第084回国会 交通安全対策特別委員会 第11号
昭和五十三年五月十一日(木曜日)
    午前十時三分開議
 出席委員
   委員長 沖本 泰幸君
   理事 加藤 六月君 理事 左藤  恵君
   理事 佐藤 守良君 理事 中村 弘海君
   理事 太田 一夫君 理事 野坂 浩賢君
   理事 新井 彬之君 理事 青山  丘君
      井上  裕君    北川 石松君
      玉生 孝久君    中村喜四郎君
      水平 豊彦君    井上  泉君
      岡田 哲児君    後藤  茂君
      吉原 米治君    草野  威君
      寺前  巖君    伊藤 公介君
 出席政府委員
        運輸省航空局次
        長       松本  操君
 委員外の出席者
        気象庁総務部航
        空気象管理課長 小松  巖君
        労働大臣官房参
        事官      鹿野  茂君
        参  考  人
        (航空安全推進
        連絡会議議長) 黒川 忠雄君
        参  考  人
        (新東京国際空
        港公団理事)  千葉  博君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 交通安全対策に関する件(新東京国際空港にお
 ける安全運航確保に関する問題)
     ――――◇―――――
○沖本委員長 これより会議を開きます。
 交通安全対策に関する件について調査を進めます。
 本日は、新東京国際空港における安全運航確保に関する問題について、参考人として、航空安全推進連絡会議議長黒川忠雄君及び新東京国際空港公団理事千葉博君に御出席をいただいております。
 両参考人には、御多用中にもかかわらず本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 なお、参考人の御意見は、お一人十五分程度でお願いし、その後委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 それでは、黒川参考人からお願いいたします。黒川君。
○黒川参考人 私、航空安全推進連絡会議の議長を務めております黒川と申します。全日空でボーイングの727型機の機長として乗務いたしております。
 本日私たちの意見を申し述べる機会を設けていただきました本委員会に対して、深く感謝をいたしたいと存じます。
 航空安全推進連絡会議、正式名称は少々長うございますので、私たちはこれを略称して、航空安全会議と申しております。この航空安全会議はどのような組織かと申しますと、昭和四十一年、当時のろわれた日本の空とまで言われました連続した三大航空機事故を契機として結成されました。
 以来十二年、私たちは常に航空の第一線に働く者として、みずからの目と体で体験した不安全要素、放置すれば必ずや航空機事故の引き金になるであろう安全阻害要因を、労働者の立場から政府行政機関はもとより、企業に対しても訴え続けてまいりました。
 そして現在では、日本の空の定期航空路を運航するすべての乗員組合を含めて、整備士、運航管理者、客室乗務員、航空機への搭載業務等を行うグランドハンドリング要員、機内食を取り扱うケータリング要員、加えて、国家公務員である航空管制官、あるいは航空に不可欠の航空気象業務を行う気象庁職員等々、わが国民間航空界のあらゆる分野、あらゆる職種を網羅する、官民合わせて四十九の労働組合が加盟して、札幌、東京、大阪、福岡、沖繩と日本の全幹線空港に組織され、その構成人員二万六千五百名の、文字どおりわが国民間航空界最大の団体にまで成長しております。
 さて、本委員会は、新東京国際空港、いわゆる成田空港に関する論議の中で、航空安全会議の考えているところを申し述べてみよというわけでありますので、私たちの基本的な考えと、それから成田空港の具体的な問題点の若干を挙げて御説明いたしたいと思います。
 本年三月二十六日、一部過激派集団による成田空港官制塔占拠、破壊事件が発生いたしました。私たちにとって、この事件は驚愕であると同時に、いままで強い危機感を持って懸念していた事態が現実となったという二重の驚きでありました。
 ここでぜひとも明らかにしておきたいことは、このような暴力行為、目的のためには手段を選ばずという卑劣、非道の行為に対して、私たちは心の底から怒りを持って抗議したいということです。事実、当時官制塔で業務をしていた現場の官制官からは、生命の危険にさらされたという訴えさえありました。私たちは直ちに緊急会議を持ちまして、三月二十九日付文書「過激派集団による新東京国際空港管制施設の破壊と同空港開港に関する緊急の申し入れ」を内閣官房長官に提出いたしました。
 この申し入れ書面、資料としてお手元にお持ちかと存じますけれども、成田の開港に当たって、私たちは、次の四点だけはどのようなことがあろうとも、政府の責任において必ず保証していただきたい、これらの保証なくしては、後に具体的に申し述べたい成田空港の安全上の問題点が幾ら改善されたとしても、意味を持たないのではないか、この四点の保証がすべての大前提であるというように考えている次第であります。
 すなわち、第一に、破壊された管制機器の復旧、調整は完璧にやっていただきたい。また、管制塔等の管制諸施設は雑居ビルをやめ、制限区域内に新設していただきたい。
 第二に、これはもう言うまでもないことでありますけれども、旅客はもとより、乗員、管制官、地上職員等の人命の保全が完全に保障される保安体制を確立していただきたい。
 第三に、開港に際しては、航空機の安全と国際空港としての機能が国の責任においてぜひとも保証されなければならない。
 また、第四に、警備、保安体制の強化に名をかりて、私たちの組合活動等の労働者としての当然の権利が、いかなる場合でも規制されることがあってはならない。
 以上の四点であります。
 政府は五月二十日の開港は絶対の至上命令であるとの方針を固めていると伝えられていますが、これら四点について、その具体的な対策と対応を早急に私たちの前に示していただきたいと強く希望するわけであります。
 さて次に、成田空港の抱える安全上の問題点を具体的に申し上げてみたいと思います。
 これらにつきましては、航空安全会議では、すでに三月十七日付で運輸大臣等に提出した要請書の中に、あるいは三月二十日付で当委員会委員長にあてた要請書の中に、それぞれ明らかにしております。お手元に資料としてあるかと思いますが……。
 まず一番目に、空域の再調整の必要性についてであります。
 成田が開港されますと、ごく近距離の位置に羽田、成田、百里と三つの空港が近接して相互に制約し合っています。特に成田、百里は出発、進入路が上下に重なって、それぞれが複雑な高度制限によって区分されているわけです。
 運輸省の説明によりますと、多少複雑な空域区分となっても相互の管制機関の間で調整をしなくてもよいことを念頭に置いたとされていますが、私たちは、成田、百里の管制機関相互の調整はぜひとも必要なのではないかと考えております。
 御存じのように、航空機間の間隔は、前後、左右、上下とあるわけですが、ここでは水平方向の間隔は不十分で、高度差が頼りとなっているわけで、悪天候、高気温、航法上の不利な方向から強い風の影響を受けるときといった悪条件が重なった場合等、問題は大きいと思われます。
 一昨日、仙台高等裁判所において、昭和四十六年七月三十日に発生した雫石事故に関する控訴審判決が出されました。御承知のとおりこの裁判では、事故の真の背景、いわゆる民間機と自衛隊機の飛行空域の分離、及び運輸省、防衛庁双方での十分な調整の必要性といった問題が浮き彫りにされているわけであります。
 しかしながら、この成田の空域問題には、こうした教訓が全く生かされてないのではないか、雫石事故の教訓はどこにいってしまったのか、私たちはこうした意味からも不安を深めているわけです。
 次に、二番目ですが、航空機が故障等により正規のコース、高度制限を逸脱せざるを得ないような場合の危険性の問題です。
 離陸直後にエンジン火災等の非常事態が発生したとき、乗員はまず機の姿勢の安定、それから消火作業に専念、忙殺され、自機の状態を管制機関に通報するのはやむを得ずおくれてしまうケースが多いわけです。事実、乗員の憲法ともいうべき運航規程には「先ず消火につとめ、消火後ATCと連絡をとって情況及びその意図を通報する」と規定されています。当然の規定であって、異常事態発生、直ちに管制機関に通報が問題なくできるとするのは、実態を無視した論議ではないかと思います。
 そこで、非常事態が発生して、自機の姿勢制御と消火作業等に専念するために、わかってはいても制限高度をとれず、また大きな旋回もできず、やむを得ず他空域に進入せざるを得ない航空機がある場合に、果たして適切な管制が可能なのか、明快ではありません。
 成田の管制レーダーは、航空機の現在高度を直読できるものではありません。また、成田−百里間の管制上の緊急連絡方法も、どうも明確に示されてはいないのです。やはりここは、現在高度直読式、いわゆるARTS・Jと言われているレーダーの導入と、現場の要求を半分に削減してしまうなどということをせず、十分に人員の教育、訓練をし、十分な数の管制要員の方々を配置するという方向で御検討を願いたいと思います。
 三番目に、出発、進入方式がきわめて繁雑である問題です。
 航空機の出発、進入方式は簡単明快なほど安全であることは言うまでもありません。代表的な例として、ヨーロッパ、米国方面便の出発時によく使われる銚子2デパーチャーを例にとりますと、離陸直後に、たかだか五分ぐらいの間に五回も無線標識局のセットをし直さなければなりません。その間、各地点間にはそれぞれ厳しい高度制限があったり、また進航するコースも九十九度とか百三十九度とか中途半端で、どうも私たちには不思議なコースです。その上、離陸後二千八百フィート以上の高度をかせぎながら、なおかつ百二十三度もの急旋回、その後再び四十度の旋回と、これはもう過大な負担を乗員に負わせることで、安全を阻害するとともに、空域を逸脱する可能性も高いと言わなければなりません。
 また、南風のときの着陸進入では、レイク、羽賀を経由し、百十六度もの急旋回をして最終進入コースに乗るという、これまた問題の大きい進入方式が設定されています。
 その他にも多くの問題がありますが、四番目に移らせていただきます。
 地上管制の二元性と整備地区管制の問題です。
 成田の地上管制は、誘導路、滑走路は国が、ランプ地域は公団が、それぞれ二元的に管制することになっています。私たちにはこの二元性の必要性がどうもよくわかりません。それだけ手順が繁雑になるわけです。また、これはもっとわからないことですが、整備地区では管制が放棄されてしまっています。政府の説明では外国でもよく行われているそうですが、実態は必ずしもそうではないのではないか、確かにグランドコントロールとランプコントロールが別々に分かれている空港も例としてはあるようですが、これとて慣行として一元的に地上管制を行っていることが多く、少なくとも地上管制の責任体制が国と公団のように完全に二分されている例は少ないのではないかと思います。また、整備地区の地上管制が実態として行われないという事態は、安全上どうしても避けなければならないと考えております。
 次に、成田空港の地上での問題点、国際空港としてのアクセスの問題点等に触れてみたいと思います。
 五番目になりますが、航空機のブラストは車両を吹き飛ばすほどの力があるものです。このプラストー後風ですか、このフラスト防止のためターミナル周辺部にフェンスが設けられています。しかしこのフェンスの高さは、空港設計当時に航空機の主流であった翼下型のエンジンに合わせてあるため、DC10、トライスター等の中央高位のエンジンではフェンスの上部を抜けてしまい、きわめて危険です。
 六番目に、空港の制限区域内車両通行諸施設の不備が目立ち、改善が必要と考えております。特に車両ゲート付近は交通渋滞を招くことが容易に想像されます。
 七番目に、京成スカイライナーの時刻表によると、二十一時から二十二時台のダイヤは一時間に一本となっていますが、この時間帯の到着便は八便あります。ジャンボ機一機の旅客三百名として二千四百名、スカイライナーは一時間一本で座席は二百四十、各種バスとの利用比率七対三としても、半数の旅客は積み残されることになります。また、旅客の通関時間を考えると、二十三時の最終に偏って、これに空港勤務者が加わると、ますます積み残し旅客は増加します。一方、ターミナルに集中するバスは、すべてを含めますと二分程度に一台の比率となりますが、これに一般乗用車が加わるのですから、ターミナルの混雑は異常なものとなることが予想されます。
 八番目に、さらに駐車場の問題を含めますと、まことに働きにくい空港になると言えるわけです。
 九番目に、空港内、特に制限区域における補修等の工事については、航空機や車両の行き交う中で、かつその環境にふなれな人たちによって工事される場合が多いと思われます。作業者全員に講習を行う、保安監視要員を置く、作業区域全体を区分するためのさくを設置する等の特別な安全対策が必要です。
 十番目に、また、ボーティングブリッジの操作基準についても明確にする必要があります。
 最後、十一番目ですが、地上業務の下請化拡大に伴うハイジャック等の危険の増大についてであります。現在の羽田でも地上業務部門の下請化はすさまじく、職業安定法上の改善勧告が職安から出されている企業さえあるわけです。下請問題はハイジャックを初めとする重大な不安全要素を抱えているわけで、安全性確保の観点からも、いわゆる下請合理化の問題はとらえられなければならないと考えております。
 時間の関係で、問題点の十分の一も言い尽くせず、まことに残念でありますけれども、この辺で終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○沖本委員長 次に、千葉参考人。
○千葉参考人 私、意見を申します前に一言おわびをさせていただきます。
 まことに残念ながら極左暴力集団によりまして管制塔を破壊されまして、開港の期日がおくれましてまことに申しわけなく、本席をかりまして改めておわびを申し上げます。
 この成田空港でございますけれども、マスコミではどうも大変欠陥の多い空港であって、羽田に比べてまことに見劣りするというようなことが言いふらされております。これは私は、基本的に誤っておる。日本で初めて計画的に国際空港をつくりましたのはこの成田空港が第一でございます。したがいまして、その設計につきましては、当初からジェット機を対象といたしまして、国際的な最高の水準の飛行場をつくろう、空港をつくろう、しかも日本の玄関にふさわしい施設、設備を持ちまして、それで安全な運航ができる、しかもお客様方に、アクセスが遠うございますので、これを通じて来られました方々あるいはこのアクセスを通じまして都心に向かわれる方々、こういった方々がスムーズに飛行機からおり、そしてまたそのアクセスに出入りされる、こういったようなことが円滑にいくような設計になっております。
 そこで、まず第一に申し上げたいことは、安全という面から見て、御案内のとおり、羽田ですと飛行機からバスで、バス輸送でほとんどすべてお客さんを運んでおられる。したがいまして、そのバスの輸送の繁雑さ、これは大変なものでございますが、当空港におきましては、御案内のとおり、羽田が三つのボーディングブリッジしかございませんけれども、成田では二十八ものボーディソグブリッジがあるというようなことでございまして、これはもうほとんど、バス輸送などに頼らないで乗りおりてきる。この一点をとりましても、まことに空港内の安全と申しますか、こういった点はわかるわけでございますが、基本的に空港は、航空機が離発着する場合に一番問題なのは、やはり何と申しましても滑走路で、これの長さは、ごらんのとおり四千メーターからの滑走路がございます。これは、運用いたしますのは、いまのところ太平洋側から入りますものだけが三千二百五十で使いますけれども、そのほかの離発着は四千メーター使えるのでございますので、したがいまして、大変そういった点でも、まず第一に安全が確保できるということがわかるわけでございます。そのほか羽田に比べますと、羽田は御案内のとおり、木更津側からだけILSを使っておりてくる、またそちらを主として離陸するというようなことでございますけれども、わが方の空港は両側から悠々と離発着できるというような設備になっておるわけでございます。
 それから次に、そういったような基本的な設備が大変充実しておるという点で、航空の保安施設でございますけれども、これも国際的な最高の水準のものが南北両側についております。そういった点で、私ども大変使いやすい空港のはずだということで、いろいろな慣熟訓練、その中でパイロットの慣熟訓練がずっと行われたわけでございますが、これにつきましても、パイロットが大変扱いやすい空港であるという好評をいただいておるわけでございます。
 各論に入りますが、いまいろいろお話が出ているようでございますが、まず管制の二元性が非常に問題じゃなかろうかということでございます。これにつきましては、外国でもその例がございまして、ヨーロッパでは、ドイツのフランクフルトあるいはオランダのスキポール空港、そういったところにおきましてもこれは二元的にやっておりますし、アメリカにおきましても、これは地上のランプコントロールはエアラインが請け負ってやっておるというところもあるわけでございます。わが方におきましても、この運用の管理をする者の資格、ランプコントロールを行う者の資格でございますが、これは厳重な試験実施規則を作成いたしまして、しかもこの試験に合格した者だけではございませんで、実際に航空局の管制官として長いこと管制業務に携わっておった者、こういった者の出向をしていただきまして、それで航空局の管制官との間を緊密に連絡をとれるような、そういったような仕組みと人的構成、こういったようなことをやっておりますので、私はこれは円滑にいくものと考えておるわけでございます。
 それからもう一つ、いまお話がありましたようなブラストフェンスといいますか、エンジンの後ろに出てくる風でございますが、これを防止する措置、これが問題じゃなかろうかということでございました。これにつきましては、いろいろと運用の面でも考えますし、それから、いま御指摘のDC10でございますが、DC10は非常にこのブラストの出る高さが高うございます。地上への影響は比較的少ないのでございますけれども、それがブラストフェンスよりも上にあるので、これが周りに影響を与えるのじゃなかろうか、こういったようなお話でございます。私どもといたしましては、いま申し上げましたように、運用する場合に、そういったような航空機は、そのような影響を周りに及ぼさぬように、牽引車で一応引っ張り出してその影響のないようなところへ持っていって、それから出発させるというような方法までとって、そこで働く者の安全をいろいろ考えようというようなことまで私の方は配慮いたしておるわけでございます。
 それから次に、空港の制限区域内の車両の通行のいろいろな設備が不備じゃなかろうかといったようなことでございますが、空港は、広いようでございますけれども、大変いろいろな車がふくそうして走る、人間の交通も激しいという場でございます。したがいまして、ここでの交通の安全につきましてはきわめて厳重にやりまして、もちろん車両につきましての登録を別途行ってそれの訓練もするというようなこともやります。それから標識なども、きわめて明確にいろいろつけさせるようにいたしております。それから運転者につきましての教育指導も厳しく行うことにいたしております。そういったことで私どもも十分ここでの安全を確保するように努力いたしておるわけでございます。
 それから一つ、ボーディングブリッジの操作について、これも非常に問題があるのじゃないかというお話もその中であわせてあったように記憶にあるのでございますが、このボーディングブリッジの操作につきましては、これも訓練さして、いいという者に対してライセンスを出しまして、もちろん作業につきましても十分厳重に監督をするというような措置を講じておるわけでございますので、この点も安全の対策はもう十分措置がとられておるというように私ども見ておるわけでございます。
 それから、ハイジャック問題にちょっといま触れられたわけでございますが、これについては私の方は、施設設備の改善も含めまして最大限の努力をいまいたしております。二度と先般のようなハイジャック事件が起きないようにということで、金属探知器などのハイジャック関係の設備を整備するほか、さらに、開港が延期されたこの期間を利用いたしまして、施設的にも乗降客が一緒にまざらないようにつくろうというようなことで、これに対しましても開港までに間に合わせるというような努力もいまいたしておるわけでございます。
 それから、地上業務の下請化が拡大するのでいろいろハイジャック問題が問題になるのじゃなかろうかということでございますが、これに対しましては、事業者に対しまして身元の確実な者を雇用するように私ども指導をいたしまして、そういったような点からハイジャックをするような者が出てこないように措置をいたしておるわけでございます。
 時間も参りましたので、全般の問題と各論については以上でございます。どうもありがとうございました。(拍手)
○沖本委員長 以上で両参考人からの御意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
○沖本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上裕君。
○井上(裕)委員 私は、両参考人に具体的な御質問をする前に、運輸省にひとつお聞きしたいのですが、航空安全会議の方々といまの公団の千葉さんのお話は真っ向から対立しているわけです。空港の開港があと九日に迫った今日、私ども、特に地元住民といたしましては、お話を聞いておりまして非常に意外な感じを受けるわけです。こういう会議の代表の黒川さんあるいは公団と、前にこういう安全性のことについてお互いに話し合ったことがあるかどうか、それをひとつお聞きいたします。
○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。
 安全推進会議の方からは、三月十七日付であったと記憶しておりますが、九十七、八項目にわたりまして、これは成田だけではございません、すべての空港及び航空機の運営に関する問題点を分類、列挙されたものが提出されたわけでございます。
 これに対しまして私どもの方は、関係いたしますところがほとんどすべての部、課にまたがるわけでございますので、それらに内容を分類いたしまして、しさいな分析、検討を行っておったわけでございます。その間、いろいろハプニングと申しますか事件がございましたものですからお答え申し上げるのがやや遷延はいたしましたけれども、おとといであったと記憶しておりますが、それぞれ検討いたしました結果に基づきまして、安全推進会議の方の御参集をいただきまして、われわれの方の担当の課長及びそれぞれの専門家が各項目にわたってしさいに御返事も申し上げましたし、その間幾つかの点については質疑応答もなされたわけでございます。そのほかに別の機会といたしまして、安全推進会議あるいはそれらを包括したいろいろな形での空港を使用する側の方の、主として組合の方の御意見というものがいろいろな形で集約されて出てまいっておりますが、これらについては、私自身話し合いをしたのを含めまして、数次にわたっていろいろと問題点について議論をいたしました。私どもとしては、少なくとも現状においてはこのように考え、このように処置するつもりでありますということを委細にわたって申し上げたつもりでございます。
 ただ、観点の違いもございましょうし、あるいは私どもの説明の行き届かない点もございましょうし、あるいは、非常に具体的な問題になってまいりますと、従来の理屈の上の議論あるいはシミュレーション、そういったようなものでは当然うまくいくはずだというふうに私どもは考えるのに対して、やはりたとえば安全推進会議の方々のように長い現場の経験を踏まえて御議論なさる場合には、それぞれの立場からお考えになって果たしてそういくのだろうかという疑問点が多少残っているというふうなことがあろうかと思います。少なくとも私どもの基本的な考え方といたしましては、先ほど冒頭に御説明申し上げましたように、御質問のありました点については十分に検討の上御返答も申し上げてまいっておりますし、またそのほかの機会をとらえても、これに類似するいろいろな問題点についてはかなりの回数と時間をかけて意見の交換を行ってきているということは事実でございます。
○井上(裕)委員 よくわかりました。
 もう一点。よく会議の皆さんのお話を聞いた、そこででき得るものはすべてやった。しかしまた、この要求も、私ども素人の考えでも、できない相談のものもあるわけです。そういうことにおいて、空港の安全がこれで完全であるという見通しはついているわけですね。その一点をまず伺います。
○松本(操)政府委員 先ほど黒川参考人の冒頭の部分にあったように私承っておったのでございますが、空港の安全な運用、そのために、去る三月二十六日破壊されました単なる管制塔の機器の修理だけではなくて、安全面に十分に配慮いたせというような御要望とか、あるいは空域、飛行経路等について、基本的に四つの問題点を挙げて御指摘があったわけでございます。これらの点につきましては私どももとより全く同感でございまして、単に破壊されました管制塔の機器の修復というにとどまらず、御案内のように空港全体の物理的な防御体制、特にその中でも心臓部分とも申すべき管制塔を含む管理棟についての物理的な防御施設、あるいは、それをどのように確実に防御できるように運用していくかというソフトウエアと申しましょうか、そういうふうな面の詰め、こういう点についてはその後相当の期間をかけ、作業もほとんど完了しております。部分的にはすでに完成検査を終了し、一部の訓練も実施したという段階までいっておる問題もございます。
 ただ、その中で、たとえば管制塔をどこか別のところへ持っていけ、こういうふうな御要求につきましては、そう簡単に、ほいと建つものでもございませんし、それから現在の管制塔が建っております位置が、一期工事、二期工事、全体が仕上がった時点のことを考えますと、実はまあまあの場所に建っておるわけでございます。雑居ビルというような考え方ももちろんございましょうけれども、現在の管理塔に入っておりますのは公団の職員、私どもの職員、気象庁の職員、こういう形で、羽田のターミナルビルをいわゆる雑居ビルと呼ぶのとはかなり様相も違っておる。
 それはそれとして、いま申し上げましたように物理的な防御体制及びソフトウエア的な面も十分手を尽くした、こういうふうに私ども考えておりますので、少なくとも二度と再び管制塔に侵入されるというふうなことは、もちろんあってはいけないことでございますし、あり得ないことだというだけの自信を持つところまで私どもは詰めたつもりでおるわけでございますので、いまの時点において判断いたします限りにおいて、推進会議の方からいろいろと御指摘があり御要望があったような点につきましては、私どもとしては十分に対応できる状態に至っておるというふうに思っておりますし、とりわけ安全といっても、いわゆるセキュリティーの方ですね。セーフティーというよりもセキュリティー、保安体制と言った方がよろしいかと思いますが、そういうふうな面の安全対策につきましては、政府声明あるいはその後の対策要綱等にもあります点を踏まえまして、十分な配慮をして処置を講じてきておる。したがいまして、御質問の、いまの時点において安全性に関し十分な対策を講じていると思うかという点につきましては、現時点において私どもとしては、三月二十六日の事件にもかんがみ、その教訓を取り入れ、相応の対処を完了しておる。一部はまだ多少の仕上げの工事が残っているとか、あるいは総合的な訓練があと一、二回は要るのではないかとかというような点が残されていることは事実でございますけれども、五月二十日の開港までにはそれらをすべて完了いたしまして、十分な体制をもって臨み得る段階に立ち至っておる、このように考えております。
○井上(裕)委員 銚子ボルタックの問題で、そこで私ども素人が考えますときに、百里、羽田、成田、こういう場合におきましてこの安全性、これを端的に大丈夫だと言えるかどうか、その点一つ……。
○松本(操)政府委員 先生おっしゃいました銚子のボルタック、これは御案内のような経緯もありまして、その上を通らないということで経路を設定したわけでございますが、しかしながら、はるか太平洋上から本土へ飛来してまいります航空機のガイダンスとしては非常に重要な役割りを持っておりますし、さらにまた、本土を離れて洋上はるかアンカレジなりあるいはロサンゼルス、サンフランシスコという方向へ飛んでいきます場合にも、この銚子ボルタックからの電波というものが非常に強力な誘導をすることも事実でございます。したがいまして、このボルタックの防護という点について、一時焼き打ちまがいのことをされたこともございますので、現在の時点ではフェンスをすべて二重にいたしまして、二重のフェンスの間にコイル状にいたしました鉄条網を入れる、門扉ももちろん二重にする。そのほかにいろいろの、どのように専門的に言うのか存じませんけれども、かきねを破られた場合に発見するようないろいろな装置をつけました。そういうふうな事態が起こった場合には、直ちに現地において警報が発せられると同時に、私どもは電波を絶えずモニターをしておりますので、そのモニターの回線を通して私どもの方でも何らか異常事態が発生したことがわかるような仕掛けをつけました上に、さらに現在ガードマンを置いております。ガードマンを置いております理由は、この施設が無人施設でございまして、定期的に成田の方から点検に参るという仕組みで運用されておりますので、私どもの職員が常駐しているわけではございません。したがいまして、四六時中ガードマンをもって見張りをさしておるわけでございますが、そのほかにさらに地元の警察、千葉県警の方にもお願いをいたしまして、必要な時点におきましては警察力の動員によってさらにそれを防護していただくというふうな手段をとっておるわけでございますので、銚子の施設が損壊されるということはまずないという前提のもとに運営に入れるというふうに私どもは考えております。
 そういうことを前提といたしまして、次に、空域問題で特に百里との関連でございますが、成田と百里の間が約二十六マイル離れております。しかしながら、航空機の出発、進入経路というものは空中にいろいろなコースを描いて飛ぶわけでございます。したがって、これをどういうふうな形で安全確実に飛ばせるかということについては、私どもも相当の配慮、工夫をしたつもりでおるわけでございますが、その内容が昨年の十二月に出されましたイータムに記されているところでございます。一見、空域は上下に複雑に絡み合っているようでございますが、私どもが空域を分離いたしますときの基本的な考え方は、一つの空域の中においては一つの管制機関がもっぱら管制を行う、相手方の管制機関と一々連絡をとらなければ自分の空域の中の管制ができないというふうなことは原則としてしないようにする、こういう考え方で空域を分離いたしました。
 それから次に、飛行コースの設定につきましては、百里側で飛んでおります自衛隊の飛行機と成田において出発、進入いたします民間機との飛行特性その他が違っておるということを十分に踏まえまして、さらに、大型のジャンボのようなものも飛ぶわけでございますから、これらの飛行機がたとえば三百五十二トンという最大の離陸重量で、無風状態で、かつ夏季、気温三十度というふうな場合に北へ向かって離陸する。この場合、何も北へ向かって上がる必要はないので、南へ向かって上がればよろしいわけでございますが、なおかつそれが北へ向かって上がったという前提でいった場合にも、成田の空域の中で十分にコントロールができるというふうに処置をしたつもりでございます。
 したがいまして、その点について私どもの考えといたしましては、特に問題のあるような点を現在残しておるというふうには考えておりません。
○井上(裕)委員 空港公団の千葉理事にお願いします。
 ちょっと時間がありませんので、一問一答じゃなくまとめて質問いたします。
 四千メートルの滑走路一本、それから三千二百メートルの横風用ができないうち、あるいは二千五百メートルの滑走路ができないうち、最悪の事態を思って、その四千メートル滑走路一本で大丈夫かどうか。
 それからさらに、いま羽田ではどのくらいの乗客を運ぶバスがあるのか。それと相当するぐらい、いま成田には中に第二期工事あるいはいろいろなトラックであるとかそういうものがあるわけです。そういうものの危険性というのは確かにわれわれも感じているわけです。現実にいま成田のあそこのホテルから空港の内部に入るまで四十分の時間を要するわけです。これが開港になって、一々チェックした場合に、これは相当の時間帯。
 もう一つ、私ども住民が一番こわいことは京成電車。これが開港になると大体七十往復、それから現在八十往復、百五十往復、三百回ということです。そうすると、十時間で三百回遮断機がおりる。一時間に三十回遮断機がおりるわけです。こういうものの立体的な対策。恐らくあかずの踏切になってしまうのじゃないか。そういうことをいまになって地元の人たちは非常に恐れているわけです。この点の数字的な解明ですね。
 それから印旛沼の上空の乱気流、これがよく新聞で騒がれているわけです。これは運輸省も空港公団も、あるいはこの安全会議の皆さんも含めて、これは間違いである、乱気流はないんだということを――やはり住民は新聞の報道というものは非常に敏感に映るわけです。そういうことがいまだに尾を引いている。これはないのである、あるいはあっても大丈夫である、こういう問題についてひとつまとめてお答え願いたいと思います。
○千葉参考人 四千メーターの滑走路一本しかない、これでは欠陥空港じゃなかろうか、こういうお話でございますが、これにつきましては外国でも、あの有名なドゴール空港でございますが、これもいま滑走路一本で運用いたしております。このような建設の段階では一本でオープンをするということは外国でもしばしばある問題でございます。
 それで、一本の滑走路では、横風が吹いて着陸も離陸もできなくなるのじゃないかという懸念があるわけでございます。また、何か事故が起きたときそれが閉鎖されたら大変困るのじゃなかろうかという懸念があるわけでございますが、これにつきましては、近くに羽田もあることでございますし、何か事故でもあった場合オールターネートということで、そういったことは航空機が運航する場合初めからはっきり決められているものでございます。
 それからいま一点、横風の問題につきましては、一年のうちせいぜい三日か四日というのが横風が強くていろいろ問題が起きそうだ。パーセントにいたしますともうコンマ以下のパーセントになるというようなところでございますので、その懸念も少ないのじゃなかろうか、私どもはこう思っております。しかしながら、できるだけ早く横風用の滑走路を二期の工事としてつくりたいということで私ども努力いたしておるわけでございます。
 それからアクセス、交通の問題でございますが、これにつきましては特に自動車のふくそうが激しくて、あそこの中は大変狭くていろいろ問題になるのじゃないか、しかもいろいろなチェックをする、そうするとますます混乱が激しくなって大変な渋滞になるのじゃなかろうかという御懸念だと思います。私どももそういうことがあってはならぬということで、現在交通規制の方を担当しておられます警察の方とも千分打ち合わせをいたしまして、それでチェック方法も時間がかからなくて適確にできるとか、それから中でのスムーズな処理の仕方、こういったものにつきましてもシミュレーションをやりまして大丈夫かどうかということをいろいろ検討いたしまして、大丈夫だという結論が出てまいりましたので、それによっていろいろな中の規制も行うといったようなことで、私ども開港当初においてはあそこの車のさばきはうまくいくのだろうというふうに自信を持っていまやっておるわけでございますが、何分、私どものこのシミュレーション上出てきた数字よりも多大な数字が出てくるおそれもある。たとえばいろいろな見学のお客さんも夏にはまたさらに一段と多くなるというようなことも考えられますので、私どもも三の点は十分に注意して対処したいというふうに考えております。
 それから、京成電車の問題でございますが、もう御承知のとおり相当な量が参ります。一時間に三十回、確かにそうなるかと思いますので、そうなった場合にあかずの踏切になるのじゃなかろうか、この問題につきましても、これは私どもだけではとても処理できません。空港公団のらち外の問題でございますが、十分に関係方面とも打ち合わせをしまして、それでこれをどういったような踏切にしたらいいか、十分に地元の方々とお話し合いしまして対処すべきだと思っております。
 それから乱気流の問題、これも運輸省の問題でございますので、私どもちょっと答弁しかねるわけでございます。
○井上(裕)委員 後で文書でいいです。
 それでは質問を終わります。
○沖本委員長 次に、太田一夫君。
○太田委員 二、三お尋ねをいたします。
 最初に黒川議長にお尋ねをいたします。あなたの御陳述というのは実に大事なことを含んでおりまして、さきにお尋ねになりました成田と百里の空域の重なりの問題、近接の問題は、事によれば航空機にとって非常に大事故のもとになりかねない、どう考えてもそんな気がします。運輸省の方では高度差千フィートというのは十分だということ。それからもう一つ、水平間隔の三マイル、約五キロメートルでありますね、これは安全上の要件を満たしておるという御見解が常々披瀝されております。そこであなたがおっしゃったことは、この高度差千フィートをもうちょっと拡大する必要があるじゃないか、大きくとる必要があるじゃないか、あるいは水平間隔三マイルももうちょっと広げる必要があるじゃないか、こういう御意見です。水平間隔三マイルというのは、飛行機からいったら一分そこそこで突破できる狭い帯のようなところですからさもありなんと素人でも思うのでありますが、もしこれが改められないでそのまま実施された場合に、最悪の事故としてはどのようなことが考えられるか、どこかにこういうようなことが起きますということで何か素人にわかる例がありましたらひとつお答えをいただきたい。
○黒川参考人 ただいま御質問の内容は、空域が重なり合っている、したがってそこを飛ぶ飛行機が具体的にどんな重要な問題にぶつかるだろうかという御指摘だと思います。私たち航空安全会議でずっと検討してまいりますと、実は事故というのは幾つかの原因が重なり、あるいは一つの原因により、墜落事故とか衝突事故とかいろいろな形で起こるわけです。したがいまして、この空域をこういうふうに設定したらこういう事故が起こるということは端的には申し上げられないわけです。
 私たちが申し上げたいのは、こういう複雑な空域の中で、しかも乗員にとってはほかの空港よりはやりにくいというか運転しにくい、そういう離陸の方法とか出発の方法、進入の方法ということをやっておりますと、万一飛行機の火災、あるいは工ンジンの火災とか故障、それから、だんだん高空へ行きますと空気が薄くなりますので、空気を圧縮して飛行機の中に入れている、そういう状態でありますので穴があくとか、いろんなことが考えられるわけです。そういう状態のときに、やはりパイロットは飛行機を安全に飛ばせるということを第一に考えるわけでございます。その後にほかの機関に連絡をしたりあるいはその他の方法をだんだんとっていく。優先順位があるわけです。したがいまして、飛行機を安全に飛ばせるあるいは消火作業に専念するということにやはり最初に目がいくわけです。神経の集中もそこへいくわけです。したがいまして、その間に必ず空域を出てしまうということではございません。いろいろな場合がございます。しかし、空域がぎりぎりに定められておりますので出る前に可能性があるということなんです。出たときに、百里の方へ出たとしますと、百里の基地の方ではまた同じような出発方式なり進入方式をやっているわけです。全く同じじゃなくて、同じような狭い中でやっておるということですから、そういう飛行機同士が危ない目に遭う。ぶつかるとは申しませんが、ぶつかることもあるでしょう、あるいは危ない目に遭う。そういうこともあるのではないかという心配もしております。
 それで、そのときには管制なりに連絡をすればいいじゃないかという御議論もあるかと思います。しかし、先ほど申し上げましたように、連絡は後でするということになりますので、残念ながら若干時間の差が出てきてしまう。そうすると、先生御指摘のようにわずか一分たかだかという中で連絡がおくれたのを、また地上なり管制なりで対処していただくというのはまたおくれを生じるということでございますので、危険性は増大してくるのじゃないかというふうに私たちは考えておる、そういうことでございます。
○太田委員 百里基地とのトラブルというのは、事故というのは、自衛隊機と旅客機との間の問題でございますから、ちょうどこの間の大韓航空機がソ連領に迷い込んだときと同じような問題ですね。あの場合も、大韓航空機のパイロットはソ連の迎撃機からの警戒信号を傍受しておらない。受けておらない。向こうもどうもこちらが応答した節がない。言うなれば相互対話は不通のままにロケットを撃たれてしまったわけですね。そう報道されております。
 わが国の百里基地の自衛隊機とそれから国際航空飛行場を進発ないしは着陸しようとする旅客機との間には、たとえば何か送受話器を上げればすぐ通ずるような波長の調整か何か非常時にあるのかどうか。あるいは言葉は通じないままに、目で見るだけでお互いの最悪の危険は回避せざるを得ないことになるのか。その辺はどうでしょう。
○黒川参考人 ただいまの御質問は航空機同士の対話ができるかどうか、それは軍と民間でどうだろうかということでございます。
 現在運用されておりますのは、民間の飛行機は主に、まあほとんどでございますけれども、VHFという周波数帯を使っておる。そして軍用は主にUHF帯というのを使っておりまして、周波数が何倍も違うという状況でございますので、直接話をするということはできません。したがいましして私たち、何回も御指摘があるわけなんですが、ニアミスの問題ですね、ニアミスの問題も、ほとんどはやはり直前になれば目で見て回避するというのが現実の問題でございます。
○太田委員 きょうは当事者のお答えだけ承っておきますから、当局の方は後にします。
 そこで、それに関連をいたしまして、公団の千葉理事にお尋ねをいたします。
 あなたは先ほど慣熟飛行についてお触れになりましてパイロットは使いやすい空港だと申しましたとお答えになりましたが、それは本当のことでございますか。
○千葉参考人 私どもはしょっちゅうパイロットといろいろお話しするチャンスがございますが、パイロットの方々はなかなか使いいい空港だ、そういうことを私にたびたび申しております。またそういった人たちを管理しておる方々、そういった方々ともまたいろいろお話ししておりますが、そういった方々もそう言ってくださいますので、私ども喜んでおるわけでございます。
○太田委員 黒川議長にお尋ねしますが、いまの公団側のお話とあなたの方がお考えになっておる考え方とは一致しますか。
○黒川参考人 私たちもパイロットの仲間がたくさんおりますのでいろいろ聞いておるわけです。
 その中では、まず先ほど御説明がありましたのは、成田の経験をパイロットがする。まあ飛ぶわけですね。その経験をした感想を聞いてみたら、なかなかいい飛行場だという感想がありました、こういうことだと思うのですけれども、私たち聞いている範囲では、まず経験のやり方が一つ問題があるんじゃないかと思います。
 どういう経験をするかといいますと、滑走路は、先ほど御説明がありましたように、四千メートルあるから、世界的に比べても十分な滑走路だ、こういう御説明である。その滑走路の周辺を飛ぶわけでございます。周辺をぐるっと一回りして着陸をする。そうしますと、滑走路の感じなり見え方なりは、これはわかります。したがいまして、ある感想では、なかなか長いじゃないかという感想はあるかと思われます。
 しかしながら、私たちが指摘をしているのは、そこを、滑走路の部分より、たとえば滑走路から離陸をして上がっていく経路がいろいろ複雑ですよということを指摘しているわけです。
 したがいまして、その感想をもしパイロットから聞きたかったら、全部の人にこの離陸経路なり着陸の経路なりを経験してもらわないと、本当の意味での感想は聞けないわけでございます。ところが、全部その経路をやりますと非常に時間がかかります。これは、そうですね、三十分から三十分、これは正確に申し上げられない、その事情によるようなんです。したがいまして、そういう時間を節約する意味からも、あるいはそこの必要があるかないかというところは私たちは申し上げませんけれども、その経験のやり方が、滑走路をぐるっと回って着離する、そういうところの感想じゃないかと思います。私たちが聞いている範囲では、先ほどありました気流の乱れとかそういう部分もあると聞いております。
 以上です。
○太田委員 そうすると、これもまた妙なお話ですが、確認をいたします。
 慣熟飛行に参加されたのが、先般当委員会に運輸省から報告された数字は四百三十二人、日航に全日空に、もう一つ何とかという飛行機会社の合わせて四百三十二名、こういうふうに報告されている。だから、私は国際線を飛ぶ方はみんな、いわゆる機長さんは全部そこのコースを進入し、出発をされたのかと思っていましたら、ただ四千メートルの滑走路に離着陸する飛行だけを慣熟したのであって、あとの旋回とか高度とか、進入、進出のことば何一つやらなかった、それは実際そういうことでございますか。いまの公団の方は飛行場のことだけですから、空のことは知らないですからね。なるほど四千メートルは長いな、三千メートルよりは千メートル長いということを確認された。そうすると、この慣熟飛行をやった、やったということは、安全会議の方からの、実際のパイロットの側から見ると、どの程度の割合で済んだとお考えになりますか。三分の一ぐらいですか。コースの回り方も、空の飛び方も違うし、人間も四百三十二名だけであったということになれば、それはほんのわずかやられたということだけでございますね。
○黒川参考人 何分の一かというのは、ちょっと私の方では数字的には申し上げられないのですが、先ほど慣熟というのは滑走路を回るだけだ、離着陸をするだけだ、しかし、そこへ至るまでの経路とか、全くやらない人ばかりだということは言えないと思います。やる人も何人か、何十人かわかりませんけれども、いると思います。しかし、すべての人が、四百三十二人の人が全部の経路を回ったら、これはとても時間的にできる問題ではないということはもう明らかなわけでございます。
 以上でございます。
○太田委員 そうすると、もう一つ黒川議長にお尋ねしますが、わが国の国際線パイロットとして飛ぶであろう方々は、ほとんどその慣熟飛行に参加されたのでありますか。
○黒川参考人 私が先ほど申し上げたような形で経験なさった方はかなりいらっしゃると思います。それで、やらない方もいらっしゃるというふうに聞いております。数の正確なところはわかりません。
○太田委員 黒川さん自身は、国際線をお飛びになるのか、慣熟飛行に参加されたか、どうですか。
○黒川参考人 私は国内線専門でございますので、慣熟飛行には行っておりません。
○太田委員 それでは次の問題に移りますが、地上管制二元制ということですね。公団の方では、そういうことはエアラインが請け負っておるところもあるぐらいであって、航空局の管制官とは緊密な連絡をとれるようにしてあるから心配ないとおっしゃった。しかし、運輸省は、二元的といっても、滑走路までは運輸省がおやりになる、滑走路を外れると公団がやる、しかも、公団がやる中に、先ほどの整備部門の前の広場というところは除外をされておる、こういうことですね。
 これは連絡を密にして二つの場所から管制されるとして、いわゆる二元的管制をされるとしても、連絡が密ならばそんなに危険は予想されなくて済むのではないかと思われますが、実際の飛ぶ側から見たらどういう意見でございますか。
○黒川参考人 まず実態から申し上げますと、日本の飛行場でグランドのコントロールをやっている飛行場は、沖繩だけ一ヵ所放任されているところがありますけれども、あとはすべてグランドコントロールが実態上なされております。したがいまして、私たちの常識といいますか、私たちの立場から考えますと、当然管制はされているものだと思っておりましたし、これからもされるものだ、こういうぐあいに思っております。
○太田委員 時間がなくなりましたので最後の質問にせざるを得ませんが、これは公団にひとつお尋ねをいたします。
 あなたは先ほど、DC10のブラストの問題、これに、フェンスの高さが低いということを指摘されたことに対しては、これからそういうDC10の飛行機が入ったときには、そばでエンジンをかけないで、何かで引っ張って入れ、引っ張って出して、いく、こうおっしゃった。まあずいぶん手間のかかる話のような気がしますが、それはフェンスを高くすれば簡単に解決するような話ですが、それは引っ張った方がフェンスを高くするよりは合理的なんでございますかということと。
 それからもう一つは、サテライト方式というのは、先ほど非常に御自慢になりましたが、使う側から見ると、交通渋滞になるおそれがあるということと、それから交通の安全、そういう問題が幾つかある。しかも、あのサテライトになっているから、そのために入り口が一つしかなくて、二つの入り口がないために非常に混雑して危ないのではないか。何か車と車とか、飛行機と車とか、飛行機同士とかいろいろ接触の心配もあるじゃないかということを言いますが、あの広いところへ狭いサテライトをつくるということも、考えてみれば、価格的な話でございましょうけれども、どうも腑に落ちない。できたものはできたことですが、入り口を一つふやせばもう少しスムーズに車が流れて安全が確保されるとか、ここをこうすればもう少しその心配がなくなるとかいう、あなたの方の管理に属する問題については当事者との間の意見について意地を張らないで――私は意地を張っていらっしゃるとは思いませんが、意地を張らないで謙虚に話し合ってこれからおやりになるという御意思はありますか、どうですか。
○千葉参考人 先生の御意見、まことにごもっともでございます。私、空港を運用する者といたしまして、空港をお使いになる方々と十分にお話を今後いたしまして、それで開港後も、改善する点があれば、もうよく御意見を伺いまして、これを入れまして、それでさらに一段とりっぱな空港へこれを持っていくという努力をいたしたい、かようにいま考えておるわけでございます。
○太田委員 ありがとうございました。
○沖本委員長 次に、草野威君。
○草野委員 いよいよあと十日後に開港が迫って、
 いるわけでございますけれども、われわれ、基本的には開港には賛成しておりますが、しかし、安全面ということ、また、地元民との話し合いという点、こういう点については非常に心配をしているわけでございます。
 そこできょうは、いままでも何点かについて参考人の方々からも御説明がございましたけれども、私もこの際、改めてもう一回運輸省の方に伺いたいと思いますけれども、やはり慣熟飛行の結果、問題点として残されたのは三点でございます
 その一点は、進入時の乱気流の影響という問題。それから二番目は、航空自衛隊百里基地と空域の北側が接近しているという、こういう不安があるという問題。それから三点目は、四千メートル滑走路一本だけの片肺飛行に対する不安。こういう三点にしぼられたというふうに聞いております。あと十日後に迫った現時点において、こういう問題が先ほどの参考人の意見の中にもございましたけれども、こういう問題を残して、二十日の日に空港が果たして安全に開港できるかどうか、こういう面について私ども非常に心配しておりますので、念のためにもう一回、ひとつ運輸省の方から御意見を承りたいと思います。
○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。
 まず、進入時における乱気流の点でございます。この問題につきましては、先ほども太田先生との間のやりとりにございましたが、四百三十名余のパイロット、国際線に従事いたしますすべてのパイロットでございますが、このパイロットの慣熟をしてもらいました。そのほかにも、私どもの方もみずからパイロットを持っております。フライトチェックを行うパイロットもおりますし、それから慣熟飛行を監督する立場のパイロットもおるわけでございます。こういうパイロット、主な人たち百五十人のパイロットに対しましてアンケート調査をしたわけでございますが、そのうちに、百五十人の人の意見を徴した結果、九八%、つまり実数で百四十八人までは中程度以下の乱気流があったと、こういうお話でございました。つまり、百五十人のうちの二人の方がある程度の乱気流に遭遇した、こういうふうにアンケートで答えておいでのわけでございます。その九八%、百四十八人の方は中程度以下である、こうおっしゃっておりますし、さらに、ちょっと私、いま数字を正確に記憶しておりませんが、たしか八四%であったと思いますが、八四%に相当する方々はスライト、軽微な程度の乱気流またはそれ以下、つまり全くなかったかといった程度である、こういうことでございました。
 この乱気流という言葉が非常に一般的に使われてしまいましたので、乱気流というふうに私もいまお答えしておるわけでございますが、これは一般にパイロット仲間ではラフエアと言われるたぐいのものであると私どもは聞いております。ラフエアというのは、荒い空気というのを日本語で何と言うのかわかりませんけれども、着陸しようと思って来ると、がくがくと振動というのでしょうか、揺れというのでしょうか、そういうものが起こる。この程度はほかの空港に比べて特に激しいというものではない。じゃ、これは絶対に避けられないのかというと、どうも空港というものの性格上、空に浮いているものがだんだんと地面に近づいてまいりますと、滑走路の近辺には、成田のような場合ですと、丘あり谷あり川あり、あるいは海と陸との境目がある。羽田のような場合ですと、やはり海と陸との境があるほかに、近所に家が建っておる。外国の例で申しますと、香港の空港でありますとかヒースローの空港でありますとか、この二つの空港は特にノータムまで出しまして、乱気流があるよということを特定の滑走路についてウォーニングを出しておる、こういう状態でございます。それらに比べまして成田の乱気流が特に激しいものであるというふうには私ども思っておりません。それは百五十人の方々に直接御意見を伺った結果でもありますし、また私どもの熟練したパイロットにも私直接話を聞きましたけれども、やはり特段の問題があるということではない、こういうふうに理解をしておるわけでございます。
 それから、次に百里基地との問題でございます。
 これも先ほど来いろいろと御議論がなされておるわけでございますが、私どもは、私冒頭の御返事にも申し上げましたように、両空港の間が二十六マイル離れておるということ、そして北へ向かって離陸する形をとる民間機、あるいは北から着陸する民間機があって、それに対して百里の場合に、南から着陸するタカンアプローチという特殊な、軍用機独特のアプローチの仕方がございます。このタカンアプローチという形でおりてまいりますケースは、年に何回というきわめて限られた回数であります。それ以外はGCAという名前の、レーダーを使って出し入れをするわけでございますけれども、タカンアプローチというのは、自衛隊のパイロットにとっては一つのレーティングだそうでございまして、これを年に何回かやらないとレーティングが失われるということで、そのトレーティングとしてするわけでございます。このタカンアプローチをしております場合に、北へ向かって上がっていくということがあった場合に問題が起こってはいけませんので、空域の策定に当たってその点に最大の重点を置いたことは事実でございまして、その結果、先ほどもちょっと私申し上げましたが、水平的には両方の経路は完全に分離され、さらにそれを垂直的にも分離をしてあるということでございますので、仮に何らかの問題が起こったといたしましても、私は特段の支障が生じるとは考えておりません。しかし、その場合の判断として、管制官の方で押さえた方が安全だということになりますと、成田の管制機関と百里の管制機関の間には直通の電話回線がございますので、電話器を取り上げればすぐに百里が出てまいります。そこで、いまわが方から民間機が出発するからタカンは待て、こう一言言えば、タカンは待ってしまいます。そのように百里との間に約束をしてございますので、そういう状態で出てまいります場合には、相手の空域の中には飛行機がいないわけでございますので、何ら問題は起こらないわけでございますし、仮に両方が何か同時に起こっているということがあったといたしまして、さらにその上にまた、仮説の上に仮説でございますが、エンジンが片っ方とまったとか、かじのききが悪くなったとかいろいろなことが重なり合った場合にどうなるのかという点についても私ども十分に配慮をしたつもりでございます。つまり、レーダーによって十分に見ております。
 それからまた、民間機と自衛隊機が直接機上で交信するということは、民間機同士の場合にもそうざらにしばしばあることではございませんが、周波数が違うという先ほどの黒川さんのお答えで、そのとおりでございますが、しかし私どもの管制塔は自衛隊用のUHFの波を持っておりますので、相手のふところに手を突っ込むようなことではございますが、何らか非常に異常な事態が発生しましたときには、私どもの方はホットラインで百里のタワーに通告すると同時に、私どもみずからがUHFの波を使って自衛隊機に指示をすることも可能なようになっておりますので、四重五重の安全性を確保してあると私ども考えております。したがって、御心配になるようなことはまず起こり得るようなことになっていないというふうに私どもは考えております。
 次に、四千メートルの滑走路でございますが、四千メートルという長さの滑走路は非常に長い滑走路でございまして、もちろん南からおりてまいります場合には三千二百五十という制約はございますけれども、それ以外のケースについては全部四千が使える。その場合に、横風があるとおりられないということになりますが、横風の分力が二十ノット、風速十メートルを超えるという場合、ランウエーがぬれておりますと、横風を無理しておりるということは危険を伴うと考えてしかるべきではないか。これは航空会社がいろいろ決めておりますけれども、日本航空あたりはそのように決めておるわけであります。
 そういうふうなケースがどのくらい起こるのかというのは、過去三年間にわたります統計から言いますと〇・一%という数字が出ておるわけでございまして、あそこで扱います回数が大体五万五千回と考えておりますので、五万五千回の一%は五百回でございます。ですから、仮に〇・一%が一%あったとしても五百回程度ということになりますので、先ほど千葉理事が、まあ三日程度と申し上げたのは、ぶっ続けに足せばそういうことになるということでございますが、風の吹きぐあいを見ました場合に、北総台地の風の吹き方は、これも統計的にほとんど南または北の風でございますので、横風のために離着陸できないというケースはきわめてまれであると考えております。
 その場合には他の適当な代替空港に退避させるか、あるいは風が変わる可能性があります場合には、つまり待機する時間が短ければ空中待機という方法もとれないわけではございません。しかし、これはやはり代替空港へ散らすというのが適当な方法であろうかと思います。
 しかし、横風滑走路は単に横風用のみの目的で使うということ以外に、主滑走路の代替滑走路として使うという使い方も可能でございますので、横風滑走路があった方がいいということは否定できないと思います。
 そういう意味におきまして、現在三分の一足らずしかできておりませんC滑走路、つまり横風滑走路をなるべく早い機会に完成させるということは、別の意味から私は必要性があるというふうに考えておりますが、現時点において横風滑走路のないこと自身が成田空港の安全な運営に直接的に支障を与えるというふうには私どもは考えておりません。
○草野委員 気象庁の方に伺いたいと思いますが、いまお話しになられました乱気流の問題でございますけれども、横風は一年間を通じて一%前後、またコンマ一以下であるというようなお話も先ほどあったわけでございますけれども、新聞等の報道によりますと、慣熟飛行中のパイロットの話では、三〇%は横風が吹いていた、こういうことであります。
 また、乱気流の問題でございますけれども、滑走路の北側に吹く南寄りの風の解析の結果では、観測した十三時間のうち三三%に当たる約四時間十五分は平均風速の一・八倍以上の突風が吹いていた、また最大では二・六倍になっていたとか、こんなようなことも報道されているわけでございます。したがって、他の場所では十メートルくらいの風のときであっても北側では二十六メートルの突風が吹くのだ、こういうような乱気流を発生させている、こんなことも出ているわけでございますので、こういう点について気象庁としてどのようにお考えになっておりますか。
○沖本委員長 できるだけ簡単に答弁してください。
○小松説明員 乱気流は大気中に存在いたします不規則な渦でございまして、大気の下層における乱気流、渦というものは、その規模あるいは強さは、地形の起伏度ですとか風速それからそのときの大気の安定度といったものに関連いたしまして、強さが変動すると言われております。したがいまして、どこの空港におきましても多かれ少なかれそういった大気の乱れといいますか乱気流は存在する可能性があるわけでございます。
 それで、突風のお話がございましたけれども、一般に風の乱れといいますのは規模が非常に小さいものが多うございますので、滑走路の両端で風速が極端に違うということはごく自然にあることでございまして、平均風速の約一・五倍から二倍というふうな瞬間最大風速を伴うというのが常識になっておりますので、滑走路の両端で突風の吹きぐあいが違うということは間々あることかと存じます。
 それから乱気流につきまして、大気中のこういった渦というふうなものは、現在のところそれがどの程度に航空機に影響を与えるものであるか、あるいはどの程度に動揺を与えるものであるかということにつきましては、これを地上から定量的に観測する手段を持っておりませんのでよくわかりませんですけれども、成田の空港につきましては、周辺の地形の起伏等それほど大きくないというふうに思いますので、乱気流の問題につきましては、気象学的な見地から見まして特に安全に支障はないというふうに考えております。
○草野委員 安全に支障はないということでございますけれども、私ども、成田の航空気象台の予報官の方が研究の結果こういうような心配がある、こういうことを話されておりますので、心配でございますのでお尋ねしたわけでございます。
 また黒川参考人に伺いますけれども、成田の場合気象的には問題ないというお話がいまございました。しかし、パイロットの方々の話では、他の空港と比べた場合に、成田の場合にはそういう乱気流を含めて気象上の問題がいろいろあるのではないか、そのようにも聞いているわけでございますが、こういう点はいかがでしょうか。
○黒川参考人 気象の問題でいきますと、まず一つは、先ほど統計を挙げられて御説明があったわけなんですが、パイロットたちがこう答えているということです。果たして年間なり、何年間かを通じて、どのシーズンでも、どの四季でもそういう状態にあるのかどうかというのが非常に疑問だというふうに私たちは思っています。それと、私が聞いている範囲では、進入中にエンジンを全開から全閉、すなわち離陸の状態までいっぱいにエンジンをふかした。ふかすと浮こうとするわけですね。だから、そういう気流の沈みがあった。逆にしぼった。しぼったというのは全閉にするわけですね。少なくする。少なくするということは、そういうふうに推力を少なくしないと飛行機が持ち上がってしまう。そういう全開から全閉までやったというレポートを聞いているわけなんです。したがって、絶対大丈夫だということはなかなか言えないのじゃないかという指摘を先ほどしたわけでございます。
○草野委員 公団の千葉参考人に伺いますが、一つはさっきボーディングブリッジの問題が出ましたけれども、あそこから機内食を運搬するようになっておりますね。機内食を運搬するときの車の通路といいますか、経路といいますか、これがちょっと心配なように思えるわけでございますけれども、この点は大丈夫でしょうか。
 ちょっと時間がありませんので、全部まとめて何点か伺います。
 その問題と、それから次に、違う問題でございますけれども、開港になった場合、成田で働く人たちの独身者の住宅、寮ですね、こういうものが非常に不十分だという話を聞いておりますが、こういう点はどうなっておりますか。
 それから次に、これは医療施設の問題でございますけれども、やはり空港に勤務される従業員に対する医療施設、こういうものも非常に不十分であるという話を伺っておりますが、その対策。
 それからもう一点は、これもこの中に出ておりますけれども、従業員の方々のための駐車場の問題でございますが、特に駐車場の料金が非常に高い、また便が悪い、こういう問題等がございますが、こういう不満に対するお考えはどうでしょうか。
○千葉参考人 まず第一点のケータリングの車がうまく動けないのじゃないか、こういったようなお話でございますが、確かに、通路の上を通っております廊下でございますが、それの高さが三メートル五十ということになっております。ところが、機内食の車は大変大きいものでございますので、通過しにくいということはございます。したがいまして、これはエプロンの中を通過させますが、これにつきましては、運転者に対しまして遵守すべき事項を的確によくのみ込ませまして、この運転に支障のないようにさせるということにいまいたしております。
 それからいま一点は、独身者の住宅の問題でございますが、これにつきましては、先生のおっしゃいますように、全体の数字は、ニュータウンなどできておりまして、住宅の需給はバランスしている、かように見ておるわけでございます。ですが、独身者のものについてはどうかという点、まことに恐縮でございますが、私、独身者に限ってどうだという点は、よく存じ上げないのでございます。エアラインの大どころにつきましては、たとえばJALにつきましては十分に用意されておりますけれども、あそこに入ってまいりますいろいろなテナントの方々の独身者の方につきましては、ちょっと私いま数字を持ち合わせておりません。
 それから、パーキングの料金でございますが、その問題につきまして、これはたしか一台月決めで七千円と見ております。それから、あそこの駐車場を使用しますと一時間三百円で三十分ごとに百五十円ずつたしかちょうだいするようになっております。それで、この値段でございますが、実は私どもの七千円に対するコストは一万二千円になるのです。それで、極力サービスいたしまして、私の方は一応独立採算の形をとっておりますので、特にディスカウントして七千円というように決めておりますので、ひとつその点は私どもの努力をぜひ買っていただきたい、かように考えておるわけでございます。
 それから、医療施設でございますが、医療施設につきましては、先生御指摘のとおり、千葉県は、人口に対しましては、人口の急膨張から、都道府県別にしまして一番最後から三番目ということでございます。したがいまして、全般に医療施設は不足ぎみでございます。そこで、私どもは、空港内の診療所を充実させまして医療の不足をカバーしようという努力をいまいたしておりまして、羽田ですと朝九時から夕方五時ごろまでで診療所を閉鎖するのでございますが、成田におきましては夜の九時まで診療所をあけておこうというようなことをいたしております。それから、たとえば救急医療の問題にいたしましても、救急病院は周りにわずか三軒しかございません。そういった先生方とも十分にお話をいまやっております。医師会を通じましても一生懸命いま話をしておりますが、緊急患者が出ましたらまず第一義的には中の診療所でもすぐに扱って、ある程度の対策ができるというような努力もいまいたしておりますが、先生御指摘のとおりでございますので、私どもさらに一段とこの医療の問題につきましては、周辺の市町村が主になりますので、その当局の方々ともお打ち合わせいたしまして、御指導をあずかりながら対処したい、かように考えております。
○草野委員 時間が参りましたので、以上で終わります。
○沖本委員長 次に青山丘君。
○青山委員 成田空港の開港かいよいよ差し迫ってきました。そこで、航空安全会議の議長さん、あとわずかの日数になってきましたが、開港までにいまの段階で決定的にどうしてもこの点だけは必要だ、この点だけの要望は聞いてくれなければ困る、こういう開港に当たって決定的に必要な条件がありますか。
○黒川参考人 決定的な要件ということでございます。私、冒頭の陳述の中に述べさせていただいたわけなんですが、私たちとしては何をまず論議するにも、最初、冒頭述べました四点について、基本的にそういうことにならないと論議にならないのじゃないか、要するに考えにならないのじゃないかというふうに考えておるわけです。
 四点につきましては、簡単に申し上げますと、先ほど申し上げましたけれども、一つは破壊された管制機器の復旧ですね。そして調整。それから管制塔の設置場所というところ。それから二点目は、あらゆる働く人間、関係する人間の人命の保全、こういった観点。それから三番目には、国際空港としての安全性と機能性の問題。それから四番目には、警備保安体制ということで、組合活動等労働者の権利を剥奪しない。そういうようなまず基本的な姿勢の確認というとが重要じゃないかというように思っております。
○青山委員 議長さん、ただ、少し抽象的な面があるわけなんですね。人命の安全といってもなかなか具体性に欠けるわけで、したがって、この四点が十分確保されなければ開港にはわれわれとしては応じることができないということなのか。この四点については十分配慮してくれ、そういう範囲の要望なんでしょうか。いかがでしょう。
○黒川参考人 私たちは基本的な考えとしては、開港に反対だというような観点には立っておりません。まずこれが一つ。
 それから先ほど御指摘ございました抽象的ではないかということでございます。抽象的なところを具体的にしたのがそれ以降私たち述べておるところで、先ほども陳述で申し上げたというところでございます。
○青山委員 それで、運輸省の方、破壊された機器については、その後点検をされたし復旧もされた。したがって、機械への安全性は完璧である。こういう段階でなければ開港はできないと思うのです。その辺の御見解はどうですか。
○松本(操)政府委員 先生おっしゃるとおりでございまして、破壊された機器の復旧に鋭意努力いたしました結果、先月の半ばには完了いたしました。したがって、これらについては本来的に機能の先の方の部分、つまりスイッチとか接続点とか、そういうところを破壊されたわけでございますので、本体的に壊されたものは余りないわけでございます。それを復旧すればよろしいわけでございますが、しかしなお念には念を入れるという意味で、去る四月二十一日には改めて私どもの手でフライトチェックも行いました。通信の設定状況等も確認をいたしましたので、問題ないと考えております。
○青山委員 安全会議の議長さん、第一点についてはおたくの方でもある程度つかんでおられますか。以上の説明ですが。
○黒川参考人 第一点ですが、私たちは運輸省の労働組合の方々と一緒に安全会議を進めている、こういう関係にありますので、いろいろな状況について話をお伺いいたしております。
○青山委員 参考人にお尋ねしますが、レーダーは近代空港にどうしても必要欠くことのできない機器ですね。成田空港開港を予定されておった当時は、あのレーダーが最新鋭の機械であったというふうに私どもも聞いているのですが、現時点においてはかなり古い機械だ。先ほど来の話からでも、空域の再調整の問題について出ておりました。高さ、幅についていろいろ問題があるようですが、現在設置されておるあの成田のレーダーというのが古くて、高度であるとか速度が読めない。したがって、これについて要望方が出ております。運輸省の方は以前設置したものを復旧するという姿勢でありますが、現時点において、あるいは将来のレーダー機器整備の立場において、現在あるものに対する御見解はいかがですか。
○黒川参考人 私たちは、まずレーダーの性能ですけれども、実態的には現実のいまの航空界の中では、大阪と東京の管制はARTS・Jという管制機器でやっております。直読式のレーダーでやっております。したがって、高度、速度が読める。その他についてはまだやっておらないですね、民間関係では。
 それで最初の空域の問題に若干戻らなければならないのですが、特にこの成田の空域は他の空域に比べて複雑である、繁雑である、こういう指摘をしているわけです。そういう繁雑なところには少なくとも速度そして高度が直読できるような機材というのを導入するのが少なくとも最低条件ではないか。また、それに見合うような人員配置というのをすることが必要ではないかというふうに思っています。そして複雑なところは、これ以外にも、この成田ほど複雑ではございませんが、東京とか大阪とか福岡とか、随所に見られることは見られるわけです。そこについても安全会議としては、これは複雑な問題があるという指摘をしておるわけなんです。それ以上に成田は複雑であり、したがって最新式の機器が必要である、こういうぐあいに考えております。
○青山委員 運輸省の御見解では現在のレーダーで十分だというように私は承っておったのですが、現在どうですか。
○松本(操)政府委員 現在の成田で当面扱います飛行機の数が一日百五、六十機でございます。したがいまして、こういう観点から見ました場合に、現在の装備されておりますレーダーで、私は特段に支障がある、つまり安全上いま直ちに支障があるというふうな状態であるとは考えておりません。しかし、いま黒川議長もおっしゃったように、ARTS・Jというものはスコープの上に航空機の高さでありますとか、あるいは識別番号でありますとか、こういうものが目に見えるような形で出てくるわけでございますので、成田の将来の問題を考えました場合には、そういった形のものが取り入れられていくということはこれは好ましい方向であろうかと思います。したがいまして、私どもはその方向に沿って研究をしている段階でございますが、先ほど御質問のございました復旧ということになりますと、これはもとへ戻さざるを得ない、もとへ戻すのが復旧という観念であろうかと思います。新しくこれらを設置しようということになりますと、二十億近い金額とやはり三年近い年月がかかるようなしろものでございますので、将来の問題として私どもは鋭意検討していることは事実でございますが、その裏には、現時点においていま私どもが持っておりますレーダーでは安全の確保に決定的に支障があるというふうには考えていない、それは取り扱い機数なり空域の複雑等を含めても十分やっていけるのではないか、こういうふうに考えておるということでございます。
○青山委員 運輸省では現在のレーダーで特別支障はない、こういう御見解のようです。しかし雫石の事故も、これは第一審と第二審では若干裁判の結果が違っておるようですが、結局レーダーの段階を越えて有視界にならざるを得ないというような事態になってきておるわけですね。しかし自衛隊機も民間機を発見できなかったというようなこともありますと、どうしても有視界では限界がある、もういまのようにハイスピードの時代になってまいりますと、有視界で期待をするということ自体が無理だというふうに考えるわけです。そうなってまいりますと、どうしても機器に頼らざるを得ない。したがって成田の空域が非常に複雑だ、こういうことになってくれば、どうしても前向きにレーダーの問題についても、私は決して二十億が高いとは思いませんし、ただ期間、日にちがかかるという問題についてはこれはぜひ前向きに進めていただかなければならぬと思うのですが、一たん事があれば人命にそのまま結びつくわけですから、成田のいまの問題、公団側では空港は使いやすい、安全性が高い、こうおっしゃるのですが、空港そのものはどうもそのようですけれども、しかし空域についてはずいぶん問題があるようですね。したがって、この問題はやはり前向きにひとつぜひ取り組んでいただかなければ将来の問題として大きな問題になるのではないかと思うのです。運輸省の御見解を求めます。
○松本(操)政府委員 成田空港の出発、進入は、もう先生すでに御案内と思いますけれども、有視界ではございませんので、計器飛行方式に従って定められたコース上を飛ぶ、そのために空港援助施設をフルに使うことになっております。したがって、それをさらにレーダーで十分に監視、監督をする、こういう形になるわけでございます。
 空域が複雑であるという御指摘でございますが、成田だけのものを見た場合には複雑ではないので、成田と百里と羽田を重ねていきますと重なりぐあいが非常にややこしくなって見えるではないか、こういうことであろうかと思います。
 先ほども私お答えいたしましたように、成田の将来という点を考えました場合には、やはりこういったような管制機器というものの近代化という方向に行くべきであることは当然であるというふうに思っておりますので、現に先ほどもお答え申し上げましたとおり、現時点で積極的に前向きの検討を開始しているというのが実情でございます。
○青山委員 時間がありませんので、最後にちょっとはしょって聞かなければならないと思いますが、参考人は、乗員、管制官、地上職員等の立場で人命の安全についての危険度、危険ぐあい、現時点ではどのように受けとめておられますか。
○黒川参考人 先ほど申し上げましたように、複雑であるということ、それと何かあったときの対処の仕方ですね、エンジンファイア等の対処の仕方かはっきりしてない、やはり私たちは事前に方式として、プロシーデュアとしてはっきり出していって、そういうことが全うされなければやはり他より問題があると言わざるを得ないんじゃないかと思います。
○青山委員 第三番目に、「航空機の運航の安全と、国際空港としての機能、静謐が、国の責任に於て保障されるまで、開港を強行すべきではない。」これによりますと、現時点では開港すべきではないというような印象を受けるわけですが、現時点において開港は可能だと受けとめておられるのでしょうか。いかがでしょう、参考人。
○黒川参考人 私たち問題をいろいろ指摘しているわけで、全体的な努力の中でさらに改善されていくのではないかという希望を持っております。やはりそういう、今後どう推移するかを検討する中で開港できるかできないかというのは判断されるのではないか、だからまだ時間が必要である、こういうぐあいに考えております。
○青山委員 しかし現実には世界の国に二十日開港を宣言しておりますね。したがって、もしこれが実現されない――これは三月二十六日の場合はああいう暴力集団によって阻止された、開港ができない機能麻痺に陥った、こういう状況としてやむを得ないというふうに考えて延期がされたわけです。しかし現実にはもう世界の国に対して五月二十日開港を宣言しているわけです。それについては、やはり運輸省も公団もあるいは航空に携わる従業員の方も一体になってこの開港について努力をしていくという姿勢が必要ではないかと私は思うのです。その意味では、現時点において全体で力を合わせて開港に努力していこう、こういう姿勢がなければならぬと思うのですが、いかがでしょう。
○黒川参考人 私たち安全会議は、成田空港に限らずいかなる空港でも、いかなる空域でも、やはり全体的な努力の中で安全性を高めていく必要があるというふうに基本的に考えておりますので、成田の問題だけではなくて、あらゆる問題の指摘を実はしているわけなんです。そのうちの一つの問題である。安全性を高める上では全体的な力で、大きく言えば国民全体で問題を解決していきたいというぐあいに思っております。
○青山委員 質疑を終わります。
○沖本委員長 次に、寺前巖君。
○寺前委員 参考人の方には御苦労さまでございます。先ほどから各党の質疑者がいろいろ細部にわたって御質問をなさっておりますので重ねたようなことはやめたいと思いますが、何といっても安全の問題というのは人命上も重要な問題ですから、すきっとさしてほしいなと思う二、三の点についてお聞きをしたいと思います。
 最近、雫石の裁判の結果についての高裁の判決が出ました。あれが民間機と自衛隊機の最近の特徴的な事件だと言わざるを得ないと思います。決まったコースを民間機が飛んでいく、その民間機の飛ぶところに安全性の範囲を設けてあったのにもかかわらず、そこへ入ってきてそれで自衛隊機事故が起こった。その責任をどういうふうに問うかということがあそこに出された問題だというふうに思うのですが、それなりの基準をつくっておってもあのような事故が起こってくる。ですから、基準というのはよくよく条件を考えないと、一歩誤ればというような精密機械みたいな形の基準であっては、何が起こるかわからないという危険性を持っているということを国民は全部があの問題を通じて感じたと思うのです。
 そこで、安全会議の方から、恐らくそういう立場なんだろうと思うのですが、空域の再調整という問題を提起されました。それに対して運輸省航空局の方からは、問題が起こるのは、年に何回かの訓練のときに危険性があるのだ、そのときには、直通電話でタカンを待たすということにするように話はしてあるのだ、何らかの事故もレーダで見ておって、異常が発生するという事態を懸念した場合には、UHFで抑えるという四重五重のチェックをやっているのだ、ですから、高度差千フィートのバッファーと三マイルの水平間隔の保持で安全である、先ほど聞いておったらそういう御答弁であった。間違っておったら、訂正されてもいいですよ。という御答弁であったと私は思うのですよ。それじゃ安全会議の皆さんは、その御答弁でいいとおっしゃるのかどうか、ちょっと黒川さんからお話を聞きたいと思うのです。
○黒川参考人 これも冒頭に申し上げましたけれども、空域は複雑に絡み合っている。そこへある方式で飛びます。何かあったら、それなりの手段をしましょう。簡単に言えばそういうことなんです。
 まず一つの重要なポイントは、何かあったらというところです。それで、たとえばエンジンが火災になりました。消火作業をいたします。それにやはり注意が向きます。それが第一義的には、人命を守ることになります。しかる後、手当てをした後に交信をいたします。この交信がなかなかできないということに対しては、運輸省では、それはもしできなくてもダイレクトラインがあって、百里側に連絡ができるじゃないか、こういう御答弁なんです。過去の事故でも、ニューヨークで起こりました事故なんかでも、空域が二つ重なっておりまして、それでその空域の境目というか、調整がうまくいかず、飛行機が落ちて百数十名の人間が死んだ事故が実は起こっているわけなんです。その後、時間はかかりましたけれども十年たちまして、コモンIFRルームというものをつくった。これは一ヵ所のところであちらの区域、こちらの区域が見張れる装備でございますが、こういうものができた、こういう経過が歴史としてはあるわけで、私たちとしても、ただ通話ができるからという形では、これはそういう事故の例がありますように、なかなかそういう事故を防ぐことはできないのじゃないか、そういうぐあいに考えているわけです。したがって、まずそういう機器を完備することは非常に重要だ。これは先ほど申し上げましたが、たとえばレーダーの高度の判定ができるもの、速度の判定のできるもの、こういうものが必要じゃないか、また、それなりの自信が必要じゃないかということを申し上げているわけなんでございます。
○寺前委員 いま火災の問題が出ましたのですが、この間、当委員会の方で、調査室の方で御調査いただいた書類を見ますと、安全会議の人の言っておられることと、運輸省の言っておられることがちょっと違うのですが、こういう事実認識についても少しはっきりしておきたいと思うのです。航空機の中で「緊急時には操作点検を行い、正副操縦士、航空機関士の三者が確認し、地上に連絡することが運用規定で定められている。この手続きによる時間経過は百里基地空域への突入の危険性をはらんでいる。」というふうにここに書いてあるのですが、これは実際にはどういうふうにやるのですか。火災が起こったら、全員が挙げて火災をとめてしまってから、処置をどういうふうにしたという連絡をやることになるのですか。それとも、火災が起こったら、まずだれかが発生したことを直ちに連絡をするのですか。実際の操作というのはどういうことになっているのでしょうか。
○黒川参考人 火災が起きますと、まずどこに火災が起きたかという確認を最初にいたします。それで、どういう種類の火災かということを次に考えます。そして操作に移るわけですが、エンジンの場合と、それから客室の場合とか、貨物室とか、いろいろ火災の場所があるわけです。たとえばエンジンの場合で申し上げますと、まずエンジンに行く燃料を切ったり、火災の原因になるようなものを断ちますね。それからエンジンをとめる、同時に行いますけれども、そういうことをする。そうしてエンジンがとまりますと、いまほとんどの飛行機は四発か三発――二発もございますけれども、両翼についている形をとっているわけですね。後ろもありますけれども、両翼についている。したがいまして、飛行機が変動するわけです。曲がります。曲がろうとするわけですね。と同時に飛行機は下がろうとします。降下をする。それを操縦梓を使って真っすぐなり所定の経路なりを飛ぼうとする努力をするわけです。したがいまして、そういう努力をしないと飛行機が不安定になってしまう。危ない状態になるということで、訓練の過程でもそうしますし、規則の中でもそういうふうに定めがしてあるわけです。そういう火災を全部とめる、これで大丈夫だというところで、実は報告というよりは、その後飛行機をどうするかを管制と交信をしなければならないわけです。その時点で管制に連絡する必要が生じてくるわけです。
 以上でございます。
○寺前委員 そうすると、ここに書いておられるのは、そういう時間経過で百里基地空域へ突入してしまう危険性を持つのだということですね。ところが運輸省の方は、「機内でいくら多忙でも副操縦士もおり問題はない。」それまでに、突入しないまでにちゃんと連絡をとって処置がとれるのだというふうな見解が示されていますね。そうすると、事実と、ここに運輸省の答弁が書かれていることとの間には差がありますけれども、こういう差というのは、高速時代において飛行機の場合には扱い方がこんなに違うということになっておったら、これは事故を起こすもとになってしまうのじゃないか、認識の違いというのは。これは正確にしておく必要があると思いますが、いま黒川さんから御説明があったような措置というのは、運輸省としてはそういう措置はとらしていないのですか。その点はどうなんですか。
○松本(操)政府委員 いま黒川議長のおっしゃいましたのは、御質問の一般的な火災事故、恐らくエンジン火災のことを想定しておっしゃったのであろうかとも思いますが、火災事故が発生したような場合に、クルーのとるべき措置を分解して御説明になったのだと思います。
 航空機は、この時点において計器飛行方式で飛んでおるわけでございますので、何らかの異常事態が発生した場合に、これを管制機関に通報をいたしませんと、管制機関の方は、これは正常な状態で飛んでいるというふうに判断するおそれがございます。もちろんレーダーでちゃんと見ておりますので、正規のコースを逸脱しているということかわかれば管制官の方から呼び出して、どうしたのだと聞くこともできますし、あるいはどうしたのだと言う前に、コースを外れておるからヘッディングを修正しろ、こういうふうに指示をすることもできるわけでございます。
 運輸省の答えだと先生おっしゃっているのが、ちょっと私わかりかねる面もございますけれども、そういったような異常事態が発生しました場合には、なるべく速やかに管制機関にその旨を通報するというのもこれまた常識であろうかと思います。したがいまして、たとえば主としてそういった場合には通信はコーパイロットが担当しておるというふうに私は承知しております。コーパイロットは絶えずその周波数で通信を設定したままで飛んでおるわけでございますから、エマージェンシーと一言言ってくれれば、それが何であろうとも、ともかく何らかの異常事態が発生したということはわかるわけでございますし、またトランスポンダーを使って異常事態を通報するということも可能でございます。
 黒川議長のおっしゃったこと自身は、私別に否定はいたしません。そういったような手順を踏んで、火が出たなら火を消すという努力をなさるのは恐らくまた当然の手続であろうかと思いますが、その間に管制機関に対してわが機が異常に遭遇しておるということをいち早く通報するということもそう手間暇のかかることではございませんので通報していただけるものと思いますし、仮に通報がなくてもレーダーで見ておればコースの逸脱については十分に察知できるというふうに考えておるわけでございます。
○寺前委員 私が疑問でならないのは、手続による時間の経過が百里基地空域の突入の危険性をはらんでいるということでパイロットの方々が御心配になっているわけです。ところが、おたくの方の報告では、いやそういう異常が起こったらすぐに連絡してもらうということは無理じゃないというのが御答弁として話に出ておるから、そんな認識ではこの御心配になっていることがわからぬのと違うか、まず全員が寄ってたかって火を消す、その原因のところへ向かって行動を起こす、それでちゃんとしてその後の処置はどうしますかという連絡を入れるのだという御説明があった。これがやり方なんだ。これに誤りがなかったら、そういう事態があるから安全性の問題については、もっと空域の問題について真剣に考えないと、この言っておられることがわかっていないじゃないか、私はそのことを心配して、ちょっと意見の食い違いというのか、それについて気になったから聞いてみたのです。これは雫石のああいうことにならないような立場から聞いているわけです。
 それからもう一つちょっとお聞きしたいのですが、さっきタカンを待たすのだということを百里の基地との関係の問題でおっしゃっておりました。これはどういうことになるのでしょうか。年に何回かの訓練だということですが、そういう年に何回かのときに事前にちゃんと百里の方から成田へ連絡があって、こういう状況にありますよということをあらかじめ成田自身が知っているのかどうか、あるいはそういう連絡がないときには百里の方では飛んでいないのだということになっているのかどうかですね。両方が知っておったはずだではぐあいが悪いので、ですから飛ぶときには必ず連絡を入れます。成田の方では全面的に知っております、パイロットの皆さんにもちゃんと大丈夫ですよということが徹底されるようになっている、それから何時から何時の間にこういうことをやりますというような連絡がない限りにおいては、そのときにはもう無条件に安全な状況にあるのだというふうに解することができるのかどうか、この関係。後から責任転嫁みたいなことになってもぐあいが悪いから、ここはどういうふうにきっちり詰まっておるものかちょっとお聞かせいただきたい。
○松本(操)政府委員 管制というものは、航空機を安全に飛ばすためにあらゆる手段、方法を二重三重に講じておくというのがもう大原則でございます。したがいまして、隣同士の管制機関というものは最も密接に連絡をするということが不可欠の要件でございます。
 いま先生のおっしゃいました百里基地においてタカンアプローチをするというふうな場合には、百里側の方から成田側に対して、本日はこういうスケジュールでタカンアプローチの訓練を行うということを言ってまいります。これに対してわが方は、その時間帯に北へ出ていく飛行機が全然ない、こういうことであれば異議なしということになりましょうし、たまたま風が北風で、北の方へ向かって出ていく飛行機が相当数あるということであれば、必要によって調整を行います。この調整というのは、向こうを待たせることもございますし、あるいは時間帯をずらしてくれ、そうすればおまえさんの方も連続して五機できる、うちの方も連続して五機出せる、こういうのも調整でございます。ケース・バイ・ケースでいろいろございますので、逐一そういうことをあらかじめ紙に書いてあるわけではございませんけれども、しかし基本的な調整の合意というものが両方の管制機関の間にできておりまして、ああいう場合にはこうするという原則に従って調整を行います。
 したがって、いま先生が結論的におっしゃいましたように、タカンをわが方がとめてしまう必要があると思えばとめてしまいます。そうすればタカンアプローチは行われない。その場合には、まず百里基地内にわが方の北側の部分を飛しょうするようなフライトはない、こう判断するわけでございます。また、わが方のレーダーが空域を越えて百里の中の方も見ておりますので、現実に調整どおりでないかどうかということも確認できるわけでございます。したがいまして、十分に安全であることが確認された上でわが方は飛行機を出発させる、こういう手順を踏むことになってまいりますので御指摘のような問題は起こらない、こういうことを先ほど来申し上げているつもりでございます。
○寺前委員 時間がありませんので、もう一、二点だけちょっと聞いておきたいと思うのです。
 過激派の対策が飛行機関係者の場合においてもまた乗客の側においても一番心配になる。その場合に、管制塔あるいは地上航法装置などがこの間起こったように破壊されてしまう。そういう部門が破壊されたときには、もう絶対に飛行機を飛ばさぬということになるのですか、その辺はどういうことになっているのか、これが一つ。
 それからもう一つは、ハイジャックの場合に、チェックを二重にやる必要があるということが論議になりました。その論議の過程で、地上勤務員が直接飛行機のところまで行けるじゃないか、したがって地上勤務員自身の中におけるチェックが要るじゃないか、そのチェックの場合に非常に不安なのは、下請、孫請になっている労働者の問題がある。これに対してはっきりと、労働者の労働条件の側から見ても下請、孫請云々というのはよくないやり方だ、安全の面から見てもこういうやり方ではぐあいが悪い、ところがその下請、孫請の上に職安法違反というような種類のものが現実にはあるのではないかということがこの地上で勤務をする人の中で言われていると思うのです。したがって、この職安法違反の問題について現状はどういう事態にあるのか。
 それからもう一つは、ノースウエストか何かで前に勧告が出ていると思うのですが、あの勧告が実施されていないというふうに聞いているわけですよ。そういう事態のままでこれまた行われているということは、別な面からの不安を持っている。これについて労働省はどういうふうに見ておられるのか、航空局としてもこれについてどう考えておられるのか、これを承って私質問を終わりたいと思います。
○松本(操)政府委員 二点の御質問のうち第一点の施設が破壊された場合にどうするのかということでございますが、まず第一には、破壊されないための万全の備えということにいま全力を傾注し、ほぼ目的に近い状態になっていると考えております。しかし、一般的に言って、これらの施設は破壊ということではなくて故障によってダウンするということもあるわけでございますので、私どもは絶えずバックアップシステムというものを考えてきておるわけでございます。したがいまして、不幸にしてある施設が破壊行為等によって機能を喪失したという場合には、速やかにバックアップシステムに切りかえる。その場合に、従前どおり一〇〇%の能力があるか、あるいは九〇%程度に落ちるか、つまり完全なフェールセーフか、あるいはフェールソフトになるかという違いはものによっては出てくるかと思いますが、管制官等航空保安に従事する私どもといたしましては、絶えずそういう点を考慮に入れて勉強いたしております。しかし、そうは言いながらも徹底的にどうにもならないという場合には飛行機をとめてしまうということもやむを得ないかと思います。そういうことが起こらないように万全の措置をとっていきたい、このように考えております。
 それから第二点につきましては、確かに孫、曾孫ということになりますといろいろな面で支障が出てまいりますので、私どもといたしましては、成田については公団を十分に指導、監督いたしまして、特にここらの構内作業に従事する者にはそれぞれ所要のパスと申しますか、そういうものも発行することになろうかと思います。そういうものの発行に当たっても、手続的にこういった点に怪しげなことが行われないように十分に公団側において管理、監督ができるように指導してまいりたい、このように考えております。
○鹿野説明員 先生から御指摘いただきました問題について、まず具体的に御指摘いただきましたノースウエスト航空と日本空港サービスの請負業務の関係でございます。
 この請負業務につきましては国会でも御指摘いただきまして、私どもでその実態まで調査いたしました結果、確かに職業安定法第四十四条に抵触するという疑いが認められましたので、昭和四十九年十二月六日に両社に対して改善勧告を行ったところであるわけでございます。その後、改善について労使間で話し合いが行われたわけでございますが、残念ながらこの労使間の合意が得られないままに両方の社から改善報告書の提出があったわけでございます。また、その後労使間においていろいろのトラブルもございまして、現在東京都の地方労働委員会においてそのあっせんも行われているところでございます。したがいまして、私ども労働省といたしましては、この地労委のあっせんの動きを見きわめながら、さらに東京都並びに所轄の安定所を通じまして、労使に対して十分話し合いを持ってさらにこの改善策がとられるような、そういう指導を粘り強くやってまいりたいと思っておるわけでございます。
 さらに第二点の、空港内でいろいろな下請あるいは孫請等の関係で安定法四十四条に違反するような事態がかなりあるのではないかという御指摘でございます。確かに先生御指摘のように、このノースウエストと同様な類似の事例が幾つかあることも事実でございます。ただ、空港の業務というのでしょうか、いろいろ複雑であり、また多種類に及ぶというふうに聞いておりますので、具体的な事例があったものについては、私ども先ほどノースウエストの問題で御説明申し上げたような形で十分指導してまいりたいと思っておるわけでございますが、全般的な実態の把握ということはきわめて困難ではないかと考えておるわけでございます。しかしながら、労働者保護の観点から、職業安定法四十四条というものはどうしても守っていかなければならないと考えておりますので、その実態につきましては、今後とも運輸省当局とも十分連携を保ちながら把握に努めていきたいと考えておるわけでございます。
○寺前委員 終わります。
○沖本委員長 次に、伊藤公介君。
○伊藤(公)委員 実際に業務に携わる方々のお話を直接伺えて大変光栄に思っているわけでございますが、私は、今度の成田の開港に当たって専門的な知識を持っていない、あるいはごく一般の方々がこの成田を利用するのに非常にいろいろな不安を持っていられると思うのですね。しかもそれは専門的な知識を持っていない方々ばかりではなくて、大変不思議なことに、当然政府の進めている政策を遂行すべき官僚のサイドからも成田新空港に対する的然とした反対の意見が出ている。しかも具体的にそうした問題を指摘されているということに私は大変大きな関心を持ち続けてまいりました。同時に、現場に携わっていかれる。パイロットの方々あるいは現地で作業される方々の中にも、そうした具体的な改善をしないといろいろな危険をはらんでいるという御指摘もあるわけでございます。
 まず私は、正式な記事になっているこのコメントについてお尋ねをしたいのでありますけれども、「成田空港への着陸時に九マイル(約十六キロ)の距離にわたって、地上からのレーダー誘導がえられない。これではパイロットの負担が過度に大きすぎ、雫石事故の二の舞を引き起こす危険性が十分にありえます」これは日本航空乗員組合の安全技術部を担当している里深さんとおっしゃるのですか、副操縦士でありますけれども、こう述べているわけですね。これは実際に業務に携わる方がはっきり、このままでは雫石の事故の二の舞になるのだ、こういう発言をされているのでありますけれども、この点については黒川議長さん、それから公団側、双方にお尋ねを申し上げたいと思うのです。
○黒川参考人 先生お読みになったとおり、その記事の発言は事実でございました。それで、現在どうなっているかについては、運輸省なり、しかるべきところにお聞きいただきたいと思います。レイクというところから羽賀というところまでの間ですね、御指摘のとおりレーダーのきかない部分があります。
○千葉参考人 空域の問題だと思いますので、これは運輸省の問題だと思います。
○松本(操)政府委員 これはレーダー管制という用語についての誤解がございまして、そこら辺から出てきたことではないかと私どもは考えております。
 いま先生おっしゃいました例は、レイクという霞ヶ浦の南の方に一つのポィソトがございます。そこまではレーダー誘導という形でもってまいります。レイクから先は、私どもの考え方に整理をいたしますと、計器進入の段階に入ってくる。そこで、そこから先はレーダーで誘導はいたしません。しかし監視はしておるわけでございます。監視をいたしておりますということは、飛行機がコースどおりに飛んでいるかどうかということをちゃんと見ておるということでございまして、レイクというポイントがレーダー誘導の終末点になっている。レーダー誘導というのは、レーダーを用いて主として航空機の安全間隔を設定するというのがその定義でございます。レイクという地点までで十分な安全間隔がとれないようではそれから先はとりょうがないわけでございますので、したがってレイクまでで安全間隔がとれるようにする。そこでレイクまでで誘導は終わりである。しかし、そこから先もちゃんとレーダーは見えております。浮かび上がって百メートルか二百メートルにもなれば、レーダーにちゃんと映るようにレーダーはできておりますので、ずっと見続けておるわけでございます。ただ、それから先はVOR、DME、ILSを使えば規定のコースを真っすぐ入れるので、そこを一々レーダーで、やれ右へ曲がれの、左へ曲がれのと言う必要はない。したがって、これを監視をしておる。これもしかしレーダー管制の一種でございますので、レーダー管制がレイクでなくなってしまうというふうにもし理解されているとすれば、誤解でございますので、それは私どもの方もそういう誤解を解くような努力をしなければならないと思いますけれども、一般的に言って、その点については私はもはや御理解を得ているのではないか、このように考えております。
○伊藤(公)委員 黒川議長さん、その点についてはいまのお話で安全性の問題はよろしゅうございますか。
○黒川参考人 私も、いま航空局次長の方からお話があったとおりの内容ではないかと思います。私たち、むしろこの進入方式全体の複雑さとそれから無理なぐあいを意見として申し述べているわけです。
○伊藤(公)委員 もう一点、私は運輸省にお尋ねをさしていただきたいのでございますが、外務省には明日の外務委員会で私はこの問題をお尋ねしたいと思っていますけれども、運輸省としてはどのようなお考えを持っていらっしゃるか。
 これは官僚サイドから、特に外務省の職員組合、阿部さんという中央執行委員長さんが発言をしている件でございます。そのままお読みを申し上げたいと思います。「成田は、日本の喉頭ガンみたいなものだ。利権争いの末生まれた空港であり、国民無視の国策から生まれたものだ。我々、外務省が受けるメリットなんてまったくない。外務省無視、外交ぬきの国際空港なんてあるもんか。国策じゃなく酷策だ。」こう発言をされているわけであります。政府が国際的な信用をかけて国策を推進をしているときに、官僚サイドの中でこうした発言が明らかにされている。こうした点については運輸省としてはどのような見解を持っていられるか、運輸省としてのお立場の御意見を伺いたいと思います。
○松本(操)政府委員 外務省の組合の方がどのような見解をどういう機会でお述べになったかについて、私どもの方が他省の者としてとやかく申し上げるのはいかがかと存ずるわけでございますが、ただ、成田空港というのが現時点において、たとえばアクセスの問題をとりました場合に、羽田に比べれば確かに遠いし、便利でないというふうにこれは言わざるを得ないだろうと思います。そういうふうな点から、外国の賓客が来た場合にどう扱うかというふうな点については、私ども、外務省それからさらに警備当局を交えてその扱いについていろいろと打ち合わせもし、方針も決めておるわけでございまして、その限りにおいて成田空港が国際賓客の用に全く役に立たない空港であるというふうにはなっておりませんし、私どももまたそのようには考えていないわけでございまして、その問題と成田空港をどう評価するかという問題とはかなり次元も違いますし、他省の組合の御意見というものについて私どもの方からいろいろと申し上げるというのはやはり差し控えるべきではないか、こういうふうに思いますので、御容赦いただきたいと思います。
○伊藤(公)委員 外務省の職員の発言に対してとやかく言うべきではないというお立場は私はよくわかりますけれども、しかし、成田空港というものを設定して、そして成田開港に向けて政府が全力を挙げてきた、そしてその間に最大の努力をし続けてきたと連合審査以来一貫して言い続けている中で、それは組合の一員であろうとも組合員でなかろうと、国家公務員という立場はどこにあっても同じでありますから、そういう政府の政策を遂行すべき方が、この成田の開港に当たってこうした発言をはっきりした形でされている。しかもその間にはいろいろな問題が実は挙げられているわけであります。空中衝突やニアミスの危険性がある、あるいは旧型レーダーシステムの不安、最悪の気象条件、滑走路一本の欠陥、管制塔の混乱、あるいはいまお話がありました往復で四時間以上の時間がかかる、あるいは外国からいろいろなお客さんが来ても、その安全性に十分な配慮ができるかどうか非常に不安だ、いろいろなことが言われてきている、やはり成田の開港、成田空港というものはもちろん国内の問題で問題があるわけですけれども、国際社会との接点でありますから、特に外務省のこの成田空港に関する仕事というのは非常に多いわけであります。一省だと言いながらも、外務省の職員の方々の発言かこうした形で公の場でされているということに対しては、これは政府のこの成田空港に対するいろいろな努力を私は反面では認めながらも、やはりいろいろ具体的な問題があるのではないか。成田新空港開港に当たって総力を挙げるという姿勢にあるいはその過程にいろいろな問題があったのではないかという気がするわけでございます。
 いずれにしても、この外務省の職員の発言に関しましては、あしたの外務委員会で私は取り上げますけれども、きょうはあと一、二点だけ具体的な問題をお尋ねしてまいりたいと思います。
 まず運輸省にお尋ねをしたいのでありますけれども、成田空域は、自衛隊の百里基地空域、さらに羽田空域と、三重になっているわけであります。水平間隔三マイル、高度差が千フィートをとっている。これは安全上最悪の場合の諸条件というものを十分配慮しているのかどうか、あらゆる場合を想定して、この水平間隔あるいは高度差で安全性に全く問題がない、こう言い切れるかどうか、御説明をいただきたいと思います。
○松本(操)政府委員 いままでの各委員からの御質問もこの点をかなりついておられましたので、私としても御説明申し上げてまいったつもりでございますが、いま特に御指摘のありました点は、成田空域の北側の部分と百里空域の南側の部分、この近辺の問題でございます。
 そこで、まず成田の方から見ました場合に、北風の場合に飛行機は北へ向かって離陸いたしますので、当然北へ向かって上がっていく。上がっていったものをそのまま真っすぐ持っていきましたのでは目的地へ行けませんので、これをどっちかに振り回さなければならない。その場合に私どもが考えましたのは、右旋回させて利根川に沿って銚子の方向へ持っていって、銚子のボルタックというものを頼りにいたしましてそれぞれ適当な方向へ散らしていく、こういうルートを考えた。これに対して、北側に何もなくてここが空域的に完全な空白地帯であれば、これは神経を使う必要はないわけでございますけれども、先ほど来申し上げているように、二十六マイル離れまして百里の空域がある。そこにタカンアプローチというものが、年に何回という程度ではございますけれども、行われる。これは実は、南側の方にぶら下がってくる形で一たん下がってきてから北へ向かって上がっていくという着陸の仕方をする。この二つの飛行コースというものが交錯するようなことがあってはまず問題になりません。
 そこで、平面的に見て三マイルということがしばしば各委員からも言われ、私もそのようにお答えしたわけでございますが、真上から見た形で三マイルという距離をとりました。その場合、これはどういうことかと申しますと、予定どおりのコースで飛んでおれば両方の飛行機が仮に同じ高度になってしまったとしても三マイルは離れている。仮にと私が申し上げますのは、成田から出てきた飛行機は一生懸命に上がっていくわけでございます。百里に入る飛行機は着陸するために高度を下げてくるわけでございます。したがって、通常の場合には同じ高度で一緒に飛んで歩くというケースは起こり得ない。ところが、これも前の委員から御指摘がありましたように、たとえば成田から出た飛行機が離陸上昇中にエンジンがどうかなってしまった、あるいは四つのうち二つがとまってしまった、こういうふうなことで高度がとれなくなって、そして百里の方の飛行機がおりてくるというその高度に近い高度しかとれない。さらにまた、百里の方からおりてくる飛行機がおりそこなって、高度をどんどん下げていくべきところを下げそびれて、ある宙ぶらりんの高度のままで水平に近い状態で飛んでしまった。こういうふうなことになったとしても、コースさえ守られておれば両方の間に三マイル離れているではないか。次に、今度はコースをはみ出してしまった場合、そのときには高度をちゃんと守っていてくれれば仮にコースをはみ出しても上下に少なくとも千フィートの差がつけてございますので、したがってこの二つの飛行機がぶつかるという心配はない。だから、もともと高度とコースというものを守れば全く問題はなくて、保護空域だけがひっかかるという状態でございます。
 しかしながら、仮に高度がとれなかったとした場合にコースを守れば安全が担保できる、今度はコースかとれなかった場合には高さの方を守れば安全が担保できる、それでもだめな場合にどうするのか。それはレーダーで見ておりますので、レーダーを見ることによってお互いにおかしな行動をしているということがわかればすぐに適当な措置がとれるというふうにしてございます。
 さらに、もともと北側の方にそういう支障がないという状態であれば一番好ましいということになるわけでございますので、年に何回という程度のタカンアプローチの場合には、事前に百里の方からその通報がまいります。それを受けて、成田側の方において支障がなければどうぞおやりなさいということになりましょうし、ぐあいが悪ければ待ってくれとかあるいは時間帯をずらしてくれとか、あるいはどうにもしようがない、どうしても向こうは急いでおろさないと困るんだというふうな場合には、一分から二分もあればその飛行機はおりてしまいますので、いよいよどうしようもないというふうな場合にはこちらを出さないということもあるいはあるかもしれません。ともかくいろいろな方法を講ずることによって、出る飛行機と入る飛行機とが至近距離ですれ違うとか、ましてや空中衝突をするというふうなことが絶対に起こらないようにというふうな算段を講じたつもりでございますので、したがっていま御指摘の点な手段方法を十分に講じてある、こういうふうに考えておるわけでございます。
○伊藤(公)委員 時間が来てしまいましたので、肝心な御質問だけもう一問させていただきたいのであります。
 公団にお尋ね申し上げますが、飛行場の施設で作業をしている下請の事業者に対するハイジャック防止、これはハイジャック事件のときに大分問題になった点でありますけれども、そのハイジャック防止の上から指導について具体的にどのようにされているかという点。
 それからもう一点は、空港内の諸工事の安全対策です。航空安全会議は、作業員全員に対する講習、保安監視要員の配置が必要である、こうおっしゃっているわけでありますけれども、現在この安全対策はどのように行われているか。二点をお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。
○千葉参考人 前段の問題でございますが、ハイジャック防止のため下請の方々に対してどういったような措置をしておるかということでございます。
 まず私どもは、そういった方々がいわゆる飛行場の制限区域内に入ります場合には、全部身分をはっきりさせたカードを持たせまして、それで出入り口でチェックをするというようなことを厳格にいまやらせることにいたしております。そういったことでこの点は相当防げるのじゃないかというように考えております。それからさらに、建物の中でいろいろ掃除の方々とかあるいは機械のメンテナンスをやっている方々が働いておられますが、こういった方々に対しましてもその出入りにつきましては身分を証明するバッジをつけさせまして、それで何かまぎれ込んで何かするというような点を防ぐことにいたしておりまして、この点はガードマンあるいは警察の方にも十分にマニュアルとしてお話しをしてございまして、チェックをいたしております。これが第一点でございます。
 それから第二点の、中で働く工事の方々の安全の問題でございますが、これは二つございまして、いわゆる飛行場の今度オープンいたしますところの小さな工事と、それからまた大きく第二期工事であるような工事と二つございますが、いま先生が申されましたのは飛行場のオープンしたところでのいろんな問題だろうと思います。
 こういった方々に対しましては、これの責任者の方々を通じまして交通の規則の問題を徹底的に周知徹底させるということをいまいたしております。そういったことによりまして、私ども安全の問題は十分確保できるというつもりでおりまして、その点をさらに徹底的にやるように今後努力いたしたい、かようにいま考えております。
○伊藤(公)委員 お忙しいところありがとうございました。
 終わります。
○沖本委員長 以上で質疑は終了いたしました。
 両参考人には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
 次回は、公報でお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四十八分散会