第087回国会 逓信委員会 第9号
昭和五十四年四月二十六日(木曜日)
    午前十時五分開議
 出席委員
   委員長 石野 久男君
   理事 加藤常太郎君 理事 左藤  恵君
   理事 宮崎 茂一君 理事 渡辺 秀央君
   理事 久保  等君 理事 野口 幸一君
   理事 鳥居 一雄君 理事 青山  丘君
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      伊藤宗一郎君    亀岡 高夫君
      玉生 孝久君    長谷川四郎君
      原田昇左右君    堀之内久男君
      村上  勇君    阿部未喜男君
      鈴木  強君    武部  文君
      田中 昭二君    竹内 勝彦君
      藤原ひろ子君    伊藤 公介君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 白浜 仁吉君
 出席政府委員
        郵政政務次官  亀井 久興君
        郵政大臣官房長 林  乙也君
        郵政省電波監理
        局長      平野 正雄君
 委員外の出席者
        行政管理庁行政
        管理局管理官  武智 敏夫君
        行政管理庁行政
        監察局調整課長 能勢 安雄君
        行政管理庁行政
        監察局監察官  塚原 喜朗君
        大蔵省主計局主
        計官      小粥 正巳君
        日本電信電話公
        社総裁     秋草 篤二君
        日本電信電話公
        社総務理事   山本 正司君
        日本電信電話公
        社総務理事   好本  巧君
        日本電信電話公
        社総務理事   山内 正彌君
        日本電信電話公
        社総務理事   長田 武彦君
        日本電信電話公
        社総務理事   玉野 義雄君
        日本電信電話公
        社理事     山口 開生君
        参  考  人
        (宇宙開発事業
        団理事長)   松浦 陽恵君
        逓信委員会調査
        室長      芦田 茂男君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十六日
 辞任         補欠選任
  倉石 忠雄君     玉生 孝久君
  椎名悦三郎君     原田昇左右君
同日
 辞任         補欠選任
  玉生 孝久君     倉石 忠雄君
  原田昇左右君     椎名悦三郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会申入れに関する件
 参考人出頭要求に関する件
 通信・放送衛星機構法案(内閣提出第三三号)
     ――――◇―――――
○石野委員長 これより会議を開きます。
 この際、連合審査会開会申し入れに関する件についてお諮りいたします。
 文教委員会において審査中の内閣提出、放送大学学園法案について、連合審査会開会の申し入れを行いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、連合審査会につきましては、文教委員長と協議の上、追って公報をもってお知らせすることといたします。
     ――――◇―――――
○石野委員長 通信・放送衛星機構法案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鳥居一雄君。
○鳥居委員 法案の質問を行いたいと思います。
 この機構の業務を見てみますと、BS、CSだけの管理運用を行おう、そういうことであります。現在、衛星を考えてみますと、気象衛星、気象観測を目的とした衛星あるいは科学衛星、さまざまございます。現在上がっているものだけで十七個、東大が十個持ち、あるいは電離層観測衛星ということで郵政が持ち、政府各省庁にしてもそれぞれがそれぞれの目的を持ってこの管理運用を行う、こういう形になっているわけでありますが、効率的な運用ということを考えてみた場合に、一元的な運用ができないものか、こういう疑問がございます。それで政府として、この一元的な運用という点については検討がなされているのかいないのか、行管あるいは国務大臣として大臣から伺いたいと思うのです。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 わが国におきまして通信衛星及び放送衛星につきましては、先生御承知のように非常にその需要も強くございますし、かつ実験用のCS、BSの経験にかんがみましても、技術的にも打ち上げあるいは利用の可能な段階に達しておるという状況でございますけれども、この通信衛星及び放送衛星以外の衛星につきましては、現在研究または技術開発の段階でございまして、実用化の目途及びその時期が明確でないわけでございます。したがいまして、当面通信衛星及び放送衛星について人工衛星の管理機構を考慮するわけでございますけれども、この通信衛星及び放送衛星以外の衛星の実用化が明確になった段階におきましては、ただいま先生御指摘のように、国家的見地から最も効率的な管理体制のあり方について検討していく必要があるというふうに存じておるわけでございます。
○鳥居委員 行管に伺いますが、現在人工衛星が十七個あるわけです。実験あるいは実用化を目指して現に上がっているわけですが、この人工衛星の管理運用を含めて行政監察の計画をお持ちでしょうか。それからもう一つは打ち上げに必要なロケット技術でありますが、この打ち上げの問題を含めて、いかがでしょうか。
○武智説明員 お答えいたします。
 担当でございませんで、監察の方が担当になるわけでございますので、明快にはお答えできにくいわけでございますが、私が知っておる限りでは、当面、衛星についての監察はないというふうに理解いたしております。
 それから、先ほど先生の御質問にございましたように、十七の衛星につきまして一元的に管理運用すべきでないかという問いにつきましては、先ほど電波監理局長さんがお答えになりましたとおり、現段階におきましては通信衛星あるいは放送衛星以外につきましてはまだ実用段階に達してないということで、ほかの衛星につきましても実用になった段階におきまして、まさに先生御指摘のように国家的見地に立ってその効率的な管理運営体制について検討すべきだというふうに考えております。
○鳥居委員 この機構が行うことになっている業務についてでありますが、非常に重要な国家施策とも言えることであります。人工衛星は御存じのとおり無限に上げられるものではありません。有限のものである以上、国としてその業務を行っていくか、あるいはそれにかわって特殊法人がこれを行うのか、単なる認可法人が行い得るものであるか、こういう疑問を持つのですが、この点についてはいかがでしょうか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生申されましたように、通信、放送衛星機構の業務を考えました場合に、非常に公共性の高い業務であることは論をまたないわけでありますが、一方その業務が、機構法案の業務の項にもございますように、衛星が塔載しております通信用の設備を使用いたしまして各ユーザーが宇宙局を開設をしてその業務のために利用するということでございまして、その業務が民間の行う事業経営的な性格を有しておるわけでございます。したがいまして、どうしても民間の創意工夫と協力によりまして一層の発展が期待されるというふうに考えております。そういった意味から、民間の発意によって設立をし、民間の事業として運営する必要がある。しかしながら、宇宙条約等の関係からいたしまして政府が必要な監督を行うことが最も適当であるという観点に立ちまして、特殊法人とはしないで認可法人として設立することが最も適当であろうというふうに考えておるところでございます。
○鳥居委員 こうした国家的事業で、しかも行政監察ができない形、特殊法人であれば行管の行政監察も及ぶ、しかし認可法人であるがために民間の創意工夫にゆだねられる形で通信放送あるいは放送衛星の業務が行われる、こういう形でいいのでしょうか。つまり、限られた国民の財産が効率的に運用されているのかどうか、認可法人であるとこの調査の対象にもならないわけです。この点どうなんでしょうか。行政監察の対象になり得ますか、認可法人の場合。
○武智説明員 お答えいたします。
 これは先ほど申し上げましたとおり、私実は監察でないものですから、若干正確でない点があるかもしれませんが、私が知っておる限りにおきましては、認可法人につきましては監察の対象にならないというふうに理解いたしております。
○鳥居委員 答弁のとおり、監察の対象にはなり得ない認可法人ですね。ですからこれは、業務を行う機構を認可法人という形で存在させようということ自体私は無理があるのじゃないかと思うのです。この点につきましてはさらに精査しなければならない問題だと思います。
 それから、政府が五〇%出資いたします。そして残りの五〇%をNTT、KDD、NHKによる出資額とする、こうありますけれども、有限の国民の財産という立場からいって、中途半端な出資ということにならないだろうか、むしろこれは国の事業として考えるべき筋合いの事業ではないのか、こんな疑問が起こるわけです。まず、五〇%の根拠、大蔵省も来ていらっしゃると思いますが、大蔵省と郵政省とのかけひきの中で五〇%という真ん中が出てきたものなのか、必然的に五〇%なのか、この辺はどうなんでしょうか。
○小粥説明員 お答え申し上げます。
 先般来お話がございましたように、通信衛星あるいは放送衛星を管理いたしますこの機構の業務でございますけれども、これは先生の御指摘のように非常に国の仕事といたしましても大事なものでございます。ただ、同時にこの仕事は、利用機関の通信需要に直接こたえるという要素もまた多分にございます。まあこれを定量的に明確に二分の一ずつであると衡量することはなかなかむずかしいかと思いますけれども、事柄の性質といたしまして、申し上げましたように出資を予定しております利用機関の通信需要にこたえるという要素、それから国の事業としても非常に大事な業務であるという要素、ちょうど双方の要素から成り立っている。そういう意味で、予算編成の過程でも郵政省と十分御相談をいたしまして、ただいまのような割合でお願いをしよう、そういうことになったわけでございます。
○鳥居委員 政府以外の出資者を公社、KDD、NHKとした理由、これはどんな理由によるものでしょうか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 いわゆる第一世代の通信衛星及び放送衛星につきましては、地上系のシステムだけでは確保することが困難であるというふうに考えられておりますきわめて公共性の高い業務、たとえば非常災害時の通信でございますとか、辺地及び離島との通信でございますとか、あるいは放送法によりまして要請されておりますNHKのテレビジョン放送難視聴対策用への利用、そういう非常に公共性の高い業務に使用させることが適当であるというふうに考えられるわけでございまして、当初の段階におきましては、通信衛星、放送衛星の機能との関連もございます。したがいまして、そういったことをもろもろ考慮いたしまして、衛星の利用者となる電電公社及びNHKに出資をお願いするということにいたしたわけでございます。またKDDにつきましては、本機構の運営でございますとか、あるいは国際協力を推進するに当たりまして、KDDがこれまで衛星通信の経験を非常にたくさん持っていらっしゃるというようなことを考慮するとともに、この通信衛星を使用いたしまして、将来におけるKDDによる通信の利用というものも、その可能性を考慮の中に含めまして出資をお願いをする、予定をするということにいたしたわけでございます。
○鳥居委員 そうすると、いわゆる逓信一家ということになるのですけれども、世間では非常に厳しいですね。そうしたたとえば出資について言えば、KDD、NTT、NHKに限ったその枠の中で、先ほどの答弁の中にも民間の発意と創意工夫によって行うと言いながら、限られたいわゆる逓信一家の内々でその切り回しをやっていく、こういう形になっているわけですね。これをもっと広く、言っているとおりの民間に開いていく、こういう考え方はないのでしょうか。この機構法案からは完全に閉ざしてしまっていると言っていいと思うのですけれどもね。たとえば新聞協会はその部会の中で、今回のこの機構法案について意見を述べています。もっと広げるべきである。あるいは民放という立場は事実上のユーザーになる、直接近々になるという意味じゃなくても、NHKがユーザーでありますから、対置される立場にある。あるいは民放連といいますか、そういう重大な関心を持つそれぞれのグループに対して、門戸は一体開かれているものなんですか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 通信衛星、放送衛星を利用するいわゆる利用者の立場というものとそれから放送衛星機構に出資をするいわゆる出資者の立場と、両方あろうかと思うのでございます。それで法律上は、利用者となりますためには人工衛星搭載の無線局の免許を取得することが必要でございまして、言いかえますと、出資者となりましても、人工衛星搭載の無線局の免許を取得しなければ利用者となることはできないということに相なるわけでございます。また、法律上は、利用者となるためには出資者となることが条件とは定めてないわけでございます。リンクはしていない、こういうふうにお考えいただければ結構だと思います。また、政府以外の出資者につきましては、運営評議員に任命されることができるということに相なるわけでございますけれども、必ずしも任命されるとは限らない。こういう出資者と利用者との関係が出てくるわけでございます。
 したがいまして、先生御指摘の電電公社、国際電電、NHK以外の者が出資することにつきましては、これはやはり機構の将来問題といたしまして慎重に検討していく必要があるであろう。また一方、ただいま申し上げましたように、この通信、放送衛星機構と契約ができて、そして電波法による免許がなされるということになりますれば、これはただいま申しました三者以外の方々が利用する道は広く開かれておる、こういうことに相なるわけでございます。
 特に通信衛星につきましては、いわゆる国以外の公衆通信という形で電電公社が公衆通信用に使用を計画していらっしゃる、こういうことになっておりますので、そういった利用面も国民に向けて広く開かれておる、こういうふうに存じております。
○鳥居委員 この機構法案の前提として、自前で上げるということが当然考えられただろうと思うのですね。つまり通信用と言えば国内通信ではNTTです。NTTが自分の力で打ち上げをやり、自分の力で管理をしていく方法ですね。あるいは放送衛星で言えば、NHKが独自で上げるとすればBSを上げる。そうすると、これは費用の点を考えずにの話ですけれども、そういう道と、今回こういう形で通信と放送に限っての管理運用をやるという機構をつくる、その前提でどういう検討がなされたのでしょうか。全くその道を閉ざしてしまったのでしょうか。
○平野政府委員 現在実験をいたしておりますCS及びBSが昭和四十八年ごろから国によって始められた、こういうことでございます。その事前におきまして、先生がおっしゃいましたように、たとえばNHKが自前で衛星を打ち上げたい、あるいは電電公社が自前で衛星を打ち上げたい、そういうお話があったことは事実でございます。しかしその時点から、郵政省の中にいわゆる四者協議会と申しますか、電電公社、NHKあるいは国際電電、それに政府が加わるというような形でいろいろと検討を進めてまいったわけでございます。
 その検討の中で、やはり相当金が必要になってくるということでございますね。それから技術的にも日進月歩である。非常に速いテンポで技術が進められる。したがいまして、そういった研究なり実用に携わる要員そのものも並み大抵のことではないということでございます。そういう観点から、これはやはり国が中心になりまして、そして国がある程度責任を持つような形でまず通信衛星、放送衛星を実験段階として打ち上げようではないか、その成果を踏まえて将来の通信衛星、放送衛星のあるべき姿というものを考えてまいりましょうということで、諸先生の御指導を得ながら現在に至っておる、こういう状況でございます。
 それで、一応通信衛星、放送衛星が実験段階といいながら打ち上げられまして、そしていよいよその成果を踏まえながら、実用に供し得るという段階になってきた。相当な日時と国費を投じた結果、いよいよ実用に手がかかる、しかも需要もある、また技術的にも打ち上げが可能であるという段階になりましたときに、通信衛星、放送衛星と申しますのは、静止衛星である限りにおきましてはどうしても軌道を専有する必要がある、あるいは周波数を専有する必要がある。しかも、将来だんだん衛星自身が大型になる可能性もある。そういったときに、地上にそれぞれの目的に応じましてたくさんの地球局ができることによって地上系との混信関係というものも考慮していく必要があるであろうというようなことをもろもろ考慮をいたしましたときに、これはやはり通信衛星、放送衛星につきましては一元的に管理運用していくことが最も放送衛星あるいは通信衛星の進歩発達を国民に還元する道として有効であろう、望ましい姿ではないかという話を、相当長期間かけまして検討してまいったわけでございます。
 一方、郵政大臣の諮問機関でございます電波技術審議会の中におきましても、そのような技術的な考慮の面からではございますが、あり方というようなものをいろいろ御検討いただきましたときに、やはり相当一元的な考慮を払っていかなければ、なかなかたくさんの無制限な軌道が確保できるわけでもないし、あるいはその周波数自身も、宇宙における問題だけではなくて、やはり地球上の、日本国内の周波数との専用関係というものを相当きちっと整理していかないと目的達成がむずかしいであろうというようなことを御指示をいただいたこともあるわけでございまして、もろもろの観点から検討した結果がやはり一元化が望ましいであろう、そういうことに相なっておるわけでございます。
○鳥居委員 打ち上げる範囲ですけれども、他に委託をして打ち上げる、これはどんな意味ですか。
○平野政府委員 機構の業務の重要なポイントでございますけれども、みずから製作し打ち上げるのではない、いわゆる機構以外の者に委託をして衛星を製作をして打ち上げていただく、こういう趣旨でございます。
○鳥居委員 国策としてこのNロケットの開発をやってまいりました。開発計画としてはHIロケットの開発まで含めてですね。今度の、これからBS、CSを打ち上げようということについてはNII型ロケットを使おう、NII型で目標としている三百五十キロ。NIII型をもし使ったとしても、大体たかだか五百キログラム程度の重量であろう。八〇年代を展望したときに、一トン以上の重量のものを打ち上げようという要求にとてもこたえられる計画とは見えませんし、ソー・デルタ二九一四でアメリカでは打ち上げよう。これにかえて将来は、八〇年から八一年にかけてシャトルを使おう。シャトルにすると三分の一程度で経費が済む。経費を度外視した人工衛星計画なんというものはないと思うのですね。ですから、国策である日本のロケット開発と、今回の実用衛星打ち上げに当たって巨額の費用を投じてやっていくことについて、ロケット開発に縛られ過ぎる心配がないかどうか、こういう心配をしているわけです。仮にシャトルを使う方針転換ができるものなのかどうなのか、含めてひとつお答えいただきたい。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 先生御承知のように、わが国におきましては、実用衛星等の打ち上げに幅広く利用するとともに、より大型の人工衛星打ち上げ用ロケットの開発に資するという目的をもちまして、いわゆるNシリーズのロケットの開発が宇宙開発事業団の手によって進められておるわけでございまして、このうちNIロケットは重量約百三十キログラムの衛星を静止軌道に打ち上げる能力を有しておる、そういうロケットでございます。
 また、現在開発に精を出しておりますNIIロケットは、昭和五十六年度以降に打ち上げが要望されております通信、放送、気象観測、地球観測等の分野の人工衛星の打ち上げに対処するために、御指摘のように約三百五十キログラムの静止衛星の打ち上げ能力を有するものとして開発が進められておるわけでございます。
 また同事業団におきましては、昭和五十年代末から六十年代にかけまして打ち上げが検討されております放送衛星あるいは航行援助衛星、管制等の分野の大型人工衛星の打ち上げに対処するために、重量五百キログラム以上の静止衛星を打ち上げる能力を有するいわゆるHIロケットを開発しようとしておるわけでございます。このロケットの開発に当たりましては、液体酸素、液体水素を推進薬とするエンジンの採用を図るとともに、誘導制御システムの高精度化等を図りまして性能の向上を期待したいということになっておるわけでございまして、HIロケットの衛星の打ち上げ能力等につきましては現在宇宙開発委員会におきまして審議中でございまして、果たしてその打ち上げ能力が一トン以上を達成できるかどうかということには疑義がございますけれども、一つには、昭和六十年代に向けまして大型の人工衛星の打ち上げ需要にこたえられるように開発が進められつつあるという状況でございます。この状況が果たして是か否か、一つにはこういうことになるわけでございますけれども、私どもといたしましては、たとえばアメリカにおいてCS、BSを打ち上げていただきましたが、その衛星が御指摘のように三九一四であった。あるいは五百キログラム級の衛星を将来志向するとすれば二九一四になる。あるいは先生が御指摘のような新しい飛しょう物体と申しますか、ロケットと申しますか、そういった時代にもいずれ入っていくであろうということを考慮いたしましたときに、実はまだ見通しが十分につけにくい状況もあるわけでございます。
 また一方、もうすでにその実験を行い、実用化試験も行い、そうしていよいよ実用に入っていこうとするときに、やはり日本の手においてできるだけのところまではやっておく必要があるであろう。少々お金がかかりましても、日本の国力の許す範囲におきまして将来に向けての宇宙開発の土台になり得るような、また、その実用に緒がつこうというときに、その実用の可能性を確保できる程度の衛星、これは言いかえますと、五十七年、五十八年に向けてのNIIロケットでございますし、それから昭和六十年代に向けてのより大型の衛星でございます。それ以降の国際的な動きには十二分に弾力的に対応しながら、お金の点でございますとか能力の点でございますとか、幾らたくさんの衛星が同時に打ち上がると申しましても、そのような可能性があるのかないのか、かえって一発や二発そういった大きなもので持っていくよりは、やはり自前の単発型の方がいい場合もあるかと思います。その辺を、やはり従来からおっしゃっておりますように、国の宇宙開発の一環として従来どおりひとつその辺までは進めていく必要があるのではなかろうか、そういうふうに存じておるわけでございます。
○鳥居委員 従来のロケットで打ち上げる方式から、SBSが新しく業務を開始しようというアメリカの最先端の技術でさえもシャトルを使う方式に転換をしているのですね。八一年には打ち上げよう。エンジントラブルあるいはソフトウェアのトラブルで実験が失敗に終わっている。そういうことは乗り越えて、経費の節減のために、打ち上げ費用三分の一で済むという積算をしていますよ。そういう時代に、やみくもに突っ走っていくという姿勢がこれでいいのか。そういう方式の転換が不可能なことであるならば、これはもう考えものだと思うのですよ。どうなんですか。
○平野政府委員 実はロケットにつきましては郵政省は専門家ではございませんので、若干私どもの考え方が入ってくるかと思いますけれども、スペースシャトルにつきましても実はまだ予定どおり実験が完了しておらない。果たして予定どおり実用になるのやらどうやらという点が、先生も御指摘になりましたように若干疑義があると思います。したがいまして、宇宙開発委員会での考え方といたしましても、スペースシャトルといういわゆる新しい方法が将来性を持っておるということは十分にわかるわけでございますけれども、やはり弾力的に対応していく必要があるのではないかということでございまして、私どもといたしましてもいつまでもロケットに引っ張られるつもりはないわけでございまして、先ほども申しましたように、機構が打ち上げていただきます第一世代の通信衛星、放送衛星につきましてはNIIロケットを志向する。しかしその以降におきましては、これは慎重に検討する必要がございますけれども、CS1あるいはBS2に準ずるような機能を持ちました衛星がなお次の段階で打ち上がるという可能性が出てまいりますならば、当然のこととしてそのNIIロケットによる衛星の製作、打ち上げがより効率的なローコストの、場合によれば諸外国に十分に対応できるような性格のものになってもらいたいという期待をわれわれ持っておるわけでございますし、そういった点につきましては宇宙開発委員会なり宇宙開発事業団も十二分に了解をしておる、こういうふうにわれわれは受け取っておるわけでございます。なおかつ、そういった時代におきましてスペースシャトルととうてい太刀打ちができないというようなケースがもし仮に想定されるならば、十分に弾力的に対応していく必要があるのではなかろうか、そういうふうに存じております。
○鳥居委員 機構法案の責任を持って答弁に当たっている人が、打ち上げ費用を軽減させられる方法を聞かれてわからないようじゃ困るのですよ。これは衛星部分もしかり、打ち上げ部分もしかり。ユーザーが、たとえばNHKを挙げますよ、BSの場合NHK、そうすると、費用をかけて、それなりの効果を期待するのは当然ですね。いま難視解消のために何とかしてBSを利用できるようにしよう――当然コストを考えるわけですよ。そのときに、高いお荷物をしょわされる形のそういうお仕着せじゃならないと私は思うのです。NHKの場合に、受信料で成り立っている公共放送です。これは、この受信している人が支払う受信料がロケット打ち上げの費用まで負担をしなければならないという矛盾があるのですよ。その受信する手段として間接的にロケット打ち上げをしなければならない。であるならば、経費はなるべくかけない方法の選択、これがNHKとしては当然だと思うのです。その選択の道がユーザーとしてあるのですか。NII型ロケット、三百五十キロの重量のものを打ち上げる。その次は五百キロ目指してH型、費用の点では大変な費用。しかも、いま言われている打ち上げ費用の分担割合は四分六で、六割も持たされる。こういう中で、打ち上げ費用をなるべく少なくしようとかあるいは衛星部分の経費を少なくしていこう、こういう意向がこの機構の中で届くのですか、どうなんですか。
○平野政府委員 先ほどお答えの中で申し上げましたのは、私どもはロケットそのものの専門家ではございませんので、将来日本のロケット開発がどちらの方へ向いて、どういったところまで国策として進んでいくのかということにつきましては、若干私だけの答えでは足りないのではないかということを申し上げたわけでございまして、ただ、先生が先ほど来申しておられるような意味におきまして果たしてそういうふうな衛星本体打ち上げのための手法としてのロケットの道というものが、国内的にも国際的にも、広い目で見たときに選択の可能性ありや否や、それだけの余地が残っておるかどうかということに関連いたしましては、これは先ほども御説明いたしました業務の第一項目でございますように、他に委託をして打ち上げるということでございまして、必ずしも国内だけとか、海外はだめよと言っておるわけではございませんので、そういった意味では選択の余地が十分に残っておる、そういうふうに考えております。
○鳥居委員 打ち上げ費用の負担割合はどういうふうに考えているのですか。巷間言われているとおり四分六ですか。
○平野政府委員 機構に関連いたしました経費の関係につきましては、衛星の製作、打ち上げに関連をした費用と、それから資本金と二本立てになっておるわけでございます。これは先生御案内のとおりでございます。ただいまお話のございました衛星の製作、打ち上げに関する経費につきましては、実用の通信衛星を五十七年度に打ち上げる、こういうふうに宇宙開発委員会の方で日本の開発計画を御決定いただいておりまして、これに対しまして経費を算定しようとしたわけでございます。そしてその初年度、実はただいま先生がおっしゃいますように、先ほど来御説明をいたしておりますように、国も支出をする。しかしながら、衛星搭載のトランスポンダーを使用いたします電電公社、民間にも支出をしていただく、そういう形で関係方面と詰めてまいったわけでございます。結局現在の国の財政状態等を勘案して国が四〇%、電電公社が六〇%を予定する。(鳥居委員「CSの場合でしょう」と呼ぶ)はい。CSです。BSにつきましては、同じく宇宙開発委員会でお決めになりました昭和五十三年度の宇宙開発計画におきましては、五十八年度打ち上げを目途にして関係機関で十分に詰めなさい、こういうふうな御決定をいただいておるわけでございまして、現在関係方面と鋭意検討をしておる、こういうふうな状況でございます。パーセンテージにつきましてはまだ決定はない、こういうことでございます。
○鳥居委員 有限のものですね。無制限に打ち上げることはできない。私は、そういう有限の財産が、天上の星は国民の財産だと思うのです。そういう意味で、打ち上げる費用あるいは必要施設にかかる費用あるいは管理運行に必要上のいわゆる利用料、そういうのを体系づけていく上で、その人工衛星そのものは国民の財産だと、こうするのが自然なんじゃないですか、どうなんでしょうか。これはだれのものなんですか。打ち上げられて、認可法人のものですか。私はこの出資の状況からいって、たとえばここにユーザーの一つとしてNHKを出しますね。NHKは地上施設のために出資金を出資いたします。それで地上施設ができる。打ち上げ費用、六割負担するわけですね。そして打ち上げられた星、これを利用する今度ユーザーという立場があるわけです。いわばでき上がっている家に住むために家賃を払うわけです。そういういろいろな側面を持ったユーザー。これは考えてみると、星自体も国民のものかというと、国民のものと言い切れない。利用する側にとってみても非常に中途半端で、家賃を払わなければならない、自分の家を建てるために出資をしながら。これはどんな権利義務が出資から生じるのでしょうか。NHKを例にとってひとつ答えていただきたい。それから天上の星は国民の財産である、こう言い切れるのが当然だと思うのですが、どうなんですか。
○平野政府委員 先生がおっしゃいますように、周波数はいわゆる人類の有限な資源である。それと同様に、数年前に行われました電気通信関係の主管庁会議におきましては、衛星の軌道でございますとかあるいは衛星に絡まります周波数の利用というものはまさに人類の有限な資源である、そういうところに立点を置きまして、したがって最も公平にそれを利用していこうという道がその条約上も周波数関係の委員会の権限として、任務として与えられたわけでございます。それを実は日本の通信主管庁といたしましての郵政省が受けまして、衛星に絡まる軌道の位置の問題でございますとかあるいは衛星に絡まる周波数につきましては、先ほど来御説明をいたしておりますように、最も効率的、しかも国民の役に立つような形でそういう位置づけで管理を進めていこう、こういうことでございます。そのためには先ほど来申し上げたような機構というものがそれに最も適したものである、こういうふうな考え方に相立っておるわけでございます。したがいまして、先生おっしゃいますように軌道でございますとかあるいは周波数というのはまさに国民のもの、こういうふうな考え方に立っておるわけでございます。
 それから、ユーザーが分担金を機構に支払うことによって得られる権利でございますが、ユーザーが、放送の場合には放送衛星ということに相なるわけでございますが、衛星の製作、打ち上げに要する経費のいわゆる分担金を機構に支払うことによりまして、まずその衛星搭載の無線設備につきまして、契約内容に従った利用権を取得するということに相なろうかと思います。またユーザーは、衛星の製作及び打ち上げに要する経費の総額に対する分担額、先ほどお話にございましたような六〇、四〇になるかどうかは別といたしまして、その分担額の比率に応じて衛星を共有する、こういうことになるわけでございます。
 分担金以外のユーザーの支出の問題にも関連してくるわけでございますのでちょっと申し上げますと、機構は独立採算による業務運営を基本原則にせざるを得ない、こういうふうに考えておりますので、機構が管理業務等のために費やしたコストについては、適当な原価主義に基づいてユーザーから使用料という形でその対価を求めざるを得ない。これはインテルサット等の場合も大体それに準じた考慮が払われておるということに相なります。また一方、これは先ほど申し上げましたように、分担金を支払う関連がございますので責任はもちろんお互いにその額に応じまして受け持っていただく必要があるだろう、こういうふうに考えております。
○鳥居委員 行管、見えましたね。答弁してください。
○能勢説明員 お答え申し上げます。
 認可法人が監察の対象となっておるかどうかという御質問の趣旨のように承っておりますが、現行の設置法上で監察の直接の対象となっておりますのは特殊法人だけでございまして、いわゆる認可法人につきましては対象にしておりません。ただし、監察に当たりまして公私の団体に対していろいろの資料の協力を求めることができるという設置法上の規定がございまして、これによりまして、従来からも認可法人等につきまして調査に当たりましていろいろと協力を仰いできておるという実情にございます。以上でございます。
○鳥居委員 もう一つは、人工衛星十七上がっている方の……。
○能勢説明員 これは、私調整課長でございまして、担当の監察官が参っておりますので、担当の監察官からお答えいたさせます。
○塚原説明員 私どもの方で昭和五十二年の四月から六月にかけまして、新規行政施策の定期調査という形で、通信衛星及び放送衛星開発事業の実施状況に関する調査というのを実施しております。概要を申し上げますと、私どもの新規調査と申しますのは大体五年たった事業について見直しをするということで、五十二年には四十七年発足の施策について調査をしたわけでございます。その一つとしてこれを調査いたしまして、四十七年にこの事業が発足した当初と比べて大体事情が変わってきているものもございます、したがいまして、今後は実験段階のみならず利用段階の見通しについてもできる限り明確にして、慎重にこの施策をやっていただきたいという結果を出してございます。
 以上でございます。
○鳥居委員 国際間でスピルオーバーが大変心配され、問題になっております。特に社会主義国では神経をとがらしておりますけれども、このBSの下がりの方の波は技術開発の上で心配ないものでしょうか。
○平野政府委員 先生ただいま御指摘のように、国連の宇宙平和利用委員会の中におきまして現在もまだスピルオーバーの問題につきまして結論が出ていないわけでございます。しかしながら、一方、国際電気通信連合におけるいろいろな技術的な検討等は相当進捗を見ておるわけでございまして、技術的な手法を用いることによりまして相当のスピルオーバーが防止できる可能性がある、こういうことになってまいっておるわけでございます。その点につきましては今回の実験の中におきましても、いろいろと気を使いながら検討を進めておるところでございまして、従来から非常に順調に実験が進んでおるということを御報告申し上げておるわけでございますが、その項目の中におきますいわゆる予定の電界強度、これは先生御承知のように電力関係あるいはアンテナのパターンの関係、衛星の姿勢の関係、そういったものからくる地上における電界強度測定、それらを検討いたしました段階におきましてほぼ予定どおりのデータが得られているということは、逆に申し上げますと、スピルオーバーにつきましても相当な目算が得られておる、そういうふうに御理解いただきたいと思います。
○鳥居委員 ところで、BSの場合の電波ジャックですが、列島をカバーできる下りの波を電波ジャックするというのは、発想からいっても、これができれば大変な効果があるわけです。上りの電波の規制という問題について、いまこの機構法案をつくる上でどのくらい考えられているのでしょうか、技術的にそれから制度上、いかがですか。
○平野政府委員 これは非常にむずかしい問題でございまして、地上における電波ジャック対策につきましても、先生方の御指導を得ながら検討を進めておる、こういう状況でございます。ただ、機構法案を作成する段階と申しますか、一連の問題点の中でどのように考えておるかを御説明申し上げたいと思います。
 まず宇宙局、人工衛星に搭載されました無線局ですが、これの電波ジャックの問題として、放送衛星の場合と通信衛星の場合があるわけでございますが、放送衛星の宇宙局に地上からの番組を送るためには、先生御承知のように大変な送信装置、アンテナ等が必要でございます。したがって、まずそういったことは現在の時点としては非常に困難であろうという取り上げ方が一つございます。それにもかかわらずそういった問題が起きたときにどうするか、これに対しましては宇宙側の対応と地上側の対応と両方あるわけでございますが、宇宙局と地上のコントロール局との間の関係について申し上げますと、ほかの衛星に移しかえる、たとえば予備衛星に移しかえるような方法もございます。あるいは地上の送信、地上局に妨害があったというような場合におきましては、その地上局の使用をやめる、そしてより強力な電波を使用することができる局に切りかえる。他方、その法制的な面につきましては、地上とあわせまして検討を進めてまいりたいと思っております。
○鳥居委員 最後に大臣に伺いたいのですが、これはあくまでも機構法案ですね。行為法ではない。つまり、宇宙における通信の基本法というべきものが必要であり、機構法案の前に用意されなければならないことだと思うのです。その点、どういうふうにお考えでしょうか。それで質問を終わります。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 宇宙利用の問題、開発の問題もございますが、利用の問題につきましては、先ほど来申し上げておりますように、海外におきましても国内におきましても進歩発達の非常に激しい分野でございまして、国際的にもいろいろな検討が取り進められておりますし、国内的にも今後慎重に検討いたしまして、いずれは先生がおっしゃるような基本的な法律が必要であろう、そういうふうに存じております。
○鳥居委員 終わります。ありがとうございました。
○石野委員長 次に、青山丘君。
○青山委員 昨日来の質問の中にもすでに取り上げられた部分もありますし、若干やえる点があるかと思いますが、その辺はまず御了解いただきたいと思います。
 わが国においては、昭和四十八年以来通信衛星、放送衛星の開発を国家の事業として進めてこられたわけですが、すでに実験用の通信衛星CS、放送衛星BSが順調な実験段階を迎えている、こういう実験の成果を踏まえていよいよ実用の段階を迎えよう、こういうことであろうと思います。これらがいよいよ実用化されてまいりますと国民生活に資する面がきわめて大きい、こういう期待を私どもも持ちながら若干の質問をさせていただきたいと思います。
 現在実用の通信衛星、放送衛星についてはCS及びBSと同規模のものの打ち上げを計画しておられるとのことでありますが、これらの衛星の管理などを行うための機関としてこのたび通信・放送衛星機構を設立されることになるわけです。このことの最も基本的な理由をまず最初に伺っておきたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 機構の主要な業務は、衛星を利用して通信、放送を行おうとするユーザー、いわゆる利用機関に対しまして衛星搭載無線設備を提供することでございまして、非常に事業経営的な性格を有しておると考えるわけでございます。したがいまして、民間の創意工夫と協力によりましてその事業の一層の発展を依頼するというふうに考えられるわけでございますので、民間の発意によって民間の事業として行うことが最も適当であろう、こういうふうに考えたわけでございます。
 一方、機構がその業務を実施するに当たりましては、各利用機関が入ってまいりますので、その利用機関の意見を公正中立な立場から調整いたしまして衛星の効率的な利用を図る上から、国の積極的な指導と助成が必要であろう、こういうふうに考えるわけでございます。また一般的には、宇宙活動につきましては宇宙条約というのがございます。国以外の機関の活動でありましても国が国際的な責任を負うということに相なっております。さらに、機構には多額の国家資金が投入されるということに相なりますので、この投入目的に沿った使用をさせる必要がある。
 以上のようないろいろな観点から、この通信衛星、放送衛星の実用化に当たりましては、民間と政府とが協力して進めることが最も適当であろうと考えまして、民間の発意により発起、設立、運営される一方、政府が法律に基づいてその設立を認可し、必要な限度で指導監督をするという形の認可法人を考えたわけでございます。
 なお、基本的な機構を設立する理由、これは先ほど来申し上げておりますような一元的に管理をする必要があるということでございますけれども、これにつきまして、若干整理をして簡単にお答えさしていただきたいと思いますが、衛星の静止軌道及び宇宙通信用周波数は、有限な資源でございます。人類、国民の有限な資源でございますので、これらを計画的、効率的に利用するとともに、宇宙通信系と地上通信系との間における周波数の円滑な調整を図るためには衛星を一元的に管理する必要があるであろう、これが第一点でございます。
 第二点といたしましては、衛星の管理等に当たりましては、最新の技術、日進月歩いたしておりますが、この最新の技術と多額の経費が必要となりますので、関係機関の資金、技術及び要員を結集をして管理に当たることが効率的であろう、これが第二点でございます。
 第三点といたしましては、実用の通信衛星、放送衛星については複数の利用者が予想されるわけでございまして、各利用者の利害がその時点その時点で調和を必要とするわけでございますので、そういった各利用者の利害を調整しまして、公正妥当な利用を確保することが必要であろう。
 大体この三つの重要なポイントに目を当てまして、一元的な法人を設立しようとするものでございます。
○青山委員 わが国における通信衛星または放送衛星の管理体制のあり方を考慮する際に、主要諸外国の管理体制の実態も参考になろうかと考えます。
 まずアポロ計画、最近ではスペースシャトル計画に代表されるように、世界における最先端の宇宙開発技術を持ち、通信衛星の分野でも最も利用の進んでいるアメリカについてお伺いします。
 アメリカにおきましては、公衆電気通信サービスは特定の事業者による独占ではなく、ATTを初め複数の衛星通信業者によって運用されているわけでありますが、通信衛星の衛星の管理等についてはどのような体制で行われておりますか、御説明を求めます。
○平野政府委員 ただいま申されております国内通信衛星を運用している国は、実はアメリカ、カナダ、ソ連、インドネシアというような国々でございまして、放送衛星を運用している国は、直接放送受信ではございませんけれども、ソ連だけというような状況になっておるわけでございます。
 この通信衛星の管理体制についてでございますが、技術、経済条件が一定基準を充足すれば衛星通信事業者として自由参入を認めるのがいわゆるアメリカ式のやり方でございまして、それに対しまして、通信衛星の設置管理等を国の特別の監督の及ぶ一つの機関に独占させているやり方がいわゆるカナダ、ソ連等に代表されるわけでございまして、アメリカにつきましては、したがいまして一般的によく言われておりますオープン・スカイ・ポリシーと呼ばれるポリシーによりまして衛星通信事業者も通信事業者として取り扱う、そういうたてまえで、アメリカの通信法に基づきましてFCCが事業監督を行っておるというのが現状でございます。
 なお、必要でございましたならばさらに詳細に御説明をしたいと思います。
○青山委員 結構です。
 次に、日本のこの法人の資本金に関する問題について少しずつお尋ねさせていただきます。
 資本金は政府及び政府以外の者が出資することになっておりますが、政府が出資する理由というのはどの辺にあるのでしょうか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 通信衛星、放送衛星は、すでに先生御承知のように実験用のものが打ち上がっておりまして、順調に実験が推移しておる、多くの成果が得られつつある、そういう状況でございますが、その得られつつある成果は、実は四十八年以来国がその開発経費を投入した結果得られたものでございまして、その成果を踏まえるとともに、国民の需要にこたえるためにできるだけ早く実用化を図りたいということでございます。そうすることによりまして、国民の福祉向上に資することができるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、これらの衛星の実用化促進のための条件を整備していく必要があるわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、民間の創意工夫と協力を得ることが必要でございます。また地上施設につきましては、短期間に多額の投資が必要である、こういうことから、国といたしましても一部資金の援助を行うことによりまして国の監督と助成が及ぶ機関を新たに設立することが必要であろう、新たに機構をつくりまして、各利用機関の意見を中立的な立場から調整するとともに、衛星の効率的な利用を促進していく必要がある、そういうふうに考えておるわけでございまして、そのような理由から、新たに設立する機構に対しましてその資本金を国と国以外の利用機関が分担をして出資をするということにいたしたわけでございます。
 国と国以外の出資者の出資割合につきましては、先ほど来申し上げておりますように、初年度といたしましては半額というふうに考えておるところでございます。
○青山委員 政府以外の出資者としては、さしあたり電電公社とKDD及びNHKが考えられているということでありますが、公社とKDDは通信衛星、NHKは放送衛星の関係であろう、私はそう思うのですが、なぜこの三者のみに限られてきたのか、その理由をお伺いいたしたいのであります。特にKDDについては、KDDが国内の通信用の通信衛星を利用することはちょっとあり得ないのではないか。したがって、そういう点で将来は地域衛星ということを考えましても、インテルサット等の関係からさてどうなるものか、むずかしいのではないかという見方をするのです。その意味から、KDDが通信衛星を利用することがあるのかどうか、それからKDDをも出資者に加えてきた意図とするものは何か、さらに、この三者に限定してきた郵政省の考え方をお伺いいたしたい。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、この第一世代の通信衛星、放送衛星につきましては、地上系のシステムのみでは確保することが困難と考えられるきわめて公共性の高い業務、いわゆる非常災害時の通信でございますとか、辺地及び離島等の通信あるいはNHKのテレビジョン放送難視聴対策用に利用することが望ましいというふうに考えるわけでございまして、当初の段階におきまして、衛星の利用者となる電電公社、NHKが出資することにいたしたわけでございます。またKDDにつきましては、機構の運営や国際協力を推進するに当たりましてこれまでの衛星通信の経験等を活用することのほか、将来における衛星の利用の可能性も考えられるので、出資をお願いしたいというふうに考えておるわけでございます。
 なお、地域衛星との関連が非常に重要な問題でございますけれども、現在国内衛星を地域衛星として使用したいというようなことで、世界の数地区におきまして関係方面と接触がなされておるというふうに承知をしておるところでございまして、私どもといたしましても、そういう国々とほぼ同じような方向で将来考えることができるであろうというふうな期待を持っておるわけでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○青山委員 KDDの将来の利用計画についてはなかなか微妙な点もありますので、そういう見通しで加えられたということを理解をしておきたいと思います。
 それから、先ほどの答弁の中に、資本金が五十四年度では郵政省と以外の第三者半々ということであります。初年度はそういうことですが、五十七年度まではそれぞれどのように増額されていく予定なのか。
 それから、いまも触れましたKDDも、公社、NHKと同様に増額されていくおつもりか、その点お伺いをいたします。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 資本金でございますけれども、資本金は原則として機構の基本的財産となるべきものに充当したいというふうに存じておりまして、具体的には通信衛星、放送衛星が静止軌道に投入されました以後、これらの人工衛星を管制するために必要な地上施設を建設するための資金に主として充当してまいりたいと思っておるわけでございます。
 所要経費は、五十七年に実用の通信衛星が打ち上がる、五十八年に実用の放送衛星が打ち上がるということを一応考慮いたしまして、用地取得費として約八億円、用地整備費に約一億五千万円、局舎建設費に約三億円、通信衛星管制施設費として約二十三億八千万円、放送衛星管制施設費として約二十四億三千万円、合計といたしまして約六十億六千万円を考えてまいりたい。初年度以降ただいまの額に達するまで逐次増資を図ってまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○青山委員 負担割合はどうですか。
○平野政府委員 負担の割合につきましては、初年度につきましては国が五〇%、残りの五〇%を電電公社、NHK、国際電電に御負担をいただくことに相なっておるわけでございますけれども、ただいま先生御指摘ございましたように、国際電電との絡みにつきましてはまだ若干国際的な問題等もあるわけでございますので、次年度以降につきましてはさらに慎重に検討させていただきたい、こういうふうに存じておるところでございます。
○青山委員 方向性はどうなんでしょう。KDDの将来増額されていく負担割合についての方向性についてはまだ述べられませんか。その辺、もし見解を伺うことができればひとつ発表していただきたいと思います。
 それからいま御説明をいただきますと、実用段階までにおよそ六十億円、衛星の制御と地上の施設に使っていかれるわけですが、地上の施設の見通しはどうなんでしょう。立っていますか。
○平野政府委員 まず国際電電との関係でございますけれども、御承知のようにインドネシアがパラパ衛星をすでに打ち上げておりまして、インドネシア国内だけに使うのではなくて、地域の国際通信に使用したい、要するに地域衛星として使っていきたい、こういう期待を持っておるわけでございます。
 一方、ヨーロッパ地区におきましてはECSという衛星を打ち上げることを予定いたしておりまして、ヨーロッパ各国問でそういった地域衛星としての活用を図ってまいりたい、こういうふうな期待を持っておるわけでございます。
 したがいまして、そういう動きがすでにインテルサット協定との絡みにおきまして云々されておるわけでございますが、今回機構が打ち上げることに相なります通信衛星が、将来日本を含めました国際通信衛星としてインテルサットの協定に基づきました合意の上で認められるかどうか、これは相当努力をする必要もあると思いますが、その事前の方策といたしまして国際電電がそのような業務をこの衛星を使ってやるべきかどうかというような問題があるわけでございますので、現在直ちにそのように相なりますというお答えはひとつ控えさせていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
 次に、地上施設の設置場所と建設見通しの問題でございますが、設置場所につきましては、機構が設立をされました後に用地を取得することに相なりますので、現在のところまだ何とも申し上げる段階ではないわけでございますけれども、いろいろと考慮すべきポイントを検討中ということでございます。若干申し上げますと、赤道上空にある静止衛星軌道の人工衛星に対しまして、十分な見通しがなければならない。また既設または計画されております地上系の無線局や他の宇宙系の無線局との干渉のない地点でなければならない。また各利用機関との連絡調整及び当該地上施設運用上の利便等を考えますと、都内から余り雑れていないような、どちらかといいますと比較的近い場所が望ましい、こういった方向で地図上のいろいろな検討を現在進めようとしておるというような状況でございます。
 また、建設見通しにつきましても、五十四年度に用地取得をいたしまして、五十五年度から五十八年度までに衛星管制施設を完成させて業務に入っていく、こういうふうな予定で進めようかということでございます。
○青山委員 地上施設については相当な広い敷地が必要ですし、見通しのよいところ、こういうことで、それぞれ条件を満たしていかなければなりませんので、要望いたしておきますが、その土地取得についてはぜひ慎重に取り組んでいただきたいと考えます。
 それから、「必要があるときは、郵政大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。」そういうことになっておりますが、どういう場合に資本金の増額ができていくのかということをお伺いしておきたい。と申し上げますのは、将来たとえば民放がこの衛星を利用したいという意向が出てきたときに、資本の出資をしなければその衛星を利用することができないというようなことになってくるのかどうか。また資本金が増額されていく場合に、初年度ですけれども、政府の半額出資というこの比率がまた変わっていかないものかどうか、その辺もあわせてお伺いしたいのです。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 通信衛星及び放送衛星に搭載されました無線設備を利用するための資格及び条件につきましては、出資者でなければ利用できないというような定めは法律上いたしていないわけでございます。したがいまして、当該利用を行おうとする者は機構との問に利用契約を締結をし、かつ利用のために必要となります無線局を電波法の規定によりまして郵政大臣の免許を得ることができれば利用を行うことができる、こういうことでございますので、ただいま御指摘のございました民放等につきましても全く同じでございます。したがいまして、その出資と利用とはリンクいたしておりませんので、出資につきましては機構の必要性等に応じまして将来慎重な検討が進められるであろう、こういうふうに期待しておるわけでございます。
 一方、資本金が増額になっていった場合の政府の半額出資の問題でございますが、次年度以降の資本金の増額につきましては、衛星の管制業務を行います地上施設を機構の基本財産として建設する必要が先ほど申しましたようにございますので、昭和五十八年度までに資本金を約六十一億円まで増資をするという計画でございます。この増資計画に当たりましては、国が現在まで通信放送衛星に開発投資してきた成果の早期実用化を図るために、実用の通信衛星及び放送衛星の管理等を行う機構への政府出資につきましても、各関係機関と今後十分協議した上で検討してまいりたい、そういうふうに考えておるところでございます。
○青山委員 それでは、今度の機構法案第四条には「機構は、一を限り、設立されるものとする。」とありますが、機構の数は一に限定されることになりますが、その理由についてお伺いをいたします。
○平野政府委員 お答えを申し上げます。
 先ほど来申し上げておりますように、通信衛星、放送衛星の利用の向上、定常化のためには一元化が必要である、また新たに実用の通信衛星、放送衛星の利用、それも実用化というものが始まっていく以上、やはり国の宇宙開発の方針と相まってその利用の促進を図っていく必要があるであろう、そういうもろもろの観点から国が相当な経費をこの機構に向けて、新しい法人に向けて出資をしていこう、こういうことになるわけでございますので、同一目的を持った機構は、国が経費を出してまいります以上一に限る、こういうことに相なっておるわけでございます。
○青山委員 わが国においては、昭和四十五年二月に初めての人工衛星「おおすみ」を打ち上げて以来、宇宙開発事業団及び東京大学宇宙航空研究所の手によって技術試験衛星、科学衛星、気象衛星そして実験用の通信衛星及び放送衛星といった各種の人工衛星が打ち上げられてまいりました。これら各種の人工衛星は一元的に管理を行った方が国民経済上の観点からきわめて効率的であると私も考えますが、法案第一条及び第二十八条によりますと、機構が取り扱う人工衛星は通信衛星及び放送衛星に限定されております。このように機構が科学衛星、気象衛星等を取り扱わない、通信衛星及び放送衛星に限定しているという理由が一体どこにあるのか。
 次に、機構が取り扱うこととなっております通信衛星につきましては、法案第二条第一号の定義によりますと、固定地点間の通信を中継するためのものに限定されておりますから、船舶とか航空機といったいわゆる移動体との通信を中継するためのものは取り扱われないことになっております。その辺の理由をお聞かせいただきたい。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 法案における通信衛星の定義は、機構が提供する人工衛星の範囲を規定したものでございまして、一般的に申し上げますと、通信衛星は通信を中継する機能を有する人工衛星を指しますもので、固定地点間の通信を中継するための人工衛星に限らず、ただいま先生御指摘のように、船舶及び航空機等移動体との通信を中継する人工衛星も通信衛星に含まれるわけでございます。しかしながら、これらの移動体との通信を中継するための通信衛星につきましては、わが国においてはこれから研究を開始しようという段階でございまして、技術開発を進めなくてはならない要素がきわめて多いわけでございます。また、現段階では需要動向の把握も困難でございまして、実用化までになお相当の期間を要するというふうに考えております。したがいまして、機構が現段階におきまして提供できる通信衛星は、固定地点間の通信を中継する人工衛星に限られますので、法案第二条の定義のように規定がなされておるということでございます。
 なお、それでは固定地点に静止をした衛星を使う限りにおきましては、固定地点間ならばもっと広く対応していいのではなかろうか、こういう御指摘かと思うわけでございますけれども、これにつきましても、先ほど来申し上げておりますように、まず通信衛星、放送衛星は実用としての需要及び打ち上げの技術的可能性というものがもう十二分にございます。しかしながら、それ以外の、現在打ち上がっておりますような気象衛星にいたしましても、その他の衛星にいたしましても、まだ実用化の目途がついていないという段階でございますので、実用化の段階に相なりました場合には大所高所からひとつ検討をさせていただきたい、そのように考えておるところでございます。
○青山委員 郵政大臣にお尋ねしたいと思いますが、私はこれまでこの法人についてその資本金及び業務の対象となる人工衛星について質問してまいりましたが、それは、この法人についてある種の疑問、先ほども触れておられましたが、ある種の疑問を抱いているからです。それは何かといいますと、この法人の資本構成及びその対象を通信衛星及び放送衛星に限定していることから、この法人がいわゆる逓信一家で独占する法人であるとか郵政官僚の天下りのための法人ではないのかという批判があるわけでありまして、実は私もそういう疑問を抱いているわけです。衛星時代の到来も間もないと言われる今日、わが国における宇宙開発や人工衛星の利用ということは、決して一郵政省サイドのみの問題ではありません。国家的視点に立って考えるべき重要な問題であります。しかも、この事業には多額の資金を必要とするものでありまして、この法人についても、その資本金の半額を助成という意味で国が負担することにもなっているわけでありますから、その資本構成を意識的に逓信一家に限ろうとするようなことがあってはならないと思います。
 ことに私が心配をしておりますことは、将来通信衛星及び放送衛星以外の人工衛星が実用化されるようになった場合においても、これをこの法人の業務の対象に加えることについてはむずかしい問題が生ずるのではないかと心配をしております。たとえば、気象衛星は運輸省の管轄下にありますし、他の科学衛星についてもそれぞれ管轄する省庁が違っております。そして、そこにいわゆるなわ張り争いが起きて、そしてその結果は人工衛星を管理する法人が幾つもつくられるという事態になりかねない、そういう心配を持つものです。この法律案において通信衛星と放送衛星にしぼっていることも、このなわ張り争いという問題が一つ隠れた理由になっているのではないかとさえ勘ぐられます。もしこのようなことになっては、せっかく多額の資金を必要としておる宇宙開発において、単に国費のむだ遣いにとどまらない、広い意味での国家資源のむだ遣いともなるわけでありますから、決してそういう事態を引き起こさないような強い決意をいただきたいと思うのです。この点につきまして、郵政大臣の確固としたお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○白浜国務大臣 青山委員のいま御指摘の点については、私どもも十分注意しながら検討をしてまいりまして、いままでの検討経過を私も承りまして、いま御指摘のような感がなきにしもあらず、そういうような感じを深くしたのでありますが、いろいろ委員の先生方からの御質問に対してのやりとりの経過を見ましても、事務当局もそれほど狭量に考えているとは私は思いませんので、十分いま御指摘の点につきましては今後注意して、そうしていろんな疑いがないように、またこの技術の進歩が激しい今日の時代でございますから、いま御指摘のいろいろな衛星などの問題も含めて問題ができました際には、当然これは国民のものとして国家的な見地に立って検討をしていくように努力して、間違いのないようにしていきたいと考えております。
○青山委員 大臣のお考えを伺って、私も勘ぐりをしておったわけですが、ぜひ大臣のおっしゃられたように、後になって実は違っておったということのないように、いま大臣がおっしゃったようにひとつ進めていただきたいと思います。
 CS2について若干お尋ねをいたしたいと思います。CS2が非常災害時における通信の確保、離島及び辺地等との通信設定といった非常に公共性の強い分野に使用されると御説明をいただきましたが、この実用の通信衛星を昭和五十七年度よりももっと早く打ち上げて早期に国民の利益に還元すべきではないかと考えますが、その点はいかがでしょうか。どのように検討されてこられましたか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 CS、BSの打ち上げに際しましてもできるだけ早く打ち上げて、そしてその成果を踏まえて実用にという御指導を得てきたところでございます。昨年、一昨年に実験用の衛星がやっと打ち上がりまして、そして非常に安定した動作をしておりますと同時に、いいデータが逐次得られつつある、こういう環境になってきたわけでございます。しかも一方、需要につきましては、先ほど来申し上げておりますように、通信衛星につきましても放送衛星につきましても、できるだけ早く実用通信衛星を利用できるようにすることによって国民の福祉の向上に寄与したい、そういう状況になってきておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、もうできるだけ早く打ち上げまして、そして国民の福祉に寄与できることが望ましいと思いましていろいろと検討したわけでございますけれども、何分にも衛星の設計から始まりまして、製作、打ち上げに至ります期間がどうしても四年間かかる。これは世界各国至るところの状況を精査をし、特に今回製作、打ち上げをお願いしょうと考えております宇宙開発事業団にもいろいろと御相談をしたわけでございますけれども、最小限どうしても四年はかかるということでございますので、まあ今年度できるだけ早い時期に手をかけることによって、宇宙開発計画に示されております五十七年度実用通信衛星の打ち上げに問に合わせよう、こういうことに相なった次第でございます。もちろん、そのほかに機構が発足いたしました時点以降、土地の確保でございますとかあるいは管制用の機械の導入、建物の建設あるいは管制用の要員の教育その他、どうしても四年間になし遂げなければならないような大きな仕事があるわけでございますので、まあ五十七年にならざるを得ない、こういうふうに考えたわけでございます。
○青山委員 通信衛星の国産化率について若干お尋ねをいたします。
 現在、静止軌道に打ち上げられて種々の実験が進められている実験用通信衛星、すなわちCSの製作、打ち上げ費は約二百八十億円、これに対して五十七年度に打ち上げられることが予定されておりますCS2の費用は約五百四十億円と聞いておりますが、CS2の費用がCSに比べて二倍近くにもなっているのは国産化率を高めようとすることによるものではないかと思います。わが国の宇宙開発の中心的機関とも言うべき宇宙開発委員会が昨年三月に策定いたしました宇宙開発政策大綱は、その基本において、わが国の宇宙開発政策としては国産化を推進していくとしているわけでありますが、この点については私もこの方針には賛成です。しかしまず、ただいま実験の進められているCSの国産化率はどの程度であったのか、また五十七年度に打ち上げようとしているCS2についてはその国産化率はどのように見ておられるのか、どの程度に高めようとしておられるのか、お尋ねいたします。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 現在打ち上げられ、実験中のCSの国産化率は二三%でございました。これは先ほどからも申し上げておりますように、CSにつきましては、電電公社が非常に長く研究をされてきたような成果を導入することができたわけでございまして、それにもかかわらず二三%しか国産化率が確保できなかった、こういうことでございます。
 CSにおきまして状況が把握できました以降、人工衛星等の国産化率の向上につきましては、自主技術の確立を目指して関係方面が協力しながら鋭意努力をしてまいったところでございまして、今回お認めいただきましてCS2が打ち上げ得るという状況に相なりました場合には、現在実験中でございますCS計画の延長線上に位置づけよう、こういうふうに考えておるわけでございます。そうすることによりまして、これまでに得られた技術が十分に応用できるであろうというふうに考えております。したがいまして、CS2計画におきましては、これから開発することに相なりますので正確な数字ではございませんけれども、現在の時点におきまして関係各方面との検討を見ておりますと、ほぼ六四%程度の国産化率が期待できるのではないか、こういうふうなところに参っております。CS2とCSを若干対比したものもございますけれども、必要でございましたらまた詳しく説明をしたいと思います。
○青山委員 国産化率を上げていくこと、その努力をひとつ進めていただきたいと思います。
 CS2の製作、打ち上げ費用の出資比率が、国と電電公社とでは四対六ぐらいの割合だと聞いております。五百四十億のうちの四対六ですが、確かにCS2に積み込まれております八本のトランスポンダーは、八本のうち六本を電電公社が使用していく、こういうことですが、この辺の事実関係について確認をしておきたいと思います。一つは、その出資比率がどのようになっておるのか、それから、八本のトランスポンダーのうち六本まで電電公社が使用していかれるのかどうか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 CS2についてトランスポンダーの使用計画あるいは費用負担の問題についてのお尋ねでございますが、御指摘のように、CS2には通信用トランスポンダーが八台搭載されておりまして、利用者の通信に供されることに相なるわけでございます。これらのトランスポンダーの使用計画につきましては、機構が設立されましてから機構と利用者との問で取り決められるものでございますが、考え方といたしましては、通信衛星の利用業務といたしまして、国内公衆通信業務、非常災害時の通信、離島通信等のためのいわゆる国が行います公共業務が一つ想定されるわけでございます。これらの利用業務は、それぞれの利用者特有の形態を有しておりますので、それらの利用者の利用方法等を十分考慮いたしまして具体的な使用方法が決められるというふうに考えられますが、現在までの各ユーザーからの申し出等を考え合わせますと、基本的なトランスポンダーの利用割合といたしましては、先生がおっしゃいましたように、国内公衆通信業務用に六台、その他の公共業務用に二台が使用される可能性が強いというふうに考えております。
 次に、費用負担についてでございますけれども、衛星の製作、打ち上げに必要な経費につきましては、総経費の六〇%を政府以外の利用機関、CS2搭載の通信用中継器の使用の割合に応じて分担をしていただくということに相なるわけでございます。また機構の管制業務の提供に対する料金といたしましては、管制施設の保守、運用費及び償却費等のコストを賄うに足りる費用を確保するために、利用料という名前がいいかどうかでございますけれども、ユーザーに費用の負担をしていただくということに相なろうかというふうに存じております。
○青山委員 国が製作、打ち上げ費用の四割を負担する。そうしますと、その辺の理由が少し不明確だと思います。それは助成ということでしょうか、あるいは国がこの衛星を利用しようということなのでしょうか。国としては、もし利用しようということでありましたら、その利用計画というものはどのようになされておられるのか、これが一つ。
 もう時間がありませんので、できるだけスピードを上げたいと思います。
 人工衛星について国産化を推進していくということにつきましては、先ほども申し上げましたように私も正しいことであろうと考えます。しかし、国産化を推進するためには、先進国の技術を利用するのに比べて、どうしても余分の費用のかかることは避けられないところであります。この余分の経費については、公社に負担させるのはいかがなものであろうかと考えております。確かに、トランスポンダー八本のうち六本を公社が使用する、そして経費の分担率は六対四であるということですから、国が経費についてある程度余分に負担しているということはわかりますが、しかしこの程度では不十分なのではないでしょうか。公衆法第一条によりますと、公社は公衆電気通信役務を合理的な料金で提供することになっております。この合理的な料金ということについてはいろいろ解釈もあろうかと思いますが、要は、できるだけ安い料金ということになるのではないかと思います。人工衛星の費用は、先ほど来申し上げているように決して少ないものではありません。そして、それは結局利用者である国民の支払う料金にはね返ってくるわけでありますから、せめて国産化推進という国の政策のために余分に必要となる分については国が負担すべきではないかと私は考えますが、この辺の郵政省と電電公社の、双方の御見解を伺いたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 CS2は、通信衛星の国産技術の開発に資するとともに、あわせて利用機関における通信需要に対処するということを目的といたしております。これは宇宙開発委員会によります五十三年度の宇宙開発計画に明記されておるところでございまして、そのような関係から、その製作、打ち上げ経費につきましては、開発を推進する国と実用に利用する機関がそれぞれ分担するのが適当であるというふうに考えたわけでございます。分担割合につきましては、非常に幅があるわけでございますけれども、開発に要する経費等を勘案した結果、国の負担割合を四〇%といたしたわけでございます。
 なお、将来は、技術開発の進展によりまして、製作、打ち上げ経費の節減が図られていくよう、これは当然のことでございますけれども、努めていく必要があるであろうというふうに存じております。
 電電公社の通信衛星の利用でございますけれども、これは通信衛星を、非常災害時における通信だけではございませんで、離島、辺地等との通信が確保されるというメリットがあるわけでございまして、そのほかにも特殊な催し物等の際の臨時回線の設定でございますとか、あるいは地上系通信回線が一時点に集中した場合の迂回ルート用の通信回線の設定等へも使えるということでございまして、将来における電電公社の地上系と総合的な幹線ルートの一つにもなる可能性があるというふうに存じておるわけでございます。
○山口説明員 お答えいたします。
 先ほど郵政省さんの方から御説明がありましたように、公社といたしましても三つの大きな柱でこの衛星を利用さしていただきたい、このように考えております。一つは災害時におきます通信の確保、それから二つ目には離島、僻地におきます通信回線の作成でございまして、三つ目には、これも先ほど御説明がありましたように臨時回線を設定していきたい、こういう場合に使いたいと思っておりますが、現在考えておりますトランスポンダー六台でもちまして、電話回線に換算いたしますとほぼ三千回線ぐらいに相当するかと思います。したがいまして、この三千回線を公社としては、やはりこの程度のものですと平生から使っていく率が相当多うございまして、大部分のものはいま言った三つの柱の中で平常からこういうものを衛星による通信回線を使用していきたい、このように考えております。
 したがいまして、そういった立場から申し上げますと、本来電電公社だけでこの衛星を持ちますと総額全部公社が負担しなければならない、こういうことにもなりますし、先ほど御説明ありましたように、国の計画として、宇宙開発の一環としてこの通信衛星の計画をお持ちでございますので、私どもとしましては極力これを利用さしていただきたい。したがいまして、国の方で四〇%出していただけるならば、残りの六〇%につきましては使用します側で負担してしかるべきか、このように考えております。
○青山委員 時間が来るのに大変恐縮ですが、通常使わないわけで、いざ危険なときに利用するというにしてはかなり投資効率が悪い。悪いといいますか、平常はむだなお金をずいぶん使うわけです。何となくそこら辺に割り切れないものがある。ふだん三千回線ぐらい使うとしても、余りにも投資効率が悪過ぎる。電電公社だけで上げればそれはうんと高いものになってくるでしょうが、さりとてしかし、離島、僻地なんかは通常使うことができるかもしれませんが、災害のときのためとしてはかなり経費負担の大きなものと考えざるを得ません。この問題は申し上げるだけで結構です。
 最後に一つ質問させていただいて質問を閉じたいと思いますが、機構の果たす役割りについての質問でありますけれども、機構は、法案第一条の目的によれば、わが国における無線通信の普及発達を図る、このことを目的とした機関であると思われますが、具体的には一体どのような役割りを果たすのかお伺いをして、質問を閉じます。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 電波法第一条に、先生御承知のように、周波数の効率的な利用を確保することによって福祉の向上に資するということが書いてございます。それで、従来は地上系によりまして地上の無線通信あるいは有線によります通信、最近では海底ケーブルあるいはオプティカルファイバーというような新しい利用面が将来に向けて開かれようとしております。実は宇宙における通信もこれが実用に供されるようになりましてからまだそれほど年はたっておらないわけでございますけれども、やはり将来に向けまして相当な利活用の道が考えられるわけでございます。
 ちなみに、ことしの秋に二十年ぶりに開催されますワーク一九七九、一般問題に関するこれから二十年先の将来の無線通信を見渡しながら、国際電気通信条約の付属無線通信規則を改正しようという会議でございますけれども、現在各国から相当な量の提案がなされつつあるという状況でございます。この時点に立って考えますと、やはり宇宙通信と地上における通信と、また地上における先ほど申しましたような有線、無線の分担というようなことが、これから国際的な電気通信の場裏におきまして各国の協力をバックにしながら進展していくのではないか、こういうふうに考えるわけでございまして、日本といたしましても、国際通信も考慮の中に入れながら、国内におけるこの宇宙通信と地上の通信、こういったものを考えていく必要があるわけでございます。そういったことから、やはり宇宙通信につきましても、地上系との関連あるいは国内、国際との関連を考慮しながら、いわゆる通信の最も国民の福祉の向上に役立ち得るような形における発展の推進を図っていく必要があるだろう、そういうふうな観点からこの機構法案の第一条をながめておるわけでございます。
○青山委員 終わります。
○石野委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。
    午後零時七分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時十分開議
○石野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。藤原ひろ子君。
○藤原委員 今回提出されました通信・放送衛星機構法案ですけれども、通信、放送衛星の今後の運営のあり方をめぐって私は質問をしたいと思います。
 日本の通信体系及び放送制度を根本から変更せざるを得ないというふうな重要な内容を持つものだというふうに思うわけでございます。そういう点から、まず最初に郵政省にお聞きしたいと思うのですが、いまの時点でこのような機構を設立しようというふうな必要性はどういうところにあるのでしょうか。
○亀井政府委員 御承知のとおり、今日まで国策に沿いまして通信衛星及び放送衛星に関する技術開発及び実験を続けてきたわけでございますけれども、その成果を受け継ぎまして宇宙通信の実用化のために必要となる実用衛星の管理等を行うことを目的として、この機構を設立するものでございます。
 その理由といたしましては、まず衛星の静止軌道及び宇宙通信用の周波数が有限な資源でありますことから、これらを計画的かつ効率的に利用するとともに、宇宙通信系と地上通信系との間における周波数の円滑な調整を図るためには衛星を一元的に管理する必要があるということでございます。
 次に、衛星の管理等に当たりましては最新の技術と多額の経費が必要となりますので、関係機関の資金、技術及び要員を結集して管理することが効率的であることでございます。
 さらに、実用の通信衛星、放送衛星につきましては複数の利用者が予想されますけれども、これらの各利用者の利害を調整し、公正かつ妥当な利用を確保するためには、新たに中立的な機関を設立する必要があると考えられます。
 以上申し上げました理由から、実用の通信衛星、放送衛星の一元的な管理等を行う機関を新たに設立いたしまして、宇宙における無線通信の普及発達と電波の有効な利用を図ることにいたしたわけでございます。
○藤原委員 私が冒頭にこの点をお尋ねいたしましたのは、通信衛星にいたしましても放送衛星にいたしましても、今後の運用をめぐっての論議が十分なされていない。しかも、今回の法案にはその点につきましては何ら触られておりません。こういう点から冒頭に質問申し上げているということなんです。つまり、通信、放送衛星の運用につきましてはこの機構にゆだねられてしまっている。また、郵政省自身も、運用方法について何ら明らかにしていらっしゃらないというのが現在の状況ではないかというふうに思うわけです。まさに、国民的なコンセンサスを得ずして、通信、放送衛星の管理運用を一元化するんだ、こういうための機構を設立する、こういう事実だけが先行してしまうわけですね。こういう点につきまして私は非常に疑問にも思うし、今後問題点が起こってくるのではないかということも心配するし、学識経験者の人たちの意見を聞きましても、やはりこの点で心配をしておられる。この点について郵政省はどのように受けとめられているでしょうか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 宇宙の利用の問題は、緒につきましてからまだそれほど年月がたっておるわけではございませんけれども、先生すでに御承知のように、その技術にいたしましても利用面にいたしましても数々の実験を経まして、国際的にも国内的にも非常に急速なスピードで技術も進歩し、利用面も広がりつつあるというのが現状であろうかと思います。
 わが国におきましても、去る昭和四十八年以降、先生方の御指導を得まして通信衛星、放送衛星の実験をいたしまして、技術的にはほぼ当初の目的を達成することができておる。できるだけ早い時期に打ち上げることが可能であるということに相なっておる一方におきまして、通信衛星、放送衛星の利用面につきましても、通信衛星につきましては、国民の福祉の向上ときわめて一体感のある公衆通信、あるいは治山治水、災害等に関係のございます建設省筋あるいは消防庁、災害対策の面で警察庁といったようなところが通信衛星の早期利用、活用を希望してきておるという実態があるわけでございます。通信衛星につきましても、先生御指摘のように今後ともその利用面はどんどん広がってくるかと思っておりますけれども、現在すでに上がっております実験用の衛星に似たような、準じたような衛星を使用いたしましても、ただいま申しましたような需要を早期に満たす必要があるというふうに考えるわけでございます。
 一方、放送衛星につきましても、その教育的機能に着目をされまして、四十八年あるいはそれ以前から放送衛星の開発利用につきまして種々御指導を得てきておるところでございますけれども、放送法上全国くまなく放送の受信を可能とすることが強く要請されておりますNHKから、現在の難視聴対策に特に着目をされまして、放送衛星の利用に対する需要が非常に強く出てきておるという状況でございます。放送衛星につきましても、もちろん教育機能に着目するような方法でございますとか、あるいは将来の技術の進歩発展に伴いましてさらにほかの道が開き得る、あるいは開けてくるかと思いますけれども、現在すでにNHKによる難視対策という需要が非常に強く叫ばれておるという状況でございます。
 そのような状況にかんがみまして、この機構法を御提出するに当たりまして、これからも、発足をし運用に入るまでの間には、さらに技術の進歩あるいは利用面の発展があるかと思いますけれども、そういったものに対しましても十分にフォローをいたしながら、現在予定されておりますような需要に向けて、通信衛星、放送衛星の実用化を図ってまいりたいというのが私どもの考え方の基本でございますので、ひとつよろしくお願い申し上げます。
○藤原委員 それでは具体的にお聞きをしていきたいと思います。
 郵政省が五十四年二月に出されました通信衛星及び放送衛星の実用化、これについての資料を見ますと、いま局長さんがおっしゃったことが書いてあるわけですけれども、この通信衛星の利用方法について文章的に見ますと、こう書いてあるのです。「当面、行政機関等が人命、財産の保護等を目的に開設する公共業務用通信回線及び電電公社が開設する国内公衆通信回線について衛星の利用が可能となるよう早急に計画を進めることとする。」こういうふうになっているわけです。
 それでは、ここで言われております「行政機関等」とは具体的に、いまお聞きしておりますと警察とか建設とか消防というふうにかかわるのではないかと思われるわけですね。福祉の向上と一体のための治山治水であるとかあるいは難視聴対策、消防の問題とかいうふうにおっしゃったわけですが、こういうふうに考えていいわけなんですね。どの省庁というふうに具体的には考えていらっしゃるのか、もう一度そこを確かめたいと思います。
○平野政府委員 大体先生がただいまおっしゃったとおりと御理解いただいて結構でございます。
○藤原委員 それでは、その「行政機関等」という中には自衛隊は含まれていないわけなんですね。
○平野政府委員 先ほど申しましたこのように、使いたいという需要面といたしまして自衛隊は含まれておりません。
○藤原委員 私があえてこの点についてお聞きいたしましたのは、通信衛星の技術的な特質から見まして、有事や軍事に利用される心配があるのではないかという点にあるわけなんです。それは考え過ぎで、心配御無用だということであればまことに幸いだ。
 いま自衛隊は含まれていないという御答弁であったわけですが、本来国家的な目的で宇宙開発を行う場合に、その成果は当然国民に還元されなければならないというふうに思うわけですね。このような考えに立つならば、当然通信衛星を軍事優先ということに使用するようなことがあってはならないということを考えるわけですが、この点についてもう一度郵政省の所見を伺っておきたいと思います。
○平野政府委員 ただいま先生がおっしゃいましたように、軍事優先に使用する予定はございません。
○藤原委員 それでは続いて、放送衛星の今後の運用の問題、これについて幾つかお聞きをしていきたいと思います。
 放送局の開設の根本的基準、それからこれを受けまして、一般放送事業者に対する根本基準第九条の適用方針、これを見てみますと、郵政省の電波行政は県域放送、つまり地域立地主義という原則を貫いてまいったわけでございます。
 そこで改めてお聞きいたしますが、このような地域立地主義をとってきた理由というのはどういうところにあるのでしょうか。
○平野政府委員 地域立地主義という観点に立ちますと、いま先生がおっしゃいましたような意味でいわゆる県域という考え方が一つ出てまいろうかと思いますけれども、そのほかにやはり広域として地域との密着性を考える、こういう制度もとっておるわけでございます。一方NHKにつきましては、御承知のように全国くまなく、こういう制度をとっておるわけでございます。
 これのゆえんするところは、やはり放送法一条にございますような、放送法令にございますような国民の周波数でございますので、できるだけ多くの方々に放送による文化を享受をしていただくという立場に立ちながら、なおかつその文化をそれぞれの地域と密着させていく、そしてそういったところから発してくる番組なりあるいは経営基盤なりというものに期待をするというところに基本があろうかと存じておるわけでございます。
○藤原委員 そういたしますと、今後も一般放送事業者に対する電波行政、つまりいま説明がありました地域立地主義の原則ということを変更しようなどとは思っていらっしゃらないわけですね。
○平野政府委員 先生がおっしゃいました意味における地域性と申しますかにつきましては、変更するつもりは現在のところございません。
○藤原委員 郵政省は、放送衛星の技術的な特質といたしまして、一つの衛星で広い地域をカバーすることができる、したがって、当面この利用目的の一つといたしまして、いまもおっしゃいました難視聴解消用として使用するのだというふうに言明しておられるわけでございます。そういたしますと、いまの放送衛星の技術的な水準からいいましても、その放送番組というのは必然的に全国同一番組にならざるを得ないのではないかというふうに私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
○平野政府委員 衛星放送のシステムは、地上三万六千キロメーターの静止軌道から放送いたしますので、いわゆる県域放送のようなきめの細かいサービスを行いますことは現在の技術では困難があるというふうに存じておるわけでございます。
○藤原委員 すると、いまおっしゃったこととちょっとずつ矛盾をしてくると思うのですけれども、そういたしますと、この放送衛星の設備を利用できる放送事業者はおのずと限定されてくるというふうに思うのですけれども、その点いかがでしょうか。
○平野政府委員 現在、民放のテレビジョン放送につきましては、先ほど先生御指摘がございましたように、広域圏及び県域を単位として放送を行っておりますし、また現在の技術によりましては、衛星放送システムは県域放送のようなきめの細かいサービスを行うことは技術的に困難な問題があるということでございますので、民放が機構の使用者といいますかユーザーになることにつきましては、これらの制約のもとにおきましては困難な点があるというふうに存じております。
○藤原委員 すると、ローカル局はこの放送衛星、つまり先ほど申しました全国同一番組、こういうものを活用できない条件にあるのだ。そうするとこのことは、先ほどから申しておりますように、局長さんの方からも御答弁がありましたことと、郵政省の電波行政であります地域立地主義という点と、今度の放送衛星の実用を推進するのだと言っておられる点では矛盾が出てくるのじゃないか、矛盾せざるを得ないというふうに思うのですけれども、この点について郵政省はどのように考えているのか。おっしゃっていることと実際やろうとすることには矛盾があるが、今後どうそれに対処していくつもりなのか、その点いかがでしょうか。
○平野政府委員 一般放送事業者がこの機構のユーザーになれる道を開くために衛星利用による放送を認めることは、日本全国を放送区域とする一般放送事業者を認めるということに相なりますので、既存の放送秩序に及ぼす影響もきわめて大きいということになりますから、慎重に検討を要するわけでございますが、私どもといたしましては、今後の衛星放送技術の開発の進展、あるいは国民の要望等を総合的に判断して決めることにはなると思いますけれども、一面といたしまして、放送技術の進歩発達、あるいは放送衛星技術の進歩発達、こういったものが非常に急激でございますので、将来いつとは申せませんけれども、また県域まで可能だということは現在軽々には申し上げませんけれども、一般放送事業者の使用に向けて技術開発が急テンポで進んでいくのではないか、そういうふうに考えております。
 また一方、一般放送事業者の難視対策に使えるか使えないかという問題も、この技術の進歩発達と足並みをそろえるわけでございますけれども、一方番組の制作技術といった面からいたしまして、なおかつ現在の技術の実態における放送衛星の一般放送事業者への導入、活用というものがあり得るのかどうかというような点につきましては、一般放送事業者におきましてもいろいろと検討をされていくことになるのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
○藤原委員 局長さん、先ほどは国民の周波数なんだ、放送による文化を広く国民に享受をしていただくのだ、こうおっしゃったわけですね。その点からいいますと、もちろん放送技術、衛星技術の進歩発達、急激な発達が事実あるのだ、こういうことですけれども、いまの説明を聞いただけでは、多くの国民の皆さんは理解に苦しむのではないかというふうに思うわけです。非常に技術が発達をした、だから難視解消にも役立って、文化の享受ができるのだ。――しかし難視問題こそ非文化的な問題であるわけですね、いたし方ないとしても。だから、それを解消してやったら文化が高まるのだというふうな論法というのはおかしいわけですね。ですから、私が冒頭に指摘をいたしましたように、郵政省は、放送衛星の今後の運用について、その構想を国民の前に何ら明らかにせずして、この機構設置の既成事実だけが先行しているというのが現実の姿であるというふうに思うわけです。そこには、先ほど指摘をいたしましたように、電波行政の矛盾も出てきております。このことを見ましても、郵政省の電波行政はどうも一貫性がないのではなかろうか。いまの御答弁も、冒頭で言われたことと、二、三問聞くともう矛盾が出てきて一貫性がないと言わざるを得ないなというふうに私は感じているわけです。
 さらには、放送衛星については、国際間にもスピルオーバーというふうな問題なども論議の対象になってきている、こういう現実があるわけですね。もっと言いますと、外国向けの放送におきます協議及び協定の問題については、国連宇宙空間平和利用委員会という場でもって、まだいま論争が続いているわけですね。つまり、外国向けの放送につきましては、受信国の主権を侵害するのだ、こういうことで受信国の同意を必要とするという主張と、それから情報自由の原則を主張するという意見が対立しているわけです。こういった問題の対応いかんによっては、放送に対する国家主権の介入というふうな問題にまで発展をしてくるのではないかということも心配になってきます。
 そこで、郵政省にお聞きをしたいわけですけれども、こういうことはあなたの思い過ごしですよというようなことだったらいいわけですけれども、こういった矛盾している問題について、政府としてどんな立場に立っていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
○平野政府委員 まず、先ほど申されました電波は国民のものである、周波数は国民のものであるということでございますけれども、その点につきましては、周波数がいわゆる有限な人類及び国民の資源であるという立場に世界各国、もちろんわが国といたしましても立っておるわけでございまして、その点につきまして、たとえば難視対策のために、その方策といたしまして、現在地上におきましても中継局を建てまして、そして別の周波数で対処しておる、これも周波数の国民のための効率的な利用であるというふうに考えておるわけでございます。また、経費その他の点からいたしまして、必ずしも周波数で対処できないところには、有線テレビジョンというような対策を講じていく、これも国民のための対策として一貫性があるというふうに実は考えておるわけでございます。
 それに対しまして、従来の地上系に加えて、宇宙の利用によってそういった難視聴対策がなし得るかなし得ないかという問題が国際的にも議論されたわけでございまして、その結果といたしまして、赤道上三万六千キロメーターというような非常に高いところから、高角度で降ってくるものでございますので、辺地におきましてもあるいは都市におきましても、少なくともお彼岸に太陽を受けることのできるようなお宅におきましては、ということは全部だと思いますが、衛星による難視対策が可能になるということがだんだんわかってまいりまして、そこで、それでは一般放送に言われておりますように各家庭で受信が可能であるかどうか、そこまで技術が持っていける、あるいは経済性があるというところまでいきがたいときには、大きなパラボラアンテナで受信をいたしまして、そして有線なり無線なりで各家庭にお配りをするといいますか、そういう受信の仕方も、将来直接受信に至る過程といたしまして直接受信と考えましょうというような考え方、そのような考え方に、日本は日本といたしまして非常に貴重な貢献をしてまいっておるわけでございます。
 私どもといたしましては、そのような方法によって難視聴対策をするということも、国民のための電波、貴重な電波を有効に利用する道と一貫性があるのだ、実はこういう立場をとっておるわけでございます。
 そこで、現在の国際的あるいは国内的な技術、これは日進月歩ということを申し上げておりますのでどんどん進むだろうと思いますけれども、現在の技術によりますれば、日本全国に同一番組を高角度から放送するに適した手段どまりである、こういうことでございまして、これをどのように活用するかということでございます。それでは足りない、ひとつもっと先へ行こう、こういう考え方を先ほど述べたわけでございますので、ひとつよろしく御理解を願いたいと思います。
 それから、過去数年間の、御指摘ございました国連宇宙空間平和利用委員会におけるDBS原則案に関する主要な問題点、それに対する各国の意見及び日本の対処ぶりについてのお尋ねかと存じますが、その概要につきまして御説明をさせていただきたいと存じます。
 最近数年間の、宇宙空間平和利用委員会の法律小委員会というのがございますが、この法律小委員会におけるDBS原則案の主な論争点といたしましては、大きな問題として二つあるわけでございます。
 第一点は、外国に向けて直接衛星放送を行う場合、その送信国と受信国との問で協議及び協定が必要であるかどうか、これが第一点でございます。
 それから第二点といたしましては、国内向けに直接衛星放送を行う場合、近隣諸国にも電波が漏れて出る場合があるわけでございます。この電波の漏れ、すなわちスピルオーバーというふうに言っておりますが、スピルオーバーについても協議が必要であるかどうかというこの二点でございます。
 これらの問題点についての意見の対立につきまして申し上げますと、まず外国向け放送における協議及び協定についてでありますが、ソ連邦を初めとする東欧諸国及び発展途上国では、受信国の同意の必要性を強調しておる模様でございます。また、受信国の同意を得ずに直接衛星放送を実施することは受信国の主権を侵害するものであるという主張をいたしております。これに対しまして、アメリカ、イギリス、西ドイツ等の諸国は情報の自由を強調いたしております。情報は自由に交換をしようという考え方でございます。これらの中にも、いわゆる受信国に対する何らかの配慮が必要であることを認めようという国もあるわけでございます。
 この問題につきましてわが国の対応でございますけれども、わが国といたしましては、言論の自由、報道の自由を維持することを基本といたしますけれども、受信国の憂慮に対する配慮も必要であろう、受信国と送信国との間で協議が行わるべきであろうという主張を現在いたしておりまして、まだ会議は続行中という状況でございます。
 また、国内向け放送におけるスピルオーバーの問題でございますが、ソ連邦等の諸国は、自国において近隣国のテレビ放送が受信され得るということは、たとえ当該国の国内向け放送であっても影響が大きいから、このスピルオーバーについても当然協議の対象となるという主張をしておるわけでございますが、 これに対しまして、アメリカ、イギリス、西独等は、このスピルオーバーについては、電波監理の必要性に基づく調整のほかは国相互間の協議は必要でなかろうということを言っておりまして、意見が分かれておるという状況でございます。
 この問題につきまして、わが国といたしましては、国内向け放送のスピルオーバーに関しましては、その電波の強さが国際電気通信連合で定める限界内にとどまっている限りにおきましては協議の対象としなくてもいいのではないか、せっかくそのような方向づけを国連の専門機関になっております電気通信連合の方で取り上げておるのだから、その線に沿ってよかろうではないか、そういうふうな見解を述べておるところでございまして、まだ会議が続行中であるという状況でございます。
○藤原委員 理事会で時間の厳守というのを厳しく言われておりますので、答弁が非常に長いと実は困りますので、スピルオーバーにいたしましても、調べてきてその筋のところを質問すれば、私が調べたことをずっと講義が始まるということではちょっと質問が進みかねますので、御協力をいただきたいというふうに思います。
 それで、いまの受信国の憂慮に対する配慮の問題、こういう問題とあわせまして、それじゃ憲法で保障されております言論表現の自由、これはあくまで保障できるというふうに断言できるのかどうか。いまいろいろずっと聞かしていただいて、結局そこのところがどうなんだな、そこが一番聞きたいので、もう一度お答えいただきたいと思います。憲法の言論表現の自由というのは保障しますというふうに断言できるのかどうか。協議中でありますということは、前段に私が申したのをもう一遍御丁寧に言っていただいたわけですから、そこのところをお願いいたします。
○平野政府委員 この問題は、過日先生からお話を伺ったときの御回答と同じだと思いますが、この直接放送衛星と申しますのは、あくまで当該他国に対する直接放送衛星でございますので、そのようなことはわが国といたしましては毛頭考えておらない。したがって、言論の自由につきましては、当然のことといたしまして憲法のとおり守られ得る、そういうふうに存じております。
○藤原委員 それじゃ、通信衛星や放送衛星の今後の運営をめぐってですけれども、私がいままで指摘いたしました点などを含めて種々重要な問題が起こるということが予想されるというふうに、いまもずっと論議をしながらその感を強めてきたわけなのです。
 そこで、問題になりますのは、今回の機構法案が国民や、あるいはユーザーとなり得る関係団体の要望、また意見、こういったものを反映させる場が何としても保障されなければならないというふうに思うのですが、それが本当に保障されているのかどうかという問題でございます。
 そこで、郵政省にお聞きをしたいわけですけれども、法二十五条で明記をされております運営評議会ですけれども、これは評議員二十人以内で組織するということになっておりますが、出資者と学識経験者の構成比率についてどのような考えを持っていらっしゃるのでしょうか、その点ちょっとお尋ねいたします。
○平野政府委員 運営評議会は理事長が選任することになっておりまして、政府がその選任につきまして指示すべきものではないというふうに考えておりますけれども、もともとこの評議会が機構の業務の適正な運営を確保するものであるという観点からいたしまして、政府以外の出資者の代表または学識経験者のいずれかに偏ることは避けていきたい、両者の適切なバランスを配慮して選任されることが望ましいというふうに存じておるところでございます。
○藤原委員 運営評議員の資格として「機構の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者」というふうになっているわけですが、それじゃ、具体的にはその人物の適否についてどのような条件があるのでしょうか。
○平野政府委員 ただいま先生申されましたように、この運営評議会が、なるほど「定款の変更、業務方法書の変更、毎事業年度の予算及び事業計画その他機構の運営に関する重要事項を審議する機関として」置かれるということではございますけれども、「その他」のところに、私どもといたしましては相当この評議会の運営と申しますか、評議員の方々の重点が置かるべきではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。もちろん、先に書いてございます「定款の変更」云々というところは非常に重要な事項でございますのでこれは当然のことといたしまして、なおかつ、日進月歩をいたします技術と利用との将来を考えながらこの新しい機構を生々発展させていくときに、この機構を取り巻く各機関等との協調も図る必要がございますけれども、なお一方、この機関に与えられておる責務の重要性にかんがみまして、その方向づけが誤ることのないような、将来の通信放送衛星を本当に国民のためにその利用を推進していくことができるようなめどをつけていく、そういうことのできるような先生方、そういった先生方が、もちろんのこととして定款の変更、業務方法書の変更等はおやりいただくわけでございますが、それのみであっては困る、そのような先生方をぜひひとつ評議会の評議員の先生方としてお引き受けをいただきたい、そういうふうに存じておる次第でございます。
○藤原委員 放送は国民のものという立場で方向づけを誤ることないようとか、定款を守ることはもちろんのこととか、いろいろあるわけですが、それじゃその人が適任なのかどうかという適否についてどのような条件をお持ちですかということをお尋ねしているわけです。
○平野政府委員 具体的にはなかなかむずかしいわけでございますけれども、この二十名以内という一つの会議体としての効率的な運営を考慮いたしましたときに、余り多過ぎても困るであろう、大体二十名以内という上限を定めたわけでございますが、この上限の範囲内で機構の運営について適切な意見を述べていただけるような見識を持った方々、こういうことに相なろうかと思います。
 それで、この宇宙関係の仕事は、先ほども申し上げましたように、昭和四十一年でございますか宇宙開発事業団が設置をされまして、そして具体的な宇宙の開発に国策として取り組んできたわけでございますけれども、御承知のように現在宇宙開発事業団の中で御活躍をいただいておる方々、そういった方々もそれほど数が多いわけではございません。各ユーザーとなるであろうというようなところを考えましても、あるいはメーカー方面を考えましても、それほど数が多いわけではございません。もちろん、最近では学問の場でございます各大学の中にも宇宙を専攻していこうというような先生方もいらっしゃいますし、また、東京で学術会議等がございますときには、それぞれそういう方々がお集まりになって意見を交換していらっしゃるというようなことも聞くわけでございますが、それほど多くの方々ではないわけでございますので、私どもといたしましては、ただいま申しましたような発展的なといいますか、創造的な、機構運営について適切な意見を述べていただけるような方々をぜひ、お忙しいかもしれませんけれども御参加をいただきたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、現在のところ特段にこのような基準でという物差しをつくって対象にしていこうということではないわけでございます。
○藤原委員 私は、先ほどから御指摘を申し上げておりますように、通信、放送衛星の今後の運営をめぐりまして数々の問題があるというふうに申してきたわけです。宇宙開発技術の成果を真に国民に還元するという立場に立つならば、ずっとそうおっしゃっているわけですから、それじゃこれを運営していく評議員の選出方法についても、郵政大臣の認可を受けて理事長が任命するというふうなことだけではなくて、たとえば国会の承認を得るというふうなことなどの方法をとらなければならない。それが最上だとは言いません、たとえばですね。そういう方法をとるなどして、民主的な構成やらあるいは手続という方法でやらねばならないのではないか。そのことを、この二十人以内とかそういうことだけではなくて、具体的にはむずかしいと言っているだけではなくて、どう民主的な構成をしていかなければならないか、また手続や方法なんかも大いに改善していかなければならないのではないか。といいますのは、質は違うかもわかりませんが、電電公社の経営委員、NHKの経営委員、毎年毎年と言っていいほど衆議院でも参議院でも論議になる。いろいろな層の人を入れなさいとか、その人がどのような意見を持っているのかあらかじめ国民にわかるようにしてほしいとか、また、その会議を公開をしてほしいとか、いろいろほかの問題でもそういった耳をかすべき意見などはすでに長年にわたってでも出てきているのじゃないか。そういう状態の上でいまこれをつくろうとしている中で、ただ「郵政大臣の認可を受けて、理事長が任命する。」聞いてみれば、具体的にはむずかしいのですということでは大変不安だと思うのですね。前段指摘してきたような種々な心配もあるという問題からも勘案するならば、ここで本当に民主的な構成、手続方法、こういったものが早急に改善をされるべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○平野政府委員 新しくできますこの機構の任務は非常に重大であろうと思うわけでございます。それだけに、ただいま先生おっしゃいましたように、郵政省はもちろんその進歩発展のためにも、あるいは公正中立な運営が図られるためにも、かんでいっておる立場でございます。また一方、当面国民との密着性の大きさからいたしまして、電電公社、国際電電、NHKも出資者という立場でかんでいっておる。しかしながらその一方、この法人を果たして将来に向けて国民の福祉の向上のためにどのように進めていこうかというような立場からとは申しましたけれども、さしあたりこの法人の主たる業務は、いわゆる衛星に搭載されております無線設備を、それぞれ目的を達成するために無線局の免許を受けようとする場合に貸与していくというところにあるわけでございまして、さしあたっての問題は、各ユーザーが最も望ましいと思うような衛星の設計でございますとか、あるいは製作、打ち上げに伴う宇宙開発事業団との対応でございますとか、いわば製作技術的な面が、当面と申しますか相当な期間重要な課題に相なろうかと思うわけでございまして、しかも先ほど来申し上げておりますようにいわゆる郵政大臣だけではございませんで、関係各省庁との関連も当然ございます。また宇宙開発事業団等との関連も当然あるわけでございまして、それぞれがやはり、先生が御指摘のように、国会あるいは各省との関連におきまして、大きくは宇宙開発委員会の方針と一体になって進めていくという性格のものでございますので、私どもといたしましては、先生のこの法人の重要性にかんがみるだけに人選に十分に意を用いろとおっしゃるお気持ちは十分わかりますので、その点も十分に配慮をいたしながら評議会の運営に間違いのないように進めてまいりたいと思う次第でございます。
○藤原委員 局長さんも最初に、電波は国民のものだというふうにおっしゃいましたし、これは共通の認識になっているわけです。私も強調したいというふうに思うのです。そういう中で、私は三年がかりで米軍の基地及び基地外における軍人軍属、家族、こういった人たちの受信料を取るべきではないかということで質問もし、まだ決着がつかないままでいるわけですけれども、そこで明らかになっていることは、米軍が言うように国営ではないということははっきりしたわけです。だから当然支払っていただくべきだ。取れるところまで行ってないけれども、払ってもらうのが当然なんだというところまでははっきりしてきたわけです。米軍の基地や基地外に住んでいるアメリカ人でさえ出さなければならないほどのNHKの受信料なんだ。そうすると、一人一人の国民がそれを出し、受信料でもって賄っているこういうところのNHKが出資者になるというふうな問題であれば、当面はもちろん一層の技術進展のためにそういった方々の御意見なんかも強く出てくるとは思われます。しかし、一たんこういう機構の中で評議会がつくられてしまって、そればかりが強調されていくというふうなことでは困るわけですから、いずれにいたしましてもこの通信、放送衛星の運用についてというのは国民の納得が得られなければならないだろうし、また国民の総意が反映できるようなものに検討すべきだというふうに思うわけですけれども、それをたとえば国会でということで私はあらわしたわけですけれども、そういう点、国民の総意が反映できるような仕組みにすべきじゃないですかという私の主張に対してはいかがでしょうか。
○平野政府委員 出資者の利益を代表するような運営評議会が機関になることは排してまいりたいというふうに考えるわけでございますが、いま先生がおっしゃいましたような国民のコンセンサス、これも大事なことだと思います。大事なことではございますけれども、一面には、やはりこの機構の現在のあり方、将来のあり方、これが相当技術性に富んでおるということもございますので、言い方は非常にむずかしゅうございますけれども、いま先生がおっしゃいました国民のコンセンサスを得つつある人たちの中から、いわゆるこの機構の進歩発展に寄与できるような先生方にお集まりをいただきたいというような趣旨で実は先ほど来御説明を申し上げたつもりでございますので、先生の趣旨は十分に体して進めてまいりたいと存じておる次第でございます。
○藤原委員 いまの点、国民の総意が反映できるように検討をぜひ進めるべきだ、大事なこととは思うがなどと前段がつかないということを私は特に要望いたしまして、時間が参っておりますので終わりたいと思います。
○石野委員長 次に、伊藤公介君。
○伊藤(公)委員 ちょうど人工衛星が打ち上げられてから二十年、宇宙の開発が非常に進んで、いよいよいろいろな実験段階を越えてすでに実用化が進んでいるわけでありますけれども、わが国においても初めてこうした形で実用化に向けての衛星が打ち上げられるということには私は大賛成でありますし、エネルギーの開発と宇宙開発はさらに積極的に国の中心的な課題として取り組んでいただきたいと思っております。
 この通信衛星、放送衛星の開発にはいずれにしても大変な予算がかかるわけでありますけれども、その機構の資本金については政府及び民間の出資によって構成をされる、必要があるときには郵政大臣の認可を受けてこれを増加することができる、こうされておるわけでありますが、かつて宇宙開発に関していろいろな研究に取り組んでいる機関の連携ということが非常に主張された時期がありました。民間でもこうした研究と開発はもちろん進んでいるわけでありますけれども、私は、基本的には民間の技術開発というものを大切にしていく、へきだと思っておるのでございますが、この資本金に関して、民間の出資によって構成されるというその民間の出資というのは具体的にどのようなことを考えられているのか、まずお尋ねをいたしたいと思います。
○平野政府委員 機構のいろいろのあり方を検討いたしました段階におきまして、やはり現在の実験用の衛星に若干みがきをかけた、いわゆる宇宙において実績のある衛星でなければ実用には適さないという考え方で進めたわけでございまして、そのためには通信衛星にいたしましても放送衛星にいたしましても、初代の衛星には限度があるわけでございます。これからいろいろな技術が発達をし、利用面が開けてくるとは思いますけれども、さしあたりはその限度に適した、要するに国民の福祉に最も沿い得るようなそういう利用面を考えていく必要があるであろう。そういった観点から、技術の面と対応いたしましてどのような需要があるであろうかという検討をいたしましたときに、先ほど来申し上げておりますように、通信衛星につきましては電電公社が公衆通信にどうしても早く使いたい、さらには警察庁、消防庁あるいは建設省というようなそれぞれの立場におきまして、国民の福祉の向上に関係のある、生命、財貨の保全に関係のある省庁が早く使いたいということでございます。一方放送衛星につきましては、その教育的機能等に着目をしてまいったわけでございますけれども、さしあたりNHKが五十八年度を見通しましてもまだ相当の辺地難視が残ってくる、しかもいままで対応してきました施設も逐次取りかえを必要としてくるというようなことから、いわゆるNHKのテレビジョン難視聴対策というものにできるだけ早く利用をしていきたいというような状況がわかってまいりましたので、そのような公共性のきわめて高い分野、そういったところから両衛星が利用されることが望ましいであろうし、将来のことは弾力的に対応していくといたしましても、当面そういうふうな利用者と申しますか、国と電電公社やNHK、それに国際電電が、御承知のように東京におきますオリンピック以来衛星問題に鋭意力を入れまして、現在世界を代表する衛星分野での実力も持っておる、国際協力の力もあるというようなことから一番最初のいわゆる出資者としてふさわしいであろう、しかも将来におきましては、国内衛星を用いて地域衛星としての役割りが果たし得るという見通しも、国際的な状況を検討いたしますとございますので、当初におきましてはこの出資者として電電公社、NHK、KDDといったところがふさわしいであろうというふうに考えておるところでございます。
○伊藤(公)委員 通信衛星、放送衛星の実用化は私もこれを推進すべきだと思っているわけでありますけれども、そのための機構は当然つくらなければならない。その機構がすでに宇宙開発事業団があるわけでありますが、新たにそういう機構をつくる必要があるのか、あるいは宇宙開発事業団という中で新しい分野を設けてやる方法はないのか。よく言われる例でありますけれども、たとえば住宅問題で宅地開発公団があって、日本住宅公団があって、建設省の中に住宅局がある。同じ住宅政策を違った形でそういうことをやるということがいいのか、一括してこれからの住宅問題をどうするかということを考えるのがいいのではないかという議論もありまして、こうした宇宙開発も、これから通信衛星あるいはいろいろなたとえば気象衛星とか測地衛星とか、もちろん放送衛星あるいはリモートセンシングというようないろいろな将来のことを考えますと、宇宙開発事業団という中でやることが不可能だろうか、新しくこういう機構をつくってやらなくともできるのではないかという強い意見もあるようですけれども、いかがでしょう。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 宇宙開発事業団は、先生御承知のように、採算にとらわれないで、国が投資をする経費によってロケット、衛星本体の開発あるいは打ち上げ、追跡を行うものでございまして、この機構はいわゆる収支相償の原理によりまして最も効率的に運営されることを要する、いわば実用衛星の施設提供業務を行う事業体でございまして、業務の性格が基本的に異なっておるというふうに考えたわけでございます。また、昨年の三月に宇宙開発委員会によって取りまとめられました宇宙開発政策大綱というのがございますけれども、宇宙の実利用段階での人工衛星の管理につきましては、その人工衛星を用いて事業を行う者が、たとえば通信、放送衛星につきましては郵政省がということでございますが、適切な能力、体制を持つ場合にはみずから実施をしていくとの方針が決定されたわけでございまして、このような理由から実用衛星の管理運用に当たりましては、宇宙通信の政策上、わが国の衛星通信及び衛星放送の円滑な発展を期するためには、通信及び放送の分野における各利用機関の技術及び資金等を集約をして、また各利用機関の利害を中立的に調整し得るようなそういう法人を新たにつくる必要があるというふうに判断をしたわけでございます。
○伊藤(公)委員 五十七年、五十八年に打ち上げられる衛星の所有者はどなたでございますか。
○平野政府委員 通信衛星につきましては、先生御承知のとおり、五十七年度打ち上げ決定ということに伴いまして、この機構が打ち上げます衛星の予算を関係方面と折衝することにいたしたわけでございます。なお宇宙開発委員会が五十七年度打ち上げを認めるに当たりまして、開発要素がございますから、その分については国が開発を行う、その開発の成果をすぐに実用に供し得る、そういう二段階の性格を持ちました衛星といたしまして五十七年度打ち上げを了承された、こういう経緯があるわけでございますので、開発分につきましては科学技術庁の開発費、これが宇宙開発事業団の方に参りまして衛星の開発の一翼を担っていく、こういう形に相なっておるわけでございます。一方実用の分野、いよいよ開発が進みまして打ち上げまして、そして先生御承知のように衛星のしかるべき軌道に落ち着く。――定常段階と申しておりますが、定常段階に落ち着きました以降におきまして、いわゆる衛星を実用に供する、結果的に実用に供された場合のユーザーとしての電電公社が応分の経費を負担をする、それが適当であろう、こういう考慮のもとに、衛星の製作、打ち上げ費の初年度分、十四億でございますが、これを国が四〇%、電電公社が六〇%負担するのがよろしかろう、こういう経緯でこういうふうなことになってまいっておるわけでございます。
○伊藤(公)委員 それぞれの国の国情によっていろいろ違うわけですけれども、たとえばカナダの場合は、一九六九年に特別法により国内衛星システムを商業目的で独占的に所有し運用する運営組織体としてテレサット・カナダ社が設立をされた。カナダの場合はこのテレサット・カナダ社というのが実は衛星の所有者になっていますね。アメリカの場合はどうかというと、コムサット・ゼネラル社、そのほかの会社三社でマリサット共同事業体というところで、これが衛星の所有者になっているわけです。外国の場合にはそういう衛星の実用面の管理、つまり所有者というものはこういう特定の組織でやっているわけですけれども、日本の場合はいまお話しのように、政府自身が所有者ということになるわけです。諸外国の場合と日本の場合はそういう点で非常に違うと思うわけですけれども、たとえば電電が実際にこの衛星を使われるということになれば、電電とかNHKを所有者にしたっていいじゃないか、あるいは民間の力をもっと活用するという方法はないのか。これは特殊法人ですけれども、いろいろなものを公社、公団でやるということがずいぶん非能率で、予算だけはかかるけれども能率的な仕事ができないということが非常に指摘をされている時期に、もう少し営業面がスムーズにいくようなそういう機構にしていくべきではないかというふうに思いますけれども、どうなんでしょうか。
○平野政府委員 機構を構想いたしますときに、ただいま先生御心配いただきましたような諸点につきまして相当各方面の御意見も伺いながら構想してまいったわけでございますが、電電公社、国際電電あるいはNHKあるいは国ということになりまして、個々に衛星を打ち上げてそして個々にそれを管制をして、それの半面といたしましては日本の各所に地球局ができるというようなことが、果たして将来の衛星開発の方向にそぐうものであるかどうかというような点につきましてもいろいろ検討したわけでございます。何と申しましても静止衛星につきましては、衛星の軌道でございますとか周波数の効率的な利用というものは国際的にも国内的にも強く要請をされておりますし、先生おっしゃいましたように非常にお金がたくさんかかってまいります。しかも肝心の管制のための要員一つ取り上げましても、これはいまの宇宙開発事業団の状況をごらんいただければおわかりになりますように、当初からいわゆる郵政省なり電波研究所、電電公社、国際電電、NHKから集まっていった方たちが少なくとも中心になってやっておる。事そのように、いま急遽に発達段階を踏んでおります衛星の問題につきましては、要員一つとりましても並み大抵ではない。そういう見地からいたしまして、これはやはり一つにまとめるべきではないかということに相なったわけでございます。
 先生先ほどおっしゃいましたように、各国の管理体制あるいは衛星打ち上げ、衛星所有の状況、それをごらんいただきますと多分おわかりになりますように、たとえばカナダにおきましては、国と民間とが出資をいたしました株式会社が、衛星部分につきましては地上と切り離して、要するに、言ってみれば一元化されましたただ法人の形が会社である、国策会社である、こういうふうなことでございます。これはアメリカの場合も、オープン・スカイ・ポリシーによりましていわゆる通信事業者として国内衛星の認可をFCCが与えまして、そして競争原理に立脚をしてやっておるように見えるわけでございますけれども、しかしながら、たとえばインテルサットの開発、打ち上げこそNASAがやっておりますけれども、それのいわゆる今回考えております機構に相当するようなコムサットというものはやはり一元化されたような性格を持っておるということにかんがみまして、これは将来の宇宙開発利用の動き方、あるいは周波数、軌道の有効活用、経費なり要員の有効活用というようなことを考慮いたしますと、最小限通信、放送衛星につきましては一元化してやるのがよかろう、こういう立場になったわけでございまして、確かに宇宙開発事業団でやる方法もある、あるいは電電公社、NHKがそれぞれ別々にやる方法もあるであろう、あるいは、中には郵政省が自分でそういった組織を使ってやったらどうだというような実は意見もあったわけでございますが、先生御承知のように、この通信関係と申しますのは、昔の逓信省以来、電電公社にいたしましてもできるだけひとつ弾力的に発展をすべき性格のものだというようなことで、外に出してまいっておる。表現は悪うございますが、そういう経緯もございまして、しかも非常に進歩発達の激しい分野であるというようなことから、外国の情勢等も勘案し、ただいまのような構想をしたわけでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○伊藤(公)委員 初めて実用化の面では日本で打ち上げられるわけでございますから、しかしまだ国産にはほど遠いわけでありまして、しかし宇宙開発は恐らくこれからの日本にとっても非常に重要な問題でありますから、いずれにしてもこうした形で進められるということに私も賛成いたしておりますが、しかしそれを具体的に管理をする機構等に関しましては十分な検討をしていただきたいと思います。
 もう一つ、実は放送大学の問題があれですけれども、放送大学が設立された場合に、この機構との関係は一体どうなっていくのか、この機構の放送衛星というものを利用する計画について、最後にお尋ねをいたしたいと思います。
○平野政府委員 放送大学につきましては、その法案がただいま国会で御審議中でございますが、文部省が放送大学を実施することになりました場合の第一期工事の工事計画というものを策定をいたしております。それでその第一期計画によりますと、まず東京タワーに局を置きまして、そして関東広域といいますか、これを対象にしていこう。そうして広域圏内の県域に類するわけでございますが、県域とあわせて実施してまいりたい、このような構想を持っておるようでございます。しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、この放送衛星の機能が非常に放送大学構想に有利ではなかろうか、こういうことを実は考えるわけでございまして、三万六千キロメートル上空から、同一番組であれば日本列島を一のみにするということでございますし、難視聴も、受信機の問題はございますけれども、原則としてないと言えるわけでございますので非常に有利ではないか、そういう考え方を私どもとしては持っておるわけでございます。文部省もそういう考え方がないわけではございませんで、文部省が昭和四十年代、十年前から構想してきてまいっております段階におきまして、この放送衛星の有利性といったものに気がついておるわけでございます。
 そういうふうな状況の中で、それではいよいよ実施をどのようにしていくかということに相なりました場合には、私どもといたしましては、何と申しましても先ほど来申しておりますように、周波数というのは国民のものである、周波数の有効利用ということを通じて国民の福祉の向上に資す必要があるという立場に立っておるわけでございますし、また放送というものは全国くまなくできるだけ浸透するようにすることが望ましいという立場にも立っておるわけでございますので、まだ具体的に文部省の方と打ち合わせをいたしておりません。第一期計画につきましても、具体的に文部省の提議を受けて検討しておるわけではございませんけれども、文部省と具体的な検討が始まりましたならば、ひとつただいま申しましたような線に沿って、十分に長期計画の中で第一期計画をどのように考えていくのかという検討をさせていただきたいというふうに存じております。
○伊藤(公)委員 どうもありがとうございました。
○石野委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後二時三十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時三十八分開議
○石野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 通信・放送衛星機構法案について、本日宇宙開発事業団理事長松浦陽恵君の出席を求め、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
○石野委員長 質疑を続行いたします。鈴木強君。
○鈴木(強)委員 ちょっと最初に郵政大臣にお願いをしておきたいことがあるのでございますけれども、実はことしの春闘につきましては二公社五現業は済みまして大変御苦労さまでございました。あと電電関係が一つ残っております。同時に、大臣御所管の国際電電株式会社の賃金紛争がまだ解決しておらないのでございます。電電の方はちょっと変わったパターンをことしはとっておりまして、自主交渉、自主決着、調停につきましても個別調停、個別決着、こういうふうな考え方のようで、新しいパターンを求めてやっておるようでございます。国際電電の方も、直接大臣が介入するとかなんとかそういう問題ではないのでございまして、労使間の協議に任されている問題ではございますが、いろいろ特殊な株式会社ですから、従来大臣の御意見等も伺うことがあったのではないだろうかと私ども推察する面もあるのでございますけれども、それはとにかくといたしまして、ひとつ一日も早くこの問題が解決できますように大臣としてもできるだけのお力添えをしていただきたい、こういうことを最初にお願いしておきたいのでございます。
 では、本題に入ります。まず第一番にお尋ねしたいことは、わが国におきましては、御承知のように昭和四十五年の二月に初めての人工衛星「おおすみ」を打ち上げまして、自来きょうまで十七の衛星を打ち上げておるわけでございます。そして、各種の観測とか実験を実施してまいっておりますが、宇宙開発の基礎固めは大体できたのではないだろうか、こう私は思いますが、それについては大変関係者の皆さんの御苦労に感謝をいたします。しかし、これからがいよいよ本格的な本番に入ってくるのだと思いますから、科学技術の研究あるいは放送の実利用という問題が俎上に上ってくるのでありまして、今回の提案もその一環であると私は思います。
 そこで、率直に申し上げます。私は、いままでも何回か申し上げておったのでございますが、科学技術に対する政府の取り組み、それは現状ばらばらにやっておるわけですね。文部省でやってみたり、科学技術庁でやったり、郵政省がやったり、いろいろなところでやっておられる。これを組織的に統合して、より効果的な宇宙開発をやられたらどうか、こういうふうに私は考えておるのでございます。宇宙開発事業団、宇宙開発審議会、ここいらが中心になりまして宇宙開発については大変御苦労いただいておりますが、それだけではアメリカやソ連や先進国に追いつけないのですね。今日まだ大型ロケットが開発できないでアメリカのNASAに頼んで打ち上げているような情けない状態にある、これも私は一つの問題点だと思うのですよ。日本は技術的には欧米に負けない力を持っていると私は思います。ところが問題は金、その体制がないから追いつけないのじゃないですか。そういう点については、郵政大臣、国務大臣でございますから、関係の閣僚ともよく御相談なさっていただきたい。どうかすると科学技術に対する力の入れ方がわが国においてはなまぬるいということを私は指摘をしてきているのです。ですから、ある程度金をぶち込んでいただいて、そしてこの開発を積極的に前向きにひとつやってほしいと常々思っているわけです。ですから、その点について大臣は現状のわが国における科学技術、これは宇宙衛星の問題ばかりでないのですけれども、一般的にどう御所見を持っておられるのか。私の意見に賛成していただけるならば、大臣としてもこれから閣議の中でも大いに御発言をいただいてその方向に持っていっていただきたい、こう思いますから、大臣の御所見を最初に伺いたいと思います。
○白浜国務大臣 私も自由民主党におります際には政務調査会で同じようなことを考えまして、たびたび関係の皆様にも御相談をし、私も発言をしてまいりました。私自体もそういうようなことに興味を持っておりますので、いろいろ予算の獲得なり何なりというものでお手伝いをしてまいった一人でございますが、なかなかこれは、それぞれの分野で研究者がそれぞれ自由の立場でやっております関係で思うようにまいらない。非常に残念に思うわけであります。各分野で研究をしておられる諸君にしますと、研究費が少ない少ないと非常に不平を申されますが、合わせてみると大変膨大なものが出ているというふうに私どもも見ておりまして、何かそこにむだがあるのではないか、もっとまとめればいいのではないかということをしきりに私自体も考えて今日まで参った一人でございます。今後もそうしたことでいろいろ関係者ともまた御相談をしながら進めたいと思います。考えは鈴木委員と一つであるということを御理解願いたいと思います。
○鈴木(強)委員 ぜひこれからも大いに閣議の中でもがんばっていただきたいとお願いしておきます。
 それからその次に、現在打ち上げられております衛星の運用状況はどうなっておるのか。これは、科学衛星、静止気象衛星、電離層観測衛星、実験用中容量の静止衛星、それから中型放送衛星、特にECSの「あやめ」が故障を起こしておるようでございまして、非常に残念に思いますが、この原因の究明等は鋭意なされておると思いますけれども、その点がどうなのか、現状は運用状況がどうなっているのか、ひとつお知らせいただきたいと思います。特に放送衛星については、NHKと事業団がそれぞれ実験を引き受けておやりになっていると思いますから、現状どの辺まで放送衛星については自信が持てるのか。五十七年ないし八年の打ち上げに向けて自信と確信を持って実用化に踏み切れるような段階までに来ているのかどうか、そういう点を中心にしてちょっと現状を説明していただきたい。
○松浦参考人 ただいまの御質問に対しましてお答えを申し上げます。
 最初のいままで打ち上げました人工衛星の状況でございますが、東京大学でおやりになっていらっしゃいます人工衛星につきましては、その人工衛星を使って宇宙の観測をなさいます業務は東京大学が全部お引き受けになっています。ただし、この衛星を追跡いたします業務は宇宙開発事業団で一元的にやらしていただいております。それぞれ最近打ち上げました衛星の状況を仄聞いたしますところによりますと、非常に順調に観測に役立っているというふうに承っております。
 それから、私たちが打ち上げました衛星でございますが、Nロケットを使いまして打ち上げたものしかございません。ただし、そのうち三個はアメリカのロケットを用いて打ち上げてもらったというものでございます。
 五十年度の夏期でございますが、わが国のNロケットによる人工衛星第一号でございますが、「きく」でございます。ただいまのところは「きく一号」と申すことになっておりますが、これは予定の目的は十分達しまして、ただし宇宙で現在健在でございます。したがいまして私たちは、追跡管制の訓練とか、人工衛星が宇宙でどう変化していくか、そういったことの監視、したがって宇宙における各種の機器の劣化の状況というものを観測すべくデータをとっております。しかし現在のところ非常に健在でございます。
 それから次に、五十一年の二月に打ち上げました「うめ」でございますが、もうすでに御承知のとおり、残念なことには打ち上げて約一カ月たちまして電波の途絶がございまして、その後回復をいたしておりません。
 それから、三番目に打ち上げましたものは、五十二年の二月でございますが、「きく二号」、これは最初同期衛星ということを目指して開発をし、同期衛星を打ち上げる、すなわち静止衛星を打ち上げる一歩前の技術習得をする、必要なデータをとるというのが目的でございましたが、あわせて準ミリ波の実験を郵政省の側で行われるという目的がございまして、これも非常に幸いなことでございましたが、同期衛星を静止衛星という非常に精度の高い軌道に投入することができまして、予定のミッションは達成して、現在も健在で宇宙にございます。
 その次に打ち上げましたものが、五十三年の二月でございますが「うめ二号」、電離層観測衛星の二号でございますが、これはその後、電波圏を中心といたしまして郵政省の側でこれを使って実験をやっておられるわけでありますが、大変順調に推移いたしております。非常に多くのデータをおとりになっておるという状況で、まだ観測はこれを使って続けておられる状況でございます。
 それから、今年の二月、次に打ち上げました「あやめ」でございます。ECSでございますが、これは「きく二号」で静止衛星軌道投入の技術を習得するという後に続きまして、静止衛星を打ち上げる技術を確立するという目的と、それからミリ波を使いました電波の伝搬の実験をおやりになるという目的がございました。これの後の方の実験は、郵政省さんの側でおやりになる予定でございましたけれども、非常に残念でございますが、ドリフト軌道と申しまして、静止衛星軌道に非常に近い円軌道でございますが、そこに投入する時点におきまして電波の途絶を来しまして、その場合には実は衛星に積んでおります小さいロケットを吹かすわけでございますが、現在のところ、これが正常に吹いたかどうかということが、その後の時間経過では途中までしかわかりませんでした。したがいまして、その結果がどうであったかということは、天文の望遠鏡で見ていただくように関係方面に現在お願いいたしております。その結果が非常によく出て、どこかにおるということがつかまったということになりますかどうか、現在のところまだわかっておりません。
 失敗の原因でございますけれども、これは第三段と人工衛星を切り離しました後、第三段目には若干の推力が残っておりますので、後から人工衛星を追っかけていくようになります。したがいまして、飛行いたします道筋を変えるようにヨーウェートというのがございまして、それを第三段ロケットから切り離す、いわゆる放出するわけでありますが、そういう仕掛けがついておるものでざいます。それが正常に放出されなかったために、人工衛星に第三段ロケットがぶつかったということがございました。それで、どういう後の状況になったかということは必ずしも的確につかめておりませんけれども、その後の人工衛星の状態は、非常に指令に対しまして従順に作動いたしまして、したがいまして、打ち上げましてから三日たったところでございますが、六周半したところで、その人工衛星に積んでおりますロケットを吹かしたわけでございます。ところが失敗をしたということで、大変申しわけない結果になってしまいました。
 以上でございます。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 先ほど宇宙開発事業団の理事長からお話がございましたように、実験用中型放送衛星BSは予定どおり最短距離で、と申しますか打ち上げに成功いたしまして、現在各種の実験がとり行われておるところでございます。
 それで、実験の概要を申し上げますと、全国的に実施をいたしました受信可能区域の測定実験によりますと、晴天時におきまして日本本土の大部分の地域ではパラボラアンテナ直径一メーター級の簡易受信装置で良好に受信ができまして、いずれも五段階評価の評価四程度の鮮明な画像が得られております。また電界強度が低くなります小笠原などの離島におきましては直径四・五メーター級のアンテナで受信実験をいたしましたが、これまた評価四程度の映像が得られております。これらの電界強度はいずれも当初予測いたしました計算値に近いものとなっております。こういうふうな電界強度の数字を集積いたしますと、問題になっておりますスピルオーバー等の対策、そういったものが推定できるというふうに考えておるわけでございます。
 次に、可搬型の送受信局によりまして全国どのような地域から送信した場合でも衛星放送ができるかどうか、たとえば割り込み中継ができるかどうか、またその際、テレビ信号の切りかえが円滑に行えるかどうかという実験を全国各地において実施をいたしましたが、いずれも良好な結果が得られておるという状況でございます。
 また、周波数が、打ち上げが十四ギガヘルツ、それから空から降ってまいります放送用の周波数が十二ギガヘルツ、非常に高い周波数でございますので、降雨でございますとか降雪時における衛星電波の受信に与える影響などにつきましてもデータの取得を行っておるところでございます。
 そのほか、将来の新しい放送方式を検討するために幾つかの実験を行っております。たとえば高品質のステレオ音声信号の伝送でございますとか、高品位のテレビ信号の伝送、あるいはまた静止画放送方式の伝送等の実験を行っております。これらの実験は今後三年間にわたって継続をすることになるわけでございますけれども、ただいま申しました高品質ステレオ音声信号の伝送、高品位テレビ信号の伝送、静止画放送方式の伝送等の中間的な結果によりますと、きわめて良好な成果が得られつつあるというふうに承知をしておるわけでございます。これまでの実験結果から見まして、放送衛星はおおむね予期どおりの性能を有していることが確認されておるわけでございまして、放送衛星を早期に実用化できる見通しが得られたものというふうに考えております。
○鈴木(強)委員 松浦理事長からの「あやめ」の失敗につきましては鋭意原因の追及をなさっておられるようですから、ぜひひとつ徹底的にこれは追及をしていただいて、打ち上げに一個幾らかかりましたですか、それがむだになりませんように、また、わが国の今後の技術開発の上に災いを転じて福となすような形になりますように最善の御努力をひとつお願いしておきたいと思います。
 それから、いま監理局長からのお話、よくわかりました。
 そこで、これからいよいよ実用化に入ってもよろしいというような段階まで来たわけですね。したがって、もう少し詰めた話を伺いたいのですが、地上から衛星への電波は十四ギガヘルツですね。それから今度衛星からおりてくるのが十二。こういうことで、SHFだかの電波を使うのですが、この送信のパワーはどのくらいのものでよろしいのですか。恐らく何百ワットとか何キロとかいうようなものでなくて、非常に小電力でやれると思うのですが、いま使っているのは大体どのくらいのものでやっているのですか。それから周波数もちょっと教えてもらいたいですね。
○平野政府委員 ただいま実験中のBSから降ってまいります周波数は、先ほど申しましたように十二ギガヘルツ帯でございます。それで、現在の機能といたしましては、カラーテレビ二チャンネルのトランスポンダーが積んでございます。したがって、二チャンネル同時に空から降らせることが可能な態様になってございます。
 それで、空から降ってまいります電波の強さでございますけれども、これは実は現在におきましては、世界最大の電力と申しますか、TWTと申しますが、二百ワットの送信管を使いまして空からの電波を発射しておる、こういう状況でございます。
 通信衛星と……・(鈴木(強)委員「周波数、下から上」と呼ぶ)下から上へいわゆる番組を注入いたします電力といたしましては十四ギガヘルツ帯でございますけれども、パワー二キロワット及び二百ワット両方の電力が使用できるような態様になってございます。
○鈴木(強)委員 それで、使用周波数は。
○平野政府委員 申し上げました十四ギガヘルツ帯でございます。十四で上がりまして十二で降ってくる、こういう態様になっておりますので、下から番組を挿入いたしますのは十四ギガヘルツで挿入をする。これを二キロワットの電力と二百ワットの電力とを切りかえて送信することができるという態様になっております。
○鈴木(強)委員 それで、二百ワットが一つですね。それから二キロワットが一つでしょう。これはどうしてそんなにパワーが違うのですか。二百でも可能なんですか。二百で可能なら二百でいいじゃないですか。これはどういうわけですか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 通信衛星と違いまして、いわゆる衛星サイドから申し上げますと、各家庭に直接受信が可能でございますように衛星の電力はできるだけ上げる必要があるわけでございます。それに対しまして通信衛星の場合にはその考慮は不必要。一方下からの送信電力につきましては、大きなアンテナで、たとえば鹿島の電波研究所をいま使用しておりますけれども、大きなパラボラアンテナで送信を可能にいたします場合にはパラボラアンテナの利得がかせげるわけでございますので、最小の電力で相応の受信が可能になる、こういうことに相なります。一方、先ほど御説明をいたしましたような移動用でございますとか割り込み中継用でございますとか、非常に小さなアンテナで送信をせざるを得ないという場合には地上側の送信電力を大きくしてやる、こういうふうな状況になってございます。
○鈴木(強)委員 これは将来難視聴解決に非常に役立つことはもちろんですが、同時に簡単な送信施設で中継ができる、そういうメリットがあるのじゃないかというので私たち期待をしておるわけなんです。二百ワットないし二キロワットということになるとちょっと問題になるでしょうけれども、たとえば、アナウンサーが携帯用のポータブルを持って、そして自分で背中にしょって、それから衛星に向けて、歩きながら中継できるというような時代が来るのではないかという期待を持っているわけですね。したがって、最小限度の出力で、そのアンテナの大きさにもよるのでございましょうけれども、それはまたマイクロ無線でどこか中継所を置いてやればいいわけですから、そういうような形で簡単に、どこへでも、山の上にでも行って景色はいいですよというようなことをやっていますね、ああいうものがこの放送衛星を通じてやれる。その送信の設備というものがきわめて小さくて済めば、送信機を担ぎ歩きながらどこへでも行って中継できるというようなことで非常に便利があるのじゃないかと思うのですが、そういうふうなことについての詳細な実験というのはやっておられますか。
○平野政府委員 現在BSによります実験は、最も基本的な実験に終始をいたしておりまして、ただいま先生が御指摘のような実験につきましては、このBSの実験とは別にいろいろと調査研究を始めておるという状況でございます。
 先ほど先生おっしゃいましたように、アナウンサーが簡易な送信機を持って衛星と直接コンタクトをする、そういったことができるようにいたしますためには、やはり衛星側の空中線をきわめて大きな空中線にする必要があるわけでございます。そうして地上からの電波が非常に弱くても衛星側でピックアップできるという態様が必要でございまして、そのような大型空中線の研究というものを電波研究所等も心がけようとしておるわけでございます。
 一方、それに至る道程といたしましては、先ほども御指摘ございましたように、どこか空とコンタクトできるような中継局を使用する。これは固定的な施設でございますので、どうしてもアナウンサーが行動する範囲に限界があるわけでございますが、将来は応用問題としてそのようなことが放送事業者によりまして検討されるのではなかろうか、多分NHKはそのような検討も行っておるというふうに承知しております。
○鈴木(強)委員 きょうNHK側の御出席をお願いしておりませんでしたのでそれは別途お伺いすることにして、平野局長のお話で、可能性はかなりあるというふうに理解をしておきますから、ひとつ電波研の方でもNHKとタイアップして、そういう特殊な、非常に喜ばれるようなものができるような形に持っていってほしいと思うのです。特に静止画衛星なんかは大変御苦労いただいて成功しましたね。これは一チャンネルで四十六も使えるわけですから。放送衛星の割り当ては八つでしたね。ですから、その七つの中で使って、一チャンネルをそういうように向ければ、非常に効果のある放送ができるわけでございますから、そういうことが成功したのですから、私はできないことはないように思いますので、そういったことも鋭意研究をしておいていただきたいと思います。
 そこで、いまのBSからのいろいろな受信の実験というのは、事業団の方ではやっておられないのでしょうか。現在は日本列島の九カ所で受信局を設けてそこでやっておられるわけですが、先ほどの評価四程度で、本土全体はそれでよろしい、小笠原、沖繩方面でも、これはちょっとアンテナが大きいようですけれども、それにしても四程度の画像が得られるということですから、もうほとんどやってもよろしいというところまで来ていると思うのですが、これを受信する場合、今度は利用者が特殊なアンテナがなければできないでしょう。そういうことについての研究はどうなっているか。コンバーター、パラボラアンテナというようなものがつけられると思うのですけれども、そういうふうな実験の経過というものはどうなんでございましょうか。そういうものの上に立って評価四というものが出ていると思いますけれども、その過程の作業はどんなものなんですか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 放送衛星からのテレビジョン放送を一般の家庭におきまして受信するためには、御指摘のような小型のアンテナ及びアダプターが必要になるわけでございます。現在市販されておるテレビの受信機だけでは使えないわけでございまして、できるだけ各家庭で、屋根の上でございますとか近くのポールに取りつけが可能な、できれば一メートル以下の小型のパラボラアンテナ、及び先ほど申しましたように十二ギガヘルツという非常に高い周波数で降ってまいりますので、現在市販の家庭用の受信機は、いわゆるVHFとかUHFとか、百メガヘルツ台あるいは二百メガヘルツ台の受信しかできませんので、それに変換をいたしますアダプターが必要になるわけでございます。
 それで、小型のパラボラアンテナ及びアダプターの研究につきましては、実はNHKが非常に早くから手をつけまして、当初から世界各国の注目するところに相なったわけでございます。すでにアメリカが自前の実験用の放送衛星で実験をいたしましたり、あるいはインドで実験をいたしましたり、もう一度持ち帰って実験をするときには実はNHK型の受信機を使用した、非常に驚いたということを聞いております。その後におきましてNHKはみがきをかけまして、最近では非常に簡易に製作が可能なような軽量かつ小型化された、なおかつコストの安くなる見込みのあるような研究開発にほぼ成功したというふうに聞いております。そういう成果が、実は最近新聞にも出ておりましたけれども、都市の難視対策用の十二ギガヘルツを使用いたしました足立区の受信対策にも役に立っておるということでございまして、これは一にそういう研究開発と同時に、量産体制がどうなるか、海外でも使われる、それからNHKだけではなくて国内の各メーカーも相当こういった研究には力を入れておるように聞いておりますが、そういったものが量産されれば、いいものが安く手に入るという期待を持っております。
○鈴木(強)委員 そうすると、アダプターだかコンバータだか知りませんが、パラボラアンテナとかそういうものを含めて、どの程度個人が負担をしなければならないのか、そういう目安もまだないのでしょうか。何万円程度とか、そういうようなものについてはないのでございましょうか。VからUに行く場合でも、オールチャンネルにする場合には大変な問題になったことです。今度はSに移行することになると、また違った負担を受信者はしなければならないわけですから、そういう意味では、これだけの個人の負担をしていただけば宇宙衛星からの放送が聞けますよというようなことを早い時期に周知し、国民の理解を得ることが必要でしょうし、またメーカーサイドもその時期に合わせていろいろな相談もなされるでございましょうから、量産体制に行くにはどの程度の需要が予測されるのか、その点を考えるためにも、早くその体制をつくることが必要ではないでしょうか。そういう意味において、もしわかっていたら教えてもらいたい。わかっていなかったら、ぜひ督励してもらいたい。
○平野政府委員 実はまだ相当動いておる状況でございますので、確定したことを申し上げるのはちょっと早いかと思いますけれども、実は推定をしたわけでございます。生産台数が問題だということを申し上げたわけでございますが、昭和二十年代後半から三十年代にかけましての白黒テレビ受像機の生産普及の経過、これを参考にいたしました。実用の初期段階では、年間一千台から一万台、普及段階では年間十万台程度の生産を想定をいたしまして受信装置の価格を試算をいたしますと、受信形態がいわゆる個別受信、各家庭でパラボラアンテナの直径約一メーターのものを掲げまして受信をする、これを個別受信というふうに申しております。それに対しまして共同受信、これは五、大世帯で共同受信をする、そのような場合には、パラボラアンテナの直径一・六メーターぐらいのものを使用する。その二つにつきまして、実用の初期段階の場合とそれから普及段階の場合とを試算をいたしますと、個別受信で初期段階が十五ないし二十五万円でございます。同じ初期段階で共同受信の場合が、一世帯当たりで六ないし十万円でございます。それに対して普及段階に入りますと、個別受信の場合で六ないし八万円、共同受信の場合には一世帯当たりで四ないし七万円、ちょっと幅がございますけれども、こういう推定ができるわけでございます。
○鈴木(強)委員 これはちょっと高いですね。だからもう少し普及して、量産して、コストダウンをするような形をとらせた方がいいと思います。ですからその点、もう少し自信のある研究をされて、成果を発表して、さあこれでいけるのだというのを早く国民の前に示して理解をしていただくようにお願いをしておきます。
 時間が余りありませんが、これからいよいよ五十七年度に通信衛星二号A、五十八年度に二号Bを打ち上げるわけですね。放送衛星は五十八年になるわけですか。これを打ち上げるのには、衛星の目方は、放送衛星の方は五百キロ以上、通信衛星の場合は三百五十キロぐらいになるのですか。だから問題はロケットだ。これは松浦さん、ロケットの開発については私は前からずいぶん言っておるのですけれども、まだなかなか人の手を借りなければできないというような情けない状態にあるわけですけれども、せめて実用化衛星を打ち上げる段階には、日本の自力で、いまのNIIロケットですか、そういうロケットの開発をしていただいて、自力で打ち上げるような自信と確信はありますか。
○松浦参考人 お答え申し上げます。
 ただいま五十七年度、五十八年度にかけまして御要望のございます通信衛星二号A、Bでございますが、これを打ち上げますロケットは、先般アメリカに依頼いたして打ち上げてもらいましたときに、アメリカが使ったロケットとほぼ同等の性能を持ったロケットを国内でつくりまして、これを用いて打ち上げる、種子島から打ち上げるという予定でございます。
 このロケットは五十五年度に地上で試験をいたします。これは打ち上げの訓練、それから打ち上げの整備の手順等を習得するという意味がございまして、GTV――地上試験用のロケットということでございますが、これを用いまして射場で作業をいたします。
 五十五年度の後期には技術試験衛星IV型というのを打ち上げる予定でございまして、このNIIロケットのテストフライトでございます。
 その後五十六年度に気象衛星の二号でございますが、これをやはりNIIロケットによりまして種子島から打ち上げるという予定にいたしております。このロケットの製作につきましては、一部性能向上等の改善を図らなければならないわけでございまして、これらの作業はいままで順調に進んでおりまして、予算の面につきましてもお認めをちょうだいいたしております関係もございまして、いま申し上げました予定でこのNIIロケットは製作可能だというふうに私たちは確信を持っております。これを用いまして打ち上げるわけでございますから、先生のおっしゃるようなことは十分御要望に沿えるというふうに考えておるわけでございます。
○鈴木(強)委員 自信のあるお話を承りまして心強く思いましたが、ぜひひとつ御成功をお祈りしておきます。
 それから、さっきのECSの電波が途絶しておりますが、それに対して何か代替の星を打ち上げる計画があるのかどうなのか。それから五十七年、五十八年に打ち上げる星、打ち上げ料から何から、星の本体の製造費から含めて、一つの星を打ち上げるのには幾らの金がかかりますか。NIIロケットを使ってやるというのですから、それを含めまして概算でどれくらいになりますか。その二つを御両所から……。結論だけでいいです。
○松浦参考人 必要な費用の問題でございますが、これにつきましてはロケットにいたしましても人工衛星にいたしましても、国産化を図るべく努力をいたしておりまして、逐次国産率は上がっております。それとも若干の関連はあるわけでございますが、通信衛星の二号機A、Bを打ち上げる、この業務に関する限り大体五百四十億円程度のお金でございます。その後のものにつきましては、衛星の種類によりまして若干の差が出てまいるかと思いますが、二つの衛星を打ち上げるのに、一切合財含めまして大体いま申し上げました五百四十億円というのを試算いたしております。
○鈴木(強)委員 BSとCSと両方合わせての打ち上げも入れて全部ですか。それをちょっとはっきりしてもらいたいのですよ。二つで五百何ぼですか。
○松浦参考人 通信衛星関係だけでございます。
 放送衛星の方はまだ御要望の仕様その他につきまして現在協議中でございまして、まだ試算をいたしておりません。
○平野政府委員 ただいまの事業団の理事長の御発言を若干補足をさせていただきますと、通信衛星につきましては、製作、打ち上げ費が予備機を含めて約五百四十億ということでございます。
 それで、放送衛星につきましては、先ほど来申しておりますように、宇宙開発委員会御決定の五十三年度における宇宙開発計画の中ではまだ時期が明瞭に示されておりませんので、今後開発計画にございますように関係方面と十分に詰めてまいりたい。しかし、現在上がっております通信衛星それから放送衛星につきましては、放送衛星に若干の開発要素が入るわけでございますので、通信衛星とほぼ同じ約五百四十億をめどに詰めてまいりたい、このように考えております。
 それから、先ほどの「あやめ」の今後の問題でございますけれども、これは五十三年度決定の宇宙開発計画の中におきましても、「あやめ」のふぐあいにつきまして、先生の申されましたように十分にチェックをして原因を探究して、その上で、いわゆる必要な若干の手入れをした上でできるだけ早く打ち上げる、こういうことになっておりまして、郵政省もそれを期待しておるわけです。それで「あやめ」の予備機につきましては、衛星本体はもうすでにでき上がっておりましてチェックをしておる最中、それからロケットにつきましても近々できる目算がついてきておるというふうに聞いておりまして、私どもといたしましては、できることならばことしと同じ、大体来年の二月ごろには打ち上げてもらいたい、実験を早くいたしたい、こういうふうに存じております。
○鈴木(強)委員 私もいまの局長の意見に賛成ですよ。だからこのECSが、原因は追及してもらうとしても、もう生き返ってくる可能性はほとんど不可能でしょう。であれば、やはりその時期を判断して、早く代替のものを打ち上げて、所期の目的の研究をやるために打ち上げたのだからそういうようにしていただきたい。幸い、予備機が完成に近いようですから、あとはロケットの方でしょうから、ぜひひとつよろしくお願いします。
 それから、今度はこの法案の中にかかってくるのですけれども、その前にちょっと伺っておきたいのは、きょう電電公社においでいただいているのですけれども、山口さん、電電公社としては出資もされているようですし、将来通信衛星をどういうように使おうとしているのか、その一つの基本的な計画を持っておられたら、もちろん持っておられると思うのですけれども、説明していただけませんか。
○山口説明員 CS、実用通信衛星の利用につきましては、もともと電電公社でも十年ほど前から通信衛星について技術的な検討はしておったわけでございますが、その利用の形態といたしまして三つばかりの大きな柱をつくっておりまして、一つは災害時の通信の確保ということでございます。二つ目が離島、僻地への通信回線の作成に利用したい、三つ目に臨時回線を設定する場合に使いたい、こういうふうな目的でございますが、御承知のように、電電公社でもこの通信の信頼性の確保につきましては、地上の施設を使いまして市街局間は多ルート化していくとか、そういった施策をとっているわけでありますが、何せ地上の施設を使いますとやはり限界でございまして、一〇〇%確保するというのは大変むずかしい場合がございます。したがいまして、この衛星を使うことによりまして、回線数については十分ではございませんですけれども、やはり非常災害、震災とか水害とか、そういった場合におきます通信の途絶を絶対避けるという意味でこれを使いたいということが一つでございます。
 二つ目の離島、僻地につきましては、これは通信衛星方式でまいりますと、一度の中継でもって日本全国をカバーできるわけでございますので、地上の距離に関係なく、多数の地点で離島なり僻地なりの通信が容易にできる、こういうふうに考えられますので、離島、僻地間の通信回線にこの衛星を使いたいというふうに考えております。
 最後の臨時回線等につきましては、いろいろな催し物とかの場合に臨時回線を設定したいというようなことがございますけれども、そういった場合に任意の地点間で電話回線を作成することができますし、あるいはテレビの回線を作成することもできます。とともに、地震等で異常ふくそうなどが起こった場合にはこの星を使うことによって救済が可能だ、こんなことを実は考えておりまして、そのほかにも、こういった衛星通信方式は将来非常に豊かな将来性を持った技術でございますので、ぜひともこういった衛星通信方式については公社も実用に参加させていただきたい、このように考えておるわけであります。
○鈴木(強)委員 そうすると、大まかに三本の柱を立てておりますが、実際にどの程度のものが必要になるのかということは現段階ではわからないわけですね。
○山口説明員 お答えします。
 総体的に、ではどんな大きさといいますか、回線数が何回線あればいいかということにつきましては、いろいろな要求から算定しますわけですが、現在まだそこまで、じゃ一体何回線あればいいのかというふうには確定はしておりません。むしろ逆に、現在の技術で打ち上げられますロケットの中のトランスポンダーといいますか、中継器の容量でもって回線数が決まるというのが現状だと思いますので、やはりその範囲内で公社は使っていくことになろうかと思います。
○鈴木(強)委員 現在のマイクロウエーブから比べてみると非常にメリットはあると思うのですね。まず中継が要りませんよね。つまり、電波が弱くなりますからどうしても中継が必要ですけれども、そういう点はなくなるので、非常災害時の場合なんかは私は非常に利用価値があると思うのです。そういうときがいつ来るかわかりませんよね。もちろん地上の施設との関係もありますけれども、そういう場合に、非常災害が来た、その回線は優先的に電電公社にあるいは地方自治体の防災無線、いろいろありますが、そういうものが全体的に、優先的に使用できる、そういうことは運営の中で何か取り決めようとしているのですか。
○山口説明員 現在まだ最終的に決めていただいたわけではございませんが、大体の予定としましては、この星のトランスポンダー八台のうち電電公社で六台利用さしていただくことになると思うのでございますが、その際に、電話回線で換算いたしますと約三千回線ぐらいがとれると思います。したがいまして、その三千回線を、現在は全国総括局のうち四つの総括局を選んでおりますが、そこに固定局をつくりまして三千回線の配分等考え、あるいは離島も考えまして今後回線数を決定していきたい、このように考えております。
○鈴木(強)委員 これはどこでお答えいただくかわかりませんが、たとえば、いまNHKなり民間放送が電電公社のマイクロウェーブを専用回線として借りて、公社は使ってもらっていますね。今度の放送衛星についての管理は機構の中でやるわけですけれども、そうすると、たとえば民間放送局が借りたい、使いたいというときには、これは一体どこへ申し込んで、どうなるのですか。
○平野政府委員 ただいま電電公社の施設局長からお話がございましたように、まだ確定ではございませんけれども、実用の通信衛星八トランスポンダーのうち六トランスポンダーを電電公社が公衆通信のために専用する、残りの二トランスポンダーを国民の生命、財貨の保全等のための関係省庁が専用する、こういう形になりますと、機構が貸与すべきチャンネル数がなくなるわけでございます。もう実用の通信衛星、第一世代の通信衛星はトランスポンダーにあきがない、こういう形になるわけでございます。したがいまして、もし民放が全国のテレビジョン番組伝送のための回線に使いたい、そのような場合には、これはやはり従来どおり電電公社の公衆通信役務を借りるという形態になるときに、ひとつ宇宙を使わしてもらえぬかどうか、こういう話に相なろうかと思うのです。現在、地上系におきましては、先生十分御承知のように、電電公社は、いわゆる専用したいというお申し込みがございましたならば、有線無線を問わずいわゆる専用貸与をしておりますので、これに宇宙が加わった。ただし宇宙の場合には、先ほど来お話がございましたように、本来の公衆通信目的よりは、災害対策でございますとか、マイクロあるいはケーブルで張ろうとするとほぼ不可能に近いような離島でございますとか、あるいは辺地に使っていこうということもございますので、これは私の想像でございますけれども、そういう話し合いになるのではなかろうか、こう存じております。
○鈴木(強)委員 時間がなくなってしまったのですが、事業団がいままでいろいろと打ち上げ後の管理運営をされておったので、そのままこの二つの星の運営がやれないのかどうなのか、こういう基本的な問題が一つ残っているわけですが、それは時間の関係でできません。
 それからもう一つは、大気圏に打ち上げられている星の数は約六千個ある。これがときどき落下してくるのですよね。一九六二年に米国のシアトル北方約三十五キロでロード上にソ連のものが落っこってきた。それから一九七〇年にソ連人工衛星コスモス316の破片がテキサスに落っこってきた。一九七五年一月にもアメリカのサターンV型ロケットが落っこってきた。一九七三年にもアメリカのスカイラブが落っこってきた。こういうことによって人類に非常な被害を与える危険性があるわけですね。したがって、わが国としては、宇宙物体により引き起こされる損害について国際的責任に関する条約というのがありますが、これに加入し、またはこれに加入することに伴って出てくる国内法の改正、こういったものを整備することが一つ。
 それから今度は電波法の改正で、海上人命安全条約の発効条件、これとの関連で電波法の改正が出ておりますが、この条約の批准についても、一体いつ批准をしようとするのか。批准を見越して法律の方が先に出てきている、こういう問題も一つあるわけですよ。
 ですから、そういう問題点がまだございますので、時間が来ましたからやめなければならぬのですけれども、ちょっと重要なところですから、その点だけ簡単にひとつ説明していただいて、また後は次回に譲ることにして終わります。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 まず、科学技術庁が検討を進めてまいっておりましたいわゆる宇宙物体打ち上げ規制法案につきましては、宇宙関連三条約の加入に関連をいたしまして、宇宙物体の打ち上げ等に伴う災害、汚染の発生の防止及び損害賠償措置を法制度化するためのものであったというふうに伺っておりますけれども、関係方面との打ち合わせに時間を取りまして、今国会では見送らざるを得ないというふうに伺っております。
 それから、海上人命安全条約でございますが、現在ございます五百キロヘルツによる電信のSOSでございますが、これを今度は、これに加えまして、一九七四年の条約によりまして電話の二一八二でも自動的に聴取できるという体制にしようというのが主なる目的でございます。これにつきましては、条約の批准は外務省の御担当でございますけれども、電波法の改正とあわせまして国会に御提出がなされておるというふうに聞いておりますので、ぜひひとつ今国会で御審議をよろしくお願いを申し上げたいと存ずる次第でございます。
 それから、先ほどの地上に落下する問題でございますけれども、私どもが考えております静止通信衛星につきましては、これはもういままでの前例にかんがみましても決して落下はしてこない。いわゆる三万六千キロメートル上空をせいぜい周回をする程度、こういうふうに存じております。(鈴木(強)委員「現実に落ちているのだからね」と呼ぶ)その内容につきまして私はよく承知はしないわけでございますけれども、多分静止通信衛星ではなかったんじゃないか、いわゆる移動衛星と申しまして、三万六千キロメートル上空ではなくて千キロメートルあるいはそれ以下の高度で周回をするというようなものにつきましては、私もそのおそれはなきにしもあらずというふうに存じております。
 以上でございます。
○鈴木(強)委員 いやこれは非常に重大なことで、ロケットの破片が落下してくる例だってあるのですよ。ですから、本体でなくてもそういうことがあるから、やはり地球上に四十億の人が住んでいるのですから、そういう人たちの人命を守るということをやはり考えないと、星だけどんどん打ち上げられてそういうことに対する対策がおくれてはいかぬのです。ですから、ロケットの破片を含めて、そういう安全対策についてちゃんとしておきなさいということを私は言っているのです。
○平野政府委員 若干私の説明が舌足らずであったかと思いますけれども、先ほど来御説明しておりますように、宇宙三法につきましてはできるだけ早くひとつ国会に御提出をしてお認めをいただけるようにわれわれも努力をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○鈴木(強)委員 終わります。
○石野委員長 次に、野口幸一君。
○野口委員 同僚議員などがいろいろとこの法案につきまして御質問を続けておりまするので、少しく変わった点からお尋ねをして理解を深めたいと存じます。
 まず、私が過日本会議におきまして大臣にお尋ねをする際に当たりまして、その前段で趣旨説明をなされたわけでありまするが、その趣旨説明の際にお述べになりました言葉は「実用の通信衛星及び放送衛星の利用推進に当たり、両衛星の管理等を効率的に行う法人として通信・放送衛星機構を設立すべく、その設立の根拠法を制定しようとするものであります。」こういう前段のお言葉があったわけであります。そこで、実はこの管理という言葉でありまするが、法案を見せていただきました限りにおきましては、衛星の管理ということは一言も出てこないのであります。機構の管理はございますが、衛星の管理という言葉は出てこないのでありますが、この衛星の管理ということは言葉上ではなくて、その他の項の中で当然その管理的なものを書かれているからと、こうおっしゃるのであろうと思うのでありますけれども、その辺のいわゆる管理という問題をどの条項でやっているのだということを具体的にお示しをいただけませんでしょうか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 機構法の第二十八条におきまして、その一で「通信衛星及び放送衛星を他に委託して打ち上げること。」それから、その二におきまして「通信衛星及び放送衛星の位置、姿勢等を制御すること。」三におきまして「通信衛星及び放送衛星に搭(とう)載された無線設備をこれを用いて無線局を開設する者に利用させること。」と主たる業務の内容が記載されておるわけでございます。
 一におきましては、先ほど来御説明いたしてまいっておりますように、製作、打ち上げをみずから行うのではなくて、他に委託をして打ち上げをしていただきます。打ち上げというものは、宇宙開発事業団がいわゆる開発し、打ち上げ、それから追跡をするということになっておりますので、宇宙開発事業団が製作をし、打ち上げ、そして静止軌道に投入をして、そして三カ月ほどお守りをした上でユーザーに渡します、その段階以降をいわゆる定常段階というふうに考えておるわけでございます。その定常段階以降におけるいわゆる衛星の位置、姿勢等の制御、これを私どもは管制、管理というふうに呼んでおるわけでございます。法案の中には示されていないわけでございますけれども、たとえばそういうためにいたします管制のことを衛星の管理、管制というような表現で私たち使用することが多いわけでございますけれども、この二十八条の二の「通信衛星及び放送衛星の位置、姿勢等を制御する」、これを管理というふうに御理解をいただきたいと思います。
○野口委員 私もそうお答えになるのじゃないかと思いまして少しく調べてきたのでありまするけれども、このいわゆる業務をやること、これが管理なんだ、こうおっしゃるのでしたら、やはり四章の中で当然その問題が具体的な言葉としてあらわれてこなければいけないのではないだろうか。少なくとも管理という言葉をお使いになる以上、あるいはまたそれらを目的としておられる以上、これはいわゆる管轄し処理をすること、あるいは取り仕切ることと、こういう意味があるわけでありますし、またそういうことが必要であるということも後ほど申し上げまするが、少なくとも公共的性格が強い機構でありまするがゆえに、その管理監督というものについては、当然設立のいわゆる要件としてこの法案の中に書かれなくてはならない義務があるのではないかということを特に強く感ずるのでありまするが、その点の御所見はいかが、なものでしょうか。
○平野政府委員 先生のおっしゃいますように、第二十八条の業務、これが非常に具体的に内容が記載されておると存じまして、これを通じて私どもは管理というふうに受け取っておるわけでございますので、先生のおっしゃいますことも十分に理解はできるわけでございますけれども、これを通じて、やはり衛星を管理し運用させるための法人というような一般的な表現で理解をしていただきたい、私たちはこういうふうにお願いしたいわけでございます。
○野口委員 別にあらを探しているという意味でとってもらっては困るのですけれども、ちょっと質問通告していないから応用問題になって困っておられるかもわかりませんが、少なくとも、この宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約ですね、この六条でいわゆる「非政府団体の活動は、条約の関係当事国の許可及び継続的監督を必要とするものとする。」こう書いてあるわけであります。つまり条約によれば、継続的監督を必要とするものである。こうなっておりますと、宇宙空間の物体に対する管理監督というものは、機構をこしらえるに当たっては当然明らかに管理監督を行うんだということが機構設立の条件としてなければ、具体的な言葉がそこに挿入されていなければならないのではないか。こだわるようでありますけれども、そうでないと、ただ業務が、通信衛星、放送衛星を委託して打ち上げるとか、あるいはまた位置、姿勢を制御するというだけが書いてありまして、少なくともこの言葉の中からは管理監督、継続的監督というようなものが想定できませんね。その点はどういうように思っていらっしゃるのでしょうか。
○平野政府委員 ただいま先生がお読み上げになりました宇宙条約でございますけれども、実はその宇宙条約は、まさに非政府団体が行う宇宙活動につきましても政府が責めを負うのである、こういうふうに理解をするわけでございまして、すなわち通信衛星、放送衛星に関する限りにおきましては郵政大臣が責任を負う、こういう形に相なるわけでございまして、機構が、先ほど来いろいろな理由を申し述べておりますけれども、民間の協力によりまして、郵政大臣の適正な指導と政府の予算等によりまして運用がなされておるという実態を踏まえますと、ただいま先生がおっしゃいました点につきましては、十分に郵政大臣の監督がなされるものというふうに理解をするわけでございます。
○野口委員 もちろんそうですよ。郵政大臣がもちろん管理監督権があると同時に責任を持っているということになることは明らかでありますけれども、それであればこそ、この機構設立に対して、この機構も、郵政大臣の管理のもとであって、みずからも管理監督、いわゆる宇宙衛星に対する管理監督をやるんだということが業務の中になければ、その業務の本体になければならないはずではありませんか。だから、自分たちは自由に仕事をする、しかしそのところに間違いがあれば郵政大臣からおしかりが来るあるいは命令がやってくるというような、物事が起こってから、後からいわば大臣なりそういうものの命令によって直すとかあるいは訂正をするとか改正をするとかというような消極的なものではなくて、積極的に機構みずからも衛星そのものを管理監督をしていく、管理権というものを明らかに駆使をしていかなければならぬのだという使命を持った機構でなければならないのじゃないか、こう思うのですが、その点はどう思っておられるのでございましょうか。
○平野政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、宇宙条約によって責任を課されておりますのは政府でございます。政府の監督下にございます機構が、それでは全くただいま先生御指摘のような管理監督を自主的にもやらないのかどうかということにつきましては、御承知のように、定款の変更、業務方法書の変更、毎事業年度の予算及び事業計画その他機構の運営に関する重要事項を審議する運営評議会の議を経まして、いわゆる当機構の業務の内容につきましては一つ一つ郵政大臣の管理監督を通した上で認可が行われる、こういうことに相なるわけでございますので、私どもといたしましては、本来この機構を律すべきすべての事項を機構法の中に導入をしていくということではなしに、ただいま申しましたような実効的な動作を通じまして郵政大臣の管理監督が浸透していくことを期待しておる、こういうふうに御理解をいただきたいと存じます。
○野口委員 私が言うのは、条文というか、この機構法案の中にその意思があるということをいろいろ具体的に書いてありますから、私も認めると言うのですよ。しかし、それは一番初めにこの法案をお書きになるときに、一項設けてそのことが明らかにされなければならないのではないかということを申し上げているわけですから、そうすると、その必要性がないとおっしゃるのですか。具体的に書いてあるからそれは要らないのだ……。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、通信衛星、放送衛星の具体的な姿勢、位置等をコントロールすることを通じまして人工衛星が管理されるわけでございますので、そのような理解に基づいて実効的に郵政大臣の管理監督権が機構の中に入ってまいりまして、そして機構は、法律にございますような業務遂行の中にその反映としての管理監督の実態を示し得るというふうに理解をしておるわけでございます。
○野口委員 そうしますと、第六章の 「監督命令」第三十九条「郵政大臣は、」云々というこの一番最後の「監督上必要な命令をすることができる。」ということに弱めて書いてあるわけであります。監督上必要な命令を行うとかそれを実施するというのじゃなくて、行うことができるというような形で、常々はやらないような表現のように非常にやわらかく表現はしてありますが、その辺の関係はそれではどうおっしゃろうとしておるのですか。
○平野政府委員 三十九条につきましては、確かに文言上「することができる。」という書きぶりになっておるわけでございますが、これはいわゆる特殊法人、認可法人の一般例の表現にならったわけでございまして、事の軽重と申しますか、特にこの機構につきましては国民の福祉の向上にとりまして公共的にも非常に重要な機構でございますので、郵政大臣といたしましては「することができる。」という書きぶりであるにいたしましても、十二分に管理監督の責任を果たす言動をとれるべきものというふうに理解をしておるわけでございます。
○野口委員 では次に移りまして、それでインマルサットの条約とインテルサットの条約に、つまり宇宙部分の施設を提供しまたはその使用を開始することの意図のある場合は当該条約国はこの施設を云々という言葉がありますが、いわば通知をしなければならないというこの義務ですが、これは国が行うということであって、機構そのものには関係ないということなんですか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 CS、BSの打ち上げに伴うインテルサットの調整手続の関係かと存じますけれども、この衛星の打ち上げに伴いますインテルサットの調整手続につきましては、郵政省が十分に機構を管理監督いたしながらその責めを果たしていくという性格のものかと思います。要するに国が責任をとるべき範疇であろう、こういうふうに存じております。
○野口委員 わかりました。
 それでは一条に書いてあります「宇宙における無線通信の普及発達」という言葉があるのですけれども、これは具体的にどういうことを言うのですか。
○平野政府委員 お答えを申し上げます。
 先生御承知のように、電波法におきましても、周波数の効率的な利用を確保することによって国民の福祉の向上に資する、それの反面といたしましては通信の普及発達を考慮しておる、こういうことでございます。また放送法におきましても、放送のできるだけの普及を確保する、こういう表現が諸所に見られるわけでございます。同じような意味におきまして、通信衛星、放送衛星をいわゆる管理運用をいたしまして国民の福祉の向上を図る際に、特に重要なポイントといたしましては、ただいま先生が申されましたように、宇宙における無線通信の普及発達を図るということで共通である、等値であるというふうに考えておるわけでございます。
○野口委員 何かずいぶん遠いところから背中をかいているような気がしてしようがないのですけれども、目的というところは、どの法案でもそうなんですけれども、美しい言葉が初めに並べられてくるわけですけれども、仕事の内容なりを見てみると、宇宙における無線通信の普及発達までこの機構がおやりになるようにも思えない気がするのです。仕事の一番最後のところ、その他の項として「前各号に掲げるもののほか、第一条の目的を達成するために必要な業務」ということでお挙げになっていらっしゃいますから、ここで仕事するんだと言われればそれまでのことなんでありますけれども、しかし先ほども申しましたように、監督管理ということは、具体的にいわば衛星を動かして正常な運行というものを行わせるだけが仕事なんだというように理解してはいけないのですか。もっと高度なものをここに求めていらっしゃるわけなんですか。
○平野政府委員 宇宙における無線通信の普及発達を図るという文字でございますけれども、ただいま先生が御指摘になりましたように、機構が高度の技術と多額の資金を結集をいたしまして、衛星通信及び衛星放送の実施のために必要となる通信衛星及び放送衛星を打ち上げてこれを管制し、これらの衛星に搭載された無線設備の提供等の業務を効率的に行うことによりましてわが国の衛星通信及び衛星放送の普及発達に寄与する、これが即無線通信の普及発達を図ることにつながるのであるという考え方は全くそのとおりでございますけれども、なおかつ電波の有効な利用を図るという観点から、やはり機構といたしましては、宇宙通信と地上の通信との対応でございますとか、そういったものを十二分に把握することによりまして将来のこの機構のあり方、ひいては宇宙における無線通信の普及発達の向上に資する必要があるであろうというふうに考えるわけでございます。
○野口委員 機構をつくろうという側にお立ちになる方はいろいろと理屈をおつけになるだろうと思うのでありますけれども、私どもから見ますと、そんなに大きなものを頭にひっかけてやらなければならないような機構ではなさそうな気がしてなりませんし、そして衛星そのものの打ち上げは他に委託をしてやるんだというようなことが業務として明らかにされておるわけでありまして、どうもこの機構が衛星本体についての所有権がない、そして事業経営的性格を持っている事業体にしようとしておられるような気がするのだけれども、衛星そのものの所有権を放棄をして管理権だけを自分のところが持って、そしてその衛星を動かすだけ、動かすと言うと、言葉が簡単なんですが、制御を行うことによってのみこの機構が存在をしているような気がしてならないのであります。これは私は少しひがんで物を言っているかもわかりませんけれども、どうも大げさに物を扱い過ぎているような気がしてならないわけでありますが、その点はどういうように――まあ、そう言えばそうじゃありませんとおっしゃるでしょうけれども、私も本会議でも質問をいたしましたが、あってはならぬことですけれども、何か高級官僚の天下り機関をおつくりになるようなものを目的として、何とか押しつけるものはないだろうかということでおつくりになったような気がしてならないわけですが、その辺のところはどう明らかに解明していただけますか。
○平野政府委員 設立当初におきましてはこの機構に財政基盤が十分ございませんので、また開発要素に見合う国の出資があるということなどから、過渡的な問題といたしまして衛星の所有権を持たない形で業務を行うことになっておるわけでございますけれども、われわれといたしましては、将来この機構は衛星の所有権を持った形で業務を行うことが主たる業務形態となるようにその努力を重ねるべきである、こういうふうに存じておるわけでございます。
 また一方、この法人を新たにつくる理由、新たに設立をする理由のお尋ねに関連をいたしまして、いままでるる御説明をしてまいりましたように、この地上系に加えまして、衛星による通信あるいは放送というものが国際的にも国内的にも技術が非常に確立されてまいりましたし、しかもその需要がある、これからもますますその需要が広がっていくであろうということを勘案いたしました場合に、その技術の高度性でございますとか、あるいは多額のお金が必要になる問題でございますとか、あるいはきわめて高度の知識を持ちました要員が必要になるというような観点からいたしまして、しかも人類あるいは国民の有限な資源である衛星の軌道あるいは周波数を独占的に専用する、しかも業務の内容が非常に公共性の高い業務である、一方その内容が民間の事業として行われるべき性格も持っておるというような諸点を勘案をいたしまして、新しい法人の設立が必要不可欠であるという認識をしておるわけでございまして、その点御理解を賜りたいと存じます。
○野口委員 それでは最後になりますが、いわゆる衛星に関する権利関係につきまして、先ほどもちょっと若干申し上げたのでありまするけれども、いわゆる運用権とそれから所有権の関係ですが、この所有権がないままに運用権がここで施行されましてやっていくということについての保障といいますか、それらが先行し得る、機構がそのことを持っておる部分については関係法例に照らして業務遂行をしていくんだ、こうおっしゃっておられますが、それはどこでどの法を運用されるのか、それだけお聞かせをいただいて質問を終わります。
○平野政府委員 お答え申し上げます。
 第一世代の実用衛星の所有権につきましては、利用いたします機関と宇宙開発事業団が衛星の製作、打ち上げに要する経費を分担することになっておりますので、経費分担比率に応じてそれぞれの機関が共有するという形にならざるを得ないわけでございます。
 一方、CS2の管理運用でございますけれども、これは機構が一元的に行うことになっております。このように、CS2の所有権を有するものと管理運用を行うものが分離しておるということにつきましては、このCS2の管理運用の問題は衛星の所有権との関係のみで決めるべき問題ではございませんで、CS2の効率的な管理運用を確保する観点から決めるべき問題であるというふうに存じておりまして、複数の利用者が見込まれますので、これらの利用者間の調整を公平かつ妥当に行う必要があること、複数の利用者が衛星搭載無線設備を共同で利用することから権利義務関係をできるだけ単純化しておくことが望ましいであろうということ、あるいはこのCS2が開発衛星でもございますし、またその設計、製作を宇宙開発事業団が行いますことから、この宇宙開発事業団との関係でユーザーを代表する権利義務の主体が必要である、そういった種々の条件等を考察をいたしまして、機構が一元的にCS2の管理運用を行うことが適当であるというふうに判断をしたわけでございます。
○野口委員 終わります。
○石野委員長 次回は、来たる五月九日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時十三分散会