第087回国会 交通安全対策特別委員会 第3号
昭和五十四年三月二十二日(木曜日)
   午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 有島 重武君
   理事 左藤  恵君 理事 佐藤 守良君
   理事 中村 弘海君 理事 前田治一郎君
   理事 太田 一夫君 理事 後藤  茂君
   理事 宮井 泰良君 理事 青山  丘君
      石川 要三君    石橋 一弥君
      玉生 孝久君    丹羽 久章君
      野中 英二君    水平 豊彦君
      山本 政弘君    吉原 米治君
      石田幸四郎君    寺前  巖君
      伊藤 公介君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 森山 欽司君
        建 設 大 臣 渡海元三郎君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      三原 朝雄君
 出席政府委員
        内閣総理大臣官
        房交通安全対策
        室長      三島  孟君
        警察庁交通局長 杉原  正君
        運輸省鉄道監督
        局長      山上 孝史君
        運輸省自動車局
        長       梶原  清君
        運輸省自動車局
        整備部長    小林 育夫君
        運輸省航空局長 松本  操君
        建設省都市局長 小林 幸雄君
        建設省道路局長 山根  孟君
 委員外の出席者
        国土庁大都市圏
        整備局整備課長 平野 侃三君
        大蔵省銀行局保
        険部長     貝塚敬次郎君
        農林水産省経済
        局農業協同組合
        課長      三井 嗣郎君
        郵政省簡易保険
        局業務課長   宮垣 明次君
        日本国有鉄道建
        設局長     半谷 哲夫君
        特別委員会第一
        調査室長    綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 交通安全対策に関する件
     ――――◇―――――
○有島委員長 これより会議を開きます。
 交通安全対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野中英二君。
○野中委員 きょうは三原総理府総務長官御出席でございますので、総理府総務長官にしぼって、わずか二十五分でございますが、御質問申し上げたいと思います。
 御存じのとおり、長官就任以来四カ月をけみするわけでございますが、その間、総理府という役所はまず固有の仕事、いわゆる縦糸行政をやるばかりではなく、さらに各省庁に属せざる職務、横糸の行政をやっておられる、こういうふうなことで多種多様に及んでいるわけでございますが、そのお仕事の中で長官は一体何を重点的におやりになる所信であるか、お尋ね申し上げたいと思います。
○三原国務大臣 お答えいたします。
 御指摘のように、総理府の仕事はきわめて幅の広い、しかも各省庁にわたりますそうした連絡、まとめ役の仕事もあるわけでございます。特にそうした仕事をする者として何を重点的に考えておるかということでございますが、第一には、総理のそばにおります立場上、総理に過ちのないように、また過ちがあってはなりませんけれども、そうした点で総理の補佐役的な立場で内閣に過ちがないように努力をいたしたいと考えておるのがまず第一点でございます。
 それから非常に大事なのは、生命に関する仕事がございます。交通対策でございますとか、青少年から婦人、老人問題等に関しまする、それらの方々の保護、福祉の増進という面ばかりでなく、生命に関係した問題を特に重点的に考えなければならぬ。
 それから、一つには人事を担当するわけでございます。そういう点において、公務員の諸君の綱紀の粛正でございますとか、そういう面ばかりでなく公務員としての意識を高揚しながら努力をしていただく、そういう姿勢、態度で進んでいただきたい、そういうことがまた重点の一つでございます。これに関係いたしまして、広く恩賞問題栄典問題等があるわけでございます。
 そういう点に特に力を入れねばならぬというようなことを考えておりまするが、いずれにいたしましても全体的に国民と政府との、総理が言っておりまする血の通った体制をつくるために、国民が行政を理解して官民一体の体制をつくるというところに視点を置きながら精進をしてまいらねばならぬ。数限りなくございますけれども、御指摘のように特に取り上げて申し上げますならばそういうことではなかろうかと思うのでございます。
○野中委員 いま長官から重点施策を聞いたわけでございますけれども、その中で二番目に申されました生命に関する問題の中で特にわれわれが取り上げなければならぬことは、交通戦争と言われてきた今日、この交通戦争にどう対処し、これをどう改善していくかということが大きな問題でございます。こういうところを長官は御認識賜りまして、今度の交通安全対策に関する総務長官の所信表明の中で、「今後政府といたしましては、交通安全対策におけるこれまでの成果とこれからの厳しい情勢を踏まえ第二次交通安全基本計画にのっとり交通安全施設等の整備を初め、交通安全運動、交通安全教育の充実を図ること等を重点として、総合的な交通安全対策を強力に推進いたしたいと考えております。」こう明確に総務長官は言われているわけでございます。
 そこで、この第二次交通安全基本計画というものをつくられたわけでございますが、この問題に触れる前に、私たちは、第一次交通安全基本計画というものが一体どの程度実施されたのであろうか、この反省の上に立って第二次交通安全基本計画というものをながめなければならない、こう思いますので、第一の質問として、交通安全対策の根幹をなすものが交通安全基本計画でありますので、第一次交通安全基本計画の達成率は何%か、まず御質問申し上げたいと思います。
○三島政府委員 お答え申し上げます。
 御承知のとおり、昭和四十六年度から第一次交通安全基本計画は始まったわけでございます。さらに昭和五十一年度から第二次の交通安全基本計画を進めておるわけでございますけれども、先生もう十分御承知のとおり、交通安全基本計画では、道路交通環境の整備その他ソフトの面を含めましていろいろな施策を推進することになってございます。その進捗状況でございますけれども、第一次基本計画は私ども基本計画どおり実施できたと考えておりますし、それから第二次基本計画も順調に進行しておるというふうに考えておるわけでございますけれども、ソフトの面はなかなか数字的に申し上げかねる問題でございますので、ハードの面についてちょっと申し上げますと、第一次基本計画におきましては、特定交通安全施設等整備事業五カ年計画、これの第一次計画を昭和四十六年から五年間にわたって進めたわけでございますけれども、その進捗状況は、事業費ベースで公安委員会分は一〇五・一%、道路管理者分は一〇三・八%、合わせまして一〇四・一%となってございます。完全に実施できたというわけでございます。それから、昭和五十一年度から始まりました第二次計画につきましては、昭和五十四年度のいまお願いしております予算を含めますと、公安委員会分が七三・一%、道路管理者分が七六・五%、合計で七五・八%となる予定でございます。順調に進行しておるというふうに私ども考えておる次第でございます。
○野中委員 私が質問をする前に第二次の成果まで御報告賜りまして、ありがとうございました。五十四年ベースで七〇%を超すわけでございますから、ハードの面では進捗できるというふうに考えております。ただ、私たちが特に第一次を顧みて心配をいたしておりますのは、ソフトの面であります。交通事故の大部分というものは老人あるいは子供、こういうことになりますので、社会教育あるいは幼児教育を通して徹底をさせていかなければならない、こういう問題があります。特に時間帯から見ても、交通事故の多い時間というものは、下校時であるとか登校時であるとか、こういう時間帯に多いわけでありますから、ソフトの面、特にこれをどう充実を図っていくべきか、第一次の基本計画のときの足らざるところを第二次においてはどう補足していこうとお考えか、改めてお聞きをしておきたいと思います。
○三島政府委員 お答え申し上げます。
 もう先生御指摘のとおりでございまして、交通安全基本計画でいろいろな対策を進めることに相なっておるわけでございますけれども、ハードの面は、先ほど申し上げましたようにかなり充実を見た。したがいまして、それが交通事故の減少に大変役立ったということはもう間違いないところだろうと思います。そこで、交通事故の推移を見ておりましても、昨年まで交通事故死者は八年にわたって連続減少を続けまして、第二次交通安全基本計画の目指します、ピーク時の昭和四十五年の交通事故死者の半減を目指す、こういう目標になっておりますけれども、その目標実現ももう間近ではないかという感じさえするわけでございます。ただ、どうも昨年あたりの事故を見ておりますと、事故死者は減りましたけれども、発生件数と負傷者数は若干ふえました。
 それから、内容的に見ますと、いま御指摘ございましたとおり、歩行者、自転車、老人、子供の事故発生率がやはりほかの国なんかに比べても高い、こういう実情でございますので、やはり日本の場合におきましてはそうした交通弱者対策ということが一番の重点でなければならないというふうに考えておる次第でございます。第二次交通安全基本計画でも、歩行者、自転車あるいは老人、子供の交通事故防止を最重点に置くということが示されてございますけれども、最近の交通事故の実態にかんがみましても、今後一番大事なところはそういう交通弱者対策ではなかろうか。その場合、確かに交通弱者対策としましてのハードの面におきましては、たとえば通学通園路の交通環境の整備その他かなり充実を見てきておりますけれども、問題は、やはり今後ソフトの面、特に国民全体の交通安全意識をうんと高めるということが何をおいても一番大事ではなかろうか。
 今後どうするかという問題でございますけれども、私どもとしましては、これは今後まずはやはり御家庭にひとつ強く呼びかけていく必要があるんじゃないか。そしてまた、企業にも呼びかけていく必要があるんじゃないか。どこの御家庭にもドライバーとしてのお父さん、お母さんもおられるわけでございますし、あるいは交通弱者としての子供さん、老人もおられるわけですから、どの御家庭からも交通事故の加害者も被害者も出さないために、まず御家庭でいろいろ交通安全の問題を話し合っていただくための、交通安全はまず御家庭からということで、交通安全家族会議といったものを今後大いに強く呼びかけてまいりたい。それとともに、やはりどこの企業でも現在車を使わない企業はないわけでございますから、企業自体の姿勢としまして、交通安全にひとつ全社を挙げて取り組んでもらうという意味においての企業に対する呼びかけを今後大いに強めてまいりたい。そこらあたりを軸にしまして、さらに地域的に、あるいは全国的に交通安全意識の高揚を大いに図ってまいりたい、こういったことを考えておる次第でございます。
○野中委員 いまの答弁の中で、一番大切なものは御家庭の中でということでございましたが、この質問は私とっておきまして、後ほど御質問申し上げることにいたしまして、第二の問題について御質問申し上げます。
 御存じのとおり時間がございませんから、第二次交通安全基本計画のみにしぼってきょうは質問をいたしておるわけであります。
 これは総務長官にお聞きしておきたいのでありますが、第二次交通安全基本計画は本年で四年目に入りますが、先ほどもおっしゃられましたが、昭和四十五年の交通事故は過去のピークであったが、この第二次基本計画において死者半減を目標として必死の交通安全施策を講じた結果、ほぼ所期の目標を達することができたわけでございます。ところがここ二、三年来、死者の数の減少にもかかわらず、事故発生件数というものは横ばい状況でございます。昨年は、死者数においても秋ごろまでは対前年比では大幅に増加する傾向すら見受けられるようになってきたわけであります。このような死者減少傾向の頭打ちは、いままで実施してきた交通安全対策の限界を示してきたのじゃないだろうか。そこで総務長官に、今後の事故増加の歯どめをどうかけていくか、この基本的な問題についてお尋ねをしておきたいと思っておるわけであります。
○三原国務大臣 お答えをいたしますが、交通事故が、先ほども御意見がございましたように、四十五年以降積極的に政府も施策を及ぼしますし、また国民の理解もある程度浸透してまいりました結果、過去八カ年ぐらいの統計を見ましてもずっと減少傾向があらわれてきたわけでございます。昨年度、本年度と対比してみましても、一・八%というような減少にはなっておるけれども、しかし、そういう死者は減少いたしておりますが、実際に事故件数等におきましてはやはり多少増大をいたしておるということでございます。したがいまして、いま御指摘のように、交通事故というようなものは一つの限界に来ておるのではないか、あるいは死者に対します状況等を見ましてもこれ以上減少させるということはいまのままの状態では至難ではないかという御指摘でございますが、したがいまして私どももいま御指摘のような、われわれの努力も限界があるのかという反省もいたしておりますが、しかし、努力の結果がいま申し上げましたような減少傾向になってきておるという事態、したがってこれから先の官民一体の体制で努力する努力の結果によりましては決して限界というようなものがあるわけではない、今後も一層やらなければならぬということにしたがってなるわけでございます。そこで、先ほど来政府委員からも答弁いたしておりますように、過去第一次の計画実施の経過等を反省をし、今後に対処しなければならぬということで、第二次におきましては、交通環境の整備でございますとかあるいは交通安全思想の普及徹底、交通秩序の確立等に一層の努力をいたしたい。そこで五十四年度の予算におきましても一七%以上の予算を、他の施策に比較して相当大幅に増加した予算を組んでおるわけでございます。
 そういうようなことで積極的に施策の遂行をいたしたいと思っておりますが、そこで、当面といたしましてはでは何を考えておるかということでございます。それは実は、事故件数あたりの状況を見てまいりますと、府県間で地域的な格差が出ておる。東京と香川県というようなものは、東京はこれだけ人口稠密で交通量も多いにかかわらず、香川県と比較して香川県の方が交通事故発生率が多いというような実態でございますとか、あるいはまたその事故の内容等見てまいりますと、原動機つきの自転車であるとか、あるいは普通の自転車であるとか、そういう事故が多い。また、子供でございますとか老人でございますとか、そういう弱者の方々の事故が多い。そういうような状況が出てまいりますので、そうした事実を踏まえてきめの細かい施策を、この第二次計画を推進をし、いま言われました、限度というものはございません、努力いかんでは、官民一体でこの運動を展開すれば、ますます交通事故は減少いたしますというようなことを私どもは考えておりますので、いま申し上げましたような実態を踏まえてきめの細かい交通施策の推進を行いたい、そういう姿勢なり方向でおるわけでございます。
○野中委員 いま総務長官から、事故撲滅、ゼロを目指して努力をするというお話でございます。かような努力をしていかなければならないわけでございますが、そのためには、基本計画というものを洗い直して、反省をしていかなければならない。その一つの中に、いま言った家族会議の問題もあるわけでございますが、その前に大きな問題として一つ尋ねておきたいことは、いまも長官が触れられたように、各都道府県あるいはまた都市別の非常な交通事故の格差があるわけでございます。昭和五十三年度中の交通事故死者数を人口十万当たりで見ますと、府県別では、東京では二・五人、香川県では十四・九人、都市別に見ても、三鷹市ではゼロ、防府市では十六・七人のように、大きな開きがあります。このような府県間、都市間の大きな格差はいかなる原因によるものか、私はもう一度総務長官にお聞きしておきたい、考え方を、この格差をどうなくするか、あわせてお尋ねをしておきたい、こう思います。
○三島政府委員 ただいま御指摘のとおり、各都道府県間それから人口十万人以上の都市で比べましても、各都市間で事故率の格差が非常に大きいものがあるわけでございます。やはり今後の交通安全対策を考える場合、この府県間なりあるいは都市間の交通事故率の格差をどう是正していくかということが最も大きな課題の一つだろうと思います。
 その原因はどこにあるかということでございますけれども、それぞれ県なり都市におきましてのいろいろな条件、環境の違いがありますので、一概には言えないと思うのですけれども、一般的に考えられますのは、自動車交通量とかあるいは道路交通環境とか、さらには交通安全対策の取り組み方にいろいろな要因が絡み合って生じておるのではなかろうか、こういうふうに考えます。今後におきましては私どもの方としましては、それぞれの事情につきまして十分検討を加えまして、それぞれの地域の特性に応じた具体的な対策を考えていく必要があろうと思いますので、そういう見地に立ちまして私どもの方といたしましても、今後それぞれの地方公共団体の指導の徹底に努めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○野中委員 与えられた時間があと一分になりました。まことに残念でございます。これから細部にわたってお尋ねをしていきたいが、この格差是正ということもこれはいろいろ問題点がある。建設大臣がおいでになっておりますけれども、道路構造の問題、地方道と国道との組み合わせの問題等々、細部にわたると大変問題点があるわけでございます。あるいは家族会議におきましてもどうやっていくかということ、これは建設大臣ではなくて、違う方へ言っているのですが、これは母親を中心として一つの教科書を与えて、そして幼児に対して教育をしてそれで就学をさせる、あるいは幼稚園に通わせる、母親を指導官にするのだ、こういうようなことにしなければ、家族会議の実態というものは上がってこないであろう。しからばその教科書をどうつくるか、そういう細部については今度の機会に御質問を申し上げたいというふうに考えております。
 なお、過積みの規制の問題であるとか、過積み規制が日本経済に及ぼす影響であるとかあるいは被害者救済の問題、自賠責の問題等につきましては、次回の質問に譲って、きょうの私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
     ――――◇―――――
○有島委員長 この際、運輸大臣より発言を求められておりますので、これを許します。
○森山国務大臣 大清水トンネル火災事故の報告をいたします。
 三月二十日、午後九時四十分ごろ、日本鉄道建設公団において工事中の上越新幹線大清水トンネルの大宮側より約七キロメートルの坑内において出火、延焼し、作業員及び救助員のうち二名が死亡し、いまなお十四名が坑内に残されております。
 運輸省としては事故の重大性にかんがみ、政務次官を現地に派遣し、被災者の早期救済と事故現場の復旧に万全を期した次第であります。
 原因は、現在のところ、大型削岩作業台を解体中のガス切断機の火花が付近の油類に引火したものではないかと見られておりますが、関係機関においてなお調査中であります。その原因の探求につきましては遺憾なきを期す所存であります。
 日ごろより工事中の安全確保につきましては、いろいろ指導してきたところでありますが、このたび不幸にしてこのような事故の発生を見ましたことはきわめて遺憾に存ずる次第であります。
 今後は、同種の事故の再発防止に、万全の上にも万全を期するよう指導してまいる所存でありますが、とりあえず、昨日、国鉄及び鉄建公団に対し、建設中のトンネルについて安全総点検の実施を指示したところであります。
 以上、御報告申し上げます。
     ――――◇―――――
○有島委員長 次に、太田一夫君。
○太田委員 ただいま運輸大臣から、大清水トンネルの火災が報告されました。何か御報告によれば、朝、鎮火したという確認がされたというようにありますが、もしそうであるなら喜ばしいことと思います。
 そこで、運輸大臣についでにお尋ねをいたしますが、このごろ航空三社に相次いでたるみ事故が起きております。これは昨年の十一月四日、成田空港の上空におきまして日航機が指示高度をはるかに逸脱いたしまして、事故寸前、非常に危険な状態になったという事態がありまして、運輸省から厳重な御注意がなされたと聞いております。さらに昨年の十月ごろに、東亜国内航空の飛行機におきまして、トイレットにおける自殺未遂による火災の発生がありまして、これは幸いにしてスチュワーデスさんの機敏な処置で早期に消えた。この事故が起きたときに、ボイスレコーダーを再生して、事故調査委員会が原因究明その他について調査をしようとしたところ、そのレコーダーの再生が不能であるという整備怠慢の事実が浮き彫りにされたことがあります。これはことしになってこの間そのようなことが報道されております。日航、東亜だけでなくて、全日空がついこの間、二月二十八日に全日空トライスター大型機の燃料漏れ事件がありまして、それは常識前の整備ミスと言われるようなボルトの置き忘れといった、つまらぬ不注意から起きた事故でありますが、大変な事故になるのではないかと恐れられたということであります。三社ともがそうであります。私が心配するのは、このごろは日航でも何か減量経営に力を入れて、客室内乗員の定数を減らすとかいうようなことが起きておるそうであります。これは合理的なことならいいが、無理なことをすれば必ず事故につながるし、何かにつながるわけでありますから、お客さんにとってみれば非常に不安なことでございます。
 そこで、元来、減量経営などというものは赤字会社か会社更生法にかかりそうな会社が一生懸命に考えることのように思いますが、全日空にしても日航にしても非常にもうかっておると言われておるのです、私、よくわかりませんが。そこで、運輸大臣としてはいまあなたの監督下にある日本の航空五社について経営の内容は一体どのように受け取っていらっしゃるか、あなたの所感を交えて簡明にお答えいただきたいと思うのです。
○森山国務大臣 わが国の定期航空会社の機材の整備の品質につきましては、機材整備要員による定時出発率の最近の状況を見ましても、世界の航空会社の平均を上回っておりまして、十分良好な成績を保っておると思っております。
 また、整備体制におきましても、米国航空会社等と比べて劣るところはないと考えております。定期航空会社の整備体制については、各機ごとの整備点検の間隔及び方法、整備従事者の教育訓練の実施、各寄港地における整備員及び部品配備の基準等を運輸大臣の認可による整備規程に定めさせ、これを遵守させております。
 なお、この実施の実情につきましては、安全性確認検査等を行って確認をし、ふがいない事故があればこれを指摘して改善策を策定するなど、指導監督を行って、安全運航に万全を期しております。
 ただいまお話がありました、いわゆるたるみ事故をそれでは具体的にどう考えるかにつきましては、事務当局より答弁をいたさせます。
 それから、日本航空の経営合理化によって客室乗務員の減員の問題のお話があり、それが安全性の低下につながるのではないかというお話がありますが、日本航空の場合、サービスを重視する観点から、一般に考えられる必要人員を相当上乗せして乗務させておりましたが、今回の計画においては、最近の機内配備の改善、ある程度のサービス業務の合理化によって編成人員の減員を行ったものであると聞いております。これは世界各国他社のそれに比べて平均的人数をやや上回る人数でありまして、所定の緊急措置等は従来と変わりなく、規定どおり実施するものでございまして、いささかなりとも安全性の低下につながるものではないと思っております。
 運輸省といたしまして、今後とも運航の安全性につきまして、定期航空各社に対し、指導監督を行ってまいりたいと思います。世界各国の状況等につきましては、事務当局から説明をいたさせます。
 最近の航空会社の経営状況につきましては、いろいろ問題はございますが、比較的好調でございます。具体的な内容は事務当局から説明をいたさせます。
○太田委員 大臣が一番最後におっしゃったように、経理内容が比較的好調だということは黒ということでありますから、黒ならもっと整備に力を入れていいと思うのですよ。ところが、どうもたるみ事故がちょいちょい散見されるのではないか。これは重いものが高いところに上がっている飛行機のことですから、ちょっとうっかりしたことが何百人の生命に関するのですから、もうけるだけではなくて、サービスはさらにそれにつけ加えるのですが、整備などは徹底的に完璧を期してほしいと思いますね。
 そこで、これは大臣でなくていいです。専門の担当者からお答えいただきたい。航空三社を初めとして、現在の日本の航空五社の整備体制は不安なきや、大丈夫ですか。
○森山国務大臣 日本航空は長い間赤字だったわけでありますが、いま黒字に転じたわけであります。しかし、世界の航空界の実情、特に日本に相当影響の深いアメリカの航空界の実情を見ますと、大変な低運賃政策でやっておるわけでありまして、しかも今度は御案内のとおりの燃料問題等、いろいろ将来にわたって不確定の要素があります。アメリカを初めとする激しい国際競争に対処し、また燃料問題等の実情から考えますと、いまいいからということで安住は許されない。それはナショナル・フラッグ・エアラインである日航だけではありません。全日空もそれから東亜国内航空も、少なくも日本人の一般常識から考えて賃金その他の給与面、その他の面についていわゆるある水準を大きく逸脱するようなことはいろいろ問題があるのじゃないか。そういう面で、労使の間で話が整わないからといって直ちにストライキに移行する、殿様ストライキと世の中に言われるようなことが日本航空の場合はもとより、全日空の場合にもあってはならない。ストライキがないから大丈夫かというと、実は一般の企業水準から言えば飛び離れた実情がいろいろあります。もしで・きるならば、こういう委員会の席でそういう実情を御解明願えれば幸いだと私は思っております。
○松本(操)政府委員 やや具体的な点についてお答え申し上げます。
 まず、最初に御質問のございました整備関係の問題でございます。五社ということでございましたけれども、たとえば五社の中で近距離航空とかあるいは南西航空のようなものは規模も小そうございますし、主として定航三社と言っております日航、全日空、東亜、この辺のところについて御説明を申し上げます。
 これらの航空会社におきましてどの程度の比率でその整備が行われているか、つまり全体の経費の中において整備に回わす金がどれくらいになっておるか、あるいは一機の飛行機、これは飛行機によって種類がございますので、換算機数を使いますが、一機に対してどの程度の整備人員を擁しておるかというふうな点についての一般論的な比較を申し上げますと、大体アメリカにおいて十数人から二十人というのが一機当たりの整備人員でございます。
 これに対して、日本航空が二十人ちょっと、二十一・三人、こういうことでございます。もちろん数字だけではなくて、その内容がどうかということは当然のことでございますけれども、国家試験を受けました整備士、確認整備士等を十分に擁しておりますし、またそれに対します教育訓練も常日ごろ行われている。先ほど大臣のお答えにも申し上げましたように、必要な場合には私どもは直接年に何回かはチェックに行っておりまして、特にそれが外形的に出てまいりますのが定時出発率という数字でございますが、この定時出発率で見ました限り九七、八%以上を常に維持しておりますので、先ほど御指摘のございましたような燃料ポンプの箱の中にボルトを置き忘れたというふうな事故は、これはきわめて整備屋としては恥ずかしい事件でございますけれども、そういったような案件は実はその一件だけでございまして、日航の例で申しますと、フラップの折損という事故がございましたが、これはやはり材質そのもの、設計そのものに多少問題があったような、それをいままで整備でカバーしてきておった、たまたまうまく相償わないところが出たというふうな感じではなかったかと思います。
 それからその次に、全体的な経緯として、削減のために減らしてきているのではないかという推移を四十八年ごろから見てまいりましたわけでございますが、たとえばいまお話に出ました全日空の例をとりましても、全日空の整備費が全営業費に占める割合、全日空の場合、四十八年に一五%、それが五十二年に一六%少しでございます。それから日航の場合には、大体一〇%前後でございます。東亜国内の場合には、これは初期のころDC9を入れましたあたりにかなり金をかけておりましたけれども、一八・何%からいまは一六%程度、比率としては落ちておりますが、たとえば人件費とかあるいは関連経費というものの実額はやはりふえてきておるわけでございまして、特に整備にしわ寄せをしておるというふうには私ども見ておりません。
 それから、いまスチュワーデスの点についての御指摘もございました。これも大筋は大臣がお答え申し上げたとおりでございますが、やや細かな数字を申し上げますと、747の例で見ました場合に、外国社の例は、いろいろ変化がございますので簡単に申し上げかねますが、八人ないし十五人、平均して十三・六人というのがスチュワーデスの数でございます。これに対して日航は、従来十二名、これは国内線だけでございますから、国際線でいけば十七名乗せておったわけでございますが、この十七名を、とりあえずの目標として十四ないし十六人にしよう、こういうことでございますので、私どもが内規的に決めております安全確保のための必要最低人員というものはいささかも割らない、こういうふうなことで指導をいたしております。
○太田委員 大臣の殿様ストライキの問題の議論をやると、長くなって二十五分の間に終わりませんわ。これはちょっと異論がありますが、意見がありますけれども、後日に回します。
 建設大臣いらっしゃいまして、総理府長官が今度の所信の中で一兆円に近い予算で交通安全対策は推進すると数字をお出しになったが、その中身はみんなあんたの方ですから。建設省の予算ですね。あなたの方ががんばっていただかなければ交通安全はやれぬということだ。
 渡海大臣にお尋ねしますが、あなたの所信の最後で、大型車両の通行に対する指導、取り締まりを強化して、秩序ある通行を確保するとおっしゃったが、その大型車の通行に対する指導、取り締まりということは、具体的には何を指したものでしょう。
○渡海国務大臣 近時自動車による運行が非常に増加してまいりますので、車両も大型化されまして、特に高速道路あるいは主要国道等におきましてこれらの利用が多いのでございます。そのために生ずる事故もそれだけ増加いたしております。このためには、道路法の精神を十分利用者に徹底していただくために、車重計というのですか、重量計等も完備いたし、また警察当局とも密接に連絡しながら、道路管理の万全を期していきたい、このように考えておる次第でございます。
○太田委員 それはここに道路局長出ていらっしゃいますからちょっと簡単にお答えいただきたいですが、建設省のおやりになるのは、警察庁のおやりになる重量の取り締まりとは少し内容が違いますか、同じですか。
○山根政府委員 お答え申し上げます。
 私どもの行います指導、取り締まりということは、道路と車両との関係におきまして、道路の幅員あるいは橋梁等の通行にどこまで許せるかといったような荷重上の問題、そういった道路とのかかわりにおいて取り締まりを行う、こういうことであります。当然私ども警察の方とも、いろいろ御指導、立会を得ながら実施するのが効果的だ、こういう観点からいたしますが、多少観点が違う点がございます。
○太田委員 それから、軸重計とか、重量計もありますが、軸重計などは、本当にはっきりしっかりと動かしてほしいと思うのですね。制度はありますから、ひとつそれは大いに効果を発揮するようにお願いします。
 そこで、大型トラックの問題について、これは運輸省にお尋ねをいたしますが、大型トラックの左折事故の後を絶たない痛ましいニュースというのは、本当に心が痛んでしようがない。いつまで現行の、現在使用中の車に対するその設備の完全を猶予しておるのか、長過ぎるじゃないかという世論があるのです。
 そこで、私は一つ提案があるのだが、サイドバンパーに簡便なブザーでも設備をして、左折するときには必ずブザーが鳴るようにしたらどうかという声もあるのですが、これについてはどうお考えになりますか。
○梶原政府委員 大型トラックの左折時の事故を防止します対策の一つとして、歩行者等が大型トラックの挙動と申しますか、直進するのか、左折するのか、これを確認できるようにすることが大切だと思うわけでございます。
 今回運輸省がとりました措置の中にも、車両の側面に方向指示器を増設する措置を講じておるわけでございますが、先生御指摘のように、警音器を取りつけるというのも一つの策かと思われるわけでございますが、夜間におきます騒音問題それから誤認問題等々の問題が残されておりますので、今回の措置におきましては、同様の効果を有すると考えられます側面の方向指示器を増設する、こういうことで対処したわけでございます。
○太田委員 私はそれが遅いと言うのだね。三カ月か四カ月のうちにやるならいいが、来年の秋までなんというのんきなことでは国民の生命は守られないということを指摘して、簡単にやるなら、簡単な制度ならブザーをつければいいではないか、このブザーは何も火事のときのサイレンのようなものをつくらなくたっていいのだからと思います。まあ御検討をいただきたい。
 最後になりましたが、昭和四十三年の十二月二十日に、第六十回国会で、交通事故により親等を失った児童・生徒の進学援護に関する決議というのがございますね。これは民間において自発的に高等学校への進学に関する問題の解決のための財団法人を設立する機運があるから、政府はその財団法人の健全な事業活動を促進するために、設立と活動を促進するために、必要な財政措置等について配慮すべきである、右決議するというのがあります。
 これに基づいてその後何をされたかというと、それは確かに自賠特会等において補助金は出ておるが、ことしの現象から見ますと、昨年度交通遺児の育英会に対しましては、いままで補助金のあった自工会等は補助金はぴったりととまりましてゼロになった。昨年のこの委員会において総理府は、それは私も担当だから十分対策を講ずるとおっしゃったし、それから運輸省も積極的に心がけてやりますという話だったが、一向にそれは実現しておらない。自工会は出さない。五十三年度補助金はない。五十四年度、ことしは高校の授業料というものが、いままで一人一万円に対して三分の一の補助を、一万五千円に対して三分の一の補助ということにアップされまして、若干補助金がふえました。しかし、それは三千三百円が五千円になったということで、ふえたことはふえたが、育英会自身は一万円が一万五千円になったために、これは持ち出し分がかえってふえてしまったというようなことになります。
 そこで、私はこれは総理府と運輸省両方にお尋ねします。交通遺児の育英会の高校生徒に対する授業料の補助は、現行三分の一を三分の二に引き上げるべきが妥当だと思うが、それはどうか。
○三原国務大臣 お答えをいたしますが、御指摘のように交通遺児育英会は、その設立の本旨なり、あるいは内容等を見てまいりましても、きわめて重要な施策の遂行をやっておるわけでございます。なお、ああした国会における決議もいただいておるわけでございまして、したがって、何とかひとつ育英会の資金自体が不如意にならないように処置することは私どもの責任だと考えておるわけでございまして、とりあえず、いま御指摘のような五十四年度の処置はいたしたわけでございます。
 なお、資金の充実は、基金を食い込まぬようにするためには寄付金をできるだけ多くお集めをして差し上げるということが必要であるわけでございまして、関係機関にも十分な連絡をしてお願いしてまいっておりまするが、御指摘のように、まだ十分な成果が上がっておりません。この育英会は、御承知のように文部省と共管でもあるわけでございまするので、文部省とも連絡をして鋭意努力を続けまするし、また、自賠責関係のお仕事は運輸省に関係をいたしておりまするので、運輸省とも十分な連絡をしてやらねばならぬと思うわけでございます。特に、御指摘のございました自工会関係からの寄付があれだけいっておったのに成果が上がらぬのではないかという点ですが、もちろん相談はいたしておるわけでございまするが、基金の際には非常な御努力を願いまして、ここしばらく自工会関係からの寄付をいただいておりません。積極的に連絡をいたしまして、何とかしょうというお気持ちには動いていただいておりまするので、これから先も努力をしてまいりたい、そう考えておるところでございます。
○梶原政府委員 先生御指摘の点につきましては、運輸省におきましても自賠特会を通じまして、昭和五十四年度におきましては、特に生活の苦しい奨学生に対して月額一万五千円に単価アップをいたしまして、総額二億四千四百万円の補助を予定しておるわけでございますが、補助率につきましては御指摘のとおり三分の一でございます。この問題につきましては、自賠特会からの各種補助金の全体の規模、それから、この財団法人交通遺児育英会を所管しておられますのは総理府さんと文部省さんでございますので、この両省庁と協議をいたしまして、同会の作成します貸与計画等を考慮しながら、今後この補助制度につきまして検討を続けてまいりたい、かように考える次第でございます。
○太田委員 時間が来ましたからこれで終わりますが、運輸大臣もいらっしゃいますし、総理府長官もいらっしゃいますから、ともにこれはお考えいただきたいのですが、交通遺児という限定された被害者に対する授業料の補助というのはこの育英会しかありませんね、センターはあれは中学生までですから。そういう特色ある育英会に対して、口先だけは何とか努力すると言うが、一年たってしまっても結果はゼロだったということがあっては気の毒だと思いますし、将来の発展を考えて、決議の趣旨にも沿わぬことですから、古い十年前の決議ではあるがこれを確認していただきまして、さらに一層の御協力、御配慮をいただきたいことをお願いしておきます。
 終わります。
○有島委員長 次に、宮井泰良君。
○宮井委員 運輸大臣は所信表明におきまして、大型トラックの左折時の事故防止のため、使用過程車に対しても新車と同様の対策を講ずるよう表明されておりますが、去る十五日、道路運送車両の保安基準を改正され、左折事故防止対策を実施されたわけでございます。この保安基準の改正は運輸大臣も相当御満足だった御様子で、国会構内に持ち込んだ安全対策済みの大型トラックを視察される大臣に関するニュースを各紙とも報道をいたしておりました。しかし私に言わせれば、使用過程車に対する安全対策は遅きに失した、このように考えておる次第であります。
 いまさら繰り返すまでもございませんが、大型トラックにおける構造上の死角の存在が本委員会において指摘されたのが昭和四十六年、以降その対策が検討されてきたはずであるのに、緊急措置の名のもとに新車に対してのみ改善策が実施されたのが昨年の十月でございました。現在全国を走っている対策車が、これは新車でありますが一万五千台、未対策車は五十五万台あることを考えますと、新車、使用過程車のいずれに緊急措置を講じなければならなかったかは明白でございます。なぜ昨年の緊急対策が新車に対して講じられ、使用過程車が対象とならなかったのか、まずお伺いいたします。
○梶原政府委員 大型トラックの左折時の事故対策といたしまして、昨年十月、緊急措置を発表いたしまして、十一月一日以降生産される新車につきまして、三点の改善措置を講ずることとしたわけでございます。これは、新車につきましては、製造過程にございましてすぐに対応できるということから、行政指導によりまして実施をしたわけでございます。それで使用過程車は、先生御指摘のとおり全国でいま五十六万台の車があるわけでございますが、その車種、型式が非常に多くございまして、三百五十余に上っておるわけでございます。そしてそのそれぞれにつきまして、適切な改造方法の可否、また技術的な検討もしなければいけませんので、その検討を鋭意続けてまいりまして、最近に至りましてそのめどがつきましたので、使用過程車につきまして所要の措置を講じていく、こういうふうにいたした次第でございます。
○宮井委員 重ねてお伺いしますが、ただいまも若干の答弁があったわけですが、このように使用過程車に対する安全対策が放置されてきた結果、昨年の緊急対策以降もすでに何件かの大型車による死亡事故が発生しており、私はここに改めて運輸行政の怠慢を指摘したいわけでございますが、使用過程車に対する早急な安全対策が望まれながらなぜ今日に至るまで延び延びになったのか、その理由を重ねてお伺いします。
○森山国務大臣 私の名前も出ましたが、新しい安全の装置は私は非常に有効だと思いますし、あの新しい装置をつけました車で事故が起きたものはいままで一件もないということでありますから、これを早急につける必要があると私は思います。今日まで延び延びになりましたことにつきましては、後ほど事務当局よりもう一回答弁いたさせますが、できるだけ早く――法律では大分先のことということになっておりますが、先ほど太田委員からもお話があり、またただいま宮井委員からもお話があるように、まことに痛ましい事故があったわけでございまして、そういうことが起きないように、最善の努力を尽くす必要があると思います。したがいまして、法律上の決めは決めといたしまして、できるだけ速やかに、使用過程車といわれる、まだ整備されていない五十万台を超えるトラックにつきまして、これを促進するように努力を尽くしてまいりたい、そういうふうに思います。
 残余の点は、自動車局長から答弁いたさせます。
○梶原政府委員 先ほどの御答弁を繰り返すことになろうかと思いますが、三百五十余の型式構造のものにつきまして、逐一技術的な検討を続けてまいった期間が今日までになりまして、大変残念でございますが、私ども担当の者としましては、精いっぱいの努力を続けてまいりまして、一日も早く対策をしたいという念願でまいっておりますことを御報告をさしていただきたいと存じます。
○宮井委員 精いっぱいやられた、運輸大臣も、さらにこれからの使用過程車に対してもやっていきたいという答弁でございました。
 それでは、具体的にお伺いしますけれども、今回、道路運送車両の保安基準が改正されても、使用過程車に対する適用は五十五年十一月一日からとなっておりまして、それまで、認知された五十五万台の欠陥車が全国を走り回ることになるわけでございます。先ほども申し上げましたように、緊急な安全対策が必要とされるのは、新車よりもむしろ使用過程車に対してであるのに、このように構造上問題がある大量の車両が、この先二年近くも放置されれば、それによる死亡事故の発生が当然今後も予想されるわけでございます。このような事故の発生を少しでも防止するため、適用時期をもっと早めるべきではないか、このように考えるわけでございますが、いかがでしょうか。
○梶原政府委員 御指摘のとおり、使用過程車に対する保安基準の適用を五十五年十一月一日といたしましたので、それまでの間、約一年七カ月余、猶予期間があるわけでございます。この一年七カ月に対する私どもの考え方といたしまして、トラックは、原則として一年に一回検査を受けることになっておりますので、その検査の際に改造をしてもらって、検査を受けていただくという考え方が一つでございますのと、それから、五十六万台ございます使用過程車の方々に対する周知徹底、車両の改造方法を全国で六、七万ございます整備工場に習得させるための期間、対策部品を確保するための期間というものを検討いたしまして、先ほど申しましたように、公布の日から約一年七カ月余の経過措置、猶予期間を持たしたわけでございます。
 しかしながら、先ほど来御指摘のございますように、使用過程車に対する措置を早急にいたさなければいけないということは十分考えておるわけでございますので、あらゆる機会をとらえて、本対策の周知徹底を図り、車両の使用者の方々にもその趣旨を十分に御理解をいただいて、すべての車両に本対策が一日も早く実施できるように行政指導をやっていきたい、かように考える次第でございます。
○宮井委員 いろいろとむずかしい問題があって、それだけの猶予期間が要るということでございまして、はっきりした御答弁がなかったわけでございますが、その方向に向かって適用時期を早めるということをひとつ努力していただきたい。もしそういった時期がはっきりすれば、ひとつまた当委員会にお知らせいただきたい、このように要望いたしておきます。
 それから、警察庁にひとつお伺いしますが、今後も予想されます大型トラックの左折事故に対して、いかなる指導、取り締まりを行うつもりであるか、この点を簡単にお聞きします。
○杉原政府委員 お答えをいたします。
 今後の対策として考えておりますのは、俗に生活道路といわれている道路でありますとか、狭い道路におきます大型車の進入禁止とか左折禁止というものをもっと見直していきたい。
 それからもう一つは、事故の実態から見まして、東京等でもすでに始めておりますけれども、二輪車、自転車と自動車を分離をするために、交差点で二段方式の一時停止線の設定をしていく。
 それから、これは学校その他で、いろいろ警察でやっておりますけれども、歩行者とか自転車利用者に対する左巻き込みの事故の防止に関します安全教育、これをもっと積極的にやっていきたい。
 それから、左折のときには、運転手に徐行義務というのが課せられておりますが、必ずしもこれが徹底をしていないということでありますので、街頭の指導活動については、そういう点にこれからさらに積極的に力を入れていきたいというふうに考えております。
○宮井委員 次に、総務長官にお伺いしますが、いま議論いたしましたように、車両の構造面からの安全対策が講じられても、これで大型車による巻き込み事故が解消するものではない。緊急措置的なハード面における対策とあわせて、ソフト面での対策が必要であることは言うまでもないと思います。
 このような、ハード面の対策と一体となったソフト面での対策は、当然に総理府の果たすべき役割りだと思われますが、大型車の左折事故が社会問題化してから十年になんなんとする今日、この問題で総理府が関係省庁の総合調整に積極的に乗り出したという話を聞いておらないわけでございます。ましてや、ハード面における対策が一応見通しがつくことしこそは、総理府の役割りが期待されているにもかかわらず、総理府総務長官の所信の中には、何一つこれがうたわれておりません。総務長官は、この私の指摘に対しまして、今後どのような対策を講じられるおつもりであるか、お聞かせ願いたいと思います。
○三原国務大臣 お答えをいたします。
 御指摘のように交通安全対策、特に大型車の問題につきましては、一つには、いま自動車の構造上の問題がございます。一つは、建設に関係をいたしまする交通道路環境の整備というのがあるわけでございます。三つ目には、いま御指摘のソフト面の企業家あるいは運転者、また歩行者等に対しまする、そうした理解と協力を受ける啓蒙活動が大切であろうと思うわけでございます。
 いま御指摘のように、ハードの面におきましては、これはある程度の整備がなされつつございますが、ハードの一面だけでなく、私どもまとめ役でございまするので、ああした運動展開が開始されてから何回となく関係者の会合を開いて、交通安全に対する対処をいたしてまいっているところでございます。
 そこで、今日におきましては、いま御指摘のように、企業家と運転者、歩行者が官民一体の体制で、交通安全に対して、これを絶滅する方向に動いてまいらねばならぬと思うわけでございます。諸外国と対比をいたしてみましても、交通事故の状況というのは世界的にも日本は良好な成績を上げてまいっております。これは私は官民の努力の結晶だと思うわけでございます。
 したがって、私どもにおきましても、その中で最も最近の現象として問題になりますのは、歩行者の中で、あるいは原付自転車でございますか、自転車で交通をされる方々、そういう弱い方々の事故が多いということでございます。これを絶滅してまいりますれば、世界的にも第一の交通安全国家というようなところまで持っていけるのではないかと私は思いますので、春秋二期の交通安全運動はもちろんでございますけれども、平素におきましても、関係官庁と連絡を緊密にいたしまして、いま御指摘のような線をぜひ実施、進展をさせていただこう、そういう考え方に立って、今日も絶えずそういうまとめ役としての会合を開き、現状なり過去を分析しながら将来に対処してまいっておるところでございます。今後ともそういう点について努力をいたしたいと考えておるところでございます。
○宮井委員 総務長官の世界でも有数のそういった交通安全の国にできるというような確信のあるお言葉でございましたので、どうかひとつ今後ともしっかり取り組んでいただきたいということを要望いたしておきます。
 それで、時間も余りございませんので、次に、要望を兼ねまして建設大臣と運輸大臣にお尋ねするわけでございますが、昨年道交法等の改正によりまして過積み規制が強化されたのに伴い、輸送需給が逼迫いたしまして、運賃コストの上昇、資材価格の値上がり等、各方面に大きな影響が出ていることは両大臣も御承知のとおりであると思います。
 現在の道路運送車両の保安基準は昭和二十六年に制定されたわけでございますが、この間、道路の整備、車両の性能向上は著しく、特に車両はその堅牢化によりまして、法定積載量の二・五倍まで耐えられるほどがんじょうに設計されていると言われております。道路も車両も基準が実態に即していないというように思われます。その実態に即してないということは、たとえば乗員が一人五十五キロで計算されておりますけれども、五十五キロといいますと、これはいま中学二年生ぐらいの体重の平均でございますから、大人の平均体重には当たっていない。また、コンテナでありますとか冷凍車――冷凍車なんかはモーターを積んでおりますから基準以上の重さで走っておる、こういうことが実際に行われておるわけでございますから、運輸省は車両総重量の上限拡大は当面無理であるというふうに新聞の報道等でも承知いたしておるわけでございますけれども、このような実情にかんがみまして、車両制限令、保安基準の見直しにより、もう少し現実に沿った方法を検討される御意思はないか、お尋ねをいたします。
○渡海国務大臣 ただいまの御質問、現下の輸送の状態をながめましたら当然の御要望であろうと思いますが、一般道路及び重要道路等の新築または改築に当たりましては、昭和三十一年以来、二十トンまたは十四トンに耐え得るような橋梁整備また舗装整備等を行ってきてまいっておりますので、直ちにいまこれを緩和するということは、橋梁の整備等、相当長年月と巨額の費用を要すること、また舗装を早く傷めること、ひいては交通公害、交通事故を起こしやすいということで、慎重に配慮せなければならないと思っております。
 しかしながら、コンテナ輸送等、いま御指摘のございました輸送の重量化ということは、これは今日の情勢でございますので、特に高速自動車道路あるいは港湾に沿うところの湾岸道路、そういったものに対しましては、これらに耐え得るような道路建設で、昭和四十八年以来特にその整備を進めてまいっております。また、この道路に密接に関連します道路につきましても、これらの重量車両が通行することに耐え得るよう整備を図っておるところでございまして、今後ともその方針のもとに輸送状況に合わせて努力してまいりたい、そのように考えております。(「妥協なんかしてはだめだ、湾岸道路と高速道路だけよくしたってだめだ」と呼ぶ者あり)
○梶原政府委員 車両総重量につきましては、道路の関係から舗装及び橋梁等の保全をするために、車両制限令で総重量二十トンというふうに決められておりますが、車の安全という見地から、運輸省令でございます保安基準で総重量二十トンというふうに決められておるわけでございます。
 車両総重量二十トンということですべての車の構造設計がされておりますので、これを直ちに引き上げるということは、ブレーキの距離を延ばしたり走行安定性を悪化したりということがございますので、これを引き上げるということは困難である、かように考えるわけでございますが、この過積み規制を契機といたしまして過積みの自粛が行われておりますが、同時に、業界におきましては、たとえば五トン積み車を八トン積み車にするとか、こうした大型化、それからトレーラー化ということが進んでおります。私どもといたしましては、車両の軽量化を安全性を損なわない限度で図っていくという努力も続けたいと思っておりますし、輸送の効率化を図ることによって対処をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○宮井委員 ただいまは湾岸道路だけではいけない、生活道路その他細かいところまでしなくてはいけないというような声もございまして、余り具体的な御答弁はありませんでしたが、どうかひとつ、私が指摘いたしましたような見直しをさらに続けていただきたいということを要望いたします。
 時間が参りましたので、わが党の竹入委員長も、先般の総理の施政方針に対しまして、交通事故による被害者救済を訴えたわけでございますが、一家の働き手を失った交通遺児家庭、いわゆる植物人間、こういったことに対して被害者の保護、救済が十分とは言えない、このような状況でございますので、この実情に合わせてきめの細かい対策を講じていただきたい。これは御答弁は要りません。要望をいたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○有島委員長 次に、青山丘君。
○青山委員 きょうは公安委員長が来ておられませんので、警察庁の方に御答弁を求めなければならないと思います。
 公安委員長は、所信表明の中で次のように言っておられるわけです。「運転免許保有者数や自動車保有台数の著しい増加によって、いまや国民皆免許時代、大量交通時代を迎えており、それにふさわしい道路交通秩序を確立することが重要な課題となっております。」こう述べておられますが、毎年の免許人口の伸びが二百万人、ことしの五月には四千万人を突破すると言われているわけです。昨年の例で見てまいりますと、全国民の二・二人に一人が免許を持っている、こういうことなんですが、子供あるいは老人、この年代を除きますと、運転可能な年代のほとんどの国民が大体免許証を持っている、こういうことでございます。
 そこでお尋ねしますが、自動車交通と人間生活との調和のとれた新しい車社会を確立すると言っておられるわけですが、抽象的にはこのとおりでありますが、さて具体的には一体何を意味しておられるのか。
 それから、昨年の交通事故を見てまいりますと、死傷者数は六十万人を突破しております。そのために、この車社会の中で事故によって非惨な生活を強いられている人々がたくさんいることを忘れてはならないと思います。こういう観点から、事故防止に取り組まれる基本的な姿勢をまず伺いたいと思います。
○杉原政府委員 お答えをいたします。
 先ほど御指摘のありましたように、最近のドライバーのふえ方、車の台数の増加を見ておりますと、まさに国民皆免許時代、大量交通時代の到来という感じがいたすわけでございます。そういう中で車社会というのはどうあるべきかという観点から考えていきますと、先般の道路交通法の改正の中にもそういう問題が入っておるわけでございますけれども、従来われわれの施策としてドライバー行政というものを考えました際に、道路交通法の知識と車が上手に転がせる運転技術、それが備わっておるとドライバーになれるという点があったのではなかろうか。これからのドライバーは単にそういうことではなくて、自分が車を運転することに伴う社会的な責任がたくさんあるわけでございますが、そういうものを自覚をして安全の問題、それから他人に対する迷惑、自分がこういう時間帯にこういうスピードで走ると沿道の住民にどういう影響をもたらすかという点等も考え、あるいは単に車が上手に転がせるというのではなくて、車を持つことによって出てくる保管場所の問題であるとか、車検の問題であるとか、保険の問題であるとかという万般の事柄をわきまえたドライバーでなければ本当の意味のドライバーとは言えないという観点でこれから考えていくべきではなかろうか。
 それから、いま子供の事故防止という問題もありますけれども、国民皆免許というものを考えますと、子供の安全教育も将来その子供はドライバーになるという前提に立って子供の成長段階に応じた安全教育をやっていく必要があるという感じがいたすわけでございます。
 そういう観点で現在のいわゆるドライバー行政を考えますと、まだまだ足りない面があるように思います。従来は免許行政はあってもドライバー行政がないということを私自身非常に痛感をいたすわけでございます。そういう意味で、免許行政からドライバー行政ということが八〇年代のわれわれの課題ではなかろうかということでございます。
 ただ車社会、これだけの皆免許の時代でございますので、免許制度そのものをどうするか、年齢的に、あるいは車種、免許種別ごとに、あるいはドライバーの行政として何をどうするかという事柄については先般の道交法では必ずしもまとまっておりません。これを一般の方々の意見を広く聞いた上でできるだけ早く成案を得るようにしたいと考えておるわけでございます。
○青山委員 運転技術からドライバーの資質への行政、確かにそのとおりだろうと思うのです。車が今日の私どもの国民生活と国の経済に果たしてきた役割りはきわめて大きい。したがって、車は社会にこれからまだふえてくる、そして国民の免許人口も相当ふえてきて国民皆免許時代になっている。ここにおける調和が行政の大きな課題であろうと思うのです。その点ではドライバー行政がこれから問われてくると思います。
 後でちょっと触れさせていただきますが、その前にもう一つ警察庁に運転者対策についてお伺いいたします。
 日本の狭い国土にドライバーがあふれてきたわけです。車がひしめく状態であれば当然交通事故を引き起こす危険性が考えられます。そこで、この国民皆免許時代に適した免許制度がいま考え直されなければならないのではないかと新聞の社説等では盛んに取り上げられております。免許制度の見直しを考える時期に来ているのではないか。車社会の実態と現行免許制度とのギャップ、ずれについて警察庁はどのように把握しておられるのかお尋ねをいたします。
○杉原政府委員 お答えをいたします。
 先ほど申し上げましたように本当に免許行政からドライバー行政に、そういう観点に立って現在の免許制度を見てみますと、いろいろな面で考えなければならない問題が非常に多いように思います。
 この問題につきましては、先般の道路交通法の改正案を御審議をいただきました際いろいろ意見が出まして、附帯決議にも免許制度について早急に抜本的な対策を講じろという御指摘を受けておるわけでございます。こういう線に沿いまして実は私ども、関係機関、団体、広く識者に御参画をいただきまして運転免許制度研究会というのを四月の上旬に発足させる段取りで現在鋭意作業を進めております。ここで現状をお話をし、これからの車社会の中でドライバーはどうあるべきかということを広く御検討いただきたいということで、これを中心にしてこれから各般にわたる検討を進めてまいりたいと思っております。
○青山委員 ぜひ運転免許制度についていま一度研究をしていただきたいと思います。
 そこで、現在全国に千三百五十カ所を超える教習所がありますが、この教習所の実情についてどのように把握をしておられるのか、教習所の指導員あたりからは、きわめて憂慮すべき事態だという声が出ております。このまま放置できない問題がたくさんあると言われているわけです。たとえば給与体系なんかを見てみましても歩合制で結局数をこなしていく、そういうところから教習生に対してきめ細かい指導ができないと言っているわけです。また、歩合制で数をこなしていくわけですから、指導員が慢性疲労ぎみだということなんです。こういうような実態の中で教習所の体質改善が叫ばれているわけですが、この実態をどのように把握しておられるのかお尋ねいたします。
○杉原政府委員 御指摘のように全国に千三百五十カ所を超えます指定自動車教習所がございます。現在、運転免許を取る人の八〇%以上がこの指定自動車教習所の卒業生であるということでありますから、申すまでもなくこの指定自動車教習所の役割りというのは非常に大きいわけでございます。どういうドライバーが世に誕生するかというのは、この指定自動車教習所の教習内容というものがいかにあるかということで大きく作用すると言って過言でない実情でございます。これは私どもの一応監督下にありますけれども、御指摘のように、現在の指定自動車教習所のあり方が決して十分なものではないと考えております。この教習の時間あるいは給与面、そういったものが即教習効果そのものに影響してくる、やはり人が指導しているという教育の場でございますから、そういう意味でいわゆる人的、物的な環境の整備をしていかなければならないわけでございまして、昨年から幸いに中小企業近代化促進法の中にこの自動車教習所業というものを新たに入れまして、いまこの近代化計画というのが緒についたばかりのところでございます。いずれにいたしましても、この指定自動車教習所の社会的な責任を自覚してもらう。また、社会的な地位というものを教習指導員を含めて向上させていくということを主眼に置いて、今後どうしていくかということが大きな問題になるわけでございまして、先ほど申し上げました運転免許制度研究会の中で指定自動車教習所のあり方というものが一番大きな課題の一つになるものであるというふうに考えております。そういう線で今後努力をしてまいりたいと考えております。
○青山委員 この問題についてはぜひ徹底的に究明をしていただいて、監督官庁としての警察庁の役割りとしてぜひ改善、指導、監督をしていっていただきたいと思います。
 次に、昨年の道路交通法の改正によって過積載の規制が強化されましたが、改正法の施行後は過積載による違法運行はきわめて減少したと聞いております。これは関係業界が自粛している結果だと思いますが、この好ましい状態を維持していくためには一層の自粛の徹底とあわせて、警察による取り締まりが必要であろうと思います。
 しかし、問題はその姿勢ということになってまいりますので、次の三つの点についてお尋ねしたいと思います。
 第一は、警察による取り締まり方針について、法改正前と法改正後においてその取り締まり方針が違っているのかどうか。また、悪質なものに重点を置くいわゆる効果的な取り締まりが必要であろうと私は思います。その点はどうでありましょうか。
 第二は、取り締まりに当たって、地域によって規制の程度に差があるように聞いております。しかし、全国的にはやはりこれは平準化、平均化、統一性、斉一性といいますか、とれるようにすべきだと考えますが、どのように対処するおつもりか。
 第三番目。関係業界における自粛ムードがかなり浸透してきました。一部には自主的に水平積み運動等を実施しているところもあると聞いております。このような業界自体における自主的努力を評価して、そうした自主的努力を評価したところの取り締まりを実施するつもりはないかどうか。
 以上、三点についてお尋ねいたします。
○杉原政府委員 お答えをいたします。
 過積載の取り締まりそのものの方針は、改正道路交通法の前後において一切変わっておりません。全く同じ状況でございまして、取り締まり力には限界がありますから、悪質なものを重点にやっていくというのも当然でございます。
 それから第二に、地域によって、斉一化されたものであるべきであるということでございますが、御指摘のとおりでございます。これは十二月の法改正の機会あるいはその後の機会等も、全国に対しまして、地域間の格差のないように指導を徹底しているところでございます。現行ではもう各県間に余り差はないというふうな状況にまでなっております。
 第三の、業界の自主的な努力を考慮に入れた取り締まりということでございますが、御指摘のように、業界ではかなり自粛をなさっておりまして、この過積載等がもう三分の一に減っておる。しかも取り締まりは従来の半分になったという状況でございまして、それだけ業界が自主的に大変な御努力をいただいておるわけでございます。総理府等々とまた十分連絡をとりながら、この業界の自主的な努力というものが助長されるような方向でわれわれも取り締まりを実施していくというふうに考えております。
○青山委員 法規制がきつくなってきましたので、業界もみずから自粛せざるを得ない、こういうことなんでしょうが、本来、取り締まりよりもみずからその法を守っていくという姿勢が最も好ましいわけですから、業界がみずから法を守っていこうとしておるその姿勢をある程度買っていく、そういう面も取り締まりの中には入れていく必要があるのではないかと考えます。
 そこで、総務長官と運輸大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 過積載が従来まで半ばあたりまえだとなってきた、いわゆる常態化して、今日まで長い間にわたってその防止が叫ばれている背景には、流通輸送面における問題があると考えます。
 過積載防止の根源的対策として、流通輸送面での合理化、適正化のための対策が必要であろうと思いますが、すなわちそのことは、自動車、内航海運、鉄道等のそれぞれの輸送機関の機能、特性、こういうものに応じた流通輸送の総合的な体系を立てていく必要があるのではないか。そうした、行政が誘導する姿勢が必要であろうと思います。そのためには自家輸送を含めたところの荷主とトラック業界が協力してこの問題に取り組むような行政指導をすべきであろうと思いますが、総務長官及び運輸大臣に、その対処する姿勢、方針をお尋ねしておきたいと思います。
○三原国務大臣 御指摘の点につきましては、去る二月一日に総理府から関係省庁に対して関係業界に対しまする過積載自粛の徹底等の指導を初め、各般の取り締まり施策の推進方についてお願いを申し上げてきたところでございます。なお、さらにいま先生御指摘の流通輸送面での合理化、適正化を図るための根源的かつ総合的な対策を推進する必要がある、お説のとおりだと思うわけでございます。この趣旨に沿いまして、総理府を中心といたしまして関係省庁によりまする過積載防止対策連絡会議というのを新しく設けまして、今後関係省庁の実態に即しました具体的な措置を一層推進するためにただいま努力をいたしておるところでございます。今後とも過積載防止対策につきましては一層充実強化した体制を整備してまいりたいと考えておるところでございます。
○梶原政府委員 トラック業界は、御存じのように全国に三万二千六百の事業者がいるわけでございます。その九六、七%が中小企業者でございまして、荷主に対して経済的立場が弱く、荷主から適正な運賃が収受できない場合が残念ながら多うございまして、やむを得ず過積載によってこれを償おうとしてきた傾向があるわけでございます。どちらかといえば安易な、違法な方向での輸送体系というものをつくり上げてきた、こういうふうに言って差し支えないわけでございます。
 そこで、運輸省としましては、一つには、今後とも荷主諸団体の理解と協力をいただきまして、定量積載の厳守、運賃の適正収受、白ナンバートラックの取り締まり等々、トラック輸送秩序を正していきたい、かように考えております。
 第二に、いわゆる構造改善事業等を通じまして、トラック事業の経営の基盤を強化するということをいたしたいと考えております。
 さらに、先生からいま御指摘のございました点でございますが、トラックの部門につきましては帰り荷のあっせん、共同輸送等による輸送の効率化を図りたいと思いますが、同時に鉄道、内航海運を通じた効率的な秩序正しい輸送体系を確立するように運輸省としても格段の努力をいたしてまいりたい、かように考える次第でございます。
○青山委員 時間がありませんので急ぎます。ぜひひとつ効率的な輸送秩序の確立のために御努力いただきたいと思います。
 最後に、できるだけ手短に、的確に御答弁いただきたいと思いますが、運輸、大蔵、農林、郵政各省庁に御答弁いただきたいのであります。
 昨年からことしにかけて、一連の多額保険金詐欺事件が相次いで発生しております。わかっているだけでも横浜市内を中心に総額三億円、愛知、静岡、長野でそれぞれ一億円余の保険金詐欺事件等、交通特殊事件で総額十億円以上に上る不正請求事件が明るみに出ております。警察庁はこれらの実態をどのように把握しておられるのか。このような交通事故を装った保険金詐欺事件の防止対策はずばりあるのかどうか。また、このような保険不正請求事件の発生は、保険事業に対する社会の信認を失うことにもなりかねません。そういうことで運輸、大蔵、農林、郵政当局の御見解はどのようでありますか。また今後どのように対処していかれるのか。
 時間がありませんので、答弁をいただく前に最後に一つ要望しておきます。
 これらの自動車保険を取り巻く諸問題については後から次の機会に改めてお伺いをさせていただくつもりでおりますので、次の資料をぜひ提出していただきたいのであります。
 第一番は、自動車保険の団体扱い制度の内容について、二番目には昭和五十三年度中の自動車保険の不正請求事犯の内容について資料を求めたいと思います。
○梶原政府委員 保険詐欺事件につきましてはまことに遺憾でございますので、従来とも運輸省におきましては、事故状況、損害内容等につきまして正確な把握に努めるため、必要に応じまして事故の当事者、警察当局、治療機関等の関係先に照会、調査をするなど各種の審査を続けてまいったところでございますが、不正請求が多発する事態は自賠責制度の適正な運営にとりましても大きな支障になるわけでございますので、今後さらに不正防止のために万全の対策を進めてまいりたい、かように考える次第でございます。
○貝塚説明員 お答えいたします。
 この悪質な事件につきましては大蔵省も深刻に受けとめております。昨年の夏以来、これは生保、損保両方でございますが、たとえば生命保険につきましては、主契約に特約でつけますので、そのパーセンテージの高いものはチェックするように十分注意しております。それから損保でございますが、これは搭乗者傷害というのが一つの形態でございますので、いままで任意の一〇%でございました。その上一〇%を原則として特約で幾らでもつけられることになっておりましたが、昨年の十一月に制度改正いたしまして、入院の場合は一日一万五千円、通院の場合は一万円というふうに措置を講じておりますので、この効果はあらわれると思います。
 それから、今後どうするかでございますが、先生御指摘のように社会的な信認の話になりますので、近く大蔵大臣の諮問機関の保険審議会で、いわばこういうモラルリスク対策ということを審議していただく予定でございます。
 以上でございます。
○三井説明員 農協関係についてお答え申し上げます。
 農協共済につきましては、契約者が農協の組合員という関係もございまして、自動車事故に絡む多額な不正事件といったものは余り発生いたしておりませんが、御指摘のとおり交通事故を偽装した共済金の不正請求事件が一部に発生していることは事実でございます。このような不正請求や契約上のモラルリスクを未然に防止するということは農協共済事業におきましてもきわめて重要な問題でございますので、今後こういったものの発生防止に真剣に取り組まなければならないと考えております。
 具体的な内容といたしましては、契約時の対策といたしまして、いわゆる飛び込み契約や高額契約に対しまして特に慎重に対処いたし、重複契約などの問題の面からこういうことの対策を考えてまいりたいと思っております。
 それから、事故時の対策といたしましては、特に初めの段階におきます調査の徹底ということがこの種の処理上大変重要でございますので、今後とも適正迅速な処理というところで、必要な要員の確保なり教育の効果というようなことも考えまして具体的に対策を研究してまいりたいと考えております。
 なお、全般といたしまして農協組合員の理解、協力ということがこの防止のためにも大変重要でございますので、その種のPRの面も今後さらに努力をいたしてまいりたいと考えております。
○宮垣説明員 お答え申し上げます。
 簡易保険におきましてもこうした詐取事件が急増しておりますことは御指摘のとおりでございまして、こういうことが続きますと、簡易保険の事業収支に影響を及ぼしますほか、善良な加入者にも御迷惑をおかけすることになります。さらに、国営の簡易保険事業に対する社会的な不信といったようなことも招きかねませんので、非常に遺憾に存じております。
 それで今後の対策でございますが、従来からこうしたことに対しましては、まず保険契約の申し込みがある場合に、高額の場合につきましては、それが超過契約になっていないかどうかということを厳重に審査する。次に保険金の請求という時点でございますが、契約後間もない期間に保険金の支払い請求というものがございました場合には、郵便局においてその場で支払うということではなくて、関係書類を地方保険局というところに送りまして、そこで厳重に審査した上支払う。さらに、そういった郵便局、地方保険局といった取扱局で犯罪の疑いがあるというようなことを発見した場合には速やかに郵政監察局に通報するというようなことをしておりますが、今後におきましてもこうした取り扱いを一層厳格にいたしますとともに、こうした事案を分析するなどいたしまして、適応の対策というものを検討いたしまして、この種犯罪の防止に努めてまいりたいと思っております。
○青山委員 時間が過ぎましたので質問を終わりますが、提出を求めておきました資料につきまして御配慮をお願いしたいと思います。四月上旬くらいまでに資料をお願いしたいと思います。
○有島委員長 次に、寺前巖君。
○寺前委員 交通事故によるところの死傷者は若干の減少はあったとはいっても、去年一年間を振り返ってみても八千七百八十三人の人が亡くなる、六十万人からの人が交通事故に遭っているという事態はやはり見逃すことのできない大切な問題だと思います。事故が起こらないように防止対策を進める一方で、結果として事故に遭った人に対する、その被害者本人並びにその家族に対する救済対策というのもまたきわめて重要な課題だというふうに言わなければならないと思います。交通事故によって一家の主柱である父親を亡くしたり母親を亡くしたり、家庭が崩壊し、貧困に突き落とされるという事態は依然として枚挙にいとまがありません。
 そこで、私はきょうはちょっと違った角度からこの問題について聞きたいと思うのです。
 自動車交通事故死のうちで、自損事故扱いとされた人というのは一体どのぐらいあるものだろうか。警察に聞くのが本筋かもしれませんが、保険をやっておられる角度からどういう認識をしておられるのかお聞きをしたいと思います。
○梶原政府委員 私どもの調査によりますと、昭和五十二年の死亡事故について見ますと、自損事故による死亡事故件数は二千三百三件、全死亡事故件数八千四百八十七件のうちで二七%を占めております。
○寺前委員 かなりが自損事故扱いになっているわけですが、自賠責保険に対して結果として自損事故になった人というのはこの中でどれだけおるんだろうか、どういう意味で自損事故扱いになって却下をされるという結果になったんだろうか、お聞きをしたいと思います。
○梶原政府委員 自損事故として却下いたしましたものについて必ずしも正確な数字を把握できていないわけでございますが、加害者に自賠責、自賠法上の損害賠償責任が発生しないものとして却下されましたいわゆる無責事案といたしましては、昭和五十二年度において三千三百二十三件、全自賠責保険金請求事案六十五万九千七百二十一件のうちの〇・五%でございます。
○寺前委員 それにしても、向こうから車が来て、それを避けてがけから落ちたとか電柱に当たったとか、自分ではあるいは関係者ではそう思いながら、客観的にそういう扱いを受けなかったということで泣かされている人がかなりおると思うのです。
 それでは、こういう自賠責の保険の却下を受けた人でどの程度の人が任意保険で救われているのだろうか。どういうふうにお考えになっていますか。
○梶原政府委員 自損事故の場合に任意保険が支給されることとなるわけでございますが、任意保険の付保率は昭和五十二年度の実績で見ますと五三・三%でございます。
○寺前委員 そうすると、先ほどの数から見ても半分近くの人が任意保険にも入っていないとするならば、亡くなった人で毎年千人、二千人という人が何の補償もないままに過ごさなければならないという事態が生まれている。私は深刻だと思うのです。そこで、いまの保険制度の中において残された家族のことを考えるならば、強制保険の自賠責保険でもこういう自損事故は対象にしないという現行の法律をそのままに置いておいていいのだろうか、検討を要すべき課題ではないかと私は思うのですが、運輸省当局はどういうふうにお考えになっていますか。
○梶原政府委員 現在の自賠責保険は、自動車事故の加害者が被害者に対して負う損害賠償責任を担保するものでございますので、自損事故をその対象といたしますことは現行の法制度のもとではできないわけでございます。御指摘の自損事故につきましても、保険金の支払いが行われるように制度を改めることにつきましては、御指摘のとおり自損事故の遺族の方々が生活に困られるといった生活保障の点から考えまして一つの検討課題であるとは考えるわけでございますが、自己の責めにのみ帰する事故によって生じた自分自身の損害に備える保険の付保を法律で強制までする必要があるのかどうか、そのために必要となる財源の確保が可能であるかどうか、こうしたいろいろの問題がございまして、現行の自賠責制度の根幹にも触れるわけでございますので、今後慎重に検討してまいりたい、かように考えでおる次第でございます。
○寺前委員 私は、いま、交通事故の死傷者のうち、亡くなった方の後の問題としてお聞きをしましたが、亡くなった方だけではなくて傷つかれた方々もたくさんおられるわけです。またそれが非常に多いと思います。これらの問題についても検討すべきことはたくさんあると思いますが、時間の関係で一つだけ聞いておきたいのは、病院へ入るあるいは家でいやしておるという人の中に重度の後遺障害者もたくさんおられるわけです。こういう重度の後遺障害者に対して付き添い看護というのがどうしても必要な課題になってくるわけです。ところが、付き添いということになってくるそういう問題に対して、本年度予算の中で救済対策を講ずるということが検討されたようでありますけれども、実際の執行に当たっては、自分で移動できない、自分で食事がとれない、ふん尿失禁状態にある、目は物を追うが認識できない、意思の疎通ができない、声は出るが意味のある言葉はしゃべれない、こういう六項目を全部満たすことでなければこの介護の対象、援助をすることができないという方針をとっておられるように聞いているわけです。これでは全体の中のほんの一部分の人しか介護のめんどうを保険の中で見られないということになるのではないか、もっと緩和するような措置を講ずべきではないのか、あるいは家庭におけるところの介護というのが家庭生活をがたがたにしてしまう要素もあるので、これについても検討すべきではないのか。私はいずれにしても本当に、交通事故で被害を結果として受けた人に対する対策というのはもっと検討を要するように思うのですが、見解を聞かせていただきたいと思います。
○梶原政府委員 交通事故によります重度の意識障害者、いわゆる植物人間の方々の介護が非常に大変でございまして、家庭の破壊にまでつながっておるような状態でございます。政府におきましては、こうした事態に対応するために五十四年度から新たに自動車事故対策センターにおきまして日額三千円の介護料を支給することといたしまして、それに必要な経費として自賠特会で三億三千七百万の予算を計上しておるところでございます。この支給対象者の要件といたしまして、先生いま御指摘のとおり、自力で移動できない、自力で摂食ができない、屎尿失禁、意思の疎通が困難である等々六項目の要件を私ども考えておるわけでございますが、後遺障害者の中で特にこのような状態にある方の救済がきわめて緊要であるという考え方からこの六項目を掲げておるわけでございまして、その他寝たきり状態にある方々の救済につきましては今後の検討課題として考えてまいりたい、かように考える次第でございます。
 また、家族の介護の場合に介護料を支給することの是非の問題がございますが、現在、こうした五十四年度から実施いたします重度後遺障害者に対する介護補助の細目を詰めつつある段階でございまして、今後検討してまいりたい、かように考える次第でございます。
○寺前委員 今後検討をされるので結構なんですが、少なくとも、ことしから出発をされるところの介護手当なのですから、病院に入っている場合だけじゃなくして、御家庭の問題もことしから出発するように検討はできないものなのでしょうか。
○梶原政府委員 先ほどの御答弁を繰り返すことになるわけでございますが、現在細目を検討中でございますので、鋭意検討をいたしたい、かように考える次第でございます。
○寺前委員 私はこの件について大臣に重ねてお願いをしたいと思うのです。
 自損事故で自賠責保険の適用を受けることができないという現行の法制のもとにおいて、すでにアメリカではノーフォールト保険ということで、本人の過失、無過失を問わず保険が適用されるという事態まで進んでいるわけです。それから、いまのお話にしても、せっかくことしから病院の対策が始まる。介護は、もっと多くの人たちがめんどうを見られるように改善を将来検討したいとおっしゃいました。しかし、家庭の問題も同時進行の問題です。私は、交通事故の結果におけるところの被害が広範な人であり、余りにもみじめな姿を見たときに、こういう問題について速やかに積極的に打って出るように、単に将来検討しましょうという段階ではなくして、早急に検討して改善をするようにやってほしい。大臣の決意をお聞きしたいと思います。
○森山国務大臣 介護料の問題は、五十四年度から初めて実施をすることは一歩前進であります。それをもう少し適用の仕方を手厚くやれ、こういうお話でございます。それから、自損事故について強制保険の適用をせよ、こういうお話で、それについては、先ほど自動車局長からなかなかむずかしいという御返事をいたしました。しかし、大事な事項でございますから、検討しますということだけこの段階はお答えしておきたいと思います。
○寺前委員 時間の都合もありますので、私は、もっと早急に積極的にやっていただきたいということを要望して、次に移りたいと思います。
 私は、国鉄が赤字で大変だあるいは日本の国家予算が大変な事態にあるということを知った上で、あえて問題を提起するわけですが、京都の北部の方から町に入ってくるというルートは、前からこの委員会でも発言をしているわけですが、山陰本線と国道九号線の二本しかない。そこに、いまや農村部から都市部にたくさんの人が仕事に来なければならなくなってきておる。ところが、この二本のルートが旧態依然であるものだから、たとえば国道九号線だったら二十分ぐらいで来れるところがいまや一時間半もかかるという事態が生まれているし、山陰線の場合であったならば、あふれるがごとき人の状態というのがこの既存の線にあるわけです。したがって、いずれの路線にしても抜本的な改善がとられないことには解決をすることができない、そういうふうな事態が続いているわけです。私は率直に言って、まずこの山陰線の複線電化をやってもらいたいという長年の要求に対して現実に解決をするという事態のめどについてお話を願いたいと思うわけです。
 まず国鉄当局にお聞きをいたします。
 五十四年中には山陰線の複線電化の住民の願いにこたえるように工事の認可申請を運輸省に出すという方向で、必ず詰めをやるのかどうか。そして、運輸省においても、それが出てきたならば当然すぐに検討して速やかにその工事ができる方向を準備するのかどうか。事前にいろいろ打ち合わせもされているというふうに思いますから、そこは一体どうなっているのか、めどを住民に明らかにしてほしい。
○半谷説明員 山陰本線の複線電化計画につきましては、いま先生御指摘のように、最近急速に輸送量の伸びが見られます。それで地元の府、市等からもこの山陰本線の複線電化につきましての御要望が非常に強いところでございます。私どもの方も、大阪圏と申しますか、関西圏と申しますか、そのいわゆる都市交通、都市通勤通学の対策というものをいろいろ検討しているわけでございますけれども、その中でこの山陰線問題も取り上げているわけでございます。地元では山陰本線の複線電化促進協議会というようなものができておりまして、そこからいろいろ専門的に調査されました結果なども私どもの方に届いておりまして、そういうものも参考にいたしまして、現在計画につきまして細部を詰めている段階でございます。したがいまして、この検討がまとまり次第、この大臣認可申請をいたしたいというふうに考えているわけでございます。
○寺前委員 私はもっと前からこの問題を提起しているのですが、五十四年度じゅうには工事認可を申請する段階まで運ぶということのめどを持っているのかどうか。そういう準備でこの問題の解決に当たっているのかどうかということがやはりいま一つの重要な課題になっている。そしてその認可がこの段階におりるならば、いつまでをめどにしてこの建設完了を考えられるのか。それがなかったならば本当に町づくりとしての、全体としての構想というのは立たない段階に来てしまっていますから、私は、国鉄の努力の方向というのをどこへ置いているのかということをはっきり言ってほしいわけです。五十四年度じゅうに工事認可の申請をやることができるのか。大体そのめどで準備を進めておるのか。それで進んだら、その次には大体何年ぐらいで工事をやるというめどを立てるのか。電化ということになったら電車基地が要るでしょう。片一方では、福知山線の複線電化というのはこれはもう認可がおりてやっている。五十七年ですか、をめどに置く。そうするとそれとの連結ということを考えてこの工事は進めていく、だから大体いつごろになる、大体そういうような展望というものを持たなかったら仕事にならない。住民の生活圏をつくる面からもこれは仕事にならないということになる、計画性がなくなる。私は、そういうめどを説明していただきたい、こう言っているのです。
○半谷説明員 山陰線複線電化の問題でございますが、これにつきましては現地、本社一体になりまして現在詰めを行っております。技術的な問題もいろいろあるわけでございますし、また工事費、工期、これらも技術的な問題を詰めた結果として出てくるわけでございます。それと、このような工事をする場合にはその地域との調整、踏切問題あるいは広場の問題、あるいは保津峡の名勝の地を通っている線路でございますからその辺の調整も要るわけでございまして、そういった問題、それから複線化した場合の輸送の問題等を詰めまして、総合して国鉄の意思を決定して大臣に申請するということでございまして、その詰めにも昨年からすでに入っておりまして、この申請する時期、意思決定する時期がそう遠い時期であるとは考えていないわけでございますが、いま御指摘のいつかという、時期について言えという点につきましてはもうしばらく御勘弁をいただきたいと思います。
 それから工事の期間でありますが、これはいま詰めている段階でありますが、私どもいまの地形等を見まして大体五ないし六年かかるのではないかという見込みをつけているわけでございます。
 なお、細部につきましては現在技術的に検討中でございます。
○寺前委員 建設省お見えですか。−九号線の方は一体どういうめどをつけてお仕事をされているのか、お聞きをしたい。
○山根政府委員 お答え申し上げます。
 一般国道九号につきましては、京都市内の一部を除きまして京都府下二車線、先生御指摘のように、日常活動に大変支障を来しているのが現状でございます。
 このために、京都市内から沓掛拡幅三・五キロメートル、老ノ坂−亀岡バイパス十・五キロメートル、亀岡バイパス五・二キロの事業計画が計画されておりまして、すでに沓掛拡幅につきましては昭和五十二年度から用地買収を促進しているところでございます。今後もこの沓掛拡幅につきましては昭和五十七年度完成を目途に事業を進めてまいる所存でございます。
 老ノ坂−亀岡バイパス及び亀岡バイパスにつきましては、すでに本年の一月十九日に都市計画決定がされております。したがいまして、今後の事業の円滑な推進が期待されるところでありますが、このうち老ノ坂−亀岡バイパスにつきましては日本道路公団による有料道路事業として五十四年度から事業に着手いたしたい。また亀岡バイパスにつきましては、この日本道路公団の有料区間の事業の進展に合わせまして整備を推進する予定でございます。私どもといたしましては、いずれも昭和六十年の供用を目途として推進してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○寺前委員 時間がもう迫ってまいりましたので、今度は南部の京都の姿について聞きたいと思います。
 昭和四十五年を基準とすると、五十二年で京都の南部の人口増というのはすごいものです。三万六千であった城陽市が六万七千と一・八七倍になっているし、宇治市は十万三千の人口であったものが十四万三千、一・三九倍とふえていっている。その後もどんどん都市造成がされていくわけです。
 ここに鉄軌道は国鉄と近鉄と二本の線が並んでいるわけです。ところが、この国鉄と近鉄が二本走っているのにもかかわらず、国鉄の方のお客さんは、たとえば城陽駅で見ると一日千九百人、すぐ横に走っている近鉄の寺田駅は一万一千三百三人、これが五十一年のときの姿であったわけです。かつては奈良電という電車で、がたがたになってしまって身売りをしなければならなかった線であったものが、いまでは国鉄と比較をすることのできないほどたくさんの人を乗せて走っている。調べてみると、朝の七時の時間帯における列車の本数は国鉄の方は二本しか走っていないで、料金は京都まで百七十円、時間にして三十三分。一方近鉄の方は同じ地域の寺田駅から同じ京都駅に行くわけだけれども、七時台だけで十一本走っている。夜も遅くまで走る。そうして準急を利用すると半分近くの時間、二十分で行けるし、料金も百六十円と安い。結局同じ二つの線があって、人口はどんどん増加しているのに、国鉄の線はこうやって乗客が減っている事態が生まれているというのは、明らかに不便であるし、明らかに料金が高い、これだけの違いです。こうなってくると、国鉄が赤字だ、どうのこうの言っても、現実にそこに住んでいる住民にとってみると、あんな経営をやっておったらそれはあかんぜという話になるのは当然なのです。だから極端に言うと、あれはお役人さんが退職後私鉄に就職をしたいために国鉄をあのまま悪い状態にやってサービスしておるんじゃ、こういう悪口を言う人まで出てくる始末になるわけです。私は、これだけの大人口増加地域において、現在のままに単線でディーゼルを走らせておるという姿では改善されないだろう。速やかに改善をすることが必要になってくる。一体どういうふうにお考えになっているのだろうか。
 一方、この地域に似たところでありますが、今度は片町線という線が大阪から来る。いま、四条畷から長尾というところまで複線電化をするということになってきているわけですが、この地域もまた新しい増加地域にいまやなりつつある。そこには同志社大学が移転するという計画も進んできている。そこで、いま何が起こっているかというと、新しい団地がふえてきているのだけれども、便利なのは長尾駅までだというので、自動車で長尾駅へ行く。そこの府道には百台からの自動車が並んでいる。長尾駅まで乗っていこう、こっちまでもう少し、田辺まで延ばしてくれぬのか一そうしないと道路も駐車場になってしまって迷惑を受ける。ここだって国鉄は投資をしたならば、決して赤字路線になるところではない。総合的に考えて、一体これは経営能力を疑うじゃないかという話が出ているわけですよ。私は、この際に国鉄が積極的に片町線についても奈良線にしても複線電化をもってもっと能率をよく、そしてこの地域住民に私鉄と同じように積極的な役割りをするように改善をすべき段階に来ていると思うけれども、どういう見解を持っておられるのか、聞かしていただきたい。
○森山国務大臣 いまのお話で、複線電化をせよという地元の御要望であります。しかし、率直に言いまして、後ほど事務方から説明があると思いますが、複線電化をしたから私鉄に比べて能率がよくなり、それから運賃も安くなるかといったら、私はそういうことはないと思います。今日、中小私鉄よりも能率がダウンしている国鉄の現状にこそ問題があるのでありますから、鋭意再建の方にいま努力をいたしておるわけでございますが、問題の根源は、一般私鉄さらに中小私鉄よりも能率の悪い国鉄というところに問題があり、その問題は国鉄だけの努力をもってしてもいかんともしかたいという、いわゆる構造的欠損という問題を除きまして、国鉄の努力によって、特に労使関係の努力によって、減量経営を徹底的にやれるかやれないかというところに問題がかかっておるのです。だから、いまあなたのお話のように、複線電化すればより便利にもなり、運賃も安くなっていくという、そんな簡単な問題ではないと私は思います。そういう意味で、地元の問題としてそういうことを御要望されるということは、私もわからぬことはありません。これは皆、代議士は、お上で任命されて代議士になっているわけではありませんから、やはり地元の人にできるだけ便宜を計らうようにされるという気持ちは、私は理解いたしますが、だからといって、そういうことをしたから直ちによくなるというほど、しかく簡単なものではありませんし、それから今日の国鉄の経営の好ましからざる状況というものは、これは国鉄の経営改善、経営者も労働者もともに、私鉄と比べてみてこれだけ差があるのですから、その辺を考え直してやっていかなければいかぬという意味では、私も寺前委員に特にひとつ御協力をお願いしたい、こういうふうに考えております。
○寺前委員 もう時間が来ておるのであれですけれども、総合的に経営問題は検討しなければならないということは事実ですから、それは別の機会に譲りたいと思います。
 ただ、現実に見せつけられている並行する二つの線があって、そしてその地域は人口増加をしていく、片方の私鉄はどんどんいっぱいの人で、運送が大変な事態が生まれている。国鉄はのろのろと、料金は高うて役に立たないという事態を放置しておるというのは一体何たる無能だ。これが住民の率直な見解になっているということを指摘しているわけです。だから、この問題についてはどういうふうに事務当局としては検討しておられるのかを説明いただいて、私は質問を終わります。
○森山国務大臣 私は、そういう場合に、そういうふうに慨嘆される点は、結論は同じなんですけれども、しかしその間に至る過程の問題で、要するに、仕事の種類で申しますれば、民間の私鉄であれば、ともかく三人でやっている。それを国鉄の場合は十人でやっている。だから、民間なら三人でやれることを十人にやらしておいて平気な経営者に問題があり、また、民間並みに三人にしようと言ったときに、いや、いままで十人だから承知できないというようなことを考える組合の方にもやはり問題があるのでありまして、そういう基本的なことをひとつよくお考え願って、地元のことですから、私も寺前さんの言うことにはできるだけ検討するにはやぶさかではないが、しかし、だからそれで片づくというふうな簡単なものではないということは、せっかくいい機会でございますから、あなたにお願いしておきます。
○寺前委員 それならそれはまた運輸委員会でやりましょう。それは経営上の問題の話だ。いまは交通の安全で言うておるのだから、その辺まで言ってもらったら困る。説明してください。
○半谷説明員 ただいま御指摘のありました奈良線、それから片町線の長尾から先、木津までのお話だと思います。
 御指摘のように、現在の国鉄線の輸送しております量というのは、近鉄線に比べると確かに少ないわけでございます。したがいまして、これは鶏と卵のような関係でありますけれども、これから沿線状況の発展というものが考えられておりますので、それらに合った対策を当然考えなければいけないと思うわけでございます。
 ただ、先ほどお話のございました関西一円を見ました場合に、一体国鉄としてどこから手をかけるかということがやはり一つの大きな判断基準でございまして、たとえば山陰本線の京都−園部という問題が先ほどお話があったわけでございますが、やはり山陰本線の現在の輸送状況、それから奈良線における輸送状況、片町線における輸送状況というものを見ますと、やはり順位としては山陰本線の方が高いということでございます。また、片町線につきましても、現在四条畷から長尾に至る間の複線化工事を工事中でございます。これも近く複線化ができ上がる予定でありますが、そのように状況によりまして国鉄も手を打っているわけでございますけれども、奈良線、片町線の長尾以遠につきましては、今後状況を見ながら手を打っていきたいという状況にあるということをお答え申し上げます。
○寺前委員 もう時間が来ましたので……。
○有島委員長 次に、伊藤公介君。
○伊藤(公)委員 戦後、増加の一途を見てまいりました交通事故が、いろいろ御報告をいただいた数字を拝見をさせていただきますと、昭和四十五年をピークにして減少をしている傾向が数字の上で示されておりまして、大変結構なことでありますし、その努力には大いに評価をさせていただきたい、敬意を表したいというふうに思います。
 しかし、そうした自動車による交通事故の減少の内容をいろいろ検討をさせていただきますと、最近の傾向として、たとえば歩行者あるいは自転車に乗っている方、こういう方の事故が非常にふえている。地方自治体によりましては通勤通学等で自転車の利用をできるだけしないようにというような通達をされている地域もありまして、これは地域の新聞にも、地方版には各地域で見られる傾向であります。従来、道路は人が歩くためにつくられたものであることは当然でありますけれども、交通体系が進めば進むほど電車が道路をずたずたに切ってつくられてまいりましたし、歩道は上を通ったりあるいは地下を通って歩かなければという傾向が続いていたわけであります。しかし、近年歩行者天国を初め道路をもう一度歩行者に取り返そうという市民の強い運動も少しずつ実り始めてきているわけであります。しかし、具体的に行政の中であるいは中央の政治の中でそうしたことに大胆にもう少し踏み込んでいく必要があるのではないかというふうに実は私は考えているわけであります。建設大臣の所信表明の中でも「特に弱い立場にある歩行者、自転車利用者を交通事故から守るための施設の整備に重点を置くこと」、こう述べられているわけでありますけれども、建設大臣のこうした基本的な問題を今後どうしていくかということをまずお尋ね申し上げたいと思います。
○渡海国務大臣 所信表明の中にも入れさしていただきましたが、自動車が非常にふえてまいりまして、そのために道路整備がこれに伴わなかったという姿があらわれてまいりました。これらを改善するためにも、既存の道路につきましては、歩道並びに自転車道、その区別をはっきりいたしまして交通安全を確保するとともに、新しいものに対しましては、バイパス等を利用いたしまして完全に離れた専用道路をつくるというふうな方向につく。またいま言われました都市地域あるいは商業中心地域等に対しましては住民の要望にこたえる。街路を整備しましたら、そこをすぐ自動車が通ってしまうというふうなことのないように、街路は整備できてもこれは自動車を入れないんだ、そのためには、自動車を回す道路は別につくっていくという姿によりまして、今後ともに総合的な見地から安全対策を進めてまいりたい、このように考えておるような次第でございます。
○伊藤(公)委員 それですと、具体的に私、大臣にお伺いをしたいのでありますが、いままで既存の道路に関してはいま申し上げたとおり鉄道が道路を突っ切ってかなり、東京なんかを見ますと道路を真っすぐに渡れなくて、特に通勤どきは電車に遮断をされて、渡ろうとするとまたこちらに電車が来る、今度はまたこちらに電車が来るという形で、ひどいところは三十分近くも遮断機が上がらないという地域もございますし、そうした道路づくりあるいは交通体系というものがずっと進められてきたわけであります。
 しからば大臣、そういうお考えであれば、全く新しくつくられている、たとえば東京で言えば多摩二ュータウンですね。これは当初は四十万以上の都市、今度は少し制限をして三十七、八万、周辺いずれにしても四十万から五十万都市になるわけでありますが、五十万を超える都市ですから、しかもそれが全く新しく、いま住宅公団等々で高層住宅を建てて新しい町づくりがされている。せめてそのニュータウンづくりの中では大臣、そういうお考えがあれば、道路とは完全に遮断をされて自転車で子供たちが通学ができる、しかもその学校はニュータウンの中にあるわけですから、学校には子供たちが車とは全然出会わずに行ける、あるいはすぐ近くに多摩川が隣接していますね、多摩川も奥多摩まで通っているわけでありますけれども、多摩川の自然まで子供たちが自転車道路で行けるとか、そのくらいな施策というものが私は当然必要だと思うのですよ。いままでの道路をいろいろ直していくということには手間もかかるし、時間もかかるし、いろいろな検討も必要なことは私よくわかりますけれども、少なくともいま住宅公団がやっている新しいタウンづくりに関しては、政府がそういうお考えを持っていらっしゃるなら、直ちにそのお考えをニュータウンづくりの中に移行してやっていけばできることですから、いま大臣の御答弁のように、どうもニュータウンづくりの中では行われていないような気が私はいたしますが、その実態と、ニュータウンづくりの中で具体的に道路というものが歩行者それから自転車という形が整備されているかどうか、ひとつお尋ねをいたしたいと思います。
○山根政府委員 お答え申し上げます。
 多摩ニュータウン、かなり広いエリアであります。私ども道路の計画を立案いたします場合には、通過交通を処理すると申しますか、あるコミュニティーの中にそのコミュニティーに用事のない車は原則として入れない、つまりバイパスをさせるといういわば通過幹線的な道路、それからそのニュータウンの中におきますいわば基幹的な道路、これはやはり商業活動あるいは住民の生活を支えていくためのいろいろな物資が必要でありますし、業務交通が発生をする。そういう交通を処理いたしますいわば幹線道路それから補助幹線道路、それからそれぞれのまた小学校区といったような単位におきます住区の中に入ってまいります補助幹線道路、それからその地区内の道路、いわば道路自身を体系的、機能的に計画をいたしましてそれに基づいて整備を進めてまいる。その場合にやはり自動車と徒歩交通、徒歩、自転車、これは分離することが実はたてまえでありまして、歩行者の専用道路のネットワークもあわせて考えていくというような構想のもとに実は道路系の計画を立案をいたしておりまして、多摩ニュータウンの中もそういう基本的な考え方のもとに現在事業が進められているというぐあいな状況にあると考えております。
 問題は、先生先ほど御指摘いただきました中で、鉄道と道路との交差の問題がございます。これは一般論でございますが、先ほど御指摘になったような点については、鉄道の高架化事業というものを道路整備の一環として実は逐次整備を進めてまいっておるところでございます。つまり鉄道と道路とが平面交差で大変密度濃く交差をしておるというところにつきましては、個々の道路が鉄道を越える立体交差をするよりは、鉄道の方を高架化することによって地域の接続を図るという観点からの高架化事業を進めているということでございます。
 それからなお、自転車道の問題が出たわけでございますが、多摩川という自然で、それぞれの地方公共団体で個別的に自転車道がつくられております。これは実はいま全国的に各都道府県で一カ所ずつ原則として大規模自転車道をつくる、逐次、それが終わりましたら手がけていく、こういうことをやっておるわけでありますが、現在東京都下につきましては多摩湖の自転車道をやっておりますというような関係がございまして、多摩川に接続するような自転車道につきましては今後検討をしてまいりたい、かように考えております。
○伊藤(公)委員 お話はよくわかりますけれども、新しい町づくりの中ではそれは多少予算もかかりますよ。かかりますけれども、やはり四十万、五十万という新しい町をつくるときに、将来のことをきちっと見込んで、自転車のための道路、そして車のための道路というものをきちっと整備をしていく必要がいまある。いまそれをやっておきませんと、五十万の人口があのニュータウンの中に入ってしまってからまた自転車の事故が多い――私が当初申し上げたとおり、自転車の事故というものは都市においては非常に多いのです。ですから、歩行者と自転車の道路というものをきちっと整備するということが、皆さんがいま努力をされているような、交通事故をもっと減少させていくという大きな目的に向かっていくときにはどうしてもやらなければならない問題です。しかもいまこれだけのニュータウンの中では、たとえば子供たちか学校に行く、あるいは学校から帰る、その間にそういう危険性というのは非常にあるわけですから、その整備をすることだけによって、少なくとも五十万の新しい町づくりの中ではそういう問題を少しでも解消することができるわけです。ですからいま私がお尋ねしたわけで、ニュータウンの中にそれではきちっとした自転車道路というものがどのくらいどういう形でいまできていますか。もしおわかりになれば、おわかりになる範囲内でひとつお答えをいただいて、そしていまもしあれでしたらひとつそういうことを早急に検討していただいて、ニュータウンはいまどんどんつくられていてまだまだこれからという段階ですから、多摩ニュータウンだけの問題でなく、こうした大規模なニュータウンづくりを当然これからしていくわけでありますから、特に大平総理お話しのとおり、田園都市構想といって、地方のそうした町づくりをしていこうというときですから、その中にきちっとした交通体系というものを、いま中央と地方というものはきちっと意思の疎通を図ってやっていくべきだと私は思っているわけですが、できる範囲内でひとつお答えをいただきたいと思います。
○小林(幸)政府委員 多摩ニュータウンの中の自転車道の計画につきましては、いま手元に資料がございませんので、詳細計画がございましたら調べまして、後ほどまたお届けしたいと思いますが、ただ、自転車道を通学その他の問題からニュータウンの中で整備していくという方向につきましては、全く先生の御意見のとおりだと思います。この辺につきましては、地元の東京都あるいは多摩市その他の市、それから住宅公団等々、今後十分意見も聞きまして、相談をしまして、いまおっしゃるような方向につきまして検討を進めていきたいというふうに考えます。
○伊藤(公)委員 詳細はぜひそれぞれの関連のお役所の皆さんが連携をとってひとつお進めをいただきたいと思いますし、そうした道路整備とあわせて、たとえばそうした新しい大きな町づくりをする場合には、車いすでも歩ける町づくりということをいま町づくりをする最初のときにやっておく、後から段差を直したりいろいろなことをすることは大変でありますから、そういう細かな配慮をしていただいて、そして町づくりのすみずみにそうした温かい配慮をぜひやっていただきたい。えらいとっぴなことを申し上げるようでありますが、私どものこの国会でさえ、参議院は八代英太さんという方が当選をされて、車いすで全国の方々が傍聴に来られても一応入れるようになりましたね。参議院は御承知のとおり二百五十二名いて、なかなか改善ができないで、しかも気がつかないできたことが、たった一人の人がそういう発想とそして行動によって、長い伝統のある国会の中にそうした一つの歴然とした事実をつくり上げていく、そういうことを私たちの身の回りから、あるいは皆様方がニュータウンづくりをしていくときにそうした温かい配慮というものをやっておく。いまは少し予算がかかっても、そのことは結果的には安上がりな非常に効率的な町づくりをすることになると思いますので、ニュータウン等々の町づくりに関しては、特にそうした配慮をいただいてお進めいただきたい、こういうふうに思います。
 私は、特に東京の交通の問題についてもう一、二点お尋ねをいたしたいと思います。
 大平総理は施政方針演説で田園都市構想というのを打ち上げられました。「田園の持つ豊かな自然、潤いのある人間関係とを結合させ、健康でゆとりのある田園都市づくり」、こういう大変美しい言葉で田園都市構想を打ち上げられたわけでありますが、大平総理のその田園都市構想が打ち上げられた直後、次々と新聞に経団連等々の注文、あるいは解説が出ておりました。そうした問題をずっと拾ってみますと、田園都市構想については各省非常にばらばらだ、あるいは田園都市構想では歴代の内閣がいろいろな計画をしたけれども、いずれもどこかに消えてしまった、これは経団連の土光会長以下こうした発言もしているわけであります。
 そこで、この調査費は三億円現実にはついているわけでありますが、特に東京の町づくりの点で、昨年の三月、東京を二分する多摩地域――東京の二十三区は、御承知のとおり山手線で新宿から乗れば五十五分、最近は国鉄の助役さんが言うようにどうも五十五分じゃないようでありますが、計算どおりいけば、五十五分たてばまたもとのところに戻るという連環都市になっているわけです。そこですでにいま東京の人口の四分の一、しかもどんどんと東京都心の歴史のある大学あるいは人口が多摩地域に移転をして、いま申し上げたニュータウンを初め、三多摩地域の人口は急増しているわけであります。しかもいま非常な開発が進んでいる。三多摩の町づくり、都市交通というものは、いまくさびを打ち込んでおかなければ大変な状況になる、私はこう考えているわけでありますい
 そこで、当委員会で私がその質問をいたしましたときに、「立川跡地も含めました多摩地域全体の総合計画の中でどのような交通体系が望ましいかという方向を検討してまいりたい」、こう政府は答弁しているわけでありますが、それから一年がたちました。どのような検討をされたのか。三多摩の新しい交通体系、すべて交通体系は東西でありまして、南北の交通は十年一日、少しも変わっていない。きのうあたりはちょうどお彼岸でありますから、墓地のあるところはどこもみんな二時間くらいの渋滞、これはきのうだけではなくて、私も一例を申し上げましたけれども、鶴川街道、鎌倉街道という非常に歴史のある通りでありますが、ここはわずか五、六百メートルですが、国鉄の矢野口という駅のそばの橋を渡るのに一時間かかるのです。いま御答弁をいただいた多摩ニュータウンの道路を振り分けるという問題、通り過ぎる車のための尾根幹線ですね、調布の方の甲州街道からずっと抜けて橋本の方に抜けていこうという計画でありますけれども、しかしこれは少しも進んでいない。尾根幹線は一体どうなっているのですか、少しも進んでいないでしょう。多摩川の住民との話し合いがどうだこうだといって少しも進んでいない。ですから、毎日わずか五、六百メートルのところを一時間以上かけて、車はびっしりとまったまま動かない、そういう状況にいまなっているわけであります。私は一年間政府のその姿勢を待ち続けてきたわけでありますが、どのような御検討をしていただいたのか。東京の四分の一の人口、まだどんどん人口がふえていく多摩地域の交通体系をどのように具体的に考えているか御答弁をいただきたいと思います。
○平野説明員 多摩地域につきましては首都圏近郊整備地帯の整備計画の中におきまして立川、八王子を中心といたしました地区を核として商業、業務、文化、教育等の機能を導入する、それを充実していくという方向で検討することにいたしておりますし、また地域内の都市相互間を有機的に連絡する総合的な交通網の整備とあわせまして、緑地空間の体系的な整備が必要と考えております。この意味におきまして、先生御指摘のように国土庁といたしましても昨年度から建設省とともに国土総合開発事業調整費をもちまして調査を進めておりまして、この中で多摩地域の将来像と地域整備のマスタープランを検討している段階でございます。現在まだその報告は受けていない段階でございますが、その検討結果を待ちまして多摩地域の総合的な整備の方向を明らかにしてまいりたいというふうに考えております。
○伊藤(公)委員 時間がありませんから、私大急ぎで質問させていただきます。
 三多摩地域を、いま申し上げたように二十三区は山手線で連環都市構想、そこで三多摩二十六市五町一村、人口がふえている多摩地域はこれも連環都市構想にしてモノレールで結ぼう、こういう計画がいま各地方自治体の中で出ております。すでに立川市、八王子市では調査費をつけて、そして昭和公園が今度おかげさまで立川に一応決まりました。予算もつきました。天皇在位五十周年を記念して東京かいわいでは最大の国立公園ができる。そうすると施設ももちろん当然できるわけですから、二十三区からどんどん人口が移転をする。土曜日、日曜日は約三十万人の人たちが間違いなくこの昭和公園に行くだろうと言われているわけでありますが、そうすると、連環都市構想でモノレール構想をいま地方自治体では非常に推進をしてほしいという要望が出ておりますが、これについてはどのようなお考えを持っていらっしゃるか。前の福永運輸大臣は大変いい計画だから早急にこの研究に取り組んでみたい、こう言って答弁をされました。
 さらに、いま申し上げた連環都市構想のモノレール構想と同時に、立川に昭和公園をつくるときに、立川だけでは十分ではないから多摩弾薬庫の返還をしたらどうか。この間予算委員会で私これをやりました。山下防衛庁長官は、研究したい、そして関係のそれぞれの役所と相談をしたいという話がある。その後、これはもう建設省の方で、たとえば昭和公園にどうしても必要だ、研究をして東京都民の憩いの場、野外音楽堂等々、そうした国立の昭和公園をつくるときに、かつて三木内閣の時代に実は立川基地とこの多摩弾薬庫の返還をして、セットにして二眼レフにしてグリーンベルトにつないだ大規模の昭和公園にしようという構想が一時新聞に載ったことがあります。これはいま多摩弾薬庫を返還せよという住民の、ここは多摩市とか稲城市でありますけれども、市の方からすでに署名が上がっております。大臣のところにもあるいは届いているのではないかと思いますけれども、ぜひ多摩弾薬庫の返還をされて、八千人の――八千人といったって八千人が使っているわけじゃありませんけれども、横田基地にいる米軍の八千人の人たちのほとんど使われてないレジャーのために提供をするのか、五十万のニュータウンあるいは東京周辺のほとんどの人たちの昭和公園として活用をすることがいいかどうかひとつ政府の御判断をいただいて、建設大臣がそういう意向で話を進めていただければ、山下防衛庁長官はそういう要求があるなら、建設省で具体的にこういうことでこういう要求があるなら、防衛庁としても米軍に折衝をいたしましょう、恐らくこういうことですね。ですから向こうで、建設省の方は防衛庁が返還さえしてくれればそこで考えますよということではなくて、ひとつ昭和公園の問題が出てきていますから、具体的にこれをどのように活用していったらいいかということを――私この間調査に行ってきたのです。米軍の人たちみんな来ました、ほとんど使っていません、あいているわけですから、ひとつその辺も含めて御検討をいただきたいと思います。
○小林(幸)政府委員 モノレールでございますが、いまお話しのような構想が地元の自治体あるいは東京都に前々からございます。国土庁、建設省といたしましても、先ほど国土庁から御答弁申し上げました三多摩地域の総合交通体系の調査の中の重要な問題の一環というふうに認識しております。そこで、総合交通調査の取りまとめの結果を踏まえまして、できれば五十四年度に建設省におきまして具体的な調査に着手したいということで目下財政当局と折衝中でございます。
 それから弾薬庫の問題でございますが、ボールの投げ合いじゃないかというふうにおっしゃいましたが、私どもとしましては二眼レフ構想、これはいまだに捨てておるわけではございません。ただ日米政府間の問題でございますから、私どもの方としては前々からそういう構想で国土庁の方にもお願いをしておるわけでございまして、どうもまたおしかりをこうむるかもしれませんが、外交交渉の結果、これが返還されるということになりましたならば、建設省としましてはあれをぜひひとつ立川の基地跡と一体の国営公園というふうな方向で関係の省庁と折衝して進めてまいりたいというふうに現在でも考えておるところでございます。
○渡海国務大臣 ただいま返還されればということをちょっと言ったので、それは消極的じゃないかという御意見が起きるのじゃないか、こう思いますけれども、これは防衛庁並びに外務省が責任を持って向こうと当たっていただいておるという問題でありますから、直接私たちが申し上げる問題でない。しかしながら、防衛庁自身がすでに二回ほどもう具体的に交渉をしておられると聞いております。その中におきましてこういう計画を立てた方がよかろうという向こうからの要求がありましたら、いつでもそれに応じて外交交渉に当たります資料その他は提供いたしますということです。
 それともう一つあるのです。返ってまいりますから、国有財産ですから、大蔵省の方ではっきりとその利用計画も立てていただくということもございますので、それらをあわせまして政府部内において積極的に進めていくように私事務当局に指示いたしまして、そのような方向で進んでおるということだけを追加して答弁させていただきます。
○伊藤(公)委員 どうもありがとうございました。
○有島委員長 次回は、公報でお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十八分散会