第085回国会 交通安全対策特別委員会 第2号
昭和五十三年十月十八日(水曜日)
    午後零時三十分開議
 出席委員
   委員長 沖本 泰幸君
   理事 加藤 六月君 理事 左藤  恵君
   理事 佐藤 守良君 理事 中村 弘海君
   理事 太田 一夫君 理事 野坂 浩賢君
   理事 新井 彬之君 理事 青山  丘君
      井上  裕君    石橋 一弥君
      北川 石松君    玉生 孝久君
      中村喜四郎君    水平 豊彦君
      井上  泉君    後藤  茂君
      吉原 米治君    草野  威君
      寺前  巖君    伊藤 公介君
 出席政府委員
        内閣総理大臣官
        房交通安全対策
        室長      三島  孟君
        警察庁交通局長 杉原  正君
        運輸政務次官  三塚  博君
        運輸省自動車局
        整備部長    小林 育夫君
        運輸省航空局長 松本  操君
 委員外の出席者
        内閣総理大臣官
        房参事官    高橋 昭治君
        警察庁刑事局調
        査統計官    小池 康雄君
        警察庁交通局交
        通指導課長   広谷 干城君
        大蔵省銀行局保
        険部長     貝塚敬次郎君
        厚生省医務局医
        事課長     内藤  洌君
        厚生省社会局生
        活課長     鈴木 昭雄君
        農林水産省経済
        局農業協同組合
        課長      三井 嗣郎君
        通商産業省機械
        情報産業局自動
        車課長     浜岡 平一君
        運輸省船舶局検
        査測度課長   石井 和也君
        運輸省自動車局
        参事官     永光 洋一君
        運輸省自動車局
        業務部長    角田 達郎君
        労働省職業安定
        局業務指導課長 田淵 孝輔君
        建設大臣官房技
        術調査室長   萩原  浩君
        建設省都市局街
        路課長     並木 昭夫君
        建設省道路局企
        画課長     渡辺 修自君
        自治大臣官房審
        議官      久世 公堯君
        日本国有鉄道施
        設局用地課長  佐藤 一成君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 交通安全対策に関する件
     ――――◇―――――
○沖本委員長 これより会議を開きます。
 交通安全対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。左藤恵君。
○左藤委員 去る十月の十二日に、東京の駒沢で幼児が左折をしている大型のトラックにひき殺されてしまったというような痛ましい事故があったわけであります。最近大型のトラックを初めとします大型車が特に左折によって事故を起こしているというような事例が幾つかあろうと思いますが、警察庁でおわかりになっている点についてまず簡単に御説明をいただきたいと思います。
○広谷説明員 最近の大型車の左折時の事故の実態につきまして当庁が調査したものがございますので、それによりまして御説明をいたしたいと思います。
 昭和五十二年中におきます大型自動車の左折時の死亡事故は、発生件数が百九十一件、死者数が百九十六人という状況になってございます。これは発生件数にいたしまして全事故に占める比率が二・三%、死者数も全体の中に占める比率が二・二%、こういうふうになっております。また今年八月末現在で申し上げますと、発生件数が百四十五件、全死亡事故に占める率が二・六%、死者数が百五十人、全死者数に占める率が二・六%、こういうふうな状況になってございます。
 大型自動車の車種別に死亡事故を見てまいりますと、昭和五十二年中におきましては、百九十一件の事故中バスが五件、特定大型が百三十四件、大型トラックが四十五件、トラクターが六件、大型特殊車両が一件、計百九十一件、こういうふうな状況になってございまして、車両重量が八トン以上で積載重量が五トン以上というふうなものを申します大型の貨物自動車、あるいは車両総重量が十一トン以上のものあるいは最大積載量が六トン半以上のものというふうな特定大型車両の事故というものがこの中で非常に大きな比率を占めておるということが言えようかと思います。
 この死亡事故によります相手方の死者の状況でございますけれども、これも昭和五十二年中の数字でございますが、自動二輪が十一、原付が三十五、自転車が百二十二、歩行者二十六、その他二、計百九十六人という死亡者になっておりまして、原付あるいは自転車の被害者が多くなっておるのが目につく状況でございます。
 以上のような状況でございます。
○左藤委員 それでそういった事故対策という形のものといたしまして、十月四日付ですか、運輸省の自動車局は左折事故防止のための緊急措置というものをお出しになっておられるわけであります。この内容は新聞紙上でもよく承知しておるところであるわけでありますけれども、大きく分けまして二つあり、そのうち一つは、五十三年十一月一日以降生産されます大型貨物自動車に対しましては三つの項目の改善対策を実施する。一つがサイドアンダーミラーの新設、それから二番目が補助方向指示器の新設、三つ目がサイドガードの改善、こういうふうに報ぜられておるわけでありますけれども、私はこの点につきまして、こういった改善をされるということはもちろん前進であり、そうした対策、防止対策として有効なことではあろうと思いますが、すでに走行しておる、いま使っておる大型貨物自動車にも、このうちの幾つかでも設置することができないかどうか。これは特にサイドガードの問題につきまして、左の後輪に巻き込まれて死亡するケースが多いのじゃないか。自転車なんかも信号待ちとかいうふうなことをするときに、大型車の横に、もちろん死角である、そういうところに自転車が待っておる、そして信号が変わったからスタートする、片一方は左折してくるということで巻き込まれるというふうなこともあります。その場合にやはり左の後輪に巻き込まれるケースが一番多いだろうと思いますが、そういったことで、現在計画しておられるサイドガードというものを、現在の走行しておる車につけることができないかどうか。
 それからもう一つ、このサイドガードの問題につきましても、これはたとえば道路が悪いから動揺があるから、あるいは荷物で下がるからということで余り高くしておくというと、幼児の場合にそういうふうな下に入ってしまってひき殺されるという心配もありますし、それからタイヤの取りかえがやりにくいからということは許されないのじゃないか、私はこういうふうに思いますが、この点について運輸省の自動車局のお考えを伺いたいと思います。
○小林(育)政府委員 お答えいたします。
 まず初めに、いま走っている自動車についてどうするかという御質問であろうと思いますけれども、それにつきましては、今度の対策は一応緊急対策ということでございまして、そういうことで時間的な余裕がございませんでしたので、一応行政指導ということで十一月一日から出ます新車についての規制をいたしたわけでございますけれども、いま走っている車につきましても私ども前向きに検討してまいりたいと思っておるわけでございます。
 ただその際に、いろいろ町を走っている車の中には相当型式の古いものもございます。したがいまして、そういう型式の古い車に新しい鏡なり防護装置がどのようにつけられるかという技術的な問題、それからあるいは側面につけます方向指示器等につきましては電気容量の問題等もございますし、あるいは部品の供給の問題というような問題もございます。その辺を詰めまして、現在出回っている車についての対策をやっていきたいと思うわけでございます。
 それで、新車につきましては行政指導という形でやっていけますけれども、もしこれを現在走っている車に及ぼすということになりますと当然法令の改正を必要といたします。したがいまして、さっき申し上げましたような検討が済み次第法令の改正をいたして、現在走っている車にも同様の措置をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
 それから二番目の問題は、サイドガードの高さが非常に高いので、幼児等が下に入るのではないかという御指摘でございます。従来このサイドガードの地上からの最低の高さは一応空車の状態で六十センチということになっております。荷を積みますと当然幅はもう少し狭くなります。このたびの新車からの規制は四十五センチということになっておりますし、従来は最低の高さだけを押さえておく、その上の荷台までの間については何ら規制がかかっておりません。実際には棒が二本、三本ついておるものがございますけれども、規制としては最低の高さだけを抑えておるということでございますが、私どもこのたびの新車の規制につきましては、荷台との間に人が入ってしまうというような事故を防ぐために、さらにその間を金網で覆うとか、鉄板あるいはアルミの板で張るとかそういうこともやっておるわけでございまして、これは相当に効果があるのではないか、こう思っておりますけれども、なお長期の対策といたしましては、先生御指摘のように後輪に巻き込まれないような適切な装置があればそういうものも検討してまいりたい、かように考えている次第でございます。
○左藤委員 緊急措置としてされたわけでありますから、これの問題については、そういったことで、これだけにとどまらないで、次に法改正も含めて私は強力な指導をしていただきたいと思います。
 緊急措置の二番目に、試作、研究等の促進を図るというようなことがありまして、低運転者席の大型貨物自動車等の試作、それから左折事故の防止に係る長期的な対策に必要な調査研究を交通安全公害研究所等において推進する。三つ目には、キャブ幅段差の改善、こういったことについてこれから試作させる、研究するというようなことが言われておりますが、私はこれもそう長い時間をかけていただいたのでは困るわけでして、そうした事故が発生しているという現実を考えて、急いでこの対策を考えていただきたい。運転者席を一応低くするということにつきまして、これは視界を広くするとか、あるいは運転する人の優越感というものがないようにするというような意味で私は適切な考え方じゃないかと思います。また、思い切ってこの際は、たとえば右ハンドルを左側にするということも当然考えていいのではないかと思います。右の方は、車が来るということで十分注意ができますけれども、左が重視されていないということからこういった事故か起こるわけでありますので、思い切ってそういったことも考える。特に、ワンマンバスですが、これにつきましては、料金箱があったりいろいろなことで、思い切って左ハンドルにしたらどうかというようなことも私は考えていいのではないかと思います。さらにまた、視界を広くするという意味において、運転席のドアの左右の下の部分ですが、こういったところを透明にしていく、ガラス張りにするということも、それだけ見えるわけですから、こういった点についても積極的な配慮をしていただいていいのではないかと思います。
 そこで、十月十三日付の読売新聞なんですが、これにこういうふうにあります。「また「左折の死角」悲劇」という記事があった下に、「改善命令が出たが……自工会が猛反対」という記事がある。この点につきまして、私はこういったことがもし事実であれば、これはまことに遺憾なことだと考えますが、こういった点は私は工業会としてももっと積極的な態度でやっていただかなければならないと思いますが、この点について通産省の方の御意見を伺いたいと思います。
○浜岡説明員 多数の人命にかかわる問題でございますから、いろいろと問題があるといたしましても、積極的な開発、試作に取り組むべき問題だというぐあいに考えております。
 自動車工業会の方が十月四日に運輸省の方から試作に取り組むようにという指示を受けました際に、基本的には前向きに取り組むという方針をお伝えしたというぐあいに承知いたしております。自動車工業会では、安全公害委員会の中に特別の専門部会を設けまして、このお話のような車の開発、試作に当たっての基本的な考え方を整備をいたしますと同時に、数ヵ月内に各社とも試作品を一応つくり上げるというような方針で問題に取り組んでおるというぐあいに承知いたしております。試作をいたしました後、いろいろと評価試験等を行うために時間は必要かと思いますが、基本的には積極的な姿勢で取り組むというぐあいに考えておりますし、私どももそういう方針に沿いまして強く指導を重ねてまいりたいと考えております。
○左藤委員 そうすると、この記事はとにかく自動車工業会の真意でないというように理解いたしたいと思います。私はまたそうでなくてはならない、このように思います。通産省としてもこの点についての十分な指導をしていただいて、運輸省と十分連絡をとって、そして安全な車の製作に一層の配慮をしていただきたいと思います。
 そこで、今度は警察庁にお伺いいたしたいのですが、こうした大型車の左折事故を道路交通の上からなくする配慮がさらに工夫が要るのではないか、私はそう思います。たとえば大型車の市内での追い越しを禁止する、先ほどの左折の問題から、右ハンドルを左側にすることによって追い越しが非常にやりにくくなると思います。そういったことも考えて追い越しを禁止するとかあるいは最高速度を四十キロで抑える、五十キロのところも四十キロしか出させないというようなことも一つの方法だろうと思いますし、あるいは都心部で片側一車線の道路ではたとえば十トン以上の車の通行を禁止するとかいうようなことも考えられるのではないか。私は左折ということで特に配慮していただきたいと思いますのは、広い道路から直角に狭い道路に左折する場合に、大型車、特にトレーラーとかそういう長い車であれば、歩道に左の後輪を乗り上げるようなことをして左折しているという実例をよく見るわけであります。そうしたことで非常に危険だと思いますので、こういうものを禁止するというようにして、そして都心の交通の中において大回りをするということになれば、なお一層右側の方もまた危険な問題を生ずるわけでありますので、こういう規制について一つの基準を定めて公安委員会に対して警察庁が要望していただくということもできないか。もう一つ、大型車には助手を乗せろというような義務づけができないかどうか。こういう点について御検討願えるかどうか、この辺の御意見を伺いたいと思います。
○杉原政府委員 お答えを申します。
 最近の車両がだんだん大型化していくという実態から、左折についてはああいう悲惨な事故が相次いでおりますために現場的にもいろいろな苦慮をいたしておるわけでございますが、先ほど御指摘のありました、たとえば追い越しの問題、これはまた左ハンドルとの関連で出てくる問題だと思いますがその問題、あるいはスピードの規制がいまのように大型も小型も一律でいいかというふうな問題、それから幹線道路から狭い道路に左折する場合というような問題、特にこの左折禁止については、もうすでに一般の方は右左折できても大型車だけは左折、右折だめだという交差点はかなり設けておりますが、そういうふうな大型車の左折事故の防止を図るために交通管理面からまた手の打つ面はいろいろ出てくるであろう。特に交差点あるいは道路の形状と自動車との関係、大型車の走行との関係というふうなものを考えて、われわれもこれから交通管理面でいろいろな管理の基準を検討していきたいと考えております。
○左藤委員 この点については、車の安全性というものとあわせて道路交通の問題として十分連絡をとって改正を考えていただきたいと思います。
 大型車の左折事故の問題とは直接に関連がありませんけれども、この際ちょっと要望を申し上げておきたい問題が二つばかりあるわけです。
 一つは、道路管理者に対します道路整備がまだ十分でないのではないか。特にこれはそういった大型車の危険性という問題も含めまして私は御要望申し上げたい。と申しますのは、道路の路側帯というのですか、白い一本線が引かれておりますが、これは道路管理者が引かなければならないのですが、すぐに消えてしまうというようなことで、再度引くということを強制することもなかなかできない。市町村の財政のことにもかかわってくるというようなことがあって、置き去りにされておるわけであります。
 それから、幅員七メートル未満の生活道路につきましては一特に大阪あたりはひき逃げが非常に多いのです。これは全国一じゃないかと思いますが、そういったことから街路灯を取りつけていただく。そしてそういうものを防止すると同時に、この生活道路に対しましても、車、先ほど来非常に問題になりました危ないという自転車、それから歩行者、この三つが混合で一つの道路を使用しているわけでありますので、そういった点で路側帯というものを引くべきじゃないか、このように思いますが、こういった指導を強力にやっていただきたいと思います。
 なお、この際あわせて建設省の方に要望しておきたいと思いますが、道路に中央分離帯があるわけです。中央分離帯にグリーンベルトがあります。このグリーンベルトが、この間は夏が非常に暑くて雨が降らなかったというふうなことがあって、そのときに植木か枯れてしまうというふうな問題がありまして、そうすると、そこに穴があいてまいりまして、横断者がそこを強引に通ろうとする。通ろうといたしますと交通事故が起こる、こういうようなことがありますので、そういった場合に、たとえばフェンスを張るとか何かそういうことで、美観とかいろいろなことがあろうと思いますけれども、まず交通安全という立場から考えて現行の道路構造令というものが十分な配慮がされていないのじゃないかと私は思いますので、この辺についての配慮をお願いいたしたい。
 いま一つ、歩道から車道へすぐ飛び出してしまうという、子供の安全というふうなことも含めまして、防護さく、ガードレールのようなもの、これも十分つくられていない。先ほどの左折のときに後輪が歩道へ乗り上げるということも、防護さくがあれば防げるわけであります。こういった点も含めまして、建設省の御意見を伺っておきたい。
○渡辺説明員 お答えいたします。
 まず最初に路側帯のお話がございましたが、これはお話のありましたとおり、歩行者の安全ということを考えまして、道路管理者または公安委員会が設置しておるものでございます。よく消えるわけでございますけれども、最近は比較的材料もよくなってまいりまして、若干長もちするようになってまいりました。ただ、こういったものの設置はいわゆる維持費でございまして、本来道路管理者がやるべきものということになっております。また、仮に補助するといたしましても非常に少額になりますので、それもできないということでございまして、私どもといたしましては、それぞれの市町村その他道路管理者でやっていただくようにお願いをしております。
    〔委員長退席、太田委員長代理着席〕
なお、交通反則金等につきましては、これは交通安全のために使うということで市町村にも特別な財源として配られておるわけでございます。
 それから照明のお話がございましたが、照明につきましても順次危険な地点から設置をしてまいりたいと考えております。
 次に、中央分離帯の木が枯れた場合、そこを突破してしまうということでございます。これももちろん維持関係の基準によりましてそういうような枯死をした木などは速やかに撤去して植えかえを行うよう指導しておるわけでございますけれども、残念ながらなかなかそう敏速な対策が、木でございますのでとりにくい面もございますので、場合によりましては、先生御指摘のようにフェンスを張るとか、そういったことも考えてまいりたいと思います。
 それから歩道と車道との間の防護さくでございますが、これまた左折事故の際等、ちょうど歩道のすみの部分にガードレールがありますと、車の後輪が入ってくるのを防ぐ若干の効果もあるわけでございますので、御指摘のように今後とも積極的に進めてまいりたいと考えております。
○左藤委員 ぜひこの点について十分、予算的な措置ということもありますけれども、市町村に対する指導というふうなものについて特別な配慮をお願いいたしたいと思います。
 時間がありませんのでもう一点だけ。これは警察庁の方にお伺いいたしたいのですが、今度道路交通法の政正が十二月一日から実施されるわけでありますが、飲酒運転に対します処分ということで免許取り上げの問題なんですが、この点について何か中途半端な問題がある、現実の第一線でそういった意見がありますので、この点について何か考えられないかということであります。というのは、いま飲酒しているかどうかということを調べます場合に、〇・二五ミリグラム以上は取り消しの行政処分の対象となると伺っております。それ以下でありますと、行政処分も罰金も課せられないわけであります。〇・二五という数字の問題との関連で、そこに何かもう一つ、〇・二五ミリグラム以下のところ、たとえば〇・二〇とか〇・一八とかいうふうなところに線を引いて、たとえば罰金の対象にするとか点数制にしないことには実効が上がらないのじゃないかというような御意見が、第一線の取り締まりをしておる警察の方からあったので、この点について検討していただけるかどうかということでございます。
 実は大阪のある署で調べまして、夜間取り締まりをして十九人ありました結果、一人は飲酒運転、三人が酒気帯び、残り十五人が〇・二五ミリグラム以下で、調べますと、その場合〇・二〇が平均でありました。こういうふうなことがありまして、これは警告だけで終わってしまったということがあるわけであります。
 こういった点で、現実には〇・二五以下の人が交通事故を起こしている例が非常に多いというような実態もありますので、こういった点について何か配慮されることが考えられないかどうか、この点についての御意見を伺っておきたいと思います。
○広谷説明員 現場で飲酒運転の取り締まりをいたします場合、〇・二五以下の者が多数見受けられることは、先生御指摘のとおりでございます。ただ、飲酒運転につきまして罰則を適用しあるいは行政処分をする場合には、やはりある程度の危険が認められる程度にアルコールを保有する状態ということが必要であろうかと考えられまして、その意味で、現行の基準が通常においてはかなりの程度身体の機能が障害を受ける、あるいは事故の危険性が著しく増大をするというようなところでわが国あるいは諸外国の研究結果に基づきましてできておるわけでございます。したがいまして、この基準をさらに強化するかどうかということにつきましては、さらに科学的な研究を続けまして合理的な結果が出るようでありますならば、これに基づきましてまた改めて基準を強化することを検討する、こういうふうなことになろうかと考えております。
○左藤委員 時間が参りましたので、以上で質問を終わらしていただきます。
○太田委員長代理 北川石松君。
○北川委員 本日、質問の機会を与えていただきまして、関係各位に感謝を申し上げるものでございます。
 交通安全対策から航空機のニアミス問題、いま一つは駅周辺の自転車の放置の複雑かつ多様化しておる問題について御質問を申し上げたいと思います。
 特に、近年の自転車を駅周辺に放置する問題は、私は大阪でございますが、ひとり大阪ならず各衛星都市の間で問題化されておる大変な交通の、複雑よりも阻害を呈しておる問題でありまして、バス、自動車その他については交通規制の中で運行が順調に行われておるという面がありましても、この自転車の放置によって大変迷惑をこうむっておる市民が絶えず陳情し、またこの自転車の放置件数というのは昨年の十一月においては六十七万台、このような膨大な数字に上っておるのでありまして、各行政機関においてこれを何とか形づけてよくしたいと思いますが、最近は自転車公害として社会問題化されようとしておる。こういう点を考えますときに、この自転車はほとんどが通勤通学等において欠くことのできない要素を持っておるものでございまして、適切な駐車場を設置する施設を求めておるというのが現状でありますが、この自転車の駐車対策については当局においてどのようにお考えであるか、各局の方針あるいは現在どのような形をもってこれが事業化されておるか、こういう点について御答弁を賜りたいと思います。
○高橋説明員 お答え申し上げます。
 先生からただいま御指摘がございましたように、駅周辺の自転車の大量放置問題は大きな社会問題となってまいりました。そこでこれに対処するために総理府に置かれた交通対策本部におきましては、本年の一月に当面の方針といたしまして自転車駐車対策の推進について本部決定を行いまして、自転車駐車場の整備を中心に放置自転車の指導取り締まり、自転車利用者の啓蒙活動等、総合的な対策を推進することを定めております。現在各関係省庁におきましては、この交通対策本部決定の趣旨に基づきまして、春、秋の全国交通安全運動等におきましてその周知徹底を図りますとともに、所要の財政措置を初めとする具体的な施策を実施しているわけでございます。総理府といたしましても、今後ともこれらの推移を見きわめながら関係省庁と協力をいたしまして、効果的な自転車駐車対策が実施されるように努めてまいりたい、かように考えております。
○北川委員 ただいま総理府の答弁がありまして、これに対処するために本年度予算を組まれて、ごく少数の市においては設置場所をつくっておりますが、建設省また自治省、特に国鉄、私鉄の駅前は大変ふくそうを来しておるのですが、国鉄においては非常に用地提供を渋っておるということがけさの朝日にも出ておるのですが、ひもつき補助足かせ、こういうことも言われておるのですが、これに対してどうお考えでございましょうか。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。
 けさの朝日新聞で「ヒモ付き補助が足かせ 国鉄、用地提供渋る」という記事が出ておりまして、これは先ほど見たわけでございます。実はそういうふうないろいろの問題がございますけれども、社会問題化しておると言われておりますところの国鉄の自転車放置の問題に対して、どういう考え方でいままで臨んできておるのか、また今後どういうかっこうでやろうとしておるのかということについて付言してみたい、かように考えるわけでございます。
 いわゆる自転車公害として社会問題化しておるということにつきましては十分承知しておりまして、認識も深めておるつもりでございます。要するに、従来から基本的には都市施設の一環として整備すべきものであろう、したがって地方自治体が中心になって設置すべきものであろう、もう一つは当該施設のための用地提供につきましては、事業上支障のない範囲、条件で積極的に協力しようということで従来からやっておりまして、数字を申し上げますと、五十三年、今年の三月末現在におきましてはすでに七百八十一件、十万平米弱の用地提供に協力しておるわけでございます。とは言いながらも、やはりことし一月二十三日の交通対策本部決定が出るまでは、設置主体がだれなのかというふうな点につきまして非常に不明確でございまして、この二十三日で明らかになったわけでございまして、鉄道事業者は事業上支障のない範囲、条件で用地提供に協力しなさい、協力義務、協力というかっこうで出てきたわけでございまして、その辺が非常に明確化いたしたものでございますから、従来以上の積極的な姿勢で、この大きな社会問題化しております問題の解決に協力してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
 そこで、最後にきょうの新聞のことについてでございますけれども、やはり国鉄が将来事業上支障のない範囲、条件――範囲はさておくとしまして条件の問題でございまして、やはり起業地でありますれば、将来その事業に支障を来してはいけないということが念頭にあるわけでございまして、それが十数年とか相当ロングランの期間で、どうしても駐車場として貸してもらいたいというかっこうで出てまいりますれば、やはり当方としてはやや消極的な姿勢で臨まざるを得ない。これは非常にむずかしい話でございまして、事業との調整問題でございます。いま非常に苦慮しておるというのが実態でございます。
○北川委員 いま国鉄当局の苦衷もお話がありましてそれは了解するものでありますが、国鉄の姿勢というものが私鉄に及ぼす影響が大であります。国鉄がああだからということで私鉄は右へならえすることが多うございますので、そういう点は国鉄の現在の赤字情勢、あるいは用地をどのように転換していくかということは運輸委員会でも問題にされておりますが、何を申しましても地区住民がその国鉄または私鉄を利用しなくては通勤通学ができない、こういう現状をよくとらえていただきまして、いまロングランになるのは大変つらいという説明でございますが、こういう点についても前向きで御検討願うことをお願いいたしたいと思います。
 また、建設省はどう考えておるか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○並木説明員 先生御指摘のとおり、駅周辺におきます道路上等におきます放置自転車につきましては、道路の機能を阻害するだけでなく、交通事故発生の危険性というようなもの、あるいは都市美観を損なうというようなことで、非常に無視できない社会問題になっているというふうに認識いたしております。このため昭和五十三年度から国庫補助事業によりまして、公共団体が自転車駐車場を整備します場合に、一定の条件を満たす場合には新たに補助事業として整備の推進を図るということにいたしております。五十三年度には事業費十一億円をもちまして三十六ヵ所の整備を行うことといたしておりますが、実施状況につきましては、九月末現在、過半の個所につきましては順調に事業が進捗いたしておりますが、残余の個所につきましても地元並びに鉄道事業者等との協議を進め、早急に事業化を図るというふうに考えております。
○北川委員 自治省もちょっとついでに見解を求めたいと思います。
○久世説明員 ただいまの御指摘の点でございますが、私どもといたしましては、この駐車場の設置は、本来その需要発生原因者でございます国鉄なりあるいは私鉄なり、そういう原因者が行うべきものがたてまえであると考えております。しかしながら、地方団体が行う自転車駐車場につきましては、従来から一般単独事業債で、自転車道等整備事業という項目のもとに所要の財源措置をしているわけでございます。四十九年度ごろからやっておりまして、大体五十二年、玉十三年は五十億の一般単独債を措置しているわけでございます。
 先ほど建設省からもお話がございましたように、五十三年度からは、駅周辺地域における自転車駐車場の設置の必要にかんがみまして、新しく国庫補助の対象になったわけでございますが、その地方負担額につきましては一般公共事業債において起債措置をいたしております。金額といたしましては、今年度の場合は一応事業費六億と仮定をいたしまして、地方負担額は大体三億六千万ぐらいになろうかと思いますので、大体その額を起債措置をする予定にいたしております。この一般単独事業債と一般公共事業債、両面において従来からやっておるわけでございますが、今後も必要に応じて措置をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○北川委員 駅前周辺の問題につきましては、もちろん環境その他市民の心というものがすさんでくる一つの要因になろうと思います。自治省においても、建設省においても、前向きでこれらの衛星都市を指導してやっていただきたい、このようにお願い申し上げます。
 次に、私の地元でございますが、大阪の京阪本線の寝屋川市駅周辺ですね、この自転車の放置状況というのは全く目に余るものがあります。幸い、本年、補助、指導を得まして、二十箇用水の上に自転車置き場を設置していただいたのでありますが、これをもってしてなお足れりとしない。しかも、盗難がある。駅前の交番所の巡査の話では、一日に五件だと言う。五件じゃ済まない、もっとたくさんあると思うんですね。こういう状況が毎日、毎日繰り返されながら、自転車は放置されておる。盗難、実際を言うと、警察当局も刑事犯、殺人犯その他のようには前向きでやらない。前向きに自転車どろぼうを挙げるというほどの情熱がわいてこない。ということは、市民そのものも私は悪いと思います。安易に自転車を公衆道徳もわきまえないで放置しておくのも悪いのですが、これを指導しなければいけない、こういう点を考えまして、現在の状況をどのように関係当局は把握しておられるか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○小池説明員 自転車盗の発生状況は、全刑法犯の発生状況がおおむね横ばいに推移しているのに対しまして、非常な勢いで増加しているという状況でございます。
 具体的に申しますと、四十八年の自転車盗発生件数十六万余りが、五十二年中は約二十三万五千五百件、そういう数字になって四七%増加している、こういうことでございまして、これに対する検挙の状況はおおむね三〇%前後、これは全刑法犯の検挙件数も横ばいでございますが、これが大体五〇%でございますが、それよりも若干低い三〇%前後の数で推移しておるというような状況でございます。これに対しましては、鋭意その自転車盗の発生状況の防止、それから検挙方策の推進というような点について努力してまいりたい、かように思っております。
○並木説明員 ただいまお話のありました寝屋川駅周辺の自転車の放置の現状でございますが、五十二年九月の調査によりますと、放置台数が約二千五百台、駐車施設の中に収容されておりますものが四千四百台、合計で約六千九百台ということになっております。一方、既設の駐車場の容量でございますが、これは民営が約四百台、市営が三千二百台、合計三千六百台でございまして、この中に無理やりこの四千四百台が詰め込まれているというような状況でございますが、なお放置自転車がかなりあるというようなことから、この解消を図りますために、補助事業によりまして、収容台数が千四百五十台という二階式の駐車場を五十三年度内に整備したいというふうに考えております。先ほど先生から御指摘のございました、用水にふたをしたものは市が単独事業でやったものでございまして、補助事業としてやるものは広場内にこれからつくるものでございます。
 一方、こういった整備を進めましても、なお相当量の放置自転車が見込まれますので、これに対処いたしますため、市当局で残余の土地等を物色しているという現状でございます。
    〔太田委員長代理退席、左藤委員長代理着席〕
○北川委員 全国の自転車のそういう整備計画、これについては大体四百カ所、十七万台、三百億円、こういう事業を見込まれておるということも聞いておりますが、特にまた、私、先ほど指摘申し上げました寝屋川駅周辺の自転車の放置状況を何とか解決するためにも当局においてもお考えがあるということを聞いておるのでありますが、この事業費が十一億ほどかかる、こういうことも言われております。これはちょっとそういう金額はかからぬと思うのですが、これは全体を見通した上の予算措置であろうと考えております。こういう点について前向きでこれを解決していただきたい、こういうことをお願い申し上げます。
 と同時に、この間の陳情にございましたが、身体障害者の四級とか五級の方に管理部門を担当してもらえるような方法をとってはいかがか、こういうことも考えるのでございますが、いかがでございましょうか。
○田淵説明員 お答え申し上げます。
 お尋ねの自転車駐車場の管理、運営をいかなる団体に委託すべきかということにつきましては、私ども労働省としましては、そういう駐車場の設置者に対して指導すべき立場にはちょっとございませんので何とも申し上げかねますが、身体障害者の雇用の促進ということにつきましては、労働省は、一昨年十月に改正されました身体障害者雇用促進法に基づきまして、企業の方へ非常に雇用を働きかけているわけでございます。現在の経済情勢のもとでなかなかはかばかしく進んでいないという状況もございます。私どもとしては、身体障害者の方々の雇用の場が少しでも開かれるならば非常に望ましいことだ、こういう意味で私どもとしては雇用の場が開けることには期待をいたしたい、こういうふうに思います。
○北川委員 微に入り細にわたっての関係当局の御答弁をちょうだいいたしたいと思いますが、時間がありませんので、いま一つこの自転車の問題について、私見ではありますが、申し上げて、いかようにお考えになるかを聞かせていただきたい。
 というのは、この自転車が一年間の保険、つまり一年間に紛失すればまた新しいのが保険でもらえる、こういう状態でありまして、保険会社はこのために、予算その他で大変難儀しておる、こういうことを聞くのですが、それが反対に、一年で新しくなるならば、ようやく一年未満のときに盗難に遭ったという届けをすれば新しい自転車が入ってくる。これもまた、自転車に対する愛着心とそのマナー、いろいろな点のものがこれにおいて醸し出されてきておる、こういう点について保険という行政をこの際検討しなければならぬ。また、自転車と自転車の衝突において、そのスピードとその場所、そのときの時点において、自動車事故よりも大きな事故を起こしていることもある、こういう点について、傷害保険というものはいま一社が扱っているというが、必ずしも完全でないというようにも思うのですが、この御指導と、これからの見解をお伺いいたしたいと思います。
○貝塚説明員 お答えいたします。
 まず第一点の問題でございますが、確かに一社で出しております保険につきましては、最近の盗難の件数、金額、非常にふえております。これを全部そういう悪質なものと決めつけることは、善良な契約者のためにいかがかと思いますが、いま先生御指摘のようなケースは十分考えられると思います。
 そこで、満期の前に新車を買うような設計というのはちょっとまずいのではないか。実は自動車でも同じような問題がありまして、保険価格をだんだん減らすということが考えられております。一年間のうち、最初は新車並みの価格、だんだん保険価格が下がっていく、そういうことも考えられます。それから免責といいまして、自己負担の額を逆に上げていく、こういうことも考えられております。
 いずれにいたしましても、これだけ盗難の事故がふえますと、何らかの指導をいたしまして、いい保険をつくっていかなければならないと思います。
 それからもう一点。一社だけという御指摘でございますが、確かに総合的に売っているのは一社だけでございますが、ほかに数社いろいろなものを組み合わせて、セットで、メーカーとタイアップして売っているというようなものがございます。こういう点につきまして、余り知られてないと思いますので、こういう点の普及を図りまして、保険を安定させることが必要だと思いますので、この点で努力したいと思います。
○北川委員 この自転車置き場の問題、また自転車の放置、また自転車による有形無形の一般大衆に対する被害、こういういろいろな点が最近非常に重要視され、またこのままで放置できない形でございますので、もっと微に入り細にわたって御質問申し上げ、また関係各当局の御意見を聞かせていただきたいと思いますが、時間がないので、この問題についてなお一層の前向きの姿勢で善処をされ、そして新しい形をつくっていただくことをこいねがいまして、自転車置き場の問題を終わりたいと思います。
 次に航空機のニアミスについて関係当局の御所見を聞かせていただきたいと思うのであります。
 最近は特に航空路が複雑、多様化してまいりまして、過日の六月二十六日の成田空港発着の旅客機が串本上空で管制官の判断ミスによるニアミスを起こしておりますし、また九月二十三日は、羽田発仙台行きの全日空機と、アメリカの貨物機とが那須上空でニアミスを起こしておる、こういう管制上のミスがあるのでございますが、これらの管制官の相次ぐ過失というか、現在の状況によるニアミス事故というものは、特に成田、木更津、羽田は、成田の開港当時から心配されておるのであります。この場所だけじゃなしに、現在の航空路が年々繁雑化しておるという状況において、これをこのまま放置しておってはいけない、こう思うのでありますが、関係御当局はどのように対処をし、どのような措置を今後されようとしておるか、お聞かせ願いたいと思います。
○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。
 去る六月及び九月におきまして起こりましたニアミスは、先生いま御指摘のように、細かく申しますと多少原因の相違はございますけれども、しかし管制のぐあいによって生じたというふうに考えられるのでありまして、大変遺憾なことに存じておるわけでございます。
 御指摘のように、最近航空機が大型化し、また高速化してくるというふうなこともございまして、これに対応するために航空保安をどのように向上させていくかということについては、古くさかのぼって、四十六年の雫石の事故当時から非常な大きな問題として私ども取り組んでまいったつもりでございます。特に四十七年以降、第二次の空港整備五カ年計画の中で、全国的にシステマチックな保安体制を整備するということを念頭に置いて設備面の充実強化を図る、それと同時に、管制官の質的向上も当然図っていくべきであるということで、人的にはもちろん毎年いろいろと要求しながらふやしてきておるわけでございますが、それと同時に、四十九年度には、従来羽田だけにございました保安大学校の分校を岩沼に置きまして、ここで再教育あるいはやや高度の教育訓練ができるようにするというふうなことも考えて実行いたしておりますし、さらに現場の教官につきましても、毎年わずかずつではございますけれども、これをふやすことによって現場の教育訓練の充実を図るというふうな措置をとってきたわけでございます。
 ただそうは申しながらも、ただいま御指摘を賜ったような事件が発生しておりますので、今後ともさらにそういったような面につきまして、整備をいたしました機械を完璧に使いこなしていくための質的、量的両方の面において人的な充実強化を図っていく。さらに施設そのものにつきましても、たとえば航空機が接近いたしました場合に、コンピューターが自動的にこれを判断して警報を発するというふうな施設をいま開発しております。そういうものの開発を終わり次第、早急に取り入れていくようにしたい、このように考えております。
○北川委員 もう済んだことでありますが、北海道の雪祭りから帰る全日空機が、羽田空港を直前にして東京湾に墜落いたしました。このときは機長のミスで片づけられたのです。私は機長のミスではなしに積載オーバーであったとみずから推理、断定しておる。この問題はきょうは時間がないので申し上げませんが、こういう事故がいろいろな形でわからないからということで片づけられるのでは困る。たとえばこれは新聞報道その他によると、管制官がニアミス及びコンフリクションを三人に一人の割合で経験しているという重大な事実がアンケート調査によって割り出されておる、こういうことを踏まえまして、今度運輸省が機長報告などをもとに公表したニアミス事件は、昨年は十三件ほどだと言っておられますけれども、実際は報告しないいろいろな危険な状態が空の上で行われているのではないかということを思いますときに、乗っておる方たちが快適な空にするためには、安全というものが特に管制関係においては必要であろうと思いますので、いま一度所見をお伺いしたいと思います。
○松本(操)政府委員 ただいま仰せられましたように、航空交通の安全というものは、航空輸送というものがともかく空に浮いておるという特性を持っておりますので、特別によけいな、二重にも三重にも力を入れていくべきであるというふうに私どもとしても常日ごろ考えております。いまおっしゃいました点についてどうするかという点につきましては、繰り返しにはなりますけれども、施設面の整備はおおむね所期の目的に近づいてまいりましたので、なおこれを拡充、開発していくということのほかに、人間の面につきまして十分な訓練と慣熟というふうなものを行っていく、そういうふうなことによって、今後こういったような問題を根絶やしにしていくために努力をしてまいりたい。いまおっしゃいましたコンフリクションあるいはニアミス、これはやや定義が違うものですから、先生仰せのように、コンフリクションというのは正規の管制上の間隔がとれなかった場合、こういうものがすべてコンフリクションになりますので、パイロットの方からおれはちょっとびっくりしたということで報告をしてまいりますのよりも多くなる。あるいは一件について二人以上の管制官がかかずらわるということもございますので多くなるという数字上の問題はあろうかと思います。ただしかし、これも貴重なデータでございますので、こういうものを等閑視することなく、そのデータの裏に隠された真意というものを私どもよく把握をいたしましてこれに対応するような具体的な処置を講じていくようにしてまいりたい、こう考えております。
○北川委員 時間がありませんので希望を申し上げて終わりたいと思います。
 成田空港めレーダーは旧式のものであると聞いておる。これはARTS・Jという英語を書いておるのですが、またその言葉があると思うのですが、私はこういう新式のものを早急に取り入れてこれの充実を期していただきたい。特に航空機の問題については、空の上のことですから、くれぐれも関係当局の今後の御努力をお願い申し上げて質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○左藤委員長代理 次に、太田一夫君。
○太田委員 私は、最初に船舶局に、運輸省にお尋ねをいたしますが、五十三年の四月、ことしの春でございますね。積丹島沖でわが国の小型漁船がソ連船の臨検を受けて、その際、その船の大きさが登録票に記載されたる大きさよりも著しく過大であるということが指摘され、発表もされました。さらに報道によりますと、北海道地区の小型サケ・マス漁船に同様な水増しトン数のものが多数あるということが明らかになったということであります。一説によれば六百隻とさえ言われております。それで、その事実関係はどうなっておるか、まずそれを運輸省にお尋ねをいたします。
    〔左藤委員長代理退席、佐藤(守)委員長代理着席〕
○石井説明員 お答え申し上げます。
 今回問題になっております北海道の小型サケ・マス漁船は、北海道庁におきまして総トン数を算定し、漁船登録を行ったものでございます。登録されております小型サケ・マス漁船八百三十隻のうち大部分の約六百隻が不正トン数であると言われております。北海道庁は、明年の二月までに調査を終えて、これの適正化の措置をとることとしております。これらの漁船のうち、すでにトン数の適正化を行いまして漁船登録を変更したものが現在百十九隻となっております。残り四百八十隻余りにつきましても、さらに北海道庁を指導いたしまして、その適正化を図ることといたしております。
○太田委員 その水増しトン数の漁船でございますが、六百隻もあるということでありまして、その漁船のうちに、余りいままで問題にされておらなかったために、いろいろな事故を起こしておりますね。しかし、指摘をされまして発見をされたということから、過大なトン数を是正するという減トン工事が行われました。その減トン工事を行ったために出港後海難事故を起こしたというのが最近で一二件明らかになっておる。船員の死亡事故まで起きておるということは御承知のとおり。
 運輸省はこの問題に対しまして、先ごろ、九月になりまして舶査ナンバー四百九号の通達を出しました。その表題は「減トン改造工事を施工する漁船に対する臨時検査及び改測の指導、徹底について」というのであります。それは海運局にお出しになりました。造船工業会にもお出しになりました。漁業協同組合連合会にお出しになりました。さらに、いまお話のありました直接の検査責任者である都道府県知事、北海道知事にもお出しになりました。その結果、一体どの程度のよき結果が出ておるか、その指導や通達は徹底をしておるとお考えになりますか。
○石井説明員 御指摘のように、不正トン数漁船の一部、五十隻でございますが、減トンのために安全性の配慮を欠いた大幅な船体の改造工事を行いまして、また、安全性の検査も受けずに出港いたし、このうちの三隻の漁船が沈没いたしました。そして人身事故を引き起こしましたことはまことに遺憾なことでございます。
 運輸省といたしましては、今後かかる海難事故の再発を防止するために、関係者に対しまして、海事法令を遵守し、安全性を阻害するような減トン工事を行わないこと、また、減トン工事を行った漁船は検査を受けるよう指導の徹底を図っております。これら四十七隻、三隻は沈没したわけでございますが、四十七隻のうち、すでに検査を受けてこれに合格したものは現在二十七隻であります。また、陸岸から二十海里以内でのみ操業をするということで船舶安全法の適用から外れましたものが十四隻でございます。なお、残りの六隻のものにつきましても速やかに検査を受けるように現在強力に指導をいたしております。
○太田委員 ちょっと石井さん、それはあなた自信がある答弁ですか。あなた説明員ですが、きょう局長はどうしました、船舶局長は。
○石井説明員 局長は現在別の委員会に出席中と思いますけれども、いま確認しております。
○太田委員 あなたのお話は、課長のお話は、来年の二月までには完成するだろうということでありますが、じゃ、その間は漁船に対する対策はどのように行っておりますか。
○石井説明員 現在、来年の二月までにやるというのは、北海道庁がトン数の適正化を行うということで調査をし、適正化を実施するということになっております。
○太田委員 じゃ、検査、改測は完全に行われるということですか、そのいまの言葉は。
○石井説明員 臨時検査が必要なものは大幅に改造いたしました船でございます。すなわち、五十隻の船が対象になっておりまして、現在二十七隻が終わり、かつ、十四隻が検査の対象から外れておりますので、現在六隻残っておるわけです。これは早急に検査を実施するように指導しております。
○太田委員 それでは、課長、六百隻の中の百十九隻は一応検査が済んだものと認められる。四百八十隻は残っておるでしょう。その四百八十隻はどうするんですか。任せっきりですか。
○石井説明員 お答え申し上げます。
 四百八十隻につきましては、改測、トン数のはかり直しを行う船でございます。これは北海道庁を指導いたしまして、早急に改測するように指導いたしておりますが、現在の操業中の船が相当ございますので、その改測にかかります前の調査が少し時間がかかるということで、二月までに実施することになっております。改測、トン数のはかり直しでございます。
○太田委員 これは交通安全対策特別委員会にかつてお出しになりました御報告によりますと、日ソ漁業協定上規制されておるサケ・マス漁船のうち、トン数測度事務が都道府県知事に機関委任されている二十総トン未満のものは八百三十二隻、そのうちの大多数の船舶約六百隻の総トン数が実際にきわめて小さく算定されている事実が判明した。きわめて小さく算定されておるということになったら、この六百隻そのものにも相当厳重なチェックが必要ということに相なると思うのでありますが、あなたのお考えを聞いていると、何かその六百隻全部に対して重大なチェックを行わなくてもいいのだという感じを受けますが、それはいかがですか。
○石井説明員 六百隻につきまして、全然チェックしなくていいということではございません。トン数の適正化が終わりまして、そのトン数に合わせた検査というのが必要になります。二十トン以上になりますと船舶安全法の検査がございますし、検査のやり方が違ってくるわけです。
○太田委員 それではもうちょっと角度を変えてお尋ねしますが、どうもよくわからないのでありますけれども、都道府県知事に機関委任されておるその検査事務、これはその能力を当該機構は持っておるとお考えですか。
○石井説明員 測度をする能力は持っておると考えております。
○太田委員 私の聞きますところによると、どうも次から次へと異動発令がありまして、必ずしもその検査機構については安全な確認ができないのではないかといううわさがある。それで、運輸省船舶局においては、とにもかくにも過大に、十トンの船をつくったつもりなのが二十トンの船であったというような欲の深い漁船がたくさん出ていたが、安全上問題があるとすると、これを胴切りする、いろいろな改装工事をやる、そうすると今度ば安全性に影響してくる、だが、それが地方自治体に委任をされておる関係で、それは地方自治体のことだから地方自治体にお任せするよりしようがないというようなたてまえで、十分なチェックができるかどうかは心もとないけれども、いまのところ仕方がないのではないかという意見があるように聞いておりますが、それはいかがですか。
○石井説明員 測度事務を機関委任いたしております都道府県に対しましては、従来も会議等を通じまして指導はいたしておりますけれども、今後さらに一層密に指導を続けて、悪いところについては改善をさしてまいりたいと考えております。
○太田委員 あなたとやっていても仕方がないような気がするから、後でまた政府委員の方から、その機関委任事務の遂行について間違いないチェックは行われておるし、その機構は動いておる、心配がないということが表明されるならば安心をいたしますので、機会を得てその表明をいただきたいと思います。
 さらに船のことについてもう一点だけお尋ねしておきます。時間がありませんから、これは簡単にお答えいただいても結構でありますが、最近流行になっております強化プラスチック船でございますが、強化プラスチック船の安全基準については船舶局は自信を持っていらっしゃいますか。
○石井説明員 FRP船、強化プラスチック船でございますが、これは十数年前に出現いたしました。運輸省はこれらの動向に対応いたしまして昭和四十三年にFRP船基準を策定いたしまして、その後FRP船の大型化に伴い、四十六年、四十七年、五十年と改正を重ねてまいりました。近年さらにFRP船が大型化してきたこと、それから昭和五十年ごろに一部の船舶の船首船底部に剥離現象が発生しまじたことから、前に述べました基準の全面的な見直しを行いまして、昭和五十二年三月に新しいFRP船基準を作成したところでございます。現在、FRP船の大型のものは長さが二十五メートルグラスのものでありまして、一部には二十八メートルぐらいのものも出現しております。これらのものに対しましても新しい基準により十分安全性を確保できるものと考えております。
○太田委員 その新しい基準というのは、五十二年三月十二日の舶査百二十三号の通達のことでございますか。
○石井説明員 五十二年三月十二日付の舶査百二十三号の通達でございます。
○太田委員 私はそれにいささか不安があるのでありますが、暫定基準からまだ脱しておらないのではないかという心配がありますが、そのお尋ねはまた後日に譲ります。
 その後、ひとつ道交法についてお尋ねをいたしますが、これは警察庁でございます。
 この間、道交法の改正がありまして十二月一日から実施されますが、これは近来の自動車の保有台数の依然とした増加、とどまることのない増加に伴って、国民皆免許時代が近づいてきておるわけであります。そういう前提の上に立って運転者の社会的な責任の自覚、それから交通事故の防止を目指した改正だと受け取っておったわけです。そこで、十二月一日から実施される制度の中で、先ほど左藤委員から少しお尋ねがありましたが、行政処分の厳格化というのがあるわけです。違反点数の引き上げ、行政処分の強化が一段と強烈になっておるようにうかがわれるのです。その中で酒酔い運転というのが十五点で、一回違反すれば免許取り消しになるということになりました。酒気帯びの方は現状のまま。酒気帯び、酒酔いと言ってみたところで、専門用語の使い分けでありますから、国民にはちょっとわからぬ点がある。
 そこで、きょうはその点について突っ込んだお尋ねをいたしますが、先ほどは酒飲み運転という御表現がありました。酒飲み運転と酒酔い運転と酒気帯び運転と、三色あるのでございますか。杉原局長はどう受け取っていらっしゃいますか。
○杉原政府委員 お答えをいたします。
 道交法の上では、酒を飲んで運転をしてはいかぬという一般的な義務がございます。そこで、そういう義務の中で、処罰をされ、行政処分を受ける範疇のものは、一つは酒気帯びという範疇のもの、それからもう一つは酔っぱらい運転という範疇のものとがございます。特にこの罰則あるいは行政処分の対象になりますのは、酒気帯びといわゆる酒酔い運転、酔っての運転ということでございます。御指摘のように非常にわかりづらい面がございますが、これは酒というものの影響についてかなり個人差がございますために、なかなか数字できちっと出てこないというところが一つあるわけでございます。
 まず酒酔い運転、俗に酔っぱらい運転と言っておりますが、この判断基準は、アルコールの身体保有量の多少にかかわらず、アルコールの影響により正常な運転をすることができない状態にあるものを言うのでございます。状態で見るわけです。それから酒気帯び運転の場合の判断基準は、アルコールの身体保有量が一定以上あるか否かということにあるわけでございます。
 したがいまして、酔っぱらい運転であるかどうかの立証というのは、酒気を帯びているということがまず基本的に前提にあるわけでございますが、それ以外に、その人の動作とか、挙動とか、言動とか、身ぶり等から感覚機能、運動機能、判断能力、そういうものを判断することによって個々に行うものでございます。それで、酒気帯びの方の立証というのは、その人の呼気を通常は風船に吹き込ませることによりまして採取いたしまして、飲酒検知器で呼気一リットルにつき〇・二五ミリグラム以上あるかどうか、〇・二五ミリグラム以上ある場合を酒気帯び、こう言っておるわけでございます。
 このようなことから、体質的に酒に弱い人などにつきましては、アルコールの身体保有量が酒気帯びの程度に達していなくても酒酔いと認定されることがあり得るし、その逆に、通常の人なら酒酔いになる程度の量の飲酒をしておっても酒酔いにならない場合がございます。そういう個人差というふうな問題を加味して措置をするということでございます。
○太田委員 そうすると、酒酔い運転と酒気帯び運転の区別というのは画一的には決まらぬというわけですね。〇・二五ミリグラム以上のアルコール分を含有しておる場合は、これは風船によって調べて、それは全部酒気帯びとはするが、酒酔い運転とするのには個人的な態様を見なければならぬ、こういうことですね。そうすると、個人差を加味されるということですから、この中にも、酒に強い人は酔っても大丈夫運転できる人はあると私は思うし、酔っておってその方が上手にやれる人もおる。強い人はどういうことになりますか。びくともしない、顔の色にも出ない、動作にも出ない、足取りにも出ない、運転の技術にあらわれない人でも〇・二五ミリグラム以上の含有が検出されたならば、これは運転しては困るということだけでとどまりますか。
○杉原政府委員 酒気帯び運転の対象になるわけでございます。
○太田委員 局長、一升飲んでも酒気帯び、それから小さなコップにブドウ酒一杯飲んでも酔っぱらい運転となる場合があると考えてよろしいのですか。
○杉原政府委員 理論的にあり得るのでございます。これは現場で起こりました危険性、その人が運転することの他に与える危険性、正常な運転ができるかどうかという、そういう判断でやっておりますので、個々人の飲んだ量がストレートに酔っぱらいになるかならぬかということに結びつかないというところでございます。
○太田委員 したがって、免許取り消しの十五点の対象になるドライバーというのは、外形で見れば自動車がふらふら走ってくるとか、どうも変だという、それがなければいけませんね。警察官によってはそれが的確に判断できるでしょうか。
○杉原政府委員 お答えをしたします。
 通常の場合には、先ほど御指摘のありましたように、検問時等でやっていきますとジグザグ運転でやってくる、それから免許証ということでやりますと、外へ出て立ってもらいますと真っすぐ立っておれない。それから、個人個人にそういうあれがあっては困りますので、私ども酔っぱらいの鑑識カードというのを全国で統一をいたしております。それで、この鑑識カードにはいろいろな質問項目がございまして、名前から生年月日、住所と、いろいろ聞きます。それから見分状況ということで言語状況、歩行能力、それから立っておることができるかどうかというふうないろいろな項目がございまして、その項目で酔っぱらいに相当するというふうなケースにつきまして酔っぱらいとしての判断をする。たとえば、その中で一つ申し上げますと、十メートルの白線を引きまして、それを真っすぐに歩いてもらうわけです。酔っぱらっておられますと真っすぐに歩けません。ずっと斜めに歩いてしまう。個別にそういう検査項目がずっとございまして、住所を聞いても、おれはアメリカだなんというような、個々具体的にはそういうことがある。それで、大体酔っぱらい運転というのはその場でお帰しできないわけです。大体皆警察署に行ってもらう。そこで酔いをさましてもらわないと、危なくてそのまま運転さすことができない。そういう人を酔っぱらい運転として処理をしていくということでございます。
○太田委員 だから現場の交通警察官が酒酔い運転を検挙し、それを認定し、免許証の取り消しというところまで持っていくための前提条件である各種の状態というのは、全国統一カードによる質問点によってある程度調べることと、もう一つは、実際上ジグザグ運転をしておる、それから外へ出て立っておれない、あるいは真っすぐ歩かせたら歩けなかったという現実が必ず要るわけですね。
○杉原政府委員 そういう要素が全部必要でございます。
○太田委員 そこで、最近の雑誌等によりますと、酒酔い運転というものの事案は対前年度に比して非常に減っておるように統計上出ていますね。無免許運転とかスピードオーバー運転の方はたくさんふえておりますが、酒酔い運転は減っておる。これはそのとおりですか。
○杉原政府委員 これは毎年少しずつ減っておりますが、やはり酒の問題というのは、これだけ世の中が車社会の中で、酒を飲んで運転しちゃいかぬということがだんだん周知徹底されてきているという一つのあらわれではないだろうかというふうには考えております。ただ、これは私どもがその取り扱いでやるというだけですから、違反数はまだかなりあると思いますけれども、取り扱いの面から見ますとそういうことでございます。
○太田委員 そこで、酒気帯び運転と酒酔い運転との区別の問題になりますが、確かに酒気帯びであることには間違いないが酒酔いとは言いがたいというものについて、現場警察官の判断はどちらへ入れるのですか。四捨五入ですか、二捨三入ですか。
○広谷説明員 画一的にどちらに入れるというわけにはいかないかと思いますけれども、原則論といたしましては被疑者に有利にという扱いになろうかと思います。
○太田委員 運転者の自覚を高めたいというモラル論というのが道交法の改正の中に非常に強く言われまして、新しいあなたの局長の時代というものは恩威並び行われるというような形で、やさしい点もある、やさしい点もあるが厳しい点も出てきて、今度道交法の改正に実際になるわけです。それでいまの酒酔いと酒気帯びの区別というのは現場で必ず問題になる。ともすればいまの取り締まりはやさしいところから点数を上げてノルマを達成しようとする動きがありますから、そういう点について私は十分やってほしいと思うのです。十分あなたの方で指導をされることが望ましい。それはなぜかというと、「改正道交法の早わかり」などにもその点は明らかに書いてない。みんな書いてない。私はそういう点を心配をいたすわけです。時間がなくなりましたから、指導に重点を置き、つまらぬ枝葉末節の取り締まりなどに重点を置かないようにくれぐれも留意してほしいことを要望しておきます。最後に簡単にお答えいただきたい。
 最後に、そのことではなしに、ついでに聞いておきたいことが幾つかあるけれども、一つだけ聞いておきます。
 いわゆる暴走族、共同危険行為の立証というのはむずかしいと盛んに言われておりますが、立証がむずかしいかどうかということについてあなたの方は、いやいや大丈夫、こういう基準があるよ、心配ないんだ、誤解のない具体的内容があるよ、基準があるよということはおっしゃることができますか。
○杉原政府委員 まず、最後の御質問から申し上げますが、私どもこれだけの基準があって、これで必ず適正にやれるというふうに考えております。
 それから、道交法の改正の運用の問題でございますが、過日私ども全国に通達を出しまして、その際、要するに交通警察の運営というものは国民の支持と共感に支えられなかりたらできない。したがってその指導、取り締まりというものは重大事故に直結する悪質危険なものに重点をしぼってやるべきだというふうに考えて指導いたすつもりでおります。
○太田委員 終わります。
○佐藤(守)委員長代理 井上泉君。
○井上(泉)委員 私は自分の予定した質問の前に、大型自動車の死角の問題で、新車についてはそれに対応する措置を講ずる、それから既存の車についてはどうするかということを検討する、こういう話を聞いたのですけれども、その検討ということは、役所の検討は非常に長くなるので、少なくとも二年なり三年なりの間に既存の大型自動車に対しては新車と同じような装置をするとかというようなことを決める意思はないのかどうか、その点をまず……。
○小林(育)政府委員 お答え申し上げます。
 この前発表いたしました緊急対策はあくまでも緊急でございまして、いま走っておる五十万台の車をどうするかという問題が一つあるわけでございますけれども、私どもはこれを新型車同様に規制をしていくという前提のもとにいま調査を進めております。と申しますのは、いま走っている五十万台の車は相当古いものがございます。新しい装置がつくかつかないか、あるいは強度の問題あるいは部品の供給の問題、そういう問題がありますので、早急に検討を終えまして、所要の措置をとりたいと思っております。
 新型の自動車につきましては、これはメーカーサイドで行政指導という形で直ちに実施できますけれども、既存の自動車につきましては、やはり法令の改正をいたしませんと強制的にやるというわけにまいりませんので、その検討が済み次第、法令の検討をして既存の自動車にも適用したい、そういうふうに考えておるわけでございます。
○井上(泉)委員 善良な市民が毎日そういう危険な車の横行する中で生命の危険にさらされておるわけですから、これをそのままマンマンデーにやられるということは、今日までこの問題について放置してきたことも行政の責任だと私は思うのですが、少なくとも通常国会にはこれに対する法案を準備できるかどうか、その点簡単にお答え願いたい。
○小林(育)政府委員 具体的に申し上げますと、これを規制するというのは、道路運送車両法に基づきます道路運送車両の保安基準という省令がございますが、これを改正するということでございます。したがいまして、いま先生御指摘のように法案を準備するということではございませんで、検討が済み次第やりたいと思っております。いま検討の最中でございますので、いつ終わるかということははっきり申し上げられません。通常国会までというお話でございますけれども、通常国会の召集までに間に合うかどうかわかりませんが、少なくとも年を越した段階ではそういう措置がとれるのではないか、そのように考えております。
○井上(泉)委員 ぜひひとつ迅速に対応して善良な市民が絶えず危険にさらされないようにお願いしたいと思うのです。大体役所はいろいろ決めてもなかなかそれができないのが通例ですが、自賠責保険の限度額を引き上げてからもう四ヵ月を経過したのですが、支払い基準が改定されていない。そしてまた支払い基準の改定なくしては二千万円体制ができたということは言えぬじゃないか、こういうように思うのですが、一体この基準改正がなぜおくれておるのか。大蔵省あるいは損保業界との調整も難航しておるとかいうことも聞くわけですが、一体なぜおくれておるのか、その点、ひとつ大蔵省の方から御答弁願いたいと思います。
○貝塚説明員 自賠責の支払い基準の問題は運輸省の方の問題でございまして、われわれは運輸省から協議を受けて目下協議を開始しております。損保業界の方にも至急検討するように相当前から指示しておる段階でございます。
○井上(泉)委員 それで、私は後遺症の等級の不公平の是正も指摘してまいったわけですけれども、まだ運輸省はそれについて検討していない。これは職業、年齢を加味した等級の改定も検討すべきであると思うわけでありますし、いまの保険部長の話による支払い基準の改定についても、運輸省が、こうしたことでこうしたいからこうだ、というふうに積極的に乗り出さないと、大蔵省にしても、運輸省から出てきたものを受けるというかっこうになっておるということになると、運輸省、もっと気張らぬとだめじゃないですか。
○三塚政府委員 これはいま保険部長言われましたとおりでありますが、これは運輸省側と改定基準についていま協議を進めておりまして、できるだけ早く結論を出し、決定してまいりたい、こういうことで、こちらの方は一生懸命やっておるわけです。
○井上(泉)委員 一生懸命やっていないとは言わないけれども、これが四カ月経過しておくれておること、まだできてないということは一生懸命やっておるという証拠にはならないでしょう。そういう点で私は、ひとつこれを早急に検討して、またそれに要する資料というものも提供してもらいたいと思うのです。
 それから、自賠責の限度の引き上げに伴う任意保険の制度改定を近く行うということを聞くわけです。私もいままでの委員会でも、保険金の不正請求だとかあるいは損害査定の体制の不備あるいは修理工場の修理費の水増し防止等についての抜本的な改善策を求めてきたが、今回の制度改正の中でそのことは検討されておるのかどうか、その点について、これは運輸省だと思うわけですが、どうですか。
○貝塚説明員 任意保険の料率でございますとか、それから制度改正は目下手続を進めております。先生御指摘のように、この委員会でも前から保険金の不正請求の防止策その他問題が出ておりますので、随時お答えいたします。
 まず約款、いま認可の手続中でございますが、契約者と保険者の間の約款の問題といたしましては、事故通知を迅速に出しなさいということを約款上義務づけております。
 第二点は、警察庁の御協力を得まして交通事故証明を、いままで対人賠償だけでございましたが、これを車対車についても原則として保険会社に提出していただく、そういうことによって悪質な不正請求者を防止しようと考えております。
 それから、修理工場などで勝手に修理されて困りますので、これも必ず保険会社に事前に通知していただくということを義務づけたい。
 それから搭乗者傷害、乗っている人が傷害を起こしますと、いままで保険金額の、たとえば千分の一・五でありますとか、千分の一でございますとかそれぞれ対応を決めておりましたが、保険金額を高額にいたしますと、おのずからそういった入院給付金額とか、通院の金額がふえますので、今度は入院は一万五千円、通院は一万円というふうに金額で限度を設けたいと思っております。
 それから、いままでは保険会社の方から契約は解除できない、これは対人賠償については当然契約保護のためにできませんが、非常に悪質なもの、たとえば酒飲み運転の常習者については、やはり保険会社の方からも契約を解除するようにしないと善良な契約者に御迷惑がかかるのではないかというふうなことで、約款上決めております。約款以外に、われわれは損保協会を指導いたしまして、いま先生のおっしゃったような不正請求者それから示談屋というものの情報をとにかく交換するようなセンターを設けなければいけないということで、これは十月の初めに通知を出しまして、目下情報センターの準備をしております。
 それから、各地方委員会というものがございまして、協会の地方の分室というようなかっこうでございますが、そこに環境整備委員会というものをつくらせまして、地元の警察の方と十分に打ち合わせるように指導いたしております。
 それから第二番目、査定の問題もよく御指摘を受けましたので、実は査定は非常に技術的な問題がありますので、これにつきましては適正修理費の算定のための知識の研修をことしの夏から非常に強く言いまして、いまでは修理工場に負けないような相当な知識を持つ職員も大分ふえております。
 それから最後に、修理工場が修繕費を水増しするのじゃないかという御指摘がございましたが、いまの第二点の査定能力の向上にも関係いたしますけれども、たとえば特定の整備工場については必ず立ち会いに行きなさい。それから、算定の中に免責金額が混入しないように免責金額を少し上げましたし、標準部品価格表を必ず備えつけてそれでやるとか、標準作業表を設けまして工賃についても水増しを防ぐとか、いろいろな手を打って、かねて先生御指摘の問題につきましては、制度としては手を打ったつもりでございます。あとはこれをいかに強力に実行するかという点にかかっているかと思います。
 以上でございます。
○井上(泉)委員 損保業界のディーラーに対する過剰サービス、特に低金利で融資しておるとかいうような問題で各社を調査したことを聞くのですが、その実態はどういうようなものであったのか。そしてまた、この過剰サービスがひいては募集秩序の混乱の原因となっているのが現状であるし、これに対する大蔵の指導というものは十分なされねばならないと思うわけですが、この点はどういうふうに指導なさっているのですか。
○貝塚説明員 先生御指摘のとおりでありまして、損保がディーラーに過剰サービスをいたしますことは、結局募集秩序を乱し自殺行為になるということでございまして、損保の方も大分危機感を持ってまいりまして、ことしの三月に、各社別に自粛案をつくりましてわれわれに提出してまいりました。私どもといたしましては、その自粛案をもらっただけではいけないということで、ことしの四月から毎四半期ごとに改善状況をわれわれに出させております。一番最近のものは六月末の状況でございますが、これを見ますと、項目別に申し上げますと、金利につきましては相当是正されております。恥ずかしい話でございますが、以前は大分低い金利のものもございましたけれども相当是正されております。
 それから、長期と短期の比率と申しますか、本来ならばディーラー融資というのは長期でやらなければいかぬのに短期の金利でぐるぐる回すような形態もありましたが、これにつきましてはまだ改善が必ずしも十分とは言えませんが、今後、いま申しましたように三ヵ月ごとに状況調査をすることによりまして、われわれはこういうものを十分監視していきたい。
    〔佐藤(守)委員長代理退席、委員長着席〕
 それから、これは営業の問題と財務の問題と両方に絡まりますので、もっと大きい段階で、理事会でございますとか両方の委員会を集めまして、担当者が随時これについて指導、監督を行っている状況でございます。
○井上(泉)委員 それで、自賠責の関係で、特に濃厚な、いわゆる過剰診療ということが絶えず言われるわけですが、これは被害者にとってみれば、丁寧に診察を受けることはいいですけれども、実際は丁寧にせずに、請求だけが丁寧に、莫大な金額で請求する、そういう過剰診療があるということは前の当委員会でも、大蔵、運輸、厚生各省、この点についてはお認めになって、これは何とかしなければならぬということで検討することになっておったのですが、大蔵、運輸、厚生それぞれの省で、過剰診療に対する調査なり対策なりは講じられておるのかどうか、その状況についての御報告を承りたいと思います。
○貝塚説明員 この問題は、まさしくことしの五月に先生から御指摘を受けまして、厚生、運輸、大蔵の三省で協議会を開きたいとお約束申し上げたのは私でございますが、それ以来大きな会議は三回やりましたが、随時事務当局の間でいろいろ問題点の検討を行ってきました。
 結局、どういうところに問題があるかということで、まず実態を見ようじゃないかということで、一点単価の適用状況を自動車保険料率算定会の方から資料提出を求めまして、検討を加えました。それから、交通救急医療についていろいろ裁判例があるわけでございますが、それを全国の地裁、高裁くまなく調べてもらいまして、その実例を検討いたしました。
 その結果、いわゆる過剰であるか濃厚であるかということは、結局、個別の診療の内容にかかわるものでございますので、どうしても――先ほど申しました算定会の報告ももっぱら一点単価の適用状況ということについて行われることになりましたが、五十一年度についての実績の報告を受けましたが、一点単価の適用は大体二十円程度のものが九割くらいあるという報告を受けております。点数制のものと料金制のものを含めましても、その調査によりますと、一番高いものでも健保単価の四・二倍くらいだという報告を受けております。
 それから、第二の自賠責の独自の診療基準でございますとか、診療報酬体系を作成することはどうかということにつきましても、裁判例でございますとかいろいろな意見――と申しますのは、われわれだけが意見を言ってもしようがないということで、ある第三者の意見を求めました。そうして現在の段階で申しますと、社会保険が国民の間に定着しているときに、社会保険と全然別個な診療体系をつくるというのは大変むずかしい、あるいは若干現実的でないではないかという意見を相当述べられた方もございます。これにつきましては、もう少しいろいろな方の意見を聞きながら、果たして独自の診療報酬体系がむずかしいかどうかということを検討していきたいと思っております。
 それで、二十円といいますか、健保単価の二倍を超えるもの、数においては、われわれ調査して、もっと多いと思ったのでございますが、わりあいに少なかったわけでございますが、これをもう少し突っ込んでみますと、地区で相当差がある。具体的な地区の名前は申し上げませんが、数地区でそういう問題がありますので、今後ともわれわれは損保協会を指導いたしまして、各地区ごとに医師会と十分に話し合って、特にひどいものには是正を促す方向でやってまいりたい、こういうふうに思っておる段階でございます。
○井上(泉)委員 厚生省、運輸省はいま保険部長の答弁されたようなことで取り組んでおるでしょうか。大蔵省が幾らやいやい言っても厚生省は医師会のごきげんを聞いてやるというようなことで、本当に生きた行政の筋を通してやっておるかどうか、厚生省、運輸省、それぞれ見解を承りたいと思います。
○内藤説明員 前国会の先生の御指摘、御意見を踏まえまして、大蔵省、運輸省と共同いたしまして、厚生省も三省の検討会、協議会にただいままで積極的に参加をいたしまして、ただいま保険部長から御説明がございましたような線に沿いまして検討を二、三回いたしております。また今後とも三省協議会を通じまして検討に参加をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○永光説明員 お答えいたします。
 協議会に私もメンバーで出ておりまして、運輸省としましては再保険者としまして医療費の適正な支払いというものについては非常に重大な関心がございますので、三省ともども前向きに検討いたしたい、こう思っております。
○井上(泉)委員 それぞれ努力をされておるというわけですが、いまの政務次官でないですけれども、一生懸命やっておると言っても四ヵ月もかかっているわけですから、一つの目標、めどというものを持ってやってもらわぬと、一生懸命やっていますやっていますと言って一年も二年もたっては一生懸命やっている証拠が出てこないのですが、一体めどをいつごろにしているのか、これは取りまとめている保険部長の方からお願いしたいと思います。
○貝塚説明員 大変実はお答えしにくい問題でございまして、制度の面と実施の面がございます。実施の面は、これはお言葉を返すようでございますけれども、期限を決めずに不断に努力していかなければならない問題だと思います。それから制度の方でございまして、診療単価につきましての意見はなかなか第三者の意見が出ませんで、何とかわれわれは半年以内に診療単価につきまして公正な意見を求めるよう、そういった適任者を探し、そうした人にお願いして、こういう問題の方向づけを得たい、こういうふうに考えております。
○井上(泉)委員 時間がないので大変はしょっての質問になるわけですが、七十七国会で、ダンプカーによる交通事故防止対策の総合的推進を趣旨とする決議を行い、あるいはまた先般来当委員会で問題になった死角の問題等についても、太田委員の方からは、運転台を低くするようなことを考えたらどうかというような貴重な提言もされたわけですけれども、運輸省の方ではそういう委員会の意見とかいうものを行政の中で取り入れる気があるのかどうか非常に疑問に思うほど全く取り上げないのであります。
    〔委員長退席、新井委員長代理着席〕
そのことは、一つは、ダンプカー規制法によっても、砂利トラに対してはこれを協業化してやれとかいろいろなことがなされておるわけですけれども、実際一台一台持っておるものが協業化されてやっておるのが全体のどれくらいになっておるといま運輸省は掌握しておるんですか。
○角田説明員 お答えいたします。
 一人一車のダンプカーの協業化の問題でございますが、これはいわゆるダンプ規制法ができましたときからの一つの大きな課題でございまして、私どもといたしましては協業化についていままで努力をしてまいったわけでございますが、残念ながらいままで協業化した一人一車のダンプに免許を与えた例というのは余り多くございません。これはいろいろな種類の協業化の方法があると思います。たとえば中小企業の企業組合を組織してやる場合、それから協業組合を組織して免許をとってやる場合、それからさらに別の類型としては協同組合方式でやる場合、こういうのがあるわけでございますが、企業組合、協業組合を組織いたしまして新たに免許を取って協業化したという例は四十六年から現在までのところ七組合、それからすでに運送の免許をもらっておる事業者がさらに協業化して規模を大きくしていこうというようなことで協同組合をつくった例が六組合ございます。
 こういうふうに、数がまだふえてまいりませんので、私どもといたしましてはダンプカーの協業化につきましてさらに一層研究、努力を加えていきたい、かように思っております。
○井上(泉)委員 これも私は運輸省の行政事務の大変怠慢な証拠だと思うわけです。多くはないと言うが、ほとんどないと言っても過言でないほどです。多くはないということは少々あるということですけれども、少々どころじゃない。たった七つしかない。あるいは一人一人のものを協業化したのは皆無だと私は思うわけです。そういう点について、私の皆無だという指摘が誤りとするならば、どことどことでは一人一車のものをこういうふうに協業化しております。こういう資料をひとつ提出してもらいたいと思います。
 それから過積みの問題でありますが、これは非常に重要な問題として当委員会でもたびたび指摘したことですが、過積みの場合の制動効果と標準荷重の場合、こういうふうなものについても、いままで自動車が八トン積みだ、八トン積みであるということにはなっておるけれどもこれは十トン積んでも十五トン積んでも大丈夫でありますよという形でトラックは売られてきたわけです。最近はそういうことを言う者はないわけですけれども。それで八トン車に十トン積んだ場合には、ブレーキをかけた場合に四十キロ速度で走っておる場合にとまる場合がどれくらいであって、標準の、決められた重量で行っておる場合にはどれくらいでとまるのか、そういう研究もなされておると思うわけですが、運輸省の方でそういう制限重量と制御装置との関係について御説明願いたいと思います。
○小林(育)政府委員 お答え申し上げます。
 車の大きさと積載量あるいはスピードの関係でございますので、いろいろございますけれども、一応仮定をいたしまして一例としてお話を申し上げますと、制動距離は車両総重量に比例して長くなるわけでございまして、たとえば最大積載量が十トンクラスの車両で定積載十トンを積んだ場合の制動距離というのは、普通の乾燥した舗装の面におきましては初速が五十キロの場合には約十八メートルということでございます。これが五割増しの十五トンを積んだ場合には約二十三メートルということで、制動距離が二八%ばかり増加いたします。それから二十トン、倍積んだ場合にはどうなるかといいますと、約二十七メートルということで五〇%増加する。さらに三倍の三十トンを積んだらどうなるかということになりますと、約三十六メートルということで制動距離が倍になる、そういう結果になります。
○井上(泉)委員 過積載というものが交通事故につながる非常に重要な事項であるということは、いま運輸省の説明でも明らかです。そこで、砂利一トンの運送単価というのは運輸省の定めた標準運賃で、こうした単価というものを定めてないというのを往々にして砂利の業者から聞くわけですが、そういう点は建設省としてはあるのかないのか、その点承っておきたいと思います。
○萩原説明員 お答えいたします。
 ただいま先生の御指摘になりましたダンプトラックの運搬にかかわる発注価格をどういうふうに考えているかということでございますけれども、二つ分けて考えております。
 現在、砂利、砂、あるいはアスファルト合材、あるいは生コンクリートというようなものは現場着の値段で市中価格が大体決まっておるというふうになっております。そのようなものにつきましては、建設工事資材にかかわる調査機関として、公益法人の建設物価調査会等が発行いたします建設物価資料がございます。その資料の数値に基づきまして、資材別、地域別、規格別に決める、こういう原則をとらしていただいておるわけでございます。
 それからもう一つ、多量にその地域だけに専用で土砂などを運搬するという場合には、そのトラックがどのような運転効率で運行するか、運搬するかということを積算いたしました積み上げ積算をいたしてございます。
 先生御指摘の、運輸省の陸運局でお決めになっている運賃を採用しないのかという御指摘でございますが、現状におきましては、そのような市中価格になっておりませんので、積算にそれを採用するということはできない状況になっております。
○井上(泉)委員 積算に採用しないと、それは過積みを奨励するようなものではないですか。現場着が幾らといっても、現場着の値段を算定するのに、現場までは何キロである、それから何トンのものを積んで来るからという積算の基礎がやはり出るでしょう。だからそれを運輸省の基準に従ってやはり積算単価というものを出してやらないと、一番問題なのは砂利トラの関係が問題なのだから、建設省がそれを奨励するような、黙認するようなやり方、そしてこの責任は業者に押しつける、あるいは業者よりも一番かわいそうな運転者が、点数を引かれるとかいろいろなことをやられるわけですから、その点についてはもう時間もないので、また後日、建設委員会なり何なりで質疑をしていきたいと思います。
 そこで、毎日毎日、悲惨な交通事故のニュースが聞かれないときはないわけですが、それがなぜ起こったのか、いままでこの委員会で蒸し返されたことが絶えず原因として出てきておるわけで、その死亡事故がやっと減少したかと思うとことしはふえてきておる。この辺で、いままでの交通安全対策特別委員会で安全対策として論議されたことを総ざらいして、本当に国民に安心のできる交通安全の方針というものを示すように、これはせっかく政務次官がおいでになっておるわけですが、役人に問えば大抵、一生懸命やっています。万全を期しております。慎重に検討しておりますという答えだけしかいつも返ってこない。私は何も役人がサボッておるとは言わないけれども、本当に一生懸命やっておったならば、この死角の問題なんかでもとうから解決しておる。とうから解決しておるのに、やらないから、今日まで来てあわてふためいて、これからの新車にはこういうことをしますというようなことでやっておるわけですから、そこら辺をもっと積極的に、この正規の場で交通安全対策というものを取り上げてやるようにされたらどうですか。政務次官の御見解を聞いて、私の質問を終わります。
○三塚政府委員 井上委員のおっしゃいますとおりでございまして、過積みの問題、これを適確にやるということになりますと、その体制が整備をされなければなりません。単価等においてただいま建設省の担当官のようなことでありますと、その分が過積みに転嫁をされていく、こういう悪循環があるわけでございまして、交特の場におきまして真剣に今日まで議論をされてきておるわけであります。その点を踏まえまして、縦割り行政という悪い面がありますが、これはきっちりとやはり総合行政の中で、特に交通安全は昨今の最大の政治課題であります。そういう点につきまして、井上先生御指摘のとおり、政治の場面において真剣にこの問題に取り組み、調整をし、結論が出ますように努力をしてまいるつもりであります。
○井上(泉)委員 終わります。
○新井委員長代理 次に、野坂浩賢君。
○野坂委員 いまも議論になりましたが、大型車の左折の際の死角問題、それによって悲劇が繰り返されております。
    〔新井委員長代理退席、太田委員長代理着席〕
 御案内のように、九月の二十七日に幼稚園へ子供を送るために母親が二人の子供を自転車に乗せて大型ダンプカーにひかれて親子三人が死亡しました。この交通事故を重視をした警察庁は、二十八日の朝至急電報なりで、自転車の安全運転指導を指示したわけでありますが、その後も十二日、十三日と相次いで事故が発生をした、こういう事実があります。この左折の死角問題については、この委員会で論議をされ始めてから二十三人目になります。きわめて重大であります。これに対して運輸省なり警察庁というものはどのような対策を立て、どのように進めておるか。たとえばサイドアンダーミラーの設置とか、車体中央部にも方向指示器を取りつけるとか、巻き込み防止のためのサイドガードを強化するとか、この辺でありますが、これで対策は十分なのか、その点をまず伺っておきたいと思います。
○小林(育)政府委員 先生御指摘の大型車の左側の死角の問題でございますけれども、私ども、緊急対策といたしまして、十一月から、町に出ます車についての対策をいま御指摘のような項目でやったわけでございます。この緊急対策だけで万全かと申しますと、この対策によって、従来死角でありましたところが相当改善されるということで、そういう意味におきましては非常に効果があろうと私は考えております。しかし、万全であるかという御指摘に対しましては、私は一〇〇%安全でありますということは申し上げられないと思うわけでございます。
 しからば、今後どうするかということでございますけれども、あの対策の中にも書いておきましたように、今後新しい型の車両、運転台とかその他研究等もいたしまして、長期的にこの問題を検討し、結論が出たものから実施に移す、そういうことで対処するつもりでおります。
○杉原政府委員 大型車の左折の巻き込みについてでございますが、従来私どもが講じてまいりました措置といたしまして、一つは交通規制面で生活道路とか狭い道路に大型車の進入禁止あるいは狭い交差点での大型車の右左折禁止、こういう措置を講じてまいりました。それから運転者対策といたしまして、御案内のように全国のドライバーに教則というのが行き渡るようになっておりますが、これに左折の内輪差というものを具体的に絵入りで示しまして、こういうことになっているから特に内輪差の大きな大型車についてはこういう点を注意してもらいたい。それから同時に、そういう問題につきましては企業について安全運転管理者等を通じてこの問題を普及徹底をしていく。他方で被害者の方でございますが、歩行者、自転車につきましては、これはやはり教則等でも絵入りで示しまして、こういう内輪差があるから自転車等で直進するときには内輪差のあるということを気をつけて運転しなければいかぬというふうなことをやる。あるいは各府県で主要の団体あるいは学童等を集めまして内輪差の公開実験をやるというふうなことをやってまいりました。またそういうことはこれからも続けていかなければならないということであると思っております。
 同時に、これからの対策でございますが、今回道路交通法の改正を御案内のように前国会で提案をいたしました。そのときにああいう自転車等について自転車横断帯を設けたり、あるいは大型車の多い交差点等で交差点に入る手前で自転車を歩道の上に上げるというような措置を講じたわけでありますが、これはこの近年来続いてまいりました大型車の左折の事故を防止するために、道交法のルールの上で何とか解決することができないものかというふうな前提に立って、道交法の改正をお願いしたわけでございますが、この道交法の今回の改正は十二月一日からでございますので、大型車の左折巻き込みの事故防止の観点からこれの周知徹底を大いに図っていきたいというふうに考えております。
○野坂委員 わかりました。この事故は最近は自転車がダンプカーにひかれるという悲惨な状況ですが、自転車は国民の声といいますか、安全であるし公害はないし、そういう意味で奨励をされておりますけれども、車道の上での自転車というのは非常に弱者ですけれども、今度歩道に上がってまいりますと強者に変わるわけでありますから、そういう点についても十分配慮をして取り締まりを今後一層強化をしてもらって、緊急指令を出すと二、三日すれば事故が出るというようなことのないように、二、三日ではなく二週間ぐらいたっておりますが、それでも徹底したころに事故が起きるということではよくないわけでありますから、措置をしていただきたいと思うのです。運輸省の方はこの取り締まりに対して事故の防止といいますか予防対策としてやられるわけでありますが、万全ではないけれども次善のものはどんどん採用して万全を期していきたい、こういう御答弁でそのとおりだと思うのです。
 いま申し上げましたこういうサイドアンダーミラー初めこれらのものを取りつけるということになりますと、どのくらいな金額になるのですか。
○小林(育)政府委員 新車につけます場合の価格については私どもまだ推定をいたしておりませんけれども、いま走っております車に同じようなものをつけるということになりますと、整備工場における工賃も含めまして一台大体九万から十万程度かかるのではないか、そのように考えております。
○野坂委員 わかりました。
 次は、いま議論になっておりますトラックの過積み、過労運転に関係をして質疑をいたしますが、過積載というものはこの委員会で何回となく議論されております。その都度対処すると言っておりますが、昭和四十六年五月にこの問題が取り上げられまして、何とかしなければということから過積載防止装置研究委員会というものが発足をしておりますね。これはどういう権限とどういう使命を持って発足したものですか。
○小林(育)政府委員 この衆議院の交通安全特別委員会におきまして昭和四十六年五月に決議がございまして、すべての大型自動車に積載重量の自重計の取りつけを検討しろというお話がございまして、それのいかなる自重計をどのようにつけたら最も効果があるかということについてできた委員会でございます。
○野坂委員 自重計の研究をするわけですけれども、政府はどのような、たとえば諮問をするとかあるいは自発的なものなのか、その結論が出ればどうするのか、そういう点についてはどのような性格を持っておるわけですか。
○小林(育)政府委員 この委員会は私どもの提唱によってつくられました委員会でございます。構成メンバーにも私どもの省庁ほか関係省庁も入っておりますし、ここで出ました結論は私ども政策の上に反映させていただく、そういうことでできました委員会でございますので、ここでの結論が出ましたものにつきましては先ほど申し上げましたように順次私どもの行政の施策の中に取り入れていくということでございます。
○野坂委員 昭和四十六年七月三十日の第一回のこの研究委員会、これであなたの方の代表は、次期国会では行政指導で行うかまたは法改正で実施するか、この程度の検討は必要であると考えておる、こういうような発言をしておりますね。だからこの研究委員会で早急にこの自重計という問題の結論を出すようにということを前段は述べておりますね。
 そうしますと、この研究委員会は発足をして今日まで約八年間に近いわけです。いまの左折のときの死角の問題にしてもそう長い年月はかかっているわけじゃない、一年ぐらいですね。日本のような技術水準の高いところで過積載が事故につながる、こういう認識の上に立ちながら約八年間も結論が出ないというのはどういうわけですか。われわれは素人でわかりませんが、そんなにむずかしいのか。完璧なものでなくても次善のものは採用していくのだという運輸省の方針が先ほど述べられたわけですが、全然進まないというのは一体どういうわけですか。
○小林(育)政府委員 いま先生御指摘のように第一回の委員会が昭和四十六年の七月に発足をいたしまして、それから約三年半でございますか、五十年三月二十六日の九回の委員会までの間には各種の自重計の検討がされておるわけであります。そしてたとえて申し上げますれば、いまダンプに使用している油圧式の自重計あるいは板バネを利用する自重計あるいはストレーンゲージを使う自重計等々ございます。それの各種の性能なり実際上車につけた場合の難易度あるいは耐久性の問題等について検討を行いました。この結果、五十年三月二十六日に至りまして板バネの自重計では非常に精度が悪い、今後はひずみ計を使った自重計をもっぱらこの目的に開発研究をするということになりまして、五十年三月二十六日の九回の委員会から五十二年三月十六日の十二回の委員会までこのひずみ計についての検討が行われたわけでございます。そして五十二年三月十六日はこれについての報告書が提出されたわけでございます。そしてこの結果、そのひずみ計式の自重計については二十%程度の誤差があるけれども、使い方によっては実用化できるのではなかろうか。ただ、問題になりますのは、このひずみ計の場合には、ゼロ点と申しますか、ひずみのゼロを常に調整しなければならない。それでそのゼロの調整に非常に時間がかかるというような問題点がございまして、その後五十三年四月にゼロ調整が非常に簡単な、自動的にできるようなひずみ計が開発されまして、そしてそういうものについて検討を行って、ただいま十月中にこのひずみ計を入手いたしまして、十二月までに四社それぞれ十台ずつ四十台の車について実施試験をするということで、大体六カ月または一万キロ以上の走行を行いまして、その結果の検討をして、さらに改善すべきものがあれば改善して、一日も早く実施の段階に移ろう、そういうことになっておるわけでございます。
○野坂委員 過積載防止装置については、いまお話がありましたように、シャシーのバネのたわみ、あるいはいまお話があったひずみといいますか、ストレーンゲージ方式あるいは空気圧を利用する方法なりタイヤの空気圧を利用する方法、七項目ぐらいやって、これは四十六年の段階ですよ、そしてしぼったのでしょう、バネのたわみとストレーンゲージ方式と。そして大体方向が出たのじゃないですか。そしていつでも問題になると委員会で幹事会を設置して幹事会ということになりますけれども、ことしの四月には結論が出て、十万時間という研究も終わって、それでどうするかということが出たんじゃないですか。運輸省は出席をしておられるわけですから、そのときにどういう発言をされたか御存じですか。それは聞きませんけれども、非常に問題があるわけです。採用できるかどうかわからぬというのが官庁からの答弁ですよ。四社の皆さんも、これらのストレーンゲージ方式がいいじゃないか、こういう委員会の決定に基づいて運輸省はこれからどうするのです。これを採用するかどうか聞きたい。
○小林(育)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、ことしの十二月には各社総計で四十台の実車テストに入るわけでございまして、この結果が六ヵ月後に大体まとまるわけでございます。先ほど先生御指摘の十万時間というのは台上テストでございまして、町の中を実際につけて走るということではございません。それを実際に町の中を荷物を積んで走るという試験を十二月から六ヵ月かけてやる、そういうことになっておるわけでございまして、その結果、実用上問題がないということになりますれば、これを取りつけていく、そういうことになろうと思います。
○野坂委員 通産省の方おいでになっておりますか。――先ほどもお話がありましたように、ダンプカーの場合は法律ができておりますね。施行令も省令もできておる。それでも守らぬと警察庁は言っておりますね。これは計量法との関係は、過積載防止の自重計はどうなりますか。
○浜岡説明員 お答え申し上げます。
 計量法で定めております計量器には該当するわけでございます。ただ、御承知のとおり、計量法の中でさらに一段と厳しいコントロールをいたしております概念といたしまして、検定計量器という概念がございます。これは取引あるいは証明の用に供する計量器について規定をいたしておるわけでございます。
 この大型貨物車に取りつけます自重計が検定計量器であるかどうかという点につきましては、現在の既存のダンプについての法律あるいは現在予定されておりますいろいろなシステムの上で見ますと、車を運転しておられます方が、みずからのいわば一種の自主規制といたしまして、積んでおります荷物の実際の重さを自分の目で見るということでございますので、取引、証明の用に供するものとはちょっと言いにくいのではないかと思いますが、しかし計量法の計量器であることは初めに申し上げたとおりでございます。
○野坂委員 計量法の法律に準拠できる計量器であるということも明らかにされました。十二月不日から施行する道路交通法七十五条をごらんになりましても、いわゆる過積載をした場合は、管理者も今度は処罰を受けることになりますね、してはならぬという法律になっておるわけですから。そういうことを一方にやりながら、法律では厳しく、しかし運行管理者は知らない。現場では荷主は積めと言う。運転手はそれに困って対応しなければならぬ、そういう実態が出てくる。そのためには、自重計を十二月一日までにでもやらなければ、運行管理者はいつも警察を往復して怒られなければならぬというのがちまたの現状じゃないですか。だからそれまでにやらなければならぬ。八年間もかかっておるというこの現状から見て、いすゞなり日産ディーゼルなり三菱なり四社は十二月までやって、その結果計量器の誤差がプラスマイナス一五と二〇%ということになっておるわけですから、それも計量法の中で適用できるという判断を通産省はしておるわけですから、それだったら実施可能というかっこうに入ってくるわけですね。運輸省、そういうことですか。
○小林(育)政府委員 ただいま先生の言われました精度は現在のダンプにつきましてついております自重計の精度でございまして、実はダンプにつきましては精度が悪いということで、なかなかお使いいただけないという面もございます。したがいまして、私どももっと高い精度のものを何とか開発して、これを車両につけなければならないということでいままでやってきたわけでございます。したがいまして、いまようやく四十台の実用テストという、実施の一歩手前まで参っておりますので、いましばらく時間をかしていただいて、もう少し精度のよく、しかも耐久力のあるものを開発し、それをつけていく、そのように考えております。
○野坂委員 この自重計は日本が初めてじゃないですね。現実にスウェーデンとか英国ではつけて走っておるわけですから幾らでも参考にはできるわけです。ただ、業者の皆さんが喜ばぬという実態を踏まえてなかなか進まぬではないかというふうに勘ぐられるわけです。行政官庁としてはいわゆる命の方が大切なんですから、そのために思い切って進めてもらわなければならない、こういうふうに思うのです。そのとおりだと思うのですが、そのとおりかということが一つ。
 それから一万キロ走るというのは、十二月三十一日までには試験が終わるわけですね。そして、その結果よしということになれば、運輸省としては義務づけますか、任意としますか、見解をお聞きしたい。
○小林(育)政府委員 一番目の御質問でございますけれども、先ほど先生御指摘で、外国にもあるじゃないか、確かにございます。私どもの委員会といたしましても英国製のもの等も用いまして試験を実行したわけでございますけれども、現在までのところ残念ながら精度に問題がある。当然そういういいものがあれば取りつけるということは先生のいまおっしゃるとおりでございます。
 それから、二番目の十二月末までに終わるというお話でございますけれども、十二月末に終わるのではなくて、十月中に自重計を購入いたしまして、十二月までに車両にこれを取りつけるということでございまして、実車運行が始まるのが十二月ということでございます。そして先ほど申し上げましたように、それから六ヵ月または一万キロの耐久試験をやるということでございます。その結果、何ら実用上問題がないという結論が出ました暁には法令等の改正をいたしまして、これをつけるということにいたしたい、そのように考えておるわけでございます。
○野坂委員 三月十六日の委員会でこういうことを言っておりますね。「信頼できる自重計の開発を目指してきたが、これ以上の精度を期待するのは無理であろう。」こういう議論がされておりますね。だからこの程度の性能であったらやるんですね。
○小林(育)政府委員 先生もその報告書をごらんになったのでよくおわかりと思いますけれども、一番問題になりますのは、荷物を積載する場合に偏荷重と申しますか、一ヵ所に偏って、平均的に積まないという場合に一番誤差が出るわけでございます。そうしたことを除きますれば、精度は二〇%以上の精度、誤差が二〇%以下になるということは期待できるのではないかと思います。問題は使いやすさとか耐久性とかそういう問題が、実は実車試験をいたしておりませんので残っております。そういう点が問題なければ、現在程度の精度が維持されるということであれば採用していきたい、そのように考えておるところでございます。
○野坂委員 もう一つは費用の問題なんですけれども、先ほど左折のときのミラーその他の場合は十万円とおっしゃいましたね。それでも義務づけてやります。決意をしております。ここではいつも費用のことが問題になっておるようです。大体十万円程度でいきますね、新設すれば十万円ないし十五万円と書いてありますね。だから、その程度であればやるというふうに理解していいわけですね。
○小林(育)政府委員 新車につきましては、おっしゃるとおり十万ないし十五万でできるわけでございます。それで、既存のものについてどうするかということにつきましては、構造上非常にむずかしい問題がございます。これを設置する場合に、民間の工場でできるかどうかというような技術的な問題が残っております。したがいまして、その問題は新車規制をやって後に検討すべき問題と私ども考えておりますけれども、少なくとも新車につきましては十万、十五万でありましても私ども設置をしていきたい、そのように考えているわけでございます。
○野坂委員 時間が参りましたので質問を終わらなければなりませんが、最後に政務次官に御答弁をいただきたいと思います。
 それは、いまも論議をしておわかりいただいたと思うのでありますが、やはり物よりも人の命ということがわれわれ交通安全特別委員会の使命であります。また運輸省もそうであろうと考えております。事故を起こす原因である過積みというものについては、われわれはこの委員会においてなくしていくという方向で全力を挙げてまいったわけであります。そのためにこの装置研究委員会というものが発足をして八年、いまだに実用化できないことをきわめて遺憾に思っているわけですが、いま議論をお聞きいただきましたように、前向きに検討して、少なくともここ六ヵ月の間にはその結論が出、それ以前に一万キロメートル走れば結論が出る、こういう状況になっておるわけであります。
 この研究委員会の中では、国から補助を出してもらって精度向上に資していきたい、こういうことも述べておるわけであります。運輸省としては、これらの精度向上のために、その対応策としての補助金というものも若干は考える必要があるではなかろうか、こういうふうに思います。
 さらに、この自重計というものは、通産省も警察庁も全体が理解をし進めており、いよいよ最終場面に入っておるわけですから勇気をふるって、今度の委員会のときにはこういう結論があったという御報告をいただくようにしたいと思うわけですが、政務次官としてはこの自重計を早期に取りつけができるように、そして過積みをなくし、交通事故をなくしていくという方向をとっていただけるものであると確信をするものでありますが、政務次官の最後の見解を承って質問を終わります。
○三塚政府委員 大変御熱心な御提言、御質疑をいただいておるわけでございますが、小林部長から答弁いたしましたような経過の中で鋭意本問題に取り組んでおるわけでございます。しかしながら、そのことが言われますように七年間の委員会の経過の中でもう少し迅速に進めるべきではなかったかという御指摘もあるわけであります。技術的に完璧主義という行政官庁の今日までのスタイルなどがございまして、その辺が委員御指摘のスピード性という意味で若干御不満をいただいておる点であろうと思います。
 ただいま御指摘のように、人命にかかわる問題でありますだけに、本技術が進展するために補助金が必要であるというのでありますれば、そのことは当然これにこたえていかなければならぬ問題でもあります。そういう意味で十二月本問題の取りつけをし、走行テストをやる、こういうことでありますので、来通常国会ではその報告ができまして、これらの問題についての前向きな取り組みが確定できますように事務当局を督励し、関係省庁ともさらに協議を推進という形の中で進めさせてまいりたいと考えておるわけであります。
○野坂委員 以上で終わります。
○太田委員長代理 次に、新井彬之君。
○新井委員 先ほどから大分問題になっておりますが、昭和四十五年をピークとして減少を続けてきましたこの交通事故死者数は、ことしになってまた増加に転じてまいったわけであります。自転車利用者の事故防止を重点目標の一つとした秋の全国交通安全運動期間中、自転車で通行中の母子三人と老人が左折する大型自動車の車輪に巻き込まれ、それぞれ即死する痛ましい事故が報道されたわけであります。この種の事故は、先ほどからも問題になっておりますように、毎年確実に相当数発生し、すでに社会問題化しておったわけであります。特に、大型自動車の構造上からくる死角の危険性については、去る四十六年、本委員会において指摘をされまして、その対策としての低運転者席の検討の必要性を趣旨とする決議が行われて、その後決議の趣旨に沿って、大型貨物自動車運転席研究委員会が設置され、何回か委員会を開き検討した結果、四十八年の秋には一応の結論が出た。運輸省は、今回のこの事故をきっかけに、大型貨物自動車の左折事故防止のための緊急措置を発表したわけであります。
 その内容を見てみますと、大型貨物自動車運転席研究委員会の結論にあった間接視界の改善であり、また以前から自転車利用者側からの死角として改善を要望されていた方向指示器の増設であり、さらにサイドガードにしても、通達の手直しであって、余りにも当然過ぎるような措置が研究委員会の結論が出てまる五年たった今日出されているわけであります。こういうものは全く緊急措置の名に値しないと私は考えるわけであります。また、行政指導を徹底させるためにも、法をバックにした保安基準の改正が必要だったと思いますけれども、なぜ今回、この大事な問題が行政指導だけにとどまって、一番基本である保安基準の改正にならなかったのか、運輸政務次官にまずこれをお伺いしたいと思います。
○三塚政府委員 大型貨物自動車の左折事故防止については、保安基準を数次にわたり改正するなど必要な措置を今日まで講じてまいったところであります。しかしながら、最近、大型貨物自動車による左折事故の続発等にかんがみまして、今般の緊急措置を講ずることにしたわけでございます。
 また、今回の措置は、事故防止対策を緊急に実施する必要性から、当面新車対策を行政指導により速やかに行うことにしたのでありますが、安全対策の徹底を図るための保安基準、このことにつきましては所要の改正措置についても、ただいま御指摘のように至急に検討を加えまして今後に対応していかなければならぬ、こういうことに考えておるところであります。
○新井委員 先ほども申しましたように、昭和四十六年五月二十一日、第六十五国会におきまして、当委員会において決議をされている。現在まで八回ほどこの委員会が開かれているということをお伺いしているわけでございますけれども、この内容は何にも緊急というようなものでもないし、当然早くから保安基準をもってやらなければいけない問題であったように私は考えるわけです。特に、自動車の生産等を見てまいりますと、年間のトラックの生産台数は約五万台ということでありますけれども、現在走っておるトラックの数は物すごく膨大な数になっているわけですね。そういうことから考えまして、当然速やかに決めなければいけない。だから、何を検討しているから保安基準が決められないのか、そういうことをもう少し突っ込んだ答弁をお伺いしておきたいと思います。
○小林(育)政府委員 今回の対策は、緊急対策として新車に対する問題を行政指導という形で出したわけでございます。したがいまして、先ほどから御指摘がございましたように、現在町を走っている車についてどうするか、こういう問題が別に残っておるわけでございます。
 この使用過程の車に対しては、当然法令の改正をしないと既存の車についての規制というものができないわけでございます。その段階では当然そういう処置をしなければならぬということでございますけれども、それにはやはり法令の改正でございますので時間がかかるということで今回、とりあえず新車について行政指導の形で対策を発表した、そういうことでございます。
○新井委員 法令の改正にしましても、本委員会はそういうことについては速やかに調査もし、質疑をしまして、各委員一致でもってすぐ通るというような気構えで私たちはおるつもりでございます。そういうわけでいまの答弁、ちょっと納得しかねるわけでございます。とにかく、こういう法案については、どこに問題点があって、何かということが国民の皆さんにわからないということはとんでもないことでございますので、明確にしていただきたいと思います。
 警察庁の方にお伺いをいたします。警察庁の調査によりますと、全国における大型自動車の左折時の死亡事故は、五十二年、発生件数百九十一件、死者数百九十六人、うち死角に起因するもの十二件、ことしの八月末現在で、発生件数百四十五件、死者数百五十人、うち死角に起因するもの十二件、こういう事故の実態が出ているわけでございます。
 死角の存在は自動車の宿命であり、先日の数寄屋橋交差点での死亡事故においても、警視庁は現場検証において、左折しながらでは安全が確認できない場所がかなり広範囲にわたっているということを突きとめたということが伝えられております。このように自動車に運転者の注意義務をもってしてもいかんともしがたい死角が存在するということは、車両に欠陥があるのではないか、欠陥ということは運輸省はなかなか言わないわけでございますけれども、当然これは欠陥ではないかと思いますので、大型貨物自動車に対する取り締まりを行っている警察庁の御見解を承っておきたいと思います。
○杉原政府委員 大型車に死角がある、その死角を可能な極限までなくしていく努力というものは、やはり車両行政の中で推進をしていただきたいということを切望いたすわけでございます。
○新井委員 そこら辺をちょっとはっきりしていただきたいのでございますが、運転者が注意義務を一〇〇%全うした、ところが実際問題として死角があるために見えないわけです。見えないために事故が起こる。これは運転者が悪いのか、自動車が悪いのか、何が悪いのか。それは一体何が原因なんですか。
○杉原政府委員 個々の対応によっても変わりますし、それから特に左折のときには、左折の方法義務としまして徐行というむのがございます。徐行というのはいつでもとまれる速さ、こういうのが道路交通法の中にありますから、その左折のときの徐行の義務と死角の問題というのは、かなの相関関係がございます。スピードと、単に左だけ見ていくのではなくて周囲を全部見なければ左折できませんので、その辺を個々具体的にやっていかないと、一般論としてなかなかむずかしいところがあると思います。
○新井委員 非常に納得のできない答弁でございます。運転者が細心の注意を払っても、なお死角が残る。自動車の型式審査があるわけでございますが、道路運送車両の保安基準に基づいて運輸省が構造上問題があるかどうかということで型式の指定を行って、それにパスしたものが大量に生産をされて現在走っているということになっているわけでございますね。そうしますと、運輸省がそういう細心の注意を払ってもなおかつ死角の問題で事故があるというものを認めて走らせているということについては、非常に重大な責任があると思いますけれども、こういう問題についてはいかがお考えになっておりますか。
○小林(育)政府委員 構造に欠陥があるというお話でございますけれども、私ども道路運送車両の保安基準におきまして直接視界、間接視界を規制しておるわけでございますけれども、世界的に見ましてもわが国の規制は世界で最も厳しい規制ではないかと考えております。
 ただ、大型自動車の使われ方が外国と相当異なっているという事実がございます。したがいまして、使われ方にそういう使われ方をするという実態があるからには、それに対応するような視野の改善もあわせて行っていかなければいけないのじゃないか、そういうことで実は緊急対策並びにその後の対策を検討しておるわけでございまして、根本的に構造に欠陥があるというふうには私ども少なくとも考えておりません。ただ、非常に問題があることも事実でございますので、先ほど申し上げました緊急対策、その後の対策も含めまして今後さらに改善をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○新井委員 構造上に問題がある大型車が運輸省の型式審査をパスするのも、保安基準二十一条の「運転に必要な視野」という、全く具体性のない基準によっているがためにどこまでが必要なのかということがない、こういうことが基本じゃないかと思うわけでございます。もちろん、保安基準は自動車の構造、装置等の必要最小限の基準を定めてあるわけでございますが、型式指定に当たっては定量化された基準が必要であると私は思いますけれども、そういうことについての御見解を伺っておきたいと思います。
○小林(育)政府委員 先ほども申し上げましたように、運転席におきます直接視界並びに間接視界を確保することは非常に大事なことでございます。これを定量的に決めたらよいのではないかということでございます。
 それで、私どもそれにつきましても種々外国の例など検討しております。おりますけれども、現在あります規定というのはすべて不備でございます。それと同時に、車種、形状等によって当然異なってくるものでございます。したがいまして、私ども現在のところでは明確な規定はございませんけれども、しかし、諸外国の規定にどれか抵触するというようなものは審査に合格さしておりませんし、後方視界などは諸外国よりさらに厳しい審査によってこれを確保しているということでございます。
 なお、定量化につきましても今後検討し、できるならばそういう定量化したものでこういうものを規定していくということを検討さしていただきたい。そのように考えておる次第でございます。
○新井委員 事故を起こしまして、そのときに死角内であったということであっても、それ以上にもっと厳しい注意義務というものをいま要求されている判例がたくさん出ているわけですね。ところが、警察庁の交通事故の実態を見ますと、やはり死角内という事故があるわけでございまして確認しようとしてもなかなかできない、不可抗力的なものがこの死角の問題だと思うわけです。そうしますと警察庁として、運転者に対してどのような注意義務をすればそういう問題が解決できるのか、一たん車をとめて外を見てみろ、あるいはそういう大型の場合は二人乗務員を乗せて両方が必ず確認をしなさいということにするのかどうか。そういうことで、どっちにしましても、いま確認してバックしょうと思ったら、そこに人が、子供がいてひき殺したという例もあるわけでありますから、一体どうしたらこの運転者たちが注意義務を全うし、事故がないようにできるのか、それを一遍運輸省と警察庁に見解を承っておきたいと思います。
○小林(育)政府委員 ただいまの御質問でございますけれども、死角があって見えないということでございますと、当然それは車両の構造上の問題であろうと思います。ただ、死角をカバーするためにいろいろ装置をつけるわけでございますけれども、一方、運転者の人間工学的な能力から申し上げまして、鏡の数を多くすれば確かによく見えるようにはなりますけれども、すべてに注意を払って運転するということは実際上不可能でございます。と言いましても、見えないままにしておくというわけにもまいりません。したがいまして、今回やりました緊急措置においては、そういう両方のバランスをとって、運転者に適正な注意力があれば十分カバーし得るであろうという視野の確保を図ったわけでございまして、今後とも視野の確保につりては十分努力してまいりたい、このように考えておるわけであります。
○杉原政府委員 左折時の巻き込み事故防止対策でございますが、一つは交差点の形状との関係で、当該大型車の左折を認めていいかどうかという問題がございます。それから当然、先ほど触れましたような車両の構造上の問題、それからそういう死角ということについての、たとえば自転車なら自転車の交通管理上の問題、通行方法の問題、そういう各般の問題の解決を同時にしていかなければならないことであると思います。
 ただ、ドライバーにとりましても、大型になればなるほど内輪差が大きくなるという事実がございます。大型になりますと二・五メートルを超えるような内輪差になってまいります。そうすると、もう一車線分内輪差が出てくる。ということであれば、そういう大きな車に乗るトライバー――ドライバーだけじゃなくて安全運転管理者、企業もそうだと思いますけれども、そういう車に乗って運転するときにはこういうことに気をつけなければならないということの義務も逆にどうしても出てきますし、こういう車に乗ったら死角がどこに出てくるかということはまた運転上気をつけてもらわなければならない、そういう周りの総合的な施策とあわせて、ドライバーに対するそういう指導、教養を企業を通じて、あるいはわれわれが直接にやっていくというふうな、いろいろな施策を総合して措置をしていくべきものであろうと考えております。
○新井委員 この前もテレビでいろいろ特集みたいにやっておりましたけれども、大型の運転手にインタビューをいろいろやっておりましたが、一日に何回か危ないと思うときがありますということをどの運転手さんも言われているわけです。
 といいますのは、視野が狭い、ある意味では死角がある。真っすぐ走っているトラックは少ないわけですから、いつも曲がって走るわけですから、その都度非常に危険な目に遭って現状来ている。こういうことでございますから、これは当然やはりどんな注意をしても、死角の場合というのはこれは注意以上のものがあるというのが私の考え方でございます。したがって、それは当然もうなくしていただく、これが前提でございますが、運輸省の方としてはようやく、四十六年の五月二十一日の決議を受けて、これは八回ぐらい会合を開きまして、一つの結論が大型貨物自動車運転席研究委員会から出ておりますが、低運転席についても検討するということが出ております。その試作車の製作であるとか実車テスト等が今後どのようなスケジュールで行われてくるのか、わかっておればお伺いしておきたいと思います。
○小林(育)政府委員 わが国で大型自動車を製作しておりますのが大体四社でございますけれども、これに対しましてできるだけ早くそういう低運転席の試作をするようにという指示を十月四日にしておるわけでございまして、私どもの考えとしましては、遅くとも来年の夏までには各社とも少なくとも一台そういうものをつくって出してくる、そのように考えておるわけでございまして、そういうものができた暁には、運転者の方あるいは学識経験者の方その他広く御意見を伺いまして、一日も早くこういう車が実用化できるような方向に持っていきたい、そのように考えておる次第でございます。
○新井委員 今回の緊急対策におきまして、死角が、こう図面が出ておりますけれども、一つはアンダーミラーあるいはバックミラー、サイドアンダーミラー、補助方向指示器、サイドガード、方向指示器、こういうことで一応これだけはやらなければいけない、こういうことになっているわけですね。それについて死角が、いままで本当に見えなかったところが、これは図面ちょっと説明しにくいのでございますが、これだけは見えるようになりますということでございますが、これは警察庁もよく御存じだと思いますが、これだけ見えれば死角の問題は解決しますか。
○杉原政府委員 私どもが運輸省の方から承っておる、死角がかなり広がったという、今度の改正によっていまの死角のかなりの部分は解決をするというふうに思っております。
○新井委員 かなりな部分ということになりますと、まだあと一部残る部分がございますね。それはどういうところでございますか。
○杉原政府委員 これは私もちょっと車両行政とのかかわりの中であれをいたすものですから……。車の大きさ等も関連をしてまいりますので、一般的にこうするというだけですから、車がうんと長くなった場合にどういうことになるかというふうな問題はあろうかと思います。
○新井委員 政務次官、いまもずっと話がありましたように、とにかくこの死角の問題というのは前々から問題にされて、これは運転者が幾ら技術的に熟練しても、あるいはまた注意義務を守っても、これはもうどうしようもない問題ですね。したがいまして、それをいままでの在来車も含めまして速やかにとりあえずの処置をしなければいかぬというのが私の考えでございます。ところが、先ほどの答弁を聞いておりますと、形が違うしバックミラーが取りつけられるかどうかもわからないから検討しなくてはいけないということでございますが、少なくともいま緊急措置でやっても、なおかっまだ死角がある、こういうことでございますから、バックするときにおいては必ず一人助手さんがおりるとか、あるいはまたそういうことが一切ないような一つの確認をして運転ができるような形に持っていかなければこのたぐいの事故というものは絶対なくならない、こういうぐあいに思うわけでございます。そういう意味でこの問題については早急に、法律案は後に出すといたしましても、もう一つ緊急なそれこそ行政指導をやっていただいて、こういう問題についての事故がないようにお願いしたいと思いますけれども、その所見をお伺いして質問を終わりたいと思います。
○三塚政府委員 左折事故防止の緊急措置は御案内のとおりでありまして、新車についてそれぞれの所要の措置を講ずるように指導要綱をきっちりと決めたわけであります。新井先生御指摘のように死角の問題、これの完璧を期するということになりますと、御指摘のようにバスの左折あるいはバック等におけるように助手がついておりまして、そこで四方を確認をいたしましてそれをリードするということが一つの方法であろうと思うのでありますが、それはそれとして指導上の問題としてやっていかなければなりませんが、すでに御指摘のように使用されております五十万台の大型トラックについてどうするんだ、こういう問題などもあるわけであります。これを改造するための技術につきましては、速やかにこれはやらなければなりませんし、具体的な改造方法を明らかにいたしまして、サイドアンダーミラーの新設あるいは補助方向指示器の新設、ガードの強化を実施する等の保安基準の改正につきましては、やはり早急にこれを行いまして進めなければならぬ、かように考えておるわけであります。
 さらには、この大型対策の三番目といたしまして、やはり安全確保ということが最大の行政に課せられました大きな目標でありますから、恒久的なそして抜本的な安全対策車というものが登場してまいらなければなりません。こういう意味合いから申し上げますと、直ちに低運転者席の大型トラックを設計、試作するよう自動車メーカーにすでに御案内のように十月四日指示をいたしておるところであります。そしてこの試作車の完成を待ちまして自動車使用者また運転者などの多くの階層の方々に試乗をしていただきまして広く意見を求め、そして運転性、耐久性あるいは信頼性などについての実験を完全に行いまして、安全なただいまの対策車をつくり上げていく努力をこれからいたさなければなりませんので、所要の措置を講じながら万全を期してまいりたい、かように考えておるわけであります。
○新井委員 終わります。
○太田委員長代理 次に、青山丘君。
○青山委員 運輸省では過日重度の後遺症障害者の実態調査をなされました。その結果が出されておるのですが、その対策としていよいよ来年度から予算でその対策に乗り出される。こういうふうに聞いておるのですが、その概要を説明していただけませんか。
○三塚政府委員 御指摘のように対策センターが行った調査によりますと、その調査対象者二千二百名の三七%が人の手をかりませんと日常生活がやっていけません。さらに、その半数近くが寝たきりという大変お気の毒な状態にありまして、さらに経済的にも厳しい現況にあるのであります。そういう意味で、運輸省といたしまして、交特を初めといたしました国会の従前からの御論議、御議論や、センターの実態調査、そういうものを踏まえまして、重度の意識障害者にありますところの自動車事故被害者の救済を図りますために、来年度予算におきましては新規に一人月額九万円の介護料を補助する、こういうことを決めたわけであります。
 第二点には、自動車事故対策センターにおきまして、これら被害者のための専用施設をパイロット事業として整備することを内容とする対策を講ずる、こういう二つの方向を決めてただいま折衝を重ねておる、こういうところであります。
○青山委員 この重度の後遺症障害者に対する対策に乗り出されるということ、私は一つの前進だと思って評価していきたいと思います。ただ問題は、一体これで全体のどれくらいが救われるのかという問題にやがてなってきますので、個々の問題についてはもう少し内容が明らかになってさましたら、私、改めて触れていきたいと思うのです。
 この報告を見ますと大変悲惨な状況ですね。生活面で、家庭面における、あるいは職場における、あるいはいろいろな面で、治療の見通し、家計費に占める負担、こういったことで大変な負担を受けて、しかも治療に専念できない環境にある人たちがたくさんある。したがって、ぜひひとつ積極的に取り組んでいただきたいと思いますので、この対策に乗り出されることに対して評価をしつつ、内容の充実について私また改めて質問させていただきたいと思っております。
 大蔵省にお尋ねしておきますが、簡保としても運用益などを効率的に利用されて、救急医療センターを設置するとか、あるいは指定医療機関制度を設ける、こういうようなことで初期診療を徹底させていくことが必要ではないかと思うわけです。それが契約者に対するサービスの向上にもなるし、簡易保険の普及拡大にもつながってくるし、同時にまた過剰診療といったような問題についても解決されるのではないかと思うわけです。そういう意味で、ひとつ大蔵当局としても被害者救済の立場でこうした施策を進めていけるような方向として検討していただく必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○貝塚説明員 お答え申し上げます。
 自賠責保険の収支が悪化する原因といたしまして、もちろんその保険金の支出がふえるということがございますが、まさしく先生が御指摘になったように、初めの段階で、本来それほど払わなくていいようなものも払うというようなものについて、早く手を打てばそれだけ支払い保険金が少なくなる、まことに鋭い御指摘でございます。私どもは、これにつきましては、自賠責の運用益というのがございまして、もっぱらそれを利用いたしまして、いま御指摘になりましたようなセンターなり機関を設置することは相当優先度の高い支出の方法でないかと思っております。
 ただ、弁解がましくて恐縮でございますけれども、運用益というのは法律上損害保険会社に属しておりますことが第一点と、第二点は、この支出につきまして従来からいろいろ問題があるとされておりましたために、大蔵省の手を離れまして自賠責運用益運営委員会という学識経験者が七、八人集まりましたところでやっております。もちろん、保険部長ないし保険二課長は顧問という形でこれに出席しておりますので、いまの先生の貴重な御意見を次回あるいは次の何らかの機会にこの運営委員会の方にお取り次ぎいたしまして、大いに議論していきたい、こう思っております。
○青山委員 ぜひ運用益等を効率的に利用されて、救急医療センターあるいは指定医療機関制度みたいなものをひとつぜひ検討していただく必要があるのではないかと思います。
 それから、さきの通常国会で私は自動車共済について質疑を行ってきたのですが、具体的な答弁が得られなかったものについて各省に資料を要求してきました。提出いただいた資料を検討してきましたが、ほとんどは委員会答弁同様で、具体的な回答になっておらないのです。そういう意味で再度質疑を行いたいと思います。
 御承知のとおり、本年七月から経済社会情勢の動向や裁判所などにおける賠償水準を勘案して、自賠責の限度額が二千円に引き下げられたと理解解しておるわけです。これに伴って、支払い基準の手直しあるいは任意の保険の制度改正が近く行われると聞いておりますが、各任意自動車共済でも、今度の自賠責限度額引き上げに伴ってある程度の制度の改正が必要ではないかと思うのです。社会情勢の動向にあわせて自賠責の限度額が二千万円に上がってきたわけですね。そういう情勢の中で、各共済についてもこの自賠責の限度額引き上げに伴っての制度の改正等がどのような内容でこれから進められていくのか、農林、厚生、運輸省の順にお答えをいただきたいと思います。
○三井説明員 ただいまお尋ねのございました自賠責共済の支払い限度額の引き上げに伴います任意の自動車農協共済につきまして改正を検討いたしておりますところは、現在、来年四月実施を目途といたしまして、全国共済農協連におきまして次のような事項を検討いたしております。
 第一に、対人賠償共済金額の最高限度が現在五千万円でございますが、これを八千万円に引き上げることでございます。
 第二に、契約対象車両を新規購入等によって入れかえた場合も、組合にこれを通知することによって自動的に契約が継続する制度の充実を図ることでございます。
 第三には、他人所有車両の運転者の事故につきましても、補償対象範囲を拡大いたしまして、車種が同一でなくとも自家用車であればこれを認めるということにいたす改正でございます。
 第四に、車両損害における牽引等の費用をも、いわゆる契約共済金額の枠外におきまして担保することにいたすということなどでございます。
 これらにつきまして、農林水産省といたしましては農協団体の成案を待ちまして検討をすることにいたしておりますが、これらの案を含めまして、一層本制度の充実が期せられるように指導してまいりたいと考えております。
○鈴木説明員 ただいまお話しの自賠責の限度引き上げに伴う消費生活協同組合関係の支払い基準の改正の問題でございますが、ただいま、各生協におきましてその収支状況等を勘案しながら具体的に検討が進められているところでございます。伺うところによりますと、早いものについてはあるいは来年一月ぐらいにもその改正を実施できるのではないかという話も伺っております。
 改善の内容についてですが、自損事故共済金の引き上げ等、民間の任意保険等の改正内容等も参考にしながら検討していると承知いたしております。
○角田説明員 私ども運輸省で所管しております自動車の交通共済につきましては、トラックとハイ・タクと、こういう二種類ございまして、ハイ・タクはさらに、法人のタクシー事業者だけでやっている交通共済と個人タクシーの事業者がやっている共済、こういうふうに分かれておりますが、トラックの交通共済の方が非常に進んでおりまして、これは自賠責の五十三年七月一日以降の限度額の引き上げに伴いまして、トラックの場合におきましては、損保の方でとられた措置に準じて、共済金額を一・一七倍、一七%かさ上げした額を支払い限度額とする措置をとっております。
 それで、この経過措置は、すでに契約をしたものだけではなくて、新しく契約されるものにつきましても、新しい恒久的な制度が発足するまでの契約について適用するということにいたしまして、その共済期間が終了するまで適用される、こういうことになっております。
 なお、新しい制度につきましては、これは損保会社の方でいま御検討になっておられる新制度に準拠するということで案を検討しておりまして、十一月一日以降できるだけ早い時期に発足できるよう準備が進められております。その内容につきましては、自損事故の共済金額の引き上げ、それから、後遺障害の補償の金額の引き上げ等でございまして、そういうことで検討が進められておるところでございます。
 それから、ハイ・タクの交通共済につきましては、これはさきの国会で先生も御指摘ございましたように、まだ十分に充実はしていないわけでございますが、自賠責保険の金額の引き上げに伴う限度額の引き上げを行った組合は、三十七組合のうち三組合、それから、現在引き上げの検討を行っている組合は七組合というようなことでございまして、私どもといたしましては、このハイ・タクの方の交通共済につきまして、これからさらに充実していくよう指導してまいりたい、かように考えております。
○青山委員 いま御説明いただいた、意向としてはわりあい前向きだと私は評価したいと思うのです。制度改正が出されていきますから、その内容をひとつ資料として提出してください。委員長、お願いします。
 社会情勢が変わってきていますし、裁判所等における判例等が勘案されて自賠責の限度額が引き上げされてくる。それに伴って、やはり共済の方でも内容の充実というのが望まれておりますので、それぞれ共済の種類によっては全くこの力の差が大きいので、一律にというわけにいかないかもしれませんが、ぜひひとつ内容の充実に努めていただきたいと思います。
 生協法の趣旨は、組合員の互助を目的としている団体であり、自動車共済制度は、組合員が交通事故によってこうむった法律上の賠償義務を履行することによって生じた損害をてん補することを目的としたものであるというふうに理解しております。
 しかし、組合員対部外者というような交通事故になってまいりますと、第三者である者が死傷した場合、最善の努力をされるのが私は当然だと思うのです。ハイ・タクでは一部、トラック共済でも、第三者である被害者の直接請求制度というものが規定されておりますが、生活協同組合の方ではそうじゃない。
 第一に、組合員の加害事故による賠償責任を生活協同組合の方に転嫁させることになる、第二には、組合員の道義的責任の回避につながる危険性がある、こういう理由で被害者の直接請求制度の導入というものは困難だと言っておられるわけですが、こういうことですと、結局泣かされるのは第三者の被害者ということになるわけでして、これらの点はやはり改善することが必要ではないかと私は思うのです。そこで、これらの点を改善する御意思がおありかどうか、改めてお聞かせいただきたいと思います。
○鈴木説明員 生協で行っております自動車共済、につきましては、ただいま先生が御指摘いただいたようないろいろ問題がございまして、直接請求制度の導入につきましてはなかなか問題があるようでございます。
 実は先国会、先ほどもお話がございましたが、いろいろ御指摘を受けました後、各生協ともいろいろ相談しながら、あるいはその中でわれわれとしてはいろいろ指導しながらまいったわけですが、先ほど御指摘のような問題がいろいろございまして、直ちに改善あるいは直接請求制度の導入という段階にはまだ至っておりません。この問題、もう少し時間をかけて研究させていただきたいと思います。
 ただ、被害者救済という立場から、これは先生あるいは御存じと思いますが、特に緊急を要するようなケース、たとえば治療費の問題とかあるいは休業補償の問題とか、これにつきましては現在でも仮払いとか内払いとかいうような形で一応対処しておりますので、このようなものをもちろん続けるとともに、直接請求制度の導入そのものにつきましては、もうしばらく研究の時間をいただきたいというふうに思います。
○青山委員 これは、被害者救済という立場でもあり、それから、ある意味では加害者救済、組合員の救済、こういうことに結びつくと私は思うのです。ぜひひとつ前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 被害者が適正な損害査定を受けるのは当然であって、これに対応する完璧な査定処理体制の確立こそが急務であるとの私の質問に対して、各省庁は、御指摘のとおりだ、査定員の強化と体制の充実を述べておられたわけですが、提出されてきた資料を見てみますと、農協は全国で査定資格者は二千二百二十名、連合会で四百八十二名、ハイ・タクでは百五十八名、トラックでは七十四名となっております。地区別に見てみますと、ハイ・タクで、たとえば北海道では一名だけ、その他の府県では二名ないし五名、最も多いところで東京の十二名。トラックの方では東北地区で二名、多いところで近畿地区の十八名ということですね。それから消費生活協同組合では、各単協五十名ないし六十名前後となっております。
 全国的に見て、数少ないこれら査定員では完璧な査定体制と言えないのはもちろんでありますが、不幸にして交通事故に遭った方々に対する配慮という点を考えていくと、やはり速やかに損害査定体制の充実強化に努められるべきであると思うのです。そういう意味では、もう査定体制の拡充という問題については検討するという段階が過ぎておると思うのですが、具体的にどのように整備されていかれるのか聞かせていただきたいと思います。農林、運輸、厚生、各省お聞かせください。
○三井説明員 お尋ねのございました被害者救済のための損害査定体制の確立の面でございますが、農協共済につきましては逐年損害査定体制の充実強化に努めているところでございまして、現在事故の査定に当たりまして農協系統各段階ごとに事故の態様に応じました分担査定の仕組みをとっておるところでございます。
 具体的には、単協段階におきましては事故発生の場合の応急的な事務処理と軽微な物損事故の査定を行っておりまして、これに従事する職員が五十二年度において全国で二千二百二十名でございます。それから、県連合会が実質的な査定権を持ちまして単協で処理した以外の案件につきましてすべて損害査定を行うということでございまして、五十二年度におきまして全国で四百八十二名を配置しておるところでございますが、さらに全国連合会におきましても、損害査定のきわめて困難な事案や訴訟になった事案など特別なケースにつきましては処理を行っております。
 お尋ねの処理体制の充実につきましては、現在対人賠償の件数が全国で二万八千件ほどでございまして、単協の査定員一人当たりで十二件、県の連合会では五十八件の処理をいたしておりまして、これまで査定員の充実等を図ってまいっておるところと、ただいまのような処理内容からいたしまして、損害査定体制は量的にはかなり充足してきておるというふうに考えております。しかしながら、なお査定に万全を期するために、これに従事する職員の資質の向上を図るということ、あるいは補充要員として新たに査定担当者を養成するということは必要でございますので、単協の職員につきましては県連合会、それから県連合会の職員につきましては全国連合会が毎年定期的な研修を行っているところでございまして、この研修会におきまして一定の成績を上げた者は査定資格者として認証を行うということにいたしております。農林水産省といたしましても、今後とも損害査定体制の一層の充実につきまして指導してまいりたいと考えております。
○鈴木説明員 消費生活協同組合におきます査定体制の問題でございますが、消費生活協同組合で自動車共済を始めましたのはほかに比べまして比較的新しいという経緯もありまして、私どもといたしましても、あるいは各生協におきましても、現在の体制が必ずしも万全であるというふうには考えておりません。ただ、いままでの経緯をずっと見ておりますと、これは確かに年々人員、質的な面を含めまして充実してまいっていることはこれまた間違いない事実でございます。私どもといたしましても、あるいは各生協におきましても、この査定体制の充実につきましては今後ともさらに努力していかなければならぬ課題であるということは十分認識しておりまして、たとえば量的には契約台数とかあるいは事故発生件数等を十分勘案しながら、特に支部の要員等を充実するというようなことも考えておりますし、あるいは質的な面におきましては、定期的に研修会を開いてその査定員の資質の向上を図るというような方向で充実を図ってまいりたい、かように考えております。
○角田説明員 査定体制の充実、強化でございますが、トラック交通共済につきましては、各組合の規模等に応じて大体必要とされる査定要員は配置されておるのではないかというように考えておりますが、さらに査定要員の資質の向上を図るために研修等の強化を図るよう指導してまいりたい、かように考えております。
 それからハイ・タクの交通共済につきましては、これは交通共済自体の力量といいますか、体力といいますか、そういうものが弱いところがまだ相当ございまして、査定体制が不十分であるという点、確かに御指摘のとおりでございます。私どもといたしましてはそういうハイ・タクの共済組合につきまして個々にただいま査定体制の強化についての具体的な内部での検討を指示しておりまして、ある組合によりましては査定員をふやしたいという組合もございます。回答が出てきたところもございますが、まだ検討中であるとか、あるいは査定体制の問題以前の共済組合の強化それ自体の方にいま精力を注いでおるので、もうしばらくその辺の検討をまっていただきたいとか、そういうような回答がいまのところ順次はね返ってきておりますが、その辺のところをさらに私ども分析をいたしまして、適正妥当な指導をしてまいりながら査定体制の強化に努めていきたい、かように考えております。
○青山委員 各共済には組合員数があって、これだけの事故が大体これまで見込まれてきたということで、好ましい査定体制ということが出ておると思うのですよ。それに対してやはり体制がおくれているというのは、いまの御答弁では私はちょっと不満です。そういう意味で、まだ日にちはありますので、できたら来年の春くらいまでにもう少し具体的に改善策というものを資料として提出していただきたい。委員長、お願いしておきますが、いいですか。――時間がありませんので、それでは最後に行きます。
 大蔵省にお聞きいたしますが、さきに損保会社に共済に対する協力体制を調査した結果、その事実はない、こういう報告を受けておられるようですが、各共済は、自賠責保険は損保会社が契約しておって事故に伴う査定をその自賠責契約保険会社に協力していただいているとのことでありますが、その実態をつかんでおられるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。また共済と損保会社との協力体制というのは最も好ましい姿といいますか、今後あるべき姿、こういうものに対する見解をお聞かせいただきたいと思います。時間がありませんのでこれをもって私の質問を閉じさせていただきますが、ひとつ的確に御答弁いただきたいと思います。
○貝塚説明員 第一点の損保の共済に対する査定の方の協力の問題と思いますが、ことしの六月に損保に聞きましたら、そういう事実はない、従来の取引の経緯でありますとか、個人的な関係から講師を派遣しましたり、事務処理についても散発的な相談はやったとか、共同研究会はやったと言いますが、そういう事実はないという答えでした。まだそういうことがあるのではないかという関係筋の御指摘がありまして、最近聞きましても同じようなことを言っております。まさか損保はわれわれにうそをつくとは思いませんけれども、さらに違った観点から、もしわれわれの調査が不十分でしたらこの委員会に申しわけございませんから、さらにいろいろな観点から調べて御報告したいと思います。どういう形で御報告するかはまた御相談に上がりたいと思います。
 それから、最後の保険と共済との問題でございますが、従来は保険が共済を相入れられないものであるとか敵対説がございました。しかし、最近はそういうことはありませんで、両々相まって契約者サービスに資すればいいではないか。ただ、いま先生の御指摘になったような過剰サービスをしてそして採算を無視したことをやると、今度保険の契約者の方に迷惑がかかりますから、その点はやはりほどほどにやるべきではないか、こういうふうに考えています。
○青山委員 ありがとうございました。以上で質問を終わります。
○太田委員長代理 次に、寺前巖君。
○寺前委員 政務次官、御苦労さまでございます。
 大型自動車の左折事故の問題につきまして昨年当委員会で私、質問をさせていただきましたが、最近また幾つかの新聞紙上をにぎわすような大きな事故が起こっています。九月二十七日は葛飾区の柴又で大型ダンプがお母さんや娘さん三人を巻き込むという事件でした。すぐにまた二十九日には七十三歳におなりになる方が銀座の数寄屋橋で事故に遭われた。今月になってもまた二歳になられる坊ちゃんが世田谷でやはり左折事故で大きな被害を受けた。本当にこんな痛ましい話はないと私は思うのです。なぜかというならば、これは自然災害ではなくして人がつくったところの自動車によって命を奪われていくのですから。人為的につくられたものは必ずや人為的に整理をすることはできるはずです。そこに私は政治の重要な責任があると思うのです。人の命は金にかえることのできないとうといものです。その立場から、先ほどからの論議を私は聞かしていただいておりましたけれども、人の命ということで改めて真剣に御検討いただきたいということで幾つかの問題についてお聞きしたいと思うわけであります。
 まず最初に、最近警察庁が大型車の左折事故死亡率は一万台当たり一・一件、全自動車一万台当たり死亡事故〇・一と比べて十倍も出ているという発表をなさいました。この事実は間違いございませんか、警察庁。
○広谷説明員 お答え申し上げます。
 先生お話しのように、われわれの調査によりますと左折時の全死亡事故は三百二十四件ございまして、これを自動車一万台当たりの事故率で見ますと〇・一件ということになっております。それに対しまして大型自動車の死亡事故は百九十一件ということでございまして、自動車一万台当たりの事故率は一・一件、こういう結果が出ておりまして、約十倍余の高い倍率を示しておる、こういう結果になっております。
○寺前委員 重ねて聞きます。それでは、特別に大型の自動車の左折事故が高いという原因についてはどこに特別の理由がありますか。歩行者に特別の問題があるのか、自転車に乗っている人に特別な問題があるのか、運転手に特別な問題があるのか、どこに特別な理由があるのか、御説明いただきたいと思います。
○広谷説明員 お答えいたします。
 この死亡事故発生につきましていろいろの検討の仕方がございますけれども、運転手の皆さん方が安全確認をしたかどうかという調査がしてございます。その中で、たとえば昨年中の百九十一件の事故について見てみますと、不確認であったというのが百五十六件、それから確認はしたが死角内であったという結果が出ておりますものが十二件、それから確認はしたけれども、死角内ではないけれどもそのほかの理由があったというものが二十三件出てまいっております。したがいまして、運転手の方々に確認をしていただくことが大変大切なことではございますけれども、同時にまた確認はしたけれども死角内、こういう問題もございますので、車両の構造等について先ほど来いろいろとお話が出ておりますけれども、でき得る限りの改善をしていただくことが非常に大切であろうか、かように考えております。
○寺前委員 改めて確認をいたします。運転手あるいは歩行者、自転車に乗っている人、そういうところに特別の理由があるという意味ではなくて、それは一般的に交通事故として存在する問題だ、だが、この分野に十倍も多いという理由は、構造的に検討しなければならないというところに主要な問題がある、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
○広谷説明員 その点にも非常に大きな問題点があろうか、かように考えております。
○寺前委員 私は特別な理由をあえて聞いているのですから、そこにあると見なければならない。
 そこで、昨年当委員会で私が質問をしたときに、警察庁としても対応策について幾つか検討しなければならないとお話をしておられました。すなわち、横断歩道帯をどうするかとか幾つかの問題をお出しになりました。この一年間に警察庁として処置をされたことは一体何であって、そして目下検討している問題は何か、御説明をいただきたい。
○杉原政府委員 過去やってまいりましたのは、一つは大型車の交通規制の面につきまして、いわゆる生活道路と言われているようなところにまで大型車が無秩序に入ってくるのは困るということでこれを規制する、それから狭い交差点での大型車の右左折を禁止するという措置、それから運転者、ドライバーに対する対策といたしましては、教習所等で講習をやりますけれども、その際大型車の左折についての内輪差あるいは死角の問題、こういうふうなものを重点にしたドライバー対策をやってきた。それから、逆に被害者の方の歩行者とか自転車につきましては、歩行とか自転車の正しい乗り方、特に大型車との関連でこういうことになっているということで、各種団体、機関等を通じてこれの周知徹底を図るというふうなこと。なお、ドライバーにつきましては、各企業に対しまして安全運転管理者等を通じまして、こういう左巻き込みの事故が多いのでこういう点は労務管理、運転管理の面で周知徹底をしてもらいたい、安全運転管理者の講習会等の際にそういう点を力を入れてやっておるわけでございます。
 これからの対策でございますが、一つにはこれだけ大型車による巻き込み事案があります場合に、各交差点について車との大きさの関係で、これは車が長くなると内輪差が大きくなりますので、そういう個々の交差点と自動車の大きさの相関関係でいかなる交通規制をなすべきかという観点が一つ考えられてまいります。そういう点をこれから十分精査していかなければならない。
 それから、これは道路の、特に交差点等につきまして、現場的にいろいろこの点を、道路改良あるいは安全施設というふうなものについてさらにこれから力を入れていくという点を考えております。
 それから第三の問題は、法令上の問題といたしまして、左折大型車によります交差点の左折巻き込みが非常に多い。犠牲者、被害者が出ないようにどうしたらよいのかということで、とりあえずわれわれができる範疇の中で、今回の道路交通法の改正の中で自転車の横断帯を新しく制度上設けることにいたした、あるいは交差点の手前で、特に大型車の通行の左折の多いところについては、自転車を部分的に交差点の手前で横断歩道の方に乗り入れてもらうというふうな措置を講ずることによって、大型車と自転車の分離を図るというような措置を講ずることにいたしたわけでありますが、そういう点はこれからの道路交通法の改正の周知徹底の中で力を入れてまいりたいというふうに考えております。
○寺前委員 十月四日付で運輸省は「大型貨物自動車の左折事故防止のための緊急措置について」をお出しになりました。先ほどもここで御批判がございましたけれども、この程度の内容のものはいまさらという感じを受けるのが率直な意見であります。昨年の私の質問の段階でも、否それを問わず、四十五年の最高裁の判決なり四十六年の国会の決議の段階においてもこの程度のものであるならば直ちに執行できた性格のものではないか。それが今日まで延びてきておったということは一体どこに問題があったのか、政務次官から御説明をいただきたいと思います。
○小林(育)政府委員 お答えいたします。
 ただいま御指摘のように四十六年の委員会の決議というのは低運転席と自重計についてでございますけれども、そのほか国会での御指摘というのはいつもあるわけでございます。それで、私どもといたしましてもその都度保安基準等を改正して対応してまいったわけでございます。
 先ほどからお話が出ておりますように非常に手ぬるいではないか、遅いではないかという御批判がありますけれども、この運転席の視野の確保という問題は非常にむずかしい問題がございます。と申しますのは、私どもの目の構造からいたしまして、普通の方でありますと視野というものが非常に限られております。これは見る対象の物体の色とかそういうものによっても異なりますけれども、およそ百度、合わせて二百度という、横真っすぐよりはちょっと広うございますけれども、おおむね真横ぐらいしか見えないという問題がございます。そういう人間の特性に加えまして、トラックというものは後ろに荷台があるということで、後ろを見ても見えないという構造になっておるわけでございます。したがいまして、前方の直接視界以外はこれを間接視界でカバーしなければならないということになるわけでございます。間接視界をカバーするためには当然鏡類等を使って視野の確保をするわけでございますけれども、一方この鏡類が非常に大きい、たとえば一メートル四方とかそういう物をつけますれば確かに視野の確保は十分にできるわけでございますけれども、これは道路交通上いろいろ問題があります。軒先に当たったり電信柱に当たったりという問題がございます。あるいは他の車両に邪魔になるという問題がございます。したがいまして、ある程度の大きさで規制をしなければならぬ。私どもの保安基準では、そういう鏡類というのは車両の一番外側から二十五センチ以内におさまっていなければいかぬという規定もございます。そうした規定との絡み合わせでこれを処理いたそうとしますと、どうしても鏡の数をふやしていくという問題になるわけでございます。鏡をふやして広く視野を確保するということになりますと、そこで問題になりますのが、運転手が見得る鏡の数というのが幾つであるか、あるいはその曲率がどうなるかという問題が出てくるわけでございます。先生も御承知のとおり、曲率を大きくしますれば広く見えるわけでございますけれども、広く見えると同時に、その中の物体の確認が非常に不鮮明になるわけでございます。したがいまして、不鮮明にならない範囲内で、ある必要最低限の視野を確保するというのは、組み合わせでやるわけでございますけれども、その適正な組み合わせというのが非常にむずかしい、そういうような事情もありまして、完全な視野の確保がなかなかできないということがございますけれども、十一月からの車につきましては、ほぼこの程度であれば相当な効果があるであろうというような物が開発されてまいりましたので、そういう物を緊急対策として採用させていただいた、そういうことでございます。
○寺前委員 私が政務次官にあえて聞いたのは、きわめて常識的であるから聞いているわけであります。というのは、死角があるところに問題があるのだということは、昨年の当委員会で私が聞いたときにもちゃんと警察庁の交通局長みずからもおっしゃった点である。これはまた常識的なものであります。したがって、そのことは運輸省の方で、大型貨物自動車運転席研究委員会においてもそこは大事な問題であるということは御指摘になっているところであります。だれだって考える問題だと思うのです。ところが現実的処理をするということになってきたときに、低運転席ということが大きな問題になる。少なくとも、低運転席問題は横っちょにおいておいたとしても、ミラーによって死角を防ぐとかその他の措置というのは、当然考えられるべき措置としてだれだってわかる話です。現に運転手みずからが、危ないからサイドの棒をつけてみたりいろんな措置を講じておられた方があります。ところが陸運事務所へ行って今度は検査を受けるという段になったら、これは違反行為の物をつけておるからけしからぬじゃないか、外せとまで指導を受けるわけです。なるほどそうかもしれない。だけれども、現実的に社会の人を守ろうという運転手の側からするならば、そういうことをやってでも守らなければならないということをみんな必死になって思っておったわけでしょう。こんなことはいまに始まったことじゃないわけです。とするならば、みんなの体験の中から、せめてこの程度のことはできるじゃないかという話が出てきているのが、ここに運輸省としてお出しになったところのいまの通達だと思うのです。抜本的なものというわけにはいかない性格だろうと思うのです。そういうものだったら、もっと早い段階に出せないものか。
 たとえば四十六年の十一月に「大型貨物自動車の運転席高さと安全性」というこの報告書を読みますと、その最後のところに「従来の運転席にミラー等の見直しによる構造、装置などの改善をもって対処する方が」よいと書いてある。だれだって、せめてそのくらいのことはやってあたりまえだ。四十六年にちゃんと出ているわけです。私が去年ここで質問したときも、またこう言っているわけです。「今後これらのアンダーミラー、サイドミラーにつきまして、形状でございますとか鏡の曲率、これらを改善いたしまして、視界の拡大を図ってより見やすいようにしてまいりたい」、さらに「改善できるところは改善を進めてまいりたいと考えておるところでございまして、現時点で考えておりますのは、助手席ドアのウインドーの拡大、このことによって直接視界が改善されるものと考えておりまして、」そうだろう。すぐにでもできる話だ。すぐにでもできる話をなぜすぐに実行しなかったのか。私は、これによってどれだけの命が救われたかわからないだろうと思う。運転者は何も人をひいてやろうと思って運転している人は一人もおらない。特に大型の免許を持つ人は、普通の免許よりも厳しい制限を受けているはずです。免許を渡すときに。教育ももっと徹底しているはずです。それが特別に他の自動車よりも十倍も多いというのは、人為的に措置をしないところに問題がある。一番手っ取り早くやれる話は、この通達に出てきているところの性格のものというのはだれだって考えることなのだから、即刻やるべきではなかったか。私は、これはきわめて行政当局としての責任があると思う。あなたはその責任を感じませんか。
○三塚政府委員 この問題につきましては、可及的速やかに対応しなければならぬことはお説のとおりであります。ただいま正確を期する意味で小林部長から答弁をいただいたわけでございますが、安全運行上の問題また基準の問題、保安上の問題、自動車を運行するにつきましては、御案内のように種々あるわけでございます。これを取りつけてまいりますためには、やはりあらゆる角度から技術的に検討をしてまいりまして、確実であるという断定の中でこれをスタートをしなければならぬ、こういう言い分もまたごもっともであります。完全性、それと緊急性、これをどこに調和をせしめるか、こういうところに大きな問題点があろうかというわけでございまして、さような意味から言いますと、これはもっと至急に行われなければならなかったという指摘についてはそのとおり受けとめさしていただきます。しかし、やはり完全性という形の中で、より正しいものを、より正確なものを、より安全なものをという観点からの検討、研究というのもやむを得ないことである、そういうことでありまして、この緊急措置もその結果に基づいてきちっと今後対応していく、こういう形に相なるわけでございまして、そういう意味で御理解を賜りたい、こういうふうに思うわけであります。
○寺前委員 私は完全性であってほしいと思いますが、しかしこういう構造の改善に関する問題は、何も一々国会に法律を出して審査をしなければならない性格のものではない。行政指導の範囲内のものだ。ですから、行政指導の範囲として即刻手を打っておくところはきちんと打っておいたらいいんじゃないか。だから、今度の場合も、まずはもって通達で処理をしておられて、構造の保安基準ですか安全基準というのですか、そこを直ちになぶっているという措置じゃないというところに一つの問題があるわけでしょう。ですから、そういう意味において、即刻手を打ってしかるべきものは打ったらよかったんじゃないか。政務次官は率直にお答えになりましたから、私はこれは今後の問題としてしっかりと受けとめておいてもらいたい。
 それからその次に、この保安基準の改正の問題です。これもまた長引かすことはない。保安基準の改善を直ちにやらねばいかぬ。そこで恐らく問題になってくるのは、保安基準の改正をやろうということになると、今度は一体五十万台走っているものは全体はどうするんだ、その責任は一体だれの手でやらすのかという問題がかかってくるであろうと思うのです。そこで、そのためにまたこれが延び延びになっていく。現実に恐ろしいのは、現に走っている車の対策ですよ。この走っている車に対する対策、この分野についても、それこそメーカーの責任で対策を組ますということを即刻検討されることを私は政務次官に要望したいと思うのです。この点に対する御意見をひとつお聞かせいただきたい。
○三塚政府委員 まさにこの緊急対策の中において大事なポイントは、走っております五十万台の規制強化をどうするか、こういうところにあるわけでございまして、そういう意味合いにおきまして、メーカーに対しましてこういう問題についてきちっと行うようにしてまいらなければなりません。同時に、保安基準の改正も検討を加えておるわけでありますが、早急にこれも決着をつけてまいらなければならぬときにある、かように考えております。
○寺前委員 そこで、私は昨年も当委員会で聞きましたら、警察の交通局長さんは、基体的にはやはり車両の構造に問題があるということをお答えになった。それがぼくは常識だ。ですから、低運転席問題というのは、率直にメーカーの側の意見ばかりを聞いて運営しているのではなくして、運輸省自身が研究所も持っていることだから、そこでみずからちゃんと研究をすべきだ。いろいろなモデル的な車をつくらしてきて早急に持ってきなさいということではなくして、みずからこれはつくり得るんだ、こういうふうにやりなさいという方向を研究所において研究するというのは、私は当然のことであるというふうに思うわけであります。
 最近も、この種の問題について左折事故対策促進連絡協議会というところから運輸省に対する申し入れがなされております。その申し入れの中にもきちっとそのことを要求しておられます。すなわち、運輸省交通安全公害研究所において大型車の視界改善研究に直ちに着手をして、そして広く資料を国民に提供しなさいという問題が出されているわけです。ですから、私は、運輸省みずからがこの問題について対処されることを要望したいというふうに思います。時間がありませんので、私は、いまの運輸省みずからがやるということが、この問題に対する今日までの手おくれの重要な責任を果たす道であろうかと思いますので、政務次官からその点についての態度をお聞かせいただきたい。
○三塚政府委員 交通安全、人命の尊重は最大のものでありまして、ただいま開陳をされました御意見、貴重な御意見として拝聴をさせていただきたいと存じます。
○寺前委員 なお、今後の指導の上において運輸省当局に要望しておきますけれども、運転者の運転上からもあの運転席の状況というのは、エンジンが横のところについているのですから、したがって湿度、温度、振動それから騒音、こういう問題に対して現状のままの姿というのは決していいものではない。この点は十分に考慮されること、そういう点からも改善が必要であろう。
 それからもう一つは、低座席以前の問題として、現在行政指導で通達を出されたけれども、ミラーとかいろいろなもめをつけることが数がふえていく、そのこと自身が今度は運転する人間にとっては逆にまた新しい不安全な姿をつくっていく、この点についても十分考慮される必要がある。この二点をあえて私は行政指導として検討されることを要望したいと思います。答弁は後からお聞きします。
 なお、私はこの際に聞いておきたいわけですが、九月の末に、私のところに熊本県のお方から欠陥タイヤの問題についてお申し出がありました。運輸省が昨年十月「自動車タイヤ安全対策について」という通達をお出しになっているわけですが、横浜ゴムの製作に係る品質が適切なものではないということで、その改善方を指示した内容のものであります。私のところに電話をかけてこられたお方というのは、それを友達から聞いて、それでしかるべきところへ行って、私のタイヤはあれに該当するからかえてくれぬか、こう言った。そうしたら、お金を出しなさい、こう言われた。そんな欠陥タイヤだったら、何もお金を出さなくたってかえるのがあたりまえじゃないか、そこからいろいろ話を聞いて、会社に行ったら、会社の方は、それじゃおかえいたしましょうということで、その話はそれでけりがつきました。だけれども、私は、車の構造の欠陥の一部分として、タイヤの問題についても検討する必要があるんではないか。アメリカの場合には、車と同じようにリコール制度をタイヤの分野にもしているということを聞いております。とするならば、日本においてもタイヤについてリコール制度を実施することによって安全性を確保するという問題は、当然検討すべき内容だと思うのですが、これについてもあわせて見解を聞きたいと思います。
○小林(育)政府委員 まず第一番目の問題は、トラックの居住性の問題だと思いますけれども、先生御承知のように、最近のトラックの居住性というのは非常によくなっております。冷房もついておる、ステレオもついておるというような状態の車が走っておるわけでございます。今後とも、運転者のそういう居住性の問題につきましては私ども十分配慮してまいりたいと思っておるわけでございます。
 それから二番目の、ミラーをいっぱいつけることによって新しい障害が出るのじゃないか、こういう御指摘でございますけれども、これは、先ほど答弁の中でも申し上げましたとおり、その辺の調和の問題といいますか、組み合わせの問題というのは非常にむずかしい点がございますけれども、今後とも改善をしてまいりたいと思っております。
 それから、一番最後のタイヤのリコールの問題でございます。ただいまの法制上のたてまえといたしましては、私どもの保安基準というのは道路運送車両の保安基準ということになっておりまして、自動車の一部であるタイヤについてはリコールの制度というものが適用できますけれども、その以前の部品の段階の規制というのは、恐らくこれは通産省の管轄になろうかと思うわけでございまして、私どもの道路運送車両法の範疇でこのリコール制度を導入するということは、非常に問題があろうと思います。思いますけれども、関係官庁ともよく協議をいたしまして、できるだけそういうものの欠陥によって利用者の迷惑にならないように、検討、協議をしてまいりたい、そのように思っております。
○寺前委員 時間が参りましたので、質問を終わります。
     ――――◇―――――
○太田委員長代理 次に、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。
 交通安全対策に関する件につきまして、閉会中もなお審査を行いたい旨、議長に申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○太田委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十四分散会