第084回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第20号
昭和五十三年五月三十日(火曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 久保  等君
   理事 相沢 英之君 理事 池田 行彦君
   理事 林  義郎君 理事 島本 虎三君
   理事 水田  稔君 理事 古寺  宏君
   理事 中井  洽君
      高村 坂彦君    戸沢 政方君
      友納 武人君    西田  司君
      羽生田 進君    萩原 幸雄君
      橋本龍太郎君    福島 譲二君
      藤本 孝雄君    小川 仁一君
      川本 敏美君    馬場  昇君
      竹内 勝彦君    東中 光雄君
      工藤  晃君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 山田 久就君
 出席政府委員
        内閣法制局第二
        部長      味村  治君
        環境庁長官官房
        審議官     石渡 鷹雄君
        環境庁自然保護
        局長      出原 孝夫君
        環境庁大気保全
        局長      橋本 道夫君
        環境庁水質保全
        局長      二瓶  博君
        水産庁次長   恩田 幸雄君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部保安課長  柳館  栄君
        外務省欧亜局外
        務参事官    加藤 吉弥君
        外務省国際連合
        局社会課長   丸山 俊二君
        文化庁文化財保
        護部記念物課長 横瀬 庄次君
        林野庁指導部森
        林保全課長   小田島輝夫君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月三十日
 辞任         補欠選任
  岩垂寿喜男君     小川 仁一君
  土井たか子君     川本 敏美君
同日
 辞任         補欠選任
  小川 仁一君     岩垂寿喜男君
  川本 敏美君     土井たか子君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出第五七号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
○久保委員長 これより会議を開きます。
 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
○島本委員 この鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律、本法は明治以来の狩猟法の手直し、また手直し、こういうふうにして現在に至っておる法律のようであります。いろいろ資料によりましても、いわば狩猟が主体な法律であって、それが時代の要求に応じて、それだけではまかり通らなくなり、手直しを加えて現在に至っている法律のようであります。鳥獣保護というその保護の概念、基本理念を明確にして、その理念を明定させるような法律にするべきではないのか、私ども常にそう思っておるのであります。法律の体系を整備するということに対してのお考えは、大臣どのように持っておりますか。
○山田国務大臣 ただいま島本委員から御指摘になりましたけれども、野鳥、鳥獣というものが自然というものの中で占める非常な重要性ということについては、謙虚に、しかしながら改めて深く思いをいたさなければならないものである、そういう点の認識が、昨今のいろんな事情から一層強まってきているんじゃないかというふうに考えます。いま今日の狩猟法についての御指摘の点がありましたが、私もこの問題については、根本的な点でいろいろ考えなければならぬ点が非常にあるという点については、感を等しくいたしている次第でございます。今回については、いろんないきさつというものにも人間しがらみみたいに縛られているという点、これはなきにしもあらずということをわれわれも反省するわけでございますけれども、やはり基本的に自然を守るという見地、保護するという立場に立って、この問題をどうしていくかということについては、無論、長らくの慣習、しきたり、事情、あるいは西欧の場合とちょっと違ったいろいろな生い立ちがございますので、一挙に西欧の行き方というところに行き得るかどうかということについては、問題はなきにしもあらずだと思います。にもかかわらず、そういう立場から私は、この問題についてひとつよく検討していかなければならぬ、そういうふうに考えている次第でございまして、私は、いまの御指摘の点、そこにはこの問題についての非常に根本的な問題についての一つの御指摘があるというように受け取っているような次第でございます。
○島本委員 やはり環境庁でありますから、そういうような環境の整備、またいろいろ設置法に決められている、そういうような一つの長官の任務、こういうようなものの観点からして、法律の整備というものは今後必要だと思うのであります。内閣の法制局来ておりますか。まだ見えないようですから、この問題はちょっと後回しにさしてもらいます。
 鳥獣保護及び狩猟の適正化という答申が一月の二十日に出されたわけであります。これに従って法改正を行った、こういうようなことに私どもは存じておりますが、答申に沿うての改正ですか、また環境庁として独自の見解を踏まえての改正になりましたか、この辺をひとつ明確にしてもらいたいのであります。
○出原政府委員 自然環境保全審議会におきまして昭和四十七年以来長期にわたって御審議を願いました結果の答申でございますので、環境庁といたしましては、できるだけその答申の線に沿って法案を改正いたしたいということで今回お願いをいたしておるわけでございまして、答申の中には、今後予算措置あるいは行政措置で努力すべきものと法律の改正を要するものとございますので、特に法律の改正を必要とするものにつきまして今回御審議を願うことにいたしたわけでございます。
○島本委員 答申の第二というところに、鳥獣保護施策の強化、これが一つございましょう。これは、鳥獣保護については、渡り鳥や中継地それから繁殖地などの管理の大部分が都道府県知事にゆだねられているだけでは不十分だ、国が積極的な保護施策を講ぜよ、こういうようにあるのであります。そして、「このような趣旨にかんがみ、現在実施中の第四次鳥獣保護事業計画は速やかに再検討を行うとともに、国が実施すべき鳥獣保護事業についても計画を樹立し、それに基づき効果的に実施するよう検討すべきである。」こういうようにございましょう。これはちゃんとこの中に書いてあります。法案や計画にこの点をどのように盛ったのですか。
○出原政府委員 答申の中に、鳥獣保護の事業計画につきまして国が積極的な姿勢で臨むべきであるということについての御指摘がございましたのは、いまお話しのとおりでございます。この答申に応じまして、私どもは第四次鳥獣保護事業計画、これは昭和五十二年度から昭和五十六年度までの五年間にわたる事業計画でございますが、現在の鳥獣保護事業計画は、各都道府県で事業計画をつくる際の指針を国が示しまして、それに基づいて各都道府県が計画を立てたものをまとめておるということでございますが、この計画を私どもといたしましては早急に見直しをいたしまして、国が保護すべきものについて、特に渡り鳥あるいは絶滅に瀕しておる貴重な鳥につきましての国設の鳥獣保護区の設定等を中心といたしまして、これを見直した上で、五十六年度を待たないで、できるだけ早く、私どもとしては今年度中にも新しい事業計画を設定いたしたいというように考えておるところでございます。
○島本委員 そうすると、この答申にそのまま沿うてこれは実施するのだ、年次を早めて実施するのだ、こういうように受け取っていいんですか。
○出原政府委員 そのとおりでございます。
○島本委員 そうすると、この「鳥獣保護及び狩猟の適正化について」の答申、この中には狩猟の場について明確に載っているわけです。まことに具体的に指示してあるのであります。それも狩猟の場については、審議会では、鳥獣保護、それから危険防止等の徹底を図るために、狩猟区を設定して、「放鳥獣を主な対象とする狩猟のみを認めるよう改めることが適当である。」、こういうような趣旨の答申になっております。「狩猟の場の考え方」これについては結論が出てない。結論が出てないで、望ましい方向を指示しているわけであります。「狩猟の場の考え方」に対しては結論がない。三論併記になっている。これはちょっとおかしいじゃないですか。したがって、環境庁は基本的にどう考えているのか。三論併記のいずれをとるのか。乱獲による鳥獣の減少を防止するため、危険防止の見地からも、猟区、銃猟制限をとるべきでなかったのか。これについていかがでございます。
○出原政府委員 御指摘のように、今回いただきました答申の中で、全委員の意見の一致をいたさなかったものは、この「狩猟の場の考え方」でございます。この「狩猟の場の考え方」につきまして、各委員の御意見がなかなか一致を見なかったということが、昭和四十七年に御諮問を申し上げてお答えをいままでいただけなかった大きな原因であったわけでございます。
 したがいまして、この御答申をいただきまして、環境庁といたしましては、現状を大きく変更することは、この三つの御意見が並行で出ておる限り、なかなかむずかしいわけでございます。しかし、世界の情勢その他等から考えまして、私どもは、できるだけ猟区等におきまして秩序ある狩猟が行われるということが望ましいという観点から、今回法案でお願いをいたします際に、猟区につきまして私営猟区、いわゆる都道府県、市町村以外の者も猟区を経営することができるとか、あるいは放鳥獣だけで行う猟区というものを制度的に用意をいたしたいということで、秩序ある狩猟をできるだけ行う場を広げていきたいということで、今回の法律改正をお願いした次第でございます。
○島本委員 そうすると、これは三つ併記しておって、そのいずれとも言わないで、その後で「鳥獣保護・危険防止等の徹底を図るため、猟区を設定し、放鳥獣を主な対象とする狩猟のみを認めるよう改めることが適当である。」とするならば、これはおのずと第三のこれを指向していることになるんじゃありませんか。三論併記したというが、この委員の中にはやはりいろいろな御意見がふくそうしたのではありませんか。したがって、審議委員、いろいろな人の立場も確かにあったでしょう。しかし、これは一本筋をぴしっと通すためには、「狩猟の場の考え方」は、結論なしじゃなくて、(三)のこれが正しい、したがって、その次にはきちっとした結論が出てくる、こういうふうに並ぶのが本当だと思うのですが、この点は、環境庁としてもその辺まできちっとした考え方に立っているのですか、いませんですか。
○出原政府委員 いま御指摘のございました答申の中の「鳥獣保護・危険防止等の徹底を図るため、猟区を設定し、放鳥獣を主な対象とする狩猟のみを認めるよう改めることが適当である。」という御意見は、三つに分かれました三番目の御意見でございます。この(一)、(二)、(三)を総合いたしまして、その次の行から「したがって、」ということで総合的に御意見をいただいておるわけでございますが、私どもとしましては、この御意見の中におきましても、やはり秩序ある狩猟というものが非常に必要であるということは、皆さんの一致された意見でもあるというように承知をいたしておりますので、この(二)、(三)といったような形での制度の基本を変えるということは、この答申からはなかなか困難でございますけれども、猟区を拡充して秩序ある狩猟になれていただくということのためには、行政当局としても努力すべきであるということから、制度の改善をお願いしたわけでございます。
○島本委員 では、この辺で一区切りをつけまして、味村第二部長が来ておりますが、いま審議中の鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部改正案、このいろいろな歴史をやってみると、ずっと明治時代からの法律、狩猟法の改正法案になっておるわけです。その後になってきて、今度は鳥獣保護という言葉がついてきているわけであります。この法律の体系を見ます場合には、これはひらがなとかたかながこの中にきちっと入っておるわけであります。かたかなとひらがなが併用されている。調和しているのかいないのか、揮然とこの中で存在している。これは併用しなければならないものなのですか。そうだとすれば、その理由をちょっと聞かしておいてもらいたいのです。ひらがなに直すべきじゃないか、こう思うのでありますが、現在までのものはずっとかたかな、それからこれからのものはひらがな、見出しは全部ひらがな、こういうようになっているのであります。この点はきちっとすべきじゃないかと思うのですが、内閣の考え方はどうなんでしょう。
 たとえば、現在、電波法という法律があります。あの法律の中には、いまだに「逓信大臣」という言葉が入っているのです。「逓信省令」というのがあるのです。どこへ行ってもそんなのはないのです。後ろの方へ行くと、逓信省令とあるのは郵政省令と読みかえろとあるのです。逓信大臣とあるのは郵政大臣と読みかえろとあるのですが、見た目にはみんな逓信大臣と読むのです。後ろの方へ行って読みかえ規定を読まないと、いまだに逓信大臣があるのかと、こういうようなこと。そういう法律がまだ残っている。三つあるはずです。最近は全部一緒に合わして、沖繩国会以来これを改正してしまっているのです。いまだに逓信大臣なんかいるのですか。逓信省令という省令があるのですか。こういう法律が存在している。
 今度の場合には、法律の名前はきちっとしていますが、この中には、見出しの部面は全部ひらがな、書いてあることは全部かたかな。どうもこういうようなのは何か一体性があるのでしょうか、ないのでしょうか。これはひらがなと併用しなければならないものなのでしょうか。内閣の立場から、この点、よく説明してもらいたいのであります。
○味村政府委員 現在の法律案は、すべてひらがなまじりということになっておるわけでございます。そして、それは戦後ずっとそのようにしているわけでございますが、戦前の法律は、すべてかたかなまじりということになっているわけでございます。したがいまして、法律案はすべてひらがなまじりにするという方針が決まりましたときにすべての法律をひらがなにするということができれば、これは一番理想的であろうかと存ずるわけでございますが、何分にも法律の数も多うございますし、かたかなをひらがなにすると申しましても、これはかたかなをひらがなにする際にいろいろ解釈上の問題とかございますので、これは一挙には、非常にたくさんの法律でございますのでできないわけでございます。そういう意味で、現在はかたかなで書かれております法律を改正いたしますときには、これはその法律の中の、たとえばかなり独立性を持ちました一章全部を改めるという場合には、その部分だけをひらがなにするという場合はございます。しかし、そのような場合でございませんと、すべて改正と申しますのは、もとの法律に改正部分が溶け込むわけでございますので、したがいまして、どうしましても、かたかなまじりの法律を改正いたします場合にはかたかなで直さなければならないということになっているわけでございまして、現在の取り扱いはそのようにいたしております。
○島本委員 やはりこの法律はおっしゃるとおりになっているわけですね。ですから、それは了解しましょう。「逓信大臣」、「逓信省令」はどうですか。
○味村政府委員 これはかなり以前のことでございまして、私ちょっと正確なことを申し上げかねるのでございますけれども、一応当時は逓信省に改組するということで、たしか逓信省設置法という法律を出しました、そのときの同じ国会に政府から御提案申し上げました法律案はすべて逓信省ということで御提案を申し上げた。ところがその逓信省に改組するという法律案が成立いたしませんで、そのほかの逓信省という名前に改めました法律が成立いたしましたという関係で、現在のような状態になっているわけでございます。それで、その後それらの法律を改正いたします際には郵政省というふうに直すようにしているわけでございますが、電波法等は恐らくそのような改正の機会がなかったのではないかと存じます。
○島本委員 郵便貯金法の改正案や簡易保険法の改正法案が今回通っているんです。そのときに同じように全部やれる方法はあるはずです。それをやらないで、そして混乱を増しているわけです。どうも内閣のやり方というのはおかしいのじゃないですか。これは自民党の指導によるのですか。
○味村政府委員 ただいまはっきり調べたわけではございませんので、はっきりしたことは後でまた調べたいと思いますが、郵便貯金法と簡易保険法には逓信省という言葉はないはずでございます。ありますのは郵便為替、振替法ではないかと存じます。
○島本委員 したがって、やろうという意思があれば、関連する法律はいまから何年か前に、もうすでに何回も改正されているんです。それを全部見落として、依然としてそれを残してあるから、これは怠慢じゃないのか、こういうようなことです。それを何回も指摘しているのですが直さないのです。しかし、やはりこれは法制局の怠慢じゃないかとさえ私は思うのでありますが、やる方法は幾らでもあるはずです。したがって、それを早くやってきちんとしてもらいたい。
 それと、いまの鳥獣保護法、これを同じようにかたかなをひらがなにして意味の違うというのはあるのですか。
○味村政府委員 かたかなまじりの文章と申しますのは文語体でできているわけでございます。文語体でできておりますものを口語体に直しますというときには、文語体独特の表現というのがございますし、口語体にはまた口語体の表現というのがございますので、これをそのまま字だけを直すというわけにはまいらないわけでございます。文語体を今度は口語体に直さなければならないということになるわけでございまして、かたかなをひらがなに直すというだけではございませんで、文語体を口語体に直すという問題が別にあるわけでございます。その際に、いろいろ解釈上の問題も出てこようかと存ずるわけでございます。
○島本委員 それでは、ひらがなの場合には文語体では一切だめなんですか。
○味村政府委員 現在は、文語体は用いないで口語体を用いるということにしているわけでございます。文語体で法律案を御提出申し上げるということは、やはり現在のわかりやすい法律をつくるというたてまえからは好ましくないことであろうかと存じます。
○島本委員 体制の一元化を期するなら、この見出しも全部かたかなにしておいたらいいじゃありませんか。見出しの方をひらがな、本文の方はかたかな、どうも右と左と半分ずつ向いているようじゃありませんか。
○味村政府委員 昔のかたかなまじりの法律には見出しはないはずでございます。したがいまして、見出しが六法全書についておりますのは、これは六法全書を発行するところでつけたわけでございます。そこで読者の便宜のためにひらがなの見出しをつけているわけでございまして、法律文それ自体にはひらがなの見出しはないはずでございます。
○島本委員 それなら、この環境六法に書いてあるのはうそを書いているのですか。これはどうなんですか。
○出原政府委員 ただいま法制局の方から御説明がございましたように、この環境六法を編さんする側におきまして読者の便宜のために見出しをつけたということでございまして、これは法律の中の見出しでは実はございません。
○島本委員 その点は了解しました。
 しかし味村部長、内閣から出てくるいわゆる閣法という法律の中に、まだそういうようにして、そのいきさつがいかにあったか知りませんが、改正すればできるような法律がそのまま改正されないで放置されているような点がある。逓信委員会の方では、同じようなこれがあったのでそれを指摘しておいたのでありますが、この次にはしかるべく善処する、こういうようなことになっているのであります。これも黙っていたらまた怠慢によって忘れてしまうこともあるのですから、特にこれを機会にして、鳥獣を保護するという立場から、こういうような改正の点についても内閣法制局の第二部長の方に強くこれを申し入れておきたい。速やかにこれは一元化して、読みかえ法なんかによらなくてもきちっとわかるような、そういう法律体制にしておいてもらいたい。なお、この中の見出しは親切なやり方であって、これは本当の法律にはないものだということはわかりましたから、それはよろしゅうございます。どうもありがとうございました。
 では、次に入りますが、大臣の提案理由の説明の中に、「国土の開発等に伴い、鳥獣の生息環境及び狩猟の実態が大きく変貌して参っておりまして、これらに対応した制度の改善が各方面から強く要請されているのであります。」、こういうように言っているのであります。こういうようなことについてはいかなる対応、いかなる制度ということでございましょうか、この対応についてちょっとお聞かせ願いたいのであります。
○出原政府委員 実情だけ先に御説明を申し上げます。
 鳥獣が現在減少の傾向にあるだろうということ、これは数字をつかまえるのはなかなかむずかしいのでございますが、狩猟を行っている人たちの狩猟免許一件当たりの捕獲の数でございますとかそういったものを調べてまいりますと、ここ十年間ぐらいの間に一件当たりの捕獲数が三十羽であったものが十七羽に減っておるというようなことから見まして、鳥獣全体が減ってきておるだろうということは、私ども実感としてある問題でございます。そのために、今回の改正の中でも、特別保護地区における規制の強化その他につきましてお願いをするというような措置もとってきたわけでございますし、なお先ほど御答弁を申し上げました鳥獣保護事業計画を見直そうということも、この辺のところから出ておる問題でございます。
○島本委員 そういたしますと、鳥獣保護区域内においての開発等の行為の規制及び特別保護地域内における行為の規制はさらに強化すべきである、こういうようなことに当然なるではございませんか。政令事項が多い。それで環境庁はどんなことを具体的に考えているのか。これは前からもたびたび聞かれておるのですが、納得するような御答弁をいただけなかったのであります。鳥獣保護区内における開発行為の規制、それから特別保護地区内の行為の規制はさらに強化すべきである、こういうように思うのでありますが、余りそれにしては具体性がない、政令事項が多過ぎる。環境庁はどんなことを具体的に考えているのか、このことについて、この機会に、恐らく法律の場合は最後ですから、きちっと答弁してください。
○出原政府委員 今回お願いいたしておりますのは、鳥獣保護区、特別保護地区等におきまして、観光客が立ち入るために鳥が営巣を中止するといったような事態が憂慮されますので、そういったものが規制できるようにということでお願いいたしておるわけでございます。
 なお、全般的に鳥獣保護区につきましては、私どもは鳥獣保護事業計画の中で鳥獣保護区をさらに広げていきたいという希望を持っております。これは個々人の土地所有者の利害にも絡む問題でございますので、なかなか困難な面も多うございますけれども、各都道府県を督励いたしまして、その推進に努めてまいりたいと思います。
 なお、鳥獣保護区の中での規制をさらに強めていくという問題がございますが、この点につきましては、特に必要なものは特別鳥獣保護地区にするという方法をとりたいと思っておりますし、鳥獣保護区の中での規制を強めることは、逆に鳥獣保護区を広げることについて関係者の同意を得ることが非常にむずかしくなるという問題もございますので、この辺のところの兼ね合いを見ながら、私どもとしては保護区の拡充強化に努めてまいりたいというように考えております。
○島本委員 どうもその辺、はっきりしないな。緩やかにしておいて完全に保護する、こういうような考え方のようでありますが、それならば、施行令がありますが、この施行令の第七条、第八条を見てください。これは鳥獣保護区、それから特別保護地区の設置期間がはっきり載っておりますが、自然公園法であるとか自然環境保全法による指定のように、期限のない指定が一番保護になるのじゃありませんか。それに対して、ちゃんと期間をつけていつも更新するというようなことがベストなんですか、この点を伺います。
○出原政府委員 御指摘のような考え方も十分理由のある考え方の一つであると私どもは考えます。
 ただ、鳥獣につきましては、国立公園、国定公園等の特別地域と特別保護地区と比較して考えます場合に、鳥獣の生息状況が異なってくるというようなことがございまして、鳥獣保護区、特別保護地区に設定をしたら、そこに巣を営まないでほかに移ってしまったというようなケースも間々あるようでございますので、これらを勘案して、制度的に二十年以内において期間を定めて行うということに決められてきたいきさつがございます。
 それで、無期限にこれを広げるというのも一つの考え方ではございますけれども、いま申し上げましたような鳥獣の生息の状況が変わるという問題もございますし、それから、個々人の持っておる権利の制限をさらに強めるという問題もございますので、土地所有者のいろいろな意味での協力をさらに引き続いて得るということのために、現在の状況で拡充強化を図っていくという手段をとっておるわけでございます。
○島本委員 やはりそれは緩やかにして完全に実施したいという、何かしら、まあ乙女のような考え方で強い規制を打ち出しているようでありますが、それならば、自然公園法や、それによってやる方がきちっとするわけです。そこへいかないようにして、緩やかにしながらこれは完全に実施したいという考え方は、何か環境庁の性格そのままをあなたがいま言いあらわしているような気がするのであります。
 そうすると、鳥獣保護区内、それから周辺での野生の動物、鳥類の林業や農業に与える被害について、ちょっともう一回念のために伺っておきますが、駆除を適切に行うために、被害者の申請による駆除を大体原則として認めているようであります。地方自治体による公営の駆除というようなものの導入ということも言われているのでありますが、鳥獣保護の区域内におけるいろいろな駆除の方法については、何か考える点がございますか。公営の駆除制度の導入については、個々に任せないで自治体に任せてやるという行き方に対しては、どのように考えますか。
 それともう一つ、保護鳥獣による農林業への被害についての補償対策というようなことに対してはどう考えていますか。これもはっきり伺っておきます。
○出原政府委員 現在の有害鳥獣の駆除は、原則的には御指摘のように、被害者が個別に実施しておるのが通例でございます。鳥獣と人間とができるだけ共存の関係にある、鳥獣というのは、一面において益をもたらすものであり、一面においてふえ過ぎると害を及ぼすという性格を持っておりますので、そういう意味では、基本的には被害者が個別にというのが通例でございます。しかし、近年、市町村単位に駆除隊を編成し共同駆除を実施する場合が増加しております。それで、有害鳥獣の駆除の推進につきましては、私どもといたしましては、今後ともこういった駆除隊の活用で対処をするように、この辺のところには力を入れてまいりたいというように考えておるわけでございます。広域的な共同駆除が被害防止に有効だという場合には、市町村でございますとか、あるいは農業協同組合でございますとか森林組合等に許可を行うというようなことを考えてまいりたいということでございます。従来の制度では個人にだけ許可をしておるということでございましたので、こういった団体にも許可ができるようにいたしたいということでございます。
 それから、被害の補償についてでございますが、先ほども申し上げましたように、野生鳥獣は一面において人間に益をもたらすものでございます。スズメの例をとりましても、害虫を食べるというような問題もございますので、その被害につきましては、有害鳥獣の駆除であるとか被害防止施設の設置などのほかに、被害防止対策と共済制度あるいは保険制度との関連も出てくるということになり、実は非常にむずかしい問題でございます。この点につきましては、農林業の主管官庁である農林省におきましてもいろいろ御検討を願っておるところでございますが、環境庁といたしましても、大変むずかしい問題ではございますけれども、今後いろいろ検討をいたしてみたいという問題でございます。
○島本委員 そういうような場合の地方自治体への財政援助に対しては、どのようなお考えで指導なすっているのか。渡り鳥などの特殊鳥類に対するえづけをやっていたり、いろいろな食べ物をやったり、または湖沼の環境浄化というようなものをやっておる市町村もあるわけです。国としては、こういうような点は町村任せでしょうか、何か指導をしているでしょうか。または、これに反対する行政指導というようなことをしている例はありませんでしょうか。この点をひとつ、画一的なと言うと失礼ですが、余りにも市町村任せであるから、環境庁がわからない点がいままで多過ぎたんじゃないか、こういうような点から、ちょっと意地悪いのですがこういう質問をさしてもらいますが、これははっきり言ってくださいよ。
○出原政府委員 御指摘のように、環境庁としてなお十分把握できていない面も中にはあるかと存じますが、基本的には、私どもは、特に絶滅に瀕しておる鳥獣等につきましては、国ができるだけ関与をしてその保護を図るという方針をとりたいと考えております。鳥獣保護事業計画を見直して国設の鳥獣保護区を充実強化しようというのもその一つでございますし、また市町村で鳥獣の保護に当たっておられるというところにつきましては、その個別の具体的なケースに応じまして、私どもの予算措置の可能なものについては補助金を差し上げるということで進んできておりますが、この方針につきましては、なお今後とも充実強化を期していきたいというように考えております。
○島本委員 やはり口で言うだけじゃなしに、もっと具体的にそういうような点の把握が必要だと思います。余りにもこれは地方自治体に任せきりで、それを一生懸命やっていてもそれに報いる何物もない、こういうようなことであってはいけない、こう思いますから、一言いまちょっと呈してみたわけであります。これは重要じゃないようでありますけれども、基本線に触れる点もありますから、十分考えておいてください。
 それから、かすみ網等に対しての指導はどういうふうにしていますか。違法捕獲防止のためにも、これはもう猟具の製造であるとか販売であるとか所持であるとか、こういうような規制はすべきであると考えますか、すべきでないと考えておりますか、この辺の見解。
○出原政府委員 かすみ網の使用につきましては、かすみ網による捕獲が目的外の鳥獣を捕獲するということになるとともに、大量に捕獲するおそれが多うございます。したがいまして、狩猟の場合、かすみ網を使用することを禁じていることは御案内のとおりでございます。環境庁といたしましては、有害鳥獣の駆除の場合にもできるだけかすみ網は使用しないように指導をいたしております。ただ一面におきまして、標識調査等のために鳥獣保護の専門の方々がかすみ網を使用するということが必要な場合はございます。
 かすみ網の販売の規制につきましては、これは流通面にかかわる問題でございますので、一概に使用また販売禁止の措置をとることはなかなかむずかしい問題がございますが、環境庁といたしましては、かすみ網による違法な捕獲が行われないよう、今後とも各都道府県を督励して取り締まりを強化するようにいたしたいというように考えております。
○島本委員 何かぱたんと落ちないな、言葉だけが先行しているようで。
 大臣、大臣は焼き鳥を食べたことがありますか。
○山田国務大臣 昔はございましたが、どうも若い時分は豚の腸じゃなかったかと思います。
○島本委員 実際、かすみ網はいま言ったようにして、厳正に使われていないのですよ。とってはならない焼き鳥が出ているんですよ。そういうふうにしてみると、やはり根本的にこの問題にメスを入れて、製造禁止、販売禁止、こういうようなところまでいかないと、これは何でも売り出されているのですよ。どうもその辺、本当にこれをやって、大量に、それも専門的に何か必要があって研究や何かのためにやるというならそれだけ特に認めたらいい。普通これを売り出したり、また使用する、製造する、こういうようなことを一般にやるのはやはりどうかと思うじゃありませんか。これもみんなもぐっているのですよ。これは禁止しましょうか、そういうふうにこの際踏み切りましょうか。これは長官には意地悪過ぎるから、局長。
○出原政府委員 かすみ網の製造、販売の問題は、先ほど申し上げましたように、なかなかむずかしい問題がいろいろございます。特に魚の網がそのままかすみ網と同様の使われ方をするということもあり得る問題でございますので、私どもは、なお検討を必要とする問題であるかと思います。ただ私どもは、そうは申しましても、現在のかすみ網の使用が違法に行われている事実はやはりかなりあるというように考えますので、その規制は十分行う必要があるということで、実はことしの初めに、行きました都道府県の名前はこういう公開の席でございますのでちょっと御容赦を願いたいのでございますが、私どもの所管の課長を都道府県に派遣をするということで、環境庁がこれに対して重大な関心を持っておるということを示すようなことをしたわけでございますが、なお、これで十分とは考えておりませんので、各都道府県とも打ち合わせ、督励をいたしまして、環境庁としてかすみ網の使用に対して強い姿勢を持っておるということを周知徹底を図るよう努力いたしてまいりたいというように考えております。
○島本委員 少しは決意を込めた答弁のように承りましたから、それは本当に実施するように期待します。
 それでは、特殊鳥類の生息の徹底を期するために、生息する干がたであるとか湿地、こういうようなものを保存するために港湾の建設や埋め立て等の開発計画については慎重な環境影響評価を行うべきである、こういうようなことも答申されているのであります。この指導体制はきちっとしておりますか。やる場合には、きちっとアセスメントを皆さんの方で聴取してやらしていますか。その例外はありませんか。習志野の場合もあいまいだったのでありますけれども、せっかくこういうふうになっていながらしり抜けになっては困るのであります。この点どうですか。
○出原政府委員 特に干がたが問題になりますのは公有水面の埋め立ての場合でございます。公有水面埋立法に基づく埋め立てが行われます場合に、関係の審議会におきまして、私どもの方の環境庁からも一その審議会に入っておりますので、その際に自然保護局、私どもの方にもその埋め立てについての適否の意見を求められるという仕組みになってございます。その際に私どもは、鳥獣、特に渡り鳥の中でも重要な鳥につきましての生息の場所を十分確保するように、またそれが困難な場合にはかわりの場所を十分確保するようにということで、意見の調整をいたしまして確保に努めておるところでございます。
○島本委員 それはいいです。そのとおりやってください。ただやはり、谷津の干がた、あそこに渡り鳥が来ますが、あそこは成田へ行く湾岸道路で防音装置だけ軽く付したままで三分の一ほど埋め立ててしまってありますが、これも環境庁の方へはやはり来ておったのじゃないかと思うのであります。それなのに、これをもう変更もさせないで軽々に許可しておいて、そしていまのような答弁を平気でする。まして前長官に至っては、飛行機より鳥の方が自由に飛び立てるからそこを埋め立てられてもどこかへ行ってまた鳥はちゃんと生息するであろうなどということを、文芸春秋にりっぱに書いて出してある。こんなことで本当にいま言ったような特殊鳥類の生息の徹底を期することができますか。環境庁の姿勢はまだまだ本法の実施を前にしても弱過ぎる。このことは強く私からも警告をしておきたいと思うのであります。あれをストップさせるわけじゃないです。ただ、谷津の干がたはもう少し工法を変えてみたらどらか。これはやはりできない相談じゃないわけですね。それで、いま五十ヘクタールから三十三ヘクタールに減らされても、渡り鳥は五千か六千羽が翼を休めている。飛行機よりも身軽にどこへでも行けるんだから、どこかへ行って生息するだろう、こういうような言葉は、環境庁に責任を持っている人の言葉じゃないのであります。私は強く警告しておきたい、こう思うのであります。いまの言葉、覚えておいてください。そして、今後実施する場合には、完全な環境影響審査をしてして、少なくとも本改正案の趣旨にもとらないように今後十分に注意してやってもらいたい、こう思うのでありますが、この点、大臣よろしゅうございますか。
○山田国務大臣 いま御指摘のように、干がたというものと渡り鳥という関係は、非常に重要な関係であることは御指摘のとおりでございます。十分ひとつそういう点、よく意を用いて対処していきたいと思います。
○島本委員 もう少し決意が欲しいのは――意を用いて対処するには間違いないですね。私の在任中ぐらいのことはすっと入れて、あなたの存在をぴちっとさせておいてもらいたいんですよ。愛情ある言葉ですよ。
 前に岩垂委員が質問し、再検討を約束されましたが、鳥獣関係の専門職員の増加、配置、それから国立の調査研究機関、こういうようなことに対して、前回質問されて、私はあれはいいと思うのですが、これに対してはきちっと対処してもらいたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○出原政府委員 私どもの方の職員につきましては、先般も御説明を申し上げましたように、専門官は一名でございますが、鳥獣保護課の十二名の職員の大部分は専門家でございます。そういう意味におきまして、一名とお受け取りいただくのは、私どもにとりましてもはなはだ不本意でございますけれども、今後とも鳥獣保護行政の重要性にかんがみ、私どもといたしましては、この行政の充実強化には努力をいたしてまいりたいというように考えております。
 なお、国設の研究所等の問題につきましては、御案内のように国家公務員の定員の事情の非常に厳しい時期でございます。しかし、環境庁といたしまして、鳥獣の保護あるいは有害鳥獣の駆除、その他総合的に研究する機能を十分に持たないということは大変残念なことでございます。したがいまして、何らかの形でこういったものを私どもとして十分研究、調査ができるように、今後とも努力を進めてまいりたいというように考えております。
○島本委員 水産庁の恩田次長、いらっしゃいますか。前回から御苦労さまです。
 きょう、いまの場合、陸の鳥獣については環境庁、海の指定された鳥獣――鳥獣ではありませんが、獣については水産庁がいろいろつかさどっておると思います。日本近海におけるイルカの捕獲状況、こういうようなものはきちっとしていると思いますけれども、あわせて、今度は水産統計上、正確にとらえられるようになっておりますか、イルカの捕獲状況です。また、食用としての利用状況、こういうようなものは、現在はっきり水産庁でこれをとらまえてございましょうか。まず、この件をお知らせ願いたいのであります。
○恩田政府委員 わが国の周辺で捕獲しておりますイルカの数量につきましては、一九七六年、昭和五十一年で一万七千六百頭というふうに理解しております。
 なお、これにつきましては、統計の方では、いわゆる農林統計としては特に調査いたしておりませんが、私どもが県の水産関係の部局を通じまして調査した数字でございまして、今後もこのようなかっこうで統計をとってまいりたいと考えております。
○島本委員 水産統計上、これが正確になっていないということ、これは国際的ないろいろな事案に対処をする上にも、やはり政府としてのこのやり方、この辺が重要じゃないかと私は思うのでありますが、正確な統計、こういうようなものを持っておられる必要があろうか、こう思うのであります。
 それからまた、イルカ対策、こういうようなものはいま日本だけの問題じゃないのであります。生息数を把握しておくという必要、これは日本近海におけるイルカの生息数もはっきり把握しておらなければならない問題じゃなかろうかと思うのであります。その生態についての調査、こういうようなものも水産庁としては十分とらえてございましょうか。
○恩田政府委員 先生御存じのように、大型鯨につきましては、これは水産庁として各漁業者から完全に数量を把握いたしまして、国際捕鯨委員会の方に毎年報告しているところでございます。
 なお、イルカにつきましては、現在、私どもの方の遠洋水産研究所でいろいろ生態その他について研究は進めておりますし、そのほか東京大学、長崎大学等でいろいろ御調査を願っておるわけでございます。それで、現在、その資源量そのものにつきましては、東海黄海、いわゆる西部日本海から東海黄海にかけましての資源量については大体の推算ができておりまして、約三十万頭というふうに理解しております。その他の地域につきましては、現在いろいろな手段を通じて調査は進めておりますが、まだ完全に数量的な把握には至っておりません。
○島本委員 この生態についても、こういうような点も研究所その他で十分把握しておりますか。
○恩田政府委員 生態につきましても、先ほど申し上げました長崎大学、東京大学その他を中心にいろいろ御調査を願って、ある程度の状況は把握いたしております。
○島本委員 壱岐におけるイルカの捕獲事件、これについてちょっと伺いますが、どのような経過であの事件が起こったのですか。それはもう事前に、壱岐の漁民から水産庁に対してイルカ対策の要望、こういうようなものがあったのですか、なかったのですか。もしあったとするならば、どんな対策を水産庁では指示されたのか。事前の対応策が不備であるということからこういう事件が生まれたのじゃないか、こういうふうに報道もされているのでありますけれども、これはいずれが本当なんですか。この点についてもひとつ明確にお知らせください。
○恩田政府委員 壱岐周辺におきます一本釣りを中心といたしました沿岸漁業者がイルカによって食害を受けているということは、大体昭和四十一年ぐらいからいろいろ出ていることでございます。その後、私どもの方にも一部御相談もありまして、イルカが逃げるであろうようなシャチの音を出す発音機であるとか、あるいは空砲を撃つとかいろいろな方法を講じまして実験をしてまいったわけでございますが、結局長崎県の現地では、一時はよくても、その後またそれを覚えて寄ってくるというようなことで、十分な対策にならなかったわけでございます。それで、昨年だったと思いますが、壱岐の方で、もっと捕獲をやる方法がないだろうかということで、これは長崎県庁と十分御相談されたようでございます。その後、その方法を用いて、ことしの二月の下旬に採捕が行われたということのように理解しております。
 なお、私どもといたしましては、過去におきました発音機その他につきまして、音を出すだけでは、やはりイルカの持っておりますレーダーと申しましょうか、そういう反射機能から言いましてどうも十分でないので、今後は音そのもののほかに、発音物体を、さらにイルカの困りますようなシャチのような物体を考えるとか、そういうようなことで今後対応してまいりたいということで、東京大学それから長崎県の水産試験場それからうちの水産研究所、そのほか電波関係の研究所も含めまして本年から試験に移りたいと考えておる次第でございます。
○島本委員 そうすると、やはり長崎県の指導であって、水産庁では直接事前の対応策は指示したかった、このようであります。しかし、問題になると、長崎一県としてこれをとらまえないで日本の一つの指導ということになって、全世界にこれが広まるわけであります。片や陸上の鳥獣は保護する、片や海にいる方に対してはまさに残酷な仕打ちをする、こういうようなものが、やはりそれぞれの指導機関、省庁が違っておっても、いいはずのものではないのであります。私は、水産庁がもう少しこれに対してはっきりした態度を示すべきだと思います。食害に対しての対策というならば、食害をないようにこれはとってしまえということの指導じゃないかと思うのです。まして、先ほど次長の方からは、この生息数に対しては資源量という言葉で御答弁がありました。やはりこれも資源としてこれを確保する、獲得する、その対象にイルカもしてある、こういうようなことじゃないかと思うのであります。いわゆるそういうふうになる場合には、いろいろ国際的な一つの目方、それぞれ違う国もございましょうから、国際的な一つの問題には当然なります。壱岐のイルカの事件については国際的な問題にもうなっているのでありますが、これはいろいろな事情からやむを得なかった、こういうようなものであるならば、国際的な批判に対して態度を明確にして、主張すべき点は主張し、国際的に十分理解を得るような対策を水産庁が講ずるのでなければ、この次はサケ・マスだけの問題に終わらないと思うのであります。私は、この問題に対する水産庁の態度はもっときちっとしたものを持って国際的に対処しなければ、漁業全体の問題にすりかえられるおそれさえある、こういうように考えるのであります。資源量と見、あるいは食害対策としてそれを考えている。そうすると、国際的には残酷な日本、あくまでもいろいろな見方で、これはもう非難されるわけでありますから、この点、水産庁はもっと考えを深くして  いまのやっているのは、これはもう鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律なんであります。ちょうど水産庁のイルカに対する態度、これをやっているような状況なんでありますが、一貫性に欠けると思いませんか。私は、この点をはっきりしておきたいのです。国際的な問題でありますから、この際、水産庁としての意見を伺います。
○恩田政府委員 水産庁といたしましては、大型の鯨も含めまして、海産哺乳動物というものについては適切な保存と管理を行いながらその資源としての利用を図っていくということの上に立っていままでやってきておりますし、今回のイルカにつきましては、十分な利用ができなかった面で、私どもとしてはきわめて残念なところがあると思っております。不必要なものにつきましては、これは当然捕殺すべきではないので、先ほど申し上げましたような食害の防止のためのいろいろな機器その他の関発を至急やりたいというふうに考えております。ただ、あくまでも先ほど申し上げましたように、海産哺乳動物についてはその資源の維持管理を図りながら利用していく、これが水産庁の基本的な態度でございます。あくまでもその際に資源を……(島本委員「国際的に」と呼ぶ)国際的にもわが国といたしましては、現在までそれを強く主張してきておりますし、明月行われるでありましょう国際捕鯨委員会の場に出ましても、やはりその方針で一貫してまいりたいと考えておる次第でございます。
○島本委員 その方針は受け入れられるというふうに、十分自信を持ってお考えですか。
○恩田政府委員 国際捕鯨委員会につきましても、国際捕鯨条約の中では資源の保存の問題と同時にその利用の問題について討議することになっておりまして、私どもといたしましては、国際捕鯨委員会が正常に動くということであれば当然、資源の保護を図りつつ利用すべきであるという精神で行けるものだと考えておりますが、諸外国につきましては、特に非捕鯨国の一部につきましていろいろ動物愛護の面のみを強調しておられる国があることはまことに残念だと考えております。
○島本委員 それは残念だという考え方でも、そう思っても、やはり向こうはそういうふうに批判し、それがやはり世界の一つの流れを構成するのですね。ですから、それに対していまのあなたの考え方だけでは、やはり計画的にとってわれわれは食べるのだ、こういうようなことだけを言ってやっても、これは通らない。もう少し学術的にも、これはとっても何でもないんだ、なおさら資源の増殖と言っていいのですか、これに対して十分配慮しているのであって残酷ではないんだ、こういうような点、なぜはっきりと言えないのですか。やはりそういうようなところにまだまだ感覚のずれがあるのではないか。そういう一部の国があっても、その流れが、批判があるいは非難が構成されるのですね。やはり水産庁としては、これからそういうような国を相手にしなければならないのであるから、もう少し学術的にきちっとした、だれも侵しがたいような論理を打ち立てるべきではありませんか。そして、それに対して動かないような、こういう姿勢もきちっとすべきじゃありませんか。しかし、どう見ても写真にとられたあれは残酷以外の何物でもないのです。全部それを利用したかというと、利用しなかったそうですね。単に殺したというだけだったら、これは残酷だという批判は受けませんか。そういうような点からしても、被害の防除についていろいろ承りました。いままでの対策は不十分だということもわかりました。しかし、やはり研究関発の計画、こういうようなものをきちっとしてやってもらいたい。そうしないといけないと思います。それから、長期的に水産動物保護と資源の有効利用という観点からも、適切なこの水産動物の管理計画、こういうようなものも当然立てておかなければならないじゃありませんか。いまのニシンの問題でも、鮭鱒の問題でも、学術的に日本は押されっ放しではありませんか。母なる川、いわば母川主義をとっても、日本はそれに対抗するような対策を何ら持たないではありませんか。そして、いままでやっておったのだからこれは何ぼ減らされる、全くもう実益主義に立って、これが現在の日本の水産業。その中にはイルカも、こういうようなものも入って世界の世論構成の中に日本を追い詰めているとするならば、やはりこの辺も十分考えて私は対処してもらいたい。対処すべきだ。陸の動物は愛護するが海の動物は残酷にしてもいい、こういうことになりませんものね。十分お考えだと思いますが、この点に対して、方針なり決意を聞かしてください。
○恩田政府委員 私ども、先ほど例の出ました鯨の資源で申し上げますと、これは国際捕鯨委員会の場では科学小委員会というものが開かれます。この際には、私どもの日本の研究者が出しております資源の問題についての物の考え方なり数字なり、これは十分討議されておるわけでございます。ただ、問題は、その科学小委員会から技術小委員会を通じまして本会議に移る際に、いわゆる生物学的な資源、それを利用するという立場と、それから、全くこれをかわいいから愛護しなければいけないんだという立場と、そこらがぶつかり合いまして、われわれとしては資源的な議論で言っておりますような科学的な精神というものが全くどこかにすっ飛んでしまって結論が出るというような傾向にあるわけでございまして、これはまことに私どもとして残念だと思っております。なお、それ以外の資源につきましても、ニシンにつきましても、サケ・マスにつきましても、それからなお、沿岸の主要な資源につきまして各海区の水産研究所で十分研究しております。そして、その資源状態から見れば果たしてその問題があるかどうかという判断はしておるわけでございます。ただ、諸外国との問題につきましては、単なる資源の状態がどうあるかという問題ではなしに、資源をいかに分け合うか、とり合うかという配分の問題として外国交渉は出てきておりますわけでございまして、そういう点からは、御指摘のように、十分な漁獲量の割り当てが受けられずに減少してきているという現実であろうと考えておる次第でございます。
 なお、私どもといたしましては資源の保存、維持あるいはさらに増大につきましては、積極的に今後とも対処してまいりたいというふうに考えております。
○島本委員 水産庁の方はどうも御苦労さんでした。なお私は、次長わざわざ来て御苦労さんですと申し上げますが、いまの答弁全部、私はまだ釈然としないものがございます。たとえば資源の問題にしても研究機関の問題にいたしましても、たとえばソ連の方を見たらレニングラードにある海洋資源研究所ですか、そこには約一千百名ほどの研究要員を置いて、そのほかの各海には全部それぞれ配置してある。全部やると二千名を超える日本には三百五十名程度しかいない、こういうものですから場当たり的な結論しか出てこない。もう少し研究機関を整備させるようにして今後臨んでください。こういうようなことを世界的な問題にしないような配慮だけは十分講じてほしい、このことを強く要請しておきたいと思います。御苦労さんでした。
 警察庁、来ておられますか。狩猟法の一部改正法案、この内容のいろいろな改正点、こういうようなことと現状についてちょっと伺っておきたいのであります。
 猟銃の規制、これなんでありますが、暴力団に対して銃刀法五条一項六号に該当するものとしてこれは不許可にしている。前回いろいろな質疑がございましたが、これは承りました。あくまでこれは厳しい態度で臨むべきであるということは議論をまちません。具体的にどのような基準でこれを運用しておりますか、この点をまずお知らせください。
○柳館説明員 五条一項六号が「他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」こういうことになっておるわけでございます。これは法律で言えば、いわばセービングクローズのような形になっておるものでございます。したがいまして、具体的な事案ごとに判断をしていかなければならないということになるわけでございます。
 ただ、そうは申しましても見当がつきませんので、一般論として申し上げますと、たとえば酒乱であって酒を飲みだすと暴れるというようなことで近所の人が非常な恐怖感を持っておるというような場合にはこれに該当する。それから、暴力団はこれに全部該当するというようなことで運用をいたしておるわけでございます。
○島本委員 そういうふうに運用しておっても、いつか何かあると必ずまた出てくるんですね、使われるんですね。そういうようなことから、猟銃等の所持の本来の目的は何なんでしょうか、それから目的に沿ったような使用がなされていない場合の措置はどういうようにしていますか。これは眠り銃なんていう言葉も聞きますが、そういうような点、放置してあるとすれば怠慢じゃありませんか。そういうような点を、やはり事故防止のためには譲渡、廃棄、こういうような方法だってあろうかと思いますが、チェックはどういうふうにしていますか。具体的な効果のあるような方法を、警察庁でありますからとっていると思いますが、この機会にお知らせください。
○柳館説明員 銃砲の所持をする目的は、一つは標的射撃をする、それから一つは狩猟に使う、もう一つは有害鳥獣の駆除、あるいはそれによって生計を立てているということでございます。こういう目的を持っておらないと認められるものにつきましては、私ども俗称眠り銃ということで、更新の際、あるいは一斉検査をした際に、その銃の使用状況を見まして、目的から見て、これはあなた、もう使わないのではないんでしょうかということで取り下げをするというようなことを指導いたしておるのでございます。これは年間相当な数に上っております。
 それから具体的なチェックの方法でございますが、いまその眠り銃に限りませずに、チェックの方法といたしましては、まず最初に、五条一項六号によって完全に暴力団には渡らないというチェックを、厳重に調査した上で行うというのが一つでございます。それから、第二番目は更新がございます。その更新の際にも、さらにまた厳重にチェックするということが二つ目でございます。それから、暴力団が検挙されてきたり、いろいろなことで警察の目にとまって、これはひょっとしたら銃を持っているのではないだろうかという場合には、必ず照合いたしまして、そして、持っているということになりましたら全面的に取り消していく、その時点において銃の所持を取り消すというような制度をいまとって、そのように行っておるわけでございます。
 私ども、いま一番問題にしておりますのは、所在不明銃というのがあるわけでございます。この所在不明銃といいますのは、警察の監視から全部離れてしまった銃でございまして、これが昭和五十二年十二月末現在で千八百十二丁あるわけでございます。
 なぜ所在不明銃になったかということでございますけれども、千八百十二丁のうちの千三百五十九丁が盗難に遭ったというものでございます。それから残りの四百五十三丁が本人とともに銃がどこにあるのかわからないというものになっておるわけでございます。そこで私どもはこれの捜査追及に非常な重点を置いておるわけでございまして、現実にまた、こういった銃が一番危ない銃になっておるわけでございます。昭和五十二年中に暴力団が猟銃を犯罪に供用しましたのは五十九件あるわけでございます。ところが、その中の三十六件というものがやはり所在不明銃だったものが使われておったということにもなっておるわけでございます。そういったこと等も勘案いたしまして、単に法律上の許可あるいは取り消しというようなことに限らずに、一般の所持者に対しましても、銃をとられたり、あるいは安易に人に貸したりというようなことは絶対にしないようにということをも訴えまして、協力を得てやっておるところでございます。結果として残念ながら猟銃が使われるというのは、私どもも大変残念だし、申しわけないことだと思っております。
○島本委員 四百五十三丁は、これは本人とともに消滅してしまっているわけですか。やはりそういうようなところに警察の手の届かない一つの犯行なりいろいろな事件が起こっているんじゃないか。日本国じゅうに銃は何丁あるのかということを調べてありますか。もちろん自衛隊や警官は持っているでしょうけれども、それ以外に、そういうのはきちっとしているのですか。それが猟銃であるのかどうなのか、そういう点についても警察庁ではきちっと把握しておるのですか。まず、この点を知らせてもらいたいのであります。それとあわせて、狩猟用として許可を受けてその残弾、弾が余ってしまったとき、猟期の終了後これはどうなっているのかというのははっきり把握していますか。それらをもらったり、売ったり、またいろいろなことをされていやせぬか、こういうようなことも把握してございましょうか。この機会ですから、ちょっと聞かしてください。
○柳館説明員 最初に、銃の把握状況でございますけれども、現在、全体で九十万二千五百八十五丁でございます。そのうちに、ライフル銃が二万五千六十三丁でございます。散弾銃が七十万八千六百六十四丁ということでございまして、私ども銃の種別ごとに全部を把握いたしております。ただ、先ほど申し上げたような所在不明銃であるとか、われわれの許可にならずに密造して持っておるとか、あるいは密輸入して持ってきておるというものはある程度あると思いますけれども、それはまた、不法所持ということで別の捜査の対象になるものでございまして、行政的対象になるものについては全部把握いたしております。
 次に、残弾の件でございますけれども、これはいまの法律によりますと、一遍弾を買いましてそれを狩猟に使います。そうすると残弾が残る。残った弾は翌年の狩猟期までは持てるという法律のたてまえになっておるわけでございます。これは相当長い歴史がありましてそういう制度になっておるわけでございますけれども、これが結果として残っておりまして、ときどきあちこちに流れる、あるいは貸した借りたというようなことがあるわけでございます。法律から申しますと、自分の買った弾を人に貸したりするということはできないたてまえになっておるのですけれども、そういうこともございます。そこで、私どもは、猟期が終わりましたら全部の狩猟者に当たりまして、現在持っている弾は全部使うなりちゃんとしたところに保管するなり、いずれかにしていただきたいということを強く要望をいたしまして、最近大変御協力をいただけるような姿になってきておるというのが実態でございます。
○島本委員 その辺からパントマイムがあって、もう時間だということのようであります。しかし、この猟銃等については、何か聞いていると、警察もあってなきがごとき行政のようであります。チェックはするけれども後追いのようでありまして、これがどこから来るのかわからぬ、こういう言葉を聞くというのは私は残念なんでありますが、なお一層この点に対してはきちっとした態度で臨んでもらいたいし、それから環境庁につきましても、いろいろございましょうけれども、ことに猟銃なんかの点をやるようになった場合も、いまいろいろ御答弁もありましたが、その辺を踏まえて、不慮の事故の起こらないように十分配慮してもらった方がいいと思います。いままで長官の意見もいろいろ聞いたのでありますが、何かしら漠然としている中に、皆さんの意見はきちっと通したい、こういうような答弁のように承りました。もう少しきちっとしたものを持って環境行政に対処してもらいたい、これが本法の精神である、こういうようなことを申し上げて、どうせ答弁を聞くと、もう一回したくなりますから答弁は要りませんが、今後大いにそれに処してやってください。
 これをもって私の質問を終わります。
○久保委員長 次に、古寺宏君。
○古寺委員 最初に、先日質問いたしましたところが、内容がよくおわかりでないようでございました、カンムリカイツブリとオオセッカの問題につきまして、お尋ねを申し上げたいと思います。
 昭和五十年三月三日に、青森県の教育長並びに青森県知事に対して、鳥獣保護の特別区域また天然記念物として指定するように要望書が出されまして、それと同じものが環境庁とそれから文化庁に要望されているわけでございますが、その後、この問題について環境庁はどのように対処してこられたか、また、同じく文化庁もこの問題についてどういうふうにお考えになっておられるか、お尋ねしたいと思います。
○出原政府委員 先般の御質問につきまして、当時具体的な問題は私ども十分承知をいたしておりませんで、答弁が不十分であったかと存じます。
 青森県の上北郡の六ケ所村に市柳沼というのがございますが、この市柳沼は、カンムリカイツブリにつきましては唯一の繁殖地でございます。ほかに渡り鳥で飛来するのは幾つかございますけれども、繁殖地であるというのは珍しい例でございます。これを保護するために、環境庁といたしましては、むつ小川原の開発計画と関連しつつ鳥獣保護区の特別保護地区に指定するように青森県を指導してまいっております。地元の方々の同意を得ることがなかなか困難でございまして、特別保護地区の指定までにはまだ至っておりませんが、第四次鳥獣保護事業計画で、五十三年度に市柳沼と田面木沼を鳥獣保護区に指定するということで青森県と打ち合わせをいたしております。オオセッカにつきましては、唯一の地域ではございませんけれども、これもかなり重要な鳥の一つでございますので、あわせまして、この市柳沼と田面木沼を鳥獣保護区として確保することによって保護を図ってまいりたいというように考えておるわけであります。
○横瀬説明員 先生のただいま御指摘のございました昭和五十年三月の野鳥の会ほかの要望書でございますが、これは青森県の教育長あてに、私どもの関係から申しますと、オオセッカとそれからカンムリカイツブリの生息地といいますか繁殖地について、天然記念物に指定してほしいという内容の要望書が出されております。これは県に出されておりますので、県の天然記念物に指定してほしいというような要望の趣旨であるように陳情団体から聞いております。
 そこで、青森県といたしましては、オオセッカとカンムリカイツブリ、両方の鳥の繁殖地の生息状況につきまして調査をしているようでございまして、オオセッカの方はただいま環境庁の方からもお話がございましたように、必ずしも六ケ所村だけではなくて、津軽半島の方についても繁殖地があるようだというような把握をしております。それから、カンムリカイツブリについては、六ケ所村に五十羽程度、それから、そのほか津軽半島の方に幾らかはあるようだというような把握をしておるようでございます。そのような生息状況の把握がだんだんできてきておりますので、県の教育委員会としては、生息の現況について文化財保護審議会に報告をして、そしてそれを天然記念物に指定すべきかどうかということについて検討を始めたいという報告を受けております。
 以上でございます。
○古寺委員 環境庁は「むつ小川原開発第二次基本計画に係る環境影響評価報告書」というものを青森県に提出をさせました。このアセスメントの報告書をつくるに当たっては、環境庁の指導に基づいてこの報告書をつくったわけです。したがいまして、こういうような鳥獣保護の面等についても、当然、環境庁の指導によって県はこういう報告書をつくっているわけです。この報告書の中にも、市柳沼あるいは田面木沼につきましては鳥獣保護区に設定するということがきちっと記載されているわけですね。こういう問題について、すでに昭和五十年三月三日にこういう要望書が出ているにもかかわらず、何ら前進がない。しかも、カンムリカイツブリというのは十一つがいいるのです。日本鳥学会あるいは野鳥の会、鳥類保護連盟が調査した結果によりますと、十一つがい。これは日本にただ一つの繁殖地なんです。これをそのまま放置しておくということは許されないことだと私は思うのです。また、オオセッカにいたしましても、これは日本だけの貴重な鳥類でございます。そういうものも何ら対応策が講じられていないということは、環境庁の鳥獣保護行政というものがいかにずさんなものかということを私はこういう点で痛切に感ずるわけなんです。
 そこで、長官と局長にお尋ねしますが、カンムリカイツブリという鳥をごらんになったことがありますか。どういう鳥でございますか、長官。
○山田国務大臣 写真以外には実物を見たことはありません。
○出原政府委員 私も実物は承知をいたしておりません。
○古寺委員 そういうことであろうかと思いまして、五十年三月三日の要望書の写しを持ってまいりましたので、これをごらんになられて、写真でも結構でございますが、できれば現地においでになって、たった十一つがい、これしかわが国にはいないのです。非常にきれいな水鳥でございます。ぜひひとつこれを調査していただきたいと思いますが、どうですか。
○出原政府委員 私も鳥獣につきましてはもともと根っからの素人でございますので、できるだけ機会を多くとらえまして実際の実物を勉強する機会は得たいと思っております。
○古寺委員 それでは市、柳沼と田面木沼の鳥獣保護区の設定につきましては、これは国設でございますか、県設でございますか。
○出原政府委員 私どもといたしましては、これを国設で考えたいということでございます。
○古寺委員 その場合に湿地帯や干がたは入りますか。
○出原政府委員 千がたの部分については考えておりません。
○古寺委員 どういうわけでこの繁殖地であるところの干がたあるいは湿地帯というものを指定しないのですか。
○出原政府委員 私も素人でございますが、カンムリカイツブリの繁殖に必要な地域ということで検討をいたしてまいりますと、干がたは入らないということのようでございます。
○古寺委員 そうしますと、カンムリカイツブリというのは湖面の上で繁殖するわけですか。
○出原政府委員 干がたではなく、その付近の湿地帯で繁殖をするようでございまして、その繁殖する地域につきましては保護区の中に含めたいということで予定をいたしております。
○古寺委員 そうしますと、干がたは全然その繁殖には関係ございませんか。
○出原政府委員 この地域につきましてはそのように承知をいたしております。
○古寺委員 それでは、このカンムリカイツブリの繁殖に関しては干がたは関係がないという資料を後で提出してください。よろしいですか。
○出原政府委員 そのようにいたしたいと思い、す。
○古寺委員 次に、なぜ鷹架沼は今回のこの保護地域の指定の中に入っていないのでございますか。
○出原政府委員 むつ小川原の開発全般を見ながら、鳥獣の、特別に必要なカンムリカイツブリあるいはオオセッカもその一つと存じますが、自の生息地域としてここは確保しておきたいという市柳沼と田面木沼を鳥獣保護区として設けたいということでございまして、あとの地区については、これは御指摘のように私どもとしては、そこまでこの開発と関連して考える必要はないという判断から、ここまでは鳥獣保護区として設定したいというようにしたわけでございます。
○古寺委員 そうしますと、貴重なこの生息地帯あるいは繁殖地である場合に、開発が優先するわけですか、鳥獣保護が優先するわけですか。どちらをおとりですか。
○出原政府委員 御案内のように、私どもは鳥獣の保護に当たる官庁でございます。したがいまして、そういう面から開発する側との意見の調整をいたしまして、私どもとしては、最終的にここはぜひ確保しておきたいというところは間違いなしに確保するということで努力をいたしておるわけでございまして、全般的に結果として、私どもとしては全国いろいろな面で調整を図る必要がある問題でございますから、いろいろな御指摘もあろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、保護する立場から、鳥獣の必要な生息地を確保するということで努力をしてきておるつもりでございますし、今後ともそういう方針で臨みたいと考えております。
○古寺委員 現在、この小川原湖には年間約三千羽のハクチョウが飛来をしてまいります。それからカンムリカイツブリもまた、ときどきこの小川原湖の方へ飛来していっているわけでございますが、青森県はこのハクチョウについては天然記念物に指定しております。しかし、鳥獣保護区の設定がまだなされておりません。どういうわけですか。
○出原政府委員 この点につきましては、青森県と地元との接触を願っておる問題でございますけれども、地元の了解が十分得られないということで、そのままになっておる状況でございます。
○古寺委員 国設の鳥獣保護区というのはどういう地域を指定するわけでございますか。
○出原政府委員 従来、国設の鳥獣保護区は、その地域の所有が林野庁でございますとか、あるいは一般の国有財産になっておるといったようなものが過半を占めるような場所については、国設の鳥獣保護区というようなことで対処をしてまいったわけでございますが、第四次鳥獣保護事業計画の見直しを私どもはいま考えております。その点におきましては、そういった形式的な面にとらわれないで、重要な渡り鳥の飛来地あるいは繁殖地であるとか、あるいは絶滅に瀕しておる鳥獣の保護を図るべき地域であるといったようなものを国設の鳥獣保護区にするように、計画の立て直しを図りたいと思っておるわけでございます。
○古寺委員 そうしますと、小川原湖の湖水というのは、これは、保護区を設定する場合に、国設の保護区になりますか、県設になりますか。どちらですか。
○出原政府委員 小川原湖につきましては、当初県設で考えて、県の方に御努力を願ったという経緯がござますが、それにおきましてもなおかつ合意がなかなか得られないというのが現在の状況でございます。
○古寺委員 そこで、「鳥獣保護及び狩猟の適正化について」の答申がございます。その答申の中の第二の「鳥獣保護施策の強化について」をずっとこう読んでまいりますと、「とくに、絶滅のおそれのある鳥獣、渡り鳥の重要な渡来地及び中継地、重要な集団繁殖地等に係る施策については、より一層の強化を図る必要があり、これらの管理の大部分を都道府県知事にゆだねておくだけでは十分ではなく、国が積極的に保護施策を講ずるべきである。」、こういうふうに、答申の中には、あるべき姿が、環境庁がこうあるべきであるということがはっきり答申されているわけなんです。しかも、このむつ小川原の問題につきましては、環境庁の指導に基づいて環境アセスメントが行われている。にもかかわらず、あなたの先ほどからの答弁を承っておりますと、全部県ということ、県だけがもう一切を任せられているような、責任があるような、そういう答弁にしか私は受け取れなかったわけでございますが、この答申の精神から言うならば、当然国が、しかもこういうアセスメントの指導をした、報告書をつくらした環境庁が、もっと積極的な姿勢で鳥獣保護行政というものに当たらなければならぬと私は思うのですが、いかがですか。
○出原政府委員 この答申の中でも御指摘のように述べられておりますが、その意味におきまして、私どもは、第四次鳥獣保護事業計画の見直しを検討をいたしたいということでございます。答弁の際に、しばしば都道府県との協議ということを申し上げておりますが、私どもの官庁は鳥獣保護に関して出先機関を持っていない官庁でございます。したがいまして、私どもとしましては、最終的な責任は国が持つべきであると考えておりますし、また、それに応じて所要の職員を派遣するということも必要なことは承知をいたしておりますが、地元の状況を十分御承知の都道府県の御意見なり御尽力を煩わすということは今後とも必要であるかと考えますので、御理解をいただきたいと思います。
○古寺委員 現在、鳥獣保護区を設定しております。特別保護区もございますが、その中には国設の場合もあるし、あるいはまた県が設定している場合もございますが、そういうものに対する国の財政措置、これはどのくらいございますか。
○出原政府委員 国のこの関係の経費は、約三千万でございます。都道府県は、それぞれ財源は都道府県の税収をもって充てております。都道府県の合計は約三十億でございます。
○古寺委員 現在、都道府県では、入猟税によって鳥獣保護行政というものが行われているのですが、これでは十分に鳥獣保護行政の目的が達成できないのですね。ですから、やはりそういう地方税だけにゆだねるのではなくして、今後、国としても鳥獣保護のために財政措置というものを十二分に講じていく必要があると思うのです。きょうもこの財政措置を含む附帯決議がなされる予定になっておりますが、環境庁長官、いままで財政措置は全く国としてはなされていない。今後この鳥獣保護行政の充実強化のために、こういう面について積極的に環境庁は取り組んでいく必要があると思いますが、長官のお考えを承りたいと思います。
○山田国務大臣 御説の趣旨に従ってわれわれも努力いたしたいと思っております。
○古寺委員 それでは、期待をいたしまして、次に移らしていただきます。
 昭和五十二年度に「農薬の鳥類に対する安全性の評価に関する調査研究報告」というものが行われました。これを読んでまいりますと、松くい虫防除についての農薬の影響を調査研究をなさっているわけでございますが、最後の結論を読みますと、松くい虫防除に伴う農薬の「野鳥の生態に及ぼす影響については、本調査のほか野外試験における農薬散布による野鳥の生態に及ぼす調査等の結果をふまえて総合的に判断されるべきものである。」、こういうふうに結論として記載されているわけでございますが、この野外試験の調査研究の結果、これはいつごろまでになされるのか、それをまずお尋ねしたいと思います。
○出原政府委員 御指摘の調査につきましては、昭和五十二年度及び昭和五十三年度、二年度にわたりまして、各年度とも約一千万の予算で行っておる調査でございます。私どもは、この結果を五十三年度中には得たいというように考えております。
○古寺委員 現在、松くい虫防除のための農薬の空中散布はもうすでに始まっているわけです。それの野鳥へのいろいろな影響性について、環境庁はどのような対策をお考えになっておられますか。
○出原政府委員 農薬の空中散布等につきましては、いわゆる特別防除を行う場合につきまして、鳥獣保護区の特別保護地区、あるいは国立公園の特別保護地区、あるいは特殊鳥類の生息地、あるいは天然記念物に指定されているような動植物がおるということで影響が特に懸念される地域につきましては、原則的に特別防除は行わない。ただ、実情に応じて行う必要があるという場合には、御協議をいただいた上で考えるということにいたしております。
 その他の地域につきましても、学校、家屋、病院等の周辺とか自然公園の集団施設地区といったようなものにつきましては、できるだけ環境に悪影響を及ぼさないようにという配慮が必要な場合には行わない、要するにそういう特別防除をやめるということも考えていただくというようにいたしておるわけでございます。
○古寺委員 林野庁にお尋ねしますが、林野庁は現在、鳥獣保護区についてはどういうような空中散布の仕方をしているか承りたいと思います。
○小田島説明員 御説明申し上げます。
 ただいま自然保護局長の方から御説明ございましたように、鳥獣保護区につきましては、都道府県におきまして鳥獣保護行政を担当する部局と林務部局が十分話し合いをしまして、十分危害が防止できる地域については実施しますが、特別保護地区は原則として空中散布地域から除外をするということで実施しております。
○古寺委員 これは長官に申し上げたいのですが、こういうふうに、まだ農薬の安全性というものがはっきり結論が出ていないわけです。にもかかわらず鳥獣保護区にこの農薬を空中散布するということは、鳥獣保護の基本的理念というものが現在のこの防除法には欠けていると私は思うのです。そういう考え方からするならば、マツクイムシの防除は当然やらぬといけませんが、鳥獣保護区につきましては空中散布は一時中止をいたしまして、この結果が出てからその結論に基づいて再検討すべき問題であるというふうに考えますが、長官いかがですか。
○山田国務大臣 鳥に与える農薬の問題というのは、自然保護の見地から言うと非常に重要な点だと考えております。したがって、これについては環境庁といたしましても特別な調査を現に進めております。
 御指摘の点、非常にごもっともな点があるわけでございますけれども、しかしながら、特別の地域以外についてはいろいろの事情もございましてまだなかなかやむを得ない点があるわけでございまするけれども、いま申し上げましたような点で、環境庁といたしましても特にこの点については大きな関心を持って調査を進めておりまするので、その結果を踏まえて、これについてはひとつよく対処していきたい、こう考えております。
○古寺委員 それでは長官にお尋ねしたいのですが、鳥獣保護区というのは何のために設定するのでございますか。
○出原政府委員 長官から申し上げます前に、現状につきまして事務当局から事務的な問題として先に申し上げます。
 鳥獣保護区の設定につきましては、鳥獣保護区を設定することによって鳥獣の捕獲を禁止するといったようなことで、また、成長、繁殖に必要な給餌施設を設けるといったようなことで鳥獣の保護を図ることを直接的な目的にいたしております。
 空中散布の対象となる地域の鳥獣保護区につきましては、大部分が森林性の鳥獣のところでございます。したがいまして、その森林性の鳥獣の保護とそれから農林業の振興とをあわせて目的としておる地域が多うございます。そういう意味におきまして、一方におきまして鳥獣を保護する必要がある、他面におきまして林業の振興を図る必要がございます。したがいまして、できるだけ鳥獣に対する悪影響を少なくしながらある程度そういった面での施策が行われるということはやむを得ないという面がございます。その中でも特に重要な地域につきましては、先ほど来御説明を申し上げておりますように、都道府県の自然保護担当の部局と林野庁の関係の、さきの林業関係の県の部局とが十分打ち合わせをいたしまして、その鳥獣の生息なり保護に余り大きく問題が起こらないようにお互いに協力をしながら答えを出していただくというようにいたしておるのが実情でございます。特別な重要なところは、もちろんやめていただくことにいたしております。
○古寺委員 鳥獣保護区につきましては、私は無理をして空中散布をしなくとも、地上からでも十分に駆除の方法があろうかと思いますので、どうかそういう面で、鳥獣保護区は設定しているけれども特別保護区以外は空中散布はよろしいというような基方的な考え方、姿勢、私はこれを環境庁は改めていただきたいと思うのです。私は決して松が死んでもいいとかなんとか、そういう考え方で言っているのではないのです。やはり科学的にいろいろな方法をもう少し考えて、保護区を設定している以上はそれに対応した駆除の方法というものを環境庁として考えるべきではないか、こう思って申し上げているわけでございますから、どうかそういう点につきましては、今後、研究成果とあわせて、ひとつ将来に禍根を残さないような環境行政を進めていっていただきたい、こう思います。
 次にお願い申し上げたいのは、いろいろな渡り鳥条約その他の条約の問題でございます。
 外務省にお尋ねいたしますが、日ソ、日豪の渡り鳥保護条約、それからワシントン条約、ラムサー条約、このような条約の批准が非常におくれているわけでございますが、その理由はどういうところにあるのか、ひとつお話ししていただきたいと思います。
○加藤説明員 まず、日豪と日ソがなぜおくれておるかという点について御説明申し上げます。
 一九七四年、昭和四十九年四月に、日豪、日ソ両方とも、この条約につきまして国会の御承認を賜っており、わが方としては批准の条件が整っておりますけれども、その後四年を経過いたしまして、ただいま先生御指摘のとおり、いまもって批准書の交換が行われず、発効されておらないという遺憾な状況であるわけでございます。
 まず、日ソ関係につきましては、なぜおくれておるかと申しますと、これはいわゆる絶滅鳥、渡り鳥とあわせて絶滅のおそれある鳥類を保護するという規定が条約に書かれてございますが、何分にも、この絶滅鳥というのは数も少なく、絶滅に瀕しているという鳥でありますために、その生息状況の把握というのはきわめて困難で、かつ、時間を要する問題でございます。日ソ双方において、目下、鋭意その生息状況の確認作業を進めているという状況でございまして、それが済み次第、絶滅鳥のリストを交換し、同時に批准書を交換する、こういう段取りになっております。私どもといたしましては、大分時間もたっておりますので、至急この確認作業を進め、リストの交換に移りたいと考えておる次第でございまして、その方向に沿ってモスクワ及び東京において外交チャンネルで鋭意折衝を進めているという状況でございます。
 次に、日豪につきましても、やはり四年間を経ていまもって批准されておりませんが、これはもっぱら豪州側の国内情勢によるものでございまして、この条約の規定が豪州側の連邦法及び州法に合致するかどうか、その検討を進めておるというのが先方の説明でございます。豪州は連邦制度でございまして、連邦と州との関係もいろいろ微妙な点もあるようでございますし、各州法が果たしてこの条約に合うかどうかの検討にもかなり時間を要しているようでございます。この点につきましても、過去数回にわたって外交チャンネルを通じて先方に検討の促進方を要請しておりますしまた、近々行われる六月末の日豪経済閣僚委員会等の場を利用いたしまして、豪州側に検討の促進方を要請する所存でございます。
 ワシントン条約その他につきましては、同僚から答弁させていただきます。
○丸山説明員 いわゆるワシントン条約、野生動植物取引規制条約でございますが、わが国は、この条約の趣旨に賛同いたしまして、昭和四十八年四月に署名いたしております。
 この条約の締結の問題でございますけれども現在、主として技術的な面及び国内的な体制等について検討を行っているところでございます。やはり実効的な取引規制の可能性、国内体制の準備といったものにつきましてそれなりの見通しを得たいということで、鋭意努力しているところでございます。
 次に、水鳥の生息地として国際的重要性のある湿地条約、いわゆるラムサー条約でございますが、これは水鳥の生息地として重要な湿地を指定するということが要件になっております。ただ、湿地の指定につきまして若干技術的な問題があるやに関係省庁の方から承っております。これが現状でございます。
○古寺委員 環境庁長官は、外交官としていろいろな経歴をお持ちになっていらっしゃるわけでございますので、こういう渡り鳥を保護するとか、あるいは水鳥の生息地を保護していくというような立場からも、ぜひこれらの条約の締結の促進を、環境庁長官としてもひとつ強力に推進をしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○山田国務大臣 そのように努力してまいりたいと考えております。
○古寺委員 時間ですから、これで終わります。
○久保委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
○久保委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○久保委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
○久保委員長 次に、ただいま議決いたしました本案に対し、池田行彦君、島本虎三君、古寺宏君、中井洽君、東中光雄君、工藤晃君より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。池田行彦君。
○池田(行)委員 私は、ただいま議決されました鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につき、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
   鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。
 一、絶滅のおそれのある鳥獣の生息地等鳥獣保護上特に重要な地域については、国が積極的に保護に当たることとし、このために必要な措置を講ずること。また、都道府県知事が行う鳥獣保護事業についても、国は、その充実強化について、一層強力に指導すること。
 二、鳥獣保護施策の拡充を図るため、関係行政組織の充実強化に努めるとともに、科学的な鳥獣行政を推進するため、調査研究体制の整備を図ること。
 三、鳥獣保護に関する国際協力の一層の推進を図るため、関係国際条約の早期締結に努めること。
 四、狩猟を行う場所等狩猟制度の基本的あり方について更に検討を進め、速やかに結論を得るよう努めること。
 五、鳥獣による農林水産業に対する被害の防止については、関係行政機関の連繋を一層強化し、適切な被害防止施策を確立するよう努めること。
 以上でありますが、その趣旨につきましては案文中に尽くされておりますので、説明を省略させていただきます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○久保委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○久保委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、山田環境庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。山田環境庁長官。
○山田国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を体しまして努力いたします。
    ―――――――――――――
○久保委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久保委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○久保委員長 次回は、来る六月二日金曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十九分散会