいまして、平均で考えますと、一カ所三百万から四百万くらいの規模の備蓄基地をつくってまいろうという計画になっておるわけでございますが、これにつきまして、しからばどこを三カ所として決めるかということはこれからの問題でございます。すでに予算が計上されておりますので、一応申請のある中から安全、環境、それから経済上の問題を十分検討いたしまして、できるだけ早く決定し、しかも、これは国家的な事業でございますので、関係省庁非常に関係する点が多うございますし、特に石油という特殊な物質を扱うという問題でもございますので、私の方といたしましては、関係省庁の十分な御指導を得ながらやっていきたい。特に、この洋上備蓄を仮に実施するといたしますれば、安全基準の問題が非常に重要でございますが、この点も運輸省、自治省の絶大なる御努力によりまして最近方針が決定されたようでございますので、この洋上備蓄というものが、それを十分に満足させ得るのかどうか、そういう問題、また、それによってまたどういうふうに地元民に御納得いただけるのか、それから経済上にどういうふうに反映するのか、そういう点を十分に吟味して最終的に決めてまいりたい、こう考えております。
○原田(昇)委員 もう少し伺いたいのですが、仮に地元もいい、安全基準にも乗るということになって、じゃやろうというとき、発注する予算があるのですか、いま。
○佐藤参考人 若干、予算の中身で話がくどくなると思いますけれども、実は、ことしのといいますか一千万キロの備蓄計画の中身は、従来の陸上タンク方式でやろうということになっておりますために、今年度の予算の大半は土地代でございます。したがいまして、洋上タンクになりますと土地代はほとんど要らない。そのかわり、漁業権の消滅とかそういう漁業補償にかかわるお金が土地代にかわって必要となってくるということでございますので、その辺は仮に従来の陸上タンクを変更して洋上備蓄を一カ所でも二カ所でも入れるということになれば、これは財政当局と予算の組み替えということでよく協議して御承認を得る必要があるということになろうかと思います。
○原田(昇)委員 いまの御答弁のように土地代に相当する漁業補償の予算は仮に確保されておるにしても、その構造物を発注するということにならなければ造船対策にはなってこないわけですね。年内にそういうことになるように御努力をぜひひとつ強く要望しておきます。
 それから、海上構造物では空港の構造物についても考えられるわけですが、これについて鋭意検討するという御答弁をいただいておるわけですが、その後どういうような検討結果になってきておるのか、伺いたいと思います。
○松本説明員 何せ空港を浮遊体でつくるということは、前代未聞の技術でもございますので、いまお話ございましたように、相当基本的な検討が要るかと思います。
 私どもといたしましては、たまたま関西新空港についての調査費の一部を使いまして、約一億円程度でございますが、構造物自体の強度的な問題、構造上の諸問題というのを片方に押さえ、もう一方は、これは何としても係留をしておかなければなりませんので、係留部分についての構造的及び力学的な問題、これを別の機関に検討させるということで、目下鋭意、基本的な技術問題についての研究をさせておる、こういう段階でございます。
○原田(昇)委員 ぜひひとつ、基本的な勉強ももちろん必要ですが、もっと具体的にその実現に向かって目標を決めてやっていただかないと、これは一体できるものかできないものかさっぱりわからぬということになりますので、強くこの点を要望しておきます。
 それから、いまいろいろ需要の各部門についてお伺いしたわけでございますが、どうもことしじゅうに需要創出でできそうなものは海上保安庁の船くらいで、あとのものはみんな不確定ということになっておるわけです。まことに憂慮すべき状況であります。そうなってくると、ことしから来年にかけての操業度というのはきわめて憂慮すべき事態ではないか、この点どういうようにお考えになっておられるか、大臣からぜひひとつ御答弁いただきたい。
○福永国務大臣 お話のごとく、この種の話はなかなか骨が折れるのでありますが、私は、素人なりの考えかもしれませんけれども、とかく専門家というのはこういう点がどうだ、ああいう点がどうだということがまず念頭にくるものでございますから、どうも具体的施策の推進に当たって消極的になりやすいような気がするわけです。そこで私どもは、そういう意味から努めて積極的に、やや猪突的なところもあり得るかと思いますが、政治においてはその情勢いかんによってはその種のことも必要だ、こういうように考えておりますので、先ほどから原田さんの御質問をいろいろ拝聴しつつ、なお一層馬力をかけて対処していかなければならない、そういうことをしみじみ私は感じておった次第でございます。
○原田(昇)委員 この点については、大臣の馬力に大いに期待することといたしましても、こういった需要をかき集めても、冒頭にお話のありました三五%削減程度ではとてもあかぬという感じがするわけです。削減はさておいて操業度がもっともっと下へ来るというおそれが、多分にあるわけです。そうしたとき、操短あるいは設備の削減ということになりますと、特に中手以下の造船専業業者というのは大変な問題になってくるわけであります。集約に伴って廃止される、つまり設備の削減をしようとすれば、あるいは操短をしようとすれば、どうしても集約ということを考えなくてはなかなかうまくいかないという事態に陥ります。操短率半分以上ということになれば、これは当然一つの会社単位ではやれないということも考えられる。そこで集約せざるを得ないということになりまして、それに伴って廃止される事業所の土地とか設備というものは一体どうなるのだということになります。ですから、具体的に操短を実施し、あるいは削減を実施する場合に、これに対する手当てが絶対必要だと思うのです。
 造船業界あたりは、設備の買い上げということ、あるいはそれにあわせて残存債務のたな上げということを強く要望しておると思うのでございますが、これについて現在の特安法では十分な対応ができない。特安法程度のものではとてもこれは救済できないということになるわけですが、具体的にこれらについてどういうように検討されておるか、伺いたいと思います。
○謝敷説明員 先国会で特安法の御審議をいただきました時点と現時点とではかなり深刻さが違ってきております。私どもも二百四十円、二百二十円というような円レートでの議論を頭に置きながら考えてきたわけでございますが、二百円台というようなものに近づいてまいりますと、この点につきましては、先ほど先生御指摘のようないわゆるコスト高の議論あるいは値引きの議論等がございまして、非常に深刻になっているわけでございます。
 そういった意味で、先生御指摘のような中手、中小造船業におきましては、これは総じて専業度が高いわけでございますから、なかなか大変でございます。また大手といえども円高の傾向の中で活路を求めるべきその他の機械工業部門についても同じようなつらい状況になってきつつあります。ただ大手の場合には、企業体力あるいは技術展開力、そういったもので自力で今後に対応することを期待しておるわけでございまして、問題の焦点は、御指摘のように中手、中小造船業に対する対策にかかってくるかと思います。その意味におきまして、五十三年度後半あるいは五十四年度を考えますと、この中でも自力でやれるところもございますので、これらの企業につきましては、設備処理に伴いまして特安法の債務保証基金制度の活用ということで対応するわけでございますが、御案内のような状況でございますので、造船工業会も、設備の買い上げ、これは主として残存者負担ということでございますが、言うなれば残存者がある期間、長期間にわたりましてゆっくり負担をして返していく、したがいまして、ある一時期に買い上げをして、その資金をゆっくりある期間をかけて返していくという構想でございます。
 こういうことも含めまして何らかの別途の金融等の対策が必要かどうかという問題が、いま審議会の中でも議論されておりますが、審議会の中では恐らく今後の安定基本計画の審議の際に移されると思いますので、私どもとしましては、その審議の経緯、今後の推移等も踏まえまして、造船工業会の構想も含めて検討してまいりたい、こう考えております。
○原田(昇)委員 いまの点は非常に重要な問題だと思いますので、ひとつ早急に検討をして結論を出していただきたいと要望しておきます。
 それから、時間もありませんので、簡単に御答弁いただきたいのですが、特定不況産業の離職者臨時措置法の適用状況でございますが、どうも統計を見ますと、離職者対策として、この法律によって離職者求職手帳の発給件数が二万二千七百九十六、そのうちほぼ半分が造船だという非常に惨たんたる状況でございます。さらに造船の不況が深刻化する中で、労働省として、特に現行法で十分であるかどうか、あるいはさらに徹底した措置を考えておられるかどうか、簡単に御答弁願います。
○白井説明員 お答えいたします。
 いまの数字の件でございますが、先生おっしゃいましたのは四月末でございまして、五月末は造船業関係の離職者手帳発給件数が一万六千二十二件になっております。離職者臨時措置法に基づきまして種々の対策を講じているわけでございますが、現在職業訓練に四百五十二名入っておられるとかいろんなこともございまして、一つには、雇用保険の受給期間中で、受給期間が終わるまではなかなかもらい切らないというような状況もございまして、それらを考慮しながら、秋には給付の切れる方も出てまいりますので、関係各省とも十分連絡をとりながら今後の対策について十分検討してまいりたいというように思っております。
○原田(昇)委員 中小企業庁にひとつ伺いたいのですが、いわゆる企業城下町ということで大変不況な地域、不況によって困っている地域について特別立法をぜひやろうということで御検討のように承っております。これはぜひ推進していただきたいのですが、いまのところどういう点を主として考えておられるか、ひとつ簡単にお伺いします。
○山口(務)説明員 御指摘の構造不況業種等が地域経済の中核事業所になっておって、かつ当該事業所が急激に停滞しておる、こういった地域では、関連中小企業者を含めまして、雇用問題も含めまして地域経済全般が急激に落ち込んでおる、こういうことについては総合的な対策が要るであろうという認識に立って検討いたしておるわけですが、先般、六月二十三日の経済閣僚会議で基本的な方向づけといいますか、政府レベルで検討を急ぐということになったわけでございます。これを受けましてわれわれ二段構えで対策を検討いたしております。すなわち当面、われわれ補正あるいは立法措置を伴わないで実行可能な対策を早急に実施に移す、具体的にはたとえば政府系中小三金融機関によります特別融資制度の創設あるいは下請中、小企業者に対します広域的な下請の仕事のあっせん、こういったことを考えておるわけでございます。これは当面、一カ月程度の準備期間を経まして、あるいは財政当局等とも折衝いたしまして、八月の上旬ぐらいには実行に入りたい、こういうふうに思っております。その後の本格的な対策につきましては、立法措置あるいは補正予算、こういうことになりますので、これは関係各省とも緊密な連携をとりながら、かつまた、全国のこういった地域の実態を十分踏まえまして、八月ないしは九月の初めぐらいまでの検討期間を経てしかるべき国会にお願いしたい、こう思っております。
○原田(昇)委員 時間も参りましたので終わりますが、いままでお伺いしたところでございますと、造船不況対策、これにはよほどの決意が必要だと思うのです。需要造出の面におきましても、また操短、設備削減に伴う対策、離職者に対する対策、地域に対する対策、非常に問題は多いわけでございますが、これに対してどうもいまの対応を見ておりますと、われわれ前回決議したのが四月でございますが、もう三ヵ月を経過しておりますにもかかわらず、必ずしも十分な結論が出ておらないというのははなはだ残念でございます。政府の方では鋭意御努力しておられることは評価するわけでございますが、しかし、実態はどんどん最悪の事態に突入をしておるわけでございますので、ぜひともひとつ政府各分野におきまして総合的な精力的な御検討をいただきまして、この問題の克服に御努力をいただきますように要望して質問を終わりたいと思います。
○増岡委員長 中馬弘毅君。
○中馬(弘)委員 まず、国鉄の関連事業についてお伺いしたいと思いますが、さきに運賃法定制の緩和がなされまして、そして運賃値上げがある意味では自由化されたわけでございます。国鉄総裁並びに運輸大臣の認可で値上げが行われるという形になってまいりました。これで今回値上がりしたわけでございますが、それで国鉄離れが起ころうがどうしようが、それはそれこそ国鉄当局並びに運輸大臣に挙げて責任がある、それだけの責任を自覚して内部合理化に取り組んでいただきたい、このように願うわけでございます。
 同時に、関連事業の拡大について法改正がなされたわけでございまして、それにつきまして資産活用懇談会でも六月二十日に報告書で積極的な拡大の提言をいたしております。それを受けまして、国鉄もテニスコートあるいはスイミングクラブ、駅ビル、ホテルといったような経営に積極的に取り組んでいかれる御様子でございまして、そのことは評価するわけでございます。しかし、それが場当たりであってはならないと思っておりますので、関連事業進出にあたっての理念あるいは方針といったようなことがありますれば、これをお聞かせ願いたいと思います。
○山口(茂)説明員 国鉄の関連事業につきましては、前国会でのいわゆる投資要綱の改正の御審議の経過等が新聞等で報道されましたが、その事実と、それから国鉄財政の現状が非常に厳しいものであるということ、それから三番目には、現実に国鉄で非常に利用されていない多くの土地を持っているということ等から、総論的には非常に御理解を得ていると思います。ただ、各論になりますと、個々の問題では非常に問題がありますので、われわれとしましては、第一番目に正確な情報を広く吸収すること、二番目には地元が何を望んでおられるかということを的確に把握すること、それから三番目にはそういう状況で事業を始めるに当たりましては、外部の専門的な知識を十分にちょうだいすること、第四番目には部内の問題としまして職員の啓発、育成、それから、いろいろな知識の蓄積ができるような組織をつくること、そういうようなことを念頭に置いて逐次進めてまいりたいと考えております。
○中馬(弘)委員 場合によっては民業圧迫というような声が出ることも予想されるわけでございますし、かと言って、それに恐れて消極的になっておっては、これまた本来の目的が達せられないわけでございますが、そのあたりについての一つの基準のようなことはお持ちなんでございますか。
○山口(茂)説明員 民業圧迫という言葉もございますが、要するに同じような業種で競争関係にあるということが問題になるかと思います。そういう意味では、先ほど申し上げましたように、外部の専門的な知識をいただいて各種団体との連絡をとっております。それからまた、地元は市町村理事者側、議会側あるいは商工会議所、商店会等との連絡を密にいたしまして、極力御理解を得てから仕事を進めるという基本的な姿勢をとっております。民業圧迫というような声が起こりませんように十分に配慮して進めるつもりでおります。
○中馬(弘)委員 この関連事業で将来どの程度の利益を上げるといったような数字的な目標はおありでございますか。
○山口(茂)説明員 五十二年度の決算では四百三十億程度の収入を見込んでおります。それから五十三年度、本年度の見込みは、これに百億加えまして五百三十億というのを見込んでございます。全体の収入に対しましては二%程度でございますが、全体の収入は本業の収入でございますので、この分母が大きくなることが本来は望ましゅうございますので、パーセンテージが上がることは目標ではございませんで、おのおのの絶対額を上げることを一生懸命にやっております。いまの目標では、昭和五十九年度ないし六十年度には一千億台の大台に乗ることを目標にいたしております。
○中馬(弘)委員 非常に意欲的な目標ではございますが、これが武士の商法になることを危惧するわけでございます。国鉄だけで物事が進められると思ったら、これは間違いになると思いますし、先ほど外部の知識を導入するというお話でございましたが、現在までのところでは国鉄だけでやっておられるようでございます。いろいろの、駅ビルあたりのことにしましても、これは資本的には自治体であったり民間の資本が入っておりますが、民間のその専門家と共同企業で行うとかあるいは合弁でやるといったような企業経験を導入した形のものはまだ見られないのですが、何かそのような具体的なことがおありでございますか。
○山口(茂)説明員 お話しの駅ビルでございますが、駅ビルが昭和二十年代にできましてから今日まで四半世紀にわたる経験を持っております。それで、国鉄の出資で駅ビルができるようになりましたのは昭和四十六年からでございますが、表へ出まして事業計画が始まりましてからはお目にとまるようなことはございませんかもしれませんが、企業を始めます前に十分に部外の専門的なコンサルタント、同種業界のお知恵を拝借いたしまして事業計画を立てております。現実に会社を興しましたパートナーにどういう方を選定するかという問題につきましては、極力、地元の御意向を伺いまして円満に仕事が進むように配慮をいたしております。
○中馬(弘)委員 駅ビルのようなものでしたら不動産業のようなものでございますから、特に民間の経営というようなこともないでしょうけれども、聞くところによりますと、今後レジャーランドだとかあるいはホテルといったようなこともお考えのようでございます。その場合に、民間のそういった専門のところと、たとえば国鉄は現物出資をし、民間が技術といいますか経営技術を入れて、合弁でやるといったようなことが考えられるのかどうか、その点についての御見解をお願いします。
○山口(茂)説明員 お話のホテルでございますが、ホテルは戦前、鉄道省時代には直営のホテルを十和田、東京、奈良、下関等に持っておりまして、むしろ官庁であった時代の方がホテル業に経験が深かったという経過がございます。現在では、国鉄で直営するという気持ちはいまのところ持っておりません。私どもは、ホテルの器を建てまして、ホテル協会のメンバーなりそういう方にテナントとしてお入りいただいて、そのうちにだんだん知識が蓄積されましたら、多少は息のかかったホテルもやってみたいと考えております。
○中馬(弘)委員 そのように意欲的なところはこちらも評価いたしたいと思います。
 それに関連しますが、たとえば赤字ローカル線あたりを場合によっては観光事業とひっつけて、そして独自に切り離してやるということも考えられると思うのですが、この点について、その場合には国鉄が現物出資、それから民間の知識、それからまた地元の資本といったようなことになろうかと思いますが、こういうことは現実に検討しておられるかどうか、あるいは考えられるかどうか、その点をお伺いしておきます。
○山口(茂)説明員 地方ローカル線の問題は、そういう話が、昭和四十年代にいわゆる八十三線区というのが問題になりましたときに話題として上りましたし、また外からいろいろ、こういう案で分離経営ができるよというような案をいただいた経過もございます。ただ現在のところ、現在営業いたしております地方線を廃止して、それを関連事業の母体にするというところまでは考えてございません。
○中馬(弘)委員 何か制約があるわけでございますか。
○山口(茂)説明員 公的な制約といいますか、これは運輸省の御認可を得なければできないことでございますし、また、先ほど申し上げましたように、国鉄の体質としまして、やはり地元の皆さん方の御協力を得なければできない問題でございます。営業線の廃止という問題あるいは営業線を別個の法人にするというような問題はなかなか合意を得られないのではないかというような見通しを持っております。ただ、将来につきましては、いろいろなことが起こり得ると考えますので、勉強はいたしております。
○中馬(弘)委員 この関連事業に従事する人員でございますが、やはり国鉄職員が主体であるべきだと思っております。と言いますのは、先ほどおっしゃいました六十年一千億というのは、これは営業利益であるはずでございますから、それ以上にあるいは国鉄の余剰人員をそこに吸収できることによって国鉄の合理化にもつながってくるわけでございまして、その関連事業に従事する人員をどのようにお考えになっているか、国鉄職員との関連をお答え願います。
○山口(茂)説明員 お話のことは二つに分かれると思います。一つは国鉄の職場を経験した卒業生がどういう役割りで関連事業に入っていくかという問題、それからもう一つは現職の職員の出向制度が可能かどうかという御質問かと思います。
 OBの方は、現在、直接出資いたしております会社にいる全従業員と比べてみますと、大体一割程度の職員がおります。ただ、この中を見ますと、たとえば臨海鉄道でございますとか貨物輸送の物資別基地とかいうような鉄道の経験が非常に役に立つところでは、四割とか五割というパーセンテージを上げております。全体が一〇%と低くなっておりますのは、海外旅行等を含めた旅行あっせん業等を分母に加えているからでございます。
 それから、現職の出向制度につきましては、退職金とか共済組合とかいろいろ法制面の制約がございます。それからまた、出向ということ自体が労使間の大きな団体交渉の対象になる人事条項だと思います。この点につきましては、一遍に大きく考えるのではなく、よく対応を話し合って具体的な個々のケースに当てはめて徐々にそういう制度をつくっていきたい、かように考えております。
○中馬(弘)委員 旅行あっせん業を含めても一〇%ぐらいというのは、これは非常に少ない数字でございまして、むしろこれからは、国鉄四十五万人、そのうち老齢者といいますか、四十五歳を超える者が二十万人というような状況の中にあって、極力こちらに吸収していくことが国鉄の合理化につながっていくのだという気がいたしております。
 と同時に、退職者ですが、これが共済年金受給者であるわけですが、この共済年金が非常に大きな額になっていることは御承知のとおりでございます。とするならば、民間での厚生年金の場合にはある程度所得がありますと年金が受けられませんが、国鉄共済の場合には完全に二重取りができる形になっておりますので、この辺のところの制度改正を、これとあわせて考えていかなければ今後の国鉄の合理化というものは現実の問題になってこないという気がいたしておりますが、その辺のお考えはいかがでございましょうか。
○山口(茂)説明員 年金制度全般についての問題は、少し話が大き過ぎまして、国鉄の私どもが申し上げるのはちと筋違いかと思いますが、国鉄のOBが年金を受けながら新しい会社で給料をいただくということは現実にございます。ただ、これは一つの就職の有利な条件になっておりまして、現在、現職中の給料から年金受給分を引いた給料で新しい会社で働くということが、会社側にとっては関連の知識を持った熟達者が安い給料で雇えるというメリットがあるわけでございまして、現在は現行のそういう制度にのっとってそれを有利に活用させていただいているということでございます。
○中馬(弘)委員 以上、この関連事業拡大を契機として一つの国鉄の合理化に積極的に取り組んでいただきたいという気がいたします。
 次に、都市交通の問題をお聞かせ願いたいと思います。都市交通は一つの日本の大きな都市問題で、もろもろの都市生活者が不満を感じておる一つの大きな要素でもあると思います。しかし、最近のところを見てまいりますと、少なくともその構造的な意味でのバスやあるいは地下鉄、国電、それぞれの乗車割合といったものはほぼ安定してきたかと思います。マイカーがどんどんふえるという状況はもうすでに終わりまして、いまのところではマイカーで二一%、それからタクシーが五%、バスが一〇%くらい、それから国鉄が二二%、民鉄が二三、四%、地下鉄が一六、七%と、こういったところで、かなり急激な構造変化はこの四、五年もうとまっております。ですから、この期に一つの手を打っていく必要があるのじゃないかという気がいたしておりますが、都市交通の現状は、バスは交通停滞でのろのろでございますし、地下鉄は地方自治体の財政赤字でなかなか進捗がはかどっていない、あるいはタクシーはまだまだ効率が悪いといったようなことでございます。
 そこで、この都市交通という問題、そして今後の改善の方向を大臣はいかが御認識なさっておりますでしょうか。
○福永国務大臣 都市交通が非常に大切であり、しかも、ある種の傾向が幾分なりともやや定着したような状況にあるというような御指摘でございます。まあ場所によって若干違いはございますが、そういう情勢にかんがみつつ、いずれにしても非常に大事な問題で、しかも、いろいろめんどうなことがあるということにかんがみまして、この点に力点を注いだ諸般の施策を進めなければならないということは当然でございます。私どもは、そういう観点から都市交通全体の施策の推進についてますます精力的に取り組んでいかなければならない、さように考えます。
○中馬(弘)委員 都市交通全般を聞いておりますと、時間が幾らあっても足りませんので二、三の点だけお伺いしておきます。
 地下鉄が最近、建設費の高騰といったようなことで思うように進んでおりません。これは今年度の予算でも少し補助率あたりが変わりまして少しは前向きに進むかと思いますが、いずれにしましても、これは都市交通の大きな本命と言った方がいいかもしれません。ただ、現時点において建設費が高くて進捗しないということであれば都市交通の根本的な解決にならないわけでありまして、これは三十年後、五十年後、いや百年後に大きな社会的な資産になってくるわけでございますから、現時点で相当思い切った手が打たれていいのではないかと思っております。と同時に、場合によっては御認識が違うかもしれませんが、地下鉄でなくてあるいは新交通システムの方がいいとおっしゃるのかもしれませんが、このところの御認識はいかがでございますか。
○福永国務大臣 いずれにいたしましても、地下鉄の重要性というものはますますその度を加えていくであろう、こういうように存ずるわけでございます。したがって、それに即応した施策が必要である。国みずから行う仕事としても大事でございますし、また、そういうことを行う地方公共団体その他のものに対して協力する、ないしこれにどういうように補助していくかということについては、より一層必要の度を加えていくと思います。そういう考え方で対処してまいりたいと思います。
○中馬(弘)委員 地下鉄に関連するのですが、いままでの路面でそのまますぐ飛び乗れるといったようなことから、深い地下に階段をたどっておりていくわけでございます。そうしますと、老人あるいは体の悪い方は十分な形では利用できない。現在、たとえばエスカレーターが設置されているところはそう多くないのじゃないか、もちろん新しいところは大分できておりますけれども、そのような配慮がどの程度なされておるか。これはどの程度の階段であればエスカレーターをつけなければならないといった何か設置基準のようなものがあるのかないのか、この辺をお伺いしたいと思います。
○山上説明員 いま先生御指摘の肢体、足腰の不自由な方に対する設備といたしましては、現状としてはいわゆる地下鉄の中で百二十八カ所エスカレーター等の設置があります。また大手の民鉄の中では四十一カ所ばかりそういう設備があります。今後、この地下鉄道の新線建設なりあるいは既設駅の大改良の際には、このような足腰の不自由な方の利用が多いと思われる駅、それから地上とホーム面の高低差の著しい駅につきましてエスカレーターの設置を強く指導しておりまして、新線建設の場合には工事費を補助の対象にいまいたしております。
○中馬(弘)委員 これは指導だけでなく、何か一つのはっきりした建築基準的なものでもあるわけでございますか。たとえば建物の場合でしたら五階以上はエレベーターをつけなければいけないといったことがございますが、地下の方には何かあるのですか。
○山上説明員 いわゆる建築基準法に基づく基準はありません。しかし、当方で行政指導をしております一種の自主的な基準といたしましては、地下が三階相当くらいの深さになる場合にはこれをつけさせるように指導しております。
○中馬(弘)委員 地下三階といったら大変ですね。三階全部歩かすことになるわけでありますから、先ほど言った老人や体の不自由な方は利用できないということになってきますので、これはむしろエスカレターをつけるということを義務づけるような法措置も必要かという気がいたしておりますが、その点についていかがでございますか。
○山上説明員 先ほども御答弁申し上げましたが、新設の駅につきましては極力そういう指導をしておりますので、問題は既設の地下鉄についてだと思います。この場合につきましては、いま申し上げたような地上とホーム面の高低差が著しく、かつお客さんが多いという場合に、このエスカレーターの設置につきまして物理的に可能なものにつきましてはできるだけ設置するように強力に指導してまいりたいと思います。
○中馬(弘)委員 あわせて都市交通の一つとしてタクシーの問題をお聞きしておきます。これは去年の値上げのときに、その前の段階で、大臣は田村大臣でございましたが、かなり前向きの発言をされましたし、また、物価問題閣僚会議あたりでもはっきりした提言がなされておるわけです。一つの公約のような形でなされておるわけでございますが、それがその後、私の知る限りではほとんど進捗していない。ただ値上げだけのための方便であったとすら言われかねないような状況だと思います。たとえば郊外駅でのタクシーの乗り合いの問題、これはあのときに非常に前向きに進めることをおっしゃいました。しかし、現実にはほとんど実現しておりません。それから終バスの延長もあのときはっきりおっしゃいましたが、これまた自治体あたりの運行者の労働問題もあろうかと思いますが、これも進んでおりません。それから個人タクシーの認可、この個人タクシーというものが、少なくとも営業タクシーの悪質なものに比べて非常にサービスもいい、こういったことから個人タクシーを今後はふやしていく方向だとおっしゃいましたが、現実には五十一年度、五十二年度、現在もそうでしょうけれども、むしろ認可件数は非常に減ってきております。悪質なところをはっきり免許取り上げでもやりまして、そしてこういった個人タクシーをふやす方が乗客の利便になるのではないかという気がいたしております。また、営業地域枠の拡大の問題も、ただ都内だけでなくて隣接の武蔵野市だとか川崎市だとか、そういったところでの認可があってしかるべきじゃないかと思うのですが、これもはっきり枠がはめられております。このことも前向きに検討するという御発言でございましたが、これももちろんなされておりません。その点について御答弁をお願いいたします。
○福永国務大臣 お話しの点については、私自身も個人的に幾つかの体験をしつつ、ぜひいまお話しのようなことをさらにさらに強化徹底せしめなければならないというふうに感じております。すぐにと申し上げたいのでございますが、できるだけ早く、いまおっしゃいましたような趣旨のことを強く行政指導させる、ないし必要な通達等は大急ぎでさらにここで出させる、そういう措置をとりたいと思います。
○梶原説明員 大臣から御答弁ございましたが、運輸省におきましては、かねてから良質なタクシー輸送を確保するということで努力をしてまいっておるところでございます。
 とりわけ、先生いま御指摘ございました昨年の六大都市のタクシー運賃値上げを機会といたしまして、物価問題に関する関係閣僚会議の決定の趣旨を体しまして、運転者の接遇態度の向上、無線タクシーサービスの充実、タクシー乗り場の増設、乗り合いタクシーの導入、労働条件の改善等につきまして指導を強化してまいったところでございまして、若干時間がかかるかと思いますが、一例として実績を申し上げますと、タクシーサービスの改善対策といたしましては、タクシーカードを全車両に備えつけるということ、それから無線タクシーのサービスの充実につきましては無線車両の増加に努めてまいりまして、今日の段階におきましては無線化率が東京で三二・二%、大阪では三六%にまでなっております。それから効率的な配車のためのユーザー登録制も、東京地区においては実施をいたしました。タクシー乗り場の増強につきましては、東京地区につきまして五十一年度末から五十二年度末までの間に四十一カ所の増設をいたしました。乗り合いタクシーの導入につきまして御指摘がございましたが、地域の実情を十分調査し、体制を整えてやらなければいけません関係上、五十一年度末から本年の七月までの間に四カ所につきまして乗り合いタクシーを導入してまいったわけでございます。先ほども大臣から御指摘がございましたように、良質なタクシー輸送を確保するために今後とも努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
 なお、いま先生御指摘のございました個人タクシーの増車の問題につきましては、最近、個人タクシーの資質を問題にする声が非常に大きくなっておりまして、かえって個人タクシーの方がサービスが悪い、あるいは質が悪いという声も聞くわけでございます。この三、四年来個人タクシーの資質を確保しますために一定の資格、つまり年齢とか運転経歴、そうした一般的な基準のほかに地理の試験、法令の試験をいたしまして、タクシー運転者の資質を一定程度以上に確保するという努力をしてまいっておりますために、個人タクシーの免許の件数が以前と比べて大分落ちてきておるということは事実でございますが、今後とも、個人タクシーも含めタクシー事業全体の良質なサービスを確保するために努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○中馬(弘)委員 いまのお話ですけれども、個人タクシーの質が悪くなってきた、これは確かに一人か二人はそういうのがおるかもしれません。しかし、総体的なことで言うならば、普通の営業タクシーの方が、きのう会社をやめてタクシーに乗ったので地理も全然わからないだとか、あるいは行き先を告げても返事をしない人の割合が個人タクシーよりはるかに多いわけでございまして、そういうことで、近代化センターあたりにしてもその効果がどう出ておるかわれわれにはわからないような状況でございます。
 それから、タクシーカードを設置させておるとおっしゃいますが、あの当時だけでございまして、いま半分のタクシーがあれは空っぽでございます。そのこともよく御指導いただきたいと思います。
 以上のことを申し上げまして、時間が参りましたので終わらせていただきます。
○増岡委員長 久保三郎君。
○久保(三)委員 限られた時間でありますし、また後から、斉藤委員からも同じテーマについて同じような質問が別の角度からありますので、私からは極力そういうものを避けて申し上げたいと思うのです。なお、大臣には後で時間がありました際に総括的にお尋ねしたい。
 それで、質問の要旨を前もって申し上げますので、必要があればメモしておいてください、必要がなければ結構ですが。
 まず一つは、海造審の答申が出てまいりましたし、また先ほど自民党の方からもお尋ねがありましたが、この海造審の答申では仕組船の認知というか、仕組船を入れて日本海運の運用を適切にやるべきではないか、そのためには制度的にも仕組船というものを考えていくべきであろうというような提言というか、答申があるわけですが、最近、聞きますと、ドル減らしのために仕組船の買い戻しをやっておるそうでありますが、この仕組船の買い戻しはどういう形でどの程度のものをやるのか。
 それともう一つは、海造審の答申とこの仕組船の買い戻しというもののやり方は、政策的に疑問があるように思うのでありまして、将来もドルがたまれば認知した仕組船に対して買い戻し政策をやる場合が出てくると思うので、これははなはだしく政策的に矛盾が拡大するのではないかというふうに思うのですが、この点はどうなのか。
 それからもう一つは、計画造船の体制は今後も維持していくと言うのですが、先般、私からもこの席で質問したように、日本海運の体質的な転換を図れということでありまして、量ではなくて質的な転換のためにスクラップ・アンド・ビルドを考えていくべきではないかということ、そしてそのとおりの、そのとおりと言ってはおかしいが、それと同じような答申が出てきている。ところが、先ほどの海運局長の答弁では、何か、もっとも質問する立場が造船対策からのお話で言ったので、誤解があったのだと思うのですが、海運としても造船対策に御協力を申し上げるというような話をしておったが、御協力というのはどういう意味なのか。言葉じりをとることはいささかどうかと思うのですが、これは大臣にもお答えをいただきたいのですが、政策的な整合性が運輸省はないのではないかと思う。
 そういうところが、こういう答申をもらっても、いまだに海運政策は造船のためにスクラップ・アンド・ビルドをするのだというふうに考えているならば、言葉が違うというふうに思うのであります。しかし、答申がスクラップ・アンド・ビルドで質的ないわゆる国際競争力をつけようという提言のようでありまして、私もそう思うが、しかし一方、これにはまた船員雇用の問題が当然出できます。出てはきますが、しかし、仕組船認知論よりはこの方が筋が通るというふうに思うのです。しかし、現在の海運企業の体質からいけば、そう簡単にスクラップ・アンド・ビルドができるものと私は思っていません。スクラップにもビルドにも両面についての政策的な誘導、対策がきめ細かく立てられなければならぬのでありますが、来年度予算要求はもうすでに概算要求の時期に入っているのに、先ほどの御答弁では、これから慎重に検討するというような話です。検討を加えているうちに日が暮れてしまうのではないかと思うので、日が暮れるかどうかの御答弁をいただきたい。
 それからもう一つは、いわゆる集約体制の維持をしていくということでありますが、集約体制、いわゆる中核体の中でも、たとえばジャパンラインのごときもの、言うならば海運企業としてはいかがかと思うようなものも実際は出てきている。しかもジャパンラインのごときは用船政策に失敗したのではないか、これが一つ。単なる海運市況のために失敗したのではなくて、運営について失敗があるのではないのかというふうに思うのであります。そういうものもそのままにしておいて中核体の体制を維持していくということについては、いささか疑問があるのではないかと思うのだが、この点はどうなのか。
 それからもう一つは、仕組船の認知に関連して、いまや国際的に便宜置籍船の問題が問題になっているわけです。これは多国籍企業と同じように問題になっている。その問題になっているさなかに仕組船の認知をやっていくことは、この国際的な趨勢とどういうふうに結び合わせて考えていくべきなのか、日本政府として便宜置籍船の制度に対していかなる見解を持っているのか、これを聞きたい。
 それからもう一つは、発展途上国の問題については、先般この運輸委員会を通して対抗立法なるものができている。できていないのは、今度の提言というか答申の中では東欧諸国との関係、いわゆる体制の違う諸国、たとえばソ連、そういうものに対する問題を答申しておるが、これは対抗立法をつくるのか、それとも新しい国際協力の体制を築くのかいずれであるのか、これを聞きたい。
 以上が大体海運であります。
 それから、国鉄の問題でありますが、国鉄の問題については、まず第一に経営の姿勢についてであります。これは先般、参議院の決算委員会で取り上げられた問題でありまして、中身について詳細にいま私が質問する必要はないのであります。ただ問題は、経営再建をいまから始めようというさなかに、残念ながら士気弛緩というか、下部においては、現場第一線においては、こういう姿勢についてかなり強い批判があるということを受けとめていかないと、これは大変なことになる。きょうはこの始末をどうするのかということを聞く必要はなくて、当然参議院の決算委員会で結論をつけてもらうのが一番筋だと思うので、冒頭、私はそのことだけ一言つけ加えておきます。
 それからもう一つ、これは総裁に対する注文でありますが、近く中国に招かれておいでになるそうでありますが、結構だと思います。ただ、こちらの持っている技術、それを向こうの側に教えると言ったら語弊があるが、言うならば開陳すること、これは当然結構だと思うのでありますが、と同時に、経営の問題については、いまや日本の国鉄は他の国から学ばなければならぬものがたくさんあるわけですね。そこで、まず第一にいわゆる経営体制の問題、経営の責任のとり方の問題等、体制の違う中国でありますが、経営についての責任は同じだと思うのであります。経営の責任はどういうふうにしてやるのか、そういうものについて機会がありましたならば、ぜひ勉強してきて、国鉄の再建のために役立ててもらいたい。
 それから続いてもう一つ、これはまあ注文でありますが、去年の暮れにこの委員会も通して閣議了解事項になりました「国鉄再建の基本方針」であります。この「基本方針」は御承知のとおり、今年度と来年度の間に基盤整備の諸制度をつくって、五十五年度からは軌道に乗せて運営をしようというのがそのねらいであります。ところが、五十三年度半ばを過ぎまして五十四年度予算要求が始まる段階に至っても、いまだに経営の当事者である国鉄からは、早く言えば何事も音さたがない、あるいは内部では言っているのかもしれませんが。ただ、あるとするならば、先般トラックを規制することの提言が内外にわたってされました。それだけでありまして、先ほどもお話があった最も大事な、いわゆるおのれ自身の経営責任で経営をする分野とそうでない分野との区別をどうやってつけるのかという問題、これが「基本方針」の課題でありますが、その課題についてもいま何にも答えていない。
 それからもう一つは、構造的な欠損の問題についても明らかにしていない。
 さらにもう一つは、最近政府は、整備五線の問題を含めて大型プロジェクトをやって景気を浮揚しようということで、これにも手をつけ始めました。ところが、新幹線建設について「基本方針」は何と言っているかというと、採算その他の基準についてきちっと決めてやれと言っているのだが、そういう基準については何事も要求をしていないように見受けられる、この点はどうなのか。
 それからもう一つは、先般の運賃改定についてでありますが、特に公共割引については、運輸大臣は関係閣僚会議を一回だけ開いたと思うのでありますが、これは抜本的に見直すべきだということになっているわけです。だから、単なる運審や国鉄の内部じゃなくて、国鉄としてどういうふうに見直してほしいのか、これを明確に提言をする時期に来ているのです。ところが、いまだにこれがない。
 これは大臣にもお聞きしますが、関係閣僚会議は中断したままでいるのかどうか。来年度の予算要求とも絡んで当然急がねばならぬ事項だと考えているわけであります。この国鉄再建は、なるほど政府の責任もありましょう。ありましょうが、言うならば国鉄当局が国鉄再建の責任者でありますから、「基本方針」ができたのだから、くどいようでありますが、これについて具体的な要求、と言っては語弊がありますが、要請なり提言なりが出てこなければならぬ。ところが、出てきたものはトラック対策だけなんです。しかもトラック対策も、こういうものはすでに全部世の中で言い古された政策なんだ。ただ残念ながら、法律や制度を改正してもなかなかそう簡単にいかない。いわゆる担保力をどうつけるかが問題になっているだけなんだ。その担保力をどうつけるかという提言は、このトラック対策についてもないのです。これは言うならば底抜けの提言であります。こういうものを含めて国鉄はどうしようとするのか、これを明確にお答えいただきたい。
 次には、成田空港中心の問題で、私の選挙区も成田空港の空域というか範囲に入っております。後でわが党が実態調査を先般しましたので、実態調査に加わった斉藤委員から全般的な基本的な問題についてはお伺いすることになりますが、当面、私から地元の要望、私も先般地元に行って調査をしてまいりましたので、その二、三の点についてお話を申し上げたい。
 いずれにしましても、特にこの騒音については、事前に調査したときに、ここでも答弁があったように、油はすぐに着陸しますからたくさん積めない、いわゆる軽い飛行機で飛んでいるわけでありますから。しかし今度は、長距離の満タンの飛行機を飛ばすのでありますから、騒音がひどくなるのはあたりまえの話です。そういう現状に照らして、実態に即応して見直しを図れということが一つであります。
 しかも飛行コースが規定どおりにとり得ない。もっとも鉄道の線路のようにきちんと決まっているわけではありませんから、非常にむずかしいと思うのでありますが、地元の要望としては、さきに協議した飛行コースをぜひ守ってもらいたいという要望があるのです。これは守れるのか守れないのか、この点はどうなのか。
 それから、騒音についても実態を改めて調査してもらいたい。いままでの騒音区域という指定があっても、それ以外のところにもかなりの被害が出てきておる。だから公団は、少なくとも国、地方自治体関係者と共同で調査をして、地元住民が納得する対策を早急に立てるべきである。いままでのあれを見ますと、どうも具体的な対策を立てるためにはかなり暇がかかる。その暇がかかったことが、今日のように成田問題をこじらした原因の一つでもあるのです。いまにして迅速機敏に機能できないような態勢では、残念ながら問題は一つも解決しないと思うので、あえてこの問題について申し上げます。
 それからもう一つは、環境基準は実態に適応していないのではないかという疑問を地元住民は持っている。環境基準についても見直しをして、関係の住民の生活を守るように手配すべきだと思うが、これはどうなのか。
 それから、すでに成立している飛行場周辺における障害防止法、この第一種の区域は八五WECPNLですが、これを七〇以上にすべきではないかというのが地元の要望であります。七〇以上にすべきであるが、これはどうか。
 もう一つは、運用の時間であります。なるほどいろいろ問題もあろうと思うのでありますが、六時から夜の十一時、実際に十時半ごろまでに区切ってはいるようでありますが、十一時まで運用する、これでは残念ながら生活に大きな支障があるというのが地元の住民の声であります。これは茨城県ばかりでなくて千葉県も同じだと思うのでありますが、茨城県においてさえそうなのであります。
 それからもう一つは電波障害、テレビや電話の難視聴であります。千葉県においては一応の区域を決めたようでありますが、あるいは茨城県においても多少の手配はしたわけでありますが、広範囲に広がっている。茨城県の区域で言うならば、鹿島、行方、稲敷、大体そういう地域にかなりの被害が出ておる。ですから、早急に実態調査をして難視聴の解消と、テレビは難視聴の解消しない場合もありますから、テレビの料金の減免について早急な手配をとるべきだと思うのです。
 もう一つ、関係市町村から出ているのは、周辺対策交付金の問題であります。直接的な防音工事その他については助成金として交付される、ところが、これに対して付帯施設というのがかなり出てきている、そういうものについても今後考慮すべきではないかというのが地元の言い分でありますが、これはどういうふうに考えているか。
 私の質問時間があと二十五分ぐらいありますから、まとめて御答弁いただきたい。
 以上です。
○真島説明員 最初に、海運局関係の御答弁を申し上げます。
 一つの問題は、今度の仕組船買い戻しの問題がドル減らし対策との関連でどの程度いま計画されているか、それと海運政策との整合性はどうなのか、こういうことだと思いますが、現在、仕組船につきまして約三十九隻を対象といたしまして、これから相手方と交渉しながら買い戻せるものは買い戻していきたい、こういう状況になっておりますが、御承知のとおり仕組船自体いろいろな形態がございます。わが国の船社の支配力が非常に強いもの、それから非常に弱いもの、段階もいろいろございまして、今回買い戻し対象に考えております仕組船は、わが国の船社の支配力が非常に強く、かつ日本人船員も乗っておるというようなものを対象として考えておりまして、そういう意味では、今度対象となる仕組船というのは、籍が外国でございますけれども、ほとんど準日本船的なものを買い戻すという方策でございまして、そういう意味では、今度の海造審の答申におきます政策と特に矛盾することはないのではないか、このように考えております。
 それからもう一つは、SB政策で先ほど私が原田委員に対してお答えをいたしました中身がおかしいではないかという御指摘かと思いますけれども、造船不況について協力するという言葉が誤解を招いたと思いますが、私ども海運局としては、海運政策との整合性を離れて、造船が不況だからSBをやるという態度ではございません。現在の状況の中で日本船それから外国用船を含みます日本商船隊全体が、今後五十五年という時点をある程度長期的に見通しました場合に、現在の一億一千万重量トン程度の規模が必要じゃないだろうか。その中で特に国際競争力の点で非常に問題が出てまいりました日本船についての問題を、船員費、資本費あるいはその他の問題も含めましてできるだけ競争力を高めるような方向に持っていくとともに、しかし、そういうことをやりましても、五十五年の時点というようなことでは日本船だけで日本商船隊を維持することはなかなかむずかしいということで、比較的コストの安い仕組船を中心といたします外国用船を適当に組み合わせながら国際競争力を維持して、とにかくこの規模の日本商船隊を守り抜きたい、こういう態度で進んでおるわけでございます。
○久保(三)委員 ちょっとお話中ですが、時間が限られていますので、私の質問したことだけにお答えいただいて、それ以外の御説明はしなくて結構ですから。
○真島説明員 私どもSB政策につきましても、五十四年度予算を目指して海運政策との整合性を図りながら提出をするつもりで準備を進めております。
 ジャパンラインの問題につきましては、これは御指摘のとおりの状況でございましたが、最近、金融機関等の協力もございまして再建が軌道に乗ってまいりました。これにつきましては、私ども、特に中核体から外さなければならぬのじゃないかというようなことはいま考えておりません。
 それから、便宜置籍船の問題でございますけれども、これは私ども外国用船の中で――外国用船はほとんど便宜置籍船が多いわけでございますけれども、これについて現在、国際的にも問題になっておりますこの問題を慎重に考えながら、安全面のチェックということは十分にするということで進みたいと思っております。
 東欧圏の対抗立法につきましては、OECDの場でいろいろ議論が出ておりますので、これを見きわめながら私どもの態度を決めてまいりたい、このように思っております。
○福永国務大臣 久保先生から大変高通な御見識をまずお聞かせいただいたのでございまして、これを傾聴し、おおむね御趣旨に沿った措置をと考えておりますが、皆目そうだと言うと答弁は要らないのでございますけれども、最初に、政府のやることは政策的に整合性を持つ必要があるという見地からお話があって、仕組船等についてもドル減らしとの関連で主客転倒のようなことがありはせぬかという御指摘でございますが、確かにそういう印象を受けるかと思います。総理大臣と私との間の話でも、その種の話を確かにいたしましたが、決して主客転倒しているというわけではなくて、もとより政策的に整合性ある措置をとっていかなければならぬが、そういうことにしながら仕組船に対していくとちょうど好都合で、若干ドル減らしということについてもこれが役に立つというような見地から、そういうことであればそれもやろうと言って、その部分が新聞等にも活字が大きく出ましたので、いま御批判のようなこと等がございますが、われわれは心していまお話のような御趣旨に沿うようにいたしていきたいと思います。
 国鉄の経営姿勢につきましては、私どもも、当然強い態度で臨んでいかなければならぬと思いますし、総裁以下もそういう心がけでいるようでございますが、先般の参議院の決算委員会の問題も幾らか残ったようなかっこうになっておりますが、お話のごとく納得のいく結末をつける態度で私、臨んできておりますし、国鉄もそうでございますが、なお、その辺をさらに一層明確にする措置をとる必要があると思います。
 それから、運賃改定等と関連いたしまして、関係閣僚会議等を開いたのでございますが、関係閣僚会議では、当面する問題を中心として若干の協議を行ったわけでございますが、これで尽くしたというわけでは決してございません。したがって、これで中断をしたのかという先生のお話でございますが、中断という表現が必ずしもそのとおりであるというわけではございません。なお、この上とも同じようなことないしはもっと広い範囲のことについて協議等をし、対処していくことに努めたい、こういうように思います。
 成田空港を中心といたしましていろいろのお話がございました。確かにお話のごとくさらにもっと迅速に、さらにもっと強き決意を持って今日までいろいろ対処をしてきたらさらによかったということは言えると思います。しかし、従来のことは多くの人間が一生懸命にそれなりにやってきておることでございまして、現在及び将来につきまして、ただいまのお話等をよく肝に銘じつつ対処していかなければかりません。
 幾つか具体的な問題のお話がございましたが、これらにつきましては、ただいま関係の諸君で一生懸命やっております。私も素人で及ばずながらではございますが、強い熱意を持って臨みたいと存じます。この上とも御指導を賜りたいと存じます。
○高木説明員 先般来、経営姿勢の問題について皆さんから大変御心配をいただくような事態がありまして、大変申しわけないと思っております。かねがね、そこらは今後なお一層引き締めていかなければならないというつもりでおりましたところ、具体的な御指摘がありました。これを正していくということについては、直ちに具体的な処理をもっておこたえをしてまいりたいと存じます。ちょうど値上げの時期にぶつかりましたので、非常にぐあいが悪かったわけでございますけれども、今後こういう姿勢で、いろいろと国民の皆さんから御疑念を寄せられませんように努力してまいりますことをお約束いたしたいと存じます。
 それから、中国のことでございますが、これは昨年来、中国との間で技術交換について話し合いが進んでおるわけでございます。これはむしろ政府ベースで話が進んでおるわけでございますけれども、先方から私に、一遍中国の鉄道を見に来ませんかということで御招待をいただきましたので、来週から行ってまいりますけれども、その際、ただいま先生からお話がございましたように、技術以外の問題についてもいろいろ教えられるところが多いのではないかという期待を持っておりますので、そういう点にも触れてひとつ勉強をしてまいりたいと思っております。
 それから、昨年の暮れに閣議で決められました「国鉄再建の基本方針」これにはその前提として、当然に当委員会においていろいろお話し合いをいただきましたものが織り込まれておるわけでございますが、これが一向に具体化が進んでおらぬのではないかという御心配が寄せられました。率直に申しまして、私もなかなか思うように事が進まないということでちょっと気にいたしておるわけでございます。
 率直に申しますと、あのときからちょうど半年たったわけでございますけれども、いままでの半年を反省いたしてみますと、やはり一番大きな出来事は、私ども自身としまして追われて、時間をとられておりました問題が三つございました。
 一つは、やはり運賃改定に絡む問題でございます。
 二番目は、これは新聞紙等ではそれほど大きく取り上げられていない問題でございますけれども、私どもとして非常に骨が折れましたのは、成田の輸送の問題でございまして、結果として今日までどうにかこうにか来ておりますが、政府の方針としてどうしても開港をということでございました。これの実現のためにはやはり燃料を送らなければいかぬということであったわけでございますが、いろいろと問題がございまして、相当手間をとられておったという実情でございます。
 三番目は、この十月一日に予定しておりますダイヤ改正をどうやって実現するかということでございまして、これはまだ完全に労使間の話し合いができておるわけではないわけでございますが、しかし、とにかく勤務条件その他の変更に関しますところの具体的な問題の所在を明らかにして、いま労使間で話をいたしておるところでございます。
 大変率直に申しまして、私自身もそうでございますけれども、本社全体といたしましても、また各管理局等におきましても、この三つで非常に手間をとられておるわけでございまして、御指摘の五十五年以降どうするかということを、五十三、五十四年度の中で明確にしなければならぬという非常に大きな作業がわれわれの責任であることはよく承知をいたしておりますが、その進捗状況は必ずしも十分でないということでございまして、概算要求もございますし、鋭意これに取り組んでまいりたいと思っておるわけでございます。
 それにつきましても、やはり企業努力ということが中心にならなければならない。企業努力の中身といたしましては、一方において経費を節する、一方において増収を図るということであろうかと思っております。そして経費を節するというものの具体的なテーマの一つが貨物問題であることは間違いがないと思って一生懸命それに取り組んでおります。同時に、どうもなかなか収入が思わしくないわけでございます。輸送実績も思わしくないわけでございます。旅客につきましても貨物につきましても、何とか増送、増収を図る手だてをより一層具体的に詰めていかなければならない。この根っこの経営の伸びと申しますか、お客さんの量、荷物の量が不安定でございましては、なかなか全体の再建計画が立ちません。何とか増送、増収計画をもう少し具体的に立ててまいりたいと思っております。
 それから、運賃の改定の問題に関連しまして公共料金の割引についての考え方、これをどうするかという御指摘でございましたが、実は昨日も運賃問題懇談会を開いておるわけでございまして、五十三年の七月からの改定につきましては、いわば一段落ということになっておりますけれども、さらに今後の問題をいろいろ議論していただく必要がある。また運賃のあり方の問題というようなものを、旅客につきましても貨物につきましても考え直していく必要がある。また割引制度についても基本的に考えなければならないという状態になっておるわけでございます。
 そこで、そうした問題を運賃問題懇談会という国鉄の中の諮問機関でございますが、そこで大いに議論をしていただきたいということで、その準備を始めておるわけでございます。まあ八月は暑い季節でもございますから別といたしまして、九月に入りますと具体的にそういった問題をそこで議論していただきたいと思っております。先ほどの閣僚の間のお話し合いという問題も非常に重要な問題でございますけれども、内部でまずいかにあるべきやということをもう少し理論的に詰めてみる必要があると思いますのでその作業に入りたい。そして九月、十月の段階で運賃問題懇談会にも御相談をし、また広く各方面に呼びかけをいたして、皆様の御見解を承るような機会をだんだんとつくっていきたいと思っておるわけでございます。
 私どものお願いといたしましては、何とか九月いっぱいで十月一日からのダイヤ改正をスムーズに滑り出させたい。まだまだそっちの方が解決ついておりませんので、これに全力を尽くして、よってもって、並行的には取り組んでおりますが、予算の問題を中心とする来年度の問題の方により一層力を投入するような環境に持っていかなければならぬと考えておる次第でございます。
○山上説明員 先生御指摘のように、国鉄再建のための経営の見直しにつきましては、当事者であります国鉄の自主的な経営判断のもとに、第一次的には国鉄自身の責任において行うべきものだと考えます。国といたしましては、交通政策上の観点とかあるいは財政的な面からこれを側面的に支援する立場にあるものと考えておりますので、全く先生御指摘のお考えに同感でございます。
 今後も五十三年度、五十四年度両年度にわたりまして所要の対策を確立する場合につきましてはこのような方向で国鉄を指導してまいる所存でございます。来年度の予算要求作業がもう近々のうちに始まりますが、この作業に当たりましても、この趣旨で国鉄を指導いたしたいと存じます。
○松本説明員 お答え申し上げます。
 先生から御指摘ございました項目、九つございますが、多少整理あんばいさせていただきまして、順を追ってというわけにはまいらないかもしれませんが、お答えをいたします。
 まず、騒音に関する実態に対応した見直し、あるいは騒音の実測、こういう点が一体どうなっているのだ、テストフライトのときには確かに軽い飛行機で飛んだわけだから、重くなったら当然大きな音が出るわけで、それが実情とはなはだしく違うという点について十分な認識を得ていないのではないか、あるいは納得を得ていないのではないかという点でございますが、おっしゃいますように、確かにテストフライトのときには重量の制限がございましたので、ある程度軽い航空機を使わざるを得なかった、その後、実際に飛ぶようになりましてから、公団の方を督励いたしまして、実際の調査も一週間にわたっていたしましたし、さらにまた、関係の市なり町なりあるいは県を含めまして、いろいろと御調査をいただいておるようでございます。そういうふうなデータを全部一括整理いたしまして、公団の方でとりあえずの見直し、将来の見直しというのをいまさせておるわけでございますが、とりあえずの見直しといたしましては、現在の騒音に対応いたしました一種、二種、三種の地区割りについて、これを早急に直さなければならないというほどの大きな予測の誤りというものはなかったのではないか、こうは思っておりますけれども、個々に発生いたします騒音に対比しました場合に、W何がしというあの単位と、それから住民の感じ方というものが必ずしも対応しないではないかというふうな御意見のあることは十分に承知をいたしておるわけでございます。
 そこで、先生のおっしゃいました環境基準そのものについての見解をもう少し見直す必要があるのではないかとか、あるいは現在の騒防法の地区割りを八五でやっておりますのを、将来の目標は七五まで持っていくわけでございますが、そこら辺のところの数字も見直すべきではないか、こういう御指摘であったと理解したわけでございますけれども、まず環境基準そのものにつきましては、いろいろの御意見があったのを相当期間をかけて整理した結果、現在のWECPNLということに落ちついたというふうに私ども聞いておりますので、また所管的には環境庁がいろいろと御苦労なさって出した基準でもございますので、私どもとしては、これを頼りに作業を進めるという従来の方針をなお踏襲していくべきであろうか、このように思っております。
 それから、八五というのは確かに五十三年目標、五年目標でございますので、成田空港につきましては、五十八年目標が七五ということに環境基準上はなってまいります。ただ、もっぱら住居の用に供するところについては七〇、こういうことが環境庁の出しました告示の中にうたわれておるわけでございますが、あの周辺のどういうところをもっぱら住居の用に供する場所というふうに指定をしていくかということは、これはそれぞれの県知事、千葉の場合は千葉県知事の裁量にかかわる問題でございます。もちろん、その場合の基準というものは環境庁の方からも出ておるようでございますが、最終的な決定は千葉県知事が行うというふうになっておるはずでございます。したがいまして、七五で線を引かるべきところ、七〇で線を引かるべきところというふうな差が出てまいろうかと思いますけれども、ともかく現在の環境基準にかかわります告示に従ってなるべく速やかにその目標に到達するようにしようということでございます。
 それから、環境基準が達成できるかできないかという判定をどこに置くかという問題でございますけれども、たてまえ論から申しますと、外側で、つまり屋外でいま申し上げました七五とか八五とか、こういう数字の議論になってくるわけでございますが、しかし、それはなかなかそういうふうにはまいらないわけでございます。飛行機が飛びます以上、どうしても音が出てくる。そこで環境基準の中でも、屋内でたとえば八五の場合にはそれから下げて六五へ、七五の場合にはそれから下げて六〇へということが一つの目標とされておりますので、私どもがいまこれから取り組もうといたしております全戸防音のようなものは、屋内においてその六〇なりあるいは六五なりという数字が達成できるように、それを従来は一世帯の中で人数に応じ一部屋ないし二部屋ということでしておったわけですが、それを全戸という形に広げて何らかの対処をしていきたい。ただし、これは技術的にもいろいろむずかしい面がございますので、現在六戸の試験工事をしておりますが、これを大体私どものねらいとしては遅くも八月中には仕上げてしまって、それを踏まえた上で具体的な仕様なりあるいは手続なりというものを決めて、引き続き実施に入っていきたい、このように考えておる次第でございます。
 それから、これの関連であろうかと思いますが、飛行コースが違っているのではないか、これが果たして守れるのかどうかという御質問があったと思います。初期の段階として、北及び南に離陸いたします飛行機が滑走路の中心線の延長線上を飛ばないで、どちらかといえば西へずれるのではないか、こういう御指摘がまずございましたが、この点につきましては、ややこしい御説明を省きまして、結局のところ、私どももノータムを新たに出しまして、滑走路の延長線上相当距離まで真っすぐに飛べるというふうなやり方をさらに補強するという措置を講じましたので、その後私ども、レーダー等を使って監視をいたしておりますが、そのノータムを新たに出しました趣旨はおおむね守られておるのではないか、このように思っております。
 次の問題は、主として離陸する航空機でございますが、これが地元に御説明を申し上げましたようなコースどおりではなくて、それからずれて、意図的にかなりずれて飛んでいるのではないか、それから一部の着陸機が、これも地元に御説明をしてございますコースからずれて飛んでいるのではないかという点でございますが、この点につきましては、開港の前、地元にるる御説明をしてまいりました段階におきまして、通常はこのように飛ばします。しかし飛行機は、先生もおっしゃいましたが、レールの上を飛ぶようにはいかないということ、もう一つは、何らかの理由で前の飛行機と後ろの飛行機が非常にくっついてきてしまいました場合には、やはり安全第一ということでございますので、レーダーを使って右や左に曲げなければいけない、こういうこともあるので、その場合にはコースどおり飛ばないということがあるかもしれない、この点についてはひとつお含みおきをということを申し述べてまいったわけでございます。
 ですから、飛び出しましてからも、いま申し上げましたように、レーダーを使ってコースを曲げるという作業が現実に行われておりますことは事実でございます。ただ、これが私どもの方の考え方の徹底を欠いた点もあるいはあったのかも存じませんけれども、同じコースをレーダーを使って曲げます場合にも、地上に住んでおられる方のことを配慮しながらコースを曲げていくということについてもう少し気を使うべきではなかったかというふうな点も私ども反省の一つとしていま持っておりますので、ごく最近も、その点について現場の諸君と十分に話し合いをしながら、今後そういうふうなことがなるべく起こらないように、安全上やむを得ない場合は御勘弁いただくとして、通常の措置としては起こらないようにということで、管制のやり方等についても工夫をしていこうということをやっておる最中でございます。
 それから、運用時間につきまして十一時は遅いのではないかということでございますが、これは確かに、ああいった農村地帯の中の空港でございますので、御指摘のあることは重々わかるのでございますけれども、やはり国際空港として国際線を離発着させなければならないという立場から考えますと、夜の十一時をもって門限とするといういまの考え方は何とぞ御容認いただきたい。ただ、そのためには、これもいろいろと指摘されておりますが、ダイヤどおり飛ばないとかいうような点については、現在もいろいろと手を打っておるわけでございますが、ともかくそういうふうなあらゆる努力をいたしますし、また、先ほど申し上げました民家防音の措置なども講じてまいるということとあわせまして、十一時までの運用時間ということは何とぞ御勘弁いただけたら、こういうふうに思っておるわけでございます。
 それから、電波障害についての御指摘がございましたが、通常私どもがやっておりますテレビ障害といいますものは、騒音でテレビが聞こえなくなるというのが大体従来の経験としては多かったわけでございます。中には、もちろん画面が揺れるというふうなものもございました。
 そこで現在、公団の方に話を促進するようにさせておるわけでございますが、従来のテレビの視聴料の二分の一または四分の一の減免というのを、大体五千六百戸前後になろうかと思いますが、これについては五月分からテレビの視聴料の二分の一ないし四分の一免除ということに踏み切っておるわけでございますが、ただ、これはNHKの方の集金の手続といろいろなかみ合わせがございますので、事務的な面をいろいろと詰めておる段階でございます。
 それからフラッター防止、これは特殊なアンテナをつけますと、相当効果があるということを大阪等でも経験しております。現在までのところ、約三千戸程度を目途に一生懸命にフラッター防止アンテナをつけておるわけでございますが、相当の効用があるようでございます。ないところもないわけではございません。したがって、先生がおっしゃいましたように、実態調査というものをさらに続けていくというふうに公団を督励してまいりたい、このように思っております。
 それから、周辺交付金につきましては、これは使用いたします燃料との比例でいまのところ仕組みが決まっておりますので、これをどういう形で配分するかという点については、昨年の時点で地元の方といろいろと御相談をし、こういう計算式でということで大体御納得をいただいておると思いますが、しかし、いろいろといま先生おっしゃいましたような追加的な御注文のあることも承知しておりますので、今後とも地元市町村と十分相談させるようにいたします。しかし、限られた財源でございますので、なるべく有効に活用していただくという方向で努力をしていきたいと考えております。
 最後になりましたが、具体案の作成に暇がかかり過ぎ、それが現在の成田の実態を招いたのではないかという御指摘につきましては、大臣から先ほどそういう点を十分に踏まえた上でせっかく督励してまいりたい、こういうお答えもございましたし、また、私自身絶えず大臣から督励をされつつ作業をしておるというふうな状態でございますが、御指摘の点重々私も理解、納得しておるつもりでございますので、今後とも最大の努力を傾注いたしまして、時期外れにならないように、六日のアヤメにならぬというふうなことを絶えず念頭に置きながら、私ども運輸省自身も、あるいは公団に対する指揮監督というふうな点も努力をしてまいりたい、このように思っております。
 なお、具体的な点について、私、はしょりましたので、もし御指摘ございますれば、総裁が参っておりますので、総裁の方からお答えさせます。
○久保(三)委員 時間がもうすでに過ぎておりますので、せっかく公団の総裁にはおいでいただいたのですが、お話を申し上げただけで、御答弁の方は大変失礼ですが……。
 そこで、特に電波障害の問題、いま航空局長からいろいろお話がありましたが、私の居住区である茨城県の問題についていま私は申し上げておるのです。全般的なものは後から斉藤委員から申し上げますが、鹿島郡全体に対しましても手配していないのがたくさんある。それから関係地区である稲敷にしても、電波障害一つとっても手配をしていない。そういう問題についてもう少し積極的にやるべきではないかというふうに思うのであります。
 時間もありませんから再質問というわけにはいきませんので、再び意見を申し上げて終わりにするほかはありません。
 まず一つは、国鉄総裁に申し上げますが、お客と荷物が不安定であって、再建策までは届かぬ、こういうお話ですが、そんなものでしょうかね。経営が不安定だから再建策が立たない、経営が不安定だから再建策を立てるというのではないでしょうか。どんな意味でおっしゃったか、言葉じりをとらえるわけではありませんがね。
 それからしかも、運賃にしても懇談会を開いてこれからやると言う。いままで国鉄の幹部は何をやっていたのだろうか。運賃に対して改めていま勉強しなくてはならぬのか、人に意見を聞かなければわからぬのかということを、私は焦燥感を持っていまお話を聞いているわけなんです。この間も資産活用について報告書が出ましたね。あんなものはと言ったら、あれに携わった方には大変失礼でありますが、ああいう程度の作文をつくるのならば、私に頼んでくれれば半日でできます。しかも、はっきり言ってこれは用に立ちません。現場の第一線に聞いたらもっといいものが出てきます。なぜ自分自身で考えないで人に考えてもらうのか。幹部はそれほど忙しいのでしょうか。国鉄の本社にいるブレーンと称される者はそれほど忙しいのか。国会はきょうは委員会やっておりますからおいでになっておりますが、休会中は国会にはおいでにならぬで済むわけでありますからね。しかも、日ごろ勉強していて問題点はもうおわかりになっておる、どうやったら解決するかおわかりになっておるのだろうと私は思うのです。それがいまさら懇談会をやって九月ごろ結論、八月は暑いから休んでもらって九月ごろなんて、そんなまだるっこいことを私は聞きたくありません、はっきり言って。これは何でそうなのか。私が御質問申し上げたことについてどういう見解を持っておるのか一つも御披瀝がない。おのれ自身の経営責任でやる分野はどうだ、経営効率の悪い分野はこれであります。新線建設についてはどういう基準を設けてもらいたい、私は具体的に二つ、三つ言った。これについては何もお答えがなくて、経営が不安定で再建策はいま立てられませんというのは本当なのかね。本当だとしたらこれは大変なことですよ。五十三年度はもはや半ばに来ているのです。制度やその他を改正するのは少なくとも五十四年度には完結しなければならません、五十五年度から新しい経営基盤に乗っけるのでありますから。そうだとすれば、来年度の予算要求に絡んで制度改正などはもはや形づくりができてなければならぬはずですよ、はっきり言って。あなたも大蔵省の事務次官をおやりになった経験があっておわかりでしょう。これはどうも私としては不満でありまして、改めて時間をいただきまして御答弁をいただきましょう。
 それから海運局長、私が聞いた中で、仕組船と便宜置籍船の話をしているのですが、お答えがありません。便宜置籍船はいま国際的な問題になっています。仕組船もこれは便宜置籍船ですよ。そういうさなかに認知論というのは、一体いわゆる日本の海運、政府としてはどういう方向をとるのか、便宜置籍船に対してどういう方針を考えておられるかを聞いているわけなんです。そういうことを聞いているのです。きょうは時間がないから答弁は要りません。
 それから具体的には、後から書面でいいですが、公団の総裁、鹿島郡その他の電波障害その他を早急に出してください。
 大変時間が超過しましたから、この程度でやめるほかありませんが、大臣、いまお話し申し上げたようなことでありますので、少し督励していただいたらどうか。
 それからもう一つは、これはよけいなことを言って大変生意気に聞こえては恐縮でありますが、運輸省の首脳部はこの間の人事異動ですっかり模様がえ、模様がえなんて言ったら大変失礼ですが、人事異動がありまして陣容が変わりました。ところが、いままでは運輸省というのは許認可行政が中心でありまして、判こ押しが中心でありました。政策的には全部後追いであります。現実を後追っていって、これを追認する形ですね。仕組船もその一つかもしれませんが、追認する、後から認めていく、そういうことで積極的な政策的な誘導というものが全然ない。だから、陸海空にわたっていろいろな問題が出てきても、後追いですから、残念ながらこう薬張りじゃないかというふうに私は思う。この際は、陣容は改まったのでありますから、ひとつ大臣のもとで積極的に夏休み返上でやってもらいたい。国鉄もそのとおりお願いしたいと思うのです。
 以上で終わります。
○増岡委員長 斉藤正男君。
○斉藤(正)委員 大臣と空港公団総裁に最初に伺います。
 さきには皇太子がブラジル訪問のために飛行機で御出発になりましたし、きょうはまた総理大臣が、先進国首脳者会議出席のために飛行機で御出発になりました。いずれも成田を使わずに羽田からお出かけであります。特に総理大臣は、ツルの一声かカラスの一声か知りませんけれども、成田開港に当たって強引な命令を出した張本人であります。その人が全世界に、安全でいい国際空港ができましたのでお使いくださいと宣言をさせたわけであります。なぜ成田を使わないのか。なぜ羽田から出ていったのか。国民はもちろん全世界で、やはり成田は欠陥空港であって総理も使っていないという印象を心ある人は持つと思うのです。
 大臣、恐らく多少の論議はあったと思います。包み隠さず総理の羽田出発の経緯、それから、どういう形にしろ、総裁ぜひ成田を使ってほしいという進言等をやったのかどうか、これをまず聞きたい。
○福永国務大臣 ただいまお話しの点につきましては、過般、総理大臣とともに私、成田へ参りました節にも、これは何人かに聞いておりましたから正直に申し上げますが、もっとも聞いてなくても正直に申しますが、いまお話しのように総理が成田から出るということは、国民に対してのみならず全世界に対しても、お話のような効果というか理解への資料というか、そういうことが期待できると私は私なりに考えます。そこで、そのときには余り公にされておりませんでしたが、その種の話が官邸の方で進んでいたようでありますので、私は、成田から出られるということにしてもらうことが、国民サイドから見てより適当なのではないかということを率直に申しました。総理自身はよく理解しておりましたが、後でのお話で、外国の大統領というような国賓なんかについては、そういう人が参ったときにいろいろの接遇もございますが、儀礼的な接遇等の観点から羽田を使うというように、これはその種の了解がすでに行われており、いままでもそういう取り扱いもしておるわけでございます。
 そういうような観点から、皇太子が専用機で出かけられたときにも羽田からということ等がございました。そこで、このたびの総理が出かけられるについて、警備その他の点等も考慮されての意見があったようでございます。しかし警備等の点は、それはたまたまあったということであって、これはもう一国の責任者は、自分のことについては危ないとかなんとかそんなことは考えているべきではないと私は思うわけでございまして、私自身多少そういう傾向がある男でございますから、そんなのは総理自身も考えておられない、こう思っていたわけでございますが、そういうようなことで、このたびはああいう決定になりました。
 先ほど総理が羽田から出発されたのでありますが、その間私がそういう意見を言っておりましたし、また、たまたま一緒に行きました自民党の成田空港開設についての特別委員長も同じ意見でございました。そういうことでございましたし、いま空港公団の総裁についてお話がございましたが、恐らく総裁は、自分のところから出てもらいたかったに違いない、こういうように思うわけでございます。しかし私は、その種の話がありましたときに、そういうような国賓などに対してそういう措置をとるということと関連をいたしまして、来る人にそうだから出るときもということの、やや類推的な解釈等もあったのだと思うのでございますが、それならそれで、なるほどそういう措置が当然なのだというようによく関係者に、と言うとさらに広く国民にということでもございましょうが、そういうことが理解してもらえるような措置もとっておかないと、別に説明もせずにそういうことをするのはいかがかと、また言っておいたわけでございます。
 これは私がそうだったのだけれどもどうというような、そういうけちな考えで申し上げるのでは決してございません。正直に言えというお話でございますし、正直に申し上げて御理解を賜りたいと思うから申し上げるのでありますから、どうぞひとつそういうことで……。
 それから、ちょっとなんでございますが、総理は、恐らくそういうことも心配されて、外国に行って聞かれた場合に困るから、成田の空港はなるほど大丈夫だということを現に見届けておいて、それで行かれたので、あれを見た結果、危ないから羽田から行くというわけじゃ全然ないので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○斉藤(正)委員 それじゃ総裁、結構です。大臣がかわってお答えになったようでございますから。ただ福永さん、ずいぶん歯切れのいい答弁をするあなたが全然わからぬ答弁だ。パリへ行けば国賓でしょうよ、ボンへ行けば国賓でしょうよ。ただ、日本の総理が羽田を立とうが成田を立とうが、日本の国賓じゃないのだ、総理大臣だ。全然認識が違うと私は思うのです。非常に残念に思っております。
 そこで、この問題だけでも四十五分かかってしまいますからやめますけれども、過日、現地へ行きまして、農家へ半泊りというかっこうで周辺の調査をしてまいりました。お尋ねしたい点が四点ございますので、簡潔にお答えいただきたいと思うわけであります。
 先ほども久保委員の質問にお答えになりましたけれども、テストフライトのときと実際とは飛行機の重量等も違うということ、そんなことは、特に松本さんは技術屋で初めて局長になった方なので知悉されておったと思うのです。しかしその後、専門家に聞いてみると、テストフライトでも土のうのようなものを積んで結構できると言うのです。なぜやらぬかと言うと、銭がかかると言うのです。銭はずいぶん成田へ使っているじゃないですか。恐らく、日本じゅうに自衛隊の基地やアメリカの基地もまだたくさんありますけれども、モグラ工法を避けるために、鉄矢板で地下何メートルも掘って三重にフェンスを張ってあるなどという基地はないですよ。わずか数十日の間に何十億という金を使うようなことがあっても、一番肝心な関係住民に影響のある騒音調査等ではああいう調査をやっておいて、後で違うのはあたりまえだと言うのはどういうことですか。全く不誠実だと思うのですよ。
 そこで、私がお尋ねしたいのは、関係地域では、騒音地域の線引き、見直しをしてほしい、こう言っているのであります。理屈は要らないですよ、するのかしないのか、それをまず聞きたい。
○松本説明員 ちょっとお時間をいただきまして、前段のテストフライトのときに土のうを積めばできたではないかという御指摘について御説明させていただきたいと思います。
 あのテストフライトは最大着陸重量でいたしました。この最大着陸重量というのは、それ以上の重さでは飛行機が着陸できないという目方でございますので、その目方で着陸させて仮に土のうを積みます。土のうを積んで適当な目方、重い目方にして離陸をいたしますと、この飛行機はおりてこられなくなってしまいます。そういうわけでございまして、決して銭を惜しんだわけではございませんので、技術的に困難があったという点をぜひ御理解いただきたいと思います。
 それから、見直しの点につきましては、現在までのところ、公団が得ました資料に基づいてチェックした限りにおいては、現在の線引きを直ちに直さなければならないという不合理性は見出されていないと思っております。しかし今後、公団は地元市町村と協力しながらどんどんデータをふやしていくということをやらせるようにいたしておりますので、その結果、問題点が明らかになれば、その際は所要の手続をとって速やかに見直し、引き直しという措置をとらせるようにいたします。
○斉藤(正)委員 テストフライトのときと、開港後間もなく二カ月、現地の測定では、多いところでは一八ホン、少ないところでも一〇ホン程度違っておりますね。これは権威のある測定ではない、公団がやった測定が一番権威のあるものだ。私は、高速道路の自動車騒音にしても、新幹線の騒音対策にしても、ずいぶん政府とやり合ってきたものであります。どこでもそう言うのです。ほかの人のやったやつは当てにならぬと。しかし、水増しをして計数を出しているわけではないのでございまして、いま、合点がいけば見直しをするけれども、現状ではそんなつもりはないというお話がございましたが、私はきわめて遺憾です。
 特に本三里塚というところがあります。これは滑走路の中ほどであって、防音堤があり、幸いにして防音林があり、その切れ目から騒音が漏れてきますので、恐らく何千万という金でありましょう、えらい施設をして、その防音林の切れ目へ遮蔽物を建てておりました。しかし、ここはぎざぎざで、ずいぶん合理的だと思いますけれども、線引きがされているのに、全く直線で線引きしてあります。聞いてみると、ここは代替地に指定をされて、何人かの方々が入落した部落である、したがって、公団が代替地として指定したところを、そして何軒かが入落したところを、騒音地域ですなんということは言えないのだ、こういう地元の解釈であります。そうではないのですか、いかがですか。
○松本説明員 まず最初の、地元の市町村が行ったデータは信用が置けないということは、私どもは全く考えておりません。私は、むしろ公団に対し、できる限り市町村の行ったデータをいただいてきなさい、それを自分のデータと思って、データは多いほど正確な数字が出てまいりますので、そういうものを取り込んで出しなさい、こういうふうに言うてございますので、公団もその方向で措置をしておると思います。その点は御理解いただきたいと思います。
 それから、本三里塚につきましては、いろいろといま御指摘のありましたような批判があることは十分に承知をいたしております。したがいまして、私どもも現実に調査をしたわけでございますが、現在までに得られた調査、これは公団の行いました調査と成田市が行いましたデータと両方からの詰めでございますが、現時点では、八五で線引きをいたしましたあの線をいま直ちに変えないと非常に不公平だというふうにはどうもなっていないようでございます。さらにまた、いままさに先生がおっしゃいましたように、防音堤の切れ目がございましたので、そこに大型の防音壁を三重から四重につくりまして、これは六月中にでき上がっております。したがいまして、それの効果の測定を近々始めることにしておりますが、そういうふうなことの積み重ねをしてまいりたいと思っております。
 ここは人をすでに移してしまったから、音が出るかもしれないと思いながら思い切って直線で引いてしまったというふうなことをしたのではございません。これはやはり一応の理屈があったというふうに御理解いただきたいと思います。
○斉藤(正)委員 それぞれにもっともらしい答弁をいたしますけれども、それじゃおまえ官舎を引き揚げてここへ住め、あるいは三日か四日泊まれと言った場合に、新幹線の名古屋訴訟で裁判官は被害者の住宅へ泊まって体験をされておりますけれども、行って寝てみたらいい、行って本を読んでみたらいい、行ってあそこで食事をしてみたらいい。事前に知らされ、言われてきたことと現実がどれほど違うかということは、関係住民は怒り心頭にきているんですよ。答弁のためにはどんな答弁もできると思いますけれども、やはり見直しをすべきだ、そして関係住民に一刻も早く生活の環境基準をかなえさせてあげるべきだというように私は考えております。
 二番目に防音工事です。これは行ってみて驚いたね。何でああいうようにあるときは屋敷内へ独立家屋でなければだめだというような指導をしたのか、あるときになってくると既成の住家そのものを改造してもいいというようになってきたのか、あるときは一室だと言い、あるときは二室だと言う。指導の方針というのが一貫していないと思うのです。しかも、行ってみればわかりますように、あの防音室なるものは天井は低く、一室ではトイレなしということでしょう。現地の皆さんは、昼間は子供の勉強部屋、夜は夫婦の憩いの部屋、独立家屋ですからね、そういうように言っていて、何の防音の価値もない、こういうことですね。防音に対する指導の方法というのか施策の方法というのが、非常に脈絡一貫していないと思うのです。
 その経緯はとにかくとして、しかも自己負担がある部分ではあるわけですね。なるほど試験的な家屋をつくっておやりになっております。道路騒音や新幹線騒音と航空騒音は違うと思いますから、独自なモデルも結構ですが、すでに国鉄なり道路公団なりはやっているんですよ。そして防音モデルハウスを持っているわけですよ。そういう行政の横の連絡というものは何もないんですね。公団は公団で独自にやる、運輸省は運輸省で独自にやるということにしか私には考えられない。
 一体公団なり運輸省は道路公団がつくったモデルを見たことがあるのですか。国鉄がすでに何百、何千と実施をした防音家屋を見たことがあるのですか、いかがでしょうか。
○松本説明員 まず、見直しの点につきまして、私の御返事が舌足らずであったとしたらおわび申し上げますが、現在八五という線で引いてあるのは、どうも余り違っていないようですと申し上げているだけでございまして、私どもは、まずこれを八〇まで広げましょう、最終目標が七五でございますから。しかし、最終目標だけを掲げて、それに到達するのに時間がかかるというのは、これまた非常に拙なやり方だと思いますので、まず八〇という目標を置いて、そこへいち早く取りつくようにしたい、そういう意味では、見直しをするという方針を決めておりますので、御理解いただきたいと思います。
 それから、防音工事につきまして、当初四十六年に千葉県がまず防音工事をスタートさせたわけでございますが、残念ながらその時点で、国の方にはしっかりとした法律的な裏づけがございませんでした。そういうこともございまして、県の方は、ああいった農村地帯でもあるし、家屋が非常に改造しにくいということもございまして、希望によって庭先にいわゆる防音室をつくる、こういう形をとった時代があるわけでございます。その後、四十九年に国の方の法律も手当てができ、さらに公団の方は実質五十二年から現在の騒防法と全く同じゃり方で処置をする、こういうふうな変遷がございましたものですから、恐らく住民の方からごらんになりますと、その都度言うことがいろいろと変わって、一体どういうことになっているのだというふうな不信の念をお持ちになったのはまことにやむを得なかったわけで、今後は騒音防止法一本で処置をしていくということでございますので、そういった指導方針のふらつきというふうなことは出てまいらないし、また、それによって住民の方に御迷惑をかけるようなことは絶対にしないということをお誓い申し上げていいと思います。
 それから、工事をやるやり方につきましては、これはたとえば新幹線の場合には四室打ち切りということになっておるわけでございます。航空機の方は、非常に騒音の激甚のところは場合によっては二五ないし三〇デシベルも下げなければならない、非常にむずかしい問題がございます。ところが、ずっと端の方の七五Wとか七〇Wとかいうところになってまいりますと、一〇ないし一五下げれば十分に屋内で六〇になりますので、効果が上がってくる。そういたしますと、新幹線のようにわりあいに幅の狭い騒音を対象にいたしました改造の仕方あるいは四室を限度としている改造の仕方というふうなものでは、実は全室という形になかなか対応できない。特に先生もごらんいただいたと思いますが、あの周辺のお宅は非常に大きなお宅がございまして、今度改造の実験をしておりますお宅の中にも、実は建ててから百五十年たっているというふうな旧家もございます。こういうふうなものを含めてどういうふうな標準をつくろうか、標準にこだわるわけではございませんが、その方が安く、早くできるということでございます。
 それから、自己負担の点についても御指摘がございましたが、これからの財政当局との折衝の問題でございますので、私、ここではっきりと言い切るだけの自信はございませんけれども、自己負担を可能な限りなくするという方向で処置をするということを考えますと、やはりいろいろと参考にしていることは事実でございますが、実際問題としましては、そういった上からおりてくる音を屋根で受けとめ云々というような理屈もあるようでございます。私、よく存じませんが、そういう点を踏まえて実験をしてみる必要がどうしてもあるという建築関係の技術屋の話でございますので、それでは急いでやろうではないかということでいまやっておるというふうな次第でございます。
○斉藤(正)委員 急ぐのも結構ですが、余り方針が変わらないように、それには調査が前提ですよ、だから、民間調査であろうと市町村調査であろうと、なるべく多くのデータを参考にせよと指示をした、大変結構です。しかし指示したって、公団がやっているかどうかはまた別なんで、その辺をしっかりチェックして、やはりあそこに自分が住むという気持ちにならなければ本当の施策はできないと思うのです。ですから、ぜひそういうことで見直してほしい。
 それからもう一つは、夜間飛行時間の制限です。これは先ほど久保さんのお尋ねに対して答弁がございましたが、私は事実を申し上げますけれども、ずれ込みが多いわけです。出発便で言うと、五月二十一日から二十九日までの間に二十一時台はダイヤでは六十一ある、ところが実際は三十九なんです。二十二時台はダイヤでは四十四、それが実際は八十一です。到着便はダイヤでは二十一時台が四十八便、それが実態は八十四便。二十二時台は到着便がダイヤでは十七便、それが実際は二十一便です。ずれ込んじゃっているんですね。この時間が農家の皆さん方では寝つく時間なんです。朝早いですからね。四時ごろには起きて落花生を耕している、あるいはスイカをとりに行っている。したがって夜は早いのです。われわれみたいに十二時、一時に寝るのじゃないのです。一番寝つきのいいときに、グワーンと鳴るのですから、これはたまったものじゃない。十一時という線は、国際的にも宣言したのですから、私は、国際空港としてはよほどのことがない限りこれを十時にしますなんということは言えないと思うのです。本当は十時にせよと私は言いたい。ですから、ずれ込みだけは何とか指導をすべきだと思うが、どうですか。
○松本説明員 いま先生御指摘になりました数字ですが、私どもも実は非常に注目して調査をしております。大体日によって違いますけれども、いや先生、それは違います。こんなにりっぱになっていますと言えないのが実情でありまして、大変申しわけないと思っております。
 いま御指摘ございましたように、午後十一時というのを守らせる点については、ともかく一機も開港後飛ばしていないということで、航空会社の方もいまは完全にこのルートに従うようになってまいりました。
 そこで次は、ダイヤのずれという点について、もっと真剣に深刻に考えさせるという措置であろうかと思います。すでにせんだって、関係のございます主だった数社、週に何回というのは除きまして、主だった数社に対しまして、空港長から注意を喚起いたしましたし、本日は成田のAOCという航空会社の集まりがございますので、そこにまたわが方から出向きまして、ダイヤのずれというものについてもっと深刻に考えるべきである、そのために具体的にどういう措置をとろうとしているのかということを研究させるような会議をいまやっておる最中でございます。
 ただこの点、いま先生がお調べになりました数字と私どもの数字と多少違っております。非常にややこしいので細かなことは除きますけれども、ダイヤとして書いてございますのは、実はターミナルから出ていく時間でございまして、住民の方が感覚的におとらえになるのは、頭の上を飛んで行った時間でございます。そこで、お客が乗ってドアが閉まってターミナルから出ます時間が仮にダイヤどおりびしゃっと出たといたしましても、二十分から二十二、三分たたないと飛行機が芝山なら芝山の上に飛んでこない。そのずれというのはどうしても出でまいりますので、九時台ぎりぎりあたりのところになりますと、それが実際には十時台の方に入ってしまうというふうなことはあるわけです。しかし、そういった小手先を弄するような議論ではなくて、もっと真剣に取り組むべきであると私自身も思っておりますので、この点については、具体的な措置を今度講じていくようにしたいと考えております。
○斉藤(正)委員 最後にテレビの難視聴、電話の難聴等について地元から強い要望がありました。八千戸のテレビ難視聴についてすでに二千戸は完了し、なお今月いっぱいくらいに馬力をかけてやっているということも聞いていますが、問題は、東京から直接電波をとるのだそうでございまして、非常に扱いにくい地域だそうでございます。私も、それは知りませんでしたけれども、そうなると、共同アンテナをつくりましても、あるいは特殊アンテナをつくりましても、なかなか容易でないと思います。問題は、二年は保証する、あとは知らぬよということのようであります。これまた国鉄のテレビの難視聴につきましても、あるいは高層建築のテレビの問題にいたしましても、あるいは高速自動車道路のテレビにいたしましても、維持費と更新のときの費用をどうするかというのは国が決めないんですね。しかし、国で決めてもらわなければ何とも言えません、こういうことで、さしあたり二年とかなんとか言っているわけです。これは飛行場ができたから難視聴になった、新幹線が走るから難視聴になった、高速道路ができたから難視聴になった、高いビルができたから難視聴になった、前のままならそんなことはない犯人はと言っていいか、とにかく原因者は空港です。ですから、二年とか五年とか、一体何を言っているのですか、無制限にそれはやるべきですよ。いかがですか。
○松本説明員 その二年と申しますのは、恐らくいま公団が取りつけておりますフラッター防止アンテナの保証期間が二年ということから端を発したことではないかと思います。
 ただ、これは先生もいまのお話の冒頭でおっしゃいましたように、非常にむずかしくて、確かに飛行機が飛んだから見えにくくなったということなんだと思いますけれども、飛ばない前でも非常に見えにくかった場所のようでございます。したがって、直接東京タワーからとっておる方もございますし、あるいは銚子にございますサテライト局からとっておいでの方もある、非常に錯綜しております。
 この点は、ともかくもフラッター防止アンテナが有効であれば、それをつけるということをまず急ぎまして、私ども、テレビにつきましては必ずしも詳しくございませんので、そういった方面の専門的な知識も吸収しながら、抜本的にどうするのかというふうなことも含めて、いろいろと研究をしていきたい。もちろんギャランティーが終わったからあとは知らないよというふうな気で申し上げているわけではございませんが、そういう形でもっときちっとした方針を早急に決めるようにしていきたい、こう考えております。
○斉藤(正)委員 成田空港に関しましては、いま四点にわたって特に要望の強かった点、私は地元のすべてなんて思い上がったつもりはありませんで、お目にかかった皆さん方の言い分を申し上げたわけであります。
 大臣は、積極的に話し合い路線を進められている方でございますから、私の質問の内容を十分おわかりいただいたと思いますが、総括的に何か御意見があったら伺いたい。
○福永国務大臣 ただいまいろいろ斉藤さんのお話を伺いつつ、お話の趣旨をよく体しまして、これらの問題の解決に私は一層精進いたしたい、そういうように考えます。
○斉藤(正)委員 角度を変えて、造船問題を伺いたいと思います。
 あす海造審の答申が出される、ほぼ予想された内容のようでありますけれども、これを受けて業界が対応するのにもまだ時間が要る、しかし、人間食べていかなければならないわけでございまして、間に合いそうもなくて、現実は一番厳しいというように思うわけでございますが、いま何と言っても必要なのは、仕事をつくるということ、船をつくるということ、先ほど海上保安庁長官からもお話がございました。私は、自衛隊を認めるものではありません。しかし現実にある。そこで私、船齢を調べてみました。防衛庁の船で十六年以上の老朽船というか、そういうもの、あるいは二十年以上、これは当然老朽船でありますけれども、三十隻ございます。こんなものは代替で出したって、大手七社に行っちゃいますから、私は余り関心がないのでありますけれども、中手、小手の仕事を大手がかすめ取っているんですね。かすめ取っていると言うと何でありますけれども、仕事であれば何でもいいという形ですね。
 それから海上保安庁も、二十五年以上の船齢の船が二十一隻、二十年以上、二十五年未満の船が十隻ございます。これは先ほどから御検討をいただいて、ジョイントベンチャーするとしても、実際の仕事は中手以下にやらせていただけるというように聞いているわけでございます。その他の官公庁船、電電公社や大学や国鉄や都道府県や水産庁、気象庁を含めて十年以上の船齢の船が八十一隻ございます。
 こういうものを何とか行政措置で、早まるものならば早めていただく以外に、かねや太鼓で建造をお願いしても、この海運不況という現状の中では船主は船をつくらないと思うのです。もしできるとするならば、大臣の献身の努力があるならば、あるいは政府自体が本当に中手、小手をつぶしてはならぬと考えるならば、繰り上げてでもこれらの官公庁船の早期建造に踏み切るべきだというように私は思っているわけでございます。大臣並びに船舶局長からお答えをいただきたい。
○福永国務大臣 先ほど海上保安庁長官等もお答えを申し上げましたし、私も、いまお話しのようなことにつきましては、それなりの強い熱意を持って臨んできたつもりでございますが、なかなかすぐにばたばたというようなわけにいっていないということを残念に存じます。少なくとも私、運輸大臣の所管いたすものにつきましては当然そうでございますが、たまたまここ数日は総理大臣の代理をいたしますので、関係の大臣諸君にも、ただいまの斉藤さんの御発言の御趣旨をよく伝えまして、できるだけの成果が上がるように努力をいたしたいと存じます。
○謝敷説明員 当面の造船需要の谷間を埋めるために官公庁船の早期代替建造をやるべきであるということにつきましては、先国会でも御決議をいただきまして、私どもといたしましては、海造審の答申も明日出ますから、そこで全体の絵がかける段階になってきたと思います。そういう意味で、従来から関係の省庁と連絡をとりつつやっておりますので、これをできるだげ早く数字を固めまして、具体的な予算要求の形に持っていきたいと考えております。
 これらの中で、中手あるいは中小造船所の仕事として消化し得るものをなるべく広くという観点から、先生御指摘のように海上保安庁の船については海上保安庁と協議をしまして、大手とジョイントベンチャーを組んで、仕事の大半は中手以下に行くようにということをやっておりますが、これは引き続きやると同時に、その他の工事についても、できる限り中手、中小造船所に行くべく関係各省にもお願いをしつつあります。この点につきましては、今後とも引き続き私どもの省で関係しておる公団等に限らずお願いをして、仕事量の確保に努めたいと考えております。
○斉藤(正)委員 次に、ソ連船の改造並びに修理でありますが、水産庁がソ連船の修理に関する日本政府の許可条件というのを七項目出しておって、ソ連船側としては日本の造船所で修理、改造はしにくいという受け取り方をしております。しかし、詳細に検討してみると、この七条件というのは条件であって条件ではないんですね。何かああいう国ですから、間違えて解釈しているのじゃないかと思われる節さえございます。それは漁場から直接ドックへ入ってはいかぬ、ドックから直接漁場へ行ってはいかぬというようなことがあるのですが、これは母船ですから、改造、修理のときには船員以外を乗せてくるわけはないのです。だから、ウラジオなりナホトカへ行って工員はおろして最低の船員で入ってくるのに間違いない。また出かけるときも、基地へ行って工員を乗せて出るのに間違いはないですね。国際的な感覚といいますか、その点で何か誤解をしている面があると思うのです。水産庁並びに外務省から来ていただいて聞きましたが、なるほどそういうPRといいますか、真意が誤解をされている点もあるかのように聞いているわけです。
 しかし、ほとんどと言っていいかと思いますが、日本の造船所でつくった船です。それがいま香港やシンガポールへわざわざ行っているわけです。それはコストの面もあると思います。もう一つは、代金支払いの方法が、ドルのないソ連としては水産物並びに加工物で弁済をしたいというようなややこしい問題もあると思うのです。しかし、事こうなったら、ソ連の船だろうがキューバの船だろうが、とにかく日本の造船所で修理、改造をやるという方向に踏み切るべきだと私は思うのです。
 大臣、ソ連漁船の修理に関する日本政府の許可条件というのを御存じでありましたか。――いや、謝敷さんは知っているに違いないですよ。大臣に聞いているのです。こういうものはあっても実際の障害にはなっていないのだから、外交ルートを通じてソ連船の日本造船所における修理と改造を要請するお気持ち、同時に水産庁、農林省、外務省等々と連絡をしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○福永国務大臣 まず、そういうことを知っているかというお話でございますが、正直に申し上げまして私、余りよく知っておりません。しかし、いい話をなすっていただいたと思っていま伺っておりましたので、早速私は私なりに調査いたしまして、お話しの趣旨のことを関係者の方にも連絡をいたしたいと考えております。
○斉藤(正)委員 時間がなくなりましたので、最後に一点だけ解撤事業のことですが、これは一度軌道に乗りかけたと思ったら何かしり切れトンボになってしまって、最近また特殊会社を造工が中心になって金を出すし政府の助成も得てやりたいというような気配もうかがわれるわけであります。解撤事業というのは、いまの造船所にとっては非常に重要なことだと私は思うわけです。方法はどうであれ、やはりこの解撤事業を軌道に乗せることがあらゆる角度から、造船対策の一環としてもあるいは省資源、設備活用といったような面から言っても有意義なことだと考えているわけです。何か足踏みをしているようにしか思えませんけれども、現状並びに展望について大まかには大臣から、細かくは局長からお答えをいただきたい。
○福永国務大臣 詳細には局長から答えさせますが、事実、私のところへも関係団体、関係業者の代表者等が非常に強い熱意を示してきておったのでございます。おっしゃるとおり、ちょっと足踏みの感なきを得ないということでございますが、いまそういうことについて適切な対処をするということは特に必要であろうと思います。早速そういうことについて私は私なりの努力をいたしたいと思いますし、また関係省庁とも連絡いたしまして、特に私どもの方ではそういう趣旨でいままで来ておりますが、そういう気持ちでいま局長からもお答えさせたいと存じます。
○謝敷説明員 いまの問題につきましては、五十二年度予算の執行から細かく検討をしてまいりますと三つ問題がございます。一つは船舶の購入費の水準の問題、もつ一つは出てまいりますくず鉄の売り値価格の水準の問題、それからもう一つは解体工費、金利を含めたコストの問題、この三つに分かれます。
 それで、日造協が解撤をいたしました五十二年度の実際にでき上がりました実績から申し上げますと、解体費が船の重さ当たり九十ドル程度であったものが、幸いに国内の捕鯨母船その他のスクラップの船が出てまいりました時点では五十ドル前後ということで、六百五十円の補助金で採算がとれたわけでございますが、それらが一般的に外国船あるいは国内の大型船を買いますと、依然として九十ドル台でございます。したがいまして、この意味では円高ということで、若干ここは外国から買います場合には下がってまいりますからプラスになります。それから収入の面は、大体五十二年度に比べまして、最近の状況で棒鋼等が若干上がってきておりますので安定をしておりますが、そう上がってはおらないということで、いまコストの切り下げについて真剣に努力をしておるわけです。
 そのうちで、解体コストについては昨今のような状況でございますから、造船会社も言うなればコストのうちのチャージ、固定費の割り掛けとかあるいはウエージについて工夫をするとか、こういった問題の工夫をしまして、大体赤字幅が五十三年の四月で約一万二千円ぐらいから六千円ぐらいまで下げてくる試算をしていま詰めてきております。したがいまして、この六千円の中の赤字幅であとどのぐらいその企業努力でやれるか、あと残りをどういつだ形で助成するかという問題になってくるかと思います。
 そこで、その問題を含めて、その問題とも相関連するわけでございますが、余り大量にやりますと買船価格が上がり、くず鉄価格が上がるということもありまして、確かに仕事量確保ということで多いことが望ましいことについては関係者一致しておりまして、そこのバランスをとるということで目下鋭意検討を詰めておりまして、何とか予算要求に持ち込みたい、こう考えております。
 当初、造船工業会等の首脳部がお見えになりましたときは、この点については、ほとんどコストを切り下げて採算に合うという御決意を示されたわけでして、これが約半分までは落ちてきておりますが、これについては先ほど申し上げたような観点から、さらに急いで詰めて具体化にこぎつけたい、こう考えております。
○斉藤(正)委員 五十二年度予算が三分の一しか使われていなかったというようなことは、これは初めてのことですから、あつものにこりてなますを吹くようなことがあってはならぬと思うんですよ。いま一つの柱はやはり解撤事業、しかもドックを使えば――いま洋上解撤ですね、ですから、ドックを使えば、非常に能率が上がることも事実だし、それから銅に対して価格指示制度が通産省のお骨折りで間もなく実現をする段階にあるわけですが、鉄くずを安いときには補償するよ、そのかわり高くなったら吐き出せよというような方法で、やはりスクラップの価格指示制度を、鉄は銅に比べれば十分の一もしないからだめだという意見もありますけれども、検討していただけば、私は、解撤事業というのは日本の造船施設を使う一つの生きる道だ、いつまでもじゃないんですから、ここ四、五年、全力を挙げてこの解撤作業を進めていただくように強く要望して質問を終わります。
○増岡委員長 午後二時から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
    午後一時三十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三分開議
○増岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。石田幸四郎君。
○石田(幸)委員 私は、最初に、公共事業の問題で運輸大臣並びに国鉄総裁にお伺いをいたします。
 私が質問をいたそうとします趣旨は、本年度の予算が、いわゆる景気回復のために大型予算が組まれたわけでございますけれども、そのうちの公共事業が景気対策のかぎである、このように政府は明言をして、この大型の予算になったわけでございます。したがって当然、この公共事業投資が景気回復への大きなくさびにならなければならないわけでございますけれども、去年の予算委員会では私がやりましたし、また本年の予算委員会においてはわが党の坂井委員が公共事業投資の前受金の問題で政府にいろいろ御注文を申し上げたわけでございますが、いわゆるいま政府諸機関が行っております公共事業の契約、これは原則的に三〇%ないし四〇%の前受金が渡されることになっております。しかしながら、元請が前受金を受けながら下請にはその前受金がほとんど渡っていない、そういうような状況があるわけでございまして、これは私、非常に大きな問題だと従来から考えておるわけでございます。
 公共事業が三兆五千億といたしますと、その四〇%ということになりますと大変な額になります。それだけのお金が現に元請に回っておるのでございますけれども、実際に不況のために金繰り等で非常な困難を来しているのは下請業者でございます。しかも、下請の場合は大体出来高払いで、いいところで現金が半分、手形が半分、そのうち百五十日くらいが標準で半分、それから百二十日くらいが半分というような状況が見受けられるわけでございます。公共事業投資が景気回復のかぎであるならば、当然そういった中小企業まで公共事業の恩典が回っていくようでなければ真の意味の景気回復にはならない、こういうふうに思うわけでございます。ところが、前受金に対する元請の態度というものが非常に下請を圧迫している、そういう状況にあるのではないかと私は思います。現にいろいろな下請業界の話を聞きますと、非常な不満を訴えておるわけでございます。
 そういった意味で、去年の予算委員会、ことしの予算委員会と続いてこれを追及した結果、政府はまずこれの下請への発注状況はどうなっておるか、前受金の受け取り状況はどうなっておるかということについて調査を約束いたしたわけであります。そして六月の二十九日、建設省並びに大蔵省からその調査の結果が発表になりました。そして公明党が指摘をしたように、確かに前受金の受け取り状況というものは、元請業界は潤っておるけれども、下請は潤っていない、そういう数字が発表されて、建設省からは、今後この問題については厳重に指導いたします。こういうようなことが発表になっておるわけであります。そして六月三十日には、NHKの朝のニュースでこの問題が取り上げられております。
 理解を得るために、大蔵省が調査をいたしました結果について、その資料を一部だけ読み上げてみますと、たとえば前受金の受け取り状況について、これは五十三年二月末の問題でございますが、元請業者数が三百五十、請負金額が八百九十七億四千九百万円、前受金の受け取り額が三百六十二億一千五百万円、約四〇%前受金を受け取っておるわけであります。それに対して第一次、第二次、第三次、第四次の下請を含めて業者数が五百六、請負金額が二百六億九千八百万円、前受金の受け取り額が九億四千六百万円、わずかに四・六%。これは三百五十業者を対象にした調査でありますが、それだけを調査いたしましても、元請は前受金を四〇%受け取っており、下請は一次から四次まで含めてわずかに十分の一、まさにわが党が指摘をいたしたように、前受金の効果というものは元請にのみ集中しておって、下請は全く潤っていないという結果が発表になったわけでございます。
 そこで、運輸省もいろいろな公共事業投資をしていらっしゃるわけでございまして、一般会計、特別会計を含めて三千三百四十五億。それから国有鉄道で一兆一千五百九十四億、公団及び事業団で四千四百三十億、合計で一兆六千二十四億の歳出予算現額であります。
 まず、運輸大臣にお伺いをいたすわけでございますが、公共事業投資に対して工事を受け取るときに、元請がどうもいまのように前受金の利益を享受して下にはさっぱり渡そうとしない、そういうような姿勢についてどうお考えになるでしょうか。私は、景気対策のためには当然一番苦しいところへの配慮というものが必要であろうと思うし、また、これは公取委員会においても問題にしたわけでございますけれども、自分たちは多額の前受金を受け取って、そして出来高払いの長い手形というような状況は、やはり優位性を中心とした不公正な取引につながるのではないか、こういう疑いも公正取引委員会では表明しておるわけですね。
 これは予算委員会の議事録を読んでいただければおわかりのとおりでございまして、私は、希望を申し上げるならば、今後運輸省においても、建設省と同じくこの公共事業投資の前受金に対しては、当然二次、三次、四次の下請にもある程度の金額を渡すべきではないか。特に下請の状況を見ますと、元請から材料を支給されるというケースよりも、自分たちが材料をそろえなければならない、自分たちが労務者をそろえなければならない、こういうような状態にあるわけでございます。そして仮に、これが百二十日の手形といたしますれば、三カ月の労務賃、人件費というものを自分たちは毎月払わなければならないけれども、現金化されるのはかなり後。仮に手形の割引をしたといたしましても、それだけの利益の中からさらに金利を削られるわけでございます。そしてまた、公共事業投資の状況を見ますと、ひどいところになると、元請は監督だけ、実際は第一次の下請がやっておる。その第一次の下請も、二次、三次を使って、実際の自分たちの労務提供というものはきわめて少ない。そういうようなことが私は一般的な現象ではないかと思うわけでございます。
 これは大臣が所管をしておられる港湾事業の問題にいたしましても、空港整備事業の問題にいたしましても、あるいは鉄建公団にいたしましても、国鉄等においても、いずれにおいても、そういうかなりの下請を使っていらっしゃるということは御存じだと思いますが、そういうようなところの苦しい状況等も勘案をされて、いま私が述べた状況に対してどんなお考え、御認識をお持ちであるか、あるいは今後どのような方針を指示しようとなさるのか、まずお伺いをいたしたいのでございます。
○福永国務大臣 お話しのような点につきましては、景気対策というようなことから申しまして、政府が行う施策ができるだけ広い波及効果をもたらしていくということがぜひ必要である、こういうように考えます。
 先ほど数字等も伺いましたが、運輸省の場合、請負業者がさらに自分のところからどれだけの部分を下請の方へ仕事を頼んだか等によって事情はいろいろであろうと思いますが、いずれにしても、元請の方だけに金は行ったが、それから下へはろくに行かないということは、はなはだおもしろくないわけでございまして、私どもの関係の方では、できるだけ早く契約等も促進をいたしまして、これは私どもの方ばかりではなく、政府全体についてもそういう考え方のもとに、今年度なんかも従来よりはできるだけ早く契約等もする、これは契約をするばかりでなくて、契約をすればお話のように金も政府からある程度のものは渡るということでございますから、せっかく渡ったものの下請等に及ぼす効果が期待のようなことでないということは非常に残念でございまして、実際どういうことであるか私、必ずしも明確にいたしておりませんが、先ほどからお話しのような御趣旨に沿ったことでなければならぬ。従来ともそうでございますが、今後さらに一層、そういうことになるようにわれわれは諸般の施策を講じていかなければならない、こういうふうに存じております。
○石田(幸)委員 官房長に伺いますが、いま大臣が御答弁になったお考えは、当然私は政府の方針としてそうあってしかるべきだと思うのでございますが、国鉄の部分は除きまして、一般会計、特別会計その他公団、事業団等の問題においてかなりの金額が支出をされようとしているわけでありますが、これに対しての前払金の状況はどうでございますか。国鉄関係を除いては全部前払金を出す制度になっておりますか、お答えいただきます。
○中村(四)説明員 ただいま先生から五十二年につきまして政府全体で調査いたしました結果につきましてお話がございましたが、私どもの関係におきましても、こういった各省歩調をそろえての調査におきまして、当省関係も四十八件の工事につきまして調査を実施したわけでありまして、その中で、いまのお話の元請における前払金の受け取り状況、これについて申し上げますと、請負額に対する割合は、調査対象全体で平均が、先ほど先生も申し述べられた四〇・四%という状況になっておりますが、私どもの関係の港湾、空港で三九・七%、国鉄四四・二%、日本鉄道建設公団四四・二%ということになっております。また、元請におきます下請への代金支払い状況を見てみますと、政府全体の調査対象として平均四・六%になっておりますが、港湾、空港で前払金の比率が一五・五%、国鉄はこの調査ではゼロになっておりまして、日本鉄道建設公団は〇・二%という比率になっております。港湾、空港につきましては、下請業者に対する前払金の支払率が調査対象全体平均をいま申し上げましたように上回っておるわけであります。国鉄、鉄建公団につきましては、前払金がほとんど支出されていないような数字になっておりますが、下請業者におきまして工事施行の当初に資金を必要とする仮設備なり主要資材については、元請の方で設置したりあるいは購入して使用させる、所要資金につきましては月々出来高払いをしているというような理由によるわけでございます。
○石田(幸)委員 運輸省の特別会計事業、これについては下請に渡っている状況が比較的いいようでございますけれども、国有鉄道の問題は後でお伺いをいたしますが、鉄建公団、その他については余りよくないということであります。前払金の状況について、下請が必要がないというようなデータが、この大蔵省のデータの中にも出てはおるのです。しかし、これはいわゆる力関係によってこういうふうになっているのであって、実態はそうじゃありませんね。下請がぜひ前払金の一部をもらいたい、あるいは工事に対する幾らかの着手金をもらいたいなんて言うと、そんな資金力のないような会社だったらうちの方は仕事をしてもらわなくても結構だ、これが町の状況なんですよ。私たちも一つずつ聞いてみていますけれども、ほとんどそう言われるから絶対にそういうことは言い出せない。そういう状況の中でこういう調査をするわけですから、きわめてインチキな報告が出てくるわけですよ。
 この大蔵省の前払金に対する下請業者の要望というものを見てみますと、前払金を必要とする一次下請が一二・八%、二次下請が一一・一%、三次が一一・八%、四次がゼロというようなことになっておりますけれども、こういうようなことは、いま私が述べたような状況があって、そういう制約があってのデータとして出てきていることを十分勘案していただかなければならないと思うんですね。
 そういうわけで、いま大臣が言われたような方針で、やはり今後、建設省等と連絡をとって、この前払金の支払いをどうするかというルールを当然つくっていかなければならないと思うのです。そういうものを慣行的に決めておかなければ、口先だけで――元請と下請との関係は力関係によって決まっておる、そういう状況を見ますと、来年度も恐らくかなり大型の予算を組まなければならぬだろうと思うのです。そういう場合にも、また結局景気効果という点から考えても支障があるし、いわゆる取引の公正化という点から考えても、なお問題は公正取引委員会から指摘されておるわけですから、そういう意味からもそういったルールをつくらなければいかぬと思うのですが、官房長、どうですか。
○中村(四)説明員 公共工事等の下請事業者、これは主体としてはやはり建設業法に基づく建設業者になるわけでございます。したがいまして、これの所管官庁である建設省などとも私ども十分連絡調整を図りまして、そして発注者あるいは発注者を監督する立場、そういう役割りにおきまして、いまもお話ございましたような景気浮揚の問題あるいは公正取引の問題、そういう視点を踏まえまして、下請事業者に対して過重な負担がかかるということのないように努力してまいりたい、かように考えております。
○石田(幸)委員 いま私が御質問申し上げた趣旨は、努力をするというだけではだめだという話を申し上げておるのであって、やはりこれはルールづくりをしなければだめなんですよ。ですから、恐らく運輸省としても通達を出されるのでしょうけれども――これは出しましたか、まだ出しませんか。出したか出さないかもお答えいただきたいけれども、あくまでもそういうふうに元請と下請との関係は力関係によって決まるわけでございますから、どうしても一定のルール化をしない限りにおいては、これはそのとおり流れていかないわけです。公共事業投資の前払金は流れていかない。それでは先ほど言った二つの意味から言っても意味がない。これはどうしても改善をしてもらわなければならぬ。だってそうでしょう。仮に百億の工事を請け負ったとします。四〇%というと四十億ですよ。その四十億のお金を元請企業はもらって銀行なら銀行に入れておく、それについてしかるべく金利はつくでしょう。ところが、実際の支払いは出来高払いの五〇%、いいところであとの五〇%は百二十日の手形というような状況ですよ。どう考えたってこれは公正な取引とは言えない。それを文句言ったならば、おまえのところは結構だというふうに断わられるわけでしょう。
 そういうことから考えると、どうしてもこれは改善をしてもらわなければならぬ、そういった意味で私は申し上げておるわけですから、もう一度御答弁いただきたい。たとえばそういうような行政指導に従わなかったならば、一定期間指名業者を取り消すぐらいの強い態度でこれは臨まぬ限りは改善はできませんよ。どうですか。
○中村(四)説明員 元請と下請の関係で確かに先生御指摘のような力関係の作用というものが入ってくるわけでありまして、したがって、私どもとしましても、いまの御趣旨のような流れをスムーズに実現していくというためには、そこに一つの目安と申しますか、基準と申しますか、そういうものが考えられるわけでありまして、それらにつきましては、しかしながらいろいろな要素がございますので、これらにつきまして私ども十分検討して、その改善を図っていきたい、かように思います。
○石田(幸)委員 前向きの御答弁で非常に結構でございますが、来年度の予算までに間に合いますがいかがですか。
○中村(四)説明員 これは私ども自体でも考えてまいらなければなりませんが、やはり相手方、建設業者との関係がございますので、所管の建設省とよく連絡調整しながら、いま申し上げましたような趣旨で進んでまいりたい、かように思います。
○石田(幸)委員 これは大臣に御要望申し上げるわけですが、しかし、この慣習は長い間来ておるわけですよ。景気がよかった時代はまだいいのですけれども、しかし、不景気になってからもうすでに数年を経過するわけでございまして、下請業界のいろいろな倒産状況を見ておりましても、建設業界の倒産件数というのは、全体の倒産件数から見ても決して少ない数ではないと思うのです。
 そういった意味において、どうしてもこれは来年度の予算執行のときにはそういったものが慣行化されるような方向に行かないと、せっかく政府が金を出しても元請でとまっているような状況ではやはりだめだと思うのです。この点ひとつ御努力をいただきたいと思うのです。何とか来年度の予算執行のときまでにはこれがルール化される、そこら辺のところ、建設省と御相談の上、執行できるようにやってもらえないだろうか、こんなふうに思いますが、いかがでしょうか。
○福永国務大臣 石田さんのおっしゃるようなことは大変望ましいことだと私も思います。途中で金がとまっているようじゃ景気がよくならないので、できるだけ早く景気回復をさせる、こういうような見地から私もせいぜい努力をさせていただきます。建設大臣等とも相談をいたすことにいたします。
○石田(幸)委員 重ねて恐縮でございますが、佐世保重工みたいな大きな会社が倒産をしますと影響力が強いというので、これは政府としても鋭意いろいろ御努力をいただいておるようなわけでございますが、大手の建設業界にいたしましてもそんなにつぶれそうなところはないと思うのです。しかしながら、下請の方は非常に厳しい状況に置かれておるわけでございますから、特にこの点はお願いを申し上げたい。
 それから県の独自の事業あるいは大きな市の独自の事業も、そういうようなことが慣行化されますれば、そういうものに右へならえというようなことになって、日本経済に対する波及効果というのは非常に大きいと思いますので、ぜひひとつ真剣にこの問題とお取り組みいただきたい、こんなふうに御要望を申し上げておきます。
 それから次に、国鉄にお伺いをするわけでございますが、国鉄の歳出予算現額一兆一千五百九十四億、非常に大きいわけでございますが、国鉄において前払金を出しているケースと出していないケースと両方あることを私もよく承知いたしております。
 まず、最初にお伺いをするわけでございますが、この中で前払金を出しているのは何%くらいございましょうか。まず、それからお伺いをいたしましょう。
○馬渡説明員 ただいま手元で集計ができております分が五十一年度でございますので五十一年度の数字で申し上げますと、約六百億円を前払金として払っております。工事の規模が五十一年度におきまして六千八百億円でございましたので、それに対して約九%くらいに当たるという数字でございます。
○石田(幸)委員 総裁、前払金を払っているケースは九%というお答えがいま出てまいりましたけれども、これとても五十一年度六百億、五十二年度で九%といたしますと、やはり一千億近い金になってくると思うのです。やはりかなりの影響力があるわけでございまして、いま私が申しましたように国鉄の方は線路をつくるとか駅舎をつくるとか、いろいろの状況が他の一般的な公共事業とは若干趣を異にするかもしれませんけれども、下請の方の窮状をお考えいただいて元請に対する強力な指導をぜひお願いしたい、こう思うのでございますけれども、いかがでしょうか。
○高木説明員 元請と下請の関係はなかなか複雑なようでございまして、私もよく事情をつまびらかにいたしませんが、先ほど来御指摘になっておるような問題があることは事実でございますので、鋭意そういう方向で元請が行動いたしますように、いろいろな機会を通じて指導と申しますか呼びかけてまいりたいと思います。
○石田(幸)委員 それでは総裁の方は結構でございます。あと馬渡さんの方にいろいろお伺いいたしますので……。
 さて、そういう状況で、きょうの委員会において一歩前進をしたと思うのでございますが、このうち国鉄の前払金の問題について金利を取っていらっしゃるんですね。これは建設委員会等においても問題になったわけであります。政府に対する質問主意書等が出されておりますが、その答弁書を見ましてもなかなか改善がむずかしいように言われております。また国鉄の財政状況から見てこの金利の問題、それぞれの事情があってのことだとは思いますけれども、どうも釈然としない。いままでの答弁の中でもはっきりしないという状況があるわけでございます。一体国鉄当局としては、前払金に金利を付するという問題についてどういうような根拠でおやりになっていらっしゃるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○馬渡説明員 国鉄におきまして前払金を払いますのは、日本国有鉄道法第四十三条の規定に基づきまして、運輸大臣の認可を得て定められた会計規程基本事項において支払うことができることになっております。この利子の分につきましては、部内の規定ではございますが、前金払及び概算払取扱基準規程に基づいてこれを収受することにいたしております。
 国鉄が金利を収受する理由といたしましては、国鉄の工事の代金の支払いにつきましては本来、契約が履行完了後行うべきものであるという考え方でございまして、実際に仕事のやり方といたしましては、二カ月ごとに出来高を見ましてその分の支払いをいたしておるかっこうで、契約が履行完了後行うべきものであるという考え方に立っておるわけでございます。
 その前払金を払います場合には、その履行完了後という前になるわけでございまして、実は、その契約の前に国鉄が積算をいたしております。普通の場合には契約履行後ということで、その間の金利の点は相手側で負担があるものという前提での積算をいたしておるわけでございます。それがございますので、前払金につきましてはそれより早く支払うということで、こちら側としてはその分の金利をいただくということでございます。
 それと、もう一つは国鉄の資金事情でございまして、本年度、五十三年度におきましては、七百三十五億という利子のつかない助成をいただけることにはなりましたけれども、全体の工事九千五百億から見ますれば、まだ大部分が利子のつくお金をもって工事に充てるということになっております。そういう関係で、国鉄としては前払金についての利子をいただくということでございます。
 なお、この場合にはこのような条件であるということを前もって業者側も承知しておられます。その条件のもとで要請があった場合にお払いをするというふうな考え方をとっております。
○石田(幸)委員 建設省にお伺いしますが、国鉄さんのお話を伺うと部内規定である、そしてまた、高い金利の金を使っているから前払金の中から利息をもらっておるということ、あるいは当然金の手当てをしなければならぬわけでございますので、そういうことも見込んで等のお話があったわけでございますが、建設省の管轄下においても当然金利のつく金、財投等から回っている金は金利がつくと思うのですが、それについては、前払金に対して利息を取っている例はありますか。
○永田説明員 お答えいたします。
 つまびらかに調査した資料はございませんが、利息を取っている例はない、かように考えております。
○石田(幸)委員 それでは、大蔵省と会計検査院にお伺いをいたしますが、この前払金の規定というのは一体どういうふうな規定なんでございましょうか。工事の代価と見るのか、あるいは工事に対する事前の融資というふうに見るのか、その点が一点。それから、国鉄の前払金に対して利息を取るという問題はどういう法的な根拠があるのか、この二点について、大蔵省並びに会計検査院それぞれにお伺いをいたしたいと思います。
○宍倉説明員 お答えいたします。
 まず、前払金は代価なのか、あるいは融資なのかというお尋ねでありますが、国の公共工事の前金払いにつきましては、公共工事の前払金保証事業に関する法律というのがございまして、これに基づく保証事業会社により前払金の保証がされた公共工事の代価につきまして、その工事の適正な施行に寄与するため前払金を払う、こういうことになっております。したがいまして、この前払金は法律的には工事請負代価の決済の一方法であるというふうに言えると思いますが、その経済的機能からいたしますと、公共工事の適正な施行に寄与するために行う必要な資金の融通という金融的な側面もあろうかというふうに考えております。
 それから、前払金につきまして国鉄で金利を取ると言いますか、金利を徴すると申しますか、その法律的な根拠は何かということでございますが、先ほど馬渡常務理事の方から御答弁がございましたように、国鉄の会計規則につきましては、国鉄が運輸大臣の認可を受けてつくるということになっておりまして、大蔵省といたしましては、そのできたものにつきまして通知を受けるという立場になっております。したがいまして、私どもといたしましては、国鉄がと申しますか国鉄総裁がと申しますか、そこでおつくりになりまして、法律上の根拠をお持ちの会計規程に基づきまして、その調整がなされているというふうに考えております。
○東島会計検査院説明員 お答えいたします。
 国の工事の場合と国鉄の工事の場合とを比較してみまして、それぞれ実情に応じました予定価格の積算体系というものをとっているわけでございます。その中で特に金利に関係のあるところと言えば、諸経費率というところで金利を一つの要素として計算しておりますが、この諸経費率のとり方が、私ども検査の際いろいろ聞いてみますと、国の場合と国鉄の場合と多少違うようなふうに聞いておりまして、この諸経費率のとり方によって金利を取る、あるいは金利を取らないという差が出てくるのじゃないか、このようにわれわれは理解しております。
 そして私ども、国鉄を検査する立場から申しますと、現在の国鉄の予定価格積算体系から見ますと、前払金に対する金利を取るということも是認できるのじゃないか、このように考えております。
○石田(幸)委員 御答弁をいただきましたけれども、なおまだ納得がいかないわけですが、鉄監局長にお伺いします。
 この前払金に対する利息の問題は、国鉄の会計規則による、そしてこれを運輸省が認可したものだということでございますが、しかし、これだけ多額の金額が法的根拠がないという状況の中で支出をされているということは、私はおかしいと思うのですが、この国鉄の会計規則の利息を取るという問題は、どういう法的根拠に基づいて運輸省が国鉄の会計規則のこの問題を認可したのか、そこら辺の点についてはどうですか。
○山上説明員 ただいま先生御指摘の法的根拠でありますが、先ほど馬渡理事の方からも御答弁申し上げましたが、国鉄法の四十三条に基づく運輸大臣の認可ということで、そこに法的根拠がある、このように理解しております。
○石田(幸)委員 大蔵省にお伺いしますが、三公社五現業のうち、このような利息を取るケースというのはどことどこだけですか。
○宍倉説明員 お答えいたします。
 私どもで聞いておりますのは、国鉄、それから電電公社、それから鉄建公団は三公社五現業ではございませんけれども、鉄建公団は国鉄と同じような扱いになっておるというふうに聞いております。
○石田(幸)委員 そうすると、三公社五現業のうち二つだけは利息を取っているけれども、あとの六つは取らない、これは政府としては非常におかしいのじゃないですか。なぜそういう違いが出できたのか、なぜそういう違いが許されるのか、その点について明確な御答弁をお願いしたいと思います。
○宍倉説明員 先ほども申し上げましたように、三公社、たとえば国鉄、電電公社、専売公社、それぞれの会計規程は、それぞれの国有鉄道なり電電公社なり専売公社なりがつくるという形になっているわけであります。ただ、そうは申し上げましても、中身としてはそう変わったものにはなっておらない、そう極端に違う話にはなっておらないわけですけれども、前金払いにつきまして金利を後で調整するかどうかという問題につきましては、先ほど会計検査院から御答弁がございましたように、その公共工事にかかります積算と申しますか予定価格と申しますか、そういったものの考え方の違いから出てくるものかと存じます。その辺のところは、それぞれの公社がそれぞれの独自の判断でおやりになることでありまして、それを必ずしも統一しなければならないという話ではないのではなかろうかと考えております。
○石田(幸)委員 いまの大蔵省の御答弁でございますけれども、しかし不統一であることは事実ですね。これは調整する必要は全くないのですか。おかしいじゃないですか。たとえば住宅公団だってかなりの赤字を抱えておるわけでしょう。国鉄も赤字を抱えておる。その赤字を抱えた住宅公団の前払金は利息を取らなくて結構、国鉄だけが取ってもいい、これは明らかに行政当局の不統一を物語っておるじゃないですか。おかしいですよ。これはもう一度ひとつ御答弁をいただきたい。積算根拠が違うからといって、それじゃどれだけ違うのですか、明確な御答弁をしてください。どこがどれだけ違って、そのゆえに金利調整をしなければならないのだというならわかるけれども、単に積算根拠が多少違うからというだけでは、いわゆる言葉じりの上の問題であって、これでは国民の前に明らかになったとは言えませんよ。
 それからもう一つ、鉄監局長にお伺いしますが、四十三条を拝見をいたしました。この第四項を見ますと「日本国有鉄道は、第一項の会計規程を定めるときは、その基本事項について、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更するときも同様とする。」恐らくこの項目の問題だと思うのですけれども、の裏にある法的根拠というものは一体どうなるのですか。ただ運輸大臣が、おまえのところはそれでよろしいと言えばそれで済むのですか。この二つの点をお伺いします。
○山上説明員 先ほど申し上げました国有鉄道法第四十三条の規定に基づいて運輸大臣が認可をしているというのは、いま先生が御指摘のとおり、同条の第四項に「第一項の会計規程を定めるときは、その基本事項について、運輸大臣の認可を受けなければならない。」こうなっておりまして、この基本事項につきまして認可をした、その対象として前払金の支払いに関する規定がある、こういうことを申し上げました。
 なお、前払金についての利息分の収受につきましては、この会計規程に基づきまして、国鉄総裁が内部の実施規定としてルールを設けておるということでありまして、その中身につきましては、国鉄法上直接に運輸大臣の認可の対象にはなっていないということでございます。
○東島会計検査院説明員 先ほどの先生の第一の御質問に対しましてお答えいたします。
 先ほど私が答弁したのは、ちょっと言葉が足りなかったかと思いますが、私どもは三公社五現業についても検査しておるわけでございますが、積算体系の根拠になりますいろいろの業態調査というのがございまして、これは国鉄は国鉄の工事を受注している業者をグループにして集めましたいろいろのデータをとります。電電公社は電電公社、専売公社は専売公社ということで、おのおのグループごとにいろいろの財務資料をとりまして、その中から諸経費率を決めてまいります。これはいわば長い歴史的な経緯がございまして、その中から諸経費率をどうするかということを決めておるわけでございます。したがいまして、建設省で決められた諸経費率と国鉄その他で使っております諸経費率は、自然とその辺で差異が出てくるわけでございます。諸経費率そのものにつきましては、これは予定価格の積算の大きな要素になりますので、数字的な御答弁は差し控えさせていただきたい、このように思っております。
○宍倉説明員 ただいま会計検査院から御答弁申し上げたところで私が先ほど申し上げたところを補足していただき、さらになお詳しく申し上げたかと思いますので、それによって私の答弁にかえさせていただきたいと思います。
○石田(幸)委員 それでは、三公社五現業の実態、それぞれ積算調査のいろいろな業態が若干違うので利息を取るのもやむを得ない、こういうような見解だと思うのですが、これは不統一ではない、こういうふうに強弁をなされるつもりですか、お答えをいただきたい。
○宍倉説明員 形式的に見ますと、先生おっしゃるように不統一と言えるかと思います。ただ、実質的なもとの根っこになっております考え方につきましては、統一された考え方の基盤があるというふうに思います。
○石田(幸)委員 なお、私は納得がまいりませんけれども、それ以上の御答弁は無理なようでございますので、これで打ち切りをいたしますが、しかし、これはどう考えてみたって、もっと明確な形にしなければならないと思います。国鉄が利息を取る取らないの問題、いまの経営状態の中から見れば、苦肉の策であろうとは思いますけれども、しかし、民法上の規定を見ましても一不当利得の規定というのは「法律上ノ原因ナクシテ他人ノ財産又ハ労務ニ因リ利益ヲ受ケ之カ為メニ他人に損失ヲ及ホシタル者ハ其利益ノ存スル限度ニ於テ之ヲ返還スル義務ヲ負フ」というふうにありまして、「法律上ノ原因ナクシテ」ということが、いわゆる行政の一番大きなポイントでなければならないと私は思うのです。
 そういった意味において、いろいろいままでお伺いをいたしておるわけなんですけれども、明確な法律の規定というものはないんですね。ここら辺をきちんと整備してもらわなければならぬ、こういうふうに思います。いろいろうなずいていらっしゃる方もおりますので、これ以上のことはやめますが、しかし、いつまでも疑問を放置しておくわけにいかないと思いますので、ひとつ明確な形に改めていただきたい、こういうふうに思います。
 それからもう一点、国鉄がいろいろ工事を請負契約いたす場合に、鉄道債券を担保にとっていらっしゃいますね。たとえば、これは何年度でもいいですが、概数で結構ですが、一体年度で担保される鉄道債券というものはどのくらいあるのか、ここら辺おわかりだったらお答えをいただきたい。
○馬渡説明員 前払金をお払いしております場合の担保としては、約三分の一が鉄道債券を担保にして前払金をお払いしておるという実情でございます。
○石田(幸)委員 ちょっとこれは素人的な発想かもしれませんけれども、鉄道債券というのは国鉄が借金のために発行するものですね。それを担保にとるというのはどうも矛盾しているように思うのですけれども、この辺の考えはどういうことになっているのですか。
○馬渡説明員 前払金をお払いする場合の担保につきましては、鉄道債券であるとか銀行保証でございますとかそれぞれございます中で業者側がどれを担保に出すかということを向こう側の選択でお決めいただいているわけでございまして、こちら側はその条件の一つとして鉄道債券も担保としてよろしいのだというふうにしておるわけでございます。
○石田(幸)委員 鉄監局長に御答弁いただきたいのですが、そういう形で担保は鉄道債券、向こうの希望とはいうものの、その現実的な仕組みというのは、そうしますとできるだけ鉄道債券を買っていこうというようなことになって、業者と国鉄との工事請負というのは非常に密着性のあるそういうような状況になってきますね。ここら辺のところも余り明朗な話ではないと思うのですが、どういうお感じをお持ちでしょうか。
○山上説明員 ただいまの国鉄側の答弁にもありましたが、前払金の担保といたしましては、適格性あるものはいわゆる有価証券の中で鉄道債券に限りません。国債も先生御承知のとおりですが、その他金融債等、あるいは銀行の連帯保証書でもいいわけであります。そういうことで選択の範囲があるということと、もう一つ、この鉄道債券を担保にいたしましたときには、先般来先生御指摘のいまの利払いの利息でございますが、その利息につきまして、一般ですと六分五厘ということになりますが、鉄道債券を担保に供した場合には五分九厘になる、このような優遇策もあるわけでございます。したがいまして、業者がどれを選択するかということは業者側の任意で決まるわけでございます。
○石田(幸)委員 私が申し上げている趣旨は、そういうことではないのでありまして、三分の一担保されているというのでしょう、そうすると、五十一年度においては六百億の前払金でありますから、二百億鉄道債券を買っておるわけです。買ったところが当然有利になるというようなことになりますね。そこら辺で余り不明朗な契約にならないようにひとつ御注意をいただきたいという趣旨でございますので、なお、お考えをいただきたいと思います。
 残念ながら明確な御答弁がないままに終始してしまい、時間もございませんので、これでこれ以上のことはやめますが、どうかひとつきょう取り上げた問題については、それぞれ関係当局におかれましてもう一考をしていただきたい。このことを御要望申し上げておくわけでございます。
 最後に、時間がありませんので、航空局長に一点だけお伺いをいたすわけであります。
 いわゆる円高差益の問題が非常に話題になっておるわけでございますが、たとえば東京とサンフランシスコの間、これは円建てで行われているそうで、エコノミーで十四万八千六百円。それがシスコから東京へ来る場合はドル建てで五百二ドル。一応二百五円ぐらいの計算でしてみますと約十万円ということになりまして、四万八千円からの差がある。これを往復で換算をいたしますと、大変な差になってしまうわけですね。単純計算をしますと、シスコ−東京−シスコというふうに考えた場合、要するにアメリカの飛行機を使った方が三分の一安いというようなことになるわけであります。東京から乗る場合は円建て、アメリカから乗る場合はドル建てでどうしようもないのだというようなお話のようでございますけれども、しかし、三分の一近く値段が違うというのは、日本の航空業界にとっても非常な不利益じゃないかと思うのです。また、特に日本から出発する日本人の場合、アメリカのそういった航空運賃を聞いたときに、四八%も高いというのは非常なショックだと思うのです。これは日本政府の認可料金であるわけでございますから、変動為替の時代ですからいろいろむずかしいとは思うのですけれども、これに対する対応の仕方というのはないのですか。もう少し的確な反応の仕方があってしかるべきだと思うのですけれども、いかがでしょうか、その点が一点。
 それから、海外へ行く場合に個人料金と団体料金の差が非常に大きい。これは従来ともに言われていることでして、個人で行くのはばかみたいな話になってくるわけですね。個人の場合の方は、えてして必要欠くべからざることがあって出かける。団体旅行なんかの場合は、多分に外国旅行を楽しんでくるというようにレクリエーション的な性格が強いわけでしょう。そういう点から言っても、余り差があるというのは感心しない、そういうふうに思うのです。
 大変単純な発想で恐縮でございますけれども、この二点についてちょっと御答弁をいただきたい。
○松本説明員 前段の、為替相場の変動によりまして、日本発の運賃と外国から乗りました場合の運賃とが、現行の為替レートで勘定しますと、先生御指摘のように非常なアンバランスができておる、これは私どもも、決して好ましい状態ではないと思っておりまして、その是正のための努力をいろいろしてきておるわけでございます。
 一つの方法といたしまして、昨年の暮れ、日本発の運賃につきましては四%の下げをしたわけでございますが、ただ問題は、発地国通貨主義ということで実は運賃が組み立てられておるということがございますので、いまのように為替レートが激しく動くような時点になりますと、非常にやりにくいという面はございます。
 そこで、御案内のIATAという国際的な協会がございますが、ここでも何かもうちょっと変動が激しくないものを基準にとれないかということで、たしかFCUと言ったと思いますが、架空のユニットをつくりまして、それをもとにいろいろはじいてみようということをいまやっておるわけですが、実はこれはドルへの依存率がかなり高いものですから、架空のというか仮想のといいながらも、かなり実勢のドルに影響を受ける。そこで、IMFなどと同じようにSDRを使ったらどうだという議論も最近出てまいりました。そういうものを単位にとって、価格変動に激しく影響されないような運賃の設定ができないかという議論もなされておるわけでございますけれども、何せ現状のようなことでは余り激しく変わり過ぎるということもあって、そう次から次へ変えられないというとともございます。しかし、現在の運賃の仕組みを是認しながらも、なおかつ御指摘のような不合理は私どもも重々承知しておりますので、こういったものを通じまして関係各国とも調整をとりながら、御指摘のような矛盾がなるべく早く解消されるように、たとえば外貨建ての方についてサーチャージをつけるということにつきましても、すでにヨーロッパ関係についてはそういった措置をとっております。激しく違っておりましたのを二〇%足らずのところまで押し込んできつつあるわけでございますが、いま御指摘のアメリカ運賃と申しますか太平洋運賃については、依然としてそういう格差が残っておりますので、今後の課題として取り組んでいきたいと思っております。
 それから、第二点にお話がございました個人運賃と団体運賃の格差の問題は、確かに見た目で何十%という値引率がくっついておりまして、非常に形もおかしゅうございますし、あながち団体旅行をどうこう言うわけにはまいらないかとは思いますけれども、余りにも差が激しいというのはやはり議論があるだろうと思います。ただ、そうは申しましても、団体運賃の場合には、非常に制約がくっついておりまして、個人のいわゆるノーマルフェアと呼ばれておりますものほどの自由さかげんというものはございません。そういう点の制約というものが運賃の安さというものである程度償われているのだというふうな議論もあろうかとも思いますけれども、しかし、極端に激しいというのは、やはり問題があるということでございますので、個人の低運賃というものを導入していくという方向でいま私どもの方で検討を重ねておる段階でございます。そう遠くない時点で、運賃制度の再検討という枠組みの中で個人の低運賃制度の導入というものにも踏み切れるようにしてまいりたい、このように考えております。
○石田(幸)委員 大臣にお願いをするわけですが、こういう問題は、きわめてポピュラーな問題として扱われるものですから、新聞も書きますし、雑誌も書きますので、いろいろなところで円高差益の問題のお話が出ますと、この問題がすぐ出てくるわけです。これは真実をしゃべっておるわけですから、しゃべっている方には罪はないのですけれども、しかし、やはり行政としてこういう問題に対する反応といいますか処理といいますか、これがスピードアップされませんと、そういった問題はだんだん政治不信につながっていくおそれが多分にあるわけでして、そういった意味で、それぞれの局が担当しているからその局に任せていらっしゃるのでしょうけれども、何とかこういう問題をチェックする機関といいますか、そういうものをお持ちになった方がいいのではないか、なるべく早くこういった処理をしてもらいたいというふうに思うのでございますけれども、いかがでしょうか。
○福永国務大臣 いまお話の点につきましては、いずれにしても、このまま放置しておくということではいかぬと私も思います。いままでも若干の方途が講ぜられましたけれども、先ほどの話に出てきた四%云々では、現状では普通に考えてとても納得のいくものではございません。割り高な方を幾らか下げさせる、逆にまた割り安の方はちょっと上げさせたらどうだとか、いろいろ考え方はございましょうが、いずれにしても、めんどうなことがあるからというので順にしばらく後へ送るというふうな情勢が続いてきておりますが、そうした御意見等もあったことでございますので、速やかに対処する方途を講ずるように検討をいたしたいと存ずる次第でございます。
○石田(幸)委員 もう一点だけ、これで終わりますが、運輸大臣、先ほどの国鉄の前払金の問題、全体の工事費の九%しか前払いをしていない、九割の人は受けたくないと言っているわけですね。これはやはり先ほど来議論しておりますように、利息を取られるからなんですよ。ですからこの問題は、どういう形にするかは御研究いただくとして、この整理をしないと、せっかく前払金の制度をつくりながら、その効果が半減されるといいますか、そういうようなことにもなりかねませんので、これはひとつ関係省庁と御相談の上、ここら辺の整理をお願いしたい。何とか下請までこういった公共事業投資のやり方が潤うように一段の御努力をお願いしたい、これだけ要望申し上げまして終わります。
○増岡委員長 柴田睦夫君。
○柴田(睦)委員 最初に、東京圏高速鉄道網整備に関連するわけですが、具体的には都市高速鉄道五号線、すなわち東西線の西船橋−勝田台間の延伸計画につきましては、千葉県はもとより八千代市、船橋市を初め周辺住民から早期建設の要望が強く出されているところです。八千代、船橋は、首都圏でも有数の人口急増地帯であって、都心からの流出人口がきわめて多いわけであります。
 そこでまず、こうした地域には新たに電車などの大量輸送機関をつくる必要があると思うのですが、運輸省の基本的な方針をお聞きしたいと思います。
○山上説明員 ただいま御指摘の、いわゆる五号線、東西線の延伸につきましては、具体的に四十九年三月三十日付で帝都高速度交通営団から免許申請が出ております。この件につきましては、路線の採算性なり、同一区間を運営しております既存の鉄道事業者への影響、その他いろいろな問題がございます。
    〔委員長退席、石井委員長代理着席〕
 したがいまして、御指摘の西船橋−勝田台間の鉄道建設問題につきましては、千葉県におきます鉄道網を円滑に維持するという見地から、地元の地方公共団体や関係事業者間で十分な話し合いを行っていただき、当事者間における円満な解決が図られることがまず必要であるということで、関係者に対しまして指導をしているところでございます。
○柴田(睦)委員 大量輸送機関をつくることの必要性は十分おわかりだと思うのですけれども、いま触れられましたように、この都市高速鉄道五号線の延伸計画について十分な話し合いを求めているということでありますけれども現在の到達点、現状はどうなっているか、もう一つお伺いします。
○山上説明員 ただいま御答弁申し上げましたように、現在、地元の地方公共団体、すなわち千葉県、八千代市、船橋市、それから関係事業者、すなわち帝都高速度交通営団、京成電鉄等の間でいろいろ話し合いを詰めるように指導しているというのが現状でございます。
 その他いろいろな問題があると申し上げましたが、たとえば、これの補助の問題があります。現在、地下鉄の補助の制度というのがありますが、この制度につきましては、大部分が地下であることというのが要件になっております。この大部分というのは、三分の二以上であります。ところが、御指摘の区間は七割以上が地上に出るというようなこともありまして、従来の地下鉄に対する助成の制度では直ちに適用ができないというような問題等、いろいろ問題がありますので、その点につきましても、私どもいろいろ検討中でございます。
○柴田(睦)委員 話によりますと、何か地元の方での協議が必要だということですけれども、実際は、八千代市、船橋市では、四十九年三月に運輸省の指示があって、三年がかりで苦労をして住民と話し合って、そして都市計画案を作成しているわけです。ですから、その地元の問題については、いまから話をしなければならないという問題はないというのが現状であるわけで、この都市計画案は、現在、千葉県から建設省に提示されて、都市計画の事前協議が進められているわけです。建設省内ではすでに協議が終わって、いま運輸省との協議に入っているというふうに私たちは聞いているわけですけれども、この事前協議で運輸省はみずから、都市計画の決定をするという条件を付すといいますか、そういう指導をしながら、まだ了解できないというふうに伝えられているわけですけれども、そういう段階だと思うのですけれども、それがいま了解できないというその具体的な点を挙げてください。
○山上説明員 多分、先生御指摘の問題は、都市計画決定について建設大臣から運輸大臣に協議があったであろう、それに対して運輸省はどのように対応するのか、こういうことだと思いますが、確かにことしの三月に、建設省から、都市計画手続上の事前の協議を受けております。運輸省といたしましては、この東西線の問題につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、いろいろな問題がありますので、この問題を詰めてクリアにした段階におきまして、この免許申請に対する結論と同時に建設省への協議の回答を決めたい、そのように考えております。
○柴田(睦)委員 結局、いま言われた中で具体的に問題になるのは補助の問題だ、それぐらいしか具体的には聞けないわけですが、そこで、では、建設省に伺いますけれども、都市計画において、鉄道の事業主体とか工事主体、こうしたものの決定が都市計画決定の要件になるのかどうか、お伺いします。
○高橋(進)説明員 お答えいたします。
 都市高速鉄道のような都市施設につきましては、都市計画区域内におきまして必要なものを、土地利用、交通等の現状やら将来の見通しを勘案しまして決めるわけでございますが、この場合、都市計画に定めるべき事項は、法令上名称、位置、区域などとされておりまして、したがいまして、都市計画を認可する時点におきまして必ずしも事業主体は明確になっている必要はない、こういうことでございます。
○柴田(睦)委員 都市計画法の施行規則の第七条でも、都市高速鉄道の構造を計画内容に盛り込むことになっておりますけれども、工事主体のことなどについては全く書かれていないわけです。こういう点から見てみますと、どうも運輸省の態度というものにいま納得いかないというのが、率直な住民の気持ちであるわけです。だから、いまは地元の合意というようなものがすでにできているわけですから、事前協議上の了解はもう与えるべき段階ではないか、こういう段階だと思うのですけれども、いまの建設省の答弁を受けて、運輸省の方では、事業主体の決定ということが都市計画の要件というように考えているかいないか、その点をお伺いします。
○山上説明員 都市計画決定に当たりまして、事業主体を定める必要があるかどうかにつきましては、これは先ほど建設省の方からお答えしたとおりだと思います。ただ、私ども協議を受けますその趣旨といいますのは、都市施設の整備の実施を担保できるような都市計画でなければいかぬだろう、こういうことで都市施設の設置、この場合にはいわゆる地下鉄の延長の問題でありますが、これにつきまして免許等の処分を必要とするという場合にはその見通しを立てて御返事申し上げる、これが都市計画法の体系からいきましても一番望ましい、このように考えておりまして、この件につきましては、先ほど来再三申し上げておりますが、既存の京成電鉄との完全競合の問題あるいは助成制度の問題等、いろいろ問題がありますので、この問題をクリアにした暁にこれについての結論を出したい、このように考えております。
○柴田(睦)委員 では、また建設省に伺いますけれども、都市計画決定を認可するのは建設省のわけですけれども、建設省はいまの事前協議のめどをいつごろまでに置いておられるのか、お伺いします。
○高橋(進)説明員 先ほど来、運輸省の方からも御説明ございましたように、現在事前協議中でございますけれども、建設省としてはできるだけ早く協議が調うということを期待しております。しかしながら、先ほど運輸省の方からお答えがありましたように、いろいろ詰めるべき問題もあるようでございます。それらの問題が詰まった上で協議が調うものというふうに現段階で考えておりまして、いま直ちにいつをめどということは具体的にはちょっと申しかねるわけでございます。
○柴田(睦)委員 建設省としては運輸省次第ということになるようですが、めどが立たないと県としての対応もできないというのが実際であるわけで、この点国としての方針を明確にすべきであるというように思うのですが、運輸省の方はいまのような問題点を含めてどういうめどを立てているのか、要するにどの程度でいまの問題点の解決ができると考えているのか、あるいはこれに同意しないというような考えを持っているのか、そこいらあたりお伺いします。
○山上説明員 先ほど来再三お答えしておりますが、いろいろ大きな問題があります。この解決のためには、関係する地方公共団体であります千葉県あるいは八千代市あるいは船橋市というような十地域の住民を代表とする地方公共団体、この間におきまして円満な解決を図っていただく、これが何よりも大切だと思います。これをできるだけ早く図っていただくようにこちらは期待しておりますし、また助成制度の問題につきましては、財政当局等とも十分に連絡いたしまして前向きな検討ができるかどうかということを詰めつつある段階でございます。
○柴田(睦)委員 地元の円満な解決という問題については、事実上円満な解決をしているわけです。八千代市、船橋市の意向を受けて県から計画案をつくって事前協議をやるというところまできているわけです。運輸省が渋っている最大の理由というのは、助成制度の問題は検討すれば間に合うし、そんなに時間がかかる問題じゃないと思うのですが、伝えられるところによりますと、東西線の免許を京成に移譲する、そういう問題があるからだというふうに伝えられているわけですけれども、これは事実かどうか、事実とすればなぜそういう必要があるのか、お伺いします。
○山上説明員 いま先生がおっしゃるように、移譲とかそのようなことにつきましては、私は承知しておりません。ただ、これも再三申し上げておりますが、御指摘の区間、この区間に完全競合で現在京成電鉄という既存の事業者が輸送力を提供しております。したがいまして、この間に新しい輸送力が投入されますと、この既存事業者であります京成電鉄が相当致命的な、あるいは程度につきましてはいろいろな角度でいま分析をしているところでございますが、相当に大きな影響があるということが想定されます。そういたしますと、この区間の住民の方々の利便、これはよくわかりますが、と同時に、京成電鉄が輸送力を提供しております千葉県一円の沿線の方々、この住民の足の問題をどうするかというようなことがございまして、そこで、特に京成電鉄全体の輸送力に相当に頼っております千葉県、それから御指摘の区間に直接関係のあります両市、このような地方公共団体の間で円満な話し合いを早く詰めていただくように、このように期待しているわけであります。
○柴田(睦)委員 「事業免許 京成へ」という新聞報道もいつかの新聞で出されているわけです。そういう報道なども含めて、また競合路線と言われるようなことから考えてみますと、やはり京成の経営が悪化するということが何か大きな理由のように考えられるわけですけれども、京成の経営の悪化というのは、いまに始まったわけではなくて、四十八年の土地の買い占めを初めいろいろな理由がある。また、スカイライナーの乗り入れという問題でも大変だ。いろいろ聞いているわけですけれども、はっきりさせなければならないのは、京成の経営が悪化しているという状況と今回の東西線の延伸計画、これは別問題だというように思うのですけれども、その点についてはどのように考えておられますか。
○山上説明員 一つお断りしておきますが、京成電鉄に対する影響だけが問題である、こう申し上げているわけではありませんで、そのほかにもいろいろ問題がありますが、その中の大きな一つにそれがあるということであります。それから、確かに京成電鉄の経営は相当に深刻であります。しかし、その問題とこれとは切り離して考えるべきであるということはごもっともであります。ここで京成電鉄に対する影響が問題であると申しましたのは、千葉県一円の住民の足を担っている京成電鉄に対しまして、どれだけの致命的な影響になるかということが問題である、このように問題意識を持っているわけであります。
○柴田(睦)委員 この東西線の延伸計画については、答申第十五号、ここでもすでに出されている問題であるわけです。西船橋から勝田台までということで出されているわけです。そこで、京成で間に合うかという問題になりますと、京成のいままでの経営努力、サービス改善というような点を検討してみますと、昭和三十年から比べてみましても、二十年たった今日、大きな変化がないわけです。
    〔石井委員長代理退席、委員長着席〕
 たとえば昭和三十年から所要時間は、上野−成田間が普通で八分、準急で七分しか短縮されていない。また同じ期間、車両本数で普通の方は減少しておりますし、準急で七両、九本しかふえていない、こういうサービス改善の実情に対しては、住民は大変な不満と、また不安を持っているというのが実際であるわけです。ですから、京成のことを考えで京成に肩がわりさせるということになっても輸送力の大幅な改善ということにはならない、こういう考え方をとっております。
 別問題として考えるということでありましたけれども、伝えられておりますように、京成に影響があるから延伸ができないというようなことになった場合に、考え方として京成に移譲して京成の経営が好転するという保証があるのかどうか、この点もお伺いします。
○山上説明員 先ほど御答弁申し上げましたように、いまの申請路線を京成電鉄に移譲するというようなことを私はまだ承知しておりません。ただ、どうしてもその区間に輸送力が必要であるという場合に、一応観念的にはいろいろな方法が考えられるわけでありますので、その中の一つにそういう構想もあるかもしれない、しかし、私は現在承知しておりません。
○柴田(睦)委員 そうしますと、結局京成にどういう影響があるかというようなことを検討するということで時間がかかっているというように聞かざるを得ないわけですけれども、ともかく人口が急増して京成電車も総武線も満員だ、通勤通学には大変な思いをするということで生活しているこの人口急増地帯の人たち、そのことを考えてみた場合に、京成に影響があるからということで先に先に延ばしていく、こういうやり方というのは非常に住民を無視する考え方だと言わざるを得ないと思うのです。
 八千代市から出されております要望書を見てみましても、「住民は直接都心への利便性、快適性を求め、免許申請どおりの路線で一日も早い開通を希求しており、県、両市も住民要望を踏まえ既定方針どおりの建設促進を図ることに合意をいたしております。」こういうふうにちゃんと実態を踏まえて要望書が出ているわけです。それからまた、この沿線に住宅団地の建設を進めてきました住宅公団の方も、昭和四十八年の八月に地下鉄五号線の延伸と新駅の設置を要望しているわけです。
 こういうことから見てみましても、現在の運輸省の態度は、いろいろなことを検討している、住民の合意というようなことまで言うけれども、実際上はもう住民が合意しているというような状況の中でそういうような答弁をされることは、非常に不可思議な気持ちを持たざるを得ないわけです。
 東西線の延伸計画は、周辺の住民を都心に直結する快適な通勤のために住民の納得のいく方向で解決すべきであって、一つの企業のためにこの問題が延ばされるというようなことがあってはならないと思うわけです。どこまでも住民本位の交通対策が必要であるというように考えますけれども、運輸省のいまの検討状況から住民の要望が実現するのが非常におくらされているという問題について、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○福永国務大臣 先ほどから山上局長もいろいろ苦心をしながら答弁をいたしておりますが、彼は一鉄道会社をかばうために発言しているのではないと私も聞いておるわけでございます。いろいろのことを総合的に判断して結論を出さなければならないというところに苦心もあるわけでございますが、いまあなたのおっしゃいます御趣旨につきましても、私は私なりに考えてみているわけでございます。私も余り詳しく事情を知り尽くしているというところまでまいりません。なお研究をさせていただきたいと存じます。
○柴田(睦)委員 いまの問題については、大臣に対しても今後いろいろ御陳情を申し上げると思いますのでよろしくお願いいたします。
 それから次に、成田空港開港後の問題について、若干の時間をいただきましてお尋ねいたしますが、私も先日、現地に参りまして深夜の騒音などを体験してまいったわけです。裁判になりました大阪空港などと比較しても、その実態が非常に厳しいというのが現状であるわけです。特に住民の生活状態が大阪と異なって、農村は早寝早起きであって大変な被害というように見てまいりました。
 一、二例を挙げますと、以前九時、十時に寝ていたがいまは十一時以後しか寝られないとか、あるいは十一時以前に横になっていると、まくらの下から地響きがしてきて頭が痛いとか、あるいは中学生は夜の二時に起きて勉強しなければならない、親はそれまで起きている、翌朝は早朝から農作業があって体がいつまでもつかわからない。それから豆腐屋さんでしたけれども、夜中もエンジンテストをしておっていつ寝ればいいのだ、こういうことを皆さんに会って直接お話を聞いてきたのです。
 公団総裁にお伺いしますけれども、このような深刻な事態についてどのような認識を持っておられるのか、お尋ねいたします。
○大塚参考人 成田の開港後の騒音につきましては、ただいま先生がおっしゃいましたように、静かな農村でありましただけに、その受ける影響といいますかが非常に強いということは、私どももよく理解をいたしております。そのほか、実態が騒音テスト飛行の場合と違うではないかというような問題もございます。これは先ほどもお話が出ましたように、一〇ホン程度実際と違うということは、騒音テストの場合に十分御説明を申し上げたつもりでございますが、必ずしも全部に徹底をしておらなかったので、実際に飛んだ場合に騒音テストのときと違うじゃないかという声が出たことは確かでございます。そういった問題もありますし、それから騒音テストの場合は、警備その他の都合で深夜便のテストというものをやっておりませんでしたのが、今回いきなり深夜便に、しかも相当の便数が集中してくるというようなことになりましたので、これを受けた地元の方々が非常なショックを受けたということは、私も十分に理解できるところでございまして、これに対して私どもとしては、できるだけ早く対応しなければいけないということで、運輸大臣の御指示もございまして、全室防音の試作とその結果による防音工事規格の決定並びに実施、それから騒音対象区域の拡大ということを早くやらなければいけないというふうに考えて、いま馬力をかけて対策をいたしておるという実情でございます。
○柴田(睦)委員 次に、線引きの問題ですが、たとえば芝山町の谷平野部落では部落ごと移転したいと要求したのですが、一種、二種に分けられておって、それも裏山を境界線にすればまだいいのですけれども、手前の道路を境界線にしたために部落が分断されるというように、全く実情に合わない線引きがされております。W何がしの数字の算出についても夜中のエンジンテストは含まれてはいない、こういうことも明らかになりました。このような実情に合わない線引きというものについては、将来を待たずに直ちに改めるべきであると思うのですが、これに対して措置をする考えがあるかどうか、お伺いします。
○松本説明員 いま先生のおっしゃいました一種と二種の境目のところは、線引きの図でも御案内のように直線で引っ張ってございますので、確かに二種と三種の間も同じようでございますが、実態に合わしたというふうな配慮は特段にしていないわけです。その理由は、二種と三種、一種と二種の境、いずれもどちらに行ってもいいような境目のところでございますから、二種、三種であれば移転補償、三種の方に入れば、どちらかといえば移転補償を重点、二種の方ですと防音もいたします。二種と一種のところですと、境目のところは移転補償をとおっしゃるならしますが、大体防音でもいいと思います。一種の方は防音です。こういうので、そこら辺は幾何学的に引いてある。一種の外側の方は、部落で分断というようなことがないように道路とかあるいは部落の広がりとかいうものを相当考慮して、ごらんのようなぎざぎざの線になっておるわけでございます。
 さらに、これは運輸省が独断で引いたということでもございませんので、案を添えて千葉県知事の意向も十分に聞いて、これは法律上の定めでございますので意見も聞いて処置したのでございますから、いまの八五とか九〇とか九五とかいう数字で論ずる場合には、先生おっしゃるほど激しい間違いというか不公平さというふうなものは私はないのではないかと思います。しかし、八五で終わりということではございませんので、いずれこれは七五まで広げる。その中間的な段階をなるべく早く行うという意味で、八〇の線を年内をめどにいろいろと検討を詰めて、年が明けてから作業を進めるようにしたい、こういうふうなことを考えておりますので、いま御指摘ありましたような点についてもし問題があるとすれば、そのときには当然取り上げて処置すべきものでありましょうし、それから、これは午前中にもお答え申し上げましたが、仮に現実に調査の結果、明らかに八五という線を引いてあるのがおかしいというようなことがはっきりいたしますれば、これは直ちに所要の手続を踏むようにいたしたいと考えております。
○柴田(睦)委員 要するに部落を分断したりすることのないように、状況が同じというようなものは直ちにやるべきだということなんです。
 それから、公団が騒音調査や測定を行ってきているわけですが、きわめて不十分であると思うのです。飛行コースについても、机上のコースではなくて現実的には空気を相手に飛ぶわけですから、幅のあるコースを飛ぶというのは必然だと思うわけですが、これらの現実から出発した騒音対策を行うためには正確な測定をきめ細かにすることが必要であって、現在の公団は、聞きますと四十名で二十班で測定体制をとっているようですが、これをもっと充実して、もっと専門的なところの協力を得て早急に測定を行うべきであると思うのですが、それについての公団のお考え。
 それからもう一つは、六月の公害被害者の総行動デーの交渉があって、そのとき運輸省航空局の飛行場部長が、防音工事を行った場合の空調設備の維持費の負担について検討するというように答えられました。これは成田周辺の学校でも、たとえば三十度Cを超えると、そのときは冷房を入れるけれども、それ以下のときは冷房を入れない、これじゃ勉強できない、こういうことを訴えられているわけですけれども、この維持費の問題について、五十四年度予算で措置をする考えがあるのかどうか、もう時間が来ておりますので、まとめて、簡単にお答え願いたいと思います。
○大塚参考人 騒音実態調査でございますが、これは私ども、開港していち早く開始をいたしまして、現在まで相当の地点で調査をいたしておりますが、なお要求がございますれば、どこへでも出向いて早速調査をするという方針で対処いたしております。
 それから、空調の維持費の問題でございますが、これは周辺の各市町村に周辺交付金というのを、公団から年二回に分けて直接交付することにいたしておりますが、その計算の中に防音校舎の維持費等が含まれておるわけでございまして、これは毎年増加していく傾向にございますので、その中で各市町村ごとに適当に賄っていただきたいと考えております。
○柴田(睦)委員 時間が来ておりますので、最後の一問だけお願いいたします。
 それは米軍の軍事郵便に関する問題ですが、安保条約及びこれに基づく地位協定の存在にもかかわらず、これを軍事的に利用することは絶対に認めない、こう運輸大臣が約束されている。それからまた国会においても、米軍の要求には応じかねるという旨の回答をいたしているという答弁がなされております。このことはもちろん御存じだと思うのですけれども、今度現地に参りましてパイロット、労働者の人たちの話を聞いてみますと、横田からネービーが受け取りに来ている、その車にはUSメールと書かれているということを聞きました。そうすると、公団は空港に車両が入れるように米軍に入門証を渡しているのだと思うのですけれども、どのような形で、だれに渡しているのか、相手の機関は何かということと、運輸省もこの実情を知っているのか、知っているとすれば、いままでの住民との約束を守るという考え方があるのかどうか、以上お伺いして終わりたいと思います。
○福永国務大臣 いまお話の点につきましては、私も、最初からいろいろの要求の話等を伺いまして、かなり頭を痛めてきたのでございますが、アメリカから民間航空機で運んできた郵便物、現在はパンアメリカンとフライングタイガーで来ておりますが、ノースウエストのストライキが終われば、この方はこの方でまた運んでくると思いますが、いまもお話のあったようなことがございまして、私どもは前から、あの文書等にも示されておりますように、いわゆる地位協定に基づく施設提供等はしない、こういう方針を貫いておりまして、積んできた郵便物は、いまお話になったような受け取りに来た自動車で横田基地の方等へすぐ持っていってしまうわけでございますが、私は、非常に微妙な問題をずいぶん苦労してまあまあにやっていると思っているわけでございまして、今後も別に施設提供などをするということはさせたくありません。そういうことでございますので、来た郵便物を渡すなと言われても、これもかわいそうなような気がいたしますし、まあこんなところじゃないかと思うわけでございますが、苦心のほどを御了解いただきたいと思います。
○大塚参考人 航空機で運んできたものを受け取る場合に、どこの車で受け取りに来るか、自分の車で来るか、日通の車を使うかどこを使うかということは、これは自由でございまして、したがって、そういう意味で、確かにこの飛行機にその人の受け取る荷物を積んで来られたということが確認できれば、どういう車でも危険性のないことを検問で確かめれば入れるというやり方をとっております。したがって、米軍の車につきましても、特別に通行証とかそういうものを出しておるということはございません。
○柴田(睦)委員 終わります。
○増岡委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時五十一分散会