第084回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第4号
昭和五十三年二月二十八日(火曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 久保  等君
   理事 池田 行彦君 理事 登坂重次郎君
   理事 林  義郎君 理事 島本 虎三君
   理事 水田  稔君 理事 古寺  宏君
   理事 中井  洽君
      高村 坂彦君    戸沢 政方君
      西田  司君    福島 譲二君
      竹内 勝彦君    東中 光雄君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 山田 久就君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       金子 太郎君
        環境庁長官官房
        審議官     石渡 鷹雄君
        環境庁企画調整
        局長      信澤  清君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 山本 宜正君
        環境庁自然保護
        局長      出原 孝夫君
        環境庁大気保全
        局長      橋本 道夫君
        環境庁水質保全
        局長      二瓶  博君
        建設政務次官  塚田  徹君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部外勤課長  木村  武君
        警察庁交通局交
        通規制課長   福島 静雄君
        国土庁水資源局
        水資源政策課長 市川 博昭君
        大蔵大臣官房企
        画官      柏谷 光司君
        大蔵省主計局主
        計官      塚越 則男君
        林野庁指導部森
        林保全課長   小田島輝夫君
        通商産業省基礎
        産業局基礎化学
        品課長     児玉 幸治君
        自治大臣官房地
        域政策課長   丸山 高満君
        参  考  人
        (日本道路公団
        理事)     平出 三郎君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
二月二十一日
 東大阪市全域を公害健康被害補償法による地域
 指定等に関する請願(三谷秀治君紹介)(第一
 三六四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 公害健康被害補償法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第九号)
 公害対策並びに環境保全に関する件(公害対策
 並びに環境保全の基本施策等)
     ――――◇―――――
○久保委員長 これより会議を開きます。内閣提出の公害健康被害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。山田環境庁長官。
    ―――――――――――――
 公害健康被害補償法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○山田国務大臣 ただいま議題となりました公害健康被害補償法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 公害健康被害補償法は、相当範囲にわたる著しい大気の汚染または水質の汚濁の影響により健康が損なわれた人々に対して、その迅速かつ公正な保護を図るため、各種補償給付の支給等を実施することとしております。これらの実施に必要な費用のうち慢性気管支炎等の非特異的疾患に係るものにつきましては、大気汚染防止法に規定するばい煙発生施設等を設置する事業者から徴収する汚染負荷量賦課金を充てるほか、自動車に係る分として、昭和四十九年度から昭和五十二年度までの間におきましては、自動車重量税の収入見込み額の一部に相当する金額を充てることとされてまいりましたが、今回、昭和五十三年度及び昭和五十四年度の措置を定めるため、この法律案を提案した次第であります。
 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。
 今回の法律案は、昭和五十三年度及び昭和五十四年度において、政府は、引き続き、大気の汚染の原因である物質を排出する自動車に係る費用として自動車重量税の収入見込み額の一部に相当する金額を公害健康被害補償協会に対して交付することとしたものであります。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○久保委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
     ――――◇―――――
○久保委員長 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 公害対策並びに環境保全に関する件調査のため、本日、参考人として日本道路公団理事平出三郎君から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久保委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定しました。
    ―――――――――――――
○久保委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
○島本委員 いわば日本人の心のふるさとと申しますか、象徴である霊峰富士山ろくにアフリカの動物の放し飼い計画が実行に移されようとしておる、こういうようなことを聞いているのでありますが、環境庁はこの事情を知っておりますか。
○山田国務大臣 静岡県裾野市において小泉アフリカ・ライオン・サファリ株式会社が面積約七十四ヘクタールの自然動物公園をつくる計画を持っているということを聞いております。
○島本委員 この計画に対して、自然保護団体二十以上の反対並びに周辺の御殿場市や三島市や沼津市など県下の自治体も反対に立ち上がっているんだ、こういうようなことを聞いておるのであります。この計画の内容というようなものはもうすでにきちっとし、関係方面の手続も終わっているのじゃないか、こう思うわけであります。これは一般の企業の進出と異なりまして、車公害を招くばかりじゃなく、富士山ろく環境破壊にもつながるおそれがあるのじゃないか。社会的な影響もしたがって大きく、十分問題点を検討してからでないと後に重大な障害を残すおそれがないかどうか、あるのじゃないか。ことに、先年、いわゆる富士環境保全法と言われました富士地域環境保全整備特別措置法案が出されたのでありますが、利用計画の部分が多過ぎるという意見で、廃案になっているのであります。いまこの計画が、もしそれとの関係において相類似するものがあるとすると、これはちょっと問題でありまして、完全に利用計画になってしまうのじゃないかと思われます。この計画の実行の手続、それぞれ完了しておりましょうかどうか、これを伺います。
○出原政府委員 御質問の富士自然動物公園の計画につきましては、関係の法律としましては、許可を要するものは三つございます。一つは、都市計画法第二十九条の許可でございます。それから二つ目は、道路法の許可、承認、道路の改修等についてでございます。それから三つ目は、森林法の第十条の二の許可、これは森林計画の対象となる民有地の開発行為の許可行為でございますが、それぞれにつきまして権限が静岡県知事に委任されておったと承知をいたしておりますが、最初の都市計画法に関するものは昭和五十三年の一月二十六日、それから道路法に関するものは昭和五十三年の一月二十四日、森林法に関するものは昭和五十二年の十一月十四日に許可が終わっております。
○島本委員 林野庁も来ておられると思いますが、森林法により第十条の二による許可がすでになされたとすると、その何項目めかに、環境を破壊しない、公害のおそれはない、こういうようなことにはっきりなっているようでありますが、その条項等について十分精査されたでしょうか。
○小田島説明員 御説明申し上げます。
 森林法の第十条の二の二項の各号に、ただいま先生のおっしゃいました周辺地域の環境を著しく悪化させるおそれがないかどうかという項目がございまして、これにつきましては都道府県知事、つまり静岡県知事が慎重にかつ厳重に審査いたしまして、環境に影響がないという判断で許可が出されております。
○島本委員 慎重に、厳重に精査して環境に影響がない、こういうことが決まったようであります。まあ、大いに結構でありますけれども、これはやはり環境庁を含めて、建設省も林野庁もそうでありますが、自然保護の行政の面から見ても、いわば国の哲学の要求される場面じゃないか、こういうようにさえ思うのであります。日本の全人口の五〇%以上が集中する可能性のある、発達した交通機関のど真ん中にある地理的な条件に加えて、日本の顔ともいうべき富士山ろくにあるという立地条件にあるわけであります。これは当然、富士は日本国民の一つの象徴とさえ言われているのでありまして、いわば一県の県民としても私有するべきものじゃ決してないことは言うまでもないのであります。国民がライオン・サファリを許すべきやどうか、こういうような観点も当然要求されるはずの問題じゃないかと思います。したがって、国立公園の普通地域も一部かかっていると聞くのでありますが、これは四十七年から計画が進められていると聞きます。環境庁は、四十七年からいままでこの問題に対して十分関与して、この問題に対する適当なチェックをしておりましたか。
○出原政府委員 昭和四十七年の十月に静岡県に対しまして事前協議の申請が出たようでございます。その後の状況につきましては、静岡県が中心になってこの問題の対応をしておったということでございますが、最初は国立公園の地域の中でこれをつくりたいという計画があったように承知をいたしておりますが、公園の区域を避けさせたという経過があったという報告を受けております。
○島本委員 国立公園の普通地域も一部かかっているのです。避けさせていませんよ。
○出原政府委員 当初の計画は大部分が国立公園にかかる計画であったようでございますが、それを極力避けさせて、ごくわずか、どうもかかったようでございますけれども、そういう状況になったというように報告を受けました。
○島本委員 ただ報告を受けましたでは済まない。いままでるる言っていたじゃありませんか。確かに私も調べてあります。七十五ヘクタールのうち五ヘクタールが入っている。土地の形状の変更を加える、これを許可している。富士周辺じゃありませんか。かつてはこういうようなもののための厳重ないわゆる富士保全法なるものが廃案になっている。場所が変わっている、しかしながら一方はそんなものは余り知っておらない、環境庁、これはおかしいじゃないですか。環境行政に対する厳しさがこのごろ一本欠けている。注意を喚起しておきます。四十七年からやっているのに知らないでいていいものですか。少しだらしがない。ここは環境問題だけじゃないです。農業問題も交通公害も教育問題も地方自治に関する問題も交錯してある。まさに日本における社会的、経済的、国際的な、あえて言うと、政治的な局面への集約された縮図だ、こう見てもいい問題じゃありませんか。
 それで環境庁、富士山ろくの道路容量を超える車が集中して走行する。そうなると、大気汚染や騒音などの調査は当然実施しなければならないと思うのであります。また、動物愛護の面からも当然反対運動に対する声も上がっているというのですが、この声も聞かなければならないと思うのであります。これに対して、大気汚染や騒音などの調査は実施しましたか、関係団体の声を十分聞いて対処いたしましたか、お伺いいたします。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘の問題は、新しい道路として計画されたのは県道でございまして、県道をつけた場合にどのような影響が及ぶかということは、県自身がアセスすべき問題で、環境庁としては直接は関与いたしません。
○島本委員 これは県道であっても富士山の山ろくという一つの特殊地帯である。県道であっても、そういうような場合にはやはり富士保全という立場から意見を聞くか、委任事務であるならばそれに対する対処の結果の報告を受けるか、きちっとして、いわば日本の環境保全という面には万全を尽くさなければならないはずです。まして、道路容量を超えて車が集中し走行すると、当然交通に対する騒音、それから大気に対するいわゆる汚染、こういうようなものが想定される。そうすると、その走行距離に従っていわゆる帰化草、こういうようなものがはびこる。そうなると、いままでの生態系も変わる。何回も論議されたじゃありませんか。こういうようなものに対して知らない、こういう態度でいいのですか。大臣、伺います。
○山田国務大臣 無論、われわれとしては、環境行政上の行政的な責任というものは担当しておるし、そういうことについてはできるだけわれわれの任務と責任を果たしていきたいという立場にあることは、また、そうしたいということは、私どもの方針でございます。ただいま事務当局からお話を申し上げましたように、直接は県がこの問題を担当する、にもかかわらず、環境上の意見というものは、非公式な話し合いでは、こういう点の充実を方針として願っているという点については、所要の措置等はいろいろ講じているものと私は考えておりますけれども、いろいろ細かいいきさつを存じておりませんので、なお、この点についてはひとつ、要すれば事務当局から答えさせていただきたいと思います。
○島本委員 事務当局は知っていないというのです。県の方でやっているからこんなことは関与していないというのです。そんなことでいいのか、こういうことなんです。ことに普通の場合でも、公害の発生並びに環境破壊というような場合には、たとえば自治体がやっていることでも、国民の命に関係する、健康に関係することは当然国の方からもアドバイスできるものだ。しかしやっていないというから、それに対して注意を喚起したのです。これは大臣の方から、そういうような問題に対しては十分配慮するように、今後気をつけるように言っておいてください。
 それで、名称は富士保全法、しかし、やはり利用に重点があるということで、いままで促進の声があったけれども、富士保全法は廃案となったといういきさつがありました。これはやはり国民全体でこの問題を考える一つの義務があるのじゃないかと思うのです。確かに自然保護団体は哲学のレンズをもってその問題をとらえようとしているのです。同時に、推進する企業や地元住民は利益のレンズをもってその問題をとらえて処しようとしているのであります。また、あおりを受ける周辺の住民、こういう人たちは恐怖のレンズでこの問題をとらえようとするのであります。同時に、承認、決定する立場にある行政当局は要件の物差しで合うかどうか、これで問題を判断しようとするのであります。しかし少しずつレンズが狂って見える、こういうところに一つの問題が発生するのでありまして、私どもは利益や感情、そういうことなんかにこだわらない、曇らないレンズでこの問題をはっきりとらえなければならないのが環境行政じゃありませんか。だから、環境庁は今後、国民のために勇断をふるわなければならない官庁なんだと私はいつもそれを思っているのであります。私は決して、利益が汚くて哲学が美しいのだ、こんなことを考えているものじゃないのです。生きる権利、創意、自由な活動、調整、これこそ政治の場じゃありませんか。これを行うのが行政じゃありませんか。したがって、そういう場合に交通公害で他の市町村にどのような迷惑がかかるかどうか、同時に、自然保護から環境破壊、こういうようなことにならないかどうか。動物を商品化して、教育、情操、こんなものに結びつけようとする矛盾がないかどうか。同時に、地元住民が果たして過疎から救われる、住民の利益につながるのかどうか。こういうようなことも十分考えてやらなければならないのであります。それが政治であり、行政だと思います。
 そういうような観点から一、二、他の省庁も来られておりますから、警察当局も来ておられると思いますから、若干伺いたいと思います。
 交通公害の問題です。これはいかがでしょう、入園者はどれくらいあるというふうに見積もって計画を立てましたか。
○福島説明員 御質問の、いわゆる富士自然動物園の設置された場合の関連道路の交通状況についてでございますが、この施設が通常の軌道に乗った運営がされると想定いたしました場合に、平日は特に問題ございませんが、日曜、休日にはおおむね二万人程度の来場者があるであろう。それに伴いまして、車の台数はおおむね三千八百台程度ではないかというふうに現地静岡県警察で予測しているところでございます。
○島本委員 それは当然、マイカーであるとかバスであるとかその他の利用も含めて、一日の台数が三千八百台くらいだ、こういうふうな想定ですか。
○福島説明員 乗用車、バス等を含めまして、おおむねこの台数になるという予測でございます。
○島本委員 連休で一日二万人、約四千台くらいの記録だと推定されると、最高で二万人の場合、それはどういうようなことになりますか。相当数の車の置き場を準備しておかないと困るのではないか、こういうふうに思うわけでありますが、この車の置き場なんかも推定されて、準備は十分整えるようにやってございますか。
○福島説明員 この施設の開設に伴って生ずる交通問題の解決につきましては、会社側と今後いろいろ対策につきまして協議するわけでございますが、私の聞いておりますところでは、来場者の駐車の予定スペースとして現在、場内に千二百台程度のものを考えているというように聞いております。
○島本委員 これは宮崎や大分のサファリと同一条件、またはそれ以下と考えられているようでありますが、これじゃ過小に過ぎませんですか。これは宮崎や大分以下の想定でお認めになっているとしたら、過小に過ぎませんか。
○福島説明員 宮崎、大分の施設につきましては、ただいまちょっと手元に資料がございませんが、一応、現在のところ、この台数のスペースと、それから施設の入り口から場内に至る間に若干場内道路の距離もございますので、このスペースで、場外の一般道路に車がつながって延びてくるという状況までには至らないであろうと見ているというふうに報告を受けております。
○島本委員 その辺が私としては若干ひっかかるのでありまして、これは宮崎、大分よりも下回った計画の報告で、もしそれが実行に移された場合は、それの何倍か、二けた台の倍数になる可能性がある。これはちょっと困るのじゃありませんか。この辺を中心にしての交通ルートはどういうふうにお考えですか。
○福島説明員 直接この施設に至ります道路といたしましては五本のルートが考えられるわけでございますが、そのうち、車の量といたしましては、おおむね半数が御殿場市内経由で通るというふうな状況になろうというふうに予測いたしております。
○島本委員 大概五つのルートになる、そのとおりのようであります。これは御殿場中心に五〇%くらい、他はあとの四つのルート、そのとおりであります。しかし、御殿場インター、これは昨年八月には平日で一万六千六百十五台、これは土曜日で一万九千五百二十七台、日曜、休日は二万二千九百一台、十月には、平日でも一万三千四百七十八台、土曜日には一万七千二百四十七台、日曜、休日は二万二千四百七十八台、こういうふうな記録があるのであります。ここだけでももうすでにパンクするような状態になっているわけであります。
 他の方を見ましても、参考に大分のサファリを調べてみましたが、開幕からこれは二倍から四倍の交通量になっております。大分の場合には、開幕前が四百七十三台、開幕後はその六倍の二千八百六十八台、一年後には三倍を下らない。宮崎県では、交通渋滞で、十五分から二十分かかるところを三時間もかかるような状態、定期バスでも二時間の事態を惹起している、こういうふうなことを聞かされるのであります。
 これは、問題が起こってから道路拡充や地元の警察の要請でこれに対処するようなことではもう遅い。この点は、はっきりとこれに対処をしなければならないはずでありますが、交通渋滞に対する対策はきちっと立てておられたでしょうか。この点は私は大事だと思うのであります。御殿場インター、これはいまでもパンクしているような状態で、これがもし承認された場合にはどうしたらいいのかわからない、こうさえ言われておるということを聞いているのであります。県当局は、警察当局は、これを十分検討したんじゃないか、こう思われるのでありますが、いまの数字からすると、まことにこれは危険であります。警察並びに自治省では、こういうようなものを十分承知の上でこれを認可し、許可したのでしょうか。
○福島説明員 警察といたしましては、特にこの施設の設置の許可には関与いたしておりませんが、この施設が開設されたことに伴って相当に交通上の影響が出てくるという観点から、現地実査等をいたしまして、今後の対策をいろいろ検討した上、関係方面に必要な要望をし、かつまた、警察自体として、必要な対策については今後十分手を打っていきたいというふうに考えているわけでございます。
 先生御質問の、御殿場付近の渋滞の問題でございますけれども、この施設開設に伴う交通問題といたしましては、御殿場市内における渋滞問題が一番大きな問題であるところでございまして、現在、御殿場市内に湯沢交差点というところがございますが、ここを中心に、特に行楽期の休日には上り下りともかなりの渋滞がある。それから、特に行楽時等の休日におきましては、東名高速道路の御殿場インターから流出する車両の渋滞があるという状況でございます。したがいまして、今後これに対しましてはできるだけ、御殿場インターのほかに沼津インターあるいは富士インター等がございますので、そちらの利用を図るような対応策というものを考え、御殿場インターチェンジの流出、それから市内の湯沢交差点等の渋滞の解消を図る必要があるというふうに考えております。
○島本委員 これはすでに承認をし、ゴーサインを出してしまってから交通対策を考えるというのは遅いんじゃありませんか。そこなんですよ。やる、同時にこれらを完備した上でやったならばどうですか、これならいいのです。もうすでに大分にも宮崎にも前例があるのです。それよりも少ない台数を見て、そして、いざ、なったならば、そのときは注意を与える、これじゃ遅いんじゃないかというのが私の質問の要点なんです。したがって、それを実行に移させる前にそれらをきちっとして、それからゴーサインを出してやる、こういうふうにしてはどうか、こうなんです。
 もうすでに御殿場市でも交通渋滞は目に見えているから反対だ。周辺の都市ではみんなそうじゃありませんか。そうであるならば、特にこの問題では、東名高速道路から国道百三十八号線、そして国道二百四十六号線から今度須山−御殿場県道、こういうふうに入ってきますが、もうすでにこの辺はパンクしそうだ。現在でもそうなのに、その周辺にこのサファリをやった場合にはどうなるのですか。そこなんですよ。それが富士の、これはもう国立公園の特別地域のすぐそばですよ。環境庁はそんなものは知らないと言うし。ですから、こういうのはきちっとやってからでないと遅い、そこが問題だと言うのであります。
 ことに、その辺では富士スピードウエー、この大きな大会があるときには、いまの東名高速道路の交通にはどういう影響があるか、こういうようなことも十分調べたでしょうか。そして、開催時と平日の交通量の比較、予想されるだけでも五倍くらいになるのじゃないか。まして御殿場インターは、これはもう東名高速道路は破滅的な交通量になるのではないか。それと同時に、駐車場はそのような少ないもので十分だろうか。こういうようなことを各団体が一番心配されているのであります。三千八百台、これは三万八千台じゃありませんか。コンマ一つ上じゃありませんか。こういうような状態で、周辺の人はパニック状態に陥っているようであります。
 私は、もっとこういうような点では十分に考えた上で許可すべきじゃないか、指導すべきじゃないかと思います。自治省の丸山地域政策課長が来ておられるようでありますが、駐車場であるとか道路であるとか、こういうような、他の都市に与える一つの困難な状態を打開するようにして指導しているのですか。指導しているとすると、その内容を知らしてもらいたいのであります。
○丸山説明員 お答えいたします。
 自治省といたしましては、各都市が健全な姿で発展をしていきますように一般的な指導をいたしておりますが、このサファリの問題につきましては、正式の相談を受けておりませんので承知いたしておりません。
○島本委員 そうすると、警察庁ではこの問題はどういうふうにして指導されておりますか。これもやはり現地に任して、全然警察庁でも知らないのですか。
○福島説明員 この施設ができることにつきましては、静岡県警察から報告を受けて承知いたしております。現在まだ施設開設までには相当の期間もございますので、私どもと静岡県警察と十分協議いたしまして、関係方面に必要な対策をとってもらうように今後要請するということについて、いま詰めているという状況でございます。
○島本委員 そういうような態度が欲しいのであります。できるならば前もってそういうような点を予測して、そしてアドバイスしておいてほしい、こうさえ思うのであります。ことに富士の自然動物園が開設される場合には、一万五千台を収容するような駐車場も必要になってくる。それに三千八百台くらいだ、どうも私は理解しかねるのであります。そして、この車の排気ガス、騒音、それにまたいまのような状態では、その周辺に違法駐車をさせてはならないし、それだけの容量の駐車場を設けなければならないし、近隣の都市に迷惑を与えないように十分話し合いをさせておかなければならないと思うのであります。どうもこの辺は欠けているように聞いておるのであります。一たんこれがつくられて、そしてその後になってトラブルが起こります。トラブルが起きてからではもうどうにもならないのでありまして、この点十分指導してやってしかるべきだ、こう私は思います。
 ちょうど去年の十一月二十九日に、御殿場市長が会社の説明を聞いて、机上のプランである、そして新道を東名から直接サファリにつなげるのか、でないとこの問題は解決しないのだ、こういうふうに言っているのであります。そうすると、道路公団でもこれは高速道路から直接別な道路を予定してございますか。
○平出参考人 ただいまのところ、何の予定もございません。
○島本委員 道路の予定もない、現在の道路そのまま使う、これでは解決になりません。あえて周辺の都市が全部反対しているというのは、それで私もわかるような気がいたします。御殿場市、三島市、沼津市でさえも、これに反対しているそうじゃありませんか。ずっと離れているのになぜ反対するのだろう、いろいろな要素が込み合っているようです。まず交通の解明、この問題だけは警察庁でも十分配慮して、不慮の事故というものを起こさないように十分してからこれを実行させるようにしてほしい。他の方では、宮崎でも大分でも後追い後追いになって、この問題が十分解決されておらない。一部解決してもまだ残っている。こういうような状態があるから、三番目にできる富士のこういうような問題に対しては、もっともっと慎重な配慮が必要だ、私どもはそれを思っているのであります。どうもそれが足りないようであります。
 それで、私は、汚染の問題で一つ確かめておきたいのでありますが、建設予定地は、御殿場市や裾野市や三島市や沼津市、これらの市の地下水の主要な水源涵養地である、こういうようなことを聞くのであります。雨水や汚水や下水の処理を含めて、汚染に対する対策、こういうようなものの影響予測、調査は十分されておられましょうか。
○二瓶政府委員 この計画につきましては、県の方で強い行政指導を行っておるわけですが、ただいまお尋ねのございました地下水との関連でございますが、まず動物舎の排水、それから入園者等の生活排水、これにつきましては三次処理まで行うということで、大体BODにいたしまして一〇ppm、いわゆる一律基準が、日間平均一二〇ppmでございますが、これに対しまして、三次処理をやりまして一〇ppmまで落とす。それからSSの方につきましても、日間平均一五〇ppmというのが一律基準でございますが、これを二〇ppmまで落とすというような三次処理まで行うということに行政指導をやっておるわけです。そこまで落としました処理水につきましては、これは地下浸透といいますか、土壌還元をして処理をするということでございます。それから、動物舎外の動物の尿、これも土壌還元されるということになるわけでございます。
 そこで、この土壌還元によります地下水の汚染につきましては、県の方で、要するに筑波大の山本荘毅先生にお願いをしまして影響予測調査を実施をいたしました。その結果によりますと、地下水に影響を与える可能性の多い窒素分につきましても、土壌なりあるいは植生に大部分が吸収されるという予側結果に相なっておりまして、静岡県といたしましては、地下水汚染を引き起こす恐れはないというふうに一応判断をしているわけでございます。しかし、なお念のため今後、観測井を掘りまして、それで地下水の水質の監視、それからただいま申し上げました処理水そのものの水質の検査を行うように事業者を強く行政指導しているというふうに聞いております。環境庁としましては、今後とも静岡県と十分連携をとりまして、その辺の状況を十分把握いたしまして、必要があれば当然これは環境庁としても強く指導するというようなことで、周辺の都市の住民の方々、御心配の向きもありますから、地下水の汚染防止ということにつきましては遺憾のないように努めてまいりたい、かように考えております。
○島本委員 この建設予定地、この辺は富士の伏流水、いわば地下水流ですか、そこに生活水を仰いでいるのが沼津や三島や富士市でありまして、そこが心配しておるわけです。いま局長が言ったようなそういうところは三次処理までやっているから心配ないはずだ、なおかつ心配しているということ、この辺は十分話し合いがされてないということじゃないか。やはりこれは主要な水源涵養地であるということで、雨水や汚水や下水の処理を含めて、これは十分にこの問題の調査をして納得さしてやらないといけない問題だ、こう思うのであります。いま局長が言ったそれくらいは知っているのじゃありませんか。知っていてこれは三次処理までやるから絶対安全なんだ、こういうふうに言ったら納得するじゃありませんか、それをなぜ反対するのですか、この辺、私よくわからないのでありますが、再度自治省から伺っておきたいと思います。
 それから、土壌の自浄能力、これはやはり実験室と自然とではちょっと違うのじゃないかと思います。まして自然の場合には複合汚染ということも考えられるし、BODで言えば、動物の屎尿の方は人間の数百倍とさえ言われております。ふんは回収しても尿はたれ流し、降雨期ではこれはもう一緒に回収不能、こういうようなことだから心配するのじゃないのかな、こう思うのです。宮崎では周辺の水質の窒素含有率が高くなって大分心配されているようであります。ここに関しては心配ないんだ、調整するためにこういう施設をするから心配ないんだ、こういうようなことでなければならないのでありますが、それは完全なんですか建設省――それではわかっている人でいいです。完全なんですか。
○二瓶政府委員 予測調査を担当されております山本荘毅先生、この方は、こういう地下水の面につきましては日本の最高の権威とも言われておる方でございまして、そういう面から見ても、相当信憑性の高い権威のある報告ではないか、かように思っております。
 それからもう一つは、予定地に隣接したところに忠ちゃん牧場という牧場がございます。牛が八十五頭、羊が二百頭、ヤギが二十頭、馬が三頭というのを飼育をいたしております牧場でございますが、この忠ちゃん牧場ではサハリ・パークのこの計画の二倍近くの窒素の負荷がありまして、現にそれを排せつをしておるわけでございますが、地下水の調査をいたしますと特に影響が出ていないという結果も出ておるというふうに聞いております。そういうことから、まあ大丈夫ではないかというふうにこちらも考えているわけでございますが、先ほどもお話し申し上げましたように、不安に思っている住民の方もおられるようでございますから、この辺につきましては、県なり事業者等から十分その辺の説明もして、納得のいくようにすべきではないか、その面についての指導もしたい、かように思っております。
○島本委員 その辺はいいですね。環境庁としてもその辺まで考えてやるというのはいいと思います。ただ、いま言った忠ちゃん牧場、私は知りません。しかし、今度の場合には十二万平米のサハリ・パークにライオン五十頭、トラが十五頭、キリンが十五頭、象が十頭、三百三十五頭を放って周辺からこれを見るという計画のようであります。そういうようなことからして、私どもとしては、この公園自体がくみ上げる水量、それから周辺の市の水源に影響があるかないか、それと排ガスや窒素含有率が高くなって農作物に影響があるのかないのか。これは当然大分、宮崎ではあったという報告があるのであります。それから動物の残飯、こういうようなものでカラスが周辺の農家のビニールを荒らしたりして、また別の被害を与えるようなおそれが複合して醸成されないか、こういうような点も住民が心配しているのです。もうすでに大分でも宮崎でもそういうようなことがあったというのであります。やはり対策はきちっとしておいてやらなければいけないと思うのでありますが、これは十分対策は指導してございますか。これはどっちになりますか、やはり環境庁でしょうかね。
○出原政府委員 これらの件につきましては、静岡県で土地利用対策委員会というのを設けまして、その委員会の中でそれぞれの関係者が集まって、特に専門家の意見を聞くべきものは専門家の意見を聞くというようにして最終の結論を出したと承知をいたしております。
 その際に、地下水への影響等につきましては、相当詳細な検討をいたしたようでございまして、先ほど水質保全局長から申し上げました山本教授の御意見を伺うということ、それから忠ちゃん牧場のお話が出ましたが、忠ちゃん牧場につきましては、現在も、水を取って検査をする場合の井戸は牧場の南側に削井をしておる、そしてそれを検査をするというようなことをしておるようでございますので、それらを参考にしながら、飼育面積あるいは当該地域の形状変更等を考え、排せつ物が全体不均等に出てくるというようなことをも考慮して飼育面積を決め、生態系による吸収を計算をして大丈夫だという判断をしたと承知をいたしております。
○島本委員 この計画そのものもアフリカのタンザニアそしてケニア、あのケニアの自然公園の発想を参考にしているのじゃないかと思われるのであります。しかし、そういうようなことで草食動物が走って歩く、それに肉食動物が襲いかかる、そして自然の摂理を自動車で、窓をあけないで、それも舗装道路の上を走りながら見る。それに動物が寄ってきても一切手をつけない。そういうような一つの条件でこれは行われておりますが、確かにこれはすばらしいものもあると思います。しかし、これはアフリカの草原でこそ活動性にあふれる動物、そして、その動物の組み合わせによってこれが見られるから自然に観測できる。それを日本に持ってくる。九州なら暖かい。しかし、富士山の中腹、それも海抜七百メートルから八百メートルを超える高さのところ、いわば寒冷地帯、こういうようなところにアフリカのライオンやトラや象、キリン、こういうようなものを持ってきて、十分それに対応できる、教育資源としても、子供たちに自由にこれを見せるような参考になるのでしょうか。そういうような発想に対しても私は少し疑念があるのであります。当然おりの中の生ける標本、こういうことになって、ただ動物園をながめている、ただそういうような発想で人を寄せ集めている、こういうようなことでは少しがっかりするのであります。同時に、生存率の維持、こういうようなことができなくなれば補充しなければならない。補充しなければならないとすれば、アフリカから持ってくる。しかし、持ってきたやつは、ぺたっとしてさほど動きもなく、そのまま死んでしまう。こういうようなことがあって、動物保護の面からも当然問題があるのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。自然保護団体から相当反対の動きがあるということを伺っておりますが、環境庁、これを知っておりますか。
○出原政府委員 地元の自然保護団体なりあるいは全国的な団体から、この件につきまして反対の御意見もあるということは承知をいたしております。
○島本委員 同時に、自然保護局長に聞いておきますが、富士山ろくと箱根の周辺の景観、これとその周辺の山々の天然林の植生、こういうようなものに影響がありませんかどうか。
○出原政府委員 この計画につきましては、静岡県が事業者の方にいろいろ注文をつけておることを承知をいたしております。特に植生につきましては、サンショウバラとかアシタカツツジといったような富士山の周辺でしか見られない植物がこのあたりにも自生をしておるということがございますので、できるだけそれは避け、あるいはそれを動かす場合も保存をするというように指導をして努めておる、したがって、できるだけ富士山の緑は残しておくという努力は、県当局が十分に指導をいたしたようでございます。
 景観の変貌につきましては、こういう施設をつくるわけでございますから、それに伴う若干の変貌は免れないと存じますけれども 地域的には富士山の山ろくの全域からいえば一部分でございますので、県当局の報告も、この程度ならということで、特に、若干国立公園の普通地域、届け出で足りる地域以外は全部国立公園の地域を避けたという事情をも勘案して、差し支えないというように判断したようでございます。
○島本委員 なお、この時点では、環境庁の自然保護の問題にも触れてまいりますが、サンショウバラその他の大事な保護植物ですか、何というのですか、そういうようなものは他に見られないようなものもそこにある。これに対して、造成によって消滅されないように、十分実態を調査しながら、当局においても対処すべきだと思うのであります。環境庁、いま言ったような点は、環境庁においてもきちっとした指導をしなければいけないと思います。
 また同時に、野鳥の保護の点では、この辺一帯は他にも類例がないような野鳥の多い場所だと聞きます。これはどうなっていますか。
○出原政府委員 これらの地域に生息しております鳥のたぐいは、植物の状況から判断いたしまして、草原性の鳥の一般的な種類であると考えられます。したがって、当地区の開発に当たっては、鳥類保護という面からは極端に大きな問題は出ないだろうというように考えられますが、県としては、野鳥の調査研究に実績のある高等学校の先生の方にお願いをして、鳥類保護の観点から意見書を提出してもらっており、これを十分尊重して今後も指導を行っていくという方針でございますので、環境庁といたしましても、県と十分連絡をとって間違いのないようにいたしたいというように考えております。
○島本委員 ことに環境庁では、自然保護行政という面からしても、これは尊厳な自然権、これを備えた野生動物を観光娯楽の商品化をする、余りそれに徹する場合には国際的にも自然保護行政の質を問われることになるわけです。私はこの点を十分環境庁としても考慮して、そうして指導してもらいたいと思います。
 同時に、防災について伺いますが、これは建設省ですか、警察庁ですか、自治省ですか、塚田政務次官の方ですか、どっちの方になりますか。この防災は野生動物園に不可欠の要件になっておりますが、こういうような点はきちっとしてございますか。
○出原政府委員 こういう施設をつくりましたときに、その後の防災の問題が重要でございます。静岡県の土地利用対策委員会で決定をいたします際に、起業者に対しましていろいろな指導を行っておりますが、その一つとしましては、地震等自然災害発生時における動物の逃亡を防止し、地域住民の安全を図る措置について具体的にいろいろ指導をして、その安全を期しておる、こういったことを承知をいたしております。こういう面が、各種の行政を持っております県としては、対応するには非常に努力をしたというように承知をいたしております。
○島本委員 駿河湾地震、これは直下型と言われておりますが、横揺れに関係なく、直下型の場合には、基礎になる岩盤、こういうようなものを考えるときには、十分対処して建造物をつくらなければならないのじゃないか、こう思います。そういう危険はもちろん考えながら許可しているのじゃないかと思いますが、もっと大地震のときにはどうなるかということも十分想定してございましょうか。
○出原政府委員 その点につきましては、十分確認をいたしておりませんが、さらに県当局に十分私どもとしては指導を尽くしたいと思っております。
○島本委員 ことに野生動物は反応が鋭いわけであります。そうして、荒れ狂った場合には想像を超えたような力が働くのでありまして、周辺の住宅地帯では猛獣の危険性をこういうようなために懸念しているのじゃないか、こう思います。駿河湾地震の中心地だけに、その点は十分に考慮すべきではないか、こういうように思っておりますが、この点の指導は十分ですか。
○木村説明員 お答えいたします。
 いま御質問の対策につきましては、まず第一に、動物が逃げ出すという事故を起こさないように、防護施設をしっかりするということが必要かと考えております。警察といたしましても、県、市、関係行政官庁と検討協議をいたしまして、さらに会社側に対します指導を十分にいたしまして、安全防護対策について万全を期していきたいと考えております。
 なお、万が一にもそういうことがあってほしくないわけでございますが、猛獣が脱出するような緊急事案が発生した場合の警察の措置でございますが、この場合には観客や住民の安全を確保するというのが第一でございますので、関係機関、団体と協力をいたしまして、観客や地域住民に対する広報を徹底する、動物園一帯の道路の交通規制をする、観客、付近の住民等の避難、誘導をする、逃げ出した動物の捜索、捕獲等の措置をとる考えでおります。
○島本委員 念のため、これは最近のあの地震の例もありますので。駿河湾の地震はことに直下型と言われております。その地帯にこの施設ができるわけでありますから、その耐震構造、絶対これは安全だということにしておかないとだめじゃないかと思います。どういうような構造でこれをやっているのか。耐震上、絶対大丈夫だ、こういうような確信を得たいと思います。したがって、これは後ほどでもいいですから、この構造なり基礎になる建設の仕方なり、こういうものに対しては資料として提出願いたい、こう思いますが、よろしゅうございますか。官庁はどっちの方になりますか。警察庁ですか。
○出原政府委員 所管の官庁をちょっといま私ども明確にいたしませんので、県と照会をしながら、具体的には、それでは私どもが取りまとめをして御報告をさせていただくようにしたいと思います。
○島本委員 大分時間も進んでいるようでありますから詰めます。
 賛成、反対、こういうものがまだ後を絶たないで相当エキサイトしているというようなことも聞くのであります。そうして、反対の人たちの中にも、賛成、推進の人たちの間にも本音を言えない、こういうような一つの動きもあるようでございまして、なかなか事重大なようであります。いろいろな関係の資料もあるのでありますが、しかし、それにしてもこれは余り望ましくないと思います。私としても、いま言ったように十分対策を講じているならば、反対派の人もある程度理解できるのじゃないか、ことに水源をそこに仰いでいるような各都市では、絶対安全なんだといって反対するような都市もないのではないか、この辺の対話が十分行われていないのではないかと思います。そうでなければいまの答弁の内容に狂いがあるのじゃないか、したがって納得しないんだ、こう思うのであります。そういうようなことからいたしましても、沼津市や三島市や富士市というようなところでは依然として伏流、地下の水流を生活水に仰いでいる、これはなお不安だ、こういうふうに言っているのであります。こういうような点に対してはひとつ十分に対処するようにしなければならない、こう思います。それと同時に、地震地帯であるというような点から、施設そのものには厳重な注意の上になお注意をさせるべきじゃないか、こういうふうに思います。
 それから、道路そのものはいまでもパンクの状態にある。それにまたこういうような施設が開園する場合には、恐らく他の方法を講じなければ、これはとんでもないことになってしまうおそれが感じられます。こういうような点を含めて建設省でも十分この点は指導してしかるべきじゃないか、全部でき上がってしまってから後追いするように、交通渋滞、道路幅を広げる、また別に道路をつくる、これじゃ少し遅過ぎないか、こうさえ思うのであります。こういうような場合には、建設省としても十分考えがあるのじゃないかと思いますが、これらは十分考えてございますか。ありましたら、この際知らせてもらいたい。
○塚田政府委員 お答えを申し上げます。
 道路の事情等につきましては建設省関係の所管でございますから、首都高速道路から参ります東名高速道路に関係のある問題でございますので、私どもも地元の公共団体と十分に検討しながら対処してまいりたいと考えております。
○島本委員 なお、この問題等については環境庁自身も十分知っておるとおりであります。それは昭和四十八年四月三日、七十一国会に出された富士地域環境保全整備特別措置法案、これは四十八年七月六日にこの委員会で登坂重次郎委員がただ一人質問したきりで継続審議になって、第七十二国会でこれが審議未了、廃案、こういうようなことになっているのであります。内容としては、これはもう保護または利用のための規制ということで、徒歩利用地域、自然探勝利用地域、野外施設利用地域、休泊利用地域、この四つの地域指定、この区分にしてこれを実施する、これでさえももう富士利用に傾いている、こういうようなことでこれが廃案になっているいきさつがあるのであります。この利用というと、むしろ前の法案の方がきちっとして国民的な一つの見地に立っているのじゃないか、こうさえ思うのでありますが、これも大所高所からしてこの法律案は廃案になっておるのであります。今回の場合は特に営利の問題も入っておりますから、今後の問題としては十分その運営の面に気をつけて指導されるように、心からこれを要請しておきたいと思います。
 最後に、環境庁長官のこれに対するお考えを伺って、私の質問を終わらせてもらいます。
○山田国務大臣 ただいまは環境上の問題も含め、いろいろな点について、大変るる御注意をいただきました。われわれの仕事についての御関心等も含めまして、心から感謝しております。御注意の諸点、十分われわれとしては関係方面とも連絡いたしまして、ひとつ善処いたしたいと思っております。どうもありがとうございました。
○島本委員 終わります。
○久保委員長 この際、午後一時四十分より再開することとし、暫時休憩いたします。
    午前十一時三十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四十四分開議
○久保委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。古寺宏君。
○古寺委員 環境庁長官の所信表明に対しまして、若干の質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、この所信表明の中で、より快適な環境を創造していくというのが環境行政の任務である、こういうふうにおっしゃっているわけでございますが、より快適な環境を創造していくためにはどのような決意が必要であるかということについて承りたいと思います。
○山田国務大臣 御承知のごとく、環境行政については、これまでわれわれ人間の生活を公害というものから守っていくということ、そしてまた、自然の破壊というものを防止していくということがこれまで重要な仕事として行われてまいったわけですけれども、世にアメニティーというようなことを言われていますけれども、同時に、われわれが人間の力でつくり出していくいろいろな環境、特にわれわれの都市生活というものが人間社会において集中的に行われているような現状におきましては、そういうわれわれがつくり出していくところの人為的環境というものを少しでもより快適なものにつくっていかなければならぬ。むろん、このことは環境庁だけというものの分野を越えて、あるいはいま人間の都市生活の一番中心でございます都市計画を初めといたしまして、道路、下水の建設等、広くわれわれ人間の生活環境の全般にわたってわれわれが努力しなければいかぬ。しかもこれは、非常に広いあるいは長期的な観点に立ってこれに対する対策を立てなければいかぬということでございまして、われわれは公害の防止というものと自然環境の保全と並んで、ひとつこういう方面に長期的また広い立場から、あるいは関係省のお仕事に対してわれわれの希望を述べていく。たとえばちょうど御案内のように、水質汚濁の防止というようなことになってまいりますると、家庭用排水ということに対するわれわれの貢献というもの、ことに下水道の整備というようなことを考えていかなければなりません。したがって、下水道整備というものに対しましても、環境庁の立場から強くこれを要請してこの経費の非常な増額というようなことも行われておりますし、あるいは道路の建設について、いままでのただ道路をつくればいいという見地だけではなくて、やはり空気の汚染あるいは振動、音響というような立場でございまするとか、そういう見地から、これらの被害というものをできるだけ緩和するような立場においての道路の建設というものをやっていかなければいかぬ。いろいろそういう問題がありまして、したがって、広くかつ長期的な目でそういう点での環境づくりに対して少しでもわれわれの立場から寄与していきたい、こういう決意をもって臨んでまいりたいという考えをお示し申し上げたような次第でございます。
○古寺委員 最近、新聞の報道によりますと、環境庁の環境アセスメント法の内容が大分後退しているように報道がなされているわけでございます。環境庁にお尋ねをいたしましたところが、これは環境庁が発表したものではない、こういうふうにおっしゃってはおりますが、現在、環境庁としてお考えになっておられる環境アセスメント法案の内容は大体どういうものであるかということを承りたいわけでございます。非常に広範な範囲にわたりますので、新聞で報道されております三点につきまして承りたいと思うわけでございます。
 まず第一は、環境影響評価の技術指針をつくるに当たっては、以前は環境庁長官がこれをつくる予定でございましたが、今度はそれぞれの主務大臣がこの指針を作成するというように報道をなされております。また第二には、最も大事な都市計画でございますが、これが環境庁のアセスメント法からは今度は除外されているようでございます。いま大臣の御答弁にもありますように、快適な都市生活の環境づくりをしていくためには、また公害を未然に防止していくためにはどうしてもこの都市計画というものが必要でありますし、その都市計画の以前においてきちっとした環境アセスメントというものが必要になってくるわけであります。しかもわが国の人口の八〇%、また国土の二〇%を占めているのが都市でございますので、その大事な都市計画がこのアセスメント法から除外されるということになれば、全くの骨抜きのアセスメント法と言っても過言ではないのではないか、私はこういうふうに考えるわけであります。
 また、第三点のいわゆる住民参加の問題でございますが、これが非常に限定をされております。現実にそこに住んでいる、ある一定の限られた地域に住んでいる地域住民しか縦覧をしたりあるいは意見を述べるととができない、こういうふうに非常に制約された内容になっているわけでございますので、この三点について新聞の報道が正しいのかどうか、環境庁としてこの三点についてはどういうふうにお考えになっておられるのか、この点を承りたいと思います。
○信澤政府委員 先生お話しのように、先般新聞紙上等に報道されました記事につきましては、私どもが公式に発表いたしたものではございません。しかし、その内容がどうかということになりますれば、取材源その他は私ども十分存じておりませんが、私どもが各省と折衝をいたしております過程でいわば一つの整理としてつくりましたものをもとにしてお書きになった記事であるというふうに思うわけでございます。
 そこで、いまの三点の問題についてでございますが、第一点の指針の問題でございます。
 これは、法案こそ提出されませんでしたが、昨年国会でいろいろ御論議があった中で、やはりこの指針の問題についてのお尋ねがございました。三月には参議院の予算委員会でもございましたし、四月にはこの委員会でも御質疑があったわけでございますが、その際の政府委員の答弁は、御承知のように、指針は環境庁長官がつくります、しかし、これはいわばいろいろな事業に共通する事項についての指針を定めるのです、それから細目は、対象事業の実態から見て、事業実態を一番よく知っている主務大臣にお願いするのです、こういう答弁をしておったと思います。そこで、これに対しての御批判もいろいろあるわけでございますが、私どもといたしましては、やはり細目といえども全く環境庁が関与しないというたてまえの方がむしろ困るのではないか、しかも、指針をつくるといっても、いま申し上げたような共通的一般的な指針であるならば、これはそれなりに意味がないとは申しませんが、どちらがいいかということを現実的に判断した場合、一つの考え方として、事業内容に精通している主務大臣にまず問題を提起してもらって、それに対して私どもが協議を受けて、私どもの意見を言う。それで、この協議と申しますのは相談するというような印象でございますが、法令用語としてはやはり相手方の同意を得るというのが、これは従来からの政府部内の一致した見解でございますから、したがって、協議という表現が悪ければ環境庁長官の同意を得てということに直してもいいと私どもは考えているわけでございますが、ともかく、そういう形で細部に至るまで環境庁として関与できるような体制にいたしたいということを考えた場合にあのような一つの考え方が出てきているわけでございます。
 それから、第二の問題の都市計画でございますが、御指摘のように大変重要な事業が都市計画事業として行われるわけでございます。それで、これにつきましては、この法律の対象から除いたという御指摘がございましたが、実は対象から除いているという気持ちは私どもないわけでございます。一部の新聞には対象事業として市街地整備事業というものをお書きになっておりますが、市街地整備事業というのはまさに都市計画法の規定によって行われる事業でございます。ですからそういう対象事業に入れているわけでございまして、問題は、いろいろな手続の中に、すでに都市計画法では御承知のような公聴会その他の規定あるいは公示、縦覧、住民の意見を聞く等々の規定があるわけでございまして、これは必ずしも環境問題の観点からする規定ではございません。ございませんが、そちらの方を手直しをして、いわば親元であります私どもの考えている法案と調整のとれた規定に向こうを改正してもらう、いわば手続面で、改正された手続でやってもらう、こういう考え方はどうであろうかということを、特に建設省とのお話し合いの過程で提起をいたしたわけでございます。つまりすっぽり持っていくのではありませんで、対象事業としては残っている、しかし手続きは都市計画の一連の手続の中に具体的に組み込んだ方が、いわゆる総合立法である都市計画法の運用上はベターであるという建設省の御意見もわからぬわけじゃございませんので、法技術的にいろいろ問題がなお残っておりますけれども、対象から除外するという趣旨ではないという点だけは御理解いただきたいと思います。
 それから、第三点の住民の意見を聞く範囲でございますが、これはいろいろな考えと変遷がございます。昨年、この法案について何回か新聞報道等ございましたが、一番最後の四月の十日ないし二十日にかけてのころの一部の新聞報道等によりますと、だんだんこれが後退して、関係市町村の住民というふうになってきたようだというような記事もあるわけでございます。私どもが出発点といたしているのは、昨年、全部の調整は終わっておりません、終わっておりませんが、しかし相当程度の役所との間にはおおむね合意を得たということを国会でも当時政府委員が御答弁申し上げているわけでございますので、いわば出発点はそこに置かざるを得ないということで、その考え方を今日踏襲してきている、こういうふうに御理解いただければ幸せだと思います。
○古寺委員 それから電源開発事業でございますが、これは除外する考えでございますか。
○信澤政府委員 ただいまのところ、除外する考えは持っておりません。
○古寺委員 大臣にお尋ねしますが、大体この法案につきましては、いつごろをめどに出される予定でございましょうか。
○山田国務大臣 具体的なめどという点でございますね。われわれとしては目下、先ほども政府委員が答弁しておりますように、いろいろな点で関係各省との間に協議を進めているのが現段階でございまして、出たようなものは、そういう折衝の過程のものが取りまとめられて何かの形で出たのじゃないか、こう思っております。
 大体、事前にアセスメントを行うということが全般からいって望ましいし、また効率的でもある、こういう点の考え方はとにかくおおむね浸透してまいっておりますので、いろいろな問題点をもう少しお互いに詰め、相互理解を深めて、この法案提出の本当の目的、つまり事前評価という点、これが一日も早くできるようにということで、ひとつできれば今次国会ということで、いま鋭意いろいろと打ち合わせを進めているような状況でございます。
○古寺委員 昨年も一昨年もアセスメント法が出てくることをわれわれは期待しておったのですが、各省庁との間の協議が続いているためになかなか結論が出ないということで今日に及んでおります。しかし、今回の所信表明の中でも、快適な新しい環境を創造していくということが環境庁の任務であり、さらにまた「景気回復のため、大規模な公共投資による経済産業活動の刺激が要請されていますが、このような情勢にあっても、環境保全の基本的条件が保持されるよう十分留意してまいる所存であります。」こういうふうに所信表明を一応お聞きした上では、非常に積極的に公害の未然防止のためにも、また今回のように大型の公共投資が行われる、そういう場合においても十分に環境保全には留意していくんだ、こういう決意を述べていらっしゃるのでございますが、アセスメント法が一向に出てくる気配がないということは、早く言えばそれは口先だけの所信表明であって、本当の決意がまだ固まっていないように私、感ずるわけなんですが、そういう点はどうでございましょうか。
 それからもう一つは、先ほど都市計画のお話がございましたが、こういうものを除外する、あるいは電源開発事業を除外するということになりますと、環境庁の果たす役割りというのは全然ないんですね。縦割り行政でいろいろな問題が出てきて、それをカバーするために、そういう公害を二度と繰り返さないためにせっかく環境庁というものが発足しているわけなんです。その環境庁の果たすべき使命というものが何にもなくなってしまうような気が私はするのですが、そういう点はどうでございますか。
○山田国務大臣 先ほども申し上げましたように、所信に述べております以上、無論私としては全力を尽くして実現に努力したい、こういうつもりでやっております。ただ、相手のある仕事でもございまするので、平たく言えば、これまではいろいろの各省関係というようなことで、単なる権限争いというようなことばかりじゃなくて、つまり、同じ目的を達するのにどのような手法をもっていくのが一番いいかというような問題も絡んで、なかなか協議が進んでいなかった点もあったわけです。現在ではいわばみんながとにかく土俵に上がってきて、そして原則論の土俵では意見が一致したが、どうやることが現状に即して目的も達するし、また客観的にも一番合理的な方法かというようなことで意見を詰めておるというのが現在の状況でありまして、われわれの努力と熱意はちっとも変わっておらない点は、どうか御理解いただきたいと思います。
○信澤政府委員 都市計画の問題、先ほど申し上げたように、全部外してしまうということを考えているわけではございませんで、指針その他は環境庁が関与して十全なものをつくる、こういうたてまえでございます。
 それからなお、法形式といたしましても、今回御提案しようと考えている法案と一体をなすものでございますので、これは法制局と十分相談をした上でないと申し上げられませんが、仮にそのような考え方をとる場合には、この法案の附則でもって必要な改正をいたす、したがって、御審議は一体的にやっていただけるというふうな形に持っていきたいと考えております。
○古寺委員 大体いつごろをめどに提出されるんですか。
○信澤政府委員 政府部内での取り決めでは、予算関係以外の法案については三月十四日が閣議決定の最終日ということになっておるわけでございますが、私どもとしては、何とかそれに間に合わせたいという気持ちでございますが、率直に申して、若干遅刻届けを出さなければならぬ事態になるのではなかろうかというふうに思っております。
○古寺委員 大臣、いいですね。三月十四日までに一応詰めなければならぬことになっておるわけですよ。ですから、この環境庁内の事務的な問題は、長官の方からよく局長さん方にお願いをして、十四日に間に合うように詰めていただきたいと思いますし、また各省庁とのいろいろな連絡につきましては、各大臣に長官の方から要請をして、十四日に間に合うように進めていただきたいわけなんです。もう五十年も五十一年も同じことを繰り返しているんですよ。ことしは三回目なんです。その辺について、大臣は十四日をめどに本気になってこの問題に取り組まれるかどうか、お尋ねします。
○山田国務大臣 これは先ほどお答え申し上げたとおり、われわれとしては、目標に全力を置いて努力しているわけです。(「努力じゃだめだ」と呼ぶ者あり)いや、それはいろいろなお話があるようでございまするけれども、このことはどうも一人で踊っているわけにもいかぬもので、相手がいるものですから。しかしながら、非常な熱意をもって、いまおっしゃっているように政治的に話すべきものは話をする、事務的に詰めるものは詰める、このことでやろうということでやっているわけでありまして、その点はひとつ御理解いただきたいと思います。
○古寺委員 長官の生涯の歴史の中で非常に意義のあるお仕事だと思うのです。この問題については、長官の決意によって一切が決まるわけでございます。もちろんお一人ではできません、しかし、長官の腹構え一つによってこの問題は決まると思うのです。ですから、そういう面についてはもっと強い決意で、十四日をめどにひとつこの問題の解決ができるように努力をしていただきたいと思います。
 次に、瀬戸内海環境保全臨時措置法第三条の基本計画の策定が非常におくれているわけでございますが、この基本計画の策定につきましてはいつごろまでにこれを策定するのか、そしてまた、瀬戸内海法の後継法はいつお出しになるのか、この点について承りたいと思います。
○山田国務大臣 瀬戸内海環境保全に関する基本計画でございますね。これについては、五十一年の十二月に瀬戸内海環境保全審議会から瀬戸内海環境保全臨時措置法第三条の「環境の保全に関する基本となるべき計画」の基本的な考え方について答申をいただいておることは御承知のとおりでございまして、目下この答申の趣旨に沿って、後継法の検討とあわせてその基本計画の具体的な内容について鋭意検討いたしておるところでございます。御承知のように、この臨時措置法は今年十一月でもう切れるということになっておりまするので、何としても今次国会に間に合わせてやるということは、これは至上命令ということでございまするので、そういう目的をもちまして、これまたいま一生懸命にあるいは必死の努力をいたしているような状況でございます。
○古寺委員 この後継法に盛り込もうとしている柱と申しますか、内容についてお尋ねしたいと思います。なお、赤潮対策につきまして、窒素あるいは燐の規制について、この内容に盛り込むお考えがあるのかどうか、この点についてお尋ねいたします。
○山田国務大臣 現行臨時措置法に引き継ぐ法制度については、現行法に盛り込まれている諸措置をいかに引き継ぐべきか、また環境保全計画の基本的な考え方についての瀬戸内海環境保全審議会からの答申及び各界からいろいろ意見が出ております。そういう意見とか要望、そういうものをもとにいたしまして、今度の新しい法律においてどのようにこの柱を持ってくるべきかという点については、目下鋭意検討中でございます。いま御指摘の赤潮問題も、過去の経験にもかんがみ、ひとつ検討してもらいたいというふうに考えておる、このことをひとつ申し添えておきたいと思います。
○二瓶政府委員 ただいま大臣からお答え申し上げたわけでございますが、特に燐の規制の関係について、若干補足したいと思います。
 環境庁といたしましては、赤潮発生の要因物質、赤潮の発生のメカニズム、これはよくわからないわけでございますが、いずれにいたしましても、窒素なり燐等が要因の物質になっておるということは、これは否めないところでございます。この窒素と燐というものを考えました際に、処理技術の面からいたしまして、燐の方につきましては一応実用化の見通しが出てまいっております。したがいまして、環境水質なりあるいは排水処理技術、こちらの面についてのガイドラインと申しましょうか指導指針、こういうものの設定という問題に取り組んでいきたいということで、五十三年度の予算等におきましても所要の調査検討のための経費を計上して御審議をいただいておるわけでございます。
 一般的にはそういうことでございますが、特にこの瀬戸内海の関係につきましては、御案内のとおり、昨年の八月末、播磨灘で大規模の赤潮が発生した、養殖ハマチ等に甚大なる被害を及ぼしたというような事態にもかんがみまして、瀬戸内海につきましては、燐の削減につきまして何らかの具体的な対策を、これは先駆的に、全国的なものに先駆けて何か実施できないものかどうか、後継法にそういう面を、根拠になるような規定等が織り込めないものかどうか、ただいま鋭意検討しておるという段階でございます。
○古寺委員 瀬戸内海の問題は、埋め立ての問題については非常に規制をしているわけでございますが、今後、下水道の整備がどんどん進みますというと、土地がないわけでございますので、終末処理場をつくる問題ですとか、あるいはまた終末処理場から排出されるところの汚泥の処理の問題ですとか、いろいろな問題が出てくるわけですが、その際、現在までの埋め立てに対する考え方が変わるようなことがないかどうか、承りたいと思います。
○二瓶政府委員 瀬戸内海の埋め立てにつきましては、先生御存じのとおり、一般的な公有水面埋立法に基づきます環境保全上の配慮というもののほかに、瀬戸内海の法律の十三条の規定に基づきます瀬戸内海の特殊性を配慮すべしということがかぶってまいるわけでございます。そういうことで個別案件ごとに審査をしておるところでございます。
 ただいま御質問の点は、不水道がだんだん今度は進展していく、生活系排水対策ということで下水道の整備を進めていくということになれば、当然その終末処理場の土地が要るとか、あるいはまたそこで発生します汚泥、これがまたどんどんふえていく、そういうことから、そういう終末処理場をつくる場所を埋め立て地に求めるとか、あるいは発生した汚泥を埋め立て用材に使うとかいうようなことで、埋め立ての関係についての考え方が変わるかどうかというお尋ねかと思います。
 私たちといたしましては、現在も、先ほど申しましたような瀬戸内海の特殊性に配慮すべしということで、瀬戸内海の審議会から埋め立ての基本方針の答申もいただいておりますので、これを物差しにして審査をやっておるわけでございますが、この埋め立ての案件等上がってまいります際も、埋め立て用材といたしましては極力廃棄物なりあるいはヘドロなり、そういうものを埋め立て用材に使うというようなことも現に指導もしておるわけでございます。したがいまして、ただいまの下水道の処理施設用地の確保という面、あるいは汚泥を処理するための埋め立てというようなことで、特にそれをクローズアップした形で運用の線を変えるということは必要ないのではないか。審議会の答申を得ておりますあの物差しに照らして、個別ごとに指導しながらそれをやっていけば十分対処できるのではないか、現在のところそう考えております。具体的に後継法にどういう規定で盛り込むかどうか等は、いろいろいま検討しておりますが、基本的にはその答申の線を堅持していくということかと考えております。
○古寺委員 これは一つお伺いしておきたいのですが、この後継法の中に入浜権を入れるかどうかという点についてお伺いしたいと思います。
○二瓶政府委員 入浜権という問題、環境権の一種としてそういう権利を認めるべきだというような主張なり運動があることは承知いたしております。
 ただ問題は、そういう入浜権というものは果たして一つの私権といいますか、そういうものとして認め得るものかどうかということにつきましては、これは判例等もまだそうないようでございますし、学説もいろいろ分かれるところでもございますし、その辺は司法当局といいますか、そちらの面でも十分今後検討されるべき問題であろうかと思います。私たちの方でいろいろ後継法に絡んで検討をいたしておりますのは、そういう私権としてどうという話ではなくて、むしろ行政的な手法として、何かそういう海水浴場なり潮干狩りなり、あるいは散策、憩いの場として利用されておる自然海浜、こういうものを保全していくような仕組みが考えられないか、それを後継法の中で規定できないものかどうかということで検討しておるということでございます。
○古寺委員 次に、水質汚濁防止法の改正によりますところの総量規制の問題についてでございますが、この改正法案の提出はいつごろになるのか、これは大臣の方から御答弁願います。
○山田国務大臣 水質の総量規制につきましては、去る五十二年の十二月九日、中央公害対策審議会から「水質の総量規制制度のあり方」ということについて答申をいただいたことは御承知のとおりでございます。現在、この答申の線に沿って水質総量の規制の制度化をひとつ図るべく、法案の検討を鋭意進めておるところでございます。瀬戸内海環境保全臨時措置法の後継法、それとあわせて水質汚濁防止法の一部改正というような形でこの法案を持っていこうかということで、今次国会提出を目途にして、いまそのようなラインで鋭意法案を立案中でございます。
○古寺委員 そういたしますと、三月十四日までに一応この両方、瀬戸内法も総量規制の問題も詰めなければならぬわけでございますので、これはぜひひとつ実現を見るように、大臣に特にお願いをしておきたいと思います。
 次に、この総量規制を行う場合のいわゆる対象水域は、現在、環境庁としてどこをお考えになっておるのか、また総量規制を行った場合の監視体制というものはどういうふうにするのか、さらにまた、現在特定事業場以外の排水その他はそのままたれ流しの状態になっているわけですが、そういうような特定事業場以外の汚濁源に対して、総量規制の場合にはどう対処をしていかれるのか、この三点についてまず承りたいと思います。
○二瓶政府委員 まず、第一点の総量規制の対象水域、これはどこを考えておるかということでございますが、対象水域の範囲につきましては、昨年十二月の中公審答申に沿いまして、「後背地に汚濁源が集中し、汚濁の程度が著しい特定の広域的な閉鎖性水域」ということを考えておるわけでございますが、当面、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海というものを想定しております。しかし、具体的には今後さらに検討していきたいということでございます。
 それから、監視体制でございますが、総量規制、これを制度化いたしますと、この負荷量の監視体制の確立がどうしてもこの制度を運営する上においては不可欠である、かように考えております。その場合に、この負荷量の監視のためには、今度は継続的な測定というのが要るわけでございます。一日当たりのCODの許容量という形になります。したがいまして、ある人から言わせますと、総量規制はグラム規制である、こう言われるわけでございます。一方、現在やっております規制は濃度規制でございます。これはまさにppm規制と言われております。したがいまして、ppm規制でございますれば瞬時に、一体ある時点でどのくらい負荷量が出ているか、何ppmを超えているかどうかということは、これはすぐチェックできるわけでございます。ところが、グラム規制の方は、一日当たりCOD何グラムあるいは何キログラム、こういう形になりますので、ある時点においてたくさん出ておりましても、夜になってほとんど出さないということになりますれば、ちょっと行って見ても何ともならない、こういうことになるわけでございます。そこで、中公審の答申におきましては、普及可能な機器によりまして事業者に対し排出負荷量の測定等を義務づけるとともに、「国及び地方公共団体は、汚濁負荷の発生及び流入の状況並びに対象水域の水質の状況を常時把握するため、テレメータ化等効率的な監視体制の整備を図る」必要があるというふうに答申の方では記載してあるわけでございます。したがいまして、環境庁といたしましては、この答申の線に沿いまして、五十三年度予算案におきまして負荷量監視モデル事業というものを実施することにいたしておるわけでございます。これはいわゆるテレメーター化のモデルでございまして、事業費が一カ所でございます。一カ所といいますか、ある市を対象に考えておりますが、一億六千五百万円ほどの事業費、これに対して三分の二という高率補助をもちまして一億一千万円ほどの補助金を交付をするということで、ここで負荷量監視のテレメーター化のモデルをやっていただきたい。これで大体の仕様書その他が固まりますれば、将来はテレメーター化の普及、こちらに着手をしたいということで考えておるわけでございまして、こういうようなことによりまして監視体制を十分整備をしていきたい、こう思っておるわけでございます。
 それから第三点は、特定事業場以外は一体どうするのかというお尋ねでございます。総量規制は、これは先生御案内のとおり、いわゆるトータルシステムというような形で、単に産業排水だけでなしに生活排水等すべてを対象にする、いわゆる一次汚濁を出すものすべてを対象にして、一定の広域的な閉鎖性水域に流入しますCOD負荷量を一定量以下に抑えるということがねらいのものでございます。したがいまして、負荷量の削減ということが、すべてのものに網がかぶるわけでございます。すべてのものにかぶるわけでございますが、その際に規制という形でいくのは、ただいま先生申されましたように、特定事業場に限られる、しかもこれはすそ切りがございます。一日当たり五十立米以上という角度で現在検討いたしておりますが、これが規制対象になる。そういたしますと、規制対象以外というものが相当ございます。いま言いました、すそ切りされた以下のものとか、あるいはまた規制対象になっていない業種というのもございます。それから、屎尿浄化槽等におきましても、五百一人槽未満のものは、これは規制対象外でございますが、そういうものをどうするか。それから養殖漁場、これも自家汚染問題がございます。これもほってはおけないと思っております。そういうような幾多のものにつきましては、いわゆる行政指導ベースというようなことで、具体的な削減措置について県の方に指導をしてもらいますし、また関係者には御協力をいただこうというようなことで、現在、総量規制制度全体の仕組みの検討の一環として詰めておるところでございます。
○古寺委員 時間がないので次へ行きますが、きょう健康被害者に対する補償法の一部改正が出ております。これは毎年のことなんですが、特にこの公害保健福祉事業の実績というのが非常にふるわないわけです。毎年不用額を出しておりまして、これはいろいろなところで指摘をされているのですが、一向に改善あるいは前進が見られないわけでございますが、今年度におきましてはどういうような事業促進のための方策をお考えになっておられるのか承りたいと思います。
○山本(宜)政府委員 お答え申し上げます。
 確かに、この制度が始まりましてから、本年、五十二年度まで福祉事業の実績がふるわないわけでございますが、五十二年度におきましては、前年に比べまして約倍以上実績が上がるように現在のところの交付の状況が見通されております。確かに、事業の当初から認定患者数の見込みの立て方が若干多く立てておったので事業が下回ったというようなこと、あるいはまた、県、市におきます実施体制が必ずしも十分整備されていない。御承知のように保健福祉事業の中には、転地療養事業であるとかあるいはリハビリテーションの事業あるいは家庭療養指導、療養器具の支給、こういうような、従来の地方自治体ではなかなかふなれな仕事があるというようなことからふるわなかったわけでございますが、私ども、地方の関係者を集めましては、この事業実施についていろいろと指導しておりますと同時に、地方が事業のやりやすいような補助金の交付につきましての相談等をいたしまして進展を図ろう、かようにしているわけでございます。
○古寺委員 これは大臣にちょっと聞いていただきたいのですが、現在この保健福祉事業というのが非常に制約されているわけなんですよ。それで、公害保健センターですとか転地療養所をつくるとかあるいは専門医の充実設置だとか、いろんな要望が出ております。さらにまた、転地療養の場合には非常に制約がございまして、人数ですとかあるいは日数の問題とかありまして、こういうものがこの事業の進展しない大きな隘路になっているのです。ですから、抜本的にこの制度の内容をもう一回再検討されて、そしてこの所信表明にもございますように、公害病患者が一日も早く健康になるようにしてあげなきゃいけないと思うのです。そういう点、大臣ひとつ研究していただけませんか。
○山田国務大臣 確かに、この事業は前例のないようなことであったものですから、実施体制の整備、事業の趣旨の徹底というようなことで、いろいろ問題の点も多いかと思います。いろいろなことで、そういう点の徹底も手間取っている点もあろうかと思います。いまお話しのような点、さらにわれわれもひとつよく検討さしていただいて、ひとついろいろな意味で趣旨が徹底するように努力いたしたいと考えております。
○古寺委員 この問題につきましては、また法案の審議がありますので、その際に長官にもっと突っ込んだお話をしたいと思いますので、ひとつこの点を検討しておいていただきたいと思います。
 次に、自然公園とか国定公園等の買い上げの問題でございますが、七年たっているのにまだ一年間の予算を消化できないというような状態になっているわけでございます。これもやはりこの買い上げ方式の内容に問題があると思うのですが、この点について、環境庁としては今後どういう方向でこの問題を解決するお考えか承りたいと思います。
○出原政府委員 民有地の買い上げの進まない理由につきまして、いろいろ検討をいたしておるのでございますが、祖先伝来の継承財産としての土地がなかなか手放しにくいとか、あるいは鑑定価格と実際に売りたい価格とが一致しないとかといったようなこともございます。また、都道府県におきましては、非常に専門知識が要るものでございますから、事務の煩瑣感から進まないという面もあるようでございます。また、県が財政負担が伴う部分がございますので、そういった意味で特に最近の地方財政の状況からいって買い上げにくいといったような状況等もあるかというように承知をいたしておりますが、まず事務的に各都道府県の職員に十分承知をしてもらう必要があるということで、私どもは、特に県の職員にこの趣旨の徹底を図ってまいることに手をつけたいというように考えております。
○古寺委員 大臣、これは公債で買い上げるわけなんですね。二年間据え置きなんですよ。八年間で償還していくような仕組みになっている。ところが実際は、そういうふうに国立公園なら国立公園の網をかぶせますと、その中にいる民有地の方々はいろんな規制があって、土地を手放したいのです、何とか買い上げていただきたいのですよ。ところが、いま答弁にもございましたように、いろんな地方自治体の財政の問題とかあるいは事務的な問題ですとか、一番大きな問題は、この交付公債で買うというところに問題があるわけなんで、こういうものをやはり抜本的に改めませんと、いつまでたっても解決がつかないと思うのです。ですから、もう一度この制度を見直しをする必要があると思うのですが、長官いかがですか。
○山田国務大臣 いま御指摘のようないろんな点があるやに考えられます。要は、やはり利害関係者が喜んでと申しますか、とにかくこの自然公園を保持していく制度に協力してくれるような意味でのいろんな改善が望ましい、こう思います。なかなかこれは実際問題としてむずかしい点もあるかとも思います。それを提供することによって何か特別な、非常な利益が得られるということなら、皆さんも喜んでやられるのでございましょう。そういう意味で一概に何とも申し上げられませんけれども、ひとつ検討さしていただきたいと思います。
○古寺委員 文化庁の方は八割キャッシュでお支払いをするんですよ。ですから、非常にこの成績がいいわけです。環境庁の方は七年たっても一年分の予算を消化できないんですから、これは行政の怠慢と言われることになるんです。環境庁の職員の方々が一生懸命熱心におやりになっても、制度が悪いと、何をしているんだろうと、こう言われるわけなんですね。ですから、そういう制度をやはり改善をしないとこの問題は解決がつきませんので、長官、ひとつ環境庁の成績を上げる意味におきましても、これは御検討をお願いしたいと思います。
 次に、緑の国勢調査というのがまた来年度から始まることになっているのですが、これは過去にも行われているわけですが、この緑の国勢調査が、たとえば青森県のむつ小川原の開発計画、こういうようなものにどう活用されているのか、その点を承りたい。
○出原政府委員 いわゆる緑の国勢調査、自然環境保全調査でございますが、これは自然環境保全法第五条の規定に基づきまして、五年ごとに、おおむね全国的に植生なり動物がどういう状態にあるかということを調べるものでございます。したがいまして、回を重ねることによりまして、動物なり植物なりの状況の変遷をつかまえていくというものでございます。昭和四十八年に実施をいたしましたものは、植物を中心にして実施をしたものでございますので、ここの地域につきましてはある程度の資料は得ておりますけれども、地域の開発その他に伴って必要な環境影響評価等につきましてはさらに詳細な別途の調査が必要かと思います。
○古寺委員 それは後日にまた譲ることにしまして、自然遊歩道と自然公園の予算が前年度に比べて八%と九%の伸びしかないわけです。所信表明にもありますように、今年は「景気回復のため、大規模な公共投資による経済産業活動の刺激が要請されて」いる、こう長官がお述べになっているのですが、環境庁の方の自然遊歩道ですとか、あるいは自然公園の予算は一向に伸びていないというのは、長官、どういうわけでございますか。
○出原政府委員 自然歩道あるいは国立公園等の関係の施設の整備費用の伸び方は、御指摘のような状況でございます。これは私どもの要求いたしました予算は満度に認められておるわけでございますが、御案内のように、私どもの事業は山の奥の地方で、しかも金額的には小規模なものが多いわけでございます。したがいまして、昭和五十三年度のような公共事業が非常に多いときは非常にまた注文のしにくい事業でもございますので、こういった事業につきましては予算を満度に認めてもらうということでその消化に努めてまいりたいというように考えておるわけでございます。
○古寺委員 中国とか九州の自然遊歩道が環境庁の要求どおりに予算ができて、そうしますと地元の要望どおりに事業が完成するわけでございますか。
○出原政府委員 御指摘の九州の自然歩道につきましては、その全体の計画は延べ二千九十七キロに達するものでございまして、五十一年度から五十五年度までの五カ年の計画で実施をいたしております。五十二年度までには三一%の整備を完了いたしておりまして、五十三年度は事業費四億六千二百万円で、そのうち国費約一億八千七百万円を計上しておりまして、大体計画どおりに動いているわけでございます。
 それから、中国自然歩道につきましては延べ千八百九十八キロメートルの整備計画でございますが、これは五十三年度から五十七年度までの五カ年計画で予定をいたしておりまして、五十三年度におきましては事業費三億一千八百万円を予定をしておるということでございまして、おおむね計画どおりの進捗と考えていただいていいのじゃないかというように思います。
○古寺委員 おおむねは結構ですけれども、やはり年次計画を繰り上げてでもこういうものは予算を増額していただいて、他の公共投資と同じように、皆さんが待っているわけですから、進めていただきたいと思います。
 時間がないので、最後に長官に承りたいのですが、典型七公害の中に地盤沈下というのがあるのですが、この所信表明の中では「等」という字で地盤沈下というのは全然出てこないわけなんです。地盤沈下のいわゆる総合法を制定するお考えが現在環境庁にはないのかどうか、あるいは現在検討中かもわかりませんが、もし検討中であるならば今国会に提出をするお考えをお持ちかどうか、この点を承りたいと思います。
○山田国務大臣 地盤沈下の問題は、いまも御指摘のように七公害の一つと言われていることで、これは一たび沈下するということになるとなかなか取り返しがつかないということでございまするので、この点を触れなかったのは意図があって触れなかったわけではないのですけれども、われわれとしてはこの問題は非常に重要視しておりまするものの一つでございます。
 環境庁では、工業用水については工業用水法、冷暖房用のビル用水については建築物用地下水の採取の規制に関する法律、これによって地下水の採取の規制を行ってきたところでありまするけれども、これらの制度では対象地域はすでに地盤沈下が起こっているという地域に限られておりますので、未然にこの沈下を防止するためにはなお不十分でありますし、それから地下用水は工業用、ビル用に限らず上水道、農業用水にも利用されておりまするけれども、工業、ビル以外は規制の対象となっていない等の問題がございます。そこで、この問題に対応できるようにすべてに総合的な法制化が必要であるという見地に立ちまして、われわれとしてはこれにひとつ大いに努力したいと思っております。
 率直に申しまして、この問題に各省庁とも急に関心が高まってきたものですから、したがってちょっと言いにくいことですけれども、調整に大変手間取っているようなことになっている実情ではありまするけれども、重要性にかんがみて、とにかくいろいろ努力していきたいと思ってやっております。
○古寺委員 どの法案につきましても各省庁との調整に非常にむずかしい問題を抱えているわけでございまして、どうかひとつ環境庁長官としては、この所信表明にございますように強い決意で、重大な決意で国民の健康と生活環境を守るために大いにがんばってもらいたいと思います。
 以上で終わります。
○久保委員長 次に、中井洽君。
○中井委員 初めに、環境庁長官にお尋ねをいたします。
 環境庁長官が環境行政を担当なさるに当たって、環境庁全体の方針は去年とことしでそう変わるわけではございませんけれども、去年、何せ特徴のある大臣を環境庁は迎えられて、この委員会等も環境行政以外でずいぶんにぎやかだった記憶があるわけでありますが、そういったことはともかく、いまの大臣とどういった違いを持って環境行政に臨んでいこうとするのか、そういった点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○山田国務大臣 いまどういった違いと、こういうお話がございました。私は自分の長い経歴から国際的な目で環境問題の課題というものを見ることができるような立場にもございまするので、特に環境問題というものはある意味では全地球的な問題でもあろうかと思います。そういうような視野の広さに立って特に人為的環境の創造ということに触れたわけですけれども、むろん公害からわれわれの生命を守るということの重要性、そしてまた、自然破壊の防止ということは依然として大きなわれわれの課題でなければならないとは考えておりまするけれども、同時に、長期的な目と、そうして広い視野に立って、われわれのこの周りにつくられていくところの人為的な環境について少しでもよりよい環境へということで、ひとつその方面にも努力を払いたい、こう考えている次第でございます。
○中井委員 大変結構な御見解、ぜひともそうお願いをしたいわけでありますが、その中で、広い視野と同時に大臣の御経歴からくる国際的視野に立っての環境行政、こういうお話があったわけでございますが、たとえば、日本なんかでも、環境行政において、かなりおくれておる。外国の状態を見ながら、追いつけ、また日本の国土が狭いから、もっと厳しくしなければいけないんだということで、今日の環境基準というものをつくり上げてきたわけであります。
    〔委員長退席、島本委員長代理着席〕
ところが、たとえばアメリカでは、例の、日本がまねをし、これ以上の規制をつくったマスキー法なんかは、いわゆる自動車の不況によって実施を延ばしておる、こういう状態であります。日本は日本で、五十三年度規制というものを歴然と受け入れて、自動車業界もこれをこなしてやっている。しかし、アメリカから入ってくる自動車についてはこの適用を五十六年まで延ばすというかっこう、そういったアメリカの、いわゆる経済的な情勢による環境政策の変更、これをもまねるということではないだろうと思うのであります。そういった点のないようにぜひともお願いしたいと思いますが、いかがでございますか。
○山田国務大臣 そういう意味の排気ガス等の規制ということについては、いま御指摘のように、われわれの努力で相当実りを見せてきておることは御承知のとおりでございます。できるだけ、こういう問題については、基準そのものの点については、いま中公審でさらに謙虚な立場に立って科学的な見直しへという、いろいろな要請、世論にもこたえて、そういうことでやっていきたい、こう考えておりまするけれども、外国車については、われわれとちょっと違った立場で先方ではこれをやっている、それをそのまま許すという意味ではございませんけれども、同時にまた、他のわれわれの対日要請と輸入関係の要請というものもございます。私は、根本問題に支障のない範囲で、そこら辺の先方の努力の進捗状況というものもあわせて、多少は考慮に入れてやりたい、やらなければならぬというような点もあるわけでございまして、ただ、健康項目についてわれわれはそれをサボるというようなつもりでは決してない、このことだけはひとつ御理解をいただきたいと思います。
○中井委員 お話はよくわかるわけでありますが、しかし、環境庁の立場としては、やはり外国の車がアメリカの車であろうとイギリスの車であろうと規制にのっとっていないのは、貿易でどんな戦争、けんかがあろうと、これは断固突っぱねるべきで、調整を図るとかいうことはおかしい。そういったことを言うこと自体が、それじゃ国内のだっていいじゃないかという議論になっていくんじゃないでしょうか。どうでございましょうか。
○山田国務大臣 この点については、御理解いただくためには、多少、いろいろ専門的な立場での努力のいきさつを申し上げた方がいいかと思いますので、お許しを得て、ちょっと政府委員からの答弁を聞いていただきたいと思います。
○中井委員 具体的なことはいいのです。大臣の考え方だけでいいです。
○山田国務大臣 私どもは、さっき申し上げましたように、どういうことをするのでも、いろいろな考慮ということが必要ということでちょっと触れたわけですけれども、こういう健康項目については、われわれがサボタージュするつもりは全然ございませんということを申し上げたかったわけでございます。
○中井委員 この問題につきましては、また次の機会に十分やらしていただきたいと思います。
 次に移らしていただきたいと思います。
 先ほどの古寺先生の質問と重なる点があるかもしれませんが、御容赦をお願いしたいと思います。きのうも予算の分科会で、私は建設省にアセスメント法のことで聞いたわけであります。新聞に載っておりましたのとちょっと違いまして、調整段階にあるという答弁を建設省からいただいたわけであります。環境庁といたしまして、今度はどうしても出したい、出すとおっしゃっておるアセスメント法は最終段階の調整に来ている、このように考えてよろしゅうございますか。
○信澤政府委員 相手の官庁はたくさんございますが、建設省との関係におきましては、ほぼ最終段階というふうに考えております。
○中井委員 それは、いわゆる都市計画法の対象から除くか除かないか、これだけでございますか。
○信澤政府委員 建設省からもお話があったと思いますが、対象から除くわけでございませんで、手続を向こうに任せるという趣旨でございますが、ひとりこれにとどまらず、あと二、三の問題点がございます。
○中井委員 ずいぶん、二年、三年かかった法案であります。私どもとしては、除かずにがんばっていただきたい、こういう要望を重ねますとともに、早急に草案をつくり上げて国会へ提出していただきますようにお願いをしておきます。
 もう一つ、新聞紙上で伝えられているわけでありますが、本州四国架橋の本年度着工が、アセスメントの環境庁の方の手続がおくれているために五十三年度に延びるんだ、こういう報道があるわけでありますが、事実でございますか。
○信澤政府委員 先生御案内のように、公団がやりましたアセスメントの報告書の案について環境庁が意見を述べることになっておりますが、ただいまの段階では、意見を述べておらないという事実は、事実としてあるわけでございます。ただ、その結果、年度内着工が不可能かどうかということについては、私ども、その間の事情は存じ上げておりません。
○中井委員 環境庁としてもお答えにくいかもしれませんが、いま行われているいわゆる公共事業に対する事前のアセスの中で、環境庁の手続がおくれたために着工が、関係官庁が考えておったよりおくれている、あるいはとまっていると思われるような事業が何かあるのですか。
○信澤政府委員 法律の根拠をもって環境庁に協議をしてもらうもののうち、いまお話の公共事業に該当するものは公有水面の埋め立て事業が中心でございます。公有水面の埋め立てにつきましては、現在審査中のものが四件ございますが、うち三件は瀬戸内海の問題でございますので、やや時間がかかっておりますが、慎重に取り運ばなければならぬというふうに考えております。あと一件は、つい先般、運輸省から協議を受けたという状況でございます。
○中井委員 私は、別に公共事業がおくれているからけしからぬとかそういうことを言っているわけじゃない。環境庁としてはアセスに対する意見、これは十分検討するのがあたりまえで、ただ、このアセスの法案が出てきて成立をして、そして仮に五十三年度から実行されていくとなりますと、たとえば五十三年度の予算では、御承知のとおり大変な公共事業が組まれているわけであります。それらの事業に対して、予算は通っているし、法案がいつ通るかわかりません。いつからアセスをしていくのか、五十三年度の公共事業、今度新規に認められたが、それらに対してもアセスをしていくのか、それについてはどうでございますか。
○信澤政府委員 法案の施行時期につきましては、やはり年度の切れ目というものを考える必要があると思います。また、若干の準備も必要かと考えておりますので、ただいまの私どもの考え方では、翌年度、つまり昭和五十四年度の初日からこの法案を適用するようにいたしたいということでございます。
○中井委員 そうしますと、お考えになっておられる五十四年度からそういった公共事業の対象のものに対してアセスをやっていく、大変な人員と準備が要ると思うのです。私は、五十二年度から対処していくのかなと思って予算を見ましたら、アセスの実施促進費が一千万円くらいしか伸びていないので、こんなのでできるのかなと思って、ちょっと主計の方にも来ていただいて一遍聞いてみようか、こういうふうに考えたわけであります。私は、アセスでおくれても仕方がないというふうには考えます。しかし、役所仕事で順番が遅くなるとか、積み残されるという形でおくれるということではいけないと思うのであります。そういった点で、大蔵省の方来ておられると思うのであります、ぜひともおくれのないようにこれから予算措置を考えていただきたいと思うのでありますが、どうでございますか。
○塚越説明員 主計局といたしましても、所要のものについては処置するつもりでございます。
○中井委員 それでは、今度環境庁が同じく準備をいたしております水質汚濁法の一部を改正する法律案について、幾つかお尋ねをしたいと思うのです。
 閉鎖性水域を含めて、瀬戸内海あるいは伊勢湾、東京湾、こういったところの総量規制、いよいよ出てくるわけであります。去年、委員会に御無理をお願いをいたしまして、私どもの郷里の伊勢湾の海上視察をしていただきました。関係県あるいは市に三重県の四日市にお集まりをいただいて、この総量規制についての意見を聴取いたしました。そのときに、岐阜県から総量規制に対して真っ向から反対であるという御意見が述べられたわけであります。もしこの法案が施行された場合に、環境庁としては、こういった地元の県の反対、そういったものに対してどう対処していくか、あるいはどう指導していくのか、その点についてお願いをいたします。
○二瓶政府委員 総量規制を制度化をするということで水質汚濁防止法の一部改正を考えておるわけでございますが、その際の総量規制といいますものは、産業排水のみならず生活系排水も取り入れますが、さらに上流県と内陸部からの汚濁、これも取り入れたいというふうに考えておるわけでございます。
 そこで、たとえば伊勢湾ということを焦点に考えます際は、当然、岐阜県から木曽三川を通じまして汚濁負荷量が伊勢湾に相当流入をされておるということで、岐阜県も対象にしたいという気持ちは持っております。ただ、問題は、こういう制度ができました際に、一方的に国の方におきまして、反対があろうが何であろうが、えいと政令や何やら出してしまって指定をしてしまうかということにつきましては、これは仕組みをいま具体的に検討中でございますけれども、やはり当然、関係の都道府県、これの意見というものを十分尊重をして意見を聞いていく、尊重していくということで対処すべきだと思っております。ただ、問題は、こういう広域的な閉鎖性水域というものを対象に考えるわけでございますから、一県だけの対象というのはほとんどないと思います。したがいまして、瀬戸内海にしろ、東京湾にしろ、伊勢湾にしろ、数県ないしは十数県の関係府県があるわけですから、それはやはりこういう制度をぜひ導入してもらわぬと困るという県もあるはずでございますから、そこはその関係県の方におかれても、十分その辺の話し合いもしていただいて、やはり伊勢湾なら伊勢湾沿岸のゆかりの県はどうすべきかということでお話し合いもしていただく。もちろん環境庁もそれを指をくわえて見ておるのではなくて、指導はいたしますけれども、あくまで困るというものに対して、えいとやるというようなことは現実問題としてなかなかむずかしいというふうに考えます。
○中井委員 それでは、そういった調整あるいは説得、意見聴取というのはこれからである、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○二瓶政府委員 現在はこの水濁法の一部改正ということで考えております総量規制の中身をどうするか、仕組み方をどうするか、答申はちょうだいしておりますけれども、やはり行政として考えます際にこれをどう仕組むかというのが一番の問題でございますので、いまそれを鋭意検討しておるということでございます。したがいまして、これが国会に提出され、また御審議いただきまして成立すれば、今度具体的にそういうような指定を予定される水域にゆかりのある県、これにはそういう意向等も聞いてやっていこうということで、現在のところ、具体的に正式に意見を伺うということは、まだその段階ではない、かように思っております。
○中井委員 法案の中身を煮詰めているというふうに私どもは理解するわけでありますが、しかし、総量規制という基本的な考えには間違いないわけであります。たとえば東京湾、伊勢湾あるいは瀬戸内海、私どもが聞いている範囲では、総量規制ということに対して真っ向から基本的に反対しているのは岐阜県だけのように思うのであります。その点について、総量規制ということについての岐阜と環境庁、こういったところの話し合いもまだ持たれていない、こういうことでございますか。
○二瓶政府委員 もちろん事務的には岐阜県の方の生活環境部といいますか、そちらの面との、感触等も聞いたり、あるいはこの制度の仕組みをどんなふうに環境庁は考えているかというようなことについても岐阜県自体も非常に関心を持っておりますから、接触は当然ございます。ただ問題は、では、いますぐ入るのか入らないのか、どうこうという、そういう具体的な詰めをやっておらない。伊勢湾それ自体におきましては、これは三重県、岐阜県、愛知県及び名古屋市でもって協議会のようなものをつくって、伊勢湾の浄化というものに前からもずっと取り組んでおられるということも聞いておりますから、そういうような場を通じながら、お互いに伊勢湾浄化のためにやっていこうじゃないか、いやそういうわけには簡単にいかぬというのか、そこを詰めていただくということで、現在はそんな段階でございます。
○中井委員 大蔵省にお尋ねをいたしますが、同じく今度環境庁が重要な問題として法案を国会に出す水質汚濁法の一部改正、これの内容を色づける総量削減基本計画あるいは広域総合水質調査費というのが、予算査定の段階でゼロ査定であったといって、私どもの県なんかでも大変騒いだことがあるわけです。多分初めての要求であるからオールゼロにしたというような中でのゼロであったのだろうというふうに理解をいたしますが、そうでありますか。
○塚越説明員 御質問の、伊勢湾、東京湾、瀬戸内海等広域的な閉鎖性水域における水質保全のための総量規制でございますが、これは五十三年度から制度化されることになっておりまして、大蔵省としてもその重要性を十分認識いたしまして、その所要の経費について予算計上しているわけでございますが、お尋ねのように、当初内示はゼロであったという点でございますけれども、これは総量規制の導入というものが水質汚濁防止法の改正ということを伴って行われるものでございまして、当初内示の段階では、まだ法案の内容とか帰趨とか、そういうものが不明確であった。そこで予算編成の最終段階まで十分その成り行きを見た上で決めようということで、当初内示はゼロになったわけでございます。法案絡みの予算査定につきましては、こういうように法案の帰趨を見きわめるということが通例でございまして、いやしくも法案準備の見きわめなくしてつけてしまって後で不用計上となるような事態は財政当局としてぜひとも避けたいということでございますので、いつもこういうようなやり方をしているということで御理解をいただきたいと存じます。
○中井委員 そうしますと、別にしつこく絡むつもりはないのでありますが、法案成立の、あるいは法案の内容、そういったものの見通しが、一次予算査定のときから復活の間にあなたにつくのですか。そういうふうに私はちょっと理解させていただくのだけれども……。いまだに出すか出さぬかだってわからない、去年だって環境庁は環境影響評価制度法案を出す出すと言って、ついに出さなかった。そうしたらやはりゼロでいく、そういうふうに理解していいのですか。それだったら、あなた方大蔵省は、揚げ足を取るわけじゃないけれども、予算に一遍決めて、国会で法案が全部成立するのを見てから、またもう一遍補正を組んだらどうです。そういうことじゃないですか。
○塚越説明員 私の説明が不十分であったかもしれませんが、予算の編成には一定の時期がございまして、その最後の段階まで詰めを行ったということでございます。詰めを行って、これならば大丈夫であろうと、まあ私どもとしての見通しをつけた上で予算の計上を行ったということでございます。
○中井委員 わかりました。塚越さんにお願いだけをしておきますけれども、私は他の省庁もいろいろあると思うのでありますが、環境庁というのは新しい省庁でありますし、しかも次から次へと公害に対する新しい概念というものが時代とともに出てくる。そのたびに新しい、いろいろなものを計画していかなければならない。しかも予算その一つ一つはそう大きな予算じゃないのですよ、調査費だとかいろいろな。したがって、思い切って先取りをしていくという形の中で環境庁の新しい仕事に対して予算をつけていく、こういった点をぜひ考慮していただきたい。このように環境庁院外応援団といたしましてぜひお願いを申し上げておく次第でございます。
 もう一つ、先ほどの古寺先生の御質問のときに聞いておりまして少し気になったのでありますが、地盤沈下防止法のことについて大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 大臣の御答弁の中で、各省庁の地盤沈下に対する関心が急激に深まって云々という言葉があったわけでありますが、このとおりであったならばちょっと認識が違われるのじゃないか。地盤沈下については、もうずっと前から関心があり、このごろは少し地盤沈下がおさまってきた、地盤沈下自体はおさまってきた、まだ続いておりますが。ただ、法案がまとまりそうになったということをおっしゃったのか、どういうことなのか、ちょっと御説明をいただきたいと思うのであります。
○山田国務大臣 無論この地盤沈下の問題は大事な問題でございまするから、それぞれの角度でいろいろこの問題について大きな関心を持っていることは当然だと思います。問題は、それがいろいろな分野にまたがっていることは先ほど申し上げたとおりでございますから、したがって、これを統一的な法案として、それで一本にしばっていくという問題について、つまり従来以上にいろいろこの問題についての関心が関係省の方で高まってきた、そういう意味で、俗な言葉で申し上げますといわば主管というような、そういうことで、いま調整を要しているような状況だということをちょっと触れさせていただいたわけでございます。
○中井委員 ちょっとわからないのでありますが、大臣が環境庁長官になってから急に関心を持ったというふうに理解をいたします。
 国土庁の方おられると思うのでありますが、地盤沈下防止法についてはどんな段階でございますか。調整がどんな段階か、お尋ねいたします。
○市川説明員 先生には昨年の十一月にやはりこの委員会でも御質問がございまして、その後、予算の時期もございましたが、われわれといたしましては、ちょうどこの法律につきまして、予算の時期は除きますが、五十四年からとにかく実施したいということで、先生の御質問があった以降におきまして、国土庁として各省の御意見を聞きながら、ひとつ国土庁の案ということで大綱をつくりまして、それで各省に御相談をしてまいっております。この過程におきまして、ちょうど先生方、十一月に長島町の現地も御視察になっておりますが、長島町でも御意見がございましたように、適正採取量に基づいて揚水量を規制する、同時に代替水の供給という対策を伴わなければいけない、そういう意味の総合立法をできるだけ早急につくってほしい、こういう御要望でございます。われわれもそういう意味におきましては、やはり規制と対策とがお互いに相まちまして、そして地下水からの転換ということが円滑にいくというためには関係各省といろいろと御相談しなければなりません。その意味におきまして、先ほど長官からもお話がございましたが、代替水の供給につきまして非常に各省とも御関心があり、また熱心に御主張をいただいております。たとえば、そうした場合に河川法の問題がございます。河川法で水利権の許可をするわけでございますが、そうした問題がこうした対策面でどこまで取り入れることができるか、そういう点につきましてもいろいろと各省御意見がございます。そこら辺、やはり法律をつくって実施する以上、規制と同時に対策も一緒に行われ、それがまた法律の実効性を高めるし、また担保をする、そういう面につきましての各省の御意見がまだ完全にまとまっていない、こういう段階でございます。
○中井委員 来年聞いてもそういった答えでないことをぜひとも祈るわけであります。いまのままでいきましたら、たとえばいまお話が出ました、去年委員の皆さんに御視察をいただきました長島町の地盤沈下、いまあちこち各省庁分かれてそれぞれ対策をとっていただいているのは確かにありがたいことでございますが、そういった各地の地盤沈下がとまったころに、地盤沈下対策が全部終わったころに地盤沈下防止法が出てくるのじゃないか、こんな気すらするわけでございます。ぜひとも早急に御努力をいただきたいことを重ねて御要望申し上げておきます。
 最後に、水俣病の関係でチッソの会社の状態、あるいはチッソの企業をどのように存続をさせていくおつもりなのか、まあ存続をしているのに大変失礼でありますが、そういったことについてお尋ねをしたいと思います。
 水俣病の患者の皆さんに、これはチッソは当然のことでありますが、いままでにもう三百十九億の補償を払っておる、漁業補償が三十九億ある、そのほかにしゅんせつの負担、大変な金額であります。チッソ自体が大変な資産を持ち大変な黒字会社であるというならば私どもは一向心配することはないわけでありますが、累積欠損がすでにもう去年の夏で三百十二億という状況でございます。これからまだまだ対象患者さんも当然ふえると思うわけであります。そういった中で、本当にこのチッソ一企業で払い続けられるのかどうか、あるいはまた新聞紙上等で伝えられるように、政府が本格的に水俣病の患者の皆さんに安心して治療を受けていただける、あるいは損害賠償というものを受け取っていただける、このためにチッソ自体を助けていくのだという決意をなさっているのかどうか、この点について、環境庁あるいは通産省、大蔵省それぞれの方針をお尋ね申し上げたいと思います。
○信澤政府委員 お話がございましたように、私どもの立場では、患者とチッソの間で結ばれました補償協定をチッソが履行できるように、それにチッソに対する施策を必要とするならば、いわゆる汚染者負担の原則に反しない限度においてそれなりのことをやらなければならない。また、これは環境庁だけではできませんので、そういう方向で関係省庁と御相談をしているということでございます。
○児玉説明員 お尋ねのチッソの問題でございますが、私どもは、昨年の夏前の水俣病関係の閣僚会議におきまして、チッソの経営の健全化についていろいろと知恵をしぼれということを指示されているわけでございまして、現在チッソのつくっております製品につきまして何とか市況を維持し、少しでも収益が上がるようにできないかということでいろいろやっておりますけれども、これは先生御承知のように、大変不運と言えば不運でございますけれども、チッソのつくっておりますものは大部分が非常に不況の程度の高い業種に属するものばかりでございます。そこで、チッソの経営の健全化で今後もいろいろやってまいります。もし新製品を手がけるということでございましたら、そういうものにつきましても積極的に支援をしてまいりたいと思っておりますが、何と申しましても経営の健全化ということでやれることにはこれは限度がございまして、普通の企業として立ち行く限度というところでございますが、それで円滑に患者の補償ができるかと言いますと、これは全く別の問題でございまして、そこを何とか両方両立させるようなうまい知恵というのがどうしても必要なんじゃないかとかねがね思っているわけでございます。この点につきましては、私どもだけではいかんともいたしがたい点がございますので、関係各省庁、知恵の持ち寄りと申しましょうか努力の持ち寄りというふうなことで何とかこの問題に努力してまいりたいというふうに思っております。
○柏谷説明員 チッソの問題につきましては、いま環境庁それから通産省から説明していただいたこと、私どもとほとんど同じでございます。
 御存じのとおりわが国では、水俣病救済、これは水俣病の原因者であるチッソが負担すべきであるということは汚染者負担の原則から明らかではございます。明らかではございますが、もし仮にチッソがそういう補償金支払いを支払えなくなってまいりますと、被害者の救済とか、あるいはそれだけでなくて地域振興とか、これらの問題に大きな影響を与えます。私どもとしては、そういう事態はできる限り避けたいと思います。具体的に何があるか、これはいろいろな問題がございますけれども、現在関係者で知恵を出し合っている、そういう段階でございます。
○中井委員 いま現在、チッソそのものに、そういった患者さんに対する支払いが滞りなく行われるように、あるいは途切れる不安がないように、あるいはチッソの会社がつぶれてそこに働く人たちが雇用をなくしてしまわないようにされておる具体的な施策、それから、これからどういう方針でされようとしておるのか、まあ知恵を出し合っておる段階とおっしゃいましたが、なかなかむずかしいのじゃないかと思うのでありますが、どういう方針でいこうとされておるのか、大体の方向というものはおわかりでございますか。
○柏谷説明員 ただいま申し上げましたとおりいろいろな可能性がある。いろいろな可能性がありますが、ただこれから先、いろいろな情勢の変化に応じまして私ども対策を立てなければいけないということがございますので、いま特にどういう方向というのはやっておりませんが、あらゆる可能性を検討したい、こう考えております。
○中井委員 話が出ております熊本県等の県債、そういったこともこの検討の中の一つでございますか。
○柏谷説明員 県債につきましては、実は私ども熊本県から直接そういう要望は聞いておりませんが、仮にそういう要請が熊本県からあった場合どうするかと申しますのですが、その場合でも、やはりこの地方債の問題と、それから先ほど申しました汚染者負担の原則との関係をどう考えたらいいか、あるいはもしその地方債につきまして償還確実性が、果たして可能かどうか、こういういろいろな困難な問題もございますので、そういう問題も含めてこれからあわせて考えていきたい、こう思っております。
○中井委員 最大限の御努力をお願いして、私ほかの委員会で質問の時間でございます。大変勝手しますが終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○島本委員長代理 中井君の質問はこれで終わりました。
 次に、東中光雄君。
○東中委員 長官にお伺いしたいのですが、公害が大分よくなったとかあるいは解決したというようなことが一部で言われておりますけれども、私は、公害環境行政というのはいよいよ重要になっているというふうに考えております。したがいまして、また、環境庁の役割りというのも非常に重要だと思うわけであります。環境庁という役所は他の省庁と異なった性格を持っておるのじゃないか、こう思うのであります。環境庁設置法を見ましても、他省庁に対する勧告権というのを環境庁長官は持っておられます。経済企画庁や国土庁にもそういう勧告権はありますけれども、経済企画庁あるいは国土庁というのはいわば調整が主たるものだと思うのであります。しかし環境庁は、国民の健康あるいは環境保全という立場から、健康、環境保全を優先させて、それぞれの行政に対してはチェック機関的な役割りを持っておる、こう思うのでありますが、そういう点で環境庁独自の行政とともに、他省庁の行政に対してチェックする機関としての性格も持っておる。特に、いま公共事業がうんとふえるわけでありますから、それだけに、環境保全あるいは国民の健康という立場からの環境庁の役割りというのは非常に重大だ、こう思っておるのでありますが、その点、長官としてはいかがお考えでありますか、お伺いしたいと思います。
○山田国務大臣 御案内のごとく、各省はいわば縦割りの関係になって行政組織が組まれておるというようなかっこうでございますけれども、環境庁の場合にはいわば横にまたがって、いま御指摘のように調整、そしてまた環境行政というものの立場からの勧告権等を持ってやっているわけでございますから、したがって、そういう立場においての一つの役割り、責任というものは、環境庁としてもみずからの環境行政というものに課せられた基本法の本旨にのっとって、そして、がんばってやっていかなければならない、こう考えております。もっとも、先ほどもちょっと申し上げましたけども、各省庁においてもあるいは広く一般に環境問題の必要性という点についてはかなり認識は高まってきている点は、これはあろうかと思います。そういう意味においては、いわばわが責任を十分踏まえて、そしてひとつわれわれの役割りを徹底してやっていかなければならないけれども、同時にわれわれお互いのいわば協力と協調といいますか、そういう面についての全般的な理解と態勢というものをあわせて持っていくことが必要ではないか、こう考えております。
○東中委員 他省庁が縦割りであるのに対して違う原則といいますか、国民の健康と環境保全、こういう立場からチェックをしていくという性格を持っておるだけに、いままでもそうでありますし現在もそうであると思うのでありますが、いろいろな他省庁との意見の違いというのがずいぶん出てまいります。現にアセスメントでは環境庁自身も、当委員会でも言われておりましたが、建設、通産との間の意見の違いがあって、アセスメント法は去年はここに提案するというはずでありましたが延びておる。こういうふうな対立といいますか、あるいは意見の違いが出ている。あるいは通産との関係で言えば、窒素酸化物や公害健康被害補償制度についても意見の違いが出ておる、こういう状態であります。特定空港の騒音規制で、いま成田空港に適用するということで継続審議になっている法案がありますけれども、あのときも運輸省と環境庁、この公環特が連合審査をやりましたが、結局私が質問したのに対してプリンシプルの違いなんだ、要するに原則の違いなんだということをある局長は言われておりましたけれども、そういう問題があるわけです。環境庁がそういう点ではあくまでも環境保全と国民の健康という独自の立場から毅然として主張していかなければ、環境庁というのは単なる調整機関になってしまって存在理由がなくなるということになると思うのでありますが、そういう点で非常に毅然とした態度ということが要望されておる、制度上そう思うのでありますけれども、いかがでございましょうか。
○山田国務大臣 先ほど申し上げましたように、われわれはわれわれに課せられた法律上の役割り、責任、こういうものを正しい認識に立って毅然として遂行していく、そういう立場に立って考えていくべきだ、この点の方針についてはちっとも変わっておりません。
○東中委員 それで、私、そういう点から見て環境庁の非常な弱点がいまあると思うのでありますが、それは人事問題であります。課長など特に幹部クラスの人たちの環境庁の環境行政に携わる期間、そういった面から見て、全く腰かけ的な人事異動になっている。これは系統的に調べてみてびっくりしたわけでありますけれども、余りにもひどいのではないか。もちろん人事異動というのは必要でありますけれども、しかし腰かけ的なものになっておるのではないか。先ほどの長官のお話でも、環境行政というのは非常に長期の展望をもって見なければいかぬ問題だ、同時に全地球的に、あるいは全宇宙的にといってもいいくらい非常に広範かつ長期にわたる展望をもって、そしてそういうものの中での位置づけとして環境行政をやらなければいかぬと思うのですが、人事が腰かけ人事になっている、あるいはネコの目のようにどんどん変わっていくという傾向を持っておると思うのでありますが、長官はその点どうお考えになっておりますか。
○山田国務大臣 環境庁は生い立ちの歴史が短い、とにかく途中からできた役所でございまするからやむを得ない点があったことは御理解いただけると思います。と同時に、ここでは何しろそれぞれ専門的な知識経験というものを要するのですから、したがって、そういう意味において各庁からの力、人的要員をもって設置を図らなければいかぬ、これも当然御理解いただける点ではないかと思うのです。しかしながら、環境庁はだんだん独自の姿勢というものを持っていく、そのためにはやはり独自の職員の採用と養成ということが結局必要でございますので、その方面から見てみますと、四十七年から毎年計画的に職員の採用をいたしておって、現在までの新規採用職員の累計は三百九十一人に達しております。今後ともこの方針を維持して、プロパーの職員の割合を計画的に増加させていきたいという考えでおるような次第でございます。のみならず他庁から来ていただいた職員も、当庁の任務ということに関連いたしまして、独自の主体性においてここで骨を埋めて大いにやりたいという方も非常に多くなってきておるものという認識に私は立っております。ただ、環境庁というのは、先ほどもお話し申し上げましたように企画調整の庁である。したがって、専門的な技術職をいろいろ必要としているというような官庁でございまするから、われわれは独自の職員を養成し、また独自の認識に立つ職員を持つとしても、そういう必要性からある程度各庁から適材を導入していく、これは将来においても必要であるし、また望ましいとも考えている次第でございます。
 いずれにいたしましても、御懸念の点、いろいろ御心配いただいてまことにありがたいと思っておりますけれども、漸次幹部におきましてもまた若い方においても、先ほども申しましたように独自でやろうというようなことでがんばっておりまするので、ひとつ御理解いただきたいと思います。
○東中委員 なるほど発足時に寄せ集め的な人事になる、これは当然だと思うのであります。しかし、それが定着しないというところに問題があるんじゃないか。たとえば、発足時の職員で現在も環境庁に在職している人は、四百三十一名中わずか百七十四名であります。なぜこういうことになるのか。それから、出向職員の絶対数でいいますと、これは全体の職員数がふえているということもありますけれども、絶対数も二百十一名から二百五十二名にいま増加しています。どうしてそういうことになるのか、お伺いをしたいと思います。
○金子政府委員 四十六年に環境庁が発足いたしましてから七年間ほどたったわけでございますが、発足いたしましたときの一般職の定員が五百一名、それが五十三年度末には八百四十四名になるわけでございまして、その間約三百四十名の定員増があるわけでございます。その三百四十名ふえました中で出向職員が約四十名ふえて、あとの三百名はいわゆるプロパー職員がふえた、こういうことでございます。したがいまして、職員全体に占めます出向職員の割合は、発足当時約半分だったのでございますが、五十三年度におきましては三分の一を切る、こういうことになるわけでございます。このテンポが遅いではないかという御意見もあろうかと思いますけれども、大臣も初めに申し上げましたように、わが国は官庁にも本籍といいますか、フランチャイズといいますか、そういうようなものがございまして、これは年功序列、終身雇用的な雇用慣行から来ているんじゃないかと思いますが、そういうようなことがございまして、いわゆる子飼いというものが育ってくるまでの間は、一挙にはなかなか理想的な状態にまいらぬ、こういう事情がございます。それから、大臣も申しましたように、気象とか海洋とかというものにつきましては、環境庁で専門家を採用して養成することも考えましたけれども、何といいましても、これは全体の中の一部分の事務量でございまして、とても前途有為な人材が得られない。どうしても気象庁その他科学技術庁などで相当数優秀な方を採用された中から適宜出向していただくほかあるまい、こういう部分が非常に多いわけでございます。
 そういうようなことなどもございまして、ただいま出向職員約三分の一と申し上げましたけれども、それは形の上でそういうことになっていて、環境庁に来てみて仕事をしてみたところが、公共性が高くて公務員として非常にやりがいがある、ついては環境庁に骨を埋めてもいいという気持ちになっておられる方がこの中にも相当割合いるやに聞いております。ただ、形の上でそういう整理などはしない、こういう実情でございます。
○東中委員 先ほど聞いた、たとえば四百三十一名発足時に在職をしていた人が、いま百七十四名になっている、うんと減っているわけですが、その大部分の人は、いま局長のいわれた、本籍かなんか知りませんけれども、もとへ戻った。そういう姿勢が腰かけだと思うのですよ。初めから環境行政をやる、本籍を移せばいいじゃないですか。なぜそれを移さないでやるのかということを言っているわけであります。環境行政が縦割りのセクションが違うというだけなら、これは農水をやっていた人がある程度それに関連する通産へ行ってもそれはいいかもしれません。だけれども、原則の違ういわばチェック機関へ移るときに、もうじき帰りますんやということで移ってくるというような姿勢が問題ではないか、こう聞いているわけであります。
○金子政府委員 御意見はまことにごもっともだと思いますけれども、現実はなかなかそのようにまいらないわけでございまして、初めから環境庁に本籍を移すということで上から下まで人を集めた場合には、望ましい人材は得られない、こういう現実があったわけでございますし、現在もあるわけでございます。私どもは、何といいましても能力の劣る人を数だけそろえるよりは、わが国の最高レベルの人材を集めたい、こういう方針でおりますから、関係各省にお願いいたしまして、たとえば課長にする場合も、その役所では課長になるのにまだ二、三年はかかるというような方でも、よくできる方で人格も高潔であるというような方であれば年次に構わず来ていただく、こういう形をとります。そういう方はそれぞれの役所において将来をしょって立つ方々であらせられますから、私どもが環境庁に本籍を移してくれとお願いしてもなかなかいい方は移していただけない、それならば二、三年たった場合にまたかわりにそのような方に来ていただくのもやむを得ない、こういうことでやっておるわけでございます。
○東中委員 形式上は環境庁で言っているいわゆる出向社員であるけれども、いまの金子官房長のように長い期間ここへ腰を落ちつけてやっておられる人もある。しかし、それは幹部クラスで言えば、課長以上で言えばほんの二、三人ですね。私たちの見るところではそういうふうに見えるわけであります。だから、人材を集めるためということじゃなくて、環境庁の姿勢の問題なんですよ。ちょっと来てもらって、帰ってもらって結構ですというたてまえでいっているからこそ、もはや八年目に入った今日、こういう事態が続いておる。三分の一も出向社員であるということであります。なるほどパーセンテージは五一%から六七・五%へ本来の職員がふえてきておることは事実でありますけれども、問題は幹部職員の場合、特にそういう点が顕著だと思うわけであります。室長、課長クラス以上のポストが約四十ありますが、そのうち二十八ポスト、七割が出向社員で占められております。これは同じ国家公務員だから支障はないと言えばそれまででありますけれども、形式論議ではなくて、出向社員が幹部職員の七割も占めているというのは本当に異常だと思うのですが、長官、その点どう思われますか。
○金子政府委員 大臣がお答え申し上げます前に、事実関係についてちょっと申し上げさせていただきたいと思います。
 幹部職員の中で技術系、特に医師の素養があるといいますか医学の系統の方々は、厚生省と環境庁の間――医師だけではありません、衛生工学の関係も同じでありますが、これはいわば共通フランチャイズみたいな感じになっておりまして、一応出向という形で整備することもできますけれども、御本人方は決して出向という気持ちでやっているわけではないと思っております。これは若い段階から厚生省、環境庁またにかけて仕事をさせる、最後はどちらでやめても構わない、こういう扱いになっておりまして、これは各省の人事交流の中でもいわば新しいパターンとして評価する向きもあるものでございます。そういうものを入れてまいりますと、出向職員の割合というのはずっと低くなるというふうに私どもは考えております。
○山田国務大臣 御承知のように、まだ年限が七年ぐらいと浅いものですから、したがって、わが方で養成してまいりました職員もまだ年が若いということで、勢い幹部職員については別な配慮が必要とされるという状況でございます。そしてまた、先ほど官房長からも話がございましたけれども、さて幹部職ということになれば、無論それぞれ専門で、共通した問題についてはその専門をずいぶん身につけてきたような方に来ていただくことがどうしても必要だということもございますし、それにまた、もう環境庁で骨を埋める人でなければということになると、なかなか人事のやりくりというものがむずかしい。ことに、これは蛇足でございますけれども、日本の場合には会社同士でもよその会社へ行ったり来たりというような風習が非常に少ない。外国の場合ですとそういう点がきわめて平気で行われているという点については、そういう長い習慣、慣習というようなものもありますので、そこら辺の事情も加味しながら、環境庁としてその独立性を発揮していくように最善というようなことで努力をしておるような次第でございまして、この点ひとつ御理解いただきたいと思います。
○東中委員 きれいごとを言われますので、私、具体的な内容に入らざるを得なくなるのですが、たとえば水質保全局は、局長以下企画課長、それから調査官、それから水質管理課長、水質規制課長、土壌農薬課長ですか、全課長がこれは出向ですね。しかも農林、建設あるいは厚生、通産、こういったところからもうそのポストが決まったみたいにして入ってきていますね。
 一例を挙げますと、水質規制課長は、第一代の水質規制課長は四十六年の七月、経企庁国民生活局水質調査課長から環境庁水質規制課長で入って一年三カ月、そして通産省へ帰った。その後第二代目は、通産大臣官房付の名古屋通産局商工部長が環境庁の水質規制課長に来る、四十七年十月です。そして一年九カ月たつと通産省へ帰る。また三代目は、通産大臣官房付の石油開発公団石油開発技術センター業務課長、この人が環境庁水質規制課長で来る。一年六カ月たつと通産省へ帰る。かわりに通産省から、昭和五十一年一月に広島通産局総務課長が環境庁へ来る。こういうふうになっているんですね。この水質規制課長というのはもうずっと通産省の専属出向ポストというふうになっておるわけであります。あるいは大気保全局にしましても、橋本局長は別でありますけれども、大部分の課長さんは他からの出向課長だ。企画調整局がやはり多くの人が出向職員だ。しかも、これは通産との間で意見が合わないところです。いまのアセスメント法にしてもそうであります。あるいは水の総量規制問題にしましても、意見が合わない相手方の省庁から出向で来ている。それで一年何カ月かたつとまたそこへ戻ってしまう。だから、交渉といったらおかしいですが、チェック機関としてチェックする側のポストへチェックされる側といったらちょっと語弊がありますけれども、チェックされる側の人が出てきてそこへ戻っていく。こういうことになっておったのでは、長期の環境行政というものが、国民の健康、環境保全、こういうものを守るという立場からではとてもやれなくなってくるというふうになるのはもう必然だと思うのです。非常に異常に良心的にその期間だけばちっと反対側の立場に立っているというふうなことができ得るとしても、そういう者が例外的にあり得るとしても、それは少なくとも国民が納得する行政にはならない、こう思うわけであります。環境行政というのが非常に重要な、しかも全地球的な規模で考えなきゃいけない、そういうものであればあるほど、通産行政からちょっと腰かけで来て、そして帰ってしまうということでは――たまたまそういう例外があるというんだったらこれは別でありますけれども、水質保全局では全部がそうなっている。重要な大気保全局にしても企画調整局にしても、あるいは長官官房にしましても、ほとんどが出向だというのではいかがかと思うのでありますが、長官、これは国民から見たら本当に異常ですよ。検討される、そして環境行政の姿勢を正すというふうには思われませんか。やっぱりこのままでやっていくということになりますか。
○山田国務大臣 環境庁の自主的人事というようなことで大変御心配にあずかっている点、まことに感謝にたえないわけでございまするけれども、細かい点は必要があればまた官房長あたりから答弁させたいと思いますが、何しろこのごろは課長になるといっても二十年近くかかる。われわれの新規採用の歴史ということになりますると、まあ七年ぐらい。こういうことになりますると、幹部の人事ということに、勢いいま御心配いただいたようなこともどうしてもやむを得ない面が生じてくる点があろうかと思います。しかも、先ほども申し上げましたように、もう環境庁で骨を埋めるという人間でなきゃ採らぬという点も、無論そういう配慮も私は決して不必要だなどと考えているんじゃない、確かにそういう点は必要な点だと思いまするけれども、実際問題としてそれでは動きにくい点があるところに、いまの過渡的な時代においてはなかなかむずかしい点がある。私は決してきれいごとを申し上げているのではございませんけれども、いまの実情からいって、新しい人間を採っても、課長になるのにはまだあと十何年ぐらい普通ではかかるような状況のもとにおいて、さてどうしたらいいかというところにわれわれも非常に苦慮しているわけでございまして、そこがかわるからいいかげんだというようなつもりでやっているわけでは決してない、この点はひとつ御理解いただきたい、こう思うわけであります。
○東中委員 長官、それは聞こえませんと私言わざるを得ないのですが、たとえば、大気保全局企画課長と大気規制課長と特殊公害課長、自動車公害課長、この局長以外の四人の課長さんはいずれもこの前、七カ月前に他省庁から一緒に環境庁へ来ているわけですよ。厚生省と通産省と警察庁と運輸省から来ている。それで、その関係のあるところから、たとえば自動車公害課長が運輸省から来ているわけですね。運輸行政の立場から一体切りかえがきくのか。局長以外の全課長がほかから来ている。それで環境行政というのは一貫したものとして一体できるのかどうか。ほとんど同時にかわっているわけですよ。これは異常じゃないですか。それで帰ったら、先ほど言ったようにまたかわりにその省庁から来るというようなことになったら、これは形だけは整っておっても、オルガントレーガーが実際魂が入っておらぬ。そういう人がたまにおる、有為な人材で、一定期間だけそのポストに来てもらった、そういうのがたまにあると言われるなら、それは私、そういうこともあり得るだろうと思います。お医者さんだからということでそういうことがあり得るだろうと思います。しかし、同じ時期にずらっと全課長がかわっている。全課長と言ったら語弊がありますけれども、いま言った四人の課長がかわっておる。こういうことでチェック機関として、それから全然プリンシプルが違うというふうなことで実際やっていけるのか。環境行政に熱意を持っておるのだったらこういう人事、こういう体制というものは改めなければいかぬ。やろうと思ったけれどもなかなかできないというのならこれはまた別でありますけれども、まだ省庁ができて間もないからやむを得ぬのだといってこういう状態がずっと続いていくのだったら、日本の環境行政というのは、公害国会過ぎたら、そのときだけはかっこうだけつくったけども、その後はしり抜けで、巻き返しの中で無防備でおるというふうに言わざるを得ぬように思うのであります。これは重ねて長官、方向としてそのまま認めるということであったらこれは私はお話にならぬ、こう思うのでありますが、いかがでしょう。
○金子政府委員 事実関係その他につきまして、先に二、三答弁させていただきたいと思います。
 大気保全局の四人の課長が同時にというのは何かの間違いじゃないかと思います。私の記憶する限りでは、五十一年に二名、五十二年に二名というふうにかわっております。
 それから、日本の官庁では、局内の課長が仮に全部かわっても、それで政策の方向が変わってしまうとか仕事ができないというようなことは、経験的にもないと私どもは考えております。
 それから、大気だけではありませんけれども、環境庁の場合には、たとえば環境基準をどうする、水質総量規制をどうするという基本的な問題は、いわばトップダウン的にやっておりまして、課長さんがかわったからやれないとか、やり方が変わるというようなことはいままでなかったと思います。もしもそういうことであるとすれば、環境庁ができましたときにあれだけの仕事を、それこそ寄せ集めたスタッフで、同じ課の課長と課長補佐が名刺を交換しながら一挙に仕事を始めたという、あの時期にあれだけの仕事はできなかったのじゃないかとすら私どもは思っております。そういうことでいろいろ御配慮いただくのは大変ありがたいのですが、私どもは仕事ができるというふうに考えておりますし、また先生御指摘の点は、確かに私どもも配慮していかなければならない点でございますので、具体的に申し上げますと、環境アセスメントは企画調整局の環境管理課に専担させておりまして、その環境管理課の課長は自治省出身であり、その課員には経済官庁の者は入れていない。したがって、アセスメント法関係で経済官庁とのやり合いその他で困るというようなことはなるべく起きないように、そういう配慮を随所に加えているというのが実情でございます。
○山田国務大臣 原則として、さっきから申し上げているように、自主性を持たした人事というものが望ましいということ、それも当然だと思うのです。だからそのプリンシプルを守りますということを申し上げればあれでございまするけれども、それはいわゆる逆のきれいごとになってもと思いまして、われわれとしてはその方針でいっているけれども、実情は、若い官庁ということになれば勢いそういう点があるのだという、そこを率直に申し上げているわけであります。しかしながら私の見るところでは、官庁一緒になってやっていれば、やはりわれわれが課せられた使命というところでは、みんな人間だから親元との関係というものが絶無だということを私が申し上げるわけにもいかぬかもしれないけれども、しかしこの使命に燃えてみんな一生懸命になってやっていてくれる、私はそう信じております。いまのところは、その意気でみんな一生懸命になってやるほかないのでがんばっているということで、どうかひとつ御理解いただきたいと思います。
○東中委員 さっきも言いましたけれども、大気規制課それから水質規制課、これは人がかわってもいつも通産から後任が来るということなんですね。それから、環境庁に骨を埋める気にならない、出向の人はそういうことだと思うのです。だから、元へ帰りたい、通産におりたい、環境庁には行きたくない、しかし出向で来るんだということになったら、いま長官がいろいろ言われましたけれども、その人の個人的な心情を私は言うのではなくて、通産の本籍におりたい、そこから抜けたくないという気持ちを持っている人が今度は環境庁へ来て、環境行政に骨を埋めたくないのだけれどもその期間だけ一生懸命にやりますと言うたって、これは普通の人間の人情として、そういうものはそれならもう初めから切ってしまえばいいのですから、通産を移籍すればいいわけですから。そうしないというところに通産との関係がある。しかも、それがしょっちゅうそこへ通産の人が入れかわり立ちかわり来る。しかもその問題が通産との間で、それは担当部門は直接でなくても、そういうポストになっているということがこれは問題なんじゃないか。
 それから、たまたまその通産の人ばかりが四代つながったというのではないわけですね。通産から来て帰るから、また通産から後任をさがしてもらうというかっこうに結局なってしまっているのじゃないでしょうか。すらっと見たらだれでもそう思われると思うのですよ。
 それから、そのいわばチェック機関である環境庁が職務の内容からいって意見が違ってくるというのは、通産行政が送り出しているのは産業の振興ということになるでしょうから、それに対して全然違う次元から、国民の健康を守る方が優位だということでチェックをする、環境保全という点からそれを優先するものとしてチェックするという側でそういう行政をやるということになったら、これはやはり切らなければいかぬじゃないか、こう思うわけです。
 ですから、一般的に言ってそれが望ましいということはいま長官が言われましたけれども、一般的に言ってそれが望ましいだけじゃなくて、特殊具体的に、たとえば大気、水質という部門についてやはり具体的に検討を進めるということをやってもらわないと、公害行政に対する不信というのは除けない。現にアセスメント法にしたって、内閣として出す予定法案としてあらかじめ国会に示しておいたものが出せなくなっているというふうな事態がすでにもう起こっているわけですから、そういうことと関連して、こういう体制について具体的に検討するということを、ひとつぜひ日本の環境行政のために、長官、決意のほどを示しておいていただきたい、こう思うのであります。
○山田国務大臣 本質的にそれが望ましいのですから、これはひとつそうやりたいということを考えております。ただ、私は大変正直なものですから、したがっていまのあれで、もしここに骨を埋めろということを言ったら、なかなか人材が得られないというのがいまの実情じゃないか。と申しますのは、さっき言ったように、課長級になるまでにはまだ、この中で育てた人間が相当おるものですから、したがって、私がいい意味で、その方針でそうやりますと、こう申し上げたいところなんですけれども、しかし、それで人事が行き詰まるというようなことになっても、実際の必要がそういう中ではなかなかさばき切れないような点、先ほどその点については詳細実情を申し上げたつもりでございますけれども、ひとつ万全の努力をいたすつもりでございますから、どうかその点御理解いただきたいと思います。
○東中委員 時間が中途半端になりますので、終わります。
○島本委員長代理 東中光雄君の質問はこれで終わりました。
 次回は、来る三月三日金曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時十分散会