第087回国会 外務委員会 第13号
昭和五十四年五月三十日(水曜日)
    午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 塩谷 一夫君
   理事 愛野興一郎君 理事 大坪健一郎君
   理事 奥田 敬和君 理事 川田 正則君
   理事 井上 一成君 理事 土井たか子君
   理事 渡部 一郎君 理事 渡辺  朗君
      石原慎太郎君    木村 俊夫君
      鯨岡 兵輔君    小坂善太郎君
      佐野 嘉吉君    中山 正暉君
      福田 篤泰君    毛利 松平君
      河上 民雄君    小林  進君
      高沢 寅男君    松本 七郎君
      浅井 美幸君    中川 嘉美君
      寺前  巖君    依田  実君
      楢崎弥之助君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 園田  直君
 出席政府委員
        法務大臣官房審
        議官      水原 敏博君
        外務政務次官  志賀  節君
        外務大臣官房領
        事移住部長   塚本 政雄君
        外務省アジア局
        長       柳谷 謙介君
        外務省経済局長 手島れい志君
        外務省経済協力
        局長      武藤 利昭君
        外務省条約局長 伊達 宗起君
        外務省条約局外
        務参事官    山田 中正君
        外務省国際連合
        局長      賀陽 治憲君
        外務省情報文化
        局長      加賀美秀夫君
        国税庁調査査察
        部長      西野 襄一君
        資源エネルギー
        庁長官     天谷 直弘君
 委員外の出席者
        警察庁警備局参
        事官      柴田 善憲君
        警察庁警備局外
        事課長     鳴海 国博君
        法務大臣官房参
        事官      藤岡  晋君
        外務省情報文化
        局文化事業部外
        務参事官    平岡 千之君
        文部省学術国際
        局ユネスコ国際
        部長      仙石  敬君
        通商産業省通商
        政策局経済協力
        部企画官    新  欣樹君
        資源エネルギー
        庁石油部計画課
        長       箕輪  哲君
        運輸大臣官房観
        光部業務課長  小池 公隆君
        海上保安庁警備
        救難部長    野呂  隆君
        外務委員会調査
        室長      高杉 幹二君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月三十日
 辞任         補欠選任
  東中 光雄君     寺前  巖君
同日
 辞任         補欠選任
  寺前  巖君     東中 光雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 教育交流計画に関する日本国政府とアメリカ合
 衆国政府との間の協定の締結について承認を求
 めるの件(条約第九号)
 国際情勢に関する件
     ――――◇―――――
○塩谷委員長 これより会議を開きます。
 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。
○井上(一)委員 私は、まず冒頭に、今回の航空機疑惑に関しての資金的な金の流れについて若干のお尋ねをしたいと思います。
 日商岩井がマクダネル・ダグラス社から事務所経費として取得した二百三十八万ドルの資金の流れ、この流れについて国税当局はどのように把握をしているのか、まずお伺いをいたします。
○西野政府委員 お答えいたします。
 いま先生からお尋ねの、いわゆる事務所経費二百三十八万ドルについてでございますけれども、日商岩井と米国日商岩井との契約書によりますと、日商岩井分といたしまして百十八万八千ドル、米国日商岩井分として百十九万九千ドル、両社間で配分するということになっておりました。しかしながら、実際の計上額を見てみますと、四十八年九月から五十三年九月までの間におきまして、マクダネル・ダグラス社の社員が東京に来た場合の経費十二万六千ドルが差し引かれまして、残りにつきまして日商岩井に百六万二千ドル、米国日商岩井に百十九万八千ドル計上されております。
 なお、このうちで未入金が日商岩井十万ドル、米国日商岩井二十一万一千ドルというふうになっておるところでございます。
○井上(一)委員 さらにボーイング社からの百五万ドルの資金の流れについてはどういうふうに把握していらっしゃいますか。
○西野政府委員 ボーイング社関係の百五万ドルの資金の流れでございますけれども、この百五万ドルは、ボーイング社が日本航空に引き渡しました川SR型機七機に関しまして、日商岩井に一機当たり十五万ドル支払った追加手数料でございますけれども、五十二年六月にアメリカの内国歳入庁から照会がありまして調査をいたしたところでございます。その結果によりますと、五十万ドルは日商岩井の利益金としてすでに計上されておりまして、残りの五十五万ドルにつきまして見てみますと、そのうちで四十七万ドルにつきましては、海外での入札資格取得工作のために使ったのだというふうに申し述べておりますけれども、この分につきましては使途不明金ということで処理をいたしております。また、八万ドルは契約書もないままに米国の子会社に支出されているということで、米国日商岩井社に対する野付金としてそれぞれ課税処理をいたしております。
○井上(一)委員 ボーイング社からの百五万ドルの資金の流れ、その中で架空口座、いわゆるキヨシ・ニシヤマという名義の口座に振り込まれたということが正式な場ですでに当局から報告されているわけです。しかし、私の調査では、実は、そのキヨシ・ニシヤマの口座に入る以前に、別の口座があって、その口座に資金が入っておった。そしてある時期にその口座からいわゆるキヨシ・ニシヤマという口座に移しかえられておる。端的に言えばキヨシ・ニシヤマと違った名義の口座がそれ以前にあった、そのように私自身は承知しておるのです。このことについてはいかがでございますか。
○西野政府委員 お答えいたします。
 先ほど申し上げました課税処理に当たりまして資金の流れも調査をいたしているところでございますが、これに関連いたしておりますキヨシ・ニシヤマ名義以外の預金口座につきましては、公判との関係もあろうかと思われますので、現段階では答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○井上(一)委員 それでは国税当局は、私が指摘した別口座、キヨシ・ニシヤマ以外の口座が存在しておったという事実を、公判の関係で現時点では言えないけれども、そういう事実があったということ、私の申し上げていることを否定はいたしませんね。
○西野政府委員 キヨシ・ニシヤマ名義以外の口座があったかなかったか、肯定も否定もいたしかねる次第でございます。
○井上(一)委員 検察当局に同じことをお聞きしたいのです。私も当然、公判維持のために、その口座名義をここで明らかにすることはこの疑惑を解く上で非常に慎重にならざるを得ないという立場は理解できるのです。しかし、検察当局も別口座があったという事実関係を承知しておったのかどうか。承知していると思いますけれども、いまここでその口座名義を明らかにせよとは申しませんが、そういう事実があったということをもう一度検察当局にお尋ねしたいと思います。
○水原政府委員 井上委員御承知のとおり、四月四日に山岡東京航空機部長を外為法違反とこれに関連いたします私文書偽造、同行使の罪で起訴いたしております。その関係がずばり、キヨシ・ニシヤマ名義で当座預金していた三十万ドルを非居住者である米国日商岩井をして引き出させて、そして受領せしめたことによって生じました日商岩井の米国日商に対する三十万ドルの債権を日商岩井の米国日商岩井との交互計算勘定にボーイング社との約定に基づく仲介あっせん手数料として借記させて、非居住者との勘定の借記をなしたという事実で起訴いたしておるわけでございます。起訴状自体においてキヨシ・ニシヤマということがはっきり出ておるわけでございますが、これに関連いたしますもろもろの案件につきましては、捜査当局で必要かつ十分な捜査を遂げているものだと私は思っております。しかし、委員にも御理解いただけておりますとおり、この点につきましては、委員の御質問の口座があったかどうかを含めまして、これは現在答弁申し上げることは御容赦願いたいと思います。公訴維持に支障があるということで御理解いただきたいと思います。
○井上(一)委員 検察当局も、その口座こそ公判維持のためにどうしても残しておきたい、こういうことだと思うのです。この段階でその口座名義を明らかにしていくということは、時期的に容赦してほしいということですが、キヨシ・ニシヤマ以外にもそういう口座があったという私の指摘、当局は、これを十分理解できるのか、あるいはそういう事実があったということを承知をしているということに、逆に私が理解をしたいと思うのですが、いかがですか。
○水原政府委員 キヨシ・ニシヤマの口座以外に別口座があったかどうかを含めまして、現段階での答弁は御容赦願いたい。したがって、委員がお尋ねの別口座があったということを肯定するものでもありませんし、否定するものでもございません。
○井上(一)委員 歯切れのよい答弁がないわけですけれども、まさに口座があった、事実あったわけなんです。そういうことから考えると、日商岩井のアメリカにおけるやり方というものは非常にずるいやり方である、検察当局も承知のことと思いますけれどもそういうことなんです。それでは、キヨシ・ニシヤマの口座は、亡くなられた島田三敬さんが、当時、米国日商の社員に指示してつくらせたというように私は承知しているのですが、間違いありませんか。
○水原政府委員 御質問の内容をも一含めまして、必要な限度で公判段階で明らかにしていきたいと思います。
○井上(一)委員 私の調査では、島田三敬さんが日商岩井の社員に指示をしてつくらせた。その社員は、現在日商本社の管理職にある人である。財経総括室長のM氏。私はあえてイニシャルを申し上げるのですけれども、このM氏は、口座開設を実際に行ったと目される人でありますから、刑事責任を問う考えがあるのか、あるいはそういう考えを持っているのか、この点については、当局自身どういうお考えを持っておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○水原政府委員 航空機疑惑に関しますもろもろの案件について、捜査当局は鋭意捜査を遂げたのでございますが、犯罪容疑として認められるものにつきましては、これまでに公訴を提起したものだけでございます。そのほかの件につきましての報告は受けておりません。
○井上(一)委員 アメリカでは、架空で口座を開設することが不可能に近い状態だと私は承知しているわけです。社会保障カード等のいわゆる身元を明らかにする、そういう何らかの証明がない限り、口座は開設できない。キヨシ・ニシヤマの口座が開設できたのは、まさに何らかのそのような身元保証がそこになされた、こういうことだと思うんです。このことについてはいかがですか。
○西野政府委員 ただいま先生から、預金口座をアメリカで開設する件についてお尋ねでございました。これはアメリカでの銀行実務の問題でございますし、私どもの専門分野でございませんので、よくわかりませんけれども、わかっております範囲内でお答えをさせていただきます。
 一九七〇年の金融機関の記帳並びに通貨及び外国取引の報告に関する法律の施行規則というものがございまして、その規則から見てみますと、法人につきましては、役員のサイン届出書、預金の開設、引出申込書を銀行へ提出しまして、この書類には法人の雇用者番号を記入する必要があるというふうになっております。
 以上でございます。
○井上(一)委員 これまでの私の調査では、このキヨシ・ニシヤマ名義の口座を開設できたことについて、特定の金融機関が関与しておったというふうに私は承知いたしております。このことについて検察当局は、そのような事情をもうお調べだと思うんですけれども、そういうことは御承知ですね。
○水原政府委員 御質問が、今後公判で立証される訴因そのものとの関連で、きわめてウエートの高い問題かと思いますので、この場での答弁は差し控えさせていただきたいと思います。公判の過程で逐次明らかになっていくものだと思います。
○井上(一)委員 私は、公判維持のために、十分に明らかにできないということも理解はできるんです。そういうものが関与しておった、あるいは先ほどの質問の中でも申し上げたように、別口座もあった、そういうことが、今後の公判維持のために非常に貴重な一つの資料であるということは理解できるんですが、私の申し上げていること、指摘をしていることに対して、全くそんなことはないんだと言い切れないと思うんです。あえて私は東京銀行という名前をここで出したいと思うんですが、銀行関係、とりわけ東京銀行に関係をする金融機関とでも申し上げておこうと思うんです。そこの特定の人物がこれに関与しておった、こういうふうに承知しておるんです。もう一度お聞きをします。
○水原政府委員 委員の御質問が、まことに捜査の内容そのものについてのストレートな御質問でございまして、これにつきましては、先ほど来申し上げますように、必要の都度、公判で明らかにさせていただくという以外に、いまの段階での答弁を御容赦願いたいと思います。
○井上(一)委員 さらに私は、このような関係者は、さっきも口座名義のM氏を指定して、刑事責任を問う用意があるかどうかということをお尋ねしたわけなんですが、今回も私は、このキヨシ・ニシヤマの口座の開設についても関与した人たち、そういう人たちに対しても刑事責任が問われていくのであろうか、あるいは刑事責任でなく、本題の日商自身の疑惑の解明の中での重要な関係者であるという位置づけだけにとどめていらっしゃるのか、この点はいかがなんですか。
○水原政府委員 仮定の話ではございますが、仮に委員御指摘のM氏なるものが口座開設に関与したといたしましても、これが外為法違反ないしはその他これに関連いたします犯罪の共犯と認められる証拠がなければ、これは被疑者として立件できないものだと思います。
 いま申し上げたのは仮定の問題でございます。
 これが外為法違反あるいは私文書偽造関係、これらの犯罪との関連があるとするならば、捜査当局ではこれを見逃すことはないと私は思います。しかし、いままでのところ捜査当局からは、これまで発表申し上げました事実で起訴しました被疑事実以外の犯罪があるという報告は受けておりません。
○井上(一)委員 重ねてお聞きをしますけれども、それではそのM氏なりT氏なりについては犯罪の容疑が現在のところは明確でない、しかしながら、現在までに起訴をしたその事件について深いかかわり合いを持っているということは言えるわけですね。
○水原政府委員 御指摘になられる記号で申されるその人たちが具体的にどういうことをしたのか、またそれらについて捜査当局は処罰をする意思がないというふうに確認してよろしいかということでございますが、それらにつきましては、いままでのところ先ほど申し上げた程度の報告を受けておることでございまして、それ以上の立ち入った答弁は御容赦願いたいと思います。
○井上(一)委員 ここでもう一度国税当局と検察当局それぞれに確認をしておきたいと思います。
 キヨシ・ニシヤマ以外の、以前に開設されておった口座、このことについては、公判維持のためにその時期までは、その口座名義も含めて明確に答えられないということをさっき答弁されたと思うのですが、そういうふうに理解してよろしいですか。
○水原政府委員 そのような口座があったかどうかをも含めまして、いまの段階では答弁を御容赦願いたいと思います。
○井上(一)委員 そういう口座があったということを、私はすでに私の資料等から明確に承知をしております。それで、いま公判維持のために明確にそれを答えられないという立場も私は理解ができます。
 さらにここで一点具体的な問題について聞いておきたいことがあります。
 検察当局は、日商岩井から松野氏に渡された約五億円は松野氏の要望に基づくものである、F4Eの導入工作の成功報酬であるというふうなとらえ方をしている、しかし政治献金か報酬かは主観の問題だ、こういうふうに答弁されているわけです。
 それが政治献金であるとかあるいは成功報酬であるとかということは別に置いて、もしこのように日商岩井側の支出目的と受け取った松野代議士さんの認識とが実際に異なる、そういう場合には、いわゆる給付の原因について双方の認識が異なるということでありますから給付原因のない給付、つまりこのことは不当利得ということになるのではないか。そういうことになると、民法第七百三条によって松野氏は返還の義務がここに生じてくるのではないか、こういうふうに思うのです。松野さんがあくまでも政治献金であり成功報酬ではないということを主張するならば、五億円を日商岩井に対して返還をする義務がある、返還をしなければいけない。しかし、そうでないと、逆に成功報酬であることを松野さん自身が認めることになれば、これはいま問題になっておる議院証言法違反に問われることになる。どちらにとっても、議院証言法に違反するそのことで問われるか、五億円を日商岩井から不当利得として給付原因のない給付を受けたということで返還をする義務がある、こういうことなんです。これは一般論として一回検察当局の御見解を聞かせていただきたいと思うのです。
○水原政府委員 まずもって双方の認識の違いにつきましては、昨日衆議院の法務委員会で伊藤刑事局長が答弁されたとおりでございます。そのように御理解いただきたいと思います。
 それから、報酬でなければ不法原因であるから返すべきである、こういう委員の御質問でございますが、委員も御承知のとおり不法原因給付と申しますのは、不法な原因に基づいて給付したという場合には不当利得の返還請求がございます。しかし、この場合何をもって不当とするのか、私としてはいささか判断に苦しむわけでございますので、一般論として申し上げますならば、これは不当利得の返還の対象になることは非常に困難ではなかろうかと考えます。
○井上(一)委員 給付原因のない給付を受けた場合、これはどうなるのですか。
○水原政府委員 原因のない給付というのはいろいろな場合があろうかと思うわけでございます。したがって、これが不当な原因で給付したものでない限りは、不当利得の返還請求の対象にならないと考えます。
○井上(一)委員 これは松野さんに、議院証言法とそれから給付原因の問題という二つの対照的な事例で私は一般論を論じたわけです。しかし、どちらにしても原因究明をしていかなければいけないし、また起訴されたことを的確に裏づけるための資料は十分お持ちだと思うのです。そのことについては今後の解明を私は特に期待したいと思うのです。ただ一点、さっき申し上げた口座等については私の指摘したとおりだ、こう思うわけです。
 さらに、今度は同じ日商の関連でダグラス社の説明がさっきありましたけれども、二百三十八万ドル、とりわけ差し引き具体的には九十七・五万ドルがアメリカ日商の取り分だということです。この九十七万五千ドルがアメリカ日商の経理操作上どのように操作されておったのか、国税当局にこれをお聞きしたいと思うのです。
○西野政府委員 ただいま先生御指摘の金額でございますが、米国日商岩井が受け入れました一十九万八千ドルから移入金の二十一万一千ドルを差し引いた金額がその金額に該当するのかなというふうに思います。
○井上(一)委員 私が尋ねておるのは、その該当する金額がどのように経理処理をされておったのか、こういうことなんです。具体的に数字を挙げて――私の調査ということじゃなく、私が聞きたいのは、米国日商に入った九十七万五千ドルが実質上利益計上されておったのかどうか、アメリカ日商の。そういうこともあわせてお答えをいただきたいのです。
○西野政府委員 お答えいたします。
 日商岩井の方から、米国日商の収益の計上につきましては一応事情を聴取しておりますけれども、この点につきましては、いままでの段階での状況でございます。そういうことで御理解いただきたいと思います。
○井上(一)委員 こういうことなんです。アメリカ日商へ日商から渡された金額に対しては、これは当然日商岩井の取得であるというふうに調査の結果なるかもわからないし、あるいはアメリカ日商の利得になる、利益に計上されなければいけないということになるかもわからない。私の聞いておるのは、アメリカ日商は、この百万ドルに近い日商岩井から送られた金額をすべて利益として計上されておるのかどうか。では、このことについてはどうですか。
○西野政府委員 ただいまの約百万ドルでございますが、米国日商の方での立てかえ金などがございまして、そういったものを差し引くということでございますので、したがいまして、金額はかなり小さなものになるということでございます。
○井上(一)委員 そこなんです。立てかえ払いあるいは仮払いの戻入というかっこうで処理をされている、こういうことなんです。そういうことになりますと、アメリカ日商は当然経理上明確にしなければいけないのが、ぐっと非常に低い、恐らく十万ドル前後だと思うのです、それだけしか計上してない。あとは全くもって仮払いの戻入に処理をしているというふうなことをしているのじゃないかと、私は私の調査の段階ではそういうふうに理解をするわけなんです。そういうことをすると、アメリカ日商は、これは国税の調査範囲内じゃありませんけれども、アメリカ日商はアメリカの国内法に抵触するのじゃないか。わかりやすく言えば、アメリカ日商はアメリカで脱税をしているのではないか。そして日商岩井も、これは調査をしないとわかりませんけれども、これは今度は国税の調査の範囲内ですが、アメリカ日商へ送ったというその金額についての調査を今後やらなければいけないと思うのですけれども、そのことにも一定の疑惑が生まれてくる、こういうふうに私は理解しているのです。そういうことで、アメリカ日商に送られた金の表面的な処理というものに疑惑がある、こういうことなんです。おわかりいただけますか。私の尋ねている趣旨、わかっていただけますね。どうなんですか。だから、私の理解をしていることが間違っていれば、間違っている部分を指摘してください。合っているならば、そのとおりだとお答えをいただければいいと思うのです。
○西野政府委員 ただいま先生御指摘の内容でございますけれども、日商岩井から聴取したところによりますと、おおむねそのような経理が行われているんではないかというふうに思いますけれども、何分にもこの関連の内容につきましては十分な調査ができないうちに検察庁の方の捜査が始まったというようなことがございまして、二百三十八万ドル全体の資金の流れにつきまして今後見直しをいたしまして、調査によって確認をしていかなければならないということでございます。そういうふうな調査の中で先生の御指摘の事項も頭に置きながら内容をしっかりと把握してまいりたい、課税処理を適切にやっていきたい、このように思っております。
○井上(一)委員 このように大手商社の経理操作というものがいかに巧妙かつ悪らつなものであるかということの一例が、具体的に日商岩井に出てきたわけです。国税当局は、いわゆる大手商社に対する税務調査というのでしょうか、一つの例として日商ですが、何らかの対応策を考えていらっしゃるか、あるいはもうすでにそういうことに取り組んでいらっしゃるのかどうか、その点はいかがですか。
○西野政府委員 お答えいたします。
 ただいまお話のありましたような大企業、大商社を含めまして大きな企業につきましては、従来から特に力を入れて重点的に調査をしなければならないというふうに考えておりまして、調査も連年調査に当たる、また調査に投下する事務量も延べ数百日というようなことで力を入れてやっているところでございますけれども、その場合に、いままでのいろいろの調査の経験を生かしまして、より効率的に、より重点的に調査を進めてまいりたい、このように考えております。
○井上(一)委員 時間がありませんが、日商岩井の関係の最後の一つの質問として、これは検察当局にお聞きをしたいのですけれども、いろいろと御苦労いただいたわけです。私は前々から、航空機だけに限った疑惑ではない、その原点はオイルだということをよく言っております。そしてそれを指摘してきました。それはアメリカへ行った私がはだで感じてきたことなんです。そういうことから、今回の資金の流れを解明する中で、当然私は日商岩井の過去におけるオイルに対する取り組み等も、その事情聴取の中でもう部分的に承知をしていらっしゃると思うのです。
 ただ松野さんに流れた五億円という、そういうことだけにとらわれずに、あるいは今回のアメリカと日本との国際的な企業の裏の裏、そういうものを調べていく中で、日商岩井が、使途不明金の中で中近東の淡水化プロジェクトだとかインドネシアに対する資金支出を国税に話しているわけなんですね。検察はそういうことについてもお聞きになったかどうか、具体的にインドネシアを中心とする原油にまつわる日商岩井のいろいろな取り組み、結びつきを少しでもお聞きになっていらっしゃるかあるいは全くそのことは本件と関係のないことだということで一言も聞いてないんだということなのか、どちらなのでしょうか。
○水原政府委員 これまでも申し上げてきたところでございますが、検察当局は国会で種々御論議をされたこと、それからマスコミで報道されたこと、その他今回の事件に絡む種々の問題について、これを手がかりに各方面にわたって捜査を行ってきたと思います。御指摘の中近東、特にインドネシアの原油にまつわる問題について検察当局が捜査をしたかどうか、取り調べたかどうかについては、この場で答弁は差し控えさしていただきたいと思いますけれども、先ほど申しましたように種々の問題について、疑惑につきまして各般の観点から捜査は行ってきたものだと思います。しかし、捜査にはおのずと限界があることは井上委員も先刻御承知のとおりかと思います。何ら容疑のないものについてまで参考人としてあるいは証拠物の提出を求める、こういうことのできないことは人権保障との兼ね合いもございますので、よくなし得ないことは委員も御承知のとおりかと思います。しかし先ほども申しましたとおり、国会で御論議になられた点で、また報道関係その他でいろいろ提起されました問題点につきましては、各般にわたって調査を遂げたものだと思います。
○井上(一)委員 さらに私は外務大臣に質問があります。イランの問題あるいは金大中氏の問題あるいは難民の問題、尖閣諸島の問題、これは大臣の都合で午後になるわけですけれども、ここで尖閣諸島について外務省に一つ尋ねておきたいと思うのです。
 今回の尖閣諸島に対するわが国のとった行動について、外務省は十分に承知をしておったのでしょうか。
○志賀政府委員 十分に承知いたしております。
○井上(一)委員 いつごろ知っていらっしゃったのですか。――私は政務次官がいつごろ御承知だったのですかということをお聞きしているのです。
○志賀政府委員 この問題につきましては、予算措置が講ぜられたときから私は承知いたしております。
○井上(一)委員 政務次官、本当なんですか。あなた予算措置を講ぜられたときから承知していらっしゃたのですか。
○志賀政府委員 尖閣列島のこの調査については承知しておりました。
○井上(一)委員 あなた、日中平和友好条約の締結の過程というものは十分承知しているわけなんですよ。そして運輸大臣が発表なさって実は私はびっくりしたわけなんですけれども、政務次官はすでに予算措置のときから知っておったわけですか。ただ調査をするということと具体的なアクションに移るというのは意味が違いますから、私が言っているのは具体的な行動をとったことをいつ知ったのですか、こういうことなんです。政務次官、どうぞ。
○志賀政府委員 いま井上委員が二つに分けて御質問なさいましたとおり、私は調査をするということについては予算措置の段階で承知いたしておりましたが、具体的な行動につきましては、神ならぬ身、とうていこういうことが具体的に起こるということは承知はしておりませんでした。したがいまして、私がこの問題を知りましたことは、当然のことながらそういう具体的なことが起こってから知ったわけでございます。
○井上(一)委員 政府の取り組みというのは非常にどうも自然でない。政務次官は外務政務次官でしょう。そうでしょう。
○志賀政府委員 そのとおりでございます。
○井上(一)委員 そういうことであれば、その尖閣諸島はわが国固有の領土であるということは私は当然承知し、それを主張し続けてきたわけですから、わが国の領土にわが国がどのようなことをやろうと、実は常識の範囲内では私はそれは肯定できると思うのです。今回とった行動というものについての批判なりあるいは評価というものはここではいたしません。それは別問題だと思うのです。中国と日本との友好という形の中で、政務次官も御承知のようにこの尖閣諸島については一応たな上げという表現が適当かどうかわかりませんけれども、たな上げだという形の中で、われわれの代じゃなく子供の代あるいは孫の代になって知恵のある者がいずれ解決してくれるであろうという、その形の中でケ小平さんはわが国との平和条約締結に踏み切られたわけなんです。
 そういう経過からすれば外務省は非常にかかわり合いがあると私は思うのです。それが全く何も知らなかった、行動を起こした後に知ったんだ。どうでしょうか偽らぬ心境として、本当にばかげた話だし、あなたの、政務次官の存在それ自体が疑われるじゃありませんか。私は外務大臣がいらっしゃらないところでこういう質疑をしているのです。政務次官は外務大臣にかわり得るのだという認識の中で、政務次官、質問しているんですよ。このことは午後外務大臣にも改めて質問をしますが、政務次官、本当の気持ちを言ってくださいよ。あなたが知らないということならおかしいし、外務省は何をしていたんだ、あるいは外務省はなめられておるのじゃないですか。そんなことが日本の平和外交の本当の基本的な方針になるのですか。政務次官、どうなんですか。
○志賀政府委員 最初に申し上げましたとおり、具体的にどういうことが行われるかということは予算措置の段階で知らなかったと私は申し上げたとおりであります。しかし、調査が行われるということは私は承知しておった、こう申し上げた答弁は改めようがございません。
 なお、自分たちの代ではなかなかこの問題を解決できる知恵者はいないと思うから、孫子の代に、そういう御発言はケ小平副首相の口から出たということは承知をいたしております。
○井上(一)委員 政務次官が知ったのは後だということでしょう。行動を起こすことは事前に承知をしていなかったということでしょう、政務次官。ちょっと整理をしましょう。あなたは行動を起こすことを事前に承知をしていたのかどうかということを私は聞いているわけです。行動それ自体についての評価というものはここで論議していないのですよ。どうなんですか。
○志賀政府委員 行動を起こすことは承知をしておりました。しかし、行動の具体的内容のすべてにわたって私は承知をしていなかったということを申し上げておるわけであります。
○井上(一)委員 政務次官、ちょっともう一度確認します。
 あなたは、行動を起こすことは知っておったけれども、その具体的な日時は知らなかったということですか。行動を起こすということは知っていたのですか。
○志賀政府委員 行動を起こすということは承知いたしておりました。
○井上(一)委員 それはいつごろ知っておったのですか。
○志賀政府委員 事前にこれはその都度打ち合わせがございますので、その都度そういうことは耳に入っておりますけれども、総合的にこういうことを全部やるということは私は承知をしておらなかった、こういうことでございます。
○井上(一)委員 おかしいじゃないか。あなたは行動を起こすことを知っていた。私はいつごろと言って、具体的に一週間前なのか、十日前なのか、一月前なのか。調査をするということは予算措置で承知していた、これはよくわかりました。しかし行動を起こすことについては知らなかったというさっきの答弁だったのですよ。いまは急遽後ろからメモが入って、ちょっと段取りが悪くなったからそういうふうに答えたんだろうと思いますけれども、もう一回聞きましょう。いつごろ行動を起こすことを承知していたのですか。
○志賀政府委員 日にちを私は明確には覚えておりません。したがいまして、日時を明確に申し上げることは現在不可能でございますけれども、森山運輸大臣からお話がありました少なくとも前には私は承知をしておったわけでございます。
○井上(一)委員 それを承知したときに、あなたは中国なりあるいは関係者に対してそういうことについての何らかの措置をとられたわけですか。ただもう何にもせずにそのままにしておいたのですか。
○志賀政府委員 何もしておりません。
○井上(一)委員 それが外務政務次官として当然だと思われたのですか。そういう判断をされたのですか。何もしなくてもいいということの判断に立ったのでしょうか。
○志賀政府委員 日本国政府は終始一貫尖閣諸島は日本固有の領土という考え方を持ち続けておりますから、私はそういう態度をとったわけでございます。
○井上(一)委員 政務次官、よく私の質問を聞いてください。
 私も尖閣諸島は日本固有の領土だ、日本固有の領土に対して日本の政府が常識的にどうしようということについて、私は批判もしておりません。それは日本政府の取り組みなんです。しかし、この尖閣諸島については、日中の平和条約締結の経過から考えて、外務省が全くこれは素知らぬことでいいのだ、そんなことでいいのかどうか。常識的な外交というものがあるのですよ。主体的な外交を進めなくちゃいけない。主体的な日本の判断をしなければいけない。そんなこともわかり切ったことなんです。
 本当のことを言えば、あなたは何も知らされずに、本当に具体的にこのことについては相談にあずかっていなかったわけなんでしょう。あるいはあずかっておって何もしないといったら、外務政務次官、私が日ごろから敬愛をしておるあなたがそんなことじゃ、今後の日本外交が案じられますよ。
 時間が参りましたから、この後については、私は外務大臣の出席した午後の時間に質問をいたします。
○塩谷委員長 小林進君。
○小林(進)委員 それでは、外務大臣が来るまでお待ちして、その間ひとつ捜査当局と法務省に、来ていますね、お伺いいたします。
 五十年の十月二十九日に、予算委員会で、当時荒舩委員長ですが、私はそこで、金東雲という人はもはや公務員の地位を離れて民間人になったんだから、これはひとつ日本の政府に出頭をしていただいて、任意に出頭していただいて、そしてこの金大中拉致事件に対して証言を求めるような処置をしなさいということを要求した。大変もめたんですよ。もめたんですが、最終的には荒船委員長がこういう発言をしている。「先ほど小林委員から、金東雲事件に関し、本人の出頭を要請するよう要望がありましたが、私もごもっともな御発言と思いますので、委員長として政府に対し善処方を要望しますが、外務大臣いかがでございますか。」
 これに対して外務大臣は、「ただいまの委員長の御発言の御趣旨を体し責任を持って委員長の御要望が実現するようお約束をいたします。」こう言っている。
 これで私は言葉をついで、この問題について公安委員長としてどうお考えなのか承っておきたい。
 これは福田一さん、公安委員長、国務大臣。「ただいま外務大臣がお答えをいたしました線に沿って善処いたします。」
 私は次に法務大臣に向かって、この問題に対する御回答をお願いいたします。
 稻葉法務大臣「ただいま外務大臣及び国家公安委員長の答弁を申し上げたとおり善処いたします。」
 こういうことになっているのであります。
 その後私は、公安委員長からも、法務大臣からも、善処をした結果を承っておりません。その後どうなっているのか、まず法務省からお伺いいたしたいと思います。
○水原政府委員 この金大中氏事件に関しましては、小林委員も御承知のとおり、訴訟法の本来第一次捜査権が警察にございまして、この事件も従来とも警察当局が第一線、第一次的捜査機関としまして真相解明のために努めておられ、法務当局といたしましても、警察と常に密接な連携を保っておるのでございますが、それら第一次捜査権のある警察当局から答弁をお願いした方が適切かと思います。
○小林(進)委員 それでは公安委員長にお伺いいたしましょう。
 この答弁をどのように実行していただきましたか。
○柴田説明員 この金東雲元一等書記官の問題につきましては、国と国との関係で政治決着が行われておるわけでございますので、私どもといたしましては、外務省を通じた、外務省の方でお取り扱いになるべき事柄であろう、このように認識をいたしておるわけでございます。
○小林(進)委員 それじゃ結論的に五十年十月二十九日予算委員会で速記録をつけて善処をいたします、努力をいたしますと法務大臣も公安委員長も答えたことは、単なる答弁に終わって、何もしなかったということかね。これは、もししなかったとすれば、立法府に対する重大な侮辱だ、単なる発言は発言だけにしておいて、後は野となれ山となれという無責任きわまるやり方だと言わなければならぬ。
 皆さん方、きょうは両大臣もお見えになっておりませんから、これは法務大臣、公安委員長、この方たちの答弁についてはひとつ文書をもって回答願いたいと思います。委員長、善処方をよろしくお願いいたします。これは行政府、立法府のあり方を今後とも詰めていかなければならぬ重大問題でありますから、公式の文書でひとつ御返答をお願いいたします。
 次に法務省にお伺いいたしますけれども、李厚洛元KCIA部長、金在権元駐日公使、金東雲元駐日一等書記官を殺人未遂、誘拐罪などで最高検に告訴している問題がありました。告訴人代表は古波倉正偉弁護士であり、その他学者、文化人、弁護士など数十名が関係しているはずでありますが、この告発はその後どういうように処置されているのか、お伺いをいたしたいと思うのであります。
○水原政府委員 御質問の告発は、昭和五十一年七月三日付で、告発人が委員御指摘のとおり一部文化人、弁護士らを含む五十名で、被告発人が金基完こと金在権元駐日公使、金東雲及び劉永福、この三名で、逮捕監禁致傷、殺人未遂等の事実をもって最高検察庁に告発をされ、これを同庁において受理いたしております。事件は七月六日に最高検察庁から東京地方検察庁に移送されております。東京地検におきまして所要の捜査が進められておると聞いておりますけれども、先ほども答弁申し上げましたとおり、この案件につきましては、従来警察当局が第一次捜査機関といたしまして真相解明のために捜査を行ってきておるところでございますので、検察当局といたしましては、その警察当局と相協力し、事件の送致を待って必要な捜査を行うべく、現在調査、捜査中であるということを承知いたしております。
○小林(進)委員 それでは捜査当局にお尋ねいたしますけれども、その後の金大中事件に対する捜査の進展状況はどうなのか。四十八年の八月、この事件が起こったときには二十三人の捜査員を擁して精力的にやられたことを私は非常に多としてきた。しかし、その後いつの間にやら捜査陣営は二十三名から二十名に削減されたことを私は知っている。けれども、努力をされているものとは考えておった。いま一体捜査人員は何名か、捜査の規模を小さくしたのかどうか、また、その後一体実績はどんなぐあいに上がっているのか。いま法務省あるいは捜査当局から、この捜査は第一次的に挙げて警察が賄っている、と言っちゃ言葉はなんでありますけれども、そういうような御答弁があった。私はこの答弁を聞きながらつくづく矛盾を感じたのでありますが、同じ捜査に従事をしながらどうして検察庁と警察とが、相一致するところもあるだろうけれども、相入らぬところもある。たとえて言えば、いまやっております航空機輸入に関する問題等は検察庁が中心になってお調べになっていて、警察の捜査がどうも検察庁の捜査についていかない、そういうようなわれわれは感じを受ける。これは航特委やら法務委員会やら衆参両議院でやっておりますけれども、どうも何か警察当局の捜査がおくれておるような感じだが、事金大中になると、今度は舞台は変わって、検察庁は主力じゃない、警察が捜査の主力だ、こういう答弁がはね返ってくるのであります。一体この内容はどうなっておるのですか。同時に、先ほども申し上げましたように、捜査の進展状況を詳しく承りたいと思うのであります。
○水原政府委員 捜査の進展状況につきましては警察当局から御答弁があろうかと思いますが、委員御指摘のような警察と検察との間に確執、みぞがあるようなことは一切ございません。これは昭和四十八年の八月八日に発生しました事件で、直ちに警察当局が捜査に着手をいたしておるわけでございます。法律の規定そのままの第一次捜査権の行使をされたわけでございます。告発は、先ほども御説明申し上げましたとおり、五十一年になりましてのことでございます。したがって、警察捜査が先行いたしておりますので、検察庁といたしましては、それと相協力いたしまして同一事件の捜査を行っておるということでございますので、決してそこにみぞがあるなどということは私ども考えておりません。
 なお、検察当局の捜査状況は、警察との間で、警察が収集いたしました証拠についての検討、それから種々の証拠関係の検討、これらを協力一致して行っておるところでございます。
 なお、航空機疑惑関係の事件をなぜ東京地検でやったかということでございますが、委員ももう十二分に御案内のとおり、東京地検に特捜部というものがございます。そこで検察官認知、検事がみずから捜査の端緒をつかんで行う場合には検察庁が主体になりまして、必要に応じ警察の御協力、国税庁の御協力をいただくこともあろうかと思いますが、それを行うものでありまして、これは一次捜査権を持っておる警察の警察権行使から言うならば、多少例外と申しましょうか、そういう場合でございます。決してそれをもって確執があるというふうには考えておりませんので、御了解いただきたいと思います。
○小林(進)委員 捜査当局に答弁を聞く前にいま一つつけ加えておきます。
 現警察庁長官の山本さんが長官就任に当たって、新聞記者の質問に答えてこう言っておるのです。仕事を通じて一番くやしかったのは何かという質問に対して、金大中事件で関係者に逃げられたこと、こう答えておる。いみじくもここに警察の良心があらわれておると私は思うのでありまするけれども、これに加えてなおかつ、山本さんがまだ長官になる前の、これは私に対する答弁なんです。そのときは警備局長だ。九月五日、金東雲に認意出頭を求め、他の五人については現在なお引き続き捜査をしているが、いまだ確定を見るまでに至っていない、こういう具体的な答弁もあります。それについて、一体その五人の捜査はどこまで進んでおるのか、御答弁をいただきたい。あわせて、長官の所感に対してもひとつ捜査当局の所感を述べてもらいたいと思うのです。
○柴田説明員 最初に検察庁との捜査の関係でございますが、これはただいま法務省から御答弁ございましたように、警察におきましても何ら確執はない、このように確信をいたしております。
 そこで、捜査の規模、進展状況等でございますけれども、現在も警視庁に特捜本部を置きまして、約二十名と申し上げておりますが、実は二十三名の体制で捜査を継続いたしております。縮小したということはないわけでございます。そこで新たな情報の掘り起こし、裏づけ捜査、関係者の洗い出し、さらにはたくさんあります既得資料の再検討等を行っておりまして、捜査の重点といたしましては、共犯者及び連行ルートの割り出しに努めておるところでございます。
 犯行は金東雲書記官を含めた六人で現場で行われたと見ておりますが、余の五人につきましては、これは共犯者割り出しということで鋭意捜査をしておるわけでございますが、ここで御報告申し上げるような新たな進展は残念ながらないというのが実情でございます。今回の米国務省文書のこともございますし、私どもも新たな情報の掘り起こしにさらに努力をして捜査を続けてまいりたい、このように思うわけでございます。
 それから、先生お尋ねの長官の発言につきまして、私も詳細にその雰囲気等を承知しておらないのでございますが、ただいまお聞きしました範囲内でやや感想を申し上げますならば、くやしかったというのは、やはり国内で押さえられなかったものか、現行犯段階で押さえられなかったものかといったような点に対する反省を述べたものではないだろうか、このように感ずるわけでございます。
○小林(進)委員 捜査当局が二十三名でやって四年もたっておる。その中で一つも新しい進展がないというのはまことに私は残念にたえない。努力をされていないとは申し上げませんけれども、だれが一体あなた方の捜査の邪魔をしているのか、そういうこともあわせて教えてもらいたいと私は思う。
 次は法務省に伺いますが、元の法務大臣、田中伊三次さんがこういうことを言っておられるのだな、五十三年九月十七日の、これは公に発表された意見です。「私が事件を知ったのは、一一〇番が入るかなり前だ。ある人が法務大臣室に「金大中が、ら致された」といってきた。なぜ事件を早く知っていたかということで問題になるから名前はいえないが、(政府機関の)レッキとした官職にある人だ。もちろん日本人で、在日韓国居留民団などの情報に非常にくわしい人だ」、こういうことを発言をしておられる。なおいろいろ言っておられますけれども、「某大国秘密警察が(金大中氏の殺害)中止指令を出した」という情報も法務大臣室においてキャッチをした、こういうことを言っておられる。なお、「某大国秘密警察と韓国秘密警察は、当時、非常に深い関係にあったことを私は知っている」、したがって、「某大国秘密警察は連行の動きも知っておったでしょう、隠れた場所も知っておったでしょう」、こういうことを元法務大臣が発言をしておられるのだ。こういうような事実はもっと具体的に現法務大臣あるいは法務省に受け継がれていると私は思うが、こういう内容について具体的にここで御発表願いたいと思う。――外務大臣が来たから答弁は後に留保しておきます。
 それじゃ、外務大臣に質問をいたしますが、私は、この金大中事件であなたと余り細かい議論をすることはいやになった。ここで私は一つ文書を読み上げます。これは金大中事件が起きた後の当時の大平外務大臣が言った言葉です。「この事件の処理を誤ると内閣の命取りになるから姿勢を正してやる。無原則のなれ合いをせず筋を通して解決をする。事実の解明、その基礎の上に立って国際慣例に従い、一般的な国際法上の解決を図る。変なごまかしは時がたてばばれる、一時的に風波が立っても、ハネムーンでなくなってももとに戻れるという自信がある。タイムリリミットは置かない」、こういうりっぱな発言をしている。これはいまの総理大臣の発言です。
 ところが、今日は、あなたの答弁等を聞いておりますと、真相の究明をせず、一つも真相を究明しようとはしておらない、いま行政も、特に外務省は。そうして、言っていることは、大局に立って政治的決着をした、これは全く言葉のすれ違いです。大変な姿勢のすれ違い、これは政府の勝手な解釈であって、国民はだれも信用しておりません。そして、いままたアメリカの秘密の公文書の公開とともに、この金大中事件が火を噴いてきている。これはこのままで行きますと政府の命取りになりますよ。
 そこで、私はこの際、真実に対して正当な評価を与えるという立場に立って、金大中事件をいま一度振り出しに戻して、すべてにわたって洗い直すというチャンスにされないか。アメリカのスナイダー発言あるいはハビブ等国務次官の発言が出た、公文書が出たのをチャンスにしてどうですか、ひとつ白紙に戻して一切洗い直す、これをやり得る者は園田さん、国民はあなたに期待しているのです。これは冗談じゃありません。
 いままでわが日本は、歴代外務大臣をやっていたのは全部官僚なんです。大平、福田あるいは愛知、宮澤――宮津なんというのは一番悪いのでありますが、こういう歴代の官僚が、これが全部政治の大局を誤った。手練手管で外交をやる。外交はテクニックじゃありませんよ。哲学だ。こういう官僚が長くわが日本の外交の歴史を皆間違った中に、政党人として出たのは小坂善太郎とあなた、二人なんです。私は小坂善太郎さんに非常に期待いたしましたよ。彼はいいところいったのだけれども、すぱっと首を切られちゃって、余りにも命が短きに失したものでありますから、いわゆる小坂外交の値合いを出すまでに至らなかったのだけれども、幸いなるかなあなたは外務大臣が長いのであります。福田内閣から大平内閣に出られ、しかも、あなたは自他ともに認める実力を持っておやりになる。どうですか、その決断と勇気はおありになりますか、そのものずばりでひとつ答えてください。
○園田国務大臣 金大中事件については事件発生以来、小林委員が終始一貫した意見と信念でやっておられることを、公私ともにその意見は絶えず拝聴いたしております。
 この問題は御承知のとおり、事件発生当時、わが国捜査当局の努力によって指紋の検出、金東雲氏の嫌疑が濃厚というところまで詰めたわけでありますが、当時の政府が日韓関係その他の大局的見地から、政治的決着という決断をしたわけであます。
 現内閣もこの当時の政府の方針を維持、尊重しているところではありますけれども、その政治決着の前提条件の一つに、捜査は続行する、新しい韓国の公権力行使の事実を裏づけするような証拠が挙がれば見直す、こういう個条があります。今度の米国文書公開に基づいて有力な資料が出てきたわけでありまして、捜査当局とも現在入手した資料、及び電報に挙がっておる関係者の照会等一応やって、分析を続けているところでありますが、現段階においては、なお見直すべき裏づけする証拠はありませんが、続いて、入手せざる資料あるいは関係者の照会、委員会の御意見等も踏まえて真相究明に努力する所存でございます。
○小林(進)委員 あなたはなかなか慎重な答弁をされました。政党政治家の答弁らしくない、実に慎重な答弁をされましたが、しかし、国民はあなたに信頼を置いている。どうしてもあなたのときにやっていただかなければ、これは百年たったところでこの問題は解決しない。しかも味の悪いものが残って、年々歳々これは繰り返されている。決して幕を引くことはありません。その覚悟をしていただきたいのでありますが、それにも関連いたしまして、この金大中事件で一番非協力なのは外務官僚だ、これだけ申し上げておきます。その一例として、私は、金在権、金炯旭元中央情報部長を日本の国会へ呼んで、彼も証言をしたいと言っているんだから、呼ぼうじゃないかと言ったときに、当時の総理大臣並びに外務大臣のあなたは一体何と言われた。金炯旭の発言には、中央情報部長をやめて八年もたっているんだから信憑性はないけれども、金在権元駐日公使のこの証言は非常に重要だから、政府も積極的に、この金在権公使には、ひとつ所在を明らかにし、アメリカの協力を得て、彼の証言を得るように最大の努力を払う、繰り返し繰り返し言った。自来、何をやりましたか。今日まで杳として返事がない。外務省は何をやりましたか。一事が万事です。何にも外務省はやっていない。
 なお私は言いますけれども、駐米韓国ジャーナリストの文明子女史も、金大中事件に対しては私は真実を語りたい、ぜひ日本の政府は呼んでくれ、万障繰り合わせても来て私は真実を語ります。しかし、あなた方は呼ぶと言わないじゃないですか。何で呼ばないのです。あなたは、金大中の事件は韓国の公権力がやったことではないという韓国側の一方的な言葉だけを信頼をしていて、反対側の正しい人の主張を努めて聞こうとはしないのみならず、隠そう隠そうとしているじゃありませんか。この点どうです。
○柳谷政府委員 私からお答えさしていただきます。
 すでに従来お答え申し上げたことの繰り返しでございますけれども、政府としましても、この金在権氏につきましては、これはフレーザー委員会における金炯旭部長の証言に関連しまして、同氏の任意の事情聴取を受けることは意味があるという考えに立ちまして、米国政府を通じて同氏の意向の確認に努めたわけでございます。その後、米国政府から、金在権氏はもはや米国にいないので、米政府当局としては同氏と直接接触して任意の事情聴取に関する同氏の意向を確認することができない、しかし同氏が米国に帰ってきた場合には確認を試みる用意があるという回答に接したわけでございます。もし米国に金在権氏が帰ってきたということであれば、再び米国政府を通じて任意の事情聴取の意向を確認したいと思っております。他方、アメリカ・フレーザー委員会によれば、金在権氏は韓国におられるという情報がございますので、この点につきましては韓国政府に対しての照会を考えたいと思っております。
 それから文明子につきましては、従来の経緯を一言で申し上げますと、在米大使館から、それまでの情報や資料、これを日本政府に提供する用意があるかということを尋ねたわけでございますけれども、これに対する文明子氏の返事は、自分は日本政府のために働いているものでもないし、かつまた金大中事件に関する情報や資料は、日本の当局が当然持ち合わせているはずのものであり、ジャーナリストたる自分は、自分の持っている情報や資料を日本政府に提供しなければならない筋合いではないと思うという返事に接した経緯がございます。
○小林(進)委員 ちょっとお伺いいたしますが、私の時間、どのくらいいただけましょうか。もうありませんか。
○塩谷委員長 そう。
○小林(進)委員 そうですか。それでは、時間がなければ残念ですけれども、結論を急ぎます。
 外務大臣、せっかくおいでくださったのですから、あなたもちょっとしんぼうしてください。私もあなたをお待ちしただけ、それだけは時間を加えてもらいます。
 あなたは、アメリカの公式の秘密文書に対しまして、それは確かに証拠品としては価値があるけれども、それに対してアメリカは何もコメントしていないということをしばしば言われる。それはそのとおりなんであって、これは国会の答弁としては何もそんなことは威力はありません。というのは、これは日本と韓国の問題で、アメリカは金大中問題を通じて干渉するようなことは、それは独立国家としては非常に慎重でなければいかぬから、日本側に味方するようなそういう発言をよけいに加えてこないことはあたりまえです。あたりまえだが、しからば一体、アメリカはアメリカの内部で何をやっているか、私は時間がないから一つの証拠として申し上げますが、これはアメリカにおける、私は英語が弱いからですけれども、クリストファーですか、アメリカの国務省副長官、これは去年、ちょうど五月、いまから一年前だけれども、アメリカの上院外交委員会で彼は証言している。すなわち、アメリカ政府は韓国政府に対し、金大中氏の釈放を強く要求をした、こういうことを言っている。なお加えて、副長官は、金大中氏の件に関し、韓国における政治的権利の制限が米韓両国間の問題の一つになっている、こういうことを外交委員会に明確に言われているのでありまして、この外交委員会に対する彼の発言が、カーターが日本から帰りに韓国に寄るときに必ず何らかの形にあらわれるというサウンドを私は得ているから、この点を繰り返し私は外務大臣に要望した。これは時間がありませんから、あなた方、ひとつ正確にこの速記録をとって、この発言録を私に渡していただきたい、お願いいたします。
 同時に外務大臣、私は時間が来ましたからやめますが、第一番目には、あなたがアメリカへ首脳会議で行かれるときに、カーターさんと大平さんが会われたときに、カーターさんに金大中事件のお話をしてくれることを総理大臣にお話しくださいと。あなたは、よく承っておきますと言われた。善処をするとは言わなかったけれども、承っておきますと言った。その結果は一体どうなっているか。総理の口を通じてカーターに金大中のお話をしていただいたかどうか、これが一つ。
 私は、時間がありませんから次に言います。第二番目といたしましては、これを白紙に返す一つの条件といたしまして、次の人をぜひ証言を得ていただきたいと私は思うのであります。
 第一番目には、金在権は、これはサウンドするとアジア局長が言ったのでありますから、今度は逃がしません。必ず金在権にサウンドしていただいて、その結果を聞いていただくことが一つ。それからいま一つは、元の米朝鮮部長のドナルド・レイナード氏に、外務省のあっせんで日本へひとつ来ていただいて、われわれ国会の中で参考人として、彼の長い経験をわれわれに話していただくこと。彼、レイナード氏は明らかに言っている。私はアメリカの政府にですか、証人として呼ばれて、三回、宣誓をして証言をいたしました。そのときに、金大中事件はKCIAの拉致した事件です、これをやった者はKCIAであると明確に、いわゆる宣誓をしてアメリカの国会で証言いたしました、こう言っているのであります。その記録もあるはずでありますから、これもひとつ外務省を通じてこの記録を取っていただきたい。これほど明確なことを元の朝鮮部長が言っているのでありますから、これは日本政府として国会の中で証言するように手配をしていただきたい。
 それから第二番目、これもお願いしたい、ライシャワー駐日大使。このライシャワー氏も、繰り返し公文書をもって、金大中事件はKCIAのやった仕事である、明らかだ。まさか、これがマフィアがやったなどとは、日本政府もそんな乱暴なことは言えないだろう、そしてこれは明らかなる国際的人権問題であり、国際的刑事事件であり、そして主権侵害の問題だ、これは何としても明確に措置すべきであるということを言われているのであります。このライシャワー氏の公文書を外務省は手に入れてわれわれの方に回していただきたい。同時に、このライシャワー氏を、これは礼節を尽くして、元の日本の大使、親日家の第一人者でありまするから、外務省を通じて日本の国会へ招請をして、われわれの前にこの高尚なる発言をしていただくようにひとつお手数をお願いしたい。
 それからなお、私はアメリカに参りまして、日米朝鮮問題の議員会議をやりました。いまの塩谷委員長も私どもに同行されたのでありますが、そこで私は、韓国問題、日中問題で詳しいハーバード大学のコイン教授、これは名刺がありますが、コイン教授も一緒になりました。それからタフツ大学のヘンダーソン教授も一緒になりました。
 この人たちは全部一流大学の一流教授です。韓国問題の専門家、日本問題の専門家です。日本語は私よりもうまい。このコイン教授はキッシンジャー補佐官に、当時はまだ補佐官だったのですが、金大中氏を助けるように要請したのは私ですと、私との会話の中に明確に言明された。これは委員長も聞いておられた。私が要請した、こういうことを言っておられるのであります。
 それからまたヘンダーソン教授も、実は金大中を韓国のKCIAが拉致したということを最初にキャッチしたのはアメリカでは私なんだ。五十三年の八月八日朝、日本時間で夕方だ。午後です。当時訪日していて東京にいた林昌栄という元駐国連韓国大使から至急電話で伝えられた。伝えられたヘンダーソンさんがすぐコイン教授にそれを伝えて、コイン教授からキッシンジャー氏のところへ行って金大中の命を助けるという運動が行われたと言っているのでありまするが、このコイン教授、ヘンダーソン教授のこういう発言をいま一度外務省で確かめていただくと同時に、ひとつこの国会に、外務省を通じてわれわれの前にこのお話をしていただくように手順をしていただきたい。
 どうか外務大臣、こういうもろもろの点を通じて、あなたは韓国の、韓国というのは加害者だ。加害者の方が自分たちのもとの発言を正当化するために、そんなことは当時の外務大臣に記憶がない、あるいは覚えがないなんて、それはあたりまえだ。犯罪被疑者に事実を聞いているようなものだ。だれが本当のことを言いますか。それよりは、このように日本に一番親日的な、日本に一番権威のある人たちが口をそろえて、これは韓国のKCIAのやった仕事であるということをるると証言をしているのでありまするから、これらの人の発言を重ねて全部公文書で取っていただきますとともに、繰り返して言いますが、日本の国会に、ひとつ外務省のあっせんで来て、われわれの前に参考人としてお話を承るようにお手続をしていただくことを強く要望いたしまして、同時にこの問題の実現については、外務委員長も、政府当局に対してわれわれ委員の要望をひっ提げて要求を突きつけて、その実現のために御努力くださることをお願いいたしまして、外務大臣の御決意のほどを承って、私の質問を終わりたいと思います。
○園田国務大臣 日米首脳者会談に出かける前に、向こうへ行ったら金大中事件のことを話せという御意見は確かに承りました。残念ながら総理大臣の口を通じてこの話をする機会がございませんでした。
 次に、ただいま言われましたいろいろな点で、わが外務省は真相究明のために資料その他の究明に努力することは当然でありますが、人をここへ呼ぶこと、あるいはその資料を公開するということは委員会の決定に従って検討いたします。
○小林(進)委員 まだ質問ありますけれども、残念ながらこれで終わります。
○塩谷委員長 井上君。
○井上(一)委員 大臣がお見えになりましたので、尖閣列島のことについてのみ午前中に大臣に対する質問をいたしたいと思います。
 外務大臣は今回の尖閣諸島に対するわが国のとった行動を事前に承知なさっていらっしゃったのでしょうか。まずお伺いをいたしたいと思います。
○園田国務大臣 中国の今回の申し入れを従前に知ってはおりませんでしたが、きのう内閣委員会で答弁したとおり、尖閣列島の調査開発その他のことは慎重にやらなければ不測の事態が起きるという心配をしておるという意思表明はいたしましたが、向こうから申し入れがあるということは事前には存じませんでした。
○井上(一)委員 大臣、私の質問は、わが国がとった尖閣諸島に対する調査に踏み切った行動を事前に御承知だったでしょうかということです。
○園田国務大臣 勘違いをしておわびをいたします。
 この問題は、御承知のとおり予算に計上してございます。したがいまして、当初から私は知っておりましたが、これに対しては絶えず次のような議論をしてきました。
 少し長くなりますけれども、尖閣列島は御承知のとおりに中国とわが方は立場が違っております。わが方は歴史的、伝統的に日本固有の領土である、こういうことで、これは係争の事件ではない、こういう態度、中国の方は、いやそれは歴史的に見て中国の領土である、日本と中国の間の係争中の問題であるという差があるわけであります。そこで北京の友好条約締結のときに、ケ小平副主席と私との間で、私の方から話をしまして、尖閣列島に対するわが国の主張、立場を申し述べ、この前の漁船のような事件があっては困る、こういうことを言ったところ、向こうからは私の主張に反論なしに、この前のような事件は起こさない、何十年でもいまのままの状態でよろしい、こういうことで終わったわけです。
 その後中国のケ小平副主席が日本に来られたときに、共同会見のときにたな上げだという言葉を初めて使われ、わが方は依然としてわが方の領土であることは明白であるといういきさつがあるわけでありますけれども、少なくとも日本と中国の友好関係の現状からしまして、この前のような、漁船団のような事件は起こさない、二十年でも三十年でもいまのままでよろしいということは、わが方から言えば現在有効支配しているわけでありますから、ことさらに中国を刺激するような行動、これ見よがしに有効支配を誇示するようなことをやれば、やはり中国は国でありますから、自分の国であると言っているわけでありますから、これに対して異論を出さざるを得ないであろう。そうでない状態が続くことを私は念願しております。
 したがって尖閣列島についてはわが国の領土ではあるけれども、こういういきさつがあるから刺激しないように、付近の漁民または住民の避難のため、安全のためにやむを得ざるものをつくるならば構わぬけれども、やれ灯台をつくるとか何をつくるとか、これ見よがしに、これは日本のものだ、これでも中国は文句を言わぬか、これでも文句はないかというような態度は慎むべきであるということを終始一貫議論をしてきた経緯があるわけであります。
○井上(一)委員 外務大臣のお考えについてはよくわかりました。そういう考えを閣内での議論を通してお話をなされたのか、その結果二十日の実効支配的な行動がとられたのかどうか、あるいは今回の行動をどう認めていらっしゃるのか、その点についてはいかがでございますか。運輸大臣の発言、三原長官の見解等も報道で承知はいたしておりますが、園田外務大臣がいま申されたことを十分にそれらの大臣と話し合われたのかどうか、お伺いをします。
○園田国務大臣 御承知のとおりにこの問題は沖繩開発庁の所管であります。それからヘリポートなどということになれば運輸省が関係するわけでありますが、私は閣僚としてあらゆる場所でこれを主張し続けてきました。事務レベルも、それぞれ関係事務レベルは刺激的なことはなさらないように、実効支配という態度でなさらないようにということは言い続けてまいりました。
○井上(一)委員 それでは外務大臣は、実効的支配によって領土の固有を誇示していくということについては反対の立場、御意見を持っていらっしゃると理解してよろしゅうございますか。
○園田国務大臣 これは日本は固有の領土であるという主張をしておるわけでありますけれども、やはり個人の交際、国の交際は同じでありまして、これに友好関係ということになってくれば感情もある。それぞれ日本には日本のメンツもあれば中国には中国の面目もあるわけであります。したがいまして、私は、有効支配を誇示するためのものであるならば絶対反対、地域の漁民の生命の安全のために必要やむを得ず、冷静に、慎重にやられることならば仕方がない、こういうことでございました。
○井上(一)委員 まさに外務大臣のお答え、そのとおりだと思うのです。やはり外交というものは平和的な話し合いの中できっちりと詰めていくべきだ。とりわけ私自身も日本固有の領土であるという主張については異議をはさむものでもありませんし、私自身もその考えであります。先ほども政務次官にも申し上げたのですけれども、わが国の領土に対してわが国がどのような施策を講じていくかということについては、わが国の主体的に取り決めていくべき問題であるということはよくわかるけれども、この尖閣諸島の問題については、日中の平和友好条約締結の過程からして、どうしてもやはり中国側を刺激しない、中国側との平和的な話し合い、了解ということが常識的に必要であるということを、私は大臣がいらっしゃらないときに指摘をしてきたわけなんです。
 ここで改めて、大臣、そういうことでございましたら、今回の二十日の、仮設ではありますけれども、ヘリポート建設、この行動に対して、中国側に外務省としては何らかの意思表示あるいは連絡を事前にとったのでしょうか。
○園田国務大臣 外務省は事前には何ら連絡もしておりませんし、了解も得ておりません。むしろそういうことを正式に外務省が言えば、それはわが国の領土であるから困るという相手の立場もあることと考えて、私は何もしておりません。正直に申し上げます。
○井上(一)委員 二十日の行動については大臣は事前に御承知だったのですね。予算的な計上、予算措置は、予算の中での審議の過程で承知していらっしゃると思うのです。今回の仮設のヘリポート基地建設についての具体的な行動、それは二十日以前に御承知だったのですね。
○園田国務大臣 予算からの経緯でありますから、ああいう事実は知っておりましたが、二十日の具体的な、二十日にやって、どうやるというようなことは承知しておりませんでした。
○井上(一)委員 大臣、確認をいたします。御承知なかったのですね、二十日の具体的なことについては。
○園田国務大臣 二十日の具体的なことについては、事前には承知しておりませんでした。
○井上(一)委員 私、園田大臣に対して日ごろから非常に敬意を表しております。いまの答弁、まさに朝の政務次官の答えとちぐはぐなんですよ。政務次官は、日にちはわからないけれども事前に承知をしておった。これが外務官僚のやることなんです。これは大臣、大変なことです。大臣が二十日の行動については事前に知らなかった。私はそうだと思います。IEAの会議からお帰りになってびっくりされたのじゃないだろうか。もう少し論議をした中で、あるいは日ごろから大臣がおっしゃられていた意見、考え、そういうことも十分配慮してほしかった、これは心の中で大臣感じられたのじゃないだろうかと思うのです。いかがですか。私は昨日の大臣の衆議院の内閣委員会での答弁も聞きました。中国の立場は十分理解できる、中国側を刺激してはいけない、あるいは慎重にやっていきたい、実効支配を目指すというものには反対である。私もその筋の通った大臣の姿勢は評価をしたいと思うのです。
 外務大臣、領土権というものについてはやはり平和的な解決、それは外交によって、平和外交によってなしていくんだということだと思うのです。二十日の行動は大臣が知らなかったのです。閣内において何らか大臣からあなたの見解を改めて表示されたかどうか。委員会で正式に表示されていますけれども、いかがですか。
○園田国務大臣 私の意見を事前に聞かれたことはございません。
○井上(一)委員 外務大臣の意見も事前に聞かない、そして事前に外務大臣には知らせもしない。私は全く大平内閣の外交姿勢というものに対して多くの疑問を持ちます。
 午後引き続いて私に与えられた質疑の時間があります。大臣に昼食もとっていただかなければいけないわけです。
 もう一つここで、現在の仮設のヘリポートを恒久的な、永久的な施設にする方針があるように私は聞き及んでいるのです。そういうことが本当に日中の平和友好関係維持のためにどういうふうに作用していくのであろうか、こういうことを考えますと、私なりの一定の懸念も持つわけなんです。大臣、どういうふうにお考えでしょうか。その点についてひとつお聞かせいただけないでしょうか。
○園田国務大臣 いろいろ関係がありますけれども、非常にまじめな御質問でありますから、私も率直にお答えをします。
 これは単に日本と中国との関係ということばかりでなく、日本の国益ということを考えた場合に、じっとしていまの状態を続けていった方が国益なのか、あるいはここに問題をいろいろ起こした方が国益なのか。私は、じっとして、ケ小平副主席が言われた、この前の漁船団のような事件はしない、二十年、三十年、いまのままでもいいじゃないかというような状態で通すことが日本独自の利益からいってもありがたいことではないかと考えることだけで、あとの答弁はお許しを願いたいと存じます。
○井上(一)委員 引き続いて午後に質問を続けたいと思います。大臣、非常に率直な御意見をお答えでいただいたわけです。私は、この問題は非常にわが国外交の基本姿勢にかかわる問題であるということ、もちろん竹島の問題にもかかわり合い、つながりが出てくるということも指摘をしておきます。
 改めて午後この問題については伺いたいと思います。どうもありがとうございました。
○塩谷委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。
    午後零時二十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十一分開議
○塩谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。井上一成君。
○井上(一)委員 午前に引き続いて、私は尖閣諸島の問題でさらに御質問をいたします。
 まず質問に入ります前に、午前中の大臣の御答弁、政務次官の御答弁に大きな食い違いがあるわけであります。このことについて統一した――私は外務大臣の御答弁を妥当だと信じます。しかしもう一度ここで改めて外務省の姿勢、見解を表明していただきたいと思います。
○園田国務大臣 私も御発言になる前におわびをしようと思っておったことでありますが、やや経緯を申し上げますと、予算が組まれる場合の論議、予算の審議が終わりましてからこの日子にわたって連絡協議会等数回関係各省が開いて、慎重に慎重にということでやってきたわけでありますから、この工事自体あるいは実施については知っておったわけでありますが、二十日にああいうふうに踏み出していくということは正直に言って知らなかったわけでございます。そこで、政務次官と私の言葉が食い違ったのは、政務次官はその事実の経過を知っておったから知っておったということでありましたので、深く私からおわびを申し上げまして、私の発言を統一した発言として、お許しを願いたいと思います。改めておわびをいたします。
○井上(一)委員 私は、委員長にも強く要望しておきます。政務次官の答弁については十分注意を喚起されるようにお願いをしておきたいと思います。
 さて外務大臣、けさほどから外務大臣の外交姿勢というものについてはお聞きもし、一定の評価もいたしておるわけであります。そこでさらに、きょうの報道によりますと、中国側が今回のわが国の行動に対して遺憾の意を表明したということが報じられております。このことについてわが国は今後どう対応をしていくのか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○園田国務大臣 中国からの申し入れを事務当局から報告させまして、その後で私からまた発言をいたします。
○柳谷政府委員 お答えいたします。
 昨日のお昼ごろに、中国外交部の沈平アジア局長でございますが、ただいま臨時代理大使であります伴公使を招致したわけでございます。その報告が昨夕入ってまいりまして、かつ現地からも新聞報道がございましたので、概略は昨日の夜遅く関係方面には御説明をいたしたわけでございますけれども、ここでその概要を申し上げますと、先方のアジア局長の発言は口頭でございまして、次のとおりでございました。
 日本は中日国交正常化及び中日平和友好条約締結の際に行われた釣魚島島嶼、これは私どもの言葉では尖閣諸島となるわけでございますが、釣魚島島嶼の領土帰属問題を今後の解決にゆだねるとの了解に違反した。中国はこれに対し遺憾の意を表明する。これら日本側の行為は何ら法律的価値を有するものではないと考える。中国側は日本側が釣魚島問題に関する両国指導者の了解を遵守するとともに、このような両国の友好と善隣協力関係を損なう一切の行為を制止、制止は自制してとどめるという制止という字でございます。中国語も同じ言葉でございますが、制止する措置をとるよう希望するという趣旨を申し入れてまいりました。
 これに対して伴臨時代理大使は、口頭によるお申し入れの趣旨は早速本国に取り次ぐということを述べるとともに、従来からの尖閣諸島に関するわが方の立場を説明し、わが方の行為についての説明を行った、こういう報告が、昨夜接到したものでございます。
○園田国務大臣 ただいま申し上げました申し入れに対してわが方がどのような態度をとるか、これは非常に微妙な問題であると考えております。理屈どおりにわが方の領土であるということを私が言った方がいいのか。うかつにいたしますと、理屈を抜きにしてわが方も友好関係はさらに深めていきたいと思っているし、中国もまたその考えは間違いないところでありますけれども、一つの問題をめぐって両方がうかつなことをやりますと、お互いに国としての面目があるわけでありますから、それが抜き差しならぬようなことになっては大変だ、こう考えておりますので、これに対する対応の処置は慎重に検討したいと思いますので、いましばらくお許しを願いたいと思います。
○井上(一)委員 慎重に対処していきたいということは、やはりわが国の真意というものが十分理解をしてもらえるように、先方に対して、中国に対して何らかの形で表示をしていきたいというふうに受けとめてよろしゅうございますか。
○園田国務大臣 両国の本意である友好関係を損ねないような方向で、いまおっしゃるようなことで処置をしていきたいといろいろ苦慮しております。
○井上(一)委員 そうあってほしいと願うのも私の意見です。
 それで、ここで確認しておきたいのですが、領土権についてはいわゆる有効支配、実効的支配、そういうことを確立することで、そのことに固執していくのだという考え方、大臣はむしろそういうことではなく、平和的に話し合いの中でこの領土権という問題については特に話し合いを進めた中で決着をつけていきたい、こういう後者の考えなんです。大臣もう一度、くどいようですけれども、大臣は実効的支配即それが領土権の主張なんだというような物の考え方ではないというふうに、いや大臣の考えはこうなんだということを、ひとつここでもう一度お聞かせをいただきたいと思うのです。
○園田国務大臣 この際原則的な理屈は言わない方が得であると考えておりますが、私は有効支配は現在でも日本の国は十分やっておる、こういう解釈でありまして、これ以上有効支配を誇示することは、実力で来いと言わぬばかりのことでありますから、そのようなことは日本の国益のためにもやるべきでない、こういう考え方でありまして、井上先生と同じ意見であると考えております。
○井上(一)委員 そこで若干竹島問題に触れたいと思うのですけれども、竹島についても私は、日本固有の領土であるということをしきりとこの委員会を通して提起してまいったわけであります。その後の竹島の状態というものはどうなっているのであろうか。韓国の漁民がそこに住まいをしたという事例があるわけです。韓国側がこれを実効的支配だと、そして韓国側の領土だということを主張し続けてきているわけなんです。そういうことは事実は事実として、その後竹島問題に対して政府、外務省のとられた対応はどうなんでしょうか。今日の竹島の実情というものはどういうふうになっているんでしょうか。こういうことについて聞かしていただきたいと思います。
○園田国務大臣 現状並びに経過を事務当局から間違いなしに報告させます。
○柳谷政府委員 これはしばしば政府が申し上げていることの繰り返しかと思いますけれども、竹島につきましては、歴史的事実に照らしても、国際法上もわが国の領土であることは明白であるという立場を終始維持しておりまして、韓国政府が各種の施設を置いたり、兵隊を置いたり、官憲を置いたりという事情について、不法占拠に伴う一連のことについてはまことに遺憾であり、執拗な抗議を繰り返しているわけでございます。
 ただ、日韓間にあります竹島領有権問題に関する紛争については平和的手段によって問題の解決を図るというのが政府の当初からの一貫した基本的な立場でございますので、この立場をいまも維持しており、今後とも外交上の経路を通じてこの解決に当たっていくというのが基本的な姿勢でございます。韓国側に対する当方の申し入れにつきましては累次行っておりますけれども、最近の例では、たとえば昨年の九月の閣僚会議等の場もそのような機会に活用したわけでございます。
○井上(一)委員 私は竹島の現状はどうなんだ、そして、いままで昨年の九月の定期閣僚会議で話題になったんだということじゃなしに、どういうふうにその後韓国側と交渉をし続けているんだ。当時は外務省はこの不法占拠で日本の主張が害されるとは考えない、あるいは竹島の領有権問題は不法占拠以前の基本的な問題だと考えている、こういうふうに言っているのですよ。だからそういうことの意思伝達がどのような形でなされていき、そして現状の竹島はどういうように変化をしたのか。あるいはそのときそのままの状態なのか、同じ状態が継続しているのか、いや、もう全く竹島については、九月以降あるいは昨年以降何ら外務省としては十分な情報を入手いたしておりません、こういうことなのか、ちゃんと私の尋ねていることに対して的確に答えてもらわなければ質問にならぬじゃないですか。
○柳谷政府委員 お答えいたします。
 二つの問題に分けて御説明いたしたいと思いますけれども、領有権問題、それからいま御指摘のありました竹島の現状がどうなっているかという問題につきましては、これは私ども直接これを見に行く手段がございませんので、海上保安庁にお願いいたしまして、年一回竹島の巡視ということを行っていただいているわけです。最近、昨年の夏に行いましたこの巡視の結果得られた情報、この中には、新しい構築物がふえたとか、あるいは一部取り除かれたとか、別のところにできたとか、いろいろな具体的な情報を海上保安庁から文書によっていただきまして、それをもとにいたしまして、口上書によりまして厳重な抗議、その他の外交上の措置をとっておる。竹島の現状についてはそういうことで処置しております。
 それからもう一つが、いわゆる安全操業問題であろうかと思いますが、この安全操業問題につきましてはたびたび御報告しておるとおりでありますけれども、漁業関係者の現実の利益、いわゆる安全操業という問題そのものでございますので、領有権問題に関する日韓間の話し合い、交渉というものとは一応切り離しまして現実に安全操業を確保するという観点に立ちまして、漁業関係者の努力あるいは水産当局の御努力、それに外務当局、いろいろな機会いろいろなレベルを利用いたしまして、韓国に対する接触を、これはこれとして領土権そのものの問題とは切り離して行っておるわけでございます。非常にむずかしい問題であることは遺憾ながら事実でございますので、現在もその努力は継続しておるというふうに申し上げさせていただきたいと思います。
○井上(一)委員 昨年の八月の現状からその後の状態が十分説明がなされていないと思うのです。限られた時間ですので、この問題については次回の委員会に、経過報告なり現場の状態なりを、文書をもって私に理解ができるように提出を求めたいと思います。委員長よろしゅうございますか。――それじゃこの問題についてはそのことで一応区切ります。
 続いて、金大中氏事件について質問をいたします。
 まず米国務省の百四十四点に上る文書がすでに明らかになったわけです。外務省、むしろ政府当局はこの文書以外にも当然情報を受けている。これはたしかアジア局次長が、昨日衆議院の法務委員会でもそのような発言をなさっていると思うのです。第三国のもので公表ができないのだというお答えがあったように私は聞いておるのですが、事実なのかどうか。そしてその情報はいつ入手したのか、そしてそれらの情報に対して外務省はどのように対応したのか、この三点についてお聞かせいただきます。
○柳谷政府委員 昨日から本日まで委員会に分かれておりまして、次長から昨日の答弁の詳細を聞いてはおりませんけれども、いまの御指摘にありますところで恐らく間違いないと思うことについてちょっとお答えさせていただきます。
 外務省といたしましては、事件の発生以来東京における捜査が始まったわけでございますけれども、私どもは韓国にあります大使館において最善の努力を払って大使以下がその情報の収集に当たりましたし、またアメリカないしはそれ以外の外交団の間でも、ソウルに限りませんけれども、各地で情報の収集に当たった、それらの情報は随時本省にも報告され、できるだけ真相を知るための努力をした、当時は特にそうでございましたが、自来ずっと続いておるわけでございます。そのような情報があるということを次長は申し上げたものと思います。
○井上(一)委員 もっとわかりやすく、百四十四点以外にも情報を入手しているのかどうか。そしてそれはいつ入手されたのか。そしてその情報に対してはどういうふうに対応するのかということなんです。むずかしいわかりにくい答えをしない方がいいですよ。
○柳谷政府委員 百四十四点、先般の公開文書のことかと思いますが、これ以外に情報を入手したかということはそのとおりでございます。
 第二点のいつ入手したかという御質問でございますが、事件発生以来今日に至る間、先ほど申しましたようないろいろな努力によって入手したというふうにお答えいたしたいと思います。
 これにどのように対応したかという点は、これは情報でございますから、本省におきましてできるだけ評価、分析の努力を払った、その都度それは政府部内においても、捜査当局も含めまして、その辺の検討の材料にした、そういうことでございます。
○井上(一)委員 今回の情報については素早い対応をしているわけなんですね。そして、いままで入手した情報については、逐次入手はしているけれども、その対応についてはここで申し上げられないということですね。そうですね。どうなんですか。
○柳谷政府委員 この百四十四点につきましては、最初に報道されました通信社が、アメリカの法律に従って報道した、そこに若干の手違い等があって、いろいろ問い合わせが起こった。それを確認するために米国の了解を得て外務省としても公表した経緯がございます。それ以外の情報につきましては、これは外交上の努力の通常の一環として入手したものであり、そのようなものとして、外交活動の中で活用したということでございます。
○井上(一)委員 それでは、今回のアメリカの情報については外交ルートではない、しかしながら、それは証拠力を持った非常に権威が高いものだということは、そういう意識がすでに政府の見解として言われているわけなんです。それでは、私は今回の情報については、信頼に足る、きわめて信頼度の高いものであると考えているのですが、外務省はどうなんですか。どういうふうにお考えですか。
○柳谷政府委員 これは三百数十ページの情報でございますし、いろいろなことが書いてあるということで、外務省だけで必ずしも判定できない部分もございますので、先般から御説明しておりますように、現在できるだけ慎重に検討しているということでございます。
 ただ、すでにいろいろ指摘されておりますように、その中に現地の大使からの本省への公電というようなものが含まれておりますので、そういうものについては、それなりの重みを持った資料であるということは認識しております。
○井上(一)委員 外務大臣、いま局長がお答えになったように非常に信度の高い情報である、公文であるということなんです。私は全くそのとおりだ、それがために政府としても韓国側への照会を行ったと思うのです。
 さて大臣、韓国側の記録がない、あるいは記憶にないというそういう言葉、このことについてはどう御判断なさるのですか。片一方、アメリカの情報は非常に信頼度の高い、信頼に足りる、証拠力のある情報であるという位置づけを、これは局長がなさいました。今度はそれがために、信頼度が高いから韓国に今回外務省は照会したわけです。そうしたら記録がない、そして当事者は記憶がない。このことについては、その信用度、信頼度というものについては、どういう位置づけをなさるでしょうか。
○園田国務大臣 真相究明のために、いろいろな資料入手、関係者への照会というのを一応やりましたけれども、さらにやる必要があると考えます。
 と申しますことは、アメリカの公電に盛られたことと、韓国が記憶がない、記録がないというものと真っ向から対立しているわけであります。したがいまして、公平に言えばどっちがうそを言っているのかということになりますけれども、片っ方は言いたくない方だし、片っ方は言っても仕方がないということでありましょうから、アメリカの公電を基礎にして、あるいはまた新しい情報で、楢崎委員がおっしゃったようなことも情報としてありますので、さらに真相究明のために努力をしなければならぬと考えております。
○井上(一)委員 両者が言っていることは、非常に相矛盾するように一見見えるわけですね。どちらも信頼をしたいというと、これは論理としては非常に正しくないと思うのです。外務大臣は、日米外交というものを基軸にした世界平和外交を日本は推し進めていくのだ、もちろん日韓外交についてもその重要性というものを特に機会あるごとに説いていらっしゃるわけなんです。
 ここで整理をしなければいけないのは、やはりどちらのものにウエートをやや心情的にでも置く、そのことについて、その裏づけを調査というのでしょうか、確認をしていこう、こういうことだと思うのです。やはりアメリカ国務省の情報にウエートを置きながら、その裏打ち、事実関係を何らかの形で確認をしたい、こういうのが外務大臣のお考えですね。
○園田国務大臣 そこまではっきり申し上げるわけにまいりませんけれども、米国の方は、これの真相がわかっても痛くもかゆくもないわけであります。一方は痛い方でありますから、そういう点は考慮しながらやっていかなければならぬと思っております。
○井上(一)委員 非常に物わかりのいい外務大臣ですし、私は別におだてて申し上げるわけでもなし、素直な意見をこういう場で議論を通して交換していくということが、開かれた日本の外交だと思うのです。
 そこで、政治決着がついた、このことは終始一貫政府はおっしゃられるわけです。私は、この政治決着がついたつかないということをいまこちらに置きましょう。いままでの事態と今回の国務省のいわゆる公電の電文の公開という形の中での新しい事実、これは新しい事態だと認識をするわけなんです。新しい事態が生まれた。政治決着のつくつかないの問題とは離れた中で新しい事態だ。新しい事実、そうして新しい事態だ、こういうふうに私は認識するのですが、外務大臣、いかがでございますか。
○園田国務大臣 本件に関して新しい事実が出てきたということはお説のとおりだと思います。
○井上(一)委員 新しい事実が出た、そのとおりです。その新しい事実が出たということは新しい状態、新しい事態、同じことなんですけれども、そういう状態になった、新しい状態をつくり出した、それが政治決着を見直すのだとか見直さないのだとか、そういうことには触れないのです。新しい事態だ、私はこういうふうに理解をしているのですが、大臣もう一度、新しい事実はお認めになられたわけです。新しい事態ということについていかがでございますか。
○園田国務大臣 新しい事実が出てきたわけでありますから、やはり本件の進展に対して新しい事態が出てきたということも当然だと思います。
○井上(一)委員 全くそのとおりだと思うのです。新しい事実が出た、そのことが新しい事態だ。それで、いままで政府が政治決着をつけたときの当時の日本側の考えを述べた言葉があります。
 まず一つは、宮澤外務大臣は、金東雲問題についてはこれ以上韓国側に求めても何ら出てこないと判断した。百年待っても仕方がない。外交ではすべてきちんとしたものになることはないので、外交的に同事件の処理は終了した、こういう見解を実は明らかにしたわけです。ところが、さらに日韓定期閣僚会議、第八回の会議がソウルで開かれて共同声明が発表された。その共同声明の第五項によれば「広く国民的基盤に立脚した善隣友好関係を発展させるよう今後とも政治、経済のみならず学術、文化等を含むあらゆる分野において、交流と協力を更に一層密接に行うことについて意見の一致をみた。」こういうふうに述べているのです。「広く国民的基盤に立脚した善隣友好関係を発展させる」のだ、今後ともあらゆる分野で交流を深めていくのだ、二千年の友好を保つ日本と朝鮮との文化面、政治面を通して友好を深めていきたいのだ、そういうことも指摘をしておるのですが、どうなのですか。新しい事態が生まれ、新しい事実が生まれ、新しい事態が来た、それでも過去のこの事件はもう終了したという宮澤外務大臣の見解に園田外務大臣は同意されるのでしょうか、いかがですか。
○園田国務大臣 大臣がかわりましても、前の大臣のことを私が打ち消したり変更したりするわけにはまいりません。しかし、問題は、政治決着という言葉から考えて、終了しなかったから政治決着をしたのだ、私個人はこのように判断をいたします。
 そこで、すでに御承知のとおり、当時金東雲氏の指紋も検出したし、日本の捜査当局は金東雲の容疑濃厚というところまで割り出したわけでありますが、その段階で大局的見地から政府は政治的決着を決断をした。したがって、それが終了してない証拠には、その政治決着の一つの前提条件に、捜査は今後も続ける、そして主権の侵害をされたということの裏づけになる新しい証拠が出てきたならばこれを見直すという個条が入っている点はそういうことじゃないかと考えております。
○井上(一)委員 主権が侵害をされているという新しい証拠、新しい事実をいままさに園田外務大臣は必要とする、そのときにおいて政治決着というものの見直しだ、こういうお考えですか。
○園田国務大臣 その前提条件は、そういう場合には見直しもあり得るということに言葉はなっております。現在の状態は、新しい事実が出てき、新しい事態が来たと思いますが、いままで入手した資料なりその他によっては、捜査当局とも綿密に相談をしておりますが、これを見直すに足る一つの裏づけになる証拠にはまだならぬ、こういう見解でございます。
○井上(一)委員 今度の新しい事実、新しい状態、こういう事態ででもまだ政治決着を見直すには不十分である、その要因が十分でないということは、さらにこれ以上のまた新たな証拠が出ても、政治決着を見直すに値するか値しないかという判断は政府当局のいわゆる主観的な判断でお決めになっていくということですか。今回のこの問題は、やはり振り出しに戻って、深く刺さったとげを、痛いだろうけれどもがまんをしてもらって抜かなければいけないのじゃないか、そのことが日韓両国が本当に永久に友好を重ねようという一つの手段ではないだろうか、施策ではないだろうかと思うのです。そういうことをやらずして、痛いから、抜きにくいからそのままほっておくということは、体全体を大変腐らしてしまう、だめにしてしまうということもあり得ますよ、こういうことなのです。政治決着の見直しをしないしないと言い続けてきたわけで、いま急に私の質問から政治決着をしますということは言えぬでしょう。私はいまここでそんな答弁を求めようとして質問しているのじゃないのです。本当に大臣、そんなことでいいのですか。日本の外交というものはそういうことでいいのですか。お互いに日本の国、日本の国益を考えたならば、いかに国民に理解してもらえるような外交を推し進めていくかということなのです。もう一度大臣からお答えをいただきたいと思います。
○園田国務大臣 新しい事実によって主権の侵害を裏づけるような証拠になるかならぬかということは捜査当局の判断であり、それに基づいて見直しがあり得るという場合だと判断するのは政府の判断だと思います。ただいまの御意見は十分拝聴いたしました。
○井上(一)委員 それでは、金大中氏のこの事件について、いまの状態でも見直さない、現状のままで政治決着がついたのだ、見直す必要はないというのが政府の統一した見解でございますね。
○園田国務大臣 いまの段階では、いままで入手した資料あるいは関係者に対する照会、こういう点から主権の侵害を裏づけるような証拠ではないという判断をしておるわけであります。
○井上(一)委員 今後、新しい証拠、新しい事実が出れば、その政治決着を見直すこともあり得るということで理解してよろしいですね。
○園田国務大臣 また新しい事実が出てきて、捜査当局がこれは裏づけに足る証拠であるということになれば、政府はまた判断をしなければならぬということはお説のとおりであります。
○井上(一)委員 外務大臣、私は今回のこの事態でも見直すに足る十分な新事実であるということを指摘しておきます。政府が言い続けてきた見直さないということ、このことについてはいまの時点で見直すということも言えないでしょう。しかし、外務大臣、今後新しい事実が出れば、捜査当局がそれを証拠力として十分位置づける、その上に立って政府は政治決着を見直すこともあり得る、こういうことは確かでございますね。
○園田国務大臣 お説のとおりであります。
○井上(一)委員 さらに、今回のこの問題と同じ性格ではありませんけれども、わが国の政府の政治的対応が全く同じだと思うのは、グラマン、ダグラスのいわゆる航空機疑惑をできるだけ覆い隠していこう、国民には広く知らさないようにしていこう、金大中氏事件も、事の真相をできるだけ小さくし、できるだけ隠していこう、そういう姿勢はまさに共通している。片一方は大手企業の利益優先の、政治家との結びつきを利用した非常に汚い商法であり、片一方はとうとい人権という問題、そして侵されるべきでない国家主権という問題であって、事件は全く違いますけれども、それの対応の中身というものは、政府が非常に共通した、そういう一つの取り組みをあからさまに国民に見せたという点では政治に対する失望がよりつのっていく。こういうときに、もちろん大平さんにも申し上げたいのですけれども、園田外務大臣、本当に勇気を出して、日本の政治とはかくあるのだということを私は国民の前に広く示していただきたいと思うのです。
 そういう意味から、日韓定期閣僚会議というものがことし東京で開催される予定でありますが、こんな状態の中で開催していくと、さらに国民は政治のわからない部分に対する不信をつのらせるだけであります。金大中氏事件の解明、解決、それだけででも早期に両国のもっともっと詰めた話し合い、そして、本当に痛いけれどもとげを抜こうとする、わが国の抜く強い決意を韓国側に示していかなければいけない。そして韓国側にも、そのことが両国の友好に役立つのだということを理解してもらって、この問題に取り組んでほしい、こう思うのです。日韓閣僚会議という場でなくてもいいのですけれども、たまたま今年は東京でということでありますから、早期にそういうこともお考えになられてはどうだろうか、こういうことなんです。そうでないと国民は納得をしませんよ。むしろ逆に、このままうやむやに済ますなら、国民の怒りが、日韓閣僚会議の開催、そういう雰囲気をつくり出させないかもわからない、こういうことなんです。大臣、いかがですか。
○園田国務大臣 真相究明のためにさらに努力を続ける所存でございます。
○井上(一)委員 与えられた時間があと少なくなりました。
 そこで、全く別個の問題でありますけれども、私は、IEAの閣僚会議等で大変御苦労をいただいた、そういうことも含めて、今後の日本のエネルギー問題については深い関心を持っているわけです。とりわけイランにおけるわが国の企業進出の状態等もお聞きをしたいわけなんですが、少し時間がありません。
 それで、当面のわが国の資源、いわゆるエネルギーの原油の備蓄の状況、そういうものと、それから、巷間伝え聞くところによると、イランにおけるプラント輸出について現状いろいろと問題点を抱えている、そういう抱えた問題点、そして、それを解決するため、あるいはその問題点に対してどういうふうに政府当局が指導をしているのか、そういうこともあわせて、全体的なわが国の資源エネルギーについて、できれば具体的な数字でお示しをいただいて、私の質問を終えたいと思います。
○箕輪説明員 当面いたします石油の実態、特に先生御指摘の備蓄に焦点を合わせて御説明させていただきます。
 ことしになりましてから、イランの輸出が全くとだえて、三月五日から輸出が再開されたわけでございますけれども、この一月−三月の日本の原油の入手の状況と申しますのは七千三百万キロリットル程度でございまして、これは当初予定しておりました三月末までに備蓄を八十五日まで積み上げるというのには足らなかったわけでございます。したがいまして、一月末には八十五日の備蓄を持っておったわけでございますけれども、需要が伸びてまいったせいもございまして、これを食いつぶしまして、三月の末には八十一日弱まで落ちてしまったわけでございます。
 その後、四−六でございますけれども、四−六の日本に対します原油入着状況と申しますのは、これは五月、六月はまだわかりませんけれども、当方船ごとに調べておりまして、現在のところでは、大体六千五百万キロリットル程度は確実に入手できるだろうというように考えております。ただ、これは当初希望しておりました、日本がこれだけ欲しいと言っておりました量に比べますと大分少ない数字にはなっております。実は、六千五百万キロリットルと申しますのは、昨年の、実績に比べますと、大体三百万キロリットル近く多い輸入数量になります。
 この結果、先ほど申し上げました、八十一日近くまで落ちてしまった備蓄の水準が持ち上がりまして、四月の末では大体八十四日まで回復してきておる。それから六月末では、いま申し上げました六千五百万キロリットルが入ってまいりますれば、八十五日近くまでは持ち上がるのではないかという予想をしております。これが当面と申しますか、ごく期近の備蓄の予想でございます。
 ただ、これがやや長期的な問題になりますと、じゃ年内どうなるのかということになりますが、これは御存じのように、世界の原油の需給というのはきわめてタイトでございまして、その結果、新聞などにも報道されておりますが、スポット価格というのは三十五ドルというようなものも出ております。したがいまして、フリーマーケットではほとんど玉が手に入らないというのが実態でございます。こういう世界の原油の事情を受けまして、七月−九月あるいは十二月どうなるのかということについては、まだ不透明な部分が非常に多うございます。ただ、最近私どもがいろいろ調べているところでは、七−九では今期並みの入着は可能ではないかというような考え方をしております。したがいまして、私どもの考え方では、秋口と申しますか、冬の需要期が始まる前にかなりの程度備蓄を積んでおきたいという考え方は持っておりますし、その考え方はまだ放棄したわけではございません。
 以上でございます。
○新説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘の点は、イランのバンダルシャプールの石油化学計画のことかと思いますけれども、御承知と思いますが、この計画は全建設工程の約八五%ができ上がっておりますけれども、あと一歩というところでイランの政変の影響を受けまして、現在小休止をしておるという段階でございます。
 ただ、イラン側といたしましては、この計画は一刻も早く完成をしたいという強い希望を有しておりますので、先般、実は日本側の投資法人の社長がイランに参りまして、イラン側のパートナーでございますイラン国営石油化学会社の総裁等と今後の工事再開の条件あるいは建設計画のスケジュール、さらにはそれに関連いたします資金問題、こういった点につきまして会談を行ってまいったわけでございます。
 イラン側といたしましては、少し検討させてくれということでございまして、その検討期間、約二、三週間かかるというようなことでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この二、三週間後にイラン側から多分回答が参ると思いますので、その回答を待ちました後に、具体的な関係企業等からの要請がありましたら、これに対してどういう支援策を講じたらいいかということにつきまして、関係省庁とも御相談をしながら進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○塩谷委員長 土井たか子君。
○土井委員 私は、まず尖閣列島問題についてお尋ねをして、さらに金大中氏事件に対しての質問に入りたいと存じます。
 園田外務大臣、中国側は口頭で遺憾の意を表明しておられるようであります。その中で、中日両国間の了解に違反していることは明白という旨の部分があるわけでありますが、日中平和友好条約締結の際にはそのような了解があったというふうに考えてよろしいわけでありますか。
○園田国務大臣 北京における日中友好条約交渉の際、ケ小平副主席と私との間にこの尖閣列島の問題は出たわけであります。私の方から問題を切り出しまして、私が言ったのは、尖閣列島に対するわが国の従来の立場の主張、これを申し述べ、さらに先般のような漁船団のような事件があるのは困る、こういうことを申し上げたわけであります。
 これに対してケ小平の言われた言葉、そのまま申し上げますと、この前のようなことは今後起こさない、尖閣列島は二十年、三十年いまのままでよろしいと、こう言われただけであります。
 したがいまして、その後来られたケ小平副主席が、共同記者会見の際、これはたな上げだ、こういう言葉を使われたわけでありまして、北京では全然私の主張に反発もされず、たな上げという言葉も出さずに、両方からそういう言葉を言い合ったままで打ち切ったわけでありますから、ここに若干の食い違いはあると存じます。私は、日本古来の領土であると主張をして、この前のような事件は困る、こう言ったのに対してケ小平副主席は、ああいう事件は起こさない、尖閣列島は二十年でも三十年でもいまのままでよろしい、こういうことを言われたのであります。
○土井委員 そうすると、いまの外務大臣の御答弁の中では、北京においては、外務大臣は日本の領有権を明確に主張されたということがはっきりうかがえるわけでありますが、去る二月二十七日の予算の第二分科会の席で、同僚議員がこの尖閣列島問題に対して質問をいたしました節、外務大臣の御答弁はまことにきっぱりしたものであります。その内容は、「有効支配をするために施設をすることは絶対に反対である、」「有効支配のためにやるということになれば、」「外交的な儀礼はなくなるわけでありますから、今後ともその点については、私は自分の所信を貫徹するつもりでございます。」こういうふうに述べていらっしゃるわけでございます。今回のヘリポート建設並びに調査は、先方である中国から見ますと、有効支配の誇示というふうに見て抗議してこられたのではないかと思うわけでありますが、いかがでございますか。
○園田国務大臣 そういう気配が見られたから申し入れをされたものと理解をいたします。
○土井委員 そういたしますと、先ほど私が申しました二月二十七日の、まことにきっぱりとした外務大臣御答弁からいたしましても、今後、外務大臣としては、これにどういうふうに対処なさるかというのは大変大事なことになってまいります。この種の問題は、話がだんだん大きくなっていきますと、双方ともなかなか引っ込みがつけがたくなってまいります。したがって、話がこじれないうちに、穏便に処理しなければならないということは、鉄則とも言えると思うわけであります。日中間の友好関係にひびが入らないことを大前提として考えて、外務大臣は中国に対してどのようなアプローチを行うというお考えをお持ちになっていらっしゃるのか。いかがでございますか。
○園田国務大臣 先ほど井上委員の御質問にお答えしたとおりでありまして、この申し入れに対してどのような対処をするか、現在の尖閣列島の問題をどう扱うかという問題はきわめてむずかしい問題でありますから、慎重に十分検討してやりたいと思いますので、いましばらく時間をおかしを願いたいと存じます。
○土井委員 慎重に十分御検討ということでありますけれども、しかし現実の問題として、今回の運輸省や総理府の行為というものがあるわけであります。私たちは、これは運輸省や総理府のこれ見よがしのやり方だというふうに思います。外務省として、これに対してどうお考えなんですか。また、田中六助官房長官は、わが国の有効に支配している領土でもあるわけだから当然の措置であり、調査の中止などは考えないと言って、非常に強腰で述べていらっしゃるわけですが、私などこれを見ておりますと、外交的な配慮というのは全く足りないのじゃないかという気がしてなりません。これでは、園田外務大臣が政治生命を賭してがんばられたあの日中平和友好条約締結の際の御努力に水を差すものじゃないかというふうな意見が出てくるのも、至極当然だと思いますが、外務大臣、どのようにお考えになっていますか。
○園田国務大臣 官房長官の談話は、私も新聞で拝見しただけでありますが、これは一般原則で日本古来の領土であるという立場をとっておりますから、そこで、日本がこれに対する必要な措置をするのはという意味のことを言われたんだと思います。したがいしして私は、この問題によって日中友好関係が阻害されないようにどのようなことをやるか、こういうことを慎重に検討したいと考えております。
○土井委員 幾ら日本の国内における外務委員会で外務大臣がそのように抗弁されましても、相手方である中国から見れば、そのようには考えられないであろう。非常に強腰のあの発言というのは、私は外交関係からするとまことに刺激的だと言わざるを得ません。したがいまして、今回の調査などは有効支配の誇示ではないということを、中国に対して十分に理解が行き渡るように説明をするということの必要性も出てまいります。外務大臣は、その点についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○園田国務大臣 きのう、とりあえず申し入れのときに伴公使が申しておりますが、今後そういう点も含めて十分検討いたします。
○土井委員 幾らこの問題についてお尋ねを進めましても、外務大臣は、それは慎重に検討するとか、このことに対しては少し考えてみたいとか、なかなか歯切れがよろしくない御答弁しか出てこないのであります。これは、時期的にも、非常に微妙な問題でもあろうかと思います。したがいまして、この問題はこれくらいにいたしまして、金大中氏事件の問題に質問を移したいと思うわけですが、警察庁、御出席でありますね。
 金東雲について。これは、捜査はまだ継続されていると思いますが、どうなんですか。そうして、現実の問題として、逮捕令状はもうすでに請求できるような段階であるかどうか。いかがでございますか。
○鳴海説明員 被疑者金東雲につきましては、現在もなお捜査中。と申しますのは、換言いたしますと、すでに事件発生後一月以内の九月四日でございましたか、指紋あるいは目撃証人ということで、当時の駐日韓国大使館一等書記官金東雲氏につきまして、この金大中氏逮捕監禁、略取誘拐事件の重要なる容疑者であるということを断定いたしまして、その後、本人は国内におらないわけでございますが、鋭意捜査を進めておるということでございまして、逮捕状の請求というお話がございましたが、これも含めまして、所要の措置はいつでもとれるというふうに考えております。
○土井委員 その金東雲のことでありますが、いま逮捕令状はいつでもとれる状況だということも言われました。
 私は、かつて当委員会において、捜査の経過について警察にただしたことがございます。私が質問して以後、警察の方では、捜査を今日まで続行されているわけでありますから、すでにもう日本の世上明らかになっております金東雲について、指紋を初めとする三つの状況証拠、それ以外に犯行を裏づける何かの新たな証拠というものが把握されているかどうか、その点はいかがでございますか。
○鳴海説明員 金東雲氏につきましての、重要容疑者ということで断定する証拠、先生のおっしゃったとおりでございますが、それ以外に、彼の背後関係とでも申しますか、そういったことにつきましての証拠は、現在入手されておらないというところでございます。
○土井委員 外務省にお尋ねをいたします。
 私、いま確認をしたいと思うんですが、金東雲について、一九七三年の十一月二日に外交官としての地位を失わしめられております。つまり免職ですね。七四年の十二月三十一日に行政処分として公務員の職を剥奪されております。七五年の七月二十一日に韓国において不起訴処分になっております。明くる日の七五年七月二十二日に日本に対して口上書なるものが届けられております。
 以上、これ確認をさせていただきますが、このとおりでございますか。
○柳谷政府委員 いま仰せのとおりでございますが、一点だけちょっとつけ加えさせていただきますと、七三年十一月一日金溶植外務部長官の記者会見の中身は、政府はすでに同人の職を免じと言っておりますので、免じた日付がこの当日であるかその若干前であるかはわかりません。
○土井委員 当外務委員会において外務省からの答弁で確かめて、私は議事録に従っていま言ったわけであります。したがいまして、これはいま確かめられたわけでありますけれども、そういたしますと、外交官としての地位を失った七三年十一月二日から七四年十二月三十一日に公務員としての身分が剥奪されるに至るまでの間、どういう公務員ということであったか、これは把握されておりますか。
○柳谷政府委員 これは把握しているということになるかどうか存じませんけれども、私どもの理解では、この七三年の十一月の時点で外交官としての身分を失った、それから翌年の十二月三十一日で処分されたということでございますから、その間の期間は外交官としての身分を持たない公務員の地位を保全していたということと理解しております。
○土井委員 外交官としての身分を持たない公務員の地位で公務員としてどういう職務にあったかという点については把握をされているのであるか、どうであるか。この点はどうですか。というのは、まさにこの時点からいうと符合するのが今回出たスナイダー公電であります。
 スナイダー公電の七五年一月十日付によりますと、韓国の「金(外相)は金大中拉致に責任のある在日韓国CIA要員の金東雲は韓国CIAから静かに解任されることになっている旨述べた。」こう書いてありますが、この時期は、まさしく公務員としての身分を失うというこの時期と非常に時期的には一致しているのです。そうなってまいりますと、金東雲について言うならば、外交官としての地位を失った後公務員としての立場はある、公務員としてはどういうことを職としていたかと言えば、KCIA要員としての公務員であった、こういうことになるわけでありますけれども、外務省としてはこの点をどのように把握されていますか。
○柳谷政府委員 ちょっと従来の御答弁を前半繰り返させていただきますけれども、この電報に関しまして韓国側に照会したところ、当該電報で指摘しているそのような記録あるいは記憶がないという先方の説明に接したということは、申し上げたとおりのことを繰り返させていただきます。
 それから他方、従来からいまの問題はあった問題でございますけれども、この七五年七月二十二日の口上書をもって、金東雲の公務員としての地位を喪失せしめたという通報はあったわけでありますけれども、他方韓国政府は、特定の人物のKCIA所属の有無につきましては韓国政府としてはこれを明らかにしないという方針であるという態度を、従来一貫して維持しているわけでございます。
○土井委員 ただ、外務大臣、韓国側は一貫してそういうKCIA要員でございますとか、KCIA要員として公務員という身分を持っておりますとか、そんなことは大々的に言うはずはそもそもございません。そうでしょう。しかしながら、外務大臣、今回のスナイダー公電からすればこういうことであったかということの憶測はできますね。外務大臣、どうでございますか。これ、いましきりに首を縦に振っていらっしゃいますが……。
○園田国務大臣 おっしゃるとおりだと存じます。
○土井委員 いまの外務大臣の、おっしゃるとおりだと思いますとおっしゃるその御答弁というのは大きいですよ。これは意味として大変大きいです。
 警察庁はこの間の事情というのを把握されておりますか。いかがですか。
○鳴海説明員 警察庁といたしましては、ただいままでの捜査結果といたしまして、そのようなことは把握いたしておりません。
○土井委員 捜査結果として、おりませんとおっしゃいますが、韓国側に対してそういうことに対する連絡というのはいろいろとおとりになり、事情聴取という努力は払っていらっしゃるのでしょうね。
○鳴海説明員 韓国側、これは外国でございますので、外務省に事件発生後たびたびいろいろなことでお願いをし、要求をし、一部については韓国側から外務省経由回答を得たものもございますが、多くのものは回答を得ていないということでございます。
○土井委員 そこで、警察庁にお尋ねをいたしますが、金在権という人に対しても捜査線上での対象であります。そうですね。金在権という人については別に本名がございまして、金基完という。これについては警察も御承知のはずであります。御承知でしょう。
○鳴海説明員 そのような別名があるということは承知いたしております。
○土井委員 金東雲について本名があることを御存じですか。
○鳴海説明員 承知いたしておりません。
○土井委員 金東雲については金成雲という本名があるわけであります。これは警察としては本当に掌握されておりませんか。
○鳴海説明員 重ねてお答えいたしますが、全く承知いたしておりません。
○土井委員 この名前が本名であるという情報がございます。ひとつ警察としてはこの点を確かめられることを要求しますが、いかがでございますか。
○鳴海説明員 ただいま先生からお教えをいただきましたわけでございますので、捜査本部に申し伝えます。
○土井委員 同じく捜査線上の対象になっておりました、例の拉致のときに使われた車の所有者である、当時横浜の副領事であった劉永福という人物がございますが、これ、やはり捜査の対象の一人である、このように理解してよろしゅうございますか。
○鳴海説明員 犯行に使用された車が劉永福当時副領事の所有に係るものであるという疑いが濃厚でございますので、その意味合いにおきまして当然事情聴取するなりそういった機会を持つべき対象であろうかと考えております。
○土井委員 最近、この劉永福氏に対して事情聴取なり捜査の対象としてのいろいろな取り調べをなすったことがございますか。
○鳴海説明員 この劉永福氏、私どもは日本国への入国の事実を把握いたしておりませんので、したがいまして、取り調べを行ったということはございません。
○土井委員 これは目撃者からの話でありますけれども――入管の方からきょうは御出席ですね。いま法務省いらっしゃいますね。
 七八年の九月、七八年の十一月、そしてことし七九年の二月、いずれも日本に入国をしているらしいという目撃者からの話であります。そういう事実が把握されておりますか、いかがでございますか。
○藤岡説明員 御指摘のいずれの日時におきましても、劉永福氏の出入国の事実は見当たりません。
○土井委員 劉永福氏というのはいまどういう身分でありますか。これは警察の方はどのように掌握をされておりますか。
○鳴海説明員 私どもでは承知をいたしていないということでございます。
○土井委員 警察の捜査というのは、続行していると言いながら、こういうていたらくじゃしょうがないですね。いま劉永福氏はどういうふうな身分であるかというのはさっぱり御存じないわけですか。外交官としてさらに在任をされているかどうであるかという点もはっきりしないわけでありますか、いかがでございますか。外務省の方はどうですか。
○柳谷政府委員 外務省といたしては承知いたしておりません。
○土井委員 当時の犯行の事実に対しての捜査というのを日本では続行しているということが現実の問題としてあることを、幾たびかの質問に対する御答弁でいままでここで述べられてこられました。その担当の警察に聞くとこの程度なんです。しかしながら、きょう外務大臣が金東雲について、外交官としての地位を失った後公務員としての職にあるとき、その公務員の職がKCIAであったということが推測できることをスナイダーの公電の中でお認めになりました。そういうことからいたしまして、それが事実、つまり金東雲がKCIA要員であるということになってくると、これは新たに政治決着を見直す一つの明らかな証拠ということになってくると思いますが、この点ははっきりお認めになるのでしょうね。
○園田国務大臣 いまの土井委員の発言を聞き、スナイダー公電を見て、KCIAの要員ではなかったかという想像ができるということを私は言っただけであって、これが事実であるか、あるいはそれが証拠になるかということは別問題だと思います。
○土井委員 それを証拠とするためには何が必要なんですか。
○園田国務大臣 外務大臣にはわかりません。――わかりません。
○土井委員 しかし、先ほどの御答弁からすると、すなわち証拠にはならないということをおっしゃるわけですから、このことをもって証拠としていくことのためにはさらにどういうことが条件として必要かということをお尋ねしているわけですよ。
○園田国務大臣 想像でありますから、疑わしいとか、あるいはあの人もおかしいとか、いろいろあるわけでありますから、これが証拠になるわけではなくて、これを証拠にするということは捜査当局の仕事であって、私は単に一個人として想像できると言っただけでありますから、どのようにしてこれを、事実を解明していくか、証拠とするかということは私にはわかりません。
○土井委員 そうすると捜査当局は、疑わしいということを外務大臣はおっしゃる、この事実について捜査されているということは当然だと思いますが、どのように警察庁としては認識をされているのですか。
○鳴海説明員 いま御質問のありましたスナイダー公電というものにつきましては、米政府における公表ということが報ぜられまして、私ども捜査当局といたしましてはいち早く外務省に、ひとつその公電の写しなど捜査の参考にいたしたいから入手方をお願いしたいということでお願い申し上げまして、逐次その写しをいただいておるわけでございます。
 承りますところによりますと、外務省御当局におかれましては、単にこの公電の写しといったものを入手されるだけではなく、それに関する全体的な事実調査あるいは御検討ということがなされまして、その結果も逐次私どもの方にお教えいただけるということでございますので、私どもといたしましては、そういった外務省の御検討、御調査の結果を待ちながら、ひとつこれが捜査上どういうふうな役に立つものであるかどうかというようなことについての判断をやってまいりたい、かように現在は考えておるわけでございます。
○土井委員 これは両方ともがなすり合いのようなかっこうで、いま、そのやる作業をこれからやりたい、これからやりたいというふうな調子の御答弁しか出ないわけでありますが、また、これはきょうここで畳みかけるようなことにはなりません。日を追って順次これに対してこの質問をどんどん展開をしていきます。
 さて、そういう点から言いましても、私はきょう一つ外務省に申し上げたいことがございます。
 五月の二十六日に外務省から一九七三年の八月十日付と十一日付の公電を配付されました。ところで、この資料には番号があるはずであります。通し番号があるはずであります。八月十一日の問題のハビブ大使からの公電は、番号は何番でありますか。
○柳谷政府委員 お答えいたします。
 番号と申しますのは百四十四点の文書にふられた番号のことかと思いますが、百四十三点を最初に明らかにしたときに外務省で便宜上日付順に配列をして一からずっとつけた番号で、八月十日のいわゆるハビブ電報は五番になっております。ところが、この百四十三点以外に別な新聞社に提供された文書があるということが後にわかりましたので、それについて米国に照会いたしましたところ、こういう電報が別に公開されているということがわかりまして、後刻公開いたしましたのがいま御指摘の八月十一日の電報になりますので、これは一件だけでございましたので特に番号はつけてございませんが、強いてつければ、時間的に言えば五番と六番の間になりますが、私どもは百四十四番というふうに整理して考えていたいと思っております。
○土井委員 私どもは整理してとおっしゃるのは、それは日本の外務省での独自の整理でありまして、大体こういう公電のたぐいには通し番号があるというのは常識であります。今回につきましては、アメリカの国務省から出されましたこの資料に対して通しの索引があるはずであります。何号から何号まで、また何番から何番までと日本語だったら言ってもいいと思いますがを提供する中で何番と何番は出せないとか何号と何号ということは公表ができないとかというふうな索引があるはずであります。それは外務省に届いております。ございますね。
○柳谷政府委員 御指摘のとおり、一番から石四十四番というのは外務省が便宜上日付順に配列したものでございます。アメリカ側から提供された生の英文を見ますと、そこにいろいろ数字が書いてございます。ただ、これは日付がばらばらでございましたので、それでは非常に取り扱いが困難なので、日付順に配列し直してつけたのが一番から百四十三番でございます。索引があるかという御質問でございますが、そういうものは入手しておりません。
○土井委員 公電に対しては、これは日本の外務省がそうであるように、各国やはり整理をするのに通し番号というのがございます。在韓国米大使館からアメリカの国務省に、国務省から在韓国米大使館に、相互に交信をされる公電についても通し番号がございます。今回日本に対して国務省から出された資料に対しても、これは通し番号がまた別にあるはずであります。私はじかに私の方からワシントンの方にひとつ問いただしをいたしてみましたところが、この八月十一日のハビブ公電はナンバー七であります。八月十日付はナンバー六であります。六以前の一から五までがあるはずであります。いかがですか。
○柳谷政府委員 番号が肩に書いてございます。御指摘のとおりこれは七番でございます。これは、日付順ではないけれども、ほかの方にもっと若い番号の公電もございました。しかし、ずっと見ましたところ、全部が完全に抜けてないかというと、部分的に抜けている番号はあるというのが実情でございます。
○土井委員 どこの部分が抜けておりますか。
○柳谷政府委員 これが公開されましたときに、米国でいろいろ公開の経緯等を大使館で照会したわけでございますが、いわゆるフリーダム・オブ・インフォメーション・アクトで当該通信社が公開を請求したわけでございますが、その公開を請求した内容に従って関連文書を抽出したわけであるが、その抽出した中に公開に不適当なものがあるということがわかった。したがって、公開に適当なものを結果的には百四十三点でございますが出したということでございますから、この一貫番号の中に抜けているものがあるとすれば、それは公開不適当だと判断したものが抜けているんではないかと思います。
○土井委員 私はなぜ抜けているのかという理由を問いただしているんではないのですよ。何番が抜けておりますかと聞いているのです。
 これはそういうことからすると、いたずらにいろいろと御連絡をされて時間が経過いたしますから、それなら申し上げますが、ひとつこの番号の索引を取り寄せるようにお願いします。よろしゅうございますね。
○柳谷政府委員 取り寄せるようにいたします。
○土井委員 それから申し上げたいと思います。それはそれを見た上でさらにはっきりすることだと思いますが、すでに外務省からいただきました本体の大部の資料と、それから全部今回外務省から出されたのを総合的に見てまいりまして、八月十一日付のハビブ公電がナンバーセブンといたしますと、八月八日付が二部ございますから一、二です。九日付が二部ございますから三、四です。次いで五月の二十六日に外務省がお出しになったのが、その一部分である八月十日というのがナンバー六でございます。そうしてただいまの八月十一日がナンバー七でございます。そうすると一、二、三、四、六、七となる。五が抜けているのですよ。五の部分が実は私は重要な問題であろうとにらんでいるわけであります。というのは、八月十一日のハビブの公電の中に、部分的に見てまいりますと看過できない部分があちこちにございます。まず第一に、私の指示のようにSRFはあらゆる情報筋を当たることを強化した、SRFはみごとに任務をこなし、韓国中央情報部がますます下手人であるらしいことを示すダムニングエビデンス、これは表現としたら、のっぴきならぬというのでしょうか、非常に強い語調でもって、疑うことのできないというのでしょうか、そういう証拠を集めてきたという部分がはっきりございます。そういたしますと、SRFというのも問題でありますが、指示をして証拠集めをやった結果動かぬ証拠というものを入手した。それに先立つ公電なんですから、そういうことからすれば、もうすでにKCIAの犯行だということを内々でわかっていることをさらに強化するという意味もあるでしょうし、さらにそのことに対して証拠集めをアメリカの本省側から指示されているということであるかもしれません。このナンバー五というこの部分が非常に私は重要だと思います。これもひとつ取り寄せるようにお願いいたします。よろしゅうございますか。
○柳谷政府委員 アメリカがこの事件発生の八月八日以降いろいろな情報収集に当たった事実は間違いないことだと思いますし、その報告がいろいろ出ていると思いますけれども、それが何本ぐらい、どういうふうな内容であったか必ずしもわかりません。私どものとりあえずの感じを率直に申し上げますと、もっと大量の電報が出ていたはずだと思います。一本抜けていたのではないかという御指摘、あるいはそれもそういう電報がその前にあっただろうという御推察、御指摘については私どもも御意見として伺いたいと思いますけれども、私どもの通常の経験等から言いますと、かなり大きな事件が起こったときに、かなり重要な電報が出先から送られるときに、ここにありますような八日に二本とか九日に二本とかいうのではなくて、もっと大量の電報が出ていたのではないかと思います。したがいまして、現在検討が終わりつつありますところのすでに入手した文書の検討結果、捜査当局の御意見も聞いた上での検討結果等を踏まえまして米国側にさらに物を聞くときには、特定の、ここにもう一本あるのではないかとか、あるいは抽出した二百何点のうちの百点があるのではないかというような取り上げ方よりも、この前後における米国の全体の情報とかそれに対する評価というような形で聞くのが妥当ではないか、そのようなふうにいまのところとりあえず考えております。
○土井委員 それは総合的に判断をして、大部のものがさらにあるでありましょう。それに対する要求をされることを先日私は期待をかけ、そして要求したところであります。しかし、今回手元にある資料のみから当たってもその点が言えるということを私は申し上げて要求をここで出しているわけですから、このことに対してどういうふうに対処されるかということをお答え願いたいと思うのです。
○柳谷政府委員 いまの土井委員の御指摘はよく承って今後の検討の材料にいたしたいと思います。
○土井委員 さらに、八月十一日付のハビブ公電の一番終わりの方の部分で、この時点で一これは直訳ですが、私の方が直訳をしてみた。この時点で金大中はまだ生きていると見られる、われわれは彼の生命を危険に陥れることを望まないし、彼の釈放の機会を望むものであるというふうな意味の部分が御承知のとおりございます。そうして、他方、一九七六年から七八年の三年間にわたって、下院の外交委員会国際機関小委員会の首席調査官であったベッチャー氏が韓国中央情報部の不法活動を調べた結果、いろいろ発言をされている中に、ハビブ駐韓米大使は七三年八月八日の金大中氏事件発生を知ると、直ちに在韓米当局者に特別の捜査を指令している。そうして、その結果、一日ないし二日のうちに韓国側の情報源から、KCIAがやったというふうな確証を得ている。ハビブ大使がこういうふうな行動をとられたということについては、今回のこの公電とにらみ合わせてみると一致するわけであります。そうして、重ねてこのベッチャー氏が、ハビブ大使は同時に後宮駐韓日本大使と緊密な連絡をとりながら、KCIAが金大中氏を殺害しないように韓国政府に圧力をかけたということを発言をされているわけであります。したがって、この間の後宮大使から外務省への公電の御提供を願いたい、いかがですか。
○柳谷政府委員 ベッチャー氏の発言というのは、御引用ありました点は報道によって私ども承知しております。他方、在韓日本大使館後宮大使以下の館員が、東京における事件の発生後、現地においてできるだけの情報収集等に当たったことは当時の記録で明らかでございます。
 その内容は、外交上の公電でございますから、この公電それ自体を公表することは慣例として控えさせていただきたいと思います。
 ただ、過去においてもそういうことをしてまいったと思いますけれども、今後もいろいろその点についての御要望があれば、当時の経緯をできるだけ詳しく私どもの方から御説明する用意は持っております。
○土井委員 それでは、ただいまこの席においてその説明をいただきたいと思うわけでありますが、よろしゅうございますか。
○柳谷政府委員 十分お答えできるかどうか自信もございませんけれども、いま手持ちの資料によりまして、御質問の点についてお答えする用意はございます。
○土井委員 それでは、一応のここでの説明的報告をしていただきたいと思います。
○柳谷政府委員 お尋ねの点は、八月八日の事件発生以後のしばらくの期間の間において行われた外交上の努力の経緯ということだと思いますが、主な点だけをかいつまんで申し上げます。
 これはソウルにおける分だけでよろしいならばそういたします。というのは、発生直後の外交努力の主たる部分はむしろ東京でございましたので、その部分はちょっと省略させていただきます。
 八月十三日……
○土井委員 それは韓国の分だけでなしに、総合的に東京の分とも――どういう交信がどういうふうにあったかということを、公電を出すわけにいかないから状況をできる限り詳しくということを言われたわけですから、それならばその説明を受けましょうということでいま聞いているわけですから、詳しくここで説明されるのが至当だと思います。
○柳谷政府委員 以下申し上げることが不十分という御指摘がありましたら、さらに調査して追加することをまず最初に御理解いただきまして、手持ちのものについて申し上げます。
 八月八日に事件が発生いたしましたので、直ちに当時の法眼外務次官から李駐日韓国大使に対してその事実を通報いたしました。また、万一韓国政府機関が関与しているということであれば、これは大問題であるから、韓国政府へ照会してほしいということを伝えたわけでございます。これが事件後の最初の動作だと思います。
 翌九日になりまして、李大使から本国へ照会した結果であるとして、韓国政府機関の関与の事実はないという回答があったわけでございます。
 その後、十三日に金大中氏がソウルの自宅に帰宅したということがあったわけでございます。
 よって十四日、翌日になりまして、次官から李大使に対しまして、事件究明のためには韓国側の捜査結果を随時迅速に日本側へ通報してほしい、連絡してほしい。それから金大中氏、梁一東氏の両氏が、わが方の捜査に協力するため早期に日本に来てほしいということの要請を、これは捜査当局とのお打ち合わせの上だと思いますが、伝えております。同じ要請は、韓国におきましても後宮大使から尹外務部次官に行っております。
 十七日になりまして、尹外務部次官から後宮大使に対して、韓国側の捜査の経過は日本側へ通報する、協力するという返事がございました。しかしながら、捜査当局に連絡したところ、金大中、梁一東の両氏の渡日については現在事情の調査中であるので、直ちには不可能であるということをあわせて通告を受けたわけでございます。
 その同じ十七日には、金鍾泌国務総理と後宮大使が会う機会がございまして、金国務総理から遺憾の意の表明がございました。
 その後金鍾泌国務総理から田中総理あての親書というものが発出されまして、早口で読ませていただきます。
  金大中氏の事件が晴天のへきれきの如く惹起され、閣下ならびに日本国民に多大の御迷惑と不快感をおかけする結果を招いた点につきお詫び申し上げる。
  閣下の御指導宜しきを得て日韓両国の友好と協力が健全な発展を重ねている折から、この事件は誠に遺憾である。
  事件の究明に関しては、できるだけ早く閣下ならびに日本国民皆様の納得の行く結果が得られるよう、全力を挙げて真相を究めるよう努力している。
  日韓関係の将来という次元から最善を尽すつもりである。
 これとほぼ同趣旨の親書が大平外務大臣あてにも発出されております。八月十八日付でございます。
 その後、八月二十日になりまして、在韓日本大使館から、さらに韓国側の捜査状況について照会と申しますか、督促をいたしましたのに対して、法務部、捜査に当たった主管官庁と思いますが、法務部からいまのところ連絡はないということがありましたので、その後二十一日、再度督促をやっている記録がございます。
 さらに八月二十一日同日に、後宮大使から、その捜査の情報提供要請をさらに行いましたところ、金外務部長官、先方の外務大臣から、早速関係部局へ伝達して、日本側へ届くように急がせるという返答があったわけでございます。
 八月二十二日、翌日になりまして、韓国外務部から日本大使館に対して、指紋及び血液型鑑定書の手交がございました。
 他方日本側からは、同月二十五日に日本側の捜査資料の提供を行っております。
 八月二十七日になりますと、在韓日本大使館から外務部に対して、捜査の情報の提供を再度要請しております。
 二十八日には、先方の外務部から日本大使館に対して、金大中氏拉致事件捜査状況という捜査資料が文書にて通報がございました。また法務部からの連絡として外務部が伝えてきたところによりますと、金大中氏は自宅におり、身辺は安全であるという回答がございました。
 八月三十日後宮大使から金外務部長官に対して、金大中氏等の供述内容の通報、及び金大中氏等三氏の再来日を要請するそういう申し入れ、三氏と申しますのは、金大中、梁一東、金敬仁の三氏でございますが、この来日を要請いたしましたところ、三十一日になりましてこの三氏の供述書の提供がありましたので、本省へ送付し、警察当局に伝達した、これが八月中の経緯でございます。
○土井委員 まことに質問に対しての答え、説明にはならない説明を長々といま受けたわけであります。
 外交公電に対して公表することは差し控えたい、そういう御発言でありますが、出していいものと悪いものと、アメリカと同様あろうと思うのです。
 そこで、最小限度限っていま申し上げることについてまず御答弁と確認をお願いしたいのですが、八月八日から八月十三日までの間に在韓国日本大使館から日本、そうして日本の外務省から在韓国日本大使館へ、この間の公電が何本ありましたか。これぐらいは言えるでしょう。――これは予告してありますよ、何本ぐらいというのは調べておいてくださいと言って。
○柳谷政府委員 お答えいたします。
 現在この場で何木という数字は持ち合わせてございません。
○土井委員 それは内容にわたっては公表はむずかしかろう。公表できるものもあるけれども、肝心のものになると、極秘電報になるとなかなかできませんが、しかし何本ぐらいということくらいは言えていいはずだというので予告してあるのですよ、こういうことを調べておいてくれと言って。
○柳谷政府委員 理事会でそういうお話があったことは私ども伺いました。いまのお話はたとえば最初の五日間何本ぐらい来往電があったかという御質問でございます。これは調べたいと思います。
○土井委員 最初の五日間と言われるのにも私が言っている意味があるので、その点をきちっと受けとめて何本というのをはっきりおっしゃっていただきたいのです。あることはありますね。ないはずはないのです。それはここで御答弁できないというのがむしろ私はおかしいと思うのです。先刻言ってあるわけですから、理事会以前から言ってあるわけですから、通告してあるわけですから、よろしいですね。
○柳谷政府委員 電報の数は相当量に上ると思います。これを数えて御報告いたしたいと思います。
○土井委員 そうしてさらに何月何日に何本という明細を出していただくように重ねて言います。よろしゅうございますね。
 以上で終わります。
○塩谷委員長 渡部一郎君。
○渡部(一)委員 私は、きょう当面する諸問題を多少御質問したいと思うのですが、まず初めに細かい問題を数点。
 ASEANの諸国に対してベトナムのファン・バン・ドン首相が不可侵条約を結びたいという表明をされたということを短い電報で承っているわけでありますが、わが国のASEANに対する取り組みその他はここのところ大きく前進しているものと思われますが、こうした動きをどういうふうに評価されるか、まず局長から御答弁いただいてそれから大臣に伺いたい、こう思います。
○柳谷政府委員 この不可侵条約提案云々のことは報道として私ども承知しておりますけれども、これについて立ち入った詳しい情報はいまだ必ずしも入手しておりません。したがって、お答えはやや一般論かと思いますけれども、ベトナムは最近のインドシナ情勢の状況下におきまして、いろいろ苦しい立場にあることと思います。政治的にも中ソ対立というような影響下にありまして、いろいろ苦しい立場にあります上に、経済的にも、人災、天災と言われておりますけれども、さまざまの困難に当面して、経済建設のもっと手前の経済復興というようなことにむしろ中心を置いて、外国からの援助もプラントものになかなか手が及ばないで、むしろ商品借款というところでとりあえず薬とか農薬とかあるいは部品、そういうものに力を入れるというような非常に苦しい状況にあろうかと思います。
 そのようなハノイの立場からインドシナあるいは東アジアの諸情勢を見ますると、孤立することに対して非常に危惧の念があることは間違いないと思います。そういう意味でさきにもベトナムの要人がASEANの諸国を歴訪して友好を深めたいとか関係を深めたいというようなことを言って回ったこともございましたので、今般のこの不可侵条約云々の話も、不可侵条約そのものを具体的に提案し、またすぐに結ぶというところまで思い詰めているかどうかについてはわかりませんけれども、なるたけASEANの、ASEAN全体というよりもASEANの各国だと思いますが、ASEANの各国との間に良好な関係を結びたい、政治的あるいは経済的に関係を深めていきたいというような動機がハノイの指導者の中にあるのはむしろ自然ではなかろうかという印象を持つ次第でございます。
○渡部(一)委員 大臣のお答えになる前に、ベトナムにおいて農業あるいは一般的な生産活動は非常に落ちている、そのために食糧等についても危機的状況にあるということが一方で報道されておる。これはどの程度のものと見ておられるかを伺いたい。
 それから、わが国がベトナムとの問で従来さまざまな援助計画を持ち合わせておって、中越紛争が勃発した当時に、両国間における戦争状態を速やかに終結するよう要求したという事実があるわけですけれども、その後援助計画というものは見直しをされたのか、また新しい観点で交渉されておるか、どういうことになっておるか、その両方をお伺いしたい。
○柳谷政府委員 第一点のベトナムの状態が危機的だと伝えられるけれどもどの程度かということでございますけれども、これは他国の政治、経済情勢の根幹にかかわります問題ですから、余り断定的なことを申すのは控えたいと思います。しかしながら、いろいろな情報によりますと、経済状態は相当に苦しいことであろうというふうには想像いたします。特に昨年水害とかいろいろなことがございまして、もともと戦後苦しい中でさらに天災がありましたために、食糧が、一説によると二百万トンも不足するということが伝えられた時期がございまして、社会主義諸国からの援助を主にし、足りない部分は西側の諸国からも援助を得たいというようなことで日本にもそのような打診があった経緯がございますが、その後ベトナムとカンボジアの関係が御承知のような形に発展いたしまして、カンボジア自身ももともと経済的には苦しい国でございます。そのカンボジアを抱え込んだというと少し言い過ぎかもしれませんけれども、ベトナムとしてはカンボジアに対しても相当な責任を負うに至ったということもあわせ考えますと、食糧という経済の、あるいは社会生活の基幹に触れるような問題について相当苦しい事情にあるのじゃないか。最近インドからある程度お米を入手したというような報道もいろいろあるわけでございますから断定は控えたいと思いますけれども、かなり苦しい経済状況じゃないかというふうにとりあえずは考えております。
 ベトナムに対する援助につきましては、昨年の暮れにグエン・ズイ・チン外相が参られまして園田外務大臣との間の会談でこの件が話題になったことは御案内のとおりでございますが、五十三年度に実施しておりました有償、無償の経済協力につきましてはすでにほぼ実施済みだと聞いております。五十四年度の分につきましては、最近先方から希望リスト、商品リストと申しますか、そういうものが接到いたしましたので、現在この検討に着手しておるところでございまして、大臣がしばしば申し上げておりますように、ベトナムに対する今後の日本の経済協力を考えるに当たりましては、ベトナムをめぐる諸情勢については常に慎重な配慮を加えなければならないということはそのとおりいまでも考えておるわけでございますけれども、一方では約束事でございますから、先方から提示がありました援助希望品目については現在関係方面でこれを検討しておるというのが実情でございます。
○園田国務大臣 ベトナムがASEANの国々と不可侵条約を結ぶという情報がありますが、これは御承知のとおりに、それ以前にベトナムがASEANの国々と懇談をしたいと申し出をして拒否された事実があります。不可侵条約という案が出てもASEANがこれを受け付ける状態にはまだございません。ASEANとは緊密に連絡はいたしております。
○渡部(一)委員 それから、テーマは変わりますが、先ほど北方領土の問題で当委員会で幾つかの応酬がございました。わが党の小川新一郎議員が予算委員会分科会の北方領土に関する審議の席上、尖閣列島の問題で指摘をし、予算をつける際には慎重であるべしとの意見を表明したと聞いているわけでありますが、この尖閣列島の問題であるとかあるいは北方領土の問題であるとか、係争中のわが国領土に関する諸問題については、予算措置その他アクションを起こす場合にはきわめて慎重な取り組みが必要であることは、先ほどの大臣の御答弁からも明らかであります。要するに本当に慎重になっているのかどうかということが多大に問題になってくるわけであります。関係各省庁との間でこうした諸問題を扱う場合には、外務大臣に対して連絡なり報告なりあるのかどうか。そして、それに対して緊密な打ち合わせをされるシステムができているのかどうか。システムはできているんだけれども今回はああいうことが起こったのかどうか、その辺を承りたいと存じます。
○園田国務大臣 尖閣列島の調査その他については予算審議の際も論議がありましたけれども、予算に組まれました。予算の審議が終わりましてから、この実施については連絡協議会というものができておりまして、関係各省、外務省が入って逐次連絡協議会の連絡は受けているわけでありまして、この調査のため、あるいはくい打ち込みその他は実に慎重に行われてきたわけでありますが、二十日のことに至って急にばっとああいうふうに出てきたわけでございます。
○渡部(一)委員 そうすると二十日のことで運輸省が突如としてあそこの地域にああしたヘリポートを置くというようなことについては、外務省としては連絡をいただかない間に、その連絡協にかからない間に、運輸省としてなさった、こういう意味でございますね。
○柳谷政府委員 いま大臣が御説明されましたように、随時開かれましたこの連絡協議会におきましては、慎重にやるべきだ、あるいはこれみよがしに誇示的にやるべきではないという外務省の基本的な考え方を随時説明し、各当局者もよく理解を得ていたと思います。最終的な事実関係といたしましては、五月二十一日、このときに沖繩開発庁から御連絡を得まして、この二十五日からの計画についてのいろいろな日程とか大体の予定についての御連絡を得た次第でございます。
○渡部(一)委員 そうすると、開発庁からの御連絡があって、連絡協でお話がある前に実際行動が起こった、こういう意味でございますか。
○柳谷政府委員 もう少し正確に申し上げますと、船をいつ出すとかというような話については二十一日の前のいろいろな連絡の機会に随時通報を受けていたわけでございますけれども、この二十一日の連絡と申しますのは、この二十五日に沖繩開発庁から調査が始まる旨の発表をするという、最終的と申しますか、御連絡を得た時点でございます。
○渡部(一)委員 そうすると、外務省はいつ知っていたわけですか。そして具体的な手続や何かはいつから実施されたのですか。事実関係をちゃんと言ってください。
○柳谷政府委員 お答えいたします。
 大筋については基本的なことは連絡会議その他で連絡があったわけでございますから、あとの細かいことはきわめて事務的な連絡でございまして、たとえば十六日の夕方その船が出る予定であるということはそのしばらく前の連絡で承知をしていたわけでございます。その後船が現地に近づくとかいうような個々の日程、それについてはその都度聞いておりまして、先ほどの二十一日というのは、これを発表する日程として通知を受けた時期でございます。
○渡部(一)委員 それは局長はちょっとお話がわからない。いま大臣がおっしゃっているのは、連絡協でふだんはお話を承っておるのだ、慎重にしようと扱ってきたんだ、ところが今度の件だけは余りよくわからぬうちにお話が出たんだ、こうおっしゃっておるわけですね。いま大臣がおっしゃっておることをあなたが細かく敷衍してお話しになっている形になっているわけですが、それは一体いつの時点か、大臣が了解していない尖閣調査というものあるいは尖閣にヘリポートを賢くというようなことについて外務省はいつ了承を与えたのか、その肝心かなめのところを言ってもらいたい。具体的な事実はどうなんだ、そこを言っておるわけなんです。
○柳谷政府委員 先ほどの大臣の御答弁、私の理解するところでは、この時期にあそこにヘリポートをつくるということについて大臣が了承されていなかったのではなくて、現実にいつ船が出るとか現地で行動が始まるかという個々の具体的な日については自分は承知していなかった、こうおっしゃっておるわけでございます。その前の連絡協議会においての、いずれある時期に、五月なら五月の時期にこういうようなヘリポートをつくっての調査をやりたいという大筋の話については大臣も御承知であったわけでございます。
○渡部(一)委員 簡単に言えば、それは政府として同じ閣僚をかばう立場におられるのはわかるけれども、こうした問題について連絡がきわめて不十分であり、かつ大臣相互間の御連絡、打ち合わせというものが、連絡協の名前にもかかわらず不十分であったことは明らかです。私はそれは遺憾に存じます。本当に遺憾です。遺憾どころではなくて、今回の場合はまだ糊塗することができるけれども、これが取り返しのつかない紛争に発展する可能性というものは大いにある。それをくい打ちがどうだとか、調査がどうだとか、ヘリポートがどうだこうだという程度の判断で一気に押すということがいいのかどうかについては、もっと高度な次元の政治判断を必要とすると私は思うのです。そういう乱暴な、既成事実をつくるやり方をやっていくということは日本外交としても日本の国政としてもすべきことではない。この点は今後十分戒めていただきたいと思うのですが、総論的にいかがですか。
○園田国務大臣 そのとおりでありまして、具体的な事実を知らなかったという私にも十分責任があるわけで、十分反省をして今後注意をいたします。
○渡部(一)委員 今度は金大中事件の話を、ここのところ少し整理して申し上げなければならないと思います。
 金大中事件の今回の問題について余りにもよくわからないことが多過ぎて、なぞがなぞを呼ぶような議論になりかかっております。非常に単純に初歩的に私伺いますから、将来の資料となるようにきちんとお答えをいただきたいと思います。
 まず今回の電報の件からいたしましょうか。今回アメリカ側は電報を百四十通、情報公開法に基づいて要求された日本側の在米マスコミを通して提供されたということでありますが、その中に公開すべきであると思ってない部分がまざっており、これがまざってしまったことに遺憾の意を表明されたというふうに伺っているわけでありますが、その辺の御関係を示していただきたい。まず、だれがどういう電報をとろうとしたのか、何に基づいてとろうとしたのか、そしてどの電報とどの電報が公開すべきでない電報だとアメリカ側のだれが述べているのか、そしてアメリカのだれが日本政府に対してこれについて謝罪をしたのか、釈明をしたのか、どういうことでどういうふうに言われたのか、きちんとお話をしていただけませんか。
○柳谷政府委員 お答えいたします。
 五月十二日に米国政府から連絡がございましたのがこの件の端緒でございます。五月十二日にワシントンにおきまして米国の国務省から、情報の自由に関する法律、つまり情報自由化法と呼んでおりますが、この法律に基づいて、日本の共同通信社ワシントン支局からかねて金大中に関する一連の文書の提供方の申し入れがあった、大分前からあったということのようでございますが、それをこの法律に基づきまして検討した結果、先ごろ提供したけれども、その中に秘密指定未解除の文書が、後でわかったわけですけれども、二件含まれていたということをとりあえず通報してまいったわけでございます。東京においても同じ通報が少しおくれてございました。これは土曜日でございましたので、とりあえず東京とワシントンにおきまして事実関係の確認を行いたいということを申し入れたわけでございます。それと同時に、たしかその日のうちか翌日に、数件の文書が新聞にすでに報道されたものでございますから、それらに関しては、単にそういうことが公開されたという事実のみならず、公開された電報の内容についてもとりあえず聞きたいということもあわせて申し入れたわけでございます。これに対して米国政府から、まずそういう文書を公開した、この件数は百四十三件であるということ、そのうち二件は秘密指定未解除のものであったという説明を受けたわけでございまして、このうちすでに当時報道されました五件は、在米大使館から直ちに電報によって本省に報告がございましたので、間もなく請求がありました向きには発表したわけでございます。その他百三十余点につきましては外交行のうによって送られてまいりましたので、これが接到次第、コピーをとったり日付順に配列し直すというような作業の後に、これも関係方面に差し上げたということでございます。
 これは事実関係の確認あるいは現物の入手のことでございますけれども、それに関連いたしまして、その後読売新聞社が、初めは共同通信社と同じものを同じような手続によって入手されたというふうに伝えられていたわけでございますけれども、一部食い違ったものを入手されているということがわかりましたのでこの点を改めて照会いたしましたところ、先方がさらに調査を行いまして、その結果二件、ただし一件は、電報そのものはすでに共同通信社に渡っておりましたけれども、そのうち一部が削除されていた、ところが後者に対してはこの削除部分も含めて手交したという意味において若干の食い違い。それから、もう一件がこの間から非常に話題になっております八月十一日のハビブ電、これは前者に対しては供与されていなかった、かつ指定解除がこれまた適当でなかったと後から説明している文書が渡っていることがわかったということで、この文書についてもその後提供を受けまして、これを便宜上百四十四番目とつけますと、現在米国がこの法律によって提供した、若干その中には適当でなかったと後に言うものもありますけれども、顧みて適当でなかったと思うにせよ、一たん請求者に対して手交した以上は、先方の言葉によりますとパブリックドメーンに入った、公の領域に入ったということで、これを再度回収できないということだそうで、これら百四十四件が公開文書の全体というふうにいま確認されたわけでございます。
 それから、お尋ねの中に含まれておると思いますが、内容についてのどういう照会努力をしたかという御質問もあるかと思います。韓国政府及び米国政府に対して、これら文書の内容の調査にはなお時間がかかるけれども、とりあえずのコメント、説明を得たいという形で、東京及びワシントン、東京及びソウルにおいて早速その努力を始めたわけでございます。
 米国政府からの回答は、従来から一貫して米国政府の基本方針であるように、この金大中事件というのは日韓間の問題であって米国はこれに介入する立場にない、したがって、これにかかわるいろいろな照会とかいうものについてはコメントする、論評する立場にないというのが米国政府の基本的な立場であるということを確認する返答に接したわけでございます。最初は参事官、部長レベルの確認でございましたが、本件の重要性にかんがみまして、在米東郷大使も先方の国務次官に面接いたしまして、先週の末でございますが同じ申し入れを、またその申し入れの際には、この事件の日本において持っております非常に重要な、国民的な関心、真相究明に対する政府の姿勢、国会の関心、その他の事情をさらに詳しく説明いたしまして米国側にいろいろ説明を求めたわけでございますけれども、結論は、従来から申し上げておるとおり、論評する立場にないというのが米国政府の変わらぬ姿勢であるという返答があったわけでございます。
 他方、韓国政府に対しましてもとりあえずの照会として行っていたわけでございます。特に一月十日のスナイダー大使発国務長官あて電報に述べられておりますところの一月九日の金東祚・スナイダー会談というものについてとりあえず問い合わせたわけでございますが、先方の説明は、韓国においてはこのような大使と大臣の間の会談というものは必ず記録が作成され、保持されているものであるけれども、早速調べたところによればそのような記録が見当たらない、作成されていない。それからその二、三日後でございますけれども、当時の金東作外務部長官に直接当たって調べたところが、金元長官の説明では自分にそういう記憶はないという返事であったということをとりあえず返答してまいったわけでございます。
 その後もまだ東京における全文書の調査は完了していないわけでございますので、まだいろいろ必要に応じて照会することはあると思っているわけでございます。その間も、アメリカと韓国のそれぞれに対して、先方から返事がありますときにまたこちらからさらに質問するというようなことでいろいろ照会をしております。
 ちょっと一つ、昨日聞いたことを御披露したいと思います。
 たまたま昨日、国会の後、夜になりましたけれども、在京の呉公使を招きまして懇談いたしました。私が呉公使に会った一番の目的は、先週来、特に今週に入ってからの国会における審議の状況、日本における本事件に対する深い関心の模様等々すでに承知のこととは思いますけれども、さらに私から伝えまして、本国にもその辺のことをよく伝えてほしいということを少し具体的に話しておいた方がいい、これはきのうが初めてではございませんでいろいろなレベルでしばしばやってはおりますけれども、昨日もそういう機会をつくって呉公使と話したわけでございます。その際、何日か前に韓国側にもう一度聞いていたことについて先方が本国へ問い合わせた結果として二、三の説明を得たわけでございます。
 一つは、七三年八月十一日のハビブ電報についてでございますけれども、先ほど土井委員も御指摘になりましたが、ここに、ダミングエビデンス、のっぴきならぬ証拠ということがある点を指摘して、これについての韓国側の何らかの見解と申しますか、意見がわかれば承知したいということをかねて申し入れていたわけでございますけれども、それに対する先方の答えは、アメリカ側が何をもってのっぴきならぬ証拠と言ったのか韓国側としては全く知るすべがない、こういう返事でございました。
 それから、七三年八月二十一日のハビブ電報についても、この電報には「新聞報道は基本的に正しい」という表現が入っている点について何らかのコメントがありやということを確かめていたわけでございますけれども、これに対する先方の説明は、当時韓国側はアメリカ側に対して、韓国の官権は関係していないということを再々説明していたにもかかわらず、その韓国政府の説明をハビブ大使がどのように受け取ったかということ、それは全く米側の問題であって、米側の主観的判断によるものであって、韓国側はその結果に拘束されることはないという説明でございました。
    〔委員長退席、愛野委員長代理着席〕
 昨日幾つか話した中で、いまの御質問との関係で、特に新しいことであるかどうかは別といたしまして、さらに韓国側から得た説明をちょっと御披露したわけでございますけれども、先般来申し上げていますように、まだ私どもの検討は完全には終わっておりませんし、また国会の御審議等におきまして、いろいろ、こういう点ももう少し確認したらどうかというような御意見も出ております。それらも踏まえまして、さらに事情の照会等についての努力はなお続けてまいりたい、このように思っております。
○渡部(一)委員 いま一気にお話ししていただきましたから大分話が進んだわけですが、あのときに金東作外相とスナイダー公使という公的な人二人が会って、そしてそれが記録にないとか記憶にないとか韓国側は説明された。そしてその後日本においでになっておった李秉禧という韓国政界の大物の方がおられるが、その方が新聞記者の取材に対して、そういうことについては謝ったんだ、アメリカ側がおわびをしたんだ、こういう内容の発言をテレビにおいてされたのを私は聞きました。米韓間でどういう応酬があったかわかりませんけれども、おわびをしたというのはただごとじゃなくて、電報をリークしたのをおわびしたのか、それとも正確にリークしなかったのをおわびしたのか、秘密会談があったことをしゃべってしまったのをおわびしたのか、それとも不正確だったのをおわびしたのか、その点は判然といたしませんが、その辺はいかがですか。
○柳谷政府委員 李秉禧氏の談話というのは私どもも承知いたしました。ソウルにおいて、当時外務部長官が外遊中で外務次官たる李外務部長官代理がグライスディーン米大使と会ったときの話だろうと思います。私どもが聞いておりますところでは、このおわびと申しますか、そういう趣旨というのは、これはアメリカ側が言っていることをそのまま引用するわけですが、本来公表されることが適当でなかった、すなわち秘密指定解除が適当でなかったというような電報が手違いによって公表されたことについて遺憾であるといいますか、そういう意を表明したものと承知しております。
○渡部(一)委員 アメリカ政府というのはもう少ししっかりした政府で、手違いなどで電文を公開するほどであったらミサイルも打ち上げられないのではないかという本質的な不信がわれわれにはあるわけなんです。ですからこの間の代表質問の際に、総理に少し意地の悪い質問の仕方ですが、日米首脳会談で、総理も外相も行かれたことですから、これからは、カーター大統領が韓国を訪問される直前であるからして、韓国の人権問題について一言物を申すため、電報リークという形でこういう情報を公開する、日本政府は驚くなよ、これぐらいの御連絡があったに違いなかろう、いかがなものであるか、こういう趣旨の質問が私どもだけでなくて数人の議員から表明されたと存じます。
 局長にまず伺いますが、事前にこうした韓国の人権問題についての不快の念、韓国政府の人権的諸問題を処理するための政策についてアメリカ側はしばしばある意味の警告なり忠告なりあるいはサゼスチョンなりを与えておったのか、また日本政府にもそういうことを言っておったのか、またいま申し上げた日米間の首脳会談だけでなく、日米間の接触するポイントにおいて韓国側のこうした問題については何とかしようではないかというような呼びかけや働きかけや打ち合わせ等があったのかなかったのか、もしあったとすればそういう事実について御説明いただきたい。
○園田国務大臣 そういう話し合いはございません。
○渡部(一)委員 この電報の意味するところは、公的な権力行使が韓国側において行われた、この問題について公的な権力行使があったのだというふうなニュアンスの電報でした。それに対する総理大臣の御答弁と外務大臣の御答弁は、きちっと見ますと奇妙な答弁があるのです。それは、よく見てみますと、これは新たなる証拠が提出されたとは見ないというふうに警察当局が述べて、いままでの捜査の面から見るとその程度ではとても捜査の新しい証拠とは見られませんというふうに表明されるというのならひとつわかるのです。ところが総理の御表明も外務大臣の御表明も、主として大局的見地からあるいは大局的判断から政治的決着の見直しはしないというふうに、御両所とも表現が統一されておられたように感ずるわけであります。
 これは何を意味するかというと、警察関係は捜査を協力しているから、大局的判断だという言い回しをするのでしたらこれはいろいろそういう証拠もあることだろうけれども、前内閣が政治的決着を遂げたものだから軽々に判断を覆さないと総理おっしゃったわけです。そういう表明というのは、容疑は濃厚だし、電報は本当のことを言っているかもしれぬが取り扱わないぞというニュアンスのきわめて濃い表明をなさったわけですね。それを園田外務大臣は帰国されるや否や直ちにその総理の表明と同じ表明をされたわけです。両者の御連絡はきわめていいと見なければならない。
 ところがこの内容を直ちに警察庁に回し、これは調査したのだが、この捜査の内容から見ると証拠能力としてはちょっと不十分ではないか、これはたとえばフレーザー委員会、七八年の十一月にアメリカの国際関係機関小委員会が報告を行った際に日本のとった態度は、大局的見地からなんとかというふうな表明はなさらずに、これは警察の資料とはなり得ないという表明でそこを突破されたいきさつがある。だからあのときの対応とは全然違うのですね。どれぐらい政府が驚かれたか。またアメリカ政府との間でこの電報が全部違うなどと言うとアメリカ政府との関係が悪くなるのを顧慮されたのか、きわめて違う表明で行われた。
 どうです、この辺でそろそろ白状なさいませんか。
○園田国務大臣 総理と私の意見が合っているかどうかわかりませんが、私が一貫して言っておりますのは、あの事件の当初、日本の捜査当局は指紋の検出、金東雲の嫌疑濃厚というところまで割り出したわけであります。そういうことも含めて、当時の政府は大局的見地から政治決断を下した。したがって、現内閣もその方針を維持しております。しかし、今度の公電によって新しい事実が出てきた。しかし、その新しい事実というのは政治的決着を見直すという、公権力の行使ということを裏づけする証拠にはならない。したがって、いまの段階ではまだ見直すという段階ではございません、こう答えてきたつもりでございます。
○渡部(一)委員 非常にうまく御答弁になりましたが、ちょっとその辺は余りにも政治的に上手な答弁であり過ぎると私は思います。
 今度はちょっと方角を変えて伺いますよ。現在、一体金大中氏を日本から連れていったと思われる金東雲氏を初めとするそのグループに対してどういう法律上の罪名と申しますか、対象法律というものが存在するのか、お伺いしたいと思っているのです。
 といいますのは、昭和四十八年八月二十四日の衆議院外務委員会における御説明の中で、警察側から御説明があり、「事件発生当初は、刑法二百二十条でございますが、逮捕監禁の罪として捜査しておったわけでございますが、金大中氏の発見に伴いまして、国外移送目的拐取罪、刑法二百二十六条第一項でございます。及び、金大中氏が負傷していることがわかりましたので、逮捕監禁致傷罪、刑法二百二十一条。この両罪で現在捜査をいたしております。」こう御説明がございました。私の見解によりますと、もうちょっと罪がいろいろあるのではないかと思いますが、現在、捜査は打ち切ったわけでなく、捜査中のお立場をとっておられる警察としては、金大中氏を連行した方のグループに対してどういう罪名で現在手続中であるか、お伺いしたい。
○鳴海説明員 捜査当局といたしましては、この事件は逮捕監禁、略取誘拐というふうに言っておりますが、条文に即して申し上げてみたいと思います。
 まず該当いたしますのは、刑法第二百二十条逮捕監禁の罪でございます。これは御案内のごとく「不法ニ人ヲ逮捕又ハ監禁シタル者ハ三月以上五年以下ノ懲役ニ処ス」と決められております。
 次は、刑法第二百二十六条、国外移送の罪でございます。この条文の内容は「日本国外ニ移送スル目的ヲ以テ人ヲ略取又ハ誘拐シタル者八二年以上ノ有期懲役ニ処ス」、国外移送の目的で略取誘拐ということが決められておるわけでございます。
 予想されます罰条といたしましては、ただいまの御質問でございますが、いろいろなことがほかにも考えられます。がしかし、捜査当局といたしましては、事件発生当初よりこの二つの罪名についてはまず間違いないものということで鋭意解明に当たっておるということでございまして、将来、捜査の進展状況に応じましては、またほかの事実が発見され、そしてほかの罪名がつくということ、その可能性を否定しているものではございません。
○渡部(一)委員 この捜査は時効等は生じないのか、お伺いします。
 それから、捜査の途中で打ち切りになることはないのか。政治的決着の結果、打ち切りになっていることはないのか。韓国側は、自分の国会の中において、金東雲の容疑というものについては、調査したけれども確たる証拠はつかみ得なかったと表明し、日本側の捜査はこれ以上進展しない、捜査をしないということを表明しているわけです。韓国側の国会の中の発言とはいいますものの、私たちにとってはそれ以後その問題を伺ったことがありませんから、どうなっておりますのか、その辺を伺います。
○鳴海説明員 ただいま申し上げましたそれぞれの罪名について、時効というのをまず申し上げてみたいと思います。
 刑法第二百二十条の逮捕監禁罪につきましては、時効は五年と定められております。また、それが逮捕監禁致傷というような形になりますと七年ということに相なるわけでございます。
 また、国外移送拐取、略取誘拐ということでございますが、刑法第二百二十六条の罪、これになりますと七年ということでございます。ただし、本件に限って申しますと、金東雲という被疑者、その他判明していない被疑者もおりますが、少なくとも金東雲という被疑者は現在日本国内におらないということでございまして、これは刑事訴訟法の規定によりまして時効は中断されまして、すなわち時効が進展しないわけでございます。したがいまして、この状態が推移いたします限りは、いつまでもというと語弊がございますが、時効というものは到来いたさないということでございます。
 捜査の打ち切りはないのかということでございますが、私ども捜査当局、捜査官といたしましては、こういった事件が発生し、いやしくも人が逮捕監禁され、略取誘拐されたということにつきまして、これを中途で打ち切るというようなことは、いまのところ考えておるわけではございません。鋭意今後ともこの逮捕監禁、略取誘拐という罪について、この事件の真相、実態を究明してまいりたい、かように思うわけでございます。
 それから、韓国の捜査結果というお話がございましたが、私ども日本の捜査当局として見た場合に、韓国であのような捜査結果が得られたということを外務省を通じて御通知をいただいたわけでございますが、なぜそういうような結論が韓国当局においてなされたのか、理解に苦しんでおるところでございます。われわれとしては、あくまでもこの事件について解明を進めていくという態度でございます。
○渡部(一)委員 非常に勇ましい御決意を承りましたが、もう一つ伺うのですが、そうなりますと、捜査をしているのは、第一義的に日本の捜査当局であり、犯罪が行われたのも日本の国内においてでありますから、日本の警察がこの問題について最後まで捜査なさるのは正しかろうと私も思います。そうしますと、当然犯人及び犯人の容疑濃厚である人々が存在する韓国に対し、捜査員を出張せしめ、そして捜査を続行するということが当然出てくるし、それは法務省としても、あるいは自治省としても外務省に申し入れをいたしまして、それぐらいの交渉はでき得るものと思います。外務省としては、警察当局が、彼らの捜査のために韓国に出張したいという申し出がありましたら、それについては協力なさる態勢はございますか、また前例はございますか。
○柳谷政府委員 わが国の捜査当局のお立場としまして、関係者の同意を得た上でこれらの人から事情聴取をしたい、こういう捜査の常道と申すのでしょうか、そういうお立場であることは私どもよく承知しております。ただ、わが国の捜査官が韓国に行きまして、韓国国内において関係者に任意の事情聴取を行うという問題でございますと、これはやはり法的には韓国政府の同意が必要であるということと思いますし、また、国家間の問題となりますと、相互主義の問題ということが指摘されると思いますので、この問題につきましては、具体的な問題としては現在は考えておりませんけれども、捜査当局からの御提起があれば十分その段階で御議論したいと思っているのが現状でございます。
○渡部(一)委員 少し答弁が手がた過ぎるな、本当のことを言うと。私はこう言ったのです。捜査当局から、韓国へ行ってその容疑者という者と接触したい、そして事情を聴取したいという申し出があったら協力しますかと聞いておるのです。
○柳谷政府委員 この問題は先ほどの繰り返しになりますけれども、そのような具体的な御提起がありました段階でやはり政府全体の問題として検討すべき問題であろう、こう考えております。
○渡部(一)委員 捜査当局としては鋭意捜査されているんだったら、金東雲氏はもう韓国にもおれないほどぐあいの悪い人物になったろうと思いますし、金東雲氏と一緒になって活躍した諸君たちは、いまやもう韓国にもしゃべってもらいたくない存在として、政府からは本当の望ましからざる人物として迫害されることも予想されるような妙なポジションにあるだろうと私は思います。気の毒とも言いようがない。だけれども、この人たちに対して捜査するという立場からいけば、当然日本政府は、他のケースの場合だったら踏み込んでいって、そこにおるらしいから自分たちで捜査させろと言うのが本当だろうと思うのです。ところが、例の政治的決着というもののおかげで警察庁は遠慮しておられるのか、例の問題で政治的決着の取り決めの結果、それは韓国にまで乗り込んでいくことは控えておられるのか、その点を警察の方から伺いたい。
○鳴海説明員 被疑者でございます金東雲元一等書記官について所要の法的措置をとり、取り調べを行う機会を得ること、あるいは被害者でございます金大中氏から事情を聞くという機会を得ること、これは捜査の常道としてその機会を得られることが望ましいということは再三申すまでもないことでございます。が、私ども考えておりますことは、これは捜査の実は技術上の問題でございまして、外国に参りまして、それは仮定の問題がまずあるわけで、外国の御了解あるいはその他いろいろな外交上のルートによるいろいろな問題はありますが、仮定の問題として、仮にそういった方々と外国で会うということも全く無価値とは私思いません。
 しかし、事件はやはり日本で起きたわけでございます。したがいまして、そういった裏づけ捜査の関係あるいは実況見分とかそういったような関係、いろいろな捜査技術上の問題がございまして、私ども捜査当局といたしましては、もしそういう機会を持てるのであれば、ぜひぜひ日本国内においてそのような機会を持ちたいということを考えておるわけでございます。
 しかし、この日本国内でという問題にいたしましても、これまた外国人、しかも外国におる外国人ということでございますので、私ども捜査当局の一存で外国に捜査権を及ぼすというようなことはなかなかできがたいわけでございまして、そういうことから、やはり外務当局、関係当局とのいろいろな御協議、御検討を待って決めるべき問題である、かように考えております。
○渡部(一)委員 いまのは大変苦しい御答弁になったと思うのですね、答えにくい人に答えにくいことを答えさせたのですから。だけれども、警察の方は二つ大事なことを言われた。前の答弁で、金東雲に対する口上書で、金東雲については事件後とりあえずその職を解き捜査を行ったが、思わしい結果が得られず、捜査は一時中断した。その後も捜査を続行したが、容疑事実を立証するような確証は見出し得ず、不起訴処分になったということに対して、そんなおかしなことはと言わんばかりのニュアンスでお答えになった。日本の捜査当局の力をもってすれば、そんなばかなことはないと思われているのだろうと私は思うのですね。また、いまはそういうチャンスを日本国内で持ち、実況見分したいのだという希望を表明された。しかしながらそういうことについての判断を御自分で避けられて、そういうチャンスが得られるならばと、またそういうふうに言われた。私はこの点を理解しなければならないだろうと思うのですね。
 日本の捜査当局は、今度の金大中氏という人が韓国に存在し、そして容疑者のメンバーの一人とも会うことができないという状況の中で、これは時効が中断されているのなら、それこそ関係当事者が全部死ぬまで永久に捜査を続行しなければならないという状況になっておる。それは日韓間の友好のために果たしていいのかどうかということを判断しなければならぬ時期が来ているのではないか、私はこう思うのです。
 また、金大中氏という人を存在させておく、ああいう形で国内で軟禁状態にしておくというような状況の中で、いつまでも韓国政府が硬直した姿勢をとっておれば、韓国政府自体として、人権弾圧国として赫々たる令名を世界じゅうに広げていく。また、それと手を組んで韓国のそういう言い分を容認しているということで、日本政府は人権規約はサインしたけれども、依然として人権問題に対してはなはだ不理解、かつ人権問題について何ら国際的な人権圧迫諸問題に対して仕事をしない政府として日本政府というものは位置づけられてしまう。まさに金大中事件は、政府の従来的な立場からいっても、韓国政府の従来の立場から見ても、これは両国政府の評判を下げ、政治的なポテンシャリティーを減らし、国際政治におけるポテンシャリティーを低めるものという以外の何物でもないと私は思うのですね。
 こうした問題はどうしたらいいのか、もっと抜本的な解決策というのが両国当事者でもう考えられていい時期に来ているのではないか。当外務委員会理事会の御提案の中において、金大中氏を参考人として喚問しようじゃないかという話がこの間から討議されておるわけですけれども、私どもも実際問題からいって、この金大中事件というだれが仕組んだかわからないけれども、こうした諸問題でいつまでも当委員会の審議というものを停滞せしめ、それだけでなく、実りなき、また本当に日韓間にとっては、それこそこの事件がもめればもめるほど、日韓間を阻害させる問題というものが存在しているということは決して賢明なことではない。
 大局的判断を持つのであるならば、この際、金大中氏をあの政治的取り決め第二項に従って自由に出国せしめ、そして金大中氏を日本を通過せしめ、そして実質的な原状復帰をせしめ、そして日本の捜査当局も金大中氏に会うことによって捜査は終結した、ある意味で日本の捜査当局としてもこの問題については捜査は終了したと宣言せしめ、そして韓国政府としても自国内において民主的諸権利は守られているということを世界に向かって表明し、そして日韓両政府としてもアメリカ政府に対してこの金大中氏事件はみごとに終結したということを表明し、そこまでやってのけるのが本当の外交ではないのか。それが日本の憲法を持つ日本の外交ではないのか、こう思うわけでございますが、外務大臣の御見識を承りたい。
○園田国務大臣 非常にむずかしい答弁でありますが、ただいまの御意見は非常に貴重な御意見として拝聴いたしておきます。
○渡部(一)委員 私はこの金大中氏事件の問題で、たとえば旅券がどうなっているとか、保証人がどうだとかだれがつかまえたとか、どういうルートで行ったとか、船は何に乗ったとか、そういうことは全部くだらないと思う。なぜくだらないかと言えば、政治的決着という名前を、その妙な中間的な措置が災いをなして、次から次へと曲がった形、ゆがんだ形でそれを説明するために政府の機能を全部費やさなければならないということがくだらないと思うのです。日本政府の機能も、わが国外交の努力もそんなことでなくもっと賢明なことに使っていきたい。わが国としてはこの問題の抜本的解決のために全機能を挙げるべきではないか。そのためには、私は現在の大平首相と園田外務大臣に期待したい。この時期において、いまチャンスがやってきている。それを交渉し、それを基本的に旧来の政治的決着の上に、私は政治的決着を見直せと言っていませんよ。政治的な決着とかいろいろなことがありましたけれども、その上にもっと基本的な解明の仕方がある。両国政府の信望を取り戻すだけのやり方がある。そのために手を打っていただきたい。私は強く要望するのですが、いかがですか。
○園田国務大臣 具体的な、しかも貴重な御意見、拝聴いたします。
○渡部(一)委員 御答弁は短い御答弁ですけれども、私はそれで満足です。やってください。それだけなんです。やらなければならない。その意味で、私はこうした事件の基本的解明の路線がいまやつきつつあると思います。
 次に、教育交流計画に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の審議が行われているわけでありますが、きょうそのチャンスを持てませんので、関連事項なのでいまの時間の中で割り込みで一言だけ質疑をさせていただきたいと存じます。
 それはさきに、本年の四月十六日前後、ロサンゼルスにおいてアメリカの大学に入れますという言葉のもとに集められた日本人留学生三十九人が日本総領事館に駆け込みまして、世界教育交流協会と契約して留学の実現を図ったわけだけれど一も、宿泊先も確保されていない、学校にも行けない、大変たくさんのお金を失ったという訴えがあったと報道されております。
 こうした事実は非常に大きな事実でございまして、私はいまお一人の方の提出された契約書、留学費用見積もり書を手にしているわけでありますが、入学金授業料五十五万円、寮費五十四万円、航空運賃三十万円、諸手続費十五万円、諸費用十万円、合計百七十五万円が詐取されております。これはその後ろにある領収証であります。そして、この世界教育交流協会は渋谷区神宮前六−十九−十四、神宮ビル八階にあり、「新しい世界への旅立ち!新しい体験との出逢い!」としてこうなっております。そして、料金表もついております。
 ところが同種類のものが各社の新聞記事、広告欄に多数出ているわけであります。
 たとえば四月十二日の朝日新聞広告欄に「サンシャインキャンパスカリフォルニア大学は、僕たちにとってもうひとつのキャンパスだ。あの、UCバークレーをはじめ、UCサンタクルーズ、UCデービス、UCリバーサイドで学ぶ英語集中コース。パンフレットの請求はコール・アメリカンデスク。留学と旅ISA」こう書いてあります。また、「アメリカ正規留学生−五十四年度−国際留学システム事務局 新宿区西新宿七−五−一○第二ミゾタビル五F 運輸大臣登録四六三号」これが「渡航業務」と小さく書いてあります。また、「メキシコ・ガダラハラ市私立ガダラハラ自治大学 医・歯学部学生募集」これは「教育開発研究所(IED)」。また「カリフォルニア大学留学サンディエゴ言語学部」と書きまして、これはインターラングセンター、運輸大臣登録一般旅行二三九号のジャスペルという株式会社がこれを取り扱っております。これはいずれも正規の留学手続を行い得る業者かどうか不明です。
 私が聞いたところによりますと、文部省それから運輸省、外務省のいずれもがこうした問題について適正な行政指導あるいは監督ができない状況になっております。ちょうど運輸省としては、旅行業者に旅行免許を与えているけれども、その旅行業者がたとえば留学パックのようなものをつくったとしても、その留学パックがよいかどうかについての指導までは、旅行業に対して免許を与えているのであってやりにくいというような口実からこれができてない。けれども私は、運輸省のやり方がおかしいと思うのは、そんなことを言うから、ラスベガスに行ってばくちをしようなんというパックがはやって、そしてやくざがみんなの人たちを集めてパック旅行に出かけていって、その集金業務を取り扱って警察の手配を受けたという事実がある。だから運輸省としても、旅行業に免許をする以上はその中身をある程度チェックしなければならないと私は思うのです。また文部省は文部省で、当省は日本国内の留学生の問題が問題であって、外国にいる留学生の問題は自分の所管ではないと説明されている。したがって、文部省の中に外国留学の手続を助ける部局は存在しない。また日本の外務省をとってみれば、妙なことに領事移住部に対して、各国に所在する大使館、総領事館、領事館に報告された件はこうやってチェックして上がってくるけれども、そうでない分については全然わからない。
 百七十五万円巻き上げて、飯も食わさないで日本に追い返そうなんという事件が現に起こっているわけですから、こうした問題について、私はまず事情をさあっと申し上げましたが、言語習得を目的の短期留学生、これが一番カモにかかりやすい。それから長期留学生であるが、この両種類についてその諸手続を適正なものにし、信用の置けるものにし、勉学の向上の心の厚い青年たちに対して何らかの防護措置をとるためにどういう措置が必要とされているか、現況と対策について三省あわせておのおの御答弁をいただきたい。いいかげんな答弁をすると、きょうはかみつきますぞ。
 まず一番初めに、一番被害者をたくさん出している運輸省からお願いします。
○小池説明員 お答えいたします。
 ただいま先生御指摘の中に多少誤解があるようでございますが、この留学ツアーというものにもいろいろな内容があると思います。わが国には旅行業者というのが四百二十二ほどいまあるわけですが、それが留学ツアーについて何らかの関係で関与しているわけでしょうが、その関与の仕方にもいろいろあるわけでございまして、旅行業者がみずから主催して留学ツアーをしているものがございます。これについては旅行業者が責任を持つ、こういうことでございます。そのほか国がやる場合もあるし、県がやる場合もある。その他いろいろあると思いますが、他からの手配を受けて航空なりあるいはビザとか旅券とかそういう手続だけを行う、こういうものもあろうかと思います。こういう旅行業者が関与している部分につきましては、私ども旅行業法に基づきまして十分指導監督をしているつもりでございます。そしてまた私どもそういう苦情等をお聞きすれば、直ちに是正等の措置をとりますし、また旅行業者の団体であります日本旅行業協会、こういうところにおきまして苦情処理業務あるいはその弁済業務、こういったものが旅行業法に基づく法定業務として定められて実施しておるわけでございます。
 ただ、留学という、輸送、宿泊以外の分野、これは別のところでやりまして、そしてその渡航手続だけやっておる、こういうものがあります。これは旅行業の範囲外になるわけでございます。しかしながら、御指摘のようなケースにつきまして非常に困っている方々が出られる、こういうことでございます。こういうケースにつきましても、旅行業者が何らかの関係で多少なりとも関与をしているかと思いますので、私どもはみずから主催する場合はもちろんのことでありますが、その他関与する場合には、現地の情報なりあるいは留学の手配等につきまして、あるいは依頼された主催者の内容、そういったものについても十分配意して、旅行者の保護というものを徹底するように今後とも指導してまいりたい、こう考えている次第でございます。
○仙石説明員 今回の事件は、ただいま先生御指摘のございましたように、外務省、運輸省、文部省、この三つの省に関係のあることでございますので、文部省といたしましても今回の事件の被害者に事情を聴取するとともに、語学留学を企画している同種の団体から留学の模様やホームステーの事情を聞く等、語学留学の実情調査に努めているところでございます。
 また、このような事件の再発を防ぐため、外務省、運輸省とも連絡をとりながら、文部省としても実態の把握に努めるとともに、被害者が出ないように、大学とか、それから地方公共団体等関係機関に対しましても適宜指導を行ってまいる所存でございます。
 また留学相談につきましては、現在のフルブライト委員会でもこれを行っておりまして、年間に五万件に達しておりますが、その中の一五%が英語の研修に関するものだそうでございます。また文部省としましても、大学等での留学相談のあり方について検討してまいりたい、こう考えております。
○塚本政府委員 お答え申し上げます。
 外務省といたしましては、本件、先生御指摘のとおり、新聞に伝わりました直後、在ロサンゼルス総領事館と連絡をとりまして、その実態を調査いたしました。御指摘のとおり、その種の会社は三百社ほどあると承知しておりますけれども、東京の渋谷に本社のある、ここの一瀬という社長を私どもの方はじかじかに呼びまして、さしあたりロサンゼルスに参ってそういう困っている者の救出策、こういったことについて十分配慮するようにということで、その対応策を考慮いたしました。
 その後の情報によりますと、その学生の一名の方が東京に帰って告訴するというようなお話を伺っておるわけでございますが、残りの方々はそれぞれの手づるといいますか、そういうものを求めまして現在は一応カリフォルニアの各地に散らばって、さらにこの種の、要するに観光と勉学、それもれっきとした大学に留学とかなんとかではなくて、観光をかねてアメリカの家庭にホームステーすることによってあわせて英語の会話その他をポリシュァップする、こういう形のものでございますので、ただいま文部省あるいは運輸省から御答弁がありましたとおり、その後のこの種の問題の発生をプリベントする意味合いにおきまして、本省といたしましては関係各省と十分協議をして今後のこの種の再発防止に努めるようにいたしたいと思います。
 なお、外務省といたしましては、現地におるこれらの者に対しまして、引き続き現地公館と緊密なる連絡のもとに、もしそれ不都合のようなことがあれば速やかに救援策を講じたい、かように考えている次第でございます。
○渡部(一)委員 三省からそれぞれ御説明をいただいたわけですが、私は運輸省の御説明の仕方はけしからぬと思う。態度が悪過ぎる。何かと言えば旅行業者の関与の仕方がいろいろだなどということをもっともらしく述べて対応策を何も言わないではないか。そういう態度が問題なんだ。旅行業者の中で直接関与して自分のところで集めているのもいる。人に集めさしたのを自分で運んでいるのもいる。それはそうです。だけれども中間的なのが山ほどおるのです。そして運輸省が直接免許を出していないところのグループがたくさんあることもわかっておる、そんなことは。そんなことを何で講釈される必要があるか。問題があるのは、観光業者を所管するのはどこかと言っているのじゃないですか。運輸省じゃないですか。運輸省が責任を持って、その運輸関係業者を認可したのも認可しないのもあわせて指導するのはあたりまえなんじゃないか。
 だから私は言ったんだ。賭博ツアーなんかが計画されておる。やくざが日本じゅうのお金の余ったのを連れてラスベガスへ行く、あるいは東南アジアのどっかへ行く、それでばくちをやって負けたのの集金にやくざがかかってくる。そんなことを日本の正式の観光業者がやっておるじゃないですか。ところが、運ぶ分だけ運送業者がやっております、こういうふうに運輸省は説明していて、運送の内容について、はなはだしく公序良俗というものを傷つけるようなものに対しては監督するのがあたりまえじゃないですか。それをあなたのところがやらなかったらどこがやるのですか。説明員であったとしてもあなたの説明の仕方は問題だぞ、そんなのは。運輸大臣を呼び出してきて追及しなければならない。三省合意してこんな問題はどうしようと相談しなければならないところですよ。これは、三省が集まってきて相談しないから、こんなことが続々起こっちゃうんだ。
 三百社もあるのが、きょうだって犠牲者のカモを集めて叫んでいるじゃないか。日本の大新聞まで、いいのか悪いのかわからぬで載っけているじゃないか。だから私、言っているじゃないですか。先生の御理解に違いがありますなんて生意気なことを言う暇があったら、何で実態調査ぐらいせぬか。運輸省はその程度の役人しか出さないのか、この委員会に。なめるんじゃないよ。答弁を取り消すなら取り消したまえ。人の犠牲を鼻で笑って、そして自分のなわ張りはここまでですと言って、人の不幸というものを感じないやつなんというのは行政の風上にも置けないぞ、そんなのは。百七十五万円を失って日本にかろうじて送還されてきた人のことを何だと思っているんだ、君は。ちゃんと答えてごらん。運輸大臣に聞かれて恥ずかしくないような答弁をしたまえ、ちゃんと。何ということを言うんだ。
○小池説明員 御説明いたします。
 多少私の御説明の言葉が行き足らず、その他があったかと思いますが、その点御容赦いただきたいと思います。
 私ども旅行業というものをあれしておりますが、旅行業法に基づいて行っているわけでございます。その中で旅行業者が旅行に付帯してやっているものはあれなんですが、その他の問題につきまして確かに先生のおっしゃるとおり非常に問題があるわけでございます。いわゆるオーガナイザーというようなもの、これがお客を集めまして、それを旅行業者がエアーとかそれから宿泊、こういうものを実施する、こういうことでございます。そして私どもとしましては、こういう旅行業者がそういう渡航手続を行いますような場合につきましてははっきり名前を出して責任をとるように、たとえば広告の中に先ほど先生おっしゃられましたようないろいろ登録番号、そういうものが入っているわけでございます。そしてわれわれは、お客様等に対しましては、そういう旅行業者とか主催者、こういうものを十分確かめて御利用いただきたいということを申し上げているわけですが、なかなかそのようにまいっていないのはまことに先生おっしゃるとおりでございます。
 確かにこういうものを扱っている事業者というものは非常に多いわけでございまして、その辺非常に問題がありまして、私ども決して十分やっていると申しているわけではございませんので、この点非常に言葉が足らなかったわけでございますが、外務省あるいは文部省、こういったところと協議いたしまして、旅行業者あて通達を出したところでございます。
 なお、こういう旅行業の周辺、こういったことに絡む問題等を含めまして、旅行業法の改正ということについても検討をし直さなければならないということで準備しているところでございます。
 そういうことで、鋭意努力しているというところだけはひとつおくみ取りいただきたい、こう考えております。
 まことに言葉が至りませんで、失礼いたしました。
○渡部(一)委員 私も大声で申しわけないことしました。
 最後に大臣にまとめて伺いますが、この問題は外務省、運輸省、文部省、三省の協力関係でなさなければならぬところですし、一部は公正取引委員会とか警察庁の御協力も得なければならぬかと存じます。それらの関係部局を総合されて現状の実態調査並びに対策の樹立に対して速やかに御協議をいただきたいと存じますが、いかがでございますか。
○園田国務大臣 大変な重大問題でありまして、また逆を言うと、各省が分割している所管のやみを縫ってやっているということで実に悪質でございます。したがいまして、ただいまの御意見に従いまして早急に関係各大臣と相談をし、場合によっては協議会等設立するなど、これに対する対策を急速にやりたいと考えます。
○渡部(一)委員 ありがとうございました。
○愛野委員長代理 渡辺朗君。
○渡辺(朗)委員 先に金大中の問題で二、三確かめさせていただきたいと思います。
 先日来いろいろやりとりを聞かせていただいておりましたが、率直に言って、素朴に疑問として出てくるものがございますので、大変初歩的なことかもわかりませんが、確かめさせていただきたいと思います。
 一つは、先般来のアメリカ国務省の公電問題、百四十四通でございましたか、外務省の方で検討しておられるということでございましたが、もう検討は終わりましたでしょうか。まずそこら辺聞かしていただきたいと思うのです。
○柳谷政府委員 百四十四通の電報の検討は終わったかという御質問だと伺いましたけれども、先週いっぱいで一通りの目を通しましたけれども、少し中身について確かめたい点とか、ほかの資料と照合したい点等もございますし、関係方面の御意見等も聞いてみたいという点もございますので、終了したかというお尋ねでございますれば、まだ終了したとは申し上げられない状況でございます。
○渡辺(朗)委員 つまり、まだ検討中であるというふうにいまの答弁は理解をさしていただきます。
 そうすると、ここら辺が私わからないところですけれども、もうすでに国会なんかでは証拠能力不十分である、したがって新事実ではない、こういうお話が出ているわけであります。一方では検討中だと言い、他方では証拠能力がないし新事実にはなり得ないだろう。こういう話が出ると、何か論理的に大変矛盾していると思いますけれども、私率直にお聞きしますが、これは矛盾しておりませんか。アジア局長お願いいたします。
    〔愛野委員長代理退席、委員長着席〕
○柳谷政府委員 これまで外務大臣その他が御質問にお答えしておりますのは、最初の五本がまず明らかになって、その後百三十七本が出てきたわけでございますけれども、とりあえず出てきたものを見ての感触としては、それを見ただけで公権力の行使を裏づける新しい証拠になるものとは考えられないという感触であるということでございまして、断定しているわけではございません。
 なお、いろいろ関係する部分を調べてみたい点、それからすでに一部行っておりますけれども、アメリカ、韓国に対して照会したり確認したい部分もございますので、それに対する説明ぶり、今後も得られるようなものがあれば、それらをもとにして総合的な判断をするということで、その判断には至っていないという意味においては検討中であるというふうに御理解いただきたいと思います。
○渡辺(朗)委員 そういうところを確かめさせていただきたいと思ったのです。つまり、いまの段階ではまだ感触であるということですね。だから、これは新事実ではない、何となれば伝聞証拠にすぎない、こういうことになる。そういうふうな断定をするならば、これは少々早とちりの政治的決着にすぎない発言だ、こういうふうに理解をいたします。
 さて、第二番目にもう一つ確かめたいと思うのです。
 捜査当局は現在でも捜査本部を置いて金東雲の捜査を初めこの金大中事件については捜査を続行中である、こういうふうに理解をしておりますが、そうですね。先般来いらっしゃいましたので、外務省の方にちょっとその点確認をさせていただきたいのです。
○柳谷政府委員 これまでの捜査当局の御答弁を私横で聞いておりまして、いまの御指摘のとおりでございます。
○渡辺(朗)委員 今度は外務省の方に改めてお尋ねいたしますけれども、第一次政治決着の際に当時の金鍾泌総理が日本に来られた。そして本国にお帰りになって、本国の国会においての報告の中では、日本で嫌疑があるとされている金東雲書記官に関しては、わが方が、つまり韓国側が引き続き捜査をし、その捜査結果に従って、わが国内法によって処理をする、だから今後この問題に関する限り日本ではこれで捜査が終結し、これからはわが方でこの問題に対する捜査を続け、真相を究明することになった。この翻訳は正しいと思います。これは一九七三年十一月五日の韓国国会の議事録によれば、向こうの総理の方は日本側は捜査を終わることになったのだと言っておられる。ここら辺はどうなんでございましょうか。日本の方は捜査続行していると言い、韓国側の方は終わったと言い、ここら辺の食い違いは私はおかしいと思うのですけれども、真実のほどはいかがでございましょう。
○柳谷政府委員 いまおっしゃいました時点において捜査が終わったのか、終わってないのかという点でございますが、これは累次御説明しておりますように、捜査は継続しております。日本側における捜査は現在もなお継続しているというのが事実でございます。
○渡辺(朗)委員 そうすると、日本側でこれは終わったのだというのは、これはうそになるわけですか、向こうの総理が言っておられる報告は。
○柳谷政府委員 いわゆるこの十一月の外交的決着というものの中身の問題であるかと思いますけれども、これは当時明らかにいたしましたとおりの内容でございまして、すなわち、来日されました金鍾泌国務総理が田中総理との間で、それまでいろいろ話し合いは日韓間にありましたけれども、それらを踏まえて最高首脳の間でその八月に発生しました事件について御討議がありまして到達した結果、これがいわゆる第一次外交的決着と後に名づけているものでございまして、その中においては、この時点におきましては日韓双方でさらに捜査を続ける、韓国側の捜査の結果をわが方に通報するということについて明確な了解が行われておりますので、この両国最高首脳の間に達成されました了解がすなわちこの決着の内容である。また現にその後日本は捜査を続けているということについてあるいはそれに関連したいろいろな日本側のその後の姿勢につきまして、それは了解に違うというような意味で韓国側からこの指摘を受けた事実もないことから見ましても、このいま申し上げました内容が両国首脳間の合意の内容であるというふうに理解しております。
○渡辺(朗)委員 いや、私は事実だけをちょっと知りたいのです。これは大変質問もしにくい話ですけれども、間違って向こうの総理がそのようにおっしゃった。捜査は終結するということになっている、日本側がちゃんとそういうふうに言ったということになっておりますので、そうではない、いまのあなたのお話だと、了解事項というのは日本は捜査を続けることになっている。どっちが正しいのかという事実だけを私は確かめたかったわけでございます。
○柳谷政府委員 捜査を双方が続けるということが正しい内容でございます。
○渡辺(朗)委員 それからもう一つ確かめておきたいわけでございます。それは、ちょうどそのときの韓国の総理の国会における報告の際に、この事件に関してはわが方もそこつに処理した点があるということを報告しておられる。日本側も大変そこつであったことを両国がもう一遍検討してみる必要があるということを強調したということを向こうの総理は報告しておられるのですね。相互に何かそこつであった、こういうような話し合いが行われたのでしょうか。これまた事実だけを確認しておきたいのでございます。外務省の方ではこれをどのように考えておられるのか。
○柳谷政府委員 私の承知しております当時の記録におきまして、日本側がいまのそこつと申しますか、手落ちと申しますか、そういうことを認めるようなことを話した記録はございません。
○渡辺(朗)委員 向こうの総理の方は国会に対してはっきりと言っておられる。日本側のそこつさというのは旅券目的以外の政治活動を行うことを日本で許容した、そういうことですね。これを取り締まらなかったということが日本側のそこつさである。そういうことはなかった、話し合いの中で向こうからもそういう話はなかったし、こっちからもそれに同意を与えたなんということはなかった、こういうふうに確認しておいてよろしいですね。
○柳谷政府委員 お答えいたします。
 日本側としてそういうことを申した記録はございません。あのような非常な異常な事件が起こりましたときに、韓国側が韓国側なりにいろいろ事情を考えてそういうような印象をあるいは持ったかどうかという点については承知の限りではございませんけれども、日本側からそういうことを発言したとかそういう記録はございません。
○渡辺(朗)委員 私はいまここではこの問題をそれ以上に深追いすることはいたしません。ただ確認をしておきたかったと思います。それは今後いろいろ問題が起こってきたときに重要になってくるのじゃないかと思いますので、あえて確認をさせていただきました。
 次に、時間の関係で幾つかの問題に進ませていただきます。
 UNCTADについてでございます。いまちょうどUNCTADも最終の段階に来ております。この数日でマニラ会議の方は幕を閉じようとしております。そこでお尋ねをいたします。
 人づくり援助ということが大平総理の口からマニラ会議の際に述べられました。先般来東南アジアの方々とお話ししていると、やはり誤解があるように思うのです。教育援助、何か日本側の方で教育を進めていくのだ、こういうふうに誤解されている面もある。これはまた恐らく日本政府あるいは総理の真意とも違うところであろうと私は思います。そうであるなら、やはり違うということをはっきり明確にしておかないといかぬだろうと思うのです。私の理解するところでは、途上国の方々の技術習得であるとかそういうことに大いに協力をしていこう、あるいは教育器材というようなものを援助あるいは協力していこうということであろうと思うのですが、外務省側の方でやはりデフィニションといいますか、人づくりということの明確な定義なり中身というものを、最近明確にされたことはございますか。
○園田国務大臣 この問題は、確かに大平総理が構想を発表されたときも現地の聞いた方にはいろいろ誤解があったようでございます。これは教育資材とか教育に援助とかという意味ではなくて、
 一口に言えば奨学資金みたいなもので、有為なASEANの国々の子弟を育てていくという意味で、日本から基金を出してこれを積む、その基金によってASEANの国々の優秀な子供さんたちが、日本のみならず自分の行きたいところへ行って勉強する、こういうものをつくろうということであって、いままでの研修あるいは文化交流、こういうものとは枠外に、別にこういうものをつくって奨学資金をつくろう、こういう意味でありまして、これについては、さらに外務省の方で具体的に詳細に案ができました際には説明をすべきであると考えております。
○渡辺(朗)委員 ぜひ具体化を急いでいただくと同時に、いまのような奨学資金の内容であるということでございましたが、それであるならばそれなりに対外的にもはっきりと表明をされることが結構であろうと思います。
 関連いたしまして、私は海外の方々の人づくりに協力することは大いに結構だと思います。ですが、外務大臣も御存じのように、南北問題の根本というのは、たとえば技術のトランスファー一つをとりましても、やはり日本側の方で人づくりをしておかないと、相手国だけの人づくりでは不十分でございます。たとえば大学で南北問題の講義だって、講座があるような大学というのは幾つあるのかと思って見ると、大変少ないのではあるまいか。あるいはまた大学に、日本の学校に海外の留学生が来ていても、担当教官がちゃんと留学生に専門についているというような学校というものは大変に少ないように思います。そういうようなところで国内としての人づくり、南北問題に対する対応策というものを急ぐ必要があると思いますが、いかがでございましょう。
○園田国務大臣 ただいまの御発言はまさに大事なところでございますから、早速検討いたします。
○渡辺(朗)委員 もう一つUNCTADの問題について。
 第五回UNCTAD総会がいよいよ終わりに近づきました。その際に、聞くところによりますと、第二の窓の問題、コモンファンドに関連しての第二の窓への出資金の問題について、日本側はいま要請を受けているというふうに聞いております。特に、フィリピンの大統領から日本に対する要請があったというふうに聞いておりますが、これに対する対応の仕方は、日本側は積極的に応分の負担をするという、これは非常に評価をされているようでありますが、具体的な問題になると、まだまだどうもはっきりしておらないようでございます。また、時期としても会期内にというふうにフィリピンの大統領などは言っているようですけれども、これに対しても日本側の態度が明確でないように聞いております。これにいまわが国としてどのように対応しようとしておられるのか、お教えをいただきたいと思います。
○園田国務大臣 ただいまの御質問、コモンファンドというものが原則的にはまとまりました。これについても、日本がイニシアチブをとったということで非常に評価されたわけでありますが、さてUNCTADで、第二の窓拠出金の問題になりますと非常な懸念をしておったわけであります。と申しますのは、先進国と開発途上国との意見が相当開きがありまして、開発途上国は早く金額を明示せよということで、先進国ではこれに対してやや消極的な国などもありまして、ようやく原則的にまとまったものがこれで週末までにうまくいくかどうか心配しておったわけでありますが、幸い昨夜これがりっぱにまとまりまして、そこで、開発途上国と先進国の意見が、ここで金額を早く決めて事を壊すよりも、ひとつ決議をつくって、決議で次の会までにこれをまとめていこうということで大体次のように決まったわけであります。
 これに基づく基本要綱というものを早急に条約としてまとめるための会合を開催をして、UNCTAD終了後、年内にも逐次協定案文の作成を終わるというような趣旨の決議ができまして、これで間違いなしに第二の窓もそれぞれ今後開発途上国と先進国との合意によって二億八千万ドルの拠金というものができる見込みができたと、ほっとしておるところでございます。
○渡辺(朗)委員 特にいまの問題については、日本も非常にジュネーブ会議などでも積極的な活動をしておられるわけでございますので、まとめの中核になって進めていただくとよろしいのではないかと思います。
 関連いたしましてもう一つお聞きいたしますが、先進国首脳会議を前にして、外務大臣ASEAN諸国をひとつ歴訪もされる、あるいはそこからの意見も聴取される。ASEAN諸国の中ででは、サミットに対してASEANの代弁者になってくれというふうに、日本に対する期待感も非常に強いやに聞いておりますが、ここら辺の大臣のこれからの行動日程といいますか、ASEANに対する働きかけ、こういうものはお考えでございましょうか。
○園田国務大臣 ASEAN、豪州、ニュージーランドを含めまして緊密な連絡をとっておりますし、特に重要な国際会議の前には各国の意見も聴取をして、日本はその意見を踏まえて会議に臨もうとしておりますが、特にサミットについては、ただいま仰せられたとおり、中には直接会った外務大臣もおりますけれども、国会の都合もあり、私がサミットの準備でもはや出かける余裕がございませんので、政府特使を派遣するという通知をしておきましたが、安川政府代表をそれぞれのASEANの国々を回すことにいたし、ただいま連絡をしておるところでございます。
○渡辺(朗)委員 サミットにまた関連をいたしましてお聞かせいただきたいと思うのです。
 OPECの総会が六月の中旬ごろに開かれるというふうに聞いております。そしてまた、エネルギー問題が大変に大きくクローズアップしてきたことも事実でございます。外務省においては世界各国に情報網も持ち、当然いろいろそのような調査もしておられると思いますが、今回持たれるOPECの総会でどのような問題が出てくるのか、それこそ何らかの感触なりあるいはまた予想なりお持ちになっているのではないかと思います。先般ヤマニ発言なんかもございまして、いま一度石油を戦略的な手段として使うこともあり得るなどというようなことも言われております。それだけに、いまどのような予想を立てておられるのか。外務大臣はIEAの方にも行って帰ってこられましたし、そこら辺でひとつお聞かせいただければありがたいと思います。
○園田国務大臣 IEAでは非常に熱心に討議をされましたが、エネルギー問題がきわめて深刻であって、これを一歩誤つならば大変なことになるという認識は一致をし、これに対する具体策等も出てまいりましたが、一つ足りないことは、消費国と産油国がお互いに対決するのではなくて、世界の未来、人類の未来、世界経済という共通の目的のために協調で話し合いをするという点が足りなかったと私は考えておりまして、今後この方向で話は進めていくべきだと考えております。
 OPECについては、経済局長からお答えをいたさせます。
○手島政府委員 六月の中旬または下旬にかけましてOPECの方で総会を開催いたし、そこで石油価格の問題が討議をされるのではないかというふうに私どもは想像をいたしております。
 特に、最近の石油価格の動向を見ますと、スポット価格が異常な値上がりを示しておりましたり、あるいはOPEC各国の生産量が、消費国の方から見て期待するだけの量がなかなか確保され得ないような状況になっていることにもかんがみまして、どちらかと申しますと、石油価格の決定を行います場合には引き上げの方向で討議が行われるのではないかというふうに考えております。
○渡辺(朗)委員 引き上げの方向で討議、非常にドラスチックな引き上げになりますか。そこら辺の見通しはいかがでございましょう。
○手島政府委員 OPECの諸国におきましても、世界の経済情勢に対します責任というものをだんだんと理解してきている徴候も出ておりますので、私どもといたしましては、仮に価格を引き上げることがありましても、大幅なものとならないことを期待をいたしております。
○渡辺(朗)委員 ことしの、たしか一月だったと思いますね、やはりOPECの会議の際に私が予想を聞いたときも、期待感は非常にございまして、大幅なものにならないようになどということでございましたが、結果は大変大幅な値上げが決定されている。私は、期待感は結構ですけれども、相当現実的にそこら辺は見ておかぬといけないのではないかと思いますので、ぜひひとつ、できるだけの情報もとっておいていただきたいと思います。
 関連いたしますが、これは外務大臣にお聞きすべきだと思うので、外務大臣にお尋ねいたします。
 エジプトヘの円借款の問題は決まりましたね。そうなると、いまのアラブ世界の中で、なかなか今回の中東和平の問題をめぐりまして、対立も激しくなっているOPEC、OAPECのメンバーがどういう対応を示してくるのであろうか。あるいはそういう問題とは全然関係ないからエジプトへの経済協力は予定どおり進めていくんだというふうにお考えでございましょうか、それとも、考慮もしながら進めていくんだというふうにお考えでございましょうか。
○園田国務大臣 エジプトへの援助は非常に微妙な問題があることは、御指摘のとおりであります。したがいまして、米国のエジプトに対する援助、その他の国々がエジプトに対する援助とわが国の援助とは違うわけでありまして、この点は、わが方は特に援助の方法、額、それから援助を決める時期というものは反エジプトのアラブ連合諸国の情勢等も考えながら、また一方には、わが方はアラブ連合諸国にも応分の経済援助をやらなければならぬということ等もありますので、慎重にいま検討をしているところでございます。いまおっしゃいましたように、他の国々の動向、関係等を十分考慮に入れてやるべきだと考えて慎重にやっておるところでございます。
○渡辺(朗)委員 外務大臣がちょうどお留守のときでございましたけれども、本会議場で総理にも私は要望いたしました。いまおっしゃったように、大変デリケートな情勢の中での対中東政策を展開しなければならない。したがって、その際に、やはり日本という国はできるだけフリーハンドを持って中東政策をやっていくように留意をしていただきたいという点を要望いたしましたが、賢明なる外務大臣、ぜひそこら辺は、わが国がいやしくもアメリカの中東政策の補完的な役割りになるというようなことではない、そういう立場をひとつ進めていただきますよう要望させていただきます。
○園田国務大臣 全く私も先生と同感でございますから、そういう方向で進めてまいりたいと思います。
○渡辺(朗)委員 どうもありがとうございました。
○塩谷委員長 寺前巖君。
○寺前委員 きょうの朝からの審議の中で外務大臣は、尖閣列島のわが国の調査団派遣に対して中国側が抗議してきたこととの関連において、日本の国益から考えると、いまのままじっとしておいて、二十年、三十年そのままの方がよいと思うというような立場の御発言をなさったようです。私は最初にこれに関連して聞きたいと思います。
 二十九日の午前中、在中国日本大使館伴代理大使に、中国のアジア局長から、日本の行動は遺憾だという表明がなされた。その要旨を新聞報道で読ませていただきますと、「この問題は中日国交正常化、中日平和友好条約交渉の際、議論が行われたものであり、(日本側の行為は)そのときの話し合い、了解に反した行動であり、遺憾の意を表明せざるを得ない。」と述べているようです。そのときの話し合い、了解に反した行動だ、こういうふうに言われて、そうですとおっしゃるのですか、とんでもないとおっしゃるのですか、事実関係をまずお聞きしたいと思うのです。
○園田国務大臣 事実関係は、土井委員の御質問の際にも具体的にそのまま申し上げたとおりでありまして、これは友好条約交渉の議題でもなし、そのときの話題でもなくて、その機会にケ小平副主席と私が会った際、私の方から尖閣列島に対するわが国の従来の主張、立場を申し述べ、この前の漁船団のような事件は困るとこう言ったところ、これに対してケ小平副主席の方から、この前のような事件は起こさない、二十年でも三十年でもいまのままでいい。これがそのままの談話であります。したがいまして、私の方は自分の方の従来からの固有の領土であるということを主張して言ったに対して、これに反論はなくて、この前のような事件はない、今後二十年、三十年あのままでよいということでありましたから、私の方は、言い分はこれでいいと思って帰ってきたわけでありますが、その後ケ小平副主席が日本に来られて記者会見の中で、尖閣列島はたな上げだという言葉を使われた。こういうことでありますから、そのときの了解事項というものに違反しているということはございません。
○寺前委員 昨年の日中平和友好条約の質疑の際に、私はあえて念のためにこの領有権問題について将来に禍根のないようにということで質問をしました。そのとき外務大臣は、いまおっしゃったと同じように、日本の立場の主張に対しケ小平は反論はなかった、そこで話は打ち切ったんだ、で、次というふうに話はしたんだということと、また、これは国際的に効果はどうなんだ、拘束性を持つものなのかという質問を私がやったときに、局長の方から、公の席上のことだから、国際的に見ても公でないようなものと比較にならない拘束力のあるものだ、高い立場の話なんだということを指摘をしておったと思います。私はそういう立場から言うならば、この抗議に対してはきっぱりと、事実にも反するし、むしろわが国の立場を否定もされなかったし、私たちの立場は決してあなたたちの言い分とは違って、あなたたちの言い分は拘束されるものではない、むしろ私の方の言い分こそ拘束されてしかるべきだ。強い態度で反論をされるべき性格だと思いますが、そういうふうに理解してよろしいですか。
○園田国務大臣 強いか弱いかわかりませんけれども、向こうから申し入れがあった際、伴公使から日本の立場をはっきり明確にしてございます。
○寺前委員 その質問の際に、私は沖繩開発庁の人に、現在進められている計画についてここで質問をやりました。大臣も一緒におられました。そのときに私はあえて聞いたのです。恒久的な施設がつくられるということになったら中国との関係でまずいということにはならないか、障害になりませんねという問題をあえて提起をしました。そうしたら、これは局長の答弁でしたが、障害にはなりませんという答弁がその際にあっております。私はあえて恒久的な施設という問題まで含めて、当時沖繩開発庁が沖繩県民の要望を聞き入れて調査に当たるということを言っておったから、概算要求をしておられたからあえて聞いたのです。障害にならないとまでおっしゃったわけであります。とすると、外務大臣が、支配誇示なら反対だという形でおっしゃっている。それは、あえて挑発的なことを見せよがしにやるということを取り上げておっしゃっているのだろうと私は思いますけれども、日本の固有の領土であって、領有権についても相手方に明確に言って反論はなかったという性格、しかも国会に対してそれは障害にはならないとまでおっしゃった性格ですから、開発庁がどういう考え方を持っておったかということについては先刻あなたもこの場で聞いておられた話ですから、私はいまは何もない、堂々と日本国の領有権の範囲内において日本の活動をおやりになる、どうぞおやりください、日本の国内においてはそういうことを言い切ることができるのではないでしょうか。開発庁が調査をやりたいということ、沖繩県民の要望になっておること、ここですでに条約審議のときにも明らかにされたもの、否定することはなかろうと思うのですが、あなたは否定されるのですか。そうしたら話が食い違ってくると思いますが、いかがですか。
○園田国務大臣 原則的に言えばおっしゃるとおりであります。しかし私は、予算編成の当初から、日本はあくまでこれはわが国の領土であると主張をし、係争中のものではないというのが日本の立場であります。中国は、自分の領土であると最近になってから言ったことを取り消しておりません。そこで若干の食い違いはあるわけであります。しかし、原則的に言えば、わが国領土であるから何をやろうと構わぬ、こういうことでありますけれども、外交には感情やその他の関係もあるわけでありますから、私はこの開発庁の調査及び施設が地域住民のために、避難場所であるとかあるいは安全のためであるとかということであるならばよろしいけれども、これを無理に誇示するようなかっこうで、挑発的なことでおやりになるのは好ましくないということは一貫して申し述べてきたところでございます。
○寺前委員 とすると、開発庁がいま進めておられるやり方には誇示を意図される、そういうものが感じられるということでありますか。
○園田国務大臣 開発庁並びに関係の運輸省等がやっておりまする仮のヘリコプターの発着場をつくるということ自体は、私は沖繩地域住民の要望によってつくられたものであると考えておりまするが、相手のあることでありますから、相手に挑発的な感じを与えてはいけない、こう言っているわけであります。
○寺前委員 ちょっとわかりにくいのですが、いまおやりになっていることは誇示をするという性格を持っているとあなたは判定されるのですか。とするならば、反対だということにイコールなるでしょう。しかし誇示をしているものではないということになるならば、それは従来からもここの席上でも明らかにされておった内容であるし、中国側にも言ってあるし、拘束力もかなり高いものを持っている性格のところで発言をしておられるのだし、しかも障害にはならないということを国会でも明言をしてきた内容ですから、私は政治的に誇示をするという行動が打って出ているという場合だったら、大臣の発言はしかるべきこともあろうかなと耳を傾ける要素もありますが、開発庁や運輸省がやっていることは別にそういう意図を持っておりません、従来からの計画のままであるというならば、何もあえてそういうことをおっしゃる必要はないと思うのです。その点どうですか、はっきりしてください。
○園田国務大臣 先ほどから申し上げますとおり、関係各省のやっておること自体は、私は地域住民の避難、安全のためだと考えまするが、少なくとも相手が抗議を申し入れたということは、これが有効支配の誇示的行動であると受け取られたものであると理解せざるを得ません。
○寺前委員 私が恒久施設をつくったって大丈夫ですかと聞いたとき、相手方との関係で私は聞いたのです。障害になりませんかと聞いたら、障害にならないということを中江政府委員は明言できますと言った。明言できますと言った。そうか、そこまで言われるのならばと、私どもは条約審査の一つのポイントとして聞いたわけです。明言できるものが、いまになってあえてあいまいなことをつけ加えなければならないというのはどういうことなんでしょうか。明言したものだったら、従来からのそういう調査活動について日本政府はやましいことをやっているわけじゃありません、決して運輸省や開発庁がおやりになっていることはことさら挑発的なことをやっていることではございませんと、はっきり言い切れてあたりまえじゃないのですか。言い切れないようなやましいことがあるならばはっきり言うべきだ。どっちかです。
○園田国務大臣 やましいことはございません。私の言っていることも終始一貫していると思います。私はほかの委員会でもあるいは他の発言でも、これが有効支配を誇示するものであってはいけないということは、しばしば言っております。
○寺前委員 そこで、私はもう具体的に聞きますよ。いま運輸省や開発庁がやっていることは、誇示だからいけないというのですか、それともよろしいというのですか、どっちですか、はっきりしておいてください。これは政府の中が内部分裂していることだよ。
○園田国務大臣 先ほどから言っておりますとおり、有効支配を誇示するような刺激的な行動でやることはいけない、こう言っているわけであります。
○寺前委員 私の質問に正確に答えていただきたい。いま実行していることは誇示の行為になるのですかと聞いているのです。ならないのですか。その判断は中国側にあって日本側にはありませんのや。中国側がそう判断したらやはりぐあい悪いのですか、そういうことですか。そこはどうです。
○園田国務大臣 私が言っておりますのは、あなたの質問に答えていると存じます。同じ言葉を同じ音声で言っても、けんかの言葉もあれば仲直りの言葉もございます。そういう意味で、やり方を私は言っているわけであります。
○寺前委員 私、わかりません。いま運輸省や開発庁が具体的に調査という行動を開始されたわけです。その調査行動に相手が反応を示した。相手の反応に対して外務大臣は、それは挑発的な行為だからおやめくださいと私は願っているのですとおっしゃるのか、それとも従来から私たちの立場は変わらぬのだから、障害になるのじゃないかという心配もあったけれども、そのこともきちんと公の場でお話もしてあることですから、決して困ることにはなりません、どうぞ運輸省さん、開発庁さん、いまやっておられることをおやりなさい、これでいいんですね。いかぬのですか。いいのですか悪いのですかということを私は聞いているのです。そこなんです。
○園田国務大臣 外務省は、一貫して私がいま言ったようなことを各省と相談をしてきたわけでありまして、関係各省も非常に慎重にくい打ちから調査からやられたわけでありまして、全然問題にならなかったわけでありまして、ヘリのために七十名が上陸をしてどうこうということを大々的に宣伝をしたことからこういう事件が始まっておるわけであります。その点を言っているわけで、関係各省は非常に慎重に冷静にやられた、いまやっていることが悪いとは私は言っていないわけであります。ただ、やはり私の方も中国とは友好関係を続けていきたいし、中国もまたわが国と友好関係を続けていきたい、この両方の善意が損なわれないように今後十分注意してやるべきだ、こう言っているわけであります。
○寺前委員 時間の都合がありますからこれでやめますけれども、領有権の問題に私たちは毅然たることがあったら、何も挑発的なことを私はせよということを言っているわけじゃありません。やはり慎重にやることはやったんだ、いまおっしゃったんだから。それでは慎重に領有権はちゃんとあるという立場を堅持しながらやっていることに対して、あたかもけちがつくような発言というのはむしろ慎んでいただきたい、私はそのことをつけ加えてこの質問は終わっておきます。
 次に同じく中国の問題ですが、この間日米の首脳会談がなされました。この共同声明の内容を見ますと「日本と中華人民共和国との間の関係の最近における発展及び米中外交関係の樹立がアジアにおける長期的な安定に重要な貢献をなすものであることにつき意見の一致をみた。」というくだりが中にあります。日本と中国との関係がアジアにおける長期的な安定に重要な貢献をなしてきている、こういうわけですが、それでは中国が現実にベトナムに対して侵略と覇権の行為を行ってきているという問題について日米の首脳会談ではどういう分析をされたのか、その点についてお聞きしたいと思います。
○園田国務大臣 中国とベトナムの問題は、中国は軍を撤退をして会談に移っているわけでありますから、過去のことについて論議はいたしませんでした。
○寺前委員 過去のことで済まない事態がその後も続いているのではないでしょうか。三月二十三日に廖承志全人代表常務委員会副委員長がベトナムがいたずらをすれば中国はもう一度鉄けんを振上げる必要に迫られるだろう、三月二十五日ケ小平副首相はシアヌーク氏との会談で、再びベトナムに懲罰を与えなければならないというようなことを言っています。また五月十六日ケ小平が時事通信社訪中団との会見の際に、中国はもしベトナムが国境で事を起こせば再度教訓を与える権利を留保するという声明を出した。いまの中国の方針はこれを出ていないと述べた。五月二十二日韓念竜外務次官が記者会見で、ベトナムが地域覇権主義と反中国政策を放棄しない限り新たな中国・ベトナム戦争が起こる可能性があるというふうに述べている。こういうふうにここ数カ月間、一連、また戦争をやるぞという発言が続いてきているわけであります。これは単なる発言だけではなくして、報道によれば米政府も中国の再侵略の公算が強いということを言っているようであります。こういうふうに見てくると、これは過去の侵略行為の問題は触れなかった、撤退をしたという事実だけを言っておられますが、新しいこういう動きが迫っているということを抜きにして、アジアにおける長期的な安定に重要な貢献をしているでは済まないんではないでしょうか。日本政府としてこの中国の最近の言動に対してしかるべき処置をすべきではないかと思うのですが、いかがですか。
○園田国務大臣 非常に頭脳明晰な寺前さんが、わかるまいとして質問されることに理解を得るような答弁はなかなかむずかしいわけでありますが、私には質問権はありませんけれども、それじゃ中国が再びベトナムに対して何かやるという可能性があるとお考えなのかどうか聞きたいところであります。私には質問権はありませんけれども、私はそういう事態があるとは考えておりません。
○寺前委員 戦争を起こすという権利を持っているんだとか一連の発言をしていることを、アジアの長期の安定のためにゆゆしき事態の問題として、平和友好条約を結んでいる日本として相手国に対して言うということは、アジアの平和のためにとって重要な責務ではないか、私はそういう立場で外務大臣が断固たる態度をおとりになることを強く要望しておきますけれども、もう時間もあれですから、あえて問題提起にしておきます。
 その次に、私は竹島の問題について海上保安庁に聞きたいと思います。
 現在の竹島の軍事占領の状況はどういうことになっているのか。新しい変化が生まれているのかどうか、これが第一点。第二点、この島の十二海里内で韓国側はどのような操業を行っているのか。第三点、この十二海里の範囲内におけるところの韓国側の警備の関係の動きはどういうことを示しているのか。第四点、わが国の操業状態はこの中でどうなっているのか、保安庁としてはどういうふうな対応を今日とっているのか。以上、四点について御説明をいただきたいと思います。
○野呂説明員 お答えいたします。
 海上保安庁では外務省の要請によりまして、昨年の八月二十九日に境海上保安部の所属巡視船「くずりゆう」を竹島の東島周辺海域に派遣いたしました。その巡視船からの報告によりますと、従来から東島で確認されておりました灯台一基、見張り所二カ所、宿舎一むね、国旗掲揚装置あるいは荷揚げ場、各種無線アンテナ、それに加えまして新しく兵舎、見張り所あるいは物置と見られるコンクリート製の建物四むねと鉄製のやぐら三基などが増設されているのが確認されております。
 それから、次に海上保安庁は隠岐諸島北方海域で操業いたします日本のイカつり漁船群の動静把握と海難等の不測の事態が発生いたしました場合に即応態勢がとれますように、常時二隻の巡視船を哨戒させています。これらの巡視船は常時レーダー等で各船の動静を確認いたしておりますけれども、韓国漁船並びに韓国警備艇等の動静を具体的には把握はいたしておりません。そういう状況でございます。
 わが国の操業状況は、現在はイカつり漁船が隠岐北方海域に今月の初めから操業いたしておりまして、現在竹島周辺では操業いたしておりません。
○寺前委員 いま保安庁から聞きましたら、昨年の八月二十九日に境の保安部に出動させてそういう調査をやった、依然として状況というのは韓国の実効支配のもとに置かれたままになっている、軍事支配がなされているという状況であります。
 外務大臣にお聞きいたします。この事態を一体どういうふうに解決をされるつもりなのか。もうきのうきょうの話ではなくなっております。実効支配が厳然として続いていますから、もうわれわれの領有権が放棄されたと同じような事態にまで発展してきているのではないだろうかと私は心配します。外務大臣はこれに対する安全操業を保障し、将来どういうふうにされるのか、はっきりさしていただきたいと思います。
○園田国務大臣 竹島の問題は、御承知のとおりに相当の年月を経過しております。それはそのためにいろいろな困難があったわけでありますから、これが今明日に解決するということはなかなか困難であります。わが国は、あくまでわが国固有の領土であるという点、それから日韓間に定められたあくまで平和的に解決する、こういう点を基本としながら努力をしていくつもりであります。
 操業の問題は領有権とは別個に切り離していま交渉しております。
○寺前委員 鳥取県の境港の市議会の方から決議書が最近出されてきております。
  昨年、本市議会は竹島における領土権の確立と海域の確保及び漁業の安全操業に関して決議し、別紙添付の通り決議書を提出し要望したところであるが、事後一年を経過すると雖も、国並びに関係機関の積極的施策の実行進展を見ないのは真に遺憾とするところである。このままにして推移することは、本市を基地とする漁業関係のみに止まらず、本市と市民は正に死活の関頭に立つというも過言でなく、逐年より深刻度を加えて行く状況に対し、昨年決議要望した件につき早急に措置されることをここに重ねて要望する。
 そうだろうと思うのです。そこで、交渉しているのだとおっしゃるのですが、交渉のめどは一体どういうところまで来ているのか、大体いつになったら解決する見通しをお持ちなのか。ともかくやっています、やっていますでは、これは国民に対して責任を持つことにはならないのじゃないか。毅然たる態度のとり方を含めて国民に納得のいくような説明をしていただきたい。しかも、一・航海で三百万円相当の赤字が出るということで大変な被害を実際に受けている。この責任も国家として負わなければならぬことになるのではないでしょうか。そのことを含めて外務大臣に改めてもう一度聞きたいと思います。
○柳谷政府委員 いま言及なさいましたところの境港市の要望書は私どもも拝見いたしております。アジア局次長がお会いしてお話しいたしております。
 お尋ねの竹島周辺の安全操業問題でございますけれども、政府としては現実的に関係漁民の利益を確保するということから、従来より多々努力していることはしばしば御説明しているところでございます。大変残念ながらこの背景に領有権の問題があるということでございますので、いまだ明確な解決は得ていないのが現状でございます。この問題が地元漁民、漁業関係者の生活に直接かかわる問題であるということは私どもも重々承知しているものでございますので、現実的にわが国漁船が当該地域においての安全操業が可能になるようなことを確保するよう今後とも最大限の努力を払っていくというのが現在の私どもの心構えでございます。
○寺前委員 ちょうど時間が来ましたからこれでやめますが、大臣、そういうことでいつまでも延ばしていくのですか。努力しますということで終わりにまたすっと行くのじゃないでしょうか、この一年間を見ておっても。主権の侵害の金大中問題がある。しかも現実に軍事占領されたままになっておる。こうやって韓国の方に一方では経済援助その他をいろいろやっていく。私はこういう関係を理解することができません。本当に強い態度でこの問題にけりをつけよう、安全操業を保障するのだというのだったら、何らかの措置があってしかるべきだと思いますが、最後に、大臣は本当にどこまで腹をくくってどういうめどをもっておやりになるのか率直にお聞かせいただきたいと思います。
 これで質問を終わります。
○園田国務大臣 なかなか複雑な問題があるわけでありますが、農林水産省と緊密に連絡をしながら、実質的に安全操業ができるよういま努力をしておるところで、決して引き延ばしだけで進んでいるわけではございません。
○塩谷委員長 依田実君。
○依田委員 きょうは、先般大臣の御報告にございましたIEAに御出席になったその様子をいろいろお尋ねをさせていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
 IEAは、通常過去は日本は宮澤あるいは木村さんという外相経験者が御出席になっておる会議でございます。今般は通産大臣と御一緒ということで、行く前いろいろ御議論があったようでございますけれども、向こうへ行かれましてお二人行った意義があったのか、あるいはまた二元外交のそしりを受けたのか、各国の代表団は二人ずつ来ているのか、その辺についてお尋ねをさしていただきたい、こういうふうに思います。
○園田国務大臣 IEAの総会は、御承知のごとく二名行ったのは日本だけではなくて、他の国々もたくさん来ております。新聞にはおもしろおかしく書かれましたけれども、決して二元とかなんとかではなくて、逆に江崎通産大臣と私では個人的にも非常に親密でありまして、いままでは外務大臣並びに外務大臣経験者が行っておったわけでありますが、所管は私の方でありますけれども、やはり燃料という重大な問題でありますから、通産大臣と二人三脚で出ていったわけでありまして、その他の会談等も二人一緒に要るところは二人でやるし、格別にやるところは外務大臣、大蔵大臣、通産大臣は燃料関係の大臣というふうに足並みをそろえてやってきたつもりでございます。
○依田委員 ちょうど折からアメリカではガソリンパニックがございますし、あるいはまた世界の石油のスポット市況、これも異常に高騰しておる。そういう中でこのIEAの閣僚会議が開かれたわけでありますけれども、これに御出席になって総括的に各国からいろいろ御議論が出た中で、長期あるいは短期まぜまして石油需給についてどういう感触、もちろん厳しい感触でございましょうけれども、どういう感触を得られてお帰りになったか、総括的なお話を伺いたい。
○園田国務大臣 この総会で、まず第一にはエネルギーに対する認識でありますが、これは出席各国全部一致をいたしました。中東問題の変転、それからスリーマイルの原発事故、こういうことによって一九八〇年代後半にわれわれが予想しておった石油危機、エネルギー危機というものが数年間早まるのではなかろうか。しかもまた一方は減産、値上げ、こういう問題も起こっております。したがいまして、このエネルギー問題はきわめて深刻であって、これを一歩誤るならば大変な事態になる、こういう認識は一致をしたわけであります。
 そこで、このような大事な大変な問題をどのようにやるかという討議の結果の合意点は大体三点ありまして、一つは省エネルギー、各国、約束によって五%省エネルギーをやっているのを今後とも来年以降も継続をして省エネルギーをやっていく。第二番目には石炭の液化利用あるいは代替エネルギー等の開発、研究、第三番目には原子力開発、これは非常に困難ではあるけれども、この安全性というものを国民に納得してもらってこれを進めていこう。大体この三点であります。
 しかしながら、それ以上の具体的な問題はできませずに、これはサミットでも重大な議題になると思いますけれども、問題は、私個人から考えれば産油国だけ集まって、そして足並みをそろえてどうだこうだと言っておっておさまる問題ではなかろう。むしろ、消費国と産油国が両方一緒になって世界共通の課題に対して取り組む、また開発途上国も地下資源の開発を一緒になってやる、こういうような産油国と消費国の協調、話し合いの場所が急いで持たれなければならぬのではないか、こう考えて帰ってきたわけでございます。
○依田委員 いまの大臣のお答えの中からまた幾つか質問さしていただきたい、こう思うのであります。
 まず最初の省エネルギーでございますけれども、各国五%という約束がなされておるわけでありまして、日本もぜひこれを守っていかなければならぬわけでございますけれども、いま通産省がいろいろ出されておる省エネルギー案、果たしてこれで五%実施できるのかどうか、こういう危惧が一部にあるわけでありまして、外務大臣としてこの五%というものをぜひ実行しなければならぬ、こういうふうにお考えだろうと思うのでありますけれども、果たして実行できるのかどうか、この点についてお話を伺いたいと思います。
○園田国務大臣 通産省がおられませんから、私の判断でありますから誤りが若干あるかもわかりませんが、通産大臣以下一生懸命に五%節約をやっておられます。そこで、まず官庁及び政府の締めのきくところは非常な効果を上げているようでありますけれども、さてこれが民間にどういうふうに影響していくか。各国の夜の景色、それから成田から東京までの夜の景色から見ると、ネオンサインや電灯は消えてない。こういうことで、そうなってくるとこれは国内法も必要かなと思いますけれども、通産省で一生懸命やっておられまするから、逐次効果は上がるものと考えております。
○依田委員 何か通産省任せのようなお答えでございますけれども、しかし、海外に対してお約束をされておる。やはり外交問題としては外相の責任内に入るわけでございまして、われわれもどうもこれは実施できないのじゃないか、こういう危惧があるわけでございまして、そういう意味で、海外に御一緒に行って約束をされたということで、五%の実行については通産省にだけお任せになるのじゃなくて、ひとつ外務大臣としてもいろいろこの問題について真剣にサゼスチョンをしていただきたい、こういうふうに思っておるわけであります。
 細かいことでございますけれども、この「閣僚理事会コミュニケ」の4の(C)項のところに「石油需要の抑制措置は一九八〇年においても必要であり、」こういうふうにうたわれておるわけであります。これは巷間一部誤り伝えられておるのかもしれませんけれども、いまの五%節約プラスアルファ、こういうふうに言われておるわけでありますけれども、何らかの新しい措置が一九八〇年にはとられる、こういうふうに話し合いが行われたんでしょうか。
○園田国務大臣 石油の節約については、私が記憶しておるところでは、いまの五%、これをさらに明年も続けて行うということであって、プラスアルファの話はなかったと存じております。
 なおまた、先ほどの私の答弁は悪うございましたけれども、われわれが約束をしたわけでありますから、決して通産省がやりなさいという意味ではございません。なかなか困難であるが、通産省を中心に政府が努力をしていかなければならぬというふうに御理解を願えればありがたいことでございます。
○依田委員 次の5のところに「一九八五年に原油輸入量を二千六百万バーレル・パー・デー」、こういうふうに書かれておりまして、しかし、その後の方で、この目標については見直しがあるかもしれない、こういうふうに書かれておるわけでありますけれども、この二千六百万バレル・パー・デーについての見直し数字、こういうものが御討議されたのか。もしそういうふうになると経済成長に非常に影響が出てくるのじゃないか、こういうふうに考えられるわけでありますけれども、この辺についてはもう少し具体的な数字で議論が行われたのでしょうか。
○手島政府委員 一九八五年における二千六百万バレル一日当たりということの数字自体につきましては、今回の会合では、具体的にそれが多いとか少ないとかということじゃなくて、一応コンファームされたわけでございます。ただし、その先の一九九〇年のグループ目標をさらに検討しなければならない。今後の検討の過程において、一九八五年のグループ目標が見直されることはあり得るということで討議が行われた次第でございます。
○依田委員 この石油の問題はサミットの中で中心的課題になる、こういうふうに御報告書に書かれてあるわけでありますけれども、サミットは、われわれ聞いておりますように、五つのテーマで行われるわけであります。この中心的課題、これがどういう意味合いを持つのか。ほかのテーマというもの、特に南北問題などがエネルギーの陰に隠れて今度のサミットの中でもし軽んぜられるというようなことになると、またそれなりにいろいろ各国に与える影響も大きいのじゃないか、こういうふうに思うわけでありますけれども、この中心的課題、これと五つのテーマの扱い方、こういうものについてはどういうふうにお考えになっておるのでしょうか。
○手島政府委員 特にサミットにおけるテーマの中で何を一番重視しなければならないかというような合意というものがあるわけではございませんが、先ほど先生もご指摘になりましたように、二千六百万バレルの目標の見直し、あるいはそれは今後の経済成長との関連などもございますので、サミットにおける多くのテーマの討議の場合に、エネルギーの情勢というのが常に頭の中に置かれるであろうということは言えると思います。
○依田委員 サミットでエネルギーがいろいろ問題になるということで、皆さん方いろいろ討議の資料をおつくりになっていらっしゃると思うのでありますけれども、御承知のようにスポット物はいま大変急騰しておるわけでありまして、先ほども議論が出ましたけれども、OPECの会議がサミットの直前に行われる。そしてまた、そこでは原油の価格の値上がりが決められるんじゃないかというような予想もされておるわけでありますけれども、そういう事態が直前に起きた場合にでも、サミットのこの討議に十分な、間に合うような、そういう準備というのはなされておるんでしょうか。
○手島政府委員 最近の石油の需給関係にかんがみまして、石油の価格が上昇傾向にあるということも踏まえた上で準備をしております。
○依田委員 それにはいろいろ予想される数字などを勘案してきっとお決めになっていらっしゃると思うのでありますけれども、その問題については先ほど渡辺委員の方からもお話が出ましたから、それにさせていただきます。
 大臣のお答えにもありましたように、二番目は石炭見直し、これが第二の重要な課題であった、こういうふうに承っておるわけであります。
 ところで、石炭見直し、こういうふうに言われましても、わが国は国内に石炭がなかなかない、あっても非常に価格が高い、こういうことで競争力がないわけであります。どうしても海外から一般炭は輸入してこなければならぬわけでありますけれども、しかし、石炭産出国、こういうものがもし輸出制限などをするというようなことに相なると、エネルギー面での安全保障というのはまた脅かされるわけでありまして、こういう点について今度のIEAの中で石炭を見直す、それと同時にそういう石炭の輸出あるいは貿易、こういうものについての安全保障について各国がいろいろ意見を開陳されておるのでしょうか。
○手島政府委員 今回のIEAの閣僚理事会で採択いたしました「石炭に関するIEAの行動原則」というものがございます。その中に書いてございますように、「豪州、カナダ、米国等石炭生産を拡大する能力のある国は、国内利用の拡大のみならず輸出をも可能とする生産設備及びイソフラストラクチャーの拡大を行う。」とか、あるいは「石炭貿易及び投資の拡大のための信頼できる長期的な条件を創出するためには、加盟国がこれを助長するような国内措置を実施する必要があることを」認めるというふうに合意をいたしておりまして、単に石炭を有効的に利用するだけでなく、日本のように国内の産炭が少なく、輸入に依存しなければならない国にとっても安定的な供給ができるように合意をした次第でございます。
○依田委員 この問題についてはぜひ、将来、長い期間にわたりまして日本が安定して石炭を輸入できるように各国との了解、協調をぜひつくっておいていただきたい。そうしませんと、また石炭にかわったり、またそちらの面で問題が出てくる、こういうことになると非常に困る、こういうふうに思うわけであります。
 ところで、産炭国はアメリカ、カナダ、豪州、こういう国々がきっと日本が輸入する相手国になるのだろう、こういうふうに思うのであります。そういう意味では、そういう表現をしていいのかどうかわかりませんけれども、いままでの中東、そういうところの外交に比べるとやややりやすい、こういうことに相なるかもしれないわけでありますけれども、しかし日本としては石炭外交、こういうものについて長期のビジョンをつくっておかなければいかぬだろう、こういうふうに思うわけであります。そういう意味で大田、IEAに出られていろいろ石炭見直し議論をお聞きになって、日本が将来石炭外交あるいは石炭貿易、こういうものについてどういうビジョン一を持ったらいいか、こういうことについてお考えをされておりますか。
○園田国務大臣 確かに石炭液化、石炭需要についてわが国が一番深刻な状態にあるわけであることは、お説のとおりであります。石炭エネルギー外交をどう進めるかでありますが、石炭を具体的にどうやるかということについては、まことに申しわけありませんが、私がよく承知するところではございませんので、かえって答弁をすると間違いを起こすと思いますから、答弁はお許しを願いたいと思います。
○依田委員 経済局長にお聞きしてもいいんですが、もう少し細かいことで、海外の石炭鉱山、これについては御承知のようにもう外国、特にメージャー糸が中心にいろいろ積極的な投資を行っておるわけであります。オーストラリアなどでももうたくさんの鉱山が外国資本に押さえられておるわけであります。そういう意味では日本はおくれておるんじゃないか、こういうふうに思うわけでありますが、その現状と、特に日本がいま海外のそういう開発輸入についてどれだけの実績を残しておるのか、この辺についてお聞きしたいと思います。
○手島政府委員 申しわけございませんが、現在日本の企業がどれだけこれらの諸国に出て採炭を行っているかというものにつきましては、私きょう資料を持ってまいりませんでしたので、また後刻お届けしたいと思います。ただ、このIEAの石炭をめぐる討議におきまして日本が主張いたしましたことは、石炭の価格の問題をも含めて石炭の貿易に関する措置を現に有している国は、石炭の長期的な安定的な供給ということに違反するような、その原則に反するような措置をとらないようにということを主張いたしまして、そういった条項は今回の合意の中に含まれておるわけでございます。
○依田委員 これは主に通産省の責任だろうと思うのでありますけれども、世界のエネルギーの考え方というのは、早いうちから石炭に転向する、こういう考え方であったのじゃないかと思います。日本はつい最近この石炭見直し論というのが出てまいったわけでありまして、どうも原子力だとかほかの代替エネルギー、そっちの方を重点的に考えておった節が非常に強いのじゃないかと私は見ておるのであります。そういう意味で石炭見直し論というのが出てまいりまして、いろいろこれからやられるんでしょうが、そういう意味では世界ではもう非常に事態が進んでおる。日本の外交は通産省の政策も含めて非常におくれておったのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。このおくれを何とかして取り戻していかなければならぬわけでありまして、通産省任せじゃなくて、そういう意味では外務省もぜひ石炭貿易あるいは石炭外交について真剣に取り組んでいただきたい、こういうように思うわけであります。
 時間がありませんので、ほかの問題に変わらせていただきます。先般もお尋ねをいたしましたけれども、六月二日、ストラウス代表が参られまして、日米の貿易問題、特に電電問題を中心に決着をつけたい、こういうことが言われておるわけであります。そこでこの内容などについてはこの間お聞きをいたしましたけれども、総括的なことで、今度の交渉全体を見てわれわれが感じますのは、どうもアメリカの要求が次から次に出る。そういう意味で日本がアメリカの情報の把握というものに十分対応できなかったのじゃないか、こういうことが考えられるわけであります。特にアメリカの議会の中のいろんな動きなどを含めまして、果たしてアメリカが要求しているものがどこにあるのか、そういうものが事前になかなかキャッチできなかった、こういうところに問題があるのじゃないか、こういうふうに思うのでありますけれども、今度の交渉、まだ結末はついておりませんけれども、途中経過を振り返られまして、日本の今度の対応の仕方について反省するところがあるかどうか、ひとつ大臣に伺いたい。
○園田国務大臣 ストラウス大使が来月二日に中国からの帰りに寄る予定になっております。そこでわが方の牛場代表とストラウス大使がこれについての話をするわけでございます。解決するということでありますけれども、これは今後の手順、段取り、骨組み、枠組み等を大体話し合いができれば結構だ、米国も日本も早急に解決すべきだということについては合意しておりますけれども、なかなか簡単に具体的な解決はできないということだと思います。話がどうなるかわかりませんけれども、大体そういうことで手順、段取り、骨組み等は話がつくのではないか、こう思っておるわけであります。
 なおまた、これについて情報不足ではなかったか、当初確かにそういう点もありましたけれども、米国の方もまた日本の実情に対する認識不足でございまして、押せば日本がおりるのではなかろうかという誤った判断をしたのではないか、また具体的な問題についても誤認があったのではないか、そういうわけで、私が参りましたときも議会の上院、下院を訪ね、総理もまた訪ねられて、向こうの意見も聞き、こちらの説明もしたわけであります。特に政府間同士においては相互の理解が相当深まったと考えておりますが、今後ともいまおっしゃったようなことは十分注意をして、アメリカの議会あるいは民間の動向等もよくわかるように努力をしたいと考えております。
○依田委員 私もシロかクロか、そういう解決の方法というのは外交問題の解決の方法じゃないのだろう、こう思っておるのであります。外交というのはすべて一件落着、こういうことはあり得ないのでありまして、次々に残った懸案をじみちに交渉していく、これが外交だろうと思いますので、そういう意味では、別に電電問題についてこの二日に解決が行われる行われない、それについて私は意見を言うわけではありませんけれども、しかし、今度の交渉の仕方をひとつ前車の轍にしていただいて今後の日米間の外交交渉にいろいろ当たっていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
 時間が来たという紙が入りましたのですが、一つだけ、尖閣列島の問題について大臣にお聞きしたいのであります。
 例のケ小平副主席が参られたときに言った言葉の中に、この尖閣列島の問題は孫子の代に解決、話し合いをしようじゃないか、こういうなぞなぞみたいなことを言って帰られたわけでありまして、われわれ、これがそもそも将来に尾を引く発言じゃないか、こう思っておったわけでありますけれども、大臣はこのケ小平が言われた、この問題については孫子の代に話し合おう、こういう発言について何を話し合おうと御理解になっておるのでしょうか。
○園田国務大臣 私とケ小平副主席が北京で会談をいたしました正式の会談では、そういう話は出なかったわけであります。後で来られた場合、記者会見でそういう話があり、かつまたそういう説明があったわけでありまして、そこに若干の食い違いがある。わが方は係争中ではない、わが国の古来の領土である、中国は最近になってからわが国の領土だと言ったわけでありますけれども、いまのままにしておいて後で話し合おう、こういうことだと思います。
○依田委員 時間が参りましたのでやめさせていただきます。
○塩谷委員長 この際、外務大臣から発言を求められております。これを許します。園田外務大臣。
○園田国務大臣 お許しを得まして、一言委員各位にお許しを得たいことがあります。
 先般、尖閣列島の調査に関する私の答弁が、私が本件調査に異存があるとの印象を与えたようでありますが、私の申し上げようとしたことは、わが国はすでに尖閣列島に有効支配を及ぼしておるということ、及び尖閣列島の領有権については中国側にも中国側の主張があるということを踏まえてことさら有効支配を誇示するための調査をする必要はないという趣旨であり、住民の安全保護のため等の国内行政上の目的のために調査を行うことについて私が依存はないところでありますので、御了承を願いたいと存じます。
     ――――◇―――――
○塩谷委員長 次に、教育交流計画に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。井上一成君。
○井上(一)委員 教育交流計画に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の質疑に入る前に、私ば特に当局に、今回の教育交流計画の協定審議前にすでに派遣人員についての選考を終え、内定をしているかのように聞き及びます。事務的な手続等もあってやむを得ない部分もあろうかと思いますけれども、事二国間の協定あるいは約束事については筋の通った取り組みをするべきである、そういう意味では国会において協定が審議され、承認をされた後においてそのようなことに取り組むべきであって、今後十分この点については注意をするように特に強く要望をしておきたいと思います。
 さて、この協定の中身についてでございますけれども、この通称フルブライト計画の実績を見ますと、一九五三年から六六年までの十四年間は二百人以上の日本人学生が留学している、反面、六九年以降は三十数名に減少している、七八年は五十二名、私の手元の資料ではこういう数字が出ております。このことについてはどういう理由があったのか。もう一点、事業予算額についても、一九五三年から六八年まで十六年間は毎年少なくとも七、八十万ドルから百万ドルに及ぶ資金を使用していた、六九年から七二年に至るまでの数年は三十万ドルから四十万ドルぐらいに落ち込んでいる、これは一体どういう理由であったのか。さらに、この交流計画による留学を希望する者はどのような選考事情で推薦されてきたのかということであります。
 このことについては、事前に私の方から質問を通告した中で具体的な資料を提示していただいて、私の方でもその数字等についてはあるいは理解をできる部分があります。今後この協定を承認した場合に、いままでの運営、これは委員会の運営ということになるわけですけれども、あるいは留学生の選考基準等に変化があるのかどうか、従前どおりの形で取り組んでいくのかどうか、その点についてまずお聞きをしていきたいと思います。
○平岡説明員 お答えいたします。
 最初のフルブライト委員会の活動の推移、これにつきましては、御指摘のとおり非常な消長があるわけであります。私ども承知しているところによりますと、一九六九年から後のかなり急激な予算の減少は、やはりベトナム戦によりますところのアメリカ政府の非常な財政の窮状を反映して大幅にカットされたものだと考えております。一九七六年から一九六九年以前の状況に少し回復しつつあるわけでございますけれども、なお最盛期に比べると非常に低いものになっております。
 第二点に基準でございますが、これは年齢につきましても学歴につきましても英語力等につきましても大体従来と変化はございません。たとえば年齢で申しますれば、大学院は三十四歳以下が望ましい、これは絶対的な条件ではないわけでございます、ジャーナリストについては四十歳以下、上級研究員については五十五歳以下とか、こういう年齢上の制限はカテゴリー別にございます。それから英語力につきましてはTOEFLという試験がございますが、これにつきまして、大学院は、学生の場合には五百点以上、研究員の場合は米国で支障なく研究を行い得る英語力を有することとかそういう基準がございまして、それぞれカテゴリー別に少しずつ違うわけでございます。学歴につきましても同様に違います。これらの選考基準そのものにつきましては、新委員会に移行した後も変化はございません。変化いたしますのは、それぞれの分野における全体の人数であるとか、あるいは研究で言えばこういう研究分野を特に優先すると申しますか重視される、そういう分野別について若干変更があるわけでございまして、順調に進みますれば、たとえば来年度あたりから応用科学なども取り入れていく方向を考えたいと思っております。
○井上(一)委員 さらに在日留学生について、私は少し新聞の記事を引用してその質問にかえたいと思うのです。
 ここに、自国で日本語を学べるような機関を日本側も金を出してつくることがなされていいのではないでしょうか、こういうことが指摘をされております。あるいはフランスの例で、フランスではフランス語を教える先生を一万二千人プールしている、そういうことなんです。ASEAN、とりわけシンガポールでは、第二外国語に八〇%が日本語を希望した、こういうことが書かれているわけです。そういう意味で、留学生を受け入れることと同時に、日本語の勉強が自分の国でできるような機関をやはり日本も政府自身が金を出してつくっていく、そういうことが必要ではないだろうか、フランスの例を出しましたけれども、フランス並みにとまでいかなくてもやはりそういうことが必要ではないだろうか。
 また、私費留学生と国費留学生との格差というもの、わが国の制度の中で非常に差別的なというのでしょうか格差のある取り扱い、そういう点を埋めていこうという努力が必要ではないだろうか、こういうことも私は考えるのですけれども、そういう点についてはいかがなものでございましょうか。
○平岡説明員 御質問の最初の部分でございますところの日本語の海外普及につきましては私からお答えいたしまして、留学生の受け入れにつきましては、後ほど文部省からお答えいたします。
 日本語の普及事業は、一番中心となっておりますのが国際交流基金の行っております日本語普及活動でございまして、世界で十九カ国、二十九ほどの機関にずっと日本語の先生を派遣しておりますし、それから、現地の日本語の先生、これは日本人の場合もあれば現地人の場合もございますが、こういう人たちに対しては謝金を出すことによって助成しております。そのほか教材、教科書等を多量に送付しております。これらが中心でございますが、それに加えまして日本語の教授の専門家を派遣しまして、現地にいる人たちの日本語の教授方法の改善に努めましたり、また日本語のコンテストの優勝者を日本に招待いたしましたり、そのような活動をもって需要にこたえたいと思いますが、まだ十分な方策を立てるほど行き渡っていないのが現状でございまして、今後いよいよ予算獲得に努力いたしたいと思っております。
○仙石説明員 御質問の第二点についてお答えいたします。
 文部省といたしましても、国費留学生と私費留学生の待遇の差ができるだけ少なくなるように鋭意努力しておるところでございまして、従来からも国立大学の留学生につきましては、国費私費の別なく所要の留学生経費を計上しております。また私立大学につきましては、留学生の受け入れ数に応じまして、私立大学経常費助成の中で特別配分を行っておりますが、最近の日本の物価高及び円高にかんがみまして、私費留学生の生活が非常に苦しくなっているということを考慮いたしまして、五十三年度から私費留学生に対しまして月額四万円の学習奨励費を支給する制度を採用いたしました。また、私費留学生から国費留学生に採用する道も講じた次第でございます。
○井上(一)委員 最後に私は、外務大臣にひとつ所見を承っておきたいと思います。
 ある大学で東南アジアの留学生との交歓会を開催したその折に、その学生たちはその生活体験を話しているわけです。その中で、日本人は東南アジアの友達ではないと言っているんです。本当に東南アジアとの関係改善のための構想というものをこの際持たなければいけないと私は思うのです。同情や哀れみは要らない、同じ人間同士として友達になってほしいという痛切な声をその人たちはその交歓会の中で話したわけです。帰ったら日本で学んだことを生かして国のために、アジアのために働きたいという強い抱負も語っているわけなんです。これは何を私たちに与えるのだろうか。あるいはある留学生が病気で入院をし、そして急死してしまった。そしてその国元に帰る、そんな折にわが国がどのような対応をしたのか。経済大国であるという日本が、この留学生の死に対して、善意ある人々によって支えられる以外は何らの手だてもしなかった。決して私はセンチメンタルな感傷的なことでこれをとらえるのではありません。そういうことが、今日日本の、いわゆる世界における経済大国としての位置づけと同時に、本当に真の信頼を求めて、友情を求めて取り組んでいこうという留学生たちの気持ちを十分理解でき得ていないということを示すのではないだろうか、こういうふうに思うのです。
 さらに私は、先日園田外務大臣がイギリスを訪問されたときに、キャリントン・イギリス外務大臣と会談したときに、イギリスがしきりに日本の難民対策を尋ねたということが報道されております。ついせんだってアメリカへ行かれたその折に、五百人の難民を受け入れるんだという難民救済計画あるいはインドネシアの難民救済機関、そういう施設への寄付金も出すんだということでお茶を濁しているんではないだろうか。そういう姿勢に対しても非常に世界的な批判を受けざるを得ない。これはやはり真に人間同士の心の触れ合いだという、そういう精神が表にあらわれておらないというふうに理解をするわけです。
 この折に、この協定締結に当たって、私は、難民の問題は難民の問題としてまたいずれかの機会に問いただしますけれども、この協定を機会に、さらに若者が前途の希望が持てるように、日本の青年もそして外国の青年もお互いに交流がスムーズにいくように格段の努力を願いたい、こういうふうに思うわけです。
 大臣からの所見を聞いて私の質問を終えます。
○園田国務大臣 ただいま三点のお話があったわけでありますが、非常に大事なことであり、かつまた深刻に反省をしながら将来に向かっての決意を固めておるところであります。
 第一は、留学生の問題、これはもうおっしゃるとおりにどのようにきれいな外交をやりましても、日本に来て数年間過ごし、日本で勉強して帰った人がつらい思いをして、日本にいやな思い出をつくって帰ったんではこれは逆効果であります。その主な原因がやはり日本語の難解、宿舎、社会環境、そういうものがいろいろあるわけでありますから、文部省初め関係各省ともよく相談をして、里親制度をつくるとか、あるいは社会環境をさらに改善するとか、あるいは府舎その他についても一層努力をする所存でございます。
 なおまた、大学生が病気をして亡くなった、こういう話も私は先生から承って非常に深刻に考えております。幸い当時は大学当局及び篤志家の御付によって遺骨は祖国に送り返すことはできましたけれども、こういうことに対する裏づけが日本の制度にはないわけでありまして、私費留学生については医療制度の若干の補助はありますけれども、この点についても一層努力をして今後本当に効果があるように、わずかなことをやってわずかなことができないために逆効果を起こさないように、御指導賜りつつ努力をする所存でございます。
 難民については、御承知のごとく各国から非難を受けておったところでありますが、非難を受けているからということではなくて、やはり人道上の問題、それからもう一つは特にベトナム、カンボジアの難民というのはアジアの平和安定阻害の要因になることでありますから、日本もおくればせながら総合対策を打ち出したわけでありまして、高く評価をされなかったが、日本が踏み出したということについて、英国、米国ともに、踏み出したということに評価をし、今後ますます拡大をしていくのか、間違いなく拡大をしていきます。高等弁務官に対する国際協力基金等はこれは他国に劣らぬように相当出して追加をしておるわけであります。これは各位の御理解も得てやったわけでありますが、とかくおくればせにやったものでありますから、これがまた光ってない。
 それから、ASEANのインドネシアとフィリピンの一町難民収容所、これについては日本がイニシアチブをとって、そして実地調査をやる、実地調査の結果、計画が出たならば、少なくともアジアでありますから、日本が他の国に劣らぬように大部分は、施設費は日本が持つように努力検討をいたしているところであります。御注意ありがとうございました。
○塩谷委員長 これにて本件に対する質疑は終了いたしました。
○塩谷委員長 これより本件に対する討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、採決いたします。
 教育交流計画に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。
 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○塩谷委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    〔報告書は附録に掲載〕
○塩谷委員長 次回は、来る六月一日金曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時九分散会