第087回国会 決算委員会 第7号
昭和五十四年四月十八日(水曜日)
   午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 加藤 清二君
   理事 宇野  亨君 理事 國場 幸昌君
   理事 津島 雄二君 理事 原   茂君
     稻村左近四郎君    小渕 恵三君
      中村 弘海君    西田  司君
      野田 卯一君    増岡 博之君
      楯 兼次郎君    玉城 栄一君
      春田 重昭君    安藤  巖君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 森山 欽司君
 出席政府委員
        運輸大臣官房長 中村 四郎君
        運輸大臣官房会
        計課長     熊代  健君
        運輸省海運局長 真島  健君
        運輸省港湾局長 鮫島 泰佑君
        運輸省鉄道監督
        局長      山上 孝史君
        運輸省航空局長 松本  操君
        海上保安庁長官 高橋 壽夫君
        気象庁長官   窪田 正八君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局経済部国
        際課長     加藤 二郎君
        沖繩開発庁総務
        局企画課長   金子  清君
        大蔵省主計局司
        計課長     石井 直一君
        会計検査院事務
        総局第三局長  松尾恭一郎君
        会計検査院事務
        総局第五局長  小野光次郎君
        会計検査院事務
        総局第五局審議
        官       室屋  勇君
        日本国有鉄道総
        裁       高木 文雄君
        日本国有鉄道常
        務理事     高橋 浩二君
        日本国有鉄道常
        務理事     吉武 秀夫君
        日本国有鉄道監
        察局長     長井  茂君
        参  考  人
        (日本鉄道建設
        公団理事)   藤田 雅弘君
        参  考  人
        (日本航空株式
        会社常務取締
        役)      手塚 良成君
        参  考  人
        (気象評論家) 根本 順吉君
        決算委員会調査
        室長      黒田 能行君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十八日
 辞任         補欠選任
  天野 光晴君    稻村左近四郎君
  玉生 孝久君     増岡 博之君
  早川  崇君     小渕 恵三君
  森  美秀君     中村 弘海君
  春田 重昭君     玉城 栄一君
同日
 辞任         補欠選任
 稻村左近四郎君     天野 光晴君
  小渕 恵三君     早川  崇君
  中村 弘海君     森  美秀君
  増岡 博之君     玉生 孝久君
  玉城 栄一君     春田 重昭君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和五十一年度一般会計歳入歳出決算
 昭和五十一年度特別会計歳入歳出決算
 昭和五十一年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和五十一年度政府関係機関決算書
 昭和五十一年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和五十一年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (運輸省所管、日本国有鉄道)
     ――――◇―――――
○加藤委員長 これより会議を開きます。
 昭和五十一年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、運輸省所管及び日本国有鉄道について審査を行います。
 この際、お諮りいたします。
 本件審査のため、本日、参考人として日本鉄道建設公団理事藤田雅弘君、日本航空株式会社常務取締役手塚良成君、気象評論家根本順吉君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、参考人からの意見の聴取は、委員の質疑により行いたいと存じますので、さよう御了承願います。
○加藤委員長 それではまず、運輸大臣から概要の説明を求めます。森山運輸大臣。
○森山国務大臣 昭和五十一年度の運輸省所管一般会計及び特別会計の決算につきまして、その大要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計について申し上げます。
 第一に、運輸省主管の歳入でありますが、歳入予算額十一億七千九百七十七万円余に対し、収納済歳入額は二十一億百九十三万円余であり、差し引き九億二千二百十六万円余の増加となっております。
 第二に、運輸省所管一般会計の歳出でありますが、歳出予算現額八千七百四十五億四千九百六十九万円余に対し、支出済歳出額は八千五百六十八億四千八百八十一万円余でありまして、その差額百七十七億八十七万円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は九十五億三千三百五万円余であり、不用となりました額は八十一億六千七百八十一万円余であります。
 次に、特別会計について申し上げます。
 まず第一に、自動車損害賠償責任再保険特別会計でありますが、保険、保障及び業務の三勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は一兆四百二十八億二千二百三十五万円余であり、支出済歳出額は二千四百二十二億三千二百三十五万円余でありまして、差し引き八千五億八千九百九十九万円余の剰余を生じ、この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。
 第二に、港湾整備特別会計でありますが、港湾整備及び特定港湾施設工事の二勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は二千二百四十二億二千九百五十六万円余であり、支出済歳出額は二千七十四億四千九百十九万円余でありまして、差し引き百六十七億八千三十六万円余の剰余を生じ、この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。
 第三に、自動車検査登録特別会計でありますが、収納済歳入額は二百十九億五千二十万円余であり、支出済歳出額は百六十五億三十九万円余でありまして、差し引き五十四億四千九百八十一万円余の剰余を生じ、この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。
 第四に、空港整備特別会計でありますが、収納済歳入額は一千五十八億二百九十三万円余であり、支出済歳出額は九百九十五億九千四百八十九万円余でありまして、差し引き六十二億八百四万円余の剰余を生じ、この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。
 以上が、昭和五十一年度の運輸省所管一般会計及び特別会計の決算の大要でありまして、このうち重点施策につきましては、お手元に配布いたしました昭和五十一年度決算概要説明書をごらんいただきたいと存じます。
 最後に、本決算につきまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けた点がありましたことは、まことに遺憾であります。
 指摘を受けた事項につきましては、直ちに是正措置を講じましたが、今後、この種の事例の発生を未然に防止するため、より一層指導監督の徹底を図る所存であります。何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
 次に、昭和五十一年度日本国有鉄道の決算の大要を御説明申し上げます。
 昭和五十一年度における日本国有鉄道の運輸成績は、前年度に比し、旅客収入は約二八%、貨物収入は約一五%とおのおの増加しましたが、損益勘定におきましては、収入済額は二兆五千百四億四千百五十九万円余、支出済額は二兆六千四百六億八千四十三万円余となり、支出が収入を超過すること一千三百二億三千八百八十三万円余となりました。これは予算上の区分による収支決算の結果でありまして、いわゆる損益計算上では九千百四十億五千五十万円余の純損失となり、昭和五十一年度末の繰越欠損金は九千七百四十二億二千五百八万円余となっております。
 次に、資本勘定におきましては、収入済額は一兆五千九百二十一億五千六百三十七万円余、支出済額は一兆五千九百十五億九千八十三万円余であり、また、工事勘定におきましては、収入済額は七千八百七十億三百四十九万円余、支出済額は七千五百十五億八千九十七万円余となっております。
 また、昭和五十一年度から新たに設けられた特定債務整理特別勘定におきましては、収入済額は二千四百四十億七千五百九十八万円余、支出済額は二千四百四十億七千五百九十八万円余となっております。
 最後に、昭和五十一年度の予算の執行につきまして会計検査院から不当事項として指摘を受けた点がありましたことは、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに予算の効率的運用に一段の努力をいたすよう指導監督してまいりたいと考えております。
 なお、詳細につきましては、「昭和五十一年度日本国有鉄道決算概要説明書」によって御了承願いたいと存じます。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
 以上であります。
○加藤委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。松尾会計検査院第三局長。
○松尾会計検査院説明員 昭和五十一年度運輸省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明申し上げます。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項一件及び意見を表示しまたは処置を要求した事項一件でございます。
 まず、不当事項について説明いたします。
 検査報告番号四〇号は、公共事業関係補助事業の実施及び経理が不当と認められるもので、新潟県が事業主体となって施行した村上市岩船港改修工事において防波堤(西)用のケーソンの型枠費の積算が適切でなかったため、工事費が割高となっていたものでございます。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について説明いたします。
 これは、防波堤等築造工事におけるグラブ付自航運搬船による中詰め工費の積算に関するものでございます。
 第一、第三両港湾建設局が、五十一年度に施行した防波堤等築造工事のうち、グラブ付自航運搬船によってケーソン等に砂を中詰めする工事十三工事の予定価格の内訳について検査したところ、運輸省が定めた積算基準の内容が、最近の施工の実態に対応して整備されていないため、中詰め工費の積算が適切を欠いていると認められるものが見受けられました。したがいまして、運輸省においては、この種工事の施工の実態を十分調査検討して、積算基準の内容を整備するなどの処置を講じ、予定価格積算の適正を期する要があると認められるものでございます。
 以上、簡単でございますが説明を終わります。
○加藤委員長 次に、小野会計検査院第五局長。
○小野会計検査院説明員 昭和五十一年度日本国有鉄道の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明申し上げます。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項四件、意見を表示しまたは処置を要求した事項二件、本院の注意により当局において処置を講じたもの一件及び特に掲記を要すると認めた事項二件でございます。
 まず、不当事項について説明いたします。
 検査報告番号六二号は、防音壁等の新設工事の施行に当たり、側方遮音壁の腕材ガセット取りつけ工事費の積算が適切でなかったため、契約額が割り高になったものでございます。新幹線総局が施行した名古屋−岐阜羽島間上中架道橋防音工架設工事におきまして、架道橋の側方遮音壁設置の設計について見ますと、本げたと腕材、腕材と支材等の連結にはガセットを使用してボルトで締めつけ施工とすることにしております。しかして、ガセット取りつけ工事費の積算に当たりましては、施工個所ごとの作業単価に連結個所数を乗じまして算出すべきところ、これを誤って連結個所数よりも多いボルト締めつけのためにあける穴数を乗じて積算したため、予定価格が著しく過大になり、結局、本件工事の契約額が割り高になったと認められるものでございます。
 また、検査報告番号六三号は、部品保管庫新設工事の施工に当たり、鋼製格納だなの工場加工費の積算が適切でなかったため、契約額が割り高になったものでございます。
 新幹線総局浜松工場が施行した鋼製格納だなは、軽量形鋼等を同一寸法に多量に切断し、溶接等によって組み立てる簡単な鉄骨工事でありますから、これの積算に当たっては、切断や加工も単純で工場における仮組みも必要としない施工となっているなど、本件鋼製格納だなと構造及び加工作業の内容が類似している軽量鉄骨づくりのものに適用される歩掛かり等を準用するのが適当であったと認められますのに、加工度合いの多い荷役機械用の工場歩掛かり等を適用しましたため、予定価格が過大となり契約額が割り高となったと認められるものでございます。
 また、検査報告番号六四号は、用品荷役作業の料金の支払いに当たり、物品のたな入れ、たな出し作業回数の計算が適切でなかったため、支払い額が過大となったものでございます。
 九州総局小倉工場における荷役作業は、工場構内の用品倉庫等において車両修繕等に必要な物品のたな入れ、たな出しなどを行うもので、作業一回につき支払う料金をたな入れ、たな出し作業については、それぞれ二十キログラム以下の物品と、二十キログラム以上四十キログラムまでの物品とに分けて契約しておりますが、二十キログラム以下のたな入れ、たな出しの支払いの基礎となる作業回数を調査しましたところ、一部の物品を除き、たな入れ、たな出しに当たって発行される作業伝票に記入された一品形あるいは一包装のもの一個を取り扱うごとに一回と計算して料金を支払っていたものであります。
 しかし、一個当たりの量目が比較的軽量で、実際の取り扱いにおいて、一回に数個をまとめて取り扱うような部品類については、二十キログラムまでを個数にかかわらず一回として取り扱うのが適切であると認められるものでございます。
 検査報告番号六五号は、補償金の支払いが適正でなかったと認められるもので、下関工事局が山陽新幹線北九州地区のトンネル工事の施工に伴いまして発生いたしました沿線地区の井戸渇水に対する損害の補償として、上水道設備の設置に要した工事代金相当額を昭和四十七年度から五十一年度までの間に支払ったものでありますが、その支払い内容について検査したところ、被補償代理者から提出された請求書等が事実と明達する内容となっているのに査定及び現場の確認が不十分であったなどのため、補償金の支払いが適正でなかったと認められるものでございます。
 次に、意見を表示し、または処置を要求した事項について説明いたします。
 その一は、雨量警報器の配備等について処置を要求したものでございます。
 日本国有鉄道では、降雨量によって列車の運転規制等を行う必要上、雨量警報器を駅や保線区、保線支区、軌道検査班といった個所に配備しておりまして、その数は五十一年度末現在千百十六個となっております。
 この雨量警報器は、降雨量が一定量に達したときに警報を発するものでありまして、これには自動記録装置を備えたものとそうでないものとがございますが、その配備状況を検査いたしましたところ、保線区所に近接する駅にも記録装置のついたものを配備しておりましたが、保線区所で、雨量の観測、記録業務を行っておるのでありますから、駅で重ねて降雨量を記録する必要はありませんので、記録装置つきのものを配備する要はないと認められたものであります。
 これに関連いたしまして、記録装置のついてない雨量警報器には磁気式のものと電子式のものとが販売されておりますが、低価な電子式の方は日本国有鉄道の規格として定められておりませんので、これも使用できるように、規格を改める必要もあると認められたものであります。
 また、保線区及び軌道検査班にも雨量警報器を配備しておりますが、線路警備の発令は保線支区長が行うことになっておりますので、これらの個所には降雨量観測用の雨量計を配備すれば足りると認められたものであります。
 以上申し上げましたような観点から配備をしたといたしますと、前述いたしました千百十六個のうち四百七十六個について購入費を約九千万円程度節減できた計算になるものであります。
 このような事態に対しまして、日本国有鉄道ではこの種の機器を今後も引き続き配備することが見込まれますので、雨量警報器、雨量計を配備いたしますのにそれぞれの使用目的に応じたものが配備されるよう配備区分、規格を整備するとともに、すでに配備したものはこれを適宜配備がえするなど総局等に対する指導を適切に行い、経費の節減を図るよう改善の処置を要求したものであります。
 その二は、日本鉄道建設公団が日本国有鉄道に有償で貸し付けている鉄道施設のうち不用となっている用地について処置を要求したものでございます。
 公団が国鉄に対し有償で貸し付けている武蔵野、根岸両線の鉄道用地の管理状況について見ますと、公団が両線の建設用地等として購入した線路残地及びトンネル用地等の鉄道施設は現在すべて有償として国鉄に貸し付けられておりますが、このうちには国鉄で現在直接事業の用に供しておらず、かつ利用計画のない土地となっているのに長期間にわたり未処理のままとなっているものが両線で六万四百三十平方メートル、取得価格にして約十五億円ございます。このため国鉄におきましては不必要な借料及び管理費等の負担を余儀なくされ、また、一方公団においては、このような不用地を所有していることにより借入金の金利負担の軽減が図れない結果となっているものであります。このような事態のまま推移しましたのは、両者間で締結した財産管理に関する協定書の不備によるものと認められましたので、その内容を整備するか、または実施主体を明確に定めるなどして適切な処置を講ずるよう処置を要求したものでございます。
 次に、検査の結果、本院の注意により当局において処置を講じたものについて説明いたします。
 これは新幹線のトンネル、照明設備工事における高圧配電線路の設計についてであります。
 仙台電気工事局では、新幹線のトンネル照明設備及び軌道保守用電源設備に配電するための高圧配電線路の架設工事の設計につきましては、本社が作成した電気工作物設計施工標準に示されています六千六百ボルト、二十二平方ミリメートル単心の高圧ケーブル三条を使用することとなっており、これにより設計し架設工事費を積算したものでありますが、近年のこの種の工事では、単心の高圧ケーブルを三条より合わせたトリプレックス型ケーブルが実用化されておりまして、これを使用いたしますと架設手間がケーブル一条分となりますので、労務費等が大幅に節減でき経済的に施工できることになりますので、当局の見解をただしましたところ、国鉄では五十二年十月、このような場合に適用する設計基準を新たに定める措置を講じたものであります。
 次に、特に掲記を要すると認めた事項について説明いたします。
 その一は、日本国有鉄道の損益に関するものでございます。
 日本国有鉄道は、昭和三十九年度以来毎年度損失が発生しておりまして、五十年度末の繰越欠損金が資本金及び資本積立金の合計額を大幅に上回る状況でありましたので、五十一年度には、日本国有鉄道法が改正され、前年度末における長期負債のうち二兆五千四百億円を特別勘定に移して処理するとともに、名目五〇%の運賃料金改定を行うなどの措置が講ぜられたのでありますが、旅客、貨物とも輸送量が前年度に比べて落ち込みましたために、予期したとおりの増収が図れず、前年度とほぼ同程度の九千百四十億円に上る純損失を生じております。中でも鉄道貨物部門においては費用が収入の三倍もかかっている状況で、損失発生の主な原因となっております。
 このような状況でありましたので、五十年十二月の日本国有鉄道再建対策要綱で、五十一、五十二両年度で図ることとしていた収支均衡の回復は、五十一年度途中で修正が行われ、おおむね五十四年度を目標年度とするに至ったわけでございますが、五十二年度に入ってからの収支の状況を見ましても、この目標年度に収支の均衡を達成することが困難な状況にあると認められます。このように再建の初年度からきわめて厳しい事態を生じている状況にかんがみ、特に掲記したものでございます。
 その二は、東海道線の混雑緩和を目的とする線路増設工事の一環としての横浜新貨物線の建設についてでございます。この横浜新貨物線は湘南電車、横須賀電車の通勤時の混雑緩和の抜本的な改善を図るため、現在、同一の複線線路を併用しているのを複々線にして、湘南電車は現在線を、横須賀電車は東京−品川間は新設した地下ルートを使用し、品川−大船間は現在の貨物線を使用する計画といたしております。そこで、この貨物線の代がえとして別ルートに本件新貨物線を新設するものでありますが、この新貨物線について見ますと、四十一年五月に運輸大臣の認可を得て四十六年十月の使用開始を目途といたしまして工事費約三百二十五億円をもって四十三年十一月に工事に着手いたしました。
 しかし、五十一年度までに建設費及び関連線路増設費約七百六億円を投入してこれらの鉄道施設がほぼ完成いたしておりますのに、延べ約六百メートルの用地取得が難航していますことなどによりまして、いまだに稼働するに至っておらず、このため湘南電車、横須賀電車の混雑緩和が今後相当年月にわたって図れないことになっているというものでございます。
 なお、以上のほか、昭和五十年度決算検査報告に掲記しましたように、緩急車等の暖房用燃料積み込み作業及び特急券等の準備について、それぞれ処置を要求しましたが、これに対する日本国有鉄道の処置状況についても掲記いたしました。
 以上、日本国有鉄道の決算について検査しました結果の概要説明を終わります。
○加藤委員長 次に、日本国有鉄道当局から資金計画、事業計画等について説明を求めます。高木日本国有鉄道総裁。
○高木説明員 昭和五十一年度の日本国有鉄道の決算につきまして、ただいま、運輸大臣から予算の区分に基づく収入支出決算状況の御説明がございましたが、日本国有鉄道法第四十条に基づく財務諸表により、経営成績の概要を補足して御説明申し上げます。
 昭和五十一年度におきましては、日本国有鉄道財政再建のための特別措置として、昭和五十年度末における長期負債の一部について別整理することとし、利子補給並びに償還資金の無利子貸し付けを受けることとなりました。
 このため本年度より日本国有鉄道の計理につきましては、その他の一般勘定と特定債務整理特別勘定の二つに区分して計理いたしております。
 まず、一般勘定につきましては、営業収入は、旅客収入一兆五千二百九十億二千四百二十三万円、貨物収入二千七百七十九億二千八百七万円、雑収入七百十三億八千八十六万円、助成金千百四十七億七千七百万円、合計一兆九千九百三十一億千十六万円となっております。
 なお、助成金は、工事費補助金及び地方交通線特別交付金であります。
 この営業収入を前年度と比較いたしますと、旅客収入二千百三十八億九千八百八十六万円、率にいたしまして一六%の増加、貨物収入三百六十三億八千百三十五万円、率にいたしまして一五%の増加、雑収入四十九億千七百三十万円、率にいたしまして七%の増加、助成金八百三十億千九百七十万円、率にいたしまして四二%の減少、合計千七百二十一億七千七百八十一万円、率にいたしまして九%の増加となっております。
 旅客収入及び貨物収入の増加は主として昭和五十一年十一月に実施いたしました運賃改定によるものであります。また、助成金が前年度より減少しておりますが、これは新たな助成として地方交通線特別交付金を受けることとなりましたが、他方、特定債務整理特別勘定の新設に伴い、財政再建債利子補給金及び特別利子補給金が廃止されたことによるものであります。
 輸送量につきましては、旅客輸送量二千百四十一億四千十八万人キロ、貨物輸送量四百六十二億二千四百九十一万トンキロ、とそれぞれ前年度に比べますと旅客、貨物ともに三%の減少となりました。
 営業経費は、仲裁裁定の実施、退職人員の増加等による人件費の増加のほか、物件費の増高等がありましたが、一方、極力経費の節約に努めたこと、特定債務に係る利子を特定債務整理特別勘定に移しかえたこと等による減少がありました結果、営業経費の合計は二兆九千百五十六億千七百四十四万円、前年度に比べまして六%の増加となりました。
 この内訳は、人件費一兆三千九百六十八億千九十九万円、動力費千二百八十三億千五百九十八万円、修繕費五千八十九億九千二百五万円、業務費二千三百八十二億九千九百二十九万円、租税及び公課二百十八億四千百三万円、営業費計二兆二千九百四十二億五千九百三十四万円、利子及び債務取扱諸費三千百六十億三千四百四十万円、減価償却費二千五百六十三億八千六百二十二万円、固定資産除却費二百十億三千八十六万円、繰延資産償却費二百七十九億六百六十二万円、資本経費計六千二百十三億五千八百十万円、合計二兆九千百五十六億千七百四十四万円であります。
 以上の結果、営業成績は、営業損失九千二百二十五億七百二十八万円、営業外利益八十四億五千六百七十八万円、純損失九千百四十億五千五十万円となりました。
 このため、繰越欠損金は前年度から繰り越された欠損金三兆千六百十億二千二百三十六万円から、特定債務整理特別勘定へ移しかえた二兆五千四百四億五百万円と、固定資産再評価積立金を減額して整理した五千六百四億四千二百七十七万円を差し引き、これに本年度純損失を加えまして九千七百四十二億二千五百九万円となりました。
 次に、設備投資の概要を御説明申し上げます。
 昭和五十一年度は、東北新幹線、大都市圏の輸送対策、主要幹線の電化及び複線化、安全対策及び公害対策、合理化等の諸工事を実施いたしました結果、設備投資額は七千五百十五億八千九十八万円となりました。
 なお、昭和五十一年度の設備投資額の事項別内訳は、新幹線三千二十八億六千五百十三万円、大都市圏輸送七百五十九億四千六百九十九万円、幹線輸送九百七十四億三千六百九十五万円、安全・公害対策、合理化等二千七百五十三億三千百九十一万円、合計七千五百十五億八千九十八万円であります。
 これらの設備資金等のために、新たに長期負債の増加となる外部資金調達額は、資金運用部等からの借入金八千五百九十六億円、鉄道債券発行額六千七百三十三億三千三百五十万円、合計一兆五千三百二十九億三千三百五十万円であります。一方、長期負債の減少額は、償還額三千百三十六億三千百九十四万円、特定債務整理特別勘定への移しかえ額二兆五千四百四億五百万円、合計二兆八千五百四十億三千六百九十四万円でありまして、この結果、長期負債は前年度に比べて一兆三千二百十一億三百四十四万円減少し、昭和五十一年度末において五兆四千五百八十一億九千六百五十一万円となりました。
 また、資本積立金は、繰越欠損金を整理するため固定資産再評価積立金五千六百四億四千二百七十七万円を減額したこと等によりまして、昭和五十一年度末において八千五百九十五億六千二百九十一万円となりました。
 なお、負債・資本総額のうちに占める負債の比率は、前年度の一二二%から九四%となりました。
 次に、特別勘定につきまして御説明申し上げます。
 一般勘定から移しかえられた長期負債は、特定長期借入金二兆五千四百四億五百万円でありますが、このうち五百九十億八千三百万円を償還いたしました一方、その財源として、新たに同額の財政再建借入金を借り入れました結果、昭和五十一年度末長期負債残高は、一般勘定からの移しかえ額二兆五千四百四億五百万円と同額となっております。
 また、特定長期借入金に係る利子につきましては千八百四十九億九千二百九十九万円でありますが、この利子は同額の財政再建利子補給金の受け入れにより支出いたしております。
 最後に、昭和五十一年度の予算執行につきましては、会計検査院から不当事項四件と是正改善の処置を要求された事項二件の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後、さらに予算の効率的運用に一段の努力をいたす所存でございます。
○加藤委員長 ちょっと、記録ストップ。
    〔速記中止〕
○加藤委員長 記録開始。
 これにて説明の聴取を終わります。
○加藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。國場幸昌君。
○國場委員 運輸大臣を初め、関係の各政府委員の方々に御苦労さんとお礼を申し上げます。
 まず最初に、私は、沖繩の持つ特殊事情、復帰までに二十七カ年の断絶の中で、運輸問題にしましてもわが国都道府県全国的に共通しない問題が余りにも多い、よってこの際、沖繩問題にしぼって、立ちおくれた、また未解決なる諸問題に対して、大臣を初め関係各政府委員の方々に質問をさせていただきます。
 まず最初に、那覇空港の第一種空港、すなわち国際空港としての今後におけるわが国の航空輸送に対する役割り、また沖繩がわが国の南の玄関としての航空輸送に対する今後における展望から考えまして、那覇空港の今後の存在に対しての問題に対し御質問をいたしたいと思います。
 御案内のとおり、復帰前におきましての那覇空港というのは、国際空港として、沖繩県民あるいはまた世界各国の国民、わが国の旅行者に対しての中継基地としての親しみ、あるいは国際観光地としての乗り入れ、高度な利用によっていつでもにぎわったものでございますが、復帰後におきましては、アメリカ軍の基地があるゆえか知りませんが、アメリカのノースウエストあるいはパンアメリカンあるいはTWというのですか、外国の飛行機というのはそれだけにしぼられて、昨年までは外国航路があったわけでございます。ところが、最近に至ってそれも全部打ち切られまして、いま国際空港としての役割りは全然なく、地域県民としましては、復帰の期待とは相反しまして、那覇空港を国際空港としてぜひ実現させるべくということで再三の陳情もあり、それを実現するためには、将来の展望からしましても、いまの那覇空港ではやはり航空公害、騒音公害というようなことが必ず将来においてまた問題を醸す。こういうことであれば、いっそのこと、最も恵まれた条件のもとでいまの那覇空港の沖合い約一キロの地点に移設するのが、今後における国際空港として、また今日まで成田空港、大阪空港あるいは岩国空港とかいろいろ問題を醸しておるそういうことからしますと、何の問題もなくして、しかも容易に安価にこの実現はできるという見通しからしまして、沖繩県現地におきましては、県を初め各種団体が促進協議会を結成しまして、決議、決起大会、こういうことでやっておるのは御案内のとおりでございます。
 私は、この移設問題に対しまして、どうして移設しなければいけないか、関係省庁におきましては、いまのでスペースは大丈夫間に合っているのだ、ことさらに拡張する必要はないじゃないか、こういうことも聞いております。ところが、いまの空港は、御案内のとおりあの空港の滑走路の直面における糸満市というのがございます。その糸満市においては三百六十町歩の埋め立てをいたしまして、沖繩振興計画の中で工業振興地域と指定されております。でありますから、いまの滑走路というのは、糸満の今後の振興計画の実現の場合においては真上に行くのです。そうしますと、また大阪空港のごとく騒音公害だ、こういうことが今後、現在の那覇空港において起きることは火を見るよりも明らかでございます。
 そこにつきまして、私はこの移設しなければいけない理由はたくさんあると思うのでございます。
 いまコンコルドがシンガポールまで来ております。漏れ聞きするところによりますと、長崎にこれを誘致しよう、それには海上に空港を建設してということで、県知事を初め何かイギリス、フランスに誘致運動が展開されたということを聞いておりますが、しかし気象条件とかその他の条件によって不適であると相手国の方は言ったということも聞いております。那覇空港の、私がいま移設してもらいたいと言う場所は、本土における空港の建設とは違いまして、そこは全部干がたになっております。深いところで一メーター五十ぐらいあるでありましょう。干潮のときには全部干がたになっております。いままで専門家が言うには、四千メーターや四千五百メーター、将来において千五百名乗りのジャンボあるいはいまのコンコルドを誘致する意味においても、やはり幾らでも自由に、一つの騒音公害もなくしてこれが可能であるということであります。それから一番問題は、移設に対する費用というのが最も安上がりである、こういうことも言われております。
 かつてアメリカ統治のときに、アメリカさんは、東洋にあまたの空港ありといえども、東洋においての空港で将来千五百名乗りのジャンボ機が必ず実現するであろう、その場合においてのことからすると、沖繩以外には発着する飛行場の建設される場所はないのだ、こういうようなことを言われた。太平洋を渡るにおいてでも八十ドルくらいで可能である。それで、小型ジャンボにおいてのいまの輸送については、本土乗り入れあるいは東南アジア、こういうようなところには小型ジャンボをもっていままでどおりやればいいじゃないかということも言われたのでございますが、大臣、それに対する那覇空港の位置づけをどういたそうとするものでございましょうか、初めにお聞かせをいただきたいと思います。
○森山国務大臣 那覇空港の沖合いに空港用地を造成して滑走路を新設し、大規模な拡張を行うという構想が地元の経済団体等を中心に練られていることはただいまお話しのとおりであり、私もそのことは承っております。本空港は沖繩県の交通体系上の重要な拠点であり、航空需要の動向に対応して必要な整備を進めてまいりたい。ただ、現在の見込みによると、当面は現滑走路の延長等によって航空需要の増加に対処することが可能である。現在二千七百メーターですか、その滑走路を三千メーターに延長する事業等を推進しているというのが現状でございます。沖合いへの大規模拡張については、先ほど申しましたとおり、今後の航空需要等の動向を考慮して、地元のお考えというものを踏まえてさらに検討を進めてまいりたいというのが、私どもの現在の考え方でございます。
○國場委員 現在における利用度といいましょうか利用率からしますと、まだまだスペースは十分にあるのだ、こういうことでございますが、問題は鶏が先か卵が先かということであります。いま諸外国からのわが国に対する乗り入れの要望は三十カ国以上あるということを聞いておりますが、その点はどうでございますか。これは大臣でなくても構いません。
○森山国務大臣 現在成田空港に乗り入れたいという希望は、航空協定をすでに結んでいる国が三十一カ国、それからこれから航空協定を結んで新たに乗り入れてまいりたいという国が三十三カ国くらいあるわけでございます。御承知のような成田の現状、燃料問題、滑走路等いろいろございますが、すでに乗り入れている航空路でも増便を要望している。新しいところはぜひひとつ乗り入れたいということで、今日の現況では需要に応じ切れないということでありますから、私どもはできるだけ早い時期に平行滑走路及び横風滑走路並びに付帯設備というものを整備をいたしまして、成田が国際空港として十分な機能を発揮するようなことを考えなければいけない、できるだけ早い時期にそういうふうにしたいというように考えておるわけであります。
○國場委員 いま成田空港あるいは大阪空港あるいは福岡の空港、これらが国際空港として一番稼働しておるわけでございますが、私は那覇空港というこの位置づけを考えました場合に、航空貨物の輸送需要は年々増加しております。いまの成田空港にいたしましても、開港するまでには十二カ年余もかかっておるということでございまして、また大阪空港にしましても、瀬戸内海の方に海上空港の設置の話も出てきておるわけでございます。としますと、那覇空港をいまの地先約一キロぐらいの地点に移設し、いまの空港は、あれはほとんどが国有地でございますので、そこを空港貨物の総合集配地、すなわちコンビナートとする。そのスペースは、成田空港が北海道から大阪までを大体担当する、沖繩は、大阪、関西、四国、九州ということで、また東南アジアあるいは中国、こういうようなところの国際航空貨物の中継基地としては最もいい条件を持っております。こういうような条件を、大臣御承知のとおり、本土において中間がいま要るとか、あるいはまた大阪とか福岡に持っていくと暇取っていろいろと問題を醸すというようなことであると、いまでも沖繩の方に不定期便を持ってきておるのもあるわけでございます。でありますと、ますます拡大するであろうという航空貨物の今後における見通しからしますと、やはりこれが最も適しており、那覇空港を移設することによって、あるいはまた航空関連工業あるいはまたサービス、修理工場、こういうのも那覇空港は何の制限もなくして二十四時間も稼働することができる。わが国にいま二十四時間稼働なる国際空港というのは一つもないわけなんですね。だから、こういうことからしましても、那覇空港の建設は急ぐ必要がある、こういうようなことを私は考えるわけでございます。
 ところが、国際航空協定そのものが一番大きな問題だと思うのです。だからこれはアメリカが打ち切ったというのも、シカゴまで日本航空を入れる、こういうような取引があったということも漏れ聞いておりますが、アメリカの方ではそういうような乗り入れに対する条件をというようなことであれば、沖繩航路においてのなには必要ない。国内における航空企業に対しての問題からして、沖繩の復帰前においてあれだけの役割りを維持し沖繩県民の利便が図られていたのに対して、国益のために県益はやむを得ないのじゃないか、こういうこともおっしゃるかもしれませんが、いま台湾まで仮に行くとしました場合、フィリピンに行くとした場合、香港に行くとした場合、目と鼻の先の台湾でありますと四十五分から五十分しかかからなかったのです。それがいま、福岡、大阪回りで、便のいいときには一日で回っていくかもしれませんが、便の悪いときには二日も三日もかかるのです。それでそういうようなことで県民の負担、これは運賃の問題ですね。これももう大変な問題なんです。復帰前におけるところの百ドルから九十ドルのものが、いま福岡から回って行った場合十万五千六百円ですね。これは沖繩から直接行くと、一万五千四百円ですから往復三万八百円で行くのが、福岡回りで十万五千六百円。東京回りとしますと十五万四千六百円かかるのです。それに一日宿屋に泊まりますと、十七万から十八万円くらいかかってしまうのです。
 だから、復帰したがために沖繩にそれだけの犠牲を強いる。これはもう忍びがたい問題なんです。こちらの方もやはり沖繩県益、大きくは国益を守らなければいかない議員としまして、その立場からしますと、いろいろとぶつかってくるのはみんな議員に陳情が来るのです。その責任を負わされておるのです。だからこういうような不自然なことがあって、一万五千円で行っておったのが片道八万円も九万円もかかるのですよ。
 だからそういうようなことであるので、私は何が何でもいいから、どこの飛行機とは私は言いません。日本航空であろうがあるいはまたフィリピン航空であろうがアメリカの飛行機であろうが、何とかそういうような那覇空港に対しての需要というのを、一種空港に上げまして南の玄関として名実ともに今後の展望からしましても生かすべく、また地域住民に対しての利便をひとつお図りしていただきたい。これはもう急を要します。それに対する大臣の御所見を賜りたいと思います。
○森山国務大臣 香港は国際航空路あるのじゃないでしょうか。香港もいま消えたままですか。(國場委員「ありません。それでアメリカの必要なときにたびたび回ってくるのが現状なんです」と呼ぶ)チャーターですね。チャーターの問題については航空局長の方から後にお答えいたさせます。
 ただいまお話がありました件は、お話はよく私どももわかります。関係企業の方もせっかく現在努力中であり、そのまま黙って見ておるわけではないことは御承知のとおりでありますが、何分今日のような国際情勢の問題等がありますので、運輸省としては外務省と連絡をとって早期再開ができるように鋭意努力を続けて御期待にこたえたい、こういうふうに思っております。
 自余の問題については、航空局長から答えさせます。
○松本(操)政府委員 やや補足的な面でお答え申し上げます。
 昨年十月ごろまでパンアメリカンが那覇−台北間を飛んでおったのは先生おっしゃるとおりでございますが、これは先生おっしゃいますように日米間の航空の権益の問題ということではございませんで、むしろアメリカ自身がどうも中国本土に志向しておるということではなかろうか。日本の場合もそうでございましたけれども、やはりアメリカの場合にも米中それから米台というものをどうするかということはかなりむずかしい問題ではないかと思います。そういう絡みではないかと私ども思っておりますけれども、昨年の十月にパンアメリカンがこれをストップしてしまったのは事実でございます。実際問題として直接的に台北に行く手段が現在のところございませんので、おっしゃるように近くの空港といっても福岡を回らなければならない。
 ただ、これに対しまして昨年の十一月ごろから大体平均しまして二十便ちょっと、二十二、三便になろうかと思いますが、日本アジア航空と中華航空とがそれぞれチャーター便を飛ばしておる。大体一日半に一本くらいの割合で飛んでおるわけでございますので、差し当たっての用向きを達する方についての足は一応確保されておるということかとは思いますが、ただ定期とチャーターは本質的に違うものでございますので、大臣ただいまお答え申し上げましたように、本来的に定期便の設置ということについていま鋭意努力をしているわけでございますが、御案内のように日台間は正式の政府間の交渉という形がとれないものでございますので、関係の企業間でいろいろと議論を詰めさせ、また政府としても側面的にいろいろな配慮をしつつ、その話し合いが速やかにまとまるような方向でせっかく努力をしておる。
 したがいまして、そう遠くない時点で何とか那覇と台北との間の定期便が開設できるように今後とも鋭意努力をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○國場委員 これは台湾との航路の復活問題も絡みまして、それから那覇空港の移設問題とも関連します問題でございますが、とにかく三全総あるいは沖繩振興開発、そこにも日本の基本的な重要空港並びに港湾、これは札幌、東京、大阪、福岡それから沖繩、それを中核にしまして、それで国内、国際ともにそこをネットワークにしまして今後のわが国の輸送を円滑にする計画を実現させる、こういうことで基本的になっております。まあ何と申しましても、北の札幌からといいますとソ連以外には余りないわけなんですね、北回り線でアメリカ、カナダということもありますが。しかし、那覇空港の役割りというのは、将来の展望からしましてもこれは絶対条件だと思うのです。これは東京から大阪、福岡、沖繩とこういうような経路で行きますと、そこに東南アジア回り、中近東回りもありますし、北欧回りもありますが、沖繩を回ることそのものが、わが国の航空輸送に対しても、あるいはまた東南アジア、中近東あるいは中国というものにしましても、とても地理的条件がそろっておるということなんですね。
 御承知のとおり沖繩基地というのは、わが国においても東洋においても戦略上において大きなかなめだ、こういうことを言われております。沖繩を中心にコンパスを立てて半径二千キロで回しますと、東洋における重要都市は全部入ってしまうのですよ。それくらいに戦略上においても重要であるけれども、経済、文化の交流でも沖繩が最も重要であるということは、アメリカの統治時代に、また古くずっと明治時代以前から、沖繩におけるところのバジルホールの「沖繩探険記」とかペルリ提督の問題とか、いろいろ歴史が古いわけなんです。だから、どうしてわが国がこれを高度に生かさないかというようなことも、将来においての展望からしますと、やはり沖繩の存在価値というのは地理的条件、それからしまして軍事的、戦略的な価値というより、平時におけるわが国の経済面あるいは文化面においての価値、役割りの方がむしろ重要である。
 こういうようなことでありますので、私は将来におけるわが国の南の玄関としましてこの那覇空港が一日も早く国際空港としまして、設備そのものはいまの空港では欠陥がくることは火を見るよりも明らかでございます。いま三千メートルに延ばしておるのも、実はこれは県の方でも、あるいは那覇空港の三千メートルに延ばすのは豊見城村という村ですが、これが将来においての空港を変えるものであれば、移設をすることをとめるようなことがあれば反対ですよ、暫定的にいまの二千七百を三百メートル延ばすことに対してはいわゆる移設空港を前提とした条件でありますよということを、これは政府の方へもその連絡があったはずなんです。私は開発庁におりましたのでよく陳情も受けたわけなんですが、こういうようないままでの経過であるし、また将来の展望にしましても、この那覇空港の役割りというのが、沖繩県あるいはわが国のみならず、東南アジアあるいは中国に対する重要なる経済、文化の交流の地としての役割りを果たすというようなことからしまして、この問題に対しては早急にその実現に対して特段の御配慮をしていただきたいと思いますが、大臣はそれに対する今後の方針についていかなる所信であられるか、お聞かせをいただきたい。
○森山国務大臣 台湾につきましては、先ほど申し上げましたように外交上そごなく措置したいという問題がありますが、早期に解決するように努力をいたしたいと思います。
 また、国際空港としてもう少し活用したらいいということは、現在の情勢におきましてもその方向で検討してみたいと思っております。沖合いに大規模空港として展開していくという問題につきましては、ざらに将来の需要の動向とか地元のお考えとかをよく承って考えていく、こういうふうにお考え願いたい。
○國場委員 今後の検討というようなことでございますので、それを信じまして、ぜひ実現できますよう御要望申し上げまして、次に移りたいと思います。
 沖繩の七・三〇も済みまして、おかげをもちまして沖繩の道路、港湾、ともにずいぶん整備が進行したことに対しましては感謝申し上げるわけでございます。しかし御案内のとおり、いま沖繩の県庁所在地那覇市の渋滞といいますのは、いままでの県政、市政でもどうしたらいいのかというようなことで、実情がああいうふうにふくそうして、那覇空港まで那覇市から乗り入れるのに、普通なら十分間ぐらいでいくのが長いときには四十五分も一時間もかかる。かようなことで、モノレールだとか、あるいはまた戦前県鉄があったものですから、沖繩県民は鉄軌道をずいぶんなつかしみ、県鉄、県でさえ持っていたのだからそれを復活しようということまでよく言われておるわけです。まずそういうようなことは、高速道路も実現した今日、それをつくっておったら、いまでさえもさっきの御説明のとおり一兆円余りの国鉄の赤字からすると、これは考えものだというのは常識でしょう。ところが、那覇市における渋滞というのは、あれは海洋博前に海洋博に間に合わすために、それじゃモノレールでということで、議員立法までして第一優先でということでございましたが、現地における受け入れ体制そのものが不備なために、とうとう北九州に行ってしまった。その後も依然としてモノレールが必要だと言っているのは、これは要するに選挙の票を得るためか知りませんが、受け入れ体制もできぬのに選挙になると皆、こればかりが飛び出してしまって、言わないのは損だというきらいが事実あるわけです。だがしかし、こういうような混雑を解消するためには、どんなにしてでも政府の力をかりて実現させなければいけない。
 そこで、沖繩の交通総合開発に対しての体系、いわゆる交通体系をどうお考えでございましょうか。きょうは開発庁も御出席でありますので、その問題は開発庁が窓口でございますが、しかし主務省としましては運輸省でございますので、いままでの経過、それからその問題に対しましての今後の見通し、これは国鉄の誘致問題もあります、またモノレールの誘致問題もあります、こういうものを勘案しましてどういうようなことでこれを解消せんとするのであるか。この点は、これは県がなすべきだというようなことではございますが、しかし今日復帰して十カ年間、道路も那覇市郊外ではこれだけ整備されたといえども、これが依然としてそういうように混雑しておるということからしますと、どんなにしてでも国の力、知恵もおかりしてそれで解決しなければいけないと思うのです。
 それは開発庁が一番詳しいでしょうから、運輸省との間で国鉄あるいはモノレール、その問題についてどういうような経過を経て今後の措置をいかにせんとするものであるか、また県からはどういうような計画が出てきておるのか、これをお聞かせいただきたいと思います。
○金子説明員 お答え申し上げます。
 沖繩の交通体系整備上の問題といたしましては、本島中南部地域におきます交通渋滞の緩和という問題と、本島と離島、離島相互間の輸送体制の整備、二つが大きな課題であるというふうに認識いたしております。そういう認識に立ちまして、沖繩開発庁といたしましては、これまで道路、空港、港湾等の交通関連施設の整備を鋭意進めてきておるところでございます。
 本島におきましては、中南部地域におきます交通渋滞の緩和を重点課題といたしまして、道路網の整備を積極的に推進しておりますほか、バス専用レーンの拡張強化等の措置を講じまして、公共輸送機関の運行速度の向上と定時性の確保に努めておるところでございます。また、沖繩自動車道の南伸につきましては、本年三月建設大臣による工事施行命令が出されておるところでございます。
 ただいま御質問がございました鉄軌道の導入あるいはモノレールの建設などの構想につきましては、現在地元を中心といたしまして各種の調査が行われております。国といたしましては、これらの調査結果を慎重に検討していきたいというふうに考えておりますが、これらの大きなプロジェクトの施行につきましては、いずれも多大な投資を要するものでございます。したがいまして、基本的にはこれらの施設ができた場合の利用度、経済開発効果、採算性、管理運営方式の妥当性、こういうような問題を総合的に勘案した上で決定しなければならないと考えております。したがいまして、これらの問題について現在各方面で調査が行われておりますので、その結果を踏まえて慎重に検討してまいりたいと考えております。
○國場委員 沖繩県側からは、県政もかわりましたが、かわった後に何かそれに対する新しい計画でも出てきておりますか。
○金子説明員 現在のところ、具体的に県からその後新しい提案はございません。
○國場委員 西銘県政にしましてもこの問題は一番重要な問題でございますので、近き将来必ずまた計画が出てくると思います。何分の御協力をお願いいたします。
 それから次に、沖繩の中城湾、金武湾、これは沖繩における振興計画の中で重要な目玉とされております。もちろん那覇港とか運天港とか宮古、八重山、こうございますが、御案内のとおり東海岸、いわゆる中城湾港の開設というのは中部における目玉として絶対実現させねばいけないというようなことで、十カ年計画の中で沖繩振興開発の目玉となっておるわけでございますが、今日まで遅延した大きな理由といたしましては、沖繩総合開発十カ年計画の中に、東海岸は琉球海溝という恵まれた海の深さを持ちまして、それから沖繩の東海岸の沖、太平洋十五海里から二十海里の圏内をわが国の輸出産業、重工業、それに要する原材料が八五%その地域を通っております。私は、東南アジア、そういうかいわいからわが国の重要産業に対する原材料の輸送を考えました場合に、沖繩が中間地にあるということ、第一条件ですね。それがはるか苫小牧まで持っていくことを考えますと、そういう沖繩がちょうど半分ぐらいにあるとした場合には、十カ年計画の策定のときには、沖繩東海岸において臨海工業を勃興させて、この中城湾それから金武湾を重工、商業地帯として開設をする、これが基本であったのです。ところが御案内のとおり、本土でも見られるとおり企業誘致と言えばこれは公害なり、開発と言えばこれは破壊なり、こういうような反対をする方々のとうとう反対に遭いまして、臨海工業としての中城湾あるいはまた金武湾、その開設は、いまさっきのお話のとおり投資価値に対しての問題、経済効果に対しての問題、いろいろこういうのが兼ね合いまして、それじゃそれだけの金を入れてつくってもどういうぐあいにこれを利用するかというような問題を醸しまして、それで今日まで遅々としておくれておるというのは重々知っております。
 ところが、やはりいまさっき申し上げましたとおり、中部におけるところの、那覇港はもちろんありますが、沖繩の生活はほとんど輸入でございますから、それに対する利用として中城湾は東海岸に唯一の避難港としましても絶対条件だ。それから新県政にかわりますと、やはりそれに対する利用計画あるいは今後において、いますぐとはできないでしょう、いま本土においてでもやはり重工業に対する約三〇%の遊休設備の中で、沖繩に企業を誘致しろしろと言いましても、これは時期を失しておりましてむずかしいということはわかります。しかし、沖繩における、たとえば飼料あるいはまたその他木材基地あるいはまた流通するところの砂糖あるいはその他の産業、将来を期待すると同時に、今後の企業誘致にしましても、わが国はあまたあるといえども東洋において一番、飛行場にしましても港湾にしてでも、最もコスト安で実現可能なるものとしては沖繩が第一条件だ。
 こういうことで、アメリカ統治の時代におきまして沖繩が復帰するという段階になると、アメリカは駆け込み外資というので一生懸命外資導入が始まったのです。まずアルコアという世界一のアルミ工場、これから始まりまして、いろいろな組み立て工場、造船所とかいろいろあったのです。ところが、やはり承りますと、アメリカみたいな世界を制する大資本が復帰する沖繩県にこれを張りつけされた場合には、わが国におけるところの工業に大きな圧迫が来る、これは日米親善においても好ましくない。あのときにアルコアの社長、重役が全部来まして実現するようになっておったのです。ところが、わが国としては、日本の脆弱なるアルミ事業を圧迫するということになると、これは日米親善にも大きく影響するからやめてくれ、そのかわり、わが国においては一社ではだめだから五社で合弁の上で沖繩アルミというのをやろう、こういうことで、測量も始まって場所も決まりましてやるさなかに、これは公害だということでとうとう出ばなをくじいてしまったのですね。その影響を受けまして、あとはカタツムリがあの巣の中に引っ込むようにして頭が全部引っ込んでしまったのですよ。それであの高度成長時代の時期を失ったということは返す返すも沖繩県民としては残念といえども、さりとて、いまの失業率、いわゆる本土よりも三倍以上の失業率がある、七%と言われております。こういうような事態からしますと、復帰前における基地経済、基地は漸次縮小していくということになると、それに乗りかえるべきものはやはり工業を勃興させることだ。第二次産業、こういうような計画でありましたが、復帰後において企業が一つも誘致されていない。でありますので、基地が漸次縮小していく、基地経済にゆだねておったところの沖繩の失業率はこうなってきておる。でありますと、いやがおうでも臨海工業を張りつけて、中城湾と金武湾を重要港湾としてこれを生かしていくというような計画を、県政もかわりましたのでこれが実現に対しては最善の努力をすると同時に、地理的条件がそれだけの条件を持っておりますし、また沖繩本島の中部、これは誘致に対しての物すごい熱意を持ってやっておりますので、ぜひこれを実現させていただきたい。
 それに対しましても飛行場と一緒で、政府といたしましては調査費ということで四カ年前からずっとわずかずつはつけておりますが、それでその結果というものは、いまだに工場用地に対しての利用計画とかあるいは投資価値あるいは経済効果、こういうものからしてか知りませんが、足踏みしております。これに対して今後政府としましてこれを生かすために、また沖繩のいまの段階を何とか国策をもって経済においてでも本土並みという十カ年計画に近づけるべく、ひとつ御配慮していただきたい、こういうようなことでございますが、この中城湾港に対しての建設実現に対しましてどういうようなお考えをお持ちでありますか、それに対しての御所見を賜りたいと思います。
○森山国務大臣 ちょっとその前に、先ほど那覇から香港に航空路がないというお話でしたが、日航が週三便飛んでおりますからね。
○國場委員 だれがそういうことを言ったのです。
○森山国務大臣 週三便飛んでいる、いま調査させましたらそういうことです。
○國場委員 そんなことはありません。私は沖繩におって――そんなでたらめ言っては。
○森山国務大臣 福岡−那覇−香港週一便、東京−鹿児島、それから鹿児島−那覇−香港週二便、計週三便。
○國場委員 いつ。
○森山国務大臣 現在。
○國場委員 台湾は経由しないわけですね。
○森山国務大臣 もちろんですよ。
 あなたのお話ですと、那覇空港から東南アジアへ行く道がないとおっしゃったので、私は飛んでいるんじゃないかと思いましたから、確認をするためにちょっといま調べさせた結果をあなたに御報告申し上げておる、こういうことでございます。なお調べてみましょう。
○國場委員 私もちょっと調べてみますから、どうも済みません。
○森山国務大臣 昭和四十七年来、沖繩開発庁とか運輸省、政府側と県が協調して実現の可能性を検討しているということですね。いまお話しのように、本土復帰後、大分事情が違ってきたというようないろいろなお話もありますし、なかなか足踏みしている、これは困る、早く進めたい、こういう御趣旨だと思うのです。具体的な開発計画は、調査検討の結果がなければ進めることはできませんから、それでいま、実現の可能性についての検討を進めていただくということが第一だろうと思うのです。そしてその結果、港湾管理者である沖繩県がいよいよ港湾計画をつくろうということにならなければ、これは国の方で言うのではない、港湾管理者である沖繩県がそういう計画をつくる。そしてその計画が運輸省に出されれば、運輸省の方では港湾審議会等の意見を聞いて調整の上その実現に協力したい、こういう手順でございますから、どうかひとつ地元の体制を――港だけできたってしようがないのですから、やはりそのバックグラウンドというものが大きいわけでございますから、立地条件、バックグラウンド等は十分港湾管理者である沖繩県がお考えになる。そのお考えになった大きな計画に基づいて、お考えになった結果によってそれが出されれば、われわれとしては協力いたします、そういう手順に相なりますから、その点もひとつお含みおきいただきたいと思います。
○國場委員 いま大臣、香港までは飛んでいるよというようなことで、これは私の認識不足であったか、それが事実であるかということはあれですが、これは旅行者とかあるいはまた経済団体その他からの強い要請でございます。
 しかし、台湾の方は、大臣、ぜひひとつ実現させていただきたい。これは重ねて申しますと、台湾の方は、皆さん御承知のとおり国交はないといえども、アメリカにしましても、同じように国交を断絶したと言いながらも、去る三月九日と十日でしたか、アメリカは上下両院において、たとえ条約はどうあろうとも、しかし台湾においては現在どおりのあらゆる政府の機関とすべきものをそのまま生かしていく、また安全保障条約ですか、それは一応形としてなくなったといえども、もし中国が武力をもって台湾を統一せんとするのであれば、それに対しては絶対認めることはできない、いかなる手段をもってしてでも台湾を守る、こういうようなことです。
 いま、わが国は断絶したからというようなことで亜東協会、交流協会とかいってありますが、これまで台湾へ行きました場合、向こうのこぞっての陳情は、香港まで行って、香港にあるわが国の出先からビザをもらって香港から帰ってきて、それで本土に渡るまでの手続が長いものは二十日から一カ月、短いもので一週間余りかかるというのですね。台湾は海外旅行は自由化されて、その六〇%は香港へ行くそうです。また貿易からしましても、最近においての中国というのは大きくなったかしれませんが、経済の交流において、わが国の貿易高から見ましても、昨年の実績は五十六億ドルなんですね。だから、そういうようなつながりのあることでございますので、互いに自由陣営の中で、一つは経済の交流あるいは文化の交流、あるいは親善に対しましては、向こうが自主的に決めるということは別ですが、やはり経済の交流とか、せめて行き来ぐらいに対しては自由にできると等しいような特別なる配慮をする。大臣も閣僚でございますので、これは国策という問題からしますと、いまの現実というのは、余りにも近い沖繩との歴史の流れ、縁故から見ましても切っても切れないような立場にあるというのがいまは断絶されまして、いろいろな面において不利になっておる点がありますから、アメリカでも、米台断絶したとはいいながらも依然としてあれだけの経済活動をなし、不自然ながらも中華民国、台湾として四十カ国余りが認めておるところの中華民国ですから、そこの出入りに対しましてはとにかく特段の配慮をしていただきたい、これをお願いするわけなんです。
○森山国務大臣 お話はよくわかりますから、早期再開に向かって鋭意努力をいたしたい。先ほど申し上げたとおりでございます。
○國場委員 ありがとうございます。
 それから大臣、戦前における沖繩航路というのは大阪商船の一線航路でございまして、ほかは不定期船で山下汽船とかいろいろあったのですが、五〇%以上が民生の日常における生活必需品に対しての補助を政府から受けておったわけなんです。
 ところが、戦後においての沖繩航路、ことに復帰してからそうでございますが、いま阪神、京浜、鹿児島は定期航路があるといえども、これは内航と指定され、または二社以上が競合する航路に対しては補助ができない、こういうようなたてまえから、戦前における奄美大島本島それから沖繩本島、宮古、八重山、こういう国鉄の延長線とも言うべきところに現在連絡船もなければ、御承知のとおり沖繩には国鉄もない。こういうような立場において、ただ競合する航路だから離島補助も適用しない、内航にされておるので内航には補助することはできないのだということで済まされるものであるかどうかですね、これが一番問題なんです。
 戦前においてもその航路に対してはそうであったし、何遍も申し上げますとおり国鉄は、内航というのは、御承知のとおり四国、九州、北海道には海底トンネルあり大橋あり、あるいは連絡船あり、また渡っていきますと、その島々は全部国鉄が縦横無尽に敷かれまして、地域住民はその政府の恩恵に浴しておるわけです。ところが沖繩にはそれが一つもないのです。たとえば、四国の人口が四県で大体四百万なんですね。沖繩にはその四分の一の百八万の人口がおるわけなんです。それで四国に対しましては、皆さん御承知のとおり四国大橋、鳴門大橋一つだけでも一兆五千億以上もかかるというのですね。あと二つもまたつくるのですよ。連絡船も依然として通っておるのです。そして渡りますと国鉄が縦横無尽に敷かれていて、国鉄運賃でもってその恩恵に浴しておるのです。
 ところが沖繩は、所得にしましても本土の約七〇%ぐらいなんです。それをもろに全部自分で負担しなければいけない、こういうようなことがあってしかるべきであるか。私は国民の平等ということから考えました場合に、百万余りの者がここで生活しておる、しかも離島区において幾ら努力しても、経済所得においては本土の七〇%しかいまだに達していないということであれば、何とかこれを改善して、離島航路に準ずるというようなことでもできないものであるかどうか、その点をひとつお願いしたいわけです。
 飛行機といいましても、八五%以上飛行機を利用しておるといえども、割引はございません。そういうようなことで、船会社も琉球海運というのが沖繩現地資本であったのですが、これもとうとう破産しまして、更生法に従って管理をされておるのが現状なんです。
 でありますので、これに対しての政府の何かいい知恵はありはしないか、こういうようなことを、その立場にある今日、政府といたしまして、大臣は義侠心の強い方で、新聞で毎日毎日報じられることに対しては大きな期待を持っておりますので、どうぞひとつ沖繩に対しても特段の決断をもって、よき知恵をおかしいただきたい、こう思いますが、いかがですか。
○森山国務大臣 私のことについてお話がございましたが、何しろ陸海空の交通問題を一手に引き受けているところでございまして、いずれも国民生活に関係が深いものですから、いろいろな問題があるわけです。そのいろいろな問題にまともに取り組んでまいりますと、いまお話しのような結果になっておるかもしれませんが、まあよけいなことも申し上げておることがあるかもしれませんが、どうかひとつ御理解を願い、御支援をお願いいたしたいと思います。
 ただいま四国と比べてのお話につきましては私の立場からコメントするわけにはまいりませんが、本土−沖繩間の運賃には、県民の負担を軽減するため、旅客運賃島民割引制度というものが現在あるわけでございますね。沖繩本島、宮古、毎垣島を起点として本土までの往復切符を購入する場合に、二等運賃に限って復路運賃の三割引き、したがって往復だと一割五分ずっというようなことはやっておるわけでございますし、また生活関連物資、これはかん詰め、化学調味料、塩干魚、果物、穀類、みそ・しょうゆ類、食用油、塩、精製糖、めん類、乾燥野菜、つけもの、生鮮野菜、小麦粉、薬品、これらについての貨物運賃の値上げを二〇%に抑えたというようなこともやっておるわけであります。
 しかし、離島が多いということで、離島航路の援助のようなことをやってもらいたいということでありますが、先ほど来、複数の船会社が関係しているところではそういうのを適用外ということに現在なっておりまして、その点はどうかというのが主たるお話だと思いますが、現状はこういうことになっておりまして、なお、私もその点認識が十分深くはございませんから、私自身といたしましては、本土の方の例、また沖繩の現状、そういう点をよく検討してみたいと思います。しかし、そうだからと申して、直ちに右から左にそういうことがうまくいくというようなわけにはたてまえ上まいらないわけでございますから、その点どうか御了察願います。
○國場委員 行政執行としての場でございますので、むちゃな横車を押すわけにはいかないのは重々知っております。
 この競合する航路に対しての補助というのが、たとえ内航であろうと離島航路であろうと、まあ内航は法律によって補助することはできないということであっても、しかし、それにまた重ねて、競合する航路じゃないか、こういうようなことでございますが、いつか私はその問題に対しては同じようなことで質問をお願いしましたが、どうしてそれじゃ内航に対してこういう条件のもとでも補助できないかということでやったら、その理由は、二社以上の船が競合してやると、競争ダンピングによってかえって貨物運賃というのは、あるいは利用に対してでも安くつくんじゃないか、こういうような理論をおっしゃったものですから、これは逆だ、御承知のとおり、沖繩には六社協定というのがございまして、本土−沖繩間に船を走らせて、それで見合うところの運賃そのものは、維持できる運賃は沖繩県民が負担しておるというのが実情だということではね返したことがあるのですが、やはりこれは政府の航路権に対しての許認可ということであれば、不定期は別としましても――それは不定期でしょうかね。何かあれは修正をして航路補助とかなんとかの、戦前はどういうことであったか知りませんが、大阪商船に対して五〇%以上の赤字補てんをしておったのです。そのかわり地域住民としましては、その恩恵に浴しまして、貧乏といえども、ずいぶん日常における生活に対しての補助を受けておったということなんです。しかもこれが、本土における国鉄という恩恵も受けないし、そういう事情ですので、何か行政指導で、この航路に対しては一般県民として恩恵を受けるような措置を講ずることができないものであるかどうであるか。
 沖繩では、アメリカ施政を言うのはまことに失礼かしれませんが、アメリカはプール制といいまして、電力問題、いまでもそれをして、それから石油、あれだけの離島――有人島が三十九、四十もあって、その距離の長いところは南大東、北大東、まあ三百キロ近く、二百何十キロかあるのでしょうね、そこでも同じ価格です。これはだから、プール制という、都会地に住もうが田舎に住もうが、地域均等平等、その線からすると、全部が負担しまして、名実ともに公平を期するというような線もある程度は打ち出してもいいじゃないか。そういうことがないものだから、都市にみんな人口が集中しまして、これは仕事の問題もありますが、僻地とか離島とか、そういうものはますます無人島にしてしまうというようなことになりますので、さっきも申し上げましたとおり、これは大きな政策の一つとして――沖繩だけにそんなことを言ったって、それが適用できるか、こういうこともよく理解しておりますが、そういうような恵まれない地域に住んでおる、国民としての立場にある者があるということを御理解の上で、ひとつ賢明なる大臣、これに対して何とか、私はすぐできるということは期待しておりません。そういうような苦しい立場にある、同じ国民であって、機会均等、要するに地理的条件においての問題からして、地形的問題からして、そういう不幸のある、恵まれない者があるということだけは御理解していただきたい。大臣、それに対しての考え方をひとつ……。大臣の自分の考え方だけでもできないでしょうが、それは重々知っております。
○森山国務大臣 國場委員が郷土地元のことを思う御心情はもうありがたく拝察をいたしました。私どもも、お役に立つことがあればできるだけいたしたいと思っておりますが、いまの国の行政の仕組みというものが一応ありますものですから、やはりそういうやり方にのっとって、かつ沖繩の現状に合うように、できるだけ配慮してまいりたいと思います。
○國場委員 最後に、これは運輸省関係でもあるし、開発庁関係でもございますが、伊平屋、伊是名という、沖繩本島の東シナ海の方に浮かんだ島が最も北であります。おかげさまをもちまして、沖繩の離島空路に対しての整備、これはずいぶん改善をされておりますし、また新規開設も整備ができております。最後に残るのが伊平屋、伊是名、こういうことでございますが、そこの飛行場誘致問題に対しましては、四、五年前からずいぶん陳情も受けておるしというようなことでございましたが、伊江島に射爆場があって、その旋回圏がどうだこうだという問題もこれあり、それでいままで実現の目を見ておりません。ところが、この前機会を得まして伊平屋、伊是名へ行きましたのです。そうしたら、その旋回圏というもの、基地はすぐ撤去ということは、国策もこれあり、できませんが、その旋回圏に、地域内に飛行場をやってくれというのは今度変更しまして、何か航空局から来ましてここならば上等だよという旋回圏のほかの方に適地がある。私どもも行ってみましたが、そこは基地の問題、射爆場の問題とは全然関係がありません。だから実現させてもらうべく、こういうようなことでございましたが、これはやはり飛行場設置に対しましては、ローカル空港であろうが何であろうが、運輸省の直接関係するものでございますので、どうぞひとつその点お聞かせをいただきたいと思います。その旋回圏に関係なく外したら、それではやるかやらぬかという問題なんですが、どうぞよろしくお願いします。
○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。
 御質問の伊是名、伊平屋につきましては、いまお話しの中にございましたように、伊江島の射爆場に関連いたします空域の問題があったことも事実でございます。それから伊是名、伊平屋両島はわりあいに接近しておりますので、この両島にそれぞれ別々に空港を置くのか、いずれか一方に空港を置けばよろしいのかどうかというふうな問題もございました。
 それから地形上の問題等もございまして、どの程度の滑走路がつくれるのか、それによって就航する航空機も決まってまいりますので、そこら辺についても詰めなければならない。
 それから、あそこら辺の空域はわりあいに那覇空港に出入りする航空機でたて込んでおるところでございますので、わりあいに低いところを引っ張ってこないといけないという安全上の問題がございます。
 そこら辺のところも含めて全般的な検討を加えないとなかなか踏み切れない問題ではないか、このように私ども承知をしておったわけでございますが、いまお話のございましたように、伊江島の射爆場については何がしかの動きがあるようでもございますし、またそれはそれとしながらも、別途やや外回りをするような形で飛行機が飛ばせるのではないかというようなお話も伺っております。目下のところ県の方でこれらの点を踏まえて委細の検討をお始めになっておる、このように聞いておりますので、一応その成果を伺いました上で具体的にどうするかという問題について、さらに私どもとしても突っ込んだ検討をしていくようにしたい、このように考えております。
○國場委員 終わります。ありがとうございました。
○加藤委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。
    午後零時二十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四分開議
○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。原茂君。
○原(茂)委員 運輸省関係は久しぶりなものですからいろいろ件数を多くお伺いしますが、簡潔にお答えをいただきます。
 最初に、森山大臣が、国鉄職員、特に労働組合の代表を国鉄の監査委員に任命するという新聞発表をきのう見ました。しかしながら、ストをしないという条件がついているようですが、監査委員の任命を労組代表だけに限る――もちろんOBの皆さんは入るのでしょう、学識経験者は入るのでしょう、そのほかにやはり中小企業の代表とか荷主の代表とかそういうものを考慮してないのですか。労組代表だけを新たに監査委員に任命するということだけなのか、これが一つ。
 それから、有額回答をする方針はもうお決めになっているようですが、有額回答をする、それとストをしないというのが絡まって、ストをするようなら有額回答はしないというのじゃないと思いますが、有額回答はできる、原資の問題その他をすでに考慮をされている、ストとは別、ストがもし行われるなら大臣は大臣流の強い措置をもってこれに臨むというようなことが付随的に発表されていましたが、したがって、有額回答とストとは別、有額回答は有額回答でする、監査委員の任命に対しても同じくそういう解釈でいいのか。監査委員の任命ということはストと絡んでいるというような問題、大体三つに分けてひとつお答えをいただきたい。
 最初の、特に労組代表を新たに加えるというなら、一般人としての中小企業者代表あるいは荷主の代表というようなものも考慮して当然じゃないかと思いますが、この三つ、大臣からちょっとお答えいただきたい。
○森山国務大臣 国鉄監査委員の一人として労組側の代表を任命してもいいという考え、これはそのこと自体だけではありません、一連の構想として申し述べたわけであります。
 監査委員というのはよその公社で言えば監事というような役目でありますから、したがって一般的な基準でこれを選ぶのであって、何もその意味で中小企業の代表とかそういうような観点から一般的には見るべきことではない、こういうふうに考えております。
 ただ、この際国鉄の監査委員の一人として労組側の代表を任命してもいいという意見を表明いたしましたゆえんは、国鉄財政はいま大変なピンチに立っておることは御承知のとおり。昭和五十三年度はおおよそ一兆円の実質赤字であります。昭和五十四年度は一兆二千億円の実質赤字です。すなわち赤字が九千億、助成金が三千億、こういうことでありまして、しかも御承知のとおり累積赤字が六兆二千億円かに達しておりまして、その利払いだけで年に五千五百億になる、平均しますと一日十五億円になるというような状況です。これは損益計算の面だけでありまして建設勘定は別でありますから、ほぼ同額に近い利子を払うというようなことになっておるわけでありますから、民間で申せばもうとっくの昔破産あるいは倒産ということなのでありますが、今日のような状況になっている。
 そういう点につきまして、これを打開していくというようなことを真剣に考えなければいかぬというふうに考えておりまして、それにはやはり理事者あるいは管理者の立場に立つ人たちがもう本腰になってこれを考え直して、その危機感を十分考えて仕事に取り組んでもらわなければならない。同時に、労働組合も親方日の丸ということは許されないのでありまして、やはりこの経営の危機というものを踏まえましてしっかり取り組んでほしい、協力してほしい。しかし、口先だけで、リップサービスで協力してくれ協力してくれと言うのもいかがかと思いますから、したがって、国鉄監査委員とは国鉄法上は役員でありますけれども、役員の一人に入ってもらって、まず共通の認識を持ってもらう、国鉄の現状にメスを入れる立場にある国鉄監査委員の一人として共通の認識のもとに国鉄再建のことを考えてもらいたいということで、監査委員の一人に任命したいということを申し上げたわけであります。
 これはいままでの労働法的な考え方から言いますとまことに異例に属することでありまして、私もこれは非常の措置として考えておるわけでございますが、何しろ国鉄役員に労組側から人が入るということは、ある意味で共同決定に一歩踏み込んだような感じになるわけでございますが、私は公共企業体の性格上から考えましても、特に当面の国鉄のピンチの状態から考えましても、これは労使一体になって、そして政府もこれに協力をしてその再建を図るということが一番正しい道である、そのように考えまして、政府並びに自民党の方とも相談をして了承をとって、こういう決意を表明した次第であります。
 それから次に、スト権との関係の問題でございますが、これはもう原委員御承知のとおり、公労法十七条に一切の争議行為を禁止するという規定があるわけでございますし、スト権の問題は長期にわたって大きな問題になっていたことは御承知のとおり。しかし、先般の公共企業体等基本問題会議におきまして、ひとまずのピリオドを打たれたというふうに私どもは考えておるわけでございます。
 私自身は、もう二十年以上ストライキとかスト権とかという問題を労働問題の側面から取り組んでまいりました。しかし、経営の面から今度運輸大臣として初めて国鉄の経営内容を見まして大変びっくりしましたね。先ほど申しましたような状況でございまして、一体ストライキということができるかどうか、この公労法上一切の争議行為がないという考えではありますが、仮にストライキ権を認められているとしましても、国鉄の現状というものはストライキをすることが許される状態なのかどうか。特に五月の二十日から運賃値上げをやるわけでございますから、しかも運賃値上げ額は千六百五十億円というふうに予定されておりまして、そのうちベースアップすれば一千億円近い原資がかかるわけでございますから、それを目前に控えてストライキというものは、常識的には、少なくともわれわれの常識的には、あるいは国民的な常識においては、これは許されないものだと私は考えておる次第でございます。
 それからなお、有額回答の問題ですが、有額回答の問題につきましては、国鉄財政の現状から言えば、先ほど申しましたように今年度は一兆二千億円の実質赤字、昨年度は一兆円の実質赤字、そういう形で、この依然たるベースアップをすることが許されるかどうかということでございます。
 したがって、私もこのことはもう悩みに悩み抜いたのであります。これは主務大臣として、ただいままでやってきたからこれでいいというようなことではいけないと思う。この機会に、時期的にいまを逃したら再建の時期をつかむのはなかなかむずかしいのではないかというふうに私は考えておりますので、結論的に申し上げれば、とにかく労組側に協力を求めるというこの基本姿勢の方を重視いたしまして、企業の支払い能力という面から言えば、ないわけでございますけれども、この際は有額回答に踏み切るという決心をいたすようになったわけであります。
 したがって、国鉄の再建につきましては、労使それぞれの立場を異にはいたしますが、相協力していただく。政府もできるだけの力添えをする。しかも先ほど申しましたようにストライキができるような状況にはないはずでございますから、したがって、そういうことを前提といたしまして、有額回答の問題あるいはまた監査委員の一人に労組側代表を入れようという、少なくも従来の労働法上の常識から言えば異例の措置を考え、また今後再建をしていく過程におきましても、ここ数年間の国鉄の職員構成状況から見ますと、現在仕事をしている職員の整理というものは考えなくても、後補充を抑制することによって人員整理は可能である。再建というと何か一般的には首切りと、こうつながるような印象を与えますから、そういうことがないということを注記をいたしまして、私どもの考え方を披瀝をしたのであります。したがって、ストはできるわけがないではないかという物の考え方の上に立ってそういう意見を申し述べた次第でございます。
○原(茂)委員 いまの大臣の気持ち、よくわかりますが、たとえば監査委員に任命をする、国鉄の役員にする、異例の措置を講ずる。ヨーロッパ、特にドイツ、イギリスなどにはもう古い先例がありまして、組合がいわゆる経営参加の一形態としてこの種の問題をもっと深く突っ込んでいる前例もあります。その中にまあまあプラスもあり、マイナスもある。組合の側からもあるいは経営の側からも、メリットあり、デメリットありといういろいろな事象が出ていることも知っています。
 私、いま大臣のお考えについて一言その問題で言いたいのは、後のベースアップも同じですが、とにかく国鉄の赤字の累積のこの状態から見て出せるはずがない、とにかく一緒に働く組合というものにもよく理解をしてもらって、いわゆる国鉄再建というものに協力してもらうということが主たる考え方、これは同感です。組合といえどもそのことに関心を持たないでいいはずはない。当然、その考えは私も同感なんです。
 ただ、従来のわが国の労働組合の運動史上を見てまいりますと、にわかに経営参加の一形態としての監査委員の任命という、すなわち経営参加という形を条件なしでやっていいかどうかというと、いままでの経験から言っても非常に疑問が実は私どもの立場からはあるのです。したがって、経営参加の一形態として行うのだが、それにはかくかくの条件をつけないと、組合運動そのものは大変阻害をされ、いわゆるきばを抜かれ、最後はやはり資本なり経営の側に対決するために労働者の何があるかというと団結の力を示す以外にたい、いままでの状況を考えたときに、にわかに経営参加の一形態としてこれを受け入れるということがいいかどうかは、これは立場が違うのですが、私どもの立場では非常に大きな疑問のあるどころなんです。ただしかし、前段の大臣の考えには全く賛成ですから。
 そういう考え方で言いましても、今度はストをやらない、国鉄再建に協力する、いまストのやれる状況ではないということは、経営の側が最もよく知っておる。そのことは経営の側は最もよく知っておる。それは数字を毎日見ていますし、それから実際の社会、経済環境等にかみ合わせながらもだれが一番わかるかというと、経営の側が一番よくわかる。働いている労働組合員なりその一人一人の職員がそれを理解しているかというと、その理解は非常にほど遠い。そのチャンスに恵まれていない。また、膨大な数字を貸借対照表その他で見せられて、これでぴしっと経営の実態が頭に浮かび上がるなんという慣習は日本についていない。日本人全体のものになっていない。ですから、年に一回政府が予算書を発表しますが、その予算を見て国民が一体どの程度理解できるかというと、ほとんどの国民に理解はされていない。予算をつくる、予算を提出する、実行する皆さんの側にはこの予算というものはぴしっと頭にすぐ浮かんできて、これを中心の考え方が非常に強く出されてくる。国民全体から言ったら、恐らくもう過半数どころか大部分が、あの予算を新聞等で見ても国のいわゆる財政の実態がぴしっと頭に浮かび上がる状態にはなっていない。同じように、労働組合員というものは、いま大臣の言うような国鉄のこの状況を本当に理解できるかというと、皆さんの方は理解しやすいが、労働組合員、職員全体的に言うならば非常に理解は困難だという前提がある。であるから、国鉄役員にするということをストに並べて出した、これも異例な処置で大臣の勇断だと思うから、大歓迎です。しかしながら、むしろ監査委員に先に任命して、そうして国鉄経営の実態というものを役員としてよく見たその上で、いわゆる自主的に組合がどう判断するかも含め、また監査委員という国鉄役員の仕事を通じてできる限り組合にも知らすべきは知らせるというようなことをやる期間が先にあって、なるべく短い期間に国鉄再建への協力のため任命された監査委員が、労働組合運動そのものに大きな、正しい意味の理解を深めていくということをある程度させて、その上でストというものに対して改めて考える、あるいは考えてもらいたいという当局の意向もにじみ出すようにそこから出てくるという、順序としては、国鉄の中身を知らせるための国鉄役員である監査委員をまず任命をして、そうしてその実績の中から労働組合運動に対して何かの影響が与えられるのか、与えられないのか。歴史的な任務から言って、国鉄再建というその大きな仕事に対して労働組合として一体何を担うべきか、何をすべきかというようなことを、西欧の例にもならいながら、日本の労働運動として新たにそういう物の考え方、組合の位置づけをしていくという意味では、大臣の今度の勇断を私は非常に買うのですが、順序を、パラレルにストとこれと並べるというやり方は少し短兵急過ぎるし、わが国の実情に合わないのじゃないかという感じがしますから、もう一度大臣の考えをその点でもお聞きしたいのが一つ。
 それからもう一つは、まあ有額回答をする、とてもいまの赤字の状態で出せる状況ではない、しかし国鉄再建という大きな仕事があるので、それに協力をしてもらおうという前提で、とにかくストに対しても、ある程度国鉄再建に協力するという意味でストを考慮してもらう、同時に、そのことに重点を置きながら有額回答をしようと考えておる。ストに対して、正式のスト権のあるなしはいまおっしゃったように別の問題ですが、実質的には、何と言っても組合の要求を入れるために合法的な、彼らが考えるこれならといういわゆる闘争手段を用いるというようなことがむやみに行われていいとは思わない。かと言って、この有額回答そのものはそれと関連をするということは、絶対あってはいけないと思うのです。むしろ親の立場、経営の立場から言うなら、この困難の中でこれを出す、しかし、とにかく国鉄再建には協力する意味で、従来のやり方に対して組合は組合独自の判断なり反省なり、協力的な物の考え方をしてほしいという、こういう態度に分けて、有額回答はもうぴしっとする。ストとは絶対に絡んでいないという態度が有額回答には示されていいのじゃないか、私はこう思うのと、監査委員に対するいまの私の考え方、順序はやはり監査委員という国鉄役員で国鉄内部をもっと知らせた上で、しかる後に組合がいままでと違う、あるいはいままでと同じか知りませんが、考え方をできる限りしていただく、国鉄再建という大きな目標に向かっての新たな道を模索してもらいたい。こういうような態度がぜひ欲しいと思うし、その方が有効だというふうに考えますが、この二つ、もう一遍大臣からひとつ。
○森山国務大臣 監査委員の一人を労組側の推薦による者を任命する、こういうことは、これは見る人によって、先ほど私がちょっと言及いたしましたように参加とか決定とかいうことの第一歩のような印象を受けますが、私はとにかく国鉄の現状からいって、制度的にもまず共通の認識を持つ必要がある、そういう意味で私の方がまず主唱したわけであります。だから、このたび私は非常な措置として考えた、国鉄の監査委員に労組側の一人を任命するということがいかなる将来の方向をたどっていくかということについては、でき得るならば健全な労使協議体制の方向に向かってこれが進んでいくことを祈念はいたしておりますが、しかしとりあえずの問題は、共通の認識を持とうではないかということであります。それがとにかく国鉄役員の中に一人、労組側の代表の人を入れるということですから、これは大きな変化だということでありますが、今日の段階におけるとりあえずの非常措置として考えておるのでありまして、その動向はさらに質的にも量的にも進んでいくか、あるいはこのままでとまってしまうか、要するに一提案に終わるかは今後の動向によるだろう、そのように考えておるわけであります。
 それで、先ほど国鉄の監査委員の話に関連しまして、予算でも何でもみんなわからぬじゃないかということでございますが、やはりこれは国鉄の経営状態がどういうことであるというのは、数字の面で一々そらに覚えておりませんでも、容易でないということは頭の中では総裁から一般の職員に至るまで知っているんだと私は思うのです。そんな景気のいい状態にないということだけは知っていると私は思うのです。ただ、それを頭の中で知っているのであって、はだ身になって切実にそれを感じておるかどうかということになりますと、これは組合側にも問題がありますし、現に私は管理者側にも大いに問題があるのではないかとさえ思っているのです。とにかく決まった日になれば給料をもらえるのですからね。そして決まったときになればまるまる五カ月分近いボーナスがもらえるのですから。ですから、頭の中でそういう問題があるということを観念的にわかっておりましても、はだ身に感じてその際そういうことでどうするかということは、少なくとも国鉄のような機構ではわかりませんね。私はいま運輸大臣をいたしておりまして、私の所掌下に造船工業というものがあります。これはもう最盛時の十分の一ぐらいの注文になりましたから、なかなか容易でございません。ですから、残念ながら中小の造船所にはこらえ切れなくなって倒れたところもありますし、残ったところも、従業員をいままでのようにたくさん抱えているわけにいかない。これは涙をのんで減量経営に踏み切っておるという状況であり、また、残った人ももうベースダウン、それから勤務時間の延長等の措置もこれはとらざるを得ないような状況になっておりますね。もうとにかく定期昇給ができればありがたいんだと残った人が言っているようなそういう業界を私は目のあたりに見ますと、国鉄のように、現状は造船よりもっと悪いですからね。にもかかわらず、これが労使ともに――私から見ますればですよ。ここに国鉄総裁おりますから、私がそういう言い方をするのはどうかとは思いますけれども、労使ともにその切実感というのが必ずしも十分でなかったと私は思っております。
 そういう意味で、私は国鉄の理事者に対しましてボーナスを五十四年度から半分にするという予算上の措置をいたしました。これは全部やっていってもいいじゃないかと言う人もありますけれども、まあ、いままでの仕組みもやり方もございましたし、それから公共企業体という親方日の丸的な特性から考えて、余り理由にはなりませんけれども、足して半分に割るというようなことでやりました。しかし、最近は管理者の諸君の中にも、とにかくこの際ベースアップは辞退しようじゃないかというような空気も出てまいりまして、いささか空気が変わってまいったというふうな感じは受けておるわけであります。
 労働組合の方についてもこれは同様でございまして、しかし、あれだけのおっしゃるとおりの四十万の大衆でございますから、したがって、そういう方々に本当のことが浸透していくまでにそれは確かに時間はかかるでしょう。そういうことを考えまして、とにかく協力体制をできるだけとっていただくというために、いまとてもベースアップなんかする力は国鉄には客観的にはありません。これは原委員といえども、お仕事をしておられますから、御異議なかろうと私は思うのです。けれども、協力してもらいたいということをお願いしておるわけでございますから、この際、そう理屈張ってベースアップまかりならぬということも、今後の協力を得るという意味では問題がある、やはり協力をお願いするという意味でベースアップの件を出しておるわけであります。
 しかも、ストライキの問題につきましては、とにかくこれだけの赤字であるということは国鉄職員ならある程度知っています。数字までは覚えていなくても、そういうことは十分――十分と申しますか、ある程度は理解をしておられるわけでございますし、五月二十日から運賃引き上げという時期でございますから、この運賃引き上げが必ずしも国民の間に評判がいいとは言えないのでありまして、これを上げなければならないような、背に腹はかえられないような状況にございますから、これは政府の立場もそうでございますし、国鉄当局の立場もそうでございますし、組合の場合も全く、大きな社会的存在でございますから、同じような立場でございます。
 そういうことを考えて、今度のストはこらえてもらいたいということを私はお願いをいたしておるのでありますし、そういうふうに諸君たちの方でがんばってくれれば、私も、いままで異例のことでも何でも、とにかくできるだけのことをしたいという微意を表明した、こういうことでございまして、どうかひとつその心境につきまして原委員の格別の御理解をお願いをいたしたいと思う次第であります。
○原(茂)委員 そこで、二つちょっとお伺いしますが、労働側の代表を一人任命するというときに、いま労働組合が五つ国鉄傘下には存在しているんですね。そうすると五人になるのですか。これは五つの団体から一人なんでしょうか、どういう構想なのか、それが一つ。それからもう一つは――これは大臣には言わない方がいいな。それだけ答えてもらいたい。
○森山国務大臣 この構想を進めていくに当たっては、現実的にはいろいろ紆余曲折がこれからもあるだろうと思います。
 たとえば人数の問題にいたしましても、いま国鉄には五組合があるということは事実でございますけれども、いま監査委員全員は五名でございますから、五名の中の一名をそういうふうにしようということで、私どもはすでにもう準備ができておるわけでございます。それはあすにもそういうことになれば実行できるような形になっております。
 ただ、やかましくいろいろ考えますと、組合法にもありますように、一人の人間が経営者側にも労働者側にも両方に行くということは許されないわけでございますから、現行法のままで申しますれば、組合側の推薦する者という程度のことになろうと思います。したがって、人数その他の問題はこれから詰めていかなければならないと思います。が、とにかく基本的にこういう考え方で、主務大臣である私が一歩踏み出したということをどうお考えいただくかということの中に将来の進路を見きわめていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○原(茂)委員 その熱意と誠意はよくわかります。私がなぜその質問をしたかといいますと、ややもするとこの種の問題は――五つの組合がありまして、その組合のうちで大臣の提案に反対、賛成、もうすでにある程度出たり出なかったりしていますね。その行き先はわかりませんが、もし賛成というのと反対とが三つと二つに、あるいは一つと四つにでも分かれたような場合に、賛成の側の労働組合団体だけの推薦の一名というようなことをすると、かえって組合の――いわゆる組合の本来のあり方はやはり一つにまとまるということが一番大事なんですが、むしろまとまらないように永久にくさびを打ち込んでしまう、統率するのには分断分断というのが一番やりいいのですかち、そういうことの手段に使われるような結果になることを恐れて、いまのようなことを聞いたわけなんです。
 ですから逆に言うと、具体的に聞きますが、反対、賛成があったときに、賛成の側の労働組合団体だけの推薦の委員を一名というようなことがあってはいけないと思いますが、そのことはどうでしょうか。
○森山国務大臣 私は、五つの組合があって、それぞれのたてまえをお持ちのことを知っております。しかしながら、現在の国鉄に勤務しておられる方個人の立場から見れば、一人一人の本音は、私はこの今日の国鉄の現状を憂慮しておると思います。そこで、物言わざる職員の大勢あるいは組合員の大勢の声というものをくんでこれから考えてまいりたいと思っておるのでありまして、この問題を機会にこの五つの組合について私どもがどうこうするなどという考えは全くありません。
○原(茂)委員 そこで、国鉄の赤字がいま大変な状況になって、再建が必要だというので、おっしゃるとおり五月二十日に運賃の値上げがあるわけですが、その運賃値上げの中で、学生の割引の問題です。
 学割の問題をいまたしか七十何%になる申請をしているのですが、どうもよけいなことを言わなければよかったと思うが、言わなければいけないから総裁の方は言ったのかもしれませんが、近い将来六五%までは引き下げないと、要するに、割引率を引き下げるのですから値上げですが、六五までは引き下げなければどうもだめだ。三〇%以上の値上げになるのだが、それをあえてやらざるを得ないというようなことを総裁並びにもう一人、私の方よりあなたの方がよく知っていると思うのだけれども、おっしゃっている。吉武さんですか、常務理事が総裁のそういう意向を裏づけるようにおっしゃっている。現行の八〇・八%を七七・三%に引き下げることを申請しているのだが、こんなことではとてもじゃないが間に合わないので、六五%にしたいということを言っているのです。これはいま申請した七七・三%を今度また六五%にするということをぴしっと言っているのですが、いつやるのですか。ここでやっておいてまた追っかけてすぐやるのですか。運賃の値上げは毎年やるという意向が伝わっていますが、学割に対してこういったことをいま発表した真意は一体何なのか。私はいまの国民の経済状況からいうと、また二の矢のように六五%までやるのだ、こう言われたら大変なことになると思うのですよ。言われちゃったから大変なことになったのですが、なぜいまこういうことを発表するのか、それから、実際に六五まで下げるというお気持ちがあって、いつごろそれをやろうとするのか、二つに分けて答えてください。
○森山国務大臣 国鉄の今後の再建の方向でございますが、これは一昨年の十二月に「国鉄再建の基本方針」というものが決まりましたが、その前にできました「国鉄再建の基本方向」という各党合意の考え方を閣議了解でもってやったものであります。それによれば、昭和五十五年から本格的に取り組みまして、昭和五十年代に収支相償うようにしようということになっておるわけでございます。
 いままでもう三回くらい再建計画を立てていずれも計画倒れに終わりましたから、今度はひとつどうしても物にしなければならないというふうに考えて取り組んでいるわけでございますが、それを進めるに当たって、やはり一つは国鉄だけの経営努力でいかんともしがたいという分野、それから国鉄の経営努力をもって解決しなければならない分野、二つあるわけでございます。その後の方の問題は、昭和五十二年度の国鉄監査委員会の報告にありますとおり、国鉄の一人当たりの収入はいま大手私鉄はもとより中小私鉄よりも劣る、そういうような点は変えてもらわなければならないわけでございますが、それ以外に、国鉄の労使の努力をもってしてもいかんともしがたいという問題としまして、たとえば地方ローカル線の問題もその一つであると言われておるわけでございます。また年金の問題等、これは古い組織でございますから、日本がこれから何年か後に味わわなければならないような問題がすでに国鉄では出てきておる。この問題をどうするか。それに、たとえばいまお話がございました運賃等の学生割引でございますか、その問題をどうするかということであります。
 御承知のように国鉄運賃法は、一カ月定期で五割、それから三カ月以上でございましたか、六割というような数字が法律上決まっておるわけでございますが、現実には現在までのところ八割ちょっとというような数字になっておるわけです。今度の案で七割八分くらいに割引率の引き下げというようなことが出ておるわけでございますが、今年度をもっていたしましても、国鉄運賃法の規定する五割ないし六割と、その約八割近くとの間の差額は六百六億円くらいに相なるわけでありまして、それをどうするかということですね。
 これは、国鉄がもう長い間、八割程度でものみ込んでやってきた。現に大手私鉄は同じような割引率でやって、そういうものを込みにして鉄道の運営に当たっておるということでございますから、したがってこれを国鉄の経営努力の中に取り込んで消化していくべきだという議論もございますし、ここまできたのであるから背に腹はかえられぬということで割引率の引き下げということも考える場合もあるわけでございます。
 しかし、もし割引率をこのままでいくといたしますと、八割と五、六割の間だけで六百六億ということになるということになりますと、いずれにしてもこの穴埋めはしなければならないですから、どういう考え方をとるかによってこの問題の処置が決まっていくということで、いま一つ一つめどをつけながら処理をしなければならない。現在はまだふわっとした段階でございます。これを六月末くらいまでに国鉄側の方から案を出していただきまして、ことしの八月末の概算要求に間に合わせるように処置をいたしたいということで、現在検討中でございます。
 私は、国鉄当局が、あるいは運輸審議会か何かの話でそれを縮めたいというふうにはっきり申したのかどうかまだ聞いておりませんけれども、その点は総裁がおられますから総裁の方から御答弁願うと思いますが、事情はそういうバックグラウンドの中にあるということを、どうかひとつ御了察を願いたいと思います。
○原(茂)委員 高木さんの答弁の前に、いま大臣が言われたのでちょっと念押ししておきますが、私の聞きたいのは、貨物なり旅客運賃なりを値上げをする申請、それと一緒にいわゆる通学定期がいままで八〇・何%を今度は七七・三%、率にして三・五%引き下げという申請をしておいて、その申請に対して運輸審議会が五月の連休明けに答申を出そうといっているこの間際に、なぜ一体、次にまだ六五%まで引き下げる、そうしなければやっていけないのだ、不十分だ、この通学定期に対してだけ二回分を一遍にといったようなことを言うのかということも含めて質問していますから、総裁答えてください。
○高木説明員 学割の制度は非常に古くからあるわけでございますけれども、現在の八〇・八という程度の割引というのは、過去におきましてもかなり高い水準の割引率だというふうに考えております。戦前等から考えましても、現在の八〇・八は、割引率がどう見ても少し高いのではないかというふうに思っておるわけでございまして、そのゆえに五十三年度の運賃改定の機会にもこの是正方をお願いをいたしまして、私どもの案とは大分違うものになりましたけれども、割引率の一%修正が行われたわけでございまして、今度は、いま三・五%修正ということでお願いをいたしておるわけでございます。
 そうしますと、運輸審議会を初めとしてその案についていろいろ御批判を寄せられるに当たりまして、一体国鉄は何を考えているのだ、毎年毎年学生の割引率を修正するという案を持ち出してくるのだが行き着く先はどこなんだということを聞かれるわけでございまして、そのことにつきましては現在部内で学識経験者と申しますか専門の方と申しますか、そういう方に御意見を承っておる最中でございまして、どの程度であれば合理的であるかということは、まだ私どもは何も見当がついておりません。しかし、それにしてもいまの率は割引率が少し大き過ぎるのではないかということでお願いをしておるわけでございます。
 そういうふうに御説明しているわけでございますが、そういたしますと一部の方々に、いま研究中、研究中ということで際限なく目安もなくどんどん修正するというのはよろしくない、学識経験者やそういう方に伺うについても何か君たち自身に一つの目安というものがないのかというようなことがしばしば問われるわけでございまして、その中の一つとして、これは本当の目安にすぎませんがという前提で私ども申しておりますのは、戦前の通勤の割引率に比べて通学の割引率はどういう姿になっておったかということになりますと、通勤の割引率よりは三割ぐらい学生の割引率が大きいということになりますので、それこれを考えますと六五%とかその前後というようなところが一つの目安になるかもしれませんけれども、これはなかなかむずかしい問題です。それから学生の負担あるいは父兄の負担ということを考え、それに対して政府が国鉄と別に政策としてどういう助成をなさるかという問題もありますので、いまのところははっきりいたしませんと、しかしどうしても何か言えということで、全く目安がなければ、年々一%なり二%なり三%なり少しずつ直していくというのでは余りにも乱暴だ、目安がなさ過ぎるというきついお尋ねがございますので、そういう機会には、いま申しましたような、たとえば戦前の水準を考えますと、六五、六とか六七、八とか六三、四とか、そういうような数字が出てまいりますということを申しておるわけでございまして、いろいろな形でそうしたことを申し上げていることについていろいろ報道がされておりますが、その前後のやりとりもひとつおくみ取り願いまして、そういう雰囲気で申し上げたということを御理解いただきたいと思います。
 いずれにしましても、この学生割引問題は非常にむずかしい問題で、特に負担論との関係から見ますとむずかしい問題でございまして、そこへ入る前に、いま私どもとして本来われわれのコストその他から考えましてどのぐらいまでということでそういう議論が行われているんだということも一言つけ加えさせていただきたいと思います。
○原(茂)委員 いまの総裁の答弁を聞いていて、まあ言わなくてもいいんでしょうが、知っているでしょうが、現在では通勤定期を考えるときには各職場で通勤手当というものを出していることを考えておくべきだと思うのですね。その通勤定期の今日までと比べて、六五にしても安い、通学定期を六五%まで引き下げても、通勤定期と比べろと三〇%程度まだ安い、だから一応の目安として六五というものを考えているという、いまいろいろ答弁があって、ついでに言ったんだと言うのですが、その点が一つ問題なのと、もう一つは、いろいろ、じゃこの次はどうするんだ、何回も何回もやるのかといって聞かれるからつい言ったんだと言うならば、運賃の改定なり貨物運賃の改定に対してもその種の発言があったのならまだいい。通学定期だけに対してその種の発言があったというのが解せないということにもなるのです。
 いずれにしても、いま七七・三を申請しておきながら、ようやく五月にはもう運輸審議会の答申が出るというときに、聞かれたからといって、通学定期だけに対してまだまだ安過ぎるので一つのめどとしては六五%まで引き下げるというめどを考えていると言わんばかりの発表の仕方、物の言い方は、当局者として軽率だ、不注意だと私は思う。ほかの運賃なり貨物運賃に対しては何も言わない、通学定期だけに対して、ついそのことが余り言われ、聞かれるから言ったんだというので過ごすにしては、こういう物の言い方は少し軽率過ぎるというふうに思いますし、こんなばかげた通学定期のいわゆる引き下げということには断じて承服できない。現在の諸般の情勢から言って、これは何かほかの方法を考えて、これに対しては手をつくべきではない、六五なんということは考えるべきではないというふうに考えていることだけ申し上げておきます。
 それから、いまの国鉄再建に関係して国鉄がいわゆる日本国有鉄道法の六条の改正を行っていろんないわゆる事業部門の拡大ができるようになりました。時間の都合で、いろいろ聞きたいと思ったのですが、それはやめまして、長野県の私の地元にある問題で一つお伺いいたしますが、茅野市の蓼科に横岳というのがありますが、そこのロープウエーの南側の八ケ岳山ろく一帯約百五十万平米の土地、これを何とか新たな運営対象にしていきたい、事業の拡張の対象にしたい、地元にもその要望があり、国鉄もこれをよしとして調査に入りました。国鉄も五百万円すでに予算をつけ、お金を使ってその調査がいま進んでいるわけです。本年三月にはその調査の結果が出るということに目標としてなっていたんですが、三月に調査の内容がちゃんと出たのかどうか。コンサルタントに依頼したと思うのですが、その調査結果はどうなっているのか。
 対象地の立地性の分析をやったり、敷地の状況と自然条件を考えたり、周辺地域の観光、レクリエーション事業の動向、これもあわせ考えて、投資事業の可能性をという四つに分けた調査が進められ、そして本年三月にはその調査結果が出るのに基づいて、日本国有鉄道としてこの事業に手をつけるかどうかという段階をいま迎えているわけですが、それがどうなっているのか、調査が出たかどうか、一つ。
 それからついでに後続けてお聞きしておきますが、これを開発する場合に、国鉄側では地元の茅野市または市の開発公社、どっちになるかわかりません、それから輸送業などの民間会社等々を加えて第三セクター方式、これを前提としているらしいというふうに思うのですが、この点は一体どうなのか。
 それから、長野県の企業局が経営していますピラタスロープウエーというのがあるのですが、これの施設経営というものを開発の中心に据えないと非常に不便があるので、この移管なども考えているように思いますが、これは一体どうお考えになっているのか。第一、第二、第三、三つに分けてひとつお答えをいただきたい。
 ついでにもう一つ聞いちゃいましょう。いま千九百万平米にわたる国鉄所有の遊休地があると言われていますが、これをその後どういうふうに減らして、要するに赤字再建のための道具というか仕事としてこの遊休地を貸したり売ったりというようなことが進められているのかどうか、千九百万平米と言われているものがいまどのくらいになっているのか、どういう状況にあるかを四つ目に、一緒に答えていただきたい。
○高木説明員 ただいまのお尋ねの茅野といいますか、蓼科の問題でございますが、これは一昨年の国鉄法の改正によりまして、営業線の利用促進に資する事業であれば投資することが許されるということになったわけでございます。いまそうしたものについても適当な事業計画があるか、どうかいろいろ探しておるわけでございますけれども、山岳地帯もしくは海岸周辺にいろいろな施設を設けて、そしてひとつ地域の開発にも役立つことであるからやってほしいというお話は、かなりの地区からいろいろな形で現在出てきております。
 長野県の蓼科地区のいまお尋ねの問題もその中の一つとして地元の方から御熱心にお申し出があるわけでございますけれども、率直に申しまして私どもの方も一遍に全国的にあれこれいたすわけにもまいりませんので、各地域からお話がございました場合にはまず調査をするということから始めておるわけでございまして、地元では大変具体的に進む可能性ありという御期待をお持ちのようでございますけれども、私どもとしては現段階はまだほんの初歩の調査の段階として考えております。私は寡聞にしてまだその調査の結果がまとまったかどうか、それを地元の方にお示しするような結果まで来ておるかどうか、そこまでは聞いておりません。現在まだ調査が進行中なのではないかというふうに思います。しかし、いたずらに地元の方に御期待を持たせてもいけませんから、調査の結果が出ましたならば、なるべく速やかにそれをお示しし、先へ進むべきものであれば、いろいろ御相談申し上げたいと思います。
 それから、運営形態をどうするかということでございますけれども、これは私どもの国鉄としての利益もありますけれども、地元の発展というようなことにも大変関係があるわけでございますから、何かやります場合には、私どもが単独で出資をしてやるということではなくて、やはり関係の方々、特に地元の方々にも資本参加を願ってやるというのがよろしいのではないか。まだこうした式の投資事業は余り多くの地域でやっておりませんけれども、いままでの考え方で言いますと、やはり私どもだけでなくて、地元の方々あるいは関係者の方々に共同で資本参加をいただくということが望ましいのではないかというふうに思います。
 それから、いまもう一つお尋ねがございましたリフト等の関係でございますけれども、そこらも私自身は詳しく承知しておりませんが、もしここで新しい投資事業をやるということが望ましいということになりまして、さらに前向きに物事を取り扱いましょうという方向になります段階において、これは地元の御意見を中心にまとめていくべき問題ではないかというふうに思っております。
 それから四番目のお尋ねの、全体二千ヘクタールの使い道といいますか、処理方につきましては、現在のところ大体半分の千ヘクタールのものはいわば不用地でございまして、また当面何か事業に使うという当てもありませんし、また関連事業に使うのにもなかなかぐあいの悪いような土地でございますので、千九百ヘクタールといいますか、二千ヘクタールの半分は何とか処分をいたしたいわけでございますけれども、これまた土地の条件その他から言いまして買い手がないところが多いので、なかなかその処分は進んでおりません。
 それから、あとの半分のうちのまた半分、約五百ヘクタール前後のものは、これは私どもはレール関係で将来使う当てがあるといいますか、複線にするとかあるいは駅前の整備をするとかいうことに関連して現在持っておる土地でございまして、あるいはレールの建設のための敷地であるわけでございますので、これはそのまま、時間的に何年先に使うことになるかは別といたしまして、レールの関係の仕事に使いたいと思っております。
 残りの半分、つまり全体の四分の一に当たります約五百ヘクタールのものは、事業用でなしに何かいろいろな関係でレール以外の仕事に有効に使うか、あるいはどうも有効な使い方がなければ処分をするか、しかし、一応使う方をまず頭に置いて、それを研究した上で当面使い道がなければ処分をしていくというふうな、大ざっぱに分けましてそんなような見当でおるわけでございます。
 まだ動き出しましてからほんの一年前後のことでございますので、二年ほど前にもこういったことを申し上げましたが、数字的にはっきりその二千ヘクタールが何ぼに減りましたとか、あるいはふえましたとか、幾ら処分しましたとかいうことを御説明するほど処理はうまく進んでいるというわけにはいかない現状でございます。
○原(茂)委員 いまの横岳の八ケ岳山ろく一帯百五十万平米の問題を五百万かけて調査をやって、本年三月に調査結果が出ると言われてやってきた。それは総裁は御存じなくても、きょうここにいっぱい幹部がおいでになる。前にこのことを聞くということを言ってあるのですから、したがってその時期はどうなるのですか。三月というのは出ないのですか。いつになったら出るのですか。
○吉武説明員 さっき三月中と先生がおっしゃいました調査につきましては、ちょっとおくれておりまして、大体今月中に出るというふうな状況であるというふうに聞いております。
○原(茂)委員 その問題はそれでとめておきます。
 ここで大臣に聞いておいて他に移りたいと思うのですが、大臣はどこへ行ったのですか。――じゃ、大臣の前に、ガルフストリームU型機、これの問題について、会計検査院の松尾さんおいでになっているようですからお伺いいたしますが、次期あるいは問題の起きたグラマン、ダグラスのいま日商岩井に絡む事件に関連して、ことしの一月に、これは定例の検査のようですが、ちょうど住友から入りましたこのGU型機に対しての実地調査をおやりになったようですが、そこで何をおつかみになったのでしょうか。
 その聞きたい要点は、ダグラス、グラマンのいま起きている日商岩井の問題のうわさされるようないわゆる逆転と関連して、いきなりグラマン社のGU型機を購入したということに対する問題や、あるいは三十万ドルの手数料、これが一体本当に手数料として検査院でも理解できる形での支払いがなされたのかどうか、恐らくこういうところに重点を置いてお調べになったと思うのですが、二つに分けてひとつお答えをいただきたい。
○松尾会計検査院説明員 御説明いたします。
 本年一月のSECの報告によりまして、GU型機の購入に絡みましてグラマン社から住友商事に三十万ドル余のコミッションが払われているということが報告されましたが、検査院としましては、これらコミッションの性格、金額、経緯等の実態を把握しまして、これが航空機の購入価格にどのように影響を持っているかという見地から検査を進めたわけでございます。
 飛行機の購入につきましては、購入の経緯とか、一応の価格、予算とか、あるいは支払いにつきましては、この購入が四十九年度までに終わっておりますので、四十八年の九月あるいは五十年の三月の検査におきまして一通りの検査をしまして問題はないということで過ごしてきたわけでございますが、ことしの一月になりまして改めて運輸省航空局の検査の際に見直し検査を行いまして、それから引き続きまして、航空局が住友商事から事情を聴取しました結果を聴取する。二月になりまして航空局の職員立ち会いのもとでございますが、直接住友商事から事情を聴取しております。
 聴取した内容は、一月の検査におきましては、予定価格の積算とか、ガルフストリームU型を選定した経緯とか、確定契約の契約額の算定とかにつきまして調査しまして、それからSECの報告の三十万ドル余のコミッション等の内容及び受け入れにつきまして運輸省側の見解を聞いたわけでございます。また一月の航空局が住友商事から事情を聴取した結果を聞いたと申しますのは、三十万ドル余のコミッションの内訳及び受け取りの理由を聞いたわけでございます。二月に住友商事から事情を聴取したといいますのは、コミッションの内容のほかに、住友商事とグラマンとの代理店契約の関係、それからU型機購入の契約書の関係、これらを提示してもらいたいということで調査を進めたわけでございます。
 この結果でございますが、現在までの状況を概略申し上げますと、三月に至りまして、住友商事から同機購入に関する契約書、代理店契約書、それからコミッションの支払い同意書等の開示を受けたわけでございます。それから三十万ドルのコミッションにつきましては、米国グラマン社からの米国住商に対しますコミッション支払いの同意書、それから住友商事からの説明によりまして、その支払いの時期及び金額等を確認いたしたわけでございます。この金額は三十万八百五十三ドル余でございまして、住友商事の説明によりますと、仕入れ高を値引きというかっこうで会社の経理に受け入れられているわけでございます。その内容につきましては、このうち十六万九千ドル余が、運輸省の住友商事に対します支払い条件と住友商事のグラマン社への支払い条件との相違によりまして住友商事側が立てかえ払いしておりますが、立てかえ金の利息相当額であるという説明を受けております。
 検査院としましては、住友商事からこの十六万九千ドル余の計算の根拠と申しますか、その一覧表をとりまして検討したわけでございますが、立てかえ金の支払い時期それから支払いの金額等については、会社の資料によりましてすべて確認を終わっております。
 三十万ドルのコミッションの約十七万ドルの利子を引きました残りの十三万ドル余についてでございますが、これにつきましては、住友商事がグラマン社に対し提供した役務すなわち販売に至るまでのサービス、それから納入後のアフターサービス、これにつきまして商社がメーカーにかわって行ったいわゆる代理店活動であると説明を受けておりますが、これらに関する費用を住友商事の経理の中から取り出しまして、GU型機だけの分を取り出して確定するというのが非常に困難な作業でございまして、これについての確認はまだ終わっておりません。
 それから、一番最初に御質問がありました機種選定につきましては、当初運輸省につきまして調査しましたところ、特に変わった点はないというふうに理解しております。
 以上が、大体検査の状況でございます。
○原(茂)委員 まとめて両方へお伺いしますが、検査院には、いままだ確認できていないというのだが、いつ確認できるのか、それを一つお伺いしたい。
 それから、松本局長に、住友から口頭ではこのコミッションの内訳を聞いた、先払い十七万、何が十三万というようなことを聞いたのだが、これではいけないというので、文書で回答をよこすようにということを要求されたのですが、その文書による、住友からいわゆるこの三十万ドルの手数料の内訳はこうこうこうでございますという文書が回答として来ているはずですが、その回答の内容はどんなものかをお伺いしたい。
○松尾会計検査院説明員 先ほども申しましたように、商社の活動費の内容につきまして、ガルフストリームU型機だけの分を取り出すというのは非常に困難な作業でありまして、住友商事側にも大分しつこく言っておるのでございますが、なかなか出てこないというかっこうがありまして、現在のところ、これにつきましてはいつというふうにはちょっとお約束できない事態でございます。これにつきましては、なお一層今後とも督促しまして、あるいはほかの手段を講ずるなどしまして、なるたけこちらの納得のいく額を探りたいと考えております。
○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。
 最初の、三十万ドル余の手数料の内訳につきましては、私あての二月六日の書面の中に、先ほど会計検査院の方から御説明のございました三十万八百五十三ドル十三セントというのが正確な数字であって、その内訳は、金利負担分十六万九千百二十三ドル八十五セント及び役務に対する対価、いわゆるコミッションと称されるものが十三万一千七百二十九ドル二十八セント、こういうことでありますということを確認をいたしました。
 さらに、SEC報告に言うところの三十万ドル余というのはこれであるかどうかという点を重ねて確認をいたしましたところ、これは三月十六日付の書面でグラマンに改めて住友の方から問いただしたわけでございますが、グラマンの方からも、この三十万ドル余というのは三十万八百五十三ドル十三セントのことであるということを確認いたしましたので、数字的にはきちっと符合したわけでございます。
○原(茂)委員 すると、これは両者にお伺いするのですが、SECの不正のにおいがするという指摘に対しては、検査院は、その観点でいままで調べた感じでどうなのか。航空局としては、一体これに対してはどのように感じているのか。SECの指摘に対する感想を両者からひとつ。
○松尾会計検査院説明員 現在まだ、先ほど申したように、十分な確認が終わってない段階でございますので、特にどうだということもちょっと言えないのでございますけれども、現在までの調査によりますと、住友商事側も代理店契約書あるいは購入契約書、手数料などを開示するという非常に良心的なところがございまして、こちらの要求した資料も非常に詳しいのを出しております。それによって見たところは、特に気持ちとしてはそうおかしな点はないんじゃないかという気持ちを得ておりますが、これはなお、結果につきましては今後の調査を待ちたいと考えております。
○松本(操)政府委員 私どもといたしましても、先生御指摘の点は大変に気になるところでございましたので、住友商事を通じグラマン社に対し、何ゆえにこのような書類が出ているのかという点の解明を要求いたしました。先ほど御報告いたしました三月十六日付のレターの中で、日本政府にコンシールされた云々というのがございました。これは非常に私ども気になったわけでございます。これに対します先方の回答といたしまして、日本政府というのはきわめて大づかみに言っておるのであって、航空局がどうだとか税務署がどうだとかいうふうなことを必ずしも正確につかんだ上で言ったわけではない。日本政府と、こう簡単にとらえただけであります。それから、コンシール、隠された云々というのは、どういう報告がだれに対して隠されたか隠されなかったかというふうな点を必ずしも究明したわけではなくて、そのようなことがあったのではないかと思うという程度の趣旨に理解してもらいたい、こういう解説と申しますか説明を言ってきております。
 その余の点につきましては、私ども、即刻住商を呼んでいろいろ聞きただしました点につきましては、先ほど検査院の方からもお話がございましたが、わりあいに率直に、かなり委細な数字を添えて、かつ、帳簿等につきましてもきちっと経理、計算がしてあるようでございますので、私どもといたしましては、現時点において完全一〇〇%に解明が終わったとは申しませんけれども、まず現在までのところ、住友商事についての私どもの直接な疑惑、こういう点がどうもおかしいんじゃないかというふうな点はないのではないかと考えてはおりますけれども、なお、検査院等の御指導を受けつつ、とことんわかる限りのところは詰めるようにしたい、こう考えております。
○原(茂)委員 この点に関しては、私どもはやはりグラマン、ダグラスのあの問題等に関連して大きな疑惑を持っていくわけですが、大至急に検査院それから運輸省は、責任を持ってわれわれが疑惑と感ずるものに答え得るようなきっちりした調査をして解明するというふうにぜひやっていただきたいと思う。これはそうする義務があるわけですから、やっていただきたい。
 そこで、大臣にちょっと、その問題はいいのですが、次にお伺いしますが、この間、ロッキードに関係した全日空の若狭会長に対しての意思表示を、大臣が安西社長が来られたときにされたようですね。もう道義的にも退陣をされてしかるべきではないかと。それを受けて安西社長が後で、とにかくあの大臣というのは言い出したら聞かない大臣でうるさいが、しかし会社の方針はそう大臣から言われても変える気持ちはないと言っている。言い出したら聞かない大臣がそう言われっ放しで終わるのかどうか、これが一つ。
 二つ目に、尖閣列島の問題ですが、尖閣列島に対しては沖繩開発庁の意思が強く働いて調査費も三千万円ついて、現在とにかく尖閣列島に手をつけることになった。ただ、手をつけるのですが、つけるのに二つ方針がある。今後のために海洋調査その他波の高さを調べるとかという調査もある。実効支配というものを確立するんだというために少なくとも何かの建造物を建てるという方針もなければいけない。ことしの二月には、大臣は、実効支配という立場に立って、尖閣列島にどんな種類のものであろうととにかく建造物をつくるというようなことを中心に意思表示をされていますが、尖閣列島に今日着手をするという方針ですが、実効支配を確立するというのが基本方針なのか、単なる周りにおける潮流なりあるいは波高なりを今後のために調べておくという調査なのか、いずれのお考えで大臣は尖閣列島について臨むのか。
 もう一つは、いま申し上げた若狭の退陣について、安西社長は、うるさいけれどもとにかくやりません、会社の方針は変えませんよ、こう言っているのだが、一体このままで、安西が言うならしようがない、聞かない大臣じゃなくなって聞く大臣になるのかどうか、その二つ、お伺いする。
○森山国務大臣 若狭会長の問題は、四月に入りまして全日空の安西社長が私のところへ日航のフィル・アップ・ライトの要請に対して反対するということで話を持ってまいりましたが、それとあわせて春闘の状況についての報告があったわけであります。そこで、私は全日空の職員の給与水準というものをひとつ知らせてもらいたいというのが第一点。
 それから第二点に、かねがねちょっと不思議に思っておりましたことで、インドネシア航空路のことに関連しまして五十機チャーター便を飛ばすというのがこの一月の二十幾日でございましたか、全日空から発表されておって、その発表に対して、航空当局、少なくも私は、それについて話を聞いておらなかったということもございまして、そのことについて一体どうなのか。これはただいま御質疑の本題から離れますが、私からそれについて質問をした。
 それから第三点は、ロッキードに関連されて現に刑事被告人になっている若狭会長が依然として会社の取締役会長という重職にあるということにつきまして、会社側はどう考えておるのかという質問をいたしました。それについて会社側では、若狭さんという人がぜひ必要だから残ってくれということで今日に至ったということでございます。私から、それは若狭さんというのは運輸次官までやられた方であり、話によれば大変な切れ者であるということではあろうが、しかし、政党や商社がこういう問題について自粛しておるのにもかかわらず、若狭さんが依然として座っているということは、これは御本人にとってもひいきの引き倒しになって、御本人のためにもならぬし、また会社側にとってもイメージダウンになってためにならないのではないか、いかがなものかと、こういう感想を申し上げたわけであります。そうしたら、安西社長の話によれば、それは前にも大臣からそういうことを聞いたことがある――私が十二月、大臣に就任後にそういうことを話したようでございますね。しかし、私はそういうことを話したということを失念しておりましたが、かねがね思っておったことを話した、こういうことであろうかと思っております。
 その後全日空がどういうお考えを持たれたかにつきましては、直接まだお伺いはいたしておりません。新聞紙上いろいろ伝わりますが、ただ、航空会社というものは、日航のように日本政府が株を持っておる、すでに日本航空株式会社法によろ特殊会社の立場をとっておるところも、また私心業の立場をとっておるところも、いずれも国の路線権の上に企業の存立の基礎があるわけでございますから、その路線権の上で最近の航空需要によって高収益を上げているからといって、そういう考えで進むのはいかがか。全日空自身は公益的企業だということも運輸省の方へ参っておる文書には載っておるわけでございますから、私のところは私企業だからということで許されるかどうかでございます。
 しかし、自分のところは株式会社法による民間会社だからといって、今後どういう御方針をおとりになるか、御方針のとり方で、私はそういう会社だと思っておつき合いするほかないと思うのでありまして、大きくは国民の判断するものでありますし、主務官庁である運輸省もこれによってそういう判断をすべきである。ロッキード事件後に、運輸省といたしましては、何らかの面で運輸行政のあり方に疑惑を与えないように、こういうことが再び起こらないような行政体制を確立するために、昭和五十一年八月二十五日省内に運輸行政総点検本部を設置して運輸省の行政活動の全般にわたって総点検を実施した。そういう一つの反省があるならば、私の言うようなことは異例なことかもしれませんけれども、やはり率直に申し上ぐべきことであると考えておる次第でございます。
 尖閣列島の問題につきましては、これはわが国の領土であることは間違いないと私どもは考えておるわけであります。したがって、国の施策として講ずべき施策は講ずる、何も実効的支配を誇示するというような意味ではなくて、尖閣列島の一部には海上保安庁の水路標識はすでに打たれておりますし、またことしの三月に尖閣列島自体に、あれは魚釣島という島に航路標識を打っておるわけであります。それからさらに沖繩開発庁では、あの地区の調査のための調査費をすでに三千万円昭和五十四年度予算で計上してございますから、海上保安庁といたしましては――私の傘下に海上保安庁もあるわけでございまして、そういう調査に協力するという意味で、場外離着陸場、仮ヘリポートのようなものをつくってこの調査に協力しようということを決めたわけでありまして、きわめて当然なことをやっておるわけでございますから、どうかその点御了承をお願いいたしたいと思います。
○原(茂)委員 尖閣列島については、実効支配の確立という方針を変えていない、それで通すんだ、大臣のそういう意思表示と受け取っていいですね。よければうんと言い、そうでなければこうやってもらえばいいのですが……。
○森山国務大臣 海上保安庁で水路標識を打ち込むとか、それから沖繩開発庁が調査に当たるとか、また私どもがそれに対して協力をして仮ヘリポートをつくるというようなことは、これは当然の行政活動でございまして、それは何もことさら実効的支配を誇示するというような性格でない、当然のことをやっておる、こういうふうに考えております。
○原(茂)委員 もっと強い主張ですね。結構です。それ以上これは申し上げません。
 そこで、根本先生まことに申しわけありません、少し待たせ過ぎて申しわけありませんが、きょうおいでいただきましたのは、わが国のこの異常気象、世界的な異常気象の一環ではあるんでしょうが、この異常気象が及ぼすもの、いよいよ夏を控えているのですが、今後についてどうお思いになるだろうか、お教えをいただきたいという、そのつもりできょうおいでいただいたわけなんです。
 実は「近年における世界の異常気象の実態調査とその長期見通しについてII(要旨)」ですが、気象庁がこの三月に出しているわけなんです。ごらんになっていると思いますが、その「要旨」の中に、(1)の「実態調査」に「近年の天候の変動について」という項があるのですが、「全世界を平均すると、異常低温と異常少雨が目立っているが、」これは表が別にあるのですが、こういう前提で物を言っているのです。この二ページのイの項に「近年の気候の変化について」というくだりがある。「日本の気温については、一九六〇年代初期に寒冷化傾向が始まったが、一九七〇年代に入って停滞気味を示し、また、降水量については一九六〇年代後半から少雨傾向が持続している。」というふうに言っていますが、この点は現在の段階を考えますと少し違っているんじゃないかという考えがしますが、根本先生の御意見をお伺いしたい。これが一つです。
 それから、「気候の変化の予測について」というのが(2)でやはり二ページにあるのです。これに「太陽黒点数の長期的減少傾向」というくだりがあるのですが、この太陽黒点の長期的減少傾向というのは、黒点の数で言うと、従来では一九五七年がピークで百九十、その後減少して六四年にはほとんどゼロに近くなって、多少の波はあっても以後はだんだん減っていくと見られていたのです。それが最近は突然に急増を始めて、国立科学博物館の小山ひさ子さんという先生ですが、その観測によると二百三十にもなっているというのですが、こんなピークは異常も異常だ、こう根本先生もおっしゃっておいでになりますが、この(2)の(ア)に「太陽黒点数の長期的減少傾向及び大気中の」云々という、いわゆる長期的減少傾向と言える状況なのか、最近の二百三十にも及ぶ急増の状態をどう解釈していいのかということが二つ目です。
 それから、「一九九〇年頃から温暖化に向かうであろう。」というのがイの(イ)の項にあるのですが、「一九九〇年頃から温暖化に向かうであろう。」こういう温暖化に向かうという傾向をいまの状況からとらえることができるのかどうか。
 その次に、(イ)のまた下の方に「国際協力のもとに気候にかかわる研究を推進することが重要である。」と言っているのですが、これは気象庁にお伺いしたいのですが、「国際協力のもとに気候にかかわる研究を推進する」というこの国際協力というのは、いまどの程度できているのか。少なくとも異常気象についてという目的意識で国際協力機関のようなものができているのか、つくられるのか、日本がイニシアチブをとってつくろうとしているのか、現在はどんなものがあるのか、これは気象庁に聞きたい。
 それから、三ページの(3)の「むすび」のウに、異常気象としては異常低温と異常少雨の発生が目立っている、こういうふうに言っているんですが、これは世界全体のことを言っているんだと思いますが、日本にこれを当てはめた場合に、異常低温と異常少雨の発生が現在目立っているのかどうか。これは根本先生にお伺いしたいのです。
 それから、日本の平均気温についてオの項で、「一九六〇年代初期から低下しはじめ、一九七〇年代は平年値に達し、寒冷化の傾向は停滞している。」こう言っているんですが、果たしていま寒冷化の傾向というのは停滞していると見ていいのかどうか。
 たとえばことしの冬の暖冬異変、暖冬で温度が上がったんですが、いわゆる年平均の値を見ると、夏その分だけ冷夏といいますか、冷害のあるような極端に温度が下がるという状態になるというような考え方をしますと、どうもこの「寒冷化の傾向は停滞している。」ということは、日本の場合には言えないんじゃないか。暖冬異変といわれる暖冬の分だけが夏になって確かに冷害を起こすような、ことしの夏、異常ないわゆる冷夏になるというようなことが平均値で見たときに心配される状況なのであって、「寒冷化の傾向は停滞している。」という、こういう一概の言い方をしていいのか。特にこれは「日本の平均気温は」とこう書いているのですが、一体どうお考えでしょうか。特に今後の見通し、夏の冷害、冷夏というようなものは一応もういままでのデータから見通されろのかどうかという点をお伺いしたいのが三つ目です。
 その次に、キの項のおしまいの方に、「気候変化の動向に十分関心を持ちその対策を考慮してわく必要があろう。」というんですが、これは気象庁にもお伺いしたいのですが、「その対策を考慮しておく必要があろう。」という対策とは一体何か。根本先生にも忌憚なく、こういう対策が必要だよということをお伺いしたいと思うのです。気象庁からも聞きたい。
 もう一遍この項を初めから言いますと、「社会構造の複雑化に伴い、気候変化の影響は広範囲に及ぶであろう。また人間活動が逆に気候に影響を及ぼすなど、両者の関係は多様化してきたので、気候変化の動向に十分関心を持ちその対策を考慮しておく必要があろう。」というんですが、あろうだけじゃいけないんで、気象庁が一体その対策をどう考えているのか、対策とは何だ、根本先生からも、この対策としてはこういうことを考えこれをやらなければいけないということをお伺いしたい。
 それから次に、クの項に、「今後の気候予測についてさらに明白な判断を下すためには、気候にかかわる研究開発を国際協力の下に強力に進めることが必要である。」 先ほども気象庁に質問をしたのですが、根本先生は、一体、この種の国際協力を強力にやらなければだめだと気象庁が言っている場合に、国際協力というものはどんな仕組み、どんなメンバーで、どういう団体でやることが強力に進めることになるんだろうかということを、先生の御意見をお伺いをしたいと思うのです。
 それから最後に、アメリカでは、大統領命令で国家気象計画なるものがもうできて、去年から予算をつけて異常気象対策に手をつけていることは御存じのとおりなんです。異常気象に対していわゆる専門家の対策チームができているわけです。異常気象計画なるものができています。この際、気象庁としても個々の研究者やグループだけに任せるんでなくて、大がかりな公的機関の位置づけをしたものを発足させて、適時気象についての統一見解というものがやはり国民に向けてもぴしっと発表できるようにする一つの大がかりな機関をつくる必要があるんじゃないかと思うのですが、気象庁はどう考えるのか。根本先生はこれに対してどういう人間、どういうグループ、どういう団体でこういうものをつくったらいいとお考えかを、最後にお伺いしたい。
 一挙に質問申し上げて申しわけありませんが、以上七つに分けて気象庁と根本先生からお伺いをしたい。
○根本参考人 質問が大変多いので前後するかもしれませんけれども、実際の仕事を気象庁でやっておりまして、やめてからもう五年になりまして、実際のデータや何かについては自分でやっておりません、自分の見聞する範囲だけのことなので、十分なことを申し上げられないかもしれません。
 まず最初に、実情ですけれども、実情の把握というのは非常にむずかしいのです。それはどういうことかと言いますと、結局海が非常に広いのです。太平洋がありますし、南半球へいきますと海の方が広いものですから、その海の上の推定で実はどうにでもなってしまうという問題があるわけです。それで気象庁の報告に出ておりますのは、島のデータをもちろん使ってありますけれども、陸の上のたくさんのデータを使って結論を出しましたので、そういう勘定による限りは非常に信頼すべきものではないかと私は思うのです。ただ、海がわかりませんから、海の上をどういうふうに推定してやるかによって南半球の状況なんかは非常に変わってしまうおそれがあるわけです。
 それから、二番目の太陽活動の問題ですけれども、これはだれがどうやったというのじゃなくて、実情を申し上げますと、こういうことなんです。
 実は、太陽の活動の予想というのは、そもそも気象ではありませんで天文学者がやることなんです。天幸一著の予想が、七〇年代の初めまでは今度大きくなるピークを余り大きく見ておりませんで六八年のピークと同じぐらい、ですから数で言いますと百をちょっと出たぐらいの値を予想しておったのです。ところが、この予想が一九七六年あたりからいろいろ出ました論文、研究によりまして大幅に修正されまして、最初の見込みに大体百ぐらい上乗せした値になってきているのです。去年インド人が勘定した値は二百を超えるような値を予想しているのがありまして、ですから、現在活発になってきている値というのは、最初の予想に反して非常に大きくなっていることはもう間違いないと思います。
 先ほどお話に出ました科学博物館の小山さんの観測ですけれども、黒点の観測というのは望遠鏡の大きさとか観測者の熟練度によりまして非常に違いますので、小山さんの値というのは世界のスタンダードから比べますと、小山さんの値を一としますと世界の値は大体六割から七割ぐらいなんです。だから、少し大きく観測の値が出ておりますので、スタンダードに直すには六割から七割掛けなければいけないわけですね。それを掛けましても非常に大きな値なんです。先ほど御質問にありました一月の二百三十、二百四十という値ですけれども、これに掛けますと百六十六というような値になりまして、この値は――実はいままで太陽の観測が非常に長い間、二百年ぐらいあったのですけれども、その間で黒点の値が一番大きかったのは一九五七年なんです。その前年ですから一九五六年、これは北日本の冷害の年ですけれども、この年の三、四月のレベルと全く同じレベルに達しているのです。これはちょっと予想外のことなんで、こういう予報をやるのはむしろ天文の方の専門の人がやることなんですけれども、つまり予想が狂ったということですね。ですから、太陽の活動が地球の気象に影響するとしますと、それに伴う見込みも幾らかそこで修正しなければならない。
 気象庁の報告に書いてあります太陽の黒点の長期減少傾向というのは、これは恐らく十年程度の上がり下がりをもっとならしてしまったそういうものの減少傾向というのを指摘したので、十年程度の上がり下がりのことについて言ったものではないと私は思うのです。もしそうだとしますと、これは少し見込みが違っているのではないかと私は考えるのです。
 それから三番目の、一九九〇年ぐらいから温暖化に向かうのではないかということなんですけれども、これは気候変動の長い周期からいっても一応峠を越えて次にはだんだん温度が上がるという考えと、もう一つは、ことしの二月のジュネーブの会議でも問題になったそうですけれども、炭酸ガスの増加している影響がその辺から非常に顕著になってくる。炭酸ガスの効果というのは温度を上げる方に効くものです。したがって、そういうものを考えると温暖化の傾向ということを考えざるを得ない。これは何も日本だけの見込みではなくて、ドイツ、アメリカなどで研究している方の考えでも皆そういうふうになっておりますので、恐らくそういうことではないかと思うのです。
 それから、ことしの夏の問題なんですけれども、ことしの夏問題になるのは北日本の低温と西日本の少雨ということで、これは両方とも気象庁の暖候期予報にもちゃんと予報されていることなんですけれども、ここで非常に問題なのは、低温の場合には、低温の克服ということは農業技術の進歩その他で非常に進んでおりますし、それからお米が非常にとれ過ぎているという問題もありますので、そういう点からむしろ後者に当たる水の懸念というのがことしは非常に大変なことになると思うのです。
 そこで水の問題ですけれども、水は、たとえば去年の広島の年間の雨量というのは七百四十三ミリなんです。七百四十三ミリというのは年間の降水量千六百四十三ミリの大体四五%です。ほかの地域をとりましても去年の日本の雨量というのは大体六〇%ぐらいしか降ってないわけです。ですから、そういうすでに起こってしまっている水不足で、たとえば地下水の場合でも、浅井戸は最近雨が降っていますからわりあいと水があるのですけれども、深井戸の方に水がなくなっている問題、それに加えて、ことしの冬が暖冬、それにも増して非常に雪が少なかったわけです。山では大体三分の一から四分の一ぐらいしか降っておりませんし、そういうことになりますと雪解けの水に期待することができないという問題が出てくるわけです。利根の水源では例年なら二メートルある積雪量が十二センチしかない。そうすると、これから田植えや何かで非常に水が要るときに、その水をためなければならない。ところが、電力会社では放水して水力発電――いま原子力の問題や何かがありますので水力発電にウエートをかけなければならない。ところが、水力発電をやるために水を流してしまうと、今度は雪解け水が期待できませんから、そういった点で多目的ダムの多角的利用が現在非常にむずかしくなっている。むしろ長い間、一年間の水不足ということを考えたら、現在は当然水をためなければならない段階なんですけれども、そういう点が電力の問題と非常に食い違ってまいりまして、大きな問題になっているのではないかと思うのです。ですから、低温と水の問題が考えられるのですけれども、ことしはやはり水の手当てということをかなり早くからしておかないと、非常に困ったことになるのではないかというように私は考えます。
 それから、いろいろあるのですけれども、今後のやり方の問題なんですが、私、国際協力ということも非常に大事だとは思うのですけれども、やはりもう少し現場から出発した問題を大事にすることが非常に重要じゃないかと思うのです。つまり長期予報というのは現在非常に完成された学問でありませんで、非常に技術的、経験的にやらなければならない問題がありますので、それを学問が完成するまでできないと言ったら、これはもうかなり先までできなくなってしまう。
 ただ、この場合に非常に明るい見通しが一つあるのですけれども、それは、気象庁ですでに一年余りルーチン化してきました静止衛星の観測です。この静止衛星の観測によりまして、海面の表面水温がだんだんわかってまいりまして、これはルーチン的に毎日使えるようになってきているわけです。そうしますと、異常気象と言われる現象が起こったときに、それからだんだんだんだんさかのぼって調べてみますと、必ずそこで海の異常ということが顔を出すわけです。ですから、先行する海洋異変というものをつかまえて、それからやる長期予報の可能性というのが非常に出てくる。ですから、まだ一年余りしかデータがたまっておりませんけれども、それが十年なり何なりたまりますと、私は長期予報は非常に格段の進歩をすると思うので、こういう点では非常に明るい見通しがあるのです。
 しかし、今度はそういうデータが集まってきて、それを判断するのは人間なわけですね。ところが、医者と同じで、天気予報というのは、コンピューターが入っていろいろな検査をしてテストした結果があらわれてきて、その結果を一枚の紙、ワークシートに書いてそれを総合判断してやるわけですけれども、その総合判断するときに出てきた値が全部一致すれば、だれがやっても同じ答えが出るわけですけれども、これはお医者の診断と同じように、カルテを見ればいろいろな矛盾した答えがいっぱい出てくるわけです。それをまとめるのはやはり人間なわけです。そうすると、それは簡単に機械では私はできないと思う。だから、お医者の診断というのは、幾ら大きな病院ができていろいろな検査というようなものが進んでも、医者の判断が必要だと同じように、予報官の判断というのは私は必要だと思うので、そういったような予報官の判断というものは、過去の経験とそれから一人一人の予報官の学問に裏づけされるわけですけれども、そういった面で、予報官の人的の面で、こういう非常に重要な時期に差しかかっているときに果たして予報官の数が十分あるかどうか。それから、予報の中でも、短期予報と違って長期予報の場合にはかなり熟練を要することだと私は思いますので、そういうことに対して十分用意ができているかということになると、私は必ずしも安心はできないと思うのです。
 ですから、そういう機械化して非常に海のことがわかって明るい面と、それからちょっといささか人的の面で心配な面と、両方あるように私は考えます。
 それから、国際協力の面なんですけれども、私やはりもう少し大もとに立ち返ってプリミティブに考えてみると、私は百聞は一見にしかずということがあると思うのです。ですから、やはり異常気象が起こったら、起こったところに行ってみるということが非常に大事なんで、ですから、たとえば日本と違って非常に雨量の少ない、日本と比べたら雨量が四分の一ぐらいしかない半乾燥地帯へ行ってみますと、いかに人間の生活というものが水にディペンドしているかわかるわけですね。ですから、日本の気候の経験だけではなくて、グローバルな世界の気候の経験というものを予報官なり担当者は積む必要があるわけです。ですから、外国へ行くというとすぐ国際会議に出るというのではなくて、やはりもう少しグローバルな世界の天候なり気候を見る目を養うために、現場にいる人がもっと外国に行って、日本と違った条件のところに行っていろいろなことを経験する必要があるのじゃないか、これが現在全く欠けているのじゃないかと私は思うのです。これは私、ぜひやるべきことではないかと思うのですけれどもね。
 それから、気候変動調査委員会というのができまして、部内限りでいまやっておられるわけですけれども、これは去年アメリカの国会で認められてアメリカで動いているのを見ますと、やはり異質な人がたくさん入って、そういう人たちと一諸にやっておるようです。アメリカの例で申しますと、NOAAといいまして、つまり日本の気象庁に相当するところから出ている人間は、十二人のうち四人か五人だと思います。あとはエネルギー局とか農業関係の人とかそれから大学、そういったところから皆一人ぐらいずつ出て、そして新しい組織をつくって実際の仕事をしている。これはそういう通弊なんですけれども、やはり中核になる働き手がうんと働けるようなそういったような委員会でなくてはいけないので、やはり全体を取りまとめるようなことばかりやっている委員会ではなくて、実質的にやる人をもうちょっとたくさん含めたような委員会をつくる必要があるのではないか。それもしかも一つの気象庁なら気象庁というクローズドした世界ではなくて、もっとほかの人も入れてやったらいいのではないかと私は考えます。
 それから、別に正式にやっているわけではありませんけれども、民間にたくさんの気象会社というのが日本にはあるわけです。ところが、気象会社にいろいろ民間からリクエストされることは、非常に長期予報が多いのです。ところが、やる人が全然いないのです。ですから、一人や二人御自身でやっておる方はおりますけれども、そういう人はだだ気象庁で出した予報の取り次ぎぐらいなことしかやっていない。それではやはり全体のレベルアップにはつながらないので、そういったような町の人にもうちょっと技術を上げるための勉強会とか研究会とかそういうものをオープンにして、そういうような人を養成することも考えないと、実際そういう人は民間の商社なり農業団体なりそういう人たちのリクエストがあっていろいろやっているわけですから、ある意味で気象庁の仕事をカバーしてやっているような面もあるわけです。ですから、そういうところで実際働く人の学問のレベルが低くてはどうにもしようがないので、そういうところの指導まで、指導といっても技術的な学問的な指導まで考えると、日本全体の国民にとってのはね返りは非常に大きいと私は思うのです。要するに、私が申し上げたいことは、非常に明るい面もある、これからの見通しを立てる場合に明るい面もあるけれども、全然懸念がないわけではないということで、そういったことをやはり両方勘案して総合的に広い分野からやっていく必要があるのではないか。さしあたり現在一番心配されるのは、私はことしの夏の水の問題ではないかと考えます。
 以上です。
○加藤委員長 次は、気象庁窪田長官。時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。
○窪田政府委員 お答え申し上げます。
 三つばかり問題があったと思います。国際協力の問題と、それから気象庁の考えております対策について、それから三番目に法的に一体どういうふうに考えているかという問題だと思います。
 国際協力につきましては、気象の世界機関がございますが、この会議が四月の終わりから一カ月間ジュネーブで開かれます。これは先ほど根本先生が触れられましたジュネーブ会議が二月にございまして、世界気候会議を計画的に進めていったらどうか、そういう問題も取り組みます。二月の会議のときには、閣僚レベルの会議まで招集する、その妥当性があるかどうかということでございましたが、それについてはかなり問題がございました。あとは方法にしましても、それからこの異常な変動がどの程度続くかということにつきましては最終的な結論が得られませんし、非常にむずかしい問題であるというのが主流の考えでありました。
 いずれにいたしましても、気象庁としてはこういうような動きに協力し、積極的に参加していく必要があると考えております。
 それから、二番目の対策の面でございますが、先ほど根本先生が言われました気象衛星の資料の利用というのは私が予報部長のときに始めた問題でございまして、これは非常に有効な資料、特に南半球ではわれわれいままで資料がございませんでしたので、これを推進していきたいと思っております。
 それから、計算機は多少根本先生と違いますけれども、ことし研究所に計算機が入るのを認められましたので、人間が総合的に判断するとしましても、その基礎的な資料が非常に有効な資料であればその判断は生きていくと思いますので、有効な資料をつくるように決められております。これは具体的にもうすでに予算の通った問題でございます。
 それからもう一つ、気象庁でいままで弱点と思われましたのは、大学校そのほかいろいろ協力をお願いしましても資料の提供がかなりぎくしゃくしていた面がございます。大きく言いますとこれは資料センターという問題ですが、そこまではいかないにしても、この辺の資料の提供をなるべくスムーズにできるように部内の措置をとっていきたいと考えております。
 それからもう一つの協力、これは先ほど申し上げました国際協力という問題は、方法が確定していない現在、どういう結果をどういうふうに行政に生かすかというのは非常に大切な問題でございますので、これも進めていきたいと考えております。
 それから法的な問題は、先生の言われましたようにアメリカでは確かに国内法を整備してジュネーブ会議に臨んでまいりまして、私もそれをいただきましたが、気象庁としてまだそこまで考えておりません。ただ、二十日にアメリカのベントン次官が参ってわれわれとこの問題そのほかについて協議をしたいという申し入れがございますので、その辺の情勢を聞いて考えてみたいと思っております。
 以上です。
○原(茂)委員 時間がもうとっくになくて、食い込んでいますので、これで終わります。
 根本先生どうもありがとうございました。
○加藤委員長 楯兼次郎君。
○楯委員 私は五点ばかりお聞きをしたいと思います。
 まず第一は、最近マスコミ等で一九八〇年代になると非常に石油が窮屈になる、こういうことが盛んに言われておるわけでありますが、三年前、私が運輸委員をいたしておりますときに、国鉄の常務理事、名前はちょっと忘れましたが、高木総裁も同席をしておった席で、省エネルギー政策上国鉄の重要性を相当長い時間説明をされたことを覚えておるのです。最近石油事情がだんだんと悪くなるということが情報として出されておりまするので、こういう省エネルギー時代における国鉄の重要性に対する具体策を改めて痛感しましたので、その具体策があったらもう一回ここで御説明をいただきたい、こう思います。
    〔委員長退席、原(茂)委員長代理着席〕
○森山国務大臣 省エネルギー政策につきましては、昭和四十六年の総合交通体系がございますが、これは御承知のとおり石油ショック前の段階でつくられたものでありますから、全くないとは言いませんが、エネルギー政策の重要性については不十分な点があることは覆えないと思います。特に最近のエネルギー事情等から申しまして、エネルギーの節約の問題を交通政策全般に取り入れていかなければならない、そういう意味で総合交通体系の見直しもぜひやらなければいかぬのではないかと考えております。
 鉄道のエネルギー効率は一般的には自動車より高い、これは鉄道の輸送特性である大量輸送を前提としたものであって、輸送量が小さい場合には必ずしも鉄道はエネルギーの効率上有効だというわけにまいりません。こういう点を考えて、政府としましては鉄道の特性が発揮されるように都市間旅客輸送、大都市圏旅客輸送及び大量定型貨物輸送の分野を中心に鉄道がその役割りを果たすべきでありまして、これは同時に省エネルギーの実を上げるものと考えております。
 しかし、これはエネルギー政策の立場からの一般論でございまして、現に走っている国鉄につきましては、先ほど来るる申し上げましたようにいろいろ問題があるわけでございます。
○楯委員 大臣の言われたのは大体数年来言われておる常識論だと思うのです。ところが、最近アメリカの方で言われているサウジの石油の採掘量が非常に窮屈になって、一九八〇年の末には相当減量をする、そういうことになってくると、一口に言うと日本には産業革命的な影響があると思うのです。そういうときにおける日本の輸送機関はどうあるべきか。その場合の鉄道ですね、単に国鉄ばかりではない、鉄道の使命はきわめて重要になる。こういう新情勢に対して新しい具体的な構想が最近あるかどうか、こういうことをお聞きしたのですがね。
○森山国務大臣 先ほど来申し上げたことは常識だ、こういうようにおっしゃいますが、総合交通体系をこの際見直さなければならぬということを公式に宣言することは、決していままで常識的なことではなかったわけです。私はこのことは閣議でも発言をしておりますし、部内の事務局においてもその用意を整えるようにということを言っておるわけであります。そして、鉄道の特性を生かしてやっていくということで、先ほど来申しました都市間輸送、大都市圏旅客輸送並びに大量定型貨物という点に重点を置いていかなければならぬのだという基本的な方向は申し上げたわけであります。しかし、他の交通機関との関係において見ました場合、確かにエネルギーの面ではそういう必要性があるからそちらの方に大きく向けていかなければなりませんが、現実の国鉄はなかなかそういう状況に至っておりませんから――鉄道全体とおっしゃいますと私鉄も入るでございましょうが、特に国鉄の場合、いまのような労働の生産性の低い、したがって運賃の高い、たとえばいま東京と小田原の間で申しますと、東京から私鉄でもって小田原へ行くのと国鉄で行くのでは倍以上違う。
    〔原(茂)委員長代理退席、委員長着席〕
こういうことになってまいりますと、国鉄が省エネルギー上ぜひ必要だと申しましてもなかなかそういう話が通用しないわけでございますので、現実の問題としては、他に考慮しなければならないファクターはあるが、大筋として、エネルギー問題としましては、やはり鉄道の有利性というものを生かして、また鉄道の方がエネルギーの節約という面から見れば道路交通その他の面に比べて有利であることはもう間違いありませんから、そういう方向に向けていかなければならないというふうに考えておるわけであります。
○楯委員 それでは次に国鉄の方にお聞きいたします。
 東海道新幹線ができてから最近における旧東海道線の営業成績の実情を、最近のものでいいですから、ちょっと御説明願えませんか。東海道新幹線ができてからの旧東海道線の営業成績、係数でいいです。どんなものか。
○高木説明員 東京−大阪で申しますと、五十年度は新幹線はいわゆる収支係数が四九、収八百円に対して経費が四十九円ということでございます。同じ数字は、五十一年度で四六、五十二年度で四六。ところが、在来線の方が東京−大阪間で赤字になっておりますので、新幹線と在来線と含めて見ますと、五十年度で東京−新大阪間で九〇、百円の収入に対して経費が九十円、五十一年度が八六、五十二年度が八三、大体そういう経緯を最近のところは示しております。
○楯委員 在来線の営業係数をちょっと言ってみてください。
○高木説明員 在来線の東京−大阪間の収支係数は、五十年度が一七三、五十一年度が一六九、五十二年度が一五三ということで、どうも在来線の方は成績がよろしくないというかっこうになっております。
○楯委員 そうしますと、新幹線と在来線の合計では黒字になっておるのですが、在来線の営業係数を将来黒字に持っていく具体策があるか、見通しがあるかという点ではどうですか。
○高木説明員 そもそも新幹線がなぜ黒字になっており在来線が赤字になっておるかと申しますと、新幹線の方は相当思い切って設備に投資をいたしました。反面、それを運営していくためのいわばメンテナンスエクスペンスが少なくて済むような形になっております。それに比べまして、在来線は、全体の構造そのものが、投資は昔からの投資でございます関係もあり、設備を新しくしてない関係もございまして、いまの段階で見ますと必ずしも設備が十分でない。そしてそれを維持していくのに人手がかかり過ぎるという傾向があるわけでございまして、現在までのやり方を続けます限り、東海道線といえども在来線を黒字に持っていくことは非常にむずかしい現状でございます。
 しかし、いままでの輸送方は技術的に余り上手でないというか、このままでほかに改善の余地がないかというとそういうことはないわけでございまして、在来線といえどももう少し輸送方をいろいろ考えますことによって赤字を減らすことはできると思いますが、在来線だけで収支とんとんに持っていくのはよほど特別な改めての投資をしない限りなかなか困難な現状であるというふうに判断をいたしております。
○楯委員 次にお聞きをしたいのは、東海道新幹線は物すごい黒字でもうかっておるわけですが、黒字でもうかっただけくたびれちゃっておると思うのですね。老朽化が物すごいひどいと思います。それからもう一つは、建設の地域が、誤りであったとは言いませんけれども、一番新幹線に支障を及ぼしておるのは雪だろうと思うのですね。もう冬季間米原、関ケ原の雪が少し降るとダイヤは乱れてしまう。運休。最近では鳥が何か碍子の上ですか巣をつくったらまた列車がおくれる。ビニールがきのうもひっかかってまた大混乱。これは老朽化の現象ではないかわかりませんけれども、老朽化と風雪、水に非常に弱い。
 そこで、最近この東海道新幹線の老朽化を救済をするために、東京−名古屋の中央新幹線建設、こういう声が非常に上がっておるのです。沿線地区も、果たして「ひかり」がとまるかとまらぬかわかりませんけれども、非常に熱を入れておる、こういう状態が起きておるのですが、中央新幹線の建設の意図はあるのか、あるいはどういう計画を将来持っておるのか、この点ひとつ御説明願いたいと思う。
○高木説明員 現在国全体としての御方針としては、御存じの東北・上越新幹線を何とか完成しました後でいわゆる整備五線をどう扱うかということが問題になっておるわけでございまして、整備五線につきましても採算面その他からいろいろ問題がございますので、これをどう扱うかというのはなかなかむずかしい問題でございます。
 ただいまお示しの第二東海道新幹線といいますか中央新幹線の計画につきましては、運輸省からのお指図に従って私どもは鋭意調査をいたしておるわけでございますけれども、いまのところは整備五線に比べればもろもろの取り上げ方はいささかおくれておるというか後の順位になっておるところでございます。したがって、まだまだ大分先の問題でございますが、これをどう考えたらいいかということで、現在はどういう路線を通ってどのぐらいの経費でどうやってつくれそうかというあたりをごく漠然と考えておるわけでございますけれども、いまお触れになりましたように東海道新幹線が必ずしも十分なものでないということとの関連から言いまして、つまり東海道新幹線の補完新幹線という意味も含めまして、私どもとしては、やはり時期、進め方はとにかくとして、いずれの日にかお願いをしなければならぬことになることあるべしというつもりでいろいろ考えておるところでございます。
 メリットといたしましては、従来の新幹線のように市街地を通らないことになりますから、そういう意味でいろいろいままでのものよりは質のいいものをつくり得るのではなかろうか。それから、いまちょっとお触れになりましたが、東海道新幹線の最大弱点は雪に関する問題でございまして、当時の計画に当たられた方々の御感想などを聞きましても、ほかの点はすべて予測どおりうまくいったけれども、雪に対する考え方だけは少し最初立てるときの考え方が十分でなかったという御反省を寄せられております。われわれとしても、何か現状においてもう少し対策をとらなければいけないとは思いますけれども、いまもう一遍現状の線をベースにして考えますと、巨額な経費がかかりますので、スプリンクラーを設置してレールにたまりました雪が車両に吸いつかないような、いわば比較的安い経費でできる仕事だけをやっておりますけれども、雪の問題を考えましても、根本的にはやはり将来第二新幹線的な考え方をとらなければならないのではないかということで、技術的検討を行っておるところでございます。
 ただ、何せ山の方に入りますと、今度はまたいろいろな工事費等も、場合によりますとかなりのものになってまいりますから、いまのところはまだ、他の計画の上で先着順位といいますか先の順位としていままで考えられておりますものとの進行状況をもう少しにらみ合わせた上で考えたいと思っているわけでございまして、ちょっとまだいわゆる具体的な建設についての日程には上りにくいという現状でございます。
○楯委員 新幹線は世界に勇名をはせて、日本の独占物で評価をされてきたわけですが、こんなに正常運転ができないようでは、この名誉ある評価が低下してしまうと思うのです。したがって、くたびれた東海道を救済をするために、補完的というのか、これのかえ線というのか、中央新幹線を少なくとも整備五線と並行をしてやった方がいいのではないか、私は個人的にそう思うのです。しかし、なかなか膨大な資金と大きな問題でありますから、ここで簡単にイエス、ノーは言えぬと思いますけれども、ぜひ整備五線と並行をするように御努力を願いたい、こう思います。
 それから、次にお聞きしたいのは、この整備五新幹線の取り扱いですが、われわれが新聞紙上で承知をしておるところによると、財源ができたら着工する、正式な言葉はどういう言葉か知りませんが、財源ができたら着工をするというふうに理解をしておるのですが、その財源というのは具体的にどういうことを言うのであるか、これをお聞きしたいと思います。これは運輸大臣の方ですね。
○森山国務大臣 これからつくる新幹線は、国の借金として後で返さなければならないというような金では困るわけでありますから、したがって、国費でもって建設をする、財投でもってやらないという基本的な考え方でいかないと、結局収支成り立たないのではないかということが一つあるわけであります。そういう点から、国費をこれに投じてもらうということで鋭意努力をしてまいったわけでありますが、昭和五十四年度予算案につきましては調査費五十億、とにかく国費を初めてこの新幹線の工事につけることはできたわけでありますが、しかし、できればこのための財源を確保したいということで、昭和五十三年度に五十四年度を目指して鋭意努力いたしましたが、ついに大きな成果を得ることはできませんでした。継続審議で、財源を見つけるようにひとつ努力しようということであります。しかし、ただいま申し上げましたように五十億の調査費だけは初めて新幹線に国費をつけることができるようになったということであります。
 それで、基本的態度といたしましては、財源がついたらやろうという姿勢ではなくて、財源を何とか見つけてやりたい、そういうのが基本的な姿勢でございます。いずれにいたしましても、昭和五十八年に青函トンネルができますから、あのトンネルに設置する線路は一体いままでの在来線の線路をつけるのか、新幹線の線路をつけるのかという問題が大きな問題点になってくるであろう、私はこういうふうに思います。その辺から実際的にはこの問題が具体的な進展を見るようになるのではないか。しかし、整備五線でございますから、北海道及び東北で二線、それに信越方面の一線、それから九州に二線ということでございまして、各地はこの新幹線を非常に要望をしておる。地元のためにはわからぬこともございませんが、ただ、今後の鉄道のあり方というものをこれから十分参酌をしていかなければならないというふうに考えておるわけであります。
 中央新幹線につきましては、順序の上では整備五線の次にということになっておるわけでございますが、これからの事の成り行きがどういうことになりますか、私どももお考えはお考えとして十分尊重してまいりたいと考えております。
○楯委員 いま私の質問したのは、あなたの方の政治的な態度に対する質問ですから、財源をつくるということで了承をしておきたいと思いますが、ただ在来線のことが心配でね、これは答弁は要りません。
 次にお伺いしたいのは、国鉄の赤字救済のためにローカル線の、さしあたっては五千キロの処分をするのだ、具体的には自動車化あるいは地方公共団体へ移管をするのだ、こういうようなことを聞いておるわけです。大体、赤字で困ったのを国以外に移管をするということは、もうそれは無論反対だと思うのですね。公共企業体という名前があるので、頭の方の公共性で、赤字はあっても国が運営をする、経営をする、こういうのが常識だと思うのですよ。国の方が両手を挙げて赤字だからおまえやれと言ったって、そんなものはやる人はおらないと思うのですね。逆立ちの議論をここでしておっても仕方がありませんので、この五千キロのローカル線の処分の現状はどういうことになっておるのかという点を、どなたでもいいですよ、運輸大臣じゃなくても。鉄監局長でもいいですよ。
○森山国務大臣 ローカル線の問題は私は非常にむずかしい問題だと思うのです。しかし、先ほどお話があった営業係数で言いますと、ローカル線は平均して全体で三二四という数字でございますから、要するに百円の収入に対して三百二十四円の出費ということになっておるわけであります。しかしまた、地域の均衡ある発展とかそういうような観点から見ますと、これは一概にいかぬということについても、いろいろ御異論も出てまいろうかというふうに思います。
 しかし、現実に鉄道が走っておるけれどもお客さんが余り乗らぬという事態がはなはだしいものにつきましては、いままでのような形でほっておくわけにはまいりませんから、それで先般ローカル線全般にわたっての、運政審の委員から成る小委員会で答申が出ました。私の方ではその答申を受け取りまして、答申の線に沿って検討するということで今日に至っておりますが、あの答申は、あのままの形で、いまおっしゃられるような意味でこれを実施に移すことが適当であるかどうかはやはり問題があると思う。しかし、あの答申の中身というものは十分検討してやっていかなければならないというふうに私どもは考えておるわけでございまして、結果的に答申の線に沿って検討するということで今日に至っておるわけであります。
 いずれにしましても、地域的格差の是正とか国土の均衡ある発展とか、そういう意味では必要でありますが、やはりものは程度問題でございますから、どの程度のところで決めるか、これは現に国鉄の組合は反対だということで、ストライキまでやる始末ですね。これは本当に反対かどうかわかりませんよ。あのとき私鉄の方は経済要求とあわせて、これもやはり反対だということで一緒におやりになった。経済要求が片づいたら私鉄はストをやめたけれども、国鉄関係の組合はストをやりましたからね。じゃ、それほど本気に考えているのかということになってきますと、いろいろこれは私は問題があると思う。伺いますと、野党の方も余り賛成もしてないということであります。与党の方に聞いてみても、総論はわからぬことはないが、具体的に地元のことになってみると、各論はどうかというようなこともございますから、そういう点を私ども十分考えまして、再三申し上げるようでありますが、答申の線に沿って検討するということで今日に至っておる。いずれにしても、はっきりした姿勢を打ち出す必要は、近い将来かもしれませんが考えなければいかぬ問題だと思っております。
○楯委員 このローカル線はAB線、開発線と言っておりますが、これが本年度は昨年より五十億円予算が増額になっておるのですよ。だから一方では五千キロ削れあるいは経営方法を変えよ、片方では五十億円いわゆる開発線の予算をふやしてつくろう、これは非常に矛盾しておるわけですね。こういうふうに受け取れるわけです。実際はこれは矛盾じゃないんですよ。つまり必要なものはつくろう、人の乗らぬようなものについては考えなければいかぬじゃないか、こういうことだと思うのです。ところが表面的に見ると、片方ではローカル線はネグっちゃえ、やめてしまえ、片方ではつくれ、こういうことになっておるので矛盾を感ずるのだろうと思うのです。実際は、ざっくばらんに言うと、与野党の議員は困るのですよ。
 私のところにも中津川−下呂線というAB線の開発線があるわけです。これは着工線になっておるわけです。それで、一方では反対へいくと明知線といって木曽川をめぐる対称になっておる線がある。片方は廃止だ、片方はつくれというので町村長初めわれわれ議員は、全く異質のものであるけれどもちょっと理屈が合わぬもので、合わないから困っておる、こういう状態です。
 そこに見える鉄監局長あるいは建設公団の藤田さんあたりに、町村長が出てきまして、中津川―下呂線の着工線に編入を陳情をせよというので私も引っ張り出されて大分憎まれ口をたたいておるわけですが、ただ中津川−下呂線、AB線の開発線のことについて言うんですが、この線で一番困っておるのは、延長が約五十キロなんですよ。ところが、いま着工認可が出ておるのは二十何キロですね。約半分が着工認可が出て、それから半分が認可が出ておらぬわけです。これはざっくばらんに言うと、鉄監局長のところにこの前も陳情に行ったら、中津川−下呂の半分の方はバスがどんどん通っておるのでいいじゃないか、こういう話だ。ところが、約五十キロのところで二十キロは鉄道に乗って、終点へ来たらみんなおろして今度はバスに乗りかえてもらう、バスの方へ乗ってきた人は、三十キロ乗ってきて全部おりて今度は鉄道の方に乗る、そんなことは理屈上できないわけですよ。
 それから中津川−下呂というのは高山線と中央線を結ぶ、大きく言えば裏日本と表日本の連絡線である、そういう意味があるわけですね。だから、こんなものは半分着工して半分ほうっておくわけがないじゃないか、地元としてはほうっておけばいいよ、こう私は言うのですけれども、地元の町民の方あるいは市町村長さんはもう困ってしまっておるわけですよ、五十キロのうち半分工事をやり、半分はやらぬというので。
 だから藤田さんあたりにも、こんなものは理屈が通らぬから、もうすぐ着工認可を一貫してやってもらいたい、そうすれば、われわれも忙しいのにこういうような陳情に来る必要はないじゃないか、ざっくばらんに言ってこういう話もしておるのですが、こんなのは、陳情をたくさんやらせれば運輸省や鉄建公団の権威が上がるわけでもないと私は思うのです。だから、新しくやれというのならむずかしいでしょう。ところが、いろいろの歴史的経過はありますけれどもこれは省略しますが、同じ線路を半分着工認可しておいて、半分は、やらぬとは言いませんけれどもほうっておくということでは困ると思うのです。どうですか、事情の詳しい人にひとつ答弁してもらって終わりたいと思うのですが……。
○森山国務大臣 大正十一年に鉄道敷設法ができまして、鉄道の全国経略ということで鉄道敷設、新線建設の問題が起きて今日に至っておる。場所によりましてはそのもっと前から鉄道をつくれつくれという声があったし、いやつくってはいかぬというようなところもあります。だからいずれも長い歴史を持っておるわけであります。
 近代における鉄道というものは大分様子が変わってまいりました。バス、トラック輸送というものも出てまいりました。大体、いま道路が非常によくなったというような問題等がありまして、昔鉄道の全国経略として考えた考え方というものが今日の段階でどのくらい実情に合うかということは、私はいろいろ問題があると思うのです。しかし、なお一つの歴史的な重みというものがやはりございますから、この措置は十分ひとつ考えていかなければなりませんが、国鉄再建のために、現に走っている線でさえもローカル線の整理ということが起きてくるわけでございますから、新しくつくる線につきましてはいままでどおりの考え方できわめて事務的な処理をやっていいかどうかというのは、私はなはだ問題ではないかというふうに考えておるわけであります。
 しかも、こういう際に申し上げて恐縮でございますが、国鉄の運賃というのは非常に高い。たとえば、国鉄は小田原まで行くのに八百円、それに対して小田急は四百五十円。これを特急で参りますと、要するに新幹線ですね、小田原まで行くのに二千四百円、それに対して小田急の特急料金は四百円ですから八百五十円です。二倍どころではない、もう三倍というようなことに相なりまして、しかも今度これがもう少し上がる、こういうことでございますからね。したがって、もう鉄道の全国経略なんという考え方がそもそも通ずるものかどうかということでございまして、そういう観点等も入れまして、いまのAB線計画というものはこの際相当考え直す必要があるのではないか。
 それは、先生の地元のいま具体的な線の名前が出ました。私どもの地元にもそういう線がございます。すべてがすべていままでの計画を御破算にするというわけでは全くございませんけれども、しかし実情に合った再検討だけはこの機会にしておかなければならないのではないか、そういうふうに私はいまひそかに考えておるわけでございます。
 したがって、例年どおりの鉄道建設公団の資金の配分計画なども私のところで握ってこれを再検討をするようにということを言っておるわけでございますので、先生の地元も大変でしょう、また運輸大臣である私の地元もいろいろ問題がございます。恐らく大部分の議員はそれぞれの地元に問題を抱えておるわけでございますが、やはり基本的な筋は国鉄再建です。それが何ものにも優先して、そして実情に合うように弾力的に考えていく、その辺の線をどこに引いていくかということは、私としてはまだこの段階で御報告することはできないわけでありますが、先生がおっしゃるように、何か変だなというような現在のやり方につきましては全く同感でございまして、それをどうやって直していったらいいかということでございますので、これは先生のような国会きってのベテランの先生が地元のことを最も心配されると同時に、国全体あるいは国鉄の、公共企業体全体の問題としてお考えを願いまして、何とかとにかく方向変換だけはやっていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○楯委員 運輸大臣の言われることはよくわかりますし、私はそういうことを全部承知をしておってあえてこの席で言うのです。
 片方では廃止をせよ、片方では予算をふやすということを不思議がっているのは私じゃないのですよ。実情を知らないから、一般の人がそう思っておる。そういうことで私はよく承知しておりますから、中津川−下呂がいままで約十線くらい削除になった中に残っておる線だものですから、どうせ着工許可をするならば早くやってもらえないか、半分やって半分ほうっておく、そんなばかばかしい、どうせやらなければならぬやつを、この忙しいのに陳情に歩くようなことをさせなくてもいいじゃないか、そういうことを言っておるわけですよ。だから、十分承知をしておって私は言っておるのですから、せっかく藤田さんと鉄監局長が見えるのだから、一言何か言ってもらえないですか。
○山上政府委員 基本的な考え方につきましてはただいま大臣からお答えしたとおりでございますが、やや計数的なことを申し上げますと、先ほど御指摘がありましたように、五十四年度の予算におきましては、対前年で比較をいたしますと、AB線の予算の額が五十億円ふえまして四百億円になっておることは、御指摘のとおりでございます。ただ、これは一つは鉄建公団に対する助成方式が変わりまして、このAB線の四百億の中に、これは先生もう御承知だと思いますけれども、管理費相当額の二十三億円が入っております。したがいまして、実質的な建設費の増というものはこれを差し引いた額でありまして、全体で申し上げますと三百七十七億円になるわけであります。こうなりますと、対前年で、前年度が三百五十億円でございますので、七・七%程度の増ということになりますので、実質的な工事規模というのはほぼ横ばいという感じでございます。
 この配分計画につきましては公団が目下検討中でございますが、先ほど大臣がお答え申し上げたような基本的な考え方で、いまこれを公団に検討をしてもらっているわけでございます。これにつきましても、大臣がお答え申し上げたとおり、地方交通線対策全体についての考え方、これとの関連をつけながら具体的に配分計画をつくるということになるかと思います。
 なお、先生御指摘のいわゆる下呂線の問題につきましては、工事の実施計画認可済みの付知−下呂間につきましては、現在路盤工事に必要な測量、それから地質の調査を行っておりますが、中津川−付知間につきましては、先生御指摘のとおり、工事の実施計画はまだ認可しておりません。しかし、この下呂線全体の目的であります中央線と高山線の連絡という観点から、最近の輸送動向等を含めまして所要の調査を進めるよう、現在公団においていろいろ検討中でありますけれども、その検討の中にそれを含めて作業を進めるということにいたしたい、かように存じております。
○藤田参考人 下呂線につきましては、ただいま大臣からもお話がございましたように、運政審の報告等勘案いたしまして、現在運輸省においてAB線の今後の扱い方というのを御検討中でございますので、その結果につきまして、運輸省の指示に従って私どもとしても進めていきたい、さように存じております。
○楯委員 どうもありがとうございました。持ち時間はまだありますけれども、余り遅くなっては申しわけないので、終わります。
○加藤委員長 玉城栄一君。
○玉城委員 大変お疲れかと存じますが、私も一時間四十分にわたりまして三つの問題をお伺いしてまいりたいと思うわけであります。
 第一の問題は、先ほど大臣もちょっとお触れになっておられましたが、インドネシア・バリ島―日本チャーター便の問題、二番目の問題は、間近に開港が迫っておるわけでありますが、パイロット訓練飛行場の問題、三点目は、これも先ほどちょっと出ておりましたGU型、ガルフストリーム機による高高度飛行検査に関係する問題、三点をお伺いしてまいりたいと思うわけであります。
 その前に、私もぜひ大臣のお考えを承りたい点は、先ほど御質疑の中にもちょっと出ておりました、森山運輸大臣の船舶振興会会長笹川良一氏や若狭全日空会長への引退を勧める御発言、先ほどの大臣のお話でその御真意等につきましては大体私たちも理解できたわけでありますが、わが国は議院内閣制でありますので、運輸行政の最高責任者であられる大臣の御意見、お考え方というものは、やはりその成り行きと申しますか、そういうことについては非常に関心を持って見守っておるわけであります。しかし、先ほど大臣がおっしゃられたこととはちょっと考え方が違うような、たとえば若狭会長はごく最近引退しないんだというような御発言も何か新聞報道でされておるやに伺っておるわけであります。先ほどのお話の中で、会社の今後の方針を見守って、そういうことであればそういう会社なのかという見方でおつき合いをするだけであるというようなお話もちょっとあったわけであります。こういう成り行きに対しまして、私、大臣の先ほどのお話で、本当にごもっともだ、またマスコミ等でも大きく評価をされておるわけであります。したがいまして、大臣のお考えとはちょっと変わっているということからしまして、もう一回そういうふうなお話をされるおつもりがあるのかどうか、その辺をお聞かせいただけたらと思うわけであります。
○森山国務大臣 先ほど細かく申し上げましたが、同じことを繰り返すことをお許し願いたいと思います。
 航空企業というものは、日本航空のように特殊法人であれ、あるいは東亜国内航空とか全日空のような民間会社の形をとるものであれ、その存立の基礎というものは国の路線権の上に立っており、また国の路線権の上に立って収益を上げておるわけでございますから、全日空の場合も、認めるごとく公益的な性格を持った企業であると私は思っております。もちろん株式会社法から言えば、政府がそのことについて言えることは、日本航空の場合につきましては役員の選任は運輸省が関与するというたてまえになっておりますが、一般の株式会社の機構をとっている場合はそういうふうなたてまえにはなっておりません。しかし、先ほど申しましたような公益的な性格がございますから、世間の常識ということも考えて企業の運営をしてもらう必要があると私は考えております。しかし、法律上それ以上のことが言えないからといって、そういうことであるならば、それはそういう会社だと思ってつき合うほかないではないかということであります。これは私は安西さんに申し上げたわけではないが、その後記者会見しましたときに、新聞記者の方から質問を受けましたからそういうふうにお答えをしたのでありまして、そのとおりのことをここでまた申し上げておる、こういうことでございます。
○玉城委員 ただいまの問題につきましてはこの程度でやめておきたいと思うわけであります。
 先ほども御答弁の、五十一年八月だったと思いますが、例のいわゆるロッキード問題から重大な反省としまして、運輸行政の刷新あるいは部内の綱紀粛正というようなことで訓令も出されておられますし、また先ほどの大臣のお話も、それに照らしてもいろいろと考えるべきではないかというお話もあったわけであります。そこで、私は先ほど申し上げましたインドネシア・バリ島−日本チャーター便の問題に関連をしまして、やはり運輸行政の中で特に航空行政はまだまだ不明朗な点があるような感じがしてならないわけであります。そういう立場から、以下お伺いしてまいりたいわけであります。
 まず初めに、昭和五十一年八月二十五日、当時の木村運輸大臣は、ロッキード事件の反省から、これを防止し、公正な行政がなされるための改善策として「運輸行政の総点検の実施に関する訓令」を出されております。いま一度その主な内容を御説明いただければ幸いと思います。
○森山国務大臣 いわゆるロッキード事件に関連して、何らかの面で運輸行政のあり方に疑惑を招いたことはまことに残念であり、今後このようなことが再び起こらないようにする必要があります。そういう行政体制を確立するために、昭和五十一年八月二十五日、省内に運輸行政総点検本部というものを設置し、運輸省の行政活動の全般にわたって総点検を実施したのであります。
 この検討の結果、第一に、所管の許認可等について、規制の緩和、手続の簡素化等の整理、合理化を図る。二番目に、行政部内の意思決定及びその部外への伝達についての責任の所在の明確化を図る。三番目に、行政の意思決定の公正を保障するための行政手続等の確立をする。四番目に、部外との接触に関し、その公正さについての信頼の確保等の諸点についての方策を決定し、この趣旨を職員に対して徹底するなど所要の措置を講ずるということでありました。
 私が全日空の若狭会長に関して意見を述べましたことも、そういう意味合いにおいてそのことは若狭さん個人のためにもならないだろうし、全日空のためにもならないだろう、いかがなものかというそういう表現で申し上げたのも、いずれもこの趣旨によるものであり、そういう趣旨を踏まえてのことである、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○玉城委員 ただいま大臣がおっしゃられました五十一年八月の大臣訓令によりまして、行政の刷新等々について取り組んでおられるわけでありますが、この訓令を受けまして運輸省としてどのような改善策をこれまでとってこられたのか、概略御説明いただきたいと思います。
○中村(四)政府委員 ただいま大臣から申し上げました運輸行政の総点検の実施に関する訓令に基づきまして、私どもとしては鋭意その措置を講じてまいってきておるわけであります。
 一つは、運輸行政の制度面の合理化につきまして、この総点検本部におきまして、五十一年の八月に許認可等の事務につきまして規制の緩和、手続の簡素化、権限の委譲等の整理、合理化を図ることを決定いたしました。これは合計いたしまして三百五十二件ということになっておりまして、これに基づきまして八十四国会あるいは今国会にも許可、認可等の整理に関する法律を提出いたしておりますほか、政省令、告示等につきましても見直しを図ってまいっておりまして、現在その約九割程度を実現いたしておるわけでございます。第二に、行政部内の意思決定及びその部外への伝達におきます責任の所在等の明確化のための事務処理体制の改善措置でございます。
 昭和五十一年の九月に事務次官から、事務処理体制の確立、発簡形式をとらない事案の処理等について通達を発しまして、改善措置を講じたわけであります。
 第三に、行政の意思決定の公正を保障するための行政手続等についてでございます。
 昭和五十一年十月の事務次官通達によりまして、行政手続の確立、陳情の公正な取り扱い、事業者等に対する紹介等の依頼の取り扱い等につきまして改善措置を講じてまいっておるわけでございます。
 第四は、そのほか職員の部外との接触に関しまして、部外からの公正さについての信頼を損なうことのないよう努める旨、五十一年十月の事務次官通達、あるいは運輸行政総点検本部におきまして申し合わせを行って、趣旨の徹底を図ってまいっておるところでございます。
○玉城委員 なぜそのことをお伺いいたすかといいますと、後でこの問題に関連しましてお伺いをしておきたいわけでありますが、大臣も、五十一年八月の当時の木村運輸大臣の訓令に基づいて非常に御努力しておられるように私感ずるわけでございますが、おっしゃいましたように、部内におきましては確かに実効が上がっているかもしれませんが、まだまだ実効が上がっていない。先ほど官房長がおっしゃいましたその項目に当てはめまして、まだやはり問題が改善されていないというような面があるわけであります。
 そこで、そういう立場からお伺いしてまいりますが、その一例として、私は先ほど申し上げましたインドネシア・バリ島−日本間チャーター便の問題について指摘をしながらお伺いしてまいります。
 日本とインドネシア間の航空路線は、現在日航がシンガポール経由で週五便、それに対しインドネシア側はガルーダ・インドネシア航空が日本―バリ間週三便、それからインドネシアのセンパチ航空が週二便の計五便となっているのであります。そして、いまの問題の日本−バリ島間のチャーター便については、五十二年の十月三十日と五十三年の四月二十一日の二回、ともに全日空がチャーター便を飛ばしております。
 そのバリ島について、全日空のみがチャーター便が認可されているその理由について、お伺いをしたいわけであります。
○森山国務大臣 先ほどロッキード事件について、運輸省のいろいろなやり方を切りかえていこうという方針が立っておることは御承知のとおり。私が先般若狭会長の問題で意向を表明しましたのは、これに基づくというよりは、これは今日国民的な常識の線であろうと考えておりますし、こういう趣旨にも合う、これに基づいてというよりこういう趣旨にも合う、こういうふうに考えておるということであります。いずれにしましても、ロッキード事件に不幸にして連座されて現に刑事被告人になっている方々が、依然として全日空内部で引き続き重役あるいは主要幹部として勤務になっているということは、私としてはこれは納得できないことであるということでございまして、事務的に幾ら――ただいま官房長がいろいろ言いました。しかし、若狭さんは昔運輸事務次官だということでありますが、運輸省の先輩であっても、やはりこういう基本的な考え方が出れば言うべきことは言うべきじゃないかと思うのですよね。それがとにかく全日空に対しては、政党や商社があれだけ自粛体制をとっておるにもかかわらず、肝心の航空機会社がこういう問題で刑事被告人の立場に連座しながら引き続きそういうところにおるということは、事務的に幾ら細かいこと、細かいといっても一つ一つは大事なことでございましょうが、やりましても、大筋において私は遺憾な点があったのじゃないかとさえ実は思っておるわけでございます。それが第一点であります。
 それからもう一つの問題は、バリ島へのチャーター便のことでございますが、実は私が大臣に着任しましたのは昨年の十二月八日であります。そして翌年の一月二十三日ごろだと思いますが、全日空の広報室から、バリ島にことしは五十便のチャーター便を飛ばすということを天下に公表したのであります。もちろん一つ一つのチャーター便を出す際には政府の許可が要ることは当然でございますけれども、そういう航空政策上大きな出来事につきましては、事前事後にやはり航空当局、少なくも当面の所管大臣である私の耳にそういうことが入っていなければならない。それが入っていないものですから、それでこれは一体どういうことだということで、この問題について私は検討をいたしました。そのことについて私がるる申し上げますよりは、航空局長の方で調べておるようでありますから、航空局長の方から答弁をいたさせますし、私もそれについての意見を申し述べます。
○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。
 御質問の要点でございました、なぜ全日空だけがインドネシアのチャーターをしておるのかという点でございますが、インドネシアに対するチャーターという大きな点でとらえますと、全日空のほかにも日航が飛んでおるわけでございますが、バリ島に関するチャーターにつきましては、インドネシア側が、インドネシアの航空当局が日航からの申請を許可しないわけでございます。この点につきましては恐らくインドネシア側にいろいろと理由もございましょう。それは航空当局間の交渉の席上インドネシア側から説明もあるわけでございますが、必ずしも私どもは十分に納得できる説明とは考えておりません。したがって、繰り返してわが方は、日本航空に対してもバリ島へのチャーターを認めるようにということを強く要求をしておるわけでございますが、もう少し考えさせてくれという範囲をいまだに出ていないわけです。
 そこで、御指摘のございました五十二年及び五十三年にそれぞれ一便ずつ行われました全日空のバリ島チャーターの問題でございます。これは、まず五十二年の九月にインドネシアに対して全日空の方からチャーターを運航したい、こういう申し出がございました。これに対してインドネシアの航空当局の方から包括的な許可をもらっております。これはインドネシア航空当局が直接全日空の方に出してきた包括許可でございます。しかしながら、包括許可ではございますが、一便一便改めて許可を要するというふうな仕組みに向こう側でもなっておったようでございますし、当方ではもちろん一便一便の許可がなければ飛ぶわけにはまいらない、こういうことになっております。
 そこで、このような取り決めがどういうふうな意味のあるものかという点が問題でございますが、これはいま大臣申し上げましたように、この種の取り決めというものをすること自身を禁止するというふうなものではなかろうかと思います。チャーターというものは二国間協定と違いまして、その都度相手国及び自国の政府の許可を得て飛ぶという非常に不安定な形のものでございますので、相手国政府の許可がなければ飛べない。その相手国政府の許可を得る場合に、先ほど御説明しました日航のバリ島チャーターのように、相手がいささか差別的な措置をとっているのではないかというふうに思われるときには航空当局間の議論の議題にはのせますけれども、しかし、協定を結ぶというふうなことは私どもは実はしておりません。
 したがって、一般的に申しますならば、全日空がインドネシア航空当局に対してチャーターを飛ばせたいという申請をすること自身は妨げないわけでございますが、繰り返しますけれども、大臣が先ほど御答弁申し上げましたように、私ども航空当局の事前の了承あるいは一定の指導、こういう範囲の中でそのような措置が行われるというのが当然であったろうと思われます。この場合につきましては、事後的に私どもは承知をしたという経緯がございました。
 したがって、インドネシア航空当局の許可を得ていたということでもございますし、わが方としてはこの種のチャーターをどのように扱うかということを局内で当時検討したわけでございますが、結論としては、わが国からバリ島へのチャーターを飛ばせたいというわが国としての意向は前々からインドネシア政府に申し入れているところでもあるし、たまたま全日空がそのような許可をとってきたということであって、相手国政府に対しては形式的に手続が整っておる。わが国がこれを拒否するといたしますと、全日空がバリ島に飛ぶことが近距離チャーターの範囲を逸脱するかどうか、こういうことになるわけでございますが、その時点における私ども航空当局の判断として、赤道の南にはなるけれども、まあインドネシアくらいのところまでであれば、それをさらに越えてオーストラリアとなると別でございますが、インドネシア程度までであるならばシンガポールのちょっと先という感じでもあるので、いわゆる近距離チャーターというものの中に含めて支障ないのではなかろうか。ただし、今後の扱いについてはあくまで厳重に一件一件審査をしていくべきであろう、こういうことでこれを許可したわけでございます。
 引き続き五十三年に行われましたものにつきましては、これも同様に事前の許可を一便とってまいりました。この点につきましてはわが方も十分納得の上、ただし一つの原則をつくりまして、この原則にのっとって五十三年度のチャーターが行われるということを航空当局は考えておるので、全日空のみならず日本航空についてもこの原則は同じように守られるということを全日空に十分に言い渡しまして第二便目を許可した、こういう経緯がございます。
 しかし、その後の全日空側から申請をいたしてもおりませんし、またインドネシア航空当局の側から特段に許可をするとかあるいはぜひ来てくれとか、こういうふうな話もないままに、その後は全く運航が行われていないわけでございます。
 それから、先ほど大臣の答弁申し上げました中にございました、ことしの一月末の問題でございますが、これはその時点でやはり同じような議論がございました。しかし、これは口頭の了解にとどまったようでございまして、現実的にインドネシア航空当局から具体的に書き物で許可をしてきたということはないようでございます。
○玉城委員 局長がずっとおっしゃいましたので、私、そのおっしゃったことをこれから具体的にお伺いしたいわけです。
 大臣も先ほどおっしゃっておりましたように、大臣がそういうことに非常に積極的な姿勢を示しておられる。部内の刷新、航空行政等、特に注目されておるわけでありますから。先ほどもお話がございましたとおり、こういう非常に大事な問題ですら大臣が直接関係者から聞き出さないといかないというようなあり方、いま局長のおっしゃいました一連のこの問題、私、航空法に違反していると思うわけであります。その点で具体的にそれが果たしてそういうシステムでいいのかどうか、今後はどうのこうのとおっしゃいますけれども、これは最初申し上げましたこの訓令に基づいていろいろな改善をされておられる。したがって、そういう立場から、そういうことがあっていいのかどうか。そういう運輸行政で、簡単に言いますとそういう一民間航空会社がどんどん相手の外国政府といろんな話し合いをする、協定を結ぶ、こちらの運輸省は知らなかったとか、そういうことで済まされる問題ではない。あるいは先ほどもちょっとありましたこの近距離という範囲も、インドネシアが入るか入らないか、その辺ですらまだ明確にされていない。
 そういうことで、私も余りしゃべるとまずいのですが、五十二年十月三十日にインドネシアのセンパチ航空とチャーター便に関する協定を全日空は結んでおられる。私の手元に、そのときにインドネシアの新聞に、両方の当事者がサインしている、そういうものもあります。それについては恐らく局長は、航空法でいうところの協定ではないというようなお考えもおありかもしれませんが、それは別にしましても、五十三年の十二月の末にもまたこのセンパチ航空とある種の合意がなされている。二回目ですね。そういうことは航空法百十条の運輸大臣の事前認可が必要であると私は思います。いまだそういう申請がされていない、あるいはそういう届け出がされていない。そういうことについてその内容を正確に調査をし、契約の内容とかそういうものがどういうものであるかということを調査されるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
○森山国務大臣 その問題は、古いことと申しましょうか、一九七七年のことでありますので、私が変だなと思ったのは、一月の二十三日か四日でしたか、全日空の広報室から年間五十便のチャーター便を飛ばすことになりましたという発表をされた。その発表の事前または事後に私の耳には全く入ってないということ。それから航空局長その他に聞きましても、どうも事前または事後、その直後にそういう話を知っておったわけじゃない。
 たまたまそのころ日本とインドネシアの航空上の協議が不調に終わったというようなこともございまして、やはりそういうことがあれば、日本とインドネシアの航空当局とやりとりしているときのちょうどその時期に当たるわけでございますから、何か日本の航空当局がバイパスされて動いているような印象を持ったということが、私のおかしいなと思った根源でございます。
 前の問題につきましては私が着任するずっと前のことでありますから、私としてはそのことについては定かにはわからないのですけれども、ただ一九七七年に結んだ約束は、いわば友好的な約束事、友好協約みたいなものだったと思うのですが、その直後にインドネシアの航空当局から、チャーター便を何かフィフティー・フィフティーで出すことにしようというような、いわば一種の許可のようなことを言ってきておりますから、それを総合して考えますと、結果的には運送協定みたいなものになっておるのではないか。そういう意味で航空法第百十条ですか、「定期航空運送事業者は、他の運送事業者と連絡運輸に関する契約、運賃協定その他の運輸に関する協定をしようとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。」という規定がございます。これが、航空法第百二十何条でありますか不定期航空運送業者に準用するということになっておりますので、何といいますか、違法と言えるのか、違法でないまでも不適当であるというふうな措置であるというふうに、私は現在のところ考えておるわけでございます。
 ただ、私のところまでその契約書はまだ回ってきておりませんから、よくその点を確かめまして、事務方には検討するようにということを命じておりますが、現段階においては私はそういうふうに思っております。
 それから、あなたのおっしゃるように、私どものように航空事業に前から関係しない人間は、近距離チャーターというものがインドネシアまで延びるのかというのは常識上はちょっとおかしいと私は思っていますけれども、しかしこれは近距離チャーターとして認めようというようなことに運輸省内部で前に決まった、こう言うのですよ。ですから、これは私は今後の航空政策上の再検討事項である、そういうふうに考えております。
 自余の点は航空局長から……。
○玉城委員 航空局長にお伺いしたいんですが、やっぱりそういう契約書の内容とか、そういう実態についてきちっと持っていらっしゃらないと、航空法に違反するのかしないのかの判断のしようもないわけですね。ただ、一方の側の発表だけでそうでないだろうと。これは大臣はいま、違法ではないけれども不適当ではあるという言い方をされましたけれども、そういう大臣の御判断も、やっぱりそういう基礎的な資料もないとどういう判断でそういうふうになるのかということも……といいますのは、私は航空法のこの百十条に違反するのではないか、そういう疑いがあるのではないかという考えがあるわけですから、その点を局長さんにお答えをいただきたいと思うわけです。
○松本(操)政府委員 まず全日空が一九七七年の十月にセンパチ航空との間で結んだ合意書というものがございます。この合意書の内容、委細について実は私まだ大臣に逐条御説明するには至っておりませんけれども、内容については私の段階では調査を終わったと思っております。内容的には、先ほどちょっと大臣も触れられましたけれども、他の運送事業者との運輸に関する協定というふうなたぐいのものではない。これは理屈のつけようではないかというおしかりを受けるかもしれませんが、厳密に言って具体的なことは実は何も書いてございません。友好的にお互いに観光を伸ばしていこうではないか、旅客の運送を伸ばしていこうではないか、こういうだけのことでございまして、どうしようというふうな具体的なことは実は何も書いてないわけでございます。
 これとは別に、先ほど御報告しましたように、十一月になりましてインドネシア航空当局の方から五十便のチャーターをフィフティー・フィフティーの割合で全日空とセンパチで飛ばしてもよろしい、これは許可証でございます。これは他の運送事業者とではございませんで、許可証を受け取ったわけでございますから、法律的にこれは運輸に関する協定にはなりません。
 ただ、大臣も御答弁申し上げましたように、両者をあわせて見た場合にそこに一種の合意ができている、こういうふうに考えてもしかるべきではないか。ですから、直ちに法律上百十条ないしは百二十六条かと私いま記憶しておりますが、条文は後ではっきりいたしますけれども、不定期運送事業者において準用される運輸に関する協定そのものというふうにはとれないと思いますが、しかし、その実態的な内容においては少なくともそこに一つの合意というものができ上がっているというふうに理解していいので、その点について航空当局の方針を逸脱することがないように、その枠の中でそれらの合意があくまで行われるようにという点から見ました場合に、事前に何がしかの相談があり事後に明快な報告があるという手続がとられてしかるべきであったのではないか、このように私も考えておるわけでございます。
 それからさらに、昨年からことしにかけての議論、大臣が申しておりますように、一月の二十三日であったと思いますが、新聞に発表されました内容は全く口頭了解でございまして、書き物は存在をしていない、私どもはそのように理解をいたしております。書き物がございませんので、これをもって協定というかどうかについては非常に疑問があるところでございますけれども、しかしそうは言いながらも、そういう形で話し合いをするのであるならば、やはり事前にその話し合いというものが航空当局が抱いておる構想の枠をはみ出ないものであるかどうか、その結果はこういうふうなことになったが、これでよろしゅうございますかというふうな点についての詳細な通報、連絡、相談、こういうものがあってしかるべきではなかったかというのが私どもの理解でございまして、そういう点におきましては全日空の行いました一連のやり方というものは適切でなかったというふうに私も考えております。(玉城委員「航空法の違反」と呼ぶ)航空法の違反であるというふうには私言いかねると思いますが、適切でないということは言えるのではないか。したがって、すでに一、二注意を喚起しておるところでございますが、委細十分に詰めました後に大臣の御指示も受けて、しかるべく何らかの指示をするようにしたいと思っております。
○玉城委員 とにかく冒頭から申し上げますとおり、そういう不明朗な、ちょっとわかりにくいのですね。ですから、きちっと実態をもう一回調査されて、法に照らしてどうなのか、何か適切ではないというような形でいいかどうか、その辺もしっかりやっていただきたいと思います。
 この問題に関連しまして、公正取引委員会の方にお伺いいたしたいと思うのですが、独占禁止法六条の二項並びに航空法百十一条で、この種の国際契約、まあ口頭、口約束ですね、こういうことあるいは国際協定は公取委に独禁法に基づいて、航空法の百十一条でもそうですが、届け出されなければならないと私は思います。現在に至るもそれはされていないやに承っております。したがって、インドネシア・センパチ航空と全日空とのこういう契約書と申しますかあるいは協定、そういう実態、すなわちチャーター便に関する、これは三回あるわけですね。基本契約というものあるいは総代理店契約的なものあるいはグラウンド・ハンドリング・サービス等に関する契約的なものが現に存在することを私たちは確認をしているわけです。したがって、公取委とされてこういうことは独禁法違反であると私は考えるわけでありますが、こういう実態を調査をして提出させるかどうか、お伺いをしたいと思います。
○加藤説明員 お答え申し上げます。
 ただいま御質問の、全日空とセンパチ航空との契約が届け出られておるかという質問に対してでございますが、いずれも届け出はございません。
 今後の調査でございますが、航空法におきまして独占禁止法の適用除外が設けられておりまして、それとの関係もございますけれども、そういった契約の存否、それから内容、届け出義務があるかないか等を調査いたしまして、もし届け出義務がありますなれば、やはり届け出の督促をすることに相なろうかと思います。
○玉城委員 ぜひ公取委とされても、こういう国際的な話し合い、協定というものが存在しているという実態を調べられて適切な方法を講ずべきではないかと私思うわけであります。
 そこで、大臣も先ほどからおっしゃっておられる五十便のチャーター便の問題ですが、五十便といいますと、ほとんど定期路線のような感じがするわけですね。ですから、そういうものもすでにもう話がついて、航空交渉がされているそういうときに、一方ではいやもうこういう話がついているのだというようなあり方、これは私は運輸行政、そういうことをしていることにも問題がありますけれども、そういうことを許している運輸省にもまた大きな問題があると思うわけであります。
 したがって、先ほど局長のお答えもあったと思いますが、大臣、改めてお伺いしたいのですが、こういう一連の実態からして、たとえこのチャーター便であろうともこれは運輸大臣の許可がないと飛べないわけですから、そういうことからしまして、当然届け出なり何らかの運輸省としてきちっとそういう実態を把握しているというようなことをしていかないと、どんどん実績が積み上げられていって、結局二回チャーター便が行っていますね。そのときも話し合いがついて、運輸省に申請して二日か、三日で許可してその翌日は飛ぶ、そんな感じで、ほとんど実績の上に結局はそれを認めるというかっこうになっているような気がしているわけであります。
 したがって、そういう立場から、こういう問題は、たとえチャーター便の問題であろうときちっと運輸省が航空行政を指導監督されるという立場から、ましてや認可あるいは許可をされるわけでありますから、そういう届け出なりを航空法にきちっと準じて今後されるべきではないかと思うわけでありますが、その点を大臣の御所見を承りたいと思います。
○森山国務大臣 十分御存じだと思いますが、チャーター便の許可は一機一機その都度やるということであります。まとまった問題についての問題は先ほど来の問題でございまして、航空法百十条または航空法百二十二条等の趣旨に沿って少なくともやっていただいた方が穏当であり、適切である、少なくもですよ、と現段階私は考えておりますが、そういうことはなかったわけでありますから。したがって、そういうことについては今後十分お考え願いたい。
 実は一九七七年、いま一九七九年でありますから、私の代になってこの一月の二十三日でございますが、そういうことが新聞発表されたということで私自身が関心を持ったので、昔のことをそう根掘り葉掘りするという気はいささかもなかったのでありますが、どうしてもそういうことを調べていきますと、そういうところまでたどらざるを得なかったということで、そのあなたのお考えのように私が正確に理解しておるかどうかは問題がありますが、一応ここが問題ではなかろうかというふうに考えておりまして、やはり企業の姿勢というものが基本的に問題ではないかというふうに私は現段階は考えざるを得ない。
 この前安西社長が来ましたときに、春闘の報告に対して給与ベースの問題を伺い、二つ目にこの問題について私は率直に安西社長に申し上げた、そして若狭さんの問題に入った。実は若狭さんだけではなくて、あと実際は三人おるわけでございますからね。いろいろこういう姿勢でいいのかなということは、私も率直に感じておるということでございます。
○玉城委員 その企業の姿勢も、大臣おっしゃるとおり問題です。同時にそれを許している運輸行政。ですから、それを刷新なさろうとして努力しておられる大臣のその姿勢については、国民サイドでも高く評価をされているわけであります。
 したがって、この問題に関連して、やはりこれもどうしても私ここで確認しておきたいことがあるのですが、いまおっしゃいましたことしの一月の二十九日、三十日、インドネシアのジャカルタで日本とインドネシアとの航空交渉が持たれているわけであります。その目的、内容、結果、そしてその派遣職員のスケジュール。何日に東京発、何日ジャカルタ着、そしてジャカルタで二十九、三十日は交渉ですからね、何日ジャカルタ発、何日東京着。簡単でいいですからそれをちょっと教えてください。
○松本(操)政府委員 二十九、三十とおっしゃるのはことしではなく、去年になりますね。(玉城委員「去年です。失礼しました、五十三年」と呼ぶ)五十三年の一月二十九日東京発、二月二日ジャカルタ発。三十、三十一日インドネシアのジャカルタ市内のインドネシア航空総局のオフィスにおいて、航空当局間の交渉を行っております。ここにおいて議論されました内容は、まずDC10の導入の問題、第二に、第五の自由をどうするかという問題、第三に、指定航空企業によるチャーターフライトをどう扱うかという問題、第四番に、センパチ航空を指定航空企業にするかしないかという問題、それから五番目に、スペースチャーターと申しまして、定期便の一部をブロックしまして、これをチャーターとして使うか使わないかという問題、この五つの議題について議論をしたわけでございますが、いずれもわが方とインドネシア当局との間の意見が食い違いまして、何らの結論を見ないままこの協議は終わっております。
○玉城委員 会議の内容はわかりましたが、その派遣交渉員のスケジュールですね、三十、三十一日は会議ですから、その日にちを教えてください。
○松本(操)政府委員 一月二十九日東京発、ジャカルタ着、三十、三十一日と議論をいたしまして、二日にジャカルタ発、三日東京着でございますが、その間一日抜けております。二月の一日が抜けておりますが、これは向こうの交渉の責任者でございます航空総局長のカルドノ准将の招待で、デンパサルへ行ってどんなところか一応見てくれ、こういう話で行ってきたというふうに聞いております。
○玉城委員 私たちが聞いていることで、デンパサルというのはこれはバリ島ですね、そこにいらっしゃっているわけです。そこで交渉に行かれた職員の方々が一日から二日にかけて宿泊をし、休養している疑いがある。しかもその費用は、交渉関連当事者でもあるインドネシアのセンパチ航空から出されている疑いがあるわけであります。
 したがって、これが事実であるかどうか徹底調査をして報告をしていただけるかどうか、その点を航空局長にお伺いいたします。
○松本(操)政府委員 ただいま御報告申し上げましたように、カルドノ准将の招待によって一緒に行こうということで、カルドノ自身もついてまいったようでございます。同一行動をとってジャカルタに帰った、こういうことでございますので、わが方が費用を払おうとしたところが、カルドノ氏の方から、これはわが方の招待であるからよろしい、こういうことであったという報告を受けております。
○玉城委員 大臣、ただいまの問題につきましては、先ほどから申し上げておりますとおり、ロッキード事件の反省からそういう訓令、それに基づく改善策がとられてきているわけですね。したがって、そういう疑惑が持たれるようなことがあってはならないということは、もう厳に言われているわけであります。したがって、航空交渉に行きまして、相手のそういう方の御招待ということであったにしても、これはいろいろと疑いの目で見られる場合もあるわけであります。
 一連のいろいろな問題を申し上げましたけれども、やはりこういうことは企業の姿勢にも問題があるけれども、いままでの運輸行政のそういう姿勢にも大きな問題があるのじゃないか、そういう立場から、いまの問題について大臣としてはどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。
○森山国務大臣 ただいまの話は、ここで初めてお伺いをいたしました。一つの問題を提起しておられるお気持ちだと思いますが、私といたしましてはそういうことは万ないものと確信をいたしたいと思いますが、今後とも疑惑を招かないように行動するということを本旨として航空行政を進めてまいりたい、こう思っております。
○玉城委員 大臣、一連の御発言等でも大変国民の側からも評価をされていると思いますので、ぜひ大臣の時代において、何か不明瞭なといいますか不公正な感じを与えるようなそういう行政というものは刷新をしていただいて、ガラス張りのだれが見ても納得のいくような行政刷新をしていただくことを強く要望をいたすわけであります。
 それで、この問題に関連をして近距離チャーターという、その近距離の範囲ですね。決めていらっしゃるということでありますが、それを簡単に、近距離とは大体どういう概念、どういう範囲を近距離として運輸省は考えておられるのか、お伺いをいたします。
○松本(操)政府委員 全日空が四十五年、四十七年の定めに基づいて近距離チャーターを運航し始めてから年月がたつ間に、一つの定着した型ができておるわけでございます。大体東南アジアという範囲というふうにお考えいただいてよろしいかと思います。先ほど私がちょっと触れましたように、赤道を越えるがインドネシアについては東南アジアの範疇内ということで、近距離の中に入れております。距離的には問題は同じようなことであるかもしれませんけれども、東南アジアの概念に入らないと考えられますハワイとかグアムとかいうところについては、現時点においてこれを近距離の中に入れておりません。
○玉城委員 先ほども大臣がおっしゃいましたとおり、この近距離という問題については重要な課題であるというお話がありましたけれども、近距離という常識的な範囲というものは大体わかるわけでありますから、それを明瞭にぜひ公正に御検討をいただきたいと思うわけであります。
 そこで、次の問題に移りますが、これは七月一日開港予定になっております沖繩県の下地島パイロット訓練飛行場の問題についてであります。
 この訓練飛行場はパイロットの訓練を目的に国費約百四十億、沖繩県費約五十四億を投じて今日まで建設が進められ、本年七月ようやく開港の運びとなる予定になっておりますが、開港を間近に控えてさまざまな問題が山積しておるのであります。そこで、この問題についてこの際運輸省の姿勢、またその基本的な考え方、並びに本日はユーザーの代表として日本航空の責任者に御出席をいただいておるわけでありますが、この下地島訓練飛行場の今後の運営のあり方、使用のあり方あるいは今後の計画等について、確認をしながらお尋ねをしてまいりたいと思うわけであります。
 そこで、この下地島訓練飛行場は、そもそも昭和四十年の行政管理庁の勧告、すなわち「訓練専用の飛行場の確保に努める必要がある。」と運輸省に勧告したことがきっかけとなり、その後航空審議会の答申、航空会社の要望等もあって運輸省も本腰を入れてその用地を探し、最終的に沖繩の下地島に白羽の矢が当たり、昭和四十六年八月、運輸大臣、総理府総務長官、当時の琉球政府行政主席の三者の合意により、つまり県営、非公共、収益性の三点の合意をもって決定され、昭和四十八年六月十八日の設置告示となったわけであります。ところが、開港が近づくにつれて管理者である沖繩県は管制、無線、気象という業務を独自で行うことの困難性とその他主として財政上の理由から、当初の非公共飛行場から公共飛行場への転換を余儀なくされたのであります。私は、この点についていささか疑問に思う諸点がありますので、以下数点確認をいたしておきたいと思います。
 まず第一に、そもそもパイロットの訓練というものは第一義的には民間である航空会社がその負担において行うべきものであり、それがわが国航空政策上どうしても必要不可欠のものであれば国がこれを行うべき性格のものであると私は思います。運輸省の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
○松本(操)政府委員 事業用あるいは定期運送事業用のパイロットの養成訓練というものにつきましては、いま先生がおっしゃいましたように、第一義的にはそれぞれの事業者の責任において行うというのがたてまえであろうかと思います。ただ、航空関係のエンジニア、特にとりわけ操縦士というものは高度の技術、訓練を要することで仏ございますので、その初歩的な段階におきましては、御存じのように航空大学校等におきまして基本的な訓練をするということはきわめて前からやってきておるわけでございますが、すでにある程度の技術を習得した以上の、現にラインのパイロットあるいは事業者のパイロットとして活躍しております人たちの訓練、こういう問題についてはそれぞれの事業者の責任において行うというのがたてまえであろうかと考えております。
○玉城委員 いま局長は、そういう事業者の責任、そして国の責任ということが第一義的に考えられるというお話であります。私もそのとおりだと思うわけです。これを地方自治体がパイロット訓練用の飛行場でそういうパイロット訓練をやるという以前に、やはり第一義的には航空会社であり、国、国策という立場からそこに当然責任の比重はかかってくると思うわけであります。
 そこで、このパイロット訓練飛行場は、経過を見ますとそういう実態にはなっておらぬわけであります。特に財政上の問題において、沖繩県にその責任を押しつけ傍観してきたと言っても過言ではないというのが実情ではないかと私は思うわけであります。
 そこで、まず一番目の問題は、管制、無線、気象という三大業務に要する費用は、非公共事業であれば国は出さないというのが空港整特別会計法上の一般的な解釈であろうかと思います。したがって、設置者たる沖繩県が独自でこれを行わなければならないということになってくるわけですが、果たしてそう言えるかどうか。
 この訓練飛行場に関して、そもそも下地島訓練飛行場は非公共であるにもかかわらず、空港整備特別会計法附則で「当分の間、」特会から補助金を出すことになっており、これは設置に要する費用という範囲はあるものの、その精神は沖繩振興開発と訓練飛行場の設置という国家的政策にかんがみ特会から補助金を出すという法的措置がとられてまいったわけであります。
 しかるに、空港整備特会のたてまえを振りかざして、国はもうこれ以上一切の負担はしないとして突っぱねてきたこれまでの運輸省の姿勢は、どうしても納得ができない。この点のお考えを簡単にお聞かせいただきたいと思います。
○松本(操)政府委員 先生おっしゃいますのと私の申し上げる点、多少食い違うかもしれませんけれども、当時の琉球政府から訓練空港についてのお話がございました時点において、先ほど申し上げましたようにパイロットの養成は事業体の責任とは言いながらも、しかし国としても相応の援助を当然すべきでもございますし、さらにはこのプロジェクトが当時の琉球政府の一つの支援にもなるのではないか、こういうふうな考え方もありまして、したがっていまるるおっしゃいましたように空整特会法上に特に附則の十三項を設けまして、その中で空港の建設に関する部分については空整特会の中から金が出せるようにした。これは一つは、およそ空港というものの補助をいたします場合に財源をあちらこちらに置きませんで、一本化して空整特会で行うという考え方に統合したという便宜上の問題もございましょうけれども、しかしその裏には、いま申し上げたような趣旨があったものと理解をしております。
 そのようにしてやりました後で、どのようにこの空港を使うのかという点につきましては、当時は管理会社というものをつくってその管理会社が一括して無線施設等についてはめんどうを見るかどうか、あるいは県が直接的におやりになるかどうか、そこら辺の詰めは必ずしも十分にはできていなかった、いまにして考えれば必ずしも十分ではなかったということは言えるかと思いますけれども、スタートの段階ではともかく建設に関する部分について一〇〇%の補助をしていこう、こういう形でスタートする、その方法として空整特会法の附則の十三項というものが設けられた、こういう経緯であったと思うわけでございます。
 ですから、これを盾にとって云々ということでは決してございません。スタートのときからそういう形で実はスタートをしておったわけでございまして、その後、実際の運営についての的確なかつ具体的な見通しが多少ぬるい点があったのではないか、われわれの側にもあるいは県の側にも。当時は琉政であったわけですが、その後すぐ県に変わったわけで、県の側にもそういった具体的な実務面についての配慮というものが多少甘い点があったかもしれません。われわれの方にもあっただろうと思います。しかし、それは決して空整法があるからどうだこうだ、こういうことではございません。非公共用という形であります以上、そういうふうな形におのずからならざるを得ない、そういう枠組みの中での議論であったわけでございますので、その中で何らかの打開策はないかということで私どもずいぶん県の方と御相談を申し上げたわけですが、諸般の事情があってなかなかその案が具体化していかなかったという点は、先生御案内のとおりかと思います。
○玉城委員 両方あいまいなままに訓練飛行場ができ上がって、開港間際になりまして具体的な問題で追い詰められたかっこうになりまして、結局いろいろな問題が出てきたわけであります。
 そこで、これも運輸省に申し上げたらお困りになるのじゃないかと思うのですが、昭和四十八年の六月十八日に非公共という形でこの飛行場は設置告示をしておられるわけですね。しかも設置許可に当たって航空法第三十九条の一項四号では「申請者が当該飛行場又は航空保安施設を設置し、及びこれを管理するに足りる能力を有すること。」とあるわけですね。ところが、沖繩県においては、以前はもとより現在においてもこれらの管制、無線、気象という三大業務の能力を有するには至っておらないと思うわけですね。しからばその沖繩県から非公共飛行場として許可申請がなされた際、どうしてその能力があると認めてそういう許可をされたのか。であれば、そのオーケーをした資料と申しますか判断した資料を運輸省は当然判断材料として持っておられたと思うのですが、その点はいかがですか。
○松本(操)政府委員 先ほどのお答えでも私ちょっと触れたわけでございますが、スタートの段階では設置した後の維持管理、とりわけ無線施設等の問題につきましては県当局といろいろお話し合いをいたしました。その告示を出すに当たっていろいろな話し合いをしてきました段階で、管理会社というものをつくってその管理会社が全面的に実施をする、それに要する費用は訓練の経費の中から徴収をする、こういう形で管理会社は自営できるはずである、これでいこう、こういうことであったのは間違いのないところであったと記憶をしております。
 ただ、先ほども触れましたように、具体的に管理会社をどういう形でどうして動かしていくのかという細かな詰めの点について、いまにして考えれば、いま一歩二歩の詰めが甘かったのかなあという気はいたしますけれども、その時点におきましては、何回かお話し合いの過程において、そういう形で運営ができる、これでやっていこうではないかということにお互い合意をした結果として非公共用の告示を出した、こういう経緯でございます。
○玉城委員 そういうところにも問題がありまして今日に至ってきているわけであります。過去のこういう問題、過ぎ去ったことでもありますけれども、しかしこの経緯、いきさつを見ますときに、運輸省は非常に冷たい。これは申し上げる時間もございませんのでなんですが、したがってそういうことで、県は従来のような性格でこのパイロット訓練飛行場は財政的にもう維持できない。五十四億という、県財政を強烈に圧迫をして支出をし、その償還が始まっているわけですから。
 そういうことで、運輸省の指導もあったと思いますが、従来の非公共、収益性を転換をして、いわゆる空港整備法に基づく公共用第三種空港に切りかえ、去った三月の二十七日に、県の方ではそういうふうに切りかえて運輸省に申請がなされていると思うわけです。これとても、パイロットの訓練、養成を主たる目的とする訓練飛行場を、空港整備法による第三種空港として位置づけることは、本来の趣旨からなじまない面もある感じがするわけですね。第三種空港といえば「地方的な航空運送を確保するため必要な飛行場であって、」云々という性格があるわけですが、これはパイロット訓練を主たる目的でできている飛行場であります。したがって、その空港整備法に基づいて公共用第三種空港に県としては持っていきたい、そうしないと維持できない、管制あるいは無線、気象、そういうものは自治体でできないわけですから。また、今後の維持管理等を考えたときには、空港整備法に基づいて、国のバックアップに基づいてやっていきたいということなんです。それで、この第三種空港に、本来的な意味のものになじまない。したがって、これはこのままでいったときに今後の県の維持管理にまたまた問題が起こりやしないかという心配が地元の県にあるわけですね。その点を明確に、心配がなければない、そのとおりこの法律の範囲できちっとやっていけるということであれば、そのように心配のない点をおっしゃっていただきたいと思います。
○松本(操)政府委員 まず、本件下地空港が第三種空港になじむかなじまないかという御質問でございますが、第三種空港の定義は先生いまおっしゃったとおりでございます。
 そこで、この空港の所在地は御案内のように伊良部村にあるわけでございまして、伊良部村の人口もおよそ九千程度であったと記憶をいたしております。したがいまして、沖繩の各先島の人口等々を考えますと、九千人ほどの人口のあるところに空港があることは、もちろん宮古がすぐそばにはございますものの、海上運航はしけの場合には非常に困難であるというふうにも聞いておりますので、これは一つの考えとして成り立つのではないか。また一方、南西航空からも、早急にということではないのかもしれませんけれども、適宜本島からの便を飛ばすことを考えたいというふうな意向があることを聞いておるわけでございます。したがって、そういう意味から考えまして、県の方での御判断でございますけれども、これを三種空港として受け入れの用意をしておきたいというふうな御趣旨であるとすれば、三種空港にすることについて私は特に問題はないのではないか、このように考えます。
 ただ、訓練が主体として建設され、今後も恐らく運営されていくべき空港でございますので、そこに一般の定期便が入ってくるということの可否の問題、あるいはそれが県のこの空港の維持運営に対して足かせになるかどうかという問題でございますが、これにつきましては現在までの県とのお話し合いの中において、この空港の使用料というもの、つまり訓練に係る使用料については、別途県の方の諸般の財政上の問題がございますから、これを一定の年限の間に償却できるようにすることとか、あるいは伊良部村に対して交付金を渡すという約束もございますので、そういうふうなものを含めしめるとかいう種々の計算の上に立って訓練のための使用料というものを決めようということで、これはもう原則的な合意に達しておるわけでございます。
 その後適当な時期に路線が開設されたといたしますと、これは訓練とは別の業務でございますので、この部分につきましては通常の三種空港におけると同様、着陸ごとに適時着陸料その他を徴収するという形になる、付加的な財源として入ってくるということでございまして、ただ、そのためにターミナルをどうするとかいうふうな面はございましょう。しかし、ターミナル等はほかの第三種空港について見ましても、地元資本の参加によって、必ずしもこれを全額県費をもってつくるということではないように見ておりますので、御心配のような、三種空港に仮になったといたしました場合に、それが下地の訓練空港としての本来の趣旨を足を引っ張るようなことになるというようなことはないし、また、なじみがないものを無理無理にするというふうなことにもならないというふうに私どもは考えております。
○玉城委員 そこで、改めて運輸省に確認しておきたいわけでありますが、財政的に追い詰められましてこのように公共用第三種空港に切りかえるに当たって、県の議会では附帯決議をしてあるわけです。この空港の経過からしまして非公共という意味は、やっぱり沖繩県、非常に軍事基地、戦争という体験も積んでおりますので、こういうふうに飛行場ができたけれどもこれがまた軍事的に利用されたら非常に困る、そういうことが大きな理由になりまして誘致あるいは反対という大きな議論が当時起こったわけであります。そこで、今回切りかえるに当たって県議会では附帯決議をして、設置管理者であるところの県知事もそのとおりこの空港は維持管理をすべきであるという意思表示もしているわけであります。それで、その附帯決議の項目は「下地島空港は、民間航空機のパイロット訓練及び民間航空機に使用させることとし、自衛隊等軍事目的には絶対に使用させないこと。」という附帯決議をつけて、このように切りかえたわけであります。
 設置管理者もそのとおりであるということですが、そのことについて、これまでのいきさつ等これあるわけですから、こういう沖繩県側の議会あるいは設置管理者の意向というものを尊重されるのかされないのか、その点をこれはぜひ大臣からお答えをしていただきたいと思うわけです。
○森山国務大臣 航空法上は、公共用の飛行場の場合は特定の航空機についてその利用を差別することはできないということになっておりますが、空港管理者が安全性と管理上の理由によって一定の航空機の利用形態を制限することは可能である。したがって、第一義的には設置管理者である沖繩県の問題でありますが、運輸省としては設置者の意向は可能な限り尊重してまいりたい、そういうように考えております。
 「自衛隊等軍事目的には絶対に使用させない」という意味でございますが、これは軍事基地的な使用を認めないという御趣旨のように先ほど来承っておりますから、異例のことでございますので――本土の方では自衛隊の航空基地を併用して使わしてもらっているというようなところもたくさんあるわけでございまして、その意味で異例の要件でございますが、先ほどのようなふうに考えてまいりたいと思いますので、玉城先生におかれましてはどうかこの異例の事態の解消ということにできるだけひとつお手伝いを願いたいと思います。
○玉城委員 せっかくの大臣のお言葉でありますが、この問題がこの飛行場では大きな問題になっておるわけです。やはり軍事的な利用は絶対困るというのがこれは大きな理由なんです。したがって、いまの県知事もそういうことで、また議会でもこういうことですから、改めてもう一回、沖繩県のそういう意思というものは尊重するということを、簡単でいいですから、大臣、ぜひおっしゃっていただきたいわけです。
○森山国務大臣 第一義的には設置管理者である沖繩県の問題ですが、運輸省としては設置者の意向を可能な限り尊重したい、こういうことでございます。
○玉城委員 そこで重ねてこの問題で、沖繩県はこの訓練飛行場建設に対して約五十四億の県費を投下し、県財政に大きな圧迫を加えてきた。訓練飛行場の設置目的からして、投下県費の回収と、今後の維持運営に当たって県費の持ち出しはしないという沖繩県側の基本方針は、この経過からして私は当然だと思うのです。したがって、七月開港に向けて沖繩県側としては五月中にも使用料等を決定しなくてはならないわけであります。運輸省としては、ユーザーである航空会社に対して使用料算定に対しどのように指導をし、こういう県側の基本的な考え方、財政負担の解消について協力的な話し合いをさせるのか、国のお考えを承りたいと思います。
○森山国務大臣 航空局長がお答えする前に、非常にむずかしい懸案ですから、ぜひこの機会に懸案解決に私どもも努力をいたしますし、また地元出身の国会議員もお二人この席においでになりますから、どうか格別の御援助をお願いいたします。
○松本(操)政府委員 先生いまおっしゃいましたように、県がこの空港を維持運営していくのに必要な経費、もちろん県が起債をした分の償還その他をも含めまして、そういうものとか、これも先ほどお答え申し上げましたが、伊良部村に対する交付金とか、こういうふうなものをずっと勘定をいたしまして、県費の持ち出しにならないという範囲で何がしの額になるか、それをどういう形で払うかというあたりについていま関係企業を指導しておるわけでございまして、基本的な点につきましてはすでに県との間で合意に達しておると私どもは理解をいたしております。今後とも航空会社の方を積極的に指導してまいりたい、こう考えております。
○玉城委員 そこで、きょうは日本航空さんに代表しておいでいただきましたが、本委員会に御出席いただきましたことを厚く御礼申し上げる次第でございます。ありがとうございます。
 それで、ただいま運輸省のお話もあったわけでありますが、使用料について日航さんとしてはどのようにお考えになっておられるのか、これが第一点です。
 それから二番目に、現在まで日本航空さんはアメリカの方でパイロットを訓練、養成をしておられるわけです。したがって、この訓練飛行場にどれぐらい移行されるのか、アメリカで訓練しているものをどれぐらいお使いになるのか。
 三番目に、下地島パイロット訓練飛行場を使用されるに当たって航空会社の立場からどういう利点が考えられるのか、どういうメリットが考えられるのか。
 四点目に、わが国唯一の専用と申しますか、パイロット訓練飛行場ができ上がるわけでありますから、使用される航空会社の立場から、地元に対してどういうふうな波及効果が考えられるのか。
 五点目に、非公共という従来の沖繩県側の考え方が切りかわりまして公共第三種ということになりましたので、それについて航空会社としてはどのように見ておられるのか。
 以上、五点でございますが、一点は使用料の問題、それから米国から訓練飛行場に移行する問題、三点目は会社としての利点の問題、四点目は地元への波及効果、五点目は非公共から公共に切りかえた、以上五点、大変申しわけございませんが、お伺いしたいと思います。
○手塚参考人 第一点の使用料の点でございますが、先般来、運輸省の御指導のもとに、私ども利用者の立場におきまして県御当局と協議をさせていただいてまいりました。
 運輸省の御指導とされましては、先ほど来局長から御説明のありましたとおりでございまして、使用料の中に基本的に三つの要素を含む。つまり県のこれまで借り入れをなさった金額を完全に償還できるような内容を含む。それから飛行場を維持運営なさるわけでございますので、その維持費を含む。伊良部村に対する交付金をその中に含む。こういう三つを基本にいたしまして、その具体的な金額等を寄り寄り協議をいたしてまいりました。私どもは、そういった意味におきまして県が今後従来のような多額の持ち出しをなさらなくて済むような使用料を打ち立てるということにつきまして、基本的な同意をいたしております。そういうことの使用料で今後県としてはある意味のメリットがあるのではなかろうかと考えます。
 それから、仰せのごとく私ども日本航空自体は、ただいま訓練をしております主たる基地は、アメリカのモーゼスレークでやっております。小型機の基礎訓練については、アメリカではもう一カ所ございますが、ナパという別なところを使っておりますが、今度下地島が完成いたしますと、そちらへ移転をしてまいりますのは、モーゼスでやっておりますところの訓練をここでやらしていただくことになると思います。
 範囲につきましてですが、来年の半ばごろまでは、言うなれば本格的な訓練の体制になりませんので、現在内地でもやっておりますところのDC8というクラスの飛行機のシックスマンスチェックと申します、六カ月ごとにパイロットが技量保持をするための訓練でございますけれども、それをとりあえず一年間ばかりやる、来年の十月ごろからになるかと思いますが。それから以降の来年度といたしましては、そのDC8に関します移行訓練、昇格訓練といいますか、要するにDC8に関します訓練の全部をこちらでもってやります。さらに三年目につきましては、そのDC8の全訓練に加えましてDC10という飛行機の訓練の一部をここでやるという、三カ年につきましてなお詳しくそれぞれの使用の回数とか時間数等も手元資料にございますけれども、概略申し上げますと、いまのような計画を立て漸進的にモーゼスの機種のそれぞれに伴う訓練を移行していきたい、かように考えておる次第でございます。
 それから第三点の、会社のこの飛行場におきますメリットはどうであるかという点でございますが、ただいま申し上げました訓練の中身から一部推察ができるかと思いますが、DC8のシックスマンスチェックといいます訓練は現在国内で那覇空港なりあるいは長崎、羽田でやっております。それ以外の移行、昇格という次の段階の訓練は先ほどのモーゼスでやっておりますが、その前段のシックスマンスチェックは国内でやっておりますので、この国内でやっております訓練というものにはやはり国内の空港にいろいろ問題があるわけです。つまり騒音公害等々の問題がございます。そういう意味で、まずその騒音公害等が下地島の立地上の観点から内地で言われますような問題はなかろうという点で、私どもは大変気が楽に利用させていただけるかという点は一つのメリットと考えております。
 さらに、現在のモーゼスが距離的に私どもの基地である羽田、成田から大変離れております。したがいまして、DC10の訓練で三年目に下地島に移行させたいと言っておりますような訓練などは、実は一日パイロットが飛べば済む飛行訓練なんですけれども、往復の距離等が大変長くかかりまして、パイロットの訓練効率をそれなりに落としておる、あるいは訓練用の飛行機をモーゼスまで空輸をしていかなければならないというむだなり、機材の非効率的な面などがございます。そういった距離の長さに伴いますところの非効率性が、この下地島ができますことによりまして解消されるという点は、大変なメリットと考えております。
 なおまた、モーゼスは冬季降雪がございまして、その意味における訓練の支障、計画のそごというようなものが出ておりますが、こういった面は沖繩という土地柄上ないかと思いますが、ただ、沖繩につきましては、私ども大変に関心を持っておりますのは台風が来るわけで、こういった問題との関連におきまして、今後なお研究の余地が残っておるかと考えております。
 まことに簡単ですけれども、会社としては、そういったようなメリットを考えておるわけでございます。
 なお、第四点目の波及効果、地元へどういった波及の効果が出るかという御質問でございますが、私ども、利用させていただきます上から、先ほどお話の出ております着陸料といいますか空港使用料といいますか、そういう面をお支払いし、あるいは諸種の税金をお支払いし、地元の村に対しての交付金等を、使用料といいますか着陸料の中にそれぞれ項目的に含めてお支払いするというようなことなどを通じまして、地元への経済的な効果というものが、間接的ではございましょうけれどもあるのではなかろうかと思います。
 さらに、ここには管理会社がつくられまして、当初の管理会社とは少し違った意味の会社の事業内容になるかと思いますが、この管理会社等が行いますところのいろいろな仕事、たとえば飛行機への給油の仕事あるいは不動産を建てまして、宿舎等を建てまして、それらの維持管理をやります。あるいは直ちにではございませんが、航空会社に必要な格納庫であるとか、あるいは訓練に必要な建物その他を建てますけれども、そういうものに対する維持管理というようなことはやることになりますが、こういった管理会社のやります仕事を通じまして、地元にある意味での雇用のチャンスといいますか、そういった効果というものは相当に考えられるのではなかろうかというふうに考えております。
 給油等におきましては、相当技術を必要とする仕事の中身が一部含まれておりますが、そういうもの以外に、油自体の輸送であるとか、あるいは非常な技術を要します飛行機そのものへの給油を除いた面での地元の皆さん方の御協力は賜れるのではなかろうか。そういった意味の細かいことは多々ございますが、要するに雇用関係におきます効果というものが考えられるのではなかろうか。
 さらには、ここに四社合わせまして百数十名の人間が常駐をいたすことになるかと考えます。そういった皆さん方がいろいろな購買その他を含めまして地元のお世話になると同時に、いろいろ地元の皆さんとの接触を通じての購買力的な効果がまた一部にあるのではなかろうか、かようなことをいま私どもは考えておりますが、要するに、この飛行場を利用させていただきますにつきましては、やはり地元の皆さんとぴったりした連帯感を持ちまして協調をしてまいらなければならないものだと考えておりますので、皆さんの御希望あるいは御要請あるいはこちらでお力をかりなければならない面等多々ございますでしょうから、それらを通じて地元への波及効果ということへの配慮は十分にいたしていきたい、かように考えておる次第です。
 第五点目の、非公共用が公共用になったという面でのエアラインとしての影響とでも申しましょうか、そういう趣旨の御質問かと思いますが、公共用と申しましても、先ほど来の御質疑に伴いまして、ここの使用の形態はやはり訓練を主体にするということであると私ども理解をいたしておるわけで、一部の定期路線等が将来においてここへ乗り入れをされるかというふうに考えるわけです。
 ここで訓練といいます立場から見ますと、皆大型の飛行機の訓練をいたすわけですので、なるべくそういった大型の機種が統一されたようなものが訓練に当たるというのが望ましいので、いろいろな種類の、小型であるとかスピードが格段に違う飛行機であるとかが入りまじって使われるというような状態の中では、やはり訓練としましては相当な制約を考えざるを得ません。あるいはまた定期などにいたしましても、これが非常に頻繁であるといたしますならば、やはり運航形態との関連におきましていろいろ訓練の制約は考えられなければならない、こういう問題等がございますので、公共用になりましても、先ほど来のお話のように、そういった飛行機が入りまじるとか、運航上の問題で制約が出るとかいうことができるだけないような運用にしていただければ、訓練をする方といたしましては大変ありがたい、かように考え、そういう運用を期待いたしておる次第でございます。
 以上で終わります。
○玉城委員 せっかくできましたパイロット訓練飛行場でございますので、使用される航空会社の側とされても、これから新しい取り組みがなされ、いろいろな御苦労もあろうかと思いますが、やはりこの飛行場の当初の趣旨等からしまして、また沖繩の振興開発という立場でも、十分御考慮をいただきたいと思うわけであります。本日は、大変ありがとうございました。
 次の質問に移ります。
 大急ぎでお願いしたいのですが、例のガルフストリーム、いわゆる高高度飛行検査のことでありますが、現在運輸省は、YS11型機五機、それからMU2型機一機を使って、低中高度の飛行検査を行っておられるわけであります。ガルフストリームU型機一機で高高度飛行検査を実施しておりますが、この飛行検査はどういう目的で、どういう法的根拠で行っておられるのか、簡単に説明をいただきたいと思います。
○松本(操)政府委員 航空機を安全に飛ばしますためには、各種の航空保安施設、管制施設というふうなものの整備が必要でございます。これらのものの中には、目で見るもの及び無線を使うもの、両方いろいろあるわけでございますけれども、いずれにもせよ、これらの性能が確実に出ておりませんと、かえってこれらのものに頼ることが航空の安全を阻害するということにもなりかねないわけでございます。そこで、これらの施設等の運用に当たりまして、私どもといたしましては、航空機を用いてこれらの性能をチェックする、その航空機を用いる場は、運輸省の本省の中に運用課というのがございますが、運用課がそれを行うということが設置法の中で決められておるわけでございます。したがいまして、いま先生の御説明の中にございましたように、最近におきましてはYS11を五機、MU2を一機、ガルフストリーム一機を使いまして、たとえば低いところでは、飛行機が着陸いたします場合に目で見て正確な角度でおりてくるための施設がございますが、こういうふうなものをチェックするとか、あるいはやや中高度になりますと、各種の無線施設あるいは飛行場のタワー等から無線を使って呼びかけておりますが、こういうものが正確に聞こえるかどうかというふうなチェック、あるいは無線施設が正確に位置を示しているかどうかというチェック、さらに高度が二万数千フィート以上の高いところになってまいりますと、電波の障害等を確実に――電波は直進すると一般に言われておりますけれども、現実にはいろいろと曲がってくることがございます。そこで、こういう電波の道を航空路に使っておりますので、これが曲がっておりますと非常に問題がございます。最近は非常にジェット機がふえ、したがって高高度を通る飛行機もふえましたので、こういうものについては高高度用の飛行機を使ってチェックをする、こういうふうな体制で、現在航空の安全を確保するための手はずを整えておる、こういうことでございます。
○玉城委員 航空法に基づきましてこういう飛行検査をなされておるわけですが、戦後から昭和三十七年まではいわゆるFAA、アメリカ連邦航空局に委託をして行っておられた。そして、五十年にいわゆるガルフストリーム機を購入されて、五十年から高高度の飛行検査をされる。その間空白があるわけですね、三十七年から五十年までの十三年間ですか、あるいは四十二年の引き継ぎからは八年間。その空白の間そういう高高度の飛行検査を航空法に基づいて運輸省は実際にやってこられたのかどうか、そこをお伺いしたいわけです。簡単でよろしいですから。
○松本(操)政府委員 四十二年の四月一日から私どもが直接フライトチェックをすることにいたしました。その時点ではYS級の飛行機しか持っておりません。したがって、高高度の検査をすることができなかったわけでございます。所要の補正的な手段は講じておりましたが、直接的に私どもがするということはガルフが運航するまでの間は事実上できなかったわけでございました。
○玉城委員 これも時間がございましたら、非常に大きな問題だと思うのです。やるべき検査がされないままに、長い間空白があったということですね。これはもう運輸行政の一つの怠慢の問題だ。これは過去の話でありますけれども、こういうこともやはり重大な反省の点とすべきではないかと思うわけであります。
 それで、もう一点は、二回FAAに運輸省はいわゆるフライトチェックの委託をしておられるわけですね。これは昭和四十八年、四十九年、二回委託をしておられるわけですが、これはいかなる内容の委託であったのか、説明をしていただきたいと思います。
○松本(操)政府委員 四十八年の七月二十一百及び二十四日、FAAに委託して行いましたフライトチェックの内容は、新東京国際空港の開港に伴う同空港に係る高高度の出入経路というのがございますが、その高高度の出入経路に義務通報点その他のポイントがございます。そういうポイントが正確にとれるかどうかという点についてのチェックをしてもらったものでございます。
 四十九年のは四月八日から十日の三日間でございまして、これは沖繩の返還に伴い新しく設けられました八重岳の航空路監視レーダーにつきまして、やはり高高度において正確にレーダーが機能するかどうかということをチェックするために委託して行ったフライトチェックでございます。
○玉城委員 そこで私が問題にしたいのは、FAAに対して委託をする場合に、どういう契約で、どういう内容で、どういう手続と申しますか、どういう形でそれがなされたのか、その点にちょっと問題があるという立場からお聞きをしているわけであります。それを簡単に、どういうふうな契約の仕方をしたのか、その点をお伺いいたします。
○松本(操)政府委員 FAAはその出先を在日のアメリカ大使館の中に持っておりますので、私どもの担当者とその在日米大使館のFAAの担当者との間で口頭による打ち合わせを行い、さらにFAA側は電報を本国に打ったようでございます。それに基づきまして、FAAの本庁の方から私どもの航空局に対し、電報をもって、かくかくしかじかの条件で引き受ける、こういうことを言うてまいりました。これについて検討いたしました結果、妥当であろう、こういうことでございましたので、私どもの方からも同じくとりあえずの電報をもって、そのお申し越しの形で所定のフライトチェックをしてもらいたい、こういうことをFAAに対して依頼をした、こういう形で実際のフライトチェックが行われたわけでございます。
○玉城委員 最後に、ただいまのやり方は、契約の仕方は会計法に違反する、このように考えております。会計法第二十九条の八並びに予決令百条の二第一項から見て、当然こういう契約は文書による契約書を作成しなければならない。にもかかわらず、そういう電信だけのやりとりで、この契約料もちゃんとありますが、そういう文書の作成もされていないということは会計法違反ではないか、そういう考え方を持っているわけです。
 したがって、この点、会計検査院にお伺いをいたしますが、こういうことは当然会計法上は文書による契約書が作成されなければならないと考えるわけでありますが、会計検査院の御見解を承りたいと思います。
○松尾会計検査院説明員 こういう場合においては文書によって契約書を作成するのが原則でございますが、予決令の百条の二第二項に「各省各庁の長は、前項第四号の規定による認定をしようとするときは、大蔵大臣に協議しなければならない。」 その前でございますが、百条の二の一項第四号に「第一号に規定するもの以外の随意契約について各省各庁の長が契約書を作成する必要がないと認めるとき。」は、それを受けまして、大蔵大臣に協議して契約書の作成を省略することができるという規定がございます。運輸省のこの契約につきましては、恐らくこの規定によってやったのではないかと考えております。
○玉城委員 時間ですが、そうしますと、検査院としてはそういうことは会計法上は問題はないということですか。
○松尾会計検査院説明員 百条の二については、契約書を省略しようとするときには大蔵大臣との協議が必要でございますが、この協議をやっておりませんので、運輸省としては必要な手続をとってないと考えております。
○玉城委員 時間が参りましたので、以上で終わります。
○加藤委員長 安藤巖君。
○安藤委員 国鉄の方に鉄道の建設に伴う環境問題についてお尋ねをいたします。
 東海道の大府−名古屋間の線増事業、俗に南方貨物線というふうに言われておりますが、これの建設と環境問題についてお尋ねをします。
 この南方貨物線がいま建設中でございますけれども、これが完成をして供用するということになりますと、一日の運行回数は貨物列車にして何本になるか、そしてその運行の時間帯はどういうふうになるのか、まず最初にお伺いします。
○高橋説明員 ただいま建設中の南方貨物線はまだどういう運行をするか決まっておりませんが、ただいまこれと並行した東海道本線に走っております貨物列車は一日に百八十六本ございます。そのうち夜の十時から朝の六時までのいわゆる夜間に運行いたしております貨物列車が七十九本ただいまございます。まだ運行計画は決まっておりませんが、これがそのまま移行するのが通常でございますが、これについてはなお開業直前になりまして検討してまいりたいというふうに考えております。
○安藤委員 そうしますと、深夜、早朝にかけても運行がなされるということですが、夜間運行は取りやめてほしい、特に午後十一時三十分以降は取りやめてほしいという要望が名古屋市当局あるいは沿線の住民から出ているということは御承知だと思うのですが、これには応じられないということになりますか。
○高木説明員 地元の方からはそういう御要請が出ておるわけでございますが、どうも現在ほかの地区の、つまり東海道線の延長上にある西側の状況、それから浜松なり静岡側なりの状況から申しまして、非常に恐縮には存じておりますけれども、夜間に通させていただかないと昼間はいわゆる線路容量が足りないということでございますので、いろいろ配慮いたしますので何とか通させていただきたいということでお願いしておるところでございます。
○安藤委員 そういうようなことだということですが、運行の本数を減らすとかあるいは速度を緩めるとか、そういうような点について検討していただく余地は全くないんですか。
○高橋説明員 先ほども申し上げましたように、まだどういう運行にするかただいま決まっておりません。いまいろんな点で検討は進めておりますけれども決まっておりません。恐らく運行の全体の回数というのは、貨物列車といいますか貨物の輸送需要がどうなっておるかということで列車の運行回数というのは決まってまいりますが、いまある東海道線といまつくっております南方貨物線にどういうふうに振り分けるとか、あるいは昼間と夜がどういう比率になっているかということについてはいろいろ検討すべき余地があろうかと思いますが、ただいまのところはまだその点については決まっておりませんので、いろんな点で検討を進めていきたいというふうには考えております。
○安藤委員 環境の保全対策についてお尋ねをいたします。
 騒音あるいは振動の防止対策についていろいろ国鉄当局の方でも努力をしていただいているということは聞いております。内容はそう詳しく話をしていただかなくてもいいんですが、私の方から聞いている範囲を申し上げます。コンクリートのけたを使用するとかあるいはけた式高架橋を採用するとかあるいはロングレール、それからバラストマットの使用、それから防音壁を二メートルつくる、それから沿線の両側幅二十メートルを用地買収するというような措置がとられているということは知っておりますが、これで騒音の方それから振動の方、沿線住居に与える影響というのはどの程度になるというふうに見ておられますか。
○高橋説明員 私の方もいろいろな工法を、いま先生のおっしゃいますようなことをやっておりまして、最終的には完成してみないと正確に申し上げられませんが、一応目標といたしましては、騒音についてはピークレベルで六十五ホンにはできるんではないか。また振動につきましては非常に深い基礎を考えておりますので、これも六十五デシベル以下にはできるんではないかというふうにただいま考えております。
○安藤委員 そうしますと、いまおっしゃった騒音、振動の問題については、努力目標は沿線の住民の人たちあるいは名古屋市当局の要望にこたえられるというものになっておるのでしょうか。
○高橋説明員 地元の方々の御要求は、騒音も振動もできるだけ小さくという基本的な御要望がございますので、なかなか私の方の目標値では、必ずしも全体の方がよろしいという状態にはなっておらないというふうに考えております。ただ、私の方はただいまの技術水準あるいは地域の実態等から考えまして、構造物等で努力をいたして、できるだけのことをしたいということで努力をいたしておりますので、いまの目標値で理解を得られるように今後もなお努力をしていきたい。大方の方の御理解は得ているというふうに考えておりますけれども、まだ一部の方にそれでは不十分だという御意見があることも拝聴いたしております。
○安藤委員 大方の人たちの理解ということをおっしゃったのですが、それは夜間の運行についてもいまおっしゃったような、騒音で言うと六十五ホンが最高ですからそれ以下ということで大方の人はいい、深夜でもそれでいいという了解に達していると見ておられるわけですか。
○高橋説明員 騒音、振動は昼間でも夜でも列車から発生する騒音、振動については同じ数値でございますので、私どもの申し上げているのは昼ということあるいは夜ということでなくて、いまの数値を申し上げております。ただ、地元の方々は夜間はもう少し小さくならぬかという御要望が昼間よりはもっとよけいにあるということもよく理解をいたしておりますけれども、昼も夜も同じ数値でございますので、その点についてはなかなかいろんな方々の御意見がたくさんあるということもよくわきまえておるつもりでございます。
○安藤委員 そこで、大方の人の了解を得ているというお話、そしてそういう目標のために努力をするというお話を伺ったのですが、それが実際に運行してみてそんなうまいぐあいにはいかなかった、騒音も振動もそれよりも相当上回ったというようなことになった場合は、何か対策は考えておられるのですか。
○高橋説明員 私の方は相当自信を持って実は進めておりますが、いま先生の言われる万が一ということでございますが、騒音、振動対策には、いまの防音壁とかあるいはロングレールということ以外に周辺対策という方法も実はあろうかと思いますし、それから振動等については振動遮断法という工法もあろうかと思いますので、運行後非常な支障が出たというような問題についてはそういうことも考えて処置をしていきたい。ただ、できるだけ国鉄だけの工法でなくて、市等の都市計画等ともあわせて緩衝的なものを設けるということが一番よろしい方法じゃないかということも考えて、今後対処していきたいというふうに考えております。
○安藤委員 大方のところが騒音の場合でいきますと六十五ホン以下ならばということなので、最初できるだけ低くというのが基本的な要望だからそれに沿うようにと努力をしておられるというのはわかるのですが、大方の要望がそういうことだからそれさえ達成されればそれでいいのだというようなお考えになっていただくと、これは問題だと思うのですね。だから、名古屋市当局と国鉄の方はいろいろ要望書、回答書ということでやりとりを何回かやっておられる。その中で岐阜工事局長から名古屋市長あての文書の中にも、「最新の技術を取り入れて生活環境を良好に維持するため対策を講じます。」と、こういうふうにもなっているわけです。だから、大体の要望がそうだからもうこの程度でよかろうということではなしにやっていただきたいということを要望したいのです。
 その関係については、昭和四十七年五月に横浜市との間に、東海道線のいわゆる別線の問題で協定ができまして、それによりますと、騒音は五十五ホン以下、それから振動の場合は、単位がちょっと違うのですが〇・三ミリ以下、そういうような協定ができている。これは私ももちろん調査をいたしましたので、シェルターを全部かぶせるとか、あるいはトンネルとトンネルの間の山に囲まれたくぼ地だとかそういうような状況はもちろんわかるのですけれども、この横浜との協定の問題について、中身について、南方貨物線の沿線住民の人たちあるいは名古屋市当局に対して、こういうようなのも実はありますというような話をしておられるのかどうか。そして、そこはそうなのだけれども、実際はこちらの方はこういう理由で無理なのですというような説明をしておられるのかどうか。いかがでしょう。
○高橋説明員 いまの横浜市と国鉄の間で取り交わしました、これは協定書ではございませんで市からの要望に対して私の方が基本的に了解いたしますという往復文書のかっこうになっておりますが、その中にいま先生の申された騒音については五十五ホン以下、振動については〇・三ミリ以下ということが載ってございます。これは四十七年のことでございますが、私の方は当時そういう取り交わしがあるということは市並びに地元の方々にも知っていただいてはいたと思いますが、なぜこういうふうになったのか、あるいは名古屋市とこことどういう基本的な条件が違うのかというようなことまで詳しくはお話しはしてなかったのではないかというふうに考えております。最近になりましてそういう御質問がございますので、ごく最近になりまして、どういう基本的な違いがあるかということについて私どもの現地の局が名古屋市等に御説明をしているというふうに伺っております。
○安藤委員 いまおっしゃったように、その問題について、南方貨物線の沿線住民の人たちあるいは名古屋市当局に対して説明がされていなかったということで、六十五ホン以下というようなことなのだけれども、横浜じゃ五十五ホン以下を約束してそのために努力をしているじゃないか、それだったら南方貨物線の方だって、全覆い型というようなのができるかできないかは一応別にしても、もっと努力をする余地があるのではないかという意見が出てきておるわけですね。だから、そういう辺のところが、国鉄の環境保全についての沿線住民の人たちに対する姿勢にやはりどうもおかしいところがあるのではないかという気がするのですよ。それが一つ象徴的にあらわれているのだと思うのです。
 そこで、先ほどの騒音の場合の六十五ホン以下にするというようないろいろな工法あるいは設計についても、国鉄の方が住民の要求に対してなかなか応じようとしない、それはちょっと無理だというような態度をずっととってこられたという話も聞いているのですよ。だから、住民の人たちの合意あるいは了解がなかなか得られなかったという経過も聞いております。
 そういうことなのでこれは非常に長期間かかっているわけですね。名古屋市当局の方ももちろんなかなかうんと言わないということで、これは当初の計画よりも十一年おくれるという羽目になっております。だから、これは御承知ですが、会計検査院からも昭和五十二年度の決算検査報告で「極めて非効率に使用されている」、もうすでにできた部分が遊んでいるわけですから、そういうようなことが特記事項で指摘されているということにもなっているわけなんです。これからもまだいろいろ住民の人たちとの折衝ということもありましょうし、名古屋市当局との交渉ということもありましょう。だから、そういう点についてこの検査院の指摘ということもあるわけですから、この辺についてどういうふうに考えておられるか、これは総裁の方からお答えいただきたいと思うのです。
○高木説明員 名古屋の南方貨物線関係の住民の方々が、横浜ではこういうことができているのだから名古屋でもやっていいじゃないかということをおっしゃるのは、よくわかるわけでございます。しかし、私どもから見ますと、名古屋と横浜とでは、その周辺の利用状況といいますか、工場が多いとかあるいは住宅が多いとかいういろいろな事情が違うわけでございまして、横浜の場合には、いわゆる住宅向きのところの真ん中を通らせてもらわなければならぬというようなことがありましたので、そこに相当の思い切った投資をしてでも何とかしてやらなければいかぬというような事情があったようでございます。
 この問題は、実は全国的にもいろいろ問題があるわけでございます。現在御承知のとおり全体として赤字でございますし、特に貨物輸送につきましては赤字ということになっております程度がひどいものでございますから、住民の方々の御理解を得られる限度でなくてはなりませんけれども、やはり私どもとしてはなるべく建設費を低く抑えるという努力をいたさなければなりませんので、その辺をどこで調和点を求めるかということだと思っております。しかし、いずれにしましても大変御迷惑がかかるわけでございますから、市当局はもちろんでございますけれども、いま担当理事が大方のと申しましたけれども、何とか全部の方々の御理解を得るところを見つけたいというふうに考えておるわけでございます。
 南方貨物線については、ほかにもいろいろ障害といいますか、お話し合いがうまくまとまらない点もあったわけでございますが、そうしたものはだんだん御理解をいただけるようになりまして、まさにいま御指摘の点が最後に残った問題でございますので、十分お話を承りますし、また市当局にもいろいろお願いをしてあっせんの労をとっていただいて、私どもが御提案申し上げておる線で何とかお願いをいたしたいというふうに考えておるところでございます。
○安藤委員 そこで、この南方貨物線の完成の見通しはどうなっておりますか。
○高橋説明員 一応私の方の目標といたしましては、大変おくれてまいりましたけれども、いま工事は全体の九割ほど進捗いたしておりまして、用地買収等も面積的に申し上げてあと一%ぐらい残っているという実態でございますので、何とか早く御理解を得て五十七年度中には使用開始に持っていきたいというふうに考えております。
○安藤委員 そうしますと、工事の未着工区間があるわけですが、この区間の工事の開始というのはいつごろと見込んでおられますか。
○高橋説明員 この南方貨物線の全長、二十六キロ余りございますが、いま約一キロぐらい残っておりまして、その一キロの中にはまだ一部工事中もございますし全く未着手の部分も含まれておりますけれども、工期といいますのは、ここは、残っておりますのはすべて高架橋でございますので、高架橋自体をつくるには四カ月から半年もあれば範囲が狭ければできるというふうに考えております。範囲が広ければ一年なり一年半かかるという問題でございますので、用地買収等がまだきょう現在も進んでおりますが、逐次進めていけば、いま言った工程内には入るのではないか。最後に、時間がかかりますのは、軌道はつながって敷設をいたさなくてはなりませんので、できるだけ能率的に上げるためには、まず高架橋を完成させて、それとほぼ並行させて軌道工事を進めていこう、そういたしますと、五十七年度にはできるというふうに考えております。
○安藤委員 いま名古屋市との間に公害防止協定についての話し合いが進められているというふうに聞いております。これはこの前の八十四国会のこの決算委員会で高橋さんにお尋ねして、高橋さんの方から答弁をいただいたのですが、アセスメントを行って協定をしたいと思っているという答弁をいただいて、それに基づいて交渉が行われているのだというふうに思います。それでこの交渉の中で、これはスムーズに行っているのかどうか、私も聞いておりませんから知りませんが、何かネックになっているのがあるのかどうか。その協定成立の見通しというのはどういうふうに見ておられるのか。
○高橋説明員 協定をいたす前に、こういう構造物をつくって列車を走らせたらどういう騒音、振動が出るか、いわゆる環境アセスメントをまず実施しなくちゃならないということで、これは一昨年から進めて昨年の夏ぐらいまでにほぼ現地でいろいろな騒音、振動、日照、テレビ障害、こういうものについて多分こういう影響を受けるだろうということを名古屋市と協力して進めてまいりました。いまそのアセスメントの答えを名古屋市に提出して、こういうことでいかがでございましょうかという御相談をしておるところでございますが、いま先生の申されたように、横浜との関係が少し違うではないかというような御指摘があって、特に騒音の問題についてもう少しお互いの意見を交換しようということで、まだ最終的な協議が成り立っておりません。それができますれば名古屋市の御了解を得たということで仕事が進んでいくのではないかというふうに考えております。
 ただ、防止協定ということになりますと、これは私の方は市との間でそういうふうに結んだらどうかというふうに考えておりますが、市の方でもよろしいということになれば協定的なものが市との間にできる、そうすると工事はなお一層スムーズにいくのではないかというふうに考えております。
○安藤委員 協定という形でできるかどうかは相手方のあることだから名古屋市の出方次第のような話だったのですが、やはりはっきり協定というものができた方がいいと思うのですけれども、そういうような話し合いができるまで未着工部分の工事の再開というのはしないでいくというお考えなのですか。
○高橋説明員 すでに九割も進んでおりますし、それからいま残っております中にも、一部は市の御都合もあり、仕事を進めている区間もございますし、また、この中に学校その他がありまして、やはり学校等は夏休みがいいとか、いろいろなそういう条件もございます。したがって、工事についてはいま全面的に中止するのじゃなくて、部分的に地元とお話をしながら御了解を得たところを進めているということで、これはこのまま続けてできるだけ工事の進捗を図りたいというふうに考えております。
○安藤委員 結構です。
 委員長、これで終わります。
○加藤委員長 次回は、明十九日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十四分散会