第085回国会 商工委員会 第6号
昭和五十三年十月十八日(水曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 橋口  隆君
   理事 中島源太郎君 理事 武藤 嘉文君
   理事 山崎  拓君 理事 山下 徳夫君
   理事 岡田 哲児君 理事 渡辺 三郎君
   理事 松本 忠助君 理事 宮田 早苗君
      鹿野 道彦君    粕谷  茂君
      藏内 修治君    島村 宜伸君
      田中 六助君    玉沢徳一郎君
      辻  英雄君    中西 啓介君
      楢橋  進君    西銘 順治君
      野呂 恭一君    羽田  孜君
      原田昇左右君    松永  光君
      渡部 恒三君    板川 正吾君
      加藤 清二君    後藤  茂君
      上坂  昇君    渋沢 利久君
      清水  勇君    武部  文君
      中村 重光君    長田 武士君
      玉城 栄一君    西中  清君
      米沢  隆君    工藤  晃君
      安田 純治君    大成 正雄君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  河本 敏夫君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     橋口  收君
        経済企画庁調整
        局審議官    廣江 運弘君
        通商産業政務次
        官       野中 英二君
        通商産業大臣官
        房審議官    島田 春樹君
        通商産業省産業
        政策局長    矢野俊比古君
        通商産業省立地
        公害局長   伊勢谷三樹郎君
        通商産業省生活
        産業局長    栗原 昭平君
        中小企業庁長官 左近友三郎君
        労働大臣官房審
        議官      谷口 隆志君
 委員外の出席者
        運輸省船舶局造
        船課長     間野  忠君
        運輸省港湾局開
        発課長     酒見 尚雄君
        海上保安庁経理
        補給部経理課長 堀木 常雄君
        建設大臣官房会
        計課長     永田 良雄君
        建設省道路局高
        速国道課長   佐藤 秀一君
        自治大臣官房企
        画室長     金子 憲五君
        商工委員会調査
        室長      藤沼 六郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月十八日
 辞任         補欠選任
  鹿野 道彦君     原田昇左右君
  粕谷  茂君     羽田  孜君
  渡辺 秀央君     玉沢徳一郎君
  玉置 一徳君     米沢  隆君
同日
 辞任         補欠選任
  玉沢徳一郎君     渡辺 秀央君
  羽田  孜君     粕谷  茂君
  原田昇左右君     鹿野 道彦君
  米沢  隆君     玉置 一徳君
    ―――――――――――――
十月十七日
 北海道、九州、沖繩及び離島の書店の運賃一部
 負担撤廃に関する請願(上原康助君紹介)(第
 三一二六号)
 同(宮田早苗君紹介)(第三一二七号)
 同(安田純治君紹介)(第三一二八号)
 消費者のための流通政策実現に関する請願外十
 四件(丹羽久章君紹介)(第三一二九号)
 特許管理士法の制定に関する請願(長谷川峻君
 紹介)(第三一三〇号)
 円高差益還元等に関する請願(近江巳記夫君紹
 介)(第三一三一号)
 同(荒木宏君紹介)(第三一三二号)
 同(東中光雄君紹介)(第三一三三号)
 同(正森成二君紹介)(第三一三四号)
 同(三谷秀治君紹介)(第三一三五号)
 円高差益還元に関する請願(大成正雄君紹介)
 (第三一三六号)
 同(工藤晃君(共)紹介)(第三一三七号)
 同(小林政子君紹介)(第三一三八号)
 同(田畑政一郎君紹介)(第三一三九号)
 同(多賀谷真稔君紹介)(第三一四〇号)
 同(高沢寅男君紹介)(第三一四一号)
 同(高田富之君紹介)(第三一四二号)
 同(竹内猛君紹介)(第三一四三号)
 同(武部文君紹介)(第三一四四号)
 同(只松祐治君紹介)(第三一四五号)
 同(玉置一徳君紹介)(第三一四六号)
 同(不破哲三君紹介)(第三一四七号)
 同(松本善明君紹介)(第三一四八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 特定不況地域中小企業対策臨時措置法案(内閣
 提出第九号)
 通商産業の基本施策に関する件
 現下の経済情勢に対応する中小企業対策の強化
 に関する件
     ――――◇―――――
○橋口委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、特定不況地域中小企業対策臨時措置法案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。清水勇君。
○清水委員 十月五日に自民党と新自由クラブが補正予算案の取り扱いをめぐって六項目の合意をしていると言われております。
 通産大臣にまずお尋ねをいたしますが、この合意について大臣はどのように関与をしておられましょうか。
○河本国務大臣 一切関与しておりません。
○清水委員 そこで、この件について引き続きお尋ねをいたしますが、合意をした十月五日という時期は、本委員会ではまだ特定不況法案について審議のスケジュールすら決まっておらない、そういう段階であります。にもかかわらず、いわゆる六項目合意と称するうちで三項目が直接本法案に関する内容でございます。
 そこで聞きたいことは、この神聖なる国会審議が全く行われていない、そういう時期に事実上もし委員会審議を拘束するような取り決めをしたとすれば、私は、国会軽視というゆゆしい問題だというふうに思うわけなのでありますが、そういう点について大臣はどのような御所見を持っておられましょうか。
○河本国務大臣 国会審議を軽視するようなことは、絶対に避けなければならぬと思います。
○清水委員 そういたしますと、六項目のうち二項目、三項目、四項目を見ますと、それぞれこの法案関連の内容について合意をしているということなんでありますが、大臣もあるいは通産省も、このいわゆる合意なり取り決めというものには何ら拘束を受けない、こういうふうに受けとめておられますか。
○河本国務大臣 これはやはり予算の問題に関連をいたしまして両党の間で合意を得たわけでありますから、私は、その合意というものは尊重しなければならぬと思います。
○清水委員 今日、言うまでもなく政党内閣制をしいている時代でありますから、与党の意向を尊重するということは当然だろうと思うのですが、ただ、そのことと、先ほど大臣が六項目合意に拘束を受けることはないということを言われている間に、どうも矛盾を感じてならない。
 さらに加えて申し上げると、ある新聞報道によりますと、通産当局が、合意内容について言えば、予算や法律の変更を伴わなくてできる、いわば事務的に実施可能のものであるというふうな言明をしたと言われているわけですが、そうだとすると、現実的にあの五日の合意というものがこれからの通産の行政ベースにかなり拘束をもたらす、拘束をもたらすとすれば、本委員会審議も必然的に拘束をするということになるように思うわけでありますが、もう一回ひとつお聞きをしておきたいと思います。
○河本国務大臣 今度の法律の経過を申し上げますと、何分にも事は緊急を要しますので、去る八月に、状態の非常にひどいところを、とりあえず行政措置で十六ヵ所指定をいたしました。法律上の措置を必要とする問題につきましては、これはもう国会の御審議を当然仰がなければなりませんので、対象から外しまして、行政措置でできることだけを対象として、とりあえず十六地区に対して緊急の不況対策を進めてまいったのでございます。
 今回、自民党と新自由クラブが合意をいたしましたが、これはざっくばらんに申し上げますと、その交渉の過程で通産省には相談はありませんでした。ありませんでしたけれども、しかし、政党政治のたてまえからいいまして、やはり政策というようなものは党が主導権を持って、党の政策を受けて政府がこれを実施に移していく、これが政党政治のしきたりである、こういうことを考えますと、先般の両党間の合意も、私どもは相談はなかったのですけれども、そういう意味で受けとめまして、これを受けましてこれが実行できるような方向にいまいろいろ工夫をしておるところでございます。
○清水委員 この点について最後に申し上げておきたいのですが、いずれにしても、地域指定にしても本法成立後決められるであろう政令に基づいて行われなければならない、そういう性質のものなんです。にもかかわらず、法案審議がまだいつ行われるかわからないというような状況のときに、その内容まで具体的に規制をするような、あるいは拘束をするような、そういう取り決めをするということは、これはいささか行き過ぎであるというふうに私は思うのです。そういう意味で、今後はひとつこういうことのないような十分な対応をしてもらいたい、こういうことを特に希望しておきたいと思います。
 さてそこで、法案についてお尋ねをしていくわけでありますが、まず最初に、政府はこれまで、特定不況産業安定臨時措置法あるいは円高対策臨時措置法をもっていわゆる今日的な不況に対応するという態度を進めておられるわけなんでありますが、それはそれとして、本法はいま申し上げたような法律とどのような関係を持つものであるのか、まずこの点について承っておきたいと思います。
○左近政府委員 現在の不況に伴いまして中小企業が非常に苦しんでおることは御承知のとおりでございますが、これを大きく分けると二つの要因にあろうかと思います。もちろん一般的な景気ということでの不況というのはございますが、もう少し原因がはっきりしておって、それに対して対策を講じなければいけないものとしては二つということで、一つは、円高ということによる輸出が非常にできないというふうな問題からの対策ということでございまして、そういう円高に悩む中小企業、これは主として産地を形成しておりますが、産地外のものでもいいわけでございますが、そういうものに対しましては円高対策法で措置をするということになっております。
 それからもう一つは、構造不況業種がその地域の経済の中心になっておりますような地方では、その中核になります構造不況業種の事業所の経営が非常に悪くなったということに伴いまして、それの関連の中小企業が非常に不況に陥っておるというふうなケースがございます。
 これに対しましては二つの側面から対策を講ずるわけでございまして、一つは、その中核になっている企業自身を今後何とか構造不況から脱出させるという方策でございまして、これが特定不況産業安定臨時措置法というふうなもので対処されているわけでございますが、結局残りましたところは、そういう中核になる企業自身の対策から漏れたもの、つまり関連の中小企業がいままで対策がなされていなかったということでございますので、そういう中核企業に関連をする企業を地域を特定していろいろな援助措置を講じようということを考えたのが本法案でございます。
○清水委員 いま円高対策法に関連をしてのお答えもございましたが、これは後で私、地域指定との関係でもうちょっとつけ加えて所信をただしたいというふうに思いますから、先へ進んでまいります。
 そこで、これは大臣にもう一回お尋ねをいたしますが、八十四国会で特定不況産業法案の審議の際に、大臣は私の質問にも答えてこういうふうに言われている。要約して申すと、構造不況業種といえども、景気が回復して内需が拡大をすれば大半の問題が解決をする、だから、一般的景気対策は構造不況対策にとっても重要な柱である、こういうふうに言われておりますが、大臣はいまでもこの考えは変わっておりませんか。
○河本国務大臣 変わっておりません。
○清水委員 それでは、当面及び今後景気回復の見通しについて、大臣はどのような所見をお持ちでしょうか。
○河本国務大臣 御案内のように、ことしの中ごろから再び非常に急激な円高が始まりまして、輸出の方が予想外に落ち込んでまいりました。数量でも落ち込んでおりますし、それから円ベースでも落ち込んでおります。ただ、ドルベースでは、アメリカのインフレ等によりまして価格が上昇いたしましたので、ドル建ての受け取り勘定はふえておりますけれども、現に数量あるいは円ベースで受け取りが減るということは、それだけわが国の経済にデフレ的効果をもたらしております。
 そういうことから、その穴埋めをしなければならぬというので、今度若干の内需の拡大を追加したわけでありますが、私は、いまの段階では、やはり輸出が現在のような状態であれば、内需の拡大を中心にして景気の回復を図っていくということが非常に大事だと思います。今度の国会でも、それじゃ二兆五千億程度の内需の拡大で、果たして輸出の落ち込み、またさらにそれから来るところの心理的な悪い影響等を埋めることができるのかどうかという議論が中心でございましたから、それに対しましては、総理もまた関係の各大臣も、今後の経済運営は機動的に対処したい、こういう表現をいたしておりますが、いずれにいたしましても、これからの経済政策の中心は内需の拡大ということを第一に考えていく必要があると考えます。
○清水委員 この点については意見がございますけれども、本題ではありませんから、先へ進めてまいります。
 次に、地域指定、つまり第二条との関連でありますが、これについてお尋ねをいたします。
 通産省は、先ほども大臣のお答えにもございましたが、九月四日から緊急対策を実施しております。この中で十六の特定不況地域を指定しているわけでありますが、この対象になっている業種は幾つあるか、まずお答えをいただきます。
○左近政府委員 行政措置でやっております現在の対策の地域に関連する中核的な企業と目される業種につきましては、造船、鉄鋼、非鉄金属製錬、化学肥料、合板という大体五業種でございます。
○清水委員 本法が成立をすると、当然この十六にプラスをして地域指定をされることになるわけでありますが、現在予定しているものはあるのでしょうか、ないのでしょうか。
○左近政府委員 この法律の特定不況業種というのは、最近の経済事情の変化によって製造能力あるいは役務の供給能力が著しく過剰になっておって、その状態が長期にわたり継続することが見込まれる、そしてそのためにその事業所の相当部分において事業の廃止とか事業規模の縮小を余儀なくされている業種だというふうなことが定義として挙げられておりますので、そういう観点からいろんな業種をこれから選びたいというふうに考えておりますので、この業種はいま申し上げました業種よりも増加するというふうに思います。
 それから、ちょっと一つ先ほどの答弁に追加さしていただきたいのですが、合成繊維を一つ私落としましたので、合成繊維もつけ加わっております。
○清水委員 それでは、十六にプラスして追加をする個所についてはこれから検討する、こういうことのようでありますから、この機会に、提案といいましょうか、要望を申し上げておきたいと思います。
 私は、こういう長期、しかも深刻な不況状況というものを踏まえて、基本的に言って、できる限り広範な地域を指定すべきであると思います。いまも長官が言われるように、とにかく地域の経済活動がこれほどに衰退をしている、また、中小企業者の自力回復が非常にむずかしい、こういう地域についてはやはり必要に応じて追加をされ、あるいは情勢によって追加指定をされる、こういうような制度の運用というものが行われてしかるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○左近政府委員 地域の指定につきましては、先ほど申しました特定業種を一応決めまして、その特定業種が中核となっておる地域について、その地域の中小企業に与える影響の度合い、それから雇用に与える影響の度合いを参酌して、政令で地域を指定するわけでございます。ことに、雇用の状況といいますのは逐次変わってまいります。したがいまして、われわれといたしましては、雇用の状況の変遷に応じて弾力的に、あるいは後になりましても必要があれば指定するというふうな態度でまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 それから、いわゆる構造不況業種の指定は受けていない、そういう業種について見ても、一つの例でありますが、同業種の中で特に業績が著しく悪い、こういった企業が所在をする地域、こういう場合、中核企業が指定業種ではないけれども内容が非常に悪い、そこで地域経済全体が影響を受けているというようなケースがございます。そういう場合には地域の指定というものについてどうなるのか。私は、こういう場合でもその実情に応じて必要とすれば指定をする、こういう対応があってしかるべきだと思いますが、いかがでしょう。
○左近政府委員 特定不況業種をどう選ぶかという問題になろうかと思いますが、これについては、一応構造不況業種として典型的なものは、さきに国会でお決め願いました特定不況産業安定臨時措置法の対象業種になろうかと思いますけれども、必ずしもわれわれとしてはそれに限定をするという気持ちはございませんで、そのほかにも、労働関係の法律といたしまして、特定不況業種離職者臨時措置法というものにおいては大体三十六業種指定がなされております。そういうふうな産業の指定の状態も勘案し、また具体的な事実も見まして、法の定める要件に合致すれば、これは指定をしてまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 そうすると、現に構造不況業種として指定をされていなくても、法の弾力的運用によって必要なものについては指定をしていく、こういうふうに理解をしてよろしいわけですね。
○左近政府委員 この法律の定義に載っております範囲内で解釈をしてまいるわけでございますが、それは非常に限定的に考えるというんじゃなくて、法の定めるところによって、現在構造不況業種として考えられているもの以外でも、必要があれば指定をするということでございます。
○清水委員 そこで、先ほどの御答弁に関連をして、円高対策臨時措置法でこれこれについては指定をしていく、こういうお話が先ほどございました。ただ、問題は、円相場の高騰によって事業活動に支障を生じている中小企業の経営安定を図るということが円高対策法の趣旨なんでありますが、具体的に言うと、輸出取引に密切な関連を有する業種を同法の認定の対象としているわけなんです。つまり、円相場の高騰ということが言われながら、あるいは円高問題ということが言われながらも、実際上は輸入関連についてはこの法律の緊急対策の対象になっていない。しかし、言うまでもなく、最近、輸入関連で相当数の中小企業者の事業活動に支障を来たすという事例が起こっております。
 ですから、先ほど円高問題に伴う不況業種等については円高対策措置法で措置をするがというふうに言われているわけでありますが、輸入関連についてもこの場合同法の措置対象にすべきではないのか、こういうふうに思うわけでありますし、もしそれができないんだとすれば、本法をもって措置をする、いずれかの対策を樹立をすべきであるというふうに思いますが、どうでしょうか。
○左近政府委員 御指摘のように、円相場の高騰ということによります影響というのは、輸出関連では非常に大きな影響がございますけれども、また輸入業者についても、あるいは輸入品と競合するものを生産しておる中小企業者にとりましてもいろいろな問題がある、大きな影響を受けるものもあるということは御指摘のとおりでございます。ただ、円高法をつくりましたときの考え方は、円高による急激なショックと申しますか、急激な影響は輸出関連の中小企業に多いということでございまして、輸入については影響が間接的かつ徐々に効いてくる、いわば短期間で把握しがたいということもございまして、緊急対処の対象とされなかったという経緯があるようでございます。
    〔委員長退席、山崎(拓)委員長代理着席〕
 しかし、そういうことで円高による輸入の増大に伴う中小企業の影響を放置していいということにはならないと思いますが、これにつきましては、むしろ中長期的な対策を中心に対策を講じていく。要するに、たとえば発展途上国からの安い輸入品に対抗するために、産業の転換とか製品の高度化とか、いろいろな対策を講じなければいけないのでございますが、これはやはり中長期的な問題になるであろうという把握をいたしまして、実は現在これに対する対策をいろいろ検討中でございまして、これについては、できましたら来年度これに対する対策を講ずるということで、場合によってはそれに対する法案もあわせて考えるというのが現在のわれわれの態度でございます。
○清水委員 輸入関連については、場合によっては新しい法案も考えざるを得ない状況である、こういうふうに言われたわけであります。つまり、事ほどさようにその影響が深刻化をしてきているということを意味していると思うのですね。
 そうだとすれば、新法ができるまでの間放置をしていいはずはない。たとえば途上国の追い上げなどという傾向もある、それがために、繊維であるとか皮革製品であるとか、産地全体が大きな影響を受けるというような場合には、円高対策臨時措置法で措置ができないんだとすれば、とりあえず本法で見ていく、こういう弾力的な対応があっていいんじゃないか、こう思います。
○左近政府委員 確かに、来年度われわれが予定をしております対策に至るまでの間のつなぎの対策というものが要るんではないかというふうな御意見、ごもっともだと思いますが、ただ、それを考えまして、実は今年度新しい融資制度をこの十月から発足させております。経営安定資金制度というものがございまして、これは国が信用保険公庫を通じまして県に貸し付けまして、県がまた県の金を足して信用保証協会に金を貸し付ける、その信用保証協会が金融機関に金を預託して低利の資金を供給するという、経営安定資金制度というのが発足いたしましたが、この中に対策を含めておりまして、この対策を当面この融資制度でつなごうということに現在しておるわけでございます。
○清水委員 指定の問題についてはぼつぼつ終わりにしたいと思いますが、いずれにしても、私は、いままでのやりとりを通じても確認ができると思うのでありますが、自民党と新自由クラブの間で合意したと言われる十六プラス十二、つまり二十八ぐらいといったような、そういう程度では指定地域の対象としては少な過ぎるのではないか。私は、そういう意味で、自民党、新自由クラブの合意をした数字に全くかかわりなく、必要なものについてはこれを指定していく、こういう態度で臨むべきである、こういうふうに思いますが、長官の所信を聞いておきたいと思います。
○左近政府委員 この合意の件に関しましては、先ほど大臣が答弁を申し上げたとおりでございます。われわれといたしましては、法律の趣旨に基づいて必要なものを指定していくという態度で臨みたいというように考えております。
○清水委員 そうしますと、合意の数字にかかわらず必要なものは指定をしていく、こういうことで幅のある運用を図っていくという御趣旨に解して、先に進めていきたいと思います。
 自治省に若干お尋ねをしたいと思います。
 自治省は、当初特定不況地域振興の独自な立法措置を構想していたというふうに聞いております。ところが、その後立法措置を断念しているわけでありますが、まず、その理由を聞かせてほしいと思います。
○金子説明員 自治省といたしましては、不況地域対策として地方公共団体による総合的な計画を立てる、これにつきまして国が各種の援助措置を講ずるということを内容とした法案につきまして準備作業をしておったわけですが、この内容につきまして各省庁間におきまして調整が十分にとり切れなかったということもございまして、時間の都合もあり、今国会に提出を見送るに至ったということでございます。
○清水委員 私は、自治省においていま論議をしている同じ不況地域指定ということについても、通産省とはかなり異なって、広い範囲の地域指定、通産省が予想をしているものと比較して広範な地域指定を考えていたと仄聞しております。
 そこで、どういう構想を持っていたのか、これが一つ。また、九月十八日に、「特定不況地域振興総合対策の実施について」という文書をもって対策を進めているわけなんでありますが、これは予定した立法措置にかわるもの、こういうふうに受けとめてよろしいのでしょうか。
○金子説明員 自治省として現行制度の枠内で行っていく対策におきましても、地域を指定してやっていきたいというふうに考えております。私どもの方で考えておりますのは、地方公共団体が不況地域の振興のために総合的な対策を講ぜざるを得ないところが多いかと思いますが、そのような地域について指定をしてまいりたいというふうに考えます。したがいまして、その規模が小さくても地域に対する影響の大きい地域、あるいは雇用対策、中小企業対策といったものだけではなくて、他の地域経済振興あるいは民生上の対策を必要とする地域といったようなものを考えております。
○清水委員 それでは、この際その内容をちょっと聞かせてほしいと思うのです。たとえば、不況地域の指定については、自治省の対策方針によりますと、都道府県と協議をして決めるとしているようでありますが、いま大体どの程度の地域指定を考えておられるか、また、この場合、通産省の指定との関係はどうなるのか。
○金子説明員 個所数、それから通産省の地域指定との関係でございますが、これは、通産省の法案に基づきます地域指定をまたなければ、その関係についてははっきりと言えないかと思いますが、私どもとしましては、中小企業対策臨時措置法で指定される地域は含んでまいりたいというふうに考えております。
 なお、私どもの方の地域指定としましては、先ほど申し上げたような考え方でおりますので、個所数につきましては若干幅が広がるのではなかろうか。その数につきましても、当初五十ヵ所程度予定しておりますが、通産省の方の地域指定との関係で若干異同があるのではなかろうかというふうに考えております。
○清水委員 重ねてお尋ねしますが、都道府県は、特定不況地域の市町村長の意見を聞いて、自治省と協議の上で地域振興総合対策要綱を定めるとしておりますが、この要綱で地域振興の柱と言うべきものは、大体何と何になるか。
○金子説明員 地域経済振興のための基本方針、それから不況産業である企業及びその関連企業の経営の安定に関すること、雇用安定対策に関すること、あるいは公共事業の活用に関することといたしまして公共事業の優先配分あるいは地方単独事業の実施、大規模維持補修事業の実施、あるいは不況産業である企業の業種転換の促進、その他地域経済の構造改善のために必要な施策、あるいは全体といたしまして総合対策の推進のために必要な体制、これらをその要綱の内容としてまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 いま言われた中で、公共事業の活用ということがありますね。具体的には公共事業の優先配分、地方単独事業の実施などを挙げているわけでありますが、この点は本法で言う第十条あるいは第十一条とどのようなかかわり合いがあるのでしょうか。
○金子説明員 十条及び十一条の中におきまして地方公共団体として地域経済の振興のためにできる限りの方策を講ずる、その一つであるというふうに考えております。
○清水委員 ここで、第四条から第六条関係についてお尋ねをいたします。
 第四条で、国が認定中小企業者の必要な資金を確保する、これは当然優先的に配慮をさるべき事柄だと思います。ただ、問題は、資金の枠と金利負担をどうするかにかかってくるのじゃないかと思うのです。率直に言って、特に今日の中小企業者は、共通的に金利負担の軽減を強く求めております。私は、このことにかんがみて、九月四日実施の緊急融資、この金利が年六・三%または六・八%になっているわけでありますが、これはどうも倒産対策緊急融資の利率に準じたものだと思いますけれども、適当ではないと思います。もっと下げるべきではないか、こう思います。
○左近政府委員 いま御指摘のとおり、九月四日から発足いたしました緊急融資制度の金利は、六・三または六・八ということでございます。これは、いまお話しになりましたように、倒産対策関連融資というものと歩調を合わせたわけでございまして、われわれといたしましては、この地域における現状を考えますと、倒産対策と同じような金利で処置をして適当であるというふうな判断からこうしたわけでございまして、いまのところこういう金利でやっていこうというふうに考えておるわけでございます。
○清水委員 しかし、長官はそう言われますけれども、さきに実施を見ている円高対策緊急融資、これは何回かの利下げを重ねて、現在五・三%であります。ところで、今日の構造不況による著しい関連中小企業等の受注減、こういう影響というものは、私は率直に言って、ときには円高による影響以上に甚大なものが少なくないのじゃないか、こう思います。当然円高対策並みの五・三%くらいにしてしかるべきなのではないか。いわんや、自民党と新自由クラブ合意と言われる六・一%または六・六%、この金利では今日の厳しい情勢にそぐわない、円高対策並みに金利を下げるべきである、私はこう思います。どうでしょう。
○左近政府委員 金利をどう決めるかという問題につきまして、先ほど申し上げましたように、この対策の金利は倒産対策と比較をして決めたわけでございますけれども、御指摘のように、円高緊急融資については五・三%という金利が出ております。したがいまして、これについてどういう基準をもって金利を決めるかという問題であろうかと思います。現在の時点で、われわれといたしましては倒産対策と横並びの金利を適用することが適当と考えて実施しておりますけれども、御指摘の点もございます。われわれも今後検討してまいりたいと思いますが、当面いまの金利でやらしていただきたいというように考えておるわけでございます。
○清水委員 この場でこれ以上やってもあるいはすれ違いになるかもしれませんから、私は、重ねてこれを下方修正をする必要性を強調して、再検討を求めておきたいと思います。
 さて次に、第五条で既往の近代化資金等の償還期間の延長を定めているわけでありますが、私は、同時に配慮されるべきことは、既往の高金利時の条件の悪い債務負担、これを軽減をさせるために認定中小企業者が借りかえのできるようにそういう措置をとり、具体的に負担軽減を図るべきではないのか、こういうふうに考えます。いかがでしょう。
○左近政府委員 近代化資金につきましては、償還期間が法定をされておりますので、その法定期間を延長する特例を設けるということで、五条で法律条文として挙げたわけでございますが、それ以外のたとえば政府系金融機関の金利あるいは貸付条件につきましては、これは法律を要しないという形になっておりますので、これは具体的な指導で実施をしておるということでございまして、これについては、条件についても、既応金利の高いものを軽減するという点についても、通産省それから大蔵省共同でいろいろ指導しておりますので、それによってやってまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 この点は、特に熱心に積極的に金利負担の軽減という観点からさらに強力に推進をしていただきたい、こういうふうに思います。
 もう一つは、四月から倒産防止共済制度が発足をしてしているわけでありますが、私は、この際これに加入をしている者に対して何らかの特例措置を講じることができないか、こう思います。たとえば資金についての特別枠を設定をする、あるいは加入後六ヵ月たたなければ発生しない受給資格を繰り上げるといったような措置、こういったようなことが現実の問題として考えられないか。
 なぜそういうことを言うかというと、一面では、率直に言って共済加入状況は必ずしも順調に伸びているとは言えないと思いますが、そうした特例を設けることはそれなりにこの共済制度に魅力を増す、したがって、一面において加入促進にも役立つ、一石二鳥の意味があるというふうに思うからであります。
    〔山崎(拓)委員長代理退席、委員長着席〕
御所見をお聞かせ願いたい。
○左近政府委員 この倒産防止共済制度につきまして、認定中小企業にいろんな特例を与えてはどうかということでございますけれども、共済制度の運用は、まさに中小企業者の相互扶助に基づく共済制度ということになっておりますので、その収支のバランスを崩さないという配慮が必要でございます。そういう点を考えますと、いま直ちに特別優遇制度を設けるということについてはいかがかというふうに考えているわけでございます。
 ただ、この制度は発足いたしましてまだ日が浅いという点もございます。今後この運営の内容を見て、またこの制度の改善等をいろいろ考慮いたしたいというふうに考えておりますので、いま直ちに特例を設けるというのは非常にむずかしいというように思いますが、将来の検討課題にさせていただきたいというふうに考えております。
○清水委員 将来の検討課題ということではどうも煮え切らない話でありまして、できれば、私は、その可能性の可否ということはありましょうが、申し上げたような意味合いから一回緊急にこの点について考えてみる、検討してみる、こういうことをひとつぜひお考え願いたいと思います。
 さて次に、第八条の関係についてお尋ねをいたしますが、工場の新増設の促進、私は、この規定は前向きのものであるというふうに評価をする一人でございます。
 ただ、そうは言っても、心配なことは、今日の全般的な不況がなお持続をしている、そういう状況の折に、現実の問題として新しい工場の新増設、つまり設備の拡張投資を期待することができるのだろうか、こういう心配がございます。また同時に、これは自治省にも関連があるのでありますが、さっきの総合対策要綱によると、地方公共団体による業種転換の促進、あるいは地域経済の構造改善施策を推進をすると言っているのでありますが、これもとりわけ中核的な企業が構造不況業種に属していれば、なおのこと必要な施策になると思うわけなんでありますが、これらについて、通産当局としては、第十一条との関連、つまり関係地方公共団体の施策との関連においてどのように考えておられるのか、あわせてお聞かせを願いたいのであります。
○伊勢谷政府委員 お答え申し上げます。
 この法案の八条の規定を入れておりまして、これに基づきまして指定地域の中核的企業にかわるべき新たなる企業またはその新増設を図るということにつきましては、財政上の措置あるいは税制上の措置その他企業誘致のための共済制度の活用というようなことを図りまして、その万全を期していきたいということでございます。
 なお、このことにつきましては、工配法におきまして誘導地域への企業の導入ということで経験がございますので、このような措置で万全を期すことができるというふうに考えておるわけであります。
 なお、十一条の規定につきましては、この規定によりましてますますその効果は達成されるというふうに考えております。
○清水委員 特にこの点については、大臣が、構造不況産業法案の審議の際にも、一般的な景気回復と同時に、構造不況業種等についてはその構造転換を含めて積極的に前向きな対応をしていかなければならない、つまり構造不況業種の場合には、循環不況業種と違って、景気が仮に一般的によくなっても必ずしも救われない部分が残る、こういうわけでありますから、こういう点については特に積極的にまた系統的にその指導なり施策の強化を図っていただきたい、こんなふうに考えているわけでありますが、大臣の所信をちょっと聞かしておいていただきたいと思います。
○河本国務大臣 私もそのように考えております。
○清水委員 それでは、次に第十条の関係でちょっとお尋ねいたしますが、一つは、「下請取引の広域的あっせんの実施のための助成」ということを規定をしているわけでありますが、具体的にどういうことを考えているのでしょう。
○左近政府委員 現在、この下請取引の円滑化のために各県に下請企業振興協会というものが設立されておりまして、仕事のあっせん等もやっておるわけでございますが、何分にもこういう時期になりますと、県単位でやりますとなかなか仕事が見つからないということになりますので、いわば広域的なあっせんということを推進をしておりまして、通産局が通産局の管内あるいはもう少し管内外の人も呼び集めて、通産局があっせんをして地域地域で行うということでございまして、これは先ほど申しました行政措置でできますものでございますから、八月の末に省議で決めまして九月から実施しておりまして、もう一、二の地域ではこの広域あっせんを実施しておりまして、それによる仕事のあっせん、わりあい少し離れた地域からも仕事を持ち込むという点が、徐々にあっせんが成立しつつございますので、今後はそれを推進しようということでございまして、事務的な予算も準備をいたしております。
○清水委員 同じく第十条で、公共事業の実施に関し当該地域の経済の安定に配慮を加える、こういうことを言っておられるわけでありますが、たとえば具体的にどうするのか。この間の自民党と新自由クラブの公共事業への傾斜配分の規模は三百五十億円といった数字を示しているわけなんでありますが、私は、仮に地域指定を三十余くらい想定をした場合、平均して一地域十億円余というような金額にしかならないというふうに思えるわけなんでありますが、この程度で一体どれだけの地域経済の安定に役立つという効果ある事業が推進をできるのか、いささか疑問を持たざるを得ないというふうに思うのでありますが、この規定について何か特段の考え方がありましたら、お聞かせを願いたいと思います。
○左近政府委員 この件につきましては、公共事業を実施する関係官庁、建設省、運輸省ともいろいろ連絡をしておりますが、従来やってまいりました、つまり九月以来やってまいりました形を御説明いたしますと、九月以来の段階ではまだ補正予算が決まっておりませんで、当初予算の配分でございましたが、大体、当初予算で県単位まで配分されたものにつきまして、県内で必要な、こういう事業をやってほしいという地元の市町村の申し出をわれわれがまた建設省その他にも話をいたしまして、そういう不況で悩んでいる地元にそういう公共事業が行われるような、いろいろわれわれの方も協力をお願いをしたという実績がございます。
 今後の補正予算の配分については、実はわれわれもまだどういうふうにやるかということについては承知をしておりませんけれども、この点についても、公共事業の実施官庁に、こういう地域に効果的に公共事業が配分されるように要望いたしていきたいというふうに考えております。
○清水委員 大臣に最後にお尋ねいたしますが、いま三百五十億円規模の公共事業の傾斜配分ということが、自民党と新自由クラブとの間で合意をされているわけでありますが、大臣としては、第十条関連で考えてみて、この程度で満足をされておられるのかどうか。
○河本国務大臣 これは年度内に大体消化するという目標の金額でありますから、私は、地域がどの程度になるかわかりませんが、とにかく十二、三億には平均なろうと思いますが、そして来年度以降も当然これは考えることになりましょうから、これからの数ヵ月間にこれだけ消化するということは、相当な効果があると思います。
○清水委員 労働省からも来ていただいていると思いますけれども、特定不況地域の離職者法案についてはあとで上坂委員の方から具体的なお尋ねがあるはずでありますから、時間が参りましたので、以上で終わります。
○橋口委員長 後藤茂君。
○後藤委員 同僚議員から全体にわたりまして質問があったわけですが、限られた時間でございますので、なるべく重複を避けてお伺いをしてみたいと思います。
 せっかく大臣お見えになっておられますので、大臣にまず最初にお伺いをしてみたいと思います。
 今度のこの法律案に対しましては、関係の各自治体あるいは中小企業者から大変大きな期待を寄せられておりまして、私どものところにも要請書や陳情書がたくさん参っております。その期待といいますか、それに比べて果たしてこれがこの法律によって十分にこたえることができるのだろうかという若干の危惧を持っているわけです。
 大臣はもともと、通産省のいろいろな不況対策なりあるいは産業政策というのはどうも業種対策に傾斜しておったのではないか、これでは不十分だから、下請や関連企業なども含めた中核企業の不振で深刻な打撃を受けている地域、つまり今回この法律で一番目的にいたしておりますその地域全体を救済していく手だてを講じていくべきだ、こういうお考えから出発したと思うのですが、そのお考えのとおりにこの法律案が出されていると理解してよろしいかどうか、まず第一にお伺いをしておきたいと思います。
○河本国務大臣 中小企業の地域対策といたしましては、まず円高対策、今度の不況地域対策、それからさらにいま産地振興対策を用意をいたしておりまして準備中でございますが、この三本立てでお願いしようと思っております。手初めに今度お願いをいたしておりますような内容なことをやるつもりでございますが、なお不十分でございましたならば、必要に応じて対策を強化していかなければならぬと考えております。
○後藤委員 大臣のいまのお答えで、地域全体の救済ということが一つの基調になっていかなければならないと私は考えるわけですけれども、そこで、先ほども清水議員の方からも自治省との関係で質問をいたしておりましたが、私は、これまでの産業政策というのは、産業別あるいは企業別に進められてきておったと思うのですね。わずかに中小企業政策で地域問題が取り上げられることがありましたけれども、これも大変部分的であり、特別の措置が講じられている。しかも一般的な中小企業不況対策は、きめ細かというよりも大変総花的、一般的な中小企業対策にすぎなかったのではないだろうか。
 今回、特定不況地域中小企業対策臨時措置法、こういう法律案が出てきて地域政策というものに一歩踏み出してきたのではないか、こういうふうに私は考えるわけですけれども、この産業政策、たとえば特定不況産業安定臨時措置法だとかあるいは円高対策法だとかあるいは個別産業立法とか、各種立法が出されている。今度初めてこの法律で地域対策というものに一歩こまを進めたんではないかというように私は理解をしているわけですが、そのように理解しておいてよろしいかどうか、産政局長。
○矢野政府委員 ただいま先生の御指摘は、現在のような安定成長というふうな今後の流れの中で地域経済という問題をどういうふうに産業政策として考えていくべきか、同時に、今回の法案がそれの一つの方向づけを始めたんではないかというふうに受け取っております。
 おっしゃるとおり、私どもも、今後の安定成長、しかも同時に経済の国際化という流れの中では、どうしても産業構造の二極分化というふうな形に流されがち、それが現にそういうような動きになっておりますし、そのことはその中でやはり雇用の問題というのが出てまいります。雇用の不安というものはやはり地域経済社会というものを崩落に導くというようなところもございますし、ある意味では、ECあるいはアメリカでも、地区的にはそういう問題が現に提起されたわけです。したがって、私どもも、今後の安定成長、経済の国際化という中ではこういった地域経済へ重点を置いていかなければいけないということが言えるんじゃないだろうかと思います。
 私どもは、現在産構審におきます長期ビジョンということをいろいろ検討していただいておりますが、その中でいわば各通産局別に地域の長期ビジョンというものも考えられておりますが、そういう中にも、さっき御指摘のように、業種別問題ばかりではなくて、やはり地域経済というものに着目していくというような方向づけも報告として聞いております。そういうようなことから、今回の法案も一つの地域体制というものをひとつ考えようということで出発しておりますし、その点では、さらに今後傾向として地域経済というものを十分重視し、同時に、産業の振興と申しますか発展とうまく結びつけて考えていく、こういうようなことに今後検討を進めなければならないんではないかというふうに考えております。
○後藤委員 自治省はおられないようですが、じゃ、産政局長にもう一つお伺いをしてみたいと思うのですけれども、先ほど清水議員も自治省の九月十八日の地域総合対策の実施構想というものについて触れております。その総合対策要綱の中で地域経済振興の構想をいろいろ出しているわけです。私は、この構想を見てみますと、ほとんどがやはり通産省として講じていかなければならない対策が羅列されているように思うわけです。所管争いの一方に肩を持つということを考えるわけじゃないのですけれども、それだけ自治省としても、やはり今日までの通産省の政策が、産業あるいは個別企業対策、この方に傾斜しておるために、つまり地域の流通だとかあるいは省エネルギー対策だとかあるいはまた地域コミュニティーをつくっていくとかを考えていく上において、どうも十分に対応できるような手だてなり政策提起というものがないから、こういう問題が出てきているのではないだろうか。
 これは通産省の所管であっておまえたちのものじゃないということではなくて、先ほど産政局長もお答えをいただいたわけですけれども、広域的な地域コミュニティーというもの、これをもっと真剣に考えていかなければならない。とりわけ、この前の特定不況産業安定臨時措置法でも出てまいっておりますが、やはり大きな産業構造の変化が進んでいっている、その場合に、中核企業なりあるいは重要な産業の対策を幾ら講じていってみても、これからはそれが大きな波及効果を生んでいくということは非常にむずかしいのじゃないだろうか。
 そういう意味で、私はもう一度お伺いをしておきたいわけですけれども、この地域経済の総合対策というものを進めていく上において、他の省庁との協力なりあるいは調整なりというものを進めていきながら、もっと指導性を持って対策を講じていかれるべきではないだろうか。たとえば、各通産局が最近地域経済のビジョンですか、これを膨大な労力と時間をかけて作業され、一部においてはつくられているところもあるようですけれども、これをさっと見ましても、やはりそういった地域というものを踏まえながらも、冒頭に申し上げましたような産業政策なりあるいは企業政策なりというものに傾斜してきておる。これでは、これからの低速経済に入って、しかも地域における生活基盤あるいは産業基盤を充実強化することを自治体も関係者も願っておるものにこたえ得ないのではないだろうか。
 そういう意味で、この法律案の中身に入る前に、もう一度、地域経済政策に対する配慮、どういう意欲を持ってこの問題に取り組もうとしておられるか、お伺いをしておきたいと思います。
○矢野政府委員 ただいま先生からいろいろと御指摘をいただきました。私どもとすれば、やはり先ほど申し上げましたように、今後の長期ビジョンの中には地域経済というものを考えて十分重視していかなければいけない。ただ、とりわけとしますと、私どもの方の通商産業省という立場におきますと、いわば通商あるいは産業というものの範囲がございますし、そういう点から取っかかりというものを求めて、その発展が地域経済全体あるいは地域社会というものを早く言えば安定あるいは振興していくというような方向に結びつけざるを得ないと思うのです。
 その間におきまして、先ほど御指摘のありました自治省との関係、あるいは関係各省、労働問題等も入りますれば当然労働省も入ってまいります。そういうふうなものとの調整というものが十分に尽くされ、政府部内で十分な議論が尽くされた上でそういう方向づけも固めなければならない。少なくともその素地だけの勉強は、実はこれから一九八〇年代の長期ビジョンを進めていこうという作業に入っておりますので、その作業の中で生かしていきたい、こう考えております。
○後藤委員 いまの取り組みをぜひひとつ意欲的に持っていただきたいと思うのです。この法律を見ましても、本当に困っておる不況地域のこれからの方向というものがどうもきちっとイメージとして浮かんでこない。依然として大変なのではないだろうか。後でまた第八条との関係でお聞きをしたいと思うわけですけれども、どうもそういうイメージが浮かんでこないものですから、やはり地域経済というものを通産省はもっと踏み込んで対策を講じていただきたいということをまず要望をしておきたいと思います。
 そこで、時間がございませんので、第三条の理解について、認定の問題についてお伺いをしておきたいわけです。
 三条の一項にただし書きがあるわけですけれども、このただし書きの意味というのは一体どう理解したらいいのでしょうか、ひとつ簡単に、わかるように御説明いただきたいと思います。
○左近政府委員 第三条の認定は、特定不況地域の中の中小企業者でございますと、通常は、そのいまの特定事業所の状態が悪くなったということに伴いまして売り上げが減少するというふうな事態が生ずるということが類推されますので、普通の場合には認定が受けられるということでございますが、ただ、常識から考えましても、その地域と全然関係のない、たとえば輸出だけをしておる、そしてこの特定事業所と全然関係がないということでございますと、これは必ずしもこの法の趣旨にそぐわない。それはそれでまた別途の措置がございますので、そういう意味で、はっきり特定事業所に関係がないということが認められるものを特例的に除外するという趣旨でございまして、普通の場合には大体認定がされるということでございますので、むしろ、はっきりこういうものは無理だということを、実際の認定のやり方についてわれわれの方から例示を挙げて市町村の方に連絡をしておくということにいたしたいと思いますが、これは本当の例外というふうにわれわれは扱いたいと考えております。
○後藤委員 そういった例外を決めたけれども、これは実態として、実際は該当するようなところはないんだということでしょうか。それとも、先ほども清水議員の質問で輸入関連の問題が出てまいっておりましたけれども、いや、そういうところは別にあるので、これは次の国会なりで別途考えていくんだということなのか。つまり、ここであえてただし書きで特記した理由に何か別の意図があるのかどうかということをお聞きしてみたわけで、そういう実態は全くないんだということでしょうか。
○左近政府委員 これは次の二項を御参照願えればわかると思うのでございますが、特定不況地域の中ではなくて、それに関連する市町村も指定いたしまして、その市町村にあるものでも認定が受けられるという制度が二項でございます。そしてその場合には、特定事業所と非常に関係があるということがあれば認定するということで、二項の方は、法律的に言えば、いわば関係があるということをその認定を受ける人が立証しなければいけないということでございます。
 一項の方はその逆でございますので、通常の場合はもう大丈夫ということでございますが、はっきりそこの地域の特定事業所が悪くなったということに全く関係がないということが明らかな場合には除外するということでございまして、これはむしろ、こういう除外を立証するのはいわば市町村の側にあるということになるわけでございますので、通常の場合ほとんど存在しないだろうということで、つまり、これは一項と二項の趣旨をはっきりさすために法律上表現をつけたというふうにわれわれは理解をしております。
○後藤委員 全体的にこういう不況状況ですから、その地域地域は十分にお調べになっていると思いますが、しかし、もし全体に落ち込んでいっている、中核企業もない、こういうようなところでこの法律の恩典が受けられないということは片手落ちだと私は思います。そういう意味で、このただし書きのところに対して若干の疑問を持ったので御質問を申し上げたわけですけれども、ぜひひとつさらに詳しく実態を調べていただいて、似たようなといいますか、こういう認定に該当するようなものはひとつぜひ行政指導の中で拾い上げていかれるようにしていただきたいと思います。
 そこで、第八条との関係に触れてみたいと思うわけです。
 この第八条の不況地域における工場の新増設の促進のための措置、これは具体的にはどのようなことなのか。時間がございませんので、ひとつ簡単にお答えいただきたいと思います。
○伊勢谷政府委員 新増設といたしましたのは、新たな企業を導入するということ以外に、現在ある企業が事業を拡張したりあるいは他部門へ進出するということを含めて、新増設というかっこうにしておるわけでございます。
○後藤委員 ちょっといまの答弁はよくかわらなかったわけですけれども、つまりその対策としては、お聞きしておりますと、工業再配置促進費の補助金の使用だとか、あるいは工業開発指導員の派遣だとか、あるいは開銀だとか北東公庫等の地域開発融資の活用とかということを進めながらだと思うのですが、そうでしょうか。
○伊勢谷政府委員 そのとおりでございます。
○後藤委員 仮にその対策を講ずるにいたしましても、先ほども清水議員の質問の中で、この第十条との関連で九月四日から実施した中小企業対策の中の特に広域下請取引あっせんの話が出てまいっておりましたが、お聞きしておりますと、ほとんど成果がないと言われているのですね。まだ一ヵ月余りですから、そう大きな期待をすることは無理だというような点もあると思いますけれども、実は、それほどよその地域までめんどうを見ようというような状況がない。まして、最近は自治体も大変疲弊をいたしておりますし、いろいろな制約要件でこの新増設というものは非常にむずかしい。それをこの程度の措置によって不況地域救済が果たして可能なんだろうか、このことに対して大変大きな疑念を持っているわけですが、これまでもいろいろな対策を講じてまいられたと思うのですけれども、この程度のことで果たして不況地域全体の救済の目玉になり、かなめになっていくのだろうか。
 個々の中小企業者の救済については、あるいは五条なり六条なりである程度のメリットというものは考えられますけれども、冒頭申し上げましたように、私は、これからのねらいというものは、地域経済全体を大きく底上げをしていく、そしてその経済なり企業なり地域住民の生活を安定させていくということがねらいでなければならない。つまり、個々の中小企業者の救済ということは読み取れなくはないわけですけれども、全体を底上げをして安定化させていくという対策にしては大変不十分なように私は思いますので、この八条の点につきまして重ねてお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
○伊勢谷政府委員 先生のお言葉でございますが、やはり基本的には、落ち込んでいった中核企業にかわるべき企業をそこへ持っていくということが、何よりもその地域の向上に役立つわけでございます。したがいまして、そういう企業を誘致するためにあらゆる助成策を講じていくということは、これは少しく長い目で見ますると、非常に大事な、かつ、役に立つことであるというふうに考えておるわけでございます。
○左近政府委員 将来の地域経済の振興といいますか、いまも落ち込んでいる地域経済を再建するという問題につきまして、八条のような工場誘致という施策を講ずるということもございますけれども、そのほか、われわれも当面の対策を超えていろいろな対策をしなければならぬということは御指摘のとおりだと思います。その点については、われわれ中小企業庁の方といたしましても、関係の省庁とも連絡をしながら、そういうものが実現できるように今後一層努力をしてまいりたいというように考えております。
○後藤委員 終わります。
○橋口委員長 上坂昇君。
○上坂委員 特定不況地域中小企業対策臨時措置法案について質問をいたします。
 この法案とさきの国会で成立をしました特定不況産業安定臨時措置法との関係について説明をいただきたいと思うのです。というのは、特定不況産業安定臨時措置法を受けて地域的に対策を立てる、こういう意味でこの法案が提案をされているのかどうかということについてもひとつお伺いをしたい。
○左近政府委員 本法案と、それから御指摘の特定不況産業安定臨時措置法との関係でございますが、本法案は、特定の不況業種に属する事業所がその地域の中核になっておるような地域、大体市町村単位に考えるわけでございますが、その地域においてそういう業種に属する事業所が非常に不況に陥って生産の縮小等をやっておるということが起こり、そしてそのことに起因してその地域の関連の中小企業が非常に疲弊しているという場合の対策を考えておるわけでございます。
 したがいまして、その不況業種というものの中には当然特定不況産業安定臨時措置法の業種が入るわけでございますが、その意味では、この特定不況産業安定臨時措置法の対策、つまりこれは中核企業に対する対策でございますが、対策と相まって地域振興を図るという意味で、前の特定不況産業安定臨時措置法といわばタイアップした法律ということになるわけでございますが、ただ、われわれのこの法律が対象としております業種は、必ずしも前の特安法の業種とは限定いたしておりません。もう少し不況色の強いものであれば広げて運用しようというふうに考えておりますので、完全にこの特安法とタイアップした法律ということにはならないというふうに考えておりますが、特安法の業種については大体この法律で包括し得るというふうに考えております。
○上坂委員 特定不況地域で大体十六地域を内定している、こういうふうに言われておるわけでありますが、これは調査室の資料によっては十六地区出ているわけです。いまのお話ですと、いわゆる構造不況産業に入らなくてもいいということでありますが、この地域指定の状況を見ると、構造不況産業の中に入っている企業といいますか、どうもそういうものを対象にしているような気がしますが、この内定をしていると言われる十六地域のうち構造不況産業に入っていないというのはどこですか、説明をいただきたい。
○左近政府委員 この十六地域と申しますのは、内定というわけではございませんで、実は九月初めから、とりあえず法律的な措置を要しないでやれることを実施するということで緊急融資制度を開きまして、その緊急融資制度の対象地域として十六を決めたわけでございます。ですから、十六の地域というのは、この法律で考えておる特定地域というふうなものの中で一番典型的なものないしは現在一番緊要度が高いものというものが選ばれておるわけでございます。
 その中の業種につきまして、先ほどの特安法の業種でないものというものは、合板などがそれに当たるかというふうに考えております。
○上坂委員 前の法律ですと、特定不況産業というかっこうになっているわけですね。今度は特定不況業種、こういうふうになるわけでありますが、この業種と産業というのはどういうふうに区別するのか、御説明をいただきたいと思う。
○左近政府委員 われわれの方が特定不況地域を指定する場合に決めますのは不況業種ということでございますが、特定不況産業の場合も、実は具体的な指定の場合には対象業種ということになっておりますので、業種というところでは大体同じような性格であろうかというふうに考えております。
○上坂委員 別に業種と産業という文字は使ったけれども、内容的には大体同じだ、こういう意味ですね。
○左近政府委員 そのように考えております。
○上坂委員 そこで、第三条の認定の問題でありますが、この特定不況業種の認定について一項、二項と分けられておりますが、この一項、二項について、具体的にどういうことなんだということをひとつ説明をしてもらいたいと思うのです。
○左近政府委員 第三条の一項は、特定不況地域の中にあります中小企業者の認定でございまして、これが通例のケースになろうかというふうに考えております。これについては、事業活動に支障が生じておる、売り上げが減退しておるというふうなことをはっきりさせまして、市町村の認定を受けるということでございます。
 ところが、実は特定不況業種に属する事業所、要するに特定事業所という言葉にこの法律ではなっていますが、特定事業所に関連のあるものは必ずしも特定事業所のございます地域にない場合がございます。それで、特定事業所がある地域を市町村単位でこの特定不況地域ということで指定をしますので、そういう特定不況地域の外でも特定事業所に関連の深い中小企業があるという場合が間々あるわけでございます。したがいまして、そういう不況地域の中の人だけを救って、若干離れておるけれどもやはり特定事業所と非常に関連の深いという中小企業者を地域外だといって全然除外するというのは不均衡だろうということで、そういう中小企業者を救済する意味において二項ができておるわけでございまして、これはこの特定不況地域と非常に関係の深い周辺の地域を関連市町村ということで指定をいたしまして、その関連市町村の中にある中小企業者も、この特定事業所の状態が悪くなったのでその事業の経営が悪くなったということを言って市町村の認定を受けられるということでございますので、一項が本来の規定、二項はそれを周辺の地域にいわば例外的な人を救済する規定というふうにわれわれは考えております。
○上坂委員 この法律によりますと、特定事業所というのがその地域になければだめなんですね。たとえば一つの地域に特定事業所があって、それからかなり離れたところに下請企業が四つ五つある、それが一つの町の中に存在して非常に大きな経済的な影響を持っているという場合、たとえば京浜地帯にあってその企業がうまくいかなくなった、ところが、それが名古屋の方の近くの町にあった場合、その町全体がやはりうまくいかなくなっている、こういうような場合には適用されない、こういうことになってしまうのですね。そういうことですか。
○左近政府委員 いま御説明申し上げましたように、原則は特定不況地域内の中小企業が認定を受けていろいろな援助措置を受けるわけでございますが、この特定不況地域の周辺であって、しかも特定事業所の行う事業と非常に関連のある企業が相当集中しているところについては、先ほど申しました関連市町村ということで指定をいたしまして、その地域の中にある関連の中小企業も認定を受けられるということにしたわけでございます。
 ただ、この法律全体が地域の振興立法でございますので、特定不況地域と非常に離れたところにあるものについては、この法律の対象にはしておりません。したがいまして、そういうものがもしありとすれば、別途のいろいろな不況対策その他によって救済をしていくというふうに考えております。
○上坂委員 そうしますと、下請企業の場合、たとえば東京に工場があって、地方にそのかなり大きな企業の下請が存在している地域というのがあるわけですね。そこで、それらの企業群がかなり地域に大きな影響を及ぼしている、経済を持っているという場合に、かなり離れているから、たとえば東京と東北と離れている場合はこれはだめだ、こういうことになってしまうのですが、それでは本当の特定事業に関連をしての地域の中小企業がうまくいくということにはならない。
 今度の法律は、地域の中小企業をどうするかという、地域全体でまいっているという場合に救済をする法律だ、こう思うのですね。ところが、その場合、いわゆる特定の親企業と言われる大企業がその地域の付近に所在をしていなければこの法律が適用にならない、こういう二とになったのでは、これは地域の中小企業を救うことにはいわゆる手薄になってしまうのではないか、こういう感じを私は持つわけです。その点いかがでしょう。
○左近政府委員 その点いろいろ検討したわけでございますが、事実的に調べますと、現在特定不況地域ということに指定ができそうな地域、これは先ほど申しました特定事業所がその地域に占めるウエートとかあるいは最近の雇用状況というようなものを見て指定をするわけでございますが、そういう地域におきましては、やはり関連の中小企業はほとんどがその特定不況地域のある市町村に集中しておりまして、ごく例外的に近隣にあるということでございます。いまのお話にありましたような東京と名古屋というように離れているケースというのはほとんどないというのが事実でございます。したがいまして、われわれとしては、いまの規定によりまして周辺地域を関連市町村として指定をすれば救われていくというふうに考えて、この法律をつくったわけでございます。
○上坂委員 この事業の中には、二条の定義から見ると、小売業からサービス業まで含まれると私は解釈をするわけでありますが、そうして企業の下請ではなくても、その企業によって小売業なりあるいはサービス業なりがその地域で非常に疲弊をこうむる、そういう場合にはやはりその適用対象になる、こういうことですか。
○左近政府委員 お話のとおり、小売業、サービス業等も適用対象になるというふうに考えております。
○上坂委員 認定のことでもう一度お伺いしますが、「特定不況地域を管轄する市町村長の認定を受けることができる。」こうありますね。そうしますと、この認定を受けたときだけ恩典があるのであって、認定を受けなければこの法の救済対象にはならない、こういうふうに解釈をするのかどうか、この点お伺いします。
○左近政府委員 この法律の四条から七条までにいろいろな対策が出ておりますが、これを適用するのは認定を受けた中小企業にする、また、認定を受ければ、たとえば免税措置なども税務署に行けば自動的にやってもらえる、こういうことになっておるわけでございます。
○上坂委員 そうすると、これは市町村長の裁量に任せる、こういうことになりますね。
○左近政府委員 認定については、三条に要件が書いてございますので、その要件の範囲内で市町村長が認定をするわけでございます。
 ただ、実際の認定に当たりまして、各市町村の間で余り差がございますと不適当でございますので、市町村が認定をするに当たってこういう点を基準にしてもらいたいというふうなことについては、われわれの方から御連絡をして、そして市町村ができるだけ統一的に実施していただくようにいたしたいというふうに考えております。
○上坂委員 私は、いろんな関係から必ずしも認定に入らないような状況という例外的なものもあり得るのではないかと思うのですね。その場合に、そこから外された企業も非常に困るという場合、それから地域に大きな影響を及ぼすと考えている場合には、これを何らかの形で救済をする必要がある。その場合に、いわゆる市町村長の認定ですから、市町村長にまたもう一回出したって、これはやはり否決されてしまうと思うのですね。
 そこで、市町村長ではなくて、県知事なりあるいは通産省なり通産局なりに対してもう一度これを再審査をしろ、こういう制度というものがなければならないんじゃないか、こういうように思うわけです。それについては指導要項か何かでこれはやってもらう必要があるのではないかと思いますが、その点はいかがですか。
○左近政府委員 従来、倒産関連その他についてもこういう認定制度がございまして実施をしておりまして、大体市町村の方で適切にやられておるというふうにわれわれは解しております。しかしながら、御指摘のような場合もないわけではないと思いますので、われわれといたしましては、市町村の方にこのやり方について御連絡するときに、そういうものをどうするかをいろいろ今後検討してまいりたいというふうに考えております。
○上坂委員 しつこく聞くようですが、もう一つ。その場合、市町村と相談をする、市町村にいろいろ聞くということでありますが、市町村に認定の申請が出された場合には、その書類については必ず通産省の方にこれは持ち上げる、こういうことにしておけば、後でまた対策が講じられるのではないかというふうに思うのです。そういうような手段はいかがですか。
○左近政府委員 本件につきましても、どういうふうにいたしますか、こういう認定したケースというのは御報告をいただくという形にするかというふうな問題もございますし、市町村の事務処理上のボリュウムの問題もございますので、この点についてば御趣旨非常によくわかりますので、何らかうまくいくような対策を考えてみたいというふうに考えます。
○上坂委員 政令指定の企業城下町と言われる市町村と、これは地域指定になるわけですが、それと雇用を取り扱う職安の区域とをどう調整をするのか、この点についてお伺いしたいのです。
○左近政府委員 本法に基づきます中小企業対策としては、経済実態にもかんがみまして市町村単位で実施するということが適当だということで、特定不況地域を市町村単位で指定することにしたわけでございますが、他方、雇用事情につきましては、他の市町村から通勤をしておる労働者というものもいるわけでございますので、市町村単位でとらえたらいいかどうかということはやはり検討を要する問題でございまして、むしろ労働市場圏と言われるような区域で見た方がいいということで、こういう観点から見て、失業の予防とか再就職の促進といったようなことが生ずる場合の地域指定についての雇用関係の指標の把握というような点については、その市町村だけではなくて、労働市場圏である近隣の地域も含んだ職安単位として指標をとってみるということが必要であろうかというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
○上坂委員 そうしますと、これから労働省の方と十分打ち合わせをしてその辺の整合性を求めていく、こういうふうに解釈してよろしいですね。
 次に、特定不況産業安定法による融資と今回の本法の融資の措置とはどのように差異があるのか、その点を御説明いただきたい。
○左近政府委員 特定不況産業安定臨時措置法におきましては、設備処理に必要な資金を特定不況産業信用基金というものが保証するということで、民間金融機関がそういう設備処理に必要な資金を供給するということになっております。また、この法律の第九条で、資金の確保について国が努力をするという規定がございますけれども、具体的な内容といたしましては、設備の処理を行います事業者が事業の転換を行う場合に必要な設備資金について開銀が融資を行うという制度が設けられている、こういうことがこの特安法に関する資金の供給の規定でございます。
 一方、この法案の四条の資金確保規定によります具体的な内容は、政府系中小企業金融三機関による特定不況地域中小企業対策緊急融資制度でございまして、これはその特定地域における中小企業者の経営の安定を図るための必要な運転資金を供給するということでございます。
 これでまず違います点は、融資対象が特安法に基づくものは中核企業に対しての融資である、当法の融資は関連の中小企業に対する融資であるということ、それから、融資機関自身が、当法の融資機関は政府系の中小企業金融三機関である、特安法については開銀ないし民間の金融機関、ただし、その民間の金融機関に対する保証を信用基金が行う、こういうことになっておると思います。
○上坂委員 いまのいわゆる利子を見ますと、非常に大きな企業については大体六%、五%台まで下がっているのです。ところが、この政府系の三金融機関ですと、依然として八%台にとどまっているわけですね。非常に差が激しいわけなんです。きのうも私の方の商工会議所の会頭が来て、あなたの会社はどのぐらいの利率で借りているのだと言ったら、やはり五%か六%くらい、高くて六%だ、五%台で融資してもらいます。こう言っているのです。ところが、いま言ったように、政府系金融機関の場合には高いわけですね。これは本来なら逆でなくちゃならぬわけです。
 そこが私たち疑問に思うところなんですが、政府系金融機関こそがもっと利率を下げて、円高対策の五・三%くらい、そこまでいかなくても六%くらいまではいけるような状況にしていかないと、本当に中小企業を救うことにはならない。特に行き詰まっているのは中小企業なんですから、金利の高いものを借りたらとてもやりきれたものじゃない、借りることすらできないというのが実情だと思うのです。
 問題は、お金をそろえても借りる人がなければ困るわけでありますから、借りる会社が借りられるような状況をつくるためにはどうするかということになると、返済期間を長期にするとかあるいは利率を下げるとか、それから旧債ですね、いままで借りてきた金利をたな上げするとまではいかないけれども、下げるということができなければ先にぐっと返済期限を延ばしていくというような形にしなければならないのじゃないか。
 これらの金融の問題については大臣が非常にいろいろ配慮をされているようでありますから、大臣にこの点についてお伺いをいたしたいと思います。
○河本国務大臣 金利には短期のものと長期のものとございまして、いまお述べになりましたものは短期の金融じゃないかと思いますが、短期の金融であれば、五%台の金融も当然可能だと思います。ただ、長期のプライムレートは七・一%になっておりますので、長期ということになりますとなかなか短期のようにはいかない、こういう感じだと思います。
○上坂委員 運転資金の場合、普通の民間金融から借りれば、その企業の特徴によって、本当ならば運転資金で短期だということになりますが、かなり長期の場合も出てくると思うのですね。それはその企業の業績の実態に応じて金融機関が決めていくことだろうと私は思うのです。
 ただ、いま私が聞いているのは、政府機関が民間と比較していまの条件の中で少し高過ぎるのじゃないか、したがって、民間のところまでできるだけ下げていくということが必要ではないか、このことについてどういうふうに対処をされるか、ここのところをお聞きしたかったわけであります。
○河本国務大臣 日本の超一流の大企業に対する長期のプライムは七・一%でありますから、現在の中小企業金融は、長期の分については相当勉強しておると私は思います。
○上坂委員 第四条と第五条の関係になりますが、この資金確保の具体的な説明をいただきたいのと、それから、五条では中小企業近代化資金等助成法の貸付金の償還期間の延長を認めることになっているわけでありますが、この資金の貸し付けを受けていない企業に対してはどういうふうに措置をされるのか、お伺いをいたしたいと思うのです。
○左近政府委員 第四条の具体的な内容は、先ほども申し上げましたように、九月四日から実施しております特定不況地域中小企業対策緊急融資という制度でございまして、これは中小公庫については二千万円、国民公庫については五百万円を限度といたしまして、六・三ないし六・八という貸付金利で五年以内の運転資金を貸すという制度でございます。
 それから、設備近代化資金の返済猶予でございますが、これは資金のいろいろな条件、返済猶予等の条件の変更につきましては、実は行政的な措置で政府系三機関についてはできることになっております。ところが、この設備近代化資金は法律で明定されておりますので、法律上三年だけ余分に返済猶予の時期を延ばすことができるということを決めたわけでございます。したがいまして、むしろ一般的な中小企業にとりましては、われわれが大蔵省と共同で行政指導しておりますすでに借りておる借入金の返済猶予あるいは既往金利の引き下げという措置がございますので、そういう点での指導によって金融的な解決を図っていくということにいたしておるわけでございます。
○上坂委員 先ほどこの八条、九条の工場新増設の促進の問題が大分質問に出てきたわけでありますが、特定の不況業種と関係のない企業が工場を新増設するということだ、いわゆる企業の導入を考えているのだというお話でありましたが、これはいわゆる地域の経済の発展あるいは雇用の安定というものと深いかかわりがある、こういう意味でこういう制度を取り入れた、こういうことで解釈してよろしいのですか。
    〔委員長退席、中島(源)委員長代理着席〕
○伊勢谷政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○上坂委員 十一条の問題でありますが、これも先ほどから質問の問題になっているわけでありますが、私は、関係市町村の施策という場合には、やはりこれは計画書を出させる、そしてそれに対して特別交付金の措置を講ずるとか国の負担の割合をふやすというようなことが実際に出てこなければ、財政的な裏づけは抽象的なものになってしまうと思うのですが、こういうことについての具体的な財政的な措置をするということはどんなふうになりますか。
○左近政府委員 この都道府県あるいはその他の地方公共団体がやります対策につきましては、いまおっしゃったような対策も必要かと思いますが、これに関しましては、実はこの法案の目的を達するために、自治省にもお願いをいたしまして十分な措置をするということになっておりますので、今後も自治省にお願いをしながらこの問題の解決に努めていきたいというふうに考えております。
○上坂委員 まだ具体的なものにはなっていないというような印象を受けるわけですが、これから市町村側と詰める、こういうことになるわけですか。そうすると、その市町村と詰めるという場合には、いわゆる指定をした市町村と詰めていくということなんですか、全国の市町村長会なんかと詰めていく、こういうことなんですか。
○左近政府委員 この点に関しましては、自治省とまずよく御相談をしたいというふうに考えております。
○上坂委員 次の質問でありますが、構造不況産業七業種が指定されて、候補として五つの産業が挙げられているようでありますが、先ほど構造不況産業に入らない業種であっても構わないんだというお話でありましたから、必ずしもこれには該当しないと思いますが、やはり何といっても構造不況産業に入っている業種については特段に影響が大きいと思います。
 そこで、五つの候補者となっている企業の存在する地域、これについてはどうするか、こういうこと。それからもう一つは、いま二百海里問題やあるいは北洋減船などによっていわゆる漁業基地と言われるところが非常に影響をこうむっているわけですね。そういうところがたくさんあるわけです。こういう地域に対しては一体どういうふうな考え方を持っているのか。それから、炭鉱の閉山あるいは鉱山の閉山に伴って非常に大きな地域が問題になってくると思うのです。これらの地域についてはどのように対処をされるのか、お伺いをいたしたい。
○左近政府委員 この法律案によりますと、特定地域の指定については、まず特定不況業種を定めまして、その特定不況業種に属する事業所が一定のウエートを持っておって、しかもその事業所が現在不振であるので関連の中小企業等に著しい影響を及ぼしているというようなところから、この法律の基準に従って地域を指定するわけでございますが、その前提になります不況業種といたしましては、先ほど申し上げましたように、この特定不況産業安定臨時措置法の業種は当然入るのではないかというふうに考えております。ただし、その業種に属する事業所が所在する市町村でございましても、いま後に申し上げましたような、ことに現在中小企業が非常に困っておるとかあるいは雇用の状態が悪いとかいうふうな条件がこの基準を満たしているかどうかという問題は残るわけでございます。
 それから、漁業につきましては、ことに北洋漁業のように二百海里問題で減船、船を減らすというようなことをやむなくされているようなところはこれに入るのではないかというふうにわれわれは考えて、検討の対象にいたしております。
 それから、それ以外のものにつきましても、たとえば金属鉱山につきましても検討の対象になるのではないかということで、いま資料を集めて検討しておるわけでございますので、この特定不況業種につきましては、先ほど申し上げましたように、必ずしも特定不況産業安定臨時措置法の業種にとらわれずに、もう少し広くいろいろ検討をしてみたいというふうに考えております。
○上坂委員 大臣にお伺いいたしますが、構造不況産業の指定に伴う設備廃棄を業界がやるわけでありますが、業界がやる場合に、単に業界に任しておくといわゆる企業の利益といいますか企業のあり方というものが中心になって、地域における雇用の問題であるとか他の産業に対する影響あるいは下請企業に対する影響というものがおろそかになるおそれがあると私は思うのです。したがって、その場合問題がかなり残ってまいります。ですから、構造不況産業の指定をする場合、業界がいろいろ中で計画を立てても、それについて通産省の方で十分これの指導を強化していくということでないと雇用の安定が図れなくなるし、地域の経済を安定化することができない、こんなふうに私は思っておるわけであります。そのことについて大臣の所見をいただきたいと思います。
○河本国務大臣 前国会で成立をいたしました構造不況に対する法律でございますが、これは設備を廃棄する場合にはおのずから手続が決まっておりまして、安定基本計画というものをつくりまして、それに従ってやることになっております。したがいまして、一定のルールに従って進められるということでございますから、御心配の点は起こらないようにしたいと思います。
○上坂委員 ある企業が非常に業績が上がってきた、そのために業界で競争に負けてしまって下位の企業が極端に業績が落ちる、そういう場合にその企業の所在する市町村は不況に陥る、こういう場合も不況地域の指定の対象になる、こう解釈してよろしいですか。
○左近政府委員 この法律による不況業種の指定要件といたしまして、その業種に属する事業の目的たる物品、要するに製造している物の製造能力が著しく過剰だ、そしてまたその状態が長期にわたって継続するということが条件になっております。
 したがいまして、業種全体として設備能力が過剰である、そしてそれが相当長期的に処理をしないと過剰がよくならないというような場合には、その中である企業はうまくやって強い、そしてまたその影響を受けて悪くなる企業があるというような場合には、業種全体としての状況があれば、その企業の事業所がたとえば事業の廃止とか事業規模の縮小ということをいたしますれば、これはやはり特定不況業種の中に入るというふうに考えております。ただ、業種全体として見て過剰設備がないというような場合には、これは入らないというふうに考えております。
○上坂委員 もう一つこの問題でお伺いしますが、十七日の閣議で、この法案が成立次第地域指定ができるよう準備中である、現在の十六ヵ所に加えて十二ヵ所程度それらがあって、大体二十八ヵ所ぐらいいま予定をされている、こういうことでありますが、この発言は大臣がされた発言でありますか、その点をお伺いしたいと思うのです。
○河本国務大臣 二十八ヵ所ということは私は全然知りませんが、しかし、六項目をよく読んでみますと、二十八ヵ所を目途に、こういうことが書いてあります。そこで、通産省といたしましては三十数ヵ所をいま検討中でございますが、二十八ヵ所を目途ということでございますから、目途という意味をよく吟味をいたしまして最終の判断をしたいと思っております。
○上坂委員 余り何ヵ所だ何ヵ所だと限定されてしまうと、やはり非常に困ってしまうことが起きるんじゃないかと思うのです。むしろこれからできるだけ多くの地域を指定をしていきたい、こういうことでなくちゃならぬから、二十八が目途であるとか三十が目途であるとかいうことじゃなくて、五十だって六十だってこれは事によったらやはりやらなくちゃならないんじゃないか、またそれぐらいの気構えでこの法律の施行に当たってもらわなければ困ると私は思うのです。そういう点は大臣いかがでしょうか。
○河本国務大臣 これは非常に困っておる地域を救おうという考え方でございますから、できるだけ私は広範囲に考えていくべきだと考えておりますが、ただし、一応数字も出ておることでございますから、目途という意味をできるだけ広く解釈したい、こう思っております。
○上坂委員 次に、労働省の方が来ていると思うのでお伺いしますが、今度の特定不況地域離職者臨時措置法案とそれから前の離対法とどんなふうに違っているのか。どこが違っている点のポイントなのか。それから、前の法律と比べて今度の法律の方が有利だと思われる点、あるいはもっとダウンしているのだ、こう思われる点についてひとつ指摘していただきたいのです。
○谷口政府委員 御案内のように、昨年の臨時国会で議員立法で成立いたしました特定不況業種離職者臨時措置法は、構造不況業種におきまして離職者の発生その他大幅な雇用の変動等が予想されることに対処いたしまして、そういう方々の再就職の促進を図るために定められた法律でございます。しかし、その後、そういう特定不況業種に属します事業所が中核となっておるとかあるいは集中しております地域においては、そういう業種に属する事業所についての対策だけでは不十分でありまして、いわば地域ぐるみ経営なり雇用の面で深刻な影響を受けているということに着目いたしまして、このたびそういう地域についての離職者臨時措置法を提案いたしておるわけでございます。
 その中身につきましての差でございますけれども、特定不況業種の離職者臨時措置法におきます主要な中身は、四十歳以上の離職者に対します雇用保険の延長制度、それから、保険が切れた後におきましても、職業訓練手当とかそのための待期手当とか、そういう職業転換給付金の支給等によりまして再就職の促進をすると同時に、公共事業の失業者吸収率をその離職者について適用するというのが主要な中身でございます。
 今回提案しております特定不況地域離職者臨時措置法におきましては、雇用保険の特例につきましては同様な内容のものを予定いたしておるわけでございますが、職業転換給付金等の適用は予定いたしておらないわけでございます。ただ、失業の予防なり円滑な職業転換を図るという目的のために行っております雇用安定事業につきましては、今回提案しております法律におきましては、従来の雇用安定資金制度によります雇用安定事業は不況業種を指定いたしましてその業種に属する事業所に適用いたしておりましたけれども、地域ぐるみ深刻な不況の状況にあるということでございますので、そういう指定された地域については、業種の区分にかかわりなしに、その地域の事業所全部に適用していくというようなことも考えております。同時に、公共事業への失業者吸収率制度の適用につきましては、その特定不況地域に指定されました離職者全部について吸収率を適用していく、こういうことになっているわけでございます。
○上坂委員 前の離対法の場合には、これは大企業に入るわけです。今度の場合には全く中小企業で、本当のことを言うと、再雇用の条件にも恵まれないし、中高年齢者もかなり多いし、それから、いままでもらっている労働賃金が安いものですから、保険の給付も安いというようなところから、生活というものは非常にダウンする、そういうおそれがあるわけです。したがって、本来ならば大企業と少なくとも並べていくというぐらいの対策を講じなければ、これは本当の地域の振興にならないし、地域の労働者を救うことにはならない、私はこう思うわけです。
 そこで、少なくとも前の離対法の段階にまでこれは高めるように職業訓練についてもやるべきだ、こう思うわけであります。社会労働委員会ではそうした決議も行われて、附帯決議が行われていると思うのですが、これらについては労働省としてはどういう気構えでこれに取り組まれていくのか、私の言ったようなことについてひとつ心構えをお聞かせをいただきたいと思います。
○谷口政府委員 特定不況業種の離職者臨時措置法によります援護措置と今回の特定不況地域離職者臨時措置法によります援護措置の内容の差の主要な点は、職業転換給付金が支給されるかどうかということにかかるかと思いますけれども、訓練手当とか訓練待期手当等の特別対策としての職業転換給付金につきましては、従来から、炭鉱離職者とか漁業関係の離職者とか、そういうような国の施策に基づきまして直接離職を余儀なくされる方々、こういう離職者の方に対する対策として講じてきているわけでございまして、今回の法律は、そういう構造不況業種が不振になっておるために地域ぐるみ影響を受けているその地域全体の離職者に対する対策でございますけれども、従来の職業転換給付金の支給のもとになっております国の施策で直接事業規模の縮小とか転換とか、そういうことによりまして離職を余儀なくされるということになっておりませんので、今回の法律に基づきます離職者の方々に職業転換給付金を支給するということは非常に困難な問題でございます。
 御指摘のように、衆議院の社会労働委員会で附帯決議で決議されております中身につきましては、特定不況業種の離職者臨時措置法との均衡を考慮してその内容の充実に努めるということでございますので、私どもとしては、その附帯決議に沿って今後どういうふうに措置するか考えてまいりたいというふうに思っております。
○上坂委員 前の離対法といいますか、これについては、離職者手帳を発給して訓練手当が支給されているわけですね。こういう形の取り扱いというのはできないわけですか。
○谷口政府委員 ただいま申し上げましたとおりでございますが、訓練手当等のいわば特別対策としての職業転換給付金は、従来からの例によりますと、国の施策によりまして直接事業規模の縮小とか転換等が行われ、それによって離職を余儀なくされる方々の対策でございまして、手帳を発給する手帳制度もそういう職業転換給付金制度を実施する前提の仕組みで、いわば一体のものでございます。そういう意味で、基本的には今回の不況地域の離職者臨時措置法によります対策が、直接国の施策によって事業転換なり事業規模の縮小が行われて離職を余儀なくされる離職者とは限らないという問題もございますので、現状ではなかなか困難な問題でございます。
 ただ、御承知のことでございますけれども、雇用保険制度等におきましては、所定内給付日数の給付期間の上に、職業訓練等を受けますればそれにプラス職業訓練期間中の給付を行うというような制度がございますので、こういう点については大いに活用を図って訓練を受講され、再就職の促進につなげてまいりたい、そういうような活用のための指導は大いにやってまいりたいというふうに考えております。
○上坂委員 いまの段階では、前の離対法に入っているいろいろな制度あるいは雇用保険制度の中に入っているいろいろな制度を使ってできるだけの救済を図っていく、こういうことでいいわけですね。
 そこで、この特定不況地域の中対法、中小企業対策法の地域指定があれば、労働大臣は必ずその地域を労働大臣の方での指定にするのかどうか、この点についてはいかがですか。
○谷口政府委員 今回の特定不況地域離職者臨時措置法は、先ほど来申し上げておりますような不況業種、いわゆる構造不況業種が集積しておりますために地域ぐるみ深刻な雇用の影響を受けている状況に対処するためにいろいろな対策を講じようとする法律でございまして、この対策につきましては、現在御審議をいただいております特定不況地域の中小企業対策臨時措置法におきます経営の安定のための対策等と相まって、両者総合的に行うことによりましてその地域の経営なり雇用の安定に資していこう、こういうことでございます。
 したがいまして、私どもの方の特定不況地域離職者臨時措置法におきます地域指定につきましては、中小企業対策臨時措置法の規定によりまして、まず中核になる市町村を事業活動と雇用に関する状況を勘案いたしまして政令で定めることになっておりますけれども、この決定に当たりましては、通産省と労働省で共同で決めるということでございます。それで、離職者臨時措置法の方は、その市町村を管轄する安定所を労働大臣が定めるということでございまして、中核になる地域につきましては、通産省と労働省で密接な連携のもとに十分協議して決めますから、当然のことながら、それを含む安定所の管轄区域については労働大臣の方で決めるということになるわけでございます。
○上坂委員 もう一点お伺いをしますが、いわゆる不況がひどくなってきて、解雇通告を行うようなことが企業によっては出てくるおそれがある、そういう場合には、離対法ではそのことについての制約措置というのですか、そういうものがあるわけですが、今度の法律ではどういうふうな指導をされるか、お伺いをしたい。
○谷口政府委員 御指摘のように、特定不況業種の離職者臨時措置法におきましては、大量の離職者の発生があるとか、あるいは離職者だけでなくても出向者等があるような雇用の変動があります場合に、事前に事業主の方から再就職援助に関する計画というものを安定所に出してもらうことになっておるわけでございます。
 これは、構造不況業種がそういう雇用調整なり雇用変動を大幅に行って雇用情勢に大きな影響を与えるということを前提に、雇用対策の面からできるだけ失業の予防に努めてもらうためにも、たとえば雇用安定資金制度を利用していただくとか、あるいは出向に努力してもらうようなことをやっていただく、にもかかわらず離職を余儀なくされる方々につきましては、職業安定機関としてもできるだけ早く情報を把握しまして、事業主と共同して再就職の促進を図ろう、こういうための規定が設けられているわけでございます。
 それで、この前の業種の離職者臨時措置法は、そういう構造不況業種に属します事業所で総体的に非常に大幅な雇用の変動があるということを前提に行われておるわけでございまして、今回はそれのいわば間接的な影響で地域ぐるみ影響を受けているということで、まあ大規模なものもございましょうが、いろいろな形での雇用変動があるわけでございまして、今回の法律自体にはそういう計画の義務を事業主には課しておりませんけれども、一般的に雇用対策法におきまして、一月に三十人以上の離職者を出すような雇用の変動につきましては一ヵ月前に安定所へ届け出をしてもらうという制度がございます。これはその地域にかかわらず全部適用いたしておりますので、こういうものを活用して、御指摘のありましたような点については努めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○上坂委員 最後に、自治省の方にお伺いします。
 二条の四項にもありますが、失業の予防あるいは再就職の促進に総合的な、効果的な施策が必要である、こうしてあるわけでありますが、地方の公共団体がこれを推進することになると思うのですね。その場合、こうした再就職の促進であるとか失業の予防について、いま市町村で具体的に行われている対策というのはどんなものがあるのか、これを御説明いただきたいのです。
○金子説明員 失業の予防、それから再就職の促進につきましては、主として国の方で、職業安定所において行っておりますが、都道府県及び市町村におきましても、就職相談所あるいはあっせんというような業務を行っているところが非常に多くございます。そのような形でもって再就職の促進等を行っておるということでございます。
○上坂委員 たとえば市町村が公共事業を出す場合には、その地域の失業者のうちその事業に必要な労働者の何分の一かは必ず確保しなければならないとか、こういうような指導をすべきであるし、また、実際にそういうことをやっている自治体もあるわけでありますが、こういうことについての具体的なサゼスチョンといいますか、そういうものをやる必要があるんじゃないか、こう思っているわけですが、その点はいかがですか。
○金子説明員 公共事業における離職者の吸収につきましては、別に提出されております労働省の方の離職者臨時措置法の方で公共事業の吸収について定められております。地方公共団体におきましても、公共事業につきましては、当然その規定に基づきましてできるだけの努力をするということでございますが、これ以外におきましても、地元においての離職者の吸収に役立つ単独事業、これは一般的に申し上げまして、公共事業よりも労働力の使用率が高いあるいは地元においての資材の調達率が高いというようなことで、直接あるいは間接に雇用面にいい影響を及ぼす効果を持っておるというふうに思いますが、そういったものを推進してまいりたいというふうに考えております。
○上坂委員 最後に一つだけお伺いしますが、離職者の発生、雇用の機会の水準というものが二条の第四項にありますが、その水準というものをどこに置くか説明をいただいて、私の質問を終わります。
○谷口政府委員 先ほど御説明いたしましたように、この中小企業対策臨時措置法で市町村を指定される場合に、事業活動に関する状況と雇用に関する状況を勘案して定めるわけでございまして、いま御指摘のような点の問題がございますが、この雇用に関する状況につきましては、その地域において相当数の離職者が発生するとか、あるいは近い将来発生することが確実であって、かつ、雇用機会が著しく少ない状況にあることを要件として考えてまいりたいと思っておるわけでございます。
 具体的なそのための指定基準をどうするかにつきましては、私どもの方は関係の審議会でございます中央職業安定審議会がございますので、公益、労、使の三者構成になっておりますが、法案成立後そちらの中央職業安定審議会へお諮りして、意見を聞いて決めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○上坂委員 終わります。
○中島(源)委員長代理 西中清君。
○西中委員 特定不況地域中小企業対策臨時措置法案について御質問をいたしたいと思います。
 造船また合繊その他水産業等いわゆる構造不況業種を基幹産業といたしております地域、これはいま大変な不況に見舞われておるわけでございますが、そういった面で、労働省の離職者臨時措置法案とあわせまして、各市町村におきましては大きな期待をこの成立に寄せておるわけでございます。同時にまた、この内容が果たして今日の特定不況地域と言われる地域に対してどれほどの効果を持つのかという疑問も一面では多いわけでございます。たとえば金利の安い融資をする、そういう措置をとったとしても、仕事がなければ先行きどうしようもないし、借りたお金の使いようもない、一言にして言えばこれが実際の現実の姿ではないか。また、そういった声も各地で多いわけでございます。非常にそうした複雑な感じを受けますけれども、まずは一歩前進という評価もまたいたしておるところでございます。
 そこで、この関心の深い各市町村が、指定についてわが市もわが町もという要求がいろいろと強いわけでございます。そういった面で、先ほどからもいろいろと質疑がございましたけれども、自民党と新自由クラブの合意事項は別として、少なくとも実情、実態に合わせて深刻な地域については積極的に指定をしていくという姿勢がやはり一番大事ではないかと思うわけでございます。
 まず、大臣からその点についてお伺いをいたしておきたいと思います。
○河本国務大臣 これは困っておる地域を積極的に救っていこうという法律でございますから、法律をつくりました精神にのっとりましてできだけたくさん条件に合うところは指定していくというのが、私は本筋であろうと考えております。
○西中委員 さきに十六市町村について指定がありましたけれども、この業種ほとんどは造船が基幹産業ということでございますが、これ以外にいまお考えの業種というのはどういう業種であるか、お伺いをいたしたいと思います。
○左近政府委員 この法案にございます定義では、特定不況業種というのは、最近の内外の経済的事情の著しい変化によりまして、いわばその設備能力が過剰になりまして、しかもその状態が長期にわたる、そしてその業種に属する事業所の相当部分が事業の廃止とか事業規模の縮小というようなものに追い込まれておる、こういう業種を指定するということになっております。
 したがいまして、さきに制定していただきました特定不況産業安定臨時措置法の業種、いわゆる構造不況業種は当然入るというふうに考えておりますが、さらに、たとえば労働関係の法律として特定不況業種離職者臨時措置法というような法律でも不況業種というものが挙がっております。そういうこともございますので、いま申しました法律の定義に当てはまる限り、この業種というものをいろいろ検討して織り込んでいきたいというふうに考えております。
○西中委員 新聞報道によりますと、具体的な地域指定は十一月いっぱいに延びるのではないかというようなこともあるわけでございますが、現在厳しい状況の中で失業者もどんどんふえておる。ですから、離職者法案も一応これは関係があることでございますから、一日も早い指定ということも強く要請をされておるところでございます。
 後でこの点についても御質問いたしますが、いつごろまでにこの指定地域の発表をなさろうというおつもりか、お伺いしたいと思います。
○左近政府委員 この法律が制定されましても、法律が実際に動くのは、実は地域が指定されないといけないわけでございますので、法律を制定していただきますれば、なるべく早く実施をいたしたいと思っております。
 ただ、先ほども労働省からお話がありましたように、雇用関係の基準をつくるためには中央職業安定審議会にも諮らなければいけないというようなこともございますので、そういういろんな手続をなるべく早く終えて実施いたしたいということでございますので、いまのところ、われわれとしては、この新聞にあるような一ヵ月以上かかるというようなことを必ずしも考えておらないわけでございます。これはそういう手続がございますので、いま何日以内というようなことは申し上げられませんけれども、できるだけ急いで処理をいたしたいというふうに考えております。
○西中委員 法律が成立いたしましたならば大至急指定をする、こういうことで救済措置を講じていただきたいと思うわけでございます。
 その際に、地域の指定は一応この法律に若干載っておるわけでございますが、一部ではより細かな基準をつくるというような報道もなされておるわけでございますが、その考え方はあるんでしょうか。
○左近政府委員 特定不況業種にいたしましても、それから特定不況地域にいたしましても、この法律の第二条で定めておるのはその考え方を示しておりまして、どの程度の影響があるかというようなところは、やはりある程度数字的にはっきりさせなければいけないという問題がございます。したがいまして、この法律の要件に基づいて具体的な数字というものを実際に決める場合には、基準として決めなければならないというふうに考えております。これはやはり、法律が制定されましたならば、早急に関係各省とも御相談をして決めていきたいというふうに考えております。
○西中委員 この特定不況地域のいわゆる不況業種は、今日非常な危機的な状況を迎えておるわけでございますが、もちろんこれはその原因が構造的な面にあることは言うまでもないわけでございますが、同時に、円高ドル安という問題も大きなかかわりがあるのではないかと思っております。少なくとも間接的な意味においても無関係ではない。この動向いかんでは、この法案の中身もいろいろとやはり問題を持ってくるのではないかと思うわけでございます。
 そこでお伺いをいたしたいのですが、十七日のロンドン為替市場は一ドル百八十一円台、高値の更新、ニューヨーク市場も同じく高値更新、こういう動きをいたしております。
 若干小康状態を保っておったようなことでございますけれども、この変化はどういう原因によるのですか。それから、今後はどういう予測をされておるのか、お伺いをしたいし、同時にまた、通産省はこの事態をどのように受けとめられておるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○廣江政府委員 お答えいたします。
 円レートのお尋ねでございますが、レート自体は基本的には主要国の国際収支の動向等により左右されるものだと思いますが、端的に歯、市場の需給のいかんによるわけでございます。
 さて、需給は、心理的な要因まで含めまして、いろいろの複雑な要因が微妙に絡み合っていると思いますが、今回の円レートの上げにつきまして、強いていろいろの理由を考えてみますと、一つには、ヨーロッパにおきまして、EMSの発足を前にいたしましてマルクの調整があったということにスライドをしているのではないかと思います。また一つには、石油の値上げが云々されているというのが影を落としたかなというようなことも考えられると思いますし、もう少し端的には、九月の通関統計が響いたのではないかということも考えられると思いますが、いずれにいたしましても、こうしたものが微妙に絡み合っている、そのほかの要因もありまして絡み合っていると思います。
 それで、将来の見通しはどうかという御質問でございますが、私どもといたしまして、穏当なところに落ちついてくれるということの希望は持っておりますが、レート自体は基本的には市場の需給によって決まるわけでございまして、見通しについて申し述べることは差し控えさせていただきたい、かように考えております。
○左近政府委員 中小企業庁といたしましては、円高の影響が輸出産地等々の輸出中小企業に大きな影響を及ぼすということを憂慮しておるわけでございまして、そういう意味において、絶えず主要な産地とは連絡をとっておりまして、円の相場が高くなるにつれてその実情を適時把握いたしまして、従来からの円高対策をその都度適切に改善をしておるわけでございます。
 また、御指摘のような事態が昨日など出てまいりましたので、またよく事態を検討いたしまして、必要な場合には追加の手を打てるようなことを考えたいというふうに考えておりますが、そういう意味で、まず当面はこの状態をいわば絶えずウォッチしていきたいというように考えております。
○西中委員 指定の問題にもう一遍返りますけれども、二条二項には、「事業の廃止等を余儀なくされている業種」、こういうふうにあるわけですが、それは一体どういう状況なのか。言いかえますと、この状態は、事業の廃止等がすでに現実に行われているもの、実施されているもの、これに限っておるのか。それとも、近き将来事業の廃止等が十分予測される、予定されておる、こういう段階にあるものも含めるのかどうなのか、この点についてお伺いをしたいわけでございます。
 こういう理由は、不況地帯の深刻な状況から見て、対策というものは早目早目にやるということが非常に重要な問題だと思います。ですから、たとえて言いますと釜石の新日鉄、こういう企業の場合、来年度ですか、年末からか、縮小が予定されておる。ですから、これは大変な騒ぎで、地元では今度の特定不況地域に指定をしてほしい、こういうこともあります。それから、造船が多く指定されておるわけですが、玉野市なんかはまだ指定はされておらない、こういう問題もあるわけでございますが、その辺の状況についての判断をお伺いいたしたいと思います。
○左近政府委員 法律に言う「事業の廃止等」と言いますのは、かなり広い概念でございまして、事業の全部の廃止とか一部の廃止というのはもちろん入りますけれども、設備の凍結だとか、運転の休止だとか、稼働率の制限とか、そういう減産に入るということも含んで考えておるということでございます。したがいまして、こういうふうな事態がすでにあらわれておるということがないと、指定はできないのではないかというふうに考えております。
 それからもう一つ、具体的にそういう事態がなければ、実は地域指定の基準のもう一つ考えることになっております雇用の状態にも影響が出てこないであろうというふうなことも考えております。したがいまして、将来そういうことが行われるということが予測される事態につきましては、われわれとしても十分にこの事態を監視するといいますか、注視するといいますか、よく見ながら、いまのわりあい広い概念であります事業の廃止が起こったときに機を失せずやっていく、もちろんそのときの雇用の状態を勘案しなければいけませんけれども、そういうことでございますので、われわれといたしましては事前の準備はいたしておきますけれども、実際の指定ばやはり事業の廃止等というものがある程度実現化したときに指定をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○西中委員 そうしますと、釜石の場合には実際にやっていないわけです。これからやってから指定の対象として考える、こういうことになりますか。
○左近政府委員 釜石の場合がどういうことに当たるか、実は私の方もう少し調査をしてみないといけないと思いますが、現在でも、鉄鋼業全体としては高炉の休止とか何かやっております。したがいまして、現在の時点で釜石に設備の操業の休止というような事態があれば、少なくともその要件はあるということになるわけでございます。ただし、そのほかの要件が一致するかは、また検討しなければいけません。したがいまして、現在の釜石も、鉄鋼業全体を見ると相当操業短縮をやっておりますから、これは釜石について調べてみなければわかりませんが、現実にその条件がすでに釜石に適用できないかどうかということは必ずしも言えないというふうに思っております。
○西中委員 次に、第三条の「認定」の問題でございますが、認定については市町村長が行うことになっておるようですが、これは各市町村ばらばらじゃ問題があると思います。
    〔中島(源)委員長代理退席、委員長着席〕
当然これは認定の判断基準等をお決めになると思いますが、その点はどうか。
 それから、三条のただし書きというのですか、「当該取引額の減少又はその減少の見通しがその特定不況地域内に所在する特定事業所における事業の廃止等に起因するものでないと認められるときは、この限りでない。」これは特定事業所以外の事業所の場合、その事業が廃止等をしておる、そうすると当然中小企業に影響が出てくるわけですね。ですから、この認定またはただし書きというものはどこまでのものを考えておられるのか、その辺のところを少しお伺いいたしたいと思います。
○左近政府委員 まず最初に、中小企業者の認定の基準でございますが、これについては、やはり市町村長において認定していただくときに整合性がなければ、市町村ごとに不均衡になりますと困りますので、各市町村長に対しましては、この解釈、運用の基準をお示ししたいというふうに考えております。
 この基準については、この法律が成立をいたしましたら、関係省庁とも十分協議をいたしまして具体的なものにいたしたい。その具体的なものにする根拠は、三条に書いてございますこのいろいろな要件をどういう形で満たすかということを決めるということでございます。
 それから、三条一項のただし書きの件でございますが、これについては、この「特定事業所における事業の廃止等に起因する」ということは、もちろん直接だけではございません。間接の影響も十分考慮します。たとえば下請が悪くなって、その下請が倒れて第三の企業が影響を受けたという場合も、下請が倒れたことが特定事業所の事業の廃止等に起因すれば問題がないわけでございますし、それから、商業、サービス業等が、特定事業所が不振で、その影響でさびれたという場合も入るというふうにわれわれは考えております。
 むしろ、このただし書きをつけましたのは、たとえば製造業でございますと、全製品を地域外に販売をしておって、その地域といわば製品の売買では全く関係のないというような、もし仮にそういう企業が考えられますと、そういうものはつまり特定事業所の影響を受けないわけでございますので除外するということでございます。いずれにしましても、これはやはり市町村で一定の判断基準をつくりまして、そしてそういう極端なものを除外するという制度でございますので、これもやはりこの基準をつくるときに実態をはっきりさせたいというふうに考えております。
○西中委員 一つの例を挙げますと、たとえば京都府舞鶴市の場合ですと、特定不況業種は日立造船、それから雇用関係とか出荷額からまいりますと、それに劣らず日本板硝子、日之出化学、これは所在地が飛んでおりますね。こういうケースで、まあ狭いところでございますから、商店街などというのは間接的に全部影響があるでしょう。ただ、出入りの業者であるとかということになりますと、この因果関係がわりあいはっきりしてしまう。が、片や日立に入っておるからこれの適用を受けるんだ、こちらは日本板硝子に出入りをしておるからこの適用は受けられないんだ、こういう判断になっては困る。やはり間接的には全体に影響もあるわけでございますから、この辺は、余り基準が厳し過ぎますと問題が多いわけですね。こういうケースの場合、どういう判断をされますか。
○左近政府委員 問題は、そういう場合に特定不況業種というものをどうとらえるかという問題と、それから間接影響をどうとらえるかということだろうと思いますが、われわれといたしましては、その地域で現実的に、たとえば小売店なら販売の縮小に悩んでおるというような業者は、極力この恩典を受けられるような解釈を弾力的に考えてみたいというように考えております。
○西中委員 やはり関連市町村の場合、かなりこれは問題があると思うのですけれども、関連市町村の場合はもう歴然として仕分けをされるつもりでございますか。二項ですね。
○左近政府委員 二項の関連市町村に所在します中小企業者につきましては、やはり特定事業所、これは特定不況地域の中にある特定事業所でございますが、に対する関連というものは考えなければいけないというふうに考えておりますので、それと無関連だというものについては、この二項は適用するわけにはいかないというふうに考えております。
○西中委員 同一地域にあって、片やこういう適用を受け、片や受けられない。非常に問題を起こしてくるんじゃないかという気もするわけでございます。できる限り、ただいまのお話のように、弾力的な運用をされるように要望したいと思うわけでございます。
 それから、これは確認の意味で労働省にお伺いしておきたいのでありますが、通産省の特定不況地域、これについて、労働省もそれに御相談なさって公共職業安定所単位で範囲を網をかぶせていく、こういうように聞いておるわけでございますけれども、その辺はどうなのか。
 それから、そういう場合には、たとえば舞鶴の場合ですと、隣が福井県でございますから、これは小浜公共職業安定所まで適用されるのかどうか、その辺のところを伺いたいと思います。
○谷口政府委員 私どもの方の特定不況地域離職者臨時措置法によります地域の指定は、まず、中小企業対策臨時措置法で事業活動なり雇用の状況を勘案して共同で定めます市町村を含む安定所の管轄区域ということで、御指摘のとおりでございます。
 なお、たとえば舞鶴の場合は、舞鶴安定所管内ということでございますから、福井県の方の地域は入らないということになるわけでございます。
○西中委員 その辺も非常に問題が多いんじゃないかと思うのです。職場の置かれました位置によりまして、生活圏は一緒でございますから、こういう適用を受けるか受けないかということで、目と鼻の先で毎日のように顔を合わしている人が違った扱いを受ける、こういうことになるわけでありますから、その辺も、いますぐ御答弁というわけにいきませんでしょうけれども、先ほどの問題とあわせて、特に運用上お考えをいただきたいと思うわけでございます。
 時間がございませんので、まとめていろいろ御質問いたします。
 資金の確保という問題でございますけれども、認識といいますか、いろいろ通産省の方でも調査をされておると思うのですが、やはり現場に参りますと、非常に厳しい状況でございます。
 一例を挙げますと、舞鶴の日立造船の下請企業の発注実績、こういう点からいきますと、場内下請企業の場合、四十八年十四億、五十三年見通しとしては二億四千万、七分の一近くに下がっておるわけであります。場外下請の場合は、四十八年十五億八百万、五十三年見通し十億五千万、こういう状況でございます。ピーク時を見ますと、四十九年、場内場外合わせましての発注実績四十億、五十三年見通しで十二億九千万、こういう状況に陥っております。
 雇用状況を見てみますと、場内下請の場合は、四十八年二十一企業五百三十四名、これが五十三年になりますと二企業五十名、場外の場合も、四十八年二十企業五百八十名、五十三年二十企業二百五十名、場外の方が若干歩どまりがいい。しかし、やはり半分以下に減っておるわけでございます。
 倒産の状況は、年々大型化いたしておりまして、四十八年三十件七千五百万、五十一年四十一件六億八百万、五十二年三十四件十八億一千六百万、こういうような状況で、失業率も大体六ないし七%に達してきつつあるわけでございまして、職業安定所としても非常に深刻に受けとめておるようでございます。
 ですから、先ほど来たとえば金利の問題で議論がございましたけれども、貸付金利六・三、六・八、これをいろいろと自民、新自由クラブの合意事項で六・一、六・六というような話も出ておりますが、ある面で言うと、円高問題を抱えた企業の厳しいのもよく納得できますけれども、造船業の将来ということを考えていきますと、なお厳しい状況にあるわけでございますから、少なくとも五・三程度、それが無理としてももう少し金利というものについては考え直す必要があるのじゃないか。地元では、地方自治体も非常に苦心をいたしておりまして、今度つくるという京都府中小企業経済環境等対応特別融資制度、この場合でも五・五%という用意をいたしておるわけであります。ですから、こういった動きから見ましても、この金利問題はもう一考される必要があるのじゃないか、私はそのように考えているわけでございます。
 同時に、もう事業転換ということも考えなければ、造船の立ち直りを待っておっては生きてはいけない、こういうことでございますから、本来ここの法律の中に明示されてもよかったのではないかと思うのですが、こういった問題をあわせて御答弁をお願いいたしたいわけでございます。
○左近政府委員 いま御指摘のありました金融措置は、この九月四日から実施しております特定不況地域中小企業対策緊急融資ということであろうかと思いますが、これにつきましては、極力中小企業に有利なようにということでいろいろ検討したのでございますが、御承知のような倒産対策の緊急融資制度の大体六・三%というような金利があるものでございますので、倒産というふうな事態と非常に相通ずるということで、六・三及び六・八という金利を設定したところでございます。これについては、とりあえずこういうことで当面やらせていただきたいというように考えておりますけれども、われわれもいろいろな御意見を取り入れまして、今後も十分検討はいたしていきたいというふうに考えております。
 それから、事業転換が四条には載っておらぬではないかという御指摘でございます。確かにこういう地域について事業転換を考える必要が多いであろうというふうに考えますが、これについては、先年制定していただきました中小企業事業転換対策臨時措置法がございますので、これを活用して実施いたしたいと考えております。一応法律的な分け方といたしましては、その事業転換法の方で決まっておるからこちらの方には載せなかったというふうな法律的な仕分けでございますけれども、実際上は、事業転換法においても、従来よりもその対象を少し運用を拡充いたしまして転換法に乗りやすくして、十分に転換に対する応援もいたしたいということで行政措置を講じておるところでございます。
○西中委員 実際このお金を使おうとされる人も、金利が高くてこれじゃあという声が非常に強いわけでございますから、その点についてのもう一歩のお考えをいただきたい。
 同時に、既往の貸し付け、特に政府系三機関についてこの軽減を要望する声が非常に高いわけでございます。さらには、近代化助成法による貸付金の償還期間、これも先ほども言っておりますように、いつ立ち直るかわからぬというこういう状況の中でございますから、できるだけこの期間を延長する。三年と言わずに、五年、六年というように長期にわたっての対策を要望しておるわけでございます。この辺についてお伺いをいたしたいと思います。
○左近政府委員 既往の貸付金の金利軽減につきましては、実はこれは行政措置で実施が可能でございますので、政府系中小企業金融三機関については、中小企業庁と大蔵省と共同で各機関を指導いたしまして、既往金利を大体八・一%まで引き下げるということに措置をいたしております。これは不況業種に属する企業で赤字の企業ということになっておりますけれども、現在この不況業種に属する中小企業というのは、全中小企業のうちの製造業のうちで大体四割強になっておりますので、この緊急融資の対象地域について見れば、相当部分がその適用を受けられておるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、こういう制度を十分徹底させてこの既往金利の引き下げの措置をやりたいと考えております。
 それから、近代化資金助成法による貸し付けの件でございますが、これについては三年ということにいたしたわけでございます。いろいろ考え方はあろうかと思いますが、当面三年間の延長ということで何とかしのげるのではないかということで制定をしたわけでございますので、今後またいろいろ検討する必要はあるかと思いますが、当面のところはこれで何とか御了承願いたいというふうに考えておるわけでございます。
○西中委員 次に、十条についてお伺いをいたします。
 ここでは、「国は、公共事業の実施に関し特定不況地域における経済の安定の見地から必要な配慮を加える」、こういうことでございますが、いま現実問題として仕事はないわけでございますから、仕事がないところへ救いの神と言えばおかしいですが、やはり公共事業は非常に強い要求が出ておるわけでございます。新聞報道等では傾斜配分等が云々されておりましたけれども、これからどういう施策をしていくのか。通産省、それから建設省、運輸省、自治省はこの辺どう考えておられるのか。
 たとえば舞鶴市の場合でございますと、第五次港湾整備五ヵ年計画で相当な金額の事業を実施いたしておるわけでございますが、六十年が最終目標でございますが、繰り上げて集中的に事業を展開する。さらにまた、近畿高速自動車道舞鶴線などというのがございますが、これも早く実施の方向にやってもらいたい。これは単に当面の特定不況に対する手当てであるばかりではなくて、こういう地域の開発、将来展望の上でもまことに重要な問題でございます。こういう問題もどう考えておられるか。できれば早く、来年でも実施をしてもらいたい、こういう要求が強いわけでございますが、それをあわせまして御答弁をいただきたいと思います。
○左近政府委員 中小企業庁といたしましては、この点については公共事業を実施する各官庁にもお願いをする立場でございまして、実は八月から九月にかけてこの特定不況地域対策を実施するということを決めました際にも、当初予算の公共事業の配分実施につきまして、そういう地域の地元からこういう事業をやってもらいたいというような希望もお伺いして、それを関係の官庁に御連絡をしてそういう点を重点的にやっていただくようにお願いをし、そういう点をやってもらったということがございますが、今後たとえば補正予算の公共事業の実施についても、いろいろ御相談をしながらわれわれの方の御要望を申し上げたいというふうに考えておるところでございます。
○酒見説明員 ただいま御指摘のございました舞鶴港の港湾整備につきましては、舞鶴港の港湾管理者でございます京都府が、昭和五十一年の三月に昭和六十年を目標といたします港湾整備計画を策定いたしまして、この計画に沿いまして現在整備を進めておるところでございます。ただ、残念なことに、本格的な事業の遂行についてはなお漁業者との調整が未了でございまして、そういった部分につきましては順調に進んでいるとは言いがたい状況にございます。港湾管理者の方におきましては、関係者の理解と協力を得るべく現在鋭意努力中でございますので、やがて漁業関係者との調整も解決されましてそういった解決を見ました暁には、港湾管理者の意向を徴しまして積極的に応援をしてまいりたいと存じておる次第でございます。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。
 近畿道舞鶴線の高速道路の現状でございますが、現在、神戸と福知山の間約五十四キロにつきましては、昭和四十八年に整備計画が出されてございます。したがいまして、そのうち丹南町と福知山市の間約四十一キロにつきまして現在地元と協議中でございますが、ことしから用地買収に着手いたしまして鋭意事業の促進を図っていく予定でございます。
 なお、福知山から舞鶴間約二十三キロにつきましては、昭和四十七年の六月に基本計画が決定されておりまして、現在近畿地方建設局でいろいろの調査を行ってきておるわけでございますが、ことしの秋に開催が予定されております国土開発幹線自動車道建設審議会に諮りまして整備計画の決定をしていただくべく、現在準備を進めておる段階でございます。
 以上でございます。
○西中委員 私がいま申し上げておるのは一つの例で、要するに特定不況地域、いま道路の問題にしても港湾の問題にしても、全国各地でやっておるわけですが、やはりこういう特定不況地域に力点を置いて事業を展開する、こういうことが非常に大事だと思うのです。大臣がおられませんから、長官ひとつよく聞いておいていただきたいのです。その推進方を要望しておきます。
 同時に、一番の問題は、この法律でどうしようもないのは、仕事がないというこの問題でございます。現在日立造船は四〇%設備削減、その中で、舞鶴工場は将来にわたって艦船の建造を行う、陸上部門に対しては余りこの工場ではやらぬ、やらないわけはないですけれども、やっておりますけれども、主力はそういうことです。そうしますと、やはり船の受注がなければこの法律だけではいかんともしがたい状況になるわけでございます。
 したがいまして、運輸省、また海上保安庁等にお伺いをしたいのですけれども、こういう状況にある地域に対しましては積極的に艦船の発注、巡視艇、調査船、そのほか気象観測船等々につきまして十分なる配慮をして船を注文する、この措置がなければ、結局この法律はあっても魂が入らず、こういうことになろうかと思うのです。ですから、二百海里時代でもございますし、積極的にこの点については――今度の補正予算も若干お考えのようでございますけれども、五十四年度の予算についてもこれは十分お考えをいただかなければならない。現にドックがあいてしまって、次の船がないというのが実情でございます。
 それから、この前大臣にも御質問をして御検討をお願いしたわけでございますけれども、時間がございませんから細かいことは申しませんが、他の地域が年々何%かという水準で少なくとも不景気の中でも売上高そのものは伸びておる中で、不況地域の商店街の売り上げはほぼ横ばいないしは商品によっては割り込んでおる、これが実情でございます。この前も申しましたけれども、不況地域の調査の中で、今治市ですか、あの辺も売り上げが割り込んでおる様子が皆さん方の調査でも出ておったわけですけれども、ここへ大型店をまたどんと出させるということになれば、非常な打撃を受けるわけでございます。そういう点で、大型店の進出は一時やはり凍結をするのがいいのではないか、少なくとも通産省としてはそういう方向で御指導また要請をされる、こういう気持ちはないかどうか。
 以上、お尋ねをいたしまして、私の質問を終わります。
○堀木説明員 ただいまの海上保安庁が建造いたします船艇につきまして特定不況地域に傾斜的に発注できないかという点につきまして、お答えさせていただきます。
 御承知のとおり、五十三年度、今年度の補正予算におきまして大幅な巡視船艇の建造をお認めいただきました。これらの発注に当たりましては、先生の御趣旨に沿うように、特定不況地域にできるだけ仕事が回っていくように私どもとしましては努力いたす所存でございます。
○島田政府委員 大型店の問題についてお答えいたします。
 先日大臣もお答え申し上げましたけれども、確かにいまお話しになっているような不況地域につきまして、事業活動が停滞し、したがって消費購買力も落ち込んでくる、したがって中小小売業にも影響が相当出てくる、こういう事態というのがあるわけでございますが、その場合に大型店の進出についてどう対処するかという点でございます。
 私どもの考え方は、特定不況地域であるということで一概に出店を凍結するというのはいかがかというふうに考えております。ただ、実際に大店法の趣旨というのは、御案内のように、消費者の利益の保護に配慮しながら周辺小売業への事業活動の機会の適正化を図るということでございますので、そういう地域の実情がそういう実態であれば、それに応じて大店舗の進出を調整していくというような考え方で、個別に具体的に地域の実情に応じて対処していくということが適当ではないか。長期的に見まして大店舗の秩序ある進出というのが行われる場合には、その地域の実情にもよりますが、雇用機会の造出あるいは産業構造の長期的な転換の面という点も考えなければいけないというふうにも思いますので、先ほどもお答えしましたように、地域の実情に応じて大店法の趣旨に従って運用をしていくということで対処したいと考えております。
○橋口委員長 午後二時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
    午後一時五十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十二分開議
○橋口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。山下徳夫君。
○山下(徳)委員 まず第一番に、特定不況地域の中小企業対策、これにつきまして、この構造不況業種に依存する地域のいわゆる企業城下町の関連中小企業について救済策を講じようとするものであることは容易に理解できるのでありますけれども、まず第一番にお尋ねしたいことは、この構造不況業種の対策の進捗状況及び構造不況業種の安定のめどについてお伺いしたいと思います。
○矢野政府委員 特定不況産業安定臨時措置法の進捗状況でございますが、すでに特定不況産業といたしまして指定したものが、法律上にございます平電炉業種、合成繊維四業種、それからアルミ製錬、造船業でございます。
 これにつきましてはすでに指定が終わりまして、現在平電炉につきましてはすでに安定基本計画の策定も終わりまして、八月二十八日に告示され、現在その実施に移っております。それから、合成繊維につきましては、いわゆる繊維工業審議会、ここの了承が終わりまして、恐らく十月二十三日、月曜日でございますが、ここで告示ができることになっております。あとは実施が行われるであろうという推定でございます。それから、アルミにつきましては、現在産構審のアルミ部会で審議中でございまして、恐らく今月中にはいわゆる結論が出るものと思いますので、十一月早々に告示ができるのではないかという期待を持っております。造船につきましては、八月二十九日に指定が終わっておりまして、この安定基本計画の告示は、恐らく十一月のやはり初めくらいには、御答申をいただいてできるのではないかという感じを持っております。
 それからもう一つ、いわゆる候補業種と言われるものでございますが、これはすでに化学肥料三業種、紡績、合金鉄というものを候補業種に指定しておりますが、これが特定不況業種として指定をされるには、化学肥料、紡績についてはいまのところはいろいろと検討中でございまして、はっきりした見通しを申し上げるところが非常にむずかしいわけでございます。合金鉄につきましても、その中のフェロシリコンにつきましては、恐らく近く告示というものの段階、いわゆる特定不況業種に指定ができるというような準備ぐあいと思います。
 なお、一体安定計画のめどはどのくらいかというお尋ねでございますが、平電炉あるいは合成繊維を見ましても、昭和五十五年度末には何とかこの構造不況の実態から脱却しようという計画でございますので、三年前後というところで各業種ともそういう成果を上げられるようにしたい、安定がめどがつくというふうになっていくのではないかというふうに思っております。
○山下(徳)委員 ただいまの御答弁で、過剰設備の処理に当たっては、地域の不況の実態を十分に考慮しながら安定基本計画を策定していくということでございまして、これは了解いたしますが、ここでひとつ、いま若干答弁にもございましたけれども、構造不況業種の典型とも申すべき造船業でございますけれども、この対応策は、私も地元に造船業を持っておりますが、見ておりまして必ずしも十分という気がしないわけでございます。しかも造船業は地域産業でございまして、地域経済に非常に大きな影響力を持っておる、こういう立場から、現に進めようとしておられる対策をもう少し具体的にお伺いいたしたいと存じます。
 特に、造船所の新規受注と申しますか、そういった仕事の確保対策にさらに政府としてもこれは努力してあげる必要があると思うのでございますが、この点について、補正予算等についての措置、これもあわせてお尋ねしたいと思います。
○間野説明員 造船業につきましては、先ほど通産省の方からお答えございましたように、三五%程度の設備処理を行いたいということで、政令指定いたしまして、現在海運造船合理化審議会で審議していただいております。
 ただ、造船の場合、比較的中手以下と申しますか、企業体力の必ずしも強くないものが多うございますので、この設備処理を円滑に実施いたします場合には、もう少し何か援助が必要ではなかろうかということで、中手以下の造船業が事業所単位で設備を廃棄いたします場合には、残存者の負担と国庫の補助による廃棄施設の買い上げというものを考えておりまして、このための法案を目下国会で御審議いただいております。補正予算の中には、この協会設立に必要な出資金、政府出資金として十億円を計上しております。土地、設備、そういったものの買い上げが今年度中に若干行われると思っておりまして、百億円弱の開銀融資枠、これをあわせて承認していただいております。
 ただ、設備処理をいたしましても、他の構造不況業種以上に環境が非常によくありませんで、設備処理をいたしましてもとても高い操業度が望めないというような事態でございますので、これにつきましては政策的な需要を創出する必要があるというふうに考えておりまして、先般御承認いただきました補正予算におきましても、二百海里の問題もございまして、海上保安庁の巡視船を飛躍的に増強していただくということで、百四十二億円ほど巡視船の増強の予算をいただいております。
 それから、先生おっしゃいました新規需要というものをこういった停滞した一般的な経済情勢のもとで進めます場合には、どうしても老朽船を解撤するということが必要でございまして、老朽船の解撤自体造船所でやることにいたしますと、若干の仕事量の足しにもなりますし、また、新造船の発注を刺激するということもございまして、補正予算で解撤工事を行います場合の補助金ということで、若干基金的な運用をしながら三年間にわたって行いたいということで、二十億円ほどの補助金を認めていただいております。
 さらに、来年度以降になりますけれども、計画造船制度によります国内外航船の建造、これもスクラップ・アンド・ビルドの基本的な考え方でやってまいりたいと思いますが、できましたらこれで年間百万トン程度上積みをいたしまして、設備処理後、造船施設の稼働率を何とか七割程度までには持っていきたいというふうに考えております。
○山下(徳)委員 ただいまの御答弁で、運輸省が行わんとする造船不況対策のあらましはわかりました。
 先ほど企業庁長官の答弁の中で、造船業に対する構造不況救済策は大体三年ぐらいをめどというふうに答弁されたかと思うのですけれども、今後三年ぐらいはこれに関連する中小企業にとって一番ピンチの期間だと思います。それを救済するのがこの法律の主たる目的でございますけれども、とりわけいま申し上げましたとにかく今後三年間、特に待ったなしの造船業について、中小企業に対して何らかこうすればいいのだという案をお持ちならば、ぜひお答え願いたいと思うのです。
○左近政府委員 造船関連の中小企業に対する対策でございますが、まず第一段階といたしましては、いま御審議願っておりますこの特定不況地域中小企業対策臨時措置法によって緊急の措置をするということでございますが、ただその緊急の措置だけではなくて、将来の問題もございます。個々の業種指導ということにつきましては、これがいろいろな産業に分かれるわけでございますが、業種ごとに適切な対策をとってまいりたいということでございますし、これについては、実は単にこの当面の対策だけではなしに、個々の中小企業の中長期的な今後のあり方というものについていまいろいろ検討をいたしておりますので、こういう面について必要な措置を、場合によっては法律もつくってというふうにも考えておりますので、そういう点で検討をいたしていきたいというふうに考えております。
○山下(徳)委員 特定不況地域対策、これは中小企業対策と雇用対策、これを車の両輪のごとく一体化して進めていかなければ、その実効は上がらないと思うのでございますが、この法律案は御案内のとおり二本に分かれておる。これを一体化して、一体的な運用をやるということにはいろいろ障害があるかもしれないと思うのでございますが、この点に対してひとつ大臣から御答弁をいただきたい。
○河本国務大臣 法律は労働省と二つに分かれておりますけれども、運用は、密接な連絡のもとに一体となって行っていくつもりでございます。
○山下(徳)委員 水産漁業の指定の問題について、この特定業種を指定する場合ですね。今度の場合は二百海里で影響を受けた水産漁業、これが入っているわけでございますが、これは具体的にどういう業種なんですか、水産業と一口に言っても、加工業等を含めていろいろあると思うのですが。
○左近政府委員 いま法律に基づきます特定不況業種について、いろいろ法の要件に適合するものはどうかと検討しておりますが、水産業で検討の対象になっておりますのは水産業自体でございますけれども、北洋漁業のように、二百海里の制限ということで、漁船の減船と申しますか、漁船を減らすというようなことがやむなくされておるというようなところが出ております。したがいまして、そういう現実に漁船が過剰になって漁船の減船等の措置が行われておるというようなものについてはこの法案の対象になろうかということで、現実にいま検討をしておるところでございます。
○山下(徳)委員 ただいま漁船の減船について考慮をしておるという長官の御答弁でございますが本来この法律案は、企業城下町法案と言われるように、城と城下の関係だろうと思うのです。漁船の減船を対象ということになりますと、城自体が中小企業のカテゴリーに入るものがかなり出てくるのじゃないか。いわゆる城下対城下の法案ということになるし、そうなりますと、城となるべきごく限られた、言うなれば一けたくらいの一つの特定地域における城でございますが、いわゆる中小企業対中小企業、城下対城下であり、城自体が十幾つとか二十幾つとか非常に多岐にわたるということもあるかと思うのですが、この点はいかがなものでございましょうか。
 と同時に、これも従来の考え方、通産省が当初から考えてきた法律案、これでもってこれをうまく救済していけるかどうかということです。
○左近政府委員 いまお話しのとおり、特定不況地域というものは、中核になる産業がございまして、その産業に属する企業のいわば衰退によりまして受ける影響を救済するという趣旨でございますが、その産業に属する企業というものが法律では必ずしも大企業でなければいけないということにはしておりません。したがいまして、この法律に基づく要件に適合いたしますれば、若干数が多くなっても法律に入ろうかということでございますので、その辺をいま指定の前段階として、これは法律が制定されましたらということでございますけれども、いろいろ検討しておるところでございます。
○山下(徳)委員 指定要件の具体的な基準についてここでお尋ねいたしたいと思うのでございますが、特に特定事業所に対して相当程度依存しておるというこの「相当程度」の解釈、と同時に、「相当数の中小企業者の事業活動に著しい支障が生じている」この「著しい支障」、城と城下の二つの相当数と著しい支障、これについて具体的に御説明願いたい。
○左近政府委員 この特定不況地域の指定の具体的な要件につきましては、法律の定めております要件に基づいて基準をつくるわけでございまして、これについては、法律が制定されました暁に関係省庁ともよく相談して決めたいと思っておりますけれども、現在、行政的な措置として十六地域を対象にいたしまして金融措置等をやっておりますが、そういうときの選定の経緯を御参考までに申し上げたいと思いますが、これにつきましては、相当程度の依存というのは、大体その地域の工業出荷額ないし地域の雇用者の中に占めるそういう特定事業所の出荷額とか、あるいは従業員の比率が三分の一以上であればこの対象にしようということで行政的には処置をいたしております。
 それから、「事業活動に著しい支障」というものにつきましては、これは実は具体的にこの中小企業に対する影響というものを個々に計測するのは非常にむずかしゅうございますので、その行政的な措置を定める際は、特定事業所からいろいろ下請とか関連業者に対する発注がございますが、発注が前年度に比して相当程度落ちたというようなところを基準にして決めたわけでございます。
 こういうふうな経緯がございますので、この法律上の不況地域を決めるのはこれからでございますけれども、大体そういう従来のやり方を参考にしてやってまいりたいというふうに考えております。
○山下(徳)委員 九月四日にスタートしました緊急対策の対象地域、これはたしか十六地域であったと思います。このことについてのきょう午前中の大臣の御答弁は、さらにこれを拡大して三十数地域になるというようなことでございましたが、そうなりますと、この指定基準というものが当然変わってこなければならないと思うのです。同じ物差しでは十六は十六だと思うのですが、そこらあたりの指定基準はどういうふうになるのでしょうか。
○左近政府委員 この十六を選びました時点とこれから法律が制定されまして選ぶ時点とで一つの変化をした状況はどういうことかということになりますが、実はその変化の一番大きいのは、法律で申しますと二条の第四項ということで、「離職者の発生の状況、雇用の機会の水準その他の雇用に関する状況を考慮して定める」ということで、この雇用に関する状態が、最近のような経済情勢ですと、ある地域においては刻々変わっておるというような状態がございます。したがいまして、雇用の情勢がだんだん逼迫した地域が出てまいりますと、そういう地域が新しく指定の対象になろうというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
○河本国務大臣 数のことでございますから、誤解があってはいけませんので、少し補足して申し上げておきますが、午前中に私が申し上げましたのは、候補地域としていま検討中のところが三十数ヵ所ある、こういうことを言ったわけでございます。その中から最終的にどことどこをするかということを決定するわけでありますが、それには先般の両党の申し合わせ二十八地区をめどに、これを参考にして決めたいと思っております。そこでめどというのはどういう意味か、できるだけ広く解釈してやりたい、こういう考え方でございます。
○山下(徳)委員 数の問題についてはわかりましたけれども、現在候補地の中で検討する対象が三十幾つ、こういうことでございますが、候補地として取り上げてほしいという要請のある地域は大体幾つぐらいでしょうか。その中からある程度ふるいにかけて現在検討しておるのが三十幾つという意味でございましょうか。どちらでございましょうか。
 それからもう一つは、これは検討中で結構でございますよ、結構でございますが、この検討中の中で大体造船が一番多いと聞いておりますが、造船都市が幾つぐらいで、その他おおよその分類についておわかりであれば、この際明らかにしてもらいたい。
○左近政府委員 私どもの方に、この法律が制定されるという話をお聞きになりまして、いろいろな要望が来ております。その要望の数は相当多いわけでございます。ただ、御要望の中には、たとえば現在はまだ雇用状態は悪くなっていないけれども、中核事業所の操業計画などを見るとどうも将来雇用も非常に悪くなりそうだ、ですから何とか処置を必要とするのではないかというふうな御要望がございますが、これにつきましては、やはり雇用の状態がある程度の水準に達しないと指定はできないというふうに考えておりますので、少なくとも法律制定後すぐに指定するというふうなことにはならないものも出てまいります。
 したがいまして、大臣が申されました三十有余というものは、むしろある程度そういうものを除いたもので、しかし、それも雇用の状態その他の状態が限界状態をどのぐらいに引くかというような問題がございますので、これを全部入れるかどうかはなかなかむずかしい問題がございますので、それを現在検討しておるということでございます。
 それから、業種でございますが、これにつきましては、造船関係もある程度ございますが、そのほかにたとえば非鉄金属の関係とかそういうものもございますので、いまのところ私の方で何%、どれだけということはちょっと数字を持っておりませんのでわかりませんが、業種も従来考えていたよりもまた拡大した要望が出てきておるので、御了承願いたいと思います。
○山下(徳)委員 認定を受けられる中小企業者の対象範囲でございますが、特定事業所と直接下請関係のない業種、例を言いますと飲食店とかパチンコ屋とか、これだってとにかく大きな影響を受けるのでございますけれども、ここらあたり大体どの程度これで捕捉されるつもりでございますか。
○左近政府委員 この認定の際の特定事業所における事業の廃止等に起因するものであるかどうかという面の問題でございますが、われわれといたしましては、間接的な影響も取り入れるということで広く解していきたいと考えております。
 ただ、認定によって受けます優遇措置のうちで金融関係のものにつきましては、それぞれの金融関係で、たとえば中小企業金融公庫なり何なりは本来その貸し付けなら貸し付けの事業範囲が決まっております。したがいまして、貸し付けの事業範囲から外れるものは実はこの恩恵は受けられないということでございます。ただ、中小企業金融公庫、国民金融公庫等の内容を見ますと、大体の業種は入る。しかし、たとえば風俗営業というようなものについては対象になっていないということでございます。
○山下(徳)委員 つまり、いまおっしゃることよくわかりますが、言葉をかえれば、健全娯楽といいますか大衆娯楽、そこらあたりまでということでございますか。そのように理解していいですか。
○左近政府委員 個々の業種についてはそれぞれの機関の貸し付けの方針で決まっておるわけでございますが、大体のところ、いま先生がおっしゃったようなラインが引けるかというように考えております。
○山下(徳)委員 次にお尋ねしたいことは、鉄鋼であるとか造船であるとか、そういった構造不況業種の構造改善、これらの進行に伴う離職者の推移と申しましょうか、この構造不況法ができましたのがたしか五月か六月だった。ことし一番離職者の多かったのは四月ですか、百四十一万というのは。その後かなり減って、八月くらいですか、百二十一万まで減ったというふうに聞いておりますが、この法律制定以来、たとえば離職者の数が漸減でずっときているとするならば、やはりこの法律の制定の実効が上がっている、このように見ていいのでしょうか。
○谷口政府委員 構造不況業種の構造改善によりましてどのくらいの離職者が出ておるかということにつきましては、昨年終わりの特定不況業種離職者臨時措置法が制定されまして、それに基づく離職者については手帳を発給して各種の援護措置を講じておりますが、その手帳発給件数で見ますと、ことし一月から八月までの間に四万三百九十一ということでございまして、そのうちでも特に造船関係が五二・九%を占める二万一千三百七十五というふうな状況になっております。
 ただいま先生の指摘がありました百四十一万とか八月が百二十一万ですか、これは労働力調査によります完全失業者の数字でございまして、三月が百四十一万ということで実数で非常に多かったのは、例年一月から三月の間は季節的な要因で実数が非常にふえておりまして、季節調整をした後の失業率で見てみますと、三月が二・一二%でございました。八月は百二十一万で実数は減っておりますけれども、季節調整後の失業率で見ますと二・三四%ということで、率としてはむしろ上昇している。最近は二・三%台の失業率で推移しているということで、かなり厳しい雇用情勢が続いておるということでございます。
○山下(徳)委員 時間が参りましたので、質問はもうこれで終わりますが、最後に一言。
 先ほど長官の答弁にもありましたように、三十数業種が検討の対象となっておるようですが、今後またこれの適用を希望する地域が出てくるであろうということで、現実に私どもが伺っておりますところでも、早期のこの法の制定、そしてまたそれの適用を受けたいという市町村がかなりあると私は思っておりますが、そういった一つの期待に対しまして、この法律案が実際に制定されました場合に、政府としてはどのような期待を持っておられますか、これをお伺いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○左近政府委員 この法案を成立させていただきますれば、当面、制定の時期の状態に応じて基準に照らして特定地域を定めまして、緊急の対策を進めていくわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、いろいろな条件、ことに雇用の条件については地域の状態が刻々変わるわけでございますので、状態が悪化した地域についてはやはり追加指定ということも考慮しなければいけないという事態も生じてくるだろうということを考えながら今後の運営を図ってまいりたいということで、そういうことによりましてこういう特定不況地域における問題を円滑に解決していきたいというふうに考えております。
○橋口委員長 長田武士君。
○長田委員 まず初めに、五十三年度補正予算案の組み替え動議を背景にいたしまして、自民党と新自由クラブの協議でまとまった五十三年度補正予算についての合意事項の中に、ただいま審議しております特定不況地域中小企業対策臨時措置法に関して、次の合意事項があるわけであります。すなわちその一つは、「特定不況地域の指定については、二十八地域をめどとする。」二つ目は、「特定不況地域に対する公共事業の傾斜配分について、その規模を三百五十億円程度とし、関連地方公共団体の裏負担については、特別交付税等で措置する。」三つ目には、「特定不況地域中小企業対策について、貸付利率を原案の六・三%または六・八%を、円高中小企業対策に準じ六・一%または六・六%とする。貸付期間は五年、据え置きは二年とする。」という三つの合意事項であります。
 そこで、私は、この問題は本委員会で法案の審議を行って、その上で決められるべきであると思うわけであります。これを本委員会を無視した形で自民党と新自由クラブの二党間で合意したということは、本委員会の軽視であると言わざるを得ません。
 そこで、通産大臣はこの問題についてどのような所見をお持ちになっていらっしゃるか、まずお尋ねをします。
○河本国務大臣 私は、今回の合意事項につきましては、全然相談にあずかっておりません。
 ただしかし、今度の法律案を制定いたしました経過をたどってみますと、地域地域で非常に不況がひどい状態になってまいりましたので、何とか急いで対策を立てなければならぬというので、ことしの中ごろ以降準備をしておりましたが、とりあえず非常にひどい地区だけ十六ヵ所指定して、行政措置でやれることから始めようということで始めましたことは御承知のとおりでございます。
 今回法律ができましたので、国会に出しまして御審議をいただいておるわけでありますが、その審議に入ります前に両党間のこの法律を運営するについての合意ができた、こういうことはけしからぬじゃないかというお話でございますが、そういう御意見もあろうかと思いますが、通産省といたしましては、政党政治のたてまえからいたしまして、自由民主党と新自由クラブがこういう方針でやろうという合意をいたしました以上は、その合意を受けましてその実現にいろいろ努力をしてまいりたい、こういう考え方でございます。
○長田委員 本法案では、特定地域の指定は、法案の成立を待って具体的な地域の選定に入り、政令で定めることになっておるわけであります。それが自民党と新自由クラブの二党間で地域の指定数が定められたことは、本案そのもの自体を無視していることに通ずるように私は思うのですが、その点どうでしょうか。
○河本国務大臣 なるほど六項目の一つに二十八地区をめどとして云々という字句がございますので、いまの御質問をされたんだと思いますが、先ほども申し上げましたように、現在三十数ヵ所を検討中でございます。
    〔委員長退席、中島(源)委員長代理着席〕
そのうちどの程度指定をいたしますか、二十八ヵ所をめどという合意もございますので、それを参考にいたしまして判断をするつもりでございます。
○長田委員 通産省は、去る八月二十八日、当面の特定不況地域中小企業対策をまとめました。それを実施しておるわけでありますが、この地域指定は十六地区を指定しておるわけであります。
 そこで、これはどのような指定基準で選んだのか、お尋ねをいたします。
○左近政府委員 行政措置でやりました緊急融資の対象としての十六地域の選定に当たりましては、一つは、その中核になる企業が非常に構造不況に悩んでおって、その地域にある事業所も相当減産等の事態があるという前提に立ちまして、その地域における特定の事業所のウエートが、出荷額とかあるいは従業員の数ということで大体その市町村全体の三分の一以上を占めておるというふうな基準と、それから、事業所からの発注、つまり関連中小企業者に対する発注が前年度に比して相当減退しておるというふうな基準、もう一つは、雇用が相当求人、求職の比率が悪化しておる、こういうふうな基準でもって十六地域を選んだわけでございます。
○長田委員 そうなりますと、二十八地域をめどにするということは、ただいまの指定基準がさらに緩和されたのかどうか、この指定基準についてお尋ねをします。
○左近政府委員 先ほど申し上げましたのは、行政措置を決める場合に当たっての基準でございまして、今回この法律が成立いたしますと、そのときに政令で特定不況地域を指定する場合は、この法律の基準に従ってそれを決めていくわけでございますので、必ずしも同じであるとは言えないと思いますけれども、仮に十六地域に適用した基準をそのまま残すといたしましても、先ほどから申し上げておりますように、雇用に関する実情は変化をいたしておりますので、しかもそういう特定不況地域になりそうな地域については雇用状態が悪化しているところが大分ございます。したがいまして、仮に基準を同じにしても、指定がふえるというふうに相なろうかというふうに考えております。
○長田委員 中核的事業所の事業の縮小等によって地域の経済活動が衰退し、中小企業の自立回復がむずかしいという地域は、現在全国に十六とか二十八地域ということだけではなくて、数多くの地域があるわけであります。そこで、通産省がさきの対策で十六地区を指定しました。今回は政治が介入して指定を二十八地区に拡大したということでは、地域間の不公平が起こりやすいと言わざるを得ないわけであります。私はこれは防止しなければならないと考えておるわけであります。
 したがって、私は、指定基準を細かくいたしまして、さらに明確化し、公表する必要があるのではないか、そのように考えますが、この点どうでしょうか。
○左近政府委員 この法律が成立をいたしますれば政令で指定をするわけでございますが、政令で指定するに当たってどういう基準で、つまり法律の要件をどういう基準ではっきりさせるかということについては、やはり客観的な物差しがなければいけないというふうに考えております。したがいまして、われわれといたしましては、関係市町村の御要請に対してこういうふうに決めたということについては、この基準も明らかにする必要があろうというように考えております。
○長田委員 その基準はできてないのですね。
○左近政府委員 まだできておりません。
 それから、基準の中の一つとしての雇用の基準につきましては、労働省の方と御相談して決めるわけでございますが、労働省の方としては、これについては関係の審議会にも諮らなければいけないということでございますので、まだ決まっておらないわけでございます。
○長田委員 そうなりますと、基準がまだできてないわけでありまして、ではどうして二十八という数が出てくるのですか。いま通産大臣は三十数ヵ所検討しておるということでありますけれども、二十八または三十数ヵ所、基準がないのに何で出るのですか。ちょっと説明してください。
○左近政府委員 三十幾らというふうな数字は、実はいろんな御要望がありました中で、現実に行政措置で処理をいたしました基準から考えましても、非常にその基準から遠く離れておりまして、当面若干基準が変わりましても対象にならないというものを除外したところが三十幾つということでございます。したがいまして、今後基準を詳細に決めてまいります過程において、またそれが減っていくというようなことも十分あり得るかというふうに考えておるわけでございます。
○長田委員 私がお尋ねしているのは、物差しがまだ決まっていない段階で、そういう具体的な場所が何ヵ所と出てくるのはどうも理解できないのですが、その点もう一度答弁してください。
○左近政府委員 具体的に指定地域になるための基準と申しますのはまだ決まっておりませんから、どこの市町村を指定できるかというふうな特定は現在不可能でございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、三十幾つぐらいあるというのは、行政措置でやりました基準を、仮に基準が多少変わりましてもそういうものに入るようにはならないというふうな、選考過程でまず第一次的に除外されるようなものを除きますと、現在のお申し出の中で三十幾つぐらいになろうかと思います。したがいまして、われわれとして持っております数字は、そういう検討に値するものはそのぐらいあるということになっておるわけでございまして、二十八というのは、先ほど大臣もお答えになりましたけれども、われわれとしては全く関与しない数字でございますので、どういうことで二十八になったか、これはわれわれもちょっと何ともお答え申しかねるわけでございます。
○長田委員 そうなりますと、その指定地域の中に、去る八月二十八日に決めました当面の特定不況地域中小企業対策で示された特定不況地域は指定されますか。
○左近政府委員 先ほど申し上げましたように、基準がまだ確定しておりませんので、断定的なことは申し上げかねますけれども、この十六の地域というのは相当状態が深刻な地域でございますので、基準が決まりますれば、恐らく基準に合致するということに相なろうかというふうに推測をいたしております。
○長田委員 十六の地域は当然指定されるんではないかと私は思うわけでありますが、いま大臣が答弁されました三十数ヵ所、この検討しておる場所を具体的に説明していただけませんか。
○左近政府委員 具体的な名前を挙げることは御容赦願いたいのでございますが、業種的に申しますと、造船工業関係のまだ指定になっていないところとか、あるいは非鉄金属鉱山の地域とか、あるいは北洋漁業というようなものの関連の地域というようなものが検討に上っておるわけでございます。
○長田委員 そうなりますと、二党間で約束をされました合意事項ですね、この「二十八地区をめどとする」ということについては全然とらわれないで基準を決める、そうして指定をするというお考えですか。
○左近政府委員 いま大臣もお答えになりましたように、二十八地域というのは一つの目途とするということになっております。ただ、これもあくまで目途でございますので、その目途の中で基準をはっきりさして、その基準に従って入るべきものは入り、入らないものは入らないという仕分けをしていきたいということでございます。
○長田委員 それでは、これから基準を詳細につくるということでありますけれども、この基準については公表する予定でしょうか。
○左近政府委員 先ほど申し上げましたように、いろいろなところから御要望がございますので、これはこういうことで選定をしたということで、市町村にはこういう基準であるということはお知らせするつもりでございます。
○長田委員 それでは、基準を公表した後、どのような手順で地域指定のための作業を進めていくのか、また、この段階において指定を希望する自治体からの意見を聞くのかどうか、具体的に御説明願います。
○左近政府委員 基準をつくった後の具体的な選定の手順でございますが、これは先ほどの行政措置をやりましたときもそうでございますが、府県ごとに府県と御相談しまして、府県が府県の地域の中のそういう市町村の状態を調べて御連絡願うということで、府県を通じて市町村の状態も把握し、必要があれば市町村に直接にも状態を聞いておりますけれども、そういうことでよく市町村あるいは府県に意見をお聞きした上で指定をしてまいりたいというふうに考えております。
○長田委員 本法案では、法律の有効期間は、五年間はいつでも地域指定ができるようになっておるわけであります。したがって、特定不況地域をできる限り広く指定するとともに、今後各地域における経済情勢や雇用の動向などについて絶えず通産省が把握し、必要に応じて速やかに追加指定するよう法律の運用を図るべきだと私は考えておるのですが、この点いかがでしょうか。
○左近政府委員 先ほど申し上げましたように、経済の状態は刻々変わっておりますし、ことに雇用の状態の変動は相当激しいものがございます。したがいまして、現在の時点ではまだ指定の基準に達しないけれども、不幸なことではございますが、雇用の状態が悪化して指定の基準に達するというケースも間々あろうかと思います。したがいまして、お説のとおり、経済の変動に従って必要ならば追加指定をする、そのためには絶えず経済の実態を把握しておる、これもまた主として都道府県等と連絡をして把握するつもりでございますが、そういう態度はずっととり続けていきたいというように考えております。
○長田委員 特定不況地域がふえますと、公共事業の重点配分を実施することがむずかしくなることや、地域指定の効果が薄れるなどという意見もあるわけでありますが、私は、こうした意見に臆することなく、多くの特定不況地域が指定されるよう法律の運用を図られることを強く要望いたします。そしてまた、関連市町村の指定についても、特定事業所と相当の取引関係があって事業活動に支障を生じている中小企業者のほとんどすべてが認定を受けられるように考慮した指定が必要であると考えるわけであります。この点についてはいかがでしょうか。
○左近政府委員 特定不況地域内の中小企業者の認定に関しましては、特定事業所の不況に対する影響度合いというものについては、直接の関係のみならず、間接的な影響というものも十分考慮するということを考えております。したがいまして、直接の下請企業のみならず、関連事業者あるいは商業、サービス業というところまでも範囲に入れて認定をしようというふうに考えております。
○長田委員 次に、自治省にお伺いいたすわけでありますが、特定不況地域では、本法案と関連法案によりまして必要な措置が講じられることを期待しておるのは当然であります。現地では、何よりもまず仕事の確保を切望しておるわけであります。したがいまして、公共事業の重点配分や地方自治体単独事業の実施、さらには大規模維持補修事業の実施などを強く希望いたしておるわけであります。このため地方自治体は、財源確保のため地方債の弾力的運用その他必要な税制上の措置を自治省に講じてほしいと要望しておるわけでありますが、これに対して自治省はどういうお考えでしょうか。
○金子説明員 ただいま言われましたように、単独事業あるいは大規模維持修繕事業は、地元におきましての雇用あるいは資材の調達等を通じまして、地元に非常にいい効果を及ぼすというふうに考えております。したがいまして、これにつきましては、可能な限り地方公共団体が単独事業あるいは維持修繕事業を進めるように慫慂いたしますと同時に、必要な地方債措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
 なお、不況対策、景気対策を含めまして、単独事業といたしましては、今回の総合経済対策の中で二千七百億ほどの地方債計画の改定を行っております。
○長田委員 行政指導でやっておるということでありますけれども、通産省、労働省は特定不況地域対策を立法化して推進しようとしておるわけであります。それなのに自治省ではなぜ立法化しないのか、この点どうなんでしょう。
○金子説明員 地方公共団体が総合的な計画を立ててそれを執行する、それから、国はこれにつきまして財政上の措置その他の援助措置を講ずるということを内容としました法案の作業をしておりましたけれども、関係省庁間で調整すべき問題が多くて、時間的な関係もあって今国会には提出を見送ることにした、そのような事情でございます。
○長田委員 時間的に間に合わなかったということでございますけれども、通産省は、行政指導の範囲内で行っていた八月二十八日にまとめた当面の特定不況地域中小企業対策を、今回立法化して提出してきたわけであります。通産省にはこれができて、自治省ではできなかった、これはただ時間的な問題だけなのかどうか、重ねてお尋ねをいたします。
○金子説明員 私どもで法案の内容としておりましたのは、直接の雇用対策あるいは中小企業対策だけでなく、公共事業あるいは単独事業あるいは他の地域産業の振興策等各般にわたった施策を地方公共団体に計画の中に盛り込んでもらう、そしてそれを実行してもらうということでございました。したがいまして、その範囲が非常に広いために各省庁間の調整が手間取った、そのような事情でございます。
○長田委員 自治省の総合対策を強力に実施するためには、私はどうしても立法化が必要だろうと考えます。その上に立って特定不況地域対策を積極的に、効果的に実施することが最も肝要ではなかろうかと思っております。
 そこで、次期国会までに自治省に立法化の意思があるのかどうか、この点いかがでしょうか。
○金子説明員 今回の対策の実施状況、それから今後の経済情勢の推移等を見て、立法措置も含めて今後とも検討してまいりたい、そのように考えます。
○長田委員 検討はわかっているのですけれども、立法化の意思はあるのですか。検討なんて聞いているのじゃないのですよ。意思があるかないか。
○金子説明員 私どもで今回不況対策として立法作業をしておりました中身は、法律事項は税にかかわります交付税措置でございまして、その他は現行制度の中でも可能なものであったわけです。ただ、立法措置を必要だと考えました理由は、地方公共団体が総合的な対策を講ずるにつきましては、やはり総合的計画を実施する必要がある、なお、それにつきまして関係省庁の協力が必要である、このように考えたわけです。
 ただ、この問題につきましては、今回不況対策としましては緊急に実施する必要がある、したがいまして、時間的な関係もございまして、緊急に必要とする部分については必ずしも立法措置を必要としない、今後経済情勢その他状況の推移を見まして、立法措置を必要とするということであれば立法措置についても考えてまいりたい、そういうことでございます。
○長田委員 次に、わが党として十月初旬に、函館、室蘭の両市において不況地域の実態調査を実施いたしました。この結果を踏まえて、二、三質問をしてまいりたいと思っております。
 まず、函館市では、三十万トンの造船能力を持つ函館ドック株式会社の実態について調査をいたしたわけであります。当社においても、世界的な造船不況のあおりを受けまして、年々深刻の度合いを深めておるわけであります。新造船の成約工事量は十四隻、これは昭和五十四年七月までに終了いたしまして、その後の見通しは全く立っていない状況であります。こうした中にあって、函館事業所の雇用状況を見ますと、社員数は昭和四十九年の二千六百九十四人から五十三年九月末には二千百十三人となっており、五百八十一人が何らかの形で退職をいたしておるわけであります。一方、同事業所の下請企業におきましては、四十九年の千六百四十一人から五十三年九月末にはわずか六百十人と激減し、一千三十一人もの人たちが退職に追い込まれている実情であります。函館ドック株式会社においては、本年一月に第一次合理化を実施するに当たって三百人の希望退職者を募集した際、五百四名の希望者があったそうであります。しかし、これは賃金カットやボーナス無支給など、それによりまして住宅ローンなどの支払いができなくなりまして、せめて退職金で住宅だけでも確保したい、そういう切なる願いがこのような結果になったのではないかと私は思うわけであります。
 以上の経過をたどりまして五百四名が退職したわけでありますが、この退職者の再就職の現状を見てまいりますと、同社五百四名の退職者のうち、函館事業所のみで退職者三百九十四名となっており、そのうち五十三年九月末までの再就職者はわずか八十七人で、残りの三百七人は雇用保険の受給期間が切れようとしておる現在、いまだに就職先が見つからず、不安な状態に置かれておるわけであります。
 こうした状況について労働省はどのように考えておられるのか、まずお尋ねをいたします。
○谷口政府委員 景気の関係の指標は緩やかながら回復の基調にございますけれども、雇用面では改善が非常におくれているというのが全体の情勢でございます。その中でも、やはり造船業等の構造不況業種におきましては相当の離職者が出ておりますし、また、そういう不況業種の事業所が集中しておるような地域につきましては、相当数の離職者が出るなどの相当深刻な雇用の影響を受けておるような状況でございますので、今回、労働省としましても、この特定不況地域中小企業対策臨時措置法とあわせまして特定不況地域離職者臨時措置法を提案しておる次第でございます。
 雇用情勢なり雇用対策につきましては、先ほど言いましたような雇用情勢のもとで私どもがまず考えるべき点は、やはりできるだけ失業は予防するように努めていくということが基本でございまして、それらの努力にもかかわらず出てこられる離職者に対して円滑な職業転換を図っていくということが雇用対策の基本的な考え方でございますので、われわれといたしましては、まずその雇用の維持とか確保という観点では、これは政府全体といたしまして公共投資を主軸とした積極的な財政運営によって景気の着実な回復を図りながら、その雇用の維持、確保に努めていく、特に造船等の不況業種が集中しております地域につきましては、そういう造船業についての緊急の需要を創出するというような対策を実施する必要があるということで、補正予算等についてもそういう配慮がなされておるわけでございます。
 雇用対策の面におきましては、失業予防のためには雇用安定資金制度というのがございますが、これは景気の変動とか産業構造の転換等に伴いまして各種の雇用調整、たとえば一時休業とかあるいは休業期間中の職業訓練とか出向とか、そういうようなことが行われることによって失業を予防する場合に、そのとき支払われる賃金等についての助成をするという仕組みでございますけれども、これをこの十月から支給期間を延長するとかあるいはまた支給要件を緩和する、また支給限度日数を増加させるとか、そういう大幅な改正をいたしまして、実施に移っておるわけでございます。
 やむを得ず離職された方々につきましては、やはり雇用保険制度なりあるいは昨年成立しております特定不況業種離職者臨時措置法、今度お諮りしております特定不況地域離職者臨時措置法等によりまして、保険の給付の延長を図りながら再就職につなげていく。その間、職業訓練等につきましても、特に造船地域におきましては、従来は造船関係の職種の訓練があったわけでございますけれども、そういう職種はいわばだんだん不要になってきておるわけでございますので、職種の転換を図りながら規模を拡大して訓練を実施する、そういうことを通じて再就職の促進を図る。また、最近の雇用失業情勢の中では、中高年齢者の就職が非常にむずかしいので、中高年齢者を雇い入れられる場合に賃金の三分の二、大企業ですと二分の一の助成を行う制度等も設けまして、これを不況地域等については支給期間を二倍にするというようなことで、雇用機会の拡大を図りながら雇用促進につなげていくというような施策を行っておるわけでございまして、あわせて、先ほど来話の出ておりますような公共事業につきましても、こういう地域にできるだけ重点配分が行われまして、それに対して離職者を吸収してもらうような吸収率制度を適用していく、こういう各種の施策を進めて、現下の厳しい雇用失業情勢に対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○長田委員 さらに、当社は、第一次の希望退職者を含め合理化を実施した後も、現在第二次合理化案が検討されておるわけであります。合理化の柱となっておる人員削減については、前に申し上げましたような雇用状況にあるため労使の話し合いが難航し、人員削減の問題は今後に持ち越されておるわけであります。しかも、一方では海運造船合理化審議会による三五%設備廃棄の答申が出たことから、当初予定しておりました五百人を超す大幅人員整理は避けられない状況に陥っておるわけであります。現地では、合理化の名のもとに一方的に解雇が行われるのではないかという雇用不安は高まる一方であります。こうした中で、再就職がつとめて厳しい状況下において、私は、この不安に対する歯どめが当面の緊急課題であり、ぜひとも対応策が必要であると考えておるわけであります。
 そこで、労働省はこの問題にどのように対処されるのか、再度お尋ねをいたします。
○谷口政府委員 先ほどお答えいたしましたように、構造不況業種につきましてはかなり大きな雇用調整が行われておるわけでございまして、ただいま指摘されました函館の状況につきましては、いま詳しい資料は持っておりませんけれども、道庁等を通じて把握をいたしておるわけでございます。
 そういう不況業種につきましては、昨年制定されました特定不況業種離職者臨時措置法によりまして雇用保険の延長なり職業転換給付金を支給しながら、やはり再就職につなげていくような努力をする、そういう努力をいたしますけれども、この構造不況業種が中核となっておるとかあるいは集中しておる地域につきましては、その業種に属する事業所だけでなくて、関連する事業所につきましてもいろいろ雇用面で問題が出てきておりますために、今回、現在御審議をいただいておりますような特定不況地域中小企業対策臨時措置法とあわせまして特定不況地域離職者臨時措置法を制定し、保険の延長とかあるいは雇用安定資金制度を、そういう地域については業種による区分なしに全面的に適用するとか、あるいは先ほど申し上げましたような中高年を雇い入れる場合に助成をいたします中高年齢者雇用開発給付金等につきましても全国的な支給期間よりも延ばすとか、そういう施策を通じて雇用対策を進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○長田委員 次に、運輸省にお尋ねするのでありますが、海運造船合理化審議会の答申が出たことによりまして、特定不況産業安定臨時措置法第三条第一項に基づき設備削減のための安定基本計画を策定するわけですね。この策定に際しまして、同措置法第三条第五項において、労働者の雇用安定について十分な考慮が払われたものでなければならないと明示されておるわけでありますが、退職者の再就職が現実に困難という状況のもとで、この条項を具体的にどう考慮しておるのか、この点いかがでしょうか。
○間野説明員 現在、先生御指摘のように、海運造船合理化審議会におきまして安定基本計画というものを策定しておる段階でございます。この安定基本計画におきましては、全体の処理率が造船の場合三五%ということでございまして、これに従いまして各事業者が自主的に設備の処理を行ってまいるわけでございますけれども、その場合、おっしゃいましたように、特定不況産業安定臨時措置法の第十条によりまして、従業員あるいは労働組合と設備処理について十分意見を聞き、合意の上でやってまいるということになっておるわけでございます。
 函館の場合、確かに、おっしゃいましたように非常に厳しい状態にあるわけでございまして、現在も労使間で第二次合理化計画について真剣な検討が行われておると聞いておりますけれども、この線で労使間で十分意見が交換されまして、今後の設備処理なり事業転換なり、そういった問題について将来性のある計画が練られることを期待しておる次第でございます。
○長田委員 時間がございませんから、ひとつ御答弁は簡単にお願いしたいと思っております。
 労働者の雇用不安を解消するためには、私は、特定不況産業安定臨時措置法第三条第五項の規定を最大限に生かす以外にないのじゃないかと思うのです。したがって、まさに労働者は、本規定がどのように運用されるか、この一点に生死をかけているのじゃないかと思うのであります。ですから、ただいまの御答弁では労働者はなかなか納得できないのじゃないかと思うのです。
 設備削減の具体化はこれからでありますが、私が聞いたところでは、造船設備の一部を削減することは非常にむずかしいということを言っております。そうしますと、結局は事業所単位での設備削減が実施されることに当然なろうかと思うのですね。そこで、船台を一つしか持っていないような中小造船会社は、企業の存続か廃棄のどちらかの選択を迫られるわけであります。現場はこうした緊迫した状況にあるわけでありますから、造船関係の雇用対策についてはもっと具体的かつ明確にその対応が示されなければならない、そう私は考えておりますが、その点簡単に御説明願いたいと思います。
○間野説明員 おっしゃいますように、一本船台のところが中小の場合非常に多うございます。ただ、大体におきましてあわせて修理部門等も持っておりまして、現在のような情勢下では、なるべく修理ですとかあるいは五千トン未満の小さな船台を使いました方面での需要の開拓ということに努力して、雇用への影響を小さくしてまいりたいというふうに考えております。
○長田委員 次に、特定不況地域における商業活動についてお尋ねしたいと思っております。
 特定不況地域の商業活動は、地域の中核的事業の事業活動の停滞は、関連企業の事業活動の停滞と消費活動の停滞を招きまして、地元商業活動にも大きな影響を与えておるのは御存じのとおりであります。こうした中にあって、私ども、大型店舗の進出問題が各地において表面化しておることから注目をいたしまして、調査してまいったわけであります。この結果、函館市では、北海道西武の進出が五十三年に予定されておりましたが、商業活動調整協議会と折り合いがつかず、進出時期は五十六年ごろにずれ込む模様であります。しかし、室蘭市では、五十三年四月十三日に、店舗面積が一万九百九平米の長崎屋中央店が進出をいたしております。
 そこで、特定不況地域にこのような大型店舗が進出した場合、当該地域の中小小売業者はどのような影響を受けると通産省は判断されておるのか、この点お尋ねをいたします。
○島田政府委員 お答え申し上げます。
 いまお話ございましたように、こういった特定不況地域につきましては、事業活動の停滞、それが関連企業の事業活動の停滞、ひいては消費の停滞、こういうかっこうで地元の商業活動にも影響を与えているということは考えられます。ただ、それにどの程度の影響を与えるかにつきまして、これは御承知のように、大店法で、その周辺の関連事業者への相当程度の悪影響があるかどうかという点につきまして、地元でも十分検討を行われた上で具体的に進出を認めるということにしておりますので、そういう点は十分配慮しながら進出を認めるということにしているというふうに考えております。
○長田委員 それでは、具体的に申し上げますと、室蘭商工会議所は長崎屋中央店のオープン前後の売上益を調査を実施いたしました。大型店舗の進出が中小小売業者の販売に対する影響の大きさを明確にしておるわけであります。
 それによりますと、オープン日の四月十三日の前後の十日間を五十二年と五十三年を比較いたしまして全市の状況を見ますと、五十三年オープン前の十日間は、対前年同時期に比較して平均八・四%の伸びを示しておりました。ところが、オープン後の十日間はマイナス一三・四六%と減少しておるわけであります。一方、長崎屋が進出いたしました中島町の状況を見てまいりますと、オープン前の十日間は平均一六・四七%と伸びていたのが、オープン後十日間の平均は、マイナス一七・九九と大幅な減少をしておるわけであります。
 さらに、室蘭市の倒産状況にも顕著にあらわれ、中小の卸、小売業の倒産比率は、五十二年は全体の三一・〇%であったものが、五十三年一月から八月末現在で四七・四%とこの割合が高くなっておるわけであります。
 さらに、小規模企業が利用する小企業経営改善資金の利用状況についても、長崎屋がオープンする前には第二次産業の下請企業と流通部門の割合が五〇対五〇であったものが、オープン後には三〇対七〇と変化をいたしております。流通部門の利用者が大幅にふえておるということを示しておるわけであります。
 このように、大型店の特定不況地域への進出は、中小小売業者に大きな影響を与えているのが実態ではなかろうかと思います。したがって、私は、特定不況地域への大型店進出については、当該地域の経済状況が好転するまで凍結する必要があると考えますが、この点どうでしょうか。
○島田政府委員 お答え申し上げます。
 いまお示しのように、開店直前と開店直後の数字というのは、私ども拝見いたしました。ただ、一般的な傾向としまして、新規のお店が大型店が開店した場合、直後には一時的に確かに相当周辺の小売商の販売額は落ち込むというケースがございますが、やはりある程度の時間を置いてその辺のトレンドを見ないと、長期にそれが実際にどの程度ということを判断するのは、もう少し様子を見なければいけないのではないかと思います。
 それから、いまの御意見でございますが、私どもは、大店法で具体的にその地域地域の実情に応じまして周辺小売商への影響というものを判断しながら調整を行っているわけでございます。一般的に、いまおっしゃいましたように、こういった事業活動の停滞、ひいては消費の停滞というような状況にある地域につきましては、そういう地域の実情というものを当然勘案されながら地元で調整が行われるということでございますが、それを一律に特定不況地域であるからといって出店を凍結するというようなやり方は、適当でないのではないかというふうに考えます。
 また、長期的に見ました場合、こういった地域の将来の産業構造の問題あるいは雇用の問題というようなものを考えた場合に、秩序ある出店ということであれば、そういった面のいい効果というのも考えられるわけでございますので、いま申し上げましたように、大店法の趣旨に従ってその地域の実情に応じて調整をしていくということにいたしたいと考えております。
○長田委員 通産大臣、いま北海道の例を挙げたのでありますけれども、私、このような特定不況地域における大型店舗は、当該地域の経済状況が好転するまで大型店舗の進出を凍結すべきであると考えていますが、大臣のお考えはどうでしょう。
○河本国務大臣 私どもは、これは別個の問題であると考えております。いろいろな事情は総合的に十分配慮はいたしますけれども、別々の問題として取り扱っていきたいと考えます。
○長田委員 それでは、時間が参りましたので、最後に一点お尋ねをいたします。
 条文に関してお伺いするのでありますが、経営の安定を図るために必要な資金確保を条文化することは当然ではなかろうかと思います。特定不況地域において構造不況業種の中核的事業者の設備削減に伴い、関連中小企業者は事業転換の機会がふえるものと考えられます。したがって、このための資金確保についても国は努めることが必要であり、その条文も明示する必要があると考えておりますが、この点どうでしょうか。
○左近政府委員 この特定不況地域におきます中小企業が必要あれば事業転換を促進するということの必要性は、御指摘のとおりと思います。ただ、この条文に入れるかどうかという点につきましては、実は御案内のとおり、中小企業者が行う事業転換を円滑に促進するための措置といたしまして、中小企業事業転換対策臨時措置法がすでに制定されまして、現在運用されております。その金融につきましても、その法律の根拠のもとに実施をしておるわけでございますので、必ずしもこの法案に入れなくてもいいんではないか、その事業転換法の体系で実施すればいいんではないかというふうな解釈のもとに、あの条文、五条には入れてないということでございます。しかしながら、実際上の事業転換の促進は、われわれとしても十分考慮してまいりたいと思います。五条の中に入れてないのでございますけれども、現実の運用といたしましては、十分この事業転換促進には留意してまいりたいというふうに考えております。
○長田委員 以上で終わります。
○中島(源)委員長代理 宮田早苗君。
○宮田委員 構造不況に悩む産業界、労働者対策として、昨年来特定不況業種離職者臨時措置法または特定不況産業安定臨時措置法、こういう二つの法律が成立をしたわけであります。この二法はすでにそれなりの効果を上げておるわけですが、私どもは、すでに成立しております二つの法律に加えて、不況地域対策法を考えるべきだと早くから主張してまいったところでございます。
 今回、政府より、これに関連しまして通産、労働両省よりそれぞれ提案されているのでございますが、民社党はかねて地域対策と離職者対策を一本化した法律案にすべきということを提唱しておったのでございますが、通産、労働省が別途に立法化したわけでございまして、この理由または趣旨についてまずお伺いをいたします。
○左近政府委員 構造的な不況に陥っております業種に属する事業者が中核になっておりますような地域について、一連の対策を実施する必要性というのはわれわれも痛感しておったわけでございまして、これに対する対策として、単に中小企業対策のみならず、労働関係の対策等も実施すべきであるということで、寄り寄り労働省とも御相談をしておったわけでございます。
 そういたしまして、この対策の内容については十分協議が調ったわけでございますが、実際の運用のときに、法律をつくるという段階になりますと、やはりその労働関係の法律は従来あります労働諸法の特例法というような形になっておりますものでございますので、そういう関係からやはりそちらの方の法律の特例法として一本化する、それから、中小企業対策としてはわれわれの方で法律を一本化する、ただし、地域指定等は双方で十分協議をして、それが一体となるような法文を定め、かつ、運営上は一体的に運営しようというお話があったわけでございます。
 したがいまして、この法の形は二本ということになっておりますけれども、実施運営上あるいは地域指定というようなものについては一体化して出てくるということになっておりますので、今後はこの一体運用を図るということになりますので、当初の趣旨は十分生かせるというふうに考えておるわけでございます。
○宮田委員 一体運用を図るということでなければならぬわけでございますけれども、指定の仕方というものが違うわけでございまして、片一方は市町村単位ということでございまして、片一方は職業安定所単位ということになっておるわけでございますが、この点につきましてのそごといいますか、いろいろな不十分な面が起きてきはしないかと懸念もまたあるわけでございますが、この点の調整についてどうなさるおつもりか、労働省の方もお見えと思いますが、また通産省の方もおいでになるのですから、双方でお答え願いたいと思います。
○左近政府委員 指定地域につきまして、当方の案では市町村単位ということになっております。これは、この中小企業者というふうなものの対策につきましては、大体市町村の範囲というのが経済実態をあらわしておるというふうに考えておるわけでございます。ただ、後ほど労働省の方から御説明あろうかと思いますが、雇用対策につきましては、むしろ労働市場圏と申しますか、つまり周辺の地域から通勤するというようなケースもございますので、必ずしも市町村の単位だけで十分かというような問題もございますので、それぞれ地域が市町村単位と職安の単位というふうに分かれたわけでございますけれども、趣旨は一つでございますし、当方の案にも、認定する場合には関連市町村というような規定もございまして、必ずしも指定地域の中だけの対策ではないというふうなことにもしておりますので、そういうことで両者の運用を一体的に運用すれば、問題は生じないというふうに考えておるわけでございます。
○谷口政府委員 ただいま中小企業庁の方からお答えがありましたとおりでございまして、私どもの方の雇用問題につきましては、たとえば他の市町村から通勤してくる労働者が多いような状況もございますし、労働力の需給の結合を図るという観点からは、当該市町村のいわゆる労働市場圏と見られる区域で考える必要があるわけでございます。したがいまして、雇用問題ということでとらえる場合は、市町村だけではなくて、その近隣の地域を含んだ公共職業安定所の単位でとらえて対策を進めていくということになったわけでございます。
 しかしながら、両法案の運営に当たりましては、指定地域も考え方を同じにするとか、あるいは公共事業につきましても、重点的に不況地域に配分されれば、その実施に当たって失業者吸収率制度を適用していくというようなことは離職者臨時措置法の方にも規定しているわけでございまして、両省で十分統一的な運営を図るための連携を深めて進めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○宮田委員 十分に連携をとっていただきたいと思います。
 これまでも中小企業対策につきましては、新しい法律、各種の金融、税制上等からの対策が講じられてきたわけでございますが、この長期不況の中でこれらがどのように活用をされ、どのような効果が出ているかをやはり反省をしなければならぬと思うわけであります。円高対策融資、事業転換の実績、例産防止共済制度の活用状況、これらについてその現状をお示し願いたいと思います。
○左近政府委員 まず、円高対策融資の実績でございますが、これは昨年十月一日に発足したものでございまして、今年の九月末で大体一年間ということで、政府系中小企業金融機関の三機関合計で、件数にいたしまして約二万七千件、金額にいたしまして約三千百億円という額に達しておりまして、円高関連中小企業者の中では相当広範囲に利用されておるというように考えておるわけでございます。
 それから、事業転換対策でございますが、これについては、五十一年の十二月から事業転換対策臨時措置法が施行されておりますけれども、これに基づいて認定を受けますと、諸般の助成策が講じられることになっております。それで、同法に基づいて認定を受けました中小企業の数は、現在までに大体百七ということになっております。これは以前、四十六年から五十一年にドル対法でまたいろいろ転換対策というものの認定をやったわけでございますが、そのドル対法では、五年間で六十五件というような実績でございました。それに比べますと、この法制定以来現在まで百七件というのは、相当多い数字ではないかというように考えております。また、この認定を受けました事業転換の計画に基づきます実行状態も、おおむね順調に実施されておるというようにわれわれは把握をいたしております。
 それから、中小企業倒産防止共済制度でございますが、これは本年四月一日から発足したのですが、現時点の状況は、加入件数で七千百三件、これは九月十五日現在でございます。それから、共済金の貸し出し、つまり事故が発生いたしまして実際に共済金を貸し出した件数は三十件、金額にいたしまして一億三千八百万円ということに相なっております。まだまだこれは発足当初でございまするので、今後もっと十分努力いたしまして件数もふやしたいと思っておりますが、現実に三十件貸し出しも出てきましたので、現実にお役に立っておるということでございます。
○宮田委員 構造不況業種の企業が立ち直るには、業界全体の構造改善あるいは個々の企業の事業転換しかないと思うのです。ところが、この不況の中でも事業転換はそれほど進んでいないではないか。いまも数字で比較されますと多く見受けられるわけでございますが、この助成政策の啓蒙あるいはPR不足ということで、転換というものが非常に容易でないんじゃないか、こう思うわけでございますが、この点についてどういう解釈をなさっておりますか、お聞きします。
○左近政府委員 この事業転換というのは、現実にはなかなかむずかしいものでございますことは御指摘のとおりでございますが、これをやはり極力実施する。それからまた、いまの転換法に基づく優遇がなるべく広く行き渡るということで、実はこの九月四日から講じました特定不況地域の対策、行政措置としての対策の中でも、この事業転換について、従来は計画期間内に業種のうちの二分の一以上転換するというものが認定の対象になったわけでございますが、これをもう少し範囲を緩めて、三分の一以上転換をするものをも対象に含めようということを考えまして、それを実施いたしました。こういうことをよくPRをいたしまして、この転換が容易になるように、それからまた、転換が従来のような比較的大きな転換でなくても優遇が受けられるようにという措置を講じておりますので、今後は相当転換の認定も増加するように期待しておりますし、また、われわれ自身も積極的にそういうPRその他認識を深めていきたいというように考えております。
○宮田委員 認定が百七件、実績としては比較的順調に進んでおるということなんでございます。特に造船関連の中小が多いのじゃないか、こう思うわけでございますが、造船業なら造船業を一つの例にとりまして、大体どの方面、どういうことに転換がなされておるか。極端から極端に転換するのはなかなかむずかしいと思う。造船にかかわりまする中小企業の方々がどういう事業の転換をおやりになっておるか、わかっておりますならばお知らせ願いたいと思います。
○左近政府委員 転換の形は相当広範囲にございますので、一概に申せませんが、最近の事例を申しますと、やはり従来自分のやっておった事業と何らかの関係のあるものに変わっていくというのが、ある程度ございます。たとえば木箱の製造業が発泡スチロールの魚の箱の製造業、これは結局従来の用途と同じようなものを品種を変えて出すというようなものでございます。そういうものもございますし、それから、造船の下請業が一般機械の修理業というようなことでございますので、これもやはり造船の下請と業種としては大体同じというものもございます。また、一般機械の製造業に変わっておるというものもございます。ただ、そういういわば関連したものもございますが、また中には、たとえば絹、人絹織物製造業が下宿業に変わったということで、これまた相当大転換をしたというものもございます。
 そういうことでございますので、いろいろございますが、一つ大きく分ければ、従来の経験を生かすということと、それからある程度三次産業、サービス業に転換する、これは相当な転換でございますが、転換をする場合には、少なくとも現時点ではそういう傾向が見られるようでございます。
○宮田委員 不況地域対策の基本は、金融、税制上の措置ということなんですが、これもさることながら、中小企業者にとっては仕事の確保というのがいま一番中心であるわけでございます。企業に対する仕事のあっせんということに力を入れるべきであると思いますが、いま申されました事業転換ということと若干の関連はするわけでございますが、この仕事のあっせんということに対しましてどのように取り組んでおいでになるか、その点もお知らせ願いたいと思います。
○左近政府委員 下請企業につきまして、従来の親企業からの仕事が出てこないということから困っているときに、いろいろな他の下請の仕事をあっせんするということは従来も実施してきたわけでございますけれども、従来は県単位で実施してきておりましたので、こういう時代になりますと県内ではなかなか仕事が見つからないというようなことがございます。したがいまして、今回実施しておりますのは、広域のあっせんということで、単にその県内だけではなくて、通産局単位あるいは通産局も超える範囲、特定の県へ集まっていただいて、そうしてあっせんをするというようなことを現在実施しております。
 最近行いましたあっせんの例を申し上げますと、北海道の札幌で、これは函館、室蘭というような地域に対するあっせんをしたわけでございますが、これは東北地方、関東というようなところからも参加いたしまして、すでにあっせんが成立したものは一件でございますけれども、現在あっせん中のものも五件あるというようなことでございます。それから、この十月には広島市でやりましたが、この場合も大体三十三件あっせんをしておりまして、現在進めておるということでございます。まだ十月でございますので、成立したものはございませんが、そういうことで、こういう広域的なあっせんということで効果を上げていこうということでございます。
○宮田委員 ただいまの答弁に関連をしまして、もう一点お伺いをいたしますのは、通産省がいま非常な重点を置いておられますプラント輸出の関係について、これはますます活発になっておるわけでございます。これはそのものはそれで結構と思いますが、事例を一つ挙げますと、たとえば韓国の浦項製鉄、これはわが国が大分あそこに重点をかけてあれしたのですが、その設備の機能が案外に果たせないといいますか、設備そのものが順調に運営できないというきらいもあるわけであります。たとえばわが国でございましたならば、何と申しますか、中小企業が非常にしっかりし、技術も非常に向上しておるわけでございますから、そういう点がタイアップいたしまして機能が全く完全に行われておるわけでございますが、たとえば一つの部品がない、日本から取り寄せなければならぬ。
 これは一つの例でございますけれども、各国に行われますところのプラント輸出、それが完成した場合の機能を完全に行わせるということから、この中小企業の技術、仕事の活用というものが当然考えられなければならぬときに来ておるんじゃないかと私は思いますが、そういう面についてどういうお考えを持っておいでになるか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○左近政府委員 海外にプラントを建設するに当たって、実際にその操業が円滑にいくためには、その周辺にいわゆる下請企業と申しますか、関連企業と申しますか、そういうものが存在しなくては円滑な運用ができないということは、いま御指摘のとおりだと思います。したがいまして、今後のそういうプラント輸出に伴いまして、実はそういう関連の下請業というものがそこに育つような措置を講じなければいけないというふうに考えております。
 中小企業庁といたしましても、一つは中小企業の海外発展の契機としてそういうものをとらえてみたらどうかということでいろいろ調査を実施しておりますが、来年についても、具体的なケースを取り上げて、中小企業の海外進出の形をそういうふうなことも頭に入れながら検討をしておるところでございます。
○宮田委員 特にその点の御留意をお願い申し上げます。
 次に、特定不況地域の指定についてお伺いいたします。
 通産省は、さきに全国十六市町村の構造不況地域を指定されたわけでございますが、この地域指定を、市町村単位ではなく、経済の実態に即した経済圏でしてほしいという声もまた強いわけでございます。たとえば東京経済圏、大阪経済圏、北九州経済圏ということでという声なんでございます。しかし、それをそのまま指定ということになりますと、なかなか小まめな対策ということもむずかしいのではないかと思いますけれども、こういう問題について、この法律ができた場合にどのような措置をとろうとなさるか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○左近政府委員 本法で考えております特定不況地域といいますのは、再々申し上げておりますように、特定事業所の事業規模の縮小に伴って影響を受けております中小企業に対する対策を講ずる、こういうことでございますが、この際どの範囲のものを入れるかということが地域の大きさになってまいるわけでございますが、一般的にはやはり特定事業所の周辺が一番関連が多いということでございますし、現実に調べてみましても、長崎とか佐世保というようなところでは、ほとんどがそれぞれの市内に関連業者がおるというふうなことにも相なっております。また、経済的ないろいろな指数をとります上においても、やはり行政区画というものからとることがデータがとれるわけでございまして、そういう意味から、市町村単位でこれを実施するということにいたしたわけでございます。
 それで大部分の問題は解決すると思いますけれども、ただ、場合によっては、特定事業所の存在する地域以外のところに特定事業所と非常に関連の深い企業が集中しておるというようなケースもないわけではございませんので、そういう点については、本法の三条の「認定」のところで、特例として関連市町村というものを政令で指定いたしまして、その関連市町村にある中小企業については、特定事業所と関連があればやはりいろいろな恩典を受けられるということにいたしまして、この市町村単位で指定したことに伴う若干の不合理はこれで是正することにいたしておりますので、現在のような市町村単位の指定ということで法の目的が達するのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○宮田委員 重複はいたしますけれども、もう一度確認の意味で質問いたしますと、一つの例を挙げますと、北九州工業地帯の不況も例外ではないわけでございますが、特に鉄鋼、電機、化学という基幹産業が軒並みに減量経営に移行しておるわけでございます。当然本法の指定地域にという要望が地元経済界に強いわけでございます。これそのものを指定ということになりますと広大な都市ということになるわけでございますので、あるいはいま答弁の中でちょっとお触れになった行政区単位が対象となり得る、こういうふうに認識してよろしいかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
○左近政府委員 この法律では、やはり市町村単位ということに相なっております。したがいまして、市町村単位で指定するということに相なりますが、この指定の運用その他についてはいろいろな実情もございます。したがいまして、実情も勘案をして、極力実情に沿うような形でこの問題の解決をいたしたいというふうに考えております。
○宮田委員 次に、金融対策についてお伺いいたします。
 本法案に盛られた金融対策は、抽象的な「資金の確保」にとどまっておりますが、円高によります中小企業の経営難に比べてより深刻な不況地域の下請企業等については、利子補給を行うくらいの決断が必要ではなかろうかと、こう思うのです。たとえば激甚災害法にあります災害特別被害者並みの三%以下というような条件が考えられないものかどうか、この点についてのお考えを聞かせていただきたいと思います。
○左近政府委員 金融措置の融資の金利というものは、中小企業の立場から言えば、なるべく安いにこしたことはないということはもう当然のことでございますが、結局金利体系というのは一つのバランスで成り立っておる点もございます。したがいまして、今回の特定不況地域の緊急融資の利率をどうするかということは、従来からありますどういう融資とバランスをとるべきかという問題になろうかと思います。
 われわれが現在の六・三%、六・八%というこの金利を実施しておりますゆえんは、中小企業の倒産対策緊急融資とそろえたということでございます。したがいまして、この倒産対策融資とそろえるのがいいのか、御指摘のような災害の被害者並みの融資にそろえたらいいのか、いろいろ問題の存するところでございますが、現在のところはそういうことで、倒産対策と非常に対象が似ておるということから決めたわけでございます。これについては、今後も金利とか貸付条件については不断に検討してまいりたいと思いますが、とりあえずの段階といたしましては、この現在やっております状態を続けていきたいというふうに当方は考えておるわけでございます。
○宮田委員 国の特別融資の金利でございます。すでに長崎市や佐世保市等の地方自治体独自の融資制度の金利に比べて高いということなんでございまして、これは問題じゃないかと思います。県とか市でできることが国でできないのはおかしいという声も出ておるわけでございますが、この点について明快な御答弁をお願いします。
○左近政府委員 確かに、県、市で実施しておりますものに低利なものがございますことは事実でございます。ただ、国の政府系三機関のやります融資等につきましては、やはり調達原資の金利との関係もございまして、なかなか実施がむずかしいということでございますので、今後いろいろ検討はしてまいりますけれども、国全体とそういう三機関の融資につきまして県並みということにするのはなかなかむずかしいのではないかというように考えておるわけでございます。
○宮田委員 もう一つ、金融についてお伺い申し上げたいわけでございますが、政府系金融機関の運営と申しますか、市中金融機関とは相当違うんだということをわれわれは考えておるのですけれども、むしろ政府系金融機関の方が非常に厳しい、むずかしいというような声があります。
 それは、利子はだんだん下がってきておるわけでございますが、高いときに借りまして、安い利子ということになっておるものだから借りかえということで申し入れるわけでございますが、その場合、どうもその点については受け入れてくれない、こういう状態であるわけでございますが、この点についてはどうお考えになっておるか。私どもの考え方としましては、こういう時期だけに、やはり借りかえということの申し出があった場合には応じるべきだ、こう思うのですけれども、この点どうですか。
○左近政府委員 この問題につきましては、やはり具体的なケースによって異なろうかと思います。現在政府の指導といたしましては、政府系三機関についても、既往の金利については不況業種については引き下げということもやっておりますし、そういう点で実情に応じた対応をするという指導をしておりますので、具体的なケースで必要があればそういうことも認めていくということに相なろうかと思います。
○宮田委員 そこで、法案の第三条「認定」のところについてちょっとお伺いをしておきたいと思います。と申しますのは、「事業の目的たる役務に係る取引額が減少し、又は減少する見通しが生じたため、」という文言があるわけでございますが、「減少」ということについて、その基準をどこに求められるかということなんです。もう少しかいつまんで申し上げますと、何年の状態を基礎にして、その比較においてどれだけの減産、どれだけの状況というものがはかられるか、その点はいつなんですか。
○左近政府委員 この点につきましては、法が成立いたしました上で関係各省その他と相談の上で決めたいと思っておりますが、いまのところ考えられるのは、やはり前年の同月比というのが一番考えられるのではないかというふうに考えております。
○宮田委員 もう一度お伺いをいたしますが、答弁によりますと、前年の同月比ということでございます。前年というのは不況の最たるときでございまして、それを基礎にして認定をされるときにはどの程度でなければならぬというのは、余りにも厳し過ぎる、酷じゃないか、こういう声もおのずから出るわけでございますので、その点についての基礎になる基準年次を、やはりもう少しさきの平常な場合の基準、いわゆる平常に運転ができる、平常に企業の操業ができる、そういう時点を基準にするということがしごく当然なことじゃないかというふうに思います。そうしてその基準をもとにしまして三〇%なら三〇%の減産、四〇%なら四〇%の減産という、こういう方法でないといけないんじゃないかと思いますが、その点どうですか。
○左近政府委員 これにつきましては、これから検討する点でございますので、いまのような御趣旨も十分考えたいと思います。
○宮田委員 その点を十分に御考慮願いたい、こう思います。
 そこで、法案には公共事業を不況地域に優先的に配分することが盛られておるわけでございます。今回の補正で、たとえば通産省の指定の十六地域にどの程度配慮しておられるか。また、追加指定問題とも絡みますけれども、五十四年度の予算編成に当たっての建設省の基本的な考え方がございましたら、承りたいと思います。
○永田説明員 今度の補正予算では、御指摘の十六地域はもう決まっておりますので、当該地域については、地方公共団体と、不況地域でどういう事業をやってほしいか、どういう事業をやった方が失業の吸収に適切であるかというかっこうの詰めを大体行っております。
 なお、まだこれから追加指定されるところがあるやに聞いておりますので、そういう地域については、指定がされ次第、同様に地方公共団体と相談して最も適切な対処をしていきたい、いわゆる優先配分をやっていきたい、かように考えております。
 なお、五十四年度の予算についてどうするか、こういうお話でございますが、これについても補正予算の場合と同様の対処をしていく方針でございます。
○宮田委員 通産大臣にお伺いをいたします。
 当委員会の実質的な審議はきょうで終わる、こう思います。しかし、現下の不況対策にかんがみまして、河本通産大臣に若干御所見を承りたいと思うわけですが、連日新聞、テレビでは自民党の総裁選挙の動きが非常ににぎやかに報道されておるわけでございます。河本大臣も有力な総裁候補の一人であるわけでございますが、新聞等の報道によりますと、大臣を含めて党の役職や関係閣僚の辞任問題が取りざたされているようでございます。
 産業界の実情に明るい河本大臣に期待をする意見というのは非常に大きい、特に民間の立場としてはそれが顕著と、こう思います。しかし、この不況期に一政党の党内問題で政治行政が一時たりとも停滞をすべきでないという産業界や労働組合の切実な声に集約されておると思うのでございます。また、巷間伝えられております総裁選挙後の解散とかあるいは総選挙にしましても浮上しつつあるわけでございますが、わが国の景気を五十四年度予算の年度内編成によって確実なものにするためにも、政治の空白はつくるべきでないという意見が非常に根強い、こう思っておるわけでございます。非常にむずかしい時期でございますので、大臣に期待する面も非常に大きいわけでございますだけに、この際、大臣のお考えをお聞かせ願いたい、こう思います。
○河本国務大臣 いまわが国で一番大事な問題は景気の回復だと思います。景気の回復によりまして雇用問題を改善するということ、特に中小企業関係が非常に深刻な状態にございますから、これに対する対策を適切に行っていくということも大変必要な課題でございます。あわせて、構造不況業種も深刻な状態にございますから、これらに対する対策も時期を失しないように果断に進めていく必要があろうかと私は考えております。
 そういうさなかに自由民主党の総裁選挙が行われるわけでございますが、このような景気回復に支障を来さないように、あらゆる配慮をしなければならぬと考えております。
 私のことにつきましては、実は仲間から立候補せよという要請は受けておりますけれども、目下その要請を受けまして慎重に検討しておるところでございまして、まだ未定でございます。
○宮田委員 これで終わりますが、この特定不況地域中小企業対策臨時措置法といいますか、これに対する期待というのがもう各地域で非常に大きいわけでございます。そこで、この法案が成立いたしますと、特にこれの運用と申しますか、これが特に必要だと思うわけでございますので、通産省にひとつ特段の配慮をお願い申し上げるということと、河本大臣がおっしゃいましたように、最近の円高自身見ましても極端に高くなっておるし、それによりますところの状態というのは非常に深刻でございますだけに、その点は特に御配慮して取り組んでいただきたいということを最後に要望いたしまして、終わります。
 ありがとうございました。
○中島(源)委員長代理 工藤晃君。
○工藤(晃)委員(共) 共産党・革新共同を代表して、特定不況地域中小企業対策臨時措置法案について質問します。
 この法案が特定不況地域離職者臨時措置法案と一体のものであると理解しております。そしてこれは特定地域の中小企業者の経営の安定を図り、かつ、その離職者臨時措置法案の方は、失業の予防、再就職の促進等の措置ということになっております。この両者ともあわせて進めるということは当面重要であり、わが党としてもこういう対策が必要であると主張しているところであります。しかし、いまの円高、長期不況の実態を見ますと、これを本当に打開するには、それこそ日本の高度成長期を通じてつくり上げられた経済構造そのものに触れるような抜本的な対策がなければ効果が上がらないということにつきましては、たとえばわが党は九月二十日にこのような全面的な政策も発表しております。したがって、わが党としましては、こういう方向の政策へ転換させるということとあわせて、こういう地域的な政策もとられなければならないという主張に立つものであります。そういうことで、目的のところにも失業の予防、そういう措置と相まってとありますが、こういうことで少し伺いたい問題があります。
 さて、その一番中心の問題は何かというと、先ほど高度成長期と言いましたが、この期間に少数の大企業独占グループが非常に急速な資本蓄積を行った。これは世界に例のない形で行われた。しかし、その急速な資本蓄積の反面では、労働者の悪い労働条件や下請企業ぐるみの合理化といった下請企業いじめも行われたし、地域的に生活環境の悪化も広がった、インフレも広がった、さまざまなことがあったわけでございます。こういう働く国民、中小企業が犠牲を払わされて進めた高度成長の行き着いた先というのが非常に過度な資本の過剰蓄積ということで、多くの分野に不況があらわれているという結果であります。しかもこの期に及んで、その中で非常に力を強くした大企業が、その資本力を使って、むしろ便乗行為として人減らし、労働者の首切りの先頭に立っているのではないだろうか。数々の数字が示している。私はこの数字を示すことができます。
 これは、一つは総理府の労働力調査を見ればわかると思います。ちょうど一九七三年から七七年、製造業について雇用労働者の数を見ますと七十七万人減っておりますけれども、このうち特に五百人以上の大企業で六十万人減っている。七十七万人減ったけれども、五百人以上が六十万人である。七八%を占めます。百人から五百人の規模では二十三万人減、一番小さい百人未満では六万人増ということになっております。大企業がオイルショック後、主として労働者の首切り人減らしをやってきた。
 さらに、ことし最近時をとってみますと、ことしの六月と昨年の同月を比べますと、製造業で同じく雇用労働者が十万人ふえておりますけれども、千人以上について言うならば、十四万人減っているわけであります。つまり、第一に、大企業が人を減らしているというのは、何か特定不況業種の大企業がどんどん人減らしをやっているわけではない。それから第二に、中小企業の方がむしろふえているときに、最も急速にいまだに売り上げを伸ばしている部門も含めて総体的、絶対的に人減らしを進めているという問題であります。
 しかもその規模たるや、一年間に千人以上で十四万人というと、五十三年度予算公共事業で直接の雇用効果として昨年に比べて十七万人雇用をふやすのだというのが公共事業推進本部の発表した数字でありますが、国が膨大な予算をつぎ込んで計画的に十七万人ふやす施策をとっているかたわら、大企業の方は十四万人もどんどん減らしていくということが放置されている。
 ここらあたりの問題を取り上げなければ、幾ら不況対策をやっても、あるいは地域的にいろいろな対策をとっても、結果はよくなっていかないのではないか、ここが非常に心配されるし、注目されるわけであります。
 いま言った資料をもう一つ補うものもついでに挙げておきたいと思いますが、いまの日本の大企業といえば、たとえばアメリカを除く世界の大企業五百社といえば、昨年も百十六社入って、イギリス、西ドイツの企業数より多い。世界的な企業になっているわけです。
 産業労働調査所がこれは有価証券報告書に基づいて出したものでありますが、二百五十社、これは東証一部上場で好況、不況産業を取りまぜてとったということであります。その二百五十社のうち百八十五社までが人を減らしている。四年間に二十一万五千人減らしている。
 それに加えまして、私が実はこの前の予算委員会に資料を提出しておきましたが、こういう一番大きな企業がどんどん人を減らしている、百八十五社で四年間に二十一万五千人も減らしている、こういう企業は実は経営状況が追い詰められて減らしているのではないということを示すものとして、この産業労働調査所の資料とプレジデントが出している海外進出企業の人員数の動向とを合わせた数字を実は今度の予算委員会にも出しておったわけでありますが、それは、さっき言った人を減らした百八十五社とプレジデント社の資料と重なって判明した部分六十六社について言いますと、ちょうど七四年ごろから最近時点をとりましてこの六十六社合わせると、国内では十三万三千人減らしている、海外では八万一千人ふやしているということであります。
 また、各社について分析的に見ますと、仮に海外の人員を国内の人員で割った数を海外雇用係数という呼び方で呼ぶならば、六十六社のうち五十五社までが海外雇用係数をふやしておりますし、この係数が二〇%以上の会社というのは、この間十一社から二十五社へというふうにふえているわけであります。
 このように、大企業の人減らしというのは、まさに世界の大企業、多国籍企業になっていこうという経営戦略の転換に伴ってやっている。こういう実態を見るときに、いまの大企業の首切り人減らし合理化に対しては、これは政府としても実態をもっとつかむ必要もあるし、対策をとる必要があると思いますが、これについて労働省と通産省から答弁をお願いします。
○谷口政府委員 ただいま御指摘のように、労働力調査によりますと、昭和四十八年から五十二年にかけまして雇用者の動きで見ますと、非農林業全体で百五十三万人雇用者が増加しておりますけれども、規模五百人以上の企業では逆に三十万人減っておる。製造業におきましては、百人未満の企業で微増しておりますけれども、百人以上五百人未満で二十三万人、五百人以上で六十万人減少しておる、こういう実態でございまして、これはやはり造船業とか非鉄金属、アルミ等の大型生産の製造業で顕著でございます。
 結局、民間設備投資の停滞とかあるいは構造不況業種の問題などが大きく影響しておるんだというふうに見ておりますが、逆に中小企業で比較的需要が堅調なのは、第三次産業でのウエートが高いこととか、あるいはかつて高度成長時代にわりあい人が集まらなかった中小企業で新たに人を雇用する傾向が見られるというようなことからだと思います。
 したがいまして、私ども今後の雇用対策を進めるに当たりましては、産業構造の転換に伴いまして雇用構造の転換も進んでまいりますが、そういう場合に、当面は第二次産業の需要というものの増大は期待できないわけでございますので、現在就業者もふえており、また国際比較等で見ましても就業割合の低い第三次産業の、特に福祉とかあるいは医療、保健とか、文化、教養とか、そういう面での雇用を拡大するような方向に向かっていろいろな雇用対策を講じていく必要があろうかと思うわけでございます。
 また、大企業と中小企業というような指摘もございましたけれども、現状では、大企業が下請企業にしわ寄せをさせるというようなことにつきましては、雇用の面では出向とか配転とかいうようなことは行われますけれども、これは結局大企業と下請企業というよりも、企業間の問題といたしまして十分両者の企業で話し合われ、あるいは企業内の労使で話し合われるということを前提としながら行われることが基本でございますし、不当にしわ寄せが及ぶということにつきましては、労働省としてもそれなりの指導はしてまいりたいと思っております。
○工藤(晃)委員(共) 何かいまの大企業で人減らしをしているのは特定不況産業みたいなところだと言いますけれども、たとえば松下電器にしろ、それから新日鉄の場合も少なくともこの期間では内部留保を九百三十一億円ふやしている。松下電器は千二百六十五億円ふやしている。こういうところがそれぞれ大規模な人減らしをやっている。こういう実態を見れば、まことに実態の認識が薄いということになるわけであります。
 さて、いま問題が少し触れられてきましたけれども、千人以上で一年間に十四万人人減らしというけれども、それだけにとどまらないという問題なんですね。それで下請企業ぐるみの合理化が進むわけであります。
 たとえば二つタイプが指摘できると思うのですが、下請先行型というようなやり方が見られます。これは造船大手に見られます。たとえば日本造船工業会の去年三月調べで、大手八社で七五年三月から七七年三月二年間を見ますと、本工が五%減っている。七千五百人減っているけれども、協力工の方は四七%減っている。八千二百人減っている。今後の見通しとして、五〇%操業で進むならば、来年三月には本工は二五%減るけれども、協力工の方は七五%と、ほとんど減ってしまいます。私も、昨年三月、長崎県の造船を調査しましたとき、これはここで資料を挙げませんが、県の資料その他から同様の結果が見られたわけであります。このように下請に人減らしを先行させるし、その規模たるや、本工の人減らしを上回るそのような規模で行われるとするならば、十四万人減らしているとき二十八万人にもなる、こういう性格の問題であります。
 ところで、もう一つは玉突き型というやつがありまして、これは親企業が下請企業に対しまして出向派遣させると同時に、その下請での人減らしを行わせる、こういうやり方でありますが、これにつきまして、実は先ごろ通産大臣とそれから公正取引委員会委員長名で通達が出されまして、「最近親事業者の下請事業者に対する出向者の派遣等が行われておりますが、その際には親事業者が自己の取引上の地位を不当に利用して下請事業者の利益を損うことのないよう併せて要請いたします。」ということが書かれております。
 さて、そこで伺いたいのは、通産省あるいは公取として、こういう実態があるとつかんでこれはやられたのか、あるとしたらどういう例があるのか。それからまた、仮に親事業が、下請企業の必要から、下請企業がだれか必要な人をよこしてくれという必要からやられたのでなしに、親企業が一律に、下請企業に何月何日までおまえさんたちのところで何人出向者を受け入れられるのかという報告を出せといった式に報告を出させる。当然それは、もしこれに対してノーと答えた場合にはまことに不利なことになるのではないかという圧迫感もあって、事実上出向受け入れになり、またそこの下請企業で人減らしが行われるようなことになるならば、これは明らかに独禁法の中の不公正取引に該当するのではないか、この点について、特にこれは公取の方の御意見を伺いたいと思います。
○左近政府委員 この通達を出しました趣旨、ことにその中で出向者の派遣について言及しました趣旨は、われわれといたしましても親事業者が下請事業者に出向者を派遣しておるという事実を知っております。
    〔中島(源)委員長代理退席、山崎(拓)委員長代理着席〕
ただ、それが非常に不当な措置というものが具体的にあったというわけではございませんが、われわれそれを把握したわけではございませんが、出向という事実があるものでございますから、こういうふうな円高不況というような事態に対してそれが悪用されては困るという心配からこういう通達を出したわけでございます。したがいまして、現実に悪用した例がある、それで出したというわけではございません。
○工藤(晃)委員(共) それでは、時間もありませんので端的に伺いますが、たとえば延岡の旭化成の例でありますが、ここでは下請関連企業の延岡ソーイングに対して、私の調査では、ことしに入ってから希望退職者三十名ぐらいを募集し退職させるとあわせて、延岡の旭化成の方から部課長を含む数名の出向を受け入れているという。この問題につきまして、これは実は通産省の原料紡績課長にも調査依頼しておりますが、これとも関連する問題でありますが、ここに、私の手元に一つ旭化成の文書がございます。
 この旭化成の決めた文書によりますと、五十二年十月から五十五年三月に「不況克服のための労務費三十億削減作戦の展開」として、そこで人員二千六百人削減、この計画がつくられております。その一から六まで方法が書いてあって、「準社員再雇用の一時中止」が一でありますが、だんだん下を見ていきますと、「6、その他」として、「1嘱託・臨時工の整理」、これはまだ旭化成についてやるのだと思います。その2に、「下請関係会社直傭社員の希望退職募集と後任の出向あてはめ」と書いてありまして、次のページには、直傭カット九十一名という数も出ております。つまり、旭化成という親企業の方が、親企業の自分の会社の中の人員計画ならまだしも、下請企業で人員の整理を行わせる、そういうことまで決めてしまって、そうして後任の出向を当てはめていくという計画を、少なくとも計画として決められている。
 これがもし実行に移されているとするならば、まさに不公正取引、取引上の地位を不当に使ってということになるのではないか、こういう事態について知っているのかどうか。これは通産省の原料紡績課の方ではこの資料についてかなり知っているというふうに私は思っておりますが、この点につきまして、これは公取並びに通産省に伺いたいと思います。
○橋口政府委員 いま御指摘がございました具体的な案件については、十分承知をいたしておりません。
 不公正取引に該当するかどうかという問題でございますが、これも事実関係に即して十分検討する必要があろうかと思いますが、法律上の問題として要件に該当するかという問題と、それから立証上の問題があろうかと思います。
 法律上の要件としては、不公正な取引方法につきましては一般指定というのがございまして、第十号に優越的な地位の乱用行為の禁止の規定がございます。これをごらんいただきますと、正常な商慣習に照らして適当でないということが一つの要件としてございます。それから、相手方に不当に不利益な条件で取引をするという要件もございます。したがいまして、いまお挙げになりましたような玉突き整理と申しますか、玉突き解雇と申しますか、そういうことになりますと、親事業者が不当な取引条件を押しつけるのではないかということを前提として下請事業者に対して強要することが必要になります。また、下請事業者がそれを受けて、組合等と交渉して解雇するというような手順がございますから、したがいまして、法律的に申しまして、下請事業者がどういう不利益を得たかということの立証上の問題が出てくるわけでございまして、いずれにいたしましても、事実関係をよく調査をいたしまして、法律上の問題になるかどうかを検討いたしたいと思います。
○工藤(晃)委員(共) それでは、これはまた通産省の方は後で答えてもらいますが、いまも答弁がありましたが、これはこういう計画として親会社の方が下請企業の方で人減らしをやらせる、希望退職を募らせて、そうしてそれに当てはめるということをやっているわけですね。親企業が下請企業に対して、そこで人減らしをやらせるようなことを決めるということ自体がおかしいわけでしょう。もちろんそれが実行に移されているかどうかということがあるというのですが、しかし、その実行されたという例と見られる最近の延岡ソーイングなどの事実を私は挙げましたから、したがって、公取としてこれを調査してもらいたい。もちろん、それが法にどう該当するかというよりも何よりも、親事業者あてに通産大臣と公正取引委員長として、こういうことがないようにということを要請している。これに照らしてみても、こういう親会社の方が子会社、下請の方の雇用の計画まで一方的に決めて実行させるような段取りをとっているという事実が出てきているわけでありますから、当然これが調査されなければいけない。
 そうしてまた、とりわけこの旭化成は、すでに通産省が指定した特定不況地域の中にある。その城下町で起きていることであります。この法案の十条の中でも、中小企業の経営の安定を配慮しなければいけない、いろいろあるわけでしょう。具体的な内容なのです。それだけに、この法案を審議するときに、こういう具体的な問題で通産省や公取がはっきりこういうことに対して調査に乗り出して何らかの対策をとるという姿勢を示さなければ、こういう法案によって本当に個々の中小企業の雇用の安定が図られない、どうしても不安を感ぜざるを得ないわけですから、その辺についてもう少しはっきりした答弁をいただきたいと思います。
 なお、不公正取引については、昭和二十八年九月一日の第九号の中に、「正当な理由がないのに、相手方である会社の役員の選任についてあらかじめ自己の指示に従い」――この役員のはめ込みも含めて、こういう事実があるかどうかという調査もすべきではないか。もちろん、その十号も問題があると思います。そういうことで、この点について調査をするということをもっとはっきり答弁していただきたいし、通産省についてもお願いいたします。
○橋口政府委員 貴重な事実の御指摘でございますから、調査をいたしたいと思います。
○栗原政府委員 ただいまお話の中にございました延岡ソーイングの具体的事例については、御指摘がございましたので、私ども調査をいたしました。
 それによりますと、この二年間に従業員は四十六人減少しております。一方、出向社員が三人から六人に増加しておるということに相なっておりますが、この出向社員の三人の増加につきましては、工場の次長あるいは裁断の指導、縫製指導といった経営管理なり技術面の陣容強化といったようなものを目的にした出向でございまして、一方、人員の減少の方は女子の縫製関係の工員であるということでございまして、両者の間には直接な関係がない。一方、出向社員の方は、経営関係あるいは技術関係の陣容強化を目的としたものであるというふうに会社から説明を受けております。
 なお、その他のただいまお話のありました全体としての労務費削減の計画等につきましては、さらによく会社から事情も調査いたしまして、公取委員長から御指摘のあったような意味での指導を行いたいというふうに存じております。
○工藤(晃)委員(共) 出向の方が、技術幹部とかあるいは管理者、それが六名入っていって、四十六名減ったのは婦人労働者であるから因果関係がないと言うけれども、会社の人件費という立場から見れば、特に旭化成から天下ってくるような出向社員、しかも管理者、その人件費の負担というのが相当ふえるわけです。親企業が幾らか見るという制度もありますけれども、ともかくふえてしまうということからすれば、婦人労働者を大ぜい減らしたということで人件費の因果関係がないというのは、これはまことにおかしな問題でありますので、先ほども答弁があったように、もう一度、会社側の言い分をそのまま聞くだけでなしに、この問題は調査していただきたい。要望いたしまして、あと次の質問に移ります。
 先ほど来、第二条関係で特定不況地域の指定についていろいろ質疑が交わされております。したがって、ここにおいてもう私多くのことを聞くこともなくなっておりますが、しかし、市町村単位でこの指定を行うといったとき、やはりわが党としては、共産党・革新共同としては、この法案の中に、市町村から指定を申し出る、それからまた、指定をそういう市町村の意見を聞いていろいろ政令を決める、そういう案文も明記した方がこの際こういう実情に合った指定が行われると思いますが、その点につきまして伺いたいと思います。
○左近政府委員 この地域の指定につきましては、まさに当該市町村の御要請あるいは実情というものに基づいて指定するわけでございまして、この政令の立案過程で絶えず政府と関係地方公共団体との間で、間に県も入れ、あるいは直接十分意見の交換をした上で政令で指定するわけでございます。したがいまして、特に法律上この意見を聞くというふうなことを前提に置かずとも、もう当然やるべきことであるというような判断からこういうことになっておるわけでございまして、現実に指定をする場合に、データ一つとるについてもやはり市町村の方からも御協力を得なければできないということもございますので、本件は当然そういう市町村の意見が反映するというふうにわれわれは聞いておるわけでございます。
○工藤(晃)委員(共) 私は、そういう御答弁あるだろうと思いましたけれども、やはり明記した方がこの問題が――今後本当に経済状況は刻々と変わってくる、私の見方によれば決して当分よくならないと思っておりますが、そういう中でこの指定を弾力的に行っていくためにもそれが必要だと思っております。
 もう一つ伺いますのは、八条関係につきまして、工場新増設の促進ということで、どうやら通産省の方は工業再配置促進補助金の活用などを考えておられるようだけれども、実際この工場誘致促進ということに関しては、これまで五〇年代、六〇年代、七〇年代にかけていろいろ多くの問題があったわけであります。新産都市などはずいぶん大きな問題があったわけであります。したがって、誘致するという場合、やはりそこの地元の雇用をふやすとか、労働条件の悪化をもたらさないとか、あるいは公害産業なら御免だということが住民として意思表示できるようなものでなければならない。つまり、無条件にともかくそこへ行く企業は国が助成するということだと、また五〇年代、六〇年代、七〇年代のこれまでの期間の過ちを犯すことになるのではないか。
 そういう意味で、共産党・革新共同としては、この八条関係でも、これはせめて市町村が申し出たものに限りといったような限定を設けて、それに国がいろいろ助成を行うという内容にすべきではないかと思っておりますが、その点についても伺います。
○伊勢谷政府委員 企業の導入という問題につきましては、これは地元の地方公共団体の理解と協力が得られなければ、円滑に行うことは事実上困難な問題であります。したがいまして、御指摘のような問題が生ずるということは非常に少ないと私どもは考えております。したがいまして、第八条の規定の運用に当たりましては、地元公共団体の意向に沿った新増設が行われるように私どもも努めてまいりたい、こういうことでございます。
○工藤(晃)委員(共) お約束の時間が参りましたので、最後に一言だけ述べておきますが、十一条関係につきましても、地方自治体が、国の施策と相まって、施策を総合的に実施するよう努めなければならないということを決めております。
 それで、私もこの前幾つかの不況地域を調査しておりましたが、たとえば広島県の因島大橋の例でも、すでに百億円を超える契約が行われておる段階で、地元の広島県の業者に行った部分は一〇%にも満たないという状況である。こういう状況もありますし、それから、この五百億から六百億の大工事に、因島でわずか三人、尾道で四人しか失業者が吸収されてないという実態、こういうことを考えるときに、実際に特定不況地域でいろいろな施策をやろうとする自治体に対して、これはもういろいろ努力しているわけでありますから、国が財政上の援助を行うというたてまえをどうしてもこの際はっきりさせなければいけないということで、この十一条関係についてもそういうことを明文化する必要があるのではないかという修正意見も持っているわけでありますが、ここはぜひ一番肝心な問題の一つでありますので実施を要望しまして、私の質問を終わります。
    〔山崎(拓)委員長代理退席、委員長着席〕
○橋口委員長 大成正雄君。
○大成委員 本法に関しまして若干質問をさせていただきたいと存じます。
 まず、本法の附則第二項では、本法の廃止を五十八年六月三十日まで、このようにされておるわけでありますから、五年間に本法の目的を達成しようという意図が明らかにされておるわけであります。
 そこで、本法が臨時措置法として立法されようとしておるわけでありますが、この廃止に至るまでの五年間に本法が意図するような目的が達成されるという判断は、この立法過程においてどのような根拠によってなされたのか、お聞きを申し上げたいと思います。同時にまた、本法の目的が達成されるであろうこの五年後のわが国の産業構造あるいは経済の見通しというものはどのように変化をしておるのであろうかということを想定して本法を立法されておるのか、その点をまず承りたいと思います。これは大臣に承りましょうか。
○河本国務大臣 基本的な考え方は、この不況問題は、幾ら長くても五ヵ年ではやはり当然解決しなければならぬ、こういう考え方をまず持っております。
 それから、五年後の産業構造いかん、こういうお話でございますが、これはいま企画庁の方で新しい七年計画をつくっておられまして、現在作業をしておられますから、むしろこの点は企画庁の方からお答えになる方がよかろうかと思います。
○大成委員 では、長官に承りますが、中小企業政策を推進する立場から、五年後のわが国の中小企業のあるべき姿というもののビジョンというか、概念的なもので結構ですから、ひとつ承りたいと思います。
○左近政府委員 現在の中小企業は、やはり過去の高度成長時代の体制の中に存立できるような体制になっております。これが今後五年間に安定成長期に移行し、五年後にはその安定成長の形が定着すると思いますが、そういう新しい形、たとえば知識集約化の進行というようなものの中で、あるいは流通の合理化というものの進行の中で、中小企業の体質も逐次変わっていくということでございます。したがいまして、今後五年間にこういう緊急立法で当面の対策を講ずるとともに、来年度以降そういう中小企業の質的な転換を図っていくような施策を逐次進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○大成委員 次に、指定業種について承りたいわけであります。
 この不況対策として一連の方策がとられております。事業転換対策法の指定業種は全国九十八業種、地域指定が九業種で百七業種が指定されております。それから、円高対策法の業種指定では、全国業種が百二十六、地域業種が二十五、計百五十一が指定をされておるわけであります。また、すでにこの安定法としては指定業種七、候補として五つぐらいが挙げられておるようであります。以上のように、それぞれの立場からこの不況対策業種を指定してその施策を推進しておるところでありますが、本法による指定業種として十六業種現在指定をしておるわけであります。それ以外に考慮されておる新たなる業種というものは、たとえばどのようなものを考えられておるのかを承りたいわけであります。
○左近政府委員 現在、特定不況産業安定臨時措置法に基づきます指定業種もございますし、あるいは特定不況業種離職者臨時措置法による業種というのもございます。いずれも不況業種というような指定でございます。本法におきましても、これらの業種の内容を検討いたしまして法案の要件にかなうものをとっていきたいということでございます。
 さしあたって、現在すでに指定した十六地域に所在する業種と異なるものというものを考えておりますのは、たとえば金属鉱山とかあるいは北洋漁業、こういうものも検討の対象になっておるわけでございます。
○大成委員 地域指定の問題について承りますが、言うならば日本列島全体がこの円高、構造不況に見舞われておるわけであります。その中から特定の地域をある一定の目安によってこれを指定をし施策をしようということは、これはいろいろむずかしい問題があろうと思います。すでに全国各市町村からその指定を望む要望が数多く出されているやに承っておるわけでありますが、この指定に当たっては、余りにも指定を際限なくするということになりますとこの施策が薄められる、かといって、余りにも厳しく指定をしますと不公平が生ずる、こういった問題があると思うのであります。そこで、この指定の指標というものは経済指標、雇用指標、それぞれ非常に問題があろうかと思うわけであります。同時にまた、市町村長の認定という問題あるいはそれを是認する政府の目安というものも非常に微妙なものがあろうかと思うわけでありますが、それらの観点から地域指定について承りたいわけであります。
 この法文の中には「事業の廃止等」という言葉が使われておるわけでありますが、この「事業の廃止等」の「等」とはどのような内容を予見しておられるのかを承ります。
○左近政府委員 法律では、「事業の廃止又は事業規模の縮小」というものをあわせて「事業の廃止等」と呼んでおるわけでございますが、事業の廃止というのは事業を全部または一部廃止するということでございますが、事業規模の縮小というのは非常に範囲が広うございまして、たとえば操業短縮とか一時機械の休止というものも含まれておるということでございます。したがいまして、減産体制に入るということも事業規模の縮小というふうに解しておるということでございます。
○大成委員 ただいまの「等」の説明は規模の縮小という内容を意味しているということでございますと、この地域指定の指標としてそのことも対象になるということで確認してよろしゅうございましょうか。
○左近政府委員 さようでございます。
○大成委員 同じように、さきにも御質問があったようでありますが、「相当の規模」という字句が使われておりますが、この「相当の規模」というのは抽象的な表現でありますが、具体的にはどの程度の規模のことを言うのでしょうか。
○左近政府委員 これにつきましては、具体的な数値その他については法案制定後検討するということでございますので、いまのところ申し上げるべき数字を持っておりませんが、実態的に申しますと、この「相当の規模」というのは、事業の廃止の進行が顕著に見られるという程度でございますので、事業の廃止等が非常に極端に行われているものまで入れるというつもりではございません。
○大成委員 次に、地域指定に関しまして、市町村長の認定という問題があるわけでありますが、この市町村の認定と政府の認定との違いがあったときに、どのような立場に立ってこれを認定しようとするのか。また同時に、市町村の認定というものをどこまで政府はこれを尊重していこうとするのか、この点を承りたいと思います。
○左近政府委員 この法律では、国がやる行為は地域を指定するところまででございます。そして地域が国によって指定されますと、あとは市町村が特定不況地域内にございます中小企業者を個々に認定をするわけでございます。この認定という行為は市町村がやる行為でございますので、市町村の判断を尊重したいというように考えております。
 ただ、市町村が判断するに当たりまして、市町村ごとに余り判断の相違がございますとやはり不公平でございますので、この市町村の認定という行為をやる場合に当たってこういう点を考えていただきたいというような準拠すべき事項については、これはもちろん市町村とは相談の上でございますが、国で定めて通知をして、その国で定めた通知に準拠して認定をしていただこうということで考えております。しかし、認定はあくまでも市町村の行為でございますので、市町村の判断で行われるというようにわれわれは考えております。
○大成委員 そのような確認がなされたことで十分でございます。
 次に、労働省の方に承りますが、この地域指定に関しましては、雇用指標というものが非常に重要な役割りを担うように理解をするわけであります。しかしながら、有効求人倍率なりあるいは中小企業従業員動向なりといった、そういう政府機関の統計資料にあらわれる数字だけでその実態を認識することはいかがか。直ちにそれがそのように認定されるということは若干の問題があろうかと思います。
 すなわち、地域には地域の特性、特質というものがあろうかと思います。たとえばある地区は好況業種と不況業種が混在しておる、したがって、不況業種のサイドに立つならば相当深刻さがいろんな面で出ているが、好況面からするならばそういう数字は出てこない、しかしながら、不況から好況に労働力が移動できるかというと移動できない、こういった問題もございます。また、地域によっては、職安の窓口をくぐること自体も、その地方的な住民感情といったことからしてそれをきらう傾向のあるところもあります。いろいろあろうと思うのですが、その地域特性というものにも若干の配慮を加えなければならないと思います。これらの点についてどうであるかということが第一点。
 第二点としては、この雇用指標というのは情勢によって相当変化をするわけであります。したがいまして、この地域の指定は、その指標に変化を来たしたときには本法施行後においても新たに追加されるといった問題も予見されるわけでありますが、そういったことも可能であるかどうか、あるいはまた逆に、雇用指標が好転したために本法廃止を待たずに途中で本法の施行を打ち切るということもあり得るのかどうか、その辺のところを確認しておきたいと思います。
○谷口政府委員 今回、特定不況地域に対しまして対策を講じようとしております考え方は、構造不況業種が集積いたしておりますために、その不況業種が急激に悪化していることにより地域ぐるみ経営なり雇用上に深刻な影響を受けているということに対処するために、経営安定対策として中小企業対策臨時措置法が通産省から提案され、私どもの方から離職者臨時措置法を提案しておるわけでございます。
 したがいまして、両省でよく協議をいたして進めておるところでございますが、地域の指定につきましては、事業活動に関する状況と雇用に関する状況を勘案して通産省と労働省で共同で定める市町村、それをもとに、離職者臨時措置法の方ではその市町村を管轄する安定所の単位で定めるわけでございますけれども、その雇用に関する状況をどう考えるかにつきましては、その地域におきまして相当数の離職者が発生しあるいは近い将来発生することが確実であって、雇用機会が著しく少ない状況にあるということを要件として考えておるわけでございまして、具体的な基準につきましては、私どもの方には諮問機関といたしまして中央職業安定審議会というのがございます。公益、労、使の三者構成でできております。この中央職業安定審議会に諮って決めることになるわけでございまして、その審議会におきましていろいろな御意見を承って適正な基準を定めてまいりたいと思います。
 第二点にお聞きになりました雇用情勢の変化に応じて新しく追加するとかあるいは指定を打ち切るというようなことがあるのかというお尋ねでございますけれども、今後、そういう構造不況業種に属します事業所の状況によりましては、さらに離職者が残念ながら発生していくというような事態が生じることもあろうかと思いますけれども、当然のことながら、そういう離職者の状況につきましては、変化に応じて、定めました基準に該当するに至れば、事業活動の状況が基準に該当し雇用に関する状況がそういう変化によって該当すれば、追加して指定するということになろうかと思います。
 それから、好転した場合にどうかということでございますが、この法律も中小企業対策臨時措置法も、特定不況産業安定臨時措置法の構造不況業種に対する対策として約五年間の期間を定めた法律がございまして、それと同様な期限を定めておるわけでございまして、それまでの間にそう早急に好転するかどうかということは、現在のところは余り予想をいたしておらないわけですが、そういう事態になった場合にどうかということにつきましては、その時点での雇用の状況等につきまして十分慎重に検討した上で対処してまいりたいと考えておるわけでございます。
○大成委員 労働省にもう一つだけ承りたいと思うのですが、いま労働省では大体四十地区から四十五地区ぐらいを対象に準備作業を進められておられるようでありますが、有効求職倍率全国平均一・八八ぐらいですか、大体有効求職倍率としてこの指定の対象になるというのはどのぐらいの指標をいまもくろんでおられるのですか。
○谷口政府委員 先ほど申し上げましたとおり、雇用に関する状況といたしましては、相当数の離職者が発生しておるとかあるいは発生していなくても近い将来に発生することが確実であって、かつ、雇用機会が少ない状況にあるということをもとに、どういう指標をもとに基準を定めていくかということにつきましては、やはり職業安定審議会に諮ってそちらの意見を聞いて決めるということで、私どものところでは、現在具体的にどういうものをもとにするということでいまこの場で申し上げられるような状況にございませんので、御了承を得たいと思います。
○大成委員 労働省が審議会に諮問するに当たって、その一つの目安を出すのだろうと思うのですけれども、全国平均よりも上回った指標で諮問されるのか、下回った指標で諮問されるのか、その辺の判断はどうでしょうか。そのような聞き方でもう一回ひとつ。
○谷口政府委員 いずれにいたしましても、相当数の離職者が出ている、雇用機会が著しく少ないということでございますから、求職者と求人との関係では求職超過という、いわゆる求職倍率というようなもので見ましたら、全国よりも上回っているということが条件になろうかと思います。どのくらいの条件にするかにつきましては、なお検討した上で審議会にお諮りして決めたいと思っているわけでございます。
○大成委員 大臣にこの際承っておきたいと思いますが、この緊急融資制度の創設についてでございますが、第四条の関係でございます。この特利については、先ほど来いろいろ新自由クラブと自民党との間に具体的な合意が得られた、そのことが委員会の審議の無視だとかどうとかいう意見がありましたが、私どもはそのようには理解はいたさないところでありまして、むしろ百尺竿頭一歩を進めるという積極的な意味において、この施策の充実を図るという意図のもとにその合意をしたというふうに私どもは理解をしておるわけであります。
 そこで、一応本法の立法段階、提案段階の想定金利は六・三とか六・八、こういうことを予想されておられたようでありますが、これらの特利の引き下げについては格段の努力がなされるということに私どもは理解をいたしておるわけでありまして、これは通商大臣の考え方いかんによるわけでありますが、大臣としてはこれに対してはどのように理解をされるか、判断しておられるのか、承りたいと思います。
○河本国務大臣 いま政党政治の時代でありますから、政党の政策決定を受けて政府がそれをできるだけ実現していくというのがたてまえだと思います。そういう趣旨で、決められました幾つかの項目につきましては、全力を尽くして実現をしたいと思います。
○大成委員 ぜひこの合意の線に沿って実現をしていただきたいと思いますが、その際、商工中金の出資金でありますが、今補正で五十五億を予算化しておるわけでありますが、この五十五億で、大臣が期待されるあるいは決断されるその金利を実現するためには、その補正金額では間に合わない、こういったときには出資金についてはどのように考えられるか、承りたいと思います。
○左近政府委員 数字的な問題でございますので、私が答弁させていただきます。
 五十五億の追加出資というものを補正予算で決めていただきましたが、当面それで十分であろうかというふうに考えております。
○大成委員 この制度の適用を受ける融資総額あるいはその決定される金利によって、また商工中金の財政事情によってこの判断は決まってくるわけでありますが、もし仮に出資五十五億では商工中金の財政を圧迫するという事態になった場合には、予備費その他で何らかの措置がなされるのかどうか、もう一回確認しておきたいと思います。
○左近政府委員 現在の見積もりでは大丈夫だと思いますが、そういう事態ができれば、来年度予算の決定のときに、来年度の要求のところでまたいろいろ考えてみたいというふうに考えております。
○大成委員 次に、返済条件の据え置き期間を延長することについてですが、この点については、これは中小企業庁長官、どのように判断しておられますか。
○左近政府委員 先ほど大臣から御答弁がありましたように、そういう内容についてはわれわれも十分努力をいたしたいというふうに考えております。
○大成委員 次に、第十条に関連するいわゆる地方公共団体に対する公共事業の重点的な配分の問題でありますが、この点については、通産大臣として、両党の合意による前向きの姿勢が打ち出されておるわけでありますから、その合意以上の成果が上がるように、大臣としてひとつ自治大臣の方に強く措置をするよう要望していただくことを待につけ加えて、この質問は留保します。
 次に、第十条の関係の広域下請あっせん事業の成果の見通しについてでありますが、最近札幌あるいは広島等で行われた広域あっせん事業の成果を見ますと、やはり政府の対策が非常に甘いという現状があらわれておるようであります。すなわち、この発注元の各県そのものが県内の下請の事業確保のために苦労しておる段階で、不況地域の各県の下請の仕事まではとてもめんどうが見られない、あるいはそれだけの事業量がないといった問題、あるいはまた輸送コストの問題であるとか、そういったことにいろいろ議論があるようでありますが、この点についてどのように考えておられましょうか、承りたいと思います。
○左近政府委員 広域の下請あっせん会議は、九月に札幌、十月に広島においてそれぞれ行われました。このあっせん件数は北海道で九件、広島で三十三件ということでございますが、それはいまあっせんを進行しているところでございますので、成立がまだ進んでおるというわけではございません。
 この実態について、確かに各府県とも現在非常にむずかしい状態を抱えておりますので、そう簡単にはいかないというふうな御指摘になろうかと思いますけれども、しかしながら、そういう苦しい中でも双方持ち寄ってあっせんを進めていくということに意味があろうかと考えておりますし、しかも、これは回を重ねるに従って効果を上げてくるのではないかというように考えております。今後、十月にあと兵庫県、愛媛県というようなことも考えておりますし、以下、十一月には京都府、福岡県、長崎県にも実施することにしておりますので、これを精力的に実施いたしまして、なるべく成果を上げていくように持ってまいりたいと考えております。
○大成委員 本件に関して大臣に承りたいと思うのですが、このような広域下請あっせんということも大事なことでありますし、現実性を持ったあっせん事業を進めていただきたいと思います。しかしながら、最近は海外からの分野発注等もなされるような事態でありますから、他県間とのあっせんも決して不可能ではない、このように考えるわけであります。
 そこで、この下請あっせんといった事業もさることながら、地域指定、業種指定の中で造船の関連が非常に多いわけであります。大臣は、造船、船舶関係には非常に精通しておられる方であります。私は、このことに関しましては運輸省に聞くのが適当かと思いますが、いわゆる造船不況の救済策として、船舶の解撤作業というものは新たなる雇用創出として非常に大事な仕事だと思うのでありますが、特定不況地域、特に船舶に関係した不況地域対策としてのこの解撤作業の積極的な推進ということに対して、通産大臣としてどのように考えておられるかをつけ加えて承らせていただきたいと思います。
○河本国務大臣 これは運輸省からお答えになるのが筋道だと思いますが、実は通産省の方も運輸省の仕事を若干お手伝いしておりますので、そういう観点から御参考までにお話ししてみたいと思います。
 いろいろ仕事をあっせんしようといたしましても、根本の仕事がございませんとそれができないわけでありまして、だからできるだけ仕事の量を根元からふやしていくということが一番大事でございます。そういう意味で、いま通産省でエネルギー資源の備蓄を強化していくという政策を進めておりますが、たとえば苫小牧東部で五百万トンの備蓄計画が近く具体化すると思いますが、これが具体化いたしますと、十万トンの石油タンクが五十基以上必要になります。そうすると、それをつくるのは鉄鋼関係の造船所が一番得意でございますから、東日本の造船所にそれを配分することにいたしますと、相当大量の仕事がこれで確保できますし、そのタンクをつくるための鉄も、あるいは釜石とか室蘭とか、こういう方面で仕事がふえます。
    〔委員長退席、中島(源)委員長代理着席〕
 あるいはまた、最近東南アジア、それから西南アジア方面から、プラントバージ、たとえば発電バージとかその他LNGバージ船あるいは製紙プラント船とか、こういう引き合いがたくさん来ておりますが、こういうものをつくりますとやはり非常に大きな仕事が造成されることになります。
 あるいはまた、発電所の建設を進めますと、当然造船所等にも行く仕事がふえると考えます。
 いまお述べになりました船舶の解体事業などもその一つだと思いますが、新しく船をつくるという注文がないときに、幾らあせってもそれはだめでありますから、それ以外の新しい分野を開拓いたしまして仕事の量を確保しながら、その過程において各地に仕事をあっせんしていく、仕事を分け合う、こういうことをすれば比較的簡単に進みますけれども、何もしないで少ない仕事を分け合おうとしましても、これは大変なことだと思いますから、とにかく工夫をして新しい仕事をつくり出すということが何よりも肝心だと思います。幸いに、最近中国との関係もだんだんと拡大すると思いますので、そういう関係の仕事もふえると思います。いずれにいたしましても、積極的な工夫をいたしまして、雇用問題に大きなひびが入らないように配慮していくことが肝要かと心得ております。
○大成委員 ただいま大臣がお述べになられました非常に抜本的な産業政策については、ぜひひとつ強力に推進をしていただきたい。特に私が指摘しました船舶の解撤に関しては、通産省所管としてのくず鉄の安定生産あるいは価格保障あるいは安定供給といったことが前提になりますので、それらについては、ぜひひとつそういった前提条件を確保して、雇用創出を推進していただくようにお願いを申し上げたいと思います。
 最後に、大臣に承りますが、第八条の工場の誘致その他に関連することでありますが、これらを積極的に実現していくために投資減税を実現する考え方はないかどうか、ずばりこれを承りたいと思います。
○河本国務大臣 投資減税は、ことしもきわめて小規模な形で一年限りということでやっておりますが、来年以降通産省として考えておりますのは、これから産業構造の転換がだんだんと進んでいくと思いますし、これは最近の事情から見ましてぜひ必要だと考えております。そのために、産業構造の転換を容易ならしめるために、産業構造転換のための投資をした場合に減税したらどうか、こういうことにつきましていまいろいろ研究をしておるところでございます。
○大成委員 終わります。
○中島(源)委員長代理 渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 本法案につきましては、ほとんどの問題点がけさほど来ずっと各党から質疑をされまして、私の質問も大部分については重複すると思います。しかし、数点にわたってなおさらに確かめておきたい、こういうふうな点がありますので、ずばり一つずつお聞きをしてまいりたいと思うのです。
 先ほども中小企業庁長官から答弁がありましたが、「認定を受けた中小企業者がその経営の安定を図るのに必要な資金の確保」、これだけではなくして、いわゆる事業転換を図るに必要な資金の確保も明文化をする必要があるのではないか、私どもはこういうふうに強く考えておるわけでありますけれども、この点については再度長官の考え方をお伺いしておきたいと思います。
○左近政府委員 事業転換に関する融資につきましては、事業転換法の定めるところにより実施されております。そして事業転換がこのような特定不況地域の中小企業に必要なことも、私は痛感しております。ただ、この四条の規定というのは、資金の確保ということのいわば訓示規定でもございますので、別途の法律があることでもございますので、その内容は別途の法律に譲って実質的に事業転換融資を推進するという形でこの法案ができたわけでございます。
○渡辺(三)委員 転換対策の臨時措置法によっていま指定を受けておる業種が、全国の場合には九十八業種、地域の場合は九業種、計百七業種が指定をされておるわけです。指定要件の違い、転換法の要件とそれから本法案の場合、これは全く違いがない、こういうふうになるのですか。
○左近政府委員 この事業転換につきましては、事業転換に必要な業種ということで、転換法によって指定がなされておるわけでございます。したがいまして、事業転換融資というのは、そういう業種に指定されておるものにやるわけでございますが、この特定不況地域に所在するものでも、われわれとしては、現在はこの事業転換法の指定業種について事業転換を促進していこうというふうに考えておるわけでございます。ただ、こういう特定不況地域という制度ができまして、さらに事業転換の必要のある業種が出てまいりますれば、またこの事業転換法の業種指定を追加していくという形で処理をしていきたいと考えております。
○渡辺(三)委員 さらに、転換臨時措置法による金融その他税制上の条件が、いまここで審議をされております本法案との食い違いというのが当然出てくると思うのですね。その点はどうですか。
○左近政府委員 事業転換融資につきましては、むしろ転換に要する長期の設備資金を供給するという趣旨でございます。それから、ここの特定不況地域に現在やっております緊急融資につきましては、大体期間は五年のいわば運転資金でございます。したがいまして、条件、金利も含めましてそれぞれ違うわけでございます。転換に要する場合にはやはり転換資金の条件でやるということ、それから緊急融資については緊急融資でやるということで、若干条件は違っても、それは融資の性格が違うわけでございますので、別に矛盾はないというふうに考えております。
○渡辺(三)委員 矛盾はないとおっしゃいますけれども、こういう特定不況業種、そして今度出されております地域の指定、この中で必ずしも転換措置法に基づいて現在指定になっておらないところでも当然転換を余儀なくされる、こういうふうなところが含まれるのは当然でありますから、そういう場合を考えながら、経営の安定を図るために必要な資金のみならず、転換を迫られてせざるを得ない、こういうふうな場合の資金の確保についてもやはり明文化しておった方がよりいいのではないかというふうに強く考えますから、この点は意見として申し上げておきたいと思うわけであります。
 それから次に、具体的なこの法律案に基づく対策の中で、資金の確保の問題、これは午前中の議論の中でも出ておりましたが、貸し付けの利率、これは私どもとしては、どうしても円対法に基づく利率あるいは少なくともそれに相当近い利率、こういうふうなことで対策を考え、強化をしてもらわなければ効果が非常に薄いのではないか、こういうふうに考えているわけです。直ちに五・三ということにはならないと思いますけれども、この点について再度前進した考え方を明確にひとつ述べていただきたい、こういうふうに考えるわけです。
○左近政府委員 この特定不況地域の緊急融資につきましては、九月の四日から実施をしております。その発足時の条件が、先ほど申し上げました六・三ないし六・八という金利になっております。この金利につきましては、今後もいろいろ検討して実情に合わすように努力してまいりたいと思いますが、倒産対策金融というようなものと合わせてこの金利を決めましたものでございますので、当面はとにかくこの金利で実施さしていただいて、今後の検討にまちたいというように考えておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 今後の問題とおっしゃいますけれども、九月時点でしかも指定が十六、その当時の状況の中で六・三または六・八というふうに考えられたんだと思うんです。しかし、これは私は、次に申し上げる問題については各同僚委員から繰り返し大臣に対して答弁を求められましたから避けたいのでありますけれども、これは例の一兆円減税の問題との絡みの中で、この金利についてはいま長官がおっしゃった六・三、これを上回る金利での了解がついておる、こういうふうに承知をいたしておるわけであります。そうしますと、いまの御答弁というのは非常に矛盾するんじゃないですか、その点どうなんですか。
○左近政府委員 先ほど大臣もお答えになりましたように、党の間でそういう話があったことは事実でございますが、まだわれわれとしては、政府として現実に実行に移すという段階には至っておりません。いまの段階では、われわれとしてはやはり既存の金利でいくという段階でございますので、これは今後の検討ということになるわけでございます。
○渡辺(三)委員 先ほど大臣もちょっと言っておられたようでありますけれども、これはそれぞれの公党間の約束である以上はやはり尊重しなければならぬ、現実の問題として私はそうなると思うのです。しかし、この法案を提案された通産省の立場としては、いま長官が答弁なされたような形にならざるを得ない、こういうぎくしゃくした関係というのは、私も十分理解をしております。
 ですから、そのことをいま詰めようとしておるのではなくて、現実に円対法の場合にはもっとずっと低い利子でやられておる。そして通産が考えられたのは六・三ないし六・八だ、こういうふうな提案の趣旨についてはわかりますけれども、これではやはり不十分だ。もっと将来というふうなことではなくして、私どもから言わせれば、直ちにこの六・三ないし六・八というものを円対法に近づけるような、そういう弾力的なしかも強力な姿勢をこの質疑を通じて決意をしていただきたい、こういうふうに考えております。この問題については余り時間もありませんから、これ以上申し上げませんけれども、ぜひともそれは強く要望をしておきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
 それから、労働省お見えになっておると思いますから、ちょっとお聞きをしておきたいと思うのですが、この法案との絡みにおいていわゆる特定不況地域離職者臨時措置法案、これが出たわけでありまして、衆議院段階では社労の審議は終わったわけでありますけれども、この離職者臨時措置法の中で定義が出されておるわけであります。
 この場合の「特定不況地域」とは、特定不況地域中小企業対策臨時措置法に基づき政令で定める区域及びその近隣の地域のうち、その地域に居住する離職者に関してこの法律に定める特別の措置を講ずる必要がある地域として労働大臣が指定する、こういうふうになっておるわけでありますけれども、これは簡単に言えば、いま私どもが審議をしておりますこの中小企業対策臨時措置法で指定をされた地域がこの離職者法の定義にあるところの地域と同一、こういうふうに考えてよろしいかどうか。その場合、本法案は市町村というふうになっておりますが、離職者法案の中では職安単位にその地域が自動的に指定される、こういうふうな形になるのかどうか、その点もう一回確かめておきたいと思います。
○谷口政府委員 特定不況地域離職者臨時措置法の地域の指定につきましては、まず、その核になります市町村につきまして、この中小企業対策臨時措置法に基づきまして事業活動と雇用に関する状況を勘案して定められる市町村を含む安定所の管轄区域の単位を労働大臣が指定するということで御理解をいただいて結構でございます。
○渡辺(三)委員 その場合に、本法案で市町村を指定をする、認定をする、これにかかわって、たとえば労働省側としては――側というのはちょっと表現が悪いかもしれませんが、労働省としては当然その失業状況、これが非常に重大な考え方のウエートを占めると思うのです。労働省側と通産側のこの問題についての協議というもの、これが十分に行われるのかどうか、これは両省からお聞きしたいと思うのです。
○左近政府委員 これは、従来の行政措置としてやっておるものも十分協議をしておりますし、今後法律制定後も十分協議をしてやっていきたいというふうに考えております。
○谷口政府委員 ただいま中小企業庁の方から答弁のありましたとおりで、そういう地域につきまして経営の安定のための対策と雇用対策を総合的に講じようということでございますから、十分連携を保ちましで、同じ考え方で指定するつもりでございます。
 なお、先ほどちょっと落としましたけれども、私どもの方が安定所の管轄の区域で見ておるということは、雇用問題につきましては、その市町村の事業所等へもほかの近隣の市町村等から通勤しておる者もたくさんおりますし、一般的には市町村の単位よりも広い近隣を含む安定所の単位で雇用問題を把握し、対策を講じておるわけでございまして、今回の対策についてもそういう単位でとらえるということといたしておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 そこで、両省が十分に協議をなさって、そしてこの法律の目的にあるような機能をこの法律が発揮できるように、そのことによって具体的に中小企業が安定するように、あるいは雇用の関係についてもよりベターな政策が遂行されるように、そういう目的を持って両省は協議されると思うのです。
 その場合に、この雇用対策の面について、主として労働省側でいろいろ考え方があると思うのですけれども、労働省側として、雇用対策上ぜひこういうところについてはやはり指定をしてもらいたいといいますか、指定をするべきである、こういうふうに考える場合の一つの指標あるいは基準要件、これはどのように具体的にお考えになっておりますか。
○谷口政府委員 私どもの方の特定不況地域離職者臨時措置法は、構造不況業種の問題が急激にあらわれまして、地域ぐるみ非常に深刻な状況になっておる地域につきまして、企業の経営の安定対策と相まちまして雇用対策を講ずるということでございまして、雇用に関する指標につきましては、考え方としては、相当数の離職者が発生しているかあるいは現在発生していなくても近い将来発生することが確実と見込まれる場合であって、その地域で雇用機会が不足しているという地域を指定する考え方でございますが、具体的には私どもの方の諮問機関でございます中央職業安定審議会へ諮って決めることになっておりますから、そちらで決まりました基準に該当する地域につきましては通産省と十分協議をして決めていく、両省で十分協議いたしまして地域対策としての効果が上がるように考えてまいりたいというふうに思っております。
○渡辺(三)委員 中央の職安審議会、ここに諮ってというふうになる場合に、当然労働大臣が諮問をされることになると思いますけれども、それはただ職安審議会の方で基準を決めて、ひとつ十分に答申をしてくださいというのではなくして、労働省としては一つの具体的な指標といいますか、そういうものを出されると思います。
 私は、もっと具体的に聞きたいのですが、たとえば有効求人倍率であるとか、あるいはいまもお話にありましたが就職率であるとか、あるいはさらには雇用保険の受給者の率であるとか、こういった問題を労働省としてはいろいろ考えられると思う。これは安定審議会の方に諮られる際にどういう材料、指標というものを中心に諮問をなさるのですか、その点ひとつ具体的にお答えいただきたいと思います。
○谷口政府委員 考え方としては、先ほど申し上げましたように、離職者が相当数発生し、または近い将来に発生することが確実と見込まれる、しかも雇用機会が著しく少ないということをもとに考えるわけでございまして、現在いろいろな事情について検討いたしておるわけでございます。端的な一つの指標としては、たとえば求人に対して求職者がどのくらいいるかというのが求職倍率ということでありますけれども、そういうものも一つの指標になろうかと思いますし、その求職倍率が全国平均に比べてどの程度悪いかということにつきましては、さらに検討してみなければいまは申し上げられるような状況になっておらないわけでございます。
○渡辺(三)委員 私も、これは労働省の資料を基礎にしながら、一体どういうところがその対象になるのだろうかということを私どもなりに検討はしておるわけです。そういう意味で、いまのお答えの中にもちょっとありましたが、たとえば就職率やあるいは有効求人倍率、こういったものが全国の平均を下回るもの、逆に雇用保険の受給率が全国平均を上回るもの、こういった諸条件というものを持っておる地域、これは一体どのくらいあるだろうか、こういうふうに見てまいりますと、九月四日に指定されておりますところの十六地域や、あるいは何かと問題になっておりますところの二十八や、それらを上回る、こういうふうに見るわけです。いま私が言った三つの要件を満たしておるといいますか、その全部を満たしておるところだけでもいま言った数字を上回るわけです。これはその地域にとっては雇用上非常に問題があるのじゃないか、こういうふうに思うのです。
 ですから、本法案の指定の要件というのはこの法案なりにあるわけですけれども、同時に、いま言ったような観点というものも、この法律の趣旨に照らせば当然最も重要な指標として考えなければいかぬのじゃないか、こういうふうに考えておるわけでして、労働省の考え方は、正式にはこれは職安審議会に諮らなければいけませんから、確定的なことは言えないとしても、おおよその考え方については、私がいま申し上げたような考え方に基本的に立つのかどうか、重ねてお伺いをしたいと思います。
○谷口政府委員 具体的な指定基準なり指標というものは、その考え方として先ほど来申し上げておりますような、相当数の離職者が発生しあるいは発生していなくても近い将来発生することが確実であって、雇用機会が著しく不足しているというものを何でとらえるかということでございまして、たとえば求職者が求人に対してどのくらい多いかというようなことが一つの手がかりだろうと思うわけでございます。
 ただ、今回の法律に基づきます対策は、構造不況業種が集積しておりまして、それらが急激に悪化しておるために地域ぐるみ悪化しておる、経営上も雇用上も悪化しておる、そういうものに対して緊急臨時的に対策を講じようということでございますので、この法律の趣旨からいいましたら、労働力需給の悪い地域は全部該当するということにはならないわけでございまして、その辺は、この中小企業対策臨時措置法なり離職者臨時措置法の趣旨に沿って、先ほど申し上げました雇用指標をもとに決めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 最後の方のお答えは、これはもう十分承知の上で私も申し上げておるわけでありまして、これだけが本法案による地域の指定の要件になるわけではもちろんありません。しかし、労働省として、雇用の観点から言えばいま申し上げているようなことが重要な一つの要件、こういうふうに考えられるだろうという意味でお聞きをしておるわけであります。
 そこで、これは長官にお聞した方がいいと思うのですが、いま私が労働省の方に幾つか質問をしましたそういう諸要素についても十分に考えられて労働省側と協議をなさるのかどうか、この点だけ確認をしておきたいと思います。
○左近政府委員 本法案の第二条の四項にも、雇用の状態を考慮して政令を定めるというふうになっておりますので、本件制定に当たっては、労働省と十分協議するというよりは、むしろ労働省と共同でこの問題を解決していく、地域指定を決めていくということにいたしたいというふうに考えておるわけであります。
○渡辺(三)委員 次に御質問申し上げたいと思っております内容は、後で自治省の方にもかかわりがありますけれども、先ほどの御答弁の中でこのようなことがありました。
    〔中島(源)委員長代理退席、委員長着席〕
 一つは円高対策、それから今回の特定不況地域中小企業対策臨時措置法、さらには産地振興対策といいますか、これも当然考えなければならない、こういうふうな答弁があったかと思いますけれども、最後の産地対策の問題については一体どういうふうな構想でおられるのか、あるいは大体いつごろの時期にこれを固めて、そして国会にお出しになるならお出しになろうと考えているのか、まずその辺をお伺いしたいと思うのです。
○左近政府委員 この円高ないしは不況というような事態で、中小企業の産地は現在大変苦境に陥っているところが多いわけでございます。これに対して、緊急対策といたしまして円高対策等々を実施してきたわけでございますが、緊急対策は緊急対策としてしっかりやらなければいけませんけれども、今後の経済状態にかんがみまして、中長期的な展望のもとに今後の中小企業の産地のいわば活路の開拓を図っていく、今後の生きる道を求めていくということが必要であろうかと思いますので、実は来年度の予算の要求にもそういう要素を織り込んで大蔵省に要求しておりますし、そういう対策をいま検討しておる過程で、もし必要があれば法案もつくって推進に当たりたいというふうに考えております。したがいまして、この産地対策というものは、やはり来年度の課題として、法案成立も含めて検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○渡辺(三)委員 次いで、自治省にお伺いをしたいと思いますけれども、いまの産地対策といいますか、これはいまの長官のお話でありますと、来年度の予算に要求を盛り込んでいきたい、必要あらば法律についても考えなければならぬだろう、概略こういうお話であります。
 先ほどもちょっとこの問題に関連をして同僚議員が質問をしておりましたが、自治省として、地域の中小企業振興、あるいはいまの非常にひどい不況の中でこれに対する対策として法案の準備を進めておられるのかどうか、あるいは来年度の事業としてそういう計画を具体的に進める決意がおありなのかどうか、この点をまず最初にお聞きしたいと思うのです。
○金子説明員 自治省といたしましては、今回の通産、労働両省の不況地域対策につきましては、私ども現行の地方行財政制度の範囲内におきまして不況地域対策を講じていきたいというふうに考えております。その内容といたしましては、地方公共団体が施策を必要とする経済活動が不振である地域を対象として考えていきたいというふうに考えております。
 今回は緊急の対策でございますので、こういった現行制度の枠内でなし得る限りのことをやってまいりたいと思いますが、今後の問題につきましては、現在通産、労働両省でもってやられようとしている措置、それから私どもの方でやろうとしておる措置の運用状況、さらに経済の推移等を見て考えてまいりたいというふうに思っております。
○渡辺(三)委員 型どおりの答弁をいまお伺いしましたけれども、でき得ればこの臨時国会にも、自治省はきわめて総合的な積極的な地域中小企業対策といいますか、地域の中小企業を中心とした振興対策、これはやはりやらなければならぬだろうというふうに一たんは決意をされたと思うのですね。それで法案の準備にもかかられた、こういうふうに私どもは受け取っておるわけでありますけれども、しかし、いまお答えがありましたように、きわめて緊急な対策を通産、労働それぞれ提案をせざるを得ない深刻な緊急な状況である、こういう点から、もうちょっと時間をかけながら総合的な準備を次の国会あたりに向けてしなければならぬというふうにいま自治省は考えられて、今回具体的な自治省の提案というふうにならなかった、このようにわれわれ認識しておるわけですが、その認識は違っておりましょうか。
○金子説明員 私ども考えておりますのは、地域経済につきまして地方公共団体は非常に関心を持っております。なぜ地方公共団体が持っておるかということは、申し上げるまでもございませんが、地域の住民の生活の安定のためには、雇用の場所あるいは所得を確保していかなければならない、そういうような意味で、広い意味で地域政策の一環として地域の経済振興を図っていく必要がある。不況地域対策というのは当面の不況の状況に対しての緊急対策である、そのように考えております。したがいまして、今後産業構造の変化その他によりまして地域の経済の変動が著しいというような地域に対しましては、おっしゃられましたような法案の準備も含めまして、地域の経済振興のためにいろいろ検討してまいりたいというふうに考えております。
○渡辺(三)委員 先ほど、たしか大臣であったと思いますが、同僚委員の質問に対してお答えをいただいた産地の対策、これについては、いま自治省からお伺いをする内容とは性格がよほど違うように私はお聞きをしておるわけでありますけれども、その点について、いわゆる産地対策というものを進めないと、いまありますところの円対法やあるいは今回の法案だけでは十分なものでない、こういうふうに大臣がお考えになりながら、さらには準備を進めて産地対策の法案も考えなければいかぬというふうに思っておられるのかどうか、これはぜひ河本大臣からお伺いをしたいと思います。
○河本国務大臣 これまで中小企業の緊急対策として幾つかの法律案をお願いをしてきましたが、やはりどうもこれだけでは不十分だと思います。産地振興対策というような法律をどうしてもつくる必要があるのではないか。いま関係方面と調整中でございまして、次の通常国会へできるだけ早く出せるようにいま準備をしておるところでございます。
○渡辺(三)委員 時間が大体近づいておりますから、なお私に関連質問がありますから、その時間を残して私は質問を終えたいと思いますけれども、最後に一つ、これは長官から御答弁をいただきたいと思っておりますけれども、今度の法案でも信用補完制度の問題がいろいろ出ております。この中で、現在の額と同じ額の別枠、これでもって何とか特定不況地域の中小企業の金融に当てよう、こういうふうなお考えのようでありますけれども、現行と同枠で特別枠を設けるというのでは、今日の深刻な状況の中では私はきわめて不十分だと思います。これについて、原案をお出しになった立場はありましょうけれども、どのように考えておられるか、一言お聞きをしておきたいと思います。
○左近政府委員 信用保険の特別措置につきましては、この法案の提出に当たっていろいろ検討したわけでございますが、通常の枠と同額の別枠を設ける、これは円高対策法でもそういう例がございましたので、その例にならって決めたわけでございます。ただし、これにつきましても、実態に応じて今後もいろいろと検討してまいりたいというふうには考えておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 いま若干ニュアンスのある、含みのあるお答えがあったような気がしますけれども、特別小口保険あるいは無担保保険、普通保険、いずれについても、私どもは、通常たとえば二百五十万、八百万、五千万、これを別枠としては同額じゃなくて、実態に応じてこれを上回るような形にしてもらわないと、実際効果は上がらないのじゃないか。とりわけ無担保保険については、これは非常に強い中小企業の要望もあるわけでありますから、十分にひとつ考慮をしてもらわなければならない、こういうふうな立場を申し上げて、一応私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○橋口委員長 次に、中村重光君。
○中村(重)委員 第一条の「目的」で、「特定の地域において、中小企業者の経営が著しく不安定になり、かつ、雇用事情が著しく悪化している状況にかんがみ、」云々、こうあるわけです。だから、中小企業者の経営が著しく不安定になって、かつ、雇用事情が著しく悪化している状況なのだけれども、この二つのことが地域の指定であるとか企業の認定ということになるということなんですか。いずれか一方ということだってあり得るわけですね。
 この「中小企業者の経営が著しく」の「著しく」というのは、あなた方が法律用語としていつもお使いになるので、このごろは「相当」というのが大分出てきたのだけれども、いままでは「著しく」。ここにも「相当」と書かないで「著しく」となっている。この指定とか認定に当たっての判断というものは、中小企業の経営は著しく不安定にはなっていないが雇用事情というものはきわめて不安定になっている、雇用事情は余り厳しくはないようだけれども中小企業の経営というものは悪化しているという、そのいずれかの場合があり得るわけだ。ところが、「かつ」ということになっていると、この二つがひっかかってくるわけなんで、これを今後、指定とか認定に当たってどう運営をしていこうとするのか。
 まだそれは労働省の方は、こっちの方は労働省には関係ありません、労働省の方は特定不況地域離職者臨時措置法というものでやるわけですということのお答えかもしれないのだけれども、これはやはりこの法律案をつくるときも両省がその他関係省との話し合いがあっただろうし、運営に当たってもやはりお互いに調査をし、その調査の結果の情報を交換し合うといったことが当然に行われるだろうから、このことに対して今後どのような運営をしていこうとお考えになっているのか、それぞれお答えをいただきます。
○左近政府委員 法律上の構成といたしましては、この地域を指定する場合には、やはり中小企業の経営が不安定になっておるということと、雇用事情が著しく悪化しておるという、この二つの条件がともにあるというものを指定地域にするという考えでございます。
 ただ、指定地域ができましたときに、その中小企業を認定する際に当たりましては、これはその個々の中小企業でございますので、経営の不安定という事態があれば足りるということで認定をいたすということに考えておるわけでございます。
○谷口政府委員 ただいま中小企業庁の方からお答えがありましたとおりで、今回の特定不況地域の対策は、いわゆる構造不況業種の問題が特定の地域に集中的に影響を及ぼしておりますために、企業の経営対策と雇用対策を臨時緊急に行おうということでございますので、両面の状況を見て地域を決める、その地域をもとにいろいろな対策を講じていく、こういうことでございます。
○中村(重)委員 その法律の案をまとめる際、またこうしてまとめてみると大変難解なんだね。この認定というところを大分読んでみるのだけれども、なかなかむずかしい。われわれがこれを読んで難解であるということは、今度は運営に当たってなかなか厳しいんだよ。事業転換法も、長官と言ったらいいか、大臣にひとつ頭に置いていただきたいのだけれども、事業転換をやりたいのだけれども余りにも条件が厳しくてもうついていけない、どうにもしようがないということで、事業転換をやりたいのだけれどもあきらめるという人があるのです。そうしてもうやめてしまう。
 だから、法律というものは相当厳しく書かぬと、余り粗雑に書いてもいけないのだろうから、このことは適当に書きなさいよなんという無責任なことは言わないけれども、二つの条件が要るのだといって、その一方の条件が非常に厳しい。一方はそう読んでないといっても、二つの条件がないとこの法律は動かないんだというようなことをやられると、せっかく一方の条件によってやってくると、二つの条件の一方は事なく済んで結局両者がよくなるものを、余りその条件にこだわるから結局二つともだめになって動きがとれないという結果が生まれてくるのです。
 お役所というのは、どうもそこらあたりが、ここに書いてあるとおりの条件で実際の運営をやっていこうとするから、そういうことではだめなんで、もっと法律を生かして使う、有効に活用する、目的は何か、その目的に向かって法律運用は弾力的にやるという態度でないと、これはもう何のためにこの法律をつくったかということになっていくわけだ。そこはひとつ、きょうは事務当局に質問しても、適当にやりますよなんということにならないのだろうが、大臣、政治家として、法律はやはり生かして使ってもらわないと、目的に向かって大胆柔軟というようなことだって必要になってくるのだろうし、どういうことで今後指導していこうとお考えになるか、いかがですか。
○河本国務大臣 今度の法律は、わかりやすく言いますと、困っておる地域をできるだけたくさん救っていこう、こういう考え方でございます。
 現在もうすでに十六ヵ所行政措置で指定をしておりますし、多分これは全部さらに法律による指定にも入ると思います。
 なお、そのほかに幾つか強力な申し込みがございまして、それを取り上げまして、いまどのように指定するか作業中でございまして、その数も相当な数に上っております。でありますから、基準といたしましてはこの程度にいたしておきませんと、現状でもずいぶんだくさん申し込みがございまして、やはり余りたくさん出てきますとこれはまたやりにくくなりますので、大体この辺ではなかろうか、こういうことでよろしく御配慮をお願いしたいと思います。
○中村(重)委員 それは大臣、私はあなたにはすばらしい政治家として敬意を表しているんだけれども、いろいろ申し込みがある、確かにこれでも百近い申し込みがあるということを聞いているわけです。それは、申し込みというのか要望があるのを全部受けとめるということは、なかなかできないでしょう。
 私が言ったのは、一方はいわゆる雇用が著しく悪化した、しかし、中小企業の経営にはまださほど、ここで書いているとおり言えば著しく影響が及んでない、二つの条件が完全に満たされたということにはならないけれども、早く手を打たないと二つとも深刻な状態になるという場合、柔軟に対処していくということでないと法律を生かして使うということにならぬと思うのです。そういう深刻な不況の状態をつくり出さない、それにこしたことはないわけだから、だから指定をするときも、ただいま私が言ったような点も考える、そういう法律運営が必要であろうということに対して大臣はどうお考えになるかということをお尋ねをしているわけなんで、その二つの条件がこれに書いてあるように二つとも著しく悪化しているということでないと指定をしないようにしないと、余りにも申し込みが多いからどうにもならぬ、だからして著しく悪化しているという二つの条件が必要だというようにいまの大臣のお答えは理解をしなければいけないのですか。ちょっと私の質問とかみ合っていないように思うのだけれども。
○河本国務大臣 今度政令をつくりまして、それによりまして指定の基準を改めて決めることにいたしております。その際、いまの御意見は十分配慮をするようにいたします。
 それからなお、この法律だけでは不十分でございますので、産地産業振興法というような法律をまた別につくっていただく必要があるのではないかと考えておりますが、それにつきましてはいま準備をしておるところでございまして、次の機会にできるだけ早くお願いをしたいと考えておるところでございます。
○中村(重)委員 今度は、取り消しの場合も同じようなことが言えるわけです。指定のときに指定あるいは認定の条件がある。今度は、五年の時限立法だけれども、非常に情勢がよくなった、明るくなった、法律効果が上がった、それで、これを五年を待たずして取り消すということが私はあるだろうと思う。その取り消しをする場合に、いずれか一方というようなこともあるのだろうが、その取り消しをするときは政府が一方的におやりになりますか。その実態については都道府県知事や市町村長等の意見というものを十分聞き、これを尊重して、納得ずくで取り消しをするというようなことをおやりになりますか、いかがです。
○左近政府委員 地域の指定の段階におきましても市町村あるいは都道府県の意見を十分聞いて決めるわけでございますので、当然、この地域の指定をもし解除するというような時点では、この地域の指定のときと同じように、十分地元の意見を聞いて処置したいというように考えております。
○中村(重)委員 それでは、一方的におやりにならぬように。これは政令だからね。他の党の中にも、むしろそういったような場合に市町村長の同意が必要であるというようなことを義務づけることも考えなければならないのではないかという意見すらあったわけです。私どもは、附帯決議等についてそうしたことについての意思を明らかにしておきたい、こう思っているわけです。いまのお答えのとおりに、一方的に取り消し等をおやりにならないように、十分意見を聞き、市町村長、都道府県知事の意見を尊重するということで運用をしてもらいたいということを要請をしておきます。
 それから、資金の確保なんだけれども、これは一定の限度額というものがある。ところが、やはり信用力がない。限度額はあるけれども、限度額は貸せない。それでは信用補完が倍額だから、それで担保してもらえばいいではないか。こっちの方も独立採算だから、どうも貸し倒れがあるというような不安があるときに、結構でございますよ、枠があるからといって限度いっぱいやってくれるということにはならない。したがって、法律はできたけれども、実際はそうした厳しい条件、信用力不足ということによって思うように保証もしてもらえないし、必要な金も貸してもらえないというようなことだって起こるだろうと思う。この点に対してどのような指導をしてこの法律の目的を達成をしていこうとお考えになっていらっしゃいますか。
○左近政府委員 融資が円滑に進むためには、やはり信用保証が円滑に進むということが必要だと思います。それで、去る八月二十八日に決めました行政的な措置で、すでにこの信用保証の円滑化という一つの項目を設けまして、信用保証協会にも信用保証を円滑にするように要請をしておりますが、それの裏づけといたしまして、中小企業信用保険公庫の融資基金の運用とか、あるいは政府が出しております信用保証協会に対する補助の制度の活用をいたしまして、信用保証協会が積極的にこういう地域においては保証するように指導してまいりたいというふうに考えております。
○中村(重)委員 この場合においては、たとえば商工中金の場合、ワリショーの引き受けとか出資金とかあるいは預金を要求するといったようなことはさせないでしょうね。商工中金に対して十分出資等をして、そういう無理なことを要求しないように、こういう特殊な場合の融資の措置ですから、特別に通達をお出しになりますね。
○左近政府委員 すでに御趣旨のような指導をいたしております。今後も十分注意をさせます。
○橋口委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、暫時休憩いたします。
    午後六時三十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後七時五十七分開議
○橋口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 特定不況地域中小企業対策臨時措置法案に対する質疑はすでに終了いたしております。
 本案に対し、山下徳夫君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブ六派共同提案に係る修正案が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。岡田哲児君。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
○岡田(哲)委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、提案者を代表して、私から提案の趣旨を御説明申し上げます。
 修正案はお手元に配付されておるとおりでありますが、
 修正の第一は、認定中小企業者の事業の転換に必要な資金の確保に努める旨の規定を加えること。
 第二は、中小企業信用保険の特例措置のうち、無担保保険については別枠保険限度額を千万円とすること。
 以上が修正案の趣旨であります。
 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○橋口委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○橋口委員長 これより原案及びこれに対する修正案について討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○橋口委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。
 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。
 修正部分を除く原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○橋口委員長 起立総員。よって、本案は山下徳夫君外五名提出の修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○橋口委員長 ただいま修正議決いたしました本案に対し、山下徳夫君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブ六派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。山下徳夫君。
○山下(徳)委員 ただいま提案いたしました決議案につきまして、提案者を代表して、私からその趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付いたしております。
 決議案の内容につきましては、案文によりまして御理解いただけると存じますので、詳細の説明は省略いたします。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
    ―――――――――――――
   特定不況地域中小企業対策臨時措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 特定不況地域の指定は、地域の実態に応じ弾力的に行うよう措置するとともに、関係地方公共団体の意見を反映するよう配慮すること。
 二 認定中小企業者に対する緊急融資については、極力、融資条件の改善に努めること。
    ―――――――――――――
○橋口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○橋口委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、附帯決議について、政府から発言を求められておりますので、これを許します。河本通商産業大臣。
○河本国務大臣 ただいま議決をいただきました法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして万全を期する所存でございます。
    ―――――――――――――
○橋口委員長 お諮りいたします。
 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橋口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○橋口委員長 通商産業の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、山下徳夫君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブ六派共同提案に係る現下の経済情勢に対応する中小企業対策の強化に関する件について決議されたいとの動議が提出されております。
 この際、提出者から趣旨の説明を求めます。山下徳夫君。
○山下(徳)委員 ただいま提案いたしました決議案につきまして、提案者を代表して、私からその趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付いたしております。
 決議案の内容につきましては、案文によりまして御理解いただけると存じますので、詳細の説明は省略いたします。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
    ―――――――――――――
   現下の経済情勢に対応する中小企業対策の強化に関する件(案)
  政府は、現下の経済情勢において、困難な事態に直面している中小企業者の経営の安定を図るため、特に次の諸点について適切な施策を講ずべきである。
一 政府系金融機関の既往貸付金の金利の引下げ及び償還期間の延長等償還条件の改善に努めること。
二 中小企業者の経営の安定又は事業転換のための金融が円滑に行われるよう、中小企業信用補完制度の強化拡充を図ること。
三 円高に伴う輸入の増加によって、経営に著しい支障が生じている中小企業者に対しては、円高対策法に基づく措置に準じ特段の助成措置を講ずるよう努めること。
   なお、繊維等輸入の急増している業種については緊急に適正な対策を講ずるよう検討すること。
四 中小企業産地については、抜本的な体質改善を行い、その振興を図るため、早急に対策を確立すること。
   右決議する。
    ―――――――――――――
○橋口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○橋口委員長 起立総員。よって、山下徳夫君外五名提出に係る動議のごとく決しました。
 この際、通商産業大臣よりただいまの決議に対し発言を求められておりますので、これを許します。河本通商産業大臣。
○河本国務大臣 ただいまの決議につきましては、むずかしい問題もありますが、その趣旨を体して努力してまいる所存でございます。
○橋口委員長 なお、ただいまの決議の議長に対する報告及び関係各方面への参考送付の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橋口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次回は、来る二十日金曜日午前十時理事会、午前十一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後八時三分散会
     ――――◇―――――