第085回国会 地方行政委員会 第2号
昭和五十三年十月十三日(金曜日)
    午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 木村武千代君
   理事 大西 正男君 理事 高村 坂彦君
   理事 中村 弘海君 理事 中山 利生君
   理事 佐藤 敬治君 理事 小川新一郎君
   理事 山本悌二郎君
      相沢 英之君    井上  裕君
      石川 要三君    谷  洋一君
      地崎宇三郎君    渡海元三郎君
      中村喜四郎君    中村  直君
      西田  司君    与謝野 馨君
      加藤 万吉君    北山 愛郎君
      新村 勝雄君    細谷 治嘉君
      水田  稔君    権藤 恒夫君
      斎藤  実君    和田 一郎君
      中井  洽君    三谷 秀治君
      川合  武君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 加藤 武徳君
 出席政府委員
        自治大臣官房審
        議官      石原 信雄君
        自治大臣官房審
        議官      関根 則之君
        自治大臣官房審
        議官      花岡 圭三君
        自治省行政局長 柳沢 長治君
        自治省行政局公
        務員部長    砂子田 隆君
        自治省財政局長 森岡  敞君
        自治省税務局長 土屋 佳照君
 委員外の出席者
        国土庁土地局土
        地政策課長   佐藤 和男君
        国土庁地方振興
        局過疎対策室長 亀田  博君
        大蔵省主税局総
        務課長     矢澤富太郎君
        大蔵省理財局地
        方資金課長   柴田 章平君
        大蔵省銀行局総
        務課長     岡崎  洋君
        厚生省社会局老
        人保健課長   仲村 英一君
        厚生省保険局国
        民健康保険課長 黒木 武弘君
        農林水産省経済
        局金融課長   浜口 義曠君
        農林水産省経済
        局保険管理課長 土屋 國夫君
        農林水産省構造
        改善局農政部農
        政課長     若林 正俊君
        農林水産省構造
        改善局農政部農
        地業務課長   佐藤 太洋君
        農林水産省構造
        改善局建設部防
        災課長     高田 徳博君
        林野庁林政部管
        理課長     渡邊 信作君
        建設省計画局宅
        地企画室長   木内 啓介君
        建設省都市局都
        市緑地対策室長 間瀬 延幸君
        自治大臣官房審
        議官      久世 公堯君
        自治省行政局行
        政課長     中村 瑞夫君
        自治省財政局財
        政課長     矢野浩一郎君
        自治省財政局交
        付税課長    柳  庸夫君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
十月六日
 軽油引取税の交付金増額に関する請願(稻村佐
 近四郎君紹介)(第六二九号)
 同(増岡博之君紹介)(第六三〇号)
 農地の固定資産税に関する請願外一件(木野晴
 夫君紹介)(第六三一号)
 同外一件(水平豊彦君紹介)(第六三二号)
 農地に対する固定資産税に関する請願(坂田道
 太君紹介)(第七五四号)
 同(笹山茂太郎君紹介)(第七五五号)
 同(根本龍太郎君紹介)(第七五六号)
 同外二件(藤井勝志君紹介)(第七五七号)
 同外五十三件(松野頼三君紹介)(第七五八
 号)
 同(毛利松平君紹介)(第七五九号)
同月七日
 軽油引取税の交付金増額に関する請願(足立篤
 郎君紹介)(第七七八号)
 同(阿部文男君紹介)(第七七九号)
 同(相沢英之君紹介)(第七八〇号)
 同(荒舩清十郎君紹介)(第七八一号)
 同(井出一太郎君紹介)(第七八二号)
 同(池田行彦君紹介)(第七八三号)
 同(石川要三君紹介)(第七八四号)
 同(石原慎太郎君紹介)(第七八五号)
 同(稲垣実男君紹介)(第七八六号)
 同(上村千一郎君紹介)(第七八七号)
 同(江崎真澄君紹介)(第七八八号)
 同(江藤隆美君紹介)(第七八九号)
 同(小此木彦三郎君紹介)(第七九〇号)
 同(小渕恵三君紹介)(第七九一号)
 同(越智伊平君紹介)(第七九二号)
 同(越智通雄君紹介)(第七九三号)
 同(大塚雄司君紹介)(第七九四号)
 同(大坪健一郎君紹介)(第七九五号)
 同(粕谷茂君紹介)(第七九六号)
 同(片岡清一君紹介)(第七九七号)
 同(金丸信君紹介)(第七九八号)
 同(唐沢俊二郎君紹介)(第七九九号)
 同(川田正則君紹介)(第八〇〇号)
 同(木野晴夫君紹介)(第八〇一号)
 同(久野忠治君紹介)(第八〇二号)
 同(鯨岡兵輔君紹介)(第八〇三号)
 同(熊谷義雄君紹介)(第八〇四号)
 同(倉成正君紹介)(第八〇五号)
 同(小泉純一郎君紹介)(第八〇六号)
 同(小宮山重四郎君紹介)(第八〇七号)
 同(國場幸昌君紹介)(第八〇八号)
 同(左藤恵君紹介)(第八〇九号)
 同(佐々木義武君紹介)(第八一〇号)
 同(佐藤文生君紹介)(第八一一号)
 同(佐藤守良君紹介)(第八一二号)
 同(斉藤滋与史君紹介)(第八一三号)
 同(始関伊平君紹介)(第八一四号)
 同(塩崎潤君紹介)(第八一五号)
 同(島村宜伸君紹介)(第八一六号)
 同(砂田重民君紹介)(第八一七号)
 同(住栄作君紹介)(第八一八号)
 同(田澤吉郎君紹介)(第八一九号)
 同(田中龍夫君紹介)(第八二〇号)
 同(田中六助君紹介)(第八二一号)
 同(竹中修一君紹介)(第八二二号)
 同(玉生孝久君紹介)(第八二三号)
 同(地崎宇三郎君紹介)(第八二四号)
 同(戸沢政方君紹介)(第八二五号)
 同(渡海元三郎君紹介)(第八二六号)
 同(中島衛君紹介)(第八二七号)
 同(中村弘海君紹介)(第八二八号)
 同(中村靖君紹介)(第八二九号)
 同(中山正暉君紹介)(第八三〇号)
 同(楢橋進君紹介)(第八三一号)
 同(丹羽久章君紹介)(第八三二号)
 同(野中英二君紹介)(第八三三号)
 同(羽田孜君紹介)(第八三四号)
 同(羽生田進君紹介)(第八三五号)
 同(萩原幸雄君紹介)(第八三六号)
 同(橋口隆君紹介)(第八三七号)
 同(林義郎君紹介)(第八三八号)
 同(原田憲君紹介)(第八三九号)
 同(原田昇左右君紹介)(第八四〇号)
 同(福田篤泰君紹介)(第八四一号)
 同(福田一君紹介)(第八四二号)
 同(坊秀男君紹介)(第八四三号)
 同(本名武君紹介)(第八四四号)
 同(前田治一郎君紹介)(第八四五号)
 同(増田甲子七君紹介)(第八四六号)
 同(松永光君紹介)(第八四七号)
 同(三原朝雄君紹介)(第八四八号)
 同(水平豊彦君紹介)(第八四九号)
 同(宮崎茂一君紹介)(第八五〇号)
 同(向山一人君紹介)(第八五一号)
 同(毛利松平君紹介)(第八五二号)
 同(山崎拓君紹介)(第八五三号)
 同(湯川宏君紹介)(第八五四号)
 同(与謝野馨君紹介)(第八五五号)
 同(綿貫民輔君紹介)(第八五六号)
 農地に対する固定資産税に関する請願外二件
 (逢沢英雄君紹介)(第八五七号)
 同外三十二件(塩崎潤君紹介)(第八五八号)
 同(鈴木善幸君紹介)(第八五九号)
 同外一件(服部安司君紹介)(第八六〇号)
 同外十五件(福島譲二君紹介)(第八六一号)
 同(三池信君紹介)(第八六二号)
 同外三十四件(渡辺紘三君紹介)(第八六三
 号)
 農地の固定資産税等に関する請願外三件(中野
 四郎君紹介)(第八六四号)
 農地の固定資産税に関する請願外九件(中野四
 郎君紹介)(第八六五号)
同月九日
 農地に対する固定資産税に関する請願(愛野興
 一郎君紹介)(第九二八号)
 同外十八件(越智伊平君紹介)(第九二九号)
 同(唐沢俊二郎君紹介)(第九三〇号)
 同(倉石忠雄君紹介)(第九三一号)
 同(小坂善太郎君紹介)(第九三二号)
 同(近藤鉄雄君紹介)(第九三三号)
 同(佐々木義武君紹介)(第九三四号)
 同(羽田孜君紹介)(第九三五号)
 同(林大幹君紹介)(第九三六号)
 同外十二件(福永一臣君紹介)(第九三七号)
 同外一件(細田吉藏君紹介)(第九三八号)
 同外九件(増田甲子七君紹介)(第九三九号)
 同外三十二件(森清君紹介)(第九四〇号)
 同外三十三件(森下元晴君紹介)(第九四一
 号)
 同外一件(山下徳夫君紹介)(第九四二号)
 同外二十三件(佐藤隆君紹介)(第九四三号)
 同(椎名悦三郎君紹介)(第九四四号)
 同外一件(柴田健治君紹介)(第九四五号)
 同外二十一件(高鳥修君紹介)(第九四六号)
 同外四件(中島衛君紹介)(第九四七号)
 同(中村直君紹介)(第九四八号)
 同(野田毅君紹介)(第九四九号)
 同(井出一太郎君紹介)(第一〇三一号)
 同(石橋一弥君紹介)(第一〇三二号)
 同(奥野誠亮君紹介)(第一〇三三号)
 同(金丸信君紹介)(第一〇三四号)
 同外三十三件(鴨田宗一君紹介)(第一〇三五
 号)
 同外十一件(久保田円次君紹介)(第一〇三六
 号)
 同(始関伊平君紹介)(第一〇三七号)
 同(柴田健治君紹介)(第一〇三八号)
 同(地崎宇三郎君紹介)(第一〇三九号)
 同(友納武人君紹介)(第一〇四〇号)
 同(中尾栄一君紹介)(第一〇四一号)
 同(中曽根康弘君紹介)(第一〇四二号)
 同外二十五件(西田司君紹介)(第一〇四三
 号)
 同(橋本龍太郎君紹介)(第一〇四四号)
 同(堀内光雄君紹介)(第一〇四五号)
 同外十四件(森下元晴君紹介)(第一〇四六
 号)
 一般農地の固定資産税据え置きに関する請願外
 十五件(片岡清一君紹介)(第九五〇号)
 同(住栄作君紹介)(第九五一号)
 同外一件(綿貫民輔君紹介)(第九五二号)
 地方超過負担の解消に関する請願(椎名悦三郎
 君紹介)(第九五三号)
 事業税に事業主報酬制度創設に関する請願(高
 村坂彦君紹介)(第九五四号)
 農地の固定資産税に関する請願(奥田敬和君紹
 介)(第九五五号)
 同(坂本三十次君紹介)(第九五六号)
 同外一件(楢橋進君紹介)(第九五七号)
 同外二件(平泉渉君紹介)(第九五八号)
 同外三件(三塚博君紹介)(第九五九号)
 同(森喜朗君紹介)(第九六〇号)
 同外七件(綿貫民輔君紹介)(第九六一号)
 同(片岡清一君紹介)(第九六二号)
 同外十件(稲富稜人君紹介)(第一〇四七号)
 同外七十九件(加藤常太郎君紹介)(第一〇四
 八号)
 同外九件(久野忠治君紹介)(第一〇四九号)
 同外十五件(森田欽二君紹介)(第一〇五〇
 号)
 軽油引取税の交付金増額に関する請願(高鳥修
 君紹介)(第九六三号)
 同(早川崇君紹介)(第一〇五二号)
 農地の固定資産税等に関する請願(久野忠治君
 紹介)(第一〇五一号)
同月十一日
 農地に対する固定資産税に関する請願(足立篤
 郎君紹介)(第一〇九九号)
 同(小此木彦三郎君紹介)(第一一〇〇号)
 同外一件(志賀節君紹介)(第一一〇一号)
 同外六件(田村元君紹介)(第一一〇二号)
 同(中井洽君紹介)(第一一〇三号)
 同外六件(野呂恭一君紹介)(第一一〇四号)
 同(羽田野忠文君紹介)(第一一〇五号)
 同外二十一件(羽生田進君紹介)(第一一〇六
 号)
 同(三池信君紹介)(第一一〇七号)
 同(石田博英君紹介)(第一一二二号)
 同(小川平二君紹介)(第一一二三号)
 同(粕谷茂君紹介)(第一一二四号)
 同(佐藤文生君紹介)(第一一二五号)
 同外一件(玉沢徳一郎君紹介)(第一一二六
 号)
 同外二十二件(塚田徹君紹介)(第一一二七
 号)
 同(戸沢政方君紹介)(第一一二八号)
 同外十五件(福永一臣君紹介)(第一一二九
 号)
 同外十八件(藤田義光君紹介)(第一一三〇
 号)
 同外一件(小沢一郎君紹介)(第一二二〇号)
 同(佐野嘉吉君紹介)(第一二二一号)
 同(砂田重民君紹介)(第一二二二号)
 同(田口一男君紹介)(第一二二三号)
 同(塚原俊平君紹介)(第一二二四号)
 同(葉梨信行君紹介)(第一二二五号)
 同外十件(山崎武三郎君紹介)(第一二二六
 号)
 農地の固定資産税に関する請願(瓦力君紹介)
 (第一一〇八号)
 同外四件(永田亮一君紹介)(第一一〇九号)
 同外三件(稲垣実男君紹介)(第一一三一号)
 同(原健三郎君紹介)(第一一三二号)
 同外七件(三原朝雄君紹介)(第一一三三号)
 同(西宮弘君紹介)(第一二二七号)
 軽油引取税の交付金増額に関する請願(金子一
 平君紹介)(第一一一九号)
 事業税に事業主報酬制度創設に関する請願(近
 藤鉄雄君紹介)(第一一二〇号)
 同(塚原俊平君紹介)(第一一二一号)
 同(上村千一郎君紹介)(第一二一七号)
 同(田中龍夫君紹介)(第一二一八号)
 同(横山利秋君紹介)(第一二一九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十月九日
地方行財政の改革に関する陳情書外一件(東海
 北陸七県議会議長会代表石川県議会議長竹野清
 次外十六名)(第一〇号)
農地等の固定資産税軽減に関する陳情書外八件
 (神奈川県愛甲郡愛川町議会議長諏訪部美教外
 八名)(第一一号)
 地方公営交通事業の経営健全化に関する陳情書
 (倉敷市議会議長木村春一)(第一二号)
 地方事務官制度の廃止に関する陳情書(栃木県
 議会議長鈴木乙一郎)(第一三号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第七号)
     ――――◇―――――
○木村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出に係る地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新村勝雄君。
○新村委員 まず最初に、大臣にお伺いいたしますが、いま不況の状況の中で、四年目ですか、五年目の五十四年度の予算編成あるいは地方財政計画の策定を迎えるわけでありますけれども、五十四年度の地方財政の見通しあるいは財源の状況、財源不足は恐らくまたかなりの額に達するのではないかと思われますけれども、それらの見通し等についてまずお伺いしたいと思います。
○加藤国務大臣 五十四年度の地方財政の見通しにつきましては、いまだ明確な方向や結論が出ておらないのが実情でございまして、御承知のとおり、地方の固有財源である地方税制につきましてどのような取り運びをいたすか、かようなことが必ずしも明確ではございませんし、また国におきましては、昭和五十四年度から六十年度にわたります七カ年間の経済計画の策定作業が行われており、年の暮れになりませんとさような見通しも十分に立ちがたい、かような状況下にありますことは御承知のとおりでございますから、しっかりした見通しはいまだ持ち得ておりませんし、景気の動向がいかように相なるか、これも非常な影響を持ちますこともこれまた御承知のとおりでございまして、さようなことを総合いたしながら五十四年度に向かっての勉強をいたしていかなければならぬ、かように考えております。
 ただ、前国会におきまして、地方財政の収支試算をお示しいたしまして御審議を願ったのでありまして、三つのケースを想定しておりましたことは御承知のとおりでございます。そこで、ケースIの場合のことを考えてみますならば、税制等が現行どおり、かような前提に立ちましての試算をいたしてみます場合に、要調整額が四兆三千億円に相なるであろう、かような収支試算もいたしておりますようなことでございますから、さようなことをもにらみながら逐次考え方を固めていかなければならぬ、かように考えているところでございます。
○新村委員 いままで数年間の地方財政危機の中で、当然これは交付税率の引き上げが要請されたわけでありますけれども、諸般の事情でそれが実現できなかった。そして三二%のままいろいろの対策あるいは臨特等によって、あるいはまた、大幅な地方債への振りかえというようなことで切り抜けてきたわけでありますけれども、そしてまた、先般特会の借り入れについて半分は国が持つというようないわゆるルール化というようなことも実現したわけであります。しかし、やはり交付税法の精神というものは、不足財源を国税三税の一定割合で見ていくということが基本になっておるわけでありますが、この三二%の交付税率について、これはルール化はいたしておりますけれども、大臣としては当然、今後税率の引き上げあるいは対象税種の拡大を図っていただいて、根本的な交付税法の運用を本来の姿に返していく、こういう努力が必要であろうと思いますけれども、大臣は五十四年度の予算編成に当たって、あるいはまた地方財政計画の策定に当たって、このような御努力あるいは御主張を政府内部でひとつ強力になさるお考えがあるかどうか伺いたいと思います。
○加藤国務大臣 いわゆるルール化を本年度から実施をいたし、そしてこの処置は当分の間、かようなことでございますけれども、しかし、当分の間とは申せ、そう長く固定すべき性格のものではないと基本的に認識をいたしておるところでございます。
 そこで、いま御指摘にもございましたように、五十四年度に対処する考え方といたしましては、交付税対象税目を拡大いたしてまいりますことにも努めてまいらなければなりませんし、また、今日の地方財政の状況からいたしまして、三二%というパーセンテージはもとより満足すべきパーセンテージではないのでありまして、これが引き上げにつきましても総合的に対処いたしながら考えていく必要がある、かように考えております。
○新村委員 今回の国の補正に伴って、三千億の減税に伴って九百六十億円の不足が生じた。これを全額国庫負担とするとしたごとについては、これは性質上当然とはいいながら、評価をされるべき御処置であったと思いますが、ルール化はあるとはいえ、交付税本来の性質を考えた場合には、今後借り入れの純増があった場合に、ルールでは二分の一ということでありますけれども、できる限りこれを全額国庫負担ということにすべきでありますけれども、その点についても大臣は御努力をなさいますか。
○加藤国務大臣 三千億円の所得税減税に伴います九百六十億円につきましては、御指摘かございましたとおり、全額国において負担をいたす、かようなことでございましたが、しかし、前国会で議論になりましたように、大蔵、自治両省で覚書を交換いたしておることもこれまた御承知のとおりでございまして、私どもは、覚書は覚書としながら、両省毎年度十分に検討を行うたてまえに相なっておるのでございます。ですから、五十四年度に対処するに当たりましては、総合的に勘案いたしながら、大蔵省ともよく協議を詰めていかなければならぬ、かような根本の気持ちを持っております。
○新村委員 覚書は仮にあったにしても、状況は刻々変わるわけでありますし、大臣のお立場は地方自治を守るという基本的な任務をお持ちでありますので、ひとつその点極力今後も努力をしていただきたいと思います。
 それから、いままで交付税から地方債に振りかえられたものがたくさんありますけれども、このうちでまだ対策が残っているもの、基準財政需要額に算入されていないものが相当あるわけです。たとえば五十一年度の公共事業費の地方負担八千億円であるとか、あるいはまた、五十二年度においてもありますし、五十三年度においても補正に伴う地方債の問題がございますけれども、これらを将来基準財政需要額に算入されていく可能性あるいは見通しはございますか、その点お伺いします。
○石原(信)政府委員 御指摘のように、昭和五十一年度、五十二年度、五十三年度、各年度とも地方財源の不足に対処するために、従来地方交付税で措置しておりました投資的経費の一部を地方債に振りかえております。
 この振りかえに当たりましては、事業費補正その他、従来の直接交付税で地方負担額を算入しておりました部分について、地方債に振りかえた分についてはその元利償還金は従来の措置と実質的に変わらないように算入するという扱いにいたしております。また、従来から地方債で措置した分は、特に元利償還金を需要額に直接算入するという方法はとっておりませんけれども、しかし、いずれにいたしましても、地方財政対策として発行された地方債の元利償還金は全額、地方財政計画を策定するに当たりまして、公債費として歳出に計上し、それに対応する財源は確保いたされますので、全体としての財源は将来とも保障していく、確保していくという考えでいきたいと考えております。
○新村委員 次は、細かい問題になりますけれども、算定方法の改正、これは毎年ありますが、五十三年度でもかなりの改正があったわけです。その中で種地区分の問題でありますが、これはかなり結果にも影響を与えるということで重要だと思いますが、今度丙地をなくして甲地、乙地と二つになったわけです。それは、甲地が地方の中核都市であり、乙地が従属的な周辺都市であるという基本的な考え方、これは変わりないと思います。ところが、実際にこれを適用しますと、周辺都市であっても東京圏あるいは大阪圏、中京圏あたりでは、地方の中核都市以上の都市規模を持っておる都市がたくさんございます。こういう都市は、確かに形の上では周辺都市のような形になっておりますけれども、地方の母都市と少しも違わない行政規模それから経済圏、文化圏等を持っておるわけですね。こういう中で、地理的な関係だけで母都市と周辺都市というふうに分けることは非常に合理性がないのではないかと思うわけでありますが、その点についてどうでしょうか。
○石原(信)政府委員 御指摘のように、市町村の基準財政需要額を算定するに当たりましては、地域の中核的な都市については甲地とし、また中核的都市の周辺の都市については乙地として算定しているわけでありますが、その場合に、乙地につきまして、その中心となる大都市等の行政の影響をどのようにとらえていくかという点で、従来はその中核都市からの影響に非常にウエートを置いた考え方をとっておったのでありますが、最近の傾向としては、その周辺都市であっても、その都市自身の都市化の状況による行政需要の増高という面に着目する必要があるという意見も多く、また実態調査の結果でもそのような傾向が明らかになりましたので、五十三年度の態容補正係数の改定に当たりましては、中核都市との関係に着目して計算しております昼間流出人口あるいは中核都市からの距離の要素、この評点を若干落としまして、その都市自身の都市化の程度を示す要素であります宅地の平均価格指数あるいは経済構造、こういった面に評点を移しかえる形で、ただいま先生御指摘のような要素に配慮した次第でございます。
○新村委員 東京圏等において、人口がもう三十万、四十万という規模になりますと、これは母子関係ではないと思うのですよ。その都市だけでも、独立の経済圏あるいは文化圏を持っておるし、市民生活それ自体も、その都市だけで完結的な機能を社会的に持っている。こういうところを、東京との距離、もちろん配点は今度変えられたようでありますけれども、若干このウェートは下がっておりますけれども、そういう形でとらえることは、これは本質的に間違いではないかと思うのです。それは確かに衛星都市的な都市も中にはあります。ありますけれども、東京圏、千葉北部あたりでは四十万、それを超える都市でいわゆる衛星都市扱いをされて、その分だけ不利な扱いをされておる。結果的にはこれは不利に出ると思いますね。そういった点、根本的に都市を見る考え方をお変えになる御意思があるかどうか、それを伺いたいと思います。
○石原(信)政府委員 御指摘のとおり、大都市の周辺にありますかなり大きな規模の都市につきましては、その都市自身の都市化の程度といいましょうか、その都市自身の要素によって財政需要を測定する方が正しいのか、あるいは大都市との関連に着目して算定する方が正しいのか、これはいろいろ議論があるところであります。
 先ほど申し上げましたように、従来は大都市の影響、大都市との関連に非常にウエートを置いた考え方をしておりましたけれども、五十三年度におきましては、その点を各都市自身の都市化の程度といいましょうか、その都市自身に着目した算定内容の評価という点に配慮した改正を行っております。
 その結果、たとえば先ほど申し上げましたように配点要素を少し変えたことによりまして、大阪市の周辺の堺市などでは、従来は大阪市の周辺都市としての乙地として計算しておったのでありますが、五十三年度の場合には堺市自身の種地として甲地としての計算をした方が財政需要の計算上は有利になるということで、甲地に計算をしております。東京周辺の都市の場合には、まだ東京の影響が非常に大きいものですから、甲地に変えた方が有利だという都市は出てきておりませんけれども、今後配点の変更により、またその基礎となるたとえば昼間の流出入人口の動向などによりまして、甲地として計算した方が有利になれば、その市の選択によりまして甲地としての計算を行えるようにするというように考えておりますので、御指摘の点は各都市の都市化の進行によってそれぞれ実態に合うような計算ができるようになるものと考えております。
○新村委員 そうしますと、市の考えによって甲、乙どちらか有利な方を選択できるということですね。
○石原(信)政府委員 一義的にこの都市は乙地である、この都市は甲地であると決めるのではありませんで、先ほど申し上げましたように、経済構造でありますとか、宅地平均価格指数でありますとか、あるいは昼間流出入人口あるいは中核都市との距離と、いろいろな評点要素をそれぞれ積み上げまして、甲地としての計算の方が有利か、乙地としての計算の方が有利か、その両方をやってみまして有利な方を選択できるようにいたしております。大都市の周辺の中以下の都市であればもう文句なし乙の方が有利でありますけれども、たとえば東京の近辺で言いますと、八王子でありますとか千葉でありますとか、現段階ではわずかなところで乙の方が有利なんでございますが、将来数値が変わってまいりますと、あるいは甲の方が有利になるかもしれません。その段階では、その都市の選択によって甲の方が有利であれば甲をとるというように現在の仕組みがなっておりますので、今回の配点の変更によってあるいは近い将来そういう形に変わっていく、このように思っております。
○新村委員 今回の配点の変更によってそれが具体的にどういう影響を与えるか、これは傾向だけで結構なんですけれども、どういう傾向になるとお考えですか。
○石原(信)政府委員 今回の配点の変更によりまして、一般的な傾向としましては、大都市の周辺で従来乙地であったものが甲地を選択した方が有利になるような堺市のような例が出てまいりましたけれども、一般的に大都市の周辺ではあるけれどもそれなりに中核的な機能を持つ都市の算定が有利になってきた、このように考えております。
○新村委員 ぜひそういうことにしていただきたいと思います。
 そこで評点でありますが、基準財政需要額が、標準団体で評点が一点違えばどのくらいの変わり方をするか、ちょっと伺いたいと思います。
○石原(信)政府委員 ちょっとただいま私、答弁の中で有利とか不利とかと申しましたが、これはちょっと正確でありませんで、各都市の財政需要の実態をより正確に反映している、このように考えております。
 それからただいま御指摘の点でございますが、態容補正の算定に用います各種の評点要素、これが一点違ったら幾ら変わるかという点でございますけれども、仮に人口十万、標準団体に近い団体の態容補正係数の評点が一点変わった場合に基準財政需要額全体としてどのくらいの影響を受けるかという点を試算してみますと、五十三年度の場合に、この選んだ団体の基準財政需要額全体が五十三億八千六百万円の団体でございますが、この団体で評点がもし一点ふえるといたしますと、財政需要額として九十万八千円ふえます。率にしますと〇・〇二%の影響が出てまいります。
○新村委員 そういうことがわれわれにはなかなかはっきりわからないわけなんですが、この交付税の計算の中で毎年、評点以外の補正係数が、あらゆるところで微調整がもうたくさん全面的に行われております。それによって各団体は何十万、何百万と上がったり下がったりするわけですけれども、それらについての明確なつかみ方がわれわれにはとうていできないわけでありますが、たとえば市町村の消防費ですね。消防費の段階補正ですけれども、これが毎年かなり広範に変わっておるわけですね。五十一年、五十二年、五十三年と三年度を比較してみますと、皆変わっておるわけです。五十一年から五十二年にかけては、いままでの八段階が十段階になって、五十一年では四十万以上となっていたものが五十二年度ではさらに百万、二百万と刻み方が違ってきた。それから五十二年から三年にかけては、その掛ける補正係数が一部――全面的ではなくて一部変わっているのですね。それから足す方の係数もこれは一部変わっているというようなことで、その一部分変わるということは、そのところの団体が上がるあるいは下がる、まあ上がるんだと思いますけれども、ということになるわけですから、そういう補正かどういう根拠によって、その市がこういう事情かあって、こういう合理的な理由があるからこれだけ上げたんだというような説明が、お願いすれば説明していただけるのだと思いますけれども、わからない。そういうわからない面がいっぱい補正係数なんかにあるわけですけれども、たとえばこの消防の問題でなぜこのような変わり方をしたのか、その根拠は何であるのかというようなことを御説明いただきたいと思います。
○石原(信)政府委員 段階補正係数に限らず、ほかの態容補正係数にいたしましても、密度補正にいたしましてもそうでありますが、補正係数の要素というのは要するに標準団体の標準行政費を単価にした単位費用の算定内容と関係があるわけでありまして、標準団体に対して各断階の市町村の財政需要を計算する場合に、測定単位の数値の増減に応じて比例的に変化する要素と、それから比例しない要素と二つあるわけであります。たとえば消防であれば人口を測定単位としておりますから、人口の増減に応じて比例的に増減する要素、常備消防の経費その他と、それからそれに応じて変化しない、たとえば本部の経費のようなものは、団体が大きくなったからといって比例的には大きくならないわけでありますが、その単位費用の積算内容が毎年度変わることによりまして、その測定単位の数値との関連で変化する部分としない部分とありますから、言うなれば、そういう単位費用の変更によって補正係数そのものも自動的に変えなければ不合理な結果になってしまうという要素があります。そういう意味で、その各段階ごとの想定された団体の積算内容が単位費用の変更によって当然変わってまいりますから、その変更に応じて再計算しますと、係数も変わってくる、こういう要素、いわばこれは自動的な変更要素とでも言うべきものと言えると思いますが、こういった要素があります。
 それからもう一つは、毎年度各段階ごとにあるいは各種地ごとに、現実の財政需要と交付税算定とを常に対比して、決算分析等を通じて対比いたしまして、算定か正しいかどうか、妥当かどうかと検証いたしております。その検証の結果によって、行政の変化に応じて財政需要の算定を変えなければいけないというものについては、いわば自動的というよりは政策的といいましょうか、検証の結果として係数を変えていくという両面があると思います。消防費につきましても、そのような実態の検討とそれから単位費用の改定内容からくる自動的な要素と二つの面で係数を変えてきているわけでございます。
○新村委員 こういう費用は比例的には変わらないし、またそれを訂正、修正される場合でも、一定の法則に基づいておやりになっているのではなくて、この段階かどうも低そうだからここで少し上げてというようなことでおやりになっているんですか。そうすると、恣意的と言っては失礼かもしれませんけれども、各団体はこの数字をちょっと変えられると何十万か違ってしまうわけですね。ですから、それは一定の法則に基づいて上げ下げするのであればこれはいいとしても、そうではなくて、たとえば消防費において十万から二十万の段階の市がどうも安過ぎるから少しことし上げてやろう、こういうふうなことでおやりになるのかどうかですね。その辺がどうも釈然としないわけですが、やはりそれらの係数の決定に当たってはだれも納得のできる手続とそれから説明がなければならないと思いますし、特定の段階だけを変えるということであれば、それはなぜ変えなければならないのかというような理由がはっきりしないとどうもわれわれはすっきりしないわけですけれども、そこらはどうなんでしょうか。
○石原(信)政府委員 ただいま申し上げましたように、毎年度、係数の変化というのは、単位費用の積算内容の変化、たとえば人件費部分と施設費の部分と、あるいはその他の経費の部分とが構成割合が変わってまいりますと、当然係数の変化を生じます。そういう意味の変化は毎年度起こるわけですが、段階補正の刻みを変える問題とかあるいは本年度行いましたような態容補正係数の評点の変更というようなものは、一つは測定単位の数値が変わる年にはある程度見直しを行わなければいけない、固定することによってかえって不合理な結果になるケースがありますから、見直しを行わなければいけないということであります。
 その場合にどういう考え方、どういう原則に従って変更を行うのかということでございますが、これについては、私どもは常に各団体の財政状況、各行政の実態というものを調べまして交付税の算定結果が妥当かどうかを確かめて、それで乖離が生ずればそれを是正するという意味で変更しておるわけであります。したがいまして、変更する場合の原則というのはあくまで現実の行政需要がどういうふうに変わってきているかという実態分析を基礎にしてそれに適合させるというのが基本の考え方であります。また、その場合に、手続的な面では、私どもこの作業に携わっておる者だけの判断でもいけませんので、関係団体、特に各府県の地方課の方々あるいは市町村の方々の意見も広く求めまして、大きな変更を行う場合にはそれらの意見を踏まえて行ってきているということでございます。
 それからまた、その変更内容につきましては、会議等を通じて今回はこのような考え方でこのような変更を行うということは説明をしてきております。
 それからまた、その結果につきましては、毎年度の補正係数の積算内容として公表をいたし、できるだけその周知を図っているところでございます。
○新村委員 補正係数の問題については、非常にむずかしい問題で、今後とも勉強させていただきたいと思います。
 次に、交付税が大幅に地方債に振りかえられた結果として、政府資金と並んで縁故債のウエートが非常に高まっているわけです。この縁故債の利子の問題ですけれども、このところ急速に低金利になってまいりまして、低金利か定着するような状況でありますけれども、近い過去の縁故債の中にもかなり現在の金利水準から見ると高いものがあるわけです。これらについては地方団体では借りかえを希望しておりますし、当然これは借りかえの指導かなされ、また実行されなければならないと思いますけれども、これらの借りかえはどうなっておるのか、どの程度行われているのかという問題について伺いたいと思います。
○森岡政府委員 御指摘のようにかなり低金利の状況になっておりますので、これまでの高金利時代に借り入れました縁故債の金利が現在の金利から比べますとかなり高い。そこで地方公共団体では二つの動きがございます。一つは、お話がございました低利の条件で借りかえたいという動きと、いま一つは、差益剰余金が出るあるいはまた償還のために必要な特定財源が入ったというふうな場合に繰り上げ償還をやりたい、二つ問題があるわけでございます。
 高金利で借りました縁故地方債を低金利で、現在の金利条件で借りかえるということにつきましては、これは基本的には各地方団体と引受金融機関との折衝にまたなければならぬわけでございますが、私どもが承知しております範囲内では、それに応じてもいいという金融機関も若干あるように見受けます。ただ、高金利から低金利になったから低金利条件で借りかえるというならば、将来高金利になった場合に低金利で借り入れたものについては高金利でまた借りかえるというふうなこともやっていただけますかというふうな話も出たりいたしまして、なかなかこれは難航しておるというのが実態だと思います。
 それからいま一つの繰り上げ償還の問題は、差益剰余金なり特定財源が入った場合に繰り上げ償還をするというのは私どもは当然だとも考えております。ただ、証券発行の形式で発行した地方債につきましては、転々流通いたしまして市場に出ておるものがありますから、その繰り上げ償還を追っかけていってつかまえて行うということには実際問題としてむずかしい問題がございます。ですから、これにつきましては、減債基金などを設置いたしまして、市場から証券を買い入れて買い入れ消却をやるというふうなことを弾力的にかみ合わせてまいりませんといけない。そういうことで最近におきましてそのような指導も続けておる、こういう状況でございます。
○新村委員 繰り上げ償還とおっしゃいますけれども、繰り上げ償還をするほどいま地方団体は金がないと思います。ですから、これは実際上は非常にむずかしいのじゃないか。
 それから、弱小団体は大体証書貸し付けが大部分、ほとんど全部です。ですから、その場合には銀行と相談をして利下げをしてもらうことが簡単にできるわけですね、金融機関の方で理解してくれれば。ですから、少なくとも証書貸し付けの分等については借りかえ、あるいは借りかえという手続を経なくとも利下げをしてくれるように金融機関にお願いをするし、また、国の方からもそういう指導というのですか要請というのですかを強力にしていただかなければいけないのじゃないか。
 それから高金利のときにはそれじゃ上げるのかということでありますけれども、もちろんそれはそういうことになろうと思いますけれども、低金利の時代というのは一般的に言って地方団体の税収が少ないということが言えると思います。それから高金利のときは経済活動が低金利のときよりは活発ということが一般的な傾向として言えるわけでありますから、仮にそうなったにしても、現在の財政危機を突破するためにはやはり高いものを下げてもらうということの方が有利であることは疑いないと思います。そういった点でひとつ強力に要請なり指導なりしていただきたいと思いますが、その点御決意を伺いたいと思います。
 それから、縁故債で借りかえ、ないしは利下げが行われた例があるか、どのくらいあるかということがおわかりでしょうか。
○森岡政府委員 先ほど申し上げましたように、基本的に低金利状態になったわけでありますから、この時点で有利な条件で借りかえたいというのは私はもっともなことだと思うのでございますけれども、金融機関自体の資金調達コストが、これは申し上げるまでもないことでございますが、必ずしも一律ではない。高金利時代に調達した資金コストというのはかなり高いということは事実でございます。それで融資をしている、こういうふうな実態もあるわけでございます。その状況が金融機関によって必ずしも一律ではないわけでございますから、一律に低利条件で借りかえろという話を政府が申しましても、それはなかなかそう簡単にはまいらない。したがって、基本的に個別の金融機関と個別の地方団体の十分な折衝ということがどうしても必要だろうというふうに考えておる次第でございます。
 なお、現実に低利条件で借りかえた実態でございますが、私どもいま調査をいたしておりますが、具体的な団体数及び内容についてはまだ承知をいたしておりません。
○新村委員 高金利時代のコストの高い資金については、やはりその当時高く貸し付けをしておるわけでございますし、一般市中銀行の資金は回転するわけでありますから、高い金がいつまでも預かる方で固定しているということではないわけですから、現在の資金というのは、これはコストの安い資金があるわけです。ですから、安いコストの資金で借りかえをする、あるいは利子の低減をするということは十分可能なはずであります。そして金利の幅が九%あるいは一〇%、一〇%というのは少ないでしょうが、大体九%というのはかなりある。それから八、七ということでありますから、いわば、現在の金融機関は対地方団体の金融の利益というものがこのままでいけばかなりあるのじゃないかというふうに考えるわけであります。その点を特に御調査をいただいて、要請をしていただきたいと思います。
 それから同じ事情ですけれども、政府資金についてもやはり同じだと思います。そういう点で、政府資金については利子を下げるとか借りかえ等というようなことはほとんどやられてないようでありますが、政府資金、特に大蔵省の資金運用部、この資金で地方団体に融資をしている分、これの利下げについて、その御考慮の余地があるかどうか、お考えがあるかどうか伺いたいと思います。
○柴田説明員 お答えいたします。
 御指摘のように、資金運用部につきましても郵便貯金あるいは厚生年金等を原資として地方公共団体初め財投各機関に貸し付けを行っているわけでございます。その貸し付けの金利でございますけれども、これも預託金利の水準を考慮して定めているわけでございます。また、この預託、貸し付け、いずれの金利もそれぞれの期限までの固定金利になっているわけでございます。したがいまして、高い預託金利に対応して設定されております高い貸付金利の貸付金について金利の引き下げを行うということになりますと、運用部の収支は悪化いたしまして、当然のことながら預託金に対する利払いにも支障を来すおそれが生じてくるわけでございます。また地方債を運用部で引き受ける場合には、運用部の貸付金で行う事業の態様を考慮して償還期限を定めているわけで、その期間中は金利が固定されておりますので、先ほどもお話がございましたが、預託金利の方が上昇してもその貸付金利は貸し付け実行時の金利ということにいたしているわけでございます。このように運用部の原資は有償であることと、それから預託金利、貸付金利とも固定金利であるということから、これまでに貸し付けましたものについて金利をいま引き下げるということは困難であるというふうに考えております。
○新村委員 同じ預金部の資金にしても長期に固定をする分とそれから常に回転している分とがあるはずですから、それらを考えた場合に、預金と貸し出しとの利差が現在はその分では拡大しているはずですね。その点をまず伺います。
○柴田説明員 お答えいたします。
 実は運用部の預託を受けております方でございますが、これはほとんどのものが七年でございます。したがって、市中の金融機関ほど短期の預託ではございませんので、回転は非常に鈍いということでございます。
○新村委員 資金運用部の資金でも政策的に金利を下げている例があると思いますけれども、その点はいかがでしょう。
○柴田説明員 確かに御指摘のように、過去引き下げた例が全くないことはないわけでございますけれども、三十二年度に引き下げまして以降、実はその後の変更ということはございません。ただ、例外的に、もちろん災害等の事情によって引き下げをするというふうなケースはあったようでございますけれども、一般的なものは、一般的といいますか地方公共団体に対して特に配慮してやりましたのは三十年度にやりましたのが一番最近時点のものでございます。
 法律的な根拠といたしましては大蔵省預金部等の債権の条件変更等に関する法律というものがございまして、この一条にはこういう規定があるわけでございます。「預金部資金の融通を受けた者が、災害その他特殊の事由に因り、元利金の支払が著しく困難となつたときは、大蔵大臣は、預金部資金運用審議会の意見を聴いて、公共の利益のため必要があると認める場合に限り、その融通条件の変更又は延滞元利金の支払方法の変更をすることができる。」という法律が実はあるわけでございます。ただ、現在のところ、この法律の運用につきましてはきわめて制限的に解釈をするということでございまして、たとえば「公共の利益のため」ということにつきましては、災害地の地方公共団体に対して既貸付金の償還条件を緩和することが多数の被災者の負担を軽減し、ひいては社会全般にも好結果をもたらすものというふうに考えられる場合というふうに考えておりまして、われわれとしてはそう簡単にこの法律を運用できるということは考えていないわけでございます。
○新村委員 縁故債そしてまた政府資金ともに低金利によって実態に即さなくなっているという事実は疑いない、はっきりとした事実だと思います。その中で縁故値については政府資金以上に利差が拡大をしておるということは言えると思います。そういう状況の中で現在の金利程度に引き下げた場合にはその利差かどのくらいになるか、縁故債及び政府資金について、それぞれ別におわかりになっておりますか。
○森岡政府委員 非常に粗っぽい計算しかできないのでございますけれども、現在の現債高の中で普通会計分の平均利率、これが八・三七四%ぐらいになるかと思います。市場公募債の現時点における発行者利回りは六・六二九%でございますから、その差を勘定いたし、また公営企業債につきましては、現債の既発行債の平均利率八・四五八%でございますので、同様に市場公募債の発行者利回りとの差を計算いたしますと、非常に粗っぽく申しますと千六百億円ぐらいの勘定になろうか、かように思います。
○新村委員 政府の資金の方はどうでしょうか。コストとそれから利差、地方団体がよけい払っていると言うと語弊がありますが、その分ですね。
○柴田説明員 お答えいたします。
 これはこの場合非常に計算がむずかしいのでございますが、いま財政局長の方からお話がございましたように、運用部の地方公共団体に対する貸付金の平均的な利率を仮に五十二年度末という時点で切ってみますと、七・一一%になっているわけでございます。したがって、現在の金利が六・〇五%でございますので、仮にの計算でございますが、七・一一を六・〇五で借りると、その差を五十二年度末の貸付残高八兆三千五百三十七億円に掛けたといたしますと八百八十六億円強になるかと思います。
○新村委員 大臣にお伺いいたしますけれども、これは単純な計算でありますけれども、ただいまのような計算が出るわけであります。地方交付税においてもこの利息についての配慮はあるようでございますけれども、ともかくそれは全面的な救済がされておりませんし、こういう負担が地方団体にかかっておるという実態があるわけですけれども、これについてどうお考えであるか、また、それについてこれからどう対処されるお考えであるかお伺いをしたいと思います。
○森岡政府委員 大臣かお答えになる前にちょっと私どもの考え方を申し上げさせていただきたいと思います。
 先ほど申しましたように、これは基本的にやはり発行者団体である地方公共団体と金融機関との折衝によって決めざるを得ないということはもうおわかりいただけると思うのでございます。その場合に、これは一般論として考えますと、やはり長期金利というのはどうしても硬直的にならざるを得ない。金融機関の資金調達のコストあるいは資金運用の実態から申しまして硬直的にならざるを得ない、短期金利はフレキシブルである、これが一般的な常識であろうかと思うのでございます。そういう点で既発債の条件を低利に借りかえるということについては大変なむずかしさが実はあるということでございます。ただ地方公共団体ではそういう要請もかなり強まってきておりますので、私ども個別に相談に応じてまいりたい、かように考えている次第でございます。
○加藤国務大臣 繰り上げ償還につきましては、たとえば不動産の売却等によりまして地方団体に収入がありました場合には比較的処置がしいいと思います。しかし、借りかえ債は言うべくしてなかなか困難ではありますが、金融機関等とよく相談をしながら、なし得るものはなしていくべきである、こういう基本の考え方でございます。
 そこで、いま説明がございましたように、縁故債におきましても、現金利と借り入れた当時の金利を比較いたしますと千数百億円の金利負担の増があり、また政府資金におきましても、いま大蔵省から説明がございましたように、八百数十億円の負担増、かようなことでございまして、できるだけ負担の軽減を図っていかなければならぬことは申すまでもないことでございます。
 ただ、かような現況下におきましては、自治省といたしましては、やはり基準財政需要額に算定をいたしまして、そして地方団体の負担分につきましては十分にカバーできますような、そういう体制をとっていく以外には当面道がないのではないであろうか、かように考えております。
○新村委員 縁故債については個別の折衝と言われますけれども、これは国の政策によってこういう事態になったのですから、地方団体は好きでこういうことをしているわけじゃございませんので、やはり政治的な解決が必要ではないかと思います。
 それから、基準財政需要額で見るとおっしゃいますけれども、現在は市中銀行はもうけ過ぎているわけですよ、利息を地方団体からよけい取っているわけですから。それを地方交付税で見るというのもおかしな話でして、やはり適正な利差というか、金融利益というのは必要でしょうけれども、適正以上に縁故債に関連をして銀行が、世話になってもうけておると言っては悪いかもしれませんけれども、そういう結果になっておると思うのです。そこらは、適正な利息を超える分については強力な政治的な指導あるいは要請によって下げてもらうということが必要じゃないかと思います。これは明らかに民間というか銀行がもうけ過ぎているということが、利差がそれだけ拡大しておるわけですから言えると思います。それらの点についてもひとつ強力に御指導をいただきたいと思います。
 それから週休二日の問題について伺いたいのですが、時間がありませんけれども、現在の週休二日制は民間でどのくらい実施をされているか、それから先進国の公務員の週休二日制の実施状況はどうなっておるか、これらを踏まえて大臣のお考えはどうであるか、それから、どんな手順でこれからこの問題については取り組まれるか、これらについてお伺いをいたしたいのであります。この質問で終わりたいと思います。
○加藤国務大臣 民間の週休二日制の実施の状況につきましてはつまびらかにいたしておりませんが、相当進んでおるということは承知をいたしております。
 そこで、国家公務員と地方公務員は勤務条件につきまして権衡を保っていかなければならぬことは申すまでもないことでございます。地方公務員につきましては第一回のトライアルを終わり、そして再トライアルをいたしておる最中であることは御承知のとおりでございますが、国家公務員と地方公務員の場合を比較いたしますと、都道府県におきましては一般的に言いましてその進度が高いのであります。ことに幾つかの県におきましては国家公務員と余り差のないところにまで進められております。しかし、市、ことに町村にまいりますとなかなか円滑にはまいっておらぬということでございます。ともあれ、国家公務員と権衡を失しないような体制を地方でもとっていくべきだ、かような基本の考え方で今後も指導してまいりたい、かように考えます。
○砂子田政府委員 民間企業の週休二日制についてお答えを申し上げます。
 人事院の調査によりますと、五十三年度では民間の企業の普及率は六九・二%になっております。これを企業別に分けますと、大企業では八八・四%、中企業では五八・九%、小企業では三五・九%、大体そんな感じになっておるようでございます。
 それから、わが国の公共団体の大体の普及率を申し上げますと、第一回の試行をいたしましたときには三十都道府県がこれをやりまして、それから政令指定都市は福岡だけが若干勤務時間の関係がありましてやっておりませんが、指定都市のうちの八つは全部これをやっております。再試行につきましては、現在のところ、十七都道府県がやっております。それから一つの指定都市がやっておるという形になっております。市町村では三千二百五十団体のうちで実施をいたしましたものが二百九十三でございます。実施予定が二十五団体ございまして、合計で三百十八か第一回の試行をやっております。
 以上でございます。
○新村委員 先進国の例はどうですか。
○砂子田政府委員 先進国の例は、ちょっと資料を持っておりませんので失礼いたします。
○新村委員 終わります。
○木村委員長 加藤万吉君。
○加藤(万)委員 五十三年度の補正予算に伴う地方団体の事業の執行並びに財政問題について若干質問を試みてみたいというふうに思います。
 御承知のように今度の補正予算七千百五十一億円ですが、予算委員会の大蔵大臣あるいは通産大臣の答弁の中で、これによって起きる効果二兆五千億、こう言われているわけであります。今度の補正予算の中身の中で、公共事業四千五百九十二億円が組んでありますが、どうでしょうか、細かい内訳の問題は予算書で明らかでありますけれども、これによって地方団体が行う事業費予算、まあ逆に言えば事業規模と言ってもよろしいのでしょうか、総体として総額どのくらいの費用が事業費として執行されるのでございましょうか。
○森岡政府委員 国庫補助金を得て行います補助事業及び地方単独事業を合わせまして、合計おおむね一兆円程度というふうに思います。
○加藤(万)委員 その場合、単独事業も含まれておりましょうか。
○森岡政府委員 単独事業を含めております。
○加藤(万)委員 五十三年度の地方団体の事業規模、さらに追加の一兆円ですね。大変な事業執行だと思うのですよ。現在まだ自治省の方でしっかりと把握はされてないのでしょうけれども、いま事業執行率といいますか、どのくらい進行していますか。あるいは事業執行でなければ、契約段階で数字を出してもらってもいいのですが、たとえば九月末現在でどのくらいの執行状況でしょうか。
○森岡政府委員 都道府県分の一番新しいのが八月末の契約済みの割合でございますが、これが六二・四%でございます。したがいまして、かなりな進捗をしておるというふうに考えております。
 なお、地方債の配分につきましては、全体の地方債計画の中でおおむね八七%程度まで配分をいたしております。これらの点から考えますと、進捗率はかなりハイスピードで進んでおるというふうに私どもは見ておるわけでございます。
○加藤(万)委員 実際現場は――いまおっしゃいましたように契約ですね、ですから、事業執行ということになりますと、実際の執行で年度末までに完成をする、ないしは年度末までに仮に三分の二程度の事業執行までするには大変だというのが、現場の偽らない状況のようですね。資金需要や、それぞれの関係業界が民間需要がありませんから、そういう意味では地方団体の事業に食いついて契約が非常に伸びておる、これは私、認めますけれども、しかし、実際の執行というものはなかなか予定どおりに、たとえば人的な面でも、技術的な面でもあるいは資材供給等の面でも進んでいないというように私どもは実は伺っているわけでございます。地方債の発行も八七%までということでございますが、どうでしょうか。いまの景気動向というものは、公共事業に対する依存率というのが非常に高いわけですが、自治省から見て、地方団体における事業執行は、おおむね政府が認めている、あるいは望んでいる七%のその部分を担う執行状況が年度末に可能というふうに判断をされておられるのでしょうか。
○森岡政府委員 多量の公共事業、単独事業でございますから、その執行につきまして相当な苦心なり苦労か伴っておるということは私は否定できないと思います。ただ、県と市町村を比べてみました場合に、都道府県の場合には、先ほど申しましたように、契約の進行状況も非常に高いスピード、速いスピードで進んでおります。
 公共事業なり単独事業の執行上の問題点は先ほど御指摘がありましたが、一つは設計その他の技術者の問題、第二は用地の問題、第三は資材の問題こういうことになろうかと思います。県の場合には、技術者の不足につきましては外注を幅広く活用する。また用地につきましては、かなり先行取得をやっておりました用地を有効に利用する。資材につきましては、全般的に、マクロ的に見ますと、おおむね調達にそれほど大きな問題は出ていないというのが実態でございますので、県の場合には、私どもの見たところではほぼ安心して見ていられる。
 市町村の場合に、全般ではありませんが、一部の市町村で、いまの三つの点のうち、特に第一の技術者の問題と用地問題につきまして大変な苦心が出ておるところがあるように見受けられます。したがいまして、今後の公共事業や単独事業の執行ないしは起債の配分につきましては、そういう点について特に市町村段階での事業執行が円滑にいきますようにきめ細かな相談をいたしてまいる必要があろう、かように思っております。そういうことを徹底いたしますれば、年度末までに政府が期待しております事業の執行は確保できる、かように私どもとしては考えておるし、またぜひ確保したいという強い気持ちを持っておるわけでございます。
○加藤(万)委員 私は、当初予算でも質問あるいは私の意見を述べましたけれども、率直に言って、地方団体は、今度の景気浮揚策が公共事業に非常に偏っていますから、そういう面で支障がないものとは言いませんけれども、いま地方財政のローデーションの中へ組み入れられる範囲を実は超えて国からの公共事業要請というものにこたえているのではなかろうか。それが先ほども新村議員から質問がありましたように、結局、本来あるべき地方団体の財政のローテーションをさらに地方債の発行ということで拡大をして実際は行っているというように見ざるを得ないのですね、ですから、地方団体にしてみれば、借金をしたけれども、国からもらった仕事だからいつか何とかめんどうを見てくれるだろうという中で、結果的には地方団体でその財政のローテーションとこの事業執行という計画が率直に言って崩れていく。それが結果的には地方団体の自主的な事業執行というものを阻害している、こういう結果を招いているのではないか。しかも、いまお話がありましたように、特に技術者の面では率直に言って相当不足をしている。これだけの事業を執行して、契約発注するときの設計その他が、一体、本来地方団体で行うべき手元で行われているのだろうかどうだろうか。あるいはその設計そのものも、時によっては業界あるいは業者に依存をしてその設計を組ましているのではなかろうか。もしそういうことがあるとすれば、これはまたいま大変各種の問題に出ています汚職の関係等も発生するわけですね。率直に言って、私はこの辺は大変疑問視をしているところでございます。
 話を財政関係に戻しますけれども、こういう中で今度の補正予算で地方団体が地方債を発行するわけですが、五千九百三十四億円ですね。今度はトータルで年間何ぼになりましょうか。六兆八千百三十一億円でしょうか、数字の点でまず確認しておきたいと思うのです。
○森岡政府委員 そのとおりでございます。
○加藤(万)委員 今度の政府資金、それから縁故債、それから地方の単独事業に対する公庫融資、縁故、これを当初予算の地方債の発行六兆二千百九十七億円にそれぞれ足していくわけですね。先ほども質問にありましたように、民間資金か二兆六千八百二十五億ですね。地方債の引き受けの中の民間資金は、総体の四六%ですよ。どうなんでしょうか、これだけの地方債の消化というものは、今日の状況から見て可能でしょうか。さらに今度加えて五千九百二十四億円、これは、もちろん政府資金もありますし、縁故債もありますし、公庫資金もありますけれども、縁故債を加えていきますと、今度で二千六百五十九億ですね。膨大な地方債を市場公募なりあるいは民間市中銀行に依存をするわけですが、この地方債の消化は可能でしょうか。
○森岡政府委員 地方債の大量発行が続いておるわけでございますが、今回の補正によりましてふえます五千九百三十四億円につきましては、いま御指摘のようなことも頭に置きまして、公共事業の地方負担に充てます地方債につきましては、八割まで政府資金で充当をする。かつ、単独事業の資金につきましては、従来は補正を行いました場合には全額縁故資金で措置しておったわけでございますが、今回は御承知の臨時三事業に公庫資金を融資できることになりましたので、公庫資金六百八十億円をこれに充当するということで、各団体の個別の金融機関との折衝による縁故地方債の発行枠をできるだけ縮減する、こういうことにいたしたわけでございます。その結果、当初計画と合わせました民間縁故資金、市場公募債を除きます民間縁故資金は、二兆四千四百五十八億円でございまして、五十二年度、昨年度の補正後の二兆三千八百十二億円と比較いたしますと、二・七%程度の微増ということになっておるわけでございます。もっとも二兆四千五百億円弱の縁故資金を消化いたさなければならぬわけでございますので、あらゆる面での工夫を必要といたすわけでございますが、私どもは、特に一般市町村の場合、資金調達に大変苦労がございますので、御承知のように財源対策債につきましては政府資金を充当する、それから今回の補正分を含めまして公共事業の地方負担分についても政府資金を全額充当するということにいたしまして、縁故資金についてはできるだけ資金調達能力の強い都道府県にお願いをする、こういうことにいたしたわけ一でございます。さらに加えまして、先般九月二十五日でございましたか、大蔵省の方から関係金融機関に対しまして縁故資金の消化については格段の協力をお願いしたいという要請を文書で行っていただき、また、自治省といたしましても、地方公共団体にその旨を伝えまして、縁故資金の調達に遺憾のないように努力をしていただきたい、こういうことをお願いいたしております。そのような措置をいろいろきめ細かく講じておりますので、私はこの程度の縁故資金の消化は、今年度においては支障なく遂行される、かように考えておるわけでございます。
○加藤(万)委員 大蔵省見えていますね。予算委員会で国債の消化と関連していろいろ質問があったわけですが、短期国債を明年度、五十四年度は考慮しなければいけないのではないかという村山大臣からの答弁がございました。これは証券市場における利回りとの関係その他も含めて、国債消化がきわめてむずかしくなる条件下にある。私の知るところでは、来年度の国債発行十三兆円を超すでしょう。大蔵省ではいろいろ原案が練られているようですが、どうでしょうかね。いま自治省側からは地方債は全体では微増であって、消化は不可能なことではないという答弁ですが、国債の側でいくと、大変むずかしい、短期国債すら発行しなければならないという状況だ、こう言われておるわけですね。しかも、金融市場は確かに資金はだぶついてはいます。しかし、一方で公定歩合の問題を含めて、来年度の経済の動向から見て、国債の利回りではという面、地方債の方が少し高いですけれども、そういう面から見て、大蔵省では少し首をかしげているにもかかわらず、いま言ったように、微増であるから二兆四千四百億ですかの地方債は民間の引き受けにして可能だ、こう言われているのですが、この辺の見解をまずお聞きしておきたいと思います。
○柴田説明員 私、地方資金課の仕事をやっておりまして、国債の方は直接の担当ではないわけなので、ちょっとあらかじめお断りをさせていただきます。
 まず、縁故債につきましては、いま財政局長からお答えになったと同じ認識を私持っておりまして、先ほど御報告もございましたけれども、銀行局長から各金融機関に協力依頼をするというふうなことも特にさせておりますので、現在の状況下における限りにおいては、私は余り問題は出ないだろうというふうに考えているわけでございます。確かに国債の問題は、御指摘のような事実がすでに市場において生じているわけでございまして、私どもの局長も日夜頭を痛めているわけでございますが、私は基本的に国債と縁故債というのは少し性格を違えているものではないかというふうに考えておりますので、国債に出ております問題がそのままストレートに縁故債にはつながってこないのじゃないか。やや甘いというおしかりを受けるのかもしれませんけれども、認識としてはそんな認識を持っているわけでございます。
○加藤(万)委員 確かに国債と縁故債とは違いますから……。私はこの論議は、経済問題に突っ込んでいきますれば時間がとても足りませんけれども、全体の動向として、金融事情がそういう状況下に総体としてはある、これだけは認められると思うのですよ。したがって、その際に縁故債の応募者利回りが少し高いから云々というだけでは処理できない条件というものを一方で配慮しながら、地方債の消化という問題に対処しなければいけないのではないかと思うのですよ。
 地方債に関しては、その消化の問題と同時に、これほど膨大な地方債の発行を地方団体に依拠せざるを得ない、あるいは依拠させているという国の政治に対して、私は率直に言って若干批判を持つものであります。私はここでこの消化が可能かどうか、年度末になってみなければ最終的にはわかりませんから、推定の域を出ませんので、質問を続けようとは思いませんが、大蔵省で各関係金融機関に要請をしている。具体的にはどういう要請をされているのですか。この点だけはしかと確かめておきたいと思うのです。
○柴田説明員 ちょっと長いのですが、読み上げさせていただいてよろしゅうございましょうか。
○加藤(万)委員 いや、要点だけでいいです。
○柴田説明員 要するに、結論的にはきわめて簡単でございまして、「その円滑な消化に格段の努力を払うことが望まれる。よって、貴傘下金融機関に対し、この旨周知徹底方よろしくお取り計らい願いたい。」ということで、全銀協と各金融機関の代表にあてて銀行局長名で通達を出したわけでございます。
○加藤(万)委員 私は大蔵省と各金融機関とが、その示達だけで消化が可能かということは、経験がありませんから追及はできませんけれども、率直に言って、消化に対する大蔵省側のよほどの協力体制、各出先機関における協力体制がなければ、地方財政は、せっかくの事業費をつけてもらっても、国費の面では仕事が進んでも、補助事業あるいは単独事業の面では行き詰まってしまうということも考えられますので、これは自治省サイドでもぜひきめの細かな御指導を地方団体にしていただきたい、こう思います。
 次に、給与改定財源で生じた余剰財源の問題について御質問をいたします。
 当初予算で給与改定財源は五千三百一億、五%財源措置を講じたわけですが、今度三・八四%に見まして余剰財源が千二百八十六億円ということですね。いまこの財源の使い方をめぐって、五百億円は地方のいままで積み残した、ないしは多少補修その他を加えての財源に使いなさい、あと残った七百八十六億円は償還財源、減債基金として積み立てなさいという矢野財政課長の内簡が出ているわけですが、いま地方団体では、この五十三年度の賃金問題をめぐって、人事院勧告を基準にしながら交渉が行われていると思いますが、どのくらい職員団体との間で、妥結といいましょうか、解決を見ていますか。――もしわからなければ都道府県段階で結構です。
○矢野説明員 正確に状況は把握いたしておりませんが、大方の府県は人事委員会の勧告が出ておりますので、すでに職員団体等との交渉を終わりました府県は恐らく半分以上にはなるのではなかろうかと考えております。
○加藤(万)委員 まだ約半数ですよ。地方団体は国家公務員と違って、それぞれ団体によって賃金のベースの差があるわけですから、千二百八十六億円がきっちり残るものだろうか。半分以上はこれからの交渉があるわけですね。市町村段階ではもっと多いと私は思うのですね。この段階いわゆる各地方団体の人事委員会の審議の段階、あるいはその後における、労使間という言葉は余りよろしくないかもしれませんが、職員団体との交渉状況から見て、まだ中途であるわけですね。その中途の段階でこの財源に対する内簡を出されたということは、それぞれの職員団体との交渉のあり方に対して一つの枠をはめることになりはしないか、こう思うのですね。
 これは民間団体と比較するのはどうかと思いますけれども、労働省がよく春闘の時期などには、一定の指向性、誘導政策というのをとるわけですが、それでもこれは民間団体ですから、労使間に任せればいいんだということで反論する側も相当強いわけですが、地方団体においても、それを縮小した形で問題が残っていると私は思うのですよ。それに対して内簡をもって財源配分を決めるということは、どうもその団体間の交渉を阻害するおそれがあると思うのですが、いかがでしょうか。
○森岡政府委員 地方財政計画上、給与関係経費については五%の先組みを給与改定分として計算したことは御承知のとおりでございます。人事院勧告は三・八四%という率でございましたので、その差額は、地方財政計画上は御指摘のように千二百八十億円という差額が出る。それにつきまして、自治省といたしましては、やはりこの時点におきましてそれについてどういう財政運営が望ましいかという指導をするのは私どもの責務であろうというふうに考えておるわけでございます。
 その場合に、一つは、やはりこの差額につきましては、地域住民の福祉の向上にぜひ充てていただきたい。それは同時にまた、現在の経済情勢から考えまして、雇用問題あるいは地域経済の振興問題、そういういろいろな問題を抱えておるわけでありますから、そういう観点からの重点的な財源の使用をお願いしたい。
 いま一つは、しばしば御指摘を受けておりますように、大変な財政構造の悪化を来しておるわけでございますので、中長期的に見まして財政健全化の努力を一歩でも二歩でもやっていただきたい。こういう二つの要請があるというふうに私どもは考えておるわけでございます。
 そのような観点から、一つには、大規模な修繕でありますとか、公共施設の改良でありますとか、そういう地方債の充当には乗らないけれども、単独事業として実施をして雇用も吸収をし、また地域経済の振興にも役立つ、そういうところに使っていただくのが望ましいのではないか。
 残余につきましては、これは中長期的に財政健全化を図りますために、繰り上げ償還を行いますとか、あるいは減債基金を設置するとか、そういうふうな形で財政構造の健全化に少しでも役立たせていただきたい。
 しかし、いずれにいたしましても地方財政計画上の一般財源についての措置でございますので、内簡でも明確にいたしておりますように、地方団体の自主的な判断に基づいて、そういう私どもの考えておりますような方向で措置されることを期待しておるという旨の内簡を出しておるわけでございます。
 給与の問題につきましては、これは申し上げるまでもないことでございますが、地方公務員法等に定めます給与決定原則に即しましてこれは当然決められるべきことでありまして、またその基本的なあり方といたしましては、やはり私どもは国家公務員に準じた給与というものが望ましいという気持ちを持っております。そういう意味合いで、種々勘案いたしました結果、現時点における財政運営の指導といたしましてこのような通達を出したというのが経緯でございます。
○加藤(万)委員 確かに自主的に地方団体ごとでこれをと書いてありますけれども、自治省側からそういう内簡が出ればそれに拘束される、ないしはそれを上回るということはほとんど不可能な状況ですね、実際問題としては。人事院勧告が出た場合にもやはりそのことは言われるわけでありまして、人事院勧告以上に――まあ多少のアローアンスはあるにいたしましても、大幅にということは、給与の改定についてはほとんど不可能に近いと思うのですよ。同じことが、今度の場合に千二百八十六億円財政計画に組んだけれども、国家公務員がこうであるからということも考えますと、結果的にはその財源の範囲内でということにならざるを得ないわけですね。恐らく内簡通知は、人事院勧告を基準にして財政計画の余剰財源の活用ということで出したわけでしょう。どうでしょう、人事院勧告を一つの基準にしながら地方の人事委員会は定めておるわけですが、五十三年度は五%の給与改定の財源措置を講じたわけですね。おおむね人事院勧告を財政計画上取り込む、こういうことで取り組んだわけですが、五十四年度については人事院勧告がなされた場合の財源の措置として財政計画をどのようにお立てになりますか、あるいはまたこの財政計画についていま大蔵省側とどういう折衝がなされておりますか。これは、できれば大臣に御答弁をいただきたいと思うのです。
○加藤国務大臣 地方財政計画におきまして給与の改定分五%を先組みいたしましたのは、国におきましてさような措置がとられますので、これと歩調を合わした、かようなことでございます。
 そこで、五十四年度の財政計画を策定するに当たりましても、国がどのような考え方で国家予算を編成するか、これとの関連において、今後よく連絡をとりながら対処していかなければならぬ、こういう基本の考えであります。
○加藤(万)委員 確かに国の五十四年度当初予算との関係というのは私は無視できないと思うのです。しかし、少なくとも自治省サイドとして、大蔵省側と折衝するその場、あるいは、大臣は閣僚でもございますから、恐らく五十四年度の予算計画についてそれぞれお話し合いがあると思うのです。その中で、自治省として給与改定財源としてどのように意見を述べられようとしていらっしゃるのか、この辺をひとつもう一度答弁をお願いしたいと思うのです。
○加藤国務大臣 御承知のとおり、昭和六十年度までの中期計画を策定いたし、その概略が確定いたしますのがことしの暮れということでございまして、国家予算もこれを基本にして考えていくべき性格のものでございまして、そこで、いま申しますように、自治省といたしましてはやはり国家予算との関連において物を考えていかなければならぬ、かようなことでございます。もとより自治省独自の考え方も出さなければならぬのでありますけれども、しかし、事給与に関してはやはり国家公務員と均衡のとれたものでなければならぬ、かような基本のたてまえがございますので、それを踏まえながら対処していくべきだ、こう考えます。
○加藤(万)委員 それでは、もし国家公務員の場合に人事院勧告の見込みが立たないような場合には財政措置を講じないわけですね。自治省の側では、もし国がそういう財政方針ならばそういう方向をとるというふうになりましょうか。やはり給与改定分は財政計画に組まないことになりましょうか。
○加藤国務大臣 来年夏に予定されます人事院の勧告はいまの時点におきましては予測すべくもないのでありますけれども、経済審議会等の帰趨を見ながら判断をいたすべきことではございますが、しかしある程度の給与改定が当然なされるという前提に立ちますならば、国におきましてもその処置をとるであろうことが予想されるのでありますから、さようなことをにらみながら地方財政計画を策定していくべきだ、こう考えます。
○加藤(万)委員 これ以上五十四年度の財政計画について、特に給与改定分について大臣の御答弁を求めても発展はないと思います。しかし、これはもう大臣御経験のありますように、給与改定財源が地方団体に対してどのような重みと運用上の問題を持っているか、もう御案内のとおりであります。さらにまた職員団体からいたしますならば、来年度における生活の向上を求める要求があること、これまた当然のことでございますし、またそれを求めて私どもは今日の国民総生産を上げているわけでありますから、大臣の立場からはそういうことを十分配慮をして、やはり自治省としてまたそこに働くすべての職員団体を代表するような形で閣議における発言と財政計画の取り組みをぜひとも要請をしておきたい、こう思うわけであります。
 さて、先ほどの余剰財源の五百億ですが、いま局長からは福祉関係、地域経済の関係、そういうものを見て、いままで地方団体で単独の中でできなかった事業に対する補助といいましょうか、仕事をやりなさい、こういうことでございます。この千二百八十億円、私ども即これを認めるというわけには率直に言ってまいりません、これからの賃金の引き上げの状況が地方団体によって異なる場合もあるわけですから。しかし、仮にいま財政計画上余剰財源としてこれが出たと想定をする場合には、私はこの使い方については相当配慮しなければならぬのではないか、こう思うのですよ。それは一つには今年度当初公共事業、特に地方団体が行う一般公共事業に対しては、たとえば今日の不況をとらえて雇用確保のために十分な配慮をしなさい、こういうことは次官通達で流されているわけですね。今度他の委員会に、政府側では通産から特定不況地域の指定の問題を含めて法案が出ておりますし、あるいは労働の側では雇用対策を含めて労働省サイドからもまた法案が出ているわけです。私は、自治省の側からも当然地方の不況地域に対する特別な法案とそれに対する財源の裏づけがあって当委員会にかけられるものというふうに期待をしておったわけです。しかし、残念ながら自治省サイドからは、この通産あるいは労働から出されるに対応するような法案、財源措置というものは提起をされなかった。しかし、不況地域、いわゆる特定不況地域を指定していくわけですから、しかも、先般の予算の可決の段階では各党間の折衝がありまして、この不況地域も拡大をする、こういう状況にあるわけですね。私はそれは単に民間企業の問題だけではないと思うのです。不況地域を指定いたしまして、そこに対する失業者対策あるいは一方で雇用の創出をやるとするならば、当然地方団体が相当の負担を背負わざるを得ないのではないか、あるいは時には地方団体がそこで雇用創出のための事業を起こしてそこに雇用を吸収するということも、不況地域指定の一つの方向として生まれてくるのではなかろうか、こう思うわけです。一体、いまの当初予算における公共事業関係の予算だけではこれを補完することにはならぬのではなかろうか。特に今度の場合は不況地域という形で、ある特定の地域が指定されるわけですから、その場合の地方団体における財源確保あるいは雇用創出のための事業をどうしてもその地域では起こす必要があるのではなかろうか。一体この面に対して自治省としてはどうお考えになっているのでしょうか。今度各委員会でいまの法案が通過した際における各地方団体の受けとめ、それに対する人的なものもありましょう、あるいは雇用創出事業もありましょう、そういうものに対して自治省としてはどういう対応策をとろうといたしておるのでしょうか、お聞きしたいと思うのです。
○森岡政府委員 特定不況地域を中心といたしまして地盤沈下を起こしております地域の経済の問題、これは大変深刻な状況であります。これにつきまして対策を考えます場合に、私どもは基本的に、単なる金融措置あるいは職業訓練というふうな個別の対策では不十分であると考えておる次第でございます。いま御指摘の中にもございましたように、雇用を吸収するような事業を起こすということも含めまして、全般的に地域の計画的、総合的な経済振興対策を立てていかなければならないという考え方に立って、そういう総合的な立法をやりたいということで関係各省と折衝を重ねてまいったわけでございますが、ただ、その間におきまして国と地方団体との関係をどうするかとか、あるいはこの総合計画をつくるということになるとかなり時間がかかるというふうなことで、急場の間に合わないのではないかというふうないろいろな各省間での問題点がございまして、時間的制約のためにこの臨時国会に総合立法を御提出して御審議を願うということが、率直に申して不可能になったわけでございます。
 私どもといたしましては、しかし、事は急を要するわけでありますので、私どもの持っております施策の範囲内でやれます総合的な対策はぜひやっていきたいということで、総合対策要綱を各県に早急につくっていただきまして、それに基づいて一つは地方債の弾力的な運用を図っていく、いま一つは中小企業の経営安定あるいは雇用安定、経済の構造改善というふうなことについての必要な財政需要について特別交付税等を有効に活用して、その地域の雇用問題、経済問題が的確に解決されるような手助けをしていきたい、こういう考え方でいまいろいろ取り組んでおる次第でございます。
 ことに、中小企業の方の御意見を伺いますと、もういまの段階では、金融も必要だけれども、その地域において仕事がなければ困るんだ。しかし公共事業だけでは、お話の中にもございましたように、地域の中小企業に本当におりていく事業にはなかなかならない。したがって、私どもは地方の単独事業、これはまあいろいろな種類のものが御承知のようにあるわけでございますが、それらをきめ細かにやっていくことによりまして地域の中小企業に十分仕事がおりていって、事業活動も活発になり、また雇用も解決されていく、こういうことをぜひ考えたい。そのようなことから地方単独事業は二千七百億円というかなり大きな規模のものを地方債資金で措置して実施したい。また、先ほど申しました五百億円につきましては、たとえばある県では橋梁の塗装を三年ごとにやるあるいは五年ごとにやるというのをことしに繰り上げて大規模にやってしまうというふうなことも考えておられますし、あるいはまた各種の公共施設の改良も、先に延ばしておったものをこの際やってしまおうというふうなことを考えておられるわけでございます。そういう万般にわたります単独事業を幅広くやることによりまして、地域の中小企業の対策に非常に大きな効果を上げ得るというふうに考えておるわけでございます。そのようなことから、先ほど来いろいろ御指摘がございましたが、地方単独事業につきまして大幅な増額を予定し、また千二百八十六億円のうち五百億円についてもそういうこともあわせて期待していきたいという考え方をとっておるわけでございます。
○加藤(万)委員 そうならば、幸いにしてといいましょうか、こういう財源があるわけですね、したがって、その千二百八十六億円を全額それに引き当てたらどうですか。私は、減債基金に積み立てするということにどうも合点がいかないわけですよ。当初の当委員会で審議の際にも、わが方は雇用創出事業に四千億程度地方団体に配賦をして、そして雇用創出を二十万前後行ってみてはどうかという提起をしたところなんです。今度の不況地域の問題は、御承知のようにたとえば佐世保だけじゃないのです、その周辺地域も含めてということになるわけです。御指摘ありましたように、中小企業の場合には、縦型のある産業だけではなくて、その周辺の状況としての不況問題が深刻なのですから、勢いそこには、地方の単独事業二千七百億ももちろんありますけれども、それに重ねていく財源の措置というものがなければ、率直に言って私はこれだけの不況と失業者のあるところを解決できないと思うのです。通産の法案を見ましてもあるいは労働省の法案を見ましても、あれは失業者対策です。雇用の創出になっていないのです。失業者が出た場合に九十日雇用保険を延ばすとか、そういう条件はありますけれども、それじゃその失業者をどう雇用として吸収するのかという財源の裏づけというのはきわめて少ない。たとえば雇用喚起のために多少全国的な調整をとろうとかなんとかいうものはありますけれども、しかしその地域で雇用の創出という形になりますと、通産省あるいは今度出ます不況地域特別措置法では救い切れない。結果的にはやはり地方団体がその面まで含めてめんどうを見るということにならざるを得ないと私は思っているのです。ですから、自治省側から、それを受けとめる、雇用を創出するという、今度はその側の法案がなかったことがきわめて残念でしようがないわけです。したがって、今日時間的にも総合的な計画を立てられないとおっしゃられるわけですから、それならばこの財源をその財源に振り当ててもよろしい、そういう財源の措置として各地方団体は行いなさいということで提起をしても、私は決して矛盾はしないと思うし、さきにある次官通達から見てもその方向をとられるべきではなかろうかと思うのですが、いかがでしょう。
○森岡政府委員 先ほど申しましたように、またお話の中にもございましたように、地域経済の落ち込みを救う基本的な担い手は地方団体であるということは私どもは全く同感でございます。ただ、その地方団体自身の財政が、御承知のように大変な状況になっておりますので、この千二百八十億円につきましては、一部は地域の振興、住民福祉の向上に積極的に充てるけれども、同時に残部につきましては、やはりこれだけ落ち込んでおる地方財政の実態を考えますと、このまま推移したのでは将来にわたって大きな禍根を残すことになりますので、たとえば一部は繰り上げ償還とか減債基金の積み立てというような形で財政構造の健全化に一歩でも二歩でも踏み出すということをぜひやっていただきたいという気持ちを持っておるわけでございまして、そういう観点から両面の指導を行ったということでございます。
○加藤(万)委員 その両面ということはわかりますが、今度減債基金に積み立てなさいという内簡通知の中に、先ほども御答弁がありましたように、地方団体の自主的判断という用語が五百億についてもありますが、この自主的判断の範疇にいま私が申し上げました不況地域の措置法に伴う財源措置を考慮してもよろしいということは言われますか。
○森岡政府委員 私どもは千二百八十億円の差額につきまして一応こういう考え方に立って指導しておるわけでございますが、まさしく自主的判断によって措置されるわけでありますので、その内容は私どもが予定しておりますものと若干変わってくることはあり得ると思います。御指摘のように、むしろ、現在の経済対策、雇用対策に重点を置いておやりになる結果、五百億円を上回るということは当然あり得るというふうに考えておる次第でございます。
○加藤(万)委員 私はできる限りそういう方向性をとってもらいたいと思うのです。でなければ、一方において不況地域の措置法が通過をいたしましても、実際問題として地方団体が、たとえば雇用対策室をつくるにいたしましても、あるいは総合計画に取りかかるにいたしましても、出てくるものだけを地方団体がもらい受けるだけで、それを処理するための、たとえば地域で言えば安定所に対するアプローチであるとかなんとかということができてこないと思うのですね。したがって、ぜひともそういうものを行政の誘導政策的な要素も含めて強めてもらいたい。いま御答弁がありましたように、多少その分に食い込んでもそれは考慮しましょうという御答弁ですから、それをできる限り拡大をするという方向で御指導いただきたい、こう思うのです。
 次に、特別減税に伴って地方交付税の問題ですが、これは新村議員からもわが党の態度については御説明があったかもしれませんが、私どもこういう財源措置をとって特別交付税で九百六十億円を措置することについては、もちろん異存のないところであります。問題は、来年度の地方交付税がいまの日本の経済の進行から見て落ち込む要素というのはいま考えられないかどうかということでございます。国税三税にそれぞれ交付税率を掛けて七兆四百億を財政計画ではとっているわけですけれども、現状から見てどうも経済成長は七%は困難だ、しかも一方で賃金も、当初九%ぐらいだろうと想定したやつが六・五、六%しか引き上がらない。こうなってくると、所得税の面でも大分減収分があるのではなかろうか、こういうふうな状況下に推定をされているわけですね。したがって私は、昭和五十三年度における地方交付税が当初計画の七兆四百億に到達するのだろうか、どうだろうか、相当の減収がこの面で起きる可能性が、これからの日本の経済の推移を見なければわかりませんけれども、想定される気がしてならないわけです。
 どうでしょうか、これは本来大蔵省でしょうけれども、自治省から見て、来年度の国税三税の徴収は計上した十六兆七千七百五十億に相当するぐらい可能性があるか、いまの推移から見て、たとえばことし九月なら九月現在で見て、昨年度の進行とことしとの対比、伸び率から見てどのように判断をされておりますか。
○森岡政府委員 地方交付税の算定基礎になります国税三税の予算計上額は、今回の補正減額後で十六兆四千七百五十億円でございます。国税三税の収入状況は、国税庁、大蔵省の資料によって見ますと、八月末累計の収入状況は所得税が前年同月比で一五・九%伸びております。酒税が一四・七%伸びております。しかし法人税が九七・六%ということでございますので、二・四%ばかり前年同月比よりも落ち込んでおる。ここのところが御懸念の一つになるわけでございます。三税全体では、したがって六・六%程度伸びておるわけでございます。問題は、今後の経済の推移あるいは企業収益の動向にかかわってまいるわけでございますので、率直に申して、現段階で神様のようにぴたりと当てることはなかなかむずかしいと思いますが、五十二年度の後半以降相当な景気対策を講じ、また今回の総合経済対策によりまして相当のGNPのかさ上げも政府としては予定いたしておるところでございますので、景気回復は順調に推移して、政府が予定しております七%程度の経済成長は全体として確保できるものと私どもは考えておる次第でございますので、現段階におきましては、国税三税もおおむね十六兆四千七百五十億円程度は確保できるものと強い期待を含めて考えておる次第でございます。
○加藤(万)委員 きのう西ドイツの首相が新聞記者にインタビューをしまして、日本の経済の成長は五ないし六%くらいで結構です――結構というよりも、そこまで行けば国際的には云々と、こういう新聞へのインタビューをされているわけですね。私は、総理との間で、七%はきわめてむずかしいのですよという話があったあの裏を見ますと、そういうことが推測をされるわけですよ。現に、本会議等におきましても、かつて西ドイツは五%を計画して二・五%じゃなかったか、わが国は七%と計画してそれが五・六%ぐらいなら、西ドイツに比較すればもう目的は達成したに等しいのです、こういう御答弁だったですね。いまおっしゃられるように、七%の成長というものに対しては、そういう総合的なものを見て率直に言ってむずかしい。民間投資が、当初の二十二兆円ですか、全然伸びておりませんよね。それから所得税が一五・九%伸びている、こう言いましたけれども、どうでしょうか。ことしの賃上げによって、消費の面での落ち込みは二兆円から三兆円くらい、二兆五千億くらい国民消費の面で落ち込んでおる、こう言われておるわけです。そういうことから判断して、私は、これから年度末の一時金その他を見て、この推移で所得税の伸びが見込まれるとは思われないわけです。五十三年度の国税についてはどうしても落ち込む可能性が非常に強い。これは私どもだけが言うのじゃなくて、最近の経済関係のリサーチなんかでもその数を挙げていますね。ですから、いまおっしゃったように、七%に対しては、期待としてはわかりますよ。しかし、財政を扱う者あるいは交付税によって地方団体が、ということを考える場合には期待では済まされないわけなんで、五十三年度は税収の面でどうしても落ち込む可能性が非常に強い、私はこう見ざるを得ないわけです。五十三年度は非常に減収になるのではないか、私はこう見ているのですが、その推移についてもう一度大臣の見解をお聞きしたいと思う。
○加藤国務大臣 けさも午前八時から経済月例報告閣僚会議がございまして、その席でも企画庁長官も発言をし、かつまた、総理の若干の発言もあったようなことでございますけれども、政府といたしましては七%程度の成長に確信を持っておる、しかし、もろもろの情勢を判断いたしますと、たとえば急速に輸出の鈍化が見られますことが結果としてはGNPを引っ張る大きな要素になることも考えられますし、また輸入も電気製品やあるいは機械関係、薬品等の意想外な増加も見られるのでありますから、為替関係には好ましい影響が生じてまいりましょうけれども、GNPに関しては非常に心配だ、かような発言もございました。が、しかし、去る九月二日に決定をいたしました総合経済対策を着実に実行してまいり、そして昨日成立いたしました補正予算もまたその一翼を担っておることは申すまでもないことでございまして、総合対策を強力に着実に推進することによって七%成長が可能である、かような基本の考え方はもとより崩れておらない、かように思うのであります。
 私も、先ほどお話がございましたシュミット首相の発言を記事で拝見をいたしておりますけれども、シュミットさんのおっしゃいましたのは、わが国経済の成長。パーセンテージのことではなしに、仮にそうではあっても、わが国の二倍を超える成長ですよ、すばらしいですなあ、この点にアクセントを置いた発言だ、かように理解をいたしておるのでありますけれども、しかし、その議論はともかくといたしまして、先ほど財政局長がお話をいたしましたように、所得税につきましても着実な伸びを示しておりますし、また酒税においてもそうでございます。ただ法人税の九七%台というのが非常に気がかりになる点でありまして、この点の落ち込みは現段階においては否むべくもないのでありますけれども、しかし内需の喚起に伴いまして企業活動も逐次旺盛になってきておる、かようなことでございますから、やがては予期いたしておりますところに復元をいたす、かような考え方あるいは見方を持っておるのでありますから、まず心配はない、かようなことであります。
○加藤(万)委員 大臣、予算委員会で大変論議がありましたように、日本の経済はもちろん内需の刺激、拡張によってGNPを伸ばすこと、もちろん要素があります。ただ、国債依存度が非常に高いですから――しかもきのうまたドル安でしょう。輸出が前年度比もう何%か減っておりますね。きのうは百八十何ぼですか、その為替レートでは輸出の伸長というのはなかなか困難だとぼくは見ているのです。
 それからいま一つ、民間企業の面ではいま物すごい構造転換をやっているわけです。それは、生産を拡大をするというのではなくて、生産構造そのものを変えて、たとえば従来の素材産業から高度な製品産業、付加価値性の高い製品構造に変えていくという方向になっているわけです。そうなってまいりますと、経済研究所あたりは、いろいろな総合的な要素を加えてみても、日本の経済の成長はどうも国が公共事業にてこ入れしても、あるいは今度の補正を加えても五・五%か、せいぜいいって六%というような見方が大方の見方なんですね。しかし、この論争をここでしょうとは実は思いません。そういう動きだということだけは大臣も経済閣僚会議へ出られるわけですから十分把握をして計画を立てていただきたい、こう思うのです。
 そこで、私は、どう見ても第二次補正を組む必要があるのではないか、二次補正を提起をする必要があるのではないか、こう思うのですが、この辺に対する話といいましょうか、あるいは論議というものが閣僚ないしは政府側ではなされてないのでしょうか。
○加藤国務大臣 予算案を審議願います段階で総理や閣僚の発言のニュアンスの若干の相違はあったと言いますけれども、しかし、いまの段階において第二次補正は考えるべきではない、かような基本の認識におきましてはほぼ共通しておったと思うのでありまして、私もまたその共通の認識に変わりがございません。
 そこで、先ほど申しましたように、九月二日の決定を今後着実に堅実に実施をいたしまして、そして予算補正外の弾力的に処置をいたしますいろいろの施策もございましょうから、さような施策の浸透状況を見守っていく現段階ではないであろうか、かような感じを持っております。
○加藤(万)委員 予算がきのう通過したばかりですから、いま直ちに第二次補正予算の問題を御答弁いただくのはなかなかむずかしい状況であることは私わかります。
 そこで、これは仮定の話になるわけですけれども、もし第二次補正予算を組まざるを得ないとした場合に、補正を組むというときには恐らく国税三税の収入見通しも落ち込むという前提を置かなくちゃならぬと五十二年度の経過から推察されるわけですが、どうでしょうか。もし二次補正で国税の落ち込みに対する処置をとられるとするならば、それは五十二年度に地方交付税の総額の特例に見られたような処置をおとりになろうとされるのか、あるいは五十五年度の当初予算の中で地方に対する交付税の是正を行われようとするのか、これはまた推定の話ですけれども、もしそういう状態が起きた場合にはどのような措置を選択されますか。
○森岡政府委員 私どもは先ほど申しましたように、現段階では国税三税の収入額は予算計上額を確保できるということを強く期待をしておりますが、仮に万々一御指摘のような事態が生じた場合にどうするのかということにつきましては、現在計上いたしております地方交付税の総額はどうしても確保いたさなければなりません。すでに普通交付税は配分決定いたしております。十二月には一部の特別交付税をもう配分するわけでございますから、交付税総額が落ち込むというような措置は絶対に回避する所存でございます。
 その具体的な方法についてどうするかということでございますが、昨年の五十二年度の第二次補正に伴います減額の回避措置につきましては、当委員会でいろいろ御意見のあったところは私ども十分承知をいたしておる次第でございます。そのときにまた統一見解も出しまして、御了承をいただいたものと考えておる次第でございますので、その経緯を踏まえまして、万々一そういう事態が生じました場合には適当な措置をぜひ講じて、交付税の減額という事態は絶対に生じないようにいたしたい、かように考えております。
○加藤(万)委員 五十三年度税収の減収が、仮にという前提の話でございますけれども、その場合の処置は二つあると思うのです。五十三年度の第二次補正を組んでどうするかという問題と、五十五年度にどうするかという問題が出てくると思うのですが、もし前者の方向をとられる、いわゆる五十二年度の税収落ち込みに対する処置を講じましたね、ここで覚書の問題で大変当委員会でも問題になりましたが、あのときにわが党の細谷委員からの質問の経過を踏まえて、最終的には当委員会で政務次官か発言をされましたですね。すなわち、あれは大蔵省と自治大臣との間の覚書のある部分、具体的には三項ですけれども、三項についてはこの委員会における次官のメモをもって解釈する、理解をする、こういうことで当委員会としては理解したわけですが、そういう処置になるというふうに理解してよろしいですか。
○森岡政府委員 具体的な措置をどうするかということは先の問題でございますので、私どもいま別に決めておるわけではございません。ただ、いま御指摘もあり、私も先ほど申しましたように、当委員会における大変強い御意見があったことは肝に銘じておりますので、それを十分念頭に置きまして適切な措置を講ずるという強い気持ちを持っております。
○加藤(万)委員 補正予算に伴うもの、それから特別減税分に伴うものは以上でおきまして、北海道の道議会における議員の兼職問題についてお聞きをしておきたいと思うのです。これはもう事務当局を通しまして大まかな内容については御説明してあります。時間の関係で省略をいたしますが、北海道の現議員であります寺崎政朝さん、大平秀雄さんが北海道の農業近代化コンサルタントの理事長、副理事長、これが地方自治法九十二条の二に該当するのではないか。したがって、議員としての資格決定について、道議会としては審査委員会を設けてこの処置について結論を出す、こういう内容であります。
 この九十二条の二というのは、たとえばこの場合に北海道農業近代化コンサルタントというのは財団法人ですが、道における請負金額、委託される事業金額の問題は後で質問しますが、財団法人という資格そのものはこの九十二条の二の対象になりますか。まずここをお聞きしたいと思うのです。
○柳沢(長)政府委員 九十二条の二には、財団法人であると営利法人であると、別に区別はしてございません。
○加藤(万)委員 この、いま申し上げました北海道農業近代化コンサルタントというのは道から大変な委託事業を受けているわけですね。五十年度で二億九千万、五十一年度で三億一千万、五十二年度では五億三千万何がし、それは道の農地開発部から随契で受けたり、五十二年度の場合には市町村からも多少受けているようですが、その総額はこの事業団体、コンサルタント財団法人の七〇%を超えている、こういうのでありますけれども、この場合には明らかに九十二条の二に該当する、したがって、この理事長である寺崎さんが議会の議員を兼務しているということは、九十二条の二違反ではないか、こういうように思うのですが、いかがでしょうか。
○柳沢(長)政府委員 九十二条の二の規定の解釈でございますが、これは三十二年に行政実例が御案内のとおり出ておりまして、法人の請負額が団体の全業務の五〇%を超える、こういう場合には明らかに法に抵触する、こういう行政実例が出ております。ただ、具体的に本件が九十二条の二に抵触するかどうかということになりますと、まさに具体的な個々の実情に基づいて判断しなければならない、こういうふうに考えております。
○加藤(万)委員 この九十二条の二に言っている主たる事業というのはどういうように解釈したらよろしゅうございますか。
○柳沢(長)政府委員 主たる事業というものは、ただいま申し上げましたとおり、法人の請負金額か当該法人の事業量の主要なる部分を占める、こういうことでございます。
○加藤(万)委員 先ほどの実例にありますように、五〇%以上、こう見ていいわけですね。私はこの問題事前に示してありますからお調べになったと思うのですけれども、この事業所がいわゆる収益事業として七〇%を超えている、これは事実でしょうか。
○中村説明員 お尋ねの件につきましては、道あるいは道議会の方からその関係の資料等を拝見させていただいておりますけれども、いろいろ計算の細部につきましては数字の違うようなところもございますけれども、一応概略的に見まして七〇%程度というふうにわれわれといたしましても承知をいたしておるわけでございます。
○加藤(万)委員 そして九十二条の二にあります主たる事業、同時に主たる役員を兼務してはならないということですが、この場合は理事長、副理事長ですね、この人が給料をもらっているかどうかは別にいたしまして、この理事長、副理事長がこの主たる役員に該当いたしますか。
○柳沢(長)政府委員 九十二条の二の規定の中で「これらに準ずべき者」という規定がございますが、理事長、副理事長はこれに該当すると思います。
○加藤(万)委員 そうなりますと、実は私は北海道道議会の議事録をいただきまして、議員の資格についての疑問と、北海道農業近代化コンサルタントがその対象団体であるかどうかがまず第一ですね、第二に、対象団体であるとするならば、その中の理事長、副理事長というのはその該当する役員になるのかならないのか。いま御答弁がありましたように、両方とも該当するわけですね。そうしますと、その理事長、副理事長をやっている人が議員であるという兼職は、議員というか、理事長の方が兼職なんでしょうけれども、明らかに九十二条の二違反になるんじゃないですか。いかがですか。
○柳沢(長)政府委員 御指摘のように、法人並びに資格の問題については該当しますが、もう一つ主たる業務の問題がございます。したがいまして、その法人が主として同一の行為をする法人に該当するかというところが非常に問題でございまして、これに対しましては、従来から、請負金額あるいは請負額が総事業量の主要なる部門を占めるという法人であるということになっておりますが、具体的にはどこまで請負額があれば主たる部分を占めるかということにつきましては、必ずしも明らかになっておりません。その点で従来の解釈としましては個々具体的な事実関係に基づいて判断するしかない、このようにやっております。
○加藤(万)委員 私が言ったことがそうだというふうに御答弁いただいたわけですが、主たる部分、七〇%道の仕事をやっていることは間違いないんですよ。御調査いただいた結果でも大体五〇%以上ということです。だとすれば、これに対する争いはないわけでしょう。いかがですか。事実関係を調べて云々、こうおっしゃいますけれども、主たる部分の事業、財団法人の七〇%は地方団体から受けているということですから、これに対する争いはないじゃないですか。いかがですか。
○柳沢(長)政府委員 いま行政課長から申し上げましたとおり、私の方でいただいている資料の中に七〇%という数字が出ておりますが、しかし、九十二条の二に抵触するかどうかという問題につきましては、事実関係が非常に重要でございます。そういう点で、この事実関係を明らかにしなければ、一応いまいただいている簡単な資料で七〇%以上あるからといって、直ちにその不十分な資料で抵触するということは申し上げられないと思います。
○加藤(万)委員 不十分な資料でということになれば、それではその不十分さを埋めてもらって当委員会で結論を得る、こういうことになるわけですね。私は、率直に言って、議員の資格に関する問題ですから軽々には答えが出せない課題ではあろうと思います。これは私どもにとってもまた同じことであります。しかし、道の議事録をずっと読んで見ますと、いまずっと申し上げましたことに対して最後の答弁は、道としては見解を述べる立場ではない、こう終始一貫しているわけです。一般論としての九十二条の二の解釈はこうなんですよ。しかし、事個々の問題になってくると、いま出ております寺崎さんなり何なりということになると、それは私どもが見解を述べる立場ではございません。となると結局、道議会でみずからが判断をするか、あるいはいろいろな御通知で指導されている自治省の担当に聞くか、これ以外はないわけですね。
 いま一度聞きますけれども、いまのそういう道議会の答弁を裏づけをするような意味も含めて、自治省のサイドとしてはいまの事態に対して、資格審査委員会を設けるという例は全国で初めてだそうですけれども、これをどのように見られて、これからこれをどう調査をされてどう進めようとされるか、聞いておきたいと思います。
○柳沢(長)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、九十二条の二に該当するかどうかということにつきましては、事実関係が非常に重要になります。そういう意味におきましては、事実関係については最も詳しく、またそれを知り得る道議会がこの問題について決定することが適当であろうかと思っております。
 なお、九十二条の二の問題について該当するかどうかを判断する者はだれかということでございますが、それにつきましては地方自治法の百二十七条におきまして、これは議会が決定する、こういうふうに明確に規定されております。そういう点で、地域の実情が一番よくわかり、しかも現在北海道議会におきましては資格審査の特別委員会を設けておる、そしてそこで審議が進められておるということでございますので、北海道の議会で自主的に適切な判断をされるということを自治省としては期待してまいりたい、かように考えております。
○加藤(万)委員 大臣、いまお聞きのとおりであります。九十二条の二というのは、議員の資格云々ということもさることながら、やはり地方団体で行われる議案が利益誘導になってはいけない、同時にまた利益誘導の立場の議員がその利益を受ける団体の役員になることはいけない、いわば政治の公平さを求めている、しかもその中における禁止条項だろうと私は思うのですね。したがって、本来企業と議員との間に癒着が強いとかなんとかということが特に地方団体から請け負う仕事の中での問題として出てくる場合には、やはり厳格にその規定を当てはめるべきではなかろうか、こう思うわけです。したがって、いまお聞きのとおりの経過でございますので、自治省としてもぜひともこの経過をよく調査をしていただいて、事実関係をしっかりと把握をしていただいて、そして事実関係に基づいて、道の農地開発部長あるいは総務部長が現地で答弁しているようですが、その答弁が、自治省の見解を見てもこうだということが答弁できるように、これからの道に対しての御指導と自治省側の調査をしていただきたい、こう思うのです。大臣の見解をお聞きして終わりたいと思います。
○加藤国務大臣 私も実は財団法人農業近代化コンサルタントの性格も承知をしておりませんし、また兼業禁止に関しまして道議会で特別委員会が設けられ、議会で審議がなされていることも実はよく承知をいたしておらないのであります。しかし、兼業禁止の精神はただいま御指摘のあったとおりであろうことは私もよく承知をいたしております。しかし、議員の身分に関しますことであり、個々具体的な事案によって対処していくべきが筋であろうと思いますし、また道議会で審査がなされておるのでありますけれども、自治省といたしましても十分な関心を持ち、また実態把握に努めてまいらなければならぬ、かように考えます。
○加藤(万)委員 終わります。
○木村委員長 午後二時より再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時五十分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二分開議
○木村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。和田一郎君。
○和田(一)委員 私は、法案の審議に入ります前に、答弁の方のお時間もありますので、地方財政に関連して三点ばかり先に質問したいと思います。
 最初に住民税のことなんですけれども、現在、住民税の標準世帯の課税最低限は百四十一万八千円。これは昭和五十二年度にこのようにして、五十三年度は全然手をつけられていない。毎年物価高騰に見合うだけのいわゆる住民税の減税をやってきた。では来年どうするかという問題なんですが、この点について税務当局の考え方を聞きたいと思います。また、大臣のお考えを聞きたいと思いますが、公共料金の値上げとともに相当物価が値上がりしておる。それから五十二年度、五十三年度、来年五十四年度でございます。いずれにしても多少の所得の増大がある。先ほどの御答弁では、所得税は相当伸びがあるというようなお答えをしていらっしゃいます。そのままこの百四十一万八千円を据え置きいたしますと、相当にまた住民に対する税金の増税という形になってくるのじゃないだろうか、こういうふうに感じるわけでございますけれども、まず、御答弁いただきたいと思います。
○土屋政府委員 ただいまお話がございましたように、課税最低限につきましては本年度も昨年と同じに据え置いておるわけでございます。お話にございましたように、生活水準なり物価その他いろいろ社会的な変動があるわけでございますが、それに対応していろいろ検討は加えておるわけでございますが、昨年からことしへかけましては、御承知のように財政的に非常に未曽有の苦しい中でもございましたし、その他のいろいろな水準等々あわせて考えてみますと、いまの百四十一万八千円で特に困るのだという数値も出てまいりませんでしたので、つらいことではあるが、これは据え置こうということでやったわけでございます。
 そこで、来年あたりになって所得水準がどの程度伸びますか、そこらのことは今後の問題になってまいりますか――来年というより、前年課税てございますから、本年度中の所得が昨年に比べてどの程度になるかということはいろいろございまして、その結果、仰せのように同じ形でいけば、所得が伸びることによって課税されるとかという境目あたりは変動ができるということもあるかと思います。
 ただ、従来からの考えのように、住民税の性格からの納税義務者がどうなっていくのか、特にまた地方財政の状況がどうなのか、そこらも非常に大きな要素でございますので、今後そういった要素がどういうふうに変化していくかということを考えながら私どもとしては検討せざるを得ないというふうに考えておる次第でございます。
○和田(一)委員 そうしますと、まだ決まってない、もう少し様子を見ていきたい。ということは減税の可能性もある、こういうことなんでしょうか。
○土屋政府委員 最終的に方針を決めておるわけではございません。これは基本的には大臣からお答えになる事柄だと存じますけれども、私どもとして、これは全然やらないという方針を決めておるわけではございません。ただ、いま申し上げましたようないろいろな変化が今後出てまいります。総体的な中で検討を加える。その段階になれば税財政全般の問題として税調その他でもいろいろ議論もあろうかと思います。そういうものを踏まえて最終結論は出すというつもりでおるわけでございます。
○和田(一)委員 とにかく地方財政の現状からかんがみて無理であろうというお考えもあろうと思いますけれども、しかしこれは住民税でございますし、いずれにしても野菜が上がっているとかそれから国鉄料金が上がるとか、とにかくもう公共料金がどんどん上がっているわけですね。ですから、せめても物価上昇分に値するほどの減税、そのぐらいのことを考えなければならぬじゃないか。地方財政の逼迫とはまた別な意味でやはり住民の生活を守っていかなければならぬ、私はこれは政治の大きな要諦だと思うのです。結論が出ていないとおっしゃいますけれども、局長さんとしてどちらに比重を置こうというお考えか。地方財政が逼迫しているのだから少しはがまんしてくれというような考え方なのか、その辺のところを、幾ら決まってない、決まってないとおっしゃったって、もう十月ですからね。もうすぐ十一月が来てしまいますよ。恐らくもうその計算ははじかれていると思うのですけれども、もう少し御答弁願います。
○土屋政府委員 それはいろいろと計数的には試算をしたりすることはございます。ただ私どもとしては、ここ数年来の地方財政の状況等から見てなかなか減税の余地がないということが基本的にはあるわけでございます。しかしながら、いま申し上げましたように全然決めておるわけではございません。おっしゃったような意見等もあるわけでございますから、そういったものを踏まえて総合的に検討したい、こういう気持ちでございます。
○和田(一)委員 じゃ大臣、どういうお考えか、それから大体いつごろ決めるのですか、お答え願いたい。
○加藤国務大臣 五十二年度から五十三年度にわたりましても、物価の上昇その他社会経済情勢の変化があったことは事実でございますし、また五十三年かち四年度にわたりましても相当の変化があることは、ただいま御指摘のとおりでございます。しかし、今日の地方財政は御承知のとおりのことでございまして、五十三年度据え置きましたのは、やはり地方財政の逼迫、これが大きな原因であったと理解をいたしております。
 そこで、五十四年度の地方財政の状況でございますけれども、午前中財政収支試算のことに若干触れたのでありますが、私は本年度よりもさらに厳しい地方財政の状況と、かような認識を持っておるのでございますから、それを踏まえずしてはなかなか減税の議論は前に進まないと思うのでありまして、したがって自治省といたしましても、きわめて慎重に対処いたしておりますが、しかし、税制調査会などの御意見も聞かなければならぬことは申すまでもないところでございまして、さような取り運びをいたしながら慎重に対処してまいりたい、かように考えます。
 そして、いつ決定するのか、かようなことでございますが、税制調査会が結論を出しますのもいつも年が押し迫っての時期でございますのと、また、政府といたしましては、政党との意見調整等もございまして、これも例年の例によりますと、やはり予算編成完了にぎりぎり迫りました時期でございまして、最終決定をなしますのも例年に変わらない、さような時期ではないであろうか、かように判断しております。
○和田(一)委員 課税最低限が百四十一万八千円、これはいろいろな控除があると思いますけれども、大体月収十四、五万の家庭じゃないかと思うのですけれどもね。いわゆるボーダーラインといいますか、確かに地方財政は逼迫はしておりますけれども、しかし、そのような生活の逼迫しているところの家庭まで、税金をやはりおまえたちも地方財政のためにやれというような形で据え置いた方がいいのかどうか、これはひとつ大臣としてもお考えを願いたいと思うのです。税調の方の意見も恐らくそうかもわかりませんけれども、低所得者ということに対しては、やはり地方自治でございますから、そういったようなところをよくお含みいただいて、ただいま御答弁を保留されましたけれども、いわゆる減税もあり得るという、そういう方向にぜひお持ち願いたいということをお願いしたいと思います。その点についてひとつお願いします。
○加藤国務大臣 くどいようになりますが、今日の地方財政の状況は御承知のとおりでございまして、長期的にはやはり税負担の増加を求めざるを得ない情勢でありますことの御理解もいただきたいと思うのでございますが、しかし、そうは言いますものの、また物価の変動等もあることでございますから、さようなことを彼此勘案して結論を出してまいりたい、かように思います。
○和田(一)委員 次に移りますが、特定不況地域振興総合対策のことにつきまして、自治省は、構造不況産業の救済策やまたは雇用安定化など、地域経済の振興総合対策の立法化を検討されていたと聞いております。しかし、今臨時国会への提出を断念された。当面立法措置によらない特定不況地域の振興総合対策を進めるとのことのようでございますけれども、立法化も断念し行政措置を進める、そうなった理由はどういう理由であるかということをひとつお答え願いたいと思います。
○久世説明員 ただいまの御指摘の点でございますが、自治省といたしましても、地方団体によりまして地域の振興と住民の福祉の向上を図るために、総合的、計画的な施策を臨時国会に提案しようと思いまして準備をいたしておりました。しかしながら、何分地域の総合対策でございますので、私どもは、地域の振興計画を立てて、いろいろな地域における事業というものを盛り込んだ計画のもとに施策を遂行しようとしたわけでございますが、これが各省との関係でいろいろ問題がございまして、また時間的な制約もございますので、断念をいたした次第でございます。
○和田(一)委員 各省との折り合いということについて、もう少し詳しく……。
○久世説明員 たとえば、この計画の中には、公共事業の実施、あるいは公共事業に限らず、単独事業、補修事業も含むような事業、あるいはまた中小企業施策、雇用施策、そういうふうに総合的な施策を地方団体が計画の中に盛り込んで、そしてこれを税財政上の裏づけのもとに実施をしようと考えていたわけでございますが、私どもは、地方団体が総合的な政策をやるという意味においてまとまったものであるというふうに考えていたわけでございますが、各省から見れば、それはそれぞれの各省の政策だというようなことで、国と地方団体との関係についてなかなか折り合いがつきませんで、一応断念をした次第でございます。
○和田(一)委員 行政措置による特定不況地域振興総合対策、このようにこれからやるとおっしゃっておりますけれども、具体的な内容というのはどういうことになっているのですか。
○久世説明員 ただいま申し上げましたように、法案で一応実施をしようと考えていたわけでございますが、そういう総合的な施策のうち、できれば、たとえば公共事業なり単独事業なりの実施あるいは地域でできるようなことを一応対策要綱というようなものにまとめまして、そしてそれを実施をすることを私どもとして指導してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
 なお、できる限りの税財政上の措置というものを考えたいと考えております。
○和田(一)委員 どうも具体的なことに対してはわかりかねるのですけれども、これは法案の資料をいただいているのですが、九月の十八日にお出しになった「総合対策の実施について」というこの中には、一応公共事業の優先配分であるとか、地方単独事業の実施であるとか、大規模維持補修事業の実施、こういうふうに書いてありますね。これをいわゆる行政指導、そういう形でやろうと、こういうことですか。
○久世説明員 御指摘の内容を行政措置でやりたいと考えております。
○和田(一)委員 今国会は断念されましても、今後やはり各省庁と話し合ってやっていくというおつもりがあるのかどうか。
○久世説明員 御指摘の点でございますが、私どもといたしましては、一応今度の通産、労働の法案の中にも、国と地方団体とが一体となってという根拠規定もございますので、その面におきましては関係各省と協力して実施をしてまいりたいと思います。
 なお、自治省の独自の施策といたしましても、ただいま申し上げましたような要綱による措置を、これは強力に援助をしてまいりたいと思います。そういう推移を見ながら次の通常国会までに対策というものを考えてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○和田(一)委員 では、通産省から出した法案の中の第十一条、いわゆるその「関係地方公共団体は、国の施策と相まつて、中小企業の経営の安定その他の特定不況地域における経済の安定を図るための施策を総合的に実施するよう努めなければならない。」この文面があるから自治省はよろしいということになったのですか。
○久世説明員 ただいま御指摘のございました十一条でございますが、これは私どもといたしましても、国、地方団体を通ずる施策として最終的に調整上入った条文でございまして、これが一応私どもの施策の根拠と考えておるわけでございます。しかし、先ほども申し上げましたように、別に単独施策としても私どもの地域を指定して実施をしたいと考えておりますので、そういう両々相まって、全体として特定不況地域の振興というものを図ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○和田(一)委員 では、この問題について大臣から決意のほどを、お考えのほどをひとつお願いします。
○加藤国務大臣 本来なら自治省の単独立法をもいたしたい、こういう考え方でございましたが、先ほど審議官から説明がございましたように、総合的な計画を立てていかなければ、不況克服も、また地域の産業振興も、また生活の安定もあり得ないという私どもの基本の考え方が十分に各省庁に理解願える時間的な余裕がなかったことと、それから、私どもは、世上言われておりますようなあるいは通産、労働両省が考えておりますような地域よりもさらに類似の相当の地域があるではないか、かようなことで、なるべく広く措置をいたしたい、かような考え方が必ずしも消化できないままに臨時国会を迎えてしまったというようないきさつが実は背後にはあるわけでございまして、そこで都道府県に指示をいたしまして、第十一条に根拠を置いた総合的な振興計画に近いようなそういう考え方の、幅の広い計画を都道府県でつくって市町村を指導していただこう、こういう根本の考え方でございます。その中には、もとより公共事業の傾斜配分でありますとか、あるいは単独事業の幅広い実施でありますとか、中小企業安定対策でありますとか、雇用対策なども含まれなければならぬことは当然でありますが、さらに、たとえば業種の転換でありますとか、企業の誘致でありますとか、さような幅広い処置をとり得ますような総合的な計画を樹立願おう、こういう根本の考え方でございます。
 そこで、それなら通常国会にそういう考え方の法案を出すのかどうか、かような先ほどの御質問でございましたが、今回の私どものとってまいります処置やその成果等を見きわめながら通常国会に対処していかなければならぬ、こういう考え方を持っております。
○和田(一)委員 それでは、よく見ながら通常国会に出す可能性も大いにある、こういうことでよろしいですね。
 続けますが、それではその問題は終わりまして、厚生省の方がほかの委員会に呼ばれているとおっしゃっていますから、先に国民健康保険についてお聞きいたします。
 国民健康保険、これは、医療費の改定であるとか、または被保険者のいわゆる低所得者層が多いという点、それから老人医療をほとんど国民健康保険で賄っているという点、そういうことから考えまして、年々保険税または保険料が確実に上がっております。もう一つは、各地方団体の一般財源から出ているということでこれは大きな問題でございますし、それから、特に全国の市長会または町村会もこの点の改善については懸命に叫んでおりますけれども、前回の国会で私が質問いたしまして、老人医療を別建てにするという方向が一応出されておりますけれども、その老人医療の別建て、または健康保険の改正の考え方がどの辺まで来ているか、そのことをまず厚生省の方から説明願いたいと思います。
○仲村説明員 お答えいたします。
 老人の医療問題というのは、いま御指摘ございましたように非常に大きな問題でございますし、今後日本の老人人口がどんどん老齢化していくという問題が目に見えておるわけでございまして、そういう問題について抜本的に考えるべきではないかということから、五十一年二月に厚生大臣の私的諮問機関といたしまして老人保健医療問題懇談会という会を設置いたしまして、その意見書が昨年の十月に提出されました。
 これによりまして、私ども国保財政の圧迫の問題もさることながら、今後老人の保健あるいは医療の問題にどう対処していくかということで、老人保健医療制度というのを新しく考えたらどうかということにしたわけでございます。昨年十二月から老人保健医療制度準備室というのを省内に設けまして、現在この意見書をもとにいたしまして具体的に検討を進めておりますが、ただいままでのところ、まだ成案を見るに至っておらないというのが状況でございます。
○和田(一)委員 いろいろな専門の新聞に一応の案が出ているというようなことが書いてあるのですけれども、たとえば個人に負担をしてもらうとか、または市町村にこれだけ負担をしてもらうというような一応の案を発表されておったように私はいままで見たことがあるのですけれども、いま課長さんがおっしゃったように、まるっきりこれはできていないのですか。
○仲村説明員 老人保健医療問題懇談会の意見書には、いままで老人の保健対策、医療対策というのはどうやら医療に多少偏重しておったのではないかという御意見でございますとか、あるいは費用負担が、いまおっしゃいましたように、国民健康保険等を含めまして公平ではない部分があるのではないか、あるいは医療資源を効率的に活用する観点から、さらに包括的な制度を考えるべきではないかという御意見が出されております。
 そういう意見にのっとりまして、私ども、老人については医療保険と切り離して別の制度とするという前提、あるいはいま問題となりました保健サービス、ヘルスサービスでございますが、保健サービスと医療費保障を、総合的と申しますか、包括的に実施するような制度にしたらどうか。そういうふうにする際の財源につきましては、懇談会の意見書にも盛られておりますけれども、国、地方公共団体のほかに、住民の拠出金でございますとか事業主の拠出金とかいうことを考えるべきではないかという御意見が出ておりましたので、そういうふうな案に沿いまして現在検討を進めておりますが、具体的に国の負担が何%とかいうことはまだ成案を見ておらないということでございます。
○和田(一)委員 それでは質問を二つばかり一緒にします。
 それでは、大体いつごろ成案ができて国民健康保険の方から切り離すことができるのかということ、この点の見通しをひとつ。
 それからもう一つは、現在国保の三万九千円以上の高額医療費の制度がございます。これは国保団体がいわゆるかぶってしまうということで、これはまた大変な財政逼迫にもなるわけです。最近の医療費の高騰ですから、すぐ三万九千円以上になってしまうわけです。ところが、それはもう全額国庫負担というのが大体の考え方ではなかったかと思うのですが、現状はどうかということです。
○仲村説明員 第一点の見通しの点でございますが、厚生大臣はできるだけ早い時期、五十四年秋ごろということを国会でもおっしゃったことがございますが、現在まだ成案を得ておりませんので、早急に得次第関係審議会に諮問するということの方針で進んでおります。
 それから第二点につきましては、国民健康保険課長がおいでになっておりますので、そちらの方から答弁願います。
○黒木説明員 お答えいたします。
 高額療養費につきまして全額負担せよ、こういう御意見かと思いますが、先生御承知のように、高額療養費の制度、あるいは先ほど御議論になりました老人医療の無料化の制度、これが四十八年度に出発いたしまして、その後この両制度の費用が大変国保の財政の逼迫の原因になっているというのは御指摘のとおりかと思います。
 したがいまして、私どもとしてはこの国保財政にしわ寄せされております両制度について費用面で緩和したいということで、臨時財政調整交付金というものを予算に計上いたしまして、これで措置をしてきておるわけでございまして、本年度では一千百二十一億円という金額を計上しているわけでございます。
 しかし、この考え方は、その高額療養費の費用の二分の一を基準として市町村に配分するということにいたしておりまして、これはほかの医療費につきましても全額の費用を国の方で見るということはなかなかとり得ないところでございまして、私どもとしては要した費用の二分の一程度を物差しにして配分いたしたいと思っておりますけれども、なかなかその配分が満額いかないということで御不満もあられるようでございますけれども、千百二十一億円という臨時財政調整交付金をきめ細かく困った市町村に配分することによりまして、国保財政の健全化、事業の円滑化に資したいということで努力をいたしたいと思っているわけでございます。
○和田(一)委員 二分の一というお話だけれども、現在は二分の一のそのまた七五%という金しか渡ってない、これは大変なことですよ。ですから、この臨時財政調整交付金も、二分の一なら二分の一ちゃんと出せるように――大体国民健康保険課長さんが後ろに引っ込んでいるからいけないんですよ。前へ出てこなければ……。
 そういうことで、成案ができたらまた国会へよく説明をしてもらいたいと思います。
 同じ国保の問題ですが、ちょっと自治省に聞いておきたいのですけれども、いままでの御答弁でもおわかりのように、国民健康保険は相当逼迫しておる。それで各市町村からもそれぞれの一般会計からの繰入金をやっている。これはすごい繰入金をやっているんですよ。多いところなんかは、一世帯当たり千六百円も一般会計から繰り入れしている、そういうところもあるわけです。都道府県の方も幾らか出してくれているところもあるのですけれども、これはばらばらなんです。一銭も出していないところもあれば、うんと出しているところもある。これは都道府県は関係ないかもわからないけれども、東京都なんかはすごく出しています。一世帯当たり東京都で六千五百三十六円出している。岩手県なんかは一世帯当たり一円しか出してない。そういうことでございまして、都道府県の方は少し出してもらえないですか、これはお考えはどうでしょう。
○森岡政府委員 国保会計に対します県及び市町村の一般会計からの支出は、御指摘のように大変な金額になっております。五十一年度で見ますと、県が全国で三百八十一億円、それから市町村の一般会計その他からの繰り入れが六百二十三億円ですから、合わせますと約一千億円でございます。そのうち、国保会計のいわゆる財源補てん、赤字補てんというふうな観点から出しておりますのがその九割、九百億円でございますから、一般会計の大変な負担になっておるということはもう御指摘のとおりでございます。県が市町村の行っております国民健康保険事業に援助するかどうかということは、これは制度的には別に決まっておる問題ではございません。都道府県の自主的な判断によりまして、やっておるところとやってないところとあるわけでございますが、ただ一面言い得ますことは、県の支出金が多いところは相対的に国民健康保険料なり保険税の負担水準はきわめて低いという問題が一つございます。負担水準が低ければいいじゃないかという御議論もあるかもしれませんが、それが余りに低過ぎて一般会計からなり県の援助が大きいということは、これは国保会計のあり方からいって問題があるのだろう。ですから、その辺のところは保険料なり保険税の負担水準というものを適正なものにするということはやはり考えていただかなければいけません。その上で県がその地域の実態に応じて援助するかどうかということが判断されてしかるべきだろうと思っておる次第でございます。
○和田(一)委員 お言葉を返すようですけれども、一世帯当たりの多いところで、たとえば北海道なんか一世帯当たりの保険税が市の平均で五万二千九百六十三円、町村の平均で六万三千九百七十六円、ところが、道の方は一つも出していただいてない、こういうことなんですから、逆の形になっているのです。東京都は出していますよ。東京都はうんと出しているから安いということは言えますけれども、こんなにたくさん一世帯が負担しているところですらも、市町村は一生懸命一般会計から出しているけれども都道府県は出していただいていない、同じ県民なんだから、こういうのはもう少し考えてもらえないですか。
○森岡政府委員 現在の地方財政法のたてまえから言いますと、県は国保会計に支出するということはしないというたてまえになっておるわけです。しかし、現実問題といたしまして、県によりましてある程度の援助をしておるところと、それから、していないところがあるというのか実態でございます。東京都の例がございましたが、東京都が出しておりますのは特別区分でございまして、特別区以外の市町村には別に出しておりません。これは都区財政調整というような問題の一環として出しておるという面があるわけでございます。しかし、一般論として申しますと、やはり繰り出しなりあるいは援助の大きいところは負担水準というのは相対的には低いというのは、これはやはり言えるのじゃないか、例外はもちろんございますけれども。ですから、それは出すことがいかぬと私は申し上げているわけではございませんが、その結果負担水準が他の市町村の国保と比べて余りにバランスを失するということはいかがであろうか、こういう感じを持っている次第でございます。
○和田(一)委員 その点については、ひとつまた今後検討してみてください。市町村としても大変ですから……。
 次に、交付税の方の質問に入ります。
 これはまず大蔵省の方に聞きたいのですけれども、いわゆる経済成長率の問題ですね、七%云々、これは予算委員会でも福田総理がお答えになっていらしゃいますけれども、これはいろいろな調査を見ても、またいろんな評論を見ても七%は無理であろうと言われております。午前中の御答弁では信じているというようなこともございましたけれども、大蔵省の方から、まず経済成長率の七%が前提となって交付税が算定されていると思いますけれども、その見通しについてお願いいたします。
○矢澤説明員 五十三年度の税収の見通しにつきましては、いま判明しておりますのは八月末までの税収でございます。したがいまして、あと九カ月、これは全くわからない状態でございますので、現段階におきまして五十三年度の税収がどうなるかということは確たる見通しを持つに至っておりません。ただ、当初の経済見通しとそれから今回の総合経済対策後の経済見通しの関係を考えますと、成長率はいずれも同じでございますので、その限りでマクロの計算になる基礎は変わっていないということでございます。
○和田(一)委員 そうしますと、交付税の算定には支障がないというお考えでしょうか。
○矢澤説明員 マクロの計算で見た限りにはその大きな変化はないと思いますが、何分にも税収というのは水ものでございますので、五十三年度を通じたその見通しがどうなるかということをいまの段階で確たることを申し上げる状況ではないということを申し上げた次第でございます。
○和田(一)委員 いまの大蔵省の御答弁を伺いまして、今度交付税の問題でございますが、もしいまおっしゃいましたように、水ものだからどうなるかわからぬ、大体マスコミの報道等は、そのどうなるかわからぬ方にとっているわけでございますから、もし七%成長が不可能で当然国税三税の落ち込みがあった場合に総額確保はできない、その際は今回のような措置をもう一度おとりになるお考えかどうか、それをお答え願いたいと思います。
○森岡政府委員 午前中にも申し上げましたように、確かにいま主税局の方から御説明がありましたように、税収の見通しについては不確定な要素がございますが、現段階で私どもは国税三税の予算計上額は確保されるものと、強く期待をいたしておる次第でございます。
 そこで、万々一落ち込んだ場合にどうするのかということでございますが、八月に普通交付税をすでに配分してしまっております、十二月には特別交付税の一部を配分しなければならぬわけであります。その後に万々一そういうことがあった場合には、既定の地方交付税を減額する、減らしてしまうことはできないことでございますので、私どもといたしましてはその減額を回避するために適切な万全の措置を講じたい、かように思っておる次第でございます。
○和田(一)委員 適切な万全の措置というのは、どういうことになるのか。
○森岡政府委員 具体的な措置につきましては、事柄がまだ先のことでございますので、私どもとして別にこうだと決めておるわけではございません。仮に予算減額が行われますれば、その場合には今回のように資金運用部資金から借り入れまして交付税の減額を食いとめるという措置も考えられるでありましょう。あるいはまた、そのほかの知恵も出てくるかもしれません。その辺のところはもう少し事態の推移を見守りながら検討してまいりたいと思います。
○和田(一)委員 午前中もお答えがありましたけれども、もう一度お聞きしておきたいと思いますが、五十四年度の地方財政においていわゆる不足額は大体どのくらい見込まれるのか。
○森岡政府委員 歳入歳出両面にわたりまして現段階では非常に不確定でございます。まず歳入面につきましては、地方独立税収入がどういうことになるのかということは、経済の情勢あるいは企業収益の動向にもかなりかかわってまいりますし、さらに地方税制をどうするのかという問題もございます。私ども財政を担当いたしております者といたしましては、経済情勢もいろいろ配慮しなければいかぬと思いますけれども、やはり何らかの形で租税負担の増加を求めていただいて財政収入の確保を図るということをぜひお願いしたいという気持ちを持っているわけでございます。しかし、その辺のところはまだ固まらないわけでございます。同様に国税三税の動向がどうなるかということにつきましても不明確でございます。
 一方、歳出につきましては、人件費は低成長あるいはベア率の低下によりましてそれほど大きな伸びはないのではないかと、現段階では私どもは考えております。しかし、一般経常経費につきましては、福祉政策をどうするかというふうな方針にもかかわってまいります。さらに、一番大きな問題は、公共事業あるいは単独事業という公共投資をどういうふうな規模で考えていくのかという問題がございます。これはまさしく今回の総合経済対策でとりました景気浮揚策がどういう効果をあらわし、その結果、日本経済かどういうふうに推移していくのかということを見定めた上で決めなければならぬわけでありますから、それやこれや考え合わせますと、不確定要素がいっぱいでございまして、とても現段階で財源の状況を見通すわけにはまいりません。
 ただ、大臣からもお答え申し上げましたように、先般の地方財政収支試算で見ますると、仮に税制改正、増税を全くしないということでありますと、明年度は四兆三千億円程度の財源不足が生ずるだろうという資料はすでにお出ししておるわけでございます。その各項目につきまして、先ほど来申してまいりましたような変化の要素はもちろんあるわけでございますが、しかし、ことしの三兆五百億円の財源不足というのが一御承知の来年五月分の国税の取り込み、前倒しによりまして、二兆円前倒ししておりますが、そのうち六千億円程度が交付税、譲与税の増になっておりますので、その分は来年度はないわけでありますから、それやこれや考えますと、ことしよりも厳しい財源不足にならざるを得ないのではないかという懸念を持っておるわけでございます。
○和田(一)委員 地方財政収支試算のケースIの四兆三千億、来年度の要調整額。ことしは三兆五百億、これは交付税と地方債という形で分けましたね。もしこの計算どおりいったとすると、来年は交付税と地方債の割合はどのぐらいのことを考えていますか。
○森岡政府委員 本年度の財源対策といたしましては、三兆五百億円という財源不足が生じました。それに対応いたしますために、公共事業の地方負担については九五%までいわゆる建設地方債を発行いたしまして、それでもって財源を確保する、その金額は一兆三千五百億円ぐらい。そのほかに、臨時特例交付金というものを含めまして地方交付税の借り入れによる増額を行ったわけでございます。明年度の財政なり予算編成がどうなるかということは、先ほど申しましたように、まだ非常に不分明でございますけれども、仮にまた相当程度の公共投資を引き続き実施していかなければならないということになりますと、よほど地方税なり地方交付税の制度改正を含めました増加がない限り、公共事業の地方負担については同じような程度の地方債の充当をしていかなければならぬのじゃないかという考え方を私どもは持っております。したがいまして、その上で一体交付税として措置する金額がどうなっていくかということが決まるわけでございますので、いま一時的に二分の一だとかあるいは三分の一だとかいう計算はできないというのが現状でございます。
○和田(一)委員 不確定要素ですからわからないと思いますが、相当量の地方債の方の依存が出てくると私は思うのでございますけれども……。
 もう一つ、今回の補正予算につきまして、地方財政に対しては公共事業の裏負担分として三千二百三十四億、それから一般単独事業として二千七百億、合わせて五千九百三十四億。それから、あと五百億というのは、地方の余剰財源といいますか、取っておった財源を使うということで、約六千億程度の地方債が余分にまた増発される、そういう形になっていますね。このような地方負担の大きな補正予算、これに対して大臣はどうお考えになっていらっしゃいますか。国全体のことだったら大体わかるのですけれども、今回の補正予算に関しましてもほとんどを地方がかぶっている。しかも約六千億ばかりが地方債である、借金財制に頼っている、この考え方について大臣のお考えをまずお聞きしたいと思うのです。
○加藤国務大臣 御指摘がございましたように、公共事業の地方負担分といたしまして三千二百三十四億の地方負担がございますが、今日の地方債の発行状況から考えまして、政府でも強い処置をとらなければならない、こういう考え方のもとに、八〇%の政府資金を充当いたす、かような処置をとったことは御承知のとおりでございます。
 それから単独事業分の二千七百億円につきましては、いままでは例のなかったことでございますけれども、公営企業金融公庫がその一部を引き受ける、かような処置もとってまいりました。相当の額ではございますけれども、私は、政府資金の重点的な配分その他の処置をとることによりましてどうにか消化ができまして、そして事業も順調に進み得るのではないか、かような判断をいたしております。
○和田(一)委員 お答えのようでございますけれども、これは公共事業の増大、そして地方債の増大――増大ところか激増でございまして、これは現債高を見ましても、五十三年度は、見込みですけれども、三十四兆から三十五兆円になるという、これは不況対策だからやむを得ないという面があるかもわかりませんけれども、借金財政、これに対して一体どうかという問題、もう一つは、午前中も議論がありましたけれども、いわゆる公共事業の消化不良の問題、このことについて概括的にひとつお答え願いたい、大臣。
○加藤国務大臣 地方財政の健全な姿を維持してまいる観点からいたしますと、公債依存度が高くなることは非常に困ることでございまして、できるだけそうではないような姿にしていきますことが理想でございます。が、しかし、今日の国地方を通じましての財政状況下におきましてはやむを得ない処置ではないであろうか、かような判断をいたしておりますが、しかし今後とも公債依存度を高めないような各種の努力がぜひ必要だ、かように考えております。
 それからいま一点、公共事業の消化不良の点は、今回の補正の場合を見てみましても、各省におきまして地方からの要求のございましたものを積算して計上をいたす、かような処置でございましたので、まず消化ができるとは見ておりますけれども、しかし、都道府県は能力の点で市町村と比較をいたしますと格段に強うございますので、まず心配はないと思いますが、問題はやはり市町村でございます。ことに町村におきましては、技術者の点からいたしましても、設計能力の点からいたしましても非常に弱いものですから、資金的には政府資金をたっぷり回しますような処置をとりながらも、また設計も都道府県が協力をいたしますとか、あるいは外注可能なものは外部に出しますとか、技術指導等も県あるいは県の団体、協会等が指導いたす、かような処置をとってまいりまして、大変に苦労はしておりますけれども、私はどうにか消化は可能である、こういう見方をしております。
○和田(一)委員 前段の方の大臣の答弁の、公債依存度を少なくしていきたい、こういうあれがありました。どういう方法で実際やっていくかということです。
○加藤国務大臣 最終的にはやはり地方税負担の増加を求めざるを得ないのでありますけれども、しかし、国からの処置もできるだけのことをいたしてまいらなければならないことは申すまでもございません。ですから、私どもは公共事業等につきまして補助率の引き上げあるいは対象の拡大、かようなことを絶えず各省庁に要求いたしてま
 いっておりますので、そういうエクスバンドを広めてまいりますと同時に、また最終的にはやはり税負担の増加なくしては公債依存度の低下はなかなか困難だ、かような判断でございますが、しかし現況下において地方税の増徴等は言うべくしてなかなか困難なことでございますから、勢い公債に依存せざるを得ない、これが現況であろうと思っております。
○和田(一)委員 地方税の増収、まあ税の増収というようなことを大体考えていらっしゃるようでございますけれども、一般消費税が大臣の頭の中にあるのかどうかそれはわかりませんけれども、いままで議会等で、特にこの委員会等で地方税のいわゆる外形課税の問題、ずいぶん出ておりますね。そういう点について、じゃ導入しようというお考えがあるのかどうか、そういうことで公債依存度を少なくしていこうという考えなのか、その点について。
○加藤国務大臣 事業税の外形標準課税導入問題は、知事会などからも非常に強い要望もあるのでありますけれども、しかし国税の段階で一般消費税の議論がなされつつあるわけでございますから、仮に一般消費税が創設される時期が参るといたしますならば、私どもは交付税対象税目に取り入れる努力をしていかなければならぬということを考えておりますことが一つ。それから消費税との関連において外形標準課税を考えてまいりませんことには、徴税事務の二重その他のことがございますから、いまにわかに五十四年度から外形標準課税を導入し得ますかどうか、これはきわめて流動的な問題だ、かように見ております。
○和田(一)委員 これは公共事業の方でございますけれども、いま大臣がいろいろおっしゃいましたけれども、ある新聞にこういうのが出ておるのですよ。ある県の「県地方課の調べだと、市町村は平均で五四%。上半期の計画を達成するには九月だけで二〇%、二百十億円以上を発注しなければならない。これまで毎月百十億円前後しか発注できなかったこともあり、同課は「はずみがついて加速度的に発注が増える。とはいっても二百億円も契約するのはちょっと無理」といっている。」その要因として、一つは「設計などの技術職員の絶対数が足りない」、二番目に「道路や建物の用地交渉が難航している」等を挙げております。これはいま御答弁がございましたけれども、現実に現場ではもうこれ以上公共事業はどうしようもない、こういう実態でございます。私ども二、三この質問をするために電話であちらに聞きました。特に、大きな市であっても非常に厳しいというのがずいぶんございます。その点でもう少しよくお調べになった方がいいのじゃないかと思うのですが、その点どうでしょうか。担当の方で結構です。
○森岡政府委員 都道府県につきましては、八月末の契約率が六二・四%、前年度が五八・五%でございますから、約四%ばかり早い進捗でございます。したがって、七三%という政府が要請いたしております上半期の契約率は十分達成できると思っております。
 問題は、いま御指摘のように市町村でございますが、市町村は一律ではございません。かなり能力のあるところと、それから平均的に見て能力がやや劣っておる、劣っておるというと言葉が悪うございますが、工事施行について難渋をきわめておるところと私はあると思います。ただ、公共事業の今回の追加は各省が各府県、市町村の今後の実施見込みというものを前提として積み上げたものであります。地方単独事業は四月から当初地方債計画を策定いたしました後、各県から各府県、市町村の起債要望額をとりまして、そのとった中で金額が地方債計画掲上額をかなり上回ったわけでございます。それを中心に事業選択をしまして、今回の二千七百億の追加をしたわけでありますので、県、市町村ともにすでに年度当初からこれだけの仕事はやりたいという気持ちを持って私どもの方にお話のあったところを積み上げておるわけでございます。
 ただしかし、それはもちろんマクロ的な話でございますので、個々の市町村についてはおっしゃるようなところがないとは限らないと私は思います。ですから、今後単独事業の地方債を配分いたします際には、本当に十分やれるのかどうか、その辺のところを県とともに市町村の実態を十分把握いたしまして、やはりやれるところを中心に起債の配分をしていくというふうな配慮もしてまいりたいと思います。
○和田(一)委員 現実に、確かに市町村のやる仕事をやったとおっしゃっていますけれども、来年度のこういう仕事をやりたいというのは、県の地方課から、または各県の課から各省庁にいっていますね。その来年度の分を先取りしてきて計画しているというのが、大体私は本当じゃないかと思うのですよ。これはどうしてもことしできるというのじゃなくて、今後こういうことはやっていきたいのだ、ではそれを前にやろう、大体これが本当だと私は思うのです。あちらこちら当たりましたが、そういうことですよ。去年の補正もそうだったのです。本当は五十三年度にやろうと思っておったのですけれども、この補正があるから急にやれというわけで忙しいのですよ、というのが各市役所の役人の話なんです。だから、現実にそういう面が、いま財政局長がおっしゃったように、あるいは地方債の配分の面についても細かにやっていかないとアップアップすることはもう必定だと思うのです。その点、大臣の方からひとつ。
○加藤国務大臣 おっしゃるように地方団体におきましては、たとえば道路の改良にいたしましても、河川の改修にいたしましても、あるいは土地基盤整備にいたしましても、大体この仕事はことしやれるな、だけれどもこの仕事は来年でなければむずかしいな、かような通常的な判断をいたしております。しかし、ことしのように景気の浮揚を図り、また雇用問題を解決いたしますためには、公共事業にうんと力を入れていく、かような国の政策でもございますので、それではおれのところは来年と思っておったけれども、これもやれるならやろうではないか、こういう考え方に立っていることだけは間違いございませんです。
 そこで、ことし当然やるのだと考えておりましたものと比較いたしますと、用地の確保にいたしましても、あるいは設計にいたしましても、もろもろの手当てが不十分な点は確かにあろうかと思います。しかし、今回の補正について考えてみましても、さっき財政局長が詳しく説明をいたしましたように、やはり来年と思っておったけれども、しかし、これはことしやろうと思えばやれるな、こう考えますものを各省庁へ持ち込みまして、そして各省庁でよく吟味をいたしましてこれから具体的に張りつけをいたす、かようなことでございまして、年度当初予算化と違いまして若干ずれてはおりますけれども、やはり地方はどうにかやれるという判断をしておることには間違いがございませんです。
 それから単独事業につきましては、財政計画におきまして、この事業に対してはこの程度の起債をという計画を持っておりましたが、実際地方からの希望をとってみますと、それを相当上回るものが多かったのでございますから、今回の二千七百億円の単独事業もそういうものの中から拾い上げまして、よし、これはことしどうにかできるな、こういうものを積み重ねましたものが二千七百億円、かようなことでございますから、大変に苦労はあります、それから消化してまいりますにはいろいろネックもあろうかと思うのでありますけれども、しかしいろいろ勘案してみまして、まずどうにかやれるのではないか。ただ、公共団体の中で特に財政力の弱い、技術者の少ない町村におきましては非常な苦労でございますから、その苦労はあれやこれやで補いましてやっていってもらおうではないか、こういう根本の考えでございます。
○和田(一)委員 やれるものよりもやらせるものというのが多いんじゃないかと思うのですけれども、その辺のところはひとつ十分な配慮をお願いしたいと思います。
 今度は、また話題がかわりまして、地方債のことについてお聞きいたしますけれども、地方債の資金対策なんです。これは五十年度以降、国、地方を通じて公債発行が激増しております。特に五十三年度は多額の発行がございました。政府資金と公庫資金、それから民間資金、その比率を見ますと、これはもう民間資金の方が政府資金または公庫資金よりもオーバーしているところがいままでずいぶんございました。昭和五十一年度なんかは民間資金の方が五六・九%、これは地方債計画の話でございます。それから昨年、五十二年度は五〇・七%、ことしは四六・三%、これはこれ以外にまた枠外債があると思うのですけれども、このように民間資金が非常に多くなってきた。それから国債の方の消化の問題かいままでずいぶん議論されました。そのことから考えまして、心配ないのかどうか。また、さらに今年度の補正の追加があるということなんですけれども、全体的にどなたかひとつお答え願いたいと思います。
○森岡政府委員 地方債総額の中の資金区分を見てみますと、四十年代の中ごろまでに比べましていわゆる民間資金のシェア、ウエートが高まってきておるというのは御指摘のとおりでございます。全体としての公共部門における資金需要がかなり伸びてきております。ことに各種の公社、公団等が行います景気対策を含めましたいろいろな投資的経費にも資金供給をしてまいらなければならぬというふうなことも加わりまして、さらにはまた、地方交付税の必要額を確保いたしますために運用部資金から交付税特別会計に多額の借り入れをしなければならぬ。それやこれやが加わりまして、地方債に充てられます民間縁故資金のウェートが高まってきた、これは事実でございます。私どもは、地方債の消化の円滑化を図りますために、年度当初あるいは補正の際にいずれも大蔵省当局と強く折衝いたしまして、必要な資金措置についての配慮を行ってきておるつもりでございます。たとえば今回の補正につきましては、公共事業の地方負担の八割まで政府資金を充当する、市町村は全額政府資金でいきたい、それからまた、臨時三事業については公庫資金の融通を六百八十億円行うというふうな工夫をこらしてやってまいっているつもりでございます。
 全体としての民間縁故資金の消化の問題につきましては、確かに国債におきまして大量発行、あるいは円建て外債のかなりな増加というふうなこともございますし、あるいは金利がもう底入れした、だから長期資金の供給についてはやや手控えるというふうな傾向もございますので、国債についていろいろ心配な面が出ておるということが伝えられております。地方債につきましてもその面が全くないとは申しませんけれども、今回このような措置を講じました結果、現在計上しています縁故資金につきましては消化が完全にできるものと一かように考えております。また、そのために必要な大蔵省からの金融機関に対する要請もしていただいておるわけでございます。
 全体といたしまして、消化不良を起こすということはない、またないようにぜひするという気持ちでございます。
○和田(一)委員 ところが、これは新聞報道でございますけれども、公募地方債が非常に厳しくなってきた、売れ残りか出始めている、自治体は必死になって市民に購入を呼びかけている、こうなっているわけですね。これは七月ごろから大半の公募債が募集締め切り間際になってやっと消化できる状態だ、最近では一部で売れ残りも出始める、昨年までは飛ぶように売れておった公募地方債でございますけれども、国債の大量発行などで特に長期債が供給過剰になっていることから考えまして、これはもう大変な環境変化である、こういうわけでございます。
 それで、具体的な例が一つ、二つ載っておりますので申し上げますと、「たとえば静岡県の第一回の公募債発行(四十億円一にあたって、証券会社が八月初めから下旬にかけて一般公募したところ「法人向けを中心に売れ行きが思わしくなく、募集締め切りぎりぎりになってやっと売り切れた」」という、これは野村証券静岡支店の話であるということです。それから「八月末に第一回分四十億円を発行した北海道の場合も同様で、「募集締め切り間際になって全額消化のメドがついた」という。」日興証券札幌支店ということでございます。日興証券の皆さん方のお話も載っておりますので、ちょっと申し上げますと、「全般的に七月ごろから売れ行きが急速に鈍り始め、最近では一部で売れ残りも起きている」、こういうふうな見通しもございます。
 こういうわけで、公募債の場合は、現在、最終的には銀行のシンジケート団が引き取ってしまうということらしいですけれども、こういう状態だと縁故地方債の方の引き受けもやはり問題になってくるのじゃないだろうか、こういう浮揚論も出ているわけなんですね。この点についてどうでしょうか。
○森岡政府委員 公募地方債と縁故地方債とでは資金面から見た消化の問題、やや異なると私どもは考えております。
 公募地方債につきましては、先ほども申しましたように、債券市場で国債が大量に出る、あるいは円建て外債も多く出る、あるいは長期金利が底入れしたというふうな感じが強まってきているというようなことから、新発債の発行が一般論として各公社債通じてむずかしくなってきているということは事実であろうと思います。
 ただ、公募地方債は国債とかなりな質的な違いがございます。まず第一点は、発行規模は国債に比べれば非常に小さいわけでございます。地方債計画全体で六千三百億円、毎月の発行額が五百億円ないし六百億円、したがって公社債の発行総額の中で占めているシェアは二%前後であります。それから個人消化の額は非常に少のうございます。五十二年度の国債が約一兆七千億、それに対して約七百五十億円という個人消化でありますから、いわば機関投資家の消化の買い入れというものがむしろ多い。それから、地方債でございますから、発行団体ごとに地域が分かれておるというわけでございます。そういうふうな点から、国債と必ずしも同断ではないというふうに思っております。ただしかし、新発債の発行についていま御指摘のありましたような傾向があることは否定できないと思います。ただそれも、昨年は実は大変地方債の人気がようございまして、お読みになりましたように、売り出したら二、三日で売れちゃった。今度は募集の締め切りぎりぎりまで売れない。しかし、ぎりぎりになってやはり消化はできておるわけでございます。いまのところ売れなかったという状態では実はまだございません。そういうことでございますので、これからいろいろ苦心もし、検討もしていかなければならぬと思いますが、公募地方債が消化不良を起こしてしまってどうにもならないという状態にはならないと思います。また、シンジケート団その他金融機関筋に、そのような事態にならないように、自治省といたしましても積極的に接触をして努力をしてまいりたい。
 縁故地方債の場合には、御承知のように地域的な縁故がある銀行、金融機関からの融資を受けておるわけでございますから、国債や公募地方債とはまた違った資金供給体系でございますので、地域地域によりまして若干の差はあろうかと思いますけれども、しかし、現在のところは民間資金需要もかなり冷えておりますから、縁故地方債につきましての消化がむずかしいという状態にはまだなっていないというふうに私どもは見ております。
○和田(一)委員 公募地方債の環境は厳しい、まだいまのところはぎりぎり間際に売れている、こうおっしゃっていましたけれども、売れなくなったら、これはどういうことになるのですかね。
○森岡政府委員 そういう事態が起こらないように、自治省といたしましても、先ほど申しましたように、金融機関筋、さらには大蔵省の協力も求めまして、売り出せば必ずそれが消化できるという万般の措置を講じてまいりたい、かように思っております。
○和田(一)委員 売れなくなったら自治省の皆さん方がお金を出し合ってお買いになるかどうか、それは私はわかりませんけれども、いずれにしても公募地方債が厳しくなったということでやはり縁故地方債の引き受けが大変支障になってくると私は思うのですがね。というのは、いまほとんど銀行は縁故地方債を、持ったきりじゃなくてかなり流通市場に出している。あるデータによりますと、大体一年間に一つの縁故債が一・五倍――一・五回といいますか、売りと買いとでその倍になるから三回ということですけれども、そのぐらいどんどん市場に出ている。そういうことでございますから、まるきり違うと私は思わないのですけれども、その点についてどうですか。
○森岡政府委員 公共債が全体としてふえてきておりますし、都市銀行、地方銀行ともに大量の公共債を買い入れておりますから、新たに新発債を引き受けるという場合にはやはり既発の公債、持っておる公債を処分いたしまして、売却いたしまして資金ポジションの回復を図る、これは当然あり得ることでございます。
 都銀、地銀の売り越しと申しますか、それを見てみますと、都銀が五十二年度下半期におきまして一兆五百十九億円売り越しております。地銀は五千四百四十二億円売り越しております。そのような事態から見ましても、いま御指摘のように、発行いたしました地方債が債券市場で転々しておるということは事実であろうと思います。
 しかし、そういう問題はございますけれども、公募地方債、縁故債通じまして、先ほど来申しておりますように、現段階では傾向といたしまして昨年までのような大変人気のある状況ではございませんけれども、まあ消化については当分の間は私どもは十分期待が待てるというように考えておる次第であります。
○和田(一)委員 大蔵省の方にお聞きいたしますけれども、縁故地方債の引受手である都市銀行、地方銀行は最近の大量の発行に対して、従来のようにそのまま保有しているのではなくて、どんどん流通市場へ出していると言われておりますけれども、その実態は一体どうなっているか、お答え願いたいと思います。
○岡崎説明員 先生ただいまお尋ねの、都市銀行、地方銀行が縁故地方債を幾ら売りに出しておるかということにつきましての直接の統計がございませんので、直にお答えすることはちょっとできかねるわけでございますけれども、一応の推定的なことを申し上げますと、一つの数字といたしまして、たとえばの話、地方銀行が縁故地方債を一年間に幾ら引き受けたかという額はわかります。
    〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕
それから地方銀行が縁故地方債を一年間に幾ら保有額を増加させたかという数字もございます。したがいまして、その増加は自分の手元に持っておるということでございますので、その差額を見ますと、これは償還と外に売った分ということになろうかと思いますけれども、たとえばそれを五十一年ぐらいで見ますと、地方銀行か縁故地方債を引き受けた額が約一兆二千億円、それから同様に縁故地方債の保有増加額というのが約五千億円でございますので、約七千億円ぐらいを手放しているのじゃないかなというふうに考えております。
 五十二年度もほぼ同様でございまして、引受額が約一兆二千億円、それから保有増加額が約六千五百億円でございますので、五千五百億円前後は自分の手元から離れておる。この中には一部償還もあろうとは思いますけれども、償還の額というのはさほどではないと思いますので、まあラフに申せば、地方銀行としては年々数千億円を流通市場に出しておるのじゃないかという推定が成り立つと思います。
○和田(一)委員 そのように年々流通市場に出ていっているのがふえている。結局、国債であるとか、またそのほかの公社債であるとかと対比されるわけでございますけれども、縁故地方債につきましてコストの面、または今後の大蔵省としての対処の仕方ですね、それについてございましたらおっしゃってください。
○岡崎説明員 縁故地方債が流通市場に出ることにつきましては、その流通市場の金利水準いかんによりましましては、地方銀行としてはキャピタルロスが出るというようなことから、かつていろいろ問題が懸念されたこともございますけれども、現実にはここ一、二年の間は流通市場の金利水準自体が比較的低いこともございまして、逆に有価証券の売買益というのも取り得た状態もあったわけでございます。
 それから一般的に金融市場全体として申し上げますと、日本の金融機関の場合、むしろ都市銀行、地方銀行は資金がやや不足ぎみのところが多くて、逆に農林系統でございますとか共済組合その他機関投資家の方に資金が余っておる。この資金を融通するのが金融市場でございますから、一度金融機関と申しますか銀行が引き受けたものをそういった安定的な機関投資家なり資金余剰の機関に債券を売り渡していくというのが、一つの金融取引として資金を相有無通じさせるという面からいって、プラスの話ではないかというふうに考えております。
○和田(一)委員 次は、地方債問題研究会の中で検討事項の一つだと言われております縁故地方債の日銀適格担保問題、これはいまどうなっているか。これもやはり地方債の体質改善のために、非常にこの点は問題だと思いますけれども、この点について大蔵省から。
○岡崎説明員 縁故地方債を日銀の担保適格物件とするかどうかという判断につきましては、最終的にはこれは日本銀行の政策委員会が決定する事項でございますので、私どもから責任をもって云々ということは申しかねるわけでございますけれども、日本銀行の現在の考え方を聞くところでは、縁故地方債を担保にしてお金を貸すということについては、それは日本銀行の銀行券の発行の裏づけになるような形のものとして、資産としてあることが望ましいということでございまして、先生も御案内のとおり、現在債券で日本銀行が適格担保というふうに考えておりますのは、国債でございますとか、公募地方債でございますとか、その他上場社債等、発行の段階から市場性の高いものが望ましいという判断を持っておるようでございます。これも一つの見識かと思います。
 したがいまして、縁故地方債について、いまのところかなり既発債が流通市場で売買されるようになってきておるけれども、まだその発行段階から公募という形で市場性を帯びているわけではないので、そこらのところはもう少し踏み切りにくいし、縁故地方債そのものの条件整備が整ってくることを期待しておるというふうに日銀筋は言っておるというふうに報告を受けております。
○和田(一)委員 時間がなくなってきましたので少し急ぎますけれども、いわゆる外債の発行ですか、先ほど財政局長もちょっと触れられましたけれども、公営公庫も外債を発行したい、来年度三百億円の計画を自治省は考えている、それから地方団体の方のいわゆる外債発行もこれから進めていきたいという両面があるわけでございますけれども、この点について自治省の方からひとつおっしゃっていただきます。
○森岡政府委員 地方団体が個別に発行いたします外貨債につきましては、戦後十七回発行されております。今年度も神戸市がマルク債を発行いたします。各地方公共団体とも、現在の経済情勢等もいろいろございますけれども、長期にわたる資金確保の一つの道といたしまして、外債発行についていろいろ検討を進めておるところが多うございます。それらにつきましては、私ども前向きで相談に応じてまいりたいと思っております。
 また公営企業金融公庫につきましても、資金確保の多様化を図っていきたいと思っておりますので、いま御指摘のありましたような方向で来年度大蔵省と折衝してまいりたいと、かように思っております。
 ただ、現在の国際収支の状況から申しまして、別途この時期に外貨債を発行することについてはいかがか、こういう批判があり、反対意見もあることは事実でございますが、しかし、外貨債の発行の問題は単に一時期の問題ではなくて、中長期的な資金確保の多様化という課題にこたえる問題でございますので、短期的な物の見方だけでは不十分だと思います。そういう観点で前向きに努力をしてまいりたい、かように思っております。
○和田(一)委員 大蔵省の方のお考え、この点についてどうでしょう。
○柴田説明員 公庫の外債発行の問題、いま財政局長からお話しいただきましたように、来年度の予算要求の中に出ているわけでございます。私どもこれに対してどう対処するかということが御質問の趣旨でございますけれども、現在の内外にわたる金融情勢、これも財政局長もおっしゃったような事情でございまして、非常にむずかしい状態であろうかと思いますけれども、五十四年度の予算の問題でございますので、今後自治省とも御相談をしながら、どう対処するか決めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○和田(一)委員 もう少し問答をしたいのですけれども、時間がありませんので、次にいきます。
 国土庁の方は見えていますね。過疎問題でございますが、過疎地域は依然人口が減少しておりまして、非常な困難な問題も山積しておりまして、国の施策を待たざるを得ない現状から、少なくとも今後十年は同法の施行を延長してもらいたい、こういう市長会等の願いもございますし、また現実に過疎地域からの声もございますけれども、その点について国土庁のお考えはどうでしょう。
○亀田説明員 過疎地域対策緊急措置法は昭和四十五年に制定されまして、五十五年三月末で失効するということになっておるわけでございますけれども、その期限延長問題の取り扱いの御質問でございます。
 私どもとしましては、最近における人口動態その他を含めます過疎地域の状況、あるいは昭和四十五年以来多額の過疎対策事業の投資がなされてきたわけでありまして、これらの過疎対策事業の進捗状況等、あるいはまたこの法律の制定当初の経緯がいろいろとございまして、それらもいろいろと踏まえまして関係各方面とも協議をしながら検討してまいりたい、まだ時期が若干ございますので、鋭意検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
○和田(一)委員 大臣はこの点についてどうでしょう。
○加藤国務大臣 御承知のこの法律は八年半前に議員立法で制定されたものでございますのと、いま国土庁から答弁がございましたが、主管庁が国土庁、かようなことでございますから、自治省が余り出しゃばりますのはいかがであろうか、かような感じもいたすのでありますけれども、しかし、八年有余を経過いたしまして、今日過疎地域の実情を見てまいります際に、なるほど一時よりは過疎現象が薄くなった、全般的にはそうでございますけれども、地域によりましては、なおかつきわめて深刻な過疎状態がございますし、なしていかなければならぬ事業がまだずいぶんある、かような認識をいたしております。しかし、まだ一年半近くあることでございますから、国土庁等とよく相談をいたしながら対処してまいるべきだ、かように考えております。
○和田(一)委員 次に、先日われわれ地方行政委員が委員派遣で過疎地を調べてまいりました。栃木県の足尾町へ行ってまいりまして、私も地元でございますので一緒に参りましたけれども、その足尾町でのいろいろな問題の中から三つばかり国有林について要望がございましたので、まずこの点についてお答えを願いたいと思うのです。
 まず足尾町の国有林については部分林の設定をぜひお願いしたいということが一つ。それから共用林野の拡大をひとつお願いしたいというのが二つ目。三つ目は保健休養林野の設定です。この三つがございますが、それ以外に観爆台をつくりたい、しかし、いい滝があるのですけれども、がけを切らなければ見えないんだ、そのがけは国有林なんで、そこをひとつ切ってもらいたい、こういう話がございました。
 これは事前にレクチュアしてございますから内容はわかっていると思いますので、順次お答えを願いたいと思います、時間がございませんので。
    〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕
○渡邊説明員 お答えいたします。
 国有林野事業がその地域振興に寄与することにつきましては、国有林野事業の果たすべき重要な使命の一つといたしまして、従前から国有林野の管理及び経営の事業に必要な考慮を払いつつ積極的にやってまいったわけでございます。
 先生御指摘の足尾町におきましては、部分林及び共用林について、現在部分林が約三十ヘクタール、それから共用林が約五千ヘクタール設定されております。
 それから足尾町からの要望につきましては種々ございますが、これらにつきましてその具体的内容がまだ固まっていない部分もございます。それから現地の状況、いろいろございますので、それらを検討の上、先ほど申し上げましたような方針に従いまして前向きに検討したいと思います。
 それから休養林につきましては、これも国有林の重要な事業といたしまして、そういう保健休養の場としての機能の高い森林は積極的にこれを供用してきたわけでございますが、足尾町におきましても、大体私どもが伺っておりますのは七項目ぐらいの要求がございますが、一部はすでにレクリエーションの森ということでこちらの方で対応しているものもございます。その他につきましては現地の地元の農山村振興の観点、それから地方公共団体等の意向を十分参酌いたしまして、その地域に最も適合するような利用方法を考えてまいりたいと思っております。
○和田(一)委員 では、林野庁の方と国土庁の方、どうもありがとうございました。
 あと一つ自治省にお聞きいたしますが、各地方団体の今後の公債費の激増ですね。支出の中における公債費の激増、これはもう大変な問題だと思うのですけれども、その辺の対策としてどのようにお考えでございましょうか。
○森岡政府委員 先ほどの御質問にもございましたが、公債費が増高いたしますことは地方財政の硬直化の非常に大きな要因になりますし、地方財政の健全な構造の確保あるいは適切な財政運営という面から申しまして、率直に申して困る問題でございます。したがいまして、一般財源、税、交付税等の増額を基本的には検討いたして、公債費の累増をできるだけ抑制していくということが基本的なあり方として望ましいというふうに私どもといたしましては考えております。
○和田(一)委員 この財政収支試算のケースIの昭和五十七年度で公債費が四兆二千三百億になっているのですけれども、要調整額もございますけれども、このいわゆる経常歳出部門からやりますと大体どのくらいのパーセントになりますかね。
○矢野説明員 収支試算全体の歳出規模で計算したものしかございませんが、ケースIにつきまして昭和五十四年度六・五%、五十五年度六・八%、五十六年度七・一%、五十七年度七・三%のシェアに相なるのでございます。
○和田(一)委員 これは平均が七・三ですから、これは各末端へいきますと相当大きなところがあると思いますし、最近市長会が発表した昨年度の決算の概算を見ましても、大阪を中心にしてもう全部赤字団体で、しかもその辺のところが公債費が二〇%以上というのはいままで聞いたことありますけれども、以前石原さんからですか、御答弁を伺ったことがあると思うのですが、大体何%ぐらいが限度だと見ていらっしゃいますか。
○森岡政府委員 端的に申しますと、財政状況が多種多様でありますから、一律に何%という結論は私はそう簡単に出ないと思いますが、起債の許可方針では、公債費の一般財源に対する比率が二割を超え三割未満でありますと、単独事業の起債は遠慮していただかなければならぬ。三割を超えますと、公共事業も含めまして起債を抑制して財政運営の健全化を図っていただかなければならぬ、こういう考え方をとっております。そういう点から申しますと、一般財源に対する公債費率が二割に近まるということは危険信号というふうに私どもといたしましては考えております。
○和田(一)委員 そうしますと、危険信号になった団体が相当あるということに考えてよろしいのでしょうか。
○森岡政府委員 現在の私どもの資料で、五十一年度で二割を超えております市町村は、おおむね三十一団体ぐらいではないかというふうに見ております。
○和田(一)委員 その点について大臣から。
○加藤国務大臣 公債費率が高まってまいりますことは、それだけ地方財政が硬直化してきておる、かように言わざるを得ないと思うのでありまして、弾力的な地方財政の運営を図ってまいります点からいたしますと、できるだけ公債費率を高くしないような配慮が必要だ、かように考えております。
 しかし、昨今の情勢下におきましてはそれもなかなか困難なことであろうと思うのでございますが、当分の間はやむを得ないといたしましても、長期的な目標といたしましては、公債費率を少なくするということ、これを目標に努力すべきだ、こう考えます。
○和田(一)委員 最後に、きのうの新聞などでしょうか、染谷政務次官の名前が、名誉を損なうようないきさつが出ておりました。励ます会に暴力団とのつき合いがあるというような、そういうことで参議院の予算委員会で問題になったそうでございますが、大臣は総理大臣から何か御注意を受けたのかどうか。また、大臣の方は染谷次官にどのような措置をとられたか。
○加藤国務大臣 染谷代議士の出版を記念し、激励する会が六月二十二日であったと記憶をいたしております。それから二、三日後に新聞報道でそのことを知りました。直ちに染谷君に私の部屋に来でもらいまして厳重注意をいたしますと同時に、その真相を数点にわたってただしたのでありますけれども、いろいろ釈明をいたしておりました。その中の一つに、私も良識ある男だと思っておりますので、励ます会を開きます前に暴力団に会員券が渡っておるようなことがわかれば、断じて出てもらうようなことはせず阻止したはずでございますけれども、何せ三千五百名という大変な人でございまして、、後になって初めてそのことがわかりまして、本当に相済まぬことであり、残念なことでございました、かようなことでございました。私はその後官房長官にいまのことを含めまして報告をいたしておいたのでございますけれども、総理にはじかには報告をいたしておりませんです。しかし、参議院の予算委員会でこの問題が取り上げられ、総理も、厳重注意をいたす、かようなことでございました。それがおとといでございまして、そこで私は直ちに染谷代議士に連絡いたそうと思ったのでありますけれども、その時間がないままに染谷君から私に電話がございまして、本当に御迷惑をかけて相済まぬことでございました、きょうは――きょうはといいますのはきのうのことでございますけれども、地元の柏市長の選挙の告示の日で、私も予定を組んでおりますので登庁できなくて残念でございますか、明朝、といいますのはけさでございます、けさ早く上京いたしましていろいろ御指導願いたい、かようなことでございましたが、けさ選特で顔を合わせましたが入れ違いまして、そのままよく話をしておらぬ、かようなことでございますけれども、なるべく早い機会に官房長官や総理と染谷政務次官も会いまして陳謝もし釈明をいたすべきだ、かように考えております。
○和田(一)委員 終わります。
○木村委員長 中井洽君。
○中井委員 私どもは、今回提出をされております交付税法の改正に関する問題につきましては賛成でございます。すでにもういろいろと議論もなされておりますので、全体的に交付税あるいは地方財政等々関係の深い、あるいは問いただしたいことについて幾らか質問をしたいと思います。しかし、賛成とはいいましても、やはり他党の皆さんの質問と重複はいたしますけれども、二、三、国税三税の今後の落ち込みの問題あるいは来年の地方財政の足りない額についてどう処理するか、こういったことについてもう一度確認をしていきたいと考えるわけでございます。
 今回の措置は、過日行われました三千億の減税に対する措置ということでございます。これはこれでいいじゃないかと私どもは考えております。ただ、不満なのは、減税の額がちょっと少なかったのと、あるいはまた臨時国会でもうちょっと減税できてそれに対する減額をどうするか、こういうことであれば私どももっと楽しかったわけでありますが、しかし決まったことでございます。先ほどから御答弁を聞いておりますと、まあまあ景気が大体七%成長を達するように全力を挙げてやっておられるのだ、したがって落ち込んだときのことをというような意味の御答弁がございましたけれども、私どもといたしましては、これはどう考えてもいまの経済状態あるいはいまの経済政策では七%成長に達しない、やはり六%そこそこの成長がやっとじゃないかというふうに考えるわけでございます。もし六%成長しかしなかったら国税三税の落ち込みというものは一体どのくらいと予想されるのか、この点についてお尋ねいたします。
○森岡政府委員 国税三税の収入の見通しにつきましては、経済成長率を実質七%と見て、それを基礎にいたしまして一義的に計算をしているわけではございません。所得税につきましては、個人所得の伸び、その中でも給与所得あるいは申告所得に分けまして積み上げておりますし、法人につきましても企業収益を見込んでやっておりますから、直接的に七%が仮に〇・五落ちたらどうなるというような計算はちょっとできないわけでございます。結論的に申しますと、私どもは、先ほど来繰り返して申しておりますように、今回の総合経済対策も含めまして全体として経済が順調な回復軌道に乗り、国税三税の収入が予算計上額を確保できるということを強く期待をいたしておる次第でございます。
○中井委員 それは政府と私ども野党と立場は違いまして、皆様方は順調だと言いますし、私どもは、まだまだだ、私どもは、落ち込んでいく、この国税三税の収入、あるいは逆に地方税も落ち込みをあるいは心配されるのじゃないか、こういったことを心配しているわけでございます。現実に去年落ち込んで処理をしたわけでございます。ことしもあるいは落ち込む。また来年もなかなか一遍に――来年のことを言うのもなんてありますか、見通しを立てても、あるいは予算をつくっても、それに対してそれだけの税収入があるかどうかわからない、私はこういった情勢があと三、四年続くのじゃないかという気がするわけでございます。お互いこれをなくすために努力をしていかなければならぬわけであります。しかし、いままでのように、毎年毎年、予算を立てる、それ以上に税収があるのだ、こういうことじゃなしに、ここ数年間は、予算を立てる、その立てる予算も景気対策ということで、特に民間の設備投資や輸出の伸びというものが少ない限り、やはり財政で景気を引っ張っていかなければならない、あるいは海外に対して七%成長を約束するというようなこと、こういうものかあって、かなり無理した予算を立てざるを得ない。その中で経済自体が実際それについていくかというと、ついていけずに必然的に税の落ち込みが続く。したがって、毎年毎年、その場その場でどう処理するかということを考えるのじゃなしに、あるいは毎年毎年私たちがどう対処するんだという仮定の問題で質問をしなくていいように、ひとつこの税の落ち込みについて、もしこれからあれば自治省としてはこういうふうに処理をして、地方自治体に迷惑をかけないのだという一つの方策というものを確立されたらどうでございますか。
○森岡政府委員 税収の落ち込みが出ました場合に、地方公付税に影響をしてそれが減額せざるを得ないという形になったときに、基本的には交付税の総額を当年度において減らすことはしない、これはあらゆる場合を通じて私どもとしてはぜひ確保しなければならぬ課題だと思っております。
 そこで、その場合の具体的な方式をどうするかということでございますか、過去においていろいろな経験かございまして、そのときとき必ずしも一律な方式ではございません。それで、どれが一番いいかということは、おっしゃるように最もいい方法を選択するということが望ましいと思います。したがって、そういう意味合いで、仮に万々一本年度そういう事態が生じました場合には、最も適切な措置を選択するよう努力をいたしたい、かように思っておる次第でございます。
○中井委員 自治省というのは大変頭のいい方か寄っていらっしゃいますから、毎年毎年最も適切な措置が出てくるのでしょうけれども、とにかく一番適切な処置をちゃんと決めてつくっておかれたらどうだ、こういうことを言うているわけでございます。毎年毎年考えていただかぬでも、それだけ暇ができていいのじゃないかと、余談ながら思うわけでございます。
 それからもう一つは、先ほど話に出ておりました五十四年度の財政収支の見通し、特に、お話にございましたように、ことしは十五カ月前倒し予算というようなことで、来年の六月までですか、税収を見込んでおる。これをまたこの次続けるのかどうか。これは内閣の問題もございます。しかし、そういったことを考えると、必然的に出てくるわけでございます。この出てくる分についての処置は、ことしの通常国会で審議をされました例の大蔵大臣と自治大臣との覚書の方式で処理をなさる、こういうふうに理解してよろしゅうございますか、大臣。
○加藤国務大臣 五十二年度の処理につきましていろいろ御意見もございましたし、そして自治省の統一見解もお示しをした記憶を持っておるのでございますけれども、ただ、それと同じ方式をとりますかどうかにつきましては、なおいろいろ研究の余地があろうかと思いますし、かつまた、大蔵省ともよく協議をしてまいらなければならぬのでございますから、いまここであの方式を踏襲する、かような言明をいたしがたいいまの気持ちでありますことの御理解をいただきたい、こう思います。
○中井委員 私は、去年その問題で質問をさせていただいたときに、たしかあの覚書には当分の間という言葉があって、当分の間というのは何年だと言えば、財政が均衡するまで、あるいは景気か安定されるまで、こういうお答えをいただいたように思っているわけでございます。それで、あれはことしはもうやめて検討し直すんだということであるなら、去年あんなに大騒ぎをして審議せずに、ことし一年限りでございますとおっしゃればよかったんじゃないですか。本当にことし、五十四年度の財政収支の見通しを立てて財源が足りないときに、その足りない財源に対して、去年のような方式じゃなしに新しい方式をお考えになるということでございますか。
○加藤国務大臣 私、補正のことと今春国会で御審議いただきましたいわゆるルール化のこととの混同をいたしまして、前段で答えましたのは間違いでございました。
 御承知のように、当分の間の処置といたしましてルール化を行ったのでございますが、しかし、私はもとより単年限りとも思っておりませんけれども、といって、このことが当分の間膠着すべき性格のものだとも思っておらないのでございまして、当分の間という考え方は五十四年度も同様の処置かと、こうおっしゃいますと、必ずしもここでそうでございますというぐあいに言明しがたいのでございます。といいますのは、五十四年度の財政状況がどのように変わってくるか。また、仮に国税において新税が導入されるような事態がありといたしますならば、交付税対象税目等もふやしていかなければならぬという問題もございましょうし、また地方税でどういうぐあいにそれを受けるか、かような問題もあるのでありますから、そういうものも含めまして検討していくべきだ、こう考えます。
○中井委員 いまのお話を聞いておりますと、私どもは地方財政が足りれば結構なことです。足りなければ、ことしと同じくまた二兆円ぐらい出る。その二兆円ぐらいの金をことしのような方式で処理をせずに、新しい税というようなお言葉をお使いになりましたけれども、そういったことをお考えになっているんだったら、そのぐらいの規模の税というのは、政府が考えておると言われておる、しかも私どもが反対をしておる一般消費税の導入ということをやはりお考えになっているのかなあという気が私はするわけでございます。
 それで、私どもは何も高福祉あるいは適正負担ということについて必ずしも話し合わないと言うているわけではありません。いまのままでいけば、やがてどこかで財政の均衡というものを考えていかなければならないのは事実だ、このように考えているわけでございます。しかし政府のように、とにかく当面しなければならないいろいろな問題、たとえば行政改革だとか、たとえば不公平税制の是正とか、そういうことも何にもせずに足りない足りない、足りない分については当分の間だということで処理だけして、すきあらば新税を導入しよう、こういう話あるいはこういう考えでは、私どもはどうも納得しかたいわけでございます。いまの御答弁は、そういった新税ということを考えて答弁したのではないという御確認をいただきたいと思います。
○加藤国務大臣 一般消費税につきまして、税調の特別部会で試案を発表し、そしてこれをめぐりましていろいろ議論のありますことは私もよく承知をいたしております。いま直ちに導入し得ることに私が賛意を表しているという意味ではございませんけれども、ただ、地方財政の立場のみを考えますときには、新税が創設されるとなりますならば、当然地方に取り込みたい、かような強い願望を持っておりますことを申したにとどまる、かような御理解をいただければありがたいと思います。
○中井委員 私どもも、たとえば石油税という新しい税金が新設されたときには、これを地方交付税へ取り入れろという要求もしているわけでございます。したがって、そういう限定した形でのお考えには賛成でございますけれども、いまの時点で新税の導入を考える、あるいは新税を導入しなければやっていけないじゃないかという姿勢だけを打ち出されるというのにはどうも私は納得しがたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 とにかく政府は、五十五年ぐらいに財政の収支の均衡をお考えになっているようでありますが、先ほども申し上げましたように、私ども民社党は、五十七年ぐらいまで延ばして、この間思い切った景気対策をやればいいじゃないか、その間、財源については、まず行政改革と不公平税制の是正というものをやるべきだというふうに主張しているわけでございます。行政改革ということ、あるいは不公平税制の是正、これだけで財源が出てくるとも思いませんけれども、新税の前にこれをまずやるべきだという考え方について、大臣はどうお考えになりますか。
○加藤国務大臣 私も全く同様の考え方を持っておりまして、そこで、昨年暮れ、国が行政機構改革についての閣議の決定をいたしました直後に、自治省といたしましては、地方も行政機構の改革について格段の努力をいたしなさい、また事業や事務の見直しを十分にやらなければなりませんよ、それから職員の定数管理についても十分に心を配りなさい、この三点を中心にいたしましての処置をいたしたようなことでございます。ですから、さような処置をとりながら、チープガバメントの考え方を徹底さしてまいりますことが非常に重要な段階に来ておる、かように思いますのと、いま一点御指摘のございました地方税におきましても、税制上の特別処置をとっておるのでありますけれども、しかしこれが既得権化したり、マンネリ化しますことは許されないのでありますから、絶えざる見直しをしていく、この努力が必要だ、このことを痛感しております。
○中井委員 そうしますと、大臣は不公平税制は地方税においてどういうものを指すとお考えになっておられるか、あるいはどういう不公平税制から直していくべきだとお考えになっているか、この点についてお尋ねをいたします。
○加藤国務大臣 通常国会におきましても、たしか七品目を加えまして十二品目につきましての是正処置の御審議をいただき、そして可決願った、かようなことでございます。五十四年度におきましてどの点を見直すかはまだ確定的なことではございませんけれども、先ほど申し上げましたような趣旨に従いまして整理をいたしていくべきだ、この基本の考えでございます。
○中井委員 大変結構なお答えだと思うのでありますが、去年もおととしも、私どもが申し上げている、あるいは提案をしておる不公平税制の抜本的な改革というものをおやりにならずに、税制の手直しあるいは不公平税制の手直しだという名のもとに、大半が各種の手数料あるいは税金の値上げだけを行って、そして少しでも財源不足を補おう、外から見てこういうふうにされている。
 行政改革につきましても、先ほどおっしゃったチープガバメントという発想のもとに三つの方針でおやりになって、それはそれで結構だけれども、一つにはやはり地方自治体に思い切った権限の分譲あるいは地方議会の枠の拡大、権限の拡大、こういったものも行政改革の中にひとつ考えておやりをいただきたい、このことをお願いを申し上げる次第でございます。
 時間がございませんので、これは行政改革の中に入れて質問をするのもどうかと思うのでありますが、私どもの郷里で少し問題が起こりまして、そのことについて自治省当局の御見解を承りたいと考えるわけでございます。
 私どもの郷里三重県に名賀郡の青山町というところがございます。ことしの一月ごろから住民が自治労の労働組合並びに町の三役を相手取りまして行政監査請求の要求をいたしました。それは過去五年間にわたって、労働組合の活動に対して一切賃金カットを町当局はしていないじゃないか、その分を弁償しなさい、こういうことでございます。これを訴えた裏には、実はそれだけじゃなしにいろいろな複雑な問題がございます。私はそのことは十分承知をいたしております。何も訴えた連中を応援しているわけではございません。私自身何とか話し合いをつけられればいいなあと考えておったのでありますが、こじれましていま訴訟という形になっているわけでございます。
 この町民の皆さんがどこで知恵をつけられたのだと聞くと、自治省のある課だ、こういうことでございます。これはこれで結構なんでありますが、自治省として、日本全国の地方公共団体の労働組合がそれぞれの当局との長年の慣例の中で労働組合活動に対して賃金カットをしない、あるいはやみ専従というものを認めているという慣例があることに対してどういうふうにお考えになっておられるのか、この点はどうでしょうか。
○砂子田政府委員 地方公務員自身は、勤務時間中は職務に専念する義務を有しますことはいまさら申し上げるまでもないことだと存じます。したがいまして、勤務時間中の労働運動等は原則として禁止されているわけでございまして、地方公務員法の第五十五条の二第六項に「職員は、条例で定める場合を除き、給与を受けながら、職員団体のためその業務を行ない、又は活動してはならない。」と規定をされておりますことはすでに御案内のとおりだと存じます。したがいまして、地方公務員がこれらの規定に反しまして、勤務時間内に職員団体のための業務を行った場合におきましては、条例で特に定める場合を除き、賃金カットが行われるということになるのは当然だと存じます。
 賃金カットの原因というのは、お尋ねの場合のほかにもありますけれども、その実態をすべて承知をいたしているわけではございません。たとえば春闘時の争議行為に対します賃金カットにつきましては、一部地方団体におきまして、事実確認が非常に困難であるという理由によりまして賃金カットを行っていないものもありますが、最近ではおおむね所定の賃金がカットされているというのが実態でございます。自治省といたしましては、従来から所定の手続を経ていないものにつきましては、理由のいかんを問わず、ノーワーク・ノーペイの原則に従って、給与条例の定めるところに従い賃金カットを厳正に行うということを指導しているわけでございます。
○中井委員 私が申し上げておりますのは――私自身は国家公務員あるいは地方公務員もスト権を持ってあたりまえだと考えております。法改正して、制限はあろうと持つべきである、このように考えております。しかし、現実にいまストとかそういうことではなしに、労働組合というのは、もともと使用者側、あるいは資本家側という言葉もありますが、そこから一銭でも金銭的な援助を受けたらこれは労働組合じゃないわけであります。
 たとえば、私どもも民間の労働組合をたくさん訪ねます。民間の労働組合を訪ねて委員長を引っ張り出しますと、引っ張り出した時間、賃金カットを受けております。あるいは専従の人もほとんど組合のお金で給与を支払われている、こういう状態でございます。
 それで、自治労だけじゃなしに、全官公庁ということを考えますと、この点に関して、労働組合ということに対して少しルーズである。労働組合もルーズであるし、理事者側もルーズだと私は思う。こういったところを毅然としていく。労働組合を弾圧するとかそんなことではなしに、あたりまえのルールというものをきちっと守ってもらう、こういうことでなければならないと思うわけであります。そういった姿勢が私は行政改革にとっても必要な一つの姿勢であろうと考えるわけでございます。
 いまほとんどないというようなお話でございましたけれども、うそでございます。日本じゅうほとんど賃金カットされていない、私はよく知っています。これは、して、労働組合がそれを補償したらいいわけであります。あたりまえのことをあたりまえにやるという、労働組合問題においてもその姿勢を貫いていただきたい。
 この青山町の問題につきましては裁判中のことでございます。判例がどのように出るか私も見守っていきたいと思いますが、自治省の姿勢として毅然たる態度をとっていただきたい、このことをお願い申し上げる次第でございます。
 もう一つ、過日五十二年度の都市決算というのが全国市長会の方から出され、私も読ませていただいて、ここにも持っております。赤字市、黒字市というので二十ほど載って、いろいろな原因が書いてあるわけでございます。時間の関係ではしょらせてもらいますけれども、この赤字市のベスト二十をいきますと、堺、東大阪、八尾、大阪、米沢、高槻、豊中、下松、上野――この下松、上野、米沢を除いてあと門真、尼崎、寝屋川、枚方と、ずっと大阪を中心とした関西が続くのです。これはどうしてか――とうしてかという言い方は別にして、何で関西、大阪を中心としたところだけこういうことがあるとお考えでございますか。
○加藤国務大臣 御指摘がございましたように、大阪を中心にいたしましての近郊の都市のラスパイレスが非常に高いのでございます。ですけれども、赤字を出しました原因が給与のみにあるとは考えておりませんで、人口急増地域でございますから、人口急増に伴いますいろいろのやらなければならぬ事業等がございまして、さようなことも大きな原因であろう、こういうぐあいに判断をいたしております。
 そこで、そういうことの起きます原因はどうかと申しますと、いま申したことも一つでございますけれども、いま一つは、どうも一つの都市が給与につきましてのある処置をいたしますと、そのことが連鎖反応を起こして、その周辺の都市が同じような処置をいたしがちな傾向もございますから、さようなことも一個の原因ではないであろうか、かような見方をいたしておるところであります。
○中井委員 私は、地方の都市が赤字だから悪い、黒字だからいいという観点から申し上げているわけではございません。この点をまず前提として御了解をいただきたいわけでございます。
 私は、いま大臣からお話があったようなもろもろの原因も主な原因の一つであろう、あるいは大半の理由であろう。それと同時に、なかなかこの地域の人たちもおっしゃらないし、私どもも言いにくいわけであります。誤解を招くと変なことになりますので、言いにくいわけでありますが、私は一つは同和の問題があろうかというふうに考えるわけでございます。これらの赤字ベストテンに入っている地域は、ほとんどは大きな同和地区を抱えて、同和特別措置法のもとに思い切った同和行政というものをやってきておる。それがなかなか国の同和事業に対する援助あるいは起債の充実あるいは補助率、こういったものを上げる、あるいは国から言わせれば、逆に補助率をはるかに超えて地方自治体自体が勝手にやり過ぎたということもあるかもしれませんが、そういった問題を抱えておる。いまちょうど各党間で同和対策の特別措置法をどうしようかという話し合いを進めておるわけでございます。内容に入らずに、期限で野党と自民党さんとが対立したままで膠着状態になっているわけでございます。そういった問題を除いて、大臣としては、各地方自治体が同和行政を同措置法の精神にのっとってやればやるほどこういった赤字というものをそこに抱えなければならない、こういったことを御認識いただいているかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。
○加藤国務大臣 私も地方行政を担当した経験がございまして、よく事情は承知をいたしております。ことに特別措置法の延長問題をめぐりましてただいまいろいろ議論のなされていることも承知をいたしておりますが、地方では、都道府県ももとより苦労しておりますけれども、しかし、ことに市町村が大変な苦労をいたしておりまして、これは関東の地域の方では想像し得ない大変な関西地方を中心にしての苦労でございますから、私どもはその苦労ができるだけ実りますような努力をしていかなければなりませんし、それがためには、諸官庁に対しまして財政措置、補助措置等をさらに拡大いたします努力もしていかなければならぬし、また、自治省の立場におきましても最大の努力をいたすべきだ、こう考えております。
○中井委員 私どもは、いま国と地方自治団体あるいは自民党さんと野党、こういう中で問題になっておりますのは、ことしが期限になります同和対策特別措置法の残事業、これを幾らと認定するか、これをあと何年あれば処理できるのだ、こういう形で意見が大きく食い違う、問題解決がおくれているわけでございます。しかし、たとえば自民党さんのおっしゃるように二年なら二年で終わるとする。あるいは私どもの主張するように五年なら五年で残事業を終わったとする。終わったとしても、こういう団体が同和対策の事業を率先してやったために大変な赤字というものを残していく。これに対して、現時点で残っている赤字、あるいはこれからも出るであろう赤字に対して、自治省が何か思い切って措置をとる、あの法の精神にのっとって措置をとる、こういうお考えがあるかどうか、お尋ねをいたします。
○森岡政府委員 同和対策事業についての基本的な考え方は、大臣からお答え申し上げましたように、まず第一に、基本的にはこれは国の責任に基づいて実施していくことを基調とすべきものと考えておりますから、国庫補助負担金の大幅な充実強化ということを第一義に考えるべきだろうと思います。
 第二に、地方負担が相当額に上るわけでありますから、補助事業として採択されたものは、一定のルールによりまして交付税の基準財政需要額に算入して財源措置をするということが同対法に基づいて行われております。
 さらに、もろもろの諸経費が増高いたしますので、特別交付税におきまして、同和地区人口あるいは地区数というふうなものを一つの指標といたしまして相当額の特別交付税を算定して、これらを通じまして全体としての同和対策事業に対する財源措置を積極的に措置しておるというのが現状でございますし、今後とも同対法の延長問題とも関連いたしまして、この考え方はさらに推進してまいりたい、かように思います。
○中井委員 大変いい御答弁をいただいたわけでありますが、しかし、現実におやりをいただいてもなおまた出ている。理由は私どももよくわかる。地方と国とが余り同和事業に対して格差のある考えのもとに、国は国でこれだけだ、地方は地方でもっとやるのだという形でどんどん後に財源問題だけが残る、その残ることが逆にこの法の精神に反して、一般の人たちは、同和対策ばかりやるからあんな赤字になるのだ、こういういわれのない非難を浴びせられる原因になっている。そういったことのない形で、十分地方公共団体との話し合いを始めていただきたい。私どもも、延長の問題と同時に、法改正の中でこの点についてまたがんばっていきたいと考えるわけでございます。
 最後に、これは交付税と少し関係がないわけでありますが、実はきょうは朝から私の所属しております公害対策の特別委員会で、水俣病の問題特にチッソ救済の問題で各党間の話し合いが始められ、私ももう少しゆっくり質問させてもろうたらいいわけでありますが、行かなければならないのであります。この水俣におけるチッソ救済、ひいては患者さんの救済、この問題でいまデッドロックに乗り上げているような情勢もあるわけでありますが、その問題となっておりますのは、過日決定をいただきました県債方式ということでございます。私どもも、いろいろ理屈はありますが、あれはあれでやる以外にないだろう、こういうふうに考えているわけでございますが、御担当の方おられましたら、ああいった県債方式をお決めになった前提条件として、たとえば申請された患者さんの処分の促進、これの前提条件か何かおつけになっているのかどうか、この点をお尋ね申し上げたいと思います。
○森岡政府委員 県債を発行して補償金支払いを円滑に行うための金融支援措置を行うかどうかということは、当委員会で以前にも申し上げたことでございますが、最終的には熊本県の判断に基づくわけでございますが、熊本県といたしましては、認定促進の新規立法をやってもらいたいということを強く主張しております。率直に申しまして、それが熊本県の条件になっております。それを今臨時国会におきましてぜひお願いしたいということを強く要請しておるわけでございます。
○中井委員 私がお尋ねをいたしておりますのは、熊本県当局がそのようにお話しになっておられるというのはよくわかるわけであります。その問題に入る前に、新次官通達であるとか、そういうことでも少し食い違いが起こる、あるいは現地で国の行政当局に対する不信感が起こって、結局熊本県の要請をしておる中央において認定促進を手助けをするための審議会の設置、この法案の審議というものが全然かかれないという状態でございます。これがかかれないと、逆に県債方式はできない、こういうような三すくみ状態になっている。私が申し上げておりますのは、県債方式を熊本県がお決めになればそれでいいだろう。熊本県がそういうことをお決めになる、あるいは大蔵、自治当局がそういった方式というものを考え出された前提に、何か条件をおつけになったのじゃないか。たとえば、際限なくこの県債というものが発行されるというのでは、国も県もたまらない。したがって、ある程度限定をする、そういったような腹が何か少し見えるような決め方のように感じるわけでございます。そういった点について、絶対ないのだ、金額についても、患者さんがいて、そしてチッソがそれを払う、その払えない分について、払えない分というのはおかしいですが、金銭を調達できない分については県債方式で金額補償していくのだ、こういったことに変わりはないですか、この点について御確認をいただきたいと思います。
○森岡政府委員 水俣病の認定の問題は、私どもといたしましては、客観的に一定の基準に基づいてさるべきものだと思っております、その認定の基準をいかがするかということが県債発行の条件になっておるとは全然考えておりません。
○中井委員 ありがとうございました。
○木村委員長 三谷秀治君。
○三谷委員 先ほどから質疑を承っておりますと、地方債の累増は財政硬直化の要因であって好ましくないとおっしゃる。しかし、好ましくないと言いながら、地方債の増発を政策としておとりになっておる。たとえば、交付税の不足分は地方債に振りかえて半分を地方負担にする。あるいは、今回の補正の措置におきましても、公共事業の追加に伴う地方負担額あるいは地方単独事業の追加分、いずれも起債に依存をしております。
 そこで、地方債の累増は好ましくないという論理といいますか理念といいますか、それと、現実には地方債を毎年毎年ふやしていっているこの現実の行為との乖離というものは、私ども聞いておりましても合点がいきません。つまり、ごまかしを言いなから、実際には地方債を次々ふやしていく、こういう処置をおとりになっておるわけであります。したがって、地方団体の起債率はきわめて高いものがあります。今日、政府の起債許可方針によりまして、起債制限団体として起債を認められていない団体が幾つありますか、これをお尋ねしたいのです。
○矢野説明員 市町村で八団体でございます。
○三谷委員 起債許可方針によりますと、二〇%を超しますと、これは一般単独事業あるいは厚生福祉施設事業については起債を認めない。三〇%を超しますと、災害関連事業を除くすべての起債を認めない、こうなっておる。
 そこで、私どもが調べてみますと、たとえば大阪府下で見ましても、これはこの場合三カ年平均で処置されると思いますが、三カ年平均を見まして、二〇%を超しますのが五十二年におきまして七市あります。高槻、交野、枚方、摂津、八尾、茨木、四条畷、こうなっておる。それから、一八%以上二〇%未満というのが六市一町あります。単年度でとりますと、もっともっとこれは増大するわけでありますが、三カ年の平均でいきましてもこれだけの団体がありますのに、起債制限が八市というのは一体どういうことなんでしょうか。
○森岡政府委員 起債詮議方針で二〇%、三〇%という率を設けております基礎は、いまお話しのように三カ年平均でありますと同時に、一般財源の中で占める地方債の元利償還費でありますか、その元利償還費の中から、災害復旧債の元利償還費でありますとか、あるいは近年発行いたしております財源対策債の元利償還費でありますとか、交付税でもってきちんと基準財政需要額に公債費を算入いたしまして将来にわたって財源措置をしていきますものは除くことになっておるわけでございます。したがって、いま御指摘のように、大阪府下でグロスで見ますと、それだけの団体がありましても、現実に二〇%をそのような計算でいたしまして超えますのは高槻市だけ、こういうことになっておるわけであります。
○三谷委員 いまの計算でいきますと、高槻が五十二年度で見まして二八%、交野が二八%、枚方市か二五%、こういう数字になっております。平均で見ますとやや下がりまして、高槻が二六%、交野が二四%、あと二三、二二となっておりますが、そうしますと、この中で起債の制限を受けておりますのは高槻市だけである、こういうことなんです。それは五十二年度においてですね。
○森岡政府委員 五十二年度でございます。
○三谷委員 いまおっしゃいますようなものを差し引くといたしましても、起債の総額というものが異常な率に達していることは間違いがない。起債許可方針におけるいろいろな手法というものがありまして、その手法によっていまなお起債が認められておるとしましても、起債率が異常なものであるということは間違いがない。したがって、起債をこれだけ抱えまして、一体今後これをどうするのか。後年度負担が累増するわけでありますが、これに対してはどのように処置されるおつもりなのかお尋ねしたいと思います。
○森岡政府委員 いま申しましたように、公債費を全体としてつかまえます形ではなくて、個々の団体ごとの起債の詮議方針におきましては、全体としての地方財政措置がとられますものを除いておりますのは、まさしく全体として公債費を地方財政の枠内で処理していかなければならないというものにつきましては、自治省ないしは政府が必要な償還費の一般財源を担保する、そのための地方税財政制度の改革も含めまして一般財源の確保を図っていく責務を有しておる、したがってそれは外したということでございます。それ以外のものにつきましては、個々の団体の選択によりまして事業を実施するわけでありますので、事業をやり過ぎました結果、その分が二割を超えれば少し抑制していただいて、将来にわたる財政の健全化を図ってもらう、こういう必要があるという観点からいわば区分けをして考えておるということでございます。
○三谷委員 地方起債につきまして政府が責任を持って処置をするというものが、従来私どもが審議しました中で若干ありました。しかし、これは知れております。数量にしても金額にしましてもわずかなものです。大部分が地方の負担にかかってくる。たとえば交付税などは、本来申しますと、これは基準財政収入と基準財政需要の差額でありますから、足りないところでありますから、これは交付税で保障するわけでありますが、最近におきましてはこれを振りかえをする、そして地方負担にするというような処置などをおとりになっておりますから、地方債というのは従来に比較しましてはなはだしく膨張しつつあるということは間違いないわけなんです。
 しかも、ことしもそうなんですが、いま次々と地方債をもって事業を奨励されておりますが、これは将来どうなりますか。たとえばことしの分などは、半額は国が持つ、そして半額は地方負担になる、こういうルールなんでしょう。そうしますと、一体どうなっていくかということなんです。地方は将来どのようにしてこの問題を打開する見通しを立てればいいのか、全く五里霧中であるわけです。これについて何らかの展望を示すというのは自治省の責任じゃないでしょうか。とにかく借金でやっておけ、後は後のことだというふうな指導の仕方で、果たして地方自治体が自治省の指導に信頼して、安心して地方行政がやれるかと申しますと、そうはいっていない。一体先はどうなるかという質問をしばしば私たち聞きますが、これは一体どのようにお考えになっているのでしょうか。
○森岡政府委員 いまお話の中にございましたように、地方税、地方交付税のような一般財源が足りないために、ここ二、三年来いわゆる財源対策債という形で多量の地方債を発行して、それで建設事業の財源に充てておりますが、これにつきましては、八〇%地方交付税の基準財政需要額に算入するということはすでにもう法制上明確にしているわけでございます。したがって、それについては後年度の一般財源の確保は政府として責任を持ってやるし、またやらなければならぬ、その点についての地方の理解といいますか、認識は十分いただいておるわけであります。
 そういうことでございますので、いま御指摘の今後の見通しにつきましての認識はいただいておると私どもは思っております。私どもの責務は、そのようにしてルール化いたしましたこの財源確保の実を得るための努力をこれから重ねていかなければならぬ、こういうことだと考えているわけでございます。
○三谷委員 そこで、起債制限されております市がいま一つとおっしゃったのですが、なお後に続いて出そうな気配がありますが、これらの市は厚生福祉施設だとか単独事業につきましては、一体どうすればいいのでしょうか。
○森岡政府委員 どの程度そういう形の市町村が出てくるのか、ちょっと現役階ではつまびらかにいたしません。ただ、一般単独事業の起債制限を受けるような先ほど申しました計算上の公債費率になりました団体は、やはり一年とか二年、少し建設投資を抑制していただく、それによって中長期的な財政健全性の確保の努力をしていただく、これはどうしても必要なのじゃないかという考え方に立っておるわけでございます。
○三谷委員 一年か二年で解決するでしょうか。
○森岡政府委員 その団体の財政努力にかかわるところがきわめて大きいと思います。
○三谷委員 それは全く科学性のない話であって、何か気分的なお答えのようでありますが、自治体がこういう状態になるということは、地方財政政策の破綻を意味しています。単独事業ができないというような状態なんというものは、もう地方自治体としての機能を喪失したと一緒であります。そういう状態が出てくるというふうなことは、もはや地方自治体としての機能を喪失することを意味しているのです。
 いま申しました高槻は、五十二年度で見ますと二八・八%の起債率でありますが、二八%はほかにも大阪府下にあるのです。二五%、二三%、これはずいぶんあるわけでありまして、これらがいずれ起債制限団体になる見込みというか蓋然性というか一これは非常に強いものがあると思う。そういう点から申しますと、今日の地方行財政政策というものは、いろいろおっしゃっておりますけれども、全く無為無策であると言わなくてはならぬと思う。
 そこで、これはおいておきまして、もう一つお尋ねしますが、宅地並み課税に伴います減額対象農地というのが法制上つくられました。これは税の減額による固定資産税の減収額に対して交付税上の処置をとるわけでありますが、この処置はいかがなっておりますでしょうか。
○森岡政府委員 御指摘のように、いわゆる宅地並み課税につきまして、昭和五十一年度からでございましたか、市町村の自主的判断に基づく条例による減額措置という制度を設けまして、実態に即した運用が行われるように配慮したわけであります。
 これに伴います減収分につきましては、当初減収率を七〇%と見て、基準財政収入額から控除をするというやり方をとってまいりました。しかし、第八十四通常国会の本委員会における御指摘なり御意見もございましたので、私どもといたしまして実態をさらに細かく調査をいたしました。そういたしますと、平均の減額率がおおむね八割という感じでございます。これは条例による平均減額率でございます。しかし、全体の宅地並み課税対象農地のうち一〇%程度は農地課税審議会の段階で対象にならずということで除外されておりますので、全体の対象農地の九割の八割ということになりますから七二%という感じになります。先ほどちょっと申し間違えましたが、当初は六六%でございました。そのようなことから、当初の六六%を七〇%まで引き上げて措置をすることにいたしておる次第でございます。
○三谷委員 この交付税の算定というのは、各市の市街化区域内のA、B農地の面積のうちから減額措置対象面積だけを抜き出しまして、それに対する減免率を見ていくという手法なんですか。
○森岡政府委員 普通交付税のことでございますので、画一的な計算をやるという前提がございます。そのようなことから、対象農地の課税額を基礎といたしまして一律七〇%という計算をいたしておるわけでございます。
○三谷委員 減額対象農地の七〇%ですか。
○森岡政府委員 そのとおりでございます。
○三谷委員 初めの説明と違いますね。初めは全部のA、B農地の中から課税対象にしておる面積を抽出して、そうすると九割程度しか対象になっていないので、それに対する比率を考えた、こうおっしゃったようでありますが、そういうことですか。
○柳説明員 お答え申し上げます。
 地方税法附則第十九条の三第一項の対象になっている農地について、条例による減額措置が認められているわけでございますが、それにつきましては政令で定めた一定の農地は除外されております。それを除外しました広い意味での減額対象農地、これを対象にして、それに対する課税標準額について七割の減額をするということでございまして、七割の根拠は先ほど局長から御答弁がありましたように、一応広い意味での減額対象農地になりましても、審議会の認定の段階で外されるものが一割程度ある。その残りにつきまして条例によります平均の減額率が八割でございますので、それを乗じますと大体七割相当になるのではないか、こういう計算で控除をいたしておるわけでございます。
○三谷委員 これは減額率が過小に算定されている。いま八〇%程度の平均の減免率とおっしゃいましたけれども、そうじゃありませんでしょう。一〇〇%が一番多いのですよ。そして九〇%があります。八〇%もあります。それからもっと低いのもあります。ありますが、百八十市が減額処置をとっておりますが、その中で一〇〇%というのが圧倒的に多いわけです。ですから、もしも一割の対象除外地域があるとしましても、九〇%というものが出てくるわけであります。もっともその中には低いのが若干ありますけれども、七〇%というのは少し少ないじゃないか。こういうことは、何といいましても、地方自治体の財政の問題を考えていきます場合に、できるだけ算定というものを正確にして、負担をかけないようにしていくということが特に大切でありますが、わずか百八十市でありますから、積み上げ計算をして積算をしたって知れているわけなんだ。ですから、そういう処置によりましてここでも地方負担というものが生まれてくるというようなことは避けてほしい、改善してほしいと思いますが、どうでしょうか。
○森岡政府委員 この制度自体は市町村の自主的な判断にゆだねておるわけでありますけれども、地方交付税の基準財政収入額の計算をいたします場合には、どの税目を通じて見ましても、個別に軽減額があります場合に積み上げていくという計算は現実問題としてむずかしいし、また、していないというのが通例でありますので、全体として見ますならば、一律に七〇%で見ましてやらしていただくというのが普通交付税の計算の方法としてはいままでも通例でありますので、私どもとしては妥当ではないか、このように思っておる次第でございます。
○三谷委員 個別の計算はしていらっしゃらないことは私もよく知っておりますが、しかし、計算の出し方が過小にならないように出してもらうということは必要なことです。そして、その点から申しますと、七〇%というのは総枠としましてなお少ないというふうに私は考えております。八〇%にしましてもどうかというふうな感じを持っております。何といいましても一〇〇%が圧倒的に多いわけでありますから、幾らかわずかばかり低率のところがあったとしましても、これは当然八〇%から八五%の控除率というものが出てくるものだと私は計算しておりますが、その点はいかがでしょうか。
○柳説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生おっしゃいました減額割合八割以上が相当ではないかというお話は、各団体で定めております条例によります減額率に基づきましてのお話ではないかと思うわけでございます。私どもも五十一年度の実績について各団体の条例を細かく調べたわけでございますけれども、お話しのように、一〇〇%減額しておる市も相当あるわけでございますが、対象になります東京都、神奈川県、埼玉県、大阪府につきまして平均的なところを各団体全部調べまして平均的な割合をとってみましたところが、東京都の場合には大体八三%程度、それから神奈川県では八〇%程度、埼玉県では八五%程度、大阪府では九五%程度となるわけでございます。
 これを全体の税額で加重平均的に見ました場合にどうなるかということでございます。先ほども申し上げましたように、そのもとになります認定率の問題がまずあるわけでございまして、一応細かい数字を申し上げて恐縮でございますが、五十一年度の実績で申しまして、対象になります特定市街化区域の農地が一億二千百万平米ほどあるわけでございますけれども、そのうち減額措置の適用申告がなされたものが約九千四百万平米ございまして、それに対して審議会の議を経て認定されましたものが八千三百万平米余りでございまして、認定率が大体八九%弱になっているわけでございます。
 それに対しましてどの程度実際に固定資産税額が減額されたかということでございますが、この減額措置の適用が認められましたものに対する通常の計算でありました固定資産税額が四十七億四千六百万円に相なるわけでございますけれども、これが条例によりまして三十八億八千三百万減額されておりますので、減額率は約八一%でございます。そういうことで条例による減額率の平均といたしましては、私どもも大体八割ということを相当なものと判断しておるわけでございますが、そのもとになります対象認定率九割を掛けまして相乗いたしますと、大体七割程度が相当ではないかという判断をいたしたものでございます。
○三谷委員 そこで、六六%から七〇%に改定をされましたのはどういう根拠ですか。
○森岡政府委員 当初は、制度発足当初でありますので、おおむね三分の二程度だろうということで六六%と決めたわけでございますが、いま交付税課長から御説明いたしましたような精査をいたしまして、認定率、減額率というものをとって相乗して七〇%というふうにしたわけでございます。
○三谷委員 そうしますと、従来は非常な過小算定をしておったので幾らか手直しをしたということだと思いますが、手直しの仕方が少し足りません。いろいろおっしゃっておりますけれども、やはりできるだけ過小に抑えようとなさる。そのために、いまいろいろおっしゃってはおりますが、実態を見ますと、減収額の補てんとしましてはかなり足りないというのが地方自治体が言っております要望です。ですから、これはもう少しよく調べていただいて、地方に負担をかけないように、制度でできました減免の処置でありますから、当然制度上の保障は自治省もやっていくという責任を持ってもらう必要があると思いますが、この点は大臣、いかがでしょう。
○加藤国務大臣 減額措置は三年の時限ではございますけれども、制度としてやったものでございます。そこで交付税計算をいたしておるのでございますが、いま説明をいたしましたように最初は六六%、かようなことでございましたが、実態を把握いたしました上で七〇%、かように直したのでございます。さらによく調査をいたしまして実態に合うように努力をしたい、こう思います。
○三谷委員 農地の宅地並み課税に係る負担調整処置、地方自治体のいま問題になりました条例によります減額処置等は本年度で失効することになっておりますが、それはそのとおりでしょうか。
○土屋政府委員 三大都市圏内のいわゆるA、B農地については、現行の軽減制度は五十三年度までと一応なっております。
○三谷委員 そこで、五十四年度から三大都市圏、百八十四市でありますが、この市街化区域の農地について固定資産税等について必要な処置を講ずることになるわけでありますが、これに対する自治省の基本的な方針はどうでしょうか。
○土屋政府委員 ただいまお話がございましたように、三大都市圏内の特定市街地のA、B農地については五十三年度まで減額措置ができる制度がございますが、五十一年度の改正の際に、御承知のように、このA、B農地のみならず、市街化区域内のその他の農地についても、五十四年度までに課税の適正化を図るという方向で検討を加えて結論を出すようにということが法の附則で示されておるわけでございます。そういったことから、私どもとしても、いまのA、B農地を含め、その他の市街化区域農地を含めて検討をしておるところでございますが、御承知のように、この制度につきましては、市街化区域内の農地をどう扱うか、生産緑地制度とかいろいろな制度もございますし、また、農地の実態に即しては、先ほど申し上げましたような減額措置等を講ずるというそれぞれの手を打ってきております。そういった実態等を踏まえて、今後そういった地域の土地利用のあり方をどう考えていくのか、また、その中の農地をどう考えていくのか、基本的なそういった土地政策全体の進め方、考え方を基礎にいたしまして考える必要がございます。まだそういった点につきまして関係省庁においていろいろと検討されておる段階でございまして、基本的な方向が私どもの方にも示されておりませんけれども、そういったものを踏まえて私どもとしては土地税制のあり方を考えていきたいというふうに考えておるところでございます。
○三谷委員 その御意見、御見解というのは、この法律ができました当時から繰り返し繰り返しおっしゃっていることなんです。いつでも、この状況などをいろいろ勘合しながら、各省の意見などを聞きながら対策を考えたい、こうおっしゃっている。ですから、これができましてから七年目になりますか、多分そうだと思いますが、七年目の今日におきまして、どうするかということがいまだに考えられていない、こういうことなんでしょうか。
○土屋政府委員 現行のA、B農地課税は四十八年度からでございますから、かなりな年月がたっておるわけでございます。
 ただ、いま現に先ほどお示しのあったような減額制度がとられておるということには、それなりの意味があると思うわけでございます。と申しますのは、もう御承知のことでございますが、市街化区域そのものが、十年以内に優先的、計画的に市街化する地域だ、こうされておりまして、そこにおける農地というものは、届け出だけで転用がいつでもできるという形になっておる状況でございますから、そういった意味では、周辺の宅地との課税の公平という問題もございます。一方では、市街化する、宅地化するというような要請もございます。ところが、現に農地として使用されておるという方から見れば、そういった地域であるが、われわれとしては現に農地として使用しておるし、今後もそういうことを続けたい、そういう立場から見れば、やはり全部宅地並み課税というのには問題がある、そういった実態が現に残っておる限り何らかの調整措置が必要であろうということでとられた措置でございます。そういったものが、非常に状況が変わってくればともかくといたしまして、一方ではなお、いまのA、B農地以外に広げるべきであるという意見もございますと同時に、今後とも農地として使いたいものはそういったたてまえに立って考えてもらいたいという意見も、両方あるわけでございます。そこを踏まえてやるには、税制がそういった農地のあり方というものを先に決めるというわけにもまいりません。やはり現実を踏まえた土地利用のあり方等を詰めていただくといいますか、そういったものを踏まえた上で、私どもとしてはまた私どもの立場から検討すべき問題であるということで今日に至っておるわけでございます。
○三谷委員 先ほどの報道によりますと、国土庁、建設省は八月十八日にA、B農地の全面課税、C農地課税を決定したと言われておりますが、そのような方針で税制の改正を自治省に求めていらっしゃるのかどうか、お尋ねしたい。
○佐藤(和)説明員 お答えいたします。
 この問題は、先ほど来お話が出ておりますとおり土地政策の観点から非常に大きな問題でございまして、国土庁内での議論もいまだ固まっておりませんし、まだ成案を得ておりませんので、各方面の御意見を聞いている最中でございまして、新聞報道に一部伝えられましたような、成案を得て自治省の方へ申し上げたという事実はございません。
○三谷委員 建設省はどうですか。
○木内説明員 先ほど国土庁から御答弁がございましたように、建設省としましてもいろいろ現在検討中でございまして、まだ成案は得ておらない段階でございます。新聞記事は、一部の検討の段階で出た記事だというように了解しております。
○三谷委員 そうしますと、誤報でしょうか。
○木内説明員 お答えいたします。
 宅地並み課税につきましては、先生御指摘のように、ずいぶん長年の課題でございます。したがいまして、建設省としましても、最近といわず、一年ぐらい前からいろいろ検討しております。その検討過程には、学識経験者の意見を聞いたりあるいは農業者の団体の方の意見も聞いたりしております。そうして着々案をつくろうとしているわけでございますけれども、非常に問題がむずかしゅうございますので、広範にわたっております。その間において一部の検討の一部の時点における一部の案が出たというふうなことでございますので、誤報というかどうか、ちょっとむずかしいところでございますけれども、あのもの自体が成案でないということは確実だと言えるのじゃないかと思います。
○三谷委員 まだ固まってない案という意味ですかな。
○木内説明員 そのように理解していただいた方がいいかと思います。
○三谷委員 そうしますと、そういう意思はありそうですが、農林省にお尋ねしますが、農林省は、現に農業経営を行っており、しかも野菜等についてはその地域における相対的地位を持っておる、さらに、現に農業をやっておるということからの担税力という問題もある、そういうことで、市街化区域の農地の扱いについては課税上慎重な検討が必要であるということを五十年十二月の地行委員会で田中農政課長がお答えになっておりましたが、農林省のこの問題についての御見解は依然としてこういうところでしょうか。
○若林説明員 お答え申し上げます。
 基本的には、市街化区域の性格は先生御案内のとおりでございまして、そういう市街化区域の基本的な性格を前提といたしまして各種施策が講ぜられており、その一環として先般現行の制度が仕組まれておる。ただ、私どもは、お話ございましたように、市街化区域の中といえども、宅地化の熟度でございますとか、さらに都市施設の整備の状況等、大変に広範な地域でございますので状況が違いますし、その中で農業を、やむを得ずといいますか、当面農業をやらざるを得ない状況にあるということも、これまた事実でございます。その限りにおいて税の負担力ということにも限界かございますので、それらの事情を踏まえて、現実の課税の適用に当たっては、前回の法制度上の措置の場合と同様、慎重な検討を必要とするというふうに考えております。
○三谷委員 参考までにお尋ねしますが、米作収入は十アール当たりどれぐらいになりますか。九万円程度と私は聞いておりますが、全国平均にしましてどの程度の平均収入になるのでしょうか。それから、それに対する現行税額の十アール当たり平均はどれぐらいでしょうか。そして、もしも宅地並み課税が全面課税されました場合には、どの程度の平均税額になるのでしょうか。
○若林説明員 米作の場合、経営規模によって大変にその所得率と申しますか経費率が異なっておりますが、平均的に見ておおむね六割が所得というふうに考えてよろしいのではないかというふうに思います。そこで、平均的な収量を前提にいたしまして所得で八、九万円ということをおおむねの場合に考えておけばよろしいかと思います。
 そこで、水田の場合に宅地並み課税を実施した場合の課税額のお尋ねでございますが、これはいろいろその土地の評価額によって異なりますので一概に申し上げられませんけれども、たとえば三大都市圏等の特定の大都市におきますA農地の固定資産税等について仮に試算をいたしますと、反当税額が四十六万円という数字が一つの試算としてございますし、B農地の場合ですと十八万円、こういう試算をいたしております。
○三谷委員 先ほど国土庁の課長さんのお答えでは、成案にはなっていないけれども、そのもとになる案のようなものが出たとおっしゃいました。
 そこで私、お尋ねしたいのですが、米作収入が十アール当たり八万ないし九万しかない。ところが、宅地並み課税を全面的に実施をしますと、三大都市圏におきましてはA農地で四十六万円、B農地で十八万円という課税が行われるわけです。八万ないし九万の収入に対して四十六万ないし十八万という課税が行われるということになってきますと、これはもはや租税ではないじゃないですか。租税の概念をすでに超越してしまっているのです。大臣、そういうものが公権力によって強制されるというようなことがあっていいものでしょうか。いかがでしょう。
○加藤国務大臣 A農地、B農地あるいはC農地、おのおの熟度の差はございますけれども、都市計画区域に入っておりますことは事実でございますから、したがって早晩都市計画を実施し、宅地化が行われる地域、かようなエリアでありますことは申すまでもないことでございます。
 そこで、現在は農地として使われておりますもののうち生産緑地法によりまして生産緑地の指定を受けましたものはもとより宅地並み課税が行われないことに相なっておりますのと、かつまた、先ほど来議論になりました減額処置も行われておりますのは、現に農地として使われておる、かような実情をしんしゃくいたしましての法処置であり、行政処置である、かように承知をいたすのであります。ただ、土地政策上やがては宅地化される土地でありますだけに、宅地供給促進の観点等も考慮いたしまして現在のA、B農地宅地並み課税が行われている、かように承知をいたしております。
○三谷委員 生産緑地制度につきましては、また後でお尋ねをします。
 これは一つの救済処置、不十分な救済処置としてできたものでありますが、その救済処置によりまして元物、もとの方の誤りを回避することができないわけでありますから、私は、その救済処置の問題を別にしまして、その基本の問題をお尋ねしているわけであります。
 減税の問題もいまおっしゃいましたが、減税もことしからなくなってしまうわけです。そういうことですから、いま土地政策上とおっしゃいましたが、いろいろな立法あるいは政府の政策というふうなものは憲法の保障などを無視してやることはできない、これは言うまでもないことであります。それですから、この立法、政策によりまして財産権が奪われたり、あるいは生存権が否定をされたり、あるいは職業選択の自由が侵奪をされる、こういうことがあってはならないことは言うまでもないことであります。
 そこで、私はこの租税についてお尋ねしたいのでありますが、租税とは一体何かということなんですね。私有財産の果実のうちで公権力によって徴収される価値部分であるというのが定説になっております。この価値部分に対する権力的な参加が課税である、これが税の概念規定になっておるわけであります。ここで言います果実というのは、元物から産出される収益物、そういう意味とされております。ですから、果実には天然果実と法定果実とがあって、その天然果実というのが耕地の穀物だとかあるいは羊の毛だとかあるいはまた鶏卵だとか、こういうもの、つまり物の用法に従って産出、収得されるもの、これが天然果実と言われております。それから法定果実というのがありますが、これは利息や家賃や地代など財物の使用の対価として受ける金銭とされております。これは宅地であります。そして天然果実というのがいわゆる農地でありますが、いずれにしましてもこれは私有財産から生まれてくる果実、つまり価値である、それに対して一定の税金を掛ける、こうなっております。したがって、租税というものが収益税であるということは言うまでもないわけであります。ところが、これは、いま説明がありましたように、収益に対する税じゃありません。これは収益なんていうものはとっくに逸脱してしまって、元物そのものに対して課税がやられておる。したがってこの元物課税というものを実際上は負担できませんから、結局は元物の処理をしなくちゃいけない、こういう結果になってくるわけであります。こういう乱暴な税金があるでしょうか。徳川時代に窓税というのがあったそうでありますけれども、しかし、その悪税にもまさる大変な税金の構想が打ち出されておるわけであります。ですから、もともと申しますと、固定資産税というのはシャウプ税制以前におきましては地租及び家屋税でありました。つまり、地代とかあるいは家賃というものを基準にして、これを課税標準にしておったわけでありまして、賃貸価格を課税標準にしてきたわけであります。現在の地方税法によりますと、固定資産税の課税標準は土地課税台帳等に登録された価格であって、その価格とは、その固定資産の適正な時価であるとされております。問題は適正な時価とは何かということなんです。これが問題になってくる。この適正な時価というものは、根本的に申しますと、資産を切り売りして負担するものではないということなんです。わかり切ったことだ。つまり、元も子もなくしてしまうことじゃない。ですから、これは固定資産を売買することによって実現する収益に着目するものではありません。固定資産を使用することによって収益を生み出すであろう収益力に着目するものであります。したがって、適正な時価とは、固定資産を売却する値段ではない、それが使用収益される状態に置かれた場合の価値であります。そうしますと、農地というものは農業によって所得を得ているわけでありますから、その農業の所得を無視してしまって、それが宅地になって売買されたときの時価を課税対象にするというようなことになってきますと、これはとてもじゃありませんが、農地などというものを持ちこたえることはできませんし、そもそも税の概念に反しているわけです。そういう状態でこの宅地並み課税という問題がずっと論議されてきました。農地はあくまでも農地であって、農地として使用収益する場合の価値であり、宅地転用を想定した土地としての価値ではないはずです。自治省の方では、その点はどうでしょうか。
○土屋政府委員 税の本質的な議論というのはいろいろあろうかと存じますが、結果的には、御承知のように現在の税という場合は、直接的に所得から取る税もございますし、消費その他に着目して取る場合もございますし、財産価値に着目する場合もございます。いろいろな形態でその人の担税力ということを判断して適正な負担を求めよう、こうしておるわけでございます。そういった意味では、いろいろ御意見はございましたが、固定資産税そのものは、先ほどお話がございましたように資産の価格、価値というものに着目をして課税する財産税でございます。極端に言いますならば、本質的な意味では使用の形態とかあるいは収益といったことには余り関係がない。そういった意味では、農地のみならず家屋の場合、住宅の場合でも同じだと思うのでございます。インカムとは直接関係がないような形で課税される。それについてのいろいろな議論は別といたしまして、そういう仕組みになっておる。ただ、農地につきましては、おっしゃいましたいろいろな意味合い等もございまして、限界収益補正とか、あるいはまた評価なり課税に当たりましていろいろな調整措置をとってきておるのは事実でございまして、それはいまのような収益等のことも頭に置いておるからでございます。
 ただ、現在宅地並み課税でやっておりますのは、一般農地は宅地等に比べてそういった意味では非常に低い水準にあるとは言えるわけでございます。ところが、市街化区域内農地は、繰り返しになって恐縮でございますが、十年内に優先的に計画的に市街化をする地域であるといったこともあり、そしてまた、宅地の間にはさまれた農地などは非常に高い価格で売買をされておることもあり、そういったいろいろな事情等から見れば、転用についても届け出だけで済むといったような非常に特異な立場に置かれる。したがって、一般の農地はいま申し上げたようなことでございますが、そこの農地はやはり一般の負担の均衡という意味から課税を高くしたらどうだということになっておる。しかし、現実には農地として使っておられるということになれば、これは直ちに宅地として売られないという状況にある場合は、生産緑地等も含めましてやはりそのままでは不公平な点もあろうということで、現在減額措置ができるといったようなこと、あるいは生産緑地等については農地並みの課税をするといったような形でそこらを補完しておるということでございまして、基本的な固定資産税の性格、農地の性格、それから現在の市街化区域内の農地のあり方、そういうものを総合勘案してとられておる措置でございまして、いろいろな形態の中でいろいろな批判というものはあろうかと思いますけれども、現実的な制度としての仕組みを立てておると私どもとしては思っておるわけでございます。
○三谷委員 いま説明なさいましたが、いろいろな条件の中で勘案されました負担調整処置減額処置がなくなるわけです。なくなる段階で議論しているわけです。これはなくなっていいものか、あるいはなくさない方針なのか、そこら辺のお答えを求めたわけです。
 それで、いまおっしゃいましたけれども、いかなる課税でありましても、物を切り売りして払う性質のものであってはならぬ。地方税法の附則によりますと、市街化区域農地に対して課する固定資産税の課税標準となるべき価格につきましては、類似宅地の固定資産税の課税標準とされる価格、こうなっている。類似宅地なんてものはあるわけがない。農地にどうして類似宅地がある。農地と宅地は根本的に違っている。だから、宅地と農地というものがよしんば近接しておりましても、それは類似宅地じゃない、農地なのだ。宅地は宅地、農地は農地。農地を売買しまして大きな収入を上げる場合があるとおっしゃいましたが、その場合は別個の税金がかかるのでしょう。課税がなされるわけでしょう。それはそれで課税すればいいわけであって、いま現に農業をやっておって、十アール当たりわずか八万、九万の収入しかないけれども、しかし父祖伝来の土地であり、あるいはいまの都市近郊における生鮮食料品の供給だとか災害用空地の必要だとかいうふうなものからして、自分は農地として耕していきたいという意思を農民が持っておりますのに、それは類似宅地なのだというような強権的な規定がなされていいものでしょうか。それはよくない。
 ですから、その場合にどうするかという問題でありますが、農地の適正な時価というのは、農地はあくまで農地として使用収益する場合の価値であって、宅地転用を想定したものであってはならぬわけだ。宅地転用にした場合には、した場合の税金の取り方があるわけだ。売買したときには売買したときの課税の仕方があるわけだ。農業をしておるときには当然農業収益というものを基準にして課税をする、これがあたりまえのことなのです。そうと違いますか。
○土屋政府委員 お話のございましたように、農地については、農地である限りは宅地等とは違って、その評価なり税額においてもそれなりの評価と税額をとっておるわけでございます。しかしながら、いま申し上げましたように、市街化区域内の特定な農地ということになりますと直ちに転用もできるし、周辺の状況から見てももはやこれは宅地に等しいというような感じがございます。そういったことから宅地並み課税というものが持ち込まれたわけでございます。そのときの評価は、類似の宅地の評価から造成費を引いたものの二分の一を評価額としまして、それに負担調整をとりながら税率をかけておるという状況でございますが、一般の農地より高いのはそういう政策的配慮があるからでございます。したがって、いま申し上げましたように農地として当分使っていくのだ、現に使用し、かつまた三年以上農地として使っていくと思われるところは減額ができるのだ、そういう形で一切永久にそこは農地としてやっていくのだ、田舎の農地と全然変わらぬのだという状況なら、いまのような課税はなかなかしにくいだろうと思うのでございますが、実態はそういうことであるので、一々区分けができませんから、宅地並み課税はするが、現に客観的に市町村の方で農地課税審議会等で認められたそういうところは減免をするといったような形で調整をとる、こういうことになって御趣旨のところを示そうという形になっておるのだと解釈しておるわけでございます。
○三谷委員 それもさっきと一緒で、ことしまでの処置をおっしゃっておる。ことしその処置がなくなるから問題だと言っているのですよ。いまおっしゃいますように、ことしまではそういう処置がとられました。減免もできる、あるいは非常に不便といいますか手続上繁雑ですけれども、生産緑地の申請もできる。しかし、これは面積におきましてもその他の条件におきましても非常に限度がありますから、余り活用されておりません。まず、一般的には、条例による税の減免がとられてきた。とられてきた根拠は、あなたがいまおっしゃった点も含まれてとられてきた。それがことしでなくなるからどうされるかということを聞いているわけです。
○土屋政府委員 その点につきましては、当初にお答えいたしましたとおり、土地利用のあり方その他についていろいろと関係省庁の意見を聞きながら検討しておるところでございまして、いま、それでは来年からどうするのだという結論を出しておるわけではございません。今後の市街化区域内の農地のあり方といったこと等を踏まえまして土地利用の方向が決まってまいりますれば、それに適応した税制のあり方を考えるということでございまして、どうするかということは結論が出せません。一方では広げるべきだということもございますが、一方では現に農地として使っておるものは何らか考えるべしという意見もあるわけでございます。そういうものはそれぞれに踏まえて検討をしたいということで、結論としてもいずれはそんなに遠くない時期に出さなければならぬとは思っておるわけでございます。
○三谷委員 あなたのお答えを聞いておりますと二律背反的で困るのです。いままではいろいろな減免処置をとってきた。それは、市街化区域における農地の特殊性というものに基づいてそういう処置をとったのだとおっしゃっている。つまりとることに根拠があった、理由があった。だからとってきた。ところが、今度は、どうするかまだわからぬとこうおっしゃる。それじゃいままでとってきた根拠は喪失してしまったのか、なくなってしまったのかといいますと、そうではない。状況は依然として変わっていない。そうしますと、今日までとってきた論拠というものはそのまま生きてくるわけだから、当然その問題というものを起点にして物を考えていく、白紙になってこれから検討するというのではなしに、従来とってきた処置というものが必要で、しかも論理のある処置であるわけだから、それはとるべきである、あるいは続けるべきであるというふうな結論にならぬと、お答えが何か初めのお答えと同じように分裂してしまっておって、言葉で物事をごまかすという感じを避けがたいわけです。ですから、そういう点を含めまして、従来とってきた処置というものは一応の根拠もあり、そして効果もあったわけでありますから、これはさらに続けていく方向でやっていくのかどうか、その点はどんなものでしょうか。
○土屋政府委員 あいまいなことを申し上げて恐縮でございますが、結論が出ていないので正直に申し上げたわけでございますけれども、いままでとってきたことについてはそれなりの理由があることを申し上げました。そういったものについては、今後も、やってきたという事実を私どもとしても頭に置いていかなければならぬと思うわけでございます。
 ただ、今後どうするかという場合に、あるいはこれはどうかわかりませんが、ほかの手段があるのか、もっとよりいい手段があるかどうか、いろいろな意味を含めて土地利用のあり方に即した方向が出てくればそれに応じた税制を考えようということでございました。その結果をいまここで、それじゃやはり継続すべきだというようなことをそういった現状において申し上げにくいというのは、そういう広い意味で検討したいという意味からでございまして、本質的な意味での市街化区域内の農地のあり方ということと全般的な土地利用のあり方ということを踏まえた新しい観点に立ってという場合に、過去は一切、一応御破算にするにいたしましても、いろいろな現実というものは踏まえてやるわけでございますから、そういうものを見た上で検討すると申し上げておるわけでございます。
○三谷委員 おっしゃることの意味は大体わかりました。従来減免をとってきたのには根拠がある。しかし、今後さらにそれよりも有効な、もっと適切な処置があるかないか、そういうことまで含めながら検討したいというわけでありますから、従来の処置に否定的な見解ではないということはわかりました。
 そこで、宅地並み課税というものが全面的に実施されますと、私有財産のうちの果実部分だけにとどまらず、元物の私有財産そのものを侵食することになります。そうでしょう。八万か九万しか所得がないわけでありますから。そして、それでもなお農業をやっていくと言っているわけでありますから、その八万か九万の果実に対して課税をするのでなしに、元物に対して四十六万も十八万もの税金をかけたのでは、これはとてもじゃありませんが農地というものは維持できません。これを所有することはできません。結局、これは私有財産の切り売りです。そうしますと、税というよりも私有財産の収奪になってしまう。財産権の否定であります。さらに言いますと、生存権にかかわってくる。こういう税金というものがまかり通っておるということが問題であって、そのためにいろいろ問題になって調整処置がとられてきました。この委員会におきましても繰り返し繰り返し附帯決議を付しております。この付帯決議といいますのは六十五国会から始まっておりますが、六十八国会、七十一国会、七十七国会、与野党全会一致でこれが通っております。
 これは趣旨といいますのは、「耕作の用に供されていると認められる農地の認定にあたつては、その実情を十分精査すること。」あるいは現に耕作しておる者に不利とならないよう適切な処置をとるべきである。あるいは「引き続き長期に営農を希望する者については、市街化調整区域への編入、施設緑地としての指定等により、農地並みの課税とするよう十分に配意すること。」
 要するに、農地は農地として十分に尊重し、課税も考えろという附帯決議かついている。これは、大臣はその都度その意を尊重して最大の努力をしますということを答えている。そうして今日に来ているわけでありますが、今日におきましてもこの決議の内容は変わっておりませんし、それから、市街化区域における農耕者の条件というものも変わってはおりません。
 そうしますと、今日これらの調整処置や減額処置がいよいよなくなる段階におきまして、一体どのような方向でこの問題を処理するかということはおのずから明確になっていると私は思っている。これは要するに、世論というものがこういう附帯決議という形であらわれたわけでありますから、これに対して自治省というものがこれを尊重する立場で宅地並み課税を扱っていくつもりかどうか、お尋ねしたいと思う。
○土屋政府委員 そこに示されております議会における意思というものはもう十分理解もできますし、尊重すべきものだと存じております。
 そういった意味で、先ほどから申し上げておりますように、今後の市街化区域内の農地のあり方ということを基本的にこの機会にもう一度よく検討してもらって、その結果に従って、私どもとしては従来から考えておったいろいろな税法上の理論というのがあるわけでございます。そういったものを適用するに当たりましても、この機会に関係方面でも検討されておる実情を見た上で対処しようというわけでございます。
 したがいまして、それは結論をやめたと言っておるわけでもないし、そういった意味では、新しい事態を踏まえての検討を加える、そういった立場で申し上げておることを御理解願いたいと思うのでございます。
○三谷委員 お答えを聞いておりますと、他力本願で、傍観的ですね。どこかでだれかかやってくれる。その相談に乗っていこうというふうなお考えのようでありますが、地方税法はこれは自治省の管轄でございますから、自治省としての一定の考え方を持たなくちゃいかぬ。そうして交渉をするとか、相談をするとかやっていかなければならぬ。国土庁とか建設省か管轄する事業のセクト性によって、すぐに宅地だとか、すぐに住宅だとか、こう言っている。住宅の問題は後でお尋ねしますけれども、しかし自治省としては、建設省や国土庁のベースで相談をしていただいて態度を決めるというのじゃなしに、自治省としての方針あるいは考え方は積極的に展開すべきものだ。そうして、そこで正当な結論を見出すべきだと私は思っておりますが、いつ聞きましても、何かよそごとみたいな返事をなさる。よく検討していただいてとか、よく協議していただいてとか、こうおっしゃっている。自治省は、こういう考え方でやっていきます、ただ、これは自治省が政府全体でありませんから、場合によっては自治省の方針が通らない場合もあるけれども、自治省としてはこういう信念とこういう方針でありますというものがなくちゃならない。ところが、それが全くないわけ。どこにあるのか私はわかりませんけれども、そういうことでは、これは自治省の役目から見まして、余り立派とは言えぬように思いますが、大臣どうですか。
○加藤国務大臣 地方税法はもとより自治省の所掌いたす法律でございまして、最終的にはわが省もかちっと決断をしなければならぬことは当然でございますけれども、しかし、そこに到達いたしますまでには、いろいろ論議の過程のあるのもこれまた事実でございますし、ことに土地政策と関連をいたしまして土地課税が非常な問題であり、先ほど国土庁や農林省から答弁もございましたけれども、端的な意思表示はいたしておりませんが、やはりその間には相当の考え方の開きのありますのもこれまた事実でございます。そこで、そういう意見に耳を傾けながら、ある時点に参りましたら決断をしなければならぬのでありますけれども、まだその時点には到達しておらぬ、このためにややあいまいな言い方をしておりますことは、これまたやむを得ないと御理解をいただきたいのであります。
○三谷委員 そうしますと、国土庁、建設省の意見とは相当な開きがあるということは、自治省は建設省あるいは国土庁とはかなり意見が違うというふうに私は受け取りましたか、そういうことなんでしょうか。
○土屋政府委員 現在、私どもとしても、先ほど申し上げましたように、関係省庁で詰めた土地利用のあり方という結論は出てきていないわけでございます。報道等に議論しておる過程等が出ておりますので、どんなことが議論されておるのかということは想像はしておるわけでございますけれども、開きがあるとかどうとかといいますか、結論的なものも受けていない限り、私どもとして最終的にこれが関係省庁の意見だという立場からは、ちょっと申し上げにくいわけでございます。
 ただ、私どもといたしましても、自主性なしに待っておるというわけではなくて、最初に申し上げましたように、税制度としての判断というのは、私どもとしてはすべきだと思っておるわけでございます。ただ、いまの市街化区域のあり方とか、その中における農地のあり方とかというようなたぐいのものは、税制の立場からこうあるべきだということはちょっと言いにくい面がございます。だから、そういった点をどういうふうに判断されるかということは、やはりこの土地税制としてのあり方を考える場合には非常に大事なわけでございます。そういった点からお答えをしておるわけでございまして、決して税制を他人任せにしておるのだというつもりではないわけでございます。
○三谷委員 大臣のお答えと局長のお答えは大分違っておる。それはだれが聞いてもわかる。相当な開きがあるとおっしゃっておる。あなたはそうじゃないというふうな言い方になっておる。まあ、しかし、いまここでそこをほじくってどうこうすることはしませんけれども、大事な点は、農業を継続する意思の確認される者にまで宅地並み課税を押しつけることは許されない。それをやれば公権力の乱用だ。宅地用地が欲しいという政策上の課題は、そういう個人個人の私有財産権だとか、あるいは職業選択権だとか、それを侵害しない手法によって行っていくべきものであって、宅地が欲しいということのためにはいかなる乱暴な処置をもいとわないというような処置は、これは絶対に許されません。
 そこで、憲法でも言っておりますけれども、そういう人権上の保障の範囲内でこそのみ立法化が認められているわけだ。そういう点を十分に考えて対処してほしいと私は思いますが、この点は、大臣、いかがでしょうか。言っていることが御理解できましたでしょうか。
○加藤国務大臣 よく理解できておるつもりでございます。ただいまのような御意見をもしんしゃくしながら検討を進めてまいります。
○三谷委員 そこで、宅地並み課税というものをやらなければ、三大都市圏の住宅がどうにもならないということが一つの論拠になっているようでありますが、私は大阪におりまして、市街化区域、つまり平面的な市街化区域、電車も来ていない、バスも来ていない、そういうA、B農地がたくさんあります。同時に、これは調整区域でありますけれども、私鉄がとまる、バスがとまる、住宅地としては最も望ましい環境の地域がたくさんある。
 しかし、これは市街化区域ではありませんから、宅地並み課税の対象にならぬわけです。しかし住宅としてはそこの方がメリットがある。ところがここはほとんど私鉄資本が買い占めてしまっておる。近鉄、南海などが買い占めをやってしまっておる。あるいは民間デベロッパーが買い占めをしておる。これが膨大な面積に達しております。私どもが知っておりますだけでも、河内長野市から和歌山県の橋本市にかけまして、約三十万平米と聞きましたか、この数字は正確じゃございませんが、膨大な土地が買収されております。そういう状態で、大企業によります土地の買い占めが行われておる。しかも、これは市街化区域ではありませんから、問題になっていない。土地保有税が若干かかりましたが、これも十年の期限で撤廃しよう、緩和しようという意見もあるようでありますが、そういう住宅地として最も適したところ、ここをなぜもっと住宅化する処置がとられないのか。それこそもっと強い姿勢で、つまり農民から土地を取り上げようとするような、そういう姿勢がありますならば、なぜそういうところを対象にして住宅化の行政的な処置をおとりにならぬか、これが私は疑問なんです。これをお尋ねしたい。
○木内説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、企業等が特に四十四年以降かなり土地を買っておりまして、現在、建設省の調査によりますと、販売用、いわゆる事業用でない保有土地としまして、全国で約十六万ヘクタールございます。この土地でございますけれども、この中で市街化区域に存在しますのは二万七千ヘクタール程度でございまして、先ほど御指摘のように、多くは調整区域あるいは線引きの行われていない区域、あるいはさらに都市計画区域外の土地を所有しておるわけでございます。こういった土地をなるべく早めに出すというようなことは、もちろん大切なことだと考えておりますし、われわれといたしましても市街化区域内に保有している企業の土地というものの供給促進方は、いろいろ関連公共施設等の整備に対する特別な助成等で図っておるわけでございます。しかし、これは非常にマクロの数字で恐縮でございますけれども、全体の宅地の必要量、たとえば昭和六十年ぐらいまでに三全総で必要とするような土地を計算してまいりますと、この保有土地と申しますのは、三全総を――あれは大阪圏と東京圏というふうになっておりますので、三大都市圏にちょっと換算して計算しますと、たとえば三大都市圏で三全総で必要とする宅地の面積は、約八万ヘクタールあるわけでございます。その中で事業者が市街化区域内に持っておりますのは一万二千ヘクタールでございます。このように、全体の必要量から比べますと、不動産業者が持っている土地というものは、極力早期放出のための施策を講じますけれども、それをもってしてはとても十分ということは言えない数字でございます。
 そういう意味もございまして、市街化区域内の既成市街地以外で、約半分ぐらいの面積を占めております市街化区域内の農地でございます。この宅地化をどうしても促進しないと、全体の必要量に間に合わないというふうな計算になるわけでございます。
 そういう意味で、企業の現況土地保有の面積だけに期待するわけにはいかないというふうなのが現状でございます。
○三谷委員 いけないというよりも、先にそこに手をつけて、それから後考えていくというのが順序ですよ。
 これは少し古い五年前の調査ですけれども、東京、神奈川、千葉、埼玉、一都三県で大企業が買い占めました遊休土地が二万ヘクタールという計数が出ております。二万ヘクタールといいますと二百万人分の住宅が建つわけだ。そういうものが買い占められている。ゴルフ場の用地が一万七千ヘクタールといっている。これは十分に住宅用地になり得る可能性を持っている。都心から四十キロないし五十キロ圏内にあるわけでありますから、これは都市勤労者の住宅難解消のためにはこの土地を放任しておくのがおかしいわけであります。土地登記によりましてもうけのために土地を買い占めて、それを持っておるという状態、遊休させておるという状態ですね、これをほったらかしにしておいて、現に稲をつくっている、野菜をつくっている、その土地をとるというのでは、これは農民が納得しませんよ。これは東京だけじゃありません。大阪にしてもそうです。大阪近郊を見ましても、これは大阪で千九百五十ヘクタールといっております。京都で千七百四十七ヘクタール、兵庫で五千百五十ヘクタール、奈良で二千九百九十七ヘクタールという数字が出ております。これらはほとんど、たとえば東京で言いますと、東急不動産に西武鉄道、伊藤忠に角栄建設、角栄というのは田中角榮の角栄ですが、これは関係あるかどうか知りませんよ。角栄建設、それから東京急行に東武鉄道、こういうのがほとんど買い占めしている。関西の場合でも、大和グループ、これは御承知の大和ハウスのグループでありますが、大和グループ、近鉄不動産、京阪神急行、東急グループですね、こういうのが買い占めている。全部もうけのための土地登記をやって、しかもそれがいまだに遊休地として放任されておる。しかも私鉄などが買い占めました土地はちゃんと電車がとまる可能性があるわけだ。交通の面から申しますと非常に条件がいいわけだ。ここのところに目をつけずに、面積の上で都市に近いからといって、バスもなければ、あるいは私鉄もない、国鉄も走っていない、そこが宅地と一緒であるといって、そこから無理やりに土地をとろうとする、こういう態度がそもそも間違っている。これが政府の姿勢を示しているわけだ。ここのところから、手をつけて、それでなお足りなければ、それは一体どうするかという問題を検討すべきであって、そこをほったらかしにしておいて、そして現に耕しているたんぼを宅地であると称してべらぼうな税金をかける。アール当たり四十何万もの税金をどうして払えますか。そういうことでありますが、この点につきましても十分御検討いただきたいと私は思いますが、大臣さん、いかがでしょうか。
○木内説明員 自治大臣の前にちょっと御説明さしていただきたいと思います。
 先生御指摘のように、確かに企業は十六万ヘクタールぐらいの土地を持っております。しかし、先ほど申しましたように、市街化区域に持っている土地は比較的わずかで、調整区域あるいはその他の区域において……(三谷委員「調整区域でいいんだよ、立法すればいいんだ、立法すれば」と呼ぶ)それで、現在建設省としましても、市街化調整区域の中の土地であっても、これが良好な市街化ができるというふうなものにつきましては、線引きの見直しに当たってこれを排除するという方法を考えておるわけでございます。
 ただ、先ほど申しましたように、市街化調整区域の土地というのは、全般的に申しますと開発が非常にむずかしい、あるいは地方公共団体もこれに対しましてなかなか開発許可をしないというふうな問題がございまして、非常にやりにくい点があるということでございます。市街化区域内の土地につきましては関公の助成とかそういうふうなことで極力促進をしてまいっておるわけでございます。そういうことで、量的に多いものの多くは非常に使いにくい土地であるという点を御了解願いたいと思っておるわけでございます。
○三谷委員 使いにくい土地をこういうデベロッパーが買ったりはしないんだ。これは十分なメリットがあるから買っていくわけであって、はしにも棒にもかからぬような、この間北海道でありましたが、インチキな建設会社がありました、クマザサが生えて、そして火山灰地であって、水もなければ交通機関もない、こういうものと違うのですよ、これは。三大都市圏の四十キロ圏範囲に存在している土地でありますから、これは市街化区域にはなっておりませんけれども、住宅地としては最適のところが非常に多いということは間違いないんだ。それに対して何ら具体の手を打たずにおって、住宅用地が足りないから、さあたんぼをつぶすんだ、宅地並み課税だ、こういう態度をおとりになっている。ここが問題なんです。だから、農民も納得しません。納得する処置をとった上で、それから市街化区域の問題はお考えになった方がいいと私は思う。私はそのことを一言申し上げておきます。
 そこでもう一つ農林省の方にお尋ねします。
 いまの大都市圏の農地、これが果たしている役割りというものは最近特に再評価されておりますが、これについてどうお考えなんでしょうか。
○若林説明員 お答え申し上げます。
 その農地の評価の前に私どもは基本的に土地の問題に関して、このような認識を持っております。
 それは、基本的に国土が狭い、人口及び経済密度が高い、こういう高密度の社会の中で土地に依拠することを基本とする農業を一定量確保していく、維持していく、拡大していく、こういうことをやろうといたしますれば、どうしても各種公共投資を集中的にしなければならないし、そのためにはそういう農業投資をした土地がその投資の効果が発現されるように維持されていかなければならない。それにはどうしてもゾーニングと申しますか土地利用区分というものが必要だ。その土地利用区分は、単に農業のサイドだけではなくて、非農業側の土地の利用の状況も勘案し、地域の住民の合意のもとに自治体の指導のもとで社会的合意を得て土地利用区分をつくって、それで農業を主としてやるところに集中的に農業投資をしていかなければいけない。そういう意味で必ずしも現実の区分の設定が各種の利害の調整の中で十分でない部分がございますが、都市計画法あるいは農業振興地域整備法に基づきます農用地区域の設定がそのような趣旨のもとに行われてきたわけでございます。そういうゾーニングの基本的な枠組みは維持さるべきもの、こういうふうに考えてまいりまして、市街化区域に問題が及びますと、市街化区域の中には、御承知のようにただいま二十三万弱の農用地が現に入っているわけでございます。これらの農用地については都市的な条件整備が行われていないということから、確かにおっしゃるように直ちに宅地化に適さないところもあるわけでございますが、制度の趣旨にのっとり優先的、計画的にその市街地化を進めていただく、そういう都市的投資と見合って、いずれはその条件の整備に応じて都市的土地利用に変わっていく、そのことか都市的土地利用の、一定量土地が必要であるという現実からしますと、農業内部の土地利用との調整を図りつつ、いまのような基本線でいくべきである。確かに都市農業はその立地においてすぐれた面かございます。そういうすぐれた面を生かした都市農業は今後とも育てていかなければならないわけでございますが、市街化区域内の農地及び農業につきましては、社会発展の段階に応じて逐次都市的土地利用に移行していかざるを得ないし、また、そのことが国土全体の利用にとって望ましいのではないか、このように考えております。
○三谷委員 あなたのそもそも論のような、非常によくわからぬお話を承ったが、農林省というのはもう少し農民や農業を保護するという観点に立って率直に意見を述べてほしいと思う。しかし、時間がありませんから、この問題はきょうはこれまでにしておきます。
 農林省にひとつお尋ねしておきたいのでありますが、今次の干害が全国的に農作物や果樹等に重大な被害を及ぼしました。私、先日大阪に帰りまして被害地を一通り見て回りましたが、大変な被害の状況であります。これに対して干害対策をどのようにおとりになるのか、お尋ねしたいと思います。
 一つは、天災融資法あるいは激甚法の発動、これはいつおやりになるのか。それから、自作農維持資金の災害枠の設定はどうなっておるのか。あるいは、既借入制度融資資金、この償還条件の緩和措置を講ずる意思がおありかどうか。あるいは、干害応急対策事業に対する国の助成措置を強化する意思がおありかどうか。農業共済金の早期支払いについて国はどのような指導をされておりますか。この災害の中で収入が全くなくなりましたから、年内にこれの支払いを希望するという農民の声が非常に強いわけでありますか、こういう点について御答弁を聞きたいと思います。
○浜口説明員 ただいま数点の御質問がございました。
 そのうち、第一点の天災融資法の発動の問題並びに既貸付金の緩和措置の問題、その点につきまして私の方から御回答申し上げます。
 第一点の天災融資法の発動の関連でございますが、先生いまお話しのように、本年七月上旬以降、全国にわたって記録的な高温少雨の状況が続いております。干ばつによる農作物の被害が発生しておるわけでございますが、これらの農作物の被害につきましては、天災融資法及び激甚災害法の適用を行うことといたしまして、現在準備を進めているところでございます。
 なお、発動の時期でございますが、昨日、御案内のとおり参議院本会議におきまして可決されました天災融資法及び激甚災害法の一部改正法律案の成立の時期等も勘案いたしまして、十月下旬を予定しているところでございます。
 続きまして、第三番目のお話の、既借入資金の償還期限の延長等の措置の問題でございます。災害による被害を受けました農業者がすでに借りております資金の償還につきましては、個別に判断をするというようなことでございまして、たとえば農林漁業金融公庫資金によりましては、被害者の実情それから被害程度に応じまして、中間据え置きの設定等の貸付条件の変更ができることとなっておりまして、この点に沿って指導をいたしております。
 以上でございます。
○土屋説明員 農業共済金の支払いにつきましてお答えいたします。
 ことしの干ばつによる被害の状況につきまして、目下農業共済団体等において調査中でございますけれども、特に水稲、陸稲、桑、果樹等につきまして損害高を的確に把握するよう指導しておりますし、それから、必要に応じましては共済金の仮渡しを実施するようにも指導しておるわけでございます。できるだけ年内に支払いができるようにということで努力しておるところでございます。
○佐藤(太)説明員 自作農維持資金の融資枠につきましてお答えいたします。
 現在自作農維持資金の資金需要につきまして調査中でございますが、干ばつ被害ということを踏まえて実態に即した適切な資金枠を設定したい、こういうぐあいに考えております。
○三谷委員 ふやすということでしょうな。あいまいな用語があったな、適切なんと言ったってわからぬ。
○佐藤(太)説明員 県とも相談をしながら、実態に即した資金枠を設定したいと思っております。
○高田説明員 御質問の四点でございますが、干害応急対策事業につきましては、全国的な規模で干ばつ対策が実施された場合には、これらの事業につきまして、過去において臨時特例的に予算措置がなされたことがございます。本年の干ばつについてでございますが、水路、井戸等の掘削、それから揚水機の設置等の応急対策事業が自主的に全国的な規模で実施されておりますので、その実態につきましてただいま把握中でございますし、また、助成措置につきましてもその内容等につきまして現在関係省庁と協議を行っているところでございまして、過去の事例等を参考にいたしまして早急に対処してまいりたい、こう考えております。
○三谷委員 これについては自治省はどのような対策をお持ちでしょうか。
○森岡政府委員 干害対策につきまして各省からお話し申し上げましたいろいろな措置もあるわけでございますが、同時に、関係地方公共団体でも特別な財政需要が出てまいります。それにつきましては、被害状況の判明を待ちまして、その団体の財政状況等も勘案の上特別交付税で措置をしてまいりたいと思っております。時期は、十二月分の特別交付税の配分に当たって措置いたしたい、かように思っております。
○三谷委員 終わります。
○木村委員長 川合武君。
○川合委員 財政局長に伺いますが、今回の一部改正法の内容を見ますと、昭和五十九年度から六十八年度までに、各年度の借入金の償還額が、昭和五十九年度は四百八十億円、昭和六十年度が五百四十億円ですか、それから同額の臨特というようなことの内容を見るわけですが、要するに、金額が各年度均等でなくてそれぞれ異なっているその事情といいますか、このわけ合いを説明していただきたいと思います。
○石原(信)政府委員 今回三千億円の特別減税の減収に伴う地方交付税の減額九百六十億円を借り入れるわけでありますが、その借入れの返還につきましては、当初のときに借り入れております一兆五千五百億円の各年次別の返還額がございます。それと比例的に返していく、要するに一兆五千五百億円に九百六十億円を加えて、同じぺースで、同じ年次別の傾向で返していく、こういうことでございまして、基本的には、一兆五千五百億円が、当初の段階はなるべく小さく、後の年度になるほど大きくなるように償還額を設定しておりますので、それと比例的に今回の九百六十億円も設定したわけでございます。
○川合委員 特別減税に伴う地方交付税の落ち込みについて国が責任を持つ、こういう考え方が今回のこの一部改正法律というものの基本的な考え方だと思いますが、それでよろしゅうございますか。
○森岡政府委員 そのとおりでございます。
○川合委員 そうしますと、いまの石原審議官の話を伺いましても、特別会計で借りて十五年といいますか、五年間据え置き、それから十年間で返していく、こういう小刻みに返していく、その分をその都度臨特で補てんするというやり方ですね。こういうみみっちいやり方でなくて、もっとすっきりと国がこの特別減税に伴う落ち込みの分について一遍に金額を負担する、こういう方式の方が正しいし、なぜそれをやれないのかということをお尋ねしたいと思います。
○森岡政府委員 まことにみみっちい話でありますが、それほど国家財政も容易でないということだと私は考えております。国家財政に一遍に措置をしてもらえるだけの余裕がございますれば、それが一番いいかっこうだと思いますけれども、国、地方を通じましてこういう状況でありますので、十年間で臨特を繰り入れてもらって、それでもって返していく。その場合も、国家財政の問題もございますので、初めはできるだけ小さくして、後の方に償還額及び臨時特例交付金の額を大きくしていく、こういうふうにせざるを得ないという財政の大変厳しい状況でありますことを御理解いただきたいと思います。
○川合委員 そうしますと、これは特別会計が借り入れて、そしてやるというわけですが、一般会計が九百六十億円を借り入れても、財政がお金がないというなら、一般会計が借り入れてそれを特別会計に渡して、そして一般会計が漸次返していけば、それでいいのじゃないか、こう思うが、どうでしょうか。
○森岡政府委員 確かに一つのお考えであろうと思いますけれども、現在の国債、ことに赤字国債の発行の状況を勘案しますと、国家財政におきましてこれ以上赤字国債をふやすことについて非常なためらいがありますし、また、そのこと自身大変なことでございますので、このような形をとらせていただきたいということであると考えております。
○川合委員 一つの考え方だと言われても私は困るので、私の言った方が筋に合うのじゃないか。普通の場合と違って、これは特別減税に伴う問題なのですから、政府がこれについては全責任を負うというか、地方財政への影響を避けるような配慮をする責任を持つ、こういう基本的な立場に立っているというふうに私は考え、また、先ほどそのとおりだとおっしゃったのだから、その筋から言えば、一般会計が借りて、そして特別会計の方へは一遍で渡す、こういう方が正しいのではないか。国債の云々と言われたけれども、形式的には国債が、一般会計の方が云々ということになるかもしれませんけれども、しかし、実質的には特別会計が借りたって同じといいますか、形式的には違うかもしらぬが、実質的には同じだと思うのですが、もう一遍ひとつお答え願います。
○森岡政府委員 一つのお考えだと申しましたのは、一般的な評価と申しますか、一般的に考えればそういうお考えもあろうかと申し上げたつもりでございます。現在の国、地方を通ずる財政の現況から申しますと、いまおっしゃったような方式をとることは非常にむずかしい。したがって、運用部資金から借り入れまして交付税の額は確保し、将来償還する形でその全額を臨時特例交付金で国庫が責任を持つ、この方式をとることが、国、地方を通ずる現在の財政状況及び公債の発行状況等を勘案いたしますと、最も妥当な方式であろう、こういう考え方に落ち着いたという次第でございます。
○川合委員 どうも、むずかしいと言われるが、むずかしい理由をもう一遍ちょっと聞きたいのです。一般会計が借りて、それを一般会計が返す、どうしてそこのところがむずかしいのか、財政的な理由を……。
○森岡政府委員 私ども限りでお答えすべきことなのかどうか、そこのところは一つ問題があると思いますが、私なりに申し上げますと、国庫が一時にこの九百六十億円を地方に補てんをするということになりますと、その財源は赤字国債に求めざるを得ないということになるのだろうと思うのであります。それはいまの国の公債発行状況から申しまして、国の財政としてはとうていとり得ないということであったのだろうと思います。地方財政に対する補てんとしては、形はいまの御意見とは違いますけれども、実質的には国が全責任を持つという形をとったわけでございますので、私どもとしてはこの案で了承した、こういうことでございます。
○川合委員 五十二年度の第二次補正の場合も、当委員会に交付税法の一部改正法案がかかりましたね。あのときはどういう方式をとったのか説明してもらいたいと思います。
○森岡政府委員 五十二年度のいわゆる第二次補正におきましては、国税三税の自然減収と申しますか、が生ずることがだんだん明らかになってまいりまして、歳入予算を減額いたしました。その時点で地方交付税を減らすことはできませんので、予算計上額でもっていわば固定をするという方式をとったわけでございます。
○川合委員 今度は特別減税の場合だから、それは背景といいますか事情は違うけれども、あの五十二年度の第二次補正の場合のような方式、これを今回なぜとらなかったのか。とるべきでないというお考えでこういう方式をとったというのはなぜか、その点について説明してもらいたい。
○森岡政府委員 まず、昨年のいわゆる三千億円の特別減税、戻し減税につきまして予算減額が行われました際に、運用部資金から資金を借り入れて交付税額を減らさないようにし、将来、国が臨時地方特例交付金でその償還費の全額を見る、こういう形をとったわけでございます。全く同じ特別減税、戻し減税の方式が当初の予算委員会の御審議を通じて与野党の合意が成立したものでございますから、私どもといたしましては、要は交付税の減らないような措置をとり、かつ、国に全責任を持ってもらうという措置をとることが究極的なねらいでございますので、昨年度と同じような措置をとるのが最も妥当ではないか、こういう考え方をとった次第でございます。
○川合委員 いま局長のお話にもありましたように、昨年も今度のような措置をとったわけですね。そうしますと、この特別減税に伴う地方交付税の落ち込みに対する補てん措置というものは、こういうように一々細かくごたごた書かないで、そうして去年もあったことだし、特別減税の行われた場合に一応限りますが、その特別減税の行われた場合は、それに伴う地方交付税の落み込みを避けるための分は当初予算に計上された国税三税の三二%とする、こういうふうな意味の規定を設けるべきだ。そうすれば毎年毎年、去年もしかり、ことしもしかりというように、その都度、しかもこういうややこしい改正をしないで、その方が筋が通るのじゃないか、こう思いますが、どうでしょうか。
○森岡政府委員 特別減税が、当初予算を編成して国会に提出し御審議を願っている過程において御意見が出て、昨年度とことしと二年度にわたって実施されたわけでございますけれども、将来にわたって特別減税を毎年度実施されるというものでもなかろうと思うのでございます。したがって、いまお話しのような特別減税が行われた場合に、一定のルールと申しますか、それを事前に決めておくというようなたぐいのものではないのではないか、これはやはり政府としては自信を持ちまして予算案なり税制改正案を国会に提出し御審議を願っておるわけでございますから、通常の形の場合には、特別減税というのは恐らくないということを政府としては考えておるわけでございます。したがいまして、事前に一定の特別減税が仮にありせばということで方式を決めておくということは、これはやはりいかがかという感じがいたします。
○川合委員 しかし、今回の改正の規定の文字を読みますと、これは冒頭に申し上げましたように、いかにも特別減税の場合に、その地方交付税の落ち込みを避けるために政府が責任を持つというような味はこの文章には出ていないと思うのです。それは法律の文章だから実質が間違っていなければいいと思うけれども、しかし、私どもは、なるべくその姿をあらわして、そして法律技術的に文章を練ってもらうべきなのであって、今度の改正の文章を読むと、景気によって地方交付税の総額が減って、しかも減ったので政府が何か恩恵で、お恵みでもって措置をしてあげるんだという規定ともとれます。そんな感じがこのいただいた要綱を読みましても、あるいは提案理由――提案理由はまあそうでもないが、要綱を読みましても、いま申しましたように、こういう特別減税の場合だから政府は責任を持ってやるんだとかなんとかというような雰囲気が出ないで、景気のかげんで交付税総額が減った、それで政府がお恵みで措置をしますよという場合にも当てはまるような規定といいますか――わかりますか、言っている意味か。本当の姿をこれはあらわしていないのじゃないか。私の言ったような規定の文章を考えた方が正しいのじゃないか、実態に合うのじゃないか、こう思いますが、財政局長はどういう感じを持たれますか。
○森岡政府委員 法律の表現は、お話の中にもございましたように、法律によりましていろいろあろうかと思いますが、およそ財政関係の法律なぞの場合には、事柄を的確に書くということが通常使われておるわけでございます。趣旨とか事柄の理由とか条件とか、その辺のことにつきましてはそれほど綿々と語らないというのがいままでの慣例、法制局の考え方でもあるというふうに思います。
 したがって、お話の中にもございましたように、提案理由の説明、これをあわせごらんいただきまして、その辺の法案の趣旨、内容というものを御理解いただくことが必要だと思うのでございます。
 なお、私どもはお恵みで今回の特別減税分を補てんしてもらうとは毛頭思っていないのでございまして、国の政策減税でございますから、それに伴うものについては、国の責任におきまして交付税の減少が生じないように的確な措置をとってもらうということは、過去においても将来においても私どもの立場として強く主張してまいるつもりでございます。
○川合委員 再々この委員会でも申し上げましたように、自治省と大蔵省との役人的なセンスの妥協として、何か借りたり返したりやりとりして、そうして、実質的にはそれで同じものかもしれないけれども、何だかばかにみみっちいし、ややこしいという感を免れないのですね。もっと知恵をしぼって、迫力を持ってすっきりとした措置を、この法律の立て方においても、また考え方においてもやっていただきたい、こう思います。
 最後に、別の問題を質問して私の質問を終わらしていただきますが、先日新聞で読んだのですけれども、広島県の宮澤知事が、許認可権を市町村に委任する構想を打ち出されましたね。私はこれに敬意を表しますけれども、自治省のこれに対する見解を承りたいと思います。
○加藤国務大臣 私も新聞で宮澤知事の卓見を拝見をいたしましたし、その後事情も大分よくわかってまいりまして、自治法の定めるところ、都道府県知事は市町村に許認可等を委任することができる仕組みになっており、このことを大幅にやろう、かような決意のようでございます。
 聞きますと、約千件をリストアップをいたしまして、詳細に点検をいたし、いまようやく腹が決まっておりますものが約五〇件、かように聞いております。おのおのこれらの事務は地域住民に密着をし、また、住民の意思を反映しながら取り運んでまいりますることが適当である事務のように承知をいたしておるのでございます。
 ただ、配意をしなければなりませんことは、財源的な処置をどういうぐあいにしていくか、また、職員が県におきましては手薄になり、市町村においては繁忙になる、かようなこともありましょうから、そういう職員の配置等のことにも留意をしながら、ことに市町村の意見を十分聞かなければならぬと思うのでありますが、広島県におきましてはそういう配意も十分にできておるように承知をいたしておりますから、自治省といたしましてもまことによろしいことだ、かように高く評価していることでございます。
○川合委員 念のために伺いますが、この財源の問題は、これは地方財政法で決まっているのじゃないですか。
○森岡政府委員 地方財政法でも大筋は決まっておりますし、それから、個々の事務につきましては、地方交付税の基準財政需要額の算定の際に、必要な事務量を勘案して財源措置が都道府県、市町村にそれぞれなされておるわけでございます。
○川合委員 市町村を優先するという考え方で、そして、行政事務の再配分を行うべきだということは、三十年来言われている課題だと思いますね。しかも、言われるだけで一向実現していない。最近におきましては、福田内閣の行政改革に対する去年の暮れのあの竜頭蛇尾を思い出すわけですね。広島県がかように勇断といいますか、こういう措置をとられようとしているということに私は敬意を表して、そして、事務配分の抜本的な見直しをやはり政府が行うべきだと思うのですが、行政局長、決意のほどを聞きたいと思います。
○柳沢(長)政府委員 御指摘の行政事務の再配分の問題につきましては、昭和二十四年のシャウプ勧告、二十五年の神戸委員会の報告、その後三十八年の地方制度調査会の答申等いろいろございますが、なかなか実現しておりません。そういう点で今回の広島県のされたことは非常に高く評価しておりますが、現在、地方制度調査会等におきましても、国と地方との機能のあり方等についてもいろいろ議論しております。そういう点で御意見等も伺いながら、今後国と地方との機能分担、事務再配分をどうするかということにつきまして大いに努力してまいりたい、かように考えております。
○川合委員 重ねますけれども、いま局長の言われたように、事務再配分の問題はずいぶん検討もされていると思うのです。だから、やらないだけじゃないかという感じがいたします。どういう理由でなされないのか、どうも政府の体質が中央集権的なのか、どういう事情にあるのか。決断をされて――何しろ三十年間も研究されていることですから、ひとつ大いに決断をふるっていただきたいと思います。地方自治に非常に理解が深い、というよりも理論も実践もすぐれた自治大臣でございますので、最後に自治大臣の決意を伺って質問を終わりたいと思いますが、自治大臣、お願いをいたします。
○加藤国務大臣 行政機構の改革は絶えず見直されなければなりませんし、また、古い問題であると同時に今日的な問題であることは御指摘のとおりでございます。そこで、御指摘のように、議論の段階ではございませんで実行の段階であろうと思いますから、国のことは私の所掌ではございませんけれども、少なくも地方に関しましては今後勇敢に対処してまいりたい、かように考えております。
○川合委員 終わります。
○木村委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○木村委員長 これより討論に入るのでございますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○木村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○木村委員長 次回は、来る十九日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時十四分散会