第084回国会 建設委員会 第4号
昭和五十三年二月十七日(金曜日)
    午前十時四分開議
 出席委員
   委員長 伏木 和雄君
   理事 小沢 一郎君 理事 塩谷 一夫君
   理事 中山 正暉君 理事 渡辺 栄一君
   理事 井上  泉君 理事 中村  茂君
   理事 北側 義一君 理事 渡辺 武三君
      有馬 元治君    井出一太郎君
      内海 英男君    大塚 雄司君
      瓦   力君    住  栄作君
      谷川 寛三君    登坂重次郎君
      中島  衛君    松野 幸泰君
      福岡 義登君    吉原 米治君
      渡部 行雄君    谷口 是巨君
      古川 雅司君    西村 章三君
      瀬崎 博義君    中川 秀直君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣
        国土庁長官   櫻内 義雄君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        長       河野 正三君
        国土庁計画・調
        整局長     福島 量一君
        国土庁土地局長 山岡 一男君
        国土庁水資源局
        長       飯塚 敏夫君
        国土庁大都市圏
        整備局長    国塚 武平君
        国土庁地方振興
        局長      土屋 佳照君
        建設大臣官房長 粟屋 敏信君
        建設大臣官房会
        計課長     加瀬 正蔵君
        建設省計画局長 大富  宏君
        建設省都市局長 小林 幸雄君
        建設省河川局長 栂野 康行君
        建設省道路局長 浅井新一郎君
        建設省住宅局長 救仁郷 斉君
 委員外の出席者
        通商産業省立地
        公害局工業再配
        置課長     有岡 恭助君
        建設委員会調査
        室長      川口 京村君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十三日
 辞任         補欠選任
  瀬崎 博義君     不破 哲三君
同月十四日
 辞任         補欠選任
  不破 哲三君     瀬崎 博義君
同月十七日
 辞任         補欠選任
  田川 誠一君     中川 秀直君
同日
 辞任         補欠選任
  中川 秀直君     田川 誠一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 建設行政の基本施策に関する件
 国土行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○伏木委員長 これより会議を開きます。
 建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉原米治君。
○吉原委員 私が最初にお尋ねしたいのは、三全総に対する疑問と問題点という課題についてであります。
 まず最初に、大臣も交代されたことでもございますし、新しい国土庁長官としての櫻内建設大臣にお尋ねをいたします。
 大臣も御承知のように、昭和三十五年の所得倍増政策に続きまして、三十七年には第一次全国総合開発計画、つまり旧全総が打ち出されたわけでございますが、その結果大資本の望む拠点開発方式は一応定着いたしましたし、その後のGNPが飛躍的に伸びたわけでございますが、反面過疎過密の矛盾あるいは生活環境の破壊や公害の拡大をもたらしたのでございます。昭和四十四年に新全総が策定をされて、大都市地域に極度に偏った国土利用を抜本的に再編成することによって、当面する過疎過密問題を解消して豊かな生活環境をつくり出すことを基本的な政策課題としながらも、結果的には高度経済成長を持続させる重化学工業を中心とする工業開発主導の、言ってみれば日本列島の能率的、効率的な利用を目指す、いわゆる列島合理化でございました。それに輪をかけまして田中元首相のいわゆる日本列島改造論、これにあおられましてとてつもない地価の高騰をもたらし、旧全総がもくろんだ地域間所得格差の是正や人口分散は、単なるキャッチフレーズに終わらしてしまいました。救いがたい過疎過密という不均衡な国土の開発となったのでございますが、昭和五十年十二月に三全総の概案なるものが打ち出されて以来、ようやく昨年十一月閣議決定で今日の三全総が出されておるわけでございますが、少なくとも十カ年間で二百十兆円もの大量な投資を行って、一国の将来を左右する今日の三全総の持つ重要な役割り、これが単に閣議決定だけで決定されたことに、私は強く不満を持つものでございますが、それはともかく、大臣は過去の旧全総や新全総がもたらした幾多の問題点をどのように評価されているのか、まず最初にお尋ねしたいのでございます。
 均衡のとれた国土の開発を所信表明の中でも主張されておりますが、旧全総や新全総の果たした役割りは、国民のためには成果は少なく、欠陥は余りにも大きかったと言わざるを得ないのでございますが、大臣のお考え方を最初にお伺いしておきたいと思います。
○櫻内国務大臣 ただいま第一次全国総合開発計画、あるいは第二次について吉原委員から御批判あるいは御見解があったわけでございまするが、私も第一次全国総合開発計画の欠陥も認めないわけではありませんが、所得倍増計画との関連で国土の有効利用を図ろうとして計画を立てた。ところが想定したものに対して、これは経済規模を十年間で二倍という想定、これは非常に実効が上がりまして三倍ということになったと思うのであります。しかし、御指摘の過密過疎が進む。そこで第二次全国総合開発の方は、これは吉原委員のおっしゃることとはちょっと違って、そういうことであるから人口、産業の分散を進めよう、地域の特性を生かそうということで、幹線交通体系の整備や大規模プロジェクトの実施等を試みたのであります。しかし、社会経済情勢の変化や環境問題の深刻化などがございまして、それが余り効果が上がらない。そこで計画規模の縮小、目標達成期間の延長、開発計画の凍結などをいたした次第でございます。そういうわけでありますから、吉原委員のおっしゃるいろいろな御見解は私も了解できる点がございます。そういうようなことが前提になりまして三全総に取り組んだというのが、第一次、第二次に対してのどういう見解を持っておるかということについての私の所見でございます。
○吉原委員 私は一年前に前国務大臣にも同様な趣旨の質問をいたしておりますが、櫻内国土庁長官としては、必ずしも第一次、第二次の全国総合開発計画が万全のものではなかったということは、どうも言葉の端々でおうかがいできるわけでございますが、私は、少なくともこの第一次あるいは第二次の総合開発計画に大きな誤りがあった、あるいは見通しを誤っておったといいますか、そういう課題がたくさんあったからこそこの三全総をも打ち出さざるを得なかった。つまり、国土の均衡ある発展と言いながら、結果的には重化学工業中心の経済成長オンリーの施策になってしまった第一次、第二次の総合開発計画の欠陥を、今度の三全総で十二分に補っていただきたい、私はこう思って大臣の所見を伺ったわけでございます。私は必ずしも大臣の答弁で満足できませんけれども、一応大臣の所見は所見としてお伺いしながら、次の質問を続けていきたいと思います。
 昨年三月に同様趣旨の質問をしましたときに、きょうお見えになっておりますか、下河辺局長――きょうはおられぬようでございますが、当時の下河辺計画・調整局長は、三全総を打ち出すことが大変おくれていることの理由の一つに、「地方公共団体の考え方が整理されて、それを積み上げて三全総をつくる」のだ、こういうふうに御答弁をされております。五十年の十二月に骨格的なものを打ち出されて大変時間がかかっておるのはどういう理由か、こういう質問に対してそういう答弁をされておるわけでございますが、地方公共団体の考え方をくみ上げてこの三全総をつくったと言われる限り、地方公共団体の考え方はまとまっておると思うのですけれども、その点は整理をされておるのですか、どうでございますか、これは担当者の答弁を願います。
○福島(量)政府委員 三全総の策定に当たりまして地方公共団体の意見をどのようにくみ上げたかという御質問でございますが、三全総の策定に当たりましては、国土総合開発審議会の調査、審議に加えまして、広く各方面からの意見を求めたわけでございます。特に都道府県知事、それから市町村長の方々の意向の把握には意を用いたところでございます。
 まず、都道府県知事の意向の把握につきましては、この策定作業の中核をなします地方定住人口の推計につきまして、各県と繰り返し共同作業を進めてまいりました。その過程においていろいろと意見の交換を行うということをやりましたし、それから五十二年の二月に改めて定住構想についての意見を求めるというようなことを行いました。さらには審議会等におきます資料も随時お送り申し上げまして、それについての御意見を承るといったような連絡をとり続けたわけでございます。
 片や市町村長につきましては、特に意向調査ということで全国三千三百になんなんとする市区町村長にあてまして、五十一年の十二月に意向の調査をお願いいたしまして、三千を超える方々から御意見をちょうだいしております。その回答の内容は、基本的な理念と申しますか、考え方に始まりまして、それから当該市町村で考えておられます個別具体的なプロジェクトに至るまでその範囲はかなり広範なものになっておるわけでございますけれども、各地域を通じましてほぼ共通した課題としてとらえられておりますものは、一つは地方行財政の問題でございます。それからもう一つは、地方圏を中心といたします産業の地方分散あるいは交通体系の整備促進についての要望でございまして、この二つが際立って大きな要望と申しますか、町村長の課題としてとらえられておるというふうにわれわれは受けとめておるわけでございます。それから地理的条件あるいは気象、そういった自然的条件なり歴史的条件によりましていろいろ簡単には克服し得ない課題を抱えておられる地域の方々からは、特段の配慮を必要とする、そういった強い要請もありました。
 こういった要請を受けまして、三全総の策定におきましては、御案内の計画課題として五つの計画課題を取り上げておるわけでございますが、その中で特にこれらの地域について配慮すべき旨を強調したほか、計画の実施という側面で行財政への配慮といったようなものを訴えるといったことを考えて強調しておる次第でございます。
○吉原委員 十二分に地方公共団体の考え方を吸い上げて作成されたにしては、私は余りにも具体策に乏しいと思います。国土利用計画に基づいて都道府県の計画及び市町村計画の策定をこれから指導をされるということでございますか。考え方がまだ市町村の段階ではまとまっていないから、いまから国土庁としては指導するんだ、だから一応型どおりの意見聴取をしたけれども、必ずしも地方公共団体の主張が一〇〇%吸い上げられていないと私は今日の三全総を読んでおるわけです。だから国土庁で計画をつくって、その線に乗っかるように各地方公共団体を指導するということでございますか。
○福島(量)政府委員 お答え申し上げます。
 先生のただいまの御指摘で、具体性を欠いておるという御指摘でございますが、御案内のように全国総合開発計画という計画の性格上、個別具体的なプロジェクトを網羅的に掲げるというわけにもまいらぬ事情があるわけでございます。
 私どもが考えておりますのは、各地域ごとに、これから地方別、ブロック別の計画の策定作業が始まりますし、またそれを受けまして各県、各市町村段階におきましてそれぞれ計画の策定作業が行われる、あるいは見直しが行われるということを実は期待しておるわけでございますが、さしあたっては、現在準備に取りかかっておりますところの各ブロック計画、その中において各地域の開発構想なり開発計画というものについての具体性を高めていきたいということを考えておるわけでございますし、三全総でも全国計画とブロック計画、さらに都道府県計画との連携を特に保つ必要があるということは強調しておるところでございますから、そういう線に沿って私どもとしては対処してまいりたい。
 それから、ただいまの御質問の中に国土利用計画のお話がございましたが、これは御案内のように国土利用計画の都道府県計画につきましては、おおむね年度内に四十七都道府県のうち四十県程度ができ上がる。七都府県分については若干おくれるという見通しになっておりますが、その都道府県計画がおおむね策定を終わりますので、国土利用計画につきましては、それらを踏まえた上で市町村計画の策定について都道府県を通じて市町村を指導してまいるということで、その取り扱い要領等について目下検討を加えておる、そういう段階でございます。
○吉原委員 そうすると、ブロック計画と三全総で打ち出した方針と食い違う場合には当然調整をしなければなりませんが、食い違いが生ずるという懸念はあるんでございますか。
○福島(量)政府委員 これから各地域の御意向も承り、それから審議会にも付議して案を固めていく段階でございますが、その過程において私どもとしては、できるだけ三全総の精神を反映してもらうと同時に、その間に地域の特性ということを三全総では随所で強調しておるわけでございますから、その地域の特性というものをどのように組み入れていくか、その辺の接点と申しますか調整の問題があろうかと思いますが、大きく食い違うとか、全く相反した方向にブロック計画が策定されるということはないのではなかろうかという期待を持っております。
○吉原委員 全く食い違うことはあり得ぬという局長の御答弁でございますが、それはおかしいという観点から私は後ほど質問をいたします。特に、地域住民の代弁者は公共団体ということになるでしょうけれども、各地でいま三全総が打ち出した開発計画に対して反対の住民運動が起きておるのは局長も御承知かと思いますが、そういう意味で私は尋ねたわけでございます。後ほどその点については具体的にお尋ねをいたしますから、お答えを願いたいと思います。
 今度の三全総の一番大きな目玉と言われております定住構想についてかなり細かく七、八点にわたって考え方をただしたいわけでございます。特に私は、大都市圏の立場からではなくて、地方の開発促進の立場から定住構想を考えておるわけでございまして、いま局長が言われたそれぞれの地域の特性を生かす、こういう非常に耳ざわりのいい表現でございますけれども、いろいろ私もこの三全総を検討させていただきましたが、結果的には何のことはない、現状を固定してしまうことになるのじゃないだろうか、こういう心配をいたしております。たとえば一つの例でございますが、今度の予算案の中でも地域振興対策あるいは山村振興対策の中で幾つかの事業が提起をされております。その中で、過疎地域の総合センターの建設、コミュニティーセンターですね、こういうものの建設やあるいは高齢者生産活動センター、一カ所九千万円もするという御説明であったようでございますが、こういうりっぱな建物を過疎地に建てるということなのでございますが、私は、ない方がいいのかある方がいいのかと言ったら、それはあるにこしたことはございますまい。しかし、こういう問題で過疎地の対策に根本的なメスを入れることはできないという考え方を実は持っておるわけでございますこの点は一つの例を挙げての局長なり国土庁の考え方をただしたいのですが、こういうコミュニティーセンターをほんと田舎のど真ん中に建てることによって一体過疎問題は解決するというようなお考えを持っておられるのでしょうか、どうでしょうか。
○土屋政府委員 いまお話がございましたように、過疎地域とか、あるいは相当部分が過疎地域でもございます山村地域におきましては、人口の流出がかなりございますし、高齢化しておるといったようなことがございまして、地域社会の維持発展にも支障を来しておる、そういったことから、ただいま御指摘のございましたような過疎地域の総合センターとか高齢者生産活動センターといったものを過疎対策あるいは山村振興対策の一環として取り上げておるわけでございます。
 ただ、確かにおっしゃいましたように、これらの地域を振興いたしまして、人口、特に若年層がそこに定着ができて地域住民の生活の安定が図られるということのためには、こういった施設があるから直ちに実現できるものとも思っておりません。やはりこの定住構想といったようなことに従いまして、生活環境なり生産環境の調和のとれた総合的な人間生活環境の整備ということが強力に図られなければ、こういった過疎対策というものは実効を上げ得ないというふうに私どもも考えておるわけでございます。したがいまして、これらのセンターの設置を見たということだけで直ちに若年層の定着に結びつくというほどの効果を期待するということはやはり過大であろうと思っております。
 ただ、いまも御指摘がございましたように、過去、過疎総合センターというのは六十カ所ぐらい完成をいたしておりますが、御承知のようないろいろな福利厚生、教育文化あるいは生産関連機能等を有する複合的な施設でございまして、それなりに私どもとしては、地域によって差はございますけれども、若年層の定着にも結果的には寄与しておるということは事実としてあるだろうと思っておりますし、高齢者生産活動センターというのは、御承知のように五十一年度から五十二年度にかけて初めてやった仕事で、最初の三カ所が本年度でやっと完成するということで、まだ結果はわかっておりませんが、私自身現地でも見たわけでございますけれども、高齢者の就業機会を増大させる、あるいはまた老人の生きがいを高めるといった意味から、地元では非常に期待をされておるわけでございまして、それらの持つ意味だけを大変強調した結果でございますけれども、それなりで私どもは意味がある。しかしおっしゃるような意味で、これができたからすべての対策が万全だというわけではなくて、御指摘のように、総合的な過疎対策というものがもっと強力に講じられなければいけないだろうというふうに感じておる次第でございます。
○吉原委員 局長もりっぱな建物を建てることだけでは過疎対策は万全の策ができないということをお認めになっておるわけですから、それはそれで私も了解をいたします。しかし、そういう性格のものでございますから、全体の過疎対策といいますか、それを総合的に進めてもらわなければならぬ。
 そこで、私はお尋ねをするんですが、どうも今度の三全総を見てみますと、腑に落ちない点が多々ございます。今日の農村の疲弊といいますか村や部落の疲弊というのは、言ってみれば経済成長至上主義、これの落とし子である、このように言っても過言でないと私は思います。いわゆる政治の欠陥だ。もともと医療や文化、教育、商業などといったものは、その部落や村が自主的に備えていたものでございます。その村で、部落で何もかも用は足りておった。それが今日、地方都市にだんだん吸い上げられる、あるいは中央に集中される、そういう政治の貧困が今日の村や部落を疲弊さしたのだ、こういう受けとめ方を私はいたしておりますが、そういう観点で今度の三全総をよく読ましていただきますと、この三全総を進めれば進めるほど、定住圏と称する地方都市に村ごと、部落ごとごっそり集中されてしまうんじゃないか。これからは東京や大阪に移住するというのでなしに、山や田畑から町に移動するという傾向がこの三全総の中で強制されていくんじゃないかというふうに私は思います。また、定住構想を片や推奨しながら集落の移転や統合ということも一方で主張されておる。こういうことから総合的に考えますと、この三全総というのは、そうでなくとも疲弊しておる、跡継ぎがいない、こういう部落なり町をますます疲弊の方向に持っていってしまう。もっと一つ一つの村や町を大事にするといいますか、育てるというか、そういう発想は一体打ち出すことはできなかったのかどうか、この点ちょっとお尋をしたい。
○福島(量)政府委員 地方都市とそれを取り囲む農山漁村との関係についての御質問でございますが、三全総におきましては、地方都市と農山漁村を一体として定住圏を整備する、そういうことによって生産環境、生活環境、自然環境の調和のとれた総合的居住環境を整備するということを基本に置いておるわけでございます。
 それで、ただいまの先生のお話は、この考え方がいわば全国的な意味での大都市集中と同じような意味で、地域権益的に都市集中をもたらすということになるのではないかという御指摘でございますが、私どもが考えておりますのは、御案内のように、この三全総の背景、ちょっと話が前後いたしますが、かつて大変人口の流出が続いておったのがやや流出どまりと申しますか、そういう傾向、逆に申し上げますと、ある意味で人口の地方定着の兆しが出てきておるようなこと、それから産業の分散もそれなりに進んでおるといういまの動向を踏まえまして、そういうことの中で地方における定住構想を推進しよう、こういう立場に立っておるわけでございますが、一方で所得水準の上昇とか生活様式の高度化等に伴いまして、一般的に都市的サービスに対する欲求というのが非常に増大しておるということもこれまた否定し得ない事実でございます。そういった傾向をそのままに放置しておきますと、おっしゃるような意味での地方都市集中、つまり地方都市自体が身動きならないような形の都市構造に立ち至るおそれもなしとしないというような観点から、地方都市とそれを中心とします周囲の村落との間の有機的連携を保った形で定住圏というものをつくっていくということを基本的な方向にとったわけでございまして、地方の農山漁村につきましては、それぞれ詳細に現状と進むべき方向を述べてあるわけでございますが、要約いたしますならば、集落段階においての日常生活についての諸般の施設を整備するということ、それから、その圏域内におきまするところの交通体系の整備等を通じまして随時都市的サービスも受けられるような形にしたい。一方、都市は都市として、その地域における高度の機能を備えた都市として形成しまして、それらが有機的に立体的に作動することによりまして、その地域の特色ある発展を遂げていく、いわばそういう考え方に立っておるわけでございまして、何か地方都市優先で、地方にその地域の人口なり産業なりを集中させるための方策であるという御指摘でございますけれども、私どもは、そういうことではなくて、お互いに機能を補完し合いながら特色ある発展を遂げてもらいたいという観点から、地方都市と農山漁村とを一体とした定住圏構想というものを提唱しておる、かように考えておるわけでございます。
○吉原委員 その点は全く私は局長と考え方を異にするのです。言われる趣旨はそうでありたいと思いますけれども、結果的には地方都市に農村の部落や町は吸収されていく傾向になるだろう、特にいま有機的、立体的と、こういう表現を使っておられますけれども、たとえば高速道路や新幹線や空港のネットワーク、こういうものを全国に張りめぐらす。なるほどこれは便利になるかもわかりません。そのこと自体を否定するのではないのですが、そのことによって人口を地方に分散させる発想というのは全く逆な現象をもたらすのじゃないか。便利になればなるほど、高速道路がつけばつくほど、拠点の都市から都市の流通機構は確かによくなるでしょうけれども、その中間の農村地帯というのは、言ってみれば疲弊して、あるいは農村に定着しておった若者たちがどんどん地方都市の方に集中されていくだろう。いま道路をよくする、あるいは新幹線を通す、空港のネットワークを全国に張りめぐらすことによって人口を分散させていくということは、決していま局長おっしゃったような方向に行かないだろう、こういうふうに私は考えておりますが、高速道路、新幹線、空港、いわゆる交通のネットワークの充実に伴って本当に人口が地方へ分散するというお考えを持っておられますかどうか。
○福島(量)政府委員 お答えいたします。
 先生のただいま提起されました問題につきましては、私ども新全総の総点検の過程におきまして、いわゆる大規模プロジェクト、新幹線、高速道路、こういった幹線交通体系の整備がそれぞれの地域にどのような影響をもたらしたかということについての検討を行いました。行いましたが、御案内のように新幹線にしても昭和三十九年が最初でございますし、高速道路が全国各地に行き渡るという状態にはいまだしという感じがございますから、現時点での調査結果をそのままとやかく論じて結論を出すというわけにはまいらないと思いますが、たとえば新幹線につきまして、それが一点集中を招くのか地方分散を誘導するのか、その効果いかんということにつきましては、一種のケーススタディーでございますから一般論としては申し上げられませんけれども、相反する両面の結論も出ておりまして、現段階では新幹線を利用することによって、必ずしも都心部ではなくてかなり離れたところに住んで、そして必要に応じて都心と申しますか、主要都市との間を往復することによって用を足しているという傾向も出てまいりますし、それから、たとえば東京と大阪との関係で言いますと、いわば中間地点の名古屋にかなり中枢管理機能の集積が見られるというようなことも実は出ております。ですから、一概にいまの時点でどうこう評価することはできないと思いますけれども、新幹線あるいは高速道路といった幹線交通体系の整備が即東京集中と申しますか、大都市集中の効果をもたらすのみであるという結論もまだ下し切れない。むしろそういった交通体系の問題だけじゃなくて、それ以外の社会的、経済的要因も絡まってその答えが出てくるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
○吉原委員 どうも考え方がすれ違いますので、この点は私の意見だけを申し上げて、今後の三全総を進めていく過程でひとつ十分お考えおきを願っておきたいと思います。
 定住構想の最も決め手になるだろうと私も思います点は、工業の地方分散ということです。つまり地方における就労の場所、これがこの定住圏の一番決め手になる課題であろう、こういうふうに思っておりますが、工業再配置の方の関係で、今回、特別誘導地域というものがどうも内定されたやに伺っております。これは北海道、北東北、山陰、南四国、南九州、沖繩の十二道県と、繊維産地あるいは鉱山地域あるいは産炭地域、こういった対象範囲が約百市町村に及ぶように伺っておりますけれども、この特別誘導地域については、誘致された企業はもちろんですが、関係市町村にもそれぞれ普通の誘導地域の倍額の補助金制度を今度は考えておられるようでございます。
 このこと自体私は結構だろうと思いますが、一体こういう制度をつくることによって、企業側が積極的に地方に工場、企業を分散をしてくるだろうか。きょうは通産省にお越し願っておりますから、通産省のサイドで、こういう制度をつくったけれども、一体今後どのような働きかけを企業側にしていくのか、あるいはこの誘導施策を講じていくのか。単にそういう制度をつくった、もうそれだけで事足れりということであってはならないと私は思いますし、また誘導について特に配慮をしなければならぬ課題がたくさんございますが、そのうちで、今日まで地方に分散、進出をしている企業の大半が大都市に本社を持っておって、出先の方に小さな工場を数多く出店のような形で出しておる、そして一たん不況時になりますと、そういう出先の工場から閉鎖をする、こういうケースが過疎地では最近非常に目立っておるのです。実はそういう点も配慮しながら、企業の誘導といいますか、進出を図っていかなければならぬと思いますけれども、この特別誘導地域等に対する優遇補助制度、こういうものを通して、通産省は一体どのように今後工場並びに企業の地方分散を計画されておるのか、お考えをただしたいと思います。
○有岡説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のとおり、安定した総合的居住環境をつくりますためには、やはり雇用の場をつくるということで工業の地方分散もぜひとも必要である、こういうふうに考えているわけでございますが、特に立地条件の非常に不利でございます遠隔地域につきましては、今後多面にわたります立地環境の整備ということが必要であるかと思います。また、構造的な衰退産業に依存いたしております市町村につきましても、新規立地については特に配慮する必要がある、こういうふうに考えておりまして、この考え方は三全総の中にも明記されておりますし、昨年私どもで、関係各省庁、関係都道府県の御同意を得ましてつくりました工業再配置計画の中にも明記せられているところでございます。
 それで、ただいま先生御指摘ございました特別誘導地域につきましては、ただいまの考え方の一環といたしまして、特に誘導地域の中で工業の誘導を必要といたしております地域につきまして、工業再配置促進費補助金のかさ上げ措置等を実施いたすという予定にいたしているわけでございますが、ここにこぎつけましたにつきましては、ひとえに関係の諸先生方あるいは都道府県の皆様方の御熱意のおかげである、かように考えている次第でございます。
 なお、仰せのように私どももこれで十分とは考えておりませんでして、今後特別誘導地域につきましては、多面にわたる立地環境の整備のための施策を用意する必要がある、こういうふうに考えているわけでございますし、また、工業の地方分散を軌道に乗せますためには、何と申しましても設備投資意欲を回復いたしまして、抜本的にその経済活動を安定成長の軌道に乗せていくという必要があるかと考えますので、このための措置も必要であると存じます。
 また、先生御指摘のように、地方に進出しました企業の経営の悪化に対しましては、先般御制定を見ました円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法を初めといたしました中小企業対策等を十分活用いたしまして対処する必要があるというふうに考えまして、この点は、御指摘の点を十分念頭に置いて企業に対する指導、対応を図ってまいりたい、こういうふうに考えておりますが、しかし、とにかく工業の誘導につきまして、誘導地域の中で一種の特別誘導地域という線引きをいたしまして、助成策に傾斜をかけるということにいたした点につきましては、こういう対策に対する一歩前進であるということで何とぞ御評価をいただきたい、かように考えている次第でございます。
○吉原委員 それでは、具体的に一体どのように企業側に働きかけをされる予定なんですか。これは、こういう制度ができましたということで通産省の机の引き出しにしまっておっては意味ないわけで、具体的に企業側にどのようなPRをされていこうとされておるのか。
○有岡説明員 ただいま先生御指摘の点でございますが、私どもこの制度につきまして、企業に対しまして十分PRをいたすつもりでございます。特に今度の特別誘導地域につきましては、工業団地に立地いたします企業については工業再配置補助金を出すことにいたしておりますが、こういう点も十分PRいたしまして、できるだけ企業が特別誘導地域に立地するような指導をいたしてまいりたい、かように考えている次第でございます。
○吉原委員 きれいごとの答弁だけではなかなか納得できませんけれども、時間もたちますので進みます。
 最初に私は、地方公共団体の意見を十分吸い上げて三全総をつくられたのかどうかはなはだ疑問に思いましたが、三全総で大型開発をもくろみておられる苫小牧東部、むつ小川原、志布志湾、こういうところの大型開発計画に対する地元住民の反対運動がかなり盛り上がってきておりますが、これはどのように受けとめておられるのか。昨年三月の質問に対して当時の計画局長は、議事録を読ましていただきますと、おくれておる理由の一つに「あるいは新全総に見られますような形で実際、事実上の環境調査を、かなり、した上で計画をつくる必要があるのではないかというような諸点から考えまして、」云々と、こうなっておるわけです。環境調査を十二分に行われ、その上で関係の地方公共団体とも十分に意見をまとめられてこういう開発計画を立てられたとするなら、地元からそんな反対運動が起こることは考えられないわけでございますが、一体環境調査を十分なさってこういう計画を打ち出されたのかどうか。また、環境調査をされたとおっしゃるんなら、その資料の提出をお願いしたい。
○福島(量)政府委員 三全総におきましては、苫小牧東部、それからむつ小川原地区、さらに志布志湾を含みます西日本において数カ所の工業基地の建設の必要性を訴えておりますが、その際には、環境影響評価を含め、各般の調査、検討を行い、その結果を踏まえて推進する、こういうふうに実はしておるわけでございます。
 それで、これらの工業基地の建設は、基本的には当該地域の自主的な選択がまずございまして、その上で立地条件の調査なり、あるいはこの前申し上げました環境アセスメントなどを行いながら、総合的判断を加えるということでございまして、しかもその際には、工業基地の建設に当たりましても、極力自然を保護する、あるいは交通通信大系も整備する、さらにはその関連の町づくり、村づくりというものを十分に行いながら、計画的、段階的に進められるべきものであるというふうに考えておるわけでございます。
 それで、これら工業基地の建設に関連いたしますところの環境影響評価につきましては、それぞれその地域を所轄いたします各道県におきまして、いろいろ準備が進められておるというふうに聞いております。国土庁としては、それはいわば当然の前提であるという考え方でこの問題に対処しておるわけでございます。
○吉原委員 そうすると、環境アセスメントの調査も十分やっていない、関係道県に任せてあるということですけれども、その結論はまだ見てない、こういうことでございますが、結論は出ていないのですか。
○土屋政府委員 むつ小川原につきましては、昨年の二月から一カ月環境庁と相談をして、県が環境アセスメントをされた結果を公表いたしまして、住民の縦覧に供しまして、そうした結果を踏まえておるわけでございます。
 ただ、大隅につきましては、まだ鹿児島県計画が決定しておりません、案の段階でございますが、いろいろ調査を重ねられた結果、県独自で環境影響評価も宮崎県と相談しながらされまして、近いうちにその結果を公表されるという段階で、まだ地元には公表されていない、そういった段階でございます。
○吉原委員 そうすると、かなり根強い住民の反対運動が展開をされておるというふうに私どもは把握しておるのですが、この住民のそういった反対運動に対して、もちろんこの環境アセスメントの結論を待ってでないとなかなか住民のこういった運動に対する説得力がないわけでございますが、どのように一体この反対運動に対する説得をされる気なのかどうなのか、反対があっても強引にやるというお考なのか。
○土屋政府委員 むつ小川原地区につきましては、先ほど申し上げたようなことで、一連の手続を経て、計画全体についての評価もあり、もちろんそれには賛否いろいろございましたが、多数の方は特に強い反対もなかったと聞いておりますし、一応昨年の夏閣議了解も経まして進めていくわけでございますが、ただ具体的に、港湾をつくるために埋め立てるとかどうとかというような場合は、またそれなりの法律に基づくいろんな手続がございます。その都度実際にその環境状況等を評価をしながら進めていくということになりますので、強い反対があるのにそれを無理強いしてやるということは、なかな現実問題としてできるとは思っておりません。
 志布志の場合は、いま申し上げたようなことで、環境影響評価の結果がまだ公表されておりませんが、その結果いろいろ御意見を聞き、また隣の宮崎県の御意見も聞いて調整をしながら進めたいと地元では言っておられますので、私ども、まだそういう段階でございますので、いずれ相談があればよく全体的な相談に乗って、円滑に進むように努力をしたいと思っておる次等でございます。
○吉原委員 時間がだんだんなくなってまいりましたので急ぎますが、流域別の定住構想のようでございますが、従来からの自治省が提唱してきた広域市町村圏並びに建設省の提唱してまいりました地方生活圏というのは、従来から計画にずれがあった。これを一体どう調整して今度のこの流域別の定住圏との整合を求めようとしておるのか、この点をひとつ簡潔にお考え方を提示をしていただきたい。
○福島(量)政府委員 自治省の行っております広域町村圏の行政、建設省が行っております地方生活圏の行政、これらにつきましては、この三全総策定の過程におきまして十分関係省庁とも協議いたしまして、これら既存の広域生活圏の施策を基礎として、これをさらに発展させる、それから実情に応じて流域圏などの考え方も取り入れながら、地方公供団体が自主的に住民の意向をしんしゃくしながら決定するという方針を決めておるわけでございます。
○吉原委員 山陰地方のような地域では、農林漁業を主体とした一次産業を振興させるというのが、やはり定住圏構想の主な課題だと私は思っております。したがって、この一次産業を振興させる対策を、きようは連絡がちょっと遅うございまして農林省の方から呼んでおりませんので、国土庁として御答弁を願いたいと思いますが、時間がございませんので、一次産業、農林漁業の振興対策については別途また分科会等で質問させていただくということで、きようは農林水産委員会と間違えられても困りますので割愛をさせていただいて、時間がございませんので次の質問に進みます。
 最後に、三全総の問題でいろいろ考え方をただしてみたのですが、全体計画を勉強さしていただいて私が感じ取っておることとさほど相違はございません。いままでの答弁を聞いていましても、やはり三全総というのは不況下の国民生活の不安や雇用不安あるいは就労の場がないという悩みを解消する速効薬とはならぬ。それどころか、三全総も、従来の新全総、旧全総と同じく、巨大交通ネットワークの大々的な整備を前提に、工業の地方分散、過疎過密の同時解消、こういうことを図ると言われるけれども、結果的には、石油や、鉄や、セメント、自動車、土建屋、こういう特定の産業だけが、いつか来た道じゃございませんけれども、その延長線上で拡大されて、またまた大企業に巨大な利潤の機会を与える計画に終わってしまうような、そういうふうに思えてならないわけでございます。三全総が単なる作文に終わらずに全国民が安心して住める国土の開発となるような、そういう方向にぜひ持っていっていただきますように、これは国土庁長官、建設大臣と兼務なさっておる櫻内建設大臣に強く要請をして、三全総の問題については一応ここで終わりまして、時間がございませんが、次の質問を簡潔にやらせていただきます。
 次の質問は、実は昨年交通安全対策特別委員会で質問をいたしました国道二百六十一号線、これにかかっております橋が落下をして、トラック二台と軽四自動車一台が十二メートル下の河床に転落をして重軽傷者を出したという事故でございますが、島根県桜江町でございます。交通安全対策特別委員会の方では、当時も浅井道路局長が答弁に出ておられまして、目下この落下の原因について調査中だ、調査の結果がはっきりしたら、ひとつ具体的に建設省としても対処したいという御答弁をされております。
 これは地元の新聞の切り抜きでございますが、昨年の十二月十七日の山陰中央新報で、この落下原因を県警捜査一課と川本警察署が調査を進めておりましたが、その結果、松江高専の平井という土木構造力学の教授の鑑定書ができて、「この鑑定結果を参考に同捜査一課では十六日までにほぼ捜査を終えたが、当初考えられていた建設省、工事関係者、県の三者のうち、橋の維持、管理を行っていた県側には過失責任は問えないと判断。建設省、工事関係者の二者について施工ミス、監督の手落ちがあったとしている。」これは地元新聞、十二月十七日の山陰中央新報が出しております。したがって、この新聞の報道によりますと、建設省挙げての責任であるような解釈ができますが、建設省としてはこの問題については一体どのような責任をとろうとされておるのか。また被害者、まだいまだに一人の被害者は下半身不随で寝たきりなんですが、こういう被害者に対する救済措置はどのように考えておられるのか、御答弁をお願いしたい。
○栂野政府委員 お答えいたします。
 この落橋の原因としましては、仮橋の施工、特に溶接の状態が普通の剛構造の橋、いわゆるメタルの橋でございますけれども、それよりかなり悪かったために、溶接部分の荷重に耐える力、いわゆる強度でございますが、それが本来持つべき強度に比べて相当小さかったというふうに考えるわけでございます。それに事故のときに自動車、かなりの自動車の重さでございますが、それが橋の強度を相当上回ったために落橋に至ったというように判断されるわけでございます。
 それで本件につきましては、先ほど先生からお話がありましたように、昨年の十二月二十二日に、この仮橋の建設に関係しました建設省職員二名と工事を請け負った建設会社の職員四名が業務上過失傷害という容疑で松江の地方検察庁に現在書類送検されておるわけでございます。このような状況にあるために、建設省としましては、関係者の責任などにつきましては言及することは差し控えたいというふうに考えます。
 それで、こういうふうに負傷された方は非常にお気の毒でございまして、これらの方に対します補償を含めました処置でございますけれども、現在とりあえず被害者に対しましては島根県が見舞い金の支払いあるいは生活資金の貸し付けを行っておるところでございます。それで、今後の被害者に対します損害賠償でございますけれども、建設省、島根県、施工業者という三者で協議しまして、できるだけ早く行うように誠意をもって対処したいと考えてございます。
 たとえて申し上げますと、脊髄をやられまして車いすに乗っておられる植田さんに対しましてはすでに示談に入ってございまして、車いすのための家の改造費あるいは車いすの購入費等を現在話し合い中でございます。いずれにしましても、誠意をもって今後とも対処していきたいというふうに考えてございます。
○吉原委員 時間が参りましたから簡潔に質問しますが、結局新聞報道によりますと「橋の維持、管理を行っていた県側には過失責任は問えないと判断。」となっておるのですが、いま局長おっしゃったように、損害補償というふうなことになりますと、建設省と県と工事関係者、こういうことでございますか。
○栂野政府委員 現在検察庁で調べ中でございますので、その責任の有無については現在まだ私たちとしては何とも言えないわけでございます。それで、とりあえず、まず県としまして一時見舞い金とかあるいは生活資金の貸し付けとかを行っておるわけでございますけれども、今後のいわゆる損害賠償といいますか、そういうものにつきましては三者で協議して、どういうふうに払っていくかというのも協議の中に入ってきます。あるいは県が全然払わないようになるか、そういうことは今後十分協議しながら進めていくというふうに考えてございます。
○吉原委員 これで質問を終わりますけれども、いまの問題は、責任のない県側が負担をするというのもまたおかしな話なので、ただどのような損害補償をしていくかということについての相談は、これは地元県でございますから当然だと思いますが、少なくとも損害負担金を幾ら幾らの割合で、県も管理の責任があったんだからというふうなことで、そういうことにはなってはならないと思いましたので、まあ新聞報道が正しいと判断しながら私は建設省のお考え方をただしたわけでございます。少なくともどちらがどのような財源を持たれようとも、被害者にはそういった意味で何らの過失はないわけですから、どうぞひとつ早急に話をまとめていただいて、被害者が納得いくようなそういう補償をぜひお願いをしたい。
 時間が参りましたので、以上で質問を終わります。(拍手)
○伏木委員長 井上泉君。
○井上(泉)委員 吉原委員が建設大臣と同郷ということか、建設大臣には大変遠慮して質問をされたのでありますが、私は建設大臣にしぼって御質問申し上げたいと思います。
 その一つは、昨年の長谷川建設大臣のときの建設行政の基本施策に対する所信表明と、今度の櫻内建設大臣の所信表明とは大きく違うわけです。というのは、その一つの大きな違いは、長谷川建設大臣は、わが国の経済はゆるやかではあるけれども景気が回復の兆しがある、その上に立っての建設省としての諸施策だと、こういう位置づけをしておるのですけれども、今度はそうではなしに、非常に不況であるということ、その不況である中での建設省としての任務だと、こういうことを言われておるのですが、あなたもそう考えておるのか。つまりそのとき、長谷川建設大臣の言った当時は、やはりゆるやかな景気回復にあるから、もうすぐ景気が回復されるという福田総理の言葉にいわゆる便乗したというか追随をした表現であった。あなたもしんから、今年度の建設省の予算というものが景気回復の決め手になる予算であり、そして雇用を拡大する決め手になる予算だという、自分自身としての確信を持っての方針であるのか。その点まず承っておきたい。
○櫻内国務大臣 昨年、恐らくちょうどいまごろ長谷川前大臣が御答弁申し上げておると思うのですね。いま御質問で、私も当時の状況を思い起こしてみまするに、まさに前大臣は、そろそろ景気回復の途上にある、こういう判断のできる、そういう客観的な条件ではなかったかと思うのであります。しかし私の場合は、もう申すまでもなく各種のデータから見て非常な不況下にある、そういう前提はまさにそのとおりである、これは御理解願えると思うのであります。そのために政府は、各種の施策を講ずる中におきましても、景気回復が至上目的である、こういうことで、それには公共事業による、財政による景気浮揚をやろうと、こういう大きい方針を立てておりまして、その方針の中におきましては、建設省が約七割見当を分担するのでありまするから、私としては、この方針のもとに建設省関係の公共事業を振興することによって景気回復に寄与したい、こういう決意で臨んでおるわけであります。
○井上(泉)委員 それは景気回復と同時に雇用の拡大、こういうことで、雇用の拡大の面は言われなかったですけれども、これは当然そのことも考えてのことでしょう、大臣。
○櫻内国務大臣 もう御指摘をまつまでもなく、当然のことでございます。
○井上(泉)委員 ということは、私が念を押すのは、あなた非常に話が上手といいますか、さきに農林大臣のときにはパーティーでもやると、ここへ集まっておるのは全部農林省の、私の省の所管のものばかりだから、いつでも農林行政というものは私の頭の中、私の生活の中から離れぬ、こういうようなうまい言葉で表現された。私もそのとおりだなと思った。ところが、それと同じように今度は建設大臣になられた。建設大臣になると、この間も住宅問題の家賃の値上げのときに、これだけ論議があるということは世論に意見が浸透しておることだ、こういうふうな表現の仕方で、ごまかすという言葉は悪いかもしらぬけれども糊塗しておるわけです。そういう点で、前の長谷川建設大臣が緩やかな景気回復の徴候にあったと認められたということは、認められておったけれどもそれが反対の方向になって、景気はますます底冷えがしてきた。それで今度は公共事業に大盤振る舞いをやって景気を回復させ、雇用の拡大を図る、こういうことになっておるわけです。そうなることは、あなたも福田内閣の閣僚として経済成長七%にはやはり責任を持つ一人の閣僚である、こう理解をしておっていいですか。
○櫻内国務大臣 政府としては経済企画庁中心で経済見通しを立て、また五十三年度の成長率七%を目標にしておるわけでございます。私も、その七%成長の中で公共事業によるところが非常に大きいのでありますから、この七%を達成したいということで、私の所管の公共事業が円滑にいけるようにすべきである、こういう立場をとっておるわけでございます。
○井上(泉)委員 景気浮揚と雇用拡大との中身については後日また論議をいたしたいと思いますが、まず最初に、やはりこういう方針のもとに予算が組まれ、建設行政が進められるということですが、その中で、もうこの委員会でもずいぶん論議をされてきた問題の中で、やはり住宅公団の家賃の値上げの問題が大変大きな問題で、これは大臣の言をかるならば、国民に非常に浸透した問題だ、ところがやはり住宅公団の家賃というものは、中村議員も指摘しておるように全般的な家賃に影響するわけです。だから、公団住宅の家賃のあり方というものがどんなに大切であるかということはもう論ずるまでもないわけであります。そこで、当建設委員会におきまして、さきに建設委員長が六項目の条項を意見として申し述べて、それに対して建設大臣は、御意見はごもっともであるし、その趣旨を体してこの公団家賃の決定を行いたいということを答弁をされたわけですが、その結果がきのうかおとといかの新聞に載っておった。九月に値上げをする、こういうことになっておると思うわけですが、そう認識をしていいですか。
○櫻内国務大臣 本委員会並びに参議院の建設委員会で、それぞれ委員長から委員会の御意向を承ったわけであります。その御趣旨を尊重しながら、ただいま御質問のとおりに九月に値上げをしたい、こういうことで経済企画庁の方に協議を申し出ておる段階でございます。
○井上(泉)委員 この場合に、経済企画庁と協議をしておるということですが、この場合に委員会で、単に家賃値上げということでなしに、その背景となっておる住宅公団の運営について厳しい意見が出されたわけですが、そういう面について、大臣としてこれを文書で、公団経営のあり方についての当委員会の意思を体して申し入れるお考えがあるのかどうか。
○櫻内国務大臣 委員長から委員会の総合的なお考えをお示しいただきましたし、また本委員会でも御審議を煩わした次第でございますから、いよいよ認可をいたしますときには、どのような方法にするかはまだ私としてはっきり決めておりませんが、いずれにしても、委員会における御意向というものは、公団総裁に対しましてその趣旨を踏まえての建設省としての方針は申し上げる考えでおります。
○井上(泉)委員 そのことは、この間の委員会の申し入れに対して、六項目かの四までは承認までに検討する、こういうことを言われたのでありますから、承認をするまでに一から四まではどういう措置をされたのか御報告を願いたいと思います。委員会で論議をされたことが次の委員会等でその結果等について報告をするということも建設行政を進めていく者としては重要なことではないかと私は思います。その点から考えまして、たとえば信濃川の河川敷の問題はいま建設省ではどうなっておるのですか。大臣が知っておるでしょう、局長が言わぬでも。
○栂野政府委員 お答えいたします。
 当該地区の河川敷でございますけれども、すでに御承知のように、昨年の十一月一日付をもちましての官報によりまして廃川処分の告示を行ったところでございます。
 それでその後の処置でございますけれども、現在、九条地につきましては目下旧所有者に対します下付の手続を進めておるところであります。
 それで、廃川処分後の土地の利用でございますけれども、これにつきましては、御承知のとおり長岡市と室町産業が締結しました覚書によりまして、本件土地のおおむね二分の一、これは長岡市が利用する。そうしまして、室町産業が利用することとされております残りの二分の一につきましても、公益性の強いものを主体に計画する。そしてこの利用計画の決定に当たりましては事前に長岡市長の同意を得るというふうにされておるわけでございます。また市長が室町産業に同意をする場合には、あらかじめ建設省が協議を受けるというようにしておるわけでございます。したがいまして、本件土地の今後の利用につきましても適正な土地の利用が図れるというふうに考えてございます。
○井上(泉)委員 それでもう行政的には、河川敷の残りの半分は室町産業に移る処置は終わっておるのですか。
○栂野政府委員 まだそういう処置を終わっておるというふうには聞いてございません。まず九条地を旧所有者に返還するという措置がとられた後に、あれは停止条件付の売買契約でございますので、その後そういうことが行われるのではなかろうかというふうに考えられます。
○井上(泉)委員 いま河川局長から信濃川の河川敷の問題について説明がなされたわけですが、大臣は信濃川の河川敷の問題についてどういう見解を持って対処されておるのですか。
○櫻内国務大臣 十一月一日にすでに廃川処分が行われて、私、二十八日の就任でございますので、いまどういう所見か、こう言われまするとちょっとお答えがしにくいのでありますが、適正に処理をされたもの、このように判断しております。
○井上(泉)委員 河川敷の問題についてはいずれまた何かの機会もあろうと思うので、いま河川局長が言われたようなことが確実に実行されるようなことで事を運んでいただきたいと思うわけです。私どもは、裁判に持ち込んで、その裁判が長引いて、そのうちに室町産業に勝手にされるようなことになるというのは非常に不満です。だからあくまでも行政サイドにおいてこの問題を処理するように強く要求をしておきたいと思います。
 そこで大臣、今度の予算は、雇用の拡大、不況克服ということを非常に重視をされておるし、大臣もその見解を述べておりますが、この間今治で、大臣も出席をされて、中曽根総務会長が大演説をぶった。大臣もその前座を務めた。これは何も派閥がどうこうということではなしに、一つの政権を担当している与党の総務会長が演説をして、そしてそれを付言するがごとく、あるいは前座ですから付言ということでないですが、同行したということは、やはり自民党のそういう政策を行政の上に反映さすために大臣も出席されたものではないか、こういうように理解するのですが、どうですか。
○櫻内国務大臣 おっしゃるとおりの考えで私もおりますが、特にこの際付言しておきたいのは、先ほどからの御質問もございますように、今度建設省が五十三年度に行わんとしておる公共事業の遂行というのがうまくいかなければ、非常に大きな影響を来す。しばしば申し上げておりますように、特に今度の場合は民間の協力を非常に必要とする面がある、こういうことから、私は機会があれば、私自身そういう面で訴えたいことがいろいろあるのです。たとえて言うと、資材なんかの値上がりが石油ショックのときのようにどんどんされたんでは大変であるというような気持ちがありますから、そこでいい機会だ、ひとつそういう点は特に訴えたいというようなことでその研究会へ参った次第でございます。
○井上(泉)委員 何も私は、政党が違うから、大臣が行って地域に迎合するような話をされようがされまいが、別にそのことを悋気を言うわけじゃないのですよ。しかし言われたこととしては、不況を克服するということ。私は、中曽根総務会長が地域別の不況救済策を講じなければいかぬ、そして不況地域には公共事業を重点的に考えなければいかぬ、そういうような話をされたやに聞くわけですが、そうなると建設行政の中にこういう趣旨をあなたは生かしていくつもりかどうか、まずその点を承っておきたいと思うのです。
○櫻内国務大臣 私の話の中には特定の問題は一つも含んではおりませんでした。しかし、その後中曽根総務会長の話の内容の詳細は存じませんが、いま御指摘のようなことに触れておられると思います。そういう総務会長の発言をどう私が受けとめるか、こういうことになりますと、当時愛媛県、あるいは愛媛県というよりも四国全体の研修会でございましたから、恐らく総務会長は四国全体を頭に置いて地域の不況打開ということを言われたものではないかと思いますが、特に愛媛県におきましては、造船、繊維、それからミカン業などについてもいろいろ問題があると思うのです。それらを念頭に置いてそういう不況打開のために努力をしようという趣旨のもとに言ったと思うのでありまして、その限りにおきましては、私もそういう地域の特殊事情を考えながら今度の公共事業をやる方が至当である、こういうふうに考えます。
○井上(泉)委員 大臣は予算委員会へ出るそうでありますので、私はもう一点だけお伺いしておいて後刻に譲りたいと思います。
 この公共事業をやることによって雇用が拡大されるということについて、前の予算委員会でわが党の多賀谷書記長の質問に対してお答えなさったこともあるし、そしてまた大臣が先般テレビか何かの対談で言われたことがあるのですが、五万人程度の雇用が拡大される、こう言った五万人は延べですか、それとも常時五万人程度、こういうことですか。どうなんですか。どういう見解ですか。
○櫻内国務大臣 私が五万人と申しておりますのは、昭和五十三年度建設省所管公共事業に直接必要な労働需要量は、これは延べになりますが、約一億八千百万人目ということになります。それでこれが前年度に比べて約千五百万人日、九%増と見込まれるわけでございますが、これを一人年間二百六十四日の就労として単純に人員換算すると、約五万人の増加に相当する。その五万人のところを、私の関係では五万人、こういうことを言ったのであります。この五万人の積算の基礎は、また治水、道路、下水道、公園等と詳細なデータはございますが、これは必要があれば担当者から申し述べさせます。
○井上(泉)委員 その資料をまた担当者の方から提出していただくと同時に、やはり農村行政でもそうですが、結局物をつくる、何ぼこの木材は農林省の所管の木からできた、この魚は農林省所管の水産庁の漁師がとったのだ、こう言っても、それをやるのは人ですから、だから建設行政を進める上における基本は労働人口だ、労働者だ、こう思うわけですが、そういう認識は大臣が持っておるのかどうか。そのことだけ承って次の時間に譲りたいと思います。
○櫻内国務大臣 それはもう当然のことであります。
○井上(泉)委員 委員長、次にします。
○伏木委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時二十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十一分開議
○伏木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。井上泉君。
○井上(泉)委員 大臣が今治に参られたのは、今治というだけでなしに、四国全体の不況という状態、そしてまた果樹とか造船とかそういう状態の中にある渦中の土地であるから選ばれて行かれた、こういうことでありますが、そうなれば、やはりそういうところに対する景気浮揚策というものと今度の公共事業との結びつきを考えて行う施策というものが当然生まれてこなければならぬわけですが、大臣はそういうことをお考えになっておるでしょうか。
○櫻内国務大臣 私としては、国全体を見て考えていかなければならない。その場合に、ある地域に非常に不況が深刻である、幾つかの構造不況の業種を抱えておる、こういうことになってまいりますれば、それに対して十分配慮しながら建設省関係の公共事業をやるというのも任務の一つだと思うのであります。
 そういう見地からまいりまして四国をどう見るか、愛媛県はどう見るかということになってまいりますと、愛媛県の場合は、先ほども触れましたように造船、繊維ともに不況である、失業者も多い、雇用の増大を図るために考えなければならぬ、そういうことはわれわれの行政をやる上に前提としてよく考えてまいりたいと思います。
○井上(泉)委員 それでは、雇用の拡大と言うならば、やはりそういう失業者が多発しておる地域を重点に考えないと、たとえば高知の失業者を東北へ持っていくというわけにはまいらない、やはりその地域の中で失業者の雇用対策をどうやって講ずるかということを当然考えなくてはならないわけです。
 そこで、建設業の労務者ほど身分関係の不安定なものはないと思うわけですが、建設業に従事しておる労務者の労使関係というものを大臣はどういうふうに位置づけられておると認識をされておるのか、まず認識の点からお伺いをしたいと思います。
○櫻内国務大臣 私の目に触れているところから考えていく方がいいと思うのでありますが、島根県あたりで建設業者が倒産をする、また新しいのができるというようなことを繰り返しておる状況を見まするに、業界そのものにも相当不安定性があるのではないか、したがって、そういう影響を受けて雇用関係についてしっかりしたものがないということが予想されますが、労働組合の結成状況などにつきましても比率は非常に落ちておるのではないか。こういう点から見ましても、現在の建設業、特に中小関係につきましては雇用の点をよく留意する必要がある、このように見ております。
○井上(泉)委員 留意せねばならぬ必要があるという認識は正しいと私は思うわけです。普通、建設業の関係で、たとえば五万人、六万人の雇用が増大するといっても、それは正規の雇用関係を結ぶというのは本当に少ないと私は思います。現在、建設産業に従事しておる何百万の労働者の中で、政府管掌の健康保険に加入しておる者はどれくらいあるのか、あるいはまた労使関係を明らかにする日雇い健康保険なりあるいは失業保険なり、そういう社会保険に加入しておる者がどれくらいあるのか、その点建設省の方で調査されておったならば報告をしていただきたいと思うわけです。調査してなければ調査をしてもらいたい。
○大富政府委員 現在、建設業の就業者数が五百万ございまして、常用労働者が約六〇%の三百十万、あと約二〇%が臨時労働者、日雇い労働者でございます。
 いまお尋ねの健康保険でございますが、社会保険庁の事業年報、五十年の十月のデータでございますが、建設業につきましては被保険者数が百五十万となっております。
○井上(泉)委員 それでは大臣、いま百五十万、これは概算の数字だと思うわけですが、三百十万労働者が雇用関係を結んでおって、百五十万しか健康保険等の加入者がないということは、あとの百五十万、半数以上がいわば無協約の状態の中に労働者が放置をされておるということ。そしてそういうことは、建設業というものがやはり昔のような式の中で、そこで働いておる労働者は本当に下積みの中に追いやられ、そして仕事がなくなると、じゃ雇用拡大だ、公共事業でどうこうしてそこに就労する。いわば労働者をただ労働力を提供する一つの手段にしか扱っていない。労働者としての位置づけをしていない。建設企業に従事しておる労働者ほど労働者としての位置づけのない労働者はないと思うのですが、この現状をどう認識されますか。
○櫻内国務大臣 これは労働大臣が私と一緒に、今度の浮揚のための会合に出席をしておりました折に、現在の土建業の雇用状況から、公共事業の拡充もよいが、それによって労働災害などの増加というようなことがあるとすれば、それは非常に残念なことであるから、よくそこは注意してもらいたいという話をされたことを思い起こしますが、いま御説明を申し上げたような常用労働者の半分以上が組合に未加入あるいは未結成という状況は、私どもの立場から言っても、せっかく仕事をやる上におきまして、一方においては災害がふえるとかあるいは労使関係が悪いとかそういうことであってはなりませんから、関係各省庁と十分連絡をとって、そのような事態をでき得る限り少なくしてまいりたいと思います。
○井上(泉)委員 大臣はいま組合と言われたけれども、私の言うのは労働組合の組織とか数ということじゃないのです。大臣の言葉の取り違えだと私は思うわけです。つまり、労働者として雇用関係が成立すれば健康保険に加入さす、あるいは失業保険に加入さす、そういう雇用関係を立証する身分関係、これが明らかにされてないのが六〇%もあるわけだから、せめてそういう最低限の雇用関係を明らかにするような指導をせにゃならぬと思うわけです。それがやはり今度の公共事業の雇用対策、景気浮揚への重点的な――ただ工事さえすればいい、そこで働けばどうなろうといいということでは問題だと思うのです。労働者のことは労働省、保険のことは厚生省というようなわけにはまいらないじゃないか。少なくとも建設業を一つの近代的な企業として取り上げて、しかも政府の公共事業の、いわゆる景気浮揚のかなめとしてこの事業を推進するならば、やはりそれを行う企業者というものの取り組みというものが大事じゃないかと思う。
 百億ぐらいの生産をしておる工場になるとどうしても二百人や三百人ぐらいの労働者がおるわけですけれども、大体百億ぐらいの受注をしているところで本当に雇用関係を結んでおる労働者というものはごくわずかだと思うわけです。たとえば大手十社の雇用関係を結んでおる労働者が何人おるのか、これをお調べになっていただきたいと思います。少なくとも日本の大手十社の労働者の雇用関係がどうなっておるのか、これはぜひお調べになって参考にして対策を立ててもらいたいと思うのですが、大臣いかがですか。
○櫻内国務大臣 おっしゃるとおりだと思うのですが、現状におきましては、私は恐らく、御指摘の範囲まで十分建設省の方で掌握しておるか、こう言うと、なかなかそれはむずかしいし、またしておらないと思うのです。そこで私が先ほどお答えしたように、この問題については関係省庁と十分連絡をとって雇用関係を改善していく、これがわれわれとしての本来やるべき道だと思います。
○井上(泉)委員 関係省庁と連絡をとってと言うても、それなら関係省庁と歯車がうまく合わないといかぬと言うわけですか。建設省としては建設業の健全な育成を図るという一つの省としての使命があるわけだから、建設業としての健全な使命を遂行するためには、建設業に従事しておる、建設業が雇用しておる労働者との雇用関係というものが法的にきちんとしてないということはおかしいわけだから、そういう点について建設省が調査をしてないとするならば、やはり建設省としても調査をする必要がありはしまいか。それは、今年度の大臣の所信表明の中にも、雇用の確保ということ、そしていままでの建設省の予算とは違うという位置づけの中からも当然生まれてこねばならない行政の姿じゃないかと私は思うのです。いま私が申し上げました全部を調査しろとは言わないです。せめて二千億、三千億の受注をしておる大手の十社くらいの正規の雇用人員が何人あるのか、これをお調べになっていただきたいと思うのですが、どうでしょう。
○櫻内国務大臣 ただいまの範囲を掌握すること、それは私は可能だと思いますので善処してまいりたいと思います。
○井上(泉)委員 その調査資料に基づいて、また建設業に従事する労働者の雇用関係というものがいかにずさんきわまるものであるかということの実証ができると私は思うし、そのことの仮に調査が遅れたといたしましても、いま言ったように五百万の労働者の中でわずか百五十万人しか雇用関係が明確になっていないということ。これはここに労働省もおらない、厚生省の関係者もいないわけですけれども、大体常時五人以上使用する者は健康保険に加入しなければいかぬということになっているのですから、そういう点からも健康保険法にも違反しておる、あるいは労働基準法にも違反しておる、こういうのが今日の大方の建設業者の姿じゃないかと思うわけなので、建設業者に対する指導監督というものも、これだけ大幅な公共事業に投資をする場合においてはなお一層厳重になすべきではないか、こういうふうに思うわけなので、その点について強く大臣に要請しておきたいと思います。
 そこで、時間を非常にはしょった質問になるわけですが、三全総の問題についてきょう午前中にも吉原委員が質問をされておったわけですが、私は三全総としてああやって計画を定めた、そしてどこの地域もどこの地域もバラ色のような未来を約束するということで住民に希望を持たすということにおいては、あるいは一定の役割りを果たしておるかもしれないけれども、その一面、それではどうなるだろうかという不安というものも与えておると思うわけです。
 たとえば高知県と愛媛県とが西南地域ということで課題地域として位置づけられておるわけです。この課題地域として位置づけられておる中で、高知県は高知県としての独自の地域計画を立てるとか、あるいは愛媛県は愛媛県としての独自の計画を立てるとか、そういうことで三全総の課題地域というものは位置づけるべきではないと思うわけですが、その点はどうですか。
○櫻内国務大臣 これは二県にまたがっておる地域でございますから、それぞれの県で思い思いの希望があることも否めないことではあろうとは思いますが、三全総のねらいからすれば、この四国の西南地域が水資源などに非常にすぐれた場所である、あるいは農林水産業、地場産業、観光レクリエーション事業など振興するのにふさわしい地域である、あるいは工場などを導入するにもいい場所だというふうに受けとめておるわけでございますから、三全総は御承知のように本年度初年度で大体十年の計画でありますから、その間にしばしば言われておる定住圏構想などを中心にこの地域の振興を図っていく、こういう大枠な立場から、またこの三全総をそれぞれの地域におろしていろいろ計画を立てておる段階であります。四国地方開発審議会でございますか、そういうところでも三全総をどういうふうに今度取り進めていくかということを御審議をお願いする、あるいは県、市町村という段階にこれからの計画を進めていく、こういうことで、大きな枠ではそれぞれの県がなわ張り争いでは困る、しかしそれが下へおりていけば、それぞれの地域の特殊性を生かして考えていく、こういうことが順当な行き方ではないかと思うのであります。
○井上(泉)委員 いわゆる当たりさわりのない答弁とすればそれで結構だ、こう思うわけですけれども、こういうように両県にまたがる地域を課題地域として位置づけたということは、やはり両県にとっては共通の課題がありはしないか。つまり、高知県は高知県だけで取り離して行うべきことではない、あるいは愛媛県は愛媛県として取り離して行うべきことではない、やはり両県としては、あの地域としては共通の課題として取り組まねばならない問題があるということから位置づけたものではないか、こう思うわけですが、その点どうですか。
○櫻内国務大臣 私が四国西南地域について詳しく検討をしたということではございません。御質問をちょうだいするのでいろいろ説明を聞いた範囲でございまするが、ただいま御質問のような条件も率直に言ってあると思います。だから、西南地域として考える場合には、そういう共通の問題についてもできるだけ話し合いをするということは当然のことだと思います。
○井上(泉)委員 その共通の問題、いわゆる利害が相反する共通の問題というのは、これは当委員会でも前の大臣のときにも論議をしたわけですが、渡川の水の問題があるわけですが、四国の西南地域の開発の上において、そしていろいろな政策を進める上において、渡川の水問題は避けて通ることができないというような答弁がなされたわけでありますが、そのことについては現在、これは大臣もかわったわけですけれども、いわゆる事務当局としては、渡川の水問題については依然として同じような見解を持っておるのかどうか、その点承りたい。
○飯塚政府委員 お答えいたします。
 三全総を踏まえました水需要の増加と申しますか、それは御存じのとおり、今後十年間を考えれば南予地区全体について増加することは当然でございます。これらの水需要に対する供給計画につきまして前回もお答えいたしましたが、西南地域全体としては、水資源は賦存量としては豊富にあるように思われます。しかし、地域的に南予地区を個別に見てまいりますと、特に西南地域のうち南予地区におきましては地形が急峻でございますし、流域も非常に浅い、大河川もないというようなことで、西南地域のうち特に南予地域については、自然の流域の状態では水資源が不足するというような状況にございます。これらの問題につきましては、前回もお答えいたしましたとおり、地域の方々が西南地域全体をどういう方向に発展させていくかというような検討の中で、地元の方々のいろいろな見解、特に高知県、愛媛県両県にまたがっておる問題でございますので、両県当局を初め関係地域の方々の御意向等を拝聴しつつ、私どもとしては計画の御相談にあずかりたいという立場でございます。
○井上(泉)委員 その計画の御相談にあずかりたいということは、たとえば高知県の場合には、渡川の水は一切分水してはならない、渡川の水は高知県が十分使うだけのものがある、使わなければならぬ、こういうことに高知県の方としては明確に建設省当局にも申し出てあるはずだし、また、地域の実情もそういうわけですが、そういう場合に、私は、この渡川の水を分水させることを一つの前提としてこの四国西南地域を課題地域として取り上げたのではないか、こういうように思うわけですが、これは渡川の水を抜きにして取り上げたものであるのか、またこの水を含めて取り上げたものであるのか、この際、これは建設大臣も事務当局から説明を受けておると思うのですが、どうですか。
○飯塚政府委員 南予地区の水問題につきましては、愛媛県当局でも、南予地区のあらゆる水系につきましてダムをすでに三カ所、そのほか計画中のものを含めますと四カ所で、最大限の努力をしておるところでございます。それにいたしましても、愛媛県自身での南予地方の開発、愛媛県だけの考え方でございますが、それによりますと、それだけの努力をしても、なおかつ域外から分水等による水の供給があればという希望的見解がございます。一方、渡川におきましては、かねがね治水対策として梼原地域等を含むダムサイト等につきまして、洪水対策上ぜひとも必要なダムサイトがございます。計画中のダムがございます。そういうことに関連いたしまして、その治水上必要なダムに関連いたしまして、高知県の中村市を中心とする下流部の水需要に応じますとともに、なおかつ、そのダムに関連いたしまして、利水上の水資源としてのダムから水供給ができますならば、それに対しまして愛媛県としては分水ということを期待しておるというのが実情でございます。
○井上(泉)委員 これは愛媛県が分水を期待しておるという話、国として課題地域として西南地域を取り上げたのは、やはりこの渡川の水を、いわば両県にまたかることであるし――いまの局長の話を要約すれば、高知県は水が余っておるけれども、南予地区は水が余ってない、不足しておる、だからこれを相互にあんばいをすることが必要ではないか、こう言われておるようですが、そういう水を分水するということは、これは大変な問題なので、その点について、あくまでもそのことが課題地域としての位置づけの前提となっておるとするならば、高知県にとりましてはありがた迷惑だ、私はこう思うわけですが、これはそれが前提になっておるのですか。
○飯塚政府委員 三全総の中におきます西南地域の開発について、先ほど先生御指摘の水資源の問題について、それが具体的な前提とはなっておりません。私どもといたしましては、すでに国土庁で一昨年発表いたしました中間見通しに続きまして、現在長期的な水需給計画を策定中でございますが、その中におきましても、四国西南地域につきましての将来の水需給の動向、最近の三全総との整合性、最近の両県の当局の意向等を踏まえまして、現在鋭意検討中でございます。その中でも、そういう先ほど先生御指摘の問題につきまして明らかにしたいと思っておりますが、両県当局の分水問題に対する意向というものは当分の間明確にされないと思いますので、その辺につきましては慎重に、西南地域全体として特に区域分けをしないで表記するというような方法等によりまして、当分は慎重に対処いたしたいと思っております。
○井上(泉)委員 それではあれですか、西南地域のいろいろな構想を立てるのに、両県の水の問題についての意思がはっきりしてないから、高知県のは水についてのいわば一致した意思でないから、それでそのことは抜きにして、つまり水問題は抜きにして仕事は進めていく、こういうふうに理解をしておっていいですか。
○福島(量)政府委員 御指摘のように、四国西南地域におきましての水の問題というのは大変大きな問題でございまして、そういった意味では、先ほど来お話に出ております水問題の円満な解決ということが地域全体の発展にとって非常に重要な問題になっておるということは承知しております。ただ、三全総の立場から申しますと、そういった課題地域として各般の施策を講ずる必要があるということはもちろん力説しておるわけでございますが、地元関係各団体と申しますか、その間の話し合いと申しますか、それが進展を見ない限り、国サイドの立場でこれを押しつけてかくあるべきやということは、これまた断定的に申し上げる立場にもないわけでございますから、そういった意味では、各般の問題はいろいろな地域に包蔵しておるわけでございますが、それについて地域団体あるいは地域住民が十分話し合いを願って、そしてその上でそれぞれの地域の発展方向を探り、かつ確立していっていただきたいという考え方でまとめてあるものでございます。
○井上(泉)委員 その地域の問題は地域の住民が、とこう言うのですが、この場合には高知県と行政の区画が違うのだから、高知県と愛媛県と二つになっておるから、この利害の相反することで水を分ける分けぬという話し合いができる道理がないでしょう。だから、それぞれ高知県は高知県としての独自の、課題地域をどういうふうにして開発をしていくのかということに取り組まなければいかぬでしょう。愛媛は愛媛でそういうことに取り組まなければいけない。だから、国のサイドで水問題というものを抜きにして四国にある課題地域として取り上げておるけれども、それはやはり各県各県の話し合いがつかない限りは、渡川の水問題なんかは論じることはできない、処理することはできないというふうに政府としては認識をしておる、こう理解をしておって間違いないですか。
○櫻内国務大臣 そういうふうにだめ押しをされると、なかなかお答えしにくいと思うのですね。
 先ほど申し上げたように、私どもの希望から言えば、四国地方開発審議会もある。そういうところでは大所高所からの話し合いもできるんではないか。あるいは乏しい知識ではございますが、四国の高速道路、これはX型を8型にせいというようなことで、そういうものができると大分模様も変わるし、高知と愛媛の間トンネルを抜くようにという皆さん方の御要請で、この間よかろうというようなことも言ったなど、そういうことを頭に置いて見ますると、いまの時点ではこれは両県で渡川の水問題で対立しておる、これが解決しなければどうにもならないんだということでなく、それはそれで右へ置いておいて、そして他のやれる所要のことをやるというのが現実的ではございましょうが、三全総の計画提示者としてはもう少し高度の考えもある、こういうふうに御理解をいただくのがいいんじゃないかと思うのです。
○井上(泉)委員 また次にいたしますので、よろしくお願いします。
○伏木委員長 谷口是巨君。
○谷口委員 私は、今回の大型予算、いわゆる景気浮揚対策の面から非常に政府が力を入れました今度の公共事業の予算の完全消化、こういう問題について非常に重要な問題でございますから、所見をただしてみたいと思います。
 しかも、国外国内にGNP七%達成という約束をしている今日、この景気浮揚はまことに至上命令であると言わねばならないわけでございます。その推進役であります公共事業を完全に消化しない限り、これは達成は当然むずかしいことでございましょうが、建設省でもそれを重視をして、仮称のようですが、公共事業施行推進本部、こういうものをつくってがんばっておられるように聞いておりますが、それの正式名称、内容、それから現在は何をやっているのか、そういう問題について御説明願いたいと思います。
○粟屋政府委員 いま先生お話しのように、今度の公共事業の施行がわが国経済の消長を左右するものである、特にその完全執行ということが最大の課題であるという認識を持ちまして、昨年の年末、五十三年度予算の追認閣議の際に、建設大臣から閣議におきましても、建設省においては施行体制を強化するというお話を申し上げたわけでございます。その大臣のお考えを受けまして、本年御用始め、一月四日に公共事業施行対策本部を設置いたしたわけでございます。
 構成員でございますが、事務次官を長といたしまして、関係局長等で構成をいたしておるわけでございます。一月四日の本部会議におきましては、今後検討すべき事項を決めまして、以後幹事会等を開きまして具体的に作業を進めておるところでございます。
 一月二十三日に第二回の本部会議を開きまして、基本的な事項を決めたわけでございますが、まず決めました第一点は予算執行事務の迅速化でございます。これは国会の御審議もございますが、御審議が終わりました段階で直ちに予算が執行できるように、許され得る諸般の手続を進めるということが第一点でございます。
 第二点は、補助金交付事務の簡素化でございます。往々補助金の交付事務が繁雑で、そのために膨大な人手あるいは書類を要するというような御批判もあるわけでございまして、これにつきましては、建設省といたしましては昭和四十四年、四十九年、五十一年と、過去三回にわたりまして書類の簡素化等を図ってまいったところでございますが、さらにその簡素化の徹底を図るという意味で、従来ヒヤリングを予算要求段階とそれから配分段階、二回やっておりましたものを、これはいずれか一回で足りるという措置をとったわけでございます。さらに申請書、添付書類等の省略についても、これを追加することといたしたわけでございます。
 この補助金交付事務の簡素化につきましては、一応二十三日の会議でそういう方針を決めたわけでございますが、その後土木部長の代表者を本部に招集をいたしまして、その際諸般の要求を聞いたわけでございますが、その際の土木部長の要求といたしましては、設計変更につきまして、一定の範囲につきましては大臣の承認を要しないこととされておりますが、その範囲をさらに拡大をしてくれ、さらにその配分事務を四月までに都道府県の土木部長と本省とで協議をいたすわけでございますが、その際に工法協議を事前にいたしております。その工法協議の際に提出をした設計書については、さらに補助金の交付申請の際には添付を要しないこととしてくれというような御要望がございましたので、その線に沿って目下鋭意検討中でございます。
 第三番目は設計施行の合理化でございまして、これは直轄を問わず、また地方公共団体を問わず、非常に発注事務が多くなるわけでございまして、それにつきましての簡素合理化を図る必要があるということで、設計に当たりましては、標準設計というものを構造物につきまして建設省が制定をしておりますが、なるべくその標準設計を活用する。また、標準設計は大部な本になっておるわけでございますが、それで足らないものは一定のコンピューターを建設局、開発センター等に持っておりますので、その変形が多少できます。それを活用するということでございます。
 第四番目は、自主的施行体制の推進でございまして、これは業界の体制整備も必要でございますけれども、なるべく自主施行体制を推進をするということでございます。
 さらに発注あるいは監督等に当たりまして、コンサルタントを活用するというようなことで、設計施工の合理化を決めたわけでございます。こういう線に沿いまして、目下詳細の点についてはさらに幹事会等におろして検討いたしておりまして、近くさらにこれを具体化した方針を練るつもりでございます。
 さらに、地方に公共事業施行対策地方協議会というものを設けることといたしまして、これは単に建設省だけではございませんで、ブロックごとに地方建設局を初めといたしまして、農政局でございますとか港湾建設局等の公共事業の施行部局、さらに資材、労務面が今後施行上重要な問題となりますので、地方の通産局でございますとかあるいは労働基準局あるいは都道府県の労働部局等をもって構成をいたします公共事業施行対策地方協議会を設置することにいたしまして、これは関係各省、都道府県の御了解を得て鋭意その開催準備を進めております。ここにおきましては公共事業の施行の状況を相互に連絡いたしますとともに、施行上の隘路となります資材、労務等の問題につきまして問題が出ましたら、それを直ちに建設省の本部、さらに通産省の本部に連絡をいたしまして、中央レベルにおきまして地方的な隘路をあるいは需給の交流とかそういうことをもちまして打開をしていこうということで鋭意進めておるところでございます。
○谷口委員 非常に詳細にわたって答弁がなされたわけですが、これは私は非常にいいことだと思います。もともと非常に繁雑化されて、年を追うごとに複雑化してきたことが結局すべての工事の遅滞あるいは予算の消化、そういうものの障害になっていたことは事実なんですね。したがいまして、今回みたいに三十数%という前年比増が行われて、そして当然平素からやらねばならないような、いまのようないわゆる事務の簡素化あるいは設計その他においてもいろいろな標準設計を使うとか、あるいはコンサルタントの利用とか、そういうことは当然ふだんから本当はやっておかなければならなかったことでありますし、これを機会にこういうことに一歩前進されたことは私は非常によかったのじゃないか。あとはこれを実際に、口だけじゃなく、いかに実行するかということが実は問題になるわけです。いま申されましたことも、従来のいろいろな事務の進捗についてあるいは工事費の消化についても障害になっておったわけですが、そのほかにいろいろ具体的な面で障害が実はあるだろうと思うのです。そういう問題についても鋭意除去していかなければならないわけですが、当面予想されるのは、いま申された以外にどういうことがございますか。
○粟屋政府委員 ただいま申し上げましたことが当面執行上の問題となる事項で、それに対する対策を立てたとわれわれは考えております。今後一番注意すべきは、やはり資材の高騰であろうと存じております。一応現在、建設資材につきましては生産能力は十分あると考えておりますし、異常な高騰はないと思いますけれども、この価格動向については十分な注意を払いまして、特にそれが、地域的な需給が乱れまして特定の地域に極端な供給の不足が生ずるという場合に値上がりをするおそれもございますので、その際は、先ほど申しました地方の連絡協議会を通じまして直ちに本省に上げ、本省、建設省、通産省等でこれが解決に当たってまいりたい、かように考えております。
○谷口委員 いまいろいろ申されたことも一つの阻害の要件になるわけですが、それ以上にもいろいろ予想される面があるわけです。たとえば、いま全然おっしゃいませんでしたけれども、オーバーワークの問題だとか、あるいは技術者の不足だとか、いろいろあるわけでございますけれども、これを一つ一つ片づけていかなければならないわけです。したがいまして、オーバーワークの点をお尋ねするわけです。
 公共工事の大半を占める、約七割くらいが地方公共団体が施行することになっているわけです。したがいましてその施行主体である地方自治体では、現在五十二年度の予算を消化することでもう精いっぱいの現況であろうと思うわけです。しかも第一次補正、第二次補正、こういうものが実は追加されたわけでありまして、職員の過剰労働で組合から苦情が出ている、こういう問題も国内には幾らかあると思います。そういう問題を踏まえまして、これからどのようにこういう問題、たとえばオーバーワークの問題について解決していくか。
 と申しますのは、これは職員組合だけじゃなくて、工事を受ける土木関係の団体からも一部もう少し工事を延ばしてもらいたいという意見もあると聞いておるわけです。また建設省の五十二年度の当初予算と第一次補正予算、これを含めまして公共事業の契約率が一体幾らか、こういうことになりますと、われわれが知っている資料としては八二・五%ということが途中であったわけです。これに第二次補正予算を積み上げますと、さらにその契約率というのが低下をしてくる心配があるわけです。こういうふうな面から分析してきますと、今回の対前年比三四・五%という相当大きな増加をされたこの予算の完全消化は非常に困難度を加えてくると私は思うのですが、建設省としてはこのオーバーワークの問題についてはどのように努力をされるつもりですか。
○粟屋政府委員 先生御心配の地方の事業をまず申し上げてみたいと存じますが、これは地方公務員給与実態調査によって、都道府県及び市町村の土木建築関係部局に属する職員数につきまして毎年の比較を一応やってみたわけでございます。土木部職員数の一人当たりの実質工事量でございますけれども、これをずっと過去から見てまいりますと、一番ピークであると思われました四十八年に比しまして、五十三年度の当初予算で大体二割増しになっておるわけでございます。昨年の当初と比較しますとかなりの伸びでございますが、建設省の事業費だけ補正を含めました五十二年度と比較いたしますと、一二%くらいの増でございます。しかし、いずれにいたしましても土木部の職員の一人当たりの事業費が相当多くなっているであろうということは御指摘のとおりであろうと思います。
 そこで、先ほども本部の決定として申し上げましたように、事務の簡素化を進めておりますし、さらに発注に当たりましての標準設計の活用でございますとか、あるいはコンサルタントヘの発注事務の委託、さらには業者による自主施工の推進ということによりまして相当部分がカバーされるのではないかと思っておりまして、この点につきましては、さらに土木部長等の要望も聞きながら、その合理化を図ってまいりたいと考えております。
○谷口委員 たとえば十二月三十一日現在の契約済み額というものをいただいておるわけですが、これで見ますと、五十二年度当初予算と第一次補正の予算総額に対してうまくいっているのは、海岸等は九二・三%あるいは営繕は九二・〇%あるいは公団下水道は九二・二%、こういうふうに非常に高い契約率もあるわけですけれども、一面非常に低いのは本四公団の五七・一%あるいは住宅公団が七〇・九%あるいは住宅関係の予算としては七五・五%と非常に低い。ばらつきがあるわけですね。こういう問題についてもこれは十分に完全消化できる自信がおありですか、一言で結構です。
○粟屋政府委員 一月中旬に関係の公庫、公団長会議を開催いたしまして、公団長から事業の消化見込みを聴取したわけでございますが、それによりますと完全消化はほとんど可能であるという報告を得ております。
○谷口委員 その問題はひとつ十分にがんばっていただきたいと思います。
 二番に伺いたかったのは事務の簡素化ですが、これは先ほどあらかたお答えになったので、これはよろしいといたします。
 三番目に、問題は建設資材です。建設資材の需給をどうするかということは相当大きな問題ですね。先ほどの答弁では心配ないというふうに話されておりましたけれども、いま資料を調べてみますと、一例を挙げますと骨材ですが、骨材を見てみますと、天然の砂利あるいは岩石の砕石、砂、人工石、こういういろいろなものが使われておるわけですが、御承知のように四十八年がピークです。そのときに約八億トンという量が出てきているわけですね。四十九年からずっと下がってきているわけです。したがいまして、五十一年には約六億六千万トンくらいの数量に下がってきておるわけですが、要するに河川の砂利とか山砂利、陸砂利、海砂利、こういうことで約三億四千四百万トン、それから採石などで約三億トン程度という数字が出ているわけですが、資料によりますと、とにかくこの採石の能力というものは、大体能力の五、六〇%である、まだ余力があるというふうに報告されております。しかしほかのものについては、果たしてそれがうまくいけるのかどうか。たとえば先ほど答弁の中にございましたけれども、予算の施行に当たって地域的にあるいは時期的にいままで非常に高低があるわけですね。そういう問題についてもこれからひとつ大きな注意を払っていかなきゃならないわけです。
 それともう一つ、輸送能力でございますが、品物はあるけれども輸送がそれに伴うものであるかどうか。たとえば単価にいたしましても、ピークのときから比べますといまずいぶん下がっているわけですね。したがいまして、先ほどコストの高騰はあり得ないということでございますが、私は、コストの高騰があり得ないということは、言葉が余り楽観的なのではないか。これがないと業者は恐らく資材を調えることはできないのじゃないか。そういうことから見ますと、今後の問題としては、需要がコンスタントになければならない、また五十三年度だけじゃなくて、五十四年、五十五年という将来の見通しということがこの問題についても大きなウエートを占めると思うのですが、もう一度この辺のところもう少し丁寧に答弁をしていただきたい。
○粟屋政府委員 先ほど私は価格の高騰が絶対あり得ないとは申し上げておりませんので、生産能力等から見ましてそう大幅な値上がりはないだろうということを申し上げました。これが異常な値上がりをします場合には、あらゆる方策を通じて関係省庁と連絡をしながらこれが抑制に努めるということを申し上げたわけでございます。
 なお、先ほど来先生の御指摘の資材の需給問題等につきましては、さらに計画局長から御答弁申し上げます。
○大富政府委員 五十三年度こういう建設資材を一体どのくらい見込んでいるのかというのをまず最初に申し上げますと、セメントが大体千七百八十万トンで前年度五・九%アップくらい、それから鋼材が五百八十七万トンで前年度対比で一五%くらい、それから木材は二百三十一万立方メートルで前年度九%アップ、こういう状況でございまして、御承知のようにマクロで見ましても、セメントにいたしましても鋼材にいたしましてもまだ生産能力は大変あるのでございますが、いろいろ民需も不振ということで稼働率も非常に低い。ですから、十分こういうのは賄える。それから木材にいたしましても、円高の関係で現在非常に価格も下がっておりますし、まだ需要量には十分こたえられる状況でございます。セメントとそれから御指摘になりました骨材関係、したがって生コン、そういうものも、マクロを見ましても設備過剰の分野でありますから、まだまだ十分に供給能力があるわけでございますが、ただ一時的に地域的にいろいろなネックがありますと、安定的供給、価格もまた安定というところが脅かされる心配があるわけでございます。
 いまお述べになりましたけれども、アスファルトのごときは、昨年の秋北海道でショートをしたような事情がございまして、これもやはり流通にネックがあって、これも通産省と御相談いたしまして、緊急輸送をやってもらってその場をしのいだというようなことでございます。
 資材の量にいたしましても、価格関係にいたしましても、マクロにはちっとも心配は要らないわけでございますけれども、やはりそういった時と所によりましてはショートする問題がある。そこで、官房長がお話しになりましたように、地方のブロックの連絡協議会で十分こういうのを、監視体制をとりながら、各省とも相談しながら、公共事業の安定的な執行に心がけたいと思っております。
○谷口委員 労働力の問題について伺いますけれども、労働力の問題は非常に大きな問題だと思うのです。この問題についていわゆる技術労働者の雇用とかあるいは普通労務者の雇用あるいは建設機械の購入といろいろ問題を抱えてくるであろうと思いますが、このいわゆる労働力不足については一体どのように手を打たれるおつもりなのか。雇用問題としては非常に大きな問題があると思うのです。たとえば技術者を雇うにしても、ことし一年きりならばとても雇えない、あるいは新規の機械だって、ことし一年でもうだめになるんだったら、とても新規購入できない。したがいまして、何年か先かの見通しというのが、これは非常に必要になってくるわけですけれども、この労働者あるいは労働力の不足、こういう問題についてどのような見解を持っておられるかお伺いしたい。
○大富政府委員 これだけの公共事業量を果たして建設業界が十分に受け入れるだけの体制が整っているかという問題が前提にあるわけでございますが、建設投資で一番過去でピークであったのは四十八年でございます。今回の事業量は四十八年の投資額に比肩し得る、それを若干オーバーする程度の投資額、実質投資量になろうかと思います。四十八年当時の業者の数あるいは施工能力その他を考えましても、決して心配は要らないということになろうと思います。
 ただ、労働力でございますが、雇用労働力は、先ほどもお答えいたしましたが、五十三年度建設省所管だけで延べにいたしまして約五万人ぐらいのアップを見込んでおりまして、この雇用量については私は心配ないと思いますけれども、肝心の問題は技能労働者の不足でございます。
 技能労働者の不足はもう四十年代からずっと言われている問題でございますが、これは基本にはやはり建設業四十三万と言われておるわけでございますけれども、九九・四%までが中小建設業者ということで、経営基盤が非常に劣弱であるということで、労働福祉も十分な――先ほども御指摘いただいた問題でございます。したがって技能労働者がだんだん高齢化して、四十九年、石油ショック以降非常に技能労働者の絶対数も枯渇しているという現状でございますけれども、いまのように非常に建設業界は安定を欠いておる、労働福祉も貧弱であるというようなことで、若年労働力の流入が非常にないということで、技能労働者の枯渇に非常に苦しんでおるわけでございます。
 ただ、現在のところ言われておりますところの鉄筋工とか型枠工、これは確かにいまずいぶん不足はしておりますけれども、この不足のために工事が遅延をしたとか執行できないというような事態には現在至っていないわけでございます。
 ただ、今後こういう技能労働者をどう確保するかということが今後の課題として重要になってくるわけでございますが、これにつきましては、建設業界におきましてもひとつ十分自己努力をいたすように、去る十日に建設大臣が建設業界団体七団体の長を呼びまして特にこういう要望をいたしたわけでございますが、やはり職業安定所と連携を保ちまして、建設業者みずからがやはり自己努力をするということが先決だと思います。
 その次に、労働省でもいろいろ御配慮いただいておるわけでございますけれども、建設雇用改善助成金によりまして技能の実習をやるとか、あるいは公共職業訓練施設におきまして不足職種を短期に訓練するとか、そういう施策をいま労働省でもおとりになっていただいておりますが、こういう関係省庁とも十分連絡をしながら対応策を練っていきたいと思っております。
○谷口委員 私はこの労働力、技術労働者、労務者、特にこの技術者の不足については相当憂慮をしなければならないんじゃないかと思うわけです。
 いまいろいろな答弁がありましたけれども、五十一年六月現在の建設業界におけるいろいろな不足の一覧表がここにございますけれども、たとえば建築大工さんが十九万七千三百人おって、不足人数が三万四千百人、一七・三%は不足だ、このように言われておるわけです。電工も一〇・六%不足している、配管工、鉛工の方は一四・九%不足、建設機械の運転工の方は一〇・一%不足、自動車の運転者が六・〇%、鉄筋工が三六・〇、これは非常に大きいわけですが、左官さんが一二・二%不足、こういう数字の上からだけながめますと、非常に憂慮すべき問題があるわけですね。しかもこういう業態が、不景気になりますと若手の労働力が非常に急激に減ってきております。老齢化ということも非常に憂慮しなければならない。先ほどの答弁を聞いていると、業界の努力をしっかりやれと、これに非常にウエートをかけられているようでございますが、業界の努力は当然おやりになるでしょう。だけれども、業界の努力が足りなかったから実際は完全消化できませんでした、あるいは景気浮揚に役立ちませんでしたじゃ、これは福田内閣は命取りですね。あらゆるものすべてを今度の公共事業にかけているようでございますけれども、われわれの言い分をなかなか取り上げてくれない。公共事業にすべてをかけるという現在の予算の組み方からいきますと、政府としてはもっと深刻に考えなければならない要素だと私は思うわけです。
 時間の関係でもう一つ追加いたしますと、下水道事業ですが、これも対前年比四三%の増ですね。しかも国費だけで見ますと五三%の大幅伸び、これは有資格者が現在でも不足しておるわけです。こういう問題も含めてどうするのか、もう一度、万全であると、そういう答えを簡単で結構ですから、後で悔やまないようにしっかりやってください。
○大富政府委員 技能労働者不足対策、御指摘のとおり将来にわたって大変ゆゆしい問題でございます。しかし、これは基本的には建設業者、ことに中小業者を中心として成り立っている建設業界にとっては、この体質改善が先決でございます。長期的には共同事業、協同組合等を通じてその体質を改善するというような努力もいたしておりますけれども、当面短期の施策もあるわけでございますので、先ほど申し上げましたように、単に建設業者の自主努力に待つだけじゃなくて、やはり政府といたしましても労働省その他と手を握って十全な努力をいたしたいと思っております。
○小林(幸)政府委員 下水道事業の執行と技術者数等との関係でございますが、現在下水道関係の建設技術者数は、地方公共団体におきまして五十二年度約一万二百名、五十三年度は一万一千四百名になるという推定をいたしております。一人当たりの消化量でございますが、五十二年度が一億一千四百万、五十三年度も同じく一億一千四百万、大体そういう推定をしております。なお、これは名目の消化量でございますが、これを実質に換算いたしますと、数字はちょっといまここに手持ちがございませんが、四十七年、八年がピークでございまして、来年度は七、八年当時のピークよりも実質消化額ではやや下回るということでございまして、下回ると申しますのは、負担が軽くなるという意味でございますが、その点からしましてもまず大丈夫というふうに思っております。
 また地方公共団体のほかに、日本下水道事業団が技術力不足の自治体から工事を受託する、あるいは設計を受託する、あるいは技術援助を行うというふうなことで、これまた相当の戦力でございますが、事業団におきましては技術者数約三百六十名ほどおります。事業団の一人当たりの消化量は二億二千五百万、これは五十二年度の数字でございます。そういうふうな数字も出ておりますので、今後なお技術者の研修、養成等を進めますとともに、事業団の活用を図るということ等を含めまして、ピーク一人当たり二億円までは、名目でございますが消化可能であるというふうな見方もできると思っておりますので、来年度につきましては現在の体制で十分消化できるものというふうに考えておる次第でございます。
○谷口委員 すべてが大丈夫であるというふうに答弁をいただきましたが、そう実効が出るように強く希望いたしておきます。
 次はマンションの問題について触れたいと思います。
 マンションの問題は現在ちょっと下火でございますが、これから住宅問題に国が真剣に取り組んでいくとしますと、もっと公営をふやさなければなりませんが、その公営の不足に対して個人のいわゆるマンションがいま非常に注目を浴びてきておるわけです。したがいましてマンション問題は、日本の住宅問題の中で十分注意していかなければならない大事な問題に将来なると私たちは思っているわけですね。したがいまして、欠陥問題並びに管理に関する紛争、苦情、こういう問題について私は伺うわけでございますが、実はきょうはもう少し法律問題に触れることで詳しく掘り下げたい面があったわけですが、ちょっとそちらの方が法務省と十分打ち合わせもできないので次に持ち越しまして、きょうは一般的なことについて伺いたいと思います。
 欠陥並びに管理に関する紛争、苦情などが非常に多いと私は判断しておりますが、建設省ではこの実態をどのように把握しておられますか。
○大富政府委員 お述べになりましたとおり、マンションが最近続々と建っておるわけでございますが、それに伴いましてマンションに関する苦情が大変多くなっております。これは昭和五十一年度のデータでございますけれども、大都市圏――東京都、神奈川県、大阪府、愛知県といった大都市圏でございますが、そういう県及び建設省に対しましての苦情件数というのが千二百件ほどございます。この内容というのはマンション自体の物理的な欠陥、さらにでき上がった後のアフターサービスの問題、それから管理に関する問題、およそ苦情の中身はこのくらいに分類できようかと思います。ことに管理問題、大体マンションを売るあるいはマンションを買うということ自体われわれまだなかなかなじみのなかった問題でございますので、四十年代に入りましてからこういうマンションができ上がって、それに伴うところのトラブルが多い、ことにその中心はやはり管理問題、管理体制の不備というものが一番大きいトラブルのもと、紛争の根本になっているというぐあいに理解いたしております。
○谷口委員 私のところに持ち込まれている訴えによりますと、こういう例があるわけです。たとえばその敷地の一部について分譲業者が特定の人に駐車場の占有使用権というものを設定して与えておる、そして使用料などをその業者が徴収しているような話を聞いておりますけれども、こういう問題について建設省はどんな見解を持っておられますか。
○大富政府委員 当初、マンションの分譲に当たりましては、お述べになりましたような問題が非常に多かったわけであります。マンションを分譲するに当たりまして、区分所有者の持ち分のほかに、マンション敷地の一部につきまして、購入者、いわゆる区分所有者に十分周知徹底をさせないで所有権を留保しておく、あるいは売買契約書等によりまして、分譲業者あるいはその管理会社が占有使用権を一部に持ちまして、それを駐車場にするとかいうような問題が非常に多うございまして、後から分譲業者といわゆる区分所有者の方でトラブルが頻発するという問題が多いわけでございます。やはりこういうのは分譲のときに区分所有者にそれを十分に周知徹底させていないところに基本の問題がございますし、またいまのような扱い方、分譲の仕方というものは、やはり誤解を招くし、なかなか解決の厄介なトラブルの基礎になる問題が多うございますので、建設省といたしましては四十九年ごろから、このようなやり方は一切困る、そういうことは一切行わないようにということを強く現在行政指導をいたしておるわけでございます。最近はそういうような問題も、私は絶無とは言いませんけれども、非常に少なくなったと思っております。
○谷口委員 四十九年から強く行政指導をしているということでございますが、その効果が出ている面は確かにあるのですけれども、いまだにその周知徹底がなかなか困難な実情にあるということをひとつ建設省はよく知らないといけないと私は思いますね。あなた方の話を聞いておりますと、作文は非常によいのですけれども、実際に今度は絵にかいたもちで終わる危険性が非常にあると思うのですね。それを私は非常に強く感ずるわけです。ひとつ十分に御注意願いたいと思います。
 また、こういう例があります。管理会社の中では、区分所有者に対して、請求あるにかかわらず何年間――たとえば十年というのかあるのですけれども、何年間も決算報告を行わない、そして収支明細書の提示を求めてもこれに応じない。そして赤字だ、赤字だということで何回か管理料の値上げを求めて実施している。それを出さないと、いわゆる明示しないと自分たちはそれに応じないという方に対しては、ありとあらゆるいやがらせ、妨害、こういうことが行われている面が一部にあるわけですね。こういう問題について、建設省としては行政指導をもっともっと――先ほど四十九年から指導を強くしていると言っておられますけれども、もっと強く行政指導をやらねばならぬと痛感するわけですが、その所感をひとつ伺っておきたい。
○大富政府委員 建物の区分所有等に関する法律という三十七年の法律がございますが、この法律では、区分所有者の集会において選任された管理者、こういう管理者は法律上区分所有者にそういった報告をする義務を負うというぐあいに規定されておるわけでございます。しかし、この法律に基づく管理者の選任行為自身が余り行われていない。しかしそれにいたしましても、法律に基づく基づかぬにかかわらず、お述べになりましたようなことははなはだ理解しがたい問題でございまして、管理の公正と当事者間の信頼関係の形成ということがやはり管理会社の本来の役目でございますから、そういうことは今後絶滅するようにひとつ十分業界団体を指導したいと思います。
○谷口委員 あなたの話を聞いておると非常に喜ばしいことなんですけれども、現実はそういかないことを認識していただきたい。
 たとえば、区分所有法ができましたのは三十何年ですね。区分所有法をつくったときはもともと日本にはそういうものがなかったんだし、法律自体ももっと掘り下げねばいかぬ面があるのです。実はきょうやるつもりだったけれども、次回に譲りますが、こういう区分法自体を理解できないというのは、あなた方から言わせれば理解できない方が勉強不足なんだ、だからもっと自分で自衛をしろ、こういうことになると思うんです。ところが現実はそういうことを知らないのですよ。知らないでみすみす損をしている。知っている方が不当にいろいろな問題で、消費者に迷惑を与えているというのですか、こういうふうな面が多分にあるわけだ。私はそれを実例を引いて、この次やりますからね。だから実際には、この区分法についても非常に考えなければならない問題がある時期に来ていると私は思うわけです。先ほどから質問したことでまだ具体的な答弁がなかなか出ないのですけれども、きょうは一般的なことですからやむを得ませんが、この次は事例を挙げますからそうはいきませんよ。
 ある管理会社がそれ自身がいわゆる建設業者になっているわけですね。そして今度は他の業者に修繕の仕事を発注するのですよ。外注するのですよ。そうしたらその経費として、当該業者に支払う金額以外に一〇%毎回毎回自分たちの当然の管理費である、こういうふうに支出をしてそれを請求してくるわけですが、こういう問題については私は不当じゃないかと思うのですが、どうでしょう。
○大富政府委員 区分所有者と管理会社の間でどういう委託契約が行われているか、内容にもよるわけでございます。そこで、どうせいろいろな修繕、維持、管理行為があるわけでございますから、そういうような維持、管理行為についてはそういった委託料の中に包括されておるという事態であれば、いまお述べになりましたように、改めて修繕する場合に建設会社に発注をする、それの一〇%をその管理会社が収得するということは、私はむしろ背任行為というふうに思います。
 ただ、そういう委託料の中に当然そういった管理報酬契約というものが含まれていないということになりますと、また別個の結論になろうかと思いますけれども、やはり問題は、区分所有者がその管理者に委託をする際に、どういう条件をもって委託しているかということによろうかと思います。
○谷口委員 確かに言われるとおりでございます。だけれども、現実は、公団なんかでおやりになる場合は、その点は確かにあなたがおっしゃるとおりなされて指導も非常によく行き届いている面が多いのです。したがいまして、たとえば入居するのも一緒に入ってくる。したがいましてお互いが組合をつくって管理者を選任して、そして実際に管理に入るわけですけれども、個人のマンションの場合は、あなたがおっしゃるようには簡単にいかないという実情を十分御承知でございましょうが、入っていくとき、こういう条件でなければあなたに売りませんよという契約なんですね。文句あったら買わぬでください。その中にそういうことが入ってきているわけですよ。ところが入居者は、消費者はいわば無知ですから、あなた方に比べたら本当に無知ですから、そういう面から、ああそうですか、ぽんぽんぽん、それが今日まで続くというケースが相当あるわけですね。これはひとつ現実をよく見ていただきたい。そういう面から管理会社のいわゆる内容あるいはその管理会社から派遣されている管理人というものですか、そういうものについてのいわゆる内容、資質、これは非常に大きな紛争の原因になっているわけですね。したがいまして、これからは管理会社あるいは管理人というものについて、何らかの資格というか、何らかの標準というか、そういうものの必要性があると私は思うのですけれども、建設省の御意見いかがですか。
○大富政府委員 マンション問題を考える会というのが五十二年九月、問題をいろいろ私どもお聞きしたのですが、そこがアンケートをとったときの問題点でございますが、やはり管理会社の業務がずさんだとか、あるいは会計がずさんで管理費が高いとかいった管理問題に対する不満が非常に多い。そこでお述べになりましたように、こういうマンションを管理する会社の内容あるいは管理人の資質というのが非常に重要になってくるわけでございますが、お述べになりましたように円満、十全な管理人ということを要求いたしましたら、単に法律知識だけじゃなくて、経理の知識からあるいは建築の知識まで相当持っておかないと勤まらない問題でございますが、果たしてそういうような管理人を要求できるかという問題でございますから、本来は問題が起きましたらそれぞれの専門の人を呼んで、その人たちの意見を聞きながら処理するという体制が私は一番具体、妥当だろうと思うのです。
 ただ、通常の一般的な、経常的な管理業務、これにはだれが何といっても常識的な処理の仕方というものがあるはずでございますが、それすら満足していない資格者は、私は管理人としては不適格だろうと思います。
 現在、マンションをめぐるトラブルはこの管理問題に集中しているわけでございますが、管理会社あるいは管理会社が雇う管理人がどういう人でなければならないか、どういう訓練をすべきかということについては、私ども今後とも業界団体に対して十分指導したいと思います。
○谷口委員 私がいままで述べてきたのは、ほんの一部分の問題です。反面に非常にうまくいっているところもあることは私も認めております。これらの問題について結論的に、一般的に言いますと、マンションの管理は、原則として管理組合というものを結成して、区分所有者の総意に基づいた、いわゆる自主的に管理する体制が本当は一番望ましいわけでございますが、現実には非常にむずかしい。したがいまして、分譲者も消費者もこういう体制を十分によく知らないと、あるいはまた徹底されていないとここにいろいろな問題が出てくるわけです。
 基本的な問題として、私はこれは大臣にお聞きしたいのですけれども、今度の五十三年度の予算の中に、たとえば中高層の共同住宅管理等調査費ですか、何百万円か新規に予算を組まれて、こういう問題に取り組もうという姿勢を示されておるようでございます。こういう際でございますから非常に検討してもらいたいのですけれども、その中の一つに、管理組合の設置を法律で定めた方がいいのじゃないか。たとえば公団住宅ではやっておられると聞きますけれども、最初、公団住宅でここの管理会社、ここに管理を委託しますよという条件が出てきて、それで皆印鑑をぽんぽん押す、一定の期間が過ぎたら改めて総意によってどういたしましょうか、こういう体制をとっておられるように私は聞くわけでありますが、こういうことが一般のマンションでも行われるような法律的な検討が私は必要と思います。
 もう一つは管理規約。管理業者への管理委託契約等について、望ましい標準的なものを設ける必要が実はあると思うのですけれども、建設省において一日も早くこういうものをつくって行政指導を正確に、そして強くやられるように私は要望したいのです。
 以上、二点について大臣の答弁を聞いておきたいと思います。
○櫻内国務大臣 これだけマンションの建設が多くなりました現状からいたしまして、きょう御指摘のような問題点が非常に多い、これらのことを総合的に検討して法律を改正する、あるいは新規の法律を必要とする、これは十分検討に値することである、こう思います。
 それから、管理規約などについての標準的なものをつくって指導したらどうか、これはごもっとものことでございます。標準的なものをどういうものにするかという問題がございまするが、御質問の御趣旨はわれわれとしても同感でありまするので、鋭意そういうモデル約款書というようなものをつくって周知徹底せしめたいと思います。
○谷口委員 最後の締めくくりになりますけれども、いまあります区分所有法については、確かにいろいろな問題があって現状では不十分なところが出ているのじゃないかと私は思うのです。そういう問題は、この次に具体的な例を挙げて詰めていきたいと思いますが、幸い今度の予算の中に、先ほど申し上げた管理等調査費というものが組まれておるわけでございますから、大臣の決意として、五十三年度中にでも何らかの目安をぴちっと立ててもらいたいと私は思うわけですが、その辺の答弁をいただいて私の質問を終わりたいと思います。
○櫻内国務大臣 五十三年度中にと、こういうことでございます。せいぜいそのように努力をしてまいりたいと思いますが、なかなか問題点も多いことでございまするから、場合によればある程度のずれ込みが出ることも御了承いただきたいと思います。
○谷口委員 逃げを打っておられる面も少しあるわけですが、そういうことがないように、前向きで積極的に、いま悩んでおる方々のためにも、またこれからの人のためにも強力に取り組んでいただきたいと要望して私の質問を終わります。
○伏木委員長 西村章三君。
○西村(章)委員 最初に、住宅政策からお伺いをいたします。
 五十三年度においては、景気の振興策として公共投資の大幅な拡大が図られまして、その目玉として住宅政策が華々しく取り上げられておるわけであります。住宅建設事業はアセンブリー産業とも言われるものでありまして、関連産業に及ぼす波及効果の大きいことは周知の事実であります。しかし、住宅政策は本来社会福祉政策との関連において取り上げられるべき性格を持つものでありまして、景気刺激策の一環として取り上げられるということは本末転倒ではないか、かように思うのであります。
 そこで、建設大臣にお伺いをいたします。住宅と社会福祉との関連、及び当面の目標でありますわが国の住宅の質の向上について、基本的な見解をまず承っておきたいと思います。
○櫻内国務大臣 住宅政策が本来福祉政策である、これはもうそのとおりだと思うのですね。ただ、今回景気に対する波及効果も多いということから、住宅政策に非常に重点を置いた。これはそれなりの意味を持っておると思うのであります。
 したがって、私どもとしては、多くの人々の福祉向上の上にどう寄与していくか、こういうことになりますれば、標準的な住宅はどういうものがいいのか、また、現状からしてどこまで基準を引き上げていくべきであるか、そういうようなことは鋭意研究をいたしましてお示しをしておるところだと思います。低所得者でも、四人世帯で三DKまでは持っていきたいということを申しておるのもその一例でございまするが、ただいまの御質問の御趣旨は、私どももそのとおりに考えておる次第でございます。
○西村(章)委員 私はいまもう一つ御質問申し上げておるのです。量的な面は一応評価されておるけれども、わが国の当面する質の向上については、基本的にどういう見解を持っておられるかということをお尋ねしたわけです。答弁が漏れておりますので……。
○櫻内国務大臣 ちょっと私があるいは取り違えておるかもしれませんが、低所得者層に対して三DKまではと、こう申し上げておるのは、その質の一つの方針だと思うのです。いま非常に坪数の小さい家に住まっておるものをまあ三DKまでは持っていこうということでありまするが、ちょっとお尋ねの質というのが、いま住宅公団が建てているものを、あるいは坪数が小さいから広げろと、こういうのであれば、それはことし改善をして広げてもおるわけでございまするから、どうでしょうか、私のお答えしておることがそう間違っておるとは思いませんけれども……。
○西村(章)委員 そこで、実質七%成長を達成するための五十三年度政府経済見通し、この中で政府は、五十三年度の民間住宅投資、これを十五兆円、対前年度比一三・六%の伸びを見込んでおりますが、その達成はなかなか容易ではなく、あらゆる住宅施策というものを総合的かつ効果的に運用しなければならないことは、これはもちろんであります。中でも住宅宅地の円滑な供給の確保、住宅建設資金の調達、この二点に対する十分な対策がなければ、目標の達成はきわめて困難だ。
 そこで、建設大臣は所信表明において、良好な住宅宅地の円滑な供給を図るために国庫補助制度の拡充等により関連公共公益施設の整備を促進してまいりたい、かように述べておられます。これまでも当委員会でたびたび問題になって取り上げられておりますように、住宅団地の建設における最大の問題、いわば関連公共公益施設の整備における事業主体と地方公共団体等の負担割合、これでありますが、来年度予算の中では、この点について、いわゆる関連公共公益施設についてどのように具体的に改善をされたのか、この辺についてお聞かせをいただきたい。
○大富政府委員 関連公共公益施設だけに限定いたしますと三点ございまして、一つは従来の関公施策に加えまして、住宅宅地促進のための別枠の住宅宅地関連公共施設整備促進費といたしまして国費三百億円を計上したことが第一点。第二点は、従来からあったわけでございますが、宅地開発公団の関連施設整備事業助成基金を十億円増額いたしました。累積九十五億円になったことが第二点。第三番目は、宅地開発等の関連公共施設等の整備事業債に対する利子補給率の引き上げ及び十年間分の利子補給相当額の初年度一括交付、従来もやっておりましたけれども、五十三年度はなるべくこれが使われるような新しい施策として設けました。これが三点でございます。
 それから、初めに申されました関連公共公益施設の負担区分の話でございますけれども、住宅団地あるいは宅地開発に関連するところの公共公益施設の整備というのは、市街化区域に限定いたしますと、原則として私はそれぞれの公共公益施設の管理者が負担すべきものだと思うわけでございますけれども、ただ公共公益施設と言いましても千差万別でございまして、たとえば当該施設の機能の大小、あるいは開発の立地条件、当該地方公共団体における社会資本整備の状況、いろいろな状況がございまして、なかなか負担区分は幾らだというようなことは一概には申し上げられない、個別に判断するよりしようがないと思っております。
○西村(章)委員 その中で、来年度新しく設けられました住宅宅地関連公共施設整備促進事業費、別枠の三百億円、これは従来の関連公共施設に支出をされておりますいわゆる関公の補助金とはどう違うのでありますか。またこの三百億円、これをどのように活用すれば一番効果的だと考えられるのか、この事業費新設のねらいといいますか、これについてお聞かせをいただきたいと思います。
○大富政府委員 住宅宅地関連公共施設整備促進費というのは、道路整備事業といった通常の公共事業費の枠内ではなかなか整備、対応し切れないという場合に、住宅宅地の供給を促進するという見地から、通常の公共事業に加えて別枠で補助するものでございますから、性格は通常の補助金と全く同様でございます。したがいまして、補助率なりあるいは補助採択の基準というのは通常の公共事業と全く同性質のものでございますから、補助申請者というのは住宅あるいは宅地開発者じゃございませんで、こういった地方公共団体等の施設管理者がその補助申請者になるわけでございます。
 それと、もう一つは、関連公共公益施設というわけでございますけれども、今回の別枠補助金というのは公共施設だけに限定しておりまして、河川、道路、公園及び下水道で、一番重要ではございますけれども義務教育施設が今回は措置できなかったということでございます。
○西村(章)委員 ねらいはそれなりに非常にけっこうでございますが、そうしますとややこれは性急かもわかりませんが、この三百億円、これを使用することによりまして、効果として、たとえばこの制度によってどの程度宅地の供給が促進をされるのか、あるいはまた造成原価に占める関公の負担割合、住宅の家賃といいますか販売価格の軽減、こういったものがなされると思われますが、試算がありましたらお示しをいただきたいと思います。
○大富政府委員 こういう別枠の補助金ができたことによって一番効果があると思われますのは、先ほども述べましたように、本来公共公益施設というのは管理者が持つべきが原則だということでございますけれども、地方財政等の問題もあってやむを得ず開発者が持っておったというのが実情でございます。したがって、開発許可等の手続で都市計画法上一番時間がかかりますのは、こういった開発者と公共施設管理者の、その間の折衝、だれがどの程度持つかという問題が非常に多い。こういうような状況になりますと、一体関公を持つことによって販売価格がどのくらいで仕上がるか、そうすると少し開発を見送るかというような話が昨今のような情勢になりますと非常に多い。これが一つは宅地供給がダウンしたという大きい原因でございますが、こういう別枠の補助金ができることによって、その障害が非常に除かれるということで開発者の事業意欲を促進するであろう、これは私は一番大きい問題だろうと思います。
 それと、お尋ねの、一体これを、こういった補助金を執行することによってどの程度の効果があるかということは、当該開発のプロジェクトの負担割合にもよるわけでございますけれども、私どもは、概数といたしまして五%ないし一五%の効果があろうと思っております。
○西村(章)委員 そういう意味では、この適用といいますものは各省各局にまたがるものでありまして、今後これを実際に運用する段階で、具体的なその使途についてはどこが法定権と責任を持たれるのか、この辺を明らかにしておいていただきたい。
○大富政府委員 この三百億は住宅対策費というところに計上されているわけでございますが、これの使途につきましては、建設省に設けられておりますところの関連公共公益施設整備促進会議で、各局集まって相談した上に個所づけが決まりますと、それぞれ河川局、道路局、都市局というところで配分して、原局において執行することになります。
○西村(章)委員 景気刺激のための住宅建設、こういう意味で今年度はこの新制度が設けられたわけでありますが、これは今年度のみの特別措置ということになるのか、あるいは五十四年度以降も引き続いて継続させていく、これが望ましいわけでありますが、この点についてはいかがでございますか。
○櫻内国務大臣 この点については先般一度お答えをしております。それは新しい制度でありますので、私は、この五十三年度にどのように効果が上がるか、その効果の状況を見て考えたいと申し上げておりまするが、もちろんその効果がないという前提は持っておらないのです。これが活用されて、民間と国とが総合してやる、これは景気浮揚の上にも非常にいいというような気持ちを持っておりますので、明年度におきましても引き続き予算要求をしたい。ただ一応ことしの効果はどうかなということを心配しておるということでございます。
○西村(章)委員 次に、住宅宅地供給に関連をいたしまして、地価問題について若干お伺いいたします。
 櫻内長官は所信表明におきまして、今後、公共事業の大幅拡大等も見込まれる中で、国土利用計画法の的確な運用を図る等により、土地の投機的取引の抑制と地価の安定の確保を図っていく、こう言われております。また本年一月には、用地取得価格について、国土利用計画法の適正な運用についての留意事項についてそれぞれ次官通達が出されておるところでもあります。しかし、考えてみまするに、ここ数年の地価の鎮静化あるいは横ばい状態、これは国土利用計画法を初めとする土地規制の強化によるということよりも、むしろ石油ショック以降の不況による土地需要の激減、これがもたらした面も非常に大きいのではないかということも考えられます。したがって、土地の需給バランスというものが崩れて、今後需給が変化をした場合にまたまた地価が高騰するおそれが出てくる、こういう懸念もあるわけでございます。
 いま何よりも重要なことは、地価をこれ以上上昇させてはならないということでありまして、そうした中で来年度予算は、住宅建設を初め道路、新幹線、膨大な公共事業を実施することになっておりますが、一説によりますと、公共事業の二〇%ないし三〇%は用地費で消えると言われております。セメントその他建設資材がすでに大幅値上げの傾向を見ておりますときだけに、われわれは地価の問題について非常に心配をいたしております。地価の上昇については全く心配がないものかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○櫻内国務大臣 第一にお考え願いたいのは、公共事業の拡大で用地が急にたくさん必要かどうか、この点は、直轄事業にしても補助事業にしてもあるいは公団公社の事業にしても相当量の用地の確保がございますので、そういう用地の確保をされておるものを優先する。そして用地のストックを吐き出してしまう来年はどうなるかという問題もございますから、国土利用計画法の的確な運用によって――この法律のねらいか地価の安定にあることは申すまでもございません。順次適正な価格で買える土地を埋め合わせしていくというような手法でいきたいと思うのであります。
 それから、石油ショック以来の経済状況が反映してとおっしゃいましたが、地価の状況はずっと横ばいでまいっておりまして、この一月一日の調査が二・六%ということから、特に東京において三・三上がっているじゃないかというようなことから、非常に御心配をちょうだいしておるわけでございますが、正直申し上げて、土地はもう絶対に何年か横ばいだ、そういう考え方には立てないと思うのです。したがって、その場合に卸売物価、消費者物価などを見てある程度の許容される範囲にあるじゃないか、そういう点から考えまして、いま特に土地の高騰を来すいろんな要因は持っておらないんじゃないか、こういう見方をしているわけでございます。
○西村(章)委員 この地価問題に関連をいたしまして、実際的な問題を一つ伺いたいと思います。
 国土利用計画法の中でも地価抑制の決め手と言われるいわゆる規制区域の指定、これはこの法律が制定をされました四十九年五月以降まだかつて適用されたことはございません。もちろん歓迎すべきことでございますが、しかし、この指定が必要となるような状況というものもいずれまた出てくるだろう、こういう予想のもとにこれがつくられたわけであります。具体的にその指定が必要となるような状況というものは一体どのようなときなのか教えていただきたいと思います。
○山岡政府委員 先生お話しのように、法施行以来規制区域の指定はまだ一件もございませんし、私どもも余りない方がいいというような気持ちでおります。ただ法律に定めております指定の要件といたしましては、都市計画区域内におきましては、その全部または一部の区域で土地の投機的取引が集中して行われ、または行われるおそれがある場合、それから地価が急激に上昇し、または上昇するおそれがあると認められる場合ということでございます。
 それから、都市計画区域外の区域におきましては、いま申し上げましたような状態が生ずると認められる場合におきましては、「その事態を緊急に除去しなければ適正かつ合理的な土地利用の確保が著しく困難となると認められる区域」、法律上はこのように書いてございます。
 ただ、規制区域指定の具体的な判断につきましては、原則としては市町村単位または個別規制法に基づく地域区分単位くらいのエリアをもちまして行うべきではないかというふうに考えております。このような地域を全体として見まして、急激な市街化が進む、それから建築動向、土地取引動向等から見まして、実需を伴わない投機的な取引が非常に増加をする、土地の価格が著しく高騰する、または高騰するおそれがあるというような場合に、地域の実情を十分勘案しまして指定を行うべきだと考えております。
 この場合、地価の急激な高騰ということを申し上げておりますけれども、その判断の基準としているのは何かというのがいつも問題になります。当該地域におきます従来からの地価の趨勢だとか、それから全国の地価の趨勢等を考慮しまして実態に即して判断されるべきものだというふうに一応考えておりますけれども、私ども具体の考え方といたしまして、法第十六条第一項第一号、いわゆる規制区域の場合の予定価格の対価につきまして許可基準を決めております。その許可基準の中に、やはり地価公示法に基づく公示価格等の標準価格の変動の指標を限度といたしまして、おおむね物価の変動に応ずる修正率というようなものを頭に置いております。したがいまして、そういうような規制区域指定の場合も、このような物価の変動率等が目安となるというふうに考えておるわけでございます。
 やや詳しくなりますと、いまの法十六条に基づきます物価の変動率につきましては、現在のところ全国総合消費者物価指数と投資財指数、これとのかみ合わせによりまして大まかな試算をするということになっておるわけでございます。
○西村(章)委員 次に、住宅建設のもう一つの柱であります建設資金の確保の問題についてお伺いをいたします。
 公庫住宅は、原資であります資金運用部資金の金利、これが年六・五%、これと個人住宅融資の金利年五・五%の差一%は利子補給金として一般会計から充当されておりますが、五十三年度の補給金は一千百二十八億五百万円、五十二年度の一千七十億三千二百万円に比べまして、五十七億七千三百万円の増加となっており、年々ふえる傾向にあるわけでありますが、これに伴いまして住宅建設資金を民間ローンに依存しているいわゆる自力建設者、これとの間の利益差というものはだんだん大きくなってきておる。政府はこの民間自力建設者に対する便益というものをどう図っていかれるのか、まず承っておきたいと思います。
○救仁郷政府委員 まず住宅金融公庫の資金をお借りになった方と民間資金だけでお建てになった方、その辺のバランスをどう考えるんだという御質問でございますが、一般的には住宅金融公庫はある程度一定の質の確保できたようなもの、そういったものを対象にやっております。したがいまして、当初に先生からお話がございましたように、何でも景気刺激のため住宅さえつくればいいんだということでなくて、やはり国民の将来の資産として残すべきものに政策融資をやっていくんだというようなことを考えているわけでございます。
 それと同時に、最近の傾向といたしまして、残念ながら公庫資金だけでは住宅が建ちません。当然民間のローンと合わせて住宅をお建てになるというような傾向がございます。それと、来年度におきましては、一応住宅金融公庫の金を借りたいと御希望になった方にはほとんどすべてお貸しできる程度の枠、これは個人住宅につきまして四十万戸を確保しておるわけでございますから、そういった意味を持ちまして、必ずしもバランスというものが崩れておるわけではないというように考えております。
 また、なおそういった民間住宅ローンに対しまして利子補給等をしたらどうかというような検討もしてみましたが、事実上利子補給をやるといたしますと、これは金融機関を通じてやるのか、あるいは個人の方に利子補給相当額のお金を差し上げるのかは別にしまして、事務的に非常に大変でございます。したがいまして、むしろ膨大な事務費や人員を要しまして、結局経費倒れになっちゃうんじゃないかというようなこともございます。
 そういったことを総合的に勘案しまして、やはりだけど民間住宅ローンに対する対策というものを考えなければならぬということで、先生御承知と思いますが、いわゆる住宅取得減税を強化いたしまして、民間資金を、ローンをお借りになった方にはそれに上乗せして最高六万円までの減税をして差し上げる。これが大体私どもの試算では、民間住宅ローンをお借りになった場合に一%程度金利を引き下げた効果があるというように試算しております。
○西村(章)委員 このローン減税でありますが、政府の主張されております現行三万円、さらに三万円を加算して六万円だ、この限度として減税をやっておるということでありますが、いまたとえば民間金融機関から二十年の元利均等償還で五百万円、これを融資を受けた場合に、総額でどの程度の負担軽減がこの減税によってなされるのか、お尋ねをいたします。
○救仁郷政府委員 お尋ねの五百万円の民間ローンをお借りになった場合でございますが、これは年間の償還額のうち三十万円を超える部分の五%ということでございます。それに基づきまして試算いたしますと、五百万円お借りになった方でございますと年間三万九千九百四十四円、概算四万円でございますが、四万円で三年間で十二万円というような減税額になるわけでございます。
○西村(章)委員 年間三万九千円ほど、これで果たして住宅建設が大幅に促進をされるかどうか、若干疑問が残るわけでありますが、この減税対象でない人、四十八年以前に借りた人、現にすでにローンを借りて返済をしておる人、非常に負担がだんだんきつくなってきております。政府がローン減税を主張されるならば、こうした既存の利用者に対しましても適用させるべきではないか、こう思うのでありますが、どうでありましょう。
○救仁郷政府委員 確かに先生のおっしゃいますように、既存のローンを借りた方をどうするかという問題もございます。しかし今回の減税措置というものは、いわゆる景気対策という面もございますし、またそういった従来のいろいろな減税措置そのものが、住宅を新しく建てた方あるいは新しく建てた住宅を買った方というような仕組みになっている関係上、今回につきましては一応新しいローンをお借りになった方というような形にしたわけでございます。
 なお、既存の住宅の民間ローンにつきましても、これは先般来の住宅ローン金利の引き下げに伴いまして、既存の非常に高い時代のものは民間金融機関で自主的に下げるようなことも行っておりますし、また既存の民間住宅ローンが、非常に最近のいろいろな失業問題等もございまして、払えない場合には、民間金融機関の方で個々に相談所を設けて、そして個別に対応してまいりたいというような大蔵省の指導もございまして、そういうようなこともやっておりますので、あわせて御報告しておきたいと思います。
○西村(章)委員 一応これは五十五年度末までということで、一年延長されたわけであります。その後についてはどう考えておられますか。
○救仁郷政府委員 今回の減税措置は、租税特別措置法に基づきます特別措置でございます。したがいまして、租税特別措置法の他の特例と同じように、一応五十五年末までということになっております。
 ただ、これを恒久的なものにするかどうかということでございますが、これはやはり全体の租税体系の問題、あるいはそのときの住宅事情、あるいは住宅建設状況、あるいはそういった住宅ローンの金利水準と政策金利のバランスの問題そういったものをやはり総合的に勘案していかなければならないんじゃないかというような考えでおります。
○西村(章)委員 もう一つ、このローン減税の中には、いわゆる中古住宅の取得者に対してはこれを適用されておらないということであります。しかし、現在、中古住宅の取得者というものが年々非常に増大をしてきている。しかもその取得者のほとんどの人と言ってもいいのでありますが、低所得者層だということが言えると思うのでありますが、ローン減税の対象の中にこの中古住宅の取得者もこの際含める、こういうお考えはございませんか。
○救仁郷政府委員 先生御指摘のように、いわゆる中古住宅というものが最近非常にクローズアップされてきております。それから、昨年末行いました総理府の住宅宅地に関するいろいろな世論調査の結果を見ましても、やはりそういった中古住宅でもいいとおっしゃるような方の比率というのは非常にふえてきております。そういったことから、住宅政策がいままでどちらかといいますと新しい住宅を建てる方に重点が置かれてきたことは事実でございますが、これからは、やはりそういった住宅政策のそればかりでなくて、むしろ現在ございます住宅全体のストックをどう有効に活用していくか。これはいわゆる中古住宅の流通の問題でございますが、そういったものは非常に大きな政策の一つになるだろうと私どもも考えております。
 ただ先ほど申し上げましたが、今回の住宅取得控除の拡充措置、いわゆるローン減税というものが、景気対策といった観点から行われましたことと、現在まだほかの、たとえばいろいろな減税措置が新築住宅だけに適用されていること、それからいわゆる中古住宅のこれからの健全な市場づくりをどうしていくかというようなそういった総合的な判断で、これは来年度以降私どもは総合的な検討をいたしたいというように考えております。
○西村(章)委員 それでは次に、水資源問題についてお尋ねをいたします。
 最近における水不足問題、これは年々その深刻の度合いを増しまして、産業はもちろんのことでありますが、国民生活に重大な影響を与える状況となってきております。政府においても、昨年国土庁が水の日を定めるなどして、水が限りある資源であることを国民に訴えたところでもございますし、また、水不足問題が主に過密巨大都市を中心に生じていることを考えますれば、根本的な解決には強力な施策の推進が望まれるところであります。
 そこでお尋ねをいたしますが、昭和六十年には全国で年間四十億ないし六十億トン、これだけの水が不足をする、かように予想されておりますが、現在国土庁が策定中の水資源の長期需要計画による見通し並びに昭和五十三年度予算に盛られました施策のそれに対する内容、これについてお聞かせをいただきたいと思います。
○飯塚政府委員 まず最初の昭和六十年におきます長期的な水需給計画の内容でございますが、ただいま鋭意作業中でございまして、私ども三月いっぱいくらいを目途として作業を進めておりまして、具体的な数字をもって結論を申し得ませんが、先ほど御指摘がございましたように、一昨年の二月に発表いたしました中間見通しにおきましては、全国で四十ないし六十億トンの水不足が予想されるということを発表しております。現在作業中の中でいろいろと私ども数字を横目でにらんでおりますと、水需要の伸びそのものもその後余り伸びておりません。いわば鈍化しておりますし、それから水の供給施設の事業につきましても幾分おくれがございますので、需給ギャップはさほど縮まらないように思っておりますが、四十ないし六十億トンの数字はそれを超すことはないだろうという見当はつけておりますが、依然として需給ギャップはあるのではないかと想像しております。
 それから、三大都市圏におきましては、その中でも当然に不足を予見しておりまして、全国的な中で北海道、東北、北陸等に比べますと、三大都市圏におきましてはその不足の状況がさらに厳しいということでございます。数字もございますが、長くなりますので割愛させていただきますが、その辺の需給ギャップにつきましても、現在の長期水需給計画の中で鋭意慎重に検討を進めておるところでございます。
 なお、昭和五十三年度の内容でございますが、大きく分けまして、私ども国土庁として緊急的に水不足の地域に対する供給といたしまして、水資源開発の水系といたしまして六水系を指定し、それにつきましては水資源開発公団をして事業をせしめておりますが、その水資源開発公団によりますダムの建設といたしましては、前年度に比しまして昭和五十三年度におきましては二三%増の千五百六十七億円余、財投も含めてでございますが、予算と財投関係の経費を充当いたしまして、千五百六十七億円余の事業を実施することにいたしております。その中で、新規には木曾川水系におきます味噌川ダム、利根川、荒川水系におきます埼玉合口二期等の新規の建設事業も含んでおります。その新規の建設事業のほかに継続事業を含めますと、合計二十一ダムの事業を実施することにいたしております。
 それから、これらの事業を推進いたします場合に一番隘路となっておる問題に水源地域対策の問題がございますが、これらにつきましても、新たに関係都府県に対しまして水源地域対策の計画を樹立するための計画策定費の委託をいたしまして、より強力に、そして早く整備計画等の水源地域対策にかかわります整備計画等の立案が行われますように、五十三年度には鋭意強力な助成措置を講じたいと考えております。
 それから、先ほど御指摘がございましたが、今年度から行いました水の日、水の週間、こういう行事も引き続き明年度も行いまして、水に関する認識をさらに深めまして、国民に理解を得て、需給ギャップがございます当分の間、節水の呼びかけをしたいと考えております。
○西村(章)委員 水資源の確保にはダム建設というものが決め手であります。来年度二三%増ということで努力をなすっておられるところでございますが、今日までのダム建設事業の進捗状況、それと、先ほど水需給の中期展望が若干ございましたが、特に三大都市圏における中期的展望の内容についてもう少し詳しくお聞かせいただきたいと思います。
○飯塚政府委員 お答えいたします。
 先ほども申し上げました一昨年二月の中間見通しでございますが、先ほど申し上げました全国で四十ないし六十億トン不足するということの内訳でございますが、関東地域におきましては四十ないし六十億トンに相当するものが十一億ないし十七億トン、近畿地区におきましては七億ないし九億トン、東海地区におきましては約三億トンということで、三大都市圏の合計をいたしますと十五ないし二十九億トンということになりまして、おおむね全国地域の四割程度を三大都市圏で占めておるということになっております。これは六十年を目標といたしました中間見通しでございますが、それらの地域につきましては、それぞれ水資源開発促進法に基づく基本計画というものがございます。その基本計画は利根川、荒川につきましては昭和六十年でございますが、淀川につきましては昭和五十五年度を目途にしておりまして、中間見通しと直接水資源開発促進法による五十五年度の目標年次が合っておりませんが、私どもといたしましては、各地域におきます三全総の考え方、これとの整合性を保つ作業を現在進めておりますし、目標年度が近づいておるものにつきましては、六十年あるいは昭和六十五年というものを見込みまして、やや中期的な展望に立った計画改定を引き続き検討したい、かように考えておる次第でございます。
○西村(章)委員 ダムの建設事業を推進する場合におきまして、補償問題の解決が大きな比重を占めるわけでございます。公共事業の用地取得業務につきましては、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」及び「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱の施行について」が基本となっているところでございますけれども、これらは昭和三十七年に閣議決定されたものでありまして、すでに十五年も歳月が経過しておる。その間社会経済環境あるいはその他の環境も含めて非常に変化がありまして、公共事業に対する住民の意識の変化、これも相当大きなものがあると思います。こういうことを考え合わせますと、新しい観点からこの要綱というものを見直すなり、あるいは関係住民の生活基盤の再建の確保を図るために、制度の確立を図るために一体どうすればいいのか、こう私どもは考えるのでありますけれども、この点についてどう考えておられますか。
○栂野政府委員 お答えいたします。
 ダム事業における補償、いわゆる関係住民の生活再建対策、これはやはり一番重要な事項じゃなかろうかと思います。それで、建設省としましては、いま先生がおっしゃいましたような三十七年に閣議決定されました「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」というものに基づいてやっております。その損失補償に加えまして、先ほど国土庁の方からもお話がありましたけれども、水源地域対策特別措置法あるいは水源地域対策基金等の制度の活用を大いに図っていきたいと考えておるわけでございます。そうしまして、関係行政機関及び地方公共団体と協力して関係住民の生活再建対策に対して一層の充実を期していきたいというふうに考えてございます。
 それで、先ほど先生からこの損失補償基準要綱が非常に古くなっておるじゃないか、時代に合わないじゃないかという御指摘がございました。それはおっしゃるとおりでございまして、現在、建設省としましては、この要綱の運用の妙によりまして時代に即応するように損失補償をやっておる次第でございます。と同時に、またこれをどういうふうに見直していくかという検討も進めておる次第でございます。今後ともこの水没地域の方々の生活再建対策というものは、やはり水没住民の身になって、立場になって考えていきたいというふうに考えております。
○西村(章)委員 河川局長、いま運用の妙によって何とかしのいでおるということでありますが、不都合なところがあれば私はお直しになったらいい、かように思うわけであります。
 次いで、都市河川における雨水の貯留事業、これを行うこととされておりますが、はんらん多発流域、ここにおける都市の開発につきましては、河川の治水能力に応じた開発抑制区域の指定等強力な施策を行うべきだと思うのでありますが、いかがでございますか。
○栂野政府委員 まず雨水貯留事業というものを御説明したいと思います。
 この雨水貯留事業というのは、都市におきます総合治水対策の一環としまして、いわゆる雨が降って川に入る前に一時ためようということで準用河川の上流部において考えておる次第でございます。そうしまして、その準用河川の流下能力不足のために生じます局地的な水害、あるいはさらにその下流におきます河川の洪水流量の増大を抑制するということを目的にしておる次第でございます。そして、流域内におきます公有地などを利用しまして雨水をためる施設をつくっていこうということでございます。
 それで、この事業でございますけれども、新年度から発足いたしまして、準用河川改修費の中において市町村が設置するという雨水貯留施設の建設費を補助することとしておるわけでございます。それで、御指摘の流域開発の問題点でございますけれども、今後十分検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○西村(章)委員 これは地元の問題でございますが、最後に新関西国際空港問題についてお尋ねをいたします。
 近年急激に増加いたします関西地区の航空輸送需要に対応するために、現在の大阪空港のほかに新空港の建設というものが緊急に必要と考えられまして、調査の結果、昭和四十六年に大阪南部の泉州沖と答申が出されまして、空港の規模についてもすでにそのときに明らかにされたわけでありますが、その後、本格的な環境影響調査、アセスメント調査を進めるために、現地におきまして気象海象観測施設が設置をされまして、本年の一月一日の午前零時を期して本格的な観測塔そのものが始動し始めたわけであります。
 そこでお尋ねをいたしますが、地元住民にとりまして最大の関心事は、何といいましても空港建設に伴ういわゆる居住環境の変化、これであります。環境破壊もあれば、環境の改善もある。メリットもあれば、デメリットもあるということでございまして、言いかえるならば、空港建設の可否というものは一にかかって地元の周辺地域整備計画の内容いかんにある、かように申し上げても過言ではないと思います。もちろん地域整備計画そのものは地元の大阪府あるいは関係市町村が主体的に取り組むべき問題でありますが、中央におきましても今回国土庁が中心になられて、建設省、運輸省、通産省この四省庁が共同で地域整備の実態を調査していこうではないか、整備計画の策定の資料にされよう、こういうことであります。そこで、今回この四省庁がおやりになられる調査内容、項目といいますか各省の分担といいますか、これが一つ。二つ目には調査対象地域、これはひとつ具体的に行政区ごとに名前を挙げて答えていただきたいと思うのであります。三つ目には調査の期間、大体どれぐらいをめどにされておるのか。四番目には調査の方法、どういう形で調査を進められるのか。まずこれだけお答えいただきたいと思います。
○国塚政府委員 関西国際空港周辺調査でございますが、本年度から実施いたします調査の分担関係は、国土庁におきまして地域フレームの検討、それから通産省におきまして地域産業活動の検討、運輸省及び建設省におきまして地域構造の分析及び交通流動構造の分析をいたそうとするものでございます。
 それから調査対象地域は、大阪府南部から和歌山市に至ります沿岸地域でございまして、具体的に市を挙げて申し上げますと、堺市、高石市、泉大津市、忠岡町、和泉市、岸和田市、貝塚市、熊取町、泉佐野市、泉南市、田尻町、阪南町、岬町及び和歌山市でございます。
 なお、調査をいたします方法につきましては、公益法人でございます調査機関に委嘱をいたしまして調査をする予定でございます。
 調査期間は、五十二年度から開始をいたしますが、運輸省が行います空港関係の調査と並行いたしまして、五十三年度以降も引き続いて調査をする必要があると考えております。
○西村(章)委員 すでにこの調査はスタートが切られておるわけでありまして、四日前の二月十三日ですか、新空港の周辺地域調査委員会が設立をされまして、初会合を持たれたと報道されております。この委員会構成というのは一体どうなっておるのか、第一回の会合で何を取り決めになられたのか、その辺をわかりましたらお知らせいただきたい。
○国塚政府委員 いま申されました関西国際空港周辺地域調査委員会は、仰せになりましたように、その調査の任に当たります国土、通産、運輸、建設四省庁が委託をいたします委託先である調査機関が設けました検討委員会でございまして、その構成は、京都大学、大阪市立大学、神戸大学等の交通計画、都市計画、都市経済等の専門家でございますが、学識経験者九名、それから国の四省庁の職員四名、大阪府及び和歌山県の企画担当の職員、部長でございますが、各一名、計十五名でございます。
○西村(章)委員 いよいよスタートしたわけでございますが、この地域整備計画は、先ほど申し上げましたように最も大事な部分でありまして、空港建設の可否を決定するポイントだとも思います。いわばスタートした当初でございますから、まだまだこれからの問題がほとんどの部分であります。今後、地元意見の尊重なり、そういうものをどういう形で吸い上げていくか、いろいろ慎重に推し進めなければならぬ問題だと思いますが、私は、調査元年と言われる本年からスタートするこの問題、国土庁あるいは関連の四省庁心して取り組んでいただくように特にお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○伏木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十一分散会