第087回国会 運輸委員会 第11号
昭和五十四年五月二十五日(金曜日)
    午前十時四分開議
 出席委員
   委員長代理理事 佐藤 守良君
   理事 関谷 勝嗣君 理事 堀内 光雄君
   理事 三塚  博君 理事 佐野  進君
   理事 渡辺 芳男君 理事 西中  清君
   理事 山本悌二郎君
      石井  一君    北川 石松君
      玉生 孝久君    古屋  亨君
      太田 一夫君    久保 三郎君
      斉藤 正男君    坂本 恭一君
      田畑政一郎君    有島 重武君
      草野  威君    薮仲 義彦君
      小林 政子君    中馬 弘毅君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 森山 欽司君
 出席政府委員
        運輸大臣官房総
        務審議官    杉浦 喬也君
        運輸省海運局長 真島  健君
        運輸省船舶局長 謝敷 宗登君
        運輸省鉄道監督
        局長      山上 孝史君
        運輸省自動車局
        長       梶原  清君
        運輸省自動車局
        整備部長    小林 育夫君
        運輸省航空局長 松本  操君
 委員外の出席者
        人事院給与局次
        長       斧 誠之助君
        警察庁交通局交
        通指導課長   矢部 昭治君
        経済企画庁国民
        生活局消費者行
        政第一課長   加藤 和夫君
        法務省民事局第
        四課長     稲葉 威雄君
        資源エネルギー
        庁石油部計画課
        長       箕輪  哲君
        日本国有鉄道総
        裁       高木 文雄君
        日本国有鉄道常
        務理事     高橋 浩二君
        日本国有鉄道常
        務理事     吉武 秀夫君
        日本国有鉄道常
        務理事     加賀山朝雄君
        参  考  人
        (日本鉄道建設
        公団総裁)   川島 廣守君
        参  考  人
        (日本鉄道建設
        公団理事)   大平 拓也君
        運輸委員会調査
        室長      榎本 善臣君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月九日
 辞任         補欠選任
  石井  一君     河本 敏夫君
 小此木彦三郎君     倉石 忠雄君
  玉生 孝久君     足立 篤郎君
  浜田 幸一君     小川 平二君
  中馬 弘毅君     大成 正雄君
同日
 辞任         補欠選任
  足立 篤郎君     玉生 孝久君
  小川 平二君     浜田 幸一君
  倉石 忠雄君    小此木彦三郎君
  河本 敏夫君     石井  一君
  大成 正雄君     中馬 弘毅君
同月十日
 辞任         補欠選任
  河村  勝君     西田 八郎君
同日
 辞任         補欠選任
  西田 八郎君     河村  勝君
    ―――――――――――――
五月十日
 交通損害保険士の業務資格認定制度創設に関す
 る請願(藤本孝雄君紹介)(第三四〇四号)
 自動車検査登録書士制度の創設に関する請願
 (大原一三君紹介)(第三五二九号)
同月十一日
 自動車検査登録書士制度の創設に関する請願
 (田畑政一郎君紹介)(第三五八七号)
 国鉄地方線の運行確保に関する請願(小沢辰男
 君紹介)(第三六二〇号)
同月十二日
 自動車検査登録書士制度の創設に関する請願
 (青山丘君紹介)(第三八六九号)
 同外一件(河村勝君紹介)(第三八七〇号)
 同(神田厚君紹介)(第三八七一号)
 同外四件(小宮武喜君紹介)(第三八七二号)
 同(曽祢益君紹介)(第三八七三号)
 同(高橋高望君紹介)(第三八七四号)
 同外六件(玉置一弥君紹介)(第三八七五号)
 同外十五件(永末英一君紹介)(第三八七六号)
 同(楢崎弥之助君紹介)(第三八七七号)
 同外一件(山本悌二郎君紹介)(第三八七八号)
 同外一件(渡辺武三君紹介)(第三八七九号)
 同(渡辺朗君紹介)(第三八八〇号)
同月十四日
 自動車検査登録書士制度の創設に関する請願外
 四件(玉置一弥君紹介)(第四〇五〇号)
 同(中井洽君紹介)(第四〇五一号)
 同外五件(西岡武夫君紹介)(第四〇五二号)
 同(和田耕作君紹介)(第四〇五三号)
同月十五日
 自動車検査登録書士制度の創設に関する請願
 (河村勝君紹介)(第四二六三号)
 同(高橋高望君紹介)(第四二六四号)
 同(玉置一弥君紹介)(第四二六五号)
 同(渡辺朗君紹介)(第四二六六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
五月十二日
 国鉄能登線の存続に関する陳情書(石川県議会
 議長佐々木博)(第二五一号)
 国鉄ローカル線の拡充強化に関する陳情書外九
 件(鳥取県議会議長浜崎芳宏外九名)(第二五二
 号)
 地方陸上公共交通維持整備に関する陳情書外七
 件(北海道議会議長佐々木豊外七名)(第二五三
 号)
 自動車検査登録代理士の立法化反対に関する陳
 情書外一件(甲府市飯田一の三の一九小田切泰
 広外一名)(第二五四号)
 造船業等の危機打開に関する陳情書(函館市議
 会議長西村敏雄)(第二五五号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第六六号)
 陸運、海運及び航空に関する件(総合交通政策
 に関する問題等)
 陸運に関する件(トラックの過積みに関する問
 題及び上越新幹線大清水トンネル坑内火災事故
 に関する問題等)
 海運に関する件
 航空に関する件
 日本国有鉄道の経営に関する件
     ――――◇―――――
○佐藤(守)委員長代理 これより会議を開きます。
 本日は、委員長が所用のため出席できませんので、委員長の指定によりまして私が委員長の職務を行います。
 新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。森山運輸大臣。
    ―――――――――――――
新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○森山国務大臣 ただいま議題となりました新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 新東京国際空港は、長期にわたっての航空輸送需要に対応し、将来における主要な国際航空路線の用に供することができる空港として、新東京国際空港公団において、その建設を鋭意進めてまいりましたところでありますが、関係各方面の御協力を得て昨年五月二十日開港に至り、現在、ほぼ順調に運営されております。
 今後とも、地元の理解と協力のもとに、日本を代表する国際空港としての新東京国際空港の整備、拡充を行ってまいる所存であります。
 ところで、新東京国際空港の運営につきましては、新東京国際空港公団が行う業務と空港関連事業者が行う事業が一体となって行われることが必要でありますが、同空港の円滑かつ効率的な運営を確保していくためには、同公団が、これらの事業に対し投資することができることとすることにより、これらの事業の着実な遂行を確保していく必要があります。このため、この法律案を提案いたしました次第であります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 この法律案は、新東京国際空港公団が、運輸大臣の認可を受けて、同公団の委託によりその業務の一部を行う事業及びその業務と密接に関連する事業で新東京国際空港の円滑かつ効率的な運営に資するものに投資することができることといたしますとともに、同公団の業務の範囲、大蔵大臣との協議等の規定につきまして所要の改正を行うことといたしております。
 以上が、この法律案を提出する理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○佐藤(守)委員長代理 これにて趣旨の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
○佐藤(守)委員長代理 次に、陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本日、陸運に関する件について、日本鉄道建設公団総裁川島廣守君及び理事大平拓也君の両君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤(守)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
○佐藤(守)委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺芳男君。
○渡辺(芳)委員 初めに、森山運輸大臣の最近の新聞発表などについてお尋ねをいたします。
 あなたは大分マスコミ好みのようで、そのマスコミを通じて実は私どもはよく知っておるという状況にあります。私どもは、こうして国会の一員として法案の審議なり運輸行政についていろいろ質問をする機会がありますが、どうも最近の状況を見ておりますと、多少一人芝居をやっているような気がいたしてなりません。具体的に申し上げますが、たとえば先般五月十五日から新聞に数日間にわたって非常な反響を持ちましたものがございます。夜間の列車を全部とめる――これは新聞の表現ですよ。これはもう国鉄の本来の機能というものを完全に否定をするということになりましょう。国民生活、国民経済に大変な影響を及ぼすということにもなりましょう。ローカル線の対策というものが真剣に行われていますが、そんなものじゃないですね。このことの反響というものをどういうふうに考えておられるのだかわかりませんが、少し無神経ではないか、こんなふうな気がいたします。
 新聞の報道するところによりますと、五月十四日に高木国鉄総裁に対して、夜間寝台特急や急行列車をやめたらどうか、貨物もやめたらどうか、急ぐ者、用事のある者は、新幹線や飛行機で行けばよい――新聞の報道です。私もこの夜間の寝台特急などを利用した経験は最近もあります。それはその人の日常生活なり行動なりにどうしても必要だ、あるいは運賃の関係もありましょう、時間的な問題もありましょう。みんな一様な生活をしているわけではありません。そのために夜間列車もあるわけです。大変むちゃなことを言うのではないか。あなたはどういうお考えでこういうふうなことをおやりになったかお伺いします。
○森山国務大臣 まず最初に、マスコミ好みというお話がございましたが、私は、格別そういう顕示的に行動しているわけではございません。私どものやっている仕事は、国民が見ている仕事でございますから、そのそれぞれの段階においてわれわれが何を考えているかということについて、記者会見等において十分意のあるところを申し述べておくことは必要である、要するに秘密主義でやらない、そういう物の考え方でやっておるわけでございますから、どうか意のあるところを十分御理解願いたいと思います。
 次に、いま私どもがいろいろ考えておりますことは、国鉄の財政が極度に悪化しておるということでございます。御承知のとおり、昭和五十四年度の実質赤字は一兆二千億円、内訳は政府助成が三千億円、純粋な赤字が八千億円。しかし一兆二千億円というのは損益計算上のことでございまして、あなたも国鉄出身でございますから御承知のとおり、昭和五十年に二兆五千億円の赤字のたな上げをいたしました。そのための利子が別に千七百億円あるわけでございまして、しかも累積赤字は六兆二千億円に及んでおります。これに対する利払いだけで五千五百億円……(渡辺(芳)委員「そんなことはわかっている」と呼ぶ)そしていま申し上げました千七百億円を入れますと、七千二百億円の利払いでありますから、一日二十億円の利子をいま国鉄が支払っておるという現状でございます。民間企業で申しますれば、もう破産とか倒産とかいうような状況ではないか。
 いま、おわかりになっているというお話がございましたが、この問題をどう解決していくかという観点からこのための施策をいろいろ考えなければならぬ。最終的には六月末に国鉄の側から意見が出てまいりまして、私どもがそれを十分検討いたしまして、従来でございますれば、八月末の昭和五十五年度予算に具体的にこれを反映していくようにしなければならないという状況にあるわけでございますが、その前の段階におきまして、国鉄側と機会あるごとにいろんな問題で意見交換をしていかなければならないという状況下にあるわけでございます。
 非常にむずかしい状況にありますために、一々その点について申し上げませんけれども、たとえば国鉄の減量経営はどうやって実現していくか。すでにことしの四月でございますか、労働組合の幹部の方々に申し上げたわけでありますが、現在働いている人のいわゆる生首を切るような形における減量経営は考えないけれども、年齢構成が非常に年配の方が多いわけでございますから、たくさんの方がおやめになる、その後補充については、これはひとつ一緒になって考えようではないかということを申し上げておるわけであります。しかし、それにいたしましても、いま現在、国鉄は四十二万の職員を持って二十六万人の年金受給者を抱えておるわけであります。もし仮に、これは仮にでございますが、十万人仮に減るといたしますと、四十二万人が三十二万人になる、それを分母にいたしまして分子の年金受給者は二十六万プラス十万で三十六万になる。現在においても百人に対して六十一人の年金の成熟度でありまして、こういうような企業体はほかには全くございません。この問題は避けて通れない問題でございますから、しかも、それが百人で百人以上を賄わなければならないときどうするか、これはもう国鉄だけでやっていける問題ではありませんので、そういうことについては、大蔵省の方ともこれを詰めていかなければならないというような問題があるわけであります。
 赤字線の問題、AB線の問題等もあるわけでありますが、地方ローカル線の赤字は三千億であります。ところが、幹線の赤字は六千億であります。もし赤字線の問題を処理するのならば、幹線の問題についての処理のめどをつけずして赤字線の問題を処理するということは――これは皆さんも御承知のとおり、それぞれ選挙区をお抱えでございましょう。この熾烈な地元の要請にこたえるためには、国鉄全体としてこれにこたえるような体制をつくっていかなければならない。
 そういう観点からまいりまして、たとえば新幹線が東京−大阪−博多というふうにできたにかかわらず、東京から鹿児島までという特急列車が依然として走っていることが適当であるのかどうかというような問題、すなわち夜間の列車の問題に触れるわけでございますから、そういう問題についても検討してみたらどうだということは、私は、当然のことであろうと思っておりますし、そういうことについてひとつ調べてもらいたいということでございます。
 したがって、新幹線を開業している東海道、山陽線については、新幹線と並行在来線とがそれぞれの特色を十分に発揮できるように効率的な運営を図る必要がある、こういう考え方からいたしますと、新幹線は中長距離都市間輸送を中心に、また在来線は近距離の地域内旅客輸送及び貨物輸送を中心に機能を分担していくことが望ましいという一般論は出てまいるわけでございます。
 そういう観点から仮に物を見た場合、現行のダイヤが以上のような考え方で作成されているかどうかを検討しなければならない。昼間については博多開業前に三十六往復あった在来線の特急、急行が全廃されておりますけれども、夜間については東京及び関西と九州各都市を結ぶ寝台列車、いわゆる「ブルートレーン」というものがまだかなりの本数運行されておりまして、その利用率を見ると必ずしも高い列車ばかりではありません。特に関西から出る夜行列車は、全部四割以下の利用度になっておるということが判明をいたしました。また新幹線開業後は博多あるいは小倉で新幹線と在来線を乗り継げば、九州各都市への昼間時間帯に旅行することが容易になっておる。さらに最近は航空輸送の利便も向上しておる。こういう新幹線開通後の、また最近の航空需要の変化というものを考慮いたしますと、九州方面への「ブルートレーン」を廃止することができないかどうかは検討する価値のあることでございますから、これを検討したらどうかということでありまして、まだ最終的な結論はそういうように決まっておるわけではございませんが、しかし、先ほど申しましたような国鉄の赤字問題、いままでは赤字線は地方ローカル線ばかりを押しておった。しかし、幹線自体だって考える必要はないのか。そういう意味で、いわゆる「ブルートレーン」の問題についても検討を要するのではないかということで、そういうことが問題になっているということの話をしたわけでございまして、私は、これは運輸大臣としてはやらなければならないことをやっただけであって、いままでそういうことが大きく問題にならなかった方がおかしい、そのように考えておる次第であります。
○渡辺(芳)委員 新聞の報道と大臣、あなたのいまお答えになったこととは違います。私は別に、新聞の報道を盾にしてものをやろうというふうなことでいつまでもがんばるつもりはない。だがしかし、夜行列車の全廃、こんなことはむちゃだ、その一環として七万人を削減する、こういうことはいまあなたが答弁された内容とは違うのです。マスコミの影響というのは非常に大きいものですから、何かぽっとニュースソースで出てきた、それが一日で終わりだ、線香花火で終わりだ、こういうことではない、四、五日間にわたってこの問題は各新聞をにぎわしておる。それだけ反響の大きいものです。端的に言えば相当なことを申し上げなければ、新聞は書かないという判断をわれわれはしている。マスコミの影響を重視しているから私はこのように言っているのです。
 いまあなたは、いろいろ国鉄の現状をお話になりました。私どもも、それは知っておるつもりでございます。五十年に国鉄財政再建に関する閣議了解事項というのがありました。私は、当時落選をしておりましたが、今度当選をしてまいりまして、二年間で国鉄の財政の収支をとんとんにするような閣議了解事項というのは無責任じゃないか、こういう意見をたびたび私はこの委員会に所属してから申し上げてきました。私どもを初め多くの議員の皆さんも、それぞれの立場でやられたと思います。その結果、一昨年の十二月ですか、福永大臣が新任をされてから、それもそうだということになって、私どももそのときには率直に意見を申し上げました。各党の皆さんも申し上げました。大臣やあるいは運輸省の官僚の皆さんだけでやったのじゃないのです。権威ある閣議了解事項であるから、実際的に取り組めることを少しやろうじゃないかということで、われわれその内容については不満もありましたが、しかし、いままでよりはよほど前進をしている、六十年代における国鉄の再建方策を逐次決めていこう、こういう趣旨のもとにあの閣議了解事項は改められたのです。
 いまあなたが言われましたように、確かに国鉄というのは――これは日本だけではないんですね。同じ資本主義諸国、西欧諸国の鉄道もそうでございますが、確かに、戦後復員をされた皆さんに職場を与えたというか、とにかく復帰さした、あるいは就職をさした、ああいう非常に混乱をした状況でございますから、どうしてもそういうものを背負わざるを得なかったでしょう。これは宿命的な状況ですね。したがって、これにも頭を痛めております。いまの財政状況についても、われわれ無責任じゃないのです。だから、いろいろな意見を言っているのです。しかし、これほどマスコミが重大な事項として取り上げるようなことについて、あなたがどういう反響があると見たか知りませんが、先ほどの答弁によると違うから、これは慎重にやらなければいけないなと思うんですよ。だから、私は意見を申し上げている。
 夜間の貨物列車を全部廃止するようなことも書いてあります。いま国鉄の輸送の内情を見ておりますと、確かにトラックに食われておる。あるいは私は、後で申し上げますが、自動車行政というのは、何遍も言っているのですが、よくないのです。許認可行政のあり方もよくない。基準もよくないと思っている。後で申し上げますが、内航海運だってそうでしょう。運賃ひとつ決めてないじゃないですか。オペレーターはどうやらつかむことはできるけれども、オーナーをつかむことはできない、こう言っている。三月十六日に先輩の久保さんが質問されております。そのとおりです。片方は何もない。運賃一つ取り上げてもそうです。国鉄だけは一律だ。飛行機は路線別だ。いろいろありますね。だから私どもは、交通体系だ、交通政策だというのをいろいろな角度から言ってきました。
 何はともあれ、夜間の貨物運行を廃止するということは、貨物列車の取り扱いをやめよということになりましょう。いま年間一億トンぐらいですね。そしてまあ一部のバルキー貨物だけを輸送していればいいじゃないか、こんなふうなことも新聞には出ています。いま十万両の貨車がありますよ。千本の貨物列車が動いている。しかし、やがて――あなたは私よりも先輩で、いま私は苦情を言っているけれども、いろいろな角度から見ておるのでしょうが、いま目の前にあるあの原油の値上がりというのは大変な状況にありますね。エネルギーの消費の非常に低い省エネルギー機関としての見直しというのにわれわれ期待を持っています。ただ拱手傍観しているわけじゃありません。やがて来ると思う。やがてというより近き将来ですね。
 そんなことを考えながら――戦前の貨物輸送の状況は、私も携わったことがありますが、まさに陸上における貨物輸送は、旅客輸送もそうでありますが、国鉄自体が独占的な企業とまでは言わぬでもそれに近いような経営がされておりましたね。貨物問題もそうでございますが、何しろ片道輸送しかしてない。いまトラック輸送というのは運賃ダンピングで大騒ぎをして「トラック時報」にはこんなでかい字で「認可運賃を収受しろ、過積載はやめろ」と書いてある。あれは最近新聞に出るようになったのです。鉄道の貨物輸送の競争条件として一番悪いのは片道輸送だ。生産地から消費地だ。消費地から生産地に行くのが何%かわかりませんが、昔はせいぜい二〇%ぐらいだった。だから、片方は空車を走らせなければならぬというところにロスがありますね。しかし大量輸送機関ですよ。こういうものまでやり玉に上げて新聞に発表されるということは――旅客列車のことはそれ以上の反響がありましょう。私は、そのことについてあなたに反省を求めているのです。この点はもっと慎重にやっていただかないと、私も、合理化の余地はあると思いますよ、だけれども、ばっさりやるようなことをマスコミに発表することはおやめいただきたいのですが、いかがですか。
○森山国務大臣 あなたのお話を承っておりますとあれですが、私の言わんとするところの真意は、私の話した範囲内においては御理解を願っておると思います。先ほどお話がございましたように、昭和五十年でございますか五十一年でございますか、二兆五千億円の累積債務のたな上げをした。そのとき計画ができたのだそうでございますが、それがほとんど計画倒れに終わってしまった。いろいろ御批判を受けたことは私も伺っておりますし、また私も、計画は立てたけれども計画倒れに終わるような計画を何回もやるということは一体どんなものだろうと考えておる一員であります。
 一昨年の暮れに「国鉄再建の基本方針」というのが閣議了解になりました。その基本は、与野党を通じての「国鉄再建の基本方向」というものの線に乗ってあの閣議了解ができたものでございますから、したがって、あの了解の線に沿って今後とも進んでいかなければならない、そういうふうに考えておるわけであります。
 それから、夜行列車の整理の問題につきましては、これは私が話をしたのはその限度でございますけれども、他のいろいろなコメント等があったのでございましょう、新聞にいろいろ私どもが考えている以上の線があるいは記事として出たのかもしれません。そういう点につきましては、十分これから配慮してまいりまして、真意が伝わるように、そしてオーバーにはならないようにという努力はこれから相努めてまいりたいと考えておるわけであります。
 それから、夜間の貨物列車の問題につきましては、先ほど新幹線が通っている区間における在来線の夜間の運用ということの中で、旅客問題についてはそういう疑念を呈したということとともに、しかし、夜間は貨物列車が通っているのだ、こういうことでございまして、それは一体どうしても必要なことなのかどうかという点も私は疑問といたしたわけであります。それによりますと、まだ最終的に結論を得ているわけではございませんけれども、新幹線ができまして昼間の線は新幹線の方に重点が移行してまいりますから、昼間の在来線は相当あいてくる、したがって、それを貨物の方に利用していくということは、実際はわかりませんが、常識的には可能ではあるまいかという憶測を持っておるわけであります。しかし、どうしても夜通さなければならないものがあるというふうにも聞くのであります、新聞雑誌とか生鮮食料品とか。しかし、その新聞雑誌とか生鮮食料品にいたしましても、すでに八割方トラックに食われておって、残る二割が国鉄を利用しているというようなことでございますから、そういう現実を踏まえて国鉄といたしましても、旅客のほかに貨物の方も恐らくいろいろ考えていかれるのではないかと思っておるわけであります。
 御承知のとおり、貨物につきましては、昨年の十月にダイヤの改正を行い、また来年の十月にダイヤの改正を予定しておるわけでございます。そういう点を踏まえまして、国鉄の方でいろいろな疑問点、いろいろな問題点、それらの点を整理されて、現段階における幹線についての最善の策を講じてもらえるものであると私は考えておるわけであります。
 しかし率直に言えば、そういうような疑問を申しませんと、全部ローカル線が悪い、ローカル線が悪いというようなことでは困ると私は思っておるのでございまして、やはり幹線に問題あり、それは旅客輸送にも貨物輸送にも問題ありということを指摘しなければ、国鉄全体の運営というものに対しては片手落ちになる、そういうふうに私は考えておるわけでございます。
 渡辺さんは専門家として私などよりも国鉄の事情をよく御存じでございましょうが、私の素人考えと申しますか、素朴な疑問の中にも解決しなければならない問題点があるのだというふうにひとつ御理解を願いたい、こう思います。
○渡辺(芳)委員 大臣、私は、貨物列車がロスがないなんというようなことは考えておりません、私も貨物輸送に携わったことがございますから。いまは事情が戦前とは違っておりますが、多少歩いてきた道というのはすぐわかるものです。一番国鉄を縛る諸法律、規則なりなんなりというのが、一々申し上げませんが、戦前のままになっているでしょう。陸上輸送の中における国鉄は、あるいは内航海運、貨物船も発展をしない時期だ、飛行機も発展しない時期だ、こういう時期でありますから、国営企業であるし、全国にネットワークでずっとつながっている線路でございますから、それはそれで済んだ。しかし、法律の体系というものは戦前のまま、この中で再建をやろうというのはどこかに無理がある。全般的な洗い直しをやれということを、たびたび交通政策の中では言ってきたつもりです。これはあなたには、大臣になってから初めてです。
 一つ現実的な問題を申し上げます。
 国鉄が貨物の合理化を徹底的にやろうということで取り組んでおりますね。昭和五十年に千六百三十四の貨物取り扱い駅があった、これを五十五年までに半分以下にしようというのです。そして各地域にそれを公表して、貨物の取り扱いについて影響がある――影響があると言うとなにですが、関連がある荷主なり自治体なりに話をする。まあ素直にいっているところも一部ありますよ。しかし、その大半というのは大変深刻な受けとめ方をしています。そのためになかなか貨物の駅の廃止が思うように進捗をしていないというのが実情でありましょう。
 五十三年十二月の資料を国鉄からもらいました。千四百十五の駅が、残っていると言うとおかしいけれども、貨物の取り扱いをしている。さんざんやってきたのでございましょう、二百十九の駅が廃止になりました。中には、市町村長が管理局長のところに座り込んでいる。それも一日や半日の座り込みじゃないですよ。大変なことです。私も政治家ですから、それはいろいろな陳情を受けます。その人たちに必ず言うのです。荷物を出してください。別に国鉄総裁や運輸大臣のちょうちん持ちをするわけではないが、どんどん減っていって閑古鳥が鳴いていれば廃止をするようになるでしょう。残念ながら独立採算制で赤字で大騒ぎされている国鉄ですから、これは言いますよ。こういう状態の中で何か一刀両断式のようなことをやられることは、どうにも私は納得できないということで今日言っているのです。実情というのはそういうものです。だからともかく、大臣の指示を受けたかどうか知りませんが、国鉄ではやっておると思うのです。
 ひとつ実情を聞きたいのです。貨物列車がいま大変やり玉に上がっていますが、道交法の改正が昨年の十二月にありました。国鉄がふえたのじゃないかなどというようなことをよく言われました。これはトラックの大型化に切りかえた。これが大半でしょう。あとは内航海運に転換していったというのも私も断片的には知っています。国鉄のいまの貨物輸送の状況はどういう状況にありますか。
○森山国務大臣 その前に……。せっかくの御質疑の中で、エネルギー問題が非常に重要だ、私もそう考えておるのです。そのことを念頭に置きつつ、まず国鉄の運営、経営というものをコンパクトなものにしておく必要があるというふうに一つは考えておる点を御了解願いたいと思います。将来のエネルギー事情を全く度外視して考えるつもりはいささかもございません。そういう点を常に念頭に置いてやらなければならぬと思います。
 それからもう一つは、一刀両断的とおっしゃいますが、やはりそういう方向で物を考えたらどうかということを国鉄に対して話しているのでございまして、一挙にできるとは考えておりませんから、昭和五十年代に収支相償うということ自体がなかなか容易ならざるものであるとさえ私は考えております。相当長期に物を処理しなければならないという考え方でやっておりますが、方向といたしましては、やはり幹線の部門、要するにローカル線の部分じゃなくて幹線の部分において改善すべき問題点というものは遠慮なく取り上げてまいりませんとね。実は私は、国鉄は昭和三十年以来労働問題を通じてずっと長い間のおつき合いがあります。運輸省というところは私はほとんど行ったこともございませんし、知り合いもございませんが、国鉄はかなり長いつき合いをしております。その私が運輸大臣になってみて初めて、国鉄の経営内容というものがこれほどの状態になっておるのかということを――それはいままで不勉強だといえば不勉強でございますが、かなり関係があってもそういう問題に対する認識が浅かったということは偽らざる事実でございます。したがって、そのためには相当思い切ったことを時間をかけてやらないとこれは解決しないぞという感じでいま臨んでおる。具体的な数字合わせは六月末からこれに入るわけでございますけれども、果たしてその帳面じりのつじつまが合うかどうかということについてはまだわかりません。しかしとにかく、そういう方向で努力してまいりませんと、一般の国民は国鉄の赤字の状況についての認識はきわめて浅かったわけでございますし、いろいろな問題点があることについての認識も浅かったわけでございますから、やはりそういう問題について国鉄当局に――これはもう頭のいい人ばかりそろっておりますから、問題点はよく御承知なんでありますから、それをただ頭の中だけではなくて行動をもって対策を示していただく必要があるような現段階になっておる。そういうことでいろいろ物申しておるわけでございますから、どうかひとつ、この間の経緯につきまして格別の御理解をお願いします。
○吉武説明員 貨物の実勢でございますが、おかげをもちまして、昨年の上期は余り情勢がよくなくて対前年度を少し下回っておりましたが、下期に入りまして増勢に転じまして、年間を締めてみましたところが、底落ちも入れまして大体一〇一%くらいということで、下期にかなり強気になってきて、その情勢が現在も続いておるということで、大体八年ぶりに貨物は対前年を上回ったということで大変喜んでおります。
 その原因はいろいろありまして、先ほどお話のありましたような道交法の関係もございますし、それから安定輸送といいますか、かなりトラブルが少ないというようなこと、それからかなり営業活動もやったわけでございます。景気の全般的な上昇とかそういったような、大きく挙げますと、四つくらいの点が渾然となって国鉄の貨物輸送を押し上げておるという要素があって、一つ一つがどういうふうな数量になるかということはわかりませんが、ここのところ非常に調子がよろしいというふうに申し上げてよろしいかと思います。
○渡辺(芳)委員 大臣、もう一つ二つばかりおつき合いしていただきたい。
 東名・名神の高速自動車道、この夜行バスの「ドリーム号」の指定料金が五百円のものを二百円の値上げの申請を国鉄がした。あなたはそれを聞いたのでしょうが、東京陸運局に今度は申請をし直したというのが同じころ新聞に出ている。五百円が千五百円に三倍の値上げ、これは大変だ、これが新聞の表現なんですね。大臣でございますから、いろいろ監督権もございましょう。経営計画をおまえ出してこい――私も調べてみましたが、いろいろありますが、ともかくこれはどうもおれの気に食わぬと言うて頭越しでやられるようなことはどうかと思うんですよ。
 それで実は、現場の職員に聞いたのです。この夜間の「ドリーム号」の利用客というのはどういう層が多いか。全般的に東京から大阪の方まで全部聞いたわけではございませんが、学生が多いのですよと言うのです。これは確かに料金が低いんですね。たとえば東京−富士、東京−静岡あたりの運行時間を見ておりますと、新幹線で走れば速いのですが、急行の時間帯くらいで行くわけです。でありますから、どうしてもこの運賃、料金が安いからこれを利用するのです。しかし、いつも満員じゃないのです。時間帯によって非常に乗車効率の高いやつがある。特に「ドリーム号」というこの夜間のやつは高いと言われているのです。ちょっと弱い者いじめになるのじゃないか。実は私も、これは意見があるのですが、現実にはこういうふうな状況に、大臣がどうもクレームをつけてやられたという状況になるのですか、これは。いかがでしょうか。
○森山国務大臣 「ドリーム号」の問題があるということを自動車局−自動車局というのは運輸省にありますので、普通国鉄と言いますと鉄道監督局の仕事なんですが、自動車局の方からそういうお話を聞きました。
 それで、聞いてみますと、東京−大阪間が国鉄が今度二百円上がった。鉄道の方が二百円上がったから、いままで五百円の料金を二百円つけて七百円にしたい、こういう申し出があったのだということを聞いたわけであります。
 それで私は、調べてみましたところ、あれは「銀河」でございますか、寝台急行の「銀河」それから新幹線、これは片方は夜間寝台、片方は夜は通っておりませんが、大体二百円上げまして九千五、六百円なんでございますね。そして夜間通る乗り物はもう「ドリーム号」だけ。民間のバスは前はあったらしいのですけれども、いまはもうやめておる。そして直通で、ノンストップで東京−大阪間を行くというわけであります。飛行機も飛んでおりませんからね。したがって「銀河」も新幹線も九千五、六百円である、そして夜間はもう「銀河」が出た後でありますから汽車もない、民間のバスもない、飛行機も飛んでないということでありますから、それを利用される方はそれなりの利用価値をお認めになっての上のことであろう。そこで、いままでの五千五百円を二百円上げて五千七百円という値上げは、鉄道が二百円上がったから二百円上げるということは安易ではないか。この夜間バスを初めとするバスの収支計算を見ますと、約二割赤字であります。したがって、国鉄としてはその赤字を埋めるような努力をすべきではないか。鉄道が二百円上がったからバスも二百円だというのは余りにもおざなりではないか。そして仮に千円上げたといたしましても、まあ結果はそういうことになったわけでありますが、六千五百円であります。寝台急行並びに新幹線よりもまだ三千円も安いというわけでありますから、少しは商売気を出して国鉄も仕事をしてもらわなければ困りますよ、鉄道が二百円上がったからバスも二百円でいいという、そんなおざなりのことをやっていてこの国鉄の再建ができますか、そういう意味で私は意見を申し述べたわけであります。
 その意見が通りまして改めて申請があったということは、私は結構なことだと思っている。国鉄に必要なものは何か。やはりこの国鉄の危機というものを痛感して何とかして収支相償うような努力をする、経営努力をすること、そしてある意味においては商売気を出してやっていくということ。もちろん公共性のことは考えなければなりませんが、その公共性は、いまの新幹線並びに夜間寝台よりも三千円も安いわけでございますから、他に利用する飛行機もなければ鉄道もないわけでございますから、その程度の商売気を出してもらわなければ国鉄の立て直しはできないというふうに考えまして、私は、一つの例示と申しますか、そういうふうに万事物を考えてやってもらいたいという意味で意思表示をしたわけであります。
○渡辺(芳)委員 大臣、端的に言えば大幅過ぎるのです、正直に申し上げれば。五百円を千五百円にして千円上げるというのは、あなたの感覚では、まあ新聞ですから、私は国鉄から聞いておりませんが、新聞だと八億円余の赤字路線であるからもっともうけろ、こういうことの発想で、それはそれなりの発想もあると思いますよ。だがしかし、この「ドリーム号」に乗るという客層を別に甘えさせるわけではないのですが、ともかく公共料金はどの場合でも話題になるのは物価に対する影響だ、こういうことにもなっていますから、私は、どうもその発想でやられるということは、余りにひど過ぎるのじゃないかな、こういう感覚を直感的に持ちました。でありますから、申請のし直しをしてあるのですが、ここで議論をしても、陸運局長のやることでございますからね……。しかし、いずれにしても余りに大幅の値上げ過ぎるから再考をするようなことができませんか、これはいかがですか。
○森山国務大臣 国鉄の運賃が全般的に見て割り高であり、すでにこれ以上の値上げは困難な情勢にあるということは、私から申すまでもないと思います。たとえば小田原まで行く、箱根まで行くという際に、小田急の、あれはロマンスカーというのですかね、あれに乗ってまいりますと、その急行賃をまぜましても八百五十円です。ところが東京−小田原間を新幹線で参りますと二千五百二十円です。そういうようないまの運賃の立て方になっている現状でございまして、私は、そういう点こそ重視してこれからやっていかなければならないと思っておるのでございまして、赤字を生み出す問題について国鉄企業内で解決し得ることについては、やはり最善の努力をしたらどうか。料金だけから言えば三倍かもしれませんよ、しかし、五千五百円を六千五百円に上げて、しかも新幹線は九千五、六百円、それから寝台特急の「銀河」はやはりほぼ同額、三千円も差があるわけでございますから、まあ、そのぐらいのことは、ひとつ国鉄の現状から言ってお考え願う必要がある、そのくらい国鉄は行き詰まっているのですから。それならば、私から言えば、小田原までロマンスカーに乗って八百五十円で行けるものが二千五百二十円になって、しかも、そういう運賃改定をするというその神経こそ、私はむしろ問題だと思っているのです。
 あなたが御指摘になった点を、確かに上げなくて済むものなら上げたくありません。しかし、すでに二割方の赤字になっておる路線でございますから、その路線独自で埋め合わせられるものなら埋め合わせをする。それよりも小田急の三倍の運賃がなければ追いつかないというような今日の国鉄の経営全体こそ問題である。そういう料金のつけ方こそ問題である。だから、私はそういう点にむしろ重きを置く。国鉄の今日の現状というのは、なりふり構っておっては打開できるものではありませんからね。しかし、公共性というものは常に頭に置き、長期についてはエネルギー状況というものを十分考えて、とにかく時間をかけて解決していかなければならない問題だと思っております。
 ですから、どうかひとつ、今度の「ドリーム号」の問題につきましては、いろいろ御意見もありましょうが、ひとつあれでやらしていただいて、今後の成り行きを見ていきたい、こういうふうに考えております。
○渡辺(芳)委員 運賃の問題を議論すると、大臣、これはいろいろあるのです。新宿から品川を回っていくのとこっちへ行くのとは違います。これはいつも率直に言うけれども、私どもの演説の内容としてはだれかがやっておった、一番あそこが目につくから。小田急も上げないでしょう。そうして安藤社長もそういう意味では、おれのところは安いと自慢するかもしらぬ、あの人は会長ですかな……。だが、それは地方と都市圏とは違いますから、こういう議論をすると三時間ぐらいないと困るのですが、いずれにしても、いろいろ意見があるようでございまして、あなたは、一遍言い出したことは、これはもうてこでも動かないようなことをいま言われましたが、私は不満ですよ。このやり方は不満です。余りに上げ過ぎている。
 もう一つ鉄建公団の関係で、いま鉄道建設公団がAB線の工事をしているのが四十一線あるのですが、私の手元にあるのは、部分開業をしているところが十一線、全然未開業のところが三十線、これはずいぶん古い話ですが、先ほどちょっと私が触れましたけれども、戦前の大正十一年の鉄道敷設法、これに根拠を置いていますね。中には開通したところもあります。しかし、その別表から削除もされていないのだから検討もしていないのかなと思う。あなたが、運政審のローカル小委員会の答申に基づいて運輸大臣の名前で関係の府県知事に書面を出されました。これも一つは私も後で聞いて大変ショックでしたが、このローカル線、AB線を建設する、あるいは延長をする場合に、鉄道建設審議会――延長する場合はそうじゃないですが、新しく工事を起こそうという場合には、鉄道建設審議会の議を経て運輸大臣が工事命令を出すことになっていますね。私も、この書面を見てびっくりしたのですが、あの法律には、昔のことですから、工事命令を出して鉄道を建設することになっているわけですね。いま国鉄が大変な赤字であって、これから背負わされる、これはまた大変なことだ。ローカル線の問題は私どもも議論をしてきたところです。その限りにおいては、その一部は私もあなたと意見が一致をするところもありますが、簡単に言えば、ローカル線の小委員会で答申があったから、ひとつこれもやってしまおうか、言葉が過ぎるかもしれませんが、そういうわけで、八十島委員長ですか、朝日新聞かに大きくインタビューが出ておりますが、なかなかいいことをやっている、こう言うのです。凍結をしている、こう言うのです。予算の配分をしない、こういうふうなことを言っています。私は一度、建設審議会の権威のこともございましょう、そうして鉄道建設をするについてはこういうこともやりましょうということで国会には報告をされますが、いままでいろいろなことを、いま私があなたに言っていること、意見を申し上げていること、こういうことも含めて、事の次第によって余り反響が大きい、あるいは重大な結果を及ぼす、こういうふうなことは、私どももやはり国権の最高機関の構成の一員でございますから、おやりになる前に、私どもに資料として出して説明をさせるぐらいの手順を踏んでもらわなければ困ると思います。これはいいと思ってやられることですが、それはひとつ、私の方から今後のことについて御要望申し上げますが、このことはどういうふうに処理をされますか。このAB線についてどういうふうに処理をされますか。
○森山国務大臣 きょうは事務局も来ておるのですが、もっぱら事務局も兼ねまして御答弁しなければならないので、これはなかなか容易ではございませんが、御承知のとおり運政審の小委員会で八十島さんが委員長になりまして答申が出ました。その答申に対しまして、私は答申の線に沿って検討するということで今日に至っております。これは赤字線の問題であります。地方ローカル線の問題であります。一言にして申しますと、輸送密度が一日一キロ四千人以下のところはバスに切りかえたらどうだという御提案でございます。私も、あなたと同じように政治家でございますから、そういう案をそのままうのみにして、普通ならば答申が出れば答申を尊重して実施しますというような返事をするのでありますが、答申の線に沿って検討すると言ってふところの中へ入れっ放しということでございます。それでも国鉄労働組合と動力車労働組合は、決まりもしないものを相手にしてストライキをやったことは御承知のとおりです。警くべきことだと私は思っておりますが、よけいなことでございますが、つけ加えて申し上げます。
 そこで、その赤字線の問題をどう処理するかというのは今後の問題でございますけれども、しかし今度は、現在やっておるところの路線、この工事中の路線、そしてでき上がったら、やはり輸送密度四千人以下のものも出てまいるわけでございますから、それが非常に多い、大部分でありますから、したがって、現在ある線でさえもバスに切りかえたらどうだと言っているときに、これからつくったらそうなるかもしれない公算がきわめて大きい問題を、それをそのまま従前どおりの予算配分でやってよろしいかどうかということは、これは大きな問題でございます。現に私のところには、鉄建公団の方から一案は提出されました、が、これまた私が押さえておるというのが現状でございます。
 それにつきましても、私は、これは単に国鉄の赤字というような問題ではなくして、やはり国土の均衡ある発展とか地域的格差の是正とかそういう問題を考えていかなければなりませんから、したがって、そういう意味で地元知事さんが地方交通体系の中でどういうふうにこの問題についてお考えになっているか伺いたい。赤字路線のときはこんなになっていますよということでお手紙を差し上げたのでございまして、事務的にこれについてイエスかノーか、何月何日までに返事しろというような趣旨の手紙ではございません。幸い私のところには、しばしばたくさんの知事さんが来られます。特に最近来ますのは空港の問題であります。空港を整備したい、滑走距離を大きくしたい、新しく空港をつくりたい、それともう一つは、航空路線の増発の問題でございます。知事さんがお見えになりますから、航空の問題についてのあなたの御希望はよくわかりました、しかし、総合交通体系から見れば鉄道問題もありましょう、あなたのところには赤字線もありますよ、AB線もありますよ、それについてどういうようにお考えですか、そのことだけでは知事さんはなかなかお見えにならないのです。しかし、航空関係で私のところへお見えになるものですから、すでに十県ほどの知事からは感触というようなものはお伺いをいたしておるわけでございます。これである程度の感触を得たところで、私の考えでは、鉄建審の委員の各位にも御相談をしなければいけませんし、それから野党の代表の方にも、こういう情勢になっている、さてどうしようかという御相談はするつもりであります。がしかし、まだその時期は来ていないのでございますから、渡辺委員におかれましても、あなたが運輸大臣になられたときの手順というものをお考えになられても、あなたが大臣になりましても、私以上に細かな配慮を払ってやるということはなかなかむずかしい状態にあるということもございましょうし、事の成り行きは進行中でございますから、どうかひとつ格別の御理解をいただきたい、こう思っておるわけでございまして、どうか私の立場を御了解くださいますようにお願いいたします。
○渡辺(芳)委員 印象としては少しやることが荒っぽい、そういう印象を受けているからいろいろ苦情も申し上げているところです。先輩のあなたに言うことは、こちらはもう重大な決意を持ってやっているのです。そういう意味では、こちらの言い分も聞いてもらわなければ困る、こう言っているのです。
 大臣、総裁も出ておられますが、この東海道線区の収支状況、新幹線の収支状況あるいはその他新幹線のないところ、東北線の方の収支状況、ローカル線の収支状況、線区別に営業係数など出されていますが、そうすると、全く国鉄というのはやってはいけないなという印象を受けますね。私は全体的に見て、国鉄の予算の成り行きなどを見てまいりまして痛感をするのは、そういうことじゃないと思うのです。この資料を出すのは国鉄当局の戦略だと思っているんですよ。運賃の値上げをしなければこういうふうにこの線は赤字ですという戦略だと思っております。
 これはいろいろな見方がありますが、ただ今日、国鉄が破産状態になっている最大の原因は、私はそこにはないと見ています。これは私もかつて本会議で指摘をしたことがございますが、三十九年の秋に東海道新幹線が開業いたしまして、その年から三百億円の赤字に転落をしました。急速に物価も上がってまいりましたし、それから予算的にもふくらんでまいりました。とにかく競争をしようということで、非常に改良工事やいろいろなこともやってまいりました。新線建設も行われてまいりました。その投資というのは、その開業以前の昭和三十年代の初めから、第一次五カ年計画から投資をしたのが、いま十何兆円になっておりますよ。その中にはどうしても改良工事でしようがないというものもあります。いま考えてみれば、それもよかったかどうかということもあります。不急不要とは言わぬけれども、もう少し延ばしてきてやった方がいいじゃないかというようなこともあります。何しろ国鉄に対する期待があるのかどうかはわかりませんが、たとえばこの駅は改築してくださいよ、ぼろ屋になってきました、そんなことまでどのくらい来ているか、私は、時間がないからいま答弁を国鉄から求めませんけれども、そういうことまでめちゃくちゃにたくさん来ているのです。これはある意味では玄関口ですから期待感も持っておりましょう。だから、それだけにいろいろな議論をするけれども、私自身は、まだまだ国鉄の将来というものは、取り組み方によればいいのじゃないかな、やがて息を吹き返してくるという期待感を持っているから真剣に考えています。
 どうも多少演説になって申しわけありません。工事の問題を、ひとつこれは総裁からお答えいただいた方がいいかどうかわかりませんが、大体いろいろなものを全部ひっくるめて、私も、席を置いたことがございますから多少わかりますが、どうしてもやらなければならないという改良工事などは五千億円程度ございますね。いま投資をしている、一般会計から繰り入れているものも、ことしは六千百八十億ですかありますね。いずれにしても、それでもまあ八千億円の余、赤字予算を初めから組んでいる。これは延ばせるものがあるのかないのか、とにかく運賃の値上げと合理化に焦点を置いて大臣おやりのようですが、確かに、工事費を削減するというのは異常な抵抗があると思います。私も、政治家だからわからないわけじゃない、しかし、節約をするということになれば、こちらの方にも多少手をつけなければいけないじゃないかな、こんなふうなことを思います。とにかく退却をすることばかり考えておったのでは困りますが、何はともあれ経営改善の努力というのは、それぞれお考えがありましょうけれども、この工事費全般についてどんなことを考えておられるか、これをひとつお答えいただきたい。
○森山国務大臣 先ほど私の議論が荒っぽいというお話がございましたが、決して荒っぽいわけではございません。ここまでピンチに追い詰められた国鉄としては、勇断を持ってこれを打開しなければ打開することはできない。そういう意味で私は申し上げておるのであります。実際やることはきめ細かく長期にわたってやるという考えでござ
 いますから、どうかその点を、それほど重大な関頭に立っており、したがって、勇断を持って処理しなければならないという段階にあるということだけはひとつ御理解を願いたい。荒っぽいと言うと何か違った印象を受けますから、どうか言葉の使い方につきまして格別の御配慮をお願いして御支援を願いたい。
 先ほど来お話を伺っておりますと、事柄の理解は、特に国鉄に関係の深い先生と、それから私が素人考えながら考えておる疑問点は大体底流は同じだ、しかし、それぞれの立場がありますから、それぞれの立場で御発言があるように私は理解をしております。
 特にいまお触れになりました工事費の問題につきましては、私も素朴な感じでございますが、やはり一つの企業体として考えた場合、公共性があることは事実でございますし、また国鉄として安全性というものに常に留意しなければならないことはもとよりでございますけれども、しかし、これだけの赤字企業体が年々設備投資がふえていくということは果たしてどんなものだろう、去年は九千億、ことしは一兆六百億、そういう行き方の中に大きな問題点があるということを私は痛感をいたしております。
 まあしかし、これ以上いろいろ申し上げますと、またおまえは荒っぽいとかいろいろお話がございますから、きょうはこの程度にとどめますが、基本的にはあなたと同じ考え方、そういうふうに御理解を願いたい、こう思います。
○高木説明員 現在、一兆六百億のうち約六千五百億強が在来線でございます。この在来線につきましては、実にいろいろなものがあるわけでございまして、私どもとしましては、ほとんど保安あるいは取りかえといったことに重点を置いているところでございますので、決してその投資がむだだというふうには――むだといいますか、効率が悪いというふうには考えていないわけでございますが、しかし、いずれにしましても、これは全部借入金に依存をしておる、したがって、金利負担がまたふえてくるということでございますので、一方において必要の緊急度は非常に高いというものであるにしましても、何とかこれは工夫しなければいかぬのではないかというふうに考えております。
 たとえば大都市通勤線の建設につきましては、五十二年でございましたか、その当時から三割の補助金をいただくようになって制度を改めてきたわけでございますが、実はその前は全部借入金であった時代もございます。あるいはまたある時期には出資によっていた時期もあります。そこらあたりにいろいろ無理が重なってきておりますので、いま御指摘がありますように、もう一度洗い直しをする必要がどうしてもあるという現状でございます。ただ、いま具体的にどの程度どういうふうにしたらよろしいかというところまではなかなか結論めいた腹案にまで到達をいたしていないということでございます。
○渡辺(芳)委員 どうも時間が参りまして、自動車局と航空局と海運局に申し上げる機会がありませんで恐縮に存じます。またいずれかの機会にいたします。
○佐藤(守)委員長代理 佐野進君。
○佐野(進)委員 私は、交通問題全体について大臣並びに関係者に質問をしてみたいと思います。
 大臣、いま渡辺委員の質問に対してそれぞれ答弁があったことについては、後で関連して若干質問してみたいと思うのでありますが、まず基本的な問題についてお尋ねをします。
 運輸委員会は、御承知のとおり昨年の暮れ、全党決議をもって地方線の整備を初めとする一連の対策を政府に要望いたしました。それに対して過日久保委員からも質問があり、それぞれ要求が具体的に示されておるわけでありまするが、いよいよ五十五年度の予算編成期を迎え、大蔵省はゼロ査定――ゼロ査定ということじゃないけれども、ゼロというような形の中で来年度の予算に対して取り組むのだという姿勢を明らかにしております。先ほど来質疑の中において明らかにされておりますように、ことしのこれからの交通行政は、きわめて多事多難が予測される中で、なさなければならない課題は山積をいたしておるわけであります。したがって、政府の示された基本的な原則に即対応するということであるとするならば、来年度の運輸行政はきわめて憂慮すべき事態に逢着する、こういうように考えられるわけであります。
 したがって、基本的に大臣に御質問申し上げることは、この委員会決議を踏まえた問題を初めとし、来年度の運輸行政に対する基本的な大蔵省当局に対する姿勢についてお考えをこの際お示しをいただきたい、こういうことが第一の質問です。
○森山国務大臣 こういう時期に非常に重大な問題について御質疑がございました。御承知のとおり五十五年度の予算は、税収の増加というものについて過大な期待ができないような状態であります。すなわち自然増収はある程度あるといたしましても、増税ないし新しい税制を立てるということはなかなか容易でないと見るのが政治的な常識であろうと思います。また国債につきましても、きょうの新聞にも出ておりましたけれども、百円額面の六・一%の国債は九十円を割って八十円台になっておるという状況でございますから、前のように国債を大量に発行するということは容易でない、したがって、一般的な支出というものは、大蔵省の試算によれば六・何%でございましたか、ないしゼロというような増加率でございまして、そういう中で運輸省関係の予算を編成していかなければならない。特にそのうちの六割は国鉄関係でございますから、したがって、この予算の編成というのはなかなか重大でございまして、これらの問題の取り扱いについてどうしたらいいかということについて目下苦慮しておるというのが偽らざる実情でございます。
 先般、そのために大蔵省の主計局長を私のところに呼びまして、新年度予算についての一般的な話をいたしたわけです。その中で、こういうことを申してはなんでございますが、国鉄の年金は現在四十二万の職員で二十六万の先輩の年金を賄っておるという状況、したがって、年金の成熟度は現在六〇%ということでございます。仮に今後十年内に、これも仮にでございますよ、十万人減るといたしますと、四十二万人から十万人減りますと三十二万人で、それが分母になって分子が二十六万プラス十万になれば三十六万でございますから、これは減量経営と申しましても、なかなか容易じゃございませんね、後の年金の始末は。成熟度が一〇〇%以上というわが国の歴史にないような事態というものが、もう十年以内に予想されるということになってまいりまして、こういう問題はちょっと国鉄だけで片づけるということはできないわけでございますから、したがって、このことについては財政当局あるいは厚生当局等とも、これは日本の社会保障制度全般とも関連しての大きな問題になりますので、なかなか容易ではないということについて話をし、結論は直ちには出ませんけれども、一例として申し上げました。
 これだけではございませんが、一例として申し上げました問題についても、それだけの難問題を抱えておるということは、きわめて異例でございますが、主計局長、次長、主計官を呼んで相談もしておるというようなわけでございますが、われわれといたしましては、できるだけ世人の納得を受けるような最大限の努力をいたしまして、そして、その努力の上に立っての予算要求というものを考えてまいりたいと思います。冗費を節約し、不要不急の機構というものを整理いたしまして、また国鉄は再建の第一年度としてふさわしいような体制を、最大限の努力を尽くして、この困難な時期に対処してまいりたい、そういうつもりでございます。
○佐野(進)委員 質問の問題点がたくさんありますので、答弁の方は要点を入れて、聞かない分まで答えなくていいですから、聞いたことには親切にひとつ御答弁を願いたいと思います。
 そこで、いまの委員会決議の取り扱い、これをどう予算の上で生かしていくかということを私は御質問申し上げたわけですが、この点についてはもう一度お答えをいただきたい。
 それから、こういう情勢になってまいりますると、来年度の予算編成の方向を踏まえた上できわめて重大な課題がたくさんあるわけでございますが、総合的な交通行政を展開するに際しての政策立案、こういうことが運輸省当局のいまの体制の中では、きわめて弱いような感じがいたすわけであります。いわゆる監督行政、指導行政、そういう面については、相当すぐれた面があるようにお見受けをいたします。もっとも、これは組織の上ですよ、人的にどうだと言うのじゃないんですよ。そういう意味において、政策局というようなものが、来年度予算の中においてははっきりと位置づけられて、総合交通行政に対する交通政策を立案し、それを実施させる、こういう中心的な機関を置くべきではないかと私は判断いたします。
 そこで、いま申し上げました委員会決議の取り扱いと関連してこの二点、大臣からひとつ要点でよろしいから簡単に御答弁いただきたい。
○森山国務大臣 地方陸上公共交通の維持整備に関する決議というのはよく承知しております。これを具体化するにつきましては、決議にも述べられておりますように、まず安定的な財源を確保することが必要であります。このため、五十四年度の予算編成過程において、地方交通対策を含む特別会計の設置に努力をいたしましたが、種々問題がありまして、創設を見送ったことは皆様御承知のとおりであります。この問題は引き続き検討を進めているところでありますので、その他の問題もあわせて総合的な施策の確立を進めてまいりたいと思っております。
 先ほど、そのことを実態的に申し上げたわけでございますので、なかなか容易ではございませんが、その御趣旨を体して努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、総合交通体系につきましては、昭和四十六年にできました交通体系でございまして、すでに私は、閣議において、久保委員の御質疑の結果も体しまして発言をいたしましたことは、皆さんも御承知のとおりであります。先般、経済企画庁の総合計画局長から、私どもの方の総務審議官あてに、ひとつ具体的に検討しようという文書も参りまして、いま検討中でございます。
 それから、政策局のお話がございましたが、政策局というよりは、むしろこれは運輸省内部の全部局を総合的につかんでいくところでございますから、今年度の予算の経過において総務審議官という制度を設けることになりまして、四月一日から実施しておりますが、従来の者が総務審議官をやっておりますけれども、これは運営によりましては、専任の局長クラスを置くことも今度は可能になったわけでございますから、この総務審議官制を活用いたしまして、そのスタッフも、幾つかの課がございますから、それが十分に機能するように今後運営してまいる方がいいのではないか。局と言うと、何かそれだけで局のための局みたいになってしまいます。これは運輸省の運輸行政のための一つの仕組みでございますから、大蔵省なんかでもやっておりますように、そういう審議官制度を活用し、特に総務審議官制度を活用して、その成果を上げてまいりたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
○佐野(進)委員 私は、現在のわが国経済の情勢、いや世界経済の情勢をよく見てみますると、エネルギー問題をおいては考えることができない情勢が日に日に深まってきております。いまそういう情勢の中で、わが国は、イランの事件が発生以来、いまだ過去の蓄積によっていわゆる混乱という状態にまでは立ち至っておりませんが、アメリカを初めとする先進諸国の中では、もはやその兆しが見えておるわけであります。したがって、好むと好まざるとにかかわらず、わが国がそのような問題に逢着することはもはや時間の問題である。その時間の問題であるという事態を踏まえた現段階の中で、それらに対する具体的な対策、特に運輸省としてはその中心にあるわけでございますが、エネルギー使用の中においても直接輸送手段に使用するエネルギー源、これに与える影響とエネルギー源としての石油問題、そしてそのことから発生するところの影響というものはきわめて大きいものがあるわけであります。したがって、・そういう立場に立つならば、この段階の中におけるところの短期的、長期的なエネルギー問題を踏まえた総合交通対策というものを樹立し、その樹立に基づくところの行政を展開していかざる限り、その混乱の中に巻き込まれてにっちもさっちもいかない状況になるのではないか。いわゆる国鉄問題もその中の一つとしてとらえることができるし、航空問題、海運問題、いずれをもってしてもそういうことが考えられるわけであります。
    〔佐藤(守)委員長代理退席、関谷委員長
    代理着席〕
 そういうようなことになれば、この総合交通対策を、いま大臣が言われたような見地に置くことがいいのか悪いのかは、私は、あなたの御見解はいま少しく消極的に判断せざるを得ないのでありますが、しかし、いまここで速やかな結論、これは違うのだ、こうだと言うほどの材料の持ち合わせはございません。ただしかし、運輸省が五十五年度予算編成要求に対処するに際して、その基本的な原則を踏まえた確固たる信念に基づいて対応せざる限りおくれをとる。あなたは起きてきた事態に対してはきわめて熱心、丁寧に対応しておられるけれども、そういう基本的、総合的な角度に立つところの対策については何か熱心でないのじゃないか、こんなような感じもいたしますので、この際、御忠告かたがた、将来起きたとき、佐野君そんなことを言ったけれども、そうだったなんて言われないようにひとつやってもらいたいという願いを込めて質問するのですが、どうですか、あなたどんな考えを持っていますか、時間がありませんから余り長くならないように答弁してください。
○森山国務大臣 御忠告というか御激励というか、そういう意味でお話を承ります。
 しかし私は、この委員会の際の答弁におきまして、エネルギー問題の重要性という観点から、総合交通体系の見直しというものの必要性を、私の方からむしろ積極的に申し上げたこともあるわけです。久保さんなんかは、えらいおまえやらないじゃないかというような御趣旨もございましたけれども、久保さん、前よりは前進しているのじゃないですか。
 それで、私が申し上げたいことは、総合交通体系も必要ですけれども、それだけの作文に終わったのでは何にもならないんですよ。やはり実際の一つ一つの行政事務の中に総合的な考え方というものが必要でございますから、したがって、たとえば先ほど問題になりました「ドリーム号」は運輸省では自動車局の管轄だ、国鉄問題の基本は鉄監局にありましても鉄監局の方へ回ってこない、そういうようなことで総合的に処理されないということがないように、単に総合交通政策は一つの総合交通政策という作文をつくることだけではないのであります。それが基本になってそういう考えで動くということであります。実際動くということであります。
 そういう観点からこの問題を取り上げておりますし、特にエネルギーの問題きわめて重要でございますから、いままでのことの後始末には熱心だが、これからのことは余り熱心じゃないぞとおっしゃるのはいささかどうでございましょうか。言論は自由でございますから、何を言われてもやむを得ないかもしれませんが、私は、主観的にはそうは考えていない。しかし、先行きをどう見通すかは非常にむずかしいことでございますので、その辺のところは実務的にはいろいろむずかしい問題があるというふうに御理解を願いたいと思います。
○佐野(進)委員 もう一つ大臣に質問してみたいと思うのですが、あなたのいまの言葉じりをとるような意味ではございません。しかし、さっき渡辺委員からも御質問がありましたように、非常に熱心に対外発表がなされることは大変結構だと思うのですが、そのことによって発生する全体的な影響、特に内部、なかんずく現場に働いて一生懸命で支えている人たち、あるいはそのことによって、大いなる期待を持つ地域住民、こういう方々に対して失望を与えたり、あるいは落胆をさせるようなことについては、ひとつ慎重な御配慮があってしかるべきじゃないか、こんな気がすることもたびたびあるわけです。ただ、それを一つ一つここであげつらってどうだこうだなんて言うのじゃございませんで、原則的に申し上げておきます。
 一つの例を申し上げますると、過日、これも私ども新聞紙上で見たわけですから、ここであなたのそういう発言を聞いたわけじゃございませんが、東北新幹線あるいは上越新幹線が開通すると三千億の赤字になる、こういうようなことだけがぽつっと出るわけです。そうすると、いまでも何千億の赤字が出て困る、七兆円近い赤字を持っているということで、その存立の基盤さえどうだこうだと議論しておる国鉄関係者、あるいはこの開通によって期待をしておる地域の人たち、私ども、たまたま現地を視察した日の翌日にその新聞記事を拝見したのですが、あの現地の情勢の中で苦労しながら騒音対策を初め万般の施策について全力を尽くしている現場労働者、この人たちにとってはきわめてショッキングな新聞報道という形で受けとめられたと思うのであります。
 私は、そういうことについては、もちろん、そういうことになるかどうかは、なってみなければわからぬことで予測ですから、いまここで、その予測の問題を前提として議論する気持ちはございませんが、私の言わんとするところは、大臣発言については、そういう点について慎重な配慮の上に、全国鉄あるいは運輸当局が一丸となって事態の改善と前進のためにがんばっていくことのできるような体制を、頂点に立つ大臣はもうちょっと配慮するところがあるなら配慮された方がいいのじゃないか、こんなような気がいたしますので、その点についてあなたの見解、長くなくていいですよ、気をつけるなら気をつけるでいいし、いやあれは正しいのだというなら正しいでいい、どっちか一つお答えいただきたい。
○森山国務大臣 国鉄の財政が、従来の計算でも非常なピンチに立っておるということは御承知のとおりであります。ところが、五十五年に予定されておりました東北新幹線並びに上越新幹線の開通につきまして、従来私どもの計算外の、それはよく考えれば当然そうなるわけでございますが、赤字要因として両新幹線の問題が出てまいりまして、国鉄総裁も非常に心配しておられるという状況でございました。そして新しい仕事をやれば当初は赤字が出ますけれども、何年か先には平均されるというわけでございますけれども、見通しの誤りと申しますか、時勢の推移と申しますか、たとえば高速自動車道が盛岡まで通っておるというようなことの影響等もございまして、その赤字解消のめどがなかなかつきづらい状態にある。これは最終的ではございませんが、総裁も大変心配しておられたわけでございます。ですから、そういう心配があるのだ、臭い物にふたをしないで――私も長く国鉄を見ておりまして、こんな状態にあるということを大臣になるまで知らなかった。おまえ不勉強だぞと言われれば不勉強でありますが、そういう問題についての私の認識がきわめて浅かった点等を思い合わせますと、やはり問題があるのだということを国民の前に明らかにするということが、こういう時代においては必要ではなかろうかと思っております。三千億円以上ということでございまして、国鉄の総裁の御心配の点は、国鉄総裁からお聞き願いたいと思います。
 また、この両新幹線の開通を一日も早かれと望んでおる沿線の皆様方、あるいは工事に関係している皆様方から言えば、まことにショッキングなことであろうと思いますが、現段階において事実は事実でございますから、国民的な視野から、聞きづらいこともそういう点ではっきりしておくことが必要ではなかろうか、こういうふうに私は思っているのです。いろいろな問題があっても覆い隠しておくよりは、そういう点をはっきりしておいて、さてどうするという立ち向かい方の方が、今日の時期においては事態の打開の捷路ではないか、そういうふうに考えてやっておりますので、先生の御配慮は私も半面において同感でございます。私の地元なども東北新幹線が通っておりますが、私の発言で、これは大変だということで、私もいろいろ御応待申し上げなければならぬような問題等もございますけれども、どうかひとつ、私の意のあるところにつきまして格別の御理解を賜れば光栄に存ずる次第であります。
○佐野(進)委員 さて、次の問題に移りたいと思うのであります。
 大清水のトンネル事故は、国鉄建設史上きわめて大きな事故としてその記録をとどめることになったわけであります。この問題を契機にいたしまして、運輸当局あるいは国鉄当局、さらには鉄建公団当局は、それぞれ具体的な対応をしておられるわけでありまするが、この対応の中で過日来再三にわたって私どもの方へ、それぞれの処置、点検等の処理の内容について御報告があったわけであります。
 私は、その御報告を聞いて、それぞれの問題について積極的に対応せられておるということに対しては評価するにやぶさかではございません。しかしながら、わが党もその後現地調査団を、さらに国対から派遣をする等々の処置を講じておるわけでございますが、結果的に犠牲者が出たということに対応してそれを今後防ぐという一般的な処置はあったとしても、将来再び起きたとするならば大変であるぞという意味の具体的な措置が、鉄監局においてもあるいは国鉄当局においても鉄建公団当局においてもきわめて遅い。特に関係業者、その下請業者、さらにはまた、そのことによって直接的な犠牲を受けられた方々に対する補償、さらに、それらの問題を前提として、将来起こってきた場合におけるところの具体的な対応策等々について、私は、遺憾ながらその誠意を認めるというところにいっていないわけであります。
 他の委員会、参議院等においても、それぞれ具体的に質問が展開され、それぞれの措置について検討が加えられつつあるということについては、私は聞いておるわけでございまするが、本委員会におけるところの責任ある立場におけるそれぞれの方々からの発言をまだ聞いておりませんので、この点について、鉄監局長、国鉄総裁、さらにはまた鉄建公団総裁から、それぞれの所見をひとつこの際明らかにしておいていただきたい。
○山上政府委員 去る三月二十日、鉄建公団において工事中の上越新幹線の大清水トンネル坑内におきまして火災事故が発生し、十六名のとうとい犠牲者を出しましたことにつきましては、まことに遺憾に存ずる次第でございます。
 火災事故の原因につきましては、引き続き関係方面で目下調査中でございます。
 運輸省といたしましては、事故の重大性にかんがみまして、事故発生後直ちに政務次官に現地に行っていただき、各般の措置につきまして遺漏なきを期しますとともに、鉄建公団それから国鉄に対しまして、直ちにトンネル工事の安全面につきまして総点検を実施するよう大臣から指示をいたしました。
 これに対しまして四月二十日に、鉄建公団それから国鉄の総裁から報告書の提出がございました。その概要につきましては、去る四月二十七日の本委員会におきまして大臣から直接御報告申し上げたとおりでございますが、現在工事中のトンネルにつきまして、さらに安全の徹底を期するために、坑内における火気使用時の管理体制の徹底、消火器の型式の統一等、六つの項目につきまして早急に改善を行うよう、国鉄、公団から、それぞれ現地機関並びに関係の事業者に対しまして指導をさせております。これにつきましては、設備改善など多少準備期間を要するものにつきましても、五月中にはすべて完了させるというつもりで、そのように指導監督をしております。
 以上の総点検に対する報告を受けまして、早急に必要な措置を終え、この種の事故の再発防止に万全を期するよう、この総点検の報告を両総裁から大臣のところに持ってこられたときに、大臣から両総裁へ重ねて指示をしたところでございます。
○高橋説明員 ただいま鉄道監督局長から御報告がありましたように、仕事自体は大清水は鉄道建設公団で施行されたものでございますけれども、同様のトンネルが、私の方も工事中のものがたくさんございますので、とりあえず三百メーター以上の新設トンネルあるいは改築トンネルというものについて私の方も総点検をいたしました。それらのおのおののトンネルについての実態を調べまして、類似の事故が起きないような措置をとりあえずはいたしております。
 ただ、トンネル工事はただいまだけの問題でなくて、絶えず新しい工事等が発生してまいりますので、一応まず火が出ないようにするにはどうするかということを基本に考えまして、なお火が出た後の処置、いわゆる消火の問題、あるいは照明の問題、あるいは情報の問題等についても、一回限りでなくて絶えず、将来あるであろうトンネル工事等についても注意が行き渡るように全管内に対して注意をするとともに、今後続けてこの問題については指示をし、また注意をしていかなければならないという心構えで工事を進めることにいたしております。
○川島参考人 鉄建公団の総裁でございます。
 ただいまお尋ねの件でございますけれども、鉄監局長から詳細にわたりまして、運輸省からの指示の内容並びに私の方から運輸大臣に報告しました内容につきまして御答弁があったわけでございますが、何と申しましても、あのような大変な事故を引き起こしましたことにつきましては、深く責任を感じておるわけでございますけれども、今後この種の事故が再び起こらないためにどのようなことをすべきかということを、もう一回ここに深く反省を込めまして考えたわけでございます。
 いまお尋ねもございましたけれども、問題はやはり安全の施設と、これを使います人の面と両方から検討を要するであろう、こういう結論でございます。したがって、私の方のこのたび点検いたしましたのは、災害を起こしました大清水トンネルを含めまして、二十六トンネル四十工区全体について厳しい点検をいたしました。その結果、四月中に、施設面ではやや時間を要するものもございますけれども、安全教育でございますとかあるいは避難訓練でございますとか、とりあえず早急に検閲のできます安全性につきましてはほとんど完了しております。したがって、安全施設あるいは器具の整備等は、少なくとも五月末までには完全に整備が終わるという目途で現在取り急いで工事を進めておるところでございます。
 保登野沢の工区につきましては、大臣への報告の中にも入れて申し上げたわけでございますけれども、非常用のサイレン等につきましては十三カ所を新たに設置をいたしまして、緊急連絡警報装置ということの確保を図ったわけでございます。
 さらに消火器につきましては、まだ捜査当局であの原因の真相につきましては定かでございませんけれども、御案内のようにトンネルは高温多湿、いろいろなトンネルがございまして、非常に湿度の高い場合には、粉末のようなものは二カ月程度で固形化してしまうというようなことが実験的にも明らかになってきておりますので、そういうふうな関係機関の御指導を仰ぎながらひとつ整備してまいりたいということで、とりあえず消火器につきましては、型式を統一いたしまして、坑内に三十カ所つくり、坑外にまた二十五カ所ほど新たに設置を終わりました。
 それからそのほかに、防火用の砂でございますとかあるいは防火用水というようなものにつきましても、過去においてもいろいろ設置はしてまいったわけでございますが、今回の事故にかんがみて新たにいま申しましたようなことの点検、管理の徹底を図りました。
 それから、停電時の場合にだれでもわかりますような表示標識等の設置も終わりました。
 それから、御指摘ございました、また、いろいろ先生方からもお教えいただきました防毒マスクと申しましょうか避難用マスクでありますとかそういうもの一切、一応追加を終わりました。
 そんなことでございまして、四月の四日に改めて大清水の現場におきましては安全教育と訓練を行いましたことと、二十四日に安全点検を終わりまして、現在三百メーターの巻き立ての終わっていない――いわば火災現場のところでございますが、今日まで約九十メーターくらい巻き立てが終わりまして、その分につきましては現場検証が終わったわけでございます。いま懸命に巻き立てを続けながら、あわせて捜査の方の検証も進めていただくということで現場は進んでおるわけでございます。
 全体につきましては、いま申しましたようなことで総合的に検討してまいりたい、かように考えております。
○佐野(進)委員 鉄監局ないし国鉄当局は直接の担当者ではございません。しかし、行政的な責任者ないし国鉄の場合には類似する関係その他いろいろな問題があるわけですから、そういう面で私は質問いたしましたが、公団当局に対しましては、いま言われたようなことについての質問を申し上げたわけではなくて、問題に対する事後処理については、先ほど来各方面、あなた方を含めて積極的に対応しておられることは評価する、こう言っているのです。ただしかし問題は、起こしたという事実、起きたという現実、これは否定するにも否定しようがない事態ですから、この中から将来へ交通災害として、特にこのような十数名の死者を出すというようなことが再び起こらないというこの対策をどうやっておるかということをお聞きしたかったわけです。起こった事故の現象に対する対策ではなくして、基本的な問題に対してどうするか。たとえば、こういうような問題に対応するとすると請負業者があるわけです。その請負業者に下請業者もある。さらに働いておる方々もある。この方々はどこの事業所においても、この種事故を起こせば指名停止何カ月であるとか、あるいはまた、それに対するところの罰則はどうだとか、こういうようなことは必然的な結果として起きておるわけです。それをしないで、ただ温存的に、これはこれが悪かった、悪かったというような形の中で処理をされていったのでは、鉄建公団当局がいかに声を大にしても、対外的な効果としてその効果をあらわすことはできないのではないか、日本全国の業者に対して反省を求めるということもできないのではないか、こういう点を私は聞きたかったわけです。いまその答弁がないということは、その準備がないようなこととも判断いたしますので、それらの業者に対する措置をどうとったのか、失われた犠牲者に対してどのような補償の措置をとったのか、いたずらにこのような場合下請業者にすべての犠牲がしわ寄せされるという事態も多いわけでありますが、そういう点についてどういう措置をとったのか、こういう点についてきょうこの時点でこの場所において報告でき得ないならば、後ほどそれらについてひとつ文書をもって報告していただきたい、私はこういうように考えるわけであります。
 いずれにせよ、大清水のこのトンネル災害のような事故が再び起こらないよう、運輸当局あるいは鉄建公団はもちろん、国鉄当局も関連した事業責任者の立場にある者として、戒心してひとつ事態の収拾と犠牲者に対する救済に対して全力を尽くしていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。
 そこで私は、その次の問題としては都市交通対策についてひとつ質問をしてみたいと思うわけであります。
 先ほどエネルギー問題に対して大臣に質問いたしたわけでありますが、このエネルギー問題は、問題が発展するとどこまで行くかわからないほど深刻な事態を迎えるであろうということが予測されます。アメリカのカリフォルニア地方においては、すでにバケツを持ってガソリンを買いに行っておる、こういうようなことも言われておるわけでございますから、そういう点について、この際われわれもその事態の到来を予測するということも、あながちこっけいだとは言い切れないことだと思うのであります。
 こういう事態が来た場合における、特に過密的な都市を多く持つ日本の現状においては、やはり都市交通対策として大衆輸送機関、公共輸送機関優先の原則をこの際確立していく必要があるのではないか。特にそういう面においては、エネルギー問題がやかましいこの予算編成期、特に秋に向けてのそれぞれの編成が行われる過程の中で、いわゆるバス対策その他ハイタク対策等において積極的に対応していかなければならぬと思うのでありますけれども、まず大臣に原則的な考え方、いわゆる公共輸送機関をこの際政策の前面に押し立ててエネルギー事情、特にガソリン不足という事態の中における公共輸送機関を重視する政策を展開していくということが必要ではないかと考えることについての見解。
 自動車局長には、いままでの行政的な指導に加えて、さらにどのように積極的に対応していかれるか、なかんずく今日の情勢下におけるところの大衆交通輸送機関としてのバスの問題、ハイタクの問題、これらについてのひとつ見解をお聞かせいただきたいと思うわけです。
○森山国務大臣 将来のエネルギー事情を考えますと、公共輸送機関を重視していかなければならない点は御説のとおりであります。鉄道を初めといたしまして、当面の事態だけではなくて将来のことを考えて重点を置いていくべきだと思います。ただ、やはり能率的にやってもらわなければいけませんから、その重要性と能率性の重視を現段階におきましては並行して考えてまいりたい、こう思います。
○梶原政府委員 自家用自動車が目覚ましく増加します中で、効率的な輸送機関であり国民の足であるバスが、四十年代に入りまして以降、縮小路線をたどっておることは、まことに遺憾でございまして、運輸省におきましても、四十年の初めから地方バス補助制度を設けまして、その維持、整備に努めてまいったわけでございます。
 特に都市バスにつきましては、自家用自動車の増加に伴いまして運行が容易にできない、定時運転が確保できないというような状況にございますので、一番効果的なのは、警察当局において進めていただいておりますバス専用レーンの拡大、バス優先信号の整備等の面においてバスにつきまして優先的な地位を与えていただく、それを拡充強化していただくということが必要でございますが、さらに私どもといたしましても、五十四年度からバスロケーションシステム、いわゆるバス接近予告システムでございますが、このバスロケーションシステムとかバス乗り継ぎターミナルの整備等を拡充いたしまして、バスを乗りやすく利用しやすいものにしていくという施策を強力に進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
 とりわけ、先生御指摘のように、今後は省エネルギーの観点からエネルギー効率の高いバス輸送の整備ということが大切でございますので、今後所要の行財政措置につきまして一層の努力をしてまいりたい、かように考える次第でございます。
 また、御指摘のございましたハイヤー、タクシーにつきましては、鉄道とかバスと相並びまして非常に公共的な役割りを果たしておるわけでございます。これにつきましても、税制上の優遇措置とかいろいろの手段をもちましてそれの整備を図ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○佐野(進)委員 この問題につきましては、きわめて重要な課題でございますので、私も、さらにまた勉強してみたいと思いますが、いずれにせよ、その前途は、先ほど大臣の答弁にありましたとおり、エネルギー事情の悪化、激変、こういうものの与える都市交通に対する影響はきわめて深刻なものが予想されるわけでありますから、自動車当局としては、そういう面についてひとつ十分研究をし、この機会をとらえて十分なる対策を立てられるよう強く要望をしておきたいと思います。
 そこで、大臣発言に関連して実はこの際聞いておきたかったのでございますが、ちょっと省略いたしましたが、やはりエネルギー問題に関連するわけでありまするが、先ほど渡辺委員の貨物輸送の発言にもありましたとおり、いわゆる陸上交通の中におけるところの液体燃料による輸送機関というものが、そういう面においては大きな制約を受ける可能性等が考えられるわけでありまするが、この際国鉄当局は、そういう事態に対応するためにどのような準備をなされておるか。これはいままだ準備してないと言えばそれまででございますが、赤字赤字で大変苦しめられて、いじめられっ放しのような感じがいたしますので、ひとつ反撃の要素をこの機会におつくりになったらどうかというような感じもいたしますので、その見解をお聞きいたします。
 なお、もう一つ総裁にお聞きをしておきたいのは、何かけさの新聞かきのうの新聞かで見たのですが、ベア分を返上するというようなことを言っております。去年、ことしの春でしたか私が質問したときは、国鉄が役員のボーナスを返上するとかカットして対応するとか、こう言われておるわけですが、少し総裁はお考えが――あなたの出身が出身だから、ついそういう財政的な面へ行くのかもわかりませんが、役員がより以上積極的に働かなければならぬときに、いまなかなかうまい交際費だとか何だかんだといってお金を使うこともできないほど厳しい情勢になっているときに、一番頭を使い、体を使い、一生懸命になっていかなければならぬ、しかも給料は決められておる、そういう役員の方々の給料をカットすることによって、一体一般職員に対して、あるいは他に対してどのような影響を与え、好もしい影響を与えると判断なさってそのような措置をお決めになったのか。私は、お出しになるものは、決められた額はどんどん受け取られる、仕事はそれ以上やる、皆さんやっておられるわけですから。そういうような気持ちこそ国鉄再建のために最も必要な措置ではないか、こう考えるわけですが、その点ひとつ決意だけでいいですから、簡単に御所見を聞いておきたいと思います。
○高木説明員 将来のエネルギー問題との関連でどういう準備をするかということについては、率直に申し上げてまだ十分できておりません。ただ昨年来、景気が回復してきたということもありまして、貨物の荷主さんがふえてきております。一時トラックの方に依存しておられた荷主さんで、また国鉄で運んでくれということになってきたものが、まだ一般的ではございませんけれども、ぽつぽつ出てきております。そこで、そういう新しい御要請に対応して、なかなか時間的にもトラックには及ばない点もございますし、その他のサービスにも欠くる点がございますけれども、思いを新たにして荷主さんの要請にこたえ得るようにいろいろと現場現場で対応するように指導をいたしております。昨年の十月のダイヤ改正の機会に……(佐野(進)委員「対応しているかしていないかで結構です」と呼ぶ)
 それから、第二の点につきましては、御指摘のような考え方もあるかと思います。しかし、われわれとしましては、やはり経営の中心にある者が気持ちを引き締めていくということを何らかの形で表へあらわすということも、また一つの職場全体に対する刺激になるのではないかと考えた次第でございまして、何とかこうした事態を一日も早く脱却するために腹を据えて、あるいは目を見開いて仕事に取り組むという姿勢を示すべくこういうことにいたしたわけでございまして、確かにお話のような考え方もありますけれども、この際、一遍こういう示し方をしてみたいということでございます。
○佐野(進)委員 通産省の箕輪さん来ていますか。――お待たせして大変恐縮だったのですが、エネルギー問題の締めくくりであなたに一つ御質問してみたいと思うのです。本当は一番先に質問をして、それをやろうと思ったのですが、大臣答弁の前にあなたにしてもらったのじゃ、大臣の発言を制約するようになってはいかぬと思って一番最後にしたわけですけれども、通産省のいわゆる短期的な石油の需給見通し、その中におけるいわゆるエネルギー問題として、いま運輸行政の中で議論をいたしておりまするけれども、国全体として短期的にどのような対応をしていかなければならぬとお考えになっておられるか、ひとつお示しをいただきたい。
○箕輪説明員 先生よく御存じのとおり、日本の石油事情と申しますのは、全く国際的な石油事情に左右されるわけでございます。したがいまして、いま御質問なさいました短期的な対応ということでございますけれども、これも国際的な原油事情によって左右されるのは当然でございますけれども、与えられた国際的な原油事情の中で日本が可能な限りできることと申しますと、一つはリーズナブルな手段をもちまして原油の獲得に努力するということ、それからもう一つは、これはやはり中長期的な問題にも即つながると思いますけれども、節約を精力的にやっていただく、この二点であろうというふうに考えております。
○佐野(進)委員 通産省当局との議論は、エネルギー問題としてきわめて重要でありますので、またの機会にひとつしてみたいと思うのでありますが、いずれにせよ、私どもが勉強させていただいておる段階の中においては、短期的にも長期的にもきわめて深刻な事態が予想されるわけでありまするから、ひとつ誤りない石油行政といいますか、エネルギー対策をとっていただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。
 そこで私は、地下鉄建設問題、さらに空港問題等の質問をする予定でございましたが、時間が大分経過いたしましたので、それらについては、それぞれの委員会審議の際、たとえば空港問題につきましては新空港公団法の審議の際いたすことにいたします。航空局長、さっきから待たしておいて恐縮ですが、そういうようにいたしたいと思います。
 なお、地下鉄建設問題につきましては、これは後で鉄監局長とさらに詳細に打ち合わせをしたいと思いますので、この場所における質問は省略したいと思います。
 そこで最後に、造船不況対策について若干の質問をしてみたいと思います。
    〔関谷委員長代理退席、佐藤(守)委員長
    代理着席〕
 造船不況は、いまやわが国不況業種の中において残された最も大きな業種である、こういうように言われておるわけでありますけれども、その不況対策について政府は鋭意努力を続けられておるわけでございますが、特に解撤事業の推進等によって一定の効果を上げられつつあると言われておりますけれども、スクラップ・アンド・ビルドの現況と、そのことによって今日の造船不況に対してどのような効果をもたらしておるか、こういう点について各方面から私どもにも要望が来ておるわけでございますけれども、船舶局長は、それらの点についてはつまびらかにしておられると思いますので、将来の見通しとその決意、その点を簡略で結構でございますから、ひとつこの際明らかにしていただきたい。解撤事業の問題、去年法案をつくったりなんかした問題の関連です。
○謝敷政府委員 造船不況対策の一つとして解撤事業につきまして、五十三年度補正予算をいただきまして目下鋭意やっております。
 現状につきまして申し上げますと、昨年の十二月にこの促進のために船舶解撤事業促進協会をつくっておりますが、当初予定は五十三年度で十万トン、その後五十四、五十五、五十六で百万トンずつ、こういう予定であったわけでございます。それに対しまして実績から申し上げますと、五十三年度は十隻の十六万トン、それから五十四年度に入りまして、これは五月の二十四日まででございますが、六隻、十三万九千トンという状況になっておりまして、一応計画のラインに従って解撤が進んでいると考えております。この点につきまして、船主協会あるいは造船工業会で解撤促進をさらにするために、具体的に、たとえばいままでやっておりました製鉄所の溶解スクラップなりあるいは伸鉄所のスクラップのほかに何か解撤船の具体的な利用方法がないかとか、あるいは船主をより解撤しやすい状況に置くための有効利用について現在検討中でございますので、これらの検討結果も有機的に結びつけながら、五十四年度予算でさらに解撤助成のための予算が上乗せされましたので、それらを有効に使いながら所期の事業目的を達成して造船不況の克服のための一助にしたい、こう考えております。
○佐野(進)委員 造船不況問題は、きわめて重大な社会問題でありますし、なお、いまその不況状況が底に到達したかしないかということについては、判断しかねる状況にあろうと思います。もちろん、その一般的な情勢の中で、不況業種からもはや好況に移るのだというような一定の予測が出されておるようでございますが、これは造船業界の上の部門でございまして、いわゆる中小あるいは下請関連、こういうような業種にはその恩恵が至らず、むしろ倒産の危機にあえぐ人たちがたくさんおるわけであります。したがって、それらの人たちの希望として、このことの事業がいかに進められるかということ、しかも老朽廃船をそこに充てるのではなくして、その目的にかなうような措置をしてもらいたいという願いが非常に強いわけです。これはあなたがよく知っておるとおりです。したがって、これらの点についてはいま少しく、いまお話のような御答弁だけでなく、より積極的にひとつ対応していただきたい。この点については、このことを私はよく要望しておきたいと思います。
 そこで、第二点ですが、第二点は、いま申し上げましたとおり、昨年来中小造船会社の倒産が相次いでおりますが、倒産をいたしますと、それぞれ更生法の適用を申請する、あるいは和議の申請をするという、それぞれ対応の違いはございますが、一定の財産保全を行い、結果的には債権者にそれぞれ損害を押しつけるということになりかねないわけであります。しかし、それらの損害が押しつけられた場合、その損害を押しつけられた対象によっては、きわめて深刻な事態、和議の申請をし、更生法の適用を申請した会社以上の深刻な状態に逢着する場面がより中小弱小の会社に発生することは御承知のとおりであります。
 そこで近年、これらの不合理を是正するために、会社更生法の適用について、あるいは会社更生法について、それの改正をしてもらいたい、こういう要望が強まっておるわけでありますが、これについては、法務省にひとつ質問をしてみたいと思うのでありますが、いわゆる会社更生法の適用は、申請されますと、それが受理されまして、結果的に労働債権はほとんど全額、あるいはそれに類するところの一定の条件に当てはまったものについては、その債権額について優先支払いが行われる、ところが、これと同じような下請ないし下請関連の企業についてはほとんど債権が凍結されてしまう、結果的に、下請企業者は従業員を使ってその業務をやるわけでありますから、労働債権と同じであるにもかかわらず、そのような措置がとられない、こういうことによって血の涙で嘆き悲しみながらその工場を閉鎖していってしまう、作業場を閉鎖する、こういう場合がたくさんあることも、あなた方御承知のとおりであります。そして更生法は、公布されてから大変時日もたっておるわけでありますから、これの見直しをし、これを改正してもらわなければならぬという声が非常に強いわけであります。
 なかんずく、いまの問題に関連いたしました更生法の中における「更生債権の弁済の許可」の項、いわゆる百十二条の二の中において「管財人の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。」、いわゆる許可条件としてこれらの弁済について凍結から解除し、それを行うことができるということになっておるわけでございますが、これはむしろそのような許可ということはきわめて弱い発言力であるわけでございますので、この際、それを命ずることができる、こういうようにすることによって労働債権に準ずる措置をすべきではないかという要望が非常に強いわけでありますが、法務当局はこれについてどう考えますか。
 時間がございませんので、もう一つ、それに関連して申し上げたいと思うのでありますが、この百十二条に関連し、さらに百十九条「源泉徴収所得税等」という中において、その最後の方に「手続開始前六月間の会社の使用人の給料並びに更生手続開始前の原因に基いて生じた会社の使用人の預り金及び身元保証金の返還請求権も、」という条項があるわけでございますが、これをこの中に入れて、下請ないし下請関連企業の人たちに対して及び会社の構内下請者に対する賃金と同視すべき債務というものをこの項の中に入れて、そして現実に即応した更生法の運営を図るべきではないか、そのための修正をすべきではないか、こういう意見についてどう判断されるか、この際、御見解を聞いておきたいと思います。
○稲葉説明員 お答え申し上げます。
 御質問の点につきましては、昭和四十二年に会社更生法が改正されまして、その改正論議の過程においても、この改正はサンウェーブとかあるいは山陽特殊鋼とかそういう会社の会社更生適用事件を契機として行われたものでございますけれども、その際にも同じように下請債権を労働者の債権並に優遇すべきではないか、あるいは共益債権にすべきではないかというような意見があったわけでございます。ただ、それに対しましては二つほど問題があるということでこれは見送られた経緯がございます。
 と申しますのは、一つは、労働者の債権につきましては、いままで従属的地位にあるものとして、それを保護すべきだという観念が非常に強く行き渡っておりまして、現に民法等におきましても、それ相応の優先権を与えるという措置をとっておるわけでございますが、請負の一環としての下請については、そのようなコンセンサスというものが必ずしも得られていないということでございます。
 それともう一つは、先生の御指摘は、一部に限っても、つまり労働者の債権として同視できるようなものに限ってもそういうふうにすべきではないかという御指摘だろうと思いますが、私どもがやっております一般司法と申しますか、そういうものでは裁判所に最終的な決着が預けられるということで、基準が非常に明確でないといけないということがございます。といたしますと、法技術的にそういう基準を立てるということがむずかしいのではないかという問題がございますし、さらにまた、そういう基準を立てた場合にも、それを会社更生の面だけではなくて、もっとほかの面、普通の一般の平常どおり操業が行われている場合においても、やはり労働者と同じように保護しなければならないのではないかというような、そういうバランスの問題があるわけでございます。そういう点を含みまして、なかなか私どもだけの、会社更生法だけの手当てということはむずかしいということで、なお各行政庁とも、つまり主管しております労働省とかあるいは通産省とかあるいは運輸省、そういうところも含めてまた検討してまいりたいと思います。
○佐野(進)委員 これで質問を終わりますが、大臣に最後に要望と答弁をいただきたいと思うのですが、造船不況問題はきわめて深刻な問題であります。そこで、いま法務省の方から御見解が出されたような事項についても、これは運輸省としても、いま行政庁と相談してということでございますので、研究の課題としてひとつ対応していただきたい、これについて要請をしておきたいと思います。
 それからもう一つ、いつも言われておるわけでございますが、この際、そういう中小零細企業に対する仕事を確保してやる、いわゆる官公需の一部をどうしても与えてやるという優先措置を講じなければ持ちこたえることができないので、それの措置が講ぜられるならば、いわゆる企業を持ちこたえて上向きの波の中に乗ることもできる、そういう希望も出ておるわけでございますから、そういう官公需の優先割り当てを含めて措置をしていただきたいということについての御見解を聞いて質問を終わります。
○森山国務大臣 造船業は最盛期には三年分くらいの需要を抱えてフル操業をやっておったのでありますが、いまは三カ月、四カ月分の仕事で一年間やっていかなければならないわけでありますから、容易ならざる情勢にあることは御承知のとおりであります。不幸にしてこういう時期にぶつかって倒産したところもありますし、また倒産しない会社でも人員の整理を行わなければならないというような問題もあり、これに対しまして、これは単に一企業の問題ではございませんし、地域全体の問題、町ぐるみの問題になっておりますから、この対策につきましては、御承知のようないろいろな立法をやって当面これに対処をしておるということでございます。その際、御指摘ありましたように関連中小企業についていろいろ問題がありますことは御承知のとおりであり、また、そこで働いておった労働者諸君についても、お話のような問題があることは事実でございまして、私ども、そういう点も勘案いたしまして、できるだけの努力をいたしたいと考えております。
○佐藤(守)委員長代理 草野威君。
○草野委員 私は、自動車交通の安全問題につきまして何点かお伺いしたいと思います。
 春の交通安全運動が五月二十日に終わったわけでございますけれども、その翌日の五月二十一日、神奈川県の相模原市におきまして幼稚園から帰宅途中の子供さんが交差点を横断しようとしたところ、左折してきた大型トラックに巻き込まれて死亡をした、そういう記事が出ておりました。五歳の男のお子さんでございました。昨年からこの問題につきましては何回となく国会においても取り上げられてきたわけでありますけれども、このような非常に痛ましい事故が現在でも続いて起きているわけでございます。今回の交通安全運動を見ますと、発表によりますと死者は百九十一人ということで史上三位の少なさであった、これは非常に結構なことであろうかと思います。しかし、その内訳を見てみますと、お年寄りが四十四人、子供が二十二人と昨年よりそれぞれ何人かふえているわけであります。このように、交通弱者の保護という面から見ますと、いま一つという状態であったわけでございます。この種の事故につきまして、これはまずその車を運転する運転者の不注意に対する責任、これは当然なことであると思いますけれども、やはり車そのものの安全対策の見直しというものが、昨年秋以来国会で論議されてきたにもかかわらず、さっぱり進んでいない、こういう状況でございます。
 警察庁の最近の発表によりますと、ことしの一月から三月におきます大型車の左折死亡事故の状況が発表になっておりますが、昭和五十四年一月から三月までの間に四十五件の死亡事故が発生しております。昨年同期で四十三件でございます。したがって、ことしの方が二件増加をしている。関係者の方々の非常な努力にもかかわらず、この種の事故が一向に減少していない、こういう実情にあるわけでございます。
 そこで、運輸省にお伺いしたいわけでございますけれども、この問題について昨年来からいろいろな対策が立てられてきたわけでございますが、その後の進捗状況というのはどのように進んでおるか、まず伺いたいと思います。
○梶原政府委員 大型トラックの左折事故防止対策といたしましては、各方面での施策が必要であることは言うまでもないわけでございます。運輸省におきましては、車のハード面につきましての施策を行っているわけでございまして、先生御案内のとおり昨年の十一月一日から製造される新車につきましては、行政指導をもちまして間接視界を改善するための措置、付近の歩行者、自転車に乗っている方々の注意を促すための補助の側面指示器、巻き込み防止のためのサイドガードの改良、これなどを行ってまいっておるわけでございます。使用過程にございます約五十六万台の車につきましては、去る三月規則を改正いたしまして、使用過程車につきましても同様の安全対策を行うということで準備をし、進めてまいっているところでございますが、対策開始後期間もわずかでございますので、この安全対策を行っております車両は現在までのところ約一割程度、こういうふうに推定されるわけでございます。したがいまして、一日も早く使用過程車の対策が完了しますように関係者の協力を求めてまいりたい、かように考えている次第でございます。
 また、先生御案内のとおり低運転者席の車を試作することにつきましても、努力をいたしておりまして、この八月をめどに完成する予定でございますが、試験運行等の実車テストを通じて具体的な問題点を摘出して検討していくことにいたしておるところでございます。
    〔佐藤(守)委員長代理退席、関谷委員長
    代理着席〕
○草野委員 低運転席の試作状況については八月末までに大体完成をする、こういうお話でございました。たしか四つのメーカーに試作を命じておられると思いますけれども、この試作の結果、いつごろまでにこの低運転席の可否という問題について結論を出される予定でございますか。
○梶原政府委員 この低運転車席の車につきまして試作車ができてまいりますのは、この八月であるということは御答弁申し上げたとおりでございますが、これの評価をどのようにするかということが一番大切なことでございまして、その評価の仕方等につきまして今後鋭意検討をしなければいけない、かように考えておる次第でございます。
○草野委員 余りはっきりしたお答えをいただけなかったわけでございますけれども、この低運転席の問題については、いまからもう数年前にある一つの結論みたいなものが出たわけでございます。そのときの状況では、低運転席必ずしも効果があるとは考えられないというような意見の方が強かったのではないかと思います。しかし、また改めて昨年この問題が取り上げられたわけでございますので、この数年の間にかなりいろいろな考え方、研究等が繰り返されてこられたと思います。したがって慎重に、これからまたその対策についてお考えになるということでございますけれども、今回はこの問題についてはいろいろなむずかしい問題がたくさんあると思いますけれども、ひとつ十分に取り組んで、その結果を出していただきたい、このように考えます。
 それからもう一つは、最近左側ハンドルの問題が出ております。これも前から出ておった問題でございますし、私どもも取り上げてきた問題でございますけれども、この大型車の左ハンドルということにつきまして、八つの都道府県の公安委員会の決議によって、これとそれから大型バスにシートベルトをつける、この二つの点が決議されたというふうに伺っております。
 そこで、まずこの二つの決議につきまして運輸省サイドのお考えをひとつ承りたいと思いますが、左側ハンドルのいわゆるメリット、デメリット、いろいろあると思います。もうすでに御存じのとおりであると思いますけれども、この左側ハンドルにした場合に、逆にまたいろんな心配な要素も出てくるわけでございますけれども、この八都道府県の公安委員会の決議のように左側ハンドルに踏み切った方がいいのかどうかという問題について御見解を承りたいと思います。
○梶原政府委員 最初に、世界的な動向につきまして簡単に述べさせていただきます。
 一般的には自動車のハンドルの位置につきましては、車両の右側通行に対し左ハンドルとし、車両の左側通行に対しましては右ハンドルとする、通行方法とハンドル位置は逆にするというのが大体一般的でございまして、百九カ国のうち九十三カ国がこの逆の方にするということを強制し、またはそれを原則としておる、こういう状況にございます。
 そこで、わが国におきましては、昭和三十年六月に交通事故防止対策本部が決定いたしました交通事故防止対策要綱というのがございまして、これにつきましては、国産車につきましては原則として右ハンドル車を生産するということで今日まで進んでまいっております。特殊な車といたしまして郵便集配業務に使用する軽自動車につきましては、これは自動車局長通達をもちまして左ハンドルでやってきた、ところが、実際は今日の姿におきましては、郵便車につきましても右ハンドルのものが多く使用されるという状況でございます。
 そこで、先生いま御指摘の点につきまして、メリット、デメリットの点を申し上げたいと存じます。
 現在、一般に普及いたしております右側ハンドルの利点といたしましては、対向車相互の接触や衝突を防止するための右側の視野の確保についてすぐれておるわけでございます。右ハンドルにいたしますと、そういう点の利点があるわけでございます。特に追い越し等の場合に、前方の見通しのきく右ハンドルが安全である、また同乗者の乗降時における安全性の確保においてもすぐれておる、こういうメリットがあります。逆に右側ハンドルといたしました場合の欠点といたしましては、路端といいましょうか道側を通行している歩行者や自転車に対する事故を起こしやすいということが考えられるわけでございますが、これにつきましては、現在、道路運送車両の保安基準第四十四条の規定をもちまして、ミラーで解決するといいましょうか、補強するといいましょうか、間接視野で左側の確保を図っておるというのが現状でございます。
 今後基本的には、右側ハンドルが適当であると考えられるわけでございまして、わが国の運転者の大部分は右側ハンドルになれておられますので、左側ハンドルに切りかえました場合には、ぶなれから起こる交通秩序の混乱とか交通事故の増加が無視できないものと考えられるわけでございます。
 最後に、先生先ほど御質問ございました大型トラックの左折事故防止の観点から、特に左側視界の抜本的な改善を図りますために、先ほども御指摘のございました低運転者席の車を試作中でございますが、それに加えまして視界改善車を試作するように自動車メーカーに指示してあるわけでございまして、その中で左ハンドル車も試作させることにいたしております。それができ上がってまいりましたときに、左ハンドル車につきましての利害得失を慎重に検討したい、かように考えておるところでございます。
○草野委員 では次に、いわゆる欠陥車の問題について何点か伺いたいと思います。
 最近の「運輸白書」によりますと、昭和四十四年のリコール制度が発足して以来五十三年の十月末まで欠陥車として届けられた累計が輸入車を含めて三百六十四件、その対象台数が八百四十万台になっている、こういうようなことが書かれてあります。最近の例を見ましても、昭和五十年に二十一件で六万台対象車がある。五十一年には二十件で十五万五千台、五十二年には二十二件で百六十八万四千台、五十三年は三十二件で七十二万台、このように欠陥車が年々増加しておる、こういうような傾向がございます。この欠陥車の中には、一歩間違えると人命に関する非常に重大な問題も含まれているのではないかと思いますが、現在、ユーザーとの間に訴訟になっている事件、この件数はどのくらいございますか。
○小林(育)政府委員 お答えいたします。
 欠陥車で訴訟と申しましても、いろいろ、事故を起こした方とメーカーとの間の訴訟あるいは事故を起こした当事者と被害者との訴訟というものがございますが、国を相手取っての民事訴訟ということでございますと、現在四、五件ございます。
○草野委員 国を相手取っての訴訟は四、五件ということでございますけれども、これはメーカーの場合も当然出てくるわけでございまして、御存じないかもしれませんけれども、最高裁の事務総局の特殊損害賠償第一審係属事件数、こういうものの調査によりますと、五十二年末におきまして、ユーザーの被害関係で訴訟になっている件数が、欠陥自動車が原因として訴訟になっているものが三十七件ある、このように出ております。
 そこで、伺いたいことは、欠陥自動車というのは一体どういうことを指すのか、欠陥自動車の定義といいますか、こういうものについて、ひとつ御説明をいただきたいと思います。設計ミスだとか製造ミスだとか構造上のミスだとかいろいろあると思いますが、どのような場合に欠陥車として判定をなされるのか、お伺いしたいと思います。
○小林(育)政府委員 世間一般で欠陥車と言われている中には、非常に広い概念で言われているようなものがあるのでございますけれども、私どもがリコール対策として欠陥車と申し上げておりますのは、メーカーが設計あるいは製造の過程においてメーカー側の欠陥によって、あるいはミスによって何らかの故障が起きる、しかも、その故障が道路運送車両の保安基準に当てはまらない、あるいはおそれがあるという場合に限って私どもは欠陥車とみなしておるわけでございます。したがいまして、さびが出るとかそういうような商品性を損うというようなものについては、私どもは、リコールの対象ということにはしていないわけでございまして、少なくとも安全に関係があり、なおかつメーカーの設計、製造上の工程に問題がある、そういうものに限ってリコールの対象にしておる、そういうことでございます。
○草野委員 そういたしますと、国の保安基準にパスしたものは一切欠陥車ではない、こういうことになるわけでございますね、こういう点についてひとつ伺いたいと思います。
 大型車の左折事故で問題になったことは、左側に大きな死角事故が生ずる設計になっていることである、これはメーカーに課せられた安全運行の義務を怠ったものである、少なくとも助手を同乗させて監視させない限り安全を確保できない、こういうような考え方がございますが、こういう考え方に対する見解は、運輸省はどのようにお持ちですか。
○小林(育)政府委員 自動車につきましては、国際的にいろいろ基準がございます。私どもも、今回の左折対策によりまして三月に保安基準というものを改正いたしまして、間接視界を非常に大幅に拡大いたしまして、安全の向上を図ったわけでございますけれども、それ以前の保安基準におきます視野というものも、国際的に見まして、世界で最も厳しい基準でございます。したがいまして、私ども、車両の構造的に欠陥があるというふうには考えていないわけでございます。しかしながら、やはりそこで、大型車の左折で事故があるというこの現実というものは事実でございますし、自動車がそういう使われ方をされるということも事実でございます。したがいまして、やはりそういう使われ方がされるという現実がある以上、自動車というハードの面で対策を立てていかなければならないのではないかというのが運輸省の考え方でありまして、そういう意味におきまして、昨年の緊急の指示並びに三月の保安基準の改正をやったわけでございます。したがいまして、私ども、決して以前の車に欠陥があったというふうには考えておらないわけでございます。
○草野委員 いろいろな使われ方があるというお話でございますけれども、これは当然のことでございまして、自動車は右にも曲がるし真っすぐにも行くし、左にも曲がるしバックもします。こんなことは初めからわかっていることです。
 そこで、構造上に何の欠陥もない、私も、そのように思いたいと思いますけれども、事実はやはり死角という問題があって事故が発生していることは、これは事実でございます。そのことだけは認めていただかなければならないと思います。運輸省は、メーカーから新型車の申請があった際に、型式指定の段階で保安基準に照らして安全性を必ずチェックすることになっている。先ほどもちょっと出ましたけれども、四十四条の中の、自動車の外側線上後方五十メートルを見渡せるバックミラーを取りつけるとか、それから二十一条で、自動車の運転席は運転に必要な視野を有しなければならない、こういうことが定められているわけでございますけれども、厳密に考えてみますと、決してこれはこじつけではなくて、やはり従来の車に構造上の欠陥もあったと、このようなことも言えるのじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○小林(育)政府委員 以前の委員会であるいは御説明申し上げたかもしれませんけれども、トラックというものの構造から申し上げまして、やはり箱の中へ入っておりまして、後ろに荷物を積むという物理的と申しますか、そういう構造的なものがございます。したがいまして、前の方しか見えません。そこへ持ってきて、人間の目というものがほとんど真横、実際には百九十度ないし二百度でございますけれども、そういう視野しか持っておりません。したがいまして、少し横の方から後ろの方の視野というものは、間接的なものに頼らざるを得ない、鏡であるとかあるいはテレビのようなもの、そういうものに頼らざるを得ないということになるわけでございます。そういうものに頼るということになりますと、どうしても視野の限度というものがございます。大きな鏡をつければ当然それはカバーできるわけでございますけれども、やはり大きな鏡をつけると申し上げましても、畳一畳敷ほどの鏡をつけるわけにまいりませんので、そうすると、鏡の大きさによって視野というものが制限をされます。小さい鏡で広い視野を確保しようといたしますと、どうしても曲率を大きくして視野の拡大を図らなければならない、そうしますと、像が非常に小さくなります。像が小さくなりますると、見てもそれが何であるかということが確認できない、そういうことになるわけでございます。したがいまして、今回の対策では、三つの鏡の組み合わせということで視野の確保をしたわけでございますけれども、現在の鏡でもやはり死角というものはございます。これは小型の乗用車でも、あるいは先生方お乗りいただいておわかりになると思いますけれども、どうしても車には死角というものはつきものでございます。ただ、その死角が安全運転に本当に必要な場所にある、どうしても安全上そこが見えなければならない場所が見えないということではいけないわけでございまして、そういう意味におきまして、在来の車に先生御指摘のように問題があったということは、私ども認めざるを得ないと思います。したがいまして、今回の改正をやったわけでございます。
○草野委員 人命安全という面から見ますと、やはりあらゆる方法というものを考えなければいけないのじゃないかと思うのです。見えないからやむを得ない、こういうような考え方ではいけないと私は思います。そうじゃなくても、車社会の問題がいまいろいろと論議されている最中でございます。実際問題として昭和五十三年、昨年一年間で百九十八件の死亡事故が起きているわけです。毎年こういう非常に痛ましい事故が起きている。しかも、その被害者の方々の七割以上は歩行者であるとか自転車であるとかいわゆる交通弱者、何の責任もない人たちが、少なくとも交通安全のルールを守っている人たちがこういう事故で亡くなっている。いま小林さんお話になりましたけれども、もしあなたの子供さんがこのような事故に遭ってごらんなさい。私は、こういうこと言いたくありませんけれども、親としてどのような思いをされるか。少なくとも自動車にそういう対策が立てられていたらと、まずこのことをお考えになるのじゃないかと思います。
 したがって、遅過ぎたかもしれませんけれども、今回の対策、また、いま左側のハンドルだとかそういう問題も出ておりますけれども、運輸省としては、こういう事故を一つもふやさないという面からも、もっともっと積極的にひとつこれからも対処していただきたい、取り組んでいただきたい、このように要望したいと思います。
 それから次に、製造物責任の問題についてお伺いをしたいと思います。
 製造物責任は、商品の欠陥によって消費者が身体、財産上の被害を受けた場合、過失の有無を問わず直接メーカーに課す法的責任を言う、このようになっているわけでございます。わが国におきましては、従来この製造物責任についての判例というものはきわめて少ない現状でございます。製造物責任に関する訴訟もここ数年間で二、三百件、このように言われております。しかし一方、アメリカあたりの例を見てみますと年間に六、七万件、これはともかくといたしましても、ヨーロッパ先進諸国の間では、この製造物責任に対する考え方というものがかなり進んでいる。いずれにいたしましても、わが国におきましても、これからはこの製造物責任の方向に進むことは必至である、このように言われております。
 この製造物の責任の法制化という問題は、やはり大きなむずかしい問題がたくさんあろうかと思います。現行の市民法の基本にかかわる大きな問題でもありますし、また産業界に与える影響というものも非常に大きいかと存じますが、まずこの点につきまして、経済企画庁の御見解というものを伺いたいと思います。
○加藤説明員 先生御指摘のとおり、製造物責任につきましては、非常に重要な問題でございまして、これは消費者被害の救済制度の一環と考えられております。政府といたしましても、消費者保護会議で総合的な消費者被害救済制度の確立を検討するということにしておりますが、この製造物責任は、その消費者被害救済制度の一環として非常に重要な点をなすものでございます。
 御指摘のとおり、この点はいままで故意過失といったものの立証を、損害賠償を請求するに当たって購入者側に求めておるわけでございますが、この点について製造物責任と言われるものは、その立証の負担を解消して、商品の瑕疵があった場合に損害賠償請求をできるようにしよう、その場合に購入関係にあります事業者等とは現在でもその契約関係に基づき請求できるわけでございますが、購入関係にないメーカー等に直接行ける制度はどうかということで論議されておるものでございます。しかし、これは現行不法行為制度の基本にさわってくる問題でありますので、先生御指摘のとおりに、この現行基本法の根本点をどうさわるかということ、それから事業者側特に産業界、中小企業等に与える影響ということもございますので、大きな国民的な合意というものがないとなかなか進めないだろうということで慎重に検討しているわけでございます。この点につきましては、自動車についても商品の一つとして考えております。
 大体そういったような方向で検討しております。
○草野委員 午前中の時間が参ったようでございますので、これで午前中の質問を打ち切りたいと思います。
○関谷委員長代理 この際、暫時休憩いたします。
 なお、本会議散会後直ちに再開いたします。
    午後零時四十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時八分開議
○堀内委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。草野威君。
○草野委員 では、午前中に続いて質問を続けたいと思います。
 経済企画庁の方にお伺いしたいと思いますが、午前中、製造物責任の問題につきまして御説明をいただいたわけでございますが、先ほども申し上げましたとおり、これに対する考え方は欧米各国はかなり進んでいる、いずれ日本もそういうときが来るであろうと言われているわけでございますが、そういう点で、企画庁といたしまして、この問題に対するこれからの方向といいますか、そういうものに対するお考え方というものについてひとつお伺いをしたい、このように思うわけでございます。
 ということは、あなたも御存じだと思いますけれども、最近こういうような問題が起きているわけでございます。これはことしの三月だと思いますけれども、大型トラックの左折事故で息子が死亡をしたのは、もともと左側が見えにくいトラックを製造したメーカーと、そのトラックの安全性をチェックすべき運輸省がその欠陥を見過ごした、そういうことで、この訴訟では欠陥商品はメーカー側の故意過失の有無にかかわらず賠償責任がある、このような訴訟が起こされているわけでございまして、いわゆる製造物責任を真っ向から主張した訴訟であると思います。
 こういうケースは非常に珍しいケースでございますが、こういうこともいま話題になっておる折から、この製造物責任に対するこれからの方向というものについてのお考えをひとつ伺いたいと思います。
○加藤説明員 製造物責任の関係につきましては、これは訴訟上権利の請求に当たりましての故意過失の立証を軽減しよう、こういうことが一つでございます。したがいまして、本来、責任のあるものについては、現行法でも立証さえできますればとれるわけでございますが、そういう手順の問題と、それから被害者等が直接にメーカー等に請求できる、こういう性質のものでございますが、ただ、この場合にいろいろな問題がございます。
 実際問題として自動車の場合に、普通の商品の場合には購入したものが身体、生命、財産等に被害が及びましたときに製造者に要求するわけでございますが、自動車の場合に運行者が購入者と申しますかユーザーでございますので、これが製品の欠陥を原因として他から請求を受けた場合、それが損害となってそういう民事責任を実現するかどうか、こういうような波及の範囲が一つございます。
 それから、製造物責任について研究すべき点と申しますのは、被害の類型といたしまして、商品の欠陥による消費者の生命、身体被害でございますが、普通拡大損害と呼んでおりますが、そのほかに商品自体が使用にたえない、自動車であれば走らないとか、そういうような場合に購入者の権利の回復はどうするか、それからさらに、取引上の被害がございまして、これはにせ牛かん事件とかそういうマルチ商法問題とかそういうこともございますけれども、そういう取引上の被害、それからサービス関係の被害がございまして、これはクリーニング賠償苦情とかあるいは歯科サービスとか、そういうようないろいろな問題でも提起されております。
 したがって、このうち特に生命、身体の損害につきまして立証責任を軽減するというようなことが構想されておりますので、私ども、この責任の範囲自体は、現行民法上も前提されておるものでございますから、それを、手続、立証あるいはメーカーの故意過失の立証を軽減させてやろうという方向の問題につきましては、訴訟上の負担軽減として検討してまいるわけでございますけれども、金額、賠償額の範囲等につきましては、理論的には変わりませんので、これを実際上実現すべく、相対交渉なり苦情処理なりあるいは生活上あるいは行政上のあっせん機関なりによって権利の範囲を実現させてやろうということもあわせて努力していくということでございます。
 さらに、アメリカのように厳格な注意義務ということを担保といたしまして請求者の負担を軽減するか、あるいはそもそも欠陥を原因として、理由として請求し得るようにするか、製造物責任はいろいろな類型がございまして、これがそれぞれに経済的な双方の負担の問題がございますので、その辺の負担関係の経済的な措置というものもあわせて検討して、なるべく早く消費者の契約上あるいは取引上の地位を確実なものにしたい、このように考えております。
○草野委員 もう一問だけ企画庁にお伺いいたしますけれども、この立法化という問題について特別立法だとか個別立法だとかいろいろなケースがあると思いますけれども、そういうことについて何か考えておられますか。
○加藤説明員 現在の段階では、たとえば民法上の不法行為制度を直すといたしますと、これはただ窓ガラスを破ったとか人に石をぶつけられて請求するとかいう範囲まで一遍に直すということもおかしいわけでございますから、それ相当の商品取引に伴う範囲というものを限定する必要があるかと思います。
 それで、その場合に商品サービスに限りましても、それぞれ自動車あるいは家庭電器あるいは食品等について若干ずつ特性がございます。したがいまして、その共通点のところがどこかということを探すとともに、現在、製品の安全法等によって行っております業者による賠償基金あるいは安全玩具等の例あるいはクリーニング業界に見られます保険会社と契約する例、それからさらに目下検討中でございますが、住宅等の保険制度の例、そういうふうに商品特性に応ずる部分もあるかと思いますが、その辺のところを整理いたしまして、基本的な不法行為制度にかかる点、契約法理論にかかる点は、できるだけ整備の方向で問題を煮詰めるとともに、商品ごとの特性につきましては、相対交渉及び危険の負担分散、それから適正な形での価格による安全コストの実現といった両方の面を考えて、商品別のこともあわせて整理してまいりたい、こういう考え方でございます。
○草野委員 この問題について大臣の御見解をお伺いしたいと思いますが、御承知のように自動車以外でも、森永砒素ミルク事件であるとかサリドマイド事件であるとかカネミだとか今回のスモン、いろいろな問題か起きております。こういう問題を通じて考えますと、わが国とそれから欧米とは比較にならないほど大量の被害といいますか、不幸な社会的な大事件が発生しているわけです。こういうところからも大変おくれ過ぎの問題だけに、この製造物責任の立法化、これを急ぐべきではないか、このように考えるわけでございます。
 先ほどから左折の問題がいろいろございましたけれども、私は、きょうこの場でこれが構造上の欠陥であるかないかという問題は別といたしましても、現実に自動車事故で年間数十万の事故が現在でも起きているわけでありますし、また一万人内外の人が交通事故で亡くなっておる。これはすべて欠陥車によるものでないことは当然でございますけれども、しかし、先ほどの「運輸白書」の中にもありましたように、毎日何万、何十万台という欠陥自動車が町の中を走り回っていることも事実であります。したがって、そういう面から考えますと、この自動車を含めて商品と名がつく全製造物が対象になるこの製造物責任の立法化という問題、これにつきまして、いろいろむずかしい問題がたくさんあると思いますけれども、政府としてもまた大臣としても、ぜひ前向きに取り組んでいただきたい、このように考えるわけでありますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○森山国務大臣 大型車の左折事故で象徴されるような問題につきましては、われわれも、こういう事故が重ねて起きないような対策を講じていかなければいかぬというふうに考えておるわけでございまして、御承知のとおり先般ミラーの改善を行ったわけであります。しかし、これは新しくつくる車からということでございまして、これが全面的実施になる来年の十月までなお五十六万台という車が残っております。したがって、その間すでに走っている車を速やかに新しいミラーに切りかえるというような必要があろうと思いますし、さらに大型トラック等における運転者の座席が低い位置に置かれるような車や、あるいは先ほどお話があったと思いますが、左ハンドルの車、これは目下試作試験に臨もうといたしておりまして、多分八月にはこれが実現をするようになろうと思っております。
 いずれにいたしましても、大型車の左折事故というのは、お話のとおり大変遺憾きわまる事態でございまして、こういうことが起きないようにわれわれとしては努力を尽くしてまいりたいと思っておる次第でございます。
 いわゆる自動車の欠陥車の問題につきましては、保安基準から見まして欠陥があるということでございますので、それにつきましては、すでに御承知のとおりのリコール制というものも実施をいたしておりますが、ただいまの製造者責任制度というのでございますか、これは新しい欧米の考え方だそうでありまして、こういう新しい考えにつきましても、これは自動車だけの問題ではない、いろいろな電気製品その他にも関係があることでございますので、そういう考え方につきまして今後とも検討してまいりたいというふうに考えておる次第であります。
○草野委員 この製造物責任制度の問題につきまして、大臣から余りお答えをいただけなくて残念でございますけれども、これから検討していくということでございますが、大臣個人のお考えでもございましたら、ひとつ伺いたいと思うわけでございます。
 ということは、やはりリコール制度、これも一種の製造物責任の先取りをした考え方ではないかと思います。また、いまスモン等でいろいろ問題になっておりますけれども、薬害救済法、これにつきましても、今国会で成立するのではないかというようなことも伺っておりますけれども、ともかくわが国におきましても、いろいろな商品がその方向に向かって現在進んでいる、また、これが国民なり消費者の強い要望ではないか、このように私は感じております。
 したがって、決して自動車だけが例外ではない。そういうことで私は、この制度の今後のあり方というものにつきまして強い関心を持っているわけでございますけれども、大臣の考え方をもう一遍ひとつお伺いしたいと思います。
○森山国務大臣 こういう新しい考え方を行政の面で具体化していくということは、将来の課題としてはきわめて重要なことであろうと思います。しかし、対象品目も多いし、検討すべき課題もあるわけでございますから、これは一運輸省のみで考えるべきことではなくて、関係しておる各方面ともう少しよく連絡をとりまして慎重に検討してまいりたい。
 私は、一つの制度としてそういう制度を設けるということももちろん大事だと思いますけれども、たとえば大型車の左折事故というものを今後防ぐために、先ほど申しましたようなことを具体的に積み上げていくことが必要ではないか。新しいミラーをつくる、しかし、来年十月までは全部つけるに至っておらないという問題もありますから、これを早くしなければならないとか、あるいはまた先ほど申しましたような低運転者席の大型車あるいはまた左ハンドルの大型車、そういうものを実際やってみて、それに対する対策も講じていく、具体的にそういうことも運輸行政においては大事なことだと思っておりますから、八月の段階で試作の試験をやるというところまで進んでおるわけでございますから、そういう方もやりながら、いまお話がありましたような制度面の改正について慎重にひとつ検討してまいりたい、そういうことでございますから、どうか御了承願いたいと思います。
○草野委員 時間が参りましたので、これでやめますが、いま大臣のお考え承りましたけれども、また別の機会にこの問題についてはいろいろとお伺いをしたいと思います。
○堀内委員長代理 久保三郎君。
○久保(三)委員 最初に、航空関係について二、三お尋ねをします。時間も余り余裕がありませんので、答弁の方も簡潔にお願いしたいと思うのです。
 一つは、沖繩島に勤務する役人というか、そういう方々の給与の問題に関係してお話を申し上げたいのですが、沖繩には航空関係の役所としては管制あるいは空港事務所というか、そういうのがございます。気象庁にもたとえば沖繩の離島である南大東島というようなところにも出先があります。
 私は、きょうは航空管制官に限ってお尋ねしたいのですが、沖繩におけるところの管制業務をやる要員については、沖繩の従来の官署から引き続いて日本政府のいまの役所に勤務している方もおります。しかし、大半は言うならば施政権返還後本土の方からの管制官が行っているわけであります。
 そこで、これは管制官ばかりじゃありませんけれども、調整手当を三年間異動保障として保障している制度があります。ところが、管制業務の完熟というか習熟というか、そういうものにはかなり年月を要する、一年程度は最低限ということのようであります。新しい者が習熟すれば交代ができるのでありますが、要員の問題等もあって異動保障がある三年間にローテーションで回すということが必ずしも円滑にいってない。そのために三年過ぎて調整手当の異動保障はなくなるというような問題もありまして、それが言うならば管制官の管制業務の上に多少なりとも影響が出てきているということを再三訴えられております。
 そこで、これらについては、特に特殊なところでありまして、本土との間にはかなり距離もあるし、それから交通にもかなり金がかかる、あるいは物価については、大半が本土からの移入でありますから、かなり割り高になっているというようなこともありますし、さらには亜熱帯地帯で本州に比べればかなり別な意味での出費もあるというようなことで、調整手当の異動保障を含めてこれらに対する手当の問題を考えてローテーションが円滑にいくようにする必要がありはしないか。
 いままでそれぞれの向きで提言があるのは、言うなら沖繩全体に対して亜熱帯地勤務手当というかそういう特殊な手当を新しくつくって、いまやっているローテーションのための調整手当異動保障の三カ年というような、言うならば便宜的な手法をやめたらどうかというような考えがあるわけなんです。
 ついては、これらに対して航空当局はどういうふうに一つは考えているか。それから、あわせて人事院の方では、こういうものについての検討は現在どういうふうになされているか、その点をお尋ねしたいと思います。
○松本(操)政府委員 まず最初に、運輸省の方から実情と、それから考え方についてお答えしたいと思います。
 御指摘ございましたように、沖繩につきましては、調整手当の三年間の保障という問題を背負って行っている人がほとんどでございますが、しかし、地元の沖繩県出身のこういった職員も、ことしで復帰以来七年になりますので、どうやら育ってきてはおります。しかし、まだ全体的に言って、職種別の違いはございますが、四分六程度の差でかなりの本土からの人たちがおるわけでございます。この人たちは、いまお話がございましたように、三年のローテーションということをしないと、調整手当を背負って行ったのが切れてしまうということになるわけです。
 従来どうなっておったかと申しますと、管制の例だけで申しますと、管制部と事務所と合わせて三百十六名が本土から沖繩に異動して参りました。百九十名がローテーションで帰ってきておるわけで、おおむねこの三年ローテーションというのは守られてきているつもりでございます。ただ、そのためには、これもお話にございましたように、技術レベルの向上ということを考えなければいけませんので、したがって、人員の配置に当たっては、ある程度レベルの高い者を持っていくというふうなことを考慮いたしましたり、あるいは沖繩の官署には教官をわずかではございますが、一般の他の官署よりも手厚く配置するというふうな努力もしてきておるわけでございます。
 また、しかしながらこの調整手当の三年間の問題とは別に、先ほどもちょっと触れましたように、本土から転勤して参ります人間と沖繩県人との比率という点を考えてまいりますと、やはりそこに差が出ているという問題は、人事管理上好ましい問題でもございません。そういうこともございますので、沖繩県に所在する官署の職員については、亜熱帯手当というふうなことを、私ども長いこと人事院の方にお願いをしてきておるわけでございます。いまのようなやや便法的な方法から速やかに脱却いたしまして、沖繩らしい、ちょうど北海道に寒冷地手当があるというのと同じような形での沖繩県における亜熱帯手当というものが早急に実現できるように、実は人事院の方にはいろいろとお願いをしてきておる、こういう事情でございます。
○斧説明員 お答えいたします。
 調整手当の異動保障は、調整手当そのものというわけではございませんで、これは調整手当の低い地域に人事異動で参りました場合に、その土地の生活というものになれるにはやはり相当の期間が必要であろう、そうしました場合には、その期間については現給を保障しまして、生活が急に激変するというふうなことを緩和して差し上げたいということで設けられた制度でございます。こういう事情がありますのと、それから調整手当の基本的な考え方としまして、当該地域の地場賃金との関係で調整手当をつけるなり、あるいは高さなりをとらえるということがございますので、それらを考えますと、保障期間の延長ということはなかなか限度がございましてむずかしい。それから、いま航空局長の方からもお話がありましたように、ずっと地元に勤務しておる職員がおるわけでして、こういう方たちとの均衡がそう長期間崩れるという関係もどうも問題があるということでございます。
 しかし御指摘のように、航空管制官が短期間の異動期間ではなかなか仕事が能率的でないというような、そういう場合どうするかということでございますが、だんだん実情もよくお伺いしながら、今後の検討課題として研究させていただきたいと思います。
 それから、亜熱帯手当といいますか、あるいは酷暑手当ということで沖繩の方々から従前からも要求は承っておるわけですが、これは生活給という観点で当然にとらえられる給与になるわけです。そういう意味から言いますと、生計費が一体他の地区とどういう変化があるかということをつかまえなくちゃいけませんので、いろいろ研究はしておるのですが、そういう生計費の変化が非常に顕著に認められるような資料も見つかりにくい、それから民間の関係も、実は昨年まで三年続けていろいろ調査しておるわけですが、民間企業におきましても、本土と沖繩の関係が企業間でそんなに賃金格差を設けているという状況も見られないということですが、なお要求される方々からいろいろ資料もいただいておりますので、今後もそういう資料に基づいて研究はしていきたい、こういうふうに考えております。
○久保(三)委員 この問題は、航空管制官ばかりじゃなくて全体の問題にもなりますし、お話のように沖繩県人に対しては取りようによっては差別にもとれますから、必ずしもいい制度ではないと思うのです。航空局長が言うように、亜熱帯手当と言うか何と言うかわかりませんが、特殊な勤務地に対する手当として考えていくことが一番妥当ではないかというふうに思うのであります。
 民間との問題を言われましたが、民間の調査もさりながら、いまある出先の官署の勤務態様をもう一遍改めてお調べになって、その上で検討を加えてもらった方が妥当ではないか。それは私から冒頭言ったように、たとえば管制官の場合は、いまの給与体系というかそういう態様からいくと、三年のローテーションが切れるともらえなくなる、そのために無理をして後がまが十分な態勢が整わなくても東京に帰ってしまうとかというようなことでありますので、そういうものを含めて考えてもらう必要がある、こういうふうに思っております。
 これは単に給与の問題という表面的な問題だけでなくて、航空機の安全航行の問題に間接的には影響する場合がありますので申し上げているわけでありまして、人事院においても前向きで検討されるように要求をしてこの点は終わりにします。人事院の方、結構でございます。
 次には、航空局を中心といたしましてニアミスあるいはコンフリクションの対策についてお尋ねをするわけでありますが、現状等についての御説明は結構でございます、大体は承知しておりますから。わからなければお尋ねしますが、大体ニアミスあるいはコンフリクションに対する問題点というと三点だろうと思うのです。一つは、航空官制を直接扱うところの管制官の問題が一つある。もう一つは、ハードの面で、航空管制を安全に確保するための施設、装備、そういうものが第二点目にあると思うのです。それからもう一つは、航空路を含めた空域の問題に問題がある。三つともそれぞれ問題があるわけでありますから、すでにこれは航空局でももう十分おわかりのとおりでありますが、一つは、人間の問題であります。これは過去に比べればかなり増員もしておるようでありますが、まだまだ、安全確保の問題からいくと、飛行機の最近における交通量というかそういうものに比べて必ずしも十分ではない。特にダブルチェックというかダブルウォッチ、そういうものがかなり過密なところには必要性があるのではないか。閑散なローカル空港中心のようなものは別としましても、管制本部あるいは過密の空港、そういうところにはダブルウォッチをできるような要員の配置をして、そういう要員を確保する。いまある程度、全然やらぬわけじゃありませんでやっているようでありますが、やっている中には、ダブルウォッチと言いながらも、新しい人をそこで教育訓練するためにダブルウォッチになっているというのもあるわけでありまして、これは本職のダブルウォッチを確保すべきではないかと思うのであります。教育や訓練の要員というのは枠外に置いて、運用の面での、言うならば定員には組み込まぬという方針でいかぬと、なかなか簡単にはいかぬと思うのです。そういう意味で、どういうふうに要員を確保する考えを持っておられるのか。
 それから、管制機器の問題でありますが、管制機器については、最近かなりハードの面でも進歩してまいりましたが、新しい空港というと成田なんだが、成田はそういう面では新しくないというようなこともあります。いずれにいたしましても、レーダーからレーダーに移動できるレーダー・ハンドオフ方式というかそういうものを、全国全土にわたってカバーできるようなハード装置をぜひ早急に完成すべきであると思っておるわけです。これはなかなか思うようにいかぬものもあると思うのでありますが、安全運航の問題でありますから、ほかの問題は別としても一番重点的にそういう装置については配慮する必要があると思うが、この点はいまどういう考えでおられるか。
 それからもう一つは、空域の問題でありますが、日本の空はいっぱいだと言われているわけでありまして、この空域をもう一遍編成し直したらどうだという考えもわれわれは持っているわけであります。いままでは継ぎ足しと言うと語弊があるが、空港ができるあるいは航空路をつくる、訓練空域をつくるというようなことで、継ぎはぎではありませんけれども、かなりそういう面での局部的な改良をしてきた。しかし、全体をながめた場合には、必ずしも整っていないといううらみがあります。そういうところにニアミスなりコンフリクトの盲点がかなり出てきた。だから、ニアミスなりコンフリクトの頻発が起きるのは、大体幾つかの地域に限定されるというか、そこらに集中している傾向があります。そういう問題から言って、空域の再編成を検討する必要はないか。
 特に再編成とは別でありますが、現在ある航空路の交差点のポイント、そういうポイントが立体交差になっている場所で上り下りというかそういうものがニアミスを起こすケースがある。特に航空路で交通量の多いものが当然そういうふうになると思うのです。そういうものについて、これは出入口を別にするとか航空路の幅を広げて複線にしていくというようなことをやっていかない限りは、狭い空域で上下にやっているとニアミスの危険性がかなり出てくるという話をよく聞くわけでありますが、これらについての改良はどういうふうに考えているか。
 それから空域の問題で、先般、百里の航空基地の訓練空域を運輸省と防衛庁の間で取り決められたということであります。この訓練空域は三つありますが、およそ二つでありますか、これは民間航空機の通路の中にある。もちろん、説明によりますれば、これはときたま通る航空路である、あるいは時間を切って通る航空路だから心配ないのじゃないかというお話もありますが、訓練空域を決めるもともとの態度としては、民間航空路とは完全にセパレートするということがたてまえであったと思うのであります。そういうことから言って、今回の百里の訓練空域の設定はいままでの方針を緩めてきた。緩めてきたからどうこうじゃなくて、そのために万が一の危険性がさらに出やしないかという心配があります。そうでなくても百里の空域と成田の空域あるいは羽田の空域というのは三重になっているわけでありますから、それだけでも大変だという話がいままでも伝わっているわけで、そういう点から言って百里の訓練空域については、どういうふうな考えでやっておられるかということであります。
 もう一つは、那覇の管制空域になりますが、日中の航空路の問題であります。沖繩のFIRと上海のFIR、これは言うならば二二四Eですか、一つは、ああいう狭いところを通路にしているわけでありまして、これは台湾あるいは大邸の管制情報区がそれぞれ近接しておりますから、それ以上に広げるというのもどうかと思うのでできませんが、問題なのは、御承知のとおり中国側は高度をメートルでとっている、ところが、日本側はICAOの方式によってフィートでやる、そういう出し入れ、向こうとの受け継ぎの場合、狭い空域で急いで調整をしなければならぬというので、沖繩の管制ではかなり危険であると考えているということでありまして、話のとおりであるとするならば問題だろうと思うのです。
 最近、日中航空協定の改定ということで便数も多くなるような気配でありますから、そうなりますと、これはなおさらのことでありまして、この際、そういう方式は方式として、フィートならフィートに、ICAOの方式に一致できるかどうかは別にして、一致できるものは一致させるような交渉が必要だと思うのです。もし一致できなくても、やりとりについてもっと安全を確保したやり方がありはしないか。
 いままでの話を聞くと、上海の管制と沖繩の管制との間で、やりとりについて技術的な細かい話は必ずしもしていないようなことなのですが、これは安全上はなはだ問題ではないかと思うので、航空局長、中国側との技術的な話し合いを持つ考えがないかどうか、そうすることが一番この際の問題解決になると思っておるわけであります。ニアミス、コンフリクションの対策について、いままで申し上げたことについては航空局長から御答弁いただきたいと思う。
 運輸大臣、お目覚めください。――いずれにいたしましても、ニアミスというのは、しょっちゅう問題になっているんですね。一つ一つのケースについて航空局を中心に善後策を立てられているのだろうと思うけれども、いま申し上げたように三つの問題点がある。そういう問題を含めて運輸省の中にニアミス解析というか対策というか知りませんけれども、そういうものを持って、もっと前向きに――いまも前向きだと言えばそれまでの話ですが、もっと積極的にニアミス解消のための方策をとったらどうか。そのためにはニアミスの事例に対してそれぞれ検討を加えて、単に航空局だけじゃなくて現場の諸君も入れてその解析をして、再度そういうものが起こらぬように対策を考えていけばいいのではないかというふうに思うので、部内に対策委員会を設けて検討していったらどうか。ニアミスが起こるたびに、やれあそこは悪いのだとかここがどうだとか言うのじゃなくて、原則的な問題でありますから、これはひとつ対策会議というか、そういうものを設けてやるべきである、こういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。
 私が勝手に話してあなたの方に時間がありませんからと言うのも不見識ですが、大体あなたたちは専門家ですから結論を言ってくだされば結構です。
○松本(操)政府委員 非常に該博な御教示をいただいたのでお答えする私がいささかたじたじでございますが、仰せのようにニアミスの問題について、御指摘になりました空域の問題、管制官の問題あるいは方式、施設、機器の改良、いずれも重要な問題であろうかと思います。多少お答えの順序が変わるかもしれませんが、まず空域の問題についていまやっていること、こういうふうな考え方で取り組んでいるということを御説明申し上げます。
 私ども、第二次、第三次の空整によってVORというものをたくさんつくってまいりました。ところが、現在までのところは、VORとNDBと二つの無線標識を使いました航空路が混在をしております。そのために無用のと言うと語弊がございますけれども、先生のお話の中にございました南北と東西の航空路のクロスするポイント、こういうふうなものとか、あるいはたすきがけに航空路が走りますものですから、航空路の途中で航空路がジョインしてくる、こういうふうな問題が幾つかございます。
 そこで、現在もうすでに取りかかっておりますが、五十二年度からの三カ年計画でVORを主体にした航空路の再編成をいまやっております。それによって、今度は飛行場から出入りをいたしますルートとこのVORの航空路とのつなぎ目というものについても、もっとすり合わせをとったきれいな形にしよう、それがまず第一点でございます。
 そういうふうにいたしましても、どうしても交差点というものを避けることができません。そこで今度は、空域の切り方でございますが、この空域と申しますのは、成田と百里の空域というような意味ではなくて、航空路管制上の空域の方をまず先に申し上げます。
 航空路管制上の空域は、実は日本列島に沿ってこれをぶつ切りにしたような形で現在空域ができ上がっておるわけでございますが、これをもう少し、魚で言いますと背骨に沿って上下に分けるといったような流れに沿った空域の分け方というものを工夫してみまして、それによって一つの管制空域の中にクロスポイントが複雑に入ってこないというふうなことをしていきたい。ごく手近な例といたしましては、近畿東の空域については、五十四年度中ということを目途にそういうことをしようといたしております。ターミナルにつきましても、同じような形で空域の形をいろいろと工夫しながら全体の流れがスムーズにいくように考えていきたいということで作業をしております。
 次に、管制官の問題でございますが、管制官そのものにつきましては、昭和四十六年第二次空整が始まりましたときに七百余名でスタートいたしました管制官が、五十三年度末の時点で予算定員千三百六十六名でございますから、それなりの増強もしてまいったつもりでございますし、また航空路監視レーダーのようなものも、わずか二カ所でスタートいたしましたものを八カ所にふやし、この四月からはほとんど全部の管制部においてディジタルの、つまり記号や符号のつきました形でのレーダ管制ができるようにしてきたわけでございますが、それだけに管制官の教育訓練について十分に努力をしてきたつもりではございますけれども、まだ至らない点があるかもしれません。
 そういう点で、ダブルウォッチという点についても御指摘がございましたが、管制部関係で最近三年間に二十名のダブルウォッチ要員をふやし、ターミナルの方につきましても、二十名のダブルウォッチの要員を追加いたしました。これと教官の方とは別でございまして、教官はたとえば管制部だけで十六名の訓練教官というものを別途に置いて訓練に集中しながら、かつ現場の作業のダブルウォッチが実施できるようにという努力を重ねておるわけでございますが、今後ともその方向でいろいろと努力をしてまいりたい、こう思っております。
 それから、方式あるいは施設等の問題でとりわけ成田のレーダーについての御指摘がございましたが、成田のレーダーは四十六年に設置をした関係もございまして、東京、大阪のようなコンピューターと組み合わせた形にはなっておりません。しかし、取り扱う機数が一日百七十機程度でございまして、福岡の二百機をやや上回るのと比べましても多少の余裕がございますので、当面このレーダーを使っていることがはなはだしく不安全につながるとは私ども思ってはおりませんけれども、しかし、空の表玄関でもございますので、五十四、五十五の二カ年間で東京、大阪と同じARTS・Jというコンピューター組み合わせのレーダーを入れることにいたしました。五十六年度なるべく早い時期にこのレーダーを使って管制ができるようにしたいと思っておりますが、行く行くは関東地域全体につきましての複合的な管制と申しますか、そういったような形を早く確立するようにしていきたい、このように考えておる次第でございます。
 次に、訓練空域の点について御指摘があったわけでございますが、百里の訓練空域は去る五月の十七日にAIRAC・NOTAMを出しまして、六月の中旬から運用開始の予定であるということを予告したわけです。これはE1と、それからE2、E3の二つのグループに分けられます。E1につきましては、時間を限ってこの空域をまるまるあけてございます。
    〔堀内委員長代理退席、関谷委員長代理着席〕
ここにはOTRと申しまして、太平洋上に出ていく航空路も何もございませんので、完全に訓練用にあけておいても支障はなかろうと考えておりますが、E2、E3にかかります部分につきましては、いわゆるOTRと申しまして太平洋上に抜けるルートがございます。ただ、これは一日の交通量が二、三機でございます。したがって、この扱い方といたしましては、空域の広がりについてはノータムで決めますが、実際の使用に当たっては、自衛隊の方から東京管制部の方にあらかじめ調整を求めて、わが方が民間機を飛ばす考えが全くない、そのルートの近辺に民間機がいないという時点において何時から何時までの間訓練をしてもいい、こういう形で当該空域の訓練を認める、こういうふうにしたわけでございます。
 この考え方は、実はいささか数年さかのぼりますけれども、北海道のC2空域とかあるいはこれも二、三年前になっていると思いますけれども、新潟沖の超音速訓練空域とかいうふうな形で部分的に行われ、安全性についての確認をしてきた上でのことでございますので、御指摘のような安全上これによっていささかの支障を生ずるというふうなことは絶対にない、こういうふうに確信はいたしておりますが、今後とも、さらに実施に当たっての具体的な細部を、私どもの方と防衛庁との間で詰めて、安全上何ら支障なく運用できるように努力をしていきたい、このように考えております。
 次に、沖繩の方において、特に日中のフライトにかかる航空路の混雑度の問題の御指摘があったわけでございますが、これは先生御案内のように、上海を出ました航空機は、台北のFIRと韓国の大邸のFIRの間のすき間を縫ってわが那覇のFIRの中に入ってまいります。これがアンバー1と呼ばれております台北から鹿児島へ抜ける大通りの土手っ腹に入ってくる、こういうことに実は問題があるわけでございます。しかもさらに、この問題をむずかしくしておりますのは、那覇の管制部と上海の管制部との間に直通の電話回線がない、そのために現実には、那覇の管制官は東京管制部の管通官を通して、御案内のように短波で話をしている、こういうことでございますので、前々から中国の方に、直通回線をつくろうじゃないかということを申しておったわけでございますが、ことしの九月十一日には直通回線ができ上がるという見通しがつきました。そこで、先ほど御指摘のございました七便目の増便という問題も、この直通回線ができるということを前提に七便目をふやそう、こういうことにいたしたわけでございます。
 それから、高度変更の問題でございますが、これは中国はメートル法を使っておりますので、飛行機の高度が私どもの使っております高度といささか流儀が違っております。ただ、それによってトラブルが起こりませんように、実は日中間にフライトを飛ばし始めましたときに協定書を結びました。その協定書の中で、東京と上海の間の飛行高度の指定はICAOの巡航高度表による、こういうふうに確約をしてございます。
 ちなみに、これはどういうことかと申しますと、ICAOの巡航高度表によって、たとえば、わが方が三万フィート、こういうふうに指定いたしますと、この表によってそれは九千百五十メートル、こういうふうになっております。ですから、わが方が仮に三万五千フィートをとって上海の方に飛んで行ったといたしますと、中国側は境界線を越えたところで高度一万六百五十メートル、こう指定すれば飛行機自身はいささかも上下に動かないで飛んで行ける、こういうふうにしてあるわけです。高度を変えなくてもいいように約束をしてあるわけでございますが、残念なことに、中国の管制というものは、私どもの目から見ると、そう言ってはなんですけれども、まだかなり昔の時代ではないか。したがって、当方から都合により高度をこれこれフィート、つまり換算表による何万何千メートルに上げて、わが方の空域に入れてくれ、こういうふうに注文いたしましても、なかなかそれが理解できないのか、やり方がへたなのか存じませんけれども、しばしば古い高度のままで飛び込んでくるのがある。それを上げ下げするのに那覇の管制部がときどき難渋をするということがあったわけでございますので、これでは非常に困りますので、来る六月十八日、那覇の管制部の連中と、それから本省の方からも専門家をつけまして、中国に渡って――渡ってとは大げさですが、中国に参りまして、向こうの管制の専門家と詰めた話をしよう、こういうことにいたしております。
 最後に、御指摘のございました今後のニアミスの防止についての基本的な考え方でございますが、先生御承知のとおり、私どもの方には、首席安全監察官を長として安全監察官制度というのがございます。ここでいろいろとニアミスについての解析なり対応策なりを論じておるわけでございますが、やはり本省レベルでの議論にはおのずから限界がございますので、実はことしの二月から三月にかけまして、現場に問題を提示いたしまして、具体的なニアミスの状況なども、全部資料を提供いたしまして議論をしてもらいました。その中から機つか具体的な提案というものも私ども受け取って、いま、それをどうすれば方式基準の中に溶け込ませることができるかというふうなことを検討しておるわけでございますが、先生の御示唆もございますし、今後とも、こういったような制度を最大限に活用することによりまして、機器の整備、空域の再編成あるいは管制官の訓練というふうなことと相まってニアミス、コンフリクションというものの減少に努力をしてまいりたい、このように考えております。
○久保(三)委員 それじゃ、まあ大臣の御答弁はいいでしょう。
 ただ、航空局長、いまある制度を活用すると言うが、いままで活用していないからいろいろニアミスのたびに、現場の人たちの声とかというふうなものが違和感を持って出てくるわけだ、早く言えばね。だから、そういう点で同じようなことを何遍も繰り返すのじゃなくて、一つ一つの事象について、やはり最後まで原因を究明していけば、そしてそれに対する適応策をとっていけば、ある程度――それでも完全というわけにはいかぬと思うのでありますが、うまくいくと私は思っているわけなんです。だから、いまあるのを活用するのも結構だが、ひとつ現場、第一線のものも含めて、それぞれの地域に、たとえば六甲近辺がニアミスが多いというのなら、六甲のニアミスが何であるか、あるいは沖繩のやつはいまお話があったとおり、沖繩のニアミスはどうなのか、こういう点で、やはりひとつ分析をして、そうしてきめの細かい対策を講じていくことが一番いいのではないかというふうに思うのです。
 大体ニアミス程度で避けられたならば、それは問題がありませんが、衝突なり接触ということになると、これはすぐにまた問題を大きくするだけであって、何ら有効な対策がいつでも講じられないうらみがありますので、そのことを一言申し上げておきます。
 時間が限られておりますから、以上で終わりにしますが、最後に、これは後で御答弁ください、時間がないので。日米航空協定の改定交渉はどの辺まで来ているのか。基本的なことをやらないで、アベック運賃などで何かやっているようでありますが、それも結構だが、基本的なものをやることを忘れたのでは困るのじゃないかというふうにわれわれは思っているわけです。どうか、そういう意味で、どこまで来ているか、後ほど簡単にお話をいただきたいと思うのです。
 次に、トラックの過積み問題で運輸省並びに警察庁にお尋ねします。
 去年の十二月に改正道交法が実施になってから、過積みの問題はかなり、警察庁の努力等がありまして、あるいは関係者の努力があって、自粛はされておりますが、先般われわれが調査した結果をまとめたのでありますが、これは一部でありまして、セメント並びに木材という限られた物資についてだけ実は調査したのでありますが、この調査の結果を見ましても、これは改正道交法が実施された後なんでありますが、かなりの過積みがあります。それから、ある業界新聞でありますが、これはごく最近のものでありまして、東京の新木場を中心にする木材団地からの輸送の状況が書いてありまして、かなりの過積みと白トラの横行があるというふうに報じられております。
 そこで、過積みに対する実績というか、規制をした、取り締まりをした実績は最近までどの程度あるのか。それから典型的に言えば、われわれは、大体特定の品目の過積みが多いと思っているのです。たとえば、いま挙げました木材あるいはセメントあるいは鉄鋼、油、紙、そういうものがかなり多いと思う。あるいは砂利ですね、砕石というか、そういう限られたものがやはりかなり多いのではないかというふうに見ているわけであります。一般的にも過積みがありますけれども、そういうものが多い。
 そこでわれわれは、先ほど言ったような二品目について調査をしたのですが、かなりの過積みがあるということなんで、そういうものに対する警察庁の見解はどうであろうか。先ほど申し上げたように、規制の実績というか、そういうものはどの程度上がっておられるか。
 それから、ある報道によりますと、過積みの規制に対して猛烈な反対運動が出て、警察関係も言うなら手心を加えたと言ったら語弊があるが、多少緩和しているような話を報じられております。これは法律をばかにしたものでありまして、一遍法律をつくれば、それは法律でありますから、しかも、むずかしいことをあえてやろうという法律でありますから、抵抗のあることは当然だと思うのです。しかし、トラックの流通秩序を維持し、安全輸送を確保するという使命に立っての道交法の改正でありましたから、われわれとしては、何でもかんでもこれは厳正に実施をしてもらわなければならぬというふうな考えでいるわけでありまして、それから派生して起こる問題については、これは道交法の範疇で解決するのではなくて、その他の政策で解決することが当然なんであって、いままでの惰性に流れて、過積みでもって維持された体系を道交法で崩されてはかなわぬからもとへ戻せというようなことは、これは本末転倒もはなはだしいと思うので、そういうことには警察庁もまどわされないだろうとは思うのだが、ややもすればそういう傾向が最近見受けられる。
 それから、先ほども申しましたように、くどいようでありますが、実態調査の結果はかなり過積みがある。もちろん、いままでのような車のトン数に比べれば倍も積んでいるというようなのは余りないようでありますが、三割や五割の過積みはかなりあるというふうに見ているわけであります。こういう問題についての見解を伺いたい。
 それからあわせて、運輸省も道交法実施以来の過積については、運輸規則というか、そういうものを改正してあるわけなんでありまして、そういうものについての言うならば道路運送法上の処分は的確にやるべきだと思うのだが、その点はどうなっているか、そういう実績について伺いたい。
 それから、これは自動車局でありますが、いま過積みをする典型的なものをしさいに調べていくと、幾つかの原因があるわけです。特殊な原因もその中にはある。特に運賃の建て方と品物の取引の単位とがかけ離れている。運賃の建て方と輸送される物品の取引の単位が違うというようなことから、運賃は守れない仕組みというかそういうものもある。たとえば木材は石建てで取引をやっているのでありまして、運賃は何ら関係ない。はっきり言うと、車建て運賃というのは余り関係ない。全然関係ないことはないのだろうけれども、関係ない。だから、倍積まなければ車建て運賃はもらえないという実情がたくさんあるわけです。セメントはトン建てです。運賃の方は車建て運賃でありますから、これもそんなに関係はないのです。
 そういうことから言って、そういうものについては別な運賃の建て方を考えたらどうか。たとえば石建てなら才積というか、立米というのもあります。一立米幾らでという単位をつけることも一つだろう。才積などもそのとおりだろうと思うのです、あるいは石建てでもいいのですが。あるいはトン建て、そういう特殊な運賃計算の仕方を指導していくべきではないか。全然関係のない運賃制度になっておりますから、そういうものについてひとつ考えを改めてみたらどうだろうかというふうに思うのだが、その点はどうなのか。
 それからもう一つは、先ほど申しました白トラの取り締まり、これはどういうふうにいまやっているか。その実績はどの程度あるのか。処分というのは、言うならば現場の裁量に任せているようにも聞くのだが、不正行為があったのに、ナンバープレートを領置できるという制度があるのに、短期間の領置だけで終わっている。これではどうも浜の真砂じゃないが、後を絶たないものがあると思うのです。もちろん、これは商売としてやるものに限ってであります。たまたま隣の人の荷物を運送してやったというくらいのものは、これは軽微の問題でありますけれども、商売として大型車を持っていて、白トラを運転するというようなごときは、これはやはり軌道に乗せなければならぬと思うのです。そういう問題についてどういうふうに考えているか。
 以上、幾つかの点ありますが、それぞれお答えをいただきたいというふうに思います。
 それから最後に、総括的な過積み問題の規制についてですが、これは警察庁が一番権力を持ってやっているから、効き目がいいのでありますが、浜の真砂じゃないが、源流をたどれば、言うならば荷主産業の問題があるわけです。荷主産業の監督官庁と言えば、これは通産省ですね。あるいは使用するものから見ると建設省。だからこの問題は、どこが中心になるかは別にして、これは警察庁、運輸省、通産省、農林省も入りましょうね、あるいはいま申し上げた建設省、そういうものの省庁がまず第一にお互いに協力し合って、流通秩序を維持できる、しかも法律を遵守してもらえる、そして正当な運賃と安全運転が確保できるというような命題について協議をして、それぞれ有効適切な連携ある行政指導をやる必要があると思うのだが、これらについてはいかが思うか、それぞれお答えをいただきたい。
 時間もありませんので、以上で質問は終わります。
○松本(操)政府委員 二つばかり宿題をいただいております。
 ニアミスの問題について従来の方式にこだわらないで、もっとフレキシブルにやれというお話でございますが、実はいままでもニアミスの調査については非常に熱心にやっておったわけですが、熱心であり過ぎたがゆえに、むしろ何か現場の者からはニアミスの担当者が検非違使のように見られまして、そういう点でしっくりいかなかった面がある、それを何とか直していきたい、こういうことでございますので、御指摘の点は十分に踏まえて、いろいろと具体的な面で成果が上がるようにしていきたいと思います。
 次に、日米の問題でございます。これはいろいろ問題がございますが、まず第一に、米国の言うところのデレギュレーションあるいはロー・フェア・ポリシー、こういうふうなものは、たてまえ論として私どもと真っ向から対立してしまう面がございます。なかんずく以遠権の問題の解釈等につきましては、これは非常に激しく対立する問題でございます。
 それはさておいて、実務的な問題でいきますと、現実に起こっておりますいろんな低運賃の申請その他をどう裁いていくか。これは先ごろ来、お互いにいろんなことをやっておりますけれども、たとえば往復路割引だとかあるいはアペックスだとか具体的な問題で。しかし、これは議論をし、具体的な方法をまさぐっていけば、両方の議論が折り合う可能性がございますので、これは実務的に詰められるところまでは詰めていったらいいじゃないか。何と言っても旅行する人たちが非常に不公平な立場に置かれるということがないようにするということを当面の目標にしていきたい。
 三番目に、それらをひっくるめて抜本的な対策でやり合おうということになりますと、たとえば現在、成田空港の燃料が思うに任せないとか、そういった実務的な制約がございまして、なかなか、大上段に振りかぶって相手に威力を与えて交渉を有利に展開するということがしにくい面もございます。そういうふうなことがございますので、多少テンポが遅くなってはおりますけれども、しかし、基本的には決して本筋を見失わないで、当面のやりとりのために糊塗されてしまうことがないようにということは、肝に命じて今後とも従来の方針で進んでいくように努力をしてまいりたい、このように考えております。
○矢部説明員 まず、過積載の取り締まりの実態でございますが、今回の道交法の改正を契機にいたしまして、関係業界等における自主的な抑制の浸透が見られるわけでございます。
 ちなみに昨年の一月から十一月まで、これは改正前でございますが、それから改正後の昨年の十二月からことしの三月までの四カ月間、これの取り締まり件数を一カ月平均で比較をしてみますと、大変細かい数字にわたりまして恐縮でございますが、一月平均の件数で改正前が一万四百二十八件であったものが、改正後は五千四百八十一件とほぼ半減をいたしております。
 そのほか違反の内容につきましても、最大積載量が倍以上積載していたもの、これの違反中に占める比率が改正前は一七%ありましたものが、改正後は九%というようにこれまた半減に近い傾向を見せておる状況でございます。また使用者に対する下命容認といった、いわゆる背後責任を追及いたしました件数は、道交法改正後の四カ月間で六百五十九件の検挙を見ておりますが、これも一カ月平均の検挙状況で比較をしてみますと、改正前は百三十三件であったものが改正後は百六十五件と、二四%ばかり増加をいたしております。また、こういったものに供した自動車については、使用制限という規定が新たに設けられたわけでございますが、そういった行政処分を行いました数が、五月四日現在で三件でございますが、そのほか、さらに八件ばかりが現在手続中でございます。
 それから、過積載違反の実態調査結果についての御質問でございますが、実はこれは道交法改正直後の去年の十二月に全国的に実態調査を行ったわけでございます。これは取り締まりを行いました、つまり重量測定を行いました車両五万五千七十四台の中で違反として検挙いたしたものが四千百三台でございました。違反率は七・四%、ちなみに改正前の前の年の十一月に実施した同じような取り締まり結果では、違反率が二一・四%ということでございますので、その限りでは約三分の一に違反率が減少しておる、こういうことでございます。
 これにつきまして積み荷の中身を見ますと、最も違反数の多いものは土砂などを運搬しておるダンプカーで、千四百三十二台と数的には一番多うございます。次いで木材運搬の大型トラック、これが五百三十七台、それから次が鋼材運搬の大型トラックで三百二十一台、こういう順に違反が目立っております。
 また、超過割合別の違反状況を見ますと、最も超過度合いの高いものは木材コンテナ車、これは数が少のうございますが、十六台の中で二台ということで一二・五%、それから木材運搬の大型トラックでございますが、これが五百三十七台中で六十二台ということで一一・六%、次がダンプカーでございまして千四百三十二台中で百四十九台、一〇・四%、それから鋼材運搬の大型トラックでございまして三百二十一台中の三十一台、九・七%、こういった順に目立っております。
 それから、違反率の最も高いものはダンプカーでございまして一二・三%でございます。次が木材運搬の大型トラックで一一・一%、こういうことでございます。
 以上が去年の十二月に行いました違反の内容でございます。
 こういった違反に対しまして警察といたしましては、従来から悪質なものを重点にいたしまして取り締まりを行っておるわけでございますが、さらに、こういった違反につきましては、構造的な違反でございますので、ただ運転者をやるだけではだめなので、先ほど申し上げましたように、その背後責任と申しますか、使用者さらに荷主の関係がございますので、こういったものまでさかのぼって背後責任を追及する、こういう基本姿勢でやってまいったわけでございます。
 さきに申し上げましたように、法改正等によりまして、自粛なりそういったことで違反そのものの数が減少はしてまいっておりますけれども、これを本当に定着させるためには、今後さらに、こういった自主的な抑制の傾向を進めてまいりますとともに、関係機関との連携を強化し、取り締まりにつきましても、従来の取り締まり方針を堅持いたしまして、悪質なものを重点にさらに取り締まりを続けていきたい、かように思っております。
 そして背後にある荷主、使用者等の責任につきましてもあわせて追及をしていくということでございまして、先ほど御質問ございました白トラの件につきましても、こういった背後責任の過程において追及をしてまいりたい、昨年は白トラについては四百二十七件ばかり検挙いたしております。
 それから、今度の法改正によって加わりました、こういったものについての使用制限の規定を適切に運用してまいりたい、かように思っております。
 同時に、現在、総理府を中心にいたしまして関係省庁によります過積載防止対策連絡会議がございますので、そういった場面におきまして、さらに関係省庁との連携を密にいたしまして、荷主等の問題を含めた根源的かつ総合的な対策というものをさらに推進してまいりたい、かように思っております。
○梶原政府委員 トラックの過積み、運賃ダンピング、白ナンバートラックによる営業類似行為、これらは輸送秩序の問題といたしましてトラック業界の古くして新しい非常に重要な問題でございます。とりわけ過積載につきましては、昨年以来その取り締まりを強化してまいっておりまして、営業トラックにつきましては、非常に自粛が浸透してまいっておるわけでございます。今後とも、手を緩めることなく、過積載の防止、定量積載の遵守につきまして努力してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
 取り締まりにつきましての処分件数につきましてお尋ねがございましたが、自動車運送事業等運輸規則を改正いたしました昨年八月一日以降ことしの三月末までの実績を見ますと、全陸運局で文書警告をいたしました件数は六百十八件、口頭警告をいたしましたのは二百三十六件、具体的な使用停止処分はいたしませんでしたけれども、ことしの五月七日に札幌陸運局で六十五日車の処分をいたしまして、同時に、荷主に対して協力の要請もいたしたわけでございます。
 この輸送秩序の問題と言いますのは、先ほども申しましたように、トラック業界の古くして新しい問題でございまして、業界も総力を挙げて努力中でございます。ことしの三月一日から輸送秩序確立総ぐるみ運動を一年にわたって展開しようということをやっておるわけでございますが、私どもも、これに呼応しまして大いに努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
 次に、運賃の問題でございますが、先生御指摘のように、今日の区域運賃の建て方は車建て運賃が原則になっております。品物によりまして、たとえば鋼材とか若干の品目につきまして、別建て運賃で重量別に運賃の建て方がなっておるものがありますが、基本的には車建て運賃でございます。これは先生御案内のとおり四十四年に、それまでトンキロ制でありましたものを、現在の車建て運賃に変えたわけでございます。それまでのトンキロ制でやっておりましたのでは、運送会社の方ではたくさん一遍に運べば運賃収入が上がるというので過積載の傾向になる、それでは困るというので車建て運賃に今日なっておるわけでございますが、これはこれでまた先生御指摘のようなことになりますので、私ども今後、荷物の実態、輸送形態等を十分に勘案いたしまして研究を進めてまいりたいと思っておるわけでございます。今日、トラック協会におきまして、荷主も入っていただいて運賃制度研究会というようなものを持っておりますが、これを中心に適正な運賃制度を確立するように努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
 最後に、白ナンバートラックでございます。白ナンバートラックで営業類似行為をする方が残念ながら多いわけでございますが、私ども、街頭監査とか事業監査等を通じまして、鋭意摘発、処分に努力をしておるところでございます。昭和五十二年度には二千七百四十九件を摘発し、そのうち悪質な違反者に対しまして使用停止処分等を行いましたのが一千八百七十一件に上っておるわけでございます。
 先生御案内のとおり、昭和五十二年度から各陸運局、主な陸運事務所に貨物輸送監理官を配置いたしまして、主として違法白トラの防止を含む輸送秩序改善につきましての指導を強力に行っておるところでございますが、今後、違法白トラの取り締まりにつきましては、精力的に積極的に努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○久保(三)委員 すでに時間が過ぎましたから、これ以上申し上げませんが、警察庁に申し上げておきます。総理府で過積載の問題の連絡協議会を持っておられる、これはあなたも御承知のとおり、内容はダンプカーに限定して輸送秩序をどうするかということであります。これはこれで進めていただきたいのですが、これは運輸省の自動車局長にも言っておきます。ダンプの問題はすでに御案内のとおり、一番問題なのは、どうやって一人一車の運転者を協業化させるかという問題。ところが協業化については、いままで貨物課長その他の方々に来てもらって話を聞くのですが、どうもあなたのところは、免許が中心なものだから、判こを押して許可したやつはおれの思うとおりにせねばならぬという既成観念があるようでありまして、これはいずれ御懇談申し上げたいのでありますが、そういう問題については改めて少し考えてもらいたい。何が目的かということを考えてもらわぬと困るということであります。
 それからもう一つ、警察庁にはいま申し上げたように、過積載の中でもこれはダンプカーの問題でありまして、いま私が取り上げてまいりましたのは御案内のとおりでありまして、木材とかセメントとか鉄鋼とかそういうものについて主だったものがあります。これは取引の関係もありまして、ダンプカーの方は取引よりは言うなら輸送形態の問題がありますからおのずから違うのでありまして、どうかその違う点を――総理府を中心にしたダンプカー中心の連絡協議会での消化はなかなかむずかしいのではないかと思う。そういう意味で、新たな提言をいましているわけなんで、これは別にここで御回答いただかなくても結構でありますが、やはりここまで来て取り締まりだけで片づけるというのはなかなかそう簡単なものではない。むしろ取り締まりが厳重にできるような体制にするのには、流通過程もそれぞれ正規なものに持っていくということだと思うので、そういう意味で、先ほど申し上げたように、これは自動車局が中心になるのがいいのかどうかわかりませんが、関係省庁でどうかひとつ相談をしていただきたいということであります。
 時間もありませんから以上ですが、自動車局長、運賃については運賃制度研究会というのをやっているそうですが、それは持ってやっているだけでは困るのでありまして、私どもの提言についてどう思うかを質問しているわけなんです。
 きょうはもう議論する時間がありませんからなんですが、少なくとも取引の単位と運賃の単位が違っていては守りようもないということなんです。どうかそういう点で研究をしていただきたいと思うのです。
 以上であります。
○関谷委員長代理 山本悌二郎君。
○山本(悌)委員 大臣にお尋ねを申し上げます。
 今月に入ってからもかなり大臣はいろいろな記者会見をして、先ほども話がありましたけれども、いい意見をたくさん出しているんですね。外から見たらすばらしい大臣だ、中から見たらこんなにいろいろなことを言ってくださると追っついていけないなという感じのそういう大臣だと思うのであります。
 そこで、非常にいい話をしてくださるので、一つ一つお伺いしてみたいと思うのです。
 たとえば五月八日の閣議後の記者会見で大臣が、来年度は運賃は値上げをしない、こういう発言をしておられる。非常にいいことなんですよね。ことしさんざん上げたから来年はもう要らない、八・九%上げて千六百五十億も増収になるから来年は結構だ、こういうことなんで、気分としてはよくわかりますし、いいことだと思いますけれども、ところがこれに、新聞によるのですが、鉄監局の方は何か待ったをかけておるんですね。どんなふうに書いてあるかというと「五十二年の閣議了解事項で決められた国鉄再建の基本方針の三本柱に必要最小限度の運賃改正が挙げられている、だから、来年度予算案の概算要求に盛り込むかどうかは六月の国鉄再建計画、その他の交通機関の運賃動向などを見た上でないと決められない。」、大臣の言ったことをすぐ否定して鉄監局がこういうことを言っているというんですね。こういうふうなことはどういうことなのか、まず大臣にお伺いしてみたい、こう思っております。
○森山国務大臣 国鉄再建の基本といたしましては、一つは、国鉄が経営改善に全力を挙げること、その上に立って今度はある程度の範囲で任されました、国鉄の運賃の値上げをやって足らず前を国が行財政上の援助をする、そういうたてまえにはなっております。しかし、ことし千六百五十億近くの運賃値上げをいたしまして、各地区の情勢等を見ますと、たとえば先ほども申し上げましたように、小田急線は新宿からロマンスカーに乗って小田原、箱根へ行く運賃が八百五十円、これが東京駅から新幹線に乗って小田原駅に行きます運賃が二千五百二十円というような状況になっておりますし、東京付近の主要私鉄との関係においてはそういう点等が見られますからへ実際問題としてはこれ以上の値上げを図ることは困難ではないか、いままでのやり方ではむずかしいじゃないか、こういう趣旨の発言をいたしたわけであります。
 しかし、先ほど申し上げましたような前提で、いままでは国会にかけて承認を得ておった国鉄運賃の値上げも、今回は一定限度内において自由にやることができるようになったたてまえでもございますから、それを、正式にめどをつけるのは六月から八月にかけての予算の準備段階においてはっきりしてこなければいかぬのに、少し大臣の方で早目にそういうことについての発言があったということで、両者の意見を調整するという意味で事務当局の発言があったと思うのでありまして、私は、どちらかと言うと、政治的に考えてなかなかむずかしいぞと言ったのでありまして、その時期については、やはり実務を担当している事務当局といたしましては、もう少しはっきり物申して差し支えないときまで、また、それについては、いろいろただいま申しましたような前提があるので、その点を気にして発言をしたということであります。
 ですから、私が記者会見で、私の意見と事務当局の考えていることの間が同じようでもあるし違うようでもあるというふうな表現で申し上げたわけでございますが、基本的に食い違っているということではない、こういうように考えております。
○山本(悌)委員 なかなか微妙な発言ですね。
 じゃ鉄監局長にちょっとお尋ねします、あなたがこれを言っているのでしょうから。
 大臣は、同じようでもあり同じようでもない、白だとも言えるしちょっと曇っているとも言える。本人、大臣自身はちょっと早く言い過ぎた、事務当局としては、そんなことを言ってもらっては困る、こういうことなんですね。
 そこで私、ちょっと意見だけ申してみたいと思うのです。この運賃法が、いわば運輸大臣あるいは諮問機関で決められるようになったのは、勝手に運賃をどんどん上げろということじゃないんですよ。これは予算委員会でうちの河村委員も強く言ったと思うのですけれども、そういうことで許しているのじゃないわけですね。ですから、たとえば私どものところに、今度の二十日からの運賃値上げについては反対の意見やあるいは投書がかなりたくさん来ております。だから、国鉄再建のためにやむを得ないということでばかばかやられてもらったのでは実は困るのです。
 そこで、大臣は非常にいいことを言った、いいことを言ったけれども、事務局はそうではないのだ、大変困ったことを言ってくれた。いろいろ今度、だんだんこの後から東北新幹線、上越新幹線の話もお伺いしますけれども、きょうの新聞を見ますと、御存じのように幹部がベアを辞退いたしますと五千万円くらい浮くのだそうでありますけれども、何かちょっと私ども想像もつかないようなこと、いろいろなことが起きるというか、発言をするものだから、うがって見たくなくてもうがって見たくなる。そしてまた、この次は何が出るだろうという楽しみもあるんですね。森山大臣というのは、非常に何か手品師みたいで、ぱっと出して、そしておもしろおかしく、しかも何か気を持たせるというところがあるのですが、さてそこで、鉄監局長はどういうふうにこの新聞の記事については――これは「朝日」でございますね。五月八日の「朝日」にちゃんと出ておるのですけれども、どういうふうに発表されたか、御答弁願いたいと思います。
○山上政府委員 いま御指摘の件は、閣議後の記者会見で大臣がお話なすったということが発端でございます。私は立ち会っておりませんでしたが、その後、関係の記者クラブの方から、大臣の真意についてもう一回、事務当局である鉄監局長から説明をしろという要請がありました。私は、立ち会っておりませんでしたので、当時、衆議院の運輸委員会をやっておられましたが、そこへ行きまして大臣の真意をお確かめして、それでクラブの方に御説明をした、そういう経緯であります。
 それで、そのとき私が申し上げましたのは、国鉄再建の三本柱の一つであります運賃の改定につきましては、輸送需要の動向とか他の交通機関との競争関係等から従来と同じような方式、同じようなパターンで来年もそのまま運賃改定をするというようなことでは、なかなか所期の成果を得られるかどうかむずかしい問題になっている、したがって今後、運賃改定の必要がある場合には、その内容についてよく検討して知恵を出していくことが必要であろう、このような趣旨を大臣がお話なすったのである、したがいまして、来年度の概算要求に、国鉄につきましては運賃改定を現時点で盛り込まないというような趣旨で大臣がそれをお話されたということではありません、このような趣旨を、大臣の真意をお確かめして私が関係の記者クラブに説明をした次第でございます。
○山本(悌)委員 趣旨はよくわかりました。
 そこで大臣、鉄監局長との間で白だと言えば白だし、やや薄曇りがかかっていると言えば曇りがかかっているのだが、大臣としては、来年度は運賃を上げないと言い切っていいわけですね。そう言い切っているわけですからね。
○森山国務大臣 運賃の値上げについては、まさにそのとおり考えております。ただやり方を、現行の運賃の水準の中でいろいろ知恵を出してやりくりをしなければならぬということが出てくるかもしれぬという点は、先ほど鉄監局長から話があったわけでありまして、それは今後の問題としてあると思うのです。
 たとえば、いまは一律運賃でございますけれども、路線によって運賃を変えるとか、そういうようなやり方の変更というものが将来あり得るかもしれぬという点で鉄監局長からそういうお話があった。だから、いままでのやり方でということで鉄監局長がきめ細かく解説をされた、こういうふうにひとつ御理解願いたい。
○山本(悌)委員 そうすると、一律には上げないけれども部分的には上げる可能性がある、こういうことですね。もう一度お尋ねします。
○森山国務大臣 上げたり下げたりすることがあるかもしれませんが、従来の水準を上げるようなことはやり方を考えていくという必要があろう。こういうことは将来あり得るかもしれません、しかし、これ以上いわゆる一般的に運賃水準を上げるということはもう考えておらない、こういうことです。だから、予算面で、数字で大変な差が出てくるようなことはなかなかむずかしい、困難であろう、こういうふうに考えております。
○山本(悌)委員 私は、上げないのだろうという期待をして、その答弁を承っておきます。
 二番目が五月十五日閣議報告というのがありまして、これが第二弾。東北・上越新幹線は年間三千億円の赤字を出して走ることになる、収支均衡のめどが立ちませんということを高木総裁が大臣に伝えたことを閣議で報告をした、こういうことになっているようでありますね。そうじゃございませんか。
 そこで、まずこの三千億――三千億以上ですか、というのは、どういう試算で出てまいったのでございましょうか。まだ汽車が走らない、むろん、それは走らなくたって乗る人員もわかるでしょう、概算でわかるのでしょうかね。それともまた、人口が相当移動しているのだけれども、そういうことも全部入れてのことなのでしょうかね。赤字になることはわかりますけれども、三千億と言ってきめつけているところに私はちょっと疑問を感じておるのであります。大臣、ちょっとその辺をひとつ御説明をいただきたいと思います。
○高木説明員 いまおっしゃいますように、東北・上越新幹線が開業いたしました場合にどういう収支になるかということは、いままだちょっと明確ではないわけでございます。しかるにかかわらず、三千億という数字を申し上げましたのはどういうわけかと言いますと、一つには建設費が大分上がってまいりました。最近、振動、騒音等の対策を深めていかなければならないということがありまして建設費が上がってまいりました。それからさらに、実は一番最初のころは、もうすでに五十一年に開業できるという前提で仕事を始めたわけでございまして、その間いろいろな事情で、申しわけございませんが・大分おくれおくれになっております。したがいまして、建設期間が延びました関係で、その間の利子が開業前に原価要素として加わってくるということもございます。そうしたことから、現在の大ざっぱな見込みといたしまして、新幹線開業に伴って建設の利子と、それから償却費と合わせまして、ごく概算で三千億ぐらいコストがかかるということになってまいります。
 それで、問題は収入がふえるかどうかということでございますが、実は最近に至りまして、大分これは先行きが暗いということを私自身が感じるようになり、そしてまた、大臣にもそのことを申し上げました理由は、五十年、五十一年ごろをピークとして旅客のお客さんが減り始めておるわけでございますが、にもかかわりませず、東北筋、上越筋は必ずしもそういう全国的傾向ではないということで、まあまあ安心をしておったわけでございますが、昨年、盛岡まで東北縦貫道が完成いたしました結果、たとえばこの五月のゴールデンウイークのときの状況を見ますと、かなりはっきりレールから自動車への転移が見られるようになってまいりました。したがいまして、当初、計画当時には、新幹線ができることによってお客が、むしろ在来線と合わせたところではふえる、新線による誘発効果ありというふうに見ておったわけでございますが、東北縦貫道の影響が非常に大きいと思いますが、そういうこともありまして、必ずしも誘発効果がだんだん期待できなくなりつつあるということでございます。
 そういう点から申しますと、仮にお客が余りふえない、単に在来線から新幹線に転移するだけだということを考えますと、新幹線の運用経費と在来線の運用経費とで差し引きどういうことになるか、簡単に言えばどのぐらい効率のいい運用をするかということによっていろいろ変わってまいりますし、それから新幹線特別料金というものの水準をどう考えたらいいかというような問題もございますので、定かにはまだ言えないわけでございますけれども、とにかく建設期間の延長及び建設費の増加に伴いまして、かなり当初の見込みから変わってまいりました。償却費、利子だけでもちょっと三千億はどうしても開業時点で急にふえるということで心配をしておるということでございます。
○山本(悌)委員 そんなことはもう当初からよくわかっている、利子がかさむなんということはわかっておりますし、それからもう一つ、総裁、たとえば東北縦貫道ができたからだめだとか、それだったら東名ができているのに東海道新幹線は赤字ですか。あるいはまた関越高速道ができたら全くだめですか。私は、そうではないと思うんですよ。いわゆる新幹線に期待をする東北の人たち、あるいは上越の人たちがどれだけの意気込みを持っておるか、また、その新幹線を走らせる国鉄側のサービスと能力の問題だと思うんですよね。それをいまから試算して、五十五年はだめだったが五十六年には開通できるだろう、そうするとこのぐらいの赤字ができるだろうなんということを工事をやっている最中に言えば、これは地元の方としては、へえ、えらいものだな、そんなことじゃとても国鉄には乗れぬ、その赤字は全部また運賃にかかってくるのじゃないかとか、もっとうがったことを言えば、やめてしまうのではないだろうか、大清水トンネルを出た途端に線路がなくなってしまって、あそこまではあったけれども、その向こうはなかったなんということになるのではないかと心配をしているのです。私は、むしろ旗を立てて出てくるのではないかとまで心配をしたくらいでありますが、期待をしているということを私はやはり無視していただきたくないのです。数字だけ、採算ベースだけを頭に入れて、無論やっていただかなければならないけれども、そういうことでぱっと三千億というのが出てきた、これはどうも納得できない。
 そこで次の、五月十八日の、先ほども質問がありました夜行列車全廃の検討というのがあります。私、大変へそが曲がっているものだから物の考え方も非常に曲がっているんですよ。夜行列車を全部やめますと人件費だけで三千億浮くんですよね。そんなことも考えてみた。いろいろではないかと思うのですが、大臣どうでしょう、非常にいいことを「はつめ」――新潟弁でございますが、「はつめ」と言うのであります。非常に優秀でアイデアを出される。それは結構なんですが、そういうふうに優秀で、アイデアを出されて、あるいはときどき耳打ちされて、ぱっと打ち上げるのですが、そのことについて一体責任を持てるのですか、そのことをまずお伺いしてみたいと思います。
○森山国務大臣 国鉄の財政が非常なピンチであることは、私から御説明するまでもない。きょうの午前中るる申し上げましたから、一々申し上げませんけれども、これはちっとやそっとでは解決しない問題でございます。いままで国鉄の再建のときにすぐ出てくるのは、赤字線の問題でございます。しかし率直に言って、国鉄の赤字一兆二千億円といたしますと、そのうちローカル線の赤字は三千億、それから九千億が幹線の赤字ということになるわけでありますから、やはりローカル線の赤字のことを何とかしなければならないという状態になっておる以上は、幹線の問題にもメスを入れなければ地方の人は納得しませんからね。したがって、そういう角度からいままでのやり方、考え方を切りかえて検討してみますと、いろいろな問題が出てくる。
 たとえば新幹線が東京−大阪−博多というふうに開通したけれども、そしてその開通の結果、確かに新幹線に並行する昼間の急行列車というのは全廃されましたけれども、夜間はなお残っておるというようなことは――朝六時から新幹線は走っている。もっと早いのかもしれませんが、そうなれば新幹線が走る時間と在来線によってかかる時間とを比べてみますと、これは新幹線を利用してもらってもやれるのではないか。特に最近は航空機の発達がすさまじいわけでありますから、時間を急ぐ方は航空機を利用されたらどうかというふうに考えることは私は当然だと思うのです。新幹線ができまして、なおかつ今日、東京−鹿児島間の特急列車が走っておるわけでございますから、やはりこういう汽車は本当は必要なのかなという疑問を呈することは私は当然だと思っております。そして、それは東京−鹿児島間だけじゃなくて、東京発の特急列車は何本か出ておる、前に比べれば減っておりますけれども何本か出ておる。大阪からも出ておるわけでございます。したがって、調べてみると、大阪の方から出ている急行列車は大体四〇%程度の利用度しかないわけでありまして、東京から出ているのは七、八〇%の利用度があるわけであります。そういうことがあの発言以後だんだん明らかになってまいったわけでございますから、やはり新幹線ができた後における在来線、いままでの幹線というもののやり方というものを考えていく必要があるのではないかということは、やはり問題の一つではないかと私は思っておるわけであります。
 新幹線ができた以上、やはり大都市圏の交通対策、あるいは地方の区間別の交通をつかさどる、あるいは定形大量の貨物を輸送するというのが在来線の基本認識になっています。新幹線ができた後の在来線は、ある意味でこれは幹線のローカル線というふうに考えていかなければならない、こう思うのであります。そういう角度から思い切った再検討をしていかなければならない。ただ、いままでのように、いままでこうだったからこうだというようなことが許されないくらい、いま国鉄の財政というのは逼迫しているわけでございますから、やはりそういう角度からやらなければならない。
 ただ、その際考えなければいかぬのは、できるだけお客様の要望、旅客の要望というものを常に念頭に置いていかなければならないと思います。どの辺のところでその問題を配慮するか、あるいは将来において公共輸送機関として、エネルギー問題が悪化してきた場合にどう対処するかということも念頭に置いていかなければならない、そういうことはありましょうけれども、やはり何と申しましても、その前に国鉄の体質改善というものを図っていかなければならないと思う意味で、そういうことに寄与する可能性のある事柄について、これはいままで余り議論されておりませんから、したがって、そういう問題を取り上げて国鉄としてお考え願わなければならぬという、その経過を私はときどき記者会見等においてお話をしておるというわけであります。
 それから、新幹線の中で東北新幹線とかあるいは上越新幹線の問題につきましては、目下のところ、五十五年開通ということでありますが、埼玉県の地区において一部問題になっていることは御案内のとおり。しかしこの開通を、私なんかもその沿線の住民の一人でございますから、ぜひ一日も早ければというふうに考えておりますけれども、しかし、先ほど国鉄総裁からお話がありましたように当面かなりの赤字が出る。当面だけではなくて、かなり将来にわたって、最初は赤字が出ても後になって形がつくということならいいのでありますが、どうもそういう点についてかなり悲観的な見通しがあるというようなことで、まだ最終的には詰まっておらないようでありますけれども、国鉄総裁が心配しておるということでございますから、われわれが従来赤字要因だと考えておったことにつきまして、さらにこれが一つ大きく加わったということでございまして、やはりそういう実態というものは、できるだけ各方面の方々に御認識を願って今後処置していかなければいけない、そういう意味で申し上げておるわけであります。
 これから沿線の人たちにしてみれば、開通がいつになるか心配だとか、工事をやっている人から見れば気になるということは確かにそうであろうと思います。しかし、国鉄の現状はそれほど深刻な状態になっているということだけは、これはもうとにかく事実でございますから、やはりそういう事実に直面してそれに対する対策を立てていくということが今日大事であると思って、そういう事情を、臭い物にふたをしないで世の中の人に知ってもらう、こういう意味で私がお話をしているわけでございますから、国鉄の経営の今日の非常な苦境、民間で申せば破産、倒産以前のような非常な状況につきましてお話をしているというふうに御理解願いたいと思います。
    〔関谷委員長代理退席、佐藤(守)委員長代理着席〕
○山本(悌)委員 よくわかりますよ。ただ私も、意見を申し上げたいと思います。赤字が三千億出るということをぶち上げて様子を見よう、また、それがショック療法になるかもしれないということも一つの方法だと思います。しかし、むしろそれよりも整備五線ですね。この五つの後ほどやる新幹線の建設の是非の問題を考えてみる必要があるのではないか。そのことが論議されないで東北・上越だけが工事半ばにして、もうすでにあと二年後には通ろうというときに、赤字が出るんだよと言って警告してもらうことはありがたいですけれども、それだったらその後の方の工事はもうやらない方がましだ、どっちみち赤字になってだめなものではないか、こういう感覚になると思います。むしろ問題になる点は、あとの五線の方の新幹線の是非の問題にあるのではないか。しかし、この五つの線も大変重要な線があります。必ずしもやめてしまっていいというわけではないのですけれども、その点はどうお考えになっておるか。
 それから、いま大臣が言っておられるように、在来線、確かにそれは赤字だ、だから、少しずつでもそれを直してやめていく、あるいは廃止していく、それが再建の一つの道であるというなら、これもまた考え方だと思います。だがしかし、夜行列車の全廃というのは、先ほども質問がありましたけれども、これこそ公共性が非常に高いものではないか、そういう公共性が高いものをやめてしまって、旅客が二百三本、貨物が千本、先ほど申し上げましたように人件費が年間三千億、だから、これをやめてしまえ、こういうことになって、それで貨物の処理ができるのか、あるいはお客様がそれで十分納得するのか。当時の新聞を見ると、いろいろな人の意見が出ておりますけれども、だれも賛成する人がないんですね。何か工夫をこらす方法の発表とか考え方がなかったのだろうか、この二つを私は御指摘したいのであります。
 それからもう一つ、同じ日の新聞に、これはまた非常にいいことが出ております。「東京汐留、大阪梅田の貨物の駅の売却、その総額が五千億に上がるだろう。」と出ているんですね。いろいろなことが出てくるので忙しい省だと私は思いますけれども、ここの真相はどうであったのか、少しもよくわからぬ。それでは汐留や梅田はどこに移転するのだろう。金の五千億はよくわかりますけれども、どうなっているのだろう。しり切れトンボになっているのであります。
 この三つをまとめてお尋ねします。
○森山国務大臣 整備五線の問題につきましては、昨年の閣議了解で決まったわけでありますが、あの了解の文章の中に財源問題を見つけてということになっておるわけでございます。これからつくる新幹線は、いままでの新幹線と違って借金でつくることはむずかしい、国費でつくらなければ採算が合わぬ、こういうことになっておるわけでございまして、同じ新幹線でもいままでのように、それに利子をつけ、おっつけ後で返すというそういう資金と資金の性格が違うような出発になっておるわけでございますから、そういう財源があれば、それは整備新幹線に手をつけることも可能かと思いますが、今日の財政状態なかなか容易ではないというふうに思います。しかし、せっかく閣議でもう了解された一つのプロジェクトでございますから、そういう財政状態と見合わせて今後の進行を図っていかなければならない。同じ新幹線でも、そういう意味で財源措置が違うというふうに御理解を願いたいと思います。
 それから、夜行列車の廃止というふうに大きく取り上げられましたが、私が申しましたのは、先ほど申しましたように、新幹線ができた後における在来線のやり方、そういう中で東京−鹿児島間というのは、長距離特急、急行列車をいままでどおり保持していっていいのかどうか、他に使い方があるのではないか。たとえば東京から福岡まで新幹線を利用して、それから先在来線の急行につなぐという手もこれは実際あるわけでございます。そして時間的にそういう長距離をとってみると余り差がないのです。二時間ぐらいでございますかね。したがって、朝早く新幹線を利用すれば、ある程度間に合うのではないか。「プルートレーン」というような名前で、夜乗っていくという意味で、それなりの実益と同時に、それなりのロマンチシズムも持った一つの路線という考え方はありましょうけれども、国鉄財政がピンチでございますから、したがって、そういう新幹線を利用するとか、あるいは航空機を利用するとかということで代替し得るところは代替してもらったらどうか。しかし、それはいろいろ議論のあるところですが、少なくとも大阪発の九州行きの列車につきましては、その利用率はきわめて低いわけでございますから、今度はそういう提言をいたしました際に、これは考え直してもいいのじゃないかというふうな感じを私は持っておるわけです。しかし、こういう旅客輸送にいたしましても、それに関連した貨物輸送にいたしましても、特に貨物輸送は国鉄は五十五年の十月にダイヤの改正等を計画もいたしておりますから、そういう点との関連において現段階においてでき得る最善の措置を考えていただかなければならぬということですが、最終的にこれを決めるのは国鉄であります。私どもが言いましても、これはなかなか専門的なことでございますから、それなりのやはり配慮、いろいろ多面的な考慮を払って最終結論に達すべきものだというふうに考えておるわけであります。
 それから、汐留等の名前が出ましたが、これも実は私が汐留と名指しで申したわけではございませんけれども、大体非常に不況産業の場合やることはさしあたり二つありますね。一つは売り食いです。私は、いま運輸大臣でございますから、国鉄だけではなくて、たとえば造船工業も持っておるわけであります。造船工業で北は函館ドック、西は佐世保重工というのがあるわけでありますが、その函館ドックのごときは、もう使用施設は全部特定船舶製造業安定事業協会というところへ売り払って、そして会社が生き残るような努力をしている、これはもう函館ドックだけじゃなくて、不況に際会した企業は、まず売り食いということで生き残る道を見つけるというのが当然でございますから、国鉄の場合もそういう意味の余地はないのかということであります。二百五十億円ぐらい昨年度の予算でもって国鉄財産の売り払い等が予算面に載っておりますが、実際実行したのは百二、三十億ということでございますから、とにかく相当思い切った売り食いもこの際考えていかなければならないのじゃないか。そうしないと世人が納得しませんからね、これは。
 それからもう一つ、これにつけ加えて私が申し上げたいのは、不況の場合において企業がやることは、これは設備投資を抑制するということですよ。ところが国鉄の場合には、昭和五十四年度のいまの予算で一兆六百億円の工事費予算を計上している。そして昨年は九千億円であった。とにかく、これだけの赤字を抱えながら工事費だけはふえる、民間で言えば設備投資はふえる、こういうことでございますから、こういうことも、私どもの素人的な常識から言えば、公共性とか公共企業体という立場があるにいたしましても、何とかして国鉄の再建を図らなければならないというときでございますから、こういう点も考えたらどうか。きわめて常識的なことを私は発言しているのでございまして、その常識的なことを発言すると新聞に大きく出るというその世相は一体何なのか。その辺のところを、私の方でこれは非常に不思議な感じを受けているというわけでございます。
 いずれにいたしましても、国鉄再建につきましては、理事者、管理者が中心になりまして、この再建のために死にもの狂いになってやっていただかなければならないような段階にいまなっていると私は考えております。
○山本(悌)委員 大臣、なかなか熱弁で、常識なことを言っているのに新聞が大きく取り上げてくれる、ありがたいことじゃありませんか。言ったって全然取り上げてくれないものだってあるので、これだけ私が一生懸命言ったって新聞なんか一行も取り上げてくれませんよ。それなのに一言言っただけでぱっと出る。そして関心を呼ぶ。こんなうまい話はない。しかも、それは常識だと言うのだから、これはいい話だ。ぜひ毎日やってください。激励しておきますよ。
 そこで私、激励するついでにもう一つ申し上げておきます。これはきょうの新聞であります。国鉄の幹部がベアを辞退いたします、結構な話ですね。だけれども、辞退を本心からしているのかどうか、これは疑問でしょう。全部連判状取ったのでありますか、三百十名の者は。それはいいことだと思うのです。しかも、これも新聞にでかでかと出ているのです。私は非常にいいと思うのです。いいと思いますけれども、実は気の毒だとも思うのです。なぜならば、少し節約をすれば、この五千万円程度のものは出るでしょう。
 私は、ここで前のときに質問いたしましたけれども、マルチプルタイタンパーといういわゆるタイタンパー問題を取り上げました。雑誌に出たから、本当はあんなものやりたくなかったけれども、あの本によりますと、五十二年度だけでも三十六億円のむだ遣いをしているのじゃないですか。私は、立ち入ったわけではございません、一度会計検査院に聞いてみたいと思っているんですけれども。とにかく、そんなむだなことをやっている。しかも一台について一億数千万円もするようなものを買わなければならない。それはそれだけの稼働をしていない。マルタイを目のかたきにしているのではございませんけれども、そういう感覚なんですね。そうしておいて外向きには、局長以下幹部はベアはもらいません、五千万円浮きますなんというようなことを言っても、それは一般の人は、はあえらいなとほめるかもわかりませんけれども、私は、その人たちの家族は気の毒だと思うのです。本当のことを言って、みんながもらうときにはやっぱりもらいたいですよ。だれももらわないというのならともかくも、やっぱりくれるものならいただきたいだろうと思う。総裁だってそうだろうと思う。もしできることなら、ひとつ総裁の交際費を何とか節約してみんなに配ってやってください。そういう何か見え透いたようなやり方は、私は余り結構だとは思いません。いかがでしょう。
○高木説明員 いま御指摘ありましたマルチプルタイタンパーの問題とやや類する問題が全くないわけではないわけでございます。マルチプルタイタンパーの方は、最近は稼働率上がってまいりましたけれども、まだまだいろいろ問題がいろいろな分野に出ております。そういう意味で、むだ遣いがないようにあらゆるところに気を配って経費を節していかなければならないことは重々承知をいたしております。
 しかし、それはそれとして、やはりいまもちょっと大臣からもお触れになりましたけれども、公共企業ではございますが、経営がこういう状態になった場合には、それに対応してしばしば民間でも行われるようなことでうちではやっていないということが、いままでいろいろありますので、やはりそれはだんだん直していかなければならないのじゃないかと私は考えております。それが全体の士気に非常にかかわりますといけませんものですから、今回の場合にも、現場の職員のうちの幹部の職員については対象から外しております。主としていわゆるホワイトカラーと言われる人たちを中心にして、しかも本社の課長というような非常に重要な職務を持っている人たちに話かけをして、きわめて人数も少ない、金額も少ないわけでございますけれども、もう一遍、緊張した気分で取り組んでいこうということでああいう措置をとったわけでございまして、これについては、いまのような御批判もございますし、払うものは払ってもっと働かせるようにしたらどうだという意見もございます。いろいろな方法があると思いますけれども、このような方法でより一層の緊張を求めるというのも一つの方法ではないかと思っているわけでございます。あらゆる方法で各幹部といいますか、そういうフィールドにおきましても、現場におきましても、何とか緊張感、士気を高めてやっていきたい、いろいろと苦慮いたしておる一端としてお受け取りいただきたいと存じます。
○森山国務大臣 ベースアップを辞退することによって節約になる金額、大したことはないからというお話ですが、私はそうは思っていないのです。それは国鉄がこれだけのピンチであるということを、やはり身をもって体験してもらうことが何より大事だと私は思います。とにかく、これだけの赤字企業でありながら遅配欠配はない、ボーナスはまるまるもらえる、そんなことは他の民間企業にあり得ないことなんですから。四十二万の国鉄職員全員にそれを求めることは困難でございますけれども、少なくも理事者と、また、それと一体となっている本社の課長クラスの中堅管理者、中枢管理者の立場にある人たちは、それこそ今日の状態に深く思いをいたしてがんばってもらわなければならない。大体遅配欠配もない、ボーナスはまるまるもらえるというような状態でどこに危機感が生まれるか。観念的に、数字の面ではこれは大変だ、頭の中だけはそう思う。しかし、そういうことが全く行動になってあらわれない。私は、そういうことでは困ると思っておりましたところ、総裁からお話のように、中核的な管理者の諸君がそういうようにされたということで私は高く評価している、敬意を表しております。国鉄を救うものは何か、先ほど来方法論についていろいろ申し上げましたが、一番中心になるのは、やはり理事者、管理者の気持ちの切りかえ、気構えの切りかえ、精神革命と申しますか、やはりそれをやらなければもう直らない、私はそういうふうに考えております。いままですでに何回か再建方策を立てた、大変だ大変だと言いながら今日までの段階になっておる。今回こそは本腰を入れてやらなければならぬわけです。
 一昨年の十二月できました「国鉄再建の基本方針」は、与野党の皆様方が大変御苦労されて「国鉄再建の基本方向」をつくり、おおむねその線に沿ってできました閣議了解であります。もしこの「再建の基本方針」が口頭禅に終わって計画倒れになるようなことがあるといたしますれば、国鉄再建の時期は再び来ない。それをやるにはだれが中心になってやるかと言えば、やはり総裁以下理事者及びその周辺にあるところの中枢的、中核的な管理者であります。それらの諸君がとにかく国鉄の現状から考えてそのベースアップを辞退しようというのは、私は、これを高く評価し、また大きな期待を持つのです。これがなければ、単にいままでのような物の考え方でおったら、国鉄のこの危機を突破することはできない、再建を実現することはできない、私はそう考えております。金額で五千万円だから大したことないじゃないか、ほかにむだ遣いしているのではないかというような、そういう同一水準で考えるべきことではない、私はそのように考えております。
○山本(悌)委員 いやりっぱでした。もう感激これ至れりであります。どうかひとつ四十一万の国鉄職員に徹底をして言っていただきたい。
    〔佐藤(守)委員長代理退席、堀内委員長代理着席〕
私は、金額の五千万円のことを云々しているのではございません。それだけの覚悟でやられるということは、本当にりっぱだと思います。だがしかし、まだまだそういう幹部の中にも、むだをしている者はたくさんいるし、やってならないことをたくさんしている。それも慎まなければいけないということを私は申し上げているのです。ただこれだけのことで新聞に打ち上げてそれでいい、それで済んだということなら、そんなものは線香花火ですよ。私は、そのことを大臣に申し上げているのです。
 まだまだありましたよ。ゴルフをやってはいけない、何とかはいけません、あれもありました、これもありました。私は、これからやろうと思えば一日中でもやりたいのだけれども、もう時間がないから申し上げませんけれども、そういう気持ちで大臣がおやりになるなら、本腰を入れて、たかが三百十人などと言わないで、四十一万人もいるのだから一千人も二千人ももっと腹を据えてやってくださいよ。結構だと思います、大いに激励をいたしておきます。
 最後に、自動車局長さんにお尋ねを申し上げます。もうちょっとお聞きしたがったのですけれども、残り五分と書いてありますが、もうちょっと下さい。
 きのうちょっと申し入れをいたしましたけれども、いわゆる陸上交通運輸事業の健全化のためにわれわれはいろいろな苦労をしておるのですが、その中で佐川急便というのがところどころで問題を起こしているのであります。
 そこで、まず局長さんにお尋ねをしますが、局長さんもよく存じておりますけれども、まず急便とは何か。そして、きのう申し上げたように、この急便がいわゆる法の網の目をくぐって、利益の拡大のために法を無視しておる、あるいは行政指導をしても言うことを聞かない、こういうことですね。いわゆる急便というのは、地域が決まっておって、その地域の中でも宅配しかできないということになっておる。しかもトン数も二トン車というように決められておる。それがいまや二トン車をオーバーして、たとえば佐川急便の場合ですと、つぶれかかった運輸会社を買って、そして、それに佐川急便というレッテルを張って、こういうのをかついだ絵を書いて走っておる、それが問題になる、こういうことです。これはいま関西以西で問題になっておるのですけれども、局長さんはどうお考えになるか、まずお尋ねを申し上げたい。
○梶原政府委員 御質問の急便でございますが、これは一人一車で認めておるものでございますが、いま御指摘の佐川急便は、急便という名がついておりますけれども、俗称でございまして、これは一般区域貨物自動車運送事業の免許を取っておるわけでございます。そして全国各地に区域事業者であるグループ会社が、私の記憶に間違いなければたしか四十数社あるわけでございます。これが各地で小口貨物の集荷を行いまして、積み合わせ許可を得ている範囲においてはみずから輸送する、積み合わせ許可のない部分につきましては路線事業者に運送を委託して遠隔地へ輸送し、到着地におきまして到着地のグループ会社がその貨物を路線事業者から引き取って配送する、こういう形をとっておるものでございます。
 ところが、積み合わせ許可のない範囲につきまして路線営業類似行為をやっておるケースが間々あるわけでございます。この会社の生い立ちからいたしまして、どちらかと言えば、語弊があるかもしれませんが、海賊商法的な要素が多分にございまして、私どもの立場で、こうした違反行為は厳に慎んでもらわなければいけませんので、これが正常な形になるよう強力に指導してまいったところでございます。同時に、具体的な違反事項につきましては、監査等を行いまして、車両の使用停止その他の行政処分を行ってまいっておるところでございます。遺憾ながらまだ一部に違反状態があるようでございますし、先生御指摘のように各地でトラブっておるケースもあるようでございます。もともとこの佐川急便につきましては、利用者の立場からすれば荷主のニーズに応じた非常に便利なサービスを提供しておるわけでございますが、しかし、道路運送法の枠組みといいましょうか、一定の秩序の範囲の中でやっていただかなければいけませんので、今後とも、違反行為につきましては、厳重に取り締まりをし、また各地での既存事業者等との提携協調ということも努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○山本(悌)委員 答弁は結構ですから、私の方から申し上げておきます、もう時間がございませんから。
 いま局長さんがおっしゃったとおりです。そのとおりでいいと思うのです。
 そこで一つは、急便業というものは私たちが育てたわけです。そのときには一人一車で二トン以下、こういうことで青ナンバーを取った。今度また赤帽という別なものが出てきたから、またの機会にその議論をしますけれども、きょうはそれはしません。
 そこで、佐川さんが急便という名を使っていわゆる道路運送事業をやるということでございますね、これは急便業者から見ると、本当に歯がゆいのだ、憎らしいのだ、紛らわしいのだ、そういうことなんですよ。そこで、実はやめてもらいたいという意見がたくさん出ている。佐川運輸でいいんですよ。何で急便なんですか。急便というのは、急便組合をつくってちゃんとして、そしてお互いに自分で規制し合って二トン車で父ちゃんと母ちゃんで二人で走っているんですよ。そうでしょう。そういう零細企業の保護をしようとしない。いま申し上げたような佐川急便のようにトラック会社でもない、急便でもない、わけのわからぬような、しかも申請をしているところが、局長が言うように積み合わせ運送というような形で貴金属運輸をする、あるいはまた骨とう品を運送するという許可を取っておきながら、実際はそうではない、いろいろなものを載せて走っていく。路線がないというと路線会社を買収してそこへ入っていく。これは本当に海賊商法だ。これはこのまま認めるわけにはいきません。
 ですから、答弁は結構でございますが、ぜひひとつ強力に指導し、取り締まっていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○堀内委員長代理 西中清君。
○西中委員 きょうは午前中から大臣の記者会見に関連しての質疑が続いております。いまもお話があったばかりでございますけれども、私も、一言お話をさせていただきたいと思います。
 ということは、いまの熱弁を聞いておりますと、一々もっともな理由がついている。確かに、国民が国鉄に持っているいろいろな批判、そういったものにある程度こたえていこうというような感じはあるわけです。しかし、何となく私は聞いておってどこか抜けているような感じもしないわけではない。それは何かということを一生懸命先ほどから考えておるわけなんです。すなわち国鉄の経営というものが、いわゆる採算制至上主義といいますかそういう立場に立てば、数々の御提言は一つ一つごもっともだと私は思います。しかも国鉄の財政は、大臣が繰り返し御説明のとおり、また、みんながよく知っているとおり非常に厳しい情勢でございますから、当然採算制というものを重視していかなければならないし、国鉄再建のためにはどうしてもくぐらなければならない道ではなかろうかとも思っております。しかし、だからと言って公共性であるとか福祉という立場に立ったときに、果たしてすべてそれで事がいくのかどうかということが非常に大きな問題だと思います。
 ですから国鉄はきょうから、ことしから、そして大臣のこの代から、そういうものを一切切り捨てて採算制一本でいくのだというならば、非常に先ほどからのお話は説得力を持ってまいります。果たしてそういうふうに割り切ったのかどうなのか、この辺のところは、いわゆる基本計画その他審議会の答申等々、何となくやはりしっぽを残しながらやっておるというところが感ぜられるわけでございまして、そういった点で委員諸氏も大臣の発言についてやはり問題にしておるのではなかろうかという気がするのです。
 ですから、もうこの議論を繰り返してもしようがないのですが、大臣が御発言になっておるのと、たとえば総裁が記者会見をされた場合にどういう違いがあるのだろうというように私は考える。私は、先ほどおっしゃった何人かの国鉄の中堅の幹部の方にお聞きをしましたけれども、あのように大臣がばかばかと記者会見をして、そしていろいろな御提言をなさる、そうすると、一体総裁は何をしているのだ、われわれの一番の大将である総裁は一体何をしているのだろう、大臣に一つ一つこんなこと言われて一体われわれはどういう立場に立っておるというように考えたらいいのだろうか。先ほどから再建、再建とおっしゃっておるけれども、若干そういう点では職員の皆さんの中にはどうも総裁要らぬのやないかいな、もう森山さんに全部総裁も兼任してもらったらどうだろうかねというような感じで、逆に士気が低下するという一面も絶対ないとは私は言えないのじゃないかというように、これは何人かの方にお聞きをした経過の中で感じておるわけなんです。
 ですから、一つ一つは間違いがないと思います。大臣の御発言の一つ一つはやらなければならない道でしょう。しかし、そういった点の配慮も十分しておかなければ、私は、後に問題を残すのではなかろうかと思うのです。
 一つの例を挙げますと、AB線の工事の問題で知事さんに全部私信を発送されたそうですね。どこの県とは申しませんけれども、ある知事さんは、国会議員のところに来て、どう返事を書いたらいいのでしょうというようなことを聞いて回っておる。要するにあちらこちらに波紋が行く。知事が責任のある回答をするためには、やはり県議会なり府議会なりにある程度の根回しも必要でありますし、また、ものによってはこれは議会に諮らなければならない問題も含んでいると私は思います。特にあの私信に対する見解を述べる場合には、国鉄法の改正も引っかかってまいる問題もあるし、自治法の財政上、法律上の問題も引っかかってまいります。そんなことを知事がけ飛ばして物を言うということになると、かなりこれは頭をひねらなければならぬ。いわんや直接利害が絡まっておる地元におきましては、知事が勝手に何を言うたのだ、こういう問題も起こりかねないわけで、現になお一層奮励努力して大いに陳情戦をこれから起こしていかなければならないのだというところが全国にばらばら起こってきておる。要するに発言の一つ一つの波紋というものは、単にここの国会でわれわれが聞いていないとか大臣が記者会見でぼんぼんいいかっこうしているということの問題ではない。問題は確かに重要なことであったとしても、拙速というそういう感じもしないではないわけですから、先ほどから問題になっているのだと思うのです。その点、大臣いかがお考えでしょうか。
○森山国務大臣 私が国鉄再建の問題に関して発言したことを、いいかっこうしているというようなふうなとらえ方をすることははなはだ遺憾であります。とにかくいままで、そういう議論すべかりしことが今日まで議論されないできておった、ほとんど赤字線の問題だけが取り上げられてきたというような、そういうやり方のもとで国鉄の再建は不可能だと私は思います。やはり地方ローカル線の話をするならば幹線の話もしなければならないわけでありますから、そういうものの赤字を解消するためにどうしたらいいか、しかも、そういう過程において考えなければならないのは、国鉄は採算だけを考えてと私は言っているのじゃありません。公共性というものを無視はできません。しかしながら、国鉄の現状から言って、ある程度のところで処理しなければならない。あなたも御承知のとおりことしの一月でございますか、運輸政策審議会の小委員会で答申が出ました。その答申は、輸送密度が一キロ当たり一日四千人以下のところについては、これをバスに転換するというおおむねの方針であります。そういうものが現実に出てきておるときに、その問題だけを取り上げて、あるいは従来のようにその問題だけをのみ込むような形で、しかも実行できないというようなことになっては、これは大変でございますから、したがって、そういうものが具体的に出てまいるとするならば、一昨年の十二月の「国鉄再建の基本方針」の線に沿ってありとあらゆる問題について、それは私どもが気がつかない点もございますが、気がついたことについては、この問題と真剣に取り組むようなことで努力をしていかなければならないわけですから、したがって、そういう過程においては、あなたはいいかっこうだとおっしゃいますが、これは当事者としては大変なことです。
    〔堀内委員長代理退席、関谷委員長代理着席〕
私は、新聞記者の前でいいかっこうするというような表現をされることは、はなはだ遺憾でございます。そんなつもりはいささかもありません。それどころか、いままでできなかったことを、これからみんなで力を合わせてやろうというときに、言い出しっぺになるということは、大変などろをかぶることであります。しかし、それを覚悟してこの問題に取り組んでおるのだという私の心境について、どうかひとつ御理解をお願いいたしたいと、私は、心からお願いをいたします。
○西中委員 私は、そんなことを言っているのじゃないのです。要するに発言の一つ一つは正しいと私は言っているのです。くぐらなければならない道だと言っているのです。そのことについてどうこう言うているわけではない。ただ、その起こしてくる波紋というものについてもう少し配慮のあった方がいいのじゃないかという意味でどうですかということを申し上げているわけです。議論するなと言っているわけではないし、言うなと言っているわけじゃない。
 先ほども申しましたように、国鉄の主体性、たとえば値上げの問題にしたってそうですよ。バスの特別料金について二百円上げる、少ない、それでは一体国鉄はどういう考え方で二百円を出してきたのか。それは千円にしたらいいのだ、こういうことになると、その主体性が疑われる、こういうことだと言うのです。
 ですから、もう少しその辺のところをよく連絡をとっていただいて、毎朝新聞を見てから知るのですなんということを、国鉄の幹部が言っているようではしようがない、こういう意味で私は申し上げておるのです。どうでしょうか。
○森山国務大臣 それじゃ、具体的に一つ一つ申し上げます。
 AB線というのは、御承知のとおり地方開発線等でございますが、現在走っている汽車でさえも、四千人以下の輸送密度のものについてはバスに転換をしようというのだから、工事中の問題についてそのままほっておけますか、こういうことです。したがって、そういう路線のある地元としては、いろいろ関心が深いことでございますから、知事さんにも一声かけなければならぬ。しかし、それはきわめて事務的に、この問題イエスかノーか、何月何日までに返事をしろ、そういうことを私は言っているのじゃありません。とにかくお目にかかって、あるいは文書でいただければ文書で、そういうものについてのお考えを一遍承っておかなければ、AB線の処置は、ああいう小委員会の答申が出た以上できないわけであります。そういうことをやることが波紋を呼ぶからといって避けるとすれば、AB線の問題は処理できないわけであります。
 それから「ドリーム号」の二百円値上げの問題、五千五百円を六千五百円にしたからといって、その問題についてはもう少し商売気を出してやってもらったらどうだということが私の眼目であります。
 そこで、具体的な問題についていまいろいろ申し上げましたが、基本は、国鉄が主体性を持って大いにやっていただけるような状況であるならば、それは結構でございますよ。しかし私は、率直な感じ、理事者、管理者の中には、国鉄のピンチというものは頭の中で観念的にわかっていても、みずからこれを打開しようとするようなきっかけがいままでつかめなかったと思うのです。ですから、いわば言い出しっぺになって、そのきっかけをつくろうとするのが私の主眼でございますから、そのことがいかなる波紋を呼ぶかというお話でございますか、大変なピンチなんだ、なまはんかなことでは克服できないような危機でありますから、したがって、それを打開するためにいろいろ発言することが波紋を呼ぶことはあるかもしれない。しかし、それだけのことをやらなければ乗り越えられないようなむずかしい問題でございますから、いろいろな人が各方面に波紋を呼ぶから考えろとおっしゃられても、わからぬことはありませんが、しかし、それで一体切り抜けられるかどうかということは疑問だと私は思っています。
 なぜかと言うと、いままで計画を立てても計画倒れに終わっておる。いままでいろいろな問題について再建方策を立てても、たとえば昭和五十年に二兆五千億円の累積赤字のたな上げをしても、そのとき立てた計画は一年、二年もたない、翌年から数千万円の赤字を出すというようなことでは話にならないと思っておるのでありまして、これは本日御列席の各党議員の方々が御相談になられた「国鉄再建の基本方向」に基づく一昨年十二月の「国鉄再建の基本方針」を誠実に履行するために必要なことだと思って一生懸命やっておるのでございますから、いろいろこういうことをやればリアクションがあることは当然でございますが、しかし、だれかがそれを引き受けてやらなければ乗り越えられないほどむずかしい問題を抱えておる、そういうふうに考えて行動しておるわけでございますから、どうか格別の御理解をお願いいたしたいと思います。
○西中委員 御決意はよくわかりました。大いにがんばっていただきたいと思います。ただ、老婆心といいますか、後々問題を残さないようにやるということだけは十分お考えいただきたいと思います。みんなが納得できるためには、根回しとかそれなりの道を踏んでいく、いまやっているのがそうなのだとおっしゃりたいのでしょうけれども、方法はいろいろあるわけですから、その点をお聞きいただきたいと思うのです。
 この問題をいつまでやってもしようがないので、そこで、いま問題になりました再建計画ですが、六月末にはこれをつくって提出するということでございますが、どういう中身になるのかというのを私は非常に心配しておるのです。過去幾多の計画が次から次へと崩壊していった。その理由はいろいろとあるのでしょうけれども、これだけの値上げをして、そして今回はどうしても後に引けないと大臣もおっしゃっておりますけれども、結局抽象的な表現、こういうことでは、これだけの値上げをして、ああこの計画が出てきたのか、なるほどなと国民が思えない、こういう形であってはならないし、国民も十分理解できない。いまの意気を本当に実現するためには、それぞれの項目にわたってある程度納得できる定量的なもの、そしてかくのごとく採算が合うのだ、合わせるのだという線が出てこなければならないのじゃないか、それでなければまた計画を立てるだけで終わりということにもなりかねないと思うのです。
 その辺は従来の計画と違って、なお一層詰めた姿で出てくるのか、従来と似たような形で出てくるのか、総裁、その辺はどうなっておるのでしょうか。
○高木説明員 従来何回か計画が立てられましたけれども、それがそのとおり進行しなかった理由はどこにあるのかということでございますが、率直に申しまして、案が立てられた時点において中身の具体性を欠いておったということが一つ、もう一つは、周辺のもろもろの事情についての見通しに誤りがあったということではないかと思っております。したがって、いま作業しております再建計画では、いまもお触れになりましたように、案はできたけれども、後になってみたら実際と離れてしまったということにならないようにということに重点を置いて考えております。つまり具体的には、減量経営をするにしましても、どういうリードでどういうふうな方法で具体的に減量経営が可能になり得るかということを煮詰めているわけでございます。
 そこで、そういう作業を進めてまいりますと、作業は非常に困難でございまして、関係者の間で何度も継り返し論議を続けておるということでございます。
 同時に、私どもの企業努力によって経費を節する、あるいは収入の増加を図るということは、あらゆる努力をしなければなりませんけれども、それだけでも解決がつかない部分があります。われわれの手の及ばない部分もございますので、この部分についていろいろお考えいただきたい、あるいは財政的にあるいは行政的にお考えいただきたいという部分もあるわけでございます。
 しかし、それをお願いするにつきましても、またもとに戻って、その中で私ども自体がやるべきことをどこまでやり得るか、それをとことんまで詰める必要があるわけでございまして、率直に申しまして、非常にむずかしい作業を日々繰り返しておるところでございます。もうしばらくお待ちいただきたいと思います。
○森山国務大臣 先ほど来いろいろ申し上げておりますが、採算の問題ももちろん大事であります。しかし、国鉄の公共性という立場も考えていかなければなりませんし、一年、二年でできることではない。さきの再建計画によりますと、昭和五十年代に収支相償うということでありますが、これは多少の時間の先後というものがあることは御了解願わなければならないと思います。しかし、いま総裁からお話がございましたように、実行可能な方法で相当思い切った案が出てくるものだと私どもは期待をしておるわけでございますから、これはなかなか容易ならざることでありますが、その方向に向かって国鉄幹部の方々がいま非常に御苦労しておられる段階、そういうふうに御了解願いたい。
○西中委員 そこで、五十五年度の予算案の編成を例年より早く始めるのだ、実質的にもう始まったのだというような報道がなされているわけでございます。国鉄の再建計画が六月末に出て、五十五年度予算の編成が新聞では実際上もうスタートしたのだというような書き方がありますが、その辺、国鉄の計画は急がなければならないのじゃないか。ただ、いま非常に重要な問題ですから、そうあわててつじつま合わせをするということも余りよろしくない、そこら辺のところはどういうふうにお考えになっておるか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○森山国務大臣 御承知のとおり、昭和五十五年度の予算編成のめどは非常にむずかしい条件を含んでおります。すなわち税収についての増収のめど、これもなかなか容易ではございませんし、それから国債の発行限度、もう十五兆円で前年どおりの発行をすることはなかなか容易ではないのではないかということでございますから、一般の経費は前年並み、または多少ふえてもという程度でございます。したがって、そういうことでございますから、ことしの予算について、政府としましても、また、それに当たる大蔵省といたしましても、サマーレビューというのをひとつやろうということで、前もって下相談を詰めていかないと予算編成が非常にむずかしいという段階になっておりまして、私は、七月の半ばごろを一応のめどにしているように理解をいたしております。
 国鉄の側から提案されますところの再建案は、六月末というのが従来からのめどでございますから、それに対して運輸省として調整を加えまして、そのサマーレビューに臨む、こういうような形になっていくと思います。そういう日程上から申しまして、質的にも量的にも相当根を詰めてやらないとこの問題はなかなか容易ではない、こういうように考えております。
○西中委員 先ほど同僚委員の質疑がございまして、もうちょっとはっきりしておきたいと思う問題でございますが、来年の国鉄運賃の値上げ、この問題について、これからは、今後は、従来のような全国一律運賃の値上げということはできないということでございましたが、これはこれから、今後はということの表現だったと私は記憶しておるのですが、来年度はこの一律運賃の値上げは断念をされた、こう理解してよろしいのでしょうか。
○森山国務大臣 先ほどもこのことが話題になりましたように、いままでのやり方では容易ではないという政治的判断であります。それから先の問題といたしましては、これから出てくるいろいろな問題を検討して最終的に態度を決めなければならぬと思います。
 なお、この機会にちょっと一言つけ加えておきたいと思うのですが、私が発言することが何か私一人の思いつきみたいにお話しているようでありますが、重要な問題については、ほとんどすべて国鉄総裁の耳に入れて、また、あるいは意見交換をしてやっておるわけでございますから、ただ高木さんのお人柄と私の場合と必ずしも同じじゃございませんし、立場も違いますからね、しかし、何かこう総裁あれどもなきがごとしというような先ほど御発言がございましたが、これもまたはなはだ思わざる発言でございますから、そういうことはないのでありますから、どうかひとつ御了解願いたいと思います。
○西中委員 そうすると、もう一遍確認しますが、来年一律ということはやはり残っておるというか余地はあるということですか。いわゆるいろいろな各地域地域のローカル的な値上げということは考える、けれども、通しての値上げというものは考えない、こういうように理解したらいいですか。その辺もうちょっとはっきりしてください。
○山上政府委員 私から事務的に大臣の発言を理解し、消化して申し上げたいと思います。
 国鉄再建の仕方というのは「再建の基本方針」にもありますとおり、三本柱でやる、そのうちの一本として運賃の改定があるわけでございます。これにつきましては、輸送需要の動向とか他の交通機関との競争関係等から、これからも従来と同じような方式で、従来と同じような運賃改定のパターンで運賃改定を実現していくというようなことはなかなかむずかしい、そのようなことを考えても、「再建の基本方針」で期待しております運賃の改定についての所期の成果を得られるかどうか。なかなかむずかしい問題であるということを大臣は申し上げておるわけでございます。
 したがいまして、その問題の中の一つとして、たとえば並行する私鉄と国鉄運賃との関係等がよく指摘されますが、これはやはり企業内容の相違もありますけれども、国鉄につきましては、全国一律運賃制という制度がやはり大きな原因の一つにはなっているということは争えない事実だと思います。と申しますのは、たとえば地方におきましては、むしろ私鉄の方が高い、そういうようなことが問題としてあるわけでございますので、たとえば全国一律運賃制につきましても、これから運賃改定を考える場合には、よくこの問題について検討する必要があるということでございます。
 いずれにいたしましても、大臣も申し上げておりますように、来年度の予算要求につきましては、国鉄自体の考え方が六月中に出てまいります。それをできるだけ早目に調整をいたしまして、それで概算要求をどうするかということを決める必要がありますが、その過程、その一環といたしまして、来年における運賃改定問題についても結論を得たい、こういうことでございます。
○西中委員 非常に厳しい状況で財政的に苦しいということで、工事の中止であるとかローカル線の整理であるとか余り景気のよくない話が続々として続いておるわけなんですが、その一面でやはり大事なのは、サービスの向上、そして何とかしてお客をたくさん集める、乗客をふやす、こういうことが非常に大事だ、このように考えるわけでございます。
 細かい問題でございますけれども、二、三お聞きをしておきたいと思いますが、一つは、いわゆる特定区間運賃制定、これは去年の七月値上げの際に、大阪−京都、京都−三ノ宮・元町・神戸、こういう路線で設けられたわけでございます。結局、私鉄との競合線、こういう点で競争にならないということでこういうものができたわけでございますが、今回の運賃値上げでさらにまたその格差は広がっておる。たとえて言いますと、京都―城陽市間・寺田でございますけれども、近鉄では百六十円が国鉄では二百五十円、九十円高いわけでございます。京都−奈良間を見ましても、近鉄は三百円、国鉄は四百七十円、百七十円高い。要するに神戸、大阪、京都だけではなくて、その周辺の私鉄との競合線も同じような状況にあるわけであります。これは首都圏でも同じ傾向にあるというように思っておりますが、この際、やはりお客をふやす、乗客をふやす、そういう観点から、この適用範囲というものを見直し、拡大をする、こういうお考えはあるかないか、まずお伺いをしたいと思います。
○高木説明員 現在、特定運賃はきわめて限られた地域につきまして、いわば試行的に行っておるわけでございまして、他の地域において、また現在行われている地域の周辺でも、それを拡大してはどうかということは内部でもいろいろ議論がございます。
 ただ、現在そうした問題のよって生じますところのゆえんは、やはり先ほど大臣触れておられましたような全国均一運賃というところから出てくるわけでございまして、全国均一運賃制度をどうしたらいいかというなかなか大きな問題でございます。そういうことの関連で、特定運賃制度をもう少し拡大するかどうかということも研究課題といたしてはおりますが、現実には、私鉄のようにある限られた区間だけを御担当のところに比べて、私どものように、それが他の地域に乗り継いでいくという関係になっているところではなかなかやりにくい。ある地区だけを特定ということで一種の割引をいたしますと、今度は隣の駅の方だけがばかに高くなるというような問題が残りますので、現実には、その線その線の特性を見ていかないといけませんし、また競争は結構でございますけれども、値段を競争して並行路線との間でお客を取り合うということになりますと、その都度お客流動が変わってくるということで、お客流動が変わってくることは、また施設なり設備なり車両の編成なりというところまで影響が出てまいりますので、なかなかむずかしいわけでございます。
 しかし、大変厄介なことになってきた運賃問題の解決の対策が幾つかあるうちの一つとして、これも頭の中では研究しなければならぬ問題だと思っておりますし、また現実に、専門家の間でも研究をしてくれておるところでございます。きょうの段階では、きわめてこうした抽象的な御回答しかできませんのをお許しいただきたいと思います。
○西中委員 東京、大阪などの大都市圏の交通は、各種の交通機関があるわけですが、料金の格差も非常にあるし、また非常に複雑な経路をたどって行き来をしている、乗り継ぎも非常にめんどうである、それから初乗り料金は非常に割り高である、こういったことがますます矛盾を広げておるわけですが、たとえばパリで行われておるカルトオランジュですね、こういうものを導入したらどうなのか。
 それから、時間がありませんから簡単に申し上げますが、地下鉄、私鉄、国鉄、こういうものが相互の乗り入れをしておるが、これが非常に割り高である。いわゆる初乗り区間というものが二重、三重に重なってくるわけですから、当然これは割り高になるわけですが、これも運賃体系としては矛盾が非常に大きい。これの改正といいますか、改善を図る気持ちはないかどうか。
 それから入場券、これは京都駅もそうなんですけれども、南北通過するのに全部入場券ないしは乗車券を買って行き来をしている。今回の値上げで初乗りが百円になりましたから往復すると二百円、まあ若干の収入にはなっておるのでしょうけれども、こういった点では各地の駅で問題があるわけでございまして、かねてからの問題でもありますけれども、一向に改善されないばかりか、運賃値上げのたびにこの料金が上がっていくということで、庶民の家計にはこれは非常に負担になりつつあるわけであります。この点についてもう少しみんなが納得できるような形で、無料というのが一番いいのでしょうけれども、そうもまいりませんでしょうが、何らかの処置をとる、安く通過ができるようにする。構内の向こうの方に道があるから通ればいいじゃないかと言うけれども、それが何百メートルも先というのが非常に多いわけですね。こういう点の改善はお考えにならないか。この三点についてお伺いします。
○杉浦政府委員 御指摘の何点かのうちで統一運賃の話がございましたので、お答え申し上げたいと思います。
 御指摘のように、いまパリの例がございましたが、五つの同心円の中の区間ごとにどこへ行っても定期の金額が同じだという通しの運賃がヨーロッパでは二、三都市で行われておるやのことでございます。ある面では利用者にとりまして大変便利であるということは事実でございます。私どもの方も、東京、大阪等におきましてこうしたことが適用できないかということでいろいろ検討はしておるのでございますが、三つばかり問題点がございます。
 一つは、通しで行いますと、当然に運賃がもう平準化されます。したがって、従来の通しでない個別の運賃がやはりどうしても高くなってしまうという一つの難点がございます。これはハンブルグあたりで実行したときに、そういう点で問題が起こった例がございます。
 それから二番目は、東京みたいなところでは企業体が非常にたくさんございますので、経営上の能率の度合いがいろいろと違うわけでございます。こういうものを一まとめにいたしますと、どうも非能率の会社の事業体を温存するというようなことが別の面では弊害として出てきてしまうわけでございます。
 それから三番目に、特に東京でございますが、大変人口が多くて、そして先ほど申し上げましたように企業体がたくさんございます。これらを、全部運賃制度を一本化しまして、それから収入をうまく配分するというような技術上のやり方が、大変むずかしい点がございます。
 以上のような三点の問題がございますけれども、庶民にとりましては非常に望ましいことでもございますので、今後引き続き検討をしてまいりたいと思っております。
○高木説明員 お触れになりました入場料金の問題も、各地でいろいろトラブルが起こっておりまして、利用者に御迷惑をかける場合が多々起こっておりまして、大変頭の痛い問題の一つでございます。いまのところは基本的には、先ほどお話のありました京都のような場合には、御存じのようにいま非常に大規模な地下鉄を京都駅に入れることに伴う工事をいろいろやっておりますが、ああした場合には、その際に自由通路を設けるということを通じて解決をするということで、大規模な駅舎の整備計画が伴います場合には、そういう点を配慮して自由通路をつくるとか、あるいは橋上駅をつくることによって、その問題を解決するという取り組みにいたしております。
 それがまだできない場合にどうするかということでございますが、現在のところは、非常にこの利用度の高い方にだけしかお役に立ちませんけれども、入場券を定期券化したものをつくりまして、毎日のようにお使いになる場合には、結果的に割引になるような入場券の定期券化制度をやっておるわけでございまして、これで十分だとは思っておりませんで、いろいろ問題があるわけでございますけれども、いまのところ、いろいろ設備的な問題あるいはそのための人手をどうするかという問題に絡んでまいりましていい方法がありませんので、いまのところは二つの方法で対処いたしておるところでございます。何かいい方法がないものかということで苦慮いたしておりますが、どうもまだ名案が見つからぬという現状でございます。
○西中委員 せいぜいの御検討をお願いしたいと思います。
 最後に、国鉄にお伺いをしておきますが、山陰本線の複線、線増、電化、この計画についてでございます。
 新聞報道によりますと、いろいろと問題も詰まってまいりまして、国鉄当局から運輸省への工事認可申請の提出、こういうことでございます。そして当初、私ども聞いておりましたのは、できれば五十三年度中、または五十四年度早期、こういうお話でございましたが、新聞報道では早くても七月というようなことが出ておるわけでございます。しかも地元では、もちろんこれは長い長い願望でございまして、特に大都市の周辺の交通機関でございますから、いま大変な交通事情になっておる地域でございますから、一日も早く着工をという声が高いわけであります。地元の知事も繰り返し国鉄当局に、また運輸省に陳情しておることは御承知のとおりでございます。
 したがいまして、これが一体いつごろ申請がなされるのか、また、おくれておる理由は一体どの辺にあるのか、こういう点についてお伺いをいたしたいと思います。
○高橋説明員 いまお触れになりました山陰線の区間につきましては、最近人口が非常にふえてまいりました。しかも、ただいま私の方の列車本数も百本になんなんとするほど入っておりまして、私どものただいままでの調査では、恐らく昭和六十年ごろまで考えますと、いまの単線ではお客さんの輸送はとてもできないのではないかというふうに予測をいたして、この数年前からいろいろの調査をいたして、ようやく具体的な調査がほぼ終わった段階になっております。ところが、複線化いたしましたり、あるいは電化をいたすためには、非常に多くの工事費を要しますので、私どもといたしては、本当にこの数年後にお客さんがふえていくかどうか、それがためには、やはり地域の開発が本当に具体性のあるものであるかということもあわせて、ただいまいろいろ関係自治体と御相談を申し上げ、なおかつ、その具体性についての確証といいますか、われわれも自信を持ってそうであるかどうかをいま確かめております。非常に多額の工事費がかかりますので、先ほどから御議論になっております国鉄の経営の問題とかあるいは資金のめど等がつきますれば、私の方も、これをぜひ進めていきたいという気持ちでいろいろ準備をしておるところでございます。
○西中委員 そうしますと、申請は早くて七月というような報道がありますが、その点はどうでしょうか。
○高橋説明員 私の方の路線計画とかあるいは技術的な問題につきましては、ほぼ検討が終わっておりますので、いま申し上げた経営の問題とかあるいは資金の問題、そういう問題についてのめどをつけてというふうに考えておりますので、いまここでちょっと、何月ということでは私申し上げられませんけれども、そういうものを十分把握した上で提出したいというふうに考えております。
○西中委員 財政が許せば七月ぐらいには出せる、こういうことですか。
○高橋説明員 一応五十四年度の工事費は、仮にこれに着手いたしましても、単年度としてはそれほど多くの工事費を必要といたしません。したがって、いまのめどと申しますのは、五十四年度だけではなくて少し長期に見まして、この五十四年度全体のめどというものをいろいろな角度からいま検討いたしておりますので、そういうめどがつきますれば、ぜひ申請したいというふうに考えております。
○西中委員 まだ若干不確定な要素が多いわけですから、いつというのはむずかしいのでしょうけれども、大体再建の案も出るし、予算も早目になにするということでございますから、大体七月には何とか形は出てくる、こう考えてよろしいでしょうか。しつこいようですが……。
○高木説明員 山陰線の問題は、実に長い問題でございまして、ある意味で私どもも、もっと早い時期から何とか取り組みたいと思っておったところでございます。したがいまして、気持ちとしては、一刻も早くという気持ちは私どもも持っておるわけでございますけれども、いま再建の問題に関連しまして、全体の設備投資のあり方、その進めぐあいといったようなものをどうするかということ、これは単年度の問題ではなくてやや長期の問題としてそれをどうするかということを、いまいろいろ研究いたしておるところでございます。
 そこで、仮に認可を申請し、御承認をいただきましても、実行に入ってからまたえらい時間がかかるということでも、かえって御迷惑の点もあるわけでございますので、もうちょっとしませんと、いつごろ申請をし、お許しをいただくのがいいかなというのを決断いたしかねるわけでありまして、ちょうどいまいろいろな問題が重なりました関係でここへ来てちょっと歯切れのいいお答えができないということになっていることをおわびいたしますと同時に、私どもとしても、あそこの地域は非常に問題地域であるので、何か早く解決の道を見出さなければいかぬと考えていることを申し添えておきたいと思います。
○西中委員 時間が参りましたので、せいぜいの御努力をお願いしておきたいわけでございますが、なお問題の多いところとおっしゃったとおり、ここは問題が大き過ぎると思います。国鉄は客が乗らないのだというようなことでいままでいろいろお話もあったわけですが、乗らなくなるのはあたりまえなんで、一例を申し上げますと、京都−園部間、昭和九年五十九分、十五年六十分、列車によって若干の誤差はありますけれども、大体のところです。昭和十七年六十四分、十九年五十八分、二十二年五十九分、二十五年六十四分、三十三年五十五分。最近は、ことしのダイヤでいきますと、速いのが五十三分、遅いのが一時間二十七分。京都−福知山間も昭和九年二時間十五分、現在、速いのが二時間十九分、遅いのは二時間五十五分、こういう状況で、人口が急増しておる、結局利用できない乗り物になっておる。これは勢い車に、そうすると道路がまた重大な問題になってしまっておる。確かに、乗客の点について御心配になるのはよくわかるのですけれども、道路も今度着工しますし、それから国鉄がこういう形でもしも線増、電化ということになれば、これは京都からものすごく近い範囲なんですから、一気にふえるのじゃないか、いまでもふえておりますけれども、これは急激にふえると思います。
 そういう点で、これは運輸省にも、ぜひともお願いしたいのですが、国鉄も十分の認識をいただいておる問題ですが、確かに来年度の予算の方針なんかを見ておりますと、地元では、これはちょっとまた危なくなってくるのじゃなかろうかという非常な心配を言ってきておるわけですから、十分な御理解を運輸省にもいただいて、そして一日も早く認可をおろすように努力をいただきたい、こう思っておるのです。
 最後に、国鉄と運輸省の御答弁をいただいて終わりといたします。
○高木説明員 先ほどの御答弁で申し上げましたように、都市周辺地域の解決策として急迫をしておる、解決策をとらなければならないのにそれがおくれているために急迫している地域の、全国的に見ましてもいわば非常に優先度の高い地域だと考えております。ただ、工事は始めました、しかし何年もかかりますというのでも、これまた建設利息がかさみましたり、また要らざる御迷惑をかけることになりますので、先ほど申しましたように、非常に急ぐ気持ちを片っ方で持ちながら、もう少し全体の私どものよその地域の資金配分との関係をにらみながら、どの程度のテンポでできるかということの見当をつけながら、しかるべき時期、なるべく早い時期ではございますが、しかるべき時期に決断をいたしたいというふうに考えております。
○山上政府委員 ただいま御指摘の問題につきましては、まず、国鉄にいろいろな厳しい条件下でございますが、検討していただき、その結果、国鉄の方から具体的な認可申請が参りましたら、これまた私どもの立場から言いまして、国鉄の再建に支障がないような範囲内におきまして、特に設備投資につきましては、先ほど来いろいろ御指摘がありますように、今後、国鉄の再建のために五十五年度以降、特にこれに対して厳しい態度で対応する必要がございますので、そのような条件下で、先生のいろいろ具体的なお話もよく理解できますので、具体的に検討さしていただきたいと思います。
○西中委員 終わります。
○関谷委員長代理 小林政子君。
○小林(政)委員 大臣の記者会見の発言をめぐってきょうはいろいろと各委員からもすでに問題が提起されております。大臣は、この中で、やはり国鉄再建の基本方向を進めていくためには、この立場というのは正しいのだと受け取れる発言をされているわけでございますけれども、また大臣自身、国鉄再建の基本方針については、それこそ野党の皆さんの御協力も云々、こういう御発言もございましたけれども、私どもは、この内容については国鉄の再建にはこれではつながらない、こういう立場を鮮明にいたしてまいったものでございます。
 何と言っても国鉄財政破綻の最大の要因であります借金依存の政策、これをどう改めていくのか、そしてまた、国鉄の監査報告書でも明らかにいたしておりますように、具体的には料金値上げに依存するこういう政策はもう行き詰まりを来してきている、こういうことも指摘しているわけですし、私どもといたしましては、真の国鉄の再建という点では、最近では五十二年の十一月に五つの転換点という立場に立って具体的な提案も行い、また、これまでの委員会の論議の中でも、この立場に立って真の国鉄の民主的な再建を図っていくという内容について明らかにしてきたところでございます。
 この点についていろいろと論議をすれば問題ございますけれども、時間の関係もございまして、私は、その中でも、大臣発言の中で取り上げられておりますます夜行列車の廃止の問題、あるいはまた国鉄バスの夜行便「ドリーム号」の指定料金を、一挙に五百円からこれを三倍の千五百円に指示をされたという問題、あるいはまた地方交通線問題は、これは構造的欠損の典型であるというように、財政上の立場から見れば確かにそうだと思いますが、しかし、そのように決めつけて、法律改正も現在行われていないこういう時点の中で、現状の中で行政サイドで地方自治体の合意というか、公的助成を合意もなく押しつける、こういうようなやり方の問題だとか、いろいろと国会の論議なども本当に煮詰めていく、こういう態度もおとりになろうともいままでしないで、思いつき発言とも思われるようなこういうアドバルーンを上げてこられたことに対して、この問題に対して森山運輸大臣の見解を一つ一つ伺っていきたい、このように思っております。
 まず一番最初に、夜行列車の廃止問題についてお伺いをいたしたいと思いますが、現在、夜行列車の本数、これは旅客の特急、急行、普通おのおの各何本走っていて、そして全体に占める割合というのはどうなっているのか、またさらに貨物の場合についても、設定キロで夜間と昼間ではおのおのどのような現状になっているのか、まずこの点について御説明を願いたいと思います。
○吉武説明員 お答え申し上げます。
 まず、旅客列車でございますが、いわゆる夜行というふうに定義をしますことを午前零時ぐらいから四時ぐらいまでずっと通しで運転しておるというような列車としますと、そういう列車が大体二百本ございます。列車キロにいたしまして十一万九千キロほどでございます。全部の普通まで入れまして列車が約一万九千本ございますので、これは国電を含めてでありますが、そういたしますと、この二百本というのは約一%に相当するわけでありますけれども、国電とかそういうものを除いて特急、急行というものの比率をとってみますと、特急、急行が約千九百本ということでございますので、この二百本は一〇%強ということになります。それから列車キロは全体に占める比率が九%ほどでございます。それから貨物列車につきましては、夜間と言いますと、二十二時ぐらいから翌朝五時ぐらいまでの間にかかる列車本数ということで算定いたしますと、列車本数で約千四百四十本ほどございます。全体に占める比率が三四%、それから列車キロが約三十万四千キロございまして、全体の中に占める比率が六五%ということでございます。
○小林(政)委員 旅客にいたしましても、貨物にしても、いまの数字を見てみますと、夜行列車というものが、やはりいまの国鉄の列車の中でも非常に重要な役割りを果たしているのだというふうに思われますし、また国鉄のドル箱と言われております新幹線の乗車効率というものは現在どのぐらいになっているのか、そしてまた、それとの関係でこの夜行列車の場合には、東京発の特急あるいはまた急行の乗車効率というものはどうなっているのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○吉武説明員 新幹線の場合でございますが、新幹線は東海道の静岡−浜松間でとりまして五九%、それから新大阪−西明石が、山陽新幹線でございますが、六〇%ということで、これは五十三年の十月の下りの一日平均でございます。
 それから、並行の夜行列車でありますが、東海道、山陽から九州向けということで、東京発につきましては八二%、それから名古屋と関西とを含めて見ますと四四%というのが、大体同じ五十三年の十月の下りの片道の一日平均でございます。
○小林(政)委員 新幹線の乗車効率が東海道の場合には五九%、そして在来線の場合は名古屋、大阪というのは四四%と少し下がるのがございますけれども、平均すると八二%ということですから、やはりこの夜行列車というものは、乗客からも非常に喜ばれて利用されているという現状がこの中でははっきりと出てきているのではないかというふうに思います。
 このように非常に利用者があるにもかかわらず、そういった実態というものを、森山運輸大臣は具体的に国鉄当局から話を聞いて、調査をされた上で、夜行列車というものは必要ない、廃止の方向という発言をされたのかどうなのか。国民の利用の現状、そしてその便利を図るというよりも、何か新聞の記事を見ておりますと、全くの人減らしのための発想なのではないかとすら疑問を持つほどでございます。
 夜行列車の利用者が多いというこの実態を調査された上であのような発言をされたのかどうなのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○森山国務大臣 先ほど「再建の基本方針」の基本になっている再建方向には、共産党は賛成されなかったというお話を承りました。そういう角度から物をごらんになれば、いろいろな御意見は出ると思います。しかしあなたも、現段階における一国民として、国鉄の立て直しをやらなければならないということだけは御理解願えると思うのですから、いろいろ御意見がありましても、建設的にひとついろいろ御質疑を願いたい、私はそう思っております。
 たとえば、いまの新聞に出ておったという夜行列車の問題でございますが、あなたは日本じゅうの夜行列車を取り上げて聞いておられますが、私は、そういうことを言っているのではない、新幹線ができたときにおける並行在来線の問題についてこのことを問題にした、こういうことであります。
 新幹線ができて、東京−大阪−博多まですでに新幹線が通っておる、ところが、東京から鹿児島までの特急夜行列車が出ておるが、そこまでの必要があるのですか、もう新幹線ができたのですからということなんです。博多までの時間はたしか二時間ぐらいしか差がないと思うのです、初発で出ますとね。ですから、そういうやはりきわめて常識的な疑問というものを出して、そしてそれを検討してもらわなければならぬ。その後調べますと、東京から出る九州の方へ行く夜行の汽車につきましてはかなり利用者があります。しかし、大阪から出る九州への夜行列車はもう四割以下の利用客というようなことでございまして、そういう実情にあるということが私は改めてわかったわけでありますが、そういう角度から旅客についても検討を要するし、また貨物についても検討を要するのではないかということを問題点として指摘したのであって、夜行列車をやめます、また、やめなさいということまで私どもは言っておるのではございません。問題点としてそういう問題を考えなければいけないのではないか、こういうふうに言っておるわけでございますから、新聞に運輸省の関係者が何かしゃべられたことが、直ちに夜行列車全廃のような結論が出たようにお受け取りになるとすれば、それは私の本旨ではない。
 先ほど来国鉄総裁からお話がありましたように、そういう問題について現実的に取り組んで、そういう点を考えられて、しかし、いままでとは発想の転換を行って、思い切ったことをやっていくということの一課題としてこれは取り上げておるのでございまして、あなたは自分の頭の中で国鉄再建計画というものを描いて、要するにあなたの方の考え方を描き、また私の考え方をつくられて、それで、そういうことでは困るではないかと、どうも共産党だけ反対だからといってそういうお話をされるように私には受け取られるので、まあもう少し、あなたも大変御熱心かつ純真なお方でございますから、やはり事態の問題について正確につかんで、それで御質疑を願いたい、私はそう思います。
○小林(政)委員 私どもは、国鉄の再建については非常に熱心にこの問題を取り上げて、そしていままでの委員会の中でも再三再四、森山さんが運輸大臣におなりにならなかったその以前からこの問題については明らかにしてきたところでもございます。とりわけ、公共輸送機関に反するようなこういう財政負担のあり方というものをやはり改めていかなければならない、そして、そのための費用負担の原則もはっきりと決めていく必要があるとか、あるいは基礎施設の建設だとか改良だとかこういう問題についても、やはり国の責任でもっと助成をふやすことによって基礎施設の建設を図っていかなければ、単なる採算合わせというようなことでは、これはとうていその再建は不可能であるとか、あるいは国鉄財政の民主的なあり方という問題については、私どもは、熱心に取り上げてまいってきたところでございますが、ただ、現在の再建案というものは、やはり何と言っても運賃値上げを今後も引き続いてやっていこう、こういう内容が非常に強くなってきておるし、幾多の問題点もある、地方自治体に財政負担を負わせる方向も入っている、これらの問題も軽々にやるべきではない、こういう立場なども明らかにした上で、私どもとしては、この国鉄の再建問題、今後も引き続きこの委員会の中でも積極的に取り上げてまいりたいと考えておりますので、誤解のないようにしておいていただきたいと思います。
 それから、いまの大臣の夜行列車廃止の発言でございますけれども、いま真意をお伺いいたしましたところが、新幹線と並行しているところだけに限っての発言であるということでございますけれども、私どもが新聞で見た範囲では、森山運輸大臣が、新幹線もできている現状の中では、ともかくもう夜行列車は廃止してもという方向がはっきりと新聞の中では読み取れた、こういうことも事実でございます。とりわけ夜行列車を利用している人たちは、調べてみますと、長距離の地域からの修学旅行だとか出稼ぎの人たちだとか、大臣のところなどに陳情に青森あたりから出かけてくる県や市町村の陳情団の人たちは、ほとんどが夜行列車を利用して朝東京に着くわけです。そしてその日の一日の行動を開始する。非常に便利であるというところから、この夜行列車が、実際には一つの例を挙げれば、青森発の「ゆうづる五号」なども、夜出発して翌朝の七時五分ごろ到着をする、こういうように経済的にも負担も非常に少なくて済むので非常に便利である。とりわけお年寄りの人だとか体の不自由な人だとか子供を連れている人には、乗りかえもしないで済むということでこれは大変愛用というか愛好されている、こういう傾向も出てきておりますので、これをどうしても残しておくことが必要ではないかと私は思っておりますけれども、この点について大臣の見解をお伺いいたします。
○森山国務大臣 先ほども申し上げましたように、新幹線がすでにできておるところについての在来線のやり方、在来線をどう運用していくかという問題として旅客の問題、貨物の問題を検討してもらいたい、こういうことでありまして、それ以上のことを私は言っておるのではございません。それは運輸省の中でだれかがそういうさらに進んだような意見を述べている人がいるかもしれませんが、私が話した真意はそういうことでございますから、どうか御理解願いたいと思います。
 新幹線が通っていない在来線で現在夜行列車が走っておるところを、それを一律にどうしろというような議論をしているわけではございません。要するに、私が申し上げておることはきわめて素朴な疑問であります。常識であります。その常識に対して国鉄当局が技術的にどうこたえられるかということが問題なのでありますから、別にあなたの言われる、何かいま青森の方へ行っている夜行列車を廃止しろなんて言った覚えは私はありません。あなたがそう思っているだけですから……。
○小林(政)委員 いま新幹線が通っているところは東海道線ですね、それが今度は先へ延びて博多まで行っているわけですけれども、そこ一本だけを対象にしたというふうにはちょっと読めなかったのです。それで「ブルートレーン」だとかこういうものも含めて全体的にこういうことになったら大変な事態になる、こういうふうに受けとめておりました。したがって、この問題について大臣が本当に事務当局をお呼びになって、じゃ、いま新幹線と並行して走っている在来線のところだけに限定すれば一体どうなるのだということをお聞きになれば、事前に調査をすれば、すぐわかることだと私は思うのです。それを何かいかにも大きく、夜行列車が廃止されれば経費がどのくらい浮くのだとか、あるいはまた人の数も相当削減できるみたいな、こういう立場を思わせるようなやり方について、誤解を招いたりあるいはまたあらぬいろいろなトラブルが起こっているのではないかと思います。
 じゃあ、貨物の場合はどうなんですか。
○森山国務大臣 新幹線と並行する在来線の夜行列車がどういう状態になっているかということと関連しまして、貨物の場合はどうなっているのだ、こういうことでございますが、そうなりますと、たとえば最終的に結論を持っているわけでございませんけれども、生鮮食料品を運んでくる汽車がある、あるいは新聞とか週刊誌を運んでくる汽車がある、そういう人たちが困ると言うのですが、実際は八割方それらの物はトラックで輸送している、こう言うのです。二割くらいを国鉄が輸送している、こういう実情くらいまではわかりましたが、さて、それじゃ夜間の貨物を最終的にどうするかというのは、国鉄自身も来年の十月を目指しまして貨物輸送の大改革を考えておるようでありますから、そういうこととの関連において国鉄で研究してもらいたい、こういうふうに思っておるわけです。
 私は、いわば素朴な疑問あるいはきわめて常識的な疑問を呈したのであって、私は、国鉄総裁じゃありませんから、こういう問題についてそう一義的に――問題によってはこうあるべきだということをきちんと言いますが、こういう問題について疑念を呈することは当然のことだと思うのです。
 要するに、いままでの既成概念で国鉄の再建を考えていたらできないわけですから、既成概念を破って、新たなる決意を持って再建しなければ、先ほど来るる申し上げているとおり、国鉄の現状はもう大変むずかしい状況でございますから、そういうことで私がそういう疑念を呈した、こういうことでございます。
 ですから、どうもあなたが一人相撲されて、青森の方から走っている夜間列車をとめるのはどうだ、こうおっしゃっても、私は実は返事のしようがない。
○小林(政)委員 貨物の場合、これは国鉄当局から出してもらった資料によりますと、列車キロで見ると貨物列車全体の六五%が夜走っている。それは大臣の言う東海道新幹線が走っているところだけだったならば、どのくらいになるのかということになるわけですよ。しかし私は、そういうふうにはとれないので、新聞の報道では、貨物全体の本数の中で夜走っている貨物はどのくらいあるのか、これは列車キロで見ると貨物列車全体の六五%だと言うのです。これが昼間走ったらダイヤはパンクしちゃうんじゃないですか。
○高木説明員 従来から昼間は旅客が走る、夜は貨物が走るという考え方が第一原則みたいな形でございます。ところが、夜走るということはどうしてもいろいろな意味で好ましくない面もあるわけでございます。何しろ乗務員の苦労も非常に多いわけでございますし、そのことのために線路を保守するための保守間合いをなかなかとれないというようなこともあるわけでございまして、かねがね私どもとしましても、何とかなるべくもろもろの作業を夜から昼間に移したいなという気持ちは持っておるわけでございます。
 したがって、一つの発想法として旅客、貨物を通じてなるべく夜の作業を減らして昼間の作業に移したいなという気持ちを持っておるわけでございますが、一方、貨物輸送のニーズから言いますと、そう簡単にいかないということで、長い目で見てだんだんそっちの方向へ持っていきたいと思いますが、いま当面は、ちょっと夜間に貨物をやめてしまうというわけにはいかないという現状であろうかと思います。
 どうも先般の報道でいささか不十分な点がございましたのは、国鉄の再建を考える場合に、どういうふうにして減量経営をやっていくかということの一つの問題は、夜間勤務者がどうも多いということでございます。そこで、どうやって夜間の作業を減らすことができるかということをいま研究しておるわけでございまして、さりとてなかなか夜行列車をやめることもむずかしいわけでございますし、夜間に貨物を走らせることもやめることはむずかしいわけでございますが、しかし、努力といいますか一つのアイデアといいますか、何かそういう工夫をしなければならぬということは事実なんでございまして、いささか夜行列車をやめる話と、夜行貨物をやめたらどうかなという話と、それから、それによって人手がどれぐらい軽減されるかなという次元の違う話が三つ重なって一遍に報道された感じになっておりまして、私どもは、そうできれば好ましいけれども、夜間に貨物をやめてしまうということは、事実上の問題としてなかなか困難だということでいま検討をいたしておるところでございます。当面、そういうことは事実上ちょっとできにくいかなというふうに考えております。
○小林(政)委員 大臣、この問題は、こういった新聞記者発表という場合に、事務当局を呼ぶなりあるいはまた国鉄当局の現状、実態、そういうものがどうなっているかというようなことなども、それは膨大な調査が必要であるというようなものは別としても、やはりそういうことはきちっとお調べになって、その上で記者会見なり発言をされるということが誤解を今後招かないという上でもきわめて重要なことではないだろうか、このように考えておりますので、この点についての大臣の所見を伺いたいと思います。
○森山国務大臣 夜行列車の問題、先ほど申し上げたような経過であります。だから、私の発言に関連して私の役所のだれかがしゃべったかもしれませんけれども、そこまでのことは私は専門家でもありませんからしゃべるわけはない。しかし、あなたがお考えになって、新幹線ができて、そして東京から鹿児島まで夜間特急を走らせる必要があるかどうかというのは、あなただって疑問を持たれるでしょう。鹿児島だったらこのごろは飛行機に乗りたい、飛行機に乗りたい、飛行機を増便してくれ、飛行場を増設してくれという声も急ぐ方は強いのですし、それから汽車に乗って旅行したいという人も朝六時の「ひかり号」に乗っていけば昼ごろ前後には博多に着くのですから、博多から仕立てた、これはもうあそこから先は在来線でございますから、そういうものを利用したらいいだろうという考え方だってあり得るということはよくおわかりになりましょう。それは確かに、東京から乗る鹿児島の列車はかなりのお客さんが乗っていますけれども、しかし、それはかわりがきくではないか、ほかに輸送手段がないということではないではないか、そういう観点からいけば、大阪から出ておる九州方面の汽車というのは、四割程度しか乗ってないとするならば、これはもう新幹線も通っておりますしいたしますから、本当に夜行列車の必要がありますかという疑問を持つのも当然じゃないですか。
 だから私は、そういうきわめて当然な、常識的なことを指摘しているのでありまして、その旅客列車についてある程度整理することができるならば貨物の方も何とかならぬかというようなこともある。要するに、従来の既成概念で物を考えておったら、また、その既成概念にプラスいろいろな利害関係が絡まって物を考えておったら、このむずかしい事態は打開できない、こういうことです。
 だから、先ほど国鉄総裁がああいう御返事をされましたが、これは私、なお詰めてみる必要がある御論議だというふうに思っております。これは意見が違うわけでも何でもないのです。要するに、六月末に結論が出るまでの間、切磋琢磨して十分意見を闘わせて、現段階において一番いい案を出していこう、こういうことなんでございますからね。しかし、私の意見で日本じゅうの夜行列車を全部なくすなんというふうな発言をだれかがしたとするならば、私もよく調べてみますが、これはあなたのおっしゃるようにいろいろ問題があると思いますよ。しかし現段階において、そこまでの議論をするほど私は非現実的ではないのであります。したがって、私の発言についてそれに尾ひれをつけて発言をした人があるとするならば、それがまた新聞記事に出たとするならば、私といたしましても、そういうことのないように十分気をつけてまいりたいと思っております。しかし、新幹線がすでにできておる区間における夜間旅客輸送並びに貨物輸送という問題については、これは方向としまして十分再検討していかなければならない。具体的にいつどうできるかということは別にして、方向としては考えていかなければならないという面は、それはあなたが運輸大臣になられたとしたら、役所の人の言うことばかり聞かないで、国鉄の人の言うことばかり聞かないで、自分の頭で考えたらそういう疑問が出てくるのは当然だと私は思うのです。大体役所の人にしても、国鉄の人にしましても、既成概念が非常に強いですから、頭を切りかえてもらわなければ、これは局面打破ができないのです。そういう意味で私は申し上げております。
 そんなに、青森を走っている特急列車はというようなことをいま考えているわけではありません。しかし、東北新幹線ができてきますれば、これはまたどういうことになるか、その段階において考えなければなりません。たとえば仙台なんかに行くのに夜行列車で行くということがいいのかどうか、これは昼間から新幹線がすうっと行ってしまうんですからね。だからそういう点を、国鉄は非常にピンチで背に腹はかえられない状態になっているのですから、国民に少しでも御迷惑をかけないようにしながらこのピンチを抜け出していくために、いろいろな角度からいろいろなことを考えなければならない一環としてそういうことを申し上げている。一般の乗客のお立場を全く無視していいなんて考えておりませんよ。そういうお立場も十分考えながら、この程度のことはやれないかということで私どもはそういう素朴な疑問を提示しておるのです。それがいつの間にやらひとり歩きして拡大しているといたしますならば、私も、よく調べて注意して、これからそういうことのないようにいたしたい、こういうふうに思っております。
○小林(政)委員 貨物の場合なんかは、これは大臣いろいろいまおっしゃって、その真意は私もわからないわけではありませんけれども、ちょっと逃げ口上じゃないかなというふうに思いますし、大臣の発言というのは、やはりそれだけ重視されて重みを持っているわけですから、発言の場合にはやはり慎重を期していただきたい、このように国民に不安を与えるということのないように御配慮していただきたいというふうに思います。
 時間でございますから次の問題に入ります。
 またこの大臣発言との関連でございますけれども、今回の国鉄運賃の値上げの問題に関連いたしまして、大臣がこれを認可いたしました旅客運賃は一二%、通勤定期は一五・七%、通学定期は二七・九%、初乗り運賃は八十円から百円にということで認可がされたわけでありますけれども、これまでは普通運賃は値上げ幅の場合、六百キロまでと六百一キロからと二段階で距離を決めていたんですね。それを今回から三百キロまでと三百一キロから六百キロまでと六百一キロ以上と、こういう三段階に分けて値上げを行う、こういうことで認可をされたわけでございますけれども、この三百キロまでのところの値上げ率を見ますと一番高いんですね。これは一四・四%の値上げ率、非常に高くなっている。森山運輸大臣がここに着目をして、百一キロから三百キロまでについては往復運賃の購入の場合は一割引きを実施する、こういうふうに言われたのではないか、このように思っておりますけれども、大臣いかがでしょう。
○森山国務大臣 どうも値上げのときの運輸大臣は悪役でございまして、したがって、少しでもその値上げ幅を緩和できればというふうに考えております。国鉄総裁権限である程度の割引ができるようになっておりますから、この際、そういう点で往復につきまして値上げ幅を緩和するという意味もございますし、また、そうやれば乗るお客さんがある程度ふえるわけでございますから、そういう意味での増収対策も兼ねてそういうことも考えたらいかがかというふうに国鉄総裁の方にお願をした、こういうことでございます。
○小林(政)委員 そこで、国鉄にちょっとお伺いいたしますけれども、やはり百一キロから三百キロまで、この距離は全部割引の対象にされるのでしょうか。
○吉武説明員 旅客の利用増進とそれから増収というような見地から、きめの細かい施策というような御指示もありますので、いまわれわれが作業をしておりますが、全般的にというよりはそういった条件に合うようなところはどこかというような意味で作業をしております。
○小林(政)委員 そうしますと、これはやはりこの割引率を適用することによって乗客の利用がふえるというところだけを対象にしてやりたい、こういうことなんでしょうか。
○吉武説明員 今回の運賃改定では、いろいろ考えて三百キロまでを第一地帯、三百一キロから六百キロまでを第二地帯というふうに、従来の六百キロを二段階に分けたわけでありますので、そういったことで所定の増収を上げようということでありますが、一面三百キロまでが若干高くなったということは確かであります。
 そういう中においてどういうふうにきめ細かくやっていくかということは、もちろんお客さんの立場も考えてでございますけれども、われわれとしては、増収効果を上げるということを念頭に置きながら作業をしておるということでございます。
○小林(政)委員 大臣もいまの趣旨というふうに受けとめてよろしいのですか。
○森山国務大臣 そういうことを国鉄総裁にお願いいたしましたから、そういう趣旨において国鉄の方で御検討になってお進めになる、こう思います。ただ、機械の都合とかいろいろありますから、一挙にそれが全部できるかどうかは存じませんけれども、逐次それは進展していくであろうということを期待しております。
○小林(政)委員 結局、そういうことでありますと、私は、どうせおやりになるのだったら百一キロから三百キロを全部――森山運輸大臣のその割引率という趣旨から考えれば、これはできれば全部割引の対象にした方がかえってよいのではないか。でなければ、もともと割引率を適用しなければならないほどの値上げをここで行った理由というのもわからないと言わざるを得ませんし、結局リップサービスにすぎなかったのかな、こんな印象を受けるわけでございます。
 私としては、この点だけもう一回大臣にお聞きして、時間がないそうでございますから、これで質問を終わりたいと思います。
○森山国務大臣 リップサービスじゃありません。いま、いつやるというお話はあったのですか。――ないですね。そのうち実現します。ごく近い時期に実現しますから、その国鉄の往復割引の問題は。(小林(政)委員「全部」と呼ぶ)ですから、それは国鉄の方でいまいろいろ御検討になられておるわけでございますから、私は、そういうふうにしたらどうだという意見を申し上げたわけでありまして、あとは国鉄総裁の権限の中でこの問題を処理していただく、こういうことでございます。
○小林(政)委員 以上で終わります。
○関谷委員長代理 中馬弘毅君。
○中馬(弘)委員 最後で、時間も相当経過いたしておりますので、簡単に進めさせていただきたいと思います。
 大臣の御発言がいろいろ物議を醸しておりますけれども、しかし私は、逆に非常に評価したいと思っておるのです。いままで、どちらかと言いますと、実際に大臣の就任というのは非常に短うございますから、その内容かおわかりにならないというようなこともあって、大体お役人さんがおつくりになった作文をそのとおりにお読みになる、あるいはそのとおりの指示に従われるというケースが非常に多かったわけでございますが、いろいろな問題、各方面からリアクションが出ておりますけれども、こういった具体的な提言があちこちに出てまいるということは、運輸行政に非常に活気が出てきたという気がいたしております。そういう意味も含めまして、むしろ大臣を督励する意味で、私たちが日ごろ言っておりました、あるいは識者が言っておられましたことが、大臣の口から出るということによって、かなり具体的な議論になってくるということをむしろ評価してもいいのではないかとすら思っております。
 まず、新幹線の建設の問題でございますが、これも前々からこちらも懸念しておったことでございます。実際に国鉄という一つの経営企業体の中でこれをやっていくということにすれば、これが大幅な赤字になることは初めから予想がついておったことでございまして、むしろ国家的な一つの別の意図でやるというならともかく、国鉄の経営という中では赤字が出るということは、われわれは危惧をいたしておりましたし、いままでの運輸委員会での質疑でもそのことは何度もただしているわけでございます。しかし、こういう形で大臣が御発言になったことによって、少しは議論が前向きになってきたかという気もいたしております。
 このことに関しまして、上越・東北新幹線の進捗状況、あるいは現在東京−大宮間の問題が片づいておりませんが、大宮始発に持っていくことの是非の問題、あるいは開通した場合の運行状況、これはその三千億という赤字、その中の根拠といいますか、その三千億がどうのこうのということじゃございませんけれども、ある程度の見通しをお持ちになっておると思いますから。その需要の予測、そして採算の状況、そういったことをまずはお伺いしたいと思います。
○高橋説明員 東北新幹線につきましては、国鉄で施工いたしておりますし、上越につきましては鉄道建設公団もございますので、主として東北新幹線につきまして私からお答えいたしますが、すでに相当の用地を買収いたしまして、ただいま工事を実施いたしております延長は、東京から大宮までが非常に難航いたしておりまして、これはまだ延長にいたしまして六%程度の着工しかいたしておりませんが、大宮から盛岡にかけましては九八%の区間でただいま鋭意工事を進めておるところでございます。一応われわれの努力目標といたしまして、ぜひ五十五年度中には完成をさせて運行に入りたいというふうに考えておりますが、いま先生からもおっしゃいますように、東京から大宮付近が非常に難航いたしておりまして、徐々に実はいろいろな面で好転をいたしておりますが、特に東京都内においては、これは相当着工できる状況になってまいりました。埼玉県の与野、浦和、戸田の三市が一番ただいま難航いたしておりますけれども、各市ともただいま議会の方あるいは自治体の長の方及び反対の住民の方々、二者会談あるいは三者会談、その中にまた国鉄が入りました四者会談といったようなものをいま逐次持っておりまして、できるだけ早い機会に着工ができるようになればということで努力をいたしております。
 そういたしますと、東京から大宮の間が非常におくれているので、大宮始発ということが考えられないかという御質問でございますが、ただいまのところ、私どもの努力で何とかしてこの東京―大宮間も同時に完成させたいということで、非常に難航している区間が幅が狭まってまいりましたので、工事区間も狭まれば非常に短期間で工事ができるという技術力は持っておりますので、今後の推移を見て、私どものまた努力を見ていただいて、何としてでも五十五年度中に東京まで完成させたいということで、ただいま努力をいたしておるところでございます。
 私から工事関係を申し上げ、あと収支の関係は加賀山常務からお顧いしたいと思います。
○加賀山説明員 輸送需要並びに収支の問題でございますが、東北線あるいは上越線につきましては、当初想定いたしましたときには、大体平均需要といたしまして、一日平均断面輸送量で五、六万、山陽線を若干下回る程度ではないかという想定をしていたわけでございます、マクロ的でございますが。ただ、現在の段階で、きょう午前中にも総裁から御答弁申し上げましたように、いろいろな条件が出てきております。したがいまして、そうした需要予測につきましては、再度いろいろな角度から検討しているところでございます。したがいまして、その点の収支の問題は、同様にけさほど総裁からお答え申し上げましたように、資本費が当初の計画よりもかなり多額になるという問題も含めまして、さらに在来線の徹底した合理化等も含めまして、今後どうなるかという問題をいろいろ検討している段階でございます。したがいまして、現在の段階で、収支が一体どの程度の段階で収支採算になるかという点につきましては、はっきりした見通しをまだ立てるに至っておりません。
 ただ従来、大体五、六年で東北本線は収支均衡点に達するであろうと申し上げていたところでございますが、現在の段階では、これよりやはり数年ずれる形でなってくるだろうという感じを持っているところでございます。そういう形で、現在、鋭意検討を進めている段階でございます。
○中馬(弘)委員 まず、大宮の問題でございますけれども、実際に土地の買収も進み、そしてまた各所では工事も始まっているわけでございます。そうすると、大宮以南ができなければこれを開通しないというのであれば、大変な資本のむだにもなってくるわけでございます。もちろん上野から真っすぐ行った場合には、それなりの乗客もふえるでしょうが、大宮始発の場合には予定したよりも赤字がふえるかもしれませんけれども、むしろそれで動かすことの方が、逆に資本費のことを考えるならば、あるいは有利なのかもしれないという気もいたしております。また、そうすることによって、逆に、大宮以南の建設あるいは住民の理解も早まるというような気もいたしておりますが、その辺は大臣はいかがでございますか。
○高木説明員 私どもの方で、ただいまその辺とっくり検討いたしておるところでございます。私どもの方としては、やはり上野始発でスタートいたしたい、そこへ向けてすべての努力を傾注してまいりたいと思っておるわけでございまして、いまお話のようなことは、どこか頭の片隅では考えておりますけれども、現在は、やはり上野から出すことについて、もう全精力を尽くしてみたいと思っております。
○中馬(弘)委員 それから、採算のことでございますが、七、八年といたしましても、そのときのたとえば列車本数といいますか、これも列車の編成によって十六両でやるのか十両でやるのかによっても非常に違おうと思いますけれども、現在の東海道線に比べてどの程度のことでお考えでございますか。たとえば七、八年でも結構ですし、五、六年先でも結構ですが、その間に一応採算に乗るというときの列車本数といいますか、間隔はどのぐらいのものでございますか。
○高木説明員 編成の長さ、それからフリクエンシーをどのぐらいにしたらいいかということにつきましては、いろいろな案をいま考えております。おりますが、最初お触れになりました問題が、まだ一〇〇%上野始発で固まったということになりませんものですから、上野始発の場合の需要見込みと、しからざる場合の需要見込みも違ってまいりましょうから、最終的な確定を申し上げる段階まで至っておりません。それはいろいろ計算をしたり、予測は立てたりしておりますけれども、まだどっちとも決めずにおるという状況でございます。
○中馬(弘)委員 非常にあいまいな御答弁で不満でございますが、何か一つのプロジェクトを始めていくのに、そのようなあいまいなことでいいのかどうかということも私はちょっと疑問に思います。
 新幹線というのは、御承知のとおりに、メガロポリス二都市間を結んでこそ初めて一つの大きな効果になってこようかと思います。それでこそ初めて採算にも乗ってくるわけでございまして、それこそ、むつ小川原に東洋一の工業地帯をつくるとかいったようなプロジェクトがはっきりしている、それで東北まで伸ばす、あるいは新潟の方にソビエトや大陸との間の大きな港をつくって、そこに発展を託すという国家的なプロジェクトのもとにおいての新幹線であれば、それなりの効果も出てこようかと思いますが、たとえば盛岡といった場合に、これがどの程度になるかというのは、相当の採算の御計算もされておることでございましょうし、大体の予測はつくと思うのですが、いかがでございますか。
○高橋説明員 ただいま加賀山常務から、東北本線の平均断面交通量が五万ないし六万というふうに申し上げましたが、これは上下の平均断面交通量でございますので、片道にいたしますれば約三万人。この三万人のお客様を運ぶには、千人の定員ですとちょうど三十本ということになります。ただ、これは仙台までと、仙台からあるいは遠くに行くに従ってお客の数が減ってまいりますので、私は、平均的にちょっと申し上げておりますけれども、三十本ということになりますが、ただいまの東海道新幹線あるいは山陽新幹線の平均の乗車効率は「こだま」「ひかり」平均いたしまして約六〇%でございますので、これを〇・六で割れば約四十七、八本から五十本という数字になります。一応その辺をめどに置いて、私どもは、どのぐらいのお客さんからどのぐらいの料金、運賃がいただけるか、そういう意味の計算はいたしておりますけれども、具体的なダイヤ等になりますと、いま言った一列車何両編成にするかといったことも含めまして、細かい点はまだ十分な検討はされていない、よりより検討はいたしておりますが、いま本数何本だということまでちょっと至っておりませんが、いま申し上げたようなラウンドの数字で収支の計算等は考えております。
○中馬(弘)委員 私がかようなことを申しますのは、せっかくつくるものであるから、それを効率的に使う方法がもっと考えられはしないかという意味で言っているわけです。したがって、東海道線ほどの頻繁度がなければ、この間にたとえば貨物列車を通すことだって考えられ得るじゃないか。先ほどから夜行の貨物がどうのこうのというお話も出ております。それを廃止することがいいとは私は言っておりませんが、たとえばそういうときに、新幹線の貨物というものを今後、御検討なさって技術的な意味でも解決されるならば、いまトラック便に移っておる貨物がそこへもっと帰ってきやしないか。先ほど出ておりました急便といったようなトラック便の問題にしましても、場合によっては国鉄の方に引っ張れるのではないかという意図で私は申し上げているわけでございまして、たとえばいま言った貨物列車の運行の是非といったようなことはいかがでございますか。
○高橋説明員 ただいま申し上げた列車本数程度ですと、線路容量には実は余裕がございます。東海道新幹線のいま申し上げた数量はほぼ半分程度の数量でございます。したがって、そういう意味では線路に容量がございますが、実際問題といたしまして、貨物を扱うためには、午前中議論になっておりましたように、たとえば汐留の貨物駅一つつくりますのに用地費だけで数千億かかる。したがって、貨物を扱うとなりますと、むしろ貨物設備の関係及び貨物の列車速度とただいま走っている「ひかり」の列車速度、そういう問題がございまして、全面的に貨物を乗せるということは非常にお金がかかるという意味で、あるいは効率性の問題で、むしろ貨物は在来線を有効に使った方がよろしいのじゃないか。新幹線ができますと、在来線の方にも余裕が出てまいりますので、貨物については基本的にはそういう考え方でおります。
 ただ、急送の品物あるいは少し先の話でございますが、青函トンネル等ができますと、この間にトラック等を車両に載せまして輸送したらどうかということは当然出てまいりますので、そういう意味の貨物輸送については、いろいろな面から検討いたしておりますが、ただいまある在来線の貨物をいま全面的に新幹線に乗せるということについては、ただいまのところは考えておらないというふうに申し上げた方がよろしいと思います。
○中馬(弘)委員 民間企業の場合ですと、一つの設備をつくりますと、これがフルに動くように、場合によっては夜勤をさせてでもこれを回収するように努力するわけですね。そのあたりが国鉄の場合には欠けているのではないかという意図で、あえて貨物を走らせろということじゃなくて、そういうことも考えられ得るのじゃないか、もう少し柔軟な頭を持ってもらいたいということであります。先ほど言いましたように、生鮮食料品であるとか急ぐものであれば、航空貨物すら国鉄貨物の方に引っ張れるのではないかという意図で私は言っておるわけでございます。
 次に、整備新幹線の問題でございますが、この調査状況あるいは特にいろいろ要望が出ていることは御存じのとおりでございますけれども、ただ、これも着工条件をどうするかといったことをはっきりと決めておかないと、それこそ政治的な意図で、あるいはたまたまの団体の圧力、地域の圧力によって、また赤字のものをつくってしまうということにもなろうかと思います。このあたりはいかがでございますか。
○山上政府委員 整備新幹線につきまして、御承知のように着工の御要望が非常に強いわけでございますが、昨年十月三日にありました新幹線整備関係閣僚会議で、先生も御承知のような具体的な実施計画が了承されているわけでございます。
 これを進めるにつきましては、国鉄の財政状況等をよく考えまして、具体的な実施計画にもありますように、国鉄の負担にならないような公的助成、それから、そのための財源措置等の前提要件につきまして十分検討していくこととしております。
 具体的には、これも御承知のように、昭和四十八年以来国鉄と鉄建公団におきまして、環境調査を含めまして各種の調査を、これはいわば借金の金でありますが、これで進めてきたところでございます。本年度は、これも御承知のように、国鉄、公団に対しまして、一般会計から二十五億円ずつの補助金を出すことが承認されておりまして、これによりまして本格的な環境影響評価調査を進めるわけでございますが、それの指針といたしまして、すでに一月の二十三日に環境影響評価の指針、これを運輸大臣が定め、国鉄と公団に通達をしているところでございます。
 さらに、これとは別に、予算のときに、御承知のとおり国土総合開発、それから投資採算等の観点から、運輸省と国土庁それぞれで五億円ずつ予算の計上がありましたので、これによりまして徹底した調査を行うことになっております。そのうち運輸省関係の調査につきましては、すでに具体的な手続に入っております。
 さらに公的助成、財源措置等の問題につきましては、この調査におきましても、必要な結果を得たいと考えておりますが、その手法につきまして必要な結果を得たいと考えております。特に財源措置等につきまして、本年じゅうに具体化された場合には、所要の手続を経まして地元引き受けの利用債発行による財源で工事に着手できるような体制にはなっているわけでございます。
○中馬(弘)委員 財源が一つの着工条件のようなことでございますけれども、先ほど申しましたように、新幹線というのは、それこそ二点間にかなり大きな需要がなければ採算に乗らないということは、これこそ国鉄総裁も何度もおっしゃっているわけでございます。
 そうしますと、大臣、いかがですか、先ほどのお話にもありましたように、国土庁とのはっきりした打ち合わせがあって、国家的なプロジェクトで九州にどういうものをつくる、あるいは今後、東北、北陸をどう発展させていく、それとの関連がなければ、これこそ全く採算に乗らないものになってしまいますが、その辺の調整は大臣どのようにお考えになっておられますか。
○森山国務大臣 確かに御説のように、国全体としての総合交通体系も考えていかなければならぬ、国土計画その他等の面からそういう点を加味して考えていかなければなりませんが、地方の交通体系というのも考えてもらわなければ困りますね。よく私のところに各県の知事さんがお見えになるんですよ。その知事さんが、いままでのAB線の建設をひとつ急いでくれ、こういうお話がある。新幹線をぜひ通してくれというお話がある。空港をぜひ拡張したい、新設したい、現在飛んでいる飛行機の便数をふやしてください。とにかくそういうことについてはいろいろ御注文がありますが、地方としては、現在の鉄道というものの位置づけから考えまして、かつては地方発展のシンボルのようなものだったと思うのですけれども、いまは鉄道は大分趣を異にしておりますね。特に新幹線につきましては、これからつくる新幹線はいままでのように借金ではむずかしい。どうしても国費で、それも後で返して利子をつけなければならないような新幹線では採算に合わないからこれは困るということで、それにつきましては、地方の方々もわかっていただいておるわけでありますから、一つの面につきましては、各県単位あるいは各地方単位の総合交通体系をひとつ考えていかなければならないということとともに、これから新幹線の問題を議論する場合には、後で返せなくてもいい国費でもってやれるかどうかというところ、要するに財源が問題になってくるわけでありまして、その意味から申しますれば、なかなか前途容易ではありません、特に昭和五十五年度の予算編成というものは非常に困難な予算編成が予想されておりますので。しかし、このことで昨年の十月、新幹線につきまして閣議了解等もございましたから、これは一つの既定の計画として、将来を展望してということにはなろうかと思いますが、いますぐの問題というようなことについては、なかなかむずかしい情勢になってきたように私は見ております。しかし、地方の方々の御要望が新幹線についてはございますし、それなりの意味もございますから、そういう財源のめどがつくということがやはり一番大事じゃないか。私どもも非常にむずかしい財政事情でありますが、できるだけの努力はしていきたい、こう思っております。
○中馬(弘)委員 前回のエネルギーの関連の質問でも申しましたように、ただ新幹線を走らすことだけが能じゃなくて、同時に、地方からは非常に空港の整備の問題が出てきております。少数長距離高速というのはむしろ飛行機の方がいいのであって、大量輸送が新幹線だと私は思っておりますから、その辺の調整なり見直しも必要な時期ではないかという気がいたしております。
 時間もございませんので、少し飛ばして航空関係に移りますけれども、エネルギーの五%節約要請が出ているわけでございますが、一方、航空需要は非常に増大いたしております。これの対応を航空局はどうお考えになっておりますか。
○松本(操)政府委員 まだ暫定統計でございますが、昭和五十三年度の航空旅客、国内で三千七百万程度、こういうふうに見られております。五十三年のエネルギー関係の数字がわかりませんので、一年さかのぼって五十二年度の数字で申しますと、三千三百万程度の輸送人員でございますが、百七十六万キロリットルの油を使っておるわけでございます。これは当時の石油消費量の大体〇・八%程度。また別の見方といたしまして、国内交通機関の全エネルギー消費量を石油で換算しまして、その中で航空をとってみますと三%程度でございます。ですから、航空輸送が使用しますエネルギーの量というのはしかく大きなものではございません。また一方、国内旅客の統計について、総輸送人キロの中に占める航空の量をとってみますと、これは三・三%程度でございます。いろいろの資料のとり方によりまして多少精粗の違いがございますから、どの数字が最も正確かはわからない面もございますが、エネルギー的に言って六%程度、人キロ的に言って三・三%程度というのが、エネルギー面を加味して見ました場合の航空の位置づけではなかろうか、これは旅客だけの問題でございます。貨物についてはほとんど統計に出てこない程度になってしまうわけです。
 そこで、今後のありようとして、航空というものがやはり最後に出てきた輸送手段でございますので、それなりの特徴を持っているわけです。つまり非常な長距離を飛ぶ場合あるいは日本のように非常に離島の多い場合あるいは脊梁山脈を越えて鉄道、道路ですとかなりの難工事が必要であるというふうなところは、航空輸送というものがそれなりの効率を持って動いているのではないか、こう理解されますので、今後の航空輸送のありようといたしましては、やはりそういう面に路線の充実拡充を図っていくというふうなことが一つ大事なことになろうかと思いますが、航空の場合見逃すことができませんのは、どういうふうな機材を使うか、どういうふうな飛行機を使うかということが大変に大きくきいてまいります。
 ほんの一例でございますけれども、飛行機が大きくなることによって航空輸送のエネルギー効率というものが変わってくる。たとえばYS11の場合に一キロリットル当たりの座席キロというものを出してみますと、これは二万七千百七十という程度の数字でございますが、これがジャンボジェットになってきますと、同じ一キロリットル当たりの座席キロというものが四万一千四百七というふうな大きな数字になってまいります。また距離の問題も非常にきいてまいりまして、同じジャンボを使ったとして、東京−大阪の間では一キロメートル当たりの消費量が約二十六、七リッターでございましょう。それが東京−那覇という長距離にやってまいりますと十七、八リッターで済む、こういうふうなことがございますので、先ほど私が述べましたのはやや抽象的ではございますが、航空輸送というものの特徴を伸ばし得る長距離路線、大型機材の導入、とりわけこの大型機材というものは、最近の大型機材において低騒音化が激しく進んでおりますので、そういう意味からも当然その方向へ志向してよろしいかと思います。
 ただ、それにのみこだわりますと、近距離であっても脊梁山脈を越え、あるいは離島を結ぶというふうな路線についてサービスがおろそかになるということは問題であろうかと思いますので、他の交通機関との関連性というものも十分に踏まえた上で、航空輸送というものの持つ特徴が十分に発揮されるような路線へ航空輸送というものを発展さしていくというふうなことが、国内輸送ということを念頭に置いて考えました場合、エネルギー問題をかみ合わせた場合の一つの当面のターゲットとして考えていいものではないか、このように思っております。
○中馬(弘)委員 国内だけじゃなくて、いま現実に起こっている問題として日航あたりが海外でなかなか給油してもらえないといった話も漏れ聞いております。この夏に、いま言ったようなエネルギーのかなりな逼迫が出てきた場合、むしろ逆に言えば削減しなければならないような事態も起こってくるのじゃないかと思うのです。何かそういうことについての御対応はいかがでございますか。
○松本(操)政府委員 国際線を含めてあるいは特に国際線についての今後の燃料事情のありようというものについては、実は私ども、いまのところはっきりした見通しを持つにまだ至っておりません。と申しますのは、この春以来のOPECの値上げあるいはイランの政変によります生産量の減少、こういうふうなことから、当座非常な量の不足あるいは値上がり、特にスポットものにおける値上がりの激しさというふうなことが取りざたされておるわけでございますし、現にそれを前提としてIATA等においては航空運賃も値上げせざるを得ないのではないかという判断をしておるようでございますが、ただ、この六月にまたOPECの会議があるようにも聞いておりますし、そこら辺のところを踏まえませんと中期的な見通しすらなかなかむずかしいのではないか、このように思います。
 ただ、全般的なつかみ方といたしましては、やはり従来のように燃料は幾らでもふんだんにあるという前提で物事を考えることは非常に問題があるのではないか、このように思いますので、同じく路線を構成するにいたしましても、なるべく効率的な路線運用をする、あるいは航空路の設定について、これは一航空企業あるいは一国だけではなかなか対応できませんけれども、航空路の設定に当たっても、なるべく燃料効率のいい航空路を選んで設定していくというふうなことを今後努力していくことによりまして、遠い将来の別種の燃料を使う、たとえば水素エンジンを使う航空機というふうなものは別として、当面の問題といたしましては、現在持っておる機材というものを有効に活用し、それによって少なくとも最低限度の国際航空の伸びに対応していけるような手段を考えなければならぬのではないか。
 ことしの夏あたりにどうなるかということは、一応の見通してございますが、六月を越えた時点において大体いま私が前段で御説明しましたようなことが一応落ちつくのではないか、このように言われておりますが、そこら辺の情勢をもよく見た上で対処していかなければならないのではないか、こう思っております。
○中馬(弘)委員 それに関連して要望しておきますけれども、場合によってはあるいは増便を抑制しなければならないといったようなことも出てくるかと思います。その際にやはり必要なことは、国際交流が一つは目的でもございますから、それに大事な路線についてはむしろそれを伸ばすような形にし、逆に、それが大事ではないとは言いませんけれども、グアムだとかハワイに遊びに行くのに非常に多く増便するというようなことがないように、そのことだけをお願いしておきます。
 それから次に、関西新空港のことについてちょっとお聞きしておきます。
 これも地方選も終わりまして、現段階で相当様子は違ってきたかと思います。地元での機運も盛り上がっているやに承っておりますが、現段階における環境調査の状況あるいは地元自治体の意向、それから今後、来年度からになりますか、実際に着工していく場合の建設並びに運営の組織といったようなことについて御報告をお願いします。
○松本(操)政府委員 新聞の一部論調等を見た限りにおきましては、関西空港というものについての積極的な機が熟してきたかに見える面もないとは申しませんけれども、私は、そういうふうな見方をするのはやや時期尚早ではないかと思います。と申しますのは、関西空港の議論が起こりましたのは、もう遠く四十五、六年のころでございますが、そのころにほとんどの大阪湾周辺の府県市がその議会において反対決議をいたしております。これがまだその後取り下げられたという話も聞いておりませんし、別途の決議がなされたという形にもなっていないわけでございます。それらを踏まえた上で、私どもの関西空港計画というのは、公害を人家密集地域、居住地域にもたらさない空港ということを最大の眼目としてスタートしたわけでございます。したがって、環境評価というものに最大の重点を置いて、現在までに相当の額を費やし、相当の年月をかけてこの環境評価のための調査を続けてきておるわけでございますが、おかげさまでこれも五十四年度いっぱいには、どうやら当初一通り考えました諸調査を終わるのではないか、このように考えております。したがって、この結果を踏まえて、関係の府県、市町村、こういうところとお話し合いに入っていかなければならない時期が近くやってくる。その時点において、やはりこの空港が本当に公害をもたらすものでないという点について、われわれも十分な説明ができ、また聞いていただく方にも十分に納得していただけるということでありませんと、実質的な話というものにはなかなか入りがたいということではないか、こう思うわけでございます。
 そこで、実質的な話に入っていけたと仮定をいたしまして――なぜ仮定をいたしましてと言うかと申しますと、現在までいろいろの調査をしましたものについて、まだ完全な最終的な報告というものがまとまっておりませんし、つい先日、二十二日から本日まで行っておりました実機による調査飛行などにつきましても、一応生のデータは皆様にごらんに供しましたけれども、十分な解析をするに至っておりません。したがって、そういうふうなものをどう皆さんが評価されるかということは、これからの問題でございますので、仮定の上のお話になるわけでございますが、そういったものが十分に理解された後においては、やはり空港がそこに存在することによって関西地域がどのように変化していくかというふうなことが議論の対象に当然なってくるだろう。空港の側だけから見た場合に、これは日本の表玄関の一つの空港、国際空港でございますので、国内線も飛びますが、国際的な表玄関の一つにもなり得るという形で計画がなされていくべきは当然かと思いますが、逆に関西地区から見ました場合にも、これは関西地区における空港として非常に大きなウエートを持つものではないか、このように考えます。
 したがいまして、今後この空港がどのような形でつくられていくようになるのかという点につきましては、実はそういったような面を十分に踏まえた上で、単に関係省庁だけの、つまり中央機関だけの問題ということではなくて、地元の自治体なりあるいは地元の住民の人たちなりあるいは地元の財界なり、こういうふうなところが打って一丸となった形で、仮に緩いものであっても一つの合意というものができ上がってくるその過程において、いま御質問にございましたような今後の関西空港への取り組みの具体的な手段というものが浮かび上がってくるのではないだろうか。
 したがって、私どもの考えといたしましては、画一的あるいは先例追随的なものを先に出していくというのではなくて、むしろ議論を重ねていく中において新しいタイプを見出しながら、最も関西新空港にふさわしい手段、方法をつくり出して、そのつくり出した方法によってできるだけ早くこの空港の実現を図る、こういうふうな方向で持っていきたいというのがいまの段階でございます。
 大変抽象的な説明で恐縮でございますが、具体的なデータがまだ出尽くしていないということで免じていただきまして、ひとつこの程度の考え方でお許しを願いたいと思います。
○中馬(弘)委員 関西新空港は、地元の要望ももちろんでございますが、一つの日本の総合交通体系を考えていくときに、これをどう位置づけるかというのが非常にポイントになってくるわけですね。
 先ほど申しましたローカル線での需要が非常に強くなってきておって、たとえば大阪−鹿児島を飛ばせろとかいったような陳情も来ております。これも御存じのとおりであります。しかし現実には、大阪伊丹空港はもうゆとりがないというようなことでございまして、そういう意味から言っても、関西新空港というものをその交通体系の中に位置づけなければならない時期に来ていると思うのです。したがいまして、これはある程度明確な形で一つの交通体系の中に入れていく必要があるのじゃないか。
 ただ、そのときにいま局長もおっしゃったように、地元の意向というものが非常に大事だと思うのです。成田の反省も含めまして地元の意向なしに進めますと、ああいったような問題も起こってまいります。
 もう一つ別の要素といたしまして、最近、これは各方面皆さん方も御存じのとおりに、工法が対立したような形になってきております。浮体工法でいくか埋め立てでいくかということで業界でいがみ合いすら出てくるようなことになってしまっては、これもまたおかしなことになります。このことにつきましては、むしろ逆に地元も入れた、むしろ地元の意向を代表するような形での組織を早くつくってしまった方がいいのじゃないか、そして、そこに任した方がいいのではないか。へたにここで対立をしておって、そこに政治が絡んでまいりますと、またぞろおかしなものになってしまう可能性もございます。
 その点について大臣どのように御判断なさっておりますか、お答えいただきまして、終わりたいと思います。
○松本(操)政府委員 大臣お答え申します前に、現状を一応御報告申し上げておきますが、この工法の問題につきましては、私は、あくまで技術的な面で十分な議論を尽くすべきであろう、このように思います。したがって、御案内のように、去る四十九年に出ました答申においては、埋め立てということを主とするとしながらも、他の工法についてなお今後研究の余地があろう、こういうわりあいフレキシブルな態度をとった、それを受けて、特にこの五十二、三の両年度一億円余の研究費を投入いたしまして、いわゆる浮体工法と言われるものの研究をいたしました。ようやくその研究の報告が出てきてはおりますけれども、まだ完全にまとまり切っておりません。
 私の理解した範囲内で御説明申し上げますならば、技術として不可能ではないけれども、まだまだ開拓、開発しなければならない分野がかなり残っておるように思います。
 そこで、おっしゃいますように地元にそういったようなコミティーを置いて、いろいろ議論を詰めるということも、もちろん非常に大事なことになってこようかと思いますが、その場合、技術的な問題点というものを十分に詰め切らないままに議論が上滑りをしてしまうというのは、私は、非常にまずいことになりやしないか、こういう感じがいたしますので、したがって、現在まで船舶技術研究所なり、あるいは港湾技術研究所でじみちにやってきました研究というものを、もう少し展開させて、技術的に見て少なくとも十分な評価ができる程度のところまでは詰めたい。一方、埋め立て工法の方につきましては、明治以来あるいは場合によっては江戸時代からの長い歴史があって、そこに蓄積されたノーハウも多いわけでございますから、具体的な設計に当てはめて評価をするということがわりあい容易にできるわけです。したがって、むしろ浮体工法の方の技術的なエレメントというものを十分に詰めた上で、純粋に技術的、経済的な面での評価をして決めていくというのが一番適当ではないかと思いますが、とりわけ埋め立ての場合には、土をどこから持ってくるかとか土を取ったあとをどうするかとか、こういった面が、へたをいたしますと、投機的な面に悪用されるという心配もございます。
 したがって、私の考えでございますけれども、余り早い時期にこの問題が一般に論じられるということは問題があるのではないか、こういうふうな気がいたしますので、決して隠し立てをし、あるいは秘密にということでは毛頭ございませんが、技術的な研究成果というものを公表しながら、それを皆さんに十分に納得をしてもらって、それらが詰まった時点で最終的な結論を出していくというのが一番妥当ではないか、このように考えております。
○森山国務大臣 浮体工法の問題につきましては、航空局長からお話がありましたのが現状でございます。関西空港の問題は、きわめて大きな、大事なナショナルプロジェクトでありまして、やはり基本的には、これは関西の方々のための、そして関西の方々が、形はどうあろうとも中心になって推進しなければならない仕事だというように私は思っております。伊丹の状況が今日のような状況であり、これにいろいろ問題があることは御承知のとおりでございますから、それだけにこの関西新国際空港構想というものに対して地元の方方が積極的に取り組んでいただければありがたいと思っております。
 最近、関西財界がこの問題について大変御熱心にお取り組みになっている点には非常に敬意を表するわけでありますが、中馬委員御承知のとおり、大阪及び周辺の議会の決議等は、これに必ずしも賛成していないのでございます。そういう中でこのナショナルプロジェクトをどこまで推進していけるかということにつきましては、率直に言って若干の危惧の念を持っております。しかし、これは時間の経過とともに逐次解消していくことと思いますが、どうか先生におかれましても、地元でございますから、このナショナルプロジェクトに一日も早く手をつけることができるように格別のお力添えをお願いいたしたいと思っております。
○中馬(弘)委員 終わります。
○関谷委員長代理 次回は、来る二十九日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時五十一分散会
     ――――◇―――――