第084回国会 逓信委員会 第7号
昭和五十三年三月二日(木曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 松本 七郎君
   理事 小渕 恵三君 理事 加藤常太郎君
   理事 左藤  恵君 理事 志賀  節君
   理事 鈴木  強君 理事 米田 東吾君
   理事 田中 昭二君 理事 小宮 武喜君
      伊藤宗一郎君    亀岡 高夫君
      長谷川四郎君    原田昇左右君
      阿部未喜男君    島本 虎三君
      野口 幸一君    古川 喜一君
      鳥居 一雄君    青山  丘君
      藤原ひろ子君    依田  実君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 服部 安司君
 出席政府委員
        内閣法制局第一
        部長      茂串  俊君
        大蔵政務次官  稲村 利幸君
        郵政政務次官  宮崎 茂一君
        郵政大臣官房長 河野  弘君
        郵政大臣官房電
        気通信監理官  江上 貞利君
        郵政大臣官房電
        気通信監理官  神保 健二君
        郵政省電波監理
        局長      平野 正雄君
 委員外の出席者
        防衛施設庁施設
        部施設企画課長 近藤 孝治君
        外務省アメリカ
        局安全保障課長 丹波  実君
        大蔵省主計局主
        計官      角谷 正彦君
        建設省計画局公
        共用地課長   田中  実君
        建設省住宅局市
        街地建築課長  和田 友一君
        会計検査院事務
        総局第五局長  東島 駿治君
        参  考  人
        (日本放送協会
        経営委員会委員
        長)      工藤信一良君
        参  考  人
        (日本放送協会
        会長)     坂本 朝一君
        参  考  人
        (日本放送協会
        副会長)    藤島 克己君
        参  考  人
        (日本放送協会
        技師長)    沢村 吉克君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   山本  博君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   川原 正人君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   堀 四志男君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   中塚 昌胤君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   橋本 忠正君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     反町 正喜君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     武冨  明君
        参  考  人
        (日本放送協会
        経理局長)   渡辺 伸一君
        逓信委員会調査
        室長      芦田 茂男君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二日
 辞任         補欠選任
  竹内 勝彦君     権藤 恒夫君
同日
 辞任         補欠選任
  権藤 恒夫君     竹内 勝彦君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
     ――――◇―――――
○松本委員長 これより会議を開きます。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題にいたします。
 質議の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
○島本委員 連日のNHKに対しましてのいろいろな質問を拝聴しておりましたが、現在のNHKの経営は、重要な公共放送の使命を帯びて、国内外に対策が山積しておる。そして、兵糧とも言うべき財源がじり貧の状態になっている。そして、努力するけれども成果は上がらず、いわば笛吹けど踊らずで、不払い件数はますます増大の傾向を帯びているわけであります。
 大臣は企業努力を要望するのでありますが、しかしながら、現在の状態は一種のがん体質的な状態にだんだん移行しているのじゃないか、早期の切開手術か、あるいはまた従来どおりの対症療法か、いわばそのピンチにあえいでいるのじゃないか、そして名医の的確な診断を待つという、こういう病人の容体に等しい状態じゃないかと私は思うのであります。すなわち、いろいろな意見を総合しましても、いまや名医の的確な診断を待つこと急であります。
 私はそういうふうに思って、NHKの経営や財政の状態を見てまいりましたが、私の言うことは間違いでしょうか。考え過ぎでしょうか。大臣の御高見を賜りたいと思います。
○服部国務大臣 NHKの経営状態について、名医の診断を待つ時期に来たと、非常に憂慮しているという御意見と理解いたします。
 いろいろと過分の御心配をちょうだいいたしまして、大変ありがたく御礼を申し上げますが、私は、名医の診断はいついかなるときでも絶えず受ける気持ちでいることがすなわち経営努力だと、そのように理解をいたしております。したがって、堅実な経営基盤の上に公共放送の使命を果たしていただくことが最も理想であることも、これまた言うをまちません。したがって、私が声を大にして企業努力を図ってくださいという意見書を付したことも、いろいろ昨日からこの問題について御意見を拝聴いたしておりますが、ただ、やはり企業というのは、長期展望に立たないで、その日暮らしにはいろいろな批判がされるのは当然であると私は理解いたします。
 昨日のNHKの答弁を拝聴いたしておりましても、長期計画について、委員の先生方から少なくとも今国会中に提出する用意があるかと聞かれて、当初はその用意ありと言って、二回目に立った場合には十二分な資料の提出はちょっと無理だといった答弁がありましたが、私は、名医の診断を受ける前に、やはり十二分にみずから健康管理をするということも必要ではなかろうかと思います。
 そういった点について国会の場でいろいろ御論議をいただくことはもちろん当然であり、また、そういった立場でいろいろな御提言も謙虚に受けとめる心でおりますけれども、やはり、われわれの立場からいたしますと、こういった論議をいただくまでに、私が意見書を書くまでに、企業体質についての意見を十二分に申し述べて、緊密な連携をとって、少しでも御心配を少なくするようにするのが私の務めである、かように考えている次第でございます。
○島本委員 大臣はいままでどおりの、従来どおりの対症療法で治るのだ、食餌療法にするか何にするか、経営努力というか、まず企業努力が足りないのだというふうに受け取られました。しかし、私は思うのに、NHKはいかなる状態にしろ危機にある。その一つは料金問題である。この不払い額が累増している実情に対しての基本的な取り組み方に問題がないか。
 これはいろいろと論議の過程を拝聴しておりますと、不払いは五十一年度末で七十五万六千件、前年度よりも十五万件増加している。また漸増の傾向にある。しかし、これとても五十一年度末の意図的な未契約七万三千件を入れると八十二万九千件になる。五十二年度、そしてこの九月末で八十一万件に増加している、半期で六万件もふえている。これまた累増の傾向にある。そうすると、過去十年間の推移で年間五万から九万件ふえている。こういうことになると、これは対症療法で果たして治るでしょうか。構造的な一つの病状だと思われませんでしょうか。問題は、切開手術か対症療法か、その一つの根幹がいまNHKに与えられている重大な問題だと思っているのです。
 新たに契約しても、それ以上に不払いが増加する。これは制度に問題があるのじゃないか。来年度は一番重点を置くと言っておりますが、しかし、NHKそのものの考え方には、歯どめがどこにあるのか。滞納ゼロになるのが理想だ、しかしながら現実は困難だと、理想を出しながらすぐに逃げ口上になる。そして不払いが増加する。歯どめのかけ方は、これは十月からは今度は特別営業対策として、首都圏、近畿圏に人を五十名置いて滞納対策を行うというような方策も伺いました。まことにけっこうであります。しかし、全国で八十一万の滞納中六五%、五十四万が首都圏、近畿圏の両地域にあるということは、都市化地帯にNHKはなぜ弱いのであるか、ここがメスを入れなければならない重大な問題点ではありませんか。人員の配置、これはわかりました。しかしながら、及び腰では相手にばかにされるだけだ。その証拠には、NHKの批判をして、NHKを見たことがないからというような理由を言われても、後は理解と協力を求めて努力しているということであります。これは哀訴嘆願ですか。それともどういうふうに説得するのですか。
 その内容をNHKからお聞かせ願いたいのであります。
○坂本参考人 先生の御指摘はNHKの一番の基本にかかわるところでございまして、私も日ごろ最も考えている部分でございますが、その前に、受信料制度そのもののあり方と申しますか、そういうところにもう一度思いをいたしまして、この制度は日本の放送を守るという上から言ってやはり理想的な一つの姿ではないだろうかと、そこを基点として対策を考えていくべきではないかというふうに私は思いをいたしておるわけでございますけれども、しかし、御承知のように世の中が変わってまいりまして、先生の御指摘のような事態になっているという、その現実も逃避するわけにはいかないかと思っておる次第でございます。
 これも昨日も御答弁申し上げましたけれども、十年前の臨時放送関係法制調査会の御答申による放送法の条文の改定等、もう一度検討するというような事態も当然考えられるのではないかとは思いますが、それはそれといたしまして、現在どういうふうに説得し、どういうふうに当たっているかということにつきまして、私は、いわゆるもみ手をして嘆願するという姿勢はとるべきではないんじゃないか、やはり、当然、NHKとすれば、視聴者の方の御理解の上に立って物をいただく、胸を張ってお話し合いをするという姿勢であるべきではないかというふうに指示してございます。
 ただ、個々のケースになりますと、なかなかそうもいかないいろいろな事例が出てきているかとは思いますけれども、根本的な姿勢としてはそういう姿勢で事に当たるように指示している次第でございます。
○島本委員 果たしてその指示が末端まで十分行われているのかどうか、この受信料制度の性格を明確にすべきである、ここに問題がある、こういうような仰せでございます。
 しかし、公正な放送を担保にしても滞納、不払いがだんだんふえていっている。これはどうも努力の効果も期待も限度にあるんじゃないか。NHKはそこに気がつかないんじゃないか。もうその問題は努力しても取れない。そうすると、どういう努力をしたのか、その内容は十分なのか、これを反省すべきです。そして、内部で果たしていま会長が言った趣旨に沿うて説得しているのか、数多くの重役がいるのですから、それを点検しなければなりません。上から下まで一本になって当たってみてようやく物事は成就するんじゃありませんか。何かしら、歯どめをかけているようでかけていない。そでの下からか細く哀訴嘆願しているようなNHKの姿が見えるようであります。それではだめです。したがって、それで十分なのか、それ以外にないのか、ないとすると根本的な欠陥がどこにあるのか、制度の問題か、法律上の問題か、そこまで当然いくじゃありませんか。まだそういうようなところまでNHKは危機感を持って臨んでいないんじゃないかと、私はこれを感ずるのであります。
 しかし、必ずしも大臣が言うような、企業努力が足りないということだけで済まそうと考えているのじゃありません、いまは受信料制度の性格を明確にすべきときだということ、それは私はちょうだいいたしましょう。そうだとすると、努力の効果も期待も限度だとなると、きのうは同僚の小宮議員の質問の中で、契約義務は憲法違反ではないというようなことが法制局から明確に答えられたが、さすればこそ、いまの契約義務制を支払い義務制にした方がきちっとした体制で臨めるのではないか。ここまでいくじゃありませんか。これが本当の危機であるならば、まさにこれは対症療法じゃなくて、早期のうちにがんに対する切開手術にもなるわけです。
 大臣の明確なお考えと、これに対する会長の決意を私は聞きたいのであります。
○服部国務大臣 お答えいたします。
 御指摘のとおり、昨日の当委員会で法制局当局から、小宮先生の憲法論議の質問に対して明確にお答えがありました。また、放送法第三十二条で明確に、受信設備のある者はNHKと契約をせねばならないという条項のあることも島本先生の御指摘のとおりであります。
 そこで、私が絶えず考えていることを率直に申し上げますと、現在、五十一年度末で七十五万六千件、五十二年の九月末で八十一万件、五万から九万の未納が、不払いが増加している。努力はいたしておりますが、年々増加をいたします。この点で私自身も非常に悩んでいるわけでございます。
 私はここで答弁するばかりではございません。かつては経営委員の方々を全部私の名においてある場所にお集まりいただいて、先生方の御指摘のとおりに、健全なNHKの公共放送の使命を果たしていただくためにいろいろ私なりに考えて、企業努力のうちで一体何を一番優先するべきか、まず収入の増を図るべきである、収入の増を図るためには、何としても現在のいわゆる料金徴収不払いに対する対処だということで、経営委員各位の意見もじかに聞き、また私なりに、この場ではちょっと言いにくいのですが、こういう措置もあるではありませんか、こういう方法があるではありませんか、さらに言うならば、この法律であなたたちに徴収する権利を認めた以上、ただじっとやっている状態ではとうてい効果が上がらないと思うし、もう一言突っ込んで言わせてもらうならば、たとえば十億の料金収納を図るために一時的に二十億いってもいいんじゃないですかと、これはまだごく最近の例でありますが、そういった極端な意見も私はその場で吐いたこともあります。長く料金徴収をするために一つのケースをつくること、あえて言うならば、一つの慣例を求めることも決してむだではないと私は思います。実は、島本先生、私は、病気と外遊以外の経営委員の方々全員にお集まりをお願い申し上げて、こういった相談もごく最近いたしましたこともこの機会に申し上げておきます。したがって、努力をしてもどんどんふえていくというところに、現在の私の立場から申し上げますと、この努力で十二分かどうかということを反省する必要もこれある、ということであります。
 また、もう一つは、私もしょっちゅうNHKのテレビを見ておりますが、こういったためにこういった金を使っております。これだけの収入をこういった方向にこういった方法で使っておりますという、料金というものがいかに大切であるかということを御理解を得るための協力の訴えが一度でもあったでありましょうか。私はこういった点においても、言い過ぎかもしれませんが、いささか不満を持っているわけであります。
 私の立場からいたしますと、郵政省所管にあるNHKの今後の健全な運営、またこれに勤める職員一同の将来のことを考えても、第二の国鉄になっては相済まないという立場から、NHKの将来を考えるならばこそ、きわめて厳しい態度で、私は私なりの必死の努力を払っているつもりであります。どうぞこの点もあわせて御理解を願っておきたいと存じます。
○坂本参考人 具体的な問題になりますと私の責任でございますので、その責任を果たすためにさらに方法を考えなければならない部分があれば考えていかなければならないと思いまして、いま部内にそういうことの検討を命じて、委員会をつくって準備を進めておる次第でございます。
 ただ、先生のおっしゃる切開手術の方法論にはいろいろあろうかと思いますけれども、やはり前向きにこれは取り組まなければいけない問題ではないかというふうに認識しております。
○島本委員 大臣からも会長からいろいろ御答弁がございましたが、その中で、ちょっと簡単なことでありますが、私は疑義があるのです。
 確かに、放送法三十二条の「受信契約及び受信料」の部分がいまいろいろと問題になっているのでありますが、これはどうでしょうか、ラジオを聞くのは聴取料、テレビは受像し音声を聞くのであるから視聴料――受信とは何だ。広辞苑で見たところが、「手紙・電報などを受けること。電信やラジオ放送を受けること。」となっている。金田一京助博士の監修する国語辞典では、「他から発した無線・電信(電話)を受けること。」というようになっている。映像そしてテレビ、これを見て聞くのが受信なんですか。いまだにこれは受信という言葉でやっておるのですか。私は、その点で、テレビの場合は視聴料か聴視料という言葉が近代的じゃないんだろうかと思っているのであります。
 受信料というのは、私もオペレーターでありますけれども、無線を受けたり何かするのが受信ですがね。テレビも受信なんですか。この受信の法的根拠を説明してもらいたいのであります。
○平野政府委員 お答えを申し上げます。
 いわゆる電波を使用いたします無線通信は、これは送信がございまして受信があるわけでございます。その送信、受信の間にいわゆる音響、映像、音声その他のいわゆる情報を流すわけでございまして、それがただいまの先生の御指摘のように、放送の種類によりまして音声のみの場合もございますし、映像、音声込みの場合もございますし、また、周波数もおのずから違っておるということでございまして、いわゆる無線通信における受信に対応いたしまして放送の受信という定義がなされておるわけでございます。
○島本委員 では、辞書に書いてある、広辞苑並びに国語辞典の解釈は間違いですか。
○平野政府委員 私は、先生はどのような辞書をごらんになったかわかりませんけれども……(島本委員「だから、ちゃんと広辞苑と言っているじゃありませんか」と呼ぶ)間違いであると言うことはできないと思いますけれども、要するに、ただいま申しましたように、いわゆる放送、送信機から出てまいりました電波を受信機をもって受信をする、これがすなわち放送受信であるというふうに考えておるわけでございます。
○島本委員 大臣、それでよろしゅうございますか。
○服部国務大臣 私は素人で法的解釈はまだまだ未熟ですが、私の部下の電波監理局長はあなたと同じオペレーターですから、あのとおりであると私は信じております。
○島本委員 会長、テレビの場合は視聴または聴視じゃないかと私は思っているのですが、やはり受信で間違いないですか。
○坂本参考人 法律的解釈は役所の方でいたしますので、私はそれに準じてそう理解する次第でございます。
○島本委員 NHK危機の第二は、児童、子供のNHK離れであると私は思うのであります。きのうからもいろいろと先輩諸氏からこの場所から番組編成についての質問もございましたが、皆様の御家庭でも、子供や孫はテレビは大概民放を見ておるのじゃございませんか。それも番組は漫画であるとか歌謡番組というようなものを見ている件数の方がよけいじゃございますまいか。私も孫がいるのでありますが、土曜日孫が来ると、残念ながら、すべてチャンネルはリレー式に漫画であり、歌謡であります。ピンクレディーなんか盛んにやっているのであります。極端な言い方かもしれませんが、NHKを見ている子供は少ないんじゃないかとさえ思うのであります。
 子供の見るような番組、子供に愛されるような番組はつくれないのでしょうか。子供を引きつけるような魅力ある番組をいまこそNHKは考えないといけないのでございますまいか。子供が皆NHK離れをするというようなことがあったならばとんでもないことです。私たちの場合は小さいときからNHKで育てられましたけれども、いま子供は民放で組み立てられる。そういうようなことになりますと、公共放送のNHKは、子供に魅力があり、どうしてもNHKを回したいような番組をつくらなくて、いまの、またこれからの危機をNHKはどうして乗り切るつもりなんでしょうか。これをいまやらないで、将来この子供たちがみんなNHKを離れていったらいつ戻るかということを考えましょう。全部民放に行ってしまったら、NHKはこの世の最後じゃございませんか。
 この子供たちが、皆さんの子供や孫がもうすでにそういうような状態にあるということの将来を思うと、これは大事な瞬間じゃないかと私は思っているんです。子供を大事にしないといけませんよ。子供に飽きられたNHKはもう宇宙から抹殺されてしまうのであります。これはいかがでしょうか、会長。
○坂本参考人 先生のおっしゃるとおりで、やはり、子供さんに魅力ある番組というのは、協会の番組制作の使命の大きな柱だと思います。
 多少これは言いわけめくかもしれませんけれども、「お母さんと一緒」とか、現在のNHKの放送しております子供対象の番組もかなりそういう御支持はいただいておりますけれども、ある一定の時間帯につきましては、先生のおっしゃるような傾向が相当顕著であるということは率直に認める次第でございます。
 ただし、それでいいというふうには一向思っておりませんので、先生のおっしゃるような趣旨でやはり番組改定をしていくべきではないかということで、来るべき四月からの改定の中でも、六時台の子供番組の刷新ないしは七時のニュースに引き続くところの時間帯でのファミリーアワーの新設等、魅力ある子供番組の制作、創出ということを来年度の編成の重点の一つにいたしまして編成がえをする所存でございますので、いましばらくそういう点御注目をいただければありがたいと思う次第でございます。
○島本委員 この危機にあるNHKにとって、その一つは料金問題であり、危機の第二はやはり子供のNHK離れである。先輩諸氏の質疑の中から私は率直にそれを感じたわけであります。
 しかし、いろいろやっているけれども、歯どめがかからない料金滞納の解決の問題等を含めて、上から下まで会長の意向が通るようにきちっとやり、それを監視して徹底的にこれをやるようにしないといけないと思います。いままで言葉にはきれいに出してあっても、NHKのアナウンサーのように言葉はきれいであっても、内容が下まで全部おりていないということになったら、これはとんでもないことでありますから、一層の奮起を私は要望しておきたいと思う次第であります。
 こればかりやっていると時間がかかりますから、次に移らせてもらうのでありますが、テレビの難視聴問題です。特に、高層建築物の受信障害についてこの機会にちょっとただしてみたいと思いますけれども、一般の国民はテレビが見えないとなりますとNHKにすぐ問い合わせが来るんじゃございませんか。そしてまた相談をする。こういうようなことになっているんじゃないかと思うのでありますが、そういう問い合わせ、相談はどれほどございますか。そして、これらに対してNHKはどう対処し、処置してございましょうか。
○中塚参考人 高層建築物等によります受信障害についてのNHKへの相談等は、五十一年度の実績で見ますと、年間に約六千件ばかりございます。それにつきましてNHKでは、この相談に応じまして、必要に応じて、障害範囲の調査とそれから原因がどこにあるかというふうな調査、それからその原因がわかりました場合には、その原因者とそれから障害を受けている受信者との間の解決策をめぐっての仲介、それから改善方法の指導などを実施いたしておりまして、改善いたしました世帯の数は、五十一年度で約二十七万世帯くらいになっております。
○島本委員 六千件あって、改善したのが二十七万ですか。
○中塚参考人 一件の障害の相談の中に世帯が非常にたくさんございますので、六千件の相談件数で、改善あるいは技術指導をいたしました世帯の数は二十七万世帯ということでございます。
○島本委員 何か数字がおかしいようですけれども、それなりに企業努力はしているということの証拠でしょうかね。六千件あったが二十七万件処理した。これは高く評価されて、これだったら料金を納めないなどという人はありませんよ。
 これはNHKは調査、指導をしておりますが、このための費用はどれほどかかっておりますか。
○中塚参考人 今年度、五十二年度の予算におきましては約四億円の予算を組んでおりますし、また、ただいま御審議いただいております五十三年度予算では約四億一千万円の予算を組んでございます。
○島本委員 これはテレビが見えないということになりますと、ことに高層建築なんかの場合はNHKだけではない、都会の場合には民放も見えないのだということに当然なるのではないかと思うのでありますが、NHKだけが調査、指導をして、費用を負担して、そのNHKがだんだんじり貧になってきて、民放の方が大いに収益を上げているということになってくると、これはおかしいような気がするのでありますが、民放の経営状態は、いまのところは資料によりますとなかなかいいのですね。
 そうなりますと、どうでしょうか、民放にも分担してもらうということの方が筋ではないでしょうか。公共放送であるからNHKが全部これを受け持つというふうなことになっておるのでしょうか。郵政省の見解を聞いておきたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまの先生の御指摘の都市受信障害につきましては、NHKは、ただいまお話がございましたように、受信相談の一環といたしまして、受信障害解消のための調査、技術指導等を行っておるわけでございますが、この点につきましては、テレビジョン放送難視聴対策調査会の報告書におきましても、放送の普及義務等を履行する一つの方法といたしまして、NHKも技術調査を行うなど、受信障害の解消に必要な費用の一部を負担することが適当であると指摘をしておるわけでございます。
 しかしながら、民放の場合は、受信障害についての技術調査に協力させることは、この報告書におきましても実は意見が割れておるところでございまして、なお各方面の御意見を伺いながら結論を導き出したいというふうに考えておるところでございます。
○島本委員 高層建築等による受信障害については、これを原因者である建築主に負担してもらう、いわば一種の公害と同じような状態で、PPPの原則で、すなわちこれは原因者負担の原則が解決の一つのルートじゃないかと私は思うのであります。
 郵政省も、五十一年の三月六日に、高層建築物による受信障害解消についての指導要領というようなものを発表しておりまして、これによりまして建築主の責任についても明らかにされているのでありますが、さらに制度的にこれもはっきり決めておく必要があるのではなかろうか。もうすでに指導要領を発表してから二年経過しておるのでありますから、その準備が整っているのではないかと思いますが、高邁なる大臣の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○服部国務大臣 高層建築物による受信障害の解消につきましては、さきに指導要領を策定いたしまして、原因者責任のたてまえを周知するとともに、建築主等を指導し、紛争が生じないよう努力してまいりましたが、制度的解消につきましては、建築主から賦課金を徴収する等をして基金をつくり、受信障害を集団的に解決する、いわゆる受信障害解消基金構想等を検討しているところであります。
 しかしながら、制度的解消に当たっては、対象とする地域の範囲をどのように設定するか、費用負担者及び負担金額をどのように決定するか、あるいは障害の程度により客観的な認定基準の作成を必要とするなどの問題がありまして、省内に難視聴対策委員会を設け、検討を進めているところであります。
 なお、私が就任いたしまして間もなく、いまの島本先生の御指摘のとおりに、原因者負担を明確にすべきであるということは私もやはり同感でありますので、櫻内建設大臣に申し入れをいたしました。この種の問題は建築基準法の改正をまって解決を図るべきであるという要請をいたしまして御了解を得たので、建設省住宅局と郵政省電波監理局でこの問題について過去数回協議を持ち、検討を進めておりますが、現在もなお検討を進めている状態であることも付言いたしておきます。
○島本委員 二月二十三日の日本経済新聞にも、「建設省、基準づくりに着手」「電波も日照権なみ補償」というような見出しで報道されているのであります。建設省は受信障害の損害補償をするために、補償問題研究会を設置して損害補償基準の作成に着手するというような報道でありますが、建設省、その内容はどういうようなものですか。
○田中説明員 御答弁させていただきます。
 その補償問題研究会におきます対象となります事項につきましては、高速道路だとかあるいはまた高架鉄道のように公共施設を考えております。
 補償問題研究会におきましては、現在、電波障害のほか、水の枯渇の問題だとか、あるいは生活再建の問題だとか、いろいろ補償問題として研究すべき事項が多々ございますが、その中の重要な課題の一つとして、電波障害について、起業者の立場からどのように考えていけばいいだろうかということで現在勉強中でございます。そして、できましたらことしの夏ごろまでに一つの考え方をまとめてみたい、このように思っております。
 なお、郵政省の五十一年三月の通達は高層建築物でございますので、これは主として民間に関係するものと考えております。
 それで、私たちの補償問題研究会では、公共施設による電波障害等につきまして、その一つの事務的な処理の基準を考えてみたい、このように思っております。
○島本委員 そうすると、建設省の方では、郵政省の方で出された高層建築物による受信障害解消についての指導要領はあくまでも民間施設を対象としたものであって、公共施設は含まれないというような考え方の上に立っておられる。そして、高速道路であるとか、高架鉄道であるとか、いろいろな公共的な問題に対してのみ建設省はやるんだというようなことのようでありますが、そうすると、高層建築によって必ず電波公害が起きることは過去数年の例によってはっきりしているのでありますが、PPPの原則、原因者負担の原則をもって、建築主に対して、見えなくなったのはあなたたちの責任ですよ、はっきりした対策は講じておきなさいという指導はしないのですか。
○和田説明員 先ほどのお話にもございましたけれども、テレビジョン放送難視聴対策調査会等の御議論を通じておりましても、電波障害そのものが、現在の状態でございますと、そのビル陰による障害あるいは反射による障害、あるいはそれの複合した障害というようなことで非常に複雑になっておりまして、直接の原因者というものが必ずしも特定できないという場合も非常に多いようでございます。
 それから、私どもの立場からいたしますと、個々の建物の建築に伴います障害につきましては、共同アンテナを設置する等の処置という形でやっておるわけでございますけれども、そういうかっこうでは最終的に抜本的な解決にはなかなかつながりにくいんではないだろうか、ある程度の施設をし、それがだんだんに積み重なっていって都市としての有効なストックになるというような形には現状ではなかなかむずかしいんではなかろうかというふうに考えております。したがいまして、直ちに強制的に建築主に義務を課するということは現段階では適当ではないんではないかというふうに考えております。
 ただ、調査会の報告にもございますように、いたずらにトラブルを起こすというようなことは非常に好ましいことではございませんので、行政指導という形で、調査会報告並びに通達の趣旨に沿いまして指導しておるわけでございます。
○島本委員 私はどうもその点ではよくわからないのですが、高層建築を建てた、一つや二つや三つくらい建った、見えなくなった、一つの責任じゃないからこれはどうにもできない――それは相乗作用を起こして国民に迷惑を与えているのでしょう。いわば複合汚染のような状態で国民に迷惑を与えているのでしょう。一つのビルでなかったら二つ、三つでしょう。そういうふうになることは建築する場合にははっきりわかるでしょう。わかる場合にはきちっとそういうような指導をしておいて、そして迷惑をかけないようにして、かける場合には特別な施設をしてこれを許可してやる。これくらいはいまの世の中ではあたりまえじゃないでしょうかね。これ一つだけじゃないから知らぬぞ、二つ、三つになったから、これはもう一つだけの問題じゃないから知りませんでは、これは建設省としては少しおかしいじゃありませんか。建設省は国民のためにあるのでしょう。業者のためにあるんじゃないでしょう。国民が困るようなことをしてはならないでしょう。
 そういうようなことからして、この補償の基準というのは、被害を起こしたから補償だけをしてやろうとする。起こさないような指導をなぜできないのですか。この新聞によりましても、「補償基準は1第三者による判定機関を設置して“障害度”を判定する2日影基準と同じように「社会生活上、我慢できる範囲を超える場合」とする」3電波障害を防ぐ施設を作る」となっています。三番目に防ぐ施設をつくるならいいでしょう。新聞によると、これを主な柱としてやっているようでありますが、大体そういうことですか。事前にそういう障害を起こさないような指導をしないのですか。あわせて御答弁願います。
○田中説明員 御答弁させていただきます。
 私ども建設省といたしましては、民間の建築物等につきましては住宅局で所管しておりますので、いま和田課長がお答えしたとおりでございますが、私どもの計画局といたしましては、補償問題として、公共施設の設置の立場から、いわゆる日照の問題だとか、電波障害だとか、、いろいろとそういう事業損失問題と取り組んでいるわけでございます。
 現在、公共施設にも、事前に調査をしたり、あるいはまた施設を設置したり、あるいは維持管理費を負担したり、いろいろとしておりますが、そのやり方が現在のところ必ずしも統一されておりませんし、また、いろいろ研究会の中でも議論されておるところでございますが、果たして公共施設だけが原因だろうか、日照の場合と電波の場合は違うところがあるのじゃないだろうかということで、たとえば日照の場合は太陽はもう絶対動かすことはできませんが、電波の場合は送信アンテナの高さだとか位置だとかいったものによりますし、あるいはH波だとかS波等を利用すればいろいろ解決もできますし、諸外国におきましても電波障害が日本ほど比較的問題になっていないのは、有線放送の量だとか、そういった技術的な要素もございますので、これは施設の設置者とそれから放送事業者、それからなお民間の地域住民の人たちの三者の問題として考えなければならないんじゃないだろうかと思っております。
 この場合、建設省の公共事業を推進する立場といたしましては、それを解決する仕組みをつくらなければならない、統一的な仕組みを研究してつくってできるだけ早くまとめなければならないということで、夏ごろまで鋭意勉強しているということで、これは補償というよりも、むしろそういう起こった問題をいかにすれば解決できるかという事務処理的な問題として考えている、こういうことでございます。
○島本委員 これは言った範囲はわかりますが、言わない範囲は努力しないのですか。すなわち、障害が起きる前に起こさないような配慮をしてやるということですが、電波の問題は太陽と違う、少しアンテナを高くすればこれはないんだから、これはもう放送する側が悪いんだ、高層建築をつくっても悪くないんだと、こういうような意味にもとれるじゃありませんか。
 すなわち、建てるならば、何でもないところに一つの障害物をつくることになるのですから、障害物が起こらないように、障害にならないように、きちっと配慮して建築を指導するべきだと私は思っているのです。しかし、皆さんの場合には起きたものに対する処置だけをやっているからこれではちょっとおかしいと思うのであります。
 それと同時に、この基準はすべての高層建築に適用されるものなんでしょうか。直轄事業についてのみの基準なのでしょうか。建設省の基準と郵政省の指導要領は何か別個のような気がいたしますが、これはどんなものなんでございましょうか。
○田中説明員 先ほどお答えいたしましたとおり、郵政省の基準は高層建築物を対象としているということでございます。私たちがいま勉強しておりますものは、高速道路だとかあるいは高架鉄道等の公共施設によるものでございます。したがいまして、その対象とするものが違うものと考えております。
 それから、これは公共施設の、その一つの補償政策として考えておりますので、建設省といたしましては、できましたならば一応直轄事業に適用して、そしてその後補助事業等にこれを遵守するように通達いたします。
 その後の見込みといたしましては、中央用対連というものがございまして、そこで公共事業の場合このような基準で実施するように申し合わせをしたい、このように思っております。
 なお、こういう一つの事務処理要領をつくる場合には、郵政行政の観点も強うございますので、事前に十分御相談申し上げたい、このように思っております。
○島本委員 やはり、課長や何か、行政当局のこういうような考え方だったら、与えられたものについて、ちょうど馬車馬のように前しか見ておらぬですね。国民全体の方に目がいかないような気がしますね。
 それで、今度は大臣にちょっとお伺いするのですが、いままでのいろいろな議論の中で、ある人は、生活の中に食い入って水のようなものが電波であるとか、あるいは空気のようなものがテレビであるとかいうような表現もそれぞれあったわけでありますが、私もそう思います。したがって、日照権と同じように社会生活をする上に必要不可欠なもので、もうすでにテレビはそういうような状態に置かれておると私は思っておるのです。テレビ、いわば日照権があるならば受信権が――受信権と言うとさっきの議論からしてちょっとおかしいのでありますが、いわゆる視聴権というか、こう言ってもいいんじゃないかと思うのですが、これは建設省関係等とは限りませんが、すべての高層施設をつくる際に、同一の基準のもとに住民の権利を守るようにしてやったらいいのじゃないか。そして建設省の見解、郵政省の見解というものがあるでしょうけれども、しかし最終的には建築基準法を改正して、この基準を盛り込んで、そして建物を建てるに際してもこういうような配慮はきちっとしてやるんだということ、これがこれからの一つの行政指導の態度じゃないかと思いますが、事務当局はいいとして、国務大臣である服部さんにお聞きしたいのでありますが、その点は十分配慮して今後やってもらえましょうか。
○服部国務大臣 先ほども少し触れましたが、御指摘のとおりに、正常な視聴のできている状態のところに高層建築物ができて、ここに電波障害が起きたというならば、いま視聴権という言葉をお使いになりましたが、視聴権、いわゆる視聴する権利はだれも有すると思うわけでありますから、こういった方々に与えた迷惑をその原因者であるビル建築者が当然負うべきであると私は考えております。
 したがって、先ほども申し上げましたが、櫻内建設大臣に御指摘の趣旨を私も申し上げて、了解を得て、いま建設省住宅局と電波監理局と協議を進めている段階でありますが、先ほどの課長の答弁の中でも、ビルが建って、いわゆるその反射障害や電波障害、複合等いろいろおっしゃったが、そこにはS波とか何とかで解決する方法があるし、アンテナの高低でとか――とんでもないことであって、そういうことをやらねばならない原因は一体だれがつくったかという問題でありますから、私は今後関係方面と緊密な連携をとりつつ、原因者負担の原則を貫くべく最善の努力を払い、今日まで安定した画像で視聴されていた方々にそういった迷惑をかけることのないように、いま建築基準法の中にそういった問題を織り込むとかいろいろな努力を続けてまいりたい、かように考えている次第であります。
○島本委員 いままでの答弁の中で、いまの答弁が一番しっかりした答弁です。したがって、今後これを実行するように心から期待します。
 きょうは本会議の関係で一分一秒も時間を超過してはならないということですが、あと四分です。この四分の中で、この最後の一問だけは大事に答えてもらいたい。
 それは皆さんはよく知っておるけれども、私が知らない問題で、モスクワオリンピック大会の放送の問題なんでありますが、これは去年の三月ですか、現在はテレビ朝日になっていますが、ここが契約金を積んで独占的な契約をしたという報道があったわけであります。あれからもう一年経過しているわけでありますが、これに対しても相当話し合いも進んでいるんじゃないかと思いますが、公共放送としてのNHKの役割りを考えます場合に、NHKとしては一体どうすればいいのかということと、それと同時に、オリンピック大会は国民としても関心が高うございますから、そのための一つの国際行事でもありますから、放送事業当事者の競争で国民の一部が見ることができないということになることは電波行政の上からしてとんでもないことだと思うのでありますが、行政責任者としての郵政大臣のこれに対する見解、並びにいままでどういうように努力してきたかということを伺って私の質問を終わらせてもらいます。
 時間はあと三分しかございませんから、要領よくお願いします。
○服部国務大臣 オリンピック競技は国民大多数が大きな関心を有する国際的行事でありますが、放送権をめぐる問題で御指摘のとおりにいろいろと問題があるわけでありますが、率直に申し上げて、この種の問題は、各放送事業者が自主的に話し合いを進めていただいて放送を実施するのが一番望ましいことであると私は考えております。
 しかし、オリンピック行事は、全国民がどの地域でも十二分に見ることのできるような措置を講ずるために、私は私なりに必死の努力を払わねばならないと考えているところでありますが、この問題の話し合いの解決のために関係者から私にこの問題の解決のあっせんを求められた場合は、喜んで私はできるだけの努力を払うつもりであります。(島本委員「職権あっせんをして」と呼ぶ)
 職権あっせんというのは、いわゆる放送法のどのあれにするのか、ちょっとぼくには――まだ勉強いたしておりませんが、問題は、前回の予算委員会でも私は鈴木先生にお答えいたしましたが、要は、すべての国民がこのオリンピック行事を十二分に満喫していただく体制つくりのために、必ず必死の努力を払いますという答弁をいたしましたが、現在もその心境には何ら変わりないことを申し上げて答弁といたします。
○坂本参考人 私も、オリンピックの放送はNHKの放送すべきテーマであるということは十分認識しておりますが、ただ、御承知のような経過をとっておりますので、その解決にはやはり皆さんが御納得いただくような形で解決をしたい。そして、そのポイントは何が視聴者のためになるかという一点にしぼって、私自身の面目とか、そういうことにいたずらにこだわらずに解決に努力したいと考えておりますので、もうしばらく御猶予を賜りたいと思う次第でございます。
○島本委員 郵政当局並びにNHKの一層の健闘を祈って、私の質問を終わります。
○松本委員長 阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 協会の皆さん、経営委員長、お忙しい中を大変恐縮に存じます。
 昨日来の議論を承っておりまして、いま承認を求められております昭和五十三年度のNHKの予算、さらに昭和五十四年度、次の年度を見通して、あわせて今日の不払い運動の動向、そういうものをながめてみますと、私は、今日NHKの経営は危機に瀕しておると申し上げて言い過ぎではないのではないかと思います。後ほどこれは数字でまた議論してみたいと思いますが、そういう時期に民間放送等では、NHKのあり方等についてテーマにしていろいろ放映をされ議論をされておるようでございますけれども、肝心のNHKではそういう問題について大胆に国民に問いかけていない。
 私は、公共放送としてのNHKが今日国民の間でなお必要であるという世論なのか、もうNHKは要らないということになるのか、NHK自身が大胆に国民に問いかけてみなければならない時期に来ておるのではないかと思うのです。なろうことならば、その上に立って三カ年ぐらいあるいは五カ年ぐらいの中期的な財政の見通し等も立てなければ、五十三年度一年だけ、単年度の予算を承認せよと言われましてもなかなか見通しとしてむずかしい問題があると思いますが、そういう点について、NHKが大胆に国民にNHKの存否について問いかけてみるような必要があるのではないかという点につき、大臣並びに会長の意見を伺いたいと思います。
○服部国務大臣 お答えいたします。
 御指摘のとおり、全く私も阿部先生と同感であるということをまず表明いたします。したがって、先般の、いま御審議をお願い申し上げております五十三年度日本放送協会の収支予算、事業計画、資金計画に対する私の意見は、長期展望に立ってということをあえて付しましたことも御理解いただいたものと、私は大変うれしく思います。
 したがって、今日のNHKが安易に赤字値上げを繰り返すようであれば、国民のNHK批判は高まり、NHKの必要性自体が疑われる結果になりかねないと私は大変憂慮いたしております。この点は阿部先生同様真剣に私はこの問題に取り組んで、そういった結果を招いてはならないという私なりの努力をきょうまで払い、今後も払っていきたいという立場をとっております。
 したがいまして、NHKは、その運営に当たっては、放送番組の充実向上等、ただいまいろいろと島本先生からお話があったような意見も大いに参考にしていただいて充実向上を図るとともに、いま、会長以下全職員が一丸となって、長期的展望のもとで企業努力に努めていくべきである。また、受信料の負担者である国民に対しましても、公共放送機関としてのNHKの役割りと必要性を十二分に認識してもらうように、郵政省の全力を挙げてこの必要性を広く国民に訴えてまいりたい。私はそういう立場をとりつつ、昨日来大変厳しい姿勢で臨み、いろいろと御意見をちょうだいいたしておりますが、これはそれなりに大変貴重な意見であり、また、私が先ほど来申し上げました悲壮な決意で今後この行政指導をやる立場をとるためにも大きな参考になりました。
 しかし、私はそういう立場をとる以上、まずみずからを律する、いわゆるみずから企業努力を払いつつ国民の理解と協力を得るような再出発の心がけを持つべきである、かように考えている次第でございます。
○坂本参考人 阿部先生の御指摘のとおり、私といたしましては、そういう国民の期待に十分こたえるべく経営姿勢を正すということにあろうかと思いますが、多少お言葉を返すようで恐縮でございますけれども、私自身の気持ちの中には、NHKは国民の支持を少なくとも基本的には得ているという確信と自信を持って経営に当たっておるつもりでございます。しかし、さればといって、最近のいろいろと新聞その他で伝えられている点について全く楽観しているのではございませんで、それは先ほど来申し上げているように頭を痛めている点でございますけれども、少なくとも国民の多数は従来からのNHKの事績について評価していただいているという、確信と自信のもとに将来展望を立てたいと思っておる次第でございます。
 ただし、財政的な長期展望ということになりますと、御承知のような経済情勢その他のことがございまして、なかなか国会に御提出できるような段階にいま至っておらない点を申しわけなく思っておる次第でございますけれども、しかし、気持ちの上としてはそういう確信と自信を持って今後展望していきたいと思っておりますので、何とぞ御支援を賜りますようお願いする次第でございます。
○阿部(未)委員 少し数字に触れたいと思うのですけれども、大臣はきのうも、きょうもまた述べられましたが、なお企業努力の余地はあるのではないかと言われる。確かに私もその点については同感でございますが、不払いの問題、未契約の問題を除いては、率直に言って昭和五十三年度のNHK予算はかなり切り詰めたものであると私は見ておるわけです。いわゆる企業努力も、不払い、未契約を除いてはもうそう大きい期待は持てないのではないか。仮に、滞納の問題あるいは未契約の問題を全面的に解消し得たとしても百二十万前後の世帯にしかならないような気がします。その場合の年間の増収は、カラーに全部して約百億くらいを見込めるのではないかと思うが、ところが、それは実際は不可能だと私は思います。年々不払いがふえ、未契約がふえておるとは申しませんが、数字から言うならば、絶対数は上がっていっております。これはここ一年や半年でそう簡単に、企業努力をしてみても解消できる内容のものではないと思われます。どんなにがんばってみても、五十億の増収を図り得ればNHKとしては大変な成績だったということになるのではないか。
 そこで、仮に、再来年度になりますが、昭和五十四年度を展望して、もし昭和五十三年度と同じような収入の伸びであり、同じような支出の伸びであるとするならば、私の概算では二百億を超す赤字になるはずでございます。二百億の赤字を抱えて昭和五十四年度をNHKは運営できるのだろうか。恐らく、来年の予算の際にはこの赤字をどうしましょうかということになり、裏では値上げをしてくれということを出さざるを得ない経営の実態になっておるのではないか。それならば、さっき私が申し上げたように、いま率直にNHKの状態を訴えて、この一年間世論に問うて、その上に立って、NHKがなお必要であるという世論が会長がおっしゃるように圧倒的であるならば、来年の予算編成に当たっては、視聴者、国民の意思をくんでの予算の編成が行われなければならない。
 ところが、ことしはことし二十九億ですかの繰り越しがございます。来年はまた来年の風が吹くでしょうというふうな、国民の信頼を得ておりますからというような考え方は非常に甘いのではないか。なぜことしそのことを訴えて、時間をかけて世論に問わないのか。その姿勢にNHKの経営の甘さがある、視聴者に甘えておるというように私には思えてならないのですが、経営委員長も予算については責任を持って決議をされたわけですから、経営委員長のお考えと、執行される会長のお考えを承りたいと思うのです。
○工藤参考人 いま御指摘をいただきましたように、私ども経営委員会といたしまして、NHKが本当に危機に立っておるということは十分に認識しておるのでございます。その説明の一助といたしまして、今回の予算成立のいきさつを述べさせていただきたいと思うのです。
 今回の予算も、単年度に限りましても非常にむずかしいということは十分に承知しておりましたので、いままでは大体十二月ごろから予算審議に入ったのでございますけれども、昨年は十月から予算審議に入りまして、予算作成と並行して執行部と緊密な連絡をとりつつ予算編成を進めてきて、十二月から四回会議を重ねまして、ことしになりましてからは、一月十九日に最後の数字を得たので、十九日には、執行部の方を除いて委員だけで真剣な懇談をいたしました。そこで翌日議決したわけでございますが、二十日の議決に先立ちまして、私が委員の懇談の趣旨を要約いたしまして重大な申し入れを執行部にいたしましたのでございます。
 それは、三年計画の当初に当たって、御承知のように、思わぬ二カ月の暫定予算のために百二十億の欠損を生じたのですが、まず、これを三年間かかってともかく消すように努力したという経営努力は大いに認めるけれども、なおかついま御審議を願っている予算で二十九億という赤字が出たのはまことに遺憾である、ついては、いままで切り詰め切り詰めしてやってきておるけれども、さらに経営努力を進めてこの二十億は消すぐらいの覚悟でやっていただきたいということが一つと、もう一つは、いま御指摘になりましたように、次の年の予算はさらに赤字が増すであろうことは御指摘のとおりでございますが、その額については阿部先生は二百億とおっしゃいましたけれども、まだこれから検討もしなければならぬし、私も詳細申し述べる立場にございませんが、ともかく非常に苦しい予算になることも明らかだ、しかし、それでもなおかつ安易に料金値上げを聴視者にお願い申すということはよほど慎重を要する、聴視者に値上げをしていただくわ、これが取れずにさらに不払いが広がってくるわといたしたらどうにもこうにもならない――そういうことはわれわれもよく承知しておりますので、これは安易に考えずに十分な経営努力をさらに続けてほしい、と、こういうことを要望いたしました。
 最後に、NHKとしては、いま大臣もおっしゃったように、NHKの性格あるいはNHKのやっている仕事に対して国民の皆さん、視聴者の皆さんに十分理解をしていただいておらない点があると思います。やっている仕事がずいぶん広範でございますし、また、公共性を帯びたことも多いのでございますけれども、その点に対しての御理解が足りない点があるので、それを十分知っていただく努力をすることと、それから同時に、一方的ではいけませんから、今度は聴視者の皆さんの意向を吸い上げること、このツーウエーの宣伝活動というか広報活動をやってほしいと、この条件を出したのでございます。
 そのとき会長も、事は非常に重大だから、これは私の一存でここで、はいわかりました、それじゃ予算を議決願いますと言っても軽率だから、ちょっと時間をいただいて理事と篤と相談をしてみたいということで会議を中断いたしまして、早速理事会を開いて理事の間で十分検討を重ねていただいて、経営委員会の申し入れといいますか、要望はよく理解した、その御意思に沿うように懸命の努力をいたしますというお答えがありました。そこでこの予算を議決いたして郵政大臣に提出いたしたという経緯がございます。
 ということは、経営委員会としても事態を非常に重大に考えておるということを知っていただくためにくどいようですけれども申し上げたのでございまして、それではおまえ今後どうにかする何かがあるのかということですが、これは経営委員会として具体策を一々執行部に指示するという立場でもございません。立案はすべて執行部が責任を持っていたさなければならぬわけでございますけれども、常識的に考えまして、何よりも営業活動を活発にする余地はまだあると思います。不払いのなににしましても、拡張にいたしましても、私は昔新聞社におりましたが、新聞社の集金人といいますか、新聞社の店の努力から見ましたら、いまのNHKのなにはずいぶん手ぬるいところがございまして、これはまだまだ努力の余地があると思います。
 それから体質改善ですが、阿部先生はよく御存じだろうと思いますけれども、これもやりようによってはまだまだやり方があるのじゃなかろうか、水平思考と申しますか、ちょっと考え方を改めるとずいぶん出てくるのじゃなかろうか、と思います。
 それから、最後に、どうしても政府並びに国会の皆様の御協力を得て、たとえば国際放送に対する政府の補助金とかあるいは免除に対するお考えとかいうふうな点でも十分な御協力と御援助を願えば、この赤字は収入増と支出減と両側からある程度攻めていけるのじゃなかろうか、また、その努力をぎりぎりまでせずに料金改定という問題を持ち出すのは聴視者に対してもまことに相済まぬ、その努力をすれば、むしろ聴視者の方からこれはちょっと無理だから値上げしろとはおっしゃらぬだろうが、いろいろ激励の声が起こってきてスムーズに値上げができるのじゃなかろうかと、そういうふう存じまして、NHKのやっている仕事に対して御理解を願うということにも努められたいというふうに執行部には注文いたしております。
 それで、この予算を通していただきましたら、立案は執行部がいたすのでありますけれども、経営委員会も人ごとのように案が出てくるまで待たずに、執行部の連中ともよく話し合って、四月早々に一つでも二つでも具体案が出るように取り計らいたいと存じております。
○坂本参考人 阿部先生の御指摘のように非常に重要な時期でございますので、その点は十分認識しておるつもりでございます。
 認識が甘いのではないかという御指摘もございますけれども、私といたしましては、やはりNHKは支持されているというところから出発いたしませんと事を誤るのではないかというふうに思っておりますので、その点は御理解賜りたいと思う次第でございます。
 ただ、それならば五十四年度の点について具体的にいまから訴えるべきではないかという御指摘もございますけれども、それはいま経営委員長も御説明になりましたように、安易に受信料改定というところに結びつけるということは経営責任としていかがというふうに考えておりますので、その点も御理解賜りまして、ひとつ御支援のほどをお願いしたいと思う次第でございます。
○阿部(未)委員 私が申し上げておるのは値上げをせよというのじゃないのですよ。まず基本的に本当に国民の支持を得ておるかどうか、大胆に問いかけてみる必要があるのではないか。そしてその上に立って、会長の言うように支持をいただいておるならば、いま経営委員長もおっしゃいましたが、むしろ視聴者の方からこれではやれぬのじゃないかというふうな声が起こってくるかもわからない。その努力がなされていない。しかも、危機にもう直面している。昭和五十四年度の予算だって、私の数字に間違いがあれば御指摘いただきたいのですが、大体このままの収入と支出の伸び率で換算をすれば二百億の赤字が出るはずですよ。二千億予算の二百億といえば一割でしょう。しかも、NHKの場合には民間の事業と違って、景気が少し上向いたからもうかるということはほとんど考えられないのです。これは受信料に頼る以外にないわけですから、数字は見え透いておるわけです。にもかかわらず来年は来年の風が吹くだろう、NHKは視聴者の支持を得ておるのだという前提に立って甘く考えておると、先ほど大臣がおっしゃったように、NHK不要論に発展をするおそれもある。民間放送でさえNHKをまないたにのせておるのですから、この機会にみずからも国民の前に少しまないたにのせてみるというくらいの大胆な措置が必要ではないのか。これを私は申し上げたかったわけでございます。
 時間もたちますので、あと少し数字に触れさせてもらいますが、この説明資料の八ページの前期繰越金、これは大体三年間計画で五十一年、五十二年と繰り越してきた金だというふうには理解ができるのですけれども、この八ページで、五十二年度には前期からの繰越金がないわけです。そして五十三年度に突如百十八億三千万という数字が出てくるわけです。それで、こっちの右の方の表を見ますと、昭和五十一年度の分で九十八億二千万、五十二年度から繰り延べたものが二十億、こうなっておるのですが、昭和五十一年から繰り延べた九十八億二千万というのはこの諸表のどこに上がってくるのか、ちょっと説明してもらいたいのです。
○川原参考人 これはNHKの予算のたてまえといいますか、大原則が、いまの先生の御指摘の八ページの資本収支につきましても、その前のページの事業収支につきましても、大原則としてその年度の収入と支出、これに関することをできるだけ明快に出すということになっておりまして、その年度の収支が本当にどういう形であったかということになっておりますために、この前期繰越金は五十二年度には出てまいりません。これは五十三年度の方の資本収支に初めて出てくる。そうしませんと、五十二年度の本当のその年度の収支ということがかえってわからなくなるという予算の原則からこういう表示になっているわけでございます。
○阿部(未)委員 そうすると、これはどこかに隠しちゃったわけですね。五十二年の予算書には上がっていないですから。五十二年度に繰り越されておれば、それがこの次に五十一年と五十二年を一緒にして五十三年度に繰り越すことになるわけですけれども、これに計上されていないということは、金は九十八億余っておったが、どこかよそに隠してあって今度出してきた、こういう感じになるわけですか。
○川原参考人 その件につきましては、決して隠しておりませんで、二つの方法をもってはっきりさせていると私どもは考えております。
 一つは、予算書ではございませんが、各年度の予算審議の際に必ずこの種の説明資料をつけて御審議いただいております。五十二年度の説明資料にはそのことは明確に書いてございます。それからもう一つは、もちろん正式の決算諸表の中ではこの繰越金は必ず出ているわけでございます。
 決して隠すということではなくて、そういう必要な説明資料をもって十分に補足をいたしているというつもりでおります。
○阿部(未)委員 議論はしませんが、五十一年から五十二年に九十八億の繰り越しがあったということを資本収支の中で明確にしておいて、それが五十三年にこう繰り越されますというのがこの諸表の本当の筋だと私は思いますよ。ほかのところに書いてあるから隠してはなかったとおっしゃるけれども、資本収支で見る限りは、五十一年から繰り越してきたのは五十二年では一体どこに入っておったのだろうか。ゼロになっています。
 それで、五十三年にはいきなり百十八億が入ってくるという形になるわけですわね。そういうことになれば、ことしの五十三年の収支から言うならば、これも別枠にして繰り越してこなければ非常にかっこうの悪いものになってくるという気がします。悪意で隠したとは思いませんが、これをちょっと見た限りでは、五十一年の繰り越しはどこにいってしまったのだろうか、そして五十三年に突如としてあらわれてきた、そういう感じがいたします。
 これは議論してみてもしようがないですけれども、むしろ書かない方がわかりにくい。これだけ前の年から繰り越しがあったと書いた方がわかるのです。繰り越しがあったのをその年度に使わないから書かないというならば、五十三年度だって書くのがおかしくなってくるのです。だから、使うときに初めて出してくるというならば、どこかに隠してしまったというようにしかならないわけなので、やはり繰り越したものは繰り越したようにさっと書いて、五十一年に九十八億、五十二年が何ぼ、それで五十三年でこれだけ繰り越しができておりますというのがわかりやすい説明ではないかという気が私はしますけれども、これは別に議論はしません。ただちょっと気になったので聞いておいたわけです。
 そこで、次に企業努力の関係ですけれども、もう一つお伺いしたいのは、NHKもいろいろお仕事をなさっておられるようで、N響などというのは私どももよく承知をしておりますけれども、これはむしろ予算が減っておるのが気の毒なぐらいに思っておるのでございますが、二十六ページに日本放送協会学園というのがありますが、これはどういう性格のものでございますか。
○堀参考人 お答えいたします。
 日本放送協会学園は広域性の通信高校でございます。三十六年に法律が改正になりまして、広域の通信制高校の設立が可能になりまして、三十八年に設立いたしたもので、当時の普通高校への進学率が六〇%をわずかに超えたという状況において、通信制教育を行うという教育活動と、もう一つは放送内容の充実のための資料の獲得、さらには放送の利用の仕方についてのPRを実物をもって行うというようなこと、すなわち、大きく教育活動とそして教育放送のための機関、この二つの目的をもって設立されたものでございます。
○阿部(未)委員 これはやはり学校教育法に定める高校になるわけでございましょう。
○堀参考人 そのとおりでございます。
○阿部(未)委員 教育の重要性はわかりますけれども、やはり教育は基本的に文部省にやってもらって、何もNHKが高校をつくらなくてもいいのではないか。もちろん私立の高校というのはありますけれども、私はどうもNHK本来の任務ではないような気がするのです。いますぐ廃止せよというのは暴論かもわかりませんが、先ほど経営委員長もおっしゃっていましたけれども、もう少し体質もいろいろ検討しなければならないのではないかというお話もございました。そう膨大な額ではありませんけれども、NHKが学校経営をして、そこに貴重な受信料をつぎ込んでおるというふうなことが本筋なのかどうなのか、少し疑問もあります。私は、こういう問題も大胆に視聴者に問いかけてみなければならない一つの課題だというふうに思うのですが、会長、これはどうでしょうか。
○堀参考人 お答え申し上げます。
 私はこの学園の理事をかなり長いことやっておりました関係で、せっかく坂本会長に御指名でございますが、私の方が実務をやっていた関係でお答えいたしたいと思います。
 教育活動自体につきましては、御指摘のように、現在通常高校に進学する率が九〇%を超えるという状況の中で、果たしてこのまま教育活動を活発に行う必要があるかどうかについては私たちも議論いたしまして、そして五十年をピークに徐々に教育活動の縮小を図っております。実際、五十年に六十七校ございました協力校は来年度四十五校に減少する予定でございますし、入学者の数も、五十年は二千三百十五人だったものがさらに五十二年度は千七百五十人、在籍生徒数も、五十年に九千三百五十六人のものが七千四百四十三人と、漸次縮小の傾向をたどっております。と同時に、NHKがこの学校に出します補助金も、四億九千万だったものが来年度はやや減るということで、社会の情勢、教育環境の変化に伴う処置を漸次とっておる次第でございます。
 同時に、もう一つ、社会教育的なものもこれに加味いたしまして、財政の健全化と独立の方向を歩むようにお願いしている次第でございます。
○阿部(未)委員 そういう趣旨で御検討いただいて、もう教育までNHKがかぶってやる時期ではないように思われますので、御検討いただきたいと思います。
 その次に、大蔵政務次官に御出席いただいたわけですが、政務次官はこの委員会でいままでずっと議論を聞いていただいておりますからもう十分おわかりだと思うのですけれども、放送法三十三条、三十四条、三十五条の関係で、郵政省、政府がNHKに国際放送を命令する、その必要な額は負担しなければならないというのは、これは先ほど経営委員長からもお話があったところなんですが、かつて私は自民党の幹事長の大平さんが大蔵大臣のときに質問をしまして、そういう金ならば必要なものは出しましょうという大臣の約束をいただいたのですけれども、どういうものか大蔵官僚というのは大臣の言うことを聞かなくて、その後郵政省がその年度に当たって、この程度の国際放送を命令したいからということを要請しても金を出してくれない。金を出してくれないから、それではそれだけ放送内容を変えられるかというと、国際放送内容は御案内のように変えられるものではないわけでございますから、結局はNHKにしわ寄せになっているわけなんです。
 政務次官、これはことしはもう終わりましたから、来年からは大蔵もけちらずに出してもらいたいと思うのですが、どうですか。
○稲村政府委員 阿部先生は例年本当に熱心にこの問題に取り組んでおられて、その熱意に敬意を表しますが、この国際放送のNHKに対する大蔵省としての交付金が六億九千万、要求が八億五百万、郵政省全体に対する前年度比の伸びが七・二%で、これに対しても二四・五と伸びていますので、大蔵省としては大変な理解を示していると御理解をいただけたらありがたいと思います。
○阿部(未)委員 政務次官、私はその点で大蔵がこの問題で理解を示していないとは決して思っていないのですけれども、もう一踏ん張りして、その性格上ほかの予算とは違う性格なんだということを理解していただければ、郵政省も恐らくサバを読んで要求しておるわけではないし、予算書を見ても、国際放送に要するNHKの金というのは相当な額に上っているわけです。私は、本当は国際放送については負担割合を決めるべきではないかという主張を持っております。
 たとえばNHKが六、そして政府の命令分を四なら四とするというふうに負担割合を決めておけば、その年度ごとで一々言わなくてもぴしゃっと出てくる。大体予算が決定すれば、自動的に大蔵省からの交付される金は決まる。そういう割合を決めるべきではないかということを私はずっと主張しておるので、せっかく理解をいただいておるわけですから、それもあわせて、来年からはさらにもっと、その予算の性格上全額を認めてやるべきだというふうに、NHKに理解のある大蔵政務次官が省内において極力御努力をいただきたいと思うわけでありますが、よろしゅうございましょうか。
○稲村政府委員 最初から負担を決めてという阿部先生の御意見ですが、国際放送は、先生もすでに御存じのとおり、国の命令でやるものとNHKが自主的責任においてやるものと、これから成り立っておりますので、この所要経費全体を大蔵大臣が精査して予算面でチェックするということは放送法の規定にも触れることになり、困難であると、こういう理解をしておりますが、ただ、この御要望に対しては、前向きで、本当にもう少し好意的に増額の用意ありという姿勢で御理解いただきたいと思います。
○阿部(未)委員 これは直接大蔵省にお伺いするのはちょっと酷かもわかりませんけれども、これも私の持論ですが、NHKの運営が比較的財政が楽なときはそれでよかったと思うのですけれども、今日のようになってきますと、受信料の免除が、一体視聴者が負担をして免除しなければならない性格のものなのか。あるいは、本来国が施策としてやらなければならない福祉あるいは教育という問題についての免除が果たして妥当なのかどうか。たとえば学校というものの性格を考えてみますと、NHKの受信料が免除されるならば、これは悪い例ですが、電話だって免除されてもいいではないかという理屈が出てくると思うのですね。ところが、電話料だってもちろん免除をしませんし、ほかの諸経費だってなかなか免除をしないのに、たまたまこの受信料は、受信者が負担をしてくれて国に直接財政的な負担がないものだから、これは幸いだということで、悪く言えば悪乗りしておる。
 もうこの辺で一回放送法を検討し――これはことさら検討しなくても、大臣が認可しなければいいのですけれども、承認しなければいいのですけれども、基本的に考えて、そしてそれぞれの所管の省が本来の姿に返って、払うべきものは払う、そのためには国が当然そのめんどうを見てやるという、そういう体制に立て直していくのもまたこれはNHKのいまの体質上の一つの問題ではないかという気がするわけですので、これは要望ですが、各省と郵政省、NHKでひとつ話し合いをしていただいて、そういう各省の理解が得られれば、財布を握る大蔵省としては十分な理解を示してもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○稲村政府委員 福祉施設や学校等に対する受信料の免除は、現在、郵政大臣の認可する基準に従って実施していることは言うまでもございません。
 NHK及び郵政省が、法務省や労働省や文部省と話し合った上で、それが先決でございます。そして、これをどうかという大蔵省に対しての御要望があれば、これは改めて検討する。前向きでこれは検討せざるを得ないと思います。
○阿部(未)委員 大蔵省はもう結構です。ありがとうございました。
 次に、もう少し進めさせてもらいますが、少し議論のダブりになるおそれもありますけれども、NHKが公共放送として、その使命を国民に訴えていきたいということを大臣もおっしゃいましたけれども、そうなれば、NHKの運営あるいは放送の内容が本当に公共放送にふさわしいものであるということが前提にならなければならない。その意味で、これは会長になるのか放送総局長になるのかわかりませんが、NHKと民放は、その運営、その番組の内容がこのように違うのだという特異な点が挙げられるでしょうか、どうでしょうか。
○坂本参考人 具体的な個々の番組、たとえば落語は民放でやったらどうかとかNHKでやったらどうかというようなことになりますと、これはちょっと論外になりますので、それは御容赦願いたいと思うのでございますけれども、五十年から五十一年にかけて、NHKの基本問題調査会の調査報告の中にも、先生の御指摘の点について、NHKはこうあるべきだという御指摘がございまして、私は、やはりそこら辺のところが協会として考えるべき点であろうと常々思っておるわけでございますが、それは、「NHKは、公共放送事業としての次のような責務を着実に果たし、国民の要請にこたえるべきである。」という御指摘がございます。そして、それは、「国民の多様な要望にこたえ、報道、教育、教養、娯楽の各分野にわたりすぐれた放送番組を放送し、わが国文化水準の向上に資すること。」ということがまず一点で、それから、放送サービスが全国あまねく普及するようにするために放送を行い、なお、県域を基本として必要なローカルサービスを放送すべきであると指摘されております。その他、放送及びその受信の進歩発達等に必要な調査万般をやるのが公共放送としてのNHKが国民の要請にこたえる道であろうという御指摘をいただいております。
 それから、なお、これらのことを運営するために、常に国民の意向吸収と反映のための施策の強化をすべきであると指摘をされておりまして、国民の皆さんの価値観の多様化等々についてNHKが――先ほど私はNHKは支持されているというふうに申し上げましたけれども、実際にはいろいろの御意見があることも十分承知しておるわけでございますので、そういう点について、NHKはその運営の中にそれを十分反映していくべきであろうというような御指摘がございます。
 そこら辺のところは、民放との差ということを申し上げられるかどうかはわかりませんけれども、私としてはそういうことに重点を置いて考えるべきがNHKであるというふうに考えておる次第でございます。
○阿部(未)委員 会長、国民は、やはりさすがにNHKだ、NHKらしいという――らしいとは何かと言われると私も困りますが、それはおたくの仕事だと思うのですけれども、視聴者は、さすがはNHKだ、NHKらしいという放送を期待しているのです。それは単に視聴率を高めるためのものではなく、公共放送にふさわしい内容の番組、運営というものを期待しておるわけでございます。
 少し具体的にそれに関連をして伺いますが、宮城沖地震と呼ばれた東北地震の際にNHK放送が切れた、電波が出なかったという新聞記事があるのですが、この実態はどういうものだったんでしょうか。
○沢村参考人 お答え申し上げます。
 御承知のように、私どもの放送所、電波を出します放送所は、ほとんどすべてと言っていいくらい無人で運営をいたしております。これはかねてからの経営の効率化、合理化ということの一環といたしましてそういう運営をしておるわけでございますが、そのためには、無人であっても十分電波が確保できるようにということで予備の設備も置きますし、それの制御も自動的に行い、あるいは自動が不十分なときには、演奏所側から指令信号を送りましてこれを補完するというような万全の策を講じておったわけでございます。
 御指摘のような先般の東北の地震におきまして、仙台の大年寺山にございますテレビジョンの放送所の電波が切れました。その最初の原因は送電線の停電でございます。そのために一度瞬間的に電波がとまりました。そして、それを補完いたしますための自家発電設備がすぐに起動いたしまして電波が復帰したのでございますが、その後、その自動発電設備から放送機へ電力を送りますスイッチが故障を起こしまして、また電波がとまるという、まことに申しわけない事故を起こしたわけでございます。そして、それを監視いたしておりました演奏所側から即座に飛び出しましてこれを復旧させたということで、十数分間の停波ということに相なったわけでございます。
○阿部(未)委員 経過はわかりましたが、静岡の方でもパニック状態が起こったということが言われておりますけれども、やはり約二十分間切れた。そのためにスイッチをひねっても画像も音声も出ないので非常に市民が不安に陥ったということが報道されております。大体、仮に電波が出ましても、地震の際に電線が切れりゃ受信の側がだめになるわけです。
 こういう震災なんかの場合、災害の場合等のNHKのメディアをどこに置くか。ラジオに置くのか、テレビに置くのか。大体、いままでの方針は、そういう際はラジオを中心にというのがNHKの方針だったと私は思うのですけれども、その点では、こういう時期にテレビのスイッチをひねって出なければ不安が出るということは、ああ、この際はラジオにすればいいんだという宣伝がまだ行き渡っていないのだと私は思うのです。
 災害等の場合において、もしも受信ができないような場合にはラジオでやってもらいたいということをもうちょっと宣伝しておく必要があるのではないかと思うのですが、この点はどうでしょうか。
○坂本参考人 先生の御指摘のとおりでございまして、昨日もお答えいたしましたけれども、NHKは、放送終了後そういう事態が生じましたときには、まず第一にラジオの第一放送の電波が一番早い時間に発射できる体制になっております。これは機械的な制約もございますので、同時にスタートしてもテレビの方が多少おくれるということで、まずラジオの第一放送、それから総合テレビという順序になっております。
 やはり、そういうことを視聴者の皆様方に御理解いただくような日ごろのPRが必要だというふうに痛感する次第でございます。
○阿部(未)委員 特にこういう問題のときにはNHKを国民が非常に信頼しておりますだけに、直ちに対応できるように準備はできておると思うのですが、こういうふうに不安を感じたということになれば、そういうときにはすぐラジオでやってくださいよというようなことをやはり宣伝をしておく必要があるのではないかと思うのです。
 それに関連してもう一つお伺いしたいのですけれども、伊豆大島近海の群発地震の際にこれは非常に問題になりました。パニックが起きましたけれども、こういう地方自治体が流す情報とNHKはどういうふうに対応して報道ができるようになっておるのか。地方自治体は地方自治体で勝手におやりなさい、私の方は私の方で勝手にやりますということになっておるのか。もし、あのときNHKがこの問題をテレビを通じて報道しておったならば、ああいうパニックにはならなくて済んだのじゃないかという気がするのですが、地方自治体とNHKの連携と申しますか、それはどうなっていますか。
○堀参考人 お答えいたします。
 先生もすでに御承知と思いますが、NHKは、災害対策基本法によって指定公共機関としての役割りを果たすように決められております。したがいまして、その種の災害対策本部等との関係は法律的にもはっきりしておりますし、われわれも当然、放送するものの義務として積極的に参加している次第でございます。
○阿部(未)委員 たてまえは私も大体わかっておるのですが、では、実際に静岡の群発地震の際にどういう措置がとられたのか。
 これは私が聞いておるのでは、たしか、特にちっちゃい町の場合には宣伝カーか何かで町が宣伝して歩いたのです。それからずっとおくれて五時ごろになって、やっとNHKがそうではありませんということを報道したと聞いておるから、その辺の連携がたてまえどおりにいっておるのかどうかということを聞きたかったのです。
○堀参考人 お答えいたします。
 この前の伊豆の場合の措置は、いわゆる災害対策本部自体の活動ではなくして、新しく予震という問題が取り上げられまして、知事の記者会見で予震情報を伝えたということからしたものです。したがって、それを早急に伝えるかあるいはそれを慎重に検討して伝えるかということで、NHKといたしましては、まず第一にラジオによりまして、ラジオの定時の枠の中で伝えた方がこういう伝え方としてはいいんじゃなかろうかということで、定時ニュースの枠の中で伝えました。そして、事態がやや小規模ながらああいうパニック状況になりましたので、そういうことはないということも含めてテレビで放送した、こういう次第になっております。
○阿部(未)委員 長くは言いませんが、私の手元にある資料では、南伊豆町の出した広報車が走り回ったのが大体午後二時です。それからNHKが相撲放送をとめて、あれはそういう内容ではありませんという訂正をして納得をしてもらうような報道をしたのは午後五時二十五分からになっておるはずです。大体三時間ぐらい時間にずれがあるから、連携がうまく行っておるのかということをお伺いしたわけです。しかし、もうそれはいいです。
 その次に、もう一つ聞きたいのですが、五十三年度の、NHKで言ういわゆる番組時刻表でございますけれども、私が聞くところによると、この番組時刻表は大体十二月中に例年つくっておかないと四月からの切りかえがうまくいかない。それは職員のいろいろな労働条件なり手順の問題もあると思うのですけれども、ことしはえらくおくれたらしいのです。半月くらいおくれたと聞いておるのですが、この時刻表はいつごろでき上がったのですか。そして、どうしておくれたのですか。
○堀参考人 お答えいたします。
 時刻表の作成に伴う前段の作業といたしまして、秋の初めに全国の番組審議会の委員長会議を開きまして、それまでの先生方の意見を基本的に聴取いたしまして、それに基づきまして十一月に来年度番組の基本計画を諮問いたすわけでございます。そして、その諮問については実質的討議をそこで終わっていただきまして、それに基づいて、その後番組表の作成に入るわけでございます。
 御指摘のように、例年、普通年内に完了するものでございますが、先ほど来当委員会でも御議論をいただいているように、NHK離れというものもございますし、青少年番組の充実という要望もございます。それから、今年度は特に視聴態様の変化、すなわち深夜にゴールデンアワーが広がったという情勢で、大幅に改定しなければNHK離れを防ぎ得ないのじゃないかという認識に立ちましたために大幅な改定になりました。したがいまして、年度内でほぼ骨格はできていたわけでございますが、いろいろな議論を集約するという必要もございますし、職員の諸君にもそういう状況を知ってもらうという必要もございまして、ややおくれまして年が明けて最終決定ができたということでございます。
 その後は例年どおりの順序で中央番組審議会その他に諮りまして、実は、発表につきましては例年三月のいまごろ、桃の節句ごろに発表するものを、ことしはやや早目に、二月の二十四日に発表できたという次第でございまして、したがって、確かに御指摘のように局内の作業は少しおくれましたが、その他は例年どおりでございます。
○阿部(未)委員 局内の作業が大変おくれたことで、四月からの放送に特段の支障はないというふうに理解をいたしておきますが、率直に言って、局内ではそのためにかなり苦しい作業が続いておるというふうにも聞いておりますので、十分配意をしてもらいたい点でございます。
 それから、私はこのテレビ、ラジオの番組の視聴率というものをちょっと持っておるのですが、どう見ても、NHKに国民が一番期待しておるのはやはりニュース、報道ですね。この報道がやはりNHKの中核でなければならぬという気が、これを見ながらしましたので、それは参考までに言っておくのであって、私は番組をどうこうせよと言う意思はありませんが、NHKに対する国民の一番高い視聴率、一番大きい期待は報道にあるということはぜひひとつ胸に入れておいていただきたいような気がします。
 その次に、これは郵政大臣にお伺いするのも酷ですが、前の科学技術庁長官の宇野宗佑先生がこういうことをおっしゃっているのです。「新聞に休刊日があるんだから、テレビもその日はニュースだけ放映して欲しいというのが私の案だ。これを春夏秋冬、一年に四回やる。すると、人口一万人の都市の」云々と言われて、そして、「このメニューをA、B、Cと三つつくり、いちばんゆるやかなC案で一万人都市の十三年分。これをやろうと、私が閣議で発言し、」――これは省エネルギーの問題ですが、「みんな賛成してくれたので近く実施されると思う。」と言われていますが、ここが問題なんです。テレビ休日を閣議で了解を得たから、近くこれが実施されるであろうというのは、閣議が決めたら、日本の放送界はそれに従って休日をつくるのかどうか。ちょっと問題があるので、これは大臣と会長から一言ずつ答えてください。
○服部国務大臣 お答えいたします。
 残念ながら私はその報道記事を見ておりませんので、御満足をいただける答弁になるかどうか疑問があるわけでありますが、しかし、この番組編成、放送というものは、何人もこれを侵すことはできません。幾ら閣議で決定しても、その通りにやらねばならないということはないと私は考えます。
 したがいまして、そういった連絡はもちろん協議も受けておりませんので、その点は今日まで続けてまいったいわゆる報道状況に変わりがない、現時点において変わりがないというふうに御理解を賜りたいと存じます。
○坂本参考人 私も不敏にしてその記事を拝見しませんでしたが、省エネルギーという点につきましては私も重大なテーマであるというふうに認識しておりますけれども、それが即テレビ休日になるとは考えておりませんので、現在、NHKといたしましてそういうような考え方がないということを申し上げたいと思います。
○阿部(未)委員 会長、私がお伺いしたいのは、NHKが考えておるかおらないかではないのです。いわゆる閣議で決まったら、それに放送界が拘束をされるというふうな性格のものかどうかということを聞いておるのです。
○坂本参考人 それはおっしゃるとおりNHK自身の問題で、閣議でそういう御決定があったことによって休まなければならぬということにはならないと思います。
○阿部(未)委員 この番組によりますと、何か、金曜日は番組の時間も少し逆に延ばすようになっておるように見られますが――金曜日でしたかね、スペシャル番組か何かで延ばすようになっておるようでございますが、しかし、それはきょうは議論しませんけれども、結局、いままでの議論を通してみると、どなたの意見も、いまのNHKの特に経営の状態が非常な危機に瀕しておるという点では意見の一致を見たと私は思うのです。
 したがって、この委員会の審議を通じて、どうか昭和五十四年度なり五十五年度に向けてNHKのあるべき姿を明確にして、視聴者の皆さんに訴えて対策を講じてもらうように心からお願いをいたしまして、きょうは本会議の時間の関係もありますから質問を終わります。
○松本委員長 この際、暫時いたします。
 本会議散会後委員会を再開いたします。
    午前十一時五十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十分開議
○松本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。鳥居一雄君。
○鳥居委員 在日米軍軍人、軍属及びその家族が保有しておりますテレビの受信料につきまして伺いたいと思います。
 まず、法制局に伺いますが、地位協定とそれから放送法の関連から、契約義務についてどうなっておりますでしょうか。
○茂串政府委員 お答え申し上げます。
 一般的に、わが国に駐留する米軍の構成員である個々の軍人ないしは軍属あるいはそれらの家族につきましては、地位協定等で特別の定めがない限りはわが国の国内法令の適用を当然に受けるわけでございまして、その見地からいたしますと、御指摘の放送法第三十二条の規定はこれらの者に当然に適用されるわけでございます。この点につきましては、これらの者がいわゆる米軍基地の中に居住しようと、あるいは外に居住しておろうと全く変わりはございません。
 したがいまして、これらの者が放送法の第三十二条第一項に言う受信設備を設置した場合には、同項の規定に基づきましてNHKとの間で受信契約を結ぶ義務が生ずるわけでございます。
○鳥居委員 NHKに伺いますが、そうなりますと、在日米軍基地関係の軍人、軍属、その家族の推定の契約義務数というのはどのくらいございますか。
○中塚参考人 日本の国土の中に米軍の軍人、軍属が何人おって、世帯がどれだけあるかということはNHKにはわかっておりません。
○鳥居委員 防衛施設庁に伺いますけれども、軍人、軍属、その家族の、施設庁としてつかんでいらっしゃる数字を伺いたいと思います。
○近藤説明員 在日米軍の軍人数でございますが、五十二年末現在で約四万六千名でございます。家族数等はつまびらかにいたしておりません。
○鳥居委員 それは、居住のために建物を提供している戸数ですか。
○近藤説明員 ただいま申し上げましたのは、米軍の軍人数の推定の数でございます。
 御質問の趣旨は米軍基地にあります住宅の数でございますか――米軍基地内の住宅につきましては、米軍みずからが建てたもの等がございますので正確な数は明らかでございませんが、私どもが承知しております範囲内でおよその数を申し上げますと、全国で約一万一千戸ぐらいと承知いたしております。
○鳥居委員 法制局にもう一度伺いたいのですが、米軍の作戦のために必要なテレビだとした場合に、この契約義務はどうでしょうか。
○茂串政府委員 一般国際法上におきまして、ある国に駐留を認められた外国の軍隊につきましては、特別の取り決めがない限りにおきましては、その駐留を認めた国の国内法令が適用はないということになっておるわけでございまして、この点につきましては従来から政府がたびたび答弁しているところでございます。
 この見地に立ちますと、ただいまの御指摘のような駐留米軍の作戦のためとかいうようなケース、すなわち軍隊として公的に受信設備を設置するといったようなケースにつきましては、駐留米軍につきまして、放送法第三十二条の第一項の規定に基づいて受信契約を結ばなければならないという法律上の義務は生じないわけでございます。
 ただ、一般国際法上におきましても、外国の軍隊はその駐留を認められた国の国内法令を尊重すべきであるという義務は負っているということをつけ加えておきます。
○鳥居委員 外務省に伺いますが、地位協定に基づく日米合同委員会に出席される立場で資料をお持ちだろうと思うのですが、防衛施設庁に伺いました数字と同じものを伺いたいと思います。
 軍人、軍属、その家族という数字で、もし違っていればひとつ御発言いただきたいと思うのです。
○丹波説明員 お答え申し上げます。
 先ほど施設企画課長が申し上げたとおりの数字と大体承知しております。
○鳥居委員 ただいまの数字は、軍人が四万六千人で、それから住宅としては一万一千戸だということですが、この住宅としてつかんでいらっしゃる一万一千戸というのは、住宅のほかに、基地内のオフィス、兵舎等にテレビがあるだろうと思うんですね。ですから、いまのこの数字に限っての推定というのはなかなかむずかしいものだろうと思うのですが、概数でつかめますか。どうでしょうか。NHKとしての未納の実態ですね。これをはじければひとつやっていただきたいと思います。
 それから、これは重大な関心をお持ちだろうと思うのですが、検査院としてこの実態をどういうふうに考えられますか。
○中塚参考人 先ほど防衛施設庁の方から基地内のそういう住宅と申しますか、それがおよそ一万一千戸というお話がございましたが、それの中でテレビの設置の状況がどういうふうになっておるのか、これは全く私どもの方でつかまえておりませんし、わかりませんので、全部にテレビが設置されているという仮定を置きますと、年間で八千八百万円余りという非常に大ざっぱな計算でございますけれども、全部がカラーテレビを置いているということを前提にいたしますとそれくらいの金額になるというふうに言えるかと思います。
○東島会計検査院説明員 お答えいたします。
 受信料につきましては、先ほど法制局の方からも御答弁がございましたように、当然契約して納めてもらうことになると思いますし、私どもも、放送法三十二条の解釈から言っても当然そうじゃないかと思いますが、何しろ国際的ないろいろな問題もございますのでむずかしいと思いますけれども、NHKの会計経理を見ております私どもといたしましては、できるだけ営業活動によって受信料を徴収していただくのが望ましい、このように考えております。
○鳥居委員 これまでの指摘の中に、企業努力として営業努力をしていく面が指摘されました。私もそのとおりだと思うのです。しかし、相手が在日米軍司令部ということなんですね。
 それで、NHKとしては外務省を表に立てて折衝していく方法も当然お考えになったと思うのですが、外務省との折衝はどのように進んでいますか。
○中塚参考人 この問題が地位協定に基づきます日米合同委員会の一つの議題になることも考えられますので、郵政省並びに外務省と議題にする場合にどういうふうにするかについて昨年来御相談を申し上げております。
○鳥居委員 日米合同委員会の議題にするとして、外務省に伺いますが、何部会になるわけですか。
○丹波説明員 お答え申し上げます。
 先生御承知のとおり、地位協定上の軍人軍属、家族が免除さるべき租税というものの中にはいまのテレビの料金は入っていないということでございますが、アメリカ側は必ずしもそういう考え方はとっていないということでございまして、先般予算委員会において私どもの外務大臣が申し上げましたとおり、本件については、そういったところの理解を直接の当局である郵政省またはNHKがアメリカ側とまず話し合うのが適当なことじゃないか、その結果どうしても合同委員会ということであれば、現在合同委員会には約二十の分科会がございますけれども、その中でどういうフォーラムで取り上げるのが適当なのかも含めまして、その段階で考えていきたい、こういうふうに考えております。
○鳥居委員 施設部会とか、その部会の中で結局議題にするしかないだろうと思うのです。外交ルートに乗せるとしたら、外務省が表に立っての米軍との折衝ということで、それは合同委員会じゃないですか。
○丹波説明員 お答え申し上げます。
 先生のおっしゃいます外交ルートという意味は必ずしもあれでございますけれども、あるいは合同委員会で取り上げ得るのであればそういうことで検討してまいりますし、どうしても合同委員会が適当な場ではないということでありましたら、外務省と大使館あるいは外務省と米軍というチャネルもあり得るわけでございますが、現在のところは、先ほど申し上げましたように、直接の当局であります郵政省、NHKがアメリカ側と話し合われる、あるいは今後話し合う予定であることを承知しておりますので、まずその話し合いの結果を見てみたいと考えております。
○鳥居委員 実際に新聞で報道されていますよ。これはスターズ・アンド・ストライプスという日刊紙で、在日米軍部隊内全域に配付されるもので、司令官が布告として、応ずる必要がないという趣旨のものですね。ですから、企業努力の面でこれまで努力されてまいりました。英文のパンフレットもおつくりになりました。そして基地外を訪問するわけですね。
 先ほどの法制局の見解にもあったとおり、放送法に基づく契約義務がありながら基地の中に入れないという問題があります。それからまた、基地外の一般住宅におります人、これは奥さんが日本人であるという場合もあるでしょう。ところが、スターズ・アンド・ストライプス紙で司令官の布告として流れているもので、幾ら企業努力してもその壁は非常に厚いと見るのが常識です。ですから、ともかくその厚い壁を破らなければならない。縄張りの問題じゃないと思うのです。しかも、従来日米合同委員会には部会が二十ある。この種の話し合いは本来どこでやるのですか。
○丹波説明員 繰り返しになって申しわけないのでございますけれども、基地内でのテレビ受信料がいままで取られていないという背後にはいろいろな実態があったので、アメリカ側もそういうものかということで今日まで来たという事情もあるいはあるのだろうと思います。
 いま先生が御質問になりましたところの、どういう部会で取り上げるかという点につきましては、まさに繰り返すことになって恐縮なんですけれども、いま行われつつあると承知しておりますが、アメリカ側との郵政当局あるいはNHKとの話し合いを見ながら合同委員会で取り上げる必要があるのかどうかという問題も含めて、取り上げる場合にはどういう部会で取り上げるのかという点についても今後検討していきたい、こういうことでございます。
○鳥居委員 郵政省としての考え方を伺いたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の問題でございますが、米軍が受信料の支払いの拒否について通達をしたことは、NHKの受信料に関しての誤解に基づくものであろうというふうに理解をしておりますので、まず、先ほどNHKの方からお話がございましたように、受信料の徴収に当たるNHKにおいて米軍当局の理解を得られるように最大の努力をしてもらいたい。現在、NHKは在日米軍司令部と話し合い、折衝中であると聞いておるわけでございます。
 なお、その話し合いその他の積極的な努力にもかかわらず、NHKと米軍当局の間で解決ができない場合には、郵政省といたしましては米軍当局の誤解を解く必要がございますので、外務省と積極的に協議をしてまいりたいと考えております。
○鳥居委員 それじゃ暗礁に乗り上げてから乗り出そうということですか。
 いままで、このテーマでの外務省との交渉はどういうふうな経過になっていますか。NHKの企業努力だけでともかく行き当たるところまでやってもらおう、もうお手上げでだめだというところへ来たならばバトンタッチを受けて外務省と郵政省で話をしよう、こういうことですか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 NHKが従来努力してきた実態は、話は聞いております。しかし、なおかつNHKがいろいろとやるべき努力があるようにも聞いておりますので、状況を勘案しながら、その結果を見て外務省と相談をするだけではなくて、パラレルに外務省と相談を始めたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
○鳥居委員 外務省、一般的に、受信料を取りに基地の中に入れますか。
○丹波説明員 お答え申し上げます。
 一般論として申し上げますと、御承知のとおり、地位協定に第三条というものがございまして、いわゆるこれは施設、区域についての米軍の管理権というものを定めておりますので、一般的にはこの管理権を持っている米軍の同意なくしてはわれわれは基地の中には立ち入れない、こういうことになっております。
○鳥居委員 契約義務があったって、拒まれて中へ入れないということじゃないですか。
 郵政省、どうですか。そうするとこの話は外務省の話だ郵政省の話だということじゃなくて、所管である郵政省が中心になって話を進めようという姿勢がなければ問題の解決なんかできやしないじゃないですか。基地の中に入れないのです。
○丹波説明員 先ほど申し上げましたのは一般論でございますけれども、一般的には先ほどのような管理権を持っているわけですが、具体的な必要性がある場合に、たとえばいろいろなケースがございますが、地方公共団体が基地の中に市の水道管を埋めたいから入らせてくれとか、あるいは電電公社が基地の中に電話ケーブルを埋めたいから入らせてくれという点についてはアメリカ側は大抵入ることの同意をしておりますので、問題は、その背後にある実態について日米間でどういう話し合いができるかということなのでございまして、一般論としてその実態があっても、だめだということには必ずしもなっておらないことでございます。
○鳥居委員 いいですか、水道管を引くのに入れたから受信料の請求に行って入れるかという問題ですよ。それよりも何よりも、契約義務数が幾つあるかという調査をしなければならない。外務省の協力なくしてこの調査はできませんよ。
 郵政省、それはできるのですか。契約義務数が幾つかあるか。企業努力ですか。
○平野政府委員 御承知のように、基地外の問題と基地内の問題がございまして、NHKといたしましては、聞いておりますところでは、基地外につきましてもなお問題があるというように聞いておるわけでございます。
 一方、基地の中の問題につきましては、先生御指摘のように、また外務省の方からお話のようにいろいろと問題があるようでございますけれども、なおかつNHKがそれに対しまして従来以上の努力をしていく必要があるであろうというふうに考えておるわけでございます。
 なお、先ほど駐日米軍の軍人、軍属の方たちの総数が出てまいりましたけれども、果たして基地の中にどの程度の世帯数がいらっしゃるか、あるいは基地の外にどの程度の世帯数がいらっしゃるか、なおかつその方たちが果たしてテレビを持っていらっしゃるかどうかというようなことにつきましては、ある程度の推定しかできないわけでございまして、その点につきましても、NHKといたしましては、従来外務省等との間でいろいろと情報の交換を要求しておられるというように聞いておるわけでございます。
○鳥居委員 要求を受けた外務省は何もやっていないのですよ。郵政省がいるから郵政省とNHKという関係で解決をしてもらおうという立場にいるわけですよ。そうでしょう。先ほどの答弁の中でもそういうことだった。だから、所管である郵政省がその気にならなければこの問題は解決できないですよ。
 それで、基地の中にどのぐらいあるのか、基地の外にどのぐらいあるのか、これはまさに外交ルートですよ。外交ルートの上に乗せなければ調査だって進まないでしょう。大臣、その点はどうなんですか。
○服部国務大臣 米軍基地内外の軍人、軍属の聴視料の問題について、これはかなり突っ込んだ意見の交換になったと思うので、私もまた率直に考え方を申し上げて御理解を得たいと思います。
 ラビング司令官ですかが、いまの鳥居委員の御指摘のとおりに、布告をして支払いをする義務はないということになったわけでありますが、私はそういう布告を出す今日までの問題をひとつ真剣に考えてみたいと思うのであります。
 先般の予算委員会で鈴木先生から外務大臣と私に、米軍軍人、軍属の視聴料の問題について御質問を受けたわけでありますが……(鳥居委員「小宮先生です」と呼ぶ)ええ、小宮先生ですね。そのときに私は、日本人同様徴収いたしますと申し上げた。外務大臣は何かかなり含蓄のある答弁でしたが、ちょっとぼくは忘れましたが、その点から考えて、もちろん郵政省にも責任がありますし、私の考え方からいったならば最善の努力を払う。また、これがすなわち企業努力である。
 企業努力というのはNHKだけでやれと私は言っているのじゃないので、先ほどの答弁でも、郵政省も含めて健全な運営のために努力をいたしましょうと言っていますが、ただ、ここで御理解願いたいのは、やはり、一番先頭に立って努力してもらうのはNHKではないでしょうか。一つの企業体なんですから。しからば、NHKは、先ほども担当局長がここで件数もわからないという答弁をいたしましたし、初めて外務省の安保課長さんと施設庁の課長さんから大体この程度だという御答弁があったが、ここにぼくは大きな一つの疑問を持つわけなんです。郵政省が出ていかねばわからぬということはない。NHKだって公共の事業でありますから、施設庁を通ずるなり、または米軍司令官のラビングさんに直接会って誤解を解く努力をしてほしかった。また、われわれ郵政省もその努力のために力になり、むしろリーダーシップをとられて、先ほどもぼくが言ったとおりに郵政省もこれに加担する、郵政省の及ばないところは外務省もひとつ協力を願いたい、また、防衛施設庁も協力願いたいというところに本当の企業努力の根幹というか、いわゆる努力するための誠意というものが起きてこないといけない。
 鳥居先生、もちろん郵政省は責任がありますよ。しかし、外務省だって施設庁だってほっておけばめったに動いてくれないのですから、こういうものにも動いていただいて、いわゆる企業努力の効果が挙がるような施策を講ずるべきであるというのが私の考えです。これはこの問題だけではありません。ぼくは全般的にそういう考え方で、きのうからよく事情はわかっていますが、私がもう必死になってこれだけの企業努力をやらねばなりませんと言っていることは、何もぼくはNHKをどうこう思って言っているのじゃないのです。はっきり申し上げて、国鉄の二の舞いを踏んでは大変だということで、必要な唯一の公共放送であるだけに守りたいがために、健全な運用をさせたいがために、もういままでのようにどんどんふえていって、どんどん設備をやって、改善改善をやっている時代じゃありませんから、深刻な経営状態に当面しているわけでありますから、まずそういったところの熱意がやはり欲しい、かように私は考えているわけであります。
 また、申し上げるまでもなく、この問題についても私はいまいろいろと意見の交換を聞きましたが、関係機関に積極的に呼びかけて努力をしたい、たとえ一億の金でも収入の増を図りたい、かように考えている次第であります。
○鳥居委員 いま服部大臣のお話を伺いましたが、これはやはり大臣の国務大臣という立場での働きかけで初めて功を奏するのじゃないかなという感じがしてならない。そういう気持ちだったものですから、いまの答弁を伺いまして大きな期待を持つものでございます。(「期待ばかりだな」と呼ぶ者あり)いや、必ず解決させていただきたいと思うのですね。
 続きまして、国際放送につきまして少々伺いたいと思います。国際放送の事業でありますが、「国際間の理解と親善に寄与するため、番組の刷新を図ることといたしております。」と述べておられますが、具体的にはどういう事業でございましょうか。
○橋本参考人 国際放送の使命は、言うまでもなく、わが日本の国情を海外に伝えて十分な理解を得ることと、さらに、それをもって国際親善に寄与し、さらに経済的には国際間の経済交流を豊かにするということが一つと、それからもう一つは、海外にいる日本人、日系人に適切なインフォメーションと娯楽を与えるという、この二つの大きな使命がございます。
 それから番組の刷新ということでございますが、来年度につきましては、特にそのニュース、報道面にわたりまして従来よりもより機動的にそういう放送に心がけていきたいということを、ごく概略に申し上げて最重点に考えております。
○鳥居委員 ちょっと話は飛びますが、NHKはKDDの放送施設の提供を受けておりますね。そして、NHKが提供を受けているところの、つまり、KDDの仕事の中でNHKの国際放送のために必要だという施設があります。八俣送信所の設備、これは内容は送信機が十二台、使用電波三十四波、空中線四十九面、放送時間一日延べ百一時間三十分という内容です。
 それで、この提供していることに関してKDDの収支を見てみましたが、そうしますと、驚いたことに、四十七年から五十一年まで、ざあっと収入支出のバランスの崩れたぐあいが物のみごとに出ておりまして、たとえば五十一年、NHKから受けたという収入が四億七千五百万、それに対してKDDの施設提供ということでかかった費用が十一億四千九百万、約三分の一しかNHKがお支払いになっていないということなんですね。これはひずみの一つの典型的な例だと実は私は思うのです。
 それで、この国際放送に関して安定的な放送をしていくためには、これはある意味で保証がなければならないです。KDDとの間に契約も必要です。いま、NHKとKDDの間でどんな契約があるのですか。まず伺います。
○川原参考人 KDDとの契約につきましては、実は、この国際放送が戦後再開されましたときに、その送信機といいますか、送信設備は政府のものでございまして、当時の電気通信省に所属しておりました。当時、NHKから電気通信大臣に対しまして専用許可をちょうだいして、それでNHKからの申し込み承諾という契約の形でこの国際放送が再開されたわけでございます。
 この形が同じ二十七年に電電公社が設立されましたときにも継承され、さらに翌年KDDが設立されたときもこの形が継承されまして、有効にその後の事務が進められている。私どもは、そういう形でいま契約が行われ、業務が進められているというふうに理解しております。
○鳥居委員 いや、これはKDDという株式会社とNHKとは全く別法人で、経緯がどうあろうが、NHKとしても、安定的な海外放送を実施していくためにはある一定の取り決めが必要だろうと私は思うのです。文書にした契約というものは何もないんじゃないですか。
 たとえば提供を受けた役務に対してどう支払っていくか。あるいは向こうを展望して、いつまでの海外放送の設備提供とするのか。あしたもし放送ができなくなっちゃったら一体どうなんですか。それは目に見えない形での信頼関係だと言うかもしれませんが、これはもう社会的には別々の法人であり、一定の取り決めが必要ではないんですか。
○川原参考人 御指摘のような事情も、あるいはそのKDD側からはおありかとも思いますが、NHKといたしましては、やはり、この国際放送というのは、単にNHKが任意の業務としてやるということではなくして、放送法に定められたNHKの本来の任務として放送しているものでございますから、いま御指摘のようにあしたでもやめたらどうなるかということになりますと、私どもはそのようなことは全く考えてもおりませんし、さりとて、それじゃ何年間続けるかということは、これは事の性質から言いまして、私どもは、これは三年限りとか十年限りとかいうことを申し上げるべきものでもございません。全く日本でただ一つNHKだけが対外的に行っている放送でございます。
 そのところは、KDDの方もやはり特別な会社でございますので十分信頼をしていただいて、事実、いままでも、この電気通信大臣に対する昭和二十七年の申し込み承諾という形の契約が引き続き継承されて、私どもとしてはそれで支障なく業務を続けてきているというふうに思っております。そういう理解でございます。
○鳥居委員 でも、こういう不自然な状態は早く解消しなければならないということで検討を進めているんじゃないですか。NHKという法人と、それからKDDという法人と別じゃないですか。黒幕がいて、こううまく調整をして、口約束だけで安定的な放送ができるんだということなんですか。そうじゃないでしょう。もともとは同じ根っこだ、電気通信省からKDDとNTTと別れたとおっしゃるかもしれませんけれども、時間的な経過から言っても、今日きちんとした契約の上に成り立たなければならないと実は思うのですよ。その契約を締結していく上で、もし問題点があるんだったならば問題点を聞かせてもらいたいです。
 それから、設備を提供してもらって実費がかかっているんですね。五十一年度で言うと十一億余の実費。それに対して支払い請求が少ないからといって、四億少々しかNHKは払っていないのですよ。これはちょっとおかしいのです。もとを尋ねていくと、NHK自身が交付金が二三%ですからやはり払えない。払えない状況の中でこうひずんできている実態なわけですね。ですから、まずここからはっきりさせるしかないだろうと思うのですよ。
○川原参考人 私どもとしては、いままでの経緯から申しまして契約は有効に働いていると思っておりますが、正直に言いまして、KDD側からもう数年来、将来のいろいろな問題を含めまして、文書の形で契約書を締結できないかというお申し込みがございます。私どももそのことについて別に異を唱えているわけではございません。そういう形の方が私どもとしても将来の問題としてはいろいろ有意義なこともあろうということで、正直申しましてお話し合いを続けているところでございます。
 ただ、その話し合いの中で、まあこれは交渉事でございまして、KDD側のいろいろなお立場からの先々の御心配についての保証といいますか、こういう場合にはどうかというような御提案もあるわけでございます。ただ、私どもといたしましても、先ほど申し上げましたように、私どもの事業計画は、非常に形式的なことを申せば、こういう形で毎年事業計画を立て、国会等の御承認をいただいてやっているわけでございますが、しかし、国際放送につきましてはそういうこととはまた別に、はっきりした放送法のもとに、私ども重大な使命としてこれを実施しているわけでございます。先々、通常の商取引のような形での保証云々というようなことのお話になりますと、やはり私どもの立場もございますので、いまそこを私どもが誠意を持ってお互いにどこまで話ができるものかという交渉をしているところでございます。
 なお、その料金の問題につきましても、これは正直言いましていろいろ毎年お話がございます。ただ、私どもにしてみれば、KDDさん側のいろいろな原価計算もおありと思いますけれども、私ども、企業といたしまして、ここ数年、非常に苦しい中で経営を続けておりますし、料金の問題でございますから、個々の原価計算は原価計算として、そこは一つの料金の折衝と申しますか、交渉ということになるわけでございまして、御指摘のとおり、これには政府からの交付金の問題も正直言って絡みます。そういうこともありまして、やはりそこはお話し合いの中で、毎年妥当な料金ということで決めているわけでございます。
 ここ二、三年も値上げ等のお話がございまして、御要望どおりにはいかなかった面もありますけれども、私どもの方も譲れるものは譲って、料金の改定も現実にやっておりますし、これはやはり一種の料金の交渉事でございますので、私ども誠意を持って話し合いを続けていきたい、かように思っております。
○鳥居委員 それで、いま指摘したのは一つのひずみであって、どうしようもないしわ寄せがここへ出ているなと私は見ているのです。
 それで、この命令放送というのはどれを指すのか。全くいま雲をつかむみたいな議論でして、一十三時間三十分放送する中の何時間に当たるのか。この放送番組のここからここまでが命令放送だとなかなか言い切れないものでありますけれども、交付金が二三%でありますから、しかも大赤字を心配するNHKとして、国際放送のあり方について、先ほどの指摘にもございましたが、一般の受信契約をしている皆さんの黒字分をそこへ持ってきてこの事業をやらなければならないという実態、しかも、国のPRとして、本来外務省の情報文化局が本気になってやらなければならないような仕事を、命令放送という形で郵政大臣からNHKに出ているわけですね。
 この考え方はやはり一つの曲がり角にあるんじゃないかと私は思うのです。この二三%が二四%になり、それで国際放送の問題が解決できるのかということを考えてみたときに、NHK側としても、命令放送はこれを指すものだと考えます。自主放送はそれ以外のこれを自主放送と決めて、NHKの企業として自主的に放送していきますと、こういったようなもうちょっとはっきりしたものがなければこの問題は解決がつかないと思うのですね。ですから、命令放送というのは一体何なのか、両者に伺いたいと思うのです。
○橋本参考人 先生は御承知と思いますが、現在、国際放送の規模といたしましては、一日三十七時間、十八の放送区域に二十一の違った言葉をもって放送しておりますが、この中でいわゆる政府の命令放送分といいますのは、毎年国の予算が決まった直後に郵政大臣から日本放送協会会長あてに出されます実施命令書に基づきます放送を指すものでございまして、来年度はまだでございますが、従来のものをごく概略申し上げますと、放送事項、つまりどういうことを放送すべきかという問題だとか放送番組の編集等々、九つの項目にわたって命令書が出されております。
 それに基づきまして報道解説、つまりニュース解説を主体にして放送しておりますが、実態としては、命令分と自主放送分と一体として効果を上げろというふうなことを従来やっておりますので、ここまでが命令分でここまでが自主分だというふうにずばり明細な御説明がなかなかできないのは残念でございますけれども、先生の御指摘の点につきましては当委員会でもたびたび指摘されておりますので、そういう点をできるだけ明細な方法でできるかどうかということは常々努力をしております。
 この場でどうだという明細なお答えができないのはまことに残念でございますが、先生の御趣旨はよく理解しております。
○服部国務大臣 先生の御指摘の命令放送については、私もこの区分をはっきりする必要があるということを午前中の御質疑を通じて痛感いたしております。
 ただ、これは十分御承知だろうと思うのでありますが、命令放送は、皆様方にいま御審議いただいている国会の承認を得た予算の範囲内ということをはっきりと放送法で明記しているものであります。したがって、もちろんNHKが国の命令を受けて協力をいただくわけでありますが、予算の範囲が、五十三年度であれば六億九千万となりますが、そういったことも私は正直言ってどうかと思いますので、御意見を十二分に踏まえながら一度真剣に検討を加えてみたいと思います。
 また、先ほど来申し上げておりますとおり、経営基盤の確立ということはやはり収入増にあることも十分理解できますから、こういった面の協力はぜひひとつやっていきたいという考えを持っております。
○鳥居委員 国際放送の目的は、正確な日本の状況を海外に伝え、PRしていこうということですね。ですから、本来外務省の情報文化局がやってきたそういう仕事と共通する同じ目的のことをNHKがおやりになっておる。
 いまの国際放送は、NHKが番組編成をし、その中に情文局が座を連ねる、意見を言うというんじゃなくて、NHKの命令放送に関して国が責任を持ってやらなければならないという立場からいけば、もっと財政上の分担をしなければならないんじゃないかというふうに考えるのですが、大蔵省ではこういう考え方に立てないものでしょうか。
○角谷説明員 自主放送の部分と命令放送の部分とはっきり分けられないかという御指摘でございますが、鳥居委員も御案内のとおり、NHK予算全体につきましては放送法の規定もございまして、これをチェックするという立場に大蔵省としてはないわけでございます。
 そういう意味では、現実問題として、政府の部分というものをはっきり区分する場合には、大蔵省の立場におきましても、財政当局として全体についてこれをチェックいたしまして、これは政府としてやってもらう部分、これが自主的な部分というふうに実は分けなければならないわけでございますが、こういう制度的なシステムになっていないものでございますので、かねてから本委員会でもいろいろ御指摘をいただいておるわけでございますけれども、そこが非常にむずかしいといったふうな実態もございます。
 現実問題といたしましては、毎年の予算の編成の段階におきまして徐々にNHK交付金に占める政府の割合といいますか、そういったものをふやしていく。端的に申しまして、昭和四十七年段階においては約一割だったわけでございますが、先ほど先生から御指摘もございましたように、二三%を上回るところまでようやくことしになって持ってきたわけでございます。そういった形で現実的に解決をしているというのが実情でございます。
○鳥居委員 大臣、いま大蔵省主計官が担当しまして、交付金の率をなるべく上げられるようにという実績をつくってまいりました。最初は一〇%台から始まってずっと努力の跡が見えます。前年度から今度の新年度にかけても二一%増です。しかし、これで健全な国際放送ができるかという意味からいきますと、私たちの期待するあり方というものはこんなものじゃないです。海外に向けて正しい姿を紹介しなければならない。これはもう当然置かれた立場であります。
 だから、これを機会に、本来から言えば外務省がやる仕事として、もう一回その次元でこの国際放送を考えようという考え方に立てないものでしょうか。そうしますと、二一%ふえた、二四%ふえたという中から大きな展開ができるんじゃないかというふうに思うのですね。
○服部国務大臣 鳥居先生の御指摘のとおりに、正しく日本の実態を認識していただくためにもぜひ必要な国際放送であり、また、経済の発展、文化の交流等非常に多岐にわたる面を受け持っているわけでございますが、先ほど大蔵省の主計官も大変誠意のある答弁をしてくれましたが、正直申し上げて、放送内容を、これだけは国の負担に帰するものだ、これだけはNHKだと言うことはなかなかむずかしいですね。いろいろ条文を読んでみましても、やはり、大変各省にまたがるものがあるわけで、私はこういったことを考えてみたいと思っているのです。
 けさも御指摘があったのですが、外務省を通じてこの時間の交流について、たとえばフランスで日本のものを持っていってやってもらうかわりに日本でフランスのものを預かってきて週一時間流すとか、これは番組編成上いろいろと時間の問題もあろうと思いますが、こうやってなるだけ最小の経費で最高の効果を上げるように、これを外務省を通じて関係各国とも交渉を進めることによって大変な経費節減になり、効果を上げることになる。金を使うことばかり考えることが能じゃないので、そういったことも含めて、あわせてひとつ真剣に検討したいと考えております。
○鳥居委員 ありがとうございました。
 次の問題ですが、NHKがこれまで実験を重ね開発を進めてまいりましたところの、新しいメディアとして大きな展望に立つんではなくて、近々実現できるというメディアについてすでに実験の終わっているもの、手近なところにあるもの、これについて伺いたいと思うのです。
○沢村参考人 お答え申し上げます。
 先生も御承知のように、NHKでは、放送法に定められました一つのNHKの本来業務といたしまして、放送並びに受信の進歩発達に役立つような調査研究をやれということで――もちろん、放送法ができる前からNHKはございまして研究を進めておるわけでございますが、御指摘の点は、かなり実験も進み、技術的に解決しているような新しいメディアと申しますか、新しい放送方式と申しますか、そういうものはどんなものかということでございますが、まず、幾つかございますけれども、その中で、電波の有効な利用という面から幾つかの研究をいままでやっておりまして、その一つが多重放送の技術でございます。テレビジョンの音声にもう一波、もう一チャンネル多重できないかという、音声多重と言われておる方式でございまして、これにつきましては、もう十年ほどになりましょうか、大阪の万博のときにかなりの実験放送までいたしました。そういう意味では、このシステムが現在実用化されていない方式としては一番進んでいるものかと思います。
 それに続きまして、音だけじゃなくて文字なり絵なりを多重する方法もあるじゃないかという、文字放送といいましょうか、文字の多重放送というようなものもかなり研究が進んでおります。現在も、これの基本的な研究のために、実験局としての免許をちょうだいいたしまして、基本的な実験を進めておるわけでございます。
 もう一つ、多重と離れまして、より新しい方式といたしますと、次の時代の電波といいましょうか、VHF、UHFを使い切った現段階で、より光に近いSHFの電波を使う方法でございます。その中でも一つ、地上では、小規模に、よりローカルな地域について、難視救済というようなことも含めまして実用化されるような法的な制度が決まっておりますが、より一般的に、より広範囲にこれを利用するためには、気象の関係もございますので、衛星を使うのが一番いいんじゃなかろうかという意味で、衛星放送の実験というものが近く始まろうとしている次第でございます。
 先生の御質問に的確に当たっておるかどうかわかりませんが、実験の進んでいる幾つかのシステムについてはこんなことかと思います。
○鳥居委員 音声多重放送については、実験がすでに終わったと言っていいわけですね。
○沢村参考人 純粋な技術的な意味におきましては、実験が終わったと言ってよろしいかと思います。
 郵政省の電波技術審議会の場を経まして、答申まで至っております。そういう意味で終わったと解釈していいかと思います。
○鳥居委員 どうもありがとうございました。
 以上で終わりたいと思います。
○松本委員長 青山丘君。
○青山委員 私は、難視聴解消対策について、都市の受信障害と辺地の難視対策についてお尋ねをいたしたいと思います。
 まず、辺地の難視対策についてでありますが、テレビの難視聴解消については、当委員会におきましても常に強い関心を示してまいりましたし、毎年度の附帯決議において解消対策の効率的な推進を要望してきたところであります。
 そこで、まずNHKについて、現在の難視聴地域の状況また難視聴世帯の数及び解消対策についてはどのようになっておりますか、お尋ねをいたします。
○沢村参考人 お答え申し上げます。
 僻地におきます難視聴救済に関連いたしまして、まず、現時点でどの程度の難視聴世帯があるかという御質問でございますが、五十一年度末におきまして約七十三万世帯が残っておるというふうに考えておりまして、現在、五十二年度の事業計画の中で置局二百カ所、共同受信施設九百施設ということを目標に鋭意取り進めておる次第でございます。これが完了いたしますと、この五十二年度末におきましては約六十四万世帯が残るというふうに考えまして、現在計画遂行中でございます。現在御審議いただいております五十三年度の事業を取り進めますと、この六十四万世帯がさらに減りまして五十六万世帯程度になるというふうに考えておる次第でございます。
 これら難視地域の解消、良視化ということのためには、現在の技術でございますと、ここ何年間か続けてまいっておりますように、小さな中継放送所をつくることと、それから共同受信施設をつくること、この二つの方向で解消を図るということに尽きるわけでございまして、いま御説明申し上げましたように、年々解消の対策は進めておりますけれども、年間の解消世帯数は次第に減っておるという実態にございます。と申しますのは、まとまった部落、村落というものは解消されてまいりまして、次第に過疎地帯といいましょうか、散在世帯の地域がいま残っておるわけでございます。そういうものの救済には、いま申しましたような若干効率の悪い形になりながらも、できるだけ早くこれを救済したいということで努力を続けておる次第でございます。
○青山委員 五十三年度におきましても、五十二年度に引き続きまして中継局二百地区、さらに共同受信施設九百施設を建設して、たしか五十三年度においては八万五千世帯の解消を考えておられるということですね。いまおっしゃったように、それでもなお五十六万世帯の難視聴がまだどうしても残らなければならない。
 この難視聴世帯について、解消を完了するのは一体いつごろの見通しを立てておられるのか、まずお尋ねします。
○沢村参考人 お答え申し上げます。
 いま申し上げましたような実態からまいりますと、地上の従来の技術のみでこれを本当に一〇〇%完全に解消するということはまず至難のわざかと思います。あるところまでまいりますと、前々からお願いいたしておりますように放送衛星のような新しい技術を用いませんと、僻地ばかりでなしに離島というような地上のネットワークではまず救済不可能と言ってもいいような地域もございますので、そういう意味で、放送衛星に最終的には期待をいたしたい。
 したがいまして、現段階で何年かかるかという御質問には直接のお答えにはならぬかもしれませんけれども、新しい技術を駆使してできるだけ早く解消に努力したいというふうに考えております。
○青山委員 いま至難のわざだとおっしゃったのですが、一体NHKが自力でそれを解消することができるのかどうか、どうお考えですか。
○沢村参考人 NHKに与えられました使命から申しますと、最後の一世帯に至るまでやるべきであるという放送法の精神かと思います。ですけれども、非常に効率の悪い僻地の解消に一般大衆からいただきます受信料をどこまで回し得るのか。ある意味では福祉政策といいましょうか、あるいは僻地振興政策と申しますか、そういうようなより高度の国家的な面からの御配慮もなければならぬかもしれない。しかし、私どもとしては、できるだけNHKの力をふりしぼりまして、できるだけ効率的な技術の開発を通しまして解消に努力をしたいというふうに思っておる次第でございます。
○青山委員 難視聴の解消については放送衛星等で解決していかなければいけないとおっしゃったわけですが、放送衛星については後でちょっと触れさせていただきます。
 問題は、これから難視対策を進めていく上で、共同受信あるいは中継局を建設していかれるに当たっては、地域がだんだん点在化、散在化していきますし、狭域化していきますから費用が増大していく。それに反比例して投資効果というものが薄れていくんじゃないか。いまおっしゃったとおりだと思うのです。
 そこで、ある程度のところまで、投資効率が極端に下がるところまではやはりNHKの力でやっていかなければならぬと思うのですが、問題は、どのあたりの投資効率まで努力していきたいと考えておられるのか。
○坂本参考人 それはNHK全体の予算の中に占める部分でございますので、いまにわかに何億までというような計算を明示するわけにまいりませんけれども、そういう点は当然考えなければならないポイントだというふうに思っております。
○青山委員 現在の投資効率は一戸当たり幾らぐらいですか。
○沢村参考人 いま御審議をいただいております五十三年度の事業計画ではじきますと、解消世帯一世帯当たりの設備投資で申し上げまして、置局では四万六千円、共聴では五万九千円が平均の必要経費ということでございます。
○青山委員 ミニサテが投資効率にどのような影響を与えていますか。
○沢村参考人 いま、置局が四万六千円と申し上げましたのは、ミニサテがその中に六割余り、つまり二百カ所の置局と考えておりますが、そのうちの百三十カ所前後はミニサテでやれるであろうということで、かなり効率的になってこの程度の平均単価になるということでございます。
○青山委員 NHKが難視聴解消のための中継局、共同受信施設の建設のために計上しておられる予算は、五十一年度で約五十六億、五十二年度で約五十四億、五十三年度で約四十九億九千万という見通しになっておりまして、年々わずかずつ減少しておりますが、これはミニサテがその役割りを果たしてきたというふうに受け取っていいんでしょうね。
○沢村参考人 おっしゃるとおりでございます。
○青山委員 そこで、中継局及び共同受信施設は何年かたてば更改、改善をしなければなりません。したがって、更改、改善を行っていき、または行わなければならない施設は現在どのようになっていますか。
○沢村参考人 お答え申し上げます。
 置局の方、中継放送所の方の改善、取りかえにつきましては、現在、ほぼ十二、三年から十五年くらいの寿命、そのくらいの耐用年限と考えまして取りかえていっております。
 共同受信施設につきましては、NHK独自のものといいましょうか、NHKで金を出してつくったものとしますと四十四年からでございまして、まだ本格的な老朽時期には入っておりませんで、地方によりまして気象状況の悪いところ、条件の悪いところのものはぼつぼつ老朽取りかえをしなければいかぬ時期に入りつつあるというのが現状でございます。
 そういう実態に応じまして、五十三年度のいま御審議いただいております予算におきましては、両者含めまして約三十二億ばかりの更新経費を見込んでございます。今後もまずこの程度――あるいは施設がだんだんふえてまいりますし、いま申し上げましたような共同受信施設の老朽更新時期に入ってまいりますので、これよりは毎年若干ずつ必要経費がふえてこようかというふうに考えております。
○青山委員 NHKの会長にお尋ねしますが、NHKは公共放送の役割りを担っているわけですから、全国にその普及義務を負っている。したがって、難視聴解消の義務があるというふうに考えていいと思うのです。そこで、NHKから提出された予算書がありますが、それを見ますと、建設費や更改改善費、さらには人件費などを含めて百三十六億六千四百万ということになっています。これは都市の受信障害も入っておるわけですけれども、これを五十一年度、五十二年度について見ますといずれも百四十億円、五十三年度は百三十六億、年間百四十億円あるいはそれに近い額の投資ということは、苦しい財政事情にあるNHKにとっては少なくない負担であろうと思うのです。
 問題は、その投資効率は悪くなってきておると思うのですが、投資された額がそれによって得られる受信料によっては賄い得ないというようになってきて、そろそろそういう時期に来るであろうと思うのです。私はあと三年ぐらいじゃないかと思っているんですが、会長はどのように見ておられるか。
○坂本参考人 おっしゃるように、それは相当重要な問題でございまして、さきに五十一年度に受信料改定をお願いする際に三カ年の計画を御提示申し上げて、その間いろいろと話題になりましたときに、たしか五十四年度末で残存が四十五万ぐらいで、それ以降は放送衛星によらざれば地上の施設等においては無理であるという見通しをその時点で申し上げた記憶があるのでございますけれども、その後いろいろと技術革新なりあるいは状況の変化で、その数字がそのまま現在でもそうだというふうにも申し上げかねますけれども、先生の御指摘のように、その問題を解決しなければならないのはそう遠い将来ではないのじゃないかと考えております。
○青山委員 きのう、昭和五十三年度収支予算、事業計画及び資金計画についての説明の中で、「建設計画につきましては、テレビの難視解消をより効率的に推進することとし、中継放送局の建設及び共同受信施設の設置を行う」とおっしゃっておられたわけですが、より効率的じゃなくてより非効率的にならざるを得ないのではないか、好むと好まざるとにかかわらず、そういう状況だと思うのですが、いかがでしょうか。
○坂本参考人 厳しい状況であることは間違いございませんけれども、先生から御指摘のございましたミニサテの開発等によって、従来の考え方から言えば効率的になりつつある部分もございますので、そういう面を含めましてそういう申し上げ方をした点は御理解賜りたいと思うわけでございます。
○青山委員 郵政大臣にお尋ねします。
 受信料はNHKの放送番組の対価ではない。公共放送としてのNHKが維持運営されていくために受信者が負担する公的な負担である。したがって、NHKの投資を一般の企業と同一に見るわけにはいきません。けれども、結局は全国の受信者がそれを負担するわけです。
 そこで、受信料にはね返ってくるわけですから、どこまでもNHKにその責任を負わせることができるかということは困難ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○服部国務大臣 青山先生の御指摘のとおりに、正直申し上げて、私はこの難視聴解消には大変な意欲を持ってきたつもりであります。また、いかにしてこれを解消し、こういった恵まれない地域におられる方々に文化の恩恵を享受してもらうかという点についてもいろいろと私なりに考えているわけでありますが、先生の御指摘のとおりに、これはある一定の限界に来れば国も地方自治体も真剣に取り組まねばならない問題であるということは私も十二分に考えております。ただ、御承知のとおりに、難視聴地域といってもなかなか多種多様で、離島があり、またいろいろな地形の影響で、NHKだけの力ではいかに放送法でその責任が明記されていてもなかなか問題である。
 私は先般NHKと話し合いまして、こういったことをいま提案いたしております。というのは、郵政省で少額でありますが予算を獲得いたしまして、実態調査をいまやらせております。少なくともことしの七月ごろには大体の実態がつかめると思います。加えて、NHKは各地域に支局を持っておりますので、こういった協力をいただいて、どういう方法をもってすれば最も理想的な難視聴解消の実効を上げることができるかという実態調査を地域支局でやってもらうように先般も要請いたしております。
 こういった方法で大体の計画が立ち、一定の限界が来たときに、すべての国民が文化の恩恵を享受する権利を有するという憲法の精神にのっとって、国は思い切った実施計画にのっとって予算の獲得を図り、大蔵当局にも先生方の御協力を得て獲得を図り、さらに県または末端市町村自治体の協力、それからNHK、民放の協力、それからいわゆるその恩恵を受けられるところの、負担できる範囲の協力をいただいてその実効を上げてまいりたい。
 いま一つは、それでもなかなかどうにもならないという個所がかなり出てくると私は予測いたしますが、今月末に御承知のとおりに放送衛星を打ち上げるわけでございまして、過去の通信衛星その他の各国のやっている事例から考えて必ず成功するものと私は確信を持っておりまして、これが最終的にどうにもならない地域の難視聴解消に大きく役立ってくれると思うのです。
 先般私はNHKの技術研究所に参りましたが、SHF、すなわち衛星からすぐに屋根の上にきわめて簡潔なアンテナで受けることができるという研究、そこに送れば難視聴地域の一万数千円の個々のアンテナで必ず受けることができるという研究もされておりますので、こういったものも両々相まって御指摘の問題の解決を図りたい、かように考えている次第でございます。
○青山委員 大臣、私は放送衛星が果たす役割りも評価しています。実は、私もこれを待っています。それから、NHKが難視聴解消のために努力をしていただかなければならないということも国民の一人として期待をしているし、また、NHKもその役割りを担っていただけると信じておるわけです。
 ただ、問題は、受信料で賄われていくわけですから、極端に投資効率が落ちていく段階においては一度考え直さなければならない。しかも、それはそんなに遠い先ではないと思うのです。その段階を具体的にどのように見通しを立てておられるのか。ここまではいまの段階で進めていこう、しかしそれ以降はどうしてもこうした解決策をとっていかなければいけないということで、好むと好まざるとにかかわらずどうしても対処せざるを得ない。
 そうした対応をする姿勢がいまおありかどうか、その分岐点といいますか、ここまで投資効率を落としてはいけないという分岐点を考えておられるかどうか、お尋ねしたいと思います。
○服部国務大臣 先ほどお答え申し上げましたとおりに、この限界の判定は、いま実施いたしております調査結果の出る時点でないと、何年後とか来年とか再来年とか言えないわけでありまして、私は、申し上げたとおり真剣に難視聴解消と取り組んでおりますし、また、民放連にも強く要請いたしまして、全面協力するという言質もいただいておりますので、急ぎ調査結果をまとめて、その時点で、NHKの現在やっている方途では大体これが限界でしょうということを申し上げたいと存じておりますので、御了解を願います。
○青山委員 そういうふうに理解したいと思います。
 そこで、もう一つ大臣にお尋ねしますが、それは先ほど触れられました法律の問題です。民放からの協力の問題については後で触れたいと思います。
 公共事業であります郵便とか電話についてはどうなっているかといいますと、まず、国の独占事業であります郵便については、郵便法第一条に、郵便のサービスを「なるべく安い料金で、あまねく、公平に提供する」となっておるのです。にもかかわらず、郵便規則の第八十五条では適用地域を設けて、直接配達しないでもいいという地域があるわけです。また、同じく独占事業であります電話についても、公衆電気通信法第一条におきましては、公社のサービスは「あまねく、且つ公平に提供することを図る」とあります。ところが、普通加入区域以外の加入電話の架設については特別の負担金を課すことになっているわけです。
 NHKの難視聴対策についても、そのような意味で限界を設けていかなければならないときが来るのではないか。投資効率が極端に悪くなる段階では考えざるを得ない。そういう段階になってきますと、国だとか地方公共団体の負担、あるいは先ほどおっしゃったような広く関係する人たちが負担していかなければならないという新しい段階に来ます。したがって、行政的、法制的な措置をどうしても講ずる必要が出てくると思うのですが、大臣はいかがでしょうか。
○服部国務大臣 お答えいたします。
 そのときが来れば、先ほど来繰り返し申し上げておりますとおりに、限界が設定された時点で国がその負担率をどの程度持つか、NHKがどの程度持つか、民放がどれまで持つか、また、県、市町村、自治体がどの程度の割合の負担をしていただくか、また、受益者にどの程度の負担をしていただくかということを総合的に検討を加えて、そこで法律が必要であれば皆さん方にお願いを申し上げる、行政措置でできるものであればそういった措置をとりたい、私はかように考えておる次第であります。
○平野政府委員 ただいま大臣からお答えをいたしたとおりでございますけれども、若干申し上げさせていただきたいと思います。
 ただいまお示しのように、NHKの放送の辺地難視聴解消につきまして一定の限界を設け、それ以上の地域については中継局の建設等に要する費用を国あるいは地方自治体の負担とするという構想でございますが、これは現在のNHKの難視聴集落が散在、狭域化しております現状に照らしまして、促進のための一つの方策であるということは間違いないところだと思います。ただ、御承知のように、国などが、NHKの難視聴解消のために必要な費用を負担するという点につきましては、NHKが全国あまねくというたてまえを放送法上持っております点からいたしまして、NHKのあり方の基本問題ともかかわってくると思います。
 その点につきまして、先生から法律改正等の問題があるというような御指摘があったことと思いますけれども、なお、あわせまして、民放の難視聴解消における国の役割りとの関連というものも当然出てこようかと思っております。そういった意味におきまして、先ほど大臣からお答えいたしましたような実態調査の結果を踏まえながら、総合的な難視聴解消方策の中で前向きに取り組んでまいりたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
○青山委員 答弁が複雑になってきておりますので、私が誤解したら直していただかなければなりませんが、NHKはあまねく公共放送を提供するということなので、国が難視聴解消のための費用負担をするのはNHKが存在する法的な根拠において問題が出てくると、こうおっしゃるのですか。
○服部国務大臣 先ほど私が答えたことをもう一度確認を願いたいと思いますことは、その時点で法律改正が必要であれば先生方にお願い申し上げたい。しかし、方針は決めなければならないのです。しかし、行政措置でできるものであれば、なるべく早くそういった地域の方々に利便を供するためにその措置でやっていくというふうに御理解を願います。
○青山委員 いまも電波監理局長からお話があり、先ほど大臣からもお話が出ましたが、難視聴解消の決め手とも言える放送衛星が今月末に打ち上げられるのですね。その後静止衛星の軌道に誘導されて、向こう三年間くらいにわたって実験が続けられていくわけです。
 そして、問題は、実際に各家族で直接受信ができるのは一体何年先なのかということなのですが、見通しはいつごろなんでしょうか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 一般家庭で放送衛星から降ってまいります電波を直接受信いたします場合は、各家庭の屋根の上あたりにアンテナが設けられるということになりますし、また、その空中線の指向性をどの程度におさえていくか、あるいはゲインをどの程度におさえていくかというような問題を考慮いたしますと、アンテナの直径といたしまして一メートル以下のものが適当であろうかというふうに考えるわけでございます。それで、わが国の大部分の地域におきまして、できれば全国一円ということが最も望ましいわけでございますけれども、このような受信機を使用できるようにいたしますためには、衛星からの送信電力といたしまして、一チャンネル当たり数百ワット程度のものがどうしても必要になるのではなかろうかというふうに考えているわけでございます。
 その点、ただいまお話のございましたところの、今月末ごろに打ち上がります実験用放送衛星の送信電力は、実は一チャンネル当たり約百ワットでございますので、電界の強い一部の地域で衛星からの電波を各家庭で直接受信する実験を現在予定しておるわけでございますけれども、大部分の地域におきましては、共同受信、いわゆるある程度大型のパラボラアンテナで受信をいたしまして、これを各家庭に分配する方式に関する技術について実験をいたすという予定にしておるわけでございます。
 そういうことでございますので、一般家庭で直接受信ができるのは技術的にいつごろになるかということにつきましては、たとえばカナダにおきましても、いまやっと一チャンネル当たり二百ワット程度の衛星用の、TWTというふうに言っておりますけれども、その程度の電力しか得られておりませんので、国際的にもそのような開発が必要であるということになっておりまして、したがって、一般家庭による直接受信が可能になるというのは、現在のところ一九八〇年代になるのではないか、そういうふうに予想をいたしております。
○青山委員 八〇年代前半ですか。後半ですか。
○平野政府委員 最近のように革新的な技術がどんどん生まれる時代でございますので、私どもといたしましては、一九八〇年代前半というふうに考えております。
○青山委員 放送衛星が実用化されてくることが難視聴解消に大きな役割りを果たすということでは、私も非常に期待しているものなんです。ただ、しかし、放送衛星はどうしても全国的な放送ということになってまいりますから、ローカル放送については利用し得ない面が出てくるのではないかと思うのです。その意味でローカル放送は地域住民に近親感を与えて、NHKとの間の交流、密着を強める上に大切な役割りを果たしてきたと私は思うのです。NHKもローカル放送の充実に心がけてきましたし、現に「六・四〇」が地域住民の好評を博してきたと私は受けとめているわけです。
 ところで、放送衛星はチャンネルが八つくらいだというふうに聞いているのですが、そうなってきますとどうしても割り当てが少なくなってくるという意味で、ローカル放送には利用できないことになるのではないかという面がありますね。そういうことになってきますと、地方の生活情報、災害情報あるいは地方の文化というようなローカル放送について進めていこうとすれば、どうしても中継局設置、それから共同受信施設、共聴の設置というものは並行して進めていかなければならないのではないかと思うわけです。
 そこで、通信衛星と相まって、難視解消のためにどうしても中継局及び共聴の設置については進めていかなければならぬと思うのですが、今後どういうふうに考えておられるのか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 中継局そのものの効用、あるいは並行して考えていくかどうかという問題につきましては、私どもといたしましては断定的なことはまだ申し上げにくいわけでございますけれども、先生も御承知のように、放送衛星は三万六千キロメーターの上空から放送電波を降らしてくるわけでございますので、同一の番組を広い地域にわたって高い角度からサービスするという特徴を持っておるわけでございます。このため、放送衛星は地上の放送と同じようなきめの細かなローカル番組の放送を行うにはさしあたりは適していない。将来の技術の進歩によりまして新たな局面が出てくることも考えられますけれども、現在の時点では適していないと言わざるを得ないと思いますけれども、放送番組の編集に当たりまして種々の工夫をこらすことによりまして、各地域住民の要望にこたえる道はなくはないであろうというように考えておるわけでございます。
○沢村参考人 ただいまのローカル放送と衛星との関連でございますが、おっしゃるように、現在地上でやっておりますようなローカル番組というものは、いまの技術で衛星を使ってやるということは無理かと思います。日本に電波が八つ割り当てを受けたということもございますし、わずかな世帯数のために多額の経費を投入するということもいかがかという気もいたします。全国一都二府四十何県に対しまして個々に衛星の電波を割り当てるということは、現在の技術から申しますと、経済的にも非常に不経済であろうかと思います。
 ただ、一部の情報放送ということからいたしますと、これもまだこれからの技術の問題でございますけれども、先般鳥居先生の御質問にお答えいたしましたような多重の技術というようなものが日の目を見る時代になってまいりますと、非常に情緒的な内容は無理でございますけれども、ローカルの情報というものを送ることは必ずしも不可能ではないというふうにも考えております。
 いずれにいたしましても、地上と衛星とシステムが違いますし、これをどう上手に使っていくかということは今後一層検討しなければならぬ問題かとは思っております。
○青山委員 私は難視解消の立場で聞いておるのですが、並行して中継局、共聴を設置してやっていかなければいけないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○沢村参考人 現段階では少なくとも衛星がまだ実用になりませんし、衛星ができるまでお待ち願うというような状態ではないと思います。
 したがいまして、衛星の開発を進める一方、現在やっております地上の中継局の設置あるいは共聴の設置というものは当然続けていかなければならないというふうに考えております。
○青山委員 私は現段階のことを聞いておるんじゃないのですが、放送衛星がその機能を果たして、そしてローカル番組も多重放送でいろいろな工夫をしてその効果を上げていくことができるのではないかということなら、それはひとつ検討していただきたいと思うのです。
 さて、そこで、先ほどちょっと触れました投資効率の問題が実はありまして郵政省にお尋ねしますが、民放の難視対策について聞くわけです。
 民放の解消対策がNHKに比べて劣っているということはよく耳にいたします。また、実際にも、NHKの放送は見えても民放の見えない地域が数多くあるわけでありますが、これを数字の上で見た場合に、中継局の設置状況やそれから難視聴世帯の数などはNHKに比べてどのようになっておりますか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 NHKと民放の置局の状況につきましては、五十三年一月末における置局地区数でございますが、NHKが二千六百四十八地区に対しまして、民放が一社でも置かれております地区数は千二百四十九地区となっております。その差は千三百九十九地区でございます。
 次に、辺地における難視聴世帯数につきましては、五十一年度末におきまして、NHKが約七十三万世帯に対しまして、民放は約百九十万世帯となっております。
○青山委員 いま御報告をいただいたように、まだまだ民放は難視対策に力を入れてもらわなければならぬということになると思うのです。
 そこで、さらに郵政省にお尋ねしますが、昨年の十一月再免許に当たって、民放各社に対して、「中継局の建設を積極的に推進し、テレビジョン放送の難視聴地域の解消に努めること」という要望が出されております。また、ミニサテの実用化に当たって、NHKとの共同架設によってその対策を進めるよう要望されたわけでありますが、民放の対策はその後どのように進んでおりますか、お尋ねします。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 郵政省といたしましては、ただいま申されましたように、民放のテレビジョン放送の難視聴解消のため、昭和五十一年の再免許に際しまして、各放送会社から難視聴解消についての三カ年計画を詳細かつ具体的に聴取するなどいたしまして、難視聴解消を促進するように指導いたしましたほか、NHKと民放とによるミニサテだけではございませんで、それ以外の中継局の共同建設等を推進してまいったわけでございます。
 これに対する民放各社の取り組みの状況でございますが、五十一年十一月再免許時から三カ年間のミニサテを除く中継局の置局計画局数が六百五十六局に対しまして、本年一月末までに設置されたミニサテ以外の中継局は二百四十七局でございます。また、ミニサテにつきましては、この間に四百六十四局置局されておるわけでございます。
○青山委員 いま御説明いただくと、その後かなり進んできているように思うわけですが、しかし、これはいろいろな理由があると思うのですよ。
 ミニサテをNHKと共同架設する際の費用負担は民放側に非常に有利になっておってできるものだというふうに受けとめていいと思うのですが、具体的にはどのように分担されておりますか。また、そうなっておる理由をお聞かせいただきたい。
○沢村参考人 お答え申し上げます。
 ミニサテを開発いたしまして、これを実際に設置いたしますときに郵政御当局の方と十分御相談をいたしまして、もともと非常に世帯数の少ないところ、従来の方式ではとても無線局を置けるようなところではない、先生のおっしゃる設備投資効率が悪いところ、従来の技術で申しますと共同受信施設を置くようなところであるというような考え方でこれを整理をしたわけでございます。
 実際の経費の負担といたしますと、NHKが総合、教育の二波を中継をいたします。そのために開発いたしました五十年、五十一年当時の物価あるいは現在執行中の五十二年度の予算で申し上げますと、NHKの二波を実施いたしますのに二百三十万から二百五十万程度の建設投資でございます。これに民間放送さん一波当たり三十万か三十五万の最終の送信増幅器をおつけになりますと、NHKの施設をそのまま共通部分が流用できますので、NHKとしては特によけいな支出にはなるわけではございませんが、民間放送さんにしてみると、そのまま共通部分がただで使えるということで非常に安くなるということでございます。
 これは最初に申しましたように、共同受信施設をつくりますときに、地元の受益者団体、受信組合をつくっていただきまして、そこにNHKがNHKの総合教育を受けるだけの共同受信施設をつくって差し上げる。そうしますと、どうせつくるのなら民間放送も受けるようにしてほしい――そこまでNHKは負担するわけにまいりませんので、受信組合の方で民間放送の電波をこの共同受信施設に流し込む付加設備と申しますか、それだけのものは地元で御負担を願うということでやったわけでございます。
 それと同じようなことがミニサテにその精神が引き継がれまして、非常に軽微な、共同受信に相当するような設備でやるからできるだけめんどうを見たらどうだということで、いま申し上げましたようなNHK二波を通すのに必要なものはすべてNHKが用意をする、それに若干の付加設備をつければ民間放送も受かるようになりますというのがミニサテの経費分担の考え方でございます。
    〔委員長退席、鈴木(強)委員長代理着席〕
○青山委員 NHKが設置したところへ送信増幅器を民間放送がつけさせてもらうということで、その設備料だけで三十万ないし三十五万くらいですか、全体では三百万近いもの、二百八十万から二百九十万くらい、ミニサテが、ですね。しかし、受信者にとってみれば、NHKがこれをやってくれたから民間を見れるのだというふうには必ずしも見てないわけですね。民間は非常にうまいところ乗っているというふうに見えるわけです。
 ちょっといまも触れられたかもしれませんが、中継局の建設について、あるいは中継局の更改についても、いまのミニサテの基準に合わせて民間に使用させておるということなんでしょうか。
○沢村参考人 お答え申し上げます。
 ミニサテ以外の、従来からございます標準型のサテライト局、中継放送所というものにつきましては、いま申し上げましたような便宜は与えておりません。それぞれの放送事業体が応分の持ち分で、対等の立場で持ち合おうではないか――つまり、NHK二波に対しまして民間放送二社あれば、NHK二、民間放送二でございます。共同の建物を建てれば、その建物の使用面積に応じて分担しようじゃないか――アンテナも同様でございますし、電力も、使います電力に応じてその設備料を払おうということで、お互いに共同建設することによって節約、利益を得ようといいましょうか、効率化しようという考え方で共同建設をやってまいりました。ただ、ミニサテの段階になりまして、当初申し上げましたように、共同受信施設に相当するようなものではないかということで、普通の中継放送所とは違った、共同受信施設と同じような扱いをしておるということでございます。
 したがいまして、今後の設備の更改のときにどうするんだというお話でございますが、現在までのところ、一斉に全施設の更改をするというような例はございません。個々に自分の持っております放送機の取りかえをするというふうな例はございますが、それはそれぞれの放送事業者が自分の放送機の取りかえをやっているだけでございまして、将来建物を一緒に建て直そうというようなことが起こるといたしますれば、いま申しましたように、お互いに持ち分をおんぶし合わないで平等に持とうという考えでございます。
○青山委員 いま資料がおありになれば発表していただきたいんですが、いまの共同建設の実績が恐らくあると思うのです。資料がおありだったらいま聞かせていただきたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 NHKと民放との共同建設の状況を申し上げます。
 最初に、ミニサテ以外の場合につきましては、四十八年度が五十地区、八十局でございます。四十九年度が四十地区、五十九局、五十年度が二十二地区、三十局、五十一年度が五十地区、七十七局、これはいずれも民放の合計でございます。
 それから次に、ミニサテにつきましては、昭和五十年度が二十四地区、七十五局、五十一年度が六十二地区、百八十九局、いずれも民放の合計でございます。
○青山委員 それじゃもう一つ民放をやらせてください。
 民放が非常な発展をしております今日、国民にとっては、NHKさえ見えれば民放は見えなくてもいいというものではありません。民放の難視解消対策がNHKに比べて著しくおくれてきているということは問題です。民放は営利企業であって、法律上難視対策義務を課せられてはおりませんし、また、難視の解消そのものが必ずしも収入の増加に結びついておらないということから、民放は難視解消対策に余り熱心ではないのではないかと思うわけですが、民放といえども国民の財産である貴重な電波を使用しているわけですから、地域住民との密着性を使命としてその事業を行っていかなければならないと思うのです。
 難視解消に努力すべきであると思うのですが、民放は、今日、社会環境、経済環境が非常に不況で苦しんでおる中でも大きな利益を上げていると思うのです。郵政省はそれをおつかみになっていると思うのですが、そういうときでもありますから、郵政省は民放の難視解消対策についてぜひもっと強力な行政指導をする必要があるのではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、あらゆる時期をつかまえまして民放には指導いたしてまいっております。先ほども申しましたように、一昨年の一斉再免許あるいはその前の一斉再免許の時点におきまして、いわゆる中継局の建設計画を詳細にとりました。そして、その数にとらわれることなく、チャンスのあるたびごとに国民のために中継局の建設ということを進めてまいったわけでございます。ちなみに、この前の置局率と申しますか、それは九〇数%でございます。相当な局数及び難視解消が図られたというような見方ができるかと思います。先ほども申しましたように、一昨年の一斉再免許のときにも同じことを行いまして、先ほど申し上げたような数字が現在上がってきておるということでございます。
 そのほかに、ミニサテにつきましては、ただいま申し上げましたように、NHKとの共建が相当進められてきておる。しかしながら、民放といたしましてはまだまだ自力で置局を促進する必要があるものというふうに考えておりまして、これはチャンスのあるたびごとに建設を進めてもらうように指導しておるところでございます。
○青山委員 民放が難視解消対策に努力しているのだというふうに受けとめておられるのでしょうか。
 民放が経営努力によって利益を上げておられるということならば、それはもう評価すべきであろうと思うのです。ただ、ある面においては放送免許が利益を上げておるという面がないとも言えないと思うのです。その意味で、かつて郵政省に――これは大臣はお記憶があるかどうかわかりませんが、私どもの小沢貞孝委員が、放送事業者から電波使用料とでもいうようなものを徴収して、これを難視解消対策の資金に充当してはどうかという提案をしておりますが、そのときに郵政省は検討するという約束をしているわけですが、その後の検討の状況はいかがでしょうか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の、電波使用料の徴収によりまして難視聴解消の資金に充ててはどうかという御提案につきましては、徴収そのものが放送事業者の難視聴解消についての責任を免れしめることになりはしないかという問題、あるいは放送局以外の無線局がたくさんございますが、放送局以外の無線局の取り扱いをこの問題についてどう考えるかという問題、あるいはただいま先生も放送について申されましたように、放送局及び放送以外の電波利用者が獲得をいたします利益をどのように算定するかというような問題、あるいは現行の税制との関係とどのように調整を図るべきかという問題、こういうふうな問題がいろいろございまして、今後なお慎重に検討させていただきたいとは思っておりますけれども、非常に困難であるという状況でございます。
○青山委員 質問を終わります。
○鈴木(強)委員長代理 では、次に、藤原ひろ子君。
○藤原委員 関係者の皆さんには、長時間にわたりまして御苦労さまでございます。質問をさせていただきたいと思います。
 NHKの性格につきましては、「NHKの概況」に次のように述べております。「NHKは、国の出資をうけず、また特定の資本によることなく、全国の聴視者からの受信料を唯一の財源とし、これをもとにしてきずきあげられています。」云々とありまして、「公団や、政府機関からわかれた公社などとは、本質的にその性格を異にしています。」として、そして、「聴視者である国民が法律によってみずからの放送事業体として設けた」と言って、「財政的基盤は、必然的に、言論報道機関としての番組編集の自由と、そのうらづけとなる経営の自主性を確保することになり、同時にそれは、日本の公共放送として全国民の信頼にこたえるためのよりどころとなっています。」というふうに書いてあるわけですけれども、これに間違いございませんでしょうか。
○服部国務大臣 お答えいたします。
 全くそのとおりでございます。
○藤原委員 それでは、NHKの財政的基盤とのかかわりの問題といたしまして、先日来問題になっております在日米軍司令部当局におきますところのいわゆるNHK受信の契約拒否の通達は、これはNHKの存在そのものにかかわる重要な内容を持っているというふうに思います。私は、昨年の三月十五日に、NHKの予算審議でこの問題について質問を申し上げたわけでございますが、そのときの政府側の回答が三つあるわけです。要約して申し上げますと、一つは、在日米軍であっても国内に居住する限り放送法の適用を受けるというふうにお答えになりました。二つ目は、NHKとして受信契約ができるように努力をするともおっしゃいました。三つ目には、郵政省としてはNHKから相談があれば協力をいたしますとおっしゃったわけですが、それに今日も変わりはないでしょうか。大臣、お願いいたします。
○服部国務大臣 お答えいたします。
 先ほど来お答えを申し上げておりますとおりに、在日米軍であっても日本国民同様聴視料は徴収すべきであると私は考えております。
 かつて藤原先生がこの委員会で御質問されたときに、在日米軍であっても放送法の適用を受けるという答弁と、NHKは努力をするという答弁と、郵政省は申し入れがあれば協力をするという答弁と、こういった三つの答弁であったということですが、率直に申し上げて、先ほど防衛施設庁と、それから外務省の安保課長と法制局の見解があり、各先生から御指摘を受けていろいろ意見の交換がありましたが、私は終始一貫企業努力を強く訴えてきたわけであります。したがって、こういった料金徴収問題についても、先生の御指摘のとおり、努力するとか、または郵政当局が依頼があれば協力するとか、そういったなまやさしいものではない。企業努力とは、すなわち米軍当局と強力に折衝を進めて、また国のあらゆる機関とも協力体系をとって、何としても究極目的の料金を法律の定めによっていただかねばならないわけであります。相手が在日米軍であるから徴収について非常にちゅうちょすることは何もないと思います。
 したがって、私は、努力がいま一層望まれるときであると考えて、きわめて近いうちに、防衛庁並びに外務省というような機関と郵政省とNHKが一体になって、この料金徴収の実績を上げるためにどのような対策を立てるかについて真剣に取り組みたいという考えを持っております。
○藤原委員 それでは、外務省にお尋ねいたしますが、アメリカの政府と米軍に対しまして指令の撤回を要求されたのでしょうか。いかがでしょうか。
○丹波説明員 お答え申し上げます。
 本件につきましては、過去にいろいろな経緯があったと承知しておりますが、つまり、具体的には、長い間にわたって施設区域内での聴視料は現実には取られていなかったということがありまして、アメリカ側としては、地位協定の十三条三項に言うところの租税というものに当たるので免除される、こういう考え方でいるのだろうと思います。(藤原委員「撤回を要求したかしないかを聞いておるのです」と呼ぶ)
 本件につきましては、現在、NHKがアメリカ側と、このような協定の解釈をめぐる問題も含めて、実態の問題について話し合うということになっておると承知しておりますので、外務省としては、まずそういう話し合いの結果を見てから、するべきことがあれば、ただいま郵政大臣が申し上げましたように、関係省庁と協議して今後のとるべき手段あるいはできることについて検討したい、こういうことでございます。
○藤原委員 いま、NHKとアメリカとの間の話し合いの結果を見てからということですけれども、その理由はどこにあるのでしょうか。
○丹波説明員 お答えいたします。
 本件のような問題ばかりではございませんで、地位協定の運用をめぐる問題には種々の問題があるわけですが、これには実務官庁たる関係省庁あるいはそれに直接関係のあるところ、たとえば今回の場合にはNHK――そういう関係官庁がいろいろ関係しておるわけですが、一義的にはこのような問題はそういう関係官庁がまずアメリカ側としかるべき場を設けて話すというのが従来のやり方でございます。
○藤原委員 関係官庁に外務省が入らないのかどうか。いまの御答弁ですと、何か、関係官庁が集まっておやりになるでしょう、私のところはそれには入っておりませんというふうに私は聞こえたわけです。
 それと同時に、なぜこれがNHKと米軍の関係なのかどうかという点を明らかにしていただきたいと思います。
○丹波説明員 現実にNHKは日本側の当事者といたしまして、現在アメリカ側と話を進めている、あるいは話をしようとしておる、こういう段階にあると承知しております。
○藤原委員 それでは、別の角度から質問をしたいと思います。
 昭和三十五年の六月十二日に、参議院の安保特別委員会におきまして、林政府委員がこのように答えておられます。「一般的に申し上げますが、合衆国軍隊――いわゆる軍隊に対しては、これは当然にこの軍隊も日本にある間において、日本の法令を尊重すべきものであるということは、これは当然でございます。」と言って、そして、「同時に、軍隊というものは、他国にある以上は、その国の法令を尊重する義務は当然持つ、」というふうに明快に答えておられるわけです。
 そこで、外務省にお尋ねをいたしますが、このことは今日でも確認ができるのでしょうか。いかがでしょうか。
○丹波説明員 お答え申し上げます。
 当時の安保国会における林法制局長官の答弁はそのとおりだと私は思います。一般国際法上、外国軍隊には接受国の法令の適用はございません。これは一般国際法上そうなっておりますが、他方において、他国に駐在する軍隊というものは、その国の、接受国の法令の適用はないけれども、その国の、接受国の法令を尊重すべきだということになっております。その趣旨を述べたのが、先ほどの先生が御指摘された林法制局長官の答弁でございます。
○藤原委員 そうしたら、なぜこの問題がNHKと米軍の関係の問題になってくるのでしょうか。どうも全く矛盾があるというふうに私は思うのですが、いかがでしょうか。
○丹波説明員 本件につきまして考え方を整理させていただきたいと思うのでございますが、先ほど御指摘の林法制局長官の御答弁のそれに対する私の考え方をこの前表明したわけでございますが、これは合衆国軍隊そのものについての考え方でございまして、現在ここで問題になっておりますのは、合衆国軍隊の構成員、軍属、家族といったものに対してここで言うところの租税が免税されるのかどうかということなんでございまして、私は、若干面の違うところだと承知しております。
 それで、ここで言うところの構成員、軍属及び家族には放送法の適用があるであろう、したがって聴視料は支払うべきものである、これがもう一つの見方でございます。
    〔鈴木(強)委員長代理退席、委員長着席〕
○藤原委員 しかし、米軍やアメリカ政府は日本の法律を勝手に解釈しているわけですよ。国内法を勝手に解釈しているのです。NHKの受信料というものは税金でありますとか、だから払わなくてよろしいとか、こういうふうに勝手に解釈をされ、その解釈に基づいて行動をしているわけですけれども、その権限は認められているのでしょうか。いかがでしょうか。
○丹波説明員 お答えいたします。
 私はアメリカ側と本件について話し合ったことはいまのところございませんので、正確にアメリカ側がどういう見解であるかということを必ずしも申し述べる立場にはございませんけれども、私の理解では、アメリカ側が考えておりますのは、アメリカ側として勝手に日本の放送法を解釈しているということではなくて、むしろアメリカ側は、この地位協定第十三条三項に言う租税というものにNHKの聴視料は該当するという考え方をとっているものと私は推測しております。
○藤原委員 話し合ったことがないということ自体が私は問題だと思うので、それは後で言いますけれども、いまアメリカ側の考えをおっしゃったわけですけれども、勝手な解釈ではないのだということになると、この解釈はよいという立場で言っておられるわけですか。
○丹波説明員 お答えいたします。
 私としては、アメリカ側の立場をここで表明する立場にはないわけですが、私としての推測を申し上げたわけで、国と国とが条約を結びましていろいろな問題が起きたときに、ある言葉をどう解釈するかということは、こちらにはこちらの考えがあり、向こうには向こうの考え方がある、そういうぐあいに開いている場合には、やはりお互いにテーブルに座って話し合わなければいけない、こういうことでございまして、私としては、アメリカ側の考え方が正しいとか正しくないとかいうことを申し上げたつもりはございません。
○藤原委員 いまあなたがおっしゃったところの、テーブルに着いて話し合わなければならない、そうしたら誤解も解けるということは、私はそのとおりだと思うわけです。
 いま、勝手な解釈ではないというお答えでしたけれども、これは勝手な解釈という言い方がアメリカの方に対してきつ過ぎるというふうに外務省がお考えになるのでしたら、私は、これは誤解だというふうに解釈してもよいというふうに思うわけです。
 そういった点で、これは単にNHKと米軍との受信契約上の問題ではないというふうに私は考えるわけです。他国の政府機関がわが国の法律を勝手に解釈しているのです。あなたは勝手と言うのが大変お困りのようですが、あなたは誤解をしているというふうにとられてもよいと思いますが、私は勝手に解釈しているというふうに申します。そして、この解釈を押しつけてくるというふうなことになっていると思うのですけれども、いかがでしょうか。
○丹波説明員 お答えいたします。
 先ほどから申し上げているつもりでございますが、本件につきましては、今後NHKが米側とじっくりと話し合ってみるということなんでございますから、現在の段階で、アメリカが話し合いの結果どういう考え方に変わるのか変わらないのかということは私としては申し上げかねるところでございます。
○藤原委員 NHKがじっくりと話し合ってからということではないということを私は申し上げているわけです。
 外務省にはいろいろと、放送法三十二条の解釈もあるでしょうが、そういうものではなくて、わが国に駐留をしております米軍隊ですね。その家族や軍属といった人たちも含めて、その米軍隊がわが国の法律を遵守しないという状況が起こっているわけです。これはNHKとアメリカ軍の問題ではなくて、まさに外交上の問題だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○丹波説明員 お答えいたします。
 先ほどから申し上げておりますとおり、まず当事者間で話し合いをしていただきまして、その結果――これは郵政大臣も先ほど申し上げたところでございますが、その結果、郵政省としてあるいは外務省として、あるいは防衛施設庁としてとるべき考え方というものが出てくるのであれば、そのときは関係省庁が集まっていろいろ協議して、今後アメリカとの間で本件をどのように動かしていくかということを考えたい、こういうことを申し上げておるつもりでございます。
○藤原委員 幾ら聞いても同じことばかりを繰り返しておられるわけですが、いま聞きましたポイントは、これは外交上の問題ではありませんかということをお尋ねしたわけです。
 そこで、違う面からさらに深めていきたいと思いますが、もし他国の政府機関がわが国の法律の放送法を――これは何も他国に対して特例の条項があるわけではないわけですが、それにもかかわらず放送法を勝手に解釈して、その解釈に基づいて行動されることが許されるならば、これは政府が二つあるということになるわけです。これでは植民地や従属国の状態だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○丹波説明員 先生の言われる御質問の趣旨を私は必ずしも理解をいたしませんでしたが、日本における合衆国軍隊そのもの、日本における外国の政府機関そのものには、先ほど申し上げたとおり、一般国際法上、日本国法令の直接ストレートな適用というものはございません。また、それと全く同じことが、たとえばわが方の外国における出先大使館といったものについても起こり得るわけでございます。国際法上はそういうことになっておるわけでございます。
○藤原委員 郵政大臣にお尋ねをいたします。
 大臣に国務大臣の一人としてお聞きしますが、いまやりとりをしてきました問題、つまり、国内法を米軍から勝手に解釈をされており、それに基づいて行動が行われているということでは、植民地や従属国というふうな状態に置かれて平気だという状態ではありませんかということですが、大臣も一番初めに、去年の答弁も認める、きのうからも朝からもそのとおりだ、NHKの受信料は見る者がちゃんと払うのだ、米軍においても何においても同じだと、このように繰り返しおっしゃっているわけです。
 そうすると、こういうことを勝手に解釈してやられているということは日本国の主権にもつながる重大な問題だと私は考えているわけですが、大臣はこの点をどのようにお考えになっているのでしょうか。
○服部国務大臣 お答えいたします。
 現時点の状態から御判断されますと、私は、藤原先生の意見は最も正当な言い分だと考えます。しかし、ここまでの過程があるわけでありますからはっきり申し上げますと、私は物事を余りはっきり申し上げていろいろ誤解を受けるのですが、戦後三十何年間放てきしておいたということは一体だれの責任だろうか。その点について私は大きな疑問を持っているわけであります。
 先生が初めに「NHKの概況」をお読みになりましたが、私が全くそのとおりだと答えたとおり、やはり、番組編成または放映がすべてのものの制約を受けないために政府出資はいけない、すべての国民が聴視料という名においてその責任を果たすのだという――アメリカ軍だって、その家族だって、軍属でも、言うならば、NHKから見るならばただ単なる視聴者なんです。だから、逆に言うならば、聴視料の徴収になぜ堂々と積極的な姿勢を示さなかったかという、この問題があるのです。
 そこで、私がきのうからきょうまで企業努力、企業努力と言っているのはここなんです。これをやっているのにもかかわらず、突然にこういったラビング司令官の布告が出たならば、これは先生の御指摘のとおりの理解もできると私は思うわけでありますが、ここで放送事業者であるNHKが三十数年間放てきしていた――放てきという言葉はオーバーかしれませんが、ただ、駐留軍であるためにそういった状態に置いていたことに私は大きな責任を感じてもらわねばならない。だから、この際に当事者が交渉をやって、さらにわれわれが外務省、施設庁とも協議をし、バックアップをして、要は財源が必要となっているときですから、遅まきながら全額徴収する方途を講ずることが一番穏当だ、かように考えている次第であります。
○藤原委員 大臣はいま、現時点では言うとおりだ、しかし、今日まで三十年になんなんとして放置しておいたではないか、それはだれの責任かと言っておられますが、その放置してきた責任はだれにあると大臣はおっしゃっているのか私にはよくわからぬのですが、私は、それはみずからの責任だ、日本国政府にあるという反省をしておられるのであろうというふうに認識をしたわけですが、どうも聞いていると、大臣は、いやそうでないのだ、NHKの責任なんだ、NHKが三十年間放置してきたではないかとおっしゃっているやにも聞こえるわけですが、それでは受信契約が行えるために政府は何をしてきたのか。二月二十日以降はどんなことをやってこられたのか。
 それで、先日、二月十五日の予算委員会におきましての園田外務大臣のこの問題に対する御答弁ですが、「外務省としては、地位協定の第十三条第三項にこれが当たるかどうかと聞かれれば、当然免除さるべき筋合いのものではない。」とおっしゃっているわけですね。それからまた引き続いて、「折衝をやってもらいたい。その折衝の段階において外務省にそういう話があれば、当然第三項に入るべきものでないという見解は述べるつもりであります。」と言っておられますね。ここらになってくると、園田外務大臣も服部郵政大臣も、三十年間放置してきたのはわれわれだということではなくて、おまえだ、NHKだという気持ちがあるから、認めながらも最後はこういう答弁になってくると思うのです。
 そこで、私は、NHKも何をしたのかということで、もちろんNHKは言い出した以上徹底してやるべきだと思うので、いろいろお尋ねをし、書類も取り寄せさせていただいたわけですけれども、二月二十日にNHKは要求書を出しておられるわけですが、これについて大臣は御存じなのでしょうか。
○服部国務大臣 要求書とは、「在日米軍および米軍人・軍属等の受信料問題について」のことだと思いますが、それであれは承知いたしております。
○藤原委員 それでは、承知いたしておられるのでしたら、この点はどのようにお考えなのでしょうか。
 NHKの申し入れはこう言っております。「米軍人・軍属等の受信料支払義務はない旨の指令が貴司令部から各部隊あてに発せられたとのことですが、事実とすればまことに遺憾であります。」とはっきり言っておるわけですね。これは遺憾であるということは、遠慮しながらもNHKは米軍に対して抗議をしているというふうに私はとりました。同時に、これが当然なことだと思います。そして、最後ですけれども、「貴司令部のこのたびの指令は、放送法および日米地位協定の誤解に基づくものと思われますので、」と言って、勝手な解釈だとは書いておられませんが、「誤解に基づくものと思われますので、至急指令を撤回し、受信料の支払いに協力されるよう要求します。」と書いてあるのですね。これはNHKがやられることはりっぱだと私は思うのであります。毅然としていると思います。しかし、この要求は政府のやるべきことだ、外務省のやるべきことだと思うわけです。
 園田外相は、「片方が通告して払わぬでもいい、こう言ったときに、NHKさんの方で黙っておるのに、こっちが入って、それは払うべきだということではさまになりませんから、その点はひとつよろしくお願いいたします。」と言っておられるわけですが、しかし、こういった抗議文を出しておるわけですね。これは何にも話し合いをしていないのではなく、話し合いをしようと積極的に言っていっているのです。しかし、きのうの御答弁を聞きますと、まだ向こうさん待ちになっているわけですね。こういう状態で幾らやれやれと言ったって進まないわけですね。
 本当に放送法に基づいて視聴者から米軍といえども取るんだという態度であるならば、郵政大臣が外務大臣に対して、折衝をやってくれ、これはNHKと米軍の問題ではないのだ、まさに日本政府の問題だと言って外務省を動かすということが当然だと思うわけです。NHKが要求しますと言わなければ高みの見物をしていることこそさまにならないのではないのか、園田外相が言っておられるさまにならないというのは自分のことだ、日本政府のことだというふうに私は思いますが、いかがでしょうか。
○服部国務大臣 NHKが要求した、これは毅然たる態度でよろしいというおほめの言葉をちょうだいいたしまして大変ありがとうございます。
 そのとおりでありまして、当然な要求であり、いろいろな機関を通じて勝手気ままな判断をするから誤解が生じてくるわけですから、私ははっきり申し上げて、きょうきのうのお互いの指摘の中でまず何としても企業努力を強いている以上、われわれも全面協力をいたしまして、すべての聴視料を受領するように努力いたします。
 藤原先生、いまさらだれの責任だと言っても、もうそう言っている段階ではございませんので、NHKは要求したし、われわれは御指摘どおりに、外務省も防衛施設庁も郵政省も一丸となってバックアップをし、また、ときには表に立っていろいろな交渉の場で目的を達成するように努力をいたしたい、かように考えます。
○藤原委員 先ほどから申し述べておりますように、これは全く他国の政府機関とわが国との問題だというふうに思うわけです。アメリカの方が日本の国内法を守らないというところにこの問題が起こり、そして行き詰まっており、受信料が取れないという状態が起こってきているわけです。
 郵政大臣、先ほどの御答弁では、NHKの経営努力とは、米軍当局と強力に折衝を進め、国の機関と連携して、法の定めによって受信料は取るべきだとおっしゃったですね。そうしますと、いま言うてきましたように、NHKも当然やるべきことはやってきた。そうすると詰まっているところはどこか、どぶ掃除をするのはだれなのかということはいま明らかになったと思うわけですね。
 それでは、そのどぶ掃除について郵政大臣は外務大臣に対して強力に言われる、もちろんNHKの受信契約の努力は引き続き行わなければならない、これは当然のことだと思いますが、しかし、いま集まっていろいろやるというふうにおっしゃいましたけれども、詰まったごみを取るということは早いことやらぬとだめなわけですね。受信契約ができるように条件を整えていくということがいま日本政府がやるべき措置だというふうに思いますが、いつおやりになるのでしょうか。
○服部国務大臣 お答えいたします。
 藤原先生のお気持ちは私は十二分にわかるのですが、しかし、筋論として、どぶ掃除をしなければならぬどぶを一体だれがためたんでしょうか。(藤原委員「それは郵政省、日本政府」と呼ぶ)とんでもない。先生は先ほど「NHKの概況」をお読みになったでしょう。絶対に政府の干渉を受けてはならないし、特定の人々のあれも受けてはならないから、NHKはいわゆる一つの特殊法人として、すべての国民から、いわゆる受信設備を持つ方々から負担を得て厳正中立な公共放送業務を行う。だから、私は、この点をはっきりとNHK当局の方に認識を願いたいと思うのです。一遍NHKの会長にそのどぶ掃除はだれがやるのかということを逆に御質問願いたいとぼくは思うのです。
 しかし、NHKがやるべき仕事は、NHKははっきり言って事業者なんですから、やはりみずからの力で努力を払い、われわれもそれに相呼応して――郵政省は所管省ですからもちろんですが、いわゆる外務省、防衛施設庁は、これは私の方は必要でありますから、御指摘があったんですから、これから本格的に取り組んでまいります。しかし、やはり表面にはNHKが立つべきではないでしょうか。私はそのように考えます。
○藤原委員 私は、NHKは何もしなくてもよいということは一切言うていないわけです。これからも一層進めなければならないし、そして、受信料はこの「概況」に基づいて、米軍といえども国内に住んでいる日本人と同じようにきちんと取るべきだということを一貫して言うておるわけです。NHKが事業者である以上当然米軍に対しても抗議をし、それが完遂するところまでやるべきだということは私は否定するものではありません。大臣と全く一致をいたしております。
 その次ですが、その一致しているところからさらに進んで、NHKと米軍の関係は、いまや外務省、日本政府と米軍の関係というところにまで至っているのではないかと私は思うのです。大臣は認められながら、この抗議文も見たと言いながら、答弁に立ってこられると、全くそんなものは知らぬような顔と言い方をされるわけですけれども、そういうこともやっているが、しかし、そこの先が進まないんだという状態を取り除こうではありませんかと私は言うておるわけです。
○服部国務大臣 協力を申し上げて取り除くことには私は全く同感であります。協力を惜しみません。
 また、私がそういった企業努力ということを言っていることは、だてや酔狂で言っているのではありません。その効果を上げて、いわゆるNHKの独自性を今後もますます発揮してもらいたいために言っているわけですから、抗議文を一枚出して、その回答を待つという態度にも私は大きな疑問があるのです。
 われわれは決して放てきすると言っているのではありません。私は外務省や防衛施設庁に、ごらんのとおりいまここでもこうやって、先生方が非常に関心の高い問題であるから、所管省の郵政大臣から頼むからひとつ真剣にこの問題に取り組んでほしい、この委員会が終われば幹部が寄って方途を考えてほしいと言っているということは、先生の御指摘のとおりに、やはりこれは外交ルートになってくるのです。しかし、料金徴収となれば、直接に行って交渉することも可能であります。司令部に行って、こういう誤解をされているが、現行法ではこうであるという説明もできるわけであります。
 むしろ、われわれよりかNHKの方が語学の堪能な方がゴマンとおられるのですから、そういう努力を払ってくれ、しかし、われわれは決してこのまま見捨てない、外交ルートを通じて真剣に取り組むんだと、こう言っているわけですから、ひとつ御理解を賜りたい。
○藤原委員 それでは、NHKはこれを一枚出して、ほかのことはしておられないのですか。私もこれだけしか見ておりませんが、しかし、これを出すに至る経過はいろいろあっただろう、これだけのことを書かざるを得ないというところには何かあっただろうというふうに思うのですが、大臣は紙を一枚出してというお言葉でした。
 いま、司令部へ行って交渉せよ、それは政府がするよりもNHKの方がやりやすいんだという、こういう一つの方法を言われたわけですけれども、いま詰まっておる、そうしたら何をどうしたらスムーズにいくようになるよという援助もしなければならない。三十年間放置してきたというのは、もちろんNHKにも責任があるが、同時に、それを親子関係のように考えてきた政府の側にも責任がある。そしていまこれをやろうとして立ち上がった。そうしたらそこに詰まっているものが出てきた。そうするとこのいろいろなやり方はこうだよ、紙一枚ではだめですよと言ってやるということも一つの方法でしょうし、それじゃ一緒になって行ってやろうということも大事でしょうし、また、これは外交上の問題だと、いま大臣がおっしゃったとおり外交上の問題として米軍と日本政府が折衝するというふうなこともやらなければならないというふうに思うわけです。
 余り長くなりますと、私はまだ次の問題を抱えておりますので、これについては会長にお答えをいただきませんけれども、一言だけ言っておきたいわけですが、恐らく、関係各省庁とも積極的に連携をとって今後も努力いたしますということになるのであろうと思いますので、これについてはぜひとも――まだまだやり方が足らぬ、もっとわしのところへ言ってこいというふうに郵政省も親心で言っておられるわけですし、外交上の問題としてやりましょうと言っておられるのですから、期日はもう私は追及いたしませんので、これは早急にやっていただきたい。それは日本国の主権をちゃんと確立して平和と民主主義を守るというところにもつながりますし、アメリカが見ているものを国民みんなに負担させているという、この物価値上げの中で全くマイナスの状態を早く解決するということは日々具体的に国民のふところも助かるということにもつながるわけですから、ぜひともそれを要望して次へ進みたいと思うわけです。
 私は、「女性の生き方とテレビ」ということを調査いたしております毎日放送テレビ教育研究会、毎日放送テレビ教育会議、それから毎日放送の三者が行いました「教養を身につけるために」という調査アンケートを見たわけですけれども、これは近畿地区に在住いたします母親千百一名を対象としてアンケートしております。この調査を見ますと、「自分自身の教養を身につけるために一番影響を受けるものは何でしょうか」という問いに対して言っておりますのは、二十代、三十代というふうに年代別にグラフが出ているわけですけれども、これを見ますと、いずれの年代も「新聞とテレビに影響を受けている」という方が半数以上を占めているわけです。つまり、映像文化や音声文化、活字文化が共存しているというふうに思うわけです。調査の結果を見ましても、教養を身につけるために影響を受ける対象としてテレビは重要な役割りを担っていると思います。日本人の半数は女性であるわけですね。そうすると、視聴者においても男女の比率はどれくらいの比率で見ているかというと、当然半数は婦人が見ている状態です。また、それだけではなくて、先日調べましたところ、子供は平均三時間見ているけれども、主婦は四時間見ているというデータもあるわけですね。
 このように考えますと、NHKにお尋ねするのですが、この視聴者であります女性に対して、国民の半数を占めるという婦人に対して、番組放映上どのような配慮をしておられるのでしょうか。
○坂本参考人 先生がおっしゃるように、テレビあるいはラジオの視聴者に女性が重要な部分を占めているということは、世論調査その他のデータをもとにいたしまして承知いたしております。したがいまして、婦人番組についてかなり重点的な配慮をしておるつもりでございます。
○藤原委員 戦後、日本の民主化にとりまして、婦人の解放は最も重要な課題の一つであったわけです。NHKが昨年出版されました「放送五十年史」を読ませていただいた中でも、「参政権の付与など女性の地位の向上を促し、その自主性、社会性を高めるうえでラジオの機能はすぐれた効果をあげた」と述べておられます。また、昭和二十二年四月の「放送文化」という雑誌によりますと、婦人向け番組を担当しておられた江上フジさんという方は、「日本女性の解放のお手伝いをすること、真のお友達になることの一語でつきる」と言いながら、みずからが担当者であり、婦人の地位向上のために努力してこられたという経験を述べておられるわけです。
 このように、敗戦後、ラジオ放送という機能を利用して国民の資質の向上に役立たせるという効果を放送は発揮してきたというふうに思うわけですが、であれば、女性の視聴者に対する配慮というのは、番組制作の過程で婦人がどのようにその番組制作に参画しているかということと密接に関連しているというふうに私は思うわけです。放送媒体、マスコミを通して国民を楽しませる、それも含めて国民の資質を向上させる、人間として物の見方、考え方、生き方を深めさせるという非常に重要な役割りをこの放送媒体は担っているというふうに思うのです。また、その影響が大変大きいということは、私が先日二月二十二日に子供とテレビの問題でも御質問申し上げ、述べたとおりでございます。こういう点で考えますと、現在、放送において一層検討していただくべき、努力していただくべき点が残されているのではないかというふうに思うわけです。といいますのは、一九七五年の国際婦人年世界会議において採択されました「世界行動計画」の中に、「婦人は、これらマスコミの編集者、コラムニスト、記者、制作者として、マスコミの運営、決定、その他の仕事にもっと多く任命されるべきである」と述べられているわけです。ですから、日本だけでなく、NHKだけでなく、これは世界的な傾向だというふうに思うわけです。
 こういうことがなぜ採択されなければならないか、これだけ文化が発達し、世の中が発達した高度な資本主義社会の中において、なぜこのことがいまさらのように「行動計画」の中に書かれてくるのかということですけれども、これはマスメディアを通して婦人の果たす役割りがまだ評価されていないということが前提になっているのです。つまり、そこに登用されていないということ、能力を発揮するもしないも、する場が与えられていないということをこの「行動計画」では明記してあるわけです。
 そういう観点に立って私は質問を進めるわけでございますが、いま現状はどうなっているのでしょうか。番組の制作担当の中に女性がもっと多くということを「世界行動計画」に書いてあるけれども、NHKはそんなことにはなっていないということなのでしょうか。いかがでしょうか。
○坂本参考人 NHKの番組をごらんいただけばおわかりいただけるかと思いますけれども、かなり女性の協力を得ております。たとえば解説委員を考えましても、縫田さんとか東浦さんとかいう女性解説者が出演しておりますし、その他番組の制作に当たりましても、相当の女性プロデューサーあるいは女性アナウンサーが活躍している現況でございます。ただし、量的に申しまして、日本の人口が半分だからというような論拠からアプローチされますといささか問題なしといたしませんけれども、そういう能力というような点から言えば、全く差別なしに取り扱っているというふうに申し上げてよろしいかと思います。
 ただ、職場の現況その他から言って、女性特有の労働条件等による条件はございますけれども、それはそれとしてNHKとしては別に差別しているというようなことはございませんので、その点は御理解を賜りたいと思います。
○藤原委員 私は決して差別をしているというふうには申しておりませんし、そうは思っていないわけですが、それじゃ、NHK本部の番組制作局の中で、各番組班の女性比率というのはどのようになっているでしょうか、明らかにしていただきたいと思います。
○武冨参考人 お答えいたします。
 番組制作に従事いたします者の中で、先生が番組制作に従事する女性というふうにおっしゃいましたのでちょっとお断りいたしておきますけれども、この中に報道関係の制作というのもございますので、それを除外いたしまして、教育それから教養、芸能というところに通常従事しております女性の比率を御紹介いたしますと、われわれといたしましても、先生が御指摘になりましたように全番組につきまして女性の職員を配置いたしておりまして、女性の目を通しての番組づくりの必要性というものを十分に考慮しながら人員を配置しているつもりでございます。
 たとえて申し上げますれば、家庭番組につきましては二七・三%くらい女性が入っております。それから洋楽につきましても一五%くらい入っております。それから通信教育、学校放送ともに一四%、一二・六%で、それから青少年、幼児が一〇・三%です。その他科学、園芸、教養、農林水産のあたりは一〇%に近い女性が仕事に従事いたしております。
○藤原委員 いまの数字をお聞きしますと、各番組制作にかかわる女性は全体としてそんなに多くない。多いとおっしゃいますけれども、やはり、ほかの産業に働いている女性の方が比率が多い。放送担当とか、重たいカメラを動かすとか、そういうことは無理でしょうけれども、教育の現場などを考えてみましても、女性の仕事として非常に比率が高い。それと放送が一緒だとは言いませんけれども、比率がそんなに高くないというふうに私は考えるわけです。婦人家庭欄みたいなものとか、子供の番組とか、そういうところはやや多いかもわかりませんけれども、しかし、全体として比率が非常に少ない。
 私は、婦人だから婦人のところの番組をやれとか、子供は婦人でなければいけないとか、そうは言わないわけですが、先ほど申しましたように、日本の社会を構成している半数は婦人なのですから、その婦人を放送内容を通して高めていこうとすれば、やはり、その人たちの現実、状況、意見等を取り入れるべきで、それは婦人家庭欄だけではなく、政治の見方あるいは経済の考え方といったものにも工夫をすれば入る余地はあると思うのです。余地といいますか、それは当然入らなければならないし、婦人家庭、子供といったようなところだけにかかわることを比較的やっているからよろしいというものではないと思うわけです。
 確かに、番組制作の過程におきましては不規則な勤務状態があるので、こういう勤務時間の関係とか、あるいは転勤の問題とか人事の交流の面などから、家庭を持っている婦人はそんなに飛ばしたりできないというふうなことから言って制約される要素はある。これは認めるわけです。だから、私は、社会を構成するのは半分男で半分女だからNHKも半分は女にせいなんて、そんなむちゃなことは決して言っていませんし、そんなことは暴論だと思うんですけれども、ずっと述べております基本姿勢ですけれども、根本的な送り手側としての姿勢は、これは口ではいろいろ言っているけれども、こうして数字として見るとやはり数字の上にあらわれてきている、人間の配置の上にあらわれてきているというふうに思うわけですね。
 それから、また、たとえばドラマの中の女性像を見ましても、人々の女性へのいろいろな意識をつくっていくのに重要な役割りを果たしていくというふうに思うわけですけれども、現在の描き方は、従来の家庭的で従順な女性というイメージが強過ぎるというふうなことも感じるわけです。
 これらの点についてはいかがでしょうか。
○坂本参考人 女性登用につきましては必ずしも消極的じゃないという点は御理解賜りたいと思うのでございますけれども、NHKの職員のこともさることながら、いまの先生の御指摘のドラマづくりその他ドラマに出てくる女性の描き方等々についての御指摘につきましては、必ずしもそうではないのではないかと思っております。相当広い視野に立ってお書き願っていると思いますし、しかも、現在のNHKのドラマの作家の過半数以上はむしろ女性の作家によって書かれているというような実態もございますので、その点はひとつ御理解を賜って、また、御協力を願いたいと思う次第でございます。
○藤原委員 もちろん、作家の平岩弓枝さんですか、今度もそれが採用されるということですが、しかし、一から全部やれるわけにはいかない。それのピックアップをどこでするか、脚本をどう書いていくか、それからまた、文章表現であるものを視覚からくるようにどうするか、そこにいろいろ婦人の作品を映し出しているからそれでよいということにはならないんじゃないかと思うんですね。
 なぜこういうことを私はしつこく申し上げるかといいますと、現在、多くの婦人はいまの社会や経済状況の中で必然的に働かざるを得ないという状況になっているわけです。そういった中で積極的な姿勢で生きている女性、職場や家庭で悩んでいる女性、こういった実際の姿を婦人の目を通して番組制作が進められないものかどうか。こういう仕事は婦人に絶対できるというふうに私は思うわけです。そのためにはやはり働き続けている婦人たち、子供を生み育て、保育所に子供を預けながら生きがいとしてNHKで働き続けるんだという婦人をつくらなければいけないし、その婦人が生き生きといろいろな部署につくこと、たとえば番組制作を担当するというふうなことができるのではないか。それにはやはり基本姿勢がなければできないわけですね。
 夜討ち朝がけというふうな記者の皆さんの御苦労は私もよく聞いているわけですから、その夜討ち朝がけの働きと同じように婦人を扱わねば男女平等ではないなんてことは私は言っていないわけですね。こういう部署にはつけないけれども、NHKの幹部の皆さんの側にこの基本的な姿勢があるなれば、各部署に配置をされた男の方も女の方もおのずとそのチームの中に工夫が起こってくるだろう、協力やいたわり合いや助け合いが起こってくるだろう、そして、男の人も女の人も本当に電波は国民のものという放送をつくる仕事を続けていってくださるだろう、つまり、婦人の登用が一層生きて動き出すでしょうし、それが番組となって反映するでしょうし、それを見ている働く婦人の皆さん、本当に悩み、考え、苦労しているという人たちにそれが生に伝わっていくであろう、こういうふうに私は思うわけです。
 この根本的な考え方と基本姿勢について、会長さん、いかがでしょうか。
○坂本参考人 基本的な姿勢につきましては、冒頭から申し上げておりますように、先生の御指摘どおりだと思っておりますが、ただ、すべて職員としてのさわり方でなければ番組に婦人の目が届かないというふうにのみ考えなくてもよろしいんではないでしょうか。
 たとえば作者のサイドから、あるいはモニター等におきましては、かなり婦人のモニターをお願いいたしまして、その婦人に実際に番組を視聴していただいて、いろいろな御指摘をいただいて、それを番組に反映するといういろいろなチャネルで番組につなげることで婦人の御参加を願うということであってしかるべきではないかと思います。ただし、基本的な姿勢については全く同感でございます。
○藤原委員 経営の問題とか予算の問題とか、いろいろ各種各方面から検討すべきこともあろうと思います。それは認めるわけですが、今後その基本姿勢をぜひとも具体化させていただいて、三月ですか、人事の交流、人事の異動があるようなときにはぜひこれを思い出していただき、積極的にやっていただきたいことを強く要望いたします。
 もう時間がありませんので、次に、関連して述べさせていただきたいと思いますが、いま、わが国のテレビ台数は契約台数で二千七百万台にも達しており、ほとんどの家庭に普及している。また、ラジオも町を走っている車のすべてにつけられているわけですから、外にいましても、家に帰ってきても、電波は私たち国民の周りにいつでもある。この間言いましたように、空気のように存在している。これは単に至るところで電波が流れて放送が行われているというだけの問題ではなくて、先ほどから申しますように、国民の生活の内容を変えてきている。人間の生き方、考え方まで場合によっては変える、変革まで起こすという力も持っているわけです。
 ですから、現在の放送法がNHKの存立を政府機関としては別個のものとして定めて、権力の介入を許さないということにしているのだと思うのです。これとさっきの米軍の問題とは私は違うと思うのですけれども、そこらが混同することも起こると思いますが、根本的にはこういうことなんですね。権力の介入を許さない。そのためにこういった放送法が出てきた。今日の受信料制度が国民とNHKの私的契約と定められていることも、そこに大もとがあると思うわけです。
 戦前のラジオの受信といいますのは、私法上の聴取契約を結んで、その上でラジオ設置の許可を逓信省からもらう。こうしないと無認可聴取ということで罰則を受けたということでございますね。つまり、放送事業者は国家権力に守られて聴取料が取れたわけですね。これとうらはらの関係で、厳しい放送の検閲、統制も受けていたわけです。
 私はNHKがおつくりになりました「放送五十年史」を勉強させていただいたわけですけれども、「ラジオのために設けた「放送用私設無線電話規則」(大一二)をさらに具体化した既述の「放送用私設無線電話監督事務処理細則」で、検閲に関する事項を詳細に規定した。」となっています。そして、そういう中で、「逓信省電務局長から詳細な通達が出されている。」とか、「番組内容に関する「放送禁止事項」は、広い範囲にわたっていた。」として「例えば、安寧秩序を害し、風俗を乱すもの」とか、「外交または軍事の機密に関する事項」とか、「官公署の秘密、議会の秘密会の事」とか、「政治上の講演、または論議と認められる事項」とか、「官庁が放送を禁止した事項」とか、こんなことはやったらいかぬという制約を受けていたわけです。また、さらに、「日中戦争への突入によって、政府の放送に対する統制はいちだんときびしくなったが、統制には二つの側面があった。その一つは、軍事機密や一般の治安に関する報道の差し止め事項という“知らせない”統制である。もう一つは、世論を統一するために、放送、新聞、出版、映画を積極的に利用しようとするものであった。」と書かれております。
 そして第二次世界大戦へ入っていくわけですけれども、第二次世界大戦のときには、「日英米戦争ニ対スル情報宣伝方策大綱」には、放送による“世論指導”の基本方針として、要旨次の三点が定められていた。」として、「一、今回の対英米戦は、日本の生存と権威の確保のために、やむをえず立ち上がった戦争であること 二、戦争発生の真因は敵側の利己的な、世界制覇の野望にあること 三、世界の新秩序は八紘一宇の理想に立ち、万邦おのおのその所を得せしむるにあること」となっています。そして、「開戦と同時に、次々と打ち出された政府の方針に基づいて、日本放送協会の全番組は戦時編成に切り替えられ、内容を一変した。」というふうに世論づくりに全面的に組み込まれたわけです。ラジオは日本国民を悲惨な戦争に駆り立てていくという役割りを大きく果たしてきたわけです。この普及についても軍部が一体となってやってきたわけです。この五十年史にもさらにいろいろ書いてありますけれども、日本の五十年の放送史の中で、前半の二十年間は、まさに政府の権力による軍国主義の高揚と侵略戦争遂行のためにあったという、こういう状態が起こっております。
 しかし、これをずっとひもといてみますと、時間がありませんので読み上げませんけれども、八百四十五ページに出ている昭和四十九年四月の「NHK研究開発委員会報告書」には「一九八〇年代の社会と放送の役割」について述べられておりますが、ずいぶんと多種多様に発展をし、深い任務が出てきているという歴史の変遷がわかるわけです。
 私はこれを読ませていただいて、本当にリアルに五十年の歴史を物語っているこの労作に対して本当に敬意を表したわけですけれども、当時と比較にならないほど発達した現在のテレビやラジオの問題を考えますときに、この人類が生み出しました武器を人類の幸福と発展のためにこそ使わなければならないと強く思うわけです。二度とあのような戦争の状態にはならないように、放送がこういったものに駆り立てられていく武器とならないように、まさにNHKの発展は日本の国の平和と民主主義の正しい発展の中でこそ育ち、その中でこそ守られるものだと思うわけです。
 この中で序文を坂本会長が書いていらっしゃいますが、「今日、放送が社会に提供する情報は多種多様であり、その及ぼす影響もはかり知れなくなってきた。このことは、反面で情報公害ということばを生み、放送に対する批判にもつながっている。歴史の流れが、政治・経済・社会のあらゆる面で変革を求めている時、放送もまた例外ではあり得ない。放送界は、一つの転換期に立っているといっても過言ではない。」とおっしゃっている趣旨はそのことではないかと私は感じたわけでございますが、その点について最後に会長から、今後の御決意と婦人の問題の根本的な考え方等も含めまして御感想、御決意を聞かせていただいて終わりたいと思います。
○坂本参考人 大変御懇切な御指示をいただきまして、感謝いたします。
 おっしゃるとおり、私といたしましては、放送法の第一条、第三条の精神を踏まえまして今後のNHKの経営に当たる決意でございます。
 婦人の問題等も当然それらのこととかかわりあいを持つ問題でございますので、そういう意味合いでこの際決意を表明させていただく次第でございます。
 ありがとうございます。
○松本委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三十一分散会