第087回国会 社会労働委員会 第11号
昭和五十四年四月十日(火曜日)
   午前十時四分開議
 出席委員
   委員長 森下 元晴君
   理事 越智 伊平君 理事 竹内 黎一君
   理事 戸井田三郎君 理事 向山 一人君
   理事 村山 富市君 理事 森井 忠良君
   理事 古寺  宏君 理事 米沢  隆君
      相沢 英之君    井上  裕君
      石橋 一弥君    大野  明君
      川田 正則君    斉藤滋与史君
      戸沢 政方君    葉梨 信行君
      村上 茂利君    湯川  宏君
      安島 友義君    枝村 要作君
      大原  亨君    金子 みつ君
      川本 敏美君    島本 虎三君
      水田  稔君    矢山 有作君
      草川 昭三君    谷口 是巨君
     平石磨作太郎君    浦井  洋君
      工藤  晃君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 栗原 祐幸君
 出席政府委員
        労働大臣官房審
        議官      谷口 隆志君
        労働省労働基準
        局安全衛生部長 野原 石松君
        労働省職業安定
        局長      細野  正君
 委員外の出席者
        運輸省港湾局港
        政課長     山田 幸正君
        労働省労働基準
        局補償課長   原  敏治君
        労働省職業安定
        局特別雇用対策
        課長      齋藤 邦彦君
        社会労働委員会
        調査室長    河村 次郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 港湾労働法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第二一号)
 国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨
 時措置法及び特定不況業種離職者臨時措置法の
 一部を改正する法律案(内閣提出第三〇号)
     ――――◇―――――
○森下委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、港湾労働法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
○島本委員 港湾労働法の一部を改正する法律案、この内容には、国際的ないろいろな意味が含まれているように私は拝見したわけであります。しかし、その前に、今後の問題もありますので、大臣にひとつ見解をただしておきたいと思います。
 毎回言われることでありますが、これは附帯決議についての考え方なんです。附帯決議、いわゆる決議の決定、これは内閣を拘束するのかしないのか。そして、大臣としてはこれを守るのか守らないのか。守らないとは当然言わないのでありますが、いつも竜頭蛇尾なんであります。この点に対しては、毎回のことながら、大臣にこの辺の見解をきちっとしておいてもらわないと、この審議、それからその後始末の問題も絡みますので、とりあえずこれをきちっとさせてもらいたいと思います。これは、将来大臣が他の人になっても拘束するような名答弁を願います。
○栗原国務大臣 私が言うまでもなく、附帯決議というものは、政治的に内閣として拘束されることは当然でございます。またこれを遵守していきたい、そのための努力をしていきたい、こう考えております。
○島本委員 そうすると、この第八十回国会における附帯決議、社会労働委員会で昭和五十二年四月十九日に、参議院においては五月十二日にこうつけられております。雇用保険法の一部改正法案に対する法律案の附帯決議、この中で衆議院の場合は二で「雇用安定事業の実施に当たっては、特に、中小企業、下請企業の労働者の失業の予防に実効をあげうるよう、その実施基準及び運用について十分配慮すること。」それから五で「日雇失業給付の段階制の是正等その改善について可及的速やかに所要の措置をとること。」それから同じく参議院の方でも二と五に同じような趣旨のことがあるのでありますが、この二つの問題を見ますと、現在重要な課題になっている雇用問題、それから同時に失業給付の問題等についてもやられていないのではないか、こう思われますが、この点についてはどうなんでしょうか。
○栗原国務大臣 具体的な問題については政府委員から答弁をさせますけれども、基本的には附帯決議についてこれを尊重する、その実現のために努力をするということでございまして、努力がすぐに実る場合と、なかなか諸般の事情で実らない場合というのがございます。しかし、怠けてそれを実現しないということは許されない、こう考えております。
○島本委員 そうすると、怠けているのではないということですが、この五の「日雇失業給付の段階制の是正等その改善について可及的速やかに所要の措置をとること。」これはもう参議院の方でも同じようなことが付されておる。これは現行のままでありますが、現行のままであって、これはそれでは改善にどのような努力をしているのでしょうか。
○細野政府委員 日雇いの失業給付の段階制の問題でございますが、この点につきましては、昨年段階的なスライド制を実施いたしまして、それによりまして実態的には、ここの御要望にはかなりこたえられているわけでございまして、したがいまして日雇労務者の賃金の分布と給付との間のずれというものは、そういう意味ではほぼ見合うものになっておるというふうに考えるわけでございます。
 しかしながら、制度的にまだ段階制そのものがとられていないじゃないか、こういう問題が残っているわけでありまして、そういう点につきましても、これを実施します場合の、事務的に非常に複雑になり手数を食うという問題やら、あるいは給付の改善に伴う保険収支の問題等を現在総合的に検討しているところでございまして、こういう委員会の御決議につきましては、先ほど大臣からもお答えがありましたようにこれを尊重しまして、私どももその実現のための方策というものを真剣に検討しているところでございます。
○島本委員 こればかりをやっている時間がないので、これで終わりなんですが、前向きにせよというのがこの趣旨なのです。同じやるにしても、皆さんの場合は、前向きではあるけれども急がないで、逆に、どうかすると前向きのまま後ろへ下がってしまっている。こういうような姿勢ではだめなんです。やれと言ってやったこの国会の附帯決議をきちっとやるように努力をしなさい、こういうような意味ですから、そこをおもんぱかって、もう一回附帯決議を読み直して、これに対する完全な――ことに中小企業や零細企業の雇用の問題なんかきちっと言っているじゃありませんか。これは天の声ですよ。前の方を向きながら後ろへずり足で下がるなんというのはいけません。この点は今後十分にお考えおき願いたい。これは姿勢の一つとして大臣にも強く申し上げておきます。官僚の方ではえてしてそういう手を使いますが、大臣の場合はわれわれも尊敬してますから、そこはきちっとやっていただきたい。
 次に、本題に入ります。
 今回の改正の骨子は、登録日雇港湾労働者に対して雇用保険法を適用することだ、こういうようなことでありますけれども、この背景、どういうような事態があるのか。まずこの事態について政府の考え方を明確にしておいて、それから中に入ります。
○細野政府委員 御承知のように、港湾労働関係につきましては、荷役関係のやり方についての技術革新が非常に進みまして、その結果、日雇港湾労働者に依存する度合いが非常に減ってまいりました。そのことからいろいろな問題が出ているわけでございまして、そういう意味での港湾労働全般に関する基本的な問題の御審議を港湾調整審議会にお願いをしていて、現在も御審議が進行中なわけでございます。
 ただ、その中でも、特に緊急の問題として放置できなくなりました問題が、いま申しましたような事情から雇用調整手当の収支が非常に赤字になりまして、これを放置しますと、そのこと自体が、港湾労働法全体が崩れてくるというふうな事態になったわけでございます。
 そこで、基本的問題についての御審議自体は今後とも継続をしていくという中で、港湾労働法全体を崩壊に導くような大きな要因となっております雇用調整手当の収支関係の改善をとりあえずやる、そのことがまた逆に基本的な問題の御審議をむしろ円滑に進めていくことにもなる、つまり、基本的な問題についての御審議がネックになっていることの重要な一つが、この港湾調整手当に伴う関係者の負担が非常に大きくなり、かつ赤字が累積して、それに伴って今後雇用調整手当という制度を維持することが困難になっている、こういう状況でございますので、先ほど申しましたように、緊急の対策としまして、この雇用調整手当関係についての収支の改善ということをこの法案によってお願いをしている、こういう状況でございます。
○島本委員 大体は説明に書いてあるとおりですね。
 それで、登録日雇港湾労働者が減ってきているという現実、これはおっしゃるとおりのようです。それからその原因、こういうようなことに対しても十分検討されておると思います。確かに雇用調整手当の収支関係、それから労働力の需給関係と申しますか、こういうのは大事だと思うのです。しかし、その前にもっと手をつけるものはなかったかどうかというような点、私はその点に対してお伺いしてみたいのです。
 港湾労働法をいじるのであれば、まず根本的な問題に触れて考えなければならないはずなんですね。しかしそれはそれとしてわかるが、まずこれに先に手をつけたと言われるが、では、ほかの方はどうなんだろうか。抜本改正についてはどういうふうに考えているんだ。やはりこれは依然として残るわけです。いま答申に基づいて、重要だとして雇用調整手当の分だけ入ったわけです。では、そのほかの部分、抜本改正について、根本的な問題についてはどうするのか。この問題については残されているんじゃありませんか。
○細野政府委員 御指摘のように、港湾荷役のやり方の技術革新の問題と、それからもう一つは、最近における非常な不況が連続していた、こういう二つの事情が重なり合いまして、単に日雇登録労働者だけではなくて、常用労働者についてまで各般の問題が起きているわけでありまして、そういう意味での港湾労働の全体の対策を総合的にどうするかという問題が、単にこれは労働面だけではなくて、港湾荷役関係のいわば産業全体の問題としても起きてきているわけでありまして、そういう意味での政府全体としてのこれに対する対策ということが非常に指摘をされておりますし、それから港湾調整審議会の御審議自体の中でも、そういう基本的問題を正面から取り組んでいかなければならぬという御指摘があるわけでありまして、そういう意味で、私どもも、その重要性を、港湾調整審議会の御指摘と全く同じ観点から、対処してまいりたいというふうに考えているわけであります。
 そういう意味で、現在のこの法案というのはとりあえずの応急措置でありまして、そういう基本的な問題については、調整審議会の今後の御検討の内容を私どもも尊重しながら、抜本対策についての私どもの考え方を深めてまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○島本委員 この問題に対して詳しくは後段で触れたい、こう思っております。
 需給の調整を図っておりますから、とりあえずこういうような点でいきますが、大体の考え方としては、将来の抜本改正に持っていくような考え方、これがあると言うけれども、それは単に需給調整、それだけの問題じゃないと思います。
 これからは、この際、適用港も六大港というようなものじゃなくて、もうすでに国際的な問題にもなっておりますから、全国の港湾にこれを適用させることも考えなければならないんじゃないか。同時に、船会社や荷主、こういうような者はなかなか協力がむずかしくて渋っている点があるように考えておりますが、その船会社や荷主に対する協力、これに対する国の考え方なんかは一体どうなんだ。これもまた前を向いているが後ろへ下がっている。こういうようなことじゃ困るのでありますが、消極性、積極性というこの問題が残るのであります。こういうような問題に対しては十分考えておいてください。
 そこで、まずとりあえず、これは一つの問題として、ただ単に国内だけの問題じゃなくなってきている。これはILO条約の一九七三年、昭和四十八年六月の第五十八回総会、港湾における新しい荷役方法の社会的影響に関する条約(第百三十七号)、それと同じく勧告百四十五条ですか、こういうような点が早くも指摘されておるわけであります。この点については政府はどのような態度をとっておりますか。これに対してははっきりした見解を聞きたいのでありますが、これは早くやるべきでしょうか、やるべきじゃないですか、どういう態度なんですか。
○細野政府委員 百三十七号条約についての御指摘でございますが、この百三十七号条約の内容につきましては、私ども政府全体としては、現在の制度というものは内容的におおむねそれと合致しているというように考えているわけでございますが、ただ、個々の条文の解釈につきまして、関係者の間にその点についての意見の食い違いが現実にあることも事実でございます。したがいまして、そういう国内における関係者間で、その条文の解釈なり、それに合致するかどうかについての意見の食い違いがございますので、そういう点についてなお慎重に検討をしているというのが現在の状態でございます。
 なお、港湾調整審議会から一月に出ました建議の中で、先ほど申しましたけれども、港湾労働対策全般について抜本的な改善が必要であるという御指摘もあるわけでございまして、そういう意味での全般的な改善の問題ともまた関連して、条約の批准問題を考えなければいかぬのじゃないかというふうなことで、労働省としましては、その両面から、いま申し上げました二点についての全体的な検討の状況を踏まえまして、そういう点についての十分な見通しが得られました段階で、この条約の批准を検討するというふうに考えているわけでございます。
○島本委員 早くすべきだ、しかしその批准に対してのスケジュール、こういうものもあってしかるべきだったと思うのです。どういうように考えているのか。そういう批准に対しての困難性やいろいろないきさつがあろうかと思いますが、そういうものについて国会に適宜報告はすべきじゃないだろうか。われわれは全然受けておらないが、してきたのでしょうか。私がいなかったから知らないのでしょうか。どうなんですか。
○細野政府委員 先ほど申しましたように、ILOの総会におきまして条約を採択するときの審議の経緯から、私どもは、現行の制度が条約の内容におおむね合致しているのじゃないかと考えているわけでございます。しかし、登録制度の問題あるいは条約の前文に書いてある事項についての解釈の問題、そういう点につきまして、政府、労使、関係者の間に、条約に合致しているかどうかについての意見の食い違いもあるわけでございます。そういう意味で、そういう考え方がまず一致をすることが望ましい。
 それからもう一つは、さっき申しましたけれども、現在基本的に港湾労働のあり方そのものを検討しなければならぬ、こういう事態で現在審議が続行中でございますから、そういうところについての見通しを立てた上で、全般的な見通しの上に立って条約の批准を考えるべきじゃなかろうか、こういうことで現在まで検討しているというのが実情でございます。
○島本委員 その見解はわかりましたが、やはり結論を出すのは早い方がいい。同時に、そういう場合には質問されて答えるのではなくて、進んでそういうスケジュール等についても一応知らしておいた方がなおいいのではないか。まさに官僚独善である、こういう一つの弊を避けることもできる、こう思うのであります。
 それで、今後それは急ぐことにしてもらって、先ほどやはり、港湾労働の雇用調整手当の問題に絡んで、現在港湾労働者が減ってきている、そういう御答弁があったわけでありますが、これはいろいろな意味で考え直さなければならない点があるのではないかと思うのですが、公共職業安定所の職業紹介、こういう方方法を通じて――以前は手配師の存在が問題になったことがありました。現在はやみ雇用という問題がまたしても問題になっているのです。同時に、業者が行う偽装雇用、偽装常用というのですか、こういう問題も問題になっているわけであります。この人付きリースというのも最近新しい言葉として出てきているようでありますが、十分わかりませんが、手配師という存在が現在はもう過去のものであるのかどうか、それからやみ雇用や偽装常用の実態はどういうものなのか、人付きリースはどうなのか、これをひとつ説明してもらいたいのです。新語でよくわかりませんので。
○細野政府委員 まず御指摘のやみ雇用とか偽装常用でございますが、こういう点につきましては、従来から、そういうおそれがあるものにつきましては現場の立入検査等を実施いたしまして、その結果、四十八年当時でございますと六十六件ほど、関係者にしまして八千人以上の違反事実があったわけでございますが、最近はしばしば立入検査を繰り返しております結果もありまして、五十二年には六大港全体で十一件と、逐年減ってここまで来ているという状況でございます。(島本委員「やみ雇用と偽装常用の二つを合わせてですか」と呼ぶ)そうでございます。
○島本委員 一つずつ言ってください。
○細野政府委員 その内訳はちょっと手元に持っておりませんので……
○島本委員 不勉強ではないですか。こんなことで対策が立てられますか。
○細野政府委員 合計で申し上げましたような状況になっております。したがいまして、絶滅したというところまでは言い切れませんけれども、いまお聞きいただきましたように、これが確実に減っているのではないかとは考えておるわけでございます。
 それから、一方、リース関係のお尋ねがあったわけでございますが、これは比較的最近に起きた問題でございまして、従来フォークリフトとかその他の機械そのものを貸すという形でのリース業がまず初めに発達しまして、その次に、それでは不便だということから、運転手付きというかっこうで機械器具を貸し出す会社が漸次ふえてきたという状況にあるわけでございます。
 この内容につきましては、部分的には私どもも実情を把握している点もあるわけでございますけれども、こういう荷役機械の賃貸業の全体的な把握がまだ正確に行われておりませんので、現在その辺についての調査をやっている段階でございます。
 で、これにつきまして、リース業自体もかなり普及してきている状況でございますので、先ほど申しましたようにこれについての調査を至急実施いたしまして、これに対する私どもの判断を早急に出さなければいかぬと考えておるわけでございますが、一方、先ほど申しましたように全貌を把握することに非常に困難な点もございまして、結論をできるだけ早く出したいと考えておりますけれども、なかなかむずかしい問題もございまして、そういう調査結果が明らかになった段階で、現在労働力需給調整システム検討委員会で、こういう全般的な、労働市場で最近新しく起きてきているいろいろな事態の役割りをどういうふうに評価するか、検討をすることになっておりますので、その一環として、これに対する私どもの考え方も検討してまいりたいと思っておるわけでございます。
○島本委員 手配師はもう存在しなくなりましたか。手配師も聞いたのですが答えがありませんよ。
○細野政府委員 少なくとも、それが大きな問題になったというケースは非常に少なくなっていると考えております。
○島本委員 五、六年前は手配師の存在が人権問題にまで及んで、当委員会ではこの問題がクローズアップしたことがあるのです。そのころはあなたは局長じゃありませんでしたけれども、知っていたはずです。それが急にいなくなった。こういう中には組の存在、いま日本を動かすようなああいう組の存在も指摘されたりしまして、これは重大問題になった。現在港湾の労働者の中にそういうようなことをやる人はいませんか。それからやみ雇用、偽装常用に対して規制はきちっとやっていますか。人付きリースの対策、こういうものを本当に把握しているのですか。十分把握していないのじゃないか、こう思うのですが、まあ前進のために、なければないでいいです、これで首を取りませんから、はっきり言ってください。
○細野政府委員 やみ雇用とか偽装常用については、先ほど申し上げておりますように立入検査等によりましてその是正を図っておるわけでありまして、その結果として、さっき申しましたように、絶無というわけにまいりませんけれども、傾向としては非常に減ってきていると考えておるわけでございます。
 一方、リース関係につきましては、先ほど申しましたように、この実態の全貌の把握ということが現在まだ十分できていない状況でございまして、そういう意味での把握を現在急いでいるという状況でございます。
○島本委員 先ほどの質問に対する答弁で、港湾労働者が減ってきている、その対策として、雇用調整手当の収支問題に絡んで今度の法案改正が必要であるという提案なんだということ、それはそれで一応は評価しておいて、それならば、その前提になる問題として、この問題をきちっとしているのか、そこなんです。ですから、私の言うのは、将来抜本改正に持っていくことに含みを置いて、こういう問題をそのままにしておいてはいけませんよ。こういう内容をきちっとつかんでおかないとだめだ。これはあなたに対する親心です。したがって、登録日雇港湾労働者の就労状況の改善と雇用秩序の維持、こういうものに対しては、いつも皆さんの方で、行政としてきちっとしておかないとだめなんでしょう。各港湾の実態、こういうようなものはつかんでおかないとだめなんでしょう。やみ雇用、相当ありますね。それと、今度は偽装常用、これもあります。それから最近の人付きリース、これも十分把握されておらないように思いますけれども、はっきり言って私も把握していませんよ。だけれども、調べた結果によると、これは横浜なんかでは二千人から二千五百人ぐらい使用者がおる、こういうようなことも聞いているのでありますが、こういうようなことをそのままにしておくことは、これは港湾労働法違反じゃないのですか。それと偽装常用それからやみ雇用、こういうような問題に対して、労働省としてはきちっと中へ入っていって、立入検査でも何でもいいが内容の調査をきちっとしていますか。余りやってないでしょう。むしろ後ろ向きじゃないのですか。そういうようなことで、ただ減ってきたからこれをやるというのではだめなのです。減ってきたからやるというのは、ほかでもない、人員が減ってきているからこそ、雇用調整手当とか、こういうようなものと一緒にしてこれは運用していかねばならぬ。根本解決をしないでおいてこれだけやるのはだめ。ですから、将来の抜本改正はわかったから、現在においてまだまだ手をつけなければならない点が残っている、こういうのに手をつけないでおいて、こっちだけやっていくことは行政上の瑕疵になる、こういうふうに思います。そういうようなことで、人付きリースのようなものに対してはもっと積極的にやらなければならないはずであります。
 それから、この偽装常用というのはどういうことなのですか。
○細野政府委員 偽装常用というのは、本来日雇労働者であるのにかかわらず、港湾労働法の適用を免れるといいますか、そういうために、これを常用というふうに偽装いたしまして、その登録日雇港湾労働者を使うという、そういう優先雇用のシステムの枠外でこれを使用していこう、こういう考え方で行われるものであるというふうに承知しているわけでございます。
○島本委員 こういうようなことを許すということは、やはり法違反になるわけですね。念のために「はい」と言ってください。
○細野政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○島本委員 それと、人付きリースの点についても、これは現行のままでやっているものを認めるということは、これも同様に法違反ではないかと思いますが、これは疑いがあるというだけですか、法違反ですか、きちっとした見解は出ていますか。
○細野政府委員 先ほど申しましたように、全体的な実情の把握が不十分でございますので、まだこれが法違反かどうかという点についての明確な結論に到達しておるわけではございません。
 ただ言えますことは、機械だけをリースしている場合にはまずこれはほとんど問題ないのですけれども、人付きの場合には問題があることだけは事実でございまして、そういう意味で、その実態を現在総合的に把握をしようとしておりますことと、それから労働力の需給システム自体の全般的な見直しを現在やっておりますが、その中で総合的に判断さしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
○島本委員 そのほかに、なおやみ雇用の問題に手をつけていない。いろいろまだ残っている問題がありますね。依然として手配師が存在しているということなんです。それはもう山口組と一緒になくなってしまっているのじゃないか、こう思っていたのですが、まだ依然としてあるということを聞いているのですが、これも調査不十分でしょう。もう少し積極的にした方がいい。
 問題は、事業主に対する指導が不十分じゃないのですか。これに対してやはり及び腰じゃないのですか。この点はきちっとすべきじゃないかと思いますが、事業主に対する指導、これはどうですかね。
○細野政府委員 今回お願いしております法案ばかりではなくて、港湾労働の問題についての制度的あるいは運用上の改善問題というのは従来からいろいろございまして、そのたびにその関係の労使と接触する機会も多うございますし、それから御承知の調整審議会そのものにおきましても、関係労使がお集まりで、その中でそういう問題についての議論がしばしば行われているわけでございまして、そういう正式の審議の場あるいは非公式の接触の場、いずれの機会を通じましても、この港湾労働法の運用全体が適正にいくような、そういう観点から、私どもは、労使双方に協力要請なりあるいは考え方の意見交換等をやって、その趣旨が生かされるように努力してきているつもりでございます。
○島本委員 努力しているということですが、では効果的な立入検査をしていますか。
○細野政府委員 先ほど申しましたように、立入検査を実施しましてその違反状態等を調べているわけでございまして、その結果として、その違反の件数自体は逐年減少の傾向にあるという状況なわけでございます。
○島本委員 もしそういうふうにしていったのが事実だとすると、もう国の対策は十分だ、そしてこういうような人付きリースの問題や偽装常用ややみ雇用や手配師、こういうものが通じなくなって、きちっとした行政措置がとられているとするならば、人が足りないから結局は新規登録が進むということにすっと短絡してしまいそうなのですが、それがいかないというのは、まだこういうのがうようよしている、それを行政が放任している、こういうことになるのじゃないか。この解決の方が行政として必要なんじゃありませんか。法律をつくるのもそれはもちろん必要でしょう。だけれども、こういうような問題をそのままにしておいてやっても、それはざるで水をすくうようなものです。こういう結果になりはせぬか。このようなことをおもんぱかっての質問なんです。行政は怠慢だ。
 私は一、二の例もあるのです。ですけれども、それはそれとして、今回の雇用の中でこの問題はもっともっと積極的にやるべきじゃないか。ことにILO条約の勧告に対する批准の問題やいろいろな問題があるのでありますから、それはもう世界的な問題になっている。そのときに、まだ日本に依然として封建的なこういう制度が残置されているというだけでも、これはもう国辱ものじゃないか、こういうふうに思うわけであります。この港労法違反に対する労働省の、国というと労働省ですから、その対策、こういうようなものがいまこそ本当に必要になっているわけですね。新規登録が必要、こういうようなことがはっきりするのですから、こういうものがいなくなれば。中間にそういう機関があるから減るのです。新規の登録もない。したがって金も入らぬから、いまのような措置になってくる。中にいるこういうものをきちっとすることによってはある程度この収支もよくなるのじゃないか、結局は行政がこの辺に対して手抜きがあるのじゃないか、こう思っているわけです。ことに人付きリース、機械だけならいいと言うのですけれども、これは横浜でも二千人から二千五百人ほど使用しているという実態が摘発されているわけです。これは一つの港ですから、そのほかの港を全部やってみたら相当のものがあるんじゃないですか。ことに、これが労働組合と雇用されないこれらの人との間のトラブルにもつながっている、こういうようなことでしょう。これは十分考えなければならない問題じゃないか、こういうように思っています。
 この点はあえて聞く必要もないと思いますが、大臣、これはきちんとしておかないとだめですよ。法律は法律で幾らやろうとしても、将来少なくなってくる。少なくなってくるのはなぜかというと、中間にいるこういう存在をそのまま行政が放置してあるからだ。抜本改正をやりますと言う前に、こういうような中間にうようよしている問題に対する措置がきちっとされなければならない。指導性の問題だ。こういうように思っているわけです。これは、行政の方ではいまお聞きのとおりですので、大臣、将来の抜本改正、その前にこの問題はきちっと対処すべきだ、こういうように思っていますが、大臣は大臣としてやりませんといけませんね。
○栗原国務大臣 港湾労働の問題は、経済的な変革の問題、荷受けの構造的な変化、そういうものがございまして非常に深刻な問題だと思います。したがいまして、この抜本対策につきましては、お説のとおり、今後港湾調整審議会を通じましてしっかり検討しなければなりませんが、その抜本対策を講ずる前に、御指摘のとおり行政としてさらにしっかりやるべきではないか、もっと徹底的にやるべきではないかという御指摘、これは御鞭撻のお言葉と解しまして、今後注意をしていきたい、いろいろと実態も調査していきたい、こういうように考えております。
○島本委員 そうすると今後は、局長、登録日雇港湾労働者の優先就労権というようなものも当然あると思うのですね。これは法律があるのですから。これがいまはもう有名無実になっていないか。まずこれは十六条ただし書きと言われるこの問題、職安が充足できない場合には別のところからの雇い入れが許されるとありますね。それに関連する十八条、二十一条。そうすると、こういうようなものをいま廃止する前提として、もう一回十六条ただし書き、十八条、二十一条の廃止か存置か、こういうようなものに対しても検討が当然必要だということになるが、廃止についても考えたことがありますか。
○細野政府委員 御指摘のように、登録日雇港湾労働者を優先雇用するあるいは優先紹介をする、この考え方は、私どもは今回の法改正においても全くその考えを変えているわけではなくて、むしろそれをきちんとやっていこうという考え方でございます。しかし、各港湾ともいろんな事情がございますので、ただし書きをやめるというのはなかなか困難でなかろうかというふうに考えているわけであります。問題は、むしろ、本則とただし書きとをあわせた全体の運用が適正に行われるような条件づくりというものをしていかなければいかぬのじゃなかろうか。その点につきましては、港湾調整審議会におきましても、いろんな条件整備をしてそういう点の制度的な確立を図るべきだという御指摘もございまして、私どもも、関係労使の御協力を得てそういう点についての条件整備を今後とも進めてまいりたい、こう思っているわけでございます。
○島本委員 もう一つ、それに対して問題があるのですが、いま言った三つの点は、港湾運送事業法、この法律の問題も当然あるわけです。そのほかにまだ行政上の問題も残っているわけですね。船内荷役の問題なんかに対して、これもきちっと把握しているでしょうか。というのも、口数手配の前日調整、それと常用労働者の相互融通、こういうようなのがそれぞれやられておりますが、これは御存じですか。
○齋藤説明員 ただいま先生御指摘の点は、俗に相互融通と呼ばれておることだろうと思いますが、いろいろなケースがございまして、個々具体的に調べてみませんと、それが現行法に違反するかどうかということはよくわかりませんが、いずれにいたしましても、そういう事例について安定所等に御指摘なり何なりございました場合には、それぞれ実情を調査いたしまして、法違反がある場合には厳正な取り扱いをさせていただくということにいたしておりますし、今後関係事業主に対しましても法律違反の疑いのあるようなことのないように指導をしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○島本委員 齋藤課長、これは何と読むのですか。「くちかず」手配と読むのですか、「こうすう」手配と言うのか、「くちすう」手配と読むのですか。これはどういうふうに読むのですか。
○齋藤説明員 「くちすう」手配というふうに読んでおると思っております。
○島本委員 前月調整をやっておるというのですが、これはどういうことですか。
○齋藤説明員 要するに、船が港に入ります前の日に、業者の間で、この荷役はどこの業者が請け負うかというようなことを調整しておるということだろうと思います。
○島本委員 それは法違反にならないのですか。
○齋藤説明員 場合によりましては港湾運送事業法による下請禁止の規定に違反する場合もございましょうし、あるいは港湾労働法で規定しております登録日雇労働者以外の者を使ってはならないという規定等に違反する場合もあるかと思います。ただ、具体的な事情によってそれぞれ場合が異なってくるだろうというふうに思っております。
○島本委員 それならば、この口数手配の前日調整というのと常用労働者の相互融通が、それぞれ現在行われているわけです。しかしそれは請負契約の変更によってやっている、こういうのが理由でしょう。請負契約の変更、これはもう法的な手続については、前の日にやって、晩にやって朝すぐ実施する、その間に手続が全部整いますか。これはやはり詭弁じゃないですか。余り便に過ぎて、こういうような前日調整だとか常用雇用の相互融通をお互いにやってしまっている。したがって、当然やるべきことをやらないで、持っているものを相互に動かしている。したがって、労働者が減ってきているからこういうようなものをやらなければならないことになってしまう。しかし、厳密にはこれは請負契約の変更ということでやっているはずなんだけれども、そんな短時日でできないわけです。前の晩にやって朝早くこれを実施する、その間にちゃんと契約してきちっと手続を終えました、できますか、晩から朝にかけて。どういう機関がやるのですか。それとも事後承認になるのですか。請負契約に事後承認というのがありますか。何かこの辺は、できないのに無理してやっておる、こういうような慣行も許しておることになっておるのじゃないかと私どもは思う。したがって、港湾運送事業法十六条の下請条項に触れることに当然なってしまう、法違反を平気でやっていることが慣行になっている、これはちょっと問題じゃないかと思うのです。これはもう少し運営の厳正化と定数いっぱいまでの新規登録というようなものをきちっとしておいてやらないと、いまのようなものでごまかしてしまう。そこを労働省が知ってか知らずか見逃している、こういうようなことになってしまう。したがって、いまの手続は法改正のようなことをやらないとだめだ。本来ならば、法改正をやらなくても、行政的に、運営の厳正化を期して定数いっぱいまでの新規登録をきちっとしておけば、こういうようなことはないのですね。この点については私どもとしてはどうもおかしいと思っているんですが、局長、おかしくないですか。
○細野政府委員 いま御指摘の常用港湾労働者の相互融通と言われている場合でも、ケースが二つあるわけでございまして、荷役自体を相互に融通するという場合には港湾労働法の違反という問題ではなくて、むしろ、下請に出す割合が港湾運送に関する事業法の要件を満たしているかどうか、こちらの問題になるわけでございまして、したがって、その場合には港湾労働法の問題にはならないわけでございます。
 それから、いわば労働者そのものを融通するというかつこうをとりますときには、これはまさに港湾労働法なりあるいは安定法で言います「労働者供給事業の禁止」の疑いが出てくるわけでありまして、そういう意味で、単に常用港湾労働者の相互融通ということだけで直ちに違反とはきめつけられないわけで、それぞれの実態に即して対処していかなければならない、こういうふうに考えているわけでございます。
○島本委員 これはやはりいろいろございますが、その点は、私は将来に向けて努力は要請しますが、これ以上追及はいたしません。そういうような残されている問題で法解釈があいまいな点、きちっとやっていると使用者側が言う、それに対してはできない時点においてこれをやっているということ、これは行政がごまかされていることになって、そういうことが慣例になっているということはよろしくないわけですから、こういうような点、もう少しきちっとしておくべきだ、こういうように私は思いますから、その点については今後十分検討してみてください。
 そのほかに、なお、やみ雇用の問題でいろいろ挙がっているでしょう。次の時間の問題もありますから、これは一つ一つ言いませんが、これに対する労働省の態度は、現地の職安所長になりますけれども、これはもう海運局の見解に振り回されている。そしてお互いに入っていって、労働組合も使用者側も入っていって、そこへ行ってみても、一たんは、これは港湾運送事業法の範囲だ、こう言われると、その範囲に入ってしまう。それからまた言ってやると、範囲から出て、出た時点においてこれは考えなければならないという点、これは港湾に対して労働の方は主体性がない。やはり事業の方が主体性を持っている。そして労働法の方はその後をついていって、違反なんかも、主たる見解は労働省の見解じゃなくて運輸省の見解になっている、海運局の見解になっている、こういうような点があります。もう時間がないからやめますが、これを上げておきますから、後で見て十分検討してください。多分知っていると思いますが、もっともっと立入検査をきちっとすべきだ。こういうやみ行為が平気で行われているんです。立入検査していると言うが、していませんよ。言われたときに、一緒に行って、立入検査だと称しているだけだ。
    〔委員長退席、向山委員長代理着席〕
その見解なんかもあいまい。最後にはやはり三者で、事業者と海運局とそれから労働組合とがあなたたちの方に言ってやって、結局それが本当の見解になってしまっている。どうもこれはあいまいですね。余りこんなことばかり言っていてもしようがありませんから、次にいきますけれども、しかし、改善の方向というような点はきちっと出さないといけないと思います。
 次に、雇用調整手当の継続的引き上げの可能性、こういうようなことに対してはどう考えておられるか。毎年引き上げられている、こういうようなことになっていますが、雇用保険の適用をすることによって引き上げが停止されるおそれがあるし、毎年上げられるというようないままでのしきたりが果たして続けられるのかどうか、懸念する向きがあるわけですが、この点に対してこの際きちっとしておいてもらいたい、こう思います。
○細野政府委員 今回の法改正は、先ほど申しましたけれども、雇用調整手当の財政の危機というものの打開のために、いわば求職活動中の期間の生活の問題を、日雇雇用保険の中で対処するという、まさに財源措置的な面だけでございまして、その他の制度についての変更は全くやっていないわけでございます。そういう意味で、雇用調整手当そのものの扱い自体につきましても、従来の制度、慣行というものをそのまま引き継いでまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○島本委員 引き継いでやっていきたい、それは了解しました。
 それと、雇用保険導入と港湾法との関係とその将来性について、ちょっとこの際確認しておきたいわけです。雇用保険法と港湾労働法ですか、この組み合わせによって港労法のなし崩し的な廃止、これを懸念する向きがありますけれども、これはどうですか。
 それから、継続すべきと思いますけれども、これははっきりした見解を今回立てておいた方がいいと思いますが、その懸念に対して答弁願います。
○細野政府委員 先ほど申しましたように、雇用調整手当の財政危機を克服するための、いわば財源的な対処だけを今回の法案は目的としたわけであります。したがいまして、その他の制度につきましては全く変更しておらないわけでございまして、そういう意味で、むしろ港湾労働法そのものを存続するための、危機を克服するための制度でありまして、現在の港湾労働法自体をなし崩しにするという考え方は全くないわけでございます。
○島本委員 それも了解です。これはやはり雇用保険との組み合わせ、雇用保険法の適用を受けることによっても、職業紹介というような業務、これは依然として港労法の範囲で運用される、これは港労法、港湾労働者のための特別立法である、こういうふうな点からして、港労法の雇用保険法との組み合わせ、これはいま言ったように金を出すという部分だけ、これはわかりますけれども、その範囲から出るものではない。これは重要なことですから、一応確認をしてはっきりさせておきたい、こう思うわけです。
 最後の一つ、これも確認になります。これは雇用保険の受給の裁定条件、雇用保険と組み合わせることによって、受給資格の裁定条件、これが十四日以上の就労保障確立が改正の根幹になる、こういうふうに思います。十四日以上の就労保障確立、こういうようなものが法改正の根幹に今後なるということなんですか。この見解に対していかがですか。
○細野政府委員 御指摘のように、今回の法改正によって、財政の再建を図るためにも、日雇港湾労働者の就労状況の改善ということが一つの大きな条件になるわけであります。そういう意味で、私どもも、いろいろな就労状況の改善のためには、審議会等でも言われておりますような業種、職種、地域間の需給のアンバランスの是正の問題とか紹介方法の改善の問題とか、あるいは先ほど先生からも御指摘のありましたやみ雇用、偽装常用等の規制の問題とか、そういうふうなことがいろいろと関連してくるわけでございますけれども、そういうふうな点についての改善措置と並行しまして、事業主側につきましても私ども現在の状況をよく説明をいたしまして、共同連帯のもとに登録日雇港湾労働者に月十四日以上の就労を確保する、こういうふうな体制の整備を図ることを経営側自体が組合側に対して言明をいたしているわけであります。私どもは、この使用者側の言明というものが実際に実現できるよう指導、協力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでありますが、同時に、事業主側自体も、今回の改正によりまして、雇用調整手当のための納付金についての負担の軽減があるわけでありまして、そういう意味から使用者側も、いま申しましたような就労保障についての努力を必ずしてくれるものというふうに期待し、また今後ともその実現について、私どもとしては接触しまた注目をしてまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○島本委員 ちょっと結論の方を急いで申しますが、昭和五十三年十二月二十三日付で確認された事項に対して、相当努力はしているだろう、こう思いますが、荷主側及び関係方面、これは日本港運協会、全日本港湾労働組合、それから労働省、こういうふうな間でこれは確約がとれているはずなんでありますが、この点とあわせて、いまの十四日の問題で、各港湾別に実態をきちっととってありますか。
○齋藤説明員 各港湾ごとにそれぞれ、俗に就労保障協定と呼ばれておりますけれども、結ばれておるところでございます。
 それで、その内容等につきましても一応各港からそれぞれ報告は受けております。ただ内容につきましてはいろいろ要件等それぞれ異なっておりますので、ちょっと簡単に申し上げるわけにいきませんが、一応把握はいたしております。
○島本委員 把握しているけれどもでは、答弁にはならない。これは十四日以上に引き上げなければならないのですが、これは組合に悪いのですが、全港湾労働組合の組合の強さ弱さによってばらつきがあるように思われるのです。これはやはり十四日という線にならしてきちっとしてやるのが行政だと思いますが、門司では平均十六日やっていますね。それから神戸では十三日。大阪では十二日。名古屋でも十二日。横浜十三日。東京十三日。門司だけが合格ということであります。したがって、日本港運協会や労働組合や労働省の方でこれはきちっと確認した上で、この問題を進めるのでなければ竜頭蛇尾になってしまう。現実の問題としてこういうようなデータが挙がっていますから、この点はきちっとしてもらいたい。大臣、これは十四日以上ないと法の適用はもう今後は全然だめになってしまうわけですから、したがってこれはきちっとしておいて、できるならば附帯決議でもしておいて、さきに言ったようにこれは内閣を拘束するものである、政府を拘束するものであるという見解の上に立って、こういうようなものを実施してもらいたいと思うわけであります。これは、各港についてのばらつきはこのとおりでしょう。そっちで言えないから、私が言ってやったようなものであるけれども、これはそれでいいわけでありますね。今後こういうようなことも十分考えて善処しておいてもらいたいと思います。そっちは内容まで言っていませんが、この点特に私は要請しておきますから、大臣、いいですね。
○栗原国務大臣 私どもは、今度の雇用調整手当の収支改善の法改正をするわけでございますけれども、いま政府委員から話しましたとおり、これによって事業主側もそれだけの利益を得るわけでございますから、この十四日という問題について事業主側もこれを守ってくれる、こういうように思っておりますが、今後の推移を見まして、これが守られるように行政指導を徹底させたい、こう考えております。
○島本委員 残念ながら質疑の時間がもうないということでありますが、いろいろあるうち、一つだけ要請しておきます。
 先ほどの答弁、少し奥歯に物がはさまったような感じがないわけではありません。いろいろ新語も出てきております。もうすでにない、死語かと思った手配師というものがまだ現存しておるということもわかりました。それから、あのいろいろな条件なんというのは、私はちょっとおかしいと思うのです。法律にあるのですからこれはしょうがないでしょうけれども、こういうようなことに対しては的確な指導をすべきだ。口数手配の前日調整、常用労働者の相互融通、こういうようなものは、請負契約の変更によってやっているとするならば、法的な手続が当然必要だ。こういうようなものがないままに、前日にそれを行っているというのが慣行、慣例になっている。これをそのままにしていれば法違反が当然通ってしまうことになるから、将来こういうようなものに対してきちっとした指導をしなければならない。これは船内荷役の問題として残っておるわけであります。それと同時に法運営の厳正化、これだけはきちっとしておかなければだめなんじゃないか。この点は私の方から特に要請しておきたいと思います。
 そのほかにいろいろあるわけでありますけれども、しかし依然として、この港湾問題に関しては、知っているのか知らないのかよくわかりませんが、わからないのですかね、いろいろな慣行みたいなものがあるようです。ああいうものに対して、いままで暴力を伴った関係もあって踏み込めなかった、これはわかりますが、最近はそんなことはないと思いますから、進んで立入検査までやってもらいたい。これは組合に指摘されてようやく行くなんという、こんな態度ではだめだと思います。法改正を機会に今度はもう少し厳正なる法の実施、立入検査、実態の把握、こういうものに対してきちっとしてもらいたい。このことを私から強く要請し、いままで答弁されたことをそれぞれ必ず守られるものである、このことも要請して、私の質問はこれで終わります。
○向山委員長代理 次に、矢山有作君。
○矢山委員 いまの島本先生の質疑と多少重複することがあるかもしれません。できるだけ重複しないようにやりたいと思います。
 まずILOの条約の問題なんですが、港湾における新しい荷役方法の社会的影響に関する条約及び勧告というのがありますね。これは日本政府は賛成されているのですか。
○細野政府委員 総会におきまして条約が採択されました場合に、日本政府としてはこれに賛成をいたしております。
○矢山委員 いまの島本委員の質疑を聞いておりまして、このILOの条約の批准ができない理由というのを二つばかり言われたのですが、個々の解釈に意見の食い違いがあるのでその点の調整を図っておるというのと、抜本改善の問題とも関連して今後考えていくんだ、こういうことなんですが、個々の解釈に意見の食い違いがあるというその食い違いの点として、登録制度の問題と前文の解釈、こういうようなことを言われたと思うのですが、具体的にはどういうように食い違いがあるのですか。
○細野政府委員 一つは、前文の中に、港湾運送関係についての技術革新の成果というものを、単に港湾荷役業者あるいは荷主等に亨受させるだけではなくて、港湾労働者にも亨受させるべきである、こういうふうな観点から、新しい荷役方法等を導入する場合には、それに伴う港湾労働者の保護というようなものを同時並行して行うべきであるというふうな考え方に立って、以下の条約を採択するんだ、こういうふうに、この条約自体をILOの総会が採択する場合の物の考え方を書いた部分があるわけでございます。その中身につきまして、主として労働組合側としては、そこに書いてあるんだからそういう考え方に立って、荷役業者だけでなくて荷主その他、船主等についても負担をさせるべきじゃないか、そういう点から見ると現行制度というのは非常に十分でないんじゃないか、あるいは条約の要件を満たしていないんじゃないかというふうな御意見が一つあって、その点は、いま申し上げましたような趣旨のあれでございますから、条約の中身そのものではないわけでございますが、しかし、その辺をめぐっての意見の対立がございます。
 それからもう一つの問題は、登録について、すべての職種について登録制度を実施せよということが、これは条約の内容そのものに書いてあるわけでございます。それに対しまして、御存じのようにわが国の港湾労働法は、いわゆる日本の法律に言う「登録」という制度自体は日雇港湾労働者についてだけでございまして、常用の方については届け出をしていただくという形になっておるわけであります。なお、日本政府は、先ほど申しましたように条約をILO総会で採択します場合に、日本政府の代表が、わが国ではいま申しましたように常用労働者については届け出制度をとっている、これはこの条約に言う「登録」という言葉に該当するものだと思うということをスピーチをいたしまして、それに対して異論がなかったので賛成をした、こういう経緯があるわけでございます。そういう意味で、日本政府としては条約の内容をおおむね満たしているというふうに考えているわけでございますが、これについても主として労働組合側から、届け出というのは港湾労働に関するILO条約の「登録」には該当しないんじゃないか、少なくとも不十分ではないかというふうな御指摘がありました。その辺が主として、この条約の要件を満たしているかどうかについての、従来の関係者間における意見の相違の主なものということでございます。
○矢山委員 そうすると、前文の問題では輸送、荷役方法の近代化、合理化がなされる、そのことによって事業主も利益を受けるし港湾利用者も利益を受ける、これはそのとおりですね。そして、その利益をただ単にそれらの人たちだけにとどめないで、港湾労働者にもこれを及ぼせ、これは当然のことなんだと思うのですね。当然だと思うからこれは賛成したわけでしょう。一つがそれですね。
 それからもう一つ、登録の問題にしましても、やはり港湾労働法の抜本改善ということを考えていく上には、日雇労働者だけの登録では十分でないということも、いままでの法運営の中からわかっているはずですね。全体の登録ということを考えていく。だから、常用港湾労働者についても単なる届け出でなしに、これを登録に持っていく、これも私は当然のことだと思いますよ。だから賛成されたんだと思うのです。そうすれば、解釈上の意見の食い違いはあっても、まず批准をして、それからそういったものの意見の調整を図っていくということは考えられぬのですか。
○細野政府委員 前段の前文関係については、考え方自体というよりは、むしろそこから出発して、当然きちんとした負担をさせていなければ条約違反であるというふうな見解を労働側は言っておられるわけであります。したがって、そこのところは当然そういうことであって、条約を批准すればそうしなければならぬのだということになると、直ちにこれを批准するということについてはいろいろな問題がございます。そういう制度に持っていくにはいろいろな基本的な問題がございます。
 それから二番目の点につきましても、先ほど島本先生の御質問にもお答えしたわけでございますけれども、常用を含めていろんな問題が出てきていることは確かで、その基本的な問題をいまやっておるところでございますから、その場合に、現在の日雇港湾労働者についてとっているような登録制度みたいなものが妥当なのかどうかということについては、これは基本的な問題として、いま調整審議会で御審議中の問題であるわけであります。したがって、その辺についての展望を持たずして、当然それは条約上の義務であるという観点に立っての批准を直ちにするということにはやはり問題がある。そこで、先ほど私が、条約批准について現段階においてまだ行われていない理由として申し上げました二つの要素というのは、実はそれぞれが別個でなくて、二つが非常に結びついているという状況になっておるわけでありまして、したがってそういう点の展望を明確にした上で、批准問題というものはすっきりとした形で批准をすべきものではなかろうか、こういうふうに考えておるわけであります。
○矢山委員 しかし、港湾利用者に負担をかけるという問題については、港湾労働の改善についてはそういう港湾利用者も大きな利益を受けるんだから、それに対して積極的な協力をさすべきだというのは、四十七年十一月十七日の港調審の答申でも出ていることなんですね。第七として「港湾利用者の協力の強化」というのが出ていますよ。この点については、これは解釈の食い違いがあるにしても、こういう港調審の意見書の中に出ているということになれば、これは大体解決できたんじゃないでしょうか。
 それからもう一つは、あなた方は日雇労働者だけの登録で港湾労働のいろんな問題が全部解決できると思っているのですか。やはり全体をとらえて登録制度に持っていかなければ、先ほど来質疑の中に出てきた問題点等も解決できないというところがあるのじゃないのですか。
○細野政府委員 まず前段の方でございますが、協力という意味から言うと、現在でも協力はいろいろしていただいているわけでございますが、それが明確な金銭負担のところまで制度化しないと違反であるということでありますと、これはやはり全般的な審議と制度的な面についての割り切りをした上でないと、なかなかそういう制度の実現はむずかしいわけでありまして、そこのところについてのめどを持たずに、そういう前提で批准をすることはなかなか困難だと思うわけであります。
 それから二番目の点につきましても、確かに常用の問題も同時に考えなければならぬわけでありますが、しかし、現在、港湾労働法のとっているような仕組みと同じような仕組みでなければならぬかどうかという点につきましては、これまた基本的に、いろいろな御論議を経た上で御判断をいただかなければならぬ、また私どもも判断していかなければならない問題でございますので、そういう意味で、そこはやはりきちんとしてから批准をすべきではなかろうかというふうに考えているわけでございます。
○矢山委員 いろいろILOの条約関係の批准の様子を見ていると、日本政府というのは一たん国内における体制というものをきちっとやってからでなければなかなか批准できないのだ、こういうような原則的な立場をとっておられるようですけれども、しかし、それはそれで私ども理解できますが、一つは、賛成したのですから、賛成した以上はやはり批准をしておいて、そして批准をするということの方が、そういった問題点を解消していくためにもむしろてこになるというふうに思うので、これは批准はできるだけ急いでやっていくという方向で御努力願いたいと思います。ただ、この問題で論議をやっていると時間が過ぎるから、私の意見はそういう意見です。
 それから、今度栗原労働大臣に港湾調整審議会から意見書が出ているのですが、この中の問題でいろいろ指摘されておりますから、その指摘が抽象的な指摘であって具体的にはなっていませんので、どういう点が問題があるのかということが不明確ですから、その点を明らかにしていただきながら論議を進めたいと思うのです。
 意見書の中に、輸送革新の進展や経済情勢の変化は、港湾労働対策の根幹である日雇港湾労働者の登録制度等、制度全般について幾多の問題点を生むに至っており、また常用港湾労働者の雇用面にも大きな影響を及ぼしているので、現行港湾労働対策全般について、近い将来抜本的改善策を講ずる必要があると考えられる、こういうふうに指摘してあるのです。
 そこで、登録制度等について幾多の問題点が生まれておるというのだけれども、登録制度等についてどういうような問題が具体的に出てきておるのかというのが一つ。それから常用港湾労働者の雇用面に大きな影響を及ぼしておるというのだが、一体どういうふうな影響が具体的に出ておるのかということが一つ。そしてそれらを踏まえて抜本的改善策を講ずるというのですが、その抜本的改善策というものについては全く五里霧中なのか、あるいは少なくとも基本的な方向というものは出ておるのか。そういった点を具体的に御説明願いたい。
○齋藤説明員 港湾調整審議会におきましていろいろな問題が御議論されたわけでございますけれども、その中で当面問題であろうというふうに指摘をされておりますのは、たとえば適用港湾の問題、適用港の拡大の問題、あるいは登録制度そのものにつきましては現行の登録制度のままでよいのかどうか、ほかの港湾関係者の共同拠出によります共同雇用制度を検討すべき必要があるのかないのか、あるいは現在の登録制度の根幹をなしております定数の決め方が現行の方法でいいのか、あるいは現在の定数につきましては業務ごとにいろいろな過不足の不均衡が見られるのではないかということ。そのほかに、登録日雇港湾労働者の資質の低下の問題に関連いたしまして、非常に高齢化してきておるのではないか、あるいは雇用調整手当制度に安易に依存している傾向が見られはしないかということ。それから登録あるいは登録取り消し制度につきましては、非常に運用が硬直化してきておるのではないかとか、それに関連しまして、新陳代謝を行う必要があるのではないかということ。それからもう一つの問題は、就労状況が非常に悪化しておる、このような就労状況の悪化に対応してどのような措置を考えたらいいのかとか、それに関連しまして、やみ雇用や偽装常用というような問題をどのように考えたらいいのかということ。それからもう一つ、紹介の問題に関連いたしまして、非常に業種別あるいは職種別の紹介方法にアンバランスがあるのではないか、紹介方法に改善措置を講ずる必要があるのではないかということ。それから、いわゆる俗にあぶれと申しますけれども、あぶれに対する保障に対しまして現在の制度が有効に機能しておるかどうか等々。いろいろな問題点を御指摘になったわけでございますが、そういうような問題点を踏まえまして、港湾調整審議会では御議論が進められたということでございます。
○矢山委員 それで、そういうような問題点を踏まえながらこの議論をして、まだ全然方向を見出せずにおるのか、それとも、具体的なそれらの検討の上に立って、ある程度の意見の一致を見るなりして、具体的な抜本改善策が出てきつつあるのか、どうなのですか。
○齋藤説明員 港湾調整審議会の審議の経緯でございますけれども、基本問題につきましては、先生御承知だと思いますが、労使各側委員の方々の意見が真っ向から対立しておったというのが実情でございます。ただ、それはそれといたしましても、今回の財政対策につきましては早急に結論を出さなければならないということは意見が一致しております。また、運用面の改善において何らかの措置を講すれば、現在の体制と申しますか、制度がよりよく活用できるのではないかという点も多々ございまして、その辺につきましては意見が一致しております。
 これからの議論と申しますか、根本議論の展開につきましては、会長御自身、五月早々にでもすぐ議論を始めようではないかというふうに言っておられますので、そういう面で議論自体はわりあいスムーズにいくのではないかというふうに考えております。
○矢山委員 これまた抽象的な話で済ましてしまうわけですが、それでは、このいろいろの問題点が出ておるという指摘の中で、共同雇用制度を確立すべきだというようなことが議論になっておるようですね。この問題については、例の四十九年度以降港湾雇用調整計画というのがずっと出ております。その中でも「共同雇用の理念に基づいた事業主の共同の責任において登録日雇港湾労働者の雇用の機会が確保される態勢を整えること」といういうように言って、これはやはり共同雇用制度の確立が必要だという認識に立ってこういうことを言っておるのだろうと思うのですが、共同雇用制度の問題については具体的に議論が煮詰まって、ある程度の構想というものが出ておるのですか。
○齋藤説明員 港湾調整審議会の議論の経緯から申し上げますと、労働側から出ておられる委員の方は、先生御指摘のような制度を取り入れるべきではないかということを御主張になりましたし、使用者側の委員は、現行港湾労働法はもはや必要はない、こういう議論を展開しておりました。そういうような関係で、両方の委員の方々の意見の一致を見るというか、同じ土俵に乗っての議論がなかなかできなかったわけでございますけれども、特に使用者側委員の根拠の一つになっておりますのは、現在の港湾労働法のシステムが事業主側に非常に過大な負担をかけでおる、だから現行港湾労働法は必要ない、こういう議論でございましたので、今回の改正によりまして使用者側の負担が非常に減るということを考え合わせますと、使用者側の議論は一つの根拠を失ったとも言えますので、そういう面で、両者の議論のコンセンサスと申しますか、同じ土俵に立っての議論は非常に展開しやすくなるだろうというふうに思っております。
 それからまた、共同雇用の理念自体につきましては、ある程度使用者側も賛成をしておるというか、おおよそ共通の基盤に立っておるだろうというふうに思っておりますので、そういう面で、あとは具体的にどういう方法なり手段を講すればそういう理念がより具体化されていくのかということについての問題だろうというふうに理解しております。その辺の議論の展開はわりあいに容易にできるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○矢山委員 それで、調整審議会の問題だけでなしに、政府としては共同雇用の問題について何らかの具体的な構想というものは持っておるのですか。
○細野政府委員 ほかの問題も結局そういうことではございますが、特にこの港湾労働の問題につきましては、港湾労働に関する需給調整がうまくいくということと、それからもう一つは、それぞれの各港におけるいろいろな実情、それから港湾運送事業をめぐる最近の技術革新その他の状況、その両方のかみ合いとして、どんな制度が一番現実に即した制度であるかということを考えなければいかぬわけでございます。したがいまして、一方において、労働者の保護という観点から見た場合に、共同雇用の理念ということは一つの非常に重要な観点でございますが、同時に、いま申しましたような各般の情勢との総合的な見地から見て、わが国の実情に即した一番いいあり方というものはどういうものかということの検討をすべきじゃなかろうか、こういう考え方に立ちまして、現在調整審議会において御審議をいただいておるわけでございます。ですから、私どももその御審議の内容を尊重しながらも、いま申しましたような観点に立って私どもとしても対策を講じていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○矢山委員 それは雇用調整審議会の議論だけを待っておるということで、私がお聞きした、政府側で共同雇用の問題について何らかの御見解をお持ちなのですか、ということには全然答えられていないのです。かつて、共同雇用体制の推進ということで、いろいろ議論されたことがあるでしょう。だから、そういう点をどういうふうに考えておるかということをひとつ御披露なさったらどうですか。
○細野政府委員 かつて、共同雇用という観点から見てそれがいいかどうかについて、かなり御議論があったわけでございますけれども、一つの案を労働省が考え、それを国会にまで提案するというような経緯があったことは、矢山先生が一番よく御存じのところなわけでございます。しかし、あの経緯自体は先生もよく御存じのようなことで、あれをめぐって労使初め関係者の方々にも相当の議論のあったところでございまして、したがって、あの形そのままでは非常に問題があるだろう、したがって、そうとすれば、先ほど申しまして大変抽象的じゃないかというおしかりを受けたのでございますけれども、労働者保護という観点から見た共同雇用の理念というものを一方において生かさなければいかぬ。一方において現在の港湾労働をめぐるいろいろな情勢というものとの調和、マッチを図っていかなければならぬ。それから御存じのように、各国自体も、いわば共同雇用形式でやっておられるところもあれば、日本と同様の登録制度にとどまってやっておられて、ほぼ同様の制度をとっておられるところもある。それぞれいろいろ経験上の長短もお持ちなわけでございまして、そういう意味での全般的な、総合的な中で、わが国の場合に何が一番妥当かというのは、これはなかなかむずかしい問題です。ですから、現在御審議をいただいて、単に御審議の結果待ちということだけではなくて、御審議の中身を経過的にも参考にしながら、私どもとしてもいろいろな対応策を考えていきたいという趣旨で、先ほど申し上げたわけでございます。
○矢山委員 なかなか具体的な話は出てこないのです。「共同雇用体制を促進するための事業主団体の設立」というもので四、五年前に問題になったのは、あれはわれわれも全然賛成するわけにはいかぬのです。しかしながら、共同雇用制度をつくるということは、私はやはり必要だと思うのです。だから、これはやはり検討を進めていってもらいたい、こういうことだけ申し上げておきます。
 それから、論議されておる問題点の中でもう一つそこで出てきたのは、港湾労働法の適用を全国にまで及ぼすべきじゃないかという議論があると思います。これは、私はやはり、雇用調整をやっていくということの立場から言うなら、全国に及ぼしていくべきじゃないかと思うのですが、この点はどうして港湾労働法の適用を全国港湾に及ぼせないのですか。
○細野政府委員 全般的に港湾労働の状況を見ますと、たとえば常用港湾労働者をとってみますと、必ずしも最近減ってないで、むしろふえているというような傾向もあるわけでございます。したがって、ただいま申し上げておりますような技術革新の結果、非常に影響を受けているところと受けていないところと、いろいろございます。したがって、全般的に港湾労働法を拡大するという前に、現在審議会でも御指摘がありますように、常用を含めてのいまの港湾労働全体に対する基本的な現状分析と、それに対する対策というようなものをまず検討いたしまして、その結果として、その中で位置づけられた形で、港湾労働法の適用対象というものをどの範囲にすべきかというふうな議論をすべきじゃなかろうか、こういう考え方で、現在港湾調整審議会での御議論もやっていただいておりますし、私どももその御議論を尊重しながら、そういう問題に対する検討を深めていきたい、こう考えているわけでございます。
○矢山委員 その趣旨は私どもわからぬではないのですけれども、港湾労働者の単なる需給調整というのではなしに、体質改善にまで持っていこうと思えば、やはり私は、全国港湾に適用を及ぼしていくことが必要ではないかと思いますのが一つ。
 それはなぜかといえば、現実の問題として、適用港湾外の港湾の雇用労働者等を常用港湾労働者として、臨時に使用するという例があるようです。現実に起こっている。それから職業紹介の方法についても、先ほど言われておったように、業種別の区分だとかあるいは地域間のアンバランスがあるというようなことから、そういった業種別あるいは職種別の区分だとか、地域の区分だとかいうことを超えてこの職業紹介をやれるような体制に持っていくべきだということも、当時言われておるわけでしょう。そうすれば、いま抱えておる矛盾点、問題点を究明をして、これの是正を図ると同時に、全国に適用を及ぼしていくということとは必ずしも矛盾する問題ではないのです。矛盾しないと思うのです。だから、現在適用港湾の中で起こっているいろいろな問題点を究明して、是正していくということをしながら、同時に、全国港湾に適用を及ぼしていくということをやってもいいんじゃないかと思うのですが、やはりむずかしいんですか。
○細野政府委員 港湾労働法の適用の拡大というのは、二つの側面があると思うわけです。一つは、全国的に拡大すべきじゃないかという問題と、それからもう一つは、いま先生のは主としてこちらの方に力点があったのじゃないかと思うのですが、いわば登録外の労務者を使用するというようなことから、主として近接、隣接の港湾に適用すべきじゃないかという問題と、両面ありまして、全国的な方は、先ほど私が申し上げたようなことで、全般的な問題として対処すべきじゃないかというふうに考えているわけであります。ただ、後者の方も同じ側面があると同時に、もう一つは、隣接港の場合にはいわば専用港その他というような状況もありまして、必ずしも港湾労働法の適用になじまない側面があります。それで、港湾調整審議会の御審議の過程におきましても、適当でないのじゃないかというふうな一応の御結論が出ているのですが、それについては調査自体が少し古いので、もう少し新しい調査に基づいて再検討すべきじゃないかという御意見もあるわけでありまして、そういった点についての御意見も踏まえて、最近の実態に即して御議論をいただくべきものじゃないか、こう考えておるわけでございます。
 したがって、そういう全般的な御審議を待って、もちろん、それは単に私どもが受け身というだけではなくて、そういう御審議の過程で私ども一緒になって検討を深めたいと思っておるわけでございますが、いずれにしても、そういう基本的な問題についての考え方をきちんとした上で、適用港問題には対処しなければいかぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。
○矢山委員 のれんに腕押しというか、全く抽象的な議論だけで進んでおるわけですが、先ほど触れました港湾労働の改善の問題について、港湾利用者の協力が必要だという問題が意見書の中に出ておるというお話しをしましたね。そうしたら、港湾利用者についていままでもかなりの協力を受けておったというのですが、かなりの協力を受けておる現状の中で、さらに港湾利用者について港湾労働の改善のために積極的な協力を求めることが必要だということの指摘があるわけですね。この指摘を受けて何らかの検討をやった、あるいは検討に基づいて何らかの考え方があったか、どうですか。
○齋藤説明員 港湾利用者についていろいろ協力を仰ぐべきじゃないかということでございますけれども、一つには、われわれ国として関与いたしましたのは、特別付加金というような形で、いわば港湾荷役料金の上乗せという形で、直接に利用者の方々に御協力をいただくということをやったことはございます。
 それからまた、先生の御趣旨がちょっとよくわかりませんけれども、労使間の問題としては、いろいろ荷主、船主の方々からも、直接利益を享受するようにやるべきじゃないかというような交渉等が行われるということは承知いたしております。
○矢山委員 それは、どうしてそういう問題に触れたかというと、雇用調整手当の収支の改善という問題で、今度は雇用保険法を適用するような形をとられたわけです。四十七年当時の港湾調整審議会の意見書では、そういう考え方はなかったわけです。どういう考え方をしておったかというと「雇用調整手当会計の長期安定的運営の確立に努める必要がある。」として、その中で二点指摘されているわけです。それは「納付金の原資となっている港湾運送料金の付加料金を改訂するとともに、これを各港の事業主団体を通じて中央の団体にプールする等の措置を講ずることにより、雇用調整手当の原資の安定的確保をはかること。」もう一つは、「雇用調整手当の経費に対する国の補助を充実すること。」こういう方法が意見として出されておったわけです。今度はこういう意見を採用しないで、雇用保険法との関連で処理をしようとしておられるわけです。私はやはり、港湾労働法の特殊性から言ったら、雇用保険法との関連をそこにつけるべきではなくて、四十七年当時の意見を尊重した方がむしろ妥当ではないかという考え方を持っているのですが、どうなんですか。
○齋藤説明員 ただいま先生から御指摘いただきました点でございますけれども、第一点の付加料金の改定等という問題につきましては、現在平均トン当たり三円の特別付加金を徴収して、ここに書いてありますように、全国プールによって日本港運協会が管理をして、それぞれ雇用調整手当の原資等の補助に充てておるということが実態になっております。
 それからもう一つ、雇用調整手当の経費に対します国の補助の充実でございますけれども、この点につきましても、昨年度から三分の一を国庫負担をするということで、従来は二分の一と三分の一のどちらか高い方というような、何といいますか赤字がふえればふえるほど国の負担が減るというような感じのシステムでございましたけれども、それを改めまして、雇用調整手当の必要な財源の三分の一を国が負担するということで、従来に比べますと国の負担もふやしたということでございます。
○矢山委員 だから、どうして今度はそういうように変えたのですか。
○細野政府委員 いま担当課長から御説明しましたように、建議に沿った努力はいろいろしたわけでございますが、しかしながら、現在の財政収支の状況から見ますと非常に赤字要因が強く、かつ当事者の負担が大きくなっておりまして、いま申し上げておるような現状での多少の改善増では追いつかないわけでございます。したがって、建議に沿った措置はいろいろやってみたけれども、やはり抜本的な対策を講じないとこの赤字の克服はできないという考え方に立って、今回のような措置をとったわけでございます。
 また一方、これは先生も十分御案内のことだと思うのですけれども、求職活動期間中の生活安定のための措置という面から見れば、日雇雇用保険自体が本来そういう機能を持っておるわけでございます。したがって、その機能に依存するということは、沿革的にも、もともと適用されていたものがいわば港湾労働法で飛び出したという経緯もございます。したがって、そういう中で措置をして、港湾労働特有の問題だけを雇用調整手当で対処するということも筋から言ってもおかしなことではなく、むしろ本来的な筋と言えば筋とも言えるわけでございます。したがって、先ほど申しましたように、従来ベースの線では、ちょっとやそっとの改善ではとても改善がむずかしい、こういう状況でございましたので、調整審議会の御意見としても、現在御提案申し上げているような措置でやるしかない、こういうお考えになったというふうに私どもは理解をし、また、それが現在として一番妥当な道ではないかというように私どもも考えておるわけでございます。
○矢山委員 そういうふうに変わってきたことの中に、先ほど島本委員から言われた、雇用調整手当と雇用保険法を組み合わせることによって、結果として、港湾労働法がなし崩し的に廃止されるんじゃないかという危惧の念も出たんだろうと思うのです。しかし、この点については島本委員に対する御答弁もあって、そんなことは絶対にない、別個の問題として扱うんだということですから、それはそれなりに了解をしておきますけれども、やはりそういった経緯があるからそうした疑問が出てきたということは、十分踏まえながら、この港湾労働法が廃止される方向にいかないように、先ほども聞くと、現行の港湾労働法を廃止してしまえばいいというような意見もあるそうですから、それだけにやはり、この点は明確にしておいていただきたいと思うわけです。
 それから「現在の日雇港湾労働者の定数を各港湾ごとにみると、必ずしも求人の状況に適合しない場合がみられる。」こういう指摘をし、さらに、少なくとも月半分程度の就労日数が確保されることを目標に定数の設定が必要だ、というふうに指摘をしておりますね。そういう指摘を踏まえながら「定数の設定に当たっては、地区職業安定審議会の機能の活用を通じて各港湾の関係者の自主的な参画を求め、設定された定数に対しては、各港湾の関係者が責任を持ち得るよう配慮することによって、より円滑な雇用の調整が図られる」のであるというふうな指摘をしておるわけです。
 そこで、従来、地区職業安定審議会というものの機能がいかにも活用されてなかったんじゃないかという印象を受けるのが一つ。それから、各港湾関係者の自主的な参画というものが図られておらなかったんじゃないか、それだから、定数を設定しても求人状況に適合しないという問題が起きたり、あるいは就労日数を確保できないというような問題が起きたのじゃないか。つまりそういうことが行われてないから、定数は決めたのは決めたけれども、これを自主的に責任を持って守っていこうという姿勢が出てこなかったのじゃないかという印象を受けるのですが、その点どうなんですか。
○細野政府委員 先生の御指摘ございましたように、従来でございますと地区の審議会で定数問題等についての御議論があったわけでございますが、結局基本的な考え方で労使の御意見が非常に対立が強かったものでございますから、定数問題につきましてもかなり意見の食い違いがあって、その意見の食い違いが調整されないまま中央に上がってきて、中央でもって定数を決定するというふうな状況にあったというそしりは免れないと思うわけでございます。
 そこで、今回の建議でも御指摘になっておりますように、結局各港湾によっていろいろ実情が違って、したがってその違いに対応した、実情に即した定数が決められて、それを決めるときに労使の方々が参画されて、決めた以上はそれをまた責任を持っていただくという体制が必要な点は、まさに先生の御指摘のとおりでございます。したがって私どもも、今回定数を決定するに当たりまして、建議も受けて、その趣旨に沿いまして、いわば大変僭越と言えば僭越なんですけれども、地区で御意見がまとまらないものはもう受け付けません、とにかく地区で意見を何らかの形でまとめて持ってきてください、こういうことで強くお願いをいたしました。したがって、今回は、いろいろ付帯条件がつくにしても、労使の御意見がまとまった形で定数問題の処理がかなりできたというふうに考えているわけでございまして、そういう意味では、先生御指摘のような趣旨に今回は一歩踏み出した、あるいは二歩踏み出したというふうに考えているわけでございまして、今後ともこういう行き方で、港湾の実情に即して、労使の方々に参画していただき、かつ責任を持っていただける体制の普及にあるいは定着に努力してまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○矢山委員 そうすると、五十四年度の港湾雇用調整計画で港湾労働者の定数が決められましたね。この定数は完全に守られる、そしてこの定数で言われておる月半分程度の就労を確保できるという見通し、確実に立っていけますか。
○細野政府委員 この定数問題は、先ほど申しましたように各港湾のいろいろな実情というものとのマッチが必要なわけでありまして、そういう意味で、たとえば港湾労働者御自身の資質の向上問題もあれば、あるいはけさ来御指摘がございますように、やみ雇用なり偽装常用なりというような、そういう前提問題みたいなものについてきちんとするというふうな問題もございますし、さらには、安定所の紹介の方式等の問題もございますし、それから港湾によっては業種やそれから地域あるいはその他で需給が必ずしも円滑に調整されていないというようないろいろな問題がございます。これらのいずれの問題も、安定所ももちろんでございますが、同時に、労使の御協力を得ながらやっていかなければならない条件整備の問題がございます。そういう意味での条件整備ということを一方においてやりながら、いま御指摘のような、定数が現実に即したものになって運用されていくと同時に、就労日数も確保される、こういうことが必要であろうというふうに思われるわけであります。したがって、現実の就労日数がそのとおりになるかどうかについてはなおいろいろ御意見をいただき、労使の一致した形で定数が定められたといたしましても、その実現にはまだいろいろな条件があるわけでございますが、そういう点は、先ほども申しましたように、今後ともその方向を毎年毎年続けることによって、そういうことが確保されるような情勢づくりをしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
 同時に、先生御案内のように、一方において、経営者側に就労日数の確保についての責任を持っていただくというふうな仕組みを現在考えて、事業主側もそれを労働側に対して、そういうことでやりますという宣言をいたしておるわけでございますから、そういう方向と両面あわせまして、いま先生がおっしゃったような事態の実現に努力をしてまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○矢山委員 だから、いまいろいろと前提条件をおっしゃった、それはわかるのですよ。そういうような前提条件を踏まえながら、しかも、今度の法改正の根幹になるのは、少なくとも就労日数を月半分ぐらいは確保しなければならぬという、これが今度の法改正を支える根幹だと私は思う。そうすれば、そういう法律改正案を出されたその裏にこの五十四年度の雇用調整計画というのがあるのですから、だから、そういうもろもろの問題点はあることは承知の上で、しかも、それぞれの港湾の実情に即してこういう定数が決められてきたということになれば、これを実行するためには、やはり行政として責任を持たなければならぬと思うのですよ。行政としても責任を持たなければならぬし、事業主としても責任を持たなければならぬ問題なんで、そこがはっきり責任を持ってやりますということが前段に出てこないで、それを、責任を持った体制をつくるのにはこれこれが要るんだというようなことをやっていたら、これはまたもとどおり、いままでと何ら変わらないということになってしまうのです。
 だから、そういう言葉の言い回しでなしに、私としては、この法改正の根幹をなしておる就労日数の月半分以上の確保という問題とこれとはやはり不離一体のものだから、雇用調整計画の実現に対しては責任を持ってやるんだということをはっきりさせてこなければ、これは法改正自体も崩れてしまいますよ。
○細野政府委員 先ほど私がお答えをしました後段の方の、経営者側が就労を確保するための体制につきましては、これは私どもは実現できるというふうに考えているわけでございます。その点につきましては、先ほども島本先生の御質問にもお答えしたわけでございますけれども、一方におきまして、事業主側自体も今回の改正によりまして納付金の負担の軽減が図られて、そういう就労確保という点についての余裕が出てきているということが一つと、それからもう一つは、いま先生からまさに御指摘がございましたように、もしその点を、事業主側自体が就労日数を確保しなければ、逆に納付金についての負担が増大するという結果になりますから、事業主側としてもこれはむしろやらなければならない状態に現在なっているというように私ども思っているわけでございまして、その両面から、事業主側はこの就労日数の確保ということは遵守するのではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。
 なお、そういう点につきまして、事業主側に接触しまして、その確保を実現するように私どもも努力をしてまいりたい、こう思っているわけでございます。
○矢山委員 それで、これを実現していくためには、先ほど島本委員が触れられたこのやみ雇用その他の問題というのがしつかり規制をされてこぬと、これはきわめてこの実行に対して不安心な面ができてくるわけです。
 そこで、先ほど来の質疑を聞いておったのですが、やみ雇用に類するものの実態というのがまだ十分つかまれていない、こういうふうな印象を私は受けたのですが、やみ雇用に類するものに一体どういうものがあるのかということで、いま問題になっているのはやみ雇用と偽装雇用、船内荷役の口数手配の前日調整、それから常用労働者の相互融通、こういう問題が議論になっておったのですが、いろいろな形がこれにはあるんじゃないかと思うのですね。港調審の答申の中にも挙げておるのを見ると、やみ雇用の問題、偽装雇用の問題、季節雇用の問題、それから短期の企業間の循環移動だとか、あるいは臨時使用の問題だとか、こういうものがいろいろ挙げられているのですよ。臨時使用というのは何だろうかと思ったのですが、恐らく、適用港湾外の港湾の雇用労働者等を常用雇用労働者として、臨時に使用するのを言うのだろうと思うのですが、いろいろな形があるのですよ。これらの、一体どういう形でそういうような港湾労働法違反の問題が伏在しておるのかという実態というのを、それぞれの件数は別として、どういう形のものがあるというようなことぐらいはちゃんとつかんでおるのですか。
○細野政府委員 これらは、いま御指摘の中の例示でもわかりますように、いわばその都度その都度行われる形のものでございまして、したがってもうそういう形であるわけでありますから、その全体を数字的につかまえるというようなことは、これは不可能に近いわけでございます。
 ただ、そういうことが行われていて、その中に違反の疑いのあるもの、それから全くその疑いのないもの、両方あるわけでございまして、その見きわめがなかなかむずかしいわけでございまして、したがって、私どもとしては、そういう点についての特に大きな問題のものについては実態調査をして、それに対する私どもの考え方をはっきりさせよう、こういうふうなことをしているわけでございます。
 なお、確かに先生のおっしゃるように、そういう方向に逃げるというおそれもあるわけでございますけれども、問題は、現在おられる登録日雇港湾労働者の方について、それを現実に雇わないということになれば、先ほど申しましたように、経営側自体の負担はかえって増加するおそれがあるわけでございまして、したがって、今回の仕組みでいくと、比較的そういうことに逃れる可能性は少ないんじゃなかろうか。つまり、現実におられる方についてそれを使わずによその人を使ったということになると、結局保険の負担で対処することができなくなって、結果として納付金がだんだんふえるという方向にまた戻るわけでございますので、したがって、今回の改正はむしろそういうことを偽装するのが減るのではなかろうかというふうに私どもは考え、また期待もし、そういうふうにしなければいかぬというふうに考えておるわけでございます。
○矢山委員 そういう期待を持っておられるということは私も理解できるのですけれども、しかし、それはそれとして、雇用調整手当の収支勘定だけでバランスをとってみたところで問題の解決にはならぬので、したがって、こういうような港湾労働法というものが現存しておるわけですから、それに違反するような実態があるのかないのか、これをやはりつかんで、いままでにこれは違反だとわかっておるものだけでなしに、いろいろな新手が考えられるわけです。したがって、それをやはり規制していくということが、この法の抜本改正だとかあるいは抜本的な港湾労働の改善だとかいう場合には、前提として要るということは島本委員さんがおっしゃったとおりなんです。そういうものをつかもうと思えば、やはり立入検査というのをかなり充実させていかなければならぬのじゃないか、そして、その違反を起こした場合には厳正な措置をとっていくということが十分行われなければならないんじゃないかと思うのですよ。ところが、その立入検査というものもそれほどやっておられるというふうには聞いておりませんし、それから摘発されても必ずしも厳正な措置をやっておるということもない。それは、島本委員が何か資料を渡すから読んでおいてくれと言っておられた、あの資料にも私は目を通しましたが、そういうことがあるような状態ですから、したがって、そういう立入検査を徹底してやる、あるいは厳正な措置をきちっととっていく、こういうことが実際に行われてこないとだめなんですよ。それをやる決意がありますか。
○細野政府委員 先ほど申しましたように、技術革新その他の情勢の変化に応じていろんな形のものが出てくるわけでございまして、その主なものにつきましては私どもも調査をして実態を把握し、それに対する判断が的確にできるように今後とも努力をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○矢山委員 そういう立入検査をやるとかあるいは厳正な措置をとるという場合に、やはり問題が一つあるのです。というのは、この前、雇用保険法のときに私指摘したと思うのですが、やはり第一線の公共職業安定所がそれにたえ得るだけの人員を擁しておるのかという問題があるわけですよ。実態を見ると、とてもそんな、立入検査をきちきちっとやっていて、その違反の実態をつかめるというような体制にはなっていないわけです。だから、この点からとらえても、やはりそういうような立入検査を徹底させて法違反が起こらないようにする、法違反があったら厳正な措置をとるということに対しては、その面の充実もこれはきわめて重要になってくるわけですね。
○細野政府委員 この実態を把握するために職安の体制を整備しなければならぬという点は、全く御指摘のとおりでございまして、そういう意味で、最近特に労働大臣に先頭に立っていただきまして、増員の問題に全力投球で取り組んでいるわけでございますが、同時に、私どもも、たとえば雇用保険の処理なんかにつきましての機械化を全面導入するというふうなかっこうで、従来の業務自体についてもかなりこれを簡素化あるいは能率化する方法を考えて、そういう人手を重点業務の方に向けるというふうな努力も並行してやっているわけでございまして、そういう意味での両面から職安体制の充実に努めてまいりたい。また、こういう問題の場合には、やはり全般的な調査をまずやって、全般的な状況を把握して、その中で事態の類型的な判断の仕方についての基準というようなものを決めて、それをやることによって、第一線が非常に実態把握なりあるいは判断をしやすくするということも非常に重要なことでございますので、そういう意味での全般的な実態把握と、これに対する総合的な判断を本省なり県なりにおいてやるというふうなことも、第一線が動きやすくなる非常に重要なことでございますので、その三方からひとつこの問題に対処させていただきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○矢山委員 それから、先ほどの質疑を聞いておって、やはり法違反になるかどうかというのはすれすれの線をいくのですね。人付きリースの場合は、物だけのリースなのかどうか、それについて、物だけのリースなら問題はありませんね。人が付いておる場合に、これは私は、やはり明らかに港湾労働法との問題が出てくると思うのですね。それからもう一つ、口数手配の前日調整だとか、あるいは常用港湾労働者の相互融通の問題とか、これになってくると下請だとかあるいは請負契約の変更だというので、これは港湾運送事業法の十六条、あれとの関係ですぐ逃げられるという問題もあるわけです。だから、これらの点についてはかなり突っ込んだ調査をやり、実態の把握をやらぬとむずかしいと思いますから、その点はそういうような方向で処理をしていただきたいと思うのです。
 それから、先ほど島本委員が指摘されておった登録日雇港湾労働者の優先雇用の問題で、私は一つ問題があると思うのは、もう議論されたことですけれども、やはり十六条のただし書きなりあるいは二十一条とかの問題、十六条のただし書きを言う場合は、港湾労働法施行規則の十九条、これとの関連が出てくる。これらを見ていると、やはりこれはかなりしり抜けのところが出てくるのですね。だから、こういう点をもう少し、法を全面的に廃止ということがいかぬにしても、具体的に穴を埋めていきませんと、わりあい優先雇用と言いながらも逃げられるという問題が出てくるのじゃないでしょうか。
 たとえば具体的に言いましょうか。たとえば十六条のただし書きとの関係で、規則の方に十九条がありますね。十九条の一項、二項、三項、四項とあるわけですが、典型的なのは、たとえば一項の場合に「又は当該事業主が正当な理由により当該日雇港湾労働者の雇入れを拒んだ場合」、一体「正当な理由」というのはどうなるのかという、これらの解釈の仕方で、これが十六条との関連で問題が出てくる。それから「天災その他やむを得ない理由により」、「天災」の場合ははっきりしてくるわけですが「その他やむを得ない理由」ということになると、これは全く歯どめがないわけです。そういうふうなことになってくると、これをこのままにしておいては、何らかの基準をきちっと立てておかないと、やはり優先雇用だと言ってもなかなか、それが逃げられるような点が出てくるのではないかと思うのですが、どうなんでしょう。
○齋藤説明員 先生の御指摘がございましたように、私どもといたしましては、なるべく日雇港湾労働者を使っていただくように、また職業紹介等の面におきましても、まずは日雇港湾労働者を使用していただくということを基本にいたしまして、事業主等を指導しておるつもりでございますが、いろいろな面におきまして日雇港湾労働者を事業主側が従来は忌避をすると申しますか、使いたがらないという傾向がございまして、そういう面でいろいろ事業主側もあの手この手を考えまして、なるべく使わないようにということでやっておったようでございますけれども、その理由の一つといたしまして、やはり資質の向上ですとか、あるいは雇用調整手当の財源に要します納付金の負担が非常に高いとか、種々の原因があったのだろうと思うのです。そういう面で、先ほどからも局長がいろいろ申し上げておりますように、今回の改正法によりましてある程度事業主側の負担も減少いたしますし、それから資質の向上等につきましても、港湾調整審議会の御建議によりまして、それぞれ各地区におきましていろいろ港湾関係者が資質の向上のために努力していただくということをやるつもりでおりますので、そういう面である程度事業主側にとっても魅力のあると申しますか、こういうような日雇港湾労働者を使うことによって事業主自体にもメリットがあるというような体制をつくりまして、なるべく日雇港湾労働者を使っていただくようにしたいというふうに思っております。
○矢山委員 だから、雇用調整手当のこの改正の問題にすべてをかけておられるような印象の御答弁がずっと続いておるわけですよ。だから、それはそれなりに法改正をやる、新たな制度について期待をかけられるのはわかるけれども、それだけで問題は解決しないだろうというところから議論が出ておるわけですから、だから十六条の問題あるいは二十一条の問題等々、これは運用の方法によれば幾らでも逃げられるわけですから、だからこの点は再検討してみて、そういうことのないようにするということが、やはり港湾労働法全体の問題を考える場合に重要なのではないかと思いますから、この点はそういう方向で御検討いただきたい。
    〔向山委員長代理退席、委員長着席〕
 最後に、時間が参りましたから一つだけ申し上げておきたいのですが、これは全港湾の方と労働省の方とでいろいろと今度の法改正について交渉をされました。それで、十二項目にわたる質問があってそれに対する労働省の回答が出ておるようですが、この回答についてはきちっと責任をもって対処されていくということで、労働大臣、よろしゅうございますか。
○栗原国務大臣 約束したものはきちっと守ります。
○矢山委員 それでは、以上で終わります。
○森下委員長 次に、平石磨作太郎君。
○平石委員 いま大変な運用面についての論議がいろいろとございました。ところで、今回の法改正は一応雇用調整手当の財源の確立とそれから事業主の負担軽減というような一部改正でございますが、現状から考えたときに、これだけで港湾労働が改善するとはとうてい思っていない。この抜本改正等につきましても相当な論議が前々から出ておるわけですが、この改正だけで大臣は現行法がそのままきれいに作動していくと考えられるかどうか、一言お伺いしたい。
○栗原国務大臣 先ほど来政府委員からも述べておりますけれども、今度の法改正は、雇用調整手当の収支について改善を加えないと港湾労働行政がうまくいかないという観点からの改正でございまして、抜本的ないろいろの問題については今後の検討にまつわけでございます。そういう意味で、私どもはこの法改正で能事足れりとは決して考えていない。今後抜本的な問題について、審議会を中心といたしまして、われわれも工夫をこらし、知恵を出し、また関係の皆さん方のお知恵も拝借をして、抜本的な対策が一日も早くできるように努力をいたしたい、こう考えております。
○平石委員 一日も早くというお話しですが、これはもう久しく言われた中で今日まで来て、一部改正という形での小手先の改正ではかえって事態をますます深刻なものにしていく、だから抜本改正がおくれる手助けになるのではないかというような心配もあるようですが、私は、いま大臣がおっしゃったように、少なくともこれは、港調審の建議もあることですし、抜本改正についてはひとつ精力的に取り組んでほしい、このように思うわけです。
 ところで、このいわゆる港湾については港湾運送事業法がございますね。きょう通産には来ていただいておりませんけれども、この数字等をちょっと見てみますと、やはり直接雇用というものが約二〇%もあるというような状態、これは港湾運送事業法は全面適用になっておるのでしょうと思うのですが、この港湾労働法が適用されておる港へも併用的に適用になっておりますか。
○細野政府委員 港湾労働法の適用対象の港に対しましては、港湾運送事業法は当然適用になっておるわけであります。
○平石委員 今度の改正は雇用保険法に相乗りをした形での改正、こういうことなんですが、ここの港湾運送事業法の関係がむしろ港湾労働法には非常にかかわり合いが深い。それで、抜本改正を求める場合に港湾運送事業法が大きな一つの問題になりはせぬか。そして現在、就労日数の資料を見てみましても非常に少ない、わずか十一日か十二日程度のことになっておるわけですが、これも港湾運送事業法との関連から、直接雇用とかあるいは請負作業の荷役をやらすとかいうような形で、これがこういう数字になってだんだんと少なくなってくる、こういうことが感じられるわけですが、この点はどのように考えますか。
○細野政府委員 けさほど来御議論がございますように、やみ雇用とか偽装常用というようなものが減ってきておるというふうに私どもは認識しておりますけれども、完全になくなっているわけではございませんので、そういうものの規制をしていくということも確かに必要なことだと思うわけでございます。しかしながら、やはり就労日数の減少の基本的な原因は、先ほど来申しておりますような港湾荷役の方式の変化、それと重なって最近の不況の長期化ということの方が大きな理由になっているわけでありまして、そういう意味で、やはり基本的には、この港湾運送事業全体の構造改善というものをどうするかという、産業政策との密接なかかわり合いがある点は先生御指摘のとおりでございまして、そういう意味も含めて港湾調整審議会で、運輸省にも参加してもらって抜本対策を引き続き検討しているわけでございます。
○平石委員 いま局長がおっしゃるとおりだと思うのです。したがって、やはりここへ一応調整の目を向けないと、五大港、六大港にしか適用のない、いわば併用適用になっておるわけですが、現実には、いまおっしゃったように経済事情も変わってきた、それから近代化されてきた、これに在来の港湾労働者が対応できないという問題があるだろうと思うし、だから当然、この港湾運送事業法によって、荷主にしろ船会社にしろ、あるいは企業側にとってはむしろ直接雇用、機械化の方が能率が上がる、こういう形でだんだんと押し込められてきたというのが現状ではないかと思う。そうすると、在来の港湾労働者に対して適応能力を高めていくというようなことをも一方では考えなければならぬじゃないか。このことは港湾審の建議の中にも記載されておりますが、従来これに対する職業訓練あるいは適応能力、こういうものについては行政としてどのようにしておられたのか、また今後どうしていくか、ここらあたりをひとつお聞かせいただきたい。
○細野政府委員 重要な港湾には専門の職業訓練所を設けまして、それによって技能労働者の養成あるいは再訓練等についての努力をしているわけでございますが、そのほか、もし先生御指摘のような最近の情勢に対応して転職訓練等が必要であるということになりますと、これはまた一般的な転職訓練のための施設自体が、最近の雇用情勢に対応しまして、その訓練の科目なり訓練体制なり、あるいは単に公共訓練だけではなくて民間に委託訓練なり、あるいは速成訓練を活用するとか、いろいろな方法が現に講じられつつあるわけでございまして、そういうものの活用と両面からその職業訓練体制に対応してまいりたい、こう思っておるわけであります。
○平石委員 思っておるわけですと言うのですが、従来実績はあるのですか。
○細野政府委員 養成訓練その他につきましては、六大港関係で毎年、訓練定員で申しますと三百四、五十人ぐらいの訓練規模で実施をいたしておるわけでございます。
○平石委員 そういうことが行われておるということだが、まだ現状には対応し切れないというのが実情だと思うのです。いまの六大港ですか、これの適用拡大ということが叫ばれておるようですが、これについては、やはり一方で適応訓練もしながら、それに対応するように適用拡大もしていかねばならぬと思うのですが、六大港に限定をしたいまの港湾労働法、これを拡大するについては、いま言う港湾運送事業法との関連がやはり出てくると私は思うのです。そう理解できますかどうですか。
○細野政府委員 港湾労働法の適用拡大の問題は二つの側面がございまして、一つは、最近のように港湾労働について全般的に問題が生じてきているときに、これを六大港だけではなくて全国にまで港湾労働法の適用拡大をすべきじゃないかという観点、もう一つは隣接の港湾との絡みで、六大港だけに適用することからくるその漏れの問題を防ぐために、せめて全国でないまでも近接港については適用すべきじゃないか、この二点の側面があるわけでございます。
 いずれにしましても、港湾労働はいろいろ問題が出ておりますけれども、これは全国画一ではなくて、たとえば全国的に見ると常用の港湾労働者なんかはむしろ最近ふえているような状況もございますわけで、したがって各港湾の実情によってかなり違っているわけではございますので、そういう意味で、確かに問題は全般的に生じておりますけれども、起きている問題の中身はかなり違うのじゃなかろうかということもございます。そこで、常用を含めての全般的な港湾労働対策を検討する中で、その港湾労働法の適用の拡大をすべきものなのか、それとも現状のままでいいのかどうかというようなことも判断すべきでなかろうか。そこを抜きにして見ますと、問題の違うところに全く当てはまらないような対策を講ずるようなかっこうになってもこれは非常にまずうございますので、そういう点についてのきちっとした実態についての現状把握と、それからその対策というものを見きわめた上で適用問題を考えるべきではなかろうか、あるいは適用する場合にもその内容を考えるべきではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○平石委員 そこで定数について、共同雇用の理念ということを記載されておるようですが、これはやはり、私は十分にわからずに、この理解も勉強不足なんですけれども、共同雇用といった形でのいわゆる利用者とか関連の者のこれは単なる精神的なものなのか、一つの担保といったものを今後考えていくのかどうか、ここらはどのように考えますか。
○細野政府委員 労働者の保護という観点から見まして、共同雇用という形がそういう観点から見れば望ましい側面が強いということは、これはそのとおりだと思うわけであります。
 それから、同時に、共同雇用をやった場合に、やった国によってはそれに伴ういろんな問題点も生じてきているわけですし、それからわが国の実情から申しまして、いろんな先生も御指摘になったような状況の変化が現在起こりつつあるところでございますので、そういう実態を踏まえた場合に、どういう形が、港湾運送関係の労働の需給調整が最も円滑にいって、しかも労働者の保護にも欠けないかというふうな方途というものを、これを先ほど申し上げましたような常用を含めての全般的なあり方の基本的な検討の中で御審議をいただき、われわれもその中で積極的に考えていくべき問題じゃないか、こういうふうに考えているわけでございます。
○平石委員 これはILOの条約採択の中にもありますが「港湾労働者が、新しい荷役方法の導入がもたらす利益の配分にあずかるべきである」と、これはまだうちの方は批准されてないのですけれども、こういうようにILOから指摘がなされておる。そうしてみますと、この港湾労働法を将来考える際に、いままでの実情をながめてみますと、いわゆる最近の経済事情の変化によりあるいは貨物の拡大等の利益が企業側にいって、そして現在はだんだんと一万五千もあったものが二千人そこらになってしまった、このような形になってしまっておるわけですが、だんだんとしわ寄せが港湾在来の労働者にかかってきておる。こういうことを考えてみますと、まさに指摘が当たっておるんじゃないかという気がいたします。したがって、共同雇用という場合に、やはり従来の経過もありますし、歴史的経過もありますから一概にはいかぬでしょうけれども、ここで労働者側から出ておる意見書等を見てみましても、ある程度の基金をつくる――これは調整手当がありますけれども、そういった何らかの経済的負担、そういったものをも私は考えていくべきじゃなかろうかというような気がするわけでして、ただ単に、共同雇用の理念に基づくというようなそういう精神的なものだけでは、実効をおさめ得ないというような気がします。したがって、ただ単に労使だけの問題でなしに、これを利用する関係者の間で基金なら基金を持つとか、もっと経済的な負担を持ちながら、共同雇用といった形を具体的に行政指導なり、あるいは将来の法改正に当たっては私は考慮すべきじゃないかというような気がいたしますが、どうでしょうか。
○細野政府委員 就労者がだんだん減ってきているというのは御指摘のとおりなわけでございまして、そういう意味で、この港湾荷役業自体がいわば昨年あたり非常に強く言われました構造不況業種みたいな業種なのかどうかという問題は、これはひとつ基本的に、今後所管の運輸省等におきまして産業政策の問題として十分検討してもらわなければならない問題だと思うわけであります。そういう点についての見方自体が産業政策として割り切れれば、それに対応する対策というものはまたおのずと別途出てこなければならないわけでございますが、そうではなくて、今後の景気の回復に伴ってある程度こういう事業というものは一定の規模でもって維持をしていける、こういう見通しの上に立つものでありますれば、それはそれなりの一つの考え方に基づいたいろいろな対策が出てくるわけであります。そういう意味での基本的な問題を含めて現在御審議を煩わしているわけでございますので、そういう御審議の結果の中で、それぞれの今後における見通しなりそれから政府全体としての方針なりというものに対応しまして、いろんな方向の問題を私どもとしても考えていかなければいかぬのじゃなかろうかというふうに考えているわけでありまして、そういう意味で、共同雇用という考え方自体も、そういう全般的な産業基盤についての見通しなり政策なりというものとの絡みの中でそれを生かす方法、つまり趣旨が実現する方法というのはどこにあるのかというふうなことも検討させていただきたい、こう思っておるわけであります。
○平石委員 港湾調整審議会で論議を一応お願いするという形でやっておられるようですが、やはり行政としては、いまの実情から考えたときに、もちろんこれは審議会の意見も聴取せねばならぬということはわかりますが、行政がこれへ逃げ込んでしまうというようなことがあってはならないと私は思うのです。だから、行政は行政としての確たる方針というものを立てて、現状分析をしながら、一応の腹を持たねばいかぬ。これがいつまでも審議会へ任してあります、任してありますという形では、だんだんと窮地に落ち込んでしまう。だから行政の腹として一応考えておられるかどうか、これは先ほど矢山先生も聞いておられたが、お伺いしてみたいと思うのです。
○細野政府委員 この問題は、基本的には、さっき申しましたが、産業全体に対してどういうふうな見通しと方針を持つかという問題にかかわりがありますと同時に、関係の労使の方の考え方というものが非常に大きく影響するわけでありまして、先ほど来審議会、審議会というふうに申し上げておりますけれども、審議会には労使の代表が入っておられるわけでありまして、したがって、審議会というふうに申し上げておりますけれども、要するに労使と政府との間にこういう問題についての基本的な点についての認識の食い違いがあるとなかなかうまくいかないわけでありまして、そういう意味でこの三者、それに学識経験者を加えた四者間の意思疎通、それからコンセンサスづくりということが非常に重要でございます。そういう意味で、そういうコンセンサスづくりあるいは、基本的な物の考え方の食い違いの大きな要素の一つであった、雇用調整手当そのものの会計が大赤字になって負担が増高する、つまり経営者側にとっては負担が増高する、労働者側にとっては調整手当自体が維持できなくなるのではないかというおそれ、こういう問題が、この法案が成立することによって片づきますと、基本的な問題を議論をする土俵がある程度同一の土俵に上がってもらえる公算が非常に大きくなる、こういう意味で、先ほど申しましたようにそういう共通地盤をまずつくって、その中で四者あるいは三者の間の審議を続けて妥当な結論を出すようにしていきたい、こういうふうに申し上げているわけでございます。
○平石委員 行政としてはいわば待ちの姿勢というようにしか受け取れませんね、それでは。だから、これはやむを得ない経過もありますし、あるいは労使の間での意見調整が未済の中で、こうやりますと言うても、実情これは生きてこないという面もそれは確かにありましょうから、深くは追及はいたしませんけれども、そういった土俵に上がって何とか共通の地盤ができれば、そこまで持ち込んでいけば今後あるいは話がうまくいくのかもわかりませんが、それをただ期待するというだけで座視するというようなことでは、私は許されないというように指摘をしておきたいと思います。
 次に、定数関係を先ほどちょっと触れましたが、この定数を見てみますと、これは五十四年度もできておりますが、従来の計画数値と実行数値を見てみますと大変な開きが出てきておるわけであります。この開きはだんだんと解消はされつつあるようですが、ただ経過をちょっと数字を追うて見てみますと、やはり前年度の実績を一応の根拠にしてやっておられるというように数字の上からはうかがえます。それももちろん一つの方法でしょうが、やはりこれは予測するということが非常に困難な問題も含まれておりますので、必ず計画数値が実行数値として一致するかというと、これは一概に期待もできないかもわからぬ。だが、一応計画として、定数として決めた以上は、消化するようにやはりやるべきじゃないか。そうしないと、港湾労働者の方々も非常な、定数はあるんだからと思っておっても、現実に不就労になってしまう、あるいはあぶれてしまうというようなことが出るので、この定数設定についてはどのようにしておられるのか、一応お伺いしてみたいと思います。
○細野政府委員 定数を決める基本的な考え方としましては、その港湾における労働力の需給の見通しの上に立ちまして、その必要な労働力を確保していくというふうな観点から定数を決めるべき考え方に立っておるわけでございますが、しかしながら、実際の適用に当たっては、いま先生御指摘のように、特に最近になって需給の見通しを立てることが非常に困難な側面、もう一つは最近の不況というふうな問題がありまして、就労を確保することが非常に困難な側面、いろいろな面がございまして、そこで、各地区の審議会で定数問題について御議論をいただきます場合にも、やはり定数をできるだけ多く確保しようという労働側のお考えと、現実に即して定数が余り多いのは問題であるという経営者側との間に、強い意見の対立が起きまして、結局労使の意見が全くいわば両論併置みたいなままでもって中央へ来て、中央はやむを得ず、先ほど先生の御指摘にありましたように、実績みたいなものを根拠にして定数を決めるというふうなやり方をしていたものでございますから、そこで、定数と実際の人間との間にかなりの乖離が生ずるというのが従来の状況だったわけでございます。
 そこで、今回の調整審議会の建議にもございますように、やはりそこは、それぞれの実情に即して各港湾の労使がよく話し合いをしていただいて、実情に即した定数を決めていただいて、その考え方というものを十分尊重して、定数を、最終的には労働大臣が定めるわけですけれども、それは、各地区における労使の御意見というものを十分尊重したものとして決めていくというものであるべきだ、そこへ地区の現実の労使が参画されると同時に、責任も持っていただくという体制が望ましいので、そちらの方向にいろいろな条件を整備しながら持っていけという御指摘があるわけでございます。
 そこで、五十四年度の定数を決める場合に、私どもは、原則として地区の労使で御意見がまとまるよう、審議会としての意見がまとまらないままで本省へ持ってきた場合には、これはもう差し戻して、地区でもう一遍きちんと詰めていただくというふうなやり方をとったわけでございます。そういう意味で、いろいろな御事情がある中で、労使の方がよく話し合いをいただいて、かなり今回は、労使が相当意見を闘わされて、従来とは違って何回も審議会をやって中央へ持ってきていただいて、それに即して決めたわけでありまして、従来より見ればかなり、そういう意味では建議の方向に沿って前進したというふうに見ておるわけでございます。
 しかしながら、いま先生御指摘のような定数と実際の人員との間の穴が完全に埋まるためには、やはりいろいろな条件を整備しなければならない問題がございます。したがって、そういう点についても、建議で御指摘の趣旨に沿って、私どもも条件整備に努力してまいりますし、それから、逐年地区の審議会でそういう労使自体が完全に意見を一致させるような方向でお話し合いを願うというようなことが積み重なってまいりますと、これも実態に即したものにだんだん近づいていくのじゃなかろうか。その両面から、先生御指摘の方向に持っていかなければいかぬというふうに考えておるわけでございます。
○平石委員 これは定数ですから、一応それへ参加して、審議会等で、従来の実績等を踏まえながら、いわゆる労使双方も入って、一応これだったらというところを決めて、大臣が最終的に決めるのでしょうから、これはやはり企業側にも消化をするという責任体制、これはあくまでも架空なものをつくるのでないのですし、相当詰めた段階で決めるのでしょうから、一応責任を持って消化をしてもらうように強い指導をしてもらいたい、こう思うわけです。
 それから、ILOの条約、勧告についてはどのように考えておられるか、これは批准すべきでないかというように私は思うのですが、ひとつ大臣にお答えいただきたいと思います。
○細野政府委員 ILOの百三十七号条約についての御指摘と思うわけでございますが、これにつきましては、私ども、ILO総会における採択の経緯から見まして、おおむね政府としてはその条約の内容を満たしているのじゃないかというふうに考えているわけでございますが、しかし、この点につきましては関係者間において必ずしも意見の一致を見ていないわけでありまして、条約の規定から見て、あるいはその精神から見て、現行の体制というのは不十分である、あるいは違反しているのじゃないかという御指摘もあるわけであります。
 そこで、私どもとしましては、まずそういう意味での条約との関係についてのコンセンサスをつくるということが必要ではなかろうか、もう一つの問題は、現在違反ではないかという御指摘の内容自体は、現在御検討いただいている抜本的な問題についての御審議の内容と非常にかかわりのある問題でございますので、そういう点につきましても、現在の基本的な問題の御審議というものの中で、条約との関係等についても配慮しながら御審議をいただく、われわれも参加していくというふうなかっこうで、全般的な批准体制というものがその中で見通しがついてくるのじゃなかろうか、こう考えておるわけでありまして、そういう御審議と並行しながら、私どもはこの条約の批准問題の方針を決めるべきじゃなかろうかと考えておるわけでございます。
○平石委員 以上で、終わります。
○森下委員長 午後二時三十分開会することとし、この際休憩いたします。
    午後零時四十分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十二分開議
○森下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 港湾労働法の一部を改正する法律案に対する質疑を続行いたします。谷口是巨君。
○谷口委員 ごく最近の港湾の整備とかあるいは施設の整備あるいは輸送方法、こういうものの進歩、近代化に伴いまして、労働者側のいわゆる生産性を非常に高めているわけであります。
 一つの例を挙げますと、ここにもらっております資料によりますと、五大港を例にとりますと、四十年度を一〇〇としまして、上屋が五十年度で一九六、それから野積場で一五六、引船の方で一六六、大型荷役機械が二三二、フォークリフト四
○八、ショベルローダーが五六〇というふうに、非常に生産性が向上しているわけです。この生産性の向上と労働力の関係でございますが、生産性が向上することはきわめて喜ばしいことでございますけれども、そのために労働力の過剰というものを招く一つの原因になるわけであります。そしてこれは、日雇労働者のみならず常用労働者にも大きな影響を与えることになりますが、今後のいわゆる近代化の推進と労働力との関係はどのようになると認識されているか、見解を伺っておきたいと思います。
○細野政府委員 輸送関係につきましての技術革新が進みまして、それに伴いまして全般的に港湾労働者の数が減少傾向にあるという点は、御指摘のとおりでございます。
 ただ、港湾ごとの状況によってはかなり事情の相違がございまして、そういう意味で一律ではございませんが、特に六大港等におきましては、常用、日雇いともにかなりの減少傾向にあるという状況でございまして、この状況は、一つには、単に技術革新ということだけではなくて、最近の不況という問題が影響していると思うのでございますけれども、そういう点を除いて考えましても、今後やはり、究極的に見ても、港湾労働者の数の減少傾向はとまらないのではないだろうかという懸念はいたしておるわけでございます。
○谷口委員 確かに数字の上からながめてもその傾向になっているわけですね。また、常用港湾労務者の推移をもらった表で見ますと、昭和四十二年を一〇〇といたしますと、総数で十万四千三百七十七人、その中で適用港が七万二百七人で六七・三、適用港外が三万四千百七十人で三二・七という数字ですね。これがだんだん年を追うに従いまして内容が非常に変わってきているわけです。たとえば五十二年になりますと、合計数が八万八千九百十一人。ここで二万近くの人間が減っているわけですが、適用港では五万二千四百七十一人ですね。これが五九。それから適用港以外は三万六千四百四十人で四〇・〇、こういう数字になっているわけです。
 これを見ますと、適用港では非常に大きな減少が見られるわけです。それから適用港以外は、ピ−クの四十八年、四十九年に比べるともう一歩という感じでございますが、非常にその数字が戻ってきているわけですね。しかし全体としては非常に減少傾向にある。そして、これは特に港労法の適用港の落ち込みが激しいわけですが、適用港以外のところでは今後どのような傾向になるのか。だんだん近代化が進んでまいりますと、こういう問題が大きく影響してくると思いますが、どのように把握をされておりますか。――質問の仕方が悪かったようですけれども、現在のいわゆる適用港ではこういう減少が非常に顕著に見られる。しかし、適用港以外は人数においては若干昔に戻っている。それはバランスがある程度とれるということになりますが、将来適用港以外についても適用される対象になってきて、だんだんそういう設備の近代化が進んでいくとすれば、そうならなければならぬと思うが、そうなってくると、労働者がさらに減ってくるわけですね。そういう問題について、どのように将来の見通しを持っておられるかということです。
○細野政府委員 技術革新が進むに伴いまして、少なくとも伸び悩み、あるいはいま御指摘のように減少傾向に向かうという方向はなかなか避けられないんじゃないかというふうに考えておるわけでございますが、数字的に、たとえば六十年なら六十年ごろにはどれくらいになるかというふうな明確な見通し等は、現在持っておらない次第でございます。
○谷口委員 数字の見通しは非常に困難だと思いますが、そういう傾向に今後なっていくだろうということは大体言えるわけですね。したがいまして、港労法は主眼が日雇労働者に置かれているわけです。しかしながら、港湾業界の現状というものは、この日雇労働者だけではなくて、常用労働者にも同じように深刻な、いわゆる雇用の面で不安を与えているわけです。このことは、数年来の労働人口の推移に明らかでありますけれども、いまや日雇労働者のみならず、いわゆる港湾労働者全体の雇用対策が必要であるという段階に私は来ているのではないかと思うわけであります。したがいまして、労働省としてはこの問題についてはどのようにお考えですか。
○細野政府委員 最近の輸送方法の技術革新等の問題に伴いまして、御指摘のように、単に日雇港湾労働者だけではなくて、全般的に常用労働者を含めて基本的な問題の検討が必要ではないか、こういう御議論が労使の間にもございますし、それから審議会においても当然そういう御意見が出ているわけであります。私どももその点については全く同感でございまして、そういう全般的な港湾労働の総合的な対策というものを検討すべき段階に来ているという考え方で、現在、港湾調整審議会におきまして基本問題についての検討を継続してお願いをしている、その中に私どもも参画いたしまして、関係の省庁にもお入りいただいて一緒になって検討している、こういう状況でございます。
○谷口委員 私もそのように考えていかなければならぬと思うわけです。一ですから、この問題はひとつ早急に進めていただきたいと思っております。
 それから、現在、日雇労働者のいわゆる質の問題ですけれども、非常に低下をしていくというか、非常に労働力が低下をしていく。いろいろなそういう問題が実は原因になりまして、事業者がいわゆる雇用を拒否するというふうな問題も実際に起こってきているわけですね。これは、近年労働者の高齢化が進む、そういう状況の中で新規の労働力が結局参加できない、こういう問題が今日大きな問題になっておると思いますが、今日の段階で、この労働力の質的な向上というものは非常にむずかしいけれども大事だと思うのですが、こういう問題についてどのように対処されようとしておりますか。
○齋藤説明員 先生いま御指摘がございましたように、最近、特に登録日雇港湾労働者につきまして高齢化の傾向が高くなっておりまして、通常の常用港湾労働者の場合をとりますと六十歳以上が二・二%でございますけれども、八・七%というように非常に高齢化してきております。
 それに加えて、最近の技術革新等の影響もございまして、そのような技術革新に即応できるだけの技術をなかなか身につけていないというような事情もございまして、そういう面で資質の向上ということが重要な問題になっております。
 それで、先般港湾調整審議会からいただきました御建議におきましても、そういう意味で、日雇港湾労働者の資質の向上については十分な努力をすべきであるという御建議もいただきましたので、各地区ごとに、それぞれ地区の実情に合った形で、地区職業安定審議会等の場を通じまして資質の向上に努めてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○谷口委員 次は雇用調整計画についてでございますけれども、港労法に基づいて雇用調整計画がつくられることになっておりますね。これは五十一三年の計画数、五十四年の計画数は、常用それから日雇いともどのような状態になっておりますか。
○齋藤説明員 五十四年度におきます六大港の港湾労働者の定数でございますが、常用港湾労働者につきましては四万五千八百二十八人、日雇港湾労働者につきましては二千七十五人、合計いたしまして四万七千九百三人ということになっております。
○谷口委員 この数字も毎年ずっと減少をしてきている傾向にあるわけですね。この減少してくる要因というのは一体どういうことだと考えておりますか。
○細野政府委員 これは、やはり先ほど先生から御指摘ございましたように、港湾における貨物輸送のコンテナ化とかRORO船の就航とかサイロ施設の増大等の輸送革新の進展に伴いまして、港湾労働者の需給が、特に需要が著しく減少しているということがいまおっしゃったような結果になってきているというふうに考えております。
○谷口委員 この計画の数よりも、実数というのがこの数年来ずっと下回ってきているわけですね。この数字の乖離する原因というのはどこにあるのですか。
○細野政府委員 この港湾労働者の定数自体は、当該港湾に必要な労働力の需要の予測に基づきまして定められるというのが基本的なたてまえになっているわけでございますが、先ほど申しましたような輸送革新の進展に加えまして、最近不況が長く続いているというふうなこともございまして、各港湾におきまする労働力の需要予測が非常に困難な状況にあるというのが一つの要因になっているわけでございます。
 さらに加えまして、同一の港湾におきましても、労使がそれぞれこの定数に対する考え方が基本的に異なっておりまして、したがいましてかなりの差のある労働力数を主張するというようなことで、従来地区の審議会において定数に対して労使間で非常に大きな意見の不一致があるというふうなことで、そういうところから、計画数と実数との間に御指摘のような差が出てきておるという状況でございます。
○谷口委員 統計によるいわゆる実数の労働力によって仕事が処理されているかどうかということになると、ちょっといろいろな問題があると思うのです。たとえば五十二年度の実績を見ますと、登録外というのが、たとえばこの表でいきますと、これは五十二年度でございますが、登録外というのが七万一千十一人いるわけです。それから直接雇入就労延数というのが十一万五千二百八十人という数字が出てきているわけです。こういうことからながめますと、こういう数が入ってきているから初めて仕事が消化し切れるわけであって、こういうことからいきますといわゆる港労法のたてまえというものが損なわれてくるのではないか、意味が大分薄らいでくるのではないかという疑問を持つわけですが、こういう問題についてはどうお考えになりますか。
○細野政府委員 御指摘の登録外とか直接雇用の問題というのは、主として横浜港と関門港に集中しているわけでございますが、それは、現在定数が沿岸と船内というふうな業種間の需給状況に即応していないという問題が一つございます。それから、需要の低い地域に居住する登録者が需要の高い地域への紹介になかなか円滑に対応しないというふうな問題もございます。そのほか、横浜だけの問題でございますけれども、寿町における日雇い求人の確保という別のもう一つの角度からの問題もございまして、そういうふうなことが重なりまして御指摘のような状況になっているわけでございます。
 この問題の解決というのは、各港湾の実情に即してやっていかなければならぬのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
○谷口委員 適正な定数の決定というのが少しわれわれにとってはあいまいな感じがするわけです。したがいまして、港湾における円滑な雇用の調整を図る基本というものが、結局何かあるわけですね。港湾調整審議会でも、その点についてアンバランスだという指摘がなされているわけです。
 それで、基本的な問題になりますけれども、定数決定の基準といいますか、それは一体どういうふうになっているのですか。
○細野政府委員 定数を決定する基本は、先ほども若干触れさせていただきましたけれども、その港湾における労働力の需要の見通しというものを基本として定数を決める、こういう考え方に立っているわけでございます。
 しかし、先ほど申し上げたようないろいろな事情がございます。それから先ほど御指摘のありました登録外とか直接雇用の問題もあるわけでございまして、特に御指摘のあった登録外とかあるいは直接雇用の問題については、これは業種別なり地域別の需給のアンバランスの是正という問題を並行してやらないと、なかなかそこのところがうまくいかないという問題がございます。
 それから、そういう問題を一応除いた全般的な問題としましては、今後の方向としまして、地区の審議会におきまして労使で十分お話しをいただいて、お話しを詰めて中央に上げていただいて定数を決定する。これも、今回五十四年度の定数を決める場合に、かなりその線で各地区の審議会に御苦労いただいたわけでございまして、大分その実態に即した御議論をいただいたわけでございますが、これも一遍に、何といいますか、御審議の結果が非常に実情に即したというところまでなかなかまいらぬわけでございまして、逐年こういう形を続けていくことによりまして、審議会でも御指摘がありますような、関係労使が十分その定数決定に参画され、それにまた責任を持っていただけるという方向に、他の条件整備の問題とも相まちながら持っていかなければならない、こういうふうに考えているわけでございます。
○谷口委員 次は、港湾労働者の年金問題について伺いたいと思いますが、社団法人の日本港運協会と全国港湾労働組合協議会、この二つが昭和五十一年九月十四日に労使協定を結びましたね。その協定の中で年金制度の設立をしているわけであります。そして五十一年六月一日にさかのぼって実施されておりますが、この年金制度は公益法人によって運営されることになっているわけです。この協定成立に当たっては労働省も参加しているわけですね。すでにもう協定成立して二年半を経過しているわけですが、公益法人ができ上がっていないと私は思いますが、でき上がっていないとすれば、今日までどのような経過をたどってきたのか、経過の説明を願いたいと思います。
○細野政府委員 御指摘の年金制度の根拠となっております労使の協定におきましては、確かに将来公益法人を設けて基金の運営に当たるという方向が明記されているわけでございます。これがなかなか円滑にいっておりませんのは、一つは、拠出金への課税問題があるために法人設立には至らなかったということを聞いております。現段階では最終雇用主が経費を負担するといった仕組みのもとに、年金制度が発足をしているというふうに聞いているわけでございます。
 こういう状況の改善の必要性ということになるわけでございますけれども、これにつきましては、関係労使双方とも、私どもの聞いているところでは、十分その問題の必要性については認識をしておられるようでありまして、事業主団体であります日港協が、今月の五日に、前述の年金制度を含めまして、港湾労働者の生活保障基金を設立するという労働側の要求に対しまして、基金制度を確立して五十五年一月一日をめどとして実施をする、それから二番目に、基金制度の財源については日港協が責任を持って確保するというふうな回答を行ったというふうに聞いているわけでございます。
○谷口委員 じゃ、基金についても、すでにもうできるような段階まで来ていると解釈していいわけですね。
○細野政府委員 いまのような原則的な点については意見の一致を見ているようでございますけれども、細部につきましては労使の合意がまだできていない模様でございまして、労使の話し合いはかなり進展を見せている状況でございますので、今後における労使の話し合いを見守っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○谷口委員 この問題は、港湾労働者にとっては非常に重大な問題でありますから、これは見守るような悠長なことでなくて、積極的にやはり推進していく必要があると私は思うわけです。老後の生活というのは非常に大事でありますから、この制度の充実を図っていくことは非常に急がねばならない。また、港湾運送事業者にとっても賛意を表明した、そして発足したものですから、中途半端であってはこの制度の崩壊にかかわるわけです。したがって、この年金制度というのは財政の収入と支給のバランス、これが第一のポイントであるはずでありますけれども、現在七百十九名ですか、すでに年金の受給者があっておるそうですが、その費用負担はどうなっておりますか。
○細野政府委員 現段階では最終雇用主が経費を負担するという仕組みでやっておるというふうに聞いておりますが、その点について、先ほどの日港協からの回答では、基金制度の財源については日港協が責任を持って確保するという回答になっておるわけでございまして、その具体的な細目については目下労使間で話し合いが行われているというふうに聞いておるわけでございます。
○谷口委員 これは非常に大事な問題でして、たとえばいわゆる受給資格ができる場合、その最終の事業所でその費用をいま一応支払っているわけですね、現実には。そういたしますと、一面悪く考えますと、事業所の負担が非常にアンバランスになりますから、資格ができる前に何らかの理由をつけてこの人を首にする可能性だってあるのだし、現実にそういうことがあるわけですね。そういう問題について非常に重大に考えなければなりませんが、どのようにお考えですか。労働省として、これは大事なことですから大臣にお聞きしましょうか。
○細野政府委員 その点、いろいろな問題があるという点は労使とも十分認識しておられるわけでありまして、したがいまして、基金制度の財源の確保という点について、具体的な細目はまだ詰まっておりませんけれども、日港協が責任を持って確保するということを組合側に回答しておられるというふうに承っておるわけであります。
○谷口委員 非常に急いでもらいたいということですね。現実には長崎の業者の方も非常に不安を訴えておりました。東京港あるいは大阪港には厚生年金基金というのがあると聞いておりますけれども、今回の労使協定によって担う年金制度というものはどういう内容になりますか。これと同じようなものになりますか。
○齋藤説明員 現在労使協定で行われております港湾労働者年金制度につきましては、通常の厚生年金制度とは別な制度だというふうに理解しております。
○谷口委員 最後に運輸省にお聞きしますけれども、やみ雇用やあるいは偽装常用あるいは実質的に職業安定法に抵触するような常用港湾労働者の相互融通の事実の指摘が、いわゆる港調審の意見書にも出てきておるわけです。こういう問題について、こんな事実が起こるといういわゆる事業所側の持っておる背景というものはどういうところにあるのですか。
○山田説明員 御質問のやみ雇用あるいは偽装常用ということにつきましては、私ども実は実態を把握いたしておりませんけれども、港湾事業者がどのような事情でそういうことになるのかと仮に推定いたしますと、たとえば作業に熟練しているような労働者が必要であるというような場合に、直接雇い入れるというようなことがあるのじゃないか、かように推測いたします。
○谷口委員 時間が来ましたから、最後に、たとえばほかの産業、繊維や造船では設備の買い上げによって業界のいわゆる構造改善を行っているわけですね。ところが、たとえば港湾に関係があるはしけについて論じますと、過去に三十何万トンですか買い上げてやりましたね。現在百二十万トンかあって、非常に過剰な状態になっているわけですね。したがって、このような形で今後も買い上げて構造改善をする意思があるのかないのか、それを伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○山田説明員 御承知のとおり、コンテナ化等の輸送革新の進展ですとか、あるいは港湾施設の整備、港湾岸壁の整備等々によりまして、確かにおっしゃいますとおり、はしけの輸送量は昭和四十三年以来減少の一途をたどっております。このような事情で、四十八年度と五十二年度の二回にわたりまして約五十六万トンのはしけの買い上げ廃棄を行っております。その結果、はしけの運航回数等の上昇など改善は見られますけれども、やはり全体としてはまだ若干、需給関係で不均衡があるのではないかというようなことも考えられます。したがいまして、今後はしけの船腹の調整につきましては、適正な船腹量の算定ですとか、あるいはそれに基づきます具体的な対策等々につきましては、検討いたしまして適切な措置を講じていきたい、かように考えております。
○谷口委員 じゃ、いわゆる買い上げによる構造改善をやるつもりなんですか、やらないつもりですか、ちょっと明確にわからないのですけれども。
○山田説明員 具体的にどの程度の量が過剰かどうかということにつきまして現在検討中でございまして、その辺のことがはっきりいたしました後に具体的な方法、果たして買い上げ廃棄がいいのか、その他の方法がいいのか、その辺も含めまして検討いたしたい、かように考えております。
○谷口委員 終わります。
○森下委員長 次に、米沢隆君。
○米沢委員 統一地方選挙が大変激戦でありましたので声を痛めておりますが、お聞き苦しい面はお許しいただきたいと思います。
 まず最初に、昭和四十年に港湾労働法が制定されて以来、この法律がそれ相応の役割りを果たしてきたということは評価を申し上げたいと思うのでありますが、四十二年以降のコンテナ化等の進展によりまして環境ががらりと変化をしてきた、そういうことからこの法律が一面では空洞化し、一面では変化についていけない、役割りを果たし得ないという部分が出てきておることは御案内のとおりでございます。
 そこで四十八年、第一回目の改正法案が提案されて衆議院を通過をしたのでありますが、いろいろな事情によって審議未了ということで葬り去られて今日に至っておるわけでありますが、そのときの改正内容でありました登録畳屋港湾労働者の雇用機会の確保、常用港湾労働者の臨時使用の制限等々非常に急がねばならぬ部分がたくさん盛り込んであったにもかかわらず、政府はその後再提案をなされていないのでありますけれども、再提案を見送っておられる理由、またその改正案に盛られておる内容はその後どういう変化をしておるのか、実質的にそういうものは確保されておるのか、その点からお伺いしたいと思います。
○細野政府委員 御指摘ございましたように、昭和四十八年におきまして港湾労働法の改正案を政府が提出をしたわけでございます。
 その内容は、港運業者を会員とする港湾労働協会を中央及び各港に設けまして、日雇港湾労働者の登録、それから紹介の業務をこの協会に行わせるということが主たる内容であったわけでございます。
 こういう内容につきましては、いま先生からも御指摘ございましたように、共同雇用の理念が十分生かされておるかどうか、あるいは労使関係がなかなか複雑でございまして、そういう意味で、こういうものというのがうまくいくためには労使関係の正常化が前提であって、それがない限り法律の改正は無意味じゃないかというふうないろいろな御意見がございまして、そういう結果として廃案のやむなきに至ったわけでございます。
 そういう経緯から考えますと、この法案をそのまま再提出するということではなかなか成立もむずかしゅうございますし、内容的にもいろいろな問題の指摘があったわけでございますので、そのままというのはなかなか困難ではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
 ただ四十八年以降、いま御指摘のようないろいろな情勢の変化がございます。したがいまして、港湾労働をめぐる諸状況というものが非常に変わってきておりますから、そこで一月に提出されました港湾調整審議会の建議におきましても、抜本的にしかも常用雇用を含めて全般的な検討が必要なんじゃないかという御指摘があるわけでございまして、今後引き続きこの基本的な問題についての御審議を継続していく、労働省としましてもこの審議を尊重しながら、並行してこの検討を深めていくという考え方に立っておるわけでございます。
○米沢委員 今回は当面の雇用調整手当の赤字対策というのが改正の目玉でありますが、いまおっしゃったような抜本的な改正というものは今後の大きな宿題であるわけですが、いろいろと審議会等に諮られて御研究もなさっておるわけでありますが、いつごろをめどにそういう抜本改正に取り組もうとされておるのか、将来の見通しについて御意見を聞かしていただきたいと思います。
○細野政府委員 率直に申しまして、基本的な問題があって、これを総合的に検討しなければならぬという点では労使とも意見が一致しているのですけれども、実はその場合の検討の方向については労使がかなり鋭く対立をしておるわけであります。その対立をしておる理由の一つの大きな原因として、この調整手当をめぐる財政の赤字問題、それから事業主側の負担の増高という問題、たとえば単に一般の日雇保険に入っておる場合に比べて、事業主側の負担がものすごく大きいというような問題があるわけでありまして、そういう意味で、この財政赤字の問題に対して緊急にその対策を講じろというのが、いま先生お話しのように今回御審議いただいている法案の中身でございますけれども、この法案が成立することによっていまのような大きな労使の意見対立の根本になっている問題が一つ片づくということになりますので、そこからいわば同じ土俵の上に乗って労使の話し合いが進んでいくのではないかというふうに期待いたしておるわけでございますが、いまの段階で、いつごろ結論が出るというところまでは申し上げられるような段階ではございません。しかし事態は、先生も御指摘のように状況変化というものは最近急速に進んでおるわけでございますから、できるだけ早い機会に御審議をいただくと同時に、私どもも検討を深めて対策が実るようにしてまいりたい、こう考えているわけでございます。
○米沢委員 情勢の変化によって港湾労働力の需給がかなり変化しておる、それにまた、こういう改正になってきつつあるのでありますが、今後こういう輸送技術の革新というものがまだまだ進展をして、登録しておるような人間の数はほとんど微々たるものになってしまうということになれば、あるいはまた常用労働者等がかなり急激に減少していくということになれば、これまた新しい、抜本改正なんというよりも、全然別の法律がひょっとしたら必要ではないかという感じがするわけです。そういう意味で、今後、輸送技術の革新あるいは輸送手段の多様化等々従来のペースで進んでいくのか、それとももうかなり限界に来てここらで一応ストップするのか、それともまだまだ進んでいって港にはほとんど人が見当たらぬぐらいのことになるのか、そのあたり、運輸省の方に、今後の進展度合いみたいなものをどう見通しをされておるのか、そして労働省として、その際の労働力の需給バランスみたいなものを一体どういうふうに見通しをされて今後検討されようとしておるのか、お伺いしたいと思います。
○山田説明員 御存じのとおり、わが国の輸送革新、主としてコンテナ化でございますが、昭和四十二年にアメリカと日本を結びます定期航路にコンテナ船第一船が就航したというのが最初でございます。それ以来急速にコンテナ化は進んでおりまして、十四年経過いたしました今日におきましては、コンテナ化に適合する航路それから貨物につきましては、ほぼコンテナ化されたのではないかというふうに考えられます。ただ、今後のコンテナ化につきまして二、三あるいは、わずかでございましょうがコンテナ化が残っておるところもございまして、そういう航路につきまして今後のコンテナ化が検討される、そういうところで徐々にコンテナ化が今後行われるのではないか。ただ、ここ数年のような急激な進展というものはなかろうかと思いますけれども、徐々には進展するのではないか、かように考えます。
○細野政府委員 港湾輸送関係につきましては、いま運輸省の方からお答えがございましたような状況でございます。そういう点を含めまして、審議会におきましても、その見通しについてのコンセンサスを得た上で、それに対応しまして今後の基本的な、あるいは常用を含む全般的な問題についての対策を検討しようというのが、抜本対策の現在検討を引き続いてやっている内容になっているわけでございます。
○米沢委員 今後コンテナ化が残っているところは進む、それはあたりまえの話ですね。運輸省、ちょっと勉強不足ではないかと思うのですね。単なるコンテナ化だけではなくて、結局人間を使っておるところはみんな機械化しようというのが激しく進められておるわけでして、たとえば経営者団体でつくっておられます港湾近代化促進協議会の予算措置というのは、これから先、技術革新にはかなりの力を入れておる予算措置なんですよ。そういうものをもう少し具体的に把握されて答弁されるのではないかと思っていたのですが、コンテナ化が進むだけだというそんな話じゃ、ちょっとピントが外れますね。
 それはそれといたしまして、こういう変化によって、登録日雇労働者というのが御案内のとおりかなり減少してきた。実際にその皆さんの転職状況みたいのは一体どうなっておるのか、あるいはまた職業訓練なんというのは本当にうまく動いておるのか、そのあたり実態をまず聞かしていただきたい。
 同時に、先ほどから説明がありますように、こういう登録日雇港湾労働者だけではなくて、常用港湾労働者においても雇用機会は年々減っておりまして、雇用不安のさなかにあると言っても過言ではないわけでございます。そういう意味で、この常用港湾労働者に対する雇用対策なんというのは一体どうなってきたのか、今後どういうふうな救済措置等を講じられようとしておるのか、そこも含めて御説明いただきたいと思います。
○細野政府委員 全般的に減っておられる港湾労働者がどこへ行かれたかというのは、必ずしも私ども十分把握しておりませんが、定数の状況等から判断いたしますと、少なくとも六大港におきましては、高齢化された方が引退をされるというかっこうで数が減ってきているというのが主なものじゃなかろうかというふうに考えているわけでございます。
 なお、職業訓練等につきましては、一つには技能労働者の確保のための訓練それから養成のための訓練、それから技能労働者そのものの再訓練みたいな問題、それから先生御指摘の転職するための転職訓練、三種類あるわけでございますが、前の二つにつきましては、各港湾に専門の職業訓練校等を設けまして、そこで、毎年約三百三、四十人くらいの定員規模で訓練を実施しておるわけでございます。それから転職訓練につきましては、一般の転職訓練の中で処理をさしていただいている、こういう状況でございます。
○米沢委員 常用港湾労働者についても、この資料によりますと、四十二年の五万八千九百二十二名から五十三年度は四万五千四百七十三名とかなりの変化をしておるわけで、その分が単に自然減耗で減ったというよりも、肩たたきだとか、将来に見通しを立てた場合余り明るいところではないということで自然に減っていく、そういう形で減耗がなされておると思うのですね。特に港湾労働者については雇用保険法の谷間にありますね。ですから、今後そういう意味では、確かに荷動きが激しくなりますと、その産業そのものは栄えておるようには見えますけれども、技術革新等によって労働者という立場からは急激に職場から追われていくという、いわゆる不況業種みたいなものですから、今後労働省としても、常用の港湾労働者についても力点を置いていただいて、対策なり救済措置等の検討をよろしくお願いいたしたいと思います。
 それから、今度のこの改正法案のいわゆる目玉であります、雇用保険法でカバーしようということですね。しかし、いろいろな計数を見せてもらいますと、前二カ月で二十八日以上就労している場合にしか雇用保険法は適用されないわけです。ところが実態は、安定局の資料によりましても、五十二年度で平均就労日数は十一・八日ですよ。平均が十一・八ですから、これよりも上もあれば下もあるかもしれませんが、ぜひ実態としてお聞かせいただきたいことは、この雇用保険法でカバーできるような人間の数が一体どれぐらいあるのか。それから度数分布というとちょっとおかしいのですが、結局どこらに何日ぐらい就労する人間がどれぐらいの数で分布しておるのか、そのあたり簡単に説明をしてほしいと思います。
○細野政府委員 就労日数別の労働者の分布は、私どもの調査いたしましたところによりますと、十四日以上のところに約七割の方が累積しておるという状況でございます。したがいまして、今回の改正によりまして、雇用保険の給付の対象と見込まれる数につきましても、おおむね同程度の方については十四日以上就労するというふうなことが見込まれるという考え方で、この改正案をつくっているわけでございます。
○米沢委員 そういう実態によりますと、どれぐらい雇用調整手当の赤字分が減っていくのか、裏返して言えば経営者が出す納付金みたいなものがどれぐらい軽減をされるのか、そのあたりの実数を教えていただきたいと思います。同時に、現在、五十二年度は赤字見込みが六億二千万ぐらいあるという試算だそうでありますが、この赤字は一体どういうかっこうで処理されていくのか、そこも含めて御説明いただきたいと思います。
○細野政府委員 五十三年度におきます累積赤字は大体五億ぐらいというふうに私ども見込んでいるわけでございます。それで、先生御指摘の解消計画がどうなるのかということでございますが、結局この法案が成立いたしますと、従来の雇用調整手当と必要給付との差額だけ納付金を賄えば足りるということになりますので、したがいまして、かなり納付金自体を減額しましてもそこに余裕が出てくるわけでございまして、そういう意味で、そこでぎりぎりの減額をしないで、赤字解消分についての事業主側の負担をしばらくの間続けていただく。つまり、ある程度負担を軽減はいたしますけれども、当面短期的に、収支が改善するという範囲ではなくて、この赤字解消を賄っていただける程度の納付金の減額にとどめるということについて、事業主側からの了解も得られておるわけでございます。したがってそういう形で一納付金を幾らにするかという問題は実は審議会にかけまして決めなければなりませんので、この段階で、幾らになるからしたがってどのくらいで片づくということを明確な形でお答えすることができないわけでございますけれども、一応私どもの腹づもりとしましては、五年間程度でもって累積の赤字を解消できるというようなかっこうで、全体の仕組みを提案をして、審議会の御了解を得るようにしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○米沢委員 この改正法案がうまく進めるのは、少なくとも一カ月十四日以上就労が確保される体制みたいなものがどれだけ進むかにかかっているのですけれども、その点労働省としてどんな指導をなされようとされておるのか、簡単に御説明いただきたい。
○細野政府委員 先ほど申しましたように、基本的に、この港湾労働法なり登録制度なりというものに対する経営側の疑問点は、その制度を維持するために余りにも金がかかり過ぎるというところにあったわけでございますが、その点につきましては、今回の改正によりましてある程度事業主側の負担も軽減はされるわけでございます。その中で、いま御指摘のありましたような十四日就労問題に対する、経営側もそういう点についての保障をしていこうじゃないかという考え方が事業主の間でまとまりまして、すでに労働組合に対しましても、事業主側の方から十四日を保障したいということについての言明をしておるわけでございます。そういうことで、一応余裕がある中でやるということになりますから、その実現の可能性があると私ども思っております。
 一方、同時に、もし十四日という点についての就労保障が現実に行われないということになりますと、逆に今度は、雇用調整手当の支給額がだんだんまた現状よりふえてまいりまして、結局のところ事業主側としては納付金がまた高くなる、こういうところに舞い戻るわけでございますので、そういう意味で逆に、事業主側としてもこの十四日の就労保障というものをやらざるを得ない、あるいはやった方がプラスであるという側面もあるわけでございまして、そういう意味で、事業主側が十四日就労保障という言明を実施するについて、いろいろな側面でのある意味の保証がある制度ではなかろうか、こう思っておるわけでございまして、そういう点については事業主側も、現在までに十分理解をしておられた上で対応してきておられていると思っておりますけれども、なお一層その点についての趣旨の徹底、指導に努めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○米沢委員 あとは、常用港湾労働者がすでに過剰傾向になっているわけですから、いろいろとそちらの方にも陳情等が行っておると思いますが、常用港湾労働者あたりを登録制度にするようなかっこうで、雇用調整を中心とする労働力のプール制度みたいなものができないものかどうか、それが第一点。
 それから、港湾産業というのは歴史的に見ましても大変後進性の強い産業だと言われておるわけでありまして、しかしながら重要な基幹産業であることは否定はできません。したがって、今後港湾機能を円滑に運用していく上にとって、やはり港湾労働者の雇用の安定はいつまでたっても至上命題だ、そう思うわけであります。したがって、産業別の雇用法でありますこの港労法の根本的な見直しをもう一回やり直して、でき得れば現状の港湾の実情に即した方向で改正をしていただきたいということをお願いしたいわけでありますが、御見解を伺います。
○細野政府委員 確かに御指摘のように、現在の港湾労働法の適用対象である登録日雇労働者だけについてもいろいろの問題が出てきておるわけでございますが、それだけにとどまらず、常用港湾労働者にもいろいろな問題が起こりつつあるということも御指摘のとおりでございます。したがいまして、今回の港湾調整審議会の御建議の中でも、単にいまの適用対象だけではなくて、もっと常用の方も含めての広い立場から、総合的かつ基本的な問題の見直しが必要だという御指摘があるわけでございます。そこで、その問題を議論していただくための最大の障害の一つである納付金制度問題についての赤字問題をまず片づけまして、その上で、同じ土俵の上でひとつ労使それに私どもあるいは運輸省さんにも入っていただき、それから学識経験者の方も交えまして、この全般的な問題に現在取り組みつつありますし、今後できるだけ早くその結論を出すように努力をしてまいりたい、こう思っているわけであります。
○米沢委員 たとえば、この法律の設定の際には附帯決議もついておりますし、提案理由説明の中にも、適用港を拡大をしていくというようなことが具体的に入っているわけですね。ところが、その後ほとんど手が加えられていない。どういう理由で手が加えられてないのか、実際どのような検討をなさったのか、特に隣接港であります京葉港、尼崎港、博多港、それから特定不況地域港湾であります室蘭港、三池港、このあたりは早急に適用港として指定すべきだと思うのですけれども、その見解をお聞かせいただきたいと思います。
○細野政府委員 この港湾労働法の適用拡大の問題は、大きく分けますと二つの側面がございまして、一つは、これを全国的に広めるべきではないかという問題、もう一つは、つい隣にある港湾で、片方が適用になって片方が適用になってないということから生ずるいろいろな問題点から、せめて隣接港だけでも適用すべきではないかという問題と、二つあるわけでございます。
 いずれにも共通の問題は、けさほど来からの御審議の中でも明らかになりましたように、各港湾の実情がそれぞれ非常に違いますし、全般的に減る傾向というふうなことは言えましても、それにしても港の実情によってはかなり様相が違っているわけでございまして、そういう中でもまた共通的にいろいろな問題が生じてきている、こういうことでございます。
 そこで、港湾労働全般にわたって常用を含めての見直しをすべきだという、先生が先ほど御指摘のようなところにいま来ているわけでございますので、そういう全般的な改善策についての方向が明らかでないままに、たとえば軒並み全部、港湾労働法を全港湾に適用するというようなことについてもなかなか問題があるわけでございます。
 それから先ほどのせめて隣の港でもという問題、これにつきましては、隣接港等の中には主として専用埠頭の占める割合がきわめて高いというような問題もございますし、それから港湾労働者の給源なり募集方法にも適用港湾とかなり違うというような事情もございまして、そういう点について審議会の中でもいろいろ御審議いただいて、すぐ適用するということについてはなかなか問題があるではないかというような御指摘もあるわけでございます。
 したがいまして、そういう点をひっくるめまして、基本的な問題についての御検討を煩わす中で、その方向が明確になった時点において、その場合に適用をどこどこにするのか、広げるのか、あるいは広げる場合でも同じ内容でいいのか、そういう点を含めての検討をすべきものではないかというふうに考えているわけでございます。
○米沢委員 しかし、隣接港等は実際に荷役についてはどんどんふえていますよ。六大港以上にふえつつあるのではないかと思います。ということは、六大港はいろいろと規制みたいなものが厳しいから結局隣接港に持っていく、日曜日でも祭日でもやれるとか、あるいは運賃ダンピングなどはもう公然とやっているわけです。そういう意味では、皆さんのこの法律の趣旨とするものとはうらはらの、抜け穴的な状況にこの隣接港はなっておると私たちは思うわけですよ。そういう意味ではこの六大港と同じように、確かに全国にまではいきませんけれども、せめて隣接港等は六大港並みに扱っていくということが、やはり雇用を確保するあるいは港湾労働者の安定に資する、そういう意味では非常に重要なポイントだ、そう思うわけです。その点いかがでしょうか。
○細野政府委員 隣接港の問題については先ほどもちょっと触れましたけれども、結局、専用埠頭の占める割合が高いとか、それから労働者の給源なり募集方法が非常に適用港湾と違っているというような問題があって、したがって港湾労働法のいまの内容をそのまま適用するには問題があるのじゃないかというようなことが、審議会での御審議をいただいた場合の一つの結論であったわけでございますけれども、これにつきましては、いま先生からもお話しが出ましたように、必ずしもそうとばかりは言えないぞというような、特に最近そういう状況があるぞというような御意見もございまして、もう一遍、そういう問題についても状況をよく確かめた上で、御判断をいただくべきじゃないかというふうに考えているわけでございます。したがいまして、そういう御検討を待って、全般的な検討の中でこの問題を判断させていただきたい、こういうふうに思っているわけであります。
○米沢委員 特に、港湾荷役労働者の雇用不安ははしけ運送というのが一番大きいですよね。それから船内、沿岸労働者のしわ寄せ、これも大変大きなものがあります。それで、はしけ運送については構造不況業種として指定をされてその特別措置を受けておるのでありますが、あとの船内、沿岸業種も、はしけ運送と同様に特定不況業種として指定をして、その救済を講ずるべきだという意見が強いのでありますが、運輸省当局の見解を聞きたいと思います。
○山田説明員 御存じのとおり、はしけにつきましては、輸送革新の進展ですとかあるいは港湾、埠頭の整備等によりまして、構造的に需要が減少しておるというところから、構造不況業種あるいは特定不況業種離職者臨時措置法の対象業種ということで指定していただいておるわけです。
 船内や沿岸についてもどうかという御質問でございますが、はしけのような構造的な減少というものが今後見込まれるということになりますれは対象業種としての指定も考えられるかと思いますけれども、現在のところでははしけのような減少といいますかそれは見られないわけでございまして、現段階では構造不況業種としての指定はむずかしいのではないか、かように考えます。
○米沢委員 はしけ運送みたいなものじゃないとおっしゃいましたけれども、それなら船内、沿岸業種についてどういう実態を把握されておるのですか。
○山田説明員 私ども業種としての実態を見ておるわけでございますが、はしけの場合には、過去の輸送量の推移を見てみまして、コンテナ化が始まりました昭和四十三年からずっと減少の一途をたどっております。それに比べまして、船内荷役、沿岸荷役の荷役量につきましては、石油ショック等の後に減少するというようなこともございましたが、はしけの運送量のような減少の仕方はしておらないわけでございます。
○米沢委員 船内荷役あるいは沿岸荷役についても、この労働生産性みたいなものがかなりのピッチで進んでいますよね。ということは、これは労働者がどんどんどんどん要らなくなりつつあるという業種なんですよね。あるいはまた、機械化がかなり急ピッチで進んでおるということをこれは示しておるんじゃないかと思うのですよね。たとえば昭和四十年に生産性一〇〇だったのが五十二年には約倍の二四三、沿岸についても四十年を一〇〇としますと二六七、そういう意味では、不況業種というとらえ方は、確かにおっしゃったようなシビアな感覚からはむずかしいかもしれませんけれども、実際は労働者の立場から見たらこれは大変な不況業種なんでして、そこらの新たなポイントから検討をし直される必要があると私は思うのです。これは御意見だけ申し上げておきたいと思います。
 それから、もう時間もありませんが、この港湾の物流の革新というのは、港運事業者の発想によるのではなくて、港湾の利用者である船主、特に外航海運、あるいは荷主サイドによって実施されて、そのメリットは外航海運、大手荷主だけが甘受している実情にある、こういうふうに言われておるわけです。
 加えて、次々行われております港湾整備計画の推進によりまして、バースは急速に完備されて、沖荷役から経岸荷役へ、そして複合一貫輸送へと移行をし、わが国港湾の主役でありましたはしけ運送、船内・沿岸荷役を中心とする在来の荷役形態は衰退の一途をたどって、結果として港湾の労使にはかり知れない影響と被害を投じている、これが実態であるとわれわれは理解をするわけです。
 そこで、ILOの第五十七回総会で、港湾における新しい荷役方法の社会的影響に関する条約と勧告を採択いたしておりますが、その趣旨は、新しい荷役方法によって利益を受ける者はその利益の範囲で犠牲になる者を救済すべきである、こういう考え方を明らかにしておるわけです。政府はそれについて賛成の立場をとられた。ところが、批准はまだなされていない。そこで、欧米のこの条約の批准状況は一体どうなっておるのか、政府が賛成の立場に立たれたのはどういう理由で賛成の立場に立たれたのか、一体批准はどうなっていくのか、この点をお聞かせいただきたいと思います。
○細野政府委員 各国の批准の状況は後ほど担当課長から申し上げることにいたしまして、とりあえず、この条約のILO総会における採択に当たりまして政府が賛成をした理由、それからこの批准についての私どもの考え方を申し上げてみたいと思います。
 まず第一番に、この条約の批准に賛成いたしましたのは、現行の私どもの港湾労働法がILOの百三十七号条約の趣旨といいますか規定におおむね合致している、こういう考え方に立って賛成をしたわけでございます。
 なお、その際に、たとえば登録につきまして、条約の中ではすべての職種について登録をしなさい、こういう規定があるわけでございますが、わが国の当時の代表から、日本の現状におきましては、日雇港湾労働者についてはこういう種類の登録をやっている、それから常用労働者の方については届け出を受けて、それについてこういう定数を定めるというような措置をとっている、こういう届け出、それから定数の決定というふうな措置を常用についてとることによって、この条約で言っている「登録」というものは、日雇いはもちろんですけれども、常用についても満たしているものであるというふうに考えるという意見表明をいたしまして、それについて、各国あるいは事務局側から、それはおかしいという異議がなかったというふうなことを踏まえまして、そうであるならばわが国としてはこの条約に賛成であるということで、賛成をいたしたわけでございます。
 それで、批准はどうか、こういう点になるわけでございますが、批准につきましては、いま申し上げましたような登録が、そういう形で条約の条件を満たしているのかどうかという点につきまして、関係者の間において異論があるわけでございます。それからもう一つは、この条約の前文の中で、輸送の革新によって荷役業者あるいは船会社、荷主、そういう人だけが利益を受けるのではなくて、そういう技術革新を導入する際には、それに並行して早急に労働対策を講ずべきであるという考え方に立って、以下の条約の内容を採択するのだ、こういうことを言っているわけであります。その前文で言っている、利益を単に荷役業者それから船会社、荷主等だけにではなくて、港湾労働者にも帰属さすべきだ、そういう考え方に立って、そのいまの三者についてもこの制度運営上の負担をさせるべきじゃないか、そこまでいかないとこの条約の規定に合致しているとは言えないのじゃないかというふうな意味での、これまた当事者間における解釈上の相違点がございまして、そういうふうな条約の解釈をめぐって当事者間に争いといいますか、意見の不一致がございます。そういう意味で、その辺についての思想統一ということが必要なのではないかという問題が一つ。
 それから、いまの問題自体がそうなわけでございますけれども、結局基本的な、常用を含めての港湾労働全般についての対策というものを現在審議の過程でございまして、その辺についての全般的なめどが立って、その上で、確かにこういうことであれば条約の内容に合致しているではないかというふうなコンセンサスを関係者間で成立させた上で、条約の批准をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○米沢委員 当事者間の意見の不一致というのは、これは実際あたりまえですよ。これは少々議論をしても大体平行線になるのじゃないか、そう思います。そういう意味で、政府のあるいは御当局のリーダーシップが必要なわけで、そのあたりはぜひ強力な行政のリーダーシップをとっていただきたい。
 いろいろ議論してまいりましたが、何といいましても、これから先、港湾におけるこういう物流の革新に対応して雇用をどう安定するかというのが最終の目標でありますから、そういう実態について、各種の統計等がありますけれども、まだまだ不備な面がありますので、御案内のとおり公労使、そこらがみんなで首を突っ込んで、本当にたたき台になるような信頼できる資料等をつくられるように、今後御検討いただいて、雇用安定のために全力を挙げていただきたいと思います。
 終わります。
○森下委員長 次に、浦井洋君。
○浦井委員 港湾労働法の一部改正案に関連をいたしまして、港湾労働の問題について質問をしたいと思います。
 けさ方来ずっと聞いておりますと、労働省の方は、ILO条約百三十七号はその精神においてわが国ではほぼその方向で努力をされておるということなのですが、しかし、私どもがいろいろ調べたところによりますと、登録日雇労働者はもとより、常用の港湾労働者の実情というのは、むしろILO条約の精神とどちらかと言えば逆行しておるというひどい状態がはっきりしておるわけであります。
 たとえば神戸港の実情でありますけれども、神戸港では、常用労働者について見ても、昭和五十一年に四千百八十人であったのが、現在は三千人を割っておるという常用労働者の減りようであります。これに比べて、貨物は、五十年を一〇〇にすると五十二年は一二七%、コンテナの量は五十年を一〇〇にすると五十二年は一七〇・九%というふうで、機械化に比例をして、登録日雇いの人ももちろんでありますけれども、常用労働者も職場から消えてなくなっておる、追い出されていっておるというのが実情であるというように私は思うわけです。
 さらに詳しい実態を見ますと、たとえば、これは大臣もよく聞いておっていただきたいのですけれども、まず会社の都合が悪くなると最初にやられるのは出かせぎ労働者。A港運という名前にしておきますけれども、出かせぎ労働者を去年の末に十五人解雇した。それからB運輸は定年を現在五十七歳であったのを五十五歳に引き下げる。定年引き下げですよ。それからC海運では三年前にさかのぼって、成績の悪い人であるとか出かせぎ者であるとかそういう人たちを六名指名解雇する。それからD海運では、これはどこでもやられておるのですけれども、いわゆる肩たたきで実質上は自己退職を強要するというようなかっこうになっておるわけです。そして残った職場では、たとえばE運輸の場合には作業終了をいままでは四時にしていたのを、四時半まで作業をさせるようにするというような労働時間の延長がやられておるわけであります。だから、大臣も労働大臣として、−労働時間の短縮、週休二日制の実施あるいは解雇規制、そういういろいろなことが必要なことは十分御承知だと思うのですけれども、それと全く逆のことが港湾では行われておる。それが大企業のような形での減量経営というかっこうで出れば、マスコミにも取り上げられるし世間の人の目にも触れるわけでありますが、港湾の場合には企業が分散をしておる、目立たない。ところが、こうやって数字をまとめて全体を偏瞰してみると、いまはやりの大企業の減量経営にもまさるとも劣らぬような、すさまじい減量経営がやられておる。先ほども質問がありましたように、港運業者は特定不況業種にもならないわけでありますから、その中で働いておる労働者というのは現在も非常に苦しめられておるし、これからも将来行き先不安であるという形になっておるわけであります。特に神戸港の場合には、従来戦前戦後を通じて、繊維であるとか雑貨、こういうような物の積み出しが主でありますから、九八%が常用化されておる、それからコンテナ化も五大港の中でも断然トップである、全国のコンテナ量の約半数を神戸港が持っておるというようなかっこうであります。だから、そういう点で私が要望をしたいのは、朝からずっと言われておりますように、もちろん登録日雇労働者もそうでありますけれども、常用労働者についても雇用保障であるとか生活保障、こういうような点についてはっきりとさして、政府が責任を持った方向を出さなければならぬのではないか。それにはまず、いままで言われておりますように、ILO条約の百三十七号の批准を早くやらなければならぬ、こういう実情を見てもわかり切った話ではなかろうかというように私は思うわけでありますが、労働省の御意見を簡単に聞いておきたいと思います。
○細野政府委員 先生からいろいろ御指摘ございましたように、最近におきます港湾の技術革新の問題と、それに不況の長期化という問題が絡まりまして、いろいろな問題が、日雇港湾労働者のみならず、常用港湾労働者について起きているという点は御指摘のとおりでございます。したがいまして、当面、いま御審議をいただいておる法律によって納付金制度の財源問題を片づけて、その基本問題が同じ土俵でもって議論ができるようにすることによって、審議を促進してまいりたい、こういうことで御審議をお願いしておるわけでございます。
 そこで、条約の問題につきましても、基本的にいろいろな制度をいま抜本的に検討している中で、わが国の実情に即し、かつ労働者の保護という面から見ても、両面から見て非常に円滑にいくのはやはりこの考え方によるべきだ、こういう議論をまずすべきではなかろうか。したがって、条約を批准して、条約に書いてある点について、ここはどうも不十分だから埋めていこうという発想で行くべきではなくて、むしろわが国の実情に即したものとして何が妥当かというふうな考え方で、この問題を基本的に検討すべきではなかろうか、その結果として条約の批准という問題も検討しようではなかろうか、こういうふうに考えている次第でございます。
○浦井委員 国会の中でそういう議論をのんべんだらりとやっておっても、いまこうやって議論をしておる瞬間にも人減らしが行われておる。だから、政府の方が何かやろうかなということで立ち上がったときには、港湾という職場には働く人がおらぬようになったというようなことになるわけなんで、もっと的確な施策を早く出さなければならぬというふうに私は思うわけです。
 それに関連をいたしまして、たとえば、これもけさ指摘されておりましたやみ雇用の一つでありますけれども、人付きリースの問題ですね。これについて、たとえば全港湾の弁天浜分会の機関紙である「べんてん」という機関紙、これのナンバー二千四百七十三、ここにはっきりと「クレーン車付運転手のリース就労は違法」だということで、その実態が摘発をされておるわけです。簡単に言いますと、ことしの四月三日、つい先ごろです、港運業者である甲南海運で、リース会社の中安レッカーの下請の神明クレーンというところで、移動式クレーン車を使ってはしけ積み作業が行われておる。明らかに、機械のリースだけではなしに作業員ぐるみのリースが行われておるということがはっきりしたわけです。早速これを、労働組合の皆さんが海運局であるとかあるいは職安に訴えたところ、これは個人的見解だけれどもということで、神戸海運局の港運課長は、やはり港湾運送事業法の違反である、それから神戸港職安の港湾労働課長も、港湾労働法違反であるというような見解が示されておるわけなんです。これについて、いまお知らせしたばかりですから、そちらの方で実情を十分に把握しておられないかもわからぬですけれども、ひとつ御意見を聞かしていただきたいと思います。
○細野政府委員 お尋ねの、それが港湾労働法の違反ではないかという点でございますが、確かに人を付けてリースをいたしますと、港湾労働法から見て疑問点が生じます。したがいまして、私どもは、現在そういうリースがかなり普及しつつあるということでございますので、実態調査を始めているところでございまして、その調査結果を待って判断をさせていただきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○浦井委員 下請の問題が絡んできますから、職安法なんかも関連してくるだろうと思うのです。
 それから、運輸省は来ておられますか。――運輸省の方はいまの点についてどうですか、港運事業法に関係して。
○山田説明員 ただいま先生御指摘のような事例につきまして、私どもまだ把握いたしておりませんけれども、港湾運送事業法上は、事業計画の変更ということになりますけれども、一時的な変更につきましてはその都度認可ということになっておりませんので、その意味では、直接の違反にはならないかと思います。
○浦井委員 やはり運輸省はそういうことを言われるのですが、要するに、労働省の方もそれから運輸省の方も、一遍実情をきちんとこのケースについても把握していただいて、やはり労働者の生活と仕事を守るという観点で是正を指示していただいて、そして報告をいただけますか。どうですか。
○細野政府委員 実態につきましては、御指摘のケースだけじゃなくて、かなり普及しているという情報もございますので、広く実態を調査いたしまして、その中で総合的に判断をいたした上で、私どもの結論を先生にお知らせするようにしたい、こういうふうに思っております。
○山田説明員 私どもといたしましても、実情を把握いたしまして、労働省さんとも御相談して御報告したいと思います。
○浦井委員 早くその実態を把握して、早く是正をしなければならぬですからね。そして報告をしていただきたいと思います。
 それから、これもけさ方来議論をされておりますけれども、現在、日港協と全国港湾との間でいろいろ話がされておる例の生活保障基金制度の問題でありますが、これもやはり、いつまでも平行線をたどるような議論を傍観しておるだけではなしに、国はこの制度の確立のためにもつと積極的に乗り出すべきだというふうに思うわけです。そもそも港湾整備計画に基づいて国が港湾をつくって、それを企業が使用して、そこで企業は利潤を上げておるというのがわが国の形態でありますから、あえて言うならば、港運業者ももちろん責任を持たなければならぬけれども、港運業者も含めて、荷主あるいは船会社、さらには自治体やら国、こういうものが集まって、港湾労働者の生活安定と雇用の安定のためにもつと意識的な努力をいまこそすべきだというふうに私は思うわけです。これは要望でありますが、ひとつ局長から御意見を承っておきたい。
○細野政府委員 御指摘の基金の問題でございますが、すでに日港協の方からも、全港湾に対しまして、今月の五日に基金制度を確立して五十五年の一月一日をめどとして実施する、基金制度の財源については日本港運協会が責任を持って確保する、こういうふうな回答を行っているわけでございまして、その細部について現在労使で話し合い中というふうに伺っておるわけでございます。このように現在お話が進行中でございますから、当面、私どもとしては、この労使の話し合いを注目しているという状況でございます。
○浦井委員 その答えでは私は不満なのですが、たくさん問題がありますので……。
 基準局、来ておられますか。――基準局の方にお尋ねをしておきたいのですが、はしけの個人船主船長の取り扱い、この労災加入の問題についてですが、これは神戸と横浜で、この問題でそれぞれ、現地の基準局長から関係業者に通知が出されておるわけですね。ところが、こういう通達は出たけれども実際になかなか実施されておらぬわけです。むずかしい事情があるのは私もわかるのですが、問題は、これは原さん読まれたと思うのですが、この(4)の「船長の労働の対償としての賃金が用船料と明確に区別されて支払われるものであること。」ここに一番の問題があると私は思うわけで、やはり港運業の三種業者の方はこの辺の処理がなかなかつけがたいということで、問題が進まないわけなんです。そういうふうにしておる間にも、私が、これは神戸の場合には兵庫の労働基準局長から去年の十一月二日に出ておるわけです。十一月二日以後でも、私の知っている範囲でも、肋骨骨折であるとかあるいは指の腱の断裂であるとかいうようなことで、明らかに業務上のものが私傷病扱いになっておるわけなんです。だからそういう点で、この通達がまだ効果を発揮しておらないわけですから、はしけの船長を含む労働者の健康保持のためにも、あるいは病気の治療のためにも、基準局当局のより一層の指導をお願いしたいと思うのです。
○原説明員 先生御指摘のはしけの船長の労災保険の適用に関しましては、御指摘の通達で現地で処理をしておるわけですが、これは従来、個人船主は、契約形式からしますと、独立自営ということで保険関係に入らない形になっておったのですが、実態からして拘束性が強いものにつきましては労働者である、こういう判断をして通達をつくり、関係事業主にも指示をしておるわけでございます。
 その実態がどういう形になるか、あるいは契約形式をどういうふうにするかというのは、当事者間の契約関係で決まっておりまして、私ども行政機関として、さらに中へ入っていってこういう形にしなさいというところまでは、原則として介入しないことにしております。したがいまして、通達の線に乗った形で労働者扱いになっている人は、あるいはまだそんなに出てないのかもわかりません。
 しかし、御指摘もございましたので、さらに通達の趣旨を徹底するのとともに、個別に、御指摘の趣旨に沿って指導を進めてみたいと思います。
○浦井委員 次の問題でありますが、港湾で働く事務労働者の問題、これはコンピューターの導入によって港湾情報管理センターが設置される。実際の筋肉労働の人たちと同じような人減らし、合理化がまさに行われかけようとしておるわけです。名古屋港では昨年の九月に電算機設置工事が完了して、全国に先駆けて船舶動態情報システムが始動されておるし、横浜港でも五十四年度の市の予算にこれが計上されておる。将来重要港湾では船舶、貨物を含めた動勢情報システムという総合的なシステム化を行おうとするものである、しかも、その端末機が入管、税関、港湾局、海上保安庁などの官公庁あるいは船会社、港運業者、銀行、商社などに配置されて、すべてがコンピューター処理で行われるということなんです。そういうふうになれば、こういう業務に携わっておった多くの事務系の労働者の人減らしが予想されるわけであるし、一体こういうような問題について労働省としてはどのように実情を把握してどう対応するつもりなのか、聞いておきたいと思います。
○細野政府委員 御指摘の船舶の動勢情報システムでございますが、これは入港した船舶の動勢に関する情報を港湾運送事業に迅速に伝達するためのオンラインシステムというふうに聞いておりまして、先生御指摘のように名古屋港ですでに実施をやっております。他の港湾においても近々実施せられるということでございますが、ただ、現在までのところ、このシステムは単に船舶の動勢に関する情報の伝達を迅速化するという機能を果たしているわけでございまして、これによって港湾運送事業における出庫なり、入庫なり、貨物の管理に携わっている事務系の労働者が大量に不要になるというような、そういうものではないわけでございまして、直ちに事務系労働者に大きな影響を出し、人員削減につながるというようなことはないんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
 しかし、こういうふうな新しいシステムの導入が今後だんだん拡充されまして、その結果として事務系労働者に雇用不安が起こるというようなことが将来起きるのは問題でございますので、そういうことのないよう、私どもも情勢の把握に十分気をつけまして対応してまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○浦井委員 それはひとつ、かなり意識的に努力をしていただきたいと思うわけです。
 それから次は運輸省でありますが、これをちょっと委員長、大臣と運輸省にお渡ししたいのですが。
○森下委員長 はい、どうぞ。
○浦井委員 これは料金のダンピング問題です。ダンピング問題というのは、単に料金だけの問題でなしに、結局は港運業者の死活の問題でもあり、しかも、そこで雇用されておる労働者にとっては文字どおり非常に大きな影響を及ぼす問題で、どの港湾とも、いま料金のダンピング問題が労働組合なんかで非常に大きな関心の的、運動の方向として取り上げられてきておるわけです。
 これは一例なんですが、実際の契約のなには、文書を持っておるのですが、これは出しません。で、そこに書かれておるように、Aという港運業者とBという倉庫会社がはしけ運送について契約を取り交わした。これはもうごらんになったらおわかりいただけるだろうと思うのですが、
 A業者の蔵入れが基本料金が八百二十六円である。これは認可料金、それに特殊貨物割り増しが十割以内というかっこうになっておるんだけれども、実情としては十割ではなしに、一割七分の分がついて合計九百七十円になっておるにすぎないということです。
 それから、その次のB倉庫の方は、これは地区運送割り増しのところに問題があります。それより上のところはいまのAと同じです。これは二百七十円が認可料金であるのに、百五十円で契約をして百二十円分だけダンピングしておる。これはもちろんトン当たりであります。
 それからその次、指定区間運送のところでは、結局四百四十六円の割り増しの認可料金が、四十二円ダンピングして四百四円になっておる。
 それから、その下の滞船料金については、七十七円の認可料金のところが五十九円ということで契約をされておる、こういう実態であります。
 結果として、たとえばその下に書いておりますけれども、この契約でいきますと、七日間滞船をしてたとえばBという倉庫に入れるとすると、全体として一一・四%のダンピングになる。
 これは契約書の要旨を数字であらわしたものであります。
 そこで、私、もう時間がないので要望だけしておきたい、後でまとめて答えをいただきたいのですけれども、まず四つ問題を指摘しましたけれども、一番初めの問題では、十割以内というようなかっこうの認可料金の決め方は非常に弾力的過ぎるのではないか、やはり確定料金方式に統一すべきではないかということであります。この例は全体として見たらまだダンピングがひどくない状況で、実際にはもっとひどいダンピングが横行をしておるわけで、これに対して運輸省はどういうような指導をしてきたのかということであります。運輸省から資料もいただいて、料金監査をやっておるという話だろうと思うのですけれども、しかしその表を見ただけでも、むしろ指導をした後の五十三年度の方が特にはしけや沿岸ではダンピングがひどくなってきておる。一体何を指導してきておるのかという問題であります。
 それから、現在の経済状況の中から言えば、これはもう荷主であるとかあるいは船会社の方が強い立場であるわけですから、やはり荷主に対して何らかの規制をしなければ、これは実効が港運業者だけの規制ではだめではないか、そういうふうに私は思うわけです。これは港運業法との関連の問題があるでしょうけれども、だからせめて、たとえば商社でもって組織されておる日本貿易会なんかに、運輸省が、こういう実情なんだから規制をするようにというような、申し入れとか勧告なんかをすべきではないかというふうに思う。要するに荷主の側にもっと強制力を働かせるようにすべきだというふうに思うわけです。その辺はどうですか。
○山田説明員 まず、御質問の十割増し以内という料金の立て方の問題でございますが、御存じのとおりはしけ運送料金につきましては基本料金、割り増し料金、諸料金、こういう形になっておりますが、割り増し料金、諸料金等では何割以内というようなことになっているものがございます。特に御指摘の特殊貨物につきましては、荷役の状態がたとえば条件がどういう条件であるかとか、あるいは貨物がどういう状態かというような、周辺の事情によりまして実際の荷役能率が変わってまいりますので、そのような実情を料金に適切に反映できるようにという配慮から、このような決め方をいたしておるわけでございます。
 それから二番目のダンピングのお話でございますが、港運料金の収受状況につきましては、毎年各地方海運局が中心になりまして料金の監査をいたしております。昨年の四月から五月にかけて行いました料金監査によりましては、御指摘のとおり、一部について料金の適正収受が行われていないというような事例がございます。このような状況にかんがみまして、運輸省では、港湾運送事業者の全国団体でございます社団法人の日本港運協会に対しまして、港湾運送料金の定額収受の確保についてという趣旨の通達をいたしております。そしてこれを受けまして日本港運協会におきましては、現在中央と地方にそれぞれ料金の実施委員会というものを設置して、認可料金の完全収受のための努力をいたしておるという状況でございます。また、個別の事業者に対しましては毎年料金監査を行っておりますけれども、その際のチェックによりまして、違反事実があればこれを是正させるよう強力に指導しております。この点につきましては、今後とも強力に指導をいたしていく所存でございます。
 それから三番目の荷主でございますが、先生おっしゃいましたように、港湾運送事業法といいますのは港湾運送に関する秩序を確立するということが目的でございまして、港湾運送事業者を直接把握いたしまして種々の規制をしておるものでございます。したがって料金につきましても、事業者が申請を運輸大臣にしてまいりまして、それで認可をするという形になっておりまして、認可されました料金を遵守するということ、これは事業者自身の責務でございます。それからまた、適正に料金を収受するということが事業者の経営安定にもつながるものでございまして、港湾運送事業の目的達成のために当然事業者自身の果たすべき責務でございます。そこで、したがいまして料金収受の適正化につきましては、このような法律のたてまえから言いましても、あくまでも事業者に対して指示、指導ができるという形になっておるものでございます。したがいまして運輸省といたしましては、適正収受のために、このような指示、指導を受けました事業者に対して、強力に働きかけるということで事態が改善されることを私どもとしては期待しておるわけでございます。
○浦井委員 もう終わりますが、やはり港湾運送事業法の一条にも「港湾運送に関する秩序を確立し、」というような文言がありますね。だから、秩序を確立するために、弱い立場の片一方だけを指導するだけでは秩序も確立しないわけで、その辺の相手の強い立場の荷主であるとか船会社、そういうようなところを、何か工夫をしていまのダンピング問題の頻発を防ぐということを要望しておきたいと思うのです。
 最後に、このダンピング問題を扱う地方海運局の窓口というのは、運航部の港湾運送業課ですか。
○山田説明員 地方海運局の運航部港運課あるいは港運倉庫課でございます。
○浦井委員 それを確認したらよろしいです。
 終わります。
○森下委員長 次に、工藤晃君。
○工藤(晃)委員(新自) 本日は、港湾労働法の一部を改正する法律案の質疑に関連いたしまして、港湾輸送機能の近代化と、それからその将来並びに港湾労働者の今後の雇用関係の展望について質疑をさせていただきたい、こう思います。
 まず最初に、港湾労働法の一部を今度改正される法律案の提案が出てまいりましたけれども、その背景になるようなものを簡単で結構ですから御説明いただきたいと思います。
○細野政府委員 港湾におきます輸送方法が技術革新を伴いまして、それと不況の影響とが重なりまして、最近港湾の日雇労働者に対する依存度が非常に減りまして、したがって就労日数が減り定数等も減ってくる、こういう状況にあるわけでございます。したがいましてそのことからいろいろな問題が起きているわけでございますが、特に一番重要な問題として当面緊急に解決しなければならない問題が出てまいりましたのは、結局不就労が生じた場合に雇用調整手当を支給するということが港湾労働法の一つの中核的な制度でございますが、その結果としまして雇用調整手当に関する財政の赤字が累積してまいりまして、一方において事業主側の負担は年々増大をしまして、事業主側から見ますと、依存度が非常に減っているのにかかわらず財源が非常に過大であって、こうまで均衡を失した負担をするものであるとすれば、いまや港湾労働法というようなものは要らないじゃないかというふうな極端な御意見、あるいは登録制度自体に欠陥があるのではないかというようないろいろな御意見が出てきたわけでございます。したがいまして、港湾労働法自体の根幹を揺るがすような問題になってきているわけでございます。
 一方、先ほど申しましたように、日雇港湾労働者だけではなくて、常用労働者についてまでいろいろな問題が起きてきております。そういう全般的な基本問題を検討しなければいかぬのじゃないかということも、各方面からの御指摘もあり、また審議会からの御指摘もあるわけでございまして、現在審議会で基本的な問題について審議を継続していただいているわけでございますが、その基本問題を解決するためにも、いまの調整手当の財源問題というものを片づけなければ、どうしても、基本問題自体についても、基本的な労使の意見の対立というものがすぐに表面に出てくるというふうな状況でございます。
 そこで、審議会の御意見そのものも、今後基本的な問題については引き続き検討するということにして、とりあえず、とにかくこの雇用調整手当の財源問題について解決すべきじゃないか、その解決の方法としては、求職活動期間中の生活を見るという機能については、これは従来港湾労働法ができる前がそうであったように、日雇労働者の雇用保険の制度を活用し、それから港湾労働特有の労働力の確保その他の問題については従来どおり雇用調整手当でいくというシステムにすべきじゃないか、こういう御意見をちょうだいしまして、そこで、とりあえずの緊急課題としてのこの雇用調整手当の財源問題の解決について、法案を作成しまして御審議をいただいている、こういう事情でございます。
○工藤(晃)委員(新自) 一言で言いますと、提案理由説明の中にもありますけれども「近年、コンテナ輸送の増大等港湾における輸送革新が著しく進展し、港湾運送業務における日雇労働者への依存度が逐年低下しています。このため、登録日雇港湾労働者の就労機会が減少し、登録日雇港湾労働者に支給する雇用調整手当の収支状況もきわめて悪化しております。」こういうことでございます。結局、よって来るべき原因というのは、ここにも書いてあるように、やはり輸送革新という一言で指摘されるのじゃないかと思うのです。
 そうすると、これはどういう状況の中でこういう問題になってきているのかということを、きょうは運輸省の方に来ていただいたので、港湾の近代化というか輸送革新の状況等を一応、簡単で結構ですから、どういうふうな推移でこういうふうになってきたか、あるいは今後どういうふうな形で推移していくのかという、世界的な傾向を含めて、背景として一応御説明を伺いたいと思います。
○山田説明員 近代化の状況はどうかという御質問でございますが、御存じのとおり輸送革新、コンテナを例にとって考えますと、昭和四十二年に、わが国をめぐります定期航路に初めてコンテナ船が就航したということでございまして、コンテナバースの整備の推移を六大港についてちょっと申し上げますと、昭和四十三年に七バースであったものが、昭和四十七年に二十六バース、急激に伸びております。それからさらに四十九年までに三十一バースということになっておりまして、その後五十年に三十六バースになりましたものが、現在までのところは横ばいで来ております。
 それから、今後のコンテナ船の見通しでございますけれども、一応現在までのところで、世界の定期航路の中でのコンテナ化というのはかなり進んでおる、今後コンテナ化するといたしましても、それほど従来までのような伸びではなかろうかと思いますが、伸びることは伸びるであろう、かように考えます。
 それから、港湾運送事業者の荷役機械の整備でございますが、六大港で一事業者当たりの大型荷役機械の台数をちょっと見てみますと、昭和四十三年と五十三年と比べまして約二倍になっております。それから上屋の面積を見てみましても、四十三年−五十三年の十年間で一・六倍、かようになっております。
○工藤(晃)委員(新自) 大体の御説明を承りました。今後は急激なそういう近代化はないにしても、まだ将来ともに伸びていく可能性はある、こういう御指摘でございます。
 一方、私がちょうだいいたしました資料を拝見しましても、港湾労働者の推移の資料の一つでございますけれども、日雇港湾労働者の数は、昭和四十二年に一万三千五百二十四人、それ以降漸次減ってきている。それで五十三年には千九百九十一人に減っている。常用港湾労働者の数が、昭和四十二年に五万八千九百九十二人、それからだんだんふえまして、四十五年に六万四千五百十人、それからまた少しずつ減ってまいりまして、五十三年には四万四千九百三人、こういう推移のようでございます。
 こういうふうな数を一方で見ながら、片一方で、別の資料によりますと、これは統計が四十八年から五十二年までしかございませんが「六大港における港湾荷役量、常用労働者、料金の推移」こういうようなものを拝見いたしますと、荷役の量がだんだんにふえて、四十八年には二億七千五百五十九万四千トン、それが五十二年には三億二百九十二万九千トン、こういうふうな数字にふえて、減っていない。それから常用の労働者の数も、四十八年には五万九千九百五十人が五十二年には五万二千四百七十一人と数は減ってきている。要するに、量はふえていながら、逆に常用の数も減ってきている。料金の方を見ますと、四十八年を一〇〇といたしました場合に五十二年には一五九、こういう数字になっております。これは日雇いの場合ほどは極端に減っていないんですけれども、荷役の量に比べればやはり常用の数も減ってきている。これは逆に裏返して物を言えば、結局港の近代化というか輸送機能の増強、機械化、そういうものの進歩に逆比例しているんじゃないかということを裏づけていると思います。
 いま聞きますと、日雇いの数はそういう形でどんどん減っていく。それからいま問題になっているような雇用調整手当の財源も非常に厳しくなってしまって、改正をしなければならぬというこういうところへ差し迫ってきているわけですね。片一方では、今後ともにそういう近代化はより進んでいくだろうという。そうしますと、どうしてもこういうふうな形のしわ寄せというかハンディは人の方に移ってくる可能性は今後ともに強いんじゃないか、こういうふうに考えられるわけです。極端に荷役量がふえるとか、あるいはまた、コンテナ化あるいは近代化が逆戻りしていくという可能性があるならばこれは話は別ですけれども、そういう傾向がまず将来ともに考えられないし、世界的傾向であるとすれば、やはりこういうふうなきょうの課題のような応急手当てももちろんこれは必要でございます。しかしながら、恒久的な対策というものは当然やはり同時に考えていく必要があるのではないか。
 もちろん問題は、私がきょう指摘申し上げたいところは、こういう問題を含めて雇用の対策、あるいは港湾労働者の将来の展望を踏まえてどういうふうに雇用対策をとっていくのか、あるいはまた、そう言いながらもどんどん人は減っていっているという現状を踏まえて、そういうことに対して将来ともにこれが進んでいくんじゃないかというふうにも考えられますので、そういう職業転換に対する対応も当然一緒に考えておかなければ、そのときになって何かしなければならぬということでは常につくろいにしかすぎませんから、やはりそういう労働者の立場というものを十分考えながら、そういうことに対する両方の手段、方法というものをあわせて検討しておく必要がいまからあるんじゃないか、こういうところを私は指摘申し上げたいときょうは考えたわけでございます。
 最終的には、当然、世界の傾向としての港湾の輸送革新というのは今後ともに進んでいくであろうし、また、そういうことに対して日本が努力を怠っていくとすれば当然国際競争力の低下というものにつながっていくだろう、だからどうしても国際競争力の強化というものはこれは一方においては図られていかなければならぬし、一方においてはそういう雇用の対策を含めて港湾労働者の福祉というものも当然あわせて対応していくということを考えなければならない、そういうところを、きょうは実は労働省あるいは運輸省の方々に、どうこれから対応されるのか、そういうことについての展望がもしあるならば展望をお知らせ願いたいし、現状はどういうふうに考えておられるかということについてもあわせてひとつお聞かせを願いたい、こう思うわけでございます。
○細野政府委員 先生の御指摘ございましたように、輸送方法の近代化に伴いましていろいろな問題が起きておるわけであります。それは単に日雇港湾労働者だけではなくて、常用労働者についてもいろんな問題が起きている。そこで、現在の港湾労働法そのものが対象としておりますところの日雇いの登録労働者の問題についてもいろいろ見直さなければならない問題があるだろうし、それからそれだけにとどまらず常用労働者についても検討対象にすべきじゃないかというふうなことで、先生御案内のように、現在港湾調整審議会におきましてこういう港湾労働問題全体の総合的かつ基本的な見直しをやっておるわけでございます。そういう中で、いま御指摘のいろんな問題についても、たとえば今後の港湾運送事業自体の展望をどう見るか、それに対応して雇用という問題もどういうふうに考えたらいいだろうか、場合によっては特定の不況業種まがいのような対策が要るのか要らないのかというようなことまで含めて御検討いただいた上で、全般的な対策を考えるべきじゃなかろうかと思っているわけでございます。
 現在その審議が進行中なわけでございますが、特に、それまでの間におきましても、そういう急激な近代化に伴いまして常用港湾労働者等に大きな不安をもたらすというふうな問題があると、これは一つの社会問題にもなりますので、そういう点につきましては、関係の省庁ともよく連携をとりながら、そういう急激な変化によるそれこそ対応の非常に困難な雇用問題が生ずるというようなことが、極力避けられるような対応もしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○工藤(晃)委員(新自) 先ほどから申し上げましたように、日雇いの場合には非常に極端な減少の傾向をたどっておる。それが日雇いにとどまらずに常雇用の方まで波及してきているという現状があります。
 お聞きいたしたいのですが、現在の常雇用の就労等の状況についてお知らせを願いたい、こう思います。
○齋藤説明員 最近の常用港湾労働者の遊休率と申しますか、非常に実就労率が落ちておるということは、関係方面から再三指摘されているところでございまして、全港湾を調査したわけではございませんけれども、若干の港の例について御報告を申し上げますと、たとえば横浜港の場合をとりますと、常用労働者の就労延べ日数を前年同月と比較してみますと、五十三年七月で九四・六%、八月が九四・二%、九月が九二・四%というぐあいに大分落ち込みを見せております。また、神戸港の場合をとってみますと、五十三年七月が八八%、八月で八九・五%、九月が八六・六%というように、横浜港よりさらにひどい落ち込みを見せておるというような状況が見られます。特に神戸港の場合は船内の場合が非常に悪いというようなことでございます。
○工藤(晃)委員(新自) 重ねてお伺いいたしますが、そういう傾向というのは今後どういうふうな推移をたどるというふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○齋藤説明員 ただいま御報告申し上げましたような傾向は、先ほどからも再三御議論が出ておるとおり、最近のコンテナ化の進展あるいはいわゆる革新船と呼ばれるような輸送革新の進展というところによるものが多いだろうというふうに思っておりますので、こういうような傾向が今後もなお続くのではないか、急激によくなるというようなことは少なくとも考えられないというふうに理解しております。
○工藤(晃)委員(新自) 今後とも進展はあり得てももとへ戻ってくるという傾向は余り期待できない、こういうお話のように伺います。そうすると、どうしても世界的な傾向として、やはり港の近代化、機械化というものは促進していかなければならないというそういう宿命を一方で帯びている。片一方においては、それと逆比例的に雇用の問題はどんどん深刻化していくという傾向を今後とも続けるであろう。そうすると、今後やはり、どう考えても、雇用対策について救済的な処置だけを応急的に考えていくというそういうやり方だけでは、私は解決につながっていかないのじゃないかという危険を感じるわけです。
 別の資料でございますけれども、たとえば就労の延べ数ですけれども、ここにいただいている資料では、四十二年に平均就労日数が十三・三、それが五十三年には十・九だとか、平均不就労日数が四十二年には四・八のものが十三二とか、いろんなデータどれを取り上げてもそういう傾向が非常に顕著にあるわけですね。就労できないからそれに対して救済的な手当を出そうという、これは当然必要なことですけれども、しかしそれで事足りるのかどうかということが私は長期的展望に立って一番心配しなければならぬ問題だと思うのですね。逆に言って、そういう雇用問題を余りにも中心に置き過ぎて考えた場合に近代化がおくれてしまう。そうすると今度は、国際競争力の低下というものにも逆につながっていくという可能性もそこに出てくるのじゃないか。そこら辺のところが大変むずかしい問題でもあるし、それから同時に、これは構造的な人減らしという宿命を持っているような点もございますから、当然そういうことに目をつぶって前へ進むというわけにもいかない。そこら辺のところに一つの大きな悩みを抱えているということでしょう。ですから、そういうことについてはひとつ私は努めて真剣に考えていただきたいのは、そういういわば構造的な一つの体質をそこに露呈している。一般に言う構造不況業種の場合には、業種そのものが不況であるからそこに働いている人も要するに一緒に雇用不安になるというのが一般常識的なものですけれども、この港湾関係のこういう業務の場合には、経営内容そのものが非常に窮迫して経営が成り立たないために雇用不安が起きているというわけではない。要するに、科学の進歩というか近代化の進歩のあおりを労働者が食らっていくという形にならざるを得ない、そこら辺にどう解決していくかということについての先見性も必要であろう、こう思います。だから労働省だけで物を考えるという考え方よりも、やはりそれに関与する複数以上の各省の、もちろん運輸省も必要でしょうし、地方自治体ももちろんそれに関与してくるでしょうし、そういうところとの合議の上で問題の展望をはっきりさせる、そして将来の展望というものを十分慎重に配慮しながら、雇用問題をどう解決するかということについて合理的な手段、方法をお考えになる必要がある、私はそういうふうに思います。それについて大臣どのようにお考えになりますか。
○栗原国務大臣 工藤さんの御指摘もいままでの質問者の御指摘も、一番そこがポイントだと私は思うのです。今度の法改正は応急的な措置でございます。しかし、この応急的な措置をしなければ本質的な問題に入れなかったということからすると、一歩前進した。しかし、一歩前進したけれども、これを解決するのは簡単かというと、非常に簡単でないと思います。シビアなものでございます。私どもは、港湾調整審議会でテーブルに着いて、基本的な問題について労使が関係者も含めまして真剣に討議をする過程の中で、本当に現実的な具体的なものを出すことを期待をしておりまするし、また、ただ単に期待をするだけではなくて、労働省としても、その点についてさらに現実的な具体的なものを出さなければならぬと思っております。しかし同時に、これは各党の皆さんにも望みたいことでございますが、どうかいい御意見なりいい提案がございましたらお示しいただきたい、全部で解決をしなければならない、そういう重大な問題だと認識しております。
○工藤(晃)委員(新自) 時間がだんだん迫ってまいりましたので、そういう大臣のお答えでございますから一つ提案したいんですけれども、そういう将来の展望の上に立って、ただ単にきょうのつくろいをするという考え方にとどまらないで、やはり職業転換をするために必要な諸施策をいまから十分考えておくことは大事なことだと思うのですね。そういうことについて、一人でも二人でもそういう傾向があった場合に、その人たちが困らないようにできるだけうまく円滑に、そういう近代化とパラレルにそういうものが行われていくことについて、これが滞っていたら救済措置だけではどうにもならない、私はそう思いますし、先ほども申し上げましたように、最終的な原点は、やはり国際競争力を強化させるということによって国益を尊重していくというたてまえから、一方においては、だからと言って労働者の雇用関係を犠牲にしてしまえというわけじゃないのです。ないのですが、そこら辺のところに十分な配慮をしながら、そういうことに積極的な姿勢をとっていくべきではないか、こういうことを私は提案をするわけです。そのためには、労働省が何とかしょうということだけでは困難な部分も多々ございましょうから、そういうことについてはひとつ政府全体で、逆に言えば総合的にお考えをいただきたい、これが私のお願いでございます。
 そういうことについて大臣のひとつ決意をお聞かせいただいて、時間が参りましたからやめます。
○栗原国務大臣 御意見を生かすような方法で努力をいたしたい、こう思います。
○工藤(晃)委員(新自) 終わります。
○森下委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、暫時休憩いたします。
    午後四時四十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後五時三十分開議
○森下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 内閣提出、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法及び特定不況業種離職者臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。労働大臣栗原祐幸君。
    ―――――――――――――
○栗原国務大臣 ただいま議題となりました国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法及び特定不況業種離職者臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及びその内容を御説明申し上げます。
 漁業離職者及び特定不況業種離職者につきましては、昭和五十二年十二月に制定されました国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法及び特定不況業種離職者臨時措置法に基づき、特別な就職指導の実施、雇用保険法の特例、職業転換給付金の支給等各般の施策を講ずることにより、その再就職の促進と生活の安定に努めてきたところであります。
 しかしながら、漁業離職者及び特定不況業種離職者につきましては、今後においてもなおその発生が予想されますので、政府といたしましては、現行の漁業離職者対策及び特定不況業種離職者対策を今後引き続き実施する必要があると考え、この法律案を作成し、提案した次第であります。
 その内容は、昭和五十五年一月二日に効力を失うこととなっております国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法及び特定不況業種離職者臨時措置法の有効期限を延長し、昭和五十八年六月三十日までとしようとするものであります。
 以上、この法律案の提案理由及びその内容につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○森下委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三十三分散会
     ――――◇―――――